第164回国会 本会議 第14号
平成十八年四月十日(月曜日)
   午後零時三十一分開議
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○議事日程 第十四号
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  平成十八年四月十日
   午後零時三十分 本会議
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 第一 薬事法の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
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○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
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○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 日程第一 薬事法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。川崎厚生労働大臣。
   〔国務大臣川崎二郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(川崎二郎君) 薬事法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 国民の健康意識の高まりや医薬分業の進展等の医薬品を取り巻く環境の変化、店舗における薬剤師等の不在など制度と実態の乖離、薬学教育六年制の導入に伴う薬剤師の役割の変化等を踏まえ、医薬品の販売制度を見直すことが求められております。
 また、違法ドラッグ、いわゆる脱法ドラッグについては、乱用による健康被害が発生しており、かつ、その使用が麻薬、覚せい剤等の使用のきっかけとなる危険性があるにもかかわらず、人体摂取を目的としていないかのように偽装されて販売されているため、迅速かつ実効ある取締りを行うことが困難となっております。
 このため、今回の改正では、医薬品の適切な選択及び適正な使用に資するよう、医薬品をリスクの程度に応じて区分し、その区分ごとに、専門家が関与した販売方法を定める等、医薬品の販売制度の全般の見直しを行うとともに、違法ドラッグの製造、輸入、販売等を禁止すること等により、保健衛生上の危害の発生の防止を図ることとしております。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、一般用医薬品を販売する際には、その副作用等により健康被害が生じるリスクの程度に応じて専門家が行う情報提供を重点化するなど、実効性のある仕組みを設けることとしております。
 具体的には、特にリスクが高い医薬品を販売する際には薬剤師による情報提供を義務付け、リスクが比較的高い医薬品を販売する際には薬剤師又は医薬品の販売に必要な資質を確認された者が情報提供に努めることとし、また、リスクの程度にかかわらず、購入者から相談があった場合には情報提供を義務付けることとしております。
 第二に、医薬品の販売は、各販売業を通じて薬剤師又は医薬品の販売に必要な資質を確認された者により行うこととするため、薬剤師以外の者で医薬品の販売に従事する者の資質を確認するために都道府県において試験を行う仕組みを設けることとしております。また、購入者や事業活動等に無用の混乱を与えずに新たな制度に移行できるよう必要な経過措置を講じることとしております。
 第三に、違法ドラッグ対策に関し、幻覚等の作用を有する一定の薬物を厚生労働大臣が指定して、その製造、輸入、販売等を禁止するとともに、指定した薬物である疑いがある物品に関し、検査を受けることを命ずることができるようにすること等、所要の措置を講ずることにより、迅速かつ実効ある取締りを担保することとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、医薬品の販売制度の見直しに係る事項については、一部の事項を除き、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日とし、違法ドラッグ対策に関する事項については、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
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○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。山根隆治君。
   〔山根隆治君登壇、拍手〕
○山根隆治君 民主党・新緑風会の山根隆治であります。会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました薬事法の一部を改正する法律案に対しまして質問をさせていただきます。
 法案の具体的な質疑に先立ち、小泉内閣及び官房長官の政治姿勢について、安倍官房長官にお伺いをいたします。
 民主党は、七日、両院議員総会を開きました。新しい指導者として小沢一郎元代表代行を我が党の代表に選出をいたしました。これは、小沢党首誕生を熱烈に待望し、期待する多くの国民の声を反映する形での結果の表出でもありました。
 自民党の構造的体質における理想と現実、強靱と脆弱、自信と不安、それらのすべてを知悉した小沢民主党が今日から後半国会に臨み、傲岸が目に余る自公連立政権に乾坤一てき立ち向かってまいります。
 私たち民主党の政治は、小泉政権とは違い、言葉を効果的に表現するレトリック、修辞で政策の矛盾や悪巧み、奸計を隠ぺいするワンフレーズ政治ではありません。これまで小泉政権は上っ面の皮相的な政策で国民の目を欺くことに一定の成果を上げてきたかに見えます。しかし、刻一刻、その欺瞞がさらされていく時間がカウントダウンされていることを御承知おきをいただきたいと思います。
 今、国民の政治への関心はますます高まってきております。そして、複雑な政策への理解にも十分堪え得る知的エネルギーは国民の中に横溢してきており、我が党の国民生活に密着した政策提言は、確実に国民多くの理解を得るところとなっております。
 官房長官、薬事法案も含め、政策の党・小沢民主党と堂々真っ向勝負の論戦を受けていただけるだけの準備があるやなしや、この際、覚悟のほどをお伺いをいたしておきます。
 さて、薬事法改正案と有機的なかかわりのある医療・医薬品関係で特に国民的関心の高い事項二点につきお尋ねをいたします。
 まず、新薬の普及に向けた取組の必要性についてであります。
 我が国では、米国等で既に有効性が実証された抗がん剤などが治療に使用できないという実態が数多く起こっており、多くの患者やその家族の不満や不安を招いております。医薬品の安全性を確保することは大前提でありますが、その上で家族や患者が望む薬品の投与が可能となるような法的な整備を速やかに行う必要があります。
 具体的には、欧米で使われている薬が日本で使えない要因の一つに、開発中の医薬品による臨床テストである治験が進まないことが指摘されております。日本では、治験の情報が患者や関係者に十分伝わらず、参加者が少ないとされております。また、診療に忙しい医師にとって、治験を請け負えば更に多忙になるだけであり、メリットがないという声を聞きます。
 一方、保険制度が不十分な米国では、治験に参加することにより患者にとっても無料で新薬を受けられるなどのメリットが高く、また、医療機関も治験に協力的であるなど、治験が速やかに進む環境が整っております。
 我が国では、治験薬により疾病の進行が抑えられたり、痛みが緩和されても、一定期間経過すると法的に投与を禁じられるという制度が立ちはだかり、患者と国民の願いが聞き入れられません。
 今後は、我が国でも治験を行う医療機関の体制を整えるとともに、患者の方々に対するインセンティブを与える方策を講じ、スムーズな治験の実施を図るべきだと考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いをいたします。
 次に、統合医療の推進につきましてお尋ねをいたします。
 先般、私自身予算委員会でも取り上げさせていただきましたが、近代西洋医学以外の医療全体を指す代替医療と西洋医学を組み合わせた医療、すなわち統合医療が現在注目を浴びております。米国では、がん専門病院が鍼灸やヨガ、音楽療法等の代替医療を西洋医学に組み合わせ、多くの成果を上げた報告があります。しかし、日本では、代替医療を科学的に証明する機関が組織的に構築されていないことから、まだまだ医療機関等において代替医療施設を併設しているところは僅少なのが現状であります。
 西洋医学だけでは治癒することが難しい疾病でも、効果のある代替医療と西洋医療と併用することで患者の症状が回復に向かう症例は枚挙にいとまがありません。数千年の歴史を持つ伝統医療の蓄積は町の開業院に多くあり、眠ったままとなった人類の医療の英知に光を当てるべきであります。
 さきの予算委員会における私の質疑に対し、小泉首相は国家資格を与えているはり、きゅう、マッサージについてその効能を高く評価されていたわけでもあり、早急に代替医療の有効性を評価するための研究機関をつくるなりの措置が必要であると考えます。
 川崎厚生労働大臣の残る任期半年ほどの中で、ここ数代続いてきた人柄、人格の厚生労働大臣という評価の総仕上げとして、代替医療に対する歴史的な英断を求めたいと思います。大臣の明確で積極的な答弁を求めます。
 一般薬の販売制度の見直しについてお尋ねをいたします。
 今回の薬事法改正案では、一般医薬品販売制度について、昭和三十五年の薬事法制定以来の改正が提案されております。
 現在の薬事法では、医薬品の販売に当たっては、薬剤師などの専門家を薬局や店舗に常時配置することを義務付けております。専門家が消費者に対し、原則としてすべての医薬品について必要かつ適切な情報提供を行うことが求められているのですが、実態を見るならば、この制度は十分機能しているとは言えません。
 例えば、消費者が医薬品を購入する際、厚生労働省の調査で、販売時に薬剤師がいなかった一般販売業の店舗が一七・八%にも上ることが明らかになっており、また、国民の側にも一般の商品と異なる医薬品の安全確保の必要が十分に理解されていない面があると言われております。その一方で、副作用によるリスクの低い医薬品についてまで薬剤師の常時配置など一律の情報提供体制を求める必要はないという指摘もあります。
 さらに、薬剤師にはより高い専門性が求められる等役割が変化していることから、平成十八年四月より薬学教育六年制が実施されることになりました。現在の薬事法においては、薬局や薬店などに対して薬剤師などによる消費者への情報提供を求めていますが、これまで実態が伴っているとは言えません。
 こうした状況を踏まえ、現行の一般用医薬品の販売制度を全面的に見直すことにしたとのことですが、今回の改正の主なねらいについて厚生労働大臣にお伺いをいたします。
 以下、具体的な内容についてお聞きをいたします。
 医薬品のリスク分類についてお尋ねをいたします。
 現行法では、医薬品のリスクの程度にかかわりなく一律に情報提供を行うことが努力義務となっております。しかし、改正案では、医薬品をリスクの程度に応じて分類し、情報を重点化することで実効性の向上を図ることとし、具体的には、特にリスクが高い医薬品をAグループ、比較的リスクが高い医薬品をBグループ、リスクが比較的低い医薬品をCグループと三つに分類しております。
 しかし、この分類は適切に行われるのでしょうか。薬の開発は日進月歩、また副作用情報なども日々更新されており、グループの分類は絶えず再検討の必要に迫られます。どのように対応策を取られるのか、厚生労働大臣、お答えをいただきたいと思います。
 医薬品の販売に従事する専門家の資質の確保についてお尋ねをいたします。
 改正案では、今回新たに一般用医薬品の販売において、薬剤師とは別の新たな専門家、登録販売者という資格を設けることとしております。この登録販売者となるためには、都道府県知事が行う試験に合格をする必要があります。これに合格し、知事の登録を受ければ、特にリスクが高いAグループの医薬品を除いたすべての医薬品を販売することができるようになります。
 このように新制度では、ほとんどの一般用医薬品は薬剤師が配置されていなくても、登録販売者により販売が可能となります。しかしながら、これまでも一般用医薬品においても副作用による健康被害が起こっているのですから、今後は新たな薬の専門家となる登録販売者などの資質を確保する必要があります。
 そこで、都道府県知事が行う試験の在り方やその後の研修の在り方について、どのように考えておられるのか、厚生労働大臣にお伺いをいたします。
 次に、制度の周知徹底の必要についてお尋ねをいたします。
 近年、国民の健康に対する意識、関心の高まりから、薬局、薬店において身近にある一般用医薬品を利用するセルフメディケーションの考え方が見られるようになってきました。身体の不調や軽度な疾病に伴う症状の改善などを目的として、自己の判断で購入、使用する一般用医薬品においては、薬剤師などの専門家による適切な情報提供の役割はますます大きくなります。制度を実効あるものとするために、新制度の周知徹底や消費者の薬に対する正確な理解を促すための対策をどのように行っていくのでしょうか。厚生労働大臣にお伺いいたします。
 麻薬についてお尋ねをいたします。
 今回の改正案では、近年社会問題となっている違法ドラッグの乱用に対する取締りの実効を上げるための措置が含まれていますが、その前に、麻薬対策への政府の取組についてお伺いをいたします。
 麻薬対策については、現在、政府全体で取組が行われていますが、我が国の薬物水際対策はどうなっているのかお聞きをいたします。特に北朝鮮が不正な薬物の起源地になっているのではないかとの見方もありますが、国土交通大臣、国家公安委員長の見解をお伺いいたします。
 近年、暴力団による組織的な薬物密売、そこにおける外国人の暗躍が憂慮すべき事態にあります。我が国の薬物取締り、特に暴力団の密売にどう対処しているのか、国家公安委員長にお伺いをいたします。
 さらに、薬物、麻薬が青少年にまでびまんしている状況は憂慮すべき事態であります。麻薬対策について、教育現場における啓発活動や地域を含めた関係機関の連携にこれまで以上に取り組む必要があります。どのような対策を取られるおつもりなのか、文部科学大臣にお伺いをいたします。
 違法ドラッグの問題について更にお尋ねをいたします。
 今回の法案に対策が盛り込まれている違法ドラッグ、いわゆる脱法ドラッグですが、快感などを高めるとして販売されているもので、その成分が麻薬に指定されていないことから、合法ドラッグなどと称して、インターネットやアダルトショップなどを通じて販売され、青少年を中心に乱用の拡大が心配されます。現在、違法ドラッグはどの程度の広がりとなっているのか、御認識のほどを厚生労働大臣、国家公安委員長にお伺いをいたします。お答え願います。
 現行法では、麻薬及び向精神薬取締法において、麻薬に指定された物質については厳しい取締りを行うことができるわけでありますが、麻薬としての指定には、有害性や依存症などの立証のため指定までに多くの時間を費やさなければならない実情で、次々に含有成分の異なる製品が製造、輸入、販売される違法ドラッグに対して、迅速かつ広範な規制が困難と指摘されております。
 今の薬事法では、人体の構造、機能に影響を及ぼすことを目的とするものを医薬品として取り締まることが可能とのことですが、違法ドラッグの多くは人体摂取を目的としないものであるかのように偽装されているため、実効性のある取締りが難しかったという実情も指摘されております。さらに、現行薬事法では、違法ドラッグの個人輸入に規制を掛けることは困難とされていました。
 今回の改正案では、幻覚や中枢神経系の興奮、抑制作用を持つ可能性が高く、乱用など保健衛生上の危害が発生するおそれのある物質を厚生労働大臣が指定し、指定薬物になると、医療や産業用など一定の用途に使用される場合を除き、製造、輸入、販売などが禁止されることになり、また、指定薬物の疑いがある物品については、厚生労働大臣又は都道府県知事が検査を命じることができるなどの措置が盛り込まれております。
 しかし、こうした措置だけで次々と法の網をくぐり抜ける奸物に適切に対処できるのか、甚だ心もとない思いを払拭することができません。本当にこのような対策で違法ドラッグはなくなるのか、厚生労働大臣の御所見を伺います。
 今回の改正には、ドラッグストアの増加など、薬の販売の仕方が多様化する中で、すべての店で情報提供する薬剤師などの確保が難しいという実情があり、法案は現状を追認した形となっております。しかし、今日極めて多種多様な薬剤が日々開発され、その中には思わぬ危険性が潜んでいる可能性も否定できず、国民の漠たる不安は付いて離れません。
 今回の改正により、規制緩和の陰で安全が犠牲になったということが万が一にもないよう、厚生労働省に対しては今後更に厳しく監視していくよう注文を付けまして、代表質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣川崎二郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(川崎二郎君) 山根議員から八問御質問がございました。お答え申し上げます。
 治験についてのお尋ねがございました。
 厚生労働省においては、文部科学省とともに平成十五年に治験活性化三か年計画を定め、治験の実施医療機関を確保するための大規模治験ネットワークの構築、治験を実施する医師を補佐する治験コーディネーターの養成、国民に対する治験の意義等に関する普及啓発などの施策を進めてまいりました。
 また、昨年三月より検討会を設けて、治験実施に係る関係者の負担軽減等を行い、治験を円滑に実施するための環境整備等について検討を進めております。
 統合医療についてお尋ねがございました。
 相補・代替医療を現代西洋医療と効果的に組み合わせた統合医療に関し、厚生労働省においては平成十八年度から、内外における普及の状況や経済効果などについての研究の実施に必要な予算を計上し、統合医療を推進するための土台づくりを図ることといたしております。
 一般用医薬品販売制度の改正のねらいについてお尋ねがございました。
 今回の改正案では、医薬品のリスクの程度に応じた情報提供にめり張りを付け、だれがどのように行うのか明確にすること、一般用医薬品のうち第二類及び第三類医薬品については、薬剤師のほかに都道府県試験により資質が確認された専門家が販売できることとしております。取り扱う医薬品の種類や相談対応が可能な時間帯等の掲示、リスクの程度に応じた外箱表示、リスク分類ごとの陳列等の医薬品の販売に関する環境整備を行うこととしております。
 これらの取組により、一般用医薬品に関する情報提供の実効性を高め、国民の保健衛生の向上を図ることをねらいとしております。
 一般用医薬品のリスク分類やその見直しについてお尋ねがございました。
 一般用医薬品のリスクに応じた成分の分類については、本改正法案において、平成十九年四月までに薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定を行うこととしております。また、改正法案においては、分類の変更についての規定も盛り込んでおり、今後の新たな知見や副作用の発生状況などに基づき、同審議会の意見を聴いた上、必要に応じて分類の変更を行うこととしております。
 登録販売者の資質確保についてお尋ねがございました。
 登録販売者の都道府県試験については、一般用医薬品の主要な成分について、効能・効果、副作用など、その大まかな内容の理解を確認する医薬品の販売に即したものを考えております。その試験については、国が一定の関与を行うこととしておりますが、法案の成立後に、関係者から成る検討組織において具体的な検討を行うこととしております。
 さらに、登録販売者の資質向上のための研修に関しては、現在においても一般用医薬品の販売にかかわる各団体等において自主的な研修等が実施されているところであり、今後も販売に携わる者の資質向上の取組が行われるよう、指導、支援をしてまいります。
 新制度の周知及び一般用医薬品の啓発についてお尋ねがございました。
 一般用医薬品の販売制度が円滑かつ確実に実施されるよう、その周知のため、平成十八年度においても所要の予算を計上しており、今後、法律の実施に向けて、地方自治体、関係団体等とも連携し、広く国民に新制度の周知を図ってまいります。
 また、今回の薬事法改正案においては、医薬品等の適正な使用に関する普及啓発に関する条項を盛り込んでおり、地方自治体共々、例えば教育現場との連携も含め、関係機関、関係団体との連携を図り、広く国民に対する医薬品等の適正使用のための啓発に取り組んでまいります。
 違法ドラッグの現状についてお尋ねがございました。
 厚生労働省が平成十六年に実施した全国実態調査等から、違法ドラッグは全国的に販売されております。アダルトショップ、ビデオショップのほか、通信販売やインターネットを介して千円から六千円程度で販売されており、薬事法の規制を逃れるために、事実上人体摂取目的であるにもかかわらず、芳香剤、観賞用植物、ビデオクリーナー等と称して販売されております。こうした実態があると認識しております。
 今回の改正で違法ドラッグがなくなるのかとのお尋ねがございました。
 今回の薬事法改正案においては、幻覚等の作用を有する一定の薬物を指定し、正規の用途を除きそれらの製造、輸入、販売等ができないこととする、指定薬物を含むものであるかどうかの検査を命じることができ、あわせて、検査の結果が判明するまでの間、販売等を禁止するよう命じることができることとする、違反行為に対する罰則を強化することを主な内容としております。
 このような規制の強化に加え、乱用防止啓発活動の一層の推進等により、違法ドラッグの根絶を期してまいります。(拍手)
   〔国務大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○国務大臣(安倍晋三君) 山根議員にお答えをいたします。
 今後の政策に関する国会議論に対する政府の姿勢についてお尋ねがございました。
 小泉内閣は、発足以来、改革なくして成長なし、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にとの方針の下、我が国の再生と発展に向け、金融、税制、規制、歳出にわたる広範な構造改革を進めてまいりました。この結果、我が国の経済は、民間需要を中心に持続的な回復軌道をたどるなど、改革の成果は着実に上がってきております。
 今後とも、これに満足することなく、政治主導で、簡素で効率的な政府を実現すべく、構造改革への更なる取組を推進してまいる所存でございます。
 新体制となった民主党におかれましても、小沢新代表の下、本法案を含め、これまで以上に国会において政策を中心とした建設的な論戦を行っていただけるものと、こう期待をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣北側一雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(北側一雄君) 山根議員にお答えいたします。
 薬物の水際対策等についてお尋ねがございました。
 薬物密輸事件につきまして、最近は、国内暴力団等のほか、国際的な犯罪組織が関与し、その手口もますます巧妙化をしております。このため、海上保安庁では、容疑船舶に対する立入検査、監視を徹底して行うほか、速力、監視取締り能力を強化した巡視船の配備を行うこと等により薬物の国内への拡散防止に努めてきたところでございます。
 海上保安庁といたしましては、過去五年間で中国、ロシア等からの薬物密輸事案六十六件を検挙し、覚せい剤約五百キログラム等の薬物を押収をしております。
 そのうち、北朝鮮からの薬物密輸につきましては、平成十四年に覚せい剤約百五十一キログラムを押収しております。海上保安庁は、この事例も踏まえまして、我が国に入港するすべての北朝鮮籍船舶に対して立入検査を実施するなど、引き続き厳正な取締りを実施しているところでございます。
 今後とも、薬物密輸の水際対策を推進するため、関係機関と密接に連携を取りつつ徹底した取締りを実施していくこととしております。(拍手)
   〔国務大臣沓掛哲男君登壇、拍手〕
○国務大臣(沓掛哲男君) 二問お尋ねがありました。
 初めに、我が国の薬物水際対策と北朝鮮からの薬物についてお答えいたします。
 警察としては、平成十五年七月に政府として定めた薬物密輸入阻止のための緊急水際対策を踏まえ、国内外の関係機関と緊密に連携し、情報収集と取締りを推進しているところであります。
 また、北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤大量密輸入等事件については、九年から十四年にかけて検挙されており、十五年以降は確認されておりませんが、今後とも引き続き北朝鮮ルートの密輸入に対する警戒が必要と確認しております。
 次に、薬物取締り、特に暴力団による密売への対処についてお答えいたします。
 警察においては、供給遮断と需要根絶のため、暴力団や来日外国人犯罪組織などによる密輸、密売及び末端乱用者の取締りを推進しているところであります。特に、暴力団による密売については、組織実態に関する情報収集と中枢幹部の取締りとともに、麻薬特例法等を活用した犯罪収益の剥奪等に努めており、覚せい剤事犯検挙人員の過半数を暴力団構成員等が占めているところであります。
 次に、二問目の違法ドラッグ、いわゆる脱法ドラッグの広がりについてお答えいたします。
 警察が薬事法違反の取締りを通じて把握した限りでは、十五年から十七年の三年間で八事件、十六人を検挙しており、乱用が広がっているおそれがあります。
 違法ドラッグは、御指摘のように、インターネット等を通じて容易に入手できるために、これが麻薬や覚せい剤等乱用の契機となることが懸念されており、今回の法改正が必要とされるところであると承知いたしております。
 いずれにせよ、薬物乱用のない社会の実現を目指して取締りや広報啓発活動等の薬物対策を総合的に推進するよう、警察当局を督励してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣小坂憲次君登壇、拍手〕
○国務大臣(小坂憲次君) 山根議員にお答え申し上げます。
 学校教育現場における麻薬対策についてお尋ねがございました。
 青少年の薬物乱用問題については、依然として予断を許さない状況にございます。このため、現行の学習指導要領では、中学校、高等学校に加え、新たに小学校高学年から薬物乱用防止に関する指導内容を充実させたところでございます。
 さらに、薬物乱用防止教室の推進、小中高等学校の児童生徒を対象に薬物乱用の危険性等を解説したパンフレットの配布などを推進しておるわけでございます。特に、薬物乱用防止教室の実施に当たりましては、警察職員や麻薬取締官OB、学校薬剤師などの専門家や関係機関の協力を得ることが極めて重要であります。
 今後とも、関係省庁と連携し、協力し、薬物乱用防止教育の推進に努めてまいりたいと存じます。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時六分散会