第163回国会 経済産業委員会 第1号
平成十七年十月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員氏名
    委員長         佐藤 昭郎君
    理 事         泉  信也君
    理 事         加納 時男君
    理 事         小林  温君
    理 事         藤原 正司君
    理 事         渡辺 秀央君
                魚住 汎英君
                沓掛 哲男君
                倉田 寛之君
                保坂 三蔵君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                木俣 佳丈君
                直嶋 正行君
                平田 健二君
                藤末 健三君
                浜田 昌良君
                松 あきら君
                田  英夫君
                鈴木 陽悦君
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   委員の異動
 九月二十一日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     小野 清子君
 九月二十二日
    辞任         補欠選任
     小野 清子君     泉  信也君
 九月二十六日
    辞任         補欠選任
     加藤 敏幸君     小林 正夫君
     木俣 佳丈君     岩本  司君
     平田 健二君     山根 隆治君
     藤原 正司君     若林 秀樹君
 十月五日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     家西  悟君
 十月六日
    辞任         補欠選任
     家西  悟君     小林 正夫君
 十月十八日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     平田 健二君
 十月十九日
    辞任         補欠選任
     平田 健二君     小林 正夫君
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     松村 祥史君     段本 幸男君
     小林 正夫君     藤原 正司君
     山根 隆治君     津田弥太郎君
 十月二十一日
    辞任         補欠選任
     段本 幸男君     松村 祥史君
     津田弥太郎君     山根 隆治君
     藤原 正司君     小林 正夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 昭郎君
    理 事
                加納 時男君
                小林  温君
                若林 秀樹君
                渡辺 秀央君
    委 員
                泉  信也君
                魚住 汎英君
                沓掛 哲男君
                倉田 寛之君
                保坂 三蔵君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                岩本  司君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                藤末 健三君
                山根 隆治君
                浜田 昌良君
                松 あきら君
                鈴木 陽悦君
   国務大臣
       経済産業大臣   中川 昭一君
   副大臣
       経済産業副大臣  保坂 三蔵君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       山本 明彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        世木 義之君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      広瀬 哲樹君
       警察庁長官官房
       審議官      和田 康敬君
       厚生労働大臣官
       房審議官     黒川 達夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     松井 一實君
       厚生労働大臣官
       房審議官     白石 順一君
       厚生労働省職業
       安定局次長    高橋  満君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省政策
       統括官      塩田 幸雄君
       経済産業大臣官
       房長       鈴木 隆史君
       経済産業大臣官
       房首席監察官   高橋 英樹君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        迎  陽一君
       経済産業省経済
       産業政策局長   北畑 隆生君
       経済産業省産業
       技術環境局長   肥塚 雅博君
       経済産業省製造
       産業局長     石毛 博行君
       経済産業省製造
       産業局次長    塚本  修君
       経済産業省商務
       情報政策局長   豊田 正和君
       資源エネルギー
       庁長官      小平 信因君
       中小企業庁長官  望月 晴文君
       国土交通大臣官
       房審議官     和泉 洋人君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
       環境省地球環境
       局長       小林  光君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (経済産業省職員の不正行為に関する件)
 (地球温暖化対策に関する件)
 (アスベスト対策に関する件)
 (東シナ海における中国の油ガス田開発に関す
 る件)
 (景気の現況に関する件)
 (政府系金融機関改革の在り方に関する件)
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○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤原正司君、平田健二君、木俣佳丈君及び加藤敏幸君が委員を辞任され、その補欠として若林秀樹君、山根隆治君、岩本司君、小林正夫君が選任されました。
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○委員長(佐藤昭郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に若林秀樹君を指名いたします。
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○委員長(佐藤昭郎君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(佐藤昭郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官広瀬哲樹君、警察庁長官官房審議官和田康敬君、厚生労働大臣官房審議官黒川達夫君、厚生労働大臣官房審議官松井一實君、厚生労働大臣官房審議官白石順一君、厚生労働省職業安定局次長高橋満君、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君、厚生労働省政策統括官塩田幸雄君、経済産業大臣官房長鈴木隆史君、経済産業大臣官房首席監察官高橋英樹君、経済産業大臣官房商務流通審議官迎陽一君、経済産業省経済産業政策局長北畑隆生君、経済産業省産業技術環境局長肥塚雅博君、経済産業省製造産業局長石毛博行君、経済産業省製造産業局次長塚本修君、経済産業省商務情報政策局長豊田正和君、資源エネルギー庁長官小平信因君、中小企業庁長官望月晴文君、国土交通大臣官房審議官和泉洋人君、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君及び環境省地球環境局長小林光君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(佐藤昭郎君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○加納時男君 おはようございます。自由民主党の加納時男でございます。
 中川大臣には、先週十月二十日にジュネーブで開かれましたWTOの拡大FIPs閣僚会議に御出席なさいました。その会議ではどのようなことが話題になったのか、そして十二月に予定されております香港閣僚会議に向けての何か手掛かりが見いだせたでしょうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) おはようございます。
 今の加納先生の御質問に関してといいましょうか、まず冒頭、急遽ジュネーブの会合ということで、当委員会に大変な御配慮、そして御迷惑をお掛けいたしまして、委員長、理事、委員の先生方に格段のお許しをいただきまして出張させていただきましたことを、まず厚く御礼を申し上げます。
 御質問に関してでございますが、今御指摘のように、拡大FIPs、まずこのFIPsという言葉、私まず御説明しておかなければいけないのではないかと思いますが、これはいわゆるファイブ・インタレステッド・パーティーズという言葉の略称だそうでございまして、去年の春ごろ、アメリカ、EU、それからブラジル、豪州、インドという五か国が農業について非公式に、初めは秘密だったんですけれども、やるということで、残念ながら世界一の農業輸入国である日本が入っていないということで私は大変不満だというのが、まずこのFIPsに対する私の基本的な考え方でございます。
 このWTO会合、いわゆるドーハ開発ラウンドと言われております二〇〇一年の十一月にスタートしたこの会合、これはいわゆる戦後のガット体制の中で、ケネディ・ラウンド、東京ラウンド、そしてウルグアイ・ラウンド、そして今回のドーハ・ラウンドと四回目の全体の基本ルールを変えて前進さしていこうと、自由貿易を広げていこうということでございますけれども、今回はドーハ・ディベロプメント・アジェンダ、DDAという言葉が示すとおり、開発というところが非常に大きなポイントになっております。
 現在、加盟国は百四十八でございますが、いわゆる農業に関して途上国と言われている国は百か国以上、そうでない国がもう本当に少なくなってしまっているという状況の中で、農業も非常に重要でございますが、大きな柱としては、農業、それから非農産品、それからサービス、それから日本が主張しておりますルール等の、アンチダンピング等のルール、あるいはまた、これも日本が主張しておりますシンガポール・イシューの一つでございました貿易円滑化、そして開発、これが途上国をどうやって経済的にもあるいはまた公衆衛生等の社会面でレベルアップさしていくかという、こういうものが議論の柱でございますが、多くの国々、特に開発途上国あるいはアメリカといった農業国が、農業がまず進まなければ駄目だということでずっと農業の議論が、ある国の大臣に言わせると機関車の役割を果たしておりますが、この機関車がなかなか前に進まないという現状でございます。
 本来でありますならば、来年中の決着に向けて今年十二月の香港閣僚会合が極めて大事であるということで、逆算をいたしまして、今年の七月のジュネーブで基本的な原則を決めようということでございましたけれども、それもできませんでした。もっと申し上げますと、おととしのメキシコのカンクンも、これは大変な混乱の中で失敗であったわけでございまして、去年のジュネーブで基本的な合意というものが各分野できましたけれども、しかしその先、一歩進むのに一つの会合で大騒ぎになって、やっと一つずつ一つずつという状況でございました。
 しかし、もう時間はない、十二月の香港に向けて十一月の半ばぐらいには今までの案、議論を取りまとめた提案の原案を各国に提示しなければならない。そうすると、もうあと三週間しかないという状況でございますんで、実は十月中に二回、私、それから農林大臣はジュネーブに出張さしていただきました。今回の会合はいわゆる拡大FIPsという形で、その五か国に主要数か国、日本を含めた主要数か国が農業を中心に議論をしたところでありまして、とにかく前へ進めなければいけないね、香港が大事ですねという合意がございますけれども、輸出国と輸入国の間、先進国と途上国の間で議論の対立がまだまだ大きいという状況でございます。
 ただ、成果といたしましては、主なメンバーがそれぞれ提案をいたしております。EU提案、それから日本を含めた、日本のグループでありますいわゆるG10と言われている純輸入国グループの提案、それからアメリカも国内調整に大変苦労したようでありますけれども、アメリカ提案も出てまいりましたし、途上国の農業大国であるブラジルあるいはまた途上国の輸入国でありますインドといったグループ、これG20と呼んでおりますけれども、このG20提案も出てまいりまして、提案のぶつかり合いという、議論が一日行われて、かなり議論自体は深まってきたという感じでございますけれども、それぞれ深まれば深まるほど問題点が浮き上がりになってきて、そしてとにかく香港に向けて、十一月中旬の原案提出に向けて頑張っていきましょうということで、いったん持ち帰って、そしてここ一週間前後の間にもう一度またその結果を持ち寄ってやりましょうということで、議論の機運は大変盛り上がってきておりますけれども、まだまだ問題点が多いということでございます。
 私は担当大臣ではございませんので、私の所管でありますその他の分野も大事だということで、非農産品、それからサービス、開発といった部分についても同じように、農業だけ決まったら香港がうまくいくというものじゃ決してない、御承知のようにこれはシングルアンダーテーキング、包括一括受諾でございますから、ほかの分野も決まらなければならないので、ほかの分野も大いに議論しましょう、しなければならないということを私からは強く申し上げたところでございます。
 以上であります。
○加納時男君 御苦労さまでございました。
 今のお話にありましたこと、ちょっと感じたことでありますが、一つは、やっぱり農業問題、非常に重要であります。確かに、中川大臣、現在は農水大臣じゃなくて経済産業大臣でございますが、農水にも非常にお強いわけであります。農業問題、非常に各国間の、特に輸出国、輸入国の間の議論というのは重要でございまして、私の承知しているところでは、例えば、市場アクセスめぐりましても、高関税、高い関税をどうやって大幅に引き下げていくのか、段階的に引き下げていくのか。そして、その中でもセンシティブな品目をどう扱うのか。さらには、補助金、補助金も二つあって、生産者への補助金とか輸出補助金、この両面の補助金をいかにカットしていくのか。これは非常に、正に身を切るような思いをする国もあるわけでございますし、これは機関車が前へ進まないという表現されましたけれども、ここまでいろいろ議論してお互いに案を出し合っていくと、やがてそのドラフトに向けての前進が見れるんじゃないかと思うのが第一点。
 それから第二点は、正にこれ大臣の所管でございますけれども、我々、NAMA、ナマと言っておりますけれども、非農産品の市場へのアクセスの問題でございます。これについても、これが正にこの委員会にとっては最大の関心事でございますが、これも、やっぱり農業が進まないとこれも進まないということでありますので、大臣が農業問題の会議であっても進んで出られたということを高く我々は評価しているわけであります。
 さて、この問題についてはここまでにさせていただきまして、この成果を見守りたいというところで、次の話題に移りたいと思います。
 経済産業省では幾つかの不適切事例、不適切な経理処理等の事例がありまして、八月二十九日に四件の処分を行ったというふうに伝えられておりますが、その概要について伺いたいと思います。
○政府参考人(鈴木隆史君) お答え申し上げます。
 四件の不祥事案について御説明を申し上げます。
 まず、本年夏、官房企画室における研究費管理の問題が明らかになり、これに伴いまして行いました内部調査におきまして、官房会計課におけるユニセフ事務管理費の問題、通商政策局におけるアルバイト給与の経理処理の問題が判明いたしました。さらに、産業再生機構支援事案、株式会社OCCの情報管理にかかわる問題でございますが、これにつきましても明らかになったところでございます。これら四つの事案につきまして、徹底的に事実の究明を進め、その調査結果に基づきまして、去る八月二十九日、関係者の処分を行うとともに、再発防止策の対応策を取りまとめたところでございます。
 第一に、企画室問題につきましては、六月二十九日、外部の法律専門家による調査委員会の設置を決定いたしまして、八月二十六日、外部調査委員会から中川大臣に調査報告書が提出されたところでございます。
 この報告書におきましては、以下の指摘がなされております。
 すなわち、残余金を返還しないまま長年にわたり放置したことは不適切であり強く非難されるべきであること、残余金について他の調査研究に支出したことは、国家公務員として問題解決に向けた真摯な姿勢が見られず極めて不適切な行為であったこと、残余金を引き出して自己の株式売買に充てるなどした前室長の行為は業務上横領に該当するおそれがあること、大臣への報告が速やかになされなかったことは不適切であったこと等の指摘がされているところでございます。
 また、ユニセフに関する事案におきましては、昭和三十六年度から、海外向け援助物資を調達する受託業務に関連いたしまして、事務管理費がユニセフとの合意の下で通産省に正当に支払われていたところでございましたが、その後、この業務が国連開発計画に移譲された後もその残余金が会計課内で引き継がれていたという事実が判明いたしました。
 通商政策局米州課における事案におきましては、平成七年度から休暇等の非常勤職員分の賃金を受給・保管し、ピンチヒッターとして緊急に依頼した者の賃金に充てていたと判断される事実が判明いたしました。
 最後に、産業再生機構支援事業についてでございますが、昨年八月六日の通信用海底ケーブル製造事業者、株式会社OCCに対する産業再生機構の支援決定前に、担当課長が同社の機構に対する支援要請の検討の事実を同社の主要株主企業等に伝達していたという事実であります。
 職員の処分の概要でございますが、事務次官、官房長を全体の監督責任等といたしまして減給二か月、処分当時の企画室長を停職一か月の懲戒処分としたことを始めまして、国家公務員法に基づく処分九名、内規処分二十四名の合計三十三名という処分になっておるところでございます。
 以上でございます。
○加納時男君 四件の概要を伺いました。
 今のお話伺った上で、二件、二点について伺いたいと思います。
 初めは、今のお話にありました前企画室長の、委託調査残余金を引き出して流用した話でございます。
 今、外部調査の結果でしょうか、今伺っていますと、業務上横領に該当するおそれがあるというような表現があったと思うんですが、省としてはこの前室長に対して諭旨免職処分をやっています。この諭旨免職は十分な措置であったのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(高橋英樹君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、外部調査委員会報告書におきまして、中富元企画室長の行為は業務上横領に該当するおそれがあると言わざるを得ないとされております。
 他方、本件が同犯罪を構成するか否かにつきましては、既に東京地方検察庁への告発がなされており、捜査当局において適切な措置がとられることとなるので、この調査委員会としてはこれ以上の言及は避けるとされております。
 処分当時、中富元企画室長は捜査当局の捜査を受けておりましたけれども、その中で、懲戒免職処分に該当する刑事犯として立件される見通しがなかったこと、また自らの非を認め辞職を願い出ていたことから懲戒免職処分とはいたしませんでしたが、国家公務員の身分を失うという意味で最大限の処分として諭旨免職としたものであります。
 なお、本件が立件されるか否かにつきましては、外部調査委員会報告書にもあるとおり、当省といたしましても捜査当局の判断を見守ってまいりたいと考えております。
○加納時男君 これは告発された話でありますので、それはその方の専門家の意見をこれから注意深く見守りたいと思っています。
 次は、OCCについて一つ伺いたいと思います。
 今、OCCについて、これはOCCというのは海底ケーブル会社の名前でありますが、これ、経営不振に陥っていて再生機構の支援があるというその段階で、事前に情報が漏れたのではないかという、そういう疑いが掛けられた件であります。
 これ、実は私の質問は、この事件は昨日、今日起こったんじゃないんですね。一年前に実は発生している。今年の夏に私も読みましたけれども、新聞にこの記事が載りました。処分が行われた日付を調べたんですが、その後で行われています。なぜ一年前にこのことは処分されなかったのか。その一年前にはこの情報は、大臣のところ、あるいは首席監察官ですか、今、お話しありましたけれども、そういうところには行ってなかったんですか。原局、原課止まりだったんですか。そこのところの事実を教えてほしいと思います。
○政府参考人(高橋英樹君) お答え申し上げます。
 株式会社OCCの件につきましては、昨年の八月でありますが、産業再生機構が支援決定を行う際に当省に意見を求められましたが、その際、支援決定前に経済産業省から情報が漏えいしたという抗議と再発防止の要請を産業再生機構から受けたわけであります。そこで、担当課に注意を行うとともに、再発防止策につきまして産業再生機構と相談をしながら文書を作成し、省内で情報管理を徹底いたしたというところでございます。
 その当時におきましては、担当課への注意と文書による省内への情報管理の徹底という対応策について産業再生機構の理解が得られたこと、また本件の情報の漏えいによりまして機構による支援決定に実際上影響を与えた事実はなかったということから、必要な対応は行ったという認識でございました。
 しかしながら、本年八月三日の本件に係る一部の報道及び同日の国会の審議を受けまして事実関係の再調査を実施いたしましたが、産業再生機構の支援対象案件に関する機微な情報を伝達するという国民の信頼を損なうおそれのある行為を行い、またその事情につきまして適時適切に省内関係部署に報告を行わなかったということにつきましては遺憾であるという判断に基づきまして、八月二十九日付けで、関係者の処分とともに、機構案件に関する厳格な情報管理を省内に改めて徹底をしたところでございます。
○加納時男君 再生機構の理解が得られたとか、必要な対応は行った、実害がなかったというので済ましてもらっては困ると思います。
 しかし、今お話があったように、機微な情報についての注意義務が不十分だったとか、関係部門への連絡、上司への連絡とはあえておっしゃらなかったのかもしれません、おっしゃったのかもしれない、聞き漏らしたのかもしれないけど、当然、私は、異例なことであればこれはやっぱり大臣まで報告してほしいと思うんです。嫌な話を上司にぴたっと言う、言える、そういう企業とか官庁とか、そういう組織が私はこれから生き残れると。そうじゃないところはもう官であれ民であれ、みんななくなっちゃうという大変な時代に入っておりますので、是非心していただきたいと思います。
 というところで、大臣にお伺いいたしたいと思います。これまで私、質問に立つたんびに、新聞によりますとというのをこれやっているんで、もう正直言って助けてもらいたいという気持ちでありますが、そのたびに大臣は再発防止に努めると力強くおっしゃっていたんですが、この今日御紹介のあった四件の事件、誠に私は遺憾だと思っております。これは、言葉は厳しいんですけれども、省としての猛省を促したいということをはっきり申し上げたいと思っております。
 大臣に伺いたいのは、今後適切な措置を講ずることによって、かかる事例の再発防止と経済産業行政の国民からの信頼の回復を図ることが強く望まれますので、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) まず、こういう不祥事が同時に四件発覚し、そして今、加納先生の最後のお言葉にありましたように、重要な仕事をしている経済産業省が、それ以前に国民の信頼を著しく損ねた、また当委員会を始め議院内閣制において責任を持っていただいております国会に対して大変な御迷惑と、またいろいろな、何といいましょうか、お手数といいましょうか、いろんなことをお掛けしたこと、まず心からおわびを申し上げます。
 それから、たまたまこの報告書、それから一連の事実関係が分かったことによる発表並びに処分、対策等が国会閉会中、また選挙中ということで十分、当委員会始め国会にきちっとした形で御説明が、まあしにくかったというか、ほとんどできなかったということにつきましてもおわびを申し上げなければならないと思っておりますが、とにかくできるだけ早く、そしてできるだけ、できるだけといいましょうか、全貌をきちっと国民の皆様に御公表させていただかなければならないということでございましたので、本当に閉会中にもかかわりませずああいう形で発表させていただいたことを、当委員会に対しましてもこれまたおわびを申し上げなければならないというふうに思っております。
 さて、四点それぞれ官房長から御説明させましたけれども、あの七月六日にお願いをいたしましたこの企画室問題にかかわる調査委員会の先生方、法律等の専門家でございますけれども、八月の一か月間を掛けて、お盆も夏休み休暇も返上して、本当に会議も一日何時間も何時間も掛けてやっていただいて、大変な御労力をいただいて報告書を作っていただきました。そのことを、この場をおかりいたしまして御礼を申し上げなければいけないと思っております。
 そして、その報告書の中に何か所にも、不適切であるとかずさんであるとかの疑いがありというような言葉が一杯出てまいります。で、このことはほかの三件にも共通することであって、長年にわたりまして、まあ一言で言えば緊張感のなさ、先送り、ずさんという御指摘は、我々は真摯に受けなければならないというふうに思っております。
 したがいまして、処分、次官、官房長の減俸を始め、それから休職させた者もおります。しかし、それが決して重過ぎるとか、重いとか前例にないとか、そんなことは私は言うべきことではない、むしろ当委員会や国民の皆さんがどう判断していただくかということであって、自ら論評をする次元の話ではないと私自身は思っております。
 そして、企画室も来年四月一日の機構改革のときに廃止をする予定でございますし、今回、今答弁いたしました高橋首席監察官を中心とする監察官チームも設置をして、途中からではございますけれども、この原因究明について全力を挙げさせたところでございます。
 それから、こういうことが万が一にも発生したときには、私が本部長になり、副大臣等が副本部長になって、そして首席監察官が事務局長になって、いわゆる緊急対策本部というものを設置するということも決定をしたところでございます。
 いずれにいたしましても、あの発表をもってこの問題が終わったと私は毛頭考えておりません。これによって省内の一人一人の意識が皆さん方の御期待なりまた御指導なり御叱正にこたえられるものになっているか、なっていないかというところまで確認をしていただくまで実はこの問題は終わっていない、終わらすべきではないというふうに私自身も考えているところでございます。もとより、次官や官房長等を処分してそれでいいということじゃなくて、私自身が最高責任者としてこれらの問題について重く重く感じているところでございます。
 それから、今、OCCあるいはまた企画室について私に報告がなかった、これも大変、遺憾という言葉はちょっと、極めて解釈が不明瞭なんで、けしからぬことだというふうに私自身強く憤りを感じているところでもございます。
 それから、ユニセフに関しましては、世界の子供たちのために活動しているユニセフ、そしてそのためにお金を寄附していただいている多くの皆さん方にも大変な御迷惑をお掛けしたと、このこともユニセフ並びにユニセフ関係者の皆さん方にこの国会という公式、正式の場でおわびをさしていただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、この四件、徹底的にこれからも、まだ新しい事実が仮にも出てきたらきちっと対応し、御報告し、考えなければいけません。そうならないことを私も祈っております。また、これ以外にも、二度とこのようなことがないようにということを祈りながらも、今現在、まだ我々全員謹慎中でございますので、引き続き当委員会の御指導をお願いしながら、重ねて、大変御迷惑をお掛けしたことを心からおわびを申し上げます。
○加納時男君 今の中川大臣のお言葉をしっかり承りました。もうこういう質問をしないで済むように、是非とも改めていただきたいとお願いをいたします。
 話題を変えます。地球温暖化防止に関する最近の国際的な取組について質問をしたいと思います。
 気候変動枠組条約、FCCCでございますが、これの第十一回締約国会議、いわゆるCOP11、そして京都議定書第一回締約国会合、COPMOP1と、どうも片仮名が多くて済みませんが、こういう長い名前の会合が来月、二〇〇五年の十一月二十八日からモントリオールで開催されることが決定しております。これに向けての閣僚準備会合が先月、九月二十二日からオタワで開かれまして、日本からは環境大臣が出席し発言されたと。その席で、新聞によりますと、クールビズなど目標達成計画、京都議定書目標達成計画、我々は目達と呼んでおりますが、この目達を報告したと伝えられます。大変結構なことだったと思います。
 そこで、質問があります。これは環境省の方にお伺いしたいと思いますが、この目達の中で重要な柱の一つに原子力の平和利用が入っているわけであります。これはもちろん御存じだと思いますけれども、このことは環境大臣はこの日本の目標達成計画を報告したというふうに伝えられる中で触れておられるのかどうか、事実を伺いたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 環境省地球環境局長でございます。
 お尋ねの点、準備会合におきますところの小池環境大臣の発言内容と、こういうことでございます。
 本会合では、もうこれは御存じのとおりと思いますけれども、議長国の差配によりまして、この本番のCOP11、そしてCOPMOP1の最も主要なテーマというふうに目されておりますところの京都議定書の実施の問題、そしてそれに伴います現行の各種制度の運用の改善に関しますことを議論しよう、それから二点目といたしまして、これも大変関心の高いところでございますけれども、京都議定書の第一約束期間を超えたその次の国際的な取組の枠組みを議論をしようじゃないかと、こういうような整理もございました。
 そういう中での発言で、小池大臣、四点ほど発言をさせていただきましたけれども、その中で具体的に原子力についての、結論から申し上げますと、言及はいたしておりません。
○加納時男君 今度の会合の主な目的が三つ、四つあるということ、それはよく分かっているつもりであります。その質問をしようと思っていますが。
 私が最初に聞いたのは、原子力に触れたのかという質問に対して、今、小林局長は触れていないということですけれども、私ども、環境省の方々といろいろ話したり、あるいは出される文書、それから大臣のごあいさつ等を伺っていると、いつも何か原子力というのは避けているというか、原子力を除いて話していらっしゃるような気がしてなりません。これが何かほかの、公園をきれいにする運動をやっているんならいいんですけれども、地球温暖化防止だとすると、地球温暖化防止のための京都議定書、そしてこの京都議定書の目標を達成するための計画、目達は、これは経済産業省が作ったんじゃありません。国土交通省でもありません。これは、内閣府でまとめて閣議で決定して、当然環境省も入っています。
 環境省がなぜ原子力というのを避けられるのかよく分からないんですが、小林局長は、私、若いころから存じ上げますが、もう原子力も含めていろんな科学的、技術的には大変すばらしい方だと思っているんですが、ちょっと小林さんに聞きたいんですけれども、何か環境省は原子力嫌いなんですか。はっきり言ってくださいよ。
○政府参考人(小林光君) 原子力発電につきましては、例えば百万キロワット級の発電所一基で我が国の総排出量を〇・五%ぐらい、これは石炭火力と置き換えた場合ということでございますけれども、そういった大変大きな削減能力があるということでございまして、もう先ほども御指摘のとおりでございますが、地球温暖化対策としては大変重要なものの一つということで、目標達成計画におきましても、安全確保を大前提にこれを推進すると、着実に推進するということがきちっとうたわれております。
 そういうことで、環境省といたしましても、今回の会議につきましては、先ほど申し上げましたような二つの問題整理の中で、強いて言いますと、クールビズなどは先進国として国民を挙げてこの問題に取り組んでいるという一つの例証だったと思いますけれども、なかなか個々の政策を紹介する機会がなかったわけでありますが、私ども、この京都議定書目標達成計画の国民への周知の一環としては、この原子力発電の温暖化対策としての位置付けを含め、この計画全体の周知に努めております。
 また、これも至らないのかもしれませんけれども、原子力分野におきますところの例えば一般環境のモニタリング、放射能汚染のモニタリング、あるいは廃棄物の関係、そういったようなところは環境省の担当もございますので、そういった個別の周知啓発といったようなこともやっているところでございます。
 いろいろ至らないところあろうかと思いますけれども、そういうことで、決して嫌いだとかそういう問題ではございませんので、よろしくお願いいたします。
○加納時男君 嫌いだというのはちょっと私の言葉が過ぎたかもしれませんけれども、嫌いと言わざるを得ないぐらい、不思議なぐらい原子力という文字が出てこないということを事実として指摘したいと思います。
 よく、これは勘違いしている人だと思うんですけれども、環境省は原子力にかかわりのない官庁であると言うけれども、それはちょっと違うんですよね。環境省設置法というのを見てみますと、任務の中に、第三条ですか、地球環境の保全等を図ることを、これ、任務とするとはっきり書いてありますし、所管事項の中に、環境の保全に関する基本的な政策の企画立案並びに推進云々と、こうありまして、環境の保全の観点から次に掲げる事務及び事業に関する基準、指針、方針、計画を策定するということが第四条の二十一号にあって、「温室効果ガスの排出の抑制」とはっきり書いてある。温室効果ガスの排出の抑制、京都議定書の達成のために作った閣議の目達、目標達成計画の中に原子力の推進がはっきりうたわれているわけですから、これずっとつなげると環境省は原子力に関係が非常にあるというふうに私は理解していますけれども、私の言っているのが間違っていたらばこの場で反論してほしいと思いますし、別に反論がなければ結構でございますが、これから是非とも原子力も、原子力の平和利用、平和、安全な利用が重要なことであるということを確認したいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(小林光君) 御指摘のとおりでございます。反論はしておりません。よろしくお願いいたします。
○加納時男君 では、よろしくお願いいたします。
 それでは、この具体的なことについて若干伺いたいと思います。今、正にお話のあった未達分の取扱いのことです。
 第一約束期間で目標に未達だった場合に、これを一・三倍して、まあペナルティーですね、一・三倍して次の温室効果ガス排出目標から差し引くということは、たしか二〇〇一年十一月だったと思いますが、マラケシュで開かれたCOP7で合意されているというふうに私は理解しています。これは今回の会合で議論があったんでしょうか。
○政府参考人(肥塚雅博君) お答え申し上げます。
 御指摘の遵守に関するマラケシュ合意の取扱いについては、先ほど先生からお話があります年末の締約国会議において議論されることになっておりまして、これに向けて今年の五月にサウジアラビアから不遵守の場合の措置を議定書に盛り込む議定書改正案が提出されるといったようなことで、既に国際的に議論が始まっております。
 現在の京都議定書の枠組みでは、米国と豪州を除く附属書T国が世界全体に占める割合は二〇一〇年で三分の一以下にすぎないというふうに見込まれておりまして、こうした中で不遵守の場合の措置について議定書を改正してこれに盛り込むということについては、米国や途上国の将来の参加の道を閉ざすことにもなりかねないというふうに考えておりまして、私どもとしては反対をしております。
 また、昨年末の産業構造審議会の私どもの委員会では、将来の枠組みにおいては、むしろ罰則的な措置に重きを置くのではなくて、不遵守となった場合の原因、理由を究明してその改善に取り組めるような、遵守を促進する、あるいは目標達成を支援するといった手法を採用する方が望ましいという提言が取りまとめられております。
 こうした考え方を踏まえまして、将来の枠組みについては、目標達成できなかったものを罰することに重きを置くというのではなくて、目標を達成しようとする国に対してはそれが実現されるように支援的であるべきだというふうに考えておりまして、年末の締約国会議ではこうした私どもの基本的な立場を反映して遵守制度の取扱いが実現されるように、最大限各国に働き掛けていきたいというふうに考えております。
○加納時男君 結構だと思います。方向はそれでいいと思います。
 といいますのは、このペナルティーの話なんですけれども、今世界のトップファイブといいますか、CO2をたくさん出している上位五か国、アメリカ、中国、ロシア、日本、インドと、これだけで世界のCO2の過半を占めているわけでありますけれども、うち議定書の義務を負っているのは日本とロシアだけなんですね。これ一一%しかないわけです。これをまじめにやっているごく限られた国が守れなかったからペナルティーだと、この約束をしていない国は好き放題やって何もないというのは、これ、どう考えても変だと思うんですね。公平の原則、実効性の原則、両方から見て、ペナルティー議論、リーガリーバインディングという言葉をよく使いますが、これ私はおかしいと思っておりますので、今の肥塚さんの主張、要するに目標達成を支援するといったことは私は非常にいいと思うので、その方向で是非議論をしていただきたいと思います。
 同じくマラケシュで決めたことにCDM、クリーン開発メカニズムの問題があります。原子力をクリーン開発メカニズムの対象から除く、自粛すると、リフレインという言葉を使っていますが、これをCOP7で決めているんですが、私の理解では、これは第一約束期間についてのリフレインであって、第二約束期間についてはこれからの議論だろうと思っています。
 最近、欧州においてもこのマラケシュ当時とは大きく変わってきていますのは、環境に名をかりたとあえて言いますが、反原発派というのが大分衰退をしてきたといったことから、環境のためにも原子力というのは今やヨーロッパの環境主義者の中でも浸透してきつつありますので、マラケシュの当時とは大きく状況は変わってきていると思います。
 第二約束期間についてこれから議論するということでありますので、その方向でCDM、対象にすることを働き掛ける考えがあるのかどうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(肥塚雅博君) お答え申し上げます。
 先生のお話のとおりでございまして、マラケシュ合意で原子力発電のCDMプロジェクトから得られる削減量は京都議定書の目標達成に使用することを差し控えるということにされております。しかしながら、これも先ほど先生からお話がありますように、原子力の推進はエネルギーの安全保障に加えて温室効果ガスの削減に貢献するものというふうに考えておりまして、この点については五月のIEA閣僚理事会でも共通の認識は得られておりますし、それから先般のG8サミットでも原子力の技術開発に努めることについて合意が得られております。
 先ほど申し上げました私どもの産業構造審議会の委員会でも、原子力安全の確保や核不拡散の遵守を条件として原子力発電プロジェクトがCDMの対象となるように提言を行っているところでございます。
 今後とも、途上国への技術移転の在り方などに関する国際的な検討に際しても問題提起を行いたいというふうに考えておりますし、今先生のお話にありました将来の枠組みの議論の際にも念頭に置いて、幅広い検討を促すように努力していきたいというふうに考えております。
○加納時男君 その方向でよろしくお願いいたします。
 それでは次に、アジア太平洋パートナーシップについて伺いたいと思います。
 この構成国はどこですか。
○政府参考人(肥塚雅博君) 日本、アメリカ、オーストラリア、韓国、中国、インドの六か国でございます。
○加納時男君 今、六か国の名前を挙げられましたが、日本以外は全部京都議定書の義務を負っていない国というふうに理解します。アメリカ、オーストラリアは京都議定書の義務を拒否しています。中国、韓国、インドは元々対象外であります。ということは、六か国のうちで日本だけが京都議定書をしっかり守っていこうという国でありますので、逆に言うと京都議定書の義務を負っていない国が集まって地球温暖化防止のためにパートナーシップを組もうと、こういう趣旨であろうと、アメリカが提案したものでありますが、というふうに理解をします。この六か国、今お話伺ったのでぱっと暗算しますと、世界の温室効果ガスの約五割はこの六か国で出しているわけであります。これは非常に注目すべきことだろうと思います。
 そこで、質問でありますが、京都議定書とこのアジア太平洋パートナーシップの関係をどのように理解しておられますか。
○政府参考人(肥塚雅博君) お答え申し上げます。
 先生のお話にありましたとおり、このパートナーシップは、アジア太平洋地域において増大するエネルギー需要に対応するとともに、環境汚染、エネルギー安全保障、気候変動問題にも対処することを目的としております。具体的には、クリーンで効率的な技術の開発、普及、移転のための地域協力の推進でございます。
 これも今、先生お話ありましたように、参加六か国の温室効果ガスの排出量は二〇〇〇年レベルで見て世界全体の五割を超えております上に、中国とインドは今後急速な排出量の増加が見込まれております。したがいまして、このパートナーシップに基づく各国の新エネ、代エネ等の導入による排出削減の効果というのは、地球規模で見ても非常に意味があるというふうに考えております。
 その性格でございますけれども、参加国の間では数値目標という形ではなくて具体的な技術協力について検討を進めております。我が国としても、具体的な行動として何ができるかを国内の産業界とも話合いを行い、積極的に検討をリードしていきたいというふうに考えているところでございます。
 このパートナーシップは、気候変動枠組条約に整合的であり、また京都議定書を代替するものではなく、これを補完するものであるというふうに位置付けられております。それから、京都議定書と補完的な役割を担うこのパートナーシップが、地域協力の目的に沿った形で有意義な取組となっていきますように積極的に貢献していきたいというふうに考えております。
○加納時男君 今の肥塚さんの説明、非常に分かりやすかったと思います。今のお話の中で、特にFCCC、気候変動、何か難しいですね、気候変動防止枠組条約ですか、と整合しているということ、そして対立ではない、代案ではなくて補完であるというのは、私は非常にいい見解だと思って支持したいと思っています。
 あえて私、もう一つ付け加えさせてもらうと、京都議定書というのはターゲットオリエンテッドといいますか、数値目標をつくって、これを守るんだというターゲットオリエンテッドであったと。今回のアジア太平洋パートナーシップの方はアクションオリエンテッドといいますか、行動第一主義と。具体的な行動、例えば省エネルギー技術を共有していこうとか普及させようとか、それ、とても私は発想としていいと思うんですね。行動でまず協調していこうと。ですから、これを是非進めてほしいなということをこの場で希望しておきたいと思います。
 私の質問時間あと五分程度になりましたので、最後の質問に入りたいと思います。
 日本は京都議定書を批准しました。批准した以上はその目標を精力的に達成すべきだと、そのために閣議で京都議定書目標達成計画、いわゆる目達をつくったところであり、この推進を全力でやっていくべきだと思っております。
 ところで、今のアジア太平洋パートナーシップの話を聞きながら感じたことですが、アメリカ、中国、インドといった気候変動に大変大きなウエートを持っている国が京都議定書の義務の履行する対象になっていないという現実、これも踏まえなきゃいけない。しかし、彼らは環境にそっぽを向いているんじゃない、エネルギーのセキュリティーと同時に、環境についても手を携えてやっていこうというアジア太平洋パートナーシップを生み出したと。この二つの現実を見たときにどういうことが言えるのか。
 日本で開いた京都会議、京都という名前の付いた京都議定書、これは日本人の心を揺さぶることであることは、私も自分自身揺さぶられていますので、また、あの日十一日間、私も京都の会場にずっと詰めましたので、もう非常に鮮明に覚えていますが、しかしもうちょっと冷静に考えると、やはりアメリカといったような巨大な温室効果ガスの顕在排出国、それから中国、インドといったこれまた巨大な潜在排出国、こういった国々が参加できるような枠組みをもう少し冷静になって再構築していくことも大事ではないかなと、政治家になって私、これを痛感しているわけでございますが、こんな考えについてどのようにお考えか伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○副大臣(保坂三蔵君) ただいま加納委員から大変適切かつ意義のある御議論をいただきまして、ありがとうございました。また、御指摘も感謝しているところでございます。
 お話しのとおり、本年の二月に京都議定書は発効いたしました。第一約束期間は過ぎまして、いよいよ二〇〇八年から一二年に向けての将来の枠組みを十一月のCOP11、モントリオール等々を始めといたしまして締約国会議初の会議が持たれまして、合意を求めるべく検討が始まるわけでございます。
 さて、その中で、お話のとおり、地球規模の温室効果ガスを抑制し、また削減するという大きな作業は、すべての国が参加して実効ある枠組みを構築しなくてはならない、これはもう申し上げるまでもないところでございまして、日本は首尾一貫、京都プロトコルのメーン国といたしまして努力してきたところでございます。今御議論がありましたとおり、マラケシュ合意の中におきますところのサウジアラビアの例えば罰則的な措置を求めるような動きに対しましても、将来これらの大きな国々を日本は参加をさせることをインセンティブを設けたいということで反対もしてまいりました。
 また、お話がございますアジア太平洋パートナーシップ、この会議におきましても、確かに御指摘のとおりではございますが、これは京都議定書を補完するという意味合いで、また将来一本化する意味合いでも大変大きな試みでございまして、積極的に参加をしてきたところでございます。
 いずれにいたしましても、産出国の最大の国であるアメリカ、あるいはまた主要途上国であります中国、インド等の動きを見ましても、これらの国々の参加はどうしても必要不可欠でございますので、日本はそのことに向けましてこれからも最大の努力をしていく、このことによって温室効果ガスの削減に実効性が上がるように努力してまいりたいと思っております。
○加納時男君 ありがとうございました。
 終わります。
○小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小林正夫です。今回からこの経済産業委員会の委員として参加をさせてもらいます。以後、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 中川大臣については、明快な、かつ率直な回答をいただければ有り難い、このように思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は、国民の方が持っている不安を少しでも解消したい、こういう立場から三つのテーマについて質問をさせていただきたいと思います。一つは原油高に関する問題、二つ目については外国とのかかわりの問題について、三つ目は安全問題についてお聞きをしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、原油高の関係ですけれども、今、一バレル当たり六十ドル、このような数字が言われておりまして、世界各国がその対応に追われていると思います。この背景には、OPECの生産余力が著しく減少して供給面における不安が増大していること、このことがあると思います。
 そこでお尋ねしたいのは、今後のエネルギー、とりわけ石油、天然ガスの確保に絡む問題であります。目下、国益が絡むだけに国民の大きな関心の的になっている東シナ海のガス田開発についてお聞きをします。
 日中間で外務省の局長級協議も行われており、民間石油会社の帝国石油による試掘も始まろうとしておりますが、十月十七日、小泉総理が靖国を参拝いたしました、その関係、あるいは、その影響によるものと考えられますが、十月の二十四日の日に予定されていた町村外務大臣の訪中が拒否をされたと、こういう報道もありました。外交面での影響が心配をされているところですけれども、最新の状況並びに特に中国側の現状はどうなっているのか、本当に共同開発ができるのかどうか、この辺について大臣にお聞きをします。
○国務大臣(中川昭一君) 靖国とか外務大臣の問題は、私の直接コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、そういう全体の流れの中で、この日中の間に物理的にもまた政治経済的にも横たわっておりますこの東シナ海の石油ガス田につきましてお答えさせていただきます。
 これにつきましては、ここに資源が眠っておる、これは、日本にとりましても中国にとりましても非常に近いところにあるということで、大変魅力的でございます。日本はもとより、中国も最近の経済発展、あるいはまた国内で確保していた石油、ガスのいわゆる自給率の低下等も顕著のようでございますので、何としても確保したいというのは、当然、両国のこれはもう国益、それぞれの国益でございます。と同時に、今年の四月でございましたか、小泉総理大臣と胡錦濤中国国家主席との会談の中で、東シナ海というのは協力の海にしましょうと、協調の海にしましょうという、はっきりとした合意もできているわけでございますので、私どもは、もちろん国連海洋法条約でありますとか、あるいはまた日中の幾つかの条約、約束等でありますとかに基づき、そして何よりも日中友好、日中協力という観点でこの問題を進めていきたいというふうに日本政府、私も考えているところでございます。
 過去数回にわたりまして、日本としては、外務省のアジア局長、そして私どもの小平資源エネルギー庁長官が先方とハイレベルの実務協議をやっているところでございますけれども、これにつきまして、現時点においては、前回の協議において日本側から引き続き、事実関係の提供、そしてまたそれが提供されるまでは作業を一時中断をしてもらいたいということと、それから日本側としての共同開発に関する提案というものをセットで先方に提示をしたところでございます。
 元々、日中のハイレベル事務協議をやろうと言ったのも中国側でございました。それから、共同開発をやろうといって中国側が提案してきたもの、これはもう国際原則からいってもとてものめるものではございませんけれども、しかし共同開発をやろうと言ってきたのも中国側でございます。日本としては、そういう、では、幾つかの前提とのセットにおいてでございます、ここが大事なところなんですけれども、セットにおいてでございますけれども、日本側としての提案を先方に提示して、日本側としては十月のしかるべき時期にと申し上げたんですけれども、中国側としては、十月中にじゃこれについてもう一度次の会議をやりましょうということになっているというのが現状でございます。
 十月中といっても、もうあと一週間もないわけでございますけれども、球は先方にあるというふうに私どもは考えております。他方、その球がいつ、その球についての協議がやるかについて先方側からは今のところ何の御返事もないというのが事実関係でございます。
○小林正夫君 いずれにしても、共同開発にしろ、あそこを試掘するにしても、安全にそういう作業ができるように、こういう環境をつくっていかなきゃいけないということが大きな前提だと思います。
 そこで、中国海軍の出方をどう見るかというところについてお尋ねしたいんですが、中国海軍の艦船による東シナ海における示威行動が九月の九日にあったと報道されました。中川経済産業大臣は、この十月二十日の週刊新潮、この記事が正しいとするならば、この中で評論家の櫻井よしこさんのインタビューに答えて、試掘を妨げる勢力があるとすれば国家としてきちんと守らなければならない、このように発言をしております。
 安全確保にどう取り組むのか、海上保安庁任せでよいのか、自衛隊の活用は考えていないのかどうか、この辺について大臣の考え方をお聞きします。
○国務大臣(中川昭一君) まず、二つに分けてお答えさせていただきたいと思います。
 今、小林先生の御指摘になりました九月九日に中国の、艦船というよりも私は艦隊と言ってもいいんでしょう、五隻、その中にはソブレメンヌイ級という攻撃型のミサイルを積んだ駆逐艦が含まれているということで、これは中国側に問い合わせをいたしますと、いつもの海上艦隊、艦隊というか、艦船活動であるということでございますけれども、時々あの辺に中国の公船、とりわけ軍艦が出てくることはもちろん過去にもございましたが、ああいう形で最新鋭のミサイルを装備した艦船が出てくると、あの時点でですね、しかも五隻という形でというのは、やはりこれは何らかの意図があるというふうに日本側が取ってもおかしくないというのは私は外交の通例だというふうに思っております。それが今回に限らず過去にもあったわけでございますし、昨年の、ちょうど一年ぐらい前には例の漢級というディーゼル型の潜水艦が日本の石垣島の領海を侵してグアム島の、グアム島といえば米軍基地があるところでございますけれども、その周辺まで行って、そして慌てて戻ってきたというようなこともちょうど一年前にあった。
 それ以外にもいろいろな、調査活動も含めていろいろな形で、取決めあるいはまた日中友好の精神にいかがなものかというような行動が過去にも幾つかあったわけでございますけれども、それについてはそのたびごとに抗議をし、またこれは国民の皆様にきちっと情報を開示して、国民の皆様がどう考えるのかと、日本国民がどう考えるのかと、これでいいんだろうかということが御判断をいただいて、そして仮に、これは良くないと、日中のためにも、そしてまた日本の国益のためにも良くないということがあれば、民主国家でございますから、それに基づいて我々も行動していかなければいけないんだろうというふうに考えてございます。
 それから二点目、あえて私が仕分けさせていただいたのは、ここから先は、先生の御質問は仮定の話でございますので、これと今後の話とは明らかに区別した上で答弁をさせていただいた方がいいと思いますけれども、民間石油開発会社に今年の四月に試掘権を付与いたしまして、その会社は着々と準備を進めております。それにつきまして、今後仮にそこで民間の石油開発会社なりが行動したときに、私は、何らかの形の妨害、何といいましたっけ、ということで、かなり一般論として実は申し上げているわけで、特定の国あるいは特定の艦船ということじゃなくて、漁船もあるでしょう、あるいは間違ってそこに入ってきちゃったということもあるかもしれません。いろんなケースが考えられますけれども、いずれにしても、その作業に対して何らかの影響を与える可能性があるというときには、それはきちっと法律に基づき、また国際条約、約束に基づききちっと対応していって、そして日本の国益を守っていくということが大事であろうというふうに考えておりますが、それのためにいろいろなことが予想されますので、今後そういう作業もきちっと補完をしていくと、整備をしていくということも当然考えていかなければならないというふうに私は考えております。
○小林正夫君 安全確保のためには、いろんな法的な課題もあるかも分かりませんが、場合によっては自衛隊の活用もあり得ると、こういうふうに受け止めておいてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 日本の法律に基づいてきちっとした形で合法的に活動している民間の活動に対して何らかの違法行為、国際違反行為等があった場合、これは別に内外問わず一般論として申し上げておりますけれども、それに対しては、日本の国民、日本の財産、日本の権利、日本の経済的利益を守るというのは国の責務だというふうに考えております。
○小林正夫君 今後のエネルギーの需要の見通しについてということと、自前の油田開発の現状についてお聞きをいたします。
○副大臣(保坂三蔵君) 私どもの方からお答え申し上げます。
 ただいまお尋ねありましたエネルギーの今後の需給でございますが、今年の三月に、資源エネルギー調査会が今後の二〇三〇年を目途にいたします長期展望を策定いたしまして発表いたしました。これによりますと、まず需要の方でございますけれども、過去三十年、ほとんど右肩上がりで需要は堅調に伸びてきたわけでございますが、向後は少子化とかあるいはまたサービス産業化と、そういうような流れの中から、エネルギーは二〇二〇年、自然体で考えますが、二〇二〇年ぐらいから減少の見込みとなっている、こういう見通しを立てているわけでございます。
 その中で、石油に対する依存でございますが、今までは大体半分、五割は石油でございましたが、これも脱石油化が進み、あるいはまた天然ガス等の活用などが進んでまいりますので、五割から四割ぐらいに低下するものと見込まれております。しかし、依然として石油の占める位置や意味付けは大変高いわけでございまして、その石油をどうするかということが今後の対応だと思っております。先ほども出ましたとおり、発展途上国などでの石油の需給はウナギ登りになっておりまして、石油の確保についての国際競争は激化の一途をたどっているわけでございます。また、OPECの余剰生産力は既に限界に来ていると言われておりまして、そういう点では、何かあったときの安定供給というものは非常に大きなリスクを持った環境下にあると、このように私どもは考えているわけでございます。
 そこで、自主開発に話が移るわけでございますが、私どもといたしましては、この石油の自主開発は、単に石油の安定供給のために役立つばかりか、産油国との相互依存関係というものが非常に綿密になってまいりまして、そういう点では多様化の価値があるものだと思っておりまして、この石油の自主開発は一層努力をしていかなくてはならない、かように考えているわけでございます。
 その努力に対しまして、我々といたしましては、過去に石油天然ガス、現在では独法になりましたが、石油天然ガス・金属資源機構、ここからのいわゆるリスクマネーの提供によりますところの開発、それによっていわゆる川上の民間の企業、いわゆる和製メジャーと申しましょうか、こういうものを育てていかなくちゃいけないと非常に努力を傾けてきたところでございますが、これらが両々相まって、私どもといたしましてはかなりの効果が上がっているものだと考えております。
 資源外交も結構広い面積で対応しておりまして、アラウンド・ザ・ワールドでございます。中近東だけではなくて、アフリカあるいはラテンアメリカ、サハリン、すべてのところで試掘が試みられておりまして、これらの成果は既に実効が上がっておりまして、現在、日本の全石油の輸入量の一五%まで自主開発した石油が入っている、こういう状況下にありますことも報告をさせていただきたいと思っております。
○小林正夫君 原油高、車のガソリンもリッター百三十円ぐらいに上がってきて、大変国民生活に影響を与え始めております。昨日も、私の仲間の生活者から、これ以上ガソリンが上がったら大変だ、あるいは、そのほか石油でできている製品が非常に多い私たちの生活ですから、本当に原油が上がることによって自分たちの生活に影響ある、こういう心配の声も上がっております。
 特に、中小企業の人たちが今回の原油高によって大変御苦労されていると思います。政府としてもそういう対策について今日まで手は打ってきている、このように私も認識をしておりますけれども、本当に技術を支えるこの中小企業の人たちの支援として、今の支援策で十分なのかどうか、こういう観点で見ると、私はもっとやはり中小企業に対して厚い手当てをしていく、あるいは対策をしていくことが必要だと思いますけれども、この原油高対策としてどういう手を打ったら効果的だと思うのかどうか、今に加えてどういう対策があるのか、この辺についてお聞きをいたします。
○国務大臣(中川昭一君) 我々は、去年石油がじりじり、原油がじりじりと値上がり始めて以来、全国の二千数百か所のガソリンスタンドを毎週、都道府県、四十七都道府県モニタリング調査をやりまして、ハイオク、レギュラー、灯油、軽油というものをずっと見てまいりまして、御指摘のとおり、世の中で一番一般的なWTI、ニューヨークの先物が七十ドルまで行ってしまったと。あるいはまた日本にとっては一番身近な数字でありますドバイも六十ドルを超える水準まで行ってしまったと。これはピークでございまして、若干下がってはおりますけれども、しかしそれは瞬間的なその時点での原油の価格でございますから、これが、今御指摘のように燃料になったり石油製品になるのにはタイムラグがあるわけでございます。
 したがいまして、私どもは、単なるガソリンスタンドの四品目だけではなくて、各業種、大企業、中小企業にわたって幅広く、きめ細かくヒアリングをやってきているところでございます。それによりますと、日本は総じてほかの国々に比べると影響はそうひどくはない。もちろん、ないわけではございません。そうひどくはない。
 つまり、何を申し上げたいかといいますと、東南アジアでありますとか、あのハリケーンによってアメリカも大変影響を受けましたけれども、あのアメリカというのは大きな国ですからもとより、その周辺の中南米の国々は非常に大きな影響を受けているとか、そういうところに比べると日本なんかは比較的いいと。まあ、いいというか、悪さの程度が小さいということでございます。
 しかし、御指摘のように中小企業、石油関連の中小企業、それからとりわけ一番厳しい業界といえば、やっぱり石油を使うことが一番大きなウエートのあります運送関係ですね、トラックとか内航海運とか航空、とりわけ中小の運送関係、これは極めて厳しい状況にあるということは重々我々把握をしております。
 したがいまして、国土交通大臣とも綿密に連絡を取りながら対応をしてきているところでございますし、そのほかにも代表的な例としては、クリーニング屋さんでありますとか、それから石油関連製造メーカーであります。とりわけ、やっぱり中小企業なんですね。それから農業、ハウス関係、それから漁船といったところが、もう本当にこれはかなり厳しいという認識を我々も持っております。
 今後、冬に向かって灯油等の、むしろ石油の方は今若干下がりぎみで落ち着いておりますけれども、灯油がじりじりじりじり上がってきていると。これは、正に冬に向かっての状況でございまして、そういう意味で、我々としては注意深く状況把握をすると同時に、中小企業に対しては相談窓口を幅広く開いて、そして緊急的ないわゆるセーフティーネット融資みたいなものも準備をさせていただいて、現実にそれを御利用していただいているところもございますが、いずれにいたしましても、そういう影響を受けている業界、あるいはまた私の北海道や東北のような、あるいは積雪寒冷地帯のようなところ、今後ますます大変になってまいりますので、それからそういう中小企業、とりわけ中小企業についてはきめ細かく情報収集し対応できるように、これからまた一層冬に向かって強化をしていきたいというふうに考えております。
○小林正夫君 資源ということで、原子力の関係についてお聞きをいたします。
 十月十四日の閣議で原子力委員会の原子力政策大綱が決定をされました。従来の原子力開発利用長期計画に代わり原子力政策の新たな指針となるものと受け止めておりますけれども、今回の原子力政策大綱がどのような観点から作成されているのか、また特徴は何なのか、この辺についてお聞きをいたします。
○副大臣(保坂三蔵君) 我が国のエネルギーの自給率は、主要先進国の中で最も低い四%でございます。自国で消費しているエネルギーの半分近くを石油の輸入に頼っている。この実態を今度、このたびはいわゆる地球温暖化防止に向けたという時代の要請にこたえていく点、これらを併せまして原子力の活用ということを最前線に打ち出したのがエネルギー長期計画であり、今回の原子力政策大綱でございます。
 この中でもございますとおり、二〇三〇年、先ほど申し上げましたけど、二〇三〇年の長期的見通しの中で、少なくとも原子力発電の占める意味合いを今と同じかそれ以上、いわゆる三〇%から四〇%レベルを維持しよう、こういう計画を立てたのが今回の具体案でございます。
 また、原子力核燃料の再処理を促しまして、回収されるプルトニウムやウランなどを有効利用する、こういうところでも、現在、日本はフロントランナーとして世界からも大変高い評価を受けておりますので、これらを政策の中心に置いたというのが今回の基本の対策でございます。
○小林正夫君 関連してお尋ねします。
 政策大綱ができた、要はそれを実現していかなきゃいけない、これが大きな課題です。この実現化に向けてどう取り組んでいくのか、今日段階でお考えがあればお聞きをします。
○副大臣(保坂三蔵君) お尋ねの原子力政策大綱の具体化に当たりましては、電力の自由化の下で原子力発電を長期的に維持していくための方策をしっかり立てなくてはいけない。この自由化の中で立てるというのは大変なわけでございますが、その中では、やはりこれから十年で十二基を造ると言われますけど、なかなか難しい環境下にあります。そこで、原子力の設置あるいはまた維持するための人材をしっかり育てていかなくちゃいけない、技術の低下を見ることは防がなくちゃいけない、このように考えております。
 また、運転再開後の委員御関心ある「もんじゅ」でございますが、この成果などを踏まえた高速増殖炉の二〇五〇年供用、これを何とか商業ベースでの導入に向けたシナリオを今こそしっかりと検討すべきじゃないだろうか、このように考えております。
 いずれにいたしましても、総合資源エネルギー調査会の原子力部会におきまして、各界の有識者の方々、あるいはまた電気事業者やメーカーなどの具体的な携わっている業界の方々、これらの御意見を入れまして、来年の夏ごろまでには具体化できる施策につきましての取りまとめを行いたい、このように考えております。
○小林正夫君 ありがとうございました。
 次のテーマに移ります。
 日本は資源の少ない国、貿易立国、このような国でありますので、外国とのかかわりが非常に大きいものを持っていると思います。
 私、先月の九月十八日から二十三日に、ラオスの首都、ビエンチャンで行われましたASEANの議員機構総会に出席をさせていただきました。縁がありまして団長という大役もいただいてその総会に出席をいたしました。
 日本とASEAN八か国との対話という時間帯もありまして、二時間半にわたっていろいろ意見交換をしてまいりました。その主なテーマは、地域の安全保障、経済協力と貿易自由化、技術の移転など、そのほか二つのテーマありましたけれども、こういうテーマについて率直な意見交換を行いました。そういう機会を与えていただきましたので、また今日はこの発言の機会も与えてもらいましたので、その体験を含めて少しお聞きをしたいと思います。
 ASEAN八か国の方の発言の冒頭には、ODAによって日本から大変な支援を受けている、感謝する言葉が、どこの国も冒頭そういうことから始まったというのが私の印象でした。本当に日本が、東南アジア始めとしていろんな意味で今日まで頑張っている姿、そういうものをかいま見たような気がいたしました。
 マラッカ海峡の海賊船問題について意見交換を行いました。特に、日本にとっては原油の八割のタンカーがあそこの海峡を通ってくる、こういうことがありまして、日本のエネルギーの生命線と言われているゆえんだというふうに思います。
 その湾岸国の協力によって共同監視システムができたり、いろんな意味で今日まで協力していることに対してはASEANの国々の方にお礼も申したんですけれども、この海賊船の問題について、今年を振り返っても、三月に日本のタグボートが襲われて拉致をされたという事件がありました。これは、その会社が身の代金を払って解決ができたんだろうと、私、このように理解しておりますけれども、要はそのマラッカ海峡の安全確保についてこれから日本としても湾岸諸国といろいろ検討しながら事を進めていかなきゃいけないと思うんですけれども、そういう意味で経済産業省として独自の対策を取っているのか、今後の取組はどうなのか、これについてお聞きをします。
○国務大臣(中川昭一君) 今御指摘のように、このマラッカ海峡というのは、石油その他、貿易立国、また海洋国家としての日本にとって極めて大事なルートの一つでございます。ルートの一つという以上に、今御指摘のように一番狭いところでたしか幅が二百メートルぐらいしかなくて、何万トン級の船ですから、別に二百メートルのどこでも通っていいというものじゃなくて、最も深いところ、もうほとんど一本道みたいなところしか通れない。しかも、あそこは日本、韓国、中国といった東アジアの経済的に大きな地位を占めている国と、それからあのASEAN自体が今経済発展をしている状況、さらにはインド等また大きく発展をしている地域、そして産油国があって、正にその中間にぎゅうっとあそこで絞られてしまうというか、一本道になってしまうということでございます。そこに海賊が出没をして、今タグボートの御指摘もありましたし、何十万トン級のタンカーも乗っ取られてしまうという、大変、何といいましょうか、交通としてもあるいは治安の上でも極めて危険な、もう掛け算で幾何級数的にその危険度が高まってきている地域でございます。
 そういう意味で、私もかねてからあのマラッカの海賊船対策、安全航行対策について省内で積極的に研究をするように、そしてまたこれは政府全体としても、例えば海上保安庁でありますとか警察でありますとか、広い意味で国土交通省でありますとか、政府全体としても対策を考えております。
 私どもといたしましては、あの海賊船対策としてのいわゆるキャパシティービルディングといいましょうか、技術、ノウハウの提供、それから人材の育成、そして私は前から早くするべきだと言っておりますけれども、その海賊船に対抗できるような船、ただし日本は武器輸出三原則という大事な原則がございますので、それとの整合性等をきちっと取りながらでありますけれども、とにかく海賊発生に対抗できるような、対応できるような船といった物資も含めて早急にできるように、人材育成とそういう対応対策、ノウハウについてはもう既にやっているところでございますけれども、これは経済産業省としてもやっておりますし、むしろ政府全体としてあそこの関係三か国、とりわけインドネシア、マレーシア、シンガポールといった国々、とりわけインドネシアに対して日本として協力、あるいはまた必要であれば一緒にやっていきたいというふうにやっておりますし、これからも御指摘のように研究、日々、これは大事なことでございますので、頑張っていきたいと思っております。
○小林正夫君 二〇〇四年は四十五件の海賊事件があったと、このように集計ができているようですけれども、是非、日本のエネルギーの生命線ですので、政府を挙げて、日本を挙げてこの対策について力を入れて取り組んでいただきたい、このことをお願いをしておきます。
 次に、技術移転についてお聞きをいたします。
 日本とASEANとの関係は、単に外交だけじゃなくて通商面でも緊密化していると思います。既にシンガポールとの間ではFTAを締結して、フィリピン、マレーシアとは基本合意し、九月初めにはタイとも合意に達するなど、経済連携が深まっております。
 そうした中で、一方で幾つかの問題点も抱えていると思います。とりわけ特許権だとか著作権、商標権など、知的財産の保護と密接に絡む問題としては海賊版や模造品の存在があります。AIPO総会でも、ASEAN等の八か国の対話の中でも、日本としては大変困っているんだと、こういうことに対して防止するように各国に協力をお願いしたいと、こういうやり取りも行ってきましたけれども、このASEAN側に自由貿易協定の進め方に対して不満が私はあるんじゃないかと思うんですけれども、それについての認識あるいは改善の余地、今後の見通しについて併せてお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、日本は、既に締結した国あるいは基本合意、大筋合意の国々、そして今御指摘のようにASEANを始め多くの国と日本は積極的に貿易立国として、まあ貿易立国というよりも、最近はEPAということで、外国との包括的な経済連携の深化、深めていくということが日本にとって大事であると同時に、これはあくまでもお互いにプラスになるんだという大前提で進めていくことが大事だと思っております。
 とりわけASEANにつきましては、何といいましても、まあ数字だけ見ましても人口がもう六億近くいて、それから非常に今発展をしている、全体として、多少の差はございますけれども、いずれにしても発展をしている国であります。現時点においても、ちょうど韓国、メキシコぐらいの経済規模が十か国でございます。ということは、世界で十番目ぐらいに入る、あの地域全体の経済規模を持っている地域であり、また、ますます成長していく国でございますから、そして何といっても日本にとっては大変大事な隣人の地域でございますので、是非包括的な経済連携交渉を、既にスタートしておりますけれども、これをレベルの高いものにしていきたいと思っております。
 単に貿易だけじゃなくて、一方的な財の行き来だけではなくて、今御指摘のように技術移転、いわゆるキャパシティービルディングを含めて、先方の、まあ何というんでしょうか、底力、技術、人間の技術レベル等々を上げていく、中小企業経営のノウハウであるとかそういったものも含めて上がっていくということは日本にとってもプラスになることでございます。
 他方、今御指摘のように模造品あるいは海賊版といったこの知的財産の侵害の問題、これはつくる側とそれを知っていて使う側と実は両方あるわけでございますけれども、あの地域に限らず海賊品、模造品が特に日本製品について世界じゅうでつくられ、使われているわけでございますので、このASEANとのEPAにおいても広いレベルの技術移転、知財の問題も含めてやっていきたいと思っております。
 問題があるのではないかということでございますけれども、今年になりましてから私自身もフィリピン、マレーシア、タイとEPAの大筋合意をやってまいりました。大筋合意を、できれば年内にも総理大臣レベルできちっとした形の合意に持っていきたいという予定にしているところでございます。
 個別のことを挙げれば、かちっとしたものではございませんから、あくまでも閣僚レベルで、例えば自動車分野についてとか鉄鋼分野についてとか、農産品についてとか人の問題についてとか、我々レベルですから、その専門の担当がきめ細かくやるようなレベルじゃございませんので、その後またいろいろと追加とか修正とかいう微修正は、これはもう当然あるわけでございますけれども、これが大きな問題になって、何かそれが壊れるとか大幅なスケジュールの遅延につながるといった状況にあるというふうには私は、各国との関係において、そういう情報といいましょうか認識はしてございません。
○小林正夫君 外国とのかかわりというテーマの最後の質問をさせていただきます。
 EUにおける新たな化学品規制案の対応についてお聞きをいたします。
 現在EUでは、二〇〇三年十月に欧州委員会が提起した新たな化学品規制システムについて討議されております。これは従来の化学物質の規制法を抜本的に見直すものでありますが、化学物質のみならず化学関連製品を含めた規制案になっています。
 討議されている内容を一部紹介しますと、同一の物質であっても事業者ごとに登録しなければならない、二つ目に安全性の評価の義務を企業にシフトさせる、成形品に含まれる化学物質の登録をさせる、ただしEU域内製造業者は登録の必要はないというような内容になっていると私は聞いております。
 この法案の目的である人と健康と環境保全、あるいは化学物質の点検活動の促進については大いに賛同するところでありますけれども、この規制案がEU域外の事業者にとって差別的な障壁にならないのかどうか、二つ目にこの規制案が日本の中小企業に与える影響はどうなのかなど、日本の化学、自動車、家電産業などに与える影響は甚大なものがあるのではないかと私は思いますけれども、そういう意味で、大臣にお尋ねしますけれども、このEUの動きをどのようにとらえているのか、御所見をお伺いいたします。
○副大臣(保坂三蔵君) この点につきましては、私どもの方から答弁をさせていただきます。
 ただいまお尋ねがございました化学物質規制案でございますが、お話がございましたように、EUの域外からの輸入、これに対する規制はお話がございましたが、もう一方、EUの域内での製造の企業についてもひとしく規制が掛かっている、この点はちょっと誤解をお解きいただきたいと思うのでございます。
 御案内のとおり、この内容は、例えば自動車やあるいは家電などに含まれております環境中に放出される既存の化学物質あるいは新しい化学物質、すべてを網羅してその有毒性の登録をさせよう、こういう内容なんでございます。人の健康や環境破壊をするというような、こういう有害化学物質につきましての規制はもう当然の理念でございまして、我が国も一生懸命協力をさせていただいたところでございますが、問題の規制案をよく見ますと、御指摘がありましたとおり、同じ化学物資でありながら企業によって登録をそれぞればらばらにやるというような重複登録、これはもう大変な重荷でございます。また、矛盾していると思います。また、規制の対象となる化学物質、これもまだ今のところ依然として不明確なんでございます。
 こういうことは、いずれにいたしましても、貿易関係では、いわゆる運用次第では貿易の制限的な措置になるということでございまして、EUの方針につきましては、我が国といたしましては修正案をぶつけまして、WTOやあるいはAPECで中川大臣もしきりに各国に問い掛けましたし、またEU議会やあるいはEU各国に直接働き掛けをしているところでございます。
 なお、本年の末までにはEUの各国がその大体の取りまとめを集めまして検討を開始するということになっておりますので、我が国といたしましては、また本省といたしましては、年末に向けまして一層これらの問題点をEU各国等、国際会議等機関に働き掛けをして是正をしていただく、こういう努力をしているところでございます。
○小林正夫君 国際的な枠組みをつくること、あるいはアジア太平洋地域を中心とした国際的な協力体制の下でいろいろ対応していかなきゃいけないと思うんですが、この辺について、今の答弁の中で若干触れていたと思いますけれども、要は多くの国と一緒にEUに対していろんな対策あるいは意見を言っていくことが必要じゃないかと思いますけれども、この進め方について改めてお聞きします。
○政府参考人(石毛博行君) ただいまのEUへの働き掛けでございますけれども、ブラッセルにおきまして各国がEU代表部を持っておりますので、そういう代表部間で連携を取りながら、各国とも同じような懸念を持っておりますので、アメリカのみならず中国、ASEANの国とも連携を取りながらEUの委員会の方に働き掛けをしているという状況でございます。
○小林正夫君 この問題は、EUも更に検討をしていくことの課題だと思います。私もこれからこの関係について勉強を重ねていきますので、また機会あるごとにこの課題についてお聞きをしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 三つ目のテーマの安全の問題について質問をいたします。ちょっと時間の関係で、幾つか通告ではお話をしたんですが、絞ってお聞きをしたいと思います。
 まず、アスベストの関係について、そちらからお尋ねしたいと思います。
 経済産業省の所管は代替品の関係、この関係を中心に経済産業省は取り組んでいくと、このように私は理解しているものです。したがって、この代替品についての関係する質問について幾つか行いたいと思います。
 今年の八月から、経済産業省のアスベスト代替化製品対策検討会で検討されている。この検討会は十二月に最終取りまとめを行う予定になっていますけれども、現状の進捗状況がどうなっているのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(石毛博行君) お尋ねのアスベストについての代替化製品対策の検討会の進捗状況でございますけれども、八月の二十六日に第一回をやって、九月二十七日に第二回を開催して、たまたま今日の午後に第三回を開催するということになっております。私たちはこの中で、代替が難しいという製品に一体どんなものがあるのか、どんな技術的課題があるのか、どういう対策を取ったらいいのか、その関係の業界から徹底的にヒアリングを行って、その実態の把握をまず行うということをしようとしております。進めております。
 今後、年内を目途にそれを取りまとめていって、それで厚生労働省でも同じような、同じようなといいますか、代替品にかかわる検討会を行っておりますので、よく連携を取りながら、その技術的な課題の克服というものを行っていきたいというふうに思っております。
○小林正夫君 代替化の進んでいない、あるいはこれから研究をしていかなきゃいけない、こういうものも一杯あると思います。特に、化学プラントあるいは原子力発電所などで使用されているジョイントシールだとかシール材、あるいはパッキンですね、それと耐熱・電気絶縁板など、こういうものの代替化にはなお時間を要するんではないか、このようにも聞いているわけなんですけれども、現在、発電プラントあるいは石油精製プラントで今言ったような製品がどのぐらいの数使われていると把握をされているのか、経済産業省がつかんでいる数字がありましたら教えてください。
○政府参考人(石毛博行君) お答えいたします。
 このアスベスト代替化製品対策検討会で、私ども、この事実を把握したわけでございますけれども、火力発電所で約百六十万か所、原子力発電所で百六十万か所、それから石油精製プラントで百三十五万か所ということで、四百五十五万か所のそういう製品が使われているという状況でございます。
○小林正夫君 代替品の開発が少し時間が掛かると、こういうことになれば、今の製品をこれから先も続けて使っていくと、こんなような状況が考えられますけれども、そのまま使用した場合の人体への安全の影響というのはどのように考えられているんでしょうか。
○政府参考人(石毛博行君) そういう、今申し上げましたジョイントシートだとかガスケットだとか、そういう場所での使用されているアスベストの人体等への影響の関係の御質問でございますけれども、そういう場所に使いますアスベストは、合成ゴムなどを練り合わせて圧縮成形すると、そういう形で使っていると、配管のつなぎ目にボルトで固定されて使用されると、そういう使用状態でございますから、そこからアスベストが飛散をするという可能性は低いんではないかというふうに考えております。
○小林正夫君 そこで、非常に数が多い、今こういうことの把握ができましたけれども、仮に代替品ができたとして、その四百五十万か所で使われているということを取り替えるという、こういうことになっていくと思いますけれども、四百六十万か所のものを取り替えるというのは現実的なのかどうか、このことはどういうふうに考えられているのか、お聞きをしたいと思います。これは厚生労働省なんですか。
○政府参考人(松井一實君) 石綿によります労働者の健康障害、これを予防するために、現在、石綿障害予防規則というものが策定されておりまして、この規則の初めの方のいわゆる事業主の責務という規定がございまして、そこでは、石綿を含有する製品の使用状況などをまず把握し、そしてその製品を計画的に石綿を有しない製品に代替するように努めなければならない、こういう規定がございます。
 厚生労働省といたしましては、この規定をまず踏まえまして、代替が可能なもの、これにつきましては、その製品を使用する施設設備の検査あるいは修理、さらには改造、こういった機会をとらえるとか、それからその製品の点検とか交換の機会、こういったところをとらえまして、着実かつ計画的に代替化を図っていくのが現実的な対応かなというふうに考えております。したがいまして、関係する事業場などに対しましては、今言った考え方を踏まえながら、できる限り早期に代替が図られるように指導すると、こういう考え方が重要かなというふうに思っております。
○小林正夫君 四百五十万個も使われている、代替品ができたとしても、現実的に石油精製プラントを止めたり、あるいは原子力・火力発電所を止めて、そのパッキンだとかシール材を取り替えようということは、ちょっと私もそういう現場で生きてきた人間としては、四百五十万個も取り替えるなんというのはちょっと発想が浮かばないんですね。したがって、設備更新、先ほど人体への関係もお話しをいただきましたけれども、やっぱり設備更新などの、私は、機会をとらえながらやっていくということもしっかり政府としては考えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんです。要は、安全に作業ができることが一番、大変大事なことでありますから、この点について中川大臣、どのように考えられますか。
○国務大臣(中川昭一君) アスベストにつきましては、ある意味では非常に便利な製品であったわけでありますけれども、大変危険な物質であるということが以前より指摘されておりまして、今年になりまして、率直に申し上げて、何で何百人も中皮腫でお亡くなりになるニュースが連日続いているのかなと。最初はもう全く分からなかったんですけれども、長い間のお亡くなりになった原因が実はアスベストであったということで、今政府全体で官邸でこのアスベスト問題の関係閣僚会議をやっております。
 御指摘のように、我々としては、どういうものに使われているかと。家電製品にも使われているとか、そしてまた今のような大規模エネルギー施設、原発、火力発電所、そして今御指摘に対して答弁申し上げたように四百六十万か所ということになりますと、仮に代替品が、私は二〇〇八年よりも一刻も早くやれということを製造局長等にもう何回も言っているところでありますけれども、仮にそれが早く見付かる、あるいはできたとしても、今御指摘のように、エネルギー状況から考えると、一斉に原発や火力発電所をストップするということになるのか、あるいは安全を優先して、止めないことよりも安全性を優先するのかというところでございますが、もちろん我々としては、厚労省、環境省でない私どもも、安全性というものは、もちろん作業員あるいは周辺住民の方に対して大変重要だということも認識をしておりますし、他方、全部四百六十万か所のためにエネルギーをいったんストップさせるということの影響も別の意味で出てくるところでございますので、この辺は国会での御議論、関係者、専門家の御議論、国民の皆さんの御議論も踏まえながら多分これから進めていくということで、今の段階で右か左かどっちだということを私はこの場で申し上げるには、私自身もまだ勉強不足でございますし、はっきり言って今お答えできるだけの能力も、それから責任の重さからいっても、ちょっとこれから、当委員会等を含めて、いろんなレベルで御議論をしていただきながら、この難しい問題をみんなで結論を出していかなければならないとしか御答弁できないということでお許しいただきたいと思います。
○小林正夫君 与えられた時間が来ましたので今日はこれで質問を終わりますけれども、お配りした資料は労働安全衛生の関係で、労働災害の発生状況を示したものです。特に重大災害の発生件数がこの二十年間でずっと上がってきていると、このことが大変心配する事項なんです。
 また改めた機会に大臣の、こういうような状況が生じちゃっている、このことをどうとらえているのか、このことについてはまた別途機会をとらえて質問をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。今日はこれで終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(佐藤昭郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時四十分まで休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
     ─────・─────
   午後零時四十四分開会
○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山根隆治君 私も経済産業委員会で初めての質問になるんですが、まず大臣に、日本の経済の現況、どのような御認識を持っておられるか、お伺いさせていただきたいと思うんです。
 いろいろな経済指標を見ると、非常に好転をしているという数値等もたくさんございます。これ、昨日配られた資料なんですけれども、八月の景気動向指数、速報値ですが、一致指数というのが八八・九%にもう既になりまして、景気判断の分かれ目となる五〇%を二か月ぶりに上回った、こういうことが昨日配られた資料に出ておりました。こうした状況をどのように御認識なさっているか、まずその点、お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、山根先生御指摘のように、政府といたしましては、いわゆる昨年の年末、今年の初めぐらいから景気が上向きになりつつある。その後、春ごろ、いわゆる踊り場という言葉が使われておりました。踊り場というのは、ちょっと一服という意味だろうというふうに思いますけれども、そしてまた夏ごろから景気が回復していると。
 その要素というのは、主に企業部門が引っ張っていると。企業部門が引っ張ることによって、それが個人の方に行きつつあると。雇用状況も、失業率、ピーク五・五であったものが今四%の前半ぐらいまで下がってきていると。それから、収入ですね、個人の、これも上向きの方向に入っていると。いわゆる非正規雇用と言われているものから正規雇用の方に、これは多分二〇〇七年問題というものも関係しているんだと思いますけれども、正規雇用の方に今少しずつまた戻りつつあるというのが全体の状況だというふうに認識をしておりまして、現時点においては、景気は引き続き全体としては個人部門にもいい方向に影響しつつ回復している傾向にあるというふうに理解をしております。まあ一番端的な指標は、株価でありますとか長期金利でありますとかいったものもいい方向を示しているのではないかというふうに思います。
 ただ、私は、景気回復とそういう、トレンドとしてはそうですけれども、忘れてならないのはデフレ状態からまだ脱却していないという一番の土台のところ、これがデフレからの脱却だということがはっきりと宣言しないうちは、まあトレンドとしてはそうであっても、景気が良くなっているというふうに胸を張って言える状況にないというふうに私はマクロとして考えております。
 経済産業省は、そういうマクロのことではなくて、むしろ個別の業種、あるいはまた地域経済、あるいはまたとりわけ日本の大宗を占めます中小企業、個人商店といったところをきめ細かく見なければならない役所でございますので、そういう観点からは、業種によってばらつきはございますし、私や東北地方のような、北海道や東北地方といった、地域によっては大変なばらつきがあると。それから、中小企業、零細企業は、総じて大企業そしてまた中堅企業よりも悪いという状況でございます。製造業よりもサービス業の方が悪いとか、そういう意味でいろんな観点から、ばらつきがございますので、経済産業省といたしましては、まだまだ本当に手放しでいい方向に進んでいるという状況ではございませんで、これからもそういうまだ良くない地域、業種、中小企業が早く景気が良くなったなという実感が持てるように、我々としても注意深く情報を把握し、また打てるべき対策を取っていかなければならないというふうに考えております。
○山根隆治君 基本的な認識につきましては、大臣と共通して私自身も持っております。今、株価の話もございましたけれども、小泉内閣発足当時にだんだん近づいているということ等もございました。私たちは、やはり株価というのは将来の経済というものを見て上下するわけですから、そういう意味では、じゃ今、将来性は今ないんじゃないかということを、幾らいろんなことを竹中大臣が言われても、我々は政策論争のときにそれを否定する根拠として株価の話もよくしたことがあったんですが、それも少し回復してきたと。
 ただ、私はやはり、そうはいっても、今大臣自身もお話をされていましたように、私も、確かなものにはなってない、そういう踊り場だということの意味というのはよく理解しにくいんです、日銀も政府も同じような表現をいたしておりますけれども。しかし、政府のそうした表現というのを、景気のこれからというのを見たときに、いつも短期間で軌道修正をして表現を少しずつ変えていくというふうなことが今までずっと行われてきた。そのたびに国民の政府への信頼というものが経済に対しては失われてきたというのが今日までの私は姿じゃないかということでは、共通したものが今あるような気がいたしました。
 特に、二〇〇七年問題に触れられて、私自身も二〇〇七年問題の当事者といいますか、団塊の世代の人間でありますけれども、技術の移譲であるとかそういうことも、たくさんな、いろいろな問題というのは確かにあるわけでございまして、やはり景気が回復したという実感というのは、数値的に見ると企業は非常にいいものが産業によって、例えばITであるとか自動車産業だとかありますけれども、産業間の格差、それから個人の所得の格差等、様々な今問題があるので、本当に景気が回復基調にあるという政府の発言と一般の国民の認識にはかなりな私はもう乖離がある。国民が本当にひとしく、ああそうだなというふうな実感を持つのには私はまだまだ予断を許さない状況だと思うんですけれども、大臣の見通しとして、本当に国民がひとしく、ああ景気が良くなったというふうな実感を持てるのではないかという期間、どれぐらい先でそうした思いが持てるように大臣の立場では思われますか。
○国務大臣(中川昭一君) どうも私はプロでもございませんし、またこういう立場で、当たるも八卦当たらぬも八卦みたいな答弁は控えなければならないと思っております。
 ただ、ごく短期的に見ますと、先ほど申し上げた方が適切だったかもしれませんけれども、短期的な不安要因は、一つは石油の問題がございます。これから冬場に向かってとりわけ心配しなければなりません。それからもう一つは、外需が引っ張っていた、つまりアメリカ、そしてお隣の中国等々が引っ張っていたわけでありますけれども、それがどちらかというと設備投資と内需の方に、とりわけ個人消費が少しずつ良くなってきていると、GDPの六割を占める個人消費が良くなってきているという状況もいい方向の作用にあるということで、私は、データとしては正直言ってまだら模様だろうというふうに思っております。
 アメリカがどういうふうになっていくのかと、とりわけあのハリケーンの影響でありますとか、あるいはまた中国が一体どういうふうになっていくのかということ。あるいはまた、午前中も御議論のありました東南アジア、あるいはお隣の韓国が日本以上に石油の影響を受けているという状況がどういうふうにそれらの国々の経済に影響していくのかといったような不安定要因もございます。
 本当の意味で景気回復を実感、これはもう引締めに入っていかなければならないぐらいの議論が出てくるというのは、これは私は本当によく分かりませんので、むしろ必要であれば事務的なデータをもう少し詳しく説明させますけれども。
 日本の株価、最高値を付けたのが三万八千九百十五円だったと記憶しておりますけれども、あれはちょっと、いわゆるバブルという、まあとんでもない時代の数字でございますけれども、やはり日本が株が今上昇している原因の一つは、やっぱり外国投資家の買いが増えていると。ということは、日本経済は将来に向かってもいいし、それから現時点で割安感があると。つまり、もっともっと上がるのではないかという期待感があるということを考えますと、私は総じて、不安定要因もございますけれども、やっぱり国内外のプロの目は、やっぱり日本経済は名実ともにいい方向に行くであろうし、また今行きつつあるという認識だろうと思います。
 いつかと言われると、私にはそれに答えるだけの知識もございませんので、できるだけ早くそうなってもらいたいなということを期待をしながらということにとどめさせていただきたいと思います。
○山根隆治君 余りこうした大きな話で時間を取るのもなんだと思うんですけれども、やっぱり一番根本的なところの認識の問題ですからお尋ねをしているんですけれども、今お話ございましたようにアメリカ、中国、その牽引力というのは大したもんだと思いますし、それをどういうふうに見ていくかということで経済の予測というのは大きく変わってくるんだろうと思うんです。
 ただ、やっぱりアメリカも、富める人たちがどんどん富んで、そして消費を引っ張っていったということがございます。そして、低賃金の人たちはそのまま賃金を抑えるということでありますので、これが国内のいろいろな行為によってそうした低所得の方々の賃金のアップというふうなことになってくると、これはインフレというふうな懸念もありましょう。
 そしてまた、中国ということからしてみても、中国のやはり経済もかなり目標というのはいつもあそこの国は大きいところに置いていて、二〇〇〇年のベースにして二〇一〇年にはGDPを一人当たり倍にするとか、そういう非常に大きな目標を掲げているんですけれども、これは社会基盤の整備等が必ずしも確かなものでない中国にあって、水の問題、公害の問題等々ございますけれども、そうした中で石油の問題も日本とのいろんなぶつかりというのがございますけれども、そうした非常に不安定要因がある中では、本当に日本の経済、まだまだ予断を許さないというふうな思いをしております。
 ところで、今お話しさせていただいております中で、伺っている中で、やっぱり産業の格差というのがありますね。IT産業、それからまあ自動車産業、そのほかの産業との格差、これについての認識。あるいはまた経済産業省として、これは特に経済的な施策として何か手を打っていくのか。それとも、民間は民間として任せていくのか。その格差についてはどのような認識をお持ちなのか、お尋ねします。
○国務大臣(中川昭一君) 時代によって日本経済を牽引する産業というのは当然変わってくるわけでありますけれども、最近ここ数年は、今まで旧来型の、ある意味では衰退産業と言われていた重厚長大と言われている部分の産業が極めて今元気がいい、原動力になっている。例えば鉄鋼、あるいはまた造船、あるいはまた家電もそうなのかもしれません。いわゆるIT型とかソフト型というものではない製造業といったものが日本を引っ張っております。
 もちろん、コンテンツなんかも日本は大事でありますけれども、そういうものづくり、製造業、技術、そしてその根本にある人間力と、こういったものが、資源がない、また決して大きくないところに大勢の人間が住んでいる日本が生きていく上で極めて大事なことだろうと。常に競争に勝ち抜いていかなければならないということで、昨年、新産業創造戦略という形で、日本の産業がこれから世界の中でトップランナーとして頑張っていく分野というものを幾つか例示をさせていただいたわけでございます。情報家電であるとか燃料電池であるとかコンテンツであるとかと、あともう一個何だっけ、ロボットとかですね。
 しかし、別にそれだけ頑張れと、あとはどうでもいいんだということじゃなくて、地域に大事な産業、あるいはもっと言えば伝統的な技の世界とかそういったもの。そして今年の新産業戦略二〇〇五においては、そういった例えば世界のトップの第何世代のテレビを支えている部材産業、周辺産業、金型、溶接、こういったところ。実はこの多くは中小企業でございますから、そういう中小企業が頑張っていけるような経営、あるいはまた人材、技術といったものをつくっていこうというのが、先ほど当委員会が始まる前に渡辺先生から御指摘がありましたけれども、来年度の重点は何だという御指摘が、これは開会前でございますから、まあ雑談といいましょうか、不規則発言と言うと失礼かもしれませんけれども、の話でございましたけれども、来年度の経済産業省の大きな目標の一つは、そういった日本の一番大事な部分を支えるそういう中小企業が主に担っております部品、材料、そしてまた、きめ細かな日本ならではの技術といったものを更に強化していくことが、どんな川下分野にも対応できるような部分を強化していこうということによってやっていくということで、今例示的に四つの分野挙げましたけれども、ほかの分野はどうでもいいということじゃなくて、土台の分野をきちっとつくっていけばどのようにでも対応できるのではないかということで取り組んでいきたいというふうに考えております。
○山根隆治君 是非そういう御努力もお願いをいたしたいと思いますが。
 日本の経済の回復の背景には、やっぱし労働者の、勤労者の私は犠牲、それが大きいところがある。つまり、具体的には、今まで戦後の日本が手を付けなかったリストラといいますか、人を動かすことによって企業の体質改善をするということに一気に走ってきました。その陰ではやはり随分泣いている勤労者も多いわけでございます。
 先ほど大臣の御答弁を聞いていますと、勤労者の所得もだんだん上がってきているというふうなお話もございましたけれども、しかし最近、直近の資料を見ますと、例えば八月の全国勤労者世帯の実収入が四十五万九千九百九十四円ということで、前年比に比べて二・八%下がっていて、二か月続いて下がっているというふうな数字も実は今、昨日入ったんですけれども。そういうことからしまして、実際のやはり収入というものは、私はまだまだ回復していない、むしろ減っているんだと、そういう傾向にあるというふうな認識持っているんですが、その点はちょっと基本的なところで認識が違うようなんですが、いかがですか。
○国務大臣(中川昭一君) 先ほど私が申し上げたかったことは、可処分所得が若干増加傾向に移りつつあるというつもりで申し上げたんで、もしも間違った言い方をしたとすれば訂正をさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、御指摘のように、仮に所得なり可処分所得が増えたとしても、将来に対する不安であるとか、あるいはまた先ほどの石油関連商品等々の影響だとかを考えて買い控えとかなんとかということ、つまりそれは個人消費に直結する問題でございます。いずれにしても、御指摘のように、収入がどんどんどんどん好景気のときのように増えているという認識は私も持っておりません。ただ、どんどん減っているという状況から可処分所得がいい方向に転換しつつあるという認識を持っているという意味で先ほど答弁をさせていただいたわけで、もしも言い間違いがあったら訂正させていただきたいと思います。
○山根隆治君 議論が勤労者の方に行きましたので、御通知してありました内容と少し、若干変わってくるかも分かりませんけれども、やはり日本もアメリカと同じように私はかなり二極化と、産業の二極化もそうですけれども、個人の、勤労者の二極化ということも実際には広がってきている。つまり、ジニ係数も、OECDと比べても我が国のジニ係数というのはかなり高いところに来てしまっている。つまり、御承知のように、フリーターであるとかニートだという人たちが非常に増えてきているわけですね。それは、日本のやはり産業構造そのものが大きく根底から変わってきて、それに労働者がしわ寄せが行っているというふうなことだろうと思うんです。ですから、アメリカのように、富める人はどんどん富んできて、そして所得の少ない人はどんどんどんどん少なくなっていくと、こういう二極化が実はあるというふうなところが非常に大きな問題として私はあるんだろうというふうに思っているんですね。
 もう正社員と非正社員との所得の格差というのは、生涯ということで見ると、片っ方が正社員の場合、二億何千万、そして非社員で一生を終わるということになると、それこそもう六千万くらいと。もうその差というのは四分の一ぐらい、四倍くらいにもう開いてくるということで、非常に日本の根本的な問題としてこれが大きな問題が波及していくということを私予想しているんですけれども、その辺の問題についての御認識はありますか。
○国務大臣(中川昭一君) たしかバブルのときはフリーターというのは、何というか、格好いいといいましょうか、むしろそっちの方がいいんだみたいな雰囲気があったわけでありますけれども。今御指摘のように、失業をされている方々、それからいわゆる非正規の方々、そしてまたニートとか、いろんなそういう方々が大きな、これは経済活動にとっても大きな問題となっておりますし、それからやっぱり、先ほど申し上げたように、日本の競争力の根源は人材でございますから、そういう意味で若い方々が意欲を持って社会に出ていけない、あるいは意欲はあるけれども社会に出ていってもうまくいかないといった問題も大きな問題として認識をしていかなければならないと思います。
 去年、アメリカで産業競争力レポート、パルミザーノ・レポートというものが出まして、それなんかを読みましても、やっぱり競争力、アメリカが競争に勝ち抜くのは、やっぱり若いときの人材育成であるということが強く指摘されておりまして、大学、大学院でどういうふうにしたらいいのか、研究開発をどういうふうにしていったらいいのかというレポートが出ておりました。日本でも同じように当てはまっていくと思います。
 ですから、働いている人、あるいはまた働いていない社会に出た人、その前のいわゆる学生とか、社会に出る前の段階でどういうふうにその人たち一人一人に力を付けてもらうか、あるいはまた意欲を持ってもらうか。
 意欲を持ってもらうということは、そのチャンスがなければ駄目なわけですから、そういう意味で、これは私どもだけではなくて各省今取り組んで、文科省なんかも取り組んでいるようでありますけれども、学生時代にいろんな体験をする、希望をしていろんな職場体験をするとか、あるいはまた職場に入ってもいろんなところでまた勉強をし直しをするということが大事だということで、去年、先生方にいろいろと御指導をいただきまして、人材投資促進税制というものを導入をさしていただいて、特に中小企業に重点を置いた形で企業の人材力の強化のための投資減税をスタートをさしていただいたところでございますし、やっぱりこれからももっともっときめ細かい人材力、人間力強化のためのいろんな施策というもの、あるいはまた意欲といえば本人のもう内的な問題になってしまうかもしれませんけれども、それにお役に立てるような施策、決して強制的なものにはすべきでないと思いますけれども、そんなところもこれからの、さっきの二〇〇七年問題以降の日本を考えたときには、単に若い人だけではなくて、先輩方にもまた大いに経験とまた力を発揮をしていただく、そしてまたその意欲を生かしていただくというような社会構造になればいいなと。
 これはもう、それ以上は強制というところ、どこまでがいいなという、どこまでが強制で、どこからがそうなればいいなという、またその境目もなかなか難しいのかもしれませんけれども、そんなような経済構造、社会構造というものも視野に入れていかなければいけないのではないかというふうに考えております。
○山根隆治君 大臣の話を聞いているといろんなことを議論したくなるので、ほかにどんどんどんどん用意したものと外れていってしまうちょっと今危険を感じているんですけれども。
 今非常に問題なのは、若い人の話ずっとされましたけれども、若い人も専門職と技術職の人間というのはどんどんどんどん求められて足らなくなっている。しかし、軽労働というか単純作業というか、そういう労働者は余りぎみだと、こういうふうな時代になっているわけですよね。そして、高齢者ということから考えても、高齢者も若いとき、高齢者と言うとあれですが、三十五過ぎてフリーターになっている人があと五年、十年たっていくとどんどんどんどん正社員になる確率というのが下がっていって可能性が少なくなっている、こういう問題ですよね。
 そうすると、もうフリーターやっていてある程度、まあ収入がぎりぎりのところで食べていければいいというふうに思っていたところが、ところが仕事がなくなってということになると、嫌気が差して、あるいは自信喪失して、それがニートになっていくと。そういう非常に悪循環があるわけで、そこをどう断ち切っていくか、あるいは抜本的にやっぱり解決をしていくかというのが今大きな問題、雇用をめぐっての問題として私はあると思うんですね。ここのところをしっかりさせないと、社会の不安定度というのが非常に増しますし、確かなやはり経済の回復というのはなかなか、人が安定しなければ日本の経済の本格的な立ち直りというのは私はあり得ないだろうと、こんなふうに思っております。
 こうして議論をすると時間がたちますので、ちょっと予約じゃなくて御通告をしておりましたところにまた返らせていただきたいと思いますけれども、経済の本当の回復策ということは、働いている人というのも大事ですけれども、自動車産業も非常にすそ野が広くて、何万という部品で成り立っているというふうに言われております。
 もう一つ、やはり経済波及効果が私は高いのは住宅産業だろうと思うんですね。これはまた、もう家を建てるというだけじゃなくて、そこから家具も新しく換えたりテレビも換えたり、いろいろなものが新しく購入するということでのその経済への波及効果は昔から高いというふうに言われてきております。
 その建設業、特に住宅建設にかかわる経済波及効果についてはどのような認識をお持ちでございましょうか。
○政府参考人(和泉洋人君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、住宅建設は建設資材等の住宅関連産業が多岐にわたり、そのすそ野が広いことから経済波及効果は大きく、いわゆる生産誘発効果、これは約一・九倍と推計されております。具体的には、住宅投資には木材、鋼材、ガラス等の生産資材に加え、関連の機械、エネルギー輸送等を含め幅広い産業に対する生産誘発効果があり、住宅投資額年額十八・七兆円、GDPの約三・七%に達しますが、生産誘発効果額を含めますと合計で約三十六・〇兆円、GDP比約七・二%になります。
 このほか、今先生御指摘のように、入居に際しまして家具とか家電製品などの耐久消費財等の購入が期待できますので、そういった意味で住宅建設は極めて経済波及効果の大きな産業だと認識しております。
○山根隆治君 GDPの構成比で見ますと、この住宅産業というのもほかのところに比べて少しやはりまた落ちてきているんですね、不動産は結構上がってきていますけれども。この辺のところが少し私自身は、いま一歩、国の施策としてやはり住宅産業というものの育成を私は考えていく必要があるんだろうというふうに思います。
 大きな国の流れということから見てみると、少子化ということで、例えば西暦三〇三〇年には日本の人口がゼロになるというふうな統計、試算もございますけれども、少子化になっていくとそれだけ住宅の着工件数も少なくなる、こういうふうなことはあります。
 ただ、その耐久性というか、そういうことからすると、日本の住宅の耐久率といいましょうか、使えるのはやっぱり三十数年、それからアメリカが四十数年、ヨーロッパ五十年、六十年というところもございますけれども、そうした問題がありますし、そしてまた、ロシアなんかでは、ダーチャといいましたかね、ある年配になると地方に行ってそこで農業を営んでゆっくり暮らす、これが国民に広く行われている生活のパターンですけれども、日本でも団塊の世代の人たちがそうした傾向、かなり志向というものを持って今きているように思うわけですね。そうすると、それを第二のハウス、セカンドハウスというふうなことで、ヨーロッパのような住宅需要というのが起きてくるという可能性もあります。あるいはまた、一人頭の、住宅の中での一人当たりの面積というものを考えると、まだまだ日本は小さいというふうなこともあります。
 そういうことで、私は潜在的な需要というものは相当あるんだろうというふうに認識しているんですけれども、国の施策としてその辺を見越したところの住宅政策というものはどんなふうに今なっているのか、簡単にひとつお答えください。
○政府参考人(和泉洋人君) 簡単にということなので。
 今の御指摘のとおり、戸数だけで見れば、今の住宅数は五千四百万戸で世帯数が四千七百万でございますから、戸数は十分なんでございますが、今先生御指摘のように、耐久性の面とか耐震性の面、あるいはバリアフリー、あるいは省エネルギー、こういった面ではまだまだ不十分でございます。
 そういった意味で、国としまして、そういった観点からの住宅の質の向上について、税制、融資等含めて質の向上に全面的に取り組む必要があると、こう認識しております。
○山根隆治君 認識は分かったんですけれども、対策というか、もうちょっと、短くと言ったから省かれたんでしょうけれども、こういうふうな政策というものを出していくんだと、施策をやっていくんだというのをもうちょっとお聞きしたいんですが。
○政府参考人(和泉洋人君) 済みません。
 じゃ、幾つか具体的に御紹介しますると、住宅の取得についての支援するために、住宅ローン減税制度と、こういったものを講じてございますし、加えて、住宅金融公庫を今証券化支援スキームに改めてございますが、そういったスキームの中でも、省エネルギー性能や耐久性能やバリアフリー性能が高い住宅につきましては金利を下げるといったことを通じまして質の誘導をいろいろと行っているということでございます。
 加えて、ストックについても、この特別国会に耐震改修促進法の改正案を提出させていただいておりまして、現在、約四千七百万戸の住宅のうちの二五%、千百五十万戸が耐震上不十分である、こういったものにつきまして、特別国会に耐震改修法の改正案を提出させていただきまして、加えて、それに関する税制面あるいは予算面での要求をさせていただいて、いわゆるストックの質の引上げにつきましてもそういった観点から努力をさせていただいていると。
 こういった個々の分野の施策につきまして総合的に今後展開してまいりたいと、こう考えている次第でございます。
○山根隆治君 特定建築物の耐震性ということでの試算というものを承知いたしているんですけれども、その経済波及効果というものはどのような試算をされておりますか。
○政府参考人(和泉洋人君) 耐震改修も住宅建設の一部でございますので、これから御説明しますることは、耐震改修法の改正等が将来通りまして、その施策に従って耐震改修を進めた場合の見通しと申しますか私どもの期待でございますけれども、耐震改修の工事の促進につきましては、政府としましては、東海地震、東南海・南海地震等の死者数とか経済被害を今後十年間で半減させると、こういった目標を今年の三月の中央防災会議で決めさせていただきました。
 こういったことを実現する観点から、今後十年間で住宅及び今先生の御指摘の病院、百貨店等の特定建築物の耐震化率を、今七五%でございますが、これを九〇%まで少なくとも引き上げたいと、こういった目標でございます。そのためには、住宅の耐震改修は年間十万から十五万戸、特定建築物については年間三千棟程度の耐震改修が求められます。その経済効果としましては、生産誘発効果を含めまして、住宅については年額で三千五百億から五千億程度、特定建築物につきましては年額約六千億円弱と、こう推計しているところでございます。
○山根隆治君 是非それらも積極的にやって、経済への波及効果広げてもらいたいと思うんですけれども。
 耐震性ということになると、一九九四年以来、アメリカが日本に対日要望を出すと、予算要望を出しているということは、私もほかの委員会、郵政などで指摘させていただいたことがあるんですが、実は阪神・淡路の大震災の後に建築基準法が強化されるかと思ったら逆なことがあって、それは規制の緩和という大方針、それはアメリカの要望に沿ったものかどうか分かりませんけれども、そんなふうなことがあったというちょっと記憶を今思い出しましたけれども、是非日本国民のための政策というものをしっかりやって、経済への波及効果というのもそれはもう是非意識してやっていっていただきたいということを、この点については要望して終わらせていただきたいと思います。
 次に、今ここの部屋の設定温度もございますけれども、二十八度ということになっておるんだと思うんですけれども、クールビズですね、非常に私たちもクールビズの受け取り方、党内でもいろいろな議論がありました。私は保守的なので、やはりネクタイはちゃんとしていた方がいいとか上着もそのままでいいんじゃないかというごく少数派ではあったんですけれども、このクールビズの経済効果というのはどのようなものだったんでしょうか。
○政府参考人(広瀬哲樹君) クールビズの経済効果について御質問がございました。
 経済効果につきましては、クールビズの実施が経済全体に与える影響、これにつきまして統計が十分整備されておりません。こういった観点から、定量的にお答えするのは非常に難しいかと思います。ただ、一般的には、シャツでございますとか、先生御指摘のようなネクタイに対する効果、ジャケット等ございます。増えるものを考えますと、夏用のシャツでございますとか夏用のジャケット、それからズボンといったものがございます。他方、減少するものとしましては、従来買っておりましたようなサマースーツでございますとかネクタイといったものが販売減となると考えられます。
 業界統計あるいは家計調査などを見ますと、確かにクールビズの効果が現れておりまして、クールビズに関連します品目につきまして、販売あるいは購入増ということが示されております。具体的には、日本百貨店協会の調査によりますと、紳士服全体の売上げ、これが今年六月から八月にかけまして、合計で前年比二・三%増でございます。もう一方の購買統計でございますけれども、家計調査、勤労者世帯では、クールビスに関係します品目を見ますと、同じく六―八月期でございますけれども、前年比七・八と増えております。このように、クールビズに関しましては、商品の売上げ、購入等が増えていることは事実でございます。
 クールビズ導入の意義ということからしますと、オフィス等で冷房設定温度が引き上げられますし、またこういったものが浸透していきますと、中長期的には、省エネルギーを通じまして省エネ、それから現在ございますような原油高におきます輸入代金の削減といったような長期的な効果も期待できるんではないかと考えております。
○山根隆治君 ちなみに、これは経済効果でやっているということではなかったかと思うんですけれども、基本的な理念をちょっとおさらいで言っていただけます。
○政府参考人(小林光君) クールビズでございますけれども、これは地球環境を守るために一人一人ができる行動をしていこうということでございまして、数年来、この国民部門、民生部門といいますか御家庭、そしてビルでございますが、ここにおきますところの対策の遅れということが大変問題になっておりまして、そういうところに対策を促していくための一つの方法として、この四月の、今年の四月の二十八日ですが、閣議決定をさしていただきました、午前中にも出ました京都議定書目標達成計画において国民的な運動をしていくということが定められておりますが、それに沿って起こしたものでございます。
 クールビズだけがその国民的な運動でございませんで、チーム・マイナス六%、京都議定書の削減目標の数字を使って、みんなが一緒になって、そして地球とつながるような暮らしをしてその削減をしていこうと、こういう訴え掛けの下で、例えばもったいないバッグといいますか、買物バッグを使い捨てにしないとか、そういうことも含めましていろんな運動をしておりますが、その一つがクールビズということでございます。
 おかげさまで、呼び掛けに対しまして、初めてのことでございますけれども、企業のアンケートによりますと、六〇%ぐらいの企業が実施をされ、また実際に冷房設定温度を高くしている企業も四〇%に上ったということでございます。ネクタイを外すと体感温度として二度ぐらい涼しく感じるというふうに言われておりますけれども、そういったことを受けての措置だったのではないかということで、それが正面の効果と私ども考えております。
○山根隆治君 マイナスはどんなことがあったんですか。
○政府参考人(小林光君) マイナスといいますか、私ども打って一丸となってこれをやっておりましたものですから、私、例えば冷房車両でも、例えば控え目冷房とか乗ったりいたしまして、おかげさまで、そういう意味でいいますと特段のマイナスは感じてはおりませんでした。
 ただ、アンケート等によりますと、やはりお客様の商売をされている方が失礼に当たるのでやりにくかった、あるいは会社の上司の方が賛同してくれなかったので社内で少し、何というんですか、やりにくかったというような声はアンケートとしては寄せられてございます。
○山根隆治君 役所の中で、温度設定が二十八度で非常に苦しくて能率が下がって頭の回転が衰えたとか、そういうことはないんですか。
○政府参考人(小林光君) 実際の冷房といいますのは、体感温度は実際には気温だけではございませんで、例えば扇風機を使う方とかそういうふうな形で、先ほど申し上げましたように体感温度の方を下げて、恐らく、頭の働きは個人的な問題もあろうかと思いますけれども、皆さん努力をされたのではないかというふうに承知をしております。
○山根隆治君 国会、テレビで国会中継しているときに、ネクタイがないというのはどうだろうか、だらしないとかいろんなものがあったんですね。国会は、例えば本会議場も高いからなかなか二十八度にならなくて、うちの理事が非常にチェックが厳しくてなかなか、二十八度ということじゃなくて、もっと涼しいところでやらせていただいたんですけれども。
 やはり権威というもの、権威と服装というか、そういうものも、私たち、どういうものかなという感じは非常に中にいて思いましたけれどもね。「衣服哲学」という西洋の哲学書がありましたけれども、王様はなぜ王様かというと、服装が王様だから王様だという、そういう論理に帰結する哲学書があるんですけれども。
 それはさておきまして、今後もクールビズやっていかれるというふうなことだと思うんですけれども、様々な問題点というのを是非整理しておいていただいて、また議論に供していただきたいというふうに思います。
 それでは、一つ、今、地方自治体、全国市長会から要望書も出ている生活保護費の負担金の問題、国庫負担の割合の引下げについて断固反対だと、非常に強い今、声が、要望書が出ているんです。
 この点についてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思うんですけれども、どういうことが問題かというと、やはり今、国が四分の三負担をして、そしてそれを今度変えて、もっと市町村にそれを、負担を押し付けようと、そういうふうな動きだというふうに承知を、認識をしているんですけれども、今、市町村の財政も非常に、市の財政厳しいと、地方自治体厳しいという中で、もしそのことを実施されると大変なことになる。もうどうしてもやらざるを得ないのであれば、もっと厳格に生活保護の規定等について、やはりもう少し厳格性というものを持たなくてはいけないんじゃないかと、こういう議論が、実は要望も私のところに届いております。
 それはどういうことかというと、やはりその生活保護費をめぐって暴力団に絡んだ問題があるんじゃないかというような御指摘等でございますけれども、これらの事例について、警察の方、今日お見えになっていただいていると思いますけれども、事例あればお聞かせください。
○政府参考人(和田康敬君) 生活保護にかかわりました暴力団の事案でございますけれども、例えば、収入が一定以上あるのにこれを秘して生活保護費を不正受給をしたという詐欺事案でございますとか、あるいは生活保護の受給に絡んで担当の職員の方に因縁を付けまして暴行を働くと、そういった公務執行妨害事案、こういった事案がございます。
 こういった事案につきまして、それぞれ関係の地方自治体と連携をして厳正な取締りを行っておるところでございます。
○山根隆治君 自治体の首長さんからは、非常に職員を、そうした疑いのあるところに話しに行ったり事情聴取に行ったりするのに非常に職員の安全ということからすると不安が大きいんだということで、こうした点について是非国会で取り上げてほしいと、意見を言ってほしいというふうな御要望、私実はいただきました。本当に職員も、それはだれしも、職務で行くわけですけれども、非常に恐怖を覚えていく。そういうふうな場合に、例えば警察官が同行をする、あるいは周りのパトロールする、いろんな手だてがあるかと思うんですけれども、現実的にはやり得る方法というのはどんなことで市町村に協力できるんでしょうか。
○政府参考人(和田康敬君) 生活保護に絡んで担当の職員の方が調査に行かれる場合の我々として取り得る方法というのは幾つかございます。
 一つは、もちろんそういう対応についてのアドバイスを、こういう形でやったらいい、あるいはこういう形でやるといろいろとトラブルが起きるというようなこと、それについてのアドバイスもございますし、また仮に、非常に不法事案が起こる可能性があるという場合については、この事態の態様に応じて、必要によればそれに同行して、直近においてそういった調査をされる際に何かあればすぐに対応できるような態勢を取るということも可能であろうと思います。
 それぞれの具体的な態様に応じて、我々としては支援できるものは支援をしていくという考えでおります。
○山根隆治君 そうすると、具体的に市町村長からそういう要望があった場合には地元警察を窓口として対応していただけると、こういうことでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(和田康敬君) 所轄の警察署と対応していただければ結構だと思います。
 それとは別のいろんな枠組みの中で、こういった生活保護以外の、現在、暴力団がいろいろ行政に対するいろんな行政対象暴力といったようなものがございまして、それについては各それぞれの自治体と管轄する警察署とで一定の協議の場というのを設けています。それから、それぞれの担当の市町村なりにそういったことを担当する責任者というものも選任をしていただいて一定期間ごとに講習をしたりしております。そういったパイプもございますし、いろんなチャンネルがあろうかと思いますが、基本的にはそういう対応については、所轄警察署の方で御相談いただければ対応できるかと思います。
○山根隆治君 先ほど来の議論と少しかかわってくるんですけれども、フリーターの方とか、それからニートの方、意欲をなくした方々どんどん増えてきています。そういう方々がやはり生活保護世帯になっていくというふうなことがこれからどんどんどんどん増大していくんだと思うんですね。それから、やっぱり離婚率というのは非常に今高くなってきている。だんだん欧米並みになって、それはいいか悪いかというのをちょっと言うと支障がありますけれども、そういうことで非常に生活保護を受けられる方々増えてくる、あるいはもう一つの社会的な要因としては高齢者の方々が増えてくるということで、非常に生活保護世帯が増えてくる可能性が、激増することが想定されるんですね。
 そうなってくると、こうした状況に乗じてやはり暴力団関係者がかかわりを持つというふうなことも懸念されるんですね。そうすると、相当のやっぱり件数が具体的に出てくるんだろうと思うんですね。警察でそうした事態というものを想定して、堪え得る人的な、量的、質的な体制というのは、それはどのように御認識になっていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(和田康敬君) 具体的にどのような事態が起こるかということ、なかなかちょっと想定はし難いわけでありますし、もちろん警察の体制も有限でございますから、いろんなことについて、すべて、いついかなるときにもすぐタイムリーにやってくれということになると、なかなかその期待に沿えない場合も多少あるかと思いますが、そういった事態の内容に応じて、やはり緊迫性がある、あるいはこれが非常に不法事案を招きかねない、そういったものについては優先的にそういった対応はしてまいりたいというふうに考えております。
○山根隆治君 大変いい御答弁ありがとうございました。これを聞いた、後から議事録等で読まれた首長さん方は大変心強い思いをすると思うんで、本当にいい答弁いただきました。ありがとうございました。
 それでは、最後に電源三法の交付金についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今、原子力発電所の稼働率はどういうふうになっていますでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) 最近時点の稼働率は全国平均で六十数%であったというふうに記憶をいたしております。
○山根隆治君 現在、日本の原子力というのは非常に大きなウエートを占めておりまして、フランスほどではないですけれども、やはりもう三割を超えるエネルギー供給源ということで、非常に大きな、日本の経済の発展にとっても欠かせないものだというふうに認識を私もいたしているところでございますが、しかしこの数年、いろいろな不幸な事態、状況が現出をしまして、原子力発電所停止を、機能を停止しているというところも実はございました。衆議院の方でもいろいろな、様々な議論があったというふうに承知をいたしているんですけれども、そのときの交付金ですね、この交付金の意味合いというものはどのように認識をされているんでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) ただいま先生から御指摘ございましたように、エネルギー情勢大変厳しい中で、原子力発電、エネルギーの安定供給ということ、それから発電段階で二酸化炭素を排出しないということで地球環境問題の観点からも大変重要であるということで、この推進を従来から図ってきておるわけでございますけれども、何と申しましても、発電所の立地をいたします地域との共生を図るという観点から、地域の方々に御理解をいただくということで、地域の振興あるいは産業の振興というようなことを図りますために交付金をそれぞれの地域に交付をしていると、こういう位置付けでございます。
○山根隆治君 その交付金の内訳、現在は、今日までどの程度のものが交付されてきているんでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) ただいま手元に数字を持っておりませんけれども、基本的には交付金は二つございまして、一つは立地の時点におきます交付金、それから稼働している運転期間において交付される交付金、この大きく分けますと二つから成り立っていると。交付先といたしましては市町村それから当該の県ということに、まあ道と県になると、こういうことでございます。
○山根隆治君 要綱もできておりますし、様々な法的な縛りといいますか、枠というものはっきりしているんですけれども、その中で、稼働しているものに対して交付するということだろうかと思うんですけれども、しかし、現実には今日まで操業がストップしているところについても交付金が出されていたというふうに認識しているんですが、これは事実、間違いないんでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) 交付金の中で、電力移出県等交付金、それから長期発展対策交付金というのがございます。これ、それぞれ、まず電力移出県等交付金は、都道府県内に立地をする発電施設、これは原子力発電所以外のものも含むわけでございますけれども、その出力を基礎として算定をいたしました額、それから発電された発電電力量を基礎として算定した額を合わせました額を限度といたしまして交付金を交付しております。また、長期発展対策交付金につきましては、立地市町村内に立地をしております原子力発電施設の同じく出力を基礎といたしまして算定した額、それから発電電力量を基礎として算定をいたしました額等の合算額を交付限度額といたしまして、立地市町村に対して交付をいたしております。
 ただいま先生の御指摘のございました、施設の運転が停止している場合にも交付をされているのかということでございますけれども、これにつきましては、安全性を確保するために発電所の運転を停止をしていると、そういう場合には、平常時と同じように運転をしたものというふうにみなしまして、交付金をただいま申し上げた額で算定をするという措置が講じられているわけでございます。これは、こうした場合の原子力発電所等の運転停止につきましては、立地地域には責任がなく、立地地域を不利に扱うべきではないという考え方に基づきましてそういう運用をしているということでございます。
○山根隆治君 地域の方々の立場と、それぞれ立場が違うといろんな考え方があるんだろうと思うんですね。やはり、止まっているからといって、先般も何か議論が参議院の方であったようですけれども、必ずしも地域の方々のやっぱり安心とかということを保障していないじゃないかというふうなことがあって交付は続けるべきだという議論があったというふうなことも聞きましたけれども、いずれにしても、これ非常に根本的なやっぱり問題にもなりますので、今後十分検討されるというのが衆議院段階での御答弁かというふうに認識しておりますけれども、この点についてはそうした認識に変わらないということで理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) この件につきましては様々な御指摘あるいは御意見があるのは御指摘のとおりでございまして、また議会、国会の審議におきましても、こうした場合に交付金を支給、交付すべきではないという御指摘もいただいておるところでございますけれども、中でも特に、国が安全性を確認しました以降は、みなし交付金と申しておりますけれども、この制度を適用すべきでないという指摘もされているところでございまして、経済産業省といたしましては、国会等でのそうした御指摘も踏まえながら、より適切で有効な交付金の在り方につきまして引き続き検討しているところでございまして、それを踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○山根隆治君 終わります。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 本日は、午前中からの質疑で既に地球温暖化問題、また原油高騰問題、そして東シナ海ガス田問題、さらには景気対策、そして電源立地交付金、幅広い質疑がなされたわけでございますけれども、私からは二点に絞って質疑をしたいと思っております。
 まず一点は、最近議論なされております政府系金融機関、特に中小企業系政府系金融機関の在り方、改革の在り方についてでございます。もう一点は、午前中小林委員も触れられましたが、アスベスト問題について少し深堀りをしながら質問をさせてもらいたいと思っております。
 まず、この十月の月例経済報告でございますけれども、景気も踊り場を抜け、三か月連続の回復基調が報告されておりまして、いよいよ地方や中小企業への景気回復の波及が期待されると、そういう時期になったのかなと思っております。
 しかし、手放しでこれが期待できるわけではございません。地方の金融機関の不良債権処理はまだまだでございます。また、中小企業が攻めの経営をしようとそう思っても、担保があるわけじゃありません。もう不動産も十分担保になってしまっております。
 そこで、私はさきの国会の中小企業経営革新法改正の質疑の際にも指摘をしたんですが、昨年の臨時国会で改正されて今月三日から施行されました債権譲渡特例法を活用して、動産登記による在庫などの動産担保の積極的活用、また政府系金融機関のその先進的活用が中小企業が攻めの経営をする上で重要ではないかと考えているわけでございます。
 配付した資料にございますように、中小企業の資産の在庫が四十一兆円、売り掛け債権も含めれば約二七・一%も資産としてあるわけでございますけれども、実際活用しているのは、下にございますように、在庫など動産の方は中小企業事業者の四・三%、売り掛け債権は五・九%しか活用されていないと、こういう状況でございます。
 しかしながら、頼もしいことに商工中金が面白い事例を示しました。それがこの新聞記事なんですね。昆布と煮干しはだしにもなるんですが、担保にもなるという、そういうわけでございまして、こういう昆布、煮干しを担保に融資をするという動産担保のモデル事業が始まったわけでございます。
 そこで、経済産業省にお聞きしたいと思いますが、この動産担保モデル事業の概要について、そして更に今後これを拡大していく上では人材育成、特に動産の評価、またその処分市場の整備というのが重要だと思いますけれども、その状況についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(北畑隆生君) 御指摘の昆布、煮干しを担保とした融資という報道についてでございますけれども、商工中金が、この十月の三日に法務省の方で施行されました動産譲渡公示制度、これを活用いたしまして、その第一号案件ということでいわゆる流動資産担保融資というものを実行いたしまして、報道されたところでございます。
 御指摘のとおりでございまして、福岡県古賀市の海産物加工卸の中小企業に対しまして、昆布、煮干し、海藻類製品等の在庫を担保として、地元の福岡銀行と協調いたしまして総額五千万円の融資枠を設定したというものでございます。
 我が国の金融機関の融資慣行というのは、不動産に対する担保あるいは個人保証に過度に依存をしておるということで、これが様々な問題を生じておるということは当委員会でも度々御指摘をいただいたところでございます。委員御指摘のとおり、不動産以外にもこういう売り掛け債権でありますとか在庫を担保とした融資ができるということになれば、これは中小企業にとりまして新しい資金調達の手段となるわけでございますし、また我が国の金融慣行をそういう不動産担保から事業の収益に注目した融資慣行へと変えていくという意味でも大変意義のある第一号案件であったと考えております。
 これが今後大きく普及をしていくことを期待をしておるわけでございますが、それには様々な条件がございます。動産でございますから、売られるということがあるわけでございまして、その第一が、その動産について譲渡について第三者対抗要件の制度がなければならないわけでありますが、これにつきまして、十月一日から今申し上げました新たな公示制度ができた、第一歩の条件整備ができたわけでございます。
 更に普及していくためには、人材の育成でありますとか、動産の処分市場の整備でありますとか、それから金融機関における実務ノウハウの蓄積、それから、非常に重要なことなんですが、商慣行の改善、これは売掛債権担保保証のときにも御議論いただいたんですが、どちらかというと、土地に加えて在庫まで担保に取られるようになったのかというのが逆のマイナスのイメージになるという問題もございますので、この辺については商慣行の是正も含めて取り組んでまいりたいと考えております。
 私どもでは、この九月にこういった流動資産担保融資に関する研究会を省内に設けまして、商工中金の事例を参考としつつ、具体的な課題について検討を始めたところでございます。
 今申し上げました商慣行の改善という意味で、シンポジウムの開催などを通じまして、地域の金融機関や一般事業者への啓蒙普及といった活動も併せて実施をしてまいりたいと考えております。
○浜田昌良君 ありがとうございます。
 アメリカなどではこういう流動資産担保というのは広く利用されているようでございますけれども、我が国ではまだまだ新しい分野だと思います。こういうリスク評価の困難な分野こそ政府系金融機関が先鞭を着けていただいて、そして民間企業を引っ張っていただくと、そういう役割があるんだと思っております。
 一方、今月の六日、小泉総理は政府系金融機関について、一つにできるんだったら一つがいいのではないか、こう思い切った統廃合に踏み切る考えを示したとの報道もありました。また、今月十三日の読売新聞には八政府系金融機関の役員の半数近くが天下りであるとの記事が出たり、また、二十一日の日経新聞では商工中金を民営化し、その他の機関を三つに統合するとの記事が出たりして、マスコミもその統合をあおっていると、こういう状況でございます。
 しかし、政府系金融機関の在り方の検討は、このような組織を幾つにするのかといった組織論からするべきじゃないんじゃないかと。むしろ、民間金融機関では果たせない機能は何か、また中小企業事業者にとってどのような金融機能が求められているのかといった機能論、そこから議論をすべきであると考えております。
 この機能論に関しては、全国信用金庫協会によるアンケートによりますと、国民金融公庫や商工中金の融資残高の七割から八割を占める普通融資、一般事業性融資も民間金融機関で対応したいという、そういう勇ましい声はあるのも事実でありますが、一方、二〇〇三年の国税庁の調査によりますと、資本金一億未満の中小企業の六八%が累積欠損、四〇%が単年度赤字でございます。また、中小企業は自己資本比率が低く、長期低利で固定の政府系金融機関からの融資が擬似資本、言わば実態的な自己資本となっているのが実態でございます。このような機能を、不良資産八%と都市銀行の倍以上抱えている全国の信用金庫や、一二%と四倍近く抱えている信用組合で果たして対応してくれるのかといぶかる中小企業もいるのも事実でございます。
 このような背景を踏まえますと、政府系金融機関が担うべき機能の第一としては、私は、広い意味でのセーフティーネット機能ではないかと考えております。つまり、災害時の緊急貸付けに始まりまして、累積欠損企業に対してもコンサルティングを行いながら息長く融資を行っていく、単年度赤でも、二期赤でも付き合っていくという、こういう機能。
 担うべき機能の第二としては、動産担保融資や売掛債権担保融資を冒頭例に挙げましたが、このような新たな形態の融資とか、創業、経営革新、企業再生などリスク評価が困難な分野における民間金融機関との協調融資ではないかと思っております。
 このようなあるべき機能論は、さらに横軸として、生業的な零細企業、事業革新や再生に取り組む中堅企業、そして異業種連携を含む共同事業に取り組む事業協同組合など、取引対象の特性に応じた企業の在り方も踏まえる必要があると考えております。
 そこで、是非大臣にお聞きしたいと思うんですが、この政府系金融機関の在り方についての検討は機能論から、組織論じゃなくて機能論から議論すべきと考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。また、中小企業分野においては広い意味のセーフティーネット機能、また民間ではリスク評価が困難な分野の補完機能が特に重要と考えますが、大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、二つ御質問をいただきましたが、機能論からと、あるいはまた政府系の在り方という二つ、私がお答えしたいことは多分二つまとめてということになります。
 午前中も申し上げましたが、政府系金融機関の在り方について議論がされておりますが、私はそれ以前から、中小企業金融について当委員会でも法案の審議あるいは一般質疑等で御議論があるたびに、本来政府系金融機関というのは、自由主義そしてまた民主体、民の国家でございますから、民間ができるところは民間でと、そして、民間を押しのけて官が出てくるということがあってはならないというのが大前提でございます。
 それは、逆の言い方をすれば、民間でできない、そしてまた国民経済的に、あるいはまた地域経済的に、また本当に困っている人とか、そういうことについて民間がどうしても採算ベースその他でできないと、でも必要だということについては、これはやっぱり公といいましょうか、官が出ていってやっていかなければならないというのが私は大前提だというふうに考えておりまして、正に金融部門においてはそれが当てはまるというふうに考えております。
 そして、もう一つ大きな柱は、中小企業対策、中小企業の活性化、これも午前中やり取りをさせていただきましたが、日本経済を支えているのも、地域経済を支えているのも、雇用の大半を支えているのも中小企業でございますから、中小企業が頑張ってこそ日本の活力あるいは真の意味の景気の回復があるわけでありますから、政府としても、もちろん経済産業省としても、一番大きな仕事は中小企業関係の諸行政、諸施策だというふうに思っております。
 そういう立場で、民ができないことに対して、そして中小企業政策を推し進めていく上で必要な官の機能というものは、もうそこから議論をしていかなければならないというふうに考えておりまして、そういう観点から必要なものは必要なものとして機能させていきますし、また逆に言えば、民でできるものは民でということになりますけれども、御指摘のように、今いろいろと現に存在しております政府系金融機関、とりわけ中小企業向けの政府系金融機関は、文字どおり政府系であるからこそやっていかなければならない、またやっていける部分が多々あるという機能論からこの部分について議論を進めていかなければならないというふうに考えております。
○浜田昌良君 ありがとうございます。
 是非、民間にできないものは政府系金融機関が行うという原則に立って、民間金融機関の限界を見極めつつ機能の在り方を深めていただきたいと思っております。
 一方、全国中小企業団体中央会が行ったアンケートによりますと、政府系中小三機関のそれぞれの機能は統合によって失われるあるいは薄まるとの声、それが八〇%あるんですね。同じようなアンケートは、商工会議所、商工会連合会、商店街振興会でも同様な調査結果が今出ています。
 そこで、再度大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、中小企業関連政府系金融機関は、現在、御存じのように国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金と、この三つあるわけでありますが、いわゆる世間の批判のある天下り規制は厳しくし、民業にゆだねる部分は部分的に廃止するにしても、この三つの機関の組織の安易な統合はそれぞれの機能が薄まるとの中小企業事業者の声を踏まえた場合、組織の在り方としてどういう形態が一番望ましいと考えておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
○大臣政務官(山本明彦君) 浜田委員にお答えさせていただきたいと思います。
 今、天下りのお話がございました。中小企業の関係の中小企業金融公庫、商工中金、国民生活金融公庫、それぞれ経済産業省からも行っております。しかし、これは天下りという言葉よりも、適材適所ということで行っておるわけでありまして、必要な人は必要なところへ行く、必要なところは必要な人が欲しいと、こういった形で需要と供給の関係で決まっていくべきものだと、こんなふうに考えております。
 今、機能のお話がございましたけれども、やはりこの三つの機関それぞれ必要に応じ、必要があったからこそこの三つの機関ができてきたわけでありまして、統合すればその三つの機関が三つの部門に分かれてやればいいかというと、やはりそういうわけでもないというふうに思っております。それぞれいかに機能がよく発揮できるかということが必要だというふうに考えておりますので、機能があって、それから組織というのが出てくる、こう判断しておりますから、機能をまず考えていって、それから組織論だというふうに考えておりますが、何にいたしましても、これからしっかりと検討させていただきたいというふうに思っております。
○浜田昌良君 今言われましたように、機能があっての組織論でもありますし、そしてその機能が最大限発揮できるような組織でありますように、ここはいろんな議論が性急に進むと、この一、二か月、思いますので、是非そこはじっくりと省内でも議論をいただきたいと思っております。
 次に、アスベスト関連の質問に移りたいと思いますが、本年九月から十月に経済産業省でアスベストを含有する家庭用品の実態把握の調査というものが実施されました。その結果を基にデータをまとめたものが配付資料の二枚目でございます。
 私は、当初、アスベスト問題は、労災保険で救済されない多くの被害者の救済、つまりアスベスト新法と学校などの公共建築物での飛散防止対策、さらには二〇一〇年代がピークと言われるアスベスト使用建築物解体時の作業規制、廃棄物処分規制と、この三つの柱をきっちり実施すれば当面はもう大丈夫だろうなと思っていたわけですが、この今般実施されました実態調査の結果を見まして、問題はそう簡単ではないなと思ったわけであります。
 この資料の縦軸は何かというと、アスベスト含有家庭用品の販売終了年代、横軸にその品目分類を取っているわけでありますけれども、目的外使用や廃棄によってアスベストが放出する可能性がある品目数をプロットしたわけです。そうしますと、この右端の、字が斜体になっておりますが、百五十七社五百六十二製品七百五十五品目のうち、通常と異なった使用形態、つまり誤使用とかまた廃棄によってアスベストが環境中に放出したりするものは何と二百四十六品目、全体の三三%もあるというのがこの実態調査の結果でございます。しかも、アスベストを含んだ家電製品においてはほとんど現時点で耐用年数を過ぎておりまして、何ら対策を取られずに既に廃棄されているものが多いと考えられる一方、建材とか浴室やキッチンなどでは消費者が、誤った使い方によりアスベスト放出可能性があると知らずに現時点でも使用中のものが多いというのが現状でございます。
 WHO、世界保健機構の報告書によりますと、アスベストの暴露については、これ以下ならがんが発症しないという閾値の確たる証拠はないとのことであります。つまり、平たく言いますと、少量ならアスベストを吸い込んでも大丈夫という最小値はないということなんですね。
 そういう前提でこの調査結果を見ますと、少しぞっとするわけです。アスベストを含有し、放出可能性があるとされている数万台のアイロン、大体数万台ですね、数十万台のトースター、電気スタンドは数百万台ありました。それが家庭ごみとして廃棄されて、ごみ収集車に破砕されて、焼却場で燃やされて、その灰が処分場に運び込まれてどうなっているんだろうと思うわけであります。
 有害性が早くから指摘されていながら、なぜ家庭用品にこのようにアスベスト使用やそれに伴う環境汚染の可能性が拡大したのかと、関係省庁に、その表示や成分表示を怠ってきたのではないかという観点からまず質問したいと思います。
 まず最初に経済産業省に聞きますが、一九七〇年代以降、既にアスベストの危険性が指摘されていながら、アスベストを使った製品であることの表示をなぜ指導しなかったのか、家庭用品品質表示法などで成分表示を行わなかった理由についてお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(迎陽一君) 家庭用品品質表示法では、一般消費者の利益を保護するために、購入に際してその品質が識別困難であるというふうな場合に、そういった商品について品質の表示を義務付けるというふうな法制であるわけでございます。
 そういう法律を、なぜアスベストを義務付けなかったかと、こういうお尋ねでございますけれども、従来アスベストに関しましては、石綿作業従事者の健康障害を防止するというふうな目的で、労働安全衛生法ですとかその他の法令で製造、輸入の規制を行って対応してきたところでございまして、当省においてもそういった考え方の下に取り組んでまいったわけでございます。そうした中において、過去において、一般の家庭用品を購入、使用される消費者を保護する観点から、アスベストを使用した家庭用品について何らかの表示を行うことが必要となるような問題とか、こういったものが具体的に生じてこなかったというふうなことから、そうしたものの発動は必要であるというふうな認識を持っていなかったというふうなことでございます。
 いずれにせよ、今回、家庭用品におけるアスベストの使用実態の調査というのを私どもで行いまして、これらにつきましてはすべてウエブ上で公開をいたし、一般消費者の皆さんに広く周知すると同時に、こういったものの製造メーカー等に対しましては、消費者の方からの問い合わせ、相談に適切に対応するように要請を行っておるところでございます。
 この調査につきましては、今後とも、新しい情報が入れば適宜データを更新いたしまして、十分な情報の提供をしていく所存でございます。
○浜田昌良君 ちょっと今の答弁では納得できないんですが、今の御答弁ではアスベストに表示をするような必要性は生じなかったというような答弁だったんですが、実際、ホームセンターで売っている建材を買ってきてそれをのこぎりで切れば、それでアスベストに実際被曝するわけですね。これを暴露する、吸い込むわけですね。それを、そういう事態がありながら、なぜその必要性がなかったと言えるんでしょうか。
○政府参考人(迎陽一君) その点につきましては、例えば家庭用品品質表示法で、例えば塩素性の漂白剤なんかをほかのものと混ぜると非常に危険があるというふうな場合に、混ぜるな危険というふうな表示を義務付けたりしておるわけでございますけれども、これは、実際に塩素ガスが原因と推定されるような誤使用による死亡事故なんかが発生をして、社会的に警告表示の必要性というふうなものが認識をされ要請が高まったことをもって品質表示法でそういった表示を義務付けたわけですけれども、先生御指摘のように、今回調査をしてみて、家庭用品にこれだけ使われていて、かつそれを誤って使用する、要するに家庭用品で使われているものは大体、量的にも非常に少なくて、通常の使用状態では飛散するような状態ではないわけでございますけれども、これを解体をしたりすると飛散する可能性があると、こういうふうなことで、今の状態でそれが必要でないというふうなことではなくて、むしろ過去においてなぜしてこなかったかというと、そういった問題が過去においては認識をされていなかったというふうなことであろうかと考えております。
○浜田昌良君 よく分かりませんね、やっぱり。
 役所が実態をつかんでいなかっただけであって、実態上はもうホームセンターで珪酸カルシウム板はずっと数年前まで売られていて、ほとんどの消費者はそれを買ってのこぎりで切って張っていたわけですよ、きりで穴を空けて。その状態がありながらも、しかも家庭用品品質表示法という法律があるんですから、やらなかったというのはやっぱり行政の不作為だと私は思いますよ。
 これは過去のことなんで、余りこればっかり突いてもしようがないんで、今後はこういうことがないように早めの代替をお願いしたいと思う。
 次の質問に移ります。
 次の、今後の対応を考える上で、まず前提条件として、今回の調査結果、面白いと思ったのは、面白いというのは不謹慎なんですが、非常に私驚いたのは、たくさんの品目があるな、二百四十六品目も、これだけ放出可能性のある品目があると。果たしてこれの品目の合計した総トン数はどれぐらいになるんだろうと。つまり、誤使用や廃棄によって環境中に排出する可能性があるアスベストは何トンぐらいあるのかについて、まあ不明のものも、生産量が不明のものもありますので、千トンとか万トンというオーダーでも結構ですので、御答弁をお願いします。
○政府参考人(迎陽一君) 今回の家庭用品の調査は、とにかく迅速に情報を提供するというのを主目的にやりましたものですから、したがって、必ずしもこれらの製品についてのアスベストの使用量というのは把握をしておらないわけでございます。
 ただ、例えば今回の調査の対象となった、先ほど先生からも御指摘のありました珪酸カルシウム板につきましては、これは含有するアスベストの量は試算をいたしますと約六万トンぐらいかなというふうに考えております。
 ただ、珪酸カルシウム板自体は、これ六万トンと申し上げましたのは珪酸カルシウム板全体の話でございまして、大方はこれ事業者用に建材として販売されているわけで、ごく一部がホームセンターとかこういったところで消費者に直接売られる、家庭用品として売られておるわけでございますけれども、そういったもののみではなくて、全体含めて珪酸カルシウム板で試算すると六万トンぐらいということでございます。
 それから、その他の品目について、必ずしもすべての品目について数量が調査できているわけではございませんけれども、他の電気製品ですとか、そういったものは極めてオーダーとしても、キログラムとかあるいはせいぜい百五十トンとか、こういうふうなオーダーの数字であるというふうに見ております。
○浜田昌良君 今御答弁の中で、せいぜい百五十トンという表現もございましたが、有毒物質で百五十トンって多いんですよね。何人の方が亡くなるか分からないぐらいの数字だと思います。そういう意味で是非、まだ今回の調査で判明していない部分はあると思いますけれども、是非、各品目ごとにどれぐらいの量があるのかは引き続き把握をする努力をしていただきたいと思います。
 それをお願いしまして、次の質問へ移りますが、次に環境省にお聞きしたいと思いますが、アスベストが含有した製品が家庭ごみとして収集され、ごみ焼却場で焼却された場合に、アスベストは無害化されると考えていいでしょうか。つまり、燃えたらもう無害化されると思っていいのかと。また、アスベスト含有家庭ごみの収集体制は今後どうされるのか。消費者が自由に廃棄できない特別管理一般廃棄物に指定する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(由田秀人君) お答えいたします。
 アスベスト廃棄物は、千数百度の高温で溶融しますと繊維状でなくなりまして無害化されるために、ガス化溶融炉などの高温でごみ溶融できる施設では無害化することができます。
 こうした施設を活用することを含めまして、アスベストを含有いたします家庭用品を安全に処理するためのシステムや方法につきまして専門家の意見を聴きながら検討いたしまして、年度内にはこの全体の処理していく体系を御提示させていただきたいというふうに考えております。
 さらに、昨年、改革、創設いたしました循環型社会形成推進交付金を活用いたしまして、市町村による処理施設の新設や改造をしっかりと後押しをしてまいりたいというふうに考えております。
 また、収集体制につきましては、アスベスト含有の家庭用品は製品中の部品の一部にアスベストが使われておりますので、廃棄物となった製品自体がアスベストを飛散させるおそれというのはほとんどないのではないかというふうに考えておりますが、収集や処分の過程で破砕いたしますと飛散する可能性は否定できないものであります。このために、できるだけ破損をしないように収集、処分することなどにつきまして、既に九月にアスベストを飛散させないための対応につきまして都道府県を通じまして市町村に周知を図っているところであります。
 このように、破砕しないように収集、処分を行うことによりましてアスベストの飛散は防止できるとは考えておりますことから、特別管理廃棄物として指定することは現在のところ考えておりませんが、処理システム、それから処理方法の確立、処理施設の整備への支援など、飛散防止と安全な処理のための取組をしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。
○浜田昌良君 今の御答弁でガス化溶融炉で燃やせば無害化するという話があったんですが、これ逆に言うと、じゃガス化溶融炉は今の廃棄物焼却場のうちの何割あるんですか。
○政府参考人(由田秀人君) 溶融タイプのものに関しまして、現在、ガス化溶融含めて溶融タイプの焼却施設、それから灰の溶融含めまして百三十施設ほどが現在整備されておるところであります。
○浜田昌良君 全体の比率は何%でしょうか。
○政府参考人(由田秀人君) 一割弱だというふうに、施設数からいいますとその程度だと思いますが、比較的大きな施設でありますのでキャパシティーとしてはもう少しあるというふうに承知しております。
○浜田昌良君 そういう意味では、キャパシティーとしては大きく見積もっても二割とか三割は安全化しても、それ以外は安全化されずに、いわゆる家庭ごみとして含まれたアスベストが燃やされて、固めてあったものもそれが逆に固められずに灰になって飛び散るというのが現状であるわけであります。そういう意味では、アスベスト被害はアスベスト製造工場だけに限ったわけではないということを是非ここで言っておきたいと思っております。
 次に、アスベストのこの家電製品に比べまして、含有の建材とか、これを使ったシステムキッチンは現時点でもその多くはいまだ家庭で使用中のものがほとんどでございます。しかも、その建材にきりで穴を空けたり、切ったり何か付け加えたりすると暴露する可能性が否定できません。
 そこで、経済産業省に質問したいと思いますけれども、このアスベスト入り珪酸カルシウム板の加工については、消費者はアスベストを吸い込むという危険性があることから、当該材料そのものはもとより、それを使用しているシステムキッチン、システムバスなどの製品についても、消費者が穴空け、ねじ、くぎ打ちなど加工を一切行わないことを確保するために関連企業が新聞、テレビなどで積極的に周知徹底するよう、関連企業を指導すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(保坂三蔵君) 御答弁申し上げます。
 アスベストがどのような建材にまず使われているかというような情報につきましては、ただいまも議論がございましたように大変重要なことだと思っております。
 そこで、八月十八日に、財団法人日本石綿協会を通じまして各建材の会社に対しまして、今まで、過去製造、販売したすべての商品について商品名、それから使用した箇所、それからそのほか識別方法ですね、そういうものを明瞭に情報として提供するように求めたところでございます。
 また、ただいまもお話が出ました家庭用の用品でございますが、これも八月に実は実施いたしました含有の家庭用品調査の際に、関係団体を通じまして各企業に、まず窓口を設けて、相談窓口を設けて相談を受け入れなさい、その次のレベルでできるだけその使用について、また補修や何かのときには、補修等のときにはどういうふうなやり方がいいかということを趣旨を徹底するように強く要請したところでございます。
 ただいま委員から御発言がございましたように、テレビや新聞などで徹底すべきである、このことは誠にごもっともなことでございまして、ただいま可及的速やかに結論を出すように本省といたしましても検討しているところでございます。
○浜田昌良君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 ホームページに載せているだけではまだ受動的で限られた人しか見ませんので、やはり普通の知らない人にも、あっ、こういうところにもアスベストがあるんだということが気付くと、間違ったことをしないように是非情報の徹底を企業に指導をお願いしたいと思います。
 最後に、このアスベストの関連で大臣にお聞きしたいと思っておりますけれども、今までの質問で、アスベストの汚染というのは、単なるアスベスト及びその関連製品の製造工場周辺にとどまらず、幅広い家庭用品において広い地域で引き起こされているということを明らかにしてきたわけでありますが、そこで、今後アスベストによる被害者への救済の財源負担、今後アスベスト新法で議論されると思います。その考え方について最後に関連産業を所管する大臣に質問して終わりたいと思いますが、このアスベスト被害者救済のための財源負担については、多様なアスベスト使用製品の廃棄や加工といった被害が引き起こされる可能性を踏まえまして、アスベスト及びその含有製品製造業者だけではなくて、その含有製品を輸入、使用した事業者まで幅広く負担すべきと考えますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 今、浜田委員の御質問を伺っておりまして、改めてアスベストというのは長期間、そして極めて広範囲に使われていると。たしか家庭用のトースターの一部にもまだ使われていると、使われていたというか、その製品がまだあるというようなヒアリングも、報告も受けております。
 また、先ほどの建材の一部が家庭でのこぎりで切って云々のときの表示の御議論も、私は率直に言って、今から考えれば、やっぱりきちっとユーザーに分かるようにしておくべきだったと。これは別に答弁が悪いとかそういうことじゃなくて、私は一般論として、後からけしからぬと言うのはたやすいといえばたやすいかもしれませんけれども、やっぱり振り返って、やるべきことがあったなというのがこのアスベスト問題の一つの大きな教訓だったというふうに思っております。
 そういう中で、今の御質問でございますけれども、このアスベスト問題の一つの事例として、日本の自転車メーカーが中国でつくらせた子供用の自転車のブレーキ部分に、本来その日本のメーカーは使ってはいけないという前提であったにもかかわらず中国の部品メーカーが勝手にというか、使っちゃいけないと言ったにもかかわらず、そういうアスベスト入りのブレーキパーツを組み込んだ自転車が日本で販売されたということが大きく報道されて、私も大変びっくりしたわけでございます。
 この場合に一体どうしたらいいのかというときに、契約違反だからその中国メーカーに本来請求すべきだと私は考えておりますけれども、果たして現実、できるかどうかということも難しい問題として今後残るんだろうと思います。
 いずれにいたしましても、これからアスベストを、極端に言えばアスベストを使った製品を世の中から絶滅させるために多大な費用、多大な労力が掛かるわけでございまして、今政府全体としても、今御指摘のように、新法、そしてまたそのためのコスト、基金の造成等の作業を進め始めたばっかりでございますから、これは経済産業省だけではなく政府全体挙げて、厚生労働省や環境省だけではなく、我々も含めて政府全体でこの問題に取り組んでいかなければならない。単に末端の、末端のというか最終的なメーカーなりが過度に負担をするというのもある意味では不公平だと思いますので、救済のための資金あるいはまた回収のための資金、被害者の方に対する救済あるいはまた世の中から消滅させるためのコスト等にかかるお金をどういうふうに負担をして、とにかく一刻も早く、そして一人でも多くの方の健康に影響を与えないようにするためのコスト、コストというか資金を確保するために我々は懸命に努力をして、その目的達成のためにまたいろいろ浜田先生や当委員会の御指導をいただきたいというふうに考えております。
○浜田昌良君 終わります。
○鈴木陽悦君 本日締めくくりの質問をさせていただきます鈴木陽悦です。よろしくお願いいたします。
 山根委員と少々重複する部分がございますが、今日は景気関連を含む三つの質問をさせていただきたいと思います。
 ちょっと古い話で恐縮なんですが、大臣、今年の三月十五日のこの委員会の一般質問で、私、景気回復について質問をさせていただきました。そうしましたら、大臣は、委員各位の地元が景気が良くなったと委員会で聞かれるようになった時点で私は景気回復宣言をしたい、このようにおっしゃっていただきました。私の地元、秋田ではまだ景気がいいとは申せません。この委員会でもまだ、そんな声はまだ聞こえてまいりません。
 その後の動きなんですけれども、政府、日銀は八月九日、我が国の経済が景気の踊り場から脱却したと宣言しました。直近の今月十二日の月例経済報告でも、景気は緩やかに回復しているとしています。また、今月の十三日に出されました日銀の金融経済月報でも、我が国の景気は回復を続けているとしていますし、地域経済報告でも、足下の景気は、程度の差はあるものの、ほとんどの地域で回復の動きを示しているとしております。ところが、ついこの間の、十月の内閣府の月例経済報告では、その前の月、九月の報告にはあった企業部門と家計部門がともに改善しという表現が消えてなくなりました。これは私の憶測なんですけれども、企業部門も家計部門も依然として格差が著しいという表れではないかと思いますし、都市部と地方の景況感に大きな開きがあることを物語っているというふうに痛感いたします。東北地方も表現上は一くくりで、緩やかに持ち直してきているとしていますが、経済産業省の拡大経済産業局長会の報告では、新たに北東北三県と南東北三県に大きな格差が生じていると表現されました。
 またちょっと別の話になりますが、厚生労働省の雇用者所得統計では、二〇〇〇年を一〇〇とした場合、今年、二〇〇五年は九四、こういう程度まで毎年減少していますし、平成十七年版の国民生活白書によりますと貯金残高ゼロ世帯が急激に増えておりまして、全世帯に占める割合で二一・八%、特に二十代では四〇%近くに及んでいます。一九七〇年代から八〇年代が五%から七%台で推移したのと比較しますと、いかにこれが高くなってきたか分かります。日本人、昔から貯金好きと言われてまいりましたけれども、こうした日本人像からしますと、今や五世帯に一世帯が全く貯金保有していない、何か本来の日本人の姿が消えていってしまった、そんな報告がございます。
 こうした背景には、企業のリストラとか公共事業の大幅な削減、正規雇用から非正規雇用への労働現場の変化が挙げられます。ちょっと細かい数字で申し訳ないんですが、正規雇用は九五年二月の三千七百六十二万人から去年が三千三百九十三万人へ、三百六十九万人減ったのに対しまして、非正規雇用は同じ期間に九百八十八万人から千五百四十七万人へと五百五十九万人増加しました。
 今、大きく言いますと、働く皆さん、労働者の皆さんの三分の一は非正規雇用と言われています。非正規雇用、いわゆる派遣社員、パートタイマー、アルバイト、フリーター、こうした人たち、企業側にとっては非常に都合のいい労働力であります。賃金は低めに抑えられる。ちょっと表現は悪いんですが、首は切りやすい。多少のことでも文句言わずに黙々と働く。こういった都合のいい労働力で、収入的には、頑張っても頑張っても二百万から三百万、この辺がやっとだということですね。これが実態だと思います。
 最近こんな事例をちょっと耳にしてショックを覚えました。ある大手企業のいわゆる人材派遣するセクションなんですが、人材派遣ですから、普通は人事部とか、人が付く部署が扱うんじゃないかと思っておりましたら、何とこれ、人材派遣、派遣社員を担当する部署が資材調達部門なんですね。もう人が人でなくなって、物として扱うような、こうした今はもう大手の企業では進んでいるという話を聞いて、私も何か空恐ろしいような気がいたしました。で、こんな中から働く皆さんに夢と希望を持てと言っても、これは無理な話であります。
 希望格差社会という言葉が去年から今年にかけて非常に流行いたしました。将来に夢と希望を持てる人と持てない、この格差がぐっと広がっている、こんな実態がどんどん進んでいる社会現象というのが紹介されたんですが。かつて現実逃避というのは、現実がきついからどこかに逃げよう、今から逃れたいというのが現実逃避だったんですが、この例えでいくと、将来に夢も希望も持てないから今の現実の仕事の方に何も考えないで黙々と打ち込んでいこう、こんな格差社会がどんどん進んでいるというのは、非常に痛々しいといいますか、私も切ない思いがいたします。今後、社会保険関係の支出とか増税などが予想されていて、家計はますます苦しくなるでしょう。消費にも影響が懸念されます。
 大変長々と申し述べましたが、これらの話をお聞きいただいた上で中川大臣に伺ってまいりたいと思います。
 大臣は、経済財政諮問会議の一員でございまして、経済関係閣僚会議のメンバーでもございます。私は東北、秋田の選挙区、大臣は北海道選出、こうしたことから、バブル崩壊以降、景気回復を実感できずに産業の空洞化や高い失業率に悩む地方の声が理解できる大臣として、もう一回重ねて言いますが、地方の声が理解できる大臣として、現在の経済状況をどのようにとらえていらっしゃるか、さらに地方の経済を支えていくためにはどう取り組んでいかれるのか、その辺の御所存伺いたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、鈴木委員からのお話を多少、資材調達部門が非正規雇用担当という話は、本当に私も一瞬ぞっとするような言葉でございました。そういう御質問をされている鈴木委員は北東北、そして答弁をさしていただいている私は北海道、ともに日本を代表して景気回復が後れている厳しい地域でございますし、ほかの先生方のところもそれぞれ厳しいんだろうと思います。山本政務官の御地元の東海地方は現段階においては日本の中で一番元気のいい地域でございまして、つまり、先ほどもありましたように、二極化しているという問題がいろんな意味で解決しなければいけない問題の多くだと思っております。
 そしてまた、鈴木委員が今いろいろなデータを御披露されました。厳しいものが多かったという印象でございます。
 政府あるいは日銀としては、私が知っている経済学者の話によると、今回の景気の底は二〇〇二年の二月、三月ぐらいだったという話を聞いたことありますが、そのときに比べると景気はトレンドとしては良くなっていると、マクロとしてですね、それは私も同じ判断でございます。そして、いよいよ今年に入って踊り場という、たしかこの場でも申し上げたと思いますけれども、あの踊り場という意味は私はよく分かりませんと、踊り場というのは、上に行く踊り場も下に行く踊り場も踊り場と言うんでということを何か答弁した記憶がございますけれども、しかしその踊り場を抜けるとまた上に向かっているということで、上行きの踊り場であったのかなといってほっとしておりますけれども。
 マクロとしては、一月一月を取れば、例えば八月の大型店の売上げが余り良くなかったとか、いろんなことは短期的にありますけれども、トレンドとしてマクロとしては私はいい傾向になってきている、上昇傾向になってきていると思いますが、先ほどの株価じゃありませんけれども、まだまだ、要するに、今までの日本というのは、いろいろ波はありましたけれども、トータルとしてはずっと右肩上がりだったわけでありまして、そういう意味で、過去に比べて超えたというところまではとても行っていないわけでございます。そして、先ほども申し上げましたように、デフレという状況、それから、いろいろありますけれども、今御指摘の雇用状況、正規社員一人雇うのに非正規であれば二人か三人雇えるよというようなこともよく言われるわけであります。
 それから、私の担当として注目しなければいけないのは、企業を起こす数と企業をやめていく数が、依然としてやめていく数の方が多いというような状況等々を考え、そして、重複しますから簡略に申し上げますけれども、経済産業省としては業種、地域、中小企業というものを注意深く見ていきますと、いい部門もありますし、いい地域もありますし、もちろん元気な中小企業もありますけれども、総じて悪いところがありますし、悪い地域もありますし、そして中小企業は総じて大きな企業に比べて悪いと。それから、製造業よりもサービス業の方が悪いという状況でございますので、私としては、三月十五日時点で申し上げましたように、私の、地方を聞くというよりも、選挙区におとといも戻りまして、厳しいんだという話をまたしっかりたたき込んでというか、込まれてといいましょうか、帰ってきたところでございますので、総じて景気は上向きのトレンドではありますけれども、経済担当、産業担当、中小企業担当としては、もろ手を挙げて景気は回復していると、好景気になったという状況には私は言えないというのが率直な気持ちでございます。
○鈴木陽悦君 どうも大臣、ありがとうございました。
 国内産業の空洞化を懸念する余りに、企業の構造改革とかリストラが進んで働く環境がかなり変化し過ぎた結果、雇用の空洞化とか所得の空洞化が進んで、やがてそれは消費の空洞化、町の空洞化にまで影響しているんではないかなという部分あると思います。日本企業と経済社会が結果として崩壊しないように、足下の景気情勢について関係閣僚各位に、是非国民の皆さんの目線を持って取り組んでいただきたいということをお願いいたしたいと思います。
 さて次ですが、報道によりますと、今月の十三日、福島県議会が、人口減少による中心市街地の空洞化防止をねらいといたしまして、大型商業施設の郊外進出に待ったを掛ける全国初の規制条例を可決したという報道をされました。熊本、岩手、富山などがこれに追随する動きを見せております。町の顔とも言えます中心市街地の空洞化、いつまでもほっといてはいけないと町自体が変化してきている表れではないかと思います。
 経済産業省の産業構造審議会の流通部会、中小企業政策商業部会の合同部会が、中心市街地の活性化支援策として、まちづくり三法以降の環境変化を踏まえた関連政策について見直し作業を進めていると伺っております。また、国土交通省も、中心市街地再生のためのまちづくりの在り方に関する研究という報告書をまとめておりまして、今正に迅速な対応が求められていると思います。
 地方の商店街が言わばシャッター通り化して崩壊がどんどん進んでいる状況に、商店主はもちろんですけれども、憂いを持っている国民の皆さん、非常に多いと思います。国の法改正の前に福島県の、御紹介したように地方議会が先に条例を制定したケースも出てきているわけですが、それほど事態は深刻と言えます。スピード対応が求められていると思います。こうした一方で、国交省の資料によりますと、鹿児島市とか旧静岡市は活性化している都市と位置付けられていて、成功事例としてこちらは取り上げられています。
 そこで、中心市街地の活性化対策について、今回の福島県の地方議会の動きをどのようにとらえていらっしゃるか、また厳しい環境の中でも成功しているこうした旧静岡とか鹿児島、この成功の要素とか、どこにあるのか、中心市街地活性化と地域経済の再生施策について伺いたいと思います。
○政府参考人(迎陽一君) 中心市街地の状況というのは、一部でいい地域はあることはあるわけでございますけれども、全体としては厳しい状況にあるものと認識しております。そして、これは、今後人口が減少していく、あるいは急速な高齢化が進行していくという中で、都市が拡張していく、あるいは商業施設が郊外にできていくということで中心市街地が非常に厳しい状況にあるという問題について、福島県は国と同様な認識の下にああいった条例を考えられたと、こういうことなんではないかと思っております。
 で、私ども、中心市街地の活性化がなかなか進まない要因として、これはいろんな、モータリゼーションの進展ですとか、あるいは都市が拡大して居住者が郊外に住むようになっている、あるいは公共施設なんかも郊外に移転していって人が集まるような施設が中心部から消えていっていると、あるいは中心市街地の商業者のコミュニティーとしての魅力が低下していると、こういったいろんな要因があるわけでございますけれども、御指摘の鹿児島、静岡の例なんかですと、町中への居住というふうなものを進め、あるいは人が集まる公共公益施設なんかが中心部に立地するというふうなことで町全体として活性化をしているというふうなことだろうと思っております。
 その点でいいますと、私どもいろいろ検討しておるわけでございますけれども、やはり、福島県の場合は商業についてだけの条例であるわけでございますけれども、やはり中心市街地の活性化のためには、公共公益施設ですとかあるいは住む場所とか都市機能全体の市街地の集約というふうなことと、それから中心市街地の商業の振興というのをやはり一体的、総合的に進めていく必要があるんではないかと、こんなふうに我々考えておるところでございます。
 具体的な施策の在り方につきましては、中心市街地活性化法の抜本改正始め支援策の拡充、あるいはこういったこと、関係省庁とも連携をして早急に実施をしたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。是非、各省庁の壁を越えて、これこそ正に水平展開で取り組んでいただきたいと思います。
 中心市街地はやっぱり町の顔ですよね。顔がどんどん老化して商店主なんかが腐ってしまって、まあ変な話、心のシャッターまで下ろさないうちに早めに対策を取っていただきたい、そんな感想を持ちます。
 さて、大臣は、平成十五年九月に経済産業大臣に就任されて以来、二年余り務めてこられました。来月には内閣改造が行われる予定でございまして、大臣と再びこうしてこの委員会でやり取りができるかどうかはちょっと定かでございません。そこで、一応の締めくくりとして答弁をお願いしたいと存じます。
 私が去年の七月に初当選して所属したのが当委員会でした。原子力発電所の事故から始まって、所信に関する質疑、予算、法案も多岐にわたりました。この間、大臣にとりましては、閣議、庁議、経済財政諮問会議や国際会議、FTA、EPAなどの二国間交渉など様々な会議、更には経済産業省の、今日も委員会で出ました裏金事件など、任期中は大変な御苦労があったと思います。
 そこで、就任時の、就任したときの目標はどの程度、大臣、達成できたのか、また達成できた課題、評価できる課題、それと、積み残したといいますか惜しまれる課題、さらには大臣として最も印象に残る言葉とか事件、時間余りありませんが、それから今後の経済産業省、参議院に寄せる言葉を最後にお聞かせいただければ幸いです。お願いします。
○国務大臣(中川昭一君) 今国会も十一月一日で閉会でございますし、自分のことは自分で言うつもりはございませんけれども、二十五か月間、本日まで当委員会の先生方に大変御指導いただきまして、いろいろ私自身、脱線したりいろいろと御迷惑をお掛けしたり、また本当に温かい御指導をいただきましたことをこの場をおかりして、また鈴木委員にはこういう場を最後につくっていただきまして、皆さん方に心から厚く御礼を申し上げます。
 本当に大変重要な時期に重要な経済産業相をやれと小泉総理から拝命したときは大変びっくりいたしました。
 昨年の内閣改造のときにも、もう大臣室の荷物を段ボールに全部入れて、きれいにして待っておったところが、またやれと言われて大変びっくりいたしましたが、そんな個人的な話はどうでもいいんでありまして、本当に、先ほどからの、景気状況が非常に悪い、あるいはまた新しい産業戦略をどういうふうに作っていったらいいのか、とりわけ中小企業、ものづくり、人材育成という形でどういうふうにしていったらいいのかと。あるいはまたそれと裏腹の、日本が誇る技術、特許、知的財産、これをどうやって守り、そしてまたそれを活用していくかというようなこと。あるいは、おかげさまで愛・地球博も大きな事故もなく、逆に言うと、事故どころか、事件どころか三人の方の急病がAEDというんでしょうか、あの医療機器があることによって尊い命を失うことなくお元気になられたというようなことが、私にとりましては万博で一番楽しい、楽しいというか、うれしかったことでございます。
 そういう意味で、いろんな仕事をやらせていただいて、仕事自体非常に、途中経過はいろいろございますけれども、一つ一つ区切りを迎えたときには、本当に当委員会の先生方のおかげでうまくいったなと、海外出張、外交交渉、EPA交渉等々も含めまして、その気持ちで一杯でございます。
 ただ、何が一番思い出に残るか、あるいはまた残っているかといえば、今も御指摘ありましたが、内にあっては不祥事問題がまだ現在進行形であるというところ、それから、外にあっては昨年の八月の関西電力美浜原発によって尊い命が失われ、そして現在もまだ加療中の方がいらっしゃる、このことは本当にあってはならない事故、あるいはまた出来事が発生したということが、大変私にとりましては監督責任者といたしまして責任の重さを痛感しているところでございます。
 行政も政治も、何もここでおしまいと、区切りということではございませんので、また先生方に御指導いただきながら、どうぞ経済産業行政、また日本の行政の健全な方向性の御指導のために先生方に引き続き御指導賜りますことをお願い申し上げまして、本当に当国会、当委員会において御指導いただきましたこと、厚く御礼を申し上げまして、鈴木先生、こういう機会を与えていただき、ありがとうございました。
○鈴木陽悦君 終わります。
○委員長(佐藤昭郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四十四分散会