第164回国会 本会議 第8号
平成十八年三月十七日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第八号
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  平成十八年三月十七日
   午前十時 本会議
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 第一 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協
  力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び
  区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位
  に関する協定第二十四条についての新たな特
  別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国と
  の間の協定の締結について承認を求めるの件
  (趣旨説明)
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○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
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○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 日程第一 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(趣旨説明)
 本件について提出者の趣旨説明を求めます。麻生外務大臣。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明させていただきます。
 政府は、日本国における合衆国軍隊を維持することに伴う経費の日本側による負担を図り、日本国にある合衆国軍隊の効果的な活動を確保するためこの協定を締結することにつき、平成十七年二月以来アメリカ合衆国政府と協議を続け、検討を行ってまいりました。その結果、最終的合意に達しましたので、平成十八年一月二十三日に東京で、先方ゼーリック国務副長官との間でこの協定に署名を行うことに至った次第であります。
 この協定は、日本国が、日本国に雇用されて合衆国軍隊等のため労務に服する労働者に対する一定の給与の支払及び合衆国軍隊等が公用のため調達する電気等の支払に要する経費を負担すること、並びに日本国政府の要請に基づき、アメリカ合衆国が合衆国軍隊の行う訓練を他の施設及び区域を使用するよう変更する場合に、その変更に伴って追加的に必要となる経費を負担することを規定するとともに、アメリカ合衆国がこれらの経費の節約に努めること等を規定いたしております。この協定は、二〇〇八年三月三十一日まで効力を有するものとされております。また、この協定は、現行協定が本年三月三十一日まで効力を有することとなっておりますので、本年四月一日に発効する必要があります。
 この協定の締結は、日米安保条約の目的達成のため日本国に維持されている合衆国軍隊の効果的な活動に資するものであり、ひいては日米関係全般並びに我が国を含むアジア太平洋地域の平和及び安定に重要な意義を有するものと考えております。
 以上がこの協定の締結について承認を求めるの件の趣旨でございます。(拍手)
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○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。西銘順志郎君。
   〔西銘順志郎君登壇、拍手〕
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。
 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担特別協定につきまして、麻生外務大臣及び額賀防衛庁長官に対して質問いたします。
 我が国と我が国国民の平和と安全を確保することは、政治に課せられた大きな責務であります。我が国は、防衛力の着実な整備と併せて、日米安保体制の円滑な運営により国民の平和と安全の確保に努めてきております。そういう中で、二〇〇一年に発生した米国同時多発テロ以降、国際テロ組織などの暗躍や大量破壊兵器の拡散など、新たな脅威や平和と安全に影響を与える多様な事態への対応が喫緊の課題となっております。
 そこで、麻生大臣及び額賀防衛庁長官は、我が国をめぐる安全保障環境と日米安保体制について、また、在日米軍による抑止力、米軍基地をめぐる地元負担の軽減問題について、どのような基本的な認識を持っておられるか、お伺いいたします。
 今回の特別協定は、現行協定がこの三月末に効力を失うことから、従来の枠組みを基本的に維持しつつ、その有効期間は二年間とするものであります。
 特別協定は日米安保体制の円滑な運営にとって極めて有用なものでありますが、今回の特別協定の締結の意義、有効期間をこれまでの五年間から二年とした理由、過去及び将来に向けたアメリカ側の経費節減努力について、麻生外務大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 約二十年前に特別協定がスタートした時点では、円高ドル安という背景がありましたが、我が国は、現在GDP比一五〇%という巨大な財政赤字を抱えており、先進国の中でも最も厳しい状況にあります。そこで、最近の日米における経済・財政状況というものが今回の交渉でどのように議論されたか、お伺いいたします。
 次に、今回の協定に関連し焦眉の課題となっております在日米軍再編問題、とりわけ、七五%の在日米軍基地が集中している沖縄の基地をめぐる問題についてお伺いいたします。
 御承知のように、沖縄県民は、二十七か年間に及ぶ米軍施政の後、復帰後も三十有余年の長きにわたって米軍基地と向かい合いながらの生活を余儀なくされ、幾多の試練に耐えてきたと言っても過言ではありません。今日まで、米軍基地の存在に直接、間接、大きな影響を受けていることから、他府県には類を見ない難問題が山積しており、これらの問題解決のために多大なエネルギーを使わざるを得ないのが実情であり、沖縄振興の諸施策を推進する上でも大きな支障となっております。
 昨年十月の在日米軍再編の中間報告を前にして、当時の大野防衛庁長官は、問題が煮詰まってくれば地元の御理解もいただき、説明責任を果たしていきたいと、地元配慮の姿勢を示しておられました。しかし、実際には、中間報告については、普天間飛行場の移設問題に典型的に表されているように、地元の意向を全く無視したに等しい提案が、事前に相談や情報開示もなく示されたのであります。
 小泉総理は、再編について、関係閣僚が米軍基地所在地の自治体を訪問し、誠心誠意説明し、御理解を得るように努力していると答弁されております。麻生外務大臣、額賀防衛庁長官が沖縄を訪問され、沖縄県知事、名護市長と面談しております。
 しかし、訪問は米側と協議した上での政府の立場を説明されるにとどまり、地元において本当に理解されたかどうか、私は甚だ疑問に感じております。この点について、麻生外務大臣及び額賀防衛庁長官の御認識をお伺いいたします。
 この三月末にワシントンで2プラス2を開催し、在日米軍再編の最終報告を取りまとめる運びで日米間の調整が進んでいると伝えられています。また、安倍官房長官は、政府案で最終報告を取りまとめる意向を示しております。
 しかし、沖縄県を始めとする関係自治体、地元住民の切実な意見を無視するような形で再編問題の決着を急げば、実現困難な案が机上プランとしてまとめられるだけにすぎず、これでは地元の反発を招き、ひいては日米同盟の安定的維持に悪影響をもたらす結果になるのではないでしょうか。
 麻生外務大臣、額賀防衛庁長官、地元自治体の意向もきちんと反映した形で在日米軍再編の最終報告の取りまとめを進めることをこの本会議場で明言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 政府から示されたキャンプ・シュワブ沿岸案でも民家の上空や学校の上空近くを飛ぶ飛行ルートとなっており、また北の延長線上には年間三十万人が利用する東海岸唯一のリゾート地区があり、住民の安全や沖縄観光振興という観点からいたしましても問題があるということを指摘しておきたいと思います。
 太平洋戦争の末期、沖縄は我が国で唯一の凄惨な地上戦を経験いたしました。日米両軍とそれに巻き込まれた沖縄県民など、二十万人余の尊い命が失われたのであります。
 この沖縄戦の惨状を海軍部隊司令官の大田実中将が「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」と海軍次官にあてた電報を発したことはよく知られております。正に大田実中将は、沖縄戦で壊滅した沖縄県の復興と発展に政治の光を当ててほしいと遺言されたものと思われます。
 時は移り人は去れども、私は、大田実中将の切実な気持ちは今なお生き、現在の政治、行政に反映されるべきだと考えております。政治の要諦は、何といっても国民の信頼であります。
 日米安保体制が安定的に維持されるためには、関係自治体や地元住民の信頼と協力が必要であり、その理解と支持のないままの米軍再編の強行は日米同盟の将来にとって決して良い影響を与えないことを再度申し上げ、この点について最後に両大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 西銘議員より六問ちょうだいをいたしました。
 まず、安全保障環境と日米安保体制についてのお尋ねがあっております。
 アジア太平洋地域におきましては、冷戦終了後も地域紛争や大量破壊兵器、ミサイルの拡散など、依然として不安定で不確実な状況が存在をいたしております。このような状況の中で、日米安保条約を引き続き堅持し、米軍の抑止力の下で日本の安全を確保することが必要であり、高い機動性を有します在日米軍の抑止力は我が国及び地域の平和と安定にとって不可欠の役割を果たしております。
 他方、在日米軍の駐留に伴い、米軍施設・区域が所在いたします地元の方々に多大な負担をお掛けいたしておりますことは十分に認識をいたしており、今般の兵力態勢の再編は、抑止力を維持しながら、地元の負担を軽減することを目標に行われたものであります。
 次に、今回の特別協定締結の意義についてのお尋ねがありました。
 アジア太平洋地域には今申し上げましたように不安定で不確実な状況があります中で、在日米軍駐留経費の負担は、我が国の安全保障にとって不可欠な日米安保体制の円滑かつ効果的な運用のため重要な役割を果たしております。政府としては、従来より、日米両国を取り巻く諸情勢を踏まえて五年間の協定を締結してきておりましたが、しかし、現時点では在日米軍の進展の結果を見極めるということが困難であると判断し、これらの特殊な事情を踏まえて、更に暫定的な二年間の協定とすることで合意をしたという次第であります。
 新たな特別協定におきまして、米国政府による節約努力の義務が規定をされており、米側は今後更に各種の節約努力を行う考えであるものと承知をいたしております。
 次に、本件協議における日米の経済・財政状況に関する議論についてのお尋ねがありました。
 協議におきまして、米側は、米側のニーズの高まりに加えて、米側の財政事情などを理由として日本側の負担の増額に強く期待をしておりました。これに対して、政府としては、日本政府の厳しい財政事情において在日米軍駐留経費についても節約、合理化の必要があることを十分に念頭に置きつつ、負担の減額を求めて米側と鋭意協議を行い、現行協定の負担水準と枠組みを維持することで合意したものであります。
 次に、米軍再編に関する地元の理解についてのお尋ねがあっておりました。
 在日米軍の兵力態勢の再編は、在日米軍の抑止力の維持と地元の負担軽減という観点から検討してきたものであります。私自身、沖縄を訪問し、県知事等とお目に掛かる機会も得ましたが、その内容や方向につきまして、地方公共団体に対して誠心誠意説明に努めてまいります。
 在日米軍の兵力態勢の再編の内容につきましては、地元の方々に厳しい御意見があることは十分承知をいたしております。政府といたしましても、沖縄を始めとする地元の方々の理解と協力を得られるよう引き続き努力をしていく考え方であります。
 さらに、在日米軍再編の最終報告の取りまとめに向けた取り進め方についてのお尋ねがあっております。
 政府としては、昨年十月の2プラス2での共同文書に示されました在日米軍の兵力態勢再編についての具体案について、今月の最終的な取りまとめに向け米側と協議を進めつつ、関係する地方公共団体の理解と協力が得られるよう引き続き誠心誠意説明に努めていく考えであります。
 最後になりましたけれども、地元の理解の重要性についてのお尋ねがあっておりました。
 在日米軍の兵力態勢の再編につきましては、地元住民を含め、国民の理解なくして実行することは困難であります。先ほども述べましたとおり、現在、日米間では具体的な最終的な取りまとめに向けまして協議を進めているところであります。
 同時に、日本側においては、関係する地元公共団体等の理解と協力が得られますよう引き続き誠心誠意説明に努めていくという考え方を重ねて表明申し上げて、答弁とさせていただきたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(額賀福志郎君) 西銘議員にお答えをいたします。
 まず、我が国をめぐる安全保障環境と日米安保体制についてのお尋ねがありました。
 我が国をめぐる安全保障環境につきましては、アジア太平洋地域において地域の安定化に向けた努力が見られる一方で、冷戦終了後も軍事力近代化の動きや領土問題などの引き続きあることを承知しております。また、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散など、依然として不安定で不確実な状況が継続をしております。
 このような状況の中で、日本の安全を確保するためには、我が国自身の防衛力の保持のみならず、日米安保体制を基調とする米国との連携協力が不可欠であります。在日米軍の駐留は日米安保体制の中核的な要素であり、これによる抑止力は、我が国及び地域の平和と安定にとって不可欠な役割を果たしているものと認識をしているところであります。かかる在日米軍の駐留が国民の理解を得て安定的になされるように、地元の皆さん方の過重な負担を軽減することは重要であると考えております。
 次に、私の沖縄訪問は、政府の立場を説明したのにとどまり、本当に地元に理解されたのかという疑問のお尋ねがありました。
 普天間飛行場の移設を含む在日米軍の兵力構成再編につきましては、地元地方公共団体の御理解がなくては実行することは困難であると考えております。こうした考え方の下で、私は、昨年十一月に沖縄を訪問し、いわゆる2プラス2の共同文書の内容や方向性について、沖縄県知事、それから名護市長等々の多くの関係市町村の皆さん方とひざを交えて話をしたところでございます。沖縄県知事からは、平成十一年の閣議決定に基づき地元と政府との間で協議を重ねて基本計画が作成された経緯を踏まえれば、2プラス2合意案は絶対に容認できるものではないとの厳しい御意見が開示されました。
 防衛庁といたしましては、2プラス2共同文書で示された米軍の再編は、在日米軍の抑止力の維持と地元の負担軽減を図るために最適と判断した結果であると考えております。地元の方々の御理解と御協力が得られるように、今月末の最終的な取りまとめに向けまして誠心誠意御説明を行い、そして、関係市町村、知事さんと建設的な話合いができるようにしたいというふうに思っております。
 次に、在日米軍再編の最終報告の取りまとめにつきましてお尋ねがありました。
 在日米軍の兵力構成再編につきましては、地元地方公共団体を含め、国民の理解がなくては実行することは困難であると認識をしております。このため、私自身は、先ほども申し述べましたように、関係地方公共団体を訪問し、共同文書の内容や方向性について御説明をしてきたところであります。そしてまた、その後も日米間の協議でいろいろと方向性が定まってきたことについては逐一、各自治体の皆さん、関係者に御提示をし、説明をしているところであります。あるいはまた、各市町村長さん、あるいは議会の皆さん方から様々の質疑、要望が来ておりますけれども、これにつきましても丁寧に御説明をさせていただいているところでございます。
 今後とも、今月中の具体案の最終的な取りまとめに向けまして日米間の協議を加速し、早急にその具体的内容を詰め、関係する地方公共団体等の理解と協力が得られるように誠心誠意御説明をしながら、個別の施設・区域に関連する再編案が実現するように最大限の努力をしてまいる覚悟でございますので、何とぞ御指導をいただきたいと思います。
 以上であります。(拍手)
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○議長(扇千景君) 犬塚直史君。
   〔犬塚直史君登壇、拍手〕
○犬塚直史君 ただいま議題となりました在日米軍駐留経費特別協定につきまして、民主党・新緑風会を代表して関係各大臣に質問いたします。
 この協定は昭和五十三年に、日本人基地従業員給与の一部を支払う形で、当時の金丸防衛庁長官が思いやりの心を持って始めた協定であります。こうした地位協定枠外の負担は、当初六十二億円だったものが、その後累次の改定によって現在では一千四百億円以上に膨らんでいます。米国でも、この思いやりという言葉を直訳して、そして、同情予算とするわけにもいかないらしく、そのままオモイヤリヨサンと呼んでおりますが、日本の納税者にとっても何が思いやりなのかよく分からぬ予算であります。
 駐留にかかわる総費用の日米負担の割合は、我が外務省によれば、日本の負担が五一%、米側が四九%とほぼ折半の形になっておりますが、アメリカ側の資料を見ると、日本側が七五%、そしてアメリカ側が二五%という全く違う数字が堂々と出ております。
 外務大臣に伺います。
 我が国が国会で説明をする数字と米国の公式発表がここまで違うのは問題ではないでしょうか。日米両国民が同じ説明を受けていないという現状をなぜ放置しているのか、納得のいく説明を求めます。
 思いやり予算は日米地位協定第二十四条に基づいて締結されましたが、地位協定自体は日本が占領下から離れ独立国家となった時代に締結をされております。一九五一年、サンフランシスコ条約、日米安保条約、地位協定、この三つがほぼ同時に締結をされ、日本は独立国家としての地位を確保しました。それから五十五年がたち、最新のミリタリーバランスによれば世界第三位の軍事予算を持つに至りました。
 防衛庁長官に伺います。
 世界有数の軍事予算を持つ日本においても駐留なき防衛はできないのでしょうか。
 戦勝国が敗戦国に対して自立できない軍事力を押し付けてくるのは当然ということができます。問題は、それに対抗して我が国の立場に立った防衛力整備が行われているかではないでしょうか。
 冷戦が終わった現在でも、約百機のP3C対潜哨戒機は必要なのか。さらには、将来どんな事態を想像して小型ヘリ空母と言われる一六DDH護衛艦、あるいは揚陸艦様の「おおすみ」型輸送艦を投入しているのか。そして、イージス艦一隻に一千五百億円以上を掛けるということをする前に、我が国の専守防衛の強化の観点から行うべきことはないのか、明確にお答えください。
 また、弾道ミサイル、巡航ミサイルの防衛に当たって、ブースト段階での防衛やあるいはサイバー技術を駆使したIWの防衛にどのような技術的あるいは法的問題点があるのか、防衛庁長官にお尋ねいたします。
 さて、人と物、基地と軍隊という非対称な安全保障の在り方が日米双方が不満を持つ原因となっております。軍隊を出す方がそのリスクを負わない相手を尊敬せず、基地を出す方はその重圧を理解しない相手の態度を面白くないと感じる関係だからです。
 そうした中、今回の思いやり予算は、五年の協定期間を二年に短縮し、内容は前回の協定を完全に踏襲し、しかも日切れ扱いとなっております。現在のところは、基地を提供して安全保障を得るという枠組みに変更を加える必要を感じておられないのでしょうか。外務大臣、防衛庁長官、お答えください。
 同時多発テロ以来初めてのQDR、米軍戦力構成に関する四年ごとの見直しが本年二月に発表されました。冒頭はこう始まっています。アメリカは長期にわたるであろう戦争を戦っている。九・一一以来、テロで自由世界を脅かす暴力的過激派集団との世界戦争を行っているのだ。正にテロとの戦いではなく、テロとの戦争という表現になっております。
 外務大臣に伺います。
 テロは戦争なんでしょうか。テロとの戦いを低強度紛争という米軍の分類方法で戦争ととらえることに問題はないのか。仮にやることは同じであっても、武力行使の正当性を求めなければ西部劇のリンチになってしまうのではないのか。戦争は常に平和のため、自国民の安全のため、世界の安定のために始められたのは歴史の教えるところであります。テロはあくまでも犯罪であり、程度の差こそあれ、国際警察等が犯人を追い詰め処罰する次元の問題ではないのか、御所見を伺います。
 九・一一は決して許されない未曾有の犯罪であります。しかし、アフリカやその他の地域で起こっている数十万人規模の大量虐殺でさえも、旧ユーゴ国際刑事裁判所、ルワンダ国際刑事裁判所、ICC、国際刑事裁判所等に付託され、訴追の対象となっております。国連事務総長が指摘したように、テロとの戦いを国際法の下に置き、また同時に、テロの定義を急ぐべきではないでしょうか。外務大臣、お答えください。
 十九世紀末の英国は、イギリスによる世界秩序、パックス・ブリタニカを構築し、帆船の時代から蒸気船の時代へという変化に対応した基地再編を行いました。同様に、現代の米国はITによる軍事革命に合わせた世界規模での基地再編を行っております。
 この米軍再編でも、日本は数少ない戦略展開拠点、PPHの一つとして、太平洋を越えた兵たん補給、部隊展開の最重要前進拠点であることに変化はありません。ハワイから西で唯一の空母入港修理ができる横須賀の第六ドック、アジア最大級の嘉手納航空基地、さらにはキャンプ座間に移る米陸軍第一軍団司令部、七千人から八千人のグアムへの移動後も中核の戦闘部隊は動かない沖縄の海兵隊。グローバルな米軍再編に日本の基地が組み込まれ、事前協議の対象だからこそ、世界規模で行われる作戦に日本が基地提供や後方支援を通じて一定の責任を負うことになります。
 外務大臣、防衛庁長官に伺います。
 日米同盟のこの強大な影響力を考えるとき、その行使に当たっては常にアジアの安定、国連中心外交に資する形に行使をする、そうした意思と態勢をお持ちでしょうか。日米が一体化すればするほど、米軍の武力行使について日本の原則が問われるのは必然と言えます。どんな場合に基地使用や後方支援を差し控えることになるのか、明確な答弁を求めます。さらには、同盟国としての協力の原則、日本が主体的に取り組む海外平和協力の原則をここで再度確認いたします。
 外務大臣に伺います。
 今回のイラク戦争のように、直接的に国連安保理決議がない米軍の先制攻撃が再発した場合、日本外交はどのように対応するのか。黙って中継基地を提供し続け、後始末の手伝いをするのか、それとも同盟国として米国に武力行使の正当性を求めていくのか、お答えください。
 我が国では、開かれた国益を追求し、戦略的なODAの活用を図っております。開かれた国益を達成する手段を一つの物差しの上に並べるとすれば、無償援助、技術供与、円借款、人道復興支援、災害援助、停戦監視、民主化支援、社会制度構築支援、PKO参加、DDR等々、平和構築という目的は一つでも、その手段は千差万別であります。
 シャッター街と化した町の商店街で頑張っておられる方々に、日本の海外貢献予算の御理解をいただかねばなりません。日本が国際貢献をすることがそのまま我が国の安全と平和につながるという実感を有権者と共有せねばならない。国際法益の整備、発展が国内法益につながっているという気持ちを有権者と共有するのは政治の仕事ではないでしょうか。
 これができなければ、国連ミレニアム目標の達成もODAの戦略的な活用も、あるいは米軍再編に対する日本独自の政策位置もあり得ません。これからどのように国民の納得いく説明を行っていくのか、外務大臣、防衛庁長官の答弁を求めます。
 さらに、外務大臣に伺います。
 ICC、国際刑事裁判所条約早期締結に向けて、現在どのような取組をされているのでしょうか。二〇〇九年には規程の見直し会議があり、テロや侵略の罪についても討議をされる予定です。できることなら、米国とともにこうした会議に参加し、国際法益の深化、発展に積極的に取り組むお気持ちがおありでしょうか、お答えください。
 さて、額賀長官が衆議院本会議場で述べられたように、在日米軍再編については、国民の理解なくしては実行することは不可能であります。にもかかわらず、沖縄でも神奈川でも、また私の地元佐世保でも、地元市議会はまず新聞報道でニュースを知り、問い合わせをしても分からず、最終的には報道どおりに決定されるという事態が続いております。
 岩国市での住民投票の結果は、基地負担の問題であると同時に、日本の防衛にかかわる戦略と理念の欠如の問題であることは明らかです。地元では、軍関係の機微な情報が欲しいのではない、同盟強化が日本の国益にどうつながるのか、納得のいくビジョンが欲しいのです。
 外務大臣、防衛庁長官、世界の中の日米関係をどのように実現しようとしているのか、日本の協力なしには米軍の世界戦略はあり得ないという毅然とした認識に立って協力関係の交渉に当たっているのか、御答弁ください。
 クラウゼビッツが言う軍事に対する政策の優位がシビリアンコントロールのいわれとされております。世界規模の米軍再編に対して日本の政策位置が見え難い間は、制服ではなくスーツを着た内局が幾ら説明をしても、シビリアンコントロールではなくセビロアンコントロールではないでしょうか。
 理念と戦略を持ったリーダーシップを発揮するのは、大慌てで国民投票法案を成立させるのではなく、実態として専守防衛の自衛隊とともに自国を守り、政治主導で平和構築活動の日本原則を持つことではないでしょうか。外務大臣、お答えください。
 平和構築活動は、取りも直さず国際の格差に対処していくことであります。市場原理一辺倒ではない、米国一辺倒でもない。市場原理を利用して、そして日米同盟を利用して国内外を問わず格差に対処することこそが政治の仕事であり、ひいては自国の防衛と、そして地域の安全保障につながる道であります。
 政権交代を通じてこうした政治を実現するのは民主党であることを強調して、代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 犬塚議員から十問いただいております。
 まず、在日米軍駐留経費の負担割合についてのお尋ねがありました。
 日米の負担割合は、米軍の駐留に伴い必要となる経費の範囲のとらえ方や為替レート等々の変動により、一概に算定、比較し得るものではありません。また、御指摘の米側資料は、米国防省が米国議会に対して提出しているものでありまして、日本政府としてその内容につき評価を行う立場にはありません。
 いずれにしても、我が方の試算によれば、二〇〇四年度におきます日米の負担割合は、日本側五一%、米側約四九%となっております。
 次に、日米安保体制についてのお尋ねがあっておりました。
 アジア太平洋地域には、冷戦終了後も地域紛争、大量破壊兵器、ミサイルの拡散等、依然として不安定で不確実な状況が存在をいたしております。このような状況の中で、日本が自らの自衛力のみでは自国の安全が脅かされるようなあらゆる事態に対処できない以上、日米安保条約を引き続き堅持し、米軍に施設・区域を提供して米軍の抑止力の下で日本の安全の確保をすることが必要と存じます。
 続いて、テロは戦争かについてのお尋ねがありました。
 テロリズムにつきましては、一般国際法上、確立した定義があるわけではありません。一般的に、テロリズムとは、特定の主義主張に基づき国家などにその受入れを強要又は社会に恐怖を与える目的で行われる人の殺傷行為とされておると承知をいたしております。これに対し、戦争とは、国際法上その定義がこれまた確立しているわけではありませんが、一般的に、国際紛争を解決する最後の手段として二つの国が対等の立場で国権の発動としての武力を行使し合うというように承知をいたしております。
 御指摘のQDRを始め、米国は九月十一日同時多発テロを受けまして、国際テロとの戦いを戦争と形容しているものと承知しておりますが、これは、国際テロとの戦いにおいて外交、軍事、財政、経済などのあらゆる分野で長期的な対策を行う必要があるとの政治的な意味でなされているものと理解をいたしております。
 いずれにしても、テロはいかなる理由をもってしても正当化はできません。これは断固として非難されるべきものであります。我が国としては、テロリズムとの戦いを我が国自らの安全確保の問題と認識しつつ、国際社会と一致結束して具体的かつ効果的な措置を迅速かつ総合的に展開していく考えであります。
 次に、テロとの戦いを国際法の下に置き、テロの定義を急ぐべきではないかとのお尋ねがあります。
 一般国際法上、テロの定義が確立しているわけではありませんと今申し上げましたが、これまで国際社会として、テロ防止関連条約の作成に当たり、ハイジャック、人質を取る行為、爆発物の設置、テロ資金の供与、いわゆる典型的なテロ行為に該当する一定の行為類型につきましては、これを犯罪とし、処罰のための法的枠組みを整備するとの対応を着実に積み重ねてきたところであります。これまでに十二本のテロ防止関連条約が発効するとともに、昨年四月には、新たに核テロリズム防止条約も採択され、我が国も既に署名をいたしたところであります。
 また、国際社会におきましては、現在、包括的なテロ防止条約の策定に向けた議論も行われており、政府といたしましても、その早期妥結を支持し、今後とも、このような国際的な法的枠組みの整備に粘り強く取り組んでまいりたいと存じます。
 続きまして、日米同盟及び海外平和協力等についてのお尋ねですが、日米両国は、世界の中の日米同盟との考えの下、アジアを含む世界の国々や国連諸機関と協調しつつ、世界の直面する課題に協力して対処してきております。
 米軍による施設・区域の使用は日米安保条約及び関連取決めに基づき認められ、また、我が国による後方地域支援は関係国内法令に基づき実施されることになります。
 我が国は、国際社会の責任ある一員として、世界の平和と繁栄のため、日米同盟と国際協調を外交の基本として、平和の定着や国づくり、人間の安全保障といった理念を掲げつつ、様々な分野において我が国にふさわしい国際協力を積極的に行っていきたいと考えております。
 次に、米国の先制行動についてのお尋ねでありますが、昨日発表されました米国の国家安全保障戦略は、先制行動について、二〇〇二年九月に公表された同戦略を基本的に踏襲、米国は生起しつつある脅威を先制するため、すべての場合に武力に訴えるわけではなく、非軍事的行動が成功することを選好しており、また国家は先制を侵略のための口実としてはならない旨を記述しております。いずれにせよ、米国が国際法上の権利及び義務に合致して行動することは当然であると理解をいたしております。
 米国による将来のあり得べき武力行使に対する我が国の対応につきましては、その時々の状況を踏まえて我が国として適切に対応していくのは当然であります。
 なお、米英等による対イラク武力行使は、累次の関連安保理決議に基づき取られた行動と認識をいたしております。
 次に、国際貢献についてのお尋ねがあっておりましたが、グローバル化が一層進む中、我が国の安全と繁栄にとって国際社会の安定と持続的な発展はますます重要であります。例えば貧困、飢餓といった問題はテロ、紛争に結び付きかねません。国際社会の安定を脅かし、ひいては日本国民の生活にも多大な影響を及ぼしかねません。したがって、我が国にふさわしい国際貢献を積極的に行っていく必要があります。
 特にODAにつきましては、国際協力を通じて国益を実現していく我が国にとって最も重要な外交手段の一つであります。ODAは単なる施しではありません。我が国にとって好ましい国際環境をつくり、最終的にはより良い国際社会を形成することを通じて、回り回って我が国の安全と繁栄につながるものと考えております。また、日本国民の生活に多大の影響を与えかねない国際社会の諸問題に対して、ODAを戦略的に活用して、より良い国際社会の形成を図っていく必要があろうと存じます。
 就任以来、こうした考えに基づき、様々な機会に説明してきておりますが、引き続き、ODAや国際平和協力活動などを通じた国際貢献の必要性とその効果に対し国民の理解が得られるよう、率先して説明を行ってまいりたいと存じます。
 続きまして、ICC規程の締結に関する我が国の取組についてのお尋ねがあっております。
 我が国は、国際社会における最も深刻な犯罪の発生を防止し、もって国際社会の平和と安全を維持する観点から、ICC、いわゆる国際刑事裁判所の設立を一貫して支持してきました。政府は、現在、我が国がICC規程を締結する場合の国内法の整備の形式及び内容につき、関係省庁で緊密に協議検討しつつ具体的な作業を進めております。今後もICC規程を可能な限り早く締結できるようこの作業を着実に進めていきたいと考えております。
 また、我が国がICC規程を締結すれば加盟国として相応の予算の負担を、義務を負うということになり、予算手当てが容易ではないという問題もあります。この問題につきましては、我が国の財政事情が極めて厳しい中、国民、国会、政府部内において可能な限り広範な理解を得つつ、政府全体で取り組んでいく必要があろうと考えております。
 これまでもICC関連の会合にオブザーバーとして参加をしてきておりますが、今後ともICC関連の会合には可能な限り積極的に出席し、国際刑事裁判に関する国際法の発展に努力していく考えであります。
 次に、日米同盟のビジョンについてのお尋ねであります。
 昨年二月の2プラス2では、アジア太平洋地域及び世界において日米が追求する共通の戦略目標を確認しました。これを踏まえて、日米の役割、任務、能力や在日米軍の兵力構成見直しに関する更なる協議を行い、その成果を昨年十月の2プラス2において取りまとめております。これは、抑止力維持と地元の負担の軽減を通じて日米安保体制を一層強化していく上で極めて重要なものと考えております。
 また、日米両国では、これまでも、テロ、イラク、北朝鮮、災害復興支援といった諸課題に協力して対処してきております。今後とも、このような世界の中の日米同盟を強化してまいりたく存じます。
 最後に、憲法と我が国にふさわしい国際協力の在り方についてのお尋ねがありました。
 新しい時代における憲法の在り方につきましては、大いに国民的議論が行われることが重要であります。平和主義という基本理念につきましては、多くの国民からも広く支持をされてきたものであり、将来においても堅持されるものであろうと存じます。我が国は、憲法の平和主義の理念の下、引き続き文民統制を確保するとともに、専守防衛、他国の脅威に、与えるような軍事大国とならないとの理念を堅持してまいります。
 我が国は、これまで国際社会の責任ある一員として、世界の平和と繁栄のため、日米同盟と国際協調を外交の基本としてまいりました。お尋ねの平和の構築に当たっては、平和の定着や国づくり、人間の安全保障といった理念を掲げつつ、様々な分野におきまして我が国にふさわしい国際協力を積極的に行ってきたところです。
 今後とも、平和国家としての基本理念の下、ODAや国際協力活動などを通じて、財政的、物的、人的、知的な面から、様々な分野において日本らしい、適宜、時節に合った国際協力の在り方を追求してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(額賀福志郎君) 犬塚議員にお答えをいたします。
 まず、在日米軍駐留と我が国防衛の在り方についてのお尋ねがありました。
 我が国の防衛力は、防衛計画の大綱に基づいて示されているとおりであります。新たな脅威や多様な事態、国際平和協力活動への実効的な対応などについて、限られた資源の中で多くの役割を果たすために、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を構築をすることを安全保障の目的達成のための我が国自身の努力として位置付けているのであります。
 他方で、アジア太平洋地域においては、地域の安定に向けた努力が見られる一方、冷戦終了後も軍事力近代化の動きや領土問題などが引き続き存在するほか、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散など、依然として不安定で不確実な状況が続いております。
 このような状況の中で、日本の安全を確保するためには、我が国自身の防衛力の保持のみならず、日米安保体制を基調とする米国との協力が必要であります。在日米軍の駐留は日米安保体制の中核的な要素であり、我が国及び地域の平和と安定にとって不可欠な役割を果たしているものと認識しております。
 次に、自衛隊の装備に関するお尋ねがありました。
 防衛計画の大綱におきましては、本格的な侵略事態に備えた装備について縮減を図りながら、御指摘のような新たな脅威や多様な事態への実効的な対応するための体制を保持することにしております。
 この考え方に従いまして、固定翼哨戒機P3Cにつきましては、機数を縮減しつつ、周辺海域の警戒監視や武装工作船の対処などのために必要な約七十機を整備することといたしております。また、大規模災害や在外邦人等の輸送のために実効的に対応していくため、さらには国際平和協力活動に取り組むためにも、一六DDH型護衛艦や「おおすみ」型輸送艦を保有することは適切と考えております。こうした護衛艦やP3Cにより、平成十六年十一月の中国潜水艦の領海内潜没潜航事案について十分な対応が行われたことは御承知のとおりであります。
 なお、一六DDH型護衛艦は、ヘリ運用能力のみならず、対潜機能など護衛艦としての各種能力を備えており、ヘリコプター護衛艦として位置付けることが適当だと考えます。
 次に、ブースト段階での迎撃や情報戦による防衛に関する問題点についてのお尋ねがありました。
 ブースト段階での弾道ミサイルを迎撃することは、弾道ミサイルの落下予測地域を弾道計算といった技術的な方法により確認はできないのが現状であるため、第三国へ飛来する弾道ミサイルを迎撃する可能性を完全に排除できないといった論点があるものと思っております。
 また、いわゆる情報戦についてでございますけれども、米統合参謀本部の定義によると、自らの情報、情報プロセス、情報システム、コンピューターネットワークを防御しつつ、敵の情報、情報プロセス、情報システム、コンピューターネットワークに影響を与えることにより、情報優越を達成するための活動というふうになされております。こうした情報戦の目的とされている情報優越の追求に当たっては、専守防衛を始めとする従来からの我が国の防衛の基本にマッチしているものと考えております。
 次に、日米安保条約の非対称性を変更する必要についてのお尋ねがありました。
 日米安保条約の下、同条約第五条に基づき米国は日本防衛義務を有し、同条約第六条に基づき、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持のため、我が国は施設・区域を提供することといたしております。
 こうした日米安保条約に基づく日米安保体制は、我が国の安全確保に必要不可欠なものであります。また、米国の軍事的プレゼンスは、依然として不透明、不確実なアジア太平洋地域において、平和と安定を維持するための重要な役割を果たしているものと思っております。
 さらに、日米安保体制を基調とする日米両国の緊密な協力関係は、新たな脅威や多様な事態の予防や対応のための国際的取組を効果的に進めていく上でも重要な役割を果たしていくものと思っております。
 このような役割を果たしている日米安保体制につきまして、運用面での協力などを進めて強化していくことは必要はあるものの、その内容について変更していく必要はないのではないかと思っております。
 次に、日米同盟をアジアの安定、国連中心外交に資する形に変化させる意思はあるかということでございます。
 日米安保体制を中核とする日米同盟は、我が国の安全とアジア太平洋地域の平和と安定のために不可欠な要素であることは論をまたないことであります。同盟に基づいた緊密かつ協力的な関係は、世界における課題に効果的に対処できる上で重要な役割を果たしております。安全保障環境の変化に応じて発展していかなければならないと認識をしているところであります。
 こうした認識については、昨年十月の2プラス2の共同文書においても、戦略目標を達成していくための日米同盟の強化ということで米側と一致しているところでございます。
 次に、米軍による施設・区域の使用や米軍に対する後方支援についてお尋ねがありました。
 米軍による我が国における施設及び区域の使用につきましては、日米安保条約第六条の範囲内、すなわち我が国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、その使用が許可されることになっております。
 また、米軍に対する後方支援につきましては、米軍行動関連措置法、周辺事態安全確保法の関連法令の範囲内で適切に行うことにしております。
 次に、自衛隊の国際平和協力活動と米国との関係についてのお尋ねがありました。
 防衛計画の大綱におきまして、今後の防衛力は、国際社会の平和と安定が我が国の平和と安全に密接に結び付いているという認識の下で、我が国の平和と安全をより確固たるものにしていくことを目的として、国際的な安全保障環境を改善するために国際社会が協力して行う活動、いわゆる国際平和協力活動に主体的、積極的に取り組んでいくことが必要であることを明記しております。
 この国際平和協力活動には様々な形態があります。米国との関係などについて一概に述べることは困難でありますけれども、例えば昨年十月の2プラス2共同文書においては、地域及び世界における共通の戦略目標を達成するため、国際的な安全保障環境を改善する上での二国間協力は同盟の重要な要素となっております。この目的のために、日米はそれぞれの能力に基づいて適切に貢献を行ってまいりたいというのがこの考え方であります。
 次に、米軍再編についてどのように国民の納得のいく説明を行っていくのかというお尋ねがありました。
 在日米軍の兵力態勢再編は、日米安保体制を基礎とする日米同盟を新たな安全保障環境に適応させ、日本の平和とアジア太平洋地域における平和及び安定を確固たるものにすると考えております。これにより、日米同盟は、引き続いて日本防衛を始めとする安全保障面で極めて重要な役割を果たしていくものと思っております。
 他方、在日米軍の兵力態勢再編は、地元地方公共団体を含め、国民の理解なくして実行することは困難であるということは先ほどから述べているとおりであります。私自身、関係地方公共団体を訪問し、共同文書の中間報告の内容や方向性などについて御説明をしてきたところであります。
 今後とも、今月中の具体案の最終的な取りまとめに向けまして日米協議を加速すると同時に、その具体的内容を詰めまして、関係する関係市町村団体等に対しまして理解と協力が得られるように誠心誠意説明をしていき、個別の施設・区域に関連する再編案が実現できるように最大限の努力をさせていただきたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時一分散会