第162回国会 厚生労働委員会 第21号
平成十七年五月十九日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     下田 敦子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                水落 敏栄君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                下田 敦子君
                柳澤 光美君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      堀田  繁君
       内閣府規制改革
       ・民間開放推進
       室長       田中 孝文君
       総務省自治税務
       局長       板倉 敏和君
       外務省アジア大
       洋州局長    佐々江賢一郎君
       財務省主計局次
       長        杉本 和行君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   恒川 謙司君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伍藤 忠春君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    塩田 幸雄君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省政策
       統括官      井口 直樹君
       国土交通省自動
       車交通局長    金澤  悟君
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  本日の会議に付した案件
○委員派遣承認要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○理事の辞任及び補欠選任の件
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○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君が選任されました。
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○委員長(岸宏一君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護保険法等の一部を改正する法律案につき、現地において意見を聴取するため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岸宏一君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長中村秀一君外十三名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岸宏一君) 次に、介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。
 介護保険制度スタート前には果たして大丈夫だろうかというような心配がなされておったんですが、施行五年を経て、それなりに国民の中にはこの介護保険の制度に期待をし、信頼も得てきた部分もあろうかと思います。要支援、要介護一の軽度の方たちの給付が予想を超えて大幅に上回ったと、ここのところについてはより自立度を高める予防給付を新たに導入して、その辺適正なものになるようにしようということが今回改正の大きな一つの柱になっておりますが、私は、この介護保険の施行の中で、要介護認定の事務に非常に問題があったのではないかというふうに考えております。特に、その基礎になりますところの認定調査、申請につきまして、これを民間業者にかなり委託をしていたと、しかも担当の業者に自分の顧客の調査をさせるというようなことが広く行われていたと、このようなことでは適正な介護の認定がそもそも初めから期待できないという問題が起こるわけでありまして、何よりもこの点についての見直し、改善策が大事であろうと思います。
 この点についてどうしようとしているのかということと、それが本当に担保できることになるように実効性をどう確保するかということについてのお考えを聞かせてください。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 要介護認定の調査につきましては、委員御指摘のとおり、市町村の事務の負担の軽減の観点から、現在、指定居宅介護支援事業者又は介護保険施設に委託することができることとされております。
 御指摘のような事業者による過度の掘り起こしも指摘されていることから、今回、認定調査の公正性、中立性の確保の観点から、新規の要介護認定申請に係る認定調査は原則として市町村が行うこととするなどの見直しを行うこととしております。
 原則としてと申しますのは、正にそのとおりでございまして、認定調査は市町村の基本的には仕事でございますので、少なくとも新規申請に係る認定調査については市町村にやっていただきたいということでございますが、業務効率化の観点から、例外として公益的な事務受託法人に委託することも可能といたしております。
 この点につきましては、特に市町村側からの御要望が強いことから、この公益的な事務受託法人につきましては介護保険法に新たに位置付けると、こういうことでやっておりますが、基本としては、繰り返し申し上げておりますとおり、市町村の実施を原則といたしております。
 それから、更新申請について、認定調査については従来どおり指定居宅介護支援事業者などに委託できるわけですが、その中でも不正や不適切な調査を行った事業者などに対しましては委託することができないと、こういう措置をとりたいと思っており、市町村がきちんと認定調査をしていただくことの実効性が担保されるようにしたいと考えております。
○坂本由紀子君 先日のこの審議の際に、同僚の西島委員から出された資料にも付いておりましたが、福祉用具の貸与に関連いたしまして、必要な人に必要な機器が貸与されていたかというと、必ずしもそうでない事例が見られたと。
 この福祉用具の導入につきまして、導入に当たってどのような人に相談しているかというようなことを聞いておるんですが、四人に一人は本人や家族以外には相談をしていないと。つまり、希望すればそれをそのまま認めたというようなものでありますとか、あるいは相談をするにしても、その相談の六割が福祉用具の事業者であるとか介護支援の専門員であったというようなものがありまして、この結果として、必ずしも必要性が認められないような軽い人たちに特殊寝台であるとか車いすが貸与されて、結果として自立の機能を損なわせてしまったというようなことも見られるわけであります。
 このような福祉用具の貸与に当たっても、きちっとプランの中に位置付けて、それが必要かどうかというようなことを専門家のしっかりとした検証を得て位置付けるということが大事だと考えますが、こういうケアマネジメントの適正化についてどういうふうにお考えになっているか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(中村秀一君) 福祉用具の貸与の事業でございますが、これは介護保険制度の中で給付として位置付けられまして、この五年間の中でも大変に大きく伸びた給付の一つでございます。
 利用者の状態に合った福祉用具が適切に選定されて利用されることは利用者の自立支援に不可欠であると、こういうふうに考えておりますけれども、先日の西島委員からの御指摘もありましたように、ややもすると不適切な利用のされ方もあるんではないかということが指摘されているところでございます。
 こうした観点から、ケアマネジャーがケアプランに福祉用具を位置付ける場合のガイドラインを昨年六月に策定し、周知していたところであり、利用の適正化にも取り組んでいるところでございます。
 このガイドラインが出されましてから福祉用具の使われ方も多少変化が見られる、統計的にも変化が見られるところでございますが、今回の見直しでは、福祉用具の提供する場合のやり方について、作業療法士、理学療法士などの専門家が通所リハビリテーションなどと組み合わせて福祉用具の使用方法を指導するなど、今、どなたに御相談したらいいのか、専門家のアドバイスが受けられないと、こういう問題もあるようでございますので、そういった点に配慮いたしまして利用の適正化に取り組むこととしたいと思っております。
○坂本由紀子君 そのような、これまで起こったような必ずしも適切でない、言ってみれば過剰なサービスを解消するためには、情報の開示であるとか、あるいは事業者に対する適切な指導というのが必要だろうと思います。
 今回、そのような規定の整備を行うということになっていて、これはこれで結構なんですが、社会保険庁の保険料の徴収に当たって、強制徴収の規定があるにもかかわらず、実際にはそういうものは全く使われないできていたというように、規定を整備する、制度を整えても、必ずしもそれがちゃんとそのとおりには行われてこなかったというのがこれまで往々にしてあったことではないかと。
 今回も、規定ができたからそれで安心というのではなくて、本当にそういうものがしっかり使われて制度本来の機能が保たれることになるようなフォローが国としてもきちんと行われることが大事ではないかと思います。
 この点についての決意をお聞かせください。
○政府参考人(中村秀一君) おっしゃるとおり、規定があるからすべて大丈夫ということではないと思います。
 それから、現場の方も悩んでおられまして、先ほどちょっと御紹介いたしました福祉用具の適正な使用のための判断基準、これは、いろいろな福祉用具の使われ方を集めまして分析をし、例えば要支援や要介護一の方でこういう使われ方というのはやっぱりおかしいんではないかという事例なども御紹介したもので、ケアマネジャーさんたちが使える材料になっております。昨年の五月にこの判断基準が公開されましたところ、それまで前二年間は福祉用具の費用は月に三%ずつ増加しておりましたけれども、この判断基準が公開されましてから福祉用具の費用の増加率は月平均一・五%ということで半減をいたしております。
 現場でも実際使えるガイドラインを求められていると、こういうことではないかと思いますので、私どもも、単にこう規制を置くということではなく、現場で活用していただける適切なガイドラインというものの作成、そういったものについての根拠、そういったことを明らかにしてまいりたいと思っておりますので、今回の見直しでもそういう方向で仕事をしてまいりたいと思います。
○坂本由紀子君 この介護保険の事務は各市町村にわたるわけですし、各都道府県ごとの数値を見ても非常にばらつきが多い。たまたま熱心な職員がいるところは適正に行われているとかいうような問題が多々見られるわけでありますので、そういう各都道府県、市町村にわたってきめ細かく状況を見て適切な指導を引き続いてやっていくということが大変大事だろうと思いますので、その点についてのこれからの取組もしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、今般、介護の予防をしっかり重視するということで、必ずしも自立支援につながらない、むしろ自立を損なうような家事代行のようなものは今後認めないと、そして、できるだけ効率的な給付をするということになっておるんでありますが、これは衆議院でもいろいろ議論になっているかと思いますが、家事援助サービスについてであります。
 高齢者の問題、特に介護の問題で私は一番深刻なのは高齢女性ではないかと思います。平均寿命がかなり女性と男性の間では違いますし、一般的にこれまで日本では夫婦で見ると男性が二歳くらい年が上で、女性の方が若いです。そこに加えて、平均寿命が違っていますので、高齢期に女性が十年近く独り暮らしをすることになる。言ってみれば、連れ合いの介護をして、連れ合いをみとって、その後一人で生きていく。そうなったときに、最後の最後まで地域の中で暮せるように、できるだけ自分で自立して生活ができるようにということをみんなが望んでいるんだと思います。
 その際に、家事が自分でできるかどうかというのは人それぞれに事情が違うんだろうと思います。住んでいる地域であるとか、あるいは目に見えない体の痛みというようなこともあって、それで家事援助の必要性というのはそれぞれ違ってくるわけであります。特に、雪国であるとかあるいは坂道の多い地域に住んでいるというようなことになると、週に一回、二回の家事援助があるがゆえにその地域で暮らせるという女性も結構多いわけであります。
 そうすると、介護度が低くても、そういう援助をすることによって地域の中で自立して暮らせる。施設に入ればそれなりにまた高い経費が掛かるわけでありまして、本人の希望からいっても地域の中での生活というのが思いにかなっているわけでありまして、そういう意味で、そういう個別の事情を十分にしんしゃくして、必要な人にしっかりとした給付が行われるように。給付の抑制を優先する余りにそういう個別の事情に冷たい結果にならないようにということを是非お願いしたいと思うのですが、この点についてのお考えを大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきましたように、今回、私どもは予防ということを大変重視をしてこの見直しをいたしました。そうした中で、単に家事代行というようなことになりますと、逆に体を動かされない、利用なさる方が体を動かさないということになって状態を、介護を必要とするような状態を悪くするというようなことにもつながりかねませんので、そうしたことについてはできるだけ御自身で体を動かしてくださいというお願いをする、そういう制度にしたわけでございます。
 とはいえ、必要なサービスを今お話しのようにカットしてということを考えておるわけではございませんので、今回作りました新予防給付におきましても、今まで家事援助という言葉を使っておりましたが、今、生活援助という言葉にいたしました。その生活援助を一律にカットするものではございませんで、適切なケアマネジメントに基づく必要とされたサービスは提供をされる、これは当然のことでございます。
○坂本由紀子君 その辺の情報が必ずしもちゃんと伝わってないので、これまで利用できていたサービスが利用できなくなるのではないか、そうすると家で生活できなくなってしまうのではないかという心配が地域の女性たちに広がっているように感じております。是非、この点について、それぞれのところで、また運用にばらつきがないように、しっかりとした取組をしていただくことを重ねてお願いをいたします。
 次に、認知症の高齢者の問題について伺います。
 今後とも認知症の方は増えていくだろうと思います。これまで認知症については必ずしも正しい理解がなされていなかったのではないかと。つまり、認知症になると徘回をするとか、もう自分では何も分からないで周りだけが大変だとかいうような認知症についての過った偏見に基づいて取組が行われてきたところがあるのではないかと思うのであります。認知症についても、きめ細かな対応をすることによって認知症の進行を抑える、あるいはその認知症の方も徘回であるとか弄便だとかいうような症状を抑えて質の高い生活が送れるということが指摘をされているところであります。
 それに関連いたしまして、今回、地域の中で様々なサービスを提供できるようにということで地域密着型サービスが創設されたと、これは大変いいことだろうと思います。ただ、実際にどこまでそういうきちっとした予定されたサービスが提供されるようなことになるかどうかということはまた別の問題でありまして、そういう意味では、例えば小規模地域多機能施設というようなもの、こういうものが実際地域の中に設けられ、サービスが提供されるようになるためには、適切な報酬規定が策定されるというようなことも大事なことであろうと思います。
 そういう点についてどうお考えなのか、現段階での考え方を聞かせてください。
○政府参考人(中村秀一君) 認知症高齢者対応などの観点もございまして、できるだけ住み慣れた地域での高齢者の方々の生活を支えるため、身近な市町村で提供されることが適当なサービスの類型として地域密着型サービスということを今回御提案しているところでございます。
 委員からお話のありました小規模多機能型居宅介護はその地域密着型サービスのメニューになっておりますが、今考えておりますのは、介護が必要になっても住み慣れた自宅で生活が続けられるよう、利用者の方とそのサービス拠点の職員の方がなじみの関係を築く中で、通いを中心に、利用者の方々の御希望や状態に応じまして泊まりや訪問のサービスを提供するというような形を考えております。
 具体的に介護報酬をどう設定するかということになりますが、このような利用形態、サービス提供形態を考えますと、その利用者さんの状態や希望に応じて不定期に必要なケアが提供される仕組みでありますので、例えば一月当たりの定まった額、定額の報酬に出来高払でそれぞれの御要望にこたえる部分を加えていくというような方向が考えられるのではないかというふうに思っておりますが、十八年四月の施行に向けまして、介護報酬の設定について審議会でも御議論をしていただき、適切な費用で安定した事業運営が図れるように努めてまいりたいと考えております。
○坂本由紀子君 通所であるとかあるいはショートステイというのは結構受け入れる側からすると手間も掛かるということがありますので、そういう事情を十分しんしゃくして対応していただきたいと思います。
 次に、今回予防給付というのが手厚くされているわけですけれども、認知症について、その予防というか、症状の悪化を食い止めるという、あるいは進行を遅らせるというのもありますし、閉じこもりを予防する、あるいは大勢の人たちでリズム運動などをやることによって認知症の緩和についての効果があるのではないかというような例も出ておりまして、私の地元の静岡でも、スリーAというようなことで、その認知症の予防というような取組をしている例もございます。
 こういうのは今後事例を積み重ねて効果のほどを検証していくということも大事だろうと思いますけれども、認知症についてもそういう予防的措置の普及、開発普及という問題について今後とも積極的にお取り組みをいただきたいと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 予防という観点からは、認知症の場合は治療も含めましてまだまだ確立していない、様々な努力が続けられている状況でございます。そういった中で、各地で様々な取組が行われており、委員御指摘のあの静岡県のあの方の取組なども全国的にもよく知られているところでございます。
 現在言われておりますのは、認知症につきましても早期に発見し早期に対応することが非常に重要であるということで、特に主治医の方、かかりつけのお医者さんがその役割を担うというようなこともございますので、そういった段階からの対応が必要だと思います。
 委員の御指摘のありました予防につきましては、私どもも今回予防システムをつくるときに様々専門家からも御意見を聞いたところですが、認知症、うつ、閉じこもりなどの予防については、主として幅広い集団に対してサービスを実施することが現段階では有効なのではないかと、こういうふうに指摘されているところでございますので、今回御提案申し上げております地域支援事業における介護予防事業の中で今のような様々な取組が地域においても積極的になされることを期待しているところでございます。
○坂本由紀子君 次に、予防給付の中で、私は、口腔機能の向上というのを今回取り上げているのは、これはとてもいいことだろうと思います。それで、その際に歯科医師であるとか歯科衛生士等の専門家の関与も大事だろうと思いますので、この点について、是非こういう専門家の積極的な関与についてもこの点でのお取り組みをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 新しい予防サービスということで口腔機能の向上ということも効果があるとされており、新しいメニューに加えるというふうに考えておりますが、口腔機能の向上につきましては、単独のメニューとすることも考えられますが、既存のメニュー、通所サービスにおけるサービス要素とすることも可能であると、こういうふうに専門家からは言われております。
 いずれにしても、現在の介護保険制度におきましても、居宅療養管理などで歯科医師、歯科衛生士の方にお仕事をお願いしておりますし、介護予防につきましても様々な地域の方々と介護予防プランということも相談していくということになりますので、そういった際におきましても、歯科関係の専門の方々の御参加、御助言をお願いすることになると考えております。
○坂本由紀子君 最後に、この介護保険の対象者の範囲について、検討課題として附則で規定されていることについて最後にお伺いしたいと思います。
 介護については、年齢によって介護のその対象者を限定しているような制度を持っている国がほかの国にあるんだろうかという点について、私はそういうやり方をしているところはないのではないかと思うのであります。障害者についても、介護保険の介護サービスを利用することによって適切な介護が受けられるのであれば、障害者も対象とした介護の制度をつくることの方が、より資源の有効活用という点からも望ましいのではないかと思うのであります。
 この点については必ずしも意見の一致を見なかったので先送りになっているんですが、今後検討をするに当たっては、是非そういう広く国民全体を対象にしてこの介護保険制度で効率的に適切な介護のサービスが提供されることが望ましいんだという考え方に立ってこの問題についての検討をしていただきたいと思いまして、その点についてのお考えを聞かせてください。
○国務大臣(尾辻秀久君) この介護保険制度の被保険者、受給者の範囲につきましては、介護保険制度をつくるときから、そしてまた今回の見直しにおきましても大きな論点の一つでございます。この範囲の拡大ということについては、今お話しいただきましたように賛否両論ございまして、まだ国民の合意形成がなされたというふうには言えません。そこで、更に検討が必要であると考えておるところでございます。
 こうした状況でございますので、幅広く国民各層を代表する方の参画を求めた新たな検討の場を設けたいと思っております。そして、この被保険者、受給者の範囲について、障害者の介護を介護保険の対象とすることも含めまして、今お話しいただきましたけれども、そうしたことも含めまして社会保障制度全般に関する一体的な見直しの中で検討を行いまして、附則に述べてもおりますので、平成十八年度末までには結論を得たいと考えておるところでございます。
○坂本由紀子君 是非よろしくお願いいたします。
 介護保険については、必要な人に必要なサービスが提供されるということが大事であります。制度というのはどう運用されるかというところが第一義でありますので、この点についてしっかり踏まえ、そういう認識を持って今後とも適切な運用に当たっていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
○草川昭三君 公明党の草川です。
 超高齢化社会を迎えて国民の介護負担が大変重くなっている状況の中で、介護という問題を社会的に支える仕組みとして誕生したのは、言うまでもありませんけれども介護保険制度ですが、この五年間の経験の中で何を見直すべきか、また国民にとってよりよい介護システムというのはどのようなものか、そういうものが問われている今回の改正だと思います。しかし、一方、財政状況の深刻化を背景に、当面の財政対策優先の改正になりはしないかという国民の懸念のあることも事実だと思うんです。
 そこで、介護保険を始めとする社会保障制度改革の基本的な考え方、流れというものを一回検証してみたいと思うので、それが終わってから個別問題についてお伺いをしたいと思うんです。
 今日は、大変、杉本次長、お忙しいところを来ていただいて申し訳ございませんが、財政審の建議というのがあったわけです。これは、言うまでもありませんが、二〇〇四年の五月に、これは当時の財務大臣にあてて平成十七年度予算編成の基本的な考え方というのを建議したわけです。
 その中を拝見をいたしますと、今後の社会保障制度の改革に当たっては、年金、医療、介護等を総合的にとらえ、負担の総量の規制について明確な目標と時間軸を国民に明らかにして改革に取り組む必要があるとして、幾つかの提言があるわけです。
 この中で、介護保険に関しては、自己負担割合の二割から三割への引上げ、ホテルコスト、食費等を公的保険の給付対象から除外し、軽度の者については重度化の防止を重視し、給付を見直す。そしてまた一定額までの免責制度の導入等が言われているわけでありますが、この介護保険制度の実施状況、実績についてどのような認識に立ってこのような提言に至ったのか、いわゆる旧主計局の立場から、まあ現主計局の立場でございますけれども、どのような御判断を持ってみえるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) 草川委員御指摘のように、財政制度審議会からは、我が国の財政運営の在り方、それから十七年度予算編成に向けまして御提言をいただいております。
 その中で、社会保障につきましては、将来にわたり持続可能とするものということが一番重要でございまして、このためには将来世代が支え得る制度とすることが必要だと。そのため、中長期的な観点に立ちまして給付の効率化、重点化を図って経済、財政と整合的な制度を再構築することが必要である、そういう基本認識に立って御提言をいただいているものと考えております。
 具体的には、介護保険制度につきましては、給付費全体について見ますと、平成十二年の施行以降、介護の給付費が毎年一〇%を超えて伸びておりまして、十二年度三・二兆円でございましたが、十六年度には五・六兆円になっておりますし、国庫負担で見ましても、平成十二年度一・一兆円でございましたが、これが平成十六年度には一・八兆円となっておりまして、これを支えるための国民負担、保険料負担と税負担でございますが、これも急速に増大しているところでございます。また、今後につきましても給付費は大幅に増大しまして、二〇二五年には十九兆円になると見込まれておりまして、これに応じて国民の負担も増大していくことと見込まれております。したがいまして、介護保険制度の持続可能性を確保するためには、給付費を抑制いたしまして国民負担の増大を抑制することが急務となっております。
 また、介護保険制度の施行状況について見ますと、軽度の者については、認定者の数が急増していることに伴いまして在宅サービスの利用者も急増しておりまして、生活援助中心型がこの中でも大半を占めている、またさらに施設サービスと在宅サービスの利用者の負担の間にアンバランスがあると、こういう状況がございます。
 こうした点を踏まえまして、財政制度審議会からは、制度の持続性の確保の観点から給付の見直しの必要性が指摘されまして、軽度者に対する給付や施設給付に対する見直しについての提言が行われているというふうに考えております。
○草川昭三君 財政審の話をまず冒頭に聞きたかったんで、もう杉本さん結構でございますんで、この一問で財務省は御退席していただいて結構でございます。
 続いて、内閣府の方にお伺いをしたいわけですが、俗に言うところの、こういう問題を受けて骨太政策二〇〇四というのを昨年打ち出されたわけであります。あれは六月だったですか。それで、この財政審が取りまとめた経済財政運営と構造改革に関する基本方針で、いわゆる骨太方針の二〇〇四という中で介護保険制度改革や介護予防についての言及もあったわけです。
 この中では、給付費の急増を回避し、将来にわたって持続可能な制度となるよう、社会保障制度の総合的改革の観点に立って、平成十七年度に改革を行う。給付の実態を精査し、給付の重点化と効率化を図りつつ、制度創設以来の論議を踏まえ、以下の内容を中心とする改革を行う。これによって保険料負担の上昇を極力抑制するとした上で、一つ、軽度要介護者に対するサービスを効果ある介護予防に重点化する、二、在宅における認知症ケア、施設における個室・ユニット化等の推進、三、第三者評価の義務付け等のサービスの質の向上、四、在宅と施設の給付の不均衡の是正などの観点からホテルコストや食料費等の利用者負担の見直しが提言をされたわけです。
 さらに、健康・介護予防の推進ということもこの骨太政策の中にうたわれておるわけでありまして、この諮問会議で非常に重要なことを言われているわけでありますけれども、どういう結論に到達したのか、内閣府からお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堀田繁君) お答えいたします。
 経済財政諮問会議におきましては、御案内のように、経済活力を維持し、持続可能で、かつ公平かつ公正な社会保障制度を構築するといった観点で、年金、医療、それから介護等を一体としてとらえまして、経済、財政という視点を中心に議論を重ねておるところでございます。
 介護保険制度改革とかあるいは健康・介護予防の推進につきましても、昨年六月の基本方針二〇〇四の策定の前に、このような総合的、一体的な視点から、厚生労働大臣にも御出席いただきまして議論を行いました。
 具体的に申し上げますと、介護保険給付費の急増というものが見込まれますので、それに対する懸念が民間議員の間から示されまして、厚生労働大臣も交えまして御議論を行いました。
 その結果といたしまして、介護予防や健康増進の推進といったことで、自立支援型の制度に切替えを図るといったこと、それから年金との重複給付の調整を図るという観点から、ホテルコスト、食費を徴収するなど、給付の重点化、効率化を図り、保険料負担の上昇を極力抑制するといった点が共通の理解として入れられたということでございます。
 そういったことが、骨太の基本方針二〇〇四に盛り込まれたという経緯でございます。
○草川昭三君 骨太というのはまさしく骨太で、国の基本方針が今ここで決められていくわけでありますけれども、それに伴ってさらに、これは八月に、規制改革・民間開放推進会議というのがあるわけでありますが、ここの会議で、官製市場の民間による開放を行うべきではないだろうかと、民間主導の経済社会の実現という副題が付いた中間取りまとめが行われています。
 この中間取りまとめの中では、介護保険に関して、施設サービスと在宅サービスの一元化というのが打ち出されております。今も御説明がありましたように、ホテルコストの利用者負担、あるいは社会福祉法人への施設整備費補助の廃止、三番目にサービス内容にかかわる情報開示等が提唱されたわけであります。
 これらについては、介護保険制度の現状に対する大変重大な関心があるわけでございますが、どういう問題意識に立ってこの民間開放推進会議が中間取りまとめをしたのか、その間の経緯をこの際内閣府からお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(田中孝文君) お答え申し上げます。
 規制改革・民間開放推進会議の提言は、介護サービスへの国民のニーズが今後量的に増大するばかりでなく、その内容も多様化することが予想されるとの認識の下に、利用者が真に必要とするサービスを適切に選択できるような環境を整備していくことが重要との観点に立っています。
 こうした観点からすると、特養等一部の施設のホテルコストのみが介護保険給付の対象となっていることは、それら施設のみへの超過需要をもたらすなど、介護サービスの多様な供給という面から問題があります。利用者が多様な介護サービスを選択する際の中立性を確保する上でも、介護される場所にかかわりなく、同等のケアサービスには同等の保険給付、同等のコスト負担という考え方から、ホテルコストを利用者負担とすることを提言しております。
 同様に、施設整備費補助が社会福祉法人のみに行われていることは、他の介護サービス供給者と競争の公平という点から問題であり、多様な介護施設間の競争条件の公平化を通じた選択肢の拡大とサービスの充実という観点から、施設整備補助費の在り方を見直すよう提言しております。
 三番目に、介護サービス利用者による適正な選択を可能とするための情報開示の徹底を求めています。特に、居室の利用、保険給付対象のケアサービス、食事その他の日常生活サービスなど、費用の区分を明確にすること、中途解約で利用者が著しく不利になることがないよう、契約内容の明示を徹底することなどを提言してございます。
 以上でございます。
○草川昭三君 流れを聞いたわけですから、内閣府これで結構ですから、更問いはしませんから。
 そこで、厚生労働省に本題としてお伺いをしたいわけですが、今お聞きになったように、大きな流れという外堀がずっと埋まってきておるわけですね、まあ、そういう表現がいいかどうかは別でございますけれども。それで、財務省なり経済財政諮問会議あるいは規制改革・民間会議から今のような非常に厳しい目が向けられてきたわけですが、これらの会議に対して厚生労働省というのはどのように意見表明をしておみえになったのか、どの程度頑張っておみえになったのか、反論をしておみえになったのか、問題提起をしておみえになったのか、そこの点をまず基本的にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 様々な検討、審議会あるいは経済財政諮問会議、規制改革・民間開放推進会議等の御提言などの御紹介がありましたけれども、まず財政審議会に対しましては、財政審議会は財務省の審議会でございまして、私どもの社会保障審議会とある意味では同格だというふうに考えておりますので、財政審議会が財政全般の観点から御提言ありますように、私どもとしては、社会保障審議会介護給付費部会の中で介護保険制度の在り方としてどういうことがあるかということを審議し、昨年七月三十日なり十二月十日に意見書を取りまとめ、後の方は被保険者、受給者の範囲の拡大に関する意見書でございますが、言わばそれが財政審議会と対比されるという意味では厚生労働省の立場でございます。
 経済財政諮問会議や規制改革・民間開放推進会議等につきましては、それぞれの時期に大臣が出席を求められたり、様々なヒアリング、特に規制改革の関係では担当レベルでのヒアリング等々がございますけれども、それらの際に私どもの考え方ということは意見表明なりさせていただいたということでございます。
 そういうことで、今いろんな御提案がありましたけれども、結果としては、私どもの厚生労働省なりの回答としては、これはまあ最後には政府で認められて改正法案の提案になっているわけでございますので、それらの集積が今回の介護保険法等の見直しの御提案だということでございます。
○草川昭三君 私は、もう少し厚生労働省としては事前に、ほぼ並行的にいろんな問題提起をしながら、経済財政諮問会議等のニュースをキャッチして問題提起をすべきだと思うんです。
 事実、過日行われました経済財政諮問会議にも大臣からの提案が、発言というんですか、あった、その議事録も私どもは承知をしておりますから、やっておみえになっておると思うんでございますけれども、相当、その問題提起という意味ではピッチが速いなというような感じが率直に私はしておるので、あえて今のような質問をさせていただいたわけであります。
 それから、先月のこの二十七日の経済財政諮問会議の中にも出ておるわけでありますが、社会保障給付費の伸びを何らかのマクロ的指標を用いて管理、抑制すべきではないだろうかというようなことを、この経済財政諮問会議の有力な民間議員からそういう発言があるんですね。これはなかなか今後の問題点だと私は思うんですが、これに対して厚生労働省の見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 折に触れ申し上げておりますように、そしてまたマスコミでもよく報道されるわけでございますけれども、経済財政諮問会議におきまして厳しい議論が続いております。
 その議論の中身でございますが、もうよく御案内でございますから改めて申し上げるまでもないわけでありますが、まず、基本的に少子高齢化が急速に進展する、その中で社会保障を将来にわたって持続可能なものとしていくためには、今後大きく伸びていくことが予想されております、特に医療給付費がいつも中心になるわけでありますけれども、その医療給付費を中心に適正化に取り組む必要がある、このことは共通認識でございます。私どももその認識は十分にいたしております。
 ただ、その取組についてどういう方策を取るかということでかなり議論が分かれるところでございまして、今お述べいただきましたように、民間議員の皆さんを中心にして、何らかのマクロ経済指標によって社会保障給付費の伸びをコントロールするという考えが述べられるわけでございます。
 それに対して私どもは、いや、社会保障というのは必要なものは給付をしなきゃいけない、必要なサービスはしなきゃならないわけでありますから、基本的に必要なものを積み上げていくという考え方、その中で抑制を図らなきゃいけないんだということをいつも主張するわけでございます。そして、そのマクロ経済指標による伸びのコントロールということにつきましては、適切な指標があり得るだろうか、あるいは実行可能で適切な手法が現実にあるのだろうか、そういう調整を行った場合に国民の適切な受診や円滑な医療提供に支障を及ぼさないだろうか、こういったような課題がありますということを述べ、今、更に議論が続いておるところでございます。
○草川昭三君 その同じ席上で、民間から出ておみえになる方でありますからこれはなかなか有力な方ですが、高齢化修正GDPを指標とした管理ということを言ってみえるんです。私は、よく聞いてみないと高齢化修正GDPというのはどういう指標なのか私は分かりませんけれども、一つの重要な提言だということでこれは響いてくると思うんですね。
 この言葉についてもどのようなお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) その言っておられることは、私の理解しているところではこうでございます。単純にGDPの伸び、その伸びの中で社会保障費の伸びを合わせろと、最初はこういう御主張でございました。そんなことは少子高齢化がここまで進む中で絶対できっこないんじゃないですかと、余りにも現実的でないことをおっしゃっても、それやれと言われても、我々やれるわけないでしょうと、実はそういう反論をいたしました。しばらくそういうやり取りだったんですが、さすがにGDPの伸びの、そのまんま社会保障費の伸びを合わせろというのは無理があるかなというふうに御判断なさったんじゃないでしょうか。それで今おっしゃるようなことを最近は主張なさる方がおられるわけです。
 その方は、要するに、お年寄りの占める割合の伸び分ぐらいは更にGDPの伸びにプラスして、そこだけはプラスして、まあその伸びの中に抑えろと、ざっと言うとこういう考え方なんですが、ただ、このことを言われますと、実は単なる人口の伸びで見るということでありますから、そうしますと、お年寄りの医療費というのはざっと言いまして若い方の五倍掛かるわけです、一人五倍掛かる分を一人分で見てやろうと。まあ何か言っていることがよくお分かりいただけるかどうか分かりませんが、単純に数だけで一人分見るって言われても、五倍掛かるお年寄りの分を一人分で見てやろうといって、その伸びの中でと言われてもそれは無理だということを実は今私としては主張をしておると、ざっと申し上げるとこんな議論なのであります。
○草川昭三君 民間議員の方々がどうしてそういう問題提起をするようになったのかというと、この民間議員が誤解をしておると思うんですが、かつて厚生省に吉村次官という有名な、大変影響力の多かった、橋本さんなんかが厚生大臣の当時の事務次官だと思うんですが、この方が医療費の将来の伸びというものは経済の成長というよりも実質成長率を勘案してというような問題提起をされたことが、ずっと当時財界の方々にも影響を与えたことからこういうような発言になったと思うんで、これは日ごろからそういう財界の有力者の方々に今大臣が答弁されたような趣旨のレクチャーを私は是非しておいていただきたいと思うんです。そうしませんと非常に後で困るのではないだろうかと思います。念のために申し上げておきます。
 そこで、この医療費については積み上げが必要であるという御意見があったわけでありますが、マクロ指標によるところの管理について否定をする、医療は違うんですよということですが、一方では、昨年の問題になりました年金については、一定の指標が必要であるということで、自動調整をするという仕組みが昨年の年金改正で導入されたわけであります。これはもう御存じのとおりであります。
 この場合のことを考えてみると、改めて、年金と医療や介護の違いと、この指標、管理目標というものをどのように判断をしたらいいのか、お伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘のとおりに、年金につきましては、昨年の改正でマクロ経済スライドを導入いたしまして、給付水準を自動的に調整する仕組みを取り入れたところでございます。
 ただ、このマクロ経済スライドといいますのは、この委員会でも山本先生や辻先生からも御指摘いただいたと思いますけれども、給付水準の調整のことでありまして、その全体を決してマクロ経済でスライドさせると、管理するといったようなものではないものでございまして、基本的にマクロ経済指標で全体を管理しようというものとは違うものだということを申し上げたいと存じます。
 そういうところもありますけれども、更に申し上げますと、医療や介護についていいますと、現金給付を目的とした年金とはやはり異なっておりまして、病気や要介護になったときにはその時々の医療水準に応じて必ず必要なサービスを提供するという必要もございますので、先ほど来経済財政諮問会議で私が主張しておりますという、単純にマクロ経済スライドのような仕組みを講じることはそもそも難しいんだというふうに考えておるところでございます。
○草川昭三君 たくさん質問があるんですが、十一時二分までですから、もうこれ最後の質問になって、たくさんの通告がありますが、もうこれは今日はあきらめてまた別の機会にさせていただきたいと思うんです。通告して申し訳ないんですが。
 それで、ここはちょっと聞いておきたいわけですが、社会保障制度の在り方について、先ほど来から答弁していただいておるんですが、経済財政諮問会議等々で内閣府を中心に話が進んでいくわけですが、具体的に分かりやすく言うならば、厚生労働省というよりは官邸主導で、十分な議論が実際ないままに、皆さんもう本当に専門家でありますし、ここの参加されている方々も与野党を問わず社会保障については専門家なんでございますけれども、実質的には経済財政諮問会議等で、官邸主導で社会保障制度というものが進んでいく、そういう基本的な問題について、前回も私ちょっと触れたことがあるんですけれども、大臣としてどのようなお考えなのか。今後ともこういうことは仕方がないと思っておみえになるのか、どんなお考えかお伺いをして、時間が来ましたので終わりたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) この社会保障制度の在り方につきましては、様々なところで御議論いただいておるわけでございます。それは、今お話しの経済財政諮問会議もそうでございますけれども、社会保障の在り方に関する懇談会もございますし、それからまた、先般始まりました正に両院合同会議でも議論いたしておりますし、それぞれの場でみんなが活発な議論をいたしておるわけでございます。
 私も必要な場面では意見を述べてまいりましたけれども、そうした皆さんの御議論というのが生かされなきゃいけないわけでございまして、何も経済財政諮問会議だけということであってはなりませんし、また、そうした中で私もそれぞれの場で、申し上げましたように積極的に発言をしてまいりますし、しなきゃなりませんし、また当然のこととして、経済財政諮問会議でも大いに今後とも発言してまいりたいと存じております。
○草川昭三君 以上で終わります。
○足立信也君 民主党・新緑風会の足立でございます。
 今日の、衆議院の通過を受けて、僕は、皆さん、党の方はどう思われるか分かりませんが、できるだけ、可能な限り淡々と進めていきたいと、そのように思っております。
 衆議院では非常に議論が進んだところと全く議論されていないところが、本当にその凸凹が激しいという印象をまず持っております。私は、介護に近い場所にいる人間の一人として、今日の質問は、一人の高齢者が、保険事業を受け、要介護者となり、やがて死に行くと、その過程の中でこの法案の問題点を一つずつチェックしていきたいと、そのような態度で臨みたいと思っております。
 そこで、衆議院の議事録を見て、そのように検討しますとか、また、そのような方向性で努力しますとか十分に参考にいたしますとか、そういう答弁はできるだけやめてもらいたいと。これだけ、一か月議論しているわけですから、やはり大臣あるいは局長の、その時点で判断を示していただきたいと、そのように思います。そうでないと、百六十もの政省令によって決めるという法案を審議すること自体の妥当性が問われると私は思います。是非そのようにお願いします。
 まず、先ほどの一人の人間の過程を追ってという、その前の段階として、前段として二点だけ確認したいと思います。前段という意味は、衆議院で質疑が行われて納得が得られたような形になっているわけですけれども、私には納得できない。その点をまず聞いていきたいと思います。その後に、本論としては、先ほど言ったような流れの中でやっていきたい。ということのまず前段の話に移ります。
 先ほどの質疑でちょっと気になったので、その前にもう一問だけやらしていただきます。これは質問通告はしておりませんけれども、保険給付、介護保険給付の範囲の拡大については国民的な合意が得られていないから今はできないと。ということは、それ以外のことは国民的合意が得られているという感じにも聞こえます。
 そこで、私は単純に教えていただきたい。これは大臣に教えていただきたい。この改正法案で何が改正されて、次に大事なことは、介護を受ける人にとって何が良くなって、介護をする側の人間にとって何が良くなるのか、だから改正なんだと。その点だけ教えてください。
○国務大臣(尾辻秀久君) これは、ただいまの御議論にも関係するわけでございますが、まず、介護保険を始めましてそして五年たったわけでありまして、それなりに定着をしてきたと思います。ただ、その間で利用なさる皆さんの数が大変増えてまいりました。そのために、私どもとしてはどうしてもこの介護保険という制度を持続可能なものにしなきゃいけない。この持続可能なものにするためにということで今回の見直しをしたことは事実でございます。したがいまして、持続可能なものになったということが一つの大きな今回の見直しだということでございます。
 そして、その中で、私どもはこのたび予防ということを強く申し上げましたので、皆さんが、利用なさる皆さんができるだけ、より状態が悪化しない、そういうサービスを受けていただくというふうに考えておるところでございます。
○足立信也君 私の質問は、介護を受ける側の人間にとって何が良くなったの、良くなると仮定して改正したのか、介護をする側の人間にとって何が良くなる、期待しているのかということであります。
 持続可能性というのは、法の持続可能性ですか。それとも、介護を受ける人間が、今まで介護を受けられてきた、その受けられるということを持続させようと。どっちなんですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今二つに分けておっしゃいましたが、それはとどのつまりは同じことであるような気もいたしますけれども、あえて二つに分けて言われましたのでお答えをいたしますと、それはやっぱり介護を受けられる方が、利用しようとなさる方が介護を受けられる、そのことを続けたいというふうなことが一番基本でございます。
 したがいまして、先ほど、介護を受ける者、介護をする者にとって何が今度の改正でいいことなのかという御質問に対しましても、私がそうお答え申し上げたのは、介護を受けようとなさる方がずっとそのサービスを受けられること、途中で制度が破綻しました、もう介護受けられませんとなるようなことが最悪の事態でございますから、そうならないようにしたということがやはり一番介護を受けられる方のお立場からもいいことだと思うものですからそういうお答えをしたところでございます。
○足立信也君 介護を受けられることを持続可能にしたと、それだけは受け止めておりますし、またそれは本来の目的であると思います。
 ただ、実際の介護を受けている人にとって何が良くなったか。それは、受けられる、これからずっと受けられるんだよと。これからずっとというのがよく分かりません。介護を受けている方の平均の介護を受けている期間って三年ですね。これから先ずっと受けられるという、今正に受けている人は何が良くなるんだということの回答にはなっていない。
 それから、介護をする側の人間も今非常に厳しい労働条件の中にあって、この改正で何が自分たちにとって良くなるのか、それも答えられていない。この点は多分答えられないんだろうと思いますので、ここにとどまることはちょっと控えます。もう一度機会があれば。
 今回の改正は、介護制度の持続可能性ですね、サステーナビリティー、要するにそこに本があるわけですね。年金に関しては、同じような持続可能性ということで、保険料を上げて、給付を下げた。今回の介護法の改正は、保険外負担を増やして、給付を下げた。そして持続可能性を高めたという論法だと思うんですね。
 給付を下げるという内容としては、今現在の要介護度認定で要介護度一の方の七割を要支援に回すことによって給付の上限額を下げる。大体利用している方は五〇%程度の利用額ですから、要介護度を一ランク下げることによって、上限を下げることによって給付を下げると、この二点だと思うんですね。というか、実際そうなっているわけです。
 ということは、保険外負担を増やすことの根拠として、方法として、居宅ですね、在宅と施設の不公平を挙げたと。で、不公平を是正するという論法です。これは多分同僚議員からこの後質問があると思いますので、この点は私は触れません。
 給付を下げたこと、このことについてお聞きいたします。
 要介護度一の七割を要支援にすることに、そのことの根拠なんですが、サービスの内容が悪いから、今までのサービスの内容が悪かったから、エビデンスはないけれども、予防の方がいいはずだと、これが根拠ですよね。この点は間違いないと思うんです、今までの議事録ずっと読んでいまして。今までのサービスの内容が悪いからその内容を変えるんだと。その点に絞って、サービスの内容が本当に悪かったのかという点と、予防の方が有効だと、この二点、この点をちょっと確認したいと思います。
 厚生労働省はいつも島根県では島根県ではと何度も何度も繰り返しておられますが、この島根県のデータは日本医師会の日医総研のデータで、対象が七千八百七十八人。確かに、要介護度が悪化した割合が、要介護度一が三四・八%で、確かに高いです。でも、同じ厚生労働省の資料で、例えば東京都の十八万一千五百二十七人を対象としたものでは、要介護度が悪化した割合は要介護度二が最も多くて、次が要介護度三、そしてその次が要介護度一で二三・一%。藤沢市の四千九百六十二人のデータでは、要介護度が悪化した割合は要介護度三が最も多くて、次が要介護二、そして要介護四、最後が要介護一で二五・七%です。横浜市の五万二千八百五十二人のデータでは、要介護度が悪化した割合は要介護二が最も多くて、次が要介護三、その次が要介護一で三一・八%ですよ。まだありますよ。仙台市、これも要介護三が最も悪化している。熊本県、要介護度が悪化したのは要介護二が最も多い。六つデータあるんですね。サンプル数は、島根県はかなり少ないですよ。
 極め付けは、厚生労働省大臣官房統計情報部で行った実態調査です。これは、平成十五年四月から平成十六年三月まで一年間継続して介護サービスを受給した者が対象です。二百二万人です。全国調査です。しかも、最も最近です。これによると、要介護度が悪化した割合が最も高いのは要介護三で二九・九%、次が要介護二で二七・九%、次が要介護四で二二・〇%、そして最も低いのが要介護一で一八・〇%。これは、皆さんお持ちになっている参考資料にそのまま出ているものですね。
 私の言っている質問、よろしいですか、私の言っているこのデータ、今のデータは正しいですよね。
○政府参考人(中村秀一君) ただいま先生がお示しになりましたデータは、私どもの「介護予防についてのQ&A」、平成十六年十二月から抜粋されたものと承知しておりますので、そういう性格の資料でございますので、資料自体については、私どもが集めまして御提供したものでございます。
○足立信也君 では、その中でサンプル数も比較的少なく、ほかのデータとは結果として異なっている島根県のデータを、なぜいつも島根県では島根県ではと言うんですか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 例えば島根県のデータなどが最初に御紹介、私どもの手で御紹介いたしましたのは、私どもの研究会であります高齢者リハビリテーション研究会などで引用をされているものでございます。この島根県のデータは、今委員が御紹介ありました各地のデータ、要介護認定の結果を時系列を追って、ある時点で要介護認定、要支援から要介護五までの六段階に該当した人が一定期間経過後どうなったかということを最初に行ったのが島根県のデータであり、我々、そういう分析が可能なんだということを島根県のデータによって教えられたと。
 当時、私ども高齢者リハビリテーション研究会などでやり出したときに、検討し始めましたときには、そういうデータというのはまず日医総研のデータしかなかったということが第一点でございます。その後、こういう分析なり、そういったことが各地で行われるようになってきたということでございます。私ども、先ほど私どもの資料でいろいろなところのデータをお出ししておるように、厚生労働省なり老健局が島根県のデータだけを今言っているわけではございません。
○足立信也君 分かりました。すべてのデータを参考にするということだと思います。
 先ほど言いました、とりわけ厚生労働省大臣官房統計情報部が行った調査、二百二万人の調査、これに基づいてお伺いします。
 先ほど私が細かく言いました。今何をやっているかというと、これはサービスが悪かったと、その証拠として出していることの真偽を私は問うているわけですね。その厚生労働省がまとめたデータで、先ほどのデータのように、なぜ重度化率が高い要介護二、三、四、このサービスの見直しを悪いと言わない、あるいはこの見直しをしようと言わない、そして一番重度化率の低い要介護一、このサービスが良くなかった、だから変えるんだと。この論法はおかしいと思いますし、なぜ要介護一だけが対象になっているんですか。サービスが悪かったという面に関してですよ。
○政府参考人(中村秀一君) まず申し上げますと、委員は要介護一から五まで御紹介されておりますが、要支援のデータもございまして、実は一番悪化が、そういった意味で私どものデータで悪化率が高いのは要支援でございまして、三〇・一とか三一・八と、そういうことでございます。
 私どもが、今の委員の御質問にお答えいたしますと、どういうことかと申し上げますと、要介護二以上を余り着目しないで要支援、要介護一に着目するのはどうしてかということでございますが、第一点は、この五年間、要介護認定該当者二百十八万人から今日では四百万人を超える四百、最新の数字では七万人になっておりますが、伸び率が一番高いのが要介護一、要支援でございまして、全体の要介護認定者に占める割合も四九%ということで、ほぼ要介護認定者の該当者の半数を占めるに至っていること、二百万人おられるということが一つ。ボリューム的にここの部分が一番伸びておりますし、費用増加増の一つの大きな要因になっている人数増の大半がここの部分であるというのが第一点でございます。
 第二点は、これも要介護認定のデータが様々出てきたことで分かってまいったことでございますが、軽度の方、要支援や要介護一の方の要介護になった原因疾患が中度、重度の方とはかなり異なり、脳血管疾患や認知症の割合が他と比べて低く、様々な要因によって生活活動が不活発になり、生活機能が低下する部分が要支援、要介護一で極めて高いという点。要支援、要介護一、こういった方々に対して適切な介護サービス、予防サービスが提供されれば今以上に生活機能の維持あるいは改善ということ、あるいは重度化の期間が遅くなるということが可能になるのではないかと。そういう観点から、要支援、要介護一の方々を対象とし、要介護一の中で、現在要支援の方については予防給付の対象になっておりますので要介護一の中から、その中でも介護予防の対象としては困難な方々を除いて、要介護一の方々の中から介護予防に適切な方々を選び出し、そういった方々に対しては予防給付の対象としようと考えたわけでございます。
 予防給付の内容も、今の予防給付は、先ほど御議論あったかもしれませんが、予防給付の内容も他の介護給付の内容とメニュー等同一でございますので、そういった点では予防給付のサービスの内容についても予防重視という観点から見直しをすることとしたいと、こう考えて御提案しているわけでございます。
○足立信也君 今二点に分けて答えられましたので、二点に分けて言います。
 先ほどからずっと、というか、ずっと議論の最中から、介護保険って社会保険ですよ。で、定着した定着したって、まあ自画自賛という言い方がいいのかどうか分かりませんが、定着したと。その根拠は、利用者が増えてきた、伸び率が非常に高いってさっき言いましたが、利用者が増えてきた、これは定着したんだという中で、では利用者が一番増えてきたところはやっぱりちょっと外さないとっていう答えですよね。この第一点目は、まずその論法が言っていておかしくないですか、社会保険として。
 で、二点目。私が聞いたのは、サービスが悪かったからその内容を変えるといいますか、サービスそのものを見直す、そのための根拠として要介護一が、要介護一にふさわしくないとか、それを要支援に回していきたいんだと、七割がそちらに回るんだと。動くのは要介護一のところだけなわけですよ。それは要介護一のサービスが悪かったからという説明で今まで来ているわけですよ。そのことに対しては答えていないじゃないですか。先ほどの私が出したデータで、要介護一が、一に対するサービスが悪かったということがどこにも示していないじゃないですか。私が聞いているのはそこですよ。要介護一のサービスが悪かったから、この要介護一の人たちの七割を要支援に移してサービスを変えるんだと。悪かったということを、先ほどのデータは正しいと、そう答えられました。悪かったという証明が全然できてないわけですよ。そのことについてはもう一度、回答ができるんであれば、お願いしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 先ほど申し上げましたように、要支援、要介護一の方々については、委員はそれほど悪化する程度が他と比べて差がないではないかという御指摘だったと思いますが、私どものただいま申し上げました考え方からいえば、要支援、要介護一になった原因疾患などの在り方からいえば、要支援、要介護一の人たちが要介護二以上の方々に比べて維持の度合いが今より高くてしかるべきではないかと。それはもっと、私ども、現行制度でも要支援の方に対しては予防給付と、こういうことでやっておりますけれども、やはり予防給付として十分ではなかったのではないか。
 それは、サービス内容という、具体的な個々のサービス内容ということだけではなく、予防を重視していくという観点からのマネジメント、それからケアプランの作り方、そういったこと、それを含めまして見直していく必要があるんではないかと考え、その見直す際に、要支援の方だけではなく、予防給付の対象としては、現在要支援の方ですが、要介護一の方の中にもそういう方がおられるんではないかということで、要介護一の中から予防給付の対象者を、該当をする部分を作るということで、今回提案しておりますのは、委員御指摘のとおり、現行制度でいえば現在百三十三万人くらい要介護一の方がおられますが、この方が要介護認定、定期的に認定の更新がありますので、認定更新のときに受けていただいて、法律が施行されればでございますが、要支援二に該当する方であれば、予防給付のプログラムの方に移行していただくということになると。それから、これから新たに要介護認定を受けられるという方の場合には、要支援一、要支援二に該当することになれば、その方については予防給付の対象になると、こういう制度を提案しているところでございます。
○足立信也君 答えてない。要介護一のサービスが悪かった、その根拠を教えてくれと言っているんですよ。さっき私が出したデータは正しいと。それ見たら、どうして要介護一のサービスが悪かったと言えるんですか。そのことの答えはしてないですよ。
○政府参考人(中村秀一君) 申し上げていますように、要介護一の方の中で、生活不活発病と申し上げますか、そういうカテゴリーに該当することが非常に高いと、そういう方々に対して予防の観点から現行サービスを見直せばより改善が図られると、こういうことを提案しているわけでございます。
 委員は、これまでの衆議院の議論等を踏まえて、サービスが悪かったからというふうに要約されておりますけれども、私どもの整理というのはそういうことではないので、そういう要約と違うといって答えていないというふうに言われるとなかなかつらい点があるので、そこをよろしくお願いしたいと思います。
○足立信也君 先ほどからの私の説明は、十分僕は論理的に話していると思いますよ。やはりそこを見直す、介護を受ける側の人間にとって何が良くなるのかって、今までのサービスが悪かったから、サービスをこれ変えれば良くなるんだということがないわけです。
 今の局長の説明でいくと、じゃ、なぜ要介護一の人を、原因となった疾患別にきちんと分けて、その中のこの疾患が原因で今の要介護一の状態で、特にどこが悪い人が今のサービスではやっぱり駄目で、今のサービスでも良かったという人はいるわけですから、そこら辺はきちんと分けて出すのが当たり前じゃないですか。その要介護一の人は、全体で見ながら、全体で見ながら、その介護を受ける側の人間にとって何が良かったか、それは状態がどうだったから良かった、そういう分析が一切なくて、全体、マスと見て、一番利用者が増えてきた、そして一番定着したと言える根拠になっている人たちのサービスが悪かったからそれを変えていくという論法なんですよ、これは。そこの説明ができていないということを言っているわけです。それは皆さんそう感じられるんじゃないかと私は思うんですけれども。
 少なくとも、要介護一の中で、やはり原因と、そして今の介護状態になった人、それを区分けして、どの状態の人には今のサービスは駄目だった、どの状態の人には今のサービスが良かった、その分析がないと変えるという根拠にならないですよ。そう思います。それぐらいのことは、僕はできると思うんですね、二万人のデータがあるわけですから。それを集計しているんですから、去年の三月までのデータを。この一年間何やっていたかという気がします。
 僕は、前段の話をしておりますので、前段の中でもまだその一項目めの話をしているんで、なかなか時間の配分難しいんですが、いま一つ気になったのは、軽度者の人は維持率が高くて当たり前だと、これは衆議院の議論から大臣も含めてそう、もっといいはずだという答弁されているんですが。六十五歳以上の人で自立の方々がいる。ところが、表現悪いですけれども、介護が必要になってくる、これはある意味、今までぎりぎりで頑張っていた人がちょっと坂道を下り始めたような状況だと私は思っているんです。それに時間スケールが加わって、残念ながら、平均の介護期間というのは三年ぐらいで、介護も受けない状態になっていくわけですね。その坂道を下り始めたその段階で、これをその時点、最初の時点というのは物すごい力が働いていますから、当然車も発進するときは最初の力が一番でかいわけですから、その状況でそれを維持するだけでも大変だと思うんですよ。それを改善するのはもっと大変だと私はとらえているんです。ただ、軽度だからもっといいはずだというのは、僕は間違えていると思います。
 それから、もう一つ気になっているのは、委員会の中でも、要支援だから歩けるはずだとか、要介護一だから身の回りのことはできるはずだと、もうはずだはずだというのが、要介護認定の仕組みから考えていろんなファクターがあって、最終的にトータルのスコアで時間が出ていくわけですよ。要支援だから絶対に歩けるはずだというイメージで、イメージで語られるのはちょっとやめてもらいたいと思うんですね。そんなことは言えないわけですよ、トータルのスコアですから。この点だけ、気になりますので言っておきたいと思います。
 サービスが悪いからそのサービスを見直すということの証明はできていない、これは現時点での今までの話の取りあえずの結論だと思います。
 次に、前段のやっと二点目に行きます。
 では、予防の方が有効だと先ほどもおっしゃいました。介護状態になるのを予防するサービスには科学的根拠が必要だと、そしてエビデンスのあるものを介護予防の予防サービスとしてやっていくんだと、これ今までずっと委員会通じて説明されている。このことはまさか前言を翻すことはないと思いますが、多分そういうことだと思います。それで、介護予防が有効だと、そのエビデンスがあるものだけをやるんだと。で、昨年度行われた介護予防市町村モデル事業、このことについて科学的根拠を得るために多分行われたんだろうと思います、国としてやられたことですから。
 で、御質問いたします。この事業、介護予防市町村モデル事業、この事業の目的は何ですか、そして昨年度使われた費用、それは幾らだったんですか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 この市町村モデル事業でございますが、今度の制度改革において、予防重視の観点から新たな予防給付を制度的に位置付けることとしていると。それで、制度的に位置付ける内容といたしまして、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上等を掲げたわけですが、これらにつきましては、私ども、様々な文献的な調査によって科学的根拠があるとされているわけでございますので、その対象としようと、こう考えたわけでございますが、その制度を実施するに当たりまして、円滑に市町村に導入していくための実施上の問題点を把握するために、平成十六年度六十九の市町村でモデル事業を実施いたしました。
 その際、補助が必要な市町村については国、都道府県から補助を行ったところであり、四十七の市町村からの補助の申請に基づきまして、合計七千万円の国庫補助を行っております。一市町村当たり平均百五十万円の補助となっております。
○足立信也君 ちょっと目的のところが明確な答弁じゃなかったと思います。
 私が持っている概要では、事業目的、軽度の要介護認定者を中心に介護予防サービスを重点的に提供し、その効果測定及び評価分析を行うとともに、事業実施に伴う問題を把握し、介護保険制度の見直しに資することを目的とする。効果の測定とそのサービスの評価、そして問題点、この三つですよ、この三つを目的にこの事業はされたと。まさかそれは違うとはおっしゃらないと思いますが、その三点について伺っていきます。
 まず、中間報告しか私の手元にはありませんし、皆さんもそうだと思いますが、これは最終報告はされるんだと思うんですね。ということは、今、私、目的を特に要約して三点言いましたが、最終報告でその介護予防サービスと言われるものに効果があるというエビデンスが得られなかったとき、最終報告で効果あると言えなかったと、そのときは、このサービス、介護予防サービスというのは導入するんですか、しないんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 御説明をいたします。
 非常に、私ども、先ほど申し上げましたように、この三点につきましては、内外の調査研究によって厳密な意味でのエビデンスが得られていると、こういうことで三つの項目を立てておりますが、モデル事業を実施してみまして導入するのにふさわしくないと、こういう結果が出た場合には、やはりメニューに入れるということは見合わせると、こういうことになろうかと思います。
○足立信也君 ふさわしくないというのは、効果がないということも含まれているんですか。
○政府参考人(中村秀一君) それも当然含まれると思います。
○足立信也君 じゃ、この事業の目的、効果の測定及びこの各サービスが有効性があるかどうかの評価の分析、そしてそのサービスの問題点、この三つでした。その目的に対応する結果及び、結果というのは中間報告の段階でやむを得ないと思いますが、結果と及び得られた結論、これを教えてください。
○政府参考人(中村秀一君) 委員からもお話がございますように、中間報告になっております。そもそもこの事業につきましては、私ども、分析評価の委員会も置いてやっておるところでございますし、調査についてもその委員会とも御相談しながらも調査しているところでございますので、もちろん最終的な評価分析も専門家も含めて行うことといたしたいと思いますが、中間報告で出た結論を、中間報告の段階で私どもの責任で見いだした結論を御報告申し上げますと、市町村モデル事業につきましては、軽度の要介護認定者に対して、先ほど来お話ししている目的で実施しているわけでございますが、これまでの市町村から提出された報告書によれば、文献等による研究報告と同様に、身体機能等の改善効果が得られることが確認され、さらに、プログラムの内容については参加者を巻き込んで楽しさを出す等の工夫が必要、補助員として活動できるボランティアの確保が必要、対象者の身体レベルから見て送迎が必要といった実務上の課題も明らかになったところでございます。
 今後、市町村のモデル事業の結果を踏まえて、その安全かつ効果的な介護予防サービスのための体制整備等に努めてまいりたいと考えております。
○足立信也君 中間の結果だけれども各サービスは効果が得られたと、今得られているとおっしゃいました。
 ちょっとここから先は専門的になって申し訳ないかもしれませんが、この事業そのものの意義があったのかどうかについて言わせていただきます。
 この事業の報告を見てますと、介護サービスの前後で測定あるいは判定していますね。で、差があったかどうかを検定している、ちゃんと詳しく書いています。パラメトリック、つまり連続変数には対応のあるt検定、それから要介護判定度や歯肉炎の有無などノンパラメトリックなものにはウィルコクソンの符号付順位和検定、これをやっていると、こう書いています。
 それなりに配慮しているように見えます。でも、この方法では、サービスの前後で有意な変化があったかどうかしか分からないんですよ。つまり、効果があったかどうかって分からないんです。常識として、ある治療法あるいはあるサービスが効果があったかどうかを検定するには、それを受けた人と受けなかった二つの群がないといけないんですよ。当たり前なことなんですね。で、それ以外の条件は可能な限りそろえなければ意味がないんですよ。
 また、その場合、検定方法も全然違うんですよ。これは前後で比較しているから、詳しく言いますと、反復する分散分析、リピーティッドアノーバというんですけど、これはもう全然やられてないです。分かりますよね、僕の言っている意味。
 例えば、ここに糖尿病の患者さんが二十人いる。で、やせなければいけない。で、一日十分間のジョギングを一か月やってもらったと。その結果、非常に有意差を持ってやせることができた。で、一日十分間、わずか十分間のジョギングは大変有効だったと言えますか。実は全員厳しい食事制限をしていたと、あるいは十分間ではとても足りない、そんなの効くわけないだろうと思って自主的に一時間ジョギングしていたと、こういう人が当然いるわけですよ。そんなものを比較しても何の意味がないわけです。
 実は、一昨日、西島先生が提出した資料で、機能訓練中は運動や散歩を心掛けると、非常に意欲的になって心掛けている。ところが、訓練が終わったら何もしなくなるというデータ出されていました。それは、これをやるという意欲が高まって、プラスアルファのことを頑張ってやっているんですよね。で、モチベーションが高くなるということなんですよ。
 で、確認します。このモデル事業には、介護予防サービスを受ける群と受けない群の二群が設定されているんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 幾つか申し上げた方がよろしいかと思いますが、そういった意味で私どもが文献調査で根拠があるというのは、委員が指摘している意味で対照群をつくりきちんとやられ、言わば医療などで言っているEBMにふさわしい研究成果があるもので選び出されたのがこの三つのメニューだということが第一点でございます。
 そういった意味で、私どもも、この市町村のモデル事業をやる場合には、むしろ、導入するに当たってどういう問題点があるか、またその市町村でこういう形のモデル事業をやればどういう前後に変化があるかと、そういったことを調べることが市町村レベルでは行われているということでございます。
 六十九の市町村モデルに参加した市町村のうち、十市町村においては介護予防サービスを受ける群と受けない群が設定されて事業が実施されたところがございます。こうした市町村の事業結果についてもこれから分析を行っていきたいとは思っておりますけれども、お答え申し上げますと、その対照群が設定されているというのは十市町村でございます。
○足立信也君 対照群が設定されたのは六十九のうちの十という意味ですね。で、その分析で効果があるかどうかはこれから解析するということですね。
 じゃ、このモデル事業は、介護予防サービスを受けた方ですね、受けた方は無料ですよね。で、自治体職員のほか、医師、保健師、看護師、理学療法士がかかわっていますね。彼らの報酬はどうなっていますか。
○政府参考人(中村秀一君) 市町村モデル事業におきます、いろいろメニューございますが、筋力向上に携わった方々の平均的な配置状況を見ますと、配置人員が四人で、主要な職種は理学療法士、作業療法士、保健師、看護師、運動指導士などでありましたし、参加するに当たってこういう方は駄目ですよというふうなことは言っていますので、メディカルチェックなども必要になったと思いますので医師の方々の御協力もお願いしたと、こういうことでございます。
 今回の市町村モデル事業におけるこれらに従事した方の報酬については、実施市町村で独自に定められているところであって、その額については私ども把握はしておりませんが、市町村が業務委託や雇い上げを行う際の標準的な額を参考として支払われているんではないかと思いますし、もちろん、市町村の職員の方が従事されている場合には、業務として従事されていますので特段の支出がないと、こういうふうなことも考えられると思います。
○足立信也君 分かりました。
 こういう事業をやるときは条件設定が非常に大事だということと、もう一つ大事なことは、例えばサービスを受けた人が無料だったり、報酬が、この法の中で、将来それが施行されたときに受けるような報酬であり、なおかつ負担も同じような設定でないと、その事業のときだけ特別なことをしたということでは意味がないんですね。その点を十分御理解いただきたいと思います、私の言っていることをですね。
 それから、先ほど十の市町村でとありました。これ、後の答弁のときで結構ですが、その十の市町村では合計何名かだけ教えてください。それが評価の対象に値するかどうかということになりますので。
 で、先ほどから言っていますように、サービスを受けた人と受けない人の設定がないと、そもそも効果の判定はできないということはもう紛れもない事実なんですね。ですから、そういうペアでやったところをこれから解析するという答えなんですが、この方法で、この事業の中で一つだけ言えることがあるんですよ。それは安全性なんですね。医療とか科学の分野で第一相試験。要するに、こういうことをやってみたらそれが安全だったかという検定にはなるんですよ。そのことについて、このモデル事業中にけがをした人あるいは具合が悪くなった人、あるいは起きた事故が何かありましたか。
○政府参考人(中村秀一君) このモデル事業中に事故が起きたというケースは聞いておりませんけれども、例えば、参加者の中で途中で、何と申しますか、具合が悪くなってリタイアされた方とか、そういった方々で中断されたようなケースと、こういう方がいたことは報告されております。
○足立信也君 それは、この特別な介護予防サービスが原因でそういう途中で中断するような、事故とは言えないけれども、不都合なことがあったというためには、やはりふだんの、今まで行われていたサービスではどれぐらいの頻度があってという比較が必要だとは思うんですね。
 そこで、中間報告から中間的な結論でやむを得ないわけですけれども、一番最初に戻ります。このモデル事業で、今言った、私が話を申し上げたようなことを踏まえて、介護予防サービスは有効であったと、あるいは安全であったという根拠は得られたんですか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 安全の点でございますが、ちょっと資料が見付からなくてはっきり申し上げられなかったんで、お答えさせていただきますと、参加者のうち一四%の事業中断者がおられたということでございますけれども、モデル事業の実施において事業参加者が負傷したと、そういう報告はございませんでした。
 中断ケースは、本人の事情によるもののほか、家庭の事情、例えば配偶者の方が入院、介護、死亡等によるものが多いと。本人の事情としては、既往症の悪化が多いと。このほか、家庭内での転倒、風邪、検査入院等のこと、また他の参加者との関係により本人の参加が拒んでいるケースなどがあったと、こういうことが報告されております。
 効果につきましては、私ども、委員のおっしゃる意味で、委員の定義では効果がないと、こういうことかもしれませんけれども、私どもでは、要介護者の握力や下肢の筋力などの身体機能、生活機能、QOL等、多くの評価指標において事業参加前後の値が統計学的に有意に改善しているとの結果が示されているということでございまして、このモデル事業で一応結論が得られたのではないかと考えておりますが、これはあくまでも私どもの分析でございますので、先ほど申し上げましたように、専門家も入れて評価をしていただきたいと考えております。
○足立信也君 ちょっと今の、僕はさらっと流そうかと思ったんですが、ちょっとそういうわけにはいかない答弁だったので。さっき、十の市町村で何名かというのはこの機会に教えてくださいって、まあいいです、その点は教えてくださいね。
 それから、一四%が中断したと。これ、先ほどから言っていますように、無料なんですね。かなりモチベーション高くて意欲的な人が選ばれているわけです。で、一四%が中断したんですよ。だとすれば、実際これが介護保険法の中身でやるようになったら、これは中断はかなり増えるだろうなという予測は立ちますね。
 それから、先ほど統計学的な有意差が得られたとおっしゃいました。これはだから、さっきから何度も言いますように、前後で変化があったということの証明にしかなってないんですよ。もう非常にモチベーション高い人がその間にどういうことを頑張ったかということは一切考慮されてないわけですよ。ですから、その表現はやめていただきたい。
 ということを、私の意見を踏まえてもう一度お願いします。人数と、これは一四%中断というものをどういうふうに評価しているか、安全性に関してですね。それから効果。
○政府参考人(中村秀一君) 人数の点ですが、今、十市町村の人数直ちに出ませんので、後ほど御報告させていただきたいと思います。
 その一四%の中断者の評価ということについては、どう評価すべきか、我々の方も更に検討をさせていただきたいと思います。
 ただ、安全性という意味での御質問でございましたので、先ほど申し上げましたように、何かプログラムに参加することによって障害が生じ、それで中断しているわけではないと、こういう意味で御説明を申し上げました。
○足立信也君 いや、効果の評価についてもちょっと言及してほしいとさっき言いました。サービスの前後で有意な変化があったということは私は認めますよ、それは。ただ、それが介護サービスの統計学的に有意な効果があったと先ほど表現されたので、それは間違っていませんかということを言っているんです。
○政府参考人(中村秀一君) 私も、御答弁するときに、委員の方の見解からすればそれはそういうふうに評価されないとは思いますけれどもと申し上げたつもりでございます。
 で、申し上げているとおり、私どもがこのモデル事業をいたしましたのは、文献学的に効果があると、こういうことで私ども導入自体を考えましたこの三種類の新規メニューについて、実際、市町村で実施するといった場合に、どういう実務上の問題があるのか、そういったことを検証するためにモデル事業を実施しているわけでございますし、市町村といっても、委員からも御指摘がありましたように多種多様でございますので、いろんな体制のところがあると。もちろん、調査としてきちっと規格がということの御指摘もございましたけれども、逆に言うと、我が国で導入する場合に、全国の市町村で行うとすると、いろんなバリエーション、いろんな状況の下で実施しなければならないわけでございますので、そういう市町村の、現実の市町村の中で、制度的にまだ確立しておりませんので、モデル事業でありますから、費用が一割の御負担いただけるとかいただけないとか、そういうことはあるかとも思いますが、とにかく現地でやってみると、こういうことでやった結果ということを御理解いただきたいと思います。
○足立信也君 まあ、七千万円掛けてとにかくやってみようという結論しかなくて、効果の判定にも資することはできなかった。中断の原因、中断の数から考えると余り安全性も高いとは言い切れないところがあるな、それぐらいの結論しか得られないですね、現時点では。そうだという認識を持つしかないと私は思います。
 実は、御存じだと思いますが、私、筑波大学で教鞭を執っておりました。同じ大学で大洋村というところで高齢者の筋力トレーニングのプロジェクトをやっていました。高い評価を得ていますね。私は筋力トレーニングは有効だと思っているんです。そういう前提で私は話をしているので、だからはっきりした検証をすべきだと言っているんです。国民のコンセンサスが得られていないから受給者の拡大はできない、でも、このことに、予防に関してはきちんとした、自分たちもモデルケース、モデル事業をちゃんとやって検証できたんだということを示してほしいんですよ。
 そういうことがあって、事業をやるからには、お金を使うからには、それがきちんとした結論が出せるもの。先ほど最終報告を出すと言いましたが、私は、この事業を結論を持っていくやり方でもし出されたら、非常に恥ずかしい思いをすると思うんですよ。事業のセッティングができていない。目的に合った、目的に即した結論あるいは結果を得るための事業の内容じゃないんですよ。だから、最終報告でどの程度がオープンされるか分かりませんけれども、世界の非常識だと言われないように。解析の仕方は、これでも、これ工夫すれば効果があったかどうか本当に解析する手だてはあります。それはお聞きに来てくだされば説明します。
 前段の話がここまでになってしまいましたので、やっと本論に入っていきます。
 私は、一人の高齢の方がどういう形で歩まれていくのかなという図がありますね。これは厚生労働省作られたもので、それに沿っていきたいと思うんです。
 まず気になるのが介護予防のスクリーニングですね。このスクリーニングの結果、非該当者、あるいは要支援、要介護になるおそれのある者、あるいは要支援、要介護者である可能性が非常に高い者、この三類型に分類されるわけですね。これはもう間違いないと思うんです。
 まず、基本的なところで、だれが、どこで、どのようにやるのか。おそれのある者と可能性の高い者を分けるなんというのは主観的な判断では絶対できませんよ。どうやって分けるんだろう。一つの可能性としてはスコアリングだと思いますけれども。実際に、基本的なところで、だれが、どこで、どのような方法でやるんですか。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 結果的には先生おっしゃるように三分類ということになることは事実でございます。
 まず初めに、要支援者、要介護者、この問題につきましては、基本的に本人の申請によって介護認定の審査会を通りまして審査、判定をされ、そしてその際に介護保険の非該当者である場合も若干あるかもしれませんが、そこで判定をされるということになります。また、介護保険の該当者である場合には、その後、要支援、要介護一から五までのどの区分になるかということについては今までどおりの作業ということになります。
 一方で、今回新たに始まります地域支援事業の介護予防事業、これにつきましては、高齢者が要支援、要介護状態になることを予防するという観点から初めて実施されていくものでございますが、要支援、要介護状態になるおそれのある方を対象にという実施を考えているところでございます。
 具体的にはこの対象者をどういうふうに絞るかと、こういうことでございますが、そのために、生活機能が低下している方を的確かつ早期に発見して、そして集中的な対応を今後行っていくということが重要だということで、まず介護予防の観点から実施するスクリーニング、それから主治医さんからの、医療機関からの連絡、それから要介護認定を行ったときの非該当者の把握をする、これ認定漏れの方ですね、それから保健師等によるふだんの訪問活動等による実態の把握というような様々な手段によって把握いたしました対象者、これを効果的な介護予防サービス、対象者を効果的な介護予防サービスに付したいというふうに考えているところでございます。
○足立信也君 だれが、どこで。
○委員長(岸宏一君) だれが、どこでという今質問あったんだけれども。中村局長。
○政府参考人(中村秀一君) お答えします。
 要介護認定、つまり介護保険の給付の方のサービスを受けようとされる方は、御本人の申請になりますので、要介護認定になります。要介護認定は市町村が行いますので、市町村が実施すると。要介護認定審査会で決定することになりますので、そこの決定者は市町村要介護認定審査会ということで、これは従来と同じでございます。
 介護予防事業、その非該当者、手を挙げない方も含めた非該当者の中で委員はどういう人を選び出すんだろうかということでありますが、この地域支援事業は市町村の事業でございますので、だれがということになりますと、市町村になります。
 それから、いろんな経路で入ってくるということを副大臣から申し上げましたとおりでございまして、能動的に市町村が例えば介護予防事業を実施するので参加されたい方といって希望者を募り、その中でスクリーニングをするということになると、市町村が例えばある会場、公民館や保健センターに来ていただいていろいろスクリーニングをするということになろうかと思います。
 それから、主治医からの連絡とか保健師さんの実態把握というのは、主治医の方から市町村に、要介護認定非該当者も市町村の方で把握できますので市町村と、こういうことになります。
 実際上はこの地域支援事業の介護予防のマネジメントは地域包括支援センターで行っていただくという仕組みになっておりますので、市町村の方はこの地域包括支援センター、それは市町村がどこに置くかということは市町村の御判断でありますが、物理的な場所なり部署としては地域包括支援センターがここに当たるということになります。
○足立信也君 西副大臣の答弁の中でも、まだ足りないというか、私が聞いたことでお答えになっていないところがあるんですね。要支援、要介護になるおそれのある者と、要支援、要介護の可能性の高い者をどうやって分けるのかと、客観的に。全国共通ですよ。そこを聞いているんですよ。
 どこでというのは、先ほどいろいろ例を挙げられました。それは、地域包括支援センター、そこにいる方の主体性に任せられているようなところが、そういう印象を持ってしまうんですね。だから、全国一律で介護予防のスクリーニングをしようと言っているわけですよね。スクリーニングするから来てくださいって、来る人だけを対象という考え方じゃないと思うんですよ。
 そうすると、統一の尺度がなきゃいけない。同じような物差しがなきゃいけないわけですね。あるところでは、これは、いや、要支援あるいは要介護になる可能性が非常に高い、あるいはおそれがあるってある地域では思っても、こっちの地域では全然思わない。思わないのは勝手ですよ。だから、同じようなスケールがないとその区別ができないんじゃないかという話を先ほどしたわけですね。
 で、これから考えますと言われたら何も、元も子もないので、もうこれだけ長い期間議論しているわけですから、全国統一性、客観性、それからおそれのある者と可能性の高い者、それから非該当の者、どうやって分けるのか、どのようなスケール、物差しを用意しようとしているのか、はっきり答えてください。
○副大臣(西博義君) 非常に難しい課題でございまして、全国統一のということでございますが、今後研究班において客観的な、いわゆるスコアのような判定票を作らしていただきたいと思っております。(発言する者あり)
○足立信也君 代弁していただきました。
 やっぱり、ここまではでき上がっているよとか、具体的にこういうイメージでできている、例えば、一例は要介護認定の一次判定、これに近いものを出しますよとか、これを利用しますよと。それであればまだ許せますよ。でも、ここまで話が進んでいて、最も入口のところで、おそれのある者と可能性の高い者を分ける手段は今のところ提示できないって。それじゃ何を議論すればいいのか。今ここにいる高齢者の方はその判定を安心して受けられるのかと。分からないじゃないですか。
 できるだけ淡々とやります。
 で、今、スコアリングのようなものは考えていると、これだけはおっしゃっていただきました。要支援、要介護になるおそれのある者は将来地域支援事業として介護予防サービス、これを受けていただく、そういうことになるわけですね。その中には痴呆予防、うつ予防、閉じこもり予防というものも入ってくるわけですね。となるならば、スクリーニングの段階でおそれのある者を峻別するためには、痴呆度の判定、それから精神科的な抑うつ度の判定、それから口腔ケアも入ってくるわけですから歯科健診、そういったすべてのことがこのスクリーニングの段階で入っていないとおかしいですよね。その点についてはどうですか。
○副大臣(西博義君) 御指摘のように、それぞれ痴呆度の判定、抑うつ度、それから栄養状態も含めてでございますが、歯科衛生というような項目が今後入ってまいります。このために、介護予防のスクリーニングにおいてはそれらの状態を把握するということは必要なことでございまして、そのための問診の項目、それから検査の項目等を、これはそれぞれの項目に対して盛り込むことにしております。
 この具体的な内容につきましては、この項目を盛り込むということは今のところきちっと私どもはしておるんですが、どういう形で、問診票という形でするかということについては今後更に検討をしていきたいというふうに考えております。
○足立信也君 盛り込むことは間違いないわけですね。ちょっとごめんなさい、確認だけさしてください。痴呆度の判定、抑うつ度の判定、これ精神科的なことですね。歯科の衛生に関して、これも全部盛り込むということですね。──分かりました。
 じゃ、スコアリングがそれで果たしてできるのかなと非常な疑問を持ちながらも、盛り込むということは私は賛成ですし、そうしないと制度が成り立たないので、その点では理解しました。
 ちょっと私気になっている、今私が言っているスクリーニングの段階の話は、先ほど、要介護認定で非該当となった人が重点的なことのどうもニュアンスでとらえられたんですけれども、介護予防のスクリーニングで、これは要支援・要介護者になる可能性が非常に高いという人は、依頼して、その人にその旨説明して要介護認定を受けてもらうわけですよね。そのように指導するわけですよね。
 そこで、この図を見ますと、厚生労働省の図を見ますと、要介護認定を受けて非該当になったと。したら、またスクリーニングに戻ってくるわけですよ。それでまたスクリーニングをやると、これは可能性高いから要介護認定を受けてください。それで非該当。ぐるぐるぐるぐる回るんですよ。そういう説明の図なんですね。ですから、さっき私が非常に、要介護認定に近いようなスコアリングのものじゃないと、おそれのある者と可能性のある者は峻別できないし、この図からいったってぐるぐるぐるぐる回ってしまうわけですよ。一体どこに行けばいいのかという話になりますよ。それで、先ほどから、全国共通な物差し、一次判定に近いようなものを考えているんじゃないかという例示をしたんです。
 そのスコアリングは目指したいという話は分かりました。一次判定に近いものを考えているんでしょうか。そのことだけ。
○政府参考人(中村秀一君) 委員がおっしゃっている、私どもの図を見て御疑問を感じていることはよく理解できました。
 地域包括支援センターに保健師さん等がおられますから、その方々が地域で非常に虚弱になっている方を発見し、この方々はむしろ地域支援事業の対象者というよりは介護法の給付の対象者、新予防給付か介護給付かは別として、介護給付の対象者じゃないかということで要介護認定の方に回ると、こういうことは私どもは十分あり得ることだと思っておって、介護予防スクリーニングの方から要支援・要介護者は要介護認定の方に行くと、こういう方向性を出しているところでございます。
 また、御自分が手を挙げて要介護認定を受けられましたけれども、まだ要介護認定で該当される程度ではないと、こう見られた方、これは御本人の自覚としては自分はいろんな援助が必要だと、こう思われている方でありますので、そういった方は言わば地域支援事業という受皿の中でその方の不安を解消し、またその生活機能の維持向上を図っていただきたいということで、非該当者の方が介護予防スクリーニングの方に来るような形になっています。
 いずれにしても、御本人の様々な相談を受けてその事業の対象にするかどうか、客観的な物差しがなければなりませんので、公平性ということもありますけれども、委員が御心配しているような、ぐるぐるぐるぐる何度も何度も永久に回るということのないようにさしていただきたいと思っております。
○足立信也君 予定していた質問の三分の一も行っていないんですけれども、入口の段階でやっぱり、非常に困っているというか見えないという、このことだけは明らかになったと思われますし、今までのサービスが悪かったという説明、証明にもなっていない。予防サービスが日本で効果のあるものだという検証にもモデル事業ではならなかった、これだけは事実だということです。
 介護保険が始まった当初、医療界ではこんなものが長続きするはずがないと、いずれ破綻するという見方が非常に強かったんです。それは医療と介護を分離しているからなんですよ。介護保険は老人医療費を抑えるために創設された。でも現実は、結果は老人医療費も増え続け、介護費用も増え続け、どちらも破綻が近いような感じになっている。一体的に検討できていないからこういうふうになっているんだと私は思います。少なくとも、当事者たち、介護を受ける人、それから介護をする側の人間が何が良くなるのか説明できないような法案は改正の名に値しないと私は思います。
 以上申し上げて、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 この際、御報告いたします。
 前回の委員会における朝日委員からの資料要求につきましては、厚生労働省から本委員会に対し資料が提出されましたので、皆様のお手元に配付させていただきました。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) それでは、休憩前に引き続き、介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○下田敦子君 下田敦子でございます。よろしくお願い申し上げます。
 昨今、本会議場等において軽やかな、リズミカルなステップで歩かれます尾辻厚生労働大臣のお姿を拝見いたしますと、さすがに厚生労働大臣ならではの爽快さを拝見する者の一人でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 昭和二十二、三年ごろのいわゆる戦後の第一次ベビーブームが起きたときに、今日のような高齢社会が予想できて、特に医療福祉環境の整備、それに伴う人材育成の法整備等を国は着実に行わなければならなかった、そういうときがあったと思います。特に、欧米に比べまして、専門化、多様化が進んでおります医療の場、いわゆるコメディカルスタッフの養成がひときわ後れてきて今日を迎えているような感を持っております。今日に至っても我が国の建設土木従事者は一〇%と伺います。アメリカの五%に比べますと、産業構造を変えられない政治、行政の下に、いかに偏った産業構造を構築してきたかが考えられます。また、このたびの介護保険法の一部改正案にそれを見ることができまして、厚生労働省の皆々様の御苦労を見る思いでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、このたびの法案ですが、国民は年金法案に次いで大変身近な問題の一つであるということで注目をいたしております。しかし、私は、先般の衆議院の結果、並びにお運びいただきました皆様からもお話を伺いましたが、資料を拝見するについて、百六十にも及ぶ省令がございます。国民によく状態が見えないのではないかなという、またそういう声も聞きますので、今日はそういうことからもまたお尋ねを申し上げたい。
 様々な場所で様々な議論が重ねられておりますけれども、介護の最も中心となる事柄にはマンパワーの課題がございます。今日は清水委員もおられまして、この道のオーソリティーでいらっしゃいますが、その育成、人材育成という観点から見ますと、何かと様々なことがございます。ですが、余りこの法案の中にそれらが詳しく登場していないというふうな個人的な感想も持っておりますので、お尋ねをさせていただきたいと思います。
 国の財政支出の四分の一にまで及びましたこの社会保障費を前にして、消費税の増税が当然であるかのような風潮がこのごろございます。また、介護保険の一部改正の中に、初年度は予備費的に百二十八億円が用意されて支援費制度に充てられた、又は精神障害者に関するもの、そしてまた老人保健事業にかかわるものなどなど、たくさん介護保険にこのたびまた盛り込まれていこうというこの状況を見ますと、医療と介護の連携強化の意味においては理解できますけれども、現在の介護保険制度は安定していない、このままでいけば介護保険自体が膨張してしまうおそれがあるのではないかという心配もまたございます。
 そういうことから、少しく全般的なことでお尋ねを申し上げたいのですが、日本から見れば五年も前にスタートしたドイツの介護保険制度であります。伺いまして、私ども視察に行かせていただいたこともありますが、二十年間の研究が積み重ねられた結果でもあるというふうな話を聞きますと、やはり日本の時間とは比べ物にならないなという感じがいたします。
 そこでお伺いいたしますが、介護保険と医療保険の比較を、日本とドイツにおいてちょっと比較していただきたいと思います。これは平成十四年度の決算からでないとちょっと比較ができない、また、比較は、それぞれのこの置かれている状況が違いますので一概にということにはいかないかとは思いますが、この辺をお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) まず、介護保険の方でお答えを申し上げます。
 日本とドイツとは、介護保険の対象者、ドイツは年齢制限がない、日本はあるとか、様々、対象者の範囲が異なっていること、ドイツでは連邦予算の規模の中に国債の元本償還分は計上されていないということで単純な比較はできませんが、二〇〇四年について政府の予算の額の中の介護保険の割合を見ますと、日本は二〇〇四年、日本の歳出予算が八十二・一兆円に対して介護保険の給付費の額は五・五兆円でございますので、六・七%、〇・〇六七になります。二〇〇四年のドイツの介護保険は、介護保険の給付費額が百七十七億ユーロ、ドイツ連邦予算歳出額が二千五百五十六億ユーロでございまして、六・九%、〇・〇六九になっております。
○政府参考人(水田邦雄君) ドイツと日本におきます医療費の規模の比較に関してのお尋ねであると解しておりますけれども、医療費の国際比較そのものにつきましてはなかなか難しい要素があるというのは先生も御指摘のとおりでございまして、統計の取り方、それから統計を取る時点、それから医療で申しますと、医療保険制度の内容、様々でございますので一概には申し上げにくいんでございますが、あえて医療給付費につきまして、一般会計を物差しとしまして、その比率を把握可能な範囲で申し上げますと、ドイツでは二〇〇一年度時点で〇・五四、我が国では二〇〇四年度時点で〇・三二と、このようになっております。
○下田敦子君 さんと呼んでいただいて大変ありがとうございます。議場におりますと、君と言われるのが何やら違和感がありますけれども、大変前進して、議会制度としては一歩前進であります。ありがとうございました。
 そこで、今思いますのですが、何を申し上げたくてここまではるばるドイツのお話を質問させていただいたかというと、先ほど足立委員の方からもありましたが、介護保険と医療保険のますますの分離が私は感じられてならないんです。
 それで、単純に比較はできないわけですけれども、見ますと、今の御答弁のように、介護保険はまあほとんど違わない、ですけれども医療保険がかなりな開きがある。ドイツはそういうことで、医療保険をかなりそういう意味で重きを置いているのではないかという感さえするわけでございますが、一体、介護保険がこれほどに膨らんで膨張していったときに、一体医療の場というのはどうなるんだろうというのが私の率直な心配であります。
 そこで、五年先の見直しのときまでシミュレーションを持っておられるのではないかと思います。で、昨晩質問取りにいらした若い方に、武蔵野公社的な負担も将来的にもう一回考え直してみる必要があるんじゃないですかというお話をさしていただきましたら、武蔵野公社って何ですかと言われまして、私は非常に、自分では若いつもりなんですが、かなり時代の、隔世の感を覚えまして非常にショッキングでありました。リバースモーゲージという言葉で改めて言わせていただきます。そういうことの構築をお考えなさる余裕というか、先々そういうことも考えられるかどうか、ちょっとその辺をお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 武蔵野公社は、我が国で自治体としてリバースモーゲージに取り組んだということで非常に有名でございまして、私、一九九〇年に老人福祉課長をしておりましたが、その以前から武蔵野でリバースモーゲージが取り組まれたということで、かねて高齢者の介護、それに限らず日本の社会保障制度の中で、いつも所得の問題、所得の多寡の問題があるけれども、資産の問題どうかというときにリバースモーゲージが話題になるわけでございます。
 今、我が省の若い職員、武蔵野公社のこと知らなくてショックであったという委員の御指摘でございますが、一時非常に注目されましたリバースモーゲージも、一九九〇年代の土地の価格の低下とかバブルの崩壊を受けてやや苦戦しているというのが率直なところで、一九九〇年当時かなりリバースモーゲージが言われまして、またその必要性は今も私ども変わりないと思っておりますが、なかなか普及していないということが課題になっております。
 御指摘にありましたように、資産がある高齢者の方でフローが少ない方、こういった方々については資産を活用することによってより豊かな高齢期の生活が可能になるわけでございますので、資産の活用の在り方というのは私ども今も変わらず課題であると思っております。委員の御提案を踏まえながら、この点についても勉強を重ねてまいりたいと思っております。
○下田敦子君 ありがとうございました。是非、お若い職員の方に、局長の昔からの御検討されました武蔵野公社という言葉を、あとリバースモーゲージについてお話をしていただければ有り難いと思います。
 さて、介護予防についてであります。
 実は、先ほど来足立委員の方からも大変理論的に、理詰めでずっとお話をなさいまして、大変なるほどと思いますけれども、元来私も、転倒予防ですとか身体機能の向上を図るという点においては基本的に有意義であるだろうし、かつ重要なことだと思いますが、そもそも菅直人厚生大臣時代に連合の方々の御意見を踏まえながら考えられていた時代があったように私は記憶しておりますが、全国的に福祉自治体ユニットというのが組織されました。そのときに、当時、当局のお三方の課長様が非常に一生懸命このことについて意見をお持ちであり、また研究をされておったことがあったと私は覚えております。早くも介護予防の必要性というものを御指導されていたことは伺っておりますけれども、当時、諸団体との話合いがなかなか、時間的に限度があって見切り発車したというふうな嫌いがあるわけですけれども、そういう意味からも、今日なおまた残された課題であったのかなという気もいたします。
 そこでお伺いいたしますが、これ重複いたしますので重なっておりますところはどうぞ省いていただいて結構でございますから、お尋ねします。
 この要介護認定や地域の病院などで得た情報を基に、市町村が予防効果を見込める人を抽出して筋肉トレーニングを行うということでありますけれども、抽出と判定は一体だれがどのように行うのかということを私もお尋ねしたくて用意しておりましたんですが、先ほどのいろいろな御答弁の中で伺いますと大変心配だなと思うことがたくさんあります。
 特に、次々に出てくる質問の中で登場いたしますが、認知症の認定の場合にこれらの認知度を測定していこうという作業は、これはPSWではちょっと無理だと思います。やっぱり精神保健福祉士も補助的にはお願いできると思いますが、最終的にはやはり精神科の医師がこれに伴って行かなきゃならないわけだと思いますので、このことについてどうなさるのか。
 それから、最後のことにお尋ねと思っておりましたんですが、余りにいろんなことが、これからやってみなければならないという設定の下でいろいろと問題が多いんだろうなと思いますけれども、この介護保険費五・六兆円の中の三%を予算化して支援センター作ろうということでありますが、もし、これらのことで、様々なことで効果が出ないときはやめると先ほどおっしゃられましたことの意味から、費用対効果はどうなるのでしょうか。最初からちょっと強い伺いで恐縮ですが、お尋ねします。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 地域支援事業の点の、言わば対象者をどのようにして選ぶのかという御質問だと思います。
 地域支援事業は市町村の事業というふうになっております。今、どんなイメージが一番近いかと申し上げますと、四十歳以上の方に対して市町村で健診事業をやっております。健診事業、受診率の問題などいろいろあるんですが、制度的には四十歳以上の方について健診を受けていただく。そこで要指導の方とかそういった方については、ハイリスクの方については、このままでいくと高血圧、高脂血症あるいは糖尿病と、そういうことで将来生活習慣病の問題があるよということで個人の行動変容をしていただくと、こういう事業をやっているわけでございます。
 これは二十年以上続いておるわけでございますので、その際の例えば健康診断の基準とか、そういうことは国の方で作っております。また、乳がん等がんの検診も市町村でやっていただいていますが、御案内のとおり国が基準を作っておりまして、乳がんにつきましては視触診だけでは不十分なのでマンモグラフィー使おうというようなことを、基準は国が作っておりまして、これを変えたものですからマンモグラフィーの整備もまた政策として出てくると、こういうことになっております。
 ですので、お尋ねの介護予防、地域支援事業の中の介護予防の対象者の選定も、市町村の事業でございますので市町村にしていただくということになりますので、先ほど副大臣の方からもお答え申し上げましたように、そのときのどういう、言わばスクリーニングのためのテストなどをし、どういう形で判定をしてその該当者決めるかということは、今の老人保健事業でそういう基準をお示ししていると同じようなイメージで基準設定はさせていただきたいというふうに思っております。
 認知症の認定については非常に難しいということは御指摘のとおりで、本体の介護保険の給付の方でも、要介護認定の中でもなかなか最初は認知症の方の介護の手間がうまく反映されないということで、途中で、十四年だったと思いますが、要介護認定のスケールの見直しもして非常に改善されたということもあります。
 現場の市町村で今、要介護認定の中でも認知症の問題などについて、いろいろ調査項目なり、それから主治医の意見書とか、そういったことでやっているところでございます。今、委員の方から、介護予防のスクリーニングの際に認知症の方々に対してどういうスクリーニングするかということ、項目については私ども検討しておりますが、どんな担い手が必要かということについては、市町村の実施体制の問題もありますので、そこの点は検討をさせていただきたいと思います。
 それから、こういう地域支援事業なり新しい予防給付についての費用対効果の問題でございますが、衆議院の修正でもございましたように、三年間また検証をし、実施状況を見て検証をして見直しをすると、そういうことにされておりますので、その検証をしていく中で効果が全くないというようなことになりましたら、必要な措置は講じなければならないと思っております。
 認知症の、ただいま私の説明の、十四年と申し上げましたが、要介護認定のスケールの見直しは十五年四月からでございました。失礼いたしました。
○下田敦子君 ありがとうございました。
 少しく足立委員と質問が重複しておりますので、これは先に行かせていただきたいんですが。
 先ほどの局長の御答弁の中で、例えばトレーニングの期間を三か月の間に週二回ずつ行ってということに対して、私も改善や悪化がどのように評価されていくのかなということを大変心配に思っている一人なんでありますが、これは介護のスケジュールに果たして意味ある要素となり得るのかどうかということもまたずっと考えてまいりましたんですが。
 まず第一に、この介護保険ではリハビリテーションという概念は一体どうとらえているのかなと。ただ、ずうっと注意深く見てみますと、リハビリテーションという言葉の回数は非常に少なくて、トレーニングという言葉が大変たくさん出てきます。であれば、一人の方の全体的な機能回復といいましょうか、維持増進といいましょうか、そういうのを見たときには、筋肉トレーニングばかりではなくて、運動トレーニングだけではなくて、要するに音楽療法とか園芸療法とか、向こうの北欧に行きますとリラックスセラピーという人もおりましたり、非常に多種多様であります。こういう人たちのことから見た場合には、今、介護保険で想定しているリハビリテーションというのはちょっと違うような気がいたします。
 先ほどの中村局長の御答弁の中に、内外のいろんなエビデンスがあって、様々な統計の結果ということを御答弁の中におっしゃっておられましたんですが、これに対してはきちっとしたそういうエビデンスがあったのか、あるいはまたどういう研究の結果に基づいておられてこういうことになっているのか、いわゆる理論的、学術的に裏付けされた研究データは何であったのか、それをお尋ねいたしたいと思います。
○副大臣(西博義君) 今、学問的にどういうエビデンスがあったのかというお尋ねでございました。
 この内容につきましては、マシンを用いたトレーニングのほか、もっと軽度な、ダンベル等、またベルト等の簡便な器具を用いたもの、それから全く器具を用いないでいわゆる有酸素運動で測定したものと、様々な方法が知られております。その方法によりまして、筋力、それから歩く速度、それからバランス、そんなことで運動機能が向上するということが確認されておりまして、それぞれ各自治体での実施例、それから学問的には、例えばこちらでは日本老年医学会誌等、また海外の専門雑誌等でも、体操とかそれから歩行のトレーニング、それからマシンによるトレーニング等によりましてエビデンスがあるという形になっております。
 なお、こちらに、私、手元にあります海外の雑誌における研究も、日本人の名前で掲載されているものだというふうに伺っているところでございます。
○下田敦子君 具体的には、じゃ、内外のという意味では、老年医学会誌という学会に基づいたものがあるということは分かりますが、今の御答弁ではちょっと、海外のどこの何の学会あるいは大学のデータに基づいてということは御参考になさっていないということでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 実はこの介護予防につきましては、どういう介護予防サービスを提供することにするか、またそのスクリーニングどうするかとか、そういったことについて研究班を設けて検討していただいておりまして、そこのところに最初に内外の文献のリサーチをしていただきまして、そこで、運動器の機能向上でございますとか、口腔機能ケア、それから栄養改善のレビューをいたしております。それはこのくらい、ちょっと今手元には持ってきていないんですが、百ページ超える文献集がございますので、それは委員の方に提出をさせていただきたいと思います。
○下田敦子君 大変お手数でございますが、よろしくお願いします。
 スウェーデンに老年精神医学部という独立した老人の精神医学だけを研究している教育の学部があります。歴史もあります。日本にはこういう学部は聞いたことがありませんが、昨今、各大学にそういう講座ができてきていること、医局が誕生していることは、歴史は浅いけれども、そろそろそういうことは考えているということは感じられます。
 そこで具体的にちょっとお尋ねをしたいんですが、このたびのこの介護予防ということに基づいて、例えば東京都は、介護予防運動指導員そして介護予防主任運動指導員、これは看護師それからホームヘルパーの職にある人たちに対してわずか八十時間の研修で十七年度末まで二百人まで養成するということが報じられております。それから茨城県も、シルバーリハビリ体操指導士という名称で書かれておるわけなんですが、もうあちらこちらにこういう資格がどんどんどんどん誕生していくというか、昨日もちょっと見掛けたのですが、ある新聞に対してこういう座談会があって、その座談会の中で、急がれなければならない介護予防の専門家ということで、養成を急ぐような話が書かれてあるわけなんです。
 一つ具体的に伺いますが、このような資格者の介護保険点数は計上されるんですか。それからもう一つ、トレーニング器械を使わない場合、それでもこの介護点数は点数化されるのか。そして最後に、従来、日本では、三年ないし四年間、約三千時間の履修カリキュラムをこなしてきた国家試験免許者である作業療法士とか理学療法士、それから言語聴覚士などたくさんおります。この方々との専門性の問題を考えたときに、果たしてどういう整合性があるのか、それをお尋ねいたしたいと思いました。
 以上三点をお尋ねいたします。
○副大臣(西博義君) 今御指摘のように、各地で今回の新しい改正に対応して、先ほど先生が御指摘になりました健康運動指導士だとかシルバーリハビリ体操指導士ですか、そういう資格、いわゆる資格を取らせようというようなことが行われているということは聞いております。各自治体でそういうこれのための努力をしていただくことはこれは大事でありまして、もちろん介護予防に関しての知識を持つ者、持つ人がそういう現場に配置していただくということは大変重要でございますけれども、現時点において、ただいま御指摘のような民間の団体による特定の資格、これに限定して介護報酬で評価をしていくということは考えていないところでございます。
 なお、国家資格につきましても、衆議院でも御答弁申し上げましたが、今のところは特定の国家資格を創設するということは考えておりません。
 それから、第二点の運動機能向上に関して、有酸素運動等の全く器具を使用しない場合にどういうふうに点数に反映されるのかということでございますが、このことに関しては、器具を使用するとか使用しないとかいうことではなくて、介護予防としてどういう有効性また科学的な根拠をもってこれから介護予防のために働いていただくのかということで判定をするわけで、器具があるから器具がないからということが特別な理由ということにはならないというふうに考えております。
○政府参考人(中村秀一君) 三点目は、従来、国家資格で養成されております様々な専門資格等、こういった方々との関係どうかと、こういうお尋ねでございました。これは、先ほど委員が介護保険の中で想定しているリハビリテーションの概念とはどういうものかと、このことにも重なると思いますので、併せてお答えをさせていただきます。
 介護保険の法律の中では、例えば第四条で、国民は、要介護状態になった場合にも、自分の機能の保持向上を図るために、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することによりということで、介護保険の中でも、リハビリテーションその他の適切な保健医療サービスと福祉サービス、こういう概念で書かれております。
 リハビリテーションは、狭義のリハビリテーションは医師の指示の下に診療の補助の行為として理学療法や作業療法といった個々に専門性が確立されている医療行為を行うものでございまして、委員御指摘の三千時間の訓練を受けて従事されておられる理学療法士や作業療法士は、そういった意味で、医療行為は他の資格の方にはできない、そこを医師の指示の下に診療の補助の行為として実施できるというふうにされているところであり、介護保険の中でもこういう医療行為に当たるリハビリテーションについてはこのような専門職種の方が実施することになろうかと思います。
 また、現在のヘルス事業、これは老人保健法に基づくヘルス事業の中にも機能訓練というのがございまして、これは今言った意味でのリハビリテーションには該当しませんが、広義の意味ではリハビリテーション的に考えられており、このような機能訓練には理学療法士以外の方々も参加されている。
 また、通所介護におきましては、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練、これは機能訓練と略称されているわけですが、これを想定されておりますけれども、この場合においては身体運動に見識を有している方がやるということにはなっておりますが、必ずしも理学療法士や作業療法士に限定されているわけではないと、こんな体系になっております。
○下田敦子君 これは私個人の体験ではありませんけれども、先ほど申し上げました、介護、看護のオーソリティーでいらっしゃいます清水先生の前で申し上げるのも大変おこがましいんですが、老人のいわゆる体の組織その他というものはやっぱり考えられないような状況が出てまいります。
 例えば、転倒を予防する、あるいは体位の交換をするときに、気を付けてやってはいても、たまたまこういうわずか十センチぐらいのマットの上からころっと落ちたというだけで、骨粗鬆症があるから中にもそうかもしれませんが、骨折をする。あるいはタオルケットが足に絡んでいた人を体位交換するときに、トランスファーするときに骨折をさせてしまったという事例が全国の学会で聞くことができます。それほどにデリケートな、デリカシーの要るものであるし、ましてや、そこまで至らないまでも、筋肉トレーニングして一つの目的を持とうとするならば、やっぱり人それぞれにメニューがまず必要だと思います。そして、それに対するプログラムの設定が必要である。それを先ほど来、足立委員の御質問に対して、御答弁で伺っていますけれども、ただいまも特定の資格者は考えてないと。これ、どういうふうに理解すればいいのか、大変私は心配をしております。
 それから、楽しくないと行かないですね、介護支援センターにも。いわゆるレクリエーション指導法というのもあって、楽しくないとそこへは高齢者の方もなかなか集まり難い。で、この事業が果たしてこれでどうなっていくのかなというのが私は大変個人的に心配をしている者の一人であります。
 じゃ、次にお伺いをいたします。
 大変これは下世話な話で恐縮なんですが、はっきりした方がいいと思いますので、この場であえて質問させていただきます。
 過日、ある住民の方から、某週刊誌に掲載された「老人筋トレ新法」というタイトルで、「厚労省が狙う「介護の城」建設」という記事がございました。確かに、介護保険総経費の五・六兆円の三%ですから一千六百八十億円の仕事というのは一つの意味から見ると介護の城なのかなとも思いますが、大変マスメディアの中ではこういう、部分的に、まあ新聞も雑誌も売れなければいけませんからタイムリーにクローズアップするんだと思うんですけれども、非常にこれを見た人は成り行きに不安を覚えます。
 どういうことが始まるのかなというのが一つ心配をしている人がいろいろ多くなっておりますので、この辺についていかがお考えでありますか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘の週刊誌に掲載された記事でございますけれども、これは筋力向上トレーニングを高齢者の皆さんに強制をするとされておりましたり、これはもう再三申し上げておりますけれども、決して、メニューの一つとして申し上げておるわけでありまして、強制するようなものでももちろんございませんし、あるいは介護予防に関連する予算をすべてマシンに使って筋力向上トレーニングをするというような計算になっておりましたり、誤解でありますとか一方的な決め付けに基づいたものが多く見られます。したがいまして、私どもは、今お話しいただきましたように、そういう記事をごらんになって御心配いただいたり、また不信感を持たれたりということは大変にまずいことでございますから、努力して、国民の方々に制度の正確な情報が伝わるように努力をしなきゃいけないというふうに考えておるところでございます。そして、制度の信頼性の確保、それからまた適正な運営に努めてまいりたいと存じます。
 今後とも、今回の制度改正の趣旨、内容等について、こうした国会における御審議も含めまして、正確にお伝えをし、また国民の皆様にも幅広く周知を図ってまいりたいと存じております。
○下田敦子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、介護予防という言葉を考えましたときに、要支援者、要介護者の介護度の進行を食い止めるというのがまず本来考えておられることだし、願っていることだと思います。だとするならば、筋肉トレーニング以上に、予防という観点から、脳血管障害その他疾病に陥らないような、その他の予防対策を取ることもかなり重要な介護予防の方法だと思います。例えば、医療保険適用外であります健康診断、それからあるいは健康指導、医学的予防、これらに対してもう少し、御所管が違うのかもしれませんけれども、予算的にもまたいろんなことをしていくべきだと思います。
 大変これ、全国的に新聞にもあるいはテレビにも出ましたので御案内のとおりだと思いますが、昨今、市町村が三位一体で予算がないのでがん検診を抽せん式でやったと。抽せんに当たった人だけががん検診を受けたと。ちょっと笑い話といえば大変お気の毒なんですが、現実がそこまで至っているということなのであります。
 ですから、これほどに予算を掛けて、一千六百八十億円も掛けてこの介護支援センター、包括センターをつくるのであれば、従来の各地にある支援センターにもう少し充実したものをおぶわせながら、あえて新たにこれほど五千か所も、ましてトレーニングの三千か所もつくる必要があるのだろうかと。まして、それを伺いますと、効果が上がらない時点では見直すと、三年後に見直す。ここの施設はどうなるのだろうかということを心配しているわけです。事実、脳血管障害その他で介護を要している方々、介護してさしあげなければならない方々が非常に多くなっているということを現場としては一番先にこれを考えなくちゃいけない。
 ですから、先ほども要介護度三というお話が度々出ておりましたけれども、そういうことを考えたときに、いかがでございましょうか、全体的なこの介護予防というものを、あえてこういう集中して、筋肉トレーニングだけというわけではないんだと思いますけれども、そういうことに新たに持ち出すということが、もっともっと別な意味からも考えていった方がいいのではないかということを考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 今度の介護予防のことと、それから生活習慣病対策をもっとしっかり行うべきではないかと、こういうお話と、二つあったんだと思います。
 私どもは、今度の介護予防というのは、生活習慣病対策にプラスして、六十五歳以上の人たちにはこれまで生活習慣病対策ということで、脳卒中などの循環器病を始め、がん、脳卒中、心臓病、三大死因を防ぐためにこの生活習慣病対策を成人病対策という名前のときからやってまいりましたし、市町村にそういう検診をしていただくということについては、市町村の事業として昭和五十八年から実施してきたところでございます。
 平成十年にがん検診については一般財源化すると、こういうお話がございまして一般財源化したわけでございまして、これは地方分権の流れで一般財源化したわけですが、そういうことになると、今御指摘のようながん検診についても財政の制約があるということで、私ども、どういう分野が一般財源化することが正しくて、どういう分野は国が関与するかということについてもよく考えなければならないと思っております。
 けれども、今度の提案しております介護予防は、生活習慣病予防を四十歳からでいいかどうか、もっと早くからやるべきではないかということがありますので、その部分と、六十五以降について、特に介護保険は、要介護にならない又は要介護状態になっても悪化させないということをもう一つの柱にしたいということで、介護予防につきましては、生活習慣予防にプラスして介護予防という観点から、がんや脳卒中対策、心臓病対策が大事じゃないということではなくて、それに加えて、要介護状態にならないようにするための介護予防を併せてやっていこうと、こういうふうに考えているところでございます。
 生活習慣病対策、がん検診の在り方などについてはもう一度厚生労働省としても見直しをするということ、医療制度改革をまた来年予定しておりますので、そういった中でどういう位置付けをさせていただくかということで議論もさせていただきたいと考えております。
○下田敦子君 是非よろしくお願いします。
 一般財源化するということの自治体の判断が、やはりそういう文化を持たないとやはりこういう状況になってしまいがちであります。
 次のお尋ねに移らせていただきます。
 介護予防の給付の中で大変口腔衛生ということもお取り上げになって、今までにないことでありますので、これ大変有り難いことだと思いますが、なぜ、じゃ口腔衛生が必要なのかと、そういうことをお尋ねしますと、これは肺炎の予防のためであるというふうなお答えが返ってきました。
 実は、これは昨年の十月二十一日の部門会議、厚生労働省のヒアリングの際にもお願いを申し上げましたんですが、今回のまとめたものにはさっぱり登場いたしませんでした。あれは何だったんだろうと今思っております。
 ということは、肺炎を予防する口腔ケア、これ歯科衛生士のお仕事というふうにその物にも書いてありました。それも確かであります。しかし、老人性のこういう嚥下障害ということを考えたときには、やはりそれは履修時間も違いますし、言語聴覚士がはるかに専門的な勉強をしております。そのことを考えたときに、やはりいろいろなところには様々な職域、専門性を総合的に理解してそれに加わっていただくということも書いております。書いておりますけれども、具体的にそういう職業なり専門家が登場してこないと。
 嚥下障害ということを今正面から考えて取り組んでいくということで、この言語聴覚士も大変難産の末、生まれて存在しているわけでございますし、各三つの老人保健施設等にも決められた職種があるわけでございまして、なぜそれがこのたびのこの計画に出てこないのかなと、それを思っております。お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 平成十六年一月に私どもが依頼してまとめていただきました高齢者リハビリテーションのあるべき方向では、これまでの高齢者に対するアプローチで不十分なものの一つとして口腔ケアを挙げておりまして、これは、低栄養、転倒・骨折、気道感染、ここが肺炎の予防になるんですが、閉じこもりに対する介護予防効果があると、こういうことで専門的な口腔ケアについて検討するようにと、こういうふうに言われているところでございます。
 また、これらの提言を受けまして、言語聴覚士の方々、これは嚥下障害のリハビリテーションなどに効果があるということで、そこも介護保険や医療保険の対象にしていくという方向性が出され、医療保険については、一年前の診療報酬改定で言語聴覚士の訪問リハビリテーションが認められたというところでございます。
 介護保険の方は、来年四月が介護報酬の改定になっておりますので、今回、介護予防の中で口腔ケアを入れましたけれども、嚥下障害などは重度の方の障害もございますので、介護保険の介護給付の中でも検討すべき課題だと考えておりますので、訪問リハビリテーションの在り方も含め、検討させていただきたいと思っております。
○下田敦子君 ありがとうございました。
 それでは、次に移らせていただきたいと思います。ケアマネジャーのことであります。
 御案内のとおり、受験資格は、鍼灸師あるいは義肢装具士からドクター、医師まで、これはもう幅広い方々が受けられる資格であります。そこで、たくさんの方も誕生しておりますけれども、地域包括支援センターにケアマネジャーを置くということで、保健師のほかに看護師の方をそれに充てるという意味を私は読み取ったんですが、果たして全国にこれだけの数を用意する、地域包括支援センターに充足できるのか、その充足できると思われてこう計画されている根拠は何であるかをお尋ねします。
○政府参考人(中村秀一君) 地域包括支援センターの保健師さんの確保の問題でございます。保健師さん、今、平成十四年末で三万八千人の方が就業されておられ、市町村、保健所で就業しておられる方は約二万九千人と、こういうふうに承知しております。
 今回、地域包括支援センターが造られるわけですが、現に就業している保健師さんたちが回るという場合と、保健師資格を持っておられて就業をされていない方は、年間、保健師さんの合格者数は昨年でいえば八千人おられますので、かなりの方が保健師としては就業されていないということもございますので、そういった意味で、就職先があれば就業される方もかなりいるんではないかと、こういうふうには考えているところでございます。
 ただ、現実問題として、市区町村の中でも保健師の確保について御不安もいただいております。また、必ずしも保健師さんに限らず、介護予防や相談支援に経験のある看護師さんもおられると思いますので、そういった方々を活用するということで人材の確保に努めていただきたいというふうに思っています。
 なお、この部分につきましては、準備の時間もあるということで、十八年四月施行を実施しておりますが、十九年度末までの二年間、条例で定める日から実施もできる規定を置いておりますので、十八年四月に間に合わない場合も少し準備期間の中で確保していただくと、こういうふうなことを考えているところでございます。
○下田敦子君 どれぐらい足りないかということは、やはり現場、現状を見ていただければ大変助かります。
 あわせて、もっと心配になっておりますのは、グループホームというのは御案内のとおり、例えば青森県を例に取って御無礼かもしれませんが、県内に約二百か所以上ございます。ある方は雨後のタケノコのように設立されたということをおっしゃる方もおりますが、ただ、この施設におきましては、介護職員の配置、資格、人数の問題を含めましてまだ整備されていない点も非常にあると私は思っております。
 そこで、このたびのこの介護保険改正案の中で、十八年の四月を経過措置として決められておりますのは、ケアマネジャーの必置義務を定められました。いいことだとは思います。ですが、果たしてこれが常勤職員として採用ができるのだろうかと、需要と供給が。設置者の人たちは困難であるという声がまず出てきます。
 それからもう一つ。このグループホームの理事者、経営者、資格を問いませんけれども、管理者研修の受講後開設できるという現状になっておりますようで、様々な問題が出ております。入所者の七割近くが認知症であったりいろいろ問題がある中で、特に定めがないということについて、いかがお考えでありますか。お願いします。
○政府参考人(中村秀一君) グループホームにつきましては、介護保険法で言わば給付の対象にされたという施設でございまして、御指摘のとおり、大変、介護保険実施後、グループホームの数が増えているという状況でございます。
 平成十五年四月の指定基準の改正で、平成十六年四月からはケアマネジャーを置くと、こういう規定が置かれ、二年間の猶予期間があるということでございますので、十八年四月末までにこのケアマネジャーの必置が義務付けられたところでございます。平成十六年十月現在、五千七百三十二のグループホームの事業所のうち四八%の事業所でケアマネジャーの配置が行われておりますので、十八年三月までにこれが満たせるようにしてまいりたいと思います。
 グループホームにつきましては、いろんな御指摘がございますので、今回の介護報酬、介護基準の見直し、そういった中でも、例えばグループホームの中でターミナルケアを行いたいというような議論もございますし、医療との関係をどうするかとか様々課題が提出されておりますので、検討してまいりたいと考えております。
○下田敦子君 常勤職員としての採用が困難であるということをさっき申し上げましたが、その数的に充足できないという困難さもあるんですけれども、経営自体の中で、果たしてお給料がケアマネジャーという方に対してでは、かなりの専門家ですので、果たして給与が生み出せるのかという、九人一ユニット、二ユニットまでというふうになりますと、果たしてこれができるのだろうかという心配がたくさんあります。いかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 介護報酬の改定に当たりましては、その事業の経営の実態調査などもいたしまして介護報酬を設定させていただきたいというふうに考えております。実際上どういう経営状況になっているかということは、十五年四月の改定の際にもそれを踏まえて実施したわけでございますので、そういったことで対処してまいりたいと思います。
○下田敦子君 大変ありがとうございました。
 中村局長にだけ何か集中攻撃で本当に恐縮なんですが、もう一つ、マンパワーにちなんでお尋ねをしたいと思います。
 この同法案を拝見しておりますと、随所にホームヘルパー、介護支援専門員等の介護サービスを担う人材の安定的確保という言葉が登場してきます。この法案の重要な点をうたっておるとは思いますが、なぜその目的で創設された介護福祉士の登場がないのか、これを私は非常に関係者とともに驚いております。
 御案内のとおり、第百八回通常国会、衆議院本会議において社会福祉士法及び介護福祉士法が全会一致で採択されまして、もう十五年がたちました。看護師さんはおおよそ百年掛けて百万人に到達しておりますけれども、この介護福祉士はちょうど十七年の三月末現在で四十二万七千人を誕生させるに至っております。
 ですから、この国家試験を受ける数等々も加えて大変多いわけでありますが、この点について、介護保険という中にこういう国家資格者の更に専門家であるという人が登場してこないというのはどういうことかなと単純に思いましたので、お尋ねします。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 まず第一に、介護保険の制度のいろいろな御説明の中に、介護保険の給付のメニューとしてケアマネジャーさんというか、ケアマネジメント、あるいはホームヘルプサービスがございますので、その担い手ということでケアマネジャーとかホームヘルパーという言葉がよく使われるということだと思います。
 その介護の担い手の質の向上を図るため、今委員から御紹介がございましたように介護福祉士という制度をつくっているところでございまして、現に介護福祉士さんの介護職種に占める割合は上がってきておりますし、特別養護老人ホームなどの介護職、介護する職員の方に占める割合は半数くらいまで上がってきているというところでございます。
 昨年七月三十日に取りまとめられました介護保険部会の意見書でも、介護のサービスの質の確保、向上のために、専門性を重視した人材育成と資質の確保が課題であり、介護職員については、まず資格要件の観点から、将来的には任用資格は介護福祉士を基本とすべきであり、これを前提に、現任者の研修についても、実務経験に応じた段階的な技術向上が図られるよう体系的な見直しを進めていく必要があると、こういうふうに考えておりますので、正にこれからは、あるべき姿としては、介護職員は介護福祉士を基本とするということが審議会の意見書でも明記されておりますし、私どものマンパワーの政策の基本としてこの点は据えてまいりたいと思います。
 そういたしますと、今働いておられる方々をどうやって介護福祉士のところに近づけていくかというお話と、これから新規参入されてこられるマンパワーについては介護福祉士を優先的に言わば登用していただくということが必要になるのではないかと思っております。
 あわせて、もちろん介護福祉士、現在の介護福祉士さんで十分かという一方で御指摘もあるわけでございますので、介護福祉士の制度、養成の在り方そのものも大事な制度になるわけでございますので、そこの改善すべきことがあればしていく必要があると考えております。
○下田敦子君 それでは、次のお尋ねに移らせていただきます。
 看護師及び介護福祉士の将来的な問題として、近々、FTAによるフィリピンからの介護福祉士、看護師の受入れが始まると言われておりますけれども、ちょっと私事の話になりますが、アキノ大統領を招聘申し上げる機会がありました。雑談の中で、フィリピンの外貨の第一位は、やはりこういうケアワーカーとか、あるいはPT、OTの、英語圏に卒業後出向いていってお勤めをして親元にそのお金を送金してくることがフィリピンの外貨の第一位だと。いかにそのマンパワーの養成に国が力を込めているかということが分かるんですが、あのとおり、ホスピタリティーの非常に豊かなカソリックの国でありますのでなるほどとも思えるわけですけれども、このFTAの制度がスタートしたときに、この介護保険の中で看護師あるいは介護福祉士のフィリピンからの皆さんをどういうふうに受け入れられるのか、これをお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(恒川謙司君) お答えいたします。
 経済連携協定交渉における医療・福祉分野の人の移動については三つの原則に基づいて行っております。
 一つ目は、身体、精神にかかわり、チームで提供する医療・福祉サービスの専門家として働くためには、我が国の国家資格の取得を求めること、第二番目には受入れ枠を設けること、第三番目は、適正な送り出し及び受入れの組織、枠組みを構築することなどを原則として行うとともに、相手国とこれらの原則が確認できた場合には国家資格を受けやすくするなどの具体的対策を講じることを基本的な考え方として対応しているところでございます。
 フィリピンとの交渉については、こうした原則に基づいて、看護師、介護福祉士の受入れの基本的枠組みについて昨年十一月末に両国間で大筋合意したところでございます。
 現在は、こうした基本合意に基づき、協定の条文交渉などを両国間で行うとともに、両国関係者にとって納得のいく質の高い専門家の受入れ制度となるよう、関係省庁と連携の下、現在検討を進めているところでございます。
○下田敦子君 何かこのFTAに一部反対している団体があるやに伺いますが、私が何回か参りまして拝見する限りでは、非常に質が高いというふうに個人的に感じて帰りました。いろいろあると思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 それから、次の質問に入らせていただきます。
 介護保険の三施設においてのこの居住費、食費、いわゆるホテルコストの自己負担がなぜ十月一日、これだけが前倒しなのか、お尋ねをします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の介護保険制度の見直しにおきましては、在宅の皆さんとそれから施設に入っておられる皆さん、この両者の間の公平性の観点から、施設給付における居住費用、住居、居住費用ですね、申し訳ありません、居住費用と私ども言っております。居住費用と食費について、在宅の場合と同様、保険給付の対象外とすることといたしております。
 もうこのことについては何回も御説明申し上げておりますので、あえてここで繰り返しの御説明は申し上げません。ただ、そういうことにいたしましたということをまず申し上げます。
 この見直しにつきましては、こうした考え方を速やかに実現するとともに、保険給付費が伸び続け、来年度も大幅な保険料の引上げが見込まれる保険者もある中で、これ、先日も、「介護保険、赤字三倍に 二百九十一市町村で百五十億円」という見出しの下に報道されたりもいたしておりますけれども、現在、そういう状況にございますので、大幅な保険料の引上げが見込まれる保険者もある、こうした状況の中で、制度の持続可能性の観点から早急にこのことを行うことが求められておる、こういうふうに判断をいたしておりますので、来年十月から行うこととしたものでございます。
○下田敦子君 時間があと……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) じゃ、下田さん、ちょっと待って。
 答弁の訂正ですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) はい。
 来年十月と申し上げたようでございますが、本年十月でございますので、訂正させていただきます。
○委員長(岸宏一君) よろしいですか。
○下田敦子君 その本年十月というのに現場は非常に困惑しております。
 時間がありませんので要望にとどめさせていただきますけれども、だれがこれの説明責任を負うのかということもお尋ねしたかったんですが、まあ御本人、入所している御本人というよりも、御家族の方々への理解。最近、共働きが多いですから、土曜日においでください、日曜日においでくださいになると、それらの説明をどうするのか。元来、これは介護保険を行っている役所が説明するべきではないのかという声すら出てくるわけでございまして、非常に困惑してます。
 それから、当の御本人としても、国民年金満額受給者、月これ六万七千円ですけれども、これをホテルコストをお支払いすると、手元に一万しか残らないと。こういう現実に、厚生労働省、国は低所得者対策を講じておられるようでありますけれども、これらの周知徹底もかなり早くしていただかないと、もう時間がないですね、十月一日とすれば。本当に混乱が予想されます。
 行き場のない人が出たときに、これにどう対処するだろうというのがやっぱり現場の一つの大きな今悩んでいるところだと思います。全国の老人保健施設ならず、また介護特別養護老人ホーム等々いろいろあります。
 それから、最後に一つ要望させていただきますが、これは、栄養指導等それぞれがかなり苦戦して今やっているところですが、この栄養管理料、それから技術料、これが基本的に、基本食サービス費として対象となるようでありますけれども、これは大変成果を上げていかなければならないという、一つの栄養改善の目的もあります。
 評価期間が六か月、あるいは中間評価が三か月というふうにあるわけでございますが、例えば、糖尿病食の特別食の栄養管理に至っても、保険給付の対象となったとしても、こういう期間の定めの中では改善できる性質のものではありません。ですから、個別にこういうことはきちんと見ていただきたい。
 それから、何としても、これは全国の特養等々も悩んでいることだと思うんですが、認知症の患者さんの場合に、介護の手数、食事介助等々、大変な手数であります。しかも嚥下が困難になってきます。普通に召し上がってもらってということは考え難い。だれかが付いて、しかもその内容は、食事は昔やっていた刻み食とかではなくて嚥下食そのものをゼラチン等々入れて作らなきゃならない。ですから、こういう認知症の方には、やはり特別食の加算というものはこの介護保険において考慮していただかないと、全国の老人ホームその他においては大変悩んでいるところだと思いますので、現場の調査を含めながらよく御理解をいただきたいと思います。
 ちょうど十分になりましたので。マンパワーを中心にお尋ねをさせていただきました。御答弁、ありがとうございました。
○山本孝史君 民主党・新緑風会、山本孝史でございます。何回かの質問の第一回目ということで、質問させていただきたいと思いますが。
 大臣、被保険者、受給者の範囲の拡大の問題でございますが、このことについて是非とも実現したいというお考えでしょうか。まず、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 御質問の冒頭にこのことをお尋ねになりましたということは大変意味があることで、そのことをよく理解しながら、ただ、この場でお尋ねいただきますとこれまで答弁してまいりましたものを繰り返さざるを得ないものですから、どうぞお許しをいただきたいと存じます。
 すなわち、介護保険制度の被保険者、受給者の範囲については、今回の介護保険制度の見直しにおいても関係者の間で主要な論点の一つとして議論が行われてきたところでありますけれども、なお範囲の拡大については賛否両論が見られますことから、国民の合意形成に向けた検討が更に必要であると考えております。
 こうした状況を踏まえまして、幅広く国民各層の代表とする方の参画を求めまして新たな検討の場を設け、社会保障制度全般に関する一体的な見直しと併せて御検討いただき、平成十八年度末までに結論を得たいと考えております。
○山本孝史君 それは今までの答弁の繰り返し。私が冒頭に持ってきたことの意味はどうだ、私もそう思うというんで、その響きの中に、自分も大切だと思っているという響きをにおわされたのかどうか知らないけれども、政治がリーダーシップを発揮しないとここは実現しない。あるいは、厚生省として社会保障制度をどう考えるかということがあるわけだから、いろんな考えがあることは分かるけれども、大臣としてはこう思うということでいかないと話は前に進まないと思うんですよ。
 そういう思いでもう一度、同じ答弁繰り返すなら駄目ですけれども、もう一度お聞きします。どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げておりますように、新たな検討の場をお願いするところでございますから、その前に、御検討くださいというお願いする私どもがお答え申し上げますことは失礼にも当たろうかと思いますので、今日の場はお許しをいただきたいと存じます。
○山本孝史君 第二の国保を嫌っております市町村も負担増を嫌う企業も、その多くはともに介護保険には反対でした。したがって、被保険者並びに給付対象者の範囲の拡大についても反対されるのは当然だと思います。
 その両者の御主張を除いて、ほかに範囲の拡大に向けてクリアすべき課題は何なのか、簡明に述べていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 介護保険部会などで経済界や市長会の代表を除いた方々で慎重な御意見を言われた方は、若年者の保険料負担についての納得感、それから福祉政策には税を財源とすべきだと、こんなような議論が主として中心であったと思います。
 それから、クリアしなければならない課題といたしましては、被保険者、受給者の範囲を拡大する場合、もちろん保険料水準とか何歳以上を対象にするかと、そういう問題あるわけでございますが、実務上の、実際、制度としてのせていく場合には、サービスのメニューの問題、要介護認定の基準の問題、現在の高齢者を中心とする要介護度、手間の掛かり方という一つの物差しで大丈夫かどうかというようなこと、それから、高齢者の方々を中心とする介護に対して、身体介護のみならず、知的障害あるいは精神障害、様々な難病、いろんな方々が対象に、若年で対象になってくるということを考えた場合に、介護のサービスメニューとして現在のメニューで大丈夫かどうか、実務的な論点があると考えております。
○山本孝史君 今すぐにその年齢の範囲の拡大あるいは対象者の拡大は難しいと私も思います。なぜなら、それは、後半局長おっしゃったように、メニューをそろえる、どうやって認定するかという意味ではいろいろありますし、三十五歳から行くか三十歳から行くか二十歳から行くのか、いろいろ考え方ありますわね。だから、検討会つくってそこに丸投げするんじゃなくて、厚生省としては、そうやろうとしてきて途中でとんざしたわけだから、そこのところはちゃんと国民にメッセージが伝わるような形でその検討会の中でしっかり主張していただきたいと思います。
 それで、この委員会の中でも御指摘ありました、高齢者の医療と介護というのは非常に近いからという御指摘があって、かねてから高齢者医療と介護を一つに統合しようというような御主張をされる方もあるわけですね。そうすると、高齢者医療制度が決まらないとこれなかなか決まらないという話になるわけですが、この考え方というのは厚生省としては今もお持ちになっているのか、あるいはもうそれはお持ちになっていないのか、そこをお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 介護保険制度は、今お話しいただきましたように、それまで医療と福祉と分立しておりました高齢者介護につきまして、総合的かつ一元的なサービス提供を確立するよう創設された制度だと認識をいたしております。すなわち、サービスは一元的にしようということのために介護保険がつくられたというふうに考えております。
 そして、制度施行後五年を経たわけでございますが、介護サービスは広く普及をしておりますし、サービス提供基盤も整備されます中で、高齢期の国民生活を支える一つの制度として定着をしておりますので、今のお答えで申し上げますと、高齢者医療とは制度としては独立したものとして確立をされておる、制度として独立をしておる、ただ、サービスは一体的に行おうとするものである、こういう整理にさせていただいております。
○山本孝史君 整理されているのは分かるんですが、保険制度ですから、医療は医療に対して、介護は介護と要介護状態ということに対してのサービスですね、サービスは違うわけですね。しかし、同じような、先般の朝日委員の御指摘にもありましたけれども、医療療養型と介護療養型とあって、同じようなところ、同じようなサービスがなされているということもある。ここを一体的に考えていこうというのは、今おられませんけれども、武見理事なんかは多分そういう思いじゃないかと私は思うんです。
 したがって、考え方は私はなかったわけではないと思うので、どっちの方向に行くのか。これからの社会保障制度、私、この十年と言わずとも、このもう数年の間が勝負だと思っていますので、しっかりとその方向性なり考え方を明示するということは大変重要なんですね。したがって、高齢者医療制度を考えるにしても課題ですし、介護保険の年齢拡大ということも課題ですから、そこはどうなっているのかと、考えているのか考えていないのかということをお聞きしているんです。
 局長でも結構ですけど、ちゃんとした厚生省の答弁ください。
○政府参考人(中村秀一君) 療養型病床群のお話が出まして、課題であることは確かでありますが、大臣から御答弁申し上げましたように、制度としては独立したものとして定着しているということ、それから、ある意味では医療と位置付けられていたサービスの中からわざわざ介護保険の方に引っ越してきていただいて一つのサービスとして組み立ててきていること、それから、ますますこれから高齢者介護として、その制度の下にある療養型病床群にしても介護三施設にしても介護施設として発達していくということが考えられると、そういうふうに考えますと、高齢者医療制度と介護保険制度の統合という選択肢は厚生労働省としては今考えていないと申し上げたいと思います。
○山本孝史君 老健局長の中村さんはそう答えて、今度保険局長に言ったら違う答えをするということがないように。僕はあり得ると思うんで、きちんとした答弁をしていただかないと、私たちもどう考えていくかというのがありますから、してください。(発言する者あり)大臣に聞いても、これは大臣、そのときいないから。
 介護保険制度の創設時の最大の問題点は、この四十から六十四歳の第二号被保険者保険料は実質的に税ではないかという議論でした。今回の提出法案でも、従来は税で行っていた保健事業を取り込んで、今度は保険料からも財源を確保する。理屈はいろいろ付けておられますけれども、こんなことをしていていいのかという声がある。
 先ほど御答弁されたように、税と社会保険というのはどう考えるのか、このままで行ったら、私は、社会福祉は全部保険方式で行うということになるのではないか。子供の少子化対策とか何かは子供保険つくるというような話にもなってくる。じゃ、生活保護もこれも社会保険でやるのかという話になる。
 税と社会保険との整理がやっぱり必要で、ここは厚生省がちゃんと出さなきゃいけないと思うんですね。徹底した行財政改革、あるいは無駄な公共事業、まあ軍事費も含まれているのかもしれません。私は、ODAをばらまいて安保理事会に入るというのは私は反対ですけれども、そういうところをきっちりと見直しをして福祉の予算をしっかり確保するということをすべきだと私は思います。政権取ったらそうしますけれども、野党ですからそうできません。
 ということで、私どもは背に腹は代えられないということで、こう言うと党内で反対されるんですけれども、しかし私は、福祉の予算の確保の方が先だと、こう個人的には思いまして、良い介護保険制度にしたいという思いから質問をさせていただいております。
 民主党は、衆議院段階で、筋トレマシンの展開というものについては、筋肉トレーニングを否定しているわけじゃなくて、筋トレマシンということについては一定の歯止めを掛けましたし、保険事業の三年後の検証と見直し、あるいは障害者の自立支援の一助としての介護保険の活用についても十八年度中に結論を得るということなど、多くの修正やあるいは確認答弁を求めてまいりました。
 やっぱり厚労省には、財政を優先するという形ではなくて、どのような介護システムが望ましいのか、どのような高齢社会をつくろうと思っているのかというビジョンをしっかり示した上で介護保険制度はこう変えていきたいという説明をしてほしかったと思います。余りにも混乱している、整理されないままに、まあいろんな思いがあったことは承知しますけれども、来ておるということが私は審議が深まらない最大の原因だと思っています。
 で、介護保険は第二の国保にしないというのが至上命題になっておりまして、様々な仕掛けが作られました。ケアマネの制度あるいはケアプランの作成、給付に上限額を設定する、これはいずれも医療保険が出来高払で膨脹するということの反省からだったと思います。これらの仕組みが本当に機能しているのかどうか、社会的入院が解消されたのか、住み慣れた地域で住み続けることができる社会の創造、人権が尊重された介護保険の整備、これらも介護保険が掲げた目標であったと思います。これらがどこまで到達したのかということを検証するのがこの五年の見直しの大変重要なポイントだと思います。
 そこで、ということで聞かなきゃいけないことが一杯あるんで、という意味で、今日は給付の見直しの部分についてお尋ねをしたいと思いますが、お手元に資料をお配りをしております。
 一ページ目。これは厚労省がお示しになった介護給付費の見通し、ごく粗い試算というものですけれども、平成十八年からの三年間の第三期に給付の重点化、効率化によって介護給付費は単年度平均で大体六千億から七千億縮減されるとされております。その内訳として、衆議院段階で中村局長は、施設の給付費の見直しで三千億程度、残余、すなわち四千億は介護予防の効果として見込んでいるという答弁をなさいました。
 改めてお聞きをします。この七千億円の内訳をお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 今回の給付の効率化、重点化によりまして、平成十八年から二十年度の第三期におきまして介護予防対策が相当進んだ場合、これは委員のお示しいただきました資料ではケースTの場合でございますが、第三期で〇・七兆円程度の給付費の縮減を見込んでおります。
 縮減の内容でございますが、居住費用、食費の見直しの影響に、新しい施設整備計画の設定の影響を合わせた施設の見直しによりまして〇・五兆円程度、地域支援事業や新予防給付といった介護予防対策の推進によりまして〇・二兆円程度の効果を見込んでございます。そして、介護予防対策の推進に関しましては、地域支援事業と新予防給付でそれぞれ、内訳になりますが、〇・一兆円程度の給付費が縮減するものと見込んでおります。
○山本孝史君 施設関連の見直しで五千億、介護予防、地域支援事業で一千億、新予防給付で一千億、で七千億という御説明をいただいておりますけれども。したがって、介護度が上がることを止めることで一千億、入ってくる、局長の御答弁だとエントリーする方を抑える意味で一千億、という意味で二千億。
 今、要支援、要介護一のサービスというのは給付費は幾らぐらいになっておりましたでしたでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 今の委員御指摘のとおりでございますが、まず地域支援事業の導入によりまして、先ほど、そのエントリーする人が、平成二十年ころ二百六十万人になると見込まれております要支援、要介護一の人が二十万人程度減少すると。新予防給付になり、中重度者の方が、二百六十万になる見込みですが、二十万人くらい平成二十年で減少すると、こういうことで一千億見込んでおります。
 今、在宅軽度者に係る給付費の現状につきまして、最近の介護事業の状況報告から年額を計算いたしますと、給付費でございますが、在宅給付費が二兆八千億程度、うち要支援が二千億円程度、要介護一が八千億円程度であると推計されております。
○山本孝史君 これからの効果の部分もありますし、それから報酬の見直し、あるいはこれから後触れますケアプランのチェックという部分で、見通しですからなかなかこのとおりいかないのかもしれませんが、今一兆円程度あるものの中で二千億というものが減額、縮減される対象になると、こういう御答弁でございますが。
 で、問題はこの生活援助の見直しという部分なんですけれども、大臣にお伺いをしたいんですが、現在も要支援の人には予防給付が法定されておりますし、行われているということになっております。しかしながら、内容は介護給付をミニ版化したような形になっております。今回の改正は法律の規定に則するような給付に正したいということだと理解をしておりますけれども、なぜ予防給付が適切に行われなかったのか、法定されているにもかかわらずなぜ予防給付が適切に行われずに、介護給付のようなものがミニ版のような形で行われてきたのかと、このことがちゃんと検証されないというか、なぜそうなったのかということをおっしゃらないと、私は生活援助をカットされる方たちの理解を得られないと思いますので、これまでのまずは施策の不十分さを反省をしていただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 一言で言いますと、反省をしなきゃならないと考えております。
 お話しのように、予防給付に位置付けられておりましたサービスが、これはもう先生御自身今お話しになりましたけれども、介護給付とほとんど変わっておりませんで、予防という観点から必ずしも十分に機能してこなかったことは否定をできません。そのために、今回また、それがより予防を重視した給付になるようにということで見直しをしたつもりでございます。
○山本孝史君 なぜそうならなかったのか。事業者がそうだったのか、利用者がそうだったのか、あるいは厚生省の指導が悪かったのか。ここはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お述べになったものはそれぞれにあると存じます。
 まず、給付の内容、メニューの中に、冒頭から先生言っておられますように、介護給付とほとんど変わっていない、予防を重視したというメニューが少なかった、少なかったというかほとんど入っていなかったと、率直に申し上げれば。そういう私どもの責任もあろうかと思います。
 それからまた、サービス提供する側のケアプランの作り方だとか、そうした中にもよく言われる、指摘されているようなことはございますので、そうした面からのこともあったというふうに考えます。
○山本孝史君 筋トレという表現になってしまっていましたけれども、それは私は使いたくないと思っておりますが、予防給付の部分がしっかりとしたメニューが実は作られてこなかったという部分で、それを今度急にマシン使ってというような話になるものだから混乱をしてしまうわけですね。そこはやはり説明の仕方が非常にまずいと思いました。
 次の質問は、何回聞いてもここお答えいただけないんで、これからその部会で、介護報酬部会で決めますというまた答弁だろうなと思いながら聞くんですけれども、要支援と要介護一の部分を、今度、要支援一と要支援二と要介護一と、こう分けますよね。これはそれぞれ給付の限度額というのは違うものになるんでしょうか。段階的なものになるんでしょうか。どういう形になるんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(中村秀一君) まずお答え申し上げますと、要支援一と要支援二は段階的なものになるというふうに考えております。要支援一の方に比べまして、要支援二の方の状態はいろんな意味で相対的に見ますと重度でございますので、要支援一と要支援二については段階を区分することを考えております。要支援一に該当する方は、日常生活はほぼ自立しているが、起き上がりや立ち上がりなどに軽い支えを必要とする状態像が多いということと、要支援二に該当する方は、こうした状態に合わせて歩行や入浴なども一部介助が必要となる状態でございますので、そこのところの階段はあると考えております。
 それでは、どういう具体的な水準になるかということにつきましては、サービス内容等、想定されるサービスの標準的な組合せについて見直しをすることを考えており、要支援者の支給限度額基準についてはそういうことを考えて設定してまいりたいと思います。
○山本孝史君 要支援一と要支援二の間に階段があるだろうということは思うんです。
 重ねてです。要支援一と現行の要支援とのレベルはどうなりますか。要支援の二と現行の要介護一の段階は同じですか、違いますか。
○政府参考人(中村秀一君) 見直しを考えてまいりたいと思いますし、サービスの内容、実施方法についてよく考えてみたいと思っておりますが、私どもとしては、標準的なケースを考え、何と申しますか、現行より膨らむことはないと、下げられる余地があるんであれば下げる方向で検討してみたいと考えております。
○山本孝史君 ちょっと、まじめな御答弁をいただきたいんです。膨らむことはないでしょう。だから、かねてから指摘になっているその要支援、六千百五十単位、要介護一、一万六千五百八十単位でしたかしら、数字が違ったら訂正いただきたいと思いますが、この間の差が非常に大きいんだと。この話は議論になっていますわね。その間に、だから要支援を要支援一にして、要介護一を二つに分けて要支援の二と、ここに要介護一にこうつくると。これ、先ほどの御答弁で要支援の一と要支援二は段階として違いますと。だから、こういう段階があるだろうということは想定される。
 そうすると、要支援一と、繰り返しですが、現行要支援の一つが要支援一になる。要介護一の中で要支援二になる人がいる。それぞれのレベルは今のレベルよりは下がるんでしょうか、同じなんでしょうか。もう一度お願いします。
○政府参考人(中村秀一君) 今の支給限度額をつくりましたときに、モデルケースを考えまして支給限度額が設定されております。支給限度額の設定自体、この水準でよいかどうかという議論があったわけですが、今のところ四、五〇%の該当率でございますので、要支援から要介護五まで大多数の支給限度額についてはその十分な設定がなされていると考えているわけでございます。
 今度、要支援一、二ということで新しい予防給付をつくりますけれども、ここのところはどういう想定のモデルにするかということについてもう少し考えさしていただいて、そのモデルを基本にして限度額を考えたいと、こういうふうに申し上げているところでございます。
○山本孝史君 一番最後にまたお聞きしようと思っているんですが、今の利用率は確かに半分なんですね。ところが、満額に近い方がおられるだろうと思うんですよ。特に、その要介護度の高いところで在宅で重度の方を介護していると足りないという方たちもいるわけですから、ここはむしろいろいろ段階を見直すと。それはそうなんです。介護報酬の決め方をこれから変えようとしておられるわけだから、限度額というのが動いてくることも承知はするんです。
 そのときに、私思うのは、今、要介護、要支援なりあるいは要介護一で満額に近い方は少ないのかなと思いながらも、満額にいる方がいると、ここ限度額下がれば、当然その方たちにとっては自己負担分が発生してくるわけですね。そういう意味でここの間に段階を区切ってくるわけですから、しかもそれは違う意味合いで区分を変えるわけですから、この要介護の一が二つに分かれる部分と要支援から横に行く。要支援から要支援一に動く部分は同じかなと思いながらも、要介護一から要支援二は下がるはずだなと思うので、この辺の整理ですね、実態によってどのぐらいの影響が出てくるのかお示しいただきたいと思って、数字がないとおっしゃるんだけれども、要介護一の方で満額に使っておられる方たちとか半分ぐらい使っておられる方たちとか、その辺のその割合みたいなものが見えてくると、被害のというか影響の及ぶ方たちの範囲というのがもう見えてくるものですから、そういうことも一つの我々としては判断する材料になるのかなと思っておりまして、これは聞いても資料ないとおっしゃったけれども、横から何か資料が来たみたいですが、資料があるようだったら教えてください。
○政府参考人(中村秀一君) 恐縮でございます。
 今のお話の中で、要支援や要介護一で限度額を超えている人の割合……
○山本孝史君 超えている人がいることは分かっているんです。
○政府参考人(中村秀一君) ああ、そうですか。それは一・六と〇・七と、こういうことでございます。このメモは、局長が知らないと思ってメモが来た……。
○山本孝史君 何か一〇〇%以上超えている人たちがそれぞれの段階で数%いるということは聞いてはいるんですが。これ平均値で話をするとみんな影響受けないよねと思うんだけど、ここら辺の少数の数でもいいですから、どういう要支援なりあるいは要介護一の方たちがそのサービスを利用しておられるのかという実態が、みんなが思い描く姿が違うものですから、そこを議論するためにというか、この審議が終わる、私のというよりはこの審議が終わるまでの間に出せるのであれば、もう少しその辺のデータを探してみていただきたいというか、考えてみていただきたいというお願いをしておきたいと思います。
 それで、先を急ぎますが、お配りした二ページをごらんをいただきたいと思います。
 これは尾辻厚生大臣が足を運ばれました品川の二件のお宅の状況でございます。御答弁の中でもお触れになっておられますので、ここに書いてあるとおりで、若干だけ御紹介しますれば、最初の家庭は八十四歳の独居女性、訪問介護を週一回二時間受けておられます。できないところの掃除、重い物などの買物、遠いところでの買物で、保険対象給付総額一万六千三十七円、自己負担千六百四円。二人目、七十八歳の方は訪問介護を週二回各二時間受けておられます。その内容は、買物、掃除、調理で、ベッドも借りておられます。保険対象給付総額四万四千五百七十四円、自己負担四千四百五十八円でございます。
 尾辻大臣、このお二人の方にお会いになって、ごらんになって、これらの方たちに出されているサービスの内容あるいはケアプランは適切なのか、不適切なのか、お答えください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 一言でお答えいたします。
 適切なものでございます。
○山本孝史君 中村局長はこのプランをごらんになって適切だと思われますか、不適切ですか。
○政府参考人(中村秀一君) 大臣のお答えしたとおりでございます。
○山本孝史君 局長にお尋ねします。
 西副大臣の御答弁を局長にお聞きするのも恐縮なんですけれども、西副大臣が衆議院の審議のときにある委員の御質問にお答えになって、ある委員の方が、例えばの例ではありますけれども、家事援助の買物については、ヘルパーが単に代行するのではなくて、本人と同行して本人に食材、メニューを決めてもらい、本人と同行してですよ、本人と同行して本人に食材、メニューを決めてもらい、そして本人の意欲を引き出す、そして期間、目標を決めて、できるだけ少しずつ増やしていく、そのようなサービスは新しい予防給付で実施していく、そのように考えてよいのでしょうかという御質問がございました。
 これに対して西副大臣は、今先生が前提条件を付けられたような形でおやりになることは、原則としては私は十分続行していただく内容のものではないかというふうに考えておりますという御答弁をされましたが、中村局長も同様のお考えでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 新予防給付は、本人の意欲や、できる限り本人が今持っておられる能力を生かす工夫をしながら行うことを目指すものでございまして、御指摘のようなサービスについては、現場でのケアマネジメントを経て引き続き利用できるものと考えております。
○山本孝史君 やっぱりそのメッセージの出し方が非常に問題だったと思うのは、これまでのサービスはそのまま受けられますねというと、先ほど午前中も、そのまま受けられますと、こうおっしゃいました。でも、そこは前提条件が付いているわけですね。適切なサービス内容であればこのまま受けられますが、不適切だと思うものについてはこのまま受けられませんよということであって、それが給付費の削減につながってくるわけですね。何が適切か不適切かという部分が、やっぱり利用者側というか、国民の側から見ていて非常に分かりづらかったわけです。
 一つの例でこれが適切か不適切かと言うことは、これこそ不適切だと私は思ってはいるのですが、御訪問されました品川のこのお二人のところは、お聞きをしましたら極めて厳しいケアプランを立てておられるところのようでして、全国レベルでも厳しい方の部類だそうです。お二人とも要支援なんですね。今申し上げたように、週一回二時間、あるいは週二回それぞれ二時間、そしてベッドも借りておられるということで、今大臣も局長もこれは適切であると、こうおっしゃったわけですから、要は、要支援の方であっても従来の生活援助というものが切られるわけではないと、その内容によると、しかしこのケースでいけばこれは適切である、こういうことでございますよね。
 そこまでまずは確認して、再度、西副大臣に確認しますが、新たに、新たにですよ、新たに新予防給付の対象となる要支援一や要支援二と認定された方は介護給付としての生活援助は受けられると理解してよろしいですね。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 今回新たに創設されます新予防給付、この皆さんにおいても生活援助を一律にカットするものではもちろんございません。先ほどから委員御指摘のように、適切なマネジメントに基づいて提供されるものについては引き続き当然認められるというふうに考えております。
○山本孝史君 その辺がやっぱりきちんと御説明ができなかったというか、生活支援受けておられる部分はカットされますよ、不適切だからカットされますよ、その代わりに予防給付として筋トレに乗ってくださいというような、それは多分ためにする議論をする人たちはそういう展開をしたのかもしれませんけれども、私が理解をした部分は、生活援助としてのものは生活援助としてある、こちら側で予防給付としてどのような内容のもの、ほとんど内容ないように思いますが、この部分がある。これは決して二者択一ではない。こっちが駄目だからこっちだ、これは使えないけれどもこれを使えというわけでもないと、選択制でありますと。使っていただかなきゃ困るという部分もあるんですけれども、そこはそういう整理になっているわけですよね。
 ここがやっぱり、意図してなかったとはおっしゃるんだけれども、筋肉向上トレーニングマシンというものを全国展開しようと思った事業者の方とか、あるいはそれにエビデンスを与えた方とか、あるいはそれに同調された厚生省の方とかいろいろおられて、そこの部分が非常に議論の的になってしまった、本来の議論がそれで吹っ飛んでしまったという思いが私もしますので、きちんと、最初、西島先生が御質問されて、筋肉トレーニング向上はマシンではないのではないかという御指摘をされて、私もそう思いますが、そこのやっぱり整理だと思います。
 この前の日曜日の夜のNHKのBS放送で、デンマークやスウェーデン等の諸国の状況も紹介しながら、筋肉トレーニングの必要性とそのやり方みたいなことについてちょうど放送されておられました。今度の日曜日の午前中に再放送があるそうですが、私はNHKの別に広報をしているわけじゃありませんが、内容的には、私はなるほどと思って見ておりましたのは、マシンも使っておられるところもありますけれども、やっぱり、先ほど下田先生がおっしゃったように、きちっとPT、OTの方たちがおられて、器械がなくても、そこで、例えば踏み台で、ビール瓶の箱で上がり下りするとか、ことから含めて、あるいはフラミンゴ運動とおっしゃっていましたけれども、片足で立ってひざを曲げる。そういうやっぱり一定の負荷を掛けてきちんとやれば筋肉というものは筋力が上がってきて、それでいい生活ができるんだと、こういう話をしておられましたし、私も委員派遣で北欧に行かせていただいたときに思いましたのは、高齢者の人口よりもつえですとか車いすですとかの数の方が多いんですね、準備しているのが、主として。そこでいつでも無料で貸出しをしてくれるという、非常に手厚いことをやっているなと思いましたけれども、きちっとしたそういう展開の仕方というのが非常に重要だと思います。
 だから、この委員会でも是非、筋肉向上トレーニングといいましょうか、その予防給付に資するような実例を是非みんなで共有して、どのようなサービスをこれから考えていくかということを大いに考えた方が私はいいと思っております。
 長々と意見を申し上げましたけれども、要は、西副大臣にスマートにお答えをいただきたいと思いますが、訪問介護の回数が多いから要介護度が進むとかということではなくて、そのサービスの内容が実は問題なんだということなんじゃないんですか。
○副大臣(西博義君) 全くそのとおりでございます。訪問回数が多いからいいとか悪いとかということではなくて、内容そのもの、もちろん内容も回数も含めてということになりますが、内容そのものがこれはこれから問われていくべき問題だというふうに思います。
 どんなサービスをするかということにつきましては、これは専門家が利用者の皆さんとよく相談しながら適切にサービスをケアプランとして位置付けて、そして提供すると。これに尽きるといいますか、これからの、来年からの介護保険制度の改正に当たっては、そこに留意していくべき問題だというふうに考えております。
○山本孝史君 それで、国保連のケアプランのチェックシステムとか使ってやると、多分その回数が多いとかいうところがピックアップされるんですよ。でも、内容なんですよね、問題は。だから、回数が多いから駄目だということではない。そこはやっぱり、きちっとケアプランチェックというものがやれなかったという部分含めて、どういうふうにこれからしていくのか、方向性といいましょうか、枠組みが要るんだと思うんです、厚生省としての。
 そのときに、幾つかお尋ねをしておきたいんですが、介護保険をつくりましたときに、調理とか掃除などの家事は生活の基本であって、その支援こそ自立の第一歩だというのがみんなの認識だったと思うんです。したがって、要介護度の低い人には予防の観点から家事援助を行うという、これは積極的に評価をされたと思いますし、前回の介護報酬の改定のときも家事援助の報酬単価は上がったんですよね。
 今申し上げたようなこの認識、このことは変わりはないですよね。確認をします。
○副大臣(西博義君) 委員の方から、この家事援助、生活の基本というふうにおっしゃられました。私は非常に大事なお言葉だなと思って拝聴をいたしました。
 大臣も衆議院の委員会で数回御答弁になっておりますが、私も品川区の例の二か所の、一緒に行かせていただきましたが、買物のサービスが入っておりました。このことによってこの方が、これどちらかの家庭ですが、一週間の調理が苦労しながらも自分でできる、このわずか一回のこの買物というサービスを入れることによって、これだけ大きくその人の自立のための作業が回っていくということを実感して帰ってまいりました。
 そんな意味で、漫然と家事の代行を行ってしまうということではなくて、本人ができることにつきましては、家事についてはできるだけ自分でやっていただくと。また、自分で少しでもできるような側面からの支援をしていただくということを考えながら、どのような支援ができるかという観点が大事だというふうに思っておりまして、これが自立支援につながっていくんだというふうに感じております。生活の基本という意味では、全くそのとおりだというふうに考えております。
○山本孝史君 そういう御答弁をいただきながら、でも、何かケアプランの見直しのときに御指摘される内容は必ずしもそうなっていないというのが私の受け止めですので、これはおいおいまたお聞きしたいと思いますが、その点は間違わずにいただきたいと思いますが。
 ちょっと二問一緒にして局長にお尋ねしますけれども、衆議院段階で石毛えい子先生の御指摘でかなり問題になりました老計第一〇号でございますけれども、これ自立生活支援のための見守り的援助が身体介護の一類型として挙げられております。小川泰子さん、ラポール藤沢副理事長さんは、生活の中で楽しみながら体を動かすノウハウやその効果を観察する技術を確立し、ホームヘルパーにその役割を与えるのも一つの方法だと述べておられるわけですが、これ正に身体介護の見守り的援助だと思うんですけれども、このサービス、このサービスというのは今後ともにあるということで理解してよろしいですね。
○政府参考人(中村秀一君) 自立支援、自立生活支援のための見守り的援助は、現在は訪問介護のうちの身体介護の一類型のサービスとして現在区分されております。現在のサービス区分では、ヘルパーが家事を代行する生活援助とは異なる区分のサービスとされております。新しい予防給付における予防訪問介護においてもこうした見守り的な援助が行われるケースは考えられるわけでございまして、それをどのような形で評価するかについては、個別ケアの推進、生活機能の向上などの観点から予防訪問介護の内容について行為類型を整理した上で、介護給付費分科会における議論を踏まえて十分に検討してまいりたいと思います。
 小川泰子さんのこともお引きになってお話ございましたけれども、御指摘のような工夫も含めまして、訪問介護サービスの内容をどのような形で評価していくかにつきましては、先ほどの行為類型を整理した上でということを申し上げましたけれども、検討させていただきたいと思っております。
○山本孝史君 小川泰子さんのお言葉どおりにいけば、ホームヘルパーさんの資質、能力等々の大きな見直しをしなければいけないのかなと思いますけれども、その方向性にはあると、見守り的援助は形はどうなるか分からないけれども、こういうものは行為類型としては残るという御答弁をいただきましたが。
 さて、しかしながら、尾辻大臣が四月六日の衆議院厚生労働委員会で山井委員の質問に、今回導入する新予防給付は、本人にできることは可能な限り自分でやってもらうという考え方が基本だと、本人の生活能力を引き出すためのサービスを適切に組み合わせて、手助けをする場合もできる限り本人の持っておられる能力を生かす工夫をしながら行う、これが介護保険の基本理念でありますし、そうした自立支援を徹底するものであるから、この考え方であります、こうおっしゃいました。
 自立生活支援のための見守り的援助、これはこのまま残ると、こうおっしゃっているわけですが、その考え方でいきますと、例えば、一緒に家事をする、一緒に調理をするということは時間が掛かるわけですね。ホームヘルパーさんが自分で御飯作っちゃった方が早いわけです。そうしますと、時間単位の報酬という考え方は無理なんじゃないかと、報酬を時間単位から点数制に変えることを考えるべきではないですかと、こう申し上げているのですが、何やいろんな考え方があるようですけれども、この考え方についてのお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 先ほどちょっと申し上げましたとおり、訪問介護の在り方につきましては行為類型別に見直すということを申し上げました。その考え方でございますが、介護保険分科会の報告では、訪問介護について、身体介護型、生活援助型という区分を行為別、機能別に再編成して、機能に応じた見直しを検討する必要があると、こういうふうに言われております。
 新予防給付の報酬の在り方につきましては、今委員から御指摘のありました点も含めまして、総合的に検討させていただきたいと思っております。
○山本孝史君 どういう介護報酬体系になるのかということで、利用者側の影響も事業者側の影響も大変にありますし、しかしながら、前回の平成十五年の改正のときは、介護報酬改定のときは、もう五月ぐらいには大枠が出ていたんですよ。それで十二月に決まるということになったんですね。今度は法律改正がありますものですから後ろにずれ込んでいることは承知はするのですが、ここが実は骨格を決めてしまう部分があって、それが今ここで言わなきゃ質問しないと私は言いませんけれども、考え方というものがやっぱりあると思うんですね、こういう考え方でいきたいんだということが。それは非常に事業者の方たちが注目しておられることは私はよく承知しますけれども。
 申し上げたような自立生活支援のための見守り的援助というもの、何かこれまでの厚生省というのは、多分家庭の中で何かを、訪問リハをするというのじゃなくて、施設に集まってもらってそこで機能的にやろうみたいなことがあって、そうではなくて、やっぱり外に出るのがおっくうな人、嫌な人、あるいはやっぱりそこの生活をしながら生活リハをするということの方が、徐々に慣らしていくという意味では大変に合っているんだろうなと思っていまして、ここの部分をどうするか。
 そうすると、申し上げましたように、時間制というのでは合わないなと、こう思いまして、是非、もう少し煮詰まってくるようでしたら、またここも御答弁をいただきたいというふうに思います。
 それで、今日お配りしました資料の四ページ目をごらんをいただきたいと思います。これは、水戸市のケアプラン適正化事業の報告書で、不適切な事例として挙げられた事例について、見直し例と保険給付の見込額を示していただいたものでございます。
 二例ございます。一例は、要介護一、八十六歳、半寝たきりの生活、高齢者の夫婦世帯、夫は心臓病で介護負担あり。見直し前は、生活援助週五回。何分来ておられるのかによるんですが、四万六千円から八万四千円。間を取れば五万五千円から六万円程度の介護保険の利用になっている。それを見直し後は、通所系サービス、短期の間は通所系サービス週一回、訪問系のサービス週一回で、三万三千円。まあ、半分とは言いませんけれども、かなり減額になってくる。それでうまく機能が回復してくれば、長期にわたっては、通所系サービス週一回程度、一万五千九百三十円ということになる。六万円程度から見れば四分の一程度の介護報酬で済むのではないかという計算をしておられる。
 例の二、要介護一、九十歳、自宅で転倒、骨折されて、入院後の独居生活でございますが、現在は、訪問介護による生活リハ、清掃、入浴介助が週三回、ベッドの貸与を受けておられて、住宅改修しました。御家族の外出介助、洗濯、買物、調理、後片付け等がある。これで今四万円から六万円程度の介護報酬の利用になっている。見直し後は、短期で、通所系サービス週一、二回、訪問系週一回で三万三千円。あるいは、長期にわたりますと、通所系サービス、訪問系サービスともに週一回で二万五千円程度ということになると。かなり減額をされるということになるわけです。
 金額が減るということの善しあしというよりは、サービスの見直しの内容、これが不適切なプラン、案だと示されて、厚生省がお作りになったその見直し後のプランというものが今御説明申し上げたとおりでございます。要介護一、八十六歳と、要介護一、九十歳のこの方に対する現行サービスの内容と見直し後の内容というものについての御評価をいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) この水戸市のケアプランチェックの見直し例ですが、これは有識者によるケアプラン検討委員会が指摘した問題点などを踏まえてチェックしたと、こういうことでございます。
 現行の要支援や要介護一の該当者の方については、いろんな事情がございますけれども、例えば、最初の方の例では家事能力の低下とか、実際のアセスメントでは食事の用意ができないと、そういうことがあるけれども、ここは腰痛や下肢機能の低下の問題で、これは歩行が困難であることを認識していながら、通所リハや訪問リハなどの専門職によるリハビリテーションというものがない点は問題ではないかとか、第二の例の方については、医学的なアセスメントが不足していて、主治医の紹介がないのは問題とか、細かないろいろなお話を経た上に見直し案は作られていると、こういうふうに承知しております。
 そういうことで、このように、具体的には、ケアプラン作る際に、詳細に検討すれば様々な問題が出てくるというふうに思いますので、現場において、利用者も含め、専門家の方がよく話し合いながらケアプラン作っていくことが大事ではないかということで、こういうケアプランチェックの事例検討というのは非常に貴重なものだというふうに考えております。
○山本孝史君 この内容は、衆議院で民主党の山井委員が執拗にこの質問をしまして、水戸のケアプランはチェックは非常にいいんだと。じゃ、どうなっているんだと、出してもらって、それで見直しをするならどういう見直しがあるのかということで、ケアプランの何か検討会でしたかしら、で皆さんのところでの専門家の方たちに作ってもらって、それを仮置きで介護報酬として幾らになるかという計算をしてもらったらこうなってきたということですね。
 阿部知子さんが、その通所のリハをするというのもいいんだけれども、車に乗って一時間、二時間というのはそれはないだろうと、こうおっしゃった。私もそうだと思うんですね。自分の母親、あるいは亡くなったおばあちゃんとかを考えてみますと、要介護一で、自立生活できるのかもしれないけど、八十六とか九十の方に一時間から二時間掛けて、一時間、二時間というのはちょっとオーバーかもしれませんが、わざわざ施設に来てもらって云々という状態では多分ないのではないかと、こう思うわけです。
   〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕
 生活介護、さっきから繰り返していますが、その生活援助の訪問回数が多いことが問題なのではなくて、その内容が問題なのだと。そこのところを見直しをする中で、何か見直し案というと、すぐ施設に通うというような形の見直し案が出てくるのは、私は、何かこれまた誤ったイメージを与えてしまうのではないかと、こう思うわけです。
 在宅であってもリハビリテーションはできるはずですし、自立生活のその意欲を持ってもらう。もちろん、引きこもりの方を何とか外にという思いもよく分かるのですが、そうであれば、それは地域の公民館等を使ってお昼御飯を食べてもらうような中で、皆さんでネットワークをつくってもらって、ともに頑張ろうねと言っていただくというような形の方がもっと現実的だと私は思うんですね。
 したがって、今日はこのケアプランの見直し案を御提示しようかどうかと迷ったんですが、しかし、この考え方ではないのではないか。適切なのかもしれないが、考え方として私は余り適切とは言えないのではないかというのが私の思いなんですが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) いろんな考え方があるだろうなと思いながらお聞きをいたしておりました。具体的な例については局長からもお答えを申し上げておりますから、そういうことなんだろうなとは思いながら、またこのことも聞いておりました。
 ただ、私もできるだけ現場も見せていただきたいと思っていろんなところに最近お伺いしながら、ヘルパーさんたちのお話も伺ったりしているんですが、やはり引きこもりというふうにまではいかなくても、やっぱりどうしても外に出ることがおっくうになっておられる、そういう皆さんをできるだけ外の風に当たらしてあげたいという、このことはケアをしておられる皆さんの共通の思いであるようにも思います。
   〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕
 したがって、この具体的な例について、これがどうだということを申し上げることはなかなか難しいと思いますけれども、そして考え方を整理して言えば、今の先生のお考えを否定するものでも何でもありませんし、そのとおりだと思いますけれども、一方にやっぱりこう外の風に当たっていただきたいなという思いがある。そういう中でのケアプランを作るということは皆さんお考えになるんじゃないかなというふうに申し上げたいと存じます。
○山本孝史君 訪問介護の回数を減らして通所系を増やす。何か置き換えをするという話じゃなくって、訪問介護もあるし、通所もあるというのが普通なんじゃないんですか。これ、どっち見ていても、実は訪問介護をなくして通所に置き換えているんです、これ。だから、僕は違うんじゃないんですかとこう申し上げているんです。どっちもあるというのが考え方なんじゃないんですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) そういうふうに整理しておっしゃれば、私もそのとおりだと思います。
 余りこう、どっちを選ぶかとか、よく最近はこう、特に筋トレ筋トレと言うと、筋トレをやるのか、やらにゃもうこっちも駄目だとか、何かそういう議論があるもんですから、そういうものでは決してないということを改めて申し上げたいと思いますし、今のそういう整理であれば、私も基本的に先生のおっしゃるとおりだと思いますということを申し上げました。
○山本孝史君 僕が整理しているというんじゃなくて、あのね、だからここが問題なんですよ。
 厚生労働省が不適切なケアプランですと言って持ってきた。じゃ、それをどうやったら適切なプランに直るんだと言って出てきたのがこれなんです。だから、一つや二つの例で私は言いたくはないんです。だけど、もしこれが厚生省が考えているような、訪問介護を減らして、その代わり全部通所に置き換えるんだというようなことなんだったら、それは明らかに、メッセージというか、我々が思うイメージは違うから、だからそうじゃないんだと。
 じゃ、これが御本人の選択だったらいいんですよ。だけど、御本人の選択ではなくて、厚生省がこういう思いで持っているというふうにも受け止められかねないから否定してくれと、こう私は申し上げているんです。
 もう一遍お願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 改めて、そしてこのことも申し上げたいと思いますけれども、ケアプランの最終的な決定には御本人の同意が欠かせないわけでございますから、そうしたものも含めて申し上げると、今先生が言っておられるような、整理と言ったら、またちょっと言葉遣いが悪いというふうに言われるかもしれませんが、考え方というのは、私どももそのように考えておりますということを申し上げます。
○山本孝史君 多分、これから厚生省がそのケアプランのチェックを全国的にやらそうとする。ケアマネジャーは物すごい板挟みにはまる。そのときに、しかしモデルとしているのがこういうモデルなんだということですと、ほとんどの方々がこういうモデルになっていく。それはやっぱり違うと私は思います。
 だから、ケアプランの見直しは必要だけれども、そこで出てくる要介護一の人たち、あるいは要支援の人たち、それぞれみんな違うとおっしゃるんだけれど、何かそこで出てくるイメージが私は偏っていると思いますので、今日何回も繰り返しお聞きしているのは、生活援助は切らない、自立的な見守り的援助はもちろんやるという中で、しかしこういう形ではないのではないかと。だからこれも、審議が終わるまでにもう一度か何回か私多分質問させていただけると思いますので、どういうサービスを提供していこうとしているのかということをもうちょっと、もう少しイメージを明らかにしてください。
 何でこう言うかというと、この見直し案のところに、これは皆さん方の検討会としてやっておられる専門家が作られた見直し案だから余計そう言っているんだけれども、訪問介護しない代わりに配食サービス利用しろって、こう書いてあるんですね。配食サービスの利用を勧めているように思えるんです、私には。それって、調理を一緒にするというイメージよりも、配食サービスを利用しろと言っておられるように私には受け止める。
 食事は配食サービス、それで洗濯はクリーニング屋、掃除は、何たらという名前は言いませんけれども清掃の専門会社という、市場で買えるサービスだったらそれをみんな買いなさいと、介護保険の枠外で、そんなみんな市場で売っているんだからそれを買えばいいじゃないかと、こう言っているような私には思いがするのですが、介護保険はそういう考え方なんですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今先生のお話伺いながら改めて呼んで聞いたのはそのことだったんですが、厚生労働省が配食サービスを勧めておるようなことをどこかに書いたことあるかと聞きましたら、書いていないと言いますので、そういうことは私どもとしては言っておりませんということを改めて申し上げたいと存じます。
○山本孝史君 でも、訪問介護の見直しについてというところで、同居家族もなく、また代替サービスもないためと、こう書いてある。代替サービスは掃除や食材購入等を地域で支えるサービス等と、こう書いてあるんです。だから、今、配食サービスもありますし、掃除だってやってくれます。クリーニング屋に頼めばみんなやってくれますよ。だから、そういう意味では市場にはそういう代替サービスはあるんです。
 だから、そう考えたら、代替サービスあるじゃないかと、だから介護保険で使わなくていいじゃないかという議論になりますよねと、こう申し上げている。
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し訳ありません。先生の言っておられることが正しくどうも私は理解していないところがあるかもしれませんが。
 基本的に、先ほども申し上げましたけれども、介護保険のサービスを利用なさる皆さんが利用される、その利用に当たっては利用者の皆さんの選択が基本でございますから、今のお話は結局、配食サービスを受けてでき上がった食事を取るのか、あるいはヘルパーさんに来てもらって一緒に調理をしながら自分で食事を作るのかとか、そういったことの比較をしながらのお話だろうと勝手に思いながらお聞きをしておるものですから、そんなイメージでお答えをするわけでありますけれども、そういうことであれば、これはもう御本人が一番自分らしく生きていただくというのが基本でありますから、その中で選択をしていただくものだと、こういうふうに考えます。
○山本孝史君 だから、ケアプランの見直し、チェックが掛かると思いますので、そのときに、代替サービスがあるんなら全部介護保険じゃなくて代替サービスを保険外でやれということではないということの指示を徹底していただきたいと思います。
 それから、同居家族がいれば生活援助は原則としてしないということに今もなっていると思いますが、高齢のおじいちゃん、おばあちゃんがおられて、その方と単身の息子さんあるいはお嬢ちゃん、親と男の子、親と女の子、どっちも働きに行っているというときに、大分生活ぶり違うなと思いながら、しかし同居家族はいるわけですね。こういう場合に、その家事援助、生活援助が打ち切られるということはないと理解していいですね。
 すなわち、同居家族はいるんだから、おまえは、夜帰ってきて、仕事から帰ってきて、夜、御飯作れるじゃないか、掃除だってできるじゃないか、それができないというんだったら、同居家族がいるんだから、あなたは仕事辞めて介護をしなさいとは言わないだろうけれども、深夜にそういうことをやってくださいという形になるのかならないのか、お尋ねします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 現行制度の考え方を変えるものではございません。中身についてはもう先生よく御案内でございますから、現行制度における考え方を変えるものではないというお答えにさせていただきます。
○山本孝史君 厚生省が指導として下ろしていくことに伴って大分違ってきますので、現行どおりだと言うけれども、じゃ現行、もう一遍ちゃんとチェックしなきゃいけない。
 確かに現行どおりなんだけれども、この訪問介護の見直しについてというところで同居家族もなく代替サービスもないと言われると、同居家族がいて代替サービスがあったら使えないというふうになりますので、そこのところを、言葉のあやじゃなくって、しっかりとしたその指示を出していただきたいと思います。
 ケアプランのチェックで給付の費用がさっきみたいに下げられたとしても、逆に私はもっといろんなサービスを購入されると思うし、いや、購入していただいた方がいいと思いますので、皆さんが思っておられるほどに給付総額は減らないと私は思っております。むしろ、劇的に減ったらその方がおかしいのかもしれないと思いますということをまず申し上げておきたいと思います。
 資料の最後を見てください。これは厚労省の平成十五年度の介護給付費の実態調査の居宅サービスの利用率でございます。先ほども議論になりましたけれども、要支援から要介護度の中で、それぞれ利用割合は四〇%後半から五〇%の前半、五〇%前後で限度額の中での利用をされておられます。
 この限度額の半分ぐらいのところで利用されておられるというこの数字をどのように受け止めておられるのか、この利用率は将来どのような形で推移していくと考えておられるのか、局長、御答弁をお願いします。
○政府参考人(中村秀一君) 限度額は、ここで示されているとおり、おおむね四割ないし五割程度でございます。この利用割合の数値につきましてはそれぞれのサービス利用者の方の利用の結果の数値でございますが、利用割合はわずかずつではありますが制度創設以来上昇してきております。
 今般の見直しにおける介護給付費の将来推計におきましては、支給限度額に対する利用割合について若干上昇すると。現在四割強であるものが平成二十六年度では五割強になるものと仮定して推計をいたしております。
 私どもとしては、少しずつ上がっていくということで、将来も若干上昇するというふうに考えております。
○山本孝史君 なぜ半分ぐらいでとどまっていて、徐々に上がっていって、それでも半分を超えるところにしか行かないのか。
 利用できるのに利用されない。いや、むしろいいサービスは利用していただきたいですね。リハビリテーションとか受けていただいて、自立した生活をしていただきたいと思うし、そういう意味で、なぜ半分でとどまっているんだろうというのは私は疑問なので、ここももう一回、今日は時間がないのでまた教えていただきたいと思いますが。
 私は、その一つの理由が、ほとんどの高齢者が収入が少ないために必要以上にサービスは利用していないって関係者の方はみんなおっしゃるわけです。だから、お金がないから実はサービスがここまでしか買えない、自分の懐具合を見ながらサービスの購入量を決めておられる。その結果が実は半分ぐらいのところに収まってしまっているのじゃないかと。基礎年金のみの世帯では介護保険の利用割合が低いというふうにも言われております。
 私は、小泉流の年金改革で、基礎年金が、これからマクロ経済スライドが掛かって基礎年金額そのものが減額されてくる。片っ方で介護保険とか医療保険がアップしてくる。介護保険なんか天引きされてくる。医療機関を受診したときに自己負担額が上がってくる。となると、手持ち現金がだんだん少なくなってきて、借家住まいの人なんかもっと肩身が狭くなってきて、介護保険なんか使っている場合じゃないという状態に高齢者が追い込まれていくんじゃないだろうか。
 結果として、介護保険の利用率が上がらない、利用者が少なくなって、皆さんが思い描かれたような介護保険の給付総額は実は思うほどには伸びないという状態になったとすれば、これはゆゆしき事態ですよね。そんなこと想定しているわけじゃないんだけれども、でも、実態、そうなっていくような気がするんですよ、トータルの話として考えると。
 そういう事態になるのではないかと私は強く懸念しているのですが、厚生大臣はどう思われますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の見直しでも低所得の方にはそれなりの配慮をいたしております。したがいまして、今の段階で使えない層を増やすということはないというふうに考えておるところでございます。
○山本孝史君 その低所得者対策、低所得とは何かという話にやっぱりなりますけれども、私は、そこをしっかりと支えていかないと無理がある、だから社会保障全体の見直しが早く要る、この十年間の間で要ると私は思っております。
 今日はもう時間ですので、次回以降で思っていますのは、こういう最悪の事態を想定しながら、私は、地域の介護力を引き出すような住宅政策、公営住宅をどうあるべきか、民間住宅どうあるべきかと思いますし、空き家とか空き部屋を利用しての地域密着型小規模多機能施設の展開、あるいはNPO法人にもっと頑張っていただけるような施策、あるいは子供からお年寄りが一緒に過ごせるような地域づくり、この十年間もう福祉は後退一方なんですよ。全部ケアマネとヘルパーに任せてきた。今度それを取り返そうとしているんだけれども、五年間の空白は物すごく大きい。地域はもうほとんど、市役所は担当能力ないんです。ゼロなんです。
 これ、もう一遍今からやり直そうとするんだけれども、これから十年の間に団塊世代が引退して突入していきますから、この十年間の間、できるだけ早い段階でいろんな施策を打つ。そういう意味で、小泉さんは走りながら考えたらええやんと、こうおっしゃったんで、余りにも不完全なものを走りながらと、こう思ったけれども、もう今正に走りながらやらざるを得ないので、できるだけ早くここはやる。そのためにもリーダーシップを発揮していただきたいし、きっちりとした姿を国民に説明するということを重ねてお願いして、私の今日の質問を終わりたいと思います。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今日はホテルコストの問題を中心に取り上げたいと思うんですが、これは先ほど議論あったように、十月からホテルコストそれから食費の全額徴収が始まって、これは年額、総額では三千億円になる。一人当たり平均、年三十九万円の負担増。これだけの負担が、最初に大臣にお聞きしたいんですが、一度にどんと増えるというのは、これまでの様々な社会保障制度の見直しの中でも、負担増の中でも私は前例がないんじゃないかなと思っていますし、しかも十月一日ということで、あと四か月後にこれだけの負担増が行われるという影響を大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 介護保険制度は、皆さんに払っていただきます保険料と、それから税金、公費という、国民のいずれにいたしましても皆さん方により支えられておる制度でございます。そうなりますと、特に、高齢者の方々にも御負担をいただいております保険料、この保険料の急激な上昇というのはどうしても抑えなければなりませんし、持続可能な制度としていくためには給付の効率化、重点化を図ることが必要である。これはもう申し上げるまでもないわけであります。
 したがいまして、今回の見直しにおきましては、負担の公平性という観点から、これはもういつも申し上げておりますけれども、施設に入っておられる方と自宅におられる方の間の正にその公平性という間で、この居住費、食費について、施設においても、施設給付において介護に関する部分の給付を重点化するということで保険給付の対象外にさせていただくという見直しをしたところでございます。これはもう再三にわたって申し上げておるわけでございます。
 では、その与える影響ということでの今のお話でございますけれども、見直しに当たりましては、先ほど来これも申し上げておるところでありますけれども、所得に応じて定額の負担上限額を設けることなどにより低所得者の皆さんの負担の軽減措置を講じておるところでございまして、その皆さんにとって過重な負担にならないように配慮をしたと考えております。
○小池晃君 所得に応じた上限額があることは私も承知しておりますが、例えば新第三段階、これは本人、世帯非課税で、年収八十万円から二百六十六万円、現在。この場合で、食費、居住費合わせて、厚労省の試算でも要介護五の場合は一万五千円から二万五千円の負担増になるんですね。こういう層にとってこれは深刻な影響になるんじゃないかという、その辺はどうお考えですか。
○政府参考人(中村秀一君) 第三段階、今先生御指摘のとおり、住民税非課税の、世帯が非課税のところで、年金で申しますと八十万円から二百六十万円のところでございます。引上げ幅、特別養護老人ホームで多床室の場合、四人部屋が主でございますが一・五万円、それからユニットケアの個室の場合、結論から申し上げますと一万五千円ないし二万五千円の引上げになるということでございますが、私ども、多床室の場合でも入居をしていただけるように、保険外にいたしますけれども利用者負担の上限を設定するということで、食費につきましては月二万円、四人部屋の場合は、居住費にいたしましては光熱水費相当ということで上限を打つということで、入居に支障がないようにさせていただいているところでございます。
○小池晃君 制度の仕組みは私が言っているんですから、説明し直してくれなくたっていいんです。影響はどうなのかと聞いているんです。
 私は、今日資料をお配りしましたけれども、実例で、実態でどうなるのかということをちょっと考えてほしいんですね。
 例えば、東京都内の特養に入所中の六十代の男性で要介護四の方、この方は年金が月額で七万円程度ですから新第三段階になる。そうすると、この表にあるような区分でいきますと、今利用料が二万五千円、食費が一万五千円で合計四万円なんです。これが今年十月以降は、利用料が二万五千円、食費が二万円、居住費が一万円ですから、合計五万五千円になる。一万五千円増えるわけですね。これ厚労省の計算のとおりだと思うんですが、実態、出費というのはこれだけではなくて、このほかにも日用品とかテレビとかあるいは理容代とか負担がある。国保料の負担がある。介護保険料の負担があると。この方は、お伺いすると、もう必ずそれは一定の金額、必ず出てくるお金があって、このままいくと十月以降は七万円程度必ず毎月出費があると。そうすると、年金七万円ですから、七万円出ていく。手元に全くお金が残らないという生活になってしまうんだと、こういうふうに聞いているんですね。憲法二十五条は健康で文化的な最低限度の生活を保障しているわけですが、私はこういう形の負担を押し付けて高齢期に尊厳ある暮らしが送れるとは思えないんです。
 このように、新三段階の人、その中には、これは非常に幅が広いですから、年金七万円ぐらいの方もいらっしゃる。こういう方にとってみると、今回の負担増というのは、負担増分だけで年金収入の二割超えるんです。結果として、年金収入の八割が特養利用料や食費やホテルコストで持っていかれる。こういう負担増が老後の生活にどういう影響を与えるのかということを真剣に検討すべきだと。こういったことも検討した上で問題ないと、局長、今それは十分払えるんだと言ったけれども、問題ないとそれでもおっしゃるんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 所得段階の御指摘がございました。年金収入でいえばそういう収入の方ということでございますが、それぞれその利用者の方、いろんな生活状況にあり、その方の置かれておる状況、いろんな方がおられると思います。資産のある方、フローの所得はこれだけでありましても資産のある方とか、あるいは御家族からの援助がある方とか、いろんなケースがあると思いますので、個々のケースについて、あらゆるケースという想定は難しいとは思いますが、いずれにしても、委員の御指摘の例でありましても、七万円で年金しかない方でもこの入居はできると、そういう状況になっているというふうに認識いたしております。
○小池晃君 八割は持っていかれるような制度にしても、問題はないというふうに言うのかと。
 ちょっと大臣、どうですか、今のこういう実態があると。これ八十万円から二百六十六万円と非常に広いわけで、二百万円以上という生活実態とかなり違うわけで、そういう意味では、こういう七万円程度の年金の方から、今回の制度でいえば四万円以上、居住費、食費、利用料で持っていかれるようなことが、私、生活実態からして許されるのかということを真剣に考えるべきだと思うんですが、大臣いかがですか。局長、何かいろいろと、仕送りがあるとか、あるいは資産があるとか言ったけれども、そんなもの全くない人だっているんですよ。そういう人に対してこういう仕打ちでいいのかということが問われているんじゃないかと思うんですが、これいいんですか、このままで。
○政府参考人(中村秀一君) 私どもの利用者負担の設定の仕方の考え方を私は申し上げまして、小池委員の方から、非常に、年金しか所得がなくてこういうことになった場合に生活が困窮すると、こういうことも考えられるのではないかと、こういう御指摘でございます。
 私どもは、今度の改正で、保険の給付の対象外に居住費、食費をするということ、それからその場合も低所得者の方に利用者負担の上限を設定すると、こういう制度を持っておりますが、もう一つ、特別養護老人ホーム、社会福祉法人でございまして、社会福祉法人の場合は、利用者負担で非常に困窮されているようなケースにつきましては利用料の減免も行うと、行うことができるという制度がございます。
 この社会福祉法人が減免いたしました場合には、行政の方で、国、都道府県、市町村においては、社会福祉法人が行った低所得者の負担減免について財政面から支援を行っているところでございますので、今先生の御指摘の方で、非常にお困りになるというようなことにつきましては、この社会福祉法人の減免制度を今度見直しをさせていただきますので、今のような事例のケースについては、この制度で利用料負担の減免も受けられるのではないかということで、そういった意味では、今度の方も、今の例の方についても更に減免が行われるということを御説明申し上げたいと思います。
○小池晃君 この社会福祉法人の減免なんですけれども、これは法人の負担が非常に大きいわけです。最初の一%までは法人の持ち出しになるし、それ以降のその減免分は、半分が国と地方で半分が社会福祉法人ということになる。例えば五%減免というふうになった場合には、法人の持ち出しが三%で国が一%で地方が一%なんですね。
 この社会福祉法人の減免をやるということ自体はもちろんいいことだとは思いますが、しかし、国の制度改悪で被害を救済しようというときに、これは国の責任としてこれで責任果たしたことになるんでしょうか。余りにも国の公費負担の部分少な過ぎるんじゃないんですか、この制度は。
○政府参考人(中村秀一君) 社会福祉法人の減免制度で、先ほど国、都道府県、市町村もお手伝いをすると申し上げましたけれども、社会福祉法人の負担もあるではないかと。特に、本来、減免した総額が本来徴収すべき利用者負担の額の一%までは社会福祉法人にお持ちいただくと、こういうことになっていると。それから、二から五の間は半分を持っていただくと。これは、社会福祉法人自体、社会福祉事業を任務とし、正に福祉事業をやっていただくということで、それなりの税制上の優遇措置なども講じられ、寄附などについても、寄附する方も社会福祉法人に対する寄附であれば税制上の優遇があるということで、社会福祉法人はこういうために存在している社会福祉法人であるということに、性格に着目して法人の負担もお願いしているところでございます。
○小池晃君 それは都合よ過ぎる話でね、国の責任で、制度改定でこれだけ負担が増えるときに、救済の制度だっていうことでこれを上げるのであれば、私は、もっと国がこの際この制度に対して責任果たそうという検討だってあっていいじゃないかと。
 大臣、いかがですか。この制度で、もし先ほど私が紹介したような人を救済するとおっしゃるのであれば、もう少し国がちょっと頑張ろうじゃないかということあっていいんじゃないですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、介護保険だけじゃありませんけれども、みんなで支え合う、このことをお願いをしておるわけでございます。
 したがいまして、今具体的にお述べになっておることについても、国に幾らでも金があれば国でやらせていただくということも可能でありますけれども、申し上げておりますように、介護保険そのものが大変窮屈になって、持続可能性を求めての今回の見直しでもあるわけでございますから、そうした中でみんなで支え合うということを是非お願いをしたい。そうした中で、法人にも、社会福祉法人にもお願いをしたいということを私どもとしては申し上げておるところでございます。
○小池晃君 私は、ほんのもう本当にわずかな負担だと思うんですよ、これある程度伸ばしたとしてもね。このくらいのことをやるというのは当然のことだし、現に今、この社会福祉法人の減免といっても、実施するのは法人の判断任せですし、二〇〇二年度の実施施設六割にすぎないという実態もあるわけですから、これは見直すべきだと。
 それ以前に、何よりも、衆議院の参考人質疑で全国老施協の副会長がおっしゃっているんですが、八十万から二百六十六万というのは幅広いと、百万円程度の年金の方、例えば障害基礎年金一級の方あるいは国民年金と夫の遺族年金を受け取っている女性結構いると、こういう方々への配慮をお願いしたいというふうに述べておりまして、私、確かにこれ、八十万円から二百六十六万円と。これ、八十万円から百万円ちょっとぐらいの方の生活実態と、二百万円を超える年金を受け取っている方の生活実態というのはかなり違うはずだと思うんですね。これが一緒くたになってしまっていると。
 大臣、私、ここは本当にきめ細かい負担軽減の制度をこれ考えるべきだというふうに考えるんですが、大臣、いかがですか、この点は。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、保険料を広く公平に負担していただくという観点がございます。それから、どうしても市町村の事務負担ということも配慮をせざるを得ません。そういうことを考えますと、今保険料については原則五段階としておるところでございますけれども、この現行の保険料第二段階、すなわち市町村民税非課税世帯について言いますと、今言っておられますように、非常に大きな被保険者の保険料の負担能力に開きがございますので、そうしたことについて所得水準の低い層の方にとっては負担が重過ぎるという御意見がございまして、そこでその御意見を踏まえて、現在の第二段階について二つに分けて、その結果が今言われたようなところにはなっておりますけれども、今先生の御意見はそれでもまだ広過ぎるということでございますけれども、私どもは第二段階を、現在の第二段階を二つに分けて、少しでも所得の低い方々のところへの負担について考慮したところでございます。
○小池晃君 だから、それは分かって言っているんです。そこを分けたことは知っているから、だから八十万円以上となったのは、それは知っているわけです。
 ただ、八十万円から二百六十六万といったって、かなりその生活実態違うじゃないかと。特に、やはり百万円前後のところにかなりやっぱり独り暮らしの女性の年金暮らしの方というのがいるんじゃないかと。やはりその点のところは切り分ける、保険料の問題でもそうだし、この保険料の区分というのが利用料の負担軽減の区分にもなってしまっているわけですから、ここのところにもう一回り二回りの配慮があっていいんじゃないかと。このことを是非私検討してほしいと思うんですが、どうですか。──ちょっと大臣。
○政府参考人(中村秀一君) この保険料を低所得、今まで五段階でございまして、今、小池委員から分けたこと知っているというお話がございましたけれども、従来は世帯全員が非課税のところは……
○小池晃君 ちょっと時間稼ぎやめてくださいよ。
○政府参考人(中村秀一君) 時間稼ぎではありませんで、所得に関係なく、この第二段階として扱われたものをもっときめ細かな低所得者対策を取りたいという市町村の御要望に沿って、また、その実務の関係もございますので、市町村の方から、保険料のその区分のところに、どのラインが適正かという議論を重ねまして、刻み方の問題、それから年金収入という点で考えますと、やはり基礎年金ということもひとつ参考の要素になると。
 それから、旧第二段階を二つに分けたわけですが、大体その旧第二段階を均等に分けるというようなことも念頭に置いて現在の水準を設定したところでございます。このことによりまして、もし利用料負担、先ほどお話が出ましたけれども……
○小池晃君 いいから、もうそのことは議論しないんだよ。そこから先のことを聞いているんだから、答弁やめてください、もう。
○政府参考人(中村秀一君) そういうものについては、社会福祉法人の減免制度を対象とするなどの配慮もさせていただきたいと思っております。
○小池晃君 そこから先の話聞いているんですよ。
 大臣、どうですか。だから私が言っているのは、そこまで分けたことは、それはもちろん私はいいことだと思っていますよ。そこから先だってもっと配慮があっていいんじゃないかと。このことについて検討する余地があるのかどうか、まあいい、それはもうイエスかノーかで答えてください。
○国務大臣(尾辻秀久君) このお答えのところで冒頭に申し上げましたけれども、市町村の事務負担ということもございます。いろんなことを配慮せざるを得ない、それによってこの区分つくらなきゃいけませんので、私どもが精一杯の今ことをいたしたのが今回の区分であるということを申し上げたいと存じます。
○小池晃君 このことは真剣に検討すべきだと。私は、市町村だってやはり現場の住民のいろんな問題接しているわけだから、これやはり前向きにとらえる議論に持っていくことだって十分可能だというふうに思います。ここにはやはり検討を加えるべきだと。
 それから、先ほどの負担の関連でちょっとお聞きしたいんですが、今回の制度で準個室という区分が持ち込まれるわけですが、特養ホームでは、簡潔にお願いしたいんですが、どのようなものを想定しているんですか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 ユニットケアになっていない個室、あるいはユニットケアに例えば転換するような場合でも、大きな部屋を二つに仕切るというようなことで、完全に二部屋になっていない、いろんな消防法上の条件などありまして、大部屋をセパレートする場合に全部仕切れないというような問題がございますので、そういった完全な個室と差があるもの。また、ユニットケアの場合は、言わばリビングは共用部門ではございますが、付いていますが、それがないというようなことを配慮しまして、そういったものを準個室と考えております。
○小池晃君 従来型の特養の個室はこれまではホテルコスト取れなかったし、従来型の特養ホームの個室でこれまで特別な負担がなかった場合でも、それが今回の扱いで準個室ということになれば、これは確認、イエスかノーかだけで結構ですが、準個室ということになれば、低所得者も含めて、すべての利用者が負担増ということになってしまいますね。
○政府参考人(中村秀一君) 簡潔にということでございますが、今度の居住費につきましてはある意味で居住性を勘案して居住費の設定をしたいと考えておりますので、そういった意味では、四人部屋なり従来の個室に比べまして居住費用ということは負担していただくということになります。
○小池晃君 これ、具体的に言うと、第一段階、新第二段階では一万五千円、新第三段階では四万円、新第四段階以上では五万円程度の料金を考えておられるようですが、実は、先ほど冒頭で紹介した東京の男性のケースというのは、現時点では個室に入っておられるんですね。ホテルコスト払っていないんですが、これが準個室というふうに扱われることになると、ホテルコストは四万円に跳ね上がる。自己負担は合計八万五千円になっちゃうんです。先ほど七万円の年金と言いましたけれども、もう年金額を上回るということになる。
 こういう、新しい準個室に入ってくるようなケースの場合は、年金額はるかに上回るような負担になってくると思うんですが、この点、大問題じゃないんですか。ちょっと局長にその点、こういう方についてどうお考えか、説明をいただきたいと思う。
○政府参考人(中村秀一君) 今の料金のというか、居住費の設定の考え方を申し上げました。今度こういう制度改正が行われますので、様々な意味で影響を受ける方がおられると思います。
 今のケースの方では、議員が七万円というケースの例で、そういうことであれば御負担が非常に重くなるということになると思いますので、そういった意味では、先ほどの社会福祉法人の減免制度ということが是非必要になるというふうに考えます。
○小池晃君 この方は社会福祉法人の減免制度を取ったとしても年金の範囲超えるような負担になっちゃうんですよ、これ、もし二分の一減免したとしても。
 従来型の個室というのは、これは認知症に対するケアとかあるいは感染症対策という点から使用する場合も多かったと思うんですね。こうした必要性があって準個室を使うような場合も、これはどう扱うんですか。こういう場合は、やはり多床室と同じ扱いをして介護報酬上も考慮するということは当然必要じゃないかと思うんですが、その点はどうお考えなんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 感染症のようなケースの場合など、ちょっと考えさせていただく必要があるかもしれませんが、基本的には、居住費というのは、そこのお使いになっているその居住環境に応じてということがこれからは基本になるというふうに考えております。
○小池晃君 いや、ひどい話だと思うんですね、これは。これしかも、十月からこれ実施するというんですよ。実際、今入所されている方は、自分の部屋がこれからどういう扱いになるんだろうか。これは個室・ユニットだったら分かりますけれども、今の従来型に入っていて、今の個室に入っている、私の部屋は準個室になるんだろうか、準個室になったら一体幾らになるんだろうか、全く分からない。家族にも利用者にも知らされていない。こういうやり方は余りにひど過ぎるというふうに思います。
 しかも、先ほどから社福法人の減免制度のことをいろいろと説明をされるんですが、これ特養ホームだけでありまして、老健や療養型施設は対象外なんです。
 局長にお聞きしたいんですが、老健やあるいは療養型医療施設の場合、この入所者の場合も、一応資料でお配りしておりますので、特養ホームの入所者と全く同列になっていくんだろうと思いますが、ホテルコスト、食費が、ポイントだけで結構ですが、どのように見直されるのか。その場合、ユニット型の個室というのは、こういう施設について特養ホームと同様な設定になるのか、お答えいただきたい。
○政府参考人(中村秀一君) 介護三施設につきましては、基本的には、居住費、食費についての扱いは今回特別養護老人ホームと同様の取扱いにするということで、委員の方から表を付けていただいておりますけれども、それぞれの介護報酬が三施設で違う点がありますので、一割負担の部分などで若干の違いが出ておりますが、食費、居住費が給付外になるという点で共通の扱いといたしたいと考えております。
○小池晃君 ユニット型の個室というのは、療養型あるいは老健の場合、どういう扱いになるんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 老人保健施設や介護療養型でもユニット型の居室が出てきているところでございます。今のところ、老人保健施設、介護療養型医療施設で介護報酬上そういうユニットケアの介護報酬は設定されておりませんけれども、そういう部分があることは確かでございますので、先ほどの考え方でいえば、居住費という点で、居住環境に応じた費用負担ということは、ユニットケアであればそれなりの費用負担という設定になろうかと思います。
○小池晃君 現行の療養型、老健であれば、従来からある個室というのが、ユニット型というよりは普通の個室が圧倒的だと思うんです。こういう従来からある個室の扱いはどういうふうになるんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 特別養護老人ホームで御説明したものと同様でございまして、ユニットケアが行っていませんが、居室の構造自体、個室の基準を満たすもの、ユニットケアを行っているけれども居室の構造が従来の個室の基準を満たさないものについては準個室の扱いというふうになります。
○小池晃君 老健に入っている方の実例を紹介すると、これは東京のある老健施設に入所している六十代の男性です。要介護五で、年金九万円の方です。現行制度では、利用料三万四千円、食費が二万四千円、それから日用品費が八千円、合計六万六千円です。今回の制度改悪で、利用料は三万三千円にちょっと下がりますが、食費は四万八千円になる。ホテルコストが一万円、日用品費が八千円、合計で九万九千円。六万六千円の負担が九万九千円になる。この方がもし今までの従来の個室に入っていたらば、準個室に当てはまるということになれば更に四万円の負担増ということになって、合計十四万円ということになる。大変重い負担になるんですね。
 低所得者への補足給付はあるというふうに、この部分でもあるんだとおっしゃると思いますが、特養では先ほどから説明あるように社福減免の制度ありますが、老健や療養型医療施設にはこうした負担軽減措置というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 老人保健施設、介護療養型医療施設、基本的には医療法人の、老人保健施設は社会福祉法人がございますけれども、医療法人が基本だと思いますので、医療法人につきましてはこういう減免制度は設けておりません。
○小池晃君 これ何もないわけですね。補足給付があったとしても、新第四段階以上はもう対象外になる。
 そもそも、今回ホテルコストを取るときの説明としては、在宅とのバランスだと言っていたんです。先ほどの説明もそうでした。しかし、老健、療養型というのは、建前といいますか、皆さんの説明でいえば、これは居住施設ではなかったはずで、在宅生活を維持していることも多いわけです。家を持ちながら入っているケースもあるわけです。これでは居住費の二重取りだという問題もある。しかも、特養の社福減免のような制度すらないというのが実態としてあるわけですね。
 大臣に私問いたいんですが、私ども、ホテルコスト全体に取ることに反対です。これは撤回すべきだと思っておりますが、しかし、少なくともこうした全体の状況を見て、やはり老健や療養型施設のホテルコスト徴収については、これは見直すということは検討すべきじゃないですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) やはり、何らかの形で施設に入っておられる、そうしますと、まず一番食費の部分は、そちらで食事を取られるわけでありますから、自宅でまた帰ってもう一回食事を取るということにはならないんで、そこがダブルになるということはもう基本的にあり得ません。ただ、居住費のことをいえばいろいろまた考え方も出てくるかもしれませんけれども、基本的にやはり自宅におられる方と施設におられる方の公平感ということでいいますと、今私どもが取った見直しというのは、これは正しいものだと考えております。
○小池晃君 いや、私指摘したように、居住施設でないという性格もあるわけでしょう、療養型、老健の場合は。そういう場合、居住費の二重取りということにならないんですか。公平、公平と言うけれども、施設に入りながら居住費払い、なおかつ自分の家の家賃も払うと。それから、その食費についても、公平だと言うけれども、自宅でやる場合は調理コストというのはないわけですよ。四万八千円、施設に入れば食費が掛かってくる。かなりこれバランス欠くんじゃないですか。その点、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げておりますように、施設と自宅、どちらにおられるかということで、実態でいいますと、施設におられれば正に施設の中で生活しておられる、このことでありますから、実態に着目すれば、私どもが今言っていますことというのは別に間違ってはないというふうに考えます。
○小池晃君 私、このくらいの見直し、検討すべきだと思いますよ。こういうことすらしない。これでは私、老健、療養型というのは、正に低所得者にとってみれば使えない施設にどんどんなっていくという危険が本当に強いというふうに思います。
 それから、ちょっと在宅の問題で、デイサービスにも新たな負担増ということがあるわけです。このデイサービスの食費が一回約四百円の負担増になってくると、食事加算廃止するということでありますが。これ、十日利用すれば四千円の負担増になってくると。これでは、介護予防ということでいえば、正に予防的な役割、通所介護というのは非常に果たしていると思うんですが、これは必要な利用も抑制するということになるんじゃないですか、こういう負担を押し付ければ。
○副大臣(西博義君) 御指摘のように、通所介護におきましては、食費は現在自己負担とされている食材費の相当も含めて保険給付の対象外ということで、介護に相当する部分の給付をそれによって重点化していこうと、こういうふうに考えているところでございます。
 具体的な額、先ほど委員から御提示がありましたが、最終的には個々の施設と利用者の契約ということでございますが、今現在報酬に含まれているこの食事加算、これが利用者負担というふうになりましても、一日当たり、一回当たりでございますが、四百円という水準でございまして、在宅とそれからこの施設、デイサービスの施設におけるバランスから考えてお認めいただけるものではないかというふうに考えております。
○小池晃君 いや、認められません。一回四百円、少ないと言うけれども、実態をいろいろと聞いてみると、例えば福岡県のあるデイケア施設ですが、これは一か月約八十人利用しているんですが、毎日来たいという人が三四・一%、週五日以上来たいという人が四〇・二%なんですね。非常に回数多い。現在一日六時間から八時間の利用で千百円の負担が約三百五十円増えることになると。要介護三の女性で、デイケア毎日来たいんだけれども月三万円しか払えないと、二十三日が限界だということで、そうなると利用日を四日削らなきゃいけないというふうにおっしゃっている。要介護二の男性、毎日希望しているけれども、この方は利用料払えるのは二万円まで。大体皆さんそうなんです。自分が幾ら払えるか、そこで決まってくるというのが実態としてあるわけです。そうすると、この食事加算廃止されると、今まで、例えば四月は二十三日利用していたんだけれども、そのままだと、法案が通ると食費負担八千円増える。そうすると十日間参加できなくなるんだと。そうなると在宅で暮らしていけないという、そういう話なんですね。
 大臣、これ一回四百円で小さいと言うけれども、デイサービス何度も利用している人にとってみれば、非常にこれは重い負担になってくるんじゃないか。しかも、これ低所得者対策一切ないんですよ、この部分。それはそうですね、低所得者対策はないですよね。局長、いかがですか。
○政府参考人(中村秀一君) 今の例で、毎日デイサービスをお使いになりたいとか、二十三日行っておられる方がおられるということでございますが、デイサービスの平均的な月の利用回数は八回でございまして、二十三日とか毎日というのはちょっと、むしろケアプランとかそういうのに問題があるんではないかと思って聞かしていただきまして、ちょっとその四百円のところまで頭が回らなかった状態でございますが。
 いずれにしても、デイサービスの費用にしろ、皆さんの一割を除きまして、残りの部分は若い人も含めての保険料と税で成り立っているわけでございまして、やはりそういった中で介護保険制度を持続的に行っていくために、みんなで支え合う部分と自分で負担できる部分というところの組合せでやっていかなければならないんではないかと考えて今回の御提案をしているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○小池晃君 あなた、実態も見ないで何で言えるんですか。二十回使ったら、それはその人の実態も見ないで、何も知らずに、ケアマネジャーが立てたプランを不適切だと。問題じゃないですか。そういう回数が必要な人だっていたっておかしくないじゃないですか。そういう機械的な一律なやり方が日本の介護をゆがめているんですよ。撤回しなさい、今みたいな発言は。
○政府参考人(中村秀一君) 私が申し上げたのは、デイサービスの、全国の要するに在宅におられる方の四割の方は、デイサービスを四割近くの方が使っておられますが、それの平均の利用回数は月八回程度だというふうに申し上げたわけで、小池委員の出された方は非常に特別な方で、不適切かどうかは、確かにおっしゃるとおり見ておりませんので訂正さしていただきますが、費用負担のことの議論をするときに非常に例外的なケースを持ち出して議論されるのも、ちょっと私ども、やっぱりそこは極端なケースではないかと。デイサービスの利用という意味では八回、九回、十回と、そういうレベルでございますので、二十三日、月に行っておられるから非常に負担になるというお話でございますが、そういった方々は極めて統計的にいうと例外的な事例ではないかと、こういう意味で申し上げました。
○小池晃君 厚生労働省というのは平均で仕事しているんじゃないですよ。国民というのは平均だけで生きているんじゃないですよ。いろんな人がいるんですよ。二十回必要な人だっているわけでしょう。そういう人にどういう施策が必要か考えずに、何で厚生行政できるんですか。私、大問題だと思いますよ、そういう考え方は。平均だけで物を見ていたら、私は、切り捨てられる人が出てくるんだと。それが今の医療や介護や社会保障制度で本当に大変な思いしている、落ちていっている人たちの犠牲を生んでいるんですよ、そういうやり方が。極めて重大な問題だというふうに思いますが。
 重ねて、ちょっとこの問題で私、西副大臣に確認したいことがあるんですが、衆議院の委員会で副大臣は、訪問介護の調理コストを介護保険で負担するということは、通所介護で調理コストが自己負担になることと整合性が取れない、この点を踏まえて検討するというふうに答弁しています。これの検討というのは一体どういう意味ですか。まさか、ホームへルパーが食事を作ったらその調理コストは利用者から取ろうと、保険給付から外そうと、まさかそんなことを考えているんですか。
○副大臣(西博義君) 家事援助に対する保険給付の考えについての御質問でございました。先ほど山本委員からお話がありましたように、随分いろんな議論がありまして、そのうちの一つで、私の考えを申し上げたわけではないんですが、そういうところの部分がございました。
 このことに関しましては、去る四月二十七日、最終の衆議院の厚生労働委員会で、横路先生からの御質問に対して大臣より確認答弁が行われております。内容に関しましては、新予防給付においても家事援助を一律にカットすることはなく、適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助は認められるものであるということで、具体的には、先ほどの議論もありましたように、自力では困難な行為、例えば掃除、買物、調理等それぞれに応じての困難な行為、それから同居家族による支えや地域の支え合い、それから支援サービスやその他の福祉施策などの代替サービスが利用できない場合というようなケースについて、ケアマネジメントによる個別の判断を経た上でサービスが提供されるということに整理されたところでございます。
○小池晃君 いや、私が聞いたことは、石毛委員の質問だったと思いますが、通所介護の方では調理コストが自己負担になっている、一方で、訪問介護では調理コストは介護保険で負担していると、これは整合性が取れないから検討するというふうに言ったことの意味を聞いているんです。
○副大臣(西博義君) 様々な議論の中でそういう意見もあったということを申し上げただけで、私がそういう結論を出したわけではございません。
○小池晃君 これは本当、断じてこんなことは許されないというふうに思います。そのことは確認しておきたいというふうに思いますが。
 関係者が更に心配しているのは、本人の収入、年金額が変わらないのに、税制改悪で利用者負担が大幅に増える。まあ税制改正の影響なんですが。
 最初に確認で、保険料の新第三段階、市町村民税非課税となるのは現時点では年金収入幾らの世帯か、金額だけお答えいただきたい。
○政府参考人(中村秀一君) 現行の税制度の下では二百六十六万円でございます。
○小池晃君 総務省にお聞きしますが、税制改革で年金収入幾らから市町村民税を支払うことになるのか。まず夫婦二人世帯の場合、それから次に単身世帯の場合、これでお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(板倉敏和君) 今御指摘がございました平成十七年度の税制改正によりまして、個人住民税につきまして、六十五歳以上の一定の所得金額以下の方につきまして非課税措置を段階的に廃止をするという措置をとらせていただきました。この改正によりまして、六十五歳以上の方も一般の若い方と同じような形の非課税限度額が適用になるということでございます。
 御指摘がございました、収入が公的年金のみである六十五歳以上の夫婦、例えば控除対象配偶者を有する個人について見ますと、生活保護法の規定により、一級地の場合で、収入金額ベースで二百十二万円ということになります。それと、いわゆる寡婦と言われております御婦人等を除きまして、独身者、公的年金のみである独身者の場合でございますけれども、これが十七年度の改正によりまして収入金額ベースで百五十五万円ということになります。
 以上でございます。
○小池晃君 新たに非課税から課税になる人数、概算でお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(板倉敏和君) 新たに課税になる方の数ということでございますけれども、非納税義務者についての統計がございませんので、私どもほかの資料等を使いまして試算をいたしたところでございますが、約百万人というふうに見込んでおります。
○小池晃君 これまで本人非課税だった人、百万人が新たに課税になる。その場合、保険料段階は新第三段階から少なくとも第五段階へ少なくとも二段階上がっていく。その結果、保険料は、基準額四千円だとすると三千円から五千円、毎月二千円、年間二万四千円の負担増になるし、利用料、ホテルコスト、食費で毎月三万円あるいはそれ以上の負担増になる。こうした大幅な、今回の税制改正に伴う大幅な負担増に対してはどのような手だてが考えられているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) ただいまの非課税措置の廃止等により非課税から課税になる方につきましては、地方税法上でも経過措置が講ぜられるということを勘案いたしまして、介護保険につきましても、保険料及びそれと連動している利用料について二年間の負担軽減措置を講ずることといたしたいと考えております。
 具体的には、保険料については、個人住民税において経過措置の対象とされた方について激変緩和措置を講ずることを検討したいと思っております。また、利用料については、税制改正で生じる影響が保険料段階と連動しておりますので、利用料負担段階が二段階上昇する方については、その上昇が一段階にとどまるように激変緩和措置を講じたいと考えております。また、利用者負担段階が一段階上昇する方につきましても、社会福祉法人による減免措置を適用し、その負担軽減を図ることを検討したいと考えております。
○小池晃君 時間なので終わりにしたいと思いますが、保険料は二年間の経過措置あっても三分の一ずつ上がって、三年目からは二千円増になってしまう、今二百六十六万円までの方が二百十二万円まで、しかも単身者の場合百五十五万円まで、こういうことになってしまう。利用料については、結局またもや社会福祉法人の減免任せになっている。しかも、この点でも、老健や介護療養型医療施設については対策がないということになるじゃないですか。
 私、この程度の激変緩和では激変緩和になっていない、極めて不十分だというふうに思います。この点でも検討を加えるべきだということを申し上げて、今日の質問は終わります。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省自動車交通局長金澤悟君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 介護保険の質問に当たる前に二点ちょっとお聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、今年は戦後六十年ということで、在外被爆者の問題や強制連行、供託金のことなど様々質問をしてきました。
 在米被爆者の問題については広島地裁で原告勝訴の判決が出たので、これは被告は広島市ですが、是非、控訴することがない方向で厚生労働省もやっていただきたいということを強く要望いたします。
 本日は、日本企業に徴用、雇用された朝鮮人労働者の名簿について一言お聞きをいたします。
 朝鮮人強制連行真相調査団の調査によりますと、入手した朝鮮人労働者名簿のうち約六万七千人分を分析したところ、四百六社五百二作業所の企業名を確認したと言います。一方、日本政府は、厚生労働委員会での答弁でもあるように実態調査を行っているとのことですが、対象とされているのは約百社ということで、この間には乖離があります。対象が百社というのは事実でしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) お答え申し上げます。
 先生今御指摘の点につきましては、政府の方で平成三年と四年に韓国政府に対しましていわゆる朝鮮人徴用者等の名簿調査というものを提出いたしたわけでございます。この中には、朝鮮半島出身者を雇用していた当時の約四百強の企業名が掲載されていたということでございます。それを受けまして外務省から、このうち現在も存続している企業、それから、当時は現存しておりましたが、その後名称変更等で現在も形を変えて継続している企業、合わせて我々として確認できる約百社余りに対して昨年九月から調査実施を依頼しているということでございます。
 御指摘の朝鮮人強制連行真相調査団が言及している四百六社がいかなる企業であるかということの詳細については私承知をしておりませんが、報道等いろいろお伺いしているところによれば、先ほど申し上げました、政府がその当時韓国側にお渡しした名簿の約四百社強にほぼ相当するような会社ではないかというふうにも思われます。
 いずれにしましても、これで我々としてもすべてが十分だというふうに考えておりませんで、当然のことながら、新しい適切なものがあれば追加的な調査を行うことも考えたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 乖離があるわけで、日本とその調査団との両方の突き合わせによってきちっとやるべきではないか、あるいは四百六社又はそれ以上に広げて実施すべきだと考えますが、最終的なすり合わせは行う予定でしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) そういう情報提供がなされれば、これは現在内閣官房の方で、政府全体として、この韓国政府の要請を受けて、どういう形で全体としてこの問題に積極的に対応していくかということを検討しているわけでございます。そういう観点から、その中で更に追加的な情報が、適切とのものがあれば、それに照らして適切に対応していきたいというふうに思っております。
 先生が言われた、新しいもしものがあるんであれば、我々は虚心坦懐にそれを見て、新しいものがあるかどうか考えたいというふうに思います。
○福島みずほ君 是非これはよろしくお願いいたします。
 次に、この委員会の中で、公共交通の安全と労働環境、規制緩和について質問をしてきました。JR西日本のケースも、あれはダイヤの構成そのものに無理があったのではないかというふうに考えますが、今日はタクシー運転者の皆さんについて、厚生労働委員会でも聞いてきましたが、五月十一日、タクシー運転者の適切な労働環境の確保に関する連絡調整会議が厚生労働省と国土交通省にまたがって立ち上がったということのペーパーをいただきましたので、そのことについてお聞きをいたします。
 これを立ち上げた理由について、国土交通省、いかがでしょうか。
○政府参考人(金澤悟君) お答え申し上げます。
 タクシー事業におきましては、平成の十四年の二月に需給調整規制の廃止を柱とする改正道路運送法が施行されました。その後、景気の動向等もございまして、なお需要が全体として上向きに転ずるまでには至っていない状況にございます。一方で、規制緩和後に既存の事業者を中心として盛んに増車が行われていること等によりまして、営業収入が一車当たり低下しておるということから、歩合給を基本とする賃金体系を取っておりますタクシーの運転手の皆様の収入の著しい低下を招くという事態が起こっているというふうに認識をいたしております。
 タクシー業界全体が今後も発展をし、持続的に良いサービスを利用者に提供していただくためには、事業の適正な運営を確保するということが大事ですが、それとともに、それを支える従業員の皆さんの適切な労働環境の確保ということが図られる必要がございます。そのため、先般、三月の予算委員会で福島先生から御質問があった際、北側国土交通大臣よりお答え申し上げましたが、タクシー事業を所管いたします私どもと労働関係法令を所管いたします厚生労働省が、一層密接な連携をしながら政府全体として的確な施策を実施していくという必要があるというふうに認識をいたしまして、今般、今委員御質問の両省の関係者から成るタクシー運転手の適切な労働環境の確保に関する連絡調整会議というものを設置したものでございます。
 この会議では、タクシー事業に関する実態調査を行います。そして、その結果も踏まえながら、労働関係法令の遵守あるいはタクシー事業の適切な運営を確保する取組などにつきまして鋭意協議、検討をするということにしておりまして、十月ごろを目途にその検討結果を取りまとめてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 調査はやりっ放しではなく、結果をしっかりと施策に反映していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(金澤悟君) 十月を目途に調査をいたしまして、その調査結果に基づいて必要な施策を厚生労働省と協議してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 事業主だけではなく、組合や働く人たちからもヒアリングを実施し、実態の把握と改善に役立ててほしいと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(金澤悟君) 調査につきましては、そのようにしてまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 よろしくお願いいたします。
 公共輸送の問題、その中での安全ということは非常に重要です。また、タクシーの運転手さんたちは、十年前に比べて六割事故が増えたという、規制緩和の結果、年収が減り、事故が増えているというデータに大変心を痛めています。JR西日本のケースも、利潤追求のために労働条件や安全を切り捨てた結果ではないかというふうに思っておりますので、今回、このタクシーの問題に関して一歩踏み込んで是非頑張って調査をし、是非、その結果を労働条件の改善に、そしてそれはひいては公共輸送の安全につながりますので、是非お願いしたいと思います。大臣、一言お願いいたします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しのようなことに資するためにこの会議つくったわけでございますから、会議の出しました結果については、私どもきちっと対応をいたします。
○福島みずほ君 是非よろしくお願いいたします。
 では、介護保険法の改正法案について質問いたします。
 子育て世代の私たちも、親の介護を考える世代となりました。私自身も、宮崎に住んでいる父親ががんになって、治療して、骨粗鬆症にちょっとなりまして、骨折をしてしまうと。母が献身的に看病していますが、介護保険のお世話になり、今、要介護一であったのがこれから要介護二になるかどうかという段階になりました。子育てと親の介護と両方抱えているわけですが、そういうこともありまして、この要介護一、二、要支援、筋力トレーニングということについては、自分自身の問題というふうに非常に思っております。
 今回の法案によって、要支援、要介護一の人たちは、これまでの介護給付から新予防給付に振り分けられることになります。法案は枠組みを決めるということで、新予防給付の中身について、利用限度額が下げられてしまうんじゃないか、今までのサービスが使えるのか使えないのか、利用者の間で一体自分たちはどうなってしまうのかという不安が広がっております。
 まず、家事援助は一律にカットすることはない、適切なケアマネジメント、適正なサービスと繰り返し出てきますが、適切、適正は何に基づきますか。
○政府参考人(中村秀一君) 今回導入する新予防給付の基本的な考え方は、御本人にできることは可能な限り自分でやっていただくという考え方と、御本人の生活能力を引き出すためのサービスを組み合わせ、援助させていただく場合も、できるだけ御本人が持っておられる能力を生かす工夫をしながら行うと、こういうことで、そのために、アセスメントからケアプランの策定、サービスの実施、そういうことを実施していく、行っていくという考え方に立っております。現場において、利用者御本人も含め、関係する専門家がよく検討した上で話し合い、提供されるサービスが適切なケアマネジメントに基づく適切なサービスであると、こういうふうに認識しております。
 新予防給付のケアマネジメントは、市町村が設置いたします、これは自分で設置するか委託するかというケースはございますが、地域包括支援センターが行うことといたしておりますが、委員御指摘の適切であるかどうかというのは、このような考え方に基づくプロセスがきちんと実施されているかどうかで判断されるものと理解しております。
○福島みずほ君 適切、適正の最終判断はだれが行うんですか。
○政府参考人(中村秀一君) 今申し上げましたように、本人の希望に基づき、関係者が関与して、最終的には本人がそのケアプランを了承して実施するということになります。
 それから、制度上はそういうことに基づいてサービスが行われ、介護保険からは保険給付がなされるわけでございますが、最終的には、保険者である市町村が、この保険給付が適正であったか、これを審査の上支払うというのが保険の原則でございますので、保険者が判断をするということにそういう意味ではなると思います。
○福島みずほ君 地域包括支援センターの保健師さんなどと受け取っていいんでしょうか、具体的には。
○政府参考人(中村秀一君) 介護保険の介護給付の方のケアプランも同様でございますが、ケアマネジャーが、ケアマネジャーという方が介護給付にはございます。そのケアマネジャーに当たるものが新予防給付では地域包括支援センターの保健師になりますが、ケアマネジャーさんがサービスを組み立てるわけでございますが、そのプロセスにおいて、ケアカンファレンスなどを開いて関係者の意見を聞き、定期的にレビューし、再アセスメントし、サービスを見直していくという過程になります。ケアプラン、予防プランを作るのは地域包括支援センターの職員の方ということになりますが、適正なプロセスという中では、関係者の方が関与し、みんなで作っていただくことが基本になると思います。
○福島みずほ君 本人が望むサービスと適正なサービスが異なった場合、どちらの意見が優先されるんでしょうか。本人の意思決定権は保障されるんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 介護保険の制度は利用者が選択するということで、本人の意思決定権は保障されるということでございます。
 ただ、介護保険を実施した場合の問題点としてよく指摘されるのは、専門家が御用聞きケアマネジャーになってしまっているということで、専門家としてきちんと利用者の方にアドバイスをし、利用者の選択の際にきちんと専門的な観点から望ましいサービスの在り方を提示できないと、こういうことが問題点と指摘されているわけでございまして、決定するのは御本人でありますけれども、やはり専門家としての力量が問われる分野ではないかと考えております。
○福島みずほ君 要支援、要介護一の高齢者の七割から八割を新予防給付に移すということですが、具体的にどんな人たちを想定しているんでしょうか。七、八割という数字はどう算定されたんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 対象者につきましては、現行の要支援者に加えまして、要介護一に該当する方のうち、まず第一に疾病や外傷により心身の状態が安定していない方や、認知症等により新予防給付の利用にかかわる適切な理解が困難な方々を除いた方々を対象とすることと考えております。
 御指摘の七、八割という数字は、そういった意味では、地域において多少のばらつきがあるとは想定されますけれども、全国的にこれまでの要介護認定の結果から推計すると、一定程度以上の認知症である方など、新予防給付の利用が難しいのではないかと考えられる方がおよそ二割から三割程度いらっしゃることを踏まえて推計したものでございます。
○福島みずほ君 いや、七、八割というのが数値目標になることはないということを確認したいと思いますが、よろしいですか。
○政府参考人(中村秀一君) 対象者の選定は各市町村で実施いたします介護認定審査会の審査の結果の言わば積み上げたものが結果となるということでございますので、最初に目標値があるわけではございませんので、委員の御指摘のとおりでございます。
○福島みずほ君 大変不安に思うのは、今要支援、要介護一の人のうち、認知症、脳卒中、心疾患などを除いて、残りが七、八割であるというふうに今の答弁だとちょっと思いかねないと。ですから、今まで、つまり介護保険で給付を受けるのが新予防の部分と介護給付と二通りに分けられることになるわけですが、同じ保険の制度を二つに分けることがいいかどうかという問題もあります。
 それから、七、八割の人があなたたちはこれから新予防給付ですよということになると、これが数値目標になると、いや私は新予防給付でなくてやっぱり従来どおり介護給付をちゃんとしてもらいたい、その方が自分にとっていいということだって大いにあると思います。その意味では、当てはめて無理やり振り分けることではないということを再度確認させてください。
○政府参考人(中村秀一君) 無理やり当てはめることではございません。
○福島みずほ君 振り分ける基準は何でしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 介護認定審査会で認定するわけでございますが、従来の要介護度の判定に加えまして、したがって、そういう判定をするために、現行の認定調査項目に高齢者の生活機能を評価する調査項目を加えたり、主治医の意見書においても高齢者の生活機能の評価を拡充したり、そういう工夫はするわけでございますが、要介護、従来でいいますと一に該当する方の中で、状態の維持又は改善可能性について審査して振り分けられると、こういうことでございます。
 その審査の振り分けのための第一次判定は従来コンピューターで行っておりますが、まずコンピューターで第一次判定で結果が出、専門家の方が集まって合議で二次判定をいたしますが、その二次判定、合議によって二次判定で決定していただくというプロセスを取ります。
○福島みずほ君 筋力向上トレーニングについてやはり私も質問いたします。
 介護予防市町村モデル事業中間報告についてですが、筋トレが高齢者の在宅生活を支えるためのどの部分に役立つという結果が出たのでしょうか。例えば、屈伸ができるようになっておふろ掃除が可能になったとか、圧力が強くなって包丁で硬い物が切れるようになったとか、そういうことがあるのでしょうか。私の周りで具体的に介護保険を利用している人が、例えばがんになって内臓切ってしまったので重い物、お買物に行ったりするのがとても、ちょっと大変なわけです。でも、家の中ではとっても元気で、料理を作ったりはできるけれども、重い物を、買物って重い物を持たなくちゃいけませんから、そういうことが非常につらいとか、非常に個人差もありますし、筋力トレーニングという部分と日常生活、家事をやるというのはやっぱり乖離があると考えますが、いかがですか。
○政府参考人(中村秀一君) 今度の、御指摘のモデル事業では、そういった意味で、今委員から御指摘のありました身体機能に関する項目、これは歩行速度ですとか右左の握力、それから座位、要するに座って前かがみできるかとか、様々な項目を調査するとともに、生活機能やQOL、生活の質の評価についての項目を調査いたしております。
 筋力向上につきましては、筋力向上のプログラムにつきましては、要介護度につきましては統計的に有意な改善が見られたということ。握力等の身体機能につきましては、身体機能もいろいろ調べておりますが、ほとんどの項目で改善が見られた。生活機能につきましてもほとんどの項目で改善が見られたと。要支援では、要介護一より改善する者が多かった。したがって、軽い方の方が改善可能性が高い。七十五歳以上の方が七十五歳未満より要介護度が改善した方が多かった。これは若い方の方が改善しなかった。それから、脳血管疾患の既往症がある方はない方に比べると改善したものが少ないと。したがって、若い方で七十五歳未満で脳血管疾患ありの方は改善可能性が低いことが示唆されたと。こんなような結果が出ております。
○福島みずほ君 ちょっと質問と答えがずれているというふうに思いますが、次の質問に行きます。
 日常生活機能、社会生活機能では改善と悪化が拮抗しています。これを見て私は実はショックを受けまして、悪化というのが出ているということです。病院に行って、風邪の治療に行って風邪が悪化するんだったら金返せと言いたくなりますし、歯医者の治療に行って虫歯が悪くなるんだったら、本当に何のために医者に行ったか分からない。ですから、このモデル事業の統計結果は本当に驚くべき結果で、やった結果悪化するという結果が結構強いわけですね。これだったら、利用料をもらって予防のために行ったサービスで悪化するということを厚生労働省はどう考えているのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) この結果の評価の仕方のことで、これ自体につきましていろいろ御議論なり御指摘もいただいているところでございますが、今回の対象者と申しますのは、生活機能が低下するリスクの高い軽度の要介護高齢者を基本的には対象にしております。一般的にこれらの高齢者の方では自然経過として悪化の方向性が見られるという中で、事業の開始前後に比べて評価をしたということで、幾つかの評価項目では、悪化が見られるものが高齢者に一定程度出てくることは避け難いものだというふうに考えております。
 先ほど申し上げておりますように、モデル事業につきましては、参加者全体として有意な改善が統計学的には出ているということで、これは各種事業が一定の効果を発揮するものであるということを示唆しているものではないかと思っております。
○福島みずほ君 いや、ひどいわけで、悪化というのが出てくる。要するに、モデル事業をやったら悪化という結果が出ているわけですね。だったら、もう組み方がおかしいと、やるなと。悪化という結果が一定程度出るんであれば、こういう事業はやめるべきだというふうに私は考えています。
 トレーニングで悪化した人の対策、フォローはどう考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) むしろ、何と申しますか、私ども理解しておりますのは、トレーニングをやった結果、状態が維持された方、それから改善した方、それから、その要介護度でいけば悪化された方と、こういうふうになるわけでございますが、筋力向上全般についていえば、悪化した方は一六・三%、改善した方は四三・九%、維持された方が三九・八%と、こういうことでありますので、八割の方が維持、改善をしているという結果が出ているわけでございます。
 委員の御指摘の、そういうプログラムを実施しても改善されなかった方、維持もできなかった方についてどうするかということですが、そういった方については、また悪化された方についてはそのプログラムは効果がなかったということになると思いますので、そこではもう一度そのアセスメントをし直して、その方にふさわしいプログラムの提供、メニューの提供をしていくと、こういう形になるのではないかと思います。
○福島みずほ君 いや、ひどい話で、新予防主義でやりますと。やった結果、かなり悪化する人が出てきているのがモデル事業で出てきた。じゃ、もう一回別の形でやりますと言うんですが、どこにサービス料を払って状態が悪くなるということがあるんでしょうか。
 それから、私は、高齢者で、必死で筋トレやって悪化したという結果が出れば、非常にやっぱり傷付くというふうに思うんですね。先ほど山本理事の質問でもありましたけれど、私たちが今から筋力トレーニングをやるのとは訳が違うわけで、この筋力トレーニングそのもののプログラムが極めて疑問であります。やめろというふうに思っております。
 衆議院の政府答弁で、新予防給付の創設で軽度者の一〇%が要介護二以上に移行することを防止するという答弁がありますが、これは悪化のパーセンテージも含めて計算しているのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 何と申しますか、例えば、今度のモデル事業が絶対というわけではございませんし、話の例でございますが、今度のモデル事業では、要介護度の改善ということは、実施された方の四割が改善されたと、こういうことになるわけでございます。私どもは、そういうことで改善される方があれば、そういうことが十人にお一人効果があれば、要介護二なり三なり行かないでとどまる人が出てくる。そういった意味で、要介護二以上の人の増加傾向が一〇%減ると、こういう形の計算をいたしております。
 今の状態でいけば、一定の割合で重度化されている方がいると、こういうふうに見込んでおりますので、その一定の割合で重度化されている方の出現率を人為的に、人為的にというのは、介護予防によって下げることができないかと、こういうことでございますので、今回改善した方の割合が例えばこの事業では約四四%おられるということは、もし十人に実施すると四人くらい改善されるということでありますので、そういう打率というふうに考えております。
 この介護予防の事業がそういう大規模でもし実施されたとすると、その四人というのが四十人になり四百人になりと考えられますので、そういったことが全体の要介護認定該当者の重度に移行する人の割合の一〇%に当たれば、私どもの言っている介護予防効果が現れたということになると、こういうお話をさしていただいているわけでございます。
○福島みずほ君 これも数値目標でないということを確認したいのですが、よろしいですか。
○政府参考人(中村秀一君) ここの部分についての、どういった意味で委員が数値目標と言っておられるかどうか分かりませんが、私どもとしてはそういうことによって増加する要介護認定該当者の方を下げたいなと思っておるんで、例えば交通安全でできるだけ死亡者を減らしたいとか、労働災害を減らしたいと、そういうことで数値目標はけしからぬということはないと思いますので、そういう意味では、やはり行政の目標といいますか、介護保険制度を持続させるための目標としてこういったことは追求していくべきではないかと思っております。
○福島みずほ君 いや、非常に危惧を感じます。自分が高齢者になって、例えば家事援助とかいろいろ手伝ってもらえば自分は一人で暮らせるというふうに思っている。でも、頑張れ頑張れ頑張れ、筋力トレーニングをやれ、頑張れ、改善せよと言われて、こんなにつらいことはないですよね。
 そして、しかも、今おっしゃったとおり、給付を抑制するためにこの新予防給付が出てきて、結局は振り分けられる。今まで要支援、要介護一だったけれども、あなたは新予防給付でこれからは筋力トレーニングなど頑張ってください、効果が出るから頑張ってくださいとか言われるわけですね。これは効果が上がらなければ落ち込みますし、効果が上がれば自分はいろいろな支援が出てこなくなる。個人のケースではそうですよ。
 今はある程度行政目標の設定をさせていただくといいますが、こういうことで目標設定をすべきではないと。個々の積み重ねの結果が結果であって、行政として目標を設定すべきでないと思いますが、どうですか。
○政府参考人(中村秀一君) ちょっと委員の御指摘されていることと私の申し上げていることとずれてしまっているようなことがあって恐縮でございますが、私、要介護度の重度になる方をできるだけ下げれるものならば下げたいというお話と、何かその筋力トレーニングが強制されるみたいなお話とがこう直結されているように思いますので、そういうところはそうではないと。先ほど来申し上げておりますように、ケアプランなり要介護認定なり、そういったものは、何か六割以上例えば該当者を出してはいけないとか、そういう目標ではないわけでございますので、そこのところは御理解をいただきたいと思います。
 私どもは、一人一人の積み上げの結果として、アウトプットの目標値としてそういうことを挙げることは差し支えないのではないかというふうに申し上げているわけで、例えばがんの五年後の生存率を高める、二割高めるというようなことは、例えばそういう政策目標に従ってがんについていろんな政策を打っていくということは差し支えないことではないかと思いますので、それと私は何となく、何となくじゃなくて、介護予防の今言っている意味での目標はそういう意味での目標というふうに考えておるわけでございますけれども、そこで支障があるということであれば、また考えさせていただきます。
○福島みずほ君 考えてください。
 がんであれば、例えば禁煙率を高めるとか食事の指導をするとか総合的にできるわけですが、高齢者は一人一人がそれぞれ状況が、症状が異なっていて、そこでの目標設定があれば、例えば個人の事情よりも目標設定の方が優先されるということが具体的に起こりかねないので、それは目標設定というのをしないようにということをお願いしたいと思います。
 大臣、今の議論聞いていて、どう思われますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) もう目標設定ということをしないという、そこの部分だけで申し上げれば、私どももそんなことを考えておるわけじゃありませんとお答え申し上げれば済むわけでありますが、先ほど来お聞きしておりまして、例えば筋トレ筋トレというふうに言っておられますけれども、決して、私どもが申し上げているのは、嫌がる人を無理やり引っ張っていって筋トレやってくださいなんということを言うつもりなどは全くないわけでありまして、どうもその辺に誤解が生じていないかなと改めて思いながら聞いておりますので、基本的にそんなことじゃもう決してありませんということをまず御理解いただきたいと存じます。
○福島みずほ君 筋トレの実施期間は大体三か月と言われておりますが、改善とされた人もリバウンドが出たり、何もしなければ効果が薄れていきます。フォローアップをどう考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) この点につきましては、いろいろな点御指摘もございますし、今度のモデル事業の実施をいたしました市町村からの御意見としても出ているわけでございます。
 介護予防の筋力向上に限らず、いろいろなプログラム実施した後、しなければまた元に戻ると、こういうことでございますので、いかに継続するかということは課題になっております。
 実際に独自事業としてこういう筋力向上をやっておられる市町村のお話を聞きますと、期間が終わった後も続けたいという御希望が非常に多い、方が参加者には多いと聞いておりますが、いつまでも同じ方に対してプログラムを実施するわけにもまいりませんので、私どもとしては、地域において、プログラム終わった後も様々な住民活動ができたりボランティアによるサービスができたり、そういう地域資源をつくっていくことが大事だと思っております。継続的な生活機能向上に取り組むための受皿づくりが必要であり、そういう地域づくりが求められると考えております。
○福島みずほ君 ボランティアとおっしゃいましたけれど、そういうことに頼ることが、頼る設定が正しいかどうかということをちょっと思っております。
 いろんなところのモデル事業を検討してみましたが、宮崎市のモデル事業では、例えばボランティアで参加してくだすった補助員の人たちの協力なしでは難しかったという保健師さんの意見も付いております。非常にボランティアがなければやれない事業なわけで、筋トレ後のフォローに関してどうするかという点はまだ結論がちゃんと出ていないというふうに思います。
 ちょっと先を急ぎます。
 栄養改善というところの悪化率が非常にモデル事業で高いと。例えば血清アルブミン値というのは、例えば四二・二%が悪化をしております。改善よりも悪化している人がはるかに多いと。なぜこのようなことになっているんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) モデル事業における栄養改善プログラムは、低栄養又は低栄養になる可能性のある方に対しまして、日ごろの食生活の内容分析、栄養改善のためのプラン作成、管理栄養士さんなどによる栄養食事指導、参加者自らの食生活記録の作成等を実施し、三か月及び六か月後に栄養状態の評価をすることといたしております。
 プログラムの実施期間は六か月といたしておりますが、今回の中間報告では三か月の中間段階のものしか出てこなかったということでございまして、残りの三月分につきまして今市町村が実施しているところでございますので、最終段階の結論が出たところでデータの提出を待ってより詳しい分析を行ってまいりたいと思いますし、その結果は御報告をさしていただきたいと思います。
○福島みずほ君 悪化している人が四二・二%、改善よりもはるかに多いというのが極めて問題で、効果が検証された新しいサービスとして導入することは難しいのではないか。つまり、私たちは、今度介護保険の改正、まあ改悪法案、私たちは改悪法案と言わさせていただきますが、議論しているわけです。で、栄養改善というのがあるわけですが、悪化しているわけですよね。
 モデル事業をやって悪化したプログラムをなぜ盛り込むのかっていうのが理解ができません。モデル事業の内容では導入してはいけないのだというふうに考えますが、いかがですか。
○政府参考人(中村秀一君) モデル事業の栄養改善部分の分析結果では、要介護認定につきましての改善割合は五二・六%でございます。で、今先生の御指摘のありました血清アルブミン値が悪化したのが四二%ということになっておりますので、ここのところにつきましてはよく検証をさしていただきたいと思います。
○福島みずほ君 閉じこもり予防、フットケアについて、モデル事業の内容はどのようなものでしょうか。サンプル数が少ないのはなぜか。だれが行ったのか。専門家はいるんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 閉じこもり予防、フットケアについてのモデル事業についての御質問でございます。
 閉じこもり予防プログラムは、外出頻度が週一回未満の要介護高齢者の方を、歩行などの身体機能が閉じこもりの原因である方と、意欲、気力等の低下が原因と考える方とに分け、前者の方につきましては転倒予防体操などの運動器の機能向上サービスを、後者の方については農園づくりなどの生きがい支援事業を提供し、事業終了後の外出頻度を評価したものでございます。
 フットケアにつきましては、足や指の状態が歩行能力に影響を与えることを踏まえまして、要介護高齢者を対象に足や指の皮膚やつめの自己管理法の指導を行ったものでございます。
 どのようなプログラムを実施するかということについてはそれぞれの自治体の判断にゆだねていたことから、この閉じこもり予防なりフットケアを御希望される自治体はそれほど数が多くなく、モデル事業としてややサンプル数が少ないというのは御指摘のとおりだと思います。
○福島みずほ君 筋トレ利権、筋トレバブルが新聞、雑誌で取り上げられております。ある雑誌に、厚生労働省は来年度から二年間でまず全国三千か所に筋トレジムを整備し、将来的にはそうした介護予防拠点を一万か所に増やす構想を持っているとあります。
 このような構想があるのでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 全くございません。
 三千か所っていうのが何で出てくるんだろうというふうに考えますと、多分、私どもが介護予防拠点を、三千か所の整備を目標にしておるということからこれが言われるんでありましょうが、まあそうとしか考えられないんですけれども、この介護予防拠点はそうした筋トレを行うような場所として考えておるものじゃございませんので、言われておるようなことは誤解であるということを申し上げます。
○福島みずほ君 筋トレ事業には、自治体職員のほか、医師、保健師、看護師、理学療法士などが必要とされます。どのような人員配置を想定しているのか。これらの人件費は介護報酬上どのように算定されるのでしょうか。筋トレの内容、例えばマシンを使う使わない、使用するプログラム、人員の配置について保険者の判断で行えるということでよろしいですか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 そういった実施方法などについて、市町村で実施していただく場合にどういうことがあるかということなどをいろいろ材料を提供していただくためにモデル事業を実施したところでございます。
 委員から御指摘ございましたように、今回のモデル事業でやってみますと、保健師さん、理学療法士さんなど、何人かのチームで関与している職種があるということが分かってまいりました。
 これらの職種の関与の状況を見ますと、また私ども、この対象のモデル事業は、例えば利用者の方もそんなに大人数でなくと、こういうことで設定して一つの事業をやっておりますので、そういうことで結果を見ますと、今例えばデイサービスセンターなどでいろいろ訓練をやっておられます職種の方々と、そういう人員配置とほぼ似たような規模でこのモデル事業のサービスが実施されていると、こういうようなことは分かってきたところでございますので、そういった意味では、現在の様々な事業者あるいは自治体のマンパワーの中で、こういう事業をやろうと思えばできるのではないかと考えているところでございます。
 それから、介護報酬上どのように位置付けるかということはこれからの議論になるわけですが、一つは、再三大臣からも副大臣からもお答え申し上げておりますが、筋力向上については、マシンを用いるもの、用いないもの、様々ありますので、介護報酬でマシンの購入費、そういったものは対象にしないと、こういうこと。
 それから、特定の何か、筋力トレーニングについての特定の職種を新たにつくるというようなことはしないということは御答弁申し上げているところでございますので、今考えておりますのは、現在のサービスメニューであります通所サービスのプログラムの中で筋力向上トレーニングというものを取り組んでいただけないかと、そういうような方向で考えておりますけれども、いずれにしても、最終的な基準や報酬の設定につきましては、介護給付費分科会における議論を通じて十八年四月の介護報酬の改定に反映させてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 今の答弁で、審議会の中でこれから中身を決めるということですが、通所の人に関して筋力トレーニングのマシンを使う可能性があるわけですね。でも、そうすると、マシンの値段を調べましたけれど、例えば一台買っても一人しか使えませんから、一台七十万とか、ある程度お金がするわけです。五台買えば幾らとか、結構高額です。しかも、通所なわけですから、私は、本当にこの制度のプログラムが制度としていいのか、あるいは費用対効果としていいのかというふうに思っております。
 訪問介護利用料があって、参加者が集まるのか、継続することができるのか。過疎地で高齢者を一時間以上も掛けて会場まで移送するという答弁がありましたけれど、高齢者の人が長いこと例えば通ってそういう筋力トレーニングをすることの意味、コスト、高齢者の安全性など、非常に思っております。
 その意味で、このプログラムが、まあモデル事業の中でも余りいい数字も出ておりませんし、再考すべきだということを申し上げ、質問予告よりもちょっと行きませんでしたけれども、そのことを強く述べて、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 本日の質疑はこの程度といたします。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。
 国井正幸君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次に、理事の補欠選任を行います。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に水落敏栄君を指名いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十三分散会