第164回国会 本会議 第24号
平成十八年五月十七日(水曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第二十四号
  平成十八年五月十七日
   午前十時開議
 第一 刑事に関する共助に関する日本国と大韓
  民国との間の条約の締結について承認を求め
  るの件(衆議院送付)
 第二 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 出入国管理及び難民認定法の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 一、永年在職議員表彰の件
 一、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律
  の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、地方自治法の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。
 議員櫻井新君及び田名部匡省君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。
 つきましては、院議をもって両君の永年の功労を表彰することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
 両君に対する表彰文を朗読いたします。
   〔櫻井新君起立〕
 議員櫻井新君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
 参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもって表彰します
   〔拍手〕
   〔田名部匡省君起立〕
 議員田名部匡省君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
 参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもって表彰します
   〔拍手〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 青木幹雄君から発言を求められました。発言を許します。青木幹雄君。
   〔青木幹雄君登壇、拍手〕
○青木幹雄君 私は、皆さんのお許しをいただき、本院議員一同を代表させていただき、ただいま永年在職のゆえをもって表彰されました櫻井新先生並びに田名部匡省先生に対しまして、一言お祝いの言葉を申し述べさせていただきます。
 櫻井先生は、昭和五十五年の第三十六回衆議院議員総選挙において初当選をされて以来、連続六回の当選を数え、二十年以上の長きにわたり衆議院議員として御活躍をしてこられました。その後、平成十三年の第十九回参議院議員通常選挙に当選されて本院議員に転じ、このたび国会議員として在職二十五年に達せられたのであります。
 この間、櫻井先生は、建設委員長、内閣委員長、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長等の要職を歴任してこられました。
 また、竹下改造内閣の国土政務次官、村山内閣の環境庁長官として国政の中枢に参画され、その卓越した政治手腕を遺憾なく発揮してこられました。
 また、田名部先生には、昭和五十四年の第三十五回衆議院議員総選挙において初当選をされて以来、連続六回の当選を数え、十七年の長きにわたり衆議院議員として御活躍をしてこられました。その後、平成十年の第十八回参議院議員通常選挙において当選され、本院議員に転じ、平成十六年の第二十回通常選挙で当選を重ね、このたび国会議員として在職二十五年に達せられたのであります。
 この間、田名部先生は、逓信委員長、運輸委員長、国土交通委員長等の要職を歴任してこられました。
 また、第二次中曽根第二次改造内閣の郵政政務次官、宮澤内閣の農林水産大臣として国政の中枢に参画され、その卓越した政治手腕を遺憾なく発揮してこられました。
 このように、両先生は、豊かな政治経験と誠実で信義に厚い人柄により、我が国議会政治発展のため多大の貢献をしてこられました。
 ここに、我々議員一同は、両先生の二十五年間の御功績に対しまして深甚なる敬意を表しますとともに、本日、栄えある表彰を受けられましたことに対し、心から祝意を表する次第であります。
 現下、我が国の諸情勢は誠に多事多難であります。山積する諸問題に当面し、参議院に対する国民の期待はますます高くなっております。
 どうか、両先生におかれましては、この上とも御健康に留意され、今後とも国民のため、さらには参議院の権威高揚と我が国議会制民主主義の発展のため、なお一層の御尽力を賜りますよう切にお願いを申し上げまして、お祝いの言葉といたします。
 おめでとうございました。(拍手)
○議長(扇千景君) 櫻井新君及び田名部匡省君から、それぞれ発言を求められました。発言を許します。櫻井新君。
   〔櫻井新君登壇、拍手〕
○櫻井新君 お許しをいただきまして、一言御礼を申し上げます。
 ただいまは、院議をもちまして在職二十五周年の表彰を賜り、さらにその上、青木幹雄自民党議員会長より身に余るお祝いのお言葉を賜りました。本当にありがとうございました。
 私は、衆議院と参議院との両院にわたる政治活動にもかかわらず、通算していただいての表彰だけに感激ひとしおであります。
 本日、この栄誉を受けることになれたのは、七十三歳の現在まで現役でおることができた頑健な心身を産み育ててくれた親兄弟はもとより、多くの友人、知人、後援者のおかげと、改めて心より御礼を申し上げます。
 殊更、私が新潟県議会から国政に出馬することとなった機会は、郷里の先輩、大野市郎代議士が勇退することとなったとき、中選挙区制の中で、私の御支援申し上げておりました田中角栄元総理が出馬を認めてくれたことによるものであります。ハプニング解散と言われた昭和五十五年の衆参同日選挙において初当選させていただきました。
 また、選挙制度も中選挙区制から小選挙区制となり、二度目の平成十二年六月の衆議院選の後の暮れに、年末に、亀井静香代議士から、半年後の参議院選に出馬して国政復帰を目指してはと、驚天動地の強烈な勧めがありました。結果として、多くの先輩、友人、支援者のおかげをもって、平成十三年の参院選の全国比例区で当選させていただいたことが今日の永年勤続表彰の栄誉になったものと思っております。
 私は、国会当選後、第一に手掛けた仕事は、豪雪対策、台風による豪雨災害対策を中心とした防災制度の検討、また米価対策を始めとした農業問題などでした。災害列島とも言わざるを得ない我が国は、今も昔も変わりありません。
 災害時は、視察だけでなく、有事に県、市町村が自力で防災対策をやり、立ち上がれる制度と資金を組み立てることができるように努力をしてまいりました。
 また、農政においては、アメリカ大陸のような広大な農地を持つ農業と一町歩前後の日本やアジアの農業が同じ土俵で競わされるために、減反までして外国の米を買わせられるような矛盾を解決したいと努力してきました。これからも努力を続けるつもりであります。
 また、最近の忘れ得ぬ思い出は、平成十六年十月二十三日の新潟県中越大地震に襲われたときでありました。
 私は当日、ちょうど地元六日町の自宅におりました。電気も電話も水道も、すべての生活インフラが停止された中で、被災民をどう救えるのかという判断に迫られました。知事選直後の引継ぎの最中のこともあり、両副知事を始め県庁幹部と相談をし、被災民を安心させるためにどうすべきかを基本に、中央官庁の各担当者とも連絡を密に重ねてまいりました。多くの関係者が実によく働いてくれました。このときぐらい国会議員として充実感を得たときはなかったと感動しました。改めて、関係各位に心より御礼を申し上げます。
 国際外交の面では、私は当選以来、国際人口・開発会議の仕事に関係してまいりました。最近では、インド洋の津波災害を始め、思う存分働かせてもらいました。
 日本の大きな激動期に向かう国の内外のことに関し、これまで得させていただいた経験を生かして、これからも懸命な努力をしたいと思います。
 重ねて皆さん方の御厚意に謝意を表し、これからもよろしく御指導くださるようお願いをし、御礼のごあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(扇千景君) 田名部匡省君。
   〔田名部匡省君登壇、拍手〕
○田名部匡省君 このたび、永年勤続議員として院議をもって表彰の御決議を賜りましたことは誠に身に余る光栄であり、心から皆様方に御礼申し上げる次第であります。
 本日の栄誉に浴することができましたのは、地元青森県の皆様を始め、特に全国のスポーツ関係者の皆様の長年にわたる御理解と御支援のたまものと、ここに改めて心から感謝を申し上げます。
 私は、昭和九年十二月七日、青森県の八戸市で生まれました。幼少のころからスポーツが大変好きでありまして、高校時代には、夏はバスケットボールの選手として東北大会で優勝し、インターハイ、国体にキャプテンとして出させていただきました。冬はアイスホッケーの選手として、三年、国民体育大会、インターハイに出場をし、大学時代、初めてナショナルチームのメンバーに選ばれてモスコーの世界選手権に出場したのが最初であります。
 その後、卒業をいたしまして、アイスホッケーやりたくて苫小牧の岩倉組に就職をいたしまして、岩倉でアイスホッケーをやり、当時、王子製紙と古河電工が非常に強いときでありましたけれども、それを破って日本一のチームを作り上げ、その間、オリンピックに三回、世界選手権大会五回、選手、監督で出場をいたしました。
 その後、昭和四十二年、青森県議会議員に二期当選させていただきまして、この間も西武鉄道のアイスホッケーの監督を頼まれて、東京―青森、通いながら実は指導したわけであります。おかげで三年連続優勝をすることができて、引退いたしましたが、アイスホッケー連盟から、札幌でオリンピックがあるから日本の監督を要請されまして、そして札幌オリンピックの日本の監督をさせていただいた。
 昭和五十四年十月の衆議院選挙に初当選、そのとき応援に来ていただいたのは福田赳夫先生と扇議長さんでありました。
 平成三年、ウルグアイ・ラウンド、米の交渉のときに、もう大変なことになりまして、第一次宮澤内閣の農林水産大臣に就任をいたし、それで終わるかと思ったら、第二次も宮澤内閣で渡辺美智雄先生と私だけが留任をさせられまして、アメリカから米一粒たりとも輸入しない、衆議院と参議院で決議をされましたが、最後はまとめなきゃいかぬという思いで、ヒルズ通商代表とマディガン農務長官と、四八%の関税を掛ける、その代わり一部入れると、これでどうだという交渉をやって帰ってまいりました。
 一粒たりとも入れないというのを、それやったものですから、大変なことでありましたが、しかしこのときは私も政治生命を懸けておりました。交渉に行くと、向こうは向こうで自動車ばっかり売るとかいろんなことを言うわけですから、そういうことも、これも考えながらまとめることをしなきゃいかぬと、そんな思いで政治生命を懸けて、辞任覚悟で実は帰国いたしました。私の政治の中で最も思い出に残る問題でした。最後に、農家に負担を求めない努力をしなきゃいかぬ、農協と漁協の合併しろということで、これが進んだこともまた大変な思い出でありました。
 最後に、スポーツで学んだことを申し上げます。
 議員の皆さんに申し上げて終わりにさせていただきますけれども、私はスポーツをやって本当に良かったと。それは何かというと、基本をしっかりやります。そして、チームプレーですから、上手な選手と下手な選手がおります。下手な選手はしょっちゅう抜かれる。これ分かっているんですから、うまい選手が後ろに入って守ってやれ。味方のパックになりますと、下手な選手はチェックされて、取っ返されるんですよ。うまい選手は遠くに走って、出せと言うんです。出るわけがない。そばへ行って受けてやれということを選手に指導してきました。しかも、ルールを守って試合をやりました。
 国会議員になってちょっと寂しいなと思うのは、この国の基本が、教育でも外交でも防衛でも、あっちへ行ったりこっちへ行ったりすることです。しかも、困っている人たちをもっと助けるというこの気持ちが薄いということ。ひどい選手は、国会議員は、フェイントプレーというのをやるんです、相手を抜くときに。あれは敵に掛けるんですから。味方に掛ける国会議員がいるということは誠に残念であります。
 どうぞ、これからもこの信念と志は失うことなく、もう庶民のために一生懸命努力をしていきたい。そのためには改革が、私は一番先でありましたから、石油公団からODAから住宅金融公庫から、相当直したつもりであります。まだまだやらなきゃならぬことはたくさんありますから、皆様と一緒になって国民の負担を求めない努力を今後とも続けていきたい、こう思いますので、よろしくお願いし、今日は本当に青木会長の丁重なまたお祝いのごあいさつをいただきまして、心から感銘をしておるところであります。
 本日は誠にありがとうございました。(拍手)
     ─────・─────
○議長(扇千景君) この際、日程に追加して、
 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。杉浦法務大臣。
   〔国務大臣杉浦正健君登壇、拍手〕
○国務大臣(杉浦正健君) 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 明治四十一年に制定された監獄法は、被収容者の権利義務関係や職員の権限が法律上明確にされていないなど、今日では極めて不十分なものとなっておりましたが、同法が規定する事項のうち、刑事施設の基本及びその管理運営に関する事項並びに受刑者の処遇に関する事項につきましては、平成十七年、昨年五月、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律が制定され、法整備が行われたところでございます。
 他方、被逮捕者、被勾留者等の未決拘禁者、死刑確定者等の処遇につきましては、監獄法の題名を改めました刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律により規定され、依然としてその内容は極めて不十分であり、また、受刑者の処遇との間で不合理な法律上の格差が生じることとなっているため、早期にこれに関する法整備を行う必要がございます。
 さらに、都道府県警察の留置場及び海上保安庁の留置場につきましては、その設置根拠が法令上明文で存しないこと、これらに留置される者のうち、被逮捕者は、その処遇に関する規定がなく、また、刑事施設に代用される警察留置場に留置される被勾留者等は、これに対する法律の適用関係が不明確であることなどの問題点があり、所要の法整備を行う必要がございます。
 この法律案は、このような状況を踏まえ、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正し、同法において、刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設に収容されている未決拘禁者等について、その人権を尊重しつつ、適切な処遇を行うため、その処遇に関する事項について定めるほか、留置施設及び海上保安留置施設について所要の法整備を行おうとするものでございます。
 この法律案の要点を申し上げます。
 第一は、未決拘禁者等の処遇について定めるものであり、その権利及び義務の範囲を明らかにするとともに、その生活及び行動に制限を加える必要がある場合につき、その根拠及び限界を定めること、適正な生活条件の保障を図るとともに、医療、運動等その健康の維持のために適切な措置を講ずること、外部交通についての規定を整備すること、刑事施設の長等の一定の措置についての審査の申請、身体に対する違法な有形力の行使等についての事実の申告等の不服申立て制度を整備することなどを内容とするものでございます。
 第二は、留置施設及び海上保安留置施設の基本及びその管理運営に関する事項を定めるものであり、これらの施設の設置根拠を設けること、刑事施設の収容対象者について、一部の者を除き、刑事施設に収容することに代えて留置施設に留置することができることとすることなどに加え、留置施設の運営の透明性を確保するために、留置施設視察委員会の設置、組織及び権限について定めることといたしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。千葉景子君。
   〔千葉景子君登壇、拍手〕
○千葉景子君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました刑事施設及び受刑者の処遇に関する法律の一部を改正する法律案について、関係大臣に対し質問をいたします。
 今回の改正は、未決拘禁者等の処遇について明治四十一年制定の監獄法以来約百年ぶりに見直しを行う歴史的事業であり、無罪の推定を受ける未決拘禁者にふさわしく、今日の国際的基準を満たす画期的な内容が期待されていました。しかし、政府から提出された法案は、代用監獄に法的根拠を与え、その永続化を図ろうとするものであり、国際的な人権保障の流れに逆行する期待外れのものと言わざるを得ません。
 そもそも我が国の刑事司法においては、自白は証拠の王とも言われ、捜査における自白偏重の傾向が極めて強く、自白を引き出すための無理な取調べが行われてきた歴史があります。この強引な取調べの温床となってきたのが、未決拘禁者を本来の拘置所に代えて警察署の留置場に留めて、二十四時間、被拘禁者の全生活を管理、支配しながら取調べを継続するやり方です。代用監獄は我が国独自の制度であり、捜査と拘禁の分離を求める国際人権基準に違反し、国際社会からも、アルファベットで「DAIYO KANGOKU」と表記され、非難される国際語となっています。
 この代用監獄の下、捜査段階の自白が決め手となって過って有罪とされ、再審によって無罪となったケースも少なくありません。この中には、免田事件、財田川事件、松山事件、そして島田事件の四人の元死刑囚が含まれています。平成六年以降も、日本弁護士連合会が把握しているだけで、虚偽の自白を強要された事件が四十二件あり、このうち二十件が無罪や不処分となっています。
 このように、冤罪が後を絶たない原因を法務大臣はどのようにお考えになっているのでしょうか。答弁を求めます。
 多くの弁護士や日弁連、人権NGOなどは、長年にわたり、代用監獄が自白の強要、違法な取調べの温床となり、ひいては冤罪の主要な原因の一つとなるとして、その廃止を強く求めてきました。
 しかし、今日、代用監獄に収容されている未決拘禁者は九八%を超え、本来の拘置所に収容されている者はわずか二%にも満たない状態になっています。この背景には、政府が拘置所は増設しない一方、警察留置場は増設され続け、代用監獄の廃止を事実上不可能な状況をつくり上げてきた事実があるのではないでしょうか。
 また、現在進められている大規模独立留置場の実態は、警察官署に附属する留置場というより独立した拘禁施設というものであり、拘置所として法務省所管に移して代用監獄の漸減を実現していくべきだと考えますが、法務大臣と国家公安委員長に見解をお伺いいたします。
 以下、本法案について具体的にお尋ねします。
 法制審議会は、昭和五十五年、関係当局は、将来、できる限り被勾留者の必要に応じることができるよう、刑事施設の増設及び収容能力の増強に努めて、被勾留者を刑事留置場に収容する例を漸次少なくすることという答申を全会一致で採択しました。これが、代用監獄に関する論議の到達点でした。
 ところが、どうしたわけか、このたび提出された法案には代用監獄の漸減の視点が全く欠落しています。廃止どころか、漸減の努力目標すら示さず、むしろ法案の十四条、十五条は代用監獄を追認し、恒久化しようとしているとも読めます。
 杉浦法務大臣自身は、去る四月四日の衆議院法務委員会の審議において、長いスパンで考えると、いわゆる代用監獄は廃止するのが理想だと思うと答弁されています。なぜ昭和五十五年の法制審の答申を無視した結果になったのか、代用監獄廃止に向けての道筋すらない本法案を提出することは、大臣としての指導力、リーダーシップを全く欠いたものと言わざるを得ません。法務大臣の説明を求めます。
 民主党は参議院でも、政府はできる限り刑事施設の収容能力を増強し、留置施設に留置される者の数を漸次少なくするよう努めなければならないとする修正案を用意しており、代用監獄を次第に減らしていき、最終的には廃止まで至るべきと考えておりますが、今からでも私たちの修正提案に応ずる考えはありませんか。大臣の御見解からすると反対する理由はないはずですが、お答えください。
 捜査と留置の分離について伺います。
 去る二月の有識者会議の提言では、「昭和五十五年以降、警察の捜査部門と留置部門を組織上及び運用上明確に分離することにより、被疑者の処遇の適正を図る制度的な保障がなされるに至ったこと、」を指摘していますが、昨年五月、死刑求刑から一転、無罪判決が出された北方事件では、限度を超えた取調べに加え、取調べ官の誘導もうかがえるとして証拠能力が否定されるなど、代用監獄における自白の強要は今日も続いているのです。
 代用監獄が存続する以上、捜査と留置の厳格な分離は不可欠ですが、現状はどのようになっているのでしょう。国家公安委員長にお尋ねします。
 本法案では、十六条三項で、「留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。」と規定していますが、これでは不十分です。逆の、捜査官が留置業務に関与することが明文では禁止されていないからです。捜査と留置の分離は完全に保障される必要があり、条文の解釈ではなく、明文をもって規定すべきものと考えますが、国家公安委員長の見解をお伺いいたします。
 さらに、起居動作の時間帯の遵守や留置担当官による取調べ等の中断を求める権限の付与、留置施設等における未決拘禁者の出入りに関する記録と本人、弁護人などからの要求に対する開示の義務付けなど、捜査と留置の分離を実効あらしめる制度が必要だと考えますが、国家公安委員長の見解をお伺いいたします。
 本法案により、海上保安留置施設の設置根拠も明文化され、管理運営や被留置者等の処遇に関する事項等が規定されることになります。これらの留置施設の管理運営は従来とはどのように変わるのか、国土交通大臣にお伺いいたします。
 さて、やむなく代用監獄を当面存続させるとすれば、取調べの過程を録画、録音し、自白の強要や誘導の有無を後から検証することができるように可視化を進めることが必要です。去る九日、法務大臣は、密室のやり取りとなっている検察官による取調べの一部をビデオで録画、録音する方針を示されました。これまで取調べの過程を検証する手段が何もなかったことに比べ、一歩前進することになりますが、これでは不十分であると同時に懸念を感じます。それは、警察での取調べが対象となっていないばかりか、検察官による撮影が担当検察官の判断にゆだねられているからです。これでは検察側に都合のいい部分だけが撮影され、利用されかねません。
 先般行われた裁判員制度に関する世論調査では、短期間であれば参加できるという声が数多くありました。同制度が開始されれば、迅速な裁判の実現のためにも自白の任意性の立証をより合理的に行う必要が高まります。取調べが適正であったか、自白の強要などがなされていないかどうかは、取調べ過程をすべて録画、録音しなければ裁判員には分からないんです。今後、全面可視化に向かうのか否か、法務大臣の決意をお伺いいたします。
 また、国家公安委員長は、治安に悪影響を与えるおそれがあると、録画、録音の導入に否定的な見解を示されていますが、冤罪を防ぐためにも、裁判員制度の円滑な導入のためにも、警察による取調べの過程を可視化することが必要不可欠だと考えますが、国家公安委員長の見解を求めます。
 弁護人に対する接見交通権の保障に関しても本法案は不十分です。法案の百十七条は、弁護人の未決拘禁者に対する面会において、施設の規律や秩序を害する行為があった場合に弁護人との面会を一時停止及び終了させることができることを規定しています。なぜこのような規定を設けたのでしょうか。また、どのような事態を想定しているのでしょうか。さらに、未決拘禁者と弁護人との接見の秘密が守られることは、被告人が適切に防御権を行使する上で最も基本的な権利であり、刑事訴訟法三十九条で保障されています。このような規定を設けることにより、未決拘禁者の権利が侵害されることにはなりませんか。法務大臣の見解を求めます。
 法案の二十条は、警察本部に留置視察委員会を置くことを規定しています。留置場における処遇、管理運営の透明性を高めるものとして評価することはできますが、問題はその人選です。弁護士会推薦の弁護士などを含む適切な人選がなされるべきであると考えますが、国家公安委員長の見解をお伺いいたします。
 死刑確定者の処遇について、法案の三十二条は、「死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。」と規定しています。しかし、昭和三十八年の矯正局長通達により、心情の安定を害するおそれがあるとして面会人が制限されるなど、死刑確定者の権利を制限するためにこの心情の安定という要件が使われてきたことにかんがみ、死刑確定者の処遇の原則は、人間としての尊厳の尊重又は死刑に直面する者としての地位に配慮することであるべきと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
 ところで、杉浦法務大臣は、法務大臣に就任した昨年十月三十一日、初閣議後の記者会見で、死刑執行命令書にサインしないと表明されました。しかし、その一時間後には、個人としての心情を吐露したもので、法務大臣の職務執行について述べたものではなかったとの文書を発表し、事実上、発言を撤回されました。死刑制度に疑問をお持ちであれば、死刑制度廃止に向けた姿勢を貫くべきではなかったのでしょうか。杉浦法務大臣は死刑制度の存廃についてそもそもどんなお考えを持っておられるのか、見解を求めます。
 二十一世紀は環境と人権の世紀とも言われ、人権に対する国際的な関心が高まっています。冤罪の発生は、被疑者やその家族の人生を狂わせるだけではなく、真犯人を処罰する機会を奪い、被害者の苦しみを増大させ、安全な社会を求める国民の期待にもこたえられない事態を生じさせます。
 本年二月の未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議の提言は、代用監獄の存廃について、代用刑事施設制度は将来的には廃止すべきであるとする強い意見もあることや、刑事司法制度全体が大きな変革の時代を迎えていることなどを考えると、今後、刑事司法制度の在り方を検討する際には、取調べを含む捜査の在り方に加え、代用刑事施設制度の在り方についても、刑事手続全体との関連の中で検討を怠ってはならないと考えると述べています。
 冤罪を発生させないために、今後の代用監獄の在り方についてどのような検討を行っていくのか、法務大臣及び国家公安委員長にお伺いをし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣杉浦正健君登壇、拍手〕
○国務大臣(杉浦正健君) 千葉景子議員にお答えを申し上げます。
 まず最初に、冤罪が後を絶たない理由は何かというお尋ねがございました。
 無罪判決の理由は、関係者の供述や被告人の自白の信用性が認められなかったり、情況証拠から犯罪事実を認定するには合理的疑いが残るとされたりするものなど様々でございます。検察当局においては、信用性のある供述の確保とその裏付け捜査の徹底、証拠物やその鑑定等の客観的な証拠の十分な収集及び検討等に一層の意を用い、事件の適正な捜査処理に努めているものと承知いたしております。
 次に、大規模独立留置場の法務省への移管についてお尋ねがございました。
 これまで、法務省としても拘置所の収容能力の増強に努めてきたところでございますが、留置施設は、都道府県が地方の治安責任を全うする必要性から独自の財源を充てて設置しているものでございまして、これを国の所管に移すことは、治安に関する地方公共団体と国の役割分担や責任の所在にかかわる重大な問題でございます。
 また、留置施設は、逮捕から勾留まで一貫して用いられ、要員の点でも、地方公務員である施設の看守勤務員が対応しております。仮に留置施設を国の所管に移すといたしましても、逮捕後の留置を行う施設としての留置施設は存続する必要がございますから、被勾留者の収容に関する部分のみを国の所管とすることとなり、その場合、国の業務を行う区画を別に設け、共通した業務に従事する職員を国と地方ごとに配置せざるを得なくなります。
 こうした点などにおきまして、留置施設の所管を法務省に移すことは現実的ではないと考えております。
 次に、法制審議会の要綱との関係についてお尋ねがございました。
 御質問の要綱の趣旨は、本来、刑事施設に収容することが相当と判断されるような者について、刑事施設の収容能力の不足から留置施設に収容せざるを得ないという事態が現に存し、あるいはそのような事態が生じるおそれがあるとの認識に立ち、法務省に対して、刑事施設の増設等に努めることによってそのような事態が生じることがないようにすべきことを要請するものでございまして、代用刑事施設に収容される被収容者を漸次減少させて代用刑事施設制度を将来的に廃止するという趣旨を含むものではなく、この法律案は同要綱とも整合するものであると考えております。
 次に、いわゆる代用刑事施設の漸減に関する修正提案についてお尋ねがございました。
 最近の未決拘禁者をめぐる厳しい収容状況や現下の財政状況等にかんがみますと、もとより、今後とも刑事施設の収容能力の増強に努めてまいる所存でございますが、留置施設に代替収容される者の数を漸次少なくすることをその趣旨とする内容を法的拘束力を有するものとして規定することは現実的ではなく、適当ではないものと考えております。
 次に、取調べの録音、録画についてお尋ねがございました。
 検察庁においては、裁判員裁判における分かりやすく迅速で的確な主張立証の在り方についての検討の一環として、裁判員裁判対象事件に関し、検察官による被疑者の取調べの一部の録音、録画を試行することとしたものと承知しております。
 なお、取調べの録音、録画の制度化につきましては、司法制度改革審議会意見におきましても、刑事手続における被疑者の取調べの役割との関係で慎重な配慮が必要であることなどから、将来的な検討課題とされており、慎重な検討が必要であると考えております。
 次に、未決拘禁者と弁護人等との面会の一時停止等の規定についてお尋ねがございました。
 法案第百十七条は、未決拘禁者と弁護人との面会についても、刑事施設の規律及び秩序を害する行為が行われた場合には、これを回復、維持するため適当な措置がとられるべきであると考えられることから、そのための職員の権限を明確にする観点から設けるものでございます。
 例えば、面会室内において未決拘禁者が暴れ出すなどの刑事施設の規律及び秩序を害する行為に及んだ場合などが想定されますが、この規定は、面会における会話内容を聴取したりしようとするものではなく、また、面会の状況を監視しようとするものでもございませんから、未決拘禁者と弁護人との秘密交通権を侵害するものではないと考えております。
 次に、死刑確定者の処遇原則についてお尋ねがございました。
 まず、この法律案は、第一条において、死刑確定者に限らず、被収容者の人権を尊重して処遇を行うことを目的とする旨明記しております。また、この法律案は、死刑確定者の処遇に当たりましては、本人が自ら心情の安定を得られるように援助を与え、あるいは権利制約にわたらない限りで心情の安定を害するような外形的条件を排除するという形で、心情の安定に配慮すべきであるという考え方に立って立案しているものでございます。したがって、議員の御指摘のような事態が生じることがないよう、十分に配慮したものであると考えております。
 次に、死刑制度の存廃についてお尋ねがございました。
 死刑制度の存廃は、我が国の刑事司法制度の根幹にかかわる重要な問題でございますから、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等種々の観点から慎重に検討すべき問題と考えております。そして、国民世論の多数が極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、凶悪犯罪がいまだに後を絶たない状況等にかんがみますと、その罪質が著しく重大な犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないのであり、死刑を廃止することは適当ではないと考えております。
 最後に、今後の代用監獄制度の在り方の検討についてお尋ねがございました。
 今回の法整備は、いわゆる代用刑事施設制度が現実に我が国の刑事司法制度において重要な役割を果たしていることから、この制度の存続を前提として、これに制度的改善を加え、代用刑事施設の被収容者の適正な処遇を図ろうとするものでございます。
 代用収容制度は、これを所与の制度と考えているわけではございません。刑事訴訟の迅速化、裁判員制度、公的被疑者弁護制度の導入などにより、刑事司法制度全体が大きな変革の時代を迎えていることなどを考えますと、今後、刑事司法の在り方を検討する際には、取調べを含む捜査の在り方に加え、代用収容制度の在り方についても刑事手続全体との関連の中で検討を怠ってはならないものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣沓掛哲男君登壇、拍手〕
○国務大臣(沓掛哲男君) 千葉議員の御質問、七問にお答えいたします。
 まず初めに、大規模独立留置施設を拘置所として法務省に移管して代用監獄の漸減を実現すべきとのお尋ねですが、この点につきましては、犯罪の認知件数の増加、過剰収容の実態等を踏まえた各都道府県の治安に対する判断や財政的努力を経て設置している留置施設を一律に国に移管することは、地方自治の趣旨からもふさわしくないこと、仮に移管した場合にも警察が逮捕した被疑者を留置する施設が別途必要となること、拘置所とした場合には専門の法務省職員を別途相当数確保して常時配置する必要があることなどの理由から、現実的に大きな困難があるものと考えております。
 次に、捜査と留置の分離についてのお尋ねですが、警察においては、昭和五十五年より、組織上捜査業務に携わらない管理部門の警察官が留置業務を行うこととしているところであります。さらに、留置業務が捜査に利用されているとの疑念を生じさせないよう、被留置者の処遇については専ら留置担当官が行うこととし、捜査員は担当する被留置者の処遇にかかわらないこととしており、これらの原則は今後も引き続き徹底してまいる所存であります。
 次に、捜留分離を徹底して、捜査官が留置業務に関与することを明文で禁止すべきとの御指摘ですが、新法第十六条第三項により、捜査担当官がその担当する被留置者の処遇を行ってはならないこととなり、御指摘の趣旨は既に実現されているものと考えております。
 続きまして、起居動作の時間帯の遵守、留置担当官による取調べ中断権限の付与に関するお尋ねですが、被留置者は刑事手続の対象でもあり、公益上の必要性から、やむを得ず定められた時間どおりに処遇を実施できないこともあり得るところであり、これを禁止するような規定を設けることや、留置部門に一方的な取調べ中断権限を与えることは適当ではないと考えております。なお、例えば定められた時間に運動が実施できない場合には別の時間に実施するなどの補完措置を講じており、被留置者の処遇は適正に行われているところであります。
 また、留置施設への出入場時刻等の処遇に関する所要の事項は留置担当官が記録することとしており、その開示については具体的な事情を考慮した上で適切に判断されるものと考えております。
 続いて、取調べの可視化に関する御質問ですが、取調べの状況の録音、録画を実施した場合、取調べの機能が大きく阻害され、犯罪の検挙に支障を来すおそれがあるため、その実施については警察として慎重に検討する必要があるものと考えております。
 続いて、留置施設視察委員会の委員の人選についてのお尋ねですが、留置施設視察委員会の委員は、留置施設の運営状況について部外者の視点から御意見をいただき、その透視性を確保するというこの制度の趣旨を踏まえ、都道府県公安委員会がそれぞれの判断によって任命するものと考えております。
 最後に、今後の代用刑事施設制度の検討についてのお尋ねでありますが、有識者会議において指摘されましたように、捜査の適正な遂行と被疑者の人権の保障を図ることが国民の負託にこたえるものであることを念頭に置きつつ、治安と人権の調和と均衡を刑事司法制度全体の中でいかに図っていくべきかについて不断に検討を行ってまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、今回の法整備が実現しましたならば、捜査と留置の分離、留置担当官への教育訓練の徹底など、法の趣旨をより実効的なものとするべく努力してまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣北側一雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(北側一雄君) 千葉議員にお答えいたします。
 海上保安留置施設の管理運営についてのお尋ねがございました。
 海上保安庁の留置施設の管理運営におきましては、これまでは内部規則に基づき行われてまいりましたが、本法案において、海上保安留置施設の適正な管理と被留置者の人権を尊重しつつ適切な処遇をより一層確保するため、海上保安留置施設の設置根拠とともに被留置者の処遇について法律上明確化することとしております。
 具体的には、捜査と留置の分離、面会や信書の発受の外部交通権などを法的に明確にするほか、監査官による実地監査や有識者からの意見聴取による施設の透明性の確保、不服申立てなどの新たな制度を設けることとしております。
 いずれにいたしましても、本法案によりまして、海上保安留置施設の適正な管理運営を図るとともに、被留置者の人権を尊重しつつ適切な処遇の確保を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(扇千景君) この際、日程に追加して、
 地方自治法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。竹中総務大臣。
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹中平蔵君) 地方自治法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 この法律案は、地方制度調査会の答申を踏まえ、地方公共団体の自主性、自律性の拡大等のため所要の措置を講ずるものです。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、副知事及び助役制度の見直しに関する事項であります。
 市町村の助役に代えて市町村に副市町村長を置くこととし、副知事及び副市町村長の職務として、普通地方公共団体の長の命を受け、政策及び企画をつかさどること並びに長の権限に属する事務の一部について、委任を受け、事務を執行することを追加することとしております。
 第二は、出納長及び収入役制度の見直しに関する事項であります。
 出納長及び収入役を廃止し、一般職の会計管理者を置くこととしております。
 第三は、監査委員制度の見直しに関する事項であります。
 識見を有する者から選任する監査委員の数を条例で増加することができるようにするものであります。
 第四は、財務に関する制度の見直しに関する事項であります。
 クレジットカードによる地方公共団体への使用料等の納付の方法を定めるとともに、行政財産の貸付け又は私権の設定ができる場合を拡大するほか、国債等の有価証券の信託の規定を設けることとしております。
 第五は、長又は議長の全国的連合組織に対する情報提供制度の創設に関する事項であります。
 各大臣は、地方公共団体に対し新たに事務又は負担を義務付けると認められる施策の立案をしようとする場合には、地方公共団体の長又は議会の議長の全国的連合組織が内閣に対して意見を申し出ることができるよう、連合組織に施策の内容となるべき事項を知らせるために適切な措置を講ずることとしております。
 第六は、議会制度の充実に関する事項であります。
 学識経験を有する者等の専門的知見の活用や議長の臨時会の招集請求に関する規定を設けるほか、議員の複数の常任委員会への所属制限を廃止するとともに、委員会の議案提出権を認めることとしております。
 このほか、中核市の指定に係る面積要件の廃止その他所要の規定の整備を図ることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。松下新平君。
   〔松下新平君登壇、拍手〕
○松下新平君 私は、民主党・新緑風会の松下新平でございます。
 ただいま趣旨説明のございました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問いたします。
 本題に入ります前に、小泉内閣の政治姿勢について、内閣のスポークスマンであり、ポスト小泉の最有力候補として国民的人気も兼ね備えた安倍内閣官房長官にお伺いいたします。
 先日、靖国参拝の自粛等を求めた経済同友会の「今後の日中関係への提言」に対し、小泉総理は、商売と政治は別とあっさり切り捨てました。経済界を商売と表現し、政治とは関係ないと言い切り、口を挟むなと言わんばかりの態度は、政治のおごり、思い上がり以外の何物でもございません。
 ここでは、単に靖国参拝の是非を取り上げようとしているものではありません。また、揚げ足を取るつもりもありません。
 申し上げるまでもなく、我が国は、資源の少ない、そして狭い国土でありながら、諸外国との交易により世界第二位の経済発展を成し遂げました。貿易でここまで成長し、そして恩恵を受けてきたからこそ、政治が、外交においても自衛隊派遣やODAなどの国際協力もできるのです。
 もちろん、外交ですから、それぞれ思惑があることも承知しておりますが、今回の小泉総理の態度は、我が国の経済的な発展を支えてきた財界からの貴重な進言を無視したものであります。本来、経済発展を支え、障害を取り除くよう努めるのが政治の基本的な役割のはずです。
 これまで、小泉総理は政府の重要な政策を決める会議などに盛んに財界人を招き入れています。それは、経営の実務を通じて培われた識見や指導力を政治に生かしたいということではなかったのでしょうか。都合のいいときはそれらを引用し、都合が悪くなると切り捨てる手法は、一国の総理としてあるまじき行為であります。
 そこで、安倍内閣官房長官にお伺いします。
 安倍長官は、この提言が発表されました九日の記者会見で、コメントのしようがないと言及を避けられました。経済同友会は、退く小泉総理にはこの提言は不要との一部の意見もあったそうですが、次の首相にも求めるということで提言を押し通したそうです。ですから、このことについて正面から答えていただきたいのです。経済同友会が提出した今後の日中関係への提言に対しての御意見と、併せて今後重要なアジア外交、とりわけ日中関係に対する御見解もお伺いいたします。
 また、簡素で効率的な政府を目指すという触れ込みで、行政改革関連法案がただいま本院で審議されております。いわゆる小さな政府それ自体は中央政府のスリム化につながるものとして賛成ですが、行政改革の柱であるはずの地方分権について何ら触れられておりません。確かに、骨格を規定するプログラム法案でありますが、当然小さな政府の推進は地方分権と一体であるはずであり、法案として不十分であると思います。
 そこで、小泉政治この五年間の総括と、行革と地方分権の位置付けについて、併せて安倍内閣官房長官の御見解を伺います。
 それでは、議案であります地方自治法改正案についてお伺いいたします。
 地方自治法は、戦後間もなくの昭和二十二年制定され、日本国憲法と同日に施行されました。現在まで随時改正されておりますが、このたびの改正案は、昨年の十二月に第二十八次地方制度調査会が小泉総理あてに出された答申を踏まえたものであります。
 以下、本法律案と地方分権に関する基本的な考え方についてお伺いいたします。
 まず、平成五年に、衆議院、参議院それぞれ、地方分権の推進に関する決議がなされております。今から十三年も前のことであります。当時の議事録には、地方の時代と言われて既に十五年もたつが地方分権は遅々として進んでいないことを指摘しております。地方の時代と言われたのは今からもう二十八年も前のことになります。そこには、中央集権体制による弊害を指摘し、地方分権を積極的に推進するための法制度を始め、抜本的な施策を総力を挙げて断行していくべきと決議されております。
 当時の村田国務大臣は、一極集中を是正して国土の均衡ある発展を図り、生活大国をつくり上げていくために、また二十一世紀の我が国のグランドデザインを考えるに際しても、現在議論されている政治改革、国会等移転に併せ、地方分権のより一層の推進が必要であると考えていますと所信を述べられています。このとき、地方分権は既に待ったなしの状況であったわけです。
 しかし、十三年たった今日も、真の地方分権にはほど遠い状況にあります。何が遅れた原因だったのか、またそれをどのように克服してきたのか、また克服しようとしているのか、竹中総務大臣に御見解をお伺いいたします。
 昨年一応の決着を見た三位一体の改革も、三年間で四兆七千億円の国庫補助負担金改革が行われ、地方に三兆円規模の税源移譲がなされました。しかし、中身は、国庫負担金が削減されたといっても、義務教育国庫負担金、児童扶養手当、児童手当の国庫補助率の単なる引下げなど、国の負担を減らし地方の負担を増やすだけのものが中心でした。地方六団体の国庫補助負担金改革案と今回の結果を比較すると、達成率は一二・一%にすぎません。要するに、三兆円規模の税源移譲といっても、国庫補助負担金削減に伴う経費等、地方に転嫁された負担の穴埋めで大半が消えることになります。
 三位一体改革と併せて、国から地方への権限移譲や国の関与の縮減などが行われていれば地方行政の自由度も高まったわけですが、このような改正も十分には行われなかったため、財政面でも政策の執行面でも地方の自主性は一向に高まらなかったと考えられます。
 さらに、地方交付税に関して、三年間で五・一兆円が削減され、厳しい財政状況の下、行財政改革に取り組んでいる地方公共団体に追い打ちを掛ける結果となっています。
 このように、三位一体改革は、真の地方分権の実現からはほど遠いものであり、国の権限を維持したまま、国の財政再建を前提に地方に負担を押し付けるものになったと考えますが、竹中総務大臣の御見解を伺います。
 上下主従の関係からようやく対等協力の関係になった地方分権一括法の制定は平成十二年でした。私は当時、宮崎県職員として六年間、宮崎県議会議員として五年間、地方に根差して活動してまいりました。
 そのときの状況はといいますと、一九九一年のバブル崩壊後、政府は公共事業を中心に地方に手厚い景気対策を実施しておりました。自治体が交付税を当て込んで借金をし、その返済で交付税がどんどん膨らんでいきました。景気対策で公共事業をどんどんやりなさい、借金の返済分は後で交付税に上乗せするからと政府に言われ、地方は競って公共事業をやり、借金まみれになりました。そこへ来て、交付税が大幅削減され、自治体は悲鳴を上げております。
 後で全部面倒を見るなどといううまい話などあるはずがありません。できもしない約束をした政府も悪いが、自治体もそこは愚かでした。私も、今更ながら無策を恥じ、もっと早く取り組んでおればと責任を痛感しております。
 今、地方の状況は、生き残れるかどうかの瀬戸際で切実であります。地域間の格差が広がり、財政難も深刻です。そうした中、地方自治体の主財源である地方交付税の更なる削減や配分の見直しが政府の経済財政諮問会議などで検討されています。もうこれ以上地方交付税が削減されると予算が組めないという悲鳴が聞こえます。
 このような地方交付税の削減議論について、国の歳出削減策として交付税をやり玉に上げるのは言語道断である、まずは国が積極的に歳出削減を進めるべきだと地方から強く求められております。また、経済財政諮問会議で竹中総務大臣が示した地方交付税を人口と面積で算出する新型交付税案については、既に反対の考えを示しています。
 行政改革を断行し、歳出削減に努力しているにもかかわらず、住民サービスが著しく低下せざるを得ないような削減はしないと明言していただけますか。竹中総務大臣の答弁を求めます。
 地方制度調査会答申については、主要な部分は盛り込まれず、今回の地方自治法改正案として提出された事項は残りの部分にすぎないのですが、法令、制度における地方の自主性、自律性を高める施策として答申に盛り込まれたものの中から、唯一改正案として提出された長、議長の全国的連合組織への情報提供制度の創設については、実のあるものにするため重要と思われますので、伺いたいと思います。
 現在、長、議長の全国的連合組織、いわゆる地方六団体による意見の申出制度が地方自治法で定められておりますが、地方がその事務や運営、組織に関係のある法令、制度について、企画立案段階で事前に国に意見を提出し、それが反映されるようになれば、意見の申出制度が有効に機能し、地方の自主性、自律性向上に資するものと思われます。
 このような考えから、パブリックコメントに類似する制度として情報提供制度の創設が提案されておりますが、これを有効に機能させていくためにはどの段階で情報提供されるかが重要であります。各府省の方針がすっかり決まった段階で申し訳程度に情報提供が行われても意見は反映されないことになり、意味がありません。
 この点に関し、地方制度調査会答申では、地方公共団体がその意見を反映することができる適切な時期に通知すべきとされていましたが、本改正案では情報提供を行うべき時期が明瞭にされておりません。竹中総務大臣に、明瞭にされなかった理由を伺うとともに、どの府省が提出する法案についても地方の意見を反映すべく適切な時期に情報提供が行われるようにしていくことについて、決意を伺いたいと思います。
 地方自治法改正案では、地方の自主性、自律性を高めるための唯一とも言える改正内容でありますので、その内容を十分に達成できるような法の運用を図っていくべきであると思いますが、竹中総務大臣に併せて見解を伺いたいと思います。
 最後に、これまでは都市も地方も豊かになる国土の均衡ある発展を目指してまいりました。これからは地域格差を前提にして地方は個別の生き残りを目指すべきなのでしょうか。竹中総務大臣が主宰される地方分権二十一世紀ビジョン懇談会の目指す地方分権の在り方の具体的なイメージはどのようなものなのでしょうか。ひょっとして、地方自治にも市場原理主義を導入しようとするおつもりなのではないでしょうか。御見解をお伺いします。
 人口減少社会の本格的な到来で、地方はかつてない厳しい状況になることが予想されますが、そうだからこそ地方の役割も原点に立ち返って考えてみる必要があります。
 今、日本社会がどうも異質になったと語られております。まじめに額に汗して働くことが古めかしいかのように取られたりしております。何か大切なものが崩れ掛けているのではないでしょうか。少子社会の受皿も日本再生の受皿も緑豊かな地方にこそあります。地方にこそ子育ての環境があります。共生社会、人間が人間らしく生活できる土台があります。
 日本再生のかぎを握る地方に真の地方分権が実現され、だれもが真の豊かさを実感できる社会づくりのために邁進すべきである、このことを強く訴えて代表質問といたします。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹中平蔵君) 松下議員から六問質問をいただきました。
 まず、地方分権の推進についてであります。
 平成五年の衆参両院での地方分権の推進に関する決議以降、平成十一年の地方分権一括法による機関委任事務制度の廃止等、また三位一体の改革等を進めてきたところであります。分権は着実に進んでいると考えております。
 地方分権に向けた改革にもちろん終わりはありません。今後とも、地方にできることは地方にとの理念の下に、更に地方分権を推進し、真に地方の自立と責任を確保するための取組を行ってまいります。
 次に、三位一体改革についてのお尋ねでございますが、この三位一体改革により、三兆円の税源移譲、四兆七千億円の補助金改革などを行うことができました。今回の補助金改革、地方案の反映度が低いという御批判もありますが、例えば公立保育所運営費でありますとか学校、社会福祉施設の施設整備費等のいわゆる施設費の一般財源化によりまして、地方自らの創意工夫と責任で政策を決められる幅も拡大しております。
 今回の改革に関し様々な意見はあろうかと思いますが、第一に、三兆円の税源移譲の実現による地方の自主財源の強化、そして第二に、その他の補助金改革による地方の自由度の拡大と併せまして、改革全体として地方分権の進展に資するものと考えております。地方六団体からも、昨年十二月に示されました六団体の声明の中で、そのような御評価をいただいているというふうに認識をしております。
 次に、地方交付税の削減についてのお尋ねでございますが、これまでも私自身が申し上げてきましたとおり、初めに削減ありきとして交付税の議論をすることは、とても地方の理解を得られないものであります。交付税は、国、地方間の中間的な支出であります。公共事業や社会保障のような最終的な支出ではありません。国の立場だけから交付税削減を主張するのは建設的な議論ではないと考えております。
 今後、極めて厳しい財政状況の下で歳出歳入一体改革を進める中、国、地方ともに最終支出を抑制する努力は必要だと思います。その上で、税負担と行政サービス水準の在り方についてもしっかりと議論をしていくことが必要であると考えております。基本方針二〇〇五にもありますように、国と地方が納得できる形で改革を進めていくことが必要であり、地方団体ともよく協議をしてまいります。
 次に、地方六団体への情報提供についてのお尋ねがございました。
 情報提供を行う時期について、これは、各大臣が施策の内容に応じて判断することができるように弾力的な規定とすることが適当と考えまして、具体的な時期を規定しなかったところであります。また、法律の趣旨にかんがみまして、地方六団体が意見を提出した場合に必要な反映が可能であるような時期に情報提供を行うことが望ましいと考えております。そのように、しっかりと法を運用してまいります。
 次に、情報提供制度の適用についてでありますが、今回の改正案において、各大臣が適切な措置を講ずることを明確に規定をしているところであります。この規定にのっとり、地方六団体に対して適切に情報提供がなされるものと考えております。
 最後になりますが、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会についてお尋ねがございました。
 私が開催しておりますこのビジョン懇談会におきましては、先般、中間取りまとめを行いました。その中で、国の関与の縮小、廃止などを進めるための新分権一括法の提出、国と地方の税源配分の見直しなどによる不交付団体の増加、そして交付税の算定について簡便な算定基準の導入、そうした提言を行っているところでございます。ビジョン懇談会におきましては、地方の自由度の拡大と責任の明確化という観点から、あるべき分権の姿の実現に向けて議論を進めているところでございます。
 いずれにしましても、最終報告に向けてしっかりと議論を重ねていただきまして、これを踏まえ、総務大臣として地方分権の推進に最大限の努力をしてまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○国務大臣(安倍晋三君) 松下議員にお答えします。
 まず、経済同友会の今後の日中関係への提言及び日中関係についてお尋ねがありました。
 経済同友会の提言は総理の靖国神社参拝の自粛等を求めているとの御指摘ですが、他方、関西経済同友会の提言には、一九七二年の日中国交正常化以来、内政不干渉の原則が確認されてきており、靖国問題など内政に関する諸問題については相互不干渉とすべき旨の提言があるとも承知をしております。
 いずれにせよ、小泉総理の靖国参拝については、総理御自身も累次説明しているとおり、戦場に散った方々への哀悼、敬意及び感謝の気持ち、不戦への誓いを込めて参拝されているものと認識をしております。この点に誤解があるのであれば、それを解いていく努力をしていくことが重要と考えます。
 日中関係について、我が国としては対話の扉は常に開いているとの立場であります。一部の問題や意見の相違があっても、未来志向の日中関係を構築していくとの我が国の基本方針は不変であり、引き続きあらゆるレベルにおける対話を通じ、友好関係を築いていく考えであります。
 次に、小泉構造改革の総括と、行革と地方分権の位置付けについてお尋ねがありました。
 小泉内閣では、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にとの方針の下、行財政改革や三位一体の改革に取り組むなど、国の役割を見直し、国が行う必要がないのであれば民間又は地方にゆだねることにより、簡素で効率的な政府の実現を目指してきたところであります。
 行政改革推進法案においても、総人件費改革に当たっては、国の事務事業について実施主体も含めた仕分を行うこととしており、この過程において、現在国が実施している事務事業の地方への権限移譲も含めた見直しに取り組むこととしております。
 地方分権に向けた改革に終わりはありません。このため、地方にできることは地方にとの方針の下、平成十八年度までの改革の成果を踏まえつつ、更に地方分権を推進し、国、地方を通じた行財政改革を進める観点から、今後とも、真に地方の自立と責任を確立するための取組を行ってまいります。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第一 刑事に関する共助に関する日本国と大韓民国との間の条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長舛添要一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔舛添要一君登壇、拍手〕
○舛添要一君 ただいま議題となりました条約につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この条約は、我が国と大韓民国との間で、一方の締約国が他方の締約国の請求に基づき、捜査、訴追その他の刑事手続についてこの条約の規定に従って共助を実施すること、そのための枠組みとして中央当局を指定し、相互の連絡を直接行うこと等を定めるものであります。
 委員会におきましては、条約締結の意義と捜査共助の迅速化、中国、ブラジル等との刑事関係条約締結の必要性等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十五  
  賛成           二百二十五  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第二 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長世耕弘成君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔世耕弘成君登壇、拍手〕
○世耕弘成君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、高度通信施設、信頼性向上施設及び高度有線テレビジョン放送施設の整備を促進する措置を引き続き講ずることにより、高度情報通信ネットワーク社会の形成に寄与するため、本年五月三十一日とされている電気通信基盤充実臨時措置法の廃止期限を平成二十三年五月三十一日まで五年間延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、我が国のブロードバンドインターネットの整備状況、基盤法の実績と評価、情報格差の解消方策、情報通信ネットワークの安全・信頼性向上への政府の取組等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成             二百九  
  反対              十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第三 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長弘友和夫君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔弘友和夫君登壇、拍手〕
○弘友和夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、テロの未然防止のため、上陸審査時に特別永住者等を除く外国人に指紋等の個人識別情報の提供を義務付け、及びテロリストの入国を規制するための措置を講ずるほか、上陸審査及び退去強制の手続の一層の円滑化のための措置を講ずるとともに、構造改革特別区域法に規定されている在留資格に関する特例措置等を全国において実施するための規定を整備するものであります。
 委員会におきましては、個人識別情報に指紋を含めることの是非、同情報の提供義務対象者の範囲及び情報保管の在り方、同情報システムの整備の在り方、テロリスト認定手続における適正手続の保障等について質疑が行われたほか、参考人からの意見聴取及び成田空港における入管業務の実情調査など、幅広い審査を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、民主党・新緑風会の松岡委員より、一定の場合を除き、個人識別情報は、提供者が出国後若しくは永住者となった時点で直ちに削除する等の修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の仁比委員より、修正案に賛成し、原案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、順次採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十五  
  賛成            百三十一  
  反対             九十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十四分散会