第164回国会 予算委員会 第5号
平成十八年三月六日(月曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 二月三日
    辞任         補欠選任
     那谷屋正義君     下田 敦子君
 二月八日
    辞任         補欠選任
     福島みずほ君     大田 昌秀君
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     山崎 正昭君
     大田 昌秀君     福島みずほ君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     岡田 直樹君
 三月三日
    辞任         補欠選任
     関口 昌一君     加治屋義人君
     田村耕太郎君     片山虎之助君
     浅尾慶一郎君     加藤 敏幸君
     下田 敦子君     輿石  東君
     主濱  了君     谷  博之君
 三月六日
    辞任         補欠選任
     加藤 敏幸君     津田弥太郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         小野 清子君
    理 事
                市川 一朗君
                木村  仁君
                小泉 顕雄君
                鶴保 庸介君
                藤井 基之君
                小林 正夫君
                辻  泰弘君
                平野 達男君
                加藤 修一君
    委 員
                秋元  司君
                浅野 勝人君
                岩井 國臣君
                岩永 浩美君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                岡田 直樹君
                加治屋義人君
                片山虎之助君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                伊達 忠一君
                谷川 秀善君
                常田 享詳君
                南野知惠子君
                山本 一太君
                犬塚 直史君
                小川 敏夫君
                加藤 敏幸君
                喜納 昌吉君
                黒岩 宇洋君
                輿石  東君
                櫻井  充君
                谷  博之君
                津田弥太郎君
                内藤 正光君
                前田 武志君
                山根 隆治君
                蓮   舫君
                若林 秀樹君
                澤  雄二君
                山口那津男君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     竹中 平蔵君
       法務大臣     杉浦 正健君
       外務大臣     麻生 太郎君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   小坂 憲次君
       厚生労働大臣   川崎 二郎君
       農林水産大臣   中川 昭一君
       経済産業大臣   二階 俊博君
       国土交通大臣   北側 一雄君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 安倍 晋三君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        沓掛 哲男君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  額賀福志郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融、
       経済財政政策)
       )        与謝野 馨君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      中馬 弘毅君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      松田 岩夫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       ・男女共同参画
       ))       猪口 邦子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   副大臣
       内閣府副大臣   嘉数 知賢君
       内閣府副大臣   山口 泰明君
       防衛庁副長官   木村 太郎君
       法務副大臣    河野 太郎君
       外務副大臣    金田 勝年君
       財務副大臣    赤羽 一嘉君
       文部科学副大臣  馳   浩君
       農林水産副大臣  三浦 一水君
       経済産業副大臣  松 あきら君
       国土交通副大臣  松村 龍二君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        平井たくや君
       内閣府大臣政務
       官        山谷えり子君
       防衛庁長官政務
       官        愛知 治郎君
       財務大臣政務官  野上浩太郎君
       文部科学大臣政
       務官       有村 治子君
       厚生労働大臣政
       務官       岡田  広君
       農林水産大臣政
       務官       小斉平敏文君
       経済産業大臣政
       務官       小林  温君
       国土交通大臣政
       務官       吉田 博美君
       環境大臣政務官  竹下  亘君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  阪田 雅裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       綱木 雅敏君
       外務省欧州局長  原田 親仁君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大槻 勝啓君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       農林水産省消費
       ・安全局長    中川  坦君
   参考人
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十八年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十八年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
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○委員長(小野清子君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十八年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野清子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(小野清子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十八年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁福井俊彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野清子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(小野清子君) 平成十八年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告をいたします。
 本日及び明日は基本的質疑を総括質疑方式により行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑の割当て時間は八百四十分とすること、各会派への割当て時間は、自由民主党三百四十八分、民主党・新緑風会三百四十五分、公明党八十四分、日本共産党四十二分、社会民主党・護憲連合二十一分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
○委員長(小野清子君) 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。輿石東君。
○輿石東君 おはようございます。
 与えられた時間の中で、総理及び関係大臣に質問をさしていただきます。
 最初に、総理にお伺いをいたしますが、政府・与党はこの国会、行革国会と位置付けているようですけれども、まあ総理は九月の総裁選には出馬をされないと、こんなことも聞いているわけですから、総理にとっては行革国会、小泉改革の総仕上げ、そんな決意でもあるかと思いますので、改めまして、この行革国会に臨む総理の決意について、まずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあ一言で行革国会とよく言われますが、行政改革を推進していかなければならないというのは、長年にわたって与野党から言われたことであります。いわゆる行政、今の政府というのは大き過ぎるのではないかと、大ざっぱに言うと大き過ぎる、大きな政府から小さな政府と。大きな政府というのはどういうことかというと、政府の役割というものを見直すべきではないかと。ここまで政府はやっていいのかどうか、もっと民間にできることはないか、地方にできることはないか、そういうことを考えると、政府の役割というのはもっと縮小していいと。これが、現在大きな政府であるからもっと小さな政府にしろということが与野党から言われてきたわけであります。
 そういう中で、政府としてもこれはもっともなことだということで、政府がしなくてもいい分野を民間にゆだねる、あるいは地方に任せるということで、簡素で効率的な政府をつくろう、これがひいては民間の活力を発揮させる、民間の創意工夫をこれからのいろいろな仕事に生かしていこうということで行革推進という言葉が使われてきたと思います。
 今まで政府がやっていた郵政事業とかあるいは道路の整備という点につきましても、民間にできるのではないかということで、道路公団あるいは郵政事業民営化、実現してまいりました。将来も、そういうことから、このような政府の役割を縮小することによって国民の税負担も軽くしていこう、民間の分野、公的な仕事でも民間にできるんだったら公的な仕事をしてもらおうということで、今後も私は簡素で効率的な政府をつくろうということで推進していかなきゃならないと。
 もとより、道路公団や郵政事業の民営化だけにとどまりません。これからも簡素で効率的な政府というのはどうあるべきかということから、今、特別会計、一般会計、この審議におきましては、主として予算委員会としては一般会計のことが重点的に取り上げられるが、特別会計のことについては若干軽視してきたのではないかという指摘もありますので、今後、特別会計の数も、今のたしか三十一ですか、これをもっと少なくすることができるのではないか、あるいは公務員も多過ぎるのではないかということで、公務員をもっと減らしていこうと。さらには政府系金融機関も、これは政府の役割というと、これは民間にもできるのではないか、あるいは統合してもいいのではないかということで、政府系金融機関の統廃合、いわゆる民間の活躍の分野を広げていこうと。
 役所が公的な分野を担って民間はそうでないんだという発想から変えて、民間でも公的な仕事を十分できるという分野においては、民間の企業においても民間人においてもどんどん公的な仕事をしてもらおう、そうすることによって政府を簡素で効率的なものに限定していこうというのがいわゆる行革国会、行政改革推進法案の主たる趣旨であります。
○輿石東君 大変御丁寧に説明をいただいたわけですが、一つ、今の政府は大き過ぎる、与野党合意でそういう認識だと、こういうお話があったわけですけれども、私どもは必ずしもそういうふうにとらえておりません。後ほどその点は指摘してまいりたいというふうに思いますが。
 総理が今日まで四年十か月、この小泉改革の検証をする必要もあるだろう、総仕上げに当たって。先日二十二日に、今国会初めての党首討論も行われました。教育の問題や子供の問題も取り上げていただいたわけでありますが、そこで、そんなものを聞きながら、私はこのような、ちょっと見ていただきたいと思いますが、パネルを作ってみました。(資料提示)
 これをごらんいただいて、子供の目線で今の国の状況を見た場合に、「子どもたちは今」というような表題を付けまして、前原代表が、我々は与党の行革国会に対して安全国会という位置付けをしてまいりたいと、こう申し上げているわけであります。「子ども 乗りもの 食べもの 建てもの」、子供の目線で見れば、学校の行き帰り電車に乗るのが怖い、会う大人が怖い、学校の中ではお昼の給食、肉が怖い、BSE入ってないか、体育館のアスベストが怖い、やっと帰った、お母さんがローンを払っているそのマンションが怖いという状況に置かれているのではないか。したがって、この四つの安全を、すぐに解消してまいりたい。そういう意味で安全国会とも名付けたわけであります。
 そして今、国会は大いに揺れている。我々の安全国会に対して行政国会と言い、それがいつの間にか四点セット国会というふうに名前を変えざるを得ないような状況もある。
 私は、人づくりなくして国づくりなしという理念を持っているわけですが、総理は改革なくして成長なし、今もお話が再三ありました。国から地方へ、民間にできることは民間に、官から民へ。我々はそれに対して、コンクリートから人への投資で効率的な温かい政府をつくっていきたい。それに対して再三、総理は、小さな政府小さな政府、今は大き過ぎるんだと、こう言われています。
 与野党の対立軸が明確でない、そんな国民の皆さんの声もあるわけですけれども、我々は明確に対立軸をこのように考えてこの参議院の予算委員会も論戦を挑んでいこうと思っているわけですが、総理、この私のつたないパネルを見てどのような御感想をお持ちですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 輿石議員の提案、同じですね。共通の認識ですよ。安全重視する、今政府としても安全第一。行革国会、これも安全国会、決して矛盾するものではありません。改革なくして成長なし、人づくりなくして国づくりなし、全く同感であります。コンクリートから人へ、これも同感であります。国から地方へ、官から民へ、温かい政府、小さな政府、これも同感であります。小さな政府というのは、民間人からもできるだけ協力を得ようと。今や防犯の活動においても警察や国に任せてはおけない。我々地域の自治会、町内会あるいはボランティア、民間でできることは民間でやろうという自主的な防犯活動、非常に増えてまいりました。
 こういうことは、官から民への一つの考え方にも通ずるのではないか。やっぱり政府だけにゆだねてはいかぬと。政府に依存してはいけないと。自分たちが立ち上がろうという空気が出てきたということは、正に我々の目指している方向でありますので、輿石議員の提案とは全く矛盾するものではないと考えております。
○輿石東君 全く矛盾するものではない、そう明言されました。まあこれから何点かその矛盾をするであろうところについて御質問をさせていただきたいと思いますが、私もこれまで五回の総理の施政方針演説をお聞きして、改革なくして成長なし、官から民へ、国から地方へ、この三つのキャッチフレーズはもう国民の間にも定着をしていると思います。しかし、あと三つポイントがあったというふうに思うわけです。今総理自身が言われましたように、世界一安全な国日本の復活を取り戻したいと、そういうことと、よく言われる言葉に稚内から石垣まで、そしてもう一つ、靖国参拝は私人としての不戦の誓いだと、この三点がポイントとして流れているように思うわけであります。
 世界一安全な国日本は、安全、そのまま安全でしょう。靖国参拝は、再び戦争という過ちを犯さないという平和の問題でしょう。もう一つ、稚内から石垣まで、何をどうしようとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) かなり長い質問ですから、長い答弁をお許しいただきたいと思います。
 よく私は東京重視だと、地方軽視だと御批判をいただきますが、そうじゃないんです。都市再生というのは全国それぞれ特徴があるはずだと。東京だけを重視しているのではない。そういうことから、その誤解を解くために、全国が持てるそれぞれの特徴を発揮し、魅力ある地域というのはどこでもあるはずだと。地域振興、そういう点から、稚内にも良さがある、石垣島にも良さがあるということで、全国、まあ北の一番、北海道の北、稚内、南の石垣島ということは、全国、東京だけではないと。日本全国を取り上げる北から南からという表現を用いて稚内から石垣まで。ああ、そうすると、北海道の地図を思い起こす、沖縄の先の石垣島を思い起こすということで稚内から石垣まで。そういうことから地域の魅力を発揮していただきたい。
 よく大分県では一村一品運動というものを取り上げまして、これはもうかなり東南アジア等におきましてはこの考え方はいいことだということで、一地域の特殊な名産をできるだけ広めていこうということで、今や一国一品ということで、アフリカ諸国も日本の提案というものを参考にしようということで取り組み始めました。そういうことから、私は、観光振興、地域がそれぞれ魅力ある場所があるなということで、一地域一観光という点も言っているんです。(発言する者あり)まあ、一時間しゃべる気はありませんけれども、できるだけ簡潔に言いますが。
 そういう点で、先日もお話しいたしましたけれども、青森が、ある一女性がタウンミーティングで、都会と田舎と言うけれども、田舎という言葉はいい言葉なんだと。自分たちは東京みたいな同じことではなくて、一流の田舎にしたい。この言葉というのは私は新鮮に感じましたね。それぞれ田舎にもいい点があるんだと。全部東京みたいにしたら面白くないということから、一地域一観光、そして各特区の振興を進めてまいりました。あるいは……(発言する者あり)まあ、簡単にやります。まあ、もっと具体的にやれと言えばもうお話しできるんですが。
 それと、安全な国にしようと。これは、日本は今まで世界一安全な国という評価が定着しておりましたけれども、最近どうも安全の面においてかなり不安を持たれている。これではいけないと。まあ、各国に比べて比較的安全な国ではありますけれども、今までの日本人の感覚からすると安全神話は崩れてきたということで、これについてはもっと政府としても安全に対する対策は強化しなきゃいかぬ。まあ例えて言えば、警察官も増やさなきゃいかぬと。多くの公務員を減らす中で警察官は増やしてきた……
○輿石東君 分かりましたんで、これ以上は。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はい、もうそれでは余り長い答弁は差し控えますが、そういう点におきましても、安全対策には警察官のみならず入国管理の人員も増やしております。刑務所関係の人員も必要な部分は増やしております。
 そういう、地域におきましても安全の面におきましても、様々な分野における必要な分野は人員にしても増やしていかなきゃならない、同時に無駄な部分は排除していかなきゃならないというめり張りを付けて改革を進めてきたつもりでございます。
 もとより、改革なくして成長なし、あらゆる分野において私は改革が必要だと思いますので、できる限り私の任期中にできることはしていかなきゃならないと思っております。
○輿石東君 総理にお願いしたいんですけれども、もう少し簡潔にお答えいただきたいと思います。
 私が申し上げたのは、稚内から石垣まで、どこに生まれ育っても良質な公共サービスが受けられる、教育もしかりだ、そういうことを言ってほしかった。
 で、世界に誇れるものがもし日本に三つあるとすれば、平和な日本、安全な日本。そして、党首討論でも言ったじゃないですか、外国へ行って外国首脳に会えば、日本の政治を見習いたい、そういう、すばらしい、こう言われたけれども、面映ゆいところもある、帰ってきて心配になるところもあると前原代表とやり取りしたわけですから。稚内から石垣まで、どこに生まれ育っても九年間の義務教育は国の責任において無償で受けることができる。そうした平和と安全と教育は世界に誇れる我が国の三つのものだった。それが、誇りが今不安に変わり、心配事になっているという現実を総理に認識していただきたかったわけであります。
 それで、もう一つお聞きします。
 私は、先日電車の中で甲斐駒へ、冬山へ登山に行くという五十代の二人のおじさんに行き会ったわけですが、私を見るなり、小泉総理に言ってほしい、小泉総理は自民党をぶっ壊すとこう言ったけれども、壊しているのは日本ではないか、元のまともな日本に返してくれ、そう言われたのであります。
 総理、このお二人の登山者にどうお答えしますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあ人の見方は様々ですから。政党が違うと、日米安保条約を締結すると戦争に巻き込まれる、そういう立場の方もおられました。逆に自由民主党は、日米安保条約によって日本の安全は確保される、その正反対なんです。
○輿石東君 いや、そういうことを言っているんじゃないんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう例を挙げているんですよね。人の見方は様々であります。
 そして、今まで改革しなければどうなっていたのかと。この経済におきましても、失業者においてもどんどん増えていく、改革しないと失業者は減らないと、あるいは景気も停滞したままだと、だから改革が必要だということで改革を進めてきたわけであります。あるいは、安全対策におきましても、今のままで空き交番が増えていく、空き交番がこのままでいいのか、空き交番をなくしてくれと、安全の面においてもそうであります。そういうものを改革を進めてきたわけであります。今まで、改革を進めなかったらますます悪くなるじゃないかということで改革を進めてきたわけでありまして、一つの意見について必ずしもそれが全体ではないと。
 また、今の民主主義社会ですから、独裁国家とは違って、まあ賛否半々ぐらいがいいところでしょう、どんな問題においても。一つの問題を進めていくと必ず賛否両論あります。全部が賛成するということはないけれども、大体大方の賛成を得ながら進めていくのが民主主義ではないでしょうか。すべてが一〇〇%賛成だというのはなかなかあり得ない。だからこそ、国会の審議で、こうして立場が違っても議論していくことに意義があるのではないかと思っております。
○輿石東君 それでは、別のサイドでもう一つお聞きします。
 今、もし、私どもは昨年〇五年を漢字一文字で愛というふうに名付けました、愛という言葉を使って。私どもの民主党の鳩山幹事長もよく、政治は愛だと、これが口癖であります。もし、今、小泉政治に、小泉改革に愛を感じますかという世論調査をしたら、どんな結果が出ると思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは愛というのは一番大事なことだと思います。何事をなすにしても、根底には博愛といいますかね、愛というものを根底に考えて進めていくべきものだと思います。
 そういう中で、一時的には痛みを伴う問題であっても、将来を考えて必要な改革はしていかなきゃならない。言わば米百俵の精神もそういうことだと思います。私が米百俵の精神を取り上げたのも、現在の飢えのためにお米を食べたら数日でなくなってしまう。今の飢え、痛みに耐えて、将来の人材教育のために学校を建てるために米を売っ払って、そして学校設立の資金に充てたということは、今の飢えという痛みに耐えて将来のことを考えて、人づくり、教育が大事だから学校を建てようと。現在だけを見るんでなくて将来を展望しながら現在を改革していこうという必要性を考えた施策であると。
 でありますので、やはり現在痛みを伴うのが愛ではないということではないと思うんであります。現在は非情と思われるかもしれないけれども、将来これは愛情につながるというのが政治の在り方ではないかと思っております。
○輿石東君 最初の演説の米百俵の言葉も今引用されました。小林虎三郎は今言われたとおりで、あしたの幸せのためにここは耐えて、そして何をしたか、学校を造ったんですね。小泉総理は、耐えてくれ、耐えてくれと言って何をしてくれたのかは余りはっきり見えてこない、そこに国民も不安を感じている。まあ、そういう議論を長々とする時間もないでしょうから、私は、この行革国会の最重点課題、そして行革、改革推進法の具体的な内容をお聞きしようと思ったけれども、冒頭に小泉総理が全部説明してくれたと思っています。だから、ここはもう聞く必要はない。また同じことを言われると時間の浪費であります。
 そこで私は、その行革推進法というのは何のために出してきたのか、その一点に絞って御質問をいたします。総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 言わば、最初に申し上げましたように、行革推進というのは簡素で効率的な政府をつくると。できるだけ政府の役割というものを見直していこう、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、これが大きな趣旨であります。
 もうちょっと詳しく述べていいでしょうか。
○輿石東君 簡単にやってください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、まず政府の役割。
 一つにおきましては、公務員の数が多過ぎるんじゃないかと。本当にここまで、いろいろな大事な公共的な仕事をする際に公務員の数は現在でいいんだろうか。これについても、これは五年間で五%程度は減らすことができるんじゃないかと。これは無理だと言う方もおられますが、これは、できるだけ無駄な部分、あるいは民間にできることは民間に委託していこうということで、公務員の数も減らしていこうと。
 同時に、今は一般会計と特別会計がかなり複雑であると。特別会計も三十一ですか、あるんだけれども、これも一般会計ともっと分かりやすく統廃合、整理して、繰入れとか剰余金を一般会計に回すとか複雑な構造があるから、もっと分かりやすくして整理していこうという点もあります。
 もっと詳しく……
○輿石東君 いいえ、結構です。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いいですか、はい。
○輿石東君 そうしますと、確認をいたしますが、この行革推進法は、突き詰めると、再三、最初から総理が御答弁していただいていますように、小さな政府を目指す、そういう目的があるわけですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 小さな政府というのはちょっと分かりにくいという言葉でありますが、簡素で効率的な政府というのがいわゆる小さな政府であろうと。今の政府というのは、簡素よりもちょっと複雑じゃないかと、効率的ということから考えればもっと整理して機能を発揮できるような、人員が少なくても効率的な機能が発揮できるようなことにすべきではないかというと、これは比較的大きな政府じゃないかということから、大きな政府から小さな政府、これが一言で言えば分かりやすいじゃないかということで、今、大きな政府、小さな政府という言葉になっていると考えております。
○輿石東君 今総理から御答弁いただいたように、この小さな政府というのは分かったような分からないような概念、定義だと思います。
 そこで、今度は谷垣大臣にお尋ねをしたいと思いますが、よく谷垣大臣は、社会保障の問題や歳出削減等の問題で身の丈という言葉をよくお使いになる。
 そうしますと、大臣から言えば、地方財政や歳出の在り方のたんびに身の丈という言葉が出てくるわけですが、身の丈による歳出削減の後の姿を小さな政府というようにとらえているのかどうか、谷垣大臣がイメージする小さな政府とはどういう政府なのか、御質問いたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 小さな政府と言われますとき、何を目指して小さな政府にしていくかということがあると思います。
 私は、今、日本社会が迫られているのは、これから人口減少していきますから、その人口減少した社会に耐えられる政府の仕組みじゃなきゃいけないということが一つ。それから、国際的な大競争、中国やインドなどがすごい勢いで成長しておりますから、その中で日本の存在感がきちっと出せるような仕組みをつくっていくということが一つだろうと思っております。
 そのためには、身の丈という言葉が出てくるわけですが、人口が減っていく中で、今までの人口が増えていくという時代に適していた仕組みではうまくいかないだろうということがございます。それから、非常に景気の調子が良かったころの延長で、内臓脂肪がたくさん付いたような形でもうまくいかないだろうと思っております。そういったことを簡素で効率的な政府という言葉で表現しているのではないか。
 そうして、そのために今まで行政改革や規制改革というものをやってきまして、委員が強調されます人間の力とかあるいは企業の力というものが自由で公正な競争の中で最大限発揮できるような社会をつくっていこうと、こういうことが小さな政府ないし簡素で効率的な政府ということの根拠ではないかと。私たちの財政もそれに相ふさわしいものに目指していくべきではないかと思っているわけであります。
○輿石東君 今お答えいただいた中で、私は四演説の中で、谷垣大臣の財政演説、本会議でお聞きしたわけですが、そこではこのように大臣は言っているわけですね。構造改革の先にある社会は、弱肉強食の世界ではなく、本来日本人が持っている家族や地域社会のきずなの中で支え合っていく、活力と信頼に満ちた社会であることを示していくことが必要だと。今の答弁には、そういう家族のきずなとか、本来日本人として持っていた地域の力というものをというものは全然触れてない。あれは官僚の作文だったわけですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げましたような簡素で効率的な社会、政府というものが目指す目標が弱肉強食であっていいわけはありませんし、また、そういうイメージでこれからの社会を構想していくのは私は間違っていると思っております。
 今、きずなという私の発言を取り上げていただきましたけれども、これは何もべたっともたれ合っていこうということではなくて、先ほど申し上げたような個人や何かの力が自由に公正な競争の中で発揮できるような、そういう自立した個人がそれぞれの能力を発揮しながら、日本人が古来持っていたいろんなきずなを大事にしていくような社会を構想しなきゃいけないというふうに私は思っているわけです。
 それで、それはどういうことかといいますと、先ほど総理がおっしゃったこともつながるわけですけれども、みんなそれぞれ公共心というものを本来持っていたはずだろうと思います。公共を支えるのは政治や行政だけではないんだと、それぞれの民間におられる方々がそれぞれの形で地域社会のためにも働こうとか、あるいは家庭のために少しでも働こうと、こういうような気持ちを持っていくことが大事ではないかというふうに私は思っているわけでございます。
○輿石東君 言葉じりをとらえて大変失礼ですけれども、国民に公共心を求めるならば、公の責任、地方へ任したり民間に任してはいけない、公の責任ということも忘れてはいけないというふうに思いますが、そんな議論をしている時間ないと思いますので。
 麻生大臣、麻生大臣は今外務担当ですが、総務大臣もやられた。三位一体改革では大変御苦労をいただいて、全国知事会や市町村等の信頼も厚いというような声も一部あるわけですが、国と地方との信頼関係というものが一番大事だというふうに思います。そういう視点から、この効率的なといいますか、簡素な政府の向こうに見えてくる姿というのを麻生大臣はどのようにイメージしていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 輿石先生言われましたように、これ小さきゃいいという話になるかと。極端な例を引けば、どんどんどんどん減らして、役人は一人でいいかと言われたら、それはそうはいかぬと思うんですね。
 人口も今一億二千六百七十万人が、減って大変だと言うけど、じゃ、日本という国の国家の人口はどれくらいが適正かと。昔は、江戸時代三千万、大正時代五千万、そして昭和の一けたは約七千万という話ですけれども、こういったときを見たときにどれくらいが適正かという話しないでということだろうと思っておりますんで、小さな政府というのはどれくらいが小さな政府として適正かという話は、これは全然別問題なんだと思っております。小さくて弱々しい政府では困りますんで、小さくても強い政府と思います。
 その結果、地方との関係からいきますと、明治時代は三百諸公を集めて一本でやらないとできない時代だった。今はいろいろな、技術の進歩した、地方も豊かになった。したがって、地方はその時代に合った、山梨県と私の福岡県、大分違いますんで、そこに合ったのは、やっぱりそこに合った、その地域を一番よく知っている人の話に任しているというかなりの部分が必要なんであって、地域に主権が絡んで移っていくという部分で、中央が一々全部入っていくというのを、地方に権限を移譲、だから地域主権という形になって、逆に言えば、地域間同士は逆にいい意味で競争がそこに起きた方がええ、同じようなところだったら同じように隣の県同士で競争し合っていった方がより効率がいいことになるのではないか。大まかに申し上げればそういうことであろうと思っております。
○輿石東君 総理にここでもう一度お尋ねをしますが、谷垣大臣、麻生大臣、それぞれ小さな、向こうに見えてくる国の姿というかイメージ、若干語っていただいたわけですが、総理は、既存のこの仕組みを壊して、やっぱり簡素で効率的な政府、その財政規模も小さくしなきゃいけぬだろうと、そういうものを目指しているということは我々も承知しているわけですが、やはりその小さな政府の向こうに見えてくる国の姿、こういうものが国民の前にもう一つはっきりしてこない。これに不安を感じているんだろうと思いますんで、その辺を整理をして、どういうイメージでどんな国の姿にしようとしているのか、再度お聞きをしたいと思います。簡単にお願いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 要は、国民が持っている様々な力、地域が持っている特色、これを国の発展に生かしていこうと。これが官から民へであり、国から地方へだと。要約すればそういうことであります。
 今の谷垣大臣、麻生大臣の発言と私の発言というのは、決して矛盾するものではないし、同じ方向でこういう改革を目指しているものだと思っております。
○輿石東君 私は、この小さな政府を目指す、その理由は二つあるんだろうと、こう思っています。
 一つは、国家財政の四割を占めるという社会保障の問題、これで財政は大変窮迫をしている。そしてもう一つは、やはり地方分権、国から地方へ権限も財源も、できれば人間も三ゲンセットで移動させる。そのために、今の大きいと見られるこの政府を地方に任せられるものは任していくという、そういう発想ではないかというふうに思います。
 そこで一番国民も政府も共通して悩んでいるのが、国と地方と合わせて七百七十四兆円ですか、という莫大な借金を抱えている、この財政を何とか再建しなければということだと思うわけであります。しかし、その財政再建についても、政府が持っている金融資産は四百四十一兆円も片っ方ではあるということも言われている。だから、どれだけ実際にあって、どのくらいの破綻状況にあるんだということを分かりやすく国民に知らせることが今一番必要だと思いますけれども、この財政再建についてどのような努力をしていくのか、どんな考えを持っているのか、総理にお尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、財政状況というものは大変厳しい状況にあります。まあ、一般会計取りましても、本来なら国民の税収によってすべての国の施策を実行していくというのが健全な財政の状況だと思います。
 しかしながら、四割近く税収が足りないから、将来の我々の子供たち、孫たちに負担してもらわなきゃならない借金をして、国債を発行して一般会計、予算を組んでいる。なおかつ、今までの借金を積み重ねた結果、現在の一年間の国の予算執行する際に、一番国民の税金を使っている分野は年金や医療等の社会保障関係の予算でありますが、その次が、今まで借金してきましたから、国民なり金融機関に国債を発行、買ってもらう。国から国民に借金、お金を貸してくれというんですけれども、国民だって国にお金を貸す場合には利息を取らないと買ってくれません。その借金の国が利息を払う、これがたしか十八兆円ぐらい。
 ということは、国民から税金を納めた分野で社会保障の次に大きいのが借金の利払いに回っちゃう、国債費に回っちゃう。こういうことはやっぱり健全な財政状況ではないから、財政健全化に向けて簡素で効率的な政府を目指していかなきゃならないということだと思うのであります。
 極めて厳しい状況にあるという認識は、これは与野党共通しているんではないかと思っております。
○輿石東君 この財政再建について、じゃ、ここで経済財政諮問会議等で議論が行われるわけですけれども、行われてきたと思いますが、そこで、関係大臣としてお三人にお尋ねをしたいと思います。
 竹中、与謝野、谷垣、三大臣にお願いしたいと思いますが、この財政諮問会議でこの財政再建の議論が進んでいる中で、どうもお三人のそのニュアンス、議論がかみ合わない、かみ合っているのかかみ合ってないのか、対立しているのか対立していないのか、そういう感を否めない。
 例えば、竹中大臣は、歳出削減なくして増税なしという考え方だと、こう言われる。谷垣大臣は、いや、そうではないと、景気回復を含めて歳出削減必要なんだと、こういうようなニュアンス。与謝野大臣も、歳出歳入の一体改革をこの六月までに結論を得るという、こういう方針も出されている。
 財政再建についてそれぞれどのように考えられているか、お尋ねをしたいと思います。どんな順番でも結構です。
○国務大臣(与謝野馨君) 三者の間では、意見は全く異なっておりません。財政再建が必要であるということは、まず認識は一致をしております。
 で、その際に、まず第一にやらなければならないことは、どこまで歳出削減ができるかと、これをやろうと。それから第二は、やはり国が持っているいろいろな資産、これをどこまで処分ができるかと、これをきちんと数字を出そうと。第三番目は、特別会計等で余っているお金はないのかと、これも点検しようと。そういうことでございまして、その上で歳出歳入の一体改革を決めていこうということで、三者は同じ手順で物事をやろうと、これはもう全く一致をしております。
 ただ、どの程度の経済成長率を見込めるのか、あるいは長期金利は将来どうなるのか、これはそれぞれいろいろな意見がございますので、六月に出しますものは成長率、長期金利等の組合せでいろいろな試算をいたします。今私が考えておりますのは、九通りぐらいの組合せあるだろうと思っております。そういうものをお示しして、これを言わば選択肢として国民の前にお示しをして、そういう中で幅広く国民の皆様方にも財政再建の御論議をしていただく、その上で十八年度中に一定の方向の結論を得たいと、その点については三者とも全く同じでございます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、与謝野大臣が御答弁されたとおりでございます。
 諮問会議というのは民間議員も含めまして本当にいろんな活発な、いろんな観点からの議論が行われておりますし、これまでも行われてまいりました。諮問会議での議論というのは、実はもう以前からのずっとこの歳出と歳入の議論を継続しておりまして、以前からスケジュールに関しましてはこの十八年度中に結論を出す、そしてそのために十八年度の中ごろに、まあ六月ごろ、十八年の中ごろにその選択肢を示すと、これももう以前からずっと議論され合意されてきたことでございます。
 中身に関しましても、やっぱりこれは歳出削減が極めて重要であると。財政赤字、大変厳しいですから、最終的に国民の御負担をどのようにするかということは議論していかなければいけませんけれども、やっぱり当然歳出削減をしっかりやらないと国民の理解は得られないわけでございます。そして、健全な経済成長の下で税の自然増収がやはりあると、それによって国民の負担感をできるだけなくしていくと、これももう皆さん、皆合意していることでございます。
 もちろん、その際に、一体経済成長どのぐらい可能なんだろうかと、将来の金利はどうなっていくだろうか。これは別に三者の間というよりも、恐らく十人の人に、百人の人に聞いたら百通りの答えがある問題だと思いますので、この点は忌憚なくしっかりとした議論を行っていくということにしております。
 また、複数のシナリオについて議論をやはりして選択肢を示さなければいけないということは、これは総理御自身もそのような御答弁をしておられますけれども、全くその諮問会議の中でもそのような形で意見が一致しているというふうに思っております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の両大臣の発言でもう尽きておりますので、付け加えることはございません。
○輿石東君 付け加えることはないと言ったので、あえてお聞きをいたします。
 谷垣大臣は、こういう議論をするときに、消費税の議論をすると歳出削減の意欲をそいでしまう、そういうのはエコノミー、経済を知らない人間の言うことだということも発言をされているようですけれども、その消費税についてですね、谷垣大臣はもう視野に入れて議論をし考える必要があるというような認識だと思いますが、そのことと歳出削減、竹中大臣は歳出削減なくして増税なし、こういう路線だとこう言う。そこは路線が違うんじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、そうではございませんで、私も、まず徹底した歳出削減がなければいけないというのは、全く竹中大臣ともあるいは与謝野大臣とも一致しているわけでございまして、今年は相当やらせて、十八年度予算は相当やらせていただきましたけれども、また来年度以降に向かってどういう種を仕入れていくかということは、今一生懸命頭の中整理しているところでございます。
 その上で、それからもう一つは、実質成長ができるだけ高くなっていくような経済も目指さなきゃならない、これも私はそのとおりだと思っております。しかし、その上で、平成十八年度でも公債依存率は三七・六%でございますし、国、地方合わせて長期国債残高がGDPの一五〇%ということでございますから、歳出削減だけでは財政の健全化というのはこれは至難の業であるということを踏まえまして、消費税、これ消費税だけではありません、税制全体どうしていくかということを考えなければいけませんが、視野に入れて議論をしていく必要があるということを申し上げているわけでございます。
○輿石東君 まあ財政再建の話は尽きないわけですが、谷垣大臣、もう一つ。谷垣大臣は、この日本の経済はという、景気回復に絡んで、やっと民間需要の回復軌道に乗ってきたと。これは、今まで成長を妨げていた三つの過剰というものが解消されてきたと、そういう前提に立っていると思いますが、その三つの過剰というのは具体的にどういうことですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 財政演説で三つの過剰、これがバブル崩壊後の経済の足を引っ張る要因となっていたけれども、その三つの過剰はほぼほぼ乗り越えることができたという趣旨のことを申し上げました。
 三つの過剰というのは、一つは過剰雇用と。これは、企業が適正と考える雇用水準を実際の雇用水準が超えていると、まあ言うまでもございませんが、そういうことでございます。それから、過剰設備というのは、これはバブル期前後に非常に盛んに投資が行われまして、それがバブルが崩壊した後も積み重なってきたと、それが過剰設備となっているということだろうと思いますし、それから、バブル崩壊によって企業のバランスシートが非常に悪くなってきたと。それが過剰債務ということで企業の足かせとなってきたということを申し上げたわけでございますが、企業のいろいろな努力によりましてこの三つの過剰はほぼほぼ乗り越えることができて、今民間需要中心の堅実な回復過程に経済は入っているということではないかと考えております。
○輿石東君 雇用と設備と債務の過剰と、この辺は分かりました。四つ目の過剰として政府の借金だと、こういう話、これが最大のネックだと、こうも言われているわけですね。
 そこで、その債務の過剰というのは、企業、銀行等の部門だと思います。この債務の過剰の解消に道筋を付けたのが竹中大臣だというふうに思います。すばらしい力でその債務の過剰に、解消に向けたキーパーソンの一人だというふうに認識していますので竹中大臣にお伺いをしますが、産業再生機構というのがあって、この債務の過剰について非常に役割を果たしたというふうに私は認識しているわけですが、この産業再生機構が一年前倒しで当初の目標を達成できるんだという話も聞いています。
 そこで、機構はどのような役割をこの債務の、過剰債務の解消について果たしてきたのか、当時金融経済担当大臣としても大変努力された竹中大臣はどのようにこれを評価しているのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 輿石委員から初めて褒めていただきましたので、後で多分厳しい質問があるのだろうなというふうに思っておりますが、言うまでもなく、私は政府を代表して金融問題をお答えする立場には今ございません。しかし、過去の経験に基づいて個人の見方を言えということでございますので、あえて申し上げさせていただきますけれども。
 金融担当大臣に就任させていただいた三年半前、日本は本当に厳しい金融危機の中にございました。不良債権比率、主要銀行の貸出しに占める不良債権の比率というのは八・四%、十二分の一ございました。その中で、信用もなかなか仲介機能がうまくいかないし、信用不安が起きるという状況であったわけでございます。それでやっぱり不良債権を減らさなければいけない。
 しかし、当時の議論を思い出しますと、不良債権というのは、銀行から見ると、貸出ししたけれども返ってこないお金、しかし、これは企業から見ると、借入れしたけれども返せない抱えてしまった借金、過剰な債務ということになる。これは言わばコインの両面でして、やっぱり同時解決しなければいけないという大変厳しい状況にございました。
 金融庁は、その不良債権、銀行を通して不良債権に対して厳しいルールを適用したわけでありますけれども、今度は企業の方から見ると、その過剰な債務をしっかりと取り払って再生していく道を付けなければいけない。ところが、これが難しいわけです。特に二点難しかったと。
 一つは、その権利者の関係が非常に複雑であって、その権利者の調整に大変これ時間を要するということでございます。抵当権を設定している一順位、二順位、一順位同士はどうするのか。保証人がいる場合でも、単なる保証と連帯保証で意味が違って、だれがどれだけの役割を果たすのか。結局、最終的に調整が付かないで裁判所に行くと、これは物すごい時間が掛かると。したがって、その権利関係をきちっと早くやるというのが大変難しかったと。
 二つ目は、これはやはり非常に高度な金融のテクニック、金融のノウハウ、企業再生のノウハウが要るということ、その専門家が必要だったということでございます。実はそういう目的で、我々はその不良債権の処理をするとき、産業再生機構のような機構が欲しいと思ったんですが、しかしこれはなかなか難しいなというふうにも思っていたんですが、実はそのとき、総理が閣内一致していろんな観点から各省協力してやれという非常に強いリーダーシップを発揮してくださいまして、財務省も積極的に、経産省も積極的に御協力いただいて産業再生機構ができるようになった。
 結果からいいますと、その複雑な権利関係の調整を与えられた権限について行ったということと、この再生機構には大変優秀な人材が集まりまして、私、日本の再生のプロが本当にこれだけ短期間でよく集まったなというふうに思うんですけれども、そういうそのプロの力を得て、私は当初の、これはまだ続いておりますから、評価というのは厳密にはこれからなされるわけでございますけれども、これまでの仕事ぶりというのは大変やはり大きな役割を果たしたというふうに思っております。個人の見解として、そのような見方をしております。
○輿石東君 席を着かない間に、また再度質問をいたします。
 金融庁はこの産業再生機構とどのようなかかわりを持っているのか、そして、今もちょっと触れましたけれども、二点言われてましたね、権利者の調整が大変難しい、それから金融のシステムに専門家が必要、しかしこの機構にはプロの優秀な人がよく集まってくれたと、こういうお話だったかと思います。
 そこで、金融庁と産業再生機構とのかかわり、再生計画への具体的なかかわり方はどんなだったのか。
○委員長(小野清子君) 与謝野金融担当大臣。
○輿石東君 竹中大臣に、個人的な見解でもいいですから先にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融担当大臣離れておりますので、金融のその法制上の細かい文言、定義等々必ずしも正確ではございませんので、担当大臣に御確認いただく方がよろしいかと思いますが、基本的な考え方としては、まあ個別の問題というのは、これは債権者と債務者がいて、そしてそれを調整する産業再生機構があって、そこの個別の問題として債権者、債務者そして産業再生機構がお話しになる問題だと思います。枠組みとしては、例えば産業再生機構が支援決定をするときには、金融庁というのは、主務大臣の一人である内閣総理大臣の事務として、信用秩序の維持を図るという観点からその再生支援について意見を述べるということになっていたと思います。
 文言等必ずしも正確ではないかと思いますけれども、個別の問題は当事者で決めると、そして支援決定の際は信用維持の観点から意見を述べるという枠組みであったと承知をしております。
○輿石東君 大変失礼しました。それじゃ、与謝野大臣、お願いします。
○国務大臣(与謝野馨君) 今、竹中大臣が正確に答弁されました。予算等の認可のほかに、具体的な案件については意見を述べることができると、ただし、これは内閣総理大臣の事務の一部として述べることができるということです。
○輿石東君 それでは、与謝野大臣にお尋ねしますが、この再生機構に最後に、四十一件企業が機構入りをしたと思いますが、最後に入ったミサワホームが、平成十六年十二月二十八日に、年末のぎりぎりの状態で再生機構の支援決定がされたわけですけれども、この決定について金融庁はどのような判断をされたのか、大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 産業再生機構法においては、産業再生機構が支援決定するときにはあらかじめ主務大臣である内閣総理大臣、財務大臣及び経済産業大臣の意見を聴かなければならないと定められております。金融庁は、内閣総理大臣の事務として、信用秩序の維持を図る観点から、事業者及びメーンバンク等が産業再生機構に申し込んだ再生支援について意見を述べることとされております。
 ミサワホームの支援決定において、金融庁は、信用秩序の維持を図る観点から支援内容等の検証を行った上、意見なしと回答したところでございます。
○輿石東君 一応、大臣はそれを、決定について問題はない、意見がなしということは問題なしというふうに理解ができると思いますので、まあそれはお答えいただかなくても結構です。
 で、私は、このミサワホームが年末ぎりぎり、十二月の二十八日に支援決定をされたと。どうもその、元々この支援決定の、支援決定をする基準というのがあるはずであります。この基準に照らして果たしてミサワホームは機構入りが必要だったのかどうか。もうそこから疑問を抱かざるを得ない点が一つあります。
 パネルをちょっと見てください。(資料提示)
 この基準が「産業再生機構財務健全化基準」と、こういうふうになっておりまして、これは財務省ですか、届けが各企業から計画書が出されている正式なもので、きちっと計算されたものだというふうに認識をしております。
 で、ここにありますように、有利子負債とキャッシュフローとの関係で出てきた数字が十以下であれば、その企業の財務は健全か、健全だという判断で機構入りはさせない、しない、できない。ところが、十以上であれば、これは簡単に言えば、銀行から借りている等の借金が、融通の付く自分が持っているお金でどのぐらいたてば返せるのか。だから、カネボウなんかは事件が起きましたね。粉飾決算で四人が逮捕される、会計士が、そういう事件もありましたけれども、マイナス三十・六、このマイナスという意味がよく分からないけれども、完済不能。もう借金を返すことは不能だということで入っている。ダイエーも十七年掛からなければ借金が返せない、だから再生機構入りして早く立ち直らせるんだ。それから見ると、ミサワホームは八・六、入る必要がないと理解もできますけれども、これがなぜ機構入りをしたのか。
 その決定に、担当大臣は金融の秩序があるかないかだけで問題なし、意見なしという判断をしたのかどうか。もう一度、与謝野大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 案件について精査をした上、特段の意見がないということをお答えしたわけでございます。
○輿石東君 当時は伊藤達也大臣だったと思いますが、竹中金融担当大臣から伊藤大臣にバトンタッチされたときのことですから、まあ与謝野大臣にそこをこれ以上詰めても仕方がないでしょう。しかし、こういう事実がもし本当であれば、これは大変おかしな話で理解は得られないというふうに思います。
 そしてもう一つ、十二月の二十八日に支援決定をしたその日に、申込み、支援決定、これが同じ日に同時に行われている。これも普通考えられない話ですし、さらに、その二時間後にはトヨタとミサワが業務提携をしていると。こんな素早い話ができるのかと。そして、スポンサーをこの後、機構入りした後、どこがスポンサーをするかということで決定していくという手順でしょう。それが三月、翌年の三月三十一日までに行われればいい。翌年の三月二十五日にトヨタがスポンサーになるという決定になったわけですけれども、十二月二十八日に既にスポンサーはトヨタよと言わんばかりのふうに見えませんか。私にはそう見えて仕方がない。これが二点目の状況ですけれども、これについては与謝野大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(与謝野馨君) まず、再生機構の支援基準というものははっきりしておるわけでございまして、例えば財務健全化基準というのを見ますと、有利子負債のキャッシュフローに対する比率が十倍以内ということ、また経常収入が経常支出を上回ることと、こういう基準は実は明文化されているわけでございます。今いきなり決まったのはおかしいということでございますが、縁談というのは内々進めることもあるということでございます。
○輿石東君 結婚になぞらえて、縁談というのは内々決めることもあると、これは少しちょっと、与謝野大臣、そんな答弁でいいですか。えっ、縁談と同じに機構はやるわけですか、仲人ですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 時間的な経過を申し上げますと、平成十六年の十二月にミサワがトヨタに対して出資等の支援要請をしておりまして、そういう意味では話が少しずつ進んだ、それが最後に実を結んだと、そういうふうにお考えをいただきたいと思います。
○輿石東君 それでは、ちょっとこちらから申し上げますが、この基準ができるまでに、平成十六年の十一月十九日にミサワホームは中間決算短信というのを発表している。そこでは、業績予想として純利益百億を計上している。百億の利益が上がるんだという計上をしている。ところが、その十二月の七日、十八日たってですね、今度は決算の、決算短信の修正をしている。そこでは、百億という純利益を計上したのを五・五億に改めている。これも大変不思議な状況だと。十八日間で百億から五億五千万、こんな修正がまかり通るのかなと。どう考えてもどちらかがおかしい、こう思わざるを得ないわけです。この監査をしたのが中央青山監査法人というのです。これはいろいろ問題があるでしょう、カネボウでも問題にもかかわっていた。
 まあ、ここではそれを逐一、警察じゃあるまいし、取調べをする考えはありません。しかし、こう見えてきますと、どうもこの基準を十以上にする、しないと機構入りできない、そんな操作が行われたのかなと疑わざるを得ない面もあります。で、資産圧縮をし、債務超過にしない限り、この八・五という数字は変わらないだろう。だから、そういう工作が行われたかもしれないというふうに考えられるわけですが、その資産圧縮や債務超過が行われたではないかという事例を二つ三つお示しをしたいというふうに思います。(資料提示)
 これをごらんいただきたいと思いますが、これは東京都八王子市の分譲計画地ですが、十七万坪の土地がそのミサワホームに計上されていたときには五十億、それが最終的に、まあケネディ・ウィルソンという会社が最初買って、その後、新井総合施設とかという会社に渡っていったと。その会社が買ったのは二千五百万円だそうであります。そうすると、十七万坪を五十億で割れば三万という数字が出てきて、坪三万、これを二千五百にやっていくとたったの百五十円。一坪百五十円で三万円だったものを売ってしまったというような状況が行われたようにも見える。このことが一つであります。
 それから、もう一枚、パネルばかり出して申し訳ないですがね。(資料提示)これも札幌清田と長崎新山手の分譲地の話であります。この長崎、この写真は長崎新山手の方であります。ここでも、十五万、坪十五万を三万五千、長崎の方は二十二万を七万というふうな形で売り飛ばしているのかどうか知りませんけれども、そういうものもあると。
 このことをもって本当にトヨタのスポンサー決定と機構入りの支援決定、この間にこういうことが行われたのかもしれぬとすれば、金融庁や大臣の責任というものは問われないわけですかね、与謝野大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 平成十六年十二月二十八日に産業再生機構がミサワホームホールディングス株式会社等に対する支援決定という文書を作っております。で、この発表された文書の四ページの中段を読んでいただくと内容は大変はっきりいたします。
 依然対象事業者グループの財務内容は脆弱であり、平成十八年三月期に予定されている減損会計が適用された場合、含み損失の顕在化による債務超過転落が避けられない状況にある。このため、対象事業者グループはUFJ銀行と協議した結果、財務リストラを中心とした事業再生計画を立案、実行することで過剰債務の圧縮を図り、同時に、スポンサーを招聘することで信用毀損を防ぐとともに対象事業者グループが本来持つ事業上の強みを遺憾なく発揮することが可能となると判断し、再生支援の申込を行うこととしたと。
 これは産業再生機構の文書でございまして、私は産業再生機構は誠意ある判断をされてきたと思っております。
○輿石東君 そうしますと、再生機構の社長、斉藤社長ですかね、とか青山監査法人の、中央青山監査法人の奥山理事長とか、そういう関係者に一度聞いてみなきゃ分からぬという部分もあろうかというふうに思います。
 小野委員長、必要によったらそうした関係者を予算委員会にお呼びをし、その真相をお聞きするという場を取っていただきたいと思いますが、御了承いただけますか。
○委員長(小野清子君) この件に関しましては、理事会において後刻検討さしていただきます。
○輿石東君 ありがとうございます。
 最後に、竹中大臣にお聞きをいたします。この問題の最後であります。
 平成十五年十月十四日に、このミサワホームの創始者であります三澤千代治氏とトヨタ自動車、経団連の会長であります奥田会長が、経団連の会議室、応接室で会談、奥田・三澤会談が行われているはずであります。大臣のお兄さんはミサワホームの東京社長でもあります。その十四日の前日、十三日、三澤千代治ミサワホーム創業者に、あしたは経団連に、奥田会長に会っていただけますね、時間と場所を確認をされている、電話を掛けられているということをお聞きしているわけですが、これが事実かどうか、最後にお聞きをいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) だれが電話したの、だれが電話しているの。
○輿石東君 竹中大臣、竹中大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) いろんな情報があって、情報の真贋を御確認の上いろんな御質問をしておられると思いますが、御質問が、私が三澤さんに電話をしたかどうかということでありましたら、そういう事実は全くございません。このことは明確に申し上げておきます。
○輿石東君 今、明確にないというお話をいただきましたのでまあ安心をしているわけですが。以上でこのミサワの話は終わりたいと思いますが、まあ、後日分かるでしょう。
 で、次にですね、私は、去年、愛という一文字が使われたと昨年は言われましたけれども、もう一つ、流行語大賞にもなろうかと言われるような、三位一体、三位一体と去年の今ごろは予算委員会では相当白熱した議論もあったと思います。つきましては、三位一体改革についてお尋ねをしたいと思いますが、まず、またもう一度、パネルばかり出して申し訳ないですが、見てください。(資料提示)
 このパネルを見ていただいて、私は、三位一体改革というのは、総理が、官から民へ、とりわけ国から地方へという分権社会を目指す、その一つの手段として三位一体改革というのをお使いになったというふうに認識をしているわけであります。
 だから、理念は、霞が関の中央集権から地方主権になるような地方分権へ、これが小泉総理自ら言われる国から地方への理念だというふうにとらえております。
 当面、昨年行われた三位一体改革の目的は、この地方分権と財政再建を、さんざん議論してきました、同時に行う行財政改革だというふうに私はとらえております。
 そして、結果として、四・七兆円の、今、国から地方へ出ている二十兆円のうち四・七兆円ぐらいの補助金を見直した、整理をしたと言うけど、私たちからいえば、改悪というふうにとらえたい。二つ目は、三兆円の税源移譲。三つ目に、五・一兆円の、先ほど地方交付税の問題も議論をしました、地方交付税の縮小を行った。補助金と税源移譲と地方交付税とを一緒にやるんで三位一体と、こうとらえているんだろうと思います。
 そして、この評価。これは私が評価しているわけじゃない。鳥取の片山知事は、まずこの、財政再建といっても国家財政再建に寄与しただけであって、地方へ出す金を絞るだけだったんじゃないか、こんなものはでたらめだと片山知事は評価をしております。そして、衆議院の方の予算委員会で我が党の岡田前代表が、こんなの、地方への補助金率、補助率をもっと具体的に言えば下げただけ。その下げられた一番のネックが義務教育国庫負担金であったり児童手当であったり、こういうことでしょう。
 この、勝手に作らせていただいたこのパネルを見て、総理、どのように理解されていますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 随分見方が違うなと、まあ率直な印象は。立場があると、評価する人も批判する人もいるのはどの問題でも同じであります。こういうふうに評価しない人もいるし、一方では評価する人もいるということであります。
○輿石東君 それでは、これ以上総理とやっていても見方が違う見方が違うですから、議論にはならないと、そういうふうに理解しますので、私は、今回のこの三位一体改革を私の言葉で言わしていただけば、丸投げ、数合わせというふうに評価をしたい。
 なぜ丸投げなのか。最初に、地方六団体の声をしっかり聞いたと、こう総理は言われるでしょう。
 麻生大臣はどこか退席された。
○委員長(小野清子君) お手洗いへ参りました。
○輿石東君 お手洗いですか。後で麻生大臣にもお聞きをしたい。必要なときにいなくなるわけですな。
 で、私は、だから片山知事の発言になるし、更に言わしてもらえば、私が評価しているんじゃないです、知事たちが言っている。浅野前宮城県知事は、義務教育は削るとしても九番バッターだと、なぜ一番バッターにするんだと、こういう話。
 それで、鳥取県のこの片山知事は更にこういうことを言ってるんですね。政府は補助金分配業をやってるんだ、これをやめなさい。そして、おまえのところは幾らやる、頭を下げに来い、だから陳情行政になる、こういう話でしょう。
 特に問題にしたいのは、こんな義務教育国庫負担金なんというものは人件費だからどうにもならないのでもらってもしようがないんだ、もっと公共事業の分野をよこして自由に地方の判断で道路も橋も造れると、こういうふうにしたい、その自由度を地方によこしなさい、移しなさいと言っている。竹中大臣も言っているじゃないですか。地方分権は自由と責任。
 そういうことからいえば、丸投げで地方六団体へ投げちゃって、各省庁から四兆円削りなさいと最初考えた、ところが各省庁絶対出してこない、だから地方六団体に投げた、苦肉の策で弱そうなところから出したんでしょう。そういうふうに思わざるを得ないわけですが。
 そこで、小坂大臣、あれ、またいないのかな、あっ、いた。結局、義務教育国庫負担金を二分の一を三分の一にし、その三分の一にしたために法案を提出しているんでしょう、今国会へ。この経過について、中山大臣から引継ぎがあったかどうかは知りませんけれども、この現実をどうとらえ、経過について触れていただきたいと思います。
○国務大臣(小坂憲次君) 御質問の義務教育費国庫負担金の改定についての経緯でございますけれども、私が文科大臣に就任をさせていただきましたのが十月の三十一日、その前の十月の二十六日に前中山文部科学大臣に対して中央教育審議会から「新しい時代の義務教育を創造する」という答申をちょうだいをいたしております。
 私が三十一日に就任をいたしましたときに、小泉総理からは義務教育費国庫負担をしっかり頼むぞと、こう言われました。私は、それに基づきましてこの問題について中央教育審議会の鳥居会長を始め文部科学大臣の経験者の皆さんからのお知恵をいただき、またPTAを始めとした全国団体等からの御意見も拝聴し、そして地方六団体の御意見についても配慮をすべきと、かく考えてそれぞれ真摯に御意見を賜ったところでございます。
 その中から、この小泉内閣としての三位一体の改革はしっかり進めなきゃいかぬ、しかしながら、同時に義務教育費国庫負担制度はこれを堅持して、国と地方の負担において義務教育費の教職員給与費の全額を保障するというこの仕組みは維持すべきだと私は考えたわけでございます。
 大変に苦渋をいたしましたけれども、その中から、地方の意見に配慮をして、地方の裁量権も拡大をするということを考えながら、この負担率を二分の一から三分の一に変更するということで何とか御理解を賜れないかと、このように考えて、関係の皆様の御理解を得る努力をさせていただいた結果、このような判断をさせていただいたところでございます。
○輿石東君 小坂大臣も、苦渋なと、こういう言葉を使われました。じゃ、快くということじゃないわけです。そして、地方に何とか裁量権をと。こんなもの、裁量の余地ないですよ。小中学校の教員の給与でしょう。これ人件費ですから、ほかには使えない。そういう性格のものだから、片山知事が言うように、こういうものではなくて公共事業の分野を地方へ移してくれという話になるわけで、で、経過を触れていただきたい。
 私は、これは午後から自民党の片山幹事長も質問するようですが、この話は、片山総務大臣、遠山文科大臣、塩じいと言われた、あの会計で離れですき焼きと、こう言った塩川財務大臣、お三人で、この問題をどうしようかと、もう四年、五年さきから来ている話。そして、政府・与党も十八年度までに所要の検討をするという、出発は政府・与党合意。
 それがどんどん変化をして、十六年の十一月には、政府・与党として中教審にこの問題をゆだねようと、教育の問題だから。そして今、小坂大臣が言うように、中教審の鳥居会長は、これは削っては駄目ですよ、堅持だという結論を出した。青木参議院自民党会長も言うわけじゃないですか。これを、中教審という審議会、各省庁には百以上の審議会がある。ある場合には、その審議会で政策を決めてしまう。それは政治家のやることだ。
 今回のこの中教審の審議会からいえば、これは参考までに聞いた、こちらで政治家が決断をしたと、総理が決断をしたということになるわけですけれども、ある場合にはそのまま政策になり、ある場合にはガス抜きになる、こういう在り方が本当にまかり通っていいのかどうかということだと思うわけですけれども、この状態について、総理御自身、もう一度、簡単でいいですから。
 しかも、中山大臣に、私は、昨年この問題が出たときに、済まぬな、こらえてくれと言って朝日新聞にも出た握手した写真をとらえて、どこに向かってこらえてくれと言うのか。中山大臣ではなくて、全国の一千四百万の小中学生、その親御さんに、ここはこらえてください、地方交付税か何かで穴埋めはします、今、小坂大臣が苦渋の選択だったと言われる国の責任において国庫負担は全額保障をしていきますというところにあったわけだと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ここが難しいところなんですよ。総論賛成各論反対の一つの例ですね。
 地方に裁量権をゆだねようという義務教育国庫負担金、これをそう地方に裁量権を与えなさいと言っている野党の中にも与党の中にも、いやこれは別だと。文部科学省におきましても、これは別だと、中教審の意見も踏まえなきゃいかぬ。徹底的に抵抗した分野なんです。恐らく輿石議員も、地方に裁量権を与えながらこれは別だと、これは国が負担すべきだという考えなんだと私は想像しておりますが、与野党、賛否両論分かれたところであります。地方の中におきましても、なかなか、かんかんがくがくの議論が行われたところであります。
 そういう点を踏まえて、まあ中山前文科大臣には、これは文部科学省としては認められませんという意見だった。しかし、内閣の方針として、できるだけ、補助金、税源、交付税、三位一体の改革をするためには、ここは譲らないと当初の方針が守れない。そこで、こらえてくれと。本心では賛成ではないかもしれないけども、内閣の一員としてこの方針を貫くためには、快く賛成はできないだろうけども、文部科学省も反対しているけども、地方の意見も考えてやるべきだということで、まあ済まぬなと言ったところでありまして、まあ総論賛成ながら各論反対の一番難しい一つの例だと思っております。
○輿石東君 総論賛成各論反対の一番難しい問題がここに集約されたというだけの、総理、評価で、子供とか教育とか弱い立場の人を大事にする、そこに政治の責任もあるんじゃないですか。まあこれ以上申し上げませんが。
 最後に、この問題でもう一回最後のパネルを見てください。(資料提示)これは、私の山梨の、山梨日日新聞という新聞が報道した記事をちょっとお借りしたわけですが、これ、三位一体険しい道のりで、ここに総理が大きな木の下にいるようです。で、この犬が何を考えているのか。三位一体で地方と国は対等の関係にする、これが地方分権の理念だと。すばらしい理念ですが、小泉総理はここで何を考えているのか。ちょうど、こうやって見ても、国と地方の関係は、大きな国、木の下で盆栽になっている地方、それにじょうろで水をちょっとくれている、このぐらいの税源移譲しかないので、国と地方は今不信の構造になっているというこのイラストであります。
 それで、総理は、今日、日本社会はやればできるという自信が芽生え、改革の芽が大きな木に育っていますと、こう言っている。その言葉をかりてこのパネルを見ると、大きな木に、相変わらず国だけで、地方は大きな木どころじゃない、盆栽だと、水をくれるのをやめれば枯れてしまう、こういう状況だということ。まあ笑っている場合じゃないでしょう。まあ、いいでしょう。
 そこで、私は、この問題、こういう問題が出れば出るほど地方交付税の問題が焦点になってくると思いますので、その点について竹中大臣に、竹中大臣は金庫番的な発想でこの地方交付税を改革しないと発言をされていますが、その考え方についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 国、地方合わせて大変厳しい財政状況にある中で、まあ、国も地方もともに頑張ってやはり歳出を削減できることを削減していかなきゃいけないというのが極めて重要だと思います。そして一方で、経済を活性化して税収が自然に上がってくるようにすると。そうすると、この赤字も減っていくわけでありますから、そういう姿を何とか実現したいというふうに思うわけです。
 その際に、非常になかなか、テレビ、今日ありますけれども、テレビごらんの方もややっこしいのは、地方交付税というのがどういう性格を持っているかということだと思います。これはもちろん、国税五税の一定割合ということで、地方の固有の財源、歳入面から見ると固有の財源なわけですが、国の予算書の中に非常に大きなウエートを占める地方の交付税というのは、地方から見ると交付税という、国から見ると支出、地方から見るとその歳入、収入になるわけですね。
 で、私が申し上げたいのは、国も地方も、この交付税のような、言わば国から地方に移転する中間的な支出にだけ着目するのではなくて、最終の歳出項目、これは人件費もそうですし、いろんな物件費もそうです、公共事業もそうですけれども、最終的なものでスリム化できるものをしっかりスリム化して、それでまあ税収も上げる。そういうふうにしないと、国、地方を合わせたいわゆる基礎的な財政収支というのは絶対改善しないわけです。そういう交付税の性格を理解した上で、国、地方、健全な議論をしていきましょうということを申し上げているわけでございます。
 ちょっと極端な例で申し上げますと、今この瞬間に地方交付税を極端に、極端な例ですよ、ゼロにして、そうすると国の歳出は減ります。で、もう地方で何が起こるかというと、その分地方債を多分発行してお金を調達しなければいけなくなる。そうすると、国から地方への付け替えが起こるだけで、国、地方を合わせたその赤字全体というのは何も変わらないわけですね。だから、そういうその中間的な国から地方への一種の付け替え的な性格があるということを理解した上で、しっかりとした再建をしていきましょうということを議論しているわけでございます。
 もちろん、最終的な歳出が減って、税収も上がって、結果として交付税が減っていくというのは、これはこれで結構な健全な一つの姿だとは思いますけれども、そのことの交付税をまず減らすということをまずありきということで議論すれば、本質的な議論にはならないでしょうということを申し上げているわけでございます。
○輿石東君 今、地方交付税の性格、それは財源保障か財政調整かという二つの要素があるなんということは、みんな御案内のとおりであります。で、今、竹中大臣が言われているのは、地方から見れば歳入だと、収入だと、固有の財産だと、そのとおりだ。で、国から見れば、これは支出だ、出ていくお金だと、これもそのとおりだ。そこで中間支出という言葉も使われました。
 そこで、谷垣大臣にお尋ねをしたいと思います。
 谷垣大臣は、もうやっぱりやみくも、交付税を削減してる、すべきだと言っているんじゃないと、しかし、地方歳出の無駄を省いて、その結果として交付税をカットすればいいというような言い方をされていると思います。若干、竹中大臣と一致していますか、言っていることが微妙に違うようだけれども、その辺はどうなんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大きなところでは私と総務大臣は一致した考え方の中で仕事をさせていただいております。
 今委員がおっしゃいましたように、私はやみくもに国から地方へ出すいわゆる交付税が少なくなればいいと申し上げているんではございませんで、国、地方、両方、財政を改革していくのは目標でありますから、地方の無駄を省いて効率的な歳出という構造をつくることによって、地方財政計画全体も合理的なものになり圧縮でき、その結果地方交付税というものが縮小してくれば、これが一番いい形だと、そういうことを申し上げているわけであります。
○輿石東君 大分、私に与えられた時間があと十分ほどになりましたんで、ちょっとはしょって質問をさしていただきたいんですが。
 この三位一体改革で、地方からは単に補助率を下げただけではないかと、この義務教育国庫負担金、児童手当というような問題について若干触れさしていただきますと、今、一月二十七日のNHKニュースで、千代田区の児童手当拡充を検討していると。児童手当、今国の方は、ゼロ歳から小三まで、これを小学校六年まで拡大していこうという。ところが、千代田区は、六年までもう既に拡大されている、もう中一から中三までやっていこうと、こういう提案をしているわけですが、時間がないのでぱっぱっと行きますが、少子化担当の猪口大臣、これをどう思うのか。それから、千代田区といえば与謝野大臣の地元ですね。与謝野大臣はしかも文部大臣もやった人ですから、そういう立場で一言、続けて物を言ってください。
○国務大臣(猪口邦子君) 恐れ入ります。
 輿石先生に御答弁申し上げます。
 まず、少子化の流れ、これは国の基本にかかわる重要な課題として認識しております。そして、そのような問題に取り組むときは、国だけではなく地方公共団体、あるいは企業、あるいは地域の市民社会、様々な主体の積極的な協力や対応力が私としては非常に重要であると感じているわけです。
 無論、国にも大きな責任がありまして、その中でも、例えばこの少子化対策が国の重要な課題であるという、この認識形成をしていくこと、そしてその認識を確立していくこと、とても重要です。私は、そのために本当に朝から晩まで、それから週日も週末もですね、週末には地方に行って知事さんなどと語りながらこの認識形成をしているわけです。
 その中で、それぞれの自治体で国の制度に上乗せして積極的に取り組む事例というのはたくさん出てきているわけです。給付の拡大あるいは様々な負担の軽減、そして住民のニーズを聞きながら積極的に上乗せするような、あるいは独自のアイデアで展開する事業なども多く見られるようになりました。先生御指摘のこの千代田区の事例も、非常に積極的な独自の取組として私として高く評価したいと思っております。
○国務大臣(与謝野馨君) 東京の中心は合計特殊出生率がもう一を割っておりまして、千代田だけではなく、例えば新宿なども児童手当を中学三年まで拡充しようということでございまして、東京都心の特別な事情だということで御理解をいただきたいと思っております。
○輿石東君 足立区の例、これに比べて足立区の例がよく予算委員会で取り上げられたと思います。生活保護世帯、全国で百万を超えてしまったと。足立区は、同じ二十三区でも四五・二%、半数近い生活保護の実態だと。全国は一二・八ですから。これを東京学芸大の山田教授は、富が親から子へ受け継がれ、貧しさも相続される社会になってしまったと、日本は人生のスタートラインの格差がその後に大きく影響する社会になってしまったという指摘もされています。
 猪口大臣も感想を言われましたけれども、やはり猪口大臣には、何か出産手当の、無料化、川崎大臣と協力をして実現するようにしてください。これはお願いをしておきたいと思いますが。
 まだその上に、地方には無駄がある、無駄がある。これを、私のような山梨のような貧しい県から見れば、東京うらやましいな、やりたくたってできねえんだよ、そういう悩みを持っている。その実態を総理、御理解をいただいておきたいというふうに思いますが。
 最後に、総理にお伺いしますが、党首討論で教育の問題を熱心に議論をしていただき、すばらしく研究もされていると、こう思った。習熟度別授業、これはずっと反対をしてきたけれども、やっと理解をされて、こういう今までは十人一色の教育だった、それを十人十色の教育にしていきたいという発想がある、習熟度別に。だとすると、この点、総理、一学級四十人でやっている一斉学習を習熟度別に、能力が違うから三つに分けようとしたときに、一人の教師だったのを二人増やして三人でやらなきゃいけない。
 公務員制度改革で機械的に五年間で五%、教育の社会も聖域ではない、こう言われているでしょうけれども、教育を大事にするならばその辺の配慮があってしかるべき。このことを総理と小坂大臣にもお尋ねをしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、基本的な考え方として、習熟度別授業を促進すべきだと考えております。
 なぜならば、生徒それぞれ得意学科、苦手の学科があります。また、能力においても違いがあります。算数の得意な子あるいは英語が好きな子、国語が好きな子、スポーツが好きな子、いろいろいます。その際に、特に算数とか英語とか国語とか、その授業の中で理解の早い子、理解が遅い子、そういう点につきましては、理解の進んでいる子供に対しては、それに応じたある程度、一つ水準を超えた授業、これに生徒を合わして授業するのもいいのではないか。正に、理解が進まない点に対して全部に合わせて進んでいくと、一つの段階が分からないのに上の段階へ進むとますます分からなくなってくる。そうなると学校に行くのも面白くないですよ……
○輿石東君 そのことじゃなくて。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これを正しくしていくためには、ある程度理解の進み具合の差を認めて、能力の違いも認めて、その段階に応じて、分からない子に対しては分かるまで教える、そしてそれから上の段階に進む。能力のある子に対しては、もう分かり切ったことをやると、これつまらない。両方にとっても良くないから、それはある程度分かれて習熟度別にやっていくのがいいのではないかと。
 大人の中だって水泳全くできない人もいるし……
○輿石東君 いや、習熟度別の話聞いているんじゃないですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 子供ができる場合があるから、大人と子供が一緒に水泳教室なんかやっているところたくさんありますよ。だから、そういう点から考えて、私は、習熟度別授業が差別をもたらすものではないという……
○輿石東君 そのことを聞いているんじゃなくて。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう考えから習熟度別授業の促進を言っているわけであります。
 具体的な教員の配置の問題、これあります。四十人学校、二十人になったらどうするのかと。そういう点がありますが、それはよく現場で相談しながら、更に実情に合わせた教員の配置というものはやるべきではないかと。そこまで細かい、どうしろというのは私が言わない方がいいのではないか。
○国務大臣(小坂憲次君) まずもって、輿石委員が先ほど足立区の生活保護世帯が四二%とおっしゃいましたが、これは保護及び準保護の就学援助が四七%というこの数字をお引きになりたかったんだと思っております。
 そういう中で、今御指摘の習熟度別指導でございますけれども、この意義につきましてはもう既に総理がおっしゃったとおりで、委員も御存じのとおりでございます。
 一人一人の学習状況に応じた習学別指導を行うこと自身は委員もお認めになっていることだと思いますし、また、それの弊害として優越感や劣等感を生じさせないために、これが長期化、固定化することのないように取り組むことが必要だということも委員は多分御存じなんだと思っております。その上で、子供一人一人の良さを伸ばすための習熟度別指導を行うためには教員の配置が問題ではないかという御指摘でございます。
 公立学校の教職員定数を必要数確保すること自体、これは教育水準を維持向上する上で極めて重要でございます。その計画的な定数改善を図ることとともに、学級編制の弾力化、習熟度別指導などの少人数教育を可能に今日までしてくる努力をしてきたわけでございます。
 そういう中で、政府の方針としての総人件費改革が進められている中で、ではどうなのかということでございますが、標準法対象の教職員数の純減につきましては、基本的には児童生徒の減少に伴う自然減によることとしておりまして、教育条件は悪化させないということが大前提でございます。
 また、このような総人件費改革などで今日的な教育課題、すなわち習熟度別あるいは特別支援等の配慮をするために教職員配置の改善のために教職員配置全体を見直して、特別支援教育や食育の充実のために必要な教職員定数の改善を平成十八年度の予算に盛り込んだところでございまして、すなわち、食育のための改善定数のプラス三百二十九人を出してまいりますために、全体的な見直しによる合理化で同数の確保をしたところでございまして、このような形から、水準の維持向上のために、教職員の資質の向上や習熟度別少人数指導に必要な教職員は今後とも確保する努力をしてまいります。
○輿石東君 先ほど、今御指摘をいただきましたように、足立区の生活保護という言い方しましたけれども、これは就学補助、援助四五・二、この誤りでしたので、訂正いたします。
 本当に最後になりますけれども、参議院の在り方、それからアジア外交等にも聞きたかったわけですけれども、時間が来ましたので、そこは省略をさせていただきます。
 最後に総理に申し上げたいわけですが、私は選挙のたんびに、子供たちに夢を、青年に希望を、お年寄りには安心をと、こう言い続けてきました。そして、世界一安全な国日本を取り戻したい、そんな演説もしてきたわけですけれども、そのような国になるように、是非残された任期を頑張っていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(小野清子君) 関連質疑を許します。谷博之君。
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 冒頭、総理に申し上げますが、ライブドア事件、いろいろマスコミ等で騒がれておりますが、総理はその記者会見等でガセネタ、ガセネタという言葉をよく使っておりますが、これは、私調べますと、ネタという言葉は種の言葉のひっくり返した隠語なんですよ。そういうふうなことで、私の周りの中には、総理大臣が使う言葉としてはいかがなものかと、こういうふうな意見があります。これは、総理はどういうふうに御判断するかは分かりません。しかし、そういう声があるということをひとつ冒頭お伝えさせていただきたいと思っています。
 早速ですが、質問に入りますが、総理は施政方針演説の中で、吉田松陰の「志士は溝壑に在るを忘れず」、こういう有名な言葉を引用されました。どういう思いで、何が言いたくてこの言葉を使われたのか、今日はテレビが入っておりますから、改めて御説明いただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 吉田松陰が幕末、孔子、孟子の言葉を引用して志の重要性を多くの人に説いた中で、一つの言葉が「志士は溝壑に在るを忘れず」、志ある者は溝壑にあるを忘れず。溝壑というのは、非常に難しい、今耳慣れない言葉でありますが、溝壑というのは溝とか谷であります。志ある者は、その志を実現するためには、いつ溝や谷に倒れてしかばねをさらしても構わない、そういう気持ちを持って志実現のために全力を尽くすべきだという孔子の言葉を引用して、その志を実現するための努力、覚悟の重要性を説いた言葉であります。
 私は、この言葉を学生時代から、吉田松陰の書物を読みながら、また伝記を読みながら感銘していたものでありますし、国会議員に立候補するときから、この覚悟は常に銘記して臨んできたつもりであります。これは自分に対する戒めの言葉であると同時に、志実現のためには自らの私心を捨てて公のために尽くすべきだと。これは私自身に向けた言葉でありますが、同時に国会議員にも持っていただきたいなという意味を込めて使わせていただきました。
○谷博之君 私も、実は吉田松陰の人物については大変関心を持っております。
 総理は、歴史について大変造詣が深い。しかし、論語の中に、賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ、こういう言葉があります。総理はどういう学び方をしているか、私は分かりません。ただ、吉田松陰、松下村塾で門人に士規七則という教えを説いております。その基本は、まあ簡単に二つに要約すれば、一つは、自分の帰属する組織、集団に対する忠誠を誓う、それからもう一つは、自分の根っこ、つまり自分を産み育ててくれた親に対する誠をささげる、こういうことを吉田松陰は、その士規七則という七つの規則の中に彼は教えています。
 私は、そうした中で、一体国会議員、政治家たるもの、自分の親は一体だれだろうかということをつくづく感じます。もちろん、私を、私たちを産んでくれた両親、親でありますけれども、と同時に、選挙によって我々を国政の場に送っていただいている多くの国民、具体的には有権者があって我々はこういう活動をしている、このように思うんです。
 そういう意味で、吉田松陰の言葉、我々は国民によってその任務を与えられ、そしてその生かされているというその気持ち、これは私は一番大事だと思うんですが、総理、どう思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 別に私はそのことに対して異議を申し立てるつもりはありませんし、多くの国会議員は、国を思い、国民生活を豊かにするために努力しなければならない、使命感を持って自らの仕事に専心すべきだと思っております。
○谷博之君 続けて私の持論を少し申し上げますが、吉田松陰という人物は論語を基本として武士道を生き抜いてきた人物だと、このように思います。その武士道とは一体何か。古くは新渡戸稲造や内村鑑三、そして最近は藤原正彦氏がその精神を説いておりますが、私は、一言で言えば、己を捨てて人を立てる精神、ある意味では、論語の孔子が言っているように、恕の心、人を思いやる心、これが私は武士道の基本的な精神だというふうに思っています。
 そういう中で、総理はいろいろと歴史上の人物を引用いたしますが、その引用の仕方には、私は、ずばり申し上げて二つある。一つは、その人物に共鳴し、学び、近づこうとする立場から引用する立場と、もう一つは、近づこうとしても無理で、残念ながら手段としてその言葉を引用する、こういうことも実はないとは言えません。総理はどういう御判断かは、それは分かりません。
 ただ、「志士は溝壑に在るを忘れず」、この文言の私はその前提があると思うんですね。我々は、国民によって政治の道で活動さしていただいている、つまり、民信なくばあらずなんですよ。民の心、国民の心を大切にする、そういう生き方を前提にした「志士は溝壑に在るを忘れず」、こういう言葉だと私は思います。どのように思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、吉田松陰は孔子の言葉を引用されましたけども、孔子はほかに信なくば立たずということを論語で言っております。正に信用が一番大事だということであります。これは多くの方々もよく知っておられる言葉だと思いますが、政治家であろうが、一般の民間人であろうが、どの立場に立つ人であろうが、人間にとって信用、これが一番大事だと、私もそのとおりだと思っております。
○谷博之君 まあいろいろ申し上げましたが、私は結論から申し上げますと、この今予算委員会で新年度の国の予算の議論をいたしておりますが、「志士は溝壑に在るを忘れず」という言葉、しかしこの言葉は、今申し上げたような根っこを一番大事にしない限り、つまり予算が成立し、総理が九月に退陣をし、その後、この「志士は溝壑に在るを忘れず」という言葉のツケがもし現れてくるような、そういう溝壑を避けて通るようなそういう状態になっては私はいけないと、このように考えておりまして、こういう言葉の引用をするというのは、掛け声だけではない、これは総理も御存じだと思うんです。要は、根っこがあってベースがあって、その上にその吉田松陰の精神だということを私はあえて、もうお分かりかと思いますが、強調さしていただきたい。それが信なくば立たずなんですよ。
 民というのは少なくとも、総理は今までの答弁の中で一〇〇%ではないということを言っておられますけれども、しかし基本は一億二千万国民全体のことなんですよ。その民を思う気持ち、それを大切にする心、これを土台にした「志士は溝壑に在るを忘れず」という言葉を是非使っていただきたい、このことを私はあえて強調さしていただきます。
 そういう中で、小泉総理の四年余のこの政治の中でいろんな積み残した部分あるいは格差のあるそういう問題について今まで議論がされてまいりましたけれども、私はそういう中で幾つかの問題について今回この委員会で質問をさしていただきたいと、このように思っております。
 まず、格差の問題で一番具体的な課題ということで、今、国会でも随分取り上げられておりますが、タクシー運転者の賃金実態についてお伺いをいたしたいと思います。
 ここに、ハイタク労働者と全産業男性労働者の賃金労働条件の推移というパネルがあります。(資料提示)
 見ていただきたいんですが、二〇〇四年、一番最近のタクシー労働者の、運転者の年間所得は三百八万円です、全国平均。全体の全産業の男性労働者の平均賃金は五百四十三万円。六割いきません。そして、このタクシー運転者の賃金、何と二十年前、一九八四年、この当時が三百十一万円ですから、二十年前と同じ賃金です。一番高かった一九九一年、四百三十万円と比べても百二十二万円差があります。そして、一九九七年、ここから段階的に規制緩和が始まるわけですから、そういうところから比べても百万円の賃金の下落ということであります。
 この実態を見て、しかも全国四十七都道府県の中で少なくとも二百五十万円の賃金を切る道府県が十九あるんです。そして、三百万円を超えているいわゆる所得を取っている県が東京を始めわずか十二しかない。こういう現実の中で、二種免許を取って人の大切な命を輸送する、そういうタクシー運転手のいわゆる条件として、これで果たして適切なんでしょうか。どういうところにこういう原因があるんでしょうか。北側大臣、答えてください。
○国務大臣(北側一雄君) 今委員の方で御指摘ございました賃金の状況については、そのとおりでございます。大変厳しい状況にあると認識をしておるところでございます。
 一番大きな理由というのは、やはり一つは長引く景気低迷があったということが一つ大きな要因としてあるというふうに考えております。それとともに、平成十四年の二月から道路運送法の施行がされました。改正の道路運送法の施行がされまして、規制の緩和が進んでおるわけでございます。
 この規制の緩和につきましては、プラスの面とまた問題点、課題もあると思っています。プラスの面というのは、やはり利用者にとりまして多様な運賃・料金の設定がなされるなど、また多様なサービス、福祉タクシーとか観光タクシーとか、こうした多様なサービスが行われるようになったということは、やはり利用者にとって大きなプラスであるというふうに考えております。
 ただ、一方で、このタクシーの、特に運転手さんの状況というのは、これ歩合制になっておりまして、歩合制が主流でございます。そういう中で、規制の緩和、規制の緩和というのは新規の事業者の参入が認められる、更には増車について緩和が図られるというふうなことでございますけれども、この規制緩和後三年間の間に増車数というのは約一万四千台強でございます。この一万四千台強のうち、新規の事業者ではなくて既存の事業者の方々が増車をされたのが一万台以上あるわけですね。
 これはどういうことかといいますと、やはり既存の事業者の方々からすると、新規の事業者も入ってきた、競争が激化している、そういう中にあって運転手の方々は歩合制になっていると。自分たちの事業を収入を上げていこうとしますと、増車をすることによって、既存の事業者が増車をすることによって収入を上げていこうとする。そうすると、一台当たりの収入が当然減ってくる。一台当たりの収入が減ってくるということは運転手の方々の収入は当然低くなってくると、こういうことで、大変厳しい状況にあるというふうに認識をしておるところでございます。
○谷博之君 私も民主党の中のハイタク議員懇談会の一員でやっておりますから、よく分かっています。
 問題は、一つは改正道路運送法のときに参議院で附帯決議を付けています。運賃について、「その基準には、人件費等の費用について適正な水準を反映させること。」、この附帯決議が全く守られていないじゃないですか。
 と同時に、今もちゃんと大臣御指摘のとおり、タクシー運転手の、運転者の皆さん方の賃金制度というのは、月例と一時金とを合算した、いわゆる歩合率を掛けた累進歩合制になっているんですよ。ここが一番問題なんですよ、賃金低下の。
 そういう意味で、今までの、これ厚生労働省もそうですが、タクシー事業者に対するいろんな調査、それらも含めて表面的な調査をやっていて、実際こういうふうな問題についてどこまで実態をつかんだ調査をしているんですか。
 そして、少なくとも、ここに昨年十月に国土交通省と厚生労働省が調査をした全国七千社余のいわゆるタクシー業者に対するアンケート調査もあります。この中でも三割以上の業者が、これ自主的なアンケートの回答ですよ、そういう中でも三割以上の業者が、賃金を含めた労働条件に問題があるということをちゃんと認めているんですよ。こういうふうな業者自体が認めている中で、今の答弁だけでは私は納得できません。
○国務大臣(北側一雄君) そういう厳しい状況にあるということを認識をしておりまして、昨年から厚生労働省と連携を密にさしていただいて取組をさしていただいているところでございます。
 先ほどの法案審議における参議院の附帯決議のお話がございました。これにつきましては、今料金については認可制でございますが、個別の申請ごとに原価の査定を、原価というのは原価ですね、原価の査定を行った上で、他の事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがないかどうか等をチェック、厳正に審査をしておりまして、現実に例えば半額運賃の申請があった者に対して却下処分とした例もあるわけでございます。これは不当な競争を起こすということで却下処分した例もございます。
 今厚生労働省と連携を強化しておりまして、十八年四月からは厚生労働省とそれから国土交通省との間で合同監査、監督をやっていこう、また、特に今御指摘のあったような最低賃金法違反というのは、これは断じてあってはならないことでございますので、こうした最低賃金法違反だとか社会保険の加入状況等については相互通報をしっかりやっていこう、しっかり目を光らしていこうというふうなことも実施をしようとしているところでございますし、また抜き打ちの立入検査とか、特に新規参入事業者に対しては早期監査の実施をする等、こうした監督、監視も強化をしていこうということで今取組をしているところでございます。
 さらには、今後の問題として、タクシー運転手のこの現状というのを改善するために、今、タクシーサービスの将来ビジョン小委員会、これは業界の方々にも入っていただきまして検討しているところでございまして、今後のサービスの在り方、さらには規制緩和後の実態把握、分析等を行いまして、六月を目途に取りまとめをし、施策に反映をさせていきたいというふうに考えております。
○谷博之君 総理、実は、総理は余りタクシーには乗ったことはないと思うんですが、ありませんね、そうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) しょっちゅう乗っている。
○谷博之君 ああ、そうですか。
 現実に、タクシーの運転手、乗っていますと随分我々に話があります。そして、ひどい方は、労働基準法は完全にもう、今はもう空文化しています。そういう現状の中で、私はすべての産業の中で特に交通関係、なかんずくこのタクシー業界のこの現実は、格差の私は本当に今一番典型的な状況に来ているというふうに思うんです。
 これは、原因は先ほど大臣からも答弁があったとおり、そういう意味では何も、利用者側からすれば運賃は安ければ安いほどそれはいいわけですけれども、しかしそれは限度があります。そこに働く労働者、運転者の皆さん方のやっぱり生活、労働条件というのをやはりしっかりと守った上での競争でありまして、そういう意味での今までのやり方というのは、私はちょっとやっぱり表面的な対応であったなというふうに思っています。
 総理も是非ひとつこれは御認識をいただきたいし、両大臣には、今の国交大臣の御答弁を踏まえて、しっかりとした取組をしていただきたいと思っております。
 それから、小泉政権のいわゆる課題の中の一つということで、これは大変私ども栃木県にとっては大きな影響ありましたけれども、地元の金融機関の足利銀行の経営破綻と今後の受皿問題について、これは二〇〇三年の十一月に、預金保険法一〇二条第一項第三号のいわゆる適用を受けて経営破綻、一時国有化されたわけでありますけれども、この問題について全国の金融機関にある意味では共通する課題ということもありますので、この際、質問をさせていただきたいと思います。
 それで、この質問については、二月二十五日に栃木県の読売新聞の県版にも宇野健司さんという大和総研の首席研究員が発言をされておりますが、そういう内容を踏まえてお伺いをしたいと思っておりますけれども、まず金融担当大臣にお伺いしますが、受皿選定のこれからのスケジュール、どうなるか、お答えください。
○国務大臣(与謝野馨君) 足利銀行につきましては、県知事、栃木県の県議団あるいは各党の皆様方が大変心配されております。
 今先生の御質問は、足利銀行の受皿選定のスケジュール及び選定の方法ということを……
○谷博之君 方法は後で聞きます。スケジュール、スケジュールをまず。
○国務大臣(与謝野馨君) スケジュールですか。
 これは、まだまだスケジュールは確定をしておりません。
○谷博之君 いろいろ聞きたいことがありますので、まず質問を先にやらせていただきますが、その受皿選定の手法の問題ですね、これからお尋ねしますので。
 私は、今後足利銀行がいわゆるどういう受皿選定が行われるかということについて、その手法を少し具体的に列記してみました。まず一つは、入札による方法、それから二つ目は、金融庁が受皿と価格を決めてしまう方法、それから三つ目は、ほかに公的資金を既に注入している金融機関との合併、統合、ここら辺が手法として考えられるんじゃないか。
 この入札というのは、これは今まで公的資金を国が投入していますから、その資金を少しでも回収するために最も高い値を付けたところに受皿で決めていくやり方。二番のこの金融庁が受皿と価格を決めてしまう方法については、これは決定した後国民に対する説明責任が出てまいります。三番のこの既に注入している他の金融機関との合併、統合については、これは地元で、その宇野さんの話ではありませんけれども、りそなホールディングス、具体的には埼玉りそながどうもその候補になっているんではないかという、こういううわさも実は出ています。これはあくまでうわさです。なぜならば、関東地域に地盤をつくって、そして足銀の利益をりそなホールディングに入れて、そして少なくともいわゆるりそなの、いわゆるその返済のお金をそこから投入して国民の負担を少しでも軽くしよう、原資を増やしていこうという、こういうふうな考え方。
 この三つあると思うんですが、大臣、この辺をどういうふうに思われますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 残念ながら、まだどのような手法でということを論ずる段階にはないと思っております。したがいまして、受皿の選定の時期や方法について確たることを申し上げるのは残念ながら困難でございます。
 しかし、私どもとしては、考えておりますことは三つのことでございまして、一つは、足利銀行が金融機関として持続可能性、こういうものを持たなければならない。それから第二には、地域における金融仲介機能を発揮できるようにならなければならない。それからもう一つは、やはり受皿を選定いたしますときには、やっぱり公的負担が発生するわけでございますから、そういうことを論ずる前に公的負担をなるべく小さくするための作業をやらなければなりません。
 先生御承知のとおり、預金保険法第百二十条第一項においては四つが列記されております。一つは受皿が存続する合併、一つは受皿との新設合併、一つは受皿への営業譲渡、一つは受皿への株式の譲渡と。
 いずれどういう方法を取るかということをまだ論ずる段階ではないと、確たることを申し上げられないことは残念でございますが、そういう段階であります。
○谷博之君 今大臣が答弁したこと、実はそれと同じ内容が、平成十七年十一月二十一日、五味金融庁長官記者会見の概要、これに入っています。三つ申し上げましたね。十一月の二十一日ですよ。その後、何か月たっていますか。今日は三月の六日ですよ。もう三か月半以上たっていて同じ答弁しかしないんですか、これ。この間、何を検討していたんですか。非常に私はこれは不満に思います。これだけ刻々事態が動いている中で、同じこの五味金融庁長官の答弁しか言えないんですか。これは正に私は怠慢としか言えません。
 これはまた後でいろんな立場から指摘しますが、更に続けてお伺いします。なに、まあ検討してないということになるかもしれませんが、私は疑問があるから聞きたいんです。入札の、いやいや、その受皿を選定する手法も決まっていないと、しかし、ちまた、地元では先から先へとそういう話題がどんどんどんどん膨らんでいるんです。そういう中で私は聞いているんですよ。いいですか。
 じゃ、もしも入札という方式でやったときに、その具体的な受皿のいわゆる具体例というのはどういうところがあるか。大臣、どう考えますか。
 もう少し私の方から言いましょうか。具体的には、銀行業務を担っているそういう企業か、あるいはそうではない、それ以外の企業のいわゆるファンド、そして両方を合体したもの、さらにはその中でも特に地元経済界を含んだ安定株主による単独再生方式、こういうものが既に栃木県の産業再生委員会から答申として出ているんですよ、もう既に早くから。そして、県の声をしっかり聞いてほしいと、こういうことを再三再四にわたって要望しているんですよ。そういうことについて、この具体例をどのように考えますか。
○国務大臣(与謝野馨君) まず、受皿をきちんと決める際には、公的なお金を入れなければならないわけですから、そのお金がなるべく小さくなるような努力をしなければなりません。それから、足利銀行が栃木県の経済に果たしている役割は大変大きいわけでございますから、そういう意味で、地域経済に対する貢献能力ということ、また足利銀行は今後持続して地域経済の担い手としてやっていけるということの確信、いろいろな面で検討すべきことはございますし、また十八年三月にいろいろな数字が出てまいりますから、そういうことも見ていかなければならないと思っております。
 先ほど申し上げましたように、残念ながら今、時期、方法について確たるお答えをすることはできないのは極めて残念であると思っておりますけれども、しかしながら、足利銀行の運命を左右するような決定は、やはり地元の知事を始め経済界の方々の意見も当然のこととしてお伺いした上で政府が責任を持って決めると、そういう手順になると思っております。
○谷博之君 今大臣が、いわゆる二〇〇六年三月期決算の内容を見て云々という話がありましたけれども、大体その、いわゆる二〇〇六年の三月期決算が出るのが今年の五月の中下旬だと思います。その段階で、じゃ少なくとも六月段階からは選定のスケジュールに入るということで受け止めていいんですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 十八年三月期の決算は非常に重要な決算でございますけれども、あらかじめそれが出たからこういう行動を取るということを確約できないということは、大変残念でございますが事実でございます。
○谷博之君 そのほかにも、実際入札になったときの、どのぐらいの落札、応札価格になるかということも実はお聞きしたかったんですが、これはまだ決まってないという話になるでしょう。
 ただ、私は足利銀行の今の力、いわゆる企業の力は、少なくとも昨年九月期の中間決算を見ても大体税引き後約二百億円の利益を上げる力はあるというふうに見ています。したがって、地方銀行のいわゆる株価収益率は約その二十倍というふうに言われていますから、四千億程度の私は時価総額の力はあるというふうに見ているんです。そして、そういう銀行のいわゆる受皿ということになれば、当然それは、どういう企業でもどういう機関でも受皿になるところは、新株を取得するそういう資金とか、それから足利銀行の自己資本比率を八%に上げていくそういう資金を考えれば、おおよそ二千億程度のやはりそういう応札価格になるのではないかなというふうに私は思っておりますが、これらは多分お答えにならないと思うんです。これは私の方からの考え方、意見です。
 それで、総理にお伺いしたいんですが、二〇〇三年の十一月の二十九日午後九時、総理覚えていますか、金融危機対応会議のあの会議、これは竹中大臣も谷垣大臣もその当時は福田元官房長官もその会議に参加していた、六人の会議です。そこで、わずか二十分の時間でこの足利銀行、百年余ののれんを誇り栃木県のシェア率五〇%を超える、この地銀の雄と言われた足利銀行が経営破綻し、そして一時国有化されたんですよ。それを下した、その断を下したのがその夜の話です。
 そういう中で、総理は今年九月まで自分の政権を担当されておられる。その間に自分で下したこの足利銀行の再生、これを少なくとも自分の手で責任を持って受皿を決め、そして地元経済にいろんな意味で影響を与えながら再建をしていくということは、やっぱり必要なそれは責任だと思うんですけれども、総理はどのように考えますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、何月何日にその会議をやったかという点については記憶は定かではございませんが、そのような会議を開いて決定をしたということは覚えております。まあ日にちは忘れました。
 しかし、地元経済の発展、そして金融機関というのは産業の血液でありますから多くの企業に影響を与える、また地域の発展にとっても大きく影響を与えるものでありますから、今後、地元の様々な御意見そして企業の努力、そういうことをよく勘案しながら、地域発展するようにしっかりした対応をしていきたいと思っております。
○谷博之君 どうも答弁はっきりしないんですが、総理が自分の政権を担っておられる九月までに受皿を決めて、そして来年三月で三年間のいわゆる新経営陣による経営計画が終わります。それまでの間に道筋をつくるんですかと私は聞いているんですよ。答えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは任期中にできるかどうか、これははっきり申し上げられません。金融担当大臣始め、しっかりと対応してくれると思っております。
○谷博之君 与謝野大臣、どうですか。
○国務大臣(与謝野馨君) いずれ受皿も決めなければなりませんし、その方法についても決めなければなりませんし、その後は栃木県経済に大いに貢献できるような金融機関になっていただかなければならないわけですが、今、いつの時期にどのような方法でということは確たることを申し上げられる段階にないと、そのことは是非御理解をいただきたいと思っております。
○谷博之君 質問通告はしていませんが、谷垣大臣にお伺いしたいんですが、三月四日の日ですかね、自民党の栃木県連のパーティーに行ってごあいさつをしておりますね。その中に、これは地元の新聞でございますが、大臣がごあいさつをしております。どういうことをあいさつしているかというと、足銀は手術が終わって病院から出てこられる状況にはまだちょっとあるのではないか、もう少し様子を見せてほしいと。正に、大臣がメスを振るって足利銀行の手術をして、その患者さんがまだ退院できないでいるんだと、こういうことだと思うんですね。
 つまり、先ほど申し上げたように、金融危機対応会議の中で、総理が恐らく最高責任者、私は会議録を後で請求して、もらいました。冒頭、小泉総理が、要するに三号適用についてお諮りしたいということで諮問をして、谷垣大臣や竹中大臣がそれを賛成して、短い時間で決まったんですよ。そういう意味では、両大臣がある意味では足利銀行の手術のメスを振るった、そういう立場なんです。
 そういうふうな主治医の立場にありながら、まだ手術をして退院できる状況じゃないからと、これは手術したその責任者としては、ちょっと病状もよく知っていない、公の前で発言するような内容ではないんじゃないかなというふうに私は思うんですよ。そう思いませんか。どうですか、大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私が主治医であるかどうかは別としまして、今、足利銀行も大変な御努力はされているというふうに私も思っておりますが、ただ、まだいろいろな計画をお立てになったものが十分数字となって出てきている段階ではないと思っておりましたので、そのような認識で申し上げたわけでございます。
○谷博之君 話は変わりますが、今国会で医療制度改革の法案がたくさん出ています。我々がそういう中で一番重きを置いているのは、この話はちょっと余談になりますが、医師と患者の対等の立場なんですよ。いいですか。要は、お医者さんが上で患者が下というんじゃないんですよ。
 そういう意味からすると、手術という言葉を使っていますから、ですから私は大臣がお医者さんだというふうに例えたわけですけれども、そういう、手術をしたそういう立場の人とそれを手術を受けた立場の人が対等でこの議論をしなきゃいけないんですよ。にもかかわらず、よく考えてください、今までずっとキャスチングボートは国が握っているんですよ。そして、まだだまだだと言って結論を延ばしているのが現状なんですよ。そして、体が元に戻ってないからまだ駄目だ駄目だと言っているのが大臣の発言なんですよ。いいですか。これでは対等の議論はできないということです。
 更にお聞きしたい。そのパーティーの中で、前日に与謝野大臣と打合せをしたということを発言しております。時期のことは言うなということで口合わせでもしたんですか。答えてください、どういう打合せをしたのか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 時期のことは言うななんていう打合せはいたしておりません。ただ、私と与謝野大臣でお打合せしたことは、足利銀行というのは、今まで栃木県の経済あるいは中小企業に大変大きな役割を果たしてきた銀行でございますから、きちっとその受皿を考える段階では、当然地元地域経済に十分役割を果たせるような形に持っていかなきゃいけないと、そのことは栃木県行っても、私ども、私言ってもいいですねと、それはそのとおりだと、こういう打合せをいたしたわけでございます。
○谷博之君 のれんに腕押しですね。何を聞いても答えてくれません。これでは質問した意味がありませんね。まあ、そのことだけは、テレビを見ている方がおられると思いますから、どう判断するかはもう国民の皆さんに判断してもらうしかない。
 ただ、言えることは、何度も申し上げます、足利銀行を、一言で言えばつぶしたのはこの会議なんですよ。いいですか。二〇〇三年十一月の二十九日の夜九時なんですよ。そういうふうなことをやった方々がそれを再建させる責任があるんじゃないですかって私は言っているんですよ。これは九月以降、小泉総理が退任をした後、だれがその後に政権担当するか分かりません。目の前に座っている方々の中でいろいろあるでしょう。だけども、少なくともそういうふうな結論をその先まで丸投げして、さあ、次の政権よ、やってくれって、そういうことにはならないでしょうと私は言っているんですよ。どうですか、その辺は。
○国務大臣(与謝野馨君) 足利銀行の受皿を早く見付けろというのは、民主党だけではなく自民党、公明党その他の政党の栃木県の御関係者から強く私は言われていることでございまして、当然そのことを心配しながらやっております。
 しかしながら、受皿を見付けるに当たっては、先ほど申し上げましたように、やはり持続可能性の問題、それから地域経済に対する貢献の問題、そして受皿を選定するときには公的資金が必要になりますから、この公的資金をなるべく小さくするためのこれからの努力、こういうことを必要だということを先ほど申し上げました。
 しかしながら、さりとて政府が決めるからといって、政府が独断で決めるわけではありませんで、やはり県の御意向、県議会の御意向あるいは栃木県の経済界の御意向、地域経済全体の状況、こういうことをすべて考慮をしながら今後決めてまいるわけでございます。しかしながら、現時点ではその時期、方法を申し上げられないのは大変残念でございますということを、先ほどから繰り返しお答えをしているわけでございます。
○谷博之君 まあ、それ以上のことを何度聞いても答えられないでしょうから、これで、この辺で終わりますが、もう一点だけちょっと別の視点からの問題をひとつ聞いておきたいんですが、先ほど中央青山監査法人の話はミサワホームの関係で出ましたけれども、この中央青山監査法人はいろいろ足銀とも深い関係があります。
 この奥山理事長が二月に、二日に記者会見をしてこういうことを言っています。中央青山の公認会計士がいわゆる足銀の監査をしていて、足銀側から融資先の企業を二社紹介されて、そしてその顧問税理士に就任をしている、こういう事実があったわけですね。それに対して奥山理事長は、そういうことはありませんということで記者会見で発言しているんですよ。ところが、現実に一方では足銀側から中央青山監査法人に損害賠償請求訴訟が起きておりまして、第二回の口頭弁論で中央青山側がそのことを認めた答弁書を出しているんですよ。この事実はどうなんですか。
○国務大臣(与謝野馨君) まず、個別事案に関することでありまして、裁判で係争中の事案にも関連することから、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。また、中央青山の理事長の御発言につきましても、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただし、一般論として申し上げれば、監査法人が適正な監査の確保に向けて真摯に取り組まれることは当然のことではないかと思っております。
○谷博之君 係争中ということで話せないということですけれども、しかし、その奥山理事長自身が問題があるということをほかの記者会見でも発表しているんですよ。どうもあの方はちょっと物忘れが激しいのかしれませんが、少なくとも自分が監査しているその監査先の派遣した公認会計士がどういうことをやっているか、そして、それに対して疑惑を招くことはあってはいけないという視点からどこまでやっているのかということについては、極めて私は不適切な発言だったというふうに思います。
 これは私は厳しく問われても仕方ないんじゃないかというふうに思っておりますが、これは私の感想でございますので、そのように申し上げておきたいと思うんです。
 それで、次に続きますが、小泉総理の残された期間、どうしてもこれから取り組まなきゃならぬことを私、二つ申し上げたいと思うんです。
 その一つは、これは大変、全体的な大きな問題じゃなくて大変恐縮なんですが、全国に今約六十万人の難病患者の皆さんがいます。病気の原因が分からない、したがって治療方法の確立されていない、さらにまた結果として大変長期にわたって様々な制約を負ってくる、そういう方々。こういう方々に対して、私は長い間、こういう方々を国のセーフティーネットを張り巡らして、法律の裏付けによって国家的事業としてこういう法制化をして国は取り組むべきだというふうなことを言ってまいりました。
 そういう中で、先ほど三位一体改革の話が出ましたが、少なくともこの三位一体改革の中の議論の中で、地方六団体からこの難病対策の行政の一部を地方に移管してほしいという、そういう要望があったということが言われていますが、私どもは自治体の担当者に確認をしたところ、そういうことを言ったところはどこにもありません。これは一体どこでこういう要望を出したのか。竹中大臣、どうですか。聞いておりますか。
 いいですか、難病対策のですよ、いわゆる行政の一部を地方六団体から地方に移譲してほしいという要望は三位一体改革のときにあったんですよ。それを我々は裏付けるために全国の自治体の担当者に聞きました。だれもそういうこと言っていません。地方六団体のどこでだれが言ったんですか、そういうこと。分かりませんか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 申し訳ありません。その難病対策についてのその辺について、ちょっと直接の御質問、私の方にちょっといただいておりませんので、これ、私はちょっと今の段階では承知をしておりません。必要がありましたら調べさせていただきます。
○谷博之君 私の方としてはいわゆる事前通告はしたつもりですが、それが伝わってなかったと。
 いずれにしても、私は……(発言する者あり)じゃ、どういう形で対応してくれますか、じゃ。
○委員長(小野清子君) 厚労大臣でよろしいですか。
○谷博之君 じゃ大臣、お願いします。
○国務大臣(川崎二郎君) 地方六団体の御要求の中にはあったと私どものペーパーは承知いたしております。
 この議論の中で、例えばがんの治療の問題、また鳥インフルエンザ等感染症対策、それからこの難病対策等の問題も、今補助金でやっている部分も地方に任せてくれぬかと、こういう御意見がございました。
 私どもは、正直申し上げて、補助金というのは、まあ変なふうに取られる場面もございますけど、基本的には国と地方が重層的に仕事をしていこうというシステムの中ででき上がっている。難病対策については、患者数が少ないため、全国規模で研究を行わなければ原因の究明ができない、治療法の開発が進まない等、そうした形でまず国で責任を負う。しかしながら、医療費の負担軽減、難病相談支援センターの整備、重症難病患者の入院施設の確保等、これは地方にお願いをいたしております。
 そういう意味では、国が責任を持ちながら補助金を私ども交付させていただいて地方の財源とも併せながら難病対策を全国規模で行わせていただいていると、この基本は堅持するつもりで昨年の議論の中でもお断り申し上げたと、こういう次第でございます。
○谷博之君 その説明は私どももよく分かっています。そうじゃなくて、いいですか、地方の自治体の直接の担当者は今申し上げた、大臣がお答えしたようなことについては今後引き続いて国がやってくれと言っているんですよ。地方にそれを移譲されても、地方の財政力の格差によって今国がやっている状態のそういう施策ができないって心配しているんですよ。
 にもかかわらず、地方六団体からそういう要望が出て、そして移譲してくれって言っているということを一体だれが言っているのかということですよ、これは。その辺について、どうなんですか、確認していないんですか。
○国務大臣(川崎二郎君) 一人一人の担当者がお決めになったというよりも、六団体が総括的にお決めになったと、このように承知いたしております。
○谷博之君 まあ通告が十分伝わっていなかったということもありますから、これ以上は答弁しにくいのかもしれませんが、いずれにしても、これは後々まで問題になることだと思いますので、少なくともこの点については機会あるたびに私も質問させていただきたいと思っています。
 それで、実は私はこの三年間、この難病対策の法律を何としても作りたいということで、まあ議員立法成立を目指して努力してまいりました。そして、党内の一応了承も得て、各党にもその試案的なものをたたき台として出させていただきました。(資料提示)
 その中身がこれでありまして、これは本当に概略図であります。この難病対策推進法という法律を、まず目的と理念は、いわゆる難病対策を総合的に推進し、患者の福祉増進と国民保健の向上に取り組む国の責任を恒久化する、これを目的として、その下に実施大綱を作って、その実施大綱は、調査研究と就労や教育の支援を含む福祉施策の二本柱から打ち立てようという、こういうまあ大ざっぱに言えば考え方です。
 そして、従来から非常に問題になっていることは、難病という言葉の定義なんですね。これは難病の四要素とよく言われていますが、原因不明、治療方法の未確立、そして少なくともそれが長期にわたって続くということによるいわゆるその弊害ですね。そういうもののいわゆるこの難病の要素について、定義という形でもってそれを規定するとかなりかっちりしたものになります。そうではなくて、今申し上げたものを全体としてくくった中で、交差する部分を難病の範囲ということで規定をし、それは難病対策推進審議会というところで公開制と、そして説明責任を持ったそういう仕組みでやっていこう、こういうことで私たちは大きく難病の範囲というものを取って、そしてこの法律を作るべきだと。まあ一部患者の中からは、その範囲が狭められるんじゃないかというふうな御心配もありましたけれども、我々はこの法律を作る中で、それを心配ない、できるだけ範囲を多様な部分に広げていくということを前提に法制局とも調整をさせていただいてこの法案の原案を作ったというところなんです。
 で、お聞きしたいのは、そういう中で冒頭申し上げましたように、この難病対策を国家的な事業としていくためには、議員立法として取り組んでいるその前に、政府は一日も早くそういう意味では難病という冠の付いた法案をやっぱり作って、そして政府が難病対策に本格的に重層的に取り組んでいく、そういうことが必要であろうというふうに考えておりまして、これらについての政府、国の考え方をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(川崎二郎君) 委員が難病対策に御理解と御支援を賜っていることには心から敬意を表しておきたいと思います。
 法制化については、委員御承知のとおり、関係審議会等においてその是非につきまして議論がなされ、今のところ賛否両論でございます。一つは、委員が言われましたように、国として法制化により位置付ける根拠が明確するといった長所、一方で、法制化によって対象疾患や施策の固定化が生じ柔軟な制度の運用ができなくなる可能性があると、こういう実は患者さんや専門家から二つの意見が出ております。
 法制化について様々な意見あることから、今後とも、これはもう患者団体の意見もしっかり受け止めながら厚生労働省としても検討してまいりたいと考えております。
○谷博之君 大臣に重ねてお話をさしていただきますが、患者団体の意見も聞いてということですが、我々は患者団体の多様な意見を聞いた上でこの質問をさしていただいています。まあ大臣の方で確認をする必要があるんであれば確認してもらっても結構ですが、少なくとも総体としては、やっぱり国が、先ほど申し上げましたように、やっぱり法律に基づいた国家的な責任でこの事業を取り組んでいくというためには、患者団体全体としても、先ほど申し上げたように一部、難病の定義、範囲では議論は若干残っていますけれども、総体としては是非そういう方向でお願いしよう、こういうことになっているということをあえて私は付け加えさせていただきたい。
 そして、もう一点、実は、先ほどの三位一体改革のどこがそういうことで難病対策の事業の一部を地方に移譲してくれと言ったかという、この問題についてですけれどもね。実は、後で調べていただいて、後刻これ理事会に報告していただけませんか。この場で説明ができないということであれば、そのことを私は強く求めたいんですが、委員長、いかがでしょうか。
○委員長(小野清子君) ただいまの件に関しましては、理事会の席におきまして後日協議させていただきます。
○谷博之君 それじゃ、最後になりますが、小泉政権、小泉政治の積み残した部分ということで、ひとつこれは戦後処理の問題をお聞きしたいと思っているんですが、御案内のとおり、この戦後処理、特にシベリア抑留の問題と戦没者の遺骨収集の問題、これは非常に前から課題として残っていることはもう御案内のとおりです。
 総理は、厚生大臣の時代にですね、辺見じゅんさんの本を読んだということで、そしてシベリア抑留の人たちの悲惨な姿について大変驚いたという、こういうコメントを昔、衆議院の委員会で答弁されているんですが、御記憶ありますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) たしか、答弁はともかく、私は辺見じゅんさんの本を読みました。「収容所から来た遺書」、あるいは「虹の生涯」といって大下弘という我々の子供時代のホームランバッターですね、川上選手が赤バット、大下選手が青バット。あの本もたしか辺見じゅんさんの著書ですけれども、いずれも感銘深く読みました。
 特に、「収容所から来た遺書」、まあラーゲリ、これについては深く感銘いたしました。シベリア抑留生活、その中で病に倒れた方々の友人たちが日本に帰国する際、遺族に残された、家族に残されたその遺書は持っていくことができない。全部検閲されて取られちゃうわけですね。そこで、その遺書を友人たちが手分けして暗記して、帰国した後にその家族に伝えたという事実を基にした本であります。
 この本については、私は多くの若い方々にも読んでいただきたいと思っております。いかに極寒の地シベリアで苦労されたか、戦争が終わったにもかかわらず抑留生活を余儀なくされて、多くの方々が命を失った。こういうことを考えますと、今の平和の有り難さをかみしめると同時に、これからもそのような方々の思いを大事にして政治に当たらなきゃならないなという気持ちを強くしております。
 また、厚生大臣当時もパプアニューギニアを訪れまして、遺骨収集の現場を拝見し、あるいはモンゴルにも伺いまして、多くの方々が今なお遺骨収集に取り組んでいる。そして、日本ではなくて海外の海に山に今でも眠っている遺骨が多くあるということを知りまして、この遺骨収集事業について日本としても忘れてはならない、今なお取り組むべき事業だと考えております。
○谷博之君 今総理がお話しになったそのとおりでございまして、実は、私のところにシベリア抑留者の方で井上馨さんという方が帰国されて、その姿を赤裸々に描いた絵を持ってまいりまして、それがこれであります。(資料提示)
 友よ、許してくれということで、こういう大変残酷な、酷寒の地で亡くなった方々が、まるでもう丸木材のような、丸太のような、そういう姿で積み重ねられて、失礼しました、ちょっと言い過ぎました。本当に気の毒な状態でいわゆる積み重ねられて、そして捨て場を求めてこの車で運んでいって、そして何と谷底にその遺体を捨てているんです。こういう残酷な状態がこの井上馨さんの絵によって描かれています。友よ、許してくれという、本当に悲痛な叫びがこの絵の中には私は表れていると思うんです。
 この方は残念ながらもうお亡くなりになりましたけれども、そういうシベリア抑留の方々も、今平均年齢八十四歳です。戦後六十一年ですから当然そのぐらいの年齢になっているわけでありますが、こういう実は姿を見たときに、私は、韓国が既に取り組んでおりますが、こういう戦後の問題、特に戦没者の遺骨収集については官民挙げて韓国が積極的に取り組んでいる、もう今が最後だと言って取り組んでいるんですよ。そういう状況を考えたときに、どうも我が国の取組というのは若干やっぱり遅れているんではないかなというふうに思っています。
 そういう中で、一、二点、具体的な話を聞きたいんでありますが、今から十五年前、一九九一年、当時、ソ連のゴルバチョフ大統領が日本に初来日しまして、両国の外務大臣が一つの捕虜・抑留者協定という一つの協定を結んでおります。
 その中の第一条に、実は、ソ連側から、今のロシア側から、今後のその資料について、戦没者の資料については日本にこれを返還をするという、こういう約束事が条文に出ています。以来、十五年です。その後、約一万三千名と言われている人たちの名簿が分からない、そしてこのうち北朝鮮へ何名移送されたのか、そしてそのうち何名亡くなったのか、正にこのことがいまだにやみなんです。
 協定もあるわけですから、政府はロシア政府に対してその取組がどうだったのか、現状はどうであるのか説明を求めるべきじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) お答え申し上げます。
 今御指摘のありましたのは、一九九一年の四月の十八日、ゴルバチョフ大統領訪日時に、捕虜収容所に収容されていた者に関する日本政府とソビエト、当時はソビエトでございますんで、ソビエト社会主義共和国連邦政府との間の協定というお話、御指摘の点だと思っております。
 この問題に関しましては、いわゆるロシア側に対しまして、過日、プーチン大統領訪日のときを含めましてロシア側の一層の協力を強く要求、要請したのに対して、プーチン大統領もそれに対応してこたえていただいており、こたえておりますけれども、今言われましたように、抑留者総数五十七万五千という数字が公式な数字になっていると思いますが、そのうちいわゆる帰還者四十七万三千、死亡されたと思われる者五万五千ということになっておりますが、中国、北朝鮮へ移送された者約四万七千人ということになっておりまして、中国と北朝鮮の内訳がどういう内訳、どれが北朝鮮でこっちは中国、内訳までははっきりいたしておりません。で、平成十七年四月にロシアの方から北朝鮮に移送された抑留者二万七千人の名簿は入手をいたしております。で、旧ソ連領で亡くなった方々約五万三千人といううち約四万人分の名簿というのは入手をいたしておりますが、残り一万三千人分余というのは未入手ということになっております。
 かなり資料が散逸したりしておるというのも事実でありますんで、私どもといたしましては、これは非常に、今先生が御指摘のとおりかなり痛ましい話でもありますし、これは明らかに、御存じのようにポツダム宣言違反であることははっきりしておりますんで、そういったところもきちんとして、この点につきましては過日のプーチン・小泉会談のときも限らず、その他の関係でもいろいろこの点につきましては要請をいたしておるというのが事実でございます。
○谷博之君 私が実は言いたかったのは、要するにそういう一つの協定まで結んで、そして両国で要するに戦後処理ですよね、この問題は。そういう大きな問題について解決しようとしている状況の中で、少なくとも中間報告的なものぐらいはやっぱりロシア政府から出させるぐらいのやっぱり気持ちがないと、この問題は結論がどんどん先送りになるということを非常に心配しています。
 それからもう一点は、遺骨収集の問題ですが、日本のその遺骨収集については、一体どこで計画されて、どういう形で取り組まれているのか、どうも定かではありません。尾辻前厚生労働大臣の時代に、積極的に去年はやると言って大臣が、当時の大臣が表明して、二千九百万円余の予算が新規に付きましたけれども、これだけでは私はとてもとてもまだ百十四万柱まだ海外に眠っていると言われているわけですから、これだけの膨大な遺骨を収集するということはとても不可能だというふうに思います。
 そういう点からしても、私は、人も金もと言いますけれども、こういうふうなやっぱり予算を、今韓国はさっき言いましたようにやっているわけですから、日本も戦後の大きい問題としてこの問題を解決するために、私は、例えば官邸や内閣府などに北朝鮮拉致問題とかあるいは中国遺棄化学兵器の問題、いろんなポジションをつくってやっていますけれども、それと同じぐらいの私は司令塔をつくって、この問題を早急にやはり解決するための政府としてのやっぱり努力をすべきだというふうに思うんですけれども、総理、どうでしょうか。最後に是非ひとつお答えください。
○委員長(小野清子君) それでは、川崎厚労大臣。
○谷博之君 大臣、総理、いやいや、じゃ後で。
○国務大臣(川崎二郎君) 今お話しいただきましたのは、具体的な遺骨収集事業として予算、今年も二億二千五百万、各地域に積極的に行っていただいております。しかし一方で、今御指摘のように、六十年たちまして情報が少なくなっております。情報だけを集中的に集めるという予算付けを二千九百万させていただいて、この中でしっかりとした情報収集に努めて、そしてその後の遺骨収集に努めたいということでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○谷博之君 総理も。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 六十年以上戦後たっておりますが、今なおこの海外に眠っている遺骨のことを我々は忘れてはならないと思っておりますので、政府としてもしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○谷博之君 それでは、時間が来ましたので、これで私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(小野清子君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(小野清子君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十八年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 関連質疑を許します。蓮舫君。
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。
 私は、去年から始まったとされる人口減少に大変強い問題意識を持っております。これまで出生率を上げることができなかった政府の施策をこのまま延長するだけではこの人口減少という有事に到底対応できないという観点から、子供の安全、少子化対策について御質問させていただきます。
 まず、先月、滋賀県で幼児が二人、同級生のお母さんに殺害されるという大変痛ましい事件がありました。同じ育児をしている母親として、その心中を思い、亡くなられたお二人のお子様に心から哀悼をささげたいと思います。
 総理にお伺いいたします。七年前、東京でもお受験殺人と言われるような同級生のお母さんに小さな子供があやめられる事件もありました。こういう事件というのは、総理は政治では対応できない、政治が対策を講じるものではないとお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあ、直接政府の対策では対応できない面もありますが、やっぱり、社会、政治全体ということをとらえれば、政治も関係あると思っております。それは、人間の考え方、幼児教育のみならず、大人の教育も含めて、政治として、社会全体として考えなきゃならない問題も多々あると思っておりますが、今言われた通学時の父兄が児童を殺害するという点につきましては、これはなかなか難しい問題ではないかと思っています。
 特に、児童の安全対策のために父兄をともに児童と一緒に幼稚園に通わせるという、父兄が児童の安全に対して十分配慮を行うという前提での幼稚園側と父兄側との対応であったのが、その安全を守るための父兄が児童に危害を及ぼすというんですから、安全対策をしてもどうしても対応できない点もありますね。そういう点もあると思っております。
○蓮舫君 犯行を犯した容疑者は、自分の子供が幼稚園で孤立していると思っていたと。で、幼稚園側に何度も相談をしていて、幼稚園側も孤立していないんだと何度も伝えていた。幼稚園としては、この加害者となったお母さんが育児ストレスで心療内科に通っていた事実も知らされていなかった。同僚の滋賀選出の林久美子議員が調べると、この幼稚園では子供だけじゃなくてお母さんを支援するには予算も人も足りないと、これは政治に行ってもらいたいと強く訴えていたといいます。
 小坂文部科学大臣にお伺いします。幼稚園に通う子供の保護者への支援、どのようになっているんでしょうか。
○国務大臣(小坂憲次君) 蓮舫議員にお答え申し上げます。
 最近、家庭における教育力が低下しているんではないかという御指摘もございます。そういったものを踏まえる中で、幼稚園の機能を活用して保護者の子育てに対する喜びや子育てに対する理解を向上させることは極めて重要だと考えておりますが。このような意味から、文部科学省では、子育てに関する学習会、絵本の読み聞かせの学習会、あるいは親の子育ての力の向上を図るための学習支援等をモデル事業としても行っているところでございますが、幼稚園における親の子育て力向上推進事業といたしまして、平成十八年度予算案五千八百万円のモデル事業として二十地域を、これはもう二年目になっておるわけですが、対象としてやっておりまして、これらの結果を踏まえながら更にこの拡大を志向してまいりたいと思っておりますし、また幼児教育力総合化推進事業という形で、これまた家庭と地域が一体となった取組事例を作成するなどの取組を行っておりまして、これが十八年度の予算額で約一千百万円、予算額としてはそんなに大きくございませんけれども、こういったものをやっております。さらに、幼児教育支援センター事業という形で、これも継続事業でございますが、市町村の教育委員会等に幼児教育サポートチームを設置をいたしまして、これを推進する等の支援を行っているところでございます。
 これらの成果を事例集として全国の幼稚園へ普及するように、今後とも子育て支援の充実に努力をさせていただきたいと思っております。
○蓮舫君 全国千八百二十一か所ある市町村で、文部科学省が行っている幼稚園に通うお母さんへの育児支援というのは、モデル事業でわずか五十か所です。到底足りないものだと指摘をさしていただきたいと思います。
 川崎厚生労働大臣にお伺いします。
 文科省でフォローし切れていないすべての保護者に対する育児支援というのは、十二分に今予算案で措置されているとお考えでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 文科省ですべてやることではありませんけれども、保育事業としては今、二百三万人、それから放課後児童クラブ、一万五千百三十四か所、子育て拠点、地域子育て支援センター、二千七百八十六か所、つどいの広場、百五十九か所、ファミリー・サポート・センター、百七十九か所等々でございます。
 いずれにせよ、地方と一緒にやっている事業でありますけれども、保育事業は二十一年四月目標数値として二百十六万人、放課後児童クラブは一万七千六百二十二か所、子育て拠点は二千九百四十五か所は六千三百五十二か所ということで増やしてまいりたい。
 今、市町村ですべて行動計画を書いていただいておりますけれども、十二市町村以外はすべて計画を書いていただいて、正に目配り、気配りをいたしているところでございます。つい最近、私どもの施策としては、老人クラブの皆さん方にも、通園、通学、そういったときに、できれば一つの課題として、もう既にやっていらっしゃるところは多うございますから、目配りをしていただけませんかということで連絡をさせていただいたところでございます。
○蓮舫君 この十年間、政府が取り組んできた少子化対策は、仕事と子供を持つ方への両立支援が中心でした。その結果、専業主婦の方の負担というのは随分と増えてきた。共働きのお母さんが子育ての負担が大きいとしたのは大体三割の方がいる。それに対して、専業主婦の方で子育ての負担が大きいと答えたのは五割に上っています。親の就労の有無にかかわらず、すべての保護者、子供を同時に支援していくことが非常に大切だと、再度言わしていただきたいと思います。
 次に、子供の安全なんですが、沓掛国家公安委員長にお伺いいたします。
 昨年一年間で、小学生、未就学児が殺人被害の対象になった件数を教えていただけますか。
○国務大臣(沓掛哲男君) お尋ねの昨年一年間における犯罪による小学生の殺人被害件数は二十七件、未就学者は七十八件、二十七件と七十八件です。ここ数年、大体百件前後ということです。
 ここの場合は小学生が少なくて未就学者が多いんですが、犯罪による被害件数は圧倒的に小学生が多いです。昨年一年間で二万四千四百四十八件、それから未就学者は六百四十一件、これに対する対策を全力を挙げてやっております。政府としても、昨年の十二月、総理の下で犯罪対策閣僚会議を開き、犯罪から子供を守るための対策などを取りまとめまして、全力を挙げて犯罪から守る対策を講じているところでございます。
○蓮舫君 ありがとうございます。
 今お話をいただきましたが、十三歳以下のお子さんが殺人事件、殺人被害になった件数は、その中の七割が未就学児。守る手段を持たない子供の弱さというのが浮き彫りになっております。単純計算すると、日本では五日に一人、子供が殺人被害の対象になっている。
 総理にお伺いしたいんですが、少子化対策というのは、今ある命を守るということも大変大切だということ。今子育てをしている保護者が思っている不安、子供を失うんじゃないか、このまま会えなくなるんじゃないか、事件に巻き込まれるんじゃないか。
 今年度予算案は、育児をしているすべての御両親に、どうぞ安心して子育てをしてくださいと言えるに十二分な対策を講じていると自信を持って言えるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、現在の財政状況を考えながら、どのような限りある財政資金を活用するかという問題であります。
 与党におきましても、予算要求の場合は、不十分だ不十分だといって多額の予算要求をしてまいります。そういう中で全体の財政を考えて対応しているわけであります。
 当然、十二分ではないという声があるのも承知しておりますが、これは財政状況全体を考えてみなきゃならない対応でありますし、少子化対策、子供対策というのは、本来ならば、親が一番自分の子供に対して愛情を持って、しつけなり教育なり様々な大人になるための対応を丁寧に優しくしなきゃならないのに、親が子供を虐待するという事件が増えていること、これは、単に少子化の問題ではない、大人も含めた社会全体の問題であり政治全体の問題であるという点もあるんですから、単に児童対策、幼児対策だけでは済む問題ではないと認識しております。
○蓮舫君 子供の命を守るということが財政状況を見てできないということがあってはいけないんだと思います。
 こちらをごらんいただきたいんですが、(資料提示)今総理が言いました、親が守らなきゃいけないと。親が守ろうと、どんなに守ろうと思っても守れない状況、環境というのが広がっているという現実も是非知っていただきたい。
 最近起きた幼児・児童殺害の主な事件です、主な事件です。これを見ましても、大阪の池田小学校で亡くなられた子供が出たときに学校の安全が言われた。その後すぐ寝屋川の小学校でも同じような事件が起き、その後は、奈良、広島、栃木、通学路で小学校一年生の女の子が亡くなっている。その後は、京都で塾で小学校六年生の女の子が亡くなっている。その後には、病院から新生児が誘拐される。あるいは、今回のように幼稚園で同級生のお母さんに命があやめられてしまうということがある。
 小泉総理大臣がメールマガジンをされております。去年の七月に緊急のアンケートをお取りになっております。(資料提示)小泉内閣メールマガジンの少子化対策アンケート結果です。
 一番、子育て世代に対する経済的支援を充実する。これはこれまでもやってきている。それでもまだ足りないという声の表れだと思います。それとほとんど同じ同率で、安心して子供を産み育てられる生活環境を整備してほしい、六四%の方が答えている。
 総理のメルマガにアンケートを寄せられる結果というのは、総理の実行力に切望しているという声だと私は理解をしています。総理が言う郵政民営化にはあれだけの強力な指導力を発揮をされました。あれは何を示したか。総理がやる気を示せばできないことはないんだという表れだと思います。
 ならばお伺いします。
 子供の安全、保護者の支援にあれだけの熱意を掛けておられるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、少子化対策というのが重要であるということは、私のみならず、すべての政府の閣僚も与党も野党も、多くの方が認識していると思います。
 しかし、目に見えた効果は一つだけではありません。即効薬はありません。万能薬もありません。一つの事業を民営化する対策とは別の問題であります。
○蓮舫君 目に見えた効果は一つではない、一つだけはっきりしているのがあります。出生率一・二九です。下がり続けています。施策の効果がこんなに出ていないと表している数字はないと思うんですが。
 猪口少子化担当大臣にお伺いいたします。
 今年度予算、初のお仕事となられる予算編成でございますが、今年度、十八年度予算案に、いや、お座りになってていいです、まだ。少子化予算はどれぐらい掛けられたでしょうか。
○国務大臣(猪口邦子君) 本年度の少子化対策予算でございます。蓮舫先生にお答え申し上げます。一兆五百八十億円でございます。
○蓮舫君 こちらに今年度、済みません、今年度予算まとめさしていただきました。(資料提示)八十兆ある中で、こうやって立体的に浮き上がらせないと線になってしまうぐらい、一兆円という少子化対策予算。民主党の調査要求で明らかになったのが、去年一年間で役人が天下りをした団体に交付された補助金総額が五兆五千億円。一年間天下りの団体に交付した補助金の五分の一が少子化予算に掛けられる。
 この額というのは、猪口大臣にお伺いしたいんですが、大臣が望まれている政策、産むか悩んでいる、育てて悩んでいる、その方たちの声にこたえるのに十分な額で、出生率が上がって子供の安全が守られるふさわしい額だとお考えでしょうか。
○国務大臣(猪口邦子君) 少子化の流れが強く認識され始めましたのは一九九〇年代なんです。で、一九九〇年代にはエンゼルプランと新エンゼルプランが策定され、実施されました。で、その特徴は、これは蓮舫先生がおっしゃるとおり、保育関係事業を中心としていたわけです。そして、そういうことにつきまして、目標値の達成などかなりの成果があったと、そういう評価をしております。ただし、にもかかわらず、少子化の流れを変えることはできなかったという事実はございます。
 そこで、保育関係事業の拡充のみならず、より幅広い視点からこの問題を考えなければならないということで、平成十六年の十二月なんですけれども、子ども・子育て応援プラン、これが策定されたのです。その特徴は、幅広い視点からということなんです。待機児童の解消、それももちろん引き続きです。そのほか、男性も含めた長時間労働など働き方の見直しでありますとか、先ほど蓮舫先生がおっしゃった、親が働いているといないとにかかわらず、いわゆる専業主婦の方も孤立感を深めているので、地域におけます子育ての支援拠点、そして多様な、子育て家庭のニーズは多様でありますから、そのような多様なニーズに対応できるようにというようなすべての考え方は、実はこの子ども・子育て応援プランの中にあるのでございます。
 私といたしまして、重要なことは、この最初の実施年度が二〇〇五年度、今年です。ですから、この子ども・子育て応援プランを着実に実施し続けること、これがとても重要なんです。そして、十八年度予算につきましては、この子ども・子育て応援プランの推進等に必要な予算は確保できたと考えております。
 なお、非常に厳しい財政状況、御存じのとおりですけれども、その中で児童手当の対象拡大と出産育児一時金の引上げ、このようなことをお願いしております。そして、それは言うまでもなく子育て、出産時と子育てにかかわります経済的負担の軽減に当然ながら資するものと考えております。
○蓮舫君 もっと明確にお答えいただきたいんですが、一兆五百七十九億円が大臣が求めておられる少子化対策に十分な額か。十分だとお答えになられた。ならば、この予算編成で具体的にどんな努力が、そんなお仕事をされたんでしょうか。
○国務大臣(猪口邦子君) 財政状況がこれだけ厳しい中で、児童手当の対象拡大、これを調整していただいたわけです。そして、出産育児一時金、それは三十万から三十五万円、それを多いと考えるか、ああその程度かと感じるか、それは人の感じ方かもしれませんけれども、これは、この財政状況の中で最大の努力をした結果と考えていただきたいと思います。また、多くの予算がむしろ削減される中で、子ども・子育て応援プランに、先ほど申し上げましたとおり、必要な予算を確保できていると感じております。
○蓮舫君 谷垣財務大臣にお伺いいたします。
 人口減少のこの日本において、財政措置というのは、少子化対策予算、やはりこれがもう限界なのか。あるいは、まあ次期総理の声もお高いようでございますが、その観点からも、もっと、人口減少の日本において、少子化対策予算、子供の安全を守る予算、枠組みを大胆に変えるべきだとお考えか、伺わせてください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 結論から申しますと、平成十八年度予算は、この少子化対策という点ではできる限りのことをさせていただいたと思っております。
 今、猪口大臣からも御答弁がございましたように、一昨年の暮れにできました子ども・子育て応援プランを実現化するために、保育所の設置の費用であるとか、あるいは児童手当等々拡充するというようなことをやりました。それで、これについてはいろんな御意見があると思っておりますが、私としては、やはり限られた財政資金の中で、やはり費用対効果ということは財政当局としては十分に検討させていただかなきゃなりません。それで、そのもう一つの視点として、若い世代を支援する、子供を支援すると。そのことが結果として公債を発行して子供たちの世代にツケを多く回すということにこれは余りなってはいけないと、そういうようなことで、できるだけ費用対効果というようなこともよく検討させていただきたいと思っております。
 それからもう一つ、猪口大臣の御答弁の中にもございましたけれども、少子化というのは非常に幅広い社会現象、非婚化というようなことも晩婚化というようなこともございますし、それから働き方の違い、こういったようなものもございますので、国の施策ももちろん努力しなければいけませんけれども、併せて働き方等々の民間の御努力も一緒になって組み立てていくという視点がなければいけないんではないかと思っております。
○蓮舫君 谷垣財務大臣が御答弁いただいた、官民一体となって当然取り組んでいく問題だという認識は御共有さしていただいております。
 小泉総理に、これまでいろんな場でお答えになられておりますが、いま一度教えていただきたいのですが、今回、少子化担当専任大臣を置かれた、大変期待をしております。少子化担当大臣の役割というのは、一言で言うと何なんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 少子化対策というのは、政府で主として役割を担ってきたのは厚生労働省です。しかし、少子化ということになりますと、文部科学省、これも十分教育という面から関係の深い役所であります。
 で、公的な大臣の立場に立ちますと、多くの方から、タウンミーティングにしても会合におきましても、答弁する場合には大臣としての立場というのが重視されます。そうすると、他の役所に対してなかなか言いにくい、自分の範囲がありますから。ほかの役所のことに言及すると、その役所の担当大臣に余計なことを言うなと言われる場合がありますから。そういうことも考えて、少子化というのは、単に厚生労働大臣だけ、教育、文部科学大臣だけじゃない、政府全体で取り組むという際には、やっぱり一つの役所にとらわれないで全体見ていただくような担当大臣を置くということが、政府として少子化対策を内閣挙げてやる場合にはいいのではないかということから猪口大臣にお願いをしたわけであります。
 猪口大臣は、今の答弁でも分かるように、極めて明確に分かりやすい答弁をしていただく発信能力の高い大臣でありますので、難しい予算の問題においても分かりやすく、先生が生徒に教えるように分かりやすく答弁していただけるのではないかと思って、適任だと考えております。
 また、少子化対策は単にお金だけで解決できるものではないと思っています。お金以外で解決しなきゃならない点がたくさんあるんです。豊かな社会ほど少子化の傾向が深いということを考えましても、単にお金を増やせば少子化対策だということは言えないということもよく御認識いただきたいと思います。
○蓮舫君 恐らく、少子化担当大臣の御評価というのは、総理ではなくて、見た方がされるんだと思います。
 今総理がお話しになられた担当大臣の役割は調整だということだと思います。ある種、学校の安全一つ取っても、学校の中においては文部科学省、通学路は国土交通省、自治体、警察、あるいは塾の安全は経済産業省、学童保育は厚生労働省、学校は文部科学省、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省、あるいは性犯罪者の再犯防止は法務省です。これだけ縦割りの弊害がある。それはやはり調整をしていただかなければいけない。
 猪口大臣にお伺いします。
 就任以来、望ましい配分を実現することが自分の責務だとメディアでお話しになられている。では、子供の安全を守るため今予算案で調整は一二〇%できたという自信をお持ちかどうか、それだけまず伺わせていただけますか。
○国務大臣(猪口邦子君) 先ほどお伝えしました子ども・子育て応援プランの中に、安全、安心な中で子育てができるという考え方が入っておりまして、そのための施策についての政府案では十分な予算が確保できております。
 更に十分にということであれば、財政状況が厳しい中、工夫をしなければならないと思いますが、先生が御指摘の、子供が大事、子供の安全確保は大人社会の責務というような考え方につきましては、私も強く共感するものであります。十分に努力していきたいと引き続き思います。
 十八年度の予算につきましては、子ども・子育て応援プランの中で十分に確保できております。プラス、年末の緊急対策におきまして、先般の事件を受けての対策は政府として緊急に展開できていると感じております。
○蓮舫君 去年末に政府が緊急の子供の安全対策六か項目出した。それはすばらしいと思いますが、予算は付いていないんです。補正予算も組まれていない。これまでの施策の延長でございます。
 この数年来の子供をねらった犯罪から少しでもリスクを軽減しようと、民主党ではスクールバスの導入はどうだと提案をさせていただいております。もちろん、スクールバスを導入すればすべて守れるというものではなくて、降りた場所から家まで一人になるところを守らなければいけない、これだけは効果がないというのは分かっています。でも、通学路の安全をスクールバスを導入すれば少しは軽減できるんじゃないか、親としてはそのように思う。
 猪口大臣もスクールバス導入には大変強い関心をお持ちだと思いますが、何かありますでしょうか。
○国務大臣(猪口邦子君) 先般の事件の反省としまして、児童の自宅までの安全確保がどうできるかと、そのための体制づくりをどうするかということの重要性は政府として認識しているところであります。その一つの手段としてスクールバスの導入も検討されるべきという考えを持っております。
 このスクールバスにつきましては、先生も御存じのとおり、既に現在でも安全確保の観点を含めまして運行費用の交付税措置が行われております。特にへき地におきましては、バス本体の購入費につきましても文部科学省からの補助が出ているわけであります。
 先生御指摘くださいましたとおり、緊急対策としまして十二月に、これは相当な努力で取りまとめた内容でございます。早く対応しなければならないということで、全国で地域の路線バスをスクールバスとして活用するというこの方策を検討するよう、そういう内容を盛り込んでございます。そして、この緊要性が高いということで、既に関係省庁との協議は調っており、路線バスの活用の具体的な取組の方策、それから関係機関がたくさんございますので、その手続の処理についての迅速化、これについての文書は既に発出されているんです。具体的なそのような取組を迅速化し、既にある運行費用の交付税措置の活用、自治体において積極的に検討する機運も出てきております。
 それに加えまして、今申し上げましたとおり、限られた財源の中、路線バスのスクールバスとしての例えば一定時間の活用というように、社会にあります既存のストックを目一杯活用しながら地域全体で子供の安全確保に心を合わせていくと。そのような努力を政治として引き出し、またそのような地域の取組に対して働き掛けていきたいと考えております。
○蓮舫君 あえてスクールバスとお伺いしたのは、一月二十日の毎日新聞で猪口担当大臣はインタビューにお答えになられているんですね。スクールバスをドア・ツー・ドアで全国二万校の小学校に導入し、小学生の三割が利用した場合の試算は四千億円でできる、効率がいい。
 小坂文部科学大臣にお伺いします。
 この話は予算編成において猪口担当大臣から小坂大臣に御相談はありましたか。また、それを受けられましたか。
○国務大臣(小坂憲次君) 今の御質問でございますけれども、猪口大臣の方から既に御説明を申し上げましたように、スクールバスにつきましては、既に行われているのはいわゆるへき地教育振興法に基づくへき地学校等における遠距離通学の支援でございますが、猪口大臣からは、学校における事件がございまして、その日のうちに、文科大臣、スクールバス導入というのはもっと積極的に考えられませんかと、こういう御相談をいただきました。その後、私どもも検討をいたしました。
 しかし、もう期中でございまして、補正予算の申請もほぼ終わる段階でございます。そういう関係で私どもとしてはまずもって、既存の制度の中でできることをまず第一に推進をし、十八年度以降、こういったことに対しての地方公共団体等の御理解を推し進めようと、こう考えたわけでございまして、本年の二月の十七日に各都道府県、指定都市の教育委員会教育長あてに、登下校時における児童生徒の安全確保のための路線バス等の活用についてということを申し上げ、その中で併せて、へき地教育振興法に基づくこのスクールバスの遠隔地の通学支援に対して、このバスの路線の中で遠距離にとらわれずに学校近傍の路線内の児童もピックアップしながら学校に来ることも当面考えていただきたい。
 また、全体的にこういったものについて、各地方公共団体が学校設置者である立場からこの導入を御判断いただくことが適当と考えておりますが、このバスの購入費につきましては、このへき地教育振興法でございます。ただ、いったん自治体が実施を決めていただきますと、スクールバスの運営にかかわる地方財政措置は交付税措置としてこれをとらしていただいているところでございます。
○蓮舫君 猪口大臣がメディアで積極的に取り組むと言っておられたスクールバスが今予算案に反映されていないのは大変残念です。
 次に、一月十三日のことを思い出していただきたいんですが、猪口大臣は会見で、出産無料化を検討することは視野に入る、国民にメッセージ性のある強力な少子化対策を打ち出していきたいと大変すばらしい発言をされました。これは発言されましたね。確認さしてください。
○国務大臣(猪口邦子君) 私の発言につきましては記者会見の議事録がございます。そこにそのようにあれば、そのように発言しております。
○蓮舫君 ごめんなさい。じゃ、私はこの質問が終わった後、部屋に帰って議事録を確認してくださいということでしょうか。発言をされたかされてないか教えてくださいとお願いしているんです。
○国務大臣(猪口邦子君) いえ、私は正確を期すためにそう申し上げたわけでございますけれども、一月十三日の記者会見におきまして、出産無料化につきましての様々な意見が寄せられており、実はここにコピーを私持ってきましたので正確に、よろしいですか……(発言する者あり)はい、正確にですね。
 このように申しております。それでは、ちょっとお時間お許しいただいてですね……(発言する者あり)
 日本においては、誕生はただというようなことについて、広く検討していくということは、それは視野に入ることだと思います。検討していくことは視野に入ることだと思います。この段階で、もちろん議題として取り上げることを決定した、あるいはそういう方向性を決定したということではございませんが、私から考えを述べるという範囲になるかと思います。考え方については、広く検討していくということではないでしょうか。様々な施策を、実際にはその概念の下で組み合わせなければなりません。これは、例えば初期検診なども含むかどうかとかね……
○蓮舫君 いやいや、会見だけでいいです、会見の内容だけで。
○国務大臣(猪口邦子君) その構成要素はどういうものでありますかということも含めて考えなければなりません。(発言する者あり)そして、施策を総合的に組み合わせなければなりませんので、そういう観点から議論をする必要があると。
○蓮舫君 分かりました、分かりました。
○国務大臣(猪口邦子君) そこで、さらに、六月をめどに戦略的な少子化対策を提言すべく、推進会議がありますので、その場でということを書いております。
 ですから、このように発言しております。(発言する者あり)よろしいですか。済みません。
○蓮舫君 正確に御答弁いただき感謝申し上げます。議事録を持ってきてくださっているんなら、最初の私の質問でお答えをいただきたかった、それをお願いを申し上げます。
 検討していくことは視野に入る、確かにそのとおりに言われている。で、不思議なんですけれど、その後開かれた安倍官房長官の会見では、政府として方針を決めたわけではないと即座に否定をされている。で、その後の午後、安倍官房長官と猪口大臣はお会いになられた。お会いになられた後、猪口大臣は記者団に対して、元々検討するとは言っていない、具体的な考え方が煮詰まった段階ではないと発言を大きく修正されている。もうメディアで報道されていて、秋以降に産むかもしれない方たちは、出産無料化、大変歓迎したと思います。でも、朝刊で言われたことが夕刊で修正されている。これは安倍官房長官に何を言われたんでしょうか。
○国務大臣(猪口邦子君) こういうことなんです。よろしいですか。ちょっと説明さしてください、せっかくの機会ですからね。(発言する者あり)はい。
 まず、少子化の流れを変えなければなりません。これは総理が施政方針演説の中でおっしゃったことです。そして、そのためにどうしたらいいのか、更にどうしたらいいのか、どういう意見を現場は、地方は、国民は持っているのか、それを聞くためにいろいろなプロセスを展開しているわけです。例えば地方ブロックプロセス、そこで多くの県知事が国への要望として出す事項がございます。それはかなりたくさんに及びます。そういう私の大臣職に寄せられます地方、現場及び市民の方々からの要望の頻繁に寄せられる意見の一つとして出産無料化及び類似の様々な考え方があるという、こういう説明でございます。
 議論をすることは必要である。そして、議論はかなり深くしなければならない。先ほど総理言っておられましたとおり、一つの政策で少子化の流れを変えることはできないわけですから、総合的に組み合わせていかなければならない。そして今、様々な議論を政府内で検討しているところでございます、議論をしているところでございます、寄せられる意見をかなり分析しているところでございます。その中の一つとしてもちろんこの出産無料化の考え方は入っているわけですが、議論をしている段階であるというふうに御理解いただきたいと思います。
 そして、来年度の予算につきましては、先ほど申し上げましたとおり、出産育児一時金の引上げが、これをお願いしているわけでございまして、これは少子化対策にとって、そして出産時の費用の負担の軽減において非常に役立つことと感じます。
○蓮舫君 今の日本の少子化の進行度合い、昨年から始まった人口減少という事態を私は有事だととらえています。もう議論をしている場合ではないんだと。十年以上議論をしてきている。政府も施策を講じてきています。じゃ、何で結果が出ていないのか。だったら、新しいことをどんどんやっていくんではないかと、このように考えていたんですが、安倍官房長官は官邸で猪口大臣に会われたときに、報道によれば、来年度予算の審議を控えているのにと戒められたとあったんですが、これは本当でしょうか。
○国務大臣(安倍晋三君) ただいま猪口大臣が答弁されましたように、猪口大臣のこのリーダーシップで、全国で初めての試みなんですが、ブロック会議を開いて、地域のブロックの知事の皆さんにお集まりをいただいて、少子化という観点からいろんな意見を、地方の現場の意見を率直に述べていただいて、それを猪口大臣は、それを吸い上げながら予算や国の政策に反映していこうと、こういう努力をしておられるわけでありまして、私も、お目に掛かった際に、これからもどうぞこのままリーダーシップを発揮をしていただきたいと、このようにお願いをしたわけであります。
 他方、いわゆる出産無料化につきましては、そういう中で地方の声としてそういう声はたくさんあったという御紹介があったということでございます。
 そして、もちろん、今後、少子化を進めていく上において、これをやればすべてが解決をするという政策はもちろんないわけでありまして、それ以外にも、女性の仕事とそして子育ての両立の支援、あるいはまた安全な環境、子供を産み育てやすい環境をつくっていく支援、また経済的な支援、あるいはまた、家族を持つそして子供を持つということの価値についてもっと啓蒙活動を進めていく、そういうことを総合的にしっかりと進めていきたいと。そういう中で、やはり予算を限られている中で、費用対効果を考えながらこれからもしっかりとした政策を進めていこうと、こういうことでございまして、子ども・子育て応援プラン、これは少子化社会対策推進会議、私が主宰をして猪口さんが事実上進行役をやっているわけでありますが、ここにおきましてもしっかりと国民にメッセージ性のある発信をしていきたい、いっていただきたいと、我々もそうしていきたいと、こう思っております。
○蓮舫君 私ども民主党も、できるだけ対案を出させていただくときに財源というのも考えさせていただこうと思う。ここが一番難しいところで、党内で議論をしているんですが、猪口担当大臣が出産無料化と言われた。これ仮に、少子化白書で今平均は大体五十万円、出産、検診でと平均値が書かれている、この五十万円を政府が予算で面倒見ると六千億円の財源措置が必要になります。
 参考までに教えていただきたいんですが、この財源は何をもって出産無料化にしていけばいいとお考えで発言したんでしょうか。
○国務大臣(猪口邦子君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、県知事から寄せられている意見、それから若い世代からこれをやってほしいと寄せられる頻繁な意見の一つがこの考え方でございますので、それを私は、先ほど安倍官房長官が御指摘されました推進会議及びその下にあります専門委員会というのがございまして、そこが私が主宰しているところでございまして、そこで様々な施策を議論しているところでございます。そういうところで紹介したということでございますので、政府として財源のことを考えながら提案しているということとは違うことでございます。
 つまり、そういう考えが頻繁に寄せられているということを伝え、そして推進会議の報告の取りまとめは今年六月でございます。その六月の報告の取りまとめに向けての下作業を今その推進会議の下の専門委員会で鋭意隔週ぐらいの頻度でやっており、膨大な資料を作成し、寄せられるすべての施策を吟味しながらどのように費用対効果等が得られるかということも考え、財源についても、そこにおいて可能であれば議論したいとも思いますが、ここは財務大臣にお願いしたいところでもあります。
○蓮舫君 できれば発言をする前によく財務大臣と御検討をいただきたいと考えておりますが。
 二月の十二日に猪口大臣は、今度はスクールバスに続いて、出産無料化に続いて子育て減税についてアピールをされました。この子育て減税、私もとっても大切だと思っています。ただ、今の日本の税体系というのは、谷垣大臣にお伺いしたいんですが、例えばフランスのようなN分のN乗、世帯なのか個人なのかの課税のあれにも、制度にもよるんですけれども、子育て減税というのは現実的なのかどうなのか、教えていただけますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 税につきまして子育てとどう絡ませていくのかというのはいろんな観点からの議論があると思うんですね。
 それで、今の日本の税制の待遇では扶養控除ということがございますが、この扶養控除は子供がたくさんいるとそれだけ税を納める能力が低くなるだろうという観点からつくられた制度なわけですね。ですから、税を、税負担を低くしなきゃいけないと。で、もうちょっと政策的な観点を入れていくならば、もっと政策的支援という色彩がはっきりしてくるような税額控除という方がより適当ではないかと、所得控除より税額控除の方が適当ではないかという議論はあるわけです。
 それで、今、N分N乗ということをおっしゃいましたけれども、これはやはりフランスの税の根幹と日本の税の根幹がかなり違うことがございます。フランスの場合は、今もおっしゃいましたように、一世帯の収入全部合わせて税を見るというような形になって、夫婦共有財産といいますか、そういうような考え方でできておりますので、個人で、夫婦別産ということを前提にできている日本の税法とはかなり体系が違っております。したがいまして、相当いろいろな根本の部分から議論をしませんと、このN分N乗というのはすぐ結論が、日本でどうするかは出てきにくいところがございますので、よく議論をしていきたいと思っております。
○蓮舫君 ありがとうございました。
 出産無料化もスクールバスも子育て減税も、猪口大臣が御提案されているのは、本当に現場で実際に育児をしている方にとっては切望されているものだと思います。それがこの平成十八年度予算案に盛り込まれていないということが非常に残念です。
 次に、御提案をさしていただきたいんですが、少子化対策というのはこれまで子供さんがおられる方に対する支援というのが重立った中心でした。私は、ここに、欲しいけれどもなかなか授からない、不妊治療をされている方たちへの支援というのも考え方として大切にしていかなければいけないと考えています。
 川崎厚生労働大臣にお伺いします。
 今、十組に一組のカップルが不妊治療をされていると言われておりますが、妊娠、出産は病気ではないから保険適用外、全部自分で払わなきゃいけない。民主党としては、今国会の医療制度改革で人工授精をすべて保険適用内にしてはいかがと提言をさしていただこうと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 私自身も衆議院で何度も御答弁申し上げましたので申し上げますけれども、若い二人に対する御支援、一つは経済的支援、それから雇用の問題、それから保育、四番目に私自身は不妊治療と考えると、こういうところまで申し上げました。
 今年の予算では十万円の補助を、一年当たり十万円の補助を二年間行ってきたのを五年間に拡大いたしました。一方で、民主党の議員の方々を中心にしながら、保険の適用はできないか、これはもう二、三年間ずっと議論いたしております。原疾患との関係が必ずしも明らかでなく疾病の治療と言えるかどうか、その成功率は必ずしも高くなく有効性が確立しているかどうかということから、実は党内でもいろいろここ二、三年間議論をしてまいりまして、保険治療というのはなかなか難しいな。しかしながら、これは正に猪口さんとこれから議論をするところなんです。
 例えば、今出産のお祝い金三十万円から三十五万円にした。現実問題、出産は幾ら掛かっているのというと、国立病院で見れば三十四万、平均が三十四万です。
○蓮舫君 もうちょっと多いです。
○国務大臣(川崎二郎君) いや、国立病院ですから。民間病院は違いますよ。国立病院は三十四万であります。しかしながら、地域によって物すごく格差がございます。そこへ検診の費用が十一万。したがいまして四十五万だけれども、かなり地域格差もあるし、病院によって違うねと。そうなると、無料という切り口がいいのか、三十五万円という金額がいいのかという議論もこれからしていかなければなりませんねと、一つの議論として。しかし、それじゃ、子供が増えるという立場からいえば、今御提案のように、子供ができないという人たちに対して何か支援する方法を考えていった方が、少子化対策という面ではより役立つんではないかなというところまで私どもちょっと踏み込ましていただいております。これから猪口大臣としっかり議論しながら、ピッチャーが猪口さん、キャッチャーは私でしっかりやりますので、どうぞよろしく。
○蓮舫君 是非、そのピッチャーとキャッチャーの関係で言われるなら、常にストライクを出していただきたいと、このようにお願い申し上げます。
 川崎厚生労働大臣に引き続きお伺いしたいと思うんですが、不妊治療に関しては非常に前向きな御答弁をいただきました。引き続きこれは委員会の場でも議論さしていただきたいんですが、もう一つ考えていただきたいことがある。
 不妊治療をされている方たちの大体三割ぐらいの女性が週に、五回から九回病院に通っているというデータがあります。朝一番に来てくれ、あるいは最後の不妊治療の、病院の窓口の受付、大体六時ですから、会社が終わってすぐ駆け付けなきゃいけない。五回から九回行かなきゃいけないとなると、どうしても半休を取ったり、休み、仕事に影響が出てくるんですね。治療で心身ともにつらい、働き方にも悪い影響が出る、それでもどうしても子供が欲しいと思う方たちを、保険とはまた違う考え方で、不妊治療休暇制度という考えで働き方を支援してあげることはできないんでしょうか。この部分、いかがでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 先ほどは賛同いたしましたけれども、有給休暇、現実は今四六%なんですよね、全体的に。ですから今、厚生労働省として、今のような切り口がいいのか、やっぱり年次有給休暇をきちっと取れる制度にしましょうよというところをきちっとやっていくのかということになると、私は今は年次有給休暇のきちっとした取得というものを進めさしていただきたい。今、経済界側とこの休みをということで交渉するよりは、この四六%をどうにかしてくださいよと言った方がいいのかなと、こう思っております。
○蓮舫君 非常に前向きな答弁をいただいております。やっぱり休みやすい雰囲気というのも是非併せてつくっていただきたいと思うんですが、不妊治療休暇制度あるいは保険適用の話も含めて、引き続きこれは民主党としても御提案を続けさしていただこうと考えております。
 引き続き川崎大臣、もう一度御足労ですがお願いしたいのですが、子ども・子育て応援プランでは、働き方の見直しを重点課題としてそれぞれのテーマで数値目標を掲げられているものもございます。その中でお伺いしたいんですが、最新の女性の育児休業取得率、それと子ども・子育て応援プランの目標数値を併せてお聞かせいただけますか。
○国務大臣(川崎二郎君) 十六年度の調査では、育児休業取得、女性が七〇・六、男性が〇・五六%、今度の応援プランにおきましては、女性八〇%、男性一〇%に目標を掲げております。
○蓮舫君 厚生労働省が言うには、十人女性が働きながら妊娠をした場合に、そのうちの七人が育児休業を取っていて、あと十年たったときにはそのうちの八人が育児休業を取れるようにしようというものなんですが、育児休業取得率を調べると、どうやらこの厚労省の言われる数字は現実を反映していないということが明らかになるんではないかと思います。(資料提示)
 有職七三・五%、一番上の段なんですが、仕事を持ってて妊娠した人の中で七割はもう辞めてるんです。辞めざるを得ない状況もあったかもしれない、ここは調べていないんですが。育児休業が取れる環境にあった三割の中の七三%が育児休業取得率とカウントをしているんですが、同じ厚労省のデータだと、事業所規模五人から九十九人で六割以上が育児休業制度がないと答えているデータもある。つまり、仕事を持ちながら子供を産んだときに辞めざるを得なかったこの七割の人たちの声を反映させるために、この育児休業取得率の分母が私は違うんではないかと思う。併せて調べると、(資料提示)猪口大臣の内閣府では、これは「男女共同参画社会の実現を目指して」という冊子で、この厚生労働省のデータを常識のうそと紹介しているんですね。
 川崎厚生労働大臣にお伺いします。常識のうそとまで、冊子にまでして内閣府から御指摘をいただいているのならば、内閣府が言う厚労省のデータはうそだというデータは正すべきではないでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) まあ、見方の問題だと思います。
○蓮舫君 違いますよ。
○国務大臣(川崎二郎君) 基本はね。
○蓮舫君 見方じゃないですよ。
○国務大臣(川崎二郎君) 基本はね、いや、統計というのはそういうものですから。基本はね、要は、出産とか結婚を機に辞めていく人たちが多いと。今残っている人たちはどうですかという形になるとこの数字になります。
 しかし、一方で、問題点はどこにあるんですかとお互いに整理していかなきゃ、結婚とか出産を機に辞める人たちが多い、妊娠や出産を理由とする解雇、この問題をきちっと解決をしていかなければならない。そのためには、男女雇用機会均等法、今度の法律で、法改正で出さしていただきます。今までは有期の人たちが入っていなかった解雇禁止、契約社員だから辞める、あったかもしれない。
 もう一つは、これは今までですと、そういう理由で辞めさした。それに対して、辞めさせられた方の立証責任だったんです。
○蓮舫君 そうです。
○国務大臣(川崎二郎君) 私が出産のために辞めさせられた。
○蓮舫君 そうです。
○国務大臣(川崎二郎君) 今度は事業主の方がそれを立証する責任を負うという形の法改正で、言われるように、そういう数字にならないようにきちっとしないと。しかし、データとしては、今子供を産んで社会で働いている人たちに聞いたときはその数字になると。
 問題意識は、辞めなきゃ、辞めさせられる、辞めなきゃならないという人たちをどう救おうか、そしてきちっとしていくということでありますので、どうぞ御理解お願い申し上げます。
○蓮舫君 こういうデータを基に子ども・子育て応援プランで七三・一を八〇に上げていくんだと目標数値を掲げられているのに、データの見方はいろんな見方があると言われてしまうと、これは苦しいと思うんですよ。やっぱり、この辞められた方、結婚や出産を機に辞められたと大臣はおっしゃいますけれども、辞めざるを得なかった方たちの声を反映しないと、新しく少子化対策の施策を労働の観点から講じるときに現実を誤るんではないかと思う。是非この部分はいま一度御議論をいただきたいと思っております。
 次に、子供の格差の問題で……(発言する者あり)ありがとうございます。別に総理に褒めていただきたくて質問をしているわけではないんですが。
 総理に質問させていただきたいと思います。
 小泉総理は、今国会が始まってから一貫してぶれない姿勢ですばらしいと思いますが、所得格差はないと言い続けられております。総理の手元にあるデータではそうかもしれません。でも、私は、親の経済収入によって子供が受けられる教育の機会とか子供が置かれる立場に格差があってはいけないんだ、それを政治は正していかなければいけないんだという視点で御質問さしていただきたいんですが。
 親の経済状態で子供が受けられる教育格差、平成十年から五年間で三割増えている母子家庭があります。母子家庭のお母さんの平均年収は、年収が九百万円以上の豊かな世帯の方が子供一人に掛ける教育費とほぼ同額です。これだけでも、母子家庭に生まれるか、九百万円以上の家庭に生まれるか、受けられる教育、その内容が違うということはお分かりいただけると思いますが、給食費、修学旅行費が払えず自治体から援助を受ける公立の小中学生の児童数は四年間で約三七%増加、教育扶助、就学援助を受ける児童生徒の割合、八年間で二倍になっています。あるいは、保護者の破産などの経済理由によって子供を児童養護施設に預けてしまう、そういう児童はこの五年で倍に増えています。保護者の収入がそのまま子供の置かれる環境に表れている。
 その一方で、政府は定率減税の全廃を決めました。子育て世代の平均年収は七百万円です。この世帯が定率減税の全廃によって負担増になるのが大体八万円、大変大きな額です。
 総理、去年から始まった人口減少で、一方では少子化対策を講じていると言いながら、他方で同時に子育て世帯に対しての増税感というのをどしっと付けていく。これは、子供を産み育て、もう一人欲しいと思っている方たちに私はやっぱり影響が出るんだと思う、このことはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 誤解されている面があるんですが、私は、所得格差がないとは言ってないんです。どの時代でも、どの国にも格差はあると言ってるんです。しかし、言われてるほど日本は格差社会ではないという報告を受けていると申し上げているんです。
 そこで、今、定率減税の話でありますが、これは税の体系から考える場合と、それともう一つ、今、子を持っておられる親御さんの負担の問題を取り上げられたんだと思いますが、定率減税を続けろということになりますと、国債を発行して借金をして財源を補わなきゃならないんです。となると、国債、借金というのはこれからの子供たちが負担しなきゃならないんです。そういうことも考えて、将来の子や孫たちの負担を過大にしないような対策が必要であると。と同時に、今の税体系全体の問題から、これは景気の対策として定率減税が導入されましたけれども、今景気も回復軌道に乗っていると、税収もだんだん見込みよりも増えているという状況で、できるだけ国債発行を減らしていこう、借金を減らしていこうという中で、全体的に考えた問題であります。
 そういうことから考えまして、将来、今子育てに対する、あるいは少子化に対する様々な具体的な提案されましたけれども、そういうことも含めて全体的にこの税負担の問題、定率減税も含めてでありますけれども、将来の少子化社会に対する流れを変えるというようなことにつきましては、当然、税の体系につきましても、あるいは育児休業にしても、そして出産手当の問題についても、様々な点から考えていかなきゃならない問題だと私も考えております。
○蓮舫君 様々な観点から当然考えることなんです。そして、実際にもう政治が指導力を持って動かなければ大変な事態になってきている、それが去年十二月のデータで明らかになった人口減少という結果だと思うんです。
 今すぐ出生率を、ばんと二・〇一、人口を維持できるまで跳ね上げることはできないんです。だから、施策を講じてゆっくりでも上げていこうという努力、その姿勢が見えるんだったら、この平成十八年度予算案の審議で少子化対策を私は今日取り上げていることはなかったと。でも、取り上げているということは、この予算案にその強い姿勢が、総理の指導力が見えないから伺わしていただいているんです。
 総理は、人口減少が、データが発表されたときに記者団に、この流れをどうやって食い止め対策を打つか、必要性を感じていると答えておられました。厚労省の最新のデータを見ますと、第二次ベビーブームに生まれた女性が三十歳までに子供を産んでいる方は四九%、五一%が三十歳までにお子さんを産んでないんですね。この世代があと数年で産むという選択肢をしなかった場合、第三次ベビーブームはあり得ません。このまま人口減少に加速が、加速されるという。
 少子化対策は、これまでの延長ではなく、冒頭で言ったようにここが変わり目で、予算配分を大きく見直して、そして総理大臣として、最後の仕事になるのかもしれませんが、この人口問題に取り組んでいくという意欲を、今日私は、総理が任命された猪口担当大臣の答弁を聞いても総理の答弁を聞いてもなかなか胸にくるものが、子供を育てている親としてこの政府なら安心して子供の安全を守ってくれると思えないことがあることを最後に御指摘さしていただきますが、総理は私のこの話を理解されておられるでしょうか、最後に教えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は十分理解しているつもりでありますが、即効薬、万能薬はないと。今急に子供を産めよ増やせよといっても、そういう時代ではありません。かつてのように、貧しい時代でも子供が増えた時代。各国におきましても、豊かになると、フランスの例を出されましたけれども、フランスでも少子化の流れを食い止めるために様々な事業、政策をやっておりますけれども、あるときは成功し、それが一定期間たつとこれが利かなくなってくる現象も見られます。こういう点もよく考えて、非婚化、晩婚化が進んでいるというのも一つの原因だとは思いますけれども、これも結婚したくない人に早く結婚しろと政府が言うわけにもいかぬと。もう様々な政府の施策と個人的な意識の持ち方、結婚に対する考え方も様々であります。
 そういう観点から、今すぐ一年や二年でこの少子化の流れを変えることはなかなか難しいと思いますが、各国のいろいろな政策を参考にしながらも、これからの時代、少子化の流れを食い止めるためにどうしたらいいかということを様々な方々から有意義な意見を聞きながら対策をしていかなきゃならない問題で、一、二年や数年ですぐその対策が利くということではありませんが、様々な御指摘を参考にしながら進めていくべき課題だと認識しております。
○蓮舫君 一年や二年で結果が出るものじゃないから、だから今講じないでいいんだという議論には絶対ならないと思うんです。しかも、政府はこれまで十年もうやってきているんです。改めてその部分は理解が違うなと考えさせていただきます。
 子供の安全を守るのは、野党かもしれませんが、私は民主党じゃなきゃできないんだという思いを改めて強くしております。
 以上で私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(小野清子君) 関連質疑を許します。平野達男君。
○平野達男君 平野達男でございます。
 残余の時間を使いまして質問をさせていただきたいと思います。
 午前中、我が谷委員が小泉総理と吉田松陰の「志士は溝壑に在るを忘れず」という言葉をめぐってかなり意味のある議論がされたと思います。これは総理は所信表明演説のときにも引用されましたね。その後いろんな憶測が流れまして、あれを使ったのは、総裁選をにらんだ安倍幹事長に対するエールを送ったんじゃないかというようなことを言う方もおられました。どうも小泉総理はその御先祖は鹿児島出身ですね。どうも小泉内閣版薩長連合でも作ったんじゃないかとか、まあそういった憶測なんかも流れたかどうか分かりませんが、その辺の真偽のほどをちょっとお聞かせ願えますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 薩長連合組んだわけじゃないんですよ。
 薩摩、長州、幕末で活躍した雄藩でありますけれども、そのときに大きく影響を与えたのが吉田松陰の言葉であるということから、私も日ごろ吉田松陰関連の書物を読んでおりますので引用させていただいたと。また、この吉田松陰の言葉というものは国会議員のみならず、また総理大臣や次期総理大臣候補だけでなく、すべての方々に、志を持っている方々に銘記していただきたいなという気持ちを込めて引用した言葉でございます。
○平野達男君 まあガセネタだということですね。分かりました。
 それでは本題に入らせていただきますけれども、今の、最近の最大の話題は何といっても日銀の量的緩和解除をやるかどうかであります。
 御承知のように、日銀は金融調整の目標を金融機関が日銀に預ける当座預金の残高目標に設定してきました。二〇〇一年三月からいわゆる金融緩和を進めてきまして、最近では三十兆から三十五兆、これを残高目標として掲げております。これを解除して、当座預金からいわゆる本来の金利の水準に目標を設定した金融調整をやるかどうか、これを決定するかどうかが八、九の日銀政策決定会合に懸かっているわけです。
 ところが、これをめぐりまして、どうもいろんな発言が相次いでおるようです。特に閣僚から、あるいは自民党のいわゆる政調会長からもいろんな発言が相次いでいるようであります。
 総理もまた、何かよく分かりませんが、デフレからまだ脱却していないしむにゃむにゃというふうなことを発言されているようですが、その真意をちょっと御説明いただけるでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 真意というのは、現在の状況について、特に日銀の総裁の考え方、日銀の判断というのがこれからの金融政策上、また経済に与える影響が非常に大きいと。そういう中で、金融緩和策、現在の金融緩和状態をいつ解除するのかというのが市場関係者の中で大きな関心事になっております。
 そこで、ここまでようやく景気が回復軌道に乗ってきた。財政政策、金融政策相まって、政府と日銀が一体となってデフレ脱却を目指さなきゃならないという目標の中で、現在の景気回復軌道をとんざさせてはならない。そういうことから、私は、今の経済状況、景気状況、物価状況をどう見るかというのは、極めて重要な、これからの経済に影響を与える、極めてそのような関心が市場にも大きいということは、通貨の問題についても、株式の影響においても、最近では日銀総裁がどういう発言するかについて耳をそばだてて注目しているという状況でありますので、その辺は私は慎重に考えていただきたいと。
 一時期、短期的に見て、ようやくもうこのデフレ脱却の状態が続いていくという状況なのかどうか。確かに、デフレ脱却の兆しは見えてきたものの、このままデフレ脱却と言っていいのかどうかという点については、私も慎重的な立場でありますので、その点はよく考えて、仮に金融緩和解除したといった段階には二度と、ああ、これまた失敗したからまた元に戻すというようなことはあってはならないというふうに考えているから率直に申し上げているわけでありまして、こういう点については、政策目標として日銀と政府は一体とならなきゃなりませんけれども、金融政策にとっては日銀が独自の判断をすべきものだという点は私も承知しているつもりでございます。
○平野達男君 今の答弁の中で、私一言だけ申し上げさせていただきますけれども、日銀総裁も今日来ておられます。日銀政策委員もおられます。だれ一人として、慎重にこれを判断しない人はいないと思いますよ。そんなものは分かり切った話なんですよ、これは。
 そこで、今の答弁、総裁の答弁の中で、デフレ脱却はまだだというふうにおっしゃっていましたけれども、デフレ脱却という考え方と日銀のこの量的緩和解除というのはどういう関係にあるのか。ちょっとこれは通告申し上げておりませんけれども、これは私は日銀総裁はきちっとかなり明確に財政金融委員会の中でも説明していただいております。
 大変恐縮ですけれども、総裁、なぜ今この状況の中で量的緩和解除というのが議論になっているのか。仮にやるとした場合に、たしか総裁の言葉の中では、スムーズに景気軌道に乗るための政策として量的緩和解除があるんだという、そういう御説明があったと思います。そのことをもう一度、今日はテレビに出ておりますが、テレビも入っておりますので、国民の方に向けて説明をしていただけるでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) お答えを申し上げます。
 日銀法を改めてひもときますと、日本銀行としては、政策運営に当たって、「常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」というふうに明記されております。
 私どもとしては、常日ごろこうした趣旨にのっとって適切に対応してきていると。経済・物価情勢の認識、それから政策の大きな方向性について政府と日本銀行との間でそごを来さないように努力をしてきているということでございます。
 現在の経済・物価情勢につきましては、今総理からも大変丁寧な御説明がございました。経済・物価情勢、次第にいい方向に向かっている中で大変重要な時期に差し掛かっていると、この点は日本銀行としても強く認識をいたしております。したがいまして、日本銀行が国民の皆様方にお約束しました消費者物価指数、除く生鮮食品のベースですが、これが安定的にゼロ%以上となったかどうか、予断を持つことなく、今後の政策決定会合に臨み、冷静かつ客観的にこれは判断していかなければならない。
 で、日本銀行としては、非常に先行き長い目で経済の望ましい姿の実現ということをいつもこう目標にして金融政策を運営しています。日本経済が改めてデフレのリスクに陥るというようなことがあってはならないということは当然でありますけれども、その段階を過ぎて更に長期的に、物価安定の下で余りその景気の振幅を大きゅう経験することなく持続的な成長軌道にきちんと乗せていかなきゃいけないと。そうした長い過程を、日本銀行としては、一貫して金融政策を適時適切なタイミングで施すことによってその流れをサポートしていきたいと、こういうことでございます。
 したがいまして、何か一時期に焦点を絞って我々が何かやるということがそれほど大きな意味を持つものではなくて、長期継続的に持続的な成長経路ということを確保していく、金融政策というのは、そういうふうに大変きめ細かく継続的な作業だということを御理解いただきたいというふうに思います。
○平野達男君 経済財政担当大臣にお聞きしますけども、デフレ脱却デフレ脱却という言葉が随分使われます。実は私も、意識するとしないとにかかわらず、あちこちで使っています。しからば、しかし、デフレ脱却というのは何をもってデフレ脱却というのか、その考え方と、だれがデフレ脱却というふうに今判断をするのか、それをちょっと御説明いただけるでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 数年前までのデフレ脱却という言葉と今言われているデフレ脱却というのは多分違うんだろうと思っております。数年前言われたデフレ脱却は、いわゆる日本経済がデフレスパイラルに陥ると、縮小均衡を繰り返すと、こういうことからは絶対逃れなければならないという意味で使われてきたと思います。今言われているデフレ脱却というのは、やっぱり物価の下落が恒常的に起こってやはり経済財政全般に大きな影響が出ると、望ましいのは経済成長に伴う健全な物価上昇と、このことを期待してのデフレ脱却という意味に私は使っているつもりでございます。
○平野達男君 大臣の所見は分かりました。
 内閣の中でどういう、だれが最終的にデフレ脱却を判断するのか、どういう考え方で判断するのかということをお聞きしたんです。
○国務大臣(与謝野馨君) 経済の状況が、実質成長率も名目成長率も一定以上のプラスになり、物価も安定的に推移をし、また経済成長に伴う健全な物価上昇が起こっているという、まあ全体の状況を判断するわけでございまして、そこに何か決められた方程式があるわけではありません。
○平野達男君 ところが、先ほど総理もデフレ脱却はまだだと言っているんです。それから、竹中大臣もデフレ脱却はまだだと言っています。中川政調会長もデフレ脱却はまだだと言っています。そうすると、みんなそれぞれ違った感覚でデフレ脱却ということを言っているということになりますね。これは議論としてはかみ合わない。
 日銀総裁はこのように言っておるんです。日銀総裁は日銀総裁で、別な意味のデフレ脱却の定義をこう述べておられます。代わりに読ましていただきます。突き詰めて言いますと、人によって違うと。人によっては、一般物価の下落ということを中心に考えられている方が一番多い、あるいは資産価格の下落という点にかなり焦点を当てられる方、それから経済活動の落ち込みそのものに強い焦点を当てられる方、様々な角度からこれをごらんになっているということだと思いますということなんです。
 何を言いたいかといいますと、今金融解除をやろうとしているときに、いろんな閣僚がデフレからの脱却まだだと言っているんですけれども、一人一人、まずそれが違う。日銀も先ほどの総裁の答弁の中では、デフレ脱却が前提条件ということは言っていません。経済がより良い方向に向かってきたからスムーズに経済を移行させるために、場合によったら量的緩和は必要だと言っているんです。
 ところが、総理は今は、先ほど言ったように、今はデフレ脱却まだだなというふうにとらえますと、どうも総理は、まずデフレ脱却してから量的緩和やれと言っているのか。しかし、その前に総理の言っておられるそのデフレ脱却という定義すらはっきりしない、こういう中で議論がどんどんどんどん出ていくというのはおかしいですよ、これは。
 そこで、ここでもう一回お聞きします。
 政府にはだれが判断するんですか。それと、今の中ではこのデフレ脱却を判断する定式がないとおっしゃいましたけれども、これでよろしいんですか。
○国務大臣(与謝野馨君) デフレ脱却とは、物価が持続的に下落する状況を脱し再びそうした状況に戻る見込みがないこと等考えております。
 その実際の判断に当たっては、例えば需給ギャップや、ユニット・レーバー・コストといったマクロ的な物価変動要因を踏まえる必要があり、消費者物価やGDPデフレーター等の物価の基調や背景を総合的に考慮して慎重に判断してまいりたい。また、政府としては、だれが判断するかという御質問でございますが、政府としては物価の基調や背景を総合的に考慮して慎重にして、判断してまいりたいと考えております。
 なお、デフレ脱却に向けて政府、日銀が一体となって取り組んでいるところであり、経済認識についても日銀と共有してまいりたいと考えております。
○平野達男君 今の答弁は、衆議院の予算委員会で答弁したとおりの答弁ですね。ただ、これを繰り返しますと、いろんな要素を言っているわけです。需給ギャップ、ユニット・レーバー・コスト、あるいは消費者物価やGDPデフレーター。で、ある与党の委員が、それじゃ、例えばその中の二つの要素で、GDPデフレーター、あるいはCPIがゼロ%以上になればデフレ脱却ですかといったら、いや、そうではないんだといって、要は何が何だか分からないんですよ、これは。
 今、これはこの委員会として要求したいと思うんですけれども、まず、デフレ脱却というのは何なのか、だれが判断するのか、どういうふうな要素で判断するのか。日銀はCPIをまず項目に取って、安定的にゼロ%以上ということで、若干のぼやかしているところもあるんですが、かなり具体的な指標を設定しました。
 私は、政府もこのデフレ脱却については、きちっとした分かりやすい、総合的でも何でもいいんですけれども、新たな目安を設定すべきだと考えます。これを是非政府の公式見解として出してもらうことを要求したいと思います。
○委員長(小野清子君) この件に関しましては……
○平野達男君 理事会でいいんですよ。
○委員長(小野清子君) よろしいですか。はい、分かりました。
 この件に関しましては、後日理事会において協議させていただきます。
○平野達男君 そこで、今までこの量的緩和を続けてきたいろんな余波というか影響がありまして、一つの見方として預金者にどれだけの影響が出てきたか。これは、実は先般の参議院の財政金融委員会で我が方の大塚委員が質問いたしました。これは前提条件においていろんな、よって数字が違いますが、過去大体十五か年で三百四兆の預金利子が失われたというような試算もありました。ただ、これは、これだけ言いますとちょっとバランスを欠きますから言いますと、預金者がそういうふうに失えばだれかが得をしている、得という言い方ちょっとおかしいんですが、つまりは、お金を借りた人が利子が軽減されたということがありまして、その中でそういうバランスは取れているんだろうと思います。その中で最もそういう低利子の恩恵を被ったのは、私は、あるいはある意味では国の財政ではないかというふうに思っています。
 で、これは、谷垣財務大臣は今国の財布を預かっておりまして、この量的緩和がもし仮にされた場合の影響というのは、もう本当にこれは心配だと思います。まあこれは、私は郵政民営化とかあるいは財政金融委員会の中で何回も取り上げましたけれども、金利一%上がっただけで、借換債百兆、新発債三十兆としますと一・三兆上がります。翌年また同じことが起きますと二・六兆ですから、大変なインパクトがあるということで。
 その一方で、新聞情報では、例えば国債、失礼しました、長期国債を一・二、今毎月一・二兆円買っていますが、少し続けたらどうか、続けるとかですね、あるいはオーバーナイト物の短期金利〇・一%を上限にするとかという、これは日銀さんが多分、流したのかどうかは分かりませんが、気の早い新聞は解除の条件としてそういうことをやるんだということをもう出しています。
 これらについては、谷垣大臣、こういったことについては何か注文とか何かはあるんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 日銀の金融政策の決定は、日銀の専管と申しますか、独立性が定められているわけでございます。もちろん、私のところと与謝野大臣のところは政策決定会合に出席をさせていただきますが、大分世間ではいろんな議論がかまびすしくなっておりますので、私は現段階としては予断を排して平静な気持ちで臨まなきゃいけないと、こういうふうに思っております。
 その上で申し上げますと、やっぱり私どもの一つの関心は、金利に与える影響はどういうことか、マーケットにどういう形で今後の透明感を与えるかと、この辺りは私どもとしては関心を持っていないというわけにはまいりません。
○平野達男君 財務大臣の発言としてはよく分かるところであります。
 そこで、私は、いろんな閣僚の方々がデフレ脱却はまだだな、慎重にやれというような発言しているというのの背景には、どうも二つあるのかなと。一つは、本気に量的緩和解除をやってほしくないという人。それからもう一つは、もう一方は、まあ日銀の、今財務大臣が言われましたように、日銀の判断だからこれはまあしゃあないだろうと、しかし、いろいろ心配だからいろんな条件を付けてもらいたい、インフレターゲットとか何かいろいろあります、そういう条件ならばいいと思っている人。それから、先ほど私は冒頭で二つと言いましたけど、私は三つあると思います。三つ目は、何かあった場合の要するに責任逃れですね、だから言ったじゃないかという。三番目のカテゴリーは、先ほどの総理の発言、答弁の中にちょっとかいま見られたような気がしまして大変残念であります。こんな三番目の気持ちでそういうことを言ったら日銀かわいそうですよ。
 それから、二番目について、もし二番目のような形で、解除は場合によったらいいけれども条件を付けるというんであれば、日銀の中で日銀さんに言ったらいいじゃないですか。
 総理、事前に日銀さんにいろいろ申入れをする用意ございますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 賢明な福井日銀総裁ですから、私の発言も含めて、各状況しっかりと見極めて判断されると思いますので、特別に申入れする考えはございません。
○平野達男君 念のために総裁にもお伺いしますが、総裁の側から政府に何か御注文はございますかというようなことをお聞きするという、そういう御用意はあるでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 日本銀行の金融政策の決定は、金融政策決定会合で言わば合議体で議論して創造的な過程の結果として一つの結論を出している、そこには政府の代表が二名出席をいただいているわけであります。一緒に御意見を出していただいていい結論を出していくと、そういうプロセスがきちんと用意されておりますので、それ以外の舞台で政策委員会の決定事項の内容にかかわる具体的なことをあれこれ相談するということは合議体の精神に反すると、こういうふうに思っております。
○平野達男君 私は、冒頭の総理の答弁に戻りますけども、確かにいわゆるゼロ金利解除をめぐっていろんな評価があります。政府の反対を押し切って日銀が間違った判断をしたとか等いろいろ言われています。確かにそうだったかもしれません。しかし、同時に、こういう政策には私は、政府、日銀一体と言っているんですから、コミットメントがやっぱり必要なんだろうと思うんです。だから、あのときにゼロ金利解除したのは確かに判断が間違っていたかもしれない、しかし場合によったら日銀の判断は正しかったかもしれないけれども、政府が反対だ、反対だ、反対だと言ったためのそのずれがおかしな結果になったかもしれない。ここはよく考える必要があると思うんです。
 それからもう一つは、私は日銀の政策審議委員、会ったことはございませんが、最近のいろんな総裁のお話聞いていますと、やっぱり相当の議論されているんじゃないかと。あるいは、この政策委員会の金融政策決定会合を見ますと、しっかりとした議論されているんじゃないかなと思っています。日本で最高のと言ったらあれですが、本当にいい人を集めて議論しているところです。その議論はその方々が知恵に知恵に絞って出す結論ですよ。それに対して、某政調会長、顔と姿見て私は陰では半分尊敬を込めてミスター台形と言っていますけれども、まあどうでもいいです、そこは。何でしたっけ、今何を言おうとしていましたっけ、私は。
 総理は言った言葉は重いからという暗にプレッシャーを掛けるとか、こんなことはやめさせたらいいですよ。本当にあるならば直接行けばいい。それが私は、総理は、総理だったら、私だったらこういうふうに言ってもらいたいと思います。日本最高のスタッフが集まっています、いろんなことを言われています、閣僚が場合によったら自由かもしれません、いろんなことを言っていますけれども、最高の、どうすればいいか、ぎりぎりの状況の中で最もベストな判断をしてくれるんではないかということを期待していますと言えばいいと思うんです。それを、いや、デフレはまだですから、脱却がまだですからねと言ったら、これはやっぱり、私は、総理らしくないというか総理らしいと言ったらいいか分かりませんが、そういうことでありますので、何かコメントがございますれば、この件に関してはこれでおいて次のテーマに移りたいと思いますので、どうぞ、あれば。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 率直に申し上げて、私はまだデフレ脱却したとは言えない状況にあると思っているんです。それを率直に述べたんです。あとは賢明な福井日銀総裁ですから、最高の専門家そろった会議、いいメンバーですから、賢明な判断をしていただけると思っております。
○平野達男君 総理とはもう何回も何回もこういう形でやり取りさせていただきましたけれども、初めて私の言うことを認めていただきまして、ありがとうございました。
 それでは、総裁、大変お忙しいところ、ありがとうございました。
 委員長、よければ、もう私は結構でございますので。
○委員長(小野清子君) ありがとうございました。
○平野達男君 それでは、三位一体改革の話に移ってまいりたいと思いますが、その前に総理にもう一度確認したいことがございます。
 実は、量的緩和の解除が議論されるほど日本の景気というのはひところに比べればやっぱり良くなったんだろうと私も思います。ただし、格差は私自身は相当あると思っています。平均値でいけばおしなべて良くなったということは、これは私も認めます。
 そこで、総理にお伺いしたいんですけれども、いわゆる本当に、先ほど与謝野大臣が言われた、デフレスパイラルというようなところから脱したということが実現された背景には何があったと思われますか。要するに、何が一番大きな要因だったと思われますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) デフレ脱却の兆しが見えてきた最大の要因という御指摘だと、御質問だと思うんですけれども、これは、私としては小泉内閣の改革路線が進んできたからだと言いたいんですけれども、野党の民主党の平野さんの立場だとそうは言わないでしょうね。
 しかし、当初から改革なくして成長なし、私が就任した当初から、いや、成長なくして改革なしだ、改革なくして成長なしだという議論が盛んに行われました。不良債権処理を今進めれば失業者が増え、企業の倒産件数は増え、ますますデフレスパイラルに陥ると。しかし、結果を見れば、改革の一つの例でありますが、当時も、こういう不況の段階で金融機関の不良債権処理を進めたらますます不況に入っていくというのは、現実が違ったと。やっぱり不良債権処理を進めてよかったなと出ているんじゃないでしょうか。一つはそういう例もある。
 さらに、不良債権処理を進めていけば失業者はこの五・五%からもっと拡大すると言ったのが、今四・五%、落ち込んでいます。ちゃんと失業者が減ってきている。企業の倒産件数も連続して減ってきております。
 そういう中で、確かに、地域にばらつきがあるという平野議員の御指摘だと思いますが、有効求人倍率、平均としては確かにちょうど一に回復してまいりました。企業が求人を、人を求める、これがむしろ足りない地域も出ているんですが、ある地域では、採用したくても人が足りないという地域があるにもかかわらず、北海道とか沖縄等の地域においてはこれは逆だと。いまだに就職したくても企業が採用に応じてくれないという部分もあります。あるいは、東京だけでなくて、愛知とか群馬では、むしろ人来てもらいたいんだけれども人手が足りないと。地方でもそういう面もありますから、これはばらつきがあるなということでありますが、ほんの一例ですが、改革路線がだんだん定着してきたのではないかなと思っております。
○平野達男君 それに関連してもう一問、もう一問お伺いしますけれども、総理の在任中、新発債というのは大体三十兆を超える新規国債をずっと発行し続けました。十八年度でわずかに三十兆を割るという国債なんですが、それでもかなりの高い水準です。そのせいもありまして、国債発行残高は随分増えました。これは何でこんなに増える結果になったんでしょうか。逆に言えば、何で新規国債の発行を抑えられなかったんでしょうか。端的に、マクロ的な観点からちょっとお答えいただければ。何でしたら財務大臣でも結構ですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これはやっぱり景気が停滞していて税収が見込みより上がってこなかった、一口に言えば。私が、税収が一年間五十兆円程度あるんだったらば国債発行は三十兆円以下にとどめるべきだということは就任当初から言っていたわけであります。そういう中で、公約でありますけれども、経済は生き物だから、税収が五十兆円上がってこない場合は大胆かつ柔軟に考えると言ったんです。民主党は法律を出して縛れと言ったんですよ。それを私は拒否したんです。なぜか。税収が五十兆円上がるかどうか分からないからです。
 そこで、税収が現実に四十兆円前半にとどまっちゃった。そこで、このときに新規国債発行三十兆円以下にこだわっていたならば、これは更に景気を落ち込ませるということであるから、それは柔軟に考えようということで、増税をせずに、国債をこういう時期には新規国債増やした方が経済全体のデフレスパイラルをなくすためには必要であろう、しかし歳出は増やさない、減らしていく方向にすると、公共事業も増やさない、減らしていく方向に、こういうことが大きな原因だったと思います。
○平野達男君 この国債の発行につきましては、私も、予算委員会でありましたか財政金融委員会でありましたか、どっかで、忘れましたけれども、いわゆるマクロ観点から見ればISバランスで説明するのが一番いいんじゃないだろうかということで言ったことがあるかと思います。つまり、本当に、税収という問題もありますけれども、本当にデフレという状況の中で需要が本当に落ち込んだ。落ち込んだ一方で、国民の貯蓄の行き場所がなくなる。そういう中で、だれかがお金を使わなくちゃならないという中で、政府がその受皿になったという面もやっぱりあるんだろうと思います。総理のおっしゃるように、そこで国債を無理やり発行を抑えてしまいますと、経済のパイが圧縮してしまいますから、それでおかしく、どんどんどんどん落ち込むということだと思うんです。
 先ほどの冒頭の話に戻りますが、なぜデフレスパイラル、そういう危機を脱することができたかというのは、私は総理の言うところの、正にここで自助論の話だろうと思っています。私は、本会議でサミュエル・スマイルズの「自助論」のことを持ち出しまして、あれは明治に大ベストセラーになったんですね。大ベストセラーになったというのは、これはやっぱり考えてみたら日本人にぴたっと合ったと、あの考え方が。つまり、私らの遺伝子の中に相当組み込まれているんじゃないかと、自助論、自助、自助という精神が。
 確かに不良債権処理、私は、小泉内閣に入りまして不良債権処理やりました。しかし、政策としてやったのはそれぐらいじゃないかなというふうにすら思っています。しかし、不良債権処理をやるときに大変な、もう艱難辛苦と言っていいようなぐらいの苦痛を企業は味わいました。リストラ、ひどいところでは自殺です。しかし、耐えに耐えてやっともってきた。だから、私は本当に、今本当にそういうことで、こういう状況に達して明るさが見えてきたということであれば、私は、総理には、自助論、自助、自助と言ってきたんですから、小泉内閣の成果を言う前に国民にやっぱり感謝をすべきじゃないかと。正に、そういった意味では総理に福が付いているんですよ。民主党の墓穴掘ったやつがまた掘って福なんて言ってるわけじゃないでしょう。本当の多分福付いてると思うんですよ。それは国民ですよ。
 それから、更にもう一つ言えば、もう一つ、その支えるためにやっぱり三十兆以上の国債をずっと発行し続けなくちゃならなかった。その結果、大量の国債発行残高を残しました。山を築いています。一つのデフレスパイラルというその山を越えたら、それを越えるためのコストが国債発行残高という山に残っちゃってるんです。今までのそのデフレスパイラルを脱するのは、総理がスローガンを言ってて、あるいは国民が一生懸命やって汗流して、涙流しながらやった結果ですよ。そこで脱したら、その中のコストとして残っている財政の山がある。これからこれをどうするかは、国民が云々じゃない、ここからが初めての本当の政治家の出番ですよ。
 だから、私は、小泉改革というのは、成果と、総決算なんか言ってもらいたくない。何とかここまで来ましたと。しかし、その中、結果として六百兆、国、地方合わせて八百兆とか普通国債だけで六百兆とか、そんな国債の山築いたわけです。さあ、これをどうしましょうか、国民どうしましょうかといったって、答えが出ません。歳出カットをする、増税をする、非常に難しい決断ですね。本当の改革はこれから始まるんだと思います。それが私のこの財政面における総括でありまして、何かコメントがあれば、一言で結構でございますから言っていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 改革に終わりはないということであります。改革を続行せよというのが我々の、政府の考え方であります。平野議員指摘されましたスマイルズの「自助論」、「西国立志編」、これはもう明治時代のベストセラーで、極めて具体的に、自ら多くの人が自らを助ける精神で努力してきた、これが国を興すんだと。これはもうどの国においても、どの時代においても、自ら助ける精神と自らを律する精神、これなくして発展はないという私は考え方であり、これは同感であります。
 政治として大事なことは、企業においても個人においても、自らを助ける精神、自らを律する精神を国民が持たなかったら発展しない、そういう環境をつくるのが政治で一番大事だということを痛切に感じております。
○平野達男君 まあいずれ、小泉内閣の負の遺産になるということを言うつもりはありません。いずれ、これからの財政再建は待ったなしだと私は思っています。どういう決断をするか、繰り返しになりますけれども、本当にしっかりとした判断、強いリーダーシップ、そういったことを、そういったものを持った方が宰相にならなくては、ならなければならないし、財務大臣あるいは関係閣僚もそういう方になっていただきたいと。それが何も自民党だけに要求しているわけではありません。民主党だってそういう方はいますから、そういうことをちょっと申し上げておきたいと思います。
 次のテーマに移らしていただきます。三位一体改革でございます。
 これは、私は予算委員会で今まで三回ぐらい取り上げさせていただきました。三年間の期間が過ぎまして、その結果を見ますと、結論からいいますと、やっぱり言っていることと結果がちょっとかなり違うんじゃないかという印象を強く持っています。総理は、三位一体改革、地方の裁量を増すとか、地方の創意工夫を生かす、地方にできることは地方にやらせるんだと、そういうことを繰り返し言ってこられましたけれども、今回の三年間過ぎまして、十八年度予算編成が今、十八年度予算案が今審議されていますが、この全体像を見てどのような感想、評価をされるでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、よくできたなと思っております。
 まず、補助金改革、これ一つ取ると、これは難しい、税源の問題、これも難しい、地方交付税、難しい、みんな難しいといってなかなかできなかったから一緒にやろうと。補助金改革も四兆円以上、税源移譲も三兆円、地方交付税、これ五兆円かな、改革、五兆円、これまでこういう改革はやろうと思ってもできなかったものを全部難しいから一緒にやろうと、ともかくできた。しかも、地方において賛否両論、与党によっても賛否両論、野党の民主党でも賛否両論、そういう中で地方がまとめてきたんですよ。地方の努力も大変だったと思いますよ。四十七都道府県の知事会、全国市長会、町村長会、全部まとめて賛否両論の中をまとめてきたんですから。それぞれ、全部言うとおりにできませんよ。中央の役所の考え方、地方の知事、県の考え方、市長の、市の考え方、町村の考え方、違うんですから。それをともかく、賛否ある中をまとめてきて、そして政府と地方が協議した。この協議だってなかったんですから、今まで。それを進めて、ようやくこの補助金、税源、交付税、形を成して、数字を示して具体的に進んだんですから。
 これからもこの成果を踏まえて改革を進めていくべき課題だと思っておりますし、そりゃ不満をする知事もありますよ。しかしながら、その要求をしてきた代表者は評価をしていただいているということも御理解いただきたいと思います。
○平野達男君 三位一体改革は、今お話しのとおり三つあります。補助金改革、税源移譲、そして地方交付税改革、三つであります。
 その一番目の補助金改革なんですが、確かに四兆円補助金を削減をいたしまして、七千億を交付金化ということをやったようです。しかし、その内訳見ますと、もう御承知のように、午前中の我が輿石幹事長の質問にありましたけれども、中には補助率を下げたのがあるんですね。義務教育国庫負担費、二分の一から三分の一、児童扶養手当、四分の三から三分の一、児童手当、三分の二から三分の一、そのほかに国民健康保険も実質これ補助率の引下げなんです、私に言わせれば。これらを全部合わせますと、これは四兆のうち三兆が税源移譲可能額だったんですが、その税源移譲可能額のうちの一・八兆は補助率の引下げなんです。
 それで、補助率の引下げというのは、今回の三位一体改革は基本指針に基づいてやってきたはずですが、今回の補助金の改革の中で補助率の引上げというのはどこかに書いてありますか。竹中大臣、どうですか。簡単で結構です。
○国務大臣(竹中平蔵君) 骨太の方針、二〇〇三年の骨太方針からこれ始まったわけでございますけれども、累次の骨太方針での議論等々を踏まえて今回の改革が実現しています。平野委員の御質問は、そういうことは、補助率の引下げそのものは文言としてその骨太方針の中に出てくるのかという御質問だと思いますけれども、二〇〇五年の一番新しいこの骨太方針の中には、累次のその基本方針ですね、骨太の方針、それと政府・与党合意、それと国と地方の協議の場等々、そうしたものの意見を踏まえながらというような趣旨のことが書かれていたと思います。この政府・与党合意等々の中でいろんな議論がなされておりますので、その意味では骨太方針にのっとって、我々としては各省と一生懸命議論をしたというのが経緯でございます。
○平野達男君 まあ直接的な表現はないということでありまして、今のお話の中でも間接的な表現はなかったというふうに私は理解しています。
 そこで文科大臣にお伺いしますが、補助率を、補助金改革と言っていますから、二分の一から三分の一に下げたというのは、これは多分半恒久的措置として、半というか恒久的措置として私はやったんだろうと思うんですが、この政策的な意味合いは何なのかということを教えていただけますか。
 例えば、今日の答弁の中では地方の裁量性を増すというような御答弁もありました。その地方の裁量を増すというのはどういうことなのか。具体的にどういう形で地方の裁量が増すのか、御自身の言葉で答えていただきたいと思います。
○国務大臣(小坂憲次君) 負担金の改革の中で義務教育費国庫負担金の補助率を引き下げたのは政策的にどんな意味があるのかと、こういうお問い合わせでございますが、今回の問題振り返りますと昨年、前年度ですね、中学校分の八千五百億円の税源移譲を求めた地方案がありまして、それが頭にあって、そしてもう一つは義務教育制度についての根幹を維持して国の責任を引き続き堅持せよと、こういった方針の下での費用負担についての地方案を生かす方策を中教審において検討する、このようにされた十六年十一月の政府・与党合意というものがございました。その中でまたさらに負担率、二分の一の国庫負担率は堅持すべきだという中教審の答申もいただきました。これらの政策的な意味合いというものを頭の中で考えまして、そして関係者間の御意見、それぞれ真摯に聞いて回ったわけでございます。
 その中で、果たしてそれでは地方にどのような自由度を増すことができるか、その中で、この義務教育費の給与費の全額を国及び地方の負担でこれを保障するんだというこの政策的な意味合いを私としてこれは堅持したいと思っておりました。そのことから、最終的に二分の一から三分の一という数字をいじっただけじゃないかと、こう思われがちでございますけれども、その意味合いは、その中で、地方に対して今回、三分の一国が持って残りの三分の二は地方に渡した、しかし、その地方である都道府県に対しては、市町村及び学校現場というものの意見も十分に聞きながら今後そういったものを政策の中で尊重していきなさいと。
 そういった方向付けと、それから、市町村、教育現場に対しては、この義務教育費のその給与費の部分では自由裁量はなかなかないというふうになりますけれども、しかし、この一つの流れの中で、地方が創意工夫を生かして、そしてその教育現場において裁量権を増していく方向性をしっかりと踏まえてこれから取り組んでほしいというメッセージを送りながら、そういった意味の中に一つの政策的な意味合いを感じ取っていただく、私はそのように考えて最終的に三分の一にするということを関係の皆さんに御説明をし、その中で、今申し上げたように、地方の皆さんには、今後とも責任の範囲とそれから裁量の範囲はやはり現場として責任を持っていただく方向にしていきますので、そこをしっかり受け止めてやっていただきたい、このようなメッセージを送ったつもりでございます。
○平野達男君 今のお話を聞いていますと、この義務教育国庫負担というのは一種の定額補助金制になっていますね。それで、裁量増とか権限とか言っていますが、それは要するに義務教育の国庫負担金とは一切関係なくて、その枠組み自体はもうがっちり文科省が持っているわけですから、裁量制とか何かもう利かない仕組みになっているわけでしょう。
 で、私は、今文科大臣のお気持ちはよく分かります。本意じゃないから、補助率下げたのは。ただ、補助金改革として二分の一から三分の一に下げた以上はやはりきちっとやっぱり説明をしなくちゃならない。ただ、冒頭の総理の御答弁にもありましたけれども、どうやらこれはまあ妥協の産物だということなんだろうと思います。しかし、妥協の産物に義務教育負担金の補助率なんかいじられたら、これは本当かなわないですよ。賛成、反対の問題じゃないんです、これは。この点を、これちょっと強く指摘しておきたいと思います。
 ちなみに、財務大臣、こういうふうな形で補助率引き下げて、どんどん引き下げましたね。これから各省が例えば予算がきつくなってくるから、二分の一の補助率を三分の一にしたり四分の一なりして持ってきたらどうしますか。こんな補助金がどんどんどんどんできたら、地方は地方でこれから地方交付税の額が少なくなっていくし、地方税収は多少伸びるかもしれませんが、財政がきつくなるんです。どんな状況があっても、補助金は補助率低いが、低くても地方はどうしてもやっぱり国に手出します。そうすると、非常に低い補助率でいろんなそのコントロールをするという、そういうことができるんです、実は。そういう先例を実はこの三位一体の補助率の改革の中でやったとも言えちゃうんですよ。
 これは、今回税源移譲の財源を生み出すためにやったしようがない措置だということなんでしょう。しかし、補助率改革、補助金改革でやったんですからね、今回は。そういうマイナスのイメージ、面があるということをよくこれは認識しておいていただきたいと思います。
 それでは、二番目の税源移譲。税源移譲ですが、これは、これも基本方針にはこう書いてあるんですよ。廃止する国庫補助金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについて税源移譲する。いいですか。廃止する国庫補助金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについて税源移譲する、義務的な事業については徹底的な効率化を図った上で所要の全額を移譲すると書いているんですよ。これも、今回の措置も基本指針とは全く反していますね。
 竹中大臣、そこはそのとおりですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げましたように、基本指針に反している、どうかということに関しましては、累次の基本指針、毎年毎年の骨太方針と、それと政府・与党の合意、協議、そういうことを通じてそれを総合的にそれに基づいて協議をするということでありますから、その政府・与党の協議の場でいろんな御意見が出されてそういうふうな決着になったわけでございますので、それをもって骨太に違反しているということでは私はないと思います。
 それで、現実の問題として、これやはり地方への税源移譲というのは、これは大変なことでありました。私は当時、経済財政政策担当大臣としてこの問題を始めましたけれども、これに着手した三年前は本当に税源移譲できるのかどうか、本当分からなかった。そういう状況から出発して、三兆円というまとまった税源移譲ができた。その過程で、いろんな御相談といいますから調整はしなけりゃいけなかったことは事実でございますが、私はそういう、本格的な三兆円という税源移譲が行われたということに関しては、だからこそ私は、地方六団体が画期的なことであって重要な一歩であるというような御評価をしておられるのだというふうに思っております。
○平野達男君 私、税源移譲をやったということを否定しているわけではありません。これは確かに大きなことだと思います。問題は、その中身なんです。ちょっと、そのやり方なんです。
 そこで、以下、この中身について入っていきますけれども、先ほど言いましたように、三兆円補助金して税源移譲しますと。しかし、この中身の三兆円のうちの一・八兆は、これは補助率を引き下げてやったんです。だからこれは、私は、これを財源にして税源移譲したとしても地方は何の裁量もない。ただ国のお金が地方に行っただけです。ただし、これは税源移譲ですから、それ自体としては評価するといえばそうかもしれません。しかし、裁量性云々からいえば何もないんです。
 しかも、結論を言いますと、税源移譲三兆は所得税を、これが住民税に移管してやります。これは私二年前も指摘させていただきましたけれども、法定五税というのは所得税の三二%が入っています。三兆の税源をやりますと、一兆地方交付税減るんです。そうすると、税源移譲三兆と言ったとしても、実質は二兆しかないんです。しかも二兆が、先ほど言いましたように、二兆のうち一・八兆は全く裁量利かないんですよ。だから地方はこれを、これやってもらって何の得があるんでしょうかと。それは、見掛け上税源移譲がやられて、いや、税源移譲やって税収が増えまして、良かったと思うかもしれない。しかし、何ら裁量性ないですよ。こんなのは三位一体の当初の中で想定していましたか、こんなことは。こういう問題があるわけですよ。
 麻生大臣、懐かしく思いませんか、この議論は。何か一言あればコメントいただきたいと思いますが。
○国務大臣(麻生太郎君) 竹中さんの席に座っていなくて良かったなと思いながら、いや、聞いていましたけれども。
 平野先生、これはもう二年前、三年前ずっと論議をさせていただいたところではありますけれども、やっぱり国税を地方に三兆移すというのは、もうお認めいただきましたように、これはもうちょっと正直、まあ始まって以来ですな、これは。したがって、その中身に関してもっとと言えば、言いたいことは一杯ありますけれども、まあよくここまで来たなという思いも正直ないわけではありません。地方の希望をかなりの部分入れたところと入れ切らなかったところと、思い返すといろいろ力不足だったところも一杯あるなと思って、今その表を見ながら大変懐かしく、ちょっと余り楽しい思い出じゃありませんでしたので。
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野委員が同様の趣旨も踏まえた御質問を昨年のこの予算委員会で当時の麻生総務大臣にされたのを私もよく記憶をしております。問題意識は私なりに理解しているつもりでありますが、ちょっと数字のこともありますので。
 平野委員は、今二兆円、実質二兆円の税源移譲だと、それで国保のことも含めると補助率カットが一・八兆円あると、で、そのすき間がほとんどないというような趣旨の御発言をされたわけですけれども、ちょっとこれは数字のことでありますのでこれはちょっと少し正確に申し上げる方がいいと思いますが、補助率カット、補助率のカットによるものというのは確かにあるわけですけれども、委員御指摘のようにあるわけですけれども、私たちは、委員がおっしゃるように一・八兆円ではなくて、一・三兆円程度だというふうに見ております。これは、要するに国保に関する財政調整権限を都道府県に移譲するものとしての都道府県調整交付金、これ五千億円をどちらに入れるかという問題だと思うんですが、そこはやはり私たちは、そこは、これは単純な補助率引下げじゃないというふうに思っております。
 それともう一つは、三兆円税源移譲したけれども、要するに交付税の分がその分減るから、これもまあちょっとテレビをごらんの方なかなか分かりにくいかもしれませんけれども、国税で払っている五税のうちの約三分の一はそもそも地方の固有の財源であるから、それも減ってしまうではないかと。これは、技術的にはそのとおりでございます。しかし、だからこそ、いや、これは技術的にといいますか、それは法律で決まっていることでありまして、これは決まりです。そのとおりです。しかし、それはだからこそ交付税についてしっかりと、交付税の面でしっかりと手当てするということをやっているわけですから、これはやはり、税源移譲が実質二兆円ということではなくて、税源移譲はちゃんと三兆円行われているんです。その上で、その上で必要な措置に、交付税上の必要な措置についてはこれは交付税としてしっかりと対応しているわけでございますので、二兆から一・八兆引いてすき間がないというような議論は、私は少しやはり誤解があるのではないかと思います。
○平野達男君 まあ国民健康保険については確かに議論がありますけれども、私の言いたいのは、枠組みが政府を握っているという意味において裁量性がないと。それは、そういうものを税源移譲したとしても、本来の趣旨に反するという意味では一・八兆だと思っています。
 それから、三兆を税源移譲した、実質二兆という趣旨は、今の地方財政計画の中で特例加算金とか何かが認められているうちはいいですよ。法定五税の部分しかなくなったら、もろに効いてくるんです、これは実は。これはこれから、これからどういう議論になるか分かりませんが、仮に法定五税分だけの地方交付税にしましょうという、多分これは政府は必ずこれを出してくると思います、中央の財政、こっち、政府の財政は非常に今きついですから。こうなりますと、これは非常に影響が大きいんです。だから、今の段階でこれを、確かに地方財政計画があって足らず前を補てんしていますよという議論は分からないわけではないんですが、中長期的に見たら非常に大きいし、それを、三位一体改革というのは中長期的な影響まで全部入りますから、私はそれを含めて言えば三兆という税源移譲じゃない、実質二兆だと。しかも、二兆の税源移譲は、繰り返しになりますけれども、かなり裁量性のない数字だけの税源移譲になっているということはもう一回だけこれを主張しておきたいと思います。
 そして、次の、以上が税源移譲なんですが、三番目の地方交付税改革であります。この地方交付税改革につきましては、竹中大臣、今回どのような改革をされたんでしょうか。かいつまんでお話をしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 改めてでございますけれども、三位一体の改革というのはなぜそもそもこういうことをやるかというと、今、国全体で見ると、地方が使うのが約六割、国が使うのは四割、六対四になっているわけですけれども、税金の納め方はこの逆になっているわけでございます。国民の皆さんは税金を払ってくださる。六割が国税として払っている。その差が出るもの、それを補う一つの方法として、結果的にですけれども、補助金が出されて、補助金が国から地方に行くと。それを税で、これを地方税にしようというのが税源移譲でございますが、そうであればあるほど、今度は地方税がちゃんと各市町村においてちゃんと徴収できるかと。つまり、課税客体が、課税の対象となるものが地方として偏在しておりますから、それを調整するための実は交付税というのが大変重要になる。だから、補助金の削減、改革と税源移譲とそして交付税の改革を正に一体に、三位一体でやるというのがその趣旨なわけでございます。
 それに当たって、交付税改革の主たる中身は何だったのかと。これまでの成果について申し上げますと、やはりこれは三位一体改革の中で国、地方を通して全体をやはり財政をスリム化していかなければいけないというのがございますから、これは結果的に交付税が約五兆円削減されたわけでございますので、これは国もスリム化、地方もスリム化という意味でこの交付税の削減というのがやはり一つの、スリム化というのが一つの成果であったと思います。
 一方で、もう一つは、これは実は麻生大臣、総務大臣のときから始められたものでございますけれども、この交付税というのが、委員も言われたように、そもそも足らず前を補うものであるということで、足らず前が付けられることによってむしろ結果的にそういうものが、国から地方にお金が流れるから地方の行革のインセンティブが損なわれているのではないかという批判があったわけです。そこで、平成十七年から、いわゆる行政改革、地方の行革をやったところにはむしろきちっと交付税が行くような交付税の試算の、計算のやり方を、地方の行革を反映させる、前向きに反映させる形で交付税の算定の方法を変えた。同時に、簡素化、これ制度が複雑でありますから簡素化も行った。平成十八年度においては、このインセンティブのシステムを更に一歩強化するような仕組みが取られております。
 そういうことが基本的に大きな方向だと思いますが、もう一つ付け加えるとすれば、税源移譲によります増収分を当分の間、基本財政収入額に一〇〇%算入するということで、財政力格差が生じないようにその調整メカニズムを確保するということも工夫として入れております。
○平野達男君 最後の留保率の問題は、本当、財政力の弱い地方にとっては大変有り難い措置だと思います。
 そこで、今回の地方交付税改革、何が行われたか。私流にちょっと、いろいろこれから生徒に教えるように分かりやすく、ちょっといろいろ講義をしてみたいと思います。(資料提示)
 地方財政計画と地方財政対策の概念図がございまして、これは毎年、財務省と総務省が地方財政計画というのを作ります。そこでまず標準的歳出というのを、社会保障、公共事業、教育、警察、消防、公債費等をまず作ります。大体これが今、八十三兆ぐらいでしょうか。その一方で、標準的歳入というのは、これは国と同じなんですけども、地方税のは全体でどれだけ来るか。国庫補助金は、これは大体予算編成が行われますと国庫補助金の額が出てまいります。地方債は、これは規定で何%発行できるというやつもあれば、任意で発券のできるものもあります。で、その他がありまして、先ほど来、足らず前足らず前と言われているのがこの交付必要額、交付必要額ということになります。この交付必要額が、先ほど出ているように二つの要素から成り立つということは御承知のとおりだと思います。その一つは法定五税分ですね、これは決まっています。それからあと財源補てんということで、これが地方財政対策の中でいろんなことをやるという、まあ私に言わせればブラックボックスの部分です。
 そこで、この交付必要額というところが過去八か年でどうなったかというのを整理したのがこの表です。(資料提示)この縦の図が先ほど言った足らず前の部分を表した部分です。平成十二年までは、先ほど言いましたように国税五税分がまずこうずっとこうあるわけですが、そのほかの部分は平成十二年までは実は特会借入れということで借金していたんです。これがずっとやってきたために、今、交付税特会に借金が五十三兆になっちゃった。これは大変だということで、平成十三年から徐々にこう削減するんです。削減して、その分赤の一般加算、特例加算というのが出てくるんです。そうですね、財務大臣。
 そして平成十五年になりますと、この特会借金をやめます。やめた分、一般会計特例加算五・五兆になっちゃったんです。これは当時の国の財政にしたら頭が痛かったでしょうね。これは目の上のたんこぶになったはずです。
 そこで、三位一体改革何やったか。これをずっと減らしていくんです、三位一体改革の期間の中では。これは例えば地方税収入が上がったとか国税の五税分がちょっと上がったということがありまして、地方財政計画の結果こうなったという説明はできるかもしれませんが、私はここに明確な意図を感じます。
 つまり、地方財政の元の、元々は特会の借入金をやっていたけども、これでもたなくなった。だから暫定的に一般会計特例加算を入れたんです。ところが今、国はもう財政が火の車ですから、どっか削らにゃいかぬ。そして日本の、日本の一般会計の支出の三分の二は国債と社会保障費と実はこの交付税なんです。交付税というのは一般会計のこれ特例加算も入ります。
 それで、国債費というのは御承知のようにこれから上がります、国債残高増えていますから。ましてや今回量的緩和解除もやって金利が上がったらもっと大変ですよ。社会保障費は過去八年間で、たしか私の記憶だったら四・五兆増えています。どこにしわ寄せ持っていくんですかといったら、全部地方交付税しか、というか、相当地方交付税に持っていくしかなかったんだろうと思うんです。
 もちろん、人件費の抑制でありますとか公共事業の抑制もやりました。今回の私の、三位一体改革というのは、地方の裁量性を増すとかいろいろ言われていますよ。だけど私は、これは財政主導で本当にこういう一般会計加算、特例加算を、これを減らすことに主眼があったんじゃないかと。
 つまり、これはスリム化スリム化といいながら、地方交付税の幅を、額を圧縮する中で一般歳出を減らしたというのが、これはもう私の、証拠はありません。総務省と財務省のやり取りをやったメールもありません。何にもありませんが、これは私のこれは推論であります。しかし、かなり濃厚にその気配します。
 事実、谷垣財務大臣は、経済財政諮問会議で、平成十五年のこの、失礼しました、平成十六年のここに三・九兆という赤印ありますね、これの一般加算と実は特例加算、これ折半ルールといいまして、七・八兆あったんです。七・八兆をゼロにしたいと言ったんです。しかし、それはそれ以上は表に出てきませんでした。どうもその当時の議事録見ますと、麻生大臣は反対しているんですね。その前に私が予算委員会で減らすな減らすなとここで、予算委員会でがみがみ言いましたから、その影響もあったかもしれません。しかし、結果的に三年間ではきちっとこれをやっている。
 そして、片方で、地方の裁量性は増しますよ、地方に任せること、地方に任せることは地方に任せましょうといいながら、繰り返しますけれども、補助金の削減四兆円、うち税源移譲に結び付く補助金削減三兆円、税源移譲に伴う法定地方交付税の減が一兆円です。地方交付税総額への一般加算分の削減が三年間で約五兆なくなったんです。結果的に、私に言わせれば、国の歳出サイドから見ますと、三位一体改革では九兆円の補助金削減したんです。そして、地方への実質の税源移譲は私に言わせれば二兆。しかも、その二兆のうちの一・八兆は首が回らないような動きの取れないやつです。これが三位一体改革と言えるんでしょうかと。
 私は、国の削減総額が悪いとは言いません、削減することは。本当に国の財政きついですから。しかし、繰り返しになりますけれども、小泉総理が言ってきた地方の裁量任す、地方にできることは地方にやらせるという、そういうスローガンとは全く別の姿が私は今回三位一体改革の中で出てきたんじゃないかというふうに思います。
 私は、これは谷垣財務大臣にも麻生外務大臣にも言いましたけれども、地方は当初三位一体改革をやってくださいという要請書をたくさん持ってきました。これは、いや、よく見た方がいいですよということで私はその都度説明しましたけれども、こんなことを見たら本当にこれは地方はごしゃけますよ。
 ごしゃくってお分かりになりますか、ごしゃくって。一尺は三十センチ掛ける五イコール百五十センチとは全く関係ないですよ。これは、これはごしゃくというのは怒るという意味ですよ。本当に怒りますよ、これ、地方は。こんなもので、こんなものなんか想像もしていなかったですよ。だったら最初から、地方の財政がきついからかくかくしかじかの理由で地方交付税交付金を圧縮しなくちゃなりませんということを言えばいいじゃないですか。改革という名の下に、改革改革といって地方に対してはさもいいことがあるようなことを言って、結局は私は一般歳出の削減だけを優先させた。
 繰り返しますけれども、これは本当にごしゃけますよ、これ、こんなことだったら。私は、本当に説明不足ですよ。総理も多分こんな姿は予想されてなかったと思う。だれがやったのかは分かりません。谷垣財務大臣は私は心情分かりますから余り言うつもりはありません、財布を担当しているんですから。ただ、本当に内閣として本当に説明不足。そして地方は、今地方はもう地方交付税三年間で一一%、一割以上削減されて本当に困っちゃっている。三位一体改革の正体分かってきましたよ、やっと。これが、繰り返しになりますけれども、総理の言った、あるいは内閣の言った三位一体改革の私は正体だと思います。
 反論あると思いますから、どうぞしゃべってください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員は平成十六年から十八年度までの三年間、補助金改革の、補助金等のスリム化、それから税源移譲、それから地方交付税、いろいろな、これはもう大変今まで平野議員勉強されまして、私も随分平野委員の御質問は勉強させていただいたわけでございますけれども、今までのいろんな計数を拾いながら御議論をされまして、私なりに整理をして申し上げたいと思うんですが、まず三位一体の改革の趣旨について、確かに地方の権限と責任を拡大するというのが大きな目的の一つであったことは間違いございませんけれども、それと同時に、国、地方の行財政の徹底的なスリム化を図るということも目標の一つでございまして、これは政府の文書に全部書いてあると思います。
 で、委員が先ほど引かれましたけれども、地方交付税特会も五十兆を超える借金を負っていると。政府と国で折半するとはいえ、これは国にとっても大変でございましたけれども、地方財政にとっても非常な重荷でございましたから、確かにさっき三・九兆をお引きになった二倍の七・八兆を圧縮せよと申し上げましたときは、経済財政諮問会議でも麻生当時の総務大臣が目を三角にして怒られました。怒られましたけれども、やっぱり確かにさっきおっしゃいましたように、税収の増や何かで今日まで必要な地方交付税総額は確保しながらここまでたどり着けたのは、やはり景気回復等々ありました、地方の御努力もあったと思いますが、全体としてはこの厳しい財政の中で良い歩みであったのではないかと私は思っております。
 それから、確かに御指摘のように、過去三年間、交付税の特例加算、これは四・八兆ですね、縮減された。それから、その財源不足相当程度九・七兆円削減してきたわけですけれども、先ほど申したことの繰り返しでございますが、必要な一般財源総額については、各年度の地財対策で必要な所要額を確保してきたわけでございます。
 それから、それは結局地方の権限や何かの拡大には全然つながらなかったという感じのことをおっしゃっておりますが、それは今まで政府の側からも随分反論をさせていただきましたけれども、単に数字の額だけではなく、地方のいろいろな裁量を拡大する手だても同時に講じてきたと私は思っているわけでございます。
○平野達男君 その程度の反論でいいですか。総理、何かございますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な考え方はもう財務大臣お答えになったとおりだと思います。
 ただ二点、平野委員が言われた中で、交付税を削ることが三位一体改革の主眼だったのではないかということに関しては、これは決してやはりそうではないわけですね。国も地方もスリム化しなければいけません。
 しかし、一例として、今回施設費について、これが補助金削減、税源移譲の対象になったわけです。これに関しては、やはり地方は大変評価しておられるわけですよね。施設費について非常に総合的に地域の創意工夫でいろんな正に自由度が高まった。そういう、これは施設費についても、これは三年前とてもできるとは思わなかったわけですけども、それについても、これも総理のリーダーシップでこれができるようになったわけでありますので、地方の自由度が高まったという点は、これは間違いなく方向としては出ています。
 一方で、歳出のスリム化について、削減について、地方が非常に多くの削減の努力をされて、それによって交付税が、結果的に交付税を減らすことができたというのは、これは事実の問題としては確かだと思います。これはしかし、引き続き国も地方もスリム化をして次の世代に負担を残さないようにするということは、これはやはりある種一致した方向でありますので、この点については大変国も地方も苦しい中で御理解をいただかなければいけないんだと思います。
 もう一点、平野委員が言われた説明不足ではないかという点ですね。この点については、こういう方向で、つまり先ほど言った法定率を上回るような交付税、つまり不足分について、財源不足分については解消していくのだということは、これは早い時期から方向としてはずっと議論されていたことでありますから、これについては、これは地方も方向としては御理解をしておられたと思います。
 ただ、平成十六年度に交付税と臨財債の合計で三兆円の削減がなされた際、このとき地方から大変この急激な削減は国と地方の信頼関係を損なうという御批判が出ました。で、交付税総額等に係る情報不足があるというような批判がなされた。当時の麻生総務大臣、大変御苦労されたわけですけれども、こうしたことを踏まえまして、我々も平成十七年度、十八年度におきましては地方団体の安定的な財政運営に必要な交付税などの一般財源総額を確保するということを、これは政府・与党合意でも決めている。今回の予算も実はそのとおりになっているわけでございます。
 また、国と地方の協議の場等々、さらには総務大臣と六団体との協議の場も、これ平成十七年に発足させまして、そのような意思疎通が更に深まるような努力も我々としてはしているつもりでございます。
○平野達男君 今の谷垣財務大臣と竹中大臣の答弁の中には、今までに説明したことのない、この国会で答弁されたことのない答弁が一杯あったと、何点かあったと思います。
 私は、それを率直にやっぱり言うべきだったと私は思っています。これは議事録を精査していただければ分かります。今のような話は、国会では私は少なくとも私の質問の中では出ていないし、参議院の予算委員会の中では私は出ていなかったと思います。
 時間がないんで、分かりました、どうぞ短くお願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど、三位一体改革の目的には国、地方を通じての財政のこの改善が含まれるということと、それから地方交付税改革ではできるだけ、要するに補てん措置というものが、補てん、保障機能というものが地方財政計画をゆがめていると、それをできるだけ圧縮していくというのが地方の独立性や財政の健全化のためにも必要なことだということは、私は何度も申し上げて、政府の文書の中にもそのことは何度も書いてある、このように理解しております。
○平野達男君 まあ、それをめぐっては、最後まで私は総務大臣と財務大臣の中に見解の相違があったし、地方はどちらに向けて判断すればいいかというのは分からなかったと思うんです。私が言いたいことは、そういう見解が分かれていたやつが結局財務省というか、結果的に見れば財務大臣の言うとおりになったんです、私に言わせれば。だから、そこは政府の方針というと、当初の言ったこととやっぱり結果的に見ればやっぱり私は違ったということを最後にもう一度言わせていただきたいと思います。
 それで、総理にちょっとこれから以下はお伺いしますけれども、これからは人口減少社会に入っていきます。人口減少社会に入っていきますと、これは全国どこでも一律に人口が減っていくわけではありません。東京と地方、地方の中でもいろんなまだら模様ができます。先ほどの有効求人倍率見ましても、岩手県全体としては今〇・たしか六か七です。しかし、市部で見ますと〇・三五というところがまだあるんです。いいところは、私のいるところは北上市なんですけれども、一・五です。もっといい、愛知県なんかもっと高いでしょう、全国平均が一・〇ですから。それぐらいまだら模様です。
 人口減少も同じです。今、地方に行きますと、田舎に行きますとどういうことが起こっているか。独居老人が多いですね。独居老人、本当多いんです。そういう方々が、あと多分十年ぐらい行きますと、これ大変な、つらいことなんですけれども、やっぱりだんだんだんだんそういうところから人がいなくなっていくんだろうと思うんです。そういうところは、すなわち地方自治体はこれからそういう人を支えていかなくちゃなりません。経済効率主義者は集落移転やればいいというふうに言います。それはできたらいいですよ、それは、集落移転。だけど、そこへ行って、独居老人、行ってですね、集落移転やってくださいなんて言えません、それは。行って、私はここ、先祖伝来ここに暮らしているから暮らしたいと言われたら、分かりましたと言うしかないんです。そうすると、道路の整備はしなくちゃならない、いろんな整備はしなくちゃならない。効率性なんかでは議論しない話が一杯出てきます。これはあと十年間ぐらいだと私は思います。この十年なりあるいは十五年、そんなにスパンは長くないと思います。それやると、大体人口の、要するに自然のその人口の流動が、流動化が起こってきますから。
 そういう中で、一方で地方税収入は東京都が今どんどん伸びています。東京都の十七年度と十八年度の税収は、東京都というのは大体四兆円ぐらいあるんですが、大体、税収の伸びですよ、三千五百億あるんです。この三千五百という数字は、岩手県、青森、秋田、三県の一年間の税収と同じなんですよ。大変な差です。そういう中で今みたいに、地方交付税は削減します、補助金は削減します。これは国の財政がきついからしようがない。しかし、これから少子高齢化になってきたときに、そういう不効率なところを抱えた、不効率と言ったら言葉は悪いです、訂正します。そういった要するに社会政策の中にしっかり取り組まなくちゃならない地域がたくさん出てくる中で、このことだけはしっかり見ていただきたいんです。
 総理、格差は、まあ所得という関係での格差というお話はされましたけれども、私は、こういうこれからのいろんな世の中が動いて見たとき、動きを見ていったときに、全国一律で見るんじゃなくて、かなりまだら模様になってくる。そのまだら模様の中で一番きついところ、大変なところというようなところはやっぱりきっちり見ていく必要があると思いますし、そこの視点が私は総理の今までいろんな発言の中でちょっと欠けているというよりも、かなり欠けていると思います。(発言する者あり)与党からも賛成いただきましたので。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、それは誤解なんですよ。私は、格差はあるということを認めているんですよ。しかし、言われているほど格差はあるとは言えないという報告を受けていると。どの国にも、どの地方にも、どの時代においても格差はあると。格差のない社会はないと、程度の問題だと。そして、どうしても個人においては、一人で立ち行かない人に対しては社会保障制度、最低限どこまで国の支援が必要かということは当然配慮しなきゃならない。と同時に、能力のある人をどんどんやっていかないと、全体が引き上がりませんよ。もうける人から税金を取らないと、税金負担ない人は、いろんな施策できませんから。だから、能力のある人からは、企業、もうけるところ出てこないと税収は上がってこない、こういうことを言っているんであって、格差のない社会なんというのはあり得ないと。
 そこで、地方交付税も格差をうずめるための措置ですよ。そうでしょう。それが、程度がひど過ぎると。本来だったら、地方交付税というのは、あるところからないところへ税収を配分すると、国の税収を地方に。ところが、ほとんど交付税をもらっているところが多いと。配分ではなくて、全部で三千近くある自治体がこれから千八百程度になるんですけれども、その三千あったときに交付税をもらってない団体というのは百四、五十。だから、三千ぐらいの地方団体は交付税もらっているんだから、これはやはりある程度配分だったら、もうちょっとあるところとないところを公平化した方がいいんじゃないかということを考えなきゃいかぬと。何でも国からもらえばいいというものじゃないということで考えている。
 現に、地方の今人口の問題言われましたけれども、あるいは有効求人倍率のこと言われたと思いますけれども、北海道では人口減少しているところ、具体的に言えば伊達市なんというのは増えているんですよ。地方の努力の成果ですよ。島根県は全体でも減っているけれども、ある地方自治体においては増えているところあるんですよ。ですから、これは全部国の責任だというのはどうかなと。国でやるべきことと、地方独自で特色を出して、創意工夫を発揮して、格差を是正していくなり特色を出していく努力は必要だと申し上げているんです。
○平野達男君 競争力があって競争のできる人はどんどん競争してもらったらいいです。で、そうやって力のある人が社会を引っ張る、大事です。しかし、同時にですね、競争したくてもできない人もいる、いわゆる弱者ですよね、本当にね。ましてや地方の高齢者というのは日本が高度経済成長してその名残の中で若者がどんどん出ていった、まあその結果でもあるんですよ。で、それがここ十年間の中では大変、私は非常にいろんな意味できつい面に直面するだろうと、そういうところにもこういう地方財政計画の中でやっぱり配慮することが必要ですねということを言っているだけですよ。だから、不交付団体がどうのこうのっていうのはそんなことは全然関係ないですよ、この今の議論の中では。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) あるんです。
○平野達男君 ないですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) あるんです。
○平野達男君 不交付団体というのは地方交付税の財政効率の問題を言っているのであって、財政効率の問題については私は認めます。認めますけれども、そういう視点が大事だということを言わしているわけで、また長々と答弁することは勘弁してくださいよ。どうぞ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地方もある程度自主性を発揮してもらわなきゃならない。無駄な部分を排除してもらわなきゃならない。大阪市一つ取っても、どんな手当、びっくりするような必要のない手当をやっていると。地方が無駄遣いしていないということじゃないんです。地方も削減しなきゃならない歳出があるんです。そういうことをよく勘案して、地方も努力してくださいよと、足らざるところには国としても地方交付税を配分しますよと。今までの地方交付税は基準財政需要額、非常に分かりにくい、複雑だと、そういう点をもっと分かりやすく一定の基準に簡素化する必要があるんじゃないかということで、地方交付税の改革も進めているわけであります。
 私は、地方切捨てとか地方の立ち入っていけないところを何もしなくていいなんていうのは一言も言っていません。一定の個人に対しても社会保障は必要だと、政府の施策は必要だということを全然省いちゃって、勝手に誤解しないでくださいよ。
○平野達男君 まあ総理の頑固さもここまで来ればもう立派なもんですよ。まあ私の言ったことをそうですねと、そういう面もありますねって言えば済む話なんですよ、これは。それをああでもないこうでもないとやってもう本当に無駄ですよ、これ時間の無駄。
 本当に総理、頑固ですね。頑固で頑固で、ずうっと頑固で通してきて、簡単にそれで、たまにいいこと言ったと思ったら認めたぐらいやったっていいじゃないですか、それぐらいで、それで。それが国会の論戦でありますしね。自分で言ったことで、さっき言ったことで何かちょっと劣勢に立たされると、相変わらずこうやってアクションでやってですよ。これは最初から全然変わってない。そのことだけちょっと、三割ぐらい親しみを込めてちょっと言わしていただきます。
 そこで、竹中大臣、一つ。地方ビジョン、地方、地方何でしたっけ、分権ビジョン懇談会ですね。これは、どうも見ますと学者ばっかり集めてますね。こんな学者集めて何するんでしょうかと。私は、まあ学者が悪いとは言いません。大体、でも、頭ばっかりで考える人を私は仮分数と呼んでいますけどね、仮分数だけ集めて何するんだろうかと。仮分数というのは分母より分子が大きいですからね。そういう人を集めて何を議論するんでしょうかと。
 で、ましてや地方は本当に歩いてみないと分からないですよ。学者は学者として提言したいというのは分かりますけれども、これは必ずそのメンバーに、今からでも遅くありませんから現場の分かる人、入れてください。そうでないと無駄になります、これは。
○国務大臣(竹中平蔵君) お尋ねは、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会という私の、総務大臣の私的な諮問の会議でございます。
 そもそもこの趣旨は、もう平野委員御存じのことだと思いますけれども、今回の三位一体改革を踏まえて、より地方に自由度を持ってもらうような根本的な仕組み、根本的な議論をしたいと。同時に、その裏側にある自由と責任をしっかり果たしていただいて、よりそのしっかりとした地方行革が進むような仕組みをどのようにビルトインしていったらよいか。
 そして、それが結果的に国と地方のスリム化に結び付いて、また総理がおっしゃったように、今やっぱりこの不交付団体が少な過ぎると。それのバランスをやっぱり結果としてですね、もっと不交付団体を増やしていかなきゃ、増えるような仕組みをつくらなければいけないのではないかという根本的な議論をさせていただいているわけでございます。
 で、その件で、メンバー構成についていろいろ御意見でございますが、私は是非二点申し上げたいと思います。
 一つは、これはまず、総務省としての考え方を整理するための総務大臣の私的な場でございますので、まずは専門家に集まってもらって、専門家に集まってもらって議論をしていただきたい。その中で、現場の方というのは、現場を御存じの方、これは決して学者だけではなくて、作家というかジャーナリストの方もいらっしゃいますから学者だけではございません。それともう一つは、これ、必要なヒアリングはしっかりと行っていただくということ。そのための現場の声を聞くという仕組みはちゃんと中に入れますので、これはまずはしっかりと全体の設計を専門家で行っていただきたいという意味でそのようなメンバー構成にしております。
 もう一つは、先ほど地方への説明責任というのがございましたが、この委員会をつくるに当たって、私は地方六団体に呼び掛けまして、地方六団体においても同様な議論の場をつくってください。ここでは正に検討委員会、この正に地方の現場の方々を中心に、まあそこにも学者も入っているようですけれども、場をつくっていただいております。先般も麻生知事会長等々と、一回時期を見て共同の議論を行いましょうと。
 私は、そういう仕組みをつくっておりますので、決してその一部の学者だけで議論を進めるということではない。しっかりと地方とのバランスを考えて、この大事な議論を進めていこうとしているということを御理解賜りたいと思います。
○平野達男君 本当に自治体の破綻法制みたいなものを検討するとかですね、自治体にとってみたら何をやるんだろうかという、そういうテーマ設定もされていますね。
 提案ですけど、是非そこに参議院議員平野達男を入れてください。どうでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の私的な会議に平野先生に入っていただくというのはとても恐れ多いことだと思っておりますので、この国会の場等々で是非いろんな御議論をしていただきたい。しっかりと拝聴したいと思っております。
○平野達男君 総理は今にっこり笑って、いいんじゃないかという顔をされていましたけれども、まあ総務大臣がそういうことであれば、まずよろしいと思います。
 そこで、大分ちょっと時間がなくなってまいりました。地方三位一体改革については、私は、総括からいえば先ほどのような総括で、言っていることとやっぱりやっていることにやっぱり差が、相当差がある。
 で、その一方で、これから地方は本当にいろんな意味で大変な局面を迎えると思います。そういう中で、地方財政どうあるべきか、地方自治どうあるべきか、これこそ本当の真摯な議論がやっぱり必要だというふうに思います。これについては、また引き続きいろんな機会をとらまえて質問をさしていただきたいと思います。
 そこで、ちょっと時間がなくなりました。BSEの話に入らせていただきます。
 総理、いきなりあれなんですが、日本では、いきなりの質問なんですけれども、日本では五年前に、五年前になりますね、初めて、五年前の九月十日だったと思うんですが、BSEが出て、その後、一か月後に全頭検査というのを入れます。これは、正に世界に例のない措置でありました。
 なぜ日本では全頭検査を入れたのか。実はその後、今度はその検査前に市場に出回っていた肉も全部買い入れるという、これも非常手段を取りました。
 なぜああいう手段を取ったのか。どのような御認識をお持ちでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあ詳しいことは農水大臣に譲りますけれども、私は当時、食の安全、安心、これが重要だと、この食の安全、安心を確保するために必要な手だてを考えてほしいと、そういう指示を農水大臣に出したわけであります。そういう指示の下に、具体的なそのような検査体制をしいたということでございます。
○平野達男君 いや、いいです、いいです。
 私は、全頭検査というのは当時の武部大臣の大英断だったと思っております。で、あれは本当にいい措置であったと思います。
 しからば、なぜああいう措置をとったのか。実は当時、私は参議院のまだ一回生で、所属が自由党でした。それで、BSEのその対策についてまあいろいろ取り組んだわけですが、私は、根底にあるのは行政不信だと思っております。
 まず、あのときに、千葉県でそのBSEが発生したときに、日本の国内産の食料は安全だという、まずその神話が壊れました。そして、九月十日で千葉県にそのBSEが発生したときに、これは当時のことを余り、担当者、私が知っておりますから、知っている方ですから余り言いたくありませんが、BSEに感染した牛はどうなりますかと言ったときに、これは焼却処分されているというふうに答えてしまったんです。ところが、それがレンダリング業者に回って肉骨粉に回って市場に出回っていった、そういうことがありました。
 それから、その後いろんなことがありましたね。OIEのいろんな、肉骨粉のいろんな警告書が出たにもかかわらず農林省の扱いが間違ったとか、いろいろありました。
 それで、私はあのとき、あのときというか、全頭検査というのは当時の中でいろいろ実は議論がありました。ヨーロッパでは二十四か月未満あるいは三十か月未満をやっているからそれでもいいんじゃないかという議論があったんです。しかし、これなら安全だということを行政が説明しても、あるいは政治が説明しても、これは消費者が理解しないだろうということで、これは理屈を超えた判断だったんです、私の理解では。そして、その後、牛肉の市場流通も、実は肉ですから、肉質の中には変性プリオン、これ蓄積しないというのは、これ科学的見地だったんです。しかし、そんなこと言ったってもう信用しない。だから、全部、全量買い上げろと。実は、農林省、その前にはもう備蓄をしていまして市場隔離したんですが、いつまで市場隔離しておくんだと、こんなもんおっかないからもう全量買い上げて焼却処分してしまえということを私ら主張しまして、結局、そのとおりになりました。結局、そういう非常手段に訴えて何とかして消費者のそのBSEというか、牛肉に対する信頼を私は取り戻したんだと思っています。
 で、何を言いたいか。今回のアメリカの、アメリカ産の輸入牛肉の問題は、当時の轍を私はまた踏んでいると思います。つまり、総理は科学的見地、科学的見地というふうに再三おっしゃる、言われていますけれども、科学的見地はいいんです。それでいきますと、例えば、今回の二十か月未満の牛でありますから、仮に科学的見地からいいますと、多少誤解に……
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 知見、知見。
○平野達男君 科学的知見ですね。
 多少誤解を招く言い方になりますが、背骨が付いているとしても、これは科学的知見からいったら安全です。だから、アメリカは安全だと言っているんです。だけれども、科学的知見じゃないんです。消費者は、やることをやっていないじゃないかということに対して不満を持っているんです。だから、科学的知見に基づく安全と安心との中には差がありまして、今回の一連の問題についても、そのやることをやってないじゃないかと。政府は何やっていたんだ、アメリカは何やっていたんだ、そしてそうしたらどんどんこうなってくる、情報が入ってくるんです。アメリカの屠畜場は衛生条件悪いんじゃないかとか、HACCPの条件に満ちて、満たしていないんじゃないかとか、どんどん出てきちゃうんです。
 で、そういう、私はこの行政に対する不信あるいは場合によっては政治に対する不信ということかもしれません。それが私は根底にあるんじゃないかと思っていますが、中川大臣、どのように思われますか。
○国務大臣(中川昭一君) 平野委員御指摘のように、食の安全、安心、これはリスク機関であります政府、とりわけ厚労省、農林省に対して極めて高い信頼をいただかなければいけない行政だろうというふうに思っております。
 そういう中で、昨年の十二月の十二日に再開をいたしました。日米間の約束に基づいてやったわけでございますけれども、アメリカ側の報告書にもありますような、ああいう形で一月二十日に米国産の条件違反の牛肉が成田税関で発見をされたと、成田の検疫所で発見されたということでございます。
 これは、トータルとしてはリスク管理機能が日本側によって果たされていたというふうには思いますけれども、やはり国民から見れば、日本のリスク管理機関に対する信頼性というものをもう一度再構築する努力があるということは、私自身、正直痛感をしているところでございます。これでいいんだということでは決してないんだろうと思います。
 今回はアメリカ側の問題でありましたけれども、しかし日本側としても更に何かやるべきことがあるのではないか、アメリカ側に対しても又は我々自身に対してもということで、これはアメリカ側の責任だから、日本はもう対岸の出来事で一切レポートを見てまた問い合わせをしてというだけで終わるというつもりはございませんで、今後日本として何かやるべきことがあれば、国民の食の安全、安心に対する信頼を回復するというか、より高いレベルに我々が信頼されるようにするためにやはりたゆまぬ努力をする必要があるというふうに考えております。
○平野達男君 まあ今の答弁の中で一点だけ気になるのは、リスク管理についてはそれ相応のことがやれたんじゃないかということをおっしゃいましたけれども、私は、リスク評価はこれは食品安全委員会でやりました。しかし、その後の本当のリスク管理はアメリカに任しちゃったんですね。日本はこういう条件ですよというのをいろいろ確かに言いました。後は成田か、成田で確かに検疫もやりました。だけど、その間のルートについては全部アメリカに任しちゃったんです。そこを消費者は、何でもっとやってくれないのということなんだろうと思うんです。ここのところをしっかりこれからまず詰めていく必要があると思います。
 そこで、私は、アメリカに対しては今、中川大臣の答弁の中にも入っていますけれども、これから何を要求していくか、何を改善していくか、そういう項目をまず国民の方にやっぱり明らかにしてもらいたいと思います。その上で、どういう結果になったか。結果を踏まえた上で、それこそ場合によったらパブリックコメントを取ったらいいと思います。そういう、その上でどうするかというのを、場合によったら輸入解禁になるのかどうか私は分かりません。手続を見える形できちっきちっきちっきちっきちっとやっていくこと。一番いいのは私が言ったようにアメリカに全頭検査をやってもらうことですよね。これなんかは、アメリカはそこまでやってくれたのかというふうに消費者は安心しますから。しかし、だからといってアメリカはそれは簡単にはうんと言わないでしょう。であれば、繰り返しになりますけれども、こういうことをアメリカに聞きます、要求します、その結果どうなりますというようなことをやっぱり私は見えるようにやってもらいたいと思いますけれども、中川大臣、どのような見解をお持ちですか。
○国務大臣(中川昭一君) 先週の金曜日に報告書の訳が、正式なものがやっと出まして、今日じゅうにもアメリカに十数点あるいは二十数点問い合わせをしたいというふうに考えております。
 一回のやり取りで終わるかどうかという、これはまあ向こうの返事次第でございますし、今後またアメリカ側に対して、また日本側も何ができるかということもいろいろとこれから考えていかなければならないと。現段階ではあくまでも報告書を精読した段階でのある意味ではペーパーの上の話でありますんで、今後我々として何をやっていくかということでございますが、いずれにいたしましても、折々に触れまして、何といいましても我々リスク管理機関のある意味では信頼性を回復をするという観点からも、国民の期待にこたえる観点からも、やはりそこは情報をきちっと国民の皆様にお知らせをするというのは、これは当然のことだろうというふうに考えております。
○平野達男君 そうしますと、今の答弁の中で国民への開示というのがありましたけども、アメリカに何を聞くかということも、これはアメリカに出す前に公表するということですか。
○国務大臣(中川昭一君) 公表いたします。
○平野達男君 分かりました。
 是非そういう形で、まずはそこからステップでしょうから、きちっきちっとした手続を国民に、消費者に分かりやすくやっていくということが非常に重要だということを改めてちょっと申し上げておきたいと思います。
 それから、大分時間がなくなりましたけども、鳥インフルエンザにつきまして簡単に触れさしていただきます。
 これは、鳥インフルエンザですね、一番大事なのは、国内対策ももちろん大事であります。今、厚生労働省がタミフルの備蓄に一生懸命になってやっていますし、いろんな検疫体制も整えてというふうに聞いています。これはこれからしっかり見ていく必要があると思っています。
 しかし、大事なのは、この鳥インフルエンザについては、この伝染について国境線がないということであります。隔離もできない。今議論されているのは、いわゆる鳥から人、H5N1といういわゆるウイルスがあるわけですけども、それが鳥から鶏、失礼しました、鳥から人に、そして人から人に伝播していったような、そういう新種のウイルスが出たときに、まあスペイン風邪とかなんとかかなり怖い話が出てきているわけですが、非常に怖い話になってしまうということで、実は世界的なこれは関心事になっています。インターネットをずっと見てみても、あるいはいろんな雑誌を見てみても、鳥インフルエンザは本当に世界的な関心です。
 東南アジアで私は発生したと思いますから、東南アジア、東南アジアで発生したと思います。東南アジアから中国、中国からロシア、ロシアからヨーロッパ、ヨーロッパから中東、中東からついにアフリカまで行ってしまいました。これはもう世界的な規模で広がりました。
 で、何を言いたいかということなんですが、時間がありませんから言います。これは、ベトナムで、あるいはタイで初めて報告されたのが二年前のたしか一月何日ではなかったかと思うんですが、死亡者がたしか七名か八名という報告受けました。そのときに私が聞いたのは、鳥から人に感染するという確率は高いですかと聞いたら、そんなに高くありませんというふうに言ったんです。という答えでした。これは厚生労働省の答えでした。ということは、これだけ人が亡くなったということは相当以前から鳥インフルエンザが蔓延していることになりますねということを言ったら、そうだと思いますと。じゃ、いつからやってたんですかと言ったら、分からないという答えだったんです。つまり、各国でいつから鳥インフルエンザが発生したか分かんない状態になっちゃっているんです。
 で、当時、タイとかベトナムがそうでした。ところが、タイは、最近のこのタイムの雑誌見ますと、かなり条件が良くなったというふうに報告されています。
 問題はアフリカです。アフリカの中で鳥インフルエンザが発生したとしたら、その住民はまず隠すんじゃないかと、全部持っていかれますから。それから、鳥インフルエンザ自体も分からないんじゃないか。こういうことについてはしっかりとその体制を、国際協力みたいなものをしっかり整えていく必要があるんじゃないかと思います。
 簡単でございますけども、それについての中川大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) もう平野委員御指摘のとおりでございまして、渡り鳥、ヒマラヤを越え、地中海を越え、世界じゅう飛んでいっちゃうわけですから、これをどうやって防ぐかということはもう物理的になかなか難しいわけであります。
 そういう中で、とりわけアフリカ、私は十日ほど前、パリでアフリカの閣僚ともこの話したんですけれども、まあセネガル等々で発生をしていると、ナイジェリアで発生したということで、大変貧困で体力も弱ってますし、まあ本当に爆発的に広がるということが我々大変心配でございます。
 FAO、OIEその他の国際機関を通じて、アフリカ五十三か国のうち五十か国しか、しかというか、まだ加盟してない国もあるようでございますので、日本が経験をもって、また技術力、人間力をもってアフリカでの蔓延を、アジアと同じように国際協力でもってできるだけ広がらないように、日本として、これは日本ができる大変貢献度の高い仕事だと思っておりますので、注意深く見守っていきたいと思います。
○平野達男君 時間が過ぎておりますが、一分でまとめます。
 あと、中川大臣、是非WTO交渉、頑張ってきてください。
 それから、最後にまとめですけども、実は民主党は今本当に大変な状況になっています。政権交代できないんじゃないかという話がありまして、後で片山幹事長が質問に立つようですが、三回ぐらい顔洗って出直してこいということをどこかで講演をされたようであります。実は私は、言われたとおり今朝三回顔洗ってこの質問に立ってまいりました。しかし、やっぱり……
○委員長(小野清子君) 申合せの時間が過ぎておりますので簡潔にお願いします。
○平野達男君 分かりました。
 まあ、いずれ政権交代はやっぱり絶対必要でありますし、民主党も今からこれは再生の道に入りましたから、多分再生の道は早いと思います。是非、与党も自公政権という長く続いたその妖怪の首を今度はゆっくり洗って待っていていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(小野清子君) 以上で輿石東君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(小野清子君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 自由民主党の片山虎之助でございます。
 総理始め閣僚の皆さん、大変御苦労さまでございます。お疲れさまでございます。もう少しですから、まあ御辛抱をひとつよろしくお願いいたしたい、こういうふうに思います。
 まあ野党質問じゃありませんから、一方的な攻撃や思い込みその他に基づくあれはしませんので、そこはひとつ楽に受け取っていただきたいと思いますが、参議院でございますから、やっぱり国民の皆さんの不安や懸念については参議院としてしっかりただしていきたいと、こういうふうに思っております。
 衆議院の予算委員会も例年よりは多い審議時間をやったんですけれども、どうも野党の皆さんが四点セットが大好きでそれを中心にやられましたし、後半はどうもあの偽物の電子メールのこちらの議論に、時間もエネルギーも皆さんそっちに取られちゃったから、そういう意味では私は十分な政策論議はされなかったんじゃないかと、こういうふうに思っておりますので、当参議院ではしっかりした政策論議を始めたいと、こう思っております。
 それから、私は毎回こういうところに立たせていただきますと、この予算委員会のテレビの中継は国民が最も国政について知る、勉強する良い機会なんですね。そういう意味では、私は質問する方も答える方も分かりやすくなきゃいかぬと、こういうふうに思っております。是非それはお願いいたしたい。総理は大変分かりやすうございますけれども、分かりにくい方が時々混じりますんで。
 それから、もう一つは、今回から参議院の予算委員会、往復になったんですよ。(発言する者あり)今回、試行でそうなったんです。今までは片道ですからね。どうもこれは良さと悪さがあったんだけれども、今度は往復での試行ですから、そうなると演説が増えるんじゃないかと、質問も答弁も。しかし、私は全部見ておりませんけれども、今朝から見ましてまあまあしっかりやっているなと、こういうふうに思っております。少しぐらいの、少しぐらいの演説は結構ですけれども、できるだけ簡潔、直截な答弁を是非お願いいたしたいと、こういうふうに思っております。
 さて、本題に入ります。
 総理、本当に御苦労さまでございます。まだございますでございますが、実はもう四月の二十六日で小泉政権は満五年になるんです。大変長いですね。しかも、その間、ひたすら改革、改革、改革。そうでしょう。聖域なき構造改革、改革なければ成長なし、民のできることは民に、地方のできることは地方に、改革を止めるな、殺されてもいいですか、やるですかね、あるいは改革加速。本当に頑固にぶれずに、本当にひたすらやられてきた。しかも、今まで、まあこれは少しやった方がいいかなと思うけれども、大変な、これやると疲れてしまう、くたびれる、そういう難題、大課題に果敢に挑戦された。その志や気迫は私は率直に評価しなきゃいかぬと思います。
 いろんなことができましたよ。それはなかなか、郵政事業の民営化できるんだろうか、道路公団が変わるんだろうか、財政出動なくて本当に景気が回復するんだろうか。本当ですよ。三位一体の改革、まあ今日は皆さん三位一体お好きで、ありがとうございました。私は聞かせていただいて反論も相当したいんですが、今日は質問者ですから反論はいたしませんが、三位一体の改革。政府系金融機関のこれから改革、あるいは公務員制度、総人件費。私は、そのことは、本当に国民の皆さん、そこは分かっていると思いますよ。
 そこで、総理、約五年になろうとしている小泉構造改革の総括を御自身がどうお考えになっているか、お疲れの中だと思いますけれども、是非御答弁を賜ります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 総括ということについては、まあ率直に言って控えたいと思うのであります。というのは、道半ばですから。任期は今年の九月までで、そこで退陣しますけれども、改革は後継ぐ方も続けていかなきゃならないということで、私は別に総仕上げという気はありません。
 ただ、やるべき改革、これはやっていかなきゃならないということで、就任以来、改革なくして成長なしという方針の下に全力投球してまいりました。一内閣一仕事と言われますけれども、私は今まで皆さん方の御協力を得て全力投球してきたつもりで、この改革を進めていただきたいなと思っております。
 要は、経済を活性化して国民生活を豊かにする、そのための改革でありますから、今後ともこの改革路線を続行していかなきゃならないと思っております。
○片山虎之助君 私がこれから聞こうと思うことまで答弁いただいたんですが、なるほど、道半ばということはですよ、やっぱり総理は九月でお辞めになると、お辞めになるなと言う人もおるんだけど、お辞めになると。それはまあ総理の主義としてはお辞めになるでしょう。しかし、その後のポスト小泉がやっぱり同じ改革路線を歩むんだろうと、こういう期待を込めての言葉だと思いますが、ちょっと後ほどそれは質問させていただきますが。
 ただ、そこで総理、改革というのは手段なんですね。改革そのものが目的じゃないんですよ。改革によってどういう日本を国にするか、どういう社会をこの国の中につくっていくかが、これが目的なんですね。
 そういう意味では、まあ五年近くよく頑張ってこられましたが、総理の目指す国なり総理の目指す社会から見て、どこまで来ましたか。どこまで達成したかについてお答えいただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、端的に言えば、日本経済は駄目だと、何やっても景気回復しない、悲観論が充満していた、それを変えたと思いますね。やればできる、日本経済というのはそんなに弱いもんじゃないと、国民のやる気もある。そういう意味において、企業も頑張ってくれた、個人も頑張ってくれた。それぞれの能力のある者、業績の上がる企業が頑張ってくれたということで経済も上向いてきた。
 でありますから、今後とも多くの方々が、自分の力でできることはやろうと。自分で助ける、自らを助ける、向上心を持って頑張ればチャンスがあるんだと。そのチャンスを提供できるような社会にしていかなきゃならない。
 同時に、予算要求見ても、できるだけ予算、額を獲得したい、しかし欲望は無限だけれども財源は有限だと。そういう点も考えて、自ら助ける精神と自らを律する精神、これが企業においても個人においても最も重要な国民の財産であると、資質である、人材の財産であると、日本国民はそういう国民が多いなと。
 そういう自らの持てる能力、自らの資質というものを向上させるチャンスをできるだけ国として提供する。能力を発揮しようとする人を妨げない、そういう環境を整備する。なおかつ、個人の力ではどうしても立ち行かない人に対しては、どのような支援の手を国として差し伸べるか。お互い支え合っていくか、助け合いの精神、そういう精神を国民が、多くの国民が持つということ、こういう社会にすることによって日本というものは今後も平和のうちに発展していくのではないか。
 そういう社会をつくりたいというのが改革の目的でありまして、そのためのいろいろな改革をしていくことによって、日本というのは国際社会の中で、ああ日本という国は国際社会の中でも必要だと、よく頑張ってくれていると、世界のことも考えてくれていると、そのような信頼される日本国家を実現していきたいと思っております。
○片山虎之助君 総理が言われますように、なるほど、割にそれまでは悲観論が多かったんだけれども、悲観論から脱して、よし頑張ろうと。自分の気力や資質をフルに使おうと、そういう努力のあれが今日の日本の活力やある意味での豊かさを生んだと思いますよね。しかし同時に、今いろんなことが言われているんです、それは後ほど申し上げますが。光と影だとか格差の拡大だとかと、こういうことが言われておりますが。
 総理、あと九月の終わりまで六か月半ぐらいあるんでしょうか、それは何をされますか。どういう、総仕上げでないと、道半ばだから、こういうことを言われましたが、あと六か月半ないしは七か月について、やっぱり気分としては総仕上げじゃないかと私は思いますよ。それは何を中心におやりになるのか。まあ行革推進法を出されるということのようですけれども、それを含めて御感想をひとつ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、総理大臣になりますと、もう自分がこうやりたい、ああやりたいということ以上にやるべきことがたくさんあるんです。次々と、現在の状況の中で起こっている課題に立ち向かっていかなきゃならない。自分の関心がある関心ないことを問わず、すべて当事者にとっては最大の関心事なんです。それに対して全責任を持って対応していかなきゃならない。
 そういうことを考えますと、外交、内政、もう問題は山積しておりまして、今国会のことだけに限って言えば、いわゆる行革国会と言われるように、行政改革推進法案を近く国会に提出する予定であります。あるいは社会保障制度、医療制度改革法案も提出いたします。
 そういう目前に迫った課題を国会の皆さんの御協力を得ながら成立させていくと同時に、今景気回復、軌道に乗ってきたと、ようやくデフレの状況を脱却するのではないか、できたのではないかという意見が様々な場で行われるぐらい、駄目だ駄目だという、デフレスパイラルに陥るんじゃないかといった四年前の状況から、いい経済状況に変わってきた。賃金も、今年の春闘辺りではむしろ賃上げが大きな課題になっているぐらい、言わば家計においても個人においても所得の上昇傾向が見られる。大企業ばかりでなくて地方にもそろそろ浸透していくような傾向になってきた。
 そういう状況をしっかりと軌道に乗せていくのが、残された九月までの中で総理大臣としての職責を果たしていく、これに尽きると思っております。
○片山虎之助君 総理が言われましたように、日本の総理は忙しいですよね。よその国のトップリーダーはどうなんでしょうかね。
 まあしかし、総理、それは一つ、会議が多いこともありますよ。何とか会議、何とか本部、何とか委員会、何とか会議ですね。それは別にしまして、総理の言われることはよく分かりました。行革推進法あるいは景気の回復その他。
 そこで一つ、総理はサプライズがお好きですから、北朝鮮との問題、平壌宣言に署名したのは総理と金正日総書記ですよね。総理は九月でお辞めになるんですよ。北朝鮮の態度は、私は誠実だと思いません。二月四日から八日までの日朝政府間協議でも、ゼロ回答じゃなくてマイナス回答だと言われている。因縁とは言いませんよ。しかし、何か別のことまで一杯持ち出している。
 しかし、私は、小泉総理は宣言に署名したんですから、総理がおられる間に事態の打開を、彼らが少し賢明なら、物すごく賢明とは思いませんけれども、私は、考えていると思う。だから、このところ拉致事件は解決済みと彼らは言わなくなった。また、総理にしては珍しく、総理はきついことを言われませんね。経済制裁のケの字も言わない。セの字かケの字か知りませんが、どちらも言われない。
 ということは、私は、こういう駄目だ駄目だというときこそうまく話がいくんじゃないかと、こういうように思いますが、まあサプライズがお好きですから、それ以上いろんなことを申し上げませんが、ここで言えるのかというあれもあると思いますけれども、総理、御所見を。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は別にサプライズが好きなわけじゃないので、その時々やるべきことをやるというつもりでやっております。
 北朝鮮の訪問につきましても、これは発表したときはサプライズと受け取った方も多いと思うんでありますが、相手があることですから秘密にしておかなきゃならない。事前に十分な準備を行って、交渉も行って、私にとってはサプライズじゃないんです。ただ、秘密を守ることができたから結果はサプライズだったということだけであります。
 そういうことから、北朝鮮の問題については、あの平壌宣言を署名したときに、あの宣言の中に盛られた拉致の問題、核の問題、ミサイルの問題、こういうものを包括的に解決して国交正常化を目指すということでありますが、今ここに来て非常に難しいなと思っているのは、拉致の問題についても、私が金正日総書記と会談する前は、でっち上げだとか、こんなことデマだとか、やってないと言っていたのを初めて認めて謝罪したわけですね、二度と起こさないと。それで北朝鮮側は、あれで拉致の問題は解決済みだと思っている節がある。しかし、日本国民、我々はそう思ってない。と同時に、核の廃棄の問題につきましても、それ以降、六者協議というものができました。日本、韓国、アメリカ、ロシア、中国、この場で核の問題を協議して、核計画を廃棄させようという。日本でやらなきゃならないことと、この六者協議で協力してやらなきゃならない問題が出てまいりました。
 経済制裁、いわゆる対話と圧力の問題につきましても、日本政府としては対話と圧力で北朝鮮に対して交渉していこうということでありますが、経済制裁ということをよく言われますけれども、これは一国だけである程度効果があることと、国際情勢全般を見ないと効果に限界があるという点があります。今、私が初めて北朝鮮を訪問して日朝平壌宣言を締結したときに比べれば、韓国も中国も北朝鮮に対する支援体制ははるかに強化されています。そういうときに日本だけが経済制裁を強めていって効果があるかという問題も考えなきゃいけない。
 同時に、当時は核廃棄というものに対して相当真剣に誠意を持って対応してくれるということを期待しておりましたけども、最近はこの核兵器と安全保障に対して北朝鮮側はなかなか我々の常識とはちょっとかみ合わない点があるんです。核兵器を持つことによって北朝鮮が得る利益はほとんどない、核を廃棄することによって得る利益の方がはるかに大きいということを私は金正日総書記との直接の話合いでも何回も話しているんですが、そこら辺が果たして金正日氏は私どもの考え方と同じかというとそうじゃない。自らの安全保障を確保するためには、核兵器を持たないと安全保障は確保できない。どっちが鶏でどっちが卵か、これは微妙な段階であります。私どもは、まず核兵器を廃棄することによってこの六者協議で安全が保障されるんだから大丈夫だと言ってるんだけれども、いや、核があるからこの六者協議というのはもってるんだと、話合いをしてくれるんだという考え方の違いがあります。
 様々な意見の違いある。それは、日本国民から考えれば、誠意がない、けしからぬという意味は分かりますよ。しかし、我々としては、北朝鮮側と対話なしにこれからの様々な問題は解決できない。制裁をすれば、懲らしめれば日本の思うとおりいくかと、そういう問題でもないと思います。そういう点を総合的に考えながら、難しい相手だけれども交渉しなければならない相手が北朝鮮であり、金正日総書記であるということだと私は思っているから、これは総合的、包括的に考えなきゃならない問題だと思っております。
○片山虎之助君 私は、経済制裁というの、改まった、きちっとした経済制裁じゃなくて、総理、例えば朝銀の問題でも油の関係でも、しっかりしたものがなければ入れないとか、あるいは船舶検査の徹底だとか総連に対する固定資産税や補助金の問題だとか、私は全部一種の制裁だと思うんですよ。
 制裁は、総理は効果と言われますけれども、私は効果もあるけれども意思だと思うんですよ。その国の意思、国民の意思、国の意思。ただ、まあここで、この議論はもうそれ以上いたしません。総理のお考えはよく分かりました。
 そこで、総理、次に、今道半ばと言われた、私の改革は。それ、あとはポスト小泉ということになるよ。ポスト小泉、有力候補もう何人もそこにお座りですけれども、ポスト小泉の要件は何でしょうか。総理のお考えになる要件、抽象論で結構でございます、具体名は結構でございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、抽象論で言えば、よく言われる言葉にマックス・ウェーバーが言われた言葉が有名であります。指導者の資質、それは使命感と。その使命感を持って一つの目的を達成するための情熱、これが一時的なものではない、粘り強く困難を克服し耐えていく情熱。と同時に、洞察力、本質を見抜く力、これが実現可能かどうか、単なる空想、幻想と言われるなら理想ではない、理想は必要だけれども、現実を直視した実現可能かどうかという洞察力。この三つが大事だとマックス・ウェーバーが言っておりますが、私もそのとおりだと思っております。
○片山虎之助君 前にも総理、それは国会かどっかで、今の三つのマックス・ウェーバーの要件というか条件は言われたと思います。まあまあ、これ以上言うとちょっときな臭くなりますから、もう言われませんけれども、総理の目から見て、今の条件に近い人について、総理は、総裁選挙仮にあるとすれば、おいでになりますね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、これから総裁選の動きが活発化していくと思いますが、その段階で、将来、総理・総裁たらんとされる方は、自らの政治に対する政治家としての使命感と、そして自分が掲げる目標を実現するための情熱と、これが実現できるかどうかという洞察力を持ってる方がいずれ手を挙げて、名のりを上げて、国民なり自民党なりの審判を受けると思いますので、自民党の中にはたくさんおられると思います。
○片山虎之助君 まあ直前にということで、まだ今テスト中、検討中ということでございますが、そこで総理、先ほども申し上げましたが、本当に豊かになり、活力が出、みんなが意欲を持って頑張るような私は社会に私も変わってきつつあると思います。しかし、一方では、国会の中の議論でも光と影だとか、格差社会というのがある。構造改革で格差が広がるというのは、私は論理矛盾だと思うんですよ。構造改革で規制緩和その他をやれば、結果の平等でなくて機会の平等が保障されるんです。出入り自由になるんです。垣根が低くなるんですよ。
 そこで、この競争した場合に、競争が前提ですよ、競争がないような社会ではこれはもうなれ合いのどうにもならない社会ですから、競争した場合、努力した者、頑張った者、知恵のある者、工夫する者が勝つのは当たり前なんですよ。ただ、そこで終わっちゃおしまいなんで、勝った者は勝った者として、一回戦で負けた者はもう一遍二回戦やれると、敗者復活じゃありませんけど三回戦もやれると。しかし、それでも勝たない人が出れば、これはセーフティーネットというんでしょうか、何か、そこで救っていくと、こういうことが私は当たり前のことだと思うんです。思うんですが、最近よく言われるものにジニ係数というのがある。これはまあこういうものがすぐはやり出すんですけれども、ジニ係数について簡潔な説明を厚生労働省、お願いします。
○国務大臣(川崎二郎君) 委員御存じのように、ジニ係数自体はまず当初所得を取ります。当初所得を取って、その後、税と社会保障の再分配を行うと、それでどのぐらい数字が離れてきているか。
 簡単に申し上げれば、平成八年、当初所得〇・四四一、十一年、四七二、十六年、四九八。対して、再分配後は、平成八年、三六一、十一年は三八一、十四年も三八一でございますから、社会保障と税で再分配機能はきちっとされて、十四年までは大きな差は付いてない。欧米と比べても見劣りはしないということははっきり言えるだろうと。
 ただ、問題は、この議論、十七年がまだ数字出てないのにこの議論が盛んになってしまいましたので、どうぞ、そういった意味では格差は生の数字としては格差はあるだろうと、そこへ再分配機能というものを税と社会保障でやっているんだよと、その中で我が国はまあヨーロッパ諸国と比べて正常値であると、こういう理解でございます。
○片山虎之助君 去年やったやつが今年出るんですよね。その数字はまだ分かってないんでしょ。
○国務大臣(川崎二郎君) まだです。
○片山虎之助君 それが出りゃもっと分かるんですが。
 そこで、問題は数値じゃないんですね。何となく、実感ですね、実感、気分ですね。それで、やっぱり格差が開いているような感じがあるんで、どこかの新聞が二月二十一日の調査では、七一%が格差を実感しているというんです。
 私も、数字のことは今のようなお話ですけれども、例えば私は岡山県ですから、今住んでいるのは岡山市で出身は笠岡市って人口七万弱のところです。で、東京にまあウイークデーを中心にほとんどいると。それで、岡山と東京、あるいは私の出身と行き来するとね、やっぱり町の活力、にぎわい、人出というのは全然違いますよ。まあ、私、今新宿のせいかもしれませんが、与謝野大臣も元おられましたけれどもね、これはもう九時、十時でも人出は絶えませんね、まあ祭りとは言わないけれども。岡山市なんか九時、十時、目抜きの通りがですよ、余り人いませんよ。私の出身地歩くと人間見ない、猫や犬が歩いているんです。(発言する者あり)いやいやいや、夜通っている人がね。だから、そういうことは、確かに地域間格差の話は相当出ましたけれども、そういう意味でのあれがある。
 それから一方では、ホリエモン問題に見るように、ホリエモン氏なんかそうでしょう、株式を分割して、交換をして、間にファンドをかませて、一種の操作ですよ。あれで何十億、何百億もうけるんですよ。一方では、パートが今総就業者数の三二%おるという。正規の職員は減っているんですよ。これは、例えば岡山でいうと時給六百円、七百円の世界ですよ。これはどうでしょうかね。
 それから生活保護世帯、最近の一番新しいデータなら百四十八万人を超えているんですよ。その給付が二兆円を超えているんですよ、これだけ豊かな国で、これだけ活力を持って。まあお年寄りが増えているからだという意見も確かにあります。私もそう思うけれども、あるいはいつも言われる若者のフリーター化、ニート化でしょ。フリーターは少し減ったというどこかの調査のあれがありますけれども、しかし二百万人を超えている。ニートに至っては六十万人を超えている。
 で、こういう社会がそれじゃ本当に光り輝く活力ある社会かなという感じが少ししますけれども、総理、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先ほど、ジニ係数は川崎大臣から話あったんですけどね、この感じね、感じ方が違うんじゃないかと、実際の統計の数字よりも。ということで、これは面白い調査だなと思っているんですが、読売新聞社が豊かさに関する世論調査やっているんですよ。すると、二十年前から余り変わってないんですね、この二〇〇五年、昨年まで。二十年前、一九八四年、この調査で自分はどのぐらいか、中の中、五一%。二〇〇五年、昨年、五一%。だから、ずっと大体五〇%台。二十五年前から昨年まで、大体自分は中の中だという人が五〇%。今言っている中ではそうじゃなかった。最近はあるあるあるという新聞報道が多いせいか、ちょっと変わってきました。これは感じ方というのは人によって違う。しかしながら、今言ったように、ニートとか生活保護世帯が増えている、こういうことについては問題だなと。
 だから、私は、実態の問題についても、単なるジニ係数というのは所得再配分機能を加味していないという問題もあります。こういう点についてはよく統計の数字も検討しなきゃならないし、それから、これからの格差社会も固定化しちゃいかぬ。一度挑戦に失敗した人もまた成功できるようなチャンスを提供するということ、あるいは格差が固定しないということ、どうしても立ち行かない人に対してはどのような最低限、政府としてその生活が立ち行くような保障を与えるべきか、こういう問題については十分な配慮がなされなきゃいかぬと思いまして、様々な議論をする必要があると思っております。
○片山虎之助君 今総理が言われたとおりなんですね。やっぱり、やって失敗する自由、頑張っても失敗することはもうみんな許す。そして、失敗した場合にはもう一度挑戦できる環境を整えてやる。それでも負ける人には、やっぱりその救いの手というかセーフティーネットというか、そういうことを施策として、仕組みとして私は今後はしっかりつくっていく必要がある。それは、総理はまだ九月まで頑張られるわけですから、総理にもやってもらうし、ポスト小泉もやっぱりそのことを大きな改革推進とともに大きな課題として私はやっていただく必要があると思います。
 そこで、このつたない小著を持ってきたんですが、私、去年の一月に「共存共栄の思想」という本を出しました。(資料提示)
 この考え方をもう簡単に言いますと、我が国を弱肉強食、優勝劣敗の国にしない、そういう社会にしないと。みんなの共存共栄、弱きを助け、強きをくじく、連帯感のあるそういうネットワークで、あるいは農耕民族ですから、そういういたわりや優しさや思いやりのある社会にしよう、共存共栄だと、競争社会プラス協調社会だと。
 それは国内だけじゃありません、総理。国際的にも同じ共存共栄なんですよ。立場があり経緯があり、いろんなことがありますけれども、是非それを今後の大きな国の方針としてお考え賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 共存共栄、相互互恵、これはもうお互いが心して取り組まなきゃならない、また持たなきゃならない考え方であって、社会におきましても助け合いの精神、これなくして社会の安定もありませんから、その考え方には全く同感でございます。
○片山虎之助君 時間の関係もありますから次に景気・経済問題に移りたいと思いますが、景気は、まあ総理も何度も御答弁されていますように、また関係大臣が言われますように、大変順調にバランスよく回復しています。本当に、こういうことは我が国の歴史の中でも本当に珍しい方に私は入るんじゃないかと思いますが、問題、持続させる必要があることですね。これはまあ企業や団体、個人にとってはもとよりですけれども、公経済にとっても国や地方自治体にとっても景気の回復が財政再建の第一なんですよね。
 そういう意味では、この持続ということについては、与謝野大臣、どういうふうにお見込みでございますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 何年か前を思い出していただくと分かるんですが、従来の景気回復といいますと、大体財政が出動をして有効需要をつくり出して景気の底上げをやった景気回復、まあこういうものは何遍も我々経験しましたけれども、今回の景気回復というのは全く財政の手助けのない純粋のやはり景気回復であるということが一つ。それから、やはり個人消費、設備投資、輸出がバランスよくそれぞれ景気回復に貢献をしていると。
 しかし、これがまあ持続可能かどうかということですが、やはり財政が一時的な元気回復のために出動をしたわけではなくて、やはり小泉内閣の下で自立自助というその気風が社会全体に行き渡って、やはりその民間主導の回復というものが今回徐々に現れてきたと。そういう意味では私は持続可能だと考えております。
○片山虎之助君 持続可能と見込むんじゃなくて、持続可能にする努力をプラスすることですよ。是非それはお願いいたしたい。
 そこで、先ほども当委員会で議論がありましたように、デフレを脱却したのかどうか。デフレは脱却したのか、脱却中なのか、脱却に掛かる寸前なのか、デフレそのものなのか、いかがでございますか。
○国務大臣(与謝野馨君) これは、従来からの答弁の中にありますように、デフレということの厳密な定義はございません。ただ、私の考え方では、いわゆるデフレスパイラルという状況はもう既に過去のものである。ただ、物価水準が本当にこの零%以上の状況がこれからずっと続くのかどうかと、まあここは今分かれ道に来ているんだろうと、そのように思っておりますが、まあ過去数か月の統計ではややゼロより頭を出しているという状況で、これが本当に続くかどうかというのは今後の経済状況次第であると思っております。
○片山虎之助君 先ほどの答弁で小泉総理は、やっぱりデフレはまだ完全に脱却していないと思うと、割に断定的な、大変影響力のある御発言がございましたが、日銀総裁、いかがですか。
○参考人(福井俊彦君) お答え申し上げます。
 日本銀行では、ただいまいわゆる量的緩和政策と、これを二〇〇一年三月以降、ほぼ五年間掛けて継続中でございます。小泉内閣の下での経済構造改革も過去五年間と、ほぼ同じ期間、表裏一体となって日本経済をいい方向へ引き上げるために効果を発揮してきたというふうに思います。
 日本銀行といたしましては、小泉総理、先ほど道半ばとおっしゃいましたが、私どもの金融政策が達成すべきことにつきましてもまだ道半ばだというふうに思っています。物価が継続的に下がる状況からプラスで安定的に推移する状況へ、今その移行局面と。で、その後、安定的な物価状況の下で、委員おっしゃるとおり、本当に景気の持続的な回復軌道というのをみんなが確かめられるようになっていかなきゃいけない。しかも、それを非常に長期間、日本経済が厳しい国際競争に勝っていくためにも、そして財政再建を全うしていくためにも、長期間続けなきゃいけない。その間一貫して日本銀行は適切なる金融政策でこれを対応したい。
 幾つかの通過点を金融政策としてはスムーズにやっていかなきゃいけないと思います。同じパターンでこの間のプロセス全部全うできるわけではありません。したがいまして、タイミングのいい政策は必要でございますが、目的はただ一つ、安定的で持続的な成長軌道というのをしっかり確保し、長期にわたり実現していく、これがターゲットでございます。
○片山虎之助君 量的緩和政策解除の話はもちろん金融政策そのものですから、日銀の専管であり日銀の権限であることは言うまでも私はないと思います。しかし、そういうことは同時に大変な責任を伴うわけですね。
 で、この八日、九日に政策委員会ですか、政策決定会合か何かおやりになるという報道でございますが、そこに提案されますか。
○参考人(福井俊彦君) 今申し上げました量的緩和政策は、消費者物価指数、これが、生鮮食品を除くベースの物価指数が安定的にゼロ%以上となるまで継続する、これが国民の皆様に固く約束したことでございます。今後、経済・物価情勢を更に十分に点検した上で、この約束の条件が満たされたかどうかということを厳密に判断していかなければならないというふうに思っています。
 今週八日、九日両日、金融政策決定会合、これ三月の会合を予定いたしておりますが、ここにおきましても、経済・物価情勢を総合的に点検した上で金融政策運営について適切な判断をしていきたいというふうに思っております。政策委員会のメンバー各人一様にそういうふうに思っておりますが、我々として、会議に先立って何か現時点で予断を持ってこれに臨むということは全くございません。会議の討議を通じて創造的な結論を出すプロセスを出していきたいと、こういうことでございます。
○片山虎之助君 今総裁が言われたCPIが三か月安定的にプラスゼロ%以上ですか、それはまあ、三か月ないしは五か月はそういう状況になっているというふうに聞いておりますが、まあこれ以上質問してもお立場上言われないでしょうから、ひとつしっかりと総合的な勘案の上で日銀としての方針をお決めいただきたいと、こういうふうに思います。
 そこで、景気の方で心配なのは、完全失業率が一月にプラス一%上がっているんですよね、四・四が四・五になっている。有効求人倍率は変わっていませんよ。これが一つ。それから、やっぱり地域経済、先ほども言いましたが、地方の格差なんですね。これが縮小しているのか拡大しているのか。その点について、完全失業率については、これは総務大臣、厚生労働大臣、(発言する者あり)そうですか、まあ雇用情勢ですから、それじゃ両方答えてください、簡潔に。それから、地域経済については与謝野大臣お願いします。
○国務大臣(川崎二郎君) 総務省の御担当でございますけれども、簡単に申し上げますと、四・四から四・五になったと、こういう発表でありますけれども、四・四四と四・四五なんです。切り上げて、ですから、まあ基本的には認識として変わりないという数字でございますので、どうぞ御理解を賜りたいと思います。
 ただ、数字全体的にいきますと、自発的理由による離職者数が増加してきていると、前年同月四万人。すなわち、今この仕事をしているけれども、次の仕事移りたいと、そろそろ仕事出てきているねと、こういう認識があるんだろうと。そこへ有効求人倍率が一・〇三でございますから、全体的に良くなっているという評価は変えなくていいんだろうと、こう思っております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 総務省の統計でございますんで、中身はもう今、川崎大臣お話しくださったとおりでございます。たしか三か月前は一度四・六%に上がっていたと思います。それが四・四に下がって、今四・五ということでございますので、まあその四・五の近傍を今行き来している状況だと思っておりますので、トレンドとして大きな変化が出たとは承知をしておりません。
 中身も、自発的失業、経済の状況が良いのでむしろ積極的に職を離れてより良い職を探しているという傾向も見られますので、そういう点も含めてしっかりと見ていきたいと思っております。
○国務大臣(与謝野馨君) 七地域で景気判断を上方修正しております。すなわち、北海道、東北、北関東、南関東、北陸、四国、九州の七地域でございます。これまでやや弱含んでいるとされてきた北海道、東北の景気判断も持ち直しているに上方修正したところでございまして、両地域ともに生産の緩やかな増加や雇用情勢の持ち直しなどが確認されております。
○片山虎之助君 それじゃ、ひとつしっかりと景気回復を本格軌道にいよいよ乗せるようにやっていただきたいと思います。
 そこで、次に、歳出歳入一体改革についてでございますが、六月にお決めになる骨太方針で、二〇一一年までですか、までに例のプライマリーバランスの黒字化をやると、そのために歳出歳入一体改革をやると。そして、それは改革の選択肢と、改革の方向に関する選択肢と工程ですか、改革工程というんですか、そういうものをそこで決めると、こういうことなんですが、歳出歳入一体改革って、歳出の方が前なんですね。それはなぜですか。それから、こういうとき普通は歳出改革なんですよね。歳入改革と殊更言うのは、増税をお考えですか、与謝野大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) これは骨太方針の中で取られている表現でございますが、やはり歳出の改革をまずやって、どこまでやれるのかという問題が一つ。それから、歳入の方は、歳入という言葉を使ってもいいですし、また、どこまで増収措置がとれるのか。これは資産を売却することも一つの方法、また、特別会計の改革も一つの方法、もろもろのこの増収措置がございますが、やはりまずは歳出をどこまで厳しくカットできるかというまずは難題に取り組むと、そういう姿勢でやらせていただきたいと思っております。
○片山虎之助君 そこで、増収か増税かということなんですが、去年の一月の「改革と展望」の試算を見ると、平成十一年、平成じゃありません、二〇一一年度の経済成長率は四・〇になっているんですよ、名目ですよ、名目。ところが、今年一月の試算によると三・二になってるんですよ、名目が。そこを更に中を見てみると、実質は今年の方が上がってるんですよ。デフレーターが変わってるんですよ。一年でそんなに変わるんですか、四・〇、三・二。大臣は替わりましたよ。大臣が替わったら変わるんですか、御説明を。
○国務大臣(与謝野馨君) これは全く作為的にやってはおりませんで、昨年御担当になられた竹中大臣が使われたと同じ、全く同じモデルで計算をしておりますが、その間、若干経済情勢あるいは統計の取り方等が変わった、その結果がこういう結果になっています。したがいまして、そこには別に人工的な意思が働いているわけではありません。
○片山虎之助君 いや、だからメディアが面白おかしく言うんですよ、四・〇と三・二になると。四・〇というのは名目ですからね、税収がそれだけ増えるんで、まあ増税という議論になれば増税幅が抑えられると。三・二になると増税幅広がるんで、まあ意図的にやったとは思いませんよね、それは。しかし、疑われるに足る幾らか何かあるね。
 だから、そこのところは、なるほど基準が変わったとか、デフレーターの今までのこのトレンドというんですか、あれが変わってきたとかというあれありますけどね、国民は分かりませんよ。メディアの人はもっと分からない。だから、そういうことについてしっかりと私説明する必要があると思いますよ。
 そこで、歳出カットをやりますよ、やる。それで、何か二十兆円切らないと、例えば社会保障の見直しがなければそのプライマリーバランスが黒字にならないという試算があるそうですが、それはそうですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 小泉政権の下で歳出削減というのは相当やってまいりましたし、気が付かない歳出削減もやってまいったわけでございます。ここですべての努力をストップして、今のまま成り行きに任せて二〇一一年に到達したらどうなるだろうか。これはやっぱりプライマリーバランスの赤字が二十兆になりますと、こういうことで、これは努力をしないで漫然と年を過ごしていく、また小泉改革の成果だけでこの改革を今の時点でやめてしまうと、そういう極端なケースが二十兆ということでございます。
○片山虎之助君 だから、こんなおどろおどろしい数字はもう出さないようにしてもらわないと、それは国民はびっくりしますよ。
 いや、そこで歳出カットを徹底的にやると、私は、今度の行革推進法の書いてることはすべて着手して一定の成果が出ないと、私、国民は納得しないと思いますよ。だから、歳出カットを徹底的にやる。まあ、経済成長が回復、景気がもっと回復するでしょうから、増収もあると。そうなると、歳出の水準が決まる、ある程度歳入の方も見えてくる、その中で国民負担率というものをどう考えて、社会保険料との分け合いですよね、税は。そこで、今度は税制全般を考えた中でバランスがありますよ。あるべき税制という議論もある。そういう中で消費税はどうかというところまでいかないと、私は国民は納得しないと思いますよ。はい、二十兆足りません、はい、上げますと、これじゃ通りませんよ。
 だから、財務省か財務大臣か知りませんが、一時、十九年の通常国会に消費税を上げる法案出したい、本当かうそか知りませんよ、報道ですから、ということが言われましたけど、とってもそんなことは無理ですよ。私は、どんなに遅くても平成二十年以降と思いますが、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、今、片山幹事長がおっしゃったようにまず歳出削減なんかは徹底的にやらなきゃなりませんし、また今度の行革法に書いてあるような手だてもきちっとやると、これは当然の前提だろうと思います。
 で、その上で、今私どもの置かれている状況を考えますと、例えば国、地方合わせて一五〇%公債残高がある。これは金利の変動にも極めて弱い体質を持っているということでございます。それから、毎年毎年社会保障等も一兆円の自然増というものがあるわけでございますね。それに加えまして、この間の年金改革のときの御議論で、要するに基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一、これも年限が、法律の条文上切って書いてございます。
 そうこう考えますと、私は、これはまだ政府の中の統一見解ではもちろんございませんけれども、そうそう余裕はないんだというふうに私自身は思っているわけでございます。時間的な余裕は余りないと思っております。
 ただ、この問題はこれから経済財政諮問会議の歳出歳入一体改革の中でも十分議論しなければなりませんが、タイミングの問題、もちろん私は重要だと思っておりますが、その前に、国民が理解をしないようであれば進むはずがないと思いますので、まずはこの歳出歳入一体改革の中で具体的な選択肢やあるいは工程表も示して、国民的な議論を深めていくということがまずあるべきだと思っております。
○片山虎之助君 それは大臣が言われるとおりですよ。余裕がないのは分かりますよ。しかし、何でそんなに余裕なくしたのかという議論もある、一方で。そういう中で、やっぱり消費税上げるというのは国民が理解しないと、国民が納得しないと。まあ上げ幅もありますよ。しかし、それは私は十分慎重な御検討を賜りたいと思いますよ。
 ただ、世界の中で五%なんという国はまあないんですね。あれでしょう、アジアでいうとシンガポールと台湾じゃないですか。シンガポールと台湾が五パー。七パーがタイですよ、韓国は一〇パーにしましたよね。中国は一七パーですよ。ヨーロッパの北欧は二五パーですよね、御承知のように。それから、ヨーロッパの重立った国は大体一六から二〇ですよ。だから、そういう意味では、私は消費税は将来上げざるを得ないと、少子高齢化の中で。しかもサービスは大幅に切り下げない。それはもう当然そういうことになると思いますので、ですよ。
 そういうことになると、やっぱり国民の広い理解と納得がないと私はなかなか上げれないと思うんで、そこは是非ひとつ慎重にお考え賜りたいと思いますし、それから、歳出カットは徹底的にやらにゃいけません。私、そう思う。
 それでね、総人件費をカットのために五年で純減五パーというでしょう。私は総務大臣やらしていただきましたからよく分かるんですよ。私のときは純減〇・一パーか〇・二なんですよ、単年度で。ということは、五年で多いときが一パーなんですよ。少ないときが〇・五パーなんですよ。それを五パーにするというのは大変なことなんですよね。
 で、それは単に割り当てて公務員を削るようなことはできません。できない。私は、徹底的なワークアウト、不要な仕事を洗い出して、これはやめると、これはもう伸ばすと、これは別の形にすると、こういうワークアウトをやることと、徹底的なアウトソーシングですよ。市場化テストも今度法案通ったんでしょうか、まあこれをやる。PFIがありますよ、お金の方では。そういう徹底的なアウトソーシングをやって、これは私の持論なんですけれども、国の地方出先機関が生産性が低いんです、悪いけれども。
 だから、これは現業以外はもう全部やめるぐらいの荒療治でないとできないと思いますが、この担当はどなたになるんでしょうか、はい、中馬大臣、お願いします。
○国務大臣(中馬弘毅君) 片山委員はよく御理解いただいておりますが、こうした大幅な改革をこれから進めてまいります。
 もう具体的に、今週末には何とか閣議決定に持ち込んで行革推進法を国会の方にも上程したいと思っていますが、ともかく、それを触るにつきましても、すべてのところにかかわってくるのが公務員の在り方なんですね。一つの組織を併せるにしましても、あるいはまた独立行政法人にするにしても、こういったことのすべては公務員に掛かってまいりますが、その公務員の方の御理解がないとこれは進みませんし、また、従来の公務員の、現在のような横並びで年功序列で上がっていくような形では、転勤とかあるいは早期退職慣行、こういったことでざっと民間に流れていくようにといいましょうか、天下りという問題にもつながっていくんですけれども、こういったことを含めて、片山委員がずっと続けてこられました、党の方でやっていただいています公務員制度改革委員会の委員長でやっておられますが、ここで大体、政府の方に申し入れいただきました。この申入れに基づいて私たちは今成案を得ようとしてやっておりますが、大体、案も出てまいりましたが、これまたこれを構成する公務員の労働組合の方々、そして各省庁の御理解が得ないと、なかなかこれをぽんと法案で出してもいけませんので、このところの御理解とそれからまた御協力をこれからお願いしてまいりますので、片山委員もひとつその点を、御協力を党側としてもよろしくお願いいたします。
○片山虎之助君 そこで、ちょっとまた、この三位、三位一体じゃありません、この一体改革に、歳出歳入一体改革絡むんですが、例の道路特定財源ですね。今度、行革推進法の中の二十条にその規定があるんですよ。で、その法律を見ますと、これ、十二月九日の、去年の、政府・与党合意をそのまま法律にしているんですね。だから、簡単に言いますと、必要な道路はこれからも造ると、ただ効率化は考えると。真に必要な道路は造る、効率化は考えると。それから、暫定税率は維持する、二つ目が。三つ目が、一般財源化を前提にですよ、今後、歳出歳入一体改革とは書いてないんだけれども、そういう改革の中で成案を得ると、こう書いているんですね。
 そこで、政府・与党合意ならいいんだけど、法律に書いた以上、全部きちっと、有権解釈というんですか、きちっとした解釈、私、できないといかぬと思うんで、一般財源化を前提にという、じゃ、これどういうことだと。将来は一般財源化すると、しかし取りあえずは別の形もあるよということなのか、あるいは、まとめてやるということなのか部分的にやるということなのか。これが一つね。それから、道路特定財源は、御承知のように国の税が三兆六千億なんですよ、地方の税が二兆二千億なんですよ。これは地方もその法律の中で読むのかと。まあ、あの書き方なら読まざるを得ないかもしれませんね、と思う。それから、更に言えばですね、その後どうするのかということがさっぱり分からない。私は、一般財源化にしても、道路に使う、道路関連に使うということはあり得ると思っているんです。それはその財務省の予算の中で、そういうさばきというのか仕切りというのか、そういうのはあるんで。
 で、これはどなたに答弁してもらえるか、私もよく分からないんですが、財務大臣でしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、片山幹事長がおっしゃるように、二十条は去年の暮れのその基本方針をそのまま書いたものでございますので、まだ、その前提にというのは例えばどういうことかというようなことも、そのたしか前提、前提ということでございまして、その具体的な施策をどうしていくかというのはこれからの議論でございます。
 今のところ、基本方針で決めたのは正にあの二十条に書かれたものでしかないと、その中で今後最善の案を出していこうということでございますので、現時点でお答えできるのはそこまででございます。
○片山虎之助君 そこで、こういうことなんですね。国が三・六兆、地方が二・二兆なんですが、その国の方の三・六兆から七千億円は補助金で行っているんですよ、それで七千億円は交付金で行っているんです。だから、一兆四千億が国から地方に行っているんですね。
 そうなると、どういうことになるかというと、三・六は二・二になるの、国は。地方はですよ、二・二が一・四乗せりゃ、三・六になるんです。そこで、今道路の整備率は、国道は九割を超えています、九〇%超えている。都道府県道は六四、五%、市町村道は五四、五%なんです。だから、道路整備は、はるかにネットワークは広いですから、百万キロぐらいあるんだから、地方道は。だから、それはもうずっと多いんですけれども、整備率が低い。それから、結局はですよ、道路特定財源というのは車と油なんですよ、御承知のように。だから、車を持っている、車を使っている、油を使っているというのは地方なんですよ。地方の今農家は、二台、三台皆ありますよ。東京や大阪は地下鉄乗りゃいいんだから、国電乗ったり。だから、そういう意味からいうと、地方に相対的に高いんですよね。しかも、整備率がこれだけ違う。
 だから、私はこの機会にですね、まあ、あいつは税源移譲が大好きだというのは、私は、税源移譲を少なくとも交付金の七千億円はしたらいいと思うんです、国と地方に、七千億円。そうやれば、どっちも二兆九千億になる。それは国と地方を五分五分にしろというのをおまえは、いつもおまえ言っているじゃないかって、まあ言っているんですけれども。だから、そういうことを検討される余地がありますか、谷垣大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 片山委員の御持論であることはよく承知をしておりますが、今のような形に決めることが果たして、まあ一般財源化がこれ前提とは何ぞやというあの初めのことに返ってくるのかもしれませんが、一般財源化という場合に、今のようにしてしまうことが妥当かどうか等々、もう少し議論をさせていただきたいと思っております。
○片山虎之助君 いや、一般財源としてそうすればいいんですよ。どうもこれはいろんなやり方がありますから、それから時期もあるから。だから、ああいう法律の書き方をするとね、中身を十分議論しないと、法律まだ出ていませんけれども、国会で私は大議論になるんじゃないか、また大議論しなきゃいかぬと、こう思っておりますが、是非ひとつそこはお考えを賜りたいと思います。
 それから、三位一体の改革ですけれども、いろいろ今日はもう御議論が民主党の議員さんからありました。私は、三位一体は、総理の答弁のように、大変な大きな改革だと思います。戦後六十何年の歴史で、国から地方に税源移譲三兆円なんてあり得ない、いや本当に。それはまあ、私はそういう仕事を若干やってきたことがあるかもしれませんが、私は大変な改革だと思います。
 で、この大改革は最初から一遍に百点でいくわけがない。野球と同じなんですよ。フォアボールで出たものをバントでセカンドに送って、ポテンヒットで帰れば一点なんですよ。最初からホームランを続けて打とうなんというのは大間違いなんですよ。まず、この財源移譲の、税源移譲の突破口を開いてこれから考えていくべきなんですよ。
 だから、補助金の確かに議論あります。補助率切下げは問題がある。あるけれども、補助率を切り下げることによって税源移譲ができるという一つの、税源移譲の原資になるんですよ。それから、補助率を下げておれば、幾ら中央省庁でも地方の自主性を認めざるを得ないんです、次第に。義務教育でもそうなんですよ。私はもっと義務教育に地域性を入れるべきだと言っている。あれは学校の先生の人件費ですよ。一般財源であろうが補助金であろうが、人件費は払わないかぬのだ、義務費だから。
 だから、どうということはないんですよ、どうということはないのに、なぜ地方が要るかというと、それが税源移譲の原資になるからですよ。税源移譲してもらいたいから、大きいから。また、それを、補助率を下げておいても、それをもらうことによって、教育について地域性なり、今言った自主性が中に入るからなんですよ。そういうことを大きく考えないと。それは議論ありますよ。だから、そこで補助金を、補助率を下げたり補助金を減らしたら義務教育に格差が出る、できるわけないでしょう、学校の先生方の人件費で。義務教育の中身は法律やいろんなもので縛りゃいいんだから。
 それから、またそれで若干格差ができても、地方自治は格差を認めることが地方自治なんですよ。A県は教育、B県は福祉、C県は産業振興、その差をみんなで決めたらそれを認めてやることが地方自治なんですよ。金太郎あめで日本じゅう同じにするのはもうやめたらいい、地方自治は。中央集権にしたらいい、みんな同じになるんなら。AもBもCもばらばらで、しかし格差があっても生き生きとみんなが選んだことをやるのが地方自治なんで、それを育てることを私はみんなで考えていく必要があるんで、そのためには三位一体改革、百点とは言いません、私は七十九点だと言ったんですよ。本当は八十点にしたいんだけどちょっと足りないと、こう言ったんですけれども。
 これを、だからそういう意味では一期改革ということなんでしょうか、今終わったんで、二期改革についてどう考えるか。あるいは国と地方のコミュニケーションの場ね、協議の場、私は法定する必要はないと思います。国会議員が地方も代表しているんだから、法定する必要ありませんが、国の政府のトップと地方のトップが話し合う、常時コミュニケーションの場、あってもいいと思いますね。
 そういう点について、官房長官が三位一体いろいろ仕切られましたんで、官房長官の、手持ちぶさたのようですから、どうぞ御答弁を。
○国務大臣(安倍晋三君) 地方自治に関して最も見識の高い片山先生のお話でございますので、我々、拳々服膺しながら、せっかく会議の場を設けましたので我々も活用していきたいと、こう思っております。
○片山虎之助君 何か味もそっけもないね。二期計画をどうするのかという、十九年、二期計画。それから、例の国と地方の協議の場は私は法定の必要はないと言うんだけれども、続けるかどうか。
○国務大臣(安倍晋三君) 会議の場は基本的にはこれは続けていきたいと、このように考えております。
 そして、第二期については当然、これからもこの国から地方への税源移譲を当然更に進めていきたいと、こう考えております。またさらに、政府内でしっかりと協議をし、また与党の皆様とも御議論しながら方向性を定めていきたいと、このように思っております。
○片山虎之助君 まあ、前よりは大分良うなりましたけどね。
 しかしね、地方も考えなきゃいかぬのですよ。地方の一部の知事さんその他の中に、悪く言えばいいと思っている。全体を考えて、しかも、長い方向を考えて議論をしなきゃ。もう今はそういう国になっているんですよ、困りますよ。
 私はいつも言っているんです、戦前は滅私奉公、今は滅公奉私。戦前は、私を捨てて公に尽くせ。戦争に負けたから、滅公奉私で自分だけが良けりゃいい、自分の会社が良ければいい、自分のグループが良ければいい、自分の周りが良ければいい、公はくそ食らえという。公は知ったことではないと、文句を言って金をもらうところ、そういうことなんですよ。
 これからは小さな政府になる。なるんだよ、総理。奉私奉公、私に尽くし公に尽くす。公と私は一緒なんですよ、私が集まって公なんだから。私が良くなんなけりゃ、公は良くならない。公が良くならなけりゃ、個々の私が良くなるはずはない。そういう奉私奉公というようなことをみんな、ウイーサーブ、地域社会や国家に奉仕すると、こういうことを持つことがこれから大きな課題だと思いますよ。改革の成果を是非そこに持っていくように、総理、頼みますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 確かに地方は、自ら立ち行かないから国からの交付税をもっとよこせという気持ちは強いわけでありますが、どうやって地域の自立性を高めていくか。これは、今後、日本国全体が発展する上においても、官から地方へと、中央から地方へということを考えても大事な課題であり、できるだけ自主性を持って特色を出していただくかと。
 先ほど片山議員言われたように、税源を全部任せれば、教育に使わないで公共事業に使うから駄目だとか、ほかのものに使うから駄目だということは与野党から反対論が出てきた。中央の役所も地方を信頼しない面があるんですね。これは、やはり地方の自主性と、地方は地方の住民がいるわけですから、そんな大事な教育をおろそかにして公共事業に使っちゃうと、道路に使っちゃうということが分かれば、地方の住民だって判断しますよ。そのような自主性を発揮できるような、そういう改革は必要じゃないかなと。同時に、勝手なことをしたら地方財政は破産しちゃうと。その破産した場合はどうやって国が保障するかということもやっぱり考えておかなきゃいかぬと。
 そういう面において、私は地方を信頼することも大事だし、それは地方が、正に自らの町は自らの力で発展させるんだという地方自治の精神にかなうんじゃないでしょうか。
 福沢諭吉も、一身独立の気概なくして一国の独立なしということを、もう幕末、明治から言っているわけですから、そういう自主性、自立性を発揮してもらうためにも、やはり改革は必要だなと思っております。
○片山虎之助君 非常に総理、いい言葉、福沢諭吉先生の一身も一地域も一国もやっぱりそうなんですよね。是非、そういう意味で、今日はこれでちょうど時間になりましたんで、またあした続きをやらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(小野清子君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会