第164回国会 決算委員会 第4号
平成十八年三月三日(金曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十二日
    辞任         補欠選任   
     松岡  徹君     神本美恵子君
     松下 新平君     尾立 源幸君
     浜田 昌良君     山下 栄一君
 三月三日
    辞任         補欠選任   
     小林美恵子君     小池  晃君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中島 眞人君
    理 事
                国井 正幸君
                小池 正勝君
                武見 敬三君
                直嶋 正行君
                松井 孝治君
                山下 栄一君
    委 員
                荒井 正吾君
                坂本由紀子君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                西銘順志郎君
                野村 哲郎君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                山本 順三君
                尾立 源幸君
                加藤 敏幸君
                神本美恵子君
                佐藤 雄平君
                谷  博之君
                那谷屋正義君
                藤末 健三君
                簗瀬  進君
                和田ひろ子君
                高野 博師君
                西田 実仁君
                小池  晃君
                小林美恵子君
                又市 征治君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     竹中 平蔵君
       法務大臣     杉浦 正健君
       外務大臣     麻生 太郎君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   小坂 憲次君
       厚生労働大臣   川崎 二郎君
       農林水産大臣   中川 昭一君
       経済産業大臣   二階 俊博君
       国土交通大臣   北側 一雄君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 安倍 晋三君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        沓掛 哲男君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  額賀福志郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融、
       経済財政政策)
       )        与謝野 馨君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      中馬 弘毅君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      松田 岩夫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       ・男女共同参画
       ))       猪口 邦子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   副大臣
       内閣府副大臣   嘉数 知賢君
       防衛庁副長官   木村 太郎君
       外務副大臣    金田 勝年君
       財務副大臣    赤羽 一嘉君
       農林水産副大臣  三浦 一水君
       経済産業副大臣  松 あきら君
       国土交通副大臣  松村 龍二君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        平井たくや君
       財務大臣政務官  野上浩太郎君
       厚生労働大臣政
       務官       西川 京子君
       厚生労働大臣政
       務官       岡田  広君
       農林水産大臣政
       務官       小斉平敏文君
       経済産業大臣政
       務官       小林  温君
       国土交通大臣政
       務官       吉田 博美君
        ─────
       会計検査院長   大塚 宗春君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    佐藤 壮郎君
       内閣法制局長官  阪田 雅裕君
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総長       竹崎 博允君
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        桐山 正敏君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     阿部 隆洋君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     白井  始君
   国立国会図書館側
       館長       黒澤 隆雄君
   政府参考人
       内閣官房知的財
       産戦略推進事務
       局次長      藤田 昌宏君
       内閣府政策統括
       官        東  良信君
       内閣府沖縄振興
       局長       藤岡 文七君
       宮内庁次長    風岡 典之君
       防衛庁防衛参事
       官        小島 康壽君
       防衛庁防衛局長  大古 和雄君
       防衛庁運用局長  山崎信之郎君
       防衛施設庁長官  北原 巖男君
       総務省行政評価
       局長       福井 良次君
       財務省主計局次
       長        鈴木 正規君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省老健
       局長       磯部 文雄君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       社会保険庁長官  村瀬 清司君
       社会保険庁次長  小林 和弘君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        染  英昭君
       資源エネルギー
       庁長官      小平 信因君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     石野 秀世君
   参考人
       国民生活金融公
       庫総裁      薄井 信明君
       住宅金融公庫総
       裁        島田 精一君
       農林漁業金融公
       庫総裁      高木 勇樹君
       中小企業金融公
       庫総裁      水口 弘一君
       公営企業金融公
       庫総裁      渡邉 雄司君
       沖縄振興開発金
       融公庫理事長   松田 浩二君
       国際協力銀行総
       裁        篠沢 恭助君
       日本政策投資銀
       行総裁      小村  武君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成十六年度一般会計歳入歳出決算、平成十六
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十六年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十六年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十六年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十六年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)
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○委員長(中島眞人君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 参議院では、参議院改革の一環として決算審査を重視しております。決算審査の充実に努め、その審査結果を予算編成に反映させようと取り組んでいるところでございます。そういう趣旨から、予算の審査に先立ち、決算委員会を本日開会したものでございます。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、松岡徹君、松下新平君及び浜田昌良君が委員を辞任され、補欠として神本美恵子君、尾立源幸君及び山下栄一君が選任されました。
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○委員長(中島眞人君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山下栄一君を指名いたします。
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○委員長(中島眞人君) 平成十六年度決算外二件を議題といたします。
 本日は全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○国井正幸君 自由民主党の国井正幸でございます。
 昨日、平成十八年度政府予算、衆議院を通過をいたしました。そこで、本院に送付されたわけでありますが、国民の皆さんからしますと、予算審査の中でなぜ決算の審査なのかと、率直のところ国民の皆さん思っていらっしゃるかと思います。したがって、今委員長からもお話ありましたように、参議院においては決算を重視すると、こういう立場でありますので、今日はテレビ及びラジオで全国に放送されていると、こういうことでもありますので、若干国民の皆さんにこの決算重視というものについて御説明をちょっとさせてもらいたいなと、こう思っております。
 参議院では、総理の冒頭の所信表明のときにも、代表質問がありまして、我が党の青木会長からも発言がありました。予算の衆議院に対して決算の参議院ということで、しっかりと決算審査を行う。このことによって、やはり過年度の予算の過不足あるいは合目的性あるいは適法性、そういうことにとどまらず、広く過年度の予算というものを精査をして、その教訓というのをしっかりと新年度の予算に生かしていくと、こういう趣旨で行っているわけでございまして、私どももその使命の達成のために全力で頑張っている所存でございます。
 そういう意味で、まず、この参議院の決算審査というものに対して、総理として、これはもう代表質問でもお伺いしたところでありますが、この参議院の姿勢に対して御所見があれば、ちょっと冒頭お伺いいたしたいと思っています。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 我が国においては、衆議院と参議院、二院制ですから、衆議院とは違った参議院の存在価値があるだろうと前からよく言われておりました。
 そこで、衆議院の予算審議というのは花形委員会と言われるほど国会の委員会の中でも一番注目され、またその予算委員会での発言というのはテレビ中継等多くの国民が注視する機会も多いわけであります。
 そこで、予算審議の場合は、衆議院がまず審議を始めて、その後参議院は、仮に議決されなくても、衆議院の結果通過すれば、一定期間たてば自然成立と、賛否にかかわらず自然成立になってしまうという状況を考えると、参議院としては、やはり参議院としての独自の役割というものを衆議院と違った形で示していいのではないかという考え方を反映した一つが今回の決算重視だと思うんであります。
 衆議院でおかれては予算委員会、先にこうして何回かテレビでも中継され、様々な議論が交わされましたが、今回、参議院において予算の前に決算委員会、今までには余りなかったことでありますし、こうして決算の様子を予算にも反映しなきゃいけないという参議院側の強い意向を踏まえて、政府としても決算の結果を重視していこうと。そして、予算の審議の前に、今日は全閣僚出席の下にこのような審議が行われるということは、やはり衆議院とは違った参議院の役割があるんだなという、そういう参議院独自の自覚の表れだと私は評価しております。
○国井正幸君 そこで、総理にお伺いしたいと思いますが、本院においては警告決議というものを内閣に対して行った部分がございます。これまで私どもお伺いしているところによりますと、内閣においても随分重きを置いて、しっかりと、特に特別会計の事務事業の見直し等についてはしっかりとやっていただいたと、こういうふうに伺っておるわけでありますが、この内容等について、かいつまんででも結構でありますが、内閣としてどういうふうにこの警告決議に取り組まれたか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私ども財務省としましても、決算を重視していただくということは、無駄を徹底的に排除していくということだけではなく、さらに予算の質を向上させるという意味でも極めて意義があることと考えておりまして、参議院が決算重視の取組をなさっているということに心から敬意を表したいと思っております。
 それで、決算に係る国会での審議内容を予算に的確に反映させると、これが何より大切なことであると思っておりますが、総理の御指示も受けまして、政府一丸となって平成十八年度予算への反映に取り組んでまいりました。
 この結果、今おっしゃった警告決議、それから決算審査措置要求決議につきましては、例えば、特別会計について多額の不用、剰余金の発生、それから政府出資法人等への支出に係る問題、こういった御指摘を受けました。で、約十三・八兆円の剰余金、積立金を財政健全化のために活用することにいたしましたほか、徹底した歳出の見直しを行うことによりまして、特殊法人等への財政支出を約千九百九十九億円削減いたしました。それから、会計検査院への検査要請項目につきましては、資金の滞留であるとか、あるいは事業実績等が低調であるという、こういう指摘を受けました三十三資金等につきまして、廃止、縮減など、国庫返納とかあるいは歳出削減、こういうことによりまして千二百十四億円を反映するといったような成果を上げてきたところでございます。
 今後とも、決算の審査の内容を十分反映させていくよう努力いたしたいと思っております。
○国井正幸君 本来、警告決議とか措置要求決議とかというのはなけりゃその方がいいわけでありますが、まあ不幸というか、出た場合は、是非そういう形で、今のような形でしっかりと措置をしていただくように望みたいと思います。
 それでは総理に対して質問をさせていただきたいと思いますが、総理は、十三年の四月の二十六日に総理に御就任されて、ちょうど今日で在職で千七百七十三日で歴代第六位、戦後では第四位の長期政権を維持されていると、こういうふうに承っております。そして、今なお、長期にもかかわらず国民の高い支持率を得ている、これは事実としてあるわけでございます。総理のこれまで取り組んでこられた様々な改革等について私どもも御尊敬申し上げている次第でございます。
 総理は、就任以来今日まで常に改革というものを志向されてこられたというふうに思います。例えば、改革なくして成長なし、民間でできるものは民間に、地方でできるものは地方にということで、三位一体の改革を始め地方分権の推進、あるいは道路公団の民営化、さらには、これはなかなかだれもできなかったろうと、こういうふうに言われております郵政公社の民営化の問題、そして政府機関、特殊法人等の再編整理や独立行政法人化など、様々な改革に取り組んでこられたというふうに私どもも思っております。
 この四年十か月というのを振り返って、総理御自身として思った目標というんでしょうか、当初に思い描いた部分と目標があろうかと思いますが、これに対して到達点としてどの程度進んできたかなと御自身で考えられるのか。あるいは、まだ今、私も党の執行部やらしていただいておりますが、改革加速ということで、とにかく改革をもっとスピードを上げようと、こういうことで進めておられるわけでありますが、今なお残っている課題とすればどんな課題を総理としてお考えになっておられるか、率直にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、就任以来、改革なくして成長なしというこの一貫した方針の下に様々な改革を皆さん方の協力によって進めてまいりました。それは、やはり経済を活性化して国民生活を豊かにするというためにはどういう政策が必要かということを考えますと、現在、日本の政府の役割というのは重要でありますけれども、今後、民間の創意工夫を発揮して自由な国民の持てる能力を顕在化させるためには、民間なり個人なり地域なりにその能力を発揮しやすいような環境を整備することが大事ではないかということから、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にという方針でもろもろの改革に取り組んできたわけであります。
 その一つの例が道路公団民営化であり、郵政公社の民営化でもありますが、これは本当に役所じゃなきゃできないのかと、公務員でなければこの仕事はできないのかという率直な疑問からであります。
 今まで、大事な仕事、これは政府がやるんだと。公共的な仕事は役所がやるんだ、公務員がやるんだ。いわゆる、役人が大事な仕事をやって、それ以外は民間がやっていいという、いわゆる官尊民卑の考え方が強かった。しかし、これからは、大事な仕事、公共的な仕事でも民間企業なり民間がやれるんだったらばやってもらおうじゃないかと。むしろ、官業は民間の補完、政府の役割は限定しようじゃないかと。
 民間の創意を発揮するためには、民間人に様々な分野に、あれをやれこれをしてはいけないという、政府が手足を縛るんじゃなくて、自由な発想の下に公共的な仕事でもやってもらおうということから、政府の役割を見直していかなきゃいけないということで、民間にできることは民間にと。今では民間人も公共的な仕事をたくさんしているわけであります。何も役所なり公務員だけが公共的な仕事をしているんじゃないと。民間企業だって、民間人だって公のために役に立つ仕事をたくさんしている。
 そういうことから、私は、民間にできることは民間にということで、ようやく、私の就任時には失業率も五・五%ぐらいで、この小泉内閣の不良債権処理を進めると二けたになるんじゃないかという心配もありました。こういう不況のときには、改革を先に進めるんじゃなくて、まず成長政策を考えろと。公共事業を減らして何で景気が回復するんだと、減税しないで何で景気回復するんだと、様々な批判を浴びて、要約すると、改革なくして成長なしじゃなくて、まず成長を考えてその後改革を考えるべきだ、ということは、公共事業をもっと増やして補正予算を組んで減税をしろと、それから、景気が良くなってから改革を進めるべきだという、この論争が盛んに行われました。
 しかし、小泉内閣成立以来、暫定予算は組んでおりません。今回衆議院で予算が通過して、一度も暫定予算を組まずに予算が衆参通るようになりました。そして、公共事業も減らす、減税もしないという中で、景気は着実に回復の足取りを強めております。言わば、改革なくして成長なしと、これはやはり正しかったんだなという大方の理解を得るようになりました。
 失業率も改善しておりますが、最近では、むしろ企業が採用したくても人が集まらないという状況に一部でなってきた。まだまだこれは地域のばらつきがあります。企業でばらつきがあります。一定の企業においては人手が足りないといいながら、ある地域、ある企業においてはむしろまだ人員を削減しなきゃならないところもありますけれども、有効求人倍率も全体では一に回復しました。愛知や群馬では一を上回って、地方におきましても、東京だけでなくて、企業が採用したいというんだけれども人が集まらない状況にもなってきております。
 そして経済成長率もだんだん上がってまいりましたし、物価も何とかゼロ%以上になるようにデフレ脱却に努めていかなきゃならないという方針を立てておりましたけれども、だんだんだんだん物価もゼロ%を超えるような状況になっておりまして、最近では、そろそろデフレ脱却の兆しが見えてきたのではないかなという、そういう状況にもなっております。
 また、企業も個人も地方も、やればできるんだという意欲も見えてまいりました。駄目だ駄目だと、何やっても景気は回復しないと私が就任したころは言われましたけれども、最近では、やればできるじゃないかというような意欲も出てまいりました。
 今後とも、国民の意欲、創意工夫を発揮できるような環境を整備することが政府としては大事だと。むしろそのような、政府があれをしなさいこれをしなさい、こういう商品を出しなさい、こういう事業をやりなさいと言うんじゃなくて、民間自身が、こういう商品を出したらば、こういう事業をやったらば国民が喜ぶのじゃないか、消費者がこういう商品を必要としているんじゃないかということを積極的に考えるようになった。そういう環境をつくり出すのが私は政治として極めて大事な役割だと思いまして、これからも、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、この方針を徹底して、政府としてもそういう民間の意欲なり地方の意欲を引き出すような政策を展開して、日本としても多くの国民が意欲を持って働くことができるような環境を整備していきたいと。
 そしてまた、国際社会におきましても、一部では日本は国際社会から孤立しているんじゃないかという議論がありますけれども、実はそうじゃないと。最近、BBCなりアメリカの大学での調査においても、日本は世界にいい影響を与えているかという調査の中では、世界でEUに次いでベストツー。日本の存在というものを高く評価している。これは、今までの日本の戦後六十年の歩みを国際社会は正しく評価していただいているんだという表れだと思います。
 ODA始め、日本が平和国家として自由と民主主義を守りながら今日の豊かな社会を築いてきたことに日本国民自身自信を持って、また、政権政党としてこれからもこのような歩みを続けるという自覚を持って努力をしていかなきゃならないと思っております。
○国井正幸君 是非そういう意味で、国民の期待も大きいわけでございまして、改革に努めて、とにかくいい世の中をつくってもらいたいと、このように思っております。
 そういう中で、実は総理、今日もまた新聞で、大変残念なことでありますが、このごろ官製談合なんていう話が作られてしまいまして、全く残念なことだというふうに思っておりますが、私は、これは公務員制度の改革というのが大きく必要なんではないかなと、そういう思いをいたしております。
 最近だけ見ても、去年の七月には日本道路公団の内田副総裁が、これ逮捕されたということを含めて、さらに十二月には新東京国際空港公団、現成田国際空港会社ですね、そして一月になっては防衛施設庁の問題等々があって、残念でありますが、後を絶たないと、こういうことになっております。
 私は、やっぱりこの公務員制度、特に天下りとの関係がどうしてもやっぱり背景にあるんではないか、こういうふうに思うわけでございまして、政府においては長年公務員制度改革というものに取り組んでこられたというふうに思いますが、これまで公務員制度改革、どのような形で取り組んでこられたのか、これは行革担当大臣でしょうか、是非これまでの取組の状況等について、かいつまんでひとつ御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(中馬弘毅君) 御質問の公務員制度改革でございますが、これまでにも累次の閣議決定等でその方向をずっと打ち出してきております。そして、近々出します、今回の重要方針に基づく行政改革推進法でも、これは公務員制度の改革の推進ということで一項目を挙げてこれ具体的に書かせていただいております。
 その方向といいますのは、やはり能力、実績主義に基づいた人事制度を公務員の中にも取り込む必要があるということ、それから多様な人材の確保、民間と相互にといったようなことまでも含めてそうした人材の確保の問題、それから適正な退職のルールの確立、こういったことの実現などに努めていき、またそれをこれから法制化しようといたしております。
 以上でございます。
○国井正幸君 官製談合防止法、俗称でありますが、これは正式には入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律ということだそうでありますが、これ十四年に制定して十五年の一月から施行されておるわけでありますが、この通常国会に私ども与党が議員立法という形で、従来の、今のやはりこの入札談合等関与行為の排除・防止に関する法律だけでは不十分だと、こういうふうなことで、今度はいわゆるそういう行為を行った者に対して五年以下の懲役、二百五十万円以下の罰金ということで罰則規定を入れてというか強化をして、今議員立法で今次国会に提出をしているわけでございまして、これが私も一日も早くこの法案をしっかり成立させることは必要だと、このように思っている次第でございます。
 しかし、よくよくこれ考えてみますと、罰則を強めるというのは、当然そういう犯罪行為をなくするという意味での抑止力としてこれは必要だということはそのとおりでありますが、それが必要十分条件かというと、私は残念だけれども十分条件にはならないんじゃないかと、こういうふうに私は思っておるんです。と申しますのは、やはり公務員の天下り、これは勧奨退職があると思うんですね。
 実は、私、自分の年言って恐縮でありますが、ちょうど私は昭和二十三年の早生まれなんですよ。そうすると、昭和四十五年、一九七〇年に、もし私が公務員になっていたとすれば、その一九七〇年に初めてその職に就くという年なんです。
 ここに、たまたま切りのいいところで、皆さん方お手元にも配ってありますが、一九七〇年、これ内閣官房と総務省に調べてもらったんです。何人、じゃ政府の、上級職ですよ、これ上級職だけでありますが、ここには数値入っていませんが、数値で申し上げますと、上級職採用者が六百五十一人なんです。じゃ、十年後に何人になったかというと四百九十五人ですよ、ほとんど変わらない。二十年後、四百七十二人、ここでも変わらない、それほど変わらない。で、三十年後ということになると半減しまして、二百五十七人になるんです。三十年後ですね、ちょうど平成十二年であったわけです。ところが、現在は何人になっちゃうかということになりますと、何と七十二人なんです。で、省庁別で見てきますと、一人なんというところが多いんですよ、残っているのは事務次官ただ一人と、そういうところです。それで、一年だけ取ってはこの年だけ特殊だなんという話になっては具合が悪いと思ったんで、四十八年採用組もと。大体ほぼ同じなんです、傾向同じなんです。まあこういうふうなことになるわけでございます。
 それで、いったん、じゃこのときに何人受かったのかなと、国家公務員に何人受かったのかなと。これは人事院しか分からぬというんで、これ人事院総裁来てもらっていますからお伺いするんですが、ただ、ちょっと私も人事院に残念だなと思ったのは、本当は今言ったような数値は人事院に聞けば分かるかと思った。何人採用、何人上級職に受かったと、そして何人がそれぞれの省庁に採用されて、何年後にはどういう形になっているというのが人事院なら分かるのかなと思った。ところが、人事院は全く分からぬと言うんですよ。それで、内閣官房と総務省にお伺いをして、そしてこういうものを作ったということなんです。
 まあちょっと時間もありますから、人事院総裁、ここへお願いしていて恐縮ですが、何人受かったかと聞いても余りそれほど意味がないので、済みません、誠にお呼びしていて申し訳ないが、これ省略させていただきます。
 それで、今の内閣官房の調査でも分かりますように、昭和四十五年に入省組というのは、これ昭和二十二年と二十三年の早生まれなんですね、五十七歳の人もいれば五十八歳になっている人もいるということですよ。残っているのはほんの一握りなんですね。ということは、ほかは、もちろん自主的にお辞めになった人あるいは健康を害された方、いろいろ数のうちですからおられると思いますが、しかし大半は勧奨退職なんですね。
 総理、この実態をどういうふうに思われるでしょうか。まあ聞き方として何が聞きたいんだという話になるかもしれませんが。
 ちょっと私は、率直のところ公務員というのは、一般で言いますと地方も国家公務員もある、上級も初級もある。しかし、お茶の間で公務員という職業を語られるときには、一つは身分が安定しているよね、堅い仕事だよねと、あるいは国家や地域のために貢献できるね、大体そんなところが普通一般家庭の中で語られる公務員の姿ではないかなと、こう思っているんです。
 ところが、私も政治家になって初めて、率直のところ中央省庁の、またこの中央の方々とお付き合いするようになったわけでありますけど、一方じゃやっぱり公務員というのはあんまり働かない人種だというふうに思われているのも社会一般なんですよね、率直のところ。しかし、この世界に入ってみて、ここまで働く人種がいるかと、ここまで頑張っているのがいるかと。これ、やっぱり政治家になってみて初めて感じた率直のところ感想ですよ。特に上級職の人たちですよ。
 ところが、そういう人たちが、何も自らの過失があるわけではない、何も犯罪行為を犯したわけではない、にもかかわらず、あなたは、たまたま同期で自分よりちょっと優秀な人がいるだけで、その人は残るかもしらぬ、だけど、あなたどちらかへ行ってくだされと、こういう話でしょう。これはやっぱり個人からすりゃ大変な話ですよ、生きなくちゃなりませんから。年金は辞めたってもらえないんですから。これは何とかするというのが、これやっぱり役所がトータルとしてその仕組みで先輩を何とかしにゃならぬなと、これ思うのが人情論だと思いますよ。この制度を解決することなくして天下りが駄目だなんと言ったって、そんなわけにはいきませんよ、これね。
 この制度の、私はやっぱり公務員制度改革、小泉政権の中で各種の改革やってこられた、総理の情熱の下で、リーダーシップの下でやってこられた。この公務員制度改革を何とか総理、少し形が見えるようにしてもらいたい、是非お願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公務員の世間の評価と実際に公務員の重要な仕事をよく理解する、両方とも大事なんですけれども、公務員制度改革というものの重要性というものをわきまえながら、今、これから取り組むべき大事な課題だと思ってそれぞれ今協議を進めているところでございます。
 公務員というのは、やはりできるだけ優秀な人材を集めるためにはどういう対策が必要かということと同時に、民間と公務員との違い、こういうのも長年の制度からあります。身分の保障、そういう問題もあります。そして、基本権の問題、こういう問題もありますから、民間との違いと民間と同じようにしろと、両方の議論があるもんですから、この点をどのようにわきまえていかなきゃならないかという問題もあります。
 さらに、天下りの問題もありますが、最近では天上がりもしなきゃいけないと、民間と公務員との交流を活発にしようという問題もあります。これもなかなか難しい問題なんです。できるだけ優秀な民間人が公務員の仕事をしてまた民間に戻る、あるいは公務員が民間に入って実際の実務を学びながらまた公務員の仕事をするという交流もしなきゃいけないという点もあります。
 さらには、公務員の身分が安定していると。そのためには、一定の給与、保障、これの制度も考えなきゃいけないということもありますので、様々な改革をしろという中で、この問題については今、公務員を削減しろという国民の声にこたえて削減の方針でやっておりますけれども、その役割も含めて優秀な人材をいかに確保するかという御指摘だと思いますけれども、それと同時に、一部の不祥事を出してこれは公務員全体がけしからぬということにならないように、公務員は公務員としてのやっぱり使命感と情熱を持って、一生懸命公僕として働こうという意欲を持って公務員になろうとしている方もたくさんいるというか、ほとんどだと思うんです。たまに一部の不祥事が起こると全体がいかぬという、こういうことにはならないように、冷静に考えながら、公務員の重要性というものも国民に理解を求めながら、いかに優秀な人材、そして民間からも批判されないような制度なり方策を講ずるかということについては、各方面からの意見を聞いて、これからも積極的に取り組んでいかなきゃならないと思っております。
○国井正幸君 是非これから特殊法人改革等、政府の外郭についても、相当やはり必要なものは残すにしても精査をするということで、整理統合を進めるということだというふうに思います。ですから、行く先も非常になかなか少なくなってくるというのもこれ事実のことでございますし、やっぱり同じ公務員でも、いろいろ調べてみますと、都道府県の職員、市町村の職員もおるわけでありますが、都道府県や市町村なんかではほとんどそういうことなくてやれてるんですね。やれてるんですよ。これは昇進は遅いという部分はありますよ。ありますが、やれてる。
 ですから、やっぱり同じ公務員という中で、国家公務員の特に上級職だけが、最も国家に貢献しよう、最も頑張ろうという連中だけがそういうことでは、やっぱりこれは優秀な人材を集めようったってなかなか私は困難だというふうに思うんです。今までも十分貢献をしてくれましたけど、これからももっとやっぱり貢献してもらうためには、やっぱりしっかりとそういう人たちのことも考えてもらいたいというふうに思います。
 これ是非総理、改革の小泉内閣ですから、是非そういう意味でお願いをしたいと思っています。
 ちょっと話題を変えますが、特殊法人改革、独立行政法人等についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
 これまで総理が取り組まれて、大変私は大きな成果を上げてきたというふうに思っています、特殊法人改革ですね。特に、これ特殊法人改革というと、一番やっぱり道路公団なんかがすぐクローズアップされるんですが、それ以外にも多くの特殊法人が独立行政法人になられた部分があります。前宣伝ほどじゃないなんということも言う人もいるんですが、私は、いやそんなことないなと率直なところ思っているんです。
 例えば、私が知っているところで日本原子力研究開発機構というのがありますよね。昔の原研ですよ、日本原子力研究所。これが独立行政法人になりまして、私も不勉強だったんですが、原子力ということになりますと、原子力発電あるいは医療用の機械ですね、こういうところで放射線や原子力というのは利用されるんだなというのは、それは承知していましたが、何とそれ以上に産業用で利用されているというんですよ。
 聞いて驚いたのは、自動車のタイヤを作るときに放射線を当てると。あるいは紙おむつですね、これがプラスチックで水分を吸着しているわけでありますが、しかし、これプラスチックですから、最終的に焼却するときにダイオキシン等が出る。それで、生分解プラスチック、そのまま分解できるもののプラスチックを使う。しかし、そのときになかなか水分吸着ができない。そこに放射線を当てて分子構造を変えてやることによってできたというんですよ、これ、原研がね、この原子力開発機構。
 私は、それ以上にこれすばらしくなったなと思ったのは、私は党の畜産酪農対策小委員長をやっていたんですよ。家畜のふん尿処理の問題が大きな課題でした。そうしたら、原子力研究所の皆さんが、研究員の皆さんが訪ねてきて、今度はおがくずでセルロースを、おがくずからセルロースを取って、それでそこに放射線を当てたら水分をその自分の体積の二十数倍だかを吸着するものができた、こういうものを使えないかと。そっちから非常に、我々が言ったんではない、その売り込みに俗に来たんですね。やっぱりこれすばらしいなと。で、いろいろ聞いてみたら、今度独法化しましてねと、稼げば研究費も使えますよと、そういうことで一生懸命我々やっているんだと、こういうすばらしい私は成果だというふうに思っているんです。
 最近のホームページでは、傷付いたDNAを、遺伝子を発見をして、それを直す薬をメーカーと一緒になって開発したというんですよ、原子力開発機構ね。これは大変私はすばらしいことだなというふうに思っておるんです。どんどんそういう意味で、やっぱり民間とタイアップしてやっていくと。これがやっぱり独法化した大きなメリットではないかなと、こう思っているんです。
 総理、いろいろあると思いますけれども、この独法化した特殊法人改革で総理の評価は、現在こう広く見渡してどういうふうに思っていますか。
○国務大臣(中馬弘毅君) 今独立行政法人の評価をしていただきましたが、御承知のとおり、特殊法人改革の中で、この特殊法人というのは民ができる仕事も行っているじゃないかとか、あるいは責任の所在が不明確だとか、あるいは不必要な組織、業務が見直されずにあるじゃないかといったようなことで、十三年十二月に特殊法人合理化計画の中でこの独立行政法人というのができたわけでございまして、今例示挙げられました日本原子力開発機構はまだ十七年十月一日に設立したばかりでございますが、それから、もう前からやっておりましたことで今挙げられましたようなことを本当に積極的にやっております。これからのこの行政改革の中でも、官から民へという形で民間に相当移っていくその途中経過といたしまして、これが独立行政法人という形態を取ることが多いんですが、これもできたらもう完全な民営化の方向に移ってほしいと思っております。
 独立行政法人の中で、今おっしゃいましたように、いろんな民間の方から研究でタイアップした形で、そしてもちろんそこから収入も得る形になっていますと、もうこうして国のお金を使う必要もなくなってくるわけでございまして、今後の方向として私どもは大いに位置付けて頑張っていきたいと思っております。
○国井正幸君 是非、そういう意味では、自由濶達に組織が活動できるようにしてもらいたいというふうに思います。
 その一方で、やっぱり自由にできるということは、どこかでやっぱりチェックをしなくちゃならぬと、こういう問題も出てくると思います。時間の関係で、この問題も実はちょっとお聞きしようと思ったんですが、時間がなくなったんで省略をちょっとさせてもらいたいと思いますが、特に、やっぱり我が国が科学技術創造立国というのを掲げておりまして、この産学官の連携、これは非常に重要だと思うんですね。是非、これどういう形で進めていくか、これらについて基本的な考え方を、科学技術担当大臣にこれお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松田岩夫君) 国井議員御指摘のとおり、厳しい内外環境の中で、正直、民間企業の方々が創意工夫を凝らして絶えずイノベーションを起こしていただきながらということが今ほど求められているときはありませんが、産学官連携は本当にその実現のための重要な手段でございまして、これを積極的に推進していくことは委員御指摘のとおりとても大事なことだと考えておりまして、総合科学技術会議が最近行った調査で見てみますと、研究型独立行政法人の平成十六年度における民間との共同研究及び受託研究費等の額は約一千八億円に上っております。また、民間企業等に対して実施した技術指導等は約三万八千件、研究成果の民間企業への移転につながる特許の出願件数は約二千四百件と。
 まだまだ、しかしもっともっとという思いを致すわけでございまして、独立行政法人の研究の成果が本当に社会、国民に還元されて、民間企業との連携が更に強化されていくと、その方向に更に進めていきたいということで、この第三期、来年度から入ります科学技術基本計画におきましてもこの点はとても重視しておりまして、基礎から応用までを見通した共同研究等に産学官連携でもっと戦略的、組織的に取り組んでいくという体制を強化していくということにいたしております。
 いずれにいたしても、委員御指摘のとおり、正に独立行政法人の研究成果が本当に国民、社会に生かされていく、そして独立行政法人化した意味が本当に生きていくという方向になりますように、私といたしましても一生懸命頑張っていきたいと思っております。
○国井正幸君 是非、今、松田大臣おっしゃられたように頑張っていただいて、国家国民のために寄与する科学技術というものであってほしいというふうに思います。
 そこで、やはりWTO等々の交渉等で知的財産権の扱いというものもこれいろいろあろうというふうに思うんですね。そういう中で、やっぱり率直のところ、国民感情からすると、国費をもって開発した技術ですからやっぱり日本国で、外国にどんどんどんどん行っちゃったんじゃやっぱり何となく寂しいなと、そういう気持ちがすると思います。ただ、やっぱり内外無差別という原則もあるのも承知していますから、そういう意味では、やっぱり独立行政法人等が内国法人としっかり連携を取って、この利活用、国内で利活用する、そういう姿勢が、外国は駄目だというんではなくて、それ以前に国内のそれぞれの皆さんが連携を取ってこの科学技術を生かしていくと、そういうことで是非政府においてもそういう角度で頑張ってもらいたいなと、このように思っています。
 時間が迫ってまいりましたので、私の最後の質問にさしてもらいたいと思います。
 これは、WTOとFTAの関係でございます。環境省が出している環境白書というものを見てみますと、そこに物質フロー会計というのがございます。これは我が国の物質収支、物の出し入れだと、重量ベースですね。これを見てみますと、我が国は国民生活や産業活動をやるために一年間に七億七千万トンの資源を輸入している。一方、輸出は工業製品を中心に一億三千万トン輸出をしている。その七億七千万トンの輸入代金は五十七兆円、およそ。一方の一億三千万トンの輸出代金は六十六兆円で、差引き九兆円稼いでいる。率直のところ、加工貿易立国、加工貿易というのが我が国のなりわいだと、こういうふうに言っても過言ではないというふうに思っています。
 それで今、包括的な貿易交渉という形で、一九九四年にはウルグアイ・ラウンドがありましたが、二〇〇一年からはドーハ・ラウンドをやっている。延々とやっています、今。今年の四月が大きな山だと、こういうふうに言われております。
 しかし、そういう中で、総理、これはそれぞれの担当大臣の皆さんが頑張ってやってくれている。いますが、外国と比べてみると、しょっちゅう大臣が替わるとか、あるいは交渉の責任者が替わるとか、そういうことを率直にお聞きするんですよ。あるいは、交渉に行くとき各省庁の役人が一杯付いてバスでもってそこへ押し掛けるという、そういう話もある。だから、やっぱりもうちょっとしっかりと、司令塔が不在なんじゃないかと、そんなふうな意見もあるんです。
 やはり国として、我が国が本当に加工貿易立国、貿易で国のなりわいを立てているとすれば、やはりこれは国務大臣をしっかりつくって、そこの下でいろんな全権を持って調整するような、そのぐらいの対応で私は臨むべきなんじゃないかなと、そんな感じをするんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのWTO、あるいはFTA、EPAの交渉で、今、国井議員が言われたような指摘も私もよく聞くんですよ。
 経済交渉、特に農林水産業も含みますから外務大臣だけじゃできない。ということになりますと、この交渉には外務大臣、経産大臣、農水大臣、この三省の、三大臣の調整というものは必ず必要になってくるんです。そうすると、これからも三人の大臣が一緒に行かなきゃならないのかと。外国は一人の大臣で長い期間やる場合が多いですから、日本はだれとやればいいんだということで、担当大臣を置くべきだという声も聞くんですけれども、これは実際今までの経験から考えてみて、仮に担当大臣置いてもこの三大臣と交渉しなきゃいけないんですよ、必ず。
 それで、私、外国と交渉してみて、じゃ大統領、首相とやると、そうすると、相手方もずらっと役所の出てくるんですよ。これはやっぱり日本と似ている状況があるんだなというんで、もう役所出てくれと、私はもう大統領と、首相と直接やるというときもあるぐらい、もう各国においても、いわゆる工業製品と農産物、これで、片っ方で有利になるけれども片っ方で不利になると、調整が必要だと。もう決まり掛けると、先方の外国でも役所の幹部が口出してきて、ちょっと大統領、待ってくださいということで耳打ちするんですよ。
 だから、そういうのはやっぱり共通な問題もありますから、私は、担当大臣を置くんじゃなくて、今、外務大臣、経産大臣、農水大臣がよく協議してやれと、担当大臣は置かない代わりに私が担当大臣になるつもりでやるからということでやっているんです。だから、担当大臣置いても、結局また屋上屋を重ねるようになっちゃう。そういう現実のことを踏まえて、私は、よく連携の下に私が責任を持つということで今交渉を進めております。
 必ずしも担当大臣を置くというのは、今までの日本の慣例から、あるいは今までの実際の交渉からいって大した私は意味はないと思っています。それよりも、三大臣を統括する意味で総理大臣が責任を持ってやる方が実際進むのではないかと思って、そのような考え方から積極的にこの交渉に取り組んでいきたいと思っております。
○国井正幸君 総理のおっしゃるのも本当に実感だというふうに思います。
 ただ、今そのときに、総理もいみじくもおっしゃったように、やっぱり国益ということを考えても、それはプラスの部分、貨幣に換算してですよ、プラスになる部分とマイナスの部分とこれ必ずありますよ。今いろんな意味である。あるいは貨幣に換算できない部分だってあると思いますよ。貨幣価値ではマイナスであっても、例えばそういう土俵に我が国が乗らないということで国際的に孤立をするなんというのは、これは貨幣では換算できなくても大変なマイナスになるというふうに思います。
 国益というのはいろんな面であるというふうに思いますが、取りあえず私は、やっぱりプラスの部分、貨幣に換算してですよ、プラスの部分とマイナスの部分があるとすれば、これはやっぱり是非総理、もうマイナスのところはもう仕方ねえんだと、それは、これはもうしゃあないんだ、プラスのとこだけなんだと、こういうことでやるから、まあそういうことやっているとは思いませんよ、これは調整をするんですが、そこのところが私は大切だと思うんですよ。
 やっぱりプラスで稼げるところがあったらその中の何ぼかはやっぱりちゃんと国内措置を講ずると、こういうことがきちっとなっていれば、これはやっぱり全権任されたってやれると思うんですよ。そっちができねえってことになっちゃだれが任されたって駄目だって言いますよ。私だって駄目だって言いますから、そういうことは、これはね。
 だから、やっぱりその辺が私は必要だと思うんですが、総理、今の時期だから何しますかにしますという話はできないと思いますが、一般論としてプラスがあればマイナスの部分もある、そこに対してやっぱり手当てをするという基本的な考え方、これについてどのようにお考えになりますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 端的に言いますと、経済界、工業界は何とかFTA進めてくれと、農業界はこれは反対強いんですよ。これがプラスマイナスで非常に難しい点で、工業製品はどんどん外国へ輸出して売り込んでいます。これをもっと相手が関税を下げてくれれば、投資環境を整備してくれればもっと輸出できると。ところが、相手国は農業製品を日本はもっと輸入してくれと言うんですよ。日本の農業界はもうこれは守れ守れと。(発言する者あり)ああ、そうでしょう、それじゃ。
 額にしたら、農業製品の額と工業製品の額、もう何倍も違う。全体から日本の貿易を活発にするというんだったらば、それは経済界の理由も分かるけれども、農業製品というのは単にお金で換算できない大事な点もあるんです。そこが日本も難しくて、最近は農業は一切もう輸入させないという考えから少し転換して、日本の農業製品も輸出できるんだと、守るばかりじゃなくて攻めろと。というのは、日本の農業製品も、端的に言えばリンゴとかイチゴとかどんどん輸出できるようになった。安売り競争では発展途上国にかなわない。だが、高くてもおいしいものというものをだんだん買い出した。最近はお米でも、日本は一切輸入しちゃいけないという状況から、日本のお米は高くてもうまいというんで買い出すようになってきた。米も輸出できるんだというそういう意欲で、ただ農業は守るだけじゃないと、農業も攻める、輸出すると。その代わりに輸入もある程度認めていいじゃないかと、そうしないとこのFTA交渉はなかなかうまくいかないと。工業製品と農業製品というものはプラスマイナス両方ありますけれども、両方考える。
 そのいい例、最近、農業団体も工業界も経済界も協力できる一つのいい端緒は、お米を輸出する場合に自動炊飯器とセットで売ろうと。自動炊飯器というのは工業界が作っているわけでしょう、大企業が。日本のお米がうまいというのはだんだん発展途上国が分かってきた。となると、高くても買いたいと。自国のお米より日本の米は二倍、三倍、四倍でも買おうというのが出てきた。ところが、お米はコシヒカリでも、うまいものでも炊き方によってまずくなっちゃう。炊き方が分からないというので、自動炊飯器だったら炊き方が分からなくたってちょっと見れば分かるんでというので、自動炊飯器とおいしい米をセットで売り込もうという知恵が出てきたのは、これはいい意味で明るい見通しだなと。
 農業製品も、守るだけじゃなくて、工業界と協力しながら輸出、攻める方も考えるべきだと。そういうことによって投資環境、各国と協力して整備していくという努力が必要じゃないかと思っています。
○国井正幸君 是非、日本型直接支払等々もやっておるわけで、これからね、今国会に掛かっているわけでありまして、しっかりとやっぱりそういう国内の農林業の大切さあるいは多面的機能、こういうものが発揮できるようにしっかりとやっぱり国内措置をとりつつ、一方ではやっぱり国のなりわいというものをしっかりと進めると、こういうことでやってもらいたいなと思いますので、これ要望しておきます。
 もう時間があと一分ほどでございまして、最後に総理にお願いをしたいというふうに思います。
 やはり改革を進めてまいりますと、今のWTOあるいはFTAの交渉じゃありませんが、プラスのところとマイナスのところやっぱり出てくる、あるいはより伸びたところとなかなかそこまで行かなかったところが出てくる。それを称して影と光とかあるいは勝者と敗者とかという言い方もありますが、やはりその差があるというのは事実だろうというふうに思います。そういう中で、やはり政治の責任というのももう一つあるような私は気がするんです。
 この間ある人の話聞きました。辛いという字があります、辛いという字。その上に横一本引くと幸せという字になる。それから、憂えるという字があります、憂える。その隣に人という字を置く、にんべんを置くと優しさになると、こういう話を実は私聞きまして、ああなるほどなと、こう思ったんです。やっぱりもう一つ政治が手を加える、手をかすこと、あるいはもう一つ配慮をすることによってそういう社会ができるとすれば、是非やっぱり総理、政治にも優しさが必要だ、思いやりが必要だと、そういうこともあろうと思いますので、もう時間でございますから、総理に是非そういうことを含めて更なる改革加速をしてもらうと、このことを要望して、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(中島眞人君) 関連質疑を許します。武見敬三君。
○武見敬三君 関連質問をさせていただきます。
 決算委員会でございますから、予算の執行が適切に行われているかということをまず踏まえながらいろいろ御質問をさせていただきたいと思いますが、最近は野党の皆さんもいろいろ問題を抱えて大変でございますが、やはり与党の中にも、自民党というのは大変懐の深い政党でございますので、与党の中の健全野党としての発言も今日はさせていただければなと、こういう考え方で今日はいろいろと御質問をさせていただきたいと思います。
 それで、まず社会保険庁、この点についてお聞きしたいと思うんですけれども、社会保険庁というのは年金の特別会計とそれから政府管掌健康保険の特別会計、この二つの特別会計を管理運営してきました。これらの管理運営の中で、本来の保険料をどう使うかという趣旨とはかなり離れた形でいろいろなレクリエーションにかかわるような施設や宿泊施設なども、これを造ってきてしまいました。
 これらの過去の経緯を見ておりますと、与党、野党を問わず一部の国会議員と、それからまた厚生省等この官僚組織と、それから労働組合、この三者が仲良くすると、そしてまた、この仲良くするというのは別の言葉で言うと結託をすると、こうした特別会計の予算の支出というものが適切にチェックされずに不必要なものまで買っちゃったり造っちゃったりするということが過去にあったということは、今、我々は深く反省をしなきゃいかないことだと思っておるんであります。
 そこで、実際にこれらの年金あるいはこうした政府管掌健康保険の保険料を財源として過去にいろんな建物を造ったり土地を買っちゃったりしとる、これらは一体、総額で幾らこれらに投資をしてきたのか、その総額をまずきちんと指摘してもらいたい。
 それから、その次に、これらのものは今現在どれだけの価値があるのか。
 そして、これらはいよいよ独立行政法人の整理機構を通じて一般競争入札等で売却するということになっている。そして、それらをできるだけ高く売っていただいて、国庫にきちんと戻して、その損害をできるだけ縮小するという努力をこれからやろうということになっている。残念ながら、この独立行政法人の整理機構というものをつくる法律の審議をしたときに、野党の皆さん方は反対された。何で反対されたんだろうかと私は非常に不思議に思うのでありますが、しかしながら、この独立行政法人の整理機構を通じて一体これらの物件を幾らで売ろうとされておるのか。
 これらについて、まずきちんと回答をしていただきたいと思いますが、これは社会保険庁長官、お願いします。
○政府参考人(小林和弘君) ただいまのお尋ねでございます。
 年金福祉施設等に関しまして、これまで投入してまいりました保険料の総額についてのお尋ねでございます。平成十六年度までの決算、これを基に推計いたしますと、施設整備費、土地取得費合わせて一兆四千億円となってございます。
 また、これら施設に対しまして時価評価総額、時価評価額という観点からお答え申し上げますと、平成十七年十月に今御指摘のございました独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構、ここに出資をいたしました施設の合計額、約一千九百億円でございます。今後、追加出資を予定しております厚生年金病院等の施設を合わせますと、約二千六百億円というふうに見込んでおるところでございます。
 この売却予定額ということに関しましては、この独立行政法人の中期計画、これは向こう五年間、十七年度からの五年間でございますけれども、この中期計画の予算におきまして時価評価額相当での売却ということを見込んでおるところでございます。
○委員長(中島眞人君) 武見委員に申し上げますが、その前に川崎厚生労働大臣、この問題について何か所見を。
○国務大臣(川崎二郎君) いや、委員の方から、数字的な話ですから担当から答えるようにという御指名いただいておりますので、そうさしていただきました。
○武見敬三君 数字をこうやって出していただいて、やはり御認識いただけたと思いますけれども、一兆四千億円、こうした特別会計から支出をしておいて、いざこれを売却するということになりますと、極めてそれが縮小してしまう。まあ、予定で二千六百億云々とかいろいろ言っておりますけれども。これらはやはり相当きちっとした努力をしていただかなければ国民の納得は得られません。その点は肝に銘じて、担当者も含めてやっていただきたいと思います。
 そして、その上で、次に、これらの施設を売却すると、これらの施設を管理していた公益法人というのも要らなくなるんですよ。厚生年金振興事業団、それから全国社会保険協会連合会、これらの公益法人は、私はきちんとこれを廃止すべきだと思います。我々は、こうした施設の売却の後には、こうした公益法人の整理合理化、さらに廃止ということについて、お役所は相当抵抗するかもしれないけれども、これはやはり政治家としては毅然たる態度でやらにゃいかぬと思っておるんでありますけれども、厚生労働大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 社会保険庁改革全体については、二年前から政府・与党、また党内においてもいろいろ御議論をいただき、また武見先生がその先頭に立っておまとめをいただいていることも事実でございますし、またその先生の御意見でございますので、深く承っておきたいと思います。
○武見敬三君 深く受け止めるだけじゃなくて、相当覚悟を持ってやっていただきたいと思います。
 その上で、次に、この社会保険庁、いよいよ年金と、それから医療保険と二つの組織に分けるという形で解体するということになりました。そして、改めて、ねんきん事業機構というのは政府の中の組織として改めて発足をさせる、それから、政府管掌健康保険についてはこれを、まあ、仮称でございますけれども、全国健康保険協会という全国一公法人でそれぞれ各都道府県に支部を設けて運営をするという組織にこれから変わっていくというふうに私は理解をしております。
 このときにですね、実は今、社会保険庁で働いておられる職員の方々の今後の処遇の問題というのがかかわってくるんですよ。国家公務員、この公務員にかかわるいろいろな改革をしようというときに、私調べてみて、公務員というのは身分が保障されているから首にはできないものだと思っておった。ところが、分限処分という形で辞めていただくことができるんですね。二つあって、能力分限と組織分限。能力上あるいは意思というような観点からも問題があるということであれば能力分限で辞めていただくことができる。それから、組織がなくなったら、今度は組織分限という形で辞めていただくこともできるわけであります。今回はこの両方が社会保険庁の職員に対して適用されることが現実にあり得るのであります。
 この点について、実は優先順位を、こうした新しい医療保険の公法人を設立するときに、従来の社会保険庁の職場体質というものを一掃して、そして全く新しい、より生き生きとした効率的な職場体質というものを再確立するという観点でこうした新たな公法人というものは人材を登用し、そして新たな組織として発足するべきだというふうに考えるわけでありますけれども、そうなると、民間からも幹部や一般職員、適材適所を積極的に登用するということが必要だと認められるようになることは必至であります。
 この点について、厚生労働大臣、このような御認識をお持ちであるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 社会保険庁改革の中のまず年金部分のねんきん事業機構については、法案を提出すべく今党内調整をお願いいたしております。
 それに先駆けて、今回の健康保険法の改正の中に政管健保の部分、全国健康保険協会という一つの法人をつくってやっていこうということは法案に盛り込まさせていただきました。もうこれも委員も御承知のとおり、設立委員がその採用について決める、正に民間人として採用するということになります。その中に、当然、これから組織を活性化をするということがまず第一でありますから、既存の社会保険庁をまず、新しい制度になるまでほっておくというわけにいきませんから、村瀬さんという民間の長官に来ていただいた。ほとんど全国を回っていただいたように聞いております。職員のやる気、これがまず第一であります。それから、今までのやり方を変える、業務改善を行うという中で、徹底したリーダーシップを今取っていただいているところでございます。
 その中において、今言いましたように、二つに分かれていくことになると。片っ方は公務員、片っ方は民間ということになりますので、そこで採用の問題が当然出てくるだろうと。そこは、私の権限かといえば、それは設立委員の権限ということになりますので、そこはもう御存じでありますから御理解を賜りたい。
 一方で、当然、やる気のない職員、これは採用するわけにはまいらないんだろうと。これは当然で、一つの理由。もう一つは、この廃止をするから分限が使えるかという解釈になりますと、これまでの裁判例、国家公務員法の解釈、その場合は配置転換等の分限免職を回避する努力、言わば他の職場に行かせろと、こういう努力が当然行われなければならないと、このように承知いたしております。そこも考えながら、一方で新しい組織に当然、例えばねんきん事業機構におきましても、コンピューターの要員がまず必要だろうと思います。今までの概念を変えなきゃならぬ、そういった意味では、民間をかなりヘッドハンティングしていかなきゃならぬなと。また一方で、国税庁等にお願いしております、経験のある職員を少し出してほしいと。こういうことで、他の方から刺激を与えながらやっていくということも十分重要だろうと。
 いずれにせよ、やる気のある職員、やる気のあるリーダーを先頭にしながらやっていきたいと、このように考えております。
○武見敬三君 これは、厚生労働大臣、物すごく難しい選択、優先順位の置き方の問題でもあるんですね。
 特に、医療保険の方について全国一公法人、これは非公務員型の組織として改めて発足をする、そういうときに、今厚生労働大臣おっしゃったように、特に民間から優秀な人材を登用すれば確実にうまくいくようなそういう仕事の分野、あるいはそのほか一般職員の分野においても優秀な民間人を一体どれだけ確保して採用するのか、そしてその民間人を実際にこれから採れば採るほどですよ、そしてその数が、これから社会保険庁の中で自然退職してその職員の数が減っていく数よりも、実際により多くこうした民間人を採用するということになってまいりますと、実際のところ、社会保険庁の職員の中で正規職員としてこの新たな公法人で採用する数というのは二千名と決まっているわけでありますから、そういたしますと、民間人を積極的に採用するというところに優先順位を置きますと、今度はその分、社会保険庁の職員要らなくなってしまうんですよ。
 そして、自然退職者の数よりも上回る形で民間人を採用するということになってまいりますと、今度は結果としては組織分限という形で社会保険庁の正規職員の方の中には辞めていただかなければならない人たちが出てくる確率は高まるんです。それは各省庁も御協力をいただいて、そういう方々の職場を政府の中で確保できればそれで済みます。しかし、その努力をなさってもなおかつまだ対応できないという場合には、これは組織分限という考え方で公務員であったとしても辞めていただくということが現実に行われて私はしかるべきだと思います。
 この点についての厚生労働大臣のお考えを伺いたい。
○国務大臣(川崎二郎君) この辺は、自然退職者をどう見るかということもあると思うんです。仕事としてはかなりハードな仕事をこれから掛けていく、当然なります。したがって、どのぐらい自然退職者が出てくるかという問題をしっかり掌握しなきゃならないだろうと。これは、もう先ほどから申し上げたように設立委員の方がきちっとしてもらわなきゃならぬと。
 その一方で、組織がなくなるから公務員を、やる気のない人は別ですよ、公務員を組織がなくなるからただ退職しろというわけにはなかなかまいらぬというふうに私は思っております。そこは、裁判例や今までの国家公務員法の解釈というものも取りながら、しかし一方で、先ほど申し上げましたように、本当にどのぐらいの人数がお辞めになるかという問題も含めながら検討をしてまいりたいと思うし、設立委員の方々にしっかりやっていただくように私どももウオッチしていくということを申し上げております。
○武見敬三君 総理、この問題は、これからの公務員の在り方の帰趨を制する実は物すごく重要なポイントなんです。要は、今までなかなかこうした公務員の在り方について、この分限というところは踏み切ることができなかった、タブーにも近かった。
 しかしながら、この社会保険庁の改革を通じて、公務員についてもやはり組織がなくなったりした場合には組織分限ということがきちんと行われます。また、いろいろときちんとした人事評価も行って、そうした能力も、あるいはやる気も問題があると思われる方々については能力分限とかいう形で辞めていただく。こういうことがきちんとできるようになるかならないかが、これから本当に我が国のこの公務員の皆さん方が真剣にきちんと働いていただける環境を整備するかどうかの一つの大事な一里塚ですよ。
 この点について、総理はどうお考えになりますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公務員制度改革において、極めて今、武見議員が重要な指摘をされているんだと理解しております。
 分限ということでありますので、公務員として身分の保障とその限界、実際、辞めてもらうことはできるんですよ。しかし、慣例といいますか、国会等の意見、決議等でこれが辞めさせることはできないというふうに解釈している向きがある。実際、そうじゃない。
 その辺をよくはっきりして、雇用確保というものも大事ですし、公務員としての使命感なり身分保障も大事ですから、民間の方にも大いに優秀な人に入ってもらおう、あるいは公務員でやる気のない人は辞めてもらおうということを考えると、やる気のない人あるいは能力に問題ある人という点については、これは辞めてもらうことができるという前提でですね、しっかりとした組織にしていかなきゃならないと思っております。
○武見敬三君 さて、これに加えて、社会保険庁は今までいろいろ保険料を使って病院なんかも造ってきました。社会保険病院と言われております。これらの病院というのは、当初、この戦後の我が国のこの医療の提供体制の中で、病院が不足してなかなか十分な医療の提供ができないという地域もあったために、あえて保険者が自らの保険料を使ってこういう病院を建てたというのがこの最初の始まりだったんです。
 ところが、だんだんだんだんだんだんそういう所期の目的とは違って、どんどんあちこちに社会保険病院ができて、かつまた、それが公的病院として税法上も特典を受け、そしてまた、様々にそれら公益法人を通じて、予算等に関して赤字であったとしても事実上補てんできるような仕組みさえもが現実に行われてきた。これらをこの際、きちんと整理しなければならないということになったわけであります。
 そこで、お聞きしたいことは、こうした社会保険病院あるいは厚生年金病院はこれは売却することにもう既に決まっておるわけでありますけれども、特にこの社会保険病院、これからの処分の仕方考えるときに、やはり地域医療の中で公益性の高いそういう病院機能というものを持っていたとすれば、それは簡単に売却して、はい、さようならというわけにはいきません。したがって、こうした病院等にかかわる処分を考えるときには、じゃ、それぞれの病院、公的病院、社会保険病院等について公益性の高い医療機能というのは一体何かということを明確にして、それらを基準にしてこれらの公的病院の処分というものの在り方を考えるというのが私は当然だと思います。
 しかしながら、今まで公的病院だ何だかんだって言われてきましたけれどもね、正直なところ、その公益性の高い医療機能は何かということを明確に政府としてきちんと具体的に定義したことないんですよ。この点については一体どのように厚生労働省として御検討をなさるのか。
 厚生労働大臣、これはいかがでございましょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 武見委員が御指摘のように、売却という方針が決まった。一方で、地方の団体から、公的性格に合わせて何とか残してくれないか、いや、少なくとも存続できるようなことを考えてくれないかと、こういう御陳情が上がってきておるということは、まあ先生も御専門ですから御承知だと思います。
 その中で、やっぱり公的医療機関というものをどう考えていくか。公立病院や日本赤十字社の病院等の公的医療機関については、救急医療、へき地医療、災害医療、感染症対策医療など、民間医療機関には常に期待することが難しい不採算医療を提供することを通じて、地域医療の確保に積極的な役割を果たすことが期待されている。一方で、今回の医療制度改革において、救急医療、へき地医療、小児医療等の医療について、救急医療等確保事業として新たな医療計画の位置付け、その確保を重点的に図ると、こうしております。
 そういった意味で、公的医療機関や今回新たに創設する社会医療法人が地域においてこうした役割を担っていく。したがって、その公益性ということになりますと、それでは社会医療法人はないのかということになると、これもあるという当然解釈になるだろうと。民間が補う部分もあると。また、公的病院が、先ほど言いました不採算医療を前提にしながらすべてやっていけるかといったら、これもやっていけない話になりますので、そこのバランスというものが正に大変な問題であろうと。しっかり私どもの方針決めながら進んでいきたいと思っております。
○武見敬三君 この点については、今、へき地医療とか救急医療とか、あるいは特定の感染症にかかわる病棟の確保とか、いろいろおっしゃったわけでありますけれども、しかしそれらについてもっときめ細かく、きちんと決める必要ありますですよ。それから、いろいろ国立病院機構とか、それからこうした公的病院といったような病院とか、実はこの公の枠組みの中の病院ってたくさんあるんですよ。しかし、それらについてもっときめ細かく、きちんとした公益性の高い医療機能というのは何かというのを明らかにして、それらをちゃんと、きちんとやっていただかなきゃならぬのですよ。
 ところが、中には民間病院と同じようなことをもう非効率にやっているだけの公的病院が全国あちこちたくさんあるんですよ。こういうのはもうきちんと、社会保険病院の中にそういうのがあればこれはもう売却をして、そして民間で運営していただくようにするのが私は当然だと思います。そういったことを大臣、しっかりやっていただきたいと思います。お役人は抵抗するんですよ。しかしながら、実際、こういうことをきちんとやりませんと、国民の理解、私は得られないと思います。
 それから次に、今度、話題になっておりますけれども、慢性期の疾患の患者の入院治療というものについて、その在り方の議論に入りたいと思います。
 この閣議決定で慢性疾患の患者の入院治療の在り方について検討するということが決められていて、それに基づいて、この中医協の中で、こうした慢性疾患の患者を入院治療する慢性期の、言うなれば療養病床というものの在り方についての研究調査も行われてきたというふうに聞いているわけであります。
 そういう中で、ここは決算委員会でありますから、まず、じゃ、この療養病床というものについて、医療型と介護型と二つある。で、それぞれについて、一体どれだけこの医療費あるいは介護にかかわる費用というものが支出されてきたのか。これは、平成十五年度まではこれもう既にデータ公表されているというふうに聞いております。
 まず、介護保険の療養病床の費用について、平成十五年度どれだけ支出が行われたかということについてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(磯部文雄君) 十五年度の介護療養型施設に要しました費用額は七千百五十三億円でございます。
○武見敬三君 これ、老健局長、それ数字を出すときに、介護保険の場合にはコンピューターのこのプログラムがきちんともう整備されていて、支出項目ごとにその数値の入力が行われている。したがって、それを足し算すれば総額がしっかり出てくるというふうに、介護保険の場合にはデータベースがきちんとできているというふうに聞いておりますが、この点はいかがでございますか。
○政府参考人(磯部文雄君) 委員御指摘のとおりでございます。
○武見敬三君 それでは、医療保険の方に入りたいと思います。
 この医療保険、医療型の療養病床、これについて、実際に今度は平成十五年度、どれだけの支出が行われたか、どのようなデータに基づいて、どのような資料に基づいて計算をしてその数値をお出しになったかということも含めて御返事をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 医療保険適用の療養病床につきましては、実は介護保険と違いまして、例えば同一の月内におきまして一般病床と療養病床両方に入院される方につきましては同一のレセプトで請求するということになってございますんで、その費用を区分して把握するということはできない形になっておりまして、推計によらざるを得ないという事情にございます。
 その推計でございますけれども、ごく粗い推計でございますが、平成十五年度で約一・二兆円と見込んでございます。この推計の根拠といたしましては、その療養病床における費用に利用率を乗じまして、さらにこれの、一年間に延ばすという形で一・二兆円というふうに見込んでいるところでございます。
 一方で、今御指摘のありました介護保険と同様に医療保険におきましても、今後はレセプトのオンライン化、IT化ということを進めることとしておりますので、そういうことを、その方向で取り組んでいるということも申し添えたいと思います。
○武見敬三君 これからやると言っているわけでありますけれども、実はこうした医療保険に関しては、支出項目というのが介護保険と比べてかなり複雑多岐に分かれているということは確かにそのとおりなんです。しかし、だからといってこうしたデータベースを整備する努力が遅れていいというわけではないはずであります。そして、これらのデータベースをきちんとそろえませんと、今利用率とかいろいろおっしゃったけれども、じゃ何を分母に何を分子にその利用率というものを出したかという議論になりますと、三年一度のサンプル調査であります患者調査といったようなものあるいは病院報告といったようなものを、これを実際に使って、それによって利用率等々についてのそのパーセンテージを出して、それを掛け合わせるというふうにやっているわけですから、正確な数字にはなかなかならないんであります。
 やはりこうした医療保険についても、量的な側面を正確に把握するという観点のみならず、こうした診療の内容についてもよりきめ細かく、その質的にも評価できるような量的なデータをきちんとそろえていくと。そして、それらに基づいてしっかりとした医療の政策決定がなされるというふうにしていきませんと、私は、これは国民の理解を得られるような、あるいは医療提供者側の立場についてもその理解を得られるような政策決定はなかなかできないと考えるわけであります。
 厚生労働大臣、この点についてどうお考えになりますか。
○国務大臣(川崎二郎君) 御指摘いただきましたように、正に国民に対して常に情報を開示しながらやっていく、そのためには的確な情報をつかむ、そして政策決定をしていくということが一番大事でございます。そういった意味で、今回の医療改革でレセプトのオンライン化という大きな目標を挙げさせていただいて、五年間で全医療機関にお願い申し上げたいということでやらせていただいております。
 関係者の理解を得ながら強力に推進してまいりたいと考えております。
○武見敬三君 ところで、この療養病床について、実際に医療の必要度、これを一、二、三類型に分ける、それからADLという日常の生活の動作能力、これに基づいてADL一、二、三と分ける、そしてそれらに基づいて療養病床に入院されておられる患者さん方の実態を正確に把握をして、それに見合った形でコストが計算されて、そして診療報酬の改定が行われるという、そういう手はずであったと思います。ところが、どうも実際に今行われている内容を見ておりますと、ちょっと違ってきたかなという感じがする。
 まず、この療養病床等の在り方について見ておりますと、我が国の全病床数、百八十万床付近で減少傾向に入った、一般病床は九十万床付近でまた減少傾向に入っています。で、医療療養病床というのは平成十五年度で二十三・三万床、平成十六年度で二十四万床、平成十七年度で二十四・八万床と、実は緩やかに増加傾向にあるわけであります。
 しかし、他方で、この医療型の療養病床というのは六年後に十五万床に縮小するという方針をお立てになっておられます。では、実際にこうした増加をしてきたというのには、ニーズがあるから増加をしてきているという点もあるわけであります。また、それは一般病床が減って療養病床に変わっていくという転換の結果として増加ということもその中には出てくるんだろうと思います。
 そういたしますと、こういう流れの中で、一般病床がこれからも引き続き減少していく、それから医療型の療養病床は今二十五万床ぐらいから六年後には十五万床まで減少させる、介護療養病床は十三万床あるけれども、これは六年後には廃止させると、こういう方針をお立てになっているわけでありますけれども、そうなると、一般病床もこれはかなりの勢いでこれ並行して減少していくという可能性がそこには多分に秘められております。
 その場合に、一般病床を通じた急性期の治療というものが地域医療の中できちんと確保できるかどうか、その目安をきちんと立てておく必要があると思うのでありますけれども、この点についての御所見を伺っておきたいと思います。厚生労働省。
○政府参考人(松谷有希雄君) 今御指摘のように、一般病床は緩やかに減少してきてございます。一般病床の数が今後どのような傾向をたどっていくかについては現時点で予測することは困難でございますけれども、医療機能の分化、連携が進みまして、結果として平均在院日数の短縮など急性期医療の効率化が進みますと、一般病床の数が更に減少するということもあり得るのではないかというふうに考えてございます。
 なお、療養病床につきましては、これまで医療の必要度にかかわりなく長期にわたり療養を必要とする患者さんを受け入れてきたということから、高齢化の進行や慢性疾患への疾病構造の変化などによる入院期間の伸長の影響を強く受けまして増加してきたものというふうに考えてございます。
 今後、高齢化の進行、疾病構造の変化に伴いまして慢性疾患の患者さん増加いたしますけれども、療養病床の今回の対応の中におきましては、医療の必要度に応じて患者さんを区分して、医療必要度の高い患者さんを医療療養病床において受け入れるということとしているところから、対応できるのではないかと考えてございます。
 一般病床につきましては、先ほど申し上げましたように、今後、一般病床の必要度に応じてその数というものが決まってくるのではないかというふうに考えております。
○武見敬三君 これは地域医療計画の中でそれぞれの地域における病床数というものを設定をしてきてはいるわけでありますけれども、私は改めてこれ、新たな基準をきちんと作って、見直して、一般病床について必要な病床数きちんと確保していくための努力というものはこれから相当行われなきゃいけないと思いますよ。その点についての配慮を徹底してお願いしておきたいと思います。
 それから、今度はこの療養病床についても、もうかなり早いところ、介護療養病床を廃止するということを決めてしまった。その上でまた、今回行われた診療報酬改定で、特にこの療養病床について、この医療の区分一、二、三の中で一番医療の必要度の低い医療の区分一、この中にはADLで、日常生活動作能力で一番元気で動作能力がある方が一、そして二、三とあるわけであります。そうしますと、今までこの療養病床については、大体、赤字になるか黒字が維持できるかというその平均値、千二百点ぐらいだって言われてましたよ。しかしながら、今度これをその医療区分一で、ADL一と二に関しては、これを何と一遍に七百六十四点に下げちゃう。それから、ADLの三については八百八十五点に下げちゃうというわけですよ。そして、ADLの一と二の七百六十四点で、明らかにこれはもう赤字になっちゃうだろうと思われるような、入院させるとですね、その患者さんたちというのが約十万人、それからADL三でほとんど寝たきりであるけれども医療の必要度が低い方が三万五千人、合わせて十三万五千人これいらっしゃるわけであります。
 こうした低い点数で設定した診療報酬改定、実施されるのは七月一日からなんですよね。そうすると、こうした施設の中でこうした方々を入院させておくということは、赤字がどんどんどんどん膨れ上がっていくことになりますから、やはり働き掛けて介護施設等々移っていただくというふうにせざるを得なくなると思うんでありますが、この診療報酬の設定というのは、正にそうした政策誘導を目的としてやっておられるんですか。その点をお聞きしておきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 今回の診療報酬改定におきましては、ただいま委員御指摘のとおり、まずは平成十五年三月に閣議決定されました医療制度改革の基本方針に沿ったものでございまして、医療療養病床について患者の医療の必要度あるいはADL等に応じた評価を導入する、これによって介護保険との役割分担を明確化すると、こういう方針の下に調査研究が進められてきたわけでございますけれども、改定そのものにおきましては、医療の必要性の高い患者に係る評価については引き上げる、その一方で、医療の必要性の低い患者に係る医療については評価を引き下げる、で、全体として適正化を図ると、こういう方針の下に行ったわけでございます。
 これによりまして、一定の収入減になるという医療機関が生ずるということも想定されるわけでございますけれども、医療の必要性が低い患者を一定割合以上入院させている病棟につきましては、仮称でございますけれども、介護保険移行準備病棟といたしまして、医師あるいは看護職員等の配置が薄い場合でも算定を認める、こととする予定でございます。つまり、収入が減るかもしれないけれども支出も減らすと、支出も減少させ得ると、こういった一定の配慮を行うこととしてございます。
 その医療区分一、つまり医療の必要性が薄い、それからADL区分も、これも低いといいますか要介護度が低いと、こういう方の場合だけを集めた施設運営というのが考えられるかということでございますけれども、現実の問題としては、やはり様々な患者さんを組み合わせて運営されるということがありましょうし、仮にそういう方が多い病棟につきましては、ただいま申し上げましたような介護保険移行準備病棟と、こういったものを受皿として当面入院患者のニーズに応じていきたいと、このように考えてございます。
○武見敬三君 まあ言うなれば、診療報酬が低く設定をして、徐々にこれはもう出ていっていただきたいと、こういう話。その場合、介護保険対応の療養病棟というのをつくるということでありますけれども、これね、七月一日からその受皿、本当にあるんですか。
 特別養護老人に移っていただこうというような場合に、今ウエーティングリスト三十四万人もいるんですよ。だから特別養護老人には移れません。そうすると、老人保健施設に移るしか方法ないんですよ。あとは帰宅していただくか。なかなか帰宅は難しいという方多いんです。そうすると、老人保健施設なんです。
 そうした老人保健施設というものをまず受皿として考え、かつまた今の、今度はその介護療養病床、医療病床等を、これを転換をしていただくという話になってくるわけでしょう。そうすると、介護保険の療養病床等になっていただくというのは、この経過型に転換するということは、六年後にはもう病院ではなくなって介護施設になるということを今の時点で決断しなきゃならないんですよ。簡単になかなか決断できるものじゃないと思いますよ。
 それから、こうした経過型の療養病床に転換をするというのは、病棟単位でこれ転換するというルールになっているはずでありますから、実際のところ、多くの医療機関、病院というのは、介護型の療養病床と医療型の療養病床というのはミックスされているんですよ。そうすると、これ難しいのは、この介護保険については、これまたおかしな名前なんですけれども参酌標準というのがあるでしょう。これでその地域ごとに介護施設における病床規制というのをやっておるわけでしょう。
 平成十八年度から平成二十年度までこの参酌標準の第三期というのがあって、したがって、この枠組みの中で、過剰病床になってしまうような地域は医療型から介護型の施設に転換することがこれ阻止されているんだ、できない。介護療養病床であれば転換はできるんだけれども、医療型の療養病床だと転換できない。しかも、これ、この介護療養病床と医療療養病床、ミックスの病院なんかの場合には、自分の病院の中の介護療養病床は転換をさせるけれども、医療型の療養病床はすぐには転換できないから、そうなってみると、参酌標準が変わる平成二十一年度の第四期まで待って転換するという流れになっていく確率が高くなってくる。
 他方で、経過型の療養病床に全部変わっていただければ何とかなりますよというようなことで、実際にそれを働き掛けたとしても、その時点でもう六年後には病院をやめて介護施設に変わってくださいという決断を同時にさせるということになります。なかなか難しい。
 そうすると、この七月一日から、実際に診療報酬、医療の必要度一のところを非常に下げて、明らかにその入院を維持すると赤字になっていきますよという形で、事実上、外に出ていってくださいという圧力を掛ける。その人数、おおよそ十三万五千人。これらの人々がその七月一日以降すぐに、こういった老人保健施設を中心とした、あるいは経過型の療養病床等にすぐに受皿ができていて、そしてきちんとスムーズに転換できるというふうにしっかりと確認できるんですか。その保証は一体どこにあるんでしょうか。これ、もしその見方誤りますと、大量の介護難民が我が国の中に生まれちゃうことになるんで、これは極めてゆゆしき重大事であって、政治がこんなことを許してしまってはいけないんですよ。
 したがって、この点について、大きな政策方針というものについては理解できるけれども、しかしながらこうした過渡期において混乱が生じないようにする、そういう必要性というものをまずしっかりと認識していただかなければならない。その点の受皿づくりについてのしっかりとした周到な準備というものがどこまできちんとできておるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 若干先ほどの答弁の補足も含めてお答えさせていただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げました介護保険移行準備病棟と申しますのは、これは医療保険でお支払いをする病棟でございます。したがって、委員御指摘のとおり、今直ちに介護施設に移るということは各地の参酌標準との兼ね合いで難しいところもあろうかと思いますけれども、そういうこともあって、私ども当面は今の医療型療養病床のまま介護保険移行準備病棟という形に、そのまま言わば看板を付け替える形で、つまり患者さんの移動を必ずしも伴わない形でそのまま居続けていただくためにこういった経過的な措置を認めようということでございます。
 その上で、参酌標準上問題がないところは、それは介護施設に移るところもございましょうし、また、平成二十一年度の時点で新たな参酌標準の下でそれがなされるということがあろうかと思います。そこの細かい積み上げ、各地域のことにつきましては、今後、医療費適正化計画、平成二十年からスタートをいたしますけれども、そこでそれぞれ医療療養病床として必要なものはどこかということを特定し、それを介護保険事業計画でもって受皿をつくり、全体としては医療計画で見ながら各地域地域で積み上げていく体制を取っていきたいと、このように考えております。
○武見敬三君 理屈の上からそういうふうにさっとおっしゃるけれども、実際に各地域でそれがきめ細かく実行されるかどうかというのは実は別問題なんですよ。したがって、その点についてある一定期間に相当きちんと準備してやっていただかなければ、これ混乱起きますよ。
 東京都の中でも板橋区なんというのは、これ病院がたくさんあるんですよ。この病院の関係者と私、会って話しましたけれども、彼らは非常に今不安に思っていますよ。おおよそこれらの急性期の五百床ぐらいの病院なんかは、大体高齢者で入院されてくる方というのは、自宅から入院されてくる方なんていうのはほとんどいないんですよ、二割ぐらい。ほとんど施設から入院されてくるんですよ、この急性期の病院に。それから、そこで治療をして、そしてじゃどこに退院されていくかというと、自宅に帰るなんてほとんどないし、介護施設にも帰れなくて、実際には療養病床にほとんどの患者さんがそうした急性期治療が終わると移っているというのが実情なんですよ。
 したがって、そういうことについてきめの細かい配慮がないと、相当これ現場が混乱するんですよ。したがって、そこをやはり真剣に考えておいていただきたい。特に、高齢者医療というのは本当に抵抗できない人たちなんですよ、これ。したがって、こういう人たちの政策を策定するときには最も慎重に、そして丁寧にやるべきだと思います。その丁寧さというものを私は強く求めたいと思いますよ。これは人道的な問題だと思います。
 その上で、二つ目の課題は、介護施設に移っていただくといっても、これらの高齢者医療にかかわる医療サービスというのが終末期医療も含めてこれらの介護施設でどれだけ対応できるかっていう問題が実は次に出てくるんです。
 それで、これ、ある研究者の調査を見ておやと思ったんですが、これは特別養護老人ホームで亡くなる方、これ年間で施設内死亡者数と、これ在所者数というのを母数にしてパーセンテージ出しますと、特別養護老人ホーム、わずかに四・五%、介護老人保健施設、わずかに二・二%、療養病床、これは二三・六%あるんですね。
 そうすると、こういう療養病床でかなりこうした終末期も対応できてきた。しかし、かなりのこれからこの患者さんたちが介護施設にこれから移らざるを得なくなる。そうすると、これらの介護施設でこうした終末期医療の体制が果たしてどの程度整っているかというと、この数字を見ても明らかなとおり、全然整ってないんですよ。
 そうすると、これらの介護施設において、今後終末期を含めた医療サービスの在り方をきちんと考えて、そしてそうした医療サービスが介護施設でもできるように組み合わせるということがこれから強く求められてくるようになると思います。この点について、どのように厚生省はお考えですか。
○政府参考人(磯部文雄君) 介護施設の中で、特別養護老人ホームにつきましては七〇%ぐらいの方が亡くなるということでございまして、これらの方々についてのみとりというものについては現在も相当行われておりますし、今回の四月からの介護報酬におきましても、みとり加算といったものを加算いたしまして、より対応を適切にしたいと思っております。
 それから、介護施設のうち、老人保健施設につきましては在宅復帰を主な目的とするということで、委員御指摘のとおり、死亡する方の割合は特別養護老人ホーム等に比べて低くなっております。
 しかしながら、老人保健施設におきましては医師あるいは看護職員が必ず配置されるということになっておりますので、終末期についても一定の対応はできると考えておりますが、今回国会に提出させていただいております健康保険法等の一部を改正する法律案の中におきまして、こうした老人保健施設等の基本的な在り方、あるいはその入所されている方々の医療の提供の在り方につきまして今後検討をするということになっておりますので、委員御指摘の終末期のケアへの対応ということも念頭に置きながら検討を進めていきたいと考えております。
○武見敬三君 これは本当に大変これから深刻な問題になってくるんです。皆さん、少子高齢化というと人口がどんどんこれから減っていくのかということばっかりお考えになるけれども、実は亡くなる方の人数がこれから物すごい増えるということを意味しているんですよ。
 今、年間で百万ちょっとの方が亡くなっているんです、日本では。これが、ピークになります二〇三八年になりますと、百七十万人年間で亡くなるようになるんですよ。そうすると、そういう物すごいこれから亡くなる方がこれから増えてくる。それで、その方々はほとんど終末期医療というものを通じて亡くなっていくわけですよ。そうすると、そういう終末期医療というものをこういう介護施設の中でも、療養病床をやめて介護施設に移ってくれっていうんだったならば、こういった介護施設でもこうした終末期医療についての体制をきちんと整えなければ受皿にはならないんですよ。
 ところが、老人保健施設というのは、今お医者さんいるっていったって九時―五時しかいないですよ。それから、夜勤だって看護師さんじゃなくて看護助士みたいな人が夜勤やっている。終末期なんかとてもできるような体制にないから、こうした介護老人保健施設なんというのは、何か様子がおかしくなるとすぐ一般病床に入院させようって言って外に出しちゃう。
 特別養護老人ホームも実は相当数、七割方の入所者の方は、自分が今住んでいる特別養護老人ホームで最期を迎えたいというふうに実は希望されているんです。しかし実際は全く逆で、三割程度の方々が何とかその特別養護老人ホームで最期までみとりを受けることができるというふうになっていて、七割方は実際には一般病床の病院に最期はみんな送り出されているんです。それは、おおよその特別養護老人ホームがそういう体制が整ってないからこういう事態に陥っているわけであります。
 したがって、これから介護施設の中でこうした終末期をも含めた医療サービスをしっかりと整えるということをしていくと、今度、例えば老人保健施設についても実際に今、医師、施設長という人が一人いるということになっておるわけでありますけれども、果たしてそれで足りるのか、あるいは看護師さんの配置基準等についてもこれが八対一というような状況で果たして足りるのかとか、こういう議論がまた出てくるわけですよ。
 そうすると、不思議なことが起きるんです。今、病院としてこの療養病床というものがあって、そこにお医者さんがいて看護師さんの配置基準があってサービスしていると。それを緩めて介護施設に移っていただきますといって移る。しかし、改めて終末期医療の体制を整えなきゃいかぬということで、その介護施設に改めてお医者さんの配置を厚くしたり、あるいは看護師さんの配置を厚くしたりして終末期もできるような体制にすると。そうすると、何か元の療養病床のようなものが介護保険の世界の中で再びでき上がっただけじゃないかと、こんなことにだってなりかねないんですよ、皆さん。
 したがいまして、確かに医療費の適正化という観点からは、医療保険からこうした介護保険に移すことで抑え込むことができるかもしれませんけれども、しかし実際には、よくよく考えてみると、何かえらく無駄な通り道をしているような、そういうことにもなりかねないという問題をこれははらんでおるんであります。
 したがって、この点についてどのようにお考えになるのか。厚生労働大臣、ちょっと伺わしていただけますか。
○国務大臣(川崎二郎君) 御指摘いただきましたように、私も団塊の世代の生まれでございますから、あと十五年、二十年、医療に大変お世話になる時代になってくる。それが、今七十五歳以上が一千二百万と考えれば二千万を超える時代になると。そのときに医療というものをどういう体制で持続可能性があるものにしていくかと。
 言われるとおり、介護保険制度というものを導入し、医療と介護二つの柱を立てながらやってきた。一方で、老人医療無料化という中で三十年来この問題がずっと議論をされてきたことも事実だと、委員が一番御存じだと思います。そういった中で医療と介護というものを適正化をしていこうという中で議論してきて、しかし一方で委員が御指摘いただいたように、それでは介護における医療のかかわり、これをもう少し整理しなきゃならぬじゃないかという御指摘を党内でいただいて、法案にも入れさせていただいて御提出させていただきました。
 委員の御意見もしっかり踏まえながら、医療と介護という二つの柱がしっかり立っていきますよう努力をしてまいりたいと思います。
○武見敬三君 これは、健康保険法の附則に検討するって書いてあるだけなんです、まだ。したがって、その点、裏付けとなる考え方を早く早急にきちんとまとめていただきたい。これは緊急の課題だと思いますよ。
 それから、こうした病院を老人保健施設なんかに転換していただくようなときに、実は一つ大きな知恵があるんですよ。例えば、一階部分は地域医療の中で外来診療もできる診療所という形で老人保健施設と併設できるような、そういう形を転換するときにしやすくしてあげるんですよ。そうしますと、これ確実に、医療提供者側からも、老人保健施設に転換するときの敷居が低くなる。と同時に、今度はそこに入所する人たちも、実際に一階には医師がいて診療所があるということで大変大きな安心感になる。そして、こうした老人保健施設の在り方を検討した上で、そこでの医療サービスというものについてある程度明確化されたときに、その併設されている診療所がそこでより一定の役割をきちんと果たせるようになるわけであります。
 したがって、それは限られた医療資源というものを効率的に使うという観点からも、私は、また同時に、こうした介護施設における医療の在り方をこれから考えるということがもう既に前提としてあるとすれば、このような、今では規制がなかなか厳しくて、こうした診療所と老人保健施設の併設というのがなかなかできないようになっているけれども、その規制を大幅に緩和して、併設可能な形で、こうした新たな体制に備えてこうした施策を実行していくということは、私は合理的だというふうに考えるんでありますけれども、この点については、厚生労働省、どうお考えですか。
○政府参考人(磯部文雄君) 老人保健施設そのものに、先ほども申し上げましたように、やはり医師の配置が必要だということでございまして、また、診療所は外部の患者さんを診るという機能も非常に重要でございますので、その両者を、兼ね合いがなかなか難しいところでございます。
 したがいまして、基本的には、やはり老人保健施設に一人の医師を置いていただきたいと考えておりますけれども、今回の介護報酬の改定におきまして、小規模のものにつきまして一定程度、その併任のような形で医師の配置を認めるといったことを検討しているところでございます。
○武見敬三君 役人が答えるとこういう話になっちゃうんですよ。
 だから、厚生労働大臣、これはやっぱり政治家の決断で、そこはもっとはっきりと分かりやすく整理して、併設できるようにされると、私は流れはある程度スムーズにいくと思いますよ。しかし、それでもなかなか大変な決断が要るんですよ、病院やめて介護施設に移るというのは。しかも、それが果たして本当にスムーズにいくかどうかもまだ分からない状況の下ですからね。これはもう政治家として厚生労働大臣のこの指導力を私は強く期待します。
 その上で、最後に。私は、医療費の中での自己負担分を増加させるということがどれだけそれぞれ患者の病態に影響を及ぼすか、この点についてのやはり御認識をいただいておきたいと思うんですよ。これも、決算委員会でありますから、患者負担引き上げると一体どれだけ医療費が適正化されたのかというのをまずちゃんとお伺いしておかなきゃならない。
 平成九年の九月に被用者保険本人二割負担、導入したと。そうすると、その平成九年の九月から平成十年の三月まで見ますと前年比で五・六%減、それから平成十年の四月から八月までは前年比で七・四%減と、大幅にこれ低下をしているわけであります。
 そして、この医療費の自己負担増というのは、この医療サービスの利用者、提供者にコスト意識を持たせるという点では確かに一定の効果はあるかもしれませんけれども、しかしながら他方で、治療に必要な患者の受診抑制という形で、実際に疾病の重症化をもたらす危険性が常に潜んでいるんだということは、これはきちんと認識しておかなきゃならぬことであります。
 平成十五年四月、これは政管健保本人の三割負担引上げ、これによってどれだけ医療費抑制効果があったのか、まず保険局長、伺っておきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 被用者本人の自己負担の割合が平成十五年四月から三割負担に引き上げられたわけでございますけれども、こういった制度改正がなかった平成十三年で見ますと、医療費の伸びは〇・五%、プラス〇・五%であったのに対しまして、十五年度の医療費を見ますとマイナスの五・二%と、このように減少しているところでございます。
 ただ、患者負担の見直しによります医療費の伸びへの影響と、これは一時的なものであると考えてございまして、例えば診療報酬のマイナス改定があった平成十六年度におきましては、そういったマイナス改定にもかかわらず〇・九%の伸びというものを示しておりまして、この辺の関係につきましては、やはり実態に即して見ていくべきものと考えております。
○武見敬三君 実際に、今度は医政局長、このような患者負担増というものについては病態にどういう影響を及ぼすかというのを考えるのがあなたの役割だと思うけれどもね。
 これは、厚生労働省というのもやっぱりちゃんと良識があるなと思ったのは、医療経済研究機構という皆さん方の附置機関、ここで総合研究報告というやつで「医療費の自己負担増による高血圧症患者と糖尿病患者の受診行動の変化」というテーマで、きちんとこれ研究調査が行われているんですよ。
 そうしますと、こうした自己負担増ということによって一番この受診等々に影響を及ぼす人たちというのは軽度の糖尿病患者だということがよく分かってきた。これは、やっぱり自覚症状がないからね。したがって、この軽度の糖尿病の患者さんたちというのは、すぐにお医者さんのところに掛かるのをやめちゃう。で、それだけじゃなくて、今度は月当たりの処方せんの発行件数も少なくなるんですよ。これが重大。言うなれば、薬も飲まなくなっちゃうんだよ。そうすると、この軽度の糖尿病患者の皆さん方が合併症などを伴う重度の病態に陥るという確率が高くなっちゃうんですよ。そのことがしっかりと、厚生労働省の研究費を使ったこの研究報告の中にちゃんと書かれてあるんです。糖尿病患者の潜在的な患者数、七百四十万人もいるというわけですからね。こういう点について、しっかりとした基本認識をお持ちいただかなければならない。
 そしてその上で、更に今度は高齢者医療というものについて新たな負担を求めるということになった場合に、それぞれ高齢者の病態にどのような悪影響を及ぼすかという点についてしっかりと御認識をいただいて、たとえ負担を上げるということがあったとしても、そういう問題が起きないように事前に的確に対応する処置を講じておくということがなければ、これは極めて重大な問題になると考えるのであります。
 この点について、厚生労働大臣はどうお考えでありますか。
○国務大臣(川崎二郎君) 今、武見委員がお引きになりました報告は私も承知いたしております。それだけに、私もなかなか、厚生労働大臣というトップにありながら割合太りがちなもんですから言いにくいんですけれども、肥満度というものはやっぱりきちっと抑えてもらう、日ごろから食事なりお酒なり様々な問題に対応してもらうということをしっかり申し上げながらやっていかなければならないだろうと。そういう意味では、私も国会が終わるころにはもうちょっとスリムになっていく必要があるのかなと。武見委員もどうぞ、協力してやっていきたいと思いますので。
 いずれにいたしましても、七十五歳以上の方々に、現役並みの所得がある皆さん方に御負担を申し上げるということになりました。ここについては是非御理解を賜りたい。やはりこれからの社会、若者だけに負担をしわ寄せるというわけにいきませんので、お互いが予防というものを大事にしながら、しかしながら低所得者にはきちっとした医療が提供できるように体制を整備してまいりたいと思います。
○武見敬三君 最後に一言申し上げておきたいと思いますけれども、やはり昨今、財政論的な観点から医療費を適正化するということに優先度がどんどんどんどん置かれるようになっている。しかし、その裏側には、医療の質というものに対してネガティブな影響がたくさん出てきているんだと。その点についてもきちんと配慮をしながら医療政策というのは決めるべきである。医療経済学なんというけれども、これはメディカルエコノミックスであってはいけないんですよ。メディコエコノミックスで、医療と経済というのが同等の立場で議論をされ、そして政策が固められなければいけない。そのバランス感覚が常にこうした医療政策には求められると思いますので、その点、誤りなき政策策定をしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(中島眞人君) 関連質疑を許します。西銘順志郎君。
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。
 小泉総理始め関係閣僚の皆さん方、本当に衆議院での予算委員会、大変御苦労さまでございました。今日は、参議院に来てまず初日でございますが、決算委員会ということでございまして、今日からまた新たにスタートという意味で、各大臣の気持ちを引き締めていただいて御答弁をお願いを申し上げたいというふうに思うのであります。
 さて、私は、小泉総理誕生の平成十三年七月に当選をさせていただきました。小泉総理の、自民党をぶっ壊す、改革なくして成長なしのキャッチコピーの下で選挙戦を戦ってきたのであります。あれから四年半が経過をいたしました。総理の政権を振り返ってみるときに、正に過去の慣習にとらわれない総理の意思の強さ、あるいは改革を成し遂げるのだという思いの強さを痛感するのでございます。
 自民党をぶっ壊す。一例を挙げさせていただきますと、歴代の総理は派閥推薦の閣僚人事をしてきたわけでございますが、小泉総理は断固としてそれを拒否された。第三次の改造内閣に至るまでそれを貫き通してこられたわけでございます。また、毎年度の予算にいたしましても、経済財政諮問会議が決める骨太の方針に基づいて決めてきた、いわゆる内閣主導の予算案作りであったというふうに私は思います。
 その中で、昨年の郵政民営化法案、私ども大変心配をいたしました。自民党がどうなるのかなと。今の民主党さんどころの話じゃないんです。本当に大変、つぶれるんじゃないかというような思いをしたわけでございますが、結果としてあれだけ大勝をしていただいたということでございまして、まず総理に、この四年半を振り返っていただいて、御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 評価というのは見方によって違いますから、共感なり好意を持って評価するのと悪意を持って評価するというのとはもう百八十度違います。歴史上の人物見ても、一方だけから見ればもう梟雄といいますかね、悪人の代表として例を挙げられる。一方、いい点を見るとこれは英雄として評価される。作者の評価によってがらりと変わるんですね。
 一つのいい例が司馬遼太郎氏の「国盗り物語」ですね。斎藤道三というのは、あの小説が出る前は、マムシの道三、悪い点ばっかり言われて、梟雄、悪、もう裏切ったりだましたり主君を倒したりしてのし上がってきた英雄として、いわゆる梟雄として描かれた。ところが、「国盗り物語」、司馬遼太郎氏が別の視点から見ると、もう才知に優れ、あの厳しい戦国時代を生き抜いてきて、まれに見る面白い魅力的な人物として描いたと。
 人の見方によっても、新撰組もそうです、見方によって違うんです。片っ方は、幕府側から見れば、新撰組というのは大事だ。官軍、朝廷軍から見れば、これはもうろうぜきを働くけしからぬ暴力集団。もう見方によってもがらりと変わるんですから。私は今、まだ現在総理ですから、自分で評価するというのはちょっとおこがましいんじゃないかと。まあ、私が死んでから何年たってどういう業績上げたか評価をしていただければいいと思うんでありますが、私は、今やるべき改革、これに誠心誠意全力投球するのが私の任務だと思いまして、どうかという評価は差し控えさせていただきたいと思います。
○西銘順志郎君 私は、小泉総理、大変改革に、もうすばらしい改革をしていただいた、高い評価をいたしておりますから、御安心をしていただきたいと思います。
 総理、私、参議院議員になりまして、数回所信表明を聞かせていただきました。そして、その中で総理はよく中国の故事を引用なさっておられました。私は、是非、機会があれば、沖縄の政治家の中で琉歌をうたった方がおられましたですね、この琉歌、是非総理に覚えていただきたいということで、今日はいい機会でございますので全大臣に資料としてお配りをさせていただいておりますが、ごらんをいただきたいと思うのであります。
 ちょっと読ませていただきますが、「誉り誹らりや 世の中ぬ習い 沙汰ん無ん者ぬ 何役立ちゆが」、「誉り誹らりや 世の中ぬ習い 沙汰ん無ん者ぬ 何役立ちゆが」と。褒められたりそしられたりするのは世の常であると。世間に風評の立たない者が何の役に立つんだろうかというようなことをうたった歌でありますが。これは十八世紀の琉球王府時代の政治家蔡温であります。ライオンではありません。蔡温でありますが、具志頭親方が詠んだ歌でありまして、この蔡温は琉球王府の財政の立て直しに大きな力を発揮した方でございます。特に農政の改革を断行したことで有名でございまして、例えば農民の農村から都市への移動を禁止したり、あるいはリュウキュウマツの植林を奨励したり、また沖縄の基幹作物でございます黒糖を王府が直接買入れをしたりということで改革に全力で取り組んだ政治家でございます。
 こういう改革に全力で取り組む中で、やはり学者とかあるいは文化人とかいう方々から批判が出るわけでありますけれども、この蔡温はこの批判をした人たちを謀反人として捕らえて処刑をするんです。処刑をしてまで改革を断行したということでございます。
 これは琉球の歴史の中で大変評価が分かれるところでございますが、高い評価をする人と、まあちょっとやり過ぎじゃないかという人もいるかもしれませんが、こういう歌を聞いていただいて、総理の御感想をまずお聞きをさせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、私を批判する人や私の進める改革に反対する人を処刑なんてするわけないじゃないですか。
 これは時代によって違いますから、戦国時代だったら、謀反人とか反対する者は全部殺して、妻子、眷族、もうはりつけ、縛り首、もう何でもやると、それがもう当然視されているわけですね、人質まで出して。それに従わなかったら、関係ない人まで、縁者、親類まで全部殺しちゃうと。で、男の子が生まれると、根絶やしというんですか、今NHKで「功名が辻」やっていますけど、浅井長政と信長の話が出ていますけれども、あの信長の妹のお市の方が浅井長政のところにお嫁さんに行く。ところが、浅井長政が信長を裏切って敵になる。そうすると、お市の方と娘三人は殺すけれども男の子だけは何とかお市の方は残してくれと言うけれども、信長はそうだと言いながら、結果的には男の子だけ殺しちゃうでしょう。
 こういうふうに、ああいう非情な時代と今と違いますから、私はあんな非情なことできませんよ。それはもう穏やかに、私は抵抗勢力もいずれ協力勢力になってくれると思ってやってきたんですから。今でもそうですよ。批判した方もいずれは私を評価して協力してくれるだろうという気持ちで改革を進めていきたいと思います。
○西銘順志郎君 ありがとうございました。
 やはり、まあ褒められたり非難されたりというのはもう当然人の上に立つ人の宿命でありまして、それに惑わされて右顧左べんをしたり、決断が鈍るようでは真の指導者にはなり得ないと、信念に基づいて行動しなさいという意味の歌であります。
 ポスト小泉と言われております安倍官房長官、そして谷垣大臣、麻生大臣の御感想をまずお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋三君) ただいま小泉総理が感想を述べられたわけでありますが、私の地元にも幕末の前に村田清風という家老がいまして、言わば藩内において改革を断行したわけでありますが、当時も大変な批判が強く、彼は結果として必ずしも幸せな人生を送ったとは言えないわけでありますが、彼のライバルの家老はむしろ財政出動を進めたということであって、当時からどちらが当たっていたのかということが言われてきたわけでありますが、基本的にはこの村田清風の系譜につながる人々、吉田松陰先生とか高杉晋作が藩内で中心的な役割を担って日本の回天の事業をやり遂げたということでございますが、今先生が挙げられた蔡温と同じく、各地にそういう批判を恐れずにしっかりと信念に従って物事を決めていく、進めていく、責任を持って進めていく人がいたからこそ今日の日本があるのではないだろうかと、このように思うわけであります。
○国務大臣(谷垣禎一君) 「誉り誹らりや 世の中ぬ習い 沙汰ん無ん者ぬ 何役立ちゆが」と。これ、発音正しかったですか。
○西銘順志郎君 ああ、そのとおりです。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、私はこのとおりだろうと思うんですが、私はどちらかというと余り目立たぬように生きてきたものですから、褒められることもそしられることも比較的少ない方なんでございます。しかし、まあおっしゃることはこのとおりだろうと思いますので、我が名車に油差し、我が名騎にむち打って、鈍な身ですが頑張りたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 似たようなことを言っても余り面白くないでしょうから。
 今風で言ったら、これは悪名は無名に勝るというとこですかな。何もない、無名なよりは悪名でも名前があった方がまだええということにもなるのかもしれませんけれども。私、子供のときに、毎日うちに新聞記者が十数人、もう一杯、もっといたかもしれません、いまして、当時携帯電話なんてないころなんですが、ちょうど私が学校に出ていくときに、一杯たまっておるというときに、おめえのじじいが死にゃあよ、日本良くなるよと言って随分こづかれた、そういう家庭環境で育ちました。で、亡くなりました途端に、あんな偉い人はいなかったと同じやつが書いておるわけです。
 で、当選してきたら、いろんな国会議員の方がいらっしゃいまして、えらい勢いでお褒めいただいて、私は子供心に全然違う評価があるんだということをまざまざと思い知って、体験で知りましたので、ああ新聞記者の言うことだけは信用しちゃいかぬなというのは、もう子供心に抜き難い幼児体験として私の中に染み付いております。新聞に褒められると、ああこれは駄目なんだなと、悪く書かれると、ああいいんだなという具合に思わないといかぬと、そういう具合に妙にねじ曲がったような形になった自分の幼児体験に照らしてみても、この人も、多分、吉田茂も似たような環境にいたんだろうなと思って、この人の孫はどうだったろうなと、私はそう思っています。
○委員長(中島眞人君) 閣僚の中で、我こそはと所信ある方、ひとつ御発言をしていただいて結構ですが。
○西銘順志郎君 三大臣、大変すばらしい御答弁をいただきまして、心から感謝を申し上げます。改革を後退させることなくしっかり頑張っていただきたいと申し上げておきます。
 次に、米軍再編についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 昨年十月、日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において、中間報告、「日米同盟 未来のための変革と再編」が合意されました。私は、今回の米軍再編は我が沖縄県にとってそれなりに評価をしなければならない点もあると思っております。
 例えば、在沖海兵隊の八千人に及ぶグアムへの移駐、家族まで含めますと一万七千人に及ぶ大移動であります。また、嘉手納基地以南の基地の大幅な返還、キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧、キャンプ・キンザーになろうかと思いますが、そういうところが予定をされているというふうに聞いておるわけでございます。また、嘉手納基地の訓練回数の削減による騒音の削減等々、沖縄の負担軽減に政府が一生懸命取り組んでおられることは評価をするものでございます。
 しかしながら、米軍再編の最重要課題でございます普天間基地の返還が、辺野古沖案からキャンプ・シュワブ沿岸案に地元名護市あるいは沖縄県に何の説明もないまま突然に変更になったことにつきましては理解できないのでございます。
 そこで、防衛庁長官、現行の辺野古案にはどういうような問題点があったのかということを御説明をいただきたいと思います。私は、このテレビ、恐らく名護の市長さん、沖縄県知事も見ていると思いますから、しっかり説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(額賀福志郎君) 西銘委員にお答えいたします。
 今委員は、今度の普天間の全面返還というものが最大の焦点であるというふうにおっしゃいました。私もそのとおりであるというふうに思っております。
 もちろん、米軍再編の問題は基地の整理、統合、縮小だけではなくて、その背景には、日本の安全保障、地域の安定を図っていくために日本の自衛隊の改革と日米同盟をどういうふうに今後形作っていくかということの基本的な考え方が流れていることは御承知のとおりであります。そういう中でこの普天間、沖縄の、米軍基地というものは、御存じのとおり圧倒的に沖縄に集中しておりますから、これを負担をどういうふうに軽減をしていくかということは最大の焦点でございました。その象徴的なものが普天間の返還であります。
 これは、御承知のとおり、平成八年に橋本・モンデール会談でこの普天間の全面返還を成し遂げようということでございました。その後、平成十一年に閣議決定をし、平成十四年に基本計画を作られた、そして十五年から具体的に沖縄でどういうふうに実現をしていこうかという話合いが行われました。
 当初は、大田知事等の話合いの下では、これは撤去可能な基地を造ることが前提であるということで、辺野古沖に撤去可能の浮体工事という形で当初考えられたわけでございますけれども、地元の強い要望がありましてこれを埋立て工事にいたしました。そしてまた、稲嶺知事の強い要請によりまして軍民共用化という形にもしたわけであります。
 ところが、実際に工事を始めようとすると、環境の問題とか様々の反対が強く沖縄県、いや全国的に波及をいたしまして、なかなか工事が進捗することがありませんでした。結果的にはボーリング調査もできなかった。
 で、私は、後でこのボーリング調査がなぜできなかったのかということをよくビデオ等々で調べてみましたところ、反対陣営は船で妨害活動をするわけでありますけれども、当時、海上保安庁の船がこれを排除するために行動を起こすわけでございますが、反対派の船は、追い詰められていくと今度は海に飛び込んでまいります。そして、海上保安庁の船とか、あるいはまた調査のためのやぐらに上り込んで抵抗を試みます。海の中に飛び込まれますと、海上保安庁の船のスクリューに巻き込まれてこれは死者を起こしかねないという状況になります。そうすると、海上保安庁の船はエンジンを止めます。エンジンを止めると、これは反対派の行動を封じることはできません。そういう流れの中で実際にボーリング調査もできなかったというのが実態であろうというふうに思っております。そのために十年近く時間がたってしまったわけでございます。
 その間、一昨年、普天間でヘリが墜落をいたしました。私も即座に、当時、自由民主党の政調会長時代でありましたけれども、現場に行きました。正に市街地のど真ん中におっこちれば大惨事になりかねない状況でありました。ラムズフェルド長官も、こんなとこで訓練をしていたのかと、これは一日も早くこれを撤去しなければならないという発言をしたことは、私は政治家であるならばだれでもそう考えたに違いないというふうに思います。
 そこで、我々は、沖縄県民の悲願であるこの普天間基地を全面返還させていくためにはどうしたらいいのかということを考えて考えて、党内でも議論し、いろいろと考えた結果、普天間の機能をほかに分散することによって一日も早く普天間の全面返還を達成することが知恵というものではないかということを考えまして、普天間の機能は、これは西銘先生御存じのとおり、一つはヘリの訓練の機能があります。そのヘリに油を供給するもう一つの、KC130という油を供給する機能があります。もう一つは、有事のときにあの滑走路を使えるという三つの機能があるわけであります。その三つの機能をどういうふうにじゃ分散をしていくのかということを考えたわけであります。
 一つは、まあどうしてもアメリカの海兵隊は、海兵隊の実動部隊が沖縄にいるわけでありますから、その直接的な訓練のヘリポートだけは沖縄に置かせてくれということでございます。そこで、あとの給油機のKC130は本土に移転しようと。もう一つは、有事の際の滑走路も本土で機能を賄うようにしましょうということで、三つのうちの機能は本土に持っていって、そして直接的な訓練のヘリポートだけを沖縄に造ろうということでいろいろ考えた結果、キャンプ・シュワブの陸上案と、まあ沿岸案と言いますけれども、海を埋め立てたり桟橋を造ったりした形で、環境に気を配りながら、ここでヘリポート基地を造っていこうということに日米の間で合意をしたということでございます。
 私は、このキャンプ・シュワブ案とそれから従来の辺野古案ですね、要するに辺野古沖合案のその違いというか、メリット、デメリットと言いましたけれども、一つは、やっぱり従来の辺野古沖案は相当サンゴ礁をつぶします。それから、沖合二・数キロメートルでありますから、深さが四十メーターぐらいのところを埋め立てていきますから、膨大な工事費が掛かります。太平洋の荒波が直接的に押し寄せてきますから、防波堤を造っていかなければなりません。膨大な工事費が掛かります。と同時に、もう一つは、今言ったように反対派の行動が起これば、なかなか工事が進捗をしないということ等の問題がありました。
 それから、このキャンプ・シュワブ案の良い点というものはどういうことかというと、辺野古沖合案の場合は新しい基地を沖合に造るということになりますけれども、キャンプ・シュワブ案の場合は従来の米軍基地の中にほとんど利用した形で新しいヘリポートを造るわけでございますから、新しい基地を造るという形にはならないということ。それからまた、陸上案、従来の基地の中の陸上を生かして造られることでございますから、当然工事がしやすいということ、それから米軍の理解を得ることが、取りやすいということ等があるわけであります。
 若干、藻場をつぶすのではないかという心配がありましたけれども、藻場は、従来、まあ言ってみれば、アメリカが主張しておりますような縮小案でありますと三十ヘクタール以上つぶしますけれども、我々が考えているキャンプ・シュワブ案の沿岸案はわずか十ヘクタールぐらいの影響で済ますことができる等々のメリットがあると同時に、工事費が安く済む、あるいは短期間で工事ができる。従来の辺野古沖案ですと、今から環境調査をやって三年から四年掛かる。更に工事が十年近く掛かる。十数年掛かってもできるかできないか分からないということでありますけれども、キャンプ・シュワブの沿岸案であれば、これはもう数年で完成ができる可能性がある。
 これは、もちろん名護市民始め県民の皆さん方の御理解を得ることが前提でありますけれども、そういうまあメリット、デメリットがきちっとなっているということでございますので、これは名護市民の皆さん方の理解を得る形で、是非その方向で今後も説明をしていきたい。そして、三月中に日米の間で最終的な合意をつくるために、今、急速度で、スピードを上げて最後の調整を行っていることでありますから、我々はしっかりとこの経過について、あるいはまた実際にまとまったことについて、今、あらゆるレベルで名護市民の皆さんや県民の皆さん方に誠意を持って説明をさしていただいているところであります。
○西銘順志郎君 長官、本当に丁寧過ぎるぐらい丁寧に御答弁をいただきまして、次の質問まで答弁をしていただいたというふうに思っております。
 しかし、この一九九六年に橋本総理・クリントン会談で普天間基地が、まあ県内移設という条件付でございましたけれども、返還が決定されたわけでございます。当時の名護の市長さん、比嘉鉄也市長は、その決断を、苦渋の決断をして受入れを表明し、市長職を辞するわけでございます。その直後の住民投票は、私たちは負けました。そして、この比嘉市長の後継市長として名護市の岸本市長が選挙で当選をするわけでございます。岸本市長も比嘉市長の意思を継いで辺野古沖案を受入れを決断するわけでございます。そして、稲嶺知事も地元の意向を尊重するということで受入れを決断したわけでございました。住民投票一回、市長選挙これまでに三回、県知事選挙二回ということでございました。
 そして、さきの衆議院選挙におきましても、地元名護市を拠点にしております、今日こちらにお座りでございますが、内閣府の嘉数副大臣も辺野古沖案を前面に出して、相手候補二人よりも多い得票を獲得したわけでございまして、そういう経過があるわけでございます。
 そしてまた、防衛庁長官あるいは防衛施設庁、いろんな形の中で代替施設協議会二年間で九回やってきた。九回も政府と、総理が入られたかどうか分かりませんけれども、九回もこの辺野古沖案でやろうという代替施設協議会をやってきたわけでありますから、そういうものを全部チャラにして、なしにして、いきなり頭越しに、名護市と沖縄県の頭越しに沿岸案ですよといったって、これは沖縄県民が納得できるわけがない。
 私は、そういうことを防衛庁長官に理解をしていただきたいと思いますが、先ほど防衛庁長官大変丁重な答弁をいただきましたので、外務大臣、御答弁をお願いを申し上げたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 西銘先生、もうこれは経緯につきましては今、額賀長官の方からお話があったところです。
 そこで、沖合というのに関しましては、これはコストの面、それから反対の面、環境の面等々、これまでのことがあって、新たにまたやろうとしても十年ということになりますと、抑止力の維持の話と軽減負担、しかもその軽減負担は十何年先の話ではなくて、やっぱり今ということになりますと、なるべく早くできる案ということを考えねばいかぬというのが政府の立場でありまして、これは米軍と交渉する、アメリカ側と交渉するときにおいてもこの点は、抑止力の維持と軽減負担というのはもう二つの柱。
 したがいまして、私どもは、基本的にはできるというのが優先順位の一番です。どういう形にしろここはできねばならぬと、抑止力を維持するためにもできねばならぬということでありますので、そこを優先順位の一番に考えていくというと、おのずと答えは両方で話し合っていくときちんと見えるところは出てくるのではないかと思って、誠心誠意対応をしていかねばならぬと思っております。
○西銘順志郎君 額賀長官も十一月八日に稲嶺県知事にお会いをして沿岸案を御説明になったというふうに聞いておりますが、知事とお会いになられての御感想をちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(額賀福志郎君) お答えをいたします。
 私は、率直に言いまして、稲嶺知事のみではなくて、基地を抱えておられる一都七県の知事さん、それから各関係の三十幾つかの、三十八の市町村長さんとお会いしましたけれども、総体的に言いますと、政治家同士の話でありますから、自治体の皆さん方も、日本の安全保障について、日米同盟関係があるから日本の安全ということが保たれているということについては基本認識を持っているものと思っております。その上に立っての議論がなされているものと思っております。
 その上で、稲嶺知事も、今、西銘委員がおっしゃるように、海兵隊七千人が、当時は七千人ということでございました。その後、米側から一千人上回って八千人でもいいという話が出てきたのは事実でございます。海兵隊の移転の問題、嘉手納以南の土地が返還されること、あるいはまた嘉手納の、まあ言ってみれば騒音が軽減されていくということ、様々なことについてそれは評価はすると。ただ、自分はその普天間の移転に伴って県外移設ということを言ってきたので、一つは賛成はできない。
 それから、名護市で、その沿岸案について名護市の皆さん方も反対をしているので、これは受け入れることはできないという話でありましたけれども、しかし、この問題について話合いを拒否しているわけではありません。我々もこれは、安全保障の問題と地元の意向というものについて、お互いに誠意を持って政治家として解決を図っていくことが使命と責任であるから、それは率直に話し合う中で解決できるのではないかという期待を持っております。
○西銘順志郎君 地元名護市も決して全部反対反対と言っているわけじゃないんです。政府から新たな提案があれば協議に応じますということを言っていることはしっかり御理解をしていただきたいというふうに思うんでありますが。
 先月の二十一日に、名護市の辺野古区、豊原区、久志区から名護市に対して、沿岸案は地元の思いやこれまでの経緯を全く無視したものであり到底受け入れることはできないという沿岸案反対の強い要請が行われているわけでございます。
 この辺野古区、豊原区、久志区というのは飛行ルートの延長線上にある部落であります、集落であります。そういうところの皆さんからこういうような反対案が出ている。政府は、環境や住民生活に配慮して沿岸案を合意したということでございますけれども、地元からこのような反対の声が上がること自体、地元への配慮を欠いたものではないのかというような強い非難の声も出ていることをしっかりと肝に銘じていただきたいというふうに思うのであります。
 額賀長官が、ルートの問題につきましても、メリット、デメリットについてもお答えをいただきました。
 それでは、これは政府参考人で結構であります。端的にお答えをいただきたいと思うんでありますが、飛行ルート上の民家の戸数、あるいは小学校、中学校があるのか、そこを端的にお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(北原巖男君) 御答弁申し上げます。
 ただいまの政府が考えております飛行ルートとまず民家の関係でございますが、代替施設の滑走路の延長線上、そしてその進入表面下に住宅と思われる建物は全部で十棟程度確認をいたしております。そのうち二棟は滑走路の延長線上にあるものと考えております。
 それから、二点目の小中学校の関係でございますが、代替施設の滑走路の延長線上、そしてその進入表面下には確認はされておりません。
 なお、いずれも、私が申し上げたエリアにつきましては、私ども防衛施設庁が行っております航空機騒音の環境基準の基準値が、住宅防音をしなければならないという七十五W、これはすべて下回るものでございます。
 いずれにいたしましても、誠心誠意御説明をして理解を求めてまいりたいと思います。
○西銘順志郎君 普天間を移設をするのは、やはり普天間の危険性の除去ということが大きな理由であります。普天間の、ごらんになっていただいたらお分かりでありますが、あの周辺にはもう本当に民家や学校や病院やいろんなものがあって、これはもうだれが見ても早く移さなきゃならないというのは、もう私たちも感じているところでございます。
 しかし、この辺野古のルートの延長線上に民家がある、あるいは私は、聞いているところでは、近くに学校があるというのも聞いております。そして、もう少し今度は南の、このルートの、滑走路の延長線上の南側に行きますと、宜野座村の松田集落がある。そして、ちょっと北側に延ばしていただくと、延びていくと、これ沖縄県の東海岸で唯一のリゾート地区でありますカヌチャベイリゾートがあるんです。ここには年間約三十万人ぐらいの方々が、観光客の皆さんが宿泊をなさるわけでございまして、私はこの延長線上の、まあカヌチャベイのそのリゾートの上を米軍の迷彩色を施した飛行機が通るのも果たしていかがなものかなと思うんですが。
 これは小池大臣、沖縄の観光振興という点からも、私はこういう点で非常に問題があるというふうに理解をしておりますが、大臣の御見解をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(小池百合子君) 多分、環境大臣ではなくて沖縄担当大臣としてお答えさせていただいた方がよろしかろうと思うんですが、御指摘のように、カヌチャベイ、大変若者にも人気のあるリゾートでございます。特に、県内の十八か所の観光振興地域の一つであるということでございますけれども、やはり沖縄の魅力というのはこの自然のすばらしさ、風光明媚といった観点かと思っております。
 その意味では、今想定されております飛行ルートについても、先ほど来お話ありますように、防衛庁として地元に対してしかるべき御説明をされているというふうに承知をいたしておりますけれども、観光そして自然の保全といったような観点からも、現在のこの沿岸案によります様々な影響につきましては注意深く見守っていく必要があると、このように考えております。
○西銘順志郎君 先ほど来、この米軍再編についてお聞きをさせていただきました。
 全国で本当に関係自治体の皆さん、本当にいろんな意味で大変な思いをなさっているということはよく理解をできるわけでございます。しかし、額賀長官、全国の中で、全国のその受入れの際、どうぞ受け入れてくださいという中で、ほとんど反対する自治体が多い中で、この名護市は本当に、先ほど申し上げましたように、政府から何らかの提案があれば協議に応じると言っているんです。全国広しといえども、基地を受け入れるという協議に応じると言っているんです。そこをしっかりと御理解をしていただきたい。
 そして、沖縄県民あるいはその米軍の再編の問題、大変重要なその抑止力、いろんなものよく分かりますから、県民や名護市民が納得できるような形での是非決着を図っていただきたいとお願いを申し上げたいと思います。長官、お願いします。
○国務大臣(額賀福志郎君) 西銘委員の思い、それから客観的に地元の皆さん方の意見を伝えてきてくれているということはよく分かります。なぜならば、私も名護市の皆さん方と直接、間接的に話を聞いております。その中で、ヘリポート基地を受け入れないとは言ってないと言っております。
 でありますから、そういう中で我々は、日本全体の安全保障と沖縄県民それから名護市民それから米側との交渉、そういうことを、いよいよ最終場面に向かっていく中でしっかりと御説明をしながら理解を得るように努力をさしていただきたいというふうに思います。
○西銘順志郎君 基地問題で随分時間取られまして、もうあと五分程度しかなくなりました。どうぞ、せんだって総理にもお願いをさせていただきました。是非、沖縄の県民の声を聞いていただく、そして名護市の声を聞いていただくということを総理にも確約をしていただいて、どうか、御答弁があればお願いを申し上げたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先日、西銘議員含めて、沖縄県選出の議員の方々とお話合いをいたしまして、今の御指摘の点、沖縄県の気持ち、そして日米安保条約の重要性を考えながら、沖縄での基地負担を軽減してほしいという切実な要望、よく理解できます。
 そういう中で、現在、政府としても、日米間との協議と、そして沖縄県始め基地を抱える全国の自治体の協議にできるだけ理解と協力を得られるように全力投球しているわけであります。
 先日、沖縄県の国会議員の皆さんともお話合いをした際にも申し上げましたけれども、私としても、沖縄県民そして地元の住民の方々の理解を得られるようにこれからも様々な努力をしていきたいと思いますので、どうかこの日本の安全保障、そして沖縄県民の方々の協力というものもいただきながら、今まで日本の基地の七〇%以上も負担している御苦労を考えながら、政府としても、沖縄県民の心を大事にしながら、是非ともこの問題に御理解いただくように誠心誠意これからも努力していきたいと思います。
○西銘順志郎君 総理の本当に熱意ある御答弁、心から感謝を申し上げたいと思っています。是非沖縄県、名護市と話合いをしていただいて、県民の意思、心というものを酌み取っていただければ幸いだというふうに思います。
 もう時間がなくなりました。あともう最後の一問にしたいと思います。
 これ、名護市に関係するものでございますけれども、二〇〇二年の四月に沖縄振興特別措置法で名護市に金融特区が作られました。まだ、しかしこの制度の適用事例がないわけでございまして、どうしてかなとやっぱり思うと、やはりこの金融特区の優遇税制を受けるためには、従業員二十人以上の雇用、あるいは所得控除、直接人件費の二〇%までという制約があるわけでございまして、この制約が取り除かれれば、この特区を利用する方々がもっと、企業が増えるんではないかというような思いもあります。
 しかし、名護市には二〇〇一年度以後、本当に政府の温かい御支援で金融・証券・情報通信関連会社が約八社進出をしておりまして五百人程度の雇用を拡大しておりますが、この制約がなくなればもっと出てくるんじゃないのかなというふうに思いますが、小池大臣ですか、お願いします。
○国務大臣(小池百合子君) 今日も有効求人倍率、全国的には一・〇三という数値が発表されましたけれども、残念ながら沖縄の方ではそこまで至っておりません。金融、そしてそれと情報と組み合わせて雇用をつくっていこうということから、この金融特区が始まったわけでございます。
 今御指摘ありました制限を取ったらどうかということでございますけれども、一方で、金融業という特性を考慮いたしますと、ペーパーカンパニーができてしまうのではないかとか租税の回避といったような、まあ悪用という観点もございます。しかし、こういった規制を超えて、今お話ありましたように、今、名護市にはそういった金融関係の会社が全国から集まってくるような状況ができておりますので、そして実際にディザスターリカバリーセンターというような形で金融がこの名護に集まってくる、それを更にこれからも後押しする形で金融という新しい、二十一世紀更に伸びていくであろう産業という、その基地を名護に作っていきたいと、このように思っております。
 いろんな利便性とマイナスの部分と、両方考えて進めてまいりたいと考えております。
○西銘順志郎君 委員長。
○委員長(中島眞人君) 質疑時間は終わりましたよ。
○西銘順志郎君 ああ、もう終わったんですか。
 じゃ、ありがとうございました。終わります。
○委員長(中島眞人君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(中島眞人君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小林美恵子君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
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○委員長(中島眞人君) 休憩前に引き続き、平成十六年度決算外二件を議題とし、全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○直嶋正行君 民主党・新緑風会の直嶋正行でございます。
 昨日、衆議院で予算が終わりまして、今日から舞台を参議院に移すわけでありますが、決算重視の参議院ということで、今日は参議院の総括質疑でありますが、私の方からは、決算委員会らしく、今日は私は官製談合の問題と特別会計の改革について総理と大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
 それでは最初に、まず防衛庁長官にお伺いをしたいと思います。
 御承知のように、今、防衛施設庁の官製談合問題が、これはどこまでどういうふうになっていくのか分かりませんが、たしか昨年十一月に発端があったと思います。長官は、これが新聞報道されました翌日の十一月十八日だったと思いますが、これに関して記者会見で質疑にお答えになっておられます。当然、事件そのものは、そうなるかもしれないという御認識はあったと思うんですが、この事件がいわゆる官製談合事件になる、つまり発注側の防衛施設庁の方が関与した、こういう事件になると、なりそうだということをどの辺りで御認識されたんでしょうか。まず、そこからお伺いしたいと思います。
○国務大臣(額賀福志郎君) お答えをいたします。
 今、直嶋委員がおっしゃるとおり、新聞報道で知りました。結果的には成田空港事件から防衛施設庁に波及してきたわけでございますけれども、成田問題が起こったころから防衛庁にも飛び火するかもしれないみたいな報道があったことは事実ですね。
 そういう中で、新聞報道がなされた直後、私は捜査が防衛庁に及んだときはいや応なしに全面的に協力するというふうにまず言いました。当時は、全く事件がどういうふうになるかなんてまだ皆目、予想する材料もないし何にも持っておりません。むしろ私は、八年前に調達事件があったもんですから、こういうことがないように再発防止のための監察制度とかチェック体制をつくり上げていたもんですから、よもや施設庁もそういう教訓を生かして体制ができているんではないかというふうにも思っていたので、どういうことだったんだろうという思いを致したのが本当の気持ちであります。
 そこで、施設庁というのは一体どういう生い立ちをしているのか、どういう仕組みを持っているのかということについては事情を聞いたことは事実でありますが、中身については全く知りません。予想もだにしないことでありました。
○直嶋正行君 今長官もお答えになりましたが、成田の事件があってややそういう予感めいたものがあったというようなお話がありました。事実、私も長官の最初の記者会見、読まさしていただきました。その中で、今お話あったように、捜査に全面協力すると、それからうみは出し切ると、このこともおっしゃっておられます。ですから、何らかの御予感はあったのかもしれませんが、この点については後ほどもう少しお伺いしたいと思うんですが、今日は総括質疑でありますので、余り個別案件を深くやるつもりはありません。
 それで、続きまして、総理にお伺いしたいんです。
 これもさっき申し上げたように、捜査の行く末がまだよく分かりませんので、どこまで広がっていくのかは定かではありません。ただ、今の段階で報道されている範囲内のことで、恐らくこれは実態に近いんだろうというふうに思っておりますが、防衛施設庁のこの発注工事をめぐる正にこれは官製談合事件であると。そして、この官製談合がやはり天下りという問題と不可分の関係にあるということが、特に今回の事件では明白になってきたというふうに思うんであります。つまり、官は、防衛施設庁は、天下りのために談合の仕組みをつくった、そして民間の業界は談合の見返りに天下りを認めていた。ここで官と民の手段と目的が一致するわけであります。
 私は、官製談合というのは、やはり国民全体の奉仕者であるはずの、そして公益のために働くべき公務員が私益、私のために、ここでいうと天下りでありますが、税金を使って市場価格を操作して国や国民に損害を与えている。そういう意味でいいますと、明らかにこれはもう重大な犯罪であると、こう思うんであります。今回のケースだけではなくて、一般論として、やはり官製談合、もちろん談合もそうかもしれませんが、これは重要な反社会的行為である、やはり犯罪であると、こういうふうにきちっと認識をしておかなければいけないと思うんでありますが、実は、総理や関係大臣の御答弁を少し私も調べさしていただきましたが、犯罪であるというふうに言い切っている方はどなたもいらっしゃらないんであります。
 今日はいい機会でありますので、是非総理にその点について御認識をここで明確におっしゃっていただきたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 官製談合は犯罪であるからこそ、いかにこれを防止するかと。それについては、民主党も案を考えてこれから国会で審議されると思うんでありますが、与党におきましても、この官製談合を防止するためにいかなる法改正が必要かということで準備を進めております。ほぼまとまっておりますが、いずれこの国会でも御審議をいただきたいと思っております。
 また、天下りの関連という御指摘でありますけれども、確かに天下りの企業において、これを受け入れることによって仕事を取るというようなことを実際に見ますと、これと関連があると取られる部分も随分あると思います。そういう観点から、天下りについて禁止せよとか、あるいは今の二年間の期間というのは不十分だとか、いろいろ議論がされております。
 そういう点も含めて、官製談合を防止するためにいかなる対策が必要かということについて、今国会におきましても十分御議論をいただいて、二度とこういうような官製談合はないように努めていかなきゃならないと思っております。
○直嶋正行君 今総理は二つのことをおっしゃったと思うんです。さっき私が申し上げた官製談合は重要な犯罪であると、このことは明確におっしゃったと思うんです。私は、総理がはっきりそのようにおっしゃることは、全省庁のお役人の方も聞いておられますから恐らく心されると思うものですから、非常にこれはインフォメーション効果は大きいと思うんです。是非改めて閣議ででもそのことを確認していただいて、みんなでそういうことがないようにしっかりやろうぜというようなことを申合せでもしていただけると大変有り難いというふうに思います。
 それから、もう一点は天下りとの関係、これも大いにあるということでありまして、私はかなりこれはもう密接な関係があるんだというふうに思っております。
 それで、今御答弁でお触れになりました公務員の天下り規制の問題でありますが、今総理がお触れになったように、ちょっとお手元の資料の一番上、一ページ目なんですが、ごらんいただければと思います。
 これは、先日、私ども民主党が参議院に提出をさしていただきました天下り規制法案、いわゆる天下り規制法案の概要をチャートにしたものであります。それで、上半分が現在の規制になっています。現在の規制は、今総理がおっしゃったように、この省庁、ここでは国土交通省とか防衛施設庁という名前を挙げさせていただいてますが、この省庁から関係の民間企業に直接行く、これは二年間駄目よということで規制されているわけであります。
 どうも今回の件を見ると二つ問題があるなと。一つは、この二年が本当にこれで大丈夫なのかと。いわゆる先輩から後輩に順次いろいろと引継ぎがされていまして、これはもう少し強化する必要があるんじゃないかと、これが第一点であります。
 それから二つ目は、今回の事件ではっきりしたのは、どうも、何というんですかね、止まり木というんですかね、あるいはネクストバッターズサークルと言ってもいいかもしれません。正に防衛技術協会がそうでありますが、この特殊法人なり独立法人、公益法人と、こういういわゆるこの法人、今ここは全く規制されていないんです。今回の方々は、くしくも皆さん二年間そこで待っていて、待ったかどうか知りませんが、二年間いて民間企業へ行かれているわけです。したがって、私たちは、やはりそこも規制をする必要があるだろうということでございます。
 提案したのは、五年間、二年ではなくて五年間、直接のルートも禁止をする。それから、今申し上げたネクストバッターズサークルへの移籍も、直接関係のあるところには五年間禁止をさせてもらう。そして、今現在も特殊法人や独立行政法人、これたくさんの人が行っておられます。この間の私どもの衆議院でお願いした予備的調査では、関係のこういう法人へ各役所から約二万二千名の方が現在行っておられると、こういう数字が出ておりましたし、税金も五・五兆円投入されていると、こういう結果が出ております。したがって、ここもやはりきっちり規制をしていく必要があるんじゃないかと、これも五年間規制をしようというのが今回私たちが提案した内容でございます。
 これが絶対いいんだとここで言い張るつもりはありませんが、ただ、心配なのは、政府の方の動きが非常に私は遅いように思われます。民主党のこの規制法案について、総理の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、昨年既に、与党の中川政調会長に、与党としてこの官製談合防止の改善策、よく検討してくれないかと指示していたところであります、既に。そういう中で今回の防衛施設庁等の問題が出てきているわけでありまして、これは議員の間で検討していただいて、たしか議員立法の準備を進めていると思います。
 そういう中で、今言った民主党が出している五年間、これについては早期退職慣行の慣例が果たしていいのかどうかという問題も含んでおります。そして今は、天下りのみならず民間から役所の方に来てもらう、これをもっと来てもらいやすい制度にしたらどうかという議論も進んでおります。これは天下りと天上がり、両方あるものですから、両方が人材の交流を深めていくことによってお互い経験なり研修なり勉強を積むことができるんじゃないかと。
 今民間から役所に来てもらう場合には規制があります、退職とかいう点。そういう点からするとなかなか来たがらない、これは問題だと、こういう面も考えなきゃいけない。一方的に天下りだけの問題じゃないと、人材交流というお互いの経験を積むということもありますから、それも考えなきゃいかぬ。
 そして、既に、早期退職慣行も私はもっと遅らせたらどうかということで、三歳、三年間遅らせるという、退職もですね、五十代前半で退職せよということだったら、今人生八十年の時代、当然職を探さなきゃならないのも無理ないということでありますので、この早期退職慣行というものも六十歳ぐらいまでは、定年ですから、それまで働けるような環境をつくったらどうかということもよく指摘されます。これをどのように改善していくかという点もありますので、一面的ではなくて様々な意見を踏まえて、この天下り防止法、そして民間と官界との人材交流の問題、早期退職慣行制度をどのように定年近くまで、あるいは定年まで働いてもらうようにするかという点も含めてよく協議すべき問題だと考えております。
○直嶋正行君 私も官民の人事交流について全く否定するつもりはありません。総理がおっしゃられるように、今の時代背景見ますと、やはりそれは、このことは必要だと思います。しかし、それは官と民の交流をやりやすくしようということですから、逆に言うと、今出しました天下りの方を見ると、つくりようによってはどんどん天下りしやすくなってしまう、こういう可能性もあるわけです。これはまた改めて、政府もいろいろお考えのようですから、議論させていただきたいと思います。
 もう一つは、天下りと公務員制度の関係なんです。
 朝もちょっと議論がありました。だから、総理がおっしゃっている意味合いは私も分からないことはないんですが、三歳延ばすのに、この間衆議院の予算委員会でお答えになったのは、五年ぐらい掛かるとか言われているという話がありました。私は、ですから、こういう背景の中で従来どおりのやり方で少しずつ延ばしていくというのは、これはもう遅きに失すると思うんです。
 私、これは個人の意見ですと、この民主党の案は例えば時限立法でもいいと思っています。例えば五年なり何年かの時限立法として網をかぶせて、その間に総理がおっしゃるように公務員の処遇も含めてきちっとそれに対応できる形にしていく、線を切っていく、その中でやっていく。今のままで少しずつ延ばしていって、でき上がったらこれで成り立つようにしましょうというのでは時間が掛かり過ぎるので、是非そうすべきだと。それくらい今、事は大きくなっている、正に構造的な問題だと、こう思うんですけれども、このアイデア、ちょっと総理、採用していただけませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今の御提案に対して断定的にそうだと言う自信はございません。であるからこそ、各方面、各政党、長年の公務員の制度という問題もあります。よく協議をしていただきたいと思います。
○直嶋正行君 もうちょっと前向きな御返答を期待していたんですけれども。
 それからもう一つは、ここを規制する、直接じゃなくてルートの問題ですね。これはどうなんでしょう、総理、ここは考える余地は。今は全くノン規制なんですね。どうでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これについても私は、そのとおりという、断定的に言う自信はございません。よく各党各会派間で議論をしていただきたいと思います。
○直嶋正行君 ちょっと私も失望しましたですね。総理はもっと積極的に、もう九月まで、九月でお辞めになるということですから、是非その間にしっかり努力をしていただけるものだと思っていたんですが、駄目ですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 既に与党でこの防止法案をまとめているところでございます。民主党も案を出そうとしているところであると聞いております。だからこそ、委員会、国会があるわけであります。私は独裁者ではございません。よく協議をしていただきたいと思います。
○直嶋正行君 今日はこれ以上無理なようですから、改めてまたやらせていただきます。
 それで、続きまして、ちょっと防衛庁長官にお伺いしたいんですが、実は参議院で、決算委員会で議決をしまして、内閣に対する決算の警告決議と、それから国会法百五条に基づく調査を会計検査院に依頼すると。それと併せまして、これ実は御返事でいただいた資料なんですが、平成十五年度決算について措置要求決議というのを、これは、したがいまして、ハウスとしてこういうことは改善してもらいたいという内容で、内閣を通して各省庁にお願いをしました。
 それで、その御返事を防衛庁からいただきまして、お願いした件は、燃料の入札談合事件について要は損害賠償をちゃんと求めなさいというお願いをしたんですが、今日はもうその議論はしません。またこれ改めて分科会でやらせてもらいたいと思うんですが、ちょっと資料の二枚目を見ていただきたいんです。
 この防衛庁の御返事の内容が、この資料の右側に記載しています。私、今日、防衛庁長官に御所見を伺いたいのは、この下の赤字にしているところです。実は、これは一月二十五日に私たちにちょうだいした返事なんです。ここに、ちょっと読み上げますが、防衛庁としては、今後とも、入札における公正かつ自由な競争を確保し、適切に対応してまいる所存であります、当たり前といえば当たり前のことを書いてあるんです。しかし、この返事をちょうだいした数日後には防衛施設庁の幹部が逮捕されているわけです。
 さっきもちょっとお答えいただきましたけれども、ここに時系列でそれまでの、今回の防衛施設庁の事件の経過を入れさせていただきました。もういろんな報道がなされているわけです。官製談合であるかどうか、どのぐらい大きいのかは分からないにしても、こんな事件が起こっていた、そのときになぜこんな御返事を参議院にちょうだいしたんでしょうか。これ、ちょっと私理解できるように御説明いただきたいんです。これは私はとんでもない話だと思いますよ。
○国務大臣(額賀福志郎君) お答えをいたします。
 これは、燃料入札談合事件というのは防衛調達面の話でございますね、契約本部における話であります。しかも、なおかつ、これは……
○直嶋正行君 その内容をお聞きしているんじゃないんですよ。
○国務大臣(額賀福志郎君) その中で、一方で今度の談合事件というのは施設庁の建設発注をめぐることでございます。したがって、調達本部、この燃料の入札談合の問題とダブっていることは確かでございますけれども、一方で、これは公判中であって、その中で、委員の御指摘もあったので、その判決を見ながら、我々も、不当利得についての返還要求について、きっちりと院の御要請に応じて対応させてもらっているということでございます。
 これについては、私どもも、公取の見方、それから地検の話等々を含めて……
○直嶋正行君 長官、ちゃんとお答えになっていない。それ、問題をすり替えないでいただきたい。
○国務大臣(額賀福志郎君) 両、公取の意見、それから地検の捜査状況、そういうことを見ながらきっちりと透明性を持った形で今後していきたいという話を書いているわけでございます。
○直嶋正行君 私は、これ本当に不誠実な対応だと思いますよ。これ、長官がこれを見て了解とおっしゃったのかどうか分かりません。分かりませんが、正に事件が発生して大きくなるさなかにこういう文書を国会にちょうだいするというのは、私は参議院ばかにされていると思います。これ別になくても、今長官が御説明あったように、上だけで、こういう対応をしましたということは済むんですよ。何でこんなことを事件が発生しているさなかに国会によこしたのか。私は、これは筋の通る説明していただかないと、これは審議できませんよ。はい、筋の通る説明してください。
○国務大臣(額賀福志郎君) 院の御要請に応じて、措置はきちっとして不当利得の返還請求をいたしたところであります。今後、こういう談合事件の疑惑を起こることがないように透明性を持った形で展開をしていきたいという決意表明をしているわけでございます。
○直嶋正行君 ちょっとこんなの駄目だ。
 委員長、これは決意表明、冗談じゃないですよ。今事件が起こっている途中でしょう。これ出した後の数日後に防衛施設庁の幹部が逮捕されているんですよ。世の中の人は、みんなこういう事件が起こっていることを知っているんですよ。知っている中でこんな決意表明して。措置要求に対する返事なんですよ。冗談じゃないですよ。これはハウスとして決めて内閣にお願いしたものの返事なんです。これは私個人がどうこう言う問題じゃないんですよ、参議院としての問題になるんですよ。これは今の答弁じゃ全く納得できません。
 ちょっと委員長、これはおかしいと思うでしょう委員長も、どうですか。
○委員長(中島眞人君) ちょっと速記止めてください。──速記止める前に、額賀防衛庁長官。
○国務大臣(額賀福志郎君) 今の院の要請に応じて、我々は平成十七年十二月十九日、国として石油会社十一社を被告とする不当利得返還請求訴訟を提起したところであるわけであります。防衛庁としては、審査措置要求決議に対してかかる不当利得返還請求訴訟を提起した旨、及び入札において公正かつ自由な競争を確保し、適切に対応する旨回答したところであるわけでございます。その上で、その上で企業の実態調査をするとか、それから、今後再びこういうことが起こることがないようにきちっと指導をしていくということを対応措置として考えているわけでございます。
○直嶋正行君 答えてない、駄目。
○委員長(中島眞人君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(中島眞人君) 速記を始めてください。
○国務大臣(額賀福志郎君) ただいまの問題につきましては、委員御指摘のとおり、施設庁の談合事件が報道され、我々もこの問題について関心を持っているさなかに、しかもなおかつ、この防衛庁の考え方が示された直後に現実的に逮捕されるという事件が表面化したということの状況を総合的に考えると、誠に、防衛庁としては今後とも入札における公正かつ自由な競争を確保し、適切に対応してまいるという、言ってみれば総論的な対応でコメントさしていただいたということは、政治家として、防衛庁長官の責任者として若干言葉、説明不足、あるいはまた誠意を欠いていたところがあったと思います。
 当時私は既に、防衛庁そしてまた施設庁において、行政的な問題あるいはまた組織的な問題について洗いざらい考え方をしていくことが必要かなということを考えておったことでございましたので、委員の御指摘は十分よく分かりますので、今後、委員の御指摘も踏まえまして、万全の体制をしいてこういうことが起こらないようにしていきますので、御理解をいただければ有り難いと思います。
○直嶋正行君 私は、今の長官の御説明でも納得できません。
 これは先ほども申し上げたように、ハウスとして、参議院として決議をして、そして政府に、内閣に要請をしたものに対する返答であります。確かに、さっきおっしゃった、これはこれ、これは違うんだということかもしれません。そうじゃないんです。さっき長官がおっしゃったように、もしこれが決意表明ですということなら、責任取らなきゃいかぬですよ、あなた。
 ですから、今日はテレビ中継中でもありますからこの場は一応これでペンディングにしていただいて、後ほど理事会でハウスとしての扱いも含めて協議をしていただくようお願いしたいと思うんですが、よろしいでしょうか、委員長。
○委員長(中島眞人君) ただいま直嶋正行君から発言がございました内容につきましては、各省庁間の協議の場面もこれからございますし、同時に理事会等も予定をされておりますので、この取扱い、特に再三申し上げておりますように院として決議をした内容でございますし、院としてもこの問題に対しては対処をしていかなければならないという責任を感じながら……
○直嶋正行君 理事会やってくださいよ、委員会終了後。終了後で結構です。ちょっと速記止めて。
○委員長(中島眞人君) じゃ、場内でひとつ協議、理事会の問題等について……(発言する者あり)
 では、再度申し上げます。
 ただいまの件につきましては、その取扱いについて、後刻理事会において協議いたします。
○直嶋正行君 今のやり取りで大分予定時間が過ぎてしまいましたので、ちょっと事前に通告した質問、途中省略さして、省略というかちょっと飛ばさしていただいて、後ほど時間があれば官製談合防止法の改正等も御質問さしていただくということにさしていただいて、特別会計の方の質問に移らしていただきたいと思います。
 これも最初に総理にお伺いしたいんですが、この政府の昨年暮れにお決めになりました行政改革の重要方針で特別会計についても改革をしていくということがうたわれているわけでありますが、結局、これでまとまった特会の改革についてのいわゆるこの三十一の特会の何というんですかね、スケジュール表というんですかね、取りまとめたマトリックスがありますが、これを拝見しますと、ちょっと私はこの出だしの問題意識と出てきた答えとかなりずれがあるんじゃないかなと、簡単に言うとこういうふうに思います。
 というのは、この行政改革の重要方針の中にも明確に記載されているんですが、将来の財政の健全化を図ると。国民負担の軽減を図るために全体の行革をやるということなんですが、特別会計については三つ明確におっしゃっているんですよね。まず一つは、特別会計の数が三十一、非常に多くて監視が不十分になって無駄遣いが出ると、これが第一なんです。第二は、固有の財源があって、要は不要不急の事業にお金が使われていると。三点目は、多額の剰余金が存在して財政資金の効率が悪い。この三つなんです。
 ところが、結局、取りまとめされた結果を拝見いたしますと、結果から言いますと、どうも将来的には三分の一から二分の一にするということなんですが、よくよく見てみると特会の統合が多くて、この中の統合が多くて、この中の財布をどうするかはっきり分からない。もし今のままで財布がそれぞれ残ってしまうと、結局これは三十一が二十五、六になるぐらいで終わってしまう。
 私、総理に、今回せっかくお出しいただいた、おまとめになったこの特別会計の改革案なんですが、是非ゼロベースに戻って、そして指摘された問題点に合った形で見直していただきたいなと、こう思うわけであります。特に、総理が日ごろおっしゃっている官から民へという言葉で言いますと、民営化というのは一つもありません。ゼロです。本当にこれが改革と言えるのか。率直に言ってそうも思いますので、総理の御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、見方は違いますけれどもかなりの改革なんです。
 私は、前原代表の質問にも、衆議院でですね、民主党もあるんだったら出してくれと、いいところはどんどん取り入れると。で、民主党、たしか幾つかの案に出すということで、具体的に示してくださいと言っているのにまだ返答がないんですが、これは具体的に詰めていくと、簡単に民営化という問題とは違います。実際、明治二十三年以来最少とする案出しているんですから。今後五年間で二分の一から三分の一に減らすということ。それで、剰余金についても、今回、国債残高の圧縮のための活用もしていると。これ具体的にやっていくとどうしても廃止できない部分もあります。統合できる部分もあります。そういう点も含めて具体的に提案しないと分からない問題なんです。
 これよく財務大臣から、かなり特別会計に無駄があるんじゃないかとかすき焼き食べているんじゃないかとかいう批判が、塩川大臣のときから言われました。そういう点を含めて具体的に個別にやっているんです。ですから、前原代表が言うように具体的に出してくれと、良かったら取り入れますよと言っているんですから、できるだけ早く出していただければ具体的に検討を進めます。
○直嶋正行君 私は今の御答弁を伺っていて、民主党としても方向はもう取りまとめていますから十分提案はできます。しかし、正直言って、とてもじゃないけど、これ改革と言えないんじゃないかと思うんです。
 例えば、今三つ言いましたけど、特会の中に積立金がたくさんあります。二百兆円以上ありますかね。ただし、この中にも、確かに総理おっしゃるように、物によっては手が付けられないものもあります。年金の積立金とかそういうものもあります。しかし、私がざっと分析しても、例えば今回、積立金から十三・六兆円取り崩して十二兆円を借金の返済に回すと、これ財投の準備金の取崩しの話なんですが。こういうこともされていますが、よくよく見ると、私はもっと出るんじゃないかと。トータルの原資として三十数兆から四十兆円ぐらいあるんじゃないかと、こういうふうに思っています。
 ですから、私もこれから、今から提案しますので、じゃ総理、納得されたら是非取り入れていただきたい。よろしいですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 歓迎します。具体的に提案してください。よく検討します。
○直嶋正行君 お手元の資料の資料三というのをちょっとごらんいただきたいんです。
 これは今申し上げました、この特会というのは余り総論で抽象的な議論をしていても国民の皆さんもよく見えませんので、今日はこの金利変動準備金について、これは財務大臣の御担当ですから、そうなると思うんですが、議論させていただきたいと思います。時間があれば地震再保険特会もちょっとやりたいと思っています。
 まず、下の表、これ時系列に横にずっと見ていただきたいんですが、これはいわゆる資金運用部のときからの数字がずっと時系列で掲載しています。これは、資金運用部時代は二十二年間、この金利変動準備金というのは千分の一で来ているんです、ずっと。近年、財投改革がされて、同時に低金利時代が続きましたから、どんどん準備金が積み上がってきています。
 実は、政府は今回、この一番下のところが、平成十七年、平成十八年は政府からちょうだいした資料の見込みです。十二兆円取り崩して、なおかつ十五兆円になるんです、今年度の末には。ウナギ登りでたまる一方なんです。政府は今回、十二兆円を確かに国債償還に振り向けられました。しかし、実はここ、平成十八年の残高に十二兆円足すと、政府が準備金の積立て限度と言われていた千分の百、これを超えちゃうんです。だから、たまり過ぎたから出したと。もちろん、二〇〇八年問題とかいろいろありますから、多少のそういう運用のことも念頭におありになったのかもしれません。しかし、目に付いてたまり過ぎるんです。
 何でこんなにお金をためていかなきゃいけないのか、私にはさっぱり分からないんですよ。大臣から説明いただきたい。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今これ時系列でお示しいただきまして、確かに直嶋委員が、あっ、その前に、特会改革、民主党では直嶋委員が中心になっておまとめになっていると伺っておりますので、総理がおっしゃいましたように、私どももいい案を出していただいたら是非それは取り入れたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 そこで、今の時系列でお示しいただいたんですが、確かに近年、毎年二、三兆ずつ積み上がってきているのは事実でございます。これはしかし、申し上げるまでもなく、今の非常に超低金利、ゼロ金利の中で、財投というのは長期固定で貸しておりますので、かつての金利時代との差額が随分あって、今はどんどんどんどんその金利差がたまってくるという状況にあるのは事実でございます。
 そこで、どれだけためる必要があるのかということでございますが、これはかつて審議会にお願いいたしまして、どのぐらいが必要かということで千分の百というまでは積み立てろということをいただきまして、一応それを目安にしていることは事実でございます。
 ただ、今般千分の七十まで行って、このように、今度取り崩しましたので千分の五十三でございますが、これはこういうふうにしましたのは、一つは、やはり財政のいわゆる二十年問題ですね、これを解消するために、また非常に財政の厳しいときでございますから、何とか協力できないかということで十二兆そこから出したということが一つございます。
 それともう一つは、このところ財投を非常にスリム化してまいりましたので、従来考えていたよりも今後の、何というんでしょうか、金利変動準備金というのはある程度圧縮することができるという見通しもございました。したがって、今年は十二兆入れさしていただいてこういう形になったということでございます。
○直嶋正行君 これから財投をスリム化していくとおっしゃっているんですよね。何でこんなにたくさんためなきゃいけないか。逆に言えば、資金量は減っていくわけですよ。減っていく中で、ずっと見ていると、確かに大臣おっしゃるように、私も財政審の資料とかいろいろ分析したものをちょうだいしました。それで、見てみました。やっぱり不自然なんですね。
 というのは、財政審の議論も、財務省から提案されているのは、今低金利で、一・今日は六ぐらいですかね、これが、平成十五年の見直しで千分の百というのをお決めになったんですが、そのときのいろいろシミュレーションの中で見ますと、総理、二年後に金利が八%になる、こういう想定を、だから平成十七年の話ですよ、想定を置いて、その他例えば五%というのもありますし、大きいのは一二%というのもありました。そういうものを置いて、だから、今の一・何ぼから急に二年後に八に跳ね上がるなんて、こんなあり得ないような数字を置いて、そして必要資金量を計算されているわけですよ。これは、いつぞや話がありましたが、本土と四国との間の橋を架けるときに、本四架橋で交通量を過大に見積もり過ぎて赤字になっちゃったとか、東京湾横断道路もそうですね。私はもうこのたぐいだと思います。
 八%の金利、大臣、当然御存じでしょうからお答えいただきたい、八%の金利というのをどういう根拠があって想定されたんでしょう。
○国務大臣(谷垣禎一君) この前提に、委員もこの表を示していただいておりますが、民間の場合は、確かに委員のお示しの図表でありますように、千分の九とか千分の八とか千分の四とか、大分国の立てているのより低い準備金で運用しておられることは、これは事実でございます。
 ただ、どこが違うかといいますと、国の場合は、やはり長期固定であるというのは、民間と相当この財投の融資体制とは違っているということが一つございます。それから、財投の場合には利ざやを取らずにやっているということがございます。それから、もう一つ申し上げたいことは、今は確かに先ほどおっしゃいましたように歴史的な超低金利局面でございますから、今までたまってきた状況であることは間違いございません。今後相当長い趨勢で、まあいつからかはこれは私予断をいたしませんけれど、これから相当長い趨勢で金利上昇局面に行くんだろうと思います。そういったことを考えますと、こういう準備をしておく必要があるということがございました。
 それからもう一つ、今年の考え方の問題として申しますと、今、平成十八年度、十九年度は財投改革前に預け入れた郵貯の預託金の払戻しが非常に多額に上る時期でございます。そういうことを考えますと、そのときの資金繰りというものが多少ございませんと、実際新たに財投債を発行してきて更にそれで返すというような資金繰りをするのはちょっとやっぱり本末がおかしゅうございますんで、そういうこと等々も念頭にあったことは事実でございます。
○直嶋正行君 結局、今お答えになってないんですよ。八%、二年間で八%になる。もしこんなことがあったら大変ですよ。財投どころじゃないですよ。国が滅んで財投残るといいますか、そういう形になっちゃうんじゃないですか。
 それで、財務省のお出しになっている、これは財務省の方から出ているレポートで「政策コスト分析の解説」という、こういうのがあるんですが、この中で見ると、十年後、平成二十七年の想定金利、これは今後の金利の予測をされているんですが、二・八%。それから、例えば政府のものでいいますと「改革と展望」、これまあいろいろ金利と名目成長率めぐって議論ありますが、その話は今日はやりませんが、この中の想定されている名目長期金利というのは大体三%台の後半です。
 だから総理、どうですか、八なんていう数字は存在し得ないんですよ。しかも、それでなおかつ赤字にならないようにという、これはちょっとひどい数字だと思われませんかね。総理、どうですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに最近はずっとそういう低金利の状況が続いておりますが、現実に日本の長期金利の状況は一九九〇年代の初めは八%を超えております。
 したがいまして、幾つか前提を置いたことは事実ですけれども、九〇年代前半までの変動幅に相当する八%というようなことも想定してシミュレーションしたことは事実でございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあ財務大臣としてはそういう答弁なんでしょうけれども、直嶋議員の言っていることにもよく耳を傾けなきゃならないと思っています。だからこそ、私は民主党がいい案を出したらどんどん取り入れると言っているのであって、この財務省側の論理と、そしてこれから厳しく見直していかなきゃならないということで、与野党がよく協議していくべき問題であり、正にこれこそが改革競争の一環だと思いますので、よくこの国会の議論を踏まえて、果たしてこの準備金がこれほど必要かどうかという点も考えて、今後検討課題としていきたいと思います。
○直嶋正行君 具体的に言いますと、私どもで検討して、これ金利変動準備金は二十兆円の取崩しが可能だという結論が出ています。私個人はもっと取り崩せると思います。
 というのは、今の資料を見ていただきたいんですが、この上の、左上ですね、これは資金運用部特会のときに、実はこの財投の準備金というのがありますが、一回も取り崩したことないんです。穴が空いて取り崩したことはないんです。過去に三回だけ、資金運用部時代に三回あります。これは昭和四十七年と五十三年と五十四年です。だけれども、いずれもこれは二百億円です。億ですよ。こっちは今、兆単位の話をしている。億円です。わずか二百億円ぐらいの取崩ししかされていないんです。これが過去の実績なんです。
 それから、もう一つ申し上げますと、資金運用部会計というのは、郵貯とかの年金の資金も預かっていましたから、入りが固定で、貸出しも、さっき稼がないということで、出は固定なんです。ところが、財投になりましてからは財投債発行されています。ですから、これは国債で発行するわけですが、いろんな種類のバリエーション作れます。ですから、例えば、確かに財投は資金コストと貸出しコストとの関係で、確かに金利の差は出るのは事実なんですが、しかし、それはどこの民間金融機関もそうです。そういう運用をやっていって、どういう金利のものをどれぐらいの期間のものをどうやって出したらうまく貸出し金利とマッチングしていくかということを考えながらやっているわけですよ。
 財務省の計算されたこれはどういうことをやっておられるかというと、例えば平成十五年度は平成十五年度の貸出しの形、運用の形、つまり形態、中身一切変更せずにずっと延ばされているわけです。つまり、自分で努力しないということです。これは十七年の計算でも同じです。ですから、私は全くこれは筋が通らない。
 さっき大臣お答えになったように、民間は、郵便局の簡易保険も千分の四ですよ、簡易保険でも。民間は、やはり株を扱っていますから財投よりもリスクは大きいはずなんです。しかし、この記載のようにいずれもシングルですよ、生命保険会社だって。ですから、是非、二十兆円、二十兆円、是非御検討をお願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私どももそれは財政再建に役立てるものは役立てたいという気持ちはございますが、今の、だけど直嶋委員のお話の中では、確かに民間も努力する、我々もどういう運用をしていくかというのは当然マーケットを見ながら努力しなければならないことは事実です。だけれども、直嶋委員のお話に今なかったのは、民間にない長期の固定の貸付けであると。それはもちろん、それをどういうあれで運用していくかは工夫はいたしますが、そこにおのずからリスクの取り方に違いがあるということはお考えいただきたいと思います。
○直嶋正行君 これは郵貯関係のものはもうなくなりますよね。ですから、二、三年の後だったと思うんです。二〇〇八年でしたかね。ですから、今度は正に資金の入りはもう財投の判断で、財投債をどういうものを出すかによって自由判断できる状況になるわけですね、自由に判断できる状況になるわけです。ですから、もうちょっと言うと、より弾力性が出てくるということです。
 それから、さっきもお話しになったように、郵貯関係、簡保関係のものがなくなっていきますから、財投全体はスリム化していきます。恐らく今の半分以下になるんでしょうね。ですから、そういうことも併せて幾ら要るかという計算をしないと、僕は一番驚いたのは、この計算の前提が、さっきお話ししたように、平成十五年の計算のときは十五年度と同じ規模のものがそのままスライドすると、こういう前提でこのお金をはじき出しているんですよ。これは幾ら何でもひど過ぎるんじゃないですか。
 僕は、ここで言っていることは、なぜこういうことを、別に谷垣大臣に恨みがあって言っているわけじゃないですよ。これは、私は今回の特会改革は、正にいろいろ会計どうするかという、これは表の議論ですが、内実は、一番大事なことは、既得権をどうなくしていくかなんですよ。既得権をどうなくすかなんです。それぞれの省庁が持っている既得権をなくしていかないと本当の意味での特会改革というのはできないと思いますし、財政健全化はできないと思うんです。
 そういう意味でいうと、今は失礼ながら財務大臣が一般会計含めて特別会計まで全部目配りできる状況にはなってないんです。私は、今の日本の財政は非常事態だと思っています。総理だって財務大臣だってそう思っておられると思うんですよ。だから、これを立て直していくためには、国の財政を預かる財務大臣がすべて掌握できる仕組みにしていかなきゃいけない。ですから、私、さっき特別会計の数多過ぎるというふうに、総理、申し上げたのは、そういう意味なんです。それぞれのタコつぼをたくさん作っちゃうと見えなくなっちゃいますから。
 その既得権をなくすとか、そういう透明にしていくときに一番大事なことは、やはり財政当局が自ら範を示すということですよ。やはりきちっとシビアな計算をして必要最低限のものを準備金として残していく。そうしないと、ほかの省庁の方だって言っていますよ、財務省があんな調子じゃなと。これがやはり特会改革の本質だと思うんです。ですから、是非大臣、これは改めていただきたいと思うんですよ。是非お願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、直嶋委員がおっしゃいましたように、できるだけ特会を、数は少なくしていって、一覧性を高めるようにしていくことは必要だと私も思っております。したがいまして、今度あの三分の一から二分の一に持っていくというのはきちっとやりたいと思っております。
 ただ、現在、今、今年十二兆入れましたのを、さらにじゃどれだけできるかということになりますと、今後のもちろん財投の規模もにらみながら考えていかなければならないことはもちろんですけれども、当面これが、現在の安定して運用するのでは十二兆というのが私は限界だろうと考えております。
○直嶋正行君 これは私、こだわります、本当に。多過ぎます。安定して運用なんて域をはるかに超えています。さっきから私なりに根拠は申し上げてきたつもりなんですよ。財務省の本当に計算の論拠は前提条件がおかしい、間違っていると思います。
 これは、今の財政、この金利変動準備金は、さっき大臣がおっしゃったように低金利時代の中でたまってきたものですよ。しかし、この低金利が長年続いた中で、やはり困っている人もいるんですよね。年金生活者始めとして金利で食べていた人は本当に困られていると思いますよ。言ってみれば、そういう中で日本としては低金利、これはいいか悪いか議論はあったんですが、いずれにしてもそのことはおいて、低金利政策を選択をしてずっと今日まで来て、ようやく経済が上向いてきたと、こういう状況ですよ。ですから、そのたまものでたまったお金ですよ。財務省の運用の努力でためたお金じゃないですよ。ここまで言うと、ちょっとむっとされるかもしれませんが、やはりこの低金利を長年続けた中でたまってきたお金ですよ。
 だから、これはため込んでおくんじゃなくて、やはり国民に返さないといけないですよ。一番返すのに何がいいかというと、やはり国債の償還に向けていく、あるいは一部一般会計で使ってそういう方々に政策的に何かを振り向けていく。この努力をしないと、この低金利の犠牲になった人たち、本当に浮かばれないですよ。それはそういう意味で是非決断をお願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、この金利変動準備金がたまったということは、歴史的な低金利がもたらしたものだと私も思っております。したがいまして、これはできるだけ国民共通の利益に持っていくというのが正しいと思っておりまして、今年十二兆を国債整理基金特別会計に入れましたのも、国民共通の今までのしょっているものであるところをできるだけ肩の荷を少なくしようということでございます。
 今後、しかし同時に、私どもは財政投融資、歴史的超低金利というのは、これはいつまで続くかということもございます。今後の安定性も確保しなければなりませんので、それをその都度その都度状況において十分検討はいたしますが、現在の段階でできることはしたつもりでございます。
○直嶋正行君 押し問答になりますけど、大臣は現在の状況でできることはしたとおっしゃっていますが、だから、そのできることの範囲が小さ過ぎるんですよ。私はさっきから何回も言っているじゃないですか。もっと財投そのものを、やはりやり方も含めて、どういうことが可能かという見直しをしていけば、もっともっとお金ひねり出せると思うんです。私は、今そこまで言ってないんですよ。普通の並の常識に合わせて計算したって、これは多過ぎるんじゃないですかと。私も素人ですから、そんな詳しいこと分かりません。もうごく単純な疑問ですよ。そう思う。
 ですから、今、法案出しちゃったし、参議院来たばっかりですからね、法案修正するというのは、それはなかなか大変でしょう。清水の舞台から飛び降りていただいてもいいですけれども、しかし知恵を出して、本当にできるだけ早く、半年先でも一年先でもいいですよ、早く結論出してください。もっとできます。本当に二十兆は可能です。もっとできるかもしれない。もう十兆円できるかもしれない、十二兆円にね。竹中大臣、うなずいていますんで、是非相談していただければ。それであと、是非このことはお願いしておきたいと思います。
 総理、ちょっとどうですか、一言言ってください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、直嶋議員は素人と言いながら詳しいですよ。分かりやすい。極めて具体的な提案でもあります。十二兆円じゃ不十分だと。二十兆円できると。前提条件が違うじゃないかと。よく検討して、こういう提案は歓迎しますから、政府としてもよく検討していきたいと思っております。
○直嶋正行君 それじゃ、あと地震再保険もやりたいと思っていたんですが、ちょっと私の時間がもうあと一分しかありませんので、結論だけ申し上げておきますと、これもお金がたくさんたまっていまして、国の役割の中で考えると、私はこれは国がやる意味はないと思っています。もう民営化は十分できる。今の資金量をもって民間にゆだねていけば、これは資料の四ページに書いていますが、民間で十分やり得る、こういうふうに思っています。
 簡単に言いますと、今国が九千五百億円の責任準備金積んでいます。この四枚目の資料の下の方ですね、黄色いところです。民間の保険会社が今もう既に七千億円積んでいまして、合わせて一兆六千億円の準備金がたまっています。
 過去の地震で一番たくさん払い出したケースというのは、阪神・淡路大震災のたった七百八十三億円です。このとき、国はわずかしか、六十二億円しか負担してません。これはそういうスキームになっています。被害額の、合わせて国が負担するスキームになっています。しかし、現実には国がこんなにたくさん拠出するようなケースというのは想定されませんので、このお金をすべて民間にゆだねて責任準備金として積めばもう国は必要ないと、私はこう思っていまして、また機会があれば分科会ででも大臣とやり取りさせていただければと思っていますが、是非これも併せて、御提案申し上げますんで、検討していただきたいと思います。
 それじゃ、佐藤雄平委員にお願いします。
○委員長(中島眞人君) 関連質疑を許します。佐藤雄平君。
○佐藤雄平君 民主党の佐藤雄平でございます。
 総理とは四年前にこの決算委員会、また本会議で質疑をさせていただきました。四年前、質疑をさせてもらったとき、冒頭、熊本藩の横井小楠、これのまあ哲学というか、こんなことを冒頭に申し上げさせていただきました。それは、政治の使命はいかに国民を思うかということ。また、最近それぞれ格差社会の拡大というところを質疑をしている中で見て、この四年間で本当に小泉総理もいろんな実績を上げたなと。そういうふうな中で、仁徳天皇の、天皇というとちょっとこれ皇室典範のこともあるから余りいいことじゃないかなと思うんですけれども、高き屋に登りて見れば煙立ち民のかまどのにぎわいかなと。常にやっぱり宰相たるもの、国民がどういうふうな生活をしているかということを肝に銘じなきゃいけないということであろうと、そんな思いをしている中で、いろんなデータを見させていただきます。
 正に景気は良くなったと言いながら、一部景気は良くなったけれども、一部景気は極めて悪い。そんな中で、総理が仁徳天皇になって北海道から九州、沖縄に行って高き屋にずっと見てみると、私はもうほとんど煙の立っているところないと思うんです。今、ジニ係数がそれぞれ話題になっておりますけれども、日本の〇・四八と、〇・四九と。まあこれほとんどアメリカに実は近づいておると。アメリカに近づいているということは、日本の全体の富の八〇%を二〇%の人がお持ちになって、二〇%の富を八〇%の国民が持っていると。極めて富裕層と、まあ賃金というか貧困というか、この層が多くなっている。
 そんなことを考える中で、総理の衆議院、また参議院の本会議のときもいろんな答弁がありましたが、格差が出ることは悪いことではないという答弁とか、それからデータに言われているほど格差がないと、いろんなことがあると。それは、私は、その具体的な話として、この間二つほど本当にこれは格差社会が到来しているなと思ったことがありました。
 一つは、これはいわゆる今獄中にいるホリエモン、このホリエモンさんのいわゆる家賃が四百万という。それと同時に、昔の多摩ニュータウンに住んでいる高齢者の方が、ずっとテレビを見ておりました、そうしたら水道料金払えないんです。水道料金が払えなくてその高齢者の方は、公園に行って公園の水道でバケツで水をくんで、実は一週間に二回ふろ入っているというそんな実態、それが同じやっぱり東京のこの空の下に四百万の家賃の人と五万円の国民年金の人が住んでいる。これは、正に私は、格差社会が拡大しているかなと、そういうふうな中で、具体的に、小泉さんの総理になる前と総理になってからのいわゆる数字的なもので比較をさせていただきます。
 その中で、改めて総理の格差社会の拡大に対する一つの認識、それからその格差社会拡大について肯定的な答弁をなさったその真意、この二点について聞かせていただきたいと思いますけれども。まず、ある意味では、その小泉政権の実績、この五年間の実績、所得、これが高額区分の方が八十万、最も低い低額区分の人が二十三万、三・四倍に大きな開きが出た。さらに、生活保護世帯、これが十二年が七十五万であったのが百万、五年間で二十八万三千世帯が増えたと、これは大変な実績です。あと、パート、アルバイト、これが平成十二年の千三百十三万人から千六百五十万人、三百三十七万人増やしたと。そして、その貯蓄ゼロ世帯が二三・四%、これは一一・四%増えたと。そして、格差社会に対する、総理が、また内閣の皆さんが幾ら言っても、世論調査の中で共同、朝日、読売、いずれも七五%以上の方が実は格差拡大社会になっているなって実感をしていると。
 さらに、もっと厳しい話を私はこの間、これもあるメディアに載っておりました。これニートの二代目とか、フリーアルバイターの二代目ができるっていうんです。私のお父さんは実はニートやっていましたとか、私のお母さんはフリーアルバイターでした、こんなになったら、私はもう大変な時代になってしまう。
 私は、そういうふうな意味の中で、小泉さんの政治哲学、厚生大臣もおやりになっている。そういうふうなことを踏まえながら、この二点についての小泉さんの答弁を願いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく格差という言葉が使われますが、先日も政府・与党の月例経済会議でこの問題が話題になりました。
 そこで、ジニ係数とかいう言葉が今かなり使われるようになりましたから、ジニ係数という問題も含めて、格差がどうなっているのかという報告を私は専門家、有識者の皆さんから意見を聞く機会を持ちました。
 その際に、まだ統計が二〇〇一年ぐらいまでしかないと、各国との比較ですね。ジニというのはイタリア人の学者の名前だそうであります。そのジニ係数にのっとっていろいろ各国との比較をしてみますと、二〇〇一年か二〇〇二年までの統計でありますと、言われているような格差はないという報告を受けていると、私は聞いて、そういう答弁をしているわけです。
 そういう中で、私が政権を担当したのは二〇〇一年ですから、中には統計が古過ぎるという議論も出ました。つい最近までの統計はないのかと。まだ二〇〇一年とか二〇〇二年というのでは、ちょっと今と状況は違うんじゃないかと。一番、こう不況不況と言われた最中ですから。
 つい最近までのどの辺まで統計取れるかというのは今検討していますので、何年ぐらいまで直近の統計が取れるか、まだ定かではございませんが、私は、そういう報告の中で、言われているほど格差はないという報告を受けているということを申し述べているわけであります。私がじかにジニ係数とはどういうもので、どういうものだという、そこまでの知識は持ち合わせておりません。
 そして、格差社会ということになりますと、よくアメリカが例に出されますが、日本とアメリカを比べれば、格差ははるかに日本の方が少ないという報告も受けております。現に、入社の社員と社長級の社員を比べれば、もうアメリカなどには比較にならない。日本はむしろ一番格差のない社会と言ってもいいぐらい、入社の社員と社長級の上層部の社員と、そういう報告も受けております。
 様々な格差という問題がありますけれども、私は、どうしても一人で立ち向かっていけない、一人では、自分の力では生活できない人に対して、生活保護なり社会保障なり、どのような助け合いの制度を残すか。お互い助け合う、あるいは地域で助け合う、公的な機関で支援の手を差し伸べる、あるいは国の支援を差し伸べるということは、これは政治として極めて重大な課題であります。
 最低どこまで国が、そういう一人ではどうしても立ち行かない人に対して支援の手を差し伸べる、これを充実させていくことは重要でありますが、かといって、能力のある人に対しては十分にその創意工夫なり能力を発揮できる社会をつくるが望ましいと。企業においても、個人においても、地域の人においてもそうです。
 基本的に、どの国においてもどの時代においても格差はあります。そういう中で、私は、業績を上げた人、成功した人に対して……
○佐藤雄平君 委員長、もう結構でございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ねたむような風潮とか、あるいは能力のある人の足を引っ張るような風潮は、これは慎まなければいけないと。
○佐藤雄平君 もう十分答弁分かりました。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ですから、成功者をねたんでも、自分が成功するとは限りません。能力のある人の足を引っ張っても、自分が能力高まるわけではありません。
 でありますから……
○佐藤雄平君 委員長、もう結構です。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) できるだけそういう能力のある人はどんどん能力が発揮しやすいような、そういう環境をつくっていかなきゃならないし、どうしても一人でやっていけない人に対しては、最低限国として、公共機関として、どういう支援を差し伸べるかということは十分に考えなきゃならないということを言っているわけでございます。
○佐藤雄平君 総理ね、私はそういうふうなことを言ったんじゃなくて、今の数字、例えば、やっぱり所得格差が三・四六倍になっている。それから、やっぱり生活保護世帯数が二十八万増えている。これ比較なんです。これ正に格差社会ができていると思いませんか。
 私は、去年、後藤田先生のお別れ会、オータニでやったときに、総理があとやっぱり五分早く来てもらいたかったんです。もっと、うんと政治家に対する警鐘を後藤田先生が言っておられました。どんな時代になろうとも、自らが努力をして恵まれない方、そしてまた、どんな努力しても恵まれない地域があるんだと、そこに対していかに政治というのは希望を与えるか。さらにまた、後藤田先生が言っているのは、対立構図の社会がいろいろあると、社会の中にある、地域の中にもある、地理的なところにもある、それをいかに調整するのが政治の要諦であると、そんなことを実は言っておりました。あのとき総理があと五分早く来れば、あの後藤田先生に弔問しながら、聞いて、今の答弁じゃなかったのかなと思いましたけれども。
 私は正に政治、自民党の皆さんも言っているでしょう。公明党の皆さんも光と影と言っているんです。これ、光が激しければ激しいほど影があるんです。影が濃いんです。これ当たり前です。今、負け組も頑張れると言ったけれども、これは残念ながら頑張れないんです。なぜならば、今の社会というのは十対〇なんです。十対九とか八対七じゃないんです。五対〇なんです。
 そしてさらにまた、私は教育の問題の中の格差を言おうかなと思うんですけれども、まあ文科大臣、認識していると思います。高等教育に進学できない人の八割、これが学力の問題ではなくて学費の問題でできないんです。進学できない、できない人。高等学校に行けない人、大学に行けない人、この人は学力じゃなくて、そうじゃなくて学費、経済的な理由で行けないというのが約その八割の方。
 ですから、そういうふうなことを考えると、私は日本の税制というのは基本的には一、二、三でみんなで、生まれたときはみんなで一緒にスタートしようと。だから、機会均等というのが一番公平な社会だと総理も時々答弁しておられます。
 しかしながら、私は今の問題とか、それから今の学校の問題、これは学校に入学するというのはやっぱり本当に人生のある意味ではスタートライン、そこにも経済的な理由で行けない人がいるというふうなことになれば、これはやっぱり国として、これは総理、国民みんなやっぱり総理を社長と思っているんですから、総理に反対する人だって、総理に賛成する人も。社長なんだから、だから、それは社長は社員全体を思う気持ちがなければやっぱりなっていけないんじゃないかなと、そんな思いをしておりますけれども、改めてこの、特に後藤田先生の言葉についての御所見があればお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、後藤田先生のお話について、一人で立ち行かない人たちに対してはどのような支援をしなければいけないかということを申し上げているわけであります。国が、公共機関がどこまで支援すべきかと、これは極めて大事な政治の課題であります。
 しかしながら、国の発展、これを考えると自らの能力を発揮しやすい環境、自らを助ける精神と、欲望は無限、財源は有限ですから自らを律する精神、自らを助ける精神と自らを律する精神、これがないと企業も国家も社会も成り立っていかないと。そういう能力をいかに発揮しやすいような環境を整備することが政治にとって極めて大事であるということを申し上げているわけであります。
 と同時に、教育の問題におきましても、私は就任以来、学力がありながら学費を調達できない、親が突然亡くなったり事故に遭ったり倒産したり、そうした場合、学校に行けない人に対してはすべて学校に行けるような奨学金なり制度をつくれと拡充してまいりました。後で文科大臣が具体的な答弁をされると思いますが。
 今、日本は世界においても高校の進学率はトップクラスです。教育に力を入れる、自らの学費が調達できないような形で学校に行けないようなことではいけないということで、私はその教育に対する重視を取ってまいりました。現に、日本はかなり教育水準においても各国に比べて高くなっております。これからも、学力がありながら学費が調達できないから学校に行けないというような制度はなくさなきゃいけないし、充実していきます。これは、現実に積み重ねてまいりました。
 と同時に、格差はあるということを言っているんです。格差がなかったら逆にどうなるか、悪平等です。学校の問題が出ましたけれども、今まで習熟度別授業をしようという人だって、日教組は反対していたじゃないですか。悪平等、これは、こういうことを考えても、学校においても能力のある人とどうしても好き嫌いなり能力のない人がいます。能力のある人にはかなり進んだ授業が受けれるように、どうしても分からない子供に対しては分かるように教えて、ある一定の段階で分かるようになってから次の上のクラスに進むような習熟度別で教えないと、分からない授業出て子供が面白いわけないんです。だから、そういうような習熟度別授業を学校でも当然取っていくのがこれ子供にとってもいいのではないかということで、これもようやく最近私の考え方が、そうだなあということで、余り反対なく進められるように学校でも、日教組の皆さんも、大体そんなに反対しなくて習熟度別授業を進めてくれるようになりました。
 ですから、我々は、ある程度格差はありながら、どうしても立ち行かない人に対しての国の支援と、そして能力のある人をどんどん発揮しやすいような環境をつくっていくこと、こういう点についての格差というのは私はあっていいのではないかと。私は、悪平等というのは逆に努力した人が報われないということになりますので、努力する人が報われるような、能力を高められるような人は高める機会を……(発言する者あり)
○委員長(中島眞人君) 答弁を簡潔に願います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 設けるというようなことが私は必要ではないかと申し上げているわけでございます。
○佐藤雄平君 これが総理、大変なんですよ。というのは、その格差社会、そういうふうなのもあったがいいと。さっき、頑張れる社会というのはなかなかこれもう残念ながら今の教育の中で、様々なことの中でニートが出たりしているわけです。で、私は、今のその格差社会は頑張れるんだからいいという話だけれども、これ現実問題として生活保護世帯が二十八万件増えているということはどういうことかというと、これは憲法上で最低生活を保障しているわけです。いずれこれは財政出動になってしまうんです。ですから、これから小さな政府を目指していくという中で、生活保護世帯がどんどんどんどん増える、これ世の中も極めて不安になる、犯罪が起こる、そうするとまた警察官も増やさなきゃいけない。ますます大きな政治、行政になってしまうんです。ですから、私はやっぱりこの格差社会の是正、これはもう政治家として、やっぱり政治哲学としてきちっと二十一世紀に入れておかないと、これ、本当に貧富の差の多い社会になってしまうと。結果的には財政出動になって、大きな政府になってしまうというようなことは認識しておかなきゃいけないのかなと思います。
 先ほど総理が文科大臣の分まで答弁してしまいましたけれども、文科大臣もこの認識はあると思うんです。これ、どのように、いわゆる給費制も私は十分聞いております。だけど、給費制もある程度マックスがあって、なかなか全体に対応できないということも知っております。そういうふうな中でどういうふうな対応をしていくのか、御所見を願いたいと思います。
○国務大臣(小坂憲次君) 既に総理の方から考え方につきましては御答弁をいただいているところでございますが、先ほど佐藤委員が引かれました、大学へ進学できない理由として、八割が学力でなく学費を挙げているということにつきましては、進学新聞の、大学新聞というところを発行しているような機関が、この高校生の進路指導、大学への進路指導をしているところの統計で、大学に行きたくても行けない生徒は学力よりも学費の制約が多くなったか。とてもそう思うが二〇・五、そして、ややそう思うが五〇・二、これを足した七〇・七を約八割と、こうおっしゃったと思うわけでございます。
 それは一つの指標でございますから、そういうアンケートが出ているということでございますが、それでは大学、短大への進学率が最近どのように変化したかということを見ますと、学校基本調査というのがございまして、これが二〇〇〇年、二〇〇四年、二〇〇五年とございますけれども、進学率は二〇〇〇年では四九・一、それから二〇〇四年で四九・九、二〇〇五年で五一・五と、進学率はむしろ上がっているんですね。小泉内閣になりまして、二〇〇五年までの間に上がってきているという事実が一つあるということも申し上げておきたいと思います。
 そういったことがある上で、大学に行きたい人が機会の均等をしっかりと得られるように、私立大学等経費の助成を通じて各大学における学費の軽減に努めるとともに、学生に対する支援として日本学生支援機構による奨学金制度というのがございますが、これを拡充をいたしているところでございますし、また修学困難な高校生に対しては、公立学校の授業料、入学金の減免を行い、奨学金の事業を実施しているところでございます。
 そういう中で、それでは申し込んだ人間がちゃんと受けられるのかということでございますが、奨学金事業は、学生に利子の負担を求めない無利子の貸与奨学金と、そして、これ返済二十年でございますが、また低利の、現在は一・〇%でございますが在学中は無利子となる有利子奨学金、在学中は無利子ですが卒業後利子が付くということですね、この両事業を合わせると、貸与基準を満たす希望者の全員に貸与ができているのが現状でございます。
 それでは、全部満足かといえば、それはおっしゃるように奨学金の貸与を無利子で受けたいという方が、やはり枠としては二万人達成できない。しかし、この方たちは有利子の方に回っていただいて全員が採用できている。そういうことを見ますと、一%という、まあ在学中は無利子でございますから、卒業してから一%の金利を負担していただいて、そして修学のときの勉強をしていただいた成果を世間で生かしていただくと。
 こういう、格差をそういう意味では是正するためのセーフティーネットはしっかり張られているということで、総理が申し上げたように、差別のない社会、格差のない社会を目指していろいろな形で努力をしておりますし、そこにはやはりそれぞれの学生の皆さんを含めて、自助努力があり、その自助努力を助けるそういうセーフティーネットをしっかり張っていくという、そういう社会づくりに私どもこれからも努力をしてまいりたいと存じます。
○佐藤雄平君 その二万人の方なんですね。我々、歩いてみると、家庭の事情で高等教育のところに行かせられない。まあ、有利子でもやっぱりつらいところはつらいと。ですから、私自身、やっぱりその何というのかな、政治の一つのスタンスだと思うんですけれども、その出発の際はみんな均等にというような中で学力のある者はちゃんと行けるような、そういうのが将来の人材をつくる日本になるのかなと思います。
 この格差社会について、次の総理と世間から言われている方にいろいろお伺いしたいと思ったんですけれども、時間がなくなりましたので申し訳ないが割愛させていただきます。
 同じこの格差の中で、これも与党の方からも出ておりますし、私なんか特に福島県の会津でございまして、今日ここにも地方から出ている国会議員の先生方いらっしゃいますが、特に東北新幹線に乗って毎週行ったり戻ったりしております。そうしますと、大宮を中心に、郡山から乗って大宮に来る、そうするともうビルが林立しているんです、猛烈に。もういっときのすき間もないわけです。東京に来るとそこらじゅうでその建設工事が行われている。大宮を過ぎるとだんだん寂しくなって街の灯も少なくなってくる。こんな、これもまた、ことでいいのかなと。
 冷静に考えてみますと、小泉内閣が発足をしたときに竹中大臣が中心となって、実は、国土政策の本質を実は変えましたよね。特色ある地方と都市の再生ということで、むしろ特色のある都市というよりは都市の再生に力を入れちゃったんです。ですから、あのとき直轄でたしか八か所やって、七か所が東京で一か所が名古屋ということで、冷静にあれ私も考えてみると、都市の再生をしなければ今の実はホリエモンの事件起こらなかったんじゃないかと。なぜならば、六本木ヒルズ造っちゃったでしょう、あれ。六本木ヒルズがなかったらば与野党とも苦しまなかったんじゃないかなと思うんですけれども、これも冷静に考えてみますと、私はこういうことだと思うんです。
 あの都市の再生をして、この四年間で実は東京に、八万人ずつ人口増えているんですよ。結果的には都市の再生がこの人口減少時代、どんどんどんどん東京を大きくしてしまったんです。そして、少子化対策だ。大臣もおられますけれども、少子化対策を直すには一極集中をこれ崩せば、直せば直っちゃう。御存じ。なぜならば、出生率の一番低いところ、どこだか知っていますか。東京だべ。高いところ、福島、一・五。地方の方がはるかに出生率が高いんです。東京がどんどんどんどん、低いんです、〇・九なんです。ですから、この一極集中が進んでいくと、五百年後、九百年後、九百年後にはこれは日本の人口、日本人がゼロになっちゃうんです。これは多分、子供を一人でつくった人はいないと思います。ですから、ゼロになっちゃうんです。
 だから、本当に国土政策とかすべてのところで、私は、その人口減少時代、様々なところが複雑に私は絡んでいる。そういうふうなことを考えると、私は今最も大事なことは、ある意味では均衡性の持った日本の国土、これはもう総理、大反対だと思いますけれども。
 しかし、それはなぜかというと、今のようなこと、それからもう一つは文化。これは藤原正彦さんが言っております。日本はやっぱり田園風景から生まれた日本の文化がこの東京をつくっているんだよと。また、この間、梶原拓さんという岐阜県の知事会の会長の励ます会をやった。そのとき、あの人の一番私は思い出、江戸時代は東京二百万だった、今、東京一千二百万。一千万人がずっと先祖をたどれば、岩手県であったり熊本県であったり、地方からみんな来ているんだと。だから、その昔は地方から東京にどんどん仕送りしていたんだと。で、人口も少ない過疎化になって、じいちゃん、ばあちゃんしかいないところに、今こそひ孫が東京に来たんだから逆に仕送りしてもらいたいよと、そんな話もしておりましたし、また、この電気の話で恐縮です。
 後でまた豪雪の質問をしようかなと思っていますけれども、豪雪の問題というのは、これは東京の問題と同時に、ある意味では豪雪地帯の問題でもある。まあ、今でこそ原子力発電、ガソリンの発電、油の発電になっておりますけれども、その昔はほとんどやっぱり水力発電なんです。私どもの福島県の今最大の豪雪地帯である只見町なんて、もう大変なんです。しかし、雪がなければ、三十年前、五十年前までは東京の電気が実はつかなかったはずです。
 そんなことを考えると、私はやっぱり井戸を掘った人、これはやっぱり電気を使うときは東京の人にも含めて思い出してもらいたいなと。これはやっぱり福島からも新潟からも岩手からも、地方の一つの集約が東京になっているんだなと、そんな思いも、ちょうど今一極集中がどんどんどんどん進んでいる中で、もう一回考え直さなきゃいけない時代がやってきているんじゃないかなと思うわけでありますけれども、その地方についての総理の御所見があったらお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、地方、特色を生かして発展していくための都市再生を進めているわけであります。稚内から石垣まで、これをモットーに、小泉内閣以来、都市の再生を進めておりますが、東京ばっかり繁栄させているという御指摘ですけれども、地方が発展することを私は望んでおりますし、第一、東京みたいなのが全国拡散したら面白くない。私は好ましいと思っていません。全部東京だったら、かえって日本はおかしな国になっちゃうんじゃないですか。
 やはり、地方には地方の良さがあります。青森県のある女性ですか、タウンミーティングで、青森、一流の田舎にしたいという発言がありました。東京と同じじゃ嫌だと、田舎田舎ってばかにしないでくれ、一流の田舎に我々はしたいんだと。これはいい言葉だと思いましたね。
 それぞれ地方には特色があります。私は、東京を見習って、東京みたいに地方がなることを望んでおりませんし、地方が独自の努力によって、工夫によって、それぞれにない、東京にない、よその県にない様々な良さを発揮していただくような都市再生を願っております。
○佐藤雄平君 全く地方のこと、残念ながら総理分かっておりません。村がなくなっちゃうんだよ。あと六年間で二千の集落、村がなくなっちゃうんです。東京のようなところが福島にできるわけないじゃない、会津若松にできるわけないじゃない。それが、一極集中によって町が、村がなくなっちゃうんです。
 ですから、ある意味で私は合併というのは、財政上の都合あり、しようがなくてほとんどがみんな合併しているんです。できるんだったらA村、B村、C村、このままでいたいと。しかし、これはもう人口がどんどんどんどん減っている。福島県、まあどこもそうですけれども、今約七千人ぐらいずつ人口減っています。で、それが東京に来ております。また、この日本経済新聞の、そのある雑誌なんですけれども、これなんか、三十年後の日本、東京、名古屋、大阪、こういった大都市圏を除くと、ほとんどの市がマイナス二〇%から三〇%なんです。
 だから、今、町おこし、村おこし、今国交省でやる一つの政策ありますけれども、あれだって現実問題としては、その町づくりやっても十年後にはもう一回また同じことをしなきゃいけないかな。ですから、私は基本的には、これも今勉強しておりますけれども、人口のある程度地方の分布をも考えたものじゃないと日本全体は成り立っていかないんです。
 道州制、今いろいろ進んでいるみたいです。道州制だって、結果的には人口一千万しかない北海道、それから東北が一緒になっても、これは東京に、圧倒的に東京圏にある意味では負けてしまうんです。そして、この図式というのは、東京に、私は一極集中の話をしましたけれども、その中でも一番やっぱり厳しいのは、一部上場、二部上場の会社の本社がほとんどもう東京なんです。ですから、豪雪の話は後でしますけれども、豪雪で自治大臣から補助金をもらったり建設大臣から補助金をもらって油代に払っても、機械、ヤンマーの機械買ったりいろいろ機械買っています、除雪機を。一時的にはその販売店に払うけれども、結果的には東京に来てしまう図式になっている。
 ですから、ある意味では、その富が集まって人も集まった東京からやっぱり地方に対する一つの、まあ分配と言うと表現悪いんですけれども、そういうふうな図式がないと、地方がなくなっていいと、要するに町も村もなくなっていいというふうなことで、もう東京と大阪と名古屋でいいと、これは残念ながら今の計算でいくと五十年後ここに人口の約七〇%が集まることになっているんですけれども、だから国会議員も東京、大阪、名古屋で七十人いて、あと三十人はほかの地方だというふうな図式になっちゃうんですけれども。
 そんなことを考えると、やっぱり私はそれで決してよくないであろうと。今の地球温暖化とかそういうふうなことを考えると、やっぱり地方もきちっと立村、立地する、それから地方も生きれるような、その前提として私は人口の分布というふうなことも非常に大事であろうと思っているわけでありますけれども、この件について、国交大臣、何回か私も質問させてもらっておりますけれども、総理に遠慮なく答弁していただきたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 委員のおっしゃっているとおり、東京圏に様々な機能が集中をしていると。それが余り過度になってしまうと、例えば国の危機管理という観点からも、また国土の適切な利用という観点からも決して好ましくないと私も考えております。そういう意味で、国、都市と地方との交流を私は盛んにすることが非常に大事だと思っています。
 先般、内閣府が行いました調査でこういう調査があるわけでございますけれども、団塊世代がいよいよ来年から大量定年退職の時期に入ってまいります。七百万人の大量の方々が(発言する者あり)ええ、辞められるわけでございますが、この方々の、どういう意思を持っているかといいますと、自分は、都市の住民の方々に調査したわけでございますが、二地域居住と言いまして、三八%の方々が将来は農山漁村に住みたいと、こうおっしゃっているんですね。で、団塊の世代は四六%、約半分の方が地方に住みたい、福島に住みたいと、こういうふうな願望を持っていらっしゃる。定住したいとおっしゃっている方々も、定住したいと思っている方も三割も団塊世代いらっしゃるわけなんですね。
 そういうことで、私は、こういう二地域の居住だとか、それから将来は自分は地方に居住したいんだと、こういうのをしっかり支援をしていく体制を国と地方とが一緒になって連携取ってやっていくということが非常に大事じゃないかな。
 さらには、各地域地域ですばらしい財産がございます。私もつい最近福島に行かしていただきましたが、すばらしい県だと思いますよね。福島県というのは、果物でいいますと上限と南限が重なっておりまして、どんな果物も福島県にはあります。温泉も一杯あります。すばらしい魅力ある地域だと思うんですが、こういうのを発揮して、例えば観光の振興に、今も図られておられますけれども、そうしますと、これもまた地域の振興につながってくるわけでございまして、こうした交流をしっかりと重ねていくことが非常に大事だと。そういう計画を現在国土形成計画の中でもきちんと議論して位置付けてやっていきたいと思っております。
○佐藤雄平君 福島県のPR、ありがとうございました。ただ、一つ申し上げたいことは、その仲人する人いないんです。確かにアンケート調査になると、田舎に住みたいなという人いるんです。その中に入ってくれる人がいないんで、やっぱり国土形成計画を作った中で、私は提案として、地方と都市部の仲人する、そういうふうなところもひとつ頭の中に入れておいていただきたいなと思います。
 次に、これは豪雪対策。
 実は私、一月の二十九日、直嶋さんから質問するんだよと言われておりまして、一月の二十九日は、我が県はもう二メーター、三メーターのべらぼうな雪が降っておりました。それが、三月になったらいつの間にか解けてしまいました。しかし、解けましたけれども、今度は雪崩の心配とか様々な実は心配があります。
 これ、司馬遼太郎が「峠」という本を書いているんです。河井継之助、これは長岡藩の藩士なんですけれども、この巻頭、冒頭に出てくるのが、これが、また冬が来ると書いてあるんです。その後、雪国は損だなと書いてあるんです。
 本当に今年の雪は、私ども雪国出身の者でさえもびっくりするぐらい降りました。会津に視察に行き、また長野県にも視察に行きました。そうしますと、ずっと道路を通っていると、除雪をしていますから雪のU字溝を通るんです。やっぱり二メーターか三メーターある。最初は雪なんですけれども、何回か除雪しているうちに凍ってしまうんです。正に氷壁なんです。それがおっこってきて、それが凶器になることも十分あるんです。
 ですから、この豪雪の実態、もうそろそろ春になっちゃってみんなみんな春ぼけして忘れているかも分からないけれども、これは、百三十九人実は亡くなっているんです、今度の雪害で。これも、一度にマスコミが百三十九人の犠牲者が出たとしたら大変な大見出しになるんですけれども、毎日、新聞の端っこに、今日は福島県で二人とか、おとといは北海道で一人とか。ですから、その一、二人だろうと思っているけれども、トータルしたら大変なこれは犠牲者が出ている、西日本JRのあの凄惨な事故以上に実は出ているんです。
 そういうふうな中で、私は、この雪国というのはいかに大変であるか。これはもう本当に、雪が降ってくる、老人の家がみしみし、いつつぶれるか恐怖ですからね。そして、おばあちゃん、おじいちゃん、いわゆる過疎地域、高齢者の地域、おじいちゃんは起きると除雪をしなきゃいけない。それで、除雪費も五万円、六万円の年金ではなかなか払えないから、今度は町とか村が大変になるんです。町村で独り暮らしのおじいちゃん、除排雪のできないところに、一件に対して四万円か五万円出しているんです。私どもの一番雪の深い只見町なんて二百人近くに出している。それだけでやっぱり一千万、極めて財政が厳しいところです。そういうふうなところで出しているんです。
 ですから、住んでいる住民も命懸けで住んでいる。それで、町の財政も物すごい厳しい。さらにまた、ここに消防団の皆さんとか何かが出動して、いわゆるガソリン代掛かる、それで夜警している。そんなことを考えると、もう正に、今、この雪国の雪の状況が三月になってだんだん薄らいではいるものの、今なお苦しんでいるところもあるし、また雪崩で苦しんでいる。
 そういうふうな中で、これ、特別交付税、一回配分していただきましたけれども、この次また配分になると思うんです。様々な形の中で村町が相当な財政負担しています。本当にもうこの特交なかったらやっていけない、本当に町村長がある意味では自殺しなきゃいけないなんという状況の、それぐらい逼迫している状況でございます。
 そういうふうなことも踏まえながら、ひとつ総務大臣の特交に対する考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) お答えを申し上げます。
 今年の豪雪、本当に雪国の方はもう大変な思いをしておられると思います。これ災害でございます。災害に対しましては、これは、政府として当然やるべきことをしっかりやらなければいけないという立場で総務省としても考えております。
 特別交付税のお話でありますけれども、これ、従来は原則として道路とか公共施設の除雪、排雪、それに対する経費を対象としていたわけでありますけれども、今年の豪雪においては、今委員からもお話ありましたように、特に高齢者等の雪下ろし作業の中で本当に痛ましい事故が多発しました。そういうことを踏まえまして、我々も地方公共団体が行います高齢者世帯等の雪下ろしへの支援、こうした支援に要する経費につきましても、従来の道路とかと同じように特別交付税の措置を講ずるということにいたしました。また、今地元の消防団のお話等々も少しございましたけれども、消防団が高齢者の支援のために出動すること多いというふうに聞いてますけれども、そういう活動に従事される消防団員の出動手当や活動費用につきましても特別交付税措置を講ずることとしております。そして、これは普通三月に交付でございますけれども、これは初めて、豪雪に対して初めてですけれども、繰り上げて二月に一部交付をさせていただきました。
 現在、三月分の算定作業中でございますけれども、今委員御指摘のような点、本当に御地元は大変だと思います。地方公共団体からよく事情をお聞きして、支障が生じないように適切に算定をして、しっかりと対応するつもりでおります。
○佐藤雄平君 まだ幾つかあったんですけれども、時間になりましたんで、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(中島眞人君) 関連質疑を許します。尾立源幸君。
○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立源幸でございます。
 公認会計士、税理士として、お金の集め方、また使い方に大変関心を持っておりますし、私自身の信条として、税は安ければ安いほどいいと、こういう思いで活動をさせていただいております。今日は、平成十六年度決算審議ということでございますので、政府のお金の使い方について質疑を中心にさせていただきたいと思います。
 今日、竹中総務大臣来ていただいておりますけれども、以前、テレビ番組の中でも私お聞きしたんですが、小さな政府の定義として、歳出規模が小さいことだと、このようなお答えを一時されたかと思いますが、要は政府が使うお金が小さくなることを一つの定義として小さな政府というふうに使っておられるんだと思うんですが、この小さな政府を実現するために、小泉総理も何度もおっしゃっておりますが、官から民へ官から民へということでいろんな改革をされているものだと思います。しかし、本当に小さな政府であるならば、出ていくお金も小さい、それと同時に入ってくるお金も小さくあるべきだと、そのように思うわけでございます。
 しかしながら、今現状を見ますと、今日も街頭で勤労者の皆さんやサラリーマンの皆さんが定率減税の廃止に関して反対をしておりますが、現実は定率減税の廃止という増税、所得税の増税、また社会保険料や年金保険料の負担増などが実際には行われております。私は、本来ならば改革の成果として逆を私示すべきではないかと思うわけでございます。すなわち、減税であったり負担減、これが本来の私は小さな政府のもたらす結果であるべきだというふうに思うわけでございます。
 そういった意味で、これは恐らく小泉総理一人の責任ではないと思います。歴代自民党政権がずっと続く中で、今一千兆円に上る借金ございます。財政赤字がございます。こういったものが主な原因とは思いますけれども、今総理の進めておられる小さな政府というのは私は偽りの小さな政府ではないか、そのように思うわけでございます。私は、真に小さな政府というのは、国民にとって負担が小さい、すなわち自分が自分の意思で自由に使えるお金がたくさんある、こういう私は状態だと思うわけでございます。
 そういった意味で、なぜそのようなスローガンの下やられていても負担増になるのか、その辺を明らかにしたいと思いますし、また、我が国の財政が抱える構造的な問題点についてこの論議で明らかにしてまいりたいと思います。
 それで、一つだけ総理にお願いがございます。私から見れば横綱でございます。どうか私の質問には、イエスかノーか、賛成か反対かぐらい明快に答えていただければ有り難いなと思うわけでございます。そんなに難しい質問はいたしません。
 まず、国の財政が、谷垣財務大臣いらっしゃるわけですが、余りうまくコントロールされてないのではないかと、このように思うところが多々ございます。先ほど申し上げた一千兆円の借金の問題もそうでございますが、その原因についてちょっと幾つか議論をしていきたいと思いますが。
 財政に目が行き届かないということはどういうことかといいますと、すなわち、国の決算スケジュールが遅いために決算情報が予算にタイムリーに反映されないのではないかと、一つ、このように思います。もう一つは、せっかく作った財務諸表が、国の財務諸表が財務管理にうまく利用されてないのじゃないかと。三つ目は、予算と決算の比較がうまくできていないんじゃないかと。こういった背景があって財政のコントロールがなかなかうまくできないんじゃないかなと、このように私は思うわけでございます。
 ちょっとパネルを。(資料提示)
 平成十八年予算は衆議院を昨日通過したばかりでございますが、決算はちょうど今、今日からこちらで審議を始めたばかりでございます。私はこれまで民間企業の監査をずうっとしてまいりましたけれども、国の決算のスピード感というのに非常に驚いたわけでございます。つまり、遅いことに驚いたわけでございます。
 ちょっとお手元の資料、またこのパネルを見ていただきたいのですが、下の方、民間企業の決算の例をちょっと取らしていただきます。
 例えば、昨年の三月の末日が決算であるとするならば、遅くとも六月の末までには、三か月以内に株主総会の承認を得なければなりません。予算の作成はどうなっているかというと、予算の執行状況というのが六か月ごと、三か月ごと、場合によっては毎月把握されておりまして、残余の期間の予測をしながら次の予算というものがもう既に、決算終わるまでにはつくられてしまうわけですね。このスピード感は見ていただいたとおりでございます。
 一方、国の方はどうかと申し上げますと、九月の六日でございますが、昨年に関して言うならば、ようやく決算ができ上がって、それから会計検査院に回って、それが国会に出てくると、こういうことでございます。決算承認はもっと後になると思います。今、IT化が大変進んでおります。そして、この上の国の決算のスケジュールというのは我が国の憲法ができてからずうっと変わっておりません。なぜこんなに、大臣、スケジュールが遅いのか、ちょっと説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 尾立さんよく御存じのことでございますが、国の決算と民間の決算では成り立ちの違うところがございまして、国の歳出歳入の決算は、現金の出納支払、この事実をもって整理するということになっているわけですね。それで、この現金の出納支払の年度所属区分については原則としてその原因が発生した年度の所属とするという考え方に基づいて、それでその出納を完結してやっていくと、こういうことになっているわけです。
 このため、その原因の発生に基づいて経理された事実について、現金の収支を整理する一定の期間が現実には必要となってくると。三月までにやったけれども、整理するのはもうちょっと後になるということがございまして、具体的には、五月三十一日までに収入支出の現金の受け払いを完了させて、これらを整理の上、七月三十一日を出納整理期限として出納事務を完結させる。これが長い間行われてきたやり方なわけでございます。
 他方、民間企業においては、これはもう今、尾立先生が触れられたところでもありますが、年度内に発生した債権債務はすべてその年度の所属として整理して、現金収支の未了の債権債務についてはこれを未収又は未払として次の事業年度に繰り越して整理をして決算を完了すると。ここが国のような現金の出納整理期間を要らないゆえんになっているわけですね。
 さらに、国では、出納事務が終わった後、決算の計数確定の上、歳入歳出決算を取りまとめた上、これは憲法の規定なわけですが、会計検査院に送ると。そして、会計検査院の検査を経た上で国会に提出をするというふうになっておりますので、そういう仕組みで、民間のものとかなり時期が異なっているというのが現実でございます。
 ただ、参議院で決算の早期提出の要請と、これ非常に熱心にお取り組みになりまして、従来、歳入歳出決算、九月下旬に会計検査院へ送付しておりましたけれども、各省庁の協力をいただいて、十五年度決算からは約二週間前倒しをするというようなことに取り組んでおります。
○尾立源幸君 正に谷垣大臣が御説明いただいたように、国が現金主義という、今の世の中では余り取られていない会計方式を採用しているがゆえに遅くなるということは御説明いただきました。
 もう繰り返しになりますが、要は税収の確定を五月末まで待たなきゃいけないと。そして、七月末までに各省庁からの報告があると。それを取りまとめるのに時間が掛かるということをおっしゃったわけでございますが、なぜこれが、この遅さというのを私問題にしているかと、二点指摘をしたいと思います。
 一点は、予算編成というのは、御承知のとおり、もう、例えば今年でいえば、平成十八年分はずっと前に終わってしまっております。昨年の末、その前から始まっております。ということは、私たち、平成十六年の決算で得られた有効な情報というものがこの平成十八年の予算編成にもタイムリーに反映できない。いわんや、この平成十七年度なんというのは全くかすりもしないと。こんなことが起こるわけですね。質の高い予算を組むとさっきおっしゃいましたが、それが二年間ある意味ではおろそかになってしまうわけでございます。
 そしてもう一点、これも実際にあった話でございます。私が昨年、平成十五年度の決算を調べさせていただいたときに、各省庁の架空予算が発見されました。六百六十二億、都合ですね。あれは平成十五年度の決算で明らかになったものでございます。谷垣財務大臣の御努力もあって、平成十八年ではその同額をようやく削減をされたわけでございますが、もっと早くやっていれば、十七年、十六年でもこの六百六十二億円に相当する額が削減できた、この可能性だってあるわけでございます。
 そういった意味で、現金主義、現金主義というふうにおっしゃっておりますが、この際、発生主義というものに基づいた決算というものをつくる仕組みにしていくのはどうか、こんな提案をさせていただいております。小泉総理、賛成か反対か、どうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、実はよく議論させていただかなきゃならないテーマでございまして、なぜ国が現金主義を取り民間が発生主義を取っているかということになって、そこのところまでさかのぼって吟味をしなければならない問題だろうと私は思っているんです。
 で、発生主義と、これはもう尾立先生に言うまでもないんですが、要するに、期間に対応する損益を合理的に計算するために、経済的価値が変わった時点をとらえて収益及び費用を認識しようと、まあこういう考え方ですよね。だから、一般的に事業の損益や財務の状況を事後的に把握する企業会計はこれでいっているわけですね。
 だけど、我々の財政はどういうことかというと、国の予算というのは国が国民からいただいた税金を適正に配分するために事前につくって、やっぱり国会の御審議をいただくと。企業会計のように損益やこれに対応する財務の状況を把握しようとすることを第一に考えられていないというところが発生主義ではなく現金主義になっていることだろうと思うんです。こういう性格、予算はこういう性格を持っておりますので、国会による財政活動のコントロールを確実かつ健全に行うという観点から、財政法は二条で現金の授受をもって収入支出の有無を判断するという現金主義を採用していると。予算の執行結果を把握する決算についてもその予算に対応すると。
 まあ、イロハのイのようなことを申し上げて恐縮でございます。ただ、委員、私どもも、じゃ今までの現金主義だけで、現金主義の経理だけでいいのかという反省はございまして、委員御承知のように、公的部門においても事後的に民間企業における貸借対照表であるとかあるいは損益計算書に相当する財務書類を作成することは、コストの把握であるとかあるいは資産、負債の実態把握のために有効であると。で、その際にはやっぱり発生主義でやらないとうまくいかないということがございまして、このやっと昨年に今まで五年ぐらい掛けてやってまいりましたのが完成をしたというのが現在の姿でございます。
○尾立源幸君 総理に感想をお聞きしたかったわけでございますが、もう少し同じようなたぐいのものがございますので、後でまとめて聞かせていただきたいと思います。
 発生主義、今これから検討しておると前向きなお話でございますが、もう一つ、政府の方では、今まで大福帳だったものを複式簿記というものを使って、貸借対照表、今おっしゃいました国の持っている資産や負債の一覧表を作って財務管理に生かしていこう、また政策実現に掛かった費用を一覧できるようなものも作ろう、また民間企業のキャッシュフローに相当するようなものを作ろうと、このような動きをされていることは承知しております。
 そんな中で、政府の財政制度審議会、二〇〇三年に行った公会計制度の海外の報告書というのを読ませていただきました。そういたしますと、その報告書の中には、アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、今私が申し上げました発生主義、複式簿記に基づく会計というものを実際にもうやっておるんですね。ええ、やっております。
 そしてまた、このパネルをちょっと見ていただきたいんですが、もう一つ問題点がございます。(資料提示)もう一つ、このピラミッドみたいなものがあるんです。これ、私、氷山のつもりで作ったがピラミッドにちょっとなっちゃったんですけど、済みません。
   〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕
 これは大変複雑な表でございますが、いろいろ先ほど来、一般会計、特別会計等々というお話が出てきました。それを一覧にしたものでございます。
 まず、この一番上の赤い三角形のとんがっている部分が一般会計の歳出純額ということで、ネットで使える額が約三十三・六兆円、これが所得税や法人税で集められてくるわけでございますが、問題はその下でございます。その下、特別会計。これは三十一会計、六十三勘定という、まあ六十三のお財布がここにまたあるわけでございます。
 さらに、その下に話が続いておりまして、独立行政法人、また特殊法人という都合百三十三の法人がございます。ここの財務の規模を申し上げますと、先ほど赤のところは言いました。三十三・六兆。何と、特別会計は純額で二百二十五兆。さらに、この特殊法人等々から天下り先への財政支出、これはまた後で申し上げますが、五兆五千億以上このようなものがあるということを御認識、総理、いただきたいと思います。
 実は、この全体像を、総理といえども谷垣財務大臣といえども、だれも実際のところは失礼ですが分かっていない。多分、竹中大臣も全部はお分かりになっていらっしゃらないと思います。今うなずいていらっしゃると思います。
 しかしながら、企業会計であるならば、どんなに複雑な会社も一つの会計で表します。子会社、孫会社、関連会社、関係会社が百、二百、三百あろうとも、正に連結決算というものを採用すればこれが全部一つで見れるようになるわけでございます。だから、世界の冠たる例えば自動車メーカーのトヨタ、ソニー、どんなところも社長や財務部長は自分のグループ会社の全体像というものをきっちりと認識をしておるわけでございます。それで、連結決算を行わないとどうなるか。ライブドア、カネボウ、粉飾をやっています。正に連結を意図的に外すことによってそういった粉飾が行われているのはもう御承知のとおりでございます。
 アメリカ、カナダでは、政府が今申し上げました複式簿記、発生主義、この連結主義というものを全部取り入れて政府の会計を作り上げておるわけでございます。竹中大臣、質問じゃございません。アメリカのいいところを取り入れましょうよ、こういうところはね。
 しつこいようですが、もう少しこの会計の良さを言葉で説明すると、いろんなところで例えば陸上競技をやっています、いろんな会場で。それを代々木の国立競技場に集まっていただいて、トラック競技、これは一般会計でございますか、そしてフィールドの競技、砲丸投げや円盤投げ、そういったものをこの特別会計として集めて、さらにそれを我々納税者が、観客から、スタンドの観客席から観客として見れる、観戦できる、これが連結決算のいいところでございます。
 先ほど来総理も、民主党はいいもの提案しろと、いいものは取り入れるよとおっしゃっていただいております。是非、こういった方向性で国民のための会計をやろうではございませんか。
 総理の御意見をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 予算は極めて複雑で、今言った、尾立さんみたいに会計士の専門的な知識や見識ある方はなかなか少ないものですから、今のような御指摘、できるだけ国民にも素人にも分かりやすい会計、財政、歳入歳出示すということは大変いいことだと思っております。
 先ほども、現金主義がいいか発生主義がいいかという点につきましては今即断はできませんけれども、そのような会計を分かりやすく提示する、この努力は今後続けていかなきゃならないと思っております。
   〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕
○尾立源幸君 是非、総理、ありがとうございます、その方向で進めていただいて、また、谷垣大臣も立場上なかなか言えないこともございますが、是非前向きに進めていただきたいと思います。──あっ、何か。どうぞ。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど尾立さんから、アングロサクソンの国では発生主義を取っていると。確かに、そういうものをつくって予算をつくっている国もありまして、やはりそれぞれメリット、デメリットがあるんだろうと思います。アメリカでも、GAOというんでしょうか、会計検査院の報告書によりますと、発生主義予算の導入に関しては、実際その年度に幾らの現金が必要かについてのコントロールがしにくいとか、政策決定者に混乱をもたらす可能性がある情報、資産の評価と裁量が伴うものが存在すること等々、デメリットも指摘しておりまして、メリット、デメリットは私はよく考えなければならないことだろうと思います。
 それから、先ほどおっしゃった発生主義に基づく書類も、ようやく省庁別のものを作ってそれを連結するというところまで来まして、問題はそれがどれだけ活用されるかというところにあると思っております。今、資産、債務をどうやって全体的に見て管理して改革していくかとか、それから特会についても随分御議論をいただけるようになりました。それは、やはりこういう資料がそろってきたこととも関係があるんだろうと思っておりまして、まだできたばかりでございますので、実は十分分析なりができているわけではございません。
 今後、私どももそれを十分活用して、分かりやすい、予算の質を変えるものにつなげていきたいと思っておりますので、是非、民主党におかれましても建設的な御批判をいただきたいと思っております。
○尾立源幸君 総理大臣、財務大臣から前向きなお答えをいただきましたので、是非その方向で進めてまいりたいと思います。
 そして、もう一点、私が腰を抜かしたことがございます。去年の決算審議でございますが、実は私も職業柄、すぐ予算書、決算書というのを見てしまうわけでございますが、実は今日も持ってきております。これが一般会計の予算書でございます。こちらが一般会計の決算書でございます。この分厚さ、見ていただけますでしょうか。まあ、約十分の一でございます、八十ページで八百ページ。それはどういうことかと申し上げますと、この帳面レベルで予算と決算の比較ができないんです。
 このパネルがそれを表しております。(資料提示)例えば、予算書におきましては、左側ですね、見ていただきたいんです。A事業費、B事業費という、いろいろ各省庁で事業をやられます。それの内訳、さらにトータルが、例えばA事業であれば旅費、備品費、諸謝金、合計で六億円、こういうふうに表示をしてあります。B事業も同様でございます。それで、予算として六億と四億を足したものが十億になっている。これはいいですね。
 しかしながら、決算書を私、見てみました。A事業とB事業に関するものを見ました。何と内訳がないんです。内訳がないんです。何があるかというと、各省庁ごとの横ぐし、例えば旅費であるならば旅費の二・八億、備品であるなら備品の四・一億、諸謝金の三・〇億、合計九・九億ということで、実はA事業、B事業に実際、各省庁がどれだけ使ったか分からないような決算報告になっております。
 小泉総理、これ分かりやすいでしょうか、分かりにくいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 結論から申しますと、今、尾立委員の御指摘の件は、財務省内部で決算書と予算書が対応できるようなその改良ができないかと今一生懸命研究しているところでございまして、それで平成二十年度予算にそれが実現できるように今検討しております。
 もう少し申しますと、予算が国会の議決で成立しますと、財政法三十一条の規定で、内閣は、各省各庁に対して、その執行の責めに任ずべき歳出予算について、議決単位である項を経費の性質を表す目に区分して配賦しているわけですね。したがって、その予算の執行はその配賦された歳出の予算の項及び目の制約の下で行われて、こうした手続を踏まえて決算書も項目で示しているわけですが、予算書には国会の審議に資するためもっと細かいところまで書いてあるわけです。そういったものの対比をどうするかというようなこと、それから今おっしゃったような、比べられないようなことを決算書と予算書でどう統一していくか、事に触れて今工夫しておりますので、もうちょっと成果が出てくるまでお待ちいただきたいと存じます。
○尾立源幸君 早くやっていただかないと私の任期も終わっちゃうんで、是非よろしくお願いいたします。
 それで、今いろいろ御説明いただいたわけでございますが、多分こんなことは国民の多くの皆さん御存じないと思います。国だからきちっとやっているんだろう、頭のいい方たちだからちゃんとやっているんだろうと、こういうふうに思っていらっしゃるわけでございますけれども、私の感想を申し上げますと、予算をもらう、お金をもらうときは一生懸命こういう分厚いものを作るわけでございます。もらった後は適当にと、こんなふうに、まあうがった見方でございますけれども、こんなふうに私は思ってしまいます。
 そして、もう一つ残念なのは、何で今までここまでこんな決算の在り方が国会の中でほったらかしにされてきたのかということでございます。もう日本の財政、七十年ぐらいやっているわけですから、まあ改善をしていただくということになりますが、よろしくお願いします。
 総理、ちょっと感想をお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) どうして予算がこれだけ熱心で、決算がそれに比べてまあ雑なのかという御指摘だと思うんですが、なぜかといってはっきりとした答えになるか分かりませんけれども、予算というのはこれから、仮に四月から全国でどういう事業に幾ら使うかと、この額によって自分たちの生活がいかに影響あるかと、みんな熱心ですね。少しでも多く自分たちの地域なり自分たちの団体にお金を持ってくるか、これで政治力が問われるという、選挙にも影響してくるということで国会議員は熱心になります。
 また、地域はその国会議員の地元の陳情をします。で、予算を獲得することに全力投入するわけですね。で、取っちゃうと、ああこれで一段落ということで、あとはできるだけ残さないように、余さないように使うと。余すとまた削られちゃうということで、かえって節約したところが後に生きてこないから、無駄と分かっても全部使い切るというようなことは一部にはあるというふうに聞いております。
 でありますので、参議院は、これではいかぬと、予算だけ重視しないで決算を重視しようというのが参議院の考え方だからこそ、決算を重視しということで、今日は予算の前に全閣僚を出席させてこういう決算の審議をされているんだと思います。
 今後、その決算の重要性も我々は認識して、できるだけ無駄の排除、不必要な予算を削減して、これを次の予算に生かそうという努力は是非とも必要だと。そういう点におきまして、今のようなできるだけ国民に予算も決算も一般会計も特別会計も分かりやすい形で、国民にどうやって国民の税金が使われているのかという点につきましては、もっともな御意見だと思いますので、そのような分かりやすい財政の運営、あるいは予算、決算の国民への資料の提出については、今後とも政府としては努力していかなきゃならないと思っております。
○尾立源幸君 それでは、先ほどの氷山の中の一般会計、特別会計、その下の独立行政法人というふうにあった三段目のところのちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 独立行政法人国立病院機構、これは、一般会計から年間五百二十億円の運営費交付金、正に税金が投入されている独立行政法人です。何をしているかというと、国立病院や国立療養所がたくさんあるんですけれども、百四十六、これをまとめているところでございます。
 さて、この中で、総理、株式会社保健医療ビジネスというのは御存じでしょうか。株式会社保健医療ビジネス、昔の名前は厚生共済会ビジネスセンター、ちょっと御記憶ございますかね。──総理、総理、総理、はい総理、御存じか御存じじゃないかだけで結構です。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、株式会社、それは知りませんでした。
○尾立源幸君 ありがとうございます。
 実は、ここ、ちょっと赤いところを見ていただきたいんですが、この会社は平成十六年三月の売上高で六十八億、申告所得で四・五億、この利益を、利益を出している優良会社でございます。パネルには、昨今の状況を踏まえてちょっとH・I社というふうに書かせていただいておりますが、保健医療ビジネスのことでございます。
 この赤のところを見ていただきたいんですが、どんな業務をこの独立行政法人から請け負っているかというと、駐車場管理は発注金額の九〇%で一位でございます。エレベーターメンテナンスは二位、食堂、売店の経営も一位と。さらに、受注件数、仕事をもらうときに占める随契、随意契約、総合評価方式の割合が八四・三%と。まあ、いい会社ですね。私も民間におりましたので、こんな入札、競争しなくて仕事がもらえるんだったら、私、有り難いなと思うわけでございます。特に、この保健医療ビジネスという会社、国立病院の食堂、売店等を経営していますが、八十七件ございまして、年間五千四百六十八万円、この賃料を独法に払っております。
 しかしながら、この総合評価方式でほとんど決められておる、随契で決められておりますので、価格について競争原理が働いておりません。私の調べたところによりますと、大体市価の、市場価格の半分以下ということでございます。すなわち、国立病院側が、国立病院機構側が損をしているわけでございます。取り漏れているということでございます。
 厚生労働大臣、なぜここまでこの会社は随意契約が多いんでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 経過を少しお話し申し上げます。
 御指摘の法人は、財団法人厚生共済会、平成十年当時、収益事業の比率が大きい、役員中の所管官僚出身者の占める割合が多いといった点で、公益法人として問題が指摘されました。したがって、抜本的な見直しが行われたと。見直しの結果、政策医療振興財団として公益事業のみを継承とする。したがって、今御指摘のような仕事は全面的にその財団からは切り離したということになります。
 厚生共済会ビジネスセンターという会社、今御指摘のように、保健医療ビジネスという会社がそれを引き継ぎながら民間企業とやっている。問題は、この民間企業が公正競争で受注をして正しいサービスを行っているかということの御指摘だろうと思います。また、この随意契約見さしていただきました、昨日御指摘いただきましたので見さしていただきました。一つは、エレベーターについては基本的には三菱さん、日立さん等受注した業者が大体メンテナンスをやっている。これは部品の関係でしょう。これはいろんな業界でそんなことがありますので、そこは随意契約が多いということは、なかなかどう変えていったらいいかというのは難しいことでありますけれども、その他の面、駐車場管理また食堂、こういう面は基本的にはやはり随意契約ではなく、競争入札にすべきだろうと私自身も考えます。
 しかし、私自身がここに対して命令権があるかとなると、これは独法ですからなかなか難しいことになります。したがって、私の方から指導しながら、指導しながら、厚生労働省が今まで御指摘をいただいてまいりました。社会保険庁問題から始まりましていろんな問題がございました。そして、今、中央官庁におきましては随意契約というものは基本的には余りしない。たとえ随意契約をする場合でもきちっと公表しながらやっていく。そして、一般競争入札を導入するということでずっと改革を進めておりますので、私どもがやっておる改革の趣旨に沿うように指導をしてまいりたいと考えております。
○尾立源幸君 過去の経緯もある程度は説明していただいたんですが、もう一度この現状をちょっと一緒に振り返ってみたいと思います。
 このH・I社は、天下りの状況、確認できるだけで取締役十二人中九人が国立病院OBでございます。それで、そういうことで古巣のところから随契をもらっているというわけでございますが、この構図、どこかで聞いたことがあるなと思って調べてみました。
 皆さんの方にはもう既に書いてありますが、財団法人厚生共済会ですね、これが元々の出発点であったこと。若干もう大臣の方からもお答えいただきました。これは実は、小泉総理が厚生大臣のときに、実はこの財団法人非常に問題があるということで、解散を検討しろということで指示を出していただいたわけなんですが、なれの果てがこっちになっちゃったんです。公益法人、官から民へ、これはちょっと悪い官から民の、悪い、官流、官から民へなんでしょうかね、そういうことです。
 詳しく調べてみましたら、設立当時のこの本店の所在地、同じでございました。さらに、社長と理事長、こっちの理事長ですね、こっちの社長が同じで、しかも十か月間も重なってたんです。さらに、各地に支店があります、支部があります。これもほとんど同じところにつくられました。脱皮をしたようなものでございますか、それで残されたのがまともな財団法人ですか、政策医療振興財団、これはもぬけの殻になってしまいました。正にこの財団法人が衣替えをしてこのH・I社になったということなんです。
 私は、官から民、民営化、いいわけでございますけれども、一つ困ったなと思うことがございました。それは、財団法人であれば我々国会議員、いろんな調査権で調べさせて、見させていただけるんです。今こうなってしまったら、なかなかこの中身、我々分かりません。民間人、民間企業です。我々が手が出せないんです。だから、こういう形の官から民は是非防止をしていただかなければならない、しなければならないと私は思っております。
 そこで、民でございますから、ここに我々は何にも言えないわけでございます。言えるとすれば、この独法の国立病院機構、今、川崎大臣、直接的には言えないと、指導をしていくというふうにおっしゃいましたけれども、今正にこのOBが天下って随契が行われている。どういう強制力お持ちなんですか、それをやめろという。
○国務大臣(川崎二郎君) 私もここへ来る前にそれ議論しまして、命令で変えられないかという議論もしました。私の命令権ないかと。そこまでは正直言って方向性としては難しいようでございます。したがって、私としてできる限りの指導をしていくという御答弁を申し上げました。
○尾立源幸君 そうなんです。独立行政法人も民という位置付けになっておりますもので、今、独自の会計規程を作れることになっています。今はそれぞれの病院長が決裁をすることになっております。これも困ったものでございます。
 私は非常に今危惧しておりますのは、官から民へという中でいろいろと独立行政法人がどんどんどんどん増えていっております。それに対して我々はなかなかチェック機能を働かせることができない。そして、いわんやこのH・I社については全くお手上げという状況でございます。だからこそ一般競争入札というものをもっときちっと導入をしていただき、天下りの禁止、先ほども直嶋委員からございました天下りの禁止をきちっと規定をしていかない限り、もう本当にこれはざるのようになってどんどんどんどん我々の貴重な税金というものが垂れ流されていってしまう。五百二十億円この独立行政法人に税金が入れられているわけでございます。
 総理、この構図を見て、まああちこちにあるのかなと私も思います、これは一例だと思います、正直な御感想、それからどのようにしていくべきか、総理からも決意をお聞かせください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、官から民への流れというのはこれからも続けていくべきものだと思っております。それはなぜかというと、これは与野党共通していると思いますが、余り役所が民間の手足を縛るんだ、あれやれこれやれ、民間の自由な発想を生かした方がいいということで、民間にできることは民間にと。ただ、民間になった場合に、そこに国の税金がどう行っているかという点では私はチェックできると思いますよ。
 それで、随意契約、競争入札がいいかという問題もあります。そういう点については原則競争入札ということを言っているわけですから。随意契約の場合は、どうしてもほかにいないとか特殊な理由があります。しかし、原則競争ですから、そういう点についてはきちんと役所として私できることは多々あると思います。ただ、民間になった場合には、民間としての自由な発想あるいは公正な競争の下にどのように多くの国民に恩恵なりサービスを提供するか、これは民間が競争によって考えるべきことだと。
 今、大臣は命令権はないと。命令権はないけれども、私は、疑いを持たれるようなことは、あるいは税金を使うようなことは国としてはやるべきじゃないという点は私あると思っています。
○尾立源幸君 最後に、今おっしゃいました、五百二十億も運営費交付金を国が出しているわけですから、おっしゃるようにもう出さないぞというぐらいの気概を持ってやっていただきたいですし、天下り期間、今二年というのが原則でございますが、五年や七年、十年というふうに、そういった形で我々が縛っていくことも可能だと思います。最後にもう一度、厚生大臣。
○国務大臣(川崎二郎君) まあ、大臣という立場で命令はできないけど指導しますと言い切ったわけですから、任してください。
○尾立源幸君 どうもありがとうございます。
○高野博師君 公明党の高野でございます。
 最初に北朝鮮問題についてお伺いしたいと思いますが、安倍長官が間もなく出られるということなので、最初に一問だけお伺いしたいと思います。
 北朝鮮問題については、安倍長官はずっと一貫してこの問題に真剣に取り組んでこられた日本側のキーパーソンだと私は思っておりますが、これまでピョンヤンにも小泉総理に付いていかれ、そして交渉の現場にもおられたわけでありますが、これは小泉総理にもかつてお伺いしましたが、金正日総書記を、安倍長官はどのようにこの人物を見ておられるのか、御意見をお伺いしたいと思います。まあ立場もあって難しいかと思いますが、あえて質問いたします。
○国務大臣(安倍晋三君) 二〇〇二年の九月十七日の小泉訪朝に私も同席をいたしました。その際の印象としては、北朝鮮の実権を握っていると、そして十分に権力を掌握をしていて、政権内のことを把握をしているなという印象を受けました。また、大変頭の回転も速い人物であると。そしてまた、我々が交渉する相手であるという認識を持っております。
○高野博師君 北朝鮮による拉致問題については、先般、辛光洙容疑者あるいはチェ・スンチョル両工作員に対して逮捕状が出されたと、そして北朝鮮に対しては引渡しも要求されたわけであります。蓮池さん、地村さん夫妻、あるいは横田めぐみさんも、この犯行にかかわっていたんではないかと、こう言われております。一方で、タイ人も、あるいはルーマニア、イタリア人も北朝鮮によって拉致されているということも次第に明らかになりつつありまして、この拉致問題については国際的な協力というのが必要になってくるんではないかと思っております。
 拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないということは政府の一貫した立場であると思いますが、この辛光洙容疑者等の引渡しも当然その条件の中に入ると思いますが、核の問題、ミサイルの問題等含めて、この辺の見通しについて総理からお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としては、拉致の問題、核の問題、ミサイルの問題等、この問題を解決して国交正常化を成すように今まで努力してきたわけであります。でありますので、このどれ一つ取っても大事なことであると、一つだけどければいいということではないと。
 こういう総合的な、今まで平壌宣言に盛られた趣旨なり文言なり、これを重要視してお互い将来正常化を目指していこうという文書でありますので、この点についてはさきの日朝間の協議においても日朝平壌宣言は北朝鮮側も重視するということでありますので、拉致の問題、これ解決せずに国交正常化なんということはあり得ないと。
○高野博師君 韓国の盧武鉉大統領が、まあ国内支持率はかなり低下しつつあるようでありますが、先日、対日批判、この靖国問題あるいは憲法改正問題について批判をしましたけれども、総理それから官房長官の反論というのは当然で、私は適切だったというふうに思っております。
 一般的に、国内問題で行き詰まると、常套手段として国民の目を外に向けさせる、あるいは外交を利用するというのがあるようであります。この場合がそうだとは私は明言しませんけれども、この対北融和政策を取っている韓国が、国民のこの問題についての支持もありますので、盧武鉉大統領が北朝鮮を訪問するんではないかと、南北首脳会談というのが、これがあり得るというふうに見ておりますが、この南北の接近というものは、日本にとって、あるいは六か国協議にとって、これを進める上でどういう影響があるのか、総理の所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 南北朝鮮といいますか、今の北朝鮮と韓国、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国、今の場合においては南北朝鮮の統一という話、言葉遣いをさせていただきたいと思いますけれども、この朝鮮半島の統一というのは、私は、北も南も悲願だと、国民もそう思っていると、私はそう思っていますね。
 そこで、盧武鉉大統領が北朝鮮を訪問するということが、今、高野議員からお話ありましたけれども、前大統領の金大中大統領が訪問するということを私は聞いております。金大中大統領も、将来朝鮮半島統一、願っていると思います。
 しかし、すぐ統一すればいいかというふうには私は考えておりません。やはり国際情勢を見ながら、また両国の状況、発展段階違いますから、経済格差も格段の違いがありますから、そういう点を考えると、将来の問題として朝鮮半島の統一を願っていると思いますが、この問題につきましては、六者協議そして様々な南北両首脳間でのこれからの協議なり話合いというものを見守っていかなきゃなりませんが、私どもとしては、今、北朝鮮に対して対話と圧力ということを方針にして交渉に当たっております。
 その際、韓国の方が、南の方が北に対して融和的であると、また中国が北を、北朝鮮を支援しております。そういうことも見ながら、果たして対話と圧力の面において圧力がどういう効果をもたらすのか、これも考えていかなきゃならない。六者協議の間の今後、北朝鮮の出方、アメリカ始め中国、ロシア、韓国等の出方を見守りながら、日本としての対応も考えなきゃならない点があります。
 そういうことを考えますと、私は、この問題について、今北朝鮮はこういうことを考えているとか韓国はこういうことを考えているということをこういう場ではっきり申し上げるのは控えた方がいいのではないかと。これは、アメリカも中国もロシアもいろいろ考えがあります。日本としても、こういう問題というのは、国際情勢全体を見ながら日本と北朝鮮とどういう交渉をしていくか、また日韓の関係というものを重視しながら日中間の協力というものも考えていかなきゃならない。そして、日米同盟というこの重要な同盟関係も考えていかなきゃなりませんので、今こうだという断定した見通しをここで申し上げるのはできないということを御理解いただきたいと思います。
○高野博師君 それでは、麻生大臣にひとつお伺いしたいと思いますが、中国は脅威ではないというのは政府の公式な見解だと思いますが、それでは北朝鮮というのは脅威なんでしょうか、それともそうじゃないんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には北朝鮮という国と国交が正常化されているわけではございませんので、私どもとしては、国交正常化等々の問題が出て、お互いさまよく分かり合える仲であるかといえば、残念ながらさようなわけではありません。
 御存じのように、一九九八年でしたか、八月三十一日にテポドンが日本の了解なしに上空を突き抜けていったとか、その後の不審船等々の騒ぎ等々、両国間でいろいろ私どもの方から見ると、何となく武器が向けられている先が、若しくは不審船等々が入ってくる先が日本というような状況にあるということに関しましては、私どもとして何を考えておられるかと。また、予算等々全然手のうちが分かりませんので、私どもとしては、何をどうなっておるのか。加えて、かなりミサイル等々の技術が他国に輸出されているとかいう話を聞きますと、私どもとしては何となく不安を覚えるというのが正直なところだと思いますんで、何となくそういったものがだんだんだんだん、交渉、対話がないまんま拡大していくというのは、それは不安がだんだんだんだん脅威に拡大していく可能性は高いというように表現するべきなのかと存じます。
○高野博師君 脅威か脅威でないかというのは政府の立場としては明言しない方が適当かと思いますが、いろんな、野党の方もそうですが、脅威論というのが結構盛んに行われておりまして、その攻撃の意図があるのか、能力があるのかどうかということでの議論でありますが、攻撃の能力が一体どの程度あったらそれは脅威になるのか、意図というのはどういう形でこれを確認できるのか、非常に難しい問題だと思いますが、これを脅威だと見誤ったときに、その見誤った、それに対応して政策を立てる、例えばミサイル防衛する、あるいは軍事力を増強するというこの政策そのものが逆に今度は国際緊張を生むという、これは安全保障のジレンマと言われるんですが、そういうこともありますんで、脅威かそうでないかという、簡単に割り切ることはできないと思いますが、こういう問題については軽々に断定しない方がいいなというふうに思っております。
 今日は決算委員会でありますんで、ODAの問題について何点かお伺いしたいと思います。
 海外経済協力に関する検討会の提言が出されました。私も読ませていただきました。これについて、総理はどのような認識をお持ちでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ODAというのは、日本の国策として考えた場合、海外から高い評価を受けていると思っております。
 戦後六十年、敗戦後は日本自身も海外からの援助を受けて、そして発展し、今や逆に援助する立場に立つことができたと。また、そのODAが外国から高い評価を受けているということでありますので、今、ODAの重要性を認識しながら、いかに政府が一元的に、無駄のないように、そして援助された各国から評価をいただけるようなODAをしていくべきか、あるいはODAの機構面においても体制を整えていくべきか、今後日本の外交を進める上においても、あるいは日本が国際社会において責任を果たす上においても、また、日本という国は信頼できるなと、国際社会にとって必要な国だなという評価を受けるためにも極めて重要なことだと思っております。
○高野博師君 ODAについての海外の評価は非常に高いものがあるということは私も認識しておりますが、今回のこの検討会の提言でありますが、国際協力銀行、JBICの円借部門を、これをJICAに移す、あるいは外務省が持っている無償資金協力の一部をJICAに移すと、それだけの話。
 しかし、官邸の中に、総理をトップにして官房長官、外務、財務、経産大臣と、ここに経済協力会議をつくって、そこで戦略的なODAの使い方、これを議論していく、検討すると。あるいは、ODA大綱、中期的な計画、様々な問題をここで検討しようということでありますが、私の印象は、実態的には各省が持っている権限と余り変わっていない、結果的には単なる機構の変更にすぎないんではないかなと、こういう印象を持っておりまして、本格的なODAの改革というのにはほど遠いんではないかと思っております。
 それは、一つは検討会のメンバーでありますが、このメンバーの方がどれだけODAのことを知っているのか、ODAの現場を見たことがあるのかどうか。恐らく、あのメンバーの中で一人だけだと私は思っておりますが。例えばアフリカとかアジアとか中南米とか、ODAをやっている国に、現場に行って、そしてそこのサイトを見た上で、例えば農業用かんがい、どういうふうにやっているのか。あるいは、裸電球一つで暮らしている青年協力隊の人もいるわけです。それから、現地の政府、住民、そういうところの意見を聞いた上でないと本当にこのODAを改革しようということは難しいんではないかと。役人が作ったペーパーで議論をしても、しょせんは机上の議論ではないかなという感じがいたしました。
 数年前、ODA総合戦略会議というのができました。正にそこでこのODAを戦略的に使おうということになっているわけですが、それでは、その後ODAを戦略的に利用したという具体例はあるんでしょうか。聞かせてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、改革される前の、今ありますODAの会議の話についての御質問があったと思いますが、私どもも、それから総務大臣としてそこに出席したことがありますけれども、まず人数が多過ぎると思いました、参加している人数が。あれでなかなか選択するのは難しいと、率直にそのとき思ったのが何年前かの記憶であります。
 このたび、このODAの改革をするに当たっては、今の安全保障会議と同じようなサイズにするべきという海外経済協力に関する検討会の答申を受けまして、今回の場合は、担当いたします、いわゆる直接そこに関係いたしますのは総理大臣、官房長官、財務大臣、外務大臣等々、極めて限られたメンバーで最終決定等々、戦略はそこでやります。で、企画立案等々、外務省がやりますというような、いろんな形でつくり変えておりますので、今ありますものよりは具体的なものが出てくると存じます。それは、私どももそう思いますが。
 これまででも、今までそこで決めたというのが、じゃどうかと言われると、なかなか言いにくいところだと思いますが、アフガニスタンの話にしても、またイラクの話にしても、ODA等々とかみ合わせて、組み合わせていろいろなものをしてきたという例は過去にもないわけではありませんので、そういった意味では、私どもは今後、今特にアジアをやろうとしておるわけなんで、日本というのの経験というものをODAを使ってそういった国々に移管していく、こういったことをやって、資源のないおれたちでもこれだけいけたんだから、資源があるんだからおたくらはっていう話で、いろんなことをきちんとつくり上げていくということを考えていかなきゃならぬと思っておりますので、私どもも、外務省としても、今回このODAがこういった形で変更されるに当たって、役所の方の体制も今のまんまでいいとはとても思えませんので、解体するやらつくり変えるやら、いろんな形を今指示をいたして、近日中にきちっとした形でそれに対応できるようなものをつくり上げたいと思っております。
○高野博師君 具体的な例は挙げられないようでありますが、戦略的利用というのは、透明性とか公開性という点とやっぱり反する部分もありますので、そうは簡単に言えないんだと思いますが。
 しかし、そもそも日本に国家戦略というのがあるのかと、国家戦略がない中でどうしてODAだけ戦略的な利用ができるんだと、基本的な私は疑問を持っておりまして、したがって、このODAに関する会議を官邸につくる前に、国家戦略を練る正に国家戦略会議というものを官邸の中につくるべきではないかというふうに思っております。例えば、対中・対アジア外交政策、エネルギー戦略、政策あるいは地球環境問題もそうであります。戦略的な発想というのは出ると思います。
 もう一つは、ODAにカウントされない経済協力というのがあると思うんですね。やっぱり中国なんかは、日本が要するにヒューマンベーシックニーズと、そういう援助をして、日本ができない部分について、例えば国会議事堂なんかを援助しているわけです。そして、スポーツセンターを造っているとか、非常に目立つところでの援助をやっている。したがって、正にODAでない経済援助も戦略的に考える必要があるんではないか。
 あるいは、アメリカの場合は言葉の教育も戦略として考えている。中国語、ペルシャ語、アラビア語、あるいはヒンディー語、こういうものを国家の戦略として教育で学びなさいと、予算も付けていると、正にそういう発想でやっているわけですね。日本の場合には全くそうではない。どこでだれが練っているのか、よく分かりません。
 こういう問題について、官邸に国家戦略会議、まあ名前はいろいろあると思いますが、つくるべきだと思いますが、総理はどうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本に戦略的なODAがないというのはちょっと言い過ぎじゃないでしょうか。隣の芝は青いと、外国のやっていることがいいかと言ったらば、みんな、まあ日本というのはよくそういう見方が多いですが、国際社会はそう見ていませんね。日本の存在というものを高く評価している。日本が調査しているんじゃないですよ。BBC放送にしても、アメリカの大学にしても、世界の中でどの国が国際社会で一番貢献しているのか、いい影響を与えているかという中で、日本は二番じゃないですか。中国よりもはるかに日本の存在というものを評価している。
 中国は確かに戦略的外交やっていると言っているけれども、それが果たしてどういう評価を受けているか。箱物を造る、確かに喜ぶかもしれません。日本は、その国の住民が真に必要としている、農業にしても、あるいは中小企業の支援にしても、青年海外協力隊の医療教育にしても、その国が真に欲している、そして自ら立っていける、自立できる支援をやっている、だからこそ評価が高いんじゃないでしょうか。日本は何もやってない、外国はいい、これはとんでもない誤解だと思っております。
○高野博師君 私はそういうことを言っているんではありません。日本のODAが各国でこれは高い評価を得ているというのは、私もそれをよく認識しております。しかし、このODAの戦略的利用と、これ何度も何度も政府のペーパーに出てくるんです。だから、どこが戦略的なんだと。
 そもそも戦略とは何かと。これは辞書によれば、特定の目的や優位を達成するための計画やねらいの一部を形成する。あるいは、戦略という中には、長期的なという意味も入っていると思います。そういう基本的なODAの在り方は、私も間違っていたとは思いません。しかし、改めてこういう会議をつくって戦略的と言うんであれば、どこにその戦略があるんだと、だれが練ってるんだと、そういうことなんです。私も何度もそれは現場に行って見ております。そこの住民の評価は高い、国民の評価は高い、政府の評価は高い。しかし、もっとそれは、国際社会の中で日本というのはもっと私は別な評価もされてもいいんではないかという気もいたします。
 そこで、ODAはいろんな不祥事なんかもありました。使い方についていろいろ問題があるんではないか、あるいは無駄があるんではないか、いろんな問題があります。そこで、このODAの本質というのは、七千億なり一兆円というお金が法律に基づいてなされてないというところに根本的な問題があるんではないか。今まで何年も何年もODAの問題は議論されてきました。しかし、一向に変わってない。それは法律に基づいてないというところに問題があると思うんですね。
 したがって、我が党は一貫してODA基本法を作るべきだという主張をしておりますが、この基本法について、ODA基本法を作ることについて、総理あるいは外務大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 最初の方の質問で、戦略の方から。
 やっぱり高野先生御存じのように戦という言葉が使ってありまして、戦争を例に引けば、戦略、戦術、戦闘と。日本の一番強いのは戦闘ですよ、これもうはっきりしてますって。戦略は昔から下手。基本的にもう全然変わらないと思いますね。もう私、これは本当にそうだと思っていますから。だから、この戦略を何とかしなきゃしようがないからというんで今回これやろうとしているんであって、戦略があったかといえば、戦略はあったんですけど、それが正しかったかどうかと言われると、これはなかなか評価の分かれるところだと思います。
 ただ、基本的に日本の場合、少なくともいろんな国でこの六十年間にわたって、日本の基本的な戦略というものは、やはり経済的繁栄と民主主義を通じて国家の平和と個人の幸せをというのは、これは基本的な戦略の一番のベースの、一番のベースはこれでずっとやってきた。これはもう国民のコンセンサスを得ていると思います。
 経済的繁栄を通じてというところと民主主義は二つのキーワードなんですけれども、少なくとも今日私どもはいろいろな形で、宗教対立に基づくテロとかいろんな話を、今でもあちらこちらで起きておりますけれども、そのかなりの部分、貧困に基づく部分が多いという点は忘れられている大事なところだと思っています。
 少なくとも日本という国は、条件は極めてほかの国に比べて、資源がないという一点見てもかなり条件は厳しかった。黄色人種という、白人種に遅れて先進国に入って、仲間入りしたのが二十世紀に入ってからの話ですから、そういった中でも結構しんどかったんだと思いますね、我々の先輩は。その中にあって、頑張ってここまでのし上がってきたんだと思っております。
 是非、その意味では、私ども、この戦略の部分に関しましては、今御指摘のように、なかったわけじゃありませんけど、いろいろ系統立ててきちんとしていたかと言われると、なかなかそうは言い難いところもあろうと。私どももそういう率直な反省がありまして、総理からもいろいろ御指摘を受けておりましたので、つくり直すべく今努力をしておるというように御理解いただければ幸いであります。
○高野博師君 基本法について、基本法。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本法というのは、基本的にODAに関してきちんとしたものを作った方がより効果が大きいと思います。
○高野博師君 是非、基本法を作る方向でやっていただきたいと思います。
 それから、NHKの改革について、一つ二つお伺いしたいと思います。
 総務大臣の下で通信・放送の在り方に関する懇談会ということでNHKの改革が進められておりまして、御存じのとおり、不祥事によって国民の受信料支払拒否と、これが増大しつつありまして、NHKの神話も崩れたなという気がいたします。
 そこで、十六年度決算で六千四百十億円あった受信料収入が、十七年度決算で五千九百六十億円、約四百五十億円もの収入減となります。これではもう経営難になるのは当たり前でありまして、事業の縮小等に追い込まれるというのも、これも明らかであろうと思いますが、NHKという権威に安住することなく抜本的な改革を進めて、国民の信頼を回復してもらいたいなと思っております。
 そこで今日は、NHKの中でも、特にこの改革の中で国際放送、すなわち世界に向けた情報発信、この能力の強化であります。小泉総理が先般、日本がどういう国なのか発信することは重要だと、こう発言されまして、全く私もそのとおりであります、同感であります。
 実は、去年の二月にケニアに出張に行きましたときに、そのホテルに中国の副首相が泊まっておりました。テレビをひねってもなかなか日本のNHKが出てこない。なぜかと思いましたら、その前の日に、日本が持っていたチャンネルを中国に変えちゃったということなんですね。これはけしからぬと。僕は現地の大使館に、ケニア政府に厳重に抗議しろと、こういうことを言った記憶があります。これはまあ本質的な議論ではありませんが、各国とも熾烈な情報戦というか広報メディア戦をやっていると思います。この点で日本は若干弱いんではないかなと思っております。
 外国に行ったときの情報源というのは、もうCNNあるいはBBC、中南米に行くとCNNはスペイン語でやっております。CNNを見るということは、要するにCNNの価値観というか、アメリカの価値観というか、CNNの眼鏡を通して情報を得ているわけであります。これは非常に重要な、重大なことだと思うんですね。
 フランスも、イラク戦争の経験から、自分たちの主張がなかなかCNNで放映されなかったということもあって、フランス語版のCNNをつくるという方向にあるようであります。
 そういう中で、我が国も世界第二の経済大国でありますから、情報メディア小国であってはならないんではないかと思っておりまして、正にこれも国益あるいは国家戦略という観点から情報発信能力を強化すべきではないかというふうに思っております。特にアジア地域に対しては、英語で我が国の政治、経済、社会、文化、歴史、全般にわたって客観的に冷静にあるいは中立的な立場で報道をする、放映をするということは、対日理解を深めるという意味では大変重要ではないか。特に現状のように難しい時期にはなおさらそうではないかと思っております。
 NHKのワールドTVは無料でありますが、現在英語化率は六六・二%、平成二十年までに一〇〇%にするという計画があるようであります。早急にこれは取り組む必要があるんではないか。しかし、このNHKワールドTVというのは、パラボラアンテナでしかキャッチできないという問題があります。これはむしろ各国が持っているケーブル局、このチャンネルをきちんと契約をして買って、買い取ってこの放映をする必要があるんではないかと思います。
 NHKワールドは受信料で運営されていますけれども、約二十九億円。しかし、アメリカのこれは、国営の例えばボイス・オブ・アメリカは百八十一億円、これは政府予算から出ております。ドイツの公共放送は、四百二十四億円のほとんどが、恐らく九五%が政府の交付金で運営されております。中国は当然国営でありますが、フランス語とスペイン語の放映のチャンネルを一つ持っている、あるいは中国語、英語のそれぞれ一チャンネルずつ持っている。スペインも中南米三億人向けの放送局を持っております。
 そういう、したがって、我が国としても、世界じゅうどこでも二十四時間日本の今が分かる放送システムをきちんと確立すべきではないかと思っております。これは正に国策だろうと思っております。したがって、これはむしろ受信料ということではなくて、政府がきちんと交付金を付けてこの運営をやるべきではないかと思っております。
 我が国は顔が見えないと言われている。援助でも顔が見えないと言われている。しかし、顔を出すメディアを持っていないという、そもそもこういう問題があるんではないかと思っておりまして、したがって、NHK改革の中で、国家的な視点から、正に国益という観点からこういう国際情報発信能力を強化すべきだと思いますが、総理又は総務大臣、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、国際的な情報戦略というのは極めて重要な課題であると思います。
 本当に、気が付いてみると、我々自身、海外に出張したらホテルの部屋で気が付けばやっぱりCNNを見ていると。しかし、あのニュースはアメリカ発のニュースで、アメリカの解釈に基づくニュースで、それをかつ英語で聞いていると。BBCについても同じようなことが言えるということだと思います。そうした観点から、やはり経済力、軍事力というハードパワーに対して情報を中心としたソフトパワーというのが日本の世界の中における位置付けを高める上でも極めて重要である。
 実は、同じような問題意識、ある意味で各国は競争していると思います。フランスは、実は、正に国策としてこういった機能を強化しようということで、既に昨年の十二月にそのための組織を立ち上げております。そして、二〇〇六年にそういう事業を強化しようということをしている。
 翻って、日本ではNHKがそのような国際的な業務を今担っているわけでございますけれども、やはりそういう点ではなかなか所期の我々が期待するような状況にはなっていない。加えてNHKは、委員も御指摘のように国内でのやはり不払の問題等々が生じて、公共放送としての役割は期待されているんだけれども、そのガバナンスに非常に深刻な問題があるというふうな認識であると思います。
 そういう意味で、我々は今、通信、放送全体についての議論をしておりますので、公共放送としてそもそもどのぐらいの範囲の仕事をするべきなのかということを踏まえた上で、かつ国としての重要な情報発信の役割をどのように担っていただけるのか。各国いろいろ工夫をして、民間もいろいろ参画している例もあれば、そのコストをいろんな形で賄っているような例もございます。そこはしっかりと全体的な議論を行うことによりまして、委員が御指摘のような問題意識を十分に反映していきたいというふうに思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 今のお話の中で、海外に向けて実はいろいろ、例えば「おしん」なんというNHKのテレビ番組の貸出しは、何十か国だかちょっと正確には覚えがない、九十何か国近く行っていると思いますが、これはもう繰り返し、日本というと「おしん」というイメージがダブルで重なるぐらい、今どきあんなのおらへんがなと思いましたけれども、正直これはすごいことになっております。例えば「プロジェクトX」を始め、いろいろ海外に出してもいいような番組を一杯持っておりますので、それをやる一つだと思います。
 それから、さっき触れられませんでしたけれども、BBCの場合は、あれはイギリスの国営放送ですが、日本で見られるBBCにはカタールエアラインとかシンガポールエアライン、いろいろほかの国の広告を取っていて、実は国営放送というのを海外向けにやっている。いろんな知恵が、出し方があるんだと思いますので、この種のことはきちんとした戦略、それこそ戦略に基づいてやっていくというのが正しい方向だと思っております。
○高野博師君 ありがとうございます。そういう方向で進めていただきたいと思います。
 それでは、アジア全般の問題について若干お伺いしたいと思います。
 今、アジアは非常に流動的になっているのではないかと思います。フィリピンでは非常事態宣言が出されている。あるいはタイではタクシン首相辞任の抗議デモがある。台湾では陳総統が国家統一綱領を廃止したということで、これは中国の胡錦濤主席が重大な挑戦だと、こう言っており、中台関係も緊張するかもしれない。あるいはパキスタン、インドでもこれは風刺漫画等についての抗議デモもあるし、あるいはブッシュ大統領の訪印に対して、これも抗議デモ等がある。しかし、一方でまた、中国、インドは大国として大きく今伸びてきている。
 こういう中で、アジアというのは、非常に地殻変動というか、構造的な変化が今起きているのかなという気もするし、政治、社会上は非常に流動的だと。そういう中で、日本は成熟した民主主義国家として、経済大国として、あるいは地域のリーダーとしての安定と発展に貢献すべきであろうというふうに思います。
 しかし一方で、日中関係、日韓関係、これが非常に冷え切っている。なかなかダイナミックで柔軟な外交が展開できないという状況にあろうと思います。アジアの中で若干孤立しつつあるという指摘もありまして、私はそれは正しいとは思っておりませんが、しかし日中関係が今のままでいいとも思っておりません。この日中の良好な関係こそが両国の国益にもなるし、そして、アジアと世界の平和にとっても極めて重要であるという、ここはもう正に論をまたないところだろうと思います。
 そこで、私は、ちょっと今日は日中関係というのはなぜぎくしゃくするのかということについて、これは私の私見についての意見をお伺いしたいと思います。
 日中関係、一九七二年に田中当時の総理が訪中をした。訪中したその日の夜にレセプションがあった。そこで田中総理が中国の国民の皆さんには多大な御迷惑をお掛けしたと、こういう発言をした。多大な御迷惑というのは、中国語で言うとティエンラマーファンと。これは英語で言うとアイムソーリーということなんです。これに対して中国が物すごく怒った。次の日に相当な激しいやり取りがあって、しかしそれでは、その当時は謝罪とかおわびという言葉が使えなかった。したがって、多大な御迷惑というのは、日本では独自の発達をしたと、心の底からおわびすることなんだということで田中総理はこれを突っぱねた。しかし、最終的には周恩来も毛沢東もこれで納得したという経緯があって、そのやり取りの外交文書は中国側には残っていますが、日本側は全く残っていないということなんです。これはどういうことかよく分かりませんが、これは後でお伺いしたいと思いますが。
 そのときに、その謝罪を明確にしていなかったと、一つある。それから、賠償金は払わなかった。この賠償金と謝罪、僕今やれと言っているんじゃないんです。しかし、そこの根本のところがボタンの掛け違いがあって、やっぱりぎくしゃくしているのかなという気がするんですね。
 村山談話は九五年にされました。これは、中国に対しておわびしたわけじゃない、アジア全体に対するおわびをしたと。総理もこの間これを引用されました。何回おわびしたら済むんだという意見もありますが、中国に対しては一回も言っていないんです、正式には。しかし、今中国がそれ要求しているわけでも何でもない。私は、もうそこは乗り越えたというふうに思っております。
 しかし、若干のこの掛け違いが、ボタンの掛け違いがあったのかなと。したがって、ODAを幾らやっても、これは賠償金というとらえ方をしたとは言っていませんが、言った人も、言った首相もいますけれども、中国の国民は全く分かっていない、分からなかった。この日本のODAが、さっき総理が言われたように中国国民に正当に評価されていれば、反日デモとかというようなことは起こらなかったかもしれないという気がいたします。中国側が一方的に靖国参拝をやめろと言うだけでは私は事態は進まないと思います。
 まず、中国側も反日教育をきっちりやめるべきだと、そして、正しい歴史認識に基づいて、あるいは歴史的な事実に基づいて教育をしてもらいたい。これはもう当然歴史の共同研究は必要だと思います。そしてまた、国際場裏でも反日キャンペーン等は、これは控えてもらいたい。私も、去年四月にニューヨーク行ったときに、ニューヨークの広場の前で在アメリカの中国人がすごいキャンペーンをやっていました、安保理入るのは反対だと。ここまでやるのかなという気がいたしました。
 そして、中国もきちんと国際法を守るべきだと。反日デモで大使館が損害を受けた。これは国際法にのっとってきちんと原状回復すると、謝罪をすると。それをなぜ日本政府は求めないのか。これはいつの間にか直っていました。こういうあいまいなことでは良くないんじゃないか。海洋権益も、侵されたらきちんと抗議するということが必要なんではないかと思います。
 しかし一方で、日本側としても幅広い交流というのはあるんではないか。文化交流、青年交流、あるいは地方自治体の交流にしてみると、日中の姉妹都市というのは三百ぐらいあるんです。しかし、ドイツ、フランスは、その十倍の姉妹都市交流をやっている。これは大変な交流をやっているわけです。日中の協力、あるいはエネルギー分野で、例えばエネルギー効率は中国は日本の十倍も掛かっている。技術協力の余地は十分ある。エネルギーが足りないと言っているけれども、こういう技術協力をすれば中国は相当助かるわけであります。こういう協力をやってもいいんではないか。
 先般、二階経産大臣が中国に行かれました。東シナ海は協力の海だという、共同開発をやりましょうという提案をされました。これは私はすばらしいことだと思うんですね。今日は二階大臣には質問はいたしませんが、極めてこれは適切な提言だと私は思っておりまして、いずれにしても、国際法にのっとってきちんと日本は中国に物を言うということが大事なんではないかと。今までやはりあいまいにしてきたということがあるんではないか。靖国の問題というのは今や、今度は総理が中国に突き付けているカードのような意味合いを持ち始めている面も私はあると思います。まあ総理にはそういう意図があるかどうかは分かりません。しかし、この日中関係あるいはアジア全体も含めて総理はどういう今認識をされているのか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、日中友好論者であります。就任早々、中国の発展は脅威とは受け取らない、むしろ日本にとって中国の経済発展はチャンスと受け止めると。中国の農産物の輸入、どんどん日本に入ってくる、阻止してくれという陳情が私のところにたくさん来ました。しかし、日本も輸出しているんでしょうと、冷静に輸出、輸入、バランスを取って考えなきゃいかぬと、輸入を阻止するだけで日中友好は図れるわけじゃないと。中国、どんどんどんどん日本の企業が進出している、日本が空洞化するんじゃないかと。日本の企業がこれほど中国の安い商品に国内では打撃を受け、日本のいい企業は中国に進出してしまってどうなっちゃうんだといういわゆる中国脅威論あるいは中国警戒論が言われたときにも、私は必ずしもそういう受け止め方はしていないと。だんだんだんだん中国の経済発展は日本にも一つの大きなチャンスであるという受け止め方も私は最近理解されるようになってきたと思っています。
 そして、先日も二階経産大臣が中国を訪問し、日中の油田の問題、対立の海とするのではなく協力の海としようという交渉も今進んでおり、これからやっぱりそういう協議はしていこうと、話合い進めていこうという段取りを今協議しているところだと聞いております。
 私は、日中というのはこれからも友好関係を発展させていかなきゃならないし、韓国も隣国であるし、隣国を大事にしていかなきゃならないという考えでは一貫しております。ただ、靖国の問題で、これでほかの問題を発展させないという考えは取っておりません。だからこそ、様々な経済、文化、スポーツ交流は、いまだかつてないほど進んでおります。相互依存関係は、いまだかつてないほど深く広く発展しております。
 ただ一点、中国は、小泉が靖国参拝する限りは首脳会談を行わない、これが本当にいいことでしょうか。日本の首相が日本の一施設に行けとか行くなということを言われて、はいそうですかといってそのまま従うことがいいことなんでしょうか。戦没者に対する哀悼の念を表することがそれほどいけないことなんでしょうか。これさえしなければ、小泉が靖国参拝しなければ首脳会談を行う、これに多くの日本国民はそのとおりだと思うんでしょうか。私は、一部の意見で相違があっても、対立があっても、日中全体の友好、発展を阻害してはならないということで、その方針どおり、様々な分野で私は就任以来進んでおります。ただ一点、靖国参拝するなと、こういうことについてはいまだに理解に苦しみます。
○高野博師君 もう時間がないので、最後に環境問題についてお伺いしたいと思います。
 地球温暖化の現状というのは大変今深刻になりつつあります。毎日数万ヘクタールの森林が消滅している、あるいは五万ヘクタールの砂漠が毎日できている、それから毎日二百種類以上の動植物、生物が絶滅をしている、膨大な量の氷が解けている、異常気象はもうハリケーン等を見れば明らかでありまして、今世紀中に東京は真夏日が百四十日ぐらいになるだろうとも言われておりまして、食料不足、水不足、これは地球的な規模で進んでおりまして、人類的な課題だと思っておりまして、私の持論は、温暖化というのはもう大量破壊兵器そのものだと、こういう意見について私はそれは賛成しておりますが、温暖化対策を今、政府も一丸となって取り組んでおります。クールビズ、ウオームビズも含めていろんな対策を講じておりますが、京都議定書の目的達成というのはこれは大変難しい状況に今あると思いますが、国際約束をきちんと守るというのが、日本の環境分野で、あるいは全般的な信頼を高めるという意味では非常に重要だと思います。その中で、新しい技術開発とか、あるいは森林吸収源とか、あるいは道路特定財源、あるいは石油特会、こういう予算もこの温暖化対策に使ってもいいんではないかと思っておりますが、京都メカニズムの利用等も、これもあると思います。
 しかし、環境税というものの導入について、これはどうしても必要ではないかなと私は思っております。この環境税は、詳しくは述べませんが、一定の所得配慮もしておりまして、一定以下の住民の方には、国民の方には税金を課さない、それからCO2排出削減努力をしている企業にも、これも軽減をする。いろんな形でこの環境税は財源を新エネ開発とかあるいは森林対策に使う。私は、グローバルビレッジ、地球村のこの住民の住民税というような位置付けもできるのかなと思っておりますが、この環境税について総理と小池大臣から一言ずつお伺いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 財務大臣の担当だと思うんですけれども。
 環境を重視しなきゃいけないということは、もう高野議員とも私は共通の認識を持っていると思います。ただ、そのために環境税を課するということがいいのかどうか、これは税制全体の中で考えなきゃいけない問題だと思っております。
 特に、これは特定財源になりますね。できるだけ特定財源なくしていこうと、一般財源にしていこうということで、道路特定財源も一般財源化するという方針を決めております。その際に、今後、道路特定財源を廃止するという中で当然環境税の問題も出てくると思います。そういう中で、税制全体の中で考えるべき問題だなと。
 今ここで環境税を創設するとかつくらないとか、そういう段階ではないと。よく様々な意見聞きながら、今後、税制改正の議論の中でよく協議して決定すべき問題ではないかなと思っております。
○国務大臣(小池百合子君) 環境税、私どもの設計している形では、特定財源ではなく一般財源化ということで考えております。
 今お話ありましたように、我が国の省エネ技術などを更に伸ばして、京都議定書の目標達成なかなか厳しいものございますけれども、それをしっかりと達成していくことによって、我が国のいろんな意味での経済の、そして外交の武器が出てくると、このように考えているところでございますので、関係の皆様方との御理解を深めてまいりたいと考えております。
○高野博師君 ありがとうございます。終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 二〇〇四年の税制改正で公的年金等控除の縮小、老年者控除の廃止が行われました。その結果、高齢者にとっては大増税だけではなくて、各種社会保険料が連動して上がっていく、雪だるま式に負担が増えるということが当初から心配されていたわけです。その結果どうなったか。正に心配どおりのことが起こっているんですね。(資料提示)
 これは、介護保険料、国保料というのは自治体によって違いますので、これは横浜市の例を挙げました。単身者で年金額が年間百八十万円のケースであります。二〇〇四年には支払義務のなかった住民税、所得税がゼロから二万一千円に、そして国保料は一万三千円から五万四千円に、こう上がっている。それから、介護保険料は今年四月に引上げが予定されておりまして、二万五千円から五万五千円になる。合計して、税と社会保険料で年間三万八千円だった負担が、これ十二万九千円になるんですね。約十万円増えるんです。この間、もう当然ですが、年金は一円も増えていない。それどころか、マイナス物価スライドで年金減っているわけです。〇・三%、来年度は下がる。五千四百円のマイナスになる。
 総理、私お伺いしたいのは、年金収入というのは、これは一円も増えない、むしろ減少している。こういうときに、税と社会保険料だけで十万円も増えるという、これで暮らしが成り立つと思いますか。これは税と社会保険料の問題なので併せてお答えいただきたい。総理、答えてください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、年金課税の見直し、それに国保や介護の保険料も増大すると、こういうことでございましたけれども、個々の方に、特に介護なんかの場合、個々の方には影響を及ぼす場合があると思うんですが、どれだけいただくかというのは市町村が被保険者の所得状況に応じて、その地域は一定なんですから、ですから、今おっしゃったこと、例をどこに取られたか分かりませんが、全部にわたってそういうふうになっているとは思いません。
○小池晃君 いや、こういう例が生まれるんですよ。新たに課税になるのは今回の措置で百万人も増えるというふうに言うじゃないですか。私、これ決して、簡単に今のような答弁で済ませられる問題ではないと思うんです。
 総理、日銀の調査では、七十歳以上の貯蓄なし世帯は、これ二〇〇〇年には七・九%だったのが昨年は二二・四%になっている。三倍ですよ。ですから、貯金取り崩そうとしても、五人に一人が取り崩す貯金もないんです。これが実態であるときに、こういうその社会保険料の負担がどんどんどんどん増えていく、こういうことになれば、これは高齢者の中での貧困と格差、一層拡大することになるじゃないですか。
 社会保険料というのは物価スライドしないんですよ、消費者物価指数にも含まれませんから。社会保険料がどんどん上がっていっても年金に全然反映されない仕組みなんですよ。だから、取られる一方になるんです。こういうことでいいと思いますか。総理、お答えいただきたい。これ今、新聞でも大変な投書が殺到している大問題になっているんですよ。総理、答えてください。
○国務大臣(川崎二郎君) 今、財務大臣からお答えいただきまして、国民健康保険料や介護保険料の算定、御指摘のとおり個人住民税の課税所得、納税額を用いております。国民健康保険料については、保険料負担が増加する被保険者に対し、本来負担すべき保険料額に段階的に移っていくよう二年間の激変緩和の措置を講じております。
 また、介護保険料については、年金課税の見直しの影響を踏まえ、市町村が被保険者の所得状況に応じ、よりきめ細かな保険料段階を設けることができるなど、弾力的な保険料を賦課できるように所要の措置を講じたところでございます。
 今、財務大臣からも御答弁ありましたように、健康保険の収入また介護保険の収入、これは一定額を必要とするわけであります。したがって、これによって増える分を増収分と考えることではなくて、全体の調整の話でございますので、そういった中できちっとやっていけるように努力してまいりたいと思います。
○小池晃君 全く分かってない。これはちゃんと今言った激変緩和措置を入れて表を作っているんですよ。激変緩和でこうなっていくんですよ。激変緩和といっても最初の一、二年だけ取りませんというだけで、いずれは満額になるわけですから、こうなるわけであります。
 私、こういうことを一握りの人だということで、全体は変わらないんだからということで言い逃れることはできないと。これ、現実にこういう負担増になる方が百万人以上の単位で出るという、そういう制度改正やっているんですよ。そのことを本当に問題にしないということ自体が大問題だと私は思います。
 それに加えて、それに加えてですよ、今度の国会に医療制度改革法案ということで高齢者の負担を増やす法案を出されております。現役並み所得の二百万人は二割負担から三割、七十歳から七十四歳までの一般は一割から二割に引き上げる。先ほど、午前中、自民党の議員からも、この負担増による悪影響を危惧する声が出た。
 昨年十月の厚労省試案では、二割にする範囲というのは六十五歳から七十四歳までだったんですね。こうなると、今まで三割だった六十五歳から七十歳までの人は負担下がるわけで、私も珍しく厚労省としては負担下げる提案が出てくるのかなと思っていたらば、十二月に出た与党案では、この部分削除されてしまった。これは総理の御意見で削除されたと聞いていますが、事実ですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 医療保険全体の中で考えるべき問題であって、一定以上の収入がある方には御負担をお願いすると、しかし、所得の問題に対しては十分に配慮するようにということで、一定以下の所得に対しては負担軽減措置がとられております。
○小池晃君 私の聞いたことに答えていない。しかも、一定以上、一定以上と一握りのように言うけど、二百万人ですよ、この現役並み所得というふうに位置付けられる方は。二百万人というのは、私は決して一握りの大金持ちという話ではないと思う。しかも、患者負担増だけじゃないんです。高齢者医療制度のために保険料を新たに投入されている。入院するベッドそのものを、療養病床減らすと、情け容赦ないやり方だと。
 先ほど指摘したように、〇四年以降、税と社会保険料がどんどん上がって、雪だるま式になっていると。そういうときに、医療の保険料を更に上げる、医療の窓口負担を更に増やす、こういうことをやれば、ますます高齢者の生活を窮地に追い込むことになるというふうに総理、思いませんか。総理にお答えいただきたい。
○国務大臣(川崎二郎君) 厚生労働委員会でゆっくり議論したいと思いますけど……
○小池晃君 だからいいですよ、今日は。今日は、だから総理に聞いているんです。
○国務大臣(川崎二郎君) 申し上げますと、三割負担を現役並みの所得がある人にはお願い申し上げました。これは、若い世代に負担をしわ寄せるわけにはいかないと。やっぱりお年寄りでも負担能力ある方にはお願いしたいと。これは自民党の御質問にも答えました。そこは是非御理解を賜りたい。
 しかし、そういっても、入院と外来を合わせた自己負担限度額のほか、現役世代と異なり、外来にかかわる自己負担限度額は設けております。また、低所得者については自己負担限度額を据え置くことにしております。いろいろな方法をやりながら、継続、持続可能なシステムをつくり上げるということが一番大事でございますので、どうぞ御理解をお願い申し上げます。
○小池晃君 いや、理解できません。先ほどから言っているように、高額所得者というけど、二百万人という層を本当に一握りというふうに言えるのかという問題はあるし、七十歳から七十四歳までについては所得にかかわりなく一割から二割に増やすわけですから、そういうごまかしは駄目ですよ。
 私、総理にもうちょっと、根本問題としてこの保険外の負担についてちょっと聞きたいと思っているんですが、その前に、この保険外負担を今度の医療制度改革というのは増やす方向が打ち出されてきているわけですね。医療の負担というのは決してこれは保険の負担だけではありません。差額ベッドの負担もあります。今、公的病院の民間委託や独立行政法人化の影響で増加している。食費、居住費などを保険から外すという動きもある。
 ここでちょっと厚生労働大臣、聞きたいんですが、保険外の自己負担というのは現時点でどれほどの規模になっているんですか。
○国務大臣(川崎二郎君) 全体の規模は把握いたしておりません。一九九二年において一度概数という形でお示ししたことはございますけれども、現実は把握をいたしておりません、古い資料でございますので。
○小池晃君 幾らだったんですか。
○国務大臣(川崎二郎君) その当時ですか。
○小池晃君 通告している。
○国務大臣(川崎二郎君) 総額は、ちょっと待ってください、保険外負担といいましても、ドックもありますし、それから大衆薬も、一つ一つですね、大衆薬は八千九百四十億、人間ドックが六千億、個室等特別料金が二千百億、歯科の自由診療が四千三百億、利用料四百三十億と。全体数字としてお示ししたのかどうかと思って、概数的なものをお示ししたと思います。
○小池晃君 この保険外負担というのは、私は国民経済から見ても無視できないものだと思うんですが、それを厚労省は把握すらしていないというのは、私、本当大問題だと思うんですね。
 私、試算してみたんですが、二年に一回、医療経済実態調査というのを厚労省やっている。これ抽出調査なんですが、この項目の中にその他診療諸収入というのがある。これは言わば自費に当たるということが厚労省の見解でした。それから、差額ベッドの代金もそこに入っているんです。これを全国規模に当てはめると、二〇〇三年で二兆四千億円ぐらいになっている。先ほどあったドックとか大衆薬なんかも含めれば、もっとこれは増えるはずだと思うんです。
 今回の健康保険法の改正ではこの混合診療の拡大につながる条文が盛り込まれて、最終的には撤回されましたが、保険免責制度ということも導入も一時は検討されたわけですけれども、私は、今かなりの額に上っている保険外負担があるときにこういう道を進んでいけば、公的保険の負担が増えるだけではなくて、保険外の負担までどんどんどんどん歯止めなく増えていくことになりかねないんじゃないかというふうに考えるんですが、総理、いかがですか、その点は。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この混合診療については賛否両論あるんですが、是非とも混合診療を認めてくれという要望も強かったんです。
 この混合診療を認めないと、できるだけ先進的な医療技術あるいは海外で承認されている医薬品を使いたいという人も、使える場合は、混合診療を認めない場合には、ある程度までは保険診療は認められている。しかし、そのほかにこういう薬を使いたい、しかしこれは保険認めてくれないという場合に、どうしてもこの薬を使いたいんだと言うと今まで保険まで認められていたのまで全部受診料を負担しなきゃならないと。使いたくてもお金の問題でこれはあきらめざるを得ないという人たちから、認められていない薬でも海外でこれは有効だと、是非とも、こういう保険で認められていない薬を使いたい場合には、今まで保険の部分でも認められている部分は保険で認めてくれと、そして、保険で認められていない部分もそれは自分で負担すると。全額、一つでも保険で認められていない、一部の混合診療を認めると全額自己負担になっちゃうから、これじゃ困るから何とか混合診療を認めてくれということで、一定の部分まで保険で認められているのは保険料負担でいいですよと。これは安くなる。認められていないものを混合診療でやれば、それは負担してくださいというから、結果的に、使える人は費用、負担が少なくて使えるようになったんですよ。これで実に喜んでいる人が多いんですよ。
 これは、認めなかったら全額、一部の混合、医薬品を使った場合に全額保険が認められなくなっちゃうというのを改善したんですよ。だから、これは私はむしろ評価されてしかるべきじゃないかなと思っているんです。
○小池晃君 そういうものは保険が認められないという前提のようにおっしゃるけれども、今までの日本の医療というのは、高度の医療、新しい技術が開発される、新しい技術が出てくる、それをしっかり保険で認めるという方向で今までの医療政策というのは進んできたんですよ。それが、本当に時間が掛かるという問題ありましたよ。しかし、総理が言うように、それはもう保険じゃ利かないんだからという議論にしちゃったら、どんどんどんどん自費部分が広がっていくという流れにならざるを得ないんですよ。
 正に今回の改悪法案というのは、そういう方向を私は本当に加速する危険があると思っている。そう言っているのは、私だけではない。アメリカの保険会社なんかはそのことを今盛んに宣伝しているわけであります。(資料提示)
 これ、ごらんいただきたいのは、全国紙、ぶち抜きで広告出ました。名前は消してありますが、アメリカの保険会社です。宣伝文句に書いてあるのは、影の治療費とのし掛かる自己負担だと、こう言っているんです。影の治療費というのは、すなわち保険外負担であります。のし掛かる自己負担というのは、公的保険の負担が増えていくこと。結局、だから民間保険に入らないと大変なことになりますよ、こういう宣伝を盛んにやっているんです。
 患者負担増というのも深刻な受診抑制をもたらすけれども、私は、その公的保険の、今言われたような公的保険の範囲を狭めていって保険外負担が増えていくというのは、医療保険制度の土台を掘り崩すことになると思うんです。保険で診てもらえる範囲が小さくなれば、差額を払わなければ、その分が出せない人は適切な治療を受けられない、そういうことになっちゃうんです。収入の差、支払能力の差が治療内容の格差になっていくと。今までの日本というのは、どんなに先進医療でもできるだけ保険で診ようじゃないかという方向で頑張ってきたと。それをやめてしまうということになる。民間保険に入って高い保険料を払わなければ、影の医療費も、のし掛かる自己負担も支払えない、こうすればまともな治療を受けられない。
 総理、日本の医療をそんな姿にしてしまっていいのかということを今問われているんじゃないんですか。その点についてどういうお考えですか。総理、お答えいただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、公的保険制度をなくすものじゃないんです。公的保険というものは持続可能な制度にしていかなきゃならないと。病気にならないで、病院にも行かないで保険料を負担しているからこそ今の公的医療保険制度というのは維持されていくんです。
 そういう中で、先進的な医療、あるいは日本では使われていないけれども海外で使われている医薬品を使いたいという人、ある程度お金掛かっても使いたいというんだけれども、これを使っちゃったら、今までの保険で払われていた医療までが全部自己負担になったら、とても使うことはできないと、何とか使わしてくださいという声にこたえて混合診療を認めたんですよ。
 だから、そういう中で、これがどうして公的保険制度をなくすことになるんですか。アメリカの言うとおりやっているということになるんですか。日本国民の患者さんが要望していたんですよ。何としても自分治したい、生きたい、先進的な保険負担だと……
○小池晃君 それは保険で診ればいいんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それを全部保険で診るといったら、どれだけ金掛かるんですか。これは、保険制度というのは、公的保険制度というのは、保険料と国民の税金と患者さんの自己負担で成り立っているんです。ですから、今まで診た、保険でどうしても必要な医療は診なきゃならないというのは税金使います。
 そういう中で、なお保険では診れない特別な高度な医療ということに対しては、使いたいという人に対しては、今までの保険でも診れる制度をつくる、なおかつ自己負担でもしたいという人の選択を認めて、できるだけ患者さんの負担を少ない制度で認めたのが混合診療なんですよ。
○小池晃君 委員長、もういいです、もういいです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もういいですって、大事なことを話しているといいですいいですと言って、一方的な共産党の立場で負担ばっかり強調して、恩典というものを全く無視してけしからぬけしからぬと言う。余りにも偏見と誤解に満ちている質問だから正しい答弁をしているんです。
○小池晃君 これは、私、私共産党というけど、そういう党派の主張じゃないと思いますよ。これはかなり多くの医療関係者の声を私は代弁している。間違いないですよ、これは。
 いろいろとおっしゃるけれども、選択肢が広がったとしても、それは支払能力のある人にとっては選択肢広がるかもしれないけれども、支払能力なければ命の選択肢すら奪われることになるんですよ。だから、私が言っているのは、そういうものは基本的に保険で診る努力をこの間してきたではないかと、それを投げ捨てていいのかと。
 もし、ごく一部の高度の医療ということでいうのであれば、特定療養費という制度が今まであったんですよ。その制度の枠内で処理できる問題ですよ。ところが、混合診療ということに踏み切るというのは、それとは質的に違う道歩んでいくことになるんです。
 しかも、これがどういう中身なのか。こういう混合診療を熱心に推進している内閣府の規制改革・民間開放推進会議の議長オリックスの宮内会長、何を言っているか。医療イコール保険だけではなく自由診療を認めるという考え方だと、公は保険、民は自由診療で、多様な要求に応じればよいと。国民がもっと様々な医療を受けたければ、健康保険はここまでですよ、後は自分でお支払いくださいという形だと。金持ち優遇だと批判されるが、金持ちでなくとも高度医療を受けたければ家を売ってでも受けるという選択をする人もいるでしょう。こういう人が会長として旗振り役をやって混合診療を誘導しているんです。これは正に利益誘導じゃないですか。こんなことを許していいのかということを私、問われているというふうに思います。
 これちょっと、先ほど長い答弁で時間なくなってしまいましたが、私は、今度のやり方というのは正にアメリカと日本の財界の要求で、公的医療の縮小と医療の市場化を進めるものになる。なぜ彼らの負担減、なぜ彼らのもうけのために国民が大変な負担増を押し付けられなきゃいけないのか、国民皆保険を崩壊させなければいけないのか。本当に今度のやり方には一片の同意もないというふうに思いますし、医療改悪法案の撤回を求めて質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
 参議院ではなぜ予算に先立って決算委員会を開くか。これは冒頭にも出ましたが、それは参議院が決算審査を重視をして、その結果が直ちに来年度の予算に反映できるように全党派が一致協力して努力をしているがゆえです。
 そこで、今日、私は、昨年六月の参議院の警告決議が政府予算案にどう反映をしたのか、特別会計に絞って質問をいたしたいと思います。
 政府は、二〇〇六年度の予算案で十三兆八千億円を特別会計の積立金から活用する、そしてまたそれを含めて今後五年間で二十兆円を活用するとしているわけですが、これは従来の姿勢から見るとそれなりきに努力をされたものと評価をいたしますけれども、しかし、今日はその中身について突っ込んで議論をさせていただきたいと、こう思います。
 まず、財務大臣、十九年度以降の四年間で特会から六兆二千億円、年平均で一兆五千五百億円の活用ということですね。じゃ、従来はどうだったか。まずパネルを見ていただきたいと思います。(資料提示)この一般会計への繰入れは、この右側の斜線の棒グラフですね。毎年、外国為替特会から一兆五千億円前後繰り入れているわけですね。この点、財務大臣、この外為特会から過去五年間、一般会計に幾ら繰り入れられたのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 外為特会から一般会計への繰入れは、平成十三年度から平成十七年度までの過去五年間で合計約七・八兆円です。毎年平均で約一・六兆円繰り入れております。累計で約十八兆円の繰入れを行ってまいりました。ただ、外為特会からの剰余金の繰入れは、それは市場の動向とかそれからそのときの為替介入の方向等によりまして常に変動するものであるということは御理解いただきたいと思います。
○又市征治君 そんなことはないですよ。だから私このグラフをわざわざ左側の分のこれを見せたのであって、毎年コンスタントに二兆円から三兆円そういう意味では利益が上がっているわけですよね。そういう点で、一般会計に繰り入れていたのはその一部にすぎないわけであって、今あなたがおっしゃった七兆余りですよね、そんなわけであって、ちょっとそういうごまかしはいかぬですね。つまり、この六兆二千億円あと四年間でやりますよと、こう言うけれども、従来どおりの繰入れをやっていけば十分に達成できる額だということは、このグラフでもあなたの今の五年間の過去の例をおっしゃっても証明されているわけですよ。
 そこで、総理にお伺いいたしますが、毎年既にやってきたこの繰入れ額を、ましてこういう格好でずっと利益が上がっているわけでありますから、これまで今後の改革目標だと言って数え上げて、これを含めて二十兆円の活用だ、特別会計の改革だと、こう言ったって、これは今はやりの偽装改革じゃありませんか。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、それは又市先生、余りにも辛い評価でございまして、いや、それは為替の水準というのは常に変わりますから、日本の介入はやはり円ドル関係の場合が多いですけれども、今後円ドル関係がどういうふうになっていくか、為替介入の水準がどうなのか、それから日米の金利差がどうなのか、まあ五、六年先まで予想しろったってなかなかこれは予想できるものじゃありません。その点は御理解をいただきたいと思います。
○又市征治君 それは大臣、大臣のお言葉とも思えませんね。逆に言えば、今おっしゃっている点については外為特会の資金の方でしょう、それは。じゃ、資金ではちゃんと別に百四十二兆円準備されているじゃありませんか。そういう問題があるから、問題はこの点でいうならば、利益の中からの繰入れの問題を私申し上げているのであって、これは困りますよ。それは答弁要りません。
 そこで、次のパネルを見てください。
 まず、青い折れ線グラフの点ですけれども、外為特会は今二兆二千二百五十億ですね、これの剰余金のほかに当面全く使われない積立金があるわけですね。過去十年で五兆九千億円増えまして、現在は十三兆四千億円あるわけですね。とすれば、財務大臣、この積立金を活用して、毎年一兆円以上を従来の約一兆五千億円にプラスをして、今言った一兆五千億円、一般会計に繰り入れる、つまり国民の生活向上のために、あるいは景気下支えのために使えるんじゃないですか。そのことがまず一点。
 あわせて、外為特会が積立金を取り崩さなければならなかったそういう年というのは過去五十年の間に何回、いつあったのか、ちょっと教えていただきたい。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の積立金、これは運用益ですね。要するに、それぞれの金利差の差等から生ずる運用益で累積三十二兆、今まで運用益があるわけです。そのうち十八兆を今まで組み入れてまいりまして、それが今おっしゃった、最近何兆入れたというのが、うち十八兆になるわけですね。それで、残額の十四兆を積立金として残しているわけであります。しかし、これは将来における歳入不足の可能性に設けて備えられているんでございまして、現在時点でその積立金を全部取り崩してしまうということは、私は、これは外為特会の健全性からいって、ああ、そうですかと言うわけには申し上げられないと思います。
○又市征治君 外為特会で、過去五十年の。
○国務大臣(谷垣禎一君) 基本的に取り崩したことはありません。
○又市征治君 取崩しは、私が調べたところによると、昭和三十三年と三十四年、二か年、若干取り崩したということがありますけれども、しかしまあ大変にたまりにたまってきている、こういうことなんでありまして、ここらのところはもう少し、今日はまあ総論的でありますからそれ以上突っ込みません。
 いずれにしても、この外為の積立金のやっぱり取崩しという問題について、さらに検討課題としてしっかり議論いただきたい。何か将来のために、将来のためと言いながら五十年間やってきたけれども、何のことはない、過去、昭和三十三年、三十四年ですよ。今どんどん、グラフ見てください、上がっているだけなんであって。だから、そこらのところは是非論議をしていきたいと、こう思います。
 ついでに、この赤い折れ線グラフも見てください。財政融資特会の積立金ですよ。
 今回初めて十二兆円を取り崩すと、こうおっしゃる。その問題点は後で質問しますけれども、それでもなお残高見込みは十八兆七千七百億あるわけですよね。先ほど直嶋委員からもこの点については追及がありました。全く同意見です。ここからも毎年一兆円ぐらいは一般会計に繰り入れて、そういう意味では景気の後押しであるとか国民の暮らしに還元できるんだと、私どもはそういう考え方、これは民主党さんも同じ考え方、是非ともこの点は、これはきちっと指摘を申し上げておきたい。今後の中でしっかりと論議をさせてもらいたいと、こう思います。
 次に資料の二枚目、お配りした資料の二枚目を見ていただきたいんですが、二〇〇六年度予算のこの特別会計からの資金の活用で、もう一つ疑念が私はあるわけです。電源開発特別会計から一般会計への繰入れ五百九十五億円の問題です。
 これは財務大臣、現実は借入れでしょう、これは。借り入れて後で返すわけですね。そうすると、これがいわゆる昔から言った隠れ借金とか隠れ国債というものじゃないんですか。
 ちなみに、この五百九十五億円を他のところから収入がないということでこれ国債で調達をしたら、国債の総額は幾らになりますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 仮に電源特会から一般会計への繰入れを行わないでその分を国債で調達したとして機械的に計算した場合、これは、国債発行額は、平成十八年度予算では二十九兆九千七百三十億円ですが、五百九十五億円を合計して三十兆三百二十五億円ということであります。
○又市征治君 ですから、そういう意味では、国債だと三十兆円以下だという公約を突破してしまう、だから隠れ借金を加えて公約を守ったように見せている。これもさっき申し上げたように偽装あるいは粉飾決算ならぬ粉飾予算だというふうにこれはやっぱり見られるんじゃないですか。
 そこで、総理、私はこれはずっとこの決算委員会でこのことを申し上げてきたんだけれども、特に今申し上げたいのは、特別会計を改革しようというやさきですよ。こんなこそくな粉飾というのはやっぱりやめましょうや、これ。電源特会は、再三私は指摘してまいりましたように、剰余金と資金だけで三千三百二十億円もあるわけですよ。これ堂々と一般会計に回収すりゃいいじゃないですか。それで済むんじゃありませんか。そういう会計が幾つも幾つも幾つもある。そういう問題をずっとこの決算委員会で、だから特別会計の警告決議が上げられているわけですよ。
 だから、その点、いや、そんなこと言ったって一挙に今年はそんなことできぬわと、こうおっしゃるのかもしれぬが、逆にさっきの、私は申し上げたような粉飾決算ならぬ粉飾予算とは言われるようなこんなことはやめて、それこそ先ほど総理が直嶋委員に、いや、いい提案があったらそれはどんどん乗りましょうと、これは是非検討しましょうと、こうおっしゃったわけですから、今のようなこうした五百九十五億円をちょこっと借りてきて、また後で返して、国債は三十兆の枠で抑えましたなんて、こんなことをやめて、ここのところを抜本的に改革したらどうですか。その点についての総理の御見解をお伺いしたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 特別会計と一般会計についての問題、先ほど直嶋議員にもお話ししたんですが、直嶋議員の提案というもの、これはもっと特別会計から一般会計へ繰り入れる額があっていいのではないかと、十二兆円では少な過ぎると、もっとできるという考え方でありますので、そういう点については、具体的な提案ですので、今後真剣に検討していくべき問題だと。
 今、また一般会計から特別会計へ繰り入れる、そういう問題もありますのでですね。両方あるんですよ。これはよく両方点検していかなきゃならない問題だと認識しております。これもやっぱり改革すべき課題だと思いますので、具体的な提案がそれぞれ出てきておりますので、そういう点も踏まえて今後改革していきたいと思っております。
○又市征治君 ちなみに、私もずっとこれ、特別会計一本でと言っていいぐらいに、これはもう財務大臣と随分と議論させていただきまして、それなりきに改善をされたりなんかしたものについては、それは評価をするというのは冒頭申し上げたとおりです。
 しかし、今申し上げた点で少しだけ補足して申し上げておきますと、これ、積立金、資金、剰余金、繰越金などなど、こういろいろとたくさんあって、この中で改革をやる場合に私は一つ必要なことがあると思っているんですよ。例えば、こうした剰余金などで取崩しをやる場合に、一本ちょっと法律作りゃいいだけなんですよ。
 その中身、例えば登記特別会計、財政融資資金特別会計、外国為替資金特別会計、産業投資特別会計、電源開発特別会計、石油及びエネルギー特別会計、特定国有財産整備特別会計、農業経営基盤強化措置特別会計、国営土地改良事業特別会計、特許、道路。もう特会と言うのをやめましょう。特許、道路整備、治水、港湾整備、自動車検査登録、それから都市開発資金融通、それから空港整備。これだけの特会なんかは、この剰余金は八兆円強あるわけですよ、単年度でね。これらは、当分の間、一般会計の財務状況が改善するまでの間、一般会計に繰り入れると、これだけのことを条文作ってやればこの金は入れれるわけですね。
 こんなことを国民に、さっきからずっと、今日も朝から出ているように、国民に負担で、医療費を、お年寄りが医療費上がって、そのために自己抑制をして、また今度は気付いたころには大きな医療費が掛かると、こういう問題になったり、定率減税の縮小だ、廃止だなんということで増税に行くんじゃなくて、こんなところには八兆円も毎年出ているわけですよ。それは、いつもかも八兆円とは言いませんよ。だから、こういうことを、正に小泉さん、それこそ改革をやる、その改革は国民生活を、経済活性化されて国民生活を豊かにするんだと、今日冒頭におっしゃいました。そういう立場に立って、この点については是非今後、更に個別の問題はこれからの省庁審議の中でやってまいりますから、そういう点で、また財務大臣ともやらせていただきますけれども、本格的にやっぱり今やらないと、今の会計全体を見ますと、私は、やっぱり前は、塩川さんは離れですき焼きと言ったけれども、私に言わせたらこんなの地下室でステーキ食っているようなものでね、大変なやっぱり、省庁はやっぱり囲い込みで大変ですよ。この点は、党派問わずにみんな特別会計問題大変だということでやってきたわけですから、是非この点はしっかりと取り組んでいただきたい、この点を申し上げておきたいと思います。
 最後に、総理に一つ、この特別会計の活用方法の問題について、これ意見、問題提起をしたいと思うんです。つまり、今申し上げたような余剰資金などの使い道についてですね。で、使い道は大きく分けて私は二つあると思うんです。先ほども申し上げました。総理は、改革なくして成長なしだと、その改革は、やはり経済を活性化をさせて国民生活を豊かにすることが、それが目的だと、こうおっしゃった。だとすれば、この使い道、国民の暮らしの改善策をやっぱり優先をする、GDPの六割を占める個人消費の拡大から、そこを拡大すれば逆に増収も上がってくる、こういう道を取っていくというのは、私は今の情勢に対しては一番的確な道ではないかと、こう思う。
 しかし、今政府案が示しているのは、大部分の十二兆円を国債償還の前倒しに使う、こんな格好ですよね。むしろ、私に言わせるならばこれは後ろ向きの財政政策ではないか、こう言わざるを得ません。景気は回復した、回復したと言うけれども、しかしメガバンクや大企業ばかりで、じゃ地方の方はどうか。やっぱり一進一退というかいまだしというか、そういう状況にあるし、今日も出ましたように、所得や資産の格差が拡大をしている。それは、総理と私とは認識が違うのかもしらぬけれども。京都大学の橘木教授も言うように、日本は平均所得の半分以下の貧困層が一五・三%に増えて、OECD加盟先進国のうちアメリカ、アイルランドに次いで三番目になったと、こう言っています。
 各種世論調査、この間から出ています。格差が拡大をしているというのは七割以上だと、こういうふうに、こんなことを裏付けをしているという状況に今あります。そのときに定率減税の廃止を行います。それで増税に転じたりすれば、景気回復がやっぱり底支えになっていくのか、大変私は難しい、地域格差もいろいろとあるけれども、大変難しいんではないのかと、格差は更に拡大するんではないかと、こう思います。
 また、先ほど申し上げたように、高齢者の医療負担増というのは受診抑制をもたらして、結局はイギリスの例で明らかなように、その後に大変な医療費が掛かった、より支出増がもたらされたと、こういうことはやっぱり学ぶべきだと思うんです。
 小渕内閣時代に十年物国債を大量に発行したと、だからこれを返すために平成二十年問題があるということはそのとおりですけれども、一挙に十二兆円もの償還の繰上げではなくて、さきに述べたような景気回復策というものを優先すべきであり、それが今国民が求めている生活実感だろうと私は思います。
 そういう意味で、総理に最後にお伺いをするんですが、特別会計の余剰金の活用については、まず増税や医療費などの負担増をやめて消費を拡大して景気の下支えに充てるべきだと、こういうふうに私は思うんですが、総理のこの辺の基本的な認識についてお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国債費の償還に充てるよりも税負担の軽減に充てるべきではないかということだと思うんですが、国債発行、これも国民負担なんですよ、これは将来に対する増税と同じですから。こういうことを考えると、この国債発行をいかに減らしていくことということは国民の税負担の軽減にもつながることなんです。今は見えませんよ、今はもう景気対策というと、今まで国債を発行して公共事業やれなんというのはどんどん言われたけれども、それは将来に対する増税ですから。
 こういう問題を考えると、現在の税負担と将来の子の世代あるいは孫の世代に対して税金払ってくれという、これが国債発行ですから、そういうことを考えると、やっぱり税負担の軽減と国債発行をいかに減らすかというための改革は必要であって、これは両方やっていかなきゃならない問題であります。
 特に、社民党も前々からの議論で国債発行をできるだけ減らせという主張は展開しているわけでありますので、そういう点に関しても、国債発行を減らすような、これは税負担の軽減にもつながるという点については御理解をいただきたいと。
 それと同時に、今言った特別会計大事ですよ。この剰余金の問題、この点で十分なのかと、もっと剰余金を一般会計に繰り入れることできるんじゃないかという点は、具体的な提案もありますので、この点については今後真剣に検討していきたいと思っております。
○又市征治君 時間が来ましたから終わりますが、私が申し上げているのは、国債発行を減らしていくというのはそれは当たり前のことなんで、一挙に前倒してそこまで今やらなくて、もう少し景気回復というものの下支えをしっかりやる時期じゃないのかと。国民の暮らしを、総理が言うように、やるんならばやっぱり豊かになることを通じながら増収を図られていく、そこから返していくという、そういう道をもっと今優先をすべきではないかと、こう申し上げているわけでありまして、まあこの点は大変小泉さんはやっぱり国民生活に冷たいなと、こういう感じがいたしますが。
 まあ時間が参りましたから、今後は更にこの委員会で引き続き特別会計問題については論議をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 終わります。
○委員長(中島眞人君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中島眞人君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(中島眞人君) この際、お諮りいたします。
 今後、省庁別に審査を行うに当たりまして、各省各庁及び政府関係機関から提出されております決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取につきましては、議事の都合により、いずれもこれを省略し、本日の会議録の末尾に掲載したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十三分散会