第164回国会 厚生労働委員会 第17号
平成十八年四月二十七日(木曜日)
   午前十時三分開会
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   委員の異動
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     下田 敦子君     神本美恵子君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     下田 敦子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山下 英利君
    理 事
                岸  宏一君
                中村 博彦君
                谷  博之君
                円 より子君
                渡辺 孝男君
    委 員
                阿部 正俊君
                岡田  広君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中原  爽君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                神本美恵子君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   川崎 二郎君
   副大臣
       厚生労働副大臣  中野  清君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       岡田  広君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        江口  勤君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房審議官     布村 幸彦君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       北井久美子君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇
 の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を
 改正する法律案(内閣提出)
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○委員長(山下英利君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、下田敦子君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君が選任されました。
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○委員長(山下英利君) この際、厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。川崎厚生労働大臣。
○国務大臣(川崎二郎君) 厚生労働委員会の御審議に先立ち、四月十八日の委員会での御指摘を踏まえ、厚生労働省より資料を提出させていただきましたので、発言をさせていただきます。
 平成十四年十二月の独立行政法人医薬品医療機器総合機構の在り方に関する決議の実施状況について御報告いたします。
 本決議におきましては、四つの事項について決議がなされております。
 第一に、役職員の採用及び配置につきましては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の就業規則等において、製薬企業等での職歴を有する者についての従事業務の制限等の措置が講じられております。
 第二に、研究開発振興業務につきましては、平成十七年四月の独立行政法人医薬基盤研究所の設立に伴い、同研究所に移管しております。
 第三に、医薬品等の安全性の確保につきましては、平成十六年四月の総合機構の発足に伴い、厚生労働省と総合機構が連携して市販後安全対策を迅速かつ的確に行う体制を整備する等の措置を講じております。
 第四に、健康被害救済業務につきましては、総合機構の運営評議会等に医薬品等による健康被害を受けた方々の団体から委員としての参画を得る等の措置が講じられております。
 以上、御報告申し上げますとともに、厚生労働省といたしましては、今後とも医薬品、医療機器の安全対策の推進等に努めてまいる所存でありますので、委員の皆様におかれましては、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(山下英利君) 以上で発言は終了いたしました。
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○委員長(山下英利君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長北井久美子君外二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下英利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山下英利君) 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 本日は、一昨日の対政府質疑、昨日の参考人質疑などの審議経過も踏まえながら質問を行わせていただきます。
 まず、川崎大臣がかつてお勤めになった松下電器産業、これまで均等推進企業として、平成十三年度には厚生労働大臣努力賞、平成十六年には厚生労働大臣最優良賞を受賞された、この分野における先駆的な企業でありますし、また大臣御自身も、かつては労働組合の一員としてまさしく働く仲間の思いというものを直接に感じられていたわけであります。是非とも、さすが川崎大臣と評価されるような心のこもった答弁、さらには事務方にはできない政治的な決断などをもしていただきますようお願いをしたいと思います。
 まず冒頭、お尋ねをいたします。
 特定の業種ということではなく、広く一般的な話として、職業能力については、男性が優れている、あるいは女性が優れているという性別による優劣というのはあるのでしょうか。これは質問通告いたしておりませんが、先ほど御紹介しましたような川崎大臣から、是非簡潔なお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 今、津田委員から御質問いただきまして、その前に、私が会社に入りましたのは今から三十五年前でございました。正直申し上げて、当時、松下電器の中で女性がどのぐらい責任を持つ仕事をやっていたかということになると、あっ、会社も随分変わったものだなと。今人事の担当役員をやっておりますのが正に私の寮生仲間、そして同じ工場の現場で働いた仲間でございますので、おまえも随分変わったなという冗談を言いながら、しっかりやってくれよという話をしましたし、また、いろいろ私も教えてもらうところが多いところでございます。
 もう端的に申し上げて、全くその差はないだろうと思いますし、正にそういった考え方の中で進めていかなきゃならぬと、こう思います。
○津田弥太郎君 私も当然そのように思っております。そうであるならば、実は今回の間接差別にしても、労使の対立の問題にするのではなく、企業が間接差別をすることでその企業自身が優秀な人材を有効活用できなくなる、そしてそのことは大きな損失になるのだということを厚生労働省が企業に対して熱意を込めて訴えていくべきである。
 一昨日の委員会におきましても、労使のコンセンサスあるいは社会のコンセンサスという言葉が何度も用いられておりましたが、そうしたコンセンサスを否定するものではありません。しかし、最終的に、法律というのは提出者の意思が問題となるのであります。コンセンサスができ上がるのをただ受け身で待っているということではなく、あるべき社会の実現に向けて厚生労働省自身がリーダーシップを発揮してコンセンサスをつくっていくのだ、そのような気構えこそが求められるべきではないかと私は考えておるわけであります。
 そこで、厚生労働省の果たすべき役割ということも踏まえてお尋ねをいたします。
 厚労省の幹部人事についてであります。平成十三年の厚労省発足後の人事を見てみますと、事務方トップである事務次官、ナンバーツーである審議官には現在まで四人ずつ就任されておりますが、この中には女性はおりません。さらに、局長以上ということですと、これまで四十七人が就任されているわけですが、この中に女性は、本日お越しの北井局長、そして本委員会のメンバーでもあります坂本由紀子議員も含めてわずかに三名だけであります。間違いないですね。率にすると、男性が九三・六%、女性が六・四%ということになります。
 いろいろ事情があるとは思いますけれども、私はこれは男性にいささか偏った人事になっているのではないか、優秀な女性の能力を生かし切れていないのではないかと思っております。
 そこで、厚生労働省で唯一の女性局長である北井局長にお伺いをいたします。
 新聞報道によりますと、北井局長は若いころから旧労働省内において女性のお茶くみ慣行廃止のために闘われたというふうに書いてあるんですね。実際に局長に就任されてみて、厚生労働省の局長というのは女性には務まりづらいという何か特段の事情は思い当たりますか。
○政府参考人(北井久美子君) 私の個人の記事も読んでいただいたようで恐縮でございますが、ちなみに私は、若いときはあえて自分に言い聞かせるように、女だからというんではなくて若輩であるからということで、平社員の時代はお茶くみをしておりました。
 しかしながら、係長になりましたときに、平社員の男性にもお茶をくむという慣行のある課に参りまして、それでさすがに私も怒りまして、それはおかしいと、係長以下でお茶くみをするならば、男女合わせて平社員、係長でみんな順番にやろうじゃないかという取組をして成功したケースがございます。今、誠にこんな席をかりて失礼でございますが、少し紹介さしていただきました。
 それで、厚生労働省の働き方ということでございますが、これは非常にその意味では能力主義でありまして、その意味では厳しい職場であり、また、率直に申し上げまして、長時間労働が多い職場でございますので、特に実質家庭的な責任を負うことの多い女性が両立していくというのはなかなか難しい面もあるわけではございますが、我が厚生労働省の職場においては、男性も女性もそうした困難を克服しながらほとんどの人が働き続けております。
 また、最近は若い男性職員も非常に子育てへの参画ということは意識が高くなっておりまして、我が職場、少なくとも私の所掌さしていただいております雇用均等・児童家庭局におきましては、男性も女性もそのワーク・ライフ・バランスということも頭に置きながらも、しかし意欲、能力に応じて、要するに能力主義で働かせていただいていると、こういうことではないかと思います。
○津田弥太郎君 実は、日経新聞が女性の正規労働者に対して、女性であるために不利だと感じることを尋ねたアンケート結果がございます。これによると、第七位に、キャリアモデル、すなわち後輩の女性が目指すべきお手本としての先輩女性の姿が職場にないということが挙げられております。
 均等法を所管する厚労省、あるいは男女共同参画局を持つ内閣府などが率先垂範していかないと、他の省庁にも、さらには民間にも女性登用が進んでいかないのではないかというふうに考えるわけであります。
 厚生労働省における今後の積極的な女性職員の局長以上への登用について、大臣の御決意をお伺いしたい。
○国務大臣(川崎二郎君) まず、全体の数字でございますけれども、十七年度の実績といたしまして、T種、四十一名採用者のうち、二四・四、十名が女性になっております。実際、試験を通った人は一七・三、採用は二四・四。それから、U種、V種でも、七十四名中二十三名、採用割合は三一%、試験の合格者は二八%。そういった意味では、特に都道府県労働局に参りますと、三百四十人中百二十八名、三七%になっております。合格者は二七%でございますから、そういう意味では、最近の採用を見る限りはかなり配慮しながらやってきているということは間違いないと思います。
 一方で、御指摘いただいたように、指定職ということになりますと、百六十六人中四人、二・四%。九級から十一級が七百六十名中三十五名、四・六。七、八級になりますと、八千九百三十人中の千八名いるわけですから、だんだん育ちつつあるという認識はいたしております。
 さあ問題は、急に飛び越して局長にしろというわけにもいかぬでしょうから、そこは人材を育てながらやっていくということになるんだろうと。そういう意味じゃ、北井さんのリーダーシップもかなり期待をされるところだなと思います。同時に、津田委員が御指摘のように、先日、障害者の雇用の問題について、まず隗から始めよということで、厚生労働省それから全本省がやれと。それから、独立行政法人、二・一%超えろと。それを前提にしながら各地方団体にお願いをいたしたところでございます。そういうことをやっていくにも、まず厚生労働省が先にできてないといかぬということで、そこをほぼクリアさせていただいた中で、地方へ私の名前で各団体へ要請書、そして加えて、民間の皆さん方に出させていただいた。
 手順論としては、言われるとおり、自らきちっとやる中で、見本を示しながら、そしてすばらしい局長がこうしてたくさんいるというところを示しながらやっていくことが大事だろうと。御質問の趣旨に沿うように私自身も努力してまいりたいと思います。
○津田弥太郎君 関連してお尋ねします。
 男女雇用機会均等政策研究会報告書の中に諸外国における女性管理職割合についての資料が掲載をされております。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、そして日本について、民間部門と公務部門に分けて女性の管理職割合を比較をいたしております。民間部門の女性の管理職割合は、アメリカ四五・五%、イギリス二八%、フランス三一・七%、ドイツが一九・八%、スウェーデンが一六・五%、そして日本は一一・三%になっております。
 ここで我が国の数字が最も悪いわけでありますが、この民間部門以上に問題なのは、実は公務部門の女性管理職割合であります。
 すなわち、アメリカが五一・四%、イギリス四〇%、フランス三〇%、ドイツ二八・九%、スウェーデン五一・五%となっており、それぞれの国における民間部門と公務部門を比較した場合、フランスが例外的に若干公務部門で割合が低いものの、他の国は一様に大幅に公務部門の女性管理職の割合が高くなっているんです、大臣。ところが、我が国の場合、女性管理職の割合は民間部門の一一・三%から更に公務部門は半分以下の五・五%になっているんです。
 先ほど厚労省内の処遇を指摘しましたが、そこにとどまらず、民間に対し、能力に応じた男女の均等処遇を求めるならば、広く公務部門が率先して女性管理職を用いていくことが急務だと考えます。
 厚生労働省は、他省庁や地方自治体についても女性の積極的な登用や女性の管理職昇進の障壁となっている要因の除去など強く求めていくべきだと、まあ大臣、先ほども若干そういう意味をおっしゃられたわけでありますが、さらに、今申し上げたような状況を見れば、積極的な働き掛けを強力に行っていくおつもりはないでしょうか。また、公務部門の女性管理職の割合をいつまでに何%にするという、そういう数値目標を目指していくというお考えはないでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) まず、男女共同参画推進本部、平成十六年四月二十七日の決定で、女性国家公務員の採用・登用の拡大等について、社会のあらゆる分野において、二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも三〇%になるようにという決定がされております。また、人事院等で基本的な考え方が打ち出されているところでございますので、そうした基本認識に沿いながら、また、そういった中で先頭に立つべきものは公務部門だという御指摘、正にそうしたものを私どもしっかり頭の中に入れながら、言われるとおり、少なくとも民間より先に数字を挙げていかなきゃならぬなと、それは同じ認識でございます。
○津田弥太郎君 さて、本法案をめぐる最も大きな問題は、間接差別の省令による限定列挙の問題であります。一昨日の委員会質問においても、この問題に多くの時間が費やされました。すなわち、省令で間接差別が限定的に規定されてしまうことにより、それ以外の間接差別的取扱いが司法の場でかえって救済されなくなっていくのではないか、強い懸念に対するやり取りがございました。
 一昨日の答弁の中で、厚生労働省はこのように述べております。均等法に基づく間接差別規定はあくまでも行政指導の対象を定めたものであり、省令に規定されていない事項についても、一般法理としての間接差別の法理を用いて司法の場で個別事案ごとに違法と判断される場合があり得る、そのような一般法理としての間接差別法理を用いて司法の場で個々の事案が無効と判断されることが今回の法改正によって妨げられることはない。
 こうした答弁は、国民の懸念を払拭する意味で一歩前進であることは確かであります。しかし、均等法の成立当初のやり取りを承知をしている専門家などから、本当に厚労省の答弁どおりに司法の現場が機能していくのかという問い掛けが今なお続いております。厚労省はこうした問い掛けに真摯にこたえていくことが強く求められているものと私は考えております。
 そこで、大臣にお尋ねをいたします。
 厚労省は、省令に規定する間接差別要件以外についても、一般的な間接差別法理で間接差別とされるもの、すなわち外見上は性中立な基準等であっても、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与え、しかもその基準等が職務と関連性がない等、合理性、正当性が認められないものについては、男女均等の観点からも、良好な雇用環境創出の観点からも、労働の現場からはなくしていきたいというふうに考えておられるのでしょうか。端的にお答えをいただきたい。
○国務大臣(川崎二郎君) 言われますとおり、違法な差別はなくしていくという趣旨で私どもも考えております。
 特に、今回の改正で間接差別が我が国の実定法に初めて規定されるということを考えますと、まず、この法律に基づいて間接差別というものについて是正指導をしっかりやっていくということがまず第一義だろうと思います。一方で、先ほどコンセンサスというお話の中でございました、コンセンサスが得られるまで待っているのか、そういうことではなくて、コンセンサスというものをどういう方向にリードしていくのかということも我々の仕事であろうと。そこは今回の審議も通じながらお答えをしてまいりましたけれども、方向付けは間違いないようにしてまいりたいと、こう思います。
○津田弥太郎君 それでは、具体的にそのことを実現するために、厚生労働省として、国民に対して、労使双方に対して、さらには司法関係者に対して、今回の省令による間接差別は、広く一般的な間接差別法理により違法となる間接差別の一部を行政指導の対象として抜き出したものであり、これ以外にも違法となる要件は無限にあるのだということを参考例も含めて明示し、そのことをあらゆる手だてを講じて周知徹底すべきことを私は強く求めたいと思いますが。
 今後のこうした取組について、北井局長から明快なお答えをいただきたい。
○政府参考人(北井久美子君) 法律は、その内容を広く周知することが社会に浸透させる上で極めて重要でございます。
 したがいまして、この改正法案が成立いたしました暁には、速やかに事業主それから労働者に対しまして、政府広報はもちろん、パンフレット等のほか、労使各団体あるいは地方自治体の協力も得ながら、あらゆる手段によりまして、間接差別が均等法に規定されたこと、それからその概念、定義等も含めまして、法の趣旨、内容の周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
 その際に、省令で規定されるもの以外についても、民法の適用等によって間接差別法理により違法とされる可能性があることについても周知をいたしたいというふうに考えております。
○津田弥太郎君 均等法上の間接差別についてもお尋ねをいたします。
 おとといの委員会の中で、我が党の辻議員の質問に対し、川崎大臣は、衆参両院の議論、今後の審議会の議論、国民からの意見聴取を踏まえて省令について検討、決定していく、手順論としては当然そういうことになりますとお答えになっております。
 省令に規定する内容として現段階で示されている三つの要件については、そもそも労働側としては審議会の段階でこれに絞った事実は全くなく、また昨日の参考人からも強い批判がなされているわけですから、実際に決定される際には真に働く者の願いにこたえた省令に変わっていくものだと私は信じております。
 その上でお答えをいただきます。
 例えば、建議で示された省令の内容は、実際に省令に規定される場合には、コース別雇用管理制度における転勤要件を例に取れば、総合職という字面が問題になるのではなく、いわゆる総合職という概念に含まれるものについて違法と読み込める内容になるのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 御指摘のとおり、厚生労働省令を具体的に法技術的に書き起こすことになりますと、恐らく、総合職という言い方ではなくて、その建議で意味する概念を規定するように文言自体は吟味して規定することになるものと考えております。
○津田弥太郎君 世の中の企業がすべて良心的な企業であったら何も問題は起こらないんです。しかし、悪質な企業というのは必ず意図的に法律の不備をついてくるわけであります。
 例えば、募集、採用における身長・体重・体力要件というふうになった場合、例えば一般的に女性が男性よりも四%から五%高くなる体脂肪、万が一にも募集、採用の要件に課してきた場合、それが違法な間接差別として行政指導において是正されるのでしょうか。
 本来、身長・体重・体力要件の指し示している意味というものは、医学的に男女で一定の差が生じている内容を合理性なく用いることが間接差別であるとの理解であるべきであり、これを是正することができなければ大きな問題が生ずるものと思われます。この点はしっかりと対応していただけるということで、北井局長、よろしいですね。
○政府参考人(北井久美子君) 身長・体重・体力要件に関しましては、労働政策審議会建議で合意されておりますのは身長と体重と体力についてでございまして、体脂肪は含まれていないと考えております。
 厚生労働省令は、何度も申し上げておりますとおり、改めてまた審議会の議論を経て定めることとなるわけでございますが、現時点で合意がなされておりますのは身長、体重、体力ということでございます。
○津田弥太郎君 今回の七条の間接差別については、省令で規定した三要件に抵触していても、使用者には違法とならない三つの例外が設けられております。
 一つ目は、「当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、」、二つ目が「事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合」、最後が「その他の合理的な理由がある場合」、これ三つです。
 これ、一昨日の辻議員の質疑で明らかになっておりますが、この三つ目の、その他の合理的な理由がある場合というのは、具体的にどのようなものを想定しているかと辻議員が質問したところ、北井局長は、これは、念のためにその他ということで、将来いろんなものが追加されていく可能性もありますので、それにも対応できるように設けているところでございまして、特に今、具体的に想定しているものはないところでございます、というふうに答弁されましたね。
 そもそも間接差別として均等法上違法としていく要件については極めて限定的に列挙をして解釈で広げる余地はなくし、違法とはならない例外的な事情については具体的に想定がなされないものまで念のために法律で規定しておくというのは、余りにも経営側に配慮し過ぎた規定ではないか、甚だバランスを欠いているのではないかというふうに考えますが、北井さん、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) その間接差別の対象となり得る措置につきましては、省令で定める方式を取らせていただいているところでございまして、この厚生労働省令で定める措置の対象範囲につきましては、一つ一つ法律を変えて訂正しなくても、省令レベルで、その意味では柔軟に対処できるような法的仕組みとなっております。
 そうしたことから、それに合わせてやはり行政としては、対象が仮に加わったときには、それの要件について合理的な理由の判断の在り方、その合理的な理由の有無の判断に当たって参考となる考え方を指針で示していかなければならないと考えております。そうした意味で、将来その対象範囲がいろんな面で入ってくることを考えて、その合理的な理由の方についてはその他条項を設けさせていただいているということでございます。
○津田弥太郎君 ちょっと答えが不十分なような気もしますが、先に進めます。
 大臣にお尋ねします。男女の賃金格差の問題であります。
 前回、平成九年の均等法改正の際にも、当時の本院労働委員会における附帯決議には、「労働基準法の趣旨にのっとり、男女の賃金格差をもたらしている原因を分析し、速やかな改善方法の検討を行うこと。」というふうに盛り込まれております。恐らくこうした附帯決議も踏まえ、男女間の賃金格差問題に関する研究会報告が平成十四年の十一月に行われた。この研究会報告が問題としているのは、男女の正規労働者における賃金格差でありますが、その要因分析において、職階、部長さん、課長さん、係長さんの違いによる影響が大きく、勤続年数の違いによる影響がこれに次いでいるというふうに指摘をされております。
 川崎大臣も、我が国の男女間の賃金格差の縮小は重要な課題であり、今回の均等法改正により、女性労働者が配置や昇進で差別を受けない、また、妊娠、出産により離職を余儀なくさせられ、したがって勤続年数が少ないから賃金が少ないという悪循環も止めることができるというふうに答弁をされております。
 私は、今回の均等法がそのような方向で強く働くことを期待をしているわけでありますが、ここで大事なのは、格差是正のスピードと、厚生労働省が具体的にどの程度の意欲を持って取組を行っていくかであります。
 確かに、男性の正規労働者の平均賃金水準を一〇〇としたときに、女性の正規労働者の平均賃金水準は、男女雇用機会均等法を施行した一九八六年には五九・七でありましたが、昨年の厚労省の賃金構造基本統計調査では六五・九と縮小しているわけですが、十九年間に六・二ポイント、十九年間に六・二ポイントの改善というスピードは余りにも遅い。このペースでは男女の賃金格差が完全になくなるのは、数字の上では西暦二一一〇年ということになってしまうわけであります。
 二十二世紀まで男女の賃金格差を持ち越すのではなく、一体いつまでに男女の賃金格差をどれだけ縮小しようと厚労省は考えておられるのか、大臣から率直なお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) まず、賃金格差、委員からもいろいろ国際比較を出していただいておりますので、私からも申し上げますと、アメリカにおいて、男性一〇〇とした場合、アメリカが八〇・四、イギリスが七六・八、フランスが七四・一、我が国が二〇〇四年で六七・六でございますので、十ポイントほどの差があると、こんな意識をいたしております。一方で、二〇〇五年に少し下がってきている、逆に六五・九という数字が出ておりますので、そういった意味では大きな問題と考えていかなければならないんだろうと思います。
 さあ、これを数値目標をいつまでにやれということになると、勉強はしますけれども、ここでまだお答えをさせていただくほどの材料をまだ持っておりません。しかし、一方で言われますとおり、この最大の原因になっております勤続年数と職階の問題、この問題に、今委員が御指摘いただいたように、踏み込んだ改正法案にさせていただいております。
 そしてまた、男女間賃金格差解消のために、これ、自主的と言うとしかられますけれども、やっぱり労使がしっかり話し合っていくというのが基本であると思いますので、賃金管理及び雇用管理の改善法について盛り込んだガイドラインの作成、また男女間賃金格差の現状や男女間賃金格差縮小の進捗状況をフォローアップするためのレポートを出して、そして世の中全体に対して周知啓発に努めていくことが一番大事だろうと思います。
 そういう意味では、いろんな形で努力が積み重ねられてきておりますけれども、我が国は男女間の賃金格差という面についてはまだまだ後れているという認識をお互いが持ちながら努力していく、この認識をどう国民全体に周知していくか、また経営者に周知していくかと、これは一番大事なところだと思いますので、しっかりやらせていただきたいと思います。
○津田弥太郎君 それじゃ、賃金格差その二をやります。
 先ほどの、男女の賃金格差はあくまでも正規労働者に限ったものであり、非正規の女性を含めると一〇〇対四九・六、パートだけですと三七・九になっていることを円議員の方から強く指摘をしたところ、川崎大臣は、パートタイム労働者と正規雇用者間の賃金格差問題は、既にパートタイム労働の法律があるんで、こうした問題を含めて議論をしっかりしながら煮詰めていかなければならない話であろうと答弁をされました。
 そこで、お尋ねをいたします。
 厚生労働省として、いつ、どのような形で具体的なパート労働者と正規雇用者間の賃金格差を是正をするおつもりですか。また、派遣労働、契約社員、有期労働者などの賃金格差については、それぞれいつ、どのような手法で解決を図っていくおつもりでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) まず、パートタイム労働者については何回か発言をさしていただいておりますので改めて申し上げますと、基幹的役割を果たすパート労働者が増加する中で、正規処遇者と同じような仕事をしている、その処遇が働きに見合ったものになっていない場合もあると、こういう認識をいたしております。
 したがって、そうした側面の今勉強をさせていただいておりまして、できるだけ早く我々の考え方を打ち出したいと、こう思っております。場合によっては国会で御審議をいただく、こうした場面が出てくるだろうと思っております。法律という側面からも勉強をさせていただくということだけ付け加えさしていただきます。
 一方、派遣労働者の賃金、これ、派遣先の労働者との均衡を図ることと。これはなかなか、我が国における労働者派遣制度は、派遣元事業者との間に雇用関係があり、派遣先との間には指揮命令関係のみが生じるものであるため、派遣労働者の賃金が、派遣元事業主が派遣先に雇用される労働者の労働条件とかかわりなく決定する制度になっています。ここをどうするんだということになると、なかなか正直言って難しい問題を秘めているなと、こう思っております。
 そういう意味では、今議論をしているのは、パート問題をまずきちっとした議論をさしてもらいたいと、こう考えております。
○津田弥太郎君 それじゃ、女性の非正規労働者増加問題について、北井局長にお伺いをします。
 多様な働き方として、労働者自身が主体的に非正規労働を選択したならば特に問題はないのかもしれません。しかし、現実は、正規労働を希望しても働き口がなく、やむなく非正規労働者となっております。そして、その職務内容は正規労働者と変わらないにもかかわらず、賃金は大幅に低くなっている女性が本当に数多く存在をしております。そのことが極めて大きな問題なのであります。
 現在、女性の労働者については、非正規労働が正規労働を数の上では逆転をしてしまいましたが、女性についてのこうした急激な非正規労働者比率の増加については、完全に労働市場にゆだねていくということなのか、それとも何らかの歯止め措置を行っていくということなのか、お答えをいただきたい。
○政府参考人(北井久美子君) 働き方にかかわらず、だれもが安心して働くことができる環境を整備していくことは重要な課題でございまして、特に、今お話しのように、近年の厳しい雇用情勢の中で、不本意な就労を余儀なくされた方については速やかな対応が必要であると考えております。
 このために、厚生労働省におきましては、常用雇用を希望する若い方々に対しましては、フリーター二十五万人常用雇用化プランを推進するなどによりまして、常用雇用化を進め、といった就業支援に努めているところでございます。
 また、例えば女性が正社員の募集、採用において男性と均等な機会が得られないというような差別的取扱いが行われないように、均等法に基づいて指導の徹底に努めてまいりたいと思っております。
 そしてさらに、女性が安心して妊娠、出産し、働き続けられると、正規なら正規の職で働き続けられるという職場環境の整備が重要であると思っておりますので、両立支援策を強化していきたいと思っておりますし、また、出産や育児でいったん離職された女性に対しましては、マザーズハローワークなどにおきまして、その意欲や能力、御希望に応じたできるだけいい再就職ができるようなきめ細かい就業相談を実施していきたいというふうに考えております。
 さらに、パート労働者の問題につきましては、今大臣が御答弁をされましたように、その均衡処遇について事業主への働き掛けを始めとする取組の強化に努めてまいりたいということで考えております。
○津田弥太郎君 次に、第六条についてお尋ねします。
 今回、差別的取扱いを禁止する雇用ステージについて大幅な見直しが行われました。このことは評価をするところでありますが、まず確認をさせていただきます。
 現行法でも差別的な取扱いをしてはいけない雇用ステージとして労働者の配置が明記をされているわけですが、今回の改正案では、この労働者の配置の次に括弧書きで「業務の配分及び権限の付与を含む。」というふうに付記をされました。
 そこでお尋ねいたします。私は、現行法の労働者の配置という規定においても、業務の配分及び権限の付与は概念としては含まれており、今回新たに禁止の対象とされたものではないというふうに理解をしておりますが、そのとおりで、局長、よろしいですか。
○政府参考人(北井久美子君) 御指摘のとおりでございまして、今般の改正は配置の内容を変更するものではなくて、配置に業務の配分、それから権限の付与が含まれるということを明確にしたものでございます。
○津田弥太郎君 これまでも禁止されていたものを今回改めて明確化しなければならないということからも、いかに現実の雇用の場では性差別の抜け道探しが行われてきたかという、そういうことだというふうに私は思います。そのようなことを踏まえるならば、今回新たに降格、雇用形態、職種の変更、退職勧奨、雇い止めが差別的取扱いを禁止する雇用ステージに追加されたわけですが、悪質な事業者、事業主からすれば、それではいまだに禁止されていない雇用ステージはどこだろうということになってしまいかねません。
 そこで、はっきりとした厚労省のお答えをいただきたいんです。今回の改正案が成立した後においても、労働者の性別を理由として差別的取扱いが禁止されていない雇用ステージというものは存在をしているのかどうか。また、禁止する雇用ステージを個別に列挙するだけではなく、仮に包括的にあらゆる雇用ステージにおいて性別による差別的取扱いは禁止であるという規定を置くならば、女性労働者の立場でどのような問題が生じてくるのかについてもお答えをいただきたい。
○政府参考人(北井久美子君) 雇用の分野における性差別につきましては、何が差別的取扱いとなるのかについて、事業主及び労働者の方々に対しまして明確に示すことによって性差別を未然に防止していくことが必要でございます。このため、均等法では具体的にどういうステージで実際差別が問題となっているかということを踏まえまして、その実際に差別が問題となっている雇用ステージを特定して違反事項が明示されるような、そういう規定ぶりを取っているところでございます。
 仮に、包括的規定ということになりますと、何が差別的取扱いになるのかということが労使双方にとって分かりにくくなって、未然防止というものが図られにくくなるのではないかと。したがって、現状ではこの個別の列挙方式でよいのではないかと考えているところでございます。
○津田弥太郎君 次に、ワーク・ライフ・バランスについて、大臣にお伺いします。
 仕事とその他の生活の調和、すなわち育児、介護などの家庭生活はもとより、趣味やボランティア、学習、地域生活などを含めた生活を充実させていくことは極めて重要であり、今回の均等法改正において、しっかりとワーク・ライフ・バランスの理念を法律に明記していくことが個人的には最も重要ではないかというふうに考えております。
 大臣は、均等法は性差別禁止のための法律なので、労基法や労働時間という切り口の法案がふさわしいという答弁をこれまでされておりますが、これは明らかに私はおかしいと考えます。ワーク・ライフ・バランスを法案に規定することを範囲を広げるというふうにとらえているようですが、これもいささか理解が異なっているように思われます。
 なぜならば、労基法はそもそも労働条件の最低の基準を定めるものであり、ワーク・ライフ・バランスという理念をそうした最低基準という概念で書き込むことが適当なのかどうかという問題が第一点。
 そして、それ以上に大きな問題は、労基法にしても労働時間法制にしても、そこでは絶対的な水準を規定することができるのに対して、均等法は基本的には男女の差別を解消するという相対的な水準が問題になる法律であります。
 すなわち、前者の労基法や労働時間法制は、法律上に表れている数字を見ればワーク・ライフ・バランスを実現するにふさわしい内容かどうかの価値判断を行うことができます。一方で、この均等法においては、単に男女の差別だけをなくすことを政策目標としてしまうならば、男性と女性が仮に完全に平等になったとしても、それはどちらか不利な方に引き下げた結果であり、また、低水準で均衡を保っていたならば法律の価値そのものが失われてしまうわけであります。
 それゆえに、均等法こそワーク・ライフ・バランスという理念と一体となることで雇用の場での男女の均等、平等が図られる必要があるものと私は考えますが、大臣、改めて、均等法においてワーク・ライフ・バランスを強く考慮すべきか否か、御見解を改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 私も御答弁させていただいて改めて見させていただいているんですけれども、労働条件の原則、労働基準法、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならない。労働時間等の設定の改善に関する特別措置法、もって労働者の健康で充実した生活の実現と国民経済の健全な発展に資することを目的とする。また、その改善に関する特別措置法の規定の中に、その雇用する労働者のうち、その子の養育又は家族の介護に伴う労働者、単身赴任者、自ら職業に関する教育訓練を受ける労働者その他の特に配慮を必要とする労働者について、その事情を考慮してこれを行う等その改善に努めなければならない。このような規定がずっと入っておりまして、そういう意味では、仕事と生活の調和の実現に当たっては、労働時間の設定、休暇の取得促進が重要な切り口であると考えております。労働時間等について規定している法律が基本的にふさわしいと思っております。
 また、委員が御指摘いただきましたように、男女雇用機会均等法、これは性差別禁止のための法律である、そうした答弁を私もさせていただいております。そういった意味で、この法律にワーク・ライフ・バランスを強く念頭に置きながらその趣旨を入れろということについては必ずしもなじまないんではないだろうかと、こう思っております。
○津田弥太郎君 ワーク・ライフ・バランスとも関連して具体的なお尋ねをいたします。
 前回改正の附帯決議には、深夜業が労働者の健康及び家庭・社会生活に及ぼす影響について調査研究を進め、その実態把握に努めることというふうに規定をされております。
 そこで、現時点における夜勤、深夜勤務、交代制勤務などを行っている労働者の人数はどれだけ挙がっているのでしょうか。また、前回の均等法改正時と比べてどれだけ増加しているのでしょうか。
 さらに、そうした夜勤を行うことは、サーカディアンリズム、難しい言葉、太陽とともに朝起きて夜寝るリズムなどとの関係も含め、体に与える影響はどのようなものと考えておられるか、医学的な所見に基づきお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) まだ正確な数字を把握していないので誠に申し訳ないと思っております。
 全体、分かっている限りのことを申し上げますと、前回の改正法施行前の平成十年の調査では、交代制勤務、交代制勤務以外も含めて、所定内深夜労働がある企業の割合が三三・一%、うち女性の深夜労働者がいる企業の割合、これがなかなかつかめておりません。改正法施行後の平成十三年の調査では、所定内深夜労働がある企業の割合は二七と、数字上は下がっております。うち女性の深夜労働者がいる企業の割合は二・三%でございます。
 深夜業は、健康への影響を及ぼす可能性を持つものの、影響の内容は十分に明確になっておりません。しかしながら、深夜業は人間本来が有している一日単位の睡眠、覚せいのリズムに反し、身体の自然な活動を乱す特性を有していると思われることから、深夜業に従事する労働者の健康への配慮が必要であると考えております。
 労働安全衛生法においては、深夜業に労働者を常時従事させる場合には、半年に一度の健康診断を行うことを事業者に義務付けております。また、深夜業により健康に不安を感じた労働者は、自ら健康診断を受診し、事業者に結果を提出することができることになっております。事業者がこれらの健康診断の結果に基づき、適切な措置を講じることを義務付けております。
 実は、私、サマータイム議連の幹事長をいたしておりまして、言われるとおり、やっぱり太陽の動きの中で人間は生活していく方がよりベターだろうと思っておりますし、また、ゆとりのある生活ということを考えれば、その方向に進むことがふさわしいんだろうと思っております。
 労働法制全体でこの問題をきちっと片付けていくのができるのかということになりますと、必ずしもそうではないだろうと。世の中、いろんな御指摘いただくんですけれども、私、地元を回っていて一番いただくのは、一月、元旦の日にデパートを開けるのを何とか勘弁してくれませんかと、そこで働く方々からよくお話もらうんです。休むべきとき休むという日本の全体の風土というのをみんなでどうやってつくっていくかということが私は必要だろうと。必ずしも深夜に開いている必要のないお店等がかなり開いているなという認識は私自身持っております。
 これ以上言い過ぎますと厚生労働大臣として問題あるから申し上げませんけれども、もう少し方向性はお互いに議論していくべきではなかろうかなと、こう思っております。
○津田弥太郎君 深夜労働は生産プロセスの運営上不可欠なものもありますが、近年、経済的な合理性の観点からの拡大も目立っております。また、必要以上に国民生活上の利便ということが考慮され、消費者の需要にこたえて二十四時間営業などが行われているというよりも、むしろ二十四時間営業によって需要を創出しているという側面もあるのではないかというふうに考えます。そして、深夜労働の増加によりワーク・ライフ・バランスを阻害していく、とりわけ労働者が家庭的な役割を果たすことができなくなっているならば、健康管理の側面のみならず、今後の深夜労働の在り方というものをいま一度見直していくことも必要なのではないか。
 先ほども大臣の御見解述べられておりますが、深夜労働の在り方ということについて再度明快な答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) まず、深夜労働が行われている事業者においては、労働基準法、労働安全衛生法など労働条件の最低基準を定める関係法令が、まず遵守をしていただかなければならないと思っております。一方で、グローバル化の中で、国際金融市場等どうしても開かなければならない分野があるだろうと。また、治安の部分、また医療でも二十四時間体制ということで御苦労いただいている側面があります。
 そうした、どうしてもやらなければならない分野と、お互い進むべき方向としてどうかなということを考えていくと、やはり、先ほどお話ありましたように、太陽の動きと同時に我々の体というものもそれに合わせておるわけですから、その方向付けということについては私もしっかり国会議員としての立場から申し上げていきたいなと、こんなふうに思っております。
○津田弥太郎君 時間が押してまいりました。
 今回の提出法案には、労働基準法改正による女性の坑内労働の規制緩和について、法律の施行後五年を経過した時点での見直し規定が置かれております。
 そこで、一点、確認をいたします。
 ここで念頭に置かれている見直しは、どのような形で見直すという結論を決めているものではなく、あくまでも法律の施行状況やその時点での社会状況を踏まえ、労働者が性別により差別されることなく能力を発揮できるということと母性を尊重するということの両面から検討が行われるという理解でよろしいか。この五年という年限も絶対的な根拠があったものではなく、新たな法改正をした以上、その変化を見定める常識的な期間として五年が考えられたという受け止め方でよろしいか。併せて北井局長からお答えをいただきたい。
○政府参考人(北井久美子君) 今般の労働基準法の改正案におきましては、女性技術者が坑内の管理監督業務に従事することができるように女性の坑内労働について規制緩和を行うものでございます。
 したがいまして、この改正法案附則第五条に基づく見直しに当たりましては、坑内労働が女性労働者の安全衛生に及ぼす影響あるいは女性労働者の職域拡大などの観点から検討が行われるものと考えております。また、こうした検討に先立って、女性技術者の就労実態を的確に把握する必要がございますが、そうした把握を行いますためには、やはりその現状を測る期間が一定以上、一定期間いることが必要でございます。五年程度先であることが必要と考えたところでございます。
○津田弥太郎君 本日はいろいろと私も質問してまいりましたが、最後の質問であります。大臣にお聞きをいたします。
 雇用の場における男女の均等施策ということについては、近年、急激な環境変化が生じている分野であり、今後もそうした変化が継続していくことになるものと思われます。また、雇用の場での男女の均等実現は、社会全体の男女共同参画の実現にも極めて大きな役割を果たすべきものであります。
 川崎大臣におかれましては、現状においてはベストという形で法案を提案されたということかもしれませんが、時代の変化にも即応するために、三年又は五年の経過後には法案の見直しを行って更にその内容を充実させていく、そうした方向性について是非、大臣の御賛同をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 行政府にある者として、法律が施行されましたならば、その法律の内容を国民に周知し、そして法をしっかり守っていくようにやっていく、これが我々の仕事でございます。一方で、時代の変化に合わせながらその法律を変えていかなければならない、国会にお諮りをしていくというのが我々の次の課題であろう。そういった意味では、法律というのは常に見直しをしていかなきゃならぬぞという気持ちを行政府も持たなければならないであろうと思います。
 そういった中で、立法府の皆さん方の方から、そうはいうものの、ある程度年限を区切ってやれと、こういうお話をいただくということになれば、それはそれで我々は、我々としては法律になくてもやっていかなければならないことであると思っておりますけれども、立法府からの御要請があればそれはそれに従っていきたいと、こう思っております。
○津田弥太郎君 是非、本法案に見直し規定を盛り込むことを強く求めまして、私の質問を終わります。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 今日は、男女雇用機会均等法の改正案ということで質問に立たせていただくこと、個人的な意味からも大変感慨深いものがございます。私自身も一人の働く女性としてこれまでやってきたし、働く仲間とともに雇用の場における男女平等ということについて様々な取組といいますか運動もやってきましたので、そういう意味から、大変今日はこういう機会を与えていただきましてうれしく思っております。
 均等法といえば、女子差別撤廃条約の批准に際して、雇用における男女平等のための国内法整備として作られたわけですけれども、そのときの女子差別撤廃条約、女性に対する差別とはという第一条の定義と、十一条、雇用の場における男女平等を求める十一条等、私は大変その条文を読みまして胸が震えたことを思い起こしております。
 改めてちょっと冒頭に御紹介したいと思いますけれども、「「女子に対する差別」とは、性に基づく区別、排除又は制限であつて、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、女子」、これは女性と私は訳してほしかったんですけれども、婚姻をしているいないを問わない、「女子が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。」。必ずしも顕在的な差別だけではなくて、結果的にそういう効果をもたらすもの、あるいは結果的にそういう差別をもたらす目的を持ってされる、そういうものを女子に対する差別というと。しかも、それを雇用の場ではどういうふうに扱うべきかということで、十一条の中に、もう改めて言うまでもないことだと思いますけれども、「男女の平等を基礎として同一の権利、特に次の権利を確保することを目的として、雇用の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。」、その一番目に、「すべての人間の奪い得ない権利としての労働の権利」であるということが書かれております。
 あと、幾つも項目があるそれに沿って均等法が作られたというふうに承知しておりますけれども、今現在、均等法施行から二十年たって、果たしてこの女子差別撤廃条約が目指す、締約国に望んだ雇用の場における平等というものが、この均等法によってどれだけ日本で達成できたのか、あるいはできなかったのかという点についてまず大臣にお尋ねしたいと思いますが、私自身は、最初言いましたように、働く女性の一人として、その立場から実態に即してこれから質問をさせていただきたいと思いますので、大臣として、これまでの均等法の具体的な成果というものがどのようなものがあるか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 御指摘いただきました均等法の施行以降、男女の機会均等についての考え方、これは先ほども議論いたしておりましたけれども、かなりのレベルまで浸透したということは間違いないだろうと。しかしまた、ある側面からいったらまだ少し足りない、こういった側面は残されておると思っております。また、企業の雇用管理の見直しも進展したと認識しております。また、実態面で申し上げると、女性の雇用者数の増加とともに、女性の勤続年数の伸長、女性の職域の拡大、管理職に占める女性割合の上昇などが見られております。
 数字的に申し上げますと、昭和六十年と平成十七年比較いたしますと、勤続年数は六・八年から八・七年に伸長いたしました。また、職域について例で申し上げますと、営業職に男女とも配置している企業割合、平成元年度には四五%でございましたけれども、平成十五年度で六一・五%になっております。また、従前、女性が就くことの少なかった渉外や機械オペレーター等への進出など、一定程度拡大してきております。
 三番目に、管理職の問題でございますけれども、女性の割合、昭和六十年、係長職が三・九、課長職一・六、部長職一・〇でありましたのが、平成十七年には係長職、これが非常に大きく上がってきたと思います、三・九から一〇・四と上がってまいりました。課長が一・六から五・一、先ほどから御論議いただいておりますとおり、だんだん上になると少しまだ弱い、部長職が一・〇から二・八という数字でございます。
○神本美恵子君 大臣、今数字を挙げて言っていただきましたので、そういう意味では一定の前進はあったと、全く意味がなかったとは申し上げませんけれども、その数字の上昇を、果たしてきた成果と見るのか、法律のどこかに不備があってそれがなかなか、例えば女性管理職の増え方が二十年たってこれでよかったというのかという、評価は分かれるところではないかと思います。
 私、具体的な細かい、細かいといいますか、本当に現場にいる女性の実態ということから、例えば均等法施行二十年たっても、就職に際して女性たちが相変わらず差別を受けていると。
 就職のときに、募集、採用については、差別禁止した法律があるにもかかわらず、私、学校現場におりましたので、今教育現場にいる先生方から届いている声なんですけれども、例えば求人票が男女不問、もちろんそうしないといけませんからそういうふうになっているにもかかわらず、実際の採用は男子のみという結果になっているとか、女子のみ自宅通勤を要件とするというような募集であったり、いまだに面接で、彼氏はいるか、結婚する気なのかとか、緊急連絡をするので携帯の番号を教えろとか、そういうようなセクシュアルハラスメントまがいの発言が面接の場で行われている。
 そのことを教え子は学校に戻って先生に訴えるわけですね。で、学校の先生はそれを聞いて、とんでもないということで会社に申入れをするんです。そうすると、その翌年からその学校にはその会社からの求人が来なくなる。そうなると、そういうことを恐れて、先生方はもう教え子から訴えがあっても会社に言えないんです、言えなくなるんですね、次の求人が来ない。
 こうした均等法が徹底されていない、されない実態を政府は承知していらっしゃるのか。学校では今言いましたように対処方法がないと。こういう採用時の差別に対して具体的な対処が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 雇用均等室では、計画的に事業訪問を行うことなどによりまして、募集・採用状況を含みます企業の雇用管理の実態把握を行っておりまして、そうした中で、いろいろお伺いする中から法違反を把握した場合には厳正に指導しているところでございます。
 また、特に女子学生の就職問題については、委員御指摘のとおりのような現状がまだまだあるということも承知をいたしております。したがいまして、雇用均等行政におきましては、都道府県の学校教育担当部署と連携をいたしまして、幅広く企業の募集・採用状況についての実態把握を行いまして、大学の就職担当部を通じての情報収集を図っているところでございますし、また、そうした中で問題が見付かりました際には厳正な指導を行っているところでございます。
○神本美恵子君 今日は文科省にも来ていただいておりますけれども、教え子が学校に相談しかできないという現状もあります。
 教育現場からは、小さいうちから、男女ともに性別にかかわらず個性を発揮して、社会参画をしながら家庭生活的な自立の力も付けて生きていくことが大事なんだよと。しかも、現実にしかし女性に対する差別がある、それは男女ともに力を合わせて女性に対する差別をなくしていかなきゃいけない、そういうことを小さいうちから教えていく男女平等教育といいますか、そういう教育が大事だということで、文科省には何度も毎年毎年要請が出されていると思いますが、男女平等教育指針を作っていく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 男女共同参画社会の形成のためには、男女平等の理念に基づく教育が家庭、学校、地域など社会のあらゆる分野において行われることが重要であると認識してございます。このような観点から、学校教育におきましては、児童生徒の発達段階に応じまして、社会科、家庭科、道徳、特別活動などにおきまして男女の平等や男女相互の理解と協力の重要性について指導しているところでございます。
 具体的に学習指導要領におきましては、例えば小中学校の社会科におきましては、日本国憲法で定めるところの男女の平等などの国民の権利、あるいは小中学校の道徳、特別活動におきましては、男女仲良く協力し助け合うこと、男女相互の理解を深め、お互いに協力し尊敬し合う態度の育成に資する活動を行うこと、また高等学校の公民科におきましては、就職生活、社会参加につきまして、男女が対等な構成員であることに留意しながら現代社会における青年の生き方について考えさせるという形で、体系的な指導に努力をしております。
 この指導要領の趣旨を踏まえまして、具体の教科書におきましても、中学校の社会科の公民の教科書におきますと、労働条件の最低基準が労働基準法で定められていること、あるいは労働者を男女によって差別することを禁じていること、そして労働の問題が生じたときには、労働基準監督署等が置かれており取締りに当たっていること、それから賃金の男女間格差などの雇用をめぐる男女間の差別の問題に触れて、それらの問題の解消のためには男女雇用機会均等法が制定されていること、そして人々がこの問題に適切な認識を持つことの重要性、あるいは雇用の問題で困った際には相談に行こうというようなことも教科書に記述されているところでございます。
 また、厚生労働省からも、高校生向けにそれらの法律の趣旨について御説明をいただくリーフレットが配付されているという状況でございまして、今後とも、先生御指摘のような形で、男女共同参画社会の実現に向けました教育の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○神本美恵子君 今おっしゃったことが本当にすべての学校で徹底されていれば、子供たちがそういう場面に遭遇したときに、どういうふうに立ち向かっていけばいいか、どこへ相談すればいいかということが分かると思うんですけれども、実態はそうなっていない。
 ということは、学校の教職員の問題もあるかもしれませんけれども、私は、その学習指導要領の社会科とか公民でそういうことが触れられるように指導要領にも書かれておりますけれども、今言われたような詳しいことは教科書に書かれているだけで、指導要領では簡単に雇用と労働問題、これは高校の公民ですが、それから政治・経済のところでは労使関係と労働市場、産業構造の変化と中小企業というようなことで、先ほど御紹介しましたような女子差別撤廃条約の女性に対する差別とはとか、均等法が何を求めているかというようなこと、それから労働者になったときに自分たちはどういう権利があるのか、その権利侵害されたときはどうするのかというようなことをきちっと必修として教えるような手だてを是非今後検討していただきたいと思います。差別に遭ったときに泣き寝入りしないでいいんだ、どこへ相談に行けばいいというようなことをきちっと教えるべきだというふうに思います。
 ちょっと時間、たくさん質問を用意しておりますので、次に行きたいと思います。仕事と生活の調和についてということで幾つかお聞きしたいと思います。
 先ほど津田議員もこのことは強調しておっしゃっておりましたけれども、今回の改正案では、女性労働者に対する差別禁止というだけではなくて、性別を理由とする差別の禁止ということで、男性労働者もその対象となるようになっております。
 現在、男性は長時間労働、主に家庭責任を担い男性並みに働けない女性たちはパート就労を余儀なくされている、この現状はもう皆さん周知のことだと思います。仕事と生活との両立を困難にするような転勤や長時間労働が可能であるということを条件とされたときには、まだまだ根強い性別役割分業、性役割がある中で、男性は家庭、家族との生活を犠牲にし、女性は雇用の場で排除される、あるいは不利益を受けるというような現状があると思います。このようなことは性差別というふうに考えますが、均等法ではこの性差別についてはどのように対処していくことになるのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) まず、現行均等法におきましても、女性の意思を問わず、一般的に女性は残業の多い仕事は無理だからというようなことで一定の仕事から女性を排除するような場合、あるいは逆に、今度の改正法案では男性差別も禁止しておりますから、この改正法におきましては、男性であることを理由として長時間残業の多い職場に男性だけを配置するというようなことになる場合、こうした場合につきましては、配置というような分野における均等法違反、性差別ということになりまして、均等法違反ということでしかるべく指導をしていくということでございます。
 また、今回御提案申し上げているこの均等法改正法案におきましては、転勤につきましては、今般の間接差別の対象として、コース別雇用管理の総合職の募集、採用に当たり、全国転勤を要件とする措置を厚生労働省令に規定する予定としているところでございます。こうしたことで、合理的な理由のない全国転勤を要件とした募集、採用ということは禁止されることになると承知をいたしております。
 これ以外の要件については、間接差別につきましては、必要に応じ省令を見直すという法体系によりまして対応していくことができるということでございます。
 なお、育児・介護休業法におきましては、子の養育あるいは家族の介護を行う労働者に対して転勤の配慮あるいは時間外労働の制限を求めておりまして、この法律に基づきましても対応に努めているところでございます。
○神本美恵子君 つまり、仕事と生活が両立できない職場に、あるいは職務に男性のみが配置されているということは均等法上問題であるということですか。一言で結構です。
○政府参考人(北井久美子君) 結果として、たまたま男性だけが現状において配置されているということであるならば、必ずしも均等法違反にならない可能性もあるわけでございますが、会社の方針としてこうした残業の多い職場には男性だけを配置するというようなことがある場合は、性差別の問題として均等法違反ということになります。
○神本美恵子君 結果的になのか意図してなのか、そこは判断が分かれるところではあろうと思いますけれども、そういう状態が出ているということは均等法上違反になることもあるというふうに受け止めていいですね。
 長時間労働が非常に問題になっております。労働時間設定改善法に基づく指針では、労働者の多様性を尊重し、仕事と生活の両立、つまりワーク・ライフ・バランスを可能とするように定められておりますけれども、現実に設定される労働時間を両立可能とするには格段の対策が求められると考えます。
 実際に、現在、労働者の時間外労働制限ということでは、年間三百六十時間という基準が設けられております。この三百六十時間の根拠というのは何なのか。仕事と生活の調和を達成できる時間外労働時間はどのくらいというふうに厚労省としてはお考えでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) 年間の時間外労働の上限につきましては、今委員がお触れになりましたように、労働基準法に定める基準ということで三百六十時間というふうになっております。これは、平成四年八月に四百五十時間から三百六十時間に変更したものでございます。これは、当時、平成三年に行った時間外労働の実態調査を踏まえまして中央労働基準審議会で検討を行い、労働時間の短縮を目指すということで考えられ決定したものでございます。
 時間外労働については、仕事と生活の両立の観点からも必要最小限度にとどめられるものであろうというふうに思っております。労使でこういった年間の時間外労働については三六協定で協議をして決めていくということでありますので、労使でこのことを十分意識した上で協定を締結していただきたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 時間外労働の短縮ということが根拠になっているというお答えで、じゃ、仕事と生活の両立、調和を達成するために時間外労働はどこまで抑制されるかということについては、その数字的なものは持っていらっしゃらないという御答弁でしたけれども、先ほど局長お答えになりましたように、均等法上、仕事と生活が両立できないというような職務、職場に男性のみが配置されているということは均等法上の問題ともなり得るというお答えがありましたので、そうであれば、均等法の基本方針の中に、本当は私は法律の中にきちっと理念としてこの仕事と家庭の両立ということを示すべきだと思っているんですけれども、それができないのであれば、基本方針に、例えば仕事と生活の両立を実現するために、長時間労働あるいは時間外労働を抑制するというようなことを入れるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 新しい男女雇用機会均等対策基本方針につきましては、改正法案の成立後、速やかに策定をし公表をしていきたいというふうに考えております。
 その内容に仕事と生活の調和に関する事項を入れるかどうかにつきましては、この内容も労働政策審議会の議論を経て決めるということになっておりますので、国会の御意見も踏まえ、審議会にも議論いただいて検討していきたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 是非、審議会でどのような議論になるか分かりませんけれども、こうした実態が、性役割を前提とした、男性長時間労働、女性はパートというような、こういう現状になって均等を阻害しているということを是非厚労省としても強く出していただいて、そういう方向になるようにお願いをしたいと思います。
 次に、雇用管理区分と同一価値労働同一賃金について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 雇用管理を区分する基準として、職務、勤務場所、労働時間などが典型として考えられます。今回の法改正で、採用時、昇進時の転勤要件は間接差別とされました。これは勤務場所という区分で管理することが性差別につながるということだと思います。二十五日の質疑でも、総合職と事務職では事務職に女性が圧倒的に多い、正規社員と有期契約社員では有期契約社員に圧倒的に女性が多いということは間接差別に当たるという見解が示されました。
 雇用管理を区分する基準としての職務、労働時間も、合理性がない場合、間接差別に当たるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 一般法理としての間接差別法理の俎上にのり得るかというお尋ねであれば、間接差別は性中立的なものであればどのような要件でも対象になり得るものでございますので、職務や労働時間を要件とする取扱いも、一方の性に相当の不利益を与えるということになれば間接差別法理の対象となり得るというふうに考えます。
○神本美恵子君 雇用管理を区分する基準が合理性のない差別となったときには、行政権限の発動によって差別とされた基準が排除されることになります。そうなった場合、昇進昇格と賃金についても是正することになるのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 仮に、今後、職務や労働時間の内容を要件といたします昇進昇格の措置について改正法案の第七条に基づく省令に規定したということになりますと、これらの措置のうち合理性のないものは均等法違反となって指導を行うことになります。
 なお、賃金については均等法の対象としておりませんので、対象にならないものでございます。
○神本美恵子君 均等法に基づく差別の是正が賃金に影響を及ぼす場合、例えば間接差別によって昇進が後れていた労働者が差別是正として昇格をしました。ところが、職務給は支給されなかった。こうした賃金の格差を是正する方法はどう考えておられるのでしょうか。
 実際に、一般職から総合職に転換しても、一般職、総合職というコースがあって、一般職から一定の年齢になって総合職に転換しても、この一番最初の振出しに戻るといいますか、に戻って、賃金は一般職のときのままか、あるいは実質的に下がってしまうというようなことが実態として起こっております。こういう場合、勤続年数を加味するなどのポジティブアクションによって是正を図るべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) コース別雇用管理を行われる場合におきましても、事実上の男女別の雇用管理となってはならないことはもとよりでございますし、また、どのようなコースの区分を選択した方につきましても、その能力を存分に発揮して働き続けられる環境づくりに取り組むことが望ましいわけでございます。
 こうしたことから、厚生労働省におきましては、コース等で区分した雇用管理についての留意事項というガイドラインを示しておりまして、その中で、均等法等に照らし女性の能力発揮のために行うことが望ましい事項として、まず、コースの区分間の転換を認める制度を柔軟に設定すること、それから転換制度を設ける場合においては、例えば転換時の格付が適正な基準で行われることというようなことに配慮した制度設計を行うことが望ましいということで規定をいたしまして、助言をしてきているところでございます。今後とも、この留意事項について一層の周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 留意事項のことは分かりましたが、ポジティブアクションによって是正を図るということについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) このコース別雇用管理の留意事項につきましても、一種のポジティブアクションを進めるためのその手段といいますか、であると考えております。また、そのほかにも男女間の賃金格差の解消に資するようなガイドライン、あるいはポジティブアクションの自主的取組を促すガイドライン等を作っておりまして、このコース別雇用管理の留意事項も併せましてポジティブアクションの一環としてお勧めをしているところでございます。
○神本美恵子君 日本の労働基準法や均等法を解釈、運用するときに、ILO百号条約に定められていることを適用するのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) ILO百号条約の同一価値労働同一報酬原則のお尋ねと承知をいたしましたが、その同一価値労働同一報酬原則とは、性別による差別なしに定められる報酬率をいうとされているところでございまして、その意味での同一価値労働同一報酬原則は、我が国の法制におきましては、労働基準法第四条によって担保されているところでございます。
○神本美恵子君 そのILO百号条約の同一価値労働に対する男女の同一報酬ということについては今おっしゃっていただきましたが、行われる労働に基づく職務の客観的な評価を促進する措置がこの条約の実施に有用である場合には、その措置をとらねばならないというふうに定められております。つまり、ILO条約では、職務評価について必要な場合には導入すべきとなっているわけですね。
 この条項に沿った措置をとる必要があるというふうに考えますが、男女の賃金格差是正のために検討できないでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) ILO百号条約には、今御指摘いただきましたとおり、行うべき労働を基礎とする職務の客観的な評価を促進する措置、つまり職務評価手法の導入を、とれる場合にはとるようにということが書かれているわけでございます。
 この職務評価手法の導入でございますが、御案内のとおり、我が国では、職務、ジョブに賃金がリンクしておりますヨーロッパ諸国とは異なりまして、我が国の賃金というものは非常に幅広い観点から定められておりますし、特に採用後の担当職務を決めずに採用し、幅広く職務経験を積ませることで人材育成を図る慣行が広く見られております。そうした状況の下ではなかなか難しい点もございます。
 そして、この職務評価手法というものをやろうといたしますと、同一価値というものにどのようなものが含まれるべきか、さらに実際の評価要素をどのように客観的に測定するのか、画一的な基準は策定できるのか、だれが判断するのかといったような技術的な問題もございまして、なかなか速やかに現時点で導入していくというのは難しいのではないかというふうに考えております。
○神本美恵子君 局長の速やかには難しいという言葉にちょっと望みを託しまして、しかし私は、この賃金格差を是正していくには職務評価というものを研究、是非していただきたいと思います。今のようなコース別管理で行われている場合の賃金格差是正をしていくには、これは是非ILO百号条約を導入して研究を、速やかでなくていいですけれども、着実に研究していただきたいということをお願いしたいと思います。
 雇用管理区分の留意事項について、先ほどちょっと触れていただきましたが、ある企業で、一般職の五十五歳の女性が総合職の二十五歳の男性を職務指導している、そういう立場でありながら賃金は一緒というような状況が出てきております。
 こういう場合、コースの各区分における職務内容や処遇について合理性、透明性を高めるというふうに留意事項でなっておりますけれども、今お話ししましたような事例の処遇に合理性があるのか、そういう合理性に物差しというものはあるんでしょうか、合理性があるかないかを判断する物差し。
○政府参考人(北井久美子君) 今御指摘いただきましたように、このコース別雇用管理の留意事項におきましては、コース等の各区分における職務内容や処遇について合理性、透明性を高めることということで定めておりまして、それ以上の具体的な判断につきましては各企業のお取組に任せているところでございます。
 それで、個別の事案を詳細に分析をいたしませんと、その個々の今御紹介いただきましたような事案について合理性があるかどうかについて判断することは困難でございますけれども、いずれにいたしましても、この留意事項を踏まえて、本当に企業の中で適切な雇用管理が行われるように促していきたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 是非、企業任せではなくて、こういった賃金格差のもとになるような事態が少しでも解消されていくように指導をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、多様な働き方が低賃金を生んでいる構造について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 多様な働き方という名目で女性たちが低賃金で不安定雇用に追いやられているという実態があります。特に有期契約が問題となっています。そこで、新規採用で有期雇用になっている労働者の男女比はどうなっているのか、つかんでいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) 新規学卒者のうちの男女比による有期雇用契約の数というお尋ねでありますけれども、文部科学省の学校基本調査によりますと、平成十七年三月に大学を卒業して新規に就職した者は三十二万九千百二十五人でございます。新規学卒者のうち有期雇用契約で就職する者の割合については承知しておりません。
 なお、総務省の労働力調査によれば、新規学卒者を含む十五歳から二十四歳の有期契約労働者のうち、男性労働者は三十三万人、女性労働者は四十五万人おりまして、その比率は一対一・四となっております。
○神本美恵子君 昨日の参考人の発言にもあったそうですが、大学を卒業して嘱託員として雇用され、三年、五年たてば雇い止めになってしまうという事例が多発しています。恐らく皆さんも、皆さんの御家族とか御近所、お知り合いの中に、私自身にも家族の中にいるんですが、そういう契約社員として三年働いて、一回更新して六年働いたらもうそれで終わりというような事例、たくさんあります。これは実質的な若年定年制の再来ではないかというふうにも思われますけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) 有期労働契約につきましては、高度の専門性が必要な時限的なプロジェクトを実施する目的でありますとか、あるいは業務の繁閑に対応するという目的でありますとか、あるいは経験を有する高齢者を活用するというような目的、あるいは正社員としての適性を見る目的等から活用されているものというふうに理解をしておりますけれども、一方で、契約の更新が繰り返されまして、更に将来にわたってその更新をされ続けるということを期待している労働者もいるということは事実だろうと思います。
 有期労働契約におきましては、契約更新の繰り返しにより、そういった一定期間雇用を継続したにもかかわらず、突然、契約更新をしないで期間満了だということで、その期間満了時点で退職をさせるという、いわゆる雇い止めと言われておりますけれども、これをめぐるトラブルが問題となっておりますので、平成十五年に労働基準法を改正した際に有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を定めました。
 この基準には、使用者は、有期労働契約を更新しようとする場合においては、その契約の実態、それから労働者の希望に応じて契約期間をできる限り長くするよう努めなければならないと定めております。そのほか、この基準では、期間満了後における更新の有無でありますとか、更新する場合あるいはしない場合の判断の基準を明示しなさいとか、あるいは三十日前までの予告をして雇い止めをすると、あるいは更新をしない場合にはその理由を明示しなさいというようなことを定めております。
 そういったことで、私どもとしては、有期労働契約が労使双方にとって良好な雇用形態と、契約形態となりますように、こういった基準を踏まえた指導をしながら引き続き周知、こういった指針の、基準の周知などにも努めてまいりたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 有期雇用といいますか、有期契約については様々な形といいますか、あるというふうに御紹介もいただいて、問題がある場合には雇い止めの場合には指導を行っているというお話でしたけれども、例えば雇用管理区分に言う事務職は三年契約の女性のみという、一方の性に偏った期限限定付きの採用になっている実態があるというふうに報告されておりますけれども、こうした事例は均等法違反に当たるのでしょうか。
 厚労省はこうした事例に対してどういう指導を行うのか、その指導の内容と実績をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北井久美子君) 有期雇用の契約社員について、女性のみについて募集、採用を行っているというようなケースにつきましては、募集、採用についての性差別の問題となりまして、均等法違反であるというふうに考えます。
 男女差別として均等法違反とされた事案につきましては、助言、指導、勧告を行いまして、勧告に従わない事業主に対しては大臣が企業名公表を行うことができるシステムになっております。
 一般的に、この有期契約社員の募集、採用に限定した数字は持っておりませんけれども、平成十六年度の募集・採用関係の助言等の件数で申し上げますと、三百二十一件ということになっております。
○神本美恵子君 こういう有期契約における均等法違反といいますか、事案が恐らく増えていると思いますので、全体的な募集、採用における違反事項だけではなくて、その内訳を是非今後調査していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 次に、法改正、これからの省令改正等もございますし、今後の見直しに当たっての当事者参画ということでお伺いをしたいと思います。
 民主党は、修正案で見直し規定を設けるように求めております。二十五日の質問では、間接差別の対象拡大等は国民の声を聞いて行うというような答弁が行われました。
 この国民の声を聞くというのは具体的に何を指すのか。特に女性労働者の場合、どこにも声を上げられない未組織の労働者が大変多いわけです。そういう未組織の労働者の声をどのようにお聞きするのか。これまでも審議会やパブリックコメントなどで声を吸い上げてこられたと思うんですけれども、そういうところにも反映されない声というのがたくさんあると思います。そうした声をすくい上げる手だてを考えていただきたいんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 厚生労働省令などの策定に当たりましては、改正法案が成立した場合には、平成十九年四月を施行の予定といたしておりますが、その施行までのなるべく早い時期に労働政策審議会に議論をお願いする予定となるわけでございます。
 その際、今般の改正法案の検討を行いました際にも行いましたことでございますけれども、パブリックコメントによって広く国民の声を聞いてまいりたいというふうに考えております。また、パブリックコメントでございますから、広く国民の皆様から意見や情報をいただけるものだというふうに考えておりますが、そのほかにも、審議会の委員に対して、あるいは私ども行政機関に対して様々な意見書等もいただくことがございます。そうしたものについても広く参考にしていきたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 パブコメとか意見書等でも寄せられると思いますけれども、私は、一昨年からDV法の改正に参議院の議員立法として、共生社会調査会のプロジェクト委員として携わってきたんですけれども、そのときに、例えばDVの被害当事者、あるいはその被害者を支えるシェルターの方たち、いわゆる当事者ですね、その当事者の声を本当にたくさん聞かせていただきました。
 彼女たちの本当にもうせっぱ詰まった悲鳴のような声を、ペーパーで読むのと実際にその方にお会いして聞くのと、これは全く違うんですね。私の経験です。
 彼女たちの、DV法のときはDV被害者という彼女たちの生の声が、私は何度も聞かせていただくことによって法律の中に少なからず反映できたというふうに自負もしております。それは当時のプロジェクトメンバー、皆さん同じ感想を終わった後も言っていらっしゃいましたので、一緒だと思います。
 この均等法の改正に当たっても、均等法の場合は、働く場にいる、特に組織されていない不安定雇用に置かれている女性たちの声をどのように吸い上げるか、じかに聞くかということというのは非常に重要ではないかと思います。DV法のときは厚労省の担当の方たちも毎回、院内で行われる集会にも参加をしていただいて、それから彼女たちが要請に行けば丁寧に本当に声をじかに聞いてやっていただいて、それぞれのお役人の方も、私たち議員も、お会いするたびに自分自身が変わっていくという感じがしたんですね。
 この当事者の声を法律に反映していくということは非常に重要ではないかと思いますので、パブコメや意見書で聞いておりますというのではなくて、何とかそういう、まあシステムはできないかもしれませんけれども、そういうことの重要性を認識していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。大臣、これお願いします。
○国務大臣(川崎二郎君) ドメスティック・バイオレンス法制定の際に、特に女性の議員の方々が中心になりながら御努力いただいてきたこと、私、衆議院の国対におりまして、たしか参議院の方々がわざわざ衆議院までお見えになったことも思い出します、大変御努力いただいたなと。その原動力が直接声を聞きながらやってきたことだと、こういうお話をいただきました。
 私どもも、そういった意味では正に現場がございます。雇用均等室、また労働基準監督署のそれぞれの部門、部門がありますので、そういったところへ現実に今いろんな声が寄せられていることは事実だろうと、そういうものを私どももしっかり拾い上げることをもう一度検討してまいりたい。局長にすべて全部出回って聞けというのはなかなか難しゅうございますので、しかしながらDVの場合と違って、日ごろからかなりの数のものが私どものところに寄せられていることは間違いないと思いますので、そういったものをしっかり拾い上げるような努力はしてまいりたいと、こう思います。
○神本美恵子君 ありがとうございます。
 DVのときは知りませんで、失礼いたしました。お世話になったそうで、ありがとうございます。
 国会としても、もう今言ったことは、私たち自身も当事者の声をしっかり聞くと、具体的事実から目を背けないということが立法する立場からも大事だと思いますが、行政の立場としても是非そのことを、大臣の今お言葉もいただきました、様々な形で努力をしていただきたいというふうに思います。
 次に、セクハラの問題、セクシュアルハラスメントですけれども、労働相談の多くがセクシュアルハラスメントというふうに聞いております。これもDVと同じように最近になってようやく声を上げられるようになってきたということで、均等法の中にも明記をされた、今回は配慮義務から措置義務になるということで、ますます多くなってくるのではないかと思います。
 実際に事業主が措置を行ったかどうかということについてどのように確認をされるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(北井久美子君) 今御指摘がございましたように、平成十六年度におきますセクシュアルハラスメントに関する女性労働者からの相談件数も六千二百九十一件、是正指導件数は四千六百二十八件ということで、大体その全体の相談件数の四割を超えるものでございまして、非常に依然としてセクシュアルハラスメントに関する均等室への相談は多くなっております。そして、非常に深刻なものも多うございます。
 そうした中で、全国の雇用均等室におきましては、その相談を端緒とするのはもとよりでございますが、事業所訪問等を通じまして法の施行状況を確認しております。そして、法違反がありました場合には是正指導を行っていっているということでございます。この是正指導を行いました結果、本当に指導に基づき是正されたかどうかは、企業から必ず是正報告を求めて確認をしているところでございます。
○神本美恵子君 このセクシュアルハラスメントというのはもう本当に様々なところで起きておりますし、顕在化するようになったというふうに思います。特に、規模の小さい事業所で多いということも聞いております。その中小企業だけにこうするわけではありませんけれども、特にそういうところで起きているというような現状に対して、そういう事業所に対する対策、特に重点的に行う必要があるのではないかと思いますけれども、そこはいかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 職場のセクシュアルハラスメントの防止対策につきましては、今御説明を申し上げました行政による助言、指導に加えて、防止のための具体的なノウハウの提供を行う、ノウハウの提供をすることが大事でございますので、必要な相談対応マニュアルやビデオ等も作成をいたしまして、実践講習もやり、その啓発に努めているところでございます。
 今御指摘のとおり、中小規模の企業に対してはなかなかその周知が行き届かない点もございますし、また中小企業でいったん例えば社長がセクシュアルハラスメントの加害者というようなことになりますと、なかなか労働者にとって厳しい深刻な事態になるようなことでございますので、今後、一層その中小規模の企業に対する指導や啓発に重点を置いていきたいと思っております。その際には、関係の様々な業種団体もございますので、業種団体、事業主団体の御協力を得るなどして、効率的で効果的な指導に努めていきたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 是非きめ細かにあらゆる、あらゆるというか、もうできるだけ多くの小さな事業所にもそういうこのセクシュアルハラスメントの問題について周知がされるように御努力をお願いしたいと思います。
 セクハラでその被害に遭った人たちが泣き寝入りをしていたのが声を上げられるようになった、でも声を上げたために二次被害に遭うというようなこともございますし、それによって本当にいやしがたい傷を負ってしまう、PTSDになるというようなそういう状況も生まれております。
 これに対しては労災として認められるということになったことが厚労省から通知として出されております。これによって多くの人々が勇気付けられたというふうに思いますけれども、なかなかそのことが周知されていないのではないかというふうに思われるんですが、この労災対象になったということの周知を是非やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) セクシュアルハラスメントも含めまして、職場における様々な心理的負荷を原因とする精神障害等の労災認定における取扱いにつきましては、これまでもパンフレットの配付などによって周知に努めてきたところでございまして、今後とも周知を徹底してまいりたいと考えております。
 また、事業主が講ずべき職場におけるセクシュアルハラスメント防止対策についても周知をすることは言うまでもないわけでございますが、そうしたパンフレットの中にも何らかの周知ということについて検討していきたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 予定していた質問、大体全部終わったんですけれども、最後になりますが、大臣、副大臣もずっと質疑聞いていただいたと思います。
 この均等法が求めているもの、これを実現していくということは、何も職場で働くその女性労働者のためだけではなくて、このことは私は今本当に深刻な問題になっている少子化とも決して無縁ではないというふうに思います。働き続けたい、人間として自己実現をして生きていきたいという、女性だけではなく男性も、今、今の働き方の中ではなかなかそうなっていない。働き始めて、いろんな職場で働き始めるわけですけれども、そこでいろんな目に遭いながら、あるいは結婚をした、結婚しても働き続けたいけれども職場の雰囲気で働き続けることができない、退職を余儀なくされる。あるいは妊娠、出産に対して育児・介護休業制度があるからそれを取ることはできた、しかし子どもが生まれた後、その子をどこに預けることもできなくて辞めざるを得ないというような中途退職を、結婚や妊娠、出産で中途退職を余儀なくされてきた女性、あるいはそれを乗り越えながら本当に髪振り乱して働き続けている女性、そういう女性たちの本当に血のにじむような闘いの中でこの均等法も充実してきたんではないかと思いますし、今日、傍聴席にたくさん女性、いろんな年齢層の女性の方たちがおいでになっていますけれども、そういう思いを持ってこの均等法を、もう少しでもいいものにしたい。そして、改正されたらそれが広く周知されて、一人でも多くの女性たち、今回は男性も対象になりますので、男性たちの、仕事と家庭を両立しながら、男性はもっと子育てにも家庭生活、地域生活にも自己実現としてかかわっていける、女性は会社の中や社会の中でもっと自己実現をし自分の能力を発揮できるというような社会にしていくことこそが私は少子化に歯止めを掛ける、それが目的ではありませんけれども、結果としてそういう結果に導かれていくというふうに思います。
 これは、欧米諸国でもう既にそういう証明、立証といいますか、されています。男女共同参画、働く場での女性の地位をきちっと確保していくことが少子化の歯止めになっているということは、今日、清水先生いらっしゃいますが、少子高齢調査会で昨年御一緒させていただいて、男性の長時間労働を何とか解消しながら、男女ともに子育てにかかわることができる社会をつくっていくことが少子高齢社会に向けて大事なことなんだということを御一緒に研究もさせていただきました。
 今のまま、この均等法で本当に、女性の非正規化がどんどん進行しておりますけれども、これに歯止めが掛けられるのか、あるいは男性の際限ない長時間労働に歯止めが掛けられるのかということについては、私は今回の改正で、必ずしもこれで何とかできるというふうに思えないところがあります。
 妊娠、出産に対する不利益取扱いについては一定、禁止事項が強化されましたけれども、最後にこれについて、大臣、少子化との関係も含めて、均等法が本当に実効あるものになって、先ほど申しましたような社会になるためにどうしたらいいのかということ、見解、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 冒頭、数字を出して議論させていただきましたように、二十年間で改善が進んできたことは事実だけれども、例えば欧米と比べて男女間の賃金格差の問題、また管理職として仕事をされている率、そういったものを見るとまだまだ我が国は後れておると言わざるを得ない。したがって、今回の改正も含めて、より私ども努力をしていかなければならない課題がまずあると思っております。
 一方で、少子化でございますけれども、かつて出生率の高かったアジアの国々、日本に次いで韓国、台湾、香港、シンガポールでしょうか、一・二以下の数字の状況になってきている。そこにはどういう変化が加わってきたか。かつてのアジア独特の家庭環境というものが大きく変わってきて、そして欧米同様な形に変化しなければならないところが後れてしまった、そこが付いていけなくなって出生率にも大きく影響してきた、こう考えざるを得ないんだろうと。
 そういう意味では、私ども、まず若い夫婦に対して経済的支援をどうしていくか。児童手当等の問題も随分この場でも議論させていただきました。それから、今預けるところがないから辞めてしまったという御提起いただきました。保育園というものを、保育というものをどうしていくか。それから、今回一番大きな切り口になってきますのは雇用の問題ということになってまいるだろうと。特に、若者の雇用の問題と男女均等という考え方、ここに対してどう私どもは政策を打ち出していけるか。あわせて、この四か月ぐらいの議論の中で、不妊治療という問題についてもう少し踏み込めないかと、こんな議論もいただいてきたように思っております。
 そして一方で、例えば欧米諸国でも、例えばドイツはかなりの面で丸が付いているけれども、日本と同様に出生率が低い。どこか一つが欠けると実は落ち込んでしまっている例。
 一方で、私もちょっともう少し勉強しなきゃならぬなと思っているのはフランスなんです。日本が今大きなテーマとしてとらえている若年者の雇用という面では極めて低いですね。二五%ぐらいは若者の失業率があるんじゃないでしょうか。それにもかかわらず、正に出生率はアメリカに次いで高くなってきている。どういう枠組みになっているのか、しっかり勉強しなきゃならぬ。
 しかし、今申し上げたやっぱり三つぐらいの一つのものに対してきちっとやっていかなきゃならぬし、大きな議論としてやっぱり雇用の問題というものをもう少し全体が、企業の理解も得ながら、国民の理解も得ながら踏み込んでいきませんと少子化の解消という形にはつながっていかないだろうと、こういう意識を強くいたしております。今回の議論も通じましても、一層その感、強くさせていただいておりますので、しっかり頑張っていきたいと、このように思います。
○神本美恵子君 今ドイツの例やフランスの例出していただきましたが、昨年のその少子高齢調査会の中で、まあ勉強したといいますか、参考人からいろんなお話お聞きした中で、欧米諸国の中でもドイツとイタリアとが日本とよく似た感じで、男女平等施策もしているけれども出生率が上がっていないと。それから、フランスや北欧の方は出生率が上がっているんですね。これは何が一番男女平等施策をしながら違うのかというと、やはり性役割、性別役割分業意識がイタリア、ドイツは日本とよく似て、何か昔の、この三つの国を聞くと昔を思い出しそうなんですけれども、あえて言いませんけれども、この性別役割分業というものの意識がやはり根強い、そういう文化的な、風土的なものが背景にあるのではないかということを参考人からお聞きしたことが私は非常に印象に残っております。
 これは何も厚生労働省の雇用の場における平等の施策だけではなくて、内閣府で取り組んでおります男女共同参画社会という、この推進ということとも深くかかわると思いますが、冒頭に申し上げましたように、男女が本当に生き生きと働いていける社会をつくることこそが少子化にも寄与するんだということ、大臣からもそういう見解を聞かせていただきました。そういう立場からも、この均等法が本当に一年一年施行されることによって、実施されることによって様々なことが改善されていくためには、是非、毎年の施行状況、それから何年後かには見直していくということ、作業が行政としても、また国会としても非常に重要ではないかということを思っております。
 そういう意味で、今日質疑をさせていただきましたが、多くの声なき声を持っている女性、働く女性たち、あるいは働く場から去らざるを得なかった女性たちの思いにはせながら労働行政をやっていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(山下英利君) 午後三時三十分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後三時三十分開会
○委員長(山下英利君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(山下英利君) 休憩前に引き続き、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○円より子君 民主党・新緑風会の円より子でございます。
 火曜日にも八十分の質問時間をいただきまして様々な問題点のあるこの改正案について質問をさせていただきました。そのときにもお話ししましたけれども、私どもは、この改正案で本当に男女の仕事と生活の調和が図られ、そしてだれもが差別なく安心して働いていける社会になるような、そんな法案になるのかという大変な懸念を持ちまして、修正案を作って用意しているということを申し上げさせていただきましたけれども、今回は、またその修正案の中の、是非ともこの辺りは修正もしてほしいし、そしてこの法案が、様々な分野で働いていらっしゃる方がおかしいと思ったときに相談に行き、裁判にまで訴えようというときの妨げにならないような形に是非なってほしいということで、答弁もしっかりした答弁をいただきたいと思って、再度今日は質問に立たせていただきました。
 今回の法改正によって間接差別の概念が定められたことは、これは大きな前進だと思います。しかし、私が、前回の質問で何度も、この三つに限定列挙されたことが大変問題で、この三つだけに限ってしまうといろんな弊害が出てくるということで、例えば間接差別の概念や、どういうものが間接差別なのかというそうしたことについて、つまり間接差別の定義、そして間接差別の法理、これを行政として広く企業や労働者に周知徹底してほしいと申し上げましたが、そのときの御答弁で北井さんは、省令の三項目を中心にですとか、ウエートを置いてと答弁なさいました。これはもっとはっきりと、三例の中心やウエートというよりも、ほかの参考例も様々な例を挙げながら周知徹底していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 法律の内容を広く周知することは極めて重要であると考えてございます。したがいまして、改正法案が成立した場合には、速やかに事業主や労働者に対しまして、あらゆる手段によりまして、間接差別が規定されたこと、その概念なども含めて、法の趣旨及び内容の周知を図ってまいりたいと思っております。
 まずは、均等法上違法とされる可能性が高いものにつきしっかりと周知することが重要でございますが、厚生労働省令で規定する以外のものにつきましても、民法などの適用によって違法とされる可能性があることについてもしっかりと周知をしていきたいというふうに考えております。
○円より子君 女性差別撤廃委員会の最終コメント、何度もこれ申し上げましたけれども、その中にも、間接差別の意味と範囲について意識啓発のためのキャンペーンを勧告してきました。この間接差別の定義や間接差別法理についての意識啓発を行うことは、あらゆるところでと今言ってくださいましたけれども、それらが省令の定めに限られないこと、三つに限られないということですね、それからそうした間接差別に当たることがこの三つ以外にも存在するということを明示してほしいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 間接差別法理一般についての考え方、それからそうした法理の中では均等法上違法とするもの以外にもあり得るということをきちんと周知をしていきたいというふうに思っております。
○円より子君 研究会報告で示された七つの事例というのがございますけれども、これをまず中心にして、三つだけではなくて、こうしたものを始めほかにも様々あるというその参考例を示すというふうに解釈してよろしいでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) やはり均等法の周知ということでございますから、やはり基本は均等法上違法となる三つのものをしっかりと周知をするということでございます。
 そのほかいろんなものが法理の中ではあり得るわけでございますので、必ずしも残りの四つのものを例示することが適当かどうかということには、ちょっと慎重な考えを持っております。
○円より子君 聞き方が悪かったかもしれません。
 私どもは、その三つプラスのあとの残りの四つだけで間接差別がいいとは思っておりませんので、まず限定列挙というのはおかしいけれども、それをもちろん中心にして、それ以外にも様々あるんですよという参考例、多分実際の、こうこうこういうことがあるというふうなことじゃなくて、実際に様々な多分相談を受けていらっしゃると思うんですね。こういうものも間接差別に当たるんですよというような形の参考例も含めて周知するんですか。もう一度確認させていただきます。
○政府参考人(北井久美子君) 基本的な定義、概念というものをしっかりと周知することによって間接差別の法理というものを分かっていただくということが基本だと思います。
 そして、均等法上違法となる、これは合理的理由のない限り均等法上違法とされますよということをやはりすべての事業主、労働者に分かっていただくということが大事であると思いますので、やはり均等法上の周知としてはそこに重点を置かざるを得ない。そうでないものとまぜこぜになりますとかえって混乱を招く可能性があると思っております。
○円より子君 こういうものが間接差別になるんですよということはきちんと事業主等に言っていくということだと思いますが、大臣、なぜ私が何度もこの三つに限定された、省令に限定されたものにこだわるかと申しますと、大臣は、じゃ、それ以外の間接差別に当たるだろうと思われるようなことがあった場合に、裁判に訴えたときの、もしこの三つに限定されたらどうなるかということを何度か、本会議でも、それからこの委員会質疑でも何人もの方から質問があったと思うんですが、そのときに大臣は司法には影響しないというようなことを言ってくださっています。
 これが、実は、御存じだと思いますが、最初にこの均等法ができたときに、もちろんその前の年にずっと国会で審議がされたわけです。当時の大臣は坂本三十次さんでいらっしゃいました。それから、当時の局長、担当局長は赤松良子さんでした。
 それで、例えば赤松良子さんはこのように言っていらっしゃるんです。もし今度のこの均等法が成立したとして、裁判がしにくくなる、あるいは裁判上不利になるのではないかという見解は私もしばしば耳にしたと。しかし、彼女が言うには、本法の努力義務規定は機会の均等、待遇の平等を進めるということを目的としているわけでありますから、この法律ができたからといって公序良俗の一般的な法理を排除するというような趣旨は全くないわけですと言っているんですね。仮に労働者が特定の事案について公序良俗違反がありという裁判を提起したとすれば、努力義務ができたからといって公序良俗であったものが公序良俗でなくなるということは私には考えられないと。
 また、大臣も、国民の名において法律を作るという、かくあるべしということだから、大きな前進で、大きな社会的インパクトであって、こういうことを、企業が社会的責任は自覚しているから、この法律ができれば間違いなく前進をしていく、やはり司法に影響しないというようなことを言っていらっしゃる。
 ところが、その後、均等法ができて大変喜んだ女性たち、もちろんそれは努力義務規定だった、そのときはまだ禁止じゃなかったから。それでも、少しは均等法ができて良くなるかと思った女性たちが様々な差別を受けて、裁判になったときに敗訴してるんです、ずうっと。和解までに十年は掛かるとか、そういう事例が山のようにあるんです。
 裁判するということは大変なことなんですね。女性たちがそういう差別を受けているということは、同期の男性はみんな上の方に行っていて、そういう上司やすべての会社を相手にして闘うことですから経済的基盤だって弱い。様々なことをそこで働きながら言われることもあるでしょうし。それが延々と十年も続いていく。そうすると、司法に影響しないと幾ら大臣がおっしゃっても、局長がおっしゃっても、ここに三つに限定列挙してしまえばどういうことになるかということに大変大勢の女性たちが懸念を持っていらっしゃいます。
 この点について大臣はどのようにお考えになるのか。またこれから、大臣の言葉がそんなに軽いものだと私も思わないんですけれども、本当にこれがこの法律の意識としてしっかりと裁判に悪影響を与えないように済むのかどうか、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) まず坂本大臣の御答弁でしょうか、努力義務規定に挙げた、それによって裁判に影響を与えることはない。一方で、円委員の方から、それが裁判に影響を与えてしまった例があるんだと、こういう御指摘でございます。私もそこのところはよく勉強してないから分かりませんけれども、少なくとも裁判に影響を与えるものではないというスタンスで来たんだろうと思っております。
 今回の問題につきましても、再三御答弁申し上げておるとおり、均等法上違法とされる可能性、これについて三件列挙いたしました。これはコンセンサスが取れたものと。しかし一方で、省令でございますから私ども見直しはしてまいりますと、こう答えている。見直しをしてまいりますということは、今後の可能性というものを暗示してるわけですから、そこは御理解を賜りたいと。一方で、裁判という構成の中に我々の今回の立法というものが強い影響を与えるものではない、裁判を縛るものではないと、こう申し上げているわけで、正に再三御答弁したとおりでございます。
 御懸念ということはよく分かりますけれども、私ども先ほどから申し上げているとおり、我々自身も見直しをしてまいりますよということも強く受け止めていただければ有り難いと、こう思います。
○円より子君 私は懸念というかなり遠慮した言い方をしたんですけれどもね。懸念じゃないんですよ、これは。実際に、九七年の改正の後で、それまで闘ってきた裁判で公序良俗にこれは反しないと言っていたものが、均等法で努力義務規定が禁止になった途端に公序良俗に反するからって勝てるようになったりとか、もう四月一日の前と後でころっと変わっているんです。ですから、影響しないということはあり得なくて、本当に法律ができたことによって逆効果ということだってあるわけですよね。
 ですから、その三例だけを列挙することは大変問題ですので、大臣のお口から、先ほどから周知徹底のところで、三例だけではなく参考例も周知すると言っていただきたいんですが。
○国務大臣(川崎二郎君) 北井局長から答弁いたしましたように、基本的には違法とされる可能性が高いものにつきしっかり周知をする。しかし、民法上の適用に違法とされる可能性があることについてもちろん周知してまいる。同時に、私どもも不断の見直しはしていかなければならない。今後、そういった意味では追加の可能性があるということを申し上げているわけですから、どうぞ御理解を賜りたいと思います。
○円より子君 そうしましたら、大臣、その不断の見直し、もちろん大変重要なことですから見直ししていただきたいんですが、その見直しの根拠について、判例等を見てと答えてらっしゃるんですけども、そこはどうお考えですか。
○国務大臣(川崎二郎君) 判例も含めて、含めてと言う方がいいと思いますね。判例だけに、判例が出なきゃ駄目だという話ではなくて、審議会等の意見、またいろんな意見が我々に寄せられることになると。そういうものを積み重ねながら、一方で我々は両者のコンセンサス、労使のコンセンサス、審議会でのコンセンサス、取れるべく努力はしていきますと。要するに、我々がこの問題がありますねと思ったときには、コンセンサスが取れるような努力をしますよと、こう申し上げております。
○円より子君 今二つの問題がありますので、コンセンサスの件については後からお話、また質問をさせていただきたいんですが。
 判例だけではなくと今言ってくださいましたが、それで少し安心しました。といいますのは、先ほどから申し上げているように、判例を積み重ねた上での見直ししかできないということであれば、先ほど申しましたように、ある時点、改正された時点の前と後で全く違うという司法判断しか我が国の司法は残念ながらしないわけですから、なかなかその三例以外のところの間接差別で勝てないということになってしまいますから、そうすると、まるでイタチごっこのように全然見直しができなくなってしまいますから、そこは判例だけではなくということでよかったんですが。
 そうしますと、ちょっと判例のところで重ねてお聞きしたいんですが、間接差別の事案が都道府県の個別労働紛争解決制度の俎上に上った場合、一般的な間接差別法理を運用して紛争解決を促進するという理解でよろしいんですね。
○政府参考人(北井久美子君) 基本的に、この均等法の世界で省令に列挙されたものについては均等法上の規定に基づいて行政指導をしていくということになります。
 今御指摘の問題は、個別紛争解決促進法でもって何か紛争援助の請求が出てきたようなケースだろうと思いますけれども、そこは間接差別法理を取るかどうかということについてはまだ詰めた議論はなされていないと思っております。
○円より子君 これは当事者にとっては大変重要なことですから、一般的な間接差別法理を運用して紛争解決を是非促進していただきたいと、今後そういう方向で詰めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 個別紛争促進法自体は私の所管と少し異なりますので、よくそこは関係の部局とも相談をしていきたいというふうに思っております。
○円より子君 是非、そうしますと、事業者や労働者だけではなくて、そうした他の部局についても関係のあるところには間接差別の法理を徹底して周知していただきたいと思います。
 先ほどから申し上げましたように、八五年のこの法律が施行された後、法律が限定的に解釈されて、裁判においてもなかなか男女差別の是正が図られなかった経緯がありますので、今般のこの間接差別禁止を均等法に規定した立法意思として、一般的な間接差別法理を用いた裁判例が増えるでしょうか。男女差別の是正がそれによって推進されるでしょうか。そういうことを、大臣や局長、作られた方々は期待していると理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 今回初めて間接差別について均等法違反であるという定義を立てさしていただいたと。その中において、いろいろな御意見がこの委員会でもあったことは事実でございます。しかし、一方で、審議会での意見等を踏まえた上で今回は三つのことを書かせていただく方向で、もちろんこれ、前に御答弁申し上げたように、ここが衆参で御議決いただきましたなら改めて審議会で御議論いただくことになりますので、ただ、その方向になっていることは事実だろうと。
 しかし、一方で、そうしたものを踏まえながら、私どももこの三つに将来とも限った話ではない。四囲の状況、また私ども自身がコンセンサスを取るべく動く場面も当然出てまいるだろうと。そんなことから、これに限った話ではない。一方で、法制上のことから言えば、民法等の適用により違法とされる可能性があるかについて周知をすると、こう申し上げているわけですから、前進が図られるものと強く信じております。
○円より子君 間接差別がしっかり規定された、これは立法の意思であると、そのように大臣が思ってくださっていると、そういうことでよろしいですね。
○国務大臣(川崎二郎君) 正にいろいろな議論を経ながら、間接差別というものについて明確な物の言い方をしたと、違法であると、こう申し上げております。
○円より子君 それで、コンセンサスと何度か言っていらっしゃる。このコンセンサスについてお聞きしたいと思うんですが、間接差別の対象は、コンセンサスのあったものを三つ省令で示したと何度も言っていらっしゃるんですが、昨日、参考人質疑がございました。多分テレビ等でごらんになってくださっていたと思うんですが、この七点について一つ一つ吟味した議論をしたという経過は全くなかったと。で、三点に絞り込むことについてもコンセンサスはなかったという報告がございましたが、これはどうなんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 間接差別の対象範囲につきましては、労働政策審議会雇用均等分科会においても、何回の会議にもわたって本当に厳しい議論が闘わされたことは事実でございます。その結果として、この対象を省令で列挙することと省令で三つの措置を規定することについては、この雇用均等分科会において全会一致で建議がされまして、それを内容とする法律案要綱につきましても、全会一致でおおむね妥当という答申をいただいております。
 確かに、建議、答申に当たりましては、労働者側委員から、間接差別基準は限定列挙ではなく例示列挙にすべきとの意見が示されております。一方で、使用者側からは、間接差別概念の導入について懸念があるとの意見が示されております。
 これは、特に審議の過程で両サイドの委員さん方から何度も御見解が示された意見でございまして、その意味で、記録に残す意味もあり、またその意味で完全に納得はしてないんだよと双方がその件の意思を示されたということであろうかと思いますけれども、あくまでも建議、答申については、私どもは最終的には一致した、公労使が一致した意見としていただいたものというふうに認識をいたしております。
○円より子君 建議では全会一致になったかもしれませんが、まず限定列挙に労働者側が反対をしていたと、そして突然三つのものが出てきたので、限定列挙に反対をしていたから中身のその三つが適当かどうかというようなことについては全く議論がなされていなかったという意味で、労働者側はコンセンサスがあったというふうには思っていないということでございますので、ガイドラインを作るときや、また見直しのときには、そういうことをしっかり踏まえていただきたいと思うんですが。
○政府参考人(北井久美子君) この均等分科会、一年以上にわたって御審議をいただいてきたわけでございますので、私どもの方から各個別の項目について議論をいただくのを抑えたわけでもないわけでございまして、本当に何度も真摯な議論の中で、結果として建議の報告書の中に書いてある文章で決まっていることが私どもでは合意の意見であるというふうに認識をしているところでございます。
○円より子君 参考人質疑という国会での重要な場面で、三点に絞り込むことについてのコンセンサスはなかったとか、七点について一つ一つ吟味した論議経過はなかったというようなことをうそをつかれるなんということはあり得ないと思いますので、その参考人質疑での話だけではなく、これは全般の意見としても、そのことにかかわってなかった方々としても、今回の限定列挙、三点についてということには大きな異論がありますので、決してそれはコンセンサスではないということをしっかり言っておきたいと思いますが。
 そのときのまず七つあった研究会報告の事例が三つに限定されたときに、パートについてが消えました。前回私がパネルや皆様方に参考資料もお配りして、一九八四年には七割あった女性の正規雇用が五割を切ってしまったという、そういう非正規雇用で働く人には圧倒的に女性が多いし、そして賃金の格差が余りにもあって、政府が公表していらっしゃる正規雇用だけの男性一〇〇に対して女性六五・九というのは、全くの本質的な実態を表していない賃金格差だということを前回の質問でも申し上げましたけれども。
 有期雇用ですとか派遣ですとか、それから契約社員とか様々な問題がありますが、今ちょっとパートについてお聞きしたいんですが、このパートが消えてしまって、そのことで様々な、このパートと正社員についても差別があるということを質問させていただいたときに、大臣が答弁なさり、そのまた私への答弁を受けて午前中に同僚の津田議員がまた更に聞いてくださったときに、大臣は、ちょっと今速記録ありませんのでうろ覚えでございますけれども、できるだけ早く正規雇用というか正社員とパートの人の待遇が、処遇が同じようになるように国会審議もやっていただくことになると思うし、法の側面から勉強していきたいと答弁なさっているんですね。
 この法の側面からというのは、どの法律でどのように規定しようということなんでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) どのように規定しようかということまででき上がっていれば、正にもう御提案になりますので、まず申し上げておりますのは、パートで働いている方と正規雇用の方々の仕事が同じような仕事をしていながら大きな格差があるということについては私どもも大きな課題であると承知いたしております。したがって、その辺の是正をどうやったら求められるかということについて今勉強させていただいていると。
 一方で、ちょっと踏み込んだ発言をさせていただきましたのは、法律上でそうした踏み込んだ措置ができないだろうかということで今勉強を開始させていただいた。法律ができたり考え方がまとまりましたら国会で御審議いただくことになるだろうと、こう申し上げたわけでございます。
○円より子君 改正法七条違反の措置についてお伺いしたいんですが、募集、採用ないし昇進の入口段階で振り分けの基準が第七条に違反すると判断されたときに、そうした募集、採用基準の撤廃にとどまるだけでは不十分だと思います。そうした違法な基準で募集、採用された労働者のその後の配置、昇進などの処遇も含めて格差を集団的に是正、救済できなければならないと考えるんですが、まあ住友電工事件などでは、司法において、事務職として採用された女性が他の男性と同等の処遇を与えられなかったことをようやく間接差別と認めて管理職に昇格させる旨の和解案が示されましたけれども、このようなことがきちんとできなければいけないと思うんですが、改正法七条違反の措置についてはまず行政指導で違法措置を撤回することになりますよね。
 また、当該措置によって生じていた男女間の格差というのは、六条違反になると理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 募集、採用時に行われた違法な間接差別の措置に対しましては、その間接差別の原因となった要因の撤回を求める指導をまず行うことになります。それによりまして、七条違反の是正が図られた後に配置、昇進について第六条違反が認められた場合には、是正指導を行うことになると考えております。
 なお、例えば、違法な措置によって総合職に採用されずに一般職に採用された労働者が、総合職への転換とか、あるいはそのそうした措置によって被った損害の賠償などを求めて事業主と紛争になっている場合には、労働者の求めに応じまして、改正法案でいえば第十七条になると思いますが、第十七条に基づいて、都道府県労働局長が必要な助言、指導、勧告が行えるところでございまして、こうしたことによって紛争の解決が図られるものと考えております。
○円より子君 そうしますと、今言ってくださったことは、例えば今回の法改正で、総合職の募集、採用の際の全国転勤要件は間接差別に当たると省令に規定されておりますので、こうした基準を設けている企業において、総合職には同期のほとんどが男性で、女性はほとんどが全国転勤が困難だろうということで一般職に就職したような場合に、採用後十年が経過して、総合職であっても全国転勤がなかった、そういうときは合理性の抗弁を事業主側ができないということになり、七条違反と考えられる。しかし、結果として、同期の男性はもう既に課長職で女性は平社員であるというような現状の場合に、今局長がおっしゃったのは、こうした処遇についても是正を図らなければいけないし、この場合、違法な基準によって生じた男女間の処遇の格差は六条違反として行政指導の対象になる、そして是正と救済が図られる、そのように今解釈してよろしいわけですね。
○政府参考人(北井久美子君) 私どもがそうした、結果的に一般職で入られた方が事業主とその救済を求めて紛争になっているケースについての助言、指導、勧告は今御説明申し上げたとおりでございますが、これはまあ六条違反というよりも、七条違反の行為の結果としての紛争解決の援助だというふうに理解をしております。
○円より子君 七条違反でやれるということであれば更にいいかと思いますが。
 それで、この間接差別の省令列挙と、もう一度、国連の女子差別撤廃委員会のその勧告等についてお伺いしたいんですが、今回の法改正で盛り込まれた間接差別の概念が省令に依存する部分を含むとすると、女子差別撤廃委員会の最終コメントの、直接及び間接差別を含む女性に対する差別の定義が国内法に取り込まれること、取り込まれるようにしなさいという勧告内容には合致しないと思われるんですが、どうでしょう。
○政府参考人(北井久美子君) 改正法案におきましては間接差別の概念について定めておりますし、また、特に女子差別撤廃委員会の最終コメントにおきましても指摘がなされておりますコース別雇用管理制度につきましても、厚生労働省令に規定することを予定しております。こうしたことから、この女子差別撤廃委員会の勧告に沿ったものと考えております。
○円より子君 政府案では間接差別という言葉もありませんし、やはりその規定ぶりはCEDAWの勧告を満たすものと言えないと思うんですが。
○政府参考人(北井久美子君) 既に間接差別が導入されております各国の規定ぶりを見ましても、これはもう本当に様々でございまして、どの国も一つとして同じ言い方をしているところはございません。場合によっては、国によりましては、間接差別を解釈でやっておられる国もあります。明文ではない国もございます。
 そうしたことから、私どもとしては、日本の均等法としてあくまでも間接差別の概念を均等政策研究会でも整理をしていただき、それを踏まえて必要な法的な書き方として表したというふうに理解をいたしております。
○円より子君 そうしますと、この国連勧告に対して日本政府が回答を求められておりまして、第六次日本政府レポートで回答するんだと思いますけれども、そのような回答で納得してもらえるというふうに思っていらっしゃるわけでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 次の報告のときには、間接差別の規定について明記をいたしましたということを報告できるものと考えております。
○円より子君 少し前後して申し訳ないんですけれども、先ほど私が住友電工の事件等も話しましたけれども、募集、採用が七条違反の際の、例えばというところでお話ししましたときに、六条違反として行政指導の対象になり、そして是正、救済が図られると考えていいかと申しました。これは七条違反になるというふうにおっしゃったんですが。住友電工のような例えば事件ですと、例えば一般的な間接差別法理に照らして違法となるものは省令の三点以外にもあってというのがその住友電工のような事件かと思うんですが、先ほどは七条違反でオーケーということであれば、これも救済されると考えてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 個々のケースにつきましては、やはりその個々のケースに当たりませんと、一概にすべて、例えば総合職、一般職のコース別雇用管理を取っておられる会社で、一般職の方々が総合職と比べて処遇に不満があってというときに、すべて間接差別の問題としてなるのかどうかということは一概には申し上げられないと思います。ケース次第だと思っております。
○円より子君 ILOの専門委員会の意見で、日本における雇用管理区分の問題に重大な懸念が表明されております。日本の実情を報告するよう要請しているんですが、この要請に対する日本政府の回答では、総合職における女性の占める割合については回答しておりますが、一般職における女性の占める割合については回答していないんですが、我が国における女性労働者の実態というのを明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 今御指摘のILOの報告は、ILO条約勧告適用専門家委員会の報告であろうと思います。平成十四年、二〇〇二年のILOからの意見におきまして、我が国は、コース別雇用管理制度が直接的にも間接的にも女性を差別する手段として利用されることのないよう必要な措置を講ずるとともに、各企業内におけるコース別雇用管理に関するガイドラインの適用と監視がどのようになっているかについての情報と各コースにおける男女比率に関する統計を含め、ガイドラインが男女間賃金格差に及ぼす影響について情報を提供するということが要請されたところでございまして、それに対しまして、平成十七年、二〇〇五年の年次報告におきまして、我が国はILOに対しまして、平成十二年にコース別雇用管理についての留意事項のいわゆるガイドラインを策定し、これに基づいて必要な指導を行っておりますということと、特にここ数年は労働局によるその指導を強化しておりますということ、それから、過去三年間を見てコース別雇用管理制度の見直しをした企業割合は二三%で、特にコース別の導入割合が高い五千人以上の規模の企業では四五・二%が見直しをしておって、大企業では見直しが進んでいるといったようなことを報告をいたしておりまして、それに関連する統計情報を提供しているところでございます。その報告には、確かに総合職の女性の比率が低いということを報告をさしていただいております。
 一般職は、手持ちにあります数字でも、確かに八四・一%が一般職の中の女性の割合でございまして、こうしたことについても、今後その提供をしていくことも確かに考えなきゃいけないというふうに思っております。
○円より子君 雇用管理区分の見直しに当たりましては、雇用管理区分の合理性の視点を持って、例えば勤務場所や幹部候補生として期待できるかどうかなど、現在の男性と女性の置かれている状況からしますと、性に中立的でない基準で切ってしまうことのないように指導をする視点が必要と考えますが、それでよろしいでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) コース別につきましては、その実質的な性差別になるような雇用管理がなされないようにということが基本の視点であるというふうに思っております。
○円より子君 労基法四条との整合性も勘案すべきと考えますが、いかがでしょう。
○政府参考人(北井久美子君) 少し、ちょっと御指摘の趣旨が分かりかねるところがございますんですが、労基法四条自体は刑罰法規を伴う非常に規制力の高い法律でございますので、直ちに労働基準法の中で間接差別法理を、今、明文に書いてないわけでございますから、その解釈として適用するというようなことは少し無理ではないかというふうに思います。
○円より子君 指針で定めるところ、特に留意事項の一の趣旨に照らして指針を充足せず実質的な性差別に該当する場合は、六条違反として行政指導をするという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 直接もう外形的に性を理由とする差別ということであれば、これは六条違反ということになるわけでございます。
 それに対して、性中立的な基準であって、一方の性に不利益が被って、さらに合理的な理由がないというようなケースについては、これは間接差別といういわゆる七条違反の問題になるわけでございます。
○円より子君 今の労基法四条とのということなんですが、同一価値労働同一賃金の原則が日本では採用されていないという答弁が、おととい私の質問の中であったかと思うんですが、午前中の質問ではまた労基法で定着しているというふうにおっしゃったようにも思いますが、ILO百号条約と、それを国内法において担保する労基法の第四条において、男女の同一価値労働同一賃金の原則は認められているということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) ILO百号条約におきます同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬というのは、性別による差別なしに報酬を定めることをいうとされておりまして、その意味におきましては、この条約の要請は、我が国ではこの労働基準法四条により満たしているということでございます。
○円より子君 それでは、仕事と生活の調和と個別労働関連法について少し質問させていただきます。
 前回もこのことについて質問したんですが、そのときの御答弁で、仕事と生活の調和というのは、労働関連法全体でこうしたことを図っていきたいというお話でありました。そうしますと、長時間労働の是正という点では、労働時間設定改善法や又は検討中の労働時間法制について、仕事と生活の調和というのを規定なさるということなんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 何度もお答えをしておりまして、繰り返しになると恐縮でございますが、仕事と生活の調和という考え方はとても大切な考え方だと思っておりまして、しかし、均等法においては、この法律の目的とちょっと切り口が異なるので、その趣旨は、むしろ労働時間等設定改善法や次世代育成支援対策推進法や育児・介護休業法においてその趣旨が盛り込まれておりますということを申し上げてまいりました。そして、こうした労働法令全体を通じて、その仕事と生活のバランスの取れた働き方ができるように、この法律の的確な施行を通じて実現をしていくべきものだろうと考えております。
 既に、今申し上げましたような法律の中にはいろんなそういったことを踏まえた文言が入っております。今のところ、したがいまして、その仕事と生活との調和という言葉自体をどこかの法律に入れていくという具体的な作業には入っておらないところでございます。
○円より子君 両立支援という点で育児・介護休業法において書かれるのか、次世代育成支援法について書かれるのか。今そうしたものが入っているという、趣旨は入っているということで、仕事と生活の調和というのは、じゃどこにも記載しないという形になるんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 例えば育児・介護休業法であれば、労働者が家族の一員としての役割を果たしながら職業生活が、充実した職業生活ができるようにといったような、いわゆる両立ができるようにという趣旨が入っておったり、ちょっと今手元にございませんけれども、労働時間等設定改善法や次世代育成支援対策推進法においてもそういう趣旨の文言が入っておりますので、仕事と生活の調和という文言そのものは我が国の実体法の中に、具体的にその文言そのものは入ったものはないと承知しておりますけれども、そうした同じ意味合いのものがこうした法律の中に盛り込まれていると私どもは考えております。
○円より子君 大臣は均等法よりなじむ法律がほかにあると先日答弁してくださったんですが、じゃ、大臣は調和がなじむのはどの法律だと、きちんと記載すべき法律はどれだとお思いでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 何回もお答え申し上げているとおり、基本的には労働法制の幾つかの法律の中にこのワーク・ライフ・バランスの趣旨に合うことを書いてあると、こう申し上げました。
 例えば労働時間等設定改善法、労働時間等の設定に当たって、労働者の健康保持、子の養育、家族の介護、地域活動に配慮すべきこと、年次有給休暇を取得しやすい環境整備を講ずること等、事業主等の努力義務、こういう表現になっています。
 一方で、労働基準法は、労働条件は労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならないと、こう書いてあります。
 そういった意味では、私が申し上げたのは、どこに書いた方がなじむのかと言われましたので、どこに書いた方がよりベターだと言われれば、この法律、男女雇用均等法に書くよりは時間的なものを書いてある法律の方がなじむであろうと、それではどういう法律ですかと言われましたので、それは労働基準法や労働時間等設定改善法がなじむであろうと申し上げたんです。
 それで、じゃ、具体的な改正手続に入っているんですかといったら、それは入っておりません、正直申し上げて。私の見解を示せというから、そういう方がなじむでしょうねと、こう申し上げました。
○円より子君 サマータイム議連の会長ですか、事務局長か何かなさっていると先ほどおっしゃっておりましたけれども、日本の働き過ぎがいかがかとおっしゃり、また本当に夜中まで開けている必要があるのかというようなお店ですとか、こんな時間まで働かなくてもいいとか。
 私も深夜業のおにぎりを作っていらっしゃるところに何年か前視察させていただいたこともありますけれども、おにぎりなんというのは家族でみんなで家で作っていたものを深夜まで作る必要があるのかしらとか、いろんなことを思いましたけれども、エネルギーの、省エネのことやら働き過ぎやら、いろいろ生活全体を日本人が確かに考えなきゃいけない、そういうことはもう本当に同意しておりますけれども、それならば本当にきちんと仕事と生活の調和というのを労働時間法制の見直しの際に是非入れていただきたいなと思うんですが。
 もう一方、そういうふうに大臣も私たちもみんな働き過ぎはよくない、そういうことを思っているにもかかわらず、今本当に多くの男性が長時間労働になり、そして女性は、本来長時間労働ではないけれども、もう少し働きたい、正社員でちゃんとやっていきたいというのにもかかわらず、年齢制限で再就職時に正社員になれずに、そして派遣社員ですとかパート労働だとか、そういったところでどんどん短時間労働になっているというような働き方が二極化しております。
 そうすると、今回の均等法は男女双方の差別禁止とした場合にどちらに合わせていくんですか。新たな基準が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 何度もお答え申し上げて恐縮でございますが、私どもの行政は均等の確保ということと、それから両立支援あるいはワーク・ライフ・バランスというものは本当に両方大切な車の両輪だと思ってやってきております。しかし、この均等法そのものは性差別を禁止することを目的とした法律でございますから、男女で性別を理由として異なる取扱いがあるということについて行政指導等の方法により是正を図っていくものでございます。
 したがいまして、そのそれぞれの働き方、いろんな働き方があるわけでございます。いろんな雇用ステージごとにいろんなことがありますけれども、何かこういう働き方がいい悪いというその切り口とはこの法律は少し違うのではないかというふうに思っております。
○円より子君 均等というのは常に差別だけをなくすというよりも、この均等法の最初の趣旨は、男女ともに差別をなくすことと同時に、やはり私は仕事と生活の調和、だれもが安心して個人の生活、家庭の生活、地域の生活等とバランスを取った働き方ができるという趣旨が底辺に潜んでいたと私は思っておりますので、切り口が違うということだとしてもしっかり、長時間労働で過労死するような男性の働き方に均等だからといって合わせないような、もちろんそんなこと分かっていらっしゃると思いますが、そういう形でこの法の趣旨を生かしていただきたいと思いますが、もう一度御答弁お願いします。
○政府参考人(北井久美子君) 私どもももちろん、その少子化対策あるいは次世代育成支援対策の観点からいっても、あるいは男女の雇用機会均等という観点からいっても、この均等法によって馬車馬のような働き方を推奨するという趣旨は毛頭ないわけでございます。むしろそれぞれの法律や援助措置等によって均等と両立支援、ワーク・ライフ・バランスというものを車の両輪でやっていって、正に例えば子育て世代でいえば、子育て世代が男女ともに十分子育てに時間が注げるような働き方の実現といったようなことは実現をしていかなければいけないというふうに思っております。
○円より子君 男女の賃金格差が先進国と比較して示す場合に厚生労働省が出していらっしゃる表というのは、先ほども言いましたように、正規雇用だけで非正規雇用を含んでいないものですから、私は全く作成の表としては統計としては明確なものではないと思っております。この女性の半数を占める非正規を含んだ正確な数字に基づいて男女格差の是正をやっていくべきであると思うんですね。
 ここに男女の賃金格差が生じている原因は何ですかとか、男女間の賃金格差を解消するために企業の労使は何に取り組めばよいのでしょうという形で、労働省の雇用均等室が出された男女間の賃金格差解消のためにというガイドラインがあるんですが、ここでも数字は全部正規雇用だけの数字の上でやっていらっしゃるんです。非正規雇用の賃金が入っていなくて、どうやって解消していくのかと。正規社員だけの解消で物事は済むのかという点があるんですが、まず非正規も含めた男女の賃金格差、この先進国との比較はございますか。
○政府参考人(北井久美子君) 男女間賃金格差の国際比較は、ILOのイヤーブック・オブ・レーバー・スタティスティックスなどのデータに基づいて作成しているところでございまして、このデータにおきます主要国の賃金は基本的にフルタイム労働者の賃金となっているところでございます。また、非正規労働者を含む諸外国の男女間賃金格差については把握をされておりませんので、国際比較ということになりますと、統一的にフルタイム労働者で比較をしているということが現状でございます。
○円より子君 私は三十年近く様々な女性たちから家族の問題や就職の問題の相談を受けてまいりました。今までに個人的なカルテは四千件ございますし、電話相談やいろいろ入れますと三万人以上の方の相談を受けて、そして、その方たちが母子家庭等でどういう働き方をしていらっしゃるか、合宿など子供たちも連れてやっているんですが、あるとき大変驚いたことがありました。
 私は、女の人も自分の食いぶちは自分で稼げるといいと。もちろん子育ての期間ゆっくり休めるような状況とか、ワークシェアリングや、そういった、時には少し仕事を少なくしてという、いろんなそういう意味での働き方、多様な働き方があっていいと思うんですけれども、なぜずっと仕事を続けなさいよと延々と若い娘たちに言ってきたかといいますと、その三十人ほど全国から集まったちっちゃな会ですが、合宿をしたときに、もう本当に偶然なんですが、ある大きな一部上場の保険会社に勤めていた二人が初めてその日、隣同士に並んだ、知らなかったんですね。
 自己紹介をしたときに、片方は結婚しても妊娠、出産しても勤め続けた方だった、四十歳ぐらいの方です。片方は結婚、出産、そして夫の転勤で仕事を辞めざるを得なくて、そしてその後、不幸にしてといいますか、まあこういうところで不幸とか価値観入れちゃいけないんですが、たまたまといいますか、離婚をなさって母子家庭になった。その二人が、えって、自己紹介したら同じ会社だわと。
 その女性が、こちらは再就職したんですが、優秀な女性だったらしいです。で、戻ってきて、東京に戻ってきたら、当時何とか再就職しなきゃ子供を食べさせられないということで、元の上司のところに行きましたら支店長になっていらして、君は本当に優秀だったし、しばらく休んでいても全く能力は衰えてないんだから是非うちに来てくれと言われたんだけれども、正社員じゃなくてパートなんですね。九時から五時とか、ほとんど変わらない仕事なんだけれども、それ以外のことはできなくて、フルタイムパート、フルパートですね。そうしましたら、ちゃんとお互いが年収を言い合ったら、私がこの間言った非正規雇用を入れると五割を切っているとか、仕事によっては三七%とかそんなものですねと、そういう数字がありますねと申し上げた。そのとき何と五分の一だったんです、再就職、同じ会社にした人の年収は。
 もう周りじゅうがみんなため息つきましたら、もう一人のある別な全く違う人が、私は再就職でスーパーマーケットに勤めて必死で二人の子供を育てていると。そしたら、君、君、ちょっとおいでと店長に呼ばれて、本当によく働いてくれると、残業も辞さずに。君だけ時給を上げてやりたいと、ほかの人には内緒だよと言われて、まあほかの人に内緒だと言われて自分だけ上がっていいのかしらと彼女はふっと思ったそうですが、それでも二人の子供を育てていますから、少しでも時給が上がればうれしい。ああ、みんながよかったわねと、そこまでの話で全員言ったんです。円さん、一体幾ら上げてやると言われたかと思いますかって、五円だって言われてね、みんなで、えって、そんなものなのと言ったら、それが世間の相場ですと言っていたら、本当そうですね、今度、春闘とかなんとかいろんなのを見ていましても、やっぱり時給五円なんですね、上がるのがね、今でも。それ、二十年も前のことなんですけど。
 いかに私は非正規雇用の人たちが恵まれない立場で、でも能力もほとんど変わりなく必死で働いていらっしゃるか、ここの部分をちゃんとやらない限り、私は本当の意味で、仕事と生活の調和なんて言葉入れなくたっていいですよ、別にそんなことを入れても入れなくても、そこの労働の現場のことを考えない限りは変わらないと。ところが、男女の賃金格差解消のためにというガイドラインが、正規雇用の人たちだけの賃金格差の解消にしかずうっと厚生労働省が取り組んでこなかったんだとしたら、政府は一体何をしていたのかということになりませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(川崎二郎君) 今の話は、一つは正規雇用同士を比較し合うというのは、これは一つの手法であろうと、しかし、もう一つの側面を外してこの議論をしてはいかぬですよという、これは、御指摘はそのとおりだろうと思います。それは、先ほどもお答え申し上げましたように、正規雇用の方々と、今のお話ですと、全く同等の仕事をパート労働という形でしていながら、賃金に大きな格差がある、処遇について随分差があると、この問題についてメスを入れなければならないんではないかと、これも何回か多くの皆さん方からも御指摘賜りました。
 そういった意味で、申し上げましたように、そうしたパート労働の実態というものをもう一度私ども掘り下げて、そして国会で御審議いただけるところまで持っていかなければならないなという意識の中で今進めさせていただいているところでございます。
○円より子君 東横インの、偽装の関連で東横インの問題がございましたよね。あのとき、バリアフリーとか障害を持つ方々の話が随分焦点で出てきましたけれども、実はあの会社は九十何%女性社員だけで、そういう会社きっとほかにもあると思うんですね。その内容を私はきちんとチェックしなきゃいけないんじゃないかと思いましたのは、女性をこんなに優遇してたくさん採っていますということが、それは低賃金で働かせているだけであれば、安い人件費で済むからということであれば、決してこれは企業として、女性こんなに採用していますよと言って威張れることではありませんし、女性労働者にとっても大問題だと思うんですが。
 例えば、東横インの問題だけではなくて、大手総合スーパーの人事制度では、パートタイマー社員のうち男性が六千七百人、女性は七万二千三百人、十倍以上、こういう採用の結果が出ているんですが、これは機会均等法に違反しているでしょうか、さっきの東横インの問題も含めて。
○国務大臣(川崎二郎君) 東横インの話は、私もテレビで見ただけですから、女性社員を活用してやっている、たしか管理職、部長とか何か説明に来られた方々も女性でしたよね。そういう意味ではどのぐらい給料もらっているか分かりませんけれども、部長職としてそれなりの正に仕事の責任を与えられ、一方でそれなりの所得を当然保障すると。それでないとあれだけの責任負われないんではなかろうかなと、こう思います。
 そういった意味では、実態は分かりませんけれども、管理職として随分登用されている会社であることは事実だろうと。ただ、私も、旅館関係も所管でございますので、少し福祉という切り口から何だと言われて、どこかで少し文句言いましたら、慌てて私の不在中に名刺だけ置いて謝っていったようでございますけれども。いずれにせよ、あの会社の福祉というものの理解というものは極めて後れていると言わざるを得ないと思っております。
 それから、スーパーマーケット等の採用の中で、先日も議論あったと思います。店長さんとか管理職に全く女性が入ることができなくて、そしてパートで働かれているのはすべて女性ということになるとどういう議論になるのか。しかし、一方で、管理職の中に女性は当然入って仕事をしていますよと。多分大きなスーパーマーケットはそういう状況に変わってきていると思う、なってきている。
 一方で、パートの採用という中で女性の数が、先ほどお示しいただいたのは七万と六千でしょうか、女性の数が多いということがこれが違反になるというふうには考えておりません。六千、男性いるんでしょう。
○円より子君 はい。
○国務大臣(川崎二郎君) 要するに、採用するときに男女の格差を付けずに採用公募をし、男が六千人来て女性が七万来たと、これをもって均等法違反であるかと言われれば、私の勘では均等法違反にはならぬと、こう思います。
○円より子君 現実に、今スーパーの例も挙げましたけれども、企業が八〇%をパートタイマーなどの社員で雇用管理することを企業戦略にしているというのは多いんですね。女性の方が安くやっぱり使えるからだということがあると思うんですが、こういうことが現状以上に結果として女性比率を上げていて、先ほどの優良企業になるとか、もしそういうふうになっているとしたら、さっき店長がとか、ちゃんと管理職があればいいという話もありましたけど、こういうのは合理的理由があると言えるんでしょうか。私はどうも、女性と男性が非正規雇用で格段に差があり過ぎるのは間接差別ではないかというふうにも思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 今の御指摘のようなケースは、今大臣からも御説明がございましたように、まず、いわゆる例えば正規労働者の募集、採用の対象から女性を外している、あるいは逆に、パートの募集、採用の対象を女性だけとしていると、こういうことがありますと、これは募集、採用についての明確な差別、違反でございまして、現行の均等法第五条に違反をするということになるわけでございます。
 さらに、この比率が違うと、実際に入職しておられる男性と女性の比率が相当違うというこのケースでありますけれども、この間接差別は、この概念はやはり、問題となり得る措置について合理的理由がない場合について間接差別とするわけでございますから、その比率だけを見て、とにかく男女差でフィフティー・フィフティー、五対五でなければすべて間接差別である、あるいは差別になるということにはならないというふうに考えております。
○円より子君 じゃ、企業戦略として八〇%をパートタイマーにして女性の比率を上げるということも合理的理由があるというふうに解釈するということなんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) それぞれの職を男女均等に門戸を開かれて募集をされるわけでございます。その結果として女性がたくさん採用されたというようなことであれば、これは均等法違反にはならないというふうに思っております。
 ただ、そうした中で、例えば、条件のいい正社員の方に例えば事実上女性が見いだしにくい要件なんかがあって、そしてその結果として格差が付いているというようなことになってくれば、これは間接差別という議論の対象になってくるというケースがもちろんあるわけでございます。
○円より子君 ちょっとパートから離れまして、もうそろそろ、あと時間が十五分とかそのぐらいになってきましたので、岡谷鋼機という会社で闘ってこられた方の話と関連して、四条の三項についてお聞きしたいんですが、この四条の三項は、男女雇用機会均等対策基本方針は、男性労働者及び女性労働者のそれぞれの労働条件、意識及び就業の実態等を考慮して定めなければならないと書いてございますが、この中の女性労働者というのは、例えば有期雇用ですとか契約社員といったようなあらゆる雇用形態を含んでいると考えてよろしいのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 均等法に言います女性労働者は、あらゆる形態の雇用労働者を含んでおります。
○円より子君 昨日は住友で闘ってこられた方しか参考人でお呼びできなかったんですが、岡谷鋼機、様々なところ、いろんなところで本当に闘ってきた方々がたくさんいらっしゃるんですが、この岡谷鋼機の方は、五十八歳での例えば女性と男性の賃金格差は、同じ仕事をしてきて二十三万円の差になるというような形がありまして、それで今年の四月から事務職は契約社員のみの採用になったんですね、様々な裁判の後で。で、原則そのときに三年契約で延長は最大二回までという期間限定の雇用契約で、事務職は全員女性のみで、形を変えた間接差別の登場だと訴えておられます。
 今回の間接差別の限定列挙は、もう企業が、いろいろ法律を作ると、どんどんどんどんその法律の抜け道で様々な形で差別をしていくということがずっと続いているんですが、この限定列挙では、女性たちにとってはもう古い上着であって、こんなところで三点列挙されても、もう違った形で職場では間接差別をしているから、そういう例示をしてほしいと望んでいらっしゃるんですが、そういう実態を、事務職は女性だけ、そしてそれも契約社員のみの採用というようなことがどんどんこれから起きてくるとしたら、こういうものをどのように指導していかれるのか。
 それから──それで結構です。指導していかれるのかというところでまず切ります。
○政府参考人(北井久美子君) まず、コース別雇用管理というものを導入される企業の個々のケースについて、そのうち問題があるもの、一定のものは今回の法案の間接差別の問題として対処できるものがあると思います。
 それから、そこまで行きませんでも、ポジティブアクションとして、要するに、コース別雇用管理を行われる際に、人事制度の適正化、明確化という観点から、導入されるのであればこういうことを配慮していただいて、きちんとしたコース別管理をやってくださいというガイドラインを設けておりますから、そうしたガイドラインに基づくポジティブアクション的な啓発指導として、きちんとその周知啓発をやっていく必要があるというふうに考えております。
○円より子君 さっき四条三についてお聞きしまして、あらゆる雇用形態を含んでいるんですねと申し上げて、そうだとお答えいただいた、そこで岡谷鋼機の話をしたんですが。
 そうすると、有期雇用のような形とか契約社員とか、そういう人たちのそれぞれの意識、労働条件、就業の実態を考慮して基本方針定めなければいけないということにちゃんとなっているにもかかわらず、どんどんどんどんそういう企業が出てくるということは、基本方針と違ってきますよね。
○政府参考人(北井久美子君) この基本方針は、男性労働者、女性労働者のそれぞれの労働条件、意識、就業の実態をよく考慮して、職業生活の動向に関する条項を書き、均等対策の基本となる事項を定めるものでございまして、均等対策の基本となる方針を定める上では、きちんと、正規労働者だけでなく非正規も含めたそれぞれの労働者の様々な実態をよく把握をし、分析をしていかなければいけないと思っておりまして、今のような御指摘も踏まえて新しい均等方針を作っていくことといたしたいと思っております。
○円より子君 是非、どんどんどんどん法の抜け道をかいくぐって女性の差別、そして賃金格差をどんどん広げるような、そういう実態をしっかりと把握して、そして方針も定め、また行政指導をしていっていただきたいと思いますが。
 大臣、先ほどの東横イン、まあ東横インばかり言って申し訳ないのかもしれませんが、私が調べたところでは、管理職、確かに女性随分いるんですが、同じような業種の同じ程度に利益を上げている会社の中では、例えば係長、課長、部長、どういう名称になるかどうかはともかく、その同じようなポストにある方たちに比べて相当低いということも出ておりますので、是非、この会社だけではなくて、女性を多く雇っている会社のそういう実態も見ていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 確かに、多くの企業、特に大企業中心ですけれども、女性の働きがいといいますか、そうしたところに着目しながら多くの女性を採用し、そして仕事をしてもらっている会社が社会的な評価を受ける、こういう側面が出てきていることは間違いない。また、それが加速することを我々期待したいわけです。
 一方で、どうも裏読みというんですか、女性をたくさん採用しているから我が社のイメージはいいんだぞというこの反面、給与が極めて低いんだというこういう御指摘、これはやっぱりしっかり我々も見ながらしていかなきゃならぬでしょうし、正にポジティブアクションとはまた逆のことになりますので、そこは十分注意をしたいと思います。
○円より子君 先ほど局長もポジティブアクションでしっかりとというようなお話もございましたけれども、今回の案では、ポジティブアクションを行う事業主に対する支援のみならず、ここはもちろんそうなんですが、義務化はされておりませんが、私は、しっかり義務付けてより積極的な施策を講ずるべきだと思っておりまして、民主党の修正案にはポジティブアクションの義務化もしっかり入れていたんですが、手法によればコストも掛からないと思うんですね。
 この義務化して、そして積極的な施策を講じて、諸外国の取組状況に比べて、例えば管理職への登用やそういうものが日本は係長を含んでも九・六%ですが、アメリカは四五・一%、カナダは三五・一%と全く違うわけで、このポジティブアクション、是非是非もっと積極的に義務化して施策を講じるという意思はございませんか。
○政府参考人(北井久美子君) ポジティブアクションの推進策につきましてもいろいろ検討をしてまいりましたけれども、今回の改正では事業主の自主的取組をより積極的に促していくという観点から、取組を積極的にやっていただいている企業の実施状況を自主的に公表していただく、これを促すことによって、中小企業を始めとする取組が後れている企業への参考材料ともなるし、また、取り組んでおられる企業にはそれが自らの、自社のPRにもなって企業イメージも上がるし、いい人材も来るというようなことで、こういう奨励的な手法を取ったところでございます。
○円より子君 セクハラと言われているセクシュアルハラスメントのあれがありますが、そこに、それだけではなく、いまだにまだまだ依然として古典的な性別役割分業の意識による言動で職場でいたたまれなくなったり、解雇、解雇までいかなくても実質的に辞めざるを得ないような状況に追い込まれたりというような方々が随分いると思うんですが。
 それはどういうことかとよく言われますので、実例などを挙げるとすれば、例えば子供が病気のときになかなか夫の方は休まないで妻がどうしても休まざるを得なくなる。水ぼうそうだとかはしかだとか伝染病のときは保育園にも預けられませんから。そういうことが重なる時期というのはあるわけですね。そうすると、その泣いている病気の子を置いてまあよく仕事を平気でやっているねとか、それから、例えば、そうですね、そういう、いつもいつもああ言えばこう言うというような、意地悪なと言うとおかしいですが、自己主張が強いから夫婦仲が悪いんじゃないかとか、いろいろそういう、女だったらもっとおとなしくしてればどうだとか、まあセクハラとはちょっと違うんですけれども、いわゆる母親であること、妻であること、主婦であること、そういったことでこうあるべきという意識の上から様々な言動がなされるなんということがありますが、こうした性別役割分担意識からくる言動みたいなハラスメントを入れることも重要かなと思うんですが、こういう指導等は今回入れられてませんが、どのようになりますでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 今御指摘の性別役割分担意識に基づく言動というのは、厳密な意味では均等法のセクシュアルハラスメントとは別の概念という位置付けではございます。
 しかし、そのセクシュアルハラスメント、つまり性的な言動が起こる背景には、やはりその役割分担意識というものがあって、それに性的な欲求とかそういうことが加わりましてより強い性的な言動ということになるわけでございますので、やはり企業にセクシュアルハラスメント対策をやっていただく際には、そのセクシュアルハラスメントが起こる原因や背景にそういう性的役割分担意識みたいなものもあるんだよということを労働者に理解を深めていただくこと。
 それから、相談や苦情の対応をちゃんとしていただくということになっておりますから、その相談、苦情の対応としては幅広く、正式な意味で性的言動ということにもうそこでその線を引いてしまうのではなく、微妙なケースも含めて幅広く相談、苦情の対象としていただきたいというようなことを指針に示しておりまして、既にその指針に基づいて啓発指導をやっているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(山下英利君) 円君、そろそろ時間、よろしくお願いします。
○円より子君 先ほど民主党の質問時間は六分残っておりますので、私の質問時間は五十六分まででございますので、そんなにうるさく言われることはないかと思うのですが……(発言する者あり)
○委員長(山下英利君) 御静粛に。
○円より子君 大声を出さないでいただきたいと思います。
○委員長(山下英利君) 質疑を続けます。円より子君。
○円より子君 最後の質問にしたいと思いますけれども、私どもは今回の法案の中には間接差別がやはり三つだけ限定列挙されたことは本当に大きな問題だと思っておりまして、ここを何とか修正したいというのが民主党の一番大きな眼目でございました。しかしながら、それがなかなかできないという状況の中で、もう本当に苦渋の選択でございますが、先ほど申しましたように、十年掛かって裁判でやっといろんな差別が認められるようになったというようなことがございますから、このままの法案ではなかなか省令見直せないということもあるかと思いまして、しっかりと法案の中に見直し規定だけでも入れたいという、最後の最後のあれですが、入れるという形を取らせていただきたいということも、大体決まったというようなところがありますので、何とか、先ほどから大臣も局長も良くしていきたいと、見直していきたいとおっしゃっておりますので、判例を積み重ねなくても、また労働者側はコンセンサスがなかったということもありますので、この間接差別の問題、どちらがどうとか、だれが何言ったとか、そういうことではなくて、是非、国内の女性たちの労働実態を見ていただいて是正していくことをしていただきたいということを要望したいと思いますが。
 最後に、間接差別ってどこにも書いてませんよね、その言葉ございませんよね。法案の中には一切書き込まないんでしょうか。そして、それは英語で国連報告をするときにも間接差別という言葉はないのか、それだけお聞きして私の質問を終わります。
○政府参考人(北井久美子君) 第七条が間接差別を定めた規定でございます。第七条自体には間接差別という文言はございませんが、その概念が十分入っておるというふうに理解いたしております。また、国際的な報告に当たりましては、国際的に分かるように明瞭に報告をしていきたいというふうに思っております。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 最初に、おとといの委員会で、社会保険診療報酬支払基金で行われている差別の問題取り上げまして、昇進の際の全国転勤要件というのを問題にしました。これは、募集、採用の際の全国転勤要件については労働政策審議会で議論されたが、昇進の際の全国転勤要件については審議会では議論されてないということが答弁で明らかになりました。
 そこでお聞きしますが、男女雇用機会均等政策研究会の報告書にもこの事項は盛り込まれておりません。研究会でも議論はやってないんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 男女雇用機会均等政策研究会におきましても、御指摘の昇進時の全国転勤要件については議論がなされておりません。
○小池晃君 前回、私お示ししましたように、支払基金では、実質的に男女格差を拡大することになる措置として、昇進における全国転勤要件を、これを係長まで逆に拡大しようとしております。この場合、もしも何らかの合理性があったとしても、より男女間の格差を生じないような基準にしていくというのが私は均等法の目的であるというふうに考えております。
 局長にお聞きしますが、支払基金で起こっているような事例のように、明らかに男女間格差を生じるということが予想されるにもかかわらずこのような基準が新たに導入される、こうしたことを漫然と許していいんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 先日もお答えを申し上げましたが、個別企業についてのコメントは、私ども詳細を承知しておりませんので差し控えさせていただきたいと思っております。
 なお、一般的に申し上げますと、昇進時に転勤要件を課すということについてはそれぞれのケースがあると思っておりまして、場合によっては合理的理由があるケースがあるわけでございます。すべての場合に許してはならないとか、望ましくないということではないと思っております。
○小池晃君 しかし、いずれにしても議論は全然されてない問題だったということだったんですが。
 大臣にお聞きをしたいんですけれども、この間接差別の三つの一つに募集、採用時の全国転勤要件は盛り込まれましたが、昇進における全国転勤要件は、これ入っていない。これは、労働政策審議会でも議論がなかったということでありました。同時に、答弁として、そのことは国会での議論も踏まえて労働政策審議会で改めて議論した上で省令を定めていくという答弁もございました。これからも企業側が、昇進における全国転勤要件というのは、これ三つに入ってないから、三類型にないからこれはいいんだということでこれ導入していけば、私は、男女格差が拡大することを、これ予想されることではないかというふうに思っておりますし、現実にこういう格差拡大する措置として行われようとしている企業も、団体もございます。厚生労働省は、そうした相談があった場合には、できるだけそういうことが生じないような措置を行うように指導しているというふうにも私聞いているわけであります。
 大臣、この三つの中に、これ募集、採用時だけではなくて、昇進における全国転勤要件も間接差別の三つの中の一つとして省令に取り入れてスタートさせる、これを判断すべきじゃないだろうか。まあすべてとは言わない、これ、せめてこのくらいやったらどうなんだという話ですが、大臣、これは決断できませんか。
○国務大臣(川崎二郎君) 今局長の方から、一般的に言うと、昇進時に転勤要件を課すことについては、当該要件を課すことについての合理的理由があるときにまで望ましくないと言えるものではないという御答弁をさしていただきました。
 そういった意味で、昇進時の全国転勤要件については間接差別の対象にすべきとの意見もこれまで、小池委員からはこれで二回目、聞かしていただいておりますけれども、これまでなく、また、厚生労働省としても問題となるべき事案をこれまで把握してこなかったことから、改正法成立後に定める厚生労働省令において規定することは現在予定いたしておりません。
 なお、今後の厚生労働省令の見直しに当たり、検討の対象から初めから除外されるというものではないと考えております。
○小池晃君 これはせめて私はこのくらいはやるべきだというふうに思いますので、審議会で是非検討して、できるだけ早くこうしたものも取り入れるということは、せめてそのぐらいは検討すべきだというふうに思っております。
 続いて、雇用管理区分の問題ですが、性差別をめぐる裁判として住友電工の裁判があります。昨日の参考人質疑では原告にもおいでいただいたわけです。これは、大企業における採用時の雇用管理区分による男女差別が争われたわけで、雇用管理区分の考え方を明記した指針の妥当性についても争点になりました。
 これ、振り返ると、当時の大阪婦人少年室長は、結果として高卒男子と相当な格差が生じていたと、このことは認定しながら、その格差は、高卒男子は幹部候補要員として、高卒女子は定型的、補助的業務に従事する社員として採用されたと。この雇用管理区分ごとに処遇、研修などが行われたために生じた格差である、だから均等法上も指針上も違法な行為には該当しないとして調停を行わなかったわけであります。つまり、当時の大阪婦人少年室長は、指針で雇用管理区分の考え方が明記されたから、言わば均等法上の権限行使しなかったということになるんだと思います。
 この訴訟は、もう御存じのように、様々な経緯はありましたが、原告の請求をほぼ認める形で、国、住友電工と訴訟上の和解が行われた。この和解の中で、厚生労働大臣、約束しているわけですね。雇用管理区分が異なる場合であっても、それが実質的に性別による雇用管理になっていないかについても十分注意を払い、調停の積極的かつ適正な実施に努めるものとすると約束してきた。ところが、大臣は、先日の本会議答弁でも、雇用管理区分について改める必要がないという立場に依然として立っておられる。住友電工事件で門前払いの根拠として使われた雇用管理区分の考えを明記した指針は今も当時も変わっていない。これでいいのかということが問題だと私は思うんです。
 私は、住友電工裁判の和解で当時の大臣が約束したように、実質的に性別による雇用管理になっていないかについても十分に注意を払うと。というのであれば、これは、均等法の指針から雇用管理区分、これは削除すべきではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(川崎二郎君) 性差別の有無の判断に当たっては、比較の対象を定めることが必要であり、差別を受けたとされる者と同様の条件にある別の性の者を比較の対象とすることにしております。その際、我が国の企業においては長期的な視点から人事制度が設計、運用されており、職種や資格等による区分ごとに人材育成や処遇等の仕組みを設定するという雇用管理が広く行われることにかんがみ、雇用管理区分ごとに比較することとしております。したがって、雇用管理区分の考え方を廃止することは適当ではないというふうに考えております。
 この住友電気工業事件に係る和解につきましても、現行指針の解釈を確認的に指摘しているものであり、厚生労働省に対して特段な新たな措置を求めているものではないという私どもは解釈をいたしております。
○小池晃君 いや、それはおかしいんじゃないですか。これは問題となって、これは十分注意を払うということを約束しているわけですね。局長、このままでいいって言うんですか。これ、指針から削除できないと、もうこのままだと、そういうふうにおっしゃるんですか。
○政府参考人(北井久美子君) 雇用管理区分という考え方を、そのものを廃止することは適当でないというふうに考えております。しかし、雇用管理区分が同一か否かということについては、雇用管理区分の単なる名称といった形式だけでなくて、労働者の職務の内容や処遇などの企業の雇用管理の実態に即して見なければいけないというふうに考えております。したがって、実態を見た上で、同一の雇用管理区分とされた場合は均等法上の性差別として取り扱うことになるわけでございます。
 指針について雇用管理区分の解釈を出しておりますけれども、差別か否かの判断が、単に形式のみならず、企業の実態に即して行われるものであることをもっと、もう少し分かりやすく示すように規定ぶりを見直したいというふうに考えております。
○小池晃君 分かりやすく書き直すというお話ありましたが、実質的な性的差別は駄目だと、そうなっていないかについても十分注意を払うというふうに約束しながら、指針に雇用管理区分は均等法上違法でないということを書き込んでしまうと、雇用管理区分という形式さえ整えば、これ合理性、合法性の推定が働くということになってしまうんじゃないでしょうか。だからこそ、この削除が必要だというふうに申し上げているわけであります。
 もう一度聞きたいんですが、政府が言うように、これは削除できないと、雇用管理区分を指針に書き込める、こういうふうになれば合理性、合法性の推定は避けられないということになってしまうんじゃないですか。
○政府参考人(北井久美子君) 繰り返しの御答弁になるかもしれませんけれども、雇用管理区分が同一かどうかということについては、やはり単に名称で分けましたということだけを信用するのではなくて、本当にその職務内容や処遇などについて、同一区分に属さない労働者との間に客観的、合理的な違いが存在しているかどうかについて判断をしていくことが必要でございますから、そうしたことで、企業の雇用管理の実態を見て、即して行うということをしっかり周知をしていきたいというふうに思っております。
○小池晃君 同じお答えなんですが、それではやはり問題は解決しないと思うんですね。雇用管理区分ということが明記されている限り、指針に、実際にはそうならないというふうに思うんです。
 引き続き、ちょっと具体例で取り上げたいと思うんですが、男女差別の実態の実例ですが、名古屋銀行にお勤めの、もう実名を挙げて結構だというふうに本人がおっしゃっているんで紹介しますが、坂喜代子さんという方の場合です。名古屋銀行に二十七年間パートで働いてこられた方なんです。名古屋銀行というのは平均勤続が十七年ということですから非常に長いんです。就職当時の時給は五百円だった。それが二十七年間働いて今八百七十円。二十七年間で三百七十円しか上がっていないんですね。
 銀行のパートというのは、これは経験者が非常に多くて、補助的業務というよりは正に即戦力の基幹労働者だと。行員が退職した後、全部パートとか派遣で埋めているというんですよ。実際のお仕事をお聞きを直接しましたけれども、ATMの管理スケジュールとか金融庁の通達を配付するといった正に男性の係長と同等の仕事をやっていて、名古屋銀行そのものが団体交渉の席上で正社員とパートの仕事上の区別はないと言っているんですね。
 ところが、賃金の区別はどうか。この方は、正社員で自分と全く同じ学歴で同じ年齢の男性の月収、私も見せていただきました給与明細、その方は五十六万六千八十四円です。片やこの方は労働時間が一日一時間十五分だけしか短くない。給与は八万三千五百二十円。片や正社員の方はボーナス、賞与は八十九万六千四百円。これに対して賞与は一万八千円なんです。この名古屋銀行は、高年齢者の雇用法で、シニアスタッフ、六十歳定年のシニアスタッフ、これを始めましたが、この方でも月収十八万円。自分は半分以下だというふうにおっしゃっています。
 そして、この名古屋銀行ではパートと呼ばれる人の中に男性は一人もいない。全員女性だということであります。まあ銀行ですから、銀行のパートというのはほとんどそういう実態であります。
 福利厚生面でも圧倒的な差があって、忌引もない、ミニ休暇制度もない、労災時の二〇%プラス制度もないと。
 そこに新たにこんな制度を導入しようとしているんですね。一昨年から、パート職員に呼び掛けて、フルタイムパート制度というのをつくりますと。フルタイムパート制度というのは、私、本当に矛盾した話ではないかと思うんですが、このフルタイムパート制度というのを導入されました。時給は千円だと、年間労働時間千七百五十時間、年収二百万円であります。このフルタイムパートになると勤務時間は正社員と比べてわずか十五分短いだけ、正社員が八時四十五分から始まるのがフルタイムパートは九時から始まる、そこしか違わない。残業もあるんです。九時から五時まで働いて、正社員の年収の三分の一から四分の一。退職金もない。雇用の継続更新を意識しながら、いつ打ち切られるかということを意識しながら働かなくてはならない、こういう実態なんですね。
 これ、実例御紹介しましたが、局長にお聞きしますけれども、このフルタイムパート募集要項というのは、これは明らかに女性だけを対象としたものです。これは明らかに法律違反だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) いわゆるフルタイムパートについて女性のみを募集、採用の対象とするということであれば、これは均等法第五条に違反するものでございます。
○小池晃君 私は労基法四条にも違反するんじゃないかというふうに思うんですが。
 これは非常に重大な問題なんで調査していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 個別の案件でございますが、少し調べさせていただきたいと思います。
○小池晃君 少しじゃなくて、しっかり調べていただきたいと思います。
 この名古屋銀行だけの問題じゃなくて、名古屋銀行がこのフルタイムパート制度って導入したらば、結構広がってきているんです、百五銀行、千葉興銀。金融の職場に年収二百万円程度のフルタイムパート制度というのが広がってきているというふうにお聞きしています。
 私、大臣にお聞きしたいんですが、おとといの質疑でも大臣は、パート労働の女性が一日それこそ八時間、正社員と変わらない勤務しているのに余りにも賃金に格差があるじゃないですかというようなところは、私どもしっかりやらなきゃいけないというふうに答弁されました。正に私が紹介した事例というのは、正に大臣が何とかしなきゃいけないという事例ではないかと思うんですが、こういう実態が広がってきているということについてどのように受け止めていらっしゃいますか。
○国務大臣(川崎二郎君) パートで働く人たちの中で、いわゆる短時間で労働されておる方々が八十数%でしょうか、一方で、今御指摘いただいたように、もう正規の職員と変わらない形で働いているという人が十数%。特に、この正規の職員と変わらない形で働いていながら大きな差が付いているという問題については、先ほどから御答弁させていただいておりますとおり、私ども、大きな課題であるという認識の下でいろんな勉強をさせていただいております。
 考え方がまとまれば、国会でいろいろ私どもの方針をお示ししたいと思いますし、場合によっては御審議いただかなければならないだろうと。また、そう長い時間を掛けられる問題ではないという認識をいたしているところでございます。
○小池晃君 私は、こういう差別というのは、現場では一般論ではなくて正に具体的な事案としてこういう形で起こっているというふうに思いますし、一般論だけではなくて、やっぱりこうした具体的な差別というのが本当になくなるというために法律はどうあるべきかということが今問われているんだろうというふうに思うんです。
 岡谷鋼機のことは先ほど円委員からも御紹介ありましたけれども、例えばちょっと紹介すると、ここも裁判あったわけですが、これ元々の裁判で問われたのは男女差別、本人の意思確認なく女性を一般職、男性を総合職、こういう雇用管理区分を使った差別問題でした。ここで何が起こっているかというと、今年四月からは、事務職は契約社員のみの採用となったと、原則三年契約、延長最大二回、六年であります。現在、事務職は全員女性なんです。
 大臣、この間接差別というのは、正に手を替え品を替え、もう時代の変遷とともに法と指針の網をかいくぐり、もうどんどんどんどん広がってきているというのが実態ではないか。新たな若年定年制まで持ち込まれてきていると。
 いずれにしても、雇用管理区分というこういう仕組みを利用した人事が非常に複雑になって、新たな男女間の賃金格差がいろんな形で生み出されていると。パートの問題もその一つだというふうに思うんです。私は、この際やはり、こういったものを生み出しているやはり土壌として雇用管理区分という仕組みが、企業側は最大限活用しているんです。是非、これ削除すると。これはやはり維持を改めるという方向に打ち出す必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(川崎二郎君) このことについては繰り返し御答弁させていただいております。
 現時点で雇用管理区分を廃止することは適当でないと考えております。なお、雇用管理区分が同一か否かについては雇用管理区分の名称といった形式のみならず、労働者の職務内容や処遇等の企業の雇用管理の実態に即して行うものでございます。したがって、実態を見た上で、同一の雇用管理区分とされた場合は均等法上の性差別として取り扱うものと考えております。また、指針については、差別であるか否かの判断が単に形式のみならず企業の実態に即して行われるものである旨を分かりやすく示す、規定ぶりを見直すことを予定いたしております。
 いずれにせよ、一つは、例えばフルタイムパートを女性についてのみということは、もう先ほどお答え申し上げたように、これは男女雇用機会均等法第五条に違反すると。また、賃金についての差別ということなら労働基準法第四条について規定されております。委員の方からも労働基準法第四条じゃないかという御指摘もありましたように、そうした側面からしっかり我々もチェックを、チェックする機関でございますから、チェックしていかなきゃならぬという思いはいたしております。
 雇用管理区分については、再三のお尋ねでございますけれども、我々としてはこうした見解でございますので、御理解をお願い申し上げます。
○小池晃君 しかし、そうした制度がやっぱり現状として今こういう事態を生み出していることは、これは事実なわけですから、やはり私はこれを改める必要がある。均等法の指針から雇用管理区分を削除する。それから、均等法では間接差別を限定列挙ではなくて指針で例示するということを改めて求めたいというふうに思います。
 引き続き、ポジティブアクションの義務化の問題をお聞きしたいんですが、今取り上げました住友電工事件の和解では、これもあるんですね、実質的な男女の均等確保を実現し、女性の能力を最大限に生かすためには、制度上の男女均等が確保されるだけでなく、事実上生じている男女労働者間の格差を解消するための企業の積極的取組が不可欠であるというふうに和解でこれは述べているわけであります。
 ポジティブアクションの積極的推進を国が約束しているんです。しかし、本改正案では努力義務でさえないわけです。なぜこれを義務化しないのか。
○国務大臣(川崎二郎君) これは先ほどの御審議にも出ましたけれども、諸外国の例を見ますと二通りだろうと、義務化をしているところ、それからやはり各会社の努力ということでやっているところ。その中で私ども、外部から強制されて形式だけ整えたとしても実効性のある改善が本当に見込まれるのかと、こんな議論もいたしまして、今回の改正法案においては義務化をせず、事業主の自主性による枠組みを維持しております。その上で、ポジティブアクションの取組状況を事業主が自主的に公表することを国が援助することとしており、これによりポジティブアクションを一層推進することができると考えております。
 今現在でなかなか、企業全体がこれについてしっかりやるという風土が残念ながら生まれていない、その中で一挙に強制に持っていけという御議論があることも承知しておりますけれども、私どもはまずその努力をさせていただきたいと、このように思っております。
○小池晃君 いや、そういう風土がないというときに自主性に任せるというのは私は矛盾していると思うんですよ。これは女性雇用管理基本調査、〇三年度調査、六割の企業は、ポジティブアクションを分からない、予定はないというふうに答えているわけであります。正にその周知や位置付けが十分伝わっていないのに、これは事業主の自主性に任せたって、局長ね、これうまくいくんですか。何でこれで、こんな状況なのに、全く風土もないというような事態の中で、どうしてこれで進むのか。正に全企業が取り組むべき課題であるということを明確にするために義務化が必要なんじゃないですか。
○政府参考人(北井久美子君) 義務的な手法を取るか奨励的手法を取るか、いろいろ検討はしてきたわけでございますが、今回の改正法案におきましては義務化ということにはならずに、事業主の自主性による枠組みということを維持したわけでございます。
 労働政策審議会の議論におきましても、ポジティブアクションの推進策に当たりましては、やはり使用者側の委員からは義務化について大変強い反対意見もございました。なかなか現状におきましては義務付けというところには今回は行かなかったということでございます。
○小池晃君 今の答弁でもうはっきり出ちゃっているんですけれど、自主的な取組が大事だと言いながら、結局、労政審で経営方が反対したからできなかったというだけの話じゃないですか。これが実態なんですよ。こういうことでは私、広げろったって広がんないと、これ義務化しなければ本当に法の意味がなくなるというふうにさえ思います。これは修正が必要だと思います。
 さらに、婚姻、妊娠、出産に関する不利益取扱いの問題ですが、本改正は、婚姻、妊娠、出産に伴う不利益取扱いを禁止をし、さらに妊娠中、出産後一年を経過しない解雇を無効とし、立証責任の転換を図りました。このことは評価できると思います。
 実態としてどうかということなんですが、婚姻、妊娠、出産を理由とした解雇という、まあ首切るという、それはそういう例ももちろんあるんでしょうが、実際には職場の圧力で、家庭に入ったらどうですかとか、あるいは育児に専念した方がいいんじゃないですかと、こういう形が実態の中心だろうと。退職勧奨、退職強要といいますか、いろんな形での働き掛けが実態としては行われるんだろう、そして退職に追い込まれるということが現実に起こることだというふうに私は思うんです。
 この場合、解雇の禁止ということにとどまらず、やっぱり実質的にとらえて、退職勧奨、退職強要なども含んで実質的なものにしていく必要があるというふうに思うんですが、局長いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 現行法におきましても、形式的には解雇でない場合でも、今お話のありましたような、事業主の有形無形の圧力によって労働者がやむを得ず応ずることとなって、労働者の真意に基づくものでない事実上の解雇と認められるような場合につきましては均等法違反となると解釈をしております。
 また、今般の改正によって禁止される妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いには退職の勧奨も含まれるとすることを予定しておりますので、これに違反しましても是正指導を行うことになるわけでございます。
○小池晃君 その解雇の無効が入ったことは評価できるんですが、退職の勧奨を受けていったん辞めてしまったらもう取り返し付かなくなるわけですね。
 これ、法案成立後の周知徹底の中で、こういう働き掛けというので辞めちゃ駄目なんだということをやっぱり改めて女性労働者に徹底して広げていく努力が必要ではないかと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 私どもの雇用均等室における毎日の相談におきましても、やはり辞めさせられそうだ、あるいは辞めさせられてしまったという相談が多いわけでございまして、本当にその都度現場の職員は、辞めてしまうまでに相談してほしかったというような思いで仕事をするケースが多いわけでございます。したがいまして、私どもも妊娠、出産、婚姻というようなことによって辞めることを余儀なくされるというようなことはなくしていかなきゃいけないと思っております。
 そういう意味で、今度の改正法案の中にもこうしたことに関する規定の強化をさせていただいているわけでございまして、改正法案が成立しました場合には速やかに、御指摘のような点も含めて、労使団体の協力あるいは自治体の協力も得ながらいろんな手段で周知を図っていきたいというふうに考えております。
○小池晃君 続いて、坑内労働の解禁問題について聞きます。
 母性保護や女性の健康問題から危惧の声が上がっております。
 これ解禁の対象は特定の女性ということになるという説明を受けておりますが、どういう限定になるのか分かりやすく説明してください。
○政府参考人(北井久美子君) 今般の改正によりまして坑内労働の規制緩和の対象となりますのは管理監督業務を行う女性技術者でございまして、具体的にはトンネル建設の工事現場などにおきまして監督や施工管理に携わる土木技術者などでございます。
 他方、引き続き坑内労働の規制の対象となりますのは妊産婦といわゆる作業員の業務でございまして、具体的には妊娠中の労働者それから出産後一年以内で坑内業務に従事しない旨を使用者に申し出られた労働者、それから坑内で掘削、運搬や坑内施設の設置の作業に従事する女性労働者、すなわち現場の作業員の方ということでございます。
○小池晃君 解禁後、健康等への影響評価というのはきちんとなされるんでしょうか。どのように健康への影響が出ているか検証しようと考えておられるのかお聞きします。
○政府参考人(北井久美子君) 今般の改正によりまして、今御説明を申し上げましたとおり、女性技術者の管理監督業務について坑内労働の規制を緩和することとしておりますけれども、改正の影響につきましては、調査を実施するなどして女性の健康への影響を検証していくこととしたいと考えております。
○小池晃君 坑内に入れば実際にはどんな働き方しているかなかなかチェックしにくいということもお聞きをします。また、たとえ肉体労働でなくても、長時間の坑内労働というのはじん肺などの健康被害も懸念されるというふうに思っております。私どもは、この点については異論を持っております。しかし、対象を広げるというのであれば、これはきちっと正確な影響評価をしていただきたいということは申し上げておきたいと思います。
 さらに、行政の在り方についてお聞きをしたいんですが、新日本婦人の会が均等法改正に向けて集約した「私と家族の働き方黒書」というのがあります。ここには女性のいろんな実態、告発が寄せられているんですが、私、見ていてこういう訴えがありました。
 事務職の女性が総合職に転換する制度がある。しかし、総合職に転換したら二十七歳の男性水準になる仕組みになっていた。五十歳女性ではかえって賃金が下がったため均等室に訴えに行ったんだと。しかし、就業規則までは踏み込めないと、こういうふうに言われたと。こういう例、一杯あると思うんですね。職場の男女差別に関する取組というのはなかなか現場では解決しないということが言われております。
 そこで、均等室に持ち込まれた相談件数と是正指導数、二〇〇二年から二〇〇四年まででどれくらいあったか示していただきたい。
○政府参考人(北井久美子君) 雇用均等室が扱いました均等法に関する相談件数は、平成十四年度一万八千百八十二件、平成十五年度一万八千二百六十六件、平成十六年度一万九千六百六十八件でございます。
 そして、均等法二十五条に基づく助言、指導、勧告の件数でございますが、三年間分申し上げますと、平成十四年度、助言五千四百四十八件、指導四千二百五十四件、勧告三件、平成十五年度は、助言五千六百二十四件、指導四千四百六十一件、勧告ゼロ、平成十六年度は、助言五千百二十二件、指導四千二百七十二件、勧告一件ということでございます。
○小池晃君 相談件数に対して是正件数、助言も含めて三分の一以下、何でこんなに少ないんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) この相談の件数につきましては、相談者としては、まず女性労働者だけではなくて、事業主の方からの相談も含まれるわけでございます。そして、内容も、雇用管理についての具体的な相談や望ましい取扱い、あるいは法律の基礎知識といったようなことについても含まれるわけでございます。
 そして、そうした相談の中から法違反の疑われる事案について二十五条に基づく報告徴収以降の手続、行政指導の手続に移行することになるわけでございます。そうしたことから、こうした三分の一ぐらいの数字になっているわけでございます。
 なお、したがいまして、この指導件数は相談件数の一部ということでございます。
○小池晃君 相談しただけで解決しちゃう例が私そんなにたくさんあるとは思えないんですよ。これ実際は、相談したけれども、これ均等室の権限じゃないといって門前払いにされるようなケースが大変多いと、実態としてはそうだというふうにお聞きをしています。しかも、体制の問題が非常に大変でありまして、均等室というのは御存じのように都道府県に一つしかない。均等室に相談に行くこと自体が非常に大変になっている。
 ちょっとお聞きしたいんですが、妊娠、出産など母性健康管理に関する相談という役割を持っている女性労働者福祉専門官というのは何人いるんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 均等法を所掌しております担当指導官は二種類の職種がございますけれども、そのうち、今御指摘のありました母性健康管理を主として担当いたします地方女性労働者福祉専門官は全国で三十二人、それから均等指導官が五十九人、合わせて九十一人ということでございます。
○小池晃君 たった九十一人しかいないと。母性健康管理に関する相談というのは全体の二三%なのにこの実態なわけです。一名しかいない県も十五県あるというふうに聞いています。しかも、均等室の職員というのは、今の専門官も含めて全国で二百三十八人、一県当たり五人程度。これで均等法の周知徹底、相談、指導できるんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 私どもの均等行政は、今お話しのような非常に少人数でございますけれども、均等法あるいは育児・介護休業法、パートタイム労働法という非常に重要な法律を所掌して、現場の職員、一生懸命頑張っております。
 ただ、こうした問題に対処するには、この人数だけでやることには当然限りがあることでございますので、労使団体あるいは地方自治体等の御協力を得ながら、非常に効果の大きい効率的な仕事をしていく必要があると考えております。
 しかし、この少人数の中で、現場では相談をお受けするということだけではなくて、計画的に事業所訪問にも出掛けてまいりまして、法違反を疑われるような事案も見付けてきて是正指導をしているということでございます。
○小池晃君 頑張っておられるということは、私も現場の方のお話聞いて、それはそうだなというふうに思っているんですが、しかし大臣、今回この法案が出されて行政の対象範囲は広がるはずなのに、私、予算を伴わない法案だということ自体が非常にこれは重大だというふうに思うんですね、そもそもこれおかしいんじゃないかなと。ますます業務量増えるけれども予算は付いてこないというんじゃ、均等室の現場に幾ら頑張れと言ったってこれはできないですよ。
 私、大臣、この問題は、予算関連法案ではないわけですが、予算関連法案並みに、よほどの並々ならぬ決意を持ってこれは体制の強化を図るということがなければ、幾らこういう法案作っても何にもならないというふうに思うんですが、大臣、その点での決意というのはどうなんですか。
○国務大臣(川崎二郎君) いつも労働行政について御理解を賜っております。
 高齢者の問題、そして今御議論いただいております男女雇用均等の問題、また障害者雇用の問題、それぞれの切り口で極めて重要な役割を果たしていると思っております。一方で、国全体として行政改革という大きな課題を抱えていることも事実でございます。そういった中でどう効率的に仕事をやっていくか、しっかり局長を先頭にしながら私も現場を見ながらやってまいりたい。
 また、先ほどから御議論にありましたように、労働基準法違反という指摘もございました。そういう意味では、均等室だけではなく、いろいろな局、またいろいろな部署が関与いたしておりますので、厚生労働省の中の連携もしっかりやりながら進めてまいりたいと、このように思っております。
○小池晃君 連携は非常に私も大事だと思います。労基署は全国三百か所、ハローワークは六百か所あるわけですから、一方で均等室は各県一つしかないわけですから、ここをもっともっと有機的に局の壁を取り払って協力をしていくということは、これはすぐにでもできることだし、やっていかなければいけないというふうに思うんですが、しかし、その前段の基本的な認識として、小さな政府と言うけれども、私は正にこういう部分小さくしちゃいけないと思うんですよ。
 大臣、今全体の行政改革の要請があると言うけれども、この分野まで小さな政府ということでやらなければいけない、そういう分野であるという御認識を持っているとしたら大変私重大だと思うんですが、私はこういう部分は全体としてはやっぱり伸ばしていかなきゃいけないという基本的な認識を持っていただかないと困ると思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(川崎二郎君) 今労働行政に課せられた課題、極めて大きなものがあると思っております。そういった意味では、労働基準監督署におきましてもハローワークにおきましても、また均等室におきましても、それぞれ国民から大きな期待をいただきながら、また委員会でも様々な励ましをいただきながらやらせていただいております。
 一方で、しかし行政財政改革というものが国の大きな課題であるということについては是非御理解を賜りたいと。したがって、今、他の部署としっかり連携しろというお励ましをいただきましたけれども、そうしたことも念頭に置きながら効率的な組織というものをつくり上げるように努力をしてまいりたいと考えております。
○小池晃君 こういう法律作りながらその体制を減らすようなことをしたらこれは全くもう逆行ですからね、そんなことは絶対にしてはいけないというふうに申し上げておきたいと思いますし、大臣が守らなければそこは進まないんですから、そういう自覚持ってやっていただきたいというふうに思います。
 実際の問題でいうと、やはり私どもは国と都道府県に独立した男女雇用平等委員会のようなものを設置をして、事業所への立入り権限、あるいは事業主への資料提出を求める権限を持たせていく、差別の是正措置を命ずることができるようにすべきだというふうに考えております。
 そういう仕組みがなければ、実態としては、事業主の評価聞くと、まじめな事業主ももちろんいると思うんですが、よく聞く話としては、均等室から言われれば分かりましたで済んじゃうと。しかし、基準監督署から言われると強制権を持っているからうかつに対応できない、こういう話あるんですよ。これが実態なんですから、やっぱりしっかり権限持たせる方向で強化をするということをやっていただきたいというふうに思います。
 最後に、この法の目的の問題について改めてお聞きをしたいんですが、前回も仕事と生活の調和を法の中に明記するべきだということを申し上げました。先ほども議論ありましたけれども、私は、この問題というのは非常に大事で、男女の雇用をめぐる様々な条件を均等、平等にしていく、その目的は一体何なのかということにかかわる問題だというふうに思っております。
 男女差別なくして均等にするといっても、ひどい条件で均等化すれば、これは男女ともに苦しみを背負っていかなければいけないことになるわけでありまして、これ、だからこそ、何のための均等なのか、何のための男女平等なのかということをしっかり法律に明記する、そういう特別な意味があると。これはなじむなじまない、切り口が違う違わないという問題ではなくて、私はこの法律が目指す働き方というのは一体何を目指すのかということを書くという問題だというふうに思っている。だからこそ、この問題を法律にしっかり書くということが必要ではないかと思うんですが、大臣、この点について改めてお聞きしたい。
○国務大臣(川崎二郎君) ワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和、これ何回も御答弁させていただいているとおり、重要な課題であると考えております。
 しかしながら、労働関係の法令全体で、育児・介護休業法、次世代育成支援法、それから、今日は何回となく引用させていただきました労働時間等設定改善法、労働基準法、様々な法律によりその実現が図られていくものと考えております。
 男女雇用機会均等法にワーク・ライフ・バランスをしっかり書けというお話をいただいておるんですけれども、これは基本的には性差別の禁止という大きな目的がございますので、これと同じ形で書くようにということについては、再三の御要請でございますけれども、必ずしもこの法律にはなじまないと、このように思っております。
○小池晃君 それは、性差別の禁止、男女の均等ということは、何のためにそれを目指すのか、どういう働き方を実現するための法律なのかということで、私は切っても切り離せない関係にある問題ではないかと、そういう問題として提起しているんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(川崎二郎君) ですから、イコールそれが仕事と生活の調和という一文字に表されるかと、一つのフレーズに表されるかということになると、必ずしもそうではないですねと。かつ、先ほどから申し上げているように、労働法制の中の様々な法律の中にそうしたものを準備させていただいておりますので、どうぞ全体の法令の中で御理解を賜りたいと。
○小池晃君 様々な法令の中に書き込むことは、それはそれで様々に書き込んでいただければ結構なことでありまして、私が申し上げているのは、やっぱりこの法律の中に書き込むことに、そこに意味があるんだと。それが正にこの法律で実行しようと、実現しようとしている、男女ともに働き方、どういう働き方をこの日本で実現するのか、その目的というのは、正に仕事と生活の調和という、そこを目指していく働き掛けをつくっていくんだということではないかと、だからこそ、法律の中にしっかりその目的規定を書き込むべきだということでございますが、最後までこの問題は平行線に終わった、まあ非常に残念であります。
 本法案に一定の前進面あることは非常に事実であると思いますが、まだまだ質疑をしなければいけない問題はあるというふうに思いますし、より良い法律にしていく努力が与野党ともに求められているというふうに思います。より実効ある法律とするために、引き続き努力をしなければいけないということを申し上げて、私の質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 間接差別のことについてまずお聞きをいたします。
   〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕
 間接差別をめぐる議論につきまして、全くまだ納得がいかないのは、省令で定める三点については行政指導の対象とする、それ以外の点については間接差別の定義からいって外見上は性中立的な基準が男女に与える影響の違いに着目をし、かつ差別意図の有無は問わない、それについては公序良俗違反や民法七百九条、民法四百十五条、債務不履行責任などになる場合はあり得るという答弁なんですが、極めて変で、改めてお聞きをいたします。なぜ、裁判所が判断する違法よりも行政指導の範囲が狭いのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 行政法に基づいて行政指導の対象となる事項につきましては、民事法上違法とされるものすべてではなくて、その中でも行政指導という手法によって違法状態の是正を図るべき必要があるものに限ることが通常ではないかと思います。
 したがいまして、間接差別につきまして、その公序良俗違反として無効になる範囲と行政指導の範囲が異なることはおかしいと何度も御指摘をいただいておりますけれども、私どもはそうではないんではないかというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 公序良俗違反で違法であるにもかかわらず、なぜ行政指導しないんですか。違法行為を放置するんですか。
○政府参考人(北井久美子君) 私どもは、その民事法上公序良俗違反として無効とされ得るすべてのものすべてについて、各個別の行政法で行政指導の対象となるというふうには考えないわけでございます。
○福島みずほ君 行政指導というのは、確かにある程度基準が必要かもしれません。しかし、世の中に存在する様々な男女差別、公序良俗違反になり得るような男女差別については、きちっと指導していかなければ、それは変わらないわけですね。公序良俗で明確に違法と思われることについて、なぜ指導しないのか、なぜ違法行為をしないのか。そうしますと、行政の救済、通常は司法救済の方が狭いわけですよ、裁判の方が大変だから。
 なぜ行政指導では駄目で、裁判に訴えて違法行為というふうにされなければならないのか、理解ができません。なぜ明確に生じている公序良俗違反、無効あるいは不法行為に関して救済をしないのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 何度も同じ答えになるかと思います。
 民事法上違法とされる公序良俗違反として無効になるケース、裁判でその個別のケースが様々に出てくることはあり得るわけでございますが、それを全部各個別の行政法に基づいて行政指導ということには、私どもはむしろそれはならないのではないかと思っておるわけでございます。
○福島みずほ君 セクシュアルハラスメントの事案に関して、裁判上違法となり得るものについてはセクシュアルハラスメントが問題であるという行政指導をされていると思います。
   〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕
 なぜセクシュアルハラスメントの場合はできて、そのほかの場合はできないんですか。
○政府参考人(北井久美子君) セクシュアルハラスメントにつきましては、この均等法では事業主が職場においてセクシュアルハラスメントということが生じないように適切な措置を講じる義務があるということにしているわけでございます。
 現行法は配慮義務でございますが、これを改正法案では措置義務ということにしたわけでございまして、事業主がやるべき対策として、企業の基本方針でセクシュアルハラスメントというものを起こさないという趣旨の徹底、明確化ということと、相談や苦情処理の体制をきちんとつくるなどして発生防止に努めるというようなことと、それから問題が起きたときには適切に事実確認をすることを始めとして適切に人事管理上も対処していくということを定めて、事業主の措置義務あるいは配慮義務として、行政としてセクシュアルハラスメントということが起きないような指導をしているわけでございます。
○福島みずほ君 セクシュアルハラスメントも間接差別も職場の中に存在し、女性が働きにくくなることをどうやって除去していくかということが共通項であると思います。
 ならば、なぜセクシュアルハラスメントは一般的な一般条項で、間接差別は一般条項にしないのか。
○政府参考人(北井久美子君) 間接差別につきましては、やはり初めてこの間接差別の概念を導入していく中で対象となる範囲をきちんと明確化をし、そして雇用の現場に十分な理解を得てスムーズに導入をしていくという必要性があったことから、限定といいますか、省令で規定をするという方式を取ったわけでございます。
 例えば、この均等法におきましても、雇用のステージにつきましては、先ほど包括的規定にした方がいいという御意見もございましたけれども、この現行の均等法におきましては、各雇用のステージを募集、採用から定年、退職、解雇といったようなステージごとに規定をしているわけでございまして、性差別を禁止する禁止の仕方としてもいろんな段階、いろんなやり方があるんではないかというふうに思うわけでございます。
○福島みずほ君 均等法は各ステージごとに差別が生じ得るからこそ、募集、採用から退職まで入れて差別を問題にしているのではないですか。
 私はやっぱり全く納得できないのは、なぜ限定にするのか、しかも行政指導をなぜ狭めるのか、概念矛盾に陥っている。法律としても極めて拙劣で論理的には破綻をしていると言う以外、何物もないというふうに考えます。
 ところで、お聞きをいたしますが、この間、局長は、男性が主たる、女性のほとんどが従たる場合間接差別となり得ると。要するに、そのことに合理性がなければ間接差別になり得る。有期契約の問題についても、女性のほとんどが有期契約で、そのことについて合理性がない場合は間接差別となり得ると言いました。
 このようなことが均等室に持ち込まれた場合にはこれは救済ができるのですか。
○政府参考人(北井久美子君) この均等法案が成立をいたしますと、第七条でもって労働者の性別以外の事由を要件とする措置で、男女の比率等を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがあるものとして労働省令で列挙するものは合理的理由がなければ講じてはならないということになり、具体的には厚生労働省令で列挙するものについて、さらに個々のケースごとに合理的な理由の有無を判断して行政指導の対象になることになるわけでございます。
 したがいまして、行政指導の対象となりますものは、この省令で列挙されているものに限られるということでございます。
○福島みずほ君 全く納得ができません。
 なぜ、局長は間接差別となり得るって言ったじゃないですか、合理性がなければ間接差別となり得るのに、なぜ救済しないんですか。
○政府参考人(北井久美子君) 私がお答えを申し上げましたのは、間接差別の法理としては性中立的な要件のものがすべて議論の対象の範囲から排除されるわけではないということで、あらゆる性中立的な事由のものが俎上にのり得て、そして、その中で省令に定めるかどうかという議論、あるいは合理的な有無の議論が起こるということを申し上げたのでございます。
 例えば、その一つのケースで男性が多い女性が多いという話がございましても、その男女の結果としての比率だけを見てすべて間接差別に該当するのだといったことではないということでございます。
○福島みずほ君 いや、そんなことはもう分かり切っているわけですよ。すべて間接差別になり得ると言っているわけではなくて、合理性があるかないかで間接差別になり得る、その点は厚生労働省と私の見解は一致をしています。主たる、従たる労働の場合、それから有期契約かどうかという場合、そのことについて合理性がない場合には間接差別となり得るという点では共通項です。それは前回厚生労働省は認めました。
 納得ができないのは、なぜそれを均等室が救済をしないのかということです。間接差別となり得るのであれば、そのことに合理性があるか合理性がないかを検討するのが均等室の仕事ではないですか。
○政府参考人(北井久美子君) 何度も申し上げて恐縮でございますが、この法案の方式として、具体的に間接差別となり得る候補といいますか範囲を省令で書いて、そして、そのものについて合理性の有無を判断して行政指導の対象にしていくという実体法の規定方式を取ろうとしているわけでございますから、私どもは、おのずと行政指導の、均等法上の行政指導の範囲は限られるということになると考えておるわけでございます。
○福島みずほ君 セクシュアルハラスメントが均等法に盛り込まれるずっと前から均等室はセクシュアルハラスメントの事件をやってきました。なぜか。問題があって、違法となり得て、職場での女性の働き方を侵害するからです。法律などなくても、民法の七百九条、四百十五条にのっとって均等室はセクシュアルハラスメントの問題に対処をしてきました。裁判所も均等法の中にセクシュアルハラスメントの条項がなくても判決を出してきました。なぜか。それは違法だからです。なぜ、今回、間接差別をせっかく導入しながら均等室が救済するのを限定するのか。均等室は責任を放棄していると考えますが、いかがですか。
 お願いなのは、せっかく間接差別を入れても、救済できる場合を三つに限ったら本当にほかが切り捨てられると。今までだったら問題となり得たことが問題となり得なくなる、だから多くの人が懸念を持っています。私もそう思います。
 行政指導の対象にするかどうか、あるいは相談の、持っていって門前払いとしない、そのことの言質だけでも取りたいと思います。いろんなことが間接差別となり得るかなり得ないか、合理性があるかどうかについて均等室は拒絶しないでください。いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 間接差別の規定が今回初めて、明文上、均等法に明記されるわけでございますから、先ほどお答えを申し上げましたように、間接差別がそういうふうに具体的に法文に規定されたというようなこと、それから概念、法理、定義といったようなことについても十分周知をしていきたいということでございますし、そうした中で、三つに限ったその周知だけではなくて参考例も挙げてというような御質問がございましたけれども、三つというのは、やはり均等法上の違法となり得る措置でございますから、そこはしっかりと周知をしながらも、そのほかのものについても、民法の適用等によって無効となったり違法となったりするものがあり得るのだということも周知をしてまいるということをお約束をしたわけでございます。
 そうした中で、周知啓発といったようなことについては均等室におきましても意を用いていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 周知徹底と意を用いていくということについてはよろしくお願いします。
 でも、均等室、おかしいですよ。うちに来ても扱いません、三つ以外は、裁判所に行ってください、これが均等室の姿でしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 紛争解決の援助であるとか二十五条の行政指導という均等法上のシステムに乗っていくことは、これは困難でありますけれども、今でも均等法そのものだけでなく、例えば賃金格差の解消のための取組であるとか、あるいはポジティブアクションの推進の取組であるとか、いろんなこともやっているわけでございますから、そうした意味では均等室は女性労働者の皆さんからの受皿になっているわけでございます。その意味におきましては、周知啓発という形で、冷たい対応ということがないようにしていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 均等室が頑張っていること、それについては本当に心から敬意を表しますし、それに文句を唱えているわけではありません。ただ、救済が余りに狭くなるのではないかということについて、この法案について疑問を呈しているのです。啓発活動する、意を要するということをどうか拡大をしてくださるように、本当にお願いをいたします。
 差別とは何か。先ほど名古屋銀行のケースや、いろんな、この委員会の中でも実例が出てきました。女性たちが苦しんでいる、なぜか分からないけれども、自分が頑張っても頑張っても頑張っても、働いても、会社の中の複雑な雇用管理や複雑な制度や、あるいはパートとして働いたことによって自分の賃金差別が生ずる、昇進ができないということに苦労しています。
 だとしたら、均等法はまずその相談をきちっと受けて、彼女の、その人間の、どうすればその企業の差別を撤廃できるかと端的に考えるべきじゃないですか。もしかしたらそこに間接差別が入っているんじゃないかと。間接差別は三つに限るとしてスタートをするのではなくて、現状にある差別を解決するためには一体何が障害となっているのか、どういうことをやればある程度合理性があって問題が解決できるのかとしなければ解決ができません。いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 最近の差別に関する事案につきましては、確かに御指摘のように、明々白々な男女別定年制であるとか若年退職制であるとか、そういうものではなくて、非常に複雑であったりあるいは差別かどうかが判断しにくい事案が増えていることは確かでございます。
 そうした中で、均等行政は、様々な資料や委員の意見聴取等によりまして、できるだけの、要するに、紛争解決の援助あるいは行政指導、その前提となる報告徴収ということについて精力を傾けていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 報告徴収ということをおっしゃいましたけれども、もう一回元に戻って、男性たちは主たる従業員、女性たちの多くは補助職、男性のほとんどは正社員、女性では有期契約という場合に、こういう相談が均等室に来た場合にきちっと相談を受け、報告徴収をするということでよろしいですね。
○政府参考人(北井久美子君) すべての相談について門前払いをするわけではございません。そういう御相談あるいはお訴えがあれば対処するということでございます。
○福島みずほ君 どう対処をしますか。
○政府参考人(北井久美子君) 要するに、その端緒となる御相談というのは必ずしも明瞭にすべてが論理的に完成しているものではないと思いますから、大変時間を掛けてお話を聞くと、そうした中で、今度は事業主の方々に、事業主に来ていただいてお話を聞くというようなことの詰めをして、要するに差別事案であるのか、あるいは差別事案であるとしてもどういう差別事案であるのか、あるいは差別事案とは言えないかもしれないけれども、もしかしたらポジティブアクションということでもっと前向きに企業に対処していただかなきゃいけないような話であるのかというようなことを見極めていくわけでございます。
 そうしたことで、相談あるいは行政指導、紛争解決の援助ということに対処していきたいということでございます。
○福島みずほ君 抽象的には分かりましたが、個別的、具体的には分かりません。
 差別をなくしていきたい、働く場所での差別をなくしていきたいという点では厚生労働省と私たちの思いは一緒だと思います。しかし、さっき言った、男性が主、女性がほとんど従、男性と女性で女性のほとんどが有期契約、こういうのが相談に来た場合に、具体的にその企業に対してこれはおかしいということを言っていただけるんですね。
○政府参考人(北井久美子君) その事案事案によって何を求めておられるのか、均等法の問題か、あるいはパートタイム労働法の均衡処遇の問題か、あるいは賃金の問題か、いろんなことがあるわけでございますから、それはもう個々のケースによって積み重ねでやっていくということであろうというふうに思います。
○福島みずほ君 パートの問題は均等処遇の問題なのでパート法の均等待遇の立法ができていないからできない、賃金の問題は労働基準法の問題だから均等室は扱えないということでは、結局問題のたらい回しで、解決にならないんですね。
 今日、私は間接差別のことを聞いています。有期契約のほとんどが女性、補助職のほとんどが女性、こういうケースが均等室に来た場合に、均等室は、まあ両方意見を聞くけれども、合理性がなければこういうのはやめろということを均等室は言うべきなんですよ。そうしなければ、職場における女性差別は解決付きません。どうですか。
○政府参考人(北井久美子君) それは、基本的には、今回の間接差別法理は実体法に入っていくのはこれからの話でございますし、さらに結論になっている結果的な数字が本当に必ずしも不必要な、あるいは合理的でない要件が付いているのか、あるいはさらに合理的な理由の有無があるのかどうかということを見極めていくわけでございますから、その一つ一つのケースでたまたま現状においてそういう男性と女性のコースごとの差があったとしても、すべてその結果だけを見て直ちにこれは違法であるということを見極めるということは、これは無理ではないかというふうに思います。
○福島みずほ君 もちろんそうです。結果だけを見て違法だと言えなんということを言っていません。合理性があるかどうかをきちっと検討し、合理性がないと判断した場合は均等室で助言がいただけるということでよろしいですね。均等室が救済をしてくれるということでよろしいですね。
○政府参考人(北井久美子君) その意味では均等法そのものの助言ということではないですけれども、それはその類似のものとしてできるだけのことを、趣旨的な助言ということはあり得るというふうに思います。
○福島みずほ君 こういう差別を合理的でないというふうに判断された場合にはきちっと均等室が扱ってくださるということなので、これからよろしくお願いします。
 昨日、参考人の中から三つに限定をすると、いかにこの委員会でその三つ以外も違法となり得るということが答弁であったとしても、裁判でやはり狭くなるのではないかという懸念が何人もの参考人から出ました。私もその懸念は十分理解できます。なぜならば、裁判で議事録を裁判所に提出することはよく弁護士は行います。しかし、それは一つの参考資料です。裁判官は法律の支配にのっとって条文で判決を出しますから、いかに国会で議論があっても、やはりその省令はどうか法律はどうかということに極めて忠実に拘束をされます。
 厚生労働省、この狭くなってしまうのではないかとか、裁判所の救済が後退をしてしまうのではないか、これについてどうですか。
○政府参考人(北井久美子君) これも何度も御答弁を申し上げていると思いますけれども、この均等法の今回の間接差別を規定したことによって、そのほかの間接差別となり得る事案が民法の適用等によって司法の世界で無効というような判断がなされることについて何ら妨げられるものではないというふうに思っております。
○福島みずほ君 裁判等で後退した可能性があるということになれば、これはやはりこの立法の欠陥ということになると思いますので、この立法が後退をするのではないかという懸念を人に抱かせること自身が一つの欠陥であるというふうに思います。
 次に、この間、S社における世帯主の問題についてお聞きをいたしました。このことについて厚生労働省は、直接差別に当たり得るのではないかというふうにおっしゃったんですが、あと、第六条の例えば「住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置」というのは、世帯主というのはこれは入らないのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 福利厚生の、均等法が禁止しております何らかの福利厚生の措置の中での問題で、世帯主にだけ例えば社宅を貸すとか、そういうケースがございます。現行の均等法の考え方では、そうした世帯主に、その世帯主要件自体は、これは均等法上女性差別ということにはならないとしておりますが、しかし、世帯主に例えば社宅を貸す、あるいはローンを貸すということであっても、よく聞いてみますと、例えば男性の世帯主には何も難しいことを要求しないのに、女性の世帯主にはいろいろ資料を要求してみたり、何とか貸さないようにしたりという、実質的にいろんな制度の運用において男女異なる取扱いをなさっているケースがございます。それはもう直接差別として、現行均等法においても、これは福利厚生の措置の均等法違反であるという考え方を取っております。
 先ほどのそのS社の事件は、私もさらっと目を通さしていただいただけで感想を申し上げましたけれども、男女異なる取扱いをしておられるというような感じがしたものでございますから、その直接差別の問題となり得るというお答えをしたわけでございます。
○福島みずほ君 第六条第二号の対象になり得るものとしてどういうものを念頭に置いていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 済みません、第六条というのは改正案の第六条の……
○福島みずほ君 そうです、はい。
○政府参考人(北井久美子君) 第二号……
○福島みずほ君 はい。
○政府参考人(北井久美子君) 二号ですね。
○福島みずほ君 はい。
○政府参考人(北井久美子君) 「福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの」ということでございますが、これは住宅資金の貸付け、社宅の提供というものが典型的なケースでございます。省令で定まっております。それを均等法改正後も変更する予定はございません。
○福島みずほ君 前回、住宅手当の支給要件、住宅手当の支給状況、家族手当の支給状況に関して男女差、明確なる男女差があるということを質問をいたしました。そうしますと、住宅手当、家族手当などに関しては六条違反ということでこれから問題とし得るということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) 手当は基本的に賃金であると思いますので、ここでは賃金は対象にいたしておりません。
○福島みずほ君 この委員会でも何度も出てきていますが、労基法の賃金の問題であるとすると、刑罰の規定のある労基法の対象なので、多くの人の女性差別は賃金差別なわけですよね。賃金差別に関して均等法が取り扱うことができないというのは、実は法の欠陥であるというふうに強く思います。
 大臣、この点については見直しが必要なのではないですか。
○国務大臣(川崎二郎君) 今回御提案さしていただいているのは、もう既に今日まで御議論いただいている中でございますから、今ここで急に賃金入れろということになりましても、すぐ変更というわけにはまいらぬということは御理解賜りたいと思います。
○福島みずほ君 今回は入ってませんし、その根本的な問題にはメスは入っておりません。
 しかし、女性差別、男女差別の最たるものは賃金差別、いろんなことが賃金差別として争われるわけです。お金のことは大きいです。そのことに均等法が問題となり得ないというのはおかしいと。つまり、家族手当、住宅手当、全部これ賃金の問題だと言われるのはおかしいというふうに思いますが、いかがですか。あるいは、賃金の問題ではあるけれども、同時に、間接差別、女性差別の問題だから六条、七条、将来的には七条の問題ともなり得るというふうに考えるべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 現行均等法それから改正法案においては、何度も御説明を申し上げておりますように賃金は対象になっておりませんので、直接差別問題でありましても間接差別問題でありましても対象になってこないわけでございますが、仮に賃金ということが六条で入るということになれば直接差別の問題になり、その中で、次に、今度七条の間接差別の問題になり得るということになって、法理論的にはそうなってくるわけでございますが、現行の法律それから改正法案の考え方は賃金の話は入っていないということでございます。
○福島みずほ君 これはもう明確なる欠陥であるというふうに思います。
 住宅手当や家族手当に明確に男女差の割合の比率がある。これは明確に間接差別以外の何物でもないわけです、間接差別の定義からいって。なぜこれが除外をされるのか、なぜこれを均等法で救済できないのか。
 例えば、パートの問題も、ある面から見れば均等待遇の問題、しかしある面から見れば、今まで質問してきたとおり間接差別の問題でもあり得るわけです。賃金の問題も別の面から見れば間接差別の問題です。このことについて、大臣、将来というか、検討していただけますか。
○国務大臣(川崎二郎君) 委員はすべてのことを間接差別という部分から迫りたいということでございますけれども、それは正直申し上げて今回の法改正の基本的な考え方としては異なると、このように考えております。
○福島みずほ君 非常におかしいのは、間接差別の定義は、外見上、性中立的な基準が男女に与える影響の違いに着目し、かつ差別意図の有無は問わないとなっているのに、一番重要な男女差別の賃金の問題について間接差別でないというのは理解できません。
 私は、すべて間接差別として扱いたいというよりも、均等待遇というのは立法がないわけですね、まだ。四条にあるという意見は出ておりますが、ないわけですね。つまり、間接差別でも駄目、パートでも駄目、賃金と言っても駄目という、家族手当は賃金だから駄目、駄目駄目駄目駄目と言って救済ができないということが問題だと思っているんです。救済ができるのであれば、その概念は均等待遇でも間接差別でも結構です。このことについて是非検討してください。
 今回の委員会の中で、将来省令を拡大する場合には、判例の動向と均等室での相談の受付、いろんなものを勘案するというふうに答弁をされています。
 そこで、均等室の問題についてお聞きをいたします。
 もう一回繰り返しますが、そこに出てくる間接差別の例が豊かであればあるほど、将来省令が拡大されるという可能性が強いわけですね。ですから、そこの点については、将来間接差別の省令が拡大され得るということも念頭に置いて、きちっと対処してくださるよう改めて局長に答弁を求めます。
○政府参考人(北井久美子君) 女性労働者からの様々な御相談が寄せられるわけでございまして、その中には将来の間接差別の議論の対象にしていくのが適当なような問題も含まれ得るということは当然でございますので、そうした日々の現場の相談ということを大事にしていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 住宅手当の問題など、すべて賃金の問題は労基法の問題だということでした。よって、労働基準局長にお聞きをいたします。
 間接差別についてこれだけ議論があります。そうしますと、賃金差別の問題を扱う上でも今回の間接差別の議論などを加味して十分に検討してくださるということでよろしいですね。
○政府参考人(青木豊君) 労働基準法の四条では、既に御議論になったかと思いますけれども、男女同一賃金の原則を定めているわけであります。男性と差別的取扱いをしてはいけないというふうに言っているわけでございまして、これもお話にありましたように、罰則をもって強制をしているというものでございます。
 私ども、全国の監督署、それを執行します監督官において、こういった事案があれば、四条違反と思われるような事案があれば、これをきちんと指導監督をしていくということで従来からやっておりますし、今後ともそういうことできちんと臨みたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 そうしますと、ずっと質問しております住宅手当、家族手当の点で男女差があるというふうな問題に関して、そのこともきちっと取り上げてくださるということでよろしいですね。
○政府参考人(青木豊君) この労働基準法の四条につきましては、使用者は労働者が女性であることを理由として差別的取扱いをしてはならないということでありますけれども、個々具体的な事案についてこれに抵触しているかどうかというところで実態的に判断をして執行をしていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 私は、均等法の間接差別は一般条項であるべきだと思います。しかし、今回限定ですから、基準法の「女性であること」の中に「女性である」、それによって住宅手当の支給や家族手当の支給に関して労働基準監督署が積極的に行うようにお願いをいたします。
 ただ、本来は、間接差別というのはその比率や傾向で問題があり得るということをできるので、本来ならば均等法できちっとやるべきだということも申し添えておきます。しかし、それができないのであれば、両方で、均等室でも相談を受け付ける、基準局でもきちっと対処する、それをお願いをいたします。
 次に、仕事と生活の調和について改めてお聞きをいたします。
 今回の改正案に明文で仕事と生活の調和を規定しておりません。しかし、このことは極めて重要で、二つの点から重要です。男性の働き方に規制をしていくということで、二つ目は、仕事と生活の調和を掲げることで家族責任を多く持っている女性たちが職場の中で差別を受けたり働きづらいという状況を阻止するという点で、仕事と生活の調和ということは非常に重要です。
 今回、残念ながら改正法案にはこれが明文では盛り込まれておりません。具体的にこのことをどう生かしていくのかについて改めてお聞きをいたします。
○政府参考人(北井久美子君) これも何度もお答えを申し上げておりますけれども、男女の雇用機会均等の確保ということと、仕事と家庭との両立、あるいは仕事と生活との調和という問題、男性、女性を問わず仕事と生活の調和の取れた働き方ができるようにするということは車の両輪として重要な課題だと考えております。
 したがいまして、厚生労働省としては、長時間にわたる時間外労働の是正であるとか次世代法に基づく企業の行動計画策定の実施の促進、それから仕事と家庭のバランスに配慮した働き方ができるファミリー・フレンドリー企業の普及促進などに取り組んでいるところでございまして、こういう様々な施策を通じまして仕事と生活の調和が取れた働き方の実現に努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 仕事と生活の調和は、単身者の人も子供を持たない人にとっても大変必要なことです。今回条文には入っていないけれども、入っているのと同じようにこのことについて実現をしていくということでよろしいですね。
○政府参考人(北井久美子君) 仕事と生活の調和という問題は大変重要な課題であると認識をしておりまして、様々な法律、そして施策、援助によって十分に取り組んでいきたいということでございます。
○福島みずほ君 そうであればなぜ盛り込まないのかとは思いますが、条文が入っているのと同じように、それをよろしくお願いをいたします。
 今、局長はがくっとされましたが、なぜ盛り込まないんですか。
○政府参考人(北井久美子君) これも何度も申し上げていることでございますが、均等法の目的とするところは性差別の禁止とそれから母性の保護ということでございますから、法律上の切り口が違うということと、目的に入れたとしても、それを具体的に措置をする具体の規定がないと、この二つの点から盛り込むことは困難であるということでございます。
○福島みずほ君 仕事と生活の調和ということを具体的に頑張ってやると言いながら、なぜ入れないのかと聞くと具体的にやれないというのは、何かちょっと理解ができないんですね。仕事と生活の調和ということを条文に入れるのと同じぐらい、やはりこのことをやってほしい。
 じゃ、改めてお聞きしますが、仕事と生活の調和を盛り込むことが雇用における男女差別をなくすことに有用だという点では間違いないですね。
○政府参考人(北井久美子君) 仕事と生活の調和を図るということは、男性、女性ともに非常にバランスの取れた生活ができるということでございますから、そういう意味では、でございますけれども、そういう趣旨でございます。
 一方で、均等の確保ということは性差別の禁止ということでもあります。ただ、実質的に均等の確保という点では、特に家庭責任を負っている方々についても均等の確保ということになれば、ポジティブアクションとして両立支援の取組ということもやっておりますから、その意味で仕事と生活の調和ということも一つ大事な視点ではあると思いますけれども、基本的に法の目的からすると、仕事と生活の調和ということと性差別の禁止ということはやはり切り口が違うというふうに思っております。
○福島みずほ君 切り口は違うかもしれませんが、仕事と家庭の調和を入れることは男女差別の撤廃に役立つ、これはいかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 私の理解では、直接すっと、イコールにすっと落ちるというところまでは理解が進まないところでございます。
○福島みずほ君 だとすれば、なぜやれるんですか、均等室で。仕事と生活の両立やいろんなことについてやるとさっきおっしゃったじゃないですか。それは、男女差別の撤廃に有用だからでしょう。
○政府参考人(北井久美子君) 働く男性、女性が、その意欲と能力を生かして充実した職業生涯を送れるようにするということが、これは大変重要な労働政策の課題でございます。その切り口の一つとして雇用機会均等の確保ということと、そして仕事と育児や介護の両立、あるいはもっと広く仕事と生活の調和という視点があるんであると思っております。
 私どもは、その両輪にのっとってそれぞれの施策を進めて、その結果としてそれらの施策が相まって、すべての労働者が能力、意欲を生かして充実した職業生活ができるようになるというふうに考えているわけでございます。
○福島みずほ君 厚生労働省は、一人が能力を開発してやっていくことが、仕事と生活の両立と、それから均等法的なことと両方に役立つと、こういうふうに考えていらっしゃるんですが、一人の人間が能力を開発して十分に生きていけるということイコール私は男女差別の撤廃だというふうに思います。男女差別があるところでは人は能力を発揮しては生きていけないからです。
 仕事と生活の調和ということが、少なくとも男女の差別をなくすことにとって必要条件であると考えますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君) 同じお答えになるわけでございますが、均等の確保ということ、それからワーク・ライフ・バランスということ、これが相まって、一人の労働者が職業生涯にわたり十分能力を生かして仕事ができ、そして家族の一員としても十分な役割を果たしていく、そういう職業生涯を送れるということになるものであると考えております。
○福島みずほ君 ということは、結局それが男女差別がなくなっていくということだというふうに思います。
 厚生労働省は、職場における男女差別をなくするべくそれは努力をすべきであって、そのためには、仕事と生活の調和という概念がない限り男性も女性もきちっと働き続けることはできないというふうに思っております。これについてはどういう施策を実現されるか、見守っていきたいと思います。
 妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものの部分について、二月段階の法案要綱で示された、妊娠又は出産に起因する能力低下又は労働不能が生じたこと等を予定をしておりますか。
 また、先ほど、解雇だけではなく事実上の解雇も含むというふうに答弁をされました。しかし、私自身も、妊娠、出産して退職届を出したケースの裁判を何件か担当をいたしました。裁判はすごく大変です。退職届を書いた事案であったとしても、事実上の解雇と見てこれは救済されるということでよろしいんですね。
○政府参考人(北井久美子君) 一つ目の御質問でございます妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものにつきましては、一つには、労働基準法の産前産後休業以外の、産前産後休業はもう既に入っておりますので、それ以外の母性保護措置、あるいは均等法の母性健康管理措置を受けたこと又はこれらを受けようとしたこと、二つには、妊娠、出産に起因する能率低下や労働不能が生じたこと、これらの二つを規定することを予定をいたしております。
 それから、二つ目の御質問でございますが、解雇ではなく、自ら辞めた形になっていても強い退職の強要などによって事実上解雇と同視されるようなものについては当たるのかという御質問でございますが、これは、先ほどお答えしたとおり、それは解雇ということで位置付けて、均等法上の救済対象としておりますところでございます。
○福島みずほ君 終わります。
○委員長(山下英利君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について円君及び福島君からそれぞれ発言を求められておりますので、この際、これを許します。円より子君。
○円より子君 私は、ただいま議題となっております雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党を代表して、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 男女雇用機会均等の更なる推進を図るという本法律案による改正の趣旨をより確実なものとするためには、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律に係る改正事項について、その実効性を検証し、性による差別的取扱いの是正状況、とりわけ間接差別禁止規定の適用状況や判例等の動向、女性の雇用をめぐる環境の変化等を踏まえつつ検討を加え、必要な措置が講ぜられることが求められております。そのような認識の下に、本修正案を提出するものであります。
 その内容は、附則第五条を修正し、政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることを規定するものであります。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。
○委員長(山下英利君) 福島みずほ君。
○福島みずほ君 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する修正案について、動議を提出いたします。
 その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 男女雇用機会均等法施行より二十年がたちました。女性の雇用の分野への進出は一定程度進んできています。しかし、二〇〇三年の女性差別撤廃委員会からの勧告どおり、雇用における男女差別は根深いものがあり、法律の力によって根本的に変えていくことが求められています。こうした認識の下に、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の共同修正案を提出するものです。
 第一に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律を男女雇用平等法に改めます。第二に、基本的理念に仕事と生活との調和を加えます。第三に、間接差別の禁止の対象に賃金を加え、間接差別となる事業主の措置については厚生労働省令で限定して定めるのではなく、指針で例示をいたします。第四に、労働者の婚姻を理由とする不利益取扱いの禁止を規定します。第五に、賞与、退職手当の支給等に係る産前産後休業期間の扱いの特例措置を講じます。第六に、常時三十人以上の労働者を雇用する事業主は、雇用の分野における男女の平等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的としたポジティブアクションの計画を策定し、厚生労働大臣に届け出ることを義務付けます。第七に、厚生労働大臣の所管の下に中央男女雇用平等委員会を、都道府県知事の所管の下に都道府県男女雇用平等委員会をそれぞれ置き、労働者と事業主との間の紛争については男女雇用平等委員会が処理することといたします。
 検討条項としては、法律の施行後三年の見直し規定を設け、性同一性障害者であることを理由とする差別的取扱いや、労働者の性的指向を理由とする差別的取扱いへの検討と、必要な措置を講じます。短時間労働者等の多くが女性で占められており、男女間の賃金の格差が存在していることにかんがみ、この法律の施行後三年をめどとして、短時間労働者等と通常の労働者の均等な待遇の確保等の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとします。
 以上が修正案の提案理由及びその内容の概要です。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。
○委員長(山下英利君) ただいまの福島君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。川崎厚生労働大臣。
○国務大臣(川崎二郎君) 参議院議員福島みずほ君外一名提出の雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対であります。
○委員長(山下英利君) これより原案並びに両修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○津田弥太郎君 民主党・新緑風会の津田弥太郎でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました政府提出、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案及び自民、民主、公明三党共同提出の修正案に対して、賛成の立場から討論をいたします。
 均等法が施行されて二十年、現在では露骨な性差別は減少してまいりましたが、一方で、男女の賃金格差の解消は遅々として進まず、雇用形態の多様化という美名の下に女性労働者が非正規雇用へと置き換えられるとともに、指針で明記されているコース別雇用管理によって差別が温存されるなど、女性労働者を取り巻く極めて深刻な課題が噴出しております。また、超長時間労働による人間性の阻害も問題となる中、九年ぶりに改正される均等法には、仕事と生活の調和の理念を法律そのものの根幹に位置付けた上で、あらゆる男女差別の根絶に資する実効的な内容となることが期待をされております。
 公労使三者構成の審議会の答申を経て提出された政府案は、性差別禁止の拡大、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止、セクシュアルハラスメント対策、調停及び企業名公表制度の対象範囲の拡大などが盛り込まれ、一定の前進が図られたことは率直に評価をいたします。反面、今回の最重要課題の一つである間接差別については限定列挙にとどまり、仕事と生活の調和の法案への明記、ポジティブアクションの義務化なども見送られるなど、法案については現状においてベストであるとの認識を持つ川崎厚生労働大臣とは大きな見解の相違を生ずることとなりました。
 民主党は、来るべき法改正を念頭に置き、はるか以前から度重なる討議を重ねてまいりました。その過程の中で、我々が均等法改正を通じて思い描く社会の在り方と比べ政府案のそれは極めて不透明なものであるとの認識に立ち、本委員会の審議を通じ疑問点をただすとともに、八項目を柱とした修正案提出の準備を進めてまいりました。その結果、政府案に対する懸念については政府からの答弁を得ることで少なからず方向性を確認いたしました。また、男女雇用機会均等の更なる推進を図ることを確実なものとするためには、本法の改正事項について、その実効性を検証し、性による差別的取扱いの是正状況、とりわけ間接差別禁止規定の適用状況や判例等の動向、女性の雇用をめぐる環境の変化等を踏まえ、必要な措置が講じられることが不可欠との観点から、法案を修正させ、五年後の見直し規定を盛り込むことができました。
 もとより修正内容は十分とは言えませんが、当初は見直し規定の創設に対し徹底して難色を示した与党を相手に必死の思いで修正をかち取ったことにより、本法案の内容を更に充実させるための道筋が明確に示されたことを踏まえ、今後、政府が間接差別の一般法理の周知徹底に全力を尽くすこと、改正後の均等法に基づく指針の作成に当たっては雇用管理区分について不適切な運用が行われないようにすること、ポジティブアクションの一層の普及促進のため事業主に対する政府の援助を特段に強化すること、男女双方の仕事と生活の調和に向け政府を挙げての取組を行うこと、パートタイム労働者など非正規労働者に対する総合的な対策の強化を図ることなどを前提として、三党提出修正案及び政府案に賛成することとなりました。
 民主党は、去る四月二十三日の衆議院千葉七区補欠選挙で示された民意にこたえ、一日も早い政権交代の実現に全力を尽くすとともに、本法案の内容の拡充については最優先の政策課題と受け止め、継続して取組を行うことを表明し、私の討論を終わります。
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、男女雇用機会均等法改正案並びに我が党と社会民主党共同提出の修正案及び自由民主党、民主党、公明党共同提出の修正案に賛成の立場で討論を行います。
 男女雇用機会均等法改正案は様々な問題点がありますが、現行法と比較して、妊娠中及び出産後一年以内の解雇を無効とするなど幾つかの前進面があり、賛成します。
 改正案は、間接差別について禁止規定を置いたものの、何を間接差別とするかについて、多くの女性たち、国民が求めていた原則禁止でなく、限定列挙としました。しかも、その範囲はわずか三項目です。これでは間接差別の是正に役立たないばかりか、改正案が現に行われている間接差別にお墨付きを与えることになりかねません。また、現に問題となっている事例のほとんどは間接差別に伴う賃金格差の是正が課題となっており、その解決のためには間接差別禁止の対象に賃金を加えることが不可欠です。にもかかわらず、改正案では賃金が間接差別禁止の対象となっていません。改正案には仕事と家庭の調和の理念が盛り込まれませんでした。仕事における男女平等は、人間らしい生活の実現のために行われるべきであり、男性、女性とも過労死、過密労働の平等を強いることになってはならないのであります。
 また、過去の差別の結果がもたらしている格差の是正のためポジティブアクションを企業に義務付けることが必要ですが、改正案は努力義務にさえしていません。
 最後に、巧妙複雑化し、頻発する男女差別事件の解決のため、あっせん、調停、勧告にとどまらず、差別是正命令を出せる権限ある機関がどうしても必要です。この点、改正案は現状を変えるものではありません。
 日本共産党と社会民主党共同提案の修正案は、これらの均等法改正案の問題点を解決するためのものであります。自由民主党、民主党、公明党提出の修正案は五年後見直しの対象に改正均等法を加えるもので当然であり、賛成します。
 以上、討論といたします。
○福島みずほ君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、雇用機会均等法改正法案、社会民主党・護憲連合、日本共産党共同提出の修正案及び自由民主党、民主党、公明党共同提出の修正案に賛成の立場で討論を行います。
 今回提出されています雇用機会均等法改正法案は、現状の雇用機会均等法を一歩前進するものとはやはりそれは言えます。現状において例えば妊娠、出産、産前産後休業の取得を理由とする解雇の禁止に、妊娠又は出産に関するその他の事由を理由とする解雇の禁止を加えるとともに、これらの事由を理由とする不利益な取扱いを禁止することとしております。また、立証責任の転換も行うなど、前進が認められます。しかし、十分ではないと考え、今回修正案を提出をさせていただきました。
 まず、その理由の第一は、間接差別についてであります。
 間接差別は、存在する様々な女性差別をどうすれば解決することができるのか、それを直接差別ではなく、間接差別としてそれをどう除去していくかということから生み出された概念です。これについては、ヨーロッパを始め多くの国はパートタイマーの問題も含めて間接差別であるとして裁判上救済をしてきております。しかし、今回の均等法改正法案は、この間接差別について省令で三つに限るなど、間接差別の概念矛盾としか言いようがありません。これが裁判の後退を生みかねないということに大きな懸念を表明をしたいというふうに考えております。
 よって、間接差別については一般例示として指針で例示をすることにいたしました。また、仕事と家庭の調和についても、条文上は盛り込まれておりません。その意味で、私たちは修正案を提出をいたしました。
 改正法案は、女性差別撤廃委員会が出したコメント、委員会は、主に職種の違いやコース別雇用管理制度に表れるような水平的、垂直的な雇用分離から生じている男女間の賃金格差の存在及び雇用機会均等法に関連する政府のガイドラインに示されている間接差別の慣行と影響についての認識の不足に懸念を有する、委員会はさらに、パートタイム労働者や派遣労働者に占める女性の割合が高く、彼らの賃金が一般労働者より低いことに懸念を有する、委員会は、主に女性が直面している個人、家庭生活と職業、公的な責任との調和における困難に深い懸念を有する、この勧告に残念ながら十分にこたえるものとはなっておりません。その意味で、修正案を提出し、この勧告にこたえるものといたしました。
 自民党、公明党、民主党提案の修正案は見直し規定を置くものであり、原案よりも一歩前進とは考えられます。よって、賛成をいたします。
 以上です。
○委員長(山下英利君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、福島君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山下英利君) 少数と認めます。よって、福島君提出の修正案は否決されました。
 次に、円君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山下英利君) 全会一致と認めます。よって、円君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山下英利君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、谷君から発言を求められておりますので、これを許します。谷博之君。
○谷博之君 私は、ただいま可決されました雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、間接差別の定義や法理の適正な理解を進めるため、事業主、労働者等に対して周知徹底に努めるとともに、その定着に向けて事業主に対する指導、援助を進めること。また、厚生労働省令において間接差別となるおそれがある措置を定めるに当たっては、国会における審議の内容、関係審議会における更なる検討の結果を十分尊重するとともに、間接差別は厚生労働省令で規定するもの以外にも存在しうるものであることから、厚生労働省令の決定後においても、機動的に対象事項の追加、見直しを図ること。そのため、男女差別の実態把握や要因分析のための検討を進めること。
 二、改正後の均等法に基づく指針の策定に当たっては、雇用管理区分について、誤解を生ずることなく適切な比較が行われるようにするとともに、新たに禁止されることとなる対象事例等その内容がわかりやすいものとなるよう配慮すること。
 三、ポジティブ・アクションの一層の普及促進のため、事業主に対する援助を特段に強化すること。
 四、法の実効性を高める観点から、新たに措置された事項を十分活用し、事業主に対する報告徴収を始めとする行政指導を強化するとともに、調停等の一層の活用を図ること。
 五、改正後の均等法の円滑な施行を図るため、都道府県労働局の紛争調整委員会(機会均等調停会議)、雇用均等室等の体制を整備すること。
 六、男女労働者双方の仕事と生活の調和の実現に向け、仕事と家庭の両立がしやすい職場環境の整備を進めるとともに、特に男性労働者の所定外労働時間の抑制及び年次有給休暇の取得を一層促進するなど、長時間労働の抑制に取り組むこと。また、労働時間法制の見直しに際しても、男女労働者双方の仕事と生活の調和の実現に留意すること。
 七、パートタイム労働者等が意欲を持ってその有する能力を十分発揮できるようにするため、正社員との均衡処遇に取り組む事業主への支援や新たな枠組み作りの検討を含め、総合的な対策の強化を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(山下英利君) ただいま谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山下英利君) 全会一致と認めます。よって、谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、川崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川崎厚生労働大臣。
○国務大臣(川崎二郎君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
○委員長(山下英利君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下英利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時五十分散会