第163回国会 財政金融委員会 第4号
平成十七年十月二十七日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     段本 幸男君
     加藤 敏幸君     池口 修次君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 孝史君
    理 事
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                山下 英利君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
    委 員
                柏村 武昭君
                金田 勝年君
                段本 幸男君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                溝手 顕正君
                若林 正俊君
                池口 修次君
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                平野 達男君
                広田  一君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       財務大臣     谷垣 禎一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        伊藤 達也君
   副大臣
       内閣府副大臣   七条  明君
       財務副大臣    上田  勇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       防衛庁長官官房
       審議官      徳地 秀士君
       防衛施設庁業務
       部長       長岡 憲宗君
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       法務大臣官房審
       議官       深山 卓也君
       財務省主税局長  福田  進君
       財務省理財局次
       長        浜田 恵造君
       厚生労働大臣官
       房審議官     松井 一實君
   参考人
       日本公認会計士協
       会会長      藤沼 亜起君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (公認会計士の監査に関する件)
 (カネボウの粉飾決算に関する件)
 (財政投融資に関する件)
 (税制改革に関する件)
 (政策金融機関に関する件)
○業者婦人の地位向上施策等に関する請願(第四
 六号外四四件)
○業者婦人の地位向上施策に関する請願(第一二
 八号)
○定率減税縮小・廃止と消費税大増税の反対に関
 する請願(第一三四号)
○消費税の増税反対に関する請願(第一三五号)
○税制改革に関する請願(第二四八号外二件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
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○委員長(山本孝史君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、小泉顕雄君及び加藤敏幸君が委員を辞任され、その補欠として段本幸男君及び池口修次君が選任されました。
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○委員長(山本孝史君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本孝史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本孝史君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本公認会計士協会会長藤沼亜起君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本孝史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本孝史君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○尾立源幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の尾立源幸でございます。
 今日は、日本公認会計士協会の藤沼会長にも参考人として当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 会長への質問に入る前に、ひとつ金融大臣に質問をまずさせていただきたいと思います。
 それは、昨今またテレビ局の買収等々の問題がにぎやかになっておりますけれども、正に金融自由化、我が国は行われつつ、そして健全な証券市場をつくっていくという御努力をされておるわけでございますけれども、その努力を打ち砕いてしまいますような、そんな取引が行われつつあるのではないかと大変危惧しておりますし、今世界が注目をしておるというところでございます。
 その内容は何かと申し上げますと、昨年も話題になりました下方修正条件付転換社債、難しい転換社債でございますが、まあMSCBというふうに略称で呼ばれておりますが、この社債を引き受けた証券会社が当該発行体の経営者から株を借りてきて、その株を売却することで株価を下げて、そしてその結果、転換価格が下がるわけでございますが、そして市場で転換をして借りてきた株を返すと、こんな取引が行われております。ライブドアがいい例かと思いますけれども、この行為は、株主の平等の観点、また株価操縦、さらには健全な証券市場を維持するための起債時の情報開示制度、こういった観点から大きな問題だというふうに私は認識しておりますが、伊藤金融大臣のまず御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からいわゆるMSCBの問題について御指摘があったわけでありますが、このMSCBのうち、特に転換価格に下方修正条項のみが付されて下限価格の極めて低いものについては、既存の少数株主の利益を害する場合があるといった指摘があることは承知をいたしております。
 一般論として申し上げれば、MSCBの発行条件が既存の株主に特に不利なものとなっている場合には、商法上の有利発行に当たり、株主総会の特別決議が必要になる可能性もあると考えております。また、仮に転換価格の下方修正を目的として人為的に株価を下落させるような売買等を行った場合には、証取法の百五十九条の相場操縦行為に該当する可能性もあると考えております。
 MSCBにつきましては、上方及び下方修正条項と上限及び下限価格の双方が付されているものが一般的となってきており、少数株主の利益を害するとの指摘が多い下方修正条項のみが付いて下限価格が設定されないような事例は少なくなってきていると聞いておりますが、いずれにいたしましても、金融庁としましては投資家保護の観点から引き続きMSCBの発行状況を注視をしてまいりたいと考えます。
○尾立源幸君 今大臣、御説明いただきましたように、一つ一つの取引自体、例えばMSCBを発行する、また借り株をする、売却する、転換すると、それぞれ一つ一つパーツを取ればすべて合法なわけでございますけども、これを組み合わせると、だれに損失が行くかというと一般の投資家でございます。発行体や、またそれを引き受けた引受手は損をしないわけでございまして、正に一般投資家に大きな大きな被害が発生することになりますので、是非早急に、もう一度制度を規制の在り方等を含めて検討していただきたいと思います。後手後手に回らないように是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、引き続き今日、会長に質問をさせていただきます。
 私も業界に身を置く一人でございました。ただ、監査実務の方、大分長い間離れておりましたので、今回質問をさせていただくに当たって、改めて本を読んだり勉強をしたような次第でございますので、またとんちんかんな質問があるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 それで、正に会計士は、監査人は市場の番人としてそういう期待を大きく市場からされているわけでございますが、今回、カネボウの事件を特に中心に、その信頼性が揺らぐような事態になっておるということはもう御認識のとおりだと思います。
 そこで、改めて申し上げるまでもないんですが、監査の目的の一つは、正にその経営者が行っている企業活動のその集大成である財務諸表の信頼性をしっかりと担保するということが大きな目的だと思いますが、もう一つ、必ずしも一〇〇%とは言いませんけれども、また経営者やその会社の中で行われている不正や誤謬といいますか、過ちを発見するのも監査人に期待されている役割の一つではないかと思います。
 しかし、非常に私も監査をやっていて怖いな、怖いなと思いながら監査をやっていた記憶があるんですけども、経営者が意図的に不正を行ったり情報を隠した場合には、非常に監査人というのは無力感といいますか、限界を感じることがございました。こういったことに対して、会長の御自身の経験、また協会として、また監査業界としてどのように対応されるのか、されてきたのか、ちょっと御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(藤沼亜起君) 藤沼でございます。
 まず、今回、公認会計士の逮捕につながったという監査に対する不信について、公認会計士協会はこの業界を挙げて信頼回復に努めたいというふうに思っております。
 ただいまの御質問ですが、公認会計士が監査をしていった上で経営者がかなり悪意があった場合に、監査の上でどこまで発見できるのか、摘発できるのかという御質問なんですけれども、監査といいますのは、公認会計士による監査というものは、これは公権力で行う監査ではありませんので、そういう面で経営者と企業と私的契約、まあ監査契約を結んで監査を実施している。その前提は、企業が情報開示あるいはその監査協力ということを誠実に取り組むということが、まず第一前提があるわけです。
 そういう面で、ただ、そうはといっても監査をするに当たっては、監査上のリスク、言うなれば監査上大きな虚偽記載だとか、あるいは不正を発見すると、重要な虚偽記載を発見するということを常に意識して監査しなくてはいけませんので、経営者の誠実性ですとか会社の置かれている固有の経営環境ですとか、あるいは会社の内部にある内部統制システム、これが実際どの程度信頼できるのかということを考えながら監査しているわけでございます。
 ただ、今回のケースの場合には、経営者自身がそのような会社の内部統制のシステムをまあ超越しているというか壊した上で、いろんな粉飾決算を、会社の内部あるいは外部の者も巻き込んで粉飾を演出したというようなこと、このような場合には監査人としていろんな問題点を摘発するというのはかなり難しいということが現実であります。
 こういうような協力がもらえないような会社についてはどうするかというと、これは監査の十分な証拠が得られないということで、監査の契約から辞退するとか、意見が表明できないという形になるというふうに思います。
 以上です。
○尾立源幸君 様々な会社の性格や、また風土や経営者の資質、内部統制という言葉が出てきましたけれども、そういったものをいろいろ勘案しながら監査をやっていかなければいけないということだと思うんですが、その中で特に内部統制の問題について少し議論を深めさせていただきたいと思います。
 内部統制、それは何ですかとよく聞かれるわけでございますが、基本は一つの仕事を二人でチェックすることであると、簡単に言えばそういうことだと思います。例を挙げるならば、例えば同窓会の会費を集めたと、そのお金の管理、支出の管理を一人でやるとどうも不安だなというときに、二人でそれをやり合うと。こういったことが初歩的な内部統制といいますか、お互いの仕事をチェックし合うというのがこのことに当たると思いますが、そこで、皆さんにちょっとお配りをしております資料の一ページを見ていただきたいと思います。
 実は、これは古い内部統制、新しい内部統制というような言葉が出てきていると思いますが、左の方からちょっと簡単に説明をさせていただきたいと思います。
 御承知のとおり、経営者は大きな企業、会社をコントロールするのに隅々まで自分ではもう見れないわけでございますよね。そこで、企業組織の中に内部統制、つまり自動的に不正や過ちがチェックできるようなシステムを組み込むということを考えます。これが左側の図でございます。
 しかしながら、経営者自身が不正を行った場合は、この例えばチェックシステムを自分で簡単に破ることもできますし、正に自分の不正をチェックする内部統制を組み込まないような場合もあろうかと思います。こういった企業を相手に監査をすると、非常にリスクがあるといいますか、適正な監査ができないというふうに私は感じております。
 そこで、今必要なことは、経営者自身が行う不正までもきちっと自動的に会社の中でコントロールできるような、牽制できるような、そんな内部統制というものが今求められているんじゃないかと思っております。それが右の図でございます。経営者までも含んでコントロールできるような、そんなシステムをこれからきちっとつくっていかなければならないのではないかと思っております。
 例えて言いますと、飛行機の操縦を考えていただきたいんですけれども、原始的なセスナ機でございますと、パイロットが隅から隅まで全部自分でチェックをして、離陸から着陸まで全部常に神経をとがらせておかないとこの飛行機はうまく飛びませんが、例えば高度化されたハイテクのジャンボ機なんかは、まあ離陸と着陸のときだけパイロットが操縦をすれば、後はほとんど自動で飛んでいくと。しかしながら、その前提として、パイロットはジャンボ機のことをよく知っていなきゃいけないと、多分こういうことになろうかと思います。こういうとき、もし経営者に何かが起こっても飛行機は飛び続けるわけでございますが、セスナの場合はすぐ墜落をしてしまうと、こんなふうに私は考えております。
 そして、監査人は、当然こういったいろんなタイプの企業風土がございます、内部管理体制がございます。その相手相手によって仕事の、監査の仕方を変えていかなければならないというふうに思うのが下の図でございまして、ちょっと足し算みたいなのが書いてございますが、例えば左の図で、内部統制が非常に悪くて、そして監査人の時間、行う量、質ともに悪い場合は、有効な監査が行われることはまずあり得ません。しかしながら、右のように、内部統制が非常に良好でございまして、その前提の上に監査人が時間をある程度絞っても、前提が非常にいいわけでございますから有効な監査ができるんではないかなと、こんな私は相関関係があるというふうに理解をしております。
 しかしながら、今回のカネボウの件は正にこの左のパターンでございまして、経営者自身が自ら粉飾に手を染めた、それで、これもまだ最終的には結論は出ておりませんが、それをチェックすべき監査人自身もこの不正に、粉飾に手をかしたというふうな報道がなされております。
 そこで、いかに粉飾が行われたかを少し皆さんと事象別に取り上げて確認をしていきたいと思います。
 今申し上げましたように、今回のカネボウ事件の特徴は、経営者と監査人が共謀して粉飾を行ったということでございますけれども、そういった意味で監査人がこの粉飾を見逃した責任は大変重いと思っております。特に、担当会計士のみならず、それを監督すべき監査法人自体が、なぜ自分たちの職員といいますか、従業員がやった監査をチェックできなかったのかと、こういったところにも非常に問題があるわけでございます。
 そこで、当時、粉飾決算が明るみになったときに中央青山の内部調査がこのように言っております。カネボウが単独で行ったという報告をまずされましたけれども、その後、なぜかよく分からないんですが、五月二十日付けで同じ中央監査法人から金融庁に提出された内部調査報告書では、会計士が実はかかわっていたというような報告がなされているというふうに聞いておりますが、金融庁、いかがでございますでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) まず、一般論につきまして申し述べますと、公認会計士法に基づきます監査法人等に対します報告徴求、あるいはこれを受けて提出される報告につきましては、これが明らかになりました場合には、一つは、事案によりましては報告先の権利、競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれがあること、二つ目は、関係者に予断を与えるほか、将来関係者の協力が得られにくくなるなど監督業務の遂行に支障を来すおそれがあることから、原則としてコメントは差し控えさしていただいているところでございます。
 なお、本件に関しましては、中央青山監査法人自身が既に対外的に言及している部分がありますことから、その限りで申し上げますと、当庁としては、本年五月にカネボウから有価証券報告書の訂正報告書が提出されましたことを受けまして、その経緯等につきましてカネボウの会計監査人である中央青山監査法人に対しまして、公認会計士法第四十九条の三に基づき報告徴求を行ったところでございます。中央青山監査法人からは、これを受けて報告書が提出されているところでございます。提出されました報告書の内容等につきましては、さきに述べました理由から、コメントは差し控えさしていただきたいと思います。
○尾立源幸君 日経ビジネスのインタビューで今の理事長でございます奥山理事長がこのようにおっしゃっております。金融庁に報告されたときにはカネボウにだまされたという認識で内部調査報告書を作った、粉飾の責任は全面的にカネボウにあると、このようにお話しされておったんですが、会計士が逮捕されてからはその論調が変わっておりまして、まあ加担をしたというようなことをおっしゃっておるわけですが、この辺りも事件が起こって報告書を提出されるにもかかわらず、まだきちっと実態調査をしていなかったのではないかなと、こんなふうな疑問が私は生じるわけでございます。
 これに限らず、二、三、ちょっと今回の事件でいかにチェック体制、それは監査人もそうですし、監査法人もそうですし、金融庁さんもそうですし、取引銀行、メーンバンク等々がいかに見過ごしてきたかということを、ちょっと例示をさせていただきたいと思います。
 まず、架空売上げは、御承知のとおり、五年間で二千百五十億という巨額な粉飾、水増しがされておったわけでございます。そこで、私も実務から大分離れておりますが、粉飾を行う場合は大体売上高を水増しするというのが常套手段で、古典的な手口なわけでございますが、まさかカネボウさんではそんな簡単な粉飾が行われているはずはないというふうに思ってみたんですけれども、いや、その期待は、思いは裏切られまして、二ページを見ていただけますでしょうか。
 これは、売上高をいかに水増しをしたかということでございますが、〇〇年から〇三年まで四年間、これ時系列的に売上高を書いております。大体二千二百億から二千三百億、これ単体だと思いますが、そのうち、うち水増し額というのが、これ三十二億、九億、八十億、八十三億というふうに書いてございます。
 そこで、それに対応する売掛金、まだ未回収の売上債権がどのぐらいあるかというのが下の欄で、三百七十七億からずっと増えて七百三十七億になっております。売上げがほとんど横ばいなのになぜ売掛金がこんなに残ってしまうのかなと、これはもう通常監査人としては当たり前のように思うわけでございますけれども、そこで我々はよくこの売掛金の回収期間の分析というものを、これはまあイロハのイだと思いますが、やります。そうすると、〇〇年三月期は売掛金が大体一・九八か月、まあ二か月以内に回収されるというふうな結果が出るわけでございます。一方、〇三年三月期ですと、何とそれが三・七九か月になってくるということ。つまり、二倍ぐらい売掛金の回収期間が長くなっていると。
 私もこれ、上場会社、現役時代何社かやりましたけれども、ほとんど〇・〇一とか〇・二の誤差でございました、当時は。それでも何で違うんだというふうに上司から理由を、説明の理由を求められましたわけでございますが、このカネボウなんかは二倍に延びるというのは異常な、異常な例だと私は思いますが、会長、いかがでしょうか。
○参考人(藤沼亜起君) 数字を見てみますと、かなり、売上高が増えてないのに売掛金だけがどっと増えているということで、これ期間比較すると数字そのものは確かに異常な数字、何か理由、特別な理由があるのかなという、そういうふうな疑問を感じさせると思います。
○尾立源幸君 本当にこれ異常な数字なんです。
 それで、そこでもう一つ疑問なのは、三ページ見ていただけますでしょうか。資料の三ページでございます。これはカネボウに対する主な貸付先ということで、当然、まあ業績が悪いわけでございますから、実質の方は、銀行からたくさんお金を借りております、二〇〇一年から二〇〇四年にかけて。実は三井住友、中央三井信託銀行の合計が小計というところに書いてございますが、全借入金に占める割合というのを網掛けの部分で示させていただいております。そうすると何と、二〇〇一年のときは借入金全体の四分の一ぐらいが三井住友グループといいますか、からの借入れだったわけでございますが、二〇〇四年には何と五〇%ぐらいに伸びていると。
 まあ、これは伸びるのはいろんな事情があると思いますが、しかし問題はこの三井住友グループですね、お金を貸すときに当然財務のチェックをいたします、貸していいのかなと。当然、銀行の中でも、今私が申し上げました売掛金の回収のチェックというのはこれやっておるわけでございまして、銀行の方が何千億というお金を貸す、お貸しになる場合にチェックをされないというのはないんじゃないかと思っております。
 そこで、よく調べますと、実は副社長さんですね、カネボウの、三井住友銀行から来られてたというようなことも事実として載っております。平成十四年までは、このちょうど粉飾が行われておった期間はその副社長として銀行から来られてたと、何かよく、まあ交渉がうまかったのかなと、こんなふうにも思うわけでございますけども、それは、事実は今後解明されると思います。
 もう一つ、財務局さんの方もちょっと甘いんじゃないかというふうに思います。当然、有価証券報告書をお受け取りになるわけでございますが、平成十七年七月までは、この検査報告徴求というんでしょうか、そういった皆さんには権限があるわけでございますが、こういった古典的な粉飾に全く気付かないというか何もされていないと、こんなふうに思うわけですが、伊藤大臣、どうでしょうか。(発言する者あり)済みません、千でございます。
○国務大臣(伊藤達也君) 個別の問題についてコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、まず融資のことについての一般論から申し上げますと、私どもは、金融庁検査におきまして、金融機関が適切なリスク管理の体制が構築されているかどうか、これは検証させていただいているところでございますし、特に大口の貸付けにつきましては、各金融機関の財務状況に極めて大きな影響を与えるということがございますので、私どもといたしましては、不良債権問題の正常化を実現をしていく、こうした中で特別検査という制度を導入をして、そして私どもの中で専門のチームというものも構成をしながら大口貸付先に対するリスク管理体制の検証をさせていただいてきたところでございます。
 また、提出された報告書につきましても、疑義があればこれは証券取引等監視委員会あるいは私どもとしても法令に基づいて適切な対応をしていく制度というものが整備をされているところでございますので、そうした法令に基づいて私どもとしてしっかりとした取組をしていかなければいけない、また今までもそうした取組をしてきたところでございます。
○尾立源幸君 舛添委員、済みません、単位、百万円でございました。申し訳ございません。
 ただ受け取るだけというんではなく、しっかりこの辺も、まあサンプルベースでもいいと思いますが、何か、市場のうわさ等々も聞きながらチェックをしていただいて、後手後手に回らないようにしていただきたいと思います。
 次のページ、ちょっとまた、これは中央青山監査法人のちょっと風土的な問題なのかなと思うので出させていただいておりますが、四ページ、産業再生機構送りをされたといいますか、支援決定をした先が証取法監査を受けているのが十三社ございます。その中で適正意見、直前期に適正意見を出しながら再生機構の支援が決定されたのがこの網掛けの部分でございまして、五つございます。ということは、適正だから継続性に問題がないと、このままいっても会社はうまくいくよという意見が付いていたわけでございますが、なぜかばたっと倒れたのがこの網掛けの会社でございます。
 その中で、じゃどこが監査をしていたのかなと、こういうふうに調べましたら、実は五つのうち三つが中央青山であるというふうなことが、これはデータとして事実として出てまいりました。五つのうち三つまでが中央青山であるという事実だけは述べさせていただきたいわけでございますけれども。
 ただ、今度新しく理事になられた若手の会計士がこのように雑誌の中でおっしゃっております。どういうふうにおっしゃっているかというと、手塚さんという方なんですが、事務所同士の合併、中央監査法人はですね、事務所同士の合併でできた寄り合い世帯で、元々組織に壁があったと、こんなふうな認識をされておるわけでございまして、そういった意味で、本当に内部管理体制、監査法人の中の内部管理体制がしっかりしていたのかと、この辺も今後しっかりと見極めていかなければならないというふうに私は思っております。
 余り中央さんのことをどうこう言ってもあれなんで、本題に入っていきたいと思います。
 そこで、今回、東京地検は九月十三日に会計士四名を証券取引法違反で逮捕しまして、三人が起訴されました。この行政処分について金融庁からお伺いをしたいと思います、一般論で。
○政府参考人(三國谷勝範君) 個別の事案についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 私どもといたしましては、公認会計士法上、監査法人に対する処分の制度でございますけれども、一つは、その社員の故意により、虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤又は脱漏のないものとして証明した場合、その次には、その社員が相当の注意を怠ったことにより、重大な虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽、錯誤又は脱漏のないものとして証明した場合、三つ目は、公認会計士法若しくは同法に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められる場合におきまして、監査法人に対し戒告し、あるいは二年以内の全部若しくは一部の業務停止又は解散を命ずることができるという、そういう制度となっているわけでございます。
 なお、監査法人に対する過去の処分事例を申し上げますと、業務停止処分一件及び戒告処分七件を実施しているところでございます。
○尾立源幸君 質問ちょっと言葉足らずで申し訳ございませんでした。
 今お聞きいたしましたように、過去に業務停止が一件あったということ、戒告も数件あったというふうにお聞きいたしましたけれども、その業務停止をされた監査法人はフットワークエクスプレスという運送会社だと思いますが、そこを監査をしていた神戸の監査法人に対して行ったということでございます。
 それで、どういう行為をすれば、公認会計士がどういう行為又は違反、監査法人がすればどのような処分がなされるのか非常に分かりにくかったわけですが、今回、三月三十一日に金融庁さんの方からホームページで発表していただいておりまして、「公認会計士・監査法人に対する懲戒処分等の考え方」というのが公開されております。これは非常に私、透明性があっていいことだなと思っておりますが、その中で、監査法人の社員の故意による虚偽証明は業務停止三か月という基準が示されております。これは、お聞きすると、過去の法律が当てはまるので業務停止は一日から一年の範囲で命令することができて、標準的にはこの三か月というんですか、一つの基準が出ておるわけでございますけれども、こういった考え方であるというふうに思っていいわけでございますか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、「公認会計士・監査法人に対する懲戒処分等の考え方」につきましてお示ししているところでございます。この考え方は、平成十六年四月一日の改正公認会計士法の施行以降の事案に係る懲戒処分等の考え方を示しているものでございます。なお、この公認会計士法の改正の前の事案でございますと、その業務停止の期間は一年が限界、その後は二年という形になっているわけでございます。
 いずれにいたしましても、そういった、したがいまして、これがそれ以前の事案について直接適用されるものではございませんが、事案ごとの個別事情あるいは過去の事例等を総合勘案していろいろな対処をしていく形になろうかと思います。
 あくまでも一般論でございます。
○尾立源幸君 今どういうことが起こっておるかといいますと、当然これは我々会計士もこの情報を見れるわけでございます。それで、過去の例と今回の中央青山の例を見て、気の早い人はもう次の就職先を探すというような動きに出ておると聞いております。一体この今回のカネボウに対する処分というのはいつごろなされる予定なのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 繰り返しになりますが、個別の事案についてのコメントということは差し控えさしていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、私どもといたしましては、社員の故意等によりまして財務書類を虚偽のないものとして証明した場合には行政処分を行うことができる制度とはなっておりますが、個別の事案につきましてのコメントは差し控えることを前提とさしていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、公判等が行われている場合には、その公判等の状況を注視しながら法令に基づき厳正に対処していくことになると考えております。
○尾立源幸君 なぜこのことをちょっとしつこく申し上げましたかというと、委員の皆様もしお分かりでないとあれなんですけども、実は監査法人にとって業務停止命令というのはもう命を奪われることでございまして、食堂や旅館とはちょっと違いまして、一日でも業務停止命令が下りますと、商法特例法ですかね、監査契約を継続できないことになっております。ということは、一日でもいったん監査契約を全部解約しなきゃいけないということで、これは要は死刑宣告に等しいわけでございます。そういった意味で、非常にこの問題は皆が注視しておるということをまず申し上げたいと思います。
 それでは、こういった中でなぜカネボウの粉飾が起こったのかということで、もう一つの面で監査人と会社経営者との癒着というか、なれ合いが大きな問題ではないかというふうに言われております。その中で、さきの公認会計士法の改正で監査人の七年のローテーションというのが決まりました。七年やれば二年休まなければいけないと。同じ人が継続してやっちゃいけないと。これでなれ合いを防ぐということでございますが。
 資料、お手元の五ページを見ていただきたいんですが、実はこの平成十七年三月期決算で、三月決算公開会社を調べてみますと、七年超の方がまだこんなに割合としていらっしゃるということでございます。七年、十年、十五年、二十年というふうに書いておりますが。
 そこで質問ですが、この法律を施行されるときに、なぜ法律の施行日から起算して七年というルールにされたのか、その辺りの経緯を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 昨年四月に施行されました改正公認会計士法におきましては、法律の適用に関します遡及不適用の一般原則に基づきまして、監査人の交代時期が施行時点から起算して七年を経過した後とされたところでございます。
 ただし、日本公認会計士協会におきましては、先般、藤沼会長より、四大監査法人に対しまして現時点で七年以上継続して同一の大会社等の関与先を監査している社員について交代を要請したところでございまして、これを受けまして各法人は、十八年四月以降、七年以上継続している社員をすべて交代させる方針と承知しております。
○尾立源幸君 会長、お待たせしました。ここからは会長を中心にお聞きをしたいと思います。
 今回の事件で、協会の方ではこの七年ルールをもう少し厳しくして、四大監査法人のローテーションについては五年の継続監査の後は五年間お休みをするという、こんな仕組みを考えられておるように聞いておりますが、ちょっと御説明いただけませんでしょうか。
○参考人(藤沼亜起君) 七年をとにかく先倒しでやってほしいということを当初発表いたしました。
 その後いろいろ議論がありまして、日本の公認会計士の監査証明の上では、有価証券報告書に関与した社員がサインするという、こういう慣行になっておりまして、二名とか、多いところでは五名とかという名前の者が、ずうっとこうサインをするという。その中で、日本の制度の場合には七年交代というと、これサインした者がみんな関与社員ということで全員一斉ということになりますので、これはあまねしもうアメリカが五年・五年、あと七年・二年というコンビネーションでアメリカはローテーションしておりまして、そこの中の五年・五年という、五年で交代、あと残りの五年間はインターバルと、その会社に関与、戻ってはいけないという期間なんでございますけれども、日本でもこれと同じように、主任会計士は一番一般的にはシニアの方でございますので、この方が一番影響力があるだろうということで、この方の期間を短めにするということと、あとインターバル、要するに復帰できる期間も二年というものを五年にするということは、より社会の信頼性、独立性だとか、あるいは癒着という懸念に対してこたえることができるだろうということで、主任会計士とその他の関与社員というふうに分けまして、主任会計士については五年・二年、その他の関与社員については七年・二年と、これはアメリカと同じような制度を実行しようということで、これは上場会社について四大法人、四大法人で日本の上場会社の約八割強をやっておりますので、そういうことであるならば、そういう形の実行できる四大法人にお願いしたいということで、自主規制でやっていきたいというふうに思っております。
○尾立源幸君 今お話にございましたアメリカの制度、サーベインズ・オックスレー法、SOX法、企業改革法というふうに呼ばしていただきますが、この中では監査のローテーションを五年・五年というふうな取決めをしておるわけですが、しかしながら例外規定も設けております。それは、中小監査法人、すなわち監査を担当している会社が五社未満で、パートナーというか会計士が十人未満のところは、このローテーションをする代わりに、免除をする代わりに行政機関が、PCAOBですか、三年ごとに全部の監査を全件チェックをすると、このことで中小監査法人の負担を軽減するというような措置が入っておるわけでございますが、日本でなぜこのような例外措置がとられなかったのかということ、その点をちょっとお聞きしたいわけでございます。
 それともう一点は、上場会社に占める中小監査法人の、四大監査法人以外でしょうか、売上高やまた件数みたいなものを教えていただければと思います。
○参考人(藤沼亜起君) ちょっと、私の前の発言で五年・二年というようなちょっと間違いがありましたけれども、五年・五年でございますので、訂正さしていただきます。
 ただいまの中小事務所については、確かに監査人の数が中小事務所は元々それほど多くないということでございます。今、公認会計士協会でレビューを対象している監査事務所、個人の事務所も含めてレビューの対象になる事務所は四百七十五の事務所があります。十社以上の上場会社を監査している事務所は十七事務所、これ四大法人も入るわけですけれども、あと五社以上の上場会社を監査している監査法人は四十六となっております。
 四大法人の上場会社に占めるマーケットのシェアですけれども、約八割強ということになっておりまして、また上場会社を、これは推定値ですけれども、上場会社の全体の連結売上げを合計してみると、四大法人がその売上高ベースでカバーしているのは九割強という、そういう数字になっております。
 中小事務所については、ローテーションを実行するというのは、元々社員数が少ないものですから非常に難しいということがありまして、これは七年・二年という先ほどのルールの中でそれぞれが工夫しながらローテーションに対応するということをやっているというふうに思っているわけでございますけれども。
 日本でも米国と同じように、米国のルールは、十名未満の社員と五社未満の会社、上場会社をやっている会社についてはこれは免除がありまして、いわゆるそのローテーションをやらなくてもいいと、その代わり、三年に一度検査として、PCAOBの検査が三年に一度、そこの事務所が持っているすべての会社について調査すると、こういうことを検査するということ、そういうルールでございまして、できれば中小事務所が、対応能力ということがありますので、公認会計士協会としては、そのような免除規定が中小事務所に適用できれば非常に望ましいなという、個人的にはそういうふうに思っております。
○尾立源幸君 実は私も、この監査業界といいますか、余り寡占化が進むべきではないというふうに思っております。やはり中小監査法人というか、事務所も含めて、地域に根差している監査法人もあるわけでございまして、先ほど中央青山の例であったように、ある意味で無理やり合併することによって本当に寄り合い世帯になって、一見一体感があるわけでございますが、中身はばらばらというようなこともあえてさせないためにも、そしてまた、先ほど申し上げましたように、やっぱりいろんな多様な監査法人がある中で、それぞれのニーズに合った監査法人をクライアントが選ぶと、こういう選択肢も私は残しておくべきだというふうに考えておりますが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 委員は、大手の監査法人にも御勤務をされて、この分野について非常に精通をされておられて、そして寡占化について御懸念があるという御指摘がございました。
 昨年四月に施行されました改正公認会計士法において七年・二年のローテーションルールを導入したわけでありますけれども、その際には、公認会計士の不足やあるいは地域的偏在の実情等を考慮をいたしまして、商法特例法に基づく監査のうち、資本の額百億円未満かつ負債の額一千億円未満の株式会社に対する監査についてはローテーションルールの適用を除外するとともに、個人の公認会計士について、周辺地域において公認会計士が不足している等により交代が著しく困難な状況にある場合には、内閣総理大臣の承認を得て引き続き監査を行うことができることとするなどの処置を講じたところでございます。
 将来的に、中小監査法人等の公認会計士を含めたローテーションルール全体の在り方について検討していく際には、公認会計士の質的、量的な充実の状況、そして地方の実情等を十分踏まえていく必要があるのではないかと考えております。
○尾立源幸君 先ほどの処分ルールのガイドラインみたいなものを公表していただいて、非常に私も結構だと思っておりますが、このローテーションの問題も一方ではどんどんどんどん厳しく監査人にはなっていくわけでございまして、そういった意味で、中小の方に対する免除措置というんでしょうか、も前向きに、法律の中に書いてあるとはおっしゃいましたけれども、もう少し分かりやすい形できちっと線を、ある程度の線を引くような前向きな取組を今後是非お願いしたいと思います。
 それでは、次の話で、今は監査人の交代という、同じ監査法人の中での監査人の交代という話をさせていただきましたが、一方には、監査法人そのものを替えてしまえと、替えた方がいいんではないかというような、このような話もあります。
 その議論をする前に、ちょっとよく誤解をすることでございますが、非常に分かりにくいことで、監査とデューデリジェンス、この違い。
 ある会社を監査をしていたときは、ずっと継続するよということで適正意見が出ていたのに、デューデリジェンスをした途端に何かすごい大損失が出て、これまでやっていた監査は全くいい加減じゃないかと、このような世間一般には見られる場合もございますが、その辺の、いわゆる通常の監査とデューデリジェンスの違いといったことを会長の方から御説明をいただければと思います。特に、監査の方は監査時間も絶対的に不足しているというような調査報告も出ておりますが、デューデリジェンスは短期間にぎゅっとやってそれなりの成果を出すわけでございますが、どこがどう違うのか、ちょっと簡単に説明をしていただきたいと思います。
○参考人(藤沼亜起君) 財務諸表監査は、御存じのように財務諸表が適正に表示されているかどうか、例えばこれを一般に公正妥当と認める会計基準に従って財務諸表が作成されているかどうかを一般に公正妥当と認める監査基準に従って監査する。ですから、その範囲も、経営者のいわゆる組織するコーポレートガバナンスの問題ですとかあるいは内部統制の問題、それを評価した上で、いろんな固有のリスクとか内部統制のリスクを計った上で最終的に財務諸表が正しいかどうかを監査すると。非常に広範な手続があるわけです。
 一方、デューデリの場合には、一般的に、買収に当たってのいわゆるデューデリジェンス、特別調査ということになりますので、これは目的が非常に限定されておりまして、その買収側の方の立場からそこの会社の中身を一部だけ取り上げると、大体そういう形になるわけですけれども、特別調査をする。
 したがって、手続は、これはお互いにそのデューデリをやるいわゆる会計士、これは財務情報についての特別調査ということになるわけですけれども、監査手続を限定した、合意された手続のみを実施すると、しかも期間を設けて、短期間で実行してほしいと、こういうことでございますので、手続そのものに限定があるということと、あと、当然、買収側のその手続ですので、実際に例えば資産査定をするというような場合には、当然ながらゴーイングコンサーンを前提とした資産査定というよりも、時には清算価値に近いような価格評価にしてしまうとか、そういうようなところがありまして、大分違う手続を行っているということと、また結果なんですけれども、デューデリした結果については、基本的にはデューデリを依頼した側とデューデリを実施した側の間でしかその結果報告というものは出されない。こういうのが大体の結果でございまして、一方、財務諸表監査は財務諸表全体についての監査でございますので、当然開示情報についても詳細なものが開示される。そういうところについても監査人の目が入っているわけでございますので、したがってその深さ、広さについて大分違う手続だというふうに認識しております。
 以上です。
○尾立源幸君 一般の方から見ますと、同じ会社の監査か調査、それは別として、一般論として、会計士が中に入っていろいろ見たことで結果が随分違うなと。そのことで、監査法人を替えればより厳しい監査ができるんじゃないかというような意見も出てくるわけでございますが、監査法人を替えることのメリット、デメリットみたいな点で、会長、ちょっと御意見をお聞かせください。
○参考人(藤沼亜起君) 監査人の交代というよりも監査法人そのものを替えてしまったらどうかという意見があるということは承知しております。その視点は、独立性の観点から、あるいは企業との癒着の問題からだということだと思うんですけれども、これは独立性の問題ということは分かるわけですけれども、やはり監査の実務をしている者の立場からは、監査というのは会社の事業内容、ビジネス上のリスク、経営者が作った内部統制の状況、そういうようなものの理解というものがあった上でいろんな経験を積んで監査をしているわけですから、監査法人を定期的に交代するというのは、そういうような知的財産といいますか、そういうものが一挙に遮断されてしまうという、そういう面で監査の有効性、品質の低下につながるのではないかというふうに私は一つ、第一点は懸念しております。
 次に、やはり監査人が交代しますと、それを会社の内容また理解、一から出直しで理解しなくてはいけないということで、特に初年度、二年度については膨大なコストが掛かります。そういうような問題も抱えております。
 三番目は、今の監査人の交代制を導入している国というのは、これは発展途上国が中心でございまして、エクアドル、ボリビア、ブラジル、ヨルダン、リトアニア、パキスタン、パレスチナ、パラグアイ、あとイタリアが九年置きに交代というような制度がありますけれども、イタリアも御承知のようにパルマラットという大きな事件があったということの問題ですとか、あと韓国も来年からそれを導入するということになっておりますけれども、幾つかの例外規定があります。
 私どもは、今監査、日本企業はやはりかなり国際化しておりまして、四大法人の監査の実態ですと、やはりその提携ファームと全世界歩調を合わせて監査するということになっておりまして、日本だけ五年という形でローテーションが実行されますと、国際的な仕事の面でむしろ監査の品質が低下するのではないかということが懸念されます。
 その他の心配の要因としては、強制的ローテーションということになると、むしろ余りその会社の事情に詳しくない会計士によって、経営者がその間不正なことをやって隠匿しておけば何とかなるんではないかというようなこともあるだろうと思いますし、また監査の立場から、やはり五年ごとにローテーションということとなりますと、またダンピングの問題ですとかそういうようなことにもつながりかねないということで、私どもは余りいい制度ではないのではないかと。
 これはアメリカの会計検査院も、このローテーションについては、監査法人のローテーションについては、会計検査院に一年間以上の時間を掛けて調査するということをさせておりまして、これ暫定的な調査報告でも、必ずしも、監査の効率性という観点から、監査法人のローテーションというのはその論理的な答えではないのではないかというようなことを一応結論付けておりまして、さらに再調査、いろいろ今後も調査をしていくんだと思いますけれども、やはり時間を掛けてそのメリット、デメリットを検討していただきたいというふうに思います。
○尾立源幸君 ありがとうございました。
 財務大臣、済みません、ちょっと時間食い込んでおりましてお待たせしていますが、あと十分ほど、済みませんが。
 今お話しございました、私も監査をやっておりましたときに、私の場合も先輩の監査調書を見て、私の場合は一年か二年ごとで次々担当替わっておりました。同じ会社の中でも替わっておりましたので、前の方の監査調書といったものがないと皆目その会社のことが分からないというようなことでございました。
 もし監査法人を交代させる場合は、例えばA監査法人で行った監査調書というものは、B監査法人が見ることは、これは可能になっているんでしょうか。
○参考人(藤沼亜起君) 監査基準の中に、監査法人が交代した場合には、当然ながら事務の引継ぎを行いますので、前任の監査人は後任の監査人に監査調書のレビューをしていただくということはあります。ですけれども、それはそういう形で引継ぎのときだけでございますので、その辺のところの完璧な引継ぎというのはどの程度できるかというのはもちろんあるわけですけれども、その調書のレビューは実行いたします。
○尾立源幸君 ありがとうございます。
 それでは、もう一つ今回忘れてはならないのは、カネボウにも監査役という方が内部にいらっしゃったわけでございますが、今回監査役が全然話題になりませんが、この財務諸表の信頼性を高める上で、当然、監査役の機能というもの、大変大きなものだと思います。
 今回、粉飾決算の一端を担っているかどうかというのは、それは分かりませんけれども、監査役の責任です、もしそういったことに加担していればどんな責任があるんでしょうか。
○政府参考人(深山卓也君) カネボウの具体的な事案についてということではありませんけれども、一般論として監査役の会社に対する責任についてお答えいたします。
 現行の商法上、監査役は会社に対して善良な管理者としての注意義務を負っておりますので、その任務を怠ることによって会社に損害が発生した場合には、会社に対して損害賠償責任を負うと。この粉飾について加担をする、あるいは見過ごすというようなことがこの任務違反に当たれば、会社に対して損害賠償責任を負うということでございます。会社が監査役に対して損害賠償請求をしない場合には、一定の要件がございますけれども、会社の株主は監査役の損害賠償責任について株主代表訴訟を起こすということもできます。それから、直接の責任ということではありませんけれども、監査役が監査報告書に記載すべき事項を記載しなかったり、あるいは不実記載をした場合には、過料の制裁を受けるということにもなっております。
○尾立源幸君 ありがとうございます。
 それではもう一つ、協会の取組についてお聞きしたいと思います。
 今回のカネボウの粉飾事件を受けて、品質管理委員会、公認会計士協会の中に置かれていると思いますが、正に各監査法人を管理監督といいますか、チェックする委員会でございますが、この体制強化をされたと聞いております。しかし、この品質管理レビューやられるわけでございますが、これはあくまでも協会と監査法人の、外部者から見ますと内々のやり取りでしかございません、にしか見えません。しかも、そのレビュー結果というのが公表されていないということで、一体どんなレビューをやられているのかなと、外から全くブラックボックスで見えないわけでございます。
 この辺りについて、今後、この品質管理レビューの結果を、各監査法人に対してどんなレビューをしてどんな報告を行ったのか、また改善命令というんでしょうか、何というんですか、指導等があるかと思いますが、そういうことをもう少しオープンにされるような情報公開の在り方というものに、会長、御意見お聞かせ下さい。
○参考人(藤沼亜起君) 品質管理レビューにつきましては、私ども一九九九年から自主規制で導入しておりまして、当初は各監査事務所の品質管理のプロセスが改善するということを目的としまして、指導的、教育的な目的があったわけですけれども、二〇〇四年から公認会計士法の改正によりまして、公認会計士審査会が協会の品質管理レビューのモニタリングをすると。我々は自主規制機関でございますので、かなり、この公認会計士審査会のモニタリングということの公認会計士法の改正を受けまして、品質管理レビューを一段と強化しているところでございます。
 品質管理レビューアーが直接事務所に行って各事務所の品質管理レビューを実施するということなんでございますけれども、四大法人については従来まで三年に一度ということだったんですけれども、二年に一度ということで頻度を上げておりますし、あと残りの監査事務所については従来どおり三年に一度品質管理レビューをすると。それとあと、品質管理レビューアーも倍増して二十名に、フルタイムでございまして、二十名にしましたし、あと、一名ITの専門家を入れて品質管理レビューの実効が上がるようにしている。
 公開につきましては、従来まで年に一度全体的な品質管理レビューの報告を、これ外部公表をしております。今回は半期報告もしようということで実行しております。それとあと、公表につきましては、個々の事務所の公表につきましては、これはそこでいろいろ事情がありますので、個々の事務所がどうだったというようなことは、風評というようなところと結び付いてきますので、改善状況を見た上で、その改善状況がもし守らなければその事務所について協会内の自主規制ルールで処分をするとか、そういうことは実行する予定です。
 以上です。
○尾立源幸君 そこで少し提案がございます。
 その品質管理レビューをやられておりまして、私も思うんですけれども、監査法人といってもいろんな私クオリティーがあるんじゃないかというふうに、あっちゃいけないんでしょうけれども、どの業界でもあると思います。だからこそ、まあ会計士業界ではちょっと先駆けで、こういった監査法人の格付みたいな、例えばA、B、C、D、Eとまではいきませんが、何かそんな基準を作られてユーザーである企業さんに分かりやすくしていただければなと思うんです。
 なぜかといいますと、やっぱり安かろう悪かろうみたいな監査になっちゃ、これは投資家にとっては大きな損失でございますので、しかしながら一方、どうやってじゃ監査法人選べばいいんだというような、こんな疑問もございます。品質が悪い監査法人を使っていて安いのは当たり前です。これがよく経営者から私は報酬のプレッシャーとして来ると思うんですけれども、安くしろ安くしろと、こういうやっぱり要請は来ると思います。しかしながら、我が法人はAランクの品質を誇っているからそんなダンピングはできない、安くできないと、こんなふうに使うことも私はできるんではないかと思うんですけれども、まあちょっと過激な考え方かもしれませんが、監査の品質を上げて確保するためにもそんなアイデアがございますが、会長、いかがでしょうか。
○参考人(藤沼亜起君) 監査法人の格付につきましては、これは私の知っている限り、世界で実施しているところはないと思います。それは、公開会社の財務情報の信頼性を担保する制度でございますので、こういうような法定監査には一定の品質水準を確保されているということが絶対条件でございますので、どのような評価についても、その多少の上下があると、それによって風評が出てくるというようなことがありますので、これは監査法人内部の努力で品質改善に最大の努力を傾注するということであって、格付にはそぐわないというふうに思っております。
○尾立源幸君 ちょっと却下されて残念でございますが、また検討していただきたいと思います。
 最後の質問を行かせていただきたいと思うんですが、経営者の監査に対する考え方ということは、経営者の今度、問題を一点だけ取り上げさしていただきたいと思います。
 私、いい経営者、悪い経営者という言い方は余り好きじゃないんですけれども、あえて言わしていただくならば、いい経営者は監査結果をしっかりまた自分の会社の経営に役立てようと、自らの改革のために利用しようとする考え方を持っておられますが、悪い経営者はまあ適正意見だけもらえりゃいいやと、こんなふうに思われる経営者も中にはいるのでございます。まあカネボウかどうかは分かりませんが、そういった悪い経営者には不正が起こりやすいというふうに私は思っております。
 今回、会計士業界全体の自主規制等で厳しく自らを律していくんだと、監査の質を上げていくんだというお気持ちは分かるわけでございますが、もう一方でこの悪い経営者もしっかり取り締まらなければ私はいけないんではないかと、バランスを欠くのではないかというふうに思っております。
 六ページを見ていただきたいんですが、右の方、監査に求められる、内部統制が機能しているケースということで、監査に求められる保証水準、こう網掛け、斜めの線が引いてありますが、内部統制がしっかりしていれば外部監査による保証は少なくて済むと、監査による保証は少なくて済む。しかし、内部統制、悪い経営者であればその内部統制がちゃんとしていないわけですから、監査の質をどんどんどんどん上げていかないと保証水準にまで達しないと、私はこんなふうに思っております。ですから、この内部統制を高めない、又は自分から不正をしておきながら外部にばっかり、監査にばっかり機能を求めるというのは、私はちょっとバランス欠くのではないかと思います。そういうふうに思っております。
 やっぱりアメリカの方は先進国ですね。このSOX法、企業改革法の中で、経営幹部がこういった不正行為に加担すると、かかわると、最長二十年の禁錮刑、すっごい罪重いんですね。こんな仕組みを導入をしております。しかしながら、なぜか我が国ではこういったところがまだまだアメリカに比べて、まあ緩いといいますか、そんな印象を持っておりますが、会長また金融庁、どのようにお考えでしょうか、この件に関して。
○参考人(藤沼亜起君) 私ども監査人として財務情報の信頼性に最大の努力するということは当然でございますけれども、やはり企業改革法に見られるように、包括的な対応ということが必要なのではないかというふうに思います。
 資本市場の参加者、特に財務諸表の作成者にかかわる経営者については、財務情報の正確性について宣誓書、確認をしてもらうと同時に、宣誓書の基礎になる自分の会社の内部統制について自らが評価して、それを監査人が監査で監査するという内部統制の報告書制度ですね、それをまず実行していただくということが大事なことではないかと思います。同様に、それをベースに経営者の罰則という形でつながるならば、非常に包括的な対応策になるのではないかというふうに思います。
 以上です。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、会長からもお話がございましたように、その内部統制の有効性に関する経営者による評価と、そして公認会計士による監査の仕組み、これを具体化していくということは非常に重要なことだというふうに思いますし、企業会計審議会においてもこの点について今議論がなされているところでございます。
 経営者に対する罰則の強化そのものにつきまして、この点については既に平成九年にそれまでの三年以下の懲役若しくは三百万以下の罰金又は併科から、五年以下の懲役若しくは五百万以下の罰金又は併科に引き上げられたところでございます。
 一般論として申し上げれば、証取法違反にかかわる罰則の水準は、違反行為の性質や他法令との均衡等を総合的に勘案して決められております。ディスクロージャー違反等に対する証取法違反の罰則水準は、商法の会社財産を危うくする罪など他の経済犯罪と同程度に厳しいものとなっており、更に引き上げることにつきましては、刑事罰全体のバランス等を考慮しつつ、委員の御提案でございますけれども、慎重に検討する必要があるのではないかと考えております。
○尾立源幸君 ありがとうございます。
 最後に、今日、会長来ていただきましてありがとうございました。是非、健全なこの証券市場というものを、資本市場をつくるために、会長、協会の皆様、会計士の皆さん、そして金融庁、さらには経営者の皆様、さらには政治家がスクラム組んでこの問題に取り組んでいきたいと思いますが、どうぞ今後ともひとつよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。
○委員長(山本孝史君) 藤沼参考人は御退席されて結構です。御苦労さまでした。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野でございます。
 今日は尾立議員と八十分いただきまして、尾立委員は相当たくさんの質問を用意されまして、是非時間をいただけないかという話がございましたが、好きなだけ使えというふうに言いましたところ、十分間だけ残していただきましたので、谷垣大臣、大変失礼いたしました、お待たせをいたしました。今日は財投改革の進捗状況等に関連して何点かちょっと御質問をしたいと思います。
 御承知のように、財投改革というのが平成十三年度から実施されていまして、十三年度から十九年度までの経過措置を経て二十年度から預託金の払戻しもなくなるということで、完全分離がされるという状況になっています。今までは資金運用部資金を使うということで、いわゆる財投対象機関というのはそこから流れてきたお金を使うということだったんですが、それに替わって財投債と財投機関債、それから政府保証債というものもあるようですが、そういった手段を使って資金を調達するというような仕組みになってきたという、こういう状況ですね。
 そこで、今日の私の質問なんですけども、この財投債と財投機関債、これがどういう考え方でどの程度それぞれ、財投債で資金調達される、財投機関債で資金調達される、その考え方がちょっと明確ではないんじゃないかなという問題意識を持っていまして、その観点からちょっと質問をしたいと思います。
 財投債と財投機関債の相違というのは、もう御承知のように、財投債というのは国債の一種ですから、普通国債と一緒に発行されて資金調達されます。だから、資金調達コストも普通国債と同じである。財投機関債は各財投機関が発行しますから、財投機関の信用力でもって資金調達をするということで、いわゆる普通の国債に比べればスプレッド、資金調達コストがやや高いという、そういう状況にあります。
 で、元々は財投機関債で多くを資金調達をするというのがこの財投改革の趣旨ではなかったかと思うんですが、どうも今の経過を見ますと、財投機関債の発行が伸びておるのは住宅金融公庫ぐらいで、あとはもう頭打ち、そんなにたくさん伸びていないというような、そういうふうな状況じゃないかと思うんです。
 そこで、その基本的な考え方として、財投債と財投機関債の仕分というのはどういう考え方でやっているのかということをちょっとお聞かせ願えるでしょうか。
○政府参考人(浜田恵造君) 委員御案内のとおり、まず基本的な考え方、財投改革の際の資金運用審議会懇談会、平成九年の取りまとめにおきまして財投機関債について述べられております。事業を実施するために必要な額の範囲内で財投機関債を発行することができるかどうかについてまず検討するべきであって、その際、委員ただいま御指摘のあったように、財政負担が増大することのないよう留意する必要があると。財投機関債による資金調達では当該政策分野に必要な資金需要を満たすことができない、あるいは資金コストが大幅に上昇してしまう機関に対して、国民の負担を最小とする観点から、政府が資金調達し、年限を能動的に決定する、国の信用で調達する財投債を導入することが必要と、こういう仕分になっております。
 その結果、現在、十七年度の財投計画におきましては、改革後初めてでございますけれども、一定の規模を有するすべての財投機関が財投機関債の発行を計画するに至り、発行額、資金調達に占める財投機関債の割合は、それぞれ、十三年度では一・〇兆円、五・七%であったものが、十七年度財投計画におきましては五・九兆円、二五・一%となっているところでございます。
○平野達男君 実際の運用では、例えば目標数値みたいなものを決めて、財投機関債は全体の資金需要の中で何割調達しなさいとか、そういう数値を決めるという考え方は今持っていないということでしょうか。
○政府参考人(浜田恵造君) 御指摘のような数値目標というものは、私ども現在持ち合わせておりません。
○平野達男君 そうしますと、財務大臣はよくベストミックスという言葉を使われますね。そのベストミックスというのはどういう考え方になるんでしょうか。考え方をちょっとお聞かせください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私たちの考え方の背景にございますのは、財政制度等審議会財投分科会で総点検というのをまとめていただきまして、その中で、「各機関毎に、ALMの効果、調達コスト、市場の状況等を勘案しながら、財政融資資金の借入による調達と財投機関債による調達の効果的な組み合わせを検討することが適当」という御指摘をいただいて、まあ長々しい文章でございますから、私はそれをベストミックスと言っているんです。
 そうしますと、じゃそのベストミックスとは何なんだということになってくると思いますが、正に今のこの総点検にありますように、各機関ごとにやはり違うんだろうと思います。これはこれからまたよく議論していかなきゃならないと思っているんですが、現在の先ほど委員がおっしゃいました財投改革の状況は、先ほど政府委員からも御答弁申し上げましたように、この平成十七年度において一定規模以上の財投機関がすべて財投機関債を発行するというところまで来まして、一応形ができてきた。だから、マーケットに対して自分のところのディスクロージャーを行って評価をしていただきながらやるという体制ができた、できてきた。そのことによってどういうそこに効率化が働いていくかというようなところは、かなり進んできた部分もありますけれども、もう少しよく見なければならないというところがやっぱりあるんだろうと思います。
 他方、先ほど委員が御指摘になりましたように、やっぱりスプレッドといいますか、国債との調達コストは若干とはいえども国債の方が安いという現実がございますから、やはり安いコストで、やたらにコストを掛けていくというのは全体の行政改革等々の視点には合わないだろうと思いますから、その辺りはやっぱり、各機関ごとにある程度そのディスクロージャー等の体制ができてきて見極めていくというのは、これからの作業だろうと思っております。
 何をベストミックスかというのは、一言で言うのはなかなかまだ難しい、もうちょっと時間をいただいて我々も検討していきたいと思っております。
○平野達男君 そのディスクロージャーというのは財投機関債を発行しなければできないものなんでしょうか。
○政府参考人(浜田恵造君) このディスクロージャーにつきましては、私ども、総点検の際にいろんな市場関係者からもヒアリングをいたしまして、その際に、やはりディスクロージャーやIR、いわゆるインベスターズリレーションにつきましては、財投機関債の発行により市場と接触する機会ができた結果、改善の余地はあるものの、財投機関債導入前と比較して相当進展しており、一部には民間企業の債券に関するIRよりも積極的になったという評価もあると、その結果、財投機関は業務運営に当たって外部への説明責任の観点を意識するようになってきているという、こういった御指摘をいただいております。財投機関側、市場関係者ともにこの財投機関債の導入に伴ってディスクロージャーが非常に積極的になっている、あるいは市場関係者から見ればディスクロージャーの姿勢は大きく前進していると、こういったヒアリング結果を得ているところでございます。
○平野達男君 そうすると、考えようによってはそのディスクロージャーをするために財投機関債を発行する、その財投機関債というのは財投債に比べれば資金調達コストは高い、その差分をコスト負担することによってディスクロージャーをさせているという、そういうふうにも取れるわけですが、そういう取り方でいいんでしょうか。
○政府参考人(浜田恵造君) 若干申し上げますと、ディスクロージャーに伴いまして、その結果、その業務運営に当たっての外部への説明責任ということがございますが、さらにそういうことも踏まえましてALMの管理をきちっとやっていく、あるいは余裕金の運用改善、それから債権の回収率の向上といった取組への契機となると。このほか、いわゆるデュレーションの調整の容易化、さらに民間借入れから財投機関債への資金調達の振替等々、いろいろな業務効率化の進展が効果が得られているというふうなことを私どもヒアリングで伺っております。
○平野達男君 ちょっともう時間がなくなりましたんで、この点についてはまた何点か機会を改めていろいろお聞きしたいと思いますが、ちょっと残りの時間を政策コストについて、その活用方法につきまして、私の考え方をちょっと述べさせていただきたいと思います。
 政策コストとはちょっと別な概念なんですけども、公共事業では総事業費という概念があります。この総事業費というのは当該プロジェクトで終わるまでにどれだけのお金が掛かりますかというその総体の事業費ですね。
 ところが、この総事業費については、最近はかなり事業管理ができてきましたからその大きなぶれはなくなりますけども、かつては小さく産んで大きく育てるなんてこと言ってたんですね。何でかっていいますと、何を言っているかといったら、最初のイニシャルコストは小さく見せて、着工後どんどんどんどん大きくなってくる。で、当時は──失礼しました、どうも。
 当時は、それは特に公共投資が景気対策のツールとして使われているときは、私も当時現場にいたんですけれども、お金を制約する、低コストでやるということではなくて、いかにお金を使うかということが正義だったんですね。そういう時代がやっぱりありました。それが多分、その尾っぽがまだずうっと引っ張っていまして、まだ、いまだにその小さく産んで大きく育てるという発想がちょっと残っている感じはします。
 しかし、やっぱり五年前か六年前に公共事業費の抜本見直しというのをやりまして、当時の政調会長が亀井さんだったんですが、亀井さんが随分それに対して積極的に、事業管理を徹底的にやれということで事業管理のシステムを導入したんです。それはなぜかといいますと、工期の管理と総事業費の管理というのを明確に各事業官庁に意識を徹底させたんですね。
 それで、今回のこの政策コストにつきましても、これは今資産という形になっているんですが、これを資産ということじゃなくて、言わば、要するに総事業費というような位置付けで、トータルのコストがこれで掛かりますよというような位置付けにできないかというのが第一点。それをすることによって何が出てくるかといいますと、総事業費は毎年毎年変わってきます、変わる可能性があります。それは物価スライド分というところもありますし工法が変わったというところもありますが、なぜそれが変わったんだかという、変わってきたかということについてのディスクロージャーができるんですね。
 そういう何か政策コストの活用方法というのを是非検討していただきたいということで、もっともっとここでちょっと議論したかったんですけれども、私の持ち時間二十二分というところなんで、そういう意見を述べさせていただきまして、感想だけを財務大臣にちょっとお聞きしまして、この件についてはまた別途、予算委員会なりその他でいろいろ議論をさせていただきたいと思いますので、感想だけを聞かせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) ありがとうございます。
 我々も、その政策コスト、今、分析というのをやっているわけですから、それを今おっしゃったように国民への情報開示にも使っていかなきゃいけないと思いますし、償還確実性をどうしていくかという議論にも使っていかなきゃならないと思っておりますので、また委員のアイデア等もいろいろ勉強させていただきたいと思っております。
○平野達男君 どうも済みませんでした。
 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は税制、政府税調の議論も始まりましたんで、税制の問題で、本格的な議論は来年の通常国会になると思いますが、基本的なお考えをお聞きしたいというふうに思います。
 今、とにかく所得格差が開いているという指摘がいろんなところからされております。特に、全体としては余り所得上がってないわけですけれども、一部の方々が、かなり高額の所得者はそれはそれで増えているという資料がいろいろ出ております。例えば国税庁の高額納税者、所得税額一千万円を超える方というのは今七万五千六百四十人というふうに増えていますし、富裕層、特に昔でいう大金持ちと言われる方も、これは民間の調査でございますけれども、一億円以上純資産を持っている人が七十八万世帯で百六十三兆円持っているとか、銀行なんかはこういうところをスーパーリッチ層ということでいろいろ顧客に向けた商品を販売しているわけですけれども、とにかく二極化がかなりのスピードで始まっていると。そういう中で、税の在り方をどう考えるかというのは問われてきているんではないかなと思います。かつては、何といいますか、戦後は所得格差がひどかったですけど高度成長の中で平準化していくというのがありましたが、また格差が開いていると。ここで税の在り方をどう考えていくかというのが問われているんではないかと思います。
 実は政府税調の中でも、今年の議論の中で、五月、六月ごろに、もうやっぱりこういう高額所得者からきちっと税金をいただくべきじゃないかと、最高税率をこのままでいいのかとか、そういう意見が出ております。私、所得税だけではなくって、後で申し上げたいと思いますが、配当課税とかそういう点も含めてですけど、こういう高額所得者、二極化しちゃっているわけですから、良くなっている人たち、こういうところからやっぱり税金をもらうべきところはもらうという方向はもう世論になりつつあるんではないかと。
 税調の中でもこんなに議論されていると思いますけれども、こういう高額所得者への課税というのを谷垣大臣はどういうふうにお考えか、聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、今は特に所得課税につきましては、大変御議論になりました政府税調でも中間報告というものを出しておりまして、その中で、いろいろな働き方、家庭の在り方も変化してきたから問題点は何かという議論をこの間やっていただきまして、それが、あるところからはサラリーマン増税だというような御批判も受けたわけでありますけれども、そういう全体の中でいろいろ議論をしていかなければならないと思っております。
 それから、今年度におきましては、ちょっと議論が先になってしまうかもしれませんが、地方へ税源移譲するという関係で、どうしてもあの三兆円、今一生懸命やっているわけですが、地方税がフラット化していくということになりますと、所得課税は、もう一回、累進性のカーブと申しますか、全体でそんなに違うようにしてはいけませんので、所得税の機能が違ってくるというような形を今年はつくらざるを得ないだろうというふうに思っております。そして、その次の年は、やはりいろんな税制を含めまして、資産課税それから法人課税、所得課税、そういったものを含めて全体の体系を見直していく中で、今のような御議論も煮詰めていきたいと思っております。
○大門実紀史君 高額所得者そのものの中身も随分変わっていると思うんですね。私、松下幸之助さんとか本田宗一郎さんとかが高額所得者に名前連ねられているときは、私は、もう頑張って技術を開発してああいう会社をつくられて、で、それなりの所得を得られるというのは非常に、別に、よく頑張られたなという気持ちはあるんですけれども、今この高額所得の名前が出てくる人たちは、何といいますか、後で取り上げますけど、自分で働いてというよりも、お金を動かしてとか株でもうけてとか、昔とはかなりこう、特にサラ金の社長がずらり顔並べているとか、昔とちょっと、大分違うわけですね。そういう点も含めて、この高額所得者の課税問題は考えていくときに来ているというふうに思います。
 逆に、低所得者の方をどう考えるかということなんですが、私は、谷垣大臣が九月に日経新聞のインタビューでいろいろ答えておられるということを早くこれ谷垣大臣に聞きたかったんですが、税制の問題は今日になってしまったんで、ちょっと時間たちましたけど、なかなかいいことをおっしゃっているなと私は思うんです。低所得者の減税、これも議論していかなきゃいけないと。特に、消費税増税との関係もあるんでしょうけれども、消費税は所得に応じて税率が高くなる所得税と違って逆進性があると、そういうのを緩和するためにも所得税の改革の中で低所得者の減税も議論していかなければいけないという趣旨を発言をされたという、報道だけですので、実際にどういう発言をされたか分からないんですけれども、こういう低所得者の減税ということはいかがお考えなんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員から御指摘いただきました報道については、やや見出しが、低所得者に対する減税考えるというふうになっておりますが、必ずしもそこまでコンクリートなことを申し上げたわけじゃございませんで、今後やはり消費税の議論というものがどうしても社会保障との関係等で議論にならざるを得ないとすると、そのときにやはり所得再分配機能というのは何なんだということを考えていかざるを得ないんで、そうすると、その所得税と消費税の組合せをどうしていくかというような議論もやる必要があるんではないかという、まあそんな感じを申し上げましたんで、ただ消費税についても、一体どういうものにしていくかという議論が煮詰まっておりませんので、具体論、具体的な議論はこれからだというつもりで申し上げたわけでございます。
○大門実紀史君 例えば消費税なんかでいきますと、安倍晋三さんなんかは、消費税増税に関連して、食料品とか生活必需品の軽減税率と、これも逆進性の問題ありますから、そういうものを発言されておりますが、こういう低所得者減税も一つの考える柱にということは、その消費税増税の中で軽減税率の問題ということも何か想定されて、この発言そのものというよりも、そういうことは谷垣大臣としても想定されているわけですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まだそこまで具体的に考えているわけではございません。結局、それは、消費税率がどのぐらいになるかという問題が一つございます。
 要するに、今おっしゃったような軽減税率を入れていくということは、コストの面でもかなり掛かるというようなこともございますし、煩雑ということも出てまいりますし、また、よく言われますように、軽減したものとの間でいろんな、税が中立的でないということもございますので、やはりある程度税率がどのぐらいかということがないと議論がなかなか進まないだろうというふうに思っているのが一つでございます。
 そういうことで、まだ議論がそこまで来ているわけではございません。
○大門実紀史君 消費税はまた来年本格的に議論になると思います。
 今回、政府税調が、例の論点整理のときにいろいろサラリーマン増税出したことが大議論になっておりました。私、あのとき思い出していたんですけれども、大体、前回の配偶者特別控除の縮小、廃止のときに、ここで塩川大臣が座っておられましたけれども、あのころの議論ですが、日本の課税最低限は高いんだと、だからそういうものは見直さなきゃいけないんだというのは、課税最低限が高い高いということはかなり、前提として、配偶者特別控除とかいろんな控除を見直していくという議論があったわけですね。今、お手元に資料をお配りいたしましたけれども、その後、日本は課税最低限、むしろ諸外国に比べて低くなっているわけです。
 ちょっと時間が少なくなっているんですけれども、簡潔に、ほかの外国に比べて日本が高いと言われていたんですね、塩川大臣のころは。それで特別控除を見直すという議論があったわけですが、今どうしてこういうふうに日本が逆に下がってきているのか、この辺の外国の経過を、幾つかの例でいいですから、簡潔にお答えしてください。
○政府参考人(福田進君) お答えを申し上げます。
 今、大門先生御指摘のように、我が国の課税最低限、平成十三年、二〇〇一年でございますが、主要国中最も高い水準でございましたけれども、平成十六年、二〇〇四年以降は主要国中最も低い水準になっております。
 これには大きく分けて二つ要因があろうかと思いますが、まず第一に、我が国では、高いということで、平成十五年度の改正において、経済社会情勢の構造変化に対応して人的控除の簡素化等を図ると、そういった観点から今御指摘の配偶者特別控除のいわゆる上乗せ部分を廃止した結果、課税最低限が我が国では低下いたしました。
 一方で、主要諸外国におきましては、児童を対象とした税額控除など、言わば社会保障給付の性格を持つものが税制上の措置として拡充されてきたと。幾つか、アメリカの子女税額控除、イギリスの就労税額控除、児童税額控除、ドイツの児童手当等々でございます。こういったことで、税制上の措置として社会保障給付の性格を持つものが拡充されてきたと。言わば制度的な要因がございます。
 それからもう一つは、大きな要素として、二〇〇一年以降の為替の変動。二〇〇一年一月から二〇〇五年七月、この直近までの間を申し上げますと、ポンドで申し上げますと百五十九円から百九十八円、ユーロは平均九十七円から百三十八円といったことで、為替の要因がございまして、円建てで見た課税最低限が諸外国の場合には上昇したと、この二つが要因であろうかと考えております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 そういうことで、とにかく前と違って今は欧米諸国に比べて低くなっていると。今現在が低くなっていると。これ、これから先の話でございますけれども、資料の二枚目ですが、政府税調でいろんな控除の見直しというのが議論されております。もちろん、言われていることを全部やったら大変なことになりますけれども、仮に試算をしてみました。我が党で計算をしてみました。現在が、これ為替レートは財務省の資料よりも私どもの方がちょっと緩くなっていますので、財務省の方がきつく出ているわけですけれども。いずれにせよ一ドル百九円で計算しておりますけれども。
 日本が今課税最低限が三百二十五万。もしも、まず日本の@ですけれども、これは給与所得控除を六十五万円に縮小した場合。日本のAというのは、特定扶養控除の上乗せ分縮減、配偶者控除を廃止した場合。Bというのは、給与所得控除をいろいろ論点に出ているように縮小した上に扶養控除、配偶者控除を廃止した場合と。もうここまで来ると政権が間違いなく倒れてしまうと思いますけれども。ここまでは行かないと思いますが、いずれにせよ、論点整理をそのままやるとこんなことになると。
 私、思い出すのは、塩川大臣のときにあれだけ、日本は外国よりも課税最低限が高いから高いからと、さんざんマスコミでも伝えて、宣伝されたのが、今はもう低くなっていると。更にとんでもないことになってしまうと。こういう議論をされているというのが、あのときの議論を思い出すと、何かその場限りでいろんな理由を付けられているなと思っておりますので、指摘をしただけのことでございます。
 申し上げたいのは、次のところで申し上げたいのは、先ほど言いましたお金持ちの減税の問題で、今、株式の配当所得どうなっているかといいますと、これは特別に源泉徴収の部分で一〇%の税率でやるということが続いております。
 これは二〇〇三年の四月以降、配当の税率が、現在は住民税と合わせて一〇%と、源泉徴収で済んでいるわけですね、本来二〇%ですけれども。特例の措置が続いていると。これは、なぜこのときにこういう特例の措置を設けられたんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、さっきお示しになった課税最低限の問題ですが、あの中間報告には必ずしも税率構造をどうしていくかとか、いろんなこと触れられておりませんし、一方、子育て支援の関係から税額控除を認めたらどうかというような議論もありまして、かなりこれはいろんな仮定を置いた数字でございますので、これを前提にすべて議論していくというのは、私はちょっと留保をさせていただきたいと思います。
 それから、配当所得課税に対する時限的な優遇措置の問題でございますが、これは、少子高齢化が進んでまいりまして貯蓄率が低下傾向を示していると、そういう中で経済活性化ということを考えますと、今ある金融資産をできるだけ有効に使っていくような方向で税制も考える必要があると、こういうことが背景にございまして、平成十五年度改正で、スローガン的に申しますと貯蓄から投資へという政策の要請に応じまして、株式投資になじみの少ない方を含めて多くの個人投資家の積極的な市場参加を促そうと、こういう観点から行った措置の一つでございます。
 こういう上場株式等の配当についても源泉徴収だけで納税が完了する申告不要な制度を導入するということとともに、税率を一〇%とする優遇措置、これは平成十九年度末までの五年間の時限措置でございますので、税制改正をしない限り期限は、本則二〇%に戻るわけでございますけれども、今後、金融・証券税制につきましては金融商品間のやはり中立性というものが必要だろうと思っております。
 それと、やはり複雑過ぎると分かりにくいですから、簡素で分かりやすい税制をつくっていかなければならないというふうに考えておりまして、金融所得課税の一体化を進めていく中で、この時限措置についても在り方を今後検討していかなければならないと思っているわけでございます。
○大門実紀史君 このとき私も議論した記憶がございますけれども、要するに、もっと市場の活性化も含めて投資を呼び込もうということもあったわけですね。
 これは財務省が九月の一日ですか、発表された資料によりますと、この配当課税は今税収が最高の状況になっていると。物すごい伸びているわけですね。つまり、もう活性化するといいますか、そこに呼び込もうと、投資に呼び込もうというのはかなり政策目的を私達成してきていると。バブル崩壊前の一・六倍の配当課税の税収になっています、最高の税収になっていますね。つまり、政策的にねらったように、ここにずっと投資が活発化したということになると思います。そういう点でいくと、当初の特例を設ける目的というのがもうほぼ達成されていると。もう今の段階でも私は達成されているというふうに思います。
 そういう点で、今もう先にお答えいただきましたけれども、これの特例の延長をするのかどうかというのを次にお聞きしようと思っていたわけですけれども、検討していくということになると思いますが、全体の税の在り方と、それと政策目的が私はもう達成ほぼしていると思いますので、元の二〇%に戻すと。まあ法律はそうなっておりますから、それをわざわざ延長しないということを求めたいと思います。
 その辺を総合的判断して、延長する方向には私ならないだろうと思いますが、もう一言、大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) まだ平成十九年度末までということがございますので、もう少し事態をやっぱりよく見ながら検討したいと思っております。
○大門実紀史君 終わります。
○糸数慶子君 私は、政府系金融機関の統廃合についてまずお伺いしたいと思います。
 小泉首相は、ポスト郵政民営化の最重要課題の一つに政府系金融機関の統廃合を挙げています。この問題では、統廃合後に残す金融機関の数が最大の焦点のようですが、政府側は、一つにできるなら一つがいいとの小泉首相の発言を受けて、現在八つの機関を一つに集約する案を軸に検討し、また、自民党の政府系金融機関の改革に関する合同部会では現行システムの存続を求める意見が強いと報道されています。
 沖縄県におきましては、復帰の時点で沖縄振興開発金融公庫が設立されて、その設立の趣旨に従い沖縄経済の復興と振興を支えてきました。平成十六年度の実績は、貸付額が千百四十億円、同年度末の貸付残高が一兆四千百五十四億円で、沖縄の振興策においてなくてはならない金融機関となっています。
 地元沖縄県でも、県議会で今この沖縄振興開発金融公庫の存続を求める決議を予定しているというふうに伺っておりますが、政府として沖縄振興開発金融公庫の位置付け、その役割についてどのような認識をお持ちか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、糸数委員はやはり数が問題になっているというふうにおっしゃいました。
 ただ、私は、最初から数が問題だという議論はやっぱりちょっと逆さまなんであって、まず必要な政策金融としての機能は何なのか、不必要と考えられるものは何なのか、それをまずきちっと議論した上で、じゃ必要なものはどういう組織でやるのが一番目的を達し得るのか、あるいは効率的であり得るのかと、そういう議論をしていく必要があるというふうに思っているわけでございます。
 そこで、沖縄振興開発金融公庫は、これはやはり沖縄のいろんな事情、沖縄経済の振興、社会開発、いろんな分野におきまして一般の金融機関ではなかなかやりにくい困難な資金供給を行ってきたというふうに思っておりますので、今後そういう沖縄の金融公庫の果たしてきた役割をどう評価し、私はそれは評価すべきものがあると思っているわけでございますが、どういう組織でやれば一番それがいいのかという議論を煮詰めていかなければならないんだと、そういう役割を踏まえて議論を進めていかなければならないんだというふうに思っております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 県民の中でのこの沖縄振興開発公庫の存続を求める声というのも大変強いわけですし、そういうことを是非御検討に入れていただくことを強く要望いたします。
 次に、アスベストの健康被害について伺いますが、来年の通常国会にもアスベストの被害救済の法案が検討されており、今社会的に大きく注目されています。
 今年の七月に、神奈川労災職業病センターでは米海軍横須賀基地で働いてきた基地従業員のアスベストの健康被害の実態を発表していますが、九〇年以降このアスベストを吸い込んで労災認定がされた患者は、肺がんが二十三人、それから中皮腫が二人、それから石綿肺が七人、石綿肺と合併した続発性気管支炎が六十六人の計九十八人で、全員が日本人男性だと言われています。そのうちの十四人が肺がんで、二人が中皮腫で死亡するなど、計二十六人が亡くなったというふうに発表されています。
 そこで、まず厚生労働省にお伺いいたしますが、七月の二十九日と八月の二十六日の二度にわたり、石綿暴露作業に係る労災認定事業場の一覧表を公表されています。その中で、明らかに在日米軍基地や施設、それから米軍艦船等で働いていた基地従業員がいるのかどうか。いるとすれば、主にどのような作業に従事していたのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(松井一實君) ただいま委員御指摘の資料の中で、駐留軍労働者の労災認定事例、確かに含まれてございまして、具体的には横須賀の防衛施設事務所でありまして、肺がん十七人、中皮腫八人、計二十五人の方が労災認定されております。また、この方々の従事されていた石綿暴露にかかわる作業は、主に船舶の修理作業であるとか船舶部品の製作と、こういったものになっております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 横須賀基地では、今お話しありましたように米軍船舶の中のボイラー室、それからエンジンルームの補修でアスベストに被曝されたという方が多いということですね。
 沖縄でも、米軍基地で働いた後に二〇〇一年に肺がんで亡くなられた元基地従業員の男性が、よく調べてみますとアスベストによるものと見られて、病変が胸膜肥厚斑というふうに発見されています。遺族の方が、十月の十三日に県内で初めてアスベスト健康被害による労災認定の申請がなされています。
 この男性は、八二年から九六年に沖縄浦添市のキャンプ・キンザーの、これ牧港補給基地、米軍基地ですが、そこのボイラー室に勤務されていて、その作業現場の実態については、防護服を着用せずにボイラーの補修に当たり、アスベストの粉末をしっくい状に塗り、それからすき間を塗り固めるなどの作業を繰り返していたという証言があります。
 そういうわけで、アスベストによる健康不安の高まり、基地従業員の圧倒的な数の多さから、今後とも沖縄県では基地従業員のアスベスト被害による労災申請が増えるものと予想ができます。
 ちなみに、在沖米軍の雇用者ですが、一九六九年から復帰時の七二年まで、大量解雇の対象者が六千八百三十二人、それから復帰後の八〇年までが一万二千六百二十八人にも上っています。復帰後の雇用者は原則として職歴が分かり、相談も国の労災管理機構や防衛施設局などが受け付けることになっていますが、そこで防衛施設庁に御質問をしたいと思います。
 防衛施設庁では、アスベスト被害に対する相談窓口を設置してアスベスト被害に対応されていますが、何しろ復帰前の米軍の離職者、雇用員の離職者は雇用証明などの資料が存在しない可能性も高いところから、事例の把握それから被害状況、雇用者の証明書の発行など、沖縄県と協力して対処していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(長岡憲宗君) 糸数先生御指摘のとおり、昭和四十七年の沖縄復帰前後に数千人規模に上る大量解雇があったことは承知をいたしております。今先生御指摘のとおり、復帰前に退職された方々につきましては、私どもが雇用主でなかったということもありまして、今直ちにこういうことで御協力できるという具体的な方策が直ちに念頭にあるわけではございませんけれども、こういった方々の健康被害の確認等に当たりましては、私どもといたしましても、沖縄県それから厚生労働省とも十分連携を取りまして、最大限御協力をさしていただきたいと思っておるところでございます。
○糸数慶子君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、在日米軍の再編についてお伺いいたします。
 在日米軍の再編協議は、今新たな基地を沖縄に押し付ける結果として、昨日から今朝にかけましてかなり多くの新聞、マスコミでも報道がされています。小泉首相を始めとする政府側の沖縄のその過重な基地負担の軽減という一連の発言は一体何だったのかと問わざるを得ません。沖縄県民の怒りというのは、今頂点に達しています。
 九六年の日米特別行動委員会の最終報告、いわゆるSACO合意から現在に至るまで普天間飛行場の返還が実現しないのは、この問題が初めからこの県内移設という、沖縄に新たな基地を押し付けようという、そういう中身にあったからではないでしょうか。
 小泉首相も、昨年のブッシュ大統領との日米首脳会談におきましても、この沖縄の負担軽減に配慮することで合意をいたしております。
 沖縄の負担軽減において、私はこれまで何度も質疑をしてまいりました。小泉総理も、私の内閣の最大の課題とまでおっしゃっていらっしゃいます。さらに、沖縄以外の都道府県のどこにこの基地負担を持っていくかを日本政府は考えて、その自治体に事前に相談することがあるかもしれない、自治体がオーケーを出した場合はアメリカともその交渉をしていくなどと発言をしていらっしゃいます。そして、現行の辺野古沖への基地建設の見直しを示唆したはずですが、そういうことから考えて、今回のこの米軍の再編協議に関して、沖縄県民の多くが大きな期待を寄せていたわけです。
 そこでお伺いいたしますが、小泉総理の発言にありますように、この沖縄の負担軽減と考えて、沖縄以外の都道府県のどこの自治体と事前に沖縄の基地負担のための交渉をしたか、お伺いいたします。
○政府参考人(徳地秀士君) お答えをさしていただきます。
 御指摘の普天間飛行場の問題につきましては、政府としては、この飛行場が市街地にあることもありまして、一日も早く周辺住民の方々の不安を解消したいというふうに考えてきているところでございます。このような考え方に基づきまして、御指摘のSACO最終報告、それから平成十一年の閣議決定などに基づきまして、代替施設の着実な建設に向けて取り組んできたところでございます。そして、今はあの二月の日米安全保障協議委員会の共同発表にもございますとおり、沖縄を含む地元の負担を軽減しつつ在日米軍の抑止力を維持するという基本的な考え方の下に在日米軍の再編に関する協議を行っておるということでございます。
 それから、その普天間飛行場の移設問題につきましては、昨日の段階で日米間でおおむね認識の一致を見たということは、これは事実でございまして、普天間飛行場代替施設につきましては、大浦湾からキャンプ・シュワブ南の沿岸部を活用して建設をするということで認識の一致を見たというようなことでございます。
 それから、ただ、これはまだ詳細な検討事項が残されているということもございまして、今後詳細に詰めていきたいというふうに考えておりますので、近く正式に日本とアメリカとの間で合意を見た後に、政府として地元に対してしかるべく説明をして御理解を得ていきたいというふうに考えておるところでございます。
○糸数慶子君 今私は、この沖縄の基地負担を軽減するために沖縄以外のどこの自治体と事前に交渉をしたのかということを伺いましたが、それについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(徳地秀士君) 在日米軍の兵力構成見直しにつきましては、地元の自治体を含めて国民の方々の御理解が得られるように政府として説明責任を果たしていくべきだというふうに考えておりますが、その具体的な協議の進捗も踏まえまして、正にその説明責任を果たしていくべきだと思っておりますが、具体的に地方との、それぞれの公共団体等の関係につきましては、その詳細についてはお答えを差し控えさしていただきたいと思っております。
○糸数慶子君 どうして詳細を差し控えていかなければいけないということをこの段階になっておっしゃるのでしょうか。
 私は、先ほどから申し上げておりますように、実はこの沖縄のこの普天間基地のこの移設問題に関しましては、実際にはそのSACO合意、これは九五年の沖縄県内でのあの少女の忌まわしい強姦事件が展開され、その後、これは日米両政府でしっかりと沖縄にこう押し付けてきた六十年間のこの基地の負担を軽減するために、具体的に今あるこの普天間の基地を市街地から別の場所へというふうに動いたわけですが、実際には沖縄のその負担軽減といいましても、現在ある基地の七五%、日本全国にある米軍の基地七五%を沖縄に押し付けていて、さらに新たな基地の強化につながるような沿岸案を出してきたその状況に関して、小泉総理のおっしゃる、沖縄のこの県民の負担はよく分かります、負担軽減のために別の自治体とも交渉をするということをおっしゃったことに対して、どこと交渉したのかと伺っているのです。再度お伺いしたいと思います。
○政府参考人(徳地秀士君) 今いろいろと報道等なされておりますけれども、先ほども申し上げましたとおり、今予定されております日米安全保障協議委員会において正式に合意を見るべきものでございますので、まだそういう段階のものであるということでございます。
 それから、具体的にどこの自治体とどうというお話につきましては、もちろんその説明責任を果たしていくべきだというふうには考えておりますが、その協議の進捗、それから相手方の地方公共団体等との関係もございますので、現時点においては、詳細については差し控えさしていただきたいと思います。
○糸数慶子君 今、説明責任を果たすべきだと自らおっしゃりながら、説明責任を果たしていないというふうに思います。
 沖縄の県民が、ただいま発表されておりますこの沿岸案に関しても、もちろん県知事を含めて名護市長も賛成をしているという状況にはないというふうに思います。今回のその日米合意というのは、キャンプ・シュワブの沿岸部に新たな基地を建設するというもので、全く沖縄県や県民の意思を無視したものでありますし、辺野古では既に五百五十日以上に及ぶこの基地建設の反対の座込みを続けています。沖縄の美しい海にこの海兵隊の基地を造らせないというこの運動、絶対に県民が許すはずはございません。
 今回の日米合意はあくまでも在日米軍再編における中間報告の取りまとめであって、最終報告であるとはもちろん思っておりませんが、来月に予定されておりますブッシュ大統領との首脳会談において、小泉首相が沖縄県民の負担軽減へのその思いを伝えて、合意内容を是非見直していただきたいというふうに思います。
 新たな基地建設が沖縄の負担軽減にはつながらないこと、そのことを是非とも肝に銘じて県民の立場に立って本当の意味での沖縄の基地負担の軽減を求めて米国と交渉していただくようにお願いいたします。
 今、諸外国からは、日本政府は県民百三十万のその思いを本当にないがしろにし、米国の国益に奉仕する政府ではないかというふうにこの状況では見られてしまいます。戦後六十年たっておりますが、沖縄の基地負担を本当に解消せずに新たに沖縄に基地の負担を押し付ける、そういう不平等な政治は、本当に今、沖縄県民にとってマグマが爆発する寸前だというふうに是非受け止めていただきまして日米交渉していただくように強く要望して、終わりたいと思います。
○委員長(山本孝史君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(山本孝史君) これより請願の審査を行います。
 第四六号業者婦人の地位向上施策等に関する請願外五十件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることにいたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本孝史君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
○委員長(山本孝史君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本孝史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本孝史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山本孝史君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本孝史君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会