第162回国会 郵政民営化に関する特別委員会 第4号
平成十七年七月十九日(火曜日)
   午前十時二十二分開会
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   委員の異動
 七月十五日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     櫻井  充君
     齋藤  勁君     神本美恵子君
     山本 香苗君     浜田 昌良君
     近藤 正道君     又市 征治君
 七月十九日
    辞任         補欠選任
 ツルネン マルテイ君     高橋 千秋君
     藤本 祐司君     若林 秀樹君
     浜田 昌良君     山本 香苗君
     小池  晃君     吉川 春子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                市川 一朗君
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                伊藤 基隆君
                平野 達男君
                山下八洲夫君
                弘友 和夫君
    委 員
                愛知 治郎君
                有村 治子君
                岩城 光英君
                小野 清子君
                小池 正勝君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
                関口 昌一君
                野上浩太郎君
                長谷川憲正君
                藤野 公孝君
                山下 英利君
                山本 順三君
                大塚 耕平君
                岡崎トミ子君
                神本美恵子君
                櫻井  充君
                高橋 千秋君
                峰崎 直樹君
                山根 隆治君
                若林 秀樹君
                渡辺 秀央君
                西田 実仁君
                浜田 昌良君
                山口那津男君
                山本 香苗君
                吉川 春子君
                又市 征治君
   衆議院議員
       修正案提出者   柳澤 伯夫君
       修正案提出者   山崎  拓君
       修正案提出者   桝屋 敬悟君
   国務大臣
       総務大臣     麻生 太郎君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
       国土交通大臣   北側 一雄君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 細田 博之君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        伊藤 達也君
       国務大臣     竹中 平蔵君
   副大臣
       外務副大臣    谷川 秀善君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  阪田 雅裕君
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       内閣官房郵政民
       営化準備室長   渡辺 好明君
       内閣官房内閣審
       議官       中城 吉郎君
       内閣官房内閣審
       議官       竹内  洋君
       内閣官房内閣審
       議官       細見  真君
       内閣官房内閣審
       議官       伊東 敏朗君
       内閣官房内閣審
       議官       篠田 政利君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   林  幹雄君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       総務省郵政行政
       局長       鈴木 康雄君
       外務大臣官房参
       事官       佐藤  悟君
       国土交通省道路
       局長       谷口 博昭君
       国土交通省政策
       統括官      春田  謙君
   参考人
       日本郵政公社総
       裁        生田 正治君
       日本郵政公社理
       事        斎尾 親徳君
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  本日の会議に付した案件
○郵政民営化法案(内閣提出、衆議院送付)
○日本郵政株式会社法案(内閣提出、衆議院送付
 )
○郵便事業株式会社法案(内閣提出、衆議院送付
 )
○郵便局株式会社法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構
 法案(内閣提出、衆議院送付)
○郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(陣内孝雄君) ただいまから郵政民営化に関する特別委員会を開会いたします。
 郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上六案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩城光英君 自由民主党の岩城光英です。
 この郵政民営化の法案をめぐりましては明智光秀なる人物が話題になっておりますけれども、私名前がちょっと似ておりますが、光英の英の字が違いますので、どうぞ当面は御安心をなさっていただきたいと思います。時々私のところに郵便で明智光秀の秀の文字で封書が届くときがありますけれども、これを機会に認識を新たにしていただければと思っております。
 さて、委員会での質疑も今日が二日目となりました。これまでの同僚議員の質疑等と重複する点もあろうかと思いますが、答弁をよろしくお願いしたいと存じます。
 まず、竹中大臣に何点か質問させていただきます。
 和をもって貴しとなすという言葉がございます。我が国では古来より、地域社会におきまして、人々がお互いに足りない部分を補い合いながら、助け合いながら、共助の精神をもって共同社会を築いてまいりました。そこが日本のあるいは日本人のすばらしいところだと私は思っております。結いの精神とも表現することがございますが、現在でも、農山漁村あるいは様々な地域でそういった精神が見られ、色濃く残っておるわけでありますが、これはいわゆる競争社会にはなじまないものがあろうかと思います。
 こういった点について、大臣はどのような認識をされていらっしゃるか、まずお伺いをさせていただきます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 和をもって貴しとなす、大変重要な、また深みの、重みのあるお言葉であると思っております。私自身もそのような地域社会の中で育ってまいりましたし、そういう考え方、やはり日本の中にしっかりと根付いた貴重な考え方であろうかと思います。
 同時に、その和の社会、競争の社会というような、何かこう対立した一つの形で単純化して二分法でラベルを張る。もちろん委員はそういうことをおっしゃっておられないわけでございますが、一面では何かそういうとらえ方もあるわけで、そういうその二分法的な考え方ということにはやはりしないようにしなければいけないのだろうと思っております。
 私たちの社会は和を貴びながら、しかし経済の分野では、しっかりとその市場での競争の中でお互いを切磋琢磨しながら緊張感を持って社会が進歩、発展してきた。そして、その結果、私たちの社会が豊かになってきた。その豊かさの中で、新しい形での和をもって貴しとなすという、その形を国民全員がやはり今模索しているのだろうというふうに思っているところでございます。
 今後、日本の置かれた環境、まあ大変厳しい。人口が減少する中で諸外国、周りの近隣の諸国が力を付けて日本がどうなっていくのかと。その中で、やはりしっかりと緊張感を持って競争して切磋琢磨していくということが重要であろうと。同時に、決してそれと相対立するものではないわけでございますから、和をもって貴しとなすというこの精神を私たちの新しい社会、経済、文化の中で定着させていくということが更に必要であろうというふうに思っているところでございます。
○岩城光英君 私は警察官の息子として生まれました。駐在所で育ちました。ですから、子供心に覚えているんですけれども、地域の方々が駐在所にお見えになりましていろんなお話をし、また相談をされていた。言わば一つの地域のコミュニティーの拠点だったと思いますし、郵便局はそれ以上にそういう地域のコミュニティーの拠点として役割をこれまで果たしてき、貢献してきたものと思っております。そういった歴史等も踏まえながらこれから郵政の改革に取り組んでいただきたいなと、こんなふうにまずお願いをさしていただきます。
 さあ、国民の皆さんの大きな疑問が幾つかあります。これまでも既に質疑がありました。重ねての質疑になって恐縮でございます。
 まず、今なぜ民営化なのかということであります。これまでの小泉総理あるいは竹中大臣の答弁では、社会情勢の急激な変化の中で早急な対応が必要である、あるいは、官から民へ、民間にできることは民間にの方針の下に進めてきた改革の本丸であるということでありました。しかし、郵政改革の一つの結論としての公社化、これを政府としてお決めになり、また法案を可決するという形で国会としても決めたのは三年前のことであります。現在、公社において様々な改革が進められており、また公社の中期計画の半ばでもあり、実績も上がり始めている中でなぜ今民営化する必要があるのでしょうか。
 例えば、この法案においては、完全な民営化となりますのは十二年先のことであり、それならば、公社の最初の中期計画の終了、これを待って、その実績を評価、検証してからの検討でも遅くはないのではないかなと、こんなふうにも思えるわけでありますが、大臣の御見解をお示し願います。改めてお伺いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) なぜ今民営化なのかと、とりわけその公社の最初の中期計画の終了を待って、その実績を評価、検証してからの民営化ではなぜいけないのかと、大変重要な岩城委員からのお尋ねであるというふうに存じます。
 郵政公社の現在の経営状況、これは生田総裁の下で公社の皆さんも本当に努力をされて、平成十五年度に引き続きまして、十六年度決算のこれは概要を見ましても、中期経営目標の達成に向けておおむね順調に進捗しているというふうに私も承知をしております。その意味で、現状で差し迫った危機が発生しているとかそういう状況ではないということはもう私も認識をしております。
 しかしながら、例えば郵便物数の減少、そして金融面でも取扱残高の減少など、そうした早急な対応が必要な部門、やはり取り組むべき課題もあるということで、中期経営計画そのものを見ましても、やはり今後の経営見通しは楽観を許されないというところであろうというふうに思っております。
 今、委員御自身御紹介くださいましたが、現在の郵政事業を取り巻く環境を見ますと、これは金融の技術革新などで民間では非常に多種多様な広範な金融サービスが展開されつつあると、物流サービスにおいても、国内の取扱量が減少する一方で、ドイツ、オランダでは郵便会社による国際展開が進行しているという非常に劇的な変化の中にあるというふうに思っております。
 そうした中で、もちろん生田総裁を中心に公社の皆さん大変御努力をなさってくださっているわけでございますけれども、そうした厳しい環境に柔軟に対応しようとしても、やはりこれは公社のままでは、何か新しいことをするに当たって法改正が必要になるなど機動性に欠ける部分もある。競争力の強化でありますとか、リスク分散のための業務の多様化を図ろうとしても、官業である以上、おのずとやはり限界がある。いろんな形を自由にやろうとしても、抑制的にやはりやらざるを得ない、そういう官業としての限界、制約があるというふうに承知をしております。
 もう一つ挙げるとすれば、やはりこの郵政事業の歴史、規模の巨大さにかんがみれば、改革には相当年数の期間を要するということだと思います。今、日本の経済社会は発展の道を行くのか、縮小、停滞の道を行くのか、そういう意味では岐路に立っているという認識、これは日本二十一世紀ビジョンの中にも示されておりまして、そうしたことを踏まえますと、やはり直ちに民営化に取り組むことが必要であるというふうに考えまして、公社としての一期四年を経過しました二〇〇七年四月から民営化を行わせていただきたいというふうに考える次第でございます。
○岩城光英君 今のお話のように民営化が進みますと、近くの郵便局がなくなってしまうのではないかとか、特にお年寄り、車をお持ちでない方々はそういった不安を非常に強く現在もお持ちでございます。
 先日、福島県内のある特定郵便局長さんからお便りをいただきました。こんな内容でした。
 民間会社になれば利益の追求が最優先され、過疎地の特定郵便局や簡易郵便局は次々に閉鎖や人員縮小などに追い込まれます。秩序ある地域社会の象徴となるよう、県内でも郵便局は学校、農協、駐在所と並んで地域の公共機関として大きな役割を担っています。といった内容でありました。誇りを持って業務に精励されているそういったお立場からのお話であります。
 郵便局、とりわけ特定郵便局や簡易郵便局は、先ほど申し上げましたとおり、地域におきまして住民票や年金の受取りなど住民と身近なことでの接点に大きく貢献しております。そして、これから市町村の合併がより進んでまいりますと、いわゆるワンストップ行政サービスの拠点としての役割も、大切な役割も期待されるものだと、こんなふうに考えております。
 省令の案では、過疎地域については現状を維持すると、このように定めておりますが、都市部については現状維持、堅持の内容ではありません。また、将来のこととしまして、省令の改正によりその担保がなくなるという不安も残っているわけであります。
 民営化するといいましても、郵便局会社は特殊会社でありまして、国の関与、監督が当然残るわけであります。ですから、郵便局会社自身の配慮は当然といたしまして、国として、例えば過疎地の郵便局の存続に関してはこれを堅持すると、そう明言することが国民の不安の解消につながるのではないかと、こんなふうに思いますが、いかがでしょうか。
 あわせて、第三種、第四種郵便物につきましては、社会的貢献サービスと、そういった点からこれも是非とも堅持してほしいと願うものでありますけれども、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 岩城委員は、市長として行政の最前線にいらっしゃられたわけでございますから、地域におけるそうしたコミュニティー確保、そうした観点からの郵便局ネットワーク維持の重要性について非常に強い思いをお持ちであろうかと思います。
 私どもも、全国に張り巡らされました郵便局ネットワークは正に国民の資産であるというふうに思っております。したがって、法案におきましても、これは与党と政府の真摯な協議を踏まえまして、国民の安心、利便を守りながらこの資産を十分活用するということを配慮したところでございます。
 具体的には、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務付ける、さらに省令における具体的な設置基準としまして、特に過疎地については、法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定することとしているところでございます。
 その省令の内容として考えていることを更に申し上げますと、これは、過疎地についての設置基準としては、法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とした上で、地域住民の需要に適切に対応することができるよう設置されていること、これが第一。そして、いずれの市町村についても一以上の郵便局が設置されていること。さらに、交通、地理その他の事情を勘案して地域住民が容易に利用できる位置に設置されていること。そういう基準を定めるというふうに考えております。
 さらに、これ過疎地とは何かということがございますから、過疎地の定義としては、過疎地域自立促進特別措置法の過疎地域、離島振興法の離島振興対策実施地域、沖縄振興特別措置法の離島、奄美群島、小笠原諸島、半島振興法の半島振興対策実施地域、山村振興法の振興山村を定めることを考えております。
 また、都市部を含む過疎地以外の地域についての設置基準につきましても、先ほど申し上げた三つの点でございますね、地域住民の需要に適切に対応できることができるよう設置される、いずれの市町村についても一以上の郵便局が設置されていること、そして交通、地理その他の事情を勘案して地域住民が容易に利用することができる地に設置されていると、そういう基準を定めるわけでございます。
 さらに、この郵便局の設置基準に関する省令の制定、改廃に当たりましては、郵政民営化委員会の意見を聞くということにもしているわけでございます。
 大切なことでありますので、もう一点だけ付け加えさせていただきたいんでございますが、この設置基準に基づく郵便局の設置状況について、法案では、毎事業年度、郵便局会社からの事業報告書の提出等によりまして総務大臣が把握して、必要に応じ適切な措置を講ずるとともに、与党との合意を踏まえまして、郵政民営化委員会による三年ごとの総合的な見直しの対象に必ずすることとしておりまして、その結果、必要があれば委員会は政府に意見を述べて、総務大臣において適切な措置を講ずることが可能な仕組みとしているところでございます。
 以上がその仕組みでございますけれども、あともう一点、第三種、第四種郵便についてもお尋ねがあったかと存じます。
 第三種、第四種郵便物につきましては、社会、文化の発展や福祉の増進等という観点から、これは政策的低料金とすることを義務付けているものでございます。大変重要な社会的機能を果たしてきたと思っております。このため、これは民営化後につきましても、改正郵便法案によりまして郵便事業会社に現在と同様の義務付けを行うこととしております。また、郵便事業株式会社法案におきまして、特に第三種、第四種郵便物のうち、盲人用の点字・録音物等の社会福祉の増進に寄与する郵便サービス等につきましては、社会・地域貢献基金からその実施に必要な資金を受けられることとしまして、確実かつ安定的な実施を確保することとしております。
 ちょっと答弁が長くなって大変恐縮でございますが、先ほどのお尋ねの省令のことに関連しまして、省令の改正によって担保がなくなるのではないかという不安、これについても申し述べさせていただきたいんですが、省令で定める設置基準は、これは法律において、利用者の利便性を確保するとの観点から、「あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならない。」と定めている、法律でそう定めていることを受けまして、その趣旨を具体化する基準として定められるものでございます。したがって、国民の利便性に支障が生じるような改正が行われることは、これは考えられないものでございます。
 なお、現行の公社法におきましても、具体的な設置基準は同様の省令で定められているところでございます。
○岩城光英君 今、法案それから省令案につきまして御説明が詳しくありました。ありがとうございます。
 素朴な疑問なんですけれども、現実に過疎、不採算地域の郵便局の維持、これが経営を圧迫した場合どうなっていくのかということがあろうと思いますし、それから地域・社会貢献基金、これにつきましてはあくまでも金融サービスや点字等の郵便等が対象でありまして、これは、この基金は郵便局の設置、維持費は対象としませんよね。この辺についてはいかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には設置基準を定めております。そして、その設置については義務付けを行った上で設置基準を定めております。そして、その設置基準を満たすために、これは郵便料金の問題等々も含めて総合的に、その総務大臣の方でしかるべく総合的な一般監督を行うことになっておりますので、そのような枠組みの中で基本的には郵便局の設置の問題は担保されるというふうに考えております。
○岩城光英君 基金の対象となるかどうかについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な考え方は次のような考え方でございます。
 これは金融サービス等々、地域貢献の金融サービス等々を確保するためにこの基金が使われる。そして、金融サービスを確保するということによってしっかりとしたその経営の基盤もつくられるわけでございますから、それを通じてその郵便局の設置も担保されていく。基金とその設置との関係を申し上げれば、今申し上げたような関係になるというふうに考えております。
○岩城光英君 今の金融サービスが続けられるかどうか、これもまた国民の不安の一つでもあるんですね。その点につきましては義務付けをすることはありませんけれども、四つの担保措置ですね、例えば設置基準、あるいは長期代理店契約、あるいは基金で対応する、あるいは株式の連続的保有、こういったことによって金融サービスを確保するということでこれまでも答弁されておりますけれども、将来的にみなし免許での代理店契約で移行期が終わったときにこの代理店契約が断られる、こういった可能性もあると思うんですよね。この不安につきましてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 前の金融サービスが、金融のユニバーサルサービスは義務付けないわけでございますが、しかし金融サービスが大変地域にとっても重要であると、国民にとって重要であるということを強く認識をいたしまして、委員御指摘のとおり、何段階もの措置をとらしていただいております。
 委員のお尋ねは、移行期が終わった段階でどうなるのかということでございますけれども、具体的には、まず私たちの考え方というのは、サービスの拠点を確保することが重要でございますから、それは今御説明させていただきました設置の基準等々でしっかりと拠点をまず確保していく、これは移行期の後もこの設置基準が残ってしっかりと設置をされるわけでございますから、まず拠点が確保されるということでございます。
 そして、長期安定的な代理店契約についてはもうこれは御説明申し上げませんが、その後でございます。その後についても、郵便貯金銀行、郵便保険会社にとって、これは郵便局ネットワークというのは健全かつ安定的な業務運営のためにこれは当然当事者として重要でございます。
 また、仮に新たな、新たに自前の店舗網やその保険業務の募集体制を整備することにはこれは膨大なコストが掛かりますから、また郵便局会社にとってはこれは収入の大宗がこの金融サービスから得られている、このようなことを踏まえますと、これは郵便貯金銀行や保険会社から見ても、また郵便局会社から見ても、やはり全国一括の代理店契約を継続するというそのインセンティブが当然に働いて、基本的にはこれに基づいて各郵便局において引き続き貯金、保険のサービスが提供されるであろうというふうに考えられます。
 しかし、それでも、それでも仮に過疎地などの一部の郵便局で貯金、保険のサービスの提供が困難になるような場合には、ここで社会・地域貢献基金等々を活用していただいて、地域にとって必要性の高いサービスの確保を図るというふうにしております。さらには、移行期終了後の株式持ち合いを認めることによって、これは経営判断で必要であれば、それを認めることによって一体的経営を可能にしている。これらによりまして、民営化後も過疎地を含めて郵便局における貯金、保険のサービスの提供がしっかりと確保されるというふうに考えております。
 民有民営の実現後は、この貯金銀行、そして郵便保険会社は普通の銀行、普通の保険会社になりますので、特別な規制を課し続けることは、これは民営化の趣旨に反します。したがって、代理店契約を法的に義務付けるというのは移行期間中に限られるわけでございますけれども、移行期間を超えて長期安定的な代理店契約を締結することはまた妨げられておりません。
 また、その契約期間満了後においても、今申し上げましたように、その経営者の判断とそして基金等の仕組み、そして一体的経営等、必要に応じては一体的経営等々によりまして、代理店契約が更新されていくものというふうに考えているところでございます。
○岩城光英君 今お話がありましたその基金なんですけれども、この規模は果たして過疎地の金融サービスを維持していくのに十分な額なんでしょうか。修正前の一兆円という規模につきましては、赤字郵便局を二千局として、一局当たりの赤字幅が六百万円で、全体で百二十億円。点字郵便等の赤字六十億円を足して基金全体では百八十億円の運用益が必要で、その運用利回りが年利一・八%で計算されたということでありますけれども、政府の試算のより具体的な根拠を教えていただきたいと思います。
 また、あわせて、基金の運用先としてどのようなものをお考えなのか。それから、運用益に対しての課税はあるのか。あるとすれば、運用可能な額も減額となってしまいますので、その辺もお教えいただきたいと思います。
 いずれにしましても、最終的に、これらすべてを考慮した結果、基金は過疎地の金融サービスを維持するのに十分なものになるのかどうか、その辺を併せてお示しいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基金に関しまして総合的な観点からのお尋ねがございました。
 この基金の算定の基礎でございますけれども、具体的なお尋ねでございますので数字を申し上げたいと思いますけれども、まず、局数としては、具体的には一局当たり六百万円程度の費用で、これは二千局程度で地域貢献業務が実施されるというふうに考えております。二千局程度で六百万円ということで百二十億程度ということでございます。
 具体的には、二千局の大宗、これ千八百局程度は過疎地の最前線にある小さな郵便局としまして過疎地域等の無集配特定局を想定しております。そのほかに集配特定局の中でも一部の局が対象になり得るものとして、合計二千局程度というふうに見積もったものでございます。
 そして、一局当たりの必要額でございますけれども、過疎の最前線にある小さな郵便局が地域貢献業務の対象となる可能性が高いことから、これ過疎地域の無集配特定局を想定しまして、そこで貯金、保険のサービスを効率的に実施してもなお生じ得る平均的な収支差額、この収支の差額、六百万円程度というふうに見積もったものでございます。
 地域貢献としては以上のようなもので基礎でございますけれども、社会貢献に関しましての基礎でございますけれども、これは心身障害者団体が発行する定期刊行物、これは第三種郵便物でございますけれども、約五十億円、そして、盲人用点字・録音物、第四種郵便物で約十億円、最大で六十億円程度というふうになると考えております。
 具体的には、これ算定の方法は、それぞれの一通当たりの費用から一通当たりの収益を差し引いた額にそれぞれの平成十五年度の数、通数ですね、何通あったかということを乗じて収支差額をこれ計算したものでございます。
 二つ目のお尋ねは課税であったというふうに思います。
 この基金の運用益に関しましては、これはまあ基金といえども運用益でございますので、これに対しては通常の課税がなされるということになっておりますけれども、これを交付する場合については、これは通常でしたら寄附金の課税が適用される場合が考えられるわけでございますけれども、これは必要な額についてはきちっと経費としてみなすということで、これはつまり、この分について交付する額については損金算入がなされるということでございます。そういう形できっちりとこの役割を果たしていただきたいというふうに思っているところでございます。
 そして、運用先としてどのようなものかというのが第三点の質問であったかというふうに思います。
 基金の運用方法につきましては、これは日本郵政株式会社法第十三条第六項におきまして、「会社は、総務省令で定めるところにより、確実かつ有利な方法により基金を運用しなければならない。」というふうに定めております。
 したがいまして、この運用ルールについては、具体的には総務省令により規定されることになりますが、いずれにしましても、基金は、社会、地域にとってその実施が真に必要なサービスを確実にかつ安定的に提供することを可能とする仕組みでございますので、この点にかんがみまして、運用の失敗による基金の減少が生じないよう、また一定の運用利回りが確保できるよう、国債等の確実かつ有利な方法とする必要があるものと考えているところでございます。
 この運用益に関するものに関してはいったん益金に算入されることになりますが、郵便事業会社及び郵便局会社に社会・地域貢献資金として交付する運用益分については寄附金の額に含まれない。これは先ほど御説明させていただいたとおりでございます。
○岩城光英君 それでは次に、民営委員会による三年ごとの総合的な見直し、今回修正された部分でありますけれども、これについてお伺いいたします。
 先週の十三日の本会議で、小泉総理はこの件につきまして、経営形態の在り方を含めた郵政民営化に関する事項全般について何らかの問題が生じているようなときには、その問題点についても見直しを行うこととなると考えられると、このように答弁されております。
 そこで、何らかの問題が考えられるとすれば、どんなものであり、どのような対応が可能であるのか。経営形態も含め、もう少し具体的なその検討の内容についておただしをいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 見直しの問題でございます。
 この三年ごとに行われる見直しは、郵政民営化の進捗状況についての総合的な見直しでございまして、見直しの対象には郵政民営化に関する事項全般が含まれるところでございます。
 この見直しの対象には、この経営形態の在り方のほかに、貯金銀行、保険会社の株式の処分の状況でありますとか、経営の自由度の拡大の状況でありますとか、郵便局株式会社における郵便局の設置の状況等々がありまして、これらに関して、この郵政民営化法に定められた理念、方向に即して、問題があれば意見を述べるということに相なります。
 例えばでございますけれども、十年までに、十年後までに郵便貯金銀行、郵便保険会社の株式を完全処分する義務があることや、株式市場の状況等を踏まえて郵便貯金銀行、郵便保険会社の株式の段階的な処分が適切に行われているかどうか、そして経営の自由度の拡大と民間のイコールフッティングの確保のバランスが崩れて民業圧迫になっていないか、あるいは逆に、経営の主体性、健全性が損なわれていないか等々勘案して、問題があれば民営化委員会は意見を述べて、適切な対応をこの郵政民営化推進本部に促すということになるわけでございます。
 この総合的な見直しは、郵政民営化に関する事項全般に行われるものでございます。経営形態の在り方についても、したがって、例えばガバナンス強化の観点から委員会等設置会社にするか否か、種々の論点があろうかというふうに思っております。
○岩城光英君 経営形態の在り方の見直しにつきましてはこんなことも考えられると私は思うんですが、例えば、民営化を進める、推進する見直し、それと違う反対の、民営化についてストップを掛けるような見直しも、これも対象になると思うんですよ。
 例えば、民営化を進める見直しだと、完全民営化の前倒しとか、あるいは特殊会社を純粋な民間会社にするとか、あるいは地域分割を行うとか、それは推進する方の見直しです。逆な見直しといいますと、三事業一体、分割することをこれを見直すと、あるいは民営化そのものを見直して公社とか国営に戻すと。問題点があった場合にはそういったことも見直しの対象となると私は考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この郵政民営化は、国民の利便の向上及び経済の活性化を図るために行われるものでございます。郵政民営化は、こうした目的に照らして、経営形態の在り方を含めた民営化に関する事項全般について何らかの問題が生じているようなときには、これは郵政民営化法に定められた理念、方向に即して問題点についても見直しを行うことになるというふうに考えております。
 現状で基本的な枠組みそのものを私たちはベストだと思って出しておりますが、そうした方向に即しつつ、同時に民営化に関する事項、これは国民の利便の向上、経済の活性化を図るというその目的に照らして、事項全般にわたって何らかの問題が生じているようなときはこの見直しを行う、そうした議論をしていただくということになろうかと思います。
○岩城光英君 最後の質問になりますけれども、新しい郵便局のイメージ、これについて具体的にお教えいただきたいと思うんですが、大臣がこれまでの答弁の中でコンビニ化、そういったお話されたこともありました。コンビニ化につきましても、取りようによっては、いい方向で取る場合とそうじゃない方向で取る場合と、国民の間でも意見が分かれるものと思います。また、都会と地域によってその在り方が違うものと思います。
 先般のお話の中で大臣は、地域に密着した貢献できる拠点あるいは地域の活性化センターとしての意味合い等も持たせたい、このようなお話があったかと思いますが、具体的にもうちょっと分かりやすくその姿をお示しいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御答弁の前に、先ほど、郵政民営化はこうした目的に照らして民営化に関する全般事項について云々と申し上げましたが、郵政民営化委員会でございますので、訂正をさせていただきます。
 お尋ねは、具体的なイメージでございますけれども、基本的に申し上げられる点は、やはり民営化後の郵便局というのは、郵便、貯金、保険や、更に地方公共団体からの受託事務等、郵便局がこれまで提供してきたサービスを引き続き地域に密着して提供すると、これはやはり重要なことであろうかと思います。そして、それに加えて、民営化により経営の自由度を得ることによって創意工夫を生かして、地域のニーズに応じて多様な新規サービスを提供する拠点として地域住民の利便の増進に寄与していくと、そういうことであろうかと思います。
 具体的には、これ全国津々浦々の郵便局におきまして郵便、貯金、保険のサービスが提供され、それが地域の人々の生活を支えてきた、そういうことについて、これまでの活動の重みについて十分に私たちも認識しているところでおります。法案におきましても、与党との真摯な協議を踏まえまして、まずこの拠点をしっかりと確保する、郵便局をしっかりと設置する、そして従来どおり郵便局において郵便、貯金、保険のサービスがしっかり提供できるような実効性のある幾つかの仕組みをつくっているところでございます。それに加えて、官業であるがゆえの制約として業務範囲がこれまで限定されていたわけでございますけれども、それとは異なって、民営化された後は経営判断で郵便ネットワークを活用して多様な業務に進出することを可能としているところでございます。
 郵政民営化の準備室が本年三月に作成した採算性に関する試算におきましては、そのイメージの一つの想定として新規業務を掲げておりますけれども、株式の仲介、投資信託、生命保険、変額保険、損害保険の販売、資産の活用、新たな資産、不動産等々の資産活用、そして物品販売、住宅リフォームの仲介を行う等々、そうしたことを前提に試算も私どもはさせていただいております。
○岩城光英君 ほかに国際物流の問題等についても通告をしておりましたけれども、時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○山下英利君 自由民主党の山下でございます。
 岩城委員に引き続きまして、関連質問をさせていただきたいと思います。もう時間が限られておりますので、前置きは抜きにさせていただいて、早速質問に入らせていただきたいと、そのように思います。
 先ほど岩城委員の方から質問もございました。度々言われている話の中に、なぜ今民営化なのかというところ、これがもう引き続きいろんな角度からの質問という形で出てくる話だと思っております。私自身も、地元行きますと、いかに身近な郵便局が国民の間に定着しているか、しかもそれは過疎化の進んだ地域だけではなくて、いわゆる地方都市の中でも、本当にきめの細かいサービスをやっているということが地域住民の皆さんにどれだけ評価を受けているかということを肌で感じている者の一人であります。
 したがって、この今回の民営化においては、従来郵便局がやっていた仕事というのは、民間の意識から見ると過剰という、過剰サービスというぐらいの表現が当てはまるようなきめの細かいサービスをしているということから、地域の住民の皆さんから大変な信頼を受けていると。それは本当に、フェース・ツー・フェースと申しますか、もう相対でお互いがよく知り合っている中で信頼関係を築き上げるといった長年の努力を積み重ねてきたというところがございます。また、そういったところを今回の民営化の法案の中でこれからしっかり担保していけるのかというところが一つの大きな争点だと私は思っております。
 そして、もう一方では、先ほど大臣も御説明になりました三百五十兆円という大変大きな金額が今国から国に流れていると。小泉総理おっしゃいますように、民間の活力をそこに入れて、そして経済の活性化に資するべきであるというお話についても、またこれも一つ大きなポイントだと。言ってみれば、どっち、両方を追っ掛けた場合に何が起きるのかということをしっかり見ていかなければいけないと、そのように思っております。
 岩城議員の、岩城委員の方から、今後の郵便局に関しての質問も多々ございました。そして、私自身がこの今回の民営化について一言竹中大臣にお聞かせをいただきたいのは、今回の民営化法案が出るときに際して、なぜ四社の完全民営化というプランが出てきたかというところが、私はちょっと知りたいなと思っております。
 なぜかと申しますと、本来、事業採算というものを考える、そして新しい民営化の民間会社としてしっかり立ち上げることを考えた場合には、やはりその採算というものをしっかり支えられるような、そういった民営化をしていかなければいけない。そして一方で、やはり公的なサービスも含めた不採算の部分が残るところは、これはやはり官の仕事ではないかと、官の仕事の位置付けというものを残しておかなければいけないんではないかと。そのような考え方の中で、一部の民営化という考え方が実際検討の中で行われたのかどうか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
 例えば、公社を残して、例えば郵便局の窓口会社ということではなくて公社という形を残して、いわゆる事業部門をいわゆる分社化して民営化するとか、やはり全体の採算、そして個別の採算、それと個別の将来像を踏まえた上でのいろんな面での検討をされたのかというところは、一つお聞きをしたいなと、そのように思っております。
 ひとつよろしくお願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 山下委員のお尋ねは、基本的には、まず分社化した理由、そしてその中で官の仕事をどのように位置付けたのかと、そういうことであると存じます。
 まず、これは一般的な言い方になりますが、やはり分社化をなぜしなければいけないかということに関しましては、これは郵便の事業、そして窓口の仕事、貯金という銀行の業務、保険の業務、これはやはり非常に特性の異なる四つのそれぞれの機能を有しているということだと思います。
 そこで、一つの事業の損益状況が他の事業に影響を及ぼすというようなことは、これは未然に防がなければいけない。この点、実は金融に関してはとりわけ重要であろうかと思います。金融と商業というのはやはり分離をしていただくというのが、これは金融の一般的なルールであるというふうに考えるわけでございます。そうしたことを考えると、やはり互いの損益がお互いに影響を及ぼさないようにするような意味で分社化をする必要がある。
 そして、四つの特性、異なる特性と申しましたが、各機能、それぞれやはり専門性を高めていただきたい。物流においても、また流通においても、また金融においても非常に技術革新が進んで、その専門性を高めるということが、これは喫緊の課題として求められているということであろうと思います。そして、さらには、これは機能ごとに効率的な経営が行われなければいけない。経営の責任も明確にしていただく必要があるでしょうし、そういう意味で実は分社化していただくことが結果的に良質で多様なサービスを安い料金で提供することを可能にする、そして国民の利便性を高めると、そのように判断をしたわけでございます。
 その際に、山下委員おっしゃるように、しかし郵便はユニバーサルサービス義務もあるんだから非常に公的な機能が強い、それを官で一部やって一部民営化するという方法もあったのではないか。これは当初から、その機能を議論する段階でいろんな可能性を私どもとしても考えて議論をさせていただきました。そうした結果として、実は、公的な色彩の残る郵便事業や持ち株会社等については、これは商法の一般法人ではなくて特殊会社にすると、民営化をしてやはり民間の活力を発揮をしていただきたい。
 しかし、その特別のやはり役割を担う特殊会社として今回設立するということを考えているわけでございますので、ここは国に残したらどうかというような議論も当然ございましょうし、そういう国もございますけれども、日本の実態を考えた場合に、これはやはり特殊会社として民営化をしていただく、いろんな創意工夫をそこに入れていただく、その公的な機能については特殊会社としての法律の枠組みの中でしっかりと担保していただく、それが分社化に当たっても極めて重要な一つの考え方になろうというふうに結論を導いたわけでございます。
○山下英利君 今の竹中大臣の、質問の中で、それぞれの会社が専門性を高めると、これは郵便、それから貯金、それから保険と、専門性、もちろんあります。じゃ、窓口に専門性といった場合に何を求めるんですかというふうな私も疑問がわいてくるところであります。実際、この窓口業務のみを行う民間会社というのは、全国ネットワークのような会社、私はほかに余り存じ上げませんので、これは新しい社会実験ではないかなというふうにぐらい思うわけであります。
 それで、先ほど岩城委員からのお話が出たとおり、この窓口会社をわざわざ民間にして、それで維持していくということにいろんな手だてを講じているわけでありますけれども、やはり地方のそういった不安感を本当に打ち消せるのかというところに次々質問の趣旨が集中しているんではないかというのも、この窓口会社というものがどうやって採算を取っていくんだというところがやはりすとんと落ちてこないという部分が大変大きいんではないかなと、私はそのように思っています。
 したがって、先ほども申し上げたように、やっぱり、やはりこの窓口会社、郵便局という存在、それを独立したものとして考えるべきなのか、あるいは一つの特定事業の中に入れ込んでしまって、あとほかの事業はいわゆる今回言われている代理の、代理店制度であるとか、そういった形で集約をするということも十分私は検討の中であり得た話ではなかったのかなと思いますので、この窓口会社だけ分離したと。
 そもそもこの民営化というのは、全部とにかく民間にして、それで立ち上げてみるというような発想というのがそこにあったのかどうか、それについてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 窓口会社の性格付け、位置付け、なぜなのかというのは大変重要な点であろうかと思います。
 一つその前に、どういう専門性があるのかというお尋ねでございますが、私は、やはりこれは対顧客サービスでございますから、特に郵便局の場合、既にそういう私は基盤を築いているわけでございますが、正に地域密着型、コミュニティーに同化してしっかりと対顧客サービスを展開していく、その強みを今後更に強めていただくというのが一つの特性の生かし方であろうかというふうに思っております。
 そこで、窓口業務の考え方でございますが、これは分社化をする、民営化、分社化をする。我々の基本的な考え方は、やはり民にできることは民に、そして極めて厳しい環境変化の中で民間の活力を発揮していただく必要がある。そこで民営化する。民営化するに当たっては、これはやはり各機能ごとに強みを発揮していただくという形で分社化をさせていただく必要がある、そのように考えたわけでございますが、そのときなぜ窓口が独立するのかというお尋ねであろうかと思いますけれども、郵政は、今申し上げましたように、民営化する以上、金融の一般的ルールに従ってやはり金融と商業、銀行と保険を分離する必要があるだろうと、これが第一の、第一弾の考え方でございます。
 そして、金融と物流は全く異なった特性を持つ事業会社でございますから、これは専門性を発揮するためにはそれぞれ別会社に分社化する必要がある。その上で国民の利便性を低下させないように、つまり従来同様郵便局において貯金、保険、郵便の三事業が提供されるようにするためには、国民に対するサービス提供の直接の窓口をこの三つの事業会社から独立させて、この窓口会社が三つの会社からサービスを受託する形にする必要があるというふうに考えたわけでございます。
 さらに、この国民の貴重な財産であります郵便局ネットワークを、郵政三事業だけにとどまらずに、地域と密着した幅広いサービスが提供される拠点としてより多くの国民や企業が活用できるようにするためにも、郵政公社の窓口ネットワーク機能を他の三事業から分離して、郵便局会社を窓口業務に特化させることによってその潜在力を十分に発揮させることが重要であるというふうに考えたわけでございます。
 ちなみに、イギリス、オランダ等々もそのような形で郵便局の会社というのを独立させているところでございます。
 委員御指摘のように、それで採算が合うのかどうかという御懸念であろうかと思いますが、これ、私どもの骨格経営試算等々によりまして、採算性に関しましてもこれは十分に可能であるということ、さらに新たな新規業務の実施によってその利益を上積みする可能性があるということをお示しさせていただいているところでございます。
○山下英利君 今の質問、質問じゃない、御説明の中で、各事業会社が専門性を高めていくという話になったときに、これは過疎地以外でも、要するに都市、都市部の郵便局でも、職員が大体三人とか五人ぐらいでやっている郵便局一杯あるわけですよ。その三人とか五人ぐらいが地域を、しっかり密着してやっている。今大臣がおっしゃったその地域の顧客サービスという点での専門性を高めていただくということになれば、今後、民間会社であればいかに自分のところの商品を相手のニーズに合わせてセールスしていくかと。そういう状況になったときに、保険とそして預貯金、あるいは今後は融資まで出てくるという話です。それと物流と。
 そういった多岐にわたるところのそれぞれ専門性がどんどん進んだところをどうやって取捨選択していくのかと、これを一つの窓口に行うというのは私は実質無理だと思います。ということは、必然的に幾つかの郵便局が統廃合をさせて、そして人数をある程度キープした上でその地域のマーケティングをやるというふうなことになりかねないんではないかと思いますが、大臣のお考えはいかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 山下委員がおっしゃいましたように非常に、これ業務の内容をどの程度多様化させていくのかという問題であろうかと思います。
 今現実問題として郵便を扱い、そして貯金を販売し、保険を販売するという仕事をしておられる、預金の受け払いをしておられるわけでございますので、その上で既に窓口において異種の仕事をしておられるということだと存じます。これ、融資等々は郵便局が融資するわけではございません。融資のあっせんとか紹介等々はこれは可能かと存じますけれども、そこは業務の組立て方としては今後さらに経営者の下でいろんな可能性を考えていただく。
 委員がおっしゃったように、物すごく専門性の高い高度の仕事を、たくさんの商品を扱うという、そういう拠点店のようなものをつくるというものもあり得るのかもしれません。しかし、それぞれ取り扱う商品は拠点店ほど多くないけれども、やはり地元密着型のサービスをすると、そのような組立てもこれはあり得るわけでございますので、そこは委員おっしゃることは私なりに理解できるつもりでございますが、そこは正に経営の中できっちりといろんな組立てをしていただき得る問題であるというふうに思っております。
○山下英利君 今の大臣の御説明によりますと、だからそういうことは経営の判断というふうに行き着いてしまうわけなんですけれども、そうなったときに、今この郵政の民営化の法案を審議しているのを見ている国民の皆さんが、じゃ自分のところの身近な郵便局どうなるんだろうかということに対してのやっぱり不安感というのはこれはぬぐえないと思うんですね。ですから、その辺は設置基準であるとか、やはりこの郵便局ネットワークの在り方についてもう少し具体的な話がやはりこれから詰めていかなければ、この郵便局のネットワークについての更なる理解というのは私は大変なんではないかなと、そのように思っています。
 そして、もう一点ちょっと、完全民営化の、分社化について私が御質問させていただきますと、通常、企業の場合には、いわゆる収益を生むプロフィットセンターとそれから費用を賄うコストセンターというのがあります。今回の分社化の場合には四社にすべてプロフィットセンター、それからコストセンター分かれるような、コストセンターが分かれるような格好になりますですね。
 例えば、システムの問題にしても、やはりそれぞれの事業に合わせたシステムという形になろうかと思います。通常、やはり効率的なその先の民間企業経営を足腰強く出していく場合には、やっぱりできるだけそのコストを軽減してやるという考え方からいえば、例えば効率化とそれからもう一つは安全性ということから考えると、このシステムの問題というのは大変大きい問題だと私は認識しております。
 特に金融の部分においては、大臣も金融担当の大臣をやっていらっしゃるからよくお分かりになると思いますけれども、システム一つが障害を起こして大変な状況を巻き起こすということは過去にもありましたし、やはり合併をする場合でも、まあ今回は分社ですけれども、システムに対してはもう慎重の上にも慎重な対応をしなきゃいけないということは、これは現場の人間としてはもうごく当たり前のことで、今回のこの民営化の法案で本当に六か月というまあ猶予期間が設けられていますけれども、私もシステムの専門家ではありません、だけど本当に責任を持ってこれだったらこのシステムいけますよということをしっかり明言していただかなければ、こういったシステムにはなかなか、もし将来、将来というか、分社化してトラブルが起きたときに大変な問題になるということは御認識をいただいていると思います。
 そういった中で、やはりこのコストセンターを一つにまとめるというのも一つのプロセスの中のやり方ではないかなと思います。例えば、システムを一本化をしておいて、それで個々の事業会社に対してリースをする、リース供与をするというようなことも私はできるんでは、できる部分があるんではないかなと思いますけれども、安全性とか採算性を考えてこういった計画というのが実際検討されたかどうか、お聞かせください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員は今システムを例に取られて、その上でコストセンターのようなものを別に独立させて持つという方法もあるんではないかという、大変重要な御示唆であると思います。
 まず、システムそのものは大切だと、もうそのとおりだと思います。そして、これは本当に大丈夫かということに関しては、正にそういう懸念がないようにするために、御専門家に集まっていただきまして例のシステム検討会議を開かせていただいたわけでございます。その結論につきましては、もう委員御承知のとおりでございます。
 このコストセンター、つまりシステム等に費用が掛かって利益の見込まれない分野については、当初この一括したコストセンターとして一まとめにしておいて、利益の生ずる部分から例えば必要があれば順次分離していくと、そういうやり方も考えられるのではないか、そういうことも検討したのかということでございます。
 まず、検討したのかということにつきましては、情報システム検討会議におきましては、その全体のリスクのことでございますので、それをどのように形でやるかということについての具体的な検討は行ったわけではございません。
 この具体的な構成をどのようにするかというのは、これはまあ経営者の御判断もございますけれども、具体的には制度設計上は、承継計画において各システムの所有権をその特定の一社にしていくのか分断するのかという形の中で、経営委員会の判断等々も含めてこれは決まっていくことになります。
 その手続の中、これは手続は大変厳密な手続を踏んでいただきますので、最終的には総務大臣が、主務大臣が認可するということになりますので、その中で議論を詰めていかなければいけないと思います。その意味で、特定の会社がコストセンター的な機能を担うことは、これはあり得ることであるというふうに思います。
 ただ、利益が出る事業から順に分離していくべきというようなお考えも確かにあろうかと思うんですけれども、分社化後の各会社の利益について申し上げれば、これは骨格経営試算等々でしかるべく私たちも試算をしております。それによって、新事業をすべて行った場合の民営化四社の税引き前の利益の合計は一兆円強にもなり得るという試算を示さしていただいた。したがって、その費用の掛かる部分を、部門をコストセンターとして一まとめにするかという話は別次元の話としまして、制度設計上の大枠としまして、二〇〇七年四月の民営化当初から四分社化することに特段の問題はないというふうに考えているところでございます。
 分社化の意味は先ほど申し上げましたとおりでございますので、今委員の御指摘の問題意識については、そういう中で、プロセスの中で厳密に我々も対応してまいります。
○山下英利君 システムの問題というのは、やはりこれからシステムを構築するその費用という部分よりも、むしろ安全性という部分の方が私は大きいと思います。
 したがって、今回の民営化案の中でも、やっぱりシステムを中心にしてやっぱりそのステップというものを検討したかどうかというところというのは、我々この民営化法案を見たときにやはり一つの、一つの安心材料になると思うんですね。それがないということについての、やはりこれからまた再度、私も機会があればもうちょっとまた別な切り口から質問をさせていただきたいと思います。
 そして、私も時間が限られているので、今日はもう郵便局の件についてはこの辺でやめておきたいと思いますけれども、移行期間中の経営についてお伺いをしたいと思います。
 まず、金融担当大臣にちょっとお伺いをしたいんですけれども、私も参議院の財政金融委員会におります。それで、今日、この特別委員会の中には参議院の財政金融委員会からメンバーも随分横にシフトしているような状況であります。ですが、それ以外の方もいらっしゃるので、改めて、今回の民営化について言うと、例えば郵便局でもやっぱり金融商品、要するに貯金とそれから保険というものを扱っている店舗がやっぱり多い、七〇%とか、特定局でね、というような話も聞いております。
 そういう中で、これから金融という部分について市場が、いわゆる金融コングロマリット化なんという言葉が最近よく使われますけれども、市場の動向、それから今後の展望と金融庁のこの動向に対しての対応方針、これをまず金融担当大臣からお聞かせください。
○国務大臣(伊藤達也君) 委員からは金融コングロマリットについてお尋ねがあったわけであります。
 近年の金融をめぐる環境を見てみますと、その製販の分離でありますとか、あるいは販売チャネルの多様化、こうしたことが進行することによって、業態の枠を超えた組織形態やあるいは取引が急速に拡大しつつあり、業態別子会社の設立や金融持ち株会社の解禁等の規制緩和が進む中で、金融コングロマリット化の進展が見られているところであります。
 金融コングロマリット化につきましては、シナジー効果等が生じる可能性がある一方で、利益相反の発生や、内部取引によるリスク拡大のおそれがある等の指摘がなされております。
 こうした問題提起を受けまして、現在、各業態別に設立されている国際機関を母体として設立をされたジョイント・フォーラムにおきましても、金融コングロマリットの監督上の諸問題について国際的な議論がなされているところでございます。
 こうした状況の下で、金融庁といたしましては、金融改革プログラムやあるいは工程表に沿って監督上の着眼点をまとめた金融コングロマリット監督指針を公表したほか、金融機関の企業・グループ形態の複雑化に対応した法的な枠組みの在り方について、国際的な議論も踏まえつつ、リスクの遮断や健全性の確保を含め、幅広い観点から検討を行う必要があると考えているところでございます。
○山下英利君 そういった目まぐるしい金融市場の変化の中で、今回のこの郵政の民営化の法案のいわゆる金融部門というのが、移行期というある一定の時期があるわけでございます。
 しかし、その移行期の間に諸所の手当てをしなければ、要するにこの金融、金融市場の波に乗り遅れてしまうと。言ってみれば、もうここ一年、二年で目まぐるしく変わっている金融市場の動向に対して、やはりこれから先の民営化会社としての足腰をつくるためにはいろいろやらなきゃいけないと思うところもあるんだけれども、実はそこのところが規制が掛かっているという部分あるわけでございますよね。
 例えば、今回の郵貯銀行あるいは保険会社といった中で、子会社の取得制限とか保有制限あるいは合併等の制限がそれぞれの業法で課せられているわけです。そして、そして一方では、そういった制限の中で目まぐるしく変わる市場に経営者を民間会社として送り出すわけでありますから、できるだけ早くここは完全民営化をしてあげないと、企業としては本当に出遅れてしまって、もう、全然もう勝負にならないというところが出てくるんではないかと思うんですよ。
 ということは、この郵貯銀行それから保険銀行における完全民営化、一応の準備、移行期間というのが書いてありますけれども、竹中大臣の頭の中には、どれぐらいの期間でこれは民営化しないと、完全民営化しないと今の金融市場に乗り遅れるかもしれないと。言ってみれば、今の金融コングロマリット化の中で、要するに持ち株会社の下にいわゆる保険業、それから銀行、それから保険会社と、そういった形の一つの大きな傘の下にできるグループ、グループ化というのは、これからこの市場に、市場において競争力を増すために、持つためにはもう必須のものだという形で今民間が動いているわけであります。
 そういう中にあって、この移行期間というのはどういうふうにとらえていらっしゃいますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 財政金融にお詳しい委員の御指摘、誠にごもっともだと思います。
 まさしく委員がおっしゃっているのは、正に早く民営化する必要があるということを言ってくださっているんだというふうに思っておりますけれども、この十年のその期間をどのように考えるかと、移行期間をどのように考えるか。これは、こういう物事というのは、動き始めますとやはり非常に加速的に物事が進んでいる可能性、いく可能性というのも私は十分にあると思っております。その意味では、非常にビビッドな金融市場に対応して、しっかりと早め早めのいろんな対応を取っていただきたい。
 郵政民営化委員会というのは、正にそうした状況も踏まえまして、経営の自立性、自立度、そしてイコールフッティングとの関係を踏まえながら、運用の気持ちとしては、これは民営化はそもそも経営の自由度を認めると、自由度を拡大するために民営化をするわけでございますから、できるだけそうなるような形で民営化委員会の議論もなされていくであろうというふうに私は考えております。
 十年が長いか短いか、いろんな御議論があろうかと思いますが、日本、これだけ大きな市場を、大きな機関を日本の市場にソフトランディングさせるために、しかし金融環境、激しく変化しておりますから、その意味ではできるだけ早くそのような民有民営を実現していただきたいと私自身は思っております。
○山下英利君 民営化するんであれば早い方がいいということだと思うんですよ。しかし、今の現状のボリュームで民営化して、私が今申し上げたように金融コングロマリット化を進めて市場に出ていった場合には、これは今度最大のいわゆる民業圧迫という形になるわけであります。
 実際、金融業界あるいは保険業界の方からいろんな要望も出ていたことは大臣も御存じだと思いますけれども、要するに、郵貯というのは今まで、国が預かって国でもってその運用をするということで、市場に出てないということで一つのすみ分けができていたわけです。私も銀行にいたときに郵便貯金とはもう競合いたしました。競合しましたけれども、郵便貯金というのはこれは国が投資をするお金を要するに財政投融資あるいはそういった形で、実際に市場とは競合しないんだということで、ある一定のすみ分け付けていたわけです。
 それが今回はそうでなくて、後でちょっと谷垣大臣にもお聞きをしたいと思うんですけれども、財投の改革をやっています。言ってみれば、巡り巡って国債に回っているというふうな部分もあるんですけれども、そういった中で、本当にこういった巨大戦艦というか、もう本当にばかでかい銀行というか、総合金融機関が市場に出た場合に弱小金融機関というのは太刀打ちできないと。
 しかも、そういった大きな金融機関をしっかりと経営を支えていくんだという形で体制をつくっていくということに対して、これは大臣、どうお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 山下委員、正にすみ分けとおっしゃいましたが、そのすみ分けを未来永劫やっぱり続けることはできないということなのだと思います。その意味で、健全な資本市場の中に吸収統合されていく必要があると。それが民営化のマクロ的な一つの背景になっていると思っております。
 委員は今のボリュームのままで民営化されればというふうに御表現されましたが、ボリュームがどのぐらいになっていくかというのは今後の課題ではございますが、少なくとも新勘定と旧勘定に分かれます。
 旧勘定は、その主たるものである定額貯金は十年でゼロに間違いなくこれはなります。
 新勘定はゼロから出発をいたします。そして、そこは民間の機関として、政府保証も付かない預金を集めて自らの力で運用する。民間の金融機関としての資産負債運用、ALMが求められますから、運用できるのであれば集めるし、運用できないのであれば集めないという一つの規律がそこで掛かってくるわけでございます。そういう中で民間と同じ条件で仕事をしていただく、その中で適正な規模も実現をされていく、そういう基本的な制度設計に今回しているわけでございます。もちろん、政府保証がなくなる、納税義務も負う、そのような形で民間と競争をしていただきたい。
 その上で、しかし当初、ノウハウも、資産運用のノウハウも特にあるわけではございませんから、私は、場合によっては地域の金融機関等々とお互いを補完するような形で提携するというようなことも十分に出てくるというふうに思っておりますし、そこはやはり健全な競争を通して国民の利便を高めていただきたいというふうに思っております。
○山下英利君 ちょっと時間が来てしまいましたので、ちょっと質問を途中で切り上げなければいけなくなりましたので、またの機会に是非させていただきたいと思うんですけれども、今の竹中大臣の御答弁の中で、やはり今のサイズだったら駄目ですよと、だけれども、これから先このサイズが縮小していくんだったらいいんですよというようなことがあるのかどうかというのは、これはまた別途聞かせていただきます。
 というのは、要するに、業界からは縮小ないし廃止ということが要望が出ていたわけです。だけれども、一方ではこれは民営化で支えなきゃいけない。この二つの矛盾、ところをどういうふうに考えていくか、これは改めてゆっくりお聞きをして、それでちなみに、そのときにMアンドAの話も併せて聞かせていただこうと思って、今日は公正取引委員会、そしてあとは財投の関係で谷垣財務大臣、質問を予定しておりましたけれども、誠に申し訳ございません、これで今日は私質問を閉じさせていただきますので、またの機会に是非よろしくお願い申し上げます。
 今日はどうもありがとうございました。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 冒頭、ちょっと基本的なことを教えていただきたいんですが、郵政民営化法案と、こうございますが、ここで言っている民営化の定義を教えていただけますか。法律上の民営化の定義を教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 民営化の定義につきましては、この郵政民営化法の第一条に書いておりますけれども、平成十六年九月十日に閣議決定された「郵政民営化の基本方針に則して行われる改革(以下「郵政民営化」という。)について、」云々、そのような形で、引用する形で定義をさせていただいております。
○櫻井充君 済みません、答弁になっていません。私は、民営化のですね、民営化の定義を教えていただきたいと申し上げているんです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 法律上の定義というふうにお尋ねがございましたので、法律の中での御紹介をさせていただきました。
 郵政民営化、ここで書かれております、基本方針に則して行われる改革でございますから、これは非常に幅の広いものでございますが、基本的に民営化とは何かというと、民間の企業になる、民間と同じになる、そのような意味合いになろうかと思います。
○櫻井充君 改めてお伺いしますが、民営化とは民間の企業になることと、こういうことでよろしいですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 民営化というのは、国営、公営ではなくて民間の企業になるということでございます。
○櫻井充君 そうしますと、今回の法案の中で特殊会社という、先ほど大臣御答弁されましたけど、特殊会社になることはそうすると民営化ではないということになるわけですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 特殊会社といえどもこれは株式会社でございまして、民営化でございます。ちなみに、NTTも特殊会社でございます。
○櫻井充君 民間会社の定義を教えていただけますか。
 そんなものが分かんないで出せるはずないでしょうが。
○国務大臣(竹中平蔵君) ここで言う民営化とは、商法が適用される、商法が、商法が民間と同様に適用される会社だというふうに考えております。
○櫻井充君 商法が適用されるということで、もう一度改めてお伺いしますが、特殊会社は、これは商法の適用を受けるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そのとおりでございます。
○櫻井充君 そうしますと、商法の適用を受けるというものが、これが民営化で、これが民間企業ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 民営化そのものの幅広い定義についてすべて私がお答えできるわけではございませんが、少なくとも郵政民営化を議論する際の民営化はそのような意味でございます。
○櫻井充君 改めてお伺いしますが、広辞苑とか辞書には何て書いてあるかというと、民営化というのは民間で経営することと、こう書いてあるんです。これは一般用語です。一般の人たちは、小泉総理が民間でできることは民間でと、そういうお話をされていますから、当然のことながらすべて民間の経営ということになるんだろうと思うんです。
 ちょっと待ってください、人が質問してるでしょう。人が質問しているときに動かないでください。済みません、ちょっと質問させていただきたい。なぜ動く権利があるんですか。国会の議場の中で動く権利がある法律を示してください。
 人が質問しているのをちゃんと聞いてほしいんですよ。聞いてほしいんです。そこはそのとおりでしょう。
○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
 質問をお続けください。
○櫻井充君 今、これ極めて大事なところなんです。ですから、大臣にきちんと、きちんと質問を聞いていただきたいんです。その上で答弁が違っていたらそれは指示されればいいと思いますが。
 取りあえずのところ、もう一度、民間というのはそういうふうに一般用語で規定されているわけですよ。そうすると、国民の皆さんは何と思っているのかというと、民営化ということは民間の企業が運営するものだと、一般的な民間の企業が全部が運営するものだというふうに思っていると思っているんです。ですから、ここのところはすごく大事なところでして、民間企業とは何か。
 それから、先ほど大臣は特殊会社という言葉も使われました。特殊会社とは何か。民間企業と特殊会社と違っているはずなんですね、先ほどの御答弁は。ですから、民間企業と特殊会社の違いについて教えていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 民間企業にはいろいろあると思います。民間が経営する、正に民営でございますけれども、その中にはいろんなタイプのものがあり得るということだと思います。
 商法の一般法人、これがいわゆる多くの、私を含め多くの人がイメージするいわゆる純粋の民間の会社、我々は民有民営の会社と言っておりますが、それに対して、民営、商法が適用される株式会社ではあるけれども何らかの形でそれ以外の法律の責務等々を負っている、これを特殊会社というふうに呼ぶのだと承知をしております。したがって、民営の、民間企業の中に、広義の民間企業の中に特殊会社も含まれるというふうに理解をしております。
○櫻井充君 広義の中にというふうにおっしゃいますけれども、それでは、たしか特殊法人等整理合理化計画というのがございます。これは平成十三年の十二月十八日、特殊法人等改革推進本部というものがこう書いているんですが、ここではこう書いているんです。民営化とは、括弧した上で、特殊会社化、民間法人化、完全民営化と三つ分けているんですよ。このこととの整合性が今のお話ですと取れないと思いますけれども、改めていかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の委員の、特殊法人、民間法人、一般の株式会社、特殊会社、私が申し上げたことと矛盾はないと存じます。私は広義の民営化の中に特殊会社が含まれるというふうに申し上げたわけで、これは特殊法人はもちろん違います。特殊会社は特別の法律に基づいて設立された商法上の株式会社でございますから、私の先ほどの説明と矛盾はないと思っております。
○櫻井充君 済みません。じゃ、繰り返しになりますが、特殊法人は民間企業ではありませんね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 特殊法人というのは、法律により直接に設立される法人、特別の法律により特別の設立行為をもって設立されるべきものとされる法人でございますから、商法上の株式会社ではない、これは違うというふうに思っております。
○櫻井充君 それでは、先ほど竹中大臣は、この法律上での民営化というのは様々な規定があるというお話をされたかと思います。
 済みません、ちょっとこれは通告していないので、もしお答えいただけなければ午後の部でも結構ですが、そうなってくると、例えば専売公社が民営化されたとき、それから電電公社が民営化されたとき、それから国鉄が民営化されたとき、これは各々民営化の定義が違うんでしょうか。これは内閣にお伺いしたいと思いますが、官房長官、いかがですか。
○国務大臣(細田博之君) 突然のお尋ねですから、間違ってはいけませんので、全部、それぞれにおいてそれぞれの使われ方はしたと思いますが、整理させていただきます。
 例えばJRでも、民営化するという基本原則で来ておりますが、三島会社、北海道、四国、九州は言わば完全に国によって持たれているのと同じでございますし、JR東海は今どんどん株を放出することによって完全民営化をしようと思っておりますし、JR東と西は既に完全に株式を保有するのは民間になっておると。しかし、全体をもって民営化と言っておりますので、ややあいまいな使われ方もしておるんじゃないか。
 それからJTも、国が最小限どこまで持つということが決められておりますから、そういった意味では今回の四分社化も、非常に公的な機能を重視してある程度まで持つところと、言わば金融や保険とのバランス論上、その業法できちっとしたイコールフッティングを実現するために一〇〇%民間にしようということを目的としている会社もあるわけですが、これもしかし段階的ですから、一〇〇からだんだん株を売っていくときに一体どこで民営化になったのかと言われると、これはなかなか難しい問題があると思いますが、そういった整理ではなかろうかと思いますが、多少、もうちょっと違う経緯があれば調べてみます。
○櫻井充君 そこの整理をきちんとしていただきたいと思うんですが、それはなぜかというと、民営化というのが、一般的な辞書と法律上で使われているものが違うときには、基本的には、法律上の言葉の定義として、ここでの民営化とは何々をいうということを普通は規定するのが私は当然のことだと、立法上ですね、そういうことをやってくるのが当然のことなんじゃないのかなと、そう思うんです。
 そしてもう一つは、今回の法律の中で何が問題かというと、民営化というもの自体が極めてあいまいに使われていると、そのためになかなか議論が進んでいかないんじゃないだろうか。国民の皆さんが不安になっているのは、本当に一般の民間企業で、一般の民間企業で公的な部分が担っていけるんだろうかどうか、そういうことを心配されているから、民間企業で、民営化イコール民間になることじゃ大変なんじゃないですかと、そういうことを思われているわけです。
 そうしてくると、本当に民営化と言っているのが一般的に言われている民営化と違うのであれば、これは法律上に書き込む必要性があるんじゃないかなと、私はそう思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 現実の民営化の議論の中で多くの方々と話をしています場合に、その特殊会社も民間の会社なんであると、その特殊会社というものについてなかなか必ずしも当初は御理解をいただけなくて、その結果として、委員が御指摘になったような議論の混乱といいますか、議論の分かりにくさのようなものがあるということは私も承知をしております。
 したがいまして、いろんなところの説明におきましては私自身そのような説明をさせていただいておりますが、これは法律でございますので、法律上は特殊会社、そういうのは、一般商法の一般会社、その概念はある、しっかりとあるわけでございますので、その意味では、我々としては、法律は法律として今のような形で出させていただいて、その具体的な説明におきましては、今委員御指摘のような点に留意をして更に説明をしっかりとしたいと思います。
○櫻井充君 そうしますと、ちょっと整理をしたいんですけれども、これは、済みません、谷垣大臣、JTはこれは特殊法人でよろしいんですよね、扱いは、現状は。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは特殊会社ということだろうと思います。
○櫻井充君 私が調べた中では、所管省庁の特殊法人一覧の中に日本たばこ産業株式会社が入っておりますが、これ、通告しておりませんから、もう一度お伺いしますが、その所管、所管の府省別特殊法人一覧というところを見てみると、そこの中に財務省所管で日本たばこ産業株式会社が入っておりますが、これは特殊法人の位置付けでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどから用語の定義の問題をしておられますが、特殊法人という場合には、狭義で使う場合には特殊会社を抜くことが、抜くという使い方がございますが、それから広義でいう場合には特殊会社も入れる場合があると。
 それで、特殊会社というのはやはり特別法でもって会社をつくったということでございまして、日本たばこ産業もそういう法律がございまして、その法律によってつくられた会社ということだろうと思います。
 したがって、広義ではもちろん特殊法人の中に入りますけれども、狭義でいえば特殊会社ということだろうと思います。
○櫻井充君 ちょっと分かんなくなったんですが。
 つまり、何かといいますと、特殊法人と先ほど民間会社は違うというお話がありました。特殊法人と民間会社は、企業は違うと、これはあったんです。そこで分かりやすかったんですが、特殊法人というふうなものの中は、これは特殊会社を除くんですか。つまり、広義の中には、広義の中には特殊法人が含まれると、特殊法人の中にも特殊会社が含まれると。で、狭義になると違う。それで、株式会社の場合に、一般の株式会社の場合にも特殊会社は民間企業だと、民間会社だという、お話しになりましたが、そうなると、ちょっと集合体をつくると重なってくる部分があって、実は特殊法人でありながら民間企業になってしまうんじゃないかなと、そう思うんですね。
 ですから、改めてお伺いしたいんですが、ここは、今のとおりでいいですよね。竹中大臣の先ほどの御答弁は、御答弁は、特殊法人と、特殊法人と民間企業は違うとおっしゃった、ここは前提です。その上で、その上で特殊法人の中には特殊会社が含まれていますと。で、今度は、もう一つは、民間企業の中にも特殊会社が含まれていますと。これ、特殊会社というのはどちらになるんですか。これは、これは民間企業ではないですよね、純粋には。ここの整理をお願いしたいんですが。
○国務大臣(細田博之君) いろいろな用途、目的によって分類が違います。
 総務省が出しております特殊法人要覧ですか、あそこは、国がおよそ経緯から見てまだ大量の株を保有しているような会社は、会社法上の会社であっても設立行為自体が特殊法の法律によったと、その後は、しかしながらその運営その他は会社法による、まあ今でいうとまだ商法ですから、新会社法によって運営するというものがございますし、また、例えば労働の面でいうと、また身分の問題においてはまだ公務員であったり、みなし公務員であったり、あるいは全く民間並みであったりというふうに分かれますので、様々な観点からそれぞれ分けていかなきゃいけない。
 つまり、株を保有しているかどうか、設立の根拠が特別な法律によるかどうか、そして現在の運営が会社法によるものであるかどうか、では、その社員の身分がどうであるかどうか、同じJRでもそれぞれ違うということは先ほどちょっと申しましたけれども、それに応じて少し分類をし直して提出いたしたいと思います。
○櫻井充君 ただ、ちょっとここのところはもう一度はっきりさしていただきたいなと思う観点があるんですけれども、それは例えば、じゃ、我々の認識からするとJR東日本という会社は一般企業なんだろうなと、そう思います。これはその認識でいいんでしょうか。
 そして、JR北海道というのは、政府が一〇〇%株を保有していますから、これは今のところその特殊法人というところに分類されるというような整理でいいのかなと。
 それからもう一つは、例えば、じゃこれが、これだけ、じゃせっかく所管ですから麻生総務大臣にお伺いしたいんですが、要するに、省庁別の特殊法人一覧の中に、総務省の関係でいうと、NTT東日本と呼ばれている、要するに東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社というのがございます。これは特殊法人になっています。ここは、これは民間会社ではなくて、特殊法人ということでよろしいんでしょうか。
 つまり、NTTドコモであるとか、それからNTTコミュニケーションズであるとか、そういうところはまさしく民間企業であるということは分かっていますが、ここの中でこういう整理をされているということからすると、ここの部分は特殊法人という認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 急な御質問だったので、いい加減なことを言うと危なそうなので、午後調べて返事します。
○櫻井充君 じゃ、まあ分かりました。じゃ、それでは午後の一番のところでこの点について御答弁いただいてから、それでは、じゃ改めて質問させていただきたいと。
 それでは、ちょっと違う観点から、それでは法律についてお伺いしていきたいと思いますが、まず最初に、麻生大臣に今御答弁いただきましたが、市町村合併に伴って、市町村合併に伴って地域の皆さんが、要するに役場とかが遠くなってなくなっちゃったりして大変じゃないかと、そういう御心配をされておりました。
 そのときに、総務省ではこういうホームページをつくりまして、「合併のデメリットでは」というQアンドAをつくって、そこの中で「役場が遠くなって、今までより不便になりませんか」と。それに対して何て書いてあるかというと、「住民票の発行など地域ニーズの高い特定の事務を、地域に密着した郵便局が取扱うことが出来るよう、法律の改正を進めているところです。」と。つまり、郵便局があるから地域が合併しても大丈夫ですよ、しかも法律の改正を進めているところですと、ちゃんと皆さん使えるから安心してくださいと。
 ところが、今の法律の改正は、小泉総理が何とおっしゃっているかというと、つぶれるところもあるんですと。市町村合併になったって、不便なところが出るのと同じように、これ、これ委員会の答弁ですからね、そこのところでそういうふうにおっしゃっていると。
 そうすると、市町村合併進めるときには郵便局があるから大丈夫だと言っておいて合併どんどんやらせてくださいと。今度はそうなったら数が残るかどうか分からないわけです、これはっきり言うと、法律上。こういう書き方されると、これ国家的詐欺としか言いようがないんじゃないかなと、そう思うんですけれども、その点についていかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 幾つかの前提条件を櫻井先生も御存じの上で聞いておられると存じますが、今の現行の法律によりましても、毎年、郵政公社は、過去三年間でいえば二十一、三十七、三十七と三年間平均して減っております、今の現行法律でも。郵政公社法のままでも減っておるというのがまず第一です。
 二つ目。この約二年間で市町村合併によりまして約一千三百五十少々の市町村が減少いたします。したがって、現行の法律でいきますと、一千三百少々の郵便局は減っても、現行法では法律違反にはなりません。しかし、現実問題としては、これは、これだけ減るということになりますと、多々問題があるであろうということを前提にして、今回の郵政のこの法律の中におきましては、条件が幾つもあると思うんですが、役場をそのまま分所にして、支分所にして残すという町、村もありますけれども、やめるという村と、地域によって、まあ宮城県なんかは、北の方では多分そういうところが出てくるんだと思いますけれども、出てくるんだと思いますので、基本的には要望が、よく言われる要望が高い六、六つの公文書というか、例えば戸籍謄本とか印鑑証明とか納税証明書と、そういったよく言われるものは六つあるんですが、そういったものに関しましては、今も、現在も郵政公社、郵政公社が民営化されても引き続き郵便局において、今申し上げたようなところについては法律改正をお願いしている、それはもうそのとおりであります。
 これは、郵便局設置につきましては、これはあまねく全国で一律サービスのいいものにしなきゃいかぬと、きちんと維持するんだということを設置する上での法律上の義務付けにしておりますので、そういった意味では、利便性を考えた上で今申し上げたような点においてきちんと対応してまいりたいと思っております。
○櫻井充君 大臣の今の御答弁ですと、例えば、これは、郵便局株式会社法案の中でいうと、四条のところにこれ、会社はその目的を達成するために次に掲げる業務を営むものとすると、三つ定めていますね。その次の条項のところに地方公共団体云々というふうに書かれているわけです。しかし、そこのところは、要するに「前項に規定する業務を営むほか、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むことができる。」というふうに書いてあって、むしろここの条項は、この総務省のホームページ等を勘案すれば、本来は四条の一項のところに、三つ目に地方公共団体での事務ということも行えるようにするというように書くべきではないのかなと。
 それは、地域の皆さんに対して、郵便局があって、郵便局でこういう仕事ができるから大丈夫なんですというお話があったとすれば、本来であれば目的を達成する主の業務はこれだけだと書いてあるわけです。ところが、市町村合併の観点からいったら、郵便局はこういうふうに利用できると、公共性を持たせるということであれば、この条文は本来は一つ前に来るべきじゃないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御懸念の点は理解できぬわけではありませんけれども、基本的には今申し上げたような、この前の答弁で申し上げましたように、いわゆる優先順位の高いいろいろな法律業務、証明等々の受託はきちんとできるようにしておかぬと、これ冗談抜きにしてちょっと問題がありますので、そういった問題に対応できるようにして、できますので、そういう点ちょっと、条文をこっちにすればよかったんじゃないかというのに関しましては、それはそういう御意見もあるということなんだと思いますが、現実問題として対応はできると思っております。
○櫻井充君 衆議院の質疑の中で法制局長官が、大臣の答弁は法的拘束力がないと、そう明言されたわけです。つまり、そうすると、我々は何を頼りに質問していっていいのか分からないわけですよ。そうだとすると、まず、ここのところの主たる業務というものがこういうものなんだということで法律上書き込む必要性があるんだと思っております。
 これは、今までは例えば法律上は担保されていない場合どうなっていたかというと、国会質問で何とかしますからと省庁から言ってくるわけですよ、これは。それから、あとは附帯決議で先生、何とかしてくださいということを言ってくる。しかし、この間の法制局長官の一言は、今までの委員会というものに対しての発言、大臣の発言というのは全く意味が、全くとは言いませんが、法的な拘束力がないから結局そのことに関しては守らなくてもいいんだというふうに取られかねないような内容だったわけです。
 そこで、竹中大臣にも改めてお伺いいたしますが、なぜこの内容が、この内容がその前のところの主の業務の中に組み入れられなかったのか、その点について御説明いただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には法律の書き方というのは、それによってどのような実効性が担保されるかということであろうかと思っております。
 郵便の窓口というのは、郵便、要するに郵便局というのはどういうところかというと、郵便の窓口業務を行う、そのために設置の基準も設けるわけでございますから、そういう趣旨を体して、その上でその他の業務についてもしっかりと担保できるようにすると、それによって法律上の実効性を保つ、そういう趣旨で法律を作成したつもりでございます。
○櫻井充君 それでは、竹中大臣は、大臣は今そういうふうにおっしゃいました。郵便局はそういうためのものなんだと、主たる目的はそうだとおっしゃいましたが、それでは、総務省のこのホームページに書いてある、郵便局でちゃんとできるようになるんですと言っているというのは、これは主たる業務じゃないですか。総務省からしてみれば、合併によって起こってくるデメリットに対して郵便局でちゃんと補完しますと、そういうふうに言っているわけであって、郵便局の、私はこれ主たる業務だと思いますよ。違いますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、パンフレットを読み直しておるんですが、役場が遠くなりませんか。合併後も、それまでの市役所や市町村役場は引き続き市町村の支所や出張所として活用できます。また、住民票の発行など地域ニーズの高い特定の事務を地域に密着した郵便局が取り扱うことができるような法律も整備されていますという文章なんだと思いますので、そういった意味では、私どもは少なくとも主たる業務かと言われれば、基本的には役場に行くのが、役場が発行したものを、私どもはそれを、発行自体は役場の仕事であって、その受託を受けた郵便局がその証明書を手渡すという受託というものと、証明するということとは基本的に違うと思うんです。主たる業務かと言われると、一部の業務ではあろうかとは思いますけれども、主たる業務は、証明自体はそれは総務省の仕事であって、役場の仕事が主たる、役場が証明書を発行すること自体は役場の主たる業務だと思っておりますが。
○櫻井充君 受け取る場所が極めて問題なのであって、これは発行場所の問題じゃないんですよ。つまり、受け取るところは役場で受け取れて、近くにあったと、それが遠くになって大変だけれども大丈夫大丈夫って、こういうふうに言っているわけですよ。
 竹中大臣ね、四条一項と二項の違い何ですか、じゃ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 四条一項は正に次に掲げる業務を営むものとするということですから、これは営むことが義務付けられているわけでございます。二の方は営むことができるということでございますから、正にその意味では委員がおっしゃるような主たる業務として営まなければならないものを第一項、そして第二項にはその営むことができることを明示している。特に、地方公共団体の特定事務の郵便局における取扱いそのものは、その重要性にかんがみてはっきりとそれを明示しているわけでございます。
○櫻井充君 これは法律の話なんですよ。要するに、明記したって何したって、ここのところは、じゃ区分けしないで全部書けば良かったんです。区分けしているところに大きな問題があるわけでしょう、そこのところに。要するに、二項以下は余裕があったらやれという話です。余裕があったらやれということで、やらなくてもいいということですよ。
 民営化するとバラ色の世界のような話ですが、これは今年の年次経済財政報告、「官から民へ」の「政府部門の再構築とその課題」のところで、良くなった良くなったという話がここにオンパレードで並んでいますけれども、従業員数はNTTで三割減、JTで五割強減、JRで三割減なんですね。つまりは、民営化されるということ自体はこういうことを招いてくる。つまり、不採算部門の切捨てはもう前例としてあるわけです。ここのところは大事なことですけれどもね。そうすると、その地域の不採算部門が切捨てされるんじゃないかと。
 しかもです、しかも、集配局の数だけ調べれば今約五千弱なんですね、集配局の数は。そうすると、一、二項の、ごめんなさい、四条の第一項の役割だけを果たす集配だけのことを考えれば、実は五千弱で郵便局は済んでしまうのかもしれないという問題点もあるわけです。──首を振られますが、法律の提案者として、出してくるんであればちゃんとそういうことまで考えて出してきてくださいよ。つまり、法律に書き込むということはそのぐらい重いことなんじゃないかなと、私はそう思っています。これは幾ら議論しても残念ながら水掛け論になるんでしょうが。
 もう一つ、じゃ法律上の問題点をお話ししておきますが、これは皆さんが今定期預金なりなんなりで積んでいる郵便貯金が郵便局で本当に引き落とせるのかどうかという論点です。これも法律上では担保されておりません。ここのところはみなし免許を与えるからどうだとかなんとかだとか言っていますが、大事な点は、法律に明記されていないということなんです。法律に明記されないで、なぜそれが担保されるのか、その根拠を教えていただけますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 民営化というのは経営の自由度を増すということでございますから、その意味では法律の縛りを最低限にしながら、しかし同時に、その実効性をその郵政が担っている役割にかんがみて、その実効性をいかに担保するかという点で非常に工夫をしてこの法律を作っているつもりでございます。これは先ほどの郵便局の業務にも当てはまりますし、今お尋ねのこの郵便局でのその実際のいわゆる旧勘定の引き落としができるかどうかということにも当てはまっているというふうに思っております。
 まず、旧契約の郵便貯金、簡易生命保険に係る契約関係につきましては、今回の郵政民営化関連法案におきまして、郵政民営化法百六十条第一項第二号によりまして、これは特別貯金の契約、特別預金の契約及び再保険の契約が義務付けられている。そして郵便貯金銀行、郵便保険会社に対する機構の業務委託契約、これを継承して、失礼、これらを承継に際して基本計画に盛り込むべきこと、これが今の条文の中に明示されております。その結果、これらの契約は、民営化法第百六十一条第三項によりまして、基本計画に従って日本郵政株式会社が作成する実施計画に織り込まれることになるわけでございます。
 一方で、機構法の第十五条及び第十八条というのがございまして、これは例の承継の機関でございますけれども、この機構と郵便貯金会社、郵便保険会社との間の業務委託契約に再委託に関する事項を定めるということをしておりますので、その再委託が可能ということになっております。
 そこで、委員は御懸念として、機構から業務委託を受けた郵便貯金銀行、郵便保険会社からの先の再委託がどうなるかということになるわけでございますが、これは機構と郵便貯金銀行、郵便保険会社との業務委託契約に織り込まれることによりまして承継の実施計画に含まれることを法律で規定をしているところでございます。
 その次に、じゃ再委託の内容がどうあるべきかということになろうかと思いますけれども、民営化法の第百五十九条第一項では、公社の業務等の承継会社等への適正かつ円滑な承継を図るため、公社の業務等の承継に関する基本計画を定めなければならないこと、決めております。また、民営化法第百六十条第一項第一号では、基本計画は、公社の財産その他の業務等を各承継会社等に適切に承継させることにより、承継会社等の業務が適切に遂行されることとするものであると、この要件を満たすものでなければならないというふうに規定しております。これらの条項によりまして、再委託の内容は、これまで公社において、これ全国の郵便局を通じて預入、契約された郵便貯金、簡易生命保険の債務も承継する機構の業務が国民、利用者の立場から切れ目なく遂行されることが求められるということになります。
 以上のことから、法律ではその具体的な再委託先を特定する規定は置いておりませんけれども、先ほど申し上げた要件を充足するものとして、その機構の、機構から貯金銀行、保険会社への業務委託につきまして郵便局株式会社との間で全国一括の再委託契約が締結されるということを想定して、そしてこの再委託契約は承継の実施計画に織り込まれて、内閣総理大臣及び総務大臣が認可を行う際にチェックする仕組みにしている。したがって、承継時における委託契約が担保されるということは言うまでもありませんけれども、その後の委託契約の変更等についても、これも機構法第十五条第二項及び十八条第二項によりまして総務大臣の認可を要することとしておりまして、こうした委託関係が維持されるということを担保をしているわけでございます。
○櫻井充君 それは想定しているわけであって、あくまで経営判断だということです。一〇〇%の保証はありません。首を振られていますが、違いますよ。法律上は一〇〇%規定されていませんよ。
 これ、じゃ首を振られるんなら、大臣、法律上は一〇〇%保証されていますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、法律上ということでございますけれども、我々はどのように担保しているかということに関して申し上げますと、再委託については、この機構法上、委託契約の中で定めることにしている、そして委託契約の内容を審査することにより適切な再委託関係を確保する、そしてこれは総務大臣の認可でございますので、そのような形で実体的に担保しようというふうに考えているわけでございます。
○櫻井充君 済みませんが、それは最終的には総務大臣の判断なんですよ。こういうの、法律上とは言わないんです。総務大臣の判断によっているんじゃないですか。うそつかないでくださいよ。
 いいですか。ここのところは、私が聞いているのは、法律上一〇〇%担保されているんですかとお伺いしているんです。そこは違うじゃないですか。法律上の作りを延々と言われて、最終的には総務大臣の判断ですよ、こんなもの。違いますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私が申し上げていますように、法律上にそのことを明記はしていませんけれども、それを実効上担保するような法律の仕組みにしているわけでございます。
 この承継は円滑でなければいけない、それで、その中でそのようなその承継計画を作らなければいけないわけでございますから、それを総務大臣が認可するわけでございますから、今私が申し上げたようなことが実体的には担保されるというふうに考えているわけでございます。
○櫻井充君 私は、法律上の話をお伺いしています。
 それからもう一つ、大臣の答弁は一〇〇%保証されるものではないからです。つまり、法的拘束力がないというふうに法制局の長官がおっしゃった。これは衆議院で、重い言葉ですからね。つまりは、こんなところで大臣が幾ら想定されるとかなんとかだとおっしゃったって、これは大事な観点ですからね。法律では保証されてないんです。法律で保証されていないのと、そのことをさもできる、できるというように言ってくることは、私はおかしいんじゃないのかなと、そういうふうに思います。
 あとは午後に譲りたいと思います。
○委員長(陣内孝雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから郵政民営化に関する特別委員会を再開いたします。
 郵政民営化法案外五案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井充君 午前中の審議に引き続き質問さしていただきますが、まず麻生総務大臣にお伺いしますが、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社、これは特殊法人でございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 午前中、急な御質問でしたんで答弁が正確ではなかったと思うんで差し控えさせていただきましたが、NTT、NTTとよく言われる場合は三つでして、いわゆる持ち株会社のNTTもありますんで、東西と足して三つなんですが、これ特別な法律によって設立された法人ということになっておりますんで、そういう意味では広義の特殊法人ではあります、先ほど官房長官、財務大臣、それぞれ答弁をされたとおりであって。
 民営化と特殊法人のじゃ関係は何だということに、先ほど言っておられましたが、国営あるいは公社というものを株式会社化、いわゆる株式会社化すれば、これは基本的には民営化と呼んでおります。ただ、この段階では広義の意味の、まだ株を政府は持っておったりする部分がありますんで、株式会社化にしても、その株を政府が持っている場合は広義の意味での特殊法人ということになるという区分けになっております。この政府保有の株式を全額売却若しくは処分ということが決定して、設立しておりますその根拠法が廃止になった段階で完全民営化というように区分をされているというように御理解いただければと存じます。
○櫻井充君 ちょっと済みません、聞き逃したところがあるんですが、株式会社化することがこれは民営化なんですか、それとも民間企業なんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 民間企業かと言われれば、株式会社をされて商法の適用を受けます段階においては民営化されているというんで民間会社かと言われると、ちょっとそのまた民営化と民間会社の定義を正確にと言われると、これまたちょっといろいろ法律的には結構難しいかなと思いますんで、今ここで民営化と民間化の定義をきちんと言えと言われるほど今これ整理ができておるわけではありませんので、それが別に御質問がございましたら改めて、改めて御質問いただければ調べさせて返事いたします。
○櫻井充君 今、郵政民営化法の審議でございます。民営化とは一体何なのかということを今日冒頭質問さしていただいたのは、民営化の言葉の定義がこれは社会全体誤って使われている可能性があると私は思っています。ですからそういう意味で、その正確を期すために民営化とは何なのかと。これは郵政民営化法って書いているんですから、こんなもの元々ちゃんと御理解いただいて私は法案の提出がなされたものだと思っておりましたから質問、そういう形で、ちょっと法律を読みながら、あら、何だろうということで質問させていただいたわけです。
 今の民営化と民間企業ときちんと区分けが付いていないということであれば、民営化そのもの自体が一体どういうものなのかが見えませんので、済みませんが、もうこれ以上質問できません。
○国務大臣(細田博之君) 私がお答えしてから竹中大臣がお答えしますが、いわゆる民営化、あるいは特殊法人、特殊会社というような言葉がそれぞれ使われております。午前中に基本的に私がお答えしたとおりでございますが、平成十三年の特殊法人等整理合理化計画という閣議決定がございますが、これによれば、民営化とは、一、特殊会社化、二、民間法人化、三、完全民営化の三概念の総称であります。専売公社、電電公社、国鉄の民営化につきましては、この中の一の特殊会社に該当するものであります。
 今回の郵政民営化につきましても、日本郵政株式会社、郵便事業株式会社、郵便局株式会社については、一の特殊会社化に該当します。なお、郵便貯金銀行、郵便保険会社については、三の完全民営化に該当するものでありますが、当然、株を売ってまいりますので、当初は株を一〇〇%保有して、それが九〇、八〇というふうに段階的に減っていくという構成でございます。
○櫻井充君 そうしますと、まず完全民営化と特殊会社というのは違うと。まず、事のなりわいとして見ると、最初は特殊会社になるんだということになるのかなと、そう思います。
 そうすると、もう一度改めてお伺いしたいんですが、この総務省のホームパージには、これは、我々情報はこういうところから得るしかないし、国民の皆さんもこうやってホームページをごらんになるわけです。そうすると、ここに、例えば総務省でいうと東日本、西日本が特殊法人に分類されている。それから、JRの中でも一部でございまして、これは北海道、四国、九州、貨物が、これは特殊法人の中に入っているというふうになっているわけであって、この情報がまず正しいのか正しくないのか、まずそこから改めてお伺いしておきますが、これを見ればNTTの東日本、西日本は特殊法人であるということになるわけですが、それでよろしいんですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、株式会社化した段階で広義の特殊法人と狭義の特殊法人と分かれるんだと思いますが、今の段階で申し上げさしていただければ、株式会社化されておりますが、株の一部がまだ政府に属しておるという状況からかんがみれば、これは明らかに広義の特殊法人だと、範疇に入ると存じます。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 ここは極めて大事なところであって、まず特殊法人であると。広義のですね、広義の特殊法人であると。
 そうすると、先ほど特殊法人と民間企業は違うという御答弁が竹中大臣からございました。そうなってくると、特殊法人と民間企業が違うと。民間企業です、これは民営化ではありません。民間企業が違うというお話がございましたから、そうなってくると、広義の意味でいえば、これは、広義というのは広く皆さんが考えていらっしゃるという意味なんだろうと思いますけど、その意味では東日本と西日本はまだ、まだ民営化されていないと。民営化では、ごめんなさい、まだ民間企業になっていないという位置付けでよろしいんですね。(発言する者あり)いや、違います、NTT。ごめん、NTTです。
○国務大臣(麻生太郎君) お答え申し上げます。
 その意味では完全な民営化されているわけではございません。何か、民間会社化されて、三段階の一番下のところにはなっておりません。
○櫻井充君 分かりました。
 そうしますと、これはもう一度お伺いしますが、いわゆる皆さんが考えていらっしゃる民間会社ではまだないと、民間会社でないと、今の完全民営化という、ここはもう一度改めてお伺いしておきますが、この完全民営化というのがいわゆる皆さんが考えている民間企業ということでよろしいんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 民間会社化という、これは、櫻井先生、定義でいえば、全く政府の関与がない一セメント会社は、これは完全な民間会社と存じますが、こういうのは民間会社ということだと思いますが、株の一部がある程度持たれている等々のものであれば、これは完全民営化とは言い難いんだと存じますが。
○櫻井充君 なるほど、分かりました。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、麻生大臣がお答えになったとおりなんでございますが、先ほど櫻井委員が、最初は特殊会社なんですねという言い方をされたと存じます。JRの場合等々、正にそういうことでございまして、株を売り出す段階で一般の商法法人になると。
 今回の民営化におきましては、公共的な役割を有する郵便事業会社等々は、これは特殊会社でございまして、これはずっと特殊会社でございます。しかし、銀行と保険に関しては、これは当初から特殊会社ではございません。当初から商法の一般法人という形でつくって、商法の一般法人、ただし一〇〇%まだ民有になっておりませんので、最終的にその株式を処分して民有民営の商法の一般会社を実現したいと考えているわけでございます。
○櫻井充君 そうすると、例えば、今度JRの方でお伺いしますが、JR東日本とかJR西日本というのは、もうこれは一般の民間企業というふうに言ってよろしいんでしょうか。そして、ここにJRの例えば北海道、四国、九州とありますが、これは特殊法人という中に整理されていますから、これは民間企業ではないということでよろしいんですか。あっ、これはJRの方なので。
○国務大臣(北側一雄君) 今委員がおっしゃいましたように、JR東日本と西日本につきましては既に完全売却し終わっておりますので、これにつきましては完全民営化されたということでございます。
○櫻井充君 民間企業ですか。
○国務大臣(北側一雄君) 民間企業でございます、はい。
 その他の会社についてはいまだ、JR北海道、四国、九州、そして貨物、これはすべて政府が株を保有をしておりますので、これにつきましては広義の意味での、委員のおっしゃった特殊法人、まだ特殊会社であるというふうに思います。
○櫻井充君 ここを本当に分けていただかないと、皆さん多分、JRというともう一般企業と、民間企業だというふうに思われるんだと思うんですね。その民間企業が公的な部門を担っているんだというふうになりますけれども、残念ながら、民間企業のままで市場原理の中で経営が保たれるかというと決してそうではないので、JRの北海道等は積立金が、あれは基金と言った方がいいんでしょうか、そのお金があって、それで経営されていく。これは、公共性を担保するためにそうなっているんだということの認識でいいのかなと思います。
 そうすると、もう一度申し上げますが、今、民営化、民営化という議論の中で、世の中の方々は、民間でやれることは民間でという小泉総理の言葉を聞いて、これは総理はしょっちゅうもうおっしゃっているわけですから、すべてが民間企業になるんじゃないか、そしてすべてが民間企業なんだという、そういう誤った認識を持っている。その誤った認識を持っているからこそ、民間企業で本当に大丈夫なのかと、民間企業に任せて大丈夫なのかと、そういうお話になってくるんじゃないのかなと、そう思うわけでございます。
 そこで、そうなってくると、そこの部分を本当ははっきりさせなきゃいけない。要するに、この部分は民間企業になるんです、この部分は民間企業ではなくて政府の関与が残って、実は、民営化と言っていますが、政府の関与が残るから公的保証が残るんで大丈夫なんですよと、そういうような御説明をなさらないと、竹中大臣、私は多くの人たちが理解しないんじゃないだろうかと、そう思っているんですが。くどいようですが、辞書を引くと、民間、民営化というのは民間企業と、民間で経営するものと書いています。そこの違いをちゃんと言わなきゃいけないんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の点は、これはもう櫻井委員御指摘のとおりであろうかと思っております、そこを言わなければいけないと。私は、地方へのTVキャラバン等々では、そのことを随分と丁寧に御説明をさせていただいたつもりでございます。
 委員正に御指摘のように、民間といいますと、非常に純粋な、一〇〇%民有民営の会社だけをともすれば想起するわけでございますが、実は官か民かというのは、経営形態に関しては、決してゼロと一、オンとオフというような世界ではなくて、その何らかの形、その中間にあるものがたくさんございます。
 その中間にあるものの多くが特殊会社になっているわけでございますが、実は特殊会社に関しましても、その公的な役割、官の関与の多い少ないによって、実はもう千差万別の特殊会社があるということを我々も勉強しつつ今回の制度設計をさせていただいております。その点は、御指摘いただきました点は、我々としても大変説明上の重要なポイントであると思いますので、委員御指摘のとおり、しっかりと説明をしていかなければならないと思っております。
○櫻井充君 大臣、ここ本当に大事な大事なことで、もう一度確認いたしますけれども、要するに、今御答弁あったのは、一般の人たちが考えている民間という言葉が、民間という言葉が、どうも今のお話ですと、官と民と分けたときにそのちょうど中間のところにも位置されるものがあるというようなお話ですから、もう一度大臣のここの御認識をお伺いしておきたいんですが、いわゆる一般の人たちに説明するときに民間企業ですよという言葉を使ったら、これは大きく勘違いされる可能性があると、私はそう思うんですね、今の御説明ですとね。
 つまり、民間というと余りに狭くて、例えば、それこそソニーであるとかトヨタであるとか、そういう企業をイメージされる。多分、僕、今大臣の御答弁、そこだったんじゃないのかなと思いますけれども、そういう認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今正に委員が御指摘のような点をやはり丁寧に御説明をしなければいけないということなのだと思います。
 例えば民営化。これは、NTTは民営化だというふうに多くの方はこれは認識はされるわけでございますが、しかし、そのNTTは正にユニバーサルサービスの義務を負って、公衆電話の設置一つにとりましてもその設置の基準があって、公的な責務を果たすような役割を担っているわけでございます。
 したがいまして、民営化、しかし、NTTになってからやはり民間の活力を取り入れて、料金も長距離の料金下がったり、いろんなその活力の導入があったと、そういう民営化。私たちが郵政に関して考えております民営化も、しっかりと公共的な役割を果たしながら、かつ民間としての活力はしっかりと取り入れていただいて国民の利便を高めてもらいたい、そのような民営化を考えているわけでございますので、委員が御指摘のような点、問題意識を持って対処しておりますし、また説明もしっかりとしていきたいと思います。
○櫻井充君 いや、ここが大臣、やっぱりすぐまた民営化とおっしゃいますが、私がお伺いしているのは民間企業ということで言っているんです。つまり、大事なことは、一般の人が民間企業なんだと言われたら、先ほどの代表的なソニーであるとかトヨタであるとか、そういうところを想像されるんだろうなと、そう思うんですね。
 ですから、例えば先ほどのお話でいただいたように、NTTのまだ東西の場合には完全な民営化でないということは、いわゆる皆さんがおっしゃっている民間企業でないと、民間企業でないというような定義付けになっちゃうんだろうと思うんですよ。ですから、そこが大臣の認識の中で、認識の言葉の使い方の中で、民営化イコールが民間企業であるということではないと、ここは大事なことだと思っているんです。
 ですから、私が申し上げているのは、何回も言いますが、民間企業というのはそういう企業を指すんですねと。そういうというのは、トヨタやホンダのような、ソニーのようなそういう一般的な企業を指すんだということの御認識でいいわけですよね。
○国務大臣(竹中平蔵君) この認識でございますから、だれの認識かということだと思いますが、国民の皆様は純粋民間企業をイメージされる方が多いのだと思います。私自身は、民営化に関しましては、民間企業になるということでございますから、これについては、委員も御引用されました平成十三年の特殊法人等整理合理化計画にありますように、特殊会社化、民間法人化、完全民営化、その三つのやはり民営化があるわけでございまして、それぞれについてちゃんと意味合いがあるわけですから、そこは担当の者としてはしっかりと国民の皆様に御説明をしなきゃいけないと、そのことを思っているわけでございます。
○櫻井充君 ですから、そうすると、今まさしく大事なことをおっしゃいましたが、特殊会社化と民間法人化と民間、いわゆる完全民営化というのが、多分これが一般的に言われている民間企業だと思いますが、それを分けて考えなければいけないと、そういうことですね。分けて表現をきちんとしていかなきゃ本当はいけないんじゃないかと思いますが、それでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の三つの類型、いずれも民営化ではございますが、その時々によってきっちりと説明をしなければいけないというふうに思っております。
○櫻井充君 そこでですが、ちょっと資料を配付していただきたいと思います。
   〔資料配付〕
○櫻井充君 私は、この竹中大臣が責任者でお作りになられた「郵政民営化ってそうだったんだ通信」というのを読ませていただきました。この中にいろいろ問題点がありまして、そうか、民営化がこの国の元気、活力を取り戻すんだというのがございます。そこの中で、例えば公共サービスは民間に任せるのは不安だなと、そうやってここに書いてあるときに、竹中大臣が、民間の企業に公共の仕事ができないかといえば、そんなことはありません。例えば、民間企業である、民間企業である電力会社やNTTは皆さんの生活に必要な公共サービスを全国に提供しますと、こう書いてあるんです。これは大事な視点でして、民間企業と書いてあります。民営化ではありません。
 つまり、皆さんが不安に思っているのは、いわゆる一般的な民間企業になって大丈夫なのかどうかということの不安を感じているわけであって、ここのところには民間企業とはっきり書いてあるんです。総務省のホームページには、この東西は、これは特殊法人だと書いてあります。特殊法人だと書いてあって、先ほどからの御答弁は特殊法人と民間企業は違うというふうになっているわけであって、この政府の広報は、どだいこの法律が通る前にまずこうやって一千五百万部も配られているわけです、一億五千万も使って。
 しかも、この契約方法が様々な疑惑を呼んでいる。本来であれば入札しなきゃいけなかったものを随意契約にしている。そのときの見積書を私も見していただきましたが、極めてずさんである。そういう問題のあるビラを使って、こういうような民間企業だから大丈夫なんだ、皆さんこれは安心してください、これはうそじゃないですか。ここが問題なんですよ。ここは、私はここのところを、だからこのビラが本当に正しかったのかどうか。
 幾つか問題点、まだほかにあります、私は、質問したいのが。今日は残念ながら時間がありませんが、この点について、この点についてどう釈明されるんですか、今までの議論を踏まえてですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私は、先ほど申し上げましたように、民営化された企業でございます。この民営化には、先ほど言いましたように、特殊会社そして、等々いろいろなものがあります。民営化された企業を広義で民間企業というふうに呼んでも全く差し支えないと思います。ソニーやトヨタのような純粋民間企業と違うと、それはそのとおりでございます。しかし、民営化された企業でございます。だからこそ上場もされております。
○櫻井充君 先ほど、国民の皆さんの認識はそういうことですねと、私はだから何回も確認したじゃないですか。確認、要するに、民間企業というのはこういう考え方でいいんですよって確認したじゃないですか。しかし、ここに書いてあるNTTは、NTTは、しかも御丁寧にこれはNTT東西ですから、コミュニケーションズとこれはドコモじゃありませんから。NTTドコモとコミュニケーションズであれば、これは完全な民間企業ですよ。だからいいんです、それは。ここは民間企業じゃないんですよ。民間企業じゃないじゃないですか。
 それであったとすれば、それであったとすれば総務省のホームページが違うことになります。NTTの東西は総務省のホームページでは特殊法人だと言っている。特殊法人と民間企業は違うとさっきおっしゃったじゃないですか。私はここにそごがあると思いますし、きちんとした答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどから、広義の特殊法人、それに対する狭義の特殊法人というのがあるわけでございますが、例の引用させていただきました平成十三年の閣議決定に対して、これは狭義の正に特殊法人について議論をしているわけであります。そして、その狭義の特殊法人については、これは民間企業と違うと、民間企業の中には特殊会社も入る、そのような答弁を先ほどさせていただいている。
 麻生大臣の方からは、これは広義の特殊法人としては特殊会社等国の関与が入ること、入れることもある、そのような広義と狭義についての御説明、麻生大臣と私の方からさせていただいたというふうに思っております。
○櫻井充君 だから、さっきから何回も聞いたでしょう。民営化と民間企業はどうなんですかということをちゃんと聞いていたじゃないですか。
 要するに、一般の人たちは、何回も言いますけど、民間企業だ、民間企業になるんだから大丈夫だと、本当に大丈夫なのかと心配しているわけですよ。そのときに、民間企業の代表であるようにNTTを挙げられているわけです、ここに。だから大丈夫だと言っているわけ。だけど、位置付けは特殊法人ですよ。
 そして、今、広義だの狭義だの何でも結構ですが、国民の皆さんがこのビラ読んで、このチラシ読んで広義だ狭義だなんて分かりませんよ。広義だ狭義だなんていつ決めたんですか。だれがどういうふうにして決めたんですか、そんなもんを。そこのところを決めもしないで、しかもこれは一千五百万部国民の皆さんに配って、国民の皆さんこれ読んでどう感じるかです、これは。
 私は地域の人に随分話聞きましたよ。NTTというのは民間企業だと思いますかと言ったら、みんな、民間企業ではないんですかと言うから、いや違う、総務省のホームページでは特殊法人になっているんだと。そういうみんな認識じゃないですか。今だって、じゃ、お話をお伺いしていて、お話をお伺いしていて、残念ながら答弁のところが、何だかんだという格好で、皆さん統一されているかどうかというのはそれは甚だ疑問な点もあります。
 まあそれはそれとして、大事な点は、大事な点は、政府の広報は、本来は、政府の広報は消費税のとき、どうのこうのじゃなくて、あれだって最初は問題なんですよ。国会で法律が決まらないものが、なぜチラシで配れるのかどうかということですよ。まず国会軽視であるということ。幾ら閣議決定されたとしても、それが国会でどう変わっていくんですか。今回は修正掛けられていますからね、修正が掛けられたものが本当にこの内容と合致しなかったらどうなるのか。
 そういう中で、民営化に対して、郵政民営化そうだったんだ通信の中であいまいな表現使っているということ自体、これ、国家的詐欺ですよ、これこそが。一億五千万もの金をしかも、しかも随意契約にして、随意契約にして契約書までごまかして、そういうことをやったものを配布している、配布というか、政策責任者の大臣の私は資質が問われると思いますよ。
○委員長(陣内孝雄君) どの大臣に質問でしょうか。
○櫻井充君 私は、竹中大臣に何らかの形で責任を取っていただかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の責任は、正に法律案をしっかりと作って、それをしっかりと御説明させていただくことであるというふうに思っております。
 郵政民営化につきましては、説明が不足であるというような御指摘も受けまして、その広報の活動もさせていただきました。その中身につきましては、これ民間企業そのものについては、これは民営化された企業と、民営化された企業という意味でございますから、その意味でここの中では使っております。
 また、広報、国会の審議の前に云々ということでございますが、そうしたことについても十分と周知する仕組みをつくった上で、その上で幅広く御議論いただきたいという趣旨での広報をさせていただいております。
 引き続き、そうした説明はしっかりと果たさなければいけないと思っているところでございます。
○櫻井充君 これは間違って、だから、今急に民営化された企業を民間企業というと、そういう意味で使いましたと、そんなこと言い出したら何でも書けるんですね、これは。
 改めてお伺いしておきますが、したいんですが、特殊法人の定義、それから特殊会社の定義、それから民営化の定義、それからそこの中の特殊会社の位置付け、それから、あともう一つ、中間法人じゃなくて、法人があったかと思いますけれども、その法人と、それからもう一つ、大事な完全民営化と、民営化ですね、ここの部分の定義をきちんとまずしていただけますか。
 何回も申し上げますが、民間企業と公益法人は先ほど重ならないと、竹中大臣は別物だと、そういうふうにおっしゃったわけですから、その点についてもう一度御説明いただけますか。
○国務大臣(細田博之君) まず、特殊法人の要覧等を、特に行政管理を行います担当の総務省辺りがまとめます資料の中に入っております特殊法人というものは、およそ国が出資しておったり、国が設立行為を行って国が責任を持っている、そこに資産を持っている、こういう観点から、それは外れちゃいけませんので、こういう特殊法人は国という観点からしっかり監督していかなきゃならないという意味で、少しでも株を持っている会社は大半を売っておっても入らないと。こういう意味では、特殊法人という分類になっておるわけでございます。
 そして、その中に株式会社組織であるものというのが十幾つございますが、その中で、法律をもって設立された株式会社ばかりでございます、特殊法人は。そして、電電公社、東日本、西日本の三社ですね。それから日本たばこ、それから関西国際空港。そして、JRの関係で、七社なんですが、二社は完全に民営化しましたので、そのうち五社が特殊法人に残っていると。それに東京地下鉄、メトロですね。それから、成田空港株式会社、これは、それから日本環境安全事業株式会社がございますが、こういう株式会社組織を持っておりますと、設立の根拠は特別な法律でございましたが、その後の運用は商法、会社法によるという仕分でございますので、これは、したがって民営化というときに、JRは民営化というのはうそじゃないかという発言があるかもしれませんけれども、JRはみんな国民的にはこれは民営化だなと思っているんだけれども、実は違うんですね。三島でもみんな一〇〇%持っておりますし、JR貨物を持っておりますから。したがって、それがまず特殊法人と民営化の考え方の差でございますし、重なる部分があるということでございます。
○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
○櫻井充君 私は大きな問題があると思っています。それは、先ほど私は民営化ということ自体がよく分からないから、あいまいになっているからはっきりしようと思ってお伺いした点も多々ございます。ですから、そのそうだった通信を読ませていただいたけど、よく分かんなかったので、そうではなかったところが多々あります。
 そして、もう一つは、先ほど特殊法人と民間企業というのは、前提を置かずに、違うという御答弁がございました。ですから、そこのところは言い逃れのできない事実なんだろうと思っています。
 この広報は、これは税金を一億五千万円投入したものでございます。その広報の内容が間違っている、若しくは誤って取られる可能性がある。そういった広報を行っていくことに私は大きな問題があると思っています。大臣は首を振られておられますが、大臣の答弁とて、私は決して正しくなかったと、そのように思っております。
 済みません。私の持ち時間が過ぎてしまいましたのでこれで終わりますが、この問題についてまたこれから議論させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○若林秀樹君 民主党の若林秀樹と申します。
 私も櫻井議員に引き続きまして、ちょっと視点を変えて、どちらかといえばイコールフッティングという観点から民営化の本質について質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、その前ですが、今資料をお配りしていただいていると思いますが、中央省庁等改革基本法の第三十三条の問題について伺いたいと思います。
 私は、この問題について五月二十日の予算委員会で取り上げさせていただきました。かれこれもう二か月前になるのかなというふうに思いますが、どうもやっぱりこれは納得できにくい箇所があるんで、それについて質疑させていただきたいと思います。
 御案内のとおり、三十三条の第一項第六号において、前号に掲げる措置により民営化等の見直しは行わないものとするということでありました。これについてはお互いに水掛け論になったのは御案内のとおりであります。しかし、衆議院の委員会質疑の中で小泉総理はこう発言されております。この資料の二ページ目にありますように、そういうことですから、もうこれは、もう改革は公社でおしまい、だからこそ、将来民営化を行わないんだということでそういう規定を入れたと思うんですということを、はっきり内閣の意思を入れてこういう規定を作ったんだということをお認めになったわけですね。よろしいでしょうか。公社で最後、打ち止めという議論があって、もうそういう規定を入れたと承知しておりますという意味において、はっきりと内閣の意思として将来にわたって拘束するものだということを規定したんです、そのことを小泉総理はお認めになったわけであります。
 最終的に民営化するかどうかの判断は、それはそのときの政治判断ですから、それはどう御解釈されても、いわゆる判断しても構わないんですが、少なくとも内閣として将来を拘束するんだということを小泉総理も認めていながら、さらにその基本法に抵触する形でこれを修正せずに出したということは、私は非常に問題があるんではないかなというふうに思いますが、その点についてまずお伺いしたいと思います。官房長官。
○国務大臣(細田博之君) 中央省庁等改革基本法第三十三条第一項各号でございますが、「政府は、次に掲げる方針に従い、総務省に置かれる郵政事業庁の所掌に係る事務を一体的に遂行する国営の新たな公社を設立するために必要な措置を講ずるものとする。」ということが規定されておりまして、私どもは、明らかにこれは郵政公社を設立するために必要な措置を講ずる際の方針を規定したものであると考えております。
 ただ、おっしゃいました、この小泉総理が若干、何度か答弁をされていまして、その過程でやや、よく分からない、意味がはっきりしないような答弁もありました。そこで、六月二日、はっきりとこういうふうに言っております。その藤田さんの議論についてどうかと聞かれたものですから、衆議院の予算委員会でございますが、公社化までのことを想定しているものであり、民営化も含め、公社化後の在り方を何ら拘束するものではなく、国営の新たな公社となるということを確認したにすぎないということであり、この問題については既に決着しているものと考えるということを当時の津野法制局長官が答弁しているわけでありますと、筒井議員の質問に対して明確にお答えしておると承知しております。
○若林秀樹君 官房長官、私の質問に的確に答えていないんです。
 要は、内閣の意思として将来にわたって拘束するんだという規定を入れたということを小泉総理はお認めになったわけですね。いいですか。その上で、それを守るんであれば、この基本法に抵触する形で同じように内閣が法案を提出してきたこと自体が問題だと言っているんですよ。そこら辺に対してきちっと答えてください。
○国務大臣(細田博之君) 今おっしゃいましたような前提でこの条文を解釈しておりませんで、政府としては、はっきりとこれは公社化までの規定であると考えております。
○若林秀樹君 じゃ、小泉総理は、そのときの内閣の判断として将来を拘束するものだということで規定で入れたということを認識しているわけですよ。ここをまず前提に置いたときに、その基本法の精神、法律に抵触する形で郵政の民営化をここを修正せずに出したということ自体が問題じゃないかということなんです。もう一回答えてください。言っている意味、分かりますか。
○国務大臣(細田博之君) ちょっと、おっしゃる小泉総理の答弁が、そういうふうにも取れる答弁が一部あったことは事実でございます。
 しかし、正確に、そうではない、私が答弁したような中身できちっと再答弁をしておられますので。
○若林秀樹君 再答弁したその議事録は見ておりません。その上で改めてこの藤田宙靖氏の見解、三ページ目を見ていただきたいと思います。
 御案内のとおり、藤田さんというのは行革会議のメンバーで、その後顧問会議の両方のメンバーを務めた法学者の一人であります。この間の経緯について一番詳しい方で、小泉総理が判事に任命した方であります。その方が、これは将来にわたって拘束したものだということをはっきり述べておられます。これについての見解は相違があるというのも理解しているところであります。
 ここで問題なのは、藤田氏もこの法律については民営化までの、民営化じゃない、公社化までの規定を織り込んだものであるということは認めていらっしゃるんですね。しかし、この三十三条については将来までも拘束してあるものだということで彼は言及しているわけであります。これについても違うとおっしゃるんでしょう。
 しかし、ここでもありますように、小泉総理は将来民営化しないという趣旨が規定されていることを国会審議で明確に認めている。その上で同法に抵触する法律案を政府が提案したとすれば、政府、その行為自体は基本法違反の行為であり、法的に許されないことになるのではないかという趣旨であります。これは、最初から最後の私の質問を踏まえて藤田さんの見解を入れたときの疑問でありますので、その上でちょっと答弁していただけますでしょうか。
○国務大臣(細田博之君) 藤田さんがそのようにおっしゃっているということも理解しておりますし、一項六号の規定ももちろん承知しております。それから、当時の閣僚等においてもいろいろな思いの方もおられたかということも承知しておりますが、基本法のときの担当大臣の答弁、そしてその後の小泉総理の答弁、そして衆議院における総理あるいは私の答弁は、そういう解釈を取っておりません。
○若林秀樹君 ごく常識にのっとって御答弁いただきたいと思うんですが、繰り返しになりますけれども、そのときの政府が将来を拘束するものだという趣旨を入れて規定したものだということを内閣、今の総理大臣がお認めになったと。それである以上、それに抵触した形で再度出してくるということ自体が法的におかしいんじゃないですかということを申し上げているんです。それに対しては、私は明確に答えられていないと思いますよ。
○国務大臣(細田博之君) それは、この六号を含めまして、郵政公社が設立されることによってこの三十三条一項は法規範としての役割を終えることが予定されていると考えております。
○若林秀樹君 繰り返しになりますけれども、明らかに矛盾を起こしています。これは、そのときの内閣が将来を拘束するものだということで規定を置いて制定した法律なんです。それに、今回数年たってそれに抵触する形で出してくるということ自体がおかしいんです。筋であれば、本来、この法律をきちっとやっぱり変える、修正する、廃案にするということが必要だということを申し上げているとおりであります。
 あえて聞き方を変えれば、たった数年前の内閣のこの規定の置き方と今のこの解釈は違って当然なんですね、じゃ、その時々の判断で。
○国務大臣(細田博之君) 当時の、平成十年の小里担当大臣、行革の担当のですね、小里大臣、そして橋本総理答弁でも私どもははっきりとこの規定について先ほど申し上げたような解釈をしておりますので、一貫しております。
○若林秀樹君 少なくとも、ついこの間、小泉総理はそういう規定で入れたということをお認めになっているわけですよ、それは。それは幾分後で修正されたかどうかとは別として。ですから、明らかにこれは矛盾しているわけでありますので、やはり法治国家の日本としてはきちっとこれをやっぱり修正、廃案として、その上で提案するということを改めて述べておきたいというふうに思います。
 その上で次の質問に入っていきたいと思います。
 私は、自分自身の略歴なんですが、議員になる前は競争の激しい電機・電子産業に身を置いてきましたので、サラリーマンの大半を、正にその民間企業のダイナミズムを私なりに感じてきた人間であります。そして、一方、短い期間でありましたけれども、国家公務員として三年ちょっと勤務した経験がありますので、ある意味じゃ官と民を両方経験した人間として今の民営化の議論を聞いていますと、ちょっとおかしいんではないかなという感じがしております。
 小泉総理は、民営化はいいもんだと、もう何でも民営になったらいいんだと、非常に盲目的なお考えかもしれません。しかし、こういう民営化の本質を見誤ったこういう議論というのは、やっぱり国民を私はミスリードするんではないかなというふうに非常に危惧するところでありますので、民間だっていいということはもちろんあるわけなんですが、官じゃ駄目なのかということをしたり官が改革に後ろ向きかといったら、決してそんなことはなくて、一生懸命みんなやっているわけですよね。そのときの民間企業がやっぱり頑張れる前提条件が一方あるんだと思います。そういうことを関係なく民がいいんだということは、非常に私は今回の議論を聞いていて乱暴じゃないかなというふうに思っているところであります。
 その意味で、少しずつお伺いしたいと思いますけれども、官より民である事業のクライテリアは何があるのか、竹中大臣にまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 非常に大きなお尋ねでございますが、私たちは市場経済の中で活動をしております。その意味では、民でできることは民というその基本原則が、基本原則としてやはり私は重要だと思いますが、その上で、サービスの内容に応じて、民間企業によって供給される方がそれが適切なもの、そのサービスの公的な性格から公的部門によらなければ適切な供給がなされないもの、そしてその中間として、民間企業によってもまた公的な部門によってもそれぞれ特性に応じたサービスが提供されるもの、やっぱりこれは様々あるのだろうと思います。
 したがいまして、官業として行っている事務事業の民営化の是非につきましては、これはやはり個々の事務事業の内容、性格、取り巻く環境などに応じて個別具体的に判断をすることが必要になるというふうに思います。
 一般的なお尋ねでございますので一般的にお答えせざるを得ないんでございますが、私はやはり私的な財とかサービスとかというのは、これは市場で配分されるのがいいと思います。そのときには、やはり民がそれをしっかりやっていくというのがよいと思います。しかし、間違いなく市場だけでは配分されないものがございます。離島のサービス、ハンディキャップを負った方々へのそのサービス、そういうものについてはやはり公的な関与が必要でございます。
 公的な関与のものにつきましては、これも実は幅は広いと思いますが、官で、つまり政府で官業としてやらなければならないものも当然ございます。しかし、同時に、その公的なサービスにおきましても、民の活力を生かしながら、民営、民間企業によってプラスその何らかの政策的な手当てを組み合わせることによりまして、公的な財・サービスについても提供することが可能であるというふうに考えております。
 それぞれに合わせて、やはりその私的な財・サービスを市場で配分するのか、それとも市場で配分できない公的な財・サービスを政府が何らかの形で関与するのか、そういう判断をする必要があると思っております。
○若林秀樹君 一般論で聞いたんで一般論で返されたんで余計分かりにくくなりましたけれども。
 例えば、公営の地下鉄とかバスがありますよね。こういうのは民間企業で、民間でやるべきでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そこもいろんなパターンがあるのだと思います。公営の輸送サービスでございますけれども、輸送サービスとして極めて市場では配分できないような公共性の強いものもあれば、鉄道も、私鉄もあるわけでございますから、私鉄によってやれるものもあるということなのだと思っております。
 そこはケース・バイ・ケースと言わざるを得ないのでございますけれども、傾向としましては、できるだけやはり民の活力を活用しながら、しかし公共的な性格についてはそれをしっかりと確保していく、そういう基本原則でございます。民にできることは民というのは、正に私が今申し上げたようなことであろうかと思っております。
○若林秀樹君 となりますと、例えば東京都営の地下鉄というのはもうすぐにでも民間企業でやるべきだというふうに私は理解しておりますし、そうじゃないと一貫性が私はないんではないかな。官でやらなきゃいけない理由には、今の一般論としての原則というのには私は当てはまらないというふうに思いますので。これは非常に難しい判断なんですよ、これは。私も、言っている方で非常にどうなのかなと思いながら言っております。
 ただ、一方で、例えばイラクでの民間警備会社を見てみますと、まず民間が国を守る仕事をやっぱりやっているわけですよね。様々な民間企業の在り方がやっぱり変わってきたときに、最終的に何を民間企業でやらすべきかということがやっぱり今いろいろ問われているんではないかなというふうに思います。
 そういう議論を見ながらやっても、私は、やっぱりこの四百ある離島の中でこの郵便事業というのはやっぱり公共サービスとしての公的な役割が非常にやっぱり強いと。その上で、いろいろ特殊会社等々、さっき言っているわけでありますけれども、私はやっぱり、いろいろこの議論を振り返りながら、いまだにそこのところがやっぱり理解できないところでありますので、少しその辺については後ほど議論を深めていきたいなと思っております。
 その上で、生田総裁が来ていただいていますので、まずこの間の質疑のやり取りで少し、ちょっと確認させていただきたいと思うんですが、小泉総理が総裁就任の依頼をされて受けられましたと。その上であいさつに行かれましたよね。で、まだ就任されていない、あいさつに行った段階で既に小泉総理は民営化の話をこれはされたというふうに答弁されております。そのときに、まだ総裁としての仕事をやる前にもう民営化の話をされたということは、どこまで公社化が本気なのかということを思われませんでしたでしょうか。
○参考人(生田正治君) お答えします。
 総裁になれということで、メディアに出てしまうまでは全く民営化の話はなかったということは、この間お話ししたとおりです。
 ごあいさつに行ったときに、言わば話題として、やっぱり自分は民営化というものを長年考えているので、郵政というものは民営化がいいと、こう思っているんだというお話をされて、それで次の話題へ移ってしまったわけで、それで、この間申し上げたように、私はもちろん新聞や雑誌等で読んでいましたから、伺わなくともそういう強いお考えをお持ちだということを分かっていましたから、ああ、やっぱりそうなんだなという受け止め方を心の中でしただけでございまして、具体的な話というのは何らなされなかったと。
○若林秀樹君 それは分かっています。
○参考人(生田正治君) そこまでしかないんですけれども、実際上。
○若林秀樹君 要は、具体的な話はされなくても、総裁就任の受けた、ごあいさつに行ったときに民営化の話をすると、したこと自体が私は非常に総裁を任命した者から見て不謹慎じゃないかなと。どこまでこの公社化本気だったのか。それであれば最初から民営化してくださいと何で言わなかったんでしょうか。
○参考人(生田正治君) 先生にお答えします。
 それはどう……
○若林秀樹君 総裁を非難しているわけじゃないんです。
○参考人(生田正治君) それは……
○若林秀樹君 総裁を非難しているわけじゃないんです。
○参考人(生田正治君) それは総理がどうお考えになっていたのか、私としては推し量られませんでしたけれども、私自身は心の中で、ああ、それはやっぱり信念持っていらっしゃるから、いずれ来るんだなという気はいたしました。
 したがいまして、とにかく良い公社をつくってくださいと御要請なんで、いい公社をつくっておくことがそのお役に立つのかなと、こんな感じを受けて帰ったというところでございます。
○若林秀樹君 総裁を引き受けられた生田総裁の立場から見れば、非常にこれはばかにした話じゃないかなと。いわゆる公社になる前からそういう話をやっぱりされたということ自体が何のための公社化なのかということに、非常に私は今回の一連の議論を聞いても疑問に思わざるを得ません。そして、総裁、公社化がスタートして半年後、既に経済財政諮問会議に民営化の指示をされたということでありますので、ほとんどもう最初から民営化ありきの議論を、既に公社化なくたってよかったというふうに取られても私は仕方ないんです、この一連の議論を聞きますと。
 その上でお伺いしたいと思いますが、この間の発言で総裁は、公社化なって総裁に就任したけれども、その将来的な経営に対して非常に限界を感じたとおっしゃられました。私は意外だと思ったんですけれども、いつごろの時点で、これでは、今のままだったら難しいなと思われたでしょうか。
○参考人(生田正治君) お答えします。
 まず、公社へ入る前に勉強はいたしましたけれども、それまではほとんど郵政のことは実は勉強をしておりませんでした。それで、公社へ入る前後勉強いたしまして、とにかく枠組みがある、それは公社法であり、社会的規範、民業圧迫、その範囲内でこれはとにかく最善を尽くすよりしようがないと、こういうことでありまして、職員、組合、みんなの理解を得まして、随分みんな頑張ってくれました。この二年間、予想以上の、一応郵政事業の過去と比較しますといい実績を上げてきたということでありましたけれども、初めの一年間、ずっと勉強すればするほど、まだまだ改善の余地はあったし、今もあるんですよ、それは公社法のやれる限界まで来てませんから。あるんだけれども、これはいずれ苦しくなるなというのは大体最初の一年で感じましたし、初年度の決算数字などを見ましてその感を深めた。
 多少解説していいんですか。それとも時間がないんですか。
○若林秀樹君 簡潔に、じゃ。
○参考人(生田正治君) それはどういうことで分かるかといいますと、簡保を例に取りますと、大体新規の年間契約というのは一千億ぐらいあったんですけれども、それを八百億で中期経営計画というのを立てたんですが、少し控え目にしようと。幾ら頑張っても七百億になり六百億になりと。これは大変なことになると。やっぱり人間のダイエットと一緒で、急激にやせると事業が傷むんですね。そういった意味で、「ながいきくん」入れて今やっと激やせに多少の歯止めが掛かっていますが、そういうふうなことで、これは商品性が欠けているからです。
 市場はどんどん進化しているのに、ちょっとでも新しいのをやると民業圧迫という合唱が起こりますから手も足も出ない。だけれども、日本国じゅうのお客様は、おたくが便利なんだから多少は市場性のあるものを売ってくださいよというニーズがあるんだけれども、それにおこたえできない。それから、郵貯も同じであります。ビジネスモデルが非常に限られているから、運用の制約で、利益率がどうしても、他の民間比較では半分ないしは、二分の一ないしはそれ以下の利益率しか上がらない。
 それから、郵便が率直に言ってかなり深刻なんですね。毎年五、六%減るわけです、通常郵便は。よく政府答弁で二、三%と数字出ていますが、それは他の市場分野で頑張って、ゆうパックとか何かで、それで挽回した結果二、三%に止まっているので、それは公社化以降頑張ったんですけれども、それがないと五、六%減っちゃうと。これはずっと続くわけです。それはなぜできないかといいますと、市場分野での活動が制約されている。それから、成功していっている諸外国の郵便当局がやれるような国際活動に投資もできなければ郵便事業もできないということで手も足も出ないと、こういう状況になっているわけですね。
 したがいまして、私は、政府の出した骨格試算が示すとおり、二〇一七年まで引き延ばしましても、入口で四、五千億ある利益が二千五百億ぐらいまで、まだ利益が出る構図にはなるけれども、限りなくやせていくことになってしまうので、約二十兆近い利益出す事業がたった二、三千億の利益では、これは利益率一・二、三%ですから、これではちょっと事業の様を成さないというのが数字も示しておりますので、これは何らかの格好で改善していただく必要があると、こういうふうに思いを深めたわけであります。
 その結果として、公社法を改正、かなり思い切って改正していただいて事業として成り立つようにしていただくか、あるいはいい民営化をされるか、それは高度の、いつそれをまた、それをどっちを取っていつやっていただくかはこれは高度の政治御判断にまつべきであると、こういう御意見を申し上げたわけです。
○若林秀樹君 今おっしゃったことは、私はこれ総裁就任前に既に理解されてなきゃいけないことではないかなというふうに思います。その上で総裁を受けられたわけですから、少なくとも四年間ここまでやるんだと、やっぱり公社は大丈夫なんだということを現時点でもやるのが私は経営者だと思いますし、そのことがこの公社化で働いている人をやっぱり引っ張る、モラル上最低限のことなのにもかかわらず、今もう既に一年目でもう公社は駄目なんだということを、限界を感じたと。それは正直な部分はあるんですけれども、私は、このいわゆる公社といえども企業体でありますので、そのゴーイングコンサーンとは常に環境の変化でしっかり対応を考えて、その限界を乗り越えていくのが私は経営者だと思いますので、そういう意味では私は経営者としてどうなのかなということを思いますので、その上で、何か御発言があれば。
 私は、一年目においてもう既に公社化の限界を感じたということに対して私は非常にショックでありましたので、それでも何とかやるのが経営者じゃないでしょうか。もし、必要なら公社法を改正してでもここまではできるんだ、ことをどこまで言えるかどうか。
○参考人(生田正治君) お答えします。
 事業の経営に当たっている者として、自分の事業が構造的に苦しいということは最も本当は言いたくないことなんです。本当に言いたくないんです。したがって、最近まで言ってないんです。ただし、正確に事態を知っておくことはこれまた経営者として絶対に必要なことでありまして、それは分析して、しっかり認識して、それで幹部を中心にできるだけその理解を共通に持ちまして、努力をしておくと。
 現に、先生おっしゃるとおり、今我々がやっているのは、この四年間、与えられている与件の中で目一杯頑張っておいて、目一杯頑張って最大限健全な公社をつくっておくということが、その先の組織がどうなろうと、それが一番いい格好で結び付いていく、将来の展望につながることであるという共通の信念の下に、ただいま役職員全員その思いで頑張っている真っ最中であるということであります。
 あえてここで申し上げたのは、やはり今大きく制度変更があるのかないのか、それを御審議の真っ最中でありますから、経営者として認識していることは、若干恥ずかしい思いはしながらでも率直にお話ししておくのが経営者の責務であろう、こう考えた次第であります。
○若林秀樹君 現実的には今もう既に審議されているわけなんですが、その前に、やっぱり公社法を改正したらここまでやっぱり公社としてできるんだということを経営者としてやっぱりしっかり示して、それでやっぱり時の内閣と話をするというのが筋だと思いますが、それをやらずして、もうほとんどそういうことはあきらめたかのような私は印象を受けるんで、私はそのしのぎ合いとして、公社を任せていただいた以上こういう改革をしてください、こういう公社法を直してくださいということをなぜ言わなかったんでしょうか。
○参考人(生田正治君) お答えします。
 私は、基本的には、公社という大きなお国の機関をお預かりしていて、それの将来的に具体的にどう持っていくかというのは政治の舞台で政治が御判断いただくことという立場を貫いておりますから、そういった意味で、私は少なくとも与えられた四年間最善の努力をして健全な公社をつくっておく、これが責務の第一と。
 それから、第二は、与えられた、発言が与えられたときには、まないたにいる人間が言うのはいかがかと思いますが、与えられたときには、さっきから申し上げていますように、二つの選択肢があって、いずれ、いつやるかはそれは政治がまたお考えいただくことなんですが、そのいずれを取ってどうやるかはひとつ是非、我々もその時が至れば申し上げるけれども、お考えいただきたいと、こういうスタンスを取ってまいりました。
 何分、公社がスタートしましてまだ二年ちょっとでございますから、なった途端に公社法の改正で走り回るようなことはいたさず、取りあえずは与えられた与件の中で最大の努力をしてきている最中であります。
○若林秀樹君 いずれにせよ、一連のお話を伺っていて、もう既に公社化スタートしたときから民営化の話があって、それを前提に動いているとしか私は思えませんので、まず本当に民営化ありきなんだろうなということをまた改めて感じたところであります。
 私は、やっぱりなった以上、公社化でどこまでできるかということを公社の総裁としては徹底してやっぱり考えるというのがこれ筋だと思いますし、公社化の改正云々と言いましたけれども、既に来年の四月から国際事業に出れるように今回の中で公社法の改正がやっぱり入っているわけですから、これは多分、今の公社の意向だというふうに思いますので、そこら辺もちょっと今の御発言とは既にもう少し違っているんではないかなというふうに思います。
 いずれにせよ、今の御議論を国民の皆さんがどう聞かれたかということがやっぱり本質的な問題ではないかなというふうに思います。
 その上で、やはり民間企業というのは、やはりそれが活躍できる前提条件が私はあるんではないかなというふうに思います。その意味においては、JRのときとかNTTのときとは今回はちょっと条件が違うんじゃないかなと思います。
 正に、この四百から成る離島を含めて、きちっとやっぱりユニバーサルサービスをやらなきゃいけないということにおいて、それに同等な条件で今競争相手がいるかといったら、これいないんです。JRはもう既に私鉄から、いわゆる航空会社からいましたし、NTTでも、既に国際化の流れの中でどんどん参入があって、入ってきたというときにおいては、私は今この民営化を考える中で、前提条件が私はやっぱり全然違うんではないかなというふうに思います。その上で、民営化するといいながら一方で足かせをどんどんはめているというのが今回の法案の内容ではないかなと思います。
 私も一枚資料を作ってまいりましたが、この資料の二の「名ばかりの民営化、官有民営の巨大コンツェルン誕生」という資料を作ってまいりました。もし違っていたらまた教えていただきたいんですが、私の資料を見ながら、取りあえず引っ張り出して、民営化、非民営化というカテゴリーで分けたところであります。
 当然のことながら、ユニバーサルサービス、郵便局は設置基準による全国配置ということで、公社とほぼ同じ設置基準。経営の一体性も、何だかんだ言って株の買い戻しも容認。金融全国一律サービスも、実態的にはできるようにして、採算が合わない場合には必要に応じて基金が支援。社会・地域貢献基金積立て、民営化委員会の関与、商品・サービス、預け入れの限度額、様々なことで現実的にはやっぱり介入をしながらやっているこの民営化では、これはやはりある程度、民営化に反対する人との妥協点も含めてこういうふうにしたと思うんですが、結局は、民営化といいながら、非常に経営の自由度を拡大、競争条件の対等の制約から本当に民営化言えるんだろうかという疑問を私はちょっと今回の法案を通じて非常に感じたと。
 ですから、元々やっぱり無理があるんです。無理があるところに様々な民営化という名の下でやりながら結局はまた足かせをはめているということ自体が私は今回の一番の大きな問題点ではないかなというふうに思いますので、改めて、これが本当の民営化企業なんでしょうかということを答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 民営化に期待する最大のことは、やはり経営の自由度を持っていただく、そして経営の自由度を発揮していただいて、正に民間のダイナミズムをそこで発揮していただいて、そして国民の利便に資す。お金の流れも活性化するし、公社の経営自体にも貢献するということではないかと思っております。
 委員御作成のこの表、今見させていただいておりますんですが、確かにユニバーサルサービス、これ義務付けております。そして、郵便局の設置におきましても、これは国民の生活を考えて、あまねく全国で利用できるように設置することを義務付けているところでございます。
 ただ、その他のものにつきましては、例えば経営の一体性で株式の持ち合い等々を容認、これはむしろ、その必要があれば自由に民間と同じようにやってもらったらいいということでありますので、これは自由度の縛りではなくてむしろ自由度を認めているということなのではないかと思います。また、経営委員会の関与等々で商品等々の、民営化委員会の関与等々で商品等々の規制の問題がございますが、これも移行期間の話でございますので、移行期間を経て完全な民有民営にやはりなっていっていただいた後に関しましては、これはそういう縛りはむしろなくなるわけでございます。
 これ大変大きな機関、かつ民間に与える影響が大きく、公共的な性格も担っている。そこで、移行期間を設けて、その間には民間の自由度とイコールフッティングを調整しながら市場へのソフトランディングを図るという趣旨でございますので、我々としては、できるだけ経営の自由度を持っていただきたいと、できるだけそういった縛りをなくしていこうと、ただしイコールフッティングには関与して一定の公共的な役割は果たしていただこうと、そのような制度設計にしているつもりでございます。
○若林秀樹君 今のお話を聞いていても、結果的にはやっぱり経営の自由度はある程度奪っているところもありますし、国としての関与がいろいろあるんだろうなというふうに思います。そうせざるを得ないからこうなっているのであります。
 ユニバーサルサービスといえども、やはり民間企業からいえば、店舗の統廃合がある程度自由にできないというのは一番最大のこれは足かせであります。しかし、そうしてはならないというのがこれの、郵便局の在り方でありますので、それと同じような基準で今民間企業が入れるでしょうか。同等な条件でできるでしょうか。正にこれ自体が公平で公正で競争できる自由市場にこれなってないんですよ、これは。それで民営化といったって、私は民営化という名前が笑っているというふうに思います。だからこそ、今の一般信書便の事業においてどこも参入できない。このことで、これが本当に民営化しての企業としてやっていけるような市場になっているかどうかというと、これできないですよ。
 これは、私は民間企業にいましたので分かるんですけれども、民間企業だから生産性が高いということはないんです。やっぱり目の前の自由市場競争で相手に打ちかたなきゃいけないんですよ。だから一生懸命、必死で頑張るわけですよ。それが、今日から看板が替わりました、さあ民間人です、頑張ってください。目の前にはだれも、別にライバルは、競争相手もいません。さあ新しい知恵が出るだろう、民営化だから。やってあげたよ。それで生産性が上がるわけがないんですよ。この基本的な前提がJRとは、NTTとは違うんです。
 ここの認識が私は、やっぱり小泉さんに決定的に欠けているんですよ、これは。これに対しての明確な答弁がないから、皆さん、みんな迷っているわけですよ。それに対してやっぱりきちっと答えてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員おっしゃるように、民営化すればよいものではない。正に健全な市場競争を通して、その中での切磋琢磨の中で生産性向上、良いサービスが出てくると、これは全くそのとおりであろうかと思います。
 郵便事業を例に挙げておられましたので、それで考えるのが重要かと存じますが、郵便事業というのは、これは、これも信書法等々で実は参入がございます。で、競争がございます。しかし同時に、これは世界じゅうそうでございますけれども、やはりユニバーサルサービス義務を負っていると、提供義務を負っているということから、一定の部門については何らかの独占的な利益を上げていただいて、そこをリザーブエリアにして、その上でその他の部門については競争をしていただく。これはこうした業種の世界的なルールであろうかというふうに思っております。その意味では、リザーブエリアをどのように確保していくのかというのは、これはまた、これは総務省における大変重要な政策の御判断になろうかと思います。
 我々は、民営化に当たって、今のそうしたリザーブエリアに関する枠組みは変えない、その上で今後そうした、今それに基づいて生田総裁の御努力によってユニバーサル義務を果たしながら何とか黒字を上げているわけでございますから、そういう中で引き続きこれはしっかりと競争をしていっていただくということなのではないかというふうに思っております。
 いずれにしても、我々は今回、できるだけ競争をしていただこうと。それによって市場の健全な競争を通して生産性を上げて、国民のより利便に供するような存在になっていただきたい。郵便事業におきましてもそのように考えているところでございます。
○若林秀樹君 条約等でそのユニバーサルサービスをきちっと確保しなきゃいけないというのは分かるんですけれども、そこがやっぱりドイツのような大陸とつながっているところと、本当に四百ぐらいの島々となる日本において、前提がやっぱり大分違うんではないかなという感じがします。だからこそ、それに対してきちっとやっぱり設置を配慮するというのが今回の内容だと思いますが。
 そのエリアにいって、それをリザーブエリアと呼びながら、そこには民間はほとんどやっぱり参入できないにこれ等しい状況でありますから、それで一方、そのネットワークを使って銀行業務あるいは保険業務、様々な新規事業をやるということ自体が正にこれはイコールフッティングじゃないという、その前提から私はやっぱりスタートしている元々の根本的な問題が私はあるんではないかなというふうに思いますんで、ますますこの民営化が名ばかりだということが私自身、今の中で理解をしたところでございます。
 その上で次の質問に入りたいと思いますが、少しちょっと飛ばさせていただいて、新規事業について伺いたいと思います。
 私は、今回この法案の中にではないですが、具体的な例示業務としてコンビニをつくろうと、そして新しいサービスを提供していこうということが書いてあります。もう来年から人口減少時代でありますんで、正に市場自体が低迷をしていく状況で、縮小していくということであります。
 コンビニというのは聞こえはいいですが、基本的には昔からの商売の物売りの仕事であります。ですから、その地方地方において、酒屋があり、八百屋があり、お菓子屋があり、そういうものを売っている事業があるわけですね。結局、そういうコンビニが出たことによって、そういう店はやっぱりやめざるを得なかったという状況は現時点で起きているんですね。既にこれだけのネットワーク、コンビニがある中で、なぜ郵便局が既存のこういう成熟した、ある意味での、物売りの産業に入っていかなきゃいけないか。それがやっぱり基本的に私は全く理解できない。
 その点について、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 新規事業、その中でもとりわけコンビニについてのお尋ねでございますけれども、郵便局会社が具体的にどのような新規業務に進出していくのか、これは今後、新経営陣の下で戦略性がだんだん練られていくわけでございますけれども、この郵便局ネットワークという経営資源は集客力のある営業拠点、集客力のある営業拠点でございますから、その活用の仕方によって様々な事業展開の可能性を秘めているということだと思います。いわゆるコンビニ形式を含め、これはコンビニだけではございませんが、コンビニ形式を含め物品販売というのは可能性のある新規業務の一つであるというふうに考えられるところでございます。
 郵政民営化準備室が今年三月に採算性に関する試算を公表しておりますけれども、これは大手コンビニ会社のチェーン店の収益構造を参考として作成した物品販売業を含め、これは新規事業としての可能性のある業務を選定をしまして、一定の前提の下で、民間準拠ということで試算をしております。その結果、試算の対象として様々な新規業務を実施することによって二千億円以上の利益を既存の業務に上積みすることが可能であるというふうな、これは可能性として示させていただいております。
 なお、同試算では、郵便局会社全体の物品販売業務の収益効果を把握するために、一つの例として、平均的な収益水準として民間業者並みの一店舗当たり販売額年二億円を確保する前提として、千三百か所でございますけれども、商品サービスの取扱い内容等を個別具体的に前提と、商品サービス等々を前提としているわけではございませんが、そのような前提の試算をお示ししているところでございます。
○若林秀樹君 竹中さんね、そういうことを聞いているんじゃなくて、人口減少で市場がこれからどんどん小さくなる、で、既存の成熟のいわゆる事業としての物品販売をなぜこの千三百店で、一店舗当たり二億円、結局それをやればほかに迷惑掛かるわけですよ。ほかに影響を与えるわけですよ。なぜそういう地域においてそういうことをあえてこの民営化企業がやらなきゃいけないかということを聞いているわけであって、試算が云々とかそういうことを聞いているんじゃない。姿勢、いわゆる民営化企業の姿勢そのものを私は聞いているんであって、それが私はやっぱりちょっとおかしいんじゃないか、正にこれこそが民業圧迫じゃないですか。ミクロではそうじゃないですか。
 その地域において、ただでさえシャッター通りとか言われているこの状況の中で、更にコンビニをつくって更に二億円だと、何でそんなことをやらなきゃいけないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 人口が減少する中でと、それはもうそのとおりでございます。ただ、これは大変有効な営業拠点としての、集客力のある拠点としての資産価値を持っているわけでございますから、これを活用していただきたいと。活用することによってそこで収益を上げていただくということは、これは国民経済の活性化という観点から、決してこれは反するものではないということでございます。
○若林秀樹君 それはいわゆる経済モデルではそうかもしれませんけれども、いずれにせよ人口減少してミクロでは市場がシュリンクしていくわけですよ。で、まず成熟産業として町の物品業、物品販売業を、そんな二億円で一千三百店でやるという。それは活用は分かりますよ、それは、郵便局で。そういうことを民間企業が、あるいは地元の人で本当にそれを求めているんでしょうか。
 もうちょっと扱い、扱う商品は少なくても小ぢんまりとして、昔ながらの郵便局で、そういうネットワークで心の温かさがあるそういうネットワークも望んでいるかもしれない。ごり押しが強くて商品の品ぞろえ広げて、さあどうぞ売ってくださいという、そういうよりは私は、本当の意味での郵便局の在り方を見たときに、今そこで何でそういうことを、この人口減少時代、市場がシュリンクするときに活用だからということでこの民営化会社がやらなきゃいけないかという、そのことがやっぱり本当に私はやっぱり理解できない。
 二千億円出せばそこから減るわけですよ、他社が、間違いなく。一店舗当たり二億円やったら二千六百億円ですよね。その分売上げが減るんですよ。それはマクロではちょっとずつの経済成長あるかもしれませんけれども、ミクロでは間違いなくその周辺地域ではやっぱり迷惑するわけですよね。そういうことがこの収益拡大ということで、これをやることが必ずしも国民の理解を得ているとは私は思わないと思います。
 そういう観点でちょっと答えていただきたいと思います、その。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私は、郵政、これは、今は店舗の活用の例でございますが、それだけではなくて、金融についても保険についても、民間企業として対等の条件で競争に参加していただくことによって経済が活性化される、これはやっぱり極めて重要なポイントであろうかと思います。例えば、今ゆうパック等々で公社頑張っておりますけれども、これから人口減少していくんだからゆうパックやめろと、これは民間の会社に任せろと、そういう議論にはやっぱりならないわけでございます。
 ここはやっぱりしっかりと健全な競争をしていただいて、そしてそれが経済のパイ全体を大きくしていただく。正に持っている資産を活用してそういう形での活性化をしていただくということは、市場経済を通して経済全体を活性化する、私は大変重要な役割を担っているというふうに思っております。
○若林秀樹君 私の質問をちょっとすり替えて、また角度を変えて発言されたと思います。
 マクロではそういう見方もあると思いますけれども、ミクロで見たときには、その町の郵便局がいきなりコンビニを始めて、それによる影響というのは現実にあるわけですよ。その町はやはり拡大しない、人口がどんどん減っていく、ただでさえ物品販売業が大変な状況に出て、だだだだっと出ていって、コンビニがそれをやるということ自体が、企業経営の姿勢としてそういうことは必ずしも私は望ましいことではないんではないか。
 新規事業だったらいいですよ、今の国際事業あるいはそういうゆうパックのあれだったら。これは違うんですよ、もう成熟産業で正に町の物品販売の基本でありますから、コンビニというのは。そこに一店舗当たり二億円、千三百店舗やるということ自体がどうなのかなということを聞いているんです。そんなマクロ経済の理論を聞いているわけじゃないんですよ。
○国務大臣(竹中平蔵君) マクロの経済のメカニズムは、長期的にはやっぱり大変重要な問題だと思います。やはりそれを……
○若林秀樹君 それは分かります。
○国務大臣(竹中平蔵君) まあそれは委員も認めてくださっているんだと思います。しかし、短期的にはいろんな問題が生じ得るのではないか、特に人口減少社会では。その若林委員のお尋ねももちろん理解できるところでございます。
 そうした観点からこの法律では、これは同業者に、他社に対する配慮義務というのを特に移行期間中には課しておりまして、長期的にはこれはそういうメカニズムが重要だということは委員も認めてくださっておりますけれども、短期的にそういうことに対する配慮を行いながら、長期としてやはりこれは活性化するメカニズムを発揮していこうと、こういう制度設計になっているわけでございます。
○若林秀樹君 今の議論聞いていても、やっぱりその町で営々と培ってきた店の商売を畳む人のやっぱり気持ちというのも、やっぱり考えてもらうということも必要じゃないかなと思います、政府の方針としても。やっぱり廃業に追い込まれる可能性は非常に高いわけですよ。結局そのことがやっぱり民営化としてねらうところであればちょっと違うんじゃないかということを、私はやっぱりそこで住んでいる人の気持ちも含めて言っているんで、私は今のお話は個別には多分理解されないというふうに思います。
 それ以上言ってもまた同じ答弁繰り返すんですから、やっぱりそのハート、気持ち、そこに住んでいる人の、地域のやっぱり活性化も含めて、どうしたら一番民営化が望ましいかということをやっぱり考えないと、机上の空論で、政策論としてそうやるということは分かりますけれども、一方、ミクロで見たときのやっぱり郵便局の役割ということをきちっと考えたときに、新規事業で考えているとはとてもじゃないけど思えないということを申し上げて、あと四、五分ですが、次の質問に移りたいと思います。
 その上で、ちょっと採算性に関してお伺いしたいと思います。
 今回、イコールフッティングという意味においては課税されるということでありますんで、今までの非課税から課税になれば、当然政府としての収入が入るという意味において、そして株式を売却することによって将来的には、何か見ましたけれども、将来の増税の幅が少なくなるとか言って、いかにも非常にバラ色のような雰囲気を言っております。
 私は、株式の市場売却というのは、これは株式も、これは、これまでは税金で得られたこれは資産ですから、税金を正にそれで使い切っちゃう、いわゆるバランスシートからなくなしちゃうということですから、何でもかんでもそれがプラスになるということでは必ずしもないですよね。それから、税収といっても、確かに税収は入りますけれども、今だって内部留保で入れているわけですよね、一兆円とか二兆円。それが四年計画のごとに半分はまた国庫に返されるわけですよ。必ずしもそれが今の公社化だから税金を食うなんという話は全然違うわけで、きちっとしたそういう比較をした場合に、今回の民営化のこれからの十年と公社化のままで行ったときの十年とを見たときの収支の比較はどうなっているんでしょうか。当然やられたと思いますが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 公社化、公社の場合と民営化した場合の収益でございますけれども、準備室としましては、民営化を前提に、昨年十一月に骨格経営試算を発表しております。また、今年三月には採算性に関する試算、新規業務を行ったとき等々の試算を発表しております。
 その中では、公社のままのときと民営化した場合とで収益がどの程度変わるというかについて直接的な試算をしたものはございませんが、ただ、骨格経営試算では、これ新規事業を行わない前提で、新規事業を行わない前提で、二〇一六年度に四社合計で四千三百億円の税引き前利益が見込まれているところでございます。内訳を申しますと、郵便会社が約二百億、貯金銀行が二千五百億、保険会社が約五百億、そして郵便局会社が千百億円となっているところでございます。
 それに対して、民営化のメリットをフルに発揮して新規事業を行う場合でございますけれども、新規事業、想定されております新規事業すべてを行った場合の民営化四会社の税引き前利益の合計は約六千億円上積みされまして一兆三百億円、一兆円強と試算をされております。内訳としましては、郵便会社が約七百億円、それで貯金銀行が約五千七百億円、保険会社が約六百億円、郵便局会社が約三千四百億円となっている場合でございます。
 民営化を行わない場合は、これは新規事業を行うことができないわけでございますので、この税引き前利益約六千億円の上積みが不可能になると、そして既存事業についても経営の効率化が民営化しない場合に比べて進まない可能性があるというふうに考えているところでございます。
○若林秀樹君 つまり、もう一つ聞きたかったのは、政府へのいわゆる財政上の貢献度の比較が試算されてないというふうに私は今の状況で伺いましたんで、当然そういうこともきちっとやっぱり、十年後にいわゆる課税した上での収入と公社化で行ったままのいわゆる差引きというのは当然比較されていいと思うんですが、それもない。そして、十年後の公社化しての試算も、現実的には今は新しい民営化企業での試算しかないわけですから、やっぱりそういうのもきちっと本来はやらなきゃいけないことじゃないかなというふうに思いますんで、それさえ比較をしてないこの法案は正に民営化先にありきの私は法案ではないかなというふうに思いますんで、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
 以上です。
○山根隆治君 まず、まず今の若林同僚議員の論議を聞いておりまして非常に気掛かりなところがありましたので、その点からお尋ねをいたしておきたいと思います。それは生田総裁に対するお尋ねでございます。
 先般の総括質疑の中で、公社の展望を述べられる中で、短期だか中期だか長期だか明言されませんでしたけれども、非常にこれからの経営が厳しいものである、無理が非常に伴う経営にならざるを得ない、そうしたニュアンスの答弁がございました。
 そのときに二つの条件を出されたと思います。一つは民営化ということで活路を見いだす、もう一つはこの公社化の法律というものをいじくることによって、改正することによって活路を見いだすと、こういうふうなお話がございました。しかし、全体の流れとしてはどうもやはり民営化でないと活路を見いだせないと、そうした趣旨の御発言であるように私は聞かせていただきました。残念ながら、議事録がまだできておりませんので確認することはできませんでしたけれども、この答弁を聞いて、二十七万職員の皆様の間に私はかなりの動揺が広がったんだろうというふうに思っております。
 今の若林議員との議論の中でも、その点はまだ私自身納得できないものがございます。そのまま御答弁を聞かせていただくと、私の受け取ったニュアンスでは、もしこの法案というものが廃案になる、民営化ノーという結論になった場合に、小泉総理と心中をされる、そんなふうな決意にも私に聞き取れたんですが、この辺はいかがでございましょうか。
○参考人(生田正治君) お答え申し上げます。
 私が衆議院でも申し上げましたし、こちらでも申し上げましたのは、政府の骨格経営試算が示すとおり、公社法のまま、そのままずっと十年引き延ばすと、三事業各々売上げも低減してくるし、利益も減ってくる。それをその先に延ばすともっとそうなるでしょうから、先行きが非常に苦しいと。したがって、いずれその途中でビジネスモデルを開放して、経営の自由度を回復して事業として成り立つようにしないと、公的なお役目、使命、みんな誇りを持ってやっています、これも満足に達成し得なくなるだろうから、それを御判断願わねばならないと。だけど、その選択肢は公社法を改正することによって経営の自由度を広げていくという一つの手法があると。だけど、もしそれが民業圧迫等で難しいんであれば、その場合はいい民営化を考えていただく。いずれかの選択になるんだろうけども、これをどちらを選択されるか、それでそれをいつおやりになるのか、これは政治で御判断いただくのが筋であると、こういった同じことを言っているわけであります。
 それに付言しますと、職員には前から、難しさにつきましてはもう率直に話はしているんです、お正月のあいさつとか創立記念日とか、話しております。それで、職員には、今民営化の話が進んでいますねと、行くのかどうかこれは政治が判断されるだろうけども、私は、まあ総裁として私はこういうことを言っていますよと。もし民営化するんであれば、いい民営化でなければならないと。民営化するためには国家の大義があると思うと、それは財政問題であったり金融市場の問題であったり経済があるだろうと思うけども、それと整合して、公社の掲げて全員で努力している三つの経営ビジョンを、公社のままやるよりもより良く達成するようにすることであると。そういう制度を中に入れていただく、組み込んでいただくことでやるんであれば、それはいい民営化かも分からない、こういうことをもう一年ぐらいずっと言っておりますんで、職員に特に違和感はないと思います。
 もう一言だけ言わせてください。
 三つのビジョンというのは、一つは顧客の利便性です、パブリックですね、利便性。二番目が健全な事業体制。三番目が雇用にも通じます、職員に働く意欲と生きがいと将来展望を与える。こういう三つのビジョン、これが公社のままよりもより良く達成できる制度設計にしていただきたいということをいつもアピールしているわけであります。
○山根隆治君 済みません、ちょっとそこにおられてください。
 総裁、それでは確認いたします。今後も引き続き当分、当分の間、この法案が廃案になったとしても総裁の任に当たられると、その決意を改めて述べてください。その決意があるんであれば。
○参考人(生田正治君) 総裁を引き受けるようにお説得を受けたとき、まあ最後はお引き受けせざるを得ない客観情勢になったわけでありますが、引き受ける決意をしたときは、民営化で引き受けるわけでもないし、何でもない、この四年間、立派で健全でいい公社をつくる、それの使命でやらしていただいているわけでありますから、おまえは不適格だと言われない限り、私は任務を全うするつもりでおります。
○山根隆治君 それでは、担当大臣である麻生さんにお伺いをいたしたいと思います。
 麻生大臣とは総務委員会で御一緒いたしておりますので、総務委員会での論議のときにもこの郵政民営化についての御見解を聞かせていただいたことがございます。その中で、私どもの高橋議員、当委員会の委員ではありますけれども、の質問に対しまして、こういうふうにお答えになっておられます。結果として、民営化されたら前よりサービスが良くなった、国としても税収が増えたなんとか等々、数えればいろいろと出てくるけれども、そういった形で良くなるというのを前提で民営化でなければ、民営化でなければならない。民営化して補助金が要るようになったのではいけないと、こういうふうなお話をされているわけでございます。
 補助金というものとは違いますけれども、今回の法案の中で郵便局、地方の郵便局が非常に苦しい経営を余儀なくされるというところをかんがみて、基金というものを設けるということが明らかになっているわけでございます。一兆であるかあるいは二兆であるかというふうなことも含めまして、これは当然国の補助金とは質が違うものでありますけれども、またある面では、自立ということからすると非常に問題のあるような、見方によれば、ものもございます。
 麻生大臣が言われてきた本当の民営化の趣旨とこの法案は本当に合致されたというふうに、自分自身のお心の中でも本気でそう思われるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 山根先生、ちょっと基本的な話ですが、ちょっと長くなることをあらかじめお断りしておきますが、これ、商売やるときに、最初から赤字でもって商売する人なんかいないと思います。郵便会社含めて黒字になると思ってやるのが当たり前だと思いますよ。現行、今黒字のものを、民間になったら赤字になる、民間にしたら赤字になったじゃ漫画ですから、これはどう考えても、これは民間になってもきちんと黒字になるような枠組みを作るのが我々法律を作る側にいる者の立場だと存じます。
 あとは、それができる形がある、できれば、あとは経営者の能力ということなんだと思いますんで、私どもとしては、基本的には今回の一兆円の基金の話というのは、田舎はすべて赤であるという前提になっておりますが、これは二万四千六百七十八あります郵便局全部突っ込みで幾ら、突っ込みって、全体、総トータルで幾らかという話でありますんで、今二百五十億ぐらいの利益が去年、今年と出ていると、前年度出ていると思いますが、その分が仮に維持されるとするならば、その分で、トータルは黒なわけですから、その一兆円は使う必要はないということになろうかと思いますんで、これは全体で、ここは赤字だからその金から出ていくのではなくて、こっちで黒であって、こっちで赤になった場合、これはトータルで埋めるということになってまいりますんで、その意味では一括ということが、一局ごとに全部やっているわけじゃございませんので、私どもとしては、最終的にうまく経営をやりさえすれば、郵便配達含めて、これ黒字になり得る可能性は海外を含めてあり得ると、私自身はそう思っておりますんで、その意味ではこの十年間たった結果、私どもとしては、やっぱりあの法律作った結果、悪くなかった、経営者もいいのを選んでよかったという結果になるのが最も望ましい形だと、私自身はそう思っております。
○山根隆治君 自信を持っての御答弁ということで、このことについては受け取らせて取りあえずいただきたいと思います。
 次に、私は天下りの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 この問題については、衆議院の論議の中でも余り触れられてたしかいないかと思います。この郵政の民営化の大義の一つに、官から民へということで経済の活性化ということの意味と、そしてもう一つは官の肥大化を防ぐ、こういう意味合いが私はあるんだろうと思っております。
 しかし実際には、今回のこの民営化ということを行われると、私は、隠れたところで官の肥大化につながる、つまり天下り先をつくる装置になりはしないかと、そのことを非常に恐れるものであります。
 これは非常にこうかつに、巧妙にある見方すると作られている法案の一つにもなっている、そういう視点が私にはあるわけでございます。天下りということ、この定義について御答弁をいただきたいと思います。(発言する者あり)いや、これは総務大臣の所管だろうというふうに認識しておりますが。
○国務大臣(麻生太郎君) 天下りの定義と言われると、原則として、正確な記憶ではありませんが、離職後二年間は密接な関係のある民間会社等々私企業の地位に就くことがなされる場合には人事院の許可が要るというのが、たしか、ちょっと正確じゃありませんけれども、多分それが定義だと存じます。
○山根隆治君 今突然でございますから、そこまでで十分だと思います。国家公務員法の規定の中で、百三条で、第二項、第三項の中でそれが規定をされているわけであります。
 それではお尋ねをいたしますが、特殊法人、郵政公社含めまして関連の企業、郵政公社については二百三十社ぐらいあるというふうに承知をいたしているわけでありますけれども、ここの子会社、関連企業の転職ということが郵政公社から行われた場合、職員が行った場合には、これは天下りという定義には入るんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 公社も国家公務員という立場にあろうと存じますので、子会社が仮に民間会社ということになるというんであれば、今の場合は当てはまるということになるのではないかと存じます。
○山根隆治君 当てはまるということであれば、後ほどで結構ですが、どのぐらいの規模でどういった人が天下っているのか、資料の提出を後ほど求めたいと思います。
○委員長(陣内孝雄君) 理事会で後刻協議いたします。
○山根隆治君 鋼鉄製橋梁談合事件というのがございまして、連日のように新聞紙上をにぎわせたわけでございます。この事件につきまして、日本道路公団の近藤総裁は、疑惑を払拭し、日本一透明度の高い上場企業にする、こういうふうに語っておられました。さらに、民営化後も情報公開の水準は絶対下げない、こう明言をされているわけであります。
 しかし、実際には、日本道路公団等民営化関係法施行法の中で、新会社は情報公開の対象外というふうなことになっているわけでございます。総裁の発言と気合と決意と、それから実際に法制の適用ということについては、若干のここに乖離があるわけでありますけれども、この道路公団の問題については整合性についてどのように御見解を持っておられるか、国土交通省の方から御回答をお願いいたします。
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。
 日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁工事の入札に関しまして、独占禁止法に違反する談合行為に関与した容疑で、七月十二日、公団の元理事が東京高等検察庁に逮捕されたことは極めて遺憾に考えております。
 今回の公団発注工事に関しまして、国土交通大臣から近藤日本道路公団総裁に対しまして、今後、検察当局の捜査に全面的に協力し、事実関係について徹底して明らかにするとともに、今般の橋梁談合事件を重く受け止め、民営化を目前に控える中、いわゆる御指摘のありました天下り問題も含めた再発防止策を早急に取りまとめ、直ちに実行に移すよう指示が、指示をしたところでございます。
 これを受けて、日本道路公団では、近藤総裁を委員長とし、外部の有識者を加えた談合等不正行為防止策検討委員会を設置し、去る七月十五日には、公団退職後の再就職規制などの今後の再就職の在り方や、談合防止に資する入札契約制度等に関する論点整理を取りまとめたところであります。今御質問のございました件につきましては、民営化も、一定の公共事業の発注というふうなことで一定の規制を受けるということで、この論点整理の中でも議論を深めていただくということになっておる次第でございます。
 国土交通省としましては、引き続き鋭意御議論いただき、八月上旬を目指して再発防止策を取りまとめ、直ちに実行すべきものは実行するなど、総裁を先頭に役職員一丸となって一刻も早く国民に対する信頼の回復を図っていきたい、いただきたいと考えているところでございます。
○山根隆治君 私は、非常に郵政公社が民営化された場合にこの天下りについて非常に見えなくなって当然くるわけでございまして、その点の非常に心配があるわけでございます。
 実は、郵政民営化法整備法案の中で独立行政法人等情報公開法の改正がありまして、同法の適用対象から郵政公社が除外をされるというふうになっているわけでございます。情報公開制度というのは、天下りの規制について、間接的ではありますけれども、非常に抑制効果というものが私は非常に今日まであるというふうに思っているわけでございますけれども、新たに設立されます承継会社についてはこれは情報公開の対象ということにはなっていくのかいかないか、この点についてお尋ねします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 設立される新たな会社につきましては、これは通常の民間会社と同様の扱いになるわけでございます。
○山根隆治君 そうすると、民間会社と同様な扱いということについては情報公開法の適用にならないと、こういうことですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 行政ではございませんので、そのとおりでございます。
○山根隆治君 しかし、三分の一の、三分の一超の株式を保有するということで、政府の関与というのは非常に強いものがあります。そして、国民の関心も非常に高いというものがありまして、民営化ということの陰に隠れて大量のやっぱり天下りということが懸念をされるわけでございます。
 私は、この点については、普通の民間会社と違う、先ほど民間会社、そして民営ということについての御議論ございましたけれども、そう簡単に、単純に適用は受けないということについては国民の理解は私は到底及ばないと思うんですが、この点についていかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) とりわけ、その天下りについて委員御関心だと思いますが、これは民営化の趣旨を踏まえまして、制度設計上、特段規制、特段の規制をすることはしない、新会社の経営陣が人事政策の一環として適切に判断して行えるようにしているところでございます。
 もちろん、国家公務員法第百三条第二項におきまして、国家公務員は、離職後二年間は、離職前五年間に在籍していた国の機関等と密接な関係にある営利企業に再就職することは規制されておりますので、国家公務員である公社職員が公社と密接な関係にある営利企業に就職するに当たりましては、移行後二年間は人事院の承認を必要とするということに相なるわけでございます。
 なお、民営化されて特殊会社になりましたNTTやJR各社についても、今回と同様、一般の民間会社と異なる特別の再就職の規制等は設けられていないものと承知をしております。
○山根隆治君 二十七万人の職員、そして三百四十兆にも上る資産を持つ会社のことであります。そして、小泉さんが政治生命を賭してやっているこの法案ということで、過去のJR等々の例を挙げて、それをそのまま私は放置すべきではないだろうという気がしてなりません。
 郵政公社というのは、本当に今までの過去の歴史もたくさんありますし、私は、国民の気持ちというのはそう単純なものではないということを強く思うわけであります。
 今回の日本郵政株式会社法案の中で言いますと、例えば第十四条、総務大臣は、この法律を施行するため特に必要があるときは、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができるというふうにあります。そしてまた、郵政事業株式会社法の中でも同様な規定がございますし、郵便局株式会社法でも同様な規定がございます。
 私は、この天下りの問題については非常に国民の注視が強いものでありますし、今までの、今お話のあったJR等々とまた違った国民感情があるわけで、是非とも私は大臣の、総務大臣、今席を外されていますか、所管になろうかと思いますけれども、この点については、私は、監督責任の中で一定のやはり必要な命令を出して、私は、天下りの実態については当分の間これは明らかにしていく、情報公開していく必要があると考えるところでございますが、改めて御見解、国民の感情を意識したところでの御見解をちょっと聞かせてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 国民の感情、確かに委員御指摘のような問題意識をお持ちの方も多いと思います。
 そもそも、なぜ民営化、民間、民営化された後そういう天下り規制がないかということを考えますと、これはやはり民間企業としての大変厳しいガバナンスが働いているはずであると。つまり、本当に役職だけで必ずしも適材適所でない方を次の子会社に送ったりしたら、本来、株式の会社の価値が損なわれるはずでありますから、そうならないように、本来、民間企業としての厳しいガバナンスが利くはずであると、そのような前提が基本的にはあるものだと思います。しかし、民営化されました当初は政府がこれは株式を全部持っているわけでございますし、その意味では、総務大臣の一般監督権限を行使するということが極めて重要であろうかと思っております。
 当然のことながら、これは全般にわたる監督でございますので幅広いものになりますが、その中にやはり人事の配置でございますとか天下りを含む問題についても当然入ってくるわけでございますので、総務大臣におかれて適切な監督がなされるというふうに思っております。
○山根隆治君 総務大臣、今席を外されていたときに御質問させていただきました。
 民営化された後の天下りということについて、もう民営化されたんだから関係ないんだ、こういうことでございますけれども、私は、橋梁談合も含めまして、今までの天下りの定義、あるいは発生してきたいろいろな問題というのをもう少し私は広げてこの天下りというのを考えていかなくちゃいけないというふうな立場での質問なんですけれども。
 法案の中に、日本郵政株式会社法の中でも、そのほか関連する法案の中でも、総務大臣は、この法律を施行するために特に必要があるときは、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。この項目の中で、この中で私は、天下りについての情報というものも、これは天下りじゃないんだということではなくて、少し天下りの定義というものを広げて広義に解釈をするようにして、そして情報の公開というものを私はしていかないと、またこうした問題が陰に隠れたところでどんどんどんどん天下りが行われていくということに実際なりやしないかと。そのことをお尋ねをしているわけで、監督責任上、命令をすることができるということからして、この点について、大臣の強力なリーダーシップをもって情報公開ということに踏み切っていただきたいということをお願いして、御見解を賜ります。
○国務大臣(麻生太郎君) 竹中大臣の答弁のときにちょっと席を外しておりましたので。
 この法律のところの監督をいたしますのは、いわゆる総務省の中の人事・恩給局というところが多分この話に関与するので総務省ということになっているんだと思いますが、これは、基本的には民間会社に、十二年後、仮に民間会社になったとした場合は、これは民間のもういわゆる経営姿勢とか、英語ではガバナンスと言うんですけれども、そういった統治、そういったようなことが基本になるんだと思いますけれども、いずれにしても国の、就職に関していきなり政府が全部民間会社の、セメント会社の再就職に全部関与するなんということはとてもじゃないけど、私の方もお断りしますんで、そういう意味では、なかなか民間の会社になりますとさようなわけにいかないという点はある程度御理解いただきました上で、今言われましたように、こういったことに関しましては、いろんな意味で問題、みんなから見られているという意識を持ってこういったところに関しては私どもとしても適切に対応していかねばならぬと思っております。
○山根隆治君 株式を全部売却して本当にしっかりとした完璧な形での民間会社ということになった場合ではなくて、それ以前の過渡的な措置の段階で私は情報公開する必要があると、こういうことを申し上げております。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、経過処置というのは十年間の間の話というのは、まだいろんな意味で、株の持ち方の比率の段階もちょっといろいろ段階によって言い方も変わってくるのかとは存じますけれども、基本的には政府の影響は極めて強いというんであれば、それに関係する会社というのに関しては、今の人事院等々最も大事なところだろうと思いますんで、御指摘の点を踏まえて対応させていただきたいと存じます。
○山根隆治君 JRやJT、それからNTTはいまだにWTOの政府調達協定の対象機関と実はまだなっております。郵政各社もこれは同様な扱いとなっていくというふうに見てよろしいんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には同様の扱いになるというふうに御承知おきいただきたいと思います。
○山根隆治君 そうしますと、先ほど来御議論を聞いておりますと、民営化すれば自由度が増すという政府の説明とある種これは矛盾をするところも出てくるわけですね。しかし、一方では逆にこのWTOの協定をしているからこそ情報公開、透明度という点からは非常に明らかになっていくメリットも国民の立場からあるということになろうかと思います。
 もしWTOの適用の除外となった場合の今度は代替措置というものはどのように考えたらいいのか。恐らく今回のWTOの適用について、今なるという、なるのであろうというふうな答弁を簡単にあったわけでございますけれども、しかし実際にはそこにも一つの民営化ということからすると矛盾もある。一方ではまたその適用が除外となった場合の代替措置ということも非常に問題になってくると思うんですが、この点についての御見解を賜っておきます。
○国務大臣(竹中平蔵君) NTT等々もWTOのその適用対象外になる申請をしておられると聞いておりますが、まだそれが認められていない。方向としては郵政についてもそのようなことになろうかと存じます。
 その場合、適用が対象外になった場合、自由は得るけれども、逆にそれなりの情報公開という観点からの観点も必要なのではないか。これはまさしく国内法で様々な情報公開のルールがございます。公正な競争のルールもございます。そういった一般法規定を厳密に適用することによって、加えて、これは総務大臣の一般監督権限も及ぶところでございますので、そうした枠組みを十分に活用して問題が生じないようにしていくということであろうと思っております。
○山根隆治君 実は、このWTOの協定が結ばれているからこそ、こうして官報等で公開が義務付けられているので私たちの目にも触れることができるわけでございます。例えば、平成十五年度の調達価格が十億円を超えたもので見てみると、NTTデータが郵貯総合情報システムの詳細設計等の委託で百九十六億、それから日本情報通信開発が簡易保険総合情報システムのプログラム修正、機能追加等で四十億円、野村総合研究所が同様のプログラム修正で約四十億円が、これが実はいずれも随意契約で結ばれているわけですね。これほどの多額な政府調達が随契で結ばれるということについては、もちろん一つの条件ということは付してあることは私も承知をいたしているわけでありますけれども、非常に不自然な、この数字だけ見ると非常に不自然さというものも感じられるわけでございますね。
 この点についてのちょっと御見解も聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) その個別の公社の契約についてはちょっと私は承知する立場にはございませんが、山根委員の御懸念は、やはり今までは政府機関としての一種のガバナンスが働いていたと。それ民営化されるわけですけれども、民間機関としての今度は別のガバナンスの機構の中に入るわけでございますから、それが本当に過渡期を含めて十分に機能していくのかどうかと、その点に集約されようかと思います。
 民間には民間の、逆に言いますと厳しいガバナンスの面もあるわけでございます。これ、株主権を活用したいろんな調査等々、資料の閲覧等々もできるわけでございますし、また何よりも不当な、不適切な対応をした場合は、それが収益を通して経営者の責任にも跳ね返ってくるわけでございます、経営の責任が問われるということにもなるわけでございます。その意味では、やはり民営化する以上、民間機関としてのガバナンスがしっかりと適用されるように、ガバナンスがしっかりと発揮されるように、先ほど言いましたような一般法規に基づいて厳格にこれを適用していくということに尽きようかと思っております。
 加えて、やはりこの特殊会社の場合は、総務大臣の一般監督権限、これやはり場合によっては命令も出せるものでございますので、大変強いものがあるというふうに思っております。
○山根隆治君 それでは次に、竹中大臣にもたくさんのお中元ももちろん届いているかと思うんですけれども、その中で、郵政公社関連企業の財団法人ポスタルサービスを、先ほどゆうパックのお話ございますけれども、ここからの多分お届け物もあるんだろうと思いますけれども、ここの組織の概要についてちょっとお尋ねをいたします。事務局の方。
○政府参考人(鈴木康雄君) お答え申し上げます。
 ポスタルサービスセンターでございますが、昭和四十二年に設置されまして、郵便局のお客様に対するサービスの向上及び利用増進に寄与する業務を行って、将来にわたる郵便局のお客様に対するより良いサービスの維持、貢献を目的とするということでつくられたものでございます。
 現在行っております事業内容は、郵便局のお客様に対するサービスの向上及び利用増進に関する調査研究、あるいは講演会の開催。二番目には、郵便局のお客様に対するサービスの向上及び利用増進に関する広告宣伝業務並びに刊行物の出版、販売、あっせん。また、郵便の利用に関する物品等の研究、開発、普及。それと、今先生御指摘のございましたふるさと小包の企画、開発、普及の促進その他の業務を行っておりまして、職員数は九十四名、売上規模で、昨年度十六年度では五十四億円の規模となっております。
 以上でございます。
○山根隆治君 このポスタルサービスセンターについては新聞で報道がなされまして、東京国税局の税務調査で、今お話があったふるさと小包に絡む手数料の一部について、三年間に及んで五千万円の申告漏れを指摘されたと、こういうふうな報道がございまして、注目を世間からされたところでございます。
 私自身も、非常にいい、このふるさと小包、これ郵便局に置いてありまして、置いておくだけで非常な売上げがある。営業活動そんなにされていなくても自然に売り上げられるというようなことで、郵便局は、これ置いてあるだけの営業ということになっております。しかし、現場では非常に職員がノルマを実は課せられているとか、いろいろな問題も2ちゃんねる等へ載っかっておりまして、非常に現場では、一部かも分かりませんけれども、苦しんでおられる方もいるというふうなことも実は聞いているわけでございます。
 そういうことで、この問題あえて取り上げさせていただいたわけでございますけれども、今職員が九十四名ということでございますけれども、これは、天下りといいましょうか、郵政事業庁の方からはどれぐらいの方々がおられるのか、経歴的にはどうでしょうか。
○政府参考人(鈴木康雄君) お答え申し上げます。
 ポスタルサービスセンターの役員十四名、現在員は十三名でございますが、そのうち日本郵政公社出身の方の数は一でございます。旧郵政省あるいは郵政事業庁出身者も含めますと三名でございます。職員につきましては総務省では把握しておりません。
 以上、役員の件について御報告申し上げます。
○山根隆治君 職員の方は全然把握されてないということですか。ほとんどが郵政省からの、旧郵政省からの絡みということでも、でもないんですか、これは。ちょっと事実関係だけ。
○政府参考人(鈴木康雄君) 先ほど麻生総務大臣からお答え申し上げましたように、退職後一定の年数を経てという場合に、民間企業に行った場合、人事院の承認に掛かるわけですが、あわせて、格付といいますか、本省課長級以上の者は、人事院の承認を得ておりますので私ども確認して分かっておりますが、それ以外の者につきましては、各省庁あるいは郵政事業庁、失礼、郵政公社の場合には郵政公社に委任されておりますので、私どもでは数字は分かりません。
○山根隆治君 歴代理事長七名の方の前職というのはどうなっていますか。歴代の理事長の前職です。
○政府参考人(鈴木康雄君) 今、すべてを思い出すことはできませんが、ほとんどが郵政、旧郵政省出身者だと思います。
○山根隆治君 そうなりますと、管理職については旧郵政省の出身、理事長は少なくともそうだということでございます。
 私は、ここの経営の内容についてつまびらかに承知をいたしているわけでありませんけれども、非常に、政府調達ということには民間だからならないわけでございますけれども、旧郵政省とのやはり関係が非常に深い、強いものがあるというふうに承知をいたしているところでございます。
 この中でも、大変に、非常に経営も厳しくなってきていて、様々な職員の方の悲鳴というか、そういうことも聞こえて今きているわけでございますが、現場ではどんな今職員の方からの声が届いていますか。
○参考人(生田正治君) 今先生の御質問に直接ぴたっといくかどうかはちょっと分かりませんけれども、ポスタルサービスがやっているふるさと小包というのは、私は公社入ってみて、大変重要な仕事をしていると。それで、これはもし民営化されるとすれば、その後の一つの収益の根源になるんですね、あのふるさと小包というのは。で、地方経済の振興にも役立つということで、私は割合重視して見てるんですけれども、実は現在の切り口で言いますと、余りサービスの質が良くない。
 それは、例えばサクランボを売るにしても、一つの、秋田県から五種類ぐらい取り寄せて、中には随分品質のばらつきがあるんですね。これはパブリックだからできるだけ公平にというんだけれども、だけどやっぱりいい品質を選ぶのもパブリックですから、そういったどうやっていい品質のものの品ぞろえをするかという点と、それからもう一つは、いろいろ職員も困るし、現場で、お客様からもコンプレインがあるのは、いろんなお受けしてからお届けするのに民間対比で物すごく時間が掛かるんですよ。それは半端な時間じゃないんです、何日と違うんです。そういったサービスの改善もしなきゃならないと。
 ということで、この一年来、ポスタルサービスの抜本的な、本当に商品として市場に通用するものをどう品をそろえていくかということに今力を入れている段階でありまして、場合によりますと、それと並行的にあともう一つ、そういった同じような、より小回りの利くサービスを始めてみるというのも一つの選択肢かなということで現在考えております。
 また、現場の連中の声がどうかと言われれば、まず、品質をもっと良くしてくれないと困るというふうな非常な声、品質等を良くしてもらわないと困るというふうな声があるのと、過去の事業庁までは物すごく強制的に売らせたんですね、その余韻が残っておりまして、強制的に、努力はしてほしいけれども、強制的に、下手したら自分が買っちゃうようなことは絶対するなというふうなところの意識の徹底をしているというふうな今真っ最中ということでお答えさせていただきます。
○山根隆治君 次に移らせていただきたいと思います。
 雇用の問題について若干お尋ねをさせていただきます。
 この雇用の問題についてはもう既に与党議員の方からもお尋ねがございました。非常に二十七万の職員の方が、これからの自分たちの将来どうなるのかと非常に不安を持ってかたずをのんで見守っているということでございます。
 実は、先般の総括質疑の中で、特定局長についてはかなり竹中さんも踏み込んだ御答弁をされておられました。つまり、民営化後、特定地域で今まで営々として、代々というか、郵便局の業務に携わっておられた方が非常に地域を離れるということについては非常に問題があるのではないかと、こういう質疑に対して、竹中さんは、それはもう郵便局、特定局長の役割や位置付けというのはこれはもう基本的には変わらないというふうに具体的にもう答弁をされているわけであります。
 承継計画の内容によるということでの答弁になるかと思っていたんですが、これ以上に踏み込んだ答弁をされたわけでございますけれども、これは一般の職員についてもかなり方向性というものは煮詰まっているというふうに承知されているんですか。どこまで承知されておられるか、その方向性というものだけでも明らかになれば、この点についてお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 全国の正に郵政事業に携わる職員の方々が公の職務に奉ずる者として高い使命感を持って熱心に仕事に取り組んでこられたと、そのように思っております。また、公社になりまして更に努力を重ねられておられると。今回の改革に当たり、こうした点は配慮しなければならない重要なポイントであるというふうに思っております。
 このため、政府の改革法案におきましては、まず平成十五年の秋に五つの基本原則を定めましたが、その際にも配慮原則を、雇用に配慮というのを明確にいたしまして、そして昨年秋の基本方針に基づきまして、公社職員の新会社での雇用を法律によって確実に確保する、そして職員の待遇について不利益が生じることのないよう所要の措置を講ずるというふうにしているところでございます。
 具体的に、そこでどうしたかということでございますが、この法律において新会社における雇用を確実に確保することとして、公社解散の際に公社に所属する職員は、承継計画において定めるところに従い、いずれかの新会社の職員になるものというふうに、これは民営化法案の第百六十五条で規定をしております。
 また、職員の待遇でありますけれども、不利益を生じさせない観点から配慮するということでありますが、まず第一に、新会社の職員の労働条件に関する事前の団体交渉及び労働協約の締結を可能とすることを、これは民営化法案の第百六十九条で定めております。また、新会社の職員の労働条件を定めるに当たっては公社での勤務条件に対する配慮を義務付けると、これは民営化法案の第百七十一条で規定しています。また、新会社における退職手当の支給に当たっては公務員時代の在職期間を通算すると、同じく第百六十七条で定めております。また、民営化後も当分の間は国家公務員共済組合制度を適用すること、これは整備法の第六十五条に規定して措置をしております。
 いずれにしましても、これは、民営化の意義というのは自由度を拡大して創意工夫を凝らして多様で良質なサービスを国民へ提供する、その際、サービスの担い手であります職員が安心して意欲的に働くことができるようにするということは、これは極めて重要なことでございまして、今申し上げましたような措置によりまして雇用に十分配慮して、職員にとっても望ましい民営化を実現したいというふうに思っております。
○山根隆治君 雇用の問題については後ほどまた別の機会、総括質問等で他の議員からまとめてお尋ねをするということになろうかと思いますので、今日のところはそこまでにとどめさせていただきたいと思います。
 この民営化法案がなぜ出てきたのかということでは、様々な議論やあるいは意見がございました。その一つに、アメリカのやはり強い、強力な要求というものがあって、これを抗し切れずに小泉さんが走っているんだろうと、こういうふうな一つ見方が実はございました。
 一九九四年以来、様々な形でアメリカから対日要望が出されてきまして、今日の年次改革要望書、これはもう既に衆議院でも論じられているところでございますけれども、これが対等のもの、つまり日本からの要求も出しているし、アメリカからの要求も出してきているということでございますけれども、この内容について見てみると、特に郵政の民営化の問題については非常に詳細な、これでもかこれでもかというところが出されている、書き付けられているわけでございまして、非常に不自然な印象を私自身は受けます。
 以前に、通商代表部の、アメリカの通商代表部の日本担当部長であったグレン・フクシマ氏も、建前として日米経済協議は相互通行の対話という形は取っているものの、本音としてはアメリカは日米構造協議にできるだけ多くのことを日本に期待しているんだということを言われているわけでございまして、構造協議以来、ずっと様々な形でアメリカから日本にいろいろな様々な要求が出されてきているわけでございますけれども、私は、やはり日本の国益を守るということから、やはり対等な日米の関係ということからして様々な問題があるというふうに認識しているんですが、この点について、外務省、今日副大臣がお見えだと思いますが、御見解を聞かせてください。
○副大臣(谷川秀善君) お尋ねの日米規制改革及び競争イニシアチブにつきましては、日米両国が双方の対話を原則として基礎といたしまして両国の経済成長を進めましょうという意図の下に、二〇〇一年六月の日米首脳会談におきまして合意したものであります。
 このイニシアチブの下では毎年、米国から我が国に対してのみならず、我が国から米国に対しても十分野にわたる包括的な規制改革要望書を提出をし、米国の規制の改善を鋭意求めてきておりますが、米国の改善措置がとられたものといたしましては、最近、米国のダンピング防止法につきまして、本イニシアチブの開始以来一貫してWTOの協定違反が確定いたしました同法を速やかに廃止すべきとの要請を米国に対して行っておりましたが、昨年六月に発表されました本イニシアチブ三回目の報告書におきまして、米国政府として同法の廃止を支持する旨を初めて公式に表明され、昨年十二月、同法が廃止をされました。
 また、入国管理の厳格化につきましても要望を出したと、出しておりましたが、その点につきましても、ビザの発給の効率化を図るということ、また訪問する外国人から採取した指紋情報のプライバシー保護を強化するなど措置がとられておりまして、これらはいずれも、米国政府が日本政府の要望を真摯に検討をし、自ら実現したものでございまして、政府といたしましては、引き続き米国の規制改革について建設的、積極的な提言、議論を行ってまいりたいというふうに考えておりまして、一方的に米国から求められているものばかりではないということで、双方でいろいろと検討をしているということでございます。
○山根隆治君 副大臣、せっかくの御答弁ですけれども、しかし一般の受取方、そして官僚の受取方も、アメリカの正式な文書の中でかなり強硬なことを言ってきていて、日本の官僚も、アメリカのそういった物の言い方というのは、日本は自主的に改革に取り組んでいるんで政府間での交渉によるものではないんだということをしっかりと認識してもらいたいというふうな、これ公式の文書で出てきたりしているのを読むと、本当にそうなんだろうかというふうな思いがいたしますが。
 今のお話と絡めて、対日投資会議、これは竹中さんもこの会議に参加をされていたと、いたというふうに私承知いたしているんですが、この対日投資会議、事前にお話、通告はいたしておりませんけれども、一九九四年の七月に閣議決定されているということで、設置法等もないんですけれども、この組織について御記憶の範囲で竹中さん分かりますか、御自分も参加されていたという会議だったかと思いますけれども。
○国務大臣(竹中平蔵君) 対日投資会議、これは日米間のでございますか。私自身は直接の交渉に携わったことは少なくともございません。ちょっと急な御質問なんでございますけれども、直接の担当者として参加したことはございません。
○山根隆治君 外務省の方では、これ御存じ、御認識持って、資料等ございますか。専門部会といった、事務局があって、ここには日本人が十三名ほどいて、外国人特別委員というのが十名くらいいて構成されているということを承知しているんですけれども、こういうことで事実間違いないでしょうか。
○副大臣(谷川秀善君) 私どもの方、今のところ資料持ち合わせがございませんので、後日資料を提供したい、いたしたいというふうに思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) これ日米間のとおっしゃいましたけれども、日本として対日投資を促進しようと、それはそういう仕組みは内閣府にございます。それのことでございましたら、これは内閣府としてやっているわけでございますが、九四年云々は少なくとも私は担当しておりません。
○山根隆治君 いずれにいたしましても、そうして幾つかの組織が公のもの、あるいはなかなか世間で出てきていないもの等が非常にあって、アメリカからの日本への要求、様々な要求というのは理不尽なものというふうに思っているもの、たくさんあるわけでございまして、これはやはり国益を守るというふうな立場から、もう政治家が党派を超えてしっかりとしなくちゃいけないものだろうというふうに私自身は思っているわけでございまして、総理も非常にアメリカと、ブッシュさんと仲がいいというのはよろしいんですけれども、日本の国益がどんどんどんどんもう損なわれてきているのではないか。
 この郵政の法案についても、アメリカの大統領選挙で保険業界とかそういったところが応援したからだろうというふうな報道が一部あったりすると、国民は本当にそうなんだろうかというふうな非常に今不安が、思っているわけでございまして、その辺のところは非常に不安な要因が幾つもあるので、是非この点についてはしっかりと、政府の方でも日本の国益を守るということで、この民営化の問題にも取り組んでもいただきたいと思います。
 日本の国益を守るということで、もう時間なくなりましたけれども、お二人の大臣から御答弁願います。
○国務大臣(竹中平蔵君) この民営化は、言うまでもございませんが、小泉内閣における政策判断に基づきまして、これは国民の利益を最大限高めるために、これは改革の本丸として位置付けているものでございます。アメリカの要求に沿って行っているものではこれは全くございません。
 これはもうたくさんの論点ありますが、一例として分かりやすい例、是非挙げておきたいと思いますが、アメリカは、これは完全なイコールフッティングが確保できるまで郵便保険会社は新商品の販売を認める、保険会社に新商品の販売を認められるべきではないというふうに主張しているわけですが、これはもう全く私たちはそういう考え方を取っていないわけでございます。民営化法案においては、できるだけ自由度を持っていただきたいと、民間とのイコールフッティングの状況や経営の状況を勘案して、民営化委員会の意見を聴取の上、主務大臣がその透明性、公平性のあるプロセスを経て業務拡大を認めていくこととしていると。
 これは時間の関係で一例だけでございますが、これはもうアメリカの要求どおりやっているということでは全くなくて、かなり私たちは違った考え方であるというふうにむしろ思っております。
○委員長(陣内孝雄君) 山根隆治君。
○山根隆治君 いや、もう終わります。
○委員長(陣内孝雄君) はい、時間が参りました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず、私の方からは、これまでの郵政民営化に関する審議を整理をしていく意味から、民営化するメリット、民営化する、民営化によるデメリット、そして民営化しないメリット、民営化しないデメリット、それぞれにつきまして、国民の視点から竹中大臣にお聞きしたいと思います。
 この場合国民というのは、利用者でもありますけれども、同時に納税者という両方の面を持っているわけでございまして、利用者であり、かつ納税者である国民の視点から、今申し上げた四つの視点につきましてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) メリット、デメリット、それぞれを解説すると少し時間掛かってしまうんでございますが、できるだけ簡潔に申し上げたいと思います。
 日本の経済社会は、人口減少等による生産活動の縮小とか生産性の停滞とか、そういう懸念もあるわけで、やはり経済の活性化を図るために改革を進めていくことが不可欠であると。そのためには、民間にできることは民間で、経済の活性化を図る上で極めて重要な市場経済社会の根本原理をやはり前面に出して改革を進めるというのが小泉内閣の基本的な姿勢でございます。
 郵政事業につきましては、郵便、郵貯、簡保、いずれも民間企業が自由な経営の下で同様のサービスを提供しております。公務員でなければできない事業ではない、民間による運営が十分可能であると考えているところでございます。
 そこで、民営化するわけでございますが、民営化するメリットについて申し上げますと、まず、経済全体の観点から、マクロ的な観点からいいますと、巨大な官業を縮小しまして、三十八万人の公務員を縮減することによって民間の活力が発揮できる領域を拡大する、そして、三百四十兆円の膨大な資金を官から民に流す道を開く、民営化後の新会社が民間企業と同一の条件で公正な競争を行う、そうした観点から経済の活性化が図られる。また、これも経済全体、マクロ的な観点になりますが、新会社が民間と同様の納税義務を負い、従来支払が不要とされていた税金を支払えるようになる、政府保有の新会社の株式を処分すること等により財政再建にも貢献する。そのような効果があると、メリットがあると思っております。
 次に、国民生活により近い視点、国民生活の観点から申し上げますと、新会社に対する国の関与をできるだけ控えて経営の自由度を拡大していただく、そうする下で創意工夫が発揮され、質の高い多様なサービスが提供できるようになると考えられる。特に、国民に対する直接のサービス提供窓口となります郵便局におきましては、郵便と郵貯、簡保の商品だけではなくて、他の民間企業のものなど多様な商品、サービスが提供できるようになるということでございます。
 そして三点目に、今度は公社の経営の観点から、これは経営的な、ミクロ的な視点でございますが、これは生田総裁の下で皆さん御努力されておられて、現状で差し迫った危機が発生しているという状況にはないわけでございますが、それでもやはり今後の経営見通しは、郵便物数や保険契約の減少など楽観が許されないということ、そして、金融の技術革新や物流サービスの変貌など、やはり現在の郵政を取り巻く環境が劇的に変化していること、そういうことを勘案しますと、業務範囲等に制約がある現在の公社制度の下では改革にやはり限界があるだろう。民営化によって経営の自由度を拡大すれば、こうした環境変化に適切に対応して、将来にわたって郵便事業の健全性を確保して、そしてこれを更に発展させていくことができる、そういったメリットが引き出されて、構造改革全体を一層前進させて国民生活に大きなメリットをもたらすというふうに考えるわけでございます。
 民営化のメリットが以上のように要約されれば、そのデメリットというのは、今、民営化、その申し上げた民営化するメリットのある意味で裏返しの部分ということになるわけでございますけれども、民営化するデメリット、民営化しないメリットということでございますけれども、私たちとしては、郵政民営化によって、現在、郵政事業が担っております公共的機能や国民の利便性が損なわれることはあってはならないと考えております。
 法案におきましても、この点は与党と政府の真摯な協議を踏まえまして、過疎地を始め都市部においても必要な郵便局ネットワークを維持していく、また、移行期間中における代理店契約の義務付けや社会・地域貢献基金の設置などにより貯金、保険の金融サービスが低下しないようにするなど、そのデメリットを防止するための制度上の工夫をしたところでございます。
 そうした点を踏まえまして、この国の将来を考えたときにやはり郵政民営化は避けて通れない改革の本丸であると、是非その点についての包括的な御理解を賜りたいと思っているところでございます。
○西田実仁君 一つ、先ほどお聞きし、お答えいただいていない民営化しないデメリットでございますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 民営化しないデメリットでございますけれども、先ほどの実は申し上げたことの裏返し、民営化するメリットの裏返しになろうかと思いますが、とりわけ、やはり公社経営の観点から、経営が大変厳しい環境の中でその状況に直面していくということではないかと思います。また、経済全体に関しましても、お金の使途が、運用先が安全資産に運用されること等々その制約があって、経済活性化にやはり三百四十兆円のお金が経済の活性化になかなか生かされない、そうした点も民営化しないことのデメリットとして挙げられようかというふうに思います。
○西田実仁君 今、この民営化しないメリットにつきましては、公社経営の観点から御指摘いただいたわけでございますけれども、一言で言えば、現状は維持される、もし民営化しない場合ですね、現状は当面は維持されるかもしれないけれども、それは未来永劫にわたっては維持できないだろうということをおっしゃっているんじゃないかというふうに思いますけれども。
 ここで生田総裁にお聞きしますけれども、先ほど来お話がございましたが、昨日も、初日のときにも総裁はおっしゃっていました、今後もし公社のままなら相当思い切った公社法の改正をしなければならないと、先ほどもお話ございました。それが難しいならばいい民営化をしていただくことということを繰り返しお述べになっていらっしゃいますけれども、この総裁が言われる相当思い切った公社法の改正ということと民営化と言われることの間にはいかほどの、どういう違いがあるというふうに思われますでしょうか。
○参考人(生田正治君) お答え申し上げます。
 申し上げているときに、相対比較して、どっちがいいからそっちの方でお願いするというのはないわけで、経営者の立場で経営をお預かりしている中での問題点を指摘申し上げて、それで政治的に選択と時期と、政治的な高度の御判断をいただきたいと、まずこういうことを申し上げているわけなんですけれども。
 その考えの背景は、骨格経営試算で、二〇一七年、十年後でも利益出るんですよ。利益出るんですからね、その意味じゃ健全かも分かんないけれども。それがもう年々ずうっと下がっていって、最後の二〇一七年ごろに出る利益というのは、おおよそ二十兆近く売り上げる事業体として見ますと、一%あるいは二%の利益率になりますから、非常に大きな問題点を抱えて、その先に問題が残ってしまうということになるんで、お考えいただければと、こういうことであります。
 私は、国民の重要な生活インフラとしてパブリックな役割を果たしていくためには、いずれにしても、どっちの方法を取るにしましても、経営の自由度を付与していただくと。できるだけ経営の自由度を付与していただきまして、民間どおりとは言いませんが、民間に準じた程度の利益が上がるような形にしていただかないと事業がふらつくことになってしまうだろうと、こういうことでございます。
 その方法として二つあると、こういうことでございますが、何が違うか。まあそれほど私今その問題に限って頭を整理しているわけじゃございませんけれども、公社のままで改正していただくのと民営化するのでは、多分与えていただく経営の自由度の幅にも多分差が出るのかなと、こういうふうに思いますし、例えばいろんな営業をするときの相対取引等、営業をやるときのフレキシビリティー、弾力性、こういうものにも差が出るのかなと、こういう気がいたしますし、それから税金や諸費用を公社のままなら今のままでいいのかどうかというような問題も出てくるのかなと、こういうふうに思います。
 その二つを比較してみれば、公社のままで改正していただけば、それはそれなりに安定的だろうと思いますし、それに慣れ親しんだ方にとっては安心感があるかも分からないけれども、ひょっとするとその効率性の問題で相対比較としてはかなりの問題が出てくるのかも分かりませんね。
 それから、もし民営化ということになるんであれば、少なくとも公社の法の改正というやつよりは経営の自由度が増すと思いますし、より一層相対比較においてはお客様本位の立場での事業が行われて利益率は高まるということでしょうが、民間企業としては当然ながら経営としての一応一定の負うべきリスクは負うと、こういうふうな差が出るんであろうと、こういうふうに考えております。
○西田実仁君 この郵政民営化によるメリットにつきましては、また後ほど時間があれば再度詳しくお聞きしたいと思いますが、二つ目の今日お聞きしたい点は、お金の流れが本当に変わるのかどうかということについてお聞きしたいと思います。
 特に、この郵貯、簡保の資金、先ほど総裁から公社法の改正と民営化の違いについてるるお話ございましたが、その郵貯、簡保について申し上げれば、当然その公社法の下での郵貯、簡保であれば政府保証が付いたお金であり、民営化であればそうではないという違いがあるんだというふうに私は理解しておりますけれども、その上で、この郵貯、簡保が、これまで政府のいろんな御説明では広義の政府部門に対する資金供給者であったこの郵貯、簡保を、これを民間へ資金を供給できる金融機関に変えていこうと、こういうことではないかというふうに私は理解しているわけでありますけれども、この広義の政府部門に対する資金供給者から民間へ資金を供給できる金融機関に変わるための条件についてお聞きしたいと思います。
 特殊法人等の改革、いわゆる入口論、出口論のところでございますけれども、そもそもこの郵貯・簡保資金が悪いのではなくて、その使い方が悪いんではないかと、この使い方を変えればお金の流れも変わるんじゃないかと、こういうような疑問がかなり根強く残っているわけでございまして、その意味でお金の流れを官から民に変えると一言で言っても本当にこの郵政民営化で変わるのかどうか、こういう疑問がいまだに残っているわけでございます。
 そこでまず、竹中大臣にお聞きしますけれども、これまでのこの郵貯、簡保の資金の性格について、どういうお金なのかということについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) これまでの郵貯、簡保の資金、これは言うまでもなく国が集めている、国の機関が集めているお金でございます。そして、結果的にそこには政府保証が付けられております。政府保証という政府の信用を背景に国が集めたお金ということになります。
 そこで、どういう性格のお金かということになりますと、そこでのお金をできるだけこれはだれしも有効に活用したいと思うわけでございますけれども、そこはやはり国が政府保証を付いて集めるお金ということでありますので、おのずとその使途が運用されていくという、そういう宿命を持っていると思います。具体的には、安全資産を中心に運用せざるを得なくなる。結果的にこれを安全資産に運用する仕組みとして財投の預託の仕組みがございましたし、ほかには安全資産の代表格である国債を大量に購入するという結果に相なっております。
 したがって、結果的にそうしますと財投に、この財投の仕組みはもちろん今変わりつつある、変わってきているわけでございますが、財投にしても国債にしても、結局それは国が使うということになる。結果的に国が集めて国が使うという形になるわけでございます。
 これで、そこで何が悪いかという御質問の趣旨もあろうかと思いますけれども、これ、国もお金を必要としている場面がありますから、国に対してお金をしっかりと流すという役割ももちろん重要でございます。しかし、使途が限定されていると、安全資産、国等々の国債等に限定されているというところにやはり大きな問題があって、むしろ経済をダイナミックに発展させる民間にこの国民の有効な貯金がもっと活用されていく道を開くということが大変重要であろうかと思っております。
 もちろん、これはすぐにできることではございません。そうした民間企業に対してお金を流すに当たりましてはノウハウも必要でございます。そういうことも考慮いたしまして、私どもはそこを段階的にそういった形で民間にお金が流れていく、そういうような仕組みを考えているわけでございます。
○西田実仁君 今大臣からお話ありましたとおり、この郵貯、簡保の資金、正にその運用が、使途が限定されていると、こういうことでございますが、政府保証が付いているということは、もうもっと分かりやすく言えば、元利払いが最終的には国が保証しているということになるわけでございますけれども、私は、この郵貯、簡保の資金の性格は、官の資金であるということに加えまして、もう一つ大変重要な性格があろうかと思っております。それは、この郵貯を正に支えている主力商品が定額郵便貯金であるということでございますし、また簡保におきましては大変保障倍率の低い貯蓄性保険が主力を占めていると、こういうことであります。
 ここで確認でございますけれども、これは郵政公社にお聞きした方がいいんでしょうか。郵便貯金におきます定額郵便貯金の、この定額郵便貯金についてですけれども、これがいつごろ何のためにつくられ、その商品設計にはどういう特徴があるんでしょうか。また、現在の郵便貯金残高に占めるこの定額貯金の比率についてお尋ねいたします。
○参考人(斎尾親徳君) 定額貯金は昭和十六年の十月に創設されましたが、その当時の資料が残っていないため詳細につきましては明らかでないわけでありますけれども、郵政省の為替貯金事業百年史によりますと、定額郵便貯金制度は、戦時下の当時における財政・経済政策の遂行上、国民貯蓄の増強が要請され、恒久性のある貯蓄の増加を図るとともに、取扱い上の手数を軽減し、用紙類等の節約を図ることを目的として昭和十六年十月一日から施行されるとあります。
 また、現在の定額貯金の商品の特徴でありますけれども、据置期間が六か月、預入期間が十年、利子計算は六か月複利、預入期間満了後、通常貯金になるなどがあります。定額貯金は全国どこの郵便局でも手軽に貯金できますし、据置期間経過後は払戻しが自由に行えるなど預金者ニーズに合っている商品でありますことから、郵貯のメーン商品となっております。
 平成十七年三月末におけます郵便貯金残高に占める定額貯金の割合でございますけれども、約六八%、残高にしまして約百四十六兆円となっております。
 なお、ピーク時、これは平成十一年度末でありましたけれども、このときには約二百十二兆円ありまして、郵便貯金全体の残高の約八二%でありましたが、最近は低金利の影響もありまして、徐々に残高、割合とも減少しているところでございます。
○西田実仁君 正に、この定額郵便貯金は戦前の戦費調達のために戦前に創設され、戦後もそのまま残ってインフラ整備等のために使われてきたわけでございますけれども、私は、この郵便貯金において定額貯金が主力であること、今七割弱とおっしゃいました。ピーク時に比べれば下がっているものの、依然として七割近くを占めているということでございます。そしてまた、簡保においても保障倍率の低い貯蓄性保険が主力であるというこの二つの特徴は、郵貯、簡保資金が政府保証の付いたお金であるという特徴とともに、民間の金融機関に比べますと大変にその調達コストが高いということが言えるんではないかというふうに思えるわけであります。
 この政府保証が付いている、国が元利払いを税金で全額見るという郵貯、簡保資金の特徴、加えてこの資金コストが大変に高いと、相対的にという意味ですけれども、この二つの特徴から、私は、この郵貯、簡保資金というのは構造上、その心掛けとか使い方とかそういうことではなくて、構造上どうしても流れていく方向というのはある程度限定されていくんではないかというふうに思っておりますけれども、竹中大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 資金の性格で、先ほど来、その政府保証が付いているということで官の資金の制約ということをお話ししたわけでございますが、今の委員の御指摘は、資金コストが高いという表現を使われましたが、その預金の商品の性格上、ALMといいますか資産負債管理をやるに当たってもやはり制限があるのではないかと、そういうお尋ねであろうかと思います。
 現在の郵便貯金は預入限度額が限られておる、そして個人預金者の割合が高いということでありますとか、主力であります定額貯金の預入、預入期間が最長十年であること等を背景としまして、これは民間の預金と比較しまして滞留期間が長い、滞留期間が長いという特徴があるものと承知をしております。実は、定期貯金の金利というのは民間の預金を基準として定められておりまして、これは金利は当然期間によるわけでございますので、滞留期間を勘案した場合に、その期間構造からいって必ずしも調達コストが高いとは言えないのではないかというふうな専門家の見方もあると承知をしております。
 また、現在の簡易生命保険については、加入限度額が設けられていること等を背景としまして、貯蓄性が高い養老保険が契約の中心となっておる、これは委員御指摘のとおりでございます。
 現在の公社におけます郵貯・簡保資金の運用につきましては、このような負債の、お金を受け入れるときの商品の特性に加えまして、先ほど言った国民負担の発生を回避する観点から、やはり国債等の安全資産を中心に長期安定的な運営方針が取られているというふうに考えているところでございます。いろんな自由度を持っていただくことによりまして、より活力のあるダイナミックな資産負債管理、ALMを行っていただくようにするのがやはり方向としては適切であろうというふうに思っております。
○西田実仁君 実際、官の資金であるということで、ある意味で調達が、一つの特徴としては、リスクを余り意識しないで運用できてしまうということ。もう一方では、長期資金、今大臣御指摘いただいたとおり、長期性の資金であり、金利上昇局面においてはそれが長期化するということでいえば当然資金コストも高くなってくるということになるわけで、この二つの一見相矛盾するというか、いうことから、実際にはこの平成十三年度財投改革が行われましたけれども、郵貯・簡保資金はそのときから自主運用に変わっているものの、遮断されたといっても、結局は広義の意味での政府部門にお金が流れてきているということが言えるんではないかと思います。
 ここで数字で確認をさせていただきたいと思いますが、平成十四年度以降、郵貯、簡保の総資産に占める公的部門向け投融資の比率はどのようになっておるでしょうか。財投改革直前と直近値をお教えいただきたいと思います。郵政公社の方、お願いします。
○参考人(斎尾親徳君) 郵貯など総資産に占めます公的部門への運用割合でございますけれども、この場合、公的部門への運用といいますのは、国債、地方債、それから公庫公団債、預託金、地方公共団体貸付けを指しますけれども、その運用割合が十二年度末におきましては九二%、そして直近、平成十六年度末におきましては九五%となっております。
 また、簡保の総資産に占めます公的部門への運用割合でございますけれども、郵貯の範囲に加えまして、財政投融資計画に基づく公庫公団債、公庫公団等への直接貸付けも含んでおりますが、この運用割合は、十二年度末で七三%、平成十六年度末で八五%となっております。
○西田実仁君 財投改革がなされたものの、いや、依然として公的部門へ流れて、お金というその流れ自体の行動自体はなかなか変わらないと、先ほど申し上げた二つの資金の性格から構造上やはりそういうふうに流れていくものであると私は理解しておりますが、仮に民営化したといたしましても、こうした長期でありまた相対的には資金コストが高いままの民営化であれば、やはりこれは高金利、長期資金を、こうした資金を不良債権をできる限り発生させないで、かつ純利ざやで運用していくためには、やはり勢い公的部門に流れざるを得なくなってしまうんではないかというふうに私は考えております。
 その意味では、冒頭申し上げましたけれども、この広義の政府部門に対する資金の流れを民間へ資金を供給できる金融機関に生まれ変わっていくためには、調達資金の短期化と、長期ではなくて短期化とそしてリスクの取れる低い調達コストの資金が必要になってくると思うわけでございまして、今、公社の皆様が生田総裁を筆頭にして大変に御尽力されておられます人件費の削減とかあるいは諸経費の削減等々、様々な御努力をなさっておられますけれども、やはり資金の構造そのものをやはり変えなければ、なかなかこうしたものもより実っていかないんではないかというふうに思っておりまして、民営化ということは、すなわち政府部門への資金供給機関から、民間資金へお金が流れられるような金融機関に変わっていく。そのためにはお金の質をやはり変えなきゃいけないと、長期から短期へ、そしてリスクの取れる資金へということが大変重要であるというふうに私は思っておりますが、大臣、竹中大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 西田委員の御指摘は、要するに、いわゆる組織としての経費削減だけではやはり限界があるのであって、その資金の流れそのものがもっとダイナミックに変わって、その中で資金の調達構造、運用構造も変わるような形に持っていかないと、この官から民へのお金の有効な流れというのは実現できないのではないかという御指摘だと思います。この点は全く私もそのとおりだと思います。
 すなわち、今委員御指摘になられた点で二点申し上げたいと思いますが、一つは、資金の最終的な取り手ですね、資金の最終需要の、最終需要構造をしっかりと変えていかなければいけない。これはもう事実でございます。財政赤字がどんどん膨らんでいって、資金の最終的な取り手としての政府が大きくどんどんなっていけばいくほど、これはやはり官がお金を使っているということにほかなりませんから、そうではなくて、やはり民の最終需要が増えるような、正に経済活性化そのものを行っていかなければいけない。二〇一〇年代初頭に、御承知のように基礎的財政収支を黒字化するということを目指しているのもその一環でございますし、同時に、経済全体を活性化させて名目GDPが増える、そして民間の資金需要が増えるというような構造をつくり出すべく今努力をしているところでございます。
 その上でもう一つは、資金の調達の話、調達資金の短期化等々の話がございましたですけれども、これはまあ、経済を一方で活性化する中でどのような形で資金の運用する能力を培っていけるかと、そういうことであろうかと思います。
 長期で高い運用利回りを確保できるんであるならば、資金を調達する場合もそれに合わせた調達の仕組みを取ればよろしいわけですから、正にそれが民間企業としてのALMということになるわけでございますが、移行期間中に順次新規業務の遂行についての体制整備を図っていただきたい。そして、業務遂行能力の点について金融監督当局がきちっとチェックするような、チェックできるような制度設計としております。その資金調達についても、新たなビジネスモデルに基づくポートフォリオに応じまして、自らの経営努力によって多様な商品性、調達手段を導入するなど、これはあるべき姿を構築していくことが可能であるというふうに思っております。
○西田実仁君 将来の民営化された場合の民営郵貯並びに民営簡保の進むべき方向ということについて竹中大臣にお聞きしたいと思いますが、今、公社の段階でも行っている国債や投信の窓販でございますけれども、その意義は、私は単なる手数料稼ぎというよりもっと深い意義があるというふうに思っております。それはすなわち、負債である預金残高、これを減少させて運用難を解消していくと、そして適正規模の負債規模にしていく、負債残高にしていくと。郵貯につきましては、過去に投資した分、過去に預託した分の、財投分の預託分がまだまだ戻ってくるわけでございまして、全体の郵貯残高が減っていくという中でも、やはり新たに運用先を求める資金というのはまだ増えてくる段階にあろうかと思うんですね。
 そういう意味で、私は、この民営郵貯、民営簡保の将来につきましてですけれども、やはりこの量を追うということと、それから手数料を稼いでいくということとは、決して両方を追うということは、二兎を追うのは難しいんではないかと、このように思っているわけでございますけれども、将来の民営郵貯並びに民営簡保の進むべき方向、その規模と手数料という、この点から大臣に、竹中大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の委員のお尋ねは、預金を、貯金を集めて、預金を集めてそれを運用するストック型の商売と、いろんな金融商品等々を売って手数料、フィービジネスをやるそのフロー型の商売と、それの組合せをどのようにしていくのかと、そのようなお尋ねであろうかというふうに思います。
 これは、政府としてあらかじめ一定の規模を示すと、その資金規模がどれだけが適正であるかということを示すということはこれは適当とは思わないわけでございますけれども、基本的には、自らの責任と経営判断によって資金の調達、運用に加えて、金融市場の変化に伴って利用者のニーズに合わせたビジネスを展開していただく。そして、ストックについては、先ほどから申し上げているように、運用能力との兼ね合いでALMを、適正なALMの下で資金規模の最適化に収れんしていくものというふうに思われます。もちろんその規模は、多くの方々が想定されるのは、やっぱり今よりは規模が縮小していくということを考えるわけでございますが、それは恐らく方向としてはそのようになっていくんだと思います。
 同時に、一方で利用者のニーズというのはどんどん多様化していくということが考えられますから、その多様化するニーズへ適正に対応していくような商品を販売していく。その意味では、フィービジネスといいますか、手数料収入を更に増やしていくような構造にする。官から民への構造改革の進め方としても、そのような方向が私は適切に展開されていくというふうに思っております。
○西田実仁君 やはり、この郵政民営化の議論につきましては、やはり議論する以上、どういう民営化なのかということがある程度イメージされた形で、賛成の意見を持つ人も、あるいは反対の意見を持つ人も、そういうある程度のイメージというものがないとなかなか意見を持つのは、正確に意見を持つというのは難しいんではないかと常々思っているわけでございまして、今ちらっとお話ございましたけれども、もう少し踏み込んでこの民営化後の郵貯銀行並びに郵便保険会社の目指すべきところについてお聞きしたいと思います。
 細かいところはもちろん民営の経営者の判断だというお答えになろうかと思いますので、ただ、それで終わってしまうと聞いた意味がございませんので、もうちょっとイメージを是非お伝えいただきたいと思いますが、私の方からお聞きしたいのは、この民営化後の郵貯銀行並びに郵便保険会社は、今ある銀行とか保険会社とある意味で同じ分野で競って、ある意味で圧迫していく恐竜のような存在になっていくのか、それとも、今、量のお話がございましたけれども、地域分割も含めたスリム化をして、例えばその地域の中小企業あるいは地方公共団体のための金融機関になっていくのかという基本的に大きな方向の違いというのがあるんじゃないかと思います。
 是非ここは、民営化する以上、全くそのような方向性すら示すべきではないというお考えなのかもしれませんが、このぐらいのイメージはやはりちょっと持たないと、なかなか良い民営化とは何かということを考えるにも材料がないと思いますので、竹中大臣の方でお答えできる範囲でお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のとおり、やはりイメージを持った上で議論をすることは必要であろうかと思います。
 これは、詳細、細部については、これは経営者がいろいろこれから考えていかれるわけでございますが、我々が骨格経営試算及び収益等々の試算で想定している姿に関して申し上げますと、これは銀行に関して申し上げますと、民営化、民有民営になる時点で、民営化されてから十年後に預かり資産量というのが百四十兆程度だろうというふうな想定、これを骨格経営試算等々で示しております。そして、その中で約四分の一、これは三十五兆円に当たりますけれども、三十五兆円をいわゆる信用リスク、新たに一%取れるような信用リスクビジネスに入っていく。
 この信用リスクビジネスの詳細については、これはいろんなものがございます。貸付けというのは分かりやすいものでございますけれども、ABS、シンジケートローン、これは様々な信用リスクを取れるビジネスがございますけれども、その四分の一程度、三十五兆円程度そうした分野に進入していくことによって、そうすることによって自らは市場において自立をしていくであろう。
 その際に、今イメージとしていえば、私は、民間のこれからノウハウを蓄積していくわけでございますけれども、やはり元々は全国二万四千余りの郵便局ネットワークを通じての資金の収集、吸収でございますから、やはり地域密着型のビジネスにアドバンテージを持っていると、そういうところを生かしてその信用リスクビジネスの在り方も考えていただきたいと思いますし、その中では、当然のことながら、やはり地元の地方銀行との補い合うような形での提携のようなものも当然のことながら入ってこようかというふうに思っているところでございます。
 今、銀行を例に取りまして、一つのイメージ、骨格経営試算等々での想定を申し述べさせていただきましたですけれども、そういうことが可能になるような一つの経営を行っていただけるような制度設計を行ったつもりでございます。
○西田実仁君 この三十五兆円の信用リスクを取る分について、いろんな事業というか、貸付けとかあるいはシンジケートローンとか私募債、株式、クレジットスワップとか、もうたくさん並んで例示されておりまして、これは何か、これをすべてやるということなんでしょうか。三十五兆円というときに当然いろんなことを積み上げておかれたんだと思うんですけれども、たくさん並んでいる保証業務まで含めまして、幾つも並んでいるこの業務についてはどういう、内訳みたいなのがあるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはいろんな可能性でございますので、そのような積み上げの計算を内訳としてやっているわけではございません。
 これは、その時々の金融情勢等々にもよるものでございますし、ただ、これだけの資金量を持ち、そしてこれだけの人的資源も持っている会社でございますから、大体資産の四分の一、三十五兆円ぐらいにつきましては、このような信用リスクビジネスに新たに進入して、進出していただきたい。そうすることによって、ある程度の収益基盤、財務基盤を持つことができるというふうに試算をしているわけでございます。
○西田実仁君 郵政民営化の大義として、官から民へというときの、民といってもいろいろありまして、家計なのか大企業なのか中小企業なのか零細企業なのか、はたまた政府部門なのか、いろいろ、民は民で違いますけれども、民と一言で言ってもいろいろあるわけでございますけれども、先ほど地域密着型、あるいはそういう意味では地域金融機関との提携というような一つの方向性が今大臣から示されたわけでございますけれども、そうしますと、やはり、整理をいたしますと、民営化後の郵便貯金銀行あるいは郵便保険会社というものは地域密着で、規模は自然と縮小されていって、スリム化されていって、そして地域の、どちらかというと中小企業とかそちらの方にお金は向いていくと、こういうイメージなんでしょうか。ただ、報道では、例えばシンジケートローンで大企業に融資するのを一緒になってやるとかということが非常に出ているような気もしまして、どういう方向を目指しているのかについてもう少しお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) それは、その十年後のノウハウの蓄積の度合い、金融市場の状況等々を総合的にやはり勘案して決定されていかれるべき問題だと思います。
 ただ、一般的な方向としては、やはりこの郵政というのは、これまでも地域密着型でいろんな貢献をされてきましたし、ノウハウを持っていらっしゃるんだというふうに思います。そういうようなところを生かした郵政らしい、新郵政らしいビジネス展開をしていかれるということを考えますと、通常の都市銀行がやっているような大企業への融資というようなものが中心になるというのは、これはちょっと想定し難いのではないだろうかと、そのように考えております。
○西田実仁君 ちょっと細かいところでございますけれども、若干お聞きしたいと思います。
 民有民営に移行する期間中、いわゆる移行期の民業圧迫ないし公正競争の阻害に関しまして四つの条件を挙げられているわけでございますけれども、移行期、まずこの新たな郵貯、郵便貯金銀行並びに郵便保険会社につきましては、郵政公社の業務範囲からスタートすると、こういうふうに記されているわけでございますけれども、これはその全く同じ商品あるいは運用からスタートするということになるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、日本郵政公社のその業務の範囲からスタートをするということを考えているわけでございますけれども、ここでそのスタート時点での公社と同様の業務範囲といいますのは、制度設計上の基本的なコンセプトは公社と同じにすると、そのように御理解をいただきたいと思います。
 と申しますのは、民間企業を監督する業法である銀行法、その銀行法の下で今度は事業を営むわけでございますが、銀行法における業務規定の仕方が非常に概括的なものであるわけでございます。これは民間ですから、そんなにぎりぎり縛っていない、概括的なものなわけでございますが、郵便貯金法等々は官業でございますので、これは限定列挙で非常に細かに規定をしております。このような規定ぶりの違いというある種の技術的な問題がございますので、民営化前後の業務範囲が寸分たがわず全く同じだということは必ずしもそうならないかもしれないわけでございますが、しかし基本的なコンセプトとしては、運用対象を含めまして業務範囲は公社と同じにするということで、これは具体的には政省令で定めるということにしております。また、定額貯金については、民営化後にこれを同一の商品性として取り扱うどうか等々、これは経営判断によるところではありますけれども、制度的にはこれは同じような状況で扱うことが可能であるというような形にしております。
 お尋ねの趣旨は、同じかということでございますので、基本コンセプトは同じである、ただし法律の立て方が少し違いますので、寸分たがわずということではない、しかし基本的なコンセプトは同じだということでございます。
○西田実仁君 この預け入れ限度額についてですが、限度額の撤廃期限である二〇一七年度前であっても特例規定の規制が解除されるケースというものは一体どういうときなのかということで、持ち株会社による株式の処分が相当進んでいる場合というふうになっているわけですけれども、この相当というのはどのようなイメージになるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 郵便貯金銀行、保険会社につきましては、これは全額処分までは政府出資の形で国の信用、関与が残るということになって競争上優位に立つことになりますので、移行期間中は限度額や業務範囲の制限などの規制を課して、そして株式処分の進展等国の関与の度合いが低減していくのに応じてこの制限を段階的に緩和していくというふうにしていくところでございます。そして、全額処分によって民有民営が実現すれば、特例的なその規制を解除して、銀行、保険会社は一般の銀行、そして保険会社と同様の経営の自由度を有することになるというふうにしております。
 お尋ねの件でございますけれども、これは実は経緯がございまして、諮問会議におきまして、民有民営の実現は内外の金融コングロマリットの状況など金融情勢等を踏まえて、これは現実的にといいますか、実態的に判断すべきであるというような御議論がございました。これを受けて基本方針において、民有民営化実現の際には新会社全体の経営状況及び世界の金融情勢等の動向のレビューも行うとされたわけでございまして、これを受けて法案では、全額処分前であっても、レビューの結果、民有民営実現と判断して特例規定の規制を解除できるようにしているところでございます。
 この具体的には郵政民営化法の第百五条で、これは銀行でございますけれども、次に百三十四条、これは保険でございますけれども、この百五条決定というのがございます。内閣総理大臣及び総務大臣は、郵政民営化委員会の意見を聴取の上、郵便貯金銀行あるいは郵便保険会社について、内外の金融情勢を踏まえて、そして郵政、日本郵政株式会社の郵便貯金銀行あるいは郵便保険会社に対する議決権割合等、他の金融機関との間の競合関係に影響を及ぼす事情を考える、考えて、そしてさらに、各民営化会社の経営状況及び他の民営化会社と郵便貯金銀行あるいは郵便保険会社との関係を考慮して、その上で、特例規定の適用を解除しても、他の金融機関あるいは生命保険会社との適正な競争関係や利用者への役務の適正な提供を、適切な提供を損なうおそれがないと認めるときには、郵便貯金銀行、郵便保険会社に対するこの特例規定の適用を解除する旨の決定を行って民有民営を実現するという、この百五条決定の規定をしているわけでございます。
 実際には、株式処分等、民有民営が相当実現した段階で、その金融情勢を踏まえて、イコールフッティングとの動向の状況を見て、また各会社の自立の状況を見て、このような状況に照らして、特例規定の適用を解除しても問題ないと認められるときにこの決定がなされるわけでございます。
 このように、法案においては主務大臣の決定に係る判断の大枠を定めているところでございまして、この大枠に沿って正に適切に判断が行われるということを想定しているわけでございます。
○西田実仁君 次に、この貸付け等が段階的に拡大されると、こういうことになっているわけでありますけれども、その監督、推進をする民営化委員会に対しまして、この貸付けを拡大するかどうかを決めていくこの監視委員会に対しまして、立法府としては何らかの意見をする余地というものはあるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 貸付け等、段階的に拡大をして自由度を発揮していっていただく。その際に、その判断が、行政の判断が有識者の中立的、専門的意見を踏まえたものになるようにこの民営化委員会というのが設置されるわけでございます。
 委員のお尋ね、そこで立法府がどう、どのようにかかわるのかというお尋ねでございますけれども、郵政民営化委員会が意見を述べるに当たって立法府の意見を聴取するということは制度的には義務付けられておりませんけれども、民営化委員会が意見を集約するに当たりまして、各委員は判断するに当たって勘案すべき様々な事情を勘案すると。当然その中には、国民の代表から成る立法府における御意見を始め国民各層の様々な意見も踏まえて、そして判断をするということになる、そういったことを考慮しながら、有識者としての専門的な知見を生かして意見を述べることとなるというふうに思っております。
○西田実仁君 この金融のユニバーサルサービスにつきましてお聞きしたいと思います。
 地域貢献基金から資金交付を受ける際に、この交付に関しまして何らかの期限というものは設けられるのでありましょうか。また、交付が停止される場合、もう交付しないと、こういう場合に地域住民の意見はどのようにそこに反映されるのでしょうか。これにつきまして、竹中大臣でしょうか、よろしくお願いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 期限が設けられるかというお尋ねは、これ、いつまでということでございますか。
 これは、地域貢献計画そのものは三年に一度作られるという内容になっておりますので、その三年間についてその貢献の仕組みをつくるということになるというふうに思っております。
 そして、もし受けられなくなったときにその地域の意見どうなるのかということでございますが、これは新しく地域貢献計画を作るに当たりましては、これ定めによりまして、地元、地域の有識者の意見を聴取するということになっております。そして、その聴取した貢献計画につきましては主務大臣が本当にきちっとそういった意見を反映しているかどうかを見ながら認可をするということになっておりますので、そういう形で地域の意見はしっかりとくみ上げられる、そしてそれを総務大臣がしっかりと認可に当たって見ると、そのような仕組みを考えております。
○西田実仁君 この郵便局会社が計画を作る際に、今御説明いただきましたとおり、地域の有識者等による計画が作られると、そこに地域住民の声は十分に反映されるんだという、そういう御説明だったわけでありますけれども、とはいっても、いろんなこういうスキームというか仕組みというのは随分といろんな形で、例えば交番の配置とかそういうことについても、こういう地域住民の声を吸い上げていくということで、統廃合等が決まっていきながら、後からやはり地域住民から何でなくなるんだというようないろんな御意見というのは我々もいただくわけでございまして、仮に異議申立て等があった場合に、総務大臣でしょうか、に対する異議申立て等ができるような何か制度的な担保というものはお考えになっておられるんでしょうか。総務大臣にお聞きします。
○国務大臣(麻生太郎君) 総務大臣への異議申立てができるかという御質問だと思いますけれども、当然できるということになろう、なります。
 いわゆるそこの郵便株式会社法第六条の第二項というところにそれが定められておるんですが、いわゆる識見のある有識者というものをえらく尊重していることになっておりますが、それを人選するに当たっては当然その地元に詳しい特定郵便局を含めて郵便局の方々がいろいろ有識者の人選をされてまずはそれにゆだねられるんだと思いますけれども、その地域の事情というのは離島もあれば山村もあれば実にいろいろ多岐にわたっておりますので、それを考えた上、計画を練られたということになって、それで上がってくることになるんです、だと思いますが、その段階で、当然のこととして、これ他の村に比べておたくの事情はといって比較できる立場におりますので、そういったようなことから、他の同様な地域との比較というのも可能という立場におりますので、私どもとしては、これはきちんと審査ができるという、同時に担保ができるということになろうと存じます。
 また、かつ、それに対してこういう廃止されることになったことに関しては疑義ありと、かくかくしかじかで疑義あるというようなことに対しましては行政処分の不服審査ということになろうかと思いますけれども、そういったことは総務大臣に対して申立てができるか、できます。
○西田実仁君 この基金の原資につきましては、郵便貯金銀行あるいは郵便保険会社の株式の売却益並びに配当収入等をもって充てると、このようになっているわけでありますけれども、仮に、思うようにこの株式の売却等が進まない場合等、この基金の原資については何らかの財政措置あるいは売却益を担保にした財政措置等についてはお考えになっているんでしょうか、竹中大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 貯金銀行、そして保険会社の株式の処分につきましては、これは経済情勢でありますとか証券市場の変化によって影響を受けるわけでございますけれども、十年間という長い期間にわたりまして段階的に処分を行うことを考えておりまして、過去の民営化時の売却事例から見ましてもこれは十分に可能であろうというふうに思っております。
 また、株式の処分でございますけれども、この売却規模が大きくなると考えられますことから、市場で売却することが基本になると考えられますけれども、国の関与を断ち切るために行うものでございまして、処分の方法としましては、これはブロックトレードでありますとか、自社株買いといった売却、さらには委託者が議決権行使について指図を行わないような有価証券処分信託等、これは様々な手法を含み得るところでございます。仮に、株式市況等が売却に適さない状況であったとしても、十年のうちに全株式を処分することは可能であろうというふうに考えております。
 基金の原資につきましては、この銀行、保険会社の株式の売却益、そして配当収入等も充てることにしておりますけれども、企業一般の配当の動向を考慮して積み立てたとしても、これは骨格経営試算や同業他社の株式時価等を考慮しますれば、移行期間が終了するまでには一兆円の基金を積み立てることはこれは可能であろうと考えておりますので、国による財政措置というのは予定をしておりません。
○西田実仁君 先ほどちょっと細かいところで飛ばしてしまったところがあって、それでちょっともう一度確認ですけれども、郵便貯金銀行につきましての預け入れ、預入限度額でございますけれども、これは昨年九月の閣議決定におきまして、当面、この預け入れ限度額につきましては現状が維持されると、このようになっているわけでございますけれども、この当面というものはどのくらいの期間を想定をしておられるのでありましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これ、預入限度額をどうするかということに関しては、この議論をする過程でいろんな議論がございました。
 これは、移行期当初から一般企業と同様の税負担を負うのに限度額は現状水準のままというのはいかがなものかというような御意見もございました。また、政府出資による実質的な政府保証が残る間は、民業圧迫のおそれがあるので、株式が売却され民営化が進んだ時点で限度額が外されてしかるべきではないかというような御意見もございました。また、株式売却がどの程度進んだところで民有民営になったかを判断するかについては、これはある程度柔軟に考える余地を残しておくべきであって、取りあえず当面は現行水準を維持するとしてはいかがかといった議論がありました。
 それらを踏まえまして、基本方針におきまして、当面、限度額を現行水準に維持するというふうにしたところでございます。
 金融業務につきましては、これは国の関与をなくしていく、信用、関与が残る期間中については、これは関与の度合いの低減に通じてその制限を緩和していくという考え方を基本的に取っております。
 限度額については、具体的には政令で定めることとしておりますけれども、これは基本方針に沿いまして、当面は現行水準に定めまして、政令改正に当たっては、この民営化委員会の意見を聴取の上、透明、公正なプロセスの下で様々な状況を勘案しながら、具体的にはこの日本郵政株式会社の議決権の割合や他の金融機関との間の競合関係等々、そうした事情、イコールフッティングの状況、経営の状況、そうしたことを考えながら段階的に引き上げると、段階的に変更していくということを考えているわけでございます。
 その意味では、今申し上げましたような幾つかの条件、こういう状況を見ながら総合的に判断していくべき問題であるというふうに思っておりますので、当面というのはどれだけかというのは具体的にはなかなかお答えするのは難しいわけでございますが、今申し上げましたような全体的な考え方の中で適切に対応がなされていくものと思っております。
○西田実仁君 今この預入限度額については政令でということでございますけれども、移行期の郵便貯金につきましては暗黙の政府保証があると、こう見られるわけでございまして、それはすなわち財政負担の可能性があると、こういうふうにマーケットではとらえられるわけでございます。だとすれば、本来、この預入限度額についてはやはり政令ではなくて法令で定めていくべきではないかとも思われますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 官業であるゆえの制約として、これは現行一千万円の郵便貯金の預入限度額が、これは法律において、公社法においてはこれは定められているわけでございます。
 民営化に当たりましては、これは貯金銀行、そして保険会社については一般の商法会社として設立して、一般の銀行、保険会社と同様、自由な経営を行わせることとしているわけでございますが、移行期間に限っては、これは限度額についてイコールフッティングでありますとか国の関与の在り方を勘案して、これは段階的に制限を緩和していくように政令で定めるということにしたものでございます。
 このプロセスにおきましては、民営化委員会の意見聴取を義務付けることとしておりまして、透明、公正なプロセスの下で、株式売却等、民有民営化の進展に応じて政令改正により段階的に変更していくことが可能となる。これは、十年たつとこの制限はもうなくなる、つまり無限大になるわけでございますから、おしりが見えていて、そこで無限大になる。最初は、当面一千万ということで、そこは実態に応じてそのような改正が可能になるような形にしている。しかも、それを透明、公正なプロセスの下で議論がなされるような形にしているというところでございます。
○西田実仁君 最後でございますけれども、イコールフッティングの判断基準ということについて最後お伺いしたいと思います。
 これは、政府出資率等の具体的な数値基準というものがない場合に、いわゆる強烈な行政指導の復活になるんじゃないかという懸念も一部で言われているわけでございますけれども、このイコールフッティングの判断基準につきましてどのような透明性等を図っていかれるのか最後にお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) イコールフッティングの判断基準、これはまさしく総合的に様々な要素を勘案しなければならないわけでございますけれども、一例として、先ほど申し上げました百五条決定、百三十四条決定等々において、例えば総理大臣、総務大臣は、郵政民営化委員会の意見を聴取の上、例えば内外の金融情勢を踏まえること、日本郵政株式会社の銀行、保険会社に対する議決権割合等、他の金融機関との間の競合関係に影響を及ぼす事情を考えること及び各民営化会社の経営状況及び他の民営化会社と郵便貯金銀行あるいは保険会社との関係を考慮すること、また、その特例規定の適用を除外したとしても、他の金融機関あるいは生命保険会社との適正な競争関係、利用者への役務の適切な提供を損なうおそれがないこと、このようなことを総合的に勘案するということになろうかと思います。
○西田実仁君 終わります。
 ありがとうございました。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 私は、簡易郵便局の問題について、中心に伺いますが、まずその前に、基本認識について総務大臣に伺います。
 現在は、郵貯、簡保の金融サービスは高齢者を始め地域住民にとって正にライフラインになっています。この日本において、過疎地であろうが都市であろうが、どこに暮らしていてもすべての国民が金融サービスを受ける、公平に受けるということは当然の権利だと思います。当然のことだと思います。
 健全で安全な日常生活を営むために、金融機関に口座を持つということは不可欠です。基本的金融サービスを国民にひとしく提供するということは国の責任ではないかと思いますが、その点いかがお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、通常二万四千六百七十八、日本じゅうにあります郵便局の数の総数、現在、現状ですけれども、これにおいて、あまねく公平に金融サービスというものを基本として受けるようにしておりますので、そういった意味では、ひとしく金融サービスが受けられるようにするというのは大事なところだと思いますが、ただ、お断りしておきますが、すべての郵便局が保険若しくは貯金を扱っているとは限りません。扱っていない郵便局もあるということだけは是非御認識をしておいていただきたいと存じます。
○吉川春子君 それはもちろん認識していますが、基礎的金融サービスを国民にひとしく提供するということが国の責務、責任ではないか、その点については、大臣、いかがお考えですか。総務大臣、端的にお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 国の責任かと言われると、基本的には、どれくらいの距離を歩いていけば郵便局があるのかとか、どれくらいの距離歩いていけばそこに貯金とか農協があるのかというのの距離というのと、あまねくという言葉の定義等含めてすべてと言われると、失礼ですけれども、いろんな定義の仕方があろうかと思いますので、ちょっと吉川先生、そこの責任はどの程度かと言われると、ちょっとなかなか難しいところだと存じます。
○吉川春子君 時間がありませんので、私は、基本的に、金融サービスを国民に提供するということは国の責任ではないかと思いますが、正確な御答弁いただけませんでした。別の機会にまたやりたいと思います。
 それで、生田公社総裁にお伺いいたしますけれども、全国二万四千七百局の中で簡易郵便局というのが四千四百四十七局ありますが、これは最も困難なところにある簡易郵便局というのが多いわけですが、で、これは郵政公社の職員ではなくて、大部分が個人に委託されております。
 この簡易郵便局の果たしている役割について、総裁はいかがお考えですか。
○参考人(生田正治君) お答え申し上げます。
 今、簡易郵便局の数は先生のおっしゃったとおりでございます。全国の二万四千七百の局のうちの約一八%が簡易郵便局ということになっておりますが、簡易郵便局は、基本的に公社が自ら郵便局を設置することが困難な山間へき地、離島、そういった取扱事務量が非常に限られていると、別の言い方をすれば住民の方の数も限られているというふうなところで、にもかかわらず、地域住民の皆様方の郵便のみならず、必ずしも今総務大臣がおっしゃったように全部が金融をやっているわけじゃありませんけれども、一般的に言えば金融サービスも生活インフラとして提供を申し上げると、こういう目的で、主として、主としてではなくて個人ですね、個人が七六%、それから農協、漁協、消費生活協同組合、こういう協同組合が約一五%、地方公共団体が九%ということで、それに合わせてお仕事をお願い申し上げていると、こういう格好でございます。
○吉川春子君 果たしている役割について非常に重要な役割を果たしていると思いますが、その点、ちょっとお願いします。
○参考人(生田正治君) お答え申し上げたつもりでいたんですけれども、そういう非常に郵便局を我々自身ができないところで、どなたかにお願いして地域住民の方の生活インフラとしての郵政事業三事業のネットワークを張っていただいていると、代わりにやっていただいていると。大変我々としても重要な仕事をしているつもりですし、地域住民の方にとっては多分掛け替えのないお仕事だろう、仕事だろうと思います。
○吉川春子君 農協、漁協などが委託を受けているところは、金融サービスをそこでやっていますので、郵便局で必ずしもやっていないところが、今総裁がおっしゃられたような割合であるわけです。
 私は、先日、簡易郵便局を視察してまいりました。人口二千五百八十人の長野県栄村、ここの村の中心部から更に三十キロ奥に入った秋山郷というところなんですが、人口は二百数十人で、保育園児が五人、小学生が十人、ここに暮らしている人たちにとって唯一の金融機関が小赤沢簡易郵便局です。豪雪地帯で高齢者が多くて、特に女性が多いと。ここは年金の引き出しが中心ですけれども、NHK受信料、税金、公共料金の払込み等、郵便局の存在というのは地域の人たちにとって命綱と言ってもいいと思います。郵政の民営化によってこの郵便局がなくなってしまうんじゃないか、こういう不安を非常に持っておられます。
 竹中大臣、過日の答弁の中で、平成十九年四月一日の時点で過疎地に現存するものを維持する、それは七千二百程度と言っておりますが、具体的に言えば栄村には四つの郵便局があるんですけれども、簡易局を含めてですね、これはその七千二百に入ると思います。これらは金融サービスを含めて維持されるのかどうか、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) その栄村そのものについてちょっと存じ上げているわけではないんでございますが、今の吉川委員の話ですと、ここは先般御説明申し上げた過疎地ですね。
 過疎地については、法施行の際、現に存するネットワーク水準を維持するというふうにしておりますし、その過疎地の定義としては過疎地域自立促進特別措置法等々であると、そこでカバーされているということでございましたならば、これは先ほど言った法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨としてということに、当然その中に含まれている、それが適用されるというふうに考えております。
 その上で、今の委員のお尋ねは、拠点がまず確保されるかということと、その上で拠点で金融サービスがしっかりと確保されるかということのその両点で、面であったと思いますが、後者の方に関しましては、これは実態的に、その金融のユニバーサルサービス義務は義務付けないものの、その重要性にかんがみ、実態的にそういうサービスが続くような制度設計にしているわけでございます。
 これはみなし免許を出すに当たりまして、長期の安定的な移行期間を十分カバーする、その委託契約の存在を義務付けているわけでございますので、これは、当然これはみなしですから、切れ目なくそういうサービスを、十九年の三月三十一日から四月一日にかけても切れ目なくそういうサービスを続けていくということになりますから、当然一括的な、包括的な契約になるということが想定されますので、その意味では、そういった点を踏まえてそのようなサービスが継続されていくものというふうに考えております。
○吉川春子君 総務大臣、郵政民営化法の郵便局の定義なんですけれども、郵便局株式会社、あっ、これ総務大臣なのか、どなたでもいいんですけれども、第五条は、「郵便局を設置しなければならない。」ということを義務付けていますが、この場合の郵便局というのは、郵貯、簡保、郵便の三事業を含む意味ではないですよね。その点はどうなっているでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 郵便局の定義につきましては、郵便局株式会社法第二条におきまして、「会社の営業所であって、郵便窓口業務を行うもの」というふうに規定しているところでございます。
○吉川春子君 要するに、今の郵便局と民営化後の郵便局というのは内容が違うわけですよね。私たち国民は、郵便局というと、郵貯、簡保、それから郵便と三つを含めて郵便局と言っているわけなんですけれども、今度のその民営化法を見ますと、これは、郵便局というのは「窓口業務を行うもの」というふうにしてまして、同じ郵便局であっても中身が全然違う、こういうことになっているわけなんです。
 竹中大臣、現在、郵政公社の下でユニバーサルサービスが義務付けられて、二万四千七百というネットワークを通じて金融サービスがあまねく公平に行われています。初めに述べたように、過疎地の人々の生活を支えているんですね。これを切り離して、郵便業務のみを行う、窓口、郵便、窓口業務のみの郵便局、これがたとえ残っても、過疎地の人たちは生きていけないわけですよ。非常に困難になるわけですよね。
 ですから、私は、金融サービスを含めた従来の意味の郵便局を維持すべきではないかと思いますけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私どもは、その民営化を実現するに当たりまして、これは機能ごとに、やはり特性の違う機能ごとに分けなければいけない。その際、銀行というのは信用が重要でありますから、国の関与をやはり排除していかなければいけない。そのような制度設計の下で、基本的には、その金融、保険のサービスについてはユニバーサルサービスの提供義務は法律によって課すことはしないと。しかしながら、その実態的な重要性にかんがみて、民営化後もサービスの提供がしっかりと続くように、実効性のある仕組みをつくったつもりでございます。
 具体的には、まず、その拠点としての郵便局を、これはあまねく全国において利用されることを旨として設置することを法律上義務付ける。そして、設置基準も作って、しっかりとその拠点を確保する。そして次に、切れ目なく利用者にサービスが提供できるように、銀行、保険会社に対して、そのみなし銀行免許、生命保険免許を付与するに当たっての条件として、長期安定的な代理店契約、保険募集委託契約があることを付すということで、そのような形で実効性のある仕組み、その他にも基金等々ございますが、つくったつもりでございます。
○吉川春子君 地域貢献基金の計算で、二千局掛ける六百万という数字が先ほども出てきましたけれども、この二千局の中に簡易郵便局は含まれていませんね。竹中大臣、それだけ明確にしてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 見積りの対象としているのは、簡易局はその中に入っていないのかというお尋ねでございますけれども……
○吉川春子君 はい。
○国務大臣(竹中平蔵君) 済みません。
 基金の対象というのは、郵便局株式会社法案の第六条第三項の要件を満たせばよいわけでありまして、特定局で行われる業務に限られているわけではございません。したがって、簡易局等ともその対象にはなるわけでございます。
○吉川春子君 大体、今の答弁を聞いていますと、本当に一番困難な地域に多い簡易郵便局を本当に本気で残そうとしているのかどうか、金融サービスをですね、それは非常に疑問だと思います。大体、地域貢献基金の計算のところから二千局の中に入っていないわけですからね。その点においても私は大変、郵便局のネットワークが、維持するとおっしゃっているけれども、維持できるのかどうか危惧を禁じ得ません。
 それで、次に金融担当大臣に伺いますけれども、今、竹中大臣もちょっとおっしゃり掛けましたけれども、簡易郵便局は郵政公社と委託契約を結んで郵便、郵貯、簡保、三事業を原則として行っているわけですけれども、民営化後は、今度は、郵便株式会社から委託を受ける簡易郵便局が金融サービスを続けるために銀行の代理店にならなくてはいけませんね。そうならないと過疎地における金融サービスが切り捨てられてしまう。
 銀行代理店にするんだというお話を今、竹中大臣がおっしゃいましたけれども、まず最初に伺いますけれども、いろいろ法律の壁があるんですけれども、簡易郵便局で郵貯のサービスを行うには、郵貯銀行から委託を受けた郵便会社、銀行代理店から再委託を受けるということになりますね。現在、銀行法では銀行代理店からの再委託は認められていないのではありませんか。その点どうでしょう。
 いやいや、金融大臣に。
○国務大臣(竹中平蔵君) 簡易局、代理ですので短く申し上げます。
 簡易局も基金の交付の対象となります。一方で、簡易局の損益は、公社による局別損益において一体で、郵便局の損益と監督する局と一体と扱われていますので、積算に当たりましては、その監督郵便局と一体で取り扱う形で積算に勘案していると、そういう趣旨でございます。済みません。
○吉川春子君 金融大臣にお願いします。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをいたします。
 現行の銀行法におきましては、銀行が代理店の健全かつ適切な運営の確保を求めております。この規定に基づきまして内閣府令におきましては代理店として認められる類型を規定しておりますが、簡易郵便局が銀行代理店になる場合について想定されておりませんので、その旨の規定がございません。したがって、現行法令上は簡易郵便局が銀行代理店になることは認められていないということでございます。
○吉川春子君 復代理が認められないという民法の大原則があり、再委託も認められていないと、これは当然なんですね。
 それから、もう一つ金融大臣に伺いますけれども、郵政公社から個人が受託している、個人ですね、農協とか村じゃなくて、三千三百六十九局あるんですけれども、これらの郵便局は事業規模が一人程度、そういう業務がほとんどです。郵政民営化に伴って、こうした簡易郵便局が金融サービスを行うためには銀行代理店にならなくてはなりませんけれども、この場合は兼業が禁止されているんじゃありませんか、銀行代理店になるのは。どうですか、資格として。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをいたします。
 現行の銀行法では、先ほどもお話をさせていただいたように、銀行代理店について、銀行が代理店の健全かつ適切な運営を確保することを求めており、この規定に基づきまして内閣府令において具体的な類型を定めているわけであります。
 この内閣府令におきましては、個人代理店、法人代理店について銀行代理業以外の他業の兼業を認めておりませんけれども、他方、簡易郵便局が銀行代理店となる場合につきましては、郵便窓口業務を郵便局株式会社から委託される際に十分な社会的信用を有するものとして選定されていること、現に滞りなく日本郵政公社の委託を受けて貯金、為替の窓口業務を行っていること、こうしたことから、兼業を行っていても健全かつ適切に代理店業務を行うことができると考えられます。
 ただし、この場合でも、兼業を行うことにより弊害防止処置は必要でありますので、抱き合わせ販売等優越的地位の濫用の禁止、情実融資などグループ会社等を利するため銀行に不利な条件で銀行サービスを提供する行為の禁止などの処置を内閣府令においても講じたいと考えております。
○吉川春子君 再委託を認めていない、兼業を認めていない、これはある意味では、銀行の代理店を認めるのにもう当然の措置ですよね。その原則を、その原則を簡易郵便局にだけ解除すると。竹中大臣のお好きなイコールフッティングはどうなるんですか。簡易郵便局にだけそういう禁止事項を解除して再委託も認めるし、ほかに例えば、いろんな、雑貨屋さんをやりながら銀行代理店にもなれるなんということを認めるようなことが本当に許されるんだろうか。私は、それは大きく今の銀行法の根幹を揺るがすものになりかねないと思うんです。何でもかんでも民営化すればいいと、郵便局を、そのための措置じゃないですか。
 それで、私は、どういうふうに府令を変えようとしているのか、その詳細な中身をこの委員会に出していただかなければ議論ができないと思いますが、その点についてどうでしょう。竹中大臣、出してくれますか。
○国務大臣(伊藤達也君) お尋ねの点でありますけれども、簡易郵便局が郵便局株式会社の再委託を受けて郵便貯金銀行の代理店となる場合に必要な処置として、内閣府令で定める主な内容として現在検討しておりますのは、まず、郵便局株式会社に対しては、簡易郵便局に再委託を行う場合に限って復代理店の設置を禁止しないこととすると。その上で、簡易郵便局については、現行の代理店規制のうち、郵便貯金銀行の一〇〇%出資子会社等であること、代理店業務以外の業務の兼営を禁止することという条件を適用しないこととすると。
 他方、現行の一般の代理店と同様に、顧客情報の適切な管理、顧客資産の分別管理などについては適用することとすると。更にこれらに加えまして、銀行代理業以外の業務を兼業することに伴う弊害防止措置として利益相反行為の禁止等を設けるとともに、代理店業務又は兼業業務の範囲を拡大する場合における当局への報告等の手続を規定する等の処置を新たに講ずることといたしたいと考えております。
○吉川春子君 是非、府令を、活字になったものをこの委員会に出してください。そうじゃないと、そんな口頭で言われたって審議できないじゃないですか。私はそのことを強く要求いたします。
 竹中大臣、約束してください、府令は出すと、一言でいいです。もう時間終わりましたので、出すと言ってください。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは金融庁等々の話でもございますので、どのような対応が可能か検討をさせていただきます。
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。
○吉川春子君 時間なので終わりますが、検討じゃ駄目です。必ず府令を出すことを強く要求して、私は質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
 今日は大変お忙しい中、山崎修正案提案者においでいただきましたので、若干お伺いをしたいと思います。
 政府原案はあなた方の四項目の修正が施されましたけれども、これは政府原案とどのように違うのか。条文はもちろん私、分かっていますから、つまり国民の郵便及び郵貯、簡保、すなわちユニバーサルな小口金融サービスを受ける権利を守る観点から、政府案の民営化の問題点に歯止めを掛けたのかどうか。それとも、実質は変わりなくて、単に国民を安心させるための字句修正だったのか、この点についてどのように御見解をお持ちですか。
○衆議院議員(山崎拓君) お答えいたします。
 修正部分の説明の際に申し上げましたとおり、明治以来の大改革でございますから、制度設計に当たって種々の不安感を払拭したいと、そのように考えておりまして、原案でなお不信感の払拭という見地からすると足らざると思われる点について修正を加えたものでございます。
○又市征治君 いや、余り意味が分からないんですが。
 小泉さんは、不安感をなくする修正であって中身は全く変わっていないんですと、こう小泉さんおっしゃっている。この間の参議院の本会議でも、国民の不安感や懸念の払拭にこの修正が役立つものであると考えていると。つまり、中身は変わっていないと、こういうふうに言っているわけで、残念ながら、この修正はなさったけれども本質的な問題ではないと、こういうふうに答えているわけですが、今の点、この点についてはどうなんですか。
○衆議院議員(山崎拓君) 何回かその点について私が答弁したんでございますが、その都度よく分からぬと言われまして困っておるんでございますが。
 それは、私はこの修正にかかわりましたんで経過をちょっと申し上げますが、小泉総理は提出原案について非常にこだわりがあると申しますか、これを最上のものとして国会に提出をされたわけでございます。したがいまして、修正については最後まで反対の立場でございました。そこで、私はどうしてもこの法案を国会で成立させたいという強い希望を持っておりますので、したがって、より多くの賛成者を得るために、あるいは反対者を少なくするために修正した方がよろしいと、そのように考えましたわけでございます。したがって、総理には国会の権能としてこれを修正するということを申し上げまして、公明党とも相談いたしまして修正案を提出いたしましたわけでございます。
○又市征治君 中身がほとんどないということは、これはまあ同僚議員らも追及されていますし、今後の、後の論議でもその点については明確にしてまいりたいと思いますが。
 ところで、山崎先生は先月十二日のNHKの番組で、中央省庁改革基本法第三十三条一項第六号で郵政公社の設立に伴って民営化等の見直しは行わないとしたこの点については、郵政公社後のことを縛ったものではない、当時、民営化の一里塚として郵政公社をつくるという理解になった、こういうふうに述べられましたですね。これは間違いありませんね。
 こうおっしゃったのは、もうあなた自身は、この改革基本法制定当時、自民党の政調会長でありましたから、当然、政府や連立与党と密接な連携があって、その中でこの三十三条の規定というのは当時から民営化の一里塚として取りあえず郵政公社にする、こういう合意だった、こういうことなわけですね。
 だとすれば、これは政府のどういう場面でどのように具体的に合意だったのか。この点について、とりわけ今日も朝から三十三条問題依然としてまだ論議がありますから、この点を整理する意味から、是非、正に当時の生き証人でありますから、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(山崎拓君) 当時は自社さ政権でございまして、先生の方の党とも十分御相談して進めたことを記憶いたしております。確かに、私は与党の中で自民党の政調会長といたしまして三党の政調会議にしばしば出席いたしておりましたので、その間の経緯よく存じております。
 平成八年に橋本内閣になりまして、橋本内閣は六つの構造改革を掲げておりましたが、そのうちの一つが行政改革でございまして、根本的な行政改革をやりたいということを橋本総理は志向されましたわけでございます。その一つといたしまして、中央省庁の再編の中で郵政の民営化ということも実は掲げられました。熱心に郵政民営化をお説きになりましたのでございまして、小泉総理が初代のように皆さん思っておられますが、橋本総理自身も郵政民営化をいったん志されたわけでございます。
 当時の郵政大臣は自見庄三郎君でございまして、私、政調会長でございました。小里貞利さんが総務長官で、そういった顔ぶれでこの問題に取組をさせていただきまして、結果といたしましてこのようなことになりました。郵政事業庁を挟みまして郵政公社に移行するということになりましたが、これは橋本政権下においてそういう決定が行われたわけでございますので、次の内閣以降を縛るものではなかったと考えております。
○又市征治君 まあ、公共放送を通して、国民に当時の民営化の一里塚として郵政公社をつくる理解になったというふうにおっしゃったわけですから、この点ちょっとしつこくお聞きをするんですが、実は本当はそうじゃなかったんじゃないですか。最近になって、民営化を進めるのに三十三条一項第六号のこの規定というのは大変邪魔だから、何とか解釈をし直そうという考え方に変わったんじゃありませんか。
 というのは、この基本法成立当時、その直後ですよ、あなたは自民党の政調会長として、国営三事業一体の結論、身分は国家公務員の結論、将来においても民営化は行わないという結論を導き出すことができた、また、将来の郵政事業の在り方については国営が不可欠だ、現在と正反対のことを公言されているわけですね。
 これ、どこで言われたか。まあ、たくさんごあいさつに行かれますから、覚えておいでにならないかもしれませんから申し上げますと、九八年六月十八日、全郵政の九州の大会で発言をなさっているわけで、私ここに実は議事録を取り寄せて持っております。一体、これどちらの発言が本当なんですか。二つに一つですよ。当時、六月の八日で多分このときは国会が終わっているわけですよ。直後に行って、こういうふうにおっしゃっている。まだずらずらとたくさんあるんですよ。たくさん、二枚にわたって議事録がございますから。
 だとすると、当時から郵政の組合で民営化の本音を隠して、うそを言って、労働組合を安心させるためにお話しになった中身なんですか。この点、もう一度お答えください。
○衆議院議員(山崎拓君) 定かに記憶はいたしておりませんが、先生がそういう記録をお持ちでございますとすれば、そう言ったんではないかと思いますし、当時においてはうそ偽りのない心情を申し上げたと思っております。
 全逓の会合に行っても、伊藤筆頭理事がいらっしゃいますが、同様のあいさつを多分したんじゃないかと、そのように思うわけでございますが、それは、橋本政権下におきまして郵政民営化、いったん志したけれども、衆議の下で郵政公社、国営に移行するという措置をとりましたわけで、当時、小泉現総理は厚生大臣の立場で、この問題に直接関与する立場ではなかったんでございますが、閣議等におきましていろいろと発言をなさっておったことを私、ちょっと橋本総理からお聞きいたしまして、小泉総理が、郵政公社への移行が郵政民営化の一里塚であるという認識を当時から持っておられたということを承知いたしております。
○又市征治君 つまり、当時発言したことの方が正しいんだろうというお話ですよね。それを裏付ける中身が幾つかあります。
 今ほどもお話ございましたが、当時、我が党は自民党と閣外協力をしていまして、当時、そういう意味ではあなたと緊密な連携を取っておった我が党の及川政審会長は、その回顧録、ここに持ってまいりましたが、この回顧録の中でも、今、私が全郵政の大会であなたがおっしゃったこととほぼ同じことを述べているわけですね。つまり、この九七年十一月二十二日、与党行政改革協議会と政府との最終合意で、郵政三事業の結論として、五年後、新たな公社に移行させる、その大前提は国営事業であること、二つ、身分は公務員であること、三つ、再び民営化の論議は提起しないことの結論だったと、そういうふうにこの中に明確に書いております。あるいは、その確認のときに、加藤自民党幹事長、新型の公社は民営化しない、これで打ち止めということで考えたい、自民党の総務会で述べられている。
 こういう中身もあるわけですから、今あなたがおっしゃいましたように、これは、むしろこのときは完全に民営化はしないんだと、将来ともにやらないんだということを明確に確認をしているわけです。その中心にあなたはおいでになったわけでありまして、そういう点では、政府は最近になって三十三条一項六号については、これは公社化までのことを想定しているものであって公社後の在り方を拘束するものではないというふうに強弁されていますけれども、法解釈論ではなくて、今の段階で法解釈論ではなくて、当時、政治的にどのように議論をして判断をしたかということがこの規定の理解の大変重要なところなんですね。そうでしょう。したがって、今回の民営化法案というのは、この改革基本法に違反をする疑いが非常に濃厚だから、それで今朝からも論議になっているわけです。
 そこで、委員長、こういう格好でちょっと、山崎議員は、私は、NHKで、国民にそういう格好で大変な、そういう意味ではだますごとき発言をなさったことについては、極めて遺憾だということをこの場で申し上げさせていただきますが、是非、基本法のこの条項の当時の政治的判断を正確に把握しませんと、この論議全然、いつまでも続く、こういうことですから、当時の橋本総理、あるいは加藤自民党幹事長、及び我が党の及川一夫氏に本委員会に出席いただくように理事会で協議をいただくようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○委員長(陣内孝雄君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○又市征治君 それでは次に、少し具体論の中身で生田総裁にお伺いをしてまいります。
 私の出身地であります富山県を含めて全国では、山間部では文字どおり、まあ地元では親しみを込めて郵便屋さん、郵便外務員のことをそう言いますが、都会の繁栄から取り残されてひっそりと暮らしている高齢者などの目となり足となる大変な重要な役割を果たしています。例えば、郵便配達員がひまわりサービスでそうした家を訪れると、老人から、いや今月は年金が下りてきているはずだけれども、町まで行くのはこの年でつらいから、郵便屋さん、下ろしてきてくれぬかと、こんな格好で頼まれることがしばしばだということだそうです。
 そこで、生田総裁、今述べたような郵便外務員によるひまわりサービス全般、すなわち高齢者世帯への声掛けや安否確認、ちょっとした用件の伝達など、どのように行っているか。私はここにおたくの資料を持っていますから分かりますが、国民の皆さんにお分かりいただく意味で総裁から簡単に御紹介いただきたいと思います。
○参考人(生田正治君) お答え申し上げます。
 まず、年金サービスの方からお答えいたしますけれども、平成三年から、社会貢献の一環といたしまして、高齢、病弱などのために郵便局に出向いて年金を受け取ることが不自由な方たちに、受給者の方に年金や恩給を支払期ごとに御自宅にお届けするサービスを行っております。
 具体的には、郵便局へ出向いて年金などを受け取ることが困難であったり、かつ家族などによる代理受領ができない状況にある方々には、御希望いただいた方を対象とするわけでありますけれども、ここに持ってまいりましたけれども、こういう年金配達申込書というのがありまして、これは郵便局長に出していただくわけですが、これを出していただいたらお届けすると、こういうことでございまして、十七年三月末現在の利用者数は二千五百五十人でございます。なぜかこれ、十二年ごろは四千六百二十九人もいらっしゃったのが、だんだん減ってきている理由は何かなと、私自身ちょっとよく分からないんですが、今のところ二千五百人です。
 それから、ひまわりサービスでございますが、これは平成九年八月から全国の過疎地域を対象に実施しております。平成十七年三月末日現在で、全国で百九十四市町村、二百九十七郵便局で実施いたしております。
 具体的には、郵便局外務職員が七十歳以上の独り暮らしの高齢者や高齢者夫婦世帯に対しまして、郵便物の配達で立ち寄る際に励ましのお声を掛ける、小中学生からの励ましのメッセージをお届けする、生活用品の注文はがきを取り集めまして注文品の配達のお手伝いをする、郵便物の集荷サービスも行うというようなことを地方自治体とも打ち合わせてやらせていただいております。
○又市征治君 今、総裁から紹介いただきましたが、一か所ちょっと間違いがあると思うんですが、郵便配達で立ち寄ったときじゃないんですね。郵便配達の途中にある高齢者宅を回っているんですね。そういう意味では、これ大変な重要な役割をしているんですよ。
 そこで竹中大臣に伺いますけれども、民営化をして四分社ばらばらになった後は、今紹介したような貯金の引き出しサービスであるとかこのような、言ってみれば配達の途中の高齢者宅、七十歳以上と、こう今しておりますけれども、そういうところのサービスというのは具体的にどこの会社のだれがやってくれるんでしょうか、これは。今は三事業一体だからこそこうしたサービスができる。民営化されて郵便配達だけの郵便事業会社になったら、別の会社である郵貯の引き出しだとか簡保の集金を郵便会社の外務員はできなくなるわけであって、つまり現在担っている地域福祉、地域貢献業務というのはできなくなるんじゃありませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 年金配達サービス、そしてひまわりサービスが具体的に民営化後どのようになっていくか。民営化後、年金配達サービスでございますけれども、これをどの会社の職員が行うかということにつきましては、業務の実態と、それと分社化における職員の配置を踏まえて今後検討されることになると思います。郵便貯金銀行から業務を受託する郵便局会社の職員又は郵便の配達を行う郵便事業会社の職員が引き続き行うことになるというふうに考えられます。
 いずれにしましても、この地域住民から評判が高いこのような地域社会への貢献に資するサービスというのは、これは民間の会社になったとしてもこれは重要なことでございます。企業の社会的貢献の一環として引き続き行われると考えております。
 なお、郵便事業株式会社法案におきまして、郵便事業会社が行うひまわりサービスのような社会貢献的サービスについては社会・地域貢献基金からその実施に必要な資金を受けられることとしておりまして、確実かつ安定的な実施を確保するためのスキームについてもこれを確保しているところでございます。
○又市征治君 地域貢献基金から金が出る、よくその話はずっと聞いてまいりましたが、現実はそんな話なんというのは現場では通用しませんね。
 もう少し具体例申し上げてまいりますと、例えば私の富山県なんかで一晩に一メートル以上の雪が積もるのは山間部随分あります。で、こうした朝、翌朝、新聞はどう配達されているか。実は、新聞販売店は山間部に配達する新聞をまとめて郵便局に依頼しているわけです。有料とはいえ、こういう本業以外のもうからないサービスは、一体全体、民営化、四分割されたらどうやってやっていくのか。
 もう一つの例、クロネコヤマトが宅急便を普及させて郵便局の悪いサービスを追い抜いたと、こう言われてきました。ところが、地域の実態はどうか。宅配便業者は、過疎地などで配達していたら自分のもうけにならないと判断すると、郵便局に丸投げしている例が多いんですね。これは中越地震の被災地の例でも明らかになりました。民間業者のサービスの実態というのは、このように過疎地を切り捨てて郵便局に押し付けて差益を食っている、それが収益優先の民業のやっぱり私は本質だと思います。
 郵便局のこのようなライフラインサービスというのは民営化後も存続できるのかどうか。民間会社はそれに、民間会社になったそこにこれを義務付けられることはできないじゃありませんか。そういう意味で、町村役場とともに地域福祉の担い手としてのこうした郵便局のサービスを民営化によってなくすべきじゃない、このことを強く申し上げ、今の点についての御返事をいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 郵便、配達店が豪雪時には新聞を郵便局に差し出して配達してもらう例があるということを承知をしております。郵便のユニバーサルサービスを提供する日本郵政公社は、これは利用者の求めに応じまして郵便物を引き受け、あて先に届ける義務を負っております。したがって郵便、配達店が新聞を郵便物として差し出すことがあれば、郵便局は当然にこれを引き受け、あて先に届ける。こうした取扱いは、民営化によって日本郵政公社から郵便のユニバーサルサービスを引き継ぐ郵便事業会社においても何ら変わるところはございません。
 それともう一点、民間宅配便が自社で配達しない地域あての荷物を郵便局に差し出して配達してもらう例があるということについて、これは実態は公社としても必ずしも十分把握していないということでございますが、いずれにしても民営化後、郵便事業会社としましては、これは民間宅配便と同等以上に全国ネットワークを構築してサービスを提供するというビジネスモデルによります、正に全国どこでも届くという安心感が戦略上重要でございます。
 したがって、郵便はもとより、郵便から外される小包につきましても、従来と同様に全国への配達を行うものというふうに考えております。
○委員長(陣内孝雄君) 六案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十分散会