第164回国会 財政金融委員会 第21号
平成十八年六月十三日(火曜日)
   午前九時三十分開会
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   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     家西  悟君     山本 孝史君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     河合 常則君
     藤末 健三君     峰崎 直樹君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     河合 常則君     野上浩太郎君
     櫻井  充君     家西  悟君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     家西  悟君     櫻井  充君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         池口 修次君
    理 事
                岩井 國臣君
                田村耕太郎君
                中川 雅治君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                田浦  直君
                田中 直紀君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                溝手 顕正君
                若林 正俊君
                家西  悟君
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                平野 達男君
                広田  一君
                荒木 清寛君
                山口那津男君
                大門実紀史君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       財務大臣     谷垣 禎一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融、
       経済財政政策)
       )        与謝野 馨君
   副大臣
       内閣府副大臣   櫻田 義孝君
       財務副大臣    赤羽 一嘉君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        後藤田正純君
       内閣府大臣政務
       官        山谷えり子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局特殊法人
       等改革推進室次
       長        鈴木 正徳君
       警察庁刑事局長  縄田  修君
       防衛施設庁施設
       部長       渡部  厚君
       防衛施設庁業務
       部長       長岡 憲宗君
       金融庁総務企画
       局長       三國谷勝範君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   中江 公人君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      長尾 和彦君
       外務省北米局長  河相 周夫君
       文部科学大臣官
       房審議官     布村 幸彦君
       文部科学大臣官
       房審議官     井田 久雄君
   参考人
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
       預金保険機構理
       事長       永田 俊一君
       中央青山監査法
       人理事長     片山 英木君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (村上ファンドに関する件)
 (不良債権の処理に関する件)
 (G8財務大臣会合に関する件)
 (貸金業に関する件)
 (金融経済教育に関する件)
 (中央青山監査法人に関する件)
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○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、櫻井充君及び藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君及び山本孝史君が選任されました。
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○委員長(池口修次君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に峰崎直樹君を指名いたします。
 なお、あと一名の理事につきましては、後刻これを指名いたします。
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○委員長(池口修次君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(池口修次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として、理事会協議のとおり、日本銀行総裁福井俊彦君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、財政及び金融等に関する調査のうち、中央青山監査法人に関する件について、本日の午後の委員会に、参考人として中央青山監査法人理事長片山英木君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(池口修次君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大久保勉君 おはようございます。民主党・新緑風会の大久保勉でございます。
 本日は、まず預金保険機構、さらには銀行等保有株式取得機構に関しまして質問したいと思います。
 前回の委員会でも質問しましたが、最初に、預金保険機構が現在所有します銀行の優先株の含み益は現在どのくらいになっているのか、さらには時価総額等を聞きたいと思います。
 参考人、お願いします。
○参考人(永田俊一君) お答えいたします。
 資本増強行に係ります公的資金につきましては、平成十年から十四年にかけまして資本増強額約十兆四千億が投入されたわけですが、これまでに累積返済額が約六・三兆円でございまして、現在残高が約四兆円でございます。
 御質問は、これについての時価総額及びこの含み益がどうなっているかというお尋ねでございますが、御案内のとおり、優先株の含み益は日々変動するものでございますけれども、仮定を置きまして、未返済の公的資金の優先株式のうち、既に転換期が到来しております優先株式を普通株式に転換するといった仮定を置きまして、現時点での株価を前提といたしまして機械的に算出いたしますと、優先株式、先ほど申し上げました旧安定化法と早期健全化法分でございますけれども、これに係ります時価総額は約五・三兆円となりまして、先ほど申し上げました現在残高約四兆円、優先株のみではこれが三・九兆円になるわけですけれども、これとの差額一・四兆円がお尋ねの益ということになるということでございます。
○大久保勉君 じゃ、続きまして、銀行が最近優先株を買戻し、いわゆるバイバックというんですが、買入れ消却をしていると聞いております。その価格に関しまして、どういった価格が使われているのか、このことに関して御質問いたします。
○参考人(永田俊一君) お答えいたします。
 この公的優先株式の処分に際しましては、国民負担の回避、あるいは市場に悪影響を与えない、あるいは金融機関の経営の健全性を損なわないということの三原則を踏まえまして対応しております。
 したがいまして、この処分価格につきましては、透明性を確保するために時価を基本としてやっております。
○大久保勉君 時価ということは、例えば昨日のクロージングということでよろしいんですね。つまり、クロージングの株価から算出しました優先株の価格ということですね。
○参考人(永田俊一君) 優先株の処分に当たりまして、その時点の例えば売出し、今おっしゃられたような形で売出しをもって対応する場合には、おっしゃったようなその価格でやるということになりますが、全体として、優先株式の時価の算出に当たりましては様々な要素を考慮する必要がございますので、証券会社等をファイナンシャルアドバイザーに採用いたしまして、その意見等を徴した上で、公正中立な手続によりまして適正な価格の決定に資する目的で設立いたしました外部の有識者で構成されております優先株式等処分審査会の審議を経て処分価格を決定しているところでございます。
○大久保勉君 これ、単純化のために、ある優先株が仮に一万円とします、昨日のクローズ。その場合に、昨日の説明でしたら、一万円で買入れ消却をすると、銀行に渡すと。
 ところが、私はこれでは問題があると思います。といいますのは、マーケットのクローズの価格といいますのは取引金額がせいぜい五億円とか十億円、そういった金額です。ところが、銀行が買入れ消却する金額というのが一千億円とか、場合によっちゃ三千億円ということです。ですから、銀行が三千億円市場からこういった株式を買い戻そうとしましたら、それなりのプレミアムが必要であります。例えば、クロージング価格に対しまして一%の上乗せをするとか、これがマーケット慣行であります。
 今回は、銀行が買いたいということなんですから、こういったプレミアムを請求すべきじゃないかと考えますが、政府の御意見を聞きたいと思います。
○参考人(永田俊一君) 今お尋ねの件でございますけれども、これは御質問の大量に取得、あるいは我々の方から見ますと売却ということになるわけですけれども、これにつきまして、公的資金の返済におきましては一概に預保と増強行のどちらが有利か不利か、すなわちプレミアムを乗せるかどうかというのは一概には言えないのではないかというふうに考えておりまして、いずれにせよ、先ほど申し上げました外部の有識者で構成されております優先株式等処分審査会の審議を経つつ適切な価格の決定に努めてまいりたいというふうに思っております。
○大久保勉君 抽象的に答えないでください。
 つまり、いずれにせよじゃなくて、マーケットにおきまして、例えばTOBというのがあります。つまり、会社が株式を大量に取得したいといった場合は、クロージングに対して倍にして五%、一〇%のプレミアムを乗っけまして大量に取得するというのがマーケット慣行なんです。だから、銀行がやろうとしましたらそれなりのプレミアムを払う必要があるのに、預保はそれは要らないよということなんです。そのことは、国民が本来得べかりし利益をもらっていないということです。ここはきっちり検討すべきだと思います。
 もう一度答弁お願いします。
○参考人(永田俊一君) お答え申し上げます。
 ただいま私が申し上げましたのは、先生御質問、銀行が買入れ消却をするときのケースについておっしゃっておられるかと思いましたものですからそういう御答弁を申し上げたわけですが、一般に市場で売り出すという形でやる場合には御案内のとおりな市場の価格でやっておりますので、私が申し上げましたような、お答えしましたケースについては、市場ではなくて買入れ消却を銀行が直接行うという場合の適正な時価をどのように判断するかということについてお答え申し上げたところでございます。
○大久保勉君 議論かみ合っていないと思いますが、つまり株を買いたいのは銀行です。預金保険機構が売りたいんじゃないんです。ですから、買いたいんだったらそれなりのプレミアムを払うというのが筋なんですよ。そこを要求していないというのは非常におかしいと思います。このことだけは指摘します。
 続きまして、MUFG、三井トラスト・ホールディングの株売出しに関しまして質問します。
 まず、MUFGに関しまして、証券会社を選定しまして売出しを行っているということでありますが、どのような道筋で証券会社を決定したか。もし、議事録等がございましたら開示を願いたいと思います。参考人。
○参考人(永田俊一君) お答え申し上げます。
 まず、手続でございますけれども、第一段階といたしまして、記者クラブでの資料配付に加えまして当機構のホームページ上での情報公開を行いました。そのほか、その主幹事候補証券会社となることを希望する証券会社に対しましては募集要項を手交いたしまして、その際、審査項目、配点等のその審査要領を募集要領の中に組み込むことによりまして選定プロセスの透明性を高める、このことに配慮いたします。幅広く応募者への周知を図っております。
 このうち、応募のありました十三社から提案書の提出を受けまして、主幹事実績等の定量的な要素について書類審査を行いまして、上位七行を主幹事候補証券会社として選定いたしました。
 次に、第二段階でございますけれども、個別の売出しに係ります主幹事証券会社は、これらの主幹事候補証券会社の中から預保においてあらかじめ株式の販売戦略、投資需要の見込み方あるいはその手数料の水準等の審査項目及びその配点等を公表した上で、口頭審査において提案内容を聴取いたしまして、各評定者が付けました得点を機械的に平均することによって主幹事を決定いたしました。
 このように透明な手続を踏んだ結果といたしまして、御質問の件につきましては、御質問の三菱UFJフィナンシャル・グループ株式につきましては日興シティグループ証券及び野村証券が主幹事になりまして、三井トラスト・ホールディングにつきましては日興シティグループ証券及びUBS証券が主幹事に選定されたということでございます。
 もう一つの御質問でございますような議事録等につきまして開示をということでございましたが、個別の項目ごとの評点とかあるいは議事録等の公表といった問題につきましては、各証券会社の営業上の機密事項等も含まれておりますので、どのような範囲でお示しできるかはちょっと更に検討させていただければ有り難いと思っています。
○大久保勉君 ここに関しましては、透明なプロセス、また開示することが是非とも重要だと思います。どうしてか。この手数料が非常に大きいということです。幾らか御存じですか。三千億の売出しに対して〇・九%の手数料でありますから二十七億円です。ですから、各証券会社にとりましては極めて大きい金額です。これをどの証券会社に回すかというのは極めて重要なことです。ですから、そのプロセスがきっちりしないと国民にとって本当にいいことじゃないと思います。是非とも議事録を開示することをお願いしたいと思いますし、また今後もだれから聞かれてもいいという状況にするということをお願いしたいと思います。
 続きまして、銀行等保有株式取得機構に関して質問します。
 こちらの保有する含み益が一・一兆円と聞いております。この一・一兆円の含み益、これをすべて実現した場合は、出資銀行の取り分五百七十億円を除いてすべて国庫に納付されます。極めて大きい金額です。ですから、この取得機構が持っている株式をいかに適切に売却し、現金を回収するかが重要だと思います。
 そこで、この株式の今後の処分計画に関して質問したいと思います。金融庁お願いします。
○政府参考人(三國谷勝範君) お答え申し上げます。
 銀行等保有株式取得機構によります株式の買取りにつきましては、機構の運営委員会が買取り期間を設定して行うこととされておりますが、本年五月以降、買取り期間の設定はされておりません。
 この機構が買い取りました株式につきましては、同機構の処分方針におきまして、原則として、買取り業務が終了し相当な期間が経過した時点から十分な時間を費やして処分することとされているところでございます。
 なお、基本的に、機構の株式処分は、株式市場の活況傾向が安定的に認められる時期に促進し、低迷傾向が認められる時期に抑制することとすると。なお、その際、処分時期の分散や処分する銘柄の分散にも配慮することとするとされているところでございます。
 こういったことにつきましては、また全体の売却価格にも反映するものと承知しておりますけれども、具体的な売却時期等につきましては今後の運営委員会において審議されるものと承知しております。
○大久保勉君 私が気にしておりますのは処分する株の優先順位です。どういう株があるかといいましたら、これは銀行が持ち合いしておりました株ですから、銀行の取引先の株式です。ですから、銀行の方としては、重要な取引先の株式を売ってもらっちゃ困ると、若しくはお客さんの方から頭取の方に何とか自分の株を売らないでくれと、売ったら値下がりしますと、こういったことが発生する可能性があります。それに対しまして、なるべく高く売ることがこの機構の目的でありますから、利益相反しないようにきっちり運営することが必要であります。
 私が危惧しますのは、この機構の職員全員が銀行の出向者であるということです、全員です。それも、出向者ですから、将来銀行に戻ると。じゃ、もし銀行の頭取が、悪い、お客さんから売らないでくれと言われたと、だから後回しにしてくれと言われまして後回しにすると。本来売ったら利益が出るのに売れない、国民がもらうべき利益がなくなってしまうと、そういうおそれがありますから、この利益相反に関して是非とも説明してほしいんです。
 どういう形でチェックするか、場合によっちゃ金融庁が検査しまして、利益相反が起こらないようにすべきだと思います。また、銀行の職員をすべて返しまして第三者に職員を入れ替えてしまうと、こういったことが必要じゃないでしょうか。金融庁の意見を聞きます。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、利益相反の問題が生じないようにいろいろな工夫がなされているところでございます。
 まず、機構が買い取りました株式の処分につきましては、機構から委託を受けました信託会社により行われることとなっております。その際、機構は、外部の有識者を含みます運営委員会で審議の上処分方針を定めることとされておりまして、信託会社に対しましては、当該処分方針に基づきましたガイドラインを作成させ、これに従って処分を行わせることになっているところでございます。このような仕組みを前提としておりまして、機構の役職員の業務に関し、利益相反の問題が生じるおそれは低いものと考えているところでございます。
 さらに、機構は処分実績につきまして金融庁に報告することとされておりまして、金融庁は、必要があると認められるときは機構に対して報告若しくは資料の提出を命じ、又は検査し、監督上の命令を行うことができることとされております。金融庁といたしましても、機構による処分の実態を把握いたしまして、必要に応じ適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
○大久保勉君 私が危惧しておりますのは、ガイドラインはありますと、ところが、実際にどの株をどういうふうに処分するか、詳細は事務局が決めます。事務局職員は銀行の出向者です。ですから、ここをきっちりとチェックしない限りは、制度はありますが骨抜きになってしまいますから、このことを是非金融庁の方は考慮してほしいということで、この質問は終わります。
 続きまして、破綻した足利銀行の受皿に関しまして、現在どのようなことが議論されているのか教えてもらいたいと思います。
 雑誌等によりますと、幾つかの案があり、各一長一短があると聞いております。金融危機が終了しましたので、私は最優先されるべき目的といいますのは国民負担の最小化であると考えますが、このことに関しまして与謝野大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 足利銀行が破綻しましてから新しい経営陣になり、非常に努力をされてこられました。また、経営陣、行員も努力をされましたけれども、県庁、県議会、また地元の経済界も非常に足利銀行の将来に対して心配をされ、御協力を賜ったところでございます。
 その結果、十八年度三月期で見ますと、二年前に比べますと債務超過額が三千億くらい改善をしております。六千七、八百億ありましたのが四千億を切ったというところで、三千九百億近くは残っておりますけれども、相当の改善。また、不良債権比率も二〇%以上だったのが八%を切るところまで参りました。
 まだ受皿のことを話すのは少し時期尚早でございますけれども、仮に受皿という話になったときにどういうことを考えなければならないと。今先生の御指摘になられた国民負担を最小化するという、このことはどうしても考えなければならないことです。また、受皿として足利を引き受けてくださった方のその銀行が長続きできるような仕事ぶりにならなければならない。銀行としての持続可能性があるかどうかというのも一つの論点です。それから、もう一つの大事な論点は、栃木県の地域銀行ですから、やっぱり栃木県の経済を本当に心配してくださるところが受皿になっていただきたいと私は思っております。
 そういう観点から物事を考えてまいりますけれども、いずれにしましても、やはり受皿を考える場合には、栃木県御出身の衆参の国会議員の皆様方、あるいは県庁、県知事、県議会、栃木県の経済界、こういう方々がどういうお考えを持っておられるのかということもよく知った上で物事を判断していかなければならないと思っております。いずれにしましても、国民負担を最小化するという努力が継続されているというふうに私は今認識をしております。
○大久保勉君 明瞭な説明、ありがとうございます。
 要するに、三つの目的がありますと。国民負担の最小化、あと足利銀行の持続可能性、三番は地域利益。
 優先順位を聞きます。どれが一番ですか。国会議員として与謝野大臣に聞きます。
○国務大臣(与謝野馨君) 受皿を決めるときというのは一つを決めるわけですから、それらの条件が全部満たされているということを確認をしなければならないと思っております。
○大久保勉君 じゃ、その場合に、受皿を決める際に、国民負担の最小化と地域利益というのが対立する場合はどちらを優先しますか。
○国務大臣(与謝野馨君) まず、国民が理解してくださるレベルまで債務超過額を減らしていくというのは作業の第一段階としては重要なことであると思っております。どんどん債務超過額が小さくなってきた段階で、やはり栃木県の経済を本当に心配してくださる方はどなたかと、こういうことになっていくんだろうと想像をしております。
○大久保勉君 関連しまして、大臣は金融危機は終了したということをおっしゃっております、常々。ということでしたら、優先順位はおのずと分かるんじゃないでしょうか。もう一度質問します。
○国務大臣(与謝野馨君) 大手銀行が破綻に至るというようなシステム危機というのは現在は全く想定をされておりません。そういう意味では、言わばシステム危機としての金融危機は去ったと思いますけれども、現段階では過去に起きたことの後始末をきちんとしなければならないと、そういう段階であろうと思っております。
 やはり足利銀行は地域銀行として栃木県の経済に貢献をしていただかなければならないわけですから、やはり健全な銀行として、受皿になる方に銀行を再発足させていただかなければならないと。しかしその際にやはり、先生も御心配のように、国民負担をなるべく小さくしていくという努力は継続的にやっていかなければならないと。どこが最小かというのは非常に抽象的な話で、幾らになればそうしますということはなかなか言えませんけれども、やはり栃木県の経済の状況等々を考えて総合的に判断をして、まあこの水準に来たら受皿を考えてもいいだろうという段階が私は近い将来やってくるんではないかと、そのように思っております。
○大久保勉君 ありがとうございます。
 実は私も同意見でありまして、こういう質問をあえてしましたのは、一つ新しい答弁としましては、金融危機は終了しました、ただし大手銀行。ただ、地域金融機関に関してはまだ終わってないと。
 実は私、福岡出身でありまして、地元に、福岡におきましてもまだまだ景気は上向いてないという状況もございますから、地域の配慮というのも必要かなということで、大臣の答弁に賛成したいと思います。ただ、最終的には国民負担を最小化するといったバランスの取れた議論が是非とも必要かなということで、この質問を終わります。
 続きまして、日本銀行に対する質問に参ります。
 危機対応対策としまして、日本銀行も銀行が所有しておりました持ち合い株の株式を購入しております。現在の時価と含み益の金額を日本銀行に伺いたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 日本銀行保有株式の時価と含み益でございますけれども、平成十八年三月末時点の数字を申し上げますと、時価は三兆八千二百四十八億円、含み益は一兆八千五百十一億円でございます。
○大久保勉君 一・八兆円の含み益があると。こういった株式に関しましては、平成十九年九月、つまり来年の九月から処分が可能になりますということですが、こういったものに対する処分計画がございましたら教えてください。
○参考人(福井俊彦君) 御指摘の、買い入れた株式の処分のことでございますが、今おっしゃいましたとおり、明年、平成十九年の十月以降に開始することになっておりまして、平成二十九年九月末までに処分を終了すると、期間的にはそういうふうになっております。
 そして、処分の方針でありますけれども、二つの大きな方針を既に立てております。
 一つは、株式市場の情勢を勘案しながらある程度の時間を掛けて、市場にマイナスのインパクトを極力与えないように売却していくと。つまり、市場に対して極力中立的にやっていくと。いま一つは、できる限り売却損を回避するよう努めることと。日本銀行のバランスシートを毀損しないようにと、この二つの基本方針だけが決まっております。
 実際に、明年の十月以降、処分を開始する期間に入ります前にはより具体的な処分方法を決めていかなければなりません。今後それは検討してまいりますが、今申し上げました二つの方針が非常に大きな方針でございますので、恐らく、想像される様々な問題は、基本的にはこの方針を貫く限り大きな問題を引き起こす可能性は少ないんじゃないかというふうに考えております。
○大久保勉君 含み益が一・八兆円あるということは非常に重大だと思います。つまり、これだけリスクに対するバッファー、リスクテーク能力があるということなんです。
 ここは通告してないんですが、これだけ利益、含み益があるんだったら、少々リスクがあるものを買ってもいいんじゃないかと思うんですね。
 例えば、これまで日本銀行は九十兆円に上る国債を購入されておりまして、長期国債というのは、十年を超える長期国債に関してはほとんど購入されていないと。これだけ含み益がありましたら長めの国債も購入しまして、国債マーケットに対しましていろんなメッセージを与えていく、こういったことも可能になるかと思いますが、これは福井総裁の御所見がもしございましたら教えてください。ここは通告をしておりませんので。
○参考人(福井俊彦君) 委員もつとに御承知おきいただいておりますとおり、日本銀行による株式の買入れは、金融が異常な事態にありますときに、金融機関のバランスシート上、株価変動リスクを極力少なくするという緊急避難対応としてやった措置でございます。日本銀行のバランスシート、ポートフォリオを何らかの意味合いで積極的に構成するという意味合いで持ったものではございません。
 したがいまして、たまたま購入しましたものが結果的に含み益がかなり大きく出ているからといって、それを起点として日本銀行が積極的なポートフォリオマネジメントをすると、つまり、より大きなリスクテークをするというふうな行動の動機は持ち合わせていないということでございます。
○大久保勉君 では続きまして、最近話題に上っております村上ファンドに関して質問いたします。
 村上ファンドは物言う投資家として企業のガバナンスを高めたという評価もあります。一方で、安く買った株式を企業に脅して高く売り付ける、いわゆるグリーンメーラーというんですけど、グリーンメーラーにすぎないという評価もあります。
 福井総裁はどういう評価でしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 私の現在の立場から申し上げますと、投資家、村上氏といえども一投資家でございまして、投資家の具体的な投資行動について具体的に評価を加えるということは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただし、村上氏の当初のコーポレートガバナンスに対する基本的な考え方は私よく承知しております。そして、最終的に法令違反が問われる、本人もそれを認めているというふうな状態に立ち至ったと。出発点と最終到着時点、この間の大きな落差というものに対しては、これは大変遺憾なことが起こっているというふうに思っております。
○大久保勉君 一つお聞きづらい質問をしたいんです。これは高潔な福井総裁の名誉を守るために、あえて質問した方がいいのかなと思っております。
 一部メディア等によりましたら、総裁と村上氏の不適切な付き合いが報道されています。先ほどは投資家という言葉ですが、友だちという村上さんの関係もあるんじゃないかという報道もございます。じゃ、是非このような事実がないと弁明していただきたいと思います。
 そこで、総裁に質問します。
 これまでに村上ファンドの役員に就任したことはありますか、また同ファンド及び村上氏から報酬をもらったことはあるのか、さらには同ファンドに福井総裁本人、家族、実質支配する企業等が出資したことはございますか、以上に関して質問します。
○参考人(福井俊彦君) いずれも私が民間におりますときの話でございます。何でも率直に御説明を申し上げます。
 私、御承知のとおり、富士通総研の理事長、これは一九九八年に就任いたしました。富士通総研の理事長に就任しました直後から富士通総研に出入りをしておられた村上氏と知り合いになったというわけです。
 富士通総研になぜ村上氏が出入りしておられたかと。
 それは、私が富士通総研に行きます数年前にさかのぼることであったようでございますけれども、富士通総研自身は一九八六年に創設されたITのコンサルティングファームで技術屋集団みたいなところがあるんですけれども、途中でそこに経済研究所と、シンクタンクを設けてより幅広い、何と申しますか、認識の下にコンサルティング活動もやろうということで、一九九五年、つまり私が参ります前、三年ぐらい前に経済研究所というものをその富士通総研の中に設けるということになって、言わば無から有をつくろうと、無から有をつくるということで当時の富士通総研の幹部の方がいろいろな識者の方から知見をかりてシンクタンクの基礎づくりをしたと、その中の一人に、村上氏からもいろいろなアドバイスを受けたと、こういうことがあったようでございまして、私が着任しましたときは富士通総研としては村上さんにはある意味で恩義があると、そういうふうな雰囲気の中でございました。
 そういう中で私が着任したんですけれども、私が着任しまして以降、それ以前もそうですけれども、村上氏が富士通総研の仕事に直接タッチするということは全くございません。ただ、経済研究所は、御承知のとおり、そこを舞台にオープンな勉強会は開きます。他のシンクタンクのエコノミスト、あるいは外資系のシンクタンクに属するエコノミストの方、お招きして勉強会をするということがあります。そういう勉強会の中には村上氏も入っておられまして、出席率がどれぐらい良かったか覚えておりませんが、時折来られまして、ビジネスモデルの変革、コーポレートガバナンスの変革というふうなことを中心に大変力説をしておられたということをよく覚えております。
 そうこうしておりますうちに、翌年、九九年になって、それ以前は通産省のお役人であられたわけですけれども、九九年の夏ごろだと思いますが、突如、独り立ちして日本のコーポレートガバナンスの改革のために活動をしたいと、ついては通産省を退職してでもやると強い決意を表明されまして、当時の非常に、九九年ですから、閉塞感の強い日本の世の中でだれしも新しいことに対してはこれしり込みをしていた、そういう時代に通産省の役人をしておられる方が自ら職をなげうって先頭を切り開く仕事をするということに対しては、若干恩義を感じていた富士通総研の幹部の面々を含め、大変これは評価し得ることだというふうに思ったわけであります。私もその一人でございます。
 村上氏の関連会社の役員をしていたかという御質問でございますが、役員をしていたことはございません。
 雑誌等でアドバイザリーボードのメンバーであったというふうに書いてありますが、これは、九九年に村上氏が通産省を辞めて独立する以降、引き続きいろいろな形でアドバイスをしてほしいと、私もフレンドリーアドバイスはするだろうと、ただし、あくまでコーポレートガバナンスをめぐる大所高所のアドバイスであり、具体的な投資活動について私がアドバイスする力も何もないです、そこはしないと、こういう約束の下にアドバイスを時々したということでございます。
 私も、そのほかに、民間会社の社外重役とか、いわゆる正式のアドバイザリーボードのメンバーであるとか、幾つか民間の時代は引き受けておりましたけれども、そういうケースはいずれもきちんと社外取締役に就任するための契約、それからアドバイザリーボードのメンバーになるための契約というのがあって、私の本業は富士通総研の理事長ですから本業をおろそかにしない範囲内で、仕事の内容も時間的割り振りも、いわゆる利益相反をきちんと整理しながら、こういう内容の仕事をしますという契約をします。そして、期間は何年であります、あるいは報酬は幾らでありますと、こういう取決めをしてきちんとその仕事に就くというのが普通のやり方でございますが、この村上氏の場合はそういうんではなくて、村上氏が富士通総研の研究会のメンバーに来てフリーに述べておられたのと同じように今度は私が彼に対して時折アドバイスをすると、こういうふうな性格のものでございまして、したがいまして、そういうアドバイザリーボードのメンバーになるというふうな契約は存在しないし、報酬も存在しないと、こういうことでございます。
 もう一点、この村上氏のところに拠金をしたかどうかと、こういうことであります。
 これは、九九年のたしか夏に村上氏が通産省を辞めて独立しまして、本当に自信があるかということを富士通総研の有志で彼にさんざん問うたところ、コーポレートガバナンスについての基本的な物の考え方には自信があると、ただしこれはどんどん考え方が新しくなるであろうから引き続きアドバイスが欲しいと、これが一つでございます。もう一つは、お金を集める自信がないと、こういうふうなことを言っておられました。今から思えば想像もできないことで、要するにどうやってお金を集めるんだということについては非常に自信がなかった。
 そこで、富士通総研の有志数人で、私も入り、私どもサラリーマンとしては負担感が重い一人一千万円と、これは大変負担感が重いんですけれども、村上氏の方からいえば最低単位十億円だと、こういう話だったものですから、向こうから見れば全くの端数と、こちらから見れば資金繰り負担感の重い拠出をして、彼の当初の志を激励しようと、サポートしようと、こういう意味で資金を拠出したということは事実でございます。九九年の秋のことでございます。
 以上でございます。
○大久保勉君 一千万円出資されたということですか。
○参考人(福井俊彦君) そうです。出資というか株式、何といいますか、株主になったというんじゃなくて、あれはファンドですから拠出といえばいいのかと思います。
○大久保勉君 ちょっと驚きました。オリックスがシーズマネーを三億円出してそれが百億円以上になったという話がありますから、今、もしよろしかったら一千万円が今幾らになっているんですか。
○参考人(福井俊彦君) よく分かりません。年にたしか二回決算ですけれども、年末と申しますか、年末の決算のときには納税とも絡みますのできちんとした決算書類が参ります。これは、決算の都度、もし収益が出てもキャッシュアウトできるようなファンドじゃありませんで、引き続き繰延べ投資をしていくわけです。したがって、私は一文も途中の経時でキャッシュアウトしたことはないんですけれども、帳簿上の利益が出ます。これについてはきちんと、私自身の確定申告のときに、分離課税と申しますか、分離申告をして納税しています。キャッシュは入っておりませんが、帳簿上の利益が出ているということで納税しています。余り大した金額じゃありませんので、委員のおっしゃるようなそんなに巨額にもうかっているという感じはございません。
○大久保勉君 もうこれ以上は追及しませんが、是非、財務大臣もいらっしゃいますので、適切に税金を払ってください。このことだけはお願いしまして、次に参りたいと思います。
 村上氏はインサイダー取引ということで、インサイダー容疑で聴取されております。じゃ、インサイダー取引というのはそもそもどういうものであるか、若しくは証券取引というのはどういうものであるかということで関連した質問をしたいんです。
 日本銀行は金利を上げ下げします。若しくは、政策決定会合で市場に大きなインパクトを与えます。そのことによりまして、国債の金利が動く、若しくは、デリバティブの金利が動く。実際この情報で、あるときには十億、あるときは百億円の利益が出ることがあります。じゃ、こういった情報は極めて価値があります。その情報を知った人と知らない人では大きな差があります。ですから、公正な市場をつくるためにはインサイダー情報、つまり内部者情報をきっちり管理する必要があると思います。
 そこで、まず金融庁に関しまして、国債、デリバティブ等の有価証券に関しまして、インサイダー取引というのがあるのか、若しくは不公正な取引というのがあるのか、このことに関して御質問いたします。
○政府参考人(三國谷勝範君) インサイダー取引規制でございますけれども、これは、会社関係者又は第一次情報受領者が上場会社等の業務等に関する重要事実を知りながら、この重要事実が公表される前に売買等を行うことを違法な取引として禁止しているところでございます。
 なお、国債でございますけれども、ここの上場会社の株券等という範囲は、上場されている株券、社債券、新株予約権証券等を発行しているそういった発行者等を指しておりまして、国債につきましては対象となっておりません。
○大久保勉君 国債等は対象になっておりませんが、じゃ、何らかの内部者情報を取得しまして、その前に、市場に公表される前に国債を購入しておくとか、若しくは先物でポジションをつくっておく、そのことによって利益を得ることというのは何らかの処罰の対象になりますでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) インサイダー情報につきましては、いろいろな、それまでインサイダー情報、非常に罰則の適用が困難であるという中から、実効的な規制を掛けていく観点から、いわゆる内部情報のうち当該企業に、株価に影響がある事項を重要事項として明確化していると、そういった性格のものでございます。したがって、この範囲内で規制するものは、会社関係者の重要事実、あるいは第百六十六条、百六十七条として規定しているところでございます。
 お尋ねの日銀の件でございますが、これは日銀法の話になりますが、こちらの方におきましては二十九条において、日本銀行の役職員は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならないという具合にされていると承知しております。
 また、「日本銀行員の心得」というのがございまして、ここにおきまして職務上知り得た秘密を利用した個人的利殖行為が禁止されているものと承知しております。
○大久保勉君 じゃ、続きまして日本銀行に質問します。
 内部情報を漏らさないためにどのような組織的な方策若しくは内部統治が行われているのか、このことを御質問します。日本銀行、お願いします。
○参考人(福井俊彦君) 日本銀行法に、日本銀行の役員及び職員について秘密保持の義務が課されております。これを踏まえまして、日銀法に従って内部的に服務に関する準則というものをつくっております。また、就業規則といった内規におきましても厳正なる情報管理を規定しております。そうした規定に従いまして、具体的な運用といたしましては、機密情報について、行内でもこれを閲覧できる範囲を必要最小限に限定する、それとともにその保管等の管理を厳格に取り扱うということにいたしております。
○大久保勉君 日銀内部として情報を管理するシステムがあるということですね。でしたら、本当にそういった内部管理が働いているか、これを外部の検査をするようなシステムはあるのでしょうか。日本銀行に伺います。
○参考人(福井俊彦君) 日本銀行では、監事、一般の会社でいいますと監査役というのが置かれています。新日銀法の下の監査役は、それ以前の旧法の下の監査役、つまり監事よりも権限が強くなっておりまして、会計的なことだけではなくて業務監査もするというふうになっておりまして、内部的に目を光らせておりますが、もし法令違反等というふうなことがある場合には、主務大臣の御指示の下にこの監事が更に詳しい調査をし、主務大臣に御報告を申し上げると、こういうふうな仕組みになっております。
 なお、そのほか、定例的なものとしては、御承知のとおり、会計検査院の検査は定例的に行われております。
○大久保勉君 これまで日本銀行は接待事件とかいろんなことで、いわゆる金利を上げる下げるの情報、あるいは短観の情報が漏れたという事実もありました。そういったことにかんがみまして、是非、こういった情報というのは極めて重要な経済価値がありますので、場合によっては証券等監視委員会の定期検査とか、若しくは金融庁の検査というのが必要じゃないかと私は思います。これはもうあえて指摘をするだけで、次に参りたいと思います。
 続きまして、日本銀行は三月に量的金融緩和を解除しました。これまで、日本の過剰流動性、つまり量的緩和によりましてこの過剰流動性が世界に蔓延する、そして、ヘッジファンドを通じまして世界の株式、商品、不動産市場を押し上げているという観測がございました。このことに関しましては、一度、福井総裁とも議論したかと思います。
 実際に、じゃ、量的金融緩和を解除したらどうなるかと。当然ながら、世界的な流動性がもしかしたら落ちて、株価が下がる、若しくは商品市場に影響するというおそれがあったんですが、実はそのとおりになっておりまして、最近は海外新興市場を中心に株式が下落している、商品市場が下落、さらには一部のヘッジファンドが危機的な状況があると聞いております。特に、ヘッジファンドは安い円金利を使いましてキャリーオペレーションという取引を行っておりました。それで世界じゅうに投資をすると。そのことで世界の過剰流動性を供給するということが専門家によってよく指摘されていたわけなんです。
 このことに対する福井総裁の御所見、さらには、もしそうであれば、どういう形で世界的な株式市場の暴落に対してどういうふうな措置をとったらいいのか、このことに関して御質問したいと思います。
○参考人(福井俊彦君) ただいま委員御指摘のとおり、先月以降、エマージング諸国を含め世界的に株価が下落しております。そのほかに、御指摘のとおり、各種の商品市況も総じて弱含みで推移しているという現実がございます。
 その背景といたしましては、今御指摘のような様々な要因が指摘されているわけですけれども、私どもは、世界的に金融緩和の度合いの調整が慎重に進められていると、その中で米国を始めとする世界経済が引き続きインフレリスクを適切に抑制しながら着実な成長を続けていくことができるかどうかと、この点について、幾ばくか不確実性が改めて市場の中で意識されているということが一つの大きな要因ではないかというふうに思っております。
 この点との関連で申し上げれば、私どもは、実は世界経済は着実な拡大を続けていて、今後とも拡大が続く可能性が高いという判断を持っております。また、こうした下で日本経済につきましても、内需と外需、企業部門と家計部門のバランスが比較的よく取れた形で息の長い成長が続くというふうに見ています。
 先ほどエマージング諸国の株価も下落していると申し上げましたけれども、様々な国際会議を通じて私どもが確認しております限り、非常に大幅に株価が下落しているエマージング諸国においても、経済の実態はしっかりしていると、こういう認識でほぼ共通しているというのが現状でございます。
 もしそうだとすれば、今の市場の動き、これは当然、新しい材料を次々と消化しながら市場相互間で牽制を働かせつつ新しい均衡点を求めて動くものであり、現にそう動いているというふうに思われるわけでございますが、市場はいつ何どき、何かのすきをついて不規則な動きをする可能性ということはやはりあると。その場合には実体経済に強い影響を及ぼすリスクもあるということでございますので、市場の変動が実体経済にどういう影響を与えるかという点につき今後とも注意深く見てまいりたいと、こういうふうに思っております。
○大久保勉君 先週、G8の財務大臣会議がございまして、谷垣大臣が御出席されたと聞いております。世界の金融市場若しくは株式市場に関する動向に対して話合いがなされたのか、話合いがなされたとしましたらどのような話になったのか、もし説明できるようでしたら御説明お願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) この間、先週末、ロシアのサンクトペテルブルクでサミットの財務大臣会合がございました。
 これは、いわゆるG7のときの会合とちょっと違いまして、G7のときにはそれぞれ中銀総裁がお出になっているんですが、このサミットの財務大臣会合は財務大臣だけでございます。したがいまして、金融市場に関する議論というのはやりにくいといいますか、一番メーンプレーヤーがいらっしゃらないわけですから、これについては議論になっていないというふうに申し上げた方がよろしいかと思います。
 それから、株式の方については若干議論がございました。IMFのデ・ラト専務理事が総括的な御報告の中で、過熱状況の解消過程ではないかというようなニュアンスのことをちょっとおっしゃったということがございましたけれども、それを超えて株式市場に関して特別な議論が行われているわけではございません。
○大久保勉君 続きまして、与謝野大臣に質問いたします。
 新聞等の報道によりますと、村上ファンドはこれまでニッポン放送株を買い取ってライブドアに対していろんな知恵を付けたと。その一つとしましては立会い外取引に関してもいろいろ主導したということがございました。
 もしこの報道が本当としましたら、これまで金融庁は、特に伊藤大臣は、ライブドアによるニッポン放送の立会い外取引は合法であったと表明されておりましたが、現在、金融庁の公式見解は変わっていないのか、与謝野大臣に質問したいと思います。与謝野大臣は、当時、政調会長時代は、立会い外取引は合法ではないと、正確な言葉は覚えていませんが、伊藤大臣とは別の見解だったと思いますが。
 質問は二つです。つまり、金融大臣としての御見解と個人的な御見解、もし違いがありましたら二つともお願いします。
○国務大臣(与謝野馨君) ToSTNeTというのは、取引としては合法な取引であることは間違いありません。ただ、言わばその売り方と買い方が出合うサイトでございまして、小さい株数がそこで成立するということは分かりますけれども、あれだけ大量の株式が、売りと買いがうまく出合うというのは多分なかなか難しいことなんだろうとその当時思っておりまして、事前に話合いが行われたんではないかというふうに思っておりましたんで、政調会長のときには、この取引は本当に正常な取引かどうかということを実は考えておりましたし、金融庁にも伺ったわけでございます。
 ただ、その後いろいろな経緯がございますが、最終的には私は納得をいたしましたのは、三月二十三日の東京高裁の決定、そういう中で、売主に対する事前の勧誘や事前の交渉があったことが確認されるものの、それ自体は証券取引法上違法視できるものではなく、売主との事前売買合意に基づくものであることを認めるに足りる資料はないことから、この点の証券取引法違反という主張は、その前提において失当であるという、こういう判決が出まして、高裁がそう言われているんであればしようがないなというふうに思いました。
 それから、これは伊藤大臣の御発言、度々予算委員会等で民主党を始めいろいろな方から御質問がありましたけれども、伊藤大臣の発言はあくまでもToSTNeTという制度について御説明されているわけでございまして、そういう意味では個別の事案に関して合法、違法ということに言及されるつもりはなく、私は一般論を伊藤大臣は申し上げたというふうに信じております。
○大久保勉君 じゃ、与謝野大臣に、ライブドアが行った行為は法の抜け穴であったと、当時の法の抜け穴であったという認識はございますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 多分、ToSTNeTという制度をこれだけ大規模に利用するということは多分想定されなかったんだろうと思います。まあ、そのために証取法の改正をその後国会で御承認いただいたわけですから、やはり法律がカバーできなかった部分はあったというふうに私は考えております。
○大久保勉君 時間がなくなりましたので、最後に、独法化に伴う出資金が減少しているという資料をお配りしております。ここに関しましては、例えば宇宙開発事業団、二兆五千億の欠損金が出資金と相殺されています。つまり、政府の出資金が損金扱いになっていると、こういう事実をまず指摘したいと思います。これに関しましては次の委員会で質問したいと思います。
 これで終了いたします。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野でございます。
 冒頭、先ほど、私は、大久保委員と日銀総裁のやり取りを聞いていまして、大久保さんがびっくりしたと言いましたけれども、私もやっぱりびっくりしました。
 私は二つちょっと問題があるんではないかというふうな感じがしました。
 まず一点目は、日銀総裁という極めて公共性の高い機関のトップが特定のファンドに対しての出資を保有し続けていいものかどうか。さらに、その延長線上の中に、じゃ株式はどうなっているんだろうかとか、そういった問題がまず出てきます。つまりは、一点目は、公共機関にあるトップがそういう特定の銘柄のファンドとかそういったものの出資金を保有し続けていいものか、あるいは株式を保有し続けていいものか。それは株式を保有しているかどうか分かりません。そういった一般論としての考え方です。
 二つ目は、今そういった実態を実はこの委員会で初めて明らかになりまして、総裁は多分資産公開は義務付けられていないんだろうと思います。そういった一方で、閣僚は資産公開を義務付けられています。私どもも個人の資産公開は義務付けられております。日銀総裁の資産公開というのは、これはきっちりすべきではないかということを今新たに思ったような次第でありますけれども、与謝野大臣にこれは閣僚としてお聞きします。
 今、私は二つの問題があるんではないかというふうに指摘しましたけれども、まず一点目、日銀総裁がそういった特定の銘柄の出資金を保有し続けるのはいいのか悪いのか。二つ目、そういった実態を国民が知るような形になっていなくていいのかどうかという、これは制度の問題だろうと思いますが、これについて与謝野大臣の見解をちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 事実関係は福井総裁の御説明したとおりであろうと思います。
 これは総裁が総裁になる前に、また総裁になるということが予想されていない時期に民間の方として出資に応募したということで、それ自体は何ら私は問題がないと思っております。
 総裁に就任されるときにそれをどう始末されるかというのはもう福井さん御自身の御判断であると思っていまして、それは全くいろいろな、総裁に就任されるということが予想される前から持っておられるもの、この処分はやはり御本人の意思次第だろうと思っておりまして、それを特に不適切だという根拠は私は自分自身見いだせないわけでございます。
○平野達男君 二点目の、じゃ、どうでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) それは制度として決めればいいことですので、職責を遂行するに当たっての廉潔性を高めるという意味ではそういうことはやっていいかもしれませんけれども、やっぱり国会議員や閣僚とは違っておりまして、国会議員、閣僚というのはやはり国民代表としての立場があって、国民代表としてその自らの廉潔性というものをあかしを立てるために私は資産公開をしていると思っております。
 日銀の法律で決めればそういうことはできるかもしれませんけれども、そういうことが適切かどうかということは今後議論をしなければならないことの一つだろうと思っています。
○平野達男君 私は、本当に議論しなくちゃならないと思います。日本銀行という、本当極めて責任性の高い、かつまた日本の金融全体に多大なる影響のある機関の最高ポストであります。そういう方がどういう資産を持っておられるのか、今までどういう投資をやられてきたのかということについてはしっかりやっぱり開示をするということは、これは国会議員がやっているからということではなくて、いろんなこれからの総裁の活動として、我々としてもやっぱりこれ監視する必要があると思っていますので、それは非常に必要なことではないかというふうに思います。
 ちなみに、前段の話については、私もそれはもう与謝野大臣のおっしゃるとおりだと思います。ただ、あえて言わせていただければ、そういう資産については、やっぱり金融機関の、中立な金融機関のトップとして保有し続けるということについても、是か非かという問題については、これもやっぱり議論をする必要があるんじゃないかなということをちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 その点に関してもう一度、ちょっとだけコメントいただければ、次のテーマに移りたいと思いますけれども。
○国務大臣(与謝野馨君) 一般的に、国会議員、閣僚あるいは地方議員の中での首長を始めとした資産公開というのは一体何のためにやるのかということをもう一度我々振り返って考えなければならないと。
 資産公開を自虐的だと言う方もおられます。また、資産公開をして、むしろ人から疑いの目を持たれないということで晴れ晴れとしたと言う方もおられます。これは多分議論が分かれるところでありまして、やっぱり日本銀行だけでなく、政府、いろいろな機関があるわけですから、やはりそういう方々はいろいろな法律で縛られているわけですから、資産公開というところまで行くことが正しいかどうかというのは、やはり相当慎重に考えなければならないと思っております。
○平野達男君 いずれこの問題は制度論としてやっぱりしっかり議論をする必要があるんじゃないかということを痛感いたしました。
 それでは、通告申し上げたテーマに従ってちょっと質問に入りたいと思います。
 まず一点目は、先ほど大久保委員が質問をされました株価の動きに関連しての質問であります。
 先般、与謝野大臣は、たまたまテレビのスイッチをひねりましたら、テレビ朝日で、今世界的に過剰資金を縮小する段階にあるんだと。その段階にあって、その影響も受けて株価がある均衡点を目指して動いているんだと。したがって、これ以上株価の下落というのは、大きな下落はないと思うんだが、今調整段階であるというようなことをおっしゃられました。その趣旨についてはそういう発言されたという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 多分、欧米の市場、日本の市場あるいは新興市場、こういうところの流動性というのはどうなっているかというのは、日銀総裁に伺うともっと詳細に御説明くださると思いますけれども、やはりアメリカの赤字の垂れ流し、原油高、それから主要国の中央銀行が全部金融緩和策をここ数年取ってきたということが多分流動性を過大にしてきた可能性が私はあるんだろうと思っております。その過剰流動性を一気に引き揚げるということではなくて、それぞれ過剰流動性の行き場所を求めて今市場が動いている、それがどこかで落ち着くだろうと、その落ち着くということが均衡点を求めていると、こういうふうに私は理解をしております。
 日銀総裁に聞いてください。
○平野達男君 いや、先ほど日銀総裁はそれに関しての答弁をされましたんで、あえて繰り返ししてはお聞きしません。関連して後ほどお聞きしたいと思います。
 それで、実はこの量的緩和の解除がされる前に、一部エコノミストなのかアナリストなのか知りませんが、この解除に伴って株価の下落が起きるのではないかということを盛んに言っておられる人がいました。多分その方々は、私の言ったとおりだといって、今、自慢話をしているかもしれません。実はその話について、与謝野大臣の、あれはたしかテレビ朝日の発言ではなかったかと思うんですが、それが全面的ではないんですが、部分的に裏付けた形になったのかなとも取れました。
 そこで、今度は総裁に対する御質問になるわけですけれども、その量的緩和の解除ということと今回の株価の、一時的なのか継続的なのか分かりませんが、大きな下落ということについては、改めてちょっとお聞きしますけれども、どのような御認識なんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 先ほども御説明いたしましたとおり、五月以降の株価の下落というのは世界的に起こっていると、世界的に連関性を持って起こっているということが一つの特徴でございます。その一方において、実体経済は、先進国もエマージング諸国も、先進国にはもちろん日本の経済も含まれますけれども、景気は引き続き順調に拡大していると。物価上昇懸念はじわじわと強まっているけれども、まだ今のところは比較的うまくコントロールされていると。
 こういう実態の上での株価の世界共通の調整であり、市場は、さりながら、そうしたインフレを引き続き抑制しながらうまく経済の拡大を維持できるかどうかということについて、やはり油の値段の上昇等のプレッシャーを受けながら、少し不確実性を感じていると。しかし、インフレ抑制の懸念というものがありますために、主要国の中央銀行は極めて慎重に金融緩和の度合いを調整していると。こういう構図の中で起こっていて、投資家が株価を中心に自らのポジションの調整を今急いでいると、こういう動きじゃないかというふうに思っています。
 日本銀行の量的緩和政策がこの株価の下落にどれぐらい寄与しているかというのは、だれも正確に予測できることではございません。恐らく、あの時点で量的緩和の枠組みの修正をしてもしなくても、日本経済全体を含んで今後の趨勢ということを市場は読んでおりましたので、今の世界的な株価の下落が、日本銀行が量的緩和の解除をしなければ起こらなかったということはやっぱり言えないんじゃないかという気がいたしております。
○平野達男君 分かりました。
 ちょっと通告申し上げてなかったんですが、ちょっと別なテーマに入りたいと思いますけれども。
 先般のこの委員会で、デフレの問題をちょっといろいろ質問をいたしました。与謝野大臣は、デフレデフレと大騒ぎする段階じゃないんだと、役所の言葉や定義だとまだデフレは続いていると、こういうことですが、私の生活実感とはちょっと違うなと思いながら役所にいるというふうなことで、私は極めて適切な答弁をいただいたというふうに思ってます。
 しかし、その一方で、まだ依然として、例えばこれはマスコミ報道ですからどのように正確に言っているか分かりませんが、例えば官房長官は、まだデフレだと、ゼロ金利を続けてもらいたいというようなそう発言されていますし、小泉総理は、まだまだデフレには時間が掛かるんだというような発言もされているようです。そのデフレの取り方について、閣僚間にはまだ若干の開きがあるなという感じがしますが、問題はそこではなくて、どうもデフレが、デフレという現象に注目行ってなくて、どうも閣僚の一部には、デフレとゼロ金利解除をセットにするという、そういった意識で答弁されているような気がしてならないんです。
 デフレという現象を見るんではなくて、ゼロ金利解除を頭に置いてそのデフレに対しての答弁をされているんじゃないかというような印象を非常に受けるんですけれども、与謝野大臣はその点に関してはどのように思われていますか。
○国務大臣(与謝野馨君) デフレというのを使い始めた、この言葉を使い始めたときは、デフレで、デフレスパイラルで継続的に日本経済が縮小均衡に入っていくと、そういう意味でのデフレという言葉を使っておりました。今、デフレという言葉は、物価の持続的下落というコンテクストで使っているわけですけれども、私が心配しているのは、デフレデフレといってやっているうちに実はインフレになっていたという、そういうことだけは何とか恥ずかしいんで避けたいなと思っております。政府の文書の中でも、恐らく少しずつデフレという言葉は私は使われ方は少なくなっていくものと確信をしております。
 それから、ゼロ金利の方ですけれども、オーバーナイトの短期金利がゼロだというのは金融の常識から見て異常なんだろうと思います。したがいまして、いつの日かは別にいたしまして、この日本経済は、正常であるためにはゼロ金利から脱却をしなければならないと。その時期は、日本銀行がいろいろなことを判断されて、また責任を持って総合的に判断し、決定されるものと私は確信をしております。
○平野達男君 私がもう一つ懸念するのは、一つ懸念するのは、どうも、閣僚がああいう答弁を繰り返せば繰り返すほど、つまりデフレの脱却というのはゼロ金利の解除とイコールなんだというニュアンスを市場に与えているんじゃないかという感じがしてしようがないんです。少なくともこの委員会の中ではデフレの脱却ということとゼロ金利の解除というのは別次元の話であるということは繰り返し答弁あったと思います。それが、きちっと官房長官とかあるいは他の閣僚等の発言の中で出てきてないということが非常に気になっていまして、ここはやはりそういうことについてしっかりとした政府の方針というんですか、考え方を出すべきだということでちょっと、再度指摘をさせていただきました。
 日銀総裁、今の件に対して何かコメントがございますればコメントをいただきたいと思いますが。
○参考人(福井俊彦君) 日本銀行におきましては、金融政策に絡む情勢判断としては、経済全体の動き、そして物価の動きと、その基調的な判断ということを一番大切にいたしております。そういう点からいきますと、経済は引き続き息の長い拡大を続けそうだと。
 物価の方は、需給ギャップがほぼ解消し、ユニット・レーバー・コストの低下幅も次第に小さくなってきているというふうに、物価を決定付ける二つの要因が次第に、何といいますか、物価を押し下げる力を非常に弱めてきているということを基調的な判断にしております。
 その土台の上に、消費者物価指数が安定的にプラスを続けておりますし、その中身も、サービス価格の面に少し広がりが見られるようになってきている。企業物価についても、最近発表されました数字で見ると、やはり前年比伸び率が高いというだけでなくて、最終製品についての価格上昇も見られるようになってきている。さらには、GDPデフレーターについても、内需デフレーターについては若干のプラスに転じていると。こういうふうな動きを、刻々たる変化というものを基調判断の中に取り入れながら金融政策の判断につなげていっていると、こういうふうな状況でございます。
○平野達男君 いずれ、これは私が心配してもしようがない話かもしれませんが、当初、デフレは、もう政治的、意図的に早く脱却宣言するんじゃないかということの心配したんですが、最近では逆に、ゼロ金利解除をさせたくないためにわざとその判断を遅らせているんじゃないかみたいな、そういう憶測も出てくるような発言状況になっているような気がします。
 やっぱり、デフレというのはあくまでも純粋な経済現象だということで、これはなかなかそういう判断ができるかどうか分かりませんが、純粋にテクノクラート的なそういった判断をしていただきたいと思いますし、またゼロ金利はゼロ金利解除ということで別の次元で判断をしていただきたいというふうに思います。
 私、あと、委員長よければ、日銀総裁はもう、に対しての質問はありませんので、席を外していただいても結構でございます。
○委員長(池口修次君) 日銀総裁は結構でございます。
○平野達男君 それでは、次の質問に入りますが、ちょっと質問の順番を変えまして、主要行の不良債権比率の話についてちょっとお聞きをしたいと思います。
 主要行の不良債権比率につきましては、もう御承知のように、金融再生プログラム、平成十四年十月に出されたものでありますけれども、この中で、十七年三月末までに主要行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させるということが目標として示されました。ちなみに、十四年三月期の不良債権比率というのは八・四%でありました。
 これが予定どおり目標が達成されるわけですが、その現状がお手元に示した資料でございます。ここには、主要行、地方銀行、第二地銀の不良債権比率の推移が示してございます。十七年三月期には、八・四%の半分は四・二%になるんですが、それを大幅に下回る二・九%という、かなりの速いスピードで不良債権の処理が進んだということであります。
 そこで、これはこれで大変いいことなんであろうと思いますが、ここで疑問なのは、今、二・九、二・四、一・八と主要行の不良債権比率が下がっております。この主要行の行動として、行動目標あるいは経営目標として、この十七年三月期以降に、いわゆる八・四%の半分以下の、半分という不良債権比率の目標が設定されたんですけれども、それに代わる新たな目標というのは設定された経緯はあるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、十七年三月期におきまして、主要行の不良債権比率、十四年の三月期の八・四に対しまして、いわゆる半減目標を達成したということで、具体的には二・九%という水準まで落ちたわけでございます。その後、主要行につきましては、新しい定量的な不良債権比率の目標というものを設定したという事実はございません。
 なお、主要行の不良債権比率は昨年三月期に不良債権の半減目標達成後も経済環境の好転等に伴う企業業績の改善等を背景にして低下を続けていると、こういうことでございます。
○平野達男君 目標を設定したわけではないという御答弁だったと思うんですけれども、平成十七年の十月に主要行等向けの総合的な監督指針というのが出されていますね。その中の七十四ページに、主要行全体として不良債権比率が平成十七年三月末の水準以下に維持されることが重要という記述があるんです。これは、主要行の不良債権比率、十七年三月末の比率は二・九%でした。つまり、二・九%以下に維持することが重要という事実上の目標設定をしたんではないかというふうに取ってしまうんですが、そこはどうなんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、私どもの監督指針の中に、「不良債権問題の再発を防止するためにも、このように、不良債権への適切な対応」、これは早期認知、早期対処という趣旨でございますが、「がなされることによって、主要行全体としての不良債権比率が平成十七年三月末時点の水準以下に維持されることが重要であり、各行において最善の努力が果たされることを期待する。」と、こういった記述が入っておるわけでございます。
 これは、趣旨といたしましては、主要行の不良債権問題が再発をして再び我が国経済の足かせとなることがないよう、主要行全体としての不良債権比率が金融再生プログラムで目指しました、いわゆる半減目標達成後の水準以下に保たれるように各行における努力を期待しているというものでございまして、当局の側から新しい定量的な目標を設定したという性格のものではございません。
○平野達男君 性格のものではないといっても、これだけ明確に書かれていれば、主要行としてはこれは目標としてとらえたというふうに私は認識しなくちゃならないというふうに思います。
 その中で、その延長線上の中でちょっと疑問が出てくるのは、じゃ、そうすると、不良債権比率というのは本当に低ければ低くていいのかという新たなこの疑問が出てくるわけであります。
 少なくとも、金融再生プログラムが作成された段階では八・四%の半分を目標にしたと。それで正常化と言ったわけですね、正常化と言ったんです。正常化と言ったんですが、この中では更に高いハードルを設けて二・九%以下ということを言っているということは、不良債権比率というのは一体どういう水準にあればいいのかということについてのしっかりとした、何というんでしょうか、方針が必ずしも金融庁の中で確立されていないんではないかというようなちょっと疑問が出てくるんですが、その点に関してはどのように考えているんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘の点でございますけれども、今後の主要行の不良債権比率の動向につきましては、もちろんこれは景気動向であるとか、あるいは各行の経営判断あるいはビジネスモデルと、こういったものにも依存すると思います。当局として申し上げるということは、具体的な水準について申し上げるのは適切でないというふうに思っておりますし、各行において言わば収益と健全性のバランスを取って適切なリスク管理の中で各行が考えていくべきものというふうに思っております。
 そして、御指摘のとおり、不良債権比率、しゃにむに低ければ低いほど良いといった一面的なとらえ方をすべきではないというふうには思っております。各銀行、与信判断に当たりまして、与信先の財務状況、資金使途、返済財源、事業計画等を的確に把握した上でリスクテークを行うことによって金融仲介機能を発揮していくということが最も重要なことであるというふうに思っておりますので、そういった全体のバランスの中での経営判断ということであろうかと思います。
○平野達男君 不良債権比率を下げようと思ったら、単純な話、優良企業だけ相手にしていればいいわけですね。今、日本経済は回復の途上にあるということが言われています。そのとおりだろうと思います。超優良企業を別として、本当に業績の上がっている企業だけを相手にしてやればこれは不良債権はもう本当に少なくなります。現に、これ金融庁からいただいた資料を見ますと、最近の新規の不良債権の発生の額というのは、半期ごとに見た場合に、一時は三兆とか五兆とかそういう段階もあったんです、時期もあったんですが、今は一兆以下になっているわけであります。
 そうしますと、確かに企業の業績がいいからということはそのとおりなんだと思うんですが、銀行の行動として、そういう企業しか相手しなくなったら、これはもう先ほど監督局長も言われたように、金融の仲介機能を果たしていないというふうにもなってくるわけですね。
 そこに関して、主要行はどういう行動を取っているか、あるいはどういう行動を取ろうとしているのかということはしっかり見ていく必要があるのではないかというふうに思います。
 ましてや、主要行は公的資金を受けた。それから、先ほど来ちょっと議論に出ているゼロ金利、この恩恵も受けているはずであります。それが財務内容をきれいにするために結局は貸出し姿勢として優良企業しか相手しなくなっているというのじゃ情けない。ましてや、金利スワップみたいに中小企業の制度も分かっていない方に抱き合わせ販売して利益を上げるような主要行であったら、これはもう本当にとんでもない話だということなんだろうと思います。
 過去の今までの貸付残高の推移を見ますと、やっぱり減っています。減っている分はほとんど主要行が減らしているんですね。地方銀行、地銀あるいは信金、信組はそんなに貸出し残高は減っていません。そういう中で、この主要行のこれからの貸出しの姿勢というのは非常に重要な課題になってくるんではないかというふうに思うんですが、大臣、どのような見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 不良債権を処理する時代は終わりに近づきつつあるので、やっぱりそれぞれの金融機関がちゃんとリスクを取ってお金を貸し出すということがなければ、本来のとても金融機関、銀行とは私は言えないと思っております。
 そこで、どの程度のリスクを取っていいのかという問題ですけれども、それは自分の懐で始末ができるという範囲内ではやっぱりある程度のリスクを取っていただかないと金融機関としての使命を果たせないと思っております。
 銀行も、やや大きな企業等が直接金融の方にどんどん行ってしまっておりますから、そういう意味ではなかなか優良な貸出し先がないという側面があります。
 それから、地方銀行、第二地銀はやっぱり地域経済あるいは中小企業という苦しい立場にある方々を対象に業務を行っていますから、当然、何か大手行のようにはこの二%を切るという不良債権比率にはいかない、これをやっぱりきちんと我々は理解した上で物事を考えていかなければならないと思っております。
 不良債権比率が下がるということだけがいいことじゃないという先生の御主張は正にそのとおりでして、それは逆に言うとろくな貸出しもしていないということにもなるわけでして、やっぱり取れる範囲のリスクはやっぱり取って、金融仲介という本来の銀行の業務をやっていただきたいと私は思っております。
○平野達男君 今の大臣の御発言の中にもありましたけれども、第二地銀とか地方銀行というのは不良債権比率下がっていますけど、まだ五%以上なわけであります。これは多分、リスクをそれだけ取っているというそのことの結果だろうと思うんです。
 先ほどの話の繰り返しになってしまいますけれども、主要行は余りリスクを取っていない、優良企業だけを相手にする、その残った分を第二地銀、地方銀行が相手にするという構図は、これは全然望ましくない話だろうと思います。地方銀行、第二地銀はリレーションシップバンキングがあって、それはある程度不良債権比率が高いのはしようがないよという見方もできるかもしれませんが、私は別な、主要行がこれだけ不良債権比率が下がってきますと、実はそういうすみ分けみたいなものが、貸出し先のすみ分けみたいなものが自動的にできてこういう構図になっているということが心配になってくるわけでありまして、ここはよくウオッチをしていく必要があるんじゃないかと思いますが、大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 年に何回かは、主要行の方も含めて、ちゃんと中小企業に貸出しをしていただいていますかということを確認する作業をしております。
 大手行、主要行というのはどうしてもいいとこ取りになる可能性はあって、やっぱりそういう中で、中小企業を含めた貸出し先に対してリスクを取るという、やっぱりそういう姿勢がないといけない。何か地域社会の中で苦労しているところはみんな地銀、第二地銀に言わば寄せてしまうという考え方があったとすれば、やっぱりそれは正しくないんだろうと思っております。
○平野達男君 主要行の平成十七年三月期決算状況、この間、これは我が部会で金融庁から説明を受けた資料であります。この中に不良債権比率という項目がございまして、十三年三月期決算以降、不良債権比率二・九%、以降も引き続き資産の健全化が進捗ということで書いてありまして、このペーパーだけ見ますと、これは不良債権比率はどんどん下がっていくことがいいんだというふうにも取れちゃいますね。この辺の書き方ぶりについてもやはり注意が必要じゃないかと思いますが、局長どのように思われますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほども御答弁申し上げましたように、不良債権比率という様々な指標のうちの一つだけをとらえて、これが下がれば下がるほどいいんだと、こういった一面的なとらえ方はすべきではないというふうに思います。
 先ほども申しましたように、銀行は全体のリスク管理をしていく中で、リスクテーク可能なリスクを取ることによって金融仲介というのを発揮していくということが重要だというふうに思います。
 不良債権というのはこれを一切発生させないということではなくて、適切な与信管理、資産査定の下で不良債権の早期認知、早期処理ということを行うことを通じて信用リスクを銀行の言わば負担能力の範囲内に適切に管理していく、こういう中でリスクテークを行っていくという全体像が重要だというふうに思っております。
○平野達男君 それじゃ、次のテーマに移らせていただきます。
 ここ一年ほど金融機関の大きな業務停止命令が随分出ています。金融庁も検察金融庁に変わったんじゃないかとか何かいろいろ言う向きもありますが、最近だけでも例えばアイフルの違法回収に対する業務停止命令、あるいは明治安田生命に対する業務停止命令、あるいは三井住友に対する業務停止命令等々ございました。ここに来てそういう業務停止命令が頻発というか、多発するようになった背景というのは一体何なんでしょうかという疑問であります。
 私は、こういう例えば不払の問題とか違法回収問題というのは、実は昨日今日始まったわけじゃなくて、実は前から結構やっていたんじゃないかという疑問が払拭できないわけです。それがここに来て明らかになって業務停止命令が出てくるというのは、金融庁のいろんな検査の姿勢が変わったのか、あるいは方針が変わったのか、そういうことが背景にあるのかどうかということがちょっと気になるわけでありまして、そこの点に関しての見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) やはり不良債権をいかに処理するか、あるいは金融システムの健全性をいかに維持するかという時代はだんだん過去のものになってきておりまして、やはり金融庁の金融行政も、やはり消費者を保護する、貯蓄者、投資家を保護するという方に人数も割けますし、時間も割けるという状況になってきたと私は思っております。そういう意味では、時代が少しずつ変わり始めたということだろうと、そういうふうに私は認識しております。
 ただし、一連の処分は事実と法令に基づいて行っておりまして、人工的に処分を加速させたりということではなく、判明された事実、それからそれに関する法令、こういうものに照らして普通に日常的な業務として処分をしているということでございます。
○平野達男君 やっぱり経済の動向に従って金融庁の金融機関を見る、あるいは金融市場全体を見る視点も変わってきたんだという御答弁だったと思いますけれども、そのとおりなんだろうと思います。
 特に、もうここ五年間というのは本当に生命保険、例えば生命保険会社がつぶれるんじゃないかとか、先ほど御答弁にもありましたけれども、デフレスパイラルに陥るんじゃないかというような危機感が非常にありました。そういう中で、金融機関の破綻を何とか防ぐあるいは金融危機を何とか防ぐという意味で、業中心の、どちらかといいますと、いろんな規制緩和あるいは監視強化、そういったことではなかったかと思うんです。実はこれは視点を変えますと、五年間の小泉改革というものの一つの性格を表すんじゃないかなというふうに思っています。
 今いみじくも出ましたけれども、消費者そのものについては余り視点が行かなかったんだというような御発言だったと思うんですが、それがこの段階に来て変わってきているということで、今までの小泉改革といいますか、今までの改革の中のひずみの是正の、新たなひずみの是正の段階に入ってきたんだというふうに、私はこうとらえたいと思うんですが、そのような理解で、大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生にそうですと言いますと、私は小泉内閣の閣僚の一人でございますから、うかつにはお答えできない。しかしながら、これからは消費者あるいは投資家等々、善良なる人たちをきちんと守っていくというのがやっぱり一つの法律の使命だと私は思っております。
○平野達男君 私は、例えば生命保険会社のさっき話出ましたけれども、生命保険会社にすればいわゆる三利源というのがありまして、費差、死差、利差というのがあるのはもう皆さん方御承知のとおりです。利差はこういう金利の状況ですからなかなか収益は望めない、むしろ赤字ですね、その部分だけでは。費差についてもそれは限界がある。そうすると、どうしても死差に収益を求めざるを得ないという中で、保険金の支払にかなり慎重になったという背景もやっぱりあるんだろうと思います。
 その過程の中で、結局、消費者がやっぱり犠牲になってきたという背景がありまして、それはそういうことでしっかりと、そういうことがあったんだということはやっぱりしっかりと認識しておく必要があるんじゃないかなという気がしています。
 それから、また別なテーマに移りますけれども、今日は村上ファンドの話が随分出ていました。村上ファンドにつきましては、先ほど日銀総裁も言われましたけれども、当初の意図と最近の結果とはちょっと違っている、それは遺憾だという話がありました。
 私は当初どういう目的があったのかについての詳細は把握しておりませんが、ただ、伝えられるところによりますと、今まで日本の株式会社というのは株主を非常に軽視していたと。その中で、配当する余裕がありながら配当もしないで、会社の内部留保をためていたり、あるいは社用族か何か知りませんが、いろんな会社の経費にお金を使っていたと、そういった実態があって、それを是正したいんだということで、専らそういう、会社の資産の割には株価が低い、あるいは配当が低いというような、何というんでしょうか、そういう株式を集中的に回収して、そして正当な配当を引き出していきたいんだというのが当初の姿勢だったというふうに聞いています。
 しかし、それがだんだんだんだん膨らみまして、四千億円という規模になってきた。恐らく、小さなファンドのときは、機転が利けば二割、三割ぐらいの配当というか運用が出るというのはある程度の可能性は高かったと思うんですが、四千億でそれだけの規模を出すというのは、これは大変なことなんだろうと思います。
 その一方で、村上さんが、村上ファンドがやってきた、やっぱり株主というのは大事だよね、配当を少し出さないと大変なことになるよというメッセージが会社にも何か徐々に浸透していたのかどうか分かりませんが、配当も少し高くなってきたというふうに言われています。そうすると、そのすき間がなくなってきて、結局その四千億の運用をどうするかということで、何となく追い込まれてきたんじゃないかということが何となく想像が付くわけです。その中で、意図的だったかどうか知りませんが、インサイダー取引みたいなものが司直の手によって今解明されようとしているという、こういう状況なんだろうと思います。
 そこで気になるのは、どうしてもこういう事件がありますと、あれは氷山の一角だったのか、あるいはもっとほかにやっていたのかということがどうしてもやっぱり気になってくるわけであります。特に、四千億のファンドがありまして、二割の利回りを出そうと思ったら八百億円の収益を上げなくちゃなりません。これ、三割だったら一千二百億ですよ。どうやってやるんだろうか、どうやってやっているんだろうかということについては多少やじ馬的な感じも含めまして気になるところなんです。
 これは、ファンドの性格というものも含めまして、あるいは監視の在り方も含めまして、ちょっとライブドアだけが今注目されていますけれども、この四千億というものについては少し実態を明らかにしておくことも大事じゃないかなというふうに思いますが、それについての見解をちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(長尾和彦君) 御案内のとおり、私ども監視委員会は、去る六月五日にこの村上世彰らに係るニッポン放送株のインサイダー取引の嫌疑で東京地検の特捜部と合同で関係先に対する強制調査を実施したところでございます。そして、同日、検察当局によって村上嫌疑者は逮捕されているということです。
 今現在は、監視委員会といたしましては、引き続き東京地検特捜部と合同で本嫌疑に係る全容の解明のために、今御指摘もありましたようなことも含めて、同ファンドの運用の実態、こういったものも含めて幅広い観点から実態解明を進めているところでございます。
 恐縮ですが、それ以上につきましてはなお個別の調査中ですので控えさせていただきたいと思います。
○平野達男君 いずれ、私はファンドが悪いというふうなことを言うつもりは毛頭ありません。例えば、このファンドというのも日本では新しい制度だと思いますが、黙っていたら外資がどんどん入ってくる可能性もあります。数年前までは、例えば不良債権の処理については、日本はサービサーがなくて、外資のほとんど独壇、外資がほとんど席巻していたというような時期もございまして、そういったことに対応するためにも、その制度をしっかり構築するとともに、今回の事件で余り投資家が萎縮することがないようなそういう雰囲気づくりも併せて行っていく必要があるんじゃないかということを申し上げまして、ちょっと若干時間が余りましたけれども、通告申し上げていた質問は全部終わりましたので、以上でもって質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 まず初めに、村上ファンド事件を教訓としてどのようなことが考えられるかについて何点か御質問したいと思います。私は、ごく普通の一般投資家、特に今、貯蓄から投資へと叫ばれる中で、自分も投資をやってみようかとせき立てられるような思いを持っているごくごく普通の一般投資家の目でこの問題を考えてみたいと思います。
 個別の事案の事実関係等を聞くものではありませんで、一般論としてお聞きいたします。
 まず初めに、この村上ファンド事件では、インサイダー情報を得たということで事件になっているわけでありますが、しかしこの情報を得て、その後、株を取得して、その後に高く売り抜けると、そういう行動が直接のインサイダー取引とされているわけでありますが、しかし実際には、元々保有していた大量の株を合わせて、言わばインサイダー情報を奇貨として大量の株を売って巨利を得ていると、こういう側面もあるわけであります。
 それが、元々自ら作り出した計画というか策略は、その元々保有している大量の株を売り抜けて利益を得る、そういう意図の下に全部を仕組んでやったとすれば、果たしてこういうことが本当に許されることなのかと、狭い意味での直接のインサイダー取引のみを違法と、こう判断しているだけで本当にいいのかどうかというところ、ここはやはり疑問を感ずる向きは多いと思います。この点についての御認識をまず金融大臣に伺いたいと思います。
○政府参考人(長尾和彦君) 御案内のように、六月五日に強制調査に、東京地検特捜部と合同で監視委員会、入っているわけでございまして、今、引き続き合同でまたその実態解明を進めているということでございます。
 今先生御指摘のありましたように、私ども、村上ファンドのこのニッポン放送株をめぐる取引の中で、特定の部分につきましてインサイダー取引ということで強制調査、その嫌疑で強制調査に入ったわけでございますが、今、様々な、先ほど言いましたように、東京地検特捜部と合同で本嫌疑に係る全容の解明ということで、その買い付け状況であったり、当初の、それから売り付けの状況であったり、あるいはファンド運用の実態というようなことを、幅広い観点から実態解明を進めているところでございます。
 ちょっと、それ以上については個別の現に調査中の事案ですので控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、調査の結果を踏まえて、監視委員会と検察当局といたしましては、法と証拠に基づいて厳正に対処するということでございます。
○山口那津男君 私は事実関係聞いているわけじゃないんですよね。だから、今のお答えは何も答えていないに等しいんでありますが、時間がありませんのでこれ以上はお聞きしませんけれども、今私が聞こうとしたことは、証券取引法の百五十七条の一号の解釈をどうするかということ、あるいは追徴とか没収とか、こういう対象を一体どこまで扱うかということに関する重要な問題提起と思っております。他の機会があれば、この点詳しく議論させていただきたいと思います。
 さて、次に伺いますが、村上ファンド事件がインサイダー取引だとすると、これは、ある識者の言葉をかりれば、日本の市場にインサイダー取引が実態として横行していることを明らかにしてしまったと、こういう表現もあるわけですね。ですからこれは、その投資グループといいますか、投資にかかわる人たちが一定の合意といいますか、暗黙の了解といいますか、そういう意図を持って株取引を行うことによって株価を自由自在に操縦できるという背景があるという指摘につながるだろうと思うんです。
 ですから、私は、こういうインサイダー取引が、村上ファンド事件類似のインサイダー取引がもっともっと潜在をしているんではないかと思われるわけであります。このたび法改正をいたしましたけれども、この法改正で新たに取られた手段も含めて、この監視の目をもっともっと行き届かせる必要があると思うわけでありますが、この点についての見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(中江公人君) 委員御指摘のインサイダー取引を始めといたしまして不公正な取引に対する市場監視についてでございますけれども、これまで課徴金制度の導入に伴います調査権限の付与でございますとか、証券取引等監視委員会の機構・定員の増強などによりましてその市場監視機能・体制の強化を進めてきたところでございます。
 この課徴金制度につきましては、昨年四月に導入をして以来、インサイダー取引につきまして九件の納付命令を発出しているところでございます。
 また、能力、人材面におきましても、弁護士、公認会計士あるいはデリバティブの専門家といった民間の専門家を積極的に登用しているほか、広く証券市場の最新動向の習得など様々な専門研修の実施によりまして、複雑な取引や手口に対する検査、調査能力の向上に努めているところでございます。
 今委員御指摘の、今般成立をしました金融商品取引法関係法によりまして、監視委員会の検査、調査の対象先の拡大など、所掌事務が拡大することも踏まえまして、引き続き必要な体制整備を図るとともに、優秀な人材の確保や職員の専門性の向上に努めてまいりたいと考えております。
○山口那津男君 次に、村上ファンド、当初は経営者に緊張感をもたらすとか、経営に改善努力を促すとか、そういうプラス面も語られたわけでありまして、これは今なお妥当する面も持っていると私は思います。
 しかしながら、これを契機にして、今度は経営者側が様々な防衛策を講じたわけであります。これは、法律や制度は一つの技術でありますから、それを駆使していろいろと対策を取るということはもちろんあっていいわけでありますけれども、しかし、本来その制度が意図したことと同様の使われ方をしているかどうかというところはよく見ていく必要があると思うわけであります。
 そうした様々な防衛策が講じられている中で、例えば上場を廃止しようというようなことを防御策として取ろうという企業まで現れているというところでありますが、これは様々な防御策の中でいささか行き過ぎではないかと、一般投資家の利益を犠牲にしている面もあるのではないかと、そういう懸念すら持つわけでありますが、この点に対する御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 言わば株主が絶対であるという思想の反動として、私はこういう自己防衛策が生まれたんだろうと思います。株主絶対主義も正しくないと私は思っておりますし、本当のマネジメント・バイアウトというのは、そういう企業の社会的存在としていいのかどうかという問題をやっぱりちょっと考えなきゃいけないんだろうと思っております。
 個別の案件について具体的なことは申し上げられないんですけれども、そういう自己防衛に走って萎縮をするということが日本の経済の将来にとって本当にいいことなのかどうなのかという視点も多分必要だろうと思っております。
○山口那津男君 このライブドアに始まる、そして村上ファンドにつながる、こういう一連の事件を通して、これは、貯蓄から投資へという流れというものを一般の市民、一般の投資家から見て、本当にそういう流れが時代の趨勢であって自らも参加していいんだと、参加すべきなんだと、こういうふうにつながるかどうかというのは、私はちょっと懸念を持つわけですね。なかなか怖いところだなと、プロがいいように動かしていると、そこへ一般投資家がまんまとはまっていくというのは真っ平御免だと、こういうことになっては困るんだろうと思うんでありますが、今回の一連の動きというものがそういう貯蓄から投資へというあるべき流れに対して水を差すことになっていやしないだろうかと、こういう心配を持つわけでありますが、この点の御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 貯蓄から投資、これは結構な流れだと思いますけれども、やっぱり大体うまい話には落とし穴があるというふうに一般の国民の方々にしっかり御認識をいただきたいと思っております。
 ここ三十年、四十年の単位を取りましても、うまい出資話で被害に遭われた方はたくさんおられるわけでして、そういう意味では、法制度の中でも守らなければなりませんし、また国民お一人お一人が、そんなに世の中にうまい話というのはあるものではないというそういうお気持ちを是非持っていただきたいと思っております。
○山口那津男君 特に、村上ファンド事件の場合は、企業の言わば経営資源そのものの情報のやり取りではなくて、むしろ投資する側の関係者の間のやり取りをもって生じている事件ということになりますので、この点については、やっぱり情報のギャップのあり過ぎる一般投資家としては非常に怖い側面があるだろうと思います。是非、この点はもっとこの事件の解明を通して検討していただきたいと思います。
 また、今回は質問いたしませんけれども、この投資ファンドに資金を集める方々というのはやっぱり匿名性というのがなお存在するわけでありまして、最終的に課税の関係がどうなるのかとか、あるいは追徴や没収の対象をどこに求めるべきなのかと、だれの不利益で、この追徴、没収したものがだれに還元されるのかと、こういったことも本当はもっと議論すべき課題だろうと思っておりますが、今日のところは取りあえず控えさせていただきたいと思います。
 さて、次にお聞きいたしますが、財務大臣、このほどG8財務大臣会議に御出席をされて、世界同時株安というのが話題になったと伺っております。それに対して大臣も一定のコメントをされているわけでありますが、この同時株安が起こるという現象はやはり世界の中の資金の流れが変化をしているという表れでありますし、これが我が国市場に及んでいく、そしてこれからどうなっていくかということを考えた場合に、ひいては税収にも影響してくる、金利にも影響してくると、こういうことになるわけですね。
 通常、この株式市場の課題は、本来、財務省の、財務大臣のテーマではないという側面もありますけれども、しかし、その会議で話題になった、財務大臣も一定のコメントを出されている、そういう財務大臣の御認識の根拠と、これからの見方、見通しについて財務大臣としてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山口委員から、先週末のサミット財務大臣プロセスで株の問題が議論になったということですが、むしろ、余り議論にならなかったんです。
 G8での議論を申し上げますと、IMFのデ・ラト専務理事が全体的な状況を報告される中で、今の株で起きているのは過熱是正のプロセスではないかというようなことをおっしゃったことは確かに事実でございますけれども、それ以外には余り発言はございませんでした。
 私が申し上げたのは、必ずしも、何か大きな構造変化といいますか、世界経済の中におかしなことが起こって株安が起こっているというよりも、先ほどの御議論の中で福井総裁からも御答弁がございましたけれども、それぞれの国の経済と申しますか、かなり株価が下がっている国の経済を見ましても、なかなかこれは堅実に動いているということがございまして、したがって、この株安は必ずしもどこかの経済がおかしくなってきたことに起因するものではないと考えているということを記者会見で御質問が出ましたので申し上げました。
 これは、ああいう国際会議というのは、正式の場の議論も大事でございますが、何というんでしょうか、コリドートークといいますか、立ち話でどこそこの国の財務大臣とおたくの国の株式市場はどうなっているんだというような非公式のやり取りも大事でございまして、私は、そういうやり取りの中から、先ほど福井総裁がおっしゃったように、かなり株価が落ちている国も経済自体は非常に堅実であって、それぞれの財務大臣も自信を持っておられると、こういう感じを持っているわけでございます。
 それで、もちろん株価というのは大変重要な経済指標でございますから、当然のことながら我々も引き続ききちっと見ていかなければなりませんが、いろんなことで動いてまいりますので、余り私どもの口からこういうことによって株価が上がった下がったと言うことは控えたいと思っているわけでございますが、先ほど福井総裁のお話の中にもありましたように、世界のやはり金融政策というのは、金融が緩和された状態から、たしか福井総裁は慎重にとおっしゃったと思いますが、慎重に流れが変わっていく局面であろうと思います。そういう中で、やはり全体の流れが変わってきていることは、変わってきているというか、どう変わろうかと模索している状況にあることは私も多分そうなんだろうと思っておりますが、そういう目で見ているわけでございます。
○山口那津男君 同じくG8財務大臣会議で主要なテーマになったと言われておりますのは、原油高と不均衡拡大のリスク、これにどう対応するかということでありまして、我が国の財政運営についても注文が付いたというような報道もあるわけでありますが、この会議を通して財務大臣としてどのような御認識をお持ちになり、また今後の政策運営にどう対処をされていかれるおつもりか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回のG8サミットは、ロシアが初めてサミットとして議長国をされるということでございます。それで、御承知のように、ロシアというのは大変なエネルギー供給大国でございますから、そこのロシアが特にエネルギーという問題に関心を持ってこのサミットの議長を仕切られると、そういう意味で非常に意味のあった会合ではないかと思います。
 それで、私ども財務大臣のプロセスでございますから、今回のサミットのテーマはエネルギーの問題それから感染症の問題、教育、開発と関係して教育の問題ということでございますが、我々のプロセスで議論しやすいもの、しにくいものがあるわけでございますが、エネルギー価格の高騰と世界経済の動向というのは一つのテーマでございました。
 この議論は、全体、非常に世界経済、エマージングマーケットなんかも順調に動いておりまして、そういうところのどうしてもエネルギー需要が高まっているということが背景に一つあるんだと思いますが、やっぱりこの問題を解決していきますときには、一つは供給側の問題、いろんな投資が必ずしも十分うまくいっていないところがございまして、その投資環境を改善していくという努力が引き続き必要なんだろうというふうに思います。
 それから、今度は、消費国側の問題としては、これは特に私強調して申し上げたんですが、エネルギー効率の改善等々、相当力を入れる必要があると。特に、日本はこの分野ではオイルショック以来経験を積み重ねてまいりましたし、その日本の技術は同時に環境問題の改善にも大きく資するはずであると。こういう観点から、日本のやってきた努力、特に経済産業省で先日まとめられましたエネルギー国際戦略を踏まえて、日本の今までの取組、それから特に中国との関係等々でODAを使っていろいろやっているようなこと等についても言及をいたしまして、エネルギー効率の改善に一層取り組む必要があると。
 それから、今までずっと議論されてきたことでございますが、必ずしも市場に、何というんでしょうか、情報が透明に伝わってないというところが原油価格の形成にいろいろゆがみを与える原因でございましたから、マーケットの透明化というようなことに今まで議論、随分されてまいりまして、その点も引き続き必要なことだと思っておりまして、生産国、消費国双方で包括的な協調が必要だと、こういう議論になったわけでございます。
 それからもう一つ、世界的不均衡の問題につきましては、これがまた世界経済に対するリスクの一つであるということは前からG7等々でも指摘をされていたところでございまして、その処方せんはG7ないしこのG8のプロセスでは大体大きな答えは出ておりまして、それぞれの各極がそれぞれの構造問題に努力をするということでございまして、アメリカの場合はいわゆる双子の赤字といったようなもの、問題にしっかり取り組んでいく、まあ財政の問題であると。それから、ヨーロッパの場合にはいろいろな構造問題、労働市場の硬直化とかいろんな問題がございますけれども、そのような構造問題にしっかり取り組むことであると。日本の場合は財政再建を含めた構造問題に取り組むことであると。こういうふうに大体今まで議論は整理されてきております。
 こういう議論に整理されてまいりましたその裏には、時々、やはりこういう不均衡の調整には、為替によってこの不均衡を調整すべきであるという議論が時々出てくるわけですが、余りその為替の調整に不均衡是正を頼り過ぎると、為替の調整によるいろいろな効果が出てくるというまでには相当な、何というんでしょうか、混乱が惹起されるおそれがある。やはり王道は、今申し上げたような構造問題、それぞれが持っている問題に地道に取り組むことにあるんで、余り為替の問題ばかり言うとその問題がないがしろにされるというか、そういうおそれがあるというようなのが大体今までの議論の整理されてきたことなのではないかと思っております。
 私どもも、今申し上げたような観点に立って、日本としては構造改革、財政再建を含めた構造改革の努力に引き続き取り組む必要があるんだろうと、こんなふうに考えているところでございます。
○山口那津男君 最後に日銀総裁に伺いますが、株価あるいは消費者物価指数等、最近の動向、これがゼロ金利解除の判断に今後どのように影響していくかと。当初描いておられたシナリオと若干違う動きにもなるのかなと、こういう観測もあるわけでありますが、どのように御認識されるでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 株価を始め金融資本市場、為替市場の動向には引き続き注意を払ってまいりますが、金融政策の今後を判断していく場合に、私たちは日本経済の今後の動き、物価の動きということをやはり基軸として据えながら判断してまいりたいと。
 その点について申し上げれば、先般発表いたしました展望レポートの線に沿って経済、物価が動くかどうか。日本経済は引き続き息の長いバランスの取れた拡大を続けるだろうと、私どもの判断ですが。景気は成熟段階に入っておりますので、二〇〇五年度に示されたような三%を超えると、実質三%を超えるというふうな成長ではなくて、潜在成長能力にモダレートに、成長率自身は下がっていくけれども息が長いと、こういうふうな展望を持っておりますし、物価の方も基調は少しずつ強くなっていくと。しかし、すぐにインフレリスクが差し迫ってくるということではなくて、消費者物価指数で言えばプラス基調で推移していくと。あえて言えばプラスの基調幅が極めて緩やかに増していくかと、そんなようなことを展望いたしておりますが、経済が実際にそういうふうな動きに沿って動くかどうかということを中心に判断したいと。
 そういうことになりますと、金融政策の運営方針については展望レポートで示したとおりの枠組み、つまり無担保コールレートをおおむねゼロ%とする期間、今続いておりますが、これが仮に終わりました後も極めて低い金利水準による緩和的な金融環境が当面維持できる可能性が高いと。そうしたプロセスを経ながら経済・物価情勢の変化に応じて徐々に金利水準の調整を行うことになるというふうな枠組みでございます。
 繰り返し申し上げますけれども、金融環境、特に株価の動き、為替の動き等については経済にどういう影響を及ぼすかということをよく見極めながら判断していかなければならない。
 現在までのところは、世界的な株価の変動ではございますけれども、経済のファンダメンタルズには強い影響を内外ともにまだ及ぼしていないというふうに判断いたしております。
○山口那津男君 終わります。ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、サラ金とやみ金との関係を一つ、もう一つは村上ファンドと福井さんとの関係をお聞きしたいというふうに思います。
 最初に、今、高金利引下げの問題では、小泉総理の発言が大変マスコミでも業界でも話題になっておりまして、三月に私が予算委員会でお聞きしたときは、総理は、わずかなお金借りて多額の借金するような人をなくさなきゃいけないと、そういう高金利をむさぼっている業者にこれ以上被害を受けないように党派を超えて対策を取ってほしいという答弁をされて、これはこれで大変マスコミでもいい面としてとらえられたんですけれども、五月の十八日に行政改革特で、総理が、高金利を引き下げるとやみ金に流れると、金利引下げに慎重な姿勢を示したというようなことが一部マスコミで流れておりまして、貸金業界は何か鬼の首でも取ったようにいい答弁してくれたと喜んでおりますし、業界紙などでも小泉さんの発言を宣伝しているところでございます。
 本当にそんなことを総理が答弁されたのかと思って、私、議事録を見て、ビデオも見ましたけれども、確かに激しい追及がありましたので若干混乱していろんなこと答えられておりますけれども、要するに、そんなことはおっしゃっておりません。
 総理が大蔵委員、つまり八三年ぐらいのときですかね、利息制限法の議論のときにグレーゾーンをなくすとやみがはびこる議論があったということを紹介されていたり、あったのは事実ですから、事実をおっしゃっていたり、あるいは高金利でも借りざるを得ない事態の人がいると、これも現実としては事実ですから、そういう事実をおっしゃっていて、結論からいえば、そういう点も含めて検討して、いい結論を、これは金融庁とか国会でという意味だと思いますけれども、出してほしいと。何もわざわざ高金利引下げをストップ掛けるとか業界団体寄りの発言をされたんではないというのは議事録をよく読めば、ビデオをよく見れば分かるところだというふうに思います。つまり、国会とか金融庁のこれからの懇談会のまとめでいい方向を出してほしいとおっしゃっているだけだと思いますけれども、それをこういうマスコミとか一部業界が慎重な発言してくれたと言うのは、総理も実は迷惑されているんではないかと私は思ったりするんです。
 総理に直接お聞きする機会があれば聞きたいところですけれども、もうほとんど機会はないということですので、そのときに同席されていた与謝野大臣がどういうふうに受け止められたか、総理の発言を。私は業界団体が言うようなものではなかったと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) あのときは私はそばにおりましてよく聞いておりましたが、小泉さんが言っておられたのは、自分が体験したことを披露をされておられたというふうに私は思っておりまして、小泉総理が大蔵委員会等で、現場でこのことを体験したのはもう二十五年ぐらい前の話でございまして、そのときの体験を忠実に言っておられたと思います。
 ただ、グレーゾーンをなくすという大きな流れというのは、金融庁の中の懇談会の大きな流れでもありますし、また与党の中でも、議論されている方はそれが大勢だというふうに認識をしながら作業を進めておられると私は思っております。
 したがいまして、あの発言は過去の歴史的な体験の場面を小泉総理が率直に語られたという場面だと私は認識をしております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 マスコミも含めて正確にしてほしいと思います。
 いずれにせよ、その一部のまだ議員とか、業界寄りの、業界は、高金利を下げるとリスクが高い人に合法的な業者が貸せなくなってやみ金に流れるんじゃないかということを盛んに言っておりますけれども、私はいろんな矛盾があると思います。
 ただ、私がいろいろここで言うよりも、この前、「金融財政事情」という雑誌読んでいましたら、後藤田政務官が非常にすぱっと整然とおっしゃっておりますんで、私が言うよりも後藤田さんに言ってもらった方がいいんじゃないかと思いますので、簡潔にやみ金に流れる論をぶった切っていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(後藤田正純君) やみ金の話につきましては、先ほど大臣のお話で尽きていると思いますけれども、例え話でございますが、日本の高速道路というのは百キロ制限でございますが、実はメーターは百八十キロまでございまして、これも僕は個人的には一つのグレーゾーンだと思います。しかし、百キロを上げてくれと、そうしないと取締りが大変だという議論は出ませんし、また警察当局もしっかりと取り締まっているわけでございますから、やみ金というのはいつの時代も、いつ何どきであれ、しっかりと警察当局が、また行政当局が取り締まるものだと私は思っております。
 同時に、懇談会の中でも、業界の方々から、また現在でもいろいろな御意見がございますけれども、貸せない人、借りれなくなる人はどうするんだということで、その人たちのために金利を高くするんだという意見が、先ほど大門委員おっしゃったように昭和五十八年以来ずっと二十年間続いておりますが、私は不思議に思いますのは、何で貸さない親切、大臣も御答弁されたことがございます、あきらめさせる方々もいらっしゃいますし、同時に、事業者向けには政策金融があるのに、消費者向けにどうして行政当局や立法府は政策金融というものをしっかり考えないのか。また、やみ金対策というものを広報を使って、コマーシャルを使って、また業界にもそういった、そういうコマーシャルを連夜、夜中まで流してくれたらどんなに社会が良くなるかと私は思っております。
 そういう意味では、行政も立法府も、今まで金利を高くすることによってやみ金を防ぐという考え方でありましたが、これからはもう時代も流れております、政策金融ということだとか、又は調達金利だって当時七、八%の公定歩合のときからすると、今日、日銀総裁いらっしゃっていますが、もうゼロ金利でございます。また、ノンバンク社債法又は上場等で調達もしやすくなっております中で金利が下がらないというのは、私は個人的に政治家として疑問に思うという思いを述べた限りでございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 いろんな反論といいますか、彼らの、矛盾あるんですけど、私はもっと業界の在り方をこの際真剣に考えてほしいなと。貸倒れリスク論の悪循環に陥っておられるということですね。高金利で貸せば返済しづらくなって更に貸倒れリスク高まると、そういう悪循環に入っているわけですね。これ思い切って、そんな三割も取ったら、三割近く取ったらそうなりますよね。思い切って下げてみれば、その返済、完済する人が増えるわけですから、貸倒れリスクが低まるわけですね。だから、それで貸していけるようになっていくという、そのリスク論の悪循環が一番の問題だと思いますけれども、いずれにせよ、秋の国会で焦点になってくると思いますので、また与謝野大臣、後藤田政務官と一緒に議論をしていきたいと思います。
 次に、福井総裁、村上ファンドの関係で私も今日質問を準備しておりましたけれども、先ほど大久保さんからありましたし、びっくりするような発言もありましたし、平野さんからもございました。ただ、私はあのまま済ませていいのかなと思いますので、幾つかお聞きをしたいと思います。
 まず、このファンドの問題ですけれども、村上ファンドというのはどうやって急成長したかですね。私は、ファンド、何度もこの委員会で取り上げてきましたけれども、ファンド、プライベートファンド、私募ファンド、これは最初にスタートするときは信用が大事なんですよね。そういうところにお金預けてくれるかという信用が大事なんです。そのときに重要になるのがスポンサーと先ほどありましたアドバイザリーボードでございます。
 今回の村上ファンドのスポンサーはオリックスと、そしてアドバイザリーボードに福井さんと西川さんも含めて参加されていたということでございまして、このアドバイザリーボードは、ただ何かアドバイスしてあげるじゃなくてお金を集める人たちに対しては広告塔、信用付けとして使われていると、福井さんの名前もそういうふうに使われていたということもよく御認識をいただきたいと。私この委員会で取り上げたカーライルなんかはすごいアドバイザリーボード持っていまして、各国の前総理大臣、首相をそろえると。それで世界からお金を集めて世界展開していたのがあのカーライルでございますから、アドバイザリーボードというのはそんな軽い話ではないと。個人的なアドバイスではないというのをまず申し上げた上でですけれども。
 私、我が党は独自で今調べておりますが、富士通総研の理事長、単に富士通総研の理事長だったから福井さんにアドバイザリーボードに参加してほしいと、村上さんほどのいろいろ見通しの利く人がそんなことだったのかとは到底信じられない。
 福井さんは元々副総裁をやっておられまして、接待汚職で責任を取っていったんお辞めになったわけですけれども、そのときに、もう日銀のみんな聞いて、だれに聞いたって周り知っていますが、いずれ福井さんが総裁に戻るだろうと、一時的に富士通総研の理事長に、まあ避難といいますか、出られたと、これはもうみんな知っていたわけですね。そういう人に対して村上さんが近づいて、アドバイザリーボードに、ボードに入ってくれないかと、アドバイスくれないかと言ったのは、前副総裁ということもありますから、日本の金融政策について非常に確度の高い情報をお持ちな方だということで私は近づいたんではないかと、アドバイスが欲しいと言ったんではないかというふうに思わざるを得ないわけでございます。
 そうでなければ、そんな、言っちゃなんですけど、一つのシンクタンクの理事長にアドバイザリーボード入ってくれって言ったって、だれも知りませんよ、海外のマネーは、富士通総研なんか、というふうに思います。
 そこで、そういう前提の下にいろいろお聞きしたいんですけれども、先ほど出資は一千万円されたと、今幾らになっているか分からないと、しかし大した金額ではないというふうにおっしゃいました。大した金額でなければ、今幾らになっているか、その数字教えてもらえませんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 決算は、あれはたしか年末と六月が決算期になっているんです。だから、決算が終わって、何と申しますか、自分の持分の資産というのは幾らかというのはそういう時期でなければ分かりません。
 私は、もう一つ申し上げますと、実はもう数か月前に解約の申入れをしています。申入れをしましてもこういうものはすぐに解約になりませんで、十二月、六月という決算期が来て、そこで清算をすると、こういうことになっていますので、今でいえば、今月末、六月末にきちんとそれは、私の解約申入れは受理されていますので清算されると。そこで最終的な、ネットロスかもしれませんがネット益かもしれないと。何といいますか、途中の株を売ったり買ったりする操作は全部一任勘定ですから、我々のような者には全然分からないんです。ですから、決算が終わってみないと分からないと、こういうふうなことだと思います。
 元本は全然その後追加しておりませんので、それがどれぐらい増えているかっていうのはよく分かりません。元本そのものは、私にとっては初めから資金繰り負担の伴うものだと、村上さんにとっては少額かもしれない、私にとってはやっぱり大変資金繰り負担の伴うものだと思ってございます。
○大門実紀史君 しかし、九九年にお預けになったということは、その間に幾らになったか全然分からないということはないですね。少なくとも去年の末ですか、去年の末幾らになっていたか教えていただけますか。
○参考人(福井俊彦君) 大変申し訳ありませんが、そういう残高という把握の概念でなくて、期中にその全体のファンドがどういうふうに株式の売買が行われ、したがって、何といいますか、売買益と申しますか、ファンド全体として売買益は幾ら出ましたという、このフローの益の報告があるんでございます。それはそのまま再運用されているということですけれども、税金はそのフローの帳簿上の益に対して毎期支払うと、こういう形になっています。
 したがって、残高が幾らか、大変申し訳ありません、きちんと把握しておりません。
○大門実紀史君 じゃ、聞き方が悪かったようです。確定申告で、そのフローの利益分は確定申告されているわけですね。じゃ、去年の申告、幾らだったか教えてもらえますか。
○参考人(福井俊彦君) 税金の内容を申し上げていいのかどうか、ちょっと分かりません。それはきちんと私、一千万円ですから少額でございますが、その単位当たりの経費を、つまり、ファンドが運用報酬とかいろんな形の経費を取りますけれども、それを差っ引いた額について税金を納めております。
○大門実紀史君 私は、個人の所得を根掘り葉掘りという意味ではなくって、申し上げたように、もう少し申し上げますね。
 福井総裁は、総裁になられてから量的緩和政策を更に追加で進められました。お金じゃぶじゃぶにしたわけですね。村上ファンドの戦略というのは、御存じのとおり、よく御存じだと思いますが、お金がじゃぶじゃぶの状態の中でマネーを動かすと。そして、いずれインフレを想定して、ですから会社に対して注文を付けるのは、現金で持つよりも不動産だとか株券に換えなさいと、そういう資産に換えなさいと。つまり、そういう日銀の金融政策を非常に、そのトレンドとあるいは変化をにらんで村上ファンドというのは急成長して、これからも戦略を展開しようとしていたわけですね。福井総裁はその金融政策の日本の責任者でございます。
 非常に、その村上ファンドがどうもうけるかと、日銀との政策と密接に、彼にとっては密接になっていたわけですね。その責任者が、九九年一千万、今幾らになっているか分からないということですが、後で教えてもらえればいいと思いますが、そういう関係にあることというのは私は前代未聞の事態ではないかと。今までの日銀総裁で、そんな関係、特定のところと持たれたことがあるのかどうかというふうに思います。ですから、お聞きしているわけですね。ですから、お聞きしているわけです。
 数字は一切言われませんけれども、そうしたら、運用利益は、運用利息は、まあ九九年から変わったかも分かりませんが、覚えていらっしゃるので何%でございましたか、最初一千万預けるときから含めて。
○参考人(福井俊彦君) 利息という概念はありませんで、要するに、ファンドが株を売ったり買ったりした売買のネット益が幾らかというのが毎期フローで決まってくる、持分に応じてそのフローの利益のシェアが決まると、こういうふうなことです。だから、非常に変動するものでございます。固定的な利息運用ということではないわけです。
 分かりにくいと思いますけど、私自身もそんなによく分かっているわけじゃありませんので、その点はそういうものでございます。
 いずれにしても、九九年から始めたということですが、六月末に最終決算が来れば、その通期、つまり始めてから最後までのネットの清算が行われるわけです。そこで最終的な損益が確定するわけで、最終的な税金も決まると。既に、帳簿上の利益に従って納めた税金との差額を最後はお納めすると、こういうふうな形になろうと思います。
 したがって、どういう利益が残るか今の段階じゃ全く分かりませんが、もし利益が残っても、私は初めからこれは利殖のためにやっているわけではないと申し上げました。当初の村上氏の志を富士通総研の有志数人で激励するために出した金だということですので、もし利益が出ても私はそれを自分のために使うという気持ちは全くありませんで、どれだけの利益が出るか分かりませんが、もし残れば、それはどなたがごらんになっても納得いただけるような使途に振り向けたいと、これはもう初めからそう思っていることでございます。
○大門実紀史君 そんなことは関係ないんですよ。後からどこに、だれが、文句言われないように使うって言ったって、そういう問題じゃないんですよね。
 金融政策の担当者が、村上ファンドのあの巨大に膨れ上がったファンドが、金融政策と密接ににらみながらやってきたわけですね。その最高責任者のあなたがそのファンドに出資をして、幾らか今分からないけれども運用利益を得ていたと、これはもう大変な事実だというふうに思います。
 数字は分からない、分からないということですが、九九年からもう七年ですか、一度も今現在こうなっているという報告がないわけございません。私はファンドやったことありませんけれども、ファンドのことを調べていると、途中で今年のリターンはこれですと、今現在こうなっていますと必ず報告がございます。
 これは後で結構ですけれども、委員会に、この委員会に、少なくとも、今度のは分かりませんね、今までの運用利益、確定申告された運用による福井さんの利益ですね、所得ですね、そういうものをきちっとこの委員会に報告してほしいと思いますが、いかがですか。
○参考人(福井俊彦君) 委員会として御要請があればもちろん、別にそんなに私は秘密を守る利益がありません。
○大門実紀史君 今、総裁からそういう御答弁ありましたので、是非、理事会で要請をしてもらいたい。御検討お願いしたいと思います。
○委員長(池口修次君) 後ほど理事会で協議します。
○大門実紀史君 はい、よろしくお願いします。
 私は、この問題を、もう一つは、数か月前に解約を申し出られたということですけれども、なぜもっと早く、本来、就任されるときに、日銀総裁に就任されるときに、こういう特定のファンドとか、ああいう金融関係の会社とか企業とかとの関係を絶たれるべきですね、通常ですと。当たり前の、こんなことはどこかに求められなくても当たり前のモラル、節度ですけれども、ずっと続けてこられて、で、村上ファンドが実はもう逮捕されるうわさは、逮捕とか捜査が入っているというのは数か月前にございました、数か月前からございました。そのときになって解約ということはどうも違うんではないかと、解約を申し出たというのはどうも違うんではないかと私は思います。そういう基本的な総裁としての節度、モラル、こういうものについて、いかが思われますか。
○参考人(福井俊彦君) 総裁に就任しますときにそのアドバイザリーは辞めたと、アドバイザーは辞めたということでございます。
 このファンドへの拠出についても当然やめるというのは一つの考え方だったというふうに思います。ただ、申し上げましたとおり、富士通総研の有志数人で一緒に、当初の村上氏の志をサポートするという趣旨で出したものであり、私だけがあの時点で抜け出すというふうなことが適当かどうかということは、やはり仲間内意識と、それは富士通総研の有志のですね、というふうなこともありまして、かつまた、このファンドは一切投資家の指図によって動くものではないと、完全な一任勘定でございます。そういうこともありまして、ほかの投資信託等と同じように、これはそのまま置いたと、基本的に利殖の対象としてこれは我々は操作可能なものではないという認識のもので置いてきたわけでございます。
 村上氏自身の投資行動がどうかということについては、先ほども具体的なコメントは差し控えさせていただきましたけれども、私自身、村上氏の当初の志あるいは心意気というものを知っている立場からすれば、その後の投資行動というのは一々チェックできない、すべきでない立場にありますから分かりませんけれども、やはり何がしか私は村上氏の当初の志と本当に沿っているかどうかということについては、心の中の判断として不確かさというものが増してきたという心情があったというふうに思います。
 それから、強いて言えば、大変これはプライベートで恥ずかしいことで、国会で申し上げていいかどうか分かりませんけれども、村上ファンドがコーポレートガバナンスという形で阪神タイガースに手を出してきた。これは、きっすいの阪神タイガースファンとしてはこれは心のふるさとのようなもので、コーポレートガバナンスの手をそこまで差し伸ばしてくるということには非常に……
○委員長(池口修次君) 簡潔に答弁してください。
○参考人(福井俊彦君) 強い違和感を感じたというふうなことがあったというふうに思っています。
○大門実紀史君 まだまだ自覚が、どうして日本の金融政策のトップの方がこの問題でそんな自覚がないのかと驚くんですけれども、インサイダー取引で得た利益、これ投資家に還元されますよね。福井さんの今度の決算の中にその不正利益が入ってくる可能性はあるわけですよね。あるわけですよ、インサイダー取引でもうけた分は、出資者に、村上ファンドよりも出資した人の方がもうかるわけですから。そういうお金なんですよね。そういうことになりかねないお金だったわけですし、なっているわけですよね。
 ですから、もっと、ちょっと日銀総裁としては前代未聞じゃないかと私思いますので、引き続きこの問題、追及といいますか、明らかにしていきたいということを申し上げて、時間が来ましたので今日は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○糸数慶子君 無所属の糸数です。
 金融経済教育についてお伺いいたします。
 昨年の十二月に出されました金融審議会金融分科会第一部会の報告の中で、「投資サービス法に向けて」におきまして、金融経済教育に関して、その充実が時代の急務であり、官民挙げてその推進に本格的に取り組むことが必要である旨、述べられています。この報告の中で、金融経済教育について法律上の規定を設けることに関して、金融経済教育の推進について、国又は金融庁の責務について規定を設けるべきとの意見も出されておりますが、こうした観点から御質問させていただきます。
 まず、金融経済教育につきましては、規定の有無にかかわらず、政府も責任を持って普及啓発活動の一翼を担うべきものであると考えます。この点、金融庁は、二〇〇二年十一月に文部科学省に対して、学校教育での金融教育の推進を求める要請文を出していますが、これに対して教育現場ではどのような取組がなされているのか、文部科学省にお伺いするとともに、金融庁としてはどのような取組がなされているか、どのような取組を期待されているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 金融庁は、平成十四年十一月に、文部科学省に対し、学校教育の中で総合的な学習の時間や各教科等の時間を通じて金融、証券、保険に関する教育の一層の推進、充実が図られるよう理解、協力を要請いたしました。当庁の要請に対し、文部科学省において、中学生、高校生向け副教材の作成、各都道府県への周知等に御協力をいただいたほか、金融広報中央委員会の活動に積極的に参画していただくなど、金融経済教育の推進に御協力をいただいたところでございます。
 そうした効果もあり、近年、金融広報中央委員会が指定する金融教育研究校の数や、東京証券取引所、日本証券業協会等の株式学習教材を使用する学校の数が増加しているなど、学校における金融経済教育の機運が盛り上がってきているところでございます。
 金融経済教育を学校教育段階から行うことにより、子供たちが金銭管理を通じた自己管理、意思決定能力、経済社会の仕組みの理解を通じて社会でたくましく行動できる能力、将来の進路や職業についての考える能力、これらを身に付けることができるといった意義があると考えており、今後とも文部科学省と連携しつつ、学校における金融経済教育の一層の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 今、金融大臣からおっしゃったとおり、社会の変化を踏まえまして、学校教育におきまして生徒が金融に関する基本的な知識をしっかり身に付けることは重要と考えてございます。このため、学習指導要領、教育課程の基準になりますが、学習指導要領におきましては、中学校の社会科や高等学校の公民科の中で金融の働き、金融機関の役割について理解させることとしております。
 先ほどお尋ねにございました、平成十四年十一月に金融庁から学校における金融教育の一層の推進、充実についての協力要請を受けたところでございます。これを受けまして、まず連携体制に関しましては、平成十七年度には金融を含む経済教育などに関し、金融庁、文部科学省を含めまして関係省庁から成る連絡会議を設置するなど、経済教育等の推進について体系的な取組を行ってきたところでございます。
 また、具体的に、このような連携体制の下、文部科学省におきましては、指導主事あるいは指導的な立場にある教員を集めました、例えば社会科の指導内容を協議する場におきまして金融に関する指導事例も含めて研究協議を行っております。また、平成十五年十月に金融庁で作成されました生徒向け教材、「インターネットで学ぼう わたしたちの生活と金融の働き」につきましては、その教材の開発、また学校への普及につきまして協力を行いました。平成十七年三月に金融広報中央委員会が作成されました「学校における実践事例集」、「金融教育ガイドブック」の作成、あるいはまた学校への普及に当たりましても協力を行ってきたところでございます。そして、金融教育につきましての教員の研修会への文部科学省からの講師の派遣など積極的に取り組んできたところでございます。
 今後とも、金融庁を始め関係省庁、関係機関との連携協力を図りながら金融に関する教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 次に、金融経済教育、これは若年者のみならず一般の成人を対象にすることも大変重要であると考えます。多重債務者問題への対処という場面においても、教育の必要を掲げる議論が現在ございます。金融庁の貸金業制度等に関する懇談会でもなされているようですが、このような観点での教育についての現状の認識と、今後具体的にどのような場でどのような取組が必要であると考えていらっしゃるのか、金融庁の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 貸金業制度等に関する懇談会の座長としての中間整理においては、多重債務に陥る原因として、利息の負担を十分に理解しないまま、無思慮に借入れを行うといった消費者の行動があると指摘されており、債務管理を含めた金融経済教育が大変重要であると認識をしております。
 金融庁では、こうした問題意識から、これまでも中学生、高校生向け副教材や高校卒業生向けパンフレットに多重債務に関する問題を取り上げているほか、金融庁ホームページに「借りすぎ・多重債務にご注意」を掲載するなど、債務管理に関する金融知識の普及に努めてまいりました。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 今現実に発生しております多重債務の問題など、やはり子供たちのその教育という観点から普及をして、現在の悪化している多重債務の状況を少しでも変えていく、そういう意味では文科省と一緒になって是非今後とも進めていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、米軍の事件、事故についてでありますが、警察庁にお伺いいたします。
 先々週の週末に、沖縄県内におきまして米軍関係の事件、事故が多発いたしました。報道によりますと、六月四日だけでも交通事故が一件と道交法違反、酒気帯び運転一件、それから器物損壊事件が一件の計三件発生しています。四日の交通事故は、その後被害者が亡くなっています。器物損壊事件は、米海兵隊の上等兵が車の窓ガラスをブロックで割るという粗暴な事件であります。さらに、五日の夜には、沖縄市内の靴販売店から靴を盗んだ米兵と米人少年三人が逃げる際に交通事故を起こしまして、その事故に六台の車が巻き込まれ二人が軽傷を負っている、こういう事故です。運転しておりました米兵は無免許運転だということでした。このように、沖縄県内で米兵が引き起こす事件や事故は絶えませんが、二〇〇三年のイラク戦争が起こって以来、特に多発しているように思います。
 そこで、二〇〇三年から現在までの沖縄県における事件、事故の推移について警察庁にお伺いいたします。
 無免許運転やスピード違反、飲酒運転などの道交法違反の件数と、殺人や強盗、婦女暴行といった凶悪事件の件数の推移をお示しいただけませんでしょうか。そして、その中で、特に沖縄県における事件、事故、全体の比率の中で明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(縄田修君) お答え申し上げます。
 平成十三年以降の沖縄県におけます米軍人軍属による無免許、スピード違反、それから飲酒運転の検挙件数につきまして、平成十三年が四百二件でございます。十四年が五百十四件、十五年が六百三十七件、十六年が六百十六件、昨年十七年が五百五十八件でございます。
 また、凶悪事件、これは殺人、強盗、強姦、放火の罪に当たるものでございますけれども、この検挙件数は、平成十三年に三件、十四年が一件、十五年が五件、十六年がございませんで、十七年が一件でございます。
 占める割合でございます。これは刑法犯全体について見ますと、平成十三年以降、検挙件数、大体四〇%から六〇%が沖縄県ということでございまして、十七年中の割合につきましては五〇・五%でございます。
 それからまた、米軍人軍属による道路交通法違反の検挙状況でございますけれども、沖縄県が全国に占める割合、これは平成十三年以降、おおむね四〇%から五〇%台で推移をいたしております。昨年は五四・〇%でございます。
 それから、米軍人軍属によるいわゆる交通事故の第一当事者となる者の割合でございますけれども、これも大体二〇%から四〇%台で推移しておりますが、昨年は四三・一%でございました。
 以上でございます。
○糸数慶子君 今お伺いして更に改めて驚くわけですが、沖縄で発生しております事件、事故、日本全国の中のそれこそ四〇%ないし五〇%で推移しているというこの状況でございますけど、先々週の週末に起きた在沖米軍の事件や事故について、外務省として米軍側に対して綱紀粛正など申入れをされたのかどうか、お伺いいたします。
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。
 今御指摘がございます先々週、四日、五日にございました事件、これにつきましては、外務省から、東京での外務本省、それから私どもの事務所が沖縄にございますのでその双方から在京米大使館、それから在日米軍に対しまして、事件発生について極めて遺憾であるということと併せて、綱紀粛正それから再発の防止の徹底ということを申し入れているところでございます。
○糸数慶子君 これまで事件や事故が発生するたびに国の方は、遺憾である、あるいはまた米軍に対して綱紀粛正、改めて米兵の教育ということを持ち出して、絶えず謝罪をされたり、あるいはいろいろ申入れはされるんですけれども、しかしその結果、本当に綱紀粛正ということで行動された後、事件、事故が減ったかというと相も変わらずこういう状況で発生をしております。
 ですから、そういうことに関しても今形骸化しているような状況で、ある意味、実効性のある綱紀粛正といいますか、本当に教育の効果が出るような状況で対応していただくことを強く要請をし、予防面ということにおきましても、米軍側と日常的に情報を交換して、是非とも事件、事故の発生を防ぐことをお願いしたいと思います。
 次に、在日米軍の家族住宅についてお伺いいたします。
 去る五月二十三日の当委員会におきまして、沖縄の米海兵隊のグアム移転に関連し、家族住宅の建設計画等についてお尋ねいたしました。その際に御答弁いただきましたのは米海兵隊の移設に限っての回答でありましたが、それも、日本政府側が整備している家族住宅についてお答えをいただきました。
 しかし、沖縄には米海兵隊のほかに、米空軍、海軍、陸軍の四軍の施設及び区域がありますが、そこで、この沖縄の四軍の施設及び区域における家族住宅の戸数についてお伺いしたいと思います。米軍の家族住宅の戸数、各軍、各施設ごとにお伺いをいたします。
○政府参考人(渡部厚君) お答えいたします。
 沖縄県内に所在いたします提供施設・区域におきまして、平成十八年三月三十一日現在でございますが、提供済み及び建設中のものなど提供予定の家族住宅の戸数は、全体で五千九百八十九戸、そのうち提供済みが五千五百五十一戸、提供予定が四百三十八戸ということになっております。
 そこで、各軍及び各施設・区域ごとの内訳でございますけれども、まず海軍関係、キャンプ・シールズに三百五十三戸、これはいずれも提供済みであります。
 続きまして海兵隊関係でございますが、提供済みが二千九百四十戸、提供予定が二百六十戸、合計三千二百戸となっております。
 施設・区域ごとに申し上げますと、キャンプ・コートニー、すべて提供済みで四百三十八戸。キャンプ・マクトリアス、これもすべて提供済みで四百五十戸。キャンプ桑江、これもすべて提供済みで二百二十一戸。キャンプ瑞慶覧、提供済みが八百五十戸、提供予定が二百六十戸で、合計千百十戸。それから、牧港補給地区、すべて提供済みで九百八十一戸となっております。
 続きまして空軍関係でございますが、提供済みが二千二百五十八戸、提供予定が百七十八戸で、合計二千四百三十六戸となっております。
 施設・区域ごとにつきましては、嘉手納弾薬庫地区、すべて提供済みで二百二十六戸。それから嘉手納飛行場、提供済みが二千三十二戸、提供予定が百七十八戸、合計二千二百十戸となっております。
○糸数慶子君 今、嘉手納基地の戸数で、二千三十二戸で提供済みということで、新たに百七十八戸ということも御答弁いただきましたけれども、今のこの在沖米軍の家族住宅に関して、その所要戸数を明らかにしていただきたいと思います。
 要するに、在沖米軍は、陸海空軍、それから海兵隊の四軍においてどれだけの住宅が必要だとしているのかということです。在沖米軍の家族住宅に関し、その需要がどれだけで、その需要に対して現在どれだけを供給し、家族住宅が足りているのか足りてないのかということでお伺いいたします。
○政府参考人(長岡憲宗君) 報道等で御承知かと思いますが、昭和六十年ぐらいから民間の米軍用の貸し住宅が余っているのでということがございまして、私どもも米軍に対しましてできる限り民間の貸し住宅を使用するように申入れをしたりしているところでございまして、そういうことから、私どもも平成二年度以降新たな家族住宅の整備は控えておるところでございます。その平成二年以降、米軍の方からも新たな家族住宅の整備要望というのはございませんので、今の老朽化したものの建て替え等だけを行っているということでございます。
 したがいまして、現在在沖米軍がどれぐらい不足しているかということについては、米軍からは特に聴取はいたしておりません。
○糸数慶子君 今のお答えにもございましたけれども、在沖米軍の家族住宅について、沖縄では米軍に住宅を貸して生計を立てている方々がいらっしゃるわけですが、その方々の組織として全沖縄貸住宅協会というのがあるわけです。在沖米軍の動向には非常に敏感でありまして、米海兵隊のグアムへの移転についても、移転するというのに日本政府が家族住宅を造り続ける、そのことに対して疑問を感じています。地元紙での報道によりますと、現在約一千戸の空き家の上に、米軍再編で海兵隊の家族が移転すると遊休化するという不安を募らせているわけで、基地内の住宅建設を中止して民間の住宅を活用してほしいとその方々はおっしゃっていらっしゃいます。
 そこでお伺いいたしますが、在沖米軍の家族住宅の建設についてはやはり直ちに見直していただきたいというふうに思います。海兵隊のグアムへの移転を考えますと、現在の家族住宅の建設計画では明らかに供給の過剰になるわけでして、民間の貸し住宅の現状にも配慮して基地内の家族住宅の建設は直ちに中止すべきだと思いますが、この建設見直しについての御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(渡部厚君) お答えいたします。
 先ほど御答弁申し上げましたように、現在建設を進めておりますのはキャンプ瑞慶覧におきます統合住宅と嘉手納飛行場におきます提供施設整備としての住宅の改築でございます。キャンプ瑞慶覧に統合いたします家族住宅につきましては、全体計画といたしまして千八百戸余りを予定しておりますが、これまで完成済みのものが四百六十六戸、建設中のものが百六十戸、また準備中のものが百戸ということで、これら七百二十六戸を除きますと、今後の計画といたしましては約千七十戸を見込んでおります。
 他方、御指摘のとおり、再編絡みの関係があるわけでございまして、五月一日の2プラス2で承認されました日米のロードマップにおきましては、土地の返還に関しまして、キャンプ瑞慶覧については部分返還及び残りの施設とインフラの可能な限りの統合ということが記述されているわけでありますし、また統合のための詳細な計画を来年、平成十九年の三月までに作成することとされております。
 また、SACOによります移設・返還計画につきましては再評価が必要となる可能性があるということでございまして、このため、具体的な返還範囲を始め、住宅の所要戸数、残りの施設とインフラの統合などにつきましては、在沖米海兵隊及びその家族のグアムへの移転の具体的な内容あるいは同施設・区域内の各施設の性格、さらにはSACO最終報告の経緯などを考慮いたしまして、日米双方で協議を行った上で決定されていくこととなります。
 また、嘉手納飛行場におきます家族住宅の改築に係る平成十九年度以降の計画につきましても、今後の在日米軍再編に伴う具体的な日米間の協議の結果を踏まえまして、その影響について検討いたしまして、必要があれば米側と調整してまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 今御答弁いただきましたが、やはり日本政府が建設するもの、これに関しましては、あくまでも私たち、国の税金が思いやり予算という形で投入されていくわけでして、グアム移転の問題も含めて考えていきますと、やはり基地内の新たな住宅の建設に関しては直ちに中止すべきだということを要望いたしまして、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(池口修次君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、家西悟君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(池口修次君) 先ほど指名を一任されました欠員中の理事一名につきましては、櫻井充君を指名いたします。
    ─────────────
○委員長(池口修次君) 財政及び金融等に関する調査のうち、中央青山監査法人に関する件を議題といたします。
 本日は、参考人として中央青山監査法人理事長片山英木君に御出席をいただいております。
 片山参考人におかれましては、本日は御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。
 まず、私から片山参考人にお伺いいたします。
 去る五月十日、金融庁の中央青山監査法人に対する行政処分が出されましたが、これは、同監査法人の行ったカネボウの平成十一年三月期から十五年三月期の五期にわたる財務諸表の監査において故意による虚偽証明の事実が認められることから、公認会計士法に基づいて行われたものと承知しております。このことは、中央青山監査法人のみならず、公認会計士の行う会計監査全体に対する信頼を大きく揺るがしかねない事態であり、誠に残念なことと思います。
 そこでお伺いいたしますが、参考人は、このような虚偽の証明が行われたことについてどのような問題があって発生したものと考えておられるのか、また、今後、信頼回復、再発防止に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。あわせて、中央青山監査法人の顧客である企業に対して、二か月の業務停止期間中も含め、どのような対応をしていかれるのか、お伺いいたします。
○参考人(片山英木君) 初めに一言申し上げさせていただきます。
 このたびは、弊法人が業務停止処分を受けましたことによりまして、多くの関係者の皆様に御迷惑をお掛けし、また監査自体に対する信頼を損なう事態を招いてしまったことに深くおわび申し上げます。
 弊法人といたしましては、この処分を重く受け止め、クライアントの信頼、また監査への信頼を回復図るべく誠心誠意努力してまいる所存でございます。社員、職員、一丸となって監査業務を始めとする諸業務を真摯に遂行してまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、御質問の件でございますが、このような問題が発生した原因につきましては二つの点があるかと思います。
 まず、第一点でございますが、外部環境の変化に対する弊法人執行部及び社員の認識の後れが社員改革、こういったことについて十分に行えなかったということに一つ起因していると思います。これにつきましては、私どもの法人がどんどん大規模化する中で幾つかのいろいろな変化がございました。
 一つは、私どもが長年継続してまいりました運営単位の解消であるとか、あるいは世代交代、あるいは新たな会計基準や監査手法の導入、規制環境の変化、こういったことについて弊法人が取り組む内部あるいは外部双方の環境変化に対して十分な法人の仕組みづくりが立ち後れたと、この点が第一点であると思います。
 それからもう一つの点は、業務運営体制、これが私どもの監査法人というのは社員相互の信頼関係を前提にしてつくられております。こういった中で、私どもの法人は特に個人の資質あるいは能力というものにかなり依存して監査業務の遂行あるいは組織運営を行ってきました。今回のカネボウ事件で起訴されました元社員について、こういった故意に粉飾に加担するような社員が存在するというような、こういう可能性を前提にした組織づくりになっておりませんでした。こういった点が二つ目の大きな要因であるかと思います。
 以上二点がこういった原因だというふうに考えております。
 それから第二点の今後の再発防止に向けての対策でございますが、五月の三十日に新しい執行部が発足いたしました。そこで、まず私どもが今取り組んでおります事柄について申し上げますと、昨年の十月ごろから、上場会社約八百五十社余りを対象にして業務の一斉点検を行ってまいりました。これは、カネボウのような事柄が既存業務の中に含まれていないかどうかということを点検するということで今点検を続けております。こういった中で、五月三十日に新執行部が発足をいたしまして、私どもの新たな執行部の目でこの業務についてもう一度再確認をして、将来に不安を残さないような形にまず業務の点検を行いたいということがまず第一点でございます。
 それから対応策の第二点といたしましては、こういった問題が今後生じないような仕組みづくり、これを早急につくり上げなければいけない。特に内部牽制機能が有効に働くような仕組みづくりと組織運営を図らなければいけない。こういった観点から幾つもの施策を今後講じてまいります。既に終えている施策もございます。
 幾つか例を申し上げますと、新しい審査制度の導入、またリスク管理体制の強化、それからモニタリング等を強化するための内部監査体制の強化、それから業務執行社員の選任方法の改善、あるいは本部機構の強化、社員の業績評価の改善。これは従前はやはり営業をかなり重視しておりましたが、これを監査のリスク管理及び品質管理の方に重点を置いて評価をしていくということでございます。それから、社員に対する研修の強化、あるいは監査部の産業別の再編、こういったことを改革の事項として今施策に取り組んでおります。
 それから第三点目の業務停止期間中についての事柄でございますが、今回業務停止処分を受けまして、この二か月の間にやっていい業務とやっていけない業務というのがございます。やっていけない業務についてはもちろん業務はやることはできませんが、やっていい業務の中につきましても、明白な業務、やっていいということがはっきり明白であるという業務についてはよろしいんですが、やはりいろいろ実務の対応している中では不明な点もございます。そういった点につきましては、金融庁と綿密に連絡を取りながら、確認をしながら、業務の違反がないように進めていきたいと、こんなふうに考えております。
 以上でございます。
○委員長(池口修次君) 私からの質問は以上でございます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○鶴保庸介君 自由民主党から私が代表して質問をさせていただきたいと思います。
 大変たくさんの時間をいただいておりますので、早速質問に移らせていただきますが、先ほど、停止期間中やっていい業務、やっていけない業務、最後にちょっとおっしゃられておられました。
 停止期間中、まず冒頭一番気になるのは、その業務停止を受けた会社との関係であります。当然、法人たる以上、継続して契約を取っていきたいという気持ちは分かるんでありますが、その辺り、その営業をなさっておられますか、今でも。
○参考人(片山英木君) 営業は行っておりません。
○鶴保庸介君 それは、いわゆる営業というのは、営業という形でなくて、その継続的な関係をずっと続けていただきたいということで定期的に訪問をしたりとか、こちらからこういうことで改善をしますからこれからもよろしくということも営業の一つだと考えるならばそれも営業ではないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
○参考人(片山英木君) こういった事態を生じまして、クライアントに対して非常に御迷惑をお掛けしております。
 私ども監査人として選任されるかどうかはこれはあくまでクライアントが御判断することで、クライアントの意向によるものです。監査そのものについて、元々、お願いしますという言い方をするのは、これは懇請ということになりまして、公認会計士法上も私どもはやっていけないことになっております。したがいまして、そういうことは一切行っておりません。
○鶴保庸介君 それは会社として、じゃその担当の、今まで担当をしておった従業員といいますか会計士の先生方に、業務停止になった後はその会社を訪れるなというような意味の訓示を出しておられるということと理解していいですか。
○参考人(片山英木君) ではございません。現在、まだこの三月決算の監査が途中でございます。したがいまして、監査でお伺いしているということ、これは実務対応として必要でございます。
 それ以外に、今回の件につきまして、引き続き私どもを御選任いただくというクライアントもございます。そういったクライアントから、どういった形での選任の方法があるのか、あるいは、現在私どもが進めております改革の状況についてどんな状況であるのか、そういったことの問い合わせがたくさんございます。これについて私どもは対応しております。それだけでございます。
○鶴保庸介君 よく分かりました。公正な態度で、第三者的な態度でけじめを付けたいという思いだろうと思います。
 ただ、現実には、聞こえてくる話はそうではなくて、各企業さんの方からやはり営業に近い、営業とは言いませんけれどもね、大きな会社ですから、それがすべて業務の端々まで分かっておられるというわけではない、執行部が分かっておられるというわけではないと思います。各企業の方からやはりよろしく頼むというような声があるように聞こえてきておりますので、その辺り、是非襟を正していただきたい。監査法人のローテーション制度でありますとか、新しい動きをこれからどんどん取り入れていかなければいけないという指摘もある時代でありますから、その辺りのところも是非御理解をいただきたいと思いますし、契約上の温情を受けた場合にまた厳しい意見を言えるかというような話は当然のことでありますので、襟を正していただきたいと思います。
 それで、それでは監査そのものの体制についてでありますが、先ほどの御答弁の中に、新しい審査方法でありますとか、内部審査の強化あるいは執行社員の選任のやり方の見直し、そしてまた業績評価等々の話がございました。
 そのうちの特に新しい審査方法でございますが、私自身は、その専門家あるいはそのチームみたいなものをつくってその育成をしていくというのは致し方ない、この分野は特殊な分野であると思いますので致し方ないとは思うんですが、そのチームやそれからその専門家集団が密室管理になってしまったんでは今回のような事件をまた引き起こしかねないというふうに思います。
 その両者のバランスをどう取っていかれるか、お考えがあればお伺いしたいと思います。
○参考人(片山英木君) 金融庁からの処分に際して、三つの指摘事項がございました。このうちの二つについては、私どもが当時、十一年三月期から十五年三月期までのカネボウのこの五年間についての審査体制について不備があったということの御指摘でございます。
 これについて、私どもは今新しい審査制度を採用しておりますが、今先生がおっしゃられました、どういう点をいわゆる考慮してやっているのかということについてでございますが、従前は、そのクライアントが属しておりました監査部署がございます。監査部門がございます。その部門の中で監査チームが編成されて、そしてその監査チームの監査業務をチェックするレビューパートナーという第三者の立場でチェックする者を各会社に一名ずつ配置をしまして、それがチェックのかなめになっておりました。このレビューパートナーは、同一の監査チームと部署で従前選任されておりまして、そういったことからいいますと、法人内におけるそういった独立性、内部的な独立性が保たれていなかったのではないか。どちらかというと同じ部署の仲間同士ですから、そういった点がございました。
 今度の新しい審査制度におきましては、このレビューパートナー自体を同じ部門の者でない、なおかつ適格な要件を満たした者、これは経験であるとかそういったことを踏まえてのことでございますが、それをリスク管理部という法人の独立した部署で選任をすると。そうすることによって、第三者のチェックをより客観的なものにするという形を取ることにいたしました。
 そして、なおかつこのレビューパートナーのチェック、いわゆる審査状況についてはリスク管理部がそれを評価し、またモニタリングをしていく、それから定期的に内部監査部門がその業務をチェックしていくと、こういう形を取ることによって審査業務そのものの客観性、独立性を保持しようと、こう考えております。
○鶴保庸介君 今のお話ですと、その内部監査あるいはレビューパートナー、これは会社内の組織ですよね。これは情報公開をし、投資家に分かるような形に持っていく御用意はありますか。
 投資家。情報公開をして、このレビューをこういうふうになりましたということを、会社との関係だけではなくて、投資家全体に情報公開をする用意があるかどうか。
○参考人(片山英木君) これにつきましては十分用意はございます。ただ、非常に一般の方には理解のしづらい仕組みだと思います。ですから、どの辺りから御説明を申し上げていいか。
 ただ、私どもが改革についてホームページの中で状況については逐次御報告申し上げております。したがいまして、そこのガイドラインの部分につきましてはホームページの中でも御理解いただけるのではないかというふうに思っております。
○鶴保庸介君 この問題は一会社との、企業との関係ではなくて、対投資家の問題が大変重要になってくると思いますので、その辺りを是非何らかの形で御努力をいただきたいと思います。
 最後、ちょっと時間ありませんが、PwCが独立の分野での提携を模索していると。その独立の会社を、その法人を日本の国内でつくってそれとの提携も考えておるというふうに聞いております。それは、そこへ中央青山の方から何人かの方も行かれるようなことも可能性としてあるように思う。
 そうすると、いわゆる大規模系の監査法人が、今、日本はもうどんどんどんどん合併で増えてきているわけですけれども、規模のメリットというのは本当に必要なのかどうか。これから先、日本の法人、会計監査の法人が一体どういう形になっていくであろう、あるいはなるべきであるというお考えがあれば、ちょっとお伺いをしたいと思います。
○参考人(片山英木君) PwCが日本に法人をつくるということにつきましては、これは事実でございます。これができる目的というのは、今回私どもがこういった事件を生じさせてしまいまして、PwCが、例えばアメリカであるとかヨーロッパにおいて持っておられる顧客がございます。その顧客の出先が日本に支店あるいは子会社という形でございます。そのクライアントを中央青山で今お預かりをしております。そういった中で、PwCグローバルにとりましては、中央青山がこういう事件を起こしたことによって、海外のお客様から、自分たちの出先の企業を中央青山にお預けしておくことはできないというような批判があって、グローバルとしては新しい世界標準の法人をつくらなければいけないという要請があってつくるというように伺っております。
 したがいまして、私どもがお預かりしているいわゆるリファードイン業務という、海外に親会社等があって日本に出先のあるクライアント、これを私、主に国際関係を中心とする監査五部というところで担当しておりますが、そういったクライアントが多分その新しい法人に移って、それにかかわるスタッフも移るだろうということは十分に可能性がございます。
 今後、今は大手法人全部では監査法人としては百六十幾つかあるかと思いますが、そのうちの四つの法人が非常に大規模化をして非常に寡占状態になっているということはよく認識しております。そういった中で、今後監査法人の在り方として、やはりほとんど差別化がない状態の中で、よりやっぱり会計監査が専門化していく中で、特色のある監査法人が今後はやはりできてくるのではないだろうかと、こんなふうに思っております。
○鶴保庸介君 ありがとうございました。
○峰崎直樹君 今日は片山理事長、ありがとうございました。
 私に与えられた三十分間という時間でございますので、少しいろいろとお聞かせ願いたいと思います。
 そこで、実は私、この二月にこの委員会で日興コーディアル証券傘下のSPCを使ってベル24という会社を、正に上場していた会社をそのまま非上場にしてしまうと。その中で、損益、まあ利益だけを付け替えて、ある意味では本来これは連結の中に加えなきゃいけないはずだと、こういう指摘をして、これは粉飾ではないのかと、こういう指摘をずっとし続けてまいりました。この問題についてまた後でいろいろとまたお聞きしたいんですが。
 実は先日、東京新聞の六月一日のインタビューの記事がございます。これはインタビューされた方も実名を書かれておりまして、実は私も昨日、このお二人の方にお会いをいたしました。そのやり取りの中でこういう質問があるんですね。一時国有化された足利銀行や日興コーディアルグループでは監査問題が解決していないがという質問に対して、足利銀行では収束に向けて取り組み、日興問題でも過去の決算で訂正報告書が必要かどうか検討したい。監査をめぐる問題がこれ以上表面化しないよう総点検する、こういう答弁だったわけですが、これは事実関係として、そのようにお話しなさったということは間違いございませんか。
○参考人(片山英木君) 個別問題についてお話をした記憶はございません。
 質問のされ方といいますか、記者の方の質問の仕方がどうも首尾一貫をしていなくて、先ほど私が、新しい執行部でこういったことを今後考えているという中で、業務の再点検ということをお話し申し上げました。これは、昨年の秋口から八百六十社の上場企業を対象に業務の再点検を行ってきており、それをもう一度見直そうと。過去の中に、過去そういった中に判断の誤りとか意見の間違いがもしあればそれは正していかなければいけないと、こう申し上げた中で、唐突に日興コーディアルとか足利の問題をそれと併せて話をされてきたものですから、あるいはそういう形で記者の方がそれをつなげてしまったと。ですから、個別に日興コーディアルの有価証券報告書を訂正を検討するとかしないとか、そんなことを直接申し上げた記憶はございません。
 これについては、東京新聞が出された直後すぐ、私どもの法人の広報を通しまして申入れをしました。これは取材のときに申し上げた内容が少し取り違えて書かれておりますということを申し上げて、新聞社の方も了解をしております。
○峰崎直樹君 最後に新聞社の方も了解をされているとおっしゃいましたか。
○参考人(片山英木君) はい。
○峰崎直樹君 それはどなたが了解されたんですか。
○参考人(片山英木君) これは向こうの編集長の方だというふうに聞いております。
○峰崎直樹君 編集長ですか。
○参考人(片山英木君) 聞いております。そういうふうに聞いております。私が直接お話をしたわけではなくて、私どもの広報を通して話をしておりますので、広報からはそういうふうに聞いております。
○峰崎直樹君 広報がどういうふうに聞かれているのか、どなただったのか、まあ編集長からだというふうに聞きましたので、また、これもまた確かめなきゃいけないと思いますが。
 そうすると、今はこの東京新聞、それ以外にも新聞記事、随分インタビューに応じていらっしゃるんですが、このいわゆる日興コーディアルグループあるいは足利銀行と、この二つの固有の名前が挙がってきて、これはどうも今のお話聞いていますと正確に伝わってない、どうも継ぎはぎをされているんじゃないかと、こういうことで今のような表現で、あたかも何か訂正報告書が必要かどうかということも検討するんだというふうに語っていらっしゃるんですが、そういう事実、語ってはいないということなんでしょうか。
○参考人(片山英木君) そうです。そういうふうにはお話は申し上げておりません。私の方から個別にそういうことを申し上げることは全然全くありませんし、足利の問題にしましても日興コーディアルの問題にしましても、私自身が直接かかわっているわけでもございませんし、今回まだ執行部を引き継いで間がありませんので、今はそういった改革のことに腐心しておりまして、その内容すら十分によく理解できておりません。ですから、それはちょっと違うと思います。
○峰崎直樹君 違うとおっしゃっているんですが、実は私、昨日そのお二人の新聞記者の方からお聞きして、この事実は間違いありませんかと。実は率直に申し上げて、当然、了解を得ながら実は記録、録音を取っていらっしゃると、御存じだろうと思うんですね。そうすると、こういうことを言った覚えがない、いや言ったという事実関係がもしそれ食い違っているのであれば、これは引き続きその記者の方と、私がそれを聞くわけにまだいきませんが、了解が得られればそういう場でまたお話をいただくということがあり得るのかなというふうに思っていますが、それでもよろしゅうございますか。
○参考人(片山英木君) 言葉の、結局、言葉の組合せによって意図が全然変わってしまいます。私自身が日興コーディアルを、有価証券報告書の訂正を出すなんという話を私の立場で、何も事情が分からないのにそういうことを申し上げられる立場にはありません。そのことは法人内部の者もよく分かっておりますし、私どもの方のホームページにもこの東京新聞の件につきましてはすぐに記事を載せております。ですから、先生の方でそこのところは、先方の記者の方の言い分だけではなくて、是非事実関係もう一度御確認いただければと思います。少なくとも意図はそういうことはございませんし、そういったつもりで言葉を伝えたわけではございません。
○峰崎直樹君 そうすると、これはやっぱり事実関係の白黒の問題で、今記者の皆さんは二人いらっしゃったわけですね。しかも、録音テープ取っていらっしゃいますので、これやはり、今新しい片山理事長がおっしゃられたことが正しいのか、それとも記者のおっしゃっているこの記事が正しいのか、これはやっぱり事実関係、皆さん方のホームページも私も読ませていただいていますので、それを全部判断した上で今こうして事実関係を確かめているわけなんで、その点、じゃ、引き続きもう一回、今国会はもう十八日に終わるというふうに予定なっていますが、引き続きまたこの当委員会でそういう場をつくっていただいた場合には、御出席してその確認をしていただくということはよろしゅうございますでしょうか。
○参考人(片山英木君) 構いませんが。
 結局、先生が何をお尋ねになられているのかということがあれなんですが、過去の業務を点検しますということと日興コーディアルについて過去の有価証券報告書を訂正を検討しますということとは、これは全く意味が違う話だと思うんですね。ですから、私が一般論で、一般論というか、全体の業務の点検をするということについて申し上げて、先方の方が日興コーディアルと足利について関心を持たれていたのか分かりませんが、質問の仕方が唐突に、じゃ、日興コーディアルももし間違いがあればそれは訂正のあれするんですねという、例えば話の中でそういうふうに問われれば、それは全部例外じゃありませんから、全体の業務の中で見るわけですから、そういう事実がもしあるとすればそれは当然そういう対応をするというふうにお答えせざるを得ないと思うんですね。そこのところ、是非御理解いただければと思います。
○峰崎直樹君 後で当委員会の方でまた再度この事実関係の問題について審議するような場をつくっていただきたいなということでお願いしたいと思います。委員長、またよろしいですか。
 それでは、ちょっと別の角度からお伺いします。
 先ほど来、昨年の十月ぐらいからずっと全面的な見直しをされたというお話がありましたね。実は、四月の二十七日の日に日興コーディアルのいわゆる決算発表が行われましたですね。そのときにもうすべての人たちが集中したのが、決算の中身よりも、そのときに、いわゆる連結対象に含めていないものを今度の決算からは、つまり十八年の三月期の決算からはこれを取り入れますと、こういう話だったんですね。そうすると、今度は取り入れると、良くするんだからいいじゃないか、こういう感じで受けるんですけれども、これは会計士の立場から見られてどういうふうに理解をしたらいいものなんでしょうか。
 つまり、今までは、これは理屈の上で、いわゆるそういう子会社とかそういうものについての連結基準というのが、これもいろいろやり取りがあったんですが、そのことについて今問わないとしても、私どもはそれは問題だというふうに思い続けています、今も。それを今度の決算から、三月期決算からは、いや、こういうふうに、いろいろあるけれども、とにかく今回は子会社も全部連結してやるんだと、こういうふうにおっしゃったわけですね。これは一体どういうふうに理解されているんだろうかなと、この点いかがでしょうか。
○参考人(片山英木君) コーディアルの件につきましては、私詳しいことは分かりませんが、私も外の情報でしか知識としてはございませんけれども、今先生おっしゃられた、いわゆる連結の対象範囲を変えたのではないかということでございますよね。
 これについては、投資目的の、営業目的の会社については何か連結の範囲の規定の中でそういった取扱いが、いわゆる連結対象にしなくていいというような取扱いあったかと思いますが、従前はその取扱いに基づいて多分連結の対象外にしていたのではないだろうかと。今回は、それが何か事実関係が変わったんではないだろうかと思うんですけれども、そこのところはよく私は存じ上げませんが。
 というのは、結局、いわゆる連結の範囲をどうするかということについて、いわゆる六十号ですかね、たしか、だったと思うんですが、それの適用になるかならないのかということで違いが出てきたのではないだろうかというふうには思うんですが、ちょっとそこのところはよく詳しいことは分かりませんが。
○峰崎直樹君 実は、条件はまるっきり変わってないと思うんですよ。SPCを使ってベル24が非上場にしたわけですよね。これ、投資目的と言えるのかどうかというのは、私は投資目的ではないんじゃないかなと思っているわけなんですが、そこの論争は時間がありませんので今日はやらないとしても。
 今、何かその条件が変わったから、いわゆるこれは連結の範囲に入れますよと、そういう説明は一切そのときなかった。つまり、条件が何も変わらないのに、いや、今まで入れてなかったものを入れますよと。そうすると、よく減価償却のときに定率法とか定額法ってあると。いや、今までは定額法でやっていたけれども、今度は定率法にしますよと。こういうたぐいのもので、これ何とか、会計学の用語で継続性の変更というんでしょうか、そういうものとちょっとこれ違うんじゃないかという気がするんですよ。飛ばしという問題がありましたですね。エンロン事件でもありましたですね。そういうときに、この連結の範囲に入るか入らないかをめぐって、実はこれ大変大きな問題だったんじゃないんですか。それを今度の決算から、十八年三月期からは今度は入れますよと。じゃ、なぜ今まで入れなかったんですか。どうして入れるようになったんですか。
 今、詳しいこと分からないとおっしゃいましたけれども、ベル24問題を含めたこの日興コーディアルの問題は、この国会だけじゃなくて新聞や雑誌やあらゆるところで議論をされていましたから、当然そこが最大の焦点になって、四月二十七日の記者会見でも多くの新聞記者の皆さんは全部そこに集中したというんですよ、幾らもうかったかというよりも。
 その意味で、私は、先ほどの日興コーディアルの問題について、監査を、過去の決算で訂正報告書が必要かどうか検討したいとおっしゃっている中身は、当然、日興コーディアルが前回まではこれをいわゆる連結対象に入れていなかったけれども、今回は入れた。これは新しい事実ですよね。
 そうすると、なぜそうなったんだろうか。過去の入れなかったことは間違いなんではないんだろうか。これを検討するのが当然のことだと思って、私は、新理事長は、片山新理事長はやっぱりすごい誠実な方だなと、本当にこのことを迷わずにひるまずに、そしてあきらめずにというふうにおっしゃっていますけれども、正に信用と人材が非常に重要な監査法人がこの機会にやはりきちんとそこのところのメスを入れてみようと、私はそういうふうに実は理解をしていたものなんですが、改めて今の点について片山理事長の御見解をお聞きしたいと思うんですが。
○参考人(片山英木君) 正直なところ、日興コーディアルについてはまだ勉強不足で十分に理解していないのが実情です。ただ、今先生がおっしゃられた連結の範囲が変わったということについて、そこのところについては、私自身正直なところ余り、何といいますか、十分にそういった外部の情報も入手していなかったものですから、そういうことすら余り念頭にありませんでした。
 そういうことで、今先生がおっしゃられたことに対してどうお答えしていいか、今、本当に正直なところお答えできないというのが実際のところでございます。
○峰崎直樹君 私、質問要旨を昨日送らさせていただいておりまして、東京新聞のこのインタビュー記事についてどう考えておられるかということについて率直に質問要旨の中に加えておりました。当然、それは東京新聞のところで、しかもこの参議院の場でも、あるいは国会の場で、ベル24問題をめぐって、その連結に加える加えないの問題をめぐって議論になっているという事実は御存じだったんでしょう。
○参考人(片山英木君) はい、それは存じ上げておりました。
○峰崎直樹君 とすると、会計士の立場から、そういう今まで入れてないものを四月二十七日に新たにそれを今度は入れますというふうに変わることについて、これはどのように判断されるのかということは当然考えておられたんだろうというふうに思うんですが、その点、日興コーディアルのこの問題については、もう全くそういうものの情報はここに参加をするに当たって取っておられなかったということなんでしょうか。
○参考人(片山英木君) 時間的な問題もございましたし、日興コーディアルについて十分に情報を得たかということについては、正直なところ十分な情報は得ておりません。
 ただ、今先生おっしゃられたことについては、幾つかの会社が間に入っているというのは私も存じ上げております。その最後にそういった投資案件であるベル24があるということについても、それは存じ上げております。
 そこのところの連結の範囲を、どこまで連結をしなければいけないかというところが議論になっていて、それでこの三月期に従前連結の範囲に含めていなかったインベストメントですかが、それが、インベストメント・ホールディングスですか、そこを対象に入れて変えたということは存じ上げております。
 それで、ただ、その変えたことについての理由というのは、結局、間に入っている売買目的会社ですか、投資案件を、結局、それを付加価値を付けて株式公開させたり、あるいは売却をすることによって、双方のキャピタルゲインを、それを営業目的で達成するという、そういう案件について、その売買目的会社の位置付けが会社として変わったんだと、だからその範囲が変わったんだというところまでの話は伺っております。それ以上のところについては何も私は存じ上げません。
○峰崎直樹君 理事長、今のお話聞いていて、事情が変わったと、じゃ、その事情、変わった事情、今おっしゃられた中身は本当に変わったのかどうか。過去の投資案件から本当に質が変わって、ああこれはどうしてもやはり連結に入れなきゃいけないんだというふうになられた根拠、これを一回私に説明していただけませんでしょうか。それは多分、恐らく先ほどの事実関係の確かめと今の点というのは非常に重要なポイントだと思っているんです。事は、やはり監査法人のある意味では信頼性とかそういうものも懸かってまいりますので、是非それをお願いをしたいと思うんですが、いかがでございますか。
○参考人(片山英木君) 今ここでお答えはできませんが、調べて、それはまたお答えしたいと思います。
○峰崎直樹君 国会が、場合によっては、いつ次にまた国会あるか分かりませんので、もし今の四月二十七日に日興コーディアル証券が連結の範囲を拡大することについて、過去入れなかった根拠、今回新たにそれを連結に入れた根拠、このことについての会計上の整理をした文書を、資料を当委員会に提出していただけますね。
○参考人(片山英木君) はい。そういう形にさせていただきたいと思います。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。
 それじゃ、ちょっと別のまたお聞きしたいんですけれども、六月一日のこの東京新聞の記事、その前には五月三十一日ですか、いろんな新聞にもインタビューに応じていらっしゃるんですが、この六月一日の東京新聞の記事に対して、日興証券、日興コーディアル証券の方から何らかの中央青山の方に申入れがございましたですか。
○参考人(片山英木君) 特に何もありません。私、何も聞いておりません。
○峰崎直樹君 日興証券、日興コーディアル証券の監査法人を変更すべきだという声が日興の、日興コーディアルの監査委員会の中から出たと、こういうふうに私どもは報道をちょっと聞いているんですけれども、そういう事実はあったかどうか、お聞きになっていますか。
○参考人(片山英木君) 私自身は伺っておりません。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。
 まあ、いずれにせよ、これから日興コーディアル証券の監査法人がどの法人になっていくのかというのはこれまた一つの注目するポイントだと思いますので、引き続きまた我々も監視して、点検していきたいと思っているんですが。
 そこで、先ほど来、粉飾決算が、あちらこちらと言ったら非常におかしいんですが、かなり頻繁に起こってき始めてきています。先ほど、粉飾決算問題を二度と起こさないような方策としていろいろ考えておられるようなんですが、その中で、これは朝日新聞のインタビューの中で、奥山さんの指示の下で総点検を行ってきたと、六月中には将来への不安を取り除くものを出したいと、こうおっしゃっているんですが、この六月中には将来への不安を取り除くものというのは、金融庁に提出されたこの資料がそれに当たるんでしょうか。
○参考人(片山英木君) いえ、そういうことではございません。
 最初の御質問の中で申し上げた今後の対策の中の一番最初の段階で、先ほど来申し上げております、昨年十月から実施しております上場会社に対する業務の総点検ということについて、それをできるだけ早い段階で終えて前の方に進んでいきたいということでございます。
○峰崎直樹君 そうすると、これは具体的にこういう改革をしますよという一つの、金融庁に六月十二日付けで提出されたものより、以外にもっと詳しい中身のものになるわけなんですか。
 言っている意味分かりますか。
○参考人(片山英木君) 金融庁からの報告徴求ということでございますか。
○峰崎直樹君 金融庁からの報告徴求に対して報告書の提出されていますよね。
○参考人(片山英木君) はい。
○峰崎直樹君 で、これよりも詳しい中身で、要するに、六月中には将来への不安を取り除きたいとおっしゃっているのは、これ以外にまた何かあるんでしょうか。
○参考人(片山英木君) 先生おっしゃられていることが、ちょっと私の理解が正しいのかどうか確認させていただきたいんですが、将来の不安を取り除きたいというのは、それは外に対してというふうに先生は御理解されていらっしゃるんですか。
○峰崎直樹君 これは、そのように私は理解していたんですが。
○参考人(片山英木君) いや、そういう意味ではないです。そうではございません。これは、我々自身が業務の中のいわゆる既存業務についての点検を行うということでございます。
○峰崎直樹君 ちょっと根本的なところをお聞きするんですが、監査というのはだれのために監査をされているんでしょうか。ちょっとお聞きしたいんですが。
○参考人(片山英木君) これはパブリックだと思います。パブリックという言い方は、それは広く証券市場及び多くの利害関係者の人たちのためだと思います。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。
 これは、単に株主だけでなくて証券市場全体に対して、特に公開会社の場合にはパブリックに対して責任を持つと。そういう意味で、日本でこの粉飾決算が先ほども申し上げたように非常に多発していると私は見ているんですが、なぜこのような不祥事が頻繁に起きるんだろうか。この原因についてどのようにお考えになっていますですか。
○参考人(片山英木君) この点につきましては私自身も非常に残念に思っておりまして、元々監査法人は非常にやっぱり会計等についての専門家であり、職業倫理も持った会計士が集まっている集団だというふうに常々思っておりましたし、私どもの法人自体もそういうふうに理解しておりました。ただ、今回カネボウのような事件が起きてしまって、こういったことについて非常に信頼を裏切られるような結果になってしまったということについては、非常に残念に思っております。
 ただ、ちょっと具体的になぜ日本において、これは日本だけなのかどうかということは、ちょっと私は海外の状況を、今どの程度のこういったものが起きているのかということは十分に把握できておりませんので申し上げられませんが、この点について今適切に先生の御質問に対して明快な回答がちょっとできません。申し訳ございません。
○峰崎直樹君 先日、この問題で金融担当大臣にお聞きをしたわけであります。そのときに、ちょっとやや言葉じりをとらえるような表現なんですが、公認会計士が日本においてどんな位置付けになっているんですかという話を聞いたら、それはある意味では残高証明をやっているようなものだというような表現をされたわけなんです。まあ、それまたちょっときついなという、ひどいなという表現だったんですが。
 実は、日本においてコーポレートガバナンスという長い戦後の歴史の中で、やはり持ち合い株を持って、いわゆる銀行のモニタリングで決算や予算をどうする、進める、そしてそれを監督する大蔵省の護送船団方式と。こういう中の仕組みの中で、公認会計士というのは正に、いや、刺身のつまといったら変な話なんですが、すべてそういうものの中できちっとその公認会計士が監査を、判を押すというのは、ある意味では非常に、まあ言ってみれば形式上必要だから仕方なくおられているというようなポジションがずっとこの間続いてきたけども、どうやらそういうものが崩れ始めて、初めて本格的な資本市場が国民全体に開かれた資本市場になってきて、そのいわゆる監査証明、監査するということが本当に重要な課題になってきたと。どうもそこの転換が遅れているような感じしてならないんです。
 その意味で、私は新しい理事長に本当に、先ほど、ひるまず、迷わず、あきらめずと、こういうお話ございましたけれども、この機会に監査法人としての独立性とか使命とか、そういうものをやはりきちんと発揮するところへ立っていただけないかな。その意味では、私は先ほどの日興コーディアル証券の監査をもう一遍やはり点検してみて、先ほど点検されているわけですね、ずっと。点検されてみて、あ、これはやっぱり改めてやり直してみなきゃいけないねという提起をされて、それを実践されるのが私は本当に監査法人としての世間に対する、先ほどパブリックとおっしゃいましたけれども、パブリックに対する説明責任になるし、信頼感を向上させる道じゃないかなというふうに思い続けているんです。
 その意味で、是非そういう観点からこの問題について引き続き当委員会に参考人として是非来ていただいて、我々に対しても説明していただきたいし、きちんとした監査法人としての権威というものを確立していただきたいなと、このことを要望し、もしこの点についての御意見があればお伺いして、私の方からは終わりたいと思います。
○参考人(片山英木君) どうもありがとうございました。大変有益なお話で、十分に今後のことに生かしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。
○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立源幸でございます。
 今日は、株主総会を前に大変お忙しい中、当委員会にお越しいただきましてありがとうございます。私からも是非、中央青山の新理事長、トップとして頑張っていただきたいと思います。
 さはさりながら、今日はプロの一会計士でもいらっしゃると思いますので、まあ私も会計士の端くれでございますが、そういった意味で、まあ比較になりませんが、プロ同士との質疑をさせていただければと思います。時間も十分と限られておりますので失礼な言い方になるかもしれませんが、御了承いただきたいと思います。
 まず、私、喜ばしいというか、先週の日曜日に会計士の第二次試験終わりましたが、短答式の方が、この状況にもかかわらず、一万六千名の方が受験をされたということで、いろいろ不祥事が続くにもかかわらず夢や希望を持ってこの業界に入ってきてくれるなということに関しては大変うれしく思っておりますし、そういった意味で私たちがよりいい監査業界をつくり上げていかなければいけないんだと、そういう責任があるというふうに思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 そこで、まず、私もこの質問をさせていただくに当たってこの報告書を読ませていただきました。いろいろと制度も作るのも大事だけれども、やっぱり人材教育も大事なんだということをるるお述べになっていらっしゃいます。
 そこで、ちょっと参考になる本がございましたので御紹介しますが、この「ライブドア監査人の告白」、新理事長、お読みになられましたでしょうか。
○参考人(片山英木君) 済みません、読んでおりません、まだ。
○尾立源幸君 これはライブドアを監査しておった港陽監査法人の監査人、会計士の方で、起訴されなかった方が書いていらっしゃるんですが、この方は何とか粉飾を食い止めようとして頑張ったということになっておるんですが、最終的にはこういう事件を引き起こしてしまったのでという会計士の免許をもう返上した方でございます。ここにいろいろと現場の会計士が直面する悩みや問題も本当に切実に書いてありますので、是非これを新理事長も読んでいただきたいなと思います。
 その中で私が非常にまあそうだなと思ったのは、最終的には適正意見かもう監査人を降りるか、このどっちかしかないわけですね、監査人としては。意見差し控えとか、そういう逃げ道もありますが、それは実質もう監査をノーということに近いわけでございます。そのためにも、いつ監査人を降りてもほかの道でもしっかり生きていけるようなそういうプロフェッショナルになっていかなけりゃいけないと、そんなことも彼は書いておりますので、是非参考にしていただきたいと思います。
 それで、本論に入らせていただきます。
 実はこの報告書の中で、金融庁に対するカネボウの決算短信の訂正の調査に関して虚偽の調査報告をしたということで処分をしたというふうにここに書いてありますけれども、私、これずっと、なぜ中央さんともあろう方があの粉飾が見抜けなかったのかなと、まあ一回目は見抜けないにしても、二回目の内部調査でなぜ本当のことが分からなかったのかなと、そんな疑問を持っております。
 そこで、今お配りをさせていただきました資料の二枚目、これは監査のイロハのイでございますが、リスクの高い勘定科目について期間比較をやっておるわけでございます。そうすると、三年間のうちに売掛金の回収期間というのが二倍近くに膨れ上がっておると。この状況を見て、まず新理事長、どのようにプロとしてお感じになられますか。
○参考人(片山英木君) ここにお示しのとおり、売掛金の回転期間ですか、これだけ見ますと倍の数字になっている、いわゆるそれだけ延びていると、回収期間がですね。そういったことからは、この数字だけ見ますと、異常性を感じます。
○尾立源幸君 同じ感覚を持っていただいていて有り難いなと思います。
 それで、私が申し上げたいのは、この内部調査のときにこういう数字も当然見られるわけですけれども、こういったことは問題として上がってこなかったんでしょうか。また、レビューパートナーの方たちは、二回目の調査ですよ、この処分をされている二回目の方たち、このことに対して何とコメントをされていたんでしょうか。
○参考人(片山英木君) ちょっと具体的な、申し訳ありません、中身は分かりませんが、その調査の方法につきましては、基本的にはその調査委員会の、内部の、私どもの内部の調査委員会については多分ここまで詳しく中身を多分見てなかったんではないだろうかと思います。(発言する者あり)いやそれは、と言いますのは、これヒアリングを中心に調査を行われたというふうに伺っております。
○尾立源幸君 もう粉飾が明らかだということが前提の調査なのに、そのお答えは私ないんじゃないかなと思います。
○参考人(片山英木君) 先生、済みません、いつの時点でのお話でございましょうか。要は、いわゆるカネボウの方の経営浄化委員会が出た後のお話でございますか。
○尾立源幸君 そうです。
○参考人(片山英木君) これは二〇〇三年の三月期ということでございますか。
○尾立源幸君 はい。──もしお答えできないんだったら結構です。分かりました。
 それで、別のちょっと観点からお話をさせていただきたいんですが、私、今峰崎委員がおっしゃいましたこの日興コーディアルの件、これは、ここに書いてある、何ページ目でしょうか、五ページ目に書いてありますが、監査業務の一斉点検で私も出てきた問題点を新聞記事に述べられているものだと思っていたわけですが、そうではないということが分かりました。
 じゃ、結局、この一斉点検ではまだ日興コーディアルというのは個別名詞としては出てきてないという理解でいいんですか。
○参考人(片山英木君) いや、それはまだちょっと確認しておりません。
 日興コーディアルが問題があったかどうかということでございますか。いわゆる点検上問題があったということですか。それについてまだ確認しておりませんが、特別そういう問題があったというふうには聞いておりません。
○尾立源幸君 それでは、ちょっと視点を変えますが、参考人も税法上の租税回避行為を否認する規定があるのは御存じだと思います。これは、個々の取引が合法であっても、全体を見て、その意図や動機でそれは脱税ですよということで、そのような規定でございますが、私、こういう視点というのは監査にも大事だと思うんですね。
 そこで見ていただきたいのが、この一ページ目でございます、お配りした。
 今、どこまで連結するかということが非常に大きな問題になっておりますが、一番上のコーディアル・ホールディングス、プリンシパル・インベストメンツ、ここまでが今連結されております。その下のNPIホールディングス、ベルシステム24というのは連結されてないというところで、NPIホールディングスを連結するかしないかというのが非常に大きな今論点になっておる。それは、理事長、ちょっと私は首をかしげたくなるんですが、もうずっと新聞記事やいろんな雑誌等々に出ておりますし、この国会でも何度もやっている。それなのに余り関心を持っていらっしゃらないような言い方されるんですけれども、そのことに対して私、非常に今不信感を感じております。
 そこで申し上げたいのは、この四でございます。
 連結をするしないにかかわらず、まず百四十四億円というデリバティブを使った利益をこの日興コーディアルグループの損益に入れております、プラスの。一方で、ちょうど同じ額の損失がこのNPIホールディングスに発生するわけでございます。これは相対でございますから、どっちかが得すればどっちかが損する。すなわち、連結をしてしまえばこのデリバティブ取引というのは損益はゼロになってしまいますということを意味しています。そこで、今点線の部分でカットをすれば、プラスだけ取り込めて、マイナスは取り込まなくていいという、こういうことが見えてくるわけでございます、全体を見れば。
 それともう一点、NPIホールディングスがベルシステム24を連結をこれしておりますが、この下の部分で。ここは連結調整勘定の償却というのが非常に今問題になっています。本来五年でやるべきところを二十年の償却にして損を少なくするということが今なされておるわけです。こういうことは、全体を見て、私が申し上げたいのは、判断すべきじゃないんでしょうかということを峰崎委員も私も世の中の者がみんな言っているわけでございます。ですから、パーツパーツはそれぞれ適法かもしれません。
 そしてもう一つ申し上げたいのは、よしんばそのNPIホールディングスが連結に外されるという話になったときに、普通このSPCというのは投資育成をする目的ではございません、単なる株式を取得するための器でございます。
 そういったことをいろいろ重ね合わせると、これは巧みに仕組まれた私は利益の還元スキームじゃないのか、正にライブドアと同じじゃないのかと思うわけでございますが、理事長、いかがでしょうか。
○参考人(片山英木君) これについては、確かにおっしゃられるように、税務上の、税法上の行為計算の否認という伝家の大宝刀のような取扱いがありますけれども、必ずしもそのことが本件にこれ当てはまるかどうかということについては、ちょっと私は定かなことは申し上げられません。
 私自身、無関心ということではございません。ただ、十分にこの件について、非常に複雑な内容ですので、業務執行社員から直接こういったことについて話を聞いているわけでもないので、どこに問題があるかということについて、本当に、まだ日が浅いものですから、その程度のことしか知らないということなんですが、この連結の範囲について、今、現行の取扱いの中では……
○尾立源幸君 結構ですよ。
○参考人(片山英木君) よろしいですか。
○委員長(池口修次君) 尾立君、時間が過ぎておりますので、そろそろまとめてください。
○尾立源幸君 もう規定等々は私もよく存じ上げておりますので、説明は結構です。
 いずれにいたしましても、当事者でない我々がこれだけ関心持っていることを、一番のあなた当事者ですよ。当事者ですよ。しっかりこの認識持っていただいて、適切に是非処理をしていただきたい、そのことをお願いして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございます。
○委員長(池口修次君) 片山参考人、何かありますか。よろしいですか。
○参考人(片山英木君) はい、結構でございます。
○委員長(池口修次君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 片山参考人におかれましては、本日は貴重な御意見をいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十二分散会