第162回国会 国土交通委員会 第23号
平成十七年六月十六日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     荒木 清寛君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         田名部匡省君
    理 事
                田村 公平君
                脇  雅史君
                大江 康弘君
                佐藤 雄平君
                山本 香苗君
    委 員
                岩井 國臣君
                岩城 光英君
                太田 豊秋君
                岡田  広君
               北川イッセイ君
                小池 正勝君
                末松 信介君
                鈴木 政二君
                伊達 忠一君
                藤野 公孝君
                池口 修次君
                岩本  司君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                前田 武志君
                山下八洲夫君
                荒木 清寛君
                仁比 聡平君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   北側 一雄君
   副大臣
       国土交通副大臣  蓮実  進君
       国土交通副大臣  岩井 國臣君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       伊達 忠一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       林野庁林政部長  岡島 正明君
       国土交通省住宅
       局長       山本繁太郎君
       国土交通省航空
       局長       岩崎 貞二君
   参考人
       住宅金融公庫理
       事        吉井 一弥君
       独立行政法人都
       市再生機構理事
       長        伴   襄君
       独立行政法人都
       市再生機構理事  河崎 広二君
       独立行政法人都
       市再生機構理事  田中 久幸君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備
 のための公営住宅法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅
 等の整備等に関する特別措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
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○委員長(田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。
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○委員長(田名部匡省君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案及び地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に林野庁林政部長岡島正明君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君及び国土交通省航空局長岩崎貞二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田名部匡省君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案及び地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に住宅金融公庫理事吉井一弥君、独立行政法人都市再生機構理事長伴襄君、独立行政法人都市再生機構理事河崎広二君及び独立行政法人都市再生機構理事田中久幸君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田名部匡省君) 公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案及び地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○前田武志君 民主党の前田武志でございます。
 通告外でございますが、昨夜、羽田空港においてJALの着陸事故と申しますか、発生いたしました。その前には全日空についてもミス等も報じられているわけでございます。
 まず、国土交通省におきまして、今事故の状況、どのように把握されておられるか、どう対応されておられるか、御報告願います。
○政府参考人(岩崎貞二君) 昨日、九時五十九分でございますが、羽田のJAL一〇〇二便がトラブルを起こしました。着陸の際に、前の脚のタイヤ二本が脱落し、滑走路上において停止したというものでございます。乗客二百十名の方が乗っておられましたけれども、そのうち三名の乗客の方が首の痛みを訴えるなどされております。うち一名の方は全治一週間のむち打ちと診断されている状況でございます。
 タイヤのパンクというのは年間数件程度は発生をしております。御案内のとおり、航空機は、着陸するときにまず主脚、後部の方のタイヤでございますけれども、ここがまず接地をいたしまして、それから機体を水平に戻して前の脚の方のタイヤも接地をしていくと、それで水平滑走していくと、着陸していくと、こういうのが手順でございますが、普通、まず主脚の、後部の、後ろ側のタイヤから接地をいたしますので、そこの主脚のタイヤが時々トラブルを起こすというのは割合、余りあってはならないことではありますが、ないわけではないトラブルでありますが、今回の場合は主脚ではなくて、後で接地する前脚の方のタイヤがパンクを起こし、かつそれが脱落していると、こういう状況でございます。かつ、その前脚の上部の一部の構造に破断が生じていると、こういうことでございました。
 事故が発生するおそれがあると認められる事態ということに認定をいたしまして、重大インシデントとして本トラブルを取り扱うことといたしました。重大インシデントということになりますと、事故調査委員会の方で調査をしていただくということでございますので、昨日より事故調査委員会の調査官が現地に入って調査をしているところでございます。
 まずは原因究明をきっちりすることが大事だということで考えておりまして、事故調査委員会にきっちり原因究明をしてもらうということで考えているところでございます。
○前田武志君 航空輸送の安全確保については非常に懸念されるところでありまして、当委員会においても先般来何度か討議を重ねてきたところです。もちろん、航空会社の責任者も参考人として招致して議論を重ねてきたところでございます。そういう中でまたこういう事故が起こったわけでございまして、北側大臣においても非常に心痛だろうと思うんですね。
 国民の航空輸送の安全の確保という意味においては、なるべく早く原因を究明していただくと同時に、何度も重なっているという点においては、これは単に航空機会社の、輸送会社だけのトラブルとして対応するのではなしに、多分、私は、政府の調査の在り方あるいは監査、監督の在り方、そういったことも含めて政府を挙げての取組がなされ、あるいはその体制の改革というところまで踏み込まないと非常に危険な状況に今達しているのではないかと、このように思います。
 その辺を含めて、大臣、ひとつ御見解を聞かせていただけますか。
○国務大臣(北側一雄君) 今航空局長からJALの話だけさせていただきましたが、おっしゃいましたように、ANAもつい先日、あれは何ですか、高度計を見誤ると。これはもう全く、これは操縦士のミスでございます。こうした、これも高度が非常に高い高度になってしまいまして、これも時間によっては、これはニアミス等々起こり得ることでございまして、もうゆゆしき問題であるというふうに認識をしております。
 当委員会におきましても、何度も、この航空トラブルについて何度も取り上げていただき、社長にも来ていただいて安全対策について厳しい御指摘をちょうだいしているにもかかわらず、このような事態がいまだ引き続いているということに対しまして、私も大変遺憾であるというふうに思っております。今の前田先生の御指摘もよく踏まえまして、しっかりと取組をしなければならない。
 また、従来も、ある意味では考えられ得る、今の制度の中で考えられ得る対策というのは様々取ってまいりました。にもかかわらずまたこういう事態が続いているということに対しては、私も本当にこれは一体どうすればいいのか、正直に申し上げますと困惑をしているというのが私の正直な実感ではありますが。
 この航空の問題というのは、これもう、この春からずっと続いているわけですね。春からずっと続いておりまして、私どもも、また国会におきましても何度も何度も取り上げていただいているにもかかわらずこういう事態が改善をしないということに対しては、本当に大変大きな問題である。また今、前田委員がおっしゃったように、これはもう政府全体として本当にこの問題について取り上げていかないといけないと、その対策について政府全体として検討していかないといけないという意識を私自身も持っているところでございます。
 この昨日のJALの件につきましては、なぜこうなったのか、これ事実究明はこれからでございます。事故調が今入っておりますので、しっかりと究明をしなければならないと思っておりますが、その結果も踏まえまして、また当委員会において御報告をさせていただきたいと思いますが、国土交通省としても、更に対策を考えていかないといけないという問題意識を強く持っているところでございます。
○前田武志君 日本の旅客輸送を担う二つの代表的な航空会社において、このような今までの我々の議論、心配、そういうものを踏まえて、当事者側も真剣に取り組むという約束の下で相次いでまた起きたわけでございます。非常に深刻な事態であると我々も認識をしております。この問題についてはまた当委員会において、理事さん御相談の上、我々議論を深めないといけないと思います。
 一応この程度にいたしまして、航空局長、もう結構でございますから、本題に戻って、住宅政策の問題について議論をさせていただきます。
 まず、既にこの住宅問題については私自身も予算委員会において総論的なことを議論させていただきました。そして、その後、そうですね、同僚議員の議論も相当積み重なってきておりますので今日は最終議論ということになってまいりました。
 住宅二法を改正するということでございますけれども、その前提にあるのは地域社会がどんどんどんどん構造変化を起こしております。もちろん少子高齢化とか言われますし、人口もピークを超えて社会の在り方そのものも変わってきたし、地域社会の構造がどんどん変化しているということが前提になっておるわけであります。そして、そういう中で住宅政策の体系を再構築しようという考えで取り組んでおられるのだと思います。
 そんな観点からずっと議論が続けられてきたと思いますが、大臣におかれましては、今までのこういう国会議論を踏まえて、いよいよ来年辺りには住宅基本政策について抜本的な政策改革を行おうというようなお話もしておられました。この国会議論をどのように反映させていくのか、まずは冒頭、大臣の今の住宅を取り巻く環境、そして来年に向けての取組の方向、そういったことについて見解をお述べください。
○国務大臣(北側一雄君) これまでも何度かお答えを申し上げてまいりましたが、やはり住宅政策におきましても今大きな転換点にあるというふうに認識をしております。住宅そのものの量は一昔前に比べますと相当充足をしてきておりますが、まだまだ質の面においては大きな課題を残しております。特にこれから、本格的な高齢社会がこれから到来をするわけでございまして、例えば住宅のバリアフリー化等のこういう質的な面においてはまだまだ課題が大きく残されているというふうに認識をしておるところでございます。こういう住宅の質の改善をしっかりとやっていく必要がある。
 また、この委員会でも御議論していただいておりますとおり、住宅金融公庫につきましても、これまで大きな役割を果たしてまいりましたが、この住宅金融公庫についても廃止をいたしまして、むしろ民間の住宅金融を補完する役割、証券化業務を通じてやっていくという法案についても御提案をさせていただいたところでございます。
 機構につきましては、昨年法案を通していただいたわけでございますが、機構の役割も大きく変わっていくわけでございます。賃貸住宅の安定的な居住環境の維持とさらには都市の再生という二つの大きな仕事に特化して担っていただくということでございまして、一つはやっぱり市場機能というものを重視をしていくような政策に転換をしていかざるを得ないと考えております。
 そういう中にあって、やはり大事なことは、住宅のセーフティーネット、私これ、このことが一番大事だと思っているんですが、住宅というのはやはり、衣食住と言われますように、私どもの生活の基本の基本であるのがこの住宅でございます。そういう意味で、住宅のセーフティーネットというものをしっかり確保していくことは、市場機能を重視するからこそなおさらのこと、このセーフティーネット機能というのを私はやはり重い役割があるというふうに考えておりまして、この住宅のセーフティーネットにつきましては、今後とも国のやはり大きな役割であるというふうに位置付けていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 今審議会におきまして御議論をしていただいておりまして、できれば来年の通常国会には住宅政策に係る基本的な法制について是非御提案をできるように取りまとめをさせていただきたいと。また、今後とも先生方の御意見をちょうだいをしたいというふうに考えているところでございます。
○前田武志君 衣食住の一番重要な要素というふうに言われました。予算委員会でも北側大臣始め農林大臣や総務大臣とも議論したわけですが、関西ではよく言われる話です。予算委員会でも申し上げましたが、何に金を掛けるか。北側大臣の大阪は食に掛けるんですね。食い倒れと言います。食に金を掛ける。食い倒れ。京都は着物に、着る物に金を掛ける。着倒れですね。我が奈良県は建物に、家に金を掛ける。建て倒れと言うんですね。これは、まあまあ風土性が非常にいいところで、余り災害もないもんですから、家に相当金を掛けて、一説によると三代掛けて家を造るというんですね。その造った家は何百年ともつと。したがって、それだけもてばもう公共財に近いようになるわけですね。多分、新しい政策体系の中で、量は満たされて質と言われてもう久しいわけでございますが、多分そういったことも含めて考える必要があるのではないかと、こういうふうに思います。
 それで、ほぼ締めくくりの議論で、各論については既にもういろんな断面で切り取って論議もされているわけでございますから、なるべく重ならないようにというふうに思いながらも同じような問題になってくるわけでございますが、私としては、この住宅の問題、もちろん一人一人のその住みかでありますし、家族という単位の一つの城であります。この家を単位に家族のお互いの人生というものがそこで営まれるわけでありますし、またこの家が集まってコミュニティーを構成していると。そして、そのコミュニティーという中で、先ほど来大臣が言われた公営住宅であり、あるいは公団住宅であり、そういったものが特に都市部を中心に大きな役割を果たしてきたわけであります。その周りに個人の住宅、持家といったようなものがあるでしょうし、個人のマンション、分譲集合住宅といったようなものもあるでございましょう。
 ということで、イメージとしては、国土交通省側のこの法律説明のところにもイメージ図というものが載っておりましたが、ああいった住宅都市というもののコミュニティーというようなものを考えて議論をまとめとしてやっていきたいなと、こういうふうに考えるわけでございます。
 そこで、これももう既に議論はどこかでしたように思うんですけれども、年代層ごとの、ここに資料を配らしていただいておるんですけれども、(資料提示)ちょっと見ていただくと、年代層ごとの持家率ですね、何か横文字になっておるんですけれども、これは三井不動産の企画部が総務省の住宅・土地統計調査から加工して作ったというふうになっているんですが、これなんかを見ておりますと、大体もう年金世代なんというのは八〇%以上持家を持っております。それに対して、三十代前半というのはまだ二九%ですね、結婚していない層も多いんでしょう。しかし、三十五歳以上になると急に四七%と上がっていっている。こういうのが持家の動向ということになりますが。
 その上に、この年代ごとの、どの程度の、質の問題になると思うんですが、質を広さで考えるならどの程度の住宅を持っているかということ、これはいつか住宅局長に紹介をしていただいたことがあるように思うんですが、たしか六十歳か六十五歳以上になると百平米以上の住宅に住んでいる割合が非常に高い。逆に、四十代、三十代ぐらい以下の住宅というのはこれまた非常に狭隘な住宅に住んでいるという結果なんかも出てきております。これなんかは、住宅の広さ、質という面ではアンバランスになっている状況ではないかと思います。もちろん、これは所得層によってもバランスが取れていないというようなことがございます。
 ということで、コミュニティー全体ということを考えていきますと、ライフステージに応じて住み替えを支援していくというような住宅政策に変わらざるを得ないのではないかと、こういうふうに思います。
 先ほど大臣が説明された市場、市場にと、市場原理を使ってと、あるいは官から民へという言い方もされたわけでございますが、それは多分、かつては、量を確保していく時代というころにはなかなかまだ民も市場もそれだけのパワーがなかった。したがって、公営住宅であり公団住宅であり、公共的な支援というもので確保してきたわけでありますが、今はむしろそちらに大きな資源、パワーというものがある。そういった中で、公的住宅に加えて、今のこの表にもありますように、高齢者層を中心にもう八〇%以上持家を持っているわけですから、そういった持家をどのように生かしていくかということも非常に大きな課題になってきたと思います。
 あわせて、この高齢層の持家というものは今資産価値が全くございません。底地の、土地の担保価値しかないわけでありますけれども、これをもっと住み替えという中で、このコミュニティーの中で、貸家ということで市場に乗せるということができるようになると、これは資産価値というものがきっちりと評価されるようになります。
 別に、現実に貸家に出さなくとも、貸せるということになるだけでそのオーナーの方は家のメンテナンスということについても随分と先を見て考えるでしょうし、家族構成に応じて、家族のライフステージに応じて、どのライフステージにおいてこの家をどういうふうに使おうかだとかいうような設計もできるでしょう。逆に、子育て世代であれば、庭付きの広い家に本当は住んで子育てをしたい、そういう子育て世代に対しても、住宅を手軽なリーズナブルな家賃で提供することができる、そういうような政策も打ち得るのではないか。結果としては、高齢層の資産価値を高めることになり、そしてライフステージに応じて住み替えをしていくという意味では子育て世代の支援にもつながっていくと、こういうふうに思います。
 そんなことを含めて、中心には公団住宅、公営住宅、セーフティーネットの確保、そしてその周りに持家、そういったことで構成されるこの住宅都市の今非常に停滞し高齢化し、空き家も増えてコミュニティーが崩壊しつつある、そのコミュニティーの再生、まちづくりといったものにつながっていくはずだと思うんですね。
 そんな意味で、大臣も指摘されているこういう住宅政策を通じて、来年以降に想定される住宅政策の抜本改革というものがこのコミュニティーの再生というものとの関連でどういう位置付けに置いておられるか、御見解をお聞きいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 今、前田委員がおっしゃいましたコミュニティーの再生ということは、これはもう極めて重要な課題であると思っております。様々な政策、防災であろうと防犯であろうと、教育であろうと福祉であろうと、これはやはり各その地域の中にやはり様々な世代がいらっしゃると、居住をしている、それで非常に適切なコミュニティーが形成されているということがあって初めて、様々な防災であれ防犯であれ、教育であれ福祉であれ、そうした施策が充実、実行できるわけでございまして、そういう意味で住宅政策の観点からも、その地域の中でコミュニティーが再生される、形成されるということを促進できるような住宅政策をやはり取っていかないといけないと、私もそれは強く感じているところでございます。高齢者の方々もいらっしゃれば、子育て世帯もいると、そういうふうなやっぱり地域をつくっていくことが大事であると。そういう意味で、やはり住み替えというのが非常に有効な手段であるというふうに認識をしております。
 たしかこちらの委員会だったでしょうか、今民間でも、これ東京での例でございますが、郊外に広い住宅を持っていらっしゃる高齢者世帯が、やはりもっと便利なところがいいというふうなことから利便性の高い都心だとか町中に住み替え、こういうニーズが非常に強くなっております。そういうのをとらえまして、そういう方々が都心の方に移られた際に、その空いた郊外の広い住宅に子育て機能、ファミリー層が居住できるようなそういう商品を開発していこうというふうな取組も民間の方では始まっております。非常に大事なことだというふうに思っております。
 住宅政策といたしましても、こうした住み替えが適切に進むように、例えば住宅ローン減税とかございますが、こうした税制面や金融面の支援によって若い方々が住宅が取得しやすい、そうした支援は更にやっていく必要があると思っておりますし、また中古住宅流通が促進されるように、また住宅リフォームが更に推進されるように、中古住宅市場を適切に育てていくことも非常に大事だと思っておりますし、また定期借家制度、これをもっと私は活用をされてしかるべきではないかと。定期借家を使うことによって安い家賃で若い方々が良質な住宅に居住できるというふうにできるわけでございまして、こうした定期借家制度だとか、また事業者が住宅を借り上げて転貸する、こうしたいわゆるサブリースの普及なんかにも努めていく必要があると考えているところでございます。
 今後とも、住み替えしやすい住宅市場の環境整備に努めてまいりたいと思いますし、またその際には、その地域におけるコミュニティーの再生ということを念頭に置いたそうした住宅政策を、しっかりとこの住宅に係る基本法制の中でも重要な課題と認識をして取り上げていきたいというふうに思っております。
○前田武志君 今大臣の事例の中で、例を引かれましたが、熟年層の御夫婦が便利なところに、駅前なのかあるいは都心なのか、移られる、その後を子育て世代用の多分賃貸住宅の開発みたいなことを想定されたんだろうと思いますが。
 ちょっと住宅局長にお聞きしますが、まさしくその高齢者の熟年層の方々がそういう便利なところに移られる、その後の住宅、子育てには適した住宅団地で、もうその熟年層も子供たちを育てたわけですから、その住宅団地というのはもうワンセット、フルセット、すべての子育て支援インフラはそろっているわけで、そこが今、学級閉鎖に追い込まれたり商店街が随分と停滞してきたりということになっているわけですけれど、そういった家を、大臣御指摘の定期借家権を導入して、例えば五年だとか、そういう間だけ子育て世代の子育て支援の住宅に充てるというような住宅政策、しかも、それは多分相対ではなかなか難しいんであって、そういうものを量的にまとめて、集めて、そして定期借家権を付けて子育て支援住宅に使う、そういったことも既に行われているのか、あるいはそれに近いような例がどこかで行われているように聞いたような気もするんですが、ちょっと住宅局長にその辺の現状及び考えを。
○政府参考人(山本繁太郎君) 具体例で、まとめて、間に何らかの主体が入ってボリュームを持ってそういうことをやっているというのは、寡聞にしてまだ私自身は存じていないんですが、今の問題認識について私どもの考えを若干説明させていただきますと、まず定期借家の制度、これは非常に今、少しずつではありますけれども、前に進んでいます。
 平成十四年に調査をした例がありますけれども、これによりますと、平成十四年度の一年間に新規に借家契約をした契約のうち、定期借家のシェアが四・七%でございます、五%弱。ですけれども、戸建て住宅に限ってみますと、一一・二%が定期借家になっています。それから、定期借家といいましても、定められた契約期間が満了したときに、どういうふうに使うかというのを改めて聞いてみますと、従来住んでいただいた人が更に契約期間延ばしたいとおっしゃられる方が四五%あるそうです。ですから、貸手、借り手のニーズが合えば、定期借家で十分安定的に住み続けられるということも言えると思います。
 そこで、相対だけではなかなかうまく進まないと、地域の住宅政策としてこれを政策的に進めたいと考えておられる首長さんもおられることは事実でございます。相談もあります。そのための方法として、二つの道があると思うんです。
 一つは、大きい戸建て住宅を公営住宅として借り上げて、子育て世帯に例えば定期借家で十年間なら十年間貸すというような試みをしたいという首長さんがおられます。こういうことは公営住宅の制度で入居される世帯が政策対象であれば可能ですので、是非進めていただきたいということでやり取りをしております。
 それからもう一つは、サブリースですね。サブリースを、地方住宅供給公社が入ってサブリースをして、それで、そういうものを求める若者に賃貸をすると。そうすると、貸す方も安心だし、借りる方もリーズナブルな価格で借りられるということで、それも一つの道ですので、そういう方向も追求したいと。
 首長さんが、ああもしたい、こうもしたいがあれば、今度法案でお願いしております枠組みでほとんど財政的には支援できる形になりますので、是非応援していきたいと思っております。
○前田武志君 ここに地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備、この法案の先ほど紹介したイメージ図なんですが、これ見ながら、なるほどうまくいけばなかなか機能的に、また町が重層的に活気を帯びるんだなと見ながら、さてうまくいくのかどうか、これはこれからの各関係者の努力に懸かっているわけなんですが。
 まずは、公団住宅についていうと、確かに高齢化していって上層階では空き家も出始めている。多分、古い公団住宅だと四階以上、四階ぐらいまではエレベーターなんて付いていないでしょうね。昔、選挙で、公団住宅の一々四階、五階まで上がって下がってなんて、もうみんなこれ経験をしているんだろうと思うんですけれど、確かに年を取るとこれは大変でございますね。
 それから公営住宅、これは老朽化も甚だしいわけですね。後ほど公営住宅については多少また議論をいたしますけれど、公営住宅については二百万ぐらいあるんですか、二百二十万戸ぐらいあるんでしょうか。一説によると、これは二百二十万戸のデッドストックだというふうに酷評する向きもあるぐらいで、本来セーフティーネットとしてそこがもっと回転していかなければいけないのに、もう固定化してしまって、結局新たに公営住宅をどんどん増やさない限り希望者は入れないという状況が片一方であります。これは非常に、公正の原理からいうと問題点が非常に大きいと思うんですね。
 そして、コミュニティーという面では、その周りに戸建ての住宅があって、ここは確かに庭もあれば部屋数もある。先ほど局長が御紹介になったようなことです。しかし、全体として、その住宅都市というのが今どうなっているかというと、それぞれ地元に皆さん具体的な例を頭に描くことができるわけです。商店街はもうどんどんどんどんシャッター下ろすというのが多くなっておりますし、学校においても、学級閉鎖どころか学校そのものが、小学校が一つ消えたというようなこともあります。どんどん衰退していっているわけですね。
 そういう中で、今回の法改正によって地域住宅計画というのを作り、交付金制度を設定し、そして今局長が、一つの例として戸建て住宅も含めて活性化の方策を示されたわけですが、この公営住宅、公団住宅の生かし方も含めてどういうような統合的な施策が打てるのかというのが今回のこの法改正に期待するわけなんですが、局長のひとつ認識、こういった法改正によって、今までの住宅政策ではなしに、もっとフィールドを広げて、そして多様なニーズあるいはミスマッチ、これにこたえ得るような政策をどういうふうに今想定されているんでしょうか。特に、この地域住宅計画の具体面についてお願いします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 火曜日の参考人質疑のときに、参考人の方から、それぞれの地域の住宅市場の状況、地域の住宅需要、その中における公の住宅と民間の住宅の関係は非常に多様なんで一律の対応では難しいんだということをお話しいただきまして、私どもも非常に意を強くしたんですが、今回お願いしております法律のタイトル自体も、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案となっておりますのは、その部分の問題意識に発しているわけでございます。したがいまして、具体的にその中で、需要に的確にこたえていいものをより良くする、いい住宅により的確に住んでもらうという方向とセーフティーネットをきちんと構築して機能できるようにするという仕事を現実にやるためには、やはり地域の多様な需要を熟知した公共団体、なかんずく市町村が主導の地位に立って問題をとらえて、どこに課題があるのか、それを主体的に一つ一つ解決していこうと考えていただくことがこの問題を解決する一番の出発点になると、法律案を起案するときには考えたわけでございます。
 そういうふうに考えますと、主導の地位に立った市町村長さんがいろいろな住宅主体の力を集めまして連携を図りながらその課題にこたえていくと、それが地域住宅協議会であるわけでございます。協議会の場を通じてそれぞれの住宅主体が問題意識を出していく、あるいはそのコミュニティーの維持という観点からは、その地域に拠点を置いて活動されるNPOなんかも入っていただいて、どういうことを課題意識を持っておられ、どういうことに貢献していただけるのかというのも同じテーブルにのせながら論議をして、役割分担を整理すると。整理した上で、それぞれの主体の具体的な行動計画、アクションプランを地域住宅計画として作っていただくと。そうすれば、その地域住宅計画で企図した各事業についてのアクションプランの所要経費を地域住宅交付金で応援するという、そういう総合的な枠組みになっているわけでございます。
 いろいろな課題を御指摘いただいて、それについてはこういうアプローチがありますというようなことをやり取りをしていますけれども、基本的なこの法律の構造としては、そういうことで市町村を中心に地方公共団体が主体となって問題の解決に当たっていただこうと、当たっていただけるように国としてはこの制度的な枠組みを用意をしようと、そういう意図でございます。
○前田武志君 今の局長の説明を聞いておりまして、もうまさしくまちづくりそのものだなという感じをするわけでございます。
 既に都市再生法の改正のところで、当委員会においても各議員、随分とまちづくりのこれからの在り方について議論を展開したわけですが、そこと重なってくるのかなと、あるところは。ベースのまちづくりというのはもう都市再生の方で、具体的な住宅というところが今回のこの法改正かなと、こういうふうに思うんですね。
 しかし、その住宅都市というのをそれぞれ自分たちの地元で想定してみますと、大抵は、多少大きな都市であれば公団住宅があります、その中心に。公団じゃない、今は機構住宅ですか、機構住宅。それから、県なんかの住宅供給公社の住宅もございますね。それから、セーフティーネットとしての県営住宅であったり市営住宅であったりといったのもございます。
 いずれにしろ、こういった公的な住宅というものは非常に大きな役割を果たしてまいりましたし、やはりそれなりのグレードを保ってやってきておりますから、ある意味では緑地空間も結構、その公的な住宅を、集合住宅を中心に、公園があったり広場があったり、広いスペースがあるわけですね。したがって、この都市の再生というときに、この公的住宅の空間というものは非常に大きな役割を果たすんだろうと思うんですね。
 それから、一方では、全国全体で見ると、公団住宅というのは八十万戸ぐらいあるんですかな、賃貸が。これはやはり地域においてはかなり、中間層といいますかね、所得も中の、かつては中の上だったんだろうと思うんですが、高齢化はしておりますけれど、公団住宅としてはかなり町の中の中心を占めているんだろうと思うんです。したがって、いよいよその住宅の再生、そのコミュニティー全体まで含めてやっていく中で、この機構住宅が持つ意味合いというのは非常に大きいんではないかというのが一点でございます。
 それからもう一つは、先ほど申された地域住宅協議会あるいは地域の住宅計画というものはもちろん自治体が総合的にやっていかにゃいかぬというのは当然でございます。住宅局限りでやれる範囲というのは限られているわけでございまして、当然、そこにはバリアフリーの道路であったり歩道であったり、あるいは電柱も地中化してもらうというようなこともあるでしょう、駅前のいろんな防災施設もあるでしょうし。ある意味では横断的な、縦割りを越えて横断的な総合施策ということになってまいりますから、当然、自治体の大きな役割、責任ということになってまいります。しかし、その中で具体的にプロデューサー役を果たすプレーヤーがいないとなかなか物事は進まない。まあ、実際には地元を見ておりますと、相当大きな政令指定都市級でないと、なかなかそこに町の再生、コミュニティーの再生まで資源を、人材を、組織を張り付けてやっていくということは今できない状況にあるんですね。
 地方は本当に今大変でございます。それでなくとも、財政的にもう破綻寸前であり、合併問題があり、そして高齢化、福祉、教育を含めて行政ニーズは多様化していって、それに対応する人員というのも誠に今お寒い状況なんですね。そういう中で、公営住宅に投入している自治体の人的資源というのは相当なものがあるんですね。しかも、そこはかなりきめ細かく対応していかなければならない部門ですから、ある意味では、私はこの公営住宅を中心とするセーフティーネット、これが今実はもう破綻しているのではないかというのは、実際に回転しないという実態以上に、自治体の言わば能力といいますか、そこに割き得る資源だとかいうことを考えると相当無理があるんではないかというふうにも思うんですね。
 ちょっとその問題はおいておきまして、そういうことも含めて、実力、まあプロデューサーといいますかね、プレーイングマネジャーみたいなものですよ。UR機構、そういったところが現実にそのコミュニティーの中のかなり大きな賃貸住宅も持っている。よしんばそれがないとしても、UR機構のこの新しい役割としてはその都市プランナーとしての大きな役割を持っているわけですから、その辺の位置付けというものを今度の法改正においてどのようにされているのか、局長のお考えをお聞きします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 都市再生機構の役割をコミュニティーの再生と、都市の町の再生という観点から見てどういうふうに今回法改正で位置付けているかという御質問ですけれども、今回の法律の枠組みは先ほど少し詳しく企図したところを御説明したとおりでございますけれども、その枠組みの中で、コミュニティーを再生しようという公共団体のいろいろな試み、地域計画上のいろんな試みについて、やはり具体的に都市再生のニーズが高い大都市の既成市街地なんかを念頭に置きますと、大変な、具体的なコミュニティー再生のための事業を進めようと考えますと、実際にその前に、前にさばくべきコーディネートの仕事が山積みになっているわけですね。
 ですから、公共団体でも特に市町村なんかを主体として念頭に置きますと、おっしゃるようにノウハウ的にも人材的にも非常に足りないところがあるわけでございますんで、今回の公団から都市再生機構への改革におきましても、そういった前さばきの非常に難しい部分は、公団時代以来の専門家集団としてのノウハウを蓄積した機構がきちんとお手伝いをするというふうに機構法の中でも位置付けられておりますんで、この法律を通していただいて、協議会の論議が進んで、その協議会の所掌する地域の中で機構の賃貸住宅もしかるべきところに位置しており、それと関連する市街地、あるいは関連しなくても、もっと中心市街地でもいいんですけれども、で、町の再生のための大きな課題があるというときに、公共団体からの要請にこたえて機構がしっかり専門家集団としてのノウハウを生かしてお手伝いをしていくということは今回の機構改革の趣旨にかなったことでございますので、例えばそういう方向で進んでいくことになると思います。
 まちづくりは総合的なことであればこそ公共団体が主導の地位に立つべきだという今お話、縦割りを排除するためにも、お話がありましたので、あえて思ったことを申し上げますと、やはり戦後、当初の三十年間、住宅が本当に足りないからとにかく住宅を供給しようというときには、役割分担を図りながらも、基本的には縦割りの考え方で新市街地の計画的な開発を進めてきたと思うんですね、公団、公営、供給公社と。
 ですから、その縦割りの部分を今度、計画市街地の再開発という課題を一つ取ってみましても、団地の再開発というような課題を一つ取ってみましても、そういう縦割り的にとにかく住宅の戸数を大量に供給できればいいんだという、わき目も振らないまっしぐらの縦割りの視点から、少し横にきちんと見て、人が地域においてきちんと暮らしていくということはどういうことなのか、どういう形の住宅がどういうふうに供給されればそういう条件が整うのかという目で見て再生を支援していくと。そのためにはこういう枠組みが最もふさわしいというふうに考えているわけでございます。
○前田武志君 都市機構の伴理事長が来られておりますので、関連して伴理事長にお聞きをいたします。
 今局長の御説明のようなことで私も期待をしているわけでございますが、都市再生のここの委員会での議論のときに、たしか青山一丁目住宅建て替えプロジェクトとかいうのが議題になりましたですね。これは都営住宅と、それから民都機構というような組合せだったろうと思います。
 これも都市再生の一つの手段としてあるわけですが、それと多少相似形で考えると、地域住宅計画ですか、そのオーガナイザーあるいはコーディネーターとしてUR機構なんかが中心になってSPCを立ち上げて、そこでいろんな住宅関連の主体を集めて、そしてSPCということになると、詳しくはいろんなパターンがあるんでしょうけれども、当然そこには市場を通じていろんなノウハウだとか知恵とか入ってきますし、また透明性というものもしっかりと確保しないと、そこには市場を通じての資金導入というのもあるわけですから、この公営住宅等の問題は、一番の問題は情報が開示されないことだということを、これは衆議院あるいは参議院もそうだったと思いますが、参考人のお話をずっと聞いておりますとその辺が一番大きな問題だというようなことを指摘があったわけですが、むしろこういう形でSPCとオープンな形でやっていけば、まさしく地域のニーズというのはそこに反映されるし、それに合ったいいプランというのもできていくのではないかというふうな感じがいたします。
 余り具体的に言うとちょっと答えにくいのかも分かりませんが、イメージとしては分かっていただけると思うんですね。そんな中心になるプロデューサー役みたいなものが、少なくともこの公団なんかが入っていけるということになると、中程度の都市、地方におきましても、各府県ごとにその府県の中核になるような都市であろうと思いますが、そういうところにおいてオーガナイザー役、プロデューサー役というのがいないものですから、その役割を背負うというこの局長の御指摘、それを具体的に進めていくについては、結局は大臣が言われる市場にだとか民にとかいうところは、具体的にはそういうSPCなんかを使って新しいボディーをつくり、そこでいろんなものを構成させていくということになるのではないかと思うんですね。
 もちろん、まちづくり交付金であったり、そんなものもベースには使っていくんでしょう。そして、都市再生法を改正いたしましたから、ああいうSPCとも連携ができる、あるいはあるところはオーバーラップすることもできるんではないかと思いますが、伴理事長の見解を聞きます。
○参考人(伴襄君) 先生からこのコミュニティー再生問題について、都市再生機構の役割というんですか、あるいは期待について一定の御評価いただきまして大変有り難いと思っておりますが、私どもも、住宅市街地で居住者の年齢構成が大幅に変化してコミュニティーバランスが崩れているというのは大きな問題意識持っておりまして、いろんな事柄につきまして重大な関心を持ち、また事業推進に当たっては重大な勘案事項と思っているところでございます。
 先ほど住宅局長からも答弁ありましたけれども、やはりこのコミュニティー再生問題はどうしても地元地方公共団体が主体になっていただく必要がありますけれども、我々都市機構の方でお役に立てる場面、特にコミュニティー再生という観点でお役に立てる場面もございますので、そういうことでいろいろ私どもはやっておりますが、例えば高齢化が進んでおります既存の賃貸住宅につきましてリニューアルをやりまして、そこに広い階層の方に住んでいただいてソーシャルミックスを実現していくというようなこととか、あるいは建て替え団地におきましてはもちろん戻りの住宅を建てます。それ以外に、民間の分譲住宅あるいは賃貸住宅を供給しまして、あわせて社会福祉施設を造ってコミュニティーの維持再生をするといったようなこともやっておりますし、特に先生が今御指摘がありましたような地方都市というんでしょうか、中心市街地で活力を失っているといったようなところにおきまして町中居住を進めるとか、あるいは、あわせて高齢福祉施設、医療施設あるいは文化施設の整備を図ってコミュニティーの活性化を図るといったようなこと、こういうことが我々も役割を果たせるんじゃないかなというふうに思っております。
 今先生からSPCの話等がございましたけれども、近年不動産証券化市場が育成されてきておりまして、この状況を見ますと、証券化手法で民間事業者あるいは地方公共団体と共同で事業を展開するというのも有効な手法ではないかなというふうに私どもも思います。
 例えば、先ほど御紹介しました活力を失った地方都市の中心市街地、そこに例えば遊休な土地があるといたしますと、その活力を回復するためにマンションとかあるいはそれに関連する施設などによりまして町中の居住の推進をやるといったようなこともここでもしばしば議論されておりますが、こういった場合に、大都市と異なって民間による都市開発が行われない、なかなか民間だけでは行われないという状況がかなりあると思いますので、これらの隘路を打開するためにも、例えば民間ディベロッパー、公共団体あるいは民間の投資家、こういった方々と共同で事業を行えるように、その資金調達の手法として我々がオーガナイズしまして不動産証券化手法を活用していくということも一つの有効な手法だというふうに思っております。
 機構としましても、その証券化手法等、要するに民間資金の活用の手法としてそういった道を研究し、開拓し、あるいは実行に移しまして、事業の円滑な推進、あわせてコミュニティー再生というようなことにつなげるように、今後も引き続き努力をいたしたいというふうに思っております。
○前田武志君 衆議院の委員会だったと思うんですが、参考人の方がUR機構が賃貸住宅管理機構に陥らないようにというような厳しい指摘がどこかにあったように思うんですが、まさしく今理事長がおっしゃったような積極的な役割というものを是非機構として自覚されて、各地のコミュニティー再生にしっかり役割を果たしていただくように望みます。
 それでは次に、継承の問題であったり公営住宅の家賃の問題なんですね。もうこれも既に何度か議論はされております。たしか会計検査院においても指摘をされたことがあると思うんですが、これはその会計検査院の後、具体的にどういうような処置をされたんでしょうか。──ちょっと通告外だったかも分かりませんが、要は……
○政府参考人(山本繁太郎君) 大変失礼しました。
 公営住宅の管理について、非常にたくさんの課題を抱えているということは事実でございまして、今御指摘がありました会計検査院からの指摘につきましては、公営住宅に対する応募倍率が非常に高いと。しかも、実際に公営住宅に入っておられる方のうちで、収入基準を超過したり、あるいは収入分位の六〇%を超えた高額所得者になってもまだ滞留しておられる方がいるのは管理としてよろしくないと、的確に管理しなさいという御指摘をいただいております。この部分につきましては、改めて検査院の指摘を受けて公営住宅管理者に対して通知を出しております。
 ただし、同じく、承継の制度ですね、承継の承認についてはまだ出しておりませんで、今御議論をいただいておりまして、整理が付き次第、公営住宅管理者に対してしかるべき通知を発する考えでございます。
○前田武志君 これは何も東京だとか都市部だけではなしに我が奈良県においてもありまして、県営住宅の運営、初めて外部監査が入って、そこで非常に厳しい指摘がされているんですね。要するに、本当に住宅に困っている方々に提供できなくて、そして長く住んでおられる方々がある意味ではかなりの所得を持ちながら占領してしまっているというようなことがございます。
 それから、ある意味では、所得制限という意味では、当然高齢化していきますと、職を離れて退職をいたしますと、当然所得は落ちるわけですから、そこでは適格になる。しかし、その前の段階では高額所得者であってなかなか出てくれなかった、しかし退職したものだから適格になったというようなケースも指摘をされているんですね。この辺になってくると、非常に公平の原則ということから見て、本来セーフティーネットである住宅に入るべき人たちが門前払いを食っている。それから、もちろん持家の方々、こういう方々については公庫の融資というような格好で、あるいは住宅減税、ローン減税というような形でやはり国の支援を受けているわけですね。
 そうすると、一番住宅に困窮している、特に子供なんか、新婚で子供を持ってなかなか公営住宅に入れなくて文化アパートに押し込められて高い家賃を払ってというような方々が随分多いわけでございまして、こういう公平の原理からいうと、これはやっぱりゆゆしき問題だと思うんですね。特にそういう意味では、公営住宅にもっと定期借家権的な期間限定という考え方を入れるべきじゃないかという参考人の意見も随分ございました。
 実は私、この春にアメリカ議会に行ったついでに、ニューヨークの住宅総局というんですかね、寄りました。マンハッタンのその公営住宅も見てまいりました。そこで聞いていると、やはり全然新たには建てていないんですね。しかし、回転しているようです。そこに入って、そしてやがてそこから出ていって、自分たちで稼いでもっとグレードの高い住宅に入っていくというのが一つの大きな目標になっていると、こういうふうに言っておりました。
 日本の場合においてもセーフティーネット、このセーフティーネットの中身についてはもう議論がされていますんで言いません。新たなセーフティーネットの考え方というのも出てきているというのも事実です。そして、セーフティーネットからトランポリンへというふうに指摘された専門家もおられます。要するに、セーフティーネットである公営住宅に入って、早くその中でしっかり生活を、どんどんどんどんレベルを上げていって、やがてそこから自らの、もっとグレードの高い理想とする住宅に移っていく、そういう政策に転換すべきではないかという指摘もあるわけです。その辺について、局長、どういうふうに考えますか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 公営住宅は住宅に困窮する低額所得者のための賃貸住宅だというその公営住宅の本質に着目しますと、制度的な前提として、そもそも入っていただくときに何年たったら出てくださいという形の定期借家契約を結ぶということは基本的には難しいというふうに私どもは考えております。
 しかし、今御指摘いただきましたように、住宅に困窮する要件の部分に着目しますと、いろいろな要素があるわけでございます。しかも、現にあるストックには限りがありますし、それを的確に使わなきゃいかぬという観点から考えますと、定期借家の契約を結んで一定期間低額の賃貸住宅を供給するということが公営住宅の法律の趣旨にもかなうというふうなケースもあり得るというふうに考えておりまして、実は公営住宅管理主体の中にはそういうことを試みているところがございます。
 東京都がその例でございますけれども、東京都は平成十三年から、若年のファミリー世帯について十年間に限ってお貸ししますということで、そんなに大きな枠ではありませんけれども、募集を掛けております。募集を掛けますと非常に高い倍率で若者が申し込んできているという実態がございます。
 それから、マンションなんかを建て替える場合に一時的に居住するような、そういうニーズがある方にお入りくださいという枠も用意されておりますけれども、これは募集枠に対してそんなにたくさん来ておりません。
 それから、今トランポリンというお話をされましたけれども、そういう方々に一番ふさわしいと思いますのは、中小企業の経営者で民事再生法の適用を受けた方について一定期間入っていただきますということでありましたが、これは募集を十戸掛けておりますけれども、応募がないというような状況です。
 そういうことを試みてくれている公営住宅管理者もありますので、今回の公営住宅制度の根っこからの見直しを契機に、定期借家による公営住宅の運用はどういうふうにしたらいいのかというのもきちんと整理をして、全国的に運用できるようにしたいと考えております。
○前田武志君 林野庁は来ていますか。
 私は、必ず木の文化振興というのをどの議論においても入れることにしておりまして、要は地球環境時代、京都議定書、やはり日本の森、そして材木、国産材木を使って木の文化というものを伸ばしていくことがこの時代にかなうことだと思うんですね。ところが、この材木というのはほとんどが住宅及び住宅関連なんですね。林野庁は、農林水産省は、森をあるいは木を育てるところまではやるんですが、使う側というのはこれどこもないんですね。住宅局も国交省も、公共事業に材木を使うというふうに大臣にもちょっと言っていただいた記憶があるんですけれども、別に材木を使う責任は住宅上も公共事業上も全くないわけなんですね。しかし、かつてはこの日本の文化というのは、あらゆる資材というのはすべて材木、山起源のものが多かったわけですから、だから公共事業を土木と言うわけでありましてね。しかし、今は全くそれが、そういう文化がだんだんと廃れてきたもんですから、そういう責任を持つ部署がないためにこういう状況になっているわけです。
 そこで、来年大きく住宅政策を議論しようと、再編成しようというときに当たって、やっぱり林野庁はこの住宅政策の中にもっと木材使えと、家具も木材、で、シックハウスなんて言いますが、国産材使っていたらあんなの余り問題にならないんですよ。
 それから、この間ちょっと新聞に載っていました、埼玉県と長野県が一緒になって、木質化した、要するに内装を木質でやった学校とそうでない、新建材ですかね、化学物質の建材の学校とでどういうふうに生徒、先生に影響が出るかという実験をやっているんですね。結果が出ているんですよ。
 生徒たちが木質化した学校で学ぶと非常に落ち着いて生活ができる、教室が明るくなったと。それから、先生の方は、木質じゃなしに新建材のところで教えているとどうもいらいらが募るというんですね、落ち着かないと。もうこれ出ているんですよ。どうも何か、木の香りの物質、テルペンというのがあるらしいんですな。したがって、内装を木質化した教室の中では森林浴をしているみたいなものだと、こういう評価のようでございます。
 そこで、林野庁、来年のまず住宅政策について、省として何らかの提言というか申入れというか、何も林野庁のためにやるんじゃないんですよ、国民の木の文化振興のためにそういうような協議というようなものをやっているかどうか。
○政府参考人(岡島正明君) 先生御指摘のとおり、国産材の利用拡大そのものにつきまして、森林を健全に育成する、あるいは国土の保全や地球温暖化防止、各種の機能を発揮するとともに、林業、山村の活性化を図る上でも重要だと考えております。
 そうした中で、やはり木を使っていただくということは非常に重要でありまして、一つはまず消費者の方々に対しても情報提供していく、こういったこともこれまでいろいろ取り組んできておるわけですけれども、平成十七年度からは国土交通省とも連携しながら、林業、木材産業と住宅産業の関係者が一体となって地域材を利用した住宅のPRを行うといったようなこと。あるいはもう一つ、政府関係、公共土木工事を始めとしていろいろなところでやはり木を使っていただくということについて、これまでも、木材利用推進関係省庁連絡会議という場でこれまでも議論させていただいております。
 また、学校などの公共施設における木材利用の推進にも努めてきたところでございまして、今後とも関係省庁とも一層連携を図りながら、国産材の利用拡大が促進されるように努めてまいりたいと考えております。
○前田武志君 木造というのはどうも耐火性能に劣るとか、構造的に弱いだとかいうふうにどうも誤解をされているところがあるんですね。そういう、例えば阪神震災のときに、やはりその木造が弱かっただとかいうふうに言われたわけなんですが、それは本来の木造じゃないんですよ。もう非常に質の悪い、手抜きの木造です。我が奈良県においては、法隆寺の五重塔なんというのは今までもっているんですよ、地震もあるけれども。
 それから、火事の面でいいましても、最近はやはりエンジニアリングウッド、大断面の集成材なんというのは非常に構造的に立派なものができるようになってまいりまして、町中でそういうものを構造材として使えば、これは鉄骨はもうあっという間に、熱に弱い、ぐにゃっといきますよ。こういう大断面の構造材というのは炭化するだけでもつんですよ。
 その辺のところも含めまして、これは局長よりも最後に大臣にお聞きしましょう。要するに、国産材を住宅政策の中で何とか位置付けをしていただきたいんですね。そういうことがないと、なかなかこれ林野庁じゃ駄目だし通産省でも駄目ですしね、いやいや経済産業省でもね、やっぱり木の文化を振興していくのは国土交通省なんだろうと思うんですね。
 私は、地元のある農道に橋を架けるというから木橋で造れと。ちょっと道路法による道路まで、今日は道路局長来てないでしょうけれども、木橋で造れといってもこれはちょっと無理だろうと思いますが。総理大臣はガードレール、木で造るなんて言っておりましたが。
 そんなことも含めまして、やはり国土交通省において本来の木というものをきっちりと各分野にわたって再評価をするということを考えていただきたいということを最後に申し上げて、大臣の御見解をお聞きいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 以前から、前田委員から木の文化振興ということはかねてからお聞きをしているところでございます。
 京都議定書も今年発効になりました。もう私が言うまでもなく、林業を活性化することによって森林の育成また保全に資するわけでございますし、また、そもそも木材住宅というのは木材中の炭素を住宅に長期間にわたって固定をすることによって温室効果ガスの削減にも寄与するとも言われております。
 住宅はもとより、公共事業の大宗を担っているのは国土交通省でございますので、もっと木を、木材を活用をできるようにしっかり取組を進めさせていただきたいと思います。関係省庁ともよく連携を取らしていただきまして、できましたら具体的な目標とか計画も作って、是非進めさせていただきたいと思います。
○前田武志君 終わります。
○岩本司君 連日お疲れさまでございます。岩本司でございます。国民の皆様方に分かりやすい質問をさせていただきますんで、分かりやすい御答弁、よろしくお願いいたします。
 先日はちょっと国民の皆様に分かりやす過ぎる質問を独立行政法人都市再生機構の理事長様にさせていただいたんですけれども、私は別に理事長が憎くて申し上げたわけでもございません。本当に国民の声として受け止めていただければと存じます。
 それでは、まず最初に理事長にお伺いしますが、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案の第五条で、都道府県、市町村、機構及び公社は、地域における住宅に対する多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関し、必要と認めるときは協議会を組織することができるというふうにしております。
 私の地元福岡でも、福岡圏内では機構住宅が五万戸、福岡市内は三万戸、また福岡市内では、公団、機構が四、公営六の比率で、公団住宅の比重は極めて高いわけでございます。
 また、この地域住宅協議会、これ設置されたときにこの都市機構が参加するのは私は当然だと思いますし、機構が参加しないと、これ協議会が成り立たないと思いますが、理事長の御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(伴襄君) 地域住宅協議会のことでございますが、法律上も構成員として都市再生機構は位置付けられておりますし、機構賃貸住宅が、地域によって多少は違いがありますけれども、かなりのウエートをもって公的賃貸住宅の中で重要な役割を持っておると思っております。
 したがいまして、地域住宅協議会が発足、これ共同して市町村、県と一緒になって設立するということになっているようでございますけれども、積極的に参加する姿勢で、我々が必ず入ってやれるように、地域の公的賃貸住宅の課題、一緒になって取り組んでいきたいというふうに思っております。
○岩本司君 ありがとうございます。必ずと今言っていただきました。本当に心強く思っております。
 また、前回の私の質問で、最後に大臣にはお伺いさせていただいたんですが、理事長にもお伺いしたいんですけれども、都市機構の家賃改定ルール、これ三年ごとに家賃の見直しをすることになっていますけれども、来年四月、継続居住者の家賃改定を行うことになっておりますけれども、先日も参考人質疑等を聞かせていただいても、家賃の見直しをしていただきたいという住民の皆さんの声が本当大変大きいと。バブルのときに計画した、右肩上がりの経済状況の中でつくられたその家賃、これを見直していただけないかという声が多いわけでございます。
 また、先日、資料を提出していただきましてありがとうございます。昭和三十年代に造られました機構の賃貸住宅でございますけれども、平均家賃が四万二千四百円、これ、一万四百円から、昭和三十年代に建築の住宅でございますが、十六万二千八百円まで。これ、今は高い家賃で三十四万四百円にも上っているんですが、何とかこの家賃の値下げといいますか、それをお考えいただけないかと思うんですが、理事長、お考えをお聞かせいただけませんでしょうか。
○参考人(伴襄君) 先生も先刻御存じとは思いますが、機構賃貸住宅の家賃は、前の公団法、現在の機構法でもそうでございますけれども、いわゆる市場家賃、近傍同種の住宅の家賃の額を基準として決定するというふうになっておりまして、市場に連動して決めるという仕掛けになっております。
 ただ、継続してお住まいの方の家賃につきましては、これはやはり新規の方とは別扱いにしておりまして、継続家賃の改定に当たっては、その近傍同種家賃を反映しますけれども、やはり激変緩和というか、市場家賃との均衡を図るという一方の要請を得ながら是正を図っているということでございます。
 この具体の継続家賃の改定につきましては、この席でも何度か申し上げたかもしれませんけれども、基本問題懇談会という、家賃部会がございまして、そこに居住者の代表の方も入っていただいて、有識者でルールを決めていただいておりますが、継続家賃改定ルールというのができておりますので、それに従ってやるということになりますけれども、特にそのルールでは、激変緩和措置を講じるとともに、特に低所得高齢者世帯等に対しましては余り高額に家賃が上昇しないように抑える特別措置もやっているというところでございます。
 実は、家賃を市場家賃に連動させて引き下げるのは、これ毎年やっております。下げるのは毎年やっておりますが、三年に一回、引き上げる事情があった場合には引き上げることをやっているんですが、これは来年、平成十八年に継続家賃の改定を予定しておりますけれども、これも家賃部会の意見を踏まえてやるつもりでおりますけれども、今のような考え方を基に、居住者の方々の居住の安定を図りつつ行うという姿勢でやっていきたいというふうに思っております。
 それから、建て替えの家賃の話でお話がございましたけれども、これもこの間、四倍、五倍というお話もございましたけれども、実際には同じ方に提示している家賃はそんなに上がるわけではございませんし、先日申し上げましたように、建て替え後の家賃は一般的には二割を減らす、元居住しておられた方が戻られる場合は二割減らすと。
 さらには、低所得高齢者あるいは身障者、母子世帯の方々につきましては、要件はございますけれども、五〇%を限度に、だから五割までダウンするというようなことをやっておりまして、そんなに急激に変化するようなことになっておりませんが、どうしてもその家賃に耐えられない場合には、まあこれいろいろ話合いの上でございますけれども、別の機構住宅のところにあっせんするとか、あるいは公営住宅にあっせんするとか、あるいは民間の賃貸をあっせんするとかというようなこともやっておりまして、戻り入居される方あるいは戻り入居されない方含めて、その居住者の方々の合意形成はしっかり話合いをしながら進めていきたいと、合意を得るように努めていきたいというふうに思っております。
○岩本司君 理事長、そうはおっしゃいますけれども、私が聞くところによりますと、やはり今まで五万円家賃払っていて、建て替えでもう立派なやつができて、そこに十五万円とか十八万円払わなきゃいけなくなったという、こういう現状がありますんで、今後とも、住民の方の御意見を現地に行ってやっぱり聞いていただいて参考にしていただきたいというふうに思います。積極的に進めていただきたいと思います。
 家賃、なぜ家賃かというと、先日の参考人質疑の中でも家賃がもう最大のセーフティーネットだという御意見もあるわけですから、よろしくお願いします。
 また、セーフティーネットといいますと、災害時に、やっぱり若者がいなくなる、何というんですか、若者がいない団地ですね、それは高齢者の方は本当に不安だと思います。災害時に本当に若い力でそういう高齢者の方々を助けると、これはもう我々若い世代、当たり前でございまして、私も現役の消防団員でございますけれども、日ごろから訓練をしておかないと、いざというときに逃げれないんですね。もちろん、若者を入居していただくために託児所ですとか保育所、これを充実していくべきだと私は思います。
 それで、先日ちょっと資料請求しましたら、私は何を資料請求したかといいますと、全国の千七百八十団地ですね、一万七千八百五十七棟、この中で託児所ですとか保育所が整備されていないところは大体どういうところがあるんですかという、この数字をお願いしたんですけれども、ちょっと今日はもう無理だということで、後日提出していただくようになっておりますけれども。
 託児所、保育所、これ協議会にも積極的に参加、必ず参加していくということですけれども、しっかり指示していただいて、理事長が直接行かれるのが一番いいんですけれども、この託児所、保育所の充実に対しての御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(河崎広二君) ただいま先生が言われましたように、若者世帯あるいは子育て世帯を積極的に私ども入居していただかなきゃならぬというふうに考えておりまして、御指摘の託児所とかあるいは保育所を積極的に設置をしていくことは非常に重要な課題だというふうに考えております。
 今まで、昭和三十年から賃貸住宅団地を建設しておりまして、ただいま先生言われました千七百八十団地でありまして、その中で、そういう施設がありますのは二百六十七団地の四百十四施設でございます。それで、今後は更に一層の取組をしていくことが重要であるというふうに考えております。
 一つは、建て替え事業というのを私ども実施しているわけでございますが、その中で、余剰地が出てくる場合に、これは機構法でも、建て替えの余剰地の利用については公営住宅とかあるいは社会福祉を優先するという規定が現にございますので、そういう規定の中で、公共団体と連携して、できるだけ子育て支援施設というものを導入するというふうなことを考えていきたいと思いますし、また既存の団地の中にも施設がございまして、それが空き施設、例えば銀行が結局整理統合でなくなるとか、そういった空き施設が出てきておりますので、その空き施設を活用して積極的にそういった施設を誘致するということで、今後積極的に取り組んでまいりたいと。そうすることによって、若者、子育て世帯というのがどんどん入居するような環境を整えていきたいというふうに考えているところでございます。
○岩本司君 積極的によろしくお願いいたします。
 次に、地域住宅交付金の事後評価についてお伺いいたします。
 先ほども、先輩、同僚委員からも質問がちょっとありましたけれども、この地域住宅交付金制度、これ予算が五百八十億円というふうに聞いております。これは事後評価、まちづくり交付金もそうでございますけれども、この法の施行に当たってどのように取り組んでいかれるのか、局長、お願いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 地域住宅交付金につきましては、これを具体的に交付するに際しまして、補助金のように事前に詳細な審査は行いませんで、地方公共団体が地域住宅計画に定めました目標を基に、自ら事後評価を公共団体に実施していただいて、それを公表していただくというふうにして運用しようと思っております。
 具体的には、その地域住宅計画に掲げる目標ですけれども、例えば住宅のバリアフリー化を今何%を何%にするとか、あるいは耐震化、耐震性能を備えた住宅の割合を何%から何%に高めるとか、あるいは今お話のありました子育て支援あるいは福祉との連携でどういう施設をどういうふうにいつまでに整備するとか、あるいは町中居住のためにどういう取組をすると、もう定住人口ということになりますけれども、そういった地域住宅計画の目標に応じた客観的な、客観的に掌握できる指標を公共団体が設定していただきまして、計画終了後にこの指標を用いて計画の達成度を測定して評価するというものでございます。
 こういうシステムによりまして、交付金が現実に有効かつ効率的に使われたかどうかが客観的な指標によって国民の皆様に明らかになるわけでございまして、事業の透明性、客観性も確保されるものと考えております。
 なお、今回の法律案に基づきまして、国土交通大臣が基本方針を定めるということになっておりますけれども、この基本方針の中におきまして事後評価を的確に行うということについて明確に位置付けまして、今のようなシステムが前に動いていくようにしたいと考えております。
○岩本司君 徹底した情報公開をどうぞよろしくお願いいたします。
 そこで、再度理事長に話が戻るんですが、先ほどちょっと確認をさせていただきました協議会、ここにもう積極的に参加していただいて、もちろん高齢者福祉のサービスもそうですけれども、若者が安心して入居できるような、そういう託児所、保育所、これを本当に先頭に立って御検討をしていただきたいんですけれども、そこで家賃のまた問題でございますけれども、これちょっと通告していませんが、三万円とか四万円とか、いろいろ現実的に若者はもう安いところで安心して子供を産み育てたいという声もあるんですけれども、現実、その若者、そういう若者を入居させるためにどのような取組を現実問題されているんでしょうか。ちょっと、改めてもう一回確認させていただきます。
○参考人(伴襄君) 若者をソーシャルミックスするためになるべく入っていただくということで、なかなか、高齢の方の場合には法律でもって家賃を下げるという手はあるんですが、それが法律上もそれはもちろん手当てされておりませんので、したがって入居機会を増やすために、例えば我々はハウスシェアリングというようなことを言っておるんですが、今まで世帯主でないと入れない、そこを友達同士、友人同士でも入れるということにしますと、二人で入られると家賃が半分の負担で済むというようなことで入りやすくなると。れなかなか、最近始めたことでございますが、非常に人気を呼んでおるところでございます。
 それから、先ほど定期借家のお話がございました。これも私どもの北区の方の団地でもやっておりますが、建て替えをやります。建て替えをやるときには、補充停止といって新たに、新規に入らないようにしておくわけでございますが、余りそこを長い間ほうっておくのももったいないということで、建て替えの工事の時期まで定期借家権を設定しまして、例えば五年とか十年とかですね、設定してその間に入っていただくということにしますと、これなかなか若い方を中心にたくさん入ってきていただいております。例えば、学生さんなんかが五年でもいいというようなことで入っていただいております。
 それから、郊外のニュータウンなんかで、バス便のところなんかは比較的若い男性の方、三十代ぐらいの方がバス便でもいいよということで、家賃がかなり低いものですから、安いものですから、そういうところに入ってきていただくといったようなことで、いろんなサービスをやることによって新たにそういう方が入ってきていただいているという事情はございます。
○岩本司君 そういう、もう新たに入っていただいたその若い方に、子会社の例えば日本総合住生活さんですとか、そういうところと住民の方と一緒に防災訓練等も日ごろからやっていただきたいと思いますので、徹底した訓練もどうぞよろしくお願いいたします。
   〔委員長退席、理事佐藤雄平君着席〕
 次に、民間の賃貸住宅に対する家賃補助についてお伺いいたします。
 私の地元の福岡でも、市内の賃貸マンション、アパートの空室がこれ六千七百件あると。これは、このデータは社団法人福岡県宅地建物取引業協会、これ市内の九割の不動産屋さんが加盟している社団法人ですけれども、このホームページで見させていただいたんですけれども、欧米では民間の賃貸住宅に対する家賃補助がこれなされているわけですね。日本も、予算の件も財務省との交渉いろいろあるかも分かりませんけれども、日本もこういう家賃補助をしていく、進めていくべきじゃないかと、民間に対して、思うんですけれども。できれば大臣、お願いしたいんですけれども、局長、よろしいですかね。局長から、ちょっと大臣に一言。
○政府参考人(山本繁太郎君) 家賃補助の制度についてはかねてから、住宅宅地審議会の時代から非常に大きなテーマとしてずっと議論されてきております。その際、いろんな議論があるんですけれども、公営住宅と並んで家賃補助というものを位置付けた場合に、補助対象とする住宅困窮者をどういうふうに設定するか、どの範囲に補助するかということですね、その設定の仕方。それから、いろいろ社会情勢が変化しますので対象者が拡大してしまう、そのときに財政負担が際限なく増大するおそれがあるから、それをどうしたらいいかというような議論をずっとしていただいていますし、さらにお金を、各世帯にキャッシュを配ることになりますので、制度を公正かつ的確に運営するために、市場家賃をきちんと評価して、なおかつ家賃の支払能力を適切に掌握して対象住宅の質を確保するために審査してということで、要するにこの事務処理体制に大変なスタッフが要るというようなことについてどう解決するかというような議論があります。
 今御指摘のありました諸外国の例でございますけれども、例えば、私どもは米国の例とか英国の例とかフランスの例とかを研究しておりますと、やはりいずれの国においても、導入した後、財政負担がどんどん増大していく、これどう対処したらいいんだろうかということが政治の大きな課題になっております。
 例えばアメリカですけれども、今現状で二百十万世帯に対しまして家賃補助しておりますけれども、総額で二兆円余りの規模で家賃補助しております。しかし、二兆円余りの予算の範囲内で補助するという制度になっていますので、適格者で家賃補助がもらえない人が行列をつくっているわけですね。その待ち期間が非常に長期化していると、しかも財政負担が非常に大きい、どうしてくれるんだということが政治的な課題になっているというふうに聞いておりますし、またその家賃補助をきちんと現場で的確に運用するために各地方公共団体単位で実施機関を用意しなきゃいかぬというようなことで、かなり大掛かりな体制が整備されているというふうに聞いております。
 それで、英国とかフランスなんかについても、経済規模は我が国のおよそ四割程度ですけれども、家賃補助の規模が今の米国と同じぐらいの二兆円規模になっているというふうに聞いております。
 それに対しまして、我が国の場合、公営住宅の予算は、家賃対策補助、借り上げ住宅の家賃対策補助も含めまして年間約三千億円でございます。それが現状でございますので……
○岩本司君 公営じゃなくて民間ですけど。
○政府参考人(山本繁太郎君) 公営住宅の予算ですね。
 今家賃対策として使っている直接供給の公営住宅も含めまして三千億ですけれども、これをできるだけ生かして使うということを通じて、本当に住宅に困っている方に公営住宅を始めとする公的賃貸住宅サービスを公平かつ的確に提供できるようにどうしたらいいかということで、今一生懸命検討しているところでございます。
○国務大臣(北側一雄君) 今住宅局長が答弁をしたとおりでございますが、今住宅局長が申し上げたようななかなか難しい課題があると思います。
 ただ、一方で、今委員のおっしゃったように、空き家の民間住宅が現に存すると、その既存ストックをいかに有効に活用していくかということは、これはやはり非常に大きな課題だと思っております。これまでも借り上げ型で、それを市なりが借り上げをして公営住宅として貸すというふうなやり方は、これは取ってきておるわけでございますが、今住宅局長が申し上げたような財政面だとか住宅の質の確保だとか、そうした様々な課題をクリアできるようなそうした民間の住宅のストックについての活用をどうできるのか。これはやはり課題であると思っておりまして、そうしたことも含めて審議会で是非審議をしてもらう必要があると思っておるところでございます。
○岩本司君 審議会でもう中間取りまとめも出ておりますけれども、引き続き研究をどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、賃貸住宅関連法律の再編の必要性についてお伺いします。
 これ、ちょっともう時間がなくなってきたんですけれども、今回の法律案もそうですけれども、例えば平成十一年制定の良質な賃貸住宅等の供給の促進に対する特別措置法、また平成五年制定、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律、またこれ昭和四十六年制定、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法、また平成十三年、高齢者の居住の安定確保に関する法律など、いろいろ法律の内容が結構重複しているところもあると思うんですけれども、今回の法案提出に当たって、今までの法律の、何といいますか、総合的に体系的に精査、見直しですとか、そういうことは行われたんでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) やはり住宅ストックの中で賃貸住宅に質の観点から非常に大きな課題があると。これは、住宅が量的に充足した昭和五十年以降の三十年間においても依然として賃貸住宅の質が非常に劣っていると。これを何とかしなきゃいかぬというのが住宅政策上の非常に大きな課題だったために、御指摘のようないろいろな法制度の制度改正の努力が積み重ねられてきたというのが私どもの方から見た場合のこの問題の景色でございます。
 今回の法律をお願いするに当たりましては、その中で特に公的に直接供給されます賃貸住宅を中心に、できるだけそのストックを的確に活用できるように法律上の制約を解除したいと、そういう観点から、言ってみれば、直接供給の公的賃貸住宅ストックの間に橋を架けて、ブリッジをしてできるだけ有効に使えるようにしたいという観点から、どういう法律上の課題があるかということを取りあえず中心に整理をして、それと公営住宅建設費補助金の交付金化ということを二つの柱にして今回の法律をお願いしております。
 国土交通大臣からも御説明しておりますように、来年に向けて基本的な法制の検討をしておりますので、その中で公的賃貸住宅をどう位置付けるかというのは一番中核的な課題でございますので、しっかり検討して位置付けてまいりたいと思っております。
○岩本司君 時間ですので、終わります。
○山本香苗君 今回は、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案について、耐震化という観点に絞って質問させていただきますが、最初に、続発する航空トラブルについて一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。
 改善命令が出た後も、繰り返し繰り返しのトラブルが起きると。一向に改善されないと。なぜなんだろうかと。ささいと思えることが重大事故につながるという、誘発するというこの認識が弱過ぎるんじゃないかと。現場にそれがきちんと行き届いていないんじゃないかと。大惨事が起きてからは遅過ぎます。早急に航空会社に対しても、また国土交通省においても安全対策を一からしっかりと見直すような対策を講じていただきたいと強くお願い申し上げまして、質問に入ります。
 今月十日に住宅・建築物の地震防災推進会議による提言が発表されましたが、この概要をまず最初にお伺いします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 昨年十月には中越の地震、そして今年の三月には大地震の発生の可能性は比較的低いとされておりました福岡県におきまして西方沖地震が発生いたしました。多大な被害をもたらしたわけでございますけれども、そういうことから、我が国においては、大きな地震はいつどこで発生してもおかしくないという状況でございます。そういう認識でございます。
 その上で、地震による人的、経済的被害を軽減するために、住宅・建築物の耐震化を中心に地震防災対策の充実が不可欠であるという認識の下に、これまで国土交通省も様々な取組をしてきたわけでございますけれども、こういう認識の下に、原点に立ちましてしっかり地震防災対策を検討するということで、大臣の直接の指揮の下に、学識経験者等の意見を聴取するということを目的にしまして、去る二月二十五日から国土交通省内に住宅・建築物の地震防災会議を設立しまして検討を重ねていただきまして、去る六月十日に提言をいただいたものでございます。
 提言の概要でございますが、まず第一に、具体の住宅・建築物の耐震化の目標を掲げるということで、住宅について、それから建築物につきましては、学校とか病院など不特定の多数の方々が御利用になる特定建築物について、現在、耐震化率がいずれも七五%ですけれども、十年間で九〇%に持っていきたいというのがまず第一でございます。こういう数値目標を掲げるというのが第一。
 それから第二に、この目標を達成するために取り組むべき施策について提言をいただいております。
 これは様々な分野の施策を総合的に取り組むべきだということでございますけれども、具体的な例を御紹介いたしますと、まず税制について、耐震改修税額控除制度の創設などの支援を充実させるべきであると。それから、全国の市町村に、市民の方々が何でも相談できるような総合的な耐震改修についての相談窓口を設置すべきであるということ。それから、十年前の阪神大震災を契機に制定されました耐震改修促進法を今回の今日的な問題意識をきちんと組み込んで見直していく、建築行政に直接携わる市町村の権限も必要に応じて強化していくということでございます。それから、専門家、事業家の育成、お客様の信頼が得られるようにきちんと育成し、技術も向上させると。それから、ハザードマップを公表して市民の方々の意識を啓発する。それから、町内会レベルですね、自主防災地域、そういう地域での取組を通じて国民の啓発、情報提供する。
 それから、もう一つは地震保険でございますけれども、例えば地震保険を普及する観点から、耐震診断とか耐震改修をしますと個別具体の住宅の耐震性能が確認されます。その場合は、それに基づいて保険料を割り引くというような制度を導入して、地震保険をもっともっと活用してほしいといったようなことを御提言いただいております。
○山本香苗君 十四日の中央防災会議で、大臣はこの提言の御報告をなされたというふうにお伺いしておりまして、その際、御出席の閣僚の方々からも耐震化を急ぐべきだといった意見も、声も続いたというふうにお伺いしております。
 この提言を受けて具体的にどのような取組を行われるのか。関係省庁との連携というものも非常に大事になってくると思うんですけれども、この中央防災会議での議論を含めて、北側大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 先週の金曜日に取りまとめができましたので、一昨日の中央防災会議で私の方からこの住宅・建築物の耐震化に向けての目標また施策について報告をさせていただきました。
 その席では専門家の先生方もたくさん御参加をいただき、そして関係閣僚が参加をしておったわけでございますが、専門家の先生方からも、想定される首都圏、例えば首都圏での直下地震、さらには将来の海溝型地震、これも想定をされております。そういうその地震の減災対策の柱がやはり住宅・建築物の耐震化であるということは専門家の先生方も共通して私はおっしゃっておられるというふうに思っているところでございます。
 阪神の震災の際も、九割近くの、お亡くなりになられた方々の九割近くはやはり住宅の倒壊によってお亡くなりになられているわけでございます。住宅・建築物の耐震化を急ぐということは、これは地震対策、減災に向けての私は本当に最大のポイントであると思っておりまして、この夏の概算要求に向けまして取りまとめもお願いをいたしましたし、しっかりとそれが反映できるようにさせていただきたいし、是非とも先生方のお力添えをお願いをしたいと思っております。予算面、税制面、また制度改正等、これまでになかったかなり踏み込んだ中身になっておりますので、是非とも御支援のほど、お願いしたいと思いますし、私どもは、国土交通省の十八年度予算概算要求に向けて最重点事項ということで取り上げていきたいと、全力を挙げてその実現に向けて取組をさせていただきたいと思っております。
○山本香苗君 先ほど局長の方から、耐震化に関する支援策の一つとして、全国の市町村に総合的な相談窓口を設置することが挙げられているというお話がございました。これは提言を受けて、予算とか何とかという前にすぐにでも着手をしていただきたいと思っております。
 といいますのも、提言にありますとおり、実際私たちも耐震診断やって耐震改修をしてくださいということをいろんなところで申し上げるわけですが、その際に、実際どこに行ったらいいのかと、また耐震診断、改修、そうしたものの相談窓口が実際市町村に既にあるわけですけれども、きちんとニーズに合ったものには実態としてなっていないということをお伺いしております。
 また、最近では、高齢者をねらった悪徳訪問リフォームの関係の報道も様々起きておりますけれども、耐震改修をめぐっては、以前からも無料点検だとか無料補強診断と称して来て、むやみにお宅危ないですねみたいなことを言って不安をあおって契約させるということが以前からもあったというふうにお伺いしております。
 今後十年の住宅耐震化目標というものを九割まで上げていくというふうになりますと、従来のペースよりも二倍から三倍頑張らなくちゃいけないというふうに伺っておりますが、その大前提として、安心して耐震診断、改修を行うことができる環境整備が必要だと思っております。あくまで市町村が設置者でございますけれども、国として、全国あまねく耐震診断、改修をやってくれというふうな形で指導していくのであれば、どういう形で市町村においてこういったものを、何でも相談できる相談窓口というものをつくろうとお考えなのか、お伺いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) やっぱり安心して相談できるというのが一番大事ですんで、提言でもそれを一つの柱として御提言いただいているわけですけれども、現在の市町村の窓口の設置状況ですけれども、非常に不十分です。二千四百市町村のうち、約四分の一、六百市町村で窓口をつくっております。この四分の一は非常に地域的に限られておりまして、例えば東海、静岡県なんか一〇〇%、全市町村に窓口があります。首都圏でも首都直下、いろいろ問題意識がありますんで、例えば埼玉県はすべての市町村にあります。東京もかなりあります。千葉県は少ないとかですね。それから、東南海・南海もありますんで近畿等もあるんですが、そういうまだまだ地域的なばらつきがあります。
 今回の推進会議の問題意識も、全国のどこでマグニチュード七程度の直下型の地震があってもおかしくないと、だからみんなして備えようという問題意識ですんで、是非全国の市町村で窓口をつくっていただきたいと思うわけです。そのために私どもで何ができるかということですが、一番大事なのは意欲的に取り組んでいる市町村ではこんなことやっていますというのを各公共団体に是非事例を紹介したいと思っています。
 それから、具体的に相談に来られるテーマとして、耐震改修したいんですけれどもどうしたらいいでしょうかというのはもうもちろん一番いいんですけれども、うちの家大丈夫でしょうかという事柄があるわけですね、一番。そう思ってもらうのも非常に大事なことなんですが、そのために耐震診断の制度の周知、ハザードマップを出して、うちの市の区域内のここはこういうふうに危ないですよというのを見せた上で、それじゃ診断してもらおうということで来て、診断は無料でできますよと、こういう形でやりますというふうに制度を整理した上で、窓口も機能させてもらうと。先ほど例に挙げました静岡県なんかは全部そういうハザードマップと耐震診断と耐震改修の補助というのを一気通貫で持っていまして、そういう制度を運用しながら窓口が機能しているというふうになっていますんで、そういうふうなことを是非、状況を提供して、全国の市町村がそういう取組をしていただけるように環境整備していきたいと思っているところです。
○山本香苗君 もう一つのポイントが耐震改修促進法の改正ということでございますが、先ほど大臣からもかなり踏み込んだというふうなお話にもございましたけれども、これ国交省のみならず、結構ほかの省庁にもまたがるようなお話になってくるわけでございますが、国交省としてどこまで踏み込もうとお考えなのか、その決意のほどをお伺いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 今回、提言の具体的な内容ですけれども、耐震改修促進法に関連する具体的内容としては、地方公共団体が独自に耐震化の目標を定めて、取組の計画といいますか、取組方針を定めると。そういうふうな枠組みを法律の中で用意をすると。
 それから、現行法では、公共団体は住宅に対して耐震診断とか改修の指導、助言、指示といったようなものはできるようになっていません。特定建築物についてはそれはできるようになっていますけれども。それを住宅についても、例えば密集市街地といったようなところ、地震があったときに大きな被害が発生するおそれがあるような地域については公共団体がそういったことを、耐震診断をしなさい、危ないのは改修しなさいという指示ができると。あるいは、立入検査ができるようにするといったようなことでありますとか、それから不特定多数の人が利用する建築物で耐震性に問題がある場合は指導とか助言だけではなくて指示、立入検査、それから指示に従わない場合は公表すると、この百貨店はこういうことで危ないですよということを公表すると、それを法律上に位置付けなさいということ。
 それから、防災上重要な建築物とかあるいは不特定多数の者が利用する建築物、これは一定の期間を定めて所有者に耐震診断をしてくださいと。で、改修計画の提出を義務付けまして、改修しない場合は改修命令を出せるようにすると。この防災上重要な建築物の中には学校も位置付けたいと思っております。いざというときに避難所になりますし。
 そういうことを、意欲的な提言いただいていますんで、各省とこれから協議をするわけですけれども、御理解を得て、しっかりした意義のある耐震改修促進法改正案を用意したいと思っております。
○山本香苗君 そもそも学校と病院が違う扱いになっていたのがおかしいなというふうな思いがするわけなんです。先ほど特定建築物七五%の耐震化とおっしゃっていらっしゃいましたけれども、学校は七五%にも、もう五割を切っている状況でありまして、防災の拠点ともなる学校でありますので、どんな抵抗があってもきちんとそれを入れるような形にしていただきたいと思っております。
 大分時間がなくなってまいりましたけれども、耐震化とか窓口をつくるだとか、今言った耐震改修を進めていくツールとして今回創設される地域住宅交付金、これはかなり活用できるんではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 耐震改修のための耐震診断と耐震改修に対する改修費補助を並べてみますと、耐震診断の方は国土交通省が持っております補助金でかなり広範にできますんで使われているんですが、耐震改修費の補助については地方単独事業で、今まで六百ぐらいの市町村でやられていたんですが、その部分を今度地域住宅計画に民間住宅の耐震改修を位置付けることによって交付金の対象となりましたんで、これで応援することができると思います。かなり今ヒアリングしていますけど、意欲的に公共団体から相談を受けていますので、しっかり応援していきたいと思っております。
○山本香苗君 来るべき地震に対する備えというものはしっかりしなくてはいけないと感じておりますが、そうした矢先に、地震も起きていないけれども、ついせんだって、中央区でオフィスビルの外壁のタイルが落ちてお二人の方が負傷されるということがございました。幸いお二人とも命に別状がなかったわけですけれども、何でこんなことが起きたのかなと思うところでございますが、今後このような事故が起きないように早急に原因を調べて再発防止の手だてを講ずべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 二名の方の負傷者が出たことは本当に残念なことでございます。
 その原因でございますけれども、今所管の官庁でございます中央区において調査を行っているところでございまして、詳しい原因についてはまだ御説明できる段階ではないんですが、このタイルが崩落した部分は、垂直の壁ではなくて傾斜している部分でございます。その部分のタイルが傾斜したということでございます。傾斜しているために、雨水の浸透を防ぐために防水層をこのタイルとコンクリートの間に設けておりました。防水層を設けたためにその部分が剥離が生じているというふうに報告を受けております。この防水層とコンクリート、それからタイル、きちんと接着していなかったということが非常に問題なんで、これは新しい事例ですんで詳しく調査する必要があると思っています。
 そういうことで、全国の市街地の同様の斜めの壁について行政庁に点検してくれということをお願いしておりまして、また整理が付きましたら御説明したいと思っております。
○山本香苗君 最後に、大臣にお伺いしたいと思っております。
 一昨日の参考人質疑におきまして、三人の参考人の方から大変貴重なお話をお伺いいたしました。その中で、それぞれのお立場から住宅に関する基本法が必要だというふうな御発言がございました。もう私が申し上げるまでもなく、大先輩であります大臣はよく御存じなことだと思いますが、我が党は過去に何度も何度もこの住宅基本法というものを国会に提案しております。少子高齢化等々激変する環境の下で住宅政策はどうあるべきなのかと。
 既に審議会での検討がスタートしていると伺っておりますが、大臣としてもこの住宅基本法という、名称はどうであれ、この住宅基本法制というものについて熱いものがあるとお伺いしておりますので、最後に思いのたけを述べていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 大先輩と言われますと私も年取ったのかなというふうに思うんですが、先ほども申し上げをさせていただきましたが、今やはり住宅政策の大きな転換点にあると認識をしております。
 これまでは住宅又は住宅資金を直接供給することを中心とした政策でございましたが、これからはできるだけ市場機能を重視して、また今あるストックを質を転換していくという意味でも有効に活用することを中心とした政策へ転換が図る時期に来ていると思っております。ただし、住宅のセーフティーネット、この確保のためにはしっかり全力を挙げていくということが大切であると考えているところでございます。これまで住宅建設戸数の目標を掲げまして計画的に住宅の供給を図ってきました住宅建設計画法、それから住宅建設五か年計画というので住宅の供給を図ってきたわけでございますが、その在り方を見直さないといけないというふうに思っているところでございます。
 いずれにしましても、住宅というのは、これはこれまでももちろんそうでございますが、これからも住宅というのは、これは私どもの生活のまさしく衣食住と言われるとおり、一番大切な基本の基本の部分でございます。この住宅が我々の健康とか生活の基盤でもございますし、また地域社会にとっては、先ほども前田先生から御質問がございましたが、地域コミュニティー、地域社会を形成する基礎となるのがこの住宅でございまして、それは何ら変わらない、そうした理念についてはきちんと明確にしていく必要があると思っております。その上で、こうした時代の変化を踏まえて、住宅政策の方向性について明らかにしていきたいと思っておりまして、今社会資本整備審議会において精力的に御議論いただいているところでございますが、是非とも年内に取りまとめをいたしまして、来年の国会には住宅に係る基本法制の提案をさせていただけるように努力をしてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
   〔理事佐藤雄平君退席、委員長着席〕
 十四日の本委員会の参考人質疑で、全国公団住宅自治会協議会代表幹事の多和田栄治参考人は、一九九六年にトルコで行われたハビタットU、国連人間居住会議の立場を住宅行政の基本に据える必要があると述べられました。
 そこで、大臣に御認識をお伺いをしたいと思うんですけれども、その人間居住に関するイスタンブール宣言ではこのように述べています。すべての人に適切な居住を確保し、人間居住を一層安全で健康的で居住に適し、公平で持続可能で、かつ生産的なものとするという普遍的な目標を支持すると。住宅行政の責任者である大臣がこの立場を堅持をされるということが私は当然であると考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 今も申し上げましたが、住宅というのは私どもの人間の生活、健康にとって基盤となるものがまさしく住宅でございます。日本の憲法二十五条にも、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するというふうに規定しているところでございまして、その思想と全く同様の思想、哲学ではないのかと思っております。
 今後とも、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の供給、住宅の質の向上に今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 大臣御自身の言葉から憲法二十五条を述べていただいたことは、私も大変大事な問題だと思います。住宅にかかわる皆さんが住まいは福祉という言葉を使われます。この住まいは福祉という立場が日本の住宅政策の基本にしっかりと貫かれなければならないと私は思っています。これまで国交省は、住宅建設五か年計画などで計画的な公営住宅などの建設を進めるとされてきました。
 そこで、まず住宅局長に公営住宅の整備について三点お伺いをしたいと思います。
 一つは、平成十三年、〇一年から今年度、〇五年までの第八期五か年計画で公営住宅、公団・公社住宅など公的賃貸住宅に入居してもらうべき対象となる世帯数を何万世帯と推計をされたか。
 二つ目は、そのうち公営住宅の新規建設により供給すべき戸数を何万戸と計画をしたか。
 三つ目は、今年度で計画期間は満了するわけですけれども、その計画に照らした進捗率、この三点をお伺いします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 現行の第八期住宅建設五か年計画を作成した際に、公営住宅等の公的賃貸住宅の施策対象となり得る世帯数について推計を行いました。この推計におきましては、民間の借家に居住しておられる方々で借家の家賃水準を前提に、自力では適切な居住水準を確保することが困難な世帯数を推計しました。適切な居住水準というのは五か年計画で定めております最低居住水準です。各世帯規模ごとに定めております床面積、それを自力では確保することができないという世帯数を全体で百七十六万世帯、この期間中にあると推計しました。
 このうち、百万世帯は過去の経験に照らしまして、五か年の間に公的賃貸住宅、現実にあるストックに生じる空き家に入居可能であるとして控除しました上で、残りの七十六万世帯を施策対象として計画を策定したものでございます。
 それから二番目の、そのうち公営住宅の新規供給により対応する世帯はどのぐらいと推計したのか、計画したのかということでございますが、七十六万世帯の推計を踏まえまして、第八期住宅建設五か年計画では公的賃貸住宅の新規、建て替え、増改築合わせた戸数を閣議決定で定めておりまして、新規、建て替え、増改築の合計で九十五万戸と定めております。そのうち増改築を除いた数字も計算できる形になっておりまして、新築の、新規の公営住宅と建て替えとを合わせて七十七万三千戸を計画しております。このうち、この九十五万戸と七十七万三千戸のうち、公営住宅につきましては、まず新規、建て替え、増改築を合わせたものは二十六万二千戸、新築と建て替えで十七万九千戸と計画しております。
 これまでの実績見込みが出ております十三年度から十五年度までの三年間の公営住宅の供給実績でございますけれども、合計で、この二十六万二千戸という計画ベースですね、新規、建て替え、増築合わせたものに相当するものが十二万戸となっておりまして、三年間で進捗率は四六%。増改築を除いた新築と建て替えで七万六千戸でございます。これは進捗率で四二%となっております。
○仁比聡平君 詳しく述べていただきましたけれども、結局、その八期計画で新規の公営住宅の必要量としてほぼ十七万九千戸を計画をされたわけです。ですが、三年間での実績は七万六千戸なんですね。仮にこれを三分の五倍をしたとしても十二万六千戸にしかなりませんから、結局、五万三千戸も足らない、計画が達成されないという状況なんですね。にもかかわらず、ストックは充足をしたと、既存の二百十九万戸で足りるというその前提に立って政策転換を図るというところに私は大きな問題があるんじゃないかと思うんですね。
 もう一点、数字をお伺いしたいと思うんですが、時間がありませんので端的にお願いしたいと思いますが、公営住宅法が九六年に改正をされました。ここでいわゆる明渡し努力義務が課せられた収入超過者、明渡し義務がある高額所得者の区別があります。このうち高額所得者を含まない収入超過者について、平成九年と平成十五年の、これ、それぞれ実数だけで結構ですので、お答えください。
○政府参考人(山本繁太郎君) 平成九年度の収入超過者の実数は五十一万三百三十戸でございます。平成十五年度の収入超過者の実数は十八万六千八十九戸でございます。
○仁比聡平君 差引き、これほぼ三十二万戸になるんですね、三十二万世帯。この九六年の改正によって平成九年以降にほぼ三十二万世帯以上が明渡しを受けていると、明渡しをしているということになるわけです。結局、こうやって見ますと、これまでの国交省の議論というのが、公営住宅の新規建設をどう進めるかということよりも収入超過者をどう追い出すかという、こういう議論が熱心にやられてきたんじゃないかと思うんですよ。
 平成十四年の十月十六日に、大臣の諮問機関であります社会資本整備審議会、ここの住宅宅地分科会企画部会というのが行われていまして、大臣、よく聞いていただきたいと思うんですけれども、ここで、この九六年の公営住宅法改定と平成十年以降の収入超過者の推移について国土交通省がこのような報告をしています。
 「高額所得者ないしは収入超過者もきちんと追い出すという仕組みが十分でなかったものですから、二年の経過措置できちんと追い出すという体制を組んだ結果、収入超過者も減りましたし、高額所得者も大きく減っているという状況にございます。なお、収入超過者ないしは高額所得者につきましては、割増賃料を取ったり、追い出し措置を起こすような仕組みで対応しているところでございます。」と。
 私、これ驚くべき内容だと思うんですね。居住者が傍聴しているとか我々野党がいるとかという場ではない審議会、そういうところで語っている。これが皆さんの本音なんじゃないんですか。
 元々、公営住宅で暮らしてこられた方々です、この収入超過者という皆さんも。それが収入分位が三三%から二五%に政府によって引き下げられた結果、御自身の収入は変わらなくても言わば収入超過者だとしてつくり出されてきている。そしてこれに、この方々の追い出しを進めた結果、いろんな方があるでしょうけれども、三十二万世帯を超える皆さんが公営住宅を出ていかなきゃいけなくなったんじゃないんでしょうか。
 もう一つ、この同じ審議会の部会でこういう報告のくだりがあります。「ずっと公営住宅の中に住み続けることによって、適当に働いてと言うと語弊があるかもしれませんけれども、自助努力をされない方々といいますか、」「本来社会に出て働けるかもしれない人が公営住宅という家賃の安いストックに入ることによって働かないという状況があるのではないか」と。
 これ、国交省からの報告のくだりなんですよね。これは公営住宅の居住者の方々を家賃が安いので働かない怠け者だという、扱う認識なんではないんですかね。
 大臣、今の私が紹介したくだりを聞かれて、まさか同じ認識ではなかろうと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) ちょっと私も今初めて聞きましたからね。ただ、それがすべてだと言っているわけじゃないと思いますよ。そういう人も中にはいるという発言じゃないでしょうかね。そういうふうに私は聞きます。
 確かに、公営住宅の整備が計画どおりに進んでいないという御指摘はそのとおりでございます。これは、結局は財政の話になってくるわけですね。国も、そして地方も財政状況が非常に厳しい中にあると。そういう中にあって、公営住宅の整備が計画どおりに進んでいない、進んでこなかったということは事実でございますし、当初のこの計画の実現というのはこれは困難だというふうに私も認識をしているところでございます。
 いずれにしましても、今後の公営住宅政策においては既存の公営住宅ストックをやはり最大限に有効活用するということが重要だというふうに認識をしておりまして、その改善、そして建て替えに努めること、それと、やはり公営住宅でございますので、これはやはり公営住宅に入っていない方々との公平性、本当は公営住宅に入りたい、またその要件、条件もあるんだけれども入れない方々もたくさんいらっしゃるわけでございまして、公平性というのはやはりこれは大切にしなきゃいけないというふうに思うわけでございまして、やはり公営住宅を住宅に困窮する者に的確に供給するということがやはり大事であるというふうに考えておるところでございます。
 そういう意味で、制度面の見直しについても検討しなければならないと思っておりますし、また公営住宅だけではなくて、他の公的賃貸住宅や、先ほども話が出ておりましたが、民間住宅ストックがあるわけでございまして、そうしたものをしっかり活用して必要な住宅セーフティーネットを確保していくことが重要であると考えておるところでございます。
 いずれにしましても、今回の法案で地域住宅協議会というものが設定をされるわけでございますが、その地域住宅協議会等を活用して関係者の方々が連携を取って、公的賃貸住宅、また民間賃貸住宅のストックの活用等、様々な工夫が可能となるような措置をこの法案では講じているところでございまして、今後とも、厳しい財政制約下でございますが、地域において必要な住宅セーフティーネットの機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 今その住宅に困窮をする方々が増えて、例えば公営住宅でいっても応募率が大変高いという状況にあるからこそ、そのストックをとおっしゃるその公営住宅の整備そのものをしっかり新規に進めていく必要があるということを政府がしっかり踏まえていただきたいと思うんですね。
 さらに、もう一つ大臣の認識をお伺いをしたいと思うんですが、これは六月四日の神奈川新聞なんですけれども、ここに公営住宅入居の基準収入額を引き下げるということを国土交通省が方針として固めたと報じられています。今のつまり収入分位二五%というのをまだ下げるんだと。〇六年度に政令を改正する方針だとまでこの新聞書いているわけですけれども。
 これは仮に二五%の分位を二〇%に引き下げるとどのぐらいの対象者があるんだろうかと、私ちょっと数字いただいて計算をしてみました。そうすると、今の二百四万世帯ぐらいの入居者のうち三・一%が十七万八千円を超え二十万円以下の世帯です。つまり、この世帯というのは六万三千四百七十世帯あるんですけれども、もし収入分位が下げられたら、ここが新たに収入超過者だとして追い出しの対象になるんじゃないんでしょうか。そういうことをしたら、今の深刻な不況の中で、所得も困難になる中で、市営住宅、公営住宅追い出されて、もうどこにも暮らすところがない、そういう方々をつくってしまうことになるんじゃないでしょうか。こういうことは断じてやめていただきたいと思います。大臣の認識聞いて質問を終わります。
○国務大臣(北側一雄君) 決めたということはございません。そういう報道の事実はございません。
 今まさしく社会資本整備審議会で、新たな住宅政策に対応した制度的枠組みについて御審議をいただいている真っ最中でございます。その中で、公営住宅の入居者資格や家賃制度の在り方を始め、公的賃貸住宅を中心とするセーフティーネットの在り方について御検討をいただいておるところでございまして、今後、基本法制の在り方と併せて、各方面の意見を承りながら検討を進めてまいりたいと思っております。
○仁比聡平君 終わります。
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 公団賃貸住宅の位置付けについてお伺いをいたしますが、まず始めに、国の住宅政策の中で、住宅政策の大転換期を迎えておりますが、公団賃貸住宅はどのように位置付けられておるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 都市再生機構の七十七万戸の賃貸住宅でございますが、昭和三十年から現在に至るまで、大都市地域における良質なファミリー向け賃貸住宅の不足を解消するために長年にわたって供給努力を重ねてきた結果、形成されたものと考えております。
 その規模は、四大都市圏において、全賃貸住宅ストックの七%、公的賃貸住宅ストックの四割に相当しております。これまで住宅政策上の大きな役割を担ってきているところでございます。このように政策的な努力を積み重ねて形成された機構の賃貸住宅ストックは国民の共有の貴重な財産でありますので、大都市圏を中心に依然として良質な賃貸住宅が不足している現状におきましては、都市の居住環境の整備、少子高齢化社会への対策などの住宅政策上の課題に対応するものとして有効に活用していくべきものと考えているところでございます。
 今後とも、機構賃貸住宅については、良質な賃貸住宅ストックとして適切な管理が行われ、居住者の居住の安定、居住環境の向上が図られることが重要なことだと考えております。
○渕上貞雄君 次に、住宅政策について大臣にお伺いをいたしますが、今回の法案提出に当たって、市場重視とストック活用、それから住宅セーフティーネットの機能の向上ということをうたわれておりますけれども、さきの参考人の質疑におきまして、多和田参考人の方から意見表明がございました。セーフティーネットという言葉自体も好かないというような意見もございましたけれども、やはり住宅政策というものは福祉の観点というのが最も大事なことではないかと思うんですが、大臣はいかに思っておられましょうか。その御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 住宅政策の柱の一つは住宅セーフティーネットを整備していくこと、これがやはりその柱の一つであると考えておるところでございます。
 今その住宅の困窮される方々につきましては、所得が少ない方々はもちろんでございますけれども、高齢者の方々や障害者の方々、DV被害者など、様々な新たな社会的弱者というのも多様化してきておる中で、これらの方々を含めまして公的賃貸住宅全体としてその機能の充実を図っていく必要があると考えているところでございます。低廉な家賃の住宅を供給するものでございまして、これは福祉政策の一環から一翼を担うものというふうに考えております。
 また、福祉政策との連携も非常に大事だというふうに考えておりまして、今回の法案におきましては地域住宅交付金制度を創設をいたしまして、福祉政策の担い手でございます地方公共団体が地域のニーズに応じて、公的な賃貸住宅と例えばデイサービスセンターやグループホーム等の社会福祉施設等との一体的整備等に取り組むことができるような措置もさせていただいているところでございます。
 福祉政策との連携を更に強化をいたしまして、住宅セーフティーネットの機能の向上に努めてまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げておきます。
 次に、住宅金融公庫法の関係についてお伺いいたしますが、特別勘定について、本法律案で言う既往債権管理特別勘定とはどれくらいの規模になるのでございましょうか。また、将来どれくらいの損失が発生すると見込んでおられるんでしょうか。
 それよりも何よりも、住宅金融公庫の廃止に先立って、この時期になぜ既往債権管理特別勘定を設けるのでしょうか、お伺いいたします。
○参考人(吉井一弥君) お答え申し上げます。
 既往債権管理特別勘定の規模ということでございますが、既往債権管理特別勘定に属することとなる貸付金、平成十六年度末で件数で約四百万件、残高で約五十四兆円というふうに見込んでおります。
 これについて、将来の損失いかんということでございますが、住宅金融公庫は過去の金利水準の高い時期の貸付金に係ります公庫融資利用者からの任意繰上げ返済に起因する逆ざや等によりまして多額の補給金が措置されている状況にございます。このような過去に貸し付けた既往債権、先ほど申しました約四百万件、五十四兆円でございますが、これの、将来これから約三十五年掛けてお返し、最長三十五年掛けてお返しいただくわけでございますが、この平成五十二年までの補給金の所要額を見込みますと、金利動向等にもよりますけれども、二兆円程度から最大三兆円ぐらいになるのかなと見込んでおるところでございます。
 今回の法律でお願いしております財政投融資資金の繰上償還によりまして、この補給金所要額を一兆円台半ば程度に圧縮いたしまして、独立行政法人移行後の第一期の中期目標期間、平成二十三年度までと考えておりますが、これまでに補給金に依存する財務構造から転換できるものと考えておるところでございます。
○政府参考人(山本繁太郎君) 後段の御質問の、十九年度に法人は設立するんだけれども、何で今年度から特別勘定でくくるのかという御指摘でございます。
 確かに、特殊法人等合理化計画に基づいて法律を制定していただいて、新法人が発足するのは十九年四月でございますが、この法人を設立するに当たりまして、この公庫の段階から、十七年度から新たな業務、証券化業務をもう先行的にやっているんでございますが、新たな業務については補給金に頼らないということできちんとやっていきたいと考えております。
 そのほかに、財務面での課題でございます過去の直接融資についての債権について、他の業務と経理を区分する勘定も設置した上で、既往債権に係る財政負担を透明な形で、先送りしないで、今の段階からきちんと的確に処理していこうということで特別会計の設置をお願いしております。
 具体的には、この勘定の中で、民間で取り組んでいる直接融資を廃止するなどの業務の抜本的見直しとか、組織、業務の効率化などの最大限の自助努力を前提に、既往債権を証券化して得た資金等を活用しまして、財投資金の繰上償還を実施することで補給金所要額を圧縮すると。そういう措置によって、独立行政法人の第一期期間中である平成二十三年度までに所要額をすべて措置しようということでございます。
○渕上貞雄君 次に、優遇措置の廃止の周知についてお伺いいたしますが、本法律案では住宅積立郵便貯金や住宅宅地債券の利用者に対する優遇措置及び積立制度が一部を除き廃止をされることになりますが、廃止に関する周知についてはどのようにされていますか。
○参考人(吉井一弥君) ただいま先生のおっしゃったとおり、住宅宅地債券積立制度及び住宅積立郵便貯金制度につきましては、平成十七年度以降、新規積立ての募集は行わないこととしておりまして、また平成十六年度以前に積み立てられた方につきましては、経過措置として、今後とも引き続き債券の購入等の積立てを行うことができるとしております。また、独立行政法人移行後もこれまでと同じ条件で融資を利用できることとしております。
 これらのことにつきましては、住宅金融公庫のホームページでございますとか、あるいは積立者の方に対しまして定期的にお知らせをする機会がございますので、そういうふうな機会を通じて十分に周知を図っていきたいと思っております。
○渕上貞雄君 次に、独立行政法人都市再生機構法関係についてお伺いをいたしますが、ニュータウン用地の処分の見通しについて、先般、多摩ニュータウンの事業の記事が新聞に掲載をされていましたが、都市機構が早期処分するとしているニュータウンの用地の処分見通しについてどうなっていますか、お伺いいたします。
○参考人(田中久幸君) お答えいたします。
 都市再生機構が保有しておりますニュータウン用地は、平成十五年度末の時点で約五千七百ヘクタールございます。これは大都市圏と地方都市分を含んでございます。従来は、この事業を二十年程度掛けて整備をする、完了するという予定でございました。それを今回、完成宅地での販売に加えまして、大街区のままで民間事業者に処分するなどして、完成前の状況でも処分を進めまして、平成二十五年度までに工事を完了し、用地の供給とか処分もおおむね完了をしたいというふうに考えております。
 多摩ニュータウンにつきましても、先生御懸念でございますが、私ども約百四十ヘクタールの土地を持っておりますけれども、平成十五年度、十六年度におきまして、年間二十ヘクタール以上を供給をしてございまして、販売については大変堅調でございます。今後とも民間事業者と連携を強化するなどして、二十五年度までに供給を完了したいというふうに考えております。
○渕上貞雄君 土地処分の方法等についてお伺いをいたしますが、土地処分を優先する結果、周辺の居住環境に悪影響を与えるような施設用地として売却をしたり、地方公共団体に負担を押し付けるようなことがあってはならないと考えますが、土地処分の相手先、処分方法等の考え方についてお伺いをいたします。
○参考人(田中久幸君) お答えいたします。
 今後のニュータウン用地の供給、処分につきましては、従来から民間住宅事業者へいわゆる卸売をやっておりますが、そういうことやあっせん制度を使って促進をしておりますけれども、そういうものに加えまして、これまでまだ実績のない中小のハウスメーカー等にも積極的な営業活動を行って、民間住宅事業者との一層の連携強化を図って販路を拡大したいというふうに考えておりますし、また情報の提供につきましても、インターネットですとかガイドブックですとか、いろんなツールを使いまして情報発信を強化していきたいというふうに考えております。
 また、販売につきまして、さらに販売代理方式ですとか処分型の土地信託ですとか、新しいメニューも導入をして販売拡大を行っていきたいというふうに考えております。
 処分先の相手は、そういうふうに企業を介してエンドユーザーに行くようなことがございますし、それから、私ども、住宅用地だけではなくて施設用地もたくさん抱えておりますが、それもいろんな手段を使って促進をしていきたいというふうに考えております。
 先生今お尋ねありました、この処分に当たりまして悪影響を与えることはないかというお尋ねでございますが、私どもは良好なまちづくりを促進するという観点から、土地利用計画等につきましては従来から関係地方公共団体と十分協議をして供給をしております。今後ともそういう方向で促進に努めていきたいというふうに考えております。
○渕上貞雄君 最後になりますけれども、大臣にお伺いをいたしますが、国は、だれもが安心して住み続ける住まいの確保のために、やはり今まで以上に住宅政策を拡充強化をしていくべきだと考えますが、大臣は、本法律案によってこのような住宅政策が遂行できると思われますか。いかがな認識でございましょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 市場機能の重視とともに、やはり住宅セーフティーネットの機能の充実というのは今後とも必要であるというふうに私も考えておるところでございます。
 この法案におきましては、地方公共団体が地域住宅計画というのを作らせていただきます。地域住宅交付金を活用した公営住宅、また高齢者向け優良賃貸住宅等の整備だとか、それから借り上げ、買取り等による民間ストックの公的賃貸住宅の活用だとか、さらには、この地域住宅協議会を通じた公営住宅、それから都市機構賃貸住宅等の公的住宅の一体的な有効活用だとか、そうした推進が可能となってくるところでございます。
 これらに基づきまして、地方公共団体が地域の住宅政策を主体的に推進されることを期待しておりまして、国といたしましても、そうした地方の取組を積極的に支援することで、住宅セーフティーネットの機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 終わります。
○委員長(田名部匡省君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○仁比聡平君 日本共産党を代表して、住宅二法に対する反対討論を行います。
 政府の住宅政策は、これまで住宅建設計画法を中心に、公営住宅、公団住宅、金融公庫融資住宅を三本柱として、公共住宅の量的確保と質的な向上を基本に進められてきました。
 しかし、公営住宅は九六年の法改悪以降、新規建設の抑制と入居資格の所得制限強化が進められ、公団住宅は〇〇年以降、分譲、賃貸住宅の建設が中止、抑制され、民間賃貸住宅供給の支援に傾斜するなど、公共住宅部門からの撤退方向が強まっています。また、住宅金融公庫の廃止法案が出され、直接融資を縮小しようとしています。
 本法案は、今後、政府が進めようとしている住宅政策の大転換、住宅の一層の市場化、そして公共住宅分野からの言わば撤退の入口になりかねないものだからです。
 現行補助制度を交付金制度に変更することで、既存補助事業を地方自治体が弾力的に運用できるなどの側面もありますが、これも予算確保の裏付けはなく、住宅困窮者への低家賃住宅供給に対する国の責任を後退することになりかねません。
 新たに公的賃貸住宅を必要とする世帯は、国交省の推計でさえ百七十六万世帯に上ります。憲法の生存権規定に基づき、住まいは福祉の立場から、低家賃、適切な居住水準の住宅を供給する国と地方自治体の責任を果たすことを住宅政策の基本に据えるべきであることを強く求め、討論を終わります。
○委員長(田名部匡省君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(田名部匡省君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(田名部匡省君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、佐藤君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤雄平君。
○佐藤雄平君 私は、ただいま可決されました両法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案及び地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、地域における公的賃貸住宅の的確な供給を通じて住宅のセーフティネットを確実に構築するため、地域住宅協議会等を活用し、公的賃貸住宅の各事業者、福祉部局等の充分な連携が図られるようにすること。
 二、地域住宅計画の作成が早期に推進されるよう、地方公共団体に対する適切な支援を行うとともに、計画に記載された事業等に対する支援策の充実に努めること。
 三、地域住宅交付金については、国の関与を極力少なくするとともに、地方公共団体の創意と工夫による公的賃貸住宅等の整備等が可能となるよう、その運用に万全を期すこと。
   また、地域住宅交付金の採択に関する透明性を確保するとともに、地域住宅交付金に係る事業の評価を適切に行うための仕組みを構築し、評価結果を公表すること。
 四、国及び地方公共団体は、高齢世帯及び子育て世帯その他の住宅に困窮する国民の居住の安定が図られるよう公営住宅等の公的賃貸住宅の計画的整備とともに、コミュニティの維持と良好なまちづくりに努めること。
 五、公営住宅の充実に資するよう既存民間賃貸住宅の借上げ等の促進に努めるとともに、住宅に困窮する低額所得者の民間賃貸住宅に係る支援についても積極的に研究を行うこと。
 六、住宅金融公庫の既往債権に係る補給金は平成二十三年度までのできるだけ早い時期に廃止するとともに、公庫及び都市再生機構の損失や欠損金の早期処理を行い、その処理の方法・進捗状況等について国民に分かりやすく随時公表すること。
   また、国の財政的負担を必要最小限とするため、住宅金融公庫及び都市再生機構の業務の効率化、子会社等を含む組織・人事体制の見直しとスリム化、徹底したコスト削減等が行われるよう指導すること。
 七、都市再生機構の都市再生業務に係る勘定においては賃貸住宅業務とその他の業務との区分経理を厳正に行うとともに、賃貸住宅業務に係る収益については、当該業務の運営に支障が生じないよう、当該業務へ優先的に充当すること。
 八、都市再生機構の建替事業に際しては、居住者の居住の安定を図るとともに、居住者や地方公共団体と充分な意志の疎通を行い、余剰地の活用については福祉施設、公園、公営住宅等公的な利用が図られるよう配慮すること。
 九、地方住宅供給公社の健全な経営に資するよう、地価の実態等を反映した厳格な会計基準の導入と当該会計基準による財務状況の公表について配慮するとともに、設立団体と連携して、地方住宅供給公社の今後の住宅政策上の位置づけについて検討すること。
   また、地方住宅供給公社の解散の認可に当たっては、公社賃貸住宅の居住者の居住の安定と公社の雇用問題について充分に配慮すること。
 十、住宅建設計画法及び住宅建設五箇年計画に替わる新たな住宅基本法制の在り方について、広く国民の意見を求めつつ早急に検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(田名部匡省君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(田名部匡省君) 全会一致と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、北側国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北側国土交通大臣。
○国務大臣(北側一雄君) 公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案及び地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をちょうだいし、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいります。
 ここに、委員長を始め理事の皆様方、委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 大変にありがとうございました。
○委員長(田名部匡省君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会