第163回国会 農林水産委員会 第2号
平成十七年十月二十五日(火曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 十月十九日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     下田 敦子君
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     下田 敦子君     松下 新平君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岩城 光英君
    理 事
                岩永 浩美君
                田中 直紀君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
    委 員
                加治屋義人君
                岸  信夫君
                小泉 昭男君
                小斉平敏文君
                常田 享詳君
                野村 哲郎君
                松山 政司君
                郡司  彰君
                主濱  了君
            ツルネン マルテイ君
                松下 新平君
                和田ひろ子君
                谷合 正明君
                福本 潤一君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   岩永 峯一君
   副大臣
       農林水産副大臣  常田 享詳君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       加治屋義人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高野 浩臣君
   政府参考人
       内閣府食品安全
       委員会委員長   寺田 雅昭君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   伊藤 健一君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        染  英昭君
       農林水産省総合
       食料局長     村上 秀徳君
       農林水産省消費
       ・安全局長    中川  坦君
       農林水産省生産
       局長       西川 孝一君
       農林水産省経営
       局長       井出 道雄君
       農林水産技術会
       議事務局長    山田 修路君
       林野庁長官    前田 直登君
       水産庁長官    小林 芳雄君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        近藤 賢二君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (WTO農業交渉に関する件)
 (品目横断的経営安定対策に関する件)
 (米国産牛肉輸入再開問題に関する件)
 (高病原性鳥インフルエンザ問題に関する件)
 (台風第十四号被害の状況と対策に関する件)
 (燃油価格高騰対策に関する件)
 (農水産物の流通コスト削減対策等に関する件
 )
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○委員長(岩城光英君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に内閣府食品安全委員会委員長寺田雅昭君、農林水産大臣官房総括審議官伊藤健一君、農林水産大臣官房技術総括審議官染英昭君、農林水産省総合食料局長村上秀徳君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省生産局長西川孝一君、農林水産省経営局長井出道雄君、農林水産技術会議事務局長山田修路君、林野庁長官前田直登君、水産庁長官小林芳雄君及び資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩城光英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岩城光英君) それでは、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美です。
 二十日に予定されていた農林水産委員会、大臣のWTOの交渉の関係で本日になったこと、先日のFIPs閣僚会議の中におけるその一つの交渉の経過について御説明をいただきたいと思いますが、新聞の報道によると、EUとアメリカとの問題が非常に問題がふくそうし、本質的な議論に至らなかったということを新聞で報道されておりました。
 今までWTO交渉の中で、日本とEUとの関係は不可分のかかわりの中で交渉し、フレンド諸国として今までWTOの中で同じシフトを保ちながら交渉してきたその一つの経緯を考えると、EUとアメリカとの問題がどういう問題で決裂をしたのか、今後EUと日本が交渉の経過を十分にフレンド諸国として交渉してきた経緯に今後亀裂が生じることがないのか、そして、新たにその攻勢を深めているG10諸国との問題、今後の香港におけるWTOの交渉の中における予備交渉の経過を見て、大臣は今後、日本の農産物の輸出入に関する一つの将来像についてどういう問題意識をお持ちになってお帰りになったのか、またその問題を踏まえて今後何を一番重点的に日本の一つの利益を保つために重点的な要求をしていこうとなさっておられるのか、それをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) おはようございます。
 岩永浩美先生とは農水大臣政務官として一緒に政府側で頑張ってきまして、本当に農水省のためにいろいろと御指導、御鞭撻を以来いただいておりますことをこの場をもって感謝を申し上げる次第でございます。
 今、御質問をいただきましたように、私も二度にわたってジュネーブへ行ってまいりまして、いろいろな会合、それからそれぞれの国とのバイ会談を通じて、日本の農業利益をどう確保するか、日本の立場をどう主張するか、精一杯今頑張っているところでございますし、この問題は日本農業のために大変大きな影響を与える、むしろ影響を与えるという言葉では済まない重要な問題だと、こういう決意を固めながら頑張っているところでございます。
 アメリカが早々と提案をしてまいりました。そして、提案をしてきている過程の中で、上限関税を掛けるということ、それから重要品目の数も一%だというような本当に極端な話をしてまいったわけでございます。
 それで、先般のFIPsで、EUも懸け離れた提案だと、むしろアメリカだとかG20辺りから見るともっと調整的な立場の提案をしてくるべきだと、こういうような話でございましたけれども、相当問題があるということで、各グループからEUが集中的な非難を浴びまして、そして持ち帰ってEU内部でもう一度検討してくると、こういうことでございました。
 私どもも、私の国の立場を理解をいただきながら、協調できるところはないかと。先般行きましたときもフランスに寄りまして、フランスの農務大臣のビュスロさんとも話をしながら、EUが提案している重要品目の数、八%でいいのかという話をしましたところ、いや、日本と同じようにもう一五%ぐらい欲しいんだと、そして日本と協調できる部分というのは大変たくさんあるんではないかと。だから、その話をした明くる日にEUの農相会議がありますので、そこで私どももきちっとした立場を表明するというようなことで、そういうようないろいろな要素はEUの内部で起こりまして、EUがきちっと提案し切れない状況で、今のところはEUが持ち帰って、そしてこの週辺りにどういう提案を持ち込むかということでございます。
 漏れ伝え聞くところによりますと、大変厳しい環境の中でEUは議論をしている。EUが今度出し切れないというような状況になりますと、この香港閣僚会議、WTO、これが大変な状況になるという危機感も一面にあるわけでございます。
 そして、ファルコナー議長とも話をしておりましたところ、いずれにしても、日本の上限関税の問題は理解はできると、しかし、これは大きな交渉の道具だなというような話もしておりまして、大変日本の立場に一面理解をいただいておるわけでございますが、アメリカ、それからG20、そして今出してきているEU辺りから上限関税の問題についての対応が大変厳しいものとなってきているわけでございます。
 そうかといって、先ほど申し上げましたように、私どもどんなことがあっても日本農業を守っていかなきゃならない、だから上限関税を掛けられるわけにはいかないというようなことでありとあらゆる国と連絡をしておるわけでございますし、今アフリカだとか小国で、八十一か国ほどでACPの国がやっぱり上限関税には反対だというような立場を言ってくれている、このうち五十五、六か国がWTOに加盟している国でございますが、そういう応援部隊もございますし、カナダだとかほかの国への働き掛けもいたしているところでございます。
 最後にお話をいただきました、じゃ、日本としてはどういう立場で堅持をしようと思っているかと。
 一つには、やっぱり上限関税に反対をして、そしてこれを掛けられないように最大の手だてをやるということが一つ。それから二つ目は、重要品目の数をやっぱりきちっと確保するということ。それから、量を増やさないという状況の中での対応をしていくということ、これはミニマムアクセス、ミニマム米等の問題でございますけれども、この私は三つぐらいが今、日本が絶対守っていかなきゃならない課題ではないかと、このように思って、そういうことを念頭に置きながら頑張っているところでございます。
○岩永浩美君 さきのWTO交渉の過程の中では、EUと日本が連携を保つことによって一定の問題をクリアした経過がございます。今回、EUと日本との間には考え方に微妙な違いがあることを今答弁をされました。今、G10諸国と一緒になって上限関税の問題を含め三項目について、日本の抱える課題について主張をしていきたいというお話をいただきましたが、G10諸国が結束することによって日本の主張が通る見解をお持ちですか。EUとは今なお、更に結束した情報を共有しながら交渉していかないと、日本の立場はますます悪くなるということにならないのか、それを危惧しますが、それはどうなんですか。
○政府参考人(伊藤健一君) WTO農業交渉につきましては、大きく見ますと、アメリカあるいは豪州のような輸出国、これが大変厳しい保護・助成水準の削減を要求しているという状況にございます。
 また一方で、我が国ですとか、あるいは我が国を含むG10、それからEUという国々は、農業の持つ多面的機能などの非貿易的関心事項を重視してやっていこう、したがって削減も漸進的にやっていこうという大きな立場の違いがあるということで、そういう観点から見ますと、我が国とEUは極めて近い立場にあるということを今までも強調してまいりました。
 ただ、交渉がかなり進んでまいりまして、それぞれの国、グループがやはり自国の利益を優先する提案をだんだん行ってくるという段階に入ってきております。そういう中では、例えば先ほど出ました上限関税の問題につきましても、EUは輸出国と同調しまして上限関税を容認するという提案を行っております。
 そういった面では、必ずしも提案全体が一致しておるわけじゃありませんけれども、一方で連携できる部分がたくさんあるという意味で、個別の論点ごとにやはり是々非々の立場で提携できるものは提携しながら交渉していくということになっていくかと思います。
 そういう意味で、大臣も機会があるたびに、例えばEUのボエル委員などとバイ会談あるいは電話会談を行って意見の調整をしながら連携を図っていこうということをしていただいております。
 上限関税については、あくまでも我々は反対であるということを明確にしながら、協調できるところは協調してやっていきたいというふうに思っております。
○岩永浩美君 日本農業にとって今一番大切で深い関心があるのは、上限関税の設定か撤廃かなんですね。今までEU諸国は上限関税の制限について、今答弁は容認ということになると、かなりやっぱり譲歩した形になるんですね。その上限関税の容認ということになってくると、やっぱりヨーロッパがその欧州を、今まで一緒になってやってきていたフレンド諸国がそういう形になって、開発途上国と一緒になって上限関税の問題を守っていこうとして守り切れるかという心配があるんだけど、これは今から香港の閣僚会議に至るまでの間にそれぞれの水面下の交渉もあろうかと思うけど、今アメリカと欧州、欧州ってEUとアメリカですね、それと日本との間で、特に私はEUと上限関税の問題について、容認ということでは日本の立場を主張してもらう立場に立ってやっていかないと、このWTO交渉を成功裏に収めることができないんじゃないかという心配をしますけど、これは今後の交渉の問題ですから、具体的にここで断定的なことは言えないことは言うまでもありません。
 私はやっぱり日本農業、特に後ほど質問していきますが、日本農業の農政の転換を考えていく品目別、横断というのは正にWTOの交渉をにらんだ交渉になっているわけですよね。この上限関税の設定か容認か、撤廃か、このことの、二つの二者択一なんですよ。このことがもう一番大切な要点になっていくと思うんですけど、それは再度どういうような感じになっていきそうなのか、もう少し詳しく。
 そして、ヨーロッパとの協調、そういうものについてどういうシフトをやっておられるのか。特に、私は今まで日本の国内において経産省と農林水産省というのは、WTO交渉の中で必ずしも一致した交渉というのはやっぱりできなかったんですよね、農産品において。しかし、今回、経産大臣は農政問題について深いかかわりと深い関心を持ち、そして日本農業の将来について造詣を持っておられる中川さんが大臣として今回も御同行いただいている。そういう経産大臣と一緒だから、普通の場合よりははるかに私どもは安心してその交渉を見守っておりましたが、漏れ聞くその一つの情報が我々の意図したところと違った形で推移していることに大変私は危惧を抱いているんですよ。だから、そのことについて再度もう少し詳しく説明いただけませんか。
○国務大臣(岩永峯一君) 上限関税の問題からお答えしたいと思うんですが、アメリカそれからEU、G20、もう最初に提案してきたときから上限関税に対する容認、上限関税を掛けよという提案をしてきているわけですね。そして、そのことを受けてG10としては、これはまかりならぬ、撤廃すべきだと、こういうことでうちの提案をしているわけでございます。だから、前回のEUと今のEUはまあスタートから違う。だから、アメリカとEUとがそういう状況の中で協調をしながらこういう提案をしてきたのかどうかということは定かでないわけでございますけれども、歩調を合わしてきているということは事実でございます。例えば、上限関税も、じゃ、一般品目と重要品目があるわけでございますが、重要品目にも掛けるのかどうかというやっぱりところが大変なキーポイントでございまして、そこら辺りの見方もしていかなきゃならない。
 ただ、我々、重要品目に掛けられない状況の中での一つの取組が大変大事でございますので、ボエル農業委員はもとより、フランス辺りに出向いていって私もビュスロ農業大臣ともお話をしましたし、またうちの事務方は事務方で向こうの高級事務方との話合いも実はいたしているわけでございまして、そこら辺りをどうしていくかというような大変微妙な部分を今交渉をいたしているところでございます。
 G10は結束をいたしております。そして、事あるごとに日本ないしスイスが強く上限関税の問題に対する厳しい非難をいたしているところでございますし、私もバイ会談を相当やっておりますけれども、当然アメリカはもとよりそれぞれの国とのバイ会談の中で、この問題は日本の農業を崩壊せしめる大変重大な問題だというようなことで対応をしているところでございます。
 それから、経産大臣との関係でございますが、行くごとに経産、外務と私どもは総理を交えてこのことに対して方向、議論をいたしておりますし、また昨日も帰ってまいりまして、そこらの状況報告もいたしているわけでございます。だから、拡大FIPsの会合それからバイの会合の状況の中で、私ども議論がかみ合わないということはないわけでございますが、経産大臣としては御承知のように非農産品を扱うという立場での御主張はあるわけでございますが、それは総理の下でお互いにお互いの立場を議論しているということはございますけれども、今は一致団結して歩調を合わせて対応しているという状況でございます。
○岩永浩美君 上限関税の容認と、EUはそういうふうに言いよる。それから、日本としては重要品目の枠の拡大、これとバーターみたいな、上限関税と重要品目の枠の拡大をバーターして妥協するなんてことは決してないようにしてもらいたいと思うんだけど、その辺についてはどうですか。
○国務大臣(岩永峯一君) 今のところは上限関税は上限関税、そして重要品目は重要品目と、両方ともきちっと主張しております。
○岩永浩美君 もちろん今は主張しておられると私は思います。
 ただ、やっぱり交渉の経過の中で、今までフレンド諸国としてやっぱり我々のパートナーだったEU諸国が容認の方向になっているというお話を聞くと、その過程の中でその交渉、あくまでも妥協しなければいけない部分が仮にあるとしたら、そういう形の妥協だけは決してしてもらいたくない。これは今後の日本農政の根幹にかかわる問題だから、あくまでも上限関税の設定というものは守ってもらうということが前提であって、ほかのことで妥協するようなことは何かにあったとしても上限関税だけはどうしても守ってもらうという、そのことの固い決意をもって交渉をしていただきたいと私は思っている。
 これ以上今ここで御質問をしても新たな結論が出てくるわけではないと思いますので、是非香港の閣僚会議に向けて、大臣を中心として政府当局が一丸となって御努力いただくことを心からお願いを申し上げたいと思います。
 次に、いろいろお話をお聞きしたいんですが、一つ、まず農政改革の柱、品目横断の経営安定対策について伺います。
 先々週から政府・与党の中においていろいろ、農業基本問題小委員会やあらゆる会合の中で、品目横断の経営安定対策についていろいろな説明や、そして十九年度からそれに向けて努力していくその話合いが進められていることを私は理解をいたしております。
 その中で、私自身非常に心配をするのは、面積要件によって品目横断の経営安定対策がなされようとしていること。それが、土地利用を中心とした北海道、あるいは中国、九州等々においてはやっぱり中山間地域が非常に多いだけに、そういう施設園芸や狭隘な土地を持っている地域の皆さん方にとっては、ただ面積要件だけでそのことを推進されることは非常にやっぱり多くの課題を抱えている。しかし、現実の問題として、今農林水産省は、農業団体等々と一緒に協力をしながらこの面積要件についての説明をそれぞれの地域でなされているやに私ども聞いております。その話合いの過程の中で、あくまでも政府の基本的な考え方を中心に説明されるので、画一的なその一つの説明が押さえ付けられているような感じになって、現場の皆さん方は少々戸惑いを覚えているというのが偽らない事実です。
 そういう点で、それぞれの地域の特性に合った担い手経営集落、それについて今後弾力的な運用を図っていくという御説明はこの委員会等々ではなさいますが、現場では十分にそのことが通じていない面が多々あるので、それについての説明、簡単にお願いをしたいと思います。
○大臣政務官(加治屋義人君) お話のとおりでございまして、南北に長い我が国では、農業の実態がそれぞれの地域ごとに異なっている中で担い手の要件をどのようにして決めていくのか、このことは大変重要な課題だとしてとらえさせていただいております。
 岩永委員、もう既に御承知のとおりでございますが、本対策の経営規模要件については、都府県四ヘクタール、北海道十ヘクタール、集落営農二十ヘクタールとする、基本とさせていただいております。
 一方、経営規模は小さいけれども有機栽培や複合経営で相当水準の所得を確保している場合については、この規模に達していなくても支援すべき経営である場合があると思っております。こうした場合は、地域の実態を把握している県知事からの申請に基づいて国が別途の基準を設けることができると、こういう方向で検討しているところでございます。
○岩永浩美君 知事の特認事項は、三項目が加えられていることについては今までよりも一歩前進だと私はそれは思います。
 ただ、担い手に認められるところ、担い手に認められるのは四ヘクタールなんですよ、四ヘクタール。四ヘクタールを持っている中山間地域の農家というのは、中山間地域に位置する農家の中で一戸当たりに四ヘクタール持っている農家というのは一つの町で何%というぐらいしかないんですね。私の生まれている佐賀は平均個別農家の所有面積は〇・七なんです。これは平場も合わせて〇・七なんです。七反ですね。それは七反の皆さん方が三、四軒集まって、あるいは三、四軒集まっても四ヘクタールにならないんですよ。集落は二十なんです。
 そういう感じの中で、今、面積要件を設定したときに、二百十六万ある経営体のうちどの程度、こういう一つの担い手や地域集落を認定をした場合に、経営安定対策の対象になるのか考えたことがありますか。どれぐらい増えると考えていますか。
○政府参考人(井出道雄君) 本対策におきます対象農家数の見通しについてのお尋ねでございますが、経営規模の要件、基本は、今、政務官からお答えしましたように、都府県四ヘクタール、集落営農二十ヘクタールを基本と考えておりますが、現在、地域の実態あるいは生産調整の推進ということにもかんがみまして、その集落営農の具体的な要件でありますとか作業受託組織をどうするか、あるいは中山間地域の特例をどう考えるか、それから複合経営についてはどうするかというようなことを中心としまして検討中でございまして、現時点では対象者の要件は確定しておりません。
 それから、御質問の中にもありましたように、現在、担い手育成・確保運動を強力に推進をいたしておりまして、十九年の対策導入時までに規模拡大あるいは集落営農の組織化が推進されると見込まれますので、現時点で我が省として確たる数字を見通すことはできておりません。
○国務大臣(岩永峯一君) ちょっと関連。
 岩永委員に申し上げますが、大変私ども微妙なところでございまして、これ十九年度から実施をしていかなきゃならない、十八年度にやっぱり大転換をしていく、そういう要請をそれぞれ集落だとか農家にしていかなきゃならない。その場合に、やっぱりばらまきという批判があるわけでございますので、ばらまきになってはならないわけでございますし、そして今、日本が抱えている大きな農業問題をクリアしていって、そして自給率の向上、そしてそれぞれの高齢化している、それを若い農家にシフトし直す、そして農業をもうかる農業にしよう等々の全体的な対策の中で、じゃ何でも聞いていったらいいのか。しかしながら、ある部分それを受け入れていかなきゃ集落営農、担い手農家への転換はできないというような大変難しいところでございます。
 今、党の中の基本小委でもいろいろと御議論をいただいているわけでございますので、私どももそういう皆さん方の意見を十分踏まえながら、どこを接点にするかということが大変大事でございますので、ひとつ御意見を御意見として踏まえながら検討していきたいと、このように思っております。
○岩永浩美君 四ヘクタール未満の中山間地域の農家の皆さん方がそれぞれ耕作をしていただいている農業がすなわち国土の保全に役立っていることは認めてもらわなければいけません。あくまでもその国土の保全は、そういう零細農家の皆さん方によってなされて集落の営農が成り立っていることを無視して日本農業の本当の発展はあり得ないと私は思います。
 本来、今回の品目横断というのは、何ゆえに品目横断ということを考えられるのか。米の生産調整をしていくことによって麦とか大豆とか、あるいはカンショ、バレイショ、そういうふうな輪作体系を確立して自給率を高めていくということが目的だと私は思いますよ。そういうふうなことを、今まで自給率が四〇%で低迷しているやつを四三%、四五%、あるいは前の亀井大臣は、限りなく五〇%、六〇%、島村大臣もいろいろ、それは七〇%ぐらいあればいいなとか、そういうふうにおっしゃっておられましたが、具体的にその一つの自給率を高めていくためには、中山間地域の農業の振興がなくして、それは、米はできなくても、大豆やあるいは麦や、そういうふうなものを作っていくという形を作り上げていかなければ私はいけないと思うんですよ。それを、大豆や麦あるいはバレイショ、そういうものを作っていく零細農家の皆さん方に金をやることがばらまきだという、決定付ける、決定的な意見を言われることは、中山間地域に住む農家を侮辱することになりますよ。
 現実的に、本当に中山間地域の専業農家の皆さん方は、畜産を五百頭やっていて一ヘクタールの水田をやり、あるいは施設を〇・五ヘクタールやる、そういう中山間の中における畜産農家や施設農家が専業農家として残っているんです。面積要件の四ヘクタールとか、その面積要件じゃないんです。そういうことを踏まえた形でやってもらわなければいけないし、品目横断的経営安定対策というのは何のために農林水産省がやろうとしているのか、そして品目別のそれぞれの財源はどこからどういう形で出そうとしているのか、それを整理していかなければいけないと思うけれども、それはどういうふうに考えているんですか、それじゃ。
○国務大臣(岩永峯一君) 先ほども申し上げましたように、もう日本農業は私は待ったなしだと、ここまで来ていると思っておりますし、今生産に携わっていただいている、年齢でもう六十七、八、九歳、これから十年たったら恐らく七十後半の年齢が中心になっていく、そして若手がどんどんまた農業から離れていっていく、放棄地がどんどん増えていくというようなことを考えると、やっぱり強靱な農業経営をしていかなきゃならないというようなことで、この構造改善を加速させなきゃならぬ。
 先ほど先生のおっしゃったように、WTOにおける国際規律の強化の対応も併せて大事でございますし、今回申し上げております品目別に講じられている経営安定対策の見直しが対象となる担い手農家を明確にしていくと、こういうことでございます。
 それで、確かに中山間地域の問題については、中山間地域を踏まえた対策をきちっと講じていこうということで今議論を集約しているところでございますので、岩永委員が御心配をいただく点について、私どもも、日本一律にはいかない、そしてなおかつ地域地域の特性というものをやっぱりある部分考えていかなきゃならぬというようなことでございますので、その部分については今後とも議論を深めていきたいと、このように思っております。
 それから、特に今回、私どもで食糧管理特別会計と農業経営基盤強化措置特別会計を廃止をいたしまして、そして特別会計を一本にしようと、このように思っているところでございます。品目別の各種財源を一体化にして経理をすることによって効果を高めていこうと、このようにも思っているわけでございますので、品目横断的経営安定対策の目的というものをきちっと設定しながら、それを踏まえて対応をしていきたいと、このように思っております。
○岩永浩美君 品目別経営安定対策を整理していく過程の中で特別会計も整理をしながらその効果をあらしめると。それはそれとして、役所の考え方としては了解をしますが、ただ、現場としてはまだまだやっぱり乖離している部分がある。
 いみじくも先ほど、今、集落の営農を、中心的役割を担っていただいている人たちは六十歳代の人が主。そういう皆さん方に経理の一元化や次代を担う農業の一つの中核的役割を担って今度の集落営農やあるいは担い手になってほしいということを言っても、これは本当に、具体的に次の世代を担っていく経営体になり得るとは私は思っておりません。もっと若い皆さん方が夢と希望を持つ農業をするということなら、少なくとも新規の就農者の人たちは青年就農者であってほしいし、リタイアした人たちが新たにそこにやっていき、私が六十歳代と言うと大臣は六十七、八歳だと。それは、正に前向きの人がやるというんじゃなくて、もう六十七、八歳の人たちがそこでやったとしても、具体的に自給率を高めていく、大変工夫をされた農業をやっていただくとは思いますが、日本農業の将来を考えるときに、そういう形で望ましい姿ができるとは私は思っておりません。
 限られた時間の中で十分な質問ができませんでしたが、同僚の議員に譲りたいと思います。
○小斉平敏文君 自由民主党の小斉平でございます。ただいま岩永委員の方から大所高所からの質問がございましたので、私は小さな質問を重ねてまいりたいと思います。
 大転換期を迎えた農林水産業の中で幅広い政策課題に全力で取り組む姿勢を示されました岩永大臣に、まず心からの敬意を表したいと思いますし、我が国の農政を力強く今後とも牽引をしていただきたいということをまず冒頭にお願いを申し上げたいと思います。
 さて、私の地元である宮崎県を中心に大変大きな被害をもたらした台風十四号、村田防災担当大臣を団長とする政府の調査団を始め、大臣も、あるいは農水省の幹部の方々も続々と現地に入っていただいて、県とその対応に当たっていただいておりますことを心から感謝を申し上げたいと思います。
 今度の台風では十三名の犠牲者が出ましたし、十月六日現在、その被害額は一千三百三億円に上っておりまして、昨年、数々の台風が宮崎県を襲いましたけれども、その昨年の一年間の台風被害の二倍以上の被害という、もう誠に大変な被害が出ております。特に、この農林水産業関係だけでも四百九十四億円、いまだかつて経験のしたことのないような被害を受けておるところでございます。
 総雨量が千三百ミリ、これを超えた地域もありまして、堤防決壊が各所で発生をいたしまして、特に、大臣も見ていただきました我が宮崎県の特産であるマンゴー農家、ここの被害がもう大変なものでございます。一反当たり一千万円以上する耐候性のハウス、これが堤防の決壊による土石流等々で、もう農家の自分の力で復旧することは非常に困難だというような状況にあります。莫大な負債を抱えて復旧をやっても、マンゴーが収穫できるのには五年掛かるんですよ。もう途方に暮れておるというのが現実であります。
 堤防決壊は、この管理者、堤防の管理者の責任でもあると思いますし、被災農家だけに責任を負わせるのは酷じゃないかという声も多々あります。共同施設利用の事業である強い農業づくり交付金、これの解釈等々を広げて、復旧ができない施設だけでも、JA等が事業主体となって、ハウス被災の復旧を新規事業とするような柔軟な扱いはできないのかどうか。同じ被害を受けられました、同じじゃないですけれども、今度の十四号で垂水地区が、鹿児島県垂水地区も大変なんです、そこの、鹿児島出身の加治屋政務官にお聞かせを賜りたいと思います。
○大臣政務官(加治屋義人君) 先般の台風十四号によりまして、今、小斉平委員の地元の宮崎、これは日本で最大の被害を受けられたと、そういうふうに承知をいたしております。そういうこともございまして、いち早く宮崎に岩永大臣お入りいただいた、そしてまた鹿児島の方には常田副大臣にお入りをいただいて調査をさせていただいたところでございます。
 私もつぶさに見させていただいて、特に宮崎のハウスの被害が生じておりまして、自分自身のことのようにとらえさせていただいているわけでございます。また、このマンゴー、正に宮崎の特産として非常に急成長をしている農産物でございますので、大変心を痛めさせていただいております。
 これらの被害につきましても、強い農業づくり交付金、低コスト耐候性ハウス、特に新たに先進的あるいはモデル的な農業関連施設を導入する場合についても助成の対象としているところでございます。
 現在、宮崎県において被害状況、被害農家からの事業要望の取りまとめを行っておられるとお聞きしておりますので、この取りまとめの結果を踏まえて、強い農業づくり交付金の活用を御検討をいただきたいと、そういうふうに思っております。
○小斉平敏文君 次に、災害復旧についてお尋ねをいたしますけれども、地元からは激甚災指定、これの決定を急いでくれとか、あるいは災害に係る特別交付税算入の意思表示だけでも示してもらいたいとか、施設災害は三年掛けて復旧するということになっておるけれども、復旧を急ぐために初年度に予算をがっぽり付けてくれとかいうような様々な要望を私どもは聞いておるところであります。
 農水省として今回の台風災害についてどのような復旧への対応をお考えなのか、常田副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) まず、このたびの台風十四号の災害でお亡くなりになられました方々に心からその御冥福をお祈りを申し上げたいと思います。また、被災された方々に対しまして心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 先ほども出ておりますが、農林水産業関係の被害総額は、このたび、現時点において千四百二十九億円というふうに報告を受けております。我々としては、昨年、中越地震を体験し、また多くの台風被害を体験いたしました。そういうことから、迅速に的確にということでこのたびの台風、災害復旧に取り組んでいるところであります。
 私自身も、大臣が宮崎県に入られた後、加治屋大臣政務官と鹿児島県に入らせていただきまして、つぶさにその現地を見させていただきました。そういうことの中で、災害復旧事業の早期実施、共済金の早期支払、低利資金の円滑な融通、被害拡大防止のための技術指導等、従来からやっていることについても迅速に対応するだけではなくて、査定前でも、やっぱり生産者の方が一日も早くその業に再び取り組んでいただけるように、査定前着工についても厳しくそれを指示したところであります。
 実際、宮崎県におきましても鹿児島県におきましても、かなりの部分、査定前着工をさせていただいているというふうに思っております。その上で、今、委員御指摘の激甚災の指定につきましては、本日、十月二十五日閣議決定をされました。農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置が適用されることとなったわけでありますので、さらに万全を期して、先生おっしゃるように、一日も早く復旧していただけるように頑張ってまいりたいと思っております。
○小斉平敏文君 ただいま副大臣の方から、大変力強い対応について、査定前でも着工というようなことも含めて御答弁いただきました。どうか、今の言葉のとおり、やっぱり農家の立場に立って、被災された方の立場に立って復旧に努めていただきたいということを重ねて御要望を申し上げたいと思います。
 また、林業についても二年連続で大変大きな被害を受けておるところであります。しかも昨年の台風による風倒木、これがまだ七割程度しか片付いていない。そして、その周辺でさらに今回の台風で風倒木が発生をして、未整備の山、この山が山ごと崩壊しておる状況というのもあるんです。しかも、山間部の道路というのは寸断を、今も寸断されたところが多々あるんですよ。調査ができないところも数多く残されておりますので、今後被害総額というものは更に増えるんではなかろうかと私は思っております。
 昨年の風倒木がまだ放置されておるのは、この風倒木が発生したときに市場に一気に流れ出たんですよ。そのことによってもうただ同然になったんですね、風倒木は。ただ同然になったんです。ですから、林家はこの風倒木を片付ける意欲を失っているんですよ。
 昨年十月の、いわゆる台風が来る、風倒木が市場に流れる前、これは一万一千三百円しておりました。今年七月にはこれが七千三百円まで落ち込んだんです。その後、林家が風倒木を処理しない、市場に出さないということやら、いわゆる今度の台風十四号の影響等々で出てくる材が少なくなったということもあるんでしょうけれども、九千五百円まで持ち直しておる。しかし、昨年のいわゆるその台風の風倒木発生以前、これまでには回復をしていないのは事実なんです。風倒木の発生が、発生しただけで供給過剰になる。で、そのことによって今度は材価が、木材価格は大幅に落ちるという、こういう現実に非常に林家は衝撃を受けておるのが事実であります。
 国産材の需要拡大が進まないままに、これから戦後造林された山がどんどんどんどん伐期を迎えてきます。宮崎県が一番目に伐期を迎えてくるんです。それが全国にどんどんどんどん広がってくる。以前にも、この伐期のピークを迎えた場合の対応について林野庁の方にお聞きをしたんです。そのときには、伐期を迎えてくると木材価格は値崩れするんじゃないかという危惧の観点からお聞きをしました。その際は、川上と川下の一体化とか木材の需要拡大、それとともに森林の機能を発揮するという観点から、長伐期化やあるいは複層林化を進めていくという答弁だったんです。
 長伐期とかいわゆる複層林化、このことによっていわゆるその伐期のピークをある程度カットできるということであったんですけれども、今の林家の経営状況、大変厳しいという、そういう状況の中で、具体的にどのような対策を推進されるのか、お聞かせを賜りたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 先生今御指摘になりましたように、我が国の森林資源、戦中戦後、伐採跡地に積極的に拡大造林やってまいりました。その結果、今後伐採が可能になる森林の面積、これがピークとなる時期を迎えるというような状況が見込まれるところでございまして、正にその点、先生の御指摘のとおりだろうというふうに思っております。
 そして、一方では、平成十三年に新たな基本法、制定されたわけでありますが、その中で、森林の有しますいろんな機能、こういったものを持続的に発揮させていくんだというような基本的な理念を持ちまして、森林施業につきましても、今お話ございました伐期の長期化、あるいは複層林化、こういったものを推進するということにいたしておるわけでございます。
 ただ、そういったってそのままではなかなか進まないということで、このため、実は林齢にいたしますと七から十二齢級、すなわち三十一年生から六十年生、こういった林木の抜き切り等、これを実施いたしまして、適正な密度管理を行いながら長伐期化を進めていく機能増進保育、あるいは十ないし十八齢級、林齢にしますと四十六年生から九十年生でありますが、ここの抜き切り等を行いまして、森林状態維持しながら徐々に更新を図っていく、そういったことで複層林化を進める長期育成循環施業、こういったものに対しまして、言わば伐採に対して助成を行うというようなことで長伐期化あるいは複層林化、こういったものの推進を図っているわけでございます。
 さらに、今度の十八年度予算におきましても、新たに一斉人工林、これを天然更新によりまして、針広混交林ですとかあるいは広葉樹林、こういったところで誘導するための抜き切り、こういったものに対しましても助成を行う。あるいは、地方公共団体あるいは森林整備法人、こういったところによりまして造成されました分収林、ここに実施されます先ほどの長期育成循環施業、こういったものにつきましても助成の拡充を図ろうというようなことで現在要望いたしているところでございます。
 こういった中で、今後ともこの長伐期化、複層林化あるいは針広混交林化、広葉樹林化といった多様な森林整備進めて、伐期の緩和といいますか、そういったものも進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○小斉平敏文君 前回の質問のときと比べますと、はるかに対応がもう前向きになったということは高く評価をいたしますけれども、やっぱり現場というか林家が山を守らないというような話になると、我が国の国土を守れないということになってきますので、この今の対応に満足せずに更に更にやっぱり山を守るために努力をしていただきたいということを強く要望をいたします。
 また、一つは国産材の需要拡大、大変重要な課題であります。そのためには、国産材の活用推進とともに、違法伐採、これによる外材輸入、これを止めることが必要だと思うんです。グリーン購入法が今検討されておるわけでありますけれども、この対策は違法伐採の輸入を止めるということの期待にこたえられるのかどうか、その点をお聞かせを賜りたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 先生御案内のように、我が国の輸入している外材、この中の大きな一つの問題といたしまして違法伐採問題がございます。実態については必ずしも正確には把握されておりませんけれども、インドネシア辺りでは、一説には五〇%が違法だとか、あるいは七〇%が違法伐採だとか、あるいはロシアでも二〇%が違法伐採であるというような環境NGOの報告もあるわけであります。
 現在、我が国で木材の八割輸入しているわけでございまして、こういった違法伐採問題、単に我が国だけではなく全地球的な環境保全、こういった面からも大変重要な課題であるというふうに認識いたしております。このため、我が国といたしましては、違法に伐採された木材は使用しないという基本的な考え方に立ちまして、技術開発等を通じました違法伐採対策、これを諸外国の方と協力しながらこれまでも進めてきたわけでありますけれども、さらに、本年七月のグレンイーグルズ・サミット、G8サミットでありますが、ここでの議論を踏まえまして、政府調達におきましてグリーン購入法、これによりまして政府調達の対象を合法性、持続可能性のある木材とするという措置の導入を検討しているところでございます。
 この措置の具体的内容につきましては現在検討中でございますけれども、違法伐採木材、これが政府調達から排除されることによりまして、結果として国産材などの合法性、持続可能性のある木材の割合が高まるというようなものを期待しておるところでございます。
○小斉平敏文君 この違法伐採の問題、もう何年前か分かりませんけれども指摘をして、特にインドネシアの違法伐採の話をしたときに、その当時の林野庁の答えというのは今でも鮮明に覚えておりますけれども、違法伐採かどうかということを、結局どれが違法伐採でどれがそうでないかということが分からないという話だったんです。それはなぜかというと、丸太で輸出をさせないと、全部あそこで製品化するからどれが違法だと分からないという話で、全くこの違法伐採の問題に取り組もうとしなかったんです。そういう観点からいくと、今回、合法性とか持続可能とかいうような条件付けてこの違法伐採に取り組もうという姿勢、是非とも、だからこの点は今後とも積極的に取り組んでいただきたいと、違法伐採がなくなるというような観点から取り組んでいただきたいということを御要望を申し上げたいと思います。
 続いて、漁業問題についてお伺いをいたします。
 魚価の低迷ということと昨年来の原油の高騰、これで水産業は壊滅的な打撃を受けておることはもう御承知のとおりであります。特に、漁業経費の多くを占めるいわゆる燃油の高騰、これはほかの産業のように価格上昇分をいわゆる生産物の価格に転嫁できないという漁業の特殊性というものがあるわけでありまして、正に漁業者にとっては死活問題と、このようになってきておるのが現状であります。このような燃油高騰という事態に対し、水産庁はどのような対策を講じようとされておるのか、まずお伺いをしたい。
 今日の大変厳しい漁業経営状況では、融資とかそういうような金融支援制度、これ余り機能しないんじゃないかと、このように私は思います。省エネ支援策も推進されるようでありますけれども、その効果と見通しですね、どのように考えられておるのか。また、漁業者が近い将来、この省エネ対策、このことによって原油高騰、これを乗り切る体力を付けるということであると思うんですけれども、その間は、じゃ、その体力が付くまでの間、それはどうされるのか、その対応についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) 今の漁業をめぐります燃油価格の高騰問題、今、先生御指摘のような状況でございまして、私ども、この燃油高という状況はこれからやっぱり相当期間続くというふうに読まなきゃいけないだろうというふうに考えておりまして、そういう意味で、まずこれからの燃油対策としては、まず省エネ型の漁業、それで効率的な、そういったコスト構造に持っていってもらうと。まず、これが基本だというふうに考えておりまして、その対策が一つありますが、ただいま先生おっしゃいました、それもある程度時間掛かります。じゃ、転換するまでの間どういうふうに経営をつないでいくかということがございまして、私ども、九月三十日に緊急対策ということで二つの対策をまず講じております。
 その一つは、漁業者の燃油購入資金、これが不足いたしますので、それの運転資金としての融通を円滑にしてもらうと。具体的には、利子補給でありますとかそれから保証の円滑化と、これをまず進めております。それからもう一つ、漁協系統が相当燃油を扱っておりますので、例えばタンクの効率的配置と、こういったことでできるだけ早く効率化を進めてもらうということでありますが、もうこういった形で、今のこの経営を維持してつなげていってもらうということが一つですけれども。
 一方で、そもそもの省エネ、効率化対策ということで、こちらは来年度の概算要求が主体になっておりまして、これから年末にかけて作業になりますけれども、こちらではできるだけ省エネ技術を導入してもらうと。例えば発光ダイオード、こういったものとか、それから操業形態の共同化というような形で効率化してもらうと、こちらの方は一生懸命やっぱりやっていってもらう必要があると思っています。
 ただ、御承知のように、漁業は地域、漁業種によって多様でございます。そういう意味では、今私どもが出しておりますこういった対策を現場でどうやってうまく活用してもらうのかと、この検証が大事でございまして、そのように、今各漁業団体の皆さんとか都道府県とかいろんな人たちとそれぞれの漁業種においてどういう形で今の対策を講じていくのかと、これをうまく一種の工程表みたいな形で取りまとめていってもらうと、それに対して我々がまた効率的な支援をしていくというような形の作業をしているという、そういった状況でございます。
○小斉平敏文君 この燃油の高騰というのは一説には、北京オリンピックが終わるまでは高騰がずっと続くんじゃないかというような話もありますし、長官の言われるように、一定程度長期間、長い間この高騰が続くというやっぱり前提でこの問題取り組まなければならないと私は思います。
 ですから、体力を付ける、漁業者がいわゆる体力を付ける間、言わばそれが付かないとばたばたつぶれるわけですから、是非ともそういう現状を認識いただいて、ただいまお答えいただいたような対応等々しっかりやっていただきたいと、このように思います。
 それと、あと一つは、同じこの漁業問題なんですけれども、浜値、いわゆる浜値と店頭価格、小売価格ですよね、これに大変大きな差がある。そこが私は一番この漁業経営の厳しいところの問題ではなかろうかと、このように思います。
 先日、水産庁からもらいました資料によりますと、いわゆる水産物の主要十品目、これ二百グラムで、いわゆる小売価格なんですが、二百グラムで四百二十九円なんですね、平均が。そのうちの小売経費等々、いわゆる流通にかかわる部分が二百六十一円なんですよ、二百六十一円。そして、いわゆる漁業者の粗収入、粗収益が百六十八円。そのうちから、更にいわゆる燃油やらいろんな必要経費、これを差し引けば、漁業者の所得はわずかに四十七円なんですよ。小売価格の一一%ですよ、小売価格の。
 私は、この資料を見たときに、これはとんでもない話だと思ったんです、はっきり言って。逆に言えば、だから、いわゆる流通経費、小売にかかわる経費等、これは二百六十一円、六〇・八%ですよ、これを二割カットすれば五十円ぐらいすぐなるんですよ。そうすると、そこにメスを入れていけば今の所得の倍に簡単になるんですよ。ですから、私は水産庁として一番今後、この漁業に対して一番重要なことはこの流通だと思うんですよ、流通。
 これについてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) 小斉平先生と同じ気持ちを私も持っております。だから今、燃油価格高騰の問題で、閣僚懇談会のときに私から、本当に日本水産がこれ壊滅してしまうと。近海漁業でも一年間に七百万ぐらいの高騰になろう、そして遠洋漁業だと三千三百万と。今でも赤なのにどうなのかということで、本当に四海、海に囲まれた日本水産が壊滅状況になると。今、十年ぐらいで八万ぐらいずっとやめておられるわけですね。そういうようなことを考えますと、この問題には何としてでも政府を挙げて取り組んでくれと、こういうような状況で、今閣僚懇談会の中でこの問題を大きく取り上げております、一つ。
 それからもう一つは、今のこの流通機構の改革、これは本当に汗水垂らして舟板一つで漁業に接しておられる皆さん方が一一%、私はもうちょっとあるとは思うんですが、こんな状況を放置しておく必要はないと。だから、流通改革、市場改革、このことについては全力を挙げて、そしてやっぱり少なくても三割、四割、五割というぐらいの漁業者への所得をやっぱり担保していかなきゃならぬのではないかと、こういうように思っております。そのことのために今、漁連の改革だとかそういうことも今一生懸命にやっておりますので、また具体的に時間がありましたら御報告したいと思います。
○小斉平敏文君 今、局長じゃなくて、わざわざ大臣から御答弁を賜りまして、大変ありがとうございます。
 もう大臣の言われるとおりなんですよ。もう大臣がいみじくも言われました。板子一枚ですよ、海の上、命を懸けた人間がわずかに一一%ですよ。人のふんどしで相撲を取った人間が六〇%以上利益を得る。これはやっぱり私はそこにメスを入れていただきたいということを強く大臣、大臣よくこの問題は御理解を賜っておりますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと、このようにお願いいたしたいと思います。
 BSEの問題を聞く予定でありましたけれども、もう時間がありませんので、もう最後に大臣、大臣に当面の課題、対策、いろいろお聞かせを賜ったわけでありますけれども、だれもが安心して生産にいそしめ、流した汗が報いられるような、そして後継者が夢を持って取り組めるような対策が私は急がれておると、このように思います。
 大臣の、このことに対する大臣の決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(岩永峯一君) その前に、先ほどの災害の話でございますが、私、現地へ行きました。そして、もう生産者が気力も体力ももうないんだと、茫然として、何とかしてくれという悲痛な叫びをマンゴー畑や現場で聞きました。私はそのときに南部農政局長に、ともかく今農家の皆さん方が何を望んでおられるのかと、そして国や行政で何がお手伝いできるのかと、全農家歩いてこいと、このぐらいのことを実は申し上げましたら、大変積極的に対応していただいて、そして今それを吸収しているところでございます。
 私ども、できることとできないことがございますけれども、例えばタンクが壊れてそして油まみれになった農地、これを復旧するために、これは災害で対応できるわけでございますし、そういうようなこと等で今積極的に対応しておりますので、先生からも農家を励ましてやっていただきたいし、またいろいろと御要請をいただきたいと、このように思っております。
 そして、最後に農業の問題でございますけれども、今、先ほども岩永委員にお話をいたしましたように、結局農家はもうからない、そして農家はほかの産業と比べると経済的格差が大きい、このことが私は一番大きな要因ではないか。だから、若手が農業をしていく、このことのためにもうかる農業というものを提唱したい。そのことのために、先ほど言った今回の品目横断だとか担い手対策、集落営農等で大変いろいろと不安な要素が生産者の皆さん方からあろうと思いますが、そのことをきちっと理解をしてもらって頑張ってもらうということで、そこへ金も土地も集中していくことが一つ。
 そして、二つは、流通の問題でございますが、これは漁家が手取り一一%、農家も二八%から三〇%ぐらいなんですよ。汗にまみれて泥まみれになって炎天下で頑張っている人がなぜ三〇%なのかと。このことに対してやっぱりきちっとメスを入れて、だから今、全農改革なんかも私、本部長でやっております。だから、農協へ集荷したものが全農を通じてなぜそれだけのものになるのかというようなことなんかもやりたい。
 それからもう一つ大きなのは、この秋から展開するわけですが、外食産業だとか食堂に産地表示をきちっとする、国産地表示をする、そしてやっぱり国内の皆さん方に日本の農産物を愛用してもらうと、そういうことの中から日本農業というものの自給率というものを、やっぱり四〇%から四五%、五〇%とやっぱり具体的に段階を踏んでいくような対応をしたいと。このような決意を持って、もうかる農業を提唱しておりますので、頑張ります。
○郡司彰君 民主党の郡司でございます。
 今国会から農林水産委員会の委員になりましたので、大臣に幾つかの項目で基本的な考え方をお聞かせをいただきまして、これからのまたそれぞれの質問に生かしていきたいなというふうに思っております。
 まず、大臣の岩永ウエブというところを読まさせていただきました。タイトルがすばらしいですね、「改革のど真ん中から」ということになっておりまして、正に改革の申し子と言われる大臣のそのとおりだなという感じしておりますが、最初に、改革ということについて、特に小泉改革についての大臣の思いをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) 私はたくさんの総理とともに政治をしてまいりました。ただ、小泉総理になってから、私も岩永浩美先生と一緒に政務官をやったり、また副大臣をやったり、党の副幹事長をやらせていただいたり、ずっといたしてまいりましたけれども、本当に改革に対する意欲、熱意というのはかつてないほど強いものを実は感じてまいりました。
 だから、今回の郵政の問題についても、自分自身の身命を賭して、政治生命を懸けて改革をするという、かつてない、政治家にないすばらしい改革への熱意、そして力というものを実は感じてまいりました。
 今、日本の国は少子高齢化を迎えておる。なおかつ、そうした過程の中で国民負担がどんどん増えてきておる。次の世代の若い方々が本当に生活をし、教育を子供たちにし、そして老後が保障され、そして行政を運営していくことができるのか。いろいろ考えますと、今こそ本当に無駄を省いて、きちっと国民負担を少なくして、なおかつ新しい安定した国家体系をつくっていかなきゃ次の日本の世代はないと、このように思っておりますので、小泉総理の間にひとつこの改革を全面的にひとつ成し遂げたい、そんなことで、農業を担当する私もその決意でいるところでございます。
○郡司彰君 今お聞きをいたしまして、それでは個別に農水省の改革ということになるとどういうふうなことをお考えなのかを少し具体的に、例えば公務員の削減でありますとか、それから特別会計の見直し、削減、独立行政法人の統廃合あるいは政府系金融機関の関係等について具体的にお聞かせいただければと。
○国務大臣(岩永峯一君) 行政改革につきましては、スリムで効率化のある政府を実現すると、このキャッチフレーズに農水省も積極的に対応していきたい、このように思っております。
 定員合理化については、旧食糧組織や地方統計組織について計画的な合理化を農水省は進めてまいりました。本当に痛みを農水省が一番大きく感じたんではないかということで、政府部内で最も大きく定員の純減を行ってきた省庁でございます。先般、閣議決定された定員合理化計画でも、全職員の一〇・四%に当たる三千百二十九人の合理化を行うと、こういうことにいたしております。
 それから、独立行政法人については、既に農業大学校の廃止をやっておりますし、また農業生産系特定産業技術機構等、五法人を二法人に実は統合することなどを決定しております。さらに、農林水産消費技術センター等の七法人についても現在見直しを検討しているところでございます。
 特別会計も、先ほど申し上げましたように、歳出の合理化それから効率化を推進する一方、合併をする、統合していくというようなことで、食糧管理特別会計と農業経営基盤強化特別会計の一体化を検討しているところでございます。
 そして、政府政策金融改革につきましては、この農業、林業、水産業、本当に経営基盤が弱いわけでございます。だから、この経営基盤が弱いのが今度統合したときに放置されてしまったら大変だというようなことでございますので、やっぱり生産者にきちっと金融対応ができる担保をやっぱり保障していかなきゃならぬと、このように思っておりますが、小泉改革の金融統合については十分理解をいたしておりまして、私どもは私どもの生産者の立場に立って御意見を申し上げ、どこでどういう対応ができるのか、このことも十分検討をしていきたいと、このように思っているところでございます。
 農水省としては、小泉改革に対する改革の推進に十分沿っていきたい、このように思っております。
○郡司彰君 個別にはまた時間をいただいて質問をさせていただきたいと思いますが、新聞を読んでおりますと、特に最後のあの政府系金融機関についてどうも慎重ではないかというようなニュアンスの記事があったりしたもんですから、特にその点だけちょっとお話をさせていただきたいと思いますが。
 十四年に金融二法案の改正の審議がございまして、当時は武部大臣でございましたけれども、やり取りをさせていただきました。そのときに、大臣は、前提として、その前段でBSEの報告があって、農水省というのは解体をするか改革をするか、もうどっちかなんだというような話をされて、そういう流れの中から、農業でいうと、その農業は法人系統というものがこれからは大事になってくると、この法人系統に対する公庫の役割というのが非常に大事なんだと、政策的に大事なんだと。それは先ほど大臣が言ったようないろんな基盤が弱いとかということではなくて、法人系統に対して政策的にこれから必要なんだというような話をされておりました。さらに、十五年の問題とか一千八百万とかというような、そういう制限等については民間でもできるんではないかということについて、そういうような話があったわけでありますけれども、この法人系統についてはやはりどうしても残さなくてはいけないんだという話がありましたが、先ほどの大臣の話と若干少し違うのかなという感じがいたしたりしております。その辺のところについてもし何か御発言がございましたらば。
○国務大臣(岩永峯一君) 法人が農業参画できる。これは土地を法人に持たすことはできません。しかしながら、リースで貸して、そしてそこで効率的な農業を営んでもらうというところまで今農水省としては許容をしているところでございます。だから、今までそれぞれ外食産業とかいろいろなところに農産物を供給しようと思いますと、やっぱりロットがそろわないとか、そして品質がそろわないとか、日本農業の多くのやっぱり欠陥があったところでございますので、やっぱり農業を大規模にして、そして日本の需給に合うという対応をやっぱり一面日本農業もしていかなきゃならぬのじゃないかと、こういうようなことを思っているところでございます。
 それで、今おっしゃっておられますように、じゃ、政府金融機関がどこまでそういうところにも対応していくかというようなことでございますけれども、私どもは今、力がある法人経営等については、これはプロパーだとかいろいろなところで金が借りられるだろうと思っているわけでございますが、一番やっぱり心配していかなきゃならないのは、先ほどお話し申し上げておりますように、弱体な基盤の小さい、基盤の弱い農家、漁家それから林家、こういうところをどうやっぱり助けていくか、そしてそういうところに新たな経営基盤を強化して、そして若者が参入していただく幅広い政策金融をしていかなきゃならない。今回も集落営農担い手農家対策をしておりますけれども、これは必ず金融が結び付くわけでございますので、そういう部分をどう補完していくかというようなことを考えながら、この政府政策金融機関についての統合の問題について対応していきたいと、このように思っております。
○郡司彰君 私はちょっとニュアンスが違うように受け止めておりまして、民間の金融機関であれば、今までのところは担保、根抵当というようなものが必要になってくる、そこのところがどうもうまくいかない。そこを政策的にそういうものにかかわらず将来性とか農業というものの重要性とかということで貸す場合には公庫というものが必要なんだというふうに理解をしておりましたが、そのことについてはまたこれから議論をさせていただきたいなと思っています。
 時間の関係で次に入らせていただきますが、食の安全、安心ということ、食品安全委員会のことも含めて今話題になっておりますけれども、大臣のお考えの中では安全というのと安心というのは同義でございましょうか。それとも、違いがあるとすればどういうような感覚でございましょうか。
○国務大臣(岩永峯一君) 食の安心というのは、食の安全と消費者の信頼があって安心が私はあると、このように思っているわけでございまして、農水省におきまして生産段階から消費段階にわたって科学的知見に基づいたリスク管理を徹底していくと、こういう中で食の安全を確保するわけでございますし、なおかつ食品表示や情報提供を通じて食に対する消費者の信頼というものをきちっと確保すること、この二つが相まって私は安心できる食生活を実現する総合的な施策が実施できると、このように思っておりますので、信頼と安全が安心につながると、このように思っております。
○郡司彰君 今、大臣の発言の中にも科学的というような言葉が出てまいりましたけれども、就任のときの記者の方とのやり取りの中でも、特にBSEに関しましては、科学的知見に基づいて国民の皆さんが納得してもらえるような判断をするんだと、このような話をされております。
 そこでお伺いをしたいと思いますが、このBSEに関しまして科学的知見で判断をする、その科学的知見という材料、中身はどんなことを私ども考えればよろしいでしょうか。
○国務大臣(岩永峯一君) 食品安全委員会の中で、現在の米国産牛肉のBSEリスクについて中立的な立場から大変な御議論をいただいて、御審議をいただいているわけでございます。
 リスク評価について、食品安全基本法に基づいて、その時点で到達されている水準の科学的知見に基づいて客観的かつ中立公正に行われなければならないと、こういうことが言われているわけでございますので、私は、今、食品安全委員会で御議論をいただいている中身が科学的な知見に基づくものだということで、それがだれにも侵されない分野の科学的対応だと、このように思っております。
○郡司彰君 お話を聞いていても、私もよく納得ができないというかよく理解ができないんでありますけれども。そもそも諮問をされました内容は、取りあえずアメリカの牛であれば二十か月以下で特定危険部位を除去するということでは、日本の全頭検査に比べてどうなのかというような形だったと思うんですね。全頭検査に対して違う基準でもって調べろということ自体が、私は、これは日本が今までほかの国から言われてきたダブルスタンダードでやれというようなことを国が諮問しているような形にも思えるんですが。
 それはそれとしても、大臣、これまで例えば科学的知見で分かっている水準というお話がありましたけれども、私どもからすると、羊のスクレイピーからBSEになったのは何でなんだとか、人間が変異型のヤコブ病にかかるのがBSEとどういう関係が解明されているとか、それから感染ルートにしましても、私は一頭目が出てからしつこいように二次感染ではないのかという話をしておりまして、その辺のところは国の方も、二次感染という言い方はしませんが、二巡目とかということで、もう一九九六年に生まれたのとか二〇〇〇年前後のものとかと、これまるっきりもう違う形で生まれた月が出てきているんですから、これは間違いなくそういうことだろうと思うんですが、それについても実際には解明をされていない。
 こういう状態のときに、私ども、科学的知見といいましても、今問題にされているアメリカの実際にそういうものが担保されるような実効性があるのかどうか、もうそのこと以前に科学的知見という形でもってやるというのは私はちょっと納得ができないんですが、もし何か大臣、ございましたら。
○国務大臣(岩永峯一君) 先生、日本ももう二十か月齢以下については検査今やっていますよ。国が補助金出していますし、各県単位で自主的にやるということでやっていますけれども、やらなくてもいいということの基準を出したわけですね。だから、日本と同等のものをやっぱりアメリカに要求しているわけですね。だから、アメリカ自身が本当に二十か月齢をどういうような形で認定してくるかということを私どもの食品安全委員会のプリオン小委員会では今御議論をいただいてきているわけですね。だから、そういう部分でアメリカへの対応というのは科学的にきちっと分析する、そしてなおかつそのことが日本の国内で担保すると、こういうようなことで最終的に対応ができたらと、こういうことでございます。
 今御審議をいただいている過程でございますのでそれ以上のことは立場のある私からお話しできませんが、私は食品安全委員会の御議論というものを尊重していきたいと、このように思っております。
○郡司彰君 経過を含めてお話をするとまた長くなりますから、そこのところを省きます。
 日本の中で、先ほど大臣が言われたような経過に立ち至っていることももちろん存じておりますが、だとすると、その前段の日米合意から話をするとまた別な議論になってしまう可能性もありますので今日はそこのところは私の方はしませんけれども、ただ、この科学的知見に基づくというような形で今私どもの国はいろんな形を決めているわけですね。ところが、私ども、先ほどから私が質問しておりますけれども、科学的知見に基づいて私どもは反論できません、はっきり言って。パブリックコメントで意見を求められれば、それは科学的知見に基づいたものではないということに多分なるでしょう。私もいろんな資料は例えば目にすることが普通の方よりも多くあるかもしれませんね。資料を下さいと言えば、とても普通の方よりも多量の詳細な資料もいただくかもしれませんが、それでもっても、私自身はそれを科学的に判断をするという技術も能力も持ち合わせておりません。こういうようなときに、科学的知見に基づいて国は決めたんだということに対して、私ども、消費者とか生産者も含めて、反論をできないんですよ。
 私は、この形の中で、例えばアスベストであるとか、あるいは前にあった血液製剤の問題もそうだったかもしれない。私、前に環境委員会に所属をしておりましたが、今年は大臣の決断で、科学的知見では、外来魚でこの魚は駄目だと、生態系に悪い影響を与えるということは言えないけれども、しかし、科学的知見ではないけれども、もう見てみんながそういうふうに思っているんだから、このバスについてはもう入れないようにしましょう、駆除をしましょうというようなことがされた。
 私は、どうも私どもからすると、科学的知見という御旗が出てくると私どもはへえっと言わなければならないような構造の中でやっているというふうに消費者というのはどうしてもなるわけですから、そこのところで、結論から言うと、私は、アスベストの問題もそうですけれども、最後のところは、この方法を取ることによって国はより以上により多く持ち出しをするようなことになるかもしれぬ、税金の多くの支出をするようになるかもしれない。私は、だとすると、パブリックコメントが生かされないという形になっているけれども、そういうものでみんなが納得できるようなものが出てこないときには、これはそこの段階ではまだ許さないんだと。予防原則というようなものをこの国の社会システムの中に位置付けないと、私はこの国の後代の人たちが大変に多大な負担というものを押し付けられるような結果になるんではないかと、そういうような思いを持っておりますが、このことについて大臣の考えをお聞かせください。
○国務大臣(岩永峯一君) 私自身もそうでございますが、多くの国民の皆さん方は科学的知見を持ち合わせてないだろうと。そのことのために、公平に、専門的にその道の大家を私どもお願いをいたしまして、そして科学的な分析を行っていただいたり、科学的に御判断をいただいて、そして我々に御提示をいただく。だから、その中に政治的圧力があったり不公平さがあったりしてはならないと。このことはやっぱり食品安全委員会という独立した機関を担保することだと。だから、今、日本とアメリカの中でどれだけ多くのほかの交渉があっても、この分野に立ち入らすことは一切あってはならないと、このように私は思って、この食品安全委員会の先生方の御議論というものを国民の総意を専門的に御議論いただくものだというようなことで御信頼を申し上げているというところでございます。
 それから、予防的な考え方でございますけれども、これは健康被害を未然に防止する観点から、食品安全行政というのは的確な実施に万全を期する必要があろうと、このように思っております。
 WTOの検疫措置の国際協定でも、科学的原則に基づかなければならないというようなことで、科学的証拠が不十分な場合には入手可能な情報に基づいて暫定的措置を講じることができるということを言っておりますし、必要な追加情報というものを得て、そして当該措置の再検討を行うことというようなことを言っております。
 食品安全法でも、科学的知見に基づいて食品安全の確保ために必要な措置を講じることを原則とするわけでございますが、緊急の場合には、リスク評価を行う前であっても、健康保護の観点から必要な措置を暫定的に実施できるということでございまして、農水省といたしましては、こういうような考え方に立って、国民の健康保護を第一と考えまして的確な措置を実施しているところでございますので、予防の面も積極的に対応しているわけでございます。
○郡司彰君 時間の関係で今日は余り議論をできないと思いますが、ただ、私どもからすると、科学的に証明をされて安全だということになると、少なくとも主観の判断ではないということになるわけでありますから、そこに参加をしている委員の方々はなべてそうだなというふうになると思いますが、そういうふうなことからすると、全員が間違いなく大丈夫ですねというような形の結論を得るというのが科学的知見に基づいた判断になるということでよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(岩永峯一君) 最終結論がどういう書き方がされるか分かりませんけれども、大方の皆さん方の意見がある部分集約された、そしてそれを国民の皆さんが見て、ああそうかということだと私は思っておりますので、必ず一〇〇%かどうかというのも今後の過程を見て判断していかなきゃならぬのではないかと、このように思っております。
○郡司彰君 私は、それは主観で判断しているんではないかなというふうな思いがありますが、次に移らさせていただきます。
 BSEの私どもに残した教訓というのは、国が食に対する危機管理意識がなかった、あるいは危機管理体制が整っていなかったというようなことになってきているんだろうと思うんですね。
 その上で、鳥インフルエンザのことについてお聞かせをいただきたいと思いますが、昨年、山口県、大分県、京都で発生をいたしました。今年、また茨城県で発生をいたしましたけれども、これについては発生が、非常に遅れた段階で、通常の時期よりも遅れた段階で発見をされておりますけれども、これについてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) お答えを申し上げます。
 まず、昨年、京都府ほかで高病原性鳥インフルエンザ、強毒タイプの発生がございまして、これを受けまして、モニタリング、それまでは一都道府県で一農場を対象にしてモニタリングをしておりましたけれども、一家畜保健所当たり、これは全国でいいますと百七十八か所になりますが、そこを対象に、その一家畜保健所当たり一農場、合計百七十八か所でもってモニタリングをするというふうに監視の強化もしたわけでございます。
 それから、昨年の十二月でございますが、台湾で野鳥に鳥インフルエンザのウイルスが見付かった、あるいは、韓国でやはりアヒルの方からウイルスの分離がされたというふうなニュースがございました。
 私ども、直ちに日本の国内におきまして、近隣の国でこういうことが発生をしているということを受けまして、農場段階におきます衛生管理対策、あるいは早期発見、早期通報の徹底を指示をいたしましたし、あわせまして、日韓の間にはカーフェリーがございます。このカーフェリーで来ます車両につきまして、すべての車両を対象にして消毒をするというふうなこともいたしましたし、また韓国から入国される方の靴底の消毒というふうなものも注意喚起をしたところでございます。
 こういうことを、対策を取ってまいりましたが、今、先生お話がございましたように、今年の鳥インフルエンザにつきましては、去年のものとは全くタイプの違う弱毒タイプ、症状が全く現れないというふうなものでありまして、六月に茨城県でこれが発見されまして以降、防疫指針に基づきまして早期摘発、殺処分といった蔓延防止措置を講じたところでございまして、これは、その後全国でも調査をしましたけれども、茨城県だけでありまして、埼玉は一件ありましたが、これは茨城県から鶏を持っていったということがはっきりしておりましたので、結局、発生をしたのは茨城県に限られたものであったというふうに思っております。
 ただ、今回新たなタイプの鳥インフルエンザということでありましたので、感染経路究明チームを立ち上げまして、現在その原因を調査しているところでございます。
 今回分離をされましたウイルスは、グアテマラあるいはメキシコといった南米タイプのものということでございます。これだと渡り鳥というふうなこともなかなか考え難いということでありまして、ワクチンの使用など何らかの人為的な行為によります感染というものが否定できないというふうに思っております。
 そういうことで、できるだけ注意をしながら対策を講じているところでございます。
○郡司彰君 昨年の十二月に韓国で発生をしたということで現地に赴かれたという話ですが、その時点でこれ弱毒性だということは分かっていたわけですよね。そして、京都の後に家伝法の改正がありました。これは、養鶏農家の方にも、ほかの国でいえば獣医師程度の厳しい、通告を早くしなさいと、蔓延を防止するためにはそういうような罰則も強めるという形の法改正がなされた。
 ところが、実際に茨城県で起こったときには、四月の末までは何かあったら報告をしなさいということだったですね。それから、三日間で一〇%の鶏が死亡した場合には届出をしなさいと、こういうような形になっていたんですが、先ほど言いましたように、低病原性でございますから、そういう症状が全然現れませんでした。ところが、日本の場合には、ほかの国と違って、低病原性のものであっても高病原性と同一に扱うということを決めていたはずですね。しかしながら、今言ったように、茨城では六月になって、しかもマニュアルで言うような三日間で一〇%というような、そういう数字にならないという形になってきたわけです。
 これを、先ほどから、私が最初に言っているように、危機管理というものが教訓として生かされているんですかということをお聞かせをいただきたいんですが、簡潔に答えてください。
○政府参考人(中川坦君) 昨年の場合は強毒タイプということでありましたので、防疫指針、いわゆるマニュアルも強毒タイプということを念頭に措置をしていたというのは事実でございます。今回、それとは全く違う弱毒タイプだということでございますから、そのことも含めて、今マニュアルのまた見直しということもしているわけであります。
 韓国のタイプも弱毒ではありましたが、弱毒であっても、このHの5、Hの7というタイプは、鳥の間で感染を繰り返す間に強毒タイプに変わるということが知られておりますから、万全の措置を取る必要があるというふうに思っております。
○郡司彰君 昨年十二月に発生をしたときに弱毒性だということは分かっていたわけですよね。だとすると、そこから現れる、目視できるという形が強いものと違うんだということも、その時点で多分分かっていたんじゃないかと思うんですよね。その辺はどうなんですか。
○政府参考人(中川坦君) そういう症状のことは分かっておりますけれども、したがって、先ほど申し上げましたように、カーフェリーの車は全部消毒をする、あるいは靴底消毒もするというふうなことをやってきたわけであります。
 ところが、今回の茨城で発生したものは韓国から来たものではないというのが専門家の知見でございます。したがって、そこは原因究明をきちっとするということがまずもって大事だというふうに思っております。
○郡司彰君 家伝法を改正をしたときには、厳しい通告をして、それで、それに従わない場合には罰金を高くしますよということを決めているわけでしょう。それで、それに基づいて、報告をしなくてもなっていたというふうなことになると、家伝法を改正をして強い罰則を設けて何の効果があったというか、何の意味があったんですか。
 こういうふうにしていれば分かりますよということだから早く報告をしなさいということなんでしょう。見ていたら分からないけれども罰則だけは強くなったということでは、茨城の場合には余り弱毒性ということで騒がれておりませんけれども、百四十七万羽が殺処分されているんですよ。これ、京都のときの二十万羽で大変でしたけれども、茨城の場合は六月ですから、もう大変な暑さの中で、一週間も作業をやっていたら倒れるような状況の中でやっていたわけですよ。そういうふうなことが、BSEのときの危機管理意識とか危機管理体制がということが今回また生かされていなかったということじゃないんですか。
○政府参考人(中川坦君) 繰り返しになりますけれども、我々としては万全の注意を払ってきたところでありますが、今回のタイプは弱毒であったというのは想定外であったのはそのとおりでございます。
 それで、鶏を飼っておられる事業者の方々にも、ふだんから注意をして、その症状を確認した場合には遅滞なく届け出てくださいということで義務を課しているわけですが、今回の弱毒タイプは、注意をしておっても残念ながらなかなか症状では見分けられないというタイプであったという、そこのところに発見が遅れたというのがあったのは事実でございます。
○郡司彰君 またこのことも時間があれば後ほど質疑をさせていただきたいと思います。
 大臣に最後にお尋ねをしたいと思いますが、この鳥インフルエンザがやっぱり問題になるのは人畜共通感染症であるということだろうと思うんですね。例えば、西ナイル熱が日本で初めて発生患者が、感染者が確認をされたということがありましたし、それからインフルエンザの関係も、今になってロシアとかクロアチアとか英国でもそういうような形で、WTOの方では相当、WTOでない、保健機構の方ですね、そちらの方では大変な注意を持っていると思うんです。
 これ、これ問題なのは、二十世紀は戦争の世紀という話がありましたが、私は、二十一世紀というのは、これは感染症と人類の闘いの世紀じゃないかという感じさえ持っているんですよ。特にこのウイルスは、鶏でもそうですけれども、抗生物質を与えて飼育をする。ウイルスも進化をするわけですね。どんどんどんどん今までのワクチンやなんかでも効かないような形になってきている。
 こういうふうな形のところに対して、ところが、家畜の方は家伝法で農水省、それから人間にかかった場合には厚生労働省というふうな形になっていて、この人畜共通感染症に対する国を挙げての対策というのが不十分ではないかということを一昨年も私は予算委員会でも話をさせていただいたんですが、その後どのように変わっているんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) 先生の御心配、そのとおりでございます。私どもも家きん疾病小委員会を立ち上げまして、これこそ、科学的知見に基づき行政としては何をしていかなきゃならないか、本当に真剣に今御議論をいただいているところでございます。
 外国からいろいろな状況が醸し出されてきておりますので、より以上にひとつ慎重に、国民の生命にかかわる問題でございますので対応をしていきたいと、このように思っております。
○郡司彰君 終わります。
○松下新平君 民主党・新緑風会の松下新平です。
 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。私からは、大臣所信について、台風十四号について、そしてBSE、この大きな三つのテーマについて質問をいたします。一部ただいままでの質問と重なるところもありますけれども、切り口を変えまして質問をさせていただきたいと思っております。
 岩永大臣の答弁をお聞きしておりまして、もうかる農業をやるんだとか、今は農水は待ったなしの状況だとか、ストレートな言葉で答弁されるのは大変いいことだと思っております。是非、私も数字とか細かいことはお聞きしませんので、大臣の率直な答弁をいただきますと大変有り難く存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、農政を取り巻く状況ですけれども、大臣からも大変厳しいという御意見が出ました。東京を中心とした都市部では回復の兆しが見られているということですけれども、それと裏腹に、地方は大変厳しい状況にございます。特に、農林、農業そして林業、そして水産、そういった状況は大変疲弊しているわけであります。一日に百人、年間で三万人を超える自殺者の内訳を見ましても、農山漁村、その従事される方が経済的な理由ということで自殺される方も増加傾向にあるわけであります。
 その悲鳴が出ている中で、岩永農林水産大臣は地方を経験されていらっしゃいます。また、農政におかれましても様々な分野で造詣の深い方だと存じております。その大臣に大きな期待が寄せられているわけでありますけれども、もちろん一朝一夕に事が進むわけではありません。是非、改革すべきところは大臣の情熱で、リーダーシップで思い切って取り組んでいただきたいと思います。私も応援できるところはしっかり支えてまいりたいと、そういうふうに思っております。
 そこで、まず大臣にお伺いいたします。
 八月十一日、大臣が就任されたときに、小泉総理から特に四つの要請があったということを会見で述べられました。一つは、次の世代にしっかり食料を供給できる体制の確立、二つ目に、海外に日本の農林水産物を輸出できるような攻めの農政の展開、三つ目に、子供たちへの正しい食の教育、食育の推進、四つ目に、環境に配慮した農業の推進であります。
 就任されてから二か月余りですけれども、早速取り組まれたもの、あるいはこれから特に、岩永カラーと申しますか、それを打ち出したいというものがございましたら是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) まだ二か月そこそこですが、たまたまそれまでに約一年間、農水副大臣として常田先生とともに農水省にお世話になっておりましたし、またその以前には政務官として農水省で働かせていただいておりました。そういう経過もございまして、私は今、大臣としている仕事というのは、そういうときからの持続的な部分があるわけでございます。
 それで、先ほども申し上げましたように、どんどん農業生産者の年齢が高齢化してきている、そして放棄地が増えている。これ、飛行機に乗っていて、諸外国に行きますと、もう農地が一面なんですよね。日本へ帰ってまいりますと、本当に谷合いに水、川が流れている。そこにしょぼしょぼしょぼと農地がある。そういう状況を見ますと、この少ない農地を生かしてどう自給率を高めるかということを考えますと、本当に日本の農業事情というのは大変厳しいものがあるなと、このように思うわけでございますが、そういう環境の中から農地が放棄されている、この事情を見ると、本当に涙が出てくるような思いでございます。
 そういうような環境の中でどう日本農業を意欲的に生産を向上させていくのかと。それはやっぱり、若い世代が私も、おれも農業をしたいという、そういうような部分を農業にどう求められるか。これはやっぱり、農業はほかの産業よりももうかりまっせと、そしてなおかつ家庭の経済も潤いますよというような部分をきっちりやっぱり見せていくことが大変大事だと、このように思うわけですね。
 それで、私が今一生懸命にやっているのは、ともかく土地もそれからお金もやっぱり農業に専業してくださる方に集中していかなきゃならない。だから、今までいろいろと多くの、日本伝来の、伝統であった米を中心に、まあ兼業化が進められておったけれども、やっぱり役場へ勤めている、一部日曜だけで農業している。確かに農地を守り農業に経営努力をしていただいているけれども、しかしながらほかの収入があって兼業化。だから、そういうような土地なんかはやっぱり全部集めて、そして集落営農という形の中で生産効率を上げ、そして土地も一〇〇%使っていただく、そしてその中で経理をきちっとしていただきながら専門的な農業経営をしていただくような集落営農、それから担い手、そしてその中で品目横断的に土地を遊ばさない対応というのをどうしていくか、これに今全力を傾けているところでございます。
 それから二つ目には、先ほども申し上げましたように、漁業だったら一一%、それから農産品だったら二七、八%から三〇%、本当に農家にしたって、生産者がなぜこんなひどい仕打ちを受けなきゃならないのか。これはやっぱり流通に対するかつての歴史的な経過がございますので、このことにやはり勇気を持ってきちっと手を入れていくべきだと、そのことのために私は副大臣当時から全農の改革本部の本部長をさせていただきました。
 だから、一番末端である地域農協というのは、これは生産物を集めていただいて、そして農家の営農指導をしていただいて、金融対策していただかなきゃならぬ、そこは大事でございますが、全農は三万一千人ぐらいの職員がいて、六兆円要るわけですね。しかし、その部分で農家にやっぱり還元できるものをどうしていくか。例えば購買、販売、すべてやっているわけです。だからそこを通らなきゃならない、そこのところの改善というのが農家に所得を与える要因になるんではないかと、このように実は思って、これは今、全農と三十年来いろいろやり合っているんですが、もう待ったなしで今大改革を進めておりますし、全農の役員も三十人いたんですが、もう二十人に減らして、そして外部の経営者、弁護士、会計士、コンプライアンスの専門家を入れて、そして今大改革をやっていただいて、その中で農家へどう所得を還元できるか、また消費者にどう安い物を提供できるかというようなことを今やらせていただいております。
 それから、この秋からやりますように、例えば外食産業、一般の食堂、すべてのところに、メニューにやっぱり原産地表示、国産地表示をきちっとしていただいて、日本の安全、安心なトレーサビリティーがきちっと整ったものを将来的に求めていただくような方法を考えながら、本当に農家所得が増えて、もうかって、そして自給率が上がるというようなものを考えております。まあいろいろ、今ありとあらゆる手だてを講じておりますので、すべて説明していたら時間がございませんので、特に今、もうかる農業に結び付く部分を御説明さしていただきました。
○松下新平君 十分意気込みが伝わってまいりました。農林水産、その再生が日本の再生につながっていくものと思いますので、その意気で頑張っていただきたいと思っております。
 続きまして、台風十四号についてお伺いいたします。この概要につきましては、先ほど小斉平委員からのお話に答弁をいただきました。この場をおかりいたしまして、お亡くなりになりました皆さんに御冥福をお祈りいたします。また、被災された皆さんに衷心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
 私も、今回の台風で一番被害の大きかった宮崎県の選出であります。宮崎県の被災地の状況を交えながら質問をさせていただきたいと思っております。
 お話がありましたけれども、南九州は台風銀座と呼ばれるほど過去にも多くの台風を経験しておりますけれども、宮崎では過去最大の被害となりました。一千三百ミリ、これは東京で一年間に降る量がこの一定期間に宮崎で降ったということであります。また、昨年、十個が上陸して猛威を振るった台風、この復興もままならないまま訪れた、襲来した今回の台風でしたので、ダブルパンチとなりました。この被災に対しましては、全国からたくさんの心温まるお見舞いの言葉や義援金、さらには直接ボランティアとしてお手伝いをしていただいた方もたくさんいらっしゃいます。改めてお礼を申し上げます。また、それぞれ現地に入っていただいた皆さんにも心から御礼を申し上げます。激励をいただきましたことが何よりの励みになっております。
 また、お話がありましたけれども、激甚災害指定、閣議決定されたということですが、迅速な対応についても御礼を申し上げます。被災地といたしましては、この指定による国の支援を十分活用さしていただいて、一刻も早い再起、再生に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
 一昨日、新潟県中越地震、ちょうど被災から一年ということで特別番組がありました。それを見ていて愕然としたわけです。一年たっても九千を超える世帯がまだ仮設住宅から戻れてないという状態の報道でした。一年たっても手を付けることができない状態の地域もありました。今回、私も被災して感じたことですけれども、やはり生活の基盤である住宅を取り戻すこと、そして取り戻して生活することによって町が復興し地域が復活するというのを痛感させられました。夢でうなされたり精神的にも相当ダメージを受けているのが現状であります。
 そこで、御視察をいただきました大臣にお伺いいたします。ちょうど、宮崎の中心部を中心に御視察をいただきました。先ほど少し述べられましたけれども、再度、視察された率直な感想とその後の対策、支援についてお伺いいたします。
○国務大臣(岩永峯一君) 私がちょうど九月の十三日に被災地に参りました折に、松下先生が一緒に来られまして、そして被災者の皆さん方との話も十分お聞きをいただいておりましたよね。そんなことで、私もあの現場を見せていただいて、本当に茫然とされている生産者の皆さん方に会ったときに、この方々、そしてこうした被災に遭われた農地を何としてでもやっぱり回復しなきゃならぬと、こういう強い意欲に駆られたわけでございます。
 そして、南部農政局長以下皆さん方が付いてこられましたので、ともかく何ができるかかができるかというのは、その被災に遭われた皆さん方にきちっとやっぱり聞きに行かなきゃ駄目だと。かつてやっぱり、国が何をしてくれるんだ、行政が何をしてくれるんだというのがその被災者の皆さん方に届かなかったわけですね。今回は、個々に会うことももちろんだし、そして生産別に集会を持ってそこへ出ていって話を聞きなさい、そしてまたもう一つは、集落別に会合を持ってもらって、そしてそこで何をどうしてほしいかというようなことを聞いてもらいたいというようなことを強く農政局に言いました。
 それからもう一つ、私、常日ごろから農業行政、私らの農水省があって農政局があって農政事務所があるんですが、その農政事務所の最先端にいる職員というのはこれは私は農業改革の先兵だと、このように思っておりますので、そこの所長辺りは将来局長になるぐらいの優秀な人間をそこへ置いてもらいたいということをこの間次官だとか官房長に話をして、職員研修なんかをかなり積極的にしながら、現場の声をどういうように聞いていくか、市町村やそれから地域の声を彼がどう受け止めて、そしてそこでどう能力を発揮するか、このことに一に掛かっていると、こういうように思っておりましたので、そういう方々にこの災害の現況というものを十分聞いてもらいたいと、このように実は思って、あえて皆さん方にその話をしましたところ、本当に積極的に九州農政局はやってくれております。
 そして、この間も聞きましたら、もう被災者ほとんど全部、役場の職員だとか県庁の職員と一緒に全部回ったと、こういう話でございますので、私は行ってお話し申し上げたことは良かったなと、このように思っております。
 それで、災害復旧事業の早期実施でございますが、これは今日閣議決定をされまして激甚災害の指定をいたしましたので、これから特別措置が適用されると、こういうように思っております。
 それで、共済金の早期支払だとか、低利融資の円滑な融資だとか、被害拡大防止のための技術指導だとか、こういうものを講じてきましたが、ありとあらゆる方面で災害として取れる分を早くやっぱり災害として取り上げるというようにしていきたいと、このように思っております。
○松下新平君 大臣が直接指示をされて、皆さん休日返上で取り組まれていただいております。そのことには大変有り難いと思っております。
 ただ、実際被災された皆さんにその後どうですかと伺ったときに、中にはようやく資金のめどが立って作付けを始めたという方もいらっしゃれば、まだ全然具体的な資金のめどが立たないで被災したままの状態の方もいらっしゃるわけです。
 大臣が視察をしていただいた方も、実際、バラの栽培農家だったんですけれども、被害額は四千万と、それで共済から四分の一出るけれども、いろんな災害の資金とかいろいろかき集めてもなかなか原状回復まではいかないという話もございます。いろんなアイデアをいただくんですけれども、それがまた更に借金を重ねることになりますから、なかなか平時でも厳しい農業情勢ですから、それにはすぐやる気がわいてこないというのが現状であります。
 また、今回の台風の特徴は、風による被害というよりも大雨とか長雨による冠水の被害が多かったわけであります。その中で、近くの河川が決壊してあふれたというのを見ていただきましたけれども、また水門の開け閉めに問題があるんじゃないかとか、ダムの調整ミスじゃないかと、自然災害の中でも人的な要因もあるんじゃないかということも言われております。実際、それの立証はなかなか困難なんですけれども、言えることは、上流のところで決壊したからこそ下流の住宅地が守れたと、結果的にですね、そういうことも推測できないわけではないと思っております。そういった意味では、運が悪かったとか天災だからとかいってあきらめるのは余りにも酷なような気がします。
 特に自然災害は、昔ですと何とか自力で十年ぐらい掛かって軌道に乗せることもあったでしょうけれども、最近の農業は相当投資額も張りますし、また、台風も頻繁に発生したりその規模も大きくなっています。この現状を見たときに、今までのシステムで果たして、この共済制度にしても国の支援の制度にしても、うまくいくかというのをいま一度考えていただきたいというのを思っております。そもそもこの制度というのは、もう一回、その人たちがやる気があればもう一回原状に戻して、それから頑張ろうという気になってもらうということが前提だと思っておるんですけれども、なかなか現状ではそこまで行っておりません。
 それで、いろいろ農水省と防災機関の話とか共済制度のこともいろいろお伺いしたかったんですけれども、ひっくるめて私が申し上げたいのは、農業は国際情勢とか自然、様々な要因で大変不安定です。そして、今の農業情勢も大変厳しい現実がある中で、被災したときに今のシステムは十分活用するのはもちろんですけれども、これから起こり得る大規模な災害も視野に入れながら抜本的に見直す時期に来ているんじゃないかなと思います。地球の温暖化、海面の上昇によってこの勢力が増していると言われておりますし、ハリケーンも猛威を振るっております。今からしっかり将来を見据えて取り組まなければならないと思っております。
 赤字の銀行には直接税金を投入するという事例もありました。実際、被災者の皆さんから見ると不可抗力であるこの台風こそ税金で原状を回復をする、そういった声もたくさん出ております。じゃないと、それを見ている若い人たちは、農業はもう大変リスクが大きい、もう将来に希望が持てないと。担い手も育たないし後継者も育成できない、そうしたらもう日本の農業自体も壊滅的な状況になるんじゃないかなと思っておりますので、公的な支援、そのことについて大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) 一つは、堤防が決壊されて、そしてハウスを襲撃した、そしてあの時点では恐らくもう一メーターほど高いところにあったらこれは免れたと。しかしながら、それを予測してここまで上げたんだという話をしておられまして、そしてたちまち、あれバラ農家でしたかね、一億ぐらいの大きな負担になる、損害になると、こういう話をしておられましたときに、私は何としてでも再生してやっぱり花作りを続けてくださいよと言って励ました覚えを今しているわけでございます。
 そして、ずっと見回ってまいりますと、油タンクが倒れて、そして農地を全部油まみれにしたと。それで私は、これ本当に元のハウスに戻すのにどうしたらいいかなと、このように心配したんですが、有り難いことにこれが災害復旧事業で取り上げられるということでございまして、小さく汚れたところは分解剤で解決できると、こういうようなことでございましたので、やれやれと思って帰ったわけでございます。
 ただ、じゃ、これから農水省として、こういう災害が頻繁にどことなく来るだろう。例えば新潟の中越地震のあった昨年は一兆五億円だったんですよね。そして、今回、一千九百八億でございましたので、差はあれ大変なやっぱり被害金額になってきていると、このように思うわけでございますけれども、なかなか予想しながらどう手当てするかということについては私は難しい部分があるんではないかと。
 ただ、そのことのためにやらなきゃならぬのは、共済に対する対応はやっぱりきちっとしていきたい。だから今回も、普通、園芸施設共済なんか全国平均で四七・四%でございますが、宮崎、有り難いことに七〇・三%の掛けをしていただいておったわけでございまして、そういうものがどう返ってくるかというようなことで、こういう部分をきちっと対応していかなきゃならないのでないかと。
 平成十五年度にこれを改正いたしまして、ガラス温室及び鉄骨ハウスについて撤去費用を補償する方式を導入したり、果樹の防災ネットハウスの追加をしたり、そうしてから一戸当たりの共済金額を確かに引き上げまして、今までは四千万円だったのを八千万円まで適用できるというようなことをしたりして、十六年度からこういうような対応をしているわけでございます。
 ほかに、災害復旧に対処するための農地、農業用施設、林地、林道等の被害に対する復旧事業の早期実施、それから、先ほども小斉平先生にお話ししましたけれども、農作物被害に対する共済金の早期支払、低利な経営資金の円滑な融資、それから農作物被害の被害拡大防止のための技術指導、こういうことで総合的なものについては今まで以上にこの部分の改善を目指すと同時に、やっぱり園芸共済辺りをどういうように全国にきちっと普及していくかというようなことに力を入れていかざるを得ないんではないかと、このように思っています。
 だから、災害来るところで家を建てるには、立派な鉄骨にせいとか基礎をきちっとせいとか、そういうことになってしまいますと農家負担というのはどんどんどんどん増えて、これは経営として成り立たなくなるわけでございますので、そこら辺りを今後とも十分考えていきたいと、このように思っております。
○松下新平君 引き続きよろしくお願いします。
 最後なんですけれども、BSE問題について、本日は食品安全委員会の寺田委員長、わざわざお越しくださいましてありがとうございます。二年間の審議に敬意を表したいと思います。
 私も昨日のプリオン調査会、傍聴いたしました。今日のマスコミ報道では、もう決着したかのような報道でしたけれども、実際、審議の内容は違ったように思っております。
 もう最終段階ですけれども、今回の諮問、同等性の評価についてあるわけであります。日本と同等である、同等ではない、不明である、このいずれかの結論が答申に書かれると思いますけれども、寺田委員長、どのようにおまとめになる予定でしょうか。
○政府参考人(寺田雅昭君) 御存じのとおり、今年の五月に農林水産省、厚生労働省から、米国・カナダ産の牛肉のリスクに関しましてリスク評価をしてくれという諮問がございました。これまで九回にわたりまして、先生言われましたように、昨日は九回目でございますけれども、リスク評価は、非常に専門調査会の先生方、熱心にやられまして、昨日は、先生御存じのとおりでございますけれども、座長第三次たたき案ということで、米国・カナダ産の牛肉は国内産の牛肉とリスクに関してはその差は非常に少ないというたたき台を出して、全般に関しまして討議をいたしました。
 そのときに、やっぱり結論の部分は大変大事であると。今、先生言われましたように、結論の部分に関しましてもう少し時間を掛けてきっちりと審議すべきではないかという御意見がございまして、次回、その点に関しまして主として審議をするということになっております。
 いずれにいたしましても、食品安全基本法に書いてありますとおり、国民の健康を第一に考えまして、独立で中立、それから現在における科学の、世界的に見ましても一番ベストの科学的な判断で評価をしてまいりたいと思っております。
○松下新平君 もう時間になりましたので、最後にまとめて。済みません。ありがとうございました。
 大臣も先ほどおっしゃったように、国民の皆さんから見てもなるほどというふうな結論を導くためにも、この調査会の中でもいろんな意見があると思いますけれども、それも多数決とかいうのは科学的な判断ではありませんので、どうぞ吟味していただいて答申をしていただきたいと思います。
 超過して済みませんでした。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 まず初めに、政府系金融機関の統合について質問を用意させていただいたんですが、時間の関係上これを後回しにさせていただいて、初めに流通改革の中身について質問をさせていただきたいと思います。
 流通改革につきましては、大臣も、農業をもうかるものにしないといけない、若い人がもっと農業に参入するためにはそれこそ農家がもうからないといけないということを言われております。流通制度改革ということを一番に掲げられていると言っても過言ではないと、私はそう理解しております。特に、ホウレンソウを例に取りまして、農家の手取りが三十八円、ホウレンソウの本体が百三十八円だとしたら三十八円しかないんだというような、分かりやすく説明していただいている中でございます。
 そこで、農産物の流通問題でございますが、例えば出荷の際農協へ委託料、手数料を払いますが、ホウレンソウの場合はそれが大体三十四円ぐらいだというデータもございます。大臣は全農改革の本部長もされておられました。その意味で、まず、流通の部分を担う農協ですね、農協組織自体の規模、あるいは業務のどこに課題があるのかということをまず教えていただきたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) 私、現場の農協というのは大変大事だと、このように思っております。そして今、機構改革等の問題で信用だとか共済を分離せいというような話もあったかのように聞いておるわけでございますが、やっぱり現場の農協が経営がきちっと成り立って、そして営農にしろそれから購買にしろ販売にしろ、本当にほかよりも安い機器代、肥料、飼料が入っていく、こういうシステム、それからいつもそこで集荷してそしてより高く販売してくれる、そういう窓口になってくれるということで、現場農協については大変大事だと。
 ただ、今後そのことについても、経営を成り立つ一方、生産者サイドに立った部分というものをもっともっと強化していくということの見直しがこれから大事だと思いますが、大事にしていきたいと思います。
 ただ、私は、全農経済事業改革チームの本部長をさせていただきまして、先ほども言いましたように、六兆円に及ぶ巨大組織になっている、三万人以上もの職員を抱えている、そのことが全部やっぱり農家の購買、販売からその収益を上げているというようなことになりますと、やっぱり全部それが農家におんぶされているということでございますので、ここの部分というのをやっぱりいかにスリム化していくか、そしてその方たちがきちっとコンプライアンスを持って、そしていかに生産者に奉仕するかという理念、哲学というものをやっぱり持っていただかなきゃならぬと、このように思っておりますし、また、それが新しい近代的な組織であってもらわなきゃならぬから、公認会計士だとかそれから税理士だとか弁護士だとか大企業の社長だとか、そういう本当にどう改革していったらいいかというようなメンバーにも今役員に入っていただいて、そして大改革をやっておる。
 ただ、うれしいことに、今、柳澤さんという会長さんでございますが、本当に意欲的に我々に、改革の途中でございますが、報告をしてきてくれております。今、常田先生、そして宮腰副大臣が定期的にそれらの改革の成り行きを聞いていただいたり見守っていただいておりますので、全農については大改革をしたいと、このように思っておりますし、改革されることに対する向こうからの意欲もありますので、大変今うまくいっていると、このように思っております。
○谷合正明君 今、全農、農協の話が出ました。
 現状の流通構造の中では、例えば物流コストの改革でありますとか流通の多角化でありますとか卸売市場の効率化ですとか、いろいろな様々な過程があるかと思います。
 そこで、流通全般にわたりまして、まずどこに最も問題があると考えており、また何をどのように改革していくかという具体的なタイムスケジュールみたいなものがあるのであればまたお聞きしたいと思います。
○政府参考人(村上秀徳君) 食料供給コストの縮減という意味で、流通を含めました全般的な見直しというのが非常に重要だというふうに思っております。
 そのコスト縮減の中で幾つかいろいろあるわけでございます。今お話ございました手数料とか物流構造の見直しなどの農協改革というのも一つ大きい、これはまた直接的に農家の手取りに響いてくるわけでございます。それから、生産段階におきます肥料、農薬、農業機械などの農業生産資材のコスト低減というのも非常に重要だというふうに思っております。
 それから、卸売市場、お話ございましたけれども、再編合理化、昨年法律改正をしたわけでございますが、これに基づきまして再編合理化、あるいは電子技術を活用した物流の効率化というようなものに取り組んでいく必要があると思っております。
 それから、生産者と消費者が顔の見える、あるいは話ができる関係で結び付く地産地消ということも農家の手取りを増やすという意味で非常に重要だということで、まあフードシステム全体を通じた検討、改革が必要であるというふうに思っております。
 例えば、今後のスケジュールということでございますけれども、例えば卸売市場につきましては、昨年の法改正を受けまして、本年六月までに各中央卸売市場での取引規制等の弾力化を既に実施しておりますし、それから卸売市場の再編合理化を推進して十八年度末までに取組内容等を決定するというようなことを考えております。それから、農協の関係でございますけれども、系統、農協系統について十一月末をめどとした販売事業改革の方向を取りまとめるというようなことで、スピード感を持って取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
○谷合正明君 生産者と消費者を結び付けるという意味で、流通改革、コストだけじゃなくて時間の改革というのもあると思いますので、そういう地産地消ですとか、一次産業の方が第二次、第三次産業に打って出るようなことをもっと流通改革の中でも推し進めていただきたいと、そのように思っております。
 次に、BSEについて質問をさせていただきます。特に表示について質問させていただきたいと思います。
 まず、大臣が九月十三日の記者会見の中で、改革、大きな改革の基本として大臣が言われていたのは、日本のトレーサビリティー制度が徹底されると。で、食の安全については、消費者の皆さんが見える食材を求めるという運動展開していきたいと。それぞれの外食産業だとか食堂、できればありとあらゆるところに国産表示、外国表示、それから国産の中でもきめ細かな産地表示というものを徹底しながら、外国産が良いのか日本産が良いのか、そういう体制を作っていきたいというふうに言われておりました。
 そこで、BSEにつきましては、昨日答申案の原案が提出されまして、リスクの差は極めて小さいという原案が出されました。今後、リスクが同等ということで輸入再開に今踏み切った場合に、これはもうあくまでも安全だということでありますので、最終的に消費者が選択をすると、消費者が例えばスーパーやあるいは外食産業で国産あるいは外国産を買うのか、食べるのかという選択をすることだと、私そういうふうに考えているわけであります。
 そこで、どうやってアメリカ産の牛肉を見分けることができるのかという消費者の素朴な疑問があると思います。表示制度はもう少しきっちりやるべきじゃないかなと私は思っております。もう消費者に納得してもらうためには、やはりその選択肢としてやはり表示制度をきっちりすると。外食産業、加工食品に表示義務を課すなど、そういったことが考えられると思います。ただ、まだハードルが高いというのも存じ上げているわけでありますが、先ほど安全と安心という話が出ました。安全があったとしてもまだ消費者の中には安心というところが一歩出てこないと、やはり表示制度があると私は一つの参考になるんではないかと、そのように思っておるんですね。
 実は、私の親戚は焼き肉屋をやっておりまして、九州と大阪でそれぞれ焼き肉やっておるんですけれども、例えば外国産の牛肉を持ってきてもそれを表示すると、そういうことは、もう今はそういうのは当たり前だと。ですから、そういうことをしないとやはり消費者に受け入れられないという現状もありますので、外食産業ですとかそういったところではまあかなり理解は深まっているんだと思います。
 で、今、農水省としましても、外食産業にしましても、できる限り表示をするというようなことを言われていると思うんですね。ただ、拘束力がないという中で、まず私の質問ですけれども、外食産業や加工食品分野における表示制度の義務化について大臣の考えを聞かせていただきたいと。ただ、義務化ができなかったとしても、消費者のその安心のニーズにこたえていくよう業界の自主的な取組、あるいは大臣が言われたような運動を展開していく必要があるかと思いますが、その辺りの大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) それまでに、先ほどのコスト削減、流通の問題について、この間官邸へ行きまして、官邸と話をしていた過程の中で、今うちの農水省で指示をしているんですが、今度郵政が民営化になりましたよね。だから、民営化になった郵政と、それから漁業だとか農業の産地からの直送がどういうようにできるかというようなことなんかも、大変面白い試案として今検討させているわけです。だから、株式会社郵政の方もどうこれらの問題に取り組んでいただけるかなということで、まあこれもコスト削減等に役立ち、そして農家利益を、漁業家利益をもたらすんじゃないかと、こんなことなんかもこれからは模索していきたい。地産地消としても、十分、それぞれの都市におけるそういうような販売網もつくっていって、もう農家、漁家が直接そこへ卸していけるようなことになりますと、全部その生産者の手取りになっていくというようなことがありますので、そういうことも今検討させているということを先に付け加えさせていただきたいと思います。
 それから、今、外食産業や加工食品に牛肉の原産国表示を義務付けるべきではないかと、こういうことでございますが、消費者に食品の情報を的確に伝えるという観点、それから原産地などの品質に関する情報を提供するということは、これはこれからの第一義的な私は課題だと、このように思っております。
 それで、平成十二年の七月に、牛肉を含むすべての生鮮食品に原産地の表示を義務付けいたしました。それから、同じく十三年の四月から、外国で製造された加工食品に製造国名を表示することを実は義務付けておるわけです。そして、国内で製造される加工食品については、昨年の九月、ちょうど一年前でございますが、原料の品質が製品の品質の大きな影響を与えるものとして、生鮮食品に近い二十の食品群を原料原産地表示の対象といたしました。そして、この中で、味付けカルビやとか合いびき肉、それからサイコロステーキなどの牛肉加工品もその対象と実は今なっているところでございます。
 さらに、今年の七月に外食における原産地表示に関するガイドラインというのを実は作りまして、そして今、外食事業団体等とも連携をして、関係業界、消費者団体への説明会を今開催しているところでございますが、今日も朝、どこまで徹底されるか、これはもう農水省挙げて各業界に協力をしていただきながら、本当に末端の食堂にまでそうしなきゃならぬという、今は義務付けはしておりませんけれども、その意欲がわくような徹底、普及をしてほしいということを私が申し上げたわけでございまして、今ガイドラインの普及を図っているところでございます。
 これらの取組を通じて、牛肉加工品の原産地表示が一層私は進んでいく、そして、牛肉だけでなしに一般の食料品についても、国産品を食べたい、そして愛したいというような人がきちっとその食材を選べるように普及、徹底をしていきたいと、このように今農水省挙げてやっているところでございます。
○谷合正明君 どうもありがとうございます。
 続きまして、燃油高騰、そして漁協の合併について質問に移らせていただきます。
 十月四日に行われました原油問題に関する閣僚打合せ合意におきましては、農林水産省としまして三つ、一つ目がエネルギー消費削減努力に対する支援、二つ目には石油以外のエネルギーへの転換努力に対する支援、三つ目に原油高の影響を受けている中小企業等への対応をするということでございました。
 当面、水産業は原油高騰の影響がかなり、があるということでございます。その影響がどれだけ出ていて、またそれに対する当面の施策というのはいかなるものかというものをちょっと端的に教えていただければと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) 漁業関係の燃油の問題でございます。
 まず、影響でありますが、一キロリットルで見たときに、昨年三月、四万二千五百円、これが今年の十月で六万五千九百円、五割強の値上がりでございます。
 それで、漁業経営は、御承知のようにほかの産業に比べても燃油の率が高くて、大体平均して一三・五%と言われておりまして、もちろんこれはまた割合が上がるような状況なんですが、それに伴いまして経営への影響が出ております。
 中小漁船漁業の平均で言いますと、十五年度に比べまして大体一経営当たり約七百万円の費用負担増。それから、特に燃油を使います遠洋カツオ・マグロ漁業の例ですと、こちらは約三千三百万円に相応とする費用負担増となっているというふうに見込まれておりまして、今、漁業者の皆さん、団体も一生懸命この中で省エネの取組をしておりますが、これに対しまして、私ども、やはりこういった省エネ構造といいますか、そういった構造に変えていく、これが非常に大事だと思っておりまして、そのための対策が一つは緊急対策でございます。
 こちらはこの九月三十日から進めておりますけれども、そういった省エネに取り組む漁業者の皆さんに対しまして、低利融資とか補償の円滑化、それから漁協系統が、タンク、燃料供給をしておりますが、そのタンクの再配置等の効率化、この支援をまず開始しておりまして、それから、基本的に、言わば省エネ型漁業の転換という形で、これは来年度の予算要求が基本になりますけれども、例えば発光ダイオードとか、それから操業形態の見直しとか、こういうものに対する予算要求をしているところでございます。
 御指摘ございましたように、今、政府全体でも原油問題に関する閣僚打合せというのをやりまして、それをベースに今、様々な対策を講じているという、そういう状況でございます。
○谷合正明君 そして、中長期的にもやはり対策を立てなければならないと思うんですが、新しいエネルギーの活用、開発ということで質問させていただきます。
 特に、これから石油、原油価格というのは高止まりしていくというふうに予測されております。そういった中、石油価格動向とは無縁でかつ身近に日本に多く存在するバイオマスの本格的な開発普及というのを、是非とも農林水産省としても強く進めていっていただきたいと。特に、これから冬場ですけれども、石油ストーブに代わりましてペレットストーブですとか、ペレットストーブというのは、林業が盛んな地域なんかでは間伐材やあるいは製材加工時に発生するおがくずなどを使いまして、高圧で押し固めたペレットを、それを燃料としたストーブでございまして、私も見て、これは本当にいいストーブだなと思った次第なんです。
 木を燃やすから二酸化炭素を出して環境に悪いのではないかという勘違いする人もいるんですけれども、これは本当に環境に優しい、また日本の森林資源の活用という一石二鳥にもなると私は思っておるわけであります。
 今ペレットストーブを例に取りましたけれども、今回の原油価格高騰を踏まえまして、石油以外のエネルギーへの転換努力に対する支援、これを今後一層推進していくためにどう考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(染英昭君) バイオマスの活用につきましては、平成十四年十二月に閣議決定されましたバイオマス・ニッポン総合戦略に基づきまして積極的に進めておるところでございます。
 先生御指摘のバイオマスのエネルギーとしての利用につきましては、御指摘の木質ペレットの燃料利用など、この辺の活用はもちろんでございますが、あわせまして、家畜糞尿や食品廃棄物を原料といたしましたメタン発酵、あるいはさらに、稲わらやサトウキビなどの未利用バイオマスや資源作物から液体燃料を作る取組などが挙げられております。
 農林水産省といたしましては、これらの取組が進みますよう、関係府省とも連携を図りながら、バイオマスをエネルギーに転換する施設整備の支援であるとか、あるいは変換・利用技術の開発、さらには地域循環施設との実証等を行っているところでございます。
 今後とも、地域に賦存する様々なバイオエネルギーを活用いたしまして、それを熱や電力、あるいは更には燃料等として利用していくような、そのような様々な取組を鋭意推進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○谷合正明君 続きまして、大臣の所信表明の中には、燃油高騰の下でも持続可能な漁業経営を確立するために、省エネルギー型の漁業への転換を推進するとともに、漁協の合併を促進して体質強化を図っていくと、そういうふうに言われました。その漁協の合併でございますが、農協や森林組合に比べますと大変遅れている現状がございます。
 もう時間がありませんので数は申し上げませんが、もう昭和四十二年から始めていっていまだに目標を達成できていないと。平成二十年までに二百五十に縮減して、統合していきたいと。で、今千五百ぐらいあると、こういうペースですとかなり厳しいと、目標達成にはかなり厳しいと言わざるを得ないんですが、どのように漁協の合併を推進していくのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岩永峯一君) 大変、日本の水産業はいろいろな環境の状況の中で疲弊してきていることは事実でございます。そして、資源も枯渇をしてきておりますし、大変、水産国日本というかつての日本の水産業が崩壊してしまうのではないか、これは燃油高騰による打撃もありますし、大型クラゲの問題もありますし、いろいろな部分で大変でございます。
 それで、漁民の皆さん方がやっぱり一番大きなよりどころになって頑張っていけるその拠点というのは漁協でございます。その漁協が衰退し、そして借金を抱えたような漁協の運営には辟易しているような状況では新たな意欲というのはわいてこないと、そんなことで昭和四十二年からやってきておりますが、遅々として進まないと。
 それで、常田副大臣、私が副大臣の当時に、常田副大臣を本部長として、ともかくこの漁協合併というのを、どんなことがあっても強力に進めようじゃないかということで、一週間ないし十日に一回ずつ水産庁とそれから全漁協とを呼んで、そしてともかく全区の、全国の千六百ある漁協の経営内容をきちっと調査をして、そして合併できる要因は何か、合併できない部分はどういうところに問題があるのか、そして県と市町村を入れ組んで、そして、できたらもう二百五十の漁協にするというようなことで、本当に精力的に実は取り組んでおります。そして、漁協がしっかりしてくれないと新しい日本水産の、日本漁業の展望は見られないというところに私ども一点に絞っているところでございます。
 おかげさんで合併構想未達成の区域は百四十五ブロックありまして、これを構成する千二百二十一のうち四四%が実は達成されているというようなことでございます。そして、合併協議にも、今七二・九%が参画をしていただいておりますので、促進法期限までに合併が可能なのは約五〇%ぐらいまでいけるのではないかということで、今強力に、ピッチを挙げて取り組んでいるところでございます。
○谷合正明君 合併を推進していただく中、不参加を決める漁協も都道府県には、中にはございます。
 ちょっと時間がございませんので、そういった不参加を決めた、いろんな事情があると思いますが、そういったところの漁協にも配慮をいただけるようなこともしていただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 先日、私、北海道に原油価格の問題で調査に入りました。日高地方の漁協や、あるいはこの熱供給公社や、あるいはクリーニング協会、それからトラック協会、それから大衆浴場ですね、生協連などを含めて回ってきたんですけれども、どこに行っても、やっぱりこの価格の高騰を何とかしてほしいと、共通した声として寄せられたわけです。この問題というのは、やはり国際的に価格の高くなっている状態に対して引き下げると、騰貴を抑えるとか、やっぱり国際的な協力の下でそれをやるということが不可欠だと思うんです。同時に、国内的にも価格を引き下げていくことというのが求められているというふうに思うんですね。
 そこで、経済産業省にお聞きしますけれども、現在の制度では不足の事態以外はその備蓄を放出しないということになっているというふうに言われるわけですけど、今のように燃油が高くなって使えないような状況って、これ非常事態だというふうに思うんですけれども、こういうときにもやっぱり原油を安く放出するとか、あるいはこの需給を緩めるとか備蓄を活用すると、こういうふうにできるようにするべきじゃないかと思うんです。でも、それができない制度になっているというんだったら、そういう制度自体の見直しも含めて対策をするべきじゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。
 今、先生御指摘のように、現在の原油価格は、中国を始めといたしまして世界の需要が非常に伸びてきております。一方で、OPECを始めとする供給国側の原油の生産余力が下がっている、さらにはアメリカを中心とした精製能力が足りないと、こういったような構造的な要因に自然災害とか投機的な動きが加わって、高い水準で推移しているわけでございます。
 今御指摘の例えば備蓄を放出できないかと、こういう御指摘でございますが、仮に我が国単独で石油の備蓄の放出を行いましてもその効果は限定的なものにとどまりまして、長続きをしないというように考えているわけでございます。
 例えば、今年の九月に行いました、世界で協調して出しましたIEAの協調備蓄放出がございます。仮にこれと同じ量を出すということで例えば試算をいたしますと、我が国の放出分担量が一日約二十四万バーレル・パー・デーの分担量でございました。これは世界の原油需要の〇・三%にすぎないわけでございます。こういうような状況の中では、仮にこういう形を行いましてもなかなか対応が難しいと、価格を下げることは難しいのではないかと思っておる次第でございます。
 また、今御指摘のように、法律上も備蓄の取崩しは我が国の石油の供給が不足する場合ないしはそういうおそれがある場合ということにされておるところでございます。それから、諸外国におきましても同じような考え方でございますし、IEAでも同じような考え方を取っているわけでございます。
 一方、今、先生が冒頭におっしゃられました、国際的にも下げていく努力が必要だというのは誠におっしゃるとおりでございまして、私自身も先月末に中東各国回りまして、産油国の方はしっかり増産をしてくれということをいろいろと申してまいりました。また、消費国側は省エネを中心としていろいろな施策を講じようということを呼び掛けているわけでございまして、そういったものを、例えば先週ございましたAPECのエネルギー大臣会合、それからIEAの理事会、それからOPECへの働き掛け、さらには産油国と消費国の対話といったことを通じて何とか石油価格を安定させる方向に持っていきたいと、こんなふうに考えて今努力をしているところでございます。
○紙智子君 国内的にやったとしても余り効果はないということをおっしゃられるんですけれども、しかし四年前のときに経済産業委員会で議論になったときには、当時の平沼元経産大臣もこの備蓄の放出ということで価格に影響があるということは認める発言も、答弁もされているわけですよね。
 ここにありますこの総合資源エネルギー調査会石油審議会のこの報告書出されているわけですけれども、この中を見ましても、「諸情勢の変化を踏まえた石油備蓄制度のあり方について」ということの中で、石油備蓄政策というのは不断の見直しを行う必要があるんだと。やっぱり情勢変化するし、それを絶えず反映させながら、絶えずやっぱり見直しが必要なんだということを報告でまとめておられるわけですから、是非そういう形で、絶対にどうにもならないという形じゃなくて、見直しを行ってほしいというふうに思うんです。
 しかも、この石油元売会社だけ利益を増やしているという事態があって、ちょっと今日用意してきたんですけれども、これを見ていただきたいんですけど、(資料提示)これは石油の元売各社ですよね。それで、二〇〇二年と三年と四年と、黄色いのが、この白っぽいのが四年のグラフなんですけど、これ、利益をこういう形で伸ばしてきていると。各社みんなそうですよ。二〇〇四年で見てもそうですし、それから、これ、裏を返しますと、これは第一次四半期の決算から出したものですけども、これも見ますと、この赤い棒グラフというのが一番新しい直近のですよ。この紫色のが去年の同時期なんですよ。
 ですから、これ明らかに、どこから見てもやっぱり利益上げてきているということですから、ひとつ、やっぱり引き上がることを抑える、値上げを抑えるということと同時に、こうした利益の還元についても指導すべきじゃないかと思うんですけど、そういうお気持ちはありますか。
○政府参考人(近藤賢二君) まず、世界全体で原油価格を落ち着かせていくことが私は極めて大事だと思っておるんです。
 で、中東産油国の方も、必ずしも今の高油価であればあるほどいいんだと言っているわけではございません。むしろ、ある程度価格を安定させていくことが世界経済のためにも自分たちのためにもいいんだということを、特に大きい産油国でございますサウジアラビアとかOPECの議長国のクウェートといったところはそういう話をしております。
 私はそういう国々に、OPEC全体での生産の拡大の計画のようなものを、アクションプログラムのようなものをしっかり出していってほしいと、こんなお話もしておるわけでございます。そういう意味でも、この価格、備蓄に関しましても世界で協調をしていくということが非常に重要だろうと思っておる次第でございます。
 また、今、石油の元売会社の評価の、利益のお話がございました。私、ちょっと事実関係だけお話をさしていただきますと、全体で相当利益が上がっていることは確かでございます。ただ、その利益のうちの約三分の一はまず石油会社が持っている油の評価益でございまして、持っている油のトータルの評価が上がりますと上がります。ですから、これは決してその分丸々もうかるわけではなくて、価格が下がる動向のときは評価損が出るわけでございます。それが約三分の一。それから、もう三分の一は、石油化学とか石油開発という、石油本業でない、元売会社のその本業でないところの利益が三分の一でございます。あと三分の一のところは、その三分の一を上回るリストラを相当やっておりまして、数年前に比べまして、約十年前に比べまして石油元売各社の従業員数は約半分になっております。そういったリストラの効果も相まって出てきていると理解をしております。
 それから、実際に価格転嫁の段階でも、石油会社の方も一〇〇%転嫁できているわけではない点も御理解をいただきたいと思います。ちょっとそこ、事実関係だけ御報告を申し上げたいと思います。
○紙智子君 今いろいろとその評価益の問題があるという話もあって、それはそういうふうにも私も知っていますけれども、それにしても利益は上がってきているというのは事実だというふうに思うんですね。
 それで、実際に新日本石油などの六社についていえば、国際エネルギー機関の備蓄放出要請を受けて米国へのガソリンの輸出を決めたわけですよね。これは当初在庫量が少ないということで渋っていたわけですけど、やっぱり行政指導ということで、政府の指導によって放出に応じたという経過があると思うんですよ。アメリカのためにそういう形でやっているわけだから、やっぱり日本の国の状況に応じて、日本の国民のためにもそういう指導をやれるはずだというふうに思うんです。
 私、岩永大臣にお聞きしたいんですけれども、やっぱり一番この問題で打撃を受けているのが農業、漁業の分野だと。その打撃の大きい担当の大臣ということでは、やっぱり岩永大臣が政府部内での国内的な価格の引下げということを強く要求していただきたいと思うんですけれども。
○国務大臣(岩永峯一君) 燃油の価格というのは民間ベースの取引によって決まっているわけですね。それで、引下げに直接関与することは大変困難でございます。
 それで、先ほども御答弁申し上げましたように、例えば一般、近郊漁業者で年間七百万、そして遠洋漁業、マグロ辺りで三千三百万というような大きな高騰をしておりますので、そのことは全部今の魚価に転嫁できないので赤字だと、こういう状況になってきているわけですね。そして、燃油の一番大きな比率を持つのはこの漁業で、一三・二%でしたかね、そのぐらいの比率が魚価の割合から出てくるというようなことになりますと、本当に漁業者にとりましてはもう大変なことでございますので、私が、政府全体にこのことに対する対応をお願いしたいと、こういうことで閣議で発言して、そして総理から、この問題は真剣に考えてみようということで、経産大臣や財務大臣、皆さん方の御賛同を得て原油問題関係閣僚会議というのを実は持っていただいたわけでございます。そして、十月四日の日に関係閣僚による打合せをいたしまして、そしてエネルギー消費削減努力に対する支援、それから石油以外のエネルギーへの転換努力、そして中小企業等への対応、そして後々具体的な部分をどうしていくかというようなことでございまして、農林水産分野ではこれまでも省エネの徹底とその支援を行っているところでございますが、今後この部分について積極的に対応していきたいというようなことで、いろいろと施策を出しているところでございます。
 具体的な話しましょうか。
○紙智子君 いや、時間がありませんから。
 やっぱり、大臣自身が強く言わないと、ほかはだれも言う人はいないというふうに思いますので、そういうことと、もう一つ、今言われました漁業、水産の具体策の中で緊急対策ということを出されているんですけれども、やっぱり融資じゃ乗り切れないというのが現実なわけですよね。確かに、省エネ対策だとかいろいろやっているんだけれども、実際には借りられないという人たちもたくさんいるわけですよ。
 だから、やっぱり私は、例えば水産調整保管事業なんかも真の魚価対策にはなりませんし、共済制度にしても、こういう経費がどんどん高くなっていくというときにはそれを補うようなものになっていないわけで、そういった改善も含めて、やっぱり抜本的な経営安定対策といいますか、そこのところを是非やっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩永峯一君) 直接補助ができないということでございますので、漁協に対して、仕入れだとか、いろいろな状況の中では、流通だとか、そういう部分で削減できる部分については金を出していこう、そして漁業者には経営安定の融資をしていこうと。
 それと、大事なのは省エネの取組で、青色発光ダイオードなんかですと、もう半分ぐらいの燃料経費になるわけですね。だから、新たに省エネ対策に対する開発なんかをもう来年十分やっていこうということと、それから水揚げ金額の減少による損失を補てんするための漁業災害補償制度、これなんかも早急に見直して、そしてどういうような対応ができるかというような検討会を開催していく。それから、今もお話ありましたように、水産物調整保管事業による価格変動の緩和を図っていくためにこれをどう積極的に活用していくかということ。それからもう一つは、こういう事態になりましたので水産基本計画の見直しに向けて早急にやっぱり対応をしていかなきゃならぬということで、それを進めていく漁業を今しているところでございます。
○紙智子君 非常に大事な問題だし、急いでこれ、経営安定対策という形で魚価対策含めたものをやっていただきたいというふうに思うんです。
 それと、最後になりますけれども、価格を、もう市場だから仕方ないという形で、結局、政府として責任を持とうとしないと。この姿勢というのは米の問題でも私、表れているというふうに思いまして、今年、北海道は米の作況指数が一〇九というふうに言われていて、その中で過剰米対策の集荷円滑化対策の発動をするわけですね。過剰分が六十キロ当たり短期融資で三千円でこれは引き渡されると。農家は豊作、喜べないというふうに悲鳴を上げているわけですね。
 全国的に作況指数で一〇〇を超える米というのは大体十五万トンぐらいというふうに言われているわけです。これを政府が適正な価格で買い上げることを要求したいと思うんですね。政府の備蓄というのは今八十四万トンだと。それで、そのうちの四十五万トンは七年前からの超古米なわけですよね。ですから、この四十五万トンの超古米のところを他の用途に使って、市場から外して、通常の政府買上げと合わせてこの過剰分を買い上げて備蓄に回したとしても、政府がこれまで言ってきた適正の百万トンまでもまだ届かないということなわけです。ただ同然の値段で安売りするということを避けるためにもそれやっていただきたい、やれるんじゃないかということなんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(岩永峯一君) 九月十五日に発表しました作況では一〇二なんですね。それで、豊作による過剰米を市場から隔離する集荷円滑化対策の発動が実は見込まれております。
 それで、需要に応じた生産を推進する米政策改革の下で、主食用の米の需要を超える豊作による過剰米は生産者の主体的な取組によって市場から隔離することが需給の安定のために必要でございます。政府もこのような取組への支援を今行っているところでございます。
 仮に、豊作による過剰米を政府が買入れすると、こういうことにしますと、備蓄という役割を超えて政府米の買入れ数量、それが在庫が無制限に増大するということになるわけですね。それで、ひいてはこれが将来の主食用米の売渡し期待による価格低下圧力の要因となるということでございますので、豊作による過剰米は集荷円滑化対策の的確な実施によって対処をすると、こういう必要を認めているところでございます。
○委員長(岩城光英君) 時間が参っております。手短にお願いします。
○紙智子君 その制度を決めた農水省の側からいえばそういう理屈なんでしょうけれども、しかし農家の皆さんは天気で左右されるわけですよね。いや、去年も台風が来て駄目になったと、その前は凶作だったと、ようやっと今年は台風も来なかったと、ほっと胸をなで下ろして、さあ収穫だと思ったら、今度はもうただのような安い値段で出さなきゃいけないと。豊作だといっても全然喜べないという事態ですから、やっぱりそういう作る者の立場に立って考えていただきたいということを最後に申し上げて、質問を終わります。
○委員長(岩城光英君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十七分散会