第164回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第6号
平成十八年六月十四日(水曜日)
   午後一時一分開会
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   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     水岡 俊一君     佐藤 泰介君
     谷合 正明君     遠山 清彦君
     鰐淵 洋子君     弘友 和夫君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     井上 哲士君     仁比 聡平君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     仁比 聡平君     井上 哲士君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     黒岩 宇洋君
     鈴木  寛君     主濱  了君
     松井 孝治君     水岡 俊一君
     山下八洲夫君     大江 康弘君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         泉  信也君
    理 事
                谷川 秀善君
                鶴保 庸介君
                森元 恒雄君
                家西  悟君
                佐藤 道夫君
                辻  泰弘君
                福本 潤一君
    委 員
                浅野 勝人君
                荒井 正吾君
                市川 一朗君
                荻原 健司君
                木村  仁君
                小泉 顕雄君
                鴻池 祥肇君
                中原  爽君
                藤野 公孝君
                真鍋 賢二君
                吉村剛太郎君
                足立 信也君
                大江 康弘君
                黒岩 宇洋君
                佐藤 泰介君
                主濱  了君
                高嶋 良充君
                千葉 景子君
                水岡 俊一君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
                西田 実仁君
                弘友 和夫君
                井上 哲士君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
   衆議院議員
       発議者      鳩山 邦夫君
       発議者      大野 功統君
       発議者      岩屋  毅君
       発議者      佐藤 茂樹君
   国務大臣
       総務大臣     竹中 平蔵君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
       常任委員会専門
       員        田中 英明君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    久保 信保君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○継続調査要求に関する件
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○委員長(泉信也君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、谷合正明君、鰐淵洋子君、鈴木寛君、松井孝治君、小川勝也君及び山下八洲夫君が委員を辞任され、その補欠として佐藤泰介君、遠山清彦君、弘友和夫君、主濱了君、黒岩宇洋君及び大江康弘君が選任されました。
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○委員長(泉信也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第三三号)の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉信也君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(泉信也君) 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第三三号)を議題といたします。
 発議者衆議院議員鳩山邦夫君から趣旨説明を聴取いたします。鳩山邦夫君。
○衆議院議員(鳩山邦夫君) ただいま議題となりました自由民主党並びに公明党共同提案の公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 もとより、選挙権は、国民主権を宣言する日本国憲法において、国民の最も重要な基本的権利の一つであることは言うまでもありません。今国会では、在外投票制度の対象選挙を衆議院小選挙区選挙及び参議院選挙区選挙の在外投票を可能とする公職選挙法の改正を行ったことは各位御高承のことでございます。
 我々は、選挙権が国民にとって重要な参政権の一つであることから、でき得る限り国民すべてが実際に選挙権を行使できる環境を整備する必要があると考えております。
 また、今日、国際化が進み、国外に出国する邦人が、平成十六年は一千六百八十万人を超え、年々増加しております。現在の法体系の中では、国外出張、海外旅行などで一時的に国外に滞在する邦人が国外において投票する方法がなく、選挙権を行使するには一時帰国して投票するしかございません。
 我々は、これら邦人が将来、選挙権を行使できるよう制度を整備することが望ましいと考えております。しかしながら、今直ちにすべての人に選挙権を行使させることは、選挙の公正の確保や国外における不在者投票の現実的な実行可能性を考慮すると、極めて困難であると判断しております。
 我々両党は、このような共通の認識の下、真摯に協議を積み重ねた結果、今回、国外における不在者投票制度の創設等の提案に至ったことをまず申し上げる次第です。
 さて、現行の公職選挙法におきましては、国内に住所を有し、一時的に国外に滞在する有権者が選挙の投票を国外で行う方法は、船員が船舶内で行う不在者投票以外にございません。このため、こうした一時的な国外滞在者のほとんどは事実上選挙権を行使する機会が非常に限られたものとなっております。
 その中でも、法律の規定に基づき、国の任務を担い、国の命令を受けて国外に派遣される者につきましては、一方で日本国憲法及びこれを受けた公職選挙法の規定により選挙権の行使を保障されておきながら、他方で派遣を定めた別の法律をもってその行使の機会が事実上奪われるという状況が生じております。
 そうして、こうした状況を改善すべく、国外において公正、適正な選挙の実施が確保されることを前提に、これらの者の選挙権行使の機会を回復する措置を講ずる必要があります。
 また、南極地域観測隊の問題もございます。南極の厳しい自然環境の下では他の地域への移動もままならないため、南極地域においては、投票用紙の送致を伴う通常の不在者投票の実施は事実上不可能でございます。
 南極地域観測隊は、昭和三十一年以来、四十七次にわたり南極地域に派遣され、大きな学術上の成果を上げてきたものでありますが、その一方で、その隊員の選挙権の行使は閉ざされ続けてきました。
 そこで、こうした南極地域観測隊員につきましても、その選挙権行使の機会を確保するための措置を講ずる必要があります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
 第一に、国外における不在者投票制度の創設であります。
 まず、法律の規定に基づき国外に派遣される組織のうち、その長が当該組織の運営について管理又は調整を行うための法令に基づく権限を有すること、当該組織が国外の特定の施設又は地域に滞在していることという二つの要件を満たす組織であって、当該組織において不在者投票が適正に実施されると認められるものとして政令で定めるものを特定国外派遣組織と定義しております。
 そして、この特定国外派遣組織に属する選挙人で国外に滞在するもののうち職務等のため選挙の当日投票することができないと見込まれるものの投票については、政令で定めるところにより、不在者投票の方法により行わせることができるものといたしております。
 なお、今回の国外における邦人の不在者投票は、国政選挙だけではなく、地方選挙についても対象といたしております。
 第二に、南極地域観測隊の隊員等のファクシミリ装置による投票についてであります。
 南極地域観測隊の隊員等で、南極地域にある科学的調査の業務の用に供される施設又は本邦とその施設との間において南極地域観測隊を輸送する船舶に滞在するもののうち職務等のため選挙の当日投票することができないと見込まれるものの衆議院選挙の総選挙又は参議院選挙の通常選挙における投票については、政令で定めるところにより、ファクシミリ装置を用いて送信する方法により行わせることができるものといたしております。
 第三に、施行期日でありますが、第一の国外における不在者投票制度の創設につきましては、公布の日から起算して九か月を超えない範囲内において政令で定める日から、第二の南極地域観測隊の隊員等のファクシミリ装置による投票につきましては、公布の日から起算して六か月を超えない範囲内において政令で定める日から、それぞれ施行するものとしております。
 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○委員長(泉信也君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○家西悟君 民主党・新緑風会の家西悟でございます。
 ただいま議題となりました公職選挙法の一部改正する法律案に対し質問さしていただきます。
 本題ですけれども、自衛隊がカンボジアで最初のPKOに派遣されてから十三年がたちます。また、南極地域に観測隊を派遣してから五十年余りたつわけですけれども、そもそも在外選挙制度が創設されたのが一九九八年、平成十年です。それまでは、国外に居住する日本国民には長い間参政権が保障されていませんでした。
 まず、基本的事項についてお尋ね申し上げます。今回、国外における不在者投票制度が創設されることになるわけですけれども、私自身不勉強で大変申し訳ございませんが、今までこのような制度がなかったということに驚きを感じます。
 そこで、鳩山先生にその辺の御認識を含め、御提案の趣旨を再度御確認申し上げます。
○衆議院議員(鳩山邦夫君) 選挙権を有する日本人が、どこにいようとできる限り広い範囲で投票権を行使できるようにするべきだというのは当然のことだろうと思っております。
 ですが、国外に滞在する方で、住民票を抜いて国外に滞在をする場合はいわゆる在外投票制度ということでいけるわけです。これはもちろん一定限度以上、住所を日本から外国に移す方ですから。そうでない方は、出張とか旅行とかスポーツ選手とか、あるいはオリンピックの競技だとかいろんな形態が考えられるわけですね。もちろん会社の出張命令ということもあるでしょう。
 それらを考えますと、いずれ電子投票等も発達をして、本人確認の仕方も完璧であって、どこにいようと、月にいようと火星にいようと投票できるような仕組みができれば本当は一番いいわけですが、現実的には海外における不在者投票というのは今までなかった。船員が船舶で行う場合、これは主にマグロ漁船なんかが遠洋漁業へ出た場合と。そういうようなこと等がありますので、できる限り範囲を広げたいと思いますが、いわゆる選挙は公正に適正に運営されないといけないという要請がありますので、海外へ出ている日本人にはどんな種類があるだろうかといろいろ分類した中で今回のような法律案になったということを御理解ください。
○家西悟君 それでは、本法で言う特定国外派遣組織とは具体的にどのような組織を言うんでしょうか。国外に派遣されるということを考えると今回の南極観測隊や自衛隊などは想定の範囲内ですが、ほかにどのような組織が考えられるのでしょうか。その点、もしお分かりでしたらお答えいただければと思います。
○衆議院議員(佐藤茂樹君) 家西先生御質問の特定国外派遣組織というのは、法律にも明記をさせていただいておるんですけれども、我々は、法律に基づき国外に派遣される組織のうち二つの要件を満たす組織というように規定をさせていただきました。
 一つは、当該組織の長が当該組織の運営について管理又は調整を行うための法令に基づく権限を有している。もう一つは、当該組織が国外の特定の施設又は区域に滞在していることのいずれにも該当する組織であって、当該組織において国外での不在者投票が適正に実施されると認められるものとして政令で定めるものをいうこととしているということで規定させていただきました。
 それで、現行のこの法律に基づいて派遣されている組織のうちいかなるものが該当するのかということを全省庁集めまして我々も調べましたけれども、その中で具体的には五つの法律に基づいて派遣されている組織が今現状では当たると我々は考えておりまして、一つは、PKO協力法に基づき派遣される自衛隊、さらに選挙監視要員に係る組織、さらに文民警察要員に係る組織、こういうものが一つのグループとしてあります。二つ目は、テロ特措法に基づき派遣される自衛隊、こういうものがあります。三番目に、イラク特措法に基づき派遣される自衛隊、これが三つ目のグループです。四つ目が、国際緊急援助隊法に基づいて派遣されております、今例えばジャワ中部地震で派遣されている国際緊急援助隊がございますけれども、こういうことで派遣されている救助チーム、さらには医療チーム、専門家チーム、そして自衛隊、こういうグループが四つ目のグループでございます。もう一つが、五つ目のグループは、防衛庁設置法という法律に基づいて国外の訓練のために派遣される自衛隊、こういうものを今一般的に該当する組織と我々は見込んでおります。
○家西悟君 それで、もう一度質問をさせていただきますと、今お答えのように、法律に基づいて外国に派遣される組織のうち次に該当するものということですが、オリンピックやその他の国際競技に参加される、先ほど鳩山先生もちょっと触れていただきましたけれども、そのようにスポーツ選手団ですね、そういう方は対象にならないということなんでしょうか。今ちょうどワールドカップで、サッカーの、ドイツでワールドカップをされているわけですけれども、そしてオリンピックが開催の年に当たっていて、そのときにちょうど当たるということになれば、オリンピック選手団。
 これは確かに法律に基づいて行っているわけではありませんけれども、かなり多くの方がこういう場に参加をされ、そして特定の場所におられるわけですから、これは範囲に何とかならないものかなというふうに私自身考えるわけですけれども、その辺の問題についてはいかがお考えでしょうか、お答えいただければと思います。
○衆議院議員(大野功統君) 先ほど鳩山先生からお答え申し上げましたとおり、国外にいようと国内にいようと、基本的権利である参政権、選挙権というのは認められるのが当然である、このことはもう基本的認識としてあります。ただ、選挙というのは公正にやらなきゃいけない、ですから本人が確認できるのかどうか、それから投票用紙を持っていくのに時間が掛かるじゃないか、こういう実行可能性の問題があるわけでございます。
 そういうことを勘案して、選挙が公正に行われる等々を考えますと、どうしても限られてくる問題があるわけです。そこへもってきて、いわゆる国のために言わば参政権を、旅行者なら例えば自分が旅行する時期を投票日とずらして行けばいいんですけれども、例えば法律に基づいて国外に派遣される者、これは投票権を奪われている、参政権を奪われているわけですから、これを回復してあげるのは政治の責任じゃないか、こういう認識で今回、法案を作っております。
 したがいまして、法律に基づくことが一番。じゃ法律とはどこまでなのか、こういう議論はまた別といたしまして、したがいまして極めて我々の、スポーツ選手とかあるいは民間のビジネスで旅行する人とか、サッカーの試合もおっしゃいましたけど、いろんなケースがありますけど、今回は、言わば法律に基づいて参政権を奪われた、こういうものを救済しようじゃないか。
 私は、小さな一歩かもしれませんけど、これで大きな風穴が空いた。と申しますのも、これまでは、先生御指摘のとおり、内閣の方では、こういうように非常にずばっと切っていかなきゃいけない問題があるものですから、どちらかというとちゅうちょしておりました。これを議員立法でそういう考えでやったということで御理解いただきたいと思います。
○家西悟君 よく分かります。ただし、オリンピックやワールドカップに参加する選手というものはある種、選手団も含めて役員の方々も、非常に、それは法律というふうに言うと難しいのかもしれませんけれども、国家の威信、もうある種国民の大きな期待を背負い、そして出られるわけですよね。そして、オリンピックなんかでいうと日本オリンピック協会なんかの推薦というか公認を受けて出国されるわけですから、そういう人たちにもできれば私は範囲を拡大を今後検討をいただきたいという思いでおります。その辺はよろしいですか。
○衆議院議員(大野功統君) 先生おっしゃるとおりだと思います。つまり、選挙というのは国外であろうと国内であろうと変わらないんだと、選挙権というのは。
 次に問題になるのは、言わば公正にできる、実行可能性、この問題でございますから、今は今回の法律に基づいて選挙をやってみて、そしてその結果を見ながらまた政令で書くことについて今後みんなで協議しながらやっていいんじゃないか。大きな理想はやっぱり国内外問わずみんなだと、しかし今回はそこから出発したと、こういうふうに御理解いただければと思います。
○家西悟君 よく理解しております。是非とも、今後の対応ということで期待をしたいと思いますし、それは各党の意見を反映をさせていただくようにお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、南極観測隊の隊員のファクシミリ投票についてお尋ねを申し上げます。
 ここで言う不在者投票者とは、「しらせ」の艦長さんですね、船長、それから観測隊の隊長になるんでしょうけれども、その管理者を任命するのは一体だれなのかということ。そして、当然ファクシミリによる投票ですので、個人の権利であるはずの投票の機密を保有する権利がどうなるのか。例えば、アメリカ軍ではファクシミリによる投票はその権利を放棄するということをあらかじめ定めているとお聞きしますが、この法案ではどのようになるのでしょうか。権利は放棄されるんでしょうか、お尋ね申し上げます。
○衆議院議員(佐藤茂樹君) 前段の部分は私が答えさせていただきまして、後半の秘密の部分については、提案者の岩屋委員の方からお答えをさせていただきたいと思いますが、まず南極地域観測隊員の不在者投票については、観測隊の隊長が不在者投票管理者となるわけでございまして、これは法の仕組みがこうなっているんですけれども、最初の段階で所管の大臣と総務局長が、これは不在者投票でもそうなんですけれども、指定をするという、そういう形になっております。
 あと、「しらせ」なんですけれども、南極地域観測隊を運ぶ船なんですけれども、南極地域観測隊同様五十年間、投票権ということでは無視をされてきたんですね。我々は今回、光を当てて回復させようということにさせていただいておりまして、「しらせ」についても実は今まで洋上投票のできる指定船舶になっていなかったんですけれども、今回のこの法改正に合わせまして、総務省令を改正して洋上投票が可能になる、そういう指定船舶に指定させていただきたいと思っております。
 その指定をさせていただいたときには、この「しらせ」が指定船舶になったときには、その中で行われる乗組員の不在者投票については「しらせ」の船長が不在者投票管理者となるという、そういう仕組みになっております。
○衆議院議員(岩屋毅君) 先生御指摘のように、投票の秘密の保持というのは極めて重要な要請だと私どもも思っております。
 今、佐藤議員の方からお話しありましたように、今回の改正では現行の遠洋漁業等の場合の指定船舶における洋上投票の仕組みを活用することになっておりますが、どうやっておりますかといいますと、選挙人はファクスでその投票結果を送信した後、投票記載部分、つまり候補者の名前を書いた部分を自分で封筒に入れて封をするということになっておりまして、送る側はそうやって秘密が保持されると。で、受け取る側は特殊な機器を使っておりまして、そのファクス用紙が出てくるときに候補者の名前が書いた部分がいわゆるカバーをされて、目隠しをされて出てくるという特殊な機器を使っておりますんで、受け取る側においても秘密は保持されると。
 それからさらに、投票を管理すべき者は、今お話がありましたように投票管理者ということになるわけでございますし、立ち会うべき者は立会人とみなすわけでございますんで、ここには罰則が掛かります。
 合わせ技で秘密の保持は確保されると、こういうふうに考えております。
○家西悟君 分かりました。是非ともそのように秘密保持というか権利を守っていただきたいと思っております。
 それと、こういうふうに施行されるわけですんで、その通達や通知、手引書等々もしっかりと配付をお願いしたいなと。当日、分からないとか、どういうふうに扱うんだというのも困るんで、やはりその一票は大事に扱うということの趣旨を踏まえていただきますようお願い申し上げます。
 時間が残り少なくなっていますんで、もう一点お尋ね申し上げます。
 本年二月に、都道府県選挙管理委員会連合会より公職選挙法改正に関する要望事項、国会、政府に対する要望事項を受け取りました。鳩山先生を始め発議者の先生方も受け取りになったと思いますけれども、その要望事項は多岐に及びます。特に、選挙運動に関することに関して、鳩山先生の御認識、また御見解をお伺わせていただきたいと思います。
 一つは、インターネットにおけるホームページを使用すること。講演会などにおいて、演説内容を要約筆記しその文字をOHPスクリーンなどに投影することができるようにすること。また、これらを扱う従事者といいますか、運動員に報酬を支払うこと。個人講演会などにおいて録音機器以外にも音声及び映像が使用できるように、また手話通訳や文字スーパーを導入できるようにしていただきたいと、強い要望書がございます。
 私は、非常に大賛成です。これがその要望書。こういうのを二月に出されています。平成十八年二月、都道府県選挙管理委員会連合会という形で、倫選の皆さんのお手元等には配付というか御要請いただいたと思いますけれども、こういうようなことは何とか一緒になってお考え、取り組みをいただけないものかということで、鳩山先生に御質問さしていただきます。
○衆議院議員(鳩山邦夫君) 本法律案と直接関係がありませんが、家西先生の御質問は私が自民党の選挙制度調査会長であるということを念頭に置かれたことであろうかと思っております。
 今先生がおっしゃられた幾つかの問題点について、まず選挙法というものは与野党で話し合って時代に合わせていくものであろうと、そう考えておりますので、野党の皆様方、あるいは民主党の皆様方の御意見も今後存分に聞かせていただきたいと思っております。
 インターネットの件でございますが、これは、事実を率直に申し上げますと、選挙制度調査会の中では世耕弘成座長の下で一応の報告案を作りました。しかしながら、まだ選挙制度調査会で了承というところには行っておりません。そして、与党のPTというんでありましょうか、ここに佐藤先生おられますが、佐藤茂樹先生とも打合せをしながら与党の案というものもできるだけ早くまとめたいと思っています。民主党さんは何かインターネットを使った選挙運動について法律を提出されたそうで、内容を不敏にしてまだ存じ上げておりませんが、是非それらも参考にして我々の案を作っていきたいと思っております。
 基本的な考え方は、誹謗中傷とか成り済ましとか様々な問題がございますが、これを一つ一つクリアをしていく、あるいはプロバイダー責任制限法との関係等も議論をしていく中で、このインターネットを使った選挙運動に道を開いていきたいと私は個人的に思っておりますし、報告書もそういう方向にはなっているわけでございます。
 ですが、前回の総選挙のときに、私が九州から立候補した選挙なんですが、人から勧められて2ちゃんねるにどういう書き込みがあるかと、こういうふうに言われて、それをプリントアウトいたしましたら、まあ手が震えるほど訳の分からぬ嫌がらせや悪口が書かれておって、中にはうちの息子の好きな女の子の名前まで書いてあって、何のことがあるか分からないんですが、いろんな批判がされていると。これはたしか投票日当日にもそういう書き込みがどんどんあっていると。
 つまり、インターネットでホームページや掲示板は使ってはいけないということではありましょうが、今までは野放しであったということでありますから、インターネット解禁ということは、方法を制限することによってインターネットを使うことの規制法でもあると、そういう意味があろうかと思っておりまして、是非与党案をまとめたいと思いますので、民主党さんが出された法律案とのすり合わせの中でより良き道を探っていきたいと思っております。
 それから、いろいろ、OHPのこともおっしゃいましたよね。これは室内で、演説会場でそういうものを映す、あるいはホームページの内容を映すというようなことはあり得べしということを世耕報告書の中では書き込まれているようでございまして、前向きに考えたいと思っております。
 また、音の問題ですね、映像は今申し上げたことでしょうが。音については、電話による選挙運動が許されているとの関係で、文書図画と音というのは、かなり選挙法上は文書図画には厳しく、音には比較的優しくという基本的な違いがあるようですね。その辺を考えて、音声について、今録音機だけは使っていいというんでしょうが、その辺も選挙運動の対応ということでこれから与野党で協議していけばいいんではないかと思っております。
 それから、報酬の問題がありますね。これは、どういう人に報酬払っていいのか、どういう人に払うとこれは買収のたぐいになって選挙違反になって、場合によっては組織的選挙運動管理者を通じて連座という、実際そういう事件が起きていますよね。ですから、これも議論があるところだと思いますが、私は報酬については、これぐらいは報酬を払っていいだろうというものをこれから見付けていくこともあろうかと思いますが、そういう面で、インターネットという方法で道を広げるのはいいんですが、そういう面で選挙法を緩くするというのは余り私の性分には合わない、これは私の個人的な感覚でございます。
○家西悟君 時間が参りましたので終わりますけれども、私は、ただ単にやみくもにそれを解禁しろという話をしているんではありません。
 皆さんもお考えになるというか、感じられていると思います。選挙になると何台もの選挙カーが町じゅうを走り歩き、そして公選ビラが町じゅうにはんらんをし、そしていろいろ御迷惑を有権者の方にお掛けする部分もあります。我々の主張です。だけど言わなきゃいけない、伝えなきゃいけない部分、しかし、それを何も紙の媒体だけに頼るんではなくて、インターネットを活用するということも一つではないかということ。
 それから、ハンディを持つ人たちが選挙に出ることもできるんだということを開く意味でもインターネットを使う、そういったことを私はやるべきではないかというふうに思って、大転換をそろそろ考えてはどうかということを御提案申し上げたいと思います。
 そして、先ほど言いました要望は、これは私が言っているんではありません。都道府県選挙管理委員会連合会の方からの御要請ですので、私、あえて質問さしていただいたわけですので、これはしっかりと我々受け止めなければいけないんではないかという観点から御質問さしていただきました。
 時間が参りましたので、終わります。
 ありがとうございました。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 時間が限られておりますので、早速、提案者並びに政府参考人に対して御質問申し上げたいと思います。
 まず、昨年の六月に私自身が質問主意書を政府に提出させていただきまして、PKOやイラク復興支援などのために海外で活動する自衛隊員が、政府の命令により日本を離れ任地に赴いたにもかかわらず、当然に予想される事態への対応が何ら尽くされないままに投票の機会が奪われることは基本的人権にかかわる極めて重要な問題であるとの認識から、質問主意書を出させていただきました。
 そういったことも、いろいろな意見もある中で今回の議員立法になったわけでございますけれども、前回の公選法改正の質問のときに私申し上げましたとおり、政府として答えが出せなかったのかということは一つ問題点として思っているわけでございます。そういった意味で、政府として出せなかったと、何ゆえそうであったか、そのことをまず御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(久保信保君) 正に、昨年、辻委員から質問主意書を、これ、政府の方に出されました。
 私ども、この問題、これは一時的な国外滞在者に国外での投票制度を創設をするというこの問題につきましては、日本国、我が国の主権の及ばない場所での投票であるということ、そしてどのような方を対象にして、どのような方法で投票を認めるのかといったように、解決しなければならない問題、これが多々ございまして、慎重な検討が必要であるというふうに考えてまいりました。
 そこで、私どもの中でも、あるいはまた関係省庁とも何度も繰り返して検討をしてまいりました。そのときに、やはりどのような方を対象にするのかという点ですね。これ、このたび与党の方から法案の形で出てまいりましたけれども、法律によって命令されて一時的に国外に滞在させられているといった人から観光旅行で行っておられる方まで実にいろんな形での方々がおられまして、私ども、そこをどこで、線を引くという言葉がいいのかどうかあれなんですけれども、それをどう考えるのか、どの方まで対象にすべきなのかといった点とか、これまた投票方法とも実は裏腹の関係になっておりまして、今回の与党案は、国内での言わば指定施設での不在者投票制度、これに類似の制度を創設するということで現実的な対応をしておられると思いますけれども、例えば郵便投票を認めるべきではないのかとか、あるいはこの前御議論いただきました在外選挙と同じように在外公館で投票することだってあるじゃないかと、こういう議論もございます。
 ただ、郵便投票、これは国内の場合にはやはり投票の秘密とか投票の公正とか、そういったことを考えますと、在宅で、投票管理者や立会人のいない場所での投票でございますから、国内では極めて限定されております。重度身体障害者あるいは要介護五の方、そことのバランスをどう考えるかとか。
 あるいは、この在外公館ということを考えました場合に、これも在外投票制度、この前御議決をいただきましたが、在外投票の対象者八万人有権者おりますけれども、それでもこの在外公館の負担等々で小選挙区、選挙区にはこれまで認めていなかったのをようやくそこを広げたということもございまして、なかなか千数百万人に、延べ一年間で一時的な海外滞在者おられますけれども、それをどう考えるのかといったような問題がございまして、私ども何度も議論を中でしてまいりましたけれども、決断がなかなかこれ付かなかったというのが実情でございまして、このたび与党の方からこういった形で法案が提出をされました。正にこの場での御審議の状況、これをよく見守って、私どもとして、法案ができましたら必要な政省令、これを早急に作る、そういったことに重点を移していきたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 御説明はそれなりに理解もするんですけれども、常に政府として答え出せないものを議員立法で回すというようなそういうふうな弊害も、そういった例も多いわけでございまして、そういった意味で、政府の機動的な対応というものもやはり問われるところもあると思います。
 そういった意味で、今後とも、こういった投票権を国民にみんなに広げていくというのは当然のことでございますので、政府としてもしっかり取り組んでいただくように、もちろん、議員立法でやることももちろんそれはあり得るわけでございますけれども、やはり政府としても積極的に取り組んでいただくことをまず申し上げておきたいと思います。
 時間限られておりますので、具体的な中身のことをお伺いしておきたいと思いますが、まず、政令で定める対象となる組織については、先ほど家西議員の質問の折に五つの類型で御説明をいただいたわけでございます。それに付け加えてということになるわけですけれども、そういった対象となる組織と認められても、実際具体的に実施するかどうかというのがもう一つ判断があろうかと思うわけでございます。
 そういった意味で、その点について、まず、実施する具体的な組織を決定する際の判断基準、このことを御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) 政令で定める事項のうち、法律につきましては先ほどの五つの法律ということでございます。
 それから、そのときどういう判断基準をするのか。同じような法律に基づきまして派遣される組織でも、そのたびごとに対応が違ってまいります。それをどういうふうに考えるかということでありますが、これは総務大臣と関係大臣が協議をして決めると、こういうことになります。このことは政令で書く予定でございます。そのときにどういうことを頭に置きながら判断していくのか。
 まず、規模の問題があろうかと思います。規模につきましては、例えば老人ホーム等でございますと、病院等でございますと五十床というようなことがあります。船でありますと二十トンというようなこともあります。しかしながら、やっぱり国外に行って、法律に基づいて国外に派遣されるものですから、少なくとも十人ぐらい今考えておかなきゃいけないんじゃないか。十人程度の規模、十人以上の規模ですね。
 それから、期間はどうだ。期間につきましては、選挙の一番短い期間というのは、町長選、地方議員の選挙、それから町とか村の首長の選挙五日というのがございます。これ一体やれるのかという問題あろうかと思いますけれども、やはり事前に投票用紙を持っていく、こういうことも考えなきゃいけない。
 それからもう一つは、近くで活動している場合ですね、日本の近くで活動している場合はそう時間が要らないんじゃないか、こういう問題があろうかと思います。
 さらに、具体的な手続につきましては、現行の指定施設における不在者投票の手続等を参考にして、これから適切に政府において考えていくものと期待いたしております。
○辻泰弘君 今回の立法というものは、一番初めのしょっぱなのきっかけといいますのは、やはり海外に派遣された自衛隊員の投票権が奪われているということが第一義的な出発点だったと思うわけでございますけれども、そういった意味で、政令では出てくるわけですけれども、本法には南極観測隊の方々のことは出てくるわけですけれども、明記されているわけですけれども、そこの自衛隊員という方では法律上は明記されてないわけですね。何ゆえ法律上明記されなかったのかということについて御説明ください。
○衆議院議員(佐藤茂樹君) 今、辻委員御指摘のとおり、今回の法案は、法律に基づいて国外に派遣されることにより投票の機会を失っている人々に対してその投票権を回復させようと、そういう趣旨で提出しているものでございまして、自衛隊に限られているものではないために、特に自衛隊を対象組織として法案上明記することは考えておりません。
 今、辻委員御指摘のとおり、きっかけは山形県知事選、さらには昨年の兵庫県知事選、これは辻委員も質問主意書を出されているわけですが、それがきっかけで、イラクへ派遣されている自衛隊約三百五十名が投票できなかったということがきっかけで私も国会で質問をさしていただいたんですけれども、自衛隊のためだけに新しいそういう不在者投票制度をつくるというのではなくて、我々提案者で考えたのは、これからも自衛隊だけでなくてどんどん日本は国際貢献という形でも海外に国の任務として出ていく、そういうことがどんどんあり得るだろうと。そういう方々もきちっと読める、そういう法律にしていこうという趣旨であえて自衛隊ということにこだわらなかったわけでございます。
 その上で、今、現状のこの五つの法律の中でも、先ほど申し上げましたけれども、例えばPKO協力法に基づく選挙監視要員に係る組織であるとか文民警察要員に係る組織、さらには国際緊急援助隊法に基づいての救助チームであるとか、さらには医療チーム、専門家チームなどは自衛隊以外の組織として今含まれているところでございます。
○辻泰弘君 それで、先ほど御言及もあったことにかかわるんですけれども、今回のこの不在者投票、国外における不在者投票制度ですけれども、期間の短い地方選挙も対象とされているということで、その精神は了とするものでございますけれども、現実問題、火曜日に出発をして日曜日に投票日と、こういうのが一番最短のケースかと思うわけでございますけれども、それが実際できるのかどうかということがあるわけでございます。
 先ほど事前に投票用紙を持っていくという話をされまして、実は私、いろいろ事前に聞いていたのはそういうことまでなかなかまだ想定されていないようなことだったので、それは一つの画期的なことかもしれませんが、しかし地方選挙の投票用紙を事前に持っていけるのかということは、現行どうなのかということもあるんですけれども、その辺のことも含めて、どう地方選挙の短いときに対応されるのか、お聞きしたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) 短い地方選挙も考えて、大体念頭には、派遣期間どのぐらいの組織を考えるか、これは一週間程度かなということは念頭にあるわけですけれども。今御指摘のとおり、五日間の地方選挙、例えば、これ政府の方に十分考えてもらいたいことでありますが、選挙管理委員会に公示前何日までぐらいに投票用紙を届けてください、こういうふうなことを決めたらどうかと、こういう問題が一つあろうかと思います。
 それから、投票権者ですね。投票権者には、投票用紙が公示日、告示日の翌日にはもう手に入るぐらいの感じでやったらどうかと。投票用紙に書き入れてもらって、それを今度は回収すると。この運搬については相当工夫が要ると思いますけれども、やはり特定国外派遣組織に十分協力をいただきながらそういうことを実現していかなきゃいけない。無理に範囲を狭くすることはない、このように思っております。
○辻泰弘君 意欲あるお考えだと思いますので、そういった方向も含めて総務省の方でも取り組んでいただくように申し上げておきたいと思います。
 それで、具体的に、国外における不在者投票制度をどういうふうにやっていくのかということにかかわってちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。
 まず、宿営地内などの投票記載場所での投票ということになるわけですけれども、その場合に、もちろんある程度限られた人数ではございましょうけれども、やはり公正な選挙を行わなきゃならないという見地からいたしますと、やはり本人確認というのは当然必要になってくると思うんです。あるいは、その体制といいますか、立会人とか、そういったことも必要になってくると思うんですね。そういった運営管理、どのようになさっていくおつもりか、御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(岩屋毅君) 先生御指摘のように、選挙の公正な執行を確保するための大前提は本人の確認がしっかりできるということだと思います。
 そこで、私どもは組織に着目せざるを得なかったわけでございまして、法律におきましては、「組織の長が当該組織の運営について管理又は調整を行うための法令に基づく権限を有すること。」と、これを前提にしているわけでございます。
 そこで、具体的な方法についてですが、詳細についてはこれから検討されるということになると思いますけれども、基本的には、不在者投票管理者、つまり組織の長があらかじめ選挙人のリストを持っていて、そしてこれとパスポート等の身分証明を照合するなどの方法によってそれぞれの特定国外派遣組織において適切に対処できるというふうに考えております。
○辻泰弘君 それから、不在者投票管理者の事務のことでお聞きしておきたいと思うんですけれども、当然、不在者投票の対象となる特定国外派遣組織に属する選挙人というのはそれぞれ違った市町村に住んでいることが予想されるわけでございます。不在者投票管理者は、投票用紙の請求、受領、送致についてそれぞれの市町村選管に対し別々に行うことになるわけでございますけれども、国外でそのような事務を行うというのは非常に負担が重いのではないかと、このように思うわけでございます。そういった意味で、特定の市町村選管がまとめて事務を行って、各市町村選管に対してはそこから伝達されるようなことなど、そういったことも考えられるべきではないかと、このように思うんですけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 辻先生御指摘のとおり、正に不在者投票管理者というのはこの制度を実施することによりまして大変な負担となってくると思います。やはりあらゆる投票事務を指揮監督していかなきゃいけない、公正な選挙をやっていかなきゃいけない、こういうことになりますと、もう相当の事務が増えていく、このことは避けられないと思っています。
 しかし、やはり今先生おっしゃったように、全国各地で行われる地方の選挙も対象としてこれらをやらなきゃいけないわけですから、選挙の公正を確保しながらできる限りこれを軽減できるように工夫を凝らしていかなきゃいけない、このことはもう当然のことでございます。特に国と、政府とそれから言わば特定国外派遣組織等において、費用の分担というのは明らかでありますけれども、制度を運用する、これをどういうふうに協力し合ってやっていくのか、このことはこれからも十分協議して決めていかなきゃいけない、このように思っています。
○辻泰弘君 それで、政府参考人の方にお伺いしたいと思うんでございますけれども、前回の公選法改正の折も、在外公館投票と郵便等投票ですね、これについて、結果として投票箱が閉まるまでに間に合わなかったときには事後的に公表をしようということをお考えいただくという御答弁をいただいておりまして、それは了としている、有り難いことだと思っておりますが、今回も、結果として、不幸にしてといいますか、自然災害等によって届かないということがあり得るわけでございますが、その点については同じようなお取組と考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(久保信保君) 正に前回お尋ねがございまして、若干繰り返しになって恐縮ですけれども、投票管理者、投票箱をこれは閉じる前に投票の受理、不受理を決定しなければならないと、こうなっておりまして、投票所を閉じるべき時刻になったときは投票管理者は投票箱を閉鎖しなきゃいけないと、こうなっております。したがいまして、投票所の閉鎖後に不在者投票、これが送致をされますと、投票管理者は受理、不受理の決定は行わないと、こういうことになっておりますので、当該投票は投票者数には含まれないと、こうなっております。
 在外投票のときもこれ申し上げましたけれども、今後、私ども、国政選挙、現在審議されておりますこの法案に基づく不在者投票も含めまして、今後、国政選挙、これにおきましては結果調べに掲載をして公表したいというふうに考えておりますし、地方選挙につきましても、投票所の閉鎖後に送致された不在者投票の数等でございますけれども、この地方選挙につきましても、公表の求めがございますとその内容が明らかにできるように、これ各選挙管理委員会に対しまして今後要請をしてまいるということにさせていただきたいと考えております。
○辻泰弘君 その方向でのお取組を是非お願い申し上げておきたいと思います。
 もう一つ、一時的な国外滞在者に対する一般的な不在者投票制度、これが求められるわけですけれども、そのことに向けて政府としてもやはり今後しっかり取り組んでいただきたいと思うんですが、そのことについての決意を簡潔にお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(久保信保君) 先ほどもお話しいたしましたけれども、こういう形で現在与党の方から法案が提出されておりますので、まず、この法案が成立をいたしますと、私どもといたしましては、政省令等で厳格な、そしてまた利用しやすいようにできるだけ、そういった制度にできるようにしていきたいと思います。
 それから、今御指摘のようなそれ以外の一時的な滞在者の方々、この問題というのはもちろん従前と同じように残っております。やはり、これは最初、冒頭に提案者の方からもお話がございましたけれども、できる限り、選挙権を持っておられる方、こうした方々が制度によって投票する機会を奪われているということは、これはもう望ましいことではもちろんございませんので、いろんな形で工夫をしなきゃいけないんですけれども、一方で、選挙というのは公正、公平、そして適正な執行というのが一番要求される事項でもございます。その兼ね合いをどう考えるのかということが極めて重要になってこようかと思いますけれども、将来の課題として今御指摘があった点も私どもとしても考えていかなければいけないと思いますし、また、各党各会派でも是非とも引き続いて御議論いただきたいと考えております。
○辻泰弘君 各党各会派も頑張りますので、政府も是非先頭を切って頑張っていただきたいと申し上げておきたいと思います。
 それで、南極地域観測隊の方の投票についてのことに最後移らせていただきますけれども、今般の制度におきましては南極地域観測隊隊員のファクス投票が認められるわけですが、ただ、それは補欠選挙、再選挙は認められないと、このようになっているわけでございます。何ゆえそうされたのか、お示しください。
○衆議院議員(佐藤茂樹君) 今御指摘のとおり、南極地域観測隊については特殊例外的な措置である洋上投票というのを今回採用させていただきました。
 現行の洋上投票の制度というのは、これは遠洋漁業、マグロ漁業とかそういう遠洋漁業の方々に適用されているんですけれども、現行の洋上投票自体が衆議院総選挙と参議院の通常選挙に限って行われておりまして、補欠選挙及び再選挙は対象としていないものですから、それに合わせたということでございます。
○辻泰弘君 そういたしますと、政府の方が何ゆえ、補欠選挙、再選挙また地方選挙も洋上投票を認めていないわけですけれども、そうされているのか、お願いします。
○政府参考人(久保信保君) 洋上投票、これは平成十一年に議員立法で作っていただいた制度でございます。
 当時の議事録あるいは提案理由等を見てみますと、まず地方選挙に対してこれが認められていないと。その理由は当時も議論されておりまして、そこにつきましては、投票用紙等を交付、受信する指定市町村の選挙管理委員会、この立場から見ますと、全国の地方選挙の期日等の実態を常時把握する必要が出てくる、あるいは投票受信のたびに投票送信元と受信状況に関する電話連絡、確認を行わなければならないといったように、事務負担が過大であるといったことが指摘をされております。
 それからまた、不在者投票管理者となります船長さんの側におきましても、地方選挙の日程等を常時把握する必要があって、選挙の公示があったことや立候補者の氏名等を船員に知らせるよう努めなきゃならない、あるいは投票送信用紙の請求、保管、投票の管理等の事務が過大となるといった、そういった課題が地方選挙の場合にあるということが既に指摘をされておりました。
 そして、平成十一年の議論の際に、国政選挙の補欠選挙や再選挙、この議論が、これ実は調べてみましたけれども見付かりません。言及はございませんでした。ただ、考えてみますに、やはり補欠選挙や再選挙、これも対象となる選挙人の数というのは総選挙や通常選挙に比べましてもまた限定されてまいりますし、地方選挙の場合と同じように、投票用紙等を交付、受信する指定市町村の選挙管理委員会や不在者投票管理者となる船長さん等の事務負担、そういったことを恐らく想定して総選挙と通常選挙に限られたものではないかと、そういうふうに理解をしております。
○辻泰弘君 時間が参りましたので、以上で終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今回の法案は、先ほど来お話がありますように、イラク派兵された自衛隊員の方の選挙権が保障されないということが直接のきっかけになっております。
 私たちは、自衛隊のイラク派兵自体は憲法違反であり、反対をしておりますが、しかし派遣された自衛隊員の個人の選挙権というものはやはり可能な限り保障しなければならないと思います。また、提案理由説明にありますように、選挙権が国民にとって重要な参政権の一つであり、在外邦人も含めて国民すべてが実際に選挙権を行使できるようにするべきだと、こういう点では共通の認識でありまして、そういう、すべての国民に選挙権をしっかり保障していくという大きな流れの一歩なんだろうということで賛成はいたします。
 その上でお聞きをするわけですが、この直接のきっかけになったものに、兵庫で知事選挙で投票ができなかったと。その際に、兵庫からは、期日前投票ができないのかという問い合わせが政府にあったかと思います。その際、総務省は、国外実施の規定がないことと、仮に国外で投票箱の持ち出しなどがあっても罰則規定がないということでできないんだという返事をされております。
 今回、期日前投票でなく不在者投票という方式にした理由、そして、ここで言っていた罰則規定がないという問題がどうクリアされているのか、まずお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(岩屋毅君) まず、今回の法案で対象としているものは、期日前投票の期間から選挙の当日にかけて引き続き国外に滞在していると想定される者を対象にしているわけでございます。したがって、現行法上、選挙当日の投票もできない、それから期日前投票も行うことができない、現在は投票の機会を奪われているという方を対象にした私どもの提案でございます。
 期日前投票では、最大の問題は、先生、投票箱でございまして、市町村選管が国外の地に投票箱を設置しなければいけないということになるわけでございますので、これは現実的な対応とは言えないだろうと。したがって、私どもは、選挙を公正に執行できる組織というものに着目をいたしまして、現在、指定船舶や一部の病院等で行われております不在者投票制度というものを援用する仕組みを考案をさせていただいたところでございます。
 したがって、今先生御指摘の、罰則に不備が生ずるんではないかということは、投票箱があるという前提のお話だと思うんですけれども、今回の法案ではいわゆる投票箱というものが設置されるわけではございません。投票を行う場所は投票所とみなすわけでございますが、そこに投票箱を置いているわけではございませんので、したがって、その投票箱を勝手に持ち出すとか開けるということの罰則が適用されるということにはならないということでございます。
 ただ、例えば投票所に凶器を持ってくるとか、あるいは選挙について干渉する、投票について干渉するという行為は、当然のことながら国外犯の処罰規定が適用されるということでございます。
○井上哲士君 できる限りすべての国民に選挙権を保障していくという点でいいますと、先日、在外投票制度についても一定の改善をする法案を本委員会でも可決をいたしました。
 その際、在外投票の選挙期間を、それまでは投票日五日前だったのを六日前にむしろ繰り上げたわけですね。今回の制度ではこういう制限がありません。先ほどありましたように、地方選挙の場合は選挙期間が五日間でも可能になるということを考えますと、この間の法改正でむしろ投票日五日前から六日前に繰り上げて一定の制限を加えたというのは、少し流れとしては逆行したんじゃないかという気が私はしておりまして、ファクシミリなどもありますけれども、やはりむしろ、こういういろんな在外投票制度についてもできる限りもっと広げるという方向が必要ではないかと思うんですけれども、政府の見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(久保信保君) 御指摘にございましたように、先般御議決をいただきました在外投票の改正の中で、原則としての在外公館投票期間、これが公示の翌日から期日前五日までと、こうなっておりましたのを六日までというふうに改めさせていただきました。
 これは、これまでの在外選挙実施を何回かやってまいりましたが、台風などの自然災害や航空便の機体トラブルなどによりましてフライトが予定どおり運航されないといったような事例もございました。また、このたび、衆議院、参議院の選挙区選挙を新たに対象にいたしたことによりまして、投票所閉鎖時刻までの未到達、これが選挙の結果に影響を及ぼす可能性が高くなってきているといったようなこと等を考慮いたしまして、御指摘、よく分かりますけれども、一日原則として在外公館投票の期間を短縮させていただいたということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○井上哲士君 やはり、今回の場合は自衛隊機なども活用されるということでそういうおそれがないのかもしれませんが、やはり、いささか普通の国民、在外投票と比べますと手厚くなっている。むしろ、そういうものをできるだけ権利を広げるべきだということも改めて申し上げたいと思います。
 それから、今回の在外投票の場合、大変ある意味では閉ざされたところでの選挙行使ということになります。その点での幾つかのことを聞いておきたいんですけれども、例えば選挙にかかわる情報をどういうふうに入手をするのかということがございます。
 在外投票の際は、在外公館が候補者の名前と政党については在外公館に備え付けるということをするということがあったわけでありますが、今回の場合はどういうことが投票所で行われていくのか、そしてまた、それ以外の様々な情報を実際にはインターネットなどで検索することもなかなか難しい環境にあるんではないかと思うわけですけれども、公正な選挙情報に触れる上でどういうことが望ましいのか、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(久保信保君) このたびの法案が成立をするというふうになりますと、私どもやはり御指摘のように、国外不在者投票における各選挙人への立候補状況あるいは政党の状況、これにつきましてやはり工夫をしていく必要はあると思います。
 まず考えられますのは、特定国外派遣組織の派遣省庁などによりまして、ファクス送信等の手段を活用しまして、必要な情報、これが適時適切に提供されるということがまず必要であろうと思いますし、私どもといたしましても、関係省庁とも連携を図って、何が可能なのか今後検討させていただきたいと考えております。
○井上哲士君 そうすると、投票管理者が必ず明示しなくちゃいけない情報など、そういうことの縛りは掛けることはないんでしょうか。
○政府参考人(久保信保君) 現在の不在者投票、これは国内で行われておりますけれども、それについても同様でございますけれども、法律上といいますか、法令上義務付けてこれだけの情報は提供しなければいけないといったようなことはございません。
○井上哲士君 国内の場合は様々なメディア等を通じてたくさんの情報がありますし、公報なども届けられるということになっているわけですね。海外の場合はそういう点では非常に閉ざされたところがあるわけですから、私は相当それを配慮した運用が必要だと思います。そこを是非よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ、これは元自衛隊の幹部をされていた方がある新聞で語っておられますが、投票制度自身は賛成だとした上で、隊員は閉鎖的で特殊な状況にあるので、単純に投票できればいいというものではなく、投票行動が強制されているとの疑念を持たれないような選挙管理体制など仕組みも一緒に議論する必要があると、こういうことを述べられております。
 自衛隊の幹部を務められた方の発言で私は重みがあると思うんですが、この点の配慮はどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 前防衛庁長官からお答えいたします。
 まず、御指摘の、自衛隊は閉鎖的な組織であるということでありますけれども、私は、自衛隊というのは規律正しい組織であると、ルールを守る組織であると、こういうふうに思っております。
 それから、今回の改正におきまして、投票を管理すべき者は投票管理者とみなします。それから、投票に立ち会う者は投票立会人とみなします。したがいまして、この管理者、立会人に対してそれぞれ罰則がある、このことを御銘記いただきたいと思います。
 そういう意味で、私は、組織の問題それからルールの問題、両方併せまして、選挙が公正、適正に実施されるものと期待いたすと同時に確信いたしております。
○井上哲士君 時間ですので、終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
 我が党も在外国民全体に選挙権を拡大をしていくべきと、こういう立場でありますし、この種委員会でそうした意見についても述べてまいりました。
 今回、衆議院側の与党の皆さんがこうした案をお出しになった、その趣旨については私どもも多とするものでありますけれども、ただ、今のところは取りあえず一部の人々にだけ認めるということになるわけでありまして、そうしますと、その出されることが公平性、つまりすべての在外有権者の中で今回特定の人だけになるけれども、それが今後どういうふうに普遍性を持っていくか、妥当性があるかどうか、ここらのところが問われるんだろうと、こう思います。
 そこで、まず提案者側にもお聞きをいたしますが、海外の滞在三か月未満の有権者、どの程度だというふうにつかんでおられるんでしょうか。
○政府参考人(久保信保君) これは法務省が調べた日本人の出国者数の統計がございますけれども、平成十六年で出国しておる者の総数、これは一千六百八十三万千百十二名ということになっておりまして、そのうち十日以内という者を見てみますと、一千四百十三万人ほどの方々がおられます。
○又市征治君 私、有権者と聞いたんで、これ子供もみんな含むでしょう、今の数字は。だから、これは入管の統計なんで、帰国者数の数だけ、いや、いいですよ。つまり、子供も含んだはずなんで、全然実態としては把握できていないわけでしょう。把握できています、有権者。
○政府参考人(久保信保君) 延べで言っておりますので、完全に把握しておりません。それで、御指摘のように零歳からの統計、すべてでございます。
○又市征治君 だから、実態が全然分かっていないわけで、そこで、子供も含めた格好で一千六百八十万ぐらい、平成十六年ではそうだと、こう言っているわけで、今回の法案で新しく自衛隊員であるとか南極観測隊だとか、こういう人々に与えられるというのは千四百人ぐらいなわけですね。
 そうすると、この千四百人でもいいんですが、これが第一歩になって、第二歩、第三歩になって、どういうふうに広がっていくというふうにこれは見ておられるのか。その点がないと、取りあえずこれでストップということになってしまったんじゃ意味がないわけで、第二歩、第三歩はどのぐらいの数が広がっていくというふうに提案者側は見ておられるんでしょうか。
○衆議院議員(鳩山邦夫君) それは、先ほどから何度もいろいろな方が答弁されておりますように、小さな風穴かもしれませんが、この穴が空いた意義は大きいと思うのです。
 ちょっと話が違うかと思いますが、例えば電子投票をやりますね。やりたいと思っています。しかし、電子投票では、回線で結ぶことは、それは秘密が漏れるとかハッカーがいるということでできませんね。そうしますと、例えば将来いろんな機器が発達して、海外からいわゆる機械を使って電子投票の形で投票するといっても、これ秘密の問題とかハッカーの問題等考えるとなかなか大変だと思いますね。
 そういう意味でいえば、できるだけ幅広く投票していただこうということで、どういうふうに広げていこうかというのは正にこれからの課題なんです。だから、今第二、第三がどういう人たちかとこう言われましても直ちにお答えはできませんで、ありとあらゆる海外滞在者を挙げていく中で、法律によって派遣されて、そして一定の地域や設備にいて、何らかの隊長のような調整権限を持っている人がいるというふうに今は枠をはめないと公正、適正な選挙ができないと。そこで範囲を絞ったわけなんで、これから先生のお知恵を拝借をしながら、まずこれをやっていく、あるいは電子投票等をやっていく、インターネットを使った選挙運動等も可能にしていくという中で、これは本人確認等の方法も進歩すれば広げていく道があり得ると思います。
○又市征治君 ちょっとあいまいもことした話なんですが、可能性はある、可能性はあると。それで総務省も悩んで、いろいろと苦労して、いろんなことを線引きどこでできるかなと、こういろいろとやってきたというような話なんですが、なかなかできない。
 そこで、ちょっと私は疑問に思うのは、投票権を与える対象者を、さっき大野さんも言ったけれども、お国のために海外で働いている人って、こう限定をされているわけですね。これでは、現在の政府の政策に忠実である者に投票の便宜を与えるんであって、そうでない者は与えないということになりかねないわけ。公職選挙法として投票権を保障する以上は、国家公務員であろうがなかろうが、特定の職業なり、ましてや組織に属してるとか否とか、そういうことによって差別することはできないはずでありますよ。
 そこで、ちょっと伺いたいのは、例えば民間の商社マンで、海外支店に属して、投票管理は支店長の下で可能な人たち、これは一体全体どういうふうにするのか。ここまで広げる努力はお考えでないのか。あるいはまた、ボランティア団体に属して海外にいて、その長の下で、ボランティア団体の長の下で投票管理が可能な人たちもこれはいるわけですね、現実に、組織立ってやっている。こういう人たちには、じゃ投票権は今のところ御検討なさらなかったのかどうか。この点について、皆さん方の御議論の中身をお聞かせいただきたい。
○衆議院議員(佐藤茂樹君) 今、又市先生から二つですね、民間の商社マン、さらにはボランティア団体に属して海外にいる方という、そういうお尋ねでございますが、我々今回の考え方は、もう冒頭から申し上げているように、二つの要件をきちっと満たしているものにさせていただこうと。
 それは、一つは法律の規定に基づいて国外に派遣されたこと、もう一つは、その長が当該組織の運営について管理又は調整を行う法令に基づく権限を有することという、そういう特定国外派遣組織の要件に該当する方々に対して今回はまず第一歩として投票権を回復させようという、そういう考え方でございまして、今そういう観点からいうと、民間の商社マンの方とかボランティア団体に属している方というのは今回の法案の対象には現段階ではなりませんけれども、今後の課題であろうと思っております。
 元々法律を作る考え方が、日本国憲法で公職選挙法の規定による選挙権の行使を保障されておきながら、別の法律で、国の任務で派遣しなさいという法律に基づいて出ておられる、それによって投票権を行使できない、その方々を投票権を回復させようという、そういう趣旨から今回まず一つ風穴を空けさせていただいた。それ以外の対象者については、今後更に今のこの枠組みでの実施状況を見ながら、広げる方向で我々も考えていきたいなと、そのように考えております。
○又市征治君 時間の関係で余りもう、本当は、じゃ海外協力隊員なんかの関係どうするのかとかいう、まあいろいろとこれ具体の話あるんですね。
 そこで、もう一つどうしても伺っておきたいんですが、既に投票権を認めた、さっきも出ましたが、在外国民の領事館投票は技術的な理由ということで国政選挙しか認めていませんね、この間決めたのは。ところが、今日の法案は、その人たちを飛び越えて、自衛隊員などについてだけ地方選挙についても投票権を保障する、こういうことになっているわけ。どうして自衛隊員などだけが地方選挙も突然技術的に可能になったのか。
 これは衆議院でも我が党の菅野衆議院議員がお聞きをしましたら、いや、五日間でどうやって可能になるのかと聞いたら、大野前防衛庁長官は、この特定国外派遣組織は投票用紙を運んでいく、回収して持って帰ると答弁された。つまり、自衛隊機を飛ばして、で、自衛隊員だけ投票の便宜を与える、だから五日間でも可能なんだと、こういうふうにおっしゃったと、こういうことなんですね。
 これだとすると、これは大変なお手盛り選挙、全く公平、さっき総務省言ったけれども、公正で公平で適正に執行する、これ全然妨げることになるんじゃないですか。
 では、一体全体自衛隊員以外の地方選挙の投票を広げる場合はどうするのか。まさか、日本人の有権者のいる場所どこへでも全部自衛隊機飛ばすというわけじゃないんでしょう。これ総務省、どう答えるんですか、これについて。
○衆議院議員(大野功統君) 衆議院での私の答弁を引用されましたので、私の方からお答えしたいと思います。
 まず、投票用紙を持っていったり回収する、普通はそれぞれの民間航空で持っていっている、そこへ今度はいかに協力をしていくかということが問題であります。自衛隊の例でいいますと、これまでは、例えば船舶投票というのが認められております。船舶投票を、ある港まで投票用紙を運んでいくのに、これは民間航空で運んでいる、郵便で運ぶ、場合によっちゃ自衛隊員が民間航空機を使って運んでいく。それから先、港で渡せればいいけれども、それから先どうするのかと、こういう問題です。日本から自衛隊機飛ばして持っていくわけでは全然ありませんので、そこは誤解のないようにお願いいたします。
 それから、例えば今度サマワで投票ということを認めますと、今度はやはり、サマワへ飛んでいる飛行機ありませんから、どうしてもアリ・アルサレム空港、クウェートからC130に乗せて持っていく、こういうことも考えなきゃいけない。いかに、こういう投票制度を正確に確実に公正にやっていくために特定国外派遣組織というのは協力していくかという問題でございます。
 その派遣組織の中には、自衛隊の隊員のみならず、一般の方もいらっしゃるケースもあるわけでありますから、そういう場合にはどうやって、例えば外務省がクーリエを提供して協力する、例えば自衛隊が行っている場合には、自衛隊もまた協力できる範囲でやるということであって、それがお手盛りだとかなんとか言われると、これはもう全く考え方が違うようになってまいるわけでありまして、やはり投票をいかにみんなで協力して海外での不在者投票権の行使を、国民の権利ですから、基本的権利ですから、これを回復させるかという命題として私どもは考えております。
○又市征治君 時間がもう来てますから、私が申し上げたのは、在外国民の領事館投票については技術的な理由だといって国政選挙についてしか認めてない。なぜ今のこの問題だけが五日間の町長選挙も町議会議員選挙も可能になってくるのか、これはもう全然整合性が取れないじゃないかと。こういう問題があって、そしてその輸送の問題についても、これは大変なお手盛りになってしまうんじゃないかと、こう申し上げているのであって、これは説明付いてない。
○衆議院議員(鳩山邦夫君) 在外投票制度は、住民票を抜いて海外へ移したわけですから、地方公共団体に所属しておりませんので、地方選挙権というのは、これは投票はなくなると思います。
○又市征治君 いずれにしろ、時間来ましたから終わります。
○委員長(泉信也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(泉信也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉信也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(泉信也君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 政治倫理の確立及び選挙制度に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉信也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉信也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十八分散会