第164回国会 財政金融委員会 第16号
平成十八年五月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
 ツルネン マルテイ君     大塚 耕平君
     松下 新平君     広田  一君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     広田  一君     高橋 千秋君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     広田  一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         池口 修次君
    理 事
                岩井 國臣君
                田村耕太郎君
                中川 雅治君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                田浦  直君
                田中 直紀君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                溝手 顕正君
                若林 正俊君
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                平野 達男君
                広田  一君
                山本 孝史君
                荒木 清寛君
                山口那津男君
                大門実紀史君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       財務大臣     谷垣 禎一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        与謝野 馨君
   副大臣
       財務副大臣    竹本 直一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        後藤田正純君
       農林水産大臣政
       務官       小斉平敏文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      巽  高英君
       防衛庁防衛局長  大古 和雄君
       防衛施設庁施設
       部長       渡部  厚君
       防衛施設庁業務
       部長       長岡 憲宗君
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   中江 公人君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      長尾 和彦君
       金融庁公認会計
       士・監査審査会
       事務局長     細溝 清史君
       農林水産大臣官
       房審議官     佐久間 隆君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        迎  陽一君
       経済産業省商務
       情報政策局消費
       経済部長     谷 みどり君
       環境大臣官房審
       議官       桜井 康好君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○証券取引法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴
 う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(池口修次君) 証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。与謝野内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) ただいま議題となりました証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、証券取引法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 政府は、金融資本市場を取り巻く環境の変化に対応し、投資者保護のための横断的な法制として、証券取引法を改組して、金融商品取引法、いわゆる投資サービス法とする等の整備を行うことにより、利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上、貯蓄から投資に向けての市場機能の確保及び金融資本市場の国際化への対応を図るため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、証券取引法の題名を金融商品取引法に改めるとともに、組合契約等に基づく権利が包括的に有価証券の定義に含まれるよう整備を行い、デリバティブ取引の定義に有価証券以外の資産を原資産とするもの等も含めるなど、その規制対象の拡大を図ることとしております。さらに、有価証券及びデリバティブ取引に係る販売、勧誘のほか、投資助言、投資運用及び顧客資産の管理に係る業務を金融商品取引業と位置付け、原則登録制とするとともに、所要の行為規制等を整備することとしております。
 これと併せて、銀行法、保険業法ほか関係法律においても、幅広い金融商品についての横断的な法制の整備を図る観点から、金融商品取引法における金融商品取引業に係る行為規制の準用等、所要の整備を行うこととしております。
 第二に、公開買い付け制度について、規制対象範囲の拡充等や投資者への情報提供の充実等のための規定の整備を行い、また、大量保有報告制度について、機関投資家に認められている特例報告の提出頻度及び期限の短縮等を図るための規定の整備を行うこととしております。さらに、企業内容等の開示制度について、四半期報告制度の整備や財務報告に係る内部統制の評価制度の整備等、所要の整備を行うこととしております。
 第三に、開示書類の虚偽記載や不公正取引等に係る罰則を強化し、また、相場操縦行為等に係る規定の整備を行うこととしております。
 第四に、取引所における自主規制業務が適切に運営されることを確保するため、自主規制業務を担う別法人として自主規制法人を設立することができ、又は株式会社形態の取引所に自主規制委員会を設置することができるよう、所要の制度の整備をすることとしております。
 次に、証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴い、金融先物取引法等の四法律を廃止するとともに、金融商品の販売等に関する法律等の七十二法律の規定の整備等を行うものであります。
 以上がこれらの法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(池口修次君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 今回提案されております金融商品取引法は、資本市場分野の基本法ともいうべきものでありまして、金融ビッグバン以来議論されてきた横断的な金融規制体系を資本サービスについて実現するという意味で、我が国金融資本市場のインフラづくりの一つのランドマークと言ってよいものだと思います。貯蓄から投資へというのが我が国金融市場の目指すべき方向であるわけですが、これは国民の資産ニーズの複雑化、企業の調達手段の多様化に対応した金融資本市場のインフラをつくっていかなければならないということでもあります。さらに、金融取引の国際化を踏まえて、我が国の金融資本市場を国際市場として魅力あるものにしていくという観点も重要であると思います。
 そこで、まず与謝野大臣に、規制体制を含めた我が国金融資本市場のインフラの現状についてどう考えておられるか、そして今後の課題は何かについて、お伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 金融庁としては、利用者の満足度が高く国際的にも高い評価が得られる金融システムの構築を目指して市場の公正性、透明性を高めるため、資本市場改革に取り組んできたところでございます。連年の改革の結果、我が国資本市場に対する信頼は向上しているものと考えておりますが、第一には利用者保護のより一層の拡充を図る、第二には市場の公正性、透明性を確保する、第三には市場機能の更なる向上を実現する、また国際的にも信頼される市場を構築していく必要があると考えております。
 今回の法案は、幅広い金融商品について横断的な利用者保護の枠組みを整備し、市場の公正性、透明性を確保することで国際市場として我が国の市場の魅力を更に高めることを目指すものであり、今回の法案を適切に実施することにより国際的にも信頼される活力ある市場の構築を図ってまいりたいと考えております。
○中川雅治君 現在の縦割り業法を見直し、そして同じ経済的機能を有する金融商品には共通のルールを適用する業種横断的法制を実現するということが今回の金融商品取引法の主な目的であると理解いたしております。
 外国証券業者に関する法律、投資顧問業の規制等に関する法律、金融先物取引法などが金融商品取引法に統合され、対象金融商品としても信託受益証券、抵当証券、組合契約等に基づく集団投資スキームの持分が加えられまして、投資サービスについての横断的法制が我が国において実現したということは、金融イノベーションを促進しつつ投資家保護を図るという意味で意義深いことであるというふうに思います。
 この横断的なルールについて幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 今回の金融商品取引法案におきましては、商品取引所法に基づく商品先物と不動産特定共同事業法に基づく不動産ファンドについては金融商品取引法の利用者保護規制と同様の規制を適用することとされておりますが、金融商品取引法とは別の法律で規制され、商品先物については監督官庁も別になっております。同じ経済的機能を有する金融商品には、共通のルールを適用するという目的を実現するため、これらの商品についてのルール、監督体制についてどのように調和を図っていくのかお伺いいたします。
○大臣政務官(後藤田正純君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のとおり、今回の法案におきましては、同じ経済的性質を有する金融商品には同じ販売、勧誘ルールを適用するとの基本的考え方の下、投資性の強い金融商品を幅広く対象として行為規制の横断化を図ることとしております。
 このような観点から、まず御指摘の商品先物取引については、今回の法案において商品取引所法の一部を改正しまして、広告等の規制、取引証拠金等の受領に係る書面の交付義務及び虚偽告知の禁止を新たに追加し、損失補てん等の禁止、適合性の原則等の内容について金融商品取引法の規定と整合性のあるものに改正することとしております。
 また、不動産特定共同事業についても、今回の法案において不動産特定共同事業法の一部を改正し、金融商品取引法における損失補てん等の禁止や適合性の原則の規定の準用等を行うこととしております。これらにより、商品取引所法及び不動産特定共同事業法のいずれにおいても、現行法において既に規定されている行為規制と併せて金融商品取引法との行為規制の同等性が確保され、規制の横断化が実現されております。
 また、金融商品取引法における金融商品取引業等に係る監視体制についても、金融庁としては引き続き一層の強化に向けて必要な体制整備を図ってまいりたいと考えておりますが、商品先物や不動産特定共同事業についても所管官庁間でしっかりと連携を取ることが必要と考えており、金融庁としましても関係官庁との連携協力に努めてまいりたいと存じます。
○中川雅治君 対象となる金融商品の定義につきましては、金融審議会金融分科会部会報告では、可能な限り大きなくくりで列挙するということが適当であるとしているわけでございますが、今回の金融商品取引法では、証券取引法において有価証券の定義を限定列挙していた法体系を踏襲しているように思われます。
 今日、投資家の間では、伝統的な投資商品だけではなくて商品や不動産等を含む広範な資産を投資対象とし、リターンを追求したり分散投資を一層徹底することでより高度なリスクコントロールを追求しようという傾向が強まっていると言われております。こうした投資家のニーズを反映いたしまして、いわゆる伝統的な金融業務と商品取引業務、更には不動産取引業務との境目は次第にはっきりしなくなってきていると思います。今後、金融イノベーションによって新しい金融商品が市場に登場してくることもあり得ましょうし、様々な投資性商品が出てくることもあると思われますが、そうした場合、規制上のすき間が生じないように対処していけるとお考えなのかどうかについてお伺いいたします。
○大臣政務官(後藤田正純君) 今回の法案では、利用者保護ルールの徹底を図り、既存の利用者保護法制の対象となっていないすき間を埋める観点から、まず第一にいわゆる集団投資スキーム持分の包括的な定義を設け、これまで必ずしも規制対象となっていない商品も含めまして幅広く規制対象としておりますほか、同様の経済的性質を有する新たな商品についても必要に応じて政令において対応できることとしております。
 第二に、デリバティブ取引につきましても、金利スワップ等、現行法では規制対象とされていないものも含め幅広い規制対象としておりますほか、今後新たな取引類型が生じた場合にも、必要に応じて政令において対応できる制度設計としております。
 今回の法案におけるこうした措置により、今後新しい金融商品・サービスが登場してきた場合に、規制上のすき間が生じないように対処することが可能となっており、投資性のある幅広い金融商品・サービスを対象とした横断的な法制が整備されているものと考えております。
○中川雅治君 ありがとうございます。
 今回の金融商品取引法構想の原点は、一九九七年に組織された新しい金融の流れに関する懇談会での提言であると承知しております。この懇談会は、いわゆる金融サービス法と呼ばれる法制の構築を提言いたしました。これは、イギリスの一九八六年の金融サービス法、フィナンシャル・サービス・アクトにヒントを得ているわけであります。
 イギリスの金融サービス法は、カバーする範囲が広くて、横断的、機能的なルール作りを目指しているわけであります。つまり、だれが行うかではなくて何が行われるかに応じてルールが作られているわけでありまして、銀行が、証券会社が、あるいは保険会社が、商社がというのではなくって、どういう取引が行われるのか、何が行われるのかに応じて同じルールが適用されるとしているのがイギリスの金融サービス法であります。この金融サービス法は、金融サービス市場法として更に拡大充実されておりまして、我が国よりもっと先を行っていると言えるわけであります。
 今回の金融商品取引法は、こうした流れに沿って実現したものとして私は大変評価いたしますが、まだまだ先があると考えてよいのでしょうか。金融審議会金融分科会の部会報告におきましても、金融商品全般を対象とするより包括的な規制の枠組みの検討については引き続き精力的な検討を続けていくとされておりますが、与謝野大臣としては、ポスト金融商品取引法といいますか、今後の方向についてどのようにお考えなのか、お聞きいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 御指摘の日本版金融サービス法とは、利用者保護とイノベーションの促進を図る観点から、金融商品・サービスを幅広くとらえ、これに整合的に対応し得る機能別、横断的な法的枠組みを整備しようとするものであり、その理念は今回の法案でも相当程度実現されているものと考えております。
 今回の法案の先に預金、保険全般を対象に含む、より包括的な法制を整備すべきとの御指摘があることも承知をしておりますが、この点は金融審議会第一部会でも意見が分かれているのが現状であり、昨年末の報告書では、御指摘のとおり、今回の法案の法制化とその実施状況、各種金融商品の特性、中長期的な金融制度の在り方なども踏まえ、引き続き精力的に検討を続けていくこととされております。
 金融庁としては、まずは今回の法案をお認めいただいた上で、法案に盛り込んだ利用者保護のルールの徹底にしっかりと取り組んでいく考えでございますが、その上で金融商品・サービスの規制の在り方についても、今後の金融審議会における検討状況を踏まえ、引き続き検討を行っていくことになると考えております。
○中川雅治君 ありがとうございます。
 次に、横断化と並んで規制の柔軟化というのも今回の法改正の大きなテーマであると認識しております。
 機関投資家などを中心とするプロに投資商品を販売する場合については規制緩和を推進する一方、個人投資家を中心とするアマに投資商品を販売する場合については適正な投資家保護を確保する観点から必要な規制をしていくという、この法案の根底にあると思われる考え方については賛成であります。
 ですから、この法案においては、特定投資家、プロと、一般投資家、アマという区分を設けて、特定投資家以外の法人及び知識、経験、財産の状況に照らして特定投資家に相当する者として一定の要件を満たす個人については、原則として特定投資家には当たらないが、本人の申出と所要の手続を経た上で、業者の側で特定投資家として取り扱うことが可能な仕組みとなっているわけでありますが、これはなかなか工夫された仕組みであると思っております。
 しかしながら、アマからプロへの移行については、関係者の間で異なる意見が出ております。
 私の手元に届いております日本弁護士連合会の意見書では、一般投資家の保護の観点から考えてみると、仮に一般投資家であるアマに安易にプロへの移行を認めることになると、説明等を受けずに従来とは異なるリスクの投資に引きずり込まれて不測の損害を被ることが十分に予想されるところであって、アマからプロへの移行は断じて認めるべきではない、プロは機関投資家に限定されるべきであると書かれております。
 他方、経済同友会の意見書には、「特定投資家(プロ)の範囲等については、法の成立後、府令で規定されることとなるが、具体的な内容を検討する場合、一般投資家(アマ)の対象をあまりに広範なものとしたり、一般投資家が特定投資家になることを選択可能とするための要件を限定的にすべきではない。欧米諸国が既にそうであるように、特定投資家の範囲を極力広く取り、また規制緩和も徹底したものにすべきである。」と述べられております。
 この二つの意見書に代表されるような相反する意見が世の中にはあると思いますが、この法案の考え方はどの辺に位置していて、どのようなものなのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) お答え申し上げます。
 特定投資家の範囲につきましては、御指摘のとおり、一つには、投資者保護の観点から特定投資家への移行を安易に認めるべきではないという考え方と、他方には、投資家の選択肢を広げます観点から、一般投資家から特定投資家への移行を広く認めるべきとの考え方があり得るところでございます。金融審議会におきましても、この点について議論が行われてきたところでございます。
 今回の法案でございますが、御指摘の規制の柔構造化を進める観点から、一般投資家でありましてもその選択により特定投資家へ移行することができることとしているところでございます。
 特定投資家への移行につきましては、第一に、個人投資家の保護を徹底する観点から、個人は基本的にすべて一般投資家と位置付けることとした上で、特定投資家への移行の申出を行うことができる個人は、知識、経験、財産の状況に照らしまして特定投資家に相当する者として内閣府令で定める要件に該当する者に限ることとしているところでございます。
 二つに、また、一般投資家が特定投資家への移行を行おうとする場合には、その保護に欠けることがないよう手続を整備しております。さらに、個人である投資家が特定投資家への移行を行おうとする場合につきましては、より一層の厳格な手続を整備するなど、あくまでも投資者保護の徹底を前提とした上で、投資家の選択肢を広げることによりまして、金融イノベーションの促進を図ることとしているところでございます。
○中川雅治君 今回の法案では、投資家保護の観点からの規制を整備する中で不招請勧誘の禁止規定を整備しているわけですが、その対象範囲については、「当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるもの」とされております。
 この不招請勧誘につきましては、我が国の規制は諸外国と比べて立ち後れており、すべての金融商品について原則禁止とすべきであり、その上で適用除外については商品性やコンプライアンスの状況を点検した上でなされるべきであるとの意見が出されております。
 他方、不招請勧誘の禁止は、例えば新たな金融商品・サービスについて顧客への説明機会が極めて限られてしまうなど、業者の営業の自由を制限する面があるので一律に禁止するのは適当でないという考え方もあります。
 不招請勧誘の禁止の適用対象は政令で定めることとされていますが、既に当委員会においても与謝野大臣より、当面の適用対象については、外国為替証拠金取引等の店頭金融先物取引を定めることを考えているが、これだけに限定したものではなく、投資家に大変なリスクを負わせるような類型が出てくれば、政令で次々と追加をしていくと述べられておられます。
 この法案における不招請勧誘の禁止に関する考え方について、もう一度整理してお答えいただければと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 不招請勧誘の禁止でございますが、今回の法案におきましては、投資者保護の観点からの規制を整備する中で、顧客からの明示的な要請がない限り、電話、訪問による勧誘を行ってはならないとする不招請勧誘の禁止規定を整備しておりますが、その対象範囲につきましては、昨年末の金融審議会第一部会報告におきまして、適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合とする旨の考え方が示されております。こういったことを踏まえまして、政令におきまして、契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが特に必要なものを定めることとしているところでございます。
 当該政令の具体的な内容の検討につきましては今後進めていくことになりますが、当面の適用対象につきましては、一つはレバレッジが高いことなどの商品性、もう一つは執拗な勧誘や利用者の被害の発生という実態といった点を考慮し、御指摘のとおり、店頭金融先物取引、いわゆる外国為替証拠金取引を定めることが適当であると考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、利用者被害の実態等にかんがみまして、金融商品取引法案の不招請勧誘の禁止規定対象に追加すべき金融商品・サービスが出てきた場合には、政令において機動的に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○中川雅治君 ところで、金融先物取引に関しては、昨年五月に施行された商品取引所法の改正法におきまして、再勧誘の禁止と勧誘受諾意思確認義務の導入など、利用者保護の観点からの規制強化が図られたことは承知しております。つまり、勧誘を受けることを希望しない意思表示をした顧客に対して勧誘を継続する行為は禁止されました。また、勧誘に先立って、顧客に対し、取引等の勧誘である旨を告げた上で、その勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘することが禁止されたわけであります。そして、こうした措置がとられた結果、取引に関する苦情も現時点では改正法施行前に比べ減少傾向にあるという数字も見ております。
 しかしながら、商品先物取引は、本来、リスクヘッジのためにプロが行うべきものであり、アマは行うことがそもそも困難な取引であって、望まないアマには勧誘をしてはならない。商品先物取引については、不招請の電話、訪問勧誘を禁止すべきであるとの声も依然としてあることも事実であります。
 こうした声について与謝野大臣はどう思われるか、お伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 不招請勧誘の禁止は、顧客が自ら積極的に業者に働き掛けない場合には情報を得ることが困難となり、顧客の新たな金融商品・サービスへの自由なアクセスを制限するといった面があるため、金融商品取引法案においても一般的な枠組みを定めつつ、これを一律に適用するのではなく、取引の性質や利用者被害の実態等も勘案してその対象範囲を定めることとしているものであります。
 商品先物取引に関しては、御指摘のとおり、昨年五月に施行された商品取引所法の改正において、再勧誘の禁止規定及び勧誘受諾意思確認義務の導入など、利用者保護の観点からも規制強化が図られており、取引に関する苦情も引き続きあるものの、現時点では改正法施行前に比べ減少傾向にあるものと承知をしております。したがいまして、本法案において商品先物取引について不招請勧誘の禁止を行っていないところでございます。
 いずれにせよ、商品先物取引に関する利用者保護の徹底を図るため、引き続き所管官庁において検査監督の充実を図るなど、商品取引所法における再勧誘の禁止規定等の厳格な運用を図ることが必要であると考えております。
○中川雅治君 ありがとうございます。
 今回の法案では、投資事業組合を始めとするファンドに関して、一般投資家を対象とするファンドの販売、勧誘、運用を行う業者につきましては、利用者保護を徹底する観点から必要な規制を整備する一方、プロ投資家を対象とするファンドの販売、勧誘、運用を行う業者につきましては、過剰な規制とならないよう、規制を相当程度簡素化することとしております。この基本的な考え方には私も賛成であります。
 具体的には、一般投資家を対象とするファンドを取り扱う業者につきましては、登録を義務付けた上で、書面交付義務などの行為規制を適用し、当局が報告徴取、立入検査を行うことができるようにし、さらに、法令違反が認められた場合等には業務改善命令、業務停止命令、登録取消し等の行政処分を行うことができるようにしております。他方、いわゆるプロ向けファンドを取り扱う業者につきましては、登録ではなく届出で足りることとし、必要最低限の規制以外の規制は適用除外としているわけであります。
 このように制度は整備されるわけでありまして、大変結構なことでありますが、問題は各業者が運営する個々のファンドの実態を把握できるのか、つまり、これは一般投資家を対象とするファンドなのか、プロ向けのファンドなのか、その辺の区別をはっきりさせることはできるのか、そしてその実態を当局はきちんと把握できるのか、そういった点についてお伺いしたいと思います。そうでなければ、これはプロ向けだとして規制を逃れることができてしまうわけであります。制度が整備された後の運用についての金融庁の方針をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 議員御指摘のとおり、今回の法案では、一般投資家を対象とするファンドの販売、勧誘、運用を行う業者については、利用者保護を徹底する観点から、登録を義務付けることにより必要な規制を整備しつつ、プロ投資家を対象とするいわゆる投資家が、適格機関投資家及び四十九人以下の一般投資家の場合のファンドを取り扱う業者については、金融イノベーションを阻害しないよう、登録ではなく届出で足りることとしつつ、取引の公正を確保するため必要最低限の規制を課すこととしているところでございます。
 その際、プロ向けファンドのみを取り扱う業者についても、その業務の状況を確認するため特に必要がある場合の報告徴取等に関する規定を整備しており、必要な場合には金融庁として当該業者が運営する個々のファンドの実態についても把握することができることとしているところでございます。
 金融庁としては、プロ向けファンドについても必要な場合には実態把握をするよう、制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
○中川雅治君 制度が整備された後の運用につきましても、きちんとその体制を整備して行っていただきたいと思います。
 本法案では、ファンドについていわゆる短期売買規制の見直しが行われておりますが、これは市場の透明性を確保する観点からは重要な施策であると考えるものであります。
 短期売買規制とは、上場会社等の一〇%以上の議決権を保有する主要株主等は、当該上場会社等の株式等の六か月以内の短期売買によって得た利益については当該会社に返還しなければならないというルールでありますが、あわせて、主要株主等は、当該会社の株式の売買について翌月十五日までに当局に報告しなければならず、当局はこれを公衆縦覧するということも規定されております。
 今回の改正は、これまでファンドについて適用のなかった短期売買規制について手当てを行うものでありまして、これによりファンドの透明性が向上することが期待されますが、他方で、そこまで求めるのはどうかという声も出てきそうな気もいたします。今回の改正の趣旨についてお伺いいたします。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、短期売買規制でございますが、これは上場会社等の一〇%以上の議決権を保有する主要株主等につきまして、一つには、当該会社の株式等の売買について翌月十五日までに当局に報告しなければならず、一定の場合には当局がこれを公衆縦覧する、二つには、当該会社の株式等につきまして六か月以内の短期売買によって得ました利益について当該会社に返還しなければならないことを内容とする規制でございます。
 この短期売買規制の対象となる主要株主に該当するか否かにつきまして、現行法におきましては、組合につきましては法人格がありませんことから、組合型ファンド全体で一〇%以上の議決権を保有しておりましても、各出資者の保有割合が一〇%未満の場合には短期売買規制が適用されないこととされているところでございます。
 今回の改正では、組合型ファンドにつきましても法人と同等の取扱いとすることとし、組合型ファンドが組合財産として一〇%以上の議決権を保有している場合には短期売買規制が適用されることとしているところでございます。これは、組合型ファンドが市場において果たす役割が重要性を増す現状の中で、市場の透明性、公正性を確保するためには、その重要なプレーヤーであります組合型ファンドにつきましても透明性を向上させる必要があるからであると考えているところでございます。
○中川雅治君 次に、見せ玉について質問させていただきます。
 市場の株価を誘導するために、約定させる意思がないにもかかわらず市場に注文を出して売買を申し込み、約定する前に取り消す行為、いわゆる見せ玉は、市場の公正性、透明性を害する悪質な行為であります。
 見せ玉は、例えば大量の買い付け注文の発注により、投資家に買い付けの意向が旺盛な銘柄であると誤解させ、これにより見せ玉としての買い付け注文より高い価格での買い付け注文が誘引され、株価をつり上げるものでありまして、その実質は相場操縦行為にほかなりません。また、見せ玉は、元々約定の意思がない、全くないにもかかわらず発注と取消しを行うことにより、取引所のシステムに無用な負担を与えるという点でも極めて問題の多い行為であります。それにもかかわらず、現行の証券取引法では、顧客が行う場合には刑事罰は掛かるものの、課徴金の対象とはされておらず、また証券会社が自ら取引所において発注する場合は刑事罰と課徴金いずれも掛からないこととなっております。
 以上のような問題点につきましては、昨年十一月、証券取引等監視委員会が建議を行いまして、指摘をしているところであります。これを受け、本法案におきまして、いずれの見せ玉行為についても刑事罰、課徴金の対象となるよう規定の整備が行われているところであります。
 私は、こうした取組につきまして評価いたしますが、今後、実際に見せ玉を防止していくためには、証券取引等監視委員会において体制を整備し、これまで以上にしっかりと市場監視に取り組むことが必要であると同時に、実際に顧客の売買の発注を取り次ぐ証券会社の協力がどうしても必要であると思うのであります。
 こうした観点から、自主規制機関である日本証券業協会や東京証券取引所が各証券会社に対して顧客の注文に対する審査体制の整備等について促す取組を行うことが重要であると考えますが、この点について金融庁としての所見をお伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 日本証券業協会では、インターネットを利用した非対面型の証券取引の増加等を背景に、証券会社及び証券取引所の実務担当者で構成するワーキンググループを設置して必要な検討を行っていたところ、昨年十二月六日、その検討結果を自主規制規則に反映した「会員における顧客による不公正取引の防止のための売買管理体制の整備について」を策定し、公表をいたしました。この自主規制規則に基づく売買審査の対象には見せ玉も含まれており、一定数量の注文取消し等を行った顧客についても必要な売買審査を行うことを義務付けております。
 委員御指摘のとおり、見せ玉のような不公正取引につながる可能性のある注文を防止するためには、顧客の売買注文を取り次ぐ証券会社の協力が不可欠であり、各証券会社において自主規制規則に則して適時適切な売買審査が行われることを期待をしているところでございます。
○中川雅治君 ありがとうございます。
 我が国経済の更なる活性化を図っていく上で、間接金融に偏重した金融の流れを直接金融や市場型間接金融に移行させ、リスクマネーの供給を促し、リスクに柔軟に対応できる経済構造を構築していくことが必要となっております。こうした取組を進めていくに当たって証券取引所の果たす役割は非常に重要であると考えております。
 証券取引法は、証券取引所に規則を制定することを義務付け、取引参加者の法令、規則の遵守状況に関する調査や処分を行うことを求めております。このような自主規制機能は法律の授権により公的な役割の一部を取引所が行使するという側面を有しております。同時に、取引所に一定の自主規制機能が与えられ、公的な役割を果たすことが期待されている基礎には、取引所が会員組織として取引所会員の間の自治的な取決めを基盤として運営され発展してきたという沿革的経緯も認められるところであります。このように取引所は言わば上から及び下からの両面からの自主規制機能を果たしており、この意味で公共的な性格を強く有しております。
 その一方で、取引所が株式会社形態を取ることが平成十二年の証券取引法改正により認められました。これは取引所の運営において営利を目的とすることが認められたことにほかなりません。自主規制業務を行い、公的な役割を果たしている取引所が営利性を有する株式会社形態を取ることについては様々な議論があります。
 私は、公的役割を果たす取引所が営利性を有する株式会社形態を取るとしても、その選択肢がおかしいとは考えておりません。なぜなら、取引所が自主規制機能を的確に行使することにより、取引所が開設する市場の品質を高め、その市場に対する信頼性が高まります。信頼される市場には取引が集まり、ひいては取引所の利益向上にもつながっていくからです。また、株式会社という形態とすることによって、株式会社における適正な意思決定を担保するための様々な仕組みが適用され、取引所運営における意思決定の公正性、透明性が向上することも期待されます。
 しかしながら、例えば上場審査管理や売買監視といった局面において、取引所の営利性と自主規制機能の遂行という公共性の間に利害の相反が生じるおそれがあることは否定できません。市場に対する信頼を高めるためには自主規制機能が的確に遂行されることを制度的にも担保していくことが必要であり、こうした観点から、本法案においても所要の手当てがなされています。
 自主規制機能の在り方を考えるに当たっては、市場の現場に近いところできめ細かな対応が行えるというメリットを生かし、他方で、営利を追求する業務との利益相反を防止するために適切な独立性を確保し、そのバランスの中で自主規制が的確に行われ、市場の信頼性が高まるようにするという視点が重要であると考えます。
 取引所の自主規制機能に対し、大臣はどのような期待をされているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 議員御指摘のように、取引所が自主規制機能を的確に遂行していくことは、市場の信頼性確保の観点からも極めて重要なことと考えております。
 特に株式会社形態を取る取引所においては、その営利性と自主規制機能などの公共的性格とが利益相反を生ずることのないよう、取引所における自主規制機能が他の業務から独立して遂行されることが求められております。このため、今回の法案では、自主規制委員会制度及び自主規制法人制度の整備を行い、これらの制度も含めて自主規制機能の適正な発揮を確保しつつ、各取引所が自らの実情等に応じて組織の在り方を選択できることとしております。
 個々の取引所が具体的にどのような組織形態を取るかは、取引所を取り巻く環境や市場開設者自身による市場の設計方針などにより異なり得るものであると考えておりますが、各取引所においては、本法案の趣旨を踏まえて、自主規制業務の独立性を確保するなど、その適切な遂行に取り組んでいくことを期待をしております。
○中川雅治君 ありがとうございます。
 近年の技術革新により、取引所運営におけるシステムの重要性はますます高まっており、取引所はシステム産業、装置産業としての側面が強くなってきております。多くの個人投資家が証券市場に参加するようになり、また海外からの投資も活発になっている状況を考えますと、取引所におけるシステムが信頼に足るものであり、取引が安定的に行われることは極めて重要であります。
 この点、昨年来、各取引所においてシステム障害が続発し、取引が停止するような事態が生じたことは大変残念に思っております。これは、単に障害が発生した取引所に対する信頼が損なわれるという問題ではなく、我が国の金融システム全体に対する内外の信頼を毀損しかねない重大な問題であると考えるべきものであります。各取引所において深く反省し、国際的に見ても最高水準のシステム構築に向けて最大限の取組を行うべきことはもちろんですが、システムの信頼確保について取引所が機能を最大限に発揮できるよう、取引制度の在り方も含め、市場関係者が幅広く協調して我が国の金融システムを世界に冠たるものとしていくための取組を行っていくことが重要であると考えます。
 この点、大臣も強い問題意識をお持ちになり、懇談会を立ち上げて議論を進めていらっしゃいますが、今後、政府及び取引所を含めた市場関係者にどのようなことが求められるのか、お考えをお伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 議員御指摘のように、証券取引所は、我が国資本市場の重要なインフラの一つとして安定的かつ円滑に運営されていくことが重要であり、各取引所においてシステム整備を始めとして様々な方策について取り組んでいく必要があると考えております。その際、システム問題と制度問題の整合性を取っていくことも重要であり、市場関係者が幅広く協調していくことが必要であります。
 このような観点から、金融庁としても、証券取引所のあり方等に関する有識者懇談会を設け、市場関係者を始めとする有識者の方々に幅広く御議論いただいているところでございます。このような各般の議論を踏まえ、各取引所がそれぞれの状況に応じてシステム面での対応を含めた改革に取り組んでいくことが市場への信頼の向上につながるものと考えております。
○中川雅治君 ありがとうございます。
 また、今回の金融商品取引法では、昨今のディスクロージャーをめぐる不適切な事例を踏まえ、ディスクロージャーに対する信頼性の確保も大きな柱の一つであると理解しております。
 今回の法案では、その方策の一つとして、企業の内部統制を強化するために、財務報告に係る内部統制の評価と監査を義務付けることとしております。各企業がしっかりとした内部統制を行うことは各企業が健全に発展していく上で非常に重要なことであることは言うまでもないことですが、一方で、導入を義務付けられる企業にとっては評価と監査に係る新たなコストが必要となります。この制度が先に導入された米国では、企業に過大な負担となっているとの指摘があることも事実であります。
 これから制度を導入しようとしている我が国においては、ディスクロージャーの信頼性の確保と、そのためのコスト負担について適切なバランスを取ることが求められています。この点、金融庁としてどのようにバランスを取っていこうとされているのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(後藤田正純君) ディスクロージャーをめぐる最近の不適切な事例については、内部統制が有効に機能していなかったのではないかとの指摘がなされているところであり、財務報告に係る内部統制の強化を図ることが重要であると考えております。こうした観点から、本法案の中で内部統制報告制度を設けることとしたものであります。
 一方で、財務報告に係る内部統制に関する経営者による評価と公認会計士の監査を実務に適用していくためには、企業等において体制の整備などの準備が必要であり、企業等に相応のコスト負担が必要となることは御指摘のとおりでございます。
 金融庁といたしましては、過大なコストはひいては投資家の収益の低下にもつながるものであり、経営者による評価と監査を実務に適用していくための基準等の策定、整備に当たってはこうした点にも留意していく必要があると考えております。
 こうした観点を踏まえまして、昨年十二月に取りまとめられた企業会計審議会内部統制部会報告においては、先行して制度が導入された米国における制度の運用の状況も検証し、コスト負担が過大とならないための方策として、まず第一にトップダウン型のリスクアプローチ、第二に内部統制の不備の区分の簡素化、第三にダイレクトレポーティング、直接報告業務の不採用、第四に内部統制監査と財務報告監査の一体的実施、五番目に内部統制監査報告書と財務諸表監査報告書の一体的作成、第六に監査人と監査役、内部監査人との連携といった提言がなされているところであります。
 具体的な評価、監査手続等の詳細については、このような提言も踏まえつつ、引き続き検討を深めてまいりたいと存じます。
○中川雅治君 我が国資本市場の信頼性を高めるために、有価証券を発行する者の行うディスクロージャーと並んで重要なのは、有価証券を大量に取得して大株主となろうとする者や企業の買収を行おうとする者が行うディスクロージャーであります。特に最近は、短期間に大量の株式を取得する事例が多く見受けられます。また、企業の合併、買収については、案件数が増えるのみならず、その形態も多種多様なものが見られ、ディスクロージャーについて更なる制度整備が求められておりました。このような中で、今回の法律案におきましては、公開買い付け制度、大量保有報告制度について幾つかの見直しが提案されております。
 これらの有価証券を取得しようとする者に係るディスクロージャー制度の設計につきましては、投資者が投資判断を行うに当たって十分な情報の提供をタイムリーに受けることを可能にする、あるいは投資者にとって必要な熟慮期間を確保するといった要請がある一方で、過剰なディスクロージャー規制によって企業の経済活動の機動性、効率性を阻害しない、我が国資本市場への投資行動をゆがめないといった要請もあるわけでして、この両面からのバランスにしっかりと配慮することが重要であると考えます。
 金融庁においてもこうした点に苦慮されたことと思いますが、今回の公開買い付け制度、大量保有報告制度の見直し案については、このようなバランスにどのように配慮がなされているのか、金融庁にお伺いいたします。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の法案におきましては、公開買い付け制度につきまして、投資者、株主に的確な判断材料を提供し、それに基づき公開買い付けへの応募の是非を的確に判断してもらいます観点から、第一に公開買い付け対象者による意見表明や、第二に公開買い付け対象者から公開買い付け者への質問機会の付与などの措置を提案させていただいているところでございます。
 一方で、これらの措置によりまして公開買い付けの円滑な実施が阻害されることのないよう、意見表明や質問に対する回答の方法等につきましては柔軟な取扱いを可能とするなどの方策を講じているところでございます。
 その次に、大量保有報告制度でございますが、これは、特に機関投資家に認められております特例報告につきまして、第一には、制度の本来の趣旨であります、投資者に対して必要で正確な情報が迅速に開示されるべきであるとの要請が強く存在する一方、一方で投資行動が過度にオープンになると機関投資家等に日本マーケットを回避させることにつながりかねないのではないかとの議論がありますことから、両者のバランスに配慮いたしまして、特例報告に係る報告期限それから頻度につきまして短縮を図ることを提案させていただいているところでございます。
 このように、投資者に対します十分な情報開示を確保するとの要請と過剰規制に伴います悪影響を回避するとの要請のバランスに配慮しながら、公開買い付け制度、大量保有報告制度につきまして御提案申し上げているところでございます。
○中川雅治君 本法案では、ディスクロージャーの充実に向けて、財務報告に係る内部統制の強化、四半期報告制度等の導入、虚偽記載があった場合の罰則の強化等の措置が講じられていますが、企業において適正な開示が行われるためには、財務諸表の作成の前提となる会計基準の整備も重要な論点ではないかと考えます。
 金融資本市場の重要なインフラの一つである会計基準につきましては、世界的にコンバージェンスに向けた動きが急であります。EUでは、二〇〇五年から域内企業に国際会計基準の使用が義務付けられ、これに伴い、EU域内で活動する日本企業の開示に関し国際会計基準と我が国の会計基準の同等性評価の作業が進められています。
 最近の情報では、その結論時期が二〇〇九年まで二年間延長される方向と聞いておりますが、最終的にその同等性が認められるためには会計基準のコンバージェンスを今後どれだけ進められるかが重要なポイントになるものと考えます。
 また、本年二月には米国の会計基準とEUが採用している国際会計基準の間のコンバージェンスに向けた取組の合意がなされたと承知しております。仮に、我が国がこのような世界的な流れに乗り遅れると、日本基準が国際的に通用しないローカルなものとなってしまう懸念があります。
 我が国の会計基準の設定については、民間の企業会計基準委員会、ASBJで行われていますが、会計基準の整備いかんによっては、我が国企業の海外市場へのアクセス機会の減少や海外からの投資の減少等、我が国の今後の経済運営に大きな影響を与えかねない問題でもありまして、金融庁としてもこの問題についてこれまで以上にリーダーシップを発揮すべきではないかと思います。
 金融庁として、会計基準のコンバージェンスに向けた取組についてどのようにお考えなのか、またどのように取り組んでいくのか、お聞きいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 経済・金融取引の国際化が進展する中、金融資本市場の場合の市場の重要なインフラである会計基準についての国際的なコンバージェンス、これを進めることは我が国金融資本市場の活性化と我が国企業の国際的な資金調達の円滑化等のために極めて重要な課題であると認識をしております。
 このような観点から、金融庁としては、我が国における会計基準設定主体である企業会計基準委員会が世界の主要な会計基準設定主体と緊密に連携し、会計基準の国際的なコンバージェンスに積極的に貢献していくことが必要不可欠であると考えております。
 金融庁としては、ASBJによるこうした取組を積極的に支援していくとともに、一層のリーダーシップを発揮せよとの御指摘をも踏まえ、会計基準の国際的なコンバージェンスの重要性にかかわる情報発信等に努めてまいりたいと考えております。
○中川雅治君 ありがとうございます。
 次に、環境と金融の問題についてお伺いをしたいと思います。
 将来にわたって持続可能な経済社会を築いていくためには、それぞれの経済主体が創意工夫を持って自発的に環境保全に取り組むことが重要であります。経済活動の中で企業が果たすべき役割は大きく、企業活動の中で環境配慮など社会的な価値の実現を図っていくことが求められ、近年は企業の社会的責任、CSRの取組が重要視されるようになってきております。
 こうしたCSRの取組を更に推進していくためには、こうした活動に熱心に取り組む企業等に社会のお金が流れやすくすることが効果的であり、このような投資の在り方として社会的責任投資、SRIが注目されています。
 環境省では、SRI等を伸ばしていくという観点から環境と金融に関する懇談会を立ち上げたと聞きますが、環境省は環境保全を進めていく上での金融の役割についてどう認識し、どのようなことを期待しているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(桜井康好君) 環境と経済の好循環を実現して持続可能な経済社会を築いていくためには、環境などの社会的な課題を考慮したお金の流れを広げていくということが効果的であり、また必要であるというふうに考えておりまして、金融の果たすべき役割は極めて大きいというふうに認識をしているところでございます。
 環境省ではこの四月から大臣が主宰をいたしまして、環境と金融に関する懇談会を立ち上げ、SRI、つまり社会的責任投資や環境配慮事業等に対する融資、低利融資などの推進方策について御専門の有識者の先生方に御議論をいただいているところでございます。
 千五百兆円を超えます個人金融資産の有効な活用という視点も考慮しながら、金融分野には環境などの社会的課題の解決に取り組む企業等を積極的に支援していくということを期待しているところでございまして、今後、我が国が世界に誇れるような環境力と金融力を融合するような取組を進めるということが重要であると考えているところでございます。
○中川雅治君 今、環境省の方から御答弁をいただきましたが、環境省だけではこうした問題、なかなか前進をさせることはできないと思います。やはり、金融庁の全面的な協力、まあ協調が必要であるというふうに思います。こうしたことを推進していくためには金融庁としても取組を進めるべきであると思いますが、どのような方策があるかについて金融庁にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 環境省に設置された環境と金融に関する懇談会では、社会的責任投資の普及促進についてといった議題を含め、環境政策における金融分野の役割の重要性について幅広い観点から議論が行われているものと承知をしており、金融庁もオブザーバーとして参加をさせていただいております。
 また、金融庁は、利用者利便等の観点から本年一月末に、SRIに関する取組をも含む各金融機関のCSRの具体的取組についてアンケートを実施し、その結果を金融機関のCSR事例集として取りまとめ、三月末に公表したところでございます。
 金融庁としては、各金融機関がSRIを含め、金融機関の社会的責任及び利用者ニーズに的確に対応した金融商品の提供を自主的に進めていく際に、金融庁が今回公表した事例集を参照して役立てていただければと考えております。
○中川雅治君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 これから申し上げることはこの法案と直接関係があるわけではございませんが、株式譲渡益課税の問題について私の考えを申し述べさせていただきまして、それについての御見解をお伺いしたいというふうに思います。
 近年の税制改革におきましては、所得税の累進構造の緩和、相続税の軽減等が進みまして、税による所得の再分配機能が低下してしまいました。私は、これから中長期的には消費税の税率を引き上げざるを得ないと考えますが、逆進性のある消費税の役割が高まる中で、税による所得再分配機能を回復させる努力をすべきであるというふうに思っております。
 税による所得再分配機能の回復を考えていく上で、私は株式譲渡益課税についても是非再検討すべきであると提案します。
 株式譲渡益は、昭和二十七年まで総合課税とされていたものが昭和二十八年に非課税となりました。しかしながら、その後の改正で、一定の回数や株数を超えて取引したものについては申告により総合課税、つまり累進税率に基づく高い税率により課税されていました。ところが、平成元年度に課税ベースの拡大を図るとの観点から、株式譲渡益について原則非課税から原則課税へと変更されたのですが、総合課税の部分はなくなり、申告分離課税と源泉分離課税の選択制となりました。さらに、平成十一年度において申告分離課税への一本化が図られました。
 その後も、上場株式等に係る譲渡益に対する税率の引下げや損益通算範囲の拡大を認める一方、特定口座制度を導入するなど、一般投資家が手軽に投資することを可能にする制度へと見直しが行われてきました。こうした税制改革がバブル崩壊後の証券市場を支える大きな役割を果たしてきたことは事実であると思います。
 しかしながら、インターネット投資家が瞬時にして何億円、何十億円ともうけても、上場株式等に係る株式譲渡益はすべて一〇%の分離課税で済むという現状は、公平性の観点から看過できないものと思われます。
 私は、我が国の場合、金融所得課税一体化の流れがあり、また、事業所得が大きくなったときに損失が出るような株の売買を実施して意図的に損益通算をするようなケースを起こさないためにも、分離課税を維持した方がよいと思いますが、大口の株式譲渡益については、公平性の確保の観点からも、また税による所得再分配機能の回復を図るためにも、思い切った累進税率による申告分離課税とすべきであると考えます。
 与謝野大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 現行の株式投資優遇税制、すなわち一〇%軽減税率については、我が国個人金融資産に占める株式投資信託の割合が依然として諸外国に比較して低い状況にあることから、金融庁では平成十七年度及び平成十八年度税制改正においてその適用期限の延長を要望したところでございます。
 いずれにしましても、税制については、例年八月末に税制改正要望を取りまとめ、税制当局に提出しているところでございますが、本件に関しましても関係各者の御意見等を踏まえつつ、夏場の平成十九年度税制改正要望に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
 なお、委員御提案の累進制については、優遇税制の導入当初念頭にあった貯蓄から投資へという政策課題や、投資家にとって分かりやすい簡素な税制とはどのようなものであるかといった様々な観点の検討が必要になるものと考えております。
○中川雅治君 恐らく財政当局の方からは、今一〇%のこの優遇税率を二〇%に、本来の二〇%に戻そうというような動きが出る可能性があると思います。私は、基本的にはこの一〇%という優遇税率、これを少額の株式譲渡益については残していくということは、個人投資家のすそ野を広げるという意味でこれは意味のあることだと思いますが、やはり、非常に大きな株式譲渡益を得た者についてもこうした一〇%の分離課税とすることはやはり非常に大きな問題があると思います。
 そういう意味で、是非、これから年末に向けて税制改正の議論が進んでいくと思いますが、いわゆる業界の意見ということを酌み取るだけではなくて、やはり経済、財政全般にわたって所管しておられる与謝野大臣のリーダーシップの下で、こうした公平性あるいは税による所得再分配機能の回復といった観点をも踏まえた十分な検討をされた上で税制改正要望をされることを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。私に与えられた時間四十分で、まず基本的な今回の法改正の問題点について何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、公認会計士ないし監査法人をめぐるトラブルについて、昨日の本会議でも御指摘があったところでありますが、これは最近、中央青山監査法人の複数回にわたる不祥事で非常に注目をされたわけでありますが、しかし、この監査法人に限らず、これまでも時折トラブルがあったことであります。
 こうした経過をかんがみたときに、この高い見識そして資格を持つ公認会計士の方々がやっぱりこういうトラブルを起こしてしまうということは、この公認会計士制度そのものに内在する側面が私はあるのではないかと思うんですね。特に、会社の会計監査等をする場合には、その言わば契約をする、報酬を支払う人とその会社の会計上の問題点を発見したときには、株主の利益というものも一方で考えなければならないわけでありまして、そこに一種の利害対立といいますか、利益の相反といいますか、そういう関係が生じてしまうというところであろうと思っておりますが、このトラブルの起きる原因、公認会計士制度に内在する特質があるのではないかと思うわけでありますが、その点の御認識とそれらに対する対応策についてまず基本的なお考えをお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 公認会計士、監査法人は、企業財務情報の信頼性の確保に当たり極めて重要な役割を担うものであり、御指摘のような監査法人や公認会計士の信頼を揺るがしかねない事態が生じていることについては真摯に受け止める必要があるものと考えております。
 最近の不適切な事例が生じた原因については、一概に申し上げることは困難とは考えますが、例えば、御指摘のように、経営者との関係において、監査及び会計の専門家としての独立した地位が十分に確保されていなかったのではないかとの問題も指摘されているところでございます。
 金融庁としては、これまでも平成十五年に公認会計士法を改正するなど公認会計士監査の充実強化に努めてきたところであり、さらに、先般施行された会社法においては、監査報酬の決定に関し、経営者をチェックする立場の監査役会等の同意が必要とされたところでございます。
 金融審議会公認会計士制度部会においては、監査法人制度等の在り方について総合的な検討に着手したところであり、会計監査人の独立性の確保や地位の強化等について、関係省庁とも連携しつつ、十分に検討を進めてまいりたいと考えております。
○山口那津男君 この公認会計士制度、他の制度と比較するということも大事だろうと思うんです。例えば会社法制の中には、利害関係が相反する場合には幾つかの制度が工夫をされております。また、弁護士の制度におきましても、利害反する場合、双方代理の禁止あるいは様々な制度が置かれているわけであります。
 また、一級建築士に関していいますと、例えば、建物の設計及び施工、監理という過程がありますが、本来、設計と監理というのは別な人格を予定しているわけでありまして、現実にこれを別々の一級建築士に依頼をして、あるべき設計とそしてその施工チェックというものをコストを掛けてやるという依頼主もいるわけですね。そうしたチェックが独立性を保って別な人格でなされた場合には、やっぱりそれなりの品質というものが確保されているわけであります。しかし、そこを設計から施工から監理からすべて一つの事業体にお任せするというのも世間には通常見られるところでありますが、やっぱりそこにはトラブルのもととなるようなものがあるわけであります。
 こうした諸制度と比較した上で、今の公認会計士ないし監査法人に関する制度、ここについてはもう一段の工夫が必要だろうと思うんです。是非、今後の検討におきまして、それら制度との比較を含めて御検討をいただきたいと思うんですが、御認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 現在の公認会計士法におきましても、特定の事項についての職務の制限等で、例えば一定の関係にあるものにつきましては、この監査業務を行ってはならない等々のいろんな規定があるわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、公認会計士制度全体につきましては、これから金融審議会におきまして総合的な検討を行っていくところでございます。いろいろ、公認会計士監査の独立性をどのように適正に確保していくか、御指摘の点も十分に踏まえながら検討をしてまいりたいと思います。
○山口那津男君 是非、積極的な検討をお願いしたいと思います。
 次に伺いますが、今回の法案には政令に委任している部分というのが数多く見られるわけであります。これは機動的な対応をする、あるいは技術的な側面も多いということから、ある程度当然のことだろうとは思うわけでありますが、しかし一方で、法律は社会に対して、国民に対して、予見可能性を与えるということも重要な部分であります。
 例えば、今回、公開買い付け制度に関しまして、市場内外の取引を組み合わせて保有割合が三分の一を超えた場合に関する法律上の要件というのが定められておりますが、これも政令で定める一定期間以内にとか、あるいは政令で定める一定割合を超える買い付けを行いとか、あるいはそのうち市場外取引において政令で定める一定割合を超える買い付けを行う場合等々が規定されておりまして、政令を見なければ内容がよく分からないと、こういう規定ぶりになっております。
 そういう規定ぶりというのは、どんな場合に規制がなされるのかというのは、やっぱり国民の側から見て必ずしもはっきりしたものではありませんし、規定の趣旨そのものが一体何なんだろうかという疑いさえ生じてくる、そういう批判もあるわけでありますが、この政令多用に対して、もっと予見可能性を与えるべく法律を規定すべきではなかったかと、こう思うわけでありますけれども、御所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 国民に義務を課し、又は国民の権利、自由を制限する規制を設ける場合には、基本的に国会の議決をいただきまして法律によって定めるべきものであり、御指摘のように白紙委任的な規定を設けることは望ましくないと考えているところでございます。
 一方、金融技術やIT技術の進展などを背景といたしまして、金融取引が複雑、高度化しますとともに、新たな金融商品・サービスが次々と現われます状況から、こうした商品・サービスに対する規制につきましては、専門的な細目事項が増大しますとともに、状況の変化に即した機動的な対応が求められているところでございます。
 このような観点から、今回の法案におきましても、他の業法と同様に法律において業者が遵守すべき行為規制等について具体的に規定しながら、専門的な細目事項や状況に応じた機動的な対応が求められるものにつきましては、必要に応じて政令、内閣府令の委任が行われているところでございます。
 ただし、今回の政令、内閣府令でございますが、その大半は、現行の証券取引法に外国証券業者に関する法律、金融先物取引法、投資顧問業法及び抵当証券業法を統合することに伴いまして、現在それぞれの法律で定めております政令、府令事項を金融商品取引法の政令、府令において規定をし直すためのものであることも御理解いただきたいと思います。
 また、政令、内閣府令の内容につきましては、国会で御審議いただきます法律の授権の範囲内で規定するものであり、国会での御審議を踏まえながら、行政手続法に基づきます意見公募手続を経て定めていくこととしたいと考えているところでございます。
○山口那津男君 正にその授権の範囲、事項が何なのかという議論、これから議論が展開されていくと思いますが、是非明確な御答弁をお願いしたいと思います。
 次に、この金融商品取引に関する規制を強化したわけでありますが、それと同時に、それらの規制を金融商品取引のみならず、例えば商品取引等他の取引分野にもこの規制を横断化するという改正がなされているわけであります。この基本的な横断化の理由についてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 今回の法案では、利用者保護を徹底するため、投資性の強い金融商品を幅広く対象とする横断的な法制を整備することとしております。
 具体的には、既存の利用者保護法制の対象となっていないすき間を埋める観点から、金融商品取引法の対象範囲について、集団投資スキーム、すなわちファンド持分の包括定義を設け、また有価証券関連以外のデリバティブ取引も対象とすることとしております。
 また、同じ経済的機能を有する金融商品には同じルールを適用するという観点から、投資性の強い預金、保険、信託等、商品先物取引、不動産特定共同事業については、これらを規制する各業法において金融商品取引法の行為規制を準用する等の所要の整備を行っており、これにより金融商品取引法との行為規制の同等性を確保することとしております。
○山口那津男君 商品先物取引をめぐるトラブルというのは昔から数多くあったわけでありますけれども、このトラブルというのは最近減っているという認識でしょうか。まず、その御認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(佐久間隆君) 商品取引をめぐるトラブルの件数でございますが、平成十四年度から平成十六年度にかけまして国民生活センターに寄せられました苦情件数は毎年度七千件を超えておりました。しかし、昨年五月に施行されました改正商品取引法に基づきまして利用者保護の観点から規制の大幅強化を図りました結果、平成十七年度の苦情件数につきましては四千件台に減少いたしております。このことから、法律改正によります一定の効果があったものと考えておるところでございます。
 さらに今般、商品取引法につきまして、金融商品取引法案と同等の利用者保護のための規定を整備することとしておりまして、これらの措置によりまして商品先物市場の健全な発展に努めてまいりたいと考えております。
○山口那津男君 日弁連の消費者問題委員会はこの問題に強い関心を持っておりまして、商品先物取引等における不招請勧誘を禁止すべきであると、こういう主張をかねて持っているわけですね。改正法はこれに対して、商品先物取引に対して、例えば不招請勧誘禁止をする政令で指定するようなことができるような仕組みになっているんでしょうか。
○大臣政務官(後藤田正純君) 今回の法案におきましては、商品先物取引を含めまして投資性の強い金融商品・サービスに関する横断的な投資者保護法制が整備されているものと考えております。
 政府といたしましては、まずは今回の法案をお認めいただいた上で、法案に盛り込んだ利用者保護ルールの徹底にしっかりと取り組んでいくことが必要だと考えております。
 その上で、御指摘のような、更に包括的な規制の枠組みについては、昨年末の金融審議会第一部会報告において、投資サービス法の法制化とその実施状況、各種金融商品の特性、中長期的な金融制度の在り方なども踏まえ、当部会において引き続き精力的に検討を続けていくこととしたいとされており、そうした際に、商品先物取引の規制の同等性についても引き続き検討が行われることになると考えております。
○山口那津男君 私が伺ったのは、政令で、例えばさっきの店頭何とか金融商品ありましたね、これは不招請勧誘を禁止する対象として規定しているわけですね、あるいはこれからするんでしょうかね。その政令指定を、商品先物取引をその不招請勧誘禁止の対象として政令で定めることができるんですかと、こう聞いているんです、現行法で。
○政府参考人(佐久間隆君) 商品先物取引におきます不招請勧誘のことでございますけれども、商品先物取引におきまして、顧客が望む場合を除き勧誘を一切禁止するという、いわゆる不招請勧誘の禁止、これを導入することにつきましては、営業の自由との関連でございますとか他の金融商品との均衡等にも考慮しつつ、慎重に検討する必要があると考えているところでございます。
 現在、商品取引所法におきましては、平成十六年に商品取引所法改正が行われまして、その際に、一度断った者に対する再勧誘を禁止する利用者保護措置を既に講じておりまして、同法の適切な運用によりまして委託者保護の徹底を図っていきたいと考えております。
○山口那津男君 結局、政令で指定できないんでしょう。どうなんですか。明確に言ってくださいよ。今お答弁なされた方、できるんですか。
○政府参考人(佐久間隆君) この不招請勧誘の禁止ということが、営業の自由との関連ということがございますので、これについて十分検討しないと、その上でないと難しいというところがありますので、慎重に検討をするという必要があるかと。
○山口那津男君 できるかできないかを聞いているんですよ。金融庁、どうなんですか。政令で指定できるの。
○政府参考人(三國谷勝範君) 商品先物取引につきましては、これは商品取引所法上でございますけれども、法律におきまして再勧誘の禁止等の規定が法定されているところでございますが、不招請勧誘の禁止は政令指定のという規定はございません。
○山口那津男君 そうしますと、同等の利用者保護の制度をつくると、こう言いながら、この不招請勧誘については、金融商品取引については政令で指定できる道はあるものの、この商品先物取引は指定できないわけでしょう。また、現に指定する気もないわけですね。さあ、それでいいのかどうかということであります。
 トラブルは減ったというさっき御答弁でありましたけれども、たかだか昨年四千件になった、前年までは七千件の水準だったと、こうおっしゃっていて、それで減ったから必要がないとは到底言えないだろうと思うんですね。それで、七千件の水準以前も四千件台の水準のときもありました。しかし、過去五、六年取ってもこれだけの水準というのは高い水準なんですよ。
 この商品先物取引についてのトラブルというのは、この弁護士会の消費者問題委員会は昭和五十年代からできているんですよ。ずうっとこの問題を追っ掛けているんです。私も現役の弁護士時代にはこういうトラブルを扱ったことがあります。ですから、非常に古い問題なんですよ。そのトラブルが減ったという認識は、だから不招請勧誘を禁止をする必要がないというのは全く説得力がないと私は思います。
 現実に、日弁連の消費者問題対策委員会は本年、十八年一月と十六年十二月に電話一一〇番で相談を受けているわけでありますが、この十六年十二月に先物に対するトラブルの件数は三百八件、今年の一月にやった先物取引のトラブルの件数が三百九十九件、ここでの相談件数は増えているんですよ。増えているんです。
 例えば国民生活センター、十七年十月五日に相談件数等のデータを公表しているわけでありますが、そのときには呼び掛けをしているんですね。この商品先物取引に対してはリスクの理解が不十分だ、勧誘の方法に問題がある、適合性原則が遵守されていない、消費者の意思を無視した取引が行われている、そういう問題を列挙して、一般消費者は絶対に手を出さないことが最も重要だと、こうやって国民生活センターは呼び掛けているんです。
 これは余りにもトラブルが多くて、この取引は一般の消費者といいますか一般の投資家には非常にリスクが高い、問題が多い、手を出すなと、こういうふうに国民生活センターは指摘しているんですよ。十七年の十月の話ですよ。それで不招請勧誘が必要ないという理由には到底ならないと思うんですね。
 また、この商品先物取引法に関しては数々の事件を引き起こしてまいりました。その日弁連の委員会の調査によりますと、西暦二〇〇〇年から西暦二〇〇六年三月まで、これまでの刑事事件になったケースを分析をいたしまして、着服ケースというのが非常に多いんですね。件数で言うと六十六件、着服額の合計額で言うと百二十七億円余りであります。一件当たりの着服金額というのは一億九千万に達しているわけですね。こういった事件を数多く引き起こしているわけです。中には、このトラブルが高じて殺人事件にまで発展しているものもあるわけであります。これは国家として放置しておくのはゆゆしき問題だろうと思うんですね。
 なぜ不招請勧誘禁止を導入しないんですか。もう一度おっしゃってください。
○政府参考人(佐久間隆君) 私ども、商品先物取引におきまして、外務員等の行為に非常に大きな問題があったり、場合によってはその会社の営業姿勢においても、要するに法の遵守という点に多大に問題があるというところがあったということは承知をしておりますし、十六年の商品取引所法の改正におきましてもそういった面での強化というものを行って、またさらには検査の強化というようなところをやって、現在、そういう形での厳正な法執行に取り組んでおるところでございます。その結果、優良でない事業者の中には退出といったようなところも出てきておりますし、全体として法の遵守という方向へ向けて少しずつ改善が見られているというところでございます。引き続きこれに努力してまいりたいということで考えております。
 また、不招請勧誘につきましては、商品取引という特異にあるものだけではなくて他の金融商品との関係というのも十分に考えながら検討する必要があるというところでございますので、そういう面につきましても十分考慮していきたいというふうに考えておるところでございます。
○山口那津男君 現行法でトラブルが果たして防げるのかどうかと、このたびの改正も含めてですね、これは大いに疑問があるところであります。
 そこで、もう一点、商品先物取引において損失補てん禁止、これは他の、もちろん金融商品取引について禁止されているわけで、かつて証券の取引において問題になったわけでありますが、これを商品先物取引においても及ぼしているわけですね。その理由はどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(谷みどり君) 損失補てんは市場における正常な価格形成をゆがめ、市場仲介者として保持すべき中立性、公正性に反し、投資家の市場に対する信頼を大きく損なう行為でございます。このため、本法案では、投資家保護規制の充実や取引の公正性確保の観点を踏まえまして、商品取引所法につきましても他の関係法律と同様、金融商品取引法と同等の規制を導入し、損失補てんの禁止を導入することといたしました。
 また、商品取引員でありましたグローバリー社の事案に見ますように、商品取引事故を監督官庁に隠ぺいするために簿外処理により不透明な形で一部の顧客に対して損失を補てんしている事実が判明しましたことも踏まえまして、透明な手続によるもの以外は商品取引員が事後的に損失補てんを行うことを禁止する必要性は高いものと認識しております。
 なお、損失補てんの禁止が定められております証券取引法では、損失補てんの禁止が適用されない場合として、裁判所の確定判決を得ている場合、裁判上の和解が成立している場合、協会のあっせんによる和解が成立している場合等が内閣府令において定められていると承知しております。したがいまして、商品取引所法におきましても損害賠償の支払ができなくなるといった弊害が生じないよう、現行の証券取引法と同様の内容を商品取引所法の主務省令に規定する方針でございます。
○山口那津男君 本来、自己責任に帰すべき損失といいますか、損を被ったという苦情、これに対応して不公平な取扱いをしてはならないという損失補てん禁止の基本的な考え方は成り立つだろうと思いますが、しかし一方で、何らかの不法行為あるいは業法を違反した行為によって損害を与えたという場合は、当然賠償しなきゃならないわけですね。そうですね。
 ですから、この損失補てん禁止の規定を悪用されて、その損害賠償の請求の交渉事にまでこれが悪用されてはやはり弊害が生じるだろうと思います。確定判決あるいは和解調停の結果が出るまでは、やはり交渉の過程、相当長い交渉の過程が必要なんであって、一般の投資家からすれば、そういう一種の手続を踏んで損害賠償請求権を確定するというのはなかなか容易なことではありません。ですから、この損害の賠償をさせる交渉にこの損失補てん禁止の条項が悪用されてはならないと強く思うわけでありますが、その弊害を防止する手だてというのは十分に講じられていないんじゃないんですか。
○政府参考人(谷みどり君) 先ほども申し上げましたけれども、証券取引法の規定と同様の内容を商品取引所法の主務省令に規定する方針でございます。この中身といたしましては、裁判上の確定判決、和解、そして協会のあっせんによる和解などが定められておりますので、こういったものを規定するということによりまして、透明な手続によるものにつきましては損害賠償の支払ができなくなるといった弊害が生じないようにすることとしております。
○山口那津男君 そうだとすると、利用者、トラブルに巻き込まれた利用者からすれば、安くて早くて有利に解決できる、そういうところに相談できる仕組みというのをやはりきちんと広報もし、そういうものを啓蒙する必要があるだろうと思うんですね。同時に、そういう弊害を起こしそうなその業者側の在り方については強い規制といいますか、監視が必要だろうと思うんです。この両面で是非この弊害が生じないようにやらなければならないと思います。ただし、今後の運用いかんによって、この禁止規定が本当に有効なのかどうかというのは検討の余地が出てくるだろうと私は思っておりますが、ひとまず次の問題に移ります。
 不招請勧誘禁止をすべきか否かという前提として、適合性の原則というのが規定もされ、取り上げられてまいりました。昨年の七月十四日、最高裁判決で、この適合性の原則に違反した場合は不法行為になり得ると、こういう判決も出ているところでありまして、この趣旨が改正法で防止策としてどのように実現されているかということを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘の昨年の七月の最高裁判決でございますが、これは、適合性の原則から著しく逸脱した証券取引の勧誘をしてこれを行わせましたときは、当該行為は不法行為法上も違法となると解するのが相当としました上で、顧客の適合性を判断するに当たっては顧客の投資経験、証券取引の知識、投資意向、財産状態等の諸要素を総合的に考慮する必要がある旨、判示したものと承知しております。
 今回の法案でございますが、最高裁判決の趣旨も踏まえまして、金融商品販売法に基づきます説明義務を尽くしたかどうかの解釈基準といたしまして、「説明は、顧客の知識、経験、財産の状況及び当該金融商品の販売に係る契約を締結する目的に照らして、当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度によるものでなければならない。」と明記し、適合性原則の考え方を取り入れることとしているところでございます。
 したがいまして、改正後の金融商品販売法の下におきましては、業者が顧客に対しまして適合性原則に照らしまして適切な説明を行っていない場合には、業者は同法に基づきます民事上の不法行為責任を負うことになると考えているところでございます。
○山口那津男君 今回、一定の法的手当てをしたわけでありますが、最終的には損害賠償責任を強化するということで規定も置かれたところであります。立証責任の転換はもとより、説明の対象や範囲についても一定の拡充をして手当てをしたということはあるわけでありますが、しかし、ここで説明義務、適合性の原則と関連するわけでありますが、その取引の仕組み等重要な部分について説明すれば足りると、告知すれば足りるというのでは本当はトラブルは防げないと思うんですね。
 例えば、東京高等裁判所の判決で、平成八年十一月二十七日の判決の指摘によりますと、投資家が、これは商品取引のじゃなくて証券取引の事例ですが、投資家が正しい理解を形成した上で、その自主的な判断に基づいて当該証券取引を行うか否かを決することができるように配慮すべき信義則上の義務を負うと、こう指摘しているわけですね。で、同様の趣旨の考え方に立った判決というのは数多くあるわけであります。
 ここでのポイントは、単にその仕組みを理解させた、あるいは理解できる資料を与えたというだけではならないのだと、本当にそれを理解した上で自主的な判断によって取引を行うというところまで相手が至っているかどうか、そういうところまで配慮した説明を尽くすべきであると、こういう判決の考え方なんですね。
 ですから、今回、一定の拡充は見られたとはいうものの、これだけで本当にトラブルを防げるかどうか、形式的な説明あるいはそういう証拠を残しただけで終わってしまうということが起こりがちだと思います。ですから、この規定の仕方は一定の前進と評価しますけれども、しかしここでは、これが遵守されているかどうか、徹底した監視、検査、これが必要だろうと、そうでなければ実効性は保てないと、私は指摘をしたいと思います。
 さてそこで、この適合性の原則というのは非常に大事な考え方でありまして、これらが、先ほど不招請勧誘取引を禁止した、政令で定めるとされた例がありますね。それは適合性原則を全うできないんですか。だから不招請勧誘を禁止したんですか。トラブルが多過ぎる、そして適合性原則をおよそ期待できない、だから不招請取引を禁止することにしたんですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 現在、不招請勧誘の対象としているものといたしましては、店頭におけます金融先物取引、いわゆる外為証拠金取引が掲げられているわけでございます。
 不招請勧誘の禁止につきましては、昨年度の金融審議会でも議論をいたしまして、それまでのレバレッジ等の商品性、それからそれまでのいろんな実態等を考慮いたしまして、およそ適合性原則を期待できないようなものにつきましては不招請勧誘という考え方でございまして、今回もそういった考え方に従いまして、政令では店頭におきます金融先物取引、いわゆる外為証拠金取引を考えているところでございます。
 引き続き、そういった事例等に即しまして、そのような指定が必要なものが生じてまいりました場合には機動的に指定してまいりたいと考えているところでございます。
○山口那津男君 今御答弁にありましたように、やっぱり適合性原則遵守を期待しにくい、そういう取引だというところなんですね。
 そうしますと、商品先物取引に戻りますが、判決は、この数多くの判決は、商品先物取引は複雑困難で危険を伴う、一般投資家はそれを理解しにくいと、こういう指摘が多いんですよ。そして、現実に弁護士会が本年相談を受けた商品先物取引のトラブル、これの八割以上が、初めて取引をする、つまり過去経験がない、そして勧誘に来られて引きずり込まれた、正に不招請の勧誘に陥ったという事例なんですよ。
 で、過去の判例では、立派な公務員、あるいは大学卒の団体、会社の職員、会社員、こういう人たちもトラブルに巻き込まれているわけですね。つまり、商品先物取引の複雑性、リスクの高さ、これらについては、一通りの説明を聞いたところで到底理解できない。理解はできないし、まして、それに基づく自主的な判断、取引の判断というものは到底できない。つまり、商品先物取引は、それ自体適合性の原則を満たす蓋然性が少ないと。だから、不招請取引は禁止すべきであると私は思うわけであります。その点について役所の方でお考えがあれば御答弁願います。
○政府参考人(谷みどり君) 商品先物取引につきましては、やはりその仕組みとかリスクとか、こういった商品の特性をお客様にきちんとお分かりいただいてからお取引いただくことが大変重要だと考えております。
 御指摘のとおり、これまでこの説明がきちんとできてこなかった、あるいはひょっとするとやるつもりがないまま取引をしたような勧誘員の事例があったと考えております。このような悪質な商取引、これは商品先物取引、マルチ商法、様々なところで見られます。私どもは、このような重要なことを言わず、間違ったことを言って勧誘をするというようなことによって、例えばお年寄り、年金生活者の乏しいお金を奪うような商取引を防いでいく必要があると思っております。
 平成十六年の商品取引法の改正も、正にそういう観点から、先物取引の仕組み、リスクの事前説明を義務付けるとともに、これに違反した場合の民事上の損害賠償責任を課す民事ルールを新たに導入をいたしました。
 また、今回の改正法案におきましては、その説明義務が顧客の適合性を踏まえた方法、程度によるものとするということで、商品先物取引における説明義務におきましても同様に、顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に照らしまして、顧客に理解されるために必要な方法及び程度によるものでなければならないといたしております。
 こういったことに違反する業者がないように、今後とも法の執行をしっかり行っていく所存でございます。
○山口那津男君 今までの過去のトラブルの事例をよく分析してください。全然理解なんかされてませんよ。無知な人をだまし、陥れ、そういう事件ばっかりですよ。
 ところで、この業法に合ったそういう業者と、また、業法に合っている業者を装って詐欺的な取引をしている、こっちもあるわけですね。警察の方では取締りの観点でそうした摘発も行っているだろうと思います。
 大事なことは、その詐欺的な取引についても取締りの体制を強くするということが必要だと思いますし、また、まがいものと本来の業法に従った取引を区別できるような明確な基準というものを立てていく必要があるだろうと思うんですね。
 大臣、この正規の取引と、あるいは詐欺的な正規の取引を装った取引、これらを明確に区別して国民を保護できるような、そういう仕組みをこれから検討していくべきであろうと思いますし、また、今議論させていただいた商品先物取引等についても適合性の原則を満たす可能性は極めて低い、だから不招請取引を禁止すべきであると、こう考えますが、今後の検討をお願いしたいと思いますが、大臣の御所見を最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 利用者保護を図るため、議員御指摘のとおり、利用者が金融商品取引業者として登録を受けた業者から金融商品を購入し、無登録業者による詐欺的取引の被害を受けないことが重要であり、今回の法案においては、顧客にとってその取引の相手方が登録を受けた金融商品取引業者であるかどうかが明らかになるような規制を設けているところでございます。
 具体的には、まず金融商品取引業者等に対して、広告及び契約締結前の書面交付に際して登録番号及び金融商品取引業者等である旨を表示することを義務付けるとともに、営業所又は事務所ごとに公衆の見やすい場所に標識を掲示し、その標識に登録番号の記載を義務付けることとしております。
 また、金融商品取引業者等でない者に対しては、金融商品取引業者という名称又はこれに紛らわしい名称の使用を禁止するとともに、金融商品取引業者等が掲示する標識又はこれに類似する標識を掲示することを禁止をしております。
 無登録業者の問題については、従来から当庁の利用者相談室に寄せられる情報、相談等も参考にしつつ、必要に応じて当該業者に対して警告書を発するほか、警察当局へ情報を提供する等、投資者保護のために必要な対応をしているところでありますけれども、法案成立後も、こうした情報、相談等も参考にしつつ、関係機関とも一層の連携を図りながら適切に対処してまいりたいと考えております。
○山口那津男君 終わります。
○委員長(池口修次君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。
 本日は、証取法旧六十五条関連の質問、さらにはADR関連質問、そして証券不祥事に関する質問をする予定でございます。
 本日はお忙しい中、谷垣財務大臣が出席していただきましたので、順番を変えまして、最初に証券不祥事関連から質問さしていただきます。よろしくお願いします。
 まず、カネボウ、ライブドア等粉飾決算が後を絶ちません。今回の法改正で、有価証券報告等の適正性について経営者のいわゆる宣誓を義務付け、内部統制に関する経営者による評価と公認会計士による監査義務付けを行ったことは、私は非常に評価できることだと考えております。このような改正によりまして、今後企業の粉飾決算は大幅に減るかどうか、このことに関しまして金融担当大臣の方に質問いたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 粉飾決算が後を絶たない、これに関しましての御質問でございますけれども、ディスクロージャーをめぐる最近の不適切な事例については、開示企業における内部統制が有効に機能していなかったのではないかという指摘がなされているところでございまして、財務報告に係る内部統制の強化を図ることが重要と考えております。
 こうした観点から、本法案の中で、有価証券報告書の提出者が、財務報告に係る有効な内部統制の構築を前提に、当該有価証券報告書に記載された内容の適正性について自ら確認し、その旨を記載した確認書を有価証券報告書に添付することを求めるとともに、財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者の評価と公認会計士による監査を義務付けることを提案をしております。
 金融庁としては、このような制度的枠組みの下で、財務報告に係る内部統制の強化に向けた各開示企業それぞれの取組が最大限確保され、それらを通じてディスクロージャーの適正性が確保されていくことを期待をしております。
○大久保勉君 分かりました。
 この法案に関しましては、非常にこの点に関しては高く評価できると思います。私もこの委員会で何度も日本の会計処理に関しまして、サーベンス・オクスレー法を倣いまして、いわゆる宣誓制度を導入する必要があるということを再三申し上げておりました。今回、この法案で実現できることに関しましては評価できると思います。
 続きまして、金融庁は中央青山の一部業務停止命令を出しました。お手元に一枚資料を配りましたが、このことがどのように金融市場、特に株式市場に影響をしているかということで取ってきた資料でございます。
 五月八日に業務停止命令ということで、そのときの株価、赤いものが日経平均で、下の方がマザーズになっております。当時日経平均は一万七千を超えていたものが、たまたまか若しくは必然的か分かりませんが、中央青山への業務停止命令を発動するとともに株価は大きく下落しております。日経平均、今日現在、前場の引けが一万五千六百五十円ということもございましたら、相当関連性が高いのかなという印象もございます。
 また、新聞等によりましたら、やはり会計不信ということを、会計不信で株価が下げたというニュースもございますので、やはり会計制度というのは極めて株式市場にとっては重要であると私は考えております。
 そこで質問ですが、この業務停止命令の発動のタイミング、また一部業務停止命令という措置は適切であったか、このことに関しまして与謝野金融担当大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 証券市場を適切に機能させていくためには、会計監査に対する信頼を確保していくことは必要不可欠でありまして、問題事例には法令に基づき厳正に対処していくことが必要であります。
 一方、処分に当たっては、顧客企業や市場等への影響を可能な限り回避するため、業務停止の開始時期を七月一日からとするなど、できる限りの配慮も行っております。
 なお、株価は様々な要因を背景として市場において決定されるものであり、その変動要因を特定することは困難であるわけでございまして、金融庁としてこの件に関してコメントすることについては差し控えさせていただきたいと考えております。
○大久保勉君 分かりました。
 たまたま今日の日経新聞に「大機小機」というコラムがありまして、そこに「過渡期の「金融処分庁」」ということでこの関連が書いてありました。最近金融庁は、いわゆる事前チェックから事後チェックということで、自由にやらせて何か問題があったら処罰すると。で、その処罰が多いから金融庁ならず金融処分庁ということでやゆされておりますが、このこと自身は私は悪くはないと思うんです。やはり一罰百戒、何か問題があったら適切に処罰するということは是非とも必要でありますから、むしろこれまでこういった適切な処罰がなかった、若しくは遅過ぎたということもあります。是非ともここは大臣のリーダーシップを図りまして、業界の健全性、透明性の確保のために是非とも頑張ってもらいたいなと思っております。
 会計処理若しくは決算というのは極めて重要なことであります。民間の企業に対しては非常に進歩してきていると。じゃ、公、公的部門に関してはどうか。まだまだ私は足りないと思っております。一例を挙げますと、特殊法人、さらには独立行政法人、こういったところの決算若しくは会計が適切になされているのか、大いに疑問があるところであります。
 資料としまして、日本政策投資銀行のディスクロージャー誌、これを持ってまいりました。こちらは、特殊法人ということもございまして特殊法人等の会計処理基準を使っております。一方で、より民間に準じたことということで民間の会計基準、両方の基準で会計処理をしていると。その違いというのは非常に大きいわけなんです。
 例えば、開銀の貸倒引当金は四百四十五億円です。それに対しまして、これは特殊法人会計基準におきましたら四百四十五億、貸出金額の約〇・三%であります。ところが、民間基準で決算したら幾らになるか。何と三千九百五十九億円、九倍に跳ね上がっています。
 もちろん、これはじゃだれが決算をしたか、決算承認をするか。これは極めて重要なんですが、こちらを見ますと、証取法百九十三条の二、所定の監査証明に準ずる中央青山監査法人による監査証明と、これも中央青山です。これ、一度これは別の委員会で説明したんですが、中央青山が監査証明をしても九倍になっていると、こういう状況なんです。だから、そもそも特殊法人等会計基準というのは問題があるんじゃないかと私は考えております。
 考え方は、融資金額に応じて約〇・三%の貸倒引当金を積んでおります。これは日本政策投資銀行の場合です。また、中小企業金融公庫とかいろんなところがございます。ここに関しましては〇・六%以下という形になっておりまして、非常にリスクに対して引当金の金額が少ないということが指摘されております。
 このことに関しまして、谷垣財務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員指摘されましたように、日本政策投資銀行などの特殊法人は、それぞれ設立根拠法によりまして財務諸表を作っているわけですけれども、この財務諸表は特殊法人等会計処理基準というのに基づいてやっておりますが、これは企業会計原則を一部修正して作成されているわけですね。
 それで、今の御議論はなぜ修正したのかというところに結局かかってくると思うんですが、これは各法人に対する予算統制、それから各法人の業務の実施状況の把握、こういう観点から修正が施されているわけでございます。
 ちょっとこの答弁原稿を離れてよりかみ砕いて申し上げますならば、民間の法人の場合には、民間の企業の場合には、やはりきちっと引き当てを積んで財務が健全であるということが、例えば取引相手なりあるいは投資家の保護につながってくる。したがって、その財務の健全性をきちっとさせるために引き当てをたくさん積んでいるということがあろうかと思いますが、特殊法人等々の場合には、限られた要するに財源を効率的に使うということが前提となっておりまして、要するに、もし財務的に脆弱なことを生じた場合には財政的に補うという考え方ででき上がっているわけでございます。つまり、現金主義と発生主義というのは、そういう公会計と民間の投資家保護あるいは債権者保護、取引に入る者の保護、考え方が違うところに立脚するゆえんがあるというふうに私は理解をしております。
 ただ、こういう特殊法人等の財務諸表が、じゃ民間の視点で見た場合にどうなるか、なかなか違うものでやっていると分かりづらいと、こういう指摘もありましたので、企業会計原則に準拠した財務諸表、つまり特殊法人等が民間企業として活動を行っていると仮定して作成する財務諸表も、平成十二年度決算分から作り公表し、特殊法人等の説明責任の確保と透明性の向上を図っているわけでございます。
○大久保勉君 やはり粉飾決算を正すということでしたら、まず政府自らが正すべきだと思います。特に、会計に対する信頼性は極めて重要ですから、やはり政府系機関もすべてです、監査証明を取るとか、そういったことが是非とも必要だと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の点は、日本政策投資銀行それから国際協力銀行、これは今、中央青山とおっしゃいました、現在中央青山はあのような処分ということでございますが、これは監査証明を付けるということでこの二つの機関はやっております。
 それから、その他の法人におきましても、民間準拠の財務諸表を作成するには監査法人の関与を得て作成しているというふうに承知しております。
○大久保勉君 関与を得るだけではなくて、やはり監査証明をもらうことが極めて重要だと思います。
 例えばここにあります、中小企業金融公庫ディスクロージャー誌がありますが、ここは監査証明がありません。しかしながら、民間基準と政府基準だったら相当数字に開きがあるんです。
 例えば、平成十五年、十六年の貸倒引当金、これは特殊法人基準でしたら、平成十五年が全体に対して〇・四%、さらに平成十六年は〇・二四%、貸倒引当金の金額は減っております。これが政府基準です。それに対しまして民間基準はどうなっているかといいましたら、平成十五年が三千四百十七億、これは貸付金の四・五二%です。ところが、平成十六年は五・六三%に上昇しております。政府基準でしたら減っているのに、〇・四から〇・二四%に減っているのに、民間基準でしたら四・五二から五・六三に増えています。非常にいい加減なんです。平成十六年に関しましては、民間基準と政府基準の開き、二十三・四倍です。こういったものをもって信頼できると考えることはできません。
 やはり監査証明を取りまして適切な会計処理をしないと、民間の金融機関若しくは民間の企業は粉飾がない若しくは適切に処理されていると、ところが、政府部門に関してはまだまだ粉飾がある若しくはおかしいということが指摘されると思います。また、このことが日本の市場若しくは日本の国に対する信頼性に影響しますから、是非とも谷垣大臣のリーダーシップを期待しております。
 続きまして、インサイダー事件若しくは証券取引に関する経済犯罪が増加しております。こういった経済犯罪の場合は、独占禁止法と同様に犯罪の立証が非常に困難であります。そのために、独禁法における課徴金加算制度や減免制度と同じような制度を証取法、つまり金融商品取引法に導入すべきではないかと思います。今回は導入されておりませんので是非導入すべきではなかったのか、この点に関しまして、与謝野金融担当大臣に御質問いたします。
○政府参考人(三國谷勝範君) 課徴金減免制度につきましてお尋ねでございます。
 まず、独占禁止法上の課徴金減免制度でございますが、これは、独占禁止法上、課徴金の対象とされております私的独占と不当な取引制限のうち、後者の不当な取引制限に限って適用されることとされております。
 ここで言う不当な取引制限とは、いわゆるカルテルとか入札談合等でございまして、複数の事業者が共同して価格を決定し、又は数量等について制限するなど相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより競争を実質的に制限する行為とされているわけでございます。こういうことから、相互にこういう具合に拘束するということから、違反事実を自ら報告してきた事業者に対しまして課徴金を減免する仕組みを設けることがカルテル、談合の摘発あるいは事案の真相究明等に有効であるためであると承知しております。
 一方、私的独占の方でございますが、そこは相互にその事業活動を拘束する違反行為ではないため、課徴金減免制度の対象とはされていないものと承知しております。
 そこで、証券取引法上の課徴金の対象となる開示義務違反あるいはインサイダー取引、相場操縦行為等でございますが、これらはいずれも複数の違反者が相互の活動を拘束することが類型的に予定されている法令違反とは言えませんことから、この課徴金減免制度の対象とする際には慎重な検討が必要と考えているところでございます。
 次に、加算制度の方でございますが、課徴金減免制度とは異なりまして、独占禁止法上は、この違反行為の性質による適用範囲の限定は特になされておりません。しかしながら、証券取引法上の課徴金制度に導入することが適当かどうかにつきましては、今後の課徴金制度の在り方につきまして考えていく中で十分な検討が必要であると考えているところでございます。
○大久保勉君 続きまして、新会社法が施行されまして、三角合併が来年から可能になります。
 そこで質問ですが、株価交換における株式の含み益へのキャピタルゲイン課税の繰延べ措置が必要ではないかと、こういった意見が広く言われております。また、最近、日経新聞等にはそういった記事もございました。
 現在、谷垣大臣はどのように考えていらっしゃるのか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 三角合併に関する税制上の措置につきましては、今年四月に対日投資会議専門部会報告というのが出まして、その中で、課税の適正・公平及び租税回避防止の観点を十分に踏まえ、新会社法制の関連諸規定の施行までの間に検討し、結論を得るというふうにされておりまして、今後、恐らく要望省庁、経済産業省等々から十九年度税制改正要望に向けた検討、その上でまた要望というのがあろうと思いますので、財務省としても、税制改正要望の具体的内容を踏まえながらきちっと検討していきたいと考えております。
 新聞報道等ございますけれども、まだ決定したということはございません。
○大久保勉君 きちっと検討するということで、是非前向きに検討してもらいたいということをお願いしまして、この質問を終わります。
 谷垣大臣及び副大臣、退席されて結構でございます。本当にありがとうございました。
○委員長(池口修次君) 大臣、結構です。
○大久保勉君 じゃ、続きまして、証取法の三十三条、改正前は六十五条に関して質問します。
 この項目は、銀行等の有価証券関連等の禁止等という項目になっておりまして、この第三十三条の意味するところを伺いたいと思います。こちらは参考人でも結構です。
○政府参考人(三國谷勝範君) 現行の証券取引法第六十五条におきましては、三点ございます。
 一つは、銀行業と証券業との間における利益相反防止、二点目は、銀行等の企業に対する過度の影響力の排除、三点目は、銀行等の経営の健全性の確保、こういった観点から、銀行等の金融機関本体における証券業務を原則として禁止しております。
 金融商品取引法案におきましてはこの六十五条が第三十三条になりますが、同趣旨の規定が設けられているところでございます。
○大久保勉君 実際、この旧六十五条、実態と懸け離れているんじゃないかと思います。
 メガバンクグループは証券子会社を持っていると、また、事実上、有価証券関連で多大な利益を上げております。銀行と証券の垣根がほとんどないという状況に至っておりますから、この条項が事実上改正されずに残っているということは、法律の実態と金融庁の金融行政の実態が乖離していると、いわゆる法令違反じゃないかという指摘もあります。このことに対して与謝野大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生の御質問は、銀行と証券の垣根はほとんどなくなっているではないかと、そういうことを前提の御質問でございますが、現行の証券取引法においては、銀行等の金融機関について、同一法人内における融資業務と証券業務の間の利益相反の懸念等から、証取法第六十五条による銀証分離を図ってきたところでございます。
 金融機関による証券仲介業務の解禁について提言した平成十五年十二月二十四日の金融審議会第一分科会報告「市場機能を中核とする金融システムに向けて」、この文書の中においても、「依然として金融システムにおける資金仲介の大宗を担っているのは銀行であり、六十五条の根拠となった利益相反や銀行の優越的地位の濫用の可能性は、今なお重要な論点である。」と指摘をされております。
 なお、証取法六十五条の意義は失われていないとの現状認識を踏まえて、金融商品取引法案においても銀証分離の考え方を維持して、金融商品取引法案三十三条において同じ趣旨の規定を整備しているところでございます。
○大久保勉君 答弁を聞きまして、がっかりしました。これは実態と違うんじゃないかと私は強く感じています。
 ちょっと時間がなくて皆さんにお配りすることができませんでしたけど、こちら、みずほコーポレート銀行のホームページから取ってきました。
 齋藤頭取が、投資銀行宣言ということを言っています。投資銀行というのはいわゆる証券会社です。私はアメリカの投資銀行にいました。モルガン・スタンレーという会社です。日本法人の名前はモルガン・スタンレー証券と言っています。つまり、投資銀行宣言というのは証券会社宣言とほぼ同意語です。
 その中で、どういうことをうたっているかといいましたら、読み上げます。ここで出てきますのは、商業銀行というのが通常の銀行業務です。投資銀行業務というのが証券業務です。
 齋藤頭取の言葉としまして、貸出し、決済といった商業銀行業務は従来から力を入れて推進しますが、お取引先の多様化、高度化するニーズに対応するためにはいわゆる投資銀行業務を更に一層強化しなければならない。その意味では、投資銀行宣言という言葉を内外で使っているわけです。職員の意識改革を図るとともに、我々自身が投資銀行なのだという気概を持つことが大事だと思っていますと。つまり、銀行員自らが証券会社の社員だということを頭取が言っているんです。
 さらには、商業銀行業務と投資銀行業務を併進、融合し、シンジケーション、MアンドA、MBO、事業再生、資本政策、企業買収防衛、資産流動化等、最高水準のソリューションをお取引先に提供していきますと。いわゆる銀行業務と証券業務を併進、融合ということですから、先ほどの六十五条というのは証券と銀行の利益相反はあっちゃいかぬということなのに、高らかに宣言していますよね。これが実態です。
 むしろ六十五条、今の三十三条が時代に合っていないんじゃないかと思います。大臣の御所見をもう一度聞きます。
○国務大臣(与謝野馨君) 銀行等の証券業務への参入範囲は、弊害が小さいと考えられる業務から順次拡大してきており、これまで投資信託の窓口販売業務の銀行等への解禁等を実施してきたところであり、解禁の際には所要の弊害防止措置などを設けているところでございます。
 ただし、これらの解禁等については、証券取引法第六十五条の基本的な考え方を変えるものではなく、同条の根拠となった利益相反や銀行の優越的地位の濫用の可能性は今なお重要な論点であると認識をしております。
○大久保勉君 ここは通告しておりませんが、もしそうだったら、みずほコーポレート銀行、これは利益相反していますから、検査したら処罰しますか、参考人。
○政府参考人(佐藤隆文君) 突然のお尋ねでございますので記憶に基づくお答えで恐縮でございますけれども、みずほコーポレート銀行は銀行法に基づく銀行でございまして、その法令にのっとって許される範囲内で投資銀行、いわゆる投資銀行業務をやっているということであろうかと思います。
 法令に違反するようなケースがあれば、一般的には、事実を正確に把握した上で必要な行政上の対応を取るということかと思います。
○大久保勉君 分かりました。私はもう三十三条は廃止すべきだと思っています。そうしないと市場に混乱を生じさせると思いますから、是非ともこの部分に関しましては検討してもらいたいなと思っています。
 実際、欧州では銀行と証券の垣根は元々存在しておりません。いわゆるユニバーサルバンキングです。日本の証取法六十五条はアメリカに倣いまして、いわゆるグラス・スティーガル法に準拠しております。ただ、本家のアメリカにおきましてもグラス・スティーガル法の事実上の骨抜きがなされておりますから、是非とも日本もそれに従うべきだと思っています。
 どうしてか。それは、金融業界といいますのが世界的な競争をしております。日本の銀行若しくは証券がヨーロッパの大銀行若しくは証券等、まあ大銀行と闘っていくためには、競争条件が同じじゃないと負けてしまいます。やはり、金融行政が日本の金融機関の足を引っ張ることがないように是非ともお願いしたいなと思っております。
 この点に関しまして、大臣の決意がもしありましたらお願いします。なかったら結構です。
○委員長(池口修次君) 答弁しますか。
 与謝野大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 御指摘のとおり、例えば欧州においては銀行と証券の垣根は、ユニバーサルバンク方式により、銀行、証券の兼業が可能となっております。
 一方、アメリカにおいては、一九九九年にグラム・リーチ・ブライリー法により、金融持ち株会社制度が創設されて、銀行持ち株会社に比べてその業務範囲が拡大されましたが、銀行、証券の直接的な兼業は引き続き禁止されております。
 我が国では、戦後、米国型の証券取引法を導入した際に米国型の銀行、証券の分離も併せて導入したところでございます。九〇年代以降、業態別の相互参入を進めてまいりましたが、それは子会社又は持ち株会社を通じた相互参入を進めてきたところであり、本体における銀行、証券の兼業は原則禁止とされております。このような国際的な動向からすると、我が国の金融機関が競争上不利になるとは考えておりません。
 繰り返しになって恐縮でございますが、御指摘のいわゆる銀証分離規定は、平成十五年十二月二十四日の金融審議会第一分科会報告「市場機能を中核とする金融システムに向けて」という文書において、依然として金融システムにおける資金仲介の大宗を担っているのは銀行であり、銀証分離規定の根拠となった利益相反や銀行の優越的地位の濫用の可能性は、今なお重要な論点であるとの指摘がされております。
 今後、金融審議会では、中長期的な金融制度の在り方等に関する議論が進められる際に、仮に銀証分離規定に関する議論が行われる場合には、このような当該規定の意義を十分踏まえて行われることになるのではないかと考えております。
○大久保勉君 御答弁ありがとうございました。ここはもう平行線になりますので、今後また議論していきたいと思います。
 一つだけ、印象に残りました、銀行は非常に力が強いと、銀行の優越的な地位の濫用と。このことがあるから証券業務はやるなというんだったら、もっと先にやることがあるはずなんです。つまり、銀行がお金を出して、過去には、保険商品とパッケージにすると、それで保険商品はその後に暴落すると、若しくは証券とパッケージにして貸出しをすると。で、バブルが破綻して保険の価値が下がってきましたと。ところが、債務者の方は銀行にお金を返さないといけないと。こういったことが多々ございました。つまり、銀行の信用力を使いまして融資若しくはお客様をだますと、こういったことに対してきっちり対応すべきだと思います。こちらの方が先決なんですね。やはり大銀行と個人というのは力関係に相当違いがあります。
 このことに関しましては、是非とも金融商品取引法に含めるべきだということを再三金融庁とも議論しました。ところが、答弁というのは、今回の商品の範疇というのは証券だと、若しくは金融先物であって、貸出し等若しくは貸金業に関しては範疇外だということです。この部分もやはり大きな欠陥の一つだと私は考えています。
 元に戻りまして、昨年十二月に参議院でODAの視察を行いました。インドに行きましていろんな事情を視察したんですが、そのときに非常に印象に残ったことがありました。現地のお話によりますと、世界銀行の事務処理はインドで行っているということです。同じようにアメリカの銀行、保険会社の事務処理もインドでやっていると。どうしてかといいましたら、例えばニューヨークで日中業務を行って、ニューヨークの夜の間インドは昼ですから、そのときに事務処理を行ってしまうと。で、ニューヨークタイムで朝になったときにはもう業務が完了すると。そういう意味で非常にスピーディーに処理すると、また人件費も安いと。こういったことを説明を受けまして、やはり金融業務というのは非常に革新しているなと。こういったコストの低下及びサービスの向上、このことが最終的な金融商品の利用者に行き渡ると、利用者の利便性の向上になっていると、こういうことが分かりました。じゃ、日本においてどうか。日本もこういったことを推し進める必要があるのかなという問題意識であります。
 そこで質問しますが、日本の金融機関と話をしましたところ、積極的にアウトソーシングをするのかと、いや、なかなかできない状況もありますと、ましてや海外でアウトソーシングすることに関してはなかなか難しいと。その理由の一つとしまして、金融庁の指導若しくは検査があると。つまり、お役所の方はそこまで国際化していないと、また柔軟性に欠けると、こういった指摘がありました。これは事実か事実じゃないかは分かりませんが、こういったコメントがあることは事実です。
 そこで、金融庁、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 一般に金融機関が経営の効率化や多様な顧客ニーズへの対応等を図るべくその業務やシステムを国外を含めた第三者に委託することについては、当局としてはこれを抑制する意図はございませんので、御批判は必ずしも当たっているわけではないと考えております。
 一方、金融機関の業務等の第三者への委託は、様々なリスクを伴うものであるため、財務の健全性や業務の適切性を確保する観点から、各金融機関におかれては内外を問わず第三者への委託に関して様々なリスクの適切な管理を行うこと等が必要と考えており、当局としてもこの点については適切な監督を行っているところでございます。
○大久保勉君 分かりました。前向きな答弁と承知しまして、是非とも金融機関の国際化若しくは低コスト化に資するように金融庁の方も努力してもらいたいと思っております。このことが最終的には、預金金利を引き上げるとか、若しくは貸出し金利を下げる、若しくは証券の手数料を下げるということになると思います。いわゆる投資家の利便性にプラスになりますから、是非とも努力お願いします。
 続きまして、裁判外紛争処理機関、いわゆるADR制度に関しまして質問したいと思います。
 この裁判外紛争処理といいますのは、何か金融商品を購入しますと、トラブルがありますと、そういった場合に、いわゆる仲介者の制度でありまして、裁判所にわざわざ行かなくても何とか紛争を処理しましょうと。特に、一般個人にとりましては裁判を起こすというのは大変なことです。時間、さらには精神的な負担若しくは時間的な問題。ですから、裁判所以外で解決できるものだったら解決したいと、そのために制度が必要だと思っております。
 このADRという制度、これは諸外国も非常に活発でありまして、イギリスにおきましては金融サービス市場法の中でADR制度というのが定義されております。そこで、じゃ日本の場合どうなっているか。まず、現状認識から御質問したいと思います。
 私、ホームページで調べましたところ、ADR制度といいますのは、日本では各業態が持っております。例えば、証券に関しては証券業協会が証券あっせん・相談センターというのを運営しております。また、金融先物に関しましては金融先物取引業協会が苦情相談室というのを持っております。また、銀行に関するものは全国銀行協会よろず相談室というのがございます。また、生命保険に関しましては生命保険協会の生命保険相談所があります。考え方は、一つの金融商品がありますと、銀行、保険、証券若しくは先物、この業界ごとに業界団体があり、そこがADRを運営しているということなんです。
 いろいろ消費者団体と話をしましたところ、いや、こういう制度はあるんだけどなかなか使い勝手が悪いと。ある銀行関連の苦情処理に関しましても、結局中立なのかと。どうも銀行の意向に従って紛争処理をしようとしていると。証券に関しても全く同じで、証券会社が不正を行った若しくは不適切な商品を販売したと。相談したとしましても、なかなかかゆいところに手が届かないという状況です。だから、本当に自分たちのためになるのかという不満は非常にあります。やはりここは行政のリーダーシップで変えていく必要があるんじゃないかと思います。
 そこで、まず現状認識としまして、こういった業界団体がつくっている紛争処理機関、ADRというのは本当に中立的ですか。このことに対して大臣に御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) ADRという言葉が裁判外紛争処理機関と、こういうふうに訳されていますけれども、実際の語源的には裁判を代替する紛争仲裁ということが本義であると思っております。そういう意味では、各業界団体においていわゆる裁判外紛争処理機関が設置され、利用者からの苦情、相談等に応じ、又は紛争処理のためのあっせん等を行っている、そういうことは承知をしております。
 しかしながら、先生御指摘のように、やはりその運営というのは公正中立でならなければならないというのは当然でございますし、また利用者の利益保護のために有益な仕組みでなければならないと思っております。それぞれの機関は、多分外部の有識者等の意見を取り入れて中立性を確保していくという努力もされておると思いますけれども、また紛争の中には業態横断的なものもあり得るわけでございまして、そういう事例については、適切な窓口に照会を行うなど、柔軟な対応が行われることが重要であると考えております。
 いずれにせよ、これらの機関は利用者の保護ということが私は大事であると思っております。
○大久保勉君 大臣の答弁されました利用者の保護、厳密に言いましたら保護するというよりも投資家とか消費者が持つべき当然の権利、権利の保障が必要だと思うんですね。保護というのは、いわゆる業者の方が保護してあげるというニュアンスがありますから、いや、金融商品を買ったんだったら、そこで当然の権利として保障されるべきです。その考え方自身が大分変えていく必要があると私は考えています。
 この問題を整理しますと二つの問題がありました。一つは、業界ごとに縦割りになっている、この弊害があると。もう一つは、業界団体がADRをつくっているということで、中立性の問題があると。この二つの問題をどうやって解決するかということだと思います。
 今回、金融商品取引法、評価できるところに関しましては、縦割りだったものが横ぐしを刺すというか、横割りになりつつあります。少なくとも証券というのと先物とか若しくは投資顧問というものに関して、本来縦割りだったものが一つの横ぐしが刺さりましたから、これはこれで非常に評価はできると思います。残念ながら、銀行の貸出しであったり、若しくは保険であったり、さらには商品先物が入っていないというのが非常に残念であります。まあ一歩前進かなという評価をしております。
 中立性に関しまして、ここはもう少し改善ができると思います。実際に日本においても改善されたケースがあります。これは交通事故紛争処理センターのケースです。元々は損害保険会社がお金を出しました。で、損害保険会社が運用しようとしましたが、日弁連等の反対等もございまして、やはり中立性というのが必要だということで、金は出すが口を出さないということで実際の運営は弁護士等によって運営されております。こういった解決策もあるんじゃないかと思っています。
 こういった制度を担保するために、各業界のADRは、お金は出してもらおう、しかしながら口は出さないと、こういった制度を担保する必要があると思います。是非、金融商品取引法の中に盛り込むべきであったと思いますが、残念ながら入っていません。ここは非常に残念です。大臣の御見解を聞きたく思います。
○国務大臣(与謝野馨君) そもそもADR、オルタナティブ・ディスピュート・レゾリューションという制度が日本に導入されましたのは、やはり裁判手続は費用も掛かる、時間も掛かる、また専門性にも欠けるということで、迅速に紛争当事者の利害調整をしようと、こういう制度であるわけでございます。
 したがいまして、先生御指摘のように、当然のこととして中立性、また公平な法律判断、こういうことが求められるわけでございまして、裁判に代わる制度でございますから、裁判と同じぐらいの公正さ、公平性というものは当然求められるわけでございまして、何か色の付いたADRというのは存在するべきではないというのは当たり前のことだろうと私は思っております。
○大久保勉君 続きまして、この法案に関しましては非常に評価できるところも実はあります。余りマスコミ等は注目してないのは非常に残念ですが、これは七十九条の九というところに認定投資者保護団体という規定があります。具体的に弁護士等が認定投資者保護団体、いわゆるADRをつくることができますよと、それが認定できますよということで、非常に大きな進歩かなと思っております。
 そこで質問ですが、この認定基準に合致するような機関は現在存在するのか、また将来どのくらい増えていくのか、もし予想があったら教えてもらいたいと思います。こちらは参考人でも結構です。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の法案では、御指摘のように、自主規制機関以外の民間団体が自主的に行う苦情解決あっせん業務を行政が認定いたしまして、その業務の信頼性を高める目的で認定投資者保護団体に関する制度が整備されているところでございます。
 このような制度の趣旨から、自主規制機関以外の民間団体、例えば消費者団体でございますとか各種の業界の団体等が認定投資者保護団体制度を活用することが考えられるわけでございます。ただ残念ながら、しかしながら、現在個々の団体につきまして認定投資者保護団体の要件に合致しているかどうか、あるいは将来どのくらいの数の認定投資者保護団体が成立するかといった点につきましては、現段階におきましては具体的に申し上げることが困難であることは御理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、認定投資者保護団体としての法律に規定されている要件を満たせば民間団体が認定を受けることが可能でございまして、これによりまして民間団体による苦情解決や紛争あっせんの推進が期待されるところでございます。
○大久保勉君 いや、七十九条の九、これは非常にいい条項ですから、是非、仏作って魂入れずということがないようにお願いしたいんですね。
 これ是非、この点に関しまして与謝野大臣の決意があったら是非聞きたく思います、是非。
○国務大臣(与謝野馨君) 当然、この制度の積極的な活用というものは利用者保護の徹底を図るためにも非常に大きな意義あると考えております。
 金融庁としては、このような認定投資者保護団体制度の意義にかんがみ、今回法案を成立させていただければ、積極的にこの問題について周知、広報に努めてまいりたいと考えております。
○大久保勉君 非常に前向きで、やはり与謝野大臣だなという感じがします。非常に自分の言葉で、リーダーシップがあるということで。ただ、重要なことは、発言するだけじゃなくて実行することです。
 私、ビジネス界にいましたから、いわゆる社長さんが発言したら、一年後、二年後、実際に実現したかという事後チェックというのがあるんですね。ですから、宣言する、決意するということをなされまして、じゃ、実際に一年後は五件しかない、これは少ないと。じゃ、二年後、十件増えたと。そういうことで、事務方の方に事後チェックをするようなことを是非ともしてほしいんですね。
 やはり、この国の行政の問題は、非常に美辞麗句があります。問題ないと。問題なく行政は運営されていると。ところが、実際は全然違うという状況もあります。だから、法令と実際の現実のギャップをいかに縮めていくかというのはもう大臣の能力及び力だと思っております。この点は、与謝野大臣は高く私は評価しておりますし、尊敬しておりますので、是非とも事後チェックをお忘れなくということで、ここはお願いいたします。
 最後の質問になりますが、この認定投資者保護団体は金融商品取引法の中にありますから、証券だけの問題か、若しくはそれ以外もできるのか。具体的には、銀行とか若しくは貸金業者の借入れ若しくは保険取引、更には商品先物取引、いろんなものも含み得るんじゃないかと思います。若しくは含み得るべきじゃないかと。また、一つの認定業者がいわゆる縦割りを超えましていろんなことができます、いろんな商品を扱えます、場合によっちゃ銀行の貸手責任に対してもADRの機能を持つと、このことは是非とも重要であると考えます。
 このことは、実際こういったことが可能であるのかどうかを質問したいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 認定投資者保護団体の認定に係ります業務といたしましては、金融商品取引業者又は金融商品仲介業者の行う金融商品取引業、この苦情解決あっせん業務でございますが、このほか、金融商品取引業の健全な発展又は投資者の保護に資する業務も規定されているところでございます。
 したがいまして、金融商品取引業そのものではないといたしましても、金融商品取引業と類似の業務、例えば投資性のある商品等につきましての苦情解決あるいはあっせん業務につきましては認定に係る業務の対象となり得るところもあろうかと思います。ただし、幅広くというところには至りませんが、その限りにおいてはなり得ると。
 その次でございますが、認定を受けた団体でございますが、認定に係る業務が不公正になるおそれがない限りにおきましては認定に係る業務以外の業務を行うことも可能でございます。銀行、貸金業者との借入れ、保険取引等につきましても、その意味で苦情解決あっせん等の業務を行うことは可能でございます。
○大久保勉君 認定業者がいろんな商品に対してADR機能を持つということは非常に画期的だと思いますから、是非、金融庁としましても、認定投資家保護団体を積極的に増やしていくということを是非ともやってほしいですね。是非、タウンミーティングをするとか、若しくは金融庁のホームページにこのことを公告するとか、こういったことがあったらいいと思っております。
 一応、質問の項目はこれで終わりましたので、最後にこの金融商品取引法に対する私の意見を簡単にお話ししようと思っております。
 この法案自身が非常に大きい法案ということで、いろんな範囲、非常に事務方の方の苦労も分かります。しかしながら、金融審等の議論を読みまして、今回の法律案を読みましたところ、金融審に対して若干後退した面もあるのかなという感じ、印象も受けました。午前中に議論がありましたように、商品先物、ここは農水省と経済産業省との調整が余りうまくいっていないというような印象も受けました。
 一方で、この法律があって救われるというところに関しては、一つは、例えば平成電電に関するいろんな訴訟というのがありまして、いわゆる集団投資スキーム、これは有価証券じゃないということでなかなかこれまでの法律から問題点を指摘することはできないと。金融庁に照会しましたら、これは有価証券じゃないから金融庁の管轄じゃないと、実際に扱っているのはリースだからこれは経産省じゃないかと。経産省に言いましてもこれは関係ないと。つまり、たらい回しなんです。
 相当の被害者が出ています。だから、こういったことに対して救済できなかった法体系に対して、非常に国会議員としてはじくじたる思いがあります。この法律案を通しましたらこういった集団投資スキームに関してはちゃんと規制ができると、開示もできるということで非常にこの法案は必要だなと思っています。
 さらには、先ほどお話をしましたが、いわゆる経営内容の開示、内部統制に関しましては格段の進歩でありますから、ここは非常に利点かなと思っております。いい面、悪い面、非常にあります。
 私ども民主党が理想とします、若しくは私が理想とするのはイギリスの金融サービス市場法、つまり、投資家の当然の権利を保護していくと。そのために縦割り行政から横割り、横ぐしを刺していくと、このことが是非とも必要でありますから、それに目指して是非とも頑張ってもらいたいなと思っています。一歩前進です。まだ先は長いと思いますが、是非頑張ってもらいたいということで、私の質問を終わります。
○尾立源幸君 大久保委員に引き続きまして、証取法等の一部改正案について質疑をさせていただきたいと思います。
 私どもも、今民主党版のFSA案というのを出す予定にしておりますので、その中で検討してきたことを中心に私の方から、役割分担それぞれしておりますので、そういう形で与謝野金融大臣、また金融庁、あと今日は公認会計士・監査審査会事務局長も来ていただいているんでしょうか、中心に質疑を進めていきたいと思っております。
 今回の法案で私、会計回りを担当しておりますが、評価すべき点としてはいわゆる四半期情報の開示ですね。タイムリーディスクロージャーという意味からこれは盛り込まれたと。また、もう一つ、先ほど大臣も最初にお述べいただきました財務報告に係る内部統制の評価制度の義務化ということで、私はこれも大いに評価しておりますが、ただ、特に四半期情報のこの開示なんというのはやっとかというような思いがあるわけでございます。
 私が二十年前に新人としてこういう仕事に携わっておったときには、もう既に、特にアメリカを中心にこの四半期情報の開示というのは当たり前でございました。そういった意味で、ああ、二十年遅れでやっと実現したのかなと思って調べてみましたら、何とアメリカはもっと昔なんですね。千九百何年でしたか、七〇年代ですか、そのころからもうこの四半期情報というのはやっておると。ある意味で、やはり投資家にとっては非常に大事な情報でございますので、早くから取り入れているのだなというふうに、こんなふうに思いました。
 もう一点、内部統制評価制度でございますが、これも、アメリカでもエンロンの事件を機に米国の企業改革法案の中で定められたわけでございますが、これまたスピード感がすごいですね。エンロンのあの事件が起こったのが二〇〇一年の十二月、ブッシュ大統領を中心にリーダーシップを取って上院、下院の方で両方で成立したのが翌年二〇〇二年の七月の三十日ということ。半年ちょっとでこのような法律ができていると。それに引換え、やはり我が国の法整備というのは何かやっぱりスピード感がないんだなと、このように私は今思っております。
 いずれにいたしましても、前進しつつあるわけでございますが、そこでまず質問をさせていただきます。
 与謝野金融大臣、資本市場、金融市場、証券市場、こういった市場を信頼たるものにしていくためにはどういったことが必要なのか、改めて一般論でございますが、質問をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 証券市場は経済活動の重要な基盤でございますから、公正性と透明性が確保され、内外から信頼されるものであることが必要であると考えております。金融庁としては、市場の信頼を高めるため、課徴金制度の導入や証券取引等監視委員会の体制強化等、連年にわたり改革を行ってきたところでございます。
 今回の法案は、幅広い商品について横断的な利用者保護の枠組みを整備し、市場の公正性、透明性を確保することで、一つは利用者利便を向上させ、また貯蓄から投資への流れを支え、また国際市場としての我が国の市場の魅力を更に高めると、こういうことを目指すものであり、これにより市場に対する信頼がより向上するものと考えております。
○尾立源幸君 昨日の本会議質問の中で、櫻井委員がいみじくも分かりやすく述べられました。市場を相撲に例えて表現されたと思いますが、やはり相撲を見ていく中で一番大事なことは、力士がやはり相当鍛錬を積んだ強靱な体力を持ったすばらしい力士であることもそうですし、ルールがあり、行司さんがいて、また物言いも付くような、こういう制度があってこそ我々楽しめると思いますし、また見る方もそれなりの知識や造詣がなければ本当の意味で相撲は楽しめないのではないかと思っております。
 そういった意味で、私も証券市場、金融市場というのはある意味でこれに似ているんじゃないかと思っております。それぞれの関係者がクオリティーを高く、また倫理観高く持っていくことが私は大事だと思っております。
 特に、昨今、資本市場の自由化が進んでおります。そんな中で、相撲でいうルールですね、私は一つには、やはり会計ルールをしっかり守ってもらう、これが規律を高めていく上でも大変私、大事なことだと思っておりますし、これが前提にあるからこそ自由というものが私はあるべきだと思っております。そしてまた、何というんですか、ルールを破った者に対するペナルティーというのも当然あって、これはやっぱり事後的でなければならない、やはり官が余りにも先走って介入するのもよくないと。
 こういう非常に微妙なバランスの中で成り立っておるわけでございますが、私はそういった意味で、会計ルール等々をもっともっと高められるんじゃないか、守ってもらえるようにもっともっとできるんではないかと、このように思っておりますので、そういった視点から質問をさせていただきたいと思います。どうやったらば会計ルールが本当に有効に機能していくかということでございます。
 そこで、早速でございます、中央青山監査法人、これは大変大事な役割を担っておったわけでございますが、二か月間の業務停止ということを発表されました。これも市場の信頼性確保のために厳正な処分を下されたものと私は信じておりますが、幾つかこの点について質問をしたいと思います。
 まず、この処分に先立って、金融庁では中央青山監査法人に検査に入られていらっしゃると思いますが、この検査の期間、検査の規模、またどのような点を検査したのか、お聞かせください。
○国務大臣(与謝野馨君) 公認会計士・監査審査会は、昨年十月に公表いたしました四大監査法人に対する早急な検査等の措置の方針に基づき、現在、監査の品質管理の観点から、中央青山監査法人を含む四大監査法人に対して検査を順次行っているものと承知をしております。
 個別の検査の状況については発言を差し控えさせていただきますけれども、公認会計士・監査審査会は、四大監査法人の検査が一巡した段階で、これらの監査法人における監査の品質の管理の全般的な実態について取りまとめ、六月末を目途に公表する予定であると承知をしております。
○尾立源幸君 先日、行政処分発表されたときに、内部統制について問題があるということを同時に発表されていると思うんですが、その内容はもちろんもう一度おっしゃっていただけますよね。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、前回処分をしているわけでございますが、その際併せまして、今後の対応策等についての報告徴求も行っているところでございます。
 監査法人の運営につきましては、中央青山監査法人につきまして、審査・教育体制及び業務管理体制を含む監査法人の運営に関しまして、一つは、審査体制がレビューパートナーによるレビューに過度に依存し、審議会による審議やインターナルレビューあるいはモニタリング等が有効に機能していなかった、二点目、監査法人としてレビューパートナーが判断のよりどころとする基準、マニュアル等が適切に整備されておらず、レビューパートナーによるレビュー業務が有効に機能していなかった、三点目、投書への対応について十分な仕組みが用意されていなかった等の不備が認められたところでございます。
○尾立源幸君 分かりました。調べていただいたらいろいろまだ不備があったということなんでしょうけれども。
 そしてもう一点、私、ちょっと見落とされている点があるんじゃないかなと思うんですが、実はこのカネボウ事件が発生した後、中央青山監査法人に対して報告を金融庁は求められたと思うんですが、その内部調査報告書によると、中央青山監査法人はカネボウにだまされたと、こういった、端的に言えばこういう内容で返答されていると思います。
 しかし、今回は正にその会計士、中央青山監査法人の会計士が粉飾に加担したということで厳正な処分、業務停止になっていると思うんですが、正にこの報告してきたことと事実と異なっているわけですね、金融庁に対して。ある意味でなめられています。このことについてはどういう処分がなされたんですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘の点につきまして、まず事実関係を申し上げますと、第一に、カネボウから平成十七年五月に訂正報告書の提出があったことを受けまして、金融庁といたしましては訂正報告書が提出されました経緯等について確認するため、中央青山監査法人に対しても報告を求めたところでございます。
 二点目でございますが、これを受けまして、中央青山監査法人が当庁へ提出いたしましたカネボウ事件に係る調査報告書には、御指摘のとおり、カネボウにおいて粉飾決算が実施され、中央青山監査法人はだまされていたという旨の内容となっているところでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、監査法人の調査が不十分であった結果、関与社員の関与等につき結果として虚偽の内容の報告を行うこととなったものと考えておりまして、中央青山監査法人に対する処分内容を決定するに当たりましては以上のような点も勘案したところでございます。
○尾立源幸君 今おっしゃったことは内部管理体制が不十分だったということに尽きるとは思うんですけれども、実は金融庁が発表されていらっしゃる、これちょっと古いと訂正していただきたいんですが、平成十七年三月三十一日付けの「公認会計士・監査法人に対する懲戒処分等の考え方について」というのがございます。これちょっと本の中に載っていますので同じものかどうか分かりませんが、その場合、監査法人の社員の故意又は過失による虚偽証明に対してどういう処分を金融庁は基本的にするかというガイドラインのようなものだとは思うんですが、こういうのを公表していただくのは有り難いですね、分かりやすくて、透明性があっていいと思います。
 そこで、この虚偽証明を行った監査法人の場合は、故意の場合には業務停止三か月と、こう書いてございます。原則ですね、原則三か月。ただし、別掲に掲げる内部管理、内部規律の様態などの個別事情、周辺事情等により基本となる処分を加重又は軽減することとする。
 今回二か月でございますが、この関係はどうなんでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、昨年の三月に「公認会計士・監査法人に対する懲戒処分等の考え方について」というのを公表しているわけでございます。これは、先般、公認会計士法が改正されたことに伴いましてこの考え方を公表したところでございますが、一点申し上げますと、この法律改正前は業務停止の期間は一年でございました。改正後は二年になっております。したがいまして、今回の事件は改正前ということでございますので、その期間が直ちに対応するものではございませんが、その改正後の二年ということに対応いたしますと、御指摘のとおり、その監査法人の社員の故意又は過失による虚偽証明のところで、社員が故意の場合には業務停止三か月を基本とするということになっているわけでございます。
 これは、この考え方自体が直接に、その三か月ということがその前の、法改正前のものに適用されるわけではございませんが、これをめどといたしますと、おおむね一・五か月、これを基準といたしまして、後ろの方に書いてありますとおり、いろいろな加重要因あるいは軽減要因等を考えまして二か月ということとさしていただいたところでございます。
○尾立源幸君 二年が一年になったからこの基準も半分になるという、そういう理屈なんですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) これは、この考え方自体は新しい公認会計士法施行後の話でございますが、その施行の前につきましては、この三か月ということが直ちに適用されるわけではございませんが、おおむねそれを、その半分ということを目途に、一・五か月を基本といたしました上で、加重要素、減算要素等を勘案いたしまして二か月とさしていただいたということでございます。
○尾立源幸君 そんなことはどこにもここに書いてませんが。書いてませんよ。それならそういうふうに書いておいてくださいよ。過去の分、二年に照らして、その分は半分に見積もるんだと。これこそ勝手なルールの解釈じゃないんですか。私、これ素直に読ませていただきましたら、三か月が基本なんだと、そして、今申し上げました内部管理体制の不備、虚偽の報告、金融庁に対するですね、含めると私は重くなるのが普通なんじゃないかなと思ったわけです。だから、びっくりしてこうやってお聞きしておるわけです。担当大臣、どんな御感想をお持ちですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) これは、繰り返しになりますけれども、この三か月ということにつきましては、これは旧法下では、私どもといたしましては、その半分の一・五か月、これを基本とした上で、今回のケースにおきましては、加算要素といたしましては、虚偽証明の期間が長期にわたること、あるいは法人の審査体制に不備が認められること、あるいは刑事事件となっており、社会的影響が大きい事案であること、過去に中央青山監査法人は懲戒処分を受けていることといった加重要因、あるいは逆に、事件後、中央青山監査法人が改革に取り組んできたという軽減要因を考慮いたしましても、一・五か月を上回る二か月とさしていただいたものでございます。
○尾立源幸君 これこそ正にルール違反じゃないんですか。書いてないことを勝手にプラスマイナスする。金融庁自身がこんなことをやったら、みんな守らないですよ。そういうふうにこれ書いてくださいよ、今度、そうしたら。
 大臣、済みません、やり取りを聞いて、細かいことはいいですから、どう思われますか。感想をお聞かせください。大臣、大臣。
○政府参考人(三國谷勝範君) この考え方におきまして、この区分表等は平成十六年四月一日施行された改正公認会計士法の下における適用の考え方を示したものと、それは明記しております。
 いずれにいたしましても、改正前におきましては公認会計士が故意により虚偽証明をした場合には一年以内の業務停止をすることができるということが定められているわけでございまして、これに対応いたしまして、この基本的な考え方に照らしながら今回の処分をさしていただいたものでございます。
○尾立源幸君 先ほど多分、大久保議員からもタイミングの問題の話もあったかと思いますけども、これ、基本ベースでやると三か月、七月から始まれば、七、八、九でこれまた中間決算できないんですよね。そういった配慮があるんじゃないんですか。
 私は、これ、三か月にプラスされてもいいような事例だと思っておるんですけども、大臣いかがですかね、今のやり取り聞いていただいて。
○国務大臣(与謝野馨君) 金融庁の処分というのは恣意的にやっているわけではありません。きちんとした基準に基づいて処分をしたわけでございまして、これ、昨年の公認会計士法改正もございましたので、基準というものはきちんと公表されているということで、私はフェアな対応であると思っております。
○尾立源幸君 それじゃ、少なくともこの公表文、改めていただきたいですね。その会計士法改正される前はこうなんだと、そこに対する適用はこうなんだと。それはできるんですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) いずれにいたしましても、この懲戒処分等の考え方につきましては、公認会計士法の一部を改正する法律、この施行に合わせまして示されたものでございます。したがって、新しい考え方を示しておりますが、その場合の処分につきましてもこの考え方に照らしながら適正に対応していくということかと存じます。
○尾立源幸君 先ほど私は大臣と、どうやれば信頼される市場ができるのかということを議論したばかりなのに、そのやさきにその足下からこういうことをやられちゃ困るんですよ。
 金融庁、それでもこれは裁量行政じゃないとおっしゃるわけですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 私どもといたしましては、今回、中央青山監査法人がこのような事態になったことにつきまして、適正に調査し、その上でこのような考え方を踏まえながら適正に処理したと考えているところでございます。
○尾立源幸君 押し問答になりますのでまたゆっくり議論させていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、こういうことが行われているっていうことが皆さんもお分かりになっていただいたと思います。しっかりルールにのっとってやっていただきたいということを厳しく申し上げたいと思います。
 それでは次に、企業会計基準委員会等々のお話について質問をさせていただきます。
○委員長(池口修次君) ちょっと、尾立君、ちょっと済みません。
 ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(池口修次君) じゃ、速記起こしてください。
 いいですか、質問しなくて。
 与謝野大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 処分というのは一定の基準に基づいて行われるものであり、当然裁量はその中に事情に応じてあると思いますけれども、やはり処分というのは一定の基準に基づいて厳正に行われるものということでございますから、その点については、後ほど当委員会に金融庁から文書をもってお答えすることといたしたいと思います。
○尾立源幸君 よろしくお願いをいたします。
 それでは次に、ルールの話をさせていただきたいと思います。
 我が国の会計基準を設定する主体といたしましては、民間団体の財団法人財務会計基準機構の企業会計基準委員会というのがございます。それともう一つ、金融庁の企業会計審議会というのがありますが、この両者の役割分担を簡単に説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 財団法人財務会計基準機構の企業会計基準委員会は、民間の会計基準設定主体といたしまして、平成十三年七月に、経済団体連合会、日本公認会計士協会等の諸団体が中心となって設立をされたものでございます。
 一方、企業会計審議会は、企業会計の基準及び監査基準の設定、その他企業会計制度の整備改善につきまして調査審議等を行うこととされておりますが、民間の会計基準委員会ができ上がりましたことから、会計基準の設定につきましては、現在、企業会計審議会では行っておらず、企業会計基準委員会、この民間団体の方において行っているところでございます。
○尾立源幸君 分かりました。それでは、企業会計基準委員会の方で会計基準、企業会計審議会の方で監査基準というような大まかなくくりでよろしいでしょうか。
 その前提で次の質問に移らしていただきたいんですけれども、この企業会計基準委員会、この委員会にはどのような企業が所属されているのでしょうか、御説明ください。
○政府参考人(三國谷勝範君) 平成十八年三月現在でございますが、財務会計基準機構には、約三千三百の法人及び個人が会員として加入しております。そのうち企業会員は約二千七百五十社でございまして、一般事業会社のほか、銀行、証券、生損保など多様な企業が会員となっていると承知しております。
○尾立源幸君 一方ではこういう声も聞くんです。例えば、ITとかソフトウエア等々、新しい企業がこの委員会に所属していないがゆえに、自分たちのビジネスに合った会計基準が設定されていないのではないか、こんな、何というんでしょうか、声も届いております。
 私自身、少なくとも、そういった自分たちのやっているビジネスの会計基準が自分たちの知らないところで作られてしまうというようなことは、私は絶対これは避けるべきだと思います。そういった意味で、少なくとも上場企業には、全部これは加盟を義務付けるべきだというふうに思うわけでございます。そして財務諸表の品質を上げていく、クオリティーを上げていくと、こういうふうに思うわけでございますが、金融担当大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) お答えを申し上げます。
 財務会計基準機構は、市場に直接・間接かかわりのあるすべての受益者に会員として加入してもらうことを最終的な目標とし、とりわけ資本市場の中核となる上場企業についてはできるだけ早期に全社加入してもらうことを目標として、会員加入の取組を行っており、十八年三月末現在、東証一部では、その九四%に当たる一千五百八十六社が加入をしております。
 適正な開示の確保に向けて、開示企業が企業会計に対する意識を高めることは重要であると考えておりますが、御指摘のように公開会社に対して同機構への加入を義務付けることについては、民間独立の機構としての同機構の性格を踏まえ、十分に慎重な検討が必要であると考えております。
 いずれにいたしましても、同機構における会員増加に向けての努力を積み重ねていただくことが重要ではないかと思っております。
○尾立源幸君 ありがとうございます。
 この委員会は、正にルールを作っておるわけでございますから、このルールというのは透明でまた公正なものでならないというのは明らかなとおりでございます。
 そこでお聞きしたいんですが、この委員会の委員長、実はお手元に皆様お配りをさせていただいておるかと思いますが、「各国の会計基準設定主体の動向」というこのペーパーを見ていただきたいと思いますが、日本の場合、議長、まあ委員長でしょうか、教授になっております。しかしながら、他の機関、国際会計基準審議会、米国、イギリス、ドイツ、どれを取りましても委員長なり議長というのは現場の実務を一番よく知っております会計士がなっておるわけでございます。
 私は、まずこの辺りから是非指導力を発揮して直していっていただきたいと、このように思いますし、もう一点、この企業会計基準委員会の事務局長というのが恐らくいらっしゃると思いますが、この方はどこの出身の方でいらっしゃいますか。二つの質問についてお答えください。
○政府参考人(三國谷勝範君) まず、企業会計基準委員会の委員長でございますが、これは財務会計基準機構の理事会で選任されました委員の互選により定めることとされておりまして、現在、御指摘のとおり、会計学を専門とされる学会の方が就任されているところでございます。
 次に、財務会計基準機構の事務局長でございますが、これは同機構の理事長が任免することとされておりまして、現在の事務局長は、平成十六年五月に経済団体出身の方が就任されていると承知しているところでございます。
 なお、企業会計基準委員会の委員長は、財務会計基準機構の理事会で選任された委員の互選により定めることとされているところでございます。
○尾立源幸君 たまたま教授が今なっていらっしゃるというのかどうか分かりません。これはまだ私も経年の変化を見ていかなきゃいけないと思いますが、もう一つ気になるところは、やはり実務の方が入らないと、なかなか今スピード化されているこの時代、企業会計基準を更新していく、また新たに作り直していく、こういうことになかなか私は対応できないのではないかと思っております。
 そういう意味で、実務にたけた私は現場の会計士というものをトップに据えてやっていっていただきたいと、このように思いますし、もう一点、事務局長、経済団体と言われましたけれども、これは経団連のことですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 前職、さようでございます。
○尾立源幸君 これもまた、公正性、透明性を阻害する一つの外形的な要因でございます。なぜかというと、この会計ルールによって企業のやはり情報開示というのは随分変わってまいります。こういう事務局長という、正に実務を、意見を取りまとめられるような方が、経済界の正に意見、意向を反映するような方であるならば、これは中立性を疑われるわけでございます。
 なぜこの経団連の方が事務局長になっているのか。これは何か意味があるんですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) いずれにいたしましても、この財団法人財務会計基準機構は民間が設立した組織でございます。役員の方々も各界の方から成り立っておられますし、それから委員の先生方も、財務諸表の作成者、あるいは学会の方、会計士、あるいは取引所、証券会社等々の方々から成っているわけでございます。そういった中での人選の話でございますが、これはそれぞれ民間団体において決定される事柄でございまして、当方としてのコメントは差し控えたいと存じます。
○尾立源幸君 局長、こういうのは世界が見ているんですよ、中まで。
 それで、これは国際会計士連盟前会長、今は会計士協会の会長の藤沼さんと、平松国際会計学会会長、また青山学院の教授の八田先生いらっしゃいますが、この三人でお書きになっている本でございますが、この会計の、方向性が見えない日本というようなタイトルが付いていたり、不思議の国日本とか、会計の政治問題化と危機的状況とか、こういう言葉が並んでいるわけです。世界から見れば、こういうふうに評価されている、見られているということを是非御理解ください。これを後で差し上げますよ、この本。
 それで、ここにまた書いてあるんですよ。八田先生が、「やはり国、国政を預かる方々に対しても会計教育が重要なのでしょうね。」と、これは耳に痛い話でございますが。また、藤沼さん、「まあ、会計教育以外に国際経験も必要なのかもしれませんね。」と、こんなふうに書いていらっしゃるわけでございます。
 こういう、平場の話でございますが、これをどうこうということではなく、そういうふうな感想をお持ちで、この会計学会の、また実務のリーダーの方々もちょっとおかしいんだというふうに思っていらっしゃるわけですから、これは私個人の意見じゃない、私もそのように思っておりますが、是非客観的に自分の国を見ていただきたい、自分の国の行政を見ていただきたい、そのことを申し上げたいと思っております。
 そこで、この会計ルールが正にゆがめられた事例、恣意的にゆがめられた事例というものについて質問をさせていただきたいと思います。
 これは峰崎委員がライフワークのように取り組んでいただいております日興コーディアルグループの問題でございます。御承知のとおり、決算において特別目的会社を連結の対象外にしたという問題でございます。これによって、連結対象から外すことによって、簡単に言えば百四十億円の利益が上がったわけです、計算上。もしこれを連結の対象に含めていればこの分利益が減っていたと、まあ単純な話でございます。そこで、ずっと日興コーディアル証券も中央青山監査法人も、この監査に当たっているのは中央監査法人なんですが、ずっと決算は妥当だとこれまでおっしゃってきたわけです。
 しかし、不思議なことに、峰崎委員の多分追及があったからかと思いますが、二〇〇六年三月期からこれらのSPCを連結することを発表するに至っております。私自身実務におりまして、会計ルール、特に連結の対象に含めるとか外すとか、こういう判断をするときにはそれなりの大きな大きな理由がなければ、こういう百四十億もの利益を取り込んだり外したりするようなことはできないはずなんですが、金融庁の方にお伺いします。どういうその大きな判断を変えるに至った事象があったんですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 個別の問題でございますのでなかなかお答えできない点もございますけれども、御指摘の点につきましては、日興コーディアルグループ自身の判断といたしまして、連結範囲に関する昨今の情勢変化にかんがみまして、買収目的会社十社を当期、これは十八年三月期でございますが、この末から連結の範囲に加えることとした旨を公表したものと承知しております。
 この点を含めまして、個別の問題に関する点につきましては行政当局としてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと存じますが、日興コーディアルグループが公表しているところによれば、連結範囲に関する昨今の情勢変化にかんがみ、十八年三月期よりそのような取扱いを行うこととしたものであるとのことでございます。
 あくまで一般論として申し上げますと、会社が他の会社等の意思決定機関を支配している場合、当該他の会社を連結されることとされており、当該会社等を連結対象とするか否かにつきましては、その具体的な実態に即しつつ判断されることになるものと承知しております。
○尾立源幸君 いろいろ状況は変わってはいないんで、多分心変わりかなと思うんですが、余りお答えいただけないんで、是非これは委員長にお願いしたいんですが、この質問をさせていただく上で、もし参考人として呼んでいただけるならば、日興コーディアル証券の社長様である有村さんでしょうか、それと中央青山監査法人の奥山理事長に当委員会に来ていただきたいと、協議いただきたいと思います。
○委員長(池口修次君) 理事会で後で協議します。
○尾立源幸君 それでは、ちょっと若干質問を飛ばさせていただきますが、先ほど公明党の山口先生からもお話がございましたが、監査人の選任等々の問題でございます。
 その中で、カネボウやライブドアの粉飾決算の背景に、特に企業経営者の方の監査に対する認識の違いというのがあると私は思っております。
 一つは、まあここでいい経営者悪い経営者という言い方は不適切かもしれませんが、いい経営者というのは、あえて言わせていただきますと、監査によって得られた有益な情報を経営に積極的に生かしていく、また自分のやってきた仕事に対する責任の解除の手段としてこの監査を積極的に利用するという、そういう考え方をされます。一方、悪い経営者は、取りあえず監査証明さえもらえればいいやと、こういう意識の差が歴然とあるわけでございますが、金融担当大臣、今回のいろいろとこの証取法等の一部を改正していただく法案でございますが、これでどんどんどんどんこの監査の質も上がって、企業の粉飾等もなくなっていくと、このようにお感じになっていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 適正なディスクロージャーを確保していくためには、公認会計士による厳正な監査はもとより、企業自身が適正開示の重要性を自覚し、それに真摯に取り組んでいくことが重要となることは先生御指摘のとおりであると考えております。
 このため、本法案においても、財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者による評価と公認会計士等による監査を義務付けるとともに、有価証券報告書等の記載内容の適正性について経営者が確認することを義務付ける措置を新たに導入することとしているところでございます。
 また、有価証券報告書の虚偽記載等についての罰則を強化することとしているところでございます。
○尾立源幸君 冒頭にも申し上げましたが、自由の拡大はどんどんやってまいりました。その中で、ルールを破った者にはペナルティーを科すと、これが行政の在り方だというふうに思っておりますけれども、そこで、このルールを破った経営者に対する責任追及という意味で、少し日米を比較しながら議論をさせていただきたいと思います。
 ここに比較表、調査室の方で用意をしていただいたものがあるんですが、例えば粉飾決算、アメリカで行った場合どのぐらいの刑になるかといいますと、最高二十年の禁固刑と、とですよ、アンドでございますが、法人の場合であれば二千五百万ドルの罰金刑、というと二十五億円ぐらいになりましょうか、このぐらいの重きの罰を科しております。一方、日本では、今回の法案でも十年の懲役又は、今度はオアになりますな、一千万円の罰金が最高刑です。
 国の中でいろいろその他の罰則との均衡もあるんでしょうけれども、私は一千万、懲役十年はちょっと嫌ですけれども、又はのこれ一千万円以下で済むんだったら、これ企業経営者、まあやってもいいかなとは思いませんが、そんなに大したことないなと思ってしまうわけでございます。
 これは経営者のいろんな責任保険等々もあると思います。これは私、軽過ぎると思うんですが、大臣、どうですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 罰金刑のレベルはまた別問題ですけれども、日本の刑法の体系において懲役十年というのは非常に重い刑でございまして、従来はいわゆる自然犯に対して適用されていた量刑でございます。
 したがいまして、今回も五年であったものを十年にするというのは、やはり法務省と相当綿密な打合せをしなければならなかったということですが、法務省の方も恐らく清水の舞台から飛び降りるぐらいの気持ちで十年に引き上げてくれたものと私は思っております。
 これは、従来の刑法の中でやはり刑の均衡という考え方が根強くありまして、これを十年にするというのはなかなか苦労の結果であったということだけは是非御理解をしていただければと思っております。
○尾立源幸君 懲役十年というのは確かに重いと思います。ただ、私が申し上げているのは、又は一千万円と、これは何かなと思ってしまうわけでございますが、これはアンドでもう少し実効性のある金額にしていただければ、より経営者としては不正をやりにくくなるんじゃないかと思いますが、いかがですか、金融庁。
○政府参考人(三國谷勝範君) 刑事罰でございますので、いろいろな、法務省さんとも十分に相談しながら、そういった意味でのいろんな整合性等も考えながら設定されているものでございます。私どもとしてもぎりぎり努力をさせていただいた結果であるということで御理解賜りたいと思います。
○尾立源幸君 なぜこの一千万に私はこだわるかといいますと、アメリカのまたこれ例で恐縮なんですが、やり得を許さないと、こういう思想がアメリカの罰には入っておるわけでございます。
 例えば、民事でございますが、インサイダー取引で得た不当利益を、アメリカの場合はその不当利益の三倍まで懲罰的に徴収できるような仕組みになっております。こういうことをやって資本市場というのは厳しく守っておるわけでございますし、また金融サービスについても、犯罪収益を吐き出させる、そしてまた被害者へ分配をさせるという、そういう仕組みも整っております。正に、犯罪者の手元に不当利益を残させないという、こういう思想があるわけでございます。
 個別の名前を出して恐縮でございますが、六本木ヒルズに住んでいらっしゃる方も何百億という利益を手にしていらっしゃると言われております。すべてがすべて不当とは言いませんが、今集団訴訟等も起こっているようでございますが、こういうものを、金融犯罪に対してはもっと行政が、私はペナルティーという意味で積極的に懲罰的にペナルティーとして吐き出させるような、そんな仕組みがあってもいいと思うわけでございます。
 そして、もう一点申し上げますと、組織犯罪処罰法、これも今回法務省の御協力の下、やみ金事件で差し押さえられたスイスにあります五十億、その半分ぐらいが戻ってくると言われておりますが、それを、犯罪収益を吐き出すという意味で追徴、没収ができることになりました。それで被害者の方に戻るような仕組みをつくっていただきました。私は、こういうせっかくいい法案を作っていただいたわけでございますから、なぜ他の省の例も取りながらそういういい制度を取り入れないのかと不思議に思うわけでございます。それほど隣の芝生を見ていないわけではないと思います。そういうアイデアをお入れになる考えはございませんか。
○国務大臣(与謝野馨君) 金融庁としては、違法な金融経済取引の被害者の救済は重要な課題であると認識をしております。委員がお考えになっておられる点、また御提案の仕組みについては、こうした観点から、どのような違法行為に基づく被害に対していかなる措置を講ずることができるかについて、諸外国の取組も研究しながら今後検討してまいりたいと思っております。
○尾立源幸君 また、最初に申し上げました、検討と言いつつ非常に時間が掛かるんでは困るということを私は申し上げておるわけでございます。
 そのもう一つの例を指摘させていただきたいと思います。今回、消費者保護という観点、先ほど大久保議員からもございました。これがまだまだこの法案では十分ではないというふうに私は思っております。
 その一つといたしまして、おれおれ詐欺というふうに昔呼んでおりましたこの詐欺事件がございますが、この被害者が銀行にお金を振り込んだとします。そして、その後、詐欺だということで警察に言って口座から引き出させないような措置ができたといたします。そうしたときにお金は犯罪集団に渡らないわけでございますが、犯罪集団が逮捕されず、だれが加害者か分からない場合には、このお金が元の持ち主に戻らないような今ことでずっと私は銀行に保管されていると聞いております。
 金融担当大臣又は金融庁、これは事実ですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 凍結された口座の預金というのは、凍結された状態で銀行で管理されているというのが一般でございます。
 被害者の手元にそのような資金が円滑に、迅速に戻されるかどうかという御趣旨の御質問かと思いますので、その点に関連いたしましてちょっと御説明をさしていただきたいと思います。
 おれおれ詐欺で使われて、幸い凍結された口座に残存している金銭、これを被害者の方に返還するに当たりましては、一つには、振り込まれた金銭が振り込め詐欺によるものであることを特定する必要がございます。それから、二つ目には、振り込まれた当該金銭のうち、例えば既に一部の資金が犯罪者によって引き出されてしまっているような場合、こういった場合には、残金とその被害者が振り込まれた金銭との対応関係の特定、これがなかなか容易でないといった問題がございます。それから、三つ目に、振り込め詐欺実行犯の所在とか氏名が不詳であって振込先口座の名義人の存否が不明な場合、返還の前提となる当該口座の実質的な所有権を特定することが難しいと。こんな事情があるというのが一般的な背景でございますけれども、こういったことを背景といたしまして、現状におきましては民事訴訟の判決を得て返還を行うといったこと、すなわち司法の場による解決と、これが基本とならざるを得ないということになっております。
 典型的には、振込先口座の名義人の存否が不明な場合、振込人が受取人に対して不当利得返還請求訴訟を提起いたしまして、勝訴判決を取得して当該預金について強制執行あるいは差押えをするという手もございましょう。あるいは、平成十七年の三月の東京地裁の判決におきましては、振り込め詐欺の被害者らが銀行に対して口座の残存金銭の払戻しを請求すると、債権者代位という方法を認めてございます。こんなことが方法としてはあり得るわけでございます。
 ただ、一部の銀行におきましては、例えば被害者が一名だけで、被害に遭った金銭の全額が当該口座に残っているような場合、こういった場合には被害に遭った金銭と残金の対応関係を特定できるということでございますので、銀行の経営判断において被害者に対して返還を行っている事例もあるというふうに承知をいたしております。
○尾立源幸君 私、振り込んだ人なんという、振り込んでいるわけですからすぐ分かるんじゃないかと思いますし、また警察等々にも通報入れているわけですから本人特定なんていうのはすぐできるんじゃないかと、やる気になれば。ただ、法整備をやる気がないだけでございまして、やればできるじゃないですか。いろいろ考えていただきたいと思います。
 それで、どのぐらいこの資金というのはたまっているんですか、返されないまま。
○政府参考人(佐藤隆文君) 現在までのところ、私どもで把握いたしておりますのは、個人の預金口座、多く有しております主要四行、具体的にはみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、そしてりそな銀行でございますが、これにつきまして申し上げますと、不正利用を理由として凍結された預金口座に残存している金額、これは本年の三月末で、四行合計で約三十五億円となっております。
○尾立源幸君 善意の方がこの三十五億円でお困りになっております。一刻も早くこの被害に遭われた方にお金を返すような仕組みづくりを、私は是非金融担当大臣のリーダーシップの下でやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 振り込め詐欺ばかりでなく、やはり犯罪被害者に対して、その被害を救済するということは非常に大事なことでございまして、これは振り込め詐欺もそうでございますけども、例えばやみ金融で被害に遭った方、犯罪組織がそういうお金を隠し持っていたということが分かった場合、これどうやって返還していくのかと。こういう問題はこれから解決していかなきゃならない問題でございますが、やはり現実に被害に遭った方がおられるわけですから、そういう者には国として迅速に、かつ親切に対応していかなければならないと思っております。
○尾立源幸君 是非、大臣、その思いで進めていただきたいんですが、今日は法務省の方はいらっしゃってないと思いますが、あの法務省でさえ、堅い法務省でさえ一年でこの特別法をつくってくれました。それは、先ほど言いました、やみ金で得た不当利益をその被害者の方に返すという仕組みをこの前法案で通していただきました。もっと柔軟な私は金融庁であれば、先ほど申し上げましたアメリカの例ではございませんが、半年ぐらいでやる気になれば私はできるのではないかと思いますし、そのスピード感が今この日本の資本市場に求められていると思います。
 もう一度、大臣、御答弁、お願いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 迅速にやるべきものはきちんとやります。
○尾立源幸君 それでは、あと最後の質問の方に移らせていただきたいと思います。少しこれ手前みそな話でございますので、最後に回させていただきました。
 実は、今、監査人は、会社法上、監査役によって選任されて、株主総会でその選任と報酬の額が決定されることになっております。しかし、御承知のとおり、監査役はだれにまず指名をいただくかというと、取締役でございます。いわゆる社長を含めた取締役、経営陣によって監査役というのは指名をいただき、これまた株主総会で承認を受けることになっております。そういった中で、今、我が国ではこの監査役の独立性が極めて乏しいというふうに言われております。これはもう与謝野大臣も御承知のはずでございます。いわゆる取締役を一丁上がった方が監査役になったり、いろんな意味で、経営者の方の息が掛かった監査役というのが今多く現存しているわけでございます。
 そこで、私は、監査人を真に株主の代表として選ぶような仕掛けが必要ではないかと、このように思っておるわけでございます。その一例として提案したいのが、監査人の選任と報酬の決定というものを、株主の代表、また弁護士、さらには会計士、専門家で構成される監査委員会というものに移して、私は経営監視機能を高めることが必要だと思っております。さもなければ、今の状態であるならば、泥棒に警察官をこれ選ばせるというに等しいわけでございます。いつも私申し上げるんです。
 そういう意味で、本当に監査人に機能を果たさせるためにも、こういった監査委員会というものをきちっとつくって、その中には今申し上げましたようなメンバーで、株主の、私、代表も入れてもいいと思っております。そういった提案をしたいんですが、金融担当大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 委員御指摘のように、厳正な会計監査を確保していくためには、経営者との関係において会計監査人の地位の向上を図ることは重要な課題であると認識をしております。こうした観点から、会計監査人の選任や報酬の決定について、経営者をチェックする立場の監査役、監査委員会等の権限を強化することは一つの考え方であると認識しており、さきに施行された会社法においては、会計監査人の報酬を決定する際には、監査役、監査役会又は委員会設置会社においては監査委員会の同意が必要とすることとされたところであります。
 委員会設置会社形態を取ることが任意とされている現状において、委員会の設置及びこれによる監査報酬等の決定を直ちに義務付けることについては難しい面があると考えますが、金融庁としては、既に金融審議会公認会計士制度部会において監査法人制度等の在り方について総合的な検討に着手したところであり、会計監査人の地位の強化等について、関係省庁とも連携しつつ十分に検討を進めてまいりたいと考えております。
○尾立源幸君 先ほども、途中申し上げました。良い経営者ばかりじゃないと。中にはそうじゃない方もいらっしゃいます。是非、そういう方がいらっしゃるという前提で、この監査人の機能をしっかり果たさせるためにもいろんな手だてを是非考えていただきたいと思います。
 監査人というのは、日々のプレッシャー、またお客さんを失うかもしれないというプレッシャーの中で、株主のため、また会社のために、投資家のために働いているわけでございますので、是非そういう制度設計をしていただきたいと、このことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○広田一君 どうも、民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
 まず、ライブドア事件に関連いたしまして、投資事業組合の規制に関してお伺いをしたいと思います。この点につきましては、昨日の本会議におきまして櫻井理事の方からも御質問がございましたけれども、与謝野大臣、今回の法改正によりましてなされる投資事業組合などへの届出、登録等の規制などによってライブドア事件のような投資事業組合を悪用した事件はある程度抑止、防止できるというふうにお考えなのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 今回の法案では、投資事業組合などのいわゆるファンドについて、一つは、新たな包括的な定義を設け、ファンド全般を規制の対象とする。第二に、大量保有報告制度について、機関投資家に認められる特例報告の報告期限、頻度を短縮するとともに、報告書の電子提出を義務付け、電子開示手続を通じた公衆縦覧を行うと。第三番目には、ファンドの自己募集について、新たに業者としての登録又は届出の対象業務とする。第四番目には、ファンドによる主として有価証券又はデリバティブ取引に対する投資運用について、業者としての登録又は届出の対象業務であることを明確にする。第五番目として、いわゆる短期売買規制について、組合型のファンドが組合財団として上場会社等の議決権の一〇%以上を保有する場合を規制対象とするといった措置を講ずることとしております。
 これらの措置を通じてファンドの透明性の向上が図られるものと考えております。
○広田一君 こうした中で、やはりまず共有をさせていただきたいのが、今回のライブドア事件によって投資事業組合の果たしてきた役割といったところをまず共有認識として持ちたいと思うんです。
 その上で、先ほど大臣が御紹介していただいたような登録、届出などの様々な規制が果たして今回の事件の防止になるのかどうかの更に建設的な議論にもつながるのではないかなというふうに考えるからであります。
 そういった意味で、今回、まさしく本来は非常に自由度の高さとか利便性から経済を活性化させるインフラであったこの投資事業組合がライブドア流の錬金術の道具として使われてしまったわけなんですけれども、この投資事業組合はどのような役割を果たしたと認識をされているのか。具体的に、報道等でもございますけれども、MアンドAチャレンジャー一号、JMAMサルベージ一号投資事業組合等がそれぞれ果たした役割について御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(長尾和彦君) ライブドア事件に関しましては、御案内のとおり、私どもの監視委員会の方で、今年の二月の十日、それから三月十三日、三十一日と、東京地検に風説の流布、偽計嫌疑、あるいは虚偽の有報を提出ということで告発したところでございます。
 そうした中で、お尋ねの投資事業組合の役割等についてですけれども、新聞等でも様々報道をされておりますが、個別の案件に係ることですので、今後公判もあるということで詳細は控えさせていただきたいと思いますけれども、これらの今申し上げたような告発した犯則行為におきまして、例えばマネーライフ社の完全子会社に関し行われましたライブドアマーケティングとマネーライフ社との株式交換、これがあたかも正当な株式交換比率に基づく正常な取引行為であるかのように公表されておりますけれども、真実はマネーライフ社の企業価値を著しく超過する数量のライブドアマーケティング株式を発行させ、その同株式をVLMA2号投資事業組合名義でライブドアが取得して、高値で売り抜けようとするための取引であると。
 こういったように、幾つかの投資事業組合等が利用されていたということが認められているところでございます。
○広田一君 それでは、そういった役割を果たし悪用された投資事業組合の実態、中身についてお伺いをしたいと思います。
 具体的に、先ほど挙げた投資事業組合の代表者、目的、本店所在地、運営者、大口出資者、出資比率などについて、その内容についてお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(長尾和彦君) ただいま申し上げましたように、ライブドア事件におきましては、私ども告発しました嫌疑の中で、複数の投資事業組合というものを使って犯則行為が行われていたことは認められたわけでございますけれども、恐縮ですけれども、そしてこういった投資事業組合を使ったスキーム、これを解明するために監視委員会におきましては検察ともまた合同で、投資事業組合の実態、様々な中身でございますけど、実態等について所要の調査を行ったところでございますけれども、大変恐縮ですが、これ以上の詳細につきましては個別の調査に係る事柄でありまして、また公判、今後行いますので、これ以上のお答えというものを差し控えさせていただきたいと思います。御理解賜りたいと思います。
○広田一君 まあ個別の案件というのはよくお聞きするフレーズでございますけれども、裁判等に支障が出るというふうなことなんですが、今回の法案審議において、やはり世間も投資事業組合というものが大変不透明であると、よく分からないというふうなことがあり、それに対して、それを踏まえた規制等がなされたというふうに私自身考えているわけですし、大臣もそういった切り口での御答弁もいただいたわけでございます。
 そういった中、プロ、アマの分け方等にあって登録、届出というふうなことがあるわけでございますけれども、ここのライブドアが使った投資組合の実態というものが明らかになることによってそういった議論にも私は相当程度の影響が出るんじゃないかなというふうに認識をしておりまして、再度お尋ねいたしますけれども、その実態、把握されている現状を、例えば私募なのか公募なのかですね、そういったところも含めて情報の開示をしていただければと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(長尾和彦君) 大変、繰り返しになりまして恐縮ですが、正に今後の公判の中でいろいろ私ども立証、主張していかなくちゃいけません。また、もちろん先方の方からもいろんな主張がされるということでございまして、そうした中の話でございますので、先ほど幾つか言及させていただきましたけど、これ以上につきましてのコメントというものは控えさせていただきたいということで、御理解賜りたいと思います。
○広田一君 大臣、そう考えますと、今回こういう国会の場で議論している中で、まさしく投資事業組合の今後の規制の在り方ということについて今私議論をさしてもらっているわけです。投資者保護とか様々な規制等を作って、まさしく国際的にも信用されるような、そういった集団のファンドスキームを作っていこうというふうな中で、まさしくそのことを議論している中でライブドア事件というものが発生したわけであって、この投資事業組合に対してじゃどういった改革をするのかというものは、私は国民の大きな関心だろうというふうに思うわけです。
 その手段、やり方としては、先ほど大臣の方からもお話がございましたような開示制度の充実であるとか、先ほど尾立委員からも質問のあった罰則の強化であるとか、様々な方策を講じて、合わせ技でやっていかなければならないと思いますが、その一つの論点として、投資事業組合又はそれを運営する者に対しての規制がどうあるべきかというものが大事だろうというふうに思います。
 せめて、私募なのか公募なのか、そしてまさしくライブドア関係者以外の出資者があったのか等々について、そこの点については私はもう裁判等にも支障があるものではないと思いますので、是非ともこの場で議論の材料に挙げていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(長尾和彦君) 繰り返しになって大変恐縮でございます。
 今回の事件の解明の中で、投資事業組合を使ったスキームという部分、これについても解明するために、私ども監視委員会、あるいは検察と一緒に投資事業組合の実態、例えば構成の組合員とか業務内容等、こういったものについて所要の調査を行ったところでございますけれども、本当に恐縮でございますが、今後の問題がございまして、これ以上の詳細については控えさせていただきたいと思います。御理解賜りたいと思います。
○広田一君 大変申し訳ないんですけれども、逆に。
 私募か公募かは、今回の届出、また登録の規制等にも関係することでございますので、その点ぐらいはやっぱり逆に明らかにしないと、今回の法改正といったものがライブドア事件を踏まえてどのようになされたのかということが全く国民が分からないわけですよね。そこの点はやっぱり明らかにすべきだと思いますけれども、それさえ無理なんでしょうか、私募、公募したかどうか、否かについても。
○政府参考人(長尾和彦君) 大変恐縮でございます。
 この点に限らず、一つ一つの論点につきまして、私どもが今次に抱えていることは、私どもの場合は個別事案をやっておりまして、個別の事実に基づいて立証していくということでございます。それで、もちろん検察当局と一緒に協力しながら証拠固めとしてでございます。
 御案内のとおり、今御指摘の点とかいう質問も分かるんですけれども、その一つ一つについての事実関係をどう主張していくか、様々ないろんな論点ございますが、大変恐縮ですけれども、こういう公判を抱えている個別問題につきまして、個別の問題としてこうこうと言うことは従来から控えさせていただいていますので、是非御理解を賜りたいと思います。
○広田一君 それでは、ちょっと与謝野大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、今回の投資事業組合に関連した規制について届出、登録ということなんですけれども、仮にライブドアが悪用した投資事業組合というものが私募で、ほとんどライブドア関係しか携わっていなかったという場合に、届出等々ということになりますと、ほとんど何もこの点については効果ある規制が逆にできなくなってしまうんじゃないかということを私自身懸念をする立場から質問をさしていただいております。
 実態等については、もちろん金融庁の皆さん、踏まえられた上で今回の法改正に臨まれているというふうに思いますので、再度のお尋ねで冒頭のお尋ねに重複する部分があるんですけれども、今回の法改正によって、ライブドアのように投資事業組合を悪用した事件というものが本当に今回の改正で防止できるというふうに思われるのか、実態を踏まえて、大臣、お答えいただければと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) これは完璧ということはあり得ないと私は思いますけど、四半期開示とか登録とか、その他幾つかの手段を今回の法律の中に書いてございます。現在、許された範囲内での手段は全部法律の中に書いたつもりでございます。そういう今回法律でお願いしておりますことを皆様方に御承認いただければ、そういう手段を使いまして、投資家の保護、ファンドの透明性等々につきましても十分意を尽くしてまいりたいと考えております。
○広田一君 関連してお伺いをしたいと思うんですけれども、ちょっと言い方を換えてお聞きしたいんですが、投資事業組合の場合は、有価証券報告書とか大量保有報告書に名前が出るまでは外部からはほとんどその存在すら分からないわけでございます。ファンドに出資する本当の株主というのが今回の法改正後もなかなか把握することが難しいと。ライブドアのような投資事業組合は難しいのかどうか、その点をお伺いしたいのと、それと併せて、これらの投資事業組合といったものがなぜこの組合のどういった特性を悪用するインセンティブが働いてしまったのか。この事件を踏まえて投資事業組合が抱える問題点といったものは一体何なのかということをお答えいただければと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) ファンドでございますが、ファンドの投資家や投資対象そのものの公衆縦覧につきましては、これが義務付けられました場合には、投資家がファンドへの出資を控えることなどによりまして再生中の企業やベンチャー企業等に投資する健全なファンド等への資金供給に影響が生じかねない等の懸念もありますことから、ファンドの投資家や投資対象についての公衆縦覧ということは想定はしていないところでございますが、一方で、連結会計ということになりますれば、実質的に支配するところにつきましては連結の問題として処理される部分もあろうかと考えているところでございます。
○広田一君 三國谷局長、そうであるんだったら、今回のライブドアの場合は、ライブドアが実質的に支配する投資事業組合だということであって、本来だったら連結対象になるんじゃないかというふうな議論もあるわけでございますけれども、ライブドアの使った投資事業組合の実態というものは明らかにできないということなんですけれども、その点を踏まえた今回法改正になっているというふうな理解でいいんでしょうか。その会計基準の絡みでお答えいただければと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の改正は、一つには、金融商品取引業者の主に販売、勧誘ルール、ここにつきまして所要の手当てを行うと、これが一つの法律的な取組でございます。
 一方、会計基準の問題はこの法律の問題を離れまして、本来実質支配しているところにつきましては適正に連結するということが、これは一般則としてあるわけでございまして、ただ、この会計基準のところが、特に投資組合や組合等につきましてはなかなか明確でないところがあるんではないかと、一般の会社に比べて明確でないところがあるんではないかといったところから、この明確化等につきましては現在、企業会計基準委員会等において検討しているところでございます。
 いずれにいたしましても、こういった今法に基づきます販売、勧誘ルール等の適正化、あるいは別途、会計基準、こういったものの明確化等によりまして、いろいろな事象に対処していくことが必要であると考えているところでございます。
○広田一君 それでは、この投資事業組合が持つ不透明さというところが特に問題点として掲げられるんじゃないか。匿名性を利用して悪用したというふうなことだろうというふうに思うんですが、今回、その対策として、例えば私たち、いろんなヒアリング等で聞く中で示された提案として、公開されないことを約束した状態で、例えば財務局などに有限責任組合の情報も含めて登録をさせると。登録がなければ組合を法人とみなして課税するなどの対策が考えられるんじゃないかというふうな提案もあったんですけれども、そういった投資事業組合の持つ不透明さ、匿名性といったものを改善させる具体的な施策というものを御検討されたのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回、こういった投資事業組合、一般にいう集団投資スキームでございますけれども、この一般投資家を対象といたしますファンドの販売、勧誘を行う業者につきましては、これは利用者保護を徹底する観点から必要な規制を整備すると。また、プロ投資家を対象とするファンドの販売、勧誘、運用を行う業者につきましては、一方では金融イノベーションを阻害するような過剰な規制とならないよう、規制を相当程度簡素化することとしているわけでございますが、そういった中で、登録あるいは届出等によりまして資本市場の公正性を図っていくような、そういう提案をしているところでございます。
○広田一君 ちょっとこれまでお聞きしている一つの問題意識が、まさしくライブドアのようなプロが投資事業組合を使った不正というものを本当に規制できるのかどうか。投資事業組合に対する規制強化でそこがすごい問題意識としてあるわけでございまして、そのためにどのような取組をしなければいけないのか。
 御説明の中でも、確かに効果があるというところを私自身も期待をしていきたいところではございますけれども、いまいちそこのライブドアの使った投資事業組合の実態というものが分からなければ、私は、本当はそこの不透明さとか会計基準のあいまいさであるとか、また、本当は租税回避のために使われたんじゃないか、そういった様々な今後克服すべき議論、建設的な議論というものができないのじゃないかなというふうに思いますけれども、私自身、金融庁の皆さんが、今の現状のライブドアが持っている投資事業組合が果たした、悪用された実態を踏まえての法改正であるということを期待をしたいというふうに思いますけれども、再度、繰り返しの質問で恐縮ですけれども、その点だけ、そうだというふうに簡潔に言い切っていただければと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(三國谷勝範君) いわゆるプロ向けファンドでございますが、これは登録ではなく届出にしておりますけれども、プロ向けファンドを取り扱う業者につきましても、その業務の状況を確認するため、特に必要がある場合の報告徴取や立入検査に関する規定を整備しております。必要な場合には当局が実態把握を行うことができるようにしているところでございます。
○広田一君 じゃ、それに関連いたしまして、今後の投資事業組合を含みます集団投資スキームに対する規制について、先ほど届出や登録された運営者に対する立入検査というところも行うということなんですが、どのような体制によって行われるのかどうか、この点について、もう少し具体的な御説明をいただければと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回、まず登録、届出でございます。
 一般投資家を対象とするファンドを取り扱う業者につきましては、登録を義務付けました上で書面交付義務その他の行為規制を適用いたします。また、帳簿書類の作成、保存を義務付けますとともに、公益または投資者保護のため必要かつ適当であると認められる場合には、当局が報告徴取、立入検査を行うことができることとしているところでございます。
 プロ向けファンドでございますが、先ほど申し上げましたとおり、プロ向けファンドを取り扱う業者につきましても、その業務の状況を確認するため特に必要がある場合の報告徴取や立入検査に関する規定を整備しているところでございます。
○広田一君 それぞれ立入検査のことについて御説明があったんですけれども、ちょっと教えていただきたいんですけれども、イメージとして、届出とか登録の申請項目がございますよね、また、政省令で幾つか、何点かまた定めるということなんですけれども、それも含めて立入検査の範囲について示していただきたいということと、それと併せて、届出、登録のまさしく違いに掛かってくるんですけれども、なぜ今回プロの場合は届出でなければならないのか、その点も併せてお示しをいただければと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) ファンドを扱う業者の登録、届出でございますけれども、今回法案にいろいろなことを規定しているわけでございますが、さらに、どのような形態又は種類のファンドを扱っているか等につきましても登録の態様として検討してまいりたいと考えているところでございます。
 なお、ファンドの体制ということでございますけれども、これにつきましてはまさしくそういった、どのような公益を害するような懸念があるかどうか等を勘案しながら、その個別の事案に応じまして必要な場合には報告徴取等を行うということでございます。
○広田一君 確認なんですけれども、ちょっと先ほどの御説明で聞き漏らしていたら恐縮なんですが、登録の場合においても、登録の場合は登録名簿を公衆の縦覧に供しなければいけないというふうに法の第二十九条の三において示されているんですけれども、その場合であっても投資者とか投資対象についての一定の情報公開というものはなされるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 金融商品取引業者として登録した者につきましては、御指摘のとおり、登録申請書の記載事項を記載した登録簿が作成されまして、これが公衆縦覧されます。それとともに、二つ目でございますが、事業年度ごとに内閣総理大臣に対しまして事業報告書を提出し、業務及び財務の内容を記載した説明書類を当該業者の全営業所、事務所において公衆縦覧することが義務付けられるところでございます。
 なお、ファンドの投資家や投資対象の公衆縦覧でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げたことの繰り返しになるかもしれませんが、これが義務付けられました場合には、投資家がファンドへの出資を控えることなどによりまして再生中の企業あるいはベンチャー企業等に投資する健全なファンド等への資金供給に影響が生じかねないと懸念されますことから、ここについての公衆縦覧につきましては想定していないところでございます。
○広田一君 そうしますと、その他内閣府令で登録とか届出の事項も決めるということなんですけれども、その中にも投資者、投資対象についての情報は求めないということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 内閣府令で定める登録、届出事項といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、どのような形態又は種類のファンドを扱っているかなどにつきまして考えられるところでございますが、販売、勧誘、運用に係る業務を行う者に対しまして、今回の法案に基づきます規制の中で、個々のファンドとかその投資家や投資対象についてまで登録や届出をさせる必要につきましては、それは必ずしもないと考えているところでございます。
○広田一君 必ずしもないということは、もうこの点については求めないという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) そういうことでございます。
○広田一君 それでは、一つちょっと御見解をお伺いをしたいんですけれども、公開会社の出資先ファンドに関する情報開示について、これはちょっと与謝野大臣に御見解をお伺いをしたいんですが、先ほど来お話にございますように、非常に強い規制を行うと、まさしくファンド等の活動が萎縮、停滞する懸念があると。そしてまた、ファンド関係者にお話聞きましても、自分がどこに投資をしているのか秘密にするのは市場の常識じゃないかというふうなことがあるのは私も理解するところでございますけれども、一方で、ライブドアのような公開会社が投資事業組合を使ってあのような犯罪を犯していることはまさしく株主にとっても寝耳に水だっただろうというふうに思うんですが。
 よって、今回、公開会社というものを社会の公器としてとらえるんだったら、その責任という観点から出資先ファンドに関する情報を、まあ内容はともかくとして、やっぱり一部公開させるような考え方があると思いますけれども、その点についての御所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 上場会社等の公開会社は、その投資先である投資事業組合等のファンドを実質的に支配していると認められる場合には、当該ファンドは公開会社の連結対象となるわけでございます。この場合、当該ファンドが重要性に乏しい場合を除き、当該ファンドの財務内容が公開会社の連結財務諸表に反映されるほか、公開会社の有価証券報告書等の中でファンドの名称やファンドの主要な事業の内容が開示されることとなるわけでございます。
○広田一君 実質支配の場合はそうだと思いますけれども、ただ、そうでないファンド等においても一定の要件等条件を定めながら情報開示をさせていくということは、一つ今回のライブドア事件のことを踏まえると求められてくるんではないかなと思いますが、ちょっとその点に、実質支配以外の投資ファンドについての御見解をお聞きしたつもりだったんですけど、もう一度御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) そこがなかなか難しいところでございまして、公開会社の投資先ファンドすべてについて開示を求めると、過度な情報開示を強制することになりまして、我が国における円滑な投資活動等に支障を生じさせることになることから慎重な検討が必要であると考えております。しかしながら、一方では関係者の、特に投資家の保護ということも考えなければならないと、両方を両立させなければならないという難しい問題があると思っております。
○広田一君 じゃ、続きまして、これはちょっと午前中に議論があったわけでございますけれども、不招請勧誘の禁止に関連してお伺いをしたいというふうに思っております。
 まず、平成十七年の七月一日に改正された法律が施行された後、外国為替証拠金取引の被害とか苦情の実態、また金融庁が行いました業務停止命令など行政処分の件数、また破綻した業者数につきましてお示しをいただきたいと思います。つまり、外国為替証拠金取引に対する不招請勧誘の禁止を導入することによってどのような効果が現れたのか、この点を数字を挙げて御説明をしていただければと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 外国為替証拠金取引業者を含む金融先物取引業者でございますが、本年五月二十二日現在で百八十八社ございます。外国証拠金取引業者につきましては、御指摘の昨年七月一日の改正法施行以降十二月末までの間は経過措置ということで登録が猶予されておりましたので、十二月以前の外国為替証拠金取引業者数の推移については当庁では把握しておらないわけでございますが、この七月に改正法が施行されまして、法令等の遵守義務というのはその時点から発生したわけでございまして、そういう環境の中で私ども、様々な苦情や利用者からの声といったことも踏まえまして、報告徴求を行い、業者に対して必要な対応をやってきたということでございます。今月二十二日まで、具体的には昨年の十二月末まででございますけれども、金融先物取引業者五十四社に対しまして五十八件の業務停止命令を発出いたしております。
 それから、破綻した業者数でございますけれども、経過措置期間中は廃業等の届出が義務付けられておりませんでしたので、そういう意味では当庁では全貌を把握し得ないわけでございますけれども、先ほど申し上げました業務停止命令を発しました対象となった五十四の業者、これはすべて金融先物取引業を廃業いたしております。
○広田一君 大臣、この御説明、報告を受けて、不招請勧誘の禁止の果たした効果についてどのように評価されているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 恐れ入ります。
 先ほど五十四の業者に対して五十八件の業務停止命令を発出したと申しましたけれども、このうち債務超過あるいは区分管理の違反といったものが一番多うございまして、その両方で打ったものが五十二件、それから御指摘の不招請勧誘と区分管理違反で処分を打ったものが二件ということで、あとは債務超過あるいは区分管理違反といったような理由で打っておるということでございます。
○広田一君 そういった実態を踏まえて、先ほど来繰り返しの質問になって恐縮なんですけれども、不招請勧誘の禁止が果たした効果についてどのように評価されているのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) これは相当の抑止効果が私はあったと思います。これは、実数でこのぐらいということはもちろん申し上げられませんけれども、やはり大変しつこい勧誘、また告知すべき事実を告知しない、もろもろのことがこういう不招請勧誘の中で行われてきたわけでございまして、そういうことが禁じられたということは非常に大きな効果が私はあったと考えております。
○広田一君 非常な効果があったということでございますけれども、不招請勧誘の禁止になり、なおかつ先ほどの御説明の中では様々な規制強化によって業務を廃止した業者も出てきているという中で、これは私の事務所の方で、じゃ直接そういった、今、外国為替証拠金取引業者の方がどのような営業、また勧誘をしているのかということを少し調べさせていただきました。
 そうした中で、いろいろリスクは、これは資本金が一億円のB社なんですけれども、いろいろリスクはあるということは、為替ですから一〇〇%成功ということはあり得ませんと、こういうふうな話をする一方で、しかし元本割れやマイナスになる危険性もないことはないが、まず少ないだろうというふうに言って、るる今のオーストラリア・ドルがいいとかユーロが安定しているとか、こういったお話をした後で、要は、今後も円高が続くので、為替相場は日々のニュースでも目に付きやすく、株式や商品先物より安定していると、ですから初心者にお勧めなんですと、こういうふうな勧誘というか、商品の説明等をいたしております。
 そして、もう一つ、これは六千万円の資本金の会社なんですけれども、これについても、リスクについては、株は四から五%の値動きがあるが為替の場合は一から二%の値動きであるので、株取引より、一概には言えないが、リスクは低いのではないかと、こういうふうな言い方をしているわけでございます。
 私自身も大変驚きました。不招請勧誘の禁止という厳しい規制が掛けられ、様々な中で業者の方が淘汰されていく中にありながら、このような言い方をされて商品を売ろうとしている、取引を勧めているわけでございます。これはもう明らかに説明義務違反じゃないかというふうに私自身も感じてならないわけです、たまたま私の事務所が問い合わせたところがそのようなことを言ったのかもしれませんけれども。
 この説明義務違反と思われるような業者の実態について把握されているのか、そしてそれに対してどのような対策を講じられているのか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 本年の一月以降は業者については登録が義務付けられておりますので、先ほど申し上げた百八十八社というのは私どもで把握可能でございます。
 そういった中で、先ほど御指摘のような重要事項についてうその説明をする、あるいは不招請勧誘を行う、あるいは区分管理をやっていないといったような問題を抱えている業者がありました場合には、私どもで報告徴求を取り、必要な場合に行政上の対応を取るということでございます。
 その際に、私ども利用者相談室というのを設けておりますので、そういったところへの利用者の方々からの苦情といったようなものも活用していくという、こういう体制でやっていくということでございます。
○広田一君 このような実態を考えたときに、私自身やっぱり思いますのは、今回の法改正で不招請勧誘の禁止というものが規定をされたわけですが、それが結果といたしまして、法第三十八条の三号なんですけれども、これはまあ評価すべきだろうというふうに思います。ただ、こういった中で、括弧書きがあって、つまりその中身は、当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案し、投資者保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものに限るというふうな括弧書きがございます。この部分が私は存在することによって原則禁止が原則解禁になってしまったんじゃないかと、せっかくの規定が骨抜きになってしまっているんじゃないか、こういうふうなことを懸念するわけでございますけれども。
 先ほどの、現時点で不招請勧誘の禁止を求められている業者があのような説明がまだなされているような状況で、その他はほぼ野放し状態になるということは、消費者保護の観点からも私は懸念されてしまうんですが、この括弧書きは削除するか、若しくは原則禁止にした上で、やはり商品の中身を見た上でこれは不招請勧誘も認めてもいいんじゃないかというふうに逆の限定列挙をすべきじゃないかと思いますが、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、不招請勧誘の対象でございますが、これにつきましては、取引の内容その他の事情を考慮し、投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものになっているところでございます。
 この不招請勧誘の禁止の対象範囲につきましては、昨年十二月の金融審議会第一部会報告におきまして、適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合とされていることも踏まえまして、取引の性質や利用者被害の実態等を勘案して定めることが適当であると考えているところでございます。
 なお、これにつきましては、現在店頭で行われております金融先物取引、いわゆる外為証拠金取引でございますが、これにつきましては現在でも不招請勧誘の禁止の対象となっているところでございまして、私どもといたしましても、この商品を対象とすることを考えているところでございますが、今後さらに、利用者被害の実態等にかんがみまして金融商品取引法の不招請勧誘の禁止規定対象に追加すべき商品・サービスが出てまいりました場合には、政令指定により機動的に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○広田一君 その御答弁の内容は午前中にもあったわけでございまして、そうではなくて、やはりここは投資家、投資者保護、消費者保護の基本的な考え方が私は非常に問われているんじゃないかなというふうに思われるわけでございます。つまり、これからの日本のこういった金融市場の活性化を考えていったときに、何か営業の自由の方が尊重されて、消費者保護というのは二の次にされているんじゃないかというふうに思わざるを得ない面があるわけでございます。そうじゃなくて、消費者保護を徹底することがやはりこういった金融市場の活性化をもたらすんだと、そういった視点に立って是非とも規制を考えてもらいたい、こういう思いで質問をさしていただいているわけでございます。
 今の三國谷さんの御答弁だと、これからも被害というものが顕在化しないと不招請勧誘禁止の規制は掛からないというふうなことになってしまいます。つまり、今後とも多くの被害者が出ないと規制に乗り出さないということは、本来のイギリスなどのこういう制度を導入してきた国と比べましても余りにも後ろ向きじゃないかなというふうに思えてならないわけです。
 さらに、先ほど来申し上げているように、そういった不招請勧誘の禁止を規定された業者さんがまだあのような、私が紹介したような勧誘をしているというふうな実態もかんがみ、そして冒頭与謝野大臣が言ったように、さはさりながら不招請勧誘の禁止によって大きな効果が出ているというふうな、この三つの点を考えると、この括弧書きをこれは残していく私は必然性というものはないんじゃないかなというふうに考えてしまうわけでございますけれども、まさしく被害の予防という観点から少し発想を転換をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 原則として、すべての取引について不招請勧誘を禁止するという考え方につきましては、これは繰り返しになりますけれども、例えば、新たな金融商品・サービスにつきまして顧客が自ら積極的に働き掛けない場合には、情報を得ることが困難となり、新たな金融商品・サービスへの自由なアクセスが制限されるおそれがある等の、そういった面もあろうかと考えております。
 一方、私どもといたしましては、やはりいろいろな、利用者のいろいろな相談の実態等の把握には努めているところでございまして、例えば、昨年七月に金融庁に金融サービス利用者相談室を設けまして、利用者からの相談、情報提供等を受け付けるなど、不適切な取引実態の把握と利用者への注意喚起に努めているところでございます。
 こういった取組を通じまして、適合性の原則の遵守をおよそ期待できず、利用者被害の発生やその拡大を未然に防ぐために、不招請勧誘の禁止の対象とすべき取引類型が把握されました場合には、政令において機動的に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○広田一君 三國谷さん、先ほど機動的という言葉をキーワードにして使われているんですけれども、逆に、であるんだったら原則禁止として、必要があれば政令で禁止除外の商品を機動的に追加をしていけば私は事足りるんじゃないかなというふうに思います。今のままだと結局、悪徳業者とのモグラたたきが続いてしまうんじゃないか、なおかつ、また被害者が顕在化しなければ対応しないということに正に自ら縛ってしまうわけでございますよね。
 私は、だからそういうことはやっぱり根本的に考え方を変えていかなければならないというふうに考えます。むしろ禁止除外の商品を決めていく方が私はまさしくこの第三十八条三号の考え方に沿うんじゃないかというふうに、三國谷さんもこの議論を通じて感じられたと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 経済活動でございますので、その活動の過程において新たな金融商品・サービス等が登場することもございますが、これを原則禁止といたしますと、そういったものに対する顧客への説明機会が逆に極めて限られてしまうなど、あるいは顧客にとりましてもアクセスが制限されるといった等の問題も一方であるわけでございます。
 そういった中で、私どもといたしましては、ここの不招請勧誘の禁止につきましては、政令で追加できる、そういう制度といたしまして、繰り返しになりますけれども、一方では、利用者相談室等々におきまして実態の把握に努めながら必要に応じて機動的に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○広田一君 それでは、今日は小斉平政務官の方にも来ていただいております。本当にお忙しい中、誠にありがとうございます。
 先ほどもちょっと議論の中で紹介をしましたし、また午前中には公明党の山口先生の方からも御指摘がございました。まさしく、こういった商品先物取引も、外国為替証拠金取引のような取引と同じように非常に大変リスクが高いのではないかなというふうに思うわけでございます。
 これも私の事務所の方で調べて、金取引について調べたわけでございますけれども、これはちょっと農水省関係じゃないんですが、同じように、例えば九万円から取引ができる手軽な商品ですよと。ただ、条件があって、五十万円からなんですというふうな話がありました。五十万ぐらいだったら用意できますというふうに答えますと、二百五十万円の金がたった九万円で取引ができますというふうに言われるわけです。非常に手ごろなようなんですけれども、これ、そこで大体説明が終わっているわけです。
 ただ、考えてみますと、一グラム例えば五円下がったときに決済するとなると、あと下落による不足分、約四十万円以上払わなければならないといって、結局、その五十万は全部いただきますよと、そんな話になってしまって、最低五十万円以上必要なんですというからくりはそういう点にもあるのかなというふうに思ってしまうわけでございます。
 非常に、私たちのような素人から言わせると、情報の非対称性があって、これ本当に投資というふうに言えないんじゃないかと。外国為替証拠金取引のような、同様のような被害が商品先物取引においても生じているわけでございます。
 そういった観点から、なぜ今回、改正に伴って不招請勧誘の禁止というものを規定されなかったのか。あわせて、この点に関する見直しというものを是非検討していただきたいというふうに思いますけれども、この点についていかがでしょうか。
○大臣政務官(小斉平敏文君) お答えいたします。
 商品先物取引に顧客が望む場合を除き勧誘を禁止すると、いわゆる不招請勧誘の禁止を導入することにつきましては、営業の自由との関連やほかの金融商品との均衡等にも考慮をしつつ慎重に検討する必要があると、このように考えております。
 なお、金融商品取引法案におきましては、不招請勧誘の禁止の対象は政令で指定することとされておりますけれども、その対象は外国為替証拠金取引等の店頭金融先物取引に限定して指定する方向と承知をいたしております。
 商品取引所法では、一度断った者に対する再勧誘、これを禁止をする処置を既に講じておりまして、同法の適切な運用により委託者保護の徹底を図ってまいる所存でございます。
○広田一君 午前中も山口委員の方から、理事の方から、日弁連さんの問題提起であるとか国民生活センターの被害の実態報告であるとか、また着服事件が後を絶たないとか、商品先物に関しましては様々な問題点があって、本来であるんだったら外国為替証拠金取引の不招請勧誘の禁止というものが適用されてしかるべきじゃないかというものが、多くの消費者、消費者被害を受けられた皆さんは今回の法改正等で期待をされていたというふうに思いまして、むしろ出てきた結果には大変失望感があろうかというふうに思うわけでございます。
 実際問題、まさしく先ほどの、今回の金取法の改正に伴う括弧書きが、今の御説明を聞きますと、まさしく自分たちの場合は、じゃ不招請勧誘の禁止を導入しなくてもいいんだという、営業の自由と相まって述べられているわけでございます。
 そういう意味からも、やっぱり与謝野大臣、先ほどから議論していますように、まず今回の金取法の中で、せっかく効果があったというふうに大臣自らが評価もされておりますし、そして今の逆に括弧書きの規定になってしまいますと、逆に原則禁止のはずが原則解禁になってしまう。さらには、被害者が発生しないと対応しないなどなどを考えたときに、この括弧書きについては私は取り除くべきだというふうに思いますし、そのことが、先ほど小斉平さんの方から御答弁がございましたけれども、商品先物に関する不招請勧誘禁止についての議論も大いに前に進めていく私はきっかけになるというふうに思うわけでございますけれども、こういった今回の判断がそのような様々な影響が出ていると思いますから、是非考え方を改めていただきたい。
 営業の自由も大事ですけれども、まさしく消費者保護を図ることがイギリスの例を見るように健全な金融市場をつくっていくんだと、そして本来素人がやるような商品じゃないものについては、そこについてはまさしく、先ほど来プロ、アマの話もありましたけれども、プロがやることによって健全な市場をつくっていくべきじゃないかと、そういう原則論に立った御判断を是非ともしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 不招請勧誘の内容はもう先生御承知のとおりでございますが、改めまして申し上げますと、顧客から明示的な要請がない限り、電話、訪問による勧誘を行ってはならないとする不招請勧誘の禁止は、例えば新たな金融商品・サービスについて顧客への説明機会が極めて限られてしまうなど業者の営業の自由を著しく制限する面があるだけでなく、利用者の立場から見ても、自ら積極的に業者に働き掛けない場合には情報を得ることが困難となり、新たな金融商品・サービスへの自由なアクセスが制限される面があると考えられます。
 したがいまして、金融商品取引法案では、不招請勧誘の禁止について一般的な枠組みを設けつつ、これを一律に適用するのではなく、取引の性質や利用者被害の実態等を勘案して対象範囲を定めることとしているものであり、営業の自由を優先しているとの御指摘は必ずしも当たらないと考えております。
 いずれにせよ、今回の法案により整備される横断的な投資者保護法制を適切に運用することにより、利用者が金融商品・サービスを安心して利用できるような環境が整備されるものと考えております。
○広田一君 最後、大臣がおっしゃった、まさしく利用者が安心して利用できるというふうに思えば、私たちもこれはもろ手を挙げて賛成をするんだろうというふうに思います。しかし、実際はそうなっていないし、そうならないんじゃないかというふうな問題意識から質問をさせていただいているわけです。
 先ほど来から営業の自由云々のお話をされるわけでございますけれども、御紹介したように、厳しい規制が既に掛かっております外国為替証拠金取引業者さんがああいった説明、まあ優しい言い方をしたら説明義務違反ですけれども、これはまさしくある意味では詐欺的な言い方をして勧誘しているわけです。だれが考えても、株取引より安全だとか初心者向けだというふうなことは、少しこの問題に携わっただけでもおかしい説明をしているわけです。
 こういった厳しい規制が掛かっても、なおかつそういった営業、勧誘活動をしている。いわんや、そこにそういった網が掛からない業者さんはなおさら、傍若無人とは申しませんけれども、様々な、まさしく詐欺的な営業活動を続けて被害者が後を絶たないと。四千人に減ったから効果が出ているんだというふうな言い方をされますけれども、より一層その効果を高めるためにも、やっぱりこれは、原則は不招請勧誘の禁止というものを私たちのこれからの金融市場をつくっていくときの考え方にすべきだろうというふうに思うわけでございます。
 そして、何かちょっと小斉平さんにもう一回振って恐縮なわけでございますけれども、午前中の山口委員の質問の中で、これ政省令でも商品先物について不招請勧誘の禁止というものは対応できるんじゃないかというふうな御指摘があったんですけれども、それは法的にも可能なのかどうか。もし可能であったら、この点についても、まさしく政省令でできる事柄でしたら対応していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
 済みません、これは通告していないんで恐縮ですが、分かればお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐久間隆君) 政省令ではちょっと対応は困難であるというふうに思います。(発言する者あり)
○広田一君 やじが飛んでいますけれども、これどうしてできないのかをちょっと明確に、どういった法文に基づいて、だからできないということをちょっとお示しいただきたいんですけれども。
○政府参考人(佐久間隆君) そのためには法改正が必要であるというふうに考えます。したがいまして、それなしに政省令改正で対応ということはないということだと考えております。
○広田一君 ちょっと自分も思い付いた質問になって恐縮なんですけれども、例えば個人情報保護なんかは、法律に規定しているのと、まさしく政省令で対応しているものとがあって、質問すると同様の規制効果があるというふうなお話等があったように記憶しているんです。同じように消費者保護の観点を踏まえて、不招請勧誘の禁止というものは、やはり法改正をしないとできないというそういう理解でよろしいんでしょうか。政省令はもっと幅広く対応できるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(佐久間隆君) お答えいたします。
 技術的な問題、当然ありますが、実態的に勧誘に制約を加えるということのその制限の手段というのはいろいろあるかと思いますけれども、望まれない形の不招請勧誘というものを一律に禁止をしようということでありますと、商品取引所法におきまして事業者に対して規制を掛けるというような手段、それを適用するというような規定を置かないと、基本的に営業の自由というものを持って様々な営業手段を考えて事業を行っておられるわけでありますので、そういう事業者の権利を制限するということを考えますと何らかの法的な措置が必要ではないかと、このように考えます。
○広田一君 最後になりましたけれども、今日の質疑を通じまして、政府の皆さんは、消費者保護というものが大事なんだということはおっしゃっていただいているんですけれども、しかし実際、それを徹底するということが私はやっぱり不十分じゃないかなというふうに思うわけでございます。
 慶応大学の池尾教授さんなんかが指摘していますように、近年の国際化研究によって投資家保護が健全な活性化した金融市場をつくっていくというものは国際的にも証明されているということでございますので、是非ともそういった大きな観点に立って今後の改革に取り組んでいただければということを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。
 今回の法改正、全体でいえば我が党がずっと要求してきたことも入っておりますし、私自身が質問で要求したことも入っておりますので、前進点はいろいろあるというふうに思うわけですけれども、今頻発しているこの金融被害にリアルタイムにこたえるものになっているかどうかという点ではかなり対応が遅れているというふうに思うところでございます。
 資料をお配りいたしておりますけれども、ちょっと細かい数字ですが、要するに、これは国民生活センターの今月の十一日までの直近の資料でございますけれども、一番上に金融・保険サービスの苦情相談件数というのが数字があります。減っているように見えますけれども、このうちサラ金関係の苦情相談を除きますと、一番上に手書きで書いた数字でございます、金融被害、サラ金を除けば苦情はずっと増えているという段階ですから、このことを踏まえてよく今何が求められているかを議論すべきだということを前提として申し上げておきたいというふうに思います。
 今もお話ございましたけれども、不招請勧誘の禁止というのがいかに個人、素人、アマチュアの人たちを守っているかということをよく認識もすべきだと思います。それでも取引業者というのはすき間をついて、アマチュア、素人に勧誘をやろうと必死になっているわけでございます。
 二枚目の資料にそういう資料をお配りいたしましたけれども、これは外国為替証拠金取引業者のチラシでございます。都内に配られたチラシでございます。現物はこういうやつでございますけれども、(資料提示)要するに、資料を請求してくれた方にはボールペンを差し上げますと、そのボールペンは日本銀行券裁断片入りボールペンということで、アンケートに記入して出してくれれば、これ上げますよということですね。
 二枚目の資料に「アンケートのお願い」とあって、はがきの裏側ですけれども、一番下のところにこんなことが書いてあります。「当社より各種資料・取扱商品のご案内をさせて頂くと共に勧誘をさせて頂く場合もございます。」と。
 御存じのとおり、外国為替証拠金取引業者は不招請勧誘が禁止になっておりますけれども、このアンケートに答えてくれた人には、ボールペンを上げますし、その代わり勧誘をさせていただきますというふうになっております。ボールペンを欲しいなと思って出した人に勧誘させていただく場合もありますと、こんな資料でございますけれども。
 今主婦の方は、こういうものを何でもはがき出しちゃったり、うちの奥さんもそうですけれども、そういう方は増えておりますけれども、もらえるものは何でもと。出しちゃったら、ボールペンをもらったのはいいけれども、ボールペンをもらって電話が掛かってくると、そしたらボールペンをもらった負い目があって話ぐらいは聞こうかということになって話に入っていくと。
 そうすると、どんな話になるかというのは、もうこの外国為替証拠金取引がなぜ不招請勧誘が禁止されたかの、そのものになるわけですけれども、もうかりますよと、今一番もうかりますよとか、最低三十万円から、このチラシだとそうですけれども、やれますよと、奥さんのへそくりでできますよというようなこととか、セミナーに来て親切に説明しますからと、こんな話になって引きずり込まれていくということになるわけでございます。少しくらいならと思って三十万円とか六十万とか入れたら、それが後々大変なことになる、家庭崩壊までつながるという場合もあるというケースでございます。
 私はこれ、不招請勧誘禁止の業者が、このはがきそのものが妥当なのかどうかというのに疑問を持っておりますけれども、勧誘させていただく場合もございますと、こんなことが断ったからといって、はがきを出した方に勧誘していいことになるのかどうか、まず金融庁の見解を聞きたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 金融先物取引法で、七十六条四号でございますけれども、金融先物取引業者が受託契約等の締結の勧誘の要請をしていない一般顧客に対して、訪問し又は電話を掛けて受託契約等の締結を勧誘する行為は禁じられているというところは御案内のとおりでございます。
 それから、私どもの監督指針、金融先物取引業者向けの総合的な監督指針でございますけれども、ここでは以下のような規定をいたしております。すなわち、広告等を見た一般顧客が金融先物取引業者に対して電話等により一般的な事項に関する照会や取引概要に関する資料請求を行ったことのみをもって当該一般顧客が受託契約等の締結の勧誘の要請を行ったとみなすことはできないというふうに決めております。
 それで、他方、ただいま御指摘いただきましたようなケースに関連いたしましては、広告であるとかあるいはアンケート調査等の際に、顧客が十分内容を認識して勧誘を受けることをはっきりと予見できるような記載がなされている場合には、この当該一般顧客に対して電話等による勧誘が行われた場合に、これが直ちに不招請勧誘に該当し違法であるというふうには一概には言えないものではないかと思います。
 こういった一般論であるわけでございますけれども、不招請勧誘に該当するか否かにつきましては、個別具体的な事情に即して判断していく必要があると思いますし、いずれにいたしましても、各金融先物取引業者の法令遵守状況については私どもとしても注視していかなければならないと思っておるところでございます。
○大門実紀史君 これはちょっと大事なことなんですね。この業者は被害も出しておりますし、こういうやり方でこれからいろいろほかの業者もやるんだろうなという点ですけれども。
 確認したいんですけれども、要するに、このアンケートはがきはあくまでも資料請求でございますね。下にこんなに小さく、勧誘させていただく場合がございますと書いたからといって、了解にはならないということも言えますですね。したがって、資料請求しただけで、返事が来たからといって電話を掛けていいということにはならないと、この時点ではならないということだけは確認できると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほど御紹介させていただきました私どもの監督指針では、一般的な事項に関する照会あるいは取引概要に関する資料請求を行ったことのみをもって当該顧客が勧誘の要請を行ったというふうにみなしてはならないと、こういうことを書いてあるわけでございます。
 他方、先ほど申し上げましたように、顧客の側で取引の内容を十分認識し、かつ勧誘を受けることをはっきりと予見できるようなそういった内容の記載があった場合には、これは直ちには判断できないということかと思います。
 こういった不招請勧誘に該当するか否かということと、それから、実際に売り込み、セールスが例えば虚偽の説明をしていないかどうかとか、あるいは顧客に大きな被害が生じていないかどうかとか、あるいは適合性の原則が甚だしく破られていないかとか、こういったことを個別具体的な事例に即して判断していくということが重要であろうかと思っております。
○大門実紀史君 おっしゃっているのは分かるんですけれども、要するに、資料請求だけでは勧誘していいことにはならないということと、そういう、勧誘されることが予見されている云々とありますけれども、この小さな字で、しかもボールペンで釣って、こういうケースというのは非常に危ないケースだと私は思いますし、金融庁は今の段階で、私、これわざわざ、今日、会社名まで持って指摘しておりますから必ず問題起きます。必ずこれで問題起きますので、今日の金融庁の答弁がそれに、後々、これでもいいんだということにならなかったような答弁をしておかれるべきだと思いますが、もう一言ございませんか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほども答弁させていただきましたけれども、本年一月以降はこの金融先物取引業者、どういう業者がいるかということを私ども登録によって把握をいたしております。そういったことと、それから通常の検査監督の流れの中で対応をやっていく際に顧客の方からの苦情といったことも参考にしていくということでございまして、そういった中で適切に対応を図っていきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 必ずいろいろあると思いますので、そのときには今日のやり取りが生きてくると思います。それと、事前に恐らく苦情があった場合の対処もよろしくお願いしたいということを申し上げておきます。
 次に、商品先物取引、今日いろいろ議論がございました。午前中のもう山口委員の議論に尽くされているところはあると思いますけれども、答弁も同じことが繰り返されておりまして、営業の自由だとか何だとかいろいろあります。あるいは、今回の法改正によって適合性の原則あるいは説明義務が重くなると、そういう点で防ぐとかいろいろありますけれども、私、そもそもそういうものではないと思っております。
 そもそも、まずお聞きしたいんですけれども、商品先物取引という取引、これそのものが個人の一般市民がそもそもかかわるような取引なのかという問題ですね。ちょっとほかのものとは、ほかの個人向けの金融商品とはかなり分けて考える必要があるというふうに思います。
 ガソリンでも穀物でも金でも何でもいいんですけれども、大体、まあ仮に百万、百万ぐらいならもし損してもある程度リスクを、万が一、ハイリスク・ハイリターンだと言われているから、何千万か持っているうちの百万だけならやってみるかという方もいるかも分かりません、一定の説明を受けて。
 ところが、この商品は全然そうではありませんで、百万だけがなくなるんじゃなくて、後からお金を入れていかなきゃいけないという仕組みになっていまして、全財産を失うと。ストップ安が続くとそんなことがもう一週間で起きてしまうと、こういう危険なものでございます。ストップ高になれば利益が出ると。じゃこの利益も証拠金に入れてくれと言われて、また大きな取引に入ると。結局、素人は読み切れずに全財産を失うと、大損すると。だから、これだけ被害が問題になっているんだと思います。
 ただ、この先物業者にとっては、てこの原理、つまり一般の人がどんどんどんどん入ってお金をつぎ込んでくれれば、それだけもうけが大きくなると、てこの原理で大きくなると、だから一般の人を引き込みたいと。本来はこういう先物というのは価格変動のリスクを取るわけですから、石油なり穀物なり、そういう取扱業者と機関投資家の間でやるものであったわけですね。それが、さっき言ったようなてこの原理を働かすために、一般の人を巻き込んで膨らませて得をしようと、こんな世界になっているわけでございます。
 そもそも一般の人にとっては、これは一獲千金も中にはあり得るかも分かりませんが、ほかの商品とは違って全くばくち商品というふうに言えると思います、この商品先物取引だけですね。こういう認識をまず金融庁も経済産業省も持たれているのか。まず大臣、ちょっといかがお考えかということと、後で経済産業省から伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 商品取引というのは、やはり農産物とかあるいは鉱物とかという、実は先物といえ、やはり実態を伴った部分が私はあるんだろうと思います。
 これ、例えば私の選挙区にあめの製造をしている方がおられましたけれども、一年分のお砂糖を先物で買うという、要するに自分のお砂糖の仕入価格を一定にすると、あるいはあんこを作っている方は小豆をまとめて一年分買うと、これによって自分の商品の仕入れ値段が確定する。そういう実際の経済の中に商品取引というものはある部分もあります。
 これに対して、やはり価格をヘッジして、買いたい人に売り向かう、あるいは売りたい人に買い向かうという中で価格が平準化していくんだろうという実際の経済効果は、多分国内でもあるいは国際市場でも私はあるんだろうと思っております。
 したがいまして、商品先物それ自体を否定するということではありません。知識のない一般の方が知識のないまま、誘われるままにそういうものに入っていく、リスクを十分承知した上で入っていく場合と無知識で入っていく場合というのは、やっぱり違うんだろうと思っております。
○政府参考人(迎陽一君) 商品先物取引は、ガソリンですとか灯油ですとか、そうした実物商品についての実需者、そうした事業者が物品の売買を行うと、これが基礎になっておりまして、公正かつ透明な価格形成の場が提供される、あるいは価格変動リスクのヘッジ機能というふうなものが持てる、あるいはその物品の販路、調達先の提供と、こういった各種機能を併せて提供するものであるわけでございます。
 こうした場合に、こうした事業者、実需者のみならず、機関投資家でございますとかあるいは個人の方、いろんな将来予測を持った方々が参加をして価格の形成をやるというふうなことは、極めて経済的にも有用なことであろうというふうに考えておる次第でございます。
 ただ一方、当然これに参加をする、例えば個人の方が参加をする場合には、当然その知識ですとかあるいは経験あるいは財産の状況に照らして、十分その仕組み等を知った上でやっていただくというふうなことが重要であろうというふうに考えておる次第でございまして、したがって、そうした知識、経験、財産の状況に照らして不適切な勧誘はしないようにする、こういった適合性の原則を導入するとか、あるいは事前に十分リスクを顧客に説明することを義務付けて、これに違反した場合には賠償責任を課するというふうなことで、そうしたリスクを承知して、適切な方に参加をしていただくということが非常に重要なのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○大門実紀史君 与謝野大臣言われたとおり、よくこのリスクとか危ない商品だということを知らない人が入っていくのが本当に問題だと。だからこそ、不招請勧誘の禁止をすべきだということがずっと出ているわけでございますね。
 これを具体的に言うと、今回の枠組みに本来入れるべきでしたけれども、急ぐならば経産省マターの取引所法ですね、商品取引所法を改正するということになると思うわけですけれども、経済産業省がどうしても不招請勧誘の禁止入れないで適合性の原則、今言われた適合性の原則だとか説明義務だとか、そういうもので対処していこうとしているんだと、それでやるんだとおっしゃっているんで、それで防げるのかということを具体的にお聞きしたいと思いますけれども、具体的な事例でお話しした方が分かりやすいと思います。
 これは、ある方が金の先物取引で、まあ電話が掛かってきたわけですね。電話を掛けていいわけです、今は。電話が掛かってきて、値上がりしますよと、もうかりますよという話ですね。短期で元手が二倍になるというような話も電話でされて、まあ話だけなら聞いてみようかということで、面接といいますか訪問面接で話を聞くと。
 そのときには一切、後々入れたお金の何倍も入れることになる可能性がありますよとか、もうからない場合もありますよとか、財産を失う場合もありますよとか、そんなこと一切言うわけないですよね。やっぱりもうかると、今買い時だということで、一応ガイドブックか何かあるんですか、商品先物の、そういうものはぱらぱらめくって説明するけれども分からないと。それで、プロが付いていますから大丈夫だということで、まずそれじゃ三百万円から始めてみましょうと、こうなるわけですよね、具体的にはですね。
 この方の例でいきますと、契約書類にはこんなことが入っているんです。私は内容を理解して取引しており、損失が出ても文句を言いませんと、こういう誓約書が契約書の中に入っているわけですね。
 具体的事例で、その後ちょっと言いますと、この方は、まず最初に少しもうけさせるわけです、先物業者というのは。先にちょっともうけさせて安心させるわけですね。更にお金出してもいいかと思わせるわけです。さらに、このケースだとほかの先物取引にも、どうですかどうですかとお金を入れさせると。少しずつもうけは出て安心させた後で、値段が下がってくるわけですね。そうすると、追加でお金入れないと、お金入れないと最初に入れたお金が戻りませんと、ゼロになっちゃいますよと言って、脅し半分でどんどんどんどんお金を入れさせて、この方の場合ですけれども、最初三百万手持ち現金、一千万ほどまでは手持ち現金で、千四百万までは手持ち現金で入れましたけれども、更に入れてくれ入れてくれということで、とうとう、後藤田政務官とか与謝野大臣と私一緒に頑張っているつもりですけど、サラ金ですね、商工ローン、SFCGだとかアイフル、武富士と、こういうところから借りてお金を入れるようになって、結局四千四百万、三百万のつもりが四千四百万つぎ込んじゃったわけですね。こういうことになっているのが被害の実態でございます。
 経産省が言われるように、いやいや防げるんだということならば、具体的にお聞きいたしますけど、まず、この必ずもうかりますと最初に電話してきた、この必ずもうかりますという電話は、これ何か法に触れませんか。
○政府参考人(迎陽一君) ちょっと個別の事例について、具体的にどういうふうなということは難しいわけですけど、その事例について本当に法律に当たるかどうかというふうなことは難しいわけですけど、ただ、今回の商品取引所法の改正におきましては、顧客への断定的な判断の提供の禁止というのを新しく設けることにしておりまして、これに伴う損害賠償責任の導入というふうなことも措置しておるわけでございますんで、今おっしゃったような事例は防げるんではないかというふうに思っております。
○大門実紀史君 結局、現場では何が起きているかというと、幾ら口でもうかりますと言ったって、それは言った言わないの世界ですね。テープでも取っていれば別ですけれどもね。結局は契約書類になるわけです。契約の書類になるわけです。あるいは、説明しなさいというような、今回の説明義務が重くなるというのは、結局説明するような書類が、説明しなさいよといって作られる書類が増えるだけ、あるいは契約書の中に書き込むことが増えるだけと。口頭で説明して、もうかります、大丈夫ですといった世界は相変わらず続くわけです。
 したがって、分からない人はなかなか信頼できるセールスマンだなと思って、特におじいちゃん、おばあちゃんの被害が今多いわけですけれども、安心して任せちゃうと。書類なんか読めないと。今回、説明義務重くするといったって、幾ら増やしたといっても読めないですよ。結局そこへ行くんです。結局そこへ行っちゃうんです、この問題というのは。
 だから、説明義務とか適合性の原則を幾ら今度強化しますといったって駄目なんですよ。だから、与謝野大臣がおっしゃったように、まず知識のない人、あるいはもう難しい人、知識を得るのですね。こんな商品先物なんというのは僕らでも分かりませんから、どうなるかというのはですね。そういう人にまず勧めるべきでないと。勧めるべきでないと。かといって個人はやるなとは言えませんから、市場経済ですから。自分から、自らやりたいという人だけに限定すべきだというのは当たり前の話でございまして、これだけの金融被害を何とかしようという議論ですからね。だから、不招請勧誘をすべきでないと。
 不招請勧誘というのは、何も考えていない人に急に電話するわけですから、そうじゃなくて、自分でインターネットだって何だって今情報を得られるわけですから、営業の自由なんか妨害になりませんよ。だから、そういう自分からもうリスクも取ると。取るし、よく知っていると。場合によってはもうけ方も知っていると。そういう自発的な参加だけに限定すべきだということからいえば、不招請勧誘は禁止すべきだと、こういう話になるだけで、何も営業の自由なんかを、全部やっちゃいけないという話をしているわけじゃないじゃないですか。どうしてそんなことが決断できないんですか、経済産業省。
○政府参考人(迎陽一君) これは先ほど来いろいろ御議論ございますように、基本的には不招請勧誘を規制するか否かというのは、営業の自由なりあるいは情報の提供の機会と、それからその投資家保護とのバランスを取って考えるべき問題だと思っております。
 ちなみに、私ども申し上げておりますのは、昨年の五月に施行した法律におきまして、厳密な再勧誘の禁止、これは、その勧誘に先立って自己の商号ですとかあるいは商品先物取引の勧誘を行うことを告げた上で勧誘を受ける意思の確認をすることを義務付けて、さらに一度断った人に対する勧誘は禁止する、再勧誘の禁止というふうなものを厳密にやっておるわけでございます。
 その他、先ほど申し上げましたような民事ルールの導入等を行っておるわけでございまして、現実問題として、同時に私ども、その検査監督体制の強化も行い、その結果として、苦情件数の減少等、結果を見ておるわけでございます。
 したがいまして、もちろん、減っているからそれでいいと申し上げるつもりはございませんけれども、今回の法改正と相まって更に厳正な法の執行に取り組んでいきたいというふうに考えておる次第でございます。
○大門実紀史君 もうあなたに聞いても仕方がないなと思いますが。経済産業委員会でも聞くしかないなと思いますけれども。
 私はこう思うんですけれども、なぜこの商品先物だけが、この不招請、これだけ問題になっていて、先ほどの外国為替証拠金よりも被害が起きていて、どうして不招請勧誘入らないのかと。
 これ、与謝野大臣に聞きづらいところを聞くわけでございますけれども、私は、経済産業大臣経験者とか農水大臣経験者、あるいはその関係の族議員の皆さんに、この商品先物取引業界からかなり献金攻勢が続いた時期がございます。今ちょっと調べておりませんけれども。物すごいんですね、この商品先物取引業界の献金攻勢等。
 私は、そういうことで、もしもそういうことでこれだけの被害、特にお年寄りの被害がすごいんですけれども、を何とかすることがブレーキ掛けられてはとんでもないことだというふうに思っていますが、農水関係者、経済産業、元通産関係者に対するこういう業界の動きが、まさかこういうことを、不招請勧誘を今回も入れないということになってなければいいなと思っておりますけれども、与謝野大臣、もし御所見あれば伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) そういうこととは関係なく政策は決定されていると私は信じております。
○大門実紀史君 引き続きまたこの問題もやりたいと思います。
 終わります。
○糸数慶子君 無所属の糸数です。
 今回の法案はいわゆる投資サービス法の制定を目指すものでありますが、まず横断的な業規制の問題についてお伺いいたします。
 今回、従来の証券会社、金融先物取引業者、商品ファンド販売業者、証券投資顧問業者等が新たに金融商品取引業者として規制を受けることになりますが、これらの業者は原則として登録制となるわけですが、これにより、従来認可制であった投資信託委託業なども金融商品取引業者に移行することとなると思いますが、新たな金融商品取引業者の登録制の下で包括的に規制しようとするその理由について、まずお伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 近年の金融資本市場をめぐっては、金融技術やIT技術の進展等を背景に、既存の利用者保護法制の対象となっていないものも含め、新たな金融商品・サービスが提供されており、また業態の枠を超えた商品が取り扱われる場合や、異なる法律に基づく商品の内容が類似してきているような傾向も見られます。
 こうした状況の下、今回の法案では、現在の縦割り業法を見直すことにより、幅広い金融商品・サービスに関する横断的な投資者保護法制の整備を図るとともに、規制の簡素化等を通じて金融イノベーションが促進され、多様な金融商品・サービスが提供され、利用者利便が向上することを目指しております。
 金融商品取引法案においては、こうした観点から、現行各業法において縦割りで規制されている業務を金融商品取引業として横断化するとともに、参入規制についても横断化を図り、例えば御指摘の投資信託委託業など、現行法において認可制とされる業務についても基本的に登録制の下で規制することとしているものでございます。
○糸数慶子君 今回の改正によりまして、金融商品取引業者は包括的に業者規制を受けることになりますが、その一方で自主規制団体、業界団体について個別業界ごとの設立も可能となっています。自主規制団体の設立については一義的には業者が考えるべきことではありますが、金融庁として従来の個別業ごとの自主規制団体の設立についてどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 現行法においては各個別業法ごとに自主規制機関に関する規定が置かれておりますけれども、今回の法案においては、投資者保護のための横断的法制を整備する一環として、自主規制機関に関する規制についても横断化を図ることとしております。
 具体的には、本法案における自主規制機関を金融商品取引業協会と位置付け、規則の制定、会員の法令、規則の遵守状況の調査、制裁、苦情解決、紛争あっせん等の機能を付与することとしております。
 このように今回の法案では自主規制機関に関する横断的な法整備を行うものでありますが、自主規制機関はあくまでも各業界が自主的に設立するものであり、各協会の今後の在り方については、まずはそれぞれの業界において判断されるべき問題と考えております。
○糸数慶子君 今回の改正によっていろいろな業態の会社が金融商品取扱業者として登録可能なことになります。既に現在におきましても、日本証券業協会においては登録審査のためのコスト負担が問題となっているようでありますが、今回の改正により日本証券業協会を引き継ぐような形となる金融商品取引業協会といったものが設立されると、その加盟業者というのは従来に比べますと極めて広範なものになる可能性があります。
 そうしますと、自主規制機能の強化といっても更に負担が大きくなる可能性がありますが、金融商品取引業全体の自主規制団体の設立についてどのように考えていらっしゃるのか、特にそのコスト負担についてお伺いいたします。
○政府参考人(三國谷勝範君) 本法案におきましては、金融商品取引業協会に関する規定を設けまして、認可金融商品取引業協会及び公益法人金融商品取引業協会を金融商品取引業協会と位置付け、その機能の横断化を図っているところでございます。
 現在、各業法ごとに存在します自主規制団体が今後本法案の下でどのようになるかにつきましては、まずは各業界において判断していく事柄と考えております。また、その際の、協会に加入する際のコストでございますが、このコストにつきましては、また各協会におきましてその実情に応じて検討していくものと考えております。
○糸数慶子君 次に、金融商品取引業者数のその見通しについてお伺いいたします。
 今回の法案によりまして、これまでの証券会社や金融先物取引業、証券投資顧問業者、すべてがその金融商品取引業者となることになります。現状では、証券会社が二百八十社余り、金融先物取引業者が百三十社あると聞いておりますが、これらの業者あるいは商品ファンド販売会社など新たに金融商品取引業者に加わるのも合わせて金融商品取引業者がどの程度となるのでしょうか。現状のその業者数と、仮にそれらがそのまま金融商品取引業者に移行した場合どのような数が想定されますか。可能であれば、そのうちの第一種、それから第二種取引業、投資運用業、投資助言・代理業となるものがどの程度あるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(三國谷勝範君) 若干前提と留保を付けながら数値を御説明させていただきたいと思いますが、一つは、今度の金融商品取引業は、現行の各業法上の業を統合するだけではございませんで、これまで対象となっていなかった業務も含めると、そういう差異がございます。
 それから、各金融商品取引業者の数につきましても、それぞれ、これまでの規制の下ではダブルカウント等もございますので、そういったものを前提の上で、三月時点における現行の各業者の数、これを単純に合わせて申し上げますと、一つ、第一種金融取引業者に相当する証券会社、これが三月末時点で二百九十八、それから金融先物取引業者百九十五、合計は四百九十三となるところでございます。
 第二種金融商品取引業者に相当します信託受益権販売業者、これは四百三十九、商品投資販売業者百二、抵当証券業者は九で、合計は五百五十でございます。投資助言・代理業者に相当する投資顧問業者は七百三十六、投資運用業者に相当いたします投資信託委託業者百十五と認可投資顧問業者の合計は二百五十六でございます。
 これらは、先ほど申し上げましたようにいろんな重複等もございますので、また、投信委託と認可投資顧問業者は大半が重なっているといったことに留意が必要でございますが、単純に足し合わせますと今のような数値でございます。
○糸数慶子君 投資性の強い商品の販売体制については、銀行法や保険業法上の規制も金融商品取引法と同様の規制を行うこととしていますが、例えばこれにより新たに銀行法や保険業法に導入される、先ほどから話題になっておりますが、不招請勧誘、その禁止、そして損失補てん禁止、適合性の原則の導入などは、あくまでも投資性の高い特定預金契約、それから特定保険契約に関してだけ適用されるものとなっています。一方で、通常の預金やその融資、あるいは保険商品を取り扱う場合にも、これらの行為規制も掛からないことになり、同じ銀行や保険会社が取り扱う商品であってもその規制に差が出てくることになります。
 これらの規制の差を担保するために、具体的に銀行や保険会社に対してどのような措置を講ずるようになっているのか、お伺いいたします。例えば、銀行や郵便局が投資信託を取り扱う場合には窓口規制、表示規制などが掛かりますが、同じ預金商品であっても投資性の高い商品であれば同様に窓口を分けることといったことも必要になると考えますが、併せてお伺いいたします。
○政府参考人(三國谷勝範君) まず、今回の法案につきまして御説明申し上げたいと思います。
 投資性の強い金融商品にすき間なく同等の規制を適用するものであることにかんがみまして、投資性の強い預金や保険につきましては、通常の預金や保険と異なりまして、銀行や保険会社に対しまして、一つには、広告を行う場合に顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要事項等を記載すること、次に、契約締結前に顧客に対しまして市場リスクにより損失が生じるおそれがある旨等を記載した書面を交付すること、さらに、適合性原則に従った勧誘を行うことなどが義務付けられるところでございます。
 そこで、次でございますが、既に例えば主要行等向けの総合的な監督指針及び中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針におきまして、預金、リスク商品等の販売、説明体制の整備に係る着眼点等を明記し、監督上の対応を行っているところでございます。
 これら金融商品取引法上の規制が導入されました際には、金融機関においてリスク商品等の適切な販売、説明体制が構築されるよう、検査監督を通じ徹底してまいりたいと考えているところでございます。
○糸数慶子君 次に、米軍再編についてお伺いいたします。
 米海兵隊のグアムの移転についてでございますが、沖縄の米海兵隊のグアム移転について、これ防衛庁にお伺いいたします。
 沖縄の米海兵隊のグアムの移転については、これ司令部の要員を含めまして兵員が八千人とその家族を含め一万七千人の移転が決定しておりますけど、現在、沖縄に駐留する米海兵隊の兵員数とその家族の世帯数及びその家族の人数を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(大古和雄君) お答えいたします。
 今般の日米協議の過程で、沖縄の海兵隊の人数については約一万八千人がアサインされている数字として米側から聞いているところでございます。このうちの八千名が二〇一四年までにグアムに移転されるということでございます。ただ、現在、実際に沖縄に配置されている海兵隊の人数については承知してないところでございます。
 また、家族につきましては、このグアムに移転する八千名分として家族については約九千名ということで聞いておりますけれども、これは現在、沖縄におります海兵隊の人数を積み上げて家族の人数を出したわけではなくて、一般的な階級構成等から、八千名の削減であれば約九千名ということで聞いております。特に、今回、八千名につきましては司令部要員が多いので、そういう観点から一般的に九千名になるということで米側から聞いているところでございます。
 それから、沖縄の海兵隊の家族の世帯数及び家族の現在の人数についてお尋ねがございましたけれども、これらについては承知しておりません。
○糸数慶子君 今お答えいただきました数字は、これは米国側、海兵隊側からの数字になっておりまして、これは地元の報道でも現在の海兵隊の数がとても大きな問題になっております。これ、地元の報道では兵員が一万二千人とされておりまして、海兵隊側からすると、これを全体を一万八千人にすることによって、これまで額賀長官が何度も繰り返してまいりましたが、沖縄の海兵隊を半分近く減らしたというその意向に沿う形で八千人という大幅削減につなげているという状況でありますが、要するにこれは、海兵隊は実は一万二千人の兵員で、八千人の削減が決まっても、一万八千人に対する八千人ですから、沖縄、地元に一万人が残り、実質的には二千人の削減で済むという状況で、これはとても大きな数字のトリックになっています。
 沖縄県民は実際には今お答えになったその数が実態ではないということを実際に分かっておりますし、沖縄県でも地元の在日米軍に問い合わせたその数字というのは、今承知してないとおっしゃいましたけれど、現に額賀長官がおっしゃっていることと地元の実質的なアメリカの海兵隊の数とは違っているという状況でございます。
 実際に、これはグアムの方にまた米軍が移転する費用に関しても、最初に提案されました米国側の提案が七十五億ドルからスタートいたしまして最終的には百二億七千万ドルまで上げてきております。日本政府側は、米国側の言い値の積算根拠を求めて、国民向けにはその負担比率をかなり問題としておりまして、六〇%を切りたいということで、結果的には百二億七千万ドルの五九・三%に当たる六十億九千万ドルで決着をしておりますが、当初の米国が提案してまいりました七十五億ドルからすると、そのほとんどすべてを日本側が負担するという状況であります。
 このグアムへの海兵隊移転費用についてでありますが、私はこの委員会で何度も指摘してまいりましたが、なぜグアムの米軍基地の建設に日本側が建設費を負担するのか、国民あるいは沖縄県民としても納得のいく説明が国の方からありません。政府は、法的な拠出の根拠を求めますと、沖縄県民の強い希望による海兵隊の削減であると、この沖縄の負担軽減を口実にして拠出の根拠を示しておりません。国の財政状況が厳しい折に、このような数字の根拠を持たずにアメリカの言い値に対する比率で負担額やそれから兵員の削減を打ち出すということは、それこそ県民や国民をだましていることになりませんでしょうか。在日米軍の再編に係る米国側の三兆円というのも一緒でございまして、それに対して日本側は今二兆円と言い、本当にその数字だけが独り歩きしているのが現状でございます。
 そこでお伺いいたしますが、この米海兵隊のグアム移転についてもう一点不可解なことがあります。海兵隊の削減が決まったにもかかわらず、沖縄県内では家族向けの住宅建設が着々と進められています。
 そこでお伺いいたしますが、米海兵隊向けの家族住宅の建設計画について、初めにこれまでの建設戸数と建設費、その場合の一戸当たりの部屋数などの平均的な規模と一戸当たりの単価、そして次に今後の建設計画、本年度分からその建設計画が完了するまでの戸数の総数をお伺いいたします。さらに、最終的には何家族の家族住宅が完成し、海兵隊の家族数との整合性についてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(長岡憲宗君) 在沖の米海兵隊の施設におきましては、家族住宅の提供が始まりました昭和五十四年度から現在までに整備をいたしました家族住宅は二千九百三十六戸でございます。その経費は、累計で申し上げますと、約一千百九十七億円でございます。
 それから、一戸当たりの部屋数のお尋ねでございますけれども、一般的な例で申し上げますと、低層の家族住宅、これは二階建てでございますけれども、百四十五平米なんですが、大体三寝室ということでございます。それから、高層家族住宅、これは九階建てでございますけれども、これも同じく三寝室ということで、約百三十七平米の規模でございます。
 それから、一戸当たりの平均単価でございますけれども、これは整備予定地の立地条件等々で一概にはお答え申し上げることはできませんけれども、平均的に申し上げますと、現在、一般的な低層の家族住宅でございますと、基礎補強とか附帯設備等を除きました建築費用は一戸当たり約三千万円でございます。それから、高層家族住宅の方につきましても、これも同じく基礎補強、附帯設備等を除きますと三千百万円ということでございます。
 今後の予定につきましては、施設部長の方から御答弁申し上げます。
○政府参考人(渡部厚君) 今後予定されております住宅建設の戸数ということについて御説明いたします。
 SACO最終報告におきまして、住宅統合につきましては、キャンプ桑江及びキャンプ瑞慶覧の家族住宅をキャンプ瑞慶覧の方に統合しまして、同施設の一部を返還するということで合意されております。キャンプ瑞慶覧に統合する家族住宅につきましては、全体計画として約千八百戸を予定しておりますが、これまでに完成済みが四百六十六戸、建設工事中のものが百六十戸、建設工事準備中のものが百戸ということでございまして、合計いたしますと七百二十六戸でございます。今後の計画といたしましては、約千七十戸を見込んでおります。
 他方、先般、五月一日のいわゆる2プラス2で承認されました再編実施のための日米のロードマップにおきまして土地の返還が記述されているわけでございますけれども、キャンプ瑞慶覧につきましては、部分返還としまして、統合のための詳細な計画を来年、平成十九年三月までに作成することとされておりまして、また、SACOによる移設・返還計画につきましては再評価が必要となる可能性があるということでございます。
 したがいまして、具体的な返還範囲あるいは住宅の所要戸数、残されます施設、インフラ等々につきましては、在沖米海兵隊及びその家族のグアムへの移転の具体的な内容、それぞれの施設・区域内の性格、SACO最終報告の経緯などを考慮いたしまして、日米双方で協議を行った上で決定されるということになると考えております。
○糸数慶子君 先ほども指摘申し上げましたけれども、今、日米合同協議の2プラス2の結果の中で、実際には兵員の削減ということを申し上げながら、沖縄には今実際に米海兵隊が何名残るのかという数字もはっきりしない。さらには、今回答が、御答弁がありましたように、これだけ海兵隊それからその家族がグアムの方へ移転するというのにもかかわらず、まだまだアメリカの家族のための住宅を日本政府の思いやり予算で造り続けていく大変おかしな状況でございます。
 この海兵隊の家族は、在日米軍によると、二〇〇五年の九月現在、先ほどもありました八千人、今回のグアム移転では兵員が八千人とその家族九千人が対象となっていますが、マイナス一千人の移転という状況の中で家族住宅も造り続けるという、本当に数字がでたらめに横行している、これが在日米軍の再編の実態というふうに思います。
 最後にお伺いいたしますが、閣議決定についてお伺いしたいと思います。
 在日米軍の再編協議は、五月一日の日米安全保障協議委員会、2プラス2において合意されました最終報告、再編実施のための日米ロードマップをもって決着したかのように受け取られておりますが、沖縄側、沖縄県民からいたしますと、これ何も合意していない状況でして、再編協議の始まりでしかありません。今回の再編は沖縄に新たな基地負担を強要しています。そこで、最終報告を実施に移すに当たって、政府は閣議決定を来週以降にも予定しているようですが、この閣議決定の内容についてお伺いいたします。
 報道等によりますと、閣議決定の遅れは沖縄県との調整に手間取っているからだとされておりますが、沖縄県の稲嶺知事は、さきに額賀長官と交わした基本確認書について、政府案の新沿岸案、これは二本の滑走路を備えた沿岸案ですが、その新沿岸案に合意したわけではないと強く主張されています。合意と見る政府側との認識の違いについてどのように対処するのかというのがその要因のようでありますが、具体的に触れますと、沖縄県側が新たに提案した普天間飛行場の早期の危険除去を目的とした暫定ヘリパッドと基本確認書で取り交わした危険除去の文言をどう取り扱うということのようであります。担当部署はこれは防衛庁だと思いますが、閣議決定に際して、沖縄側から示されている暫定ヘリパッドとそれから普天間飛行場の早期の危険除去についてどう取り扱っていくのか、お伺いいたします。
○政府参考人(大古和雄君) お答えいたします。
 お尋ねの閣議決定につきましては、現在必要な調査を行っているところでございます。したがいまして、現時点で閣議決定の内容についてここで確たることを申し上げる段階にはないということで、まず御理解いただきたいと思います。
 なお、この閣議決定に当たりましては、関係地方公共団体の御理解と御協力が得られるよう努力しつつ、必要な手続を踏んだ上で進めてまいりたいと考えております。
 沖縄県との関係でいろいろ御質問がございましたけれども、いろいろ今一定の調整しておりますけれども、個別の調整内容についてはまだ調整中でございますので、この場で明らかにすることは差し控えたいと思っております。
○糸数慶子君 今米軍再編についていろいろお伺いしたわけですけど、実際には、そもそもアメリカから提案されているグアム移転に関しても、米国領にある米軍基地の建設費用、それこそ米国以外の国が負担する例というのは歴史的にも国際的にもありません。しかし、米軍はグアムを戦略拠点として強化する方針を打ち出しておりまして、そのために基地の建設費を負担するということは、それこそ二重三重に無法であるというふうに指摘をしたいと思います。
 沖縄県民が本来これまで望んでまいりました米軍基地の負担軽減といいますのは、やはり日ごろから毎日のように日常的に押し寄せてまいります米軍機の騒音の問題、それから米軍の基地が所在するために発生するあらゆる環境問題、女性や子供たちに復帰後も五千件以上も発生をしております人権を侵害するようなもろもろの問題の危険除去を是非やっていただきたいという、そういう観点から今回の米軍の再編に対する県民の願いというのを託したわけでございますが、今の日米の交渉の状況を見ておりますと、むしろ新たな基地を沖縄に負担させ、そして新たな基地の固定化につながるような、こういう米軍再編としては県民の六九%がそれこそ反対の意思を表明しております。
 アンケート調査の結果によりましても、現在の米軍の基地の危険除去、それを是非ともお願いをしたい、そういうことが、今回の閣議決定の中から危険除去というその文言がどうも見られないという交渉の過程にあって、本当に県民の願いとは結果的に裏腹な状況の米軍の再編の結果になるような気がして本当に不安でたまりません。
 どうぞ、これから先、それこそ閣議決定の中で県民の思いが少しでも反映されるような米軍再編の結果となりますように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(池口修次君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会