第164回国会 国土交通委員会 第24号
平成十八年六月十三日(火曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         羽田雄一郎君
    理 事
                伊達 忠一君
                脇  雅史君
                大江 康弘君
                山下八洲夫君
                西田 実仁君
    委 員
                市川 一朗君
                太田 豊秋君
                小池 正勝君
                末松 信介君
                田村 公平君
                中島 眞人君
                藤野 公孝君
                松村 龍二君
                吉田 博美君
                加藤 敏幸君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                佐藤 雄平君
                田名部匡省君
                前田 武志君
                山本 香苗君
                小林美恵子君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   北側 一雄君
   副大臣
       国土交通副大臣  江崎 鐵磨君
       国土交通副大臣  松村 龍二君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       吉田 博美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局参事官     山崎 穰一君
       国土交通大臣官
       房長       春田  謙君
       国土交通省総合
       政策局長     竹歳  誠君
       国土交通省住宅
       局長       山本繁太郎君
       国土交通省航空
       局長       岩崎 貞二君
   参考人
       株式会社日本航
       空代表取締役専
       務        西松  遙君
       株式会社日本航
       空インターナシ
       ョナル代表取締
       役専務    
       株式会社日本航
       空ジャパン代表
       取締役専務    岸田  清君
       スカイマークエ
       アラインズ株式
       会社代表取締役
       会長兼社長    西久保愼一君
       スカイマークエ
       アラインズ株式
       会社生産部門担
       当取締役副会長  井手 隆司君
       全日本空輸株式
       会社代表取締役
       副社長      大前  傑君
       全日本空輸株式
       会社執行役員・
       グループ総合安
       全推進室担当   中村 克己君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○建築物の安全性の確保を図るための建築基準法
 等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (航空機の運航における安全確保に関する件)
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○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局参事官山崎穰一君、国土交通大臣官房長春田謙君、国土交通省総合政策局長竹歳誠君及び国土交通省住宅局長山本繁太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(羽田雄一郎君) 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○加藤敏幸君 おはようございます。民主党・新緑風会加藤敏幸が質問をいたします。
 本日は、こちらから、こちら側の四名が質問をするということで、よろしくお願いをしたいと、このように思います。
 まず最初に、最近明るみになった国交省職員の贈収賄事件に関してお伺いをしたいというふうに思います。
 さきの水門工事をめぐる官製談合問題に続きまして、今月に入って二つの不祥事が明るみになりました。一つは首都圏中央連絡自動車道建設工事の測量業務をめぐる競売入札妨害事件、これは関東地方整備局がかかわった事件で、担当者が入札の予定価格を漏らし、その見返りを求めた事件であります。二つ目に中国地方整備局に起きた事件で、やはり業者に便宜を図り、その見返りとして物品を要求した贈収賄事件でございます。
 事件の具体的内容は新聞で詳しく報道されていますので割愛いたしますが、今国会で、特に野党側より、行政改革特別委員会や決算委員会で官庁の随意契約問題とそれに関連する天下りの問題を厳しく追及、議論がされておる、歳出歳入一体改革と、そういうことの中で、国の予算の効率性、実効性を図るという大変緊張感のある議論が行われている昨今、私は、こういう政府の予算執行において不正行為が発生をする。それも私ども委員会の所轄する国土交通省の組織の中で起こるということについては大変残念に思いますし、極めて問題が大きいと、このように感じております。
 平成十三年四月に公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律が施行されまして、それに基づき国土交通省としては直轄工事の施工体制などについて一斉点検も実施されました。また、この法律の立法の背景には当時の扇大臣の強い思いもございまして、公共工事の入札契約手続はクリーン、クリアであるべきであり、さらに施工の段階においても適正かつ良質の工事が行われるようにしなければならない、そして談合や贈収賄の排除はもちろん、施工段階における丸投げや不良施工などの問題も徹底的に排除して国民の期待にこたえるようにしなければならないと、こういうふうなことであったと思います。
 こういうふうな事件が起きたわけでありますけれども、国土交通省内部に、不正行為排除と、このようなものは徹底的になくすんだと、こういうふうな思いは私は依然十分徹底されていないのではないかと、このように疑わざるを得ないということであります。二度とこういった事件を起こしてはならないと思いますけれども、今後どのように防止をし徹底していくのか、その対応策なり決意を大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 国土交通省の元職員、また現職の職員が、一つは競売入札妨害、そしてもう一つは収賄ということで逮捕されました。極めて遺憾なことと言わざるを得ません。
 捜査にはもちろんのこと全面的に協力をするように指示をしておりますし、厳正な対処をさせていただきたいと考えているところでございます。事件に関与した元職員、また現職の職員に対しましては、今後の捜査及び公判の進展に応じて退職手当の返納だとか処分だとか厳正に対処をしてまいる決意でございます。また、事案の解明と再発防止の徹底を指示をしているところでございます。発注者綱紀保持委員会というのが各地方整備局単位であるわけでございますが、外部の委員の意見を反映しながら再発防止に向けて法令遵守の徹底を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、この国会で入札の透明性、公正確保、こういう観点から、随意契約の問題についても何度も御議論をちょうだいいたしましたが、今日はこの後、この随意契約につきましてはもう徹底して見直しをしようということで、公益法人等に対して行っている随意契約につきましては九割を、件数また金額とも国土交通省の所管でいいますと約九割、これをすべて一般競争入札等に変えるということで取りまとめをさせていただきまして、十一時ぐらいから発表させていただく予定でございます。
 今後とも、この入札をめぐってこうした事件がもう二度と起こらないよう、またさらに透明性、公正さというものを確保していけるようしっかり取組をさせていただきたいと思います。
○加藤敏幸君 随契から本来あるべき一般競争入札に、元に戻していくというふうなことで、ここ数か月の間に私は状況は相当改善されつつあると、こう認識しておりますけれども、一般競争入札をしたその中身に対してやっぱり不正がないということは大前提であると、こういうふうに思いますので、以降よろしく取組をお願いをしたいと思います。
 さて次に、六月三日、東京港区の高層住宅のエレベーターで十六歳の少年が挟まれて死亡するという痛ましい残念な事故が起こりました。本件については、この委員会でも過日、佐藤委員の方から質問をさせていただきましたし、少し意見交換なり今後の対処策も含めて問題の発掘をやってきたということだと思います。
 さらに、その後、当該シンドラー社の方の記者会見等も行われまして、国民の立場でいえば、なぜそういうことが起こったのか、どこに問題があったのか、早急に私は事態を明らかにしてほしいと、これが多くの国民の私は期待であるし、またそのことに対して国なりあるいは地方自治体を含めて、そしてまた当該メーカー、保守点検会社、そして管理者、所有者と、こういうふうなそれぞれの立場で全力を尽くしていくということが必要ではないかと、このように考えております。
 極めて重大な事故でございますし、またやや報道の方も毎日毎日いろんな角度から報道されておりまして、見方によれば、国民の中に不必要な不安感も発生するという、そういう私は問題もあると、こういうふうな視点から、せっかくの委員会でございますし、基準法がかかわるエレベーターの問題でもございますので、二、三質問をさせていただきたいというふうに思います。
 元々は、このエレベーターというのは、扉が閉まり切るまでは動かない仕組みと、これは建築基準法施行令第百二十九条十項でも、「かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じていなければ、かごを昇降させることができない装置」と、これがエレベーターのまず第一原則だと、こういうふうなことであります。しかし、そうではなかったというふうなことで、私はエレベーターの故障あるいは保守点検のミスというふうなことが原因であるというふうなことは極めて高い確率で推測ができるのではないかと、このように思います。
 そこで、国土交通省としても、特定行政庁に指示を出してシンドラー社のエレベーターを使用しているビルの点検に入られたとお聞きしておりまして、現時点で今回の事故についてどの程度の認識、どのくらいの深刻さを持って臨まれようとしているのか、まずこのスタンスといいましょうか、姿勢、ここをお伺いをしたいと思います。
 例えば、シンドラー社のエレベーターは過去に死亡事故があると報道されておりますけれども、このシンドラー社のエレベーターを徹底的に点検し、問題があれば自治体の判断でエレベーターを止めると、そのような措置をとることをするのか、あるいは偶発的、特異なものとして対応されるのか、あるいは全国的にエレベーターの点検を指示されるのか、国土交通省としての事故の認識度合いと対応策の基本についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山本繁太郎君) 今回事故のありましたシンドラー社製のエレベーターですが、以前から異音が発生しましたり、振動、ドアの開閉異常などの不具合があったという報告を東京都港区から受けております。報道におきましても、各地のほかのシンドラー社製のエレベーターでも同様の不具合などがあったという事例が多数カバーされておりまして、国民の皆様の間に不安感が広がっているという状況であると認識しております。
 このために、国土交通省におきましては、まずシンドラーエレベータ株式会社に対しまして、日本国内に設置されている同社製のエレベーターのリストの提出を求めました。過日、六月九日にその提供を受けまして、設置台数は全国で八千八百三十四台と。現在、これらのエレベーターの所在する特定行政庁を通じまして、緊急点検、それから過去の不具合等についての調査報告を求めております。今回の制御装置とか安全装置と全く同じものを使っているエレベーターにつきましては六月十六日までに報告するようにと、それからその余のものにつきましても六月二十八日までに報告するようにということを特定行政庁にお願いしております。
 それから、国の建築物あるいは鉄道事業者の建築物などに設置されましたエレベーターにつきましても、同様に緊急点検それから不具合を調査しておりまして、報告を取りまとめる考えでございます。
 それから、今回のエレベーター事故を踏まえまして、六月十五日に社会資本整備審議会の建築分科会に設置しております建築物等事故・災害対策部会を緊急に招集いたしまして、状況を報告するとともに、今後の対応について御意見を伺う考えでございます。このような事故が二度と起きないよう、遺漏のない対応を図ってまいる所存でございます。
 なお、今回の事故そのものの原因につきましては、警察当局が再現実験などを行うなど事実解明を進めておりまして、その結果を見守りたいと考えております。
○加藤敏幸君 これは、私はメーカーに第一義的なやっぱり責任があるということだと思います。そういうような意味で、当該シンドラー社の対応、それから今後のやっぱり努力、原因解明について全社を挙げて全力を尽くすと、そういうようなことがやっぱり必要ではあるというふうに思っておりますけれども、一方、このメーカー一社をたたくことだけで問題が解決するのかといったときに、それでは私は少し不足だと、むしろもっと視点を変えた対応策ということを考える必要があると思います。
 そこで、私は、エレベーターというのは安全性、構造設計、基本的なシステムについての責務はメーカーにあるわけでありますけれども、そうはいっても、エレベーターいうのは、三百六十五日、二十四時間使用に耐える、点検以外は使用に耐えるということでいえばヘビーデューティーなる私は機械だと、そういうふうな状況に置かれていると。また、使い方も人によって様々、あるいはネズミが入ったり昆虫が入ったり、あるいは多少のいたずらが行われたり、いろいろな条件下で使われる機械である、そういうふうな意味で保守点検というふうなことが非常に重要な要素になっていると、これがポイントだと思います。
 また、ビルの管理・所有者というのも、単にエレベーターを置いて、あとは保守点検会社の責任で、あとは知らぬということではなくって、所有者、管理者の立場からも、やっぱり善意なる保全なりできる限りの知恵を使って安全でかつ円滑なる運行、私はそこに意を注ぐべきだと、これが私は所有者、管理者のやっぱり責任だと。
 つまり、メーカー、保守点検会社、そして所有者、管理者というこの三者ですね、三段階、三者がいかにそれぞれの責任を明確にし、シームレス、継ぎ目のない管理をやっぱりやっていくということでなければエレベーターの安全は私は保てないと。
 そういうふうな視点から、このエレベーター業界においては、御存じのようにメーカー系の保守点検会社がやる場合と独立系の会社がやる場合、その場合に、仕様は公開されますけれども、どの程度本当にやっていくのか、あるいは保守点検会社がやったことのやったというエビデンスは一体何なんだと、そういうようなことを含めていろいろな課題があることも事実であります。
 また、最近、マンションなどの管理組合においては、管理コストを削減するというのは大きな住民からの要請であります。その中で保守点検費用、エレベーター昇降機の保守点検費用の占める割合というのは高いということから、競争入札をすることによって更に安い保守点検会社に切替えをしていくと。
 今回の場合も、シンドラー直系の保守点検会社から第一、第二と、このように切り替わっていくときに、本当に大事な、ハインリッヒの法則ですけれども、冷やりとしたことが一つあれば、そういうふうに事故の可能性をあらかじめ予防していくという考え方に立てば、やっぱり不具合情報、ちょっとでもおかしい情報はしっかりと引き継がれると同時に、ちゃんとメーカーにもフィードバックされる、そして管理者、所有者にもそのデータがしっかりとフィードバックされる中で、本当にこのエレベーターは将来的に大丈夫なのかという総合的な視点でやっぱり管理をやっていくという、そういう私はシステムづくりをしなければ本質的な解決にはならないのではないかと。
 そういうふうなことも思いますし、さらに最近ではエレベーターというのは二十四時間監視体制というサービス体系もあります。これはもう集中的にすべての、これは契約したエレベーターは電話回線でつないでその運行状態をモニターすることができて、問題起こったら即出動できるという、これはコストが掛かりますけれども。
 それはなぜするかというと、エレベーターというのは、よく小さい子供がいたずらされたり、あるいは不審者が入ったり、つまりそのビルなりマンションの防犯上も大切な場所だと、機械だと。そういう視点でやっぱり総合的な安全、安心、それを確保するためには、お金が掛かってもそういう高度な監視・管理体系に置くと、こういう選択もあるわけでありまして、私はこういうふうなことも考えなければ、安ければいいということだけではそこの住民、使用者の安全を守ることはできない、このようにも思うわけであります。
 そういうようなことを含めて、私今いろいろ言いましたから、ちょっとたくさん項目を言い過ぎて答えるのも大変でしょうけれども、御見解をお願いをしたいと思います。
○政府参考人(山本繁太郎君) エレベーターの設置、保守管理には、御指摘いただきましたように、製造メーカー、それから保守管理会社、それから所有者等が多数かかわっているわけでございまして、これらの間がきちんと連携を確保して二十四時間安全なエレベーター運行サービスを提供しなければならないという問題意識は御指摘のとおりだと受け止めております。
 その観点から、先ほど御紹介しました建築物事故・災害対策部会ではしっかり御検討いただこうと思っておりますけれども、コスト削減を追求する余り、これら三者の間に断絶が生じたり、安全を犠牲にして経済性を追求するということはあってはならないことでございますので、その一番大事な部分をどういうふうに現場で確保するかということを念頭に検討してもらおうと考えております。
 それで、今御指摘がありました二十四時間の遠隔監視サービスでございますが、シンドラーエレベータ株式会社から聴取しましたところによりますと、十年ほど前から新規の設置分については二十四時間監視を導入したエレベーターを設置して保守管理を行っているけれども、この事故機については当初からこれを行う仕様とはなってなかったということを言っております。
 現場の実態ですけど、今新設のエレベーターについては大手五社で約九割、それからシンドラー社でも新設の約八割でこの二十四時間監視体制が導入されていると伺っております。
○加藤敏幸君 時代の趨勢としては、住民あるいはビル使用者の安全をいろんな角度から確保していくということから、そういう高度な監視体制をも組み込んだ私はシステムをやっぱり導入していくということが大切ではないかと、こういうふうに思います。また、保守点検費用の相当なこれは、まあコスト競争というふうなことも現実は激しくなっておりまして、その場合に、私は働く人たちからの意見を聞いていますけれども、相当に労働過重の条件の中でこの保守点検費用の引下げ合戦が行われてきて、その影響もメーカー系の点検会社も相当受けておる中で労働条件をいかに保持していくかということで苦労をしていると、そういうふうな話を聞いているわけであります。
 もちろん、自由主義経済でありますから、やはり競争というふうなことを私は前提として、ある種の社会コストの引下げだとか更なるサービスの向上を図るべきというふうなことは当然のことではあるとは思いますけれども、一方、最終的な安全をしっかり守る、そのラインを逸脱するようなコスト競争というふうなことについては、私はこれは、最後にだれかが犠牲になるというふうなことでは私たちの目指した社会ではないと、このように思うわけでありますから、その点も含めてこれから場面場面において必要な私は方針を、方向を明確にしていただきたいと、こういうふうなことを思います。
 さて、更に少し細かくなりますけれども、六本木で回転ドアで事故が起こり、この関連の問題意識というふうなことも高まってきたわけであります。私は、個々の先ほど申しました事故、不具合、おかしい、そういうふうな事例、データが広範に収集されて共有化されると、そしてその中から、ひょっとしたらこんなことが起こるかも分からない、設計の段階では想定してなかったけれどもというようなことをやっぱりきちっと分析をしていくというプロセスの中で、私は、ひょっとしたら明日発生するかも分からないそういう新しい事故に対する予防が行えるんではないかと、そういうようなことは真剣に考えるべきだというふうに思います。
 そこで、エレベーターの安全基準にかかわる法令を見てみますと、一つは、建築基準法第三十四条の昇降機の安全構造に関する規定とその法文を受けての基準、建築基準法施行令の第百二十九条、これは先ほども少し触れましたけれども詳細に規定されています。一方、日常的な安全点検に関しては、建築基準法第十二条三項に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者の検査を受け、その結果を特定行政庁に報告しなければならないという規定のみでございました。報告は半年から一年の間に一回とされていますけれども、点検の具体的内容については問われていない、私はこのように受け止めております。エレベーターの定期点検については、国土交通省では月に一回を推奨されていますけれども、この事故のあった港区住宅公社のマンションでは月二回の点検が行われていたということでございます。
 どうでしょうか、皆さん、点検は回数でなく私は内容だと、ここが私は非常に大きな問題であると思います。国土交通省としても、今後、エレベーターそれからエスカレーターの安全確保に関し、点検項目、報告先の特定、不具合があるいは故障が見付かった場合の部品取替えなどの責任の所在と処置方法などについて、やっぱりきちっとしたガイドライン的なものを明示して業界やビル管理者を指導していくべきではないだろうかと、私はそうすべきだと、こう思いますけれども、御見解をいただきたいと思います。
○政府参考人(山本繁太郎君) エレベーターの定期点検の規定でございますけれども、引用していただきましたように、建築基準法の規定で、一定の資格者に定期的に、六か月から一年の間で特定行政庁が定める期間ごとに、まず不適切な改変行為が行われているかどうかということを調査し、もう一つは損傷とか腐食などの劣化の状況について点検を、検査を行わせまして、その結果を特定行政庁に報告するようにという制度となっております。
 国とか特定行政庁、これは建築行政を担う組織でございますんで、が設置する建築物についてはこれまでこの制度はなかったんですけれども、昨年の六月から、法律改正によりまして、国とか特定行政庁が設置する建築物についても、不適切な改変行為の方の調査はしませんけれども、損傷とか腐食などの劣化がどのような状態にあるのか、きちんと検査をして前に進んでいくように、そのことを義務付けております。
 この点検とか点検項目、それから報告すべき内容でございますが、今定めました法令の下におきまして、財団法人日本建築設備・昇降機センターにおきまして定期検査業務基準書というものを定めております。実際にどういう項目についてどういう検査をした上で、その結果をどういう様式で特定行政庁に報告するかということを定めておりまして、検査の方法につきましても、エレベーターの場合は、目視でまずやった上で実際に運転をして性能の検査をするといったようなことを具体的に定めておりまして、これが基本的に私たちが持っている検査の基準なんですが、さらに、大都市などの特定行政庁におきましては独自の検査項目とか報告様式を定めているところもございます。それは、今申し上げましたのは法令上の定期検査でございますけれども、日常的な点検についても業界団体でマニュアルを用意して進めているところでございます。
 法令と、それから財団法人建築設備・昇降機センターの基準、それから業界団体のマニュアル、それぞれにおいて今のやり方で十分なのかどうかということも含めまして、建築物等事故・災害対策部会においてきっちり検討していただこうと思っております。
○加藤敏幸君 まあ局長の御答弁は答弁として受け止めますけれども、これ、警察の捜査が深まってきますし、シンドラー社の昨日の会見の意味をよく考えますと、一年四か月も私どもは触らしてもらえなかった、信頼できるかどうかはともかく、自分たちとはかかわりのない点検会社がされたと、何をされたかは分かんないと。で、どういうことをしたかのエビデンスも本当に分かんないという状況の中で我が社に責任を問われてもという、そういうにおいがやっぱり私はしていると思うんです。
 だから、要は、結果としてこれから明らかになってくる、一年四か月の間にいかなる点検がされて、あの機械にどういう触り方がされてきたのか、それが十分であったのか不十分であったのか、そのことをだれがどう判断したのか、点検する人たちの資格なり、そしてその技量、社内における保守点検に対する教育指導体制、訓練、そういうようなことを含めた私は総合的な保守点検のやっぱり実力というもの、そしてそのことが、本当に実際にやるといって札掛けているだけかも分かんないというそういう指摘も、まあテレビではしておられましたですよね。そんなことは私はあってはならない。そういうようなことで、本当の意味で保守点検が実行されるという体制を是非とも業界の皆さん方の協力も得ながら私はしっかりとやっていっていただきたいというふうなことを申し添えまして、本件については終わりたいと思います。
 それでは、建築基準法改正案の改正にかかわる内容等について御質問をさしていただきたいというふうに思います。
 参考人の皆さん方の意見聴取を含めまして、ある意味で審議が相当尽くされつつある、煮詰まりつつあるという状況になってきたとは思います。これまで議論重なる部分もいろいろございましたけれども、本日はひとつ基本的な点について改めて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、法改正の基本的姿勢について確認させていただきたいのですけれども、今回の法改正は建築物の安全性確保のための建築確認関係の行政的監督権限の強化、さらには建築士などの法令違反に対する罰則強化など、建物の建築から施工にかかわる全体のプロセスに対する規制強化あるいは不正の予防システムの整備と、こういう側面が強いと思います。私は、これはこれで評価できると、このように思っております。特に、耐震強度偽装事件発生から今日までの短い期間で、かかる法改正に至ったということについては率直に事務当局の努力もこれは多としたいと思います。
 しかし、今回の耐震偽装事件から、私どもが学んで、そして全力を挙げて解決すべき最大の課題は、こういった欠陥住宅を買わされた消費者が真に救済されるのかどうか、そして今後一切このような欠陥住宅を買わされることがない、こういうふうな保障が本当にできるのか、私はこの視点からこの法案の中身はどうかということについて考えてみますと、私は不十分であると、このように言わざるを得ないというふうに申し上げます。
 具体的に申し上げますと、法案では、瑕疵担保責任の明確化あるいは瑕疵担保責任の保証、保険契約の面での若干の改善点、これはございますけれども、全般的に現在の行政の範囲内あるいは業界のできることの範囲内ということでの改善であり、どう見ても消費者、住宅購入予定者を真に安心させるものにはなっていないように私は思うわけであります。言ってみると、悪いんですけれども、軸足の置き方がずれているんじゃないかと、このように思います。
 そういう点で、まず改正で、消費者、購入者の視点に立った場合、どのような点で改善、配慮されているのかどうか、北側大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 住宅を取得ということは本当に一生に一回あるかないか、また大変高価な買物をされるわけでございます。その際に、住宅取得者の利益をきちんと守っていく、そういうふうなシステムをつくるということは大変大事なことであるというふうに私も考えているところでございまして、今回の耐震偽装事件を通じまして、そうした観点から改善をすべきところというのが私はやはり多々あるというふうに認識をしているところでございます。
 まず、そもそも、この建築基準法であれ建築士法であれ、これはそもそも住宅を取得される方々に安全な建物を提供していこうという観点から、元々建築基準法だって建築士法だってあるわけでございますが、今回、建築確認検査をより厳格化をしていこうということで、一定の建物につきましては構造計算適合性判定制度というものを導入いたしましてピアチェックをすると、こういう制度を導入させていただいたり、また建築士の業務の適正化のための措置についても今回改正をお願いをしているところでございます。
 それとともに、やはり情報開示というのが私はやはり大事だと、消費者の方々、住宅取得者の方々にきちんと情報が開示されるということが非常に大事であると思っておりまして、そうした観点から住宅の売主等に対しまして、契約を締結する前に保険加入の有無、保険に入っているのかどうか、入っている場合はどういう内容なのか、そうしたことについて相手方への説明を義務付ける、こうした改正もお願いをしているところでございますし、また建築士の方、施工者の方々の責任の所在というものも明らかにしていく必要があるわけでございまして、特に建築士の場合は、今回の案件のように、重層的に設計がなされます。そういう中で、構造、設備関係の設計士については責任の所在が不明確と、こういうふうな御指摘もいただいておりまして、その辺についても今回改善をさしていただいているところでございます。
 ただ、これで終わりということではなくて、今委員のおっしゃった住宅取得者の利益の保護という観点から更に制度の改善をしなければならないと思っておりまして、一つは、保険への加入につきまして義務付けができるのかどうか、そういうこともこれいろいろハードルがあるんですけれども、保険への加入等瑕疵担保責任の履行を、実行を確保していくということは非常に大事なことだというふうに考えておりまして、今、金融の専門家の方々等も入って住宅瑕疵担保責任研究会を開催をしているところでございます。夏ごろまでに基本的な方向性を取りまとめて見直しをさしていただきたいというふうに考えております。
○加藤敏幸君 多とする部分もありますけれどもと、こういう視点で、特に消費者保護という視点からいかなる点が改善されたのかということでの私は今議論をさしていただいているということであります。
 少し見方を変えますと、生産者と消費者、消費者は場合によっては生産者という場合もございますけれども、売手と買手と、こういう状況があるわけであります。これはある意味で利害が反すると、利害対立構造にある場合もありますし、そこを市場原理ということで、ある程度社会的な規制の中で調和を取るというんでしょうか、調整して折り合いを付けていくというのが今日的な状況だというふうに思います。
 家電製品なら、具合が悪けりゃ販売店に持っていけば恐らく三日以内に新しいのと取り替わるというケースが多いんですよ。もうはっきりしていると。ただ、これ、家の場合、三日後に取り替えるといっても、まず替えられるはずがない。また、その不具合の程度というのも、ここも住む人のいわゆる感性によって変わってくることもあると。例えば、丸い玉を、ビー玉だとかパチンコ玉をぱっと置いた途端にがらがらがらっと転がっていく、これけしからぬやないか、こんなもので住めるかと言ったら、お客さん、その程度はまあ範囲ですとかですね。その範囲がどこまでかということをこういう基準できっちり決まっておるのかどうかもまだ分かんないし、買手の方もそれだけの知識があるわけじゃない。
 最近は、消費者もよく勉強しなさいと。インターネットもあるじゃないですか、サービス誌もあるじゃないですかと。そういうことをしてよく勉強して賢い消費者になれと、こういうふうなこともありますし、私はそれは正しいと思うんです。だけど、このくそ忙しいときに、仕事だけで毎日夜の十時、十二時まで残業しておるような、そういう環境の中でそんな時間を取ることができる、そういう人ばっかりでもないですね。
 そういうふうなことをもろもろ考えたときに、仕事では専門だけれども住宅については素人だと、そういう買手がたくさんおられるんだと。そういうふうなことで、買手と売手とのこの情報量、いろんな意味での力の差、このアンバランスをどうやって取っていく中で、本当に市場原理だと胸を張って言えるような環境にいかにつくっていくのかということも私は大きな課題なんではないかと、このように思います。行政というのは、この両者の間に立ってバランスの取れた政策を展開しないと、一方に偏った政策を展開することは新たなる矛盾、問題を引き起こすということから、ゆめゆめ慎重なる対応が必要であるというふうなことを私は考えるべきだということはよく分かるわけでありますけれども。
 今私がるる申し上げました視点に立って考えてみますと、例えば事故処理の紛争処理センターなどのように、被害者、加害者の間の過失割合をある程度アドバイスをする中で、最終的な決着に向けて、そんな、いつまでもということじゃなくって、あるいは高度の専門家の立場から、これはやっぱり売主の少し問題があると。だからといって、建物を壊して建て替えるというところまでには至りませんと。そういうふうな意味で、やっぱり消費者のために立って、情報サービスだとか専門的な視点からの助言だとか、そういうふうなことをする私は機関が必要ではないのかと、こういうふうなことに思いが至るわけであります。
 建築物購入にかかわる瑕疵担保責任の争いについて、公的に相談、アドバイスのサービスが受けられるような第三者機関の充実など、消費者、購買者の立場に立つ施策の在り方について、概略も含めて述べていただきたいと思います。
○政府参考人(山本繁太郎君) さきに住生活基本法を制定していただきましたけれども、この基本法に基づいて住宅ストックの重視、住宅市場を重視する政策を運用するという場合に、市場で行動する供給者と消費者の間の情報の非対称をどういうふうに克服して消費者主権を貫徹するかというのが一番大事な課題だと思っております。
 実は、その観点から制定していただきましたのが住宅の品質確保法でございます。この法律によって、まず契約を結ぶ前に、相手にしている目的物である住宅の性能はどういうものであるのかというのを客観的に表示した上で契約を結んでいただいて、その結果について、もし紛争があれば法律に基づく裁判外の紛争処理体制ということで指定紛争処理機関、これは全国の五十二の単位弁護士会でございますけれども、そこで紛争処理をしていただくと。なおかつその法律で売主の瑕疵担保責任を十年とすると、民法の特例として。この三点を基本的な構造としているのが住宅の品確法でございます。
 この法律を認めていただきましてからいろいろな努力をしてきているわけですけれども、御指摘いただきました住宅の瑕疵をめぐる様々なトラブルにつきましては、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター、これは品確法に位置付けられた機関でございますが、ここで性能評価を受けた住宅はもちろんでございますが、それ以外のすべての住宅の消費者を対象に相談を受け付けております。センターでは、建築士などの資格を有する相談員が毎日相談に応じておりまして、常時七名から八名常駐しておりまして電話による相談に対応しているわけですけれども、相談者の御希望に応じまして個別具体のケースについて弁護士とか一級建築士などを紹介して、専門家による面談の相談も応じております。実は、これは年々相談件数増えておりまして、昨年度は全体で一万一千三百七十三件の相談を受けました。これ年々増えてきているわけでございます。先ほど言いましたように、法律に基づく指定住宅紛争処理機関で建設住宅の性能評価を受けたものについては簡易な調停もございますので、そういったことで紛争処理を受け付けている状態でございます。
 今後とも、住宅の瑕疵をめぐる様々なトラブルへの的確な対応ということは大事でございますので、この住宅リフォーム・紛争処理支援センターにおける相談業務を更に活用していただけますように、広く消費者の皆様方への周知を図るなど努力をしていきたいと考えております。
○加藤敏幸君 消費者の味方であるべきセンターの存在とその拡充ということについて更に私は御努力をお願いをしたいというふうに思います。
 そういう形で、ある程度紛争トラブルの処理の道筋が付いたと。しかし、ないものは払えぬと、ないそでは振れぬと、こういうふうに建築側が言い始めると、これは解決が付かなくなるという意味で保険の問題が出てくるということでございます。最終的に、売主に幾ら瑕疵担保責任が課せられましても、責任遂行能力に問題があれば全く意味のないことでございますし、今回の偽装事件での販売会社のヒューザーを見れば、結局これで終わりですと、こういうことですから、これは本当に意味がないということになるわけであります。
 そこでいろいろ考えられますけれども、やはり有効な手段は瑕疵保証保険制度であり、国土交通省としても今後消費者保護の立場から、これは民主党もこの瑕疵保証保険の加入促進を主張しておりますけれども、今後の一連の事件からしてその必要性がますます高まってくると考えられます。現在、住宅保証機構による住宅性能保証制度や住宅完成保証制度がございますけれども、普及率の低さを考えると、制度にも種々大きな課題があるのではないかと、このように思います。
 今後はこの制度を大きく普及させる必要があると思いますが、是非とも、国土交通省としてもその普及促進について検討していただきたいという立場から、御見解をお願いしたいと思います。
○政府参考人(山本繁太郎君) 御指摘いただきました住宅性能保証制度でございますが、昭和五十五年度の創設以降、これまでに約百十万戸の住宅に利用されてまいりました。平成十七年度には、民間にも同様の制度がございます、この民間の同様の制度と合わせまして新築住宅の一三%、保証機構が八%、その他が約五%ということで、新築住宅の約一三%に当たる十六万戸に利用されている状態でございます。これを建て方別に見ますと、戸建て住宅だけで見ますと約三〇%、十五万戸が利用していると。基本的に戸建て住宅で御活用いただいているということでございます。
 この制度は賠償責任保険を背景に運用している制度でございますけれども、これまでもいろいろな住宅関連のイベントとか、イベントを契機にした報道、新聞とか雑誌などを活用して、住宅の事業者と消費者の双方に広く制度の周知を図ってまいりましたけれども、まだまだ不十分でございますので、更に周知、普及に努めてまいりたいと思います。
 なお、先ほど大臣からも瑕疵担保責任研究会の検討状況を御報告しましたけれども、瑕疵担保責任の履行の実効を確保するために、賠償責任保険制度が住宅に関してどうあったらいいかということについて幅広く検討しておりますので、その結果を踏まえて必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
○加藤敏幸君 この瑕疵保証保険については、現在各方面からいろいろ意見が出されていることも事実であります。一番大きな意見はこの保険によるモラルハザードの問題でございまして、保険による保証があるために建築主も設計者も責任回避を図ろうとする者が出てくる、そういうふうなリスクが大きいと。もっとひどい場合には、この保険があるからといって、やや詐欺的な、そういう談合といいましょうか、そういうふうな事件の予測すらできると、そういうふうな問題も指摘をされております。
 また、保証の対象範囲の問題や事前の契約との関係、紛争の処理など、保険の適用、運用における複雑な問題を抱えていることも確かではございますけれども、しかし消費者保護という視点から考えるならば、やはり英知を結集をして、先ほどのような研究会における、私は、研究、議論を促進をしていただきまして、海外ではそういう保証制度などいろんな形で行われているというふうに聞いておりますので、市場原理に任せるということじゃなくて、最終的な保証制度を持った消費者保護政策というふうなことを政府としても御努力をお願いをしたいと、このように思います。何か御感想があれば。
○政府参考人(山本繁太郎君) 御指摘いただきましたとおり、保険を普遍的に活用するとしても制度的な非常に大きな問題がございます。重過失、故意、モラルハザードをどうするかというようなこともございます。それから、住宅、共同住宅も含めて全体をカバーするということになりますと、大変なリスクをその保険の制度で負うということになりますので、整備すべき保険が備えるべき条件というのも非常に多岐にわたることになりますので、そういったことを今中心に御検討いただいております。
 保険でカバーできない場合に今回のような故意による損害の場合をどういうふうに対応したらいいのかということも、これは検討会というよりは、むしろ社会資本整備審議会の建築分科会の基本制度部会の方できちんと整理した上で方針を取りまとめていきたいと考えているところでございます。
○加藤敏幸君 それでは少し視点を変えまして、私としては素朴に、こんな事件が起こっていろいろ建築士の実態が報道されるのを見ておりまして、建築士というのは経営としてやっていけるのかと、こういうふうな素朴な疑問を持ったわけであります。
 建築基準法の改正の一つのねらいは、建築士の良心あるいは善意に期待するという立場から、いわゆる性悪説に立ってルール化と罰則強化と、そういうふうな施策の必要性が展開されてきたと。ということは、姉歯建築士の悪質な行為、それに続いて発覚した福岡、札幌の事例を考えれば、やはり一〇〇%信用申し上げるということでは、これは何にもならない、これでは済まないということでやむを得ない方向だと、このように考えております。
 しかし、建築士の地位を向上させ、その独立性を確保していくことは建築業界の大きなテーマであり、また消費者のためにも必要なことであるということでありますし、また偽装事件を防ぐという意味からも重要な点だということであります。建築士が独立するということは、公平公正な立場を貫き、またコンプライアンスもしっかりするということでございまして、民主党としても提案しておりますけれども、建築士会といった職能団体、これをつくり、職能としての独立性を保つという方法もこれは極めて有力であると、このように考えております。
 しかし、建築士の独立性確保において私はやはり十分考えなければならないのは、収入面での安定性であると、このように思うわけであります。
 建築士の収入について、一般的なモデルはあるのでしょうか。例えば、独立した一人の建築士が一般の労働者並みに年間二千時間働いたとすると、年収一千万円の収入を得るためには、時給換算で五千円というレートを付けなければこれは一千万の収入にはなりません。一日八時間労働で一週間五日で終わるということができる設計、依頼された設計あるいは構造計算だと、請負金額は二十万円となると。これは単純な計算でございます。これが相場としてどうなのか。もちろん、設計事務所を構えて人を雇えばこんな金額ではやっていけないと、こういうふうなことでございます。
 請負金額については参考人の御意見の中でも若干の報告がございましたけれども、建築士の独立性を論じていく場合、こういった収入の実態や最近の傾向なども把握することが重要だと考えますけれども、そういう情報を踏まえて議論をしていただきたいんですけれども、御見解があればお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山本繁太郎君) 私どもとして、建築士の個別の業務ごとに報酬実態を把握するということはいたしてはおりません。
 ただ、建築士の賃金水準につきましては、厚生労働省におきまして賃金構造基本統計調査が実施されております。平成十三年度から一級建築士の賃金についてもこの統計調査の対象として調べられております。この調査、平成十七年度の結果によりますと、一級建築士の年収は平均で、年齢四十四歳ですが、五百四十万円でございます。医師は四十歳で一千五十万円、歯科医師が三十五歳で九百万円、弁護士が四十一歳で二千百万円などに比べますと低い水準にございますが、一方、社会保険労務士、これは三十八歳で五百五十万円、技術士が四十歳で五百三十万円、薬剤師が三十六歳で五百七万円といったところと同じ程度になっております。ただ、建築士の賃金の推移ですけれども、十四年度からずっと基本的には下がってきております。十四年度から十六年度は六百万円程度でございましたけれども、十七年が五百四十万となっております。
 建築士の報酬の実態調査でございますが、他の資格者との比較ということであれば、この厚生労働省の調査、もちろん基本的に参考にしてまいるわけでございますけれども、社会資本整備審議会の中間報告でも、建築士の報酬基準の見直しに取り組めということを御指摘いただいておりますので、その中で、意匠とか構造、設備の専門の業務ごとに実態を掌握する必要があると考えております。
○加藤敏幸君 私は、今回の耐震強度偽装事件の中で建築士さんて何なのと、ほとんどの建築士の皆さん方は憤慨されて、私は非常に残念な思いで今まで過ごされているというふうに思います。
 しかし、一生最大の買物である建物、これを買うときに、消費者の立場からいうと、やっぱり建築士が味方なんですよね。建築士が信頼できれば、その人が、じゃお金を渡して、しっかりと間違いのないものを、私が確認したんだと、命を懸けてもいいと、こう言い切ってもらって物を買うということ、私はそういうふうな信頼に堪え得る建築士であってほしいし、またそういう、月光仮面とは言いませんけれども、消費者の味方がやっぱり必要だと。そうしないといろいろな問題が発生をしてくるし、これ、高い買物で失敗したねというけど、家で失敗すると人生立ち直しが大変なんですよ。テレビとか車ならまだ、ほかのメーカーの買えばいいなと、五年我慢しようということになりますけど、建物の場合はこれどうにもならないと。
 そういうふうなことを含めて、私は、やっぱり建築士に志を、コンプライアンスを、それを求めていくということは大事だと。ただ、その前提条件として、ああ、このごろ所得は減っていくね、稼ぎは寂しくなるね、奥さんから怒られるねとか、そういうふうな苦労を抱えて、それでもなお侍稼業としてやりなさいというのも、社会一般的なあれからいくと、そこはしっかりとした経済的な基盤の強化を図るという方策もなければ私はバランスが取れないな、常に私はもうバランスを取る政策が得意ですけれども、そういう思いもするということでございますので。
 私は、弁護士さんの場合には協定価格のような、よく知りませんけれども、一時間相談に乗ると五千円とか取られて、冗談で言ったつもりが後から請求書が回ったという、来たという、そういう話も聞きますけれども、私は、こういう建築士における、専門職にふさわしい水準の料金体系をやっぱり社会的に形成していくという、こういう考え方について国土交通省どうお考えになるか、よろしくお願いします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 現在、建築士法に基づいて告示されております報酬基準でございますが、具体的な報酬額を設定するのではなくて、それぞれの建築士の能力等がきちんと反映されるという観点から、具体的な報酬額よりは仕事の中身、設計とか工事監理に係る標準的な業務内容を示した上で、これに必要となる作業量、これは人日数でございますけれども、を定めて、業務量に応じた報酬の設定が可能になるような目安を用意をしております。
 こうした報酬基準の基本的な構造自体については、関係のいろんな団体からもこのやり方が妥当だろうという意見をいただいております。その上で、中間報告で、設計及び工事監理の報酬基準について内容を見直し、更に基準としての実効性を確保するための方策について検討すべきであるという御指摘をいただいておりますので、こうした点を踏まえた上で、建築士制度の見直しとトータルな課題だと考えておりますので、併せて方針をまとめていただいて措置していきたいと考えております。
○加藤敏幸君 それでは、最後の質問に入っていきたいと思います。
 これも既に少し質問が出ておりましたけれども、分譲マンションの青田売り規制について少し質問をさしていただきたいというふうに思います。
 私個人の感想を申し上げれば、これは青田売りといって青田にもなっとらんじゃないかと、何を売るんだと、こう言いたくなりますし、世界でこんな商習慣あるのというふうに申し上げたいというふうに思います。しかし、我が国では、建築確認が取れれば直ちに、この前提示されておったようなこういうふうなチラシが、きれいなチラシが出て、あたかももう物が建っているような感じで売りに出されると。それ、物もできていないのに何を買うんですかと、買うといった人は何を買うのかもよく分かんないと、架空の話ではないかと、こういうふうな思いもあるわけであります。
 そういうふうな意味で、この青田売りが持つこれは問題が私はあるというふうに思うわけでございまして、ただ大手のマンション分譲会社においては既に現物・現場販売ということで、現にこれですよと、周り、周辺の環境も含めてこの現物これですと、こう示されると、ああ、これ分かりやすいし、一体どうなんだと。ああ、床もこうなっている、柱もこうなっている、すべてが明朗になっているということでございます。
 青田売りの場合は、マンション購入者は、モデルルームは専有部分だけ、共有部分については普通余り明示されていないと。建築現場は大体更地だとか土木工事の最中というふうなことで、生活的なイメージが少し周辺についてはわかないとか、不安を持ったまま契約をせざるを得ないということでございます。先着順だから遅れちゃ駄目よと、こういうふうな売り言葉の中で契約をしていくわけではございますけれども、そういうような意味で売る側の論理がやっぱり私は全面展開された販売方法ではないかと、このように思います。
 この分譲マンションの青田売りの現状をどのように考えておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) 今お話ございましたように、我が国ではこの青田売りというのが長年不動産取引の実態として定着しております。その背景には、多分、住宅に対する大変強い需要と、それから売る側のモラルとか信頼性というのがあったので、長年こういうシステムが続いてきたのではないかと思います。
 御質問通告いただきましたので、大急ぎで若干海外の事例等についても関係者に分かる範囲で聞いてみました。海外におきましても青田売りはないわけではないようでございますが、欧米では住宅の中古市場というのが非常に発達しておりますので、需要サイドとして青田買いまでして住宅を求めるということもないためか、住宅の分野でそういうのは少ないと聞いております。
 青田売りの問題は、今御指摘のとおり、物ができる前に売買契約をするということから、消費者にとって情報が不十分で、青田の段階で想定していたものと実際に買ったものが違うというような問題があるわけですから、消費者保護の観点から十分注意していかなくちゃいけない問題だと思います。
 そういう観点から、現行の宅建業法では、どこの段階で規制すべきかという議論になるわけでございますが、一つは、その建築確認を始め一定の法令上の行政処分等があった後でなければ広告してはいけないというのが一つの青田の基準ではないかと思います。それから、最終的には、買主が重大な不利益を知らずに契約してしまって思わぬ損害を被らないように、その売買等の契約締結前にきちっと書面で説明してというような枠組みになっていると思います。
 今回の構造計算偽装問題等でいろいろ明らかになりましたのは、実はこの青田売りの二つ側面があると思います。一つは内装のように見て分かるものと、それから耐震強度のように、構造のように見ても分からないものがある。今御指摘ございましたけれども、青田売りじゃなくて、できたものを見ればいいじゃないかという御議論も、構造については実は見ても分からないと。
 本質的な問題は、消費者が見ても分からない構造、消費者から見えない構造、後で直せない構造、こういうものについてどうするのかというのが正に今、この基準法のシステムの御審議をいただいているんではないかと思いまして、そこがやっぱりきっちりすることが青田売買の問題についてもそのベースを成すものではないかと思います。
○加藤敏幸君 現状について簡潔にお話をしていただいたということでございますし、これからのやっぱり問題についても触れていただいたというふうに思います。まあ販売者側への信頼は大きく言えばあったというふうに思いますけれども、でも、この前の田村委員の御指摘のように、それでもやっぱり不満だとか問題点というのは多々あるというのがこのマンション等にかかわる問題点だというふうに思います。
 私、最後に、先ほど、いわゆる広告開始のタイミングについては、今局長の答弁にあったとおりでございますけれども、やはりこの宅建法第三十三条の広告の開始時期の制限というものについて、建築確認済みと、このタイミングが本当にいいのかというようなところもあるのではないかと。言われるとおり、中古市場が発達してきますと、もう大体、現物を確認してというのが、十年、二十年たってくるとそういうふうなことになるかも分かりませんけれども、それまでに至るプロセスにおいて、やはりこういう青田売りが引き起こす消費者に対する不利益というふうなことを考えてみると、私はもう少し規制を強化する必要があるのではないかというふうに思います。
 この広告開始時期の制限については、違反しても直接的な罰則規定がないと。その前の宅建法第三十二条の誇大広告等の禁止については、これは六か月以下の懲役若しくは罰金と。罰金は改正案で三十万から百万円以下と、こういうふうに改正されるということでございますけれども、そういうふうな点について、私はもう少し直接的な罰則を強化する必要もあるのではないかと思いますけれども、この点について、新たに罰則を設け規制すべきであったと考えますけれども、国土交通省の御見解をいただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) まず、現在の宅建業法第三十三条で広告開始時期の制限について定めているわけでございますが、これは広告で表示したものと現実にでき上がったものとの間に途中で大幅な設計変更等があって大きな差が生じてくると当事者間の紛争原因となるということがありますので、建築確認等を始め、一定の法令上の行政処分等があった後でなければ売買等の広告をしてはならないこととしているということでございます。で、建築確認などが行われた場合、工法上の制限によって大幅な設計の変更を余儀なくされることはないと考えられるために、広告開始の時点をもって建築確認などがあった場合とすることは適当ではないかと考えております。
 また、罰則につきましては、今御指摘の誇大広告につきましては、直接的な罰則の対象になっているわけでございますけれども、これは購入者を欺いて契約を誘引、締結するという、悪質性とか反公正性が強いということで直接的な罰則の対象としているわけでございまして、この広告開始時期の制限については行政上の監督処分という仕組みになっているわけでございます。
○加藤敏幸君 時間が参りましたので質問は終えたいというふうに思いますけれども、私は、この耐震強度偽装事件というのは終わっていないと、なお国民は不安感を持っているし、ある種不信感を持っているということは現実だと思います。そういう状況の中で、私は今なすべきことは、国が、行政が消費者保護を前面に置くと、その私はメッセージを実際の法律改正とともに国民に送ることが今一番必要ではないかと、このように思う次第でございます。そういうようなことを最後に申し上げ、まじめな国土交通省が更に国民、消費者の利益のために全力を挙げられることを心から祈念いたしまして、質問を終わりたいと思います。
 以上です。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 まず冒頭に、加藤委員からも御質問ございましたけれども、港区で発生したエレベーター事故につきまして、二点ほどお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず一点目は大臣にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 この港区での事件が起きて十日たったわけでございますが、この間に、二〇〇二年に大阪で扉が開いたまま突然上昇するという、全くこの港区で起きた事故と極めて似ているようなトラブルが起きていたということも明らかになってきております。相次いで全国でこのようなエレベーター、シンドラー社のエレベーターで相次いでトラブルが起きていたということが明らかになってきているわけでございますが、このような事実に接するたびに、こういった情報が共有されていれば今回の事件も本当に未然に防げたんではないかと、もう残念でならないわけでございます。
 北側大臣は九日の記者会見で、不具合情報が国や地方自治体でしっかり共有される体制をつくる必要があると述べられて、情報共有のためのシステムづくりに取り組むお考えを示されておられましたけれども、今後、どういう形で、またいつまでにこの情報共有のためのシステムをおつくりになられるんでしょうか。
 国と地方、行政だけが共有するものではなくて、先ほど加藤委員の指摘にもございましたけれども、広く関係者が共有できるような形に是非していただきたいと思っておりますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(北側一雄君) あさって、社会資本整備審議会の建築物等事故・災害対策部会というのを開催さしていただきます。そこでは、今委員の方からお話があった点についてもしっかりと議論をしていただきたいというふうに思っております。
 エレベーターでトラブルがある、また事故がある、そうしたときに、そうした情報がしっかりと、まずはやっぱり特定行政庁なんでしょう、特定行政庁の方に、当該特定行政庁の方に情報がちゃんと行く、そして特定行政庁から国、またほかの特定行政庁に対してそうした重大な情報については共有をし合うと、そういうふうなシステムをつくっていくということは非常に大事だと思っています。
 ただ、そのときに、単にその事実だけでは駄目なんですね。当然、なぜそのような事故が起こったのかという事故の分析をやはりきちんとして、評価をして、それが共有をし合わないといけない。単に事実だけが共有されても混乱を招くだけですから、きちんとそこで評価、分析をしていくということがやはり大事なわけでございまして、そうした正確な情報というものを国、特定行政庁間でよく連携を取り合う。
 また、こうした重大なトラブル、事故については、私はやはり公表していくということが大事なんだろうと思うんですね。もちろん、それは評価、分析をした上での話でございますけれども、こうしたところに問題があって、こうした事故やトラブルが起こったんだということを公表する。そのことによって、私は、例えば、ああ、あのメーカーは駄目だとか、あのメーカーは信用できないだとか、あの点検会社はどうだこうだというふうに当然市場でもなってくるわけでございまして、そういう意味でやっぱり情報を開示する。おっしゃったように、単に行政だけじゃなくて、一般に開示をしていくというのは非常に大事だと思っているところでございます。
 国交省でも、このことについては非常に問題意識を持って、特に六本木ヒルズの回転ドアのあの事故がありまして、そうした消防機関との連携体制の整備だとか、事故情報の報告、提供を求める体制を整備すべく取り組んでいたところでございまして、現在、建築物における事故情報を広く収集して、これはもうエレベーターだけではなくて、建築物における事故情報を広く収集して国民や設計者等に提供するインターネットを活用したシステムの整備の検討なども今取組を進めているところでございます。
 大事な問題でございますので、しっかりと社会資本整備審議会のこの部会で御論議をいただいて、一定の取りまとめをしていきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 是非、早期にそうしたものをつくっていただきたいわけでございますが、昨日もちょうどあのシンドラー社の会見やっている中で、データがないということを言っていたわけでありますが、こういった情報共有システムをつくる前提として、データの保管の仕方や、また集積させるルールの作り方というものも是非お願いしたいと思っております。
 実際、昨日いろいろ報道されておりましたけれども、港区において事件の八日前に保守点検を請け負っていた会社が、港区の住宅公社の方に異常なしというふうに報告をしていたにもかかわらず事故が起きてしまったということから、ただ単にエレベーターの設計管理だけではなくて、保守点検の在り方自体も見直す必要があるんじゃないかという指摘がなされておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 建築基準法令では、国及び特定行政庁が建築した建築物について、定期的に一年以内ごとに一定の資格者に、損傷、腐食などの劣化の状況について点検をすることを義務付けております。
 今回事故が発生いたしましたシティハイツ竹芝のエレベーターにつきましては、平成十七年九月に、当時エレベーターの管理を委託されておりました株式会社日本電力サービス中央営業所によってこの法定点検が実施されて、その結果では法令への不適合などの問題は指摘されていないということを港区から報告を受けております。
 今御指摘がありました日常的な保守点検でございますが、これにつきましては、昇降機の維持、運行の管理について、財団法人日本建築設備・昇降機センターにおきまして指針を定めておりまして、適切な維持、運行の管理、日常的な保守点検が行われますようにこの指針の普及を図っております。
 今回の事故の原因については現在調査中でございますけれども、その調査の結果を踏まえまして、事故の原因がエレベーターの保守管理に起因するものなのかどうかといったような調査結果を踏まえまして、必要に応じて、御指摘がありました維持、運行、管理の指針の見直しも含めて再発防止策を建築物等事故・災害対策部会において御検討をいただきたいと考えております。
○山本香苗君 といいますのも、緊急点検を終えたところでさえも、緊急点検を終えた後、異常がなしというふうな形で出ているにもかかわらず、住民の皆さん方の中では、本当に大丈夫なんだろうかというような不安が広がってエレベーターを使わないといったことが各地で起きているというふうに伺っております。是非、二度とこうした事故が起こらないように、まず今おっしゃられたように事故原因の特定に努めていただくとともに、早急に再発防止策を取っていただきたいと思っております。
 時間も短いので、今日は一番心配な点をちょっと今回の法改正の中でお伺いをさせていただきたいと思うんですが、参考人の質疑、また二回にわたる委員会の質疑の中でも出ておりましたけれども、今回のこの耐震強度偽装事件が起きてから、特定行政庁の建築確認の現場でどのようなことが起きているのかと。国交省としては、その実態をどう把握、認識しておられるのか、まずその点についてお伺いします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 今回、構造計算書を建築士が偽装して、その結果を民間だけでなく特定行政庁も見過ごしていたということで、国民の皆様に非常に建築物の耐震安全性についての不安が広がっているというのは大変遺憾なことだと思っておりまして、そのこともありまして、昨年の十一月以降、建築行政の現場も、一種の建築行政の非常事態対応のような状況になって現場が大変な状況に置かれているということは認識しております。
 特に、特定行政庁で確認検査を今まで以上に時間を掛けて厳正にやらなきゃいかぬというふうに現場も受け止めていますので、それ自体非常に業務がタイトになっております上に、イーホームズは指定の取消しをいたしました、それからERIにつきましても業務停止をいたしました。そういう行政処分をする前から、建築確認検査の仕事を民間確認検査機関ではなくて特定行政庁にお願いしようという流れも起きておりまして、そういうことが重なって建築行政の現場が非常に厳しい状況にあるということは認識しております。
 今回、更に建築確認事務の厳格化を中心とする法律改正をお願いしておりますので、法律改正を認めていただいた上で、これを施行する段階で、建築行政の実務が非常時から平時の態勢になっていけば、この部分は少し緩やかになってくるとは思いますけれども、この半年間、現場は大変だったという認識でおります。
○山本香苗君 正に、その現場は大変な状況にあるという認識を持っていて、本当に大変な状況にあるわけでございますけれども、その上に今回の法改正で、今おっしゃられたように権限の移譲等が行われると。そのため、多くの特定行政庁が批判的で不満を訴えているという結果が読売新聞の調査で出ておりましたけれども、こういった現状は現状であったとしても、特定行政庁の協力なくして今回の法改正、円滑な法律の施行はできないわけでございまして、特定行政庁の批判や不満を今後どのような形で解消していくのか。何度も大臣から、連携を取っていくとかいろんな御答弁がありましたけれども、具体的にどういう手だてを考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 今回の改正案をお願いするに当たりましても、まず建築確認事務の総点検をする中で、公共団体と非常に稠密な意思疎通といいますか意見の交換を行いましたし、改正案の立案の過程でワーキングチームをつくりまして、課長クラスですけれども、具体的な事務をしっかりやっていくためにどうあったらいいのか、改正案についての意見も徴してまいりました。
 建築確認に係る事務は自治事務でございますけれども、したがって建築物の安全は公共団体で確保すると、法律に基づいてということが大前提ではございますけれども、民間指定確認検査機関の仕事に関連しましては、まず指定自体に特定行政庁が関与していないと、国土交通大臣と知事が指定するということ、それからそういう意味で、指定権能に基づく具体的な指導監督権能を有していないにもかかわらず、法律上は個別具体の建築確認、指定民間機関がやる建築確認は公共団体の監督下にあるという制度になっております。間違っていたらその民間機関がやった確認を取り消すことができると、通知によってですね、という仕組みになっております。
 そのこともあって、民間機関が行った建築確認に瑕疵があれば、国家賠償訴訟上の被告適格が公共団体にもあるとされている、その一連の事柄について公共団体に不満があるといいますか、あったということは私どもも承知しております、その過程でですね。今回はそのことを前提に、個別具体の確認事務が公共団体の監督下にあるという部分は、これは最も基本的な部分で動かせないんで、民間機関を指定する場合に大臣とか知事が特定行政庁の意見をきちんと聞くという話と、それから個別具体の確認事務について民間機関に特定行政庁が立入検査できるという方向で、そこは制度の見直しを図ったわけでございます。
 その部分についても、公共団体に二通りの意見があったことは事実でございます。そういう方向で是非やってほしいと、自分たちが責任を持って民間の個別具体の確認事務についてもきちんと見ていくからという意見と、民間機関がやる話は公共団体とは全く別にしてほしいと、民間機関で最初から終わりまですべて法的責任を全うしてほしいという意見と二通りございまして、今回お願いしておりますのは、先ほど言いましたような立場から、特定行政庁の監督権限を強化するという形になっているわけでございますけれども、その具体的な運用に当たって、例えば建築行政職員の充実といいますか、執行体制の確保とかそういったようなことにつきましても、公共団体において適切に対応していただけるように、私どもとしてもしっかり支援をしていきたいというふうに考えております。その上で、今回の改正案に基づく建築行政の執行がきちんと全うできるように対応していきたいと考えているところです。
○山本香苗君 局長、最後のしっかり支援していきたいというところの内容を聞いているんですが、お願いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 例えば、私どもとしては、法律に基づく自治事務だということで、例えば建築行政を担当する職員、組織体制ですね、を公共団体において整備していただくというのは公共団体の責任になるわけですね。だから、知事さん、市長さんがしっかり問題意識を持って、この部分について遺漏のないようにしていただくということが非常に大事ですので、私どもとしてはそのことの手助けになるように全国の建築行政の体制がどういうふうになっているかとか、公共団体別にどういうふうなばらつきがあるかとか、そういったようなことを建築行政のパフォーマンスと併せて情報を整理をして公共団体に提供するというようなことも具体的な手助けになると考えておりまして、そういった形で努力をしていきたいと考えております。
○山本香苗君 続きまして、今の、地方自治体の方でももちろん体制をアップ、強化していかなくちゃいけないわけでありまして、国としてもああいった、今おっしゃられたような支援をしっかりしていくという話なんですが、国の方の、じゃ体制はどうなのかということをちょっとお伺いしたいと思います。
 国の方においても今おっしゃられたように指定確認検査機関等々に対して従来より踏み込んだ指導等をしていかなくちゃいけない形になるわけでありますけれども、昨日質問取りに来ていただいた方に、じゃ現在の建築指導課の陣容はどうなっているんですかという話をお伺いしました。
 今局長の方からは、法律の改正につきましてワーキングチームをつくってしっかり対応しているということでございますけれども、平時の状況においては、この三十名弱ぐらいいらっしゃるんでしょうか、その中で構造担当の方が構造担当の係長さんともう一人課長補佐さんの二人しかいらっしゃらないような状況で、もうてんてこ舞いな状況になっているということを伺いました。
 実際、この体制で本当にこれから特定行政庁と連携を綿密に取っていったりとか適切に技術指導等、国としても的確な建築行政ができるような体制になっているとお考えでしょうか。指定確認検査機関に対してもそういったいろんな指導監督をしなくちゃいけないわけでございますけれども、国においても監督体制の整備が必要だという形は中間報告の中でも指摘をされているところでございます。
 このたびの法律成立を受けて、建築指導課の中に、主に構造を担当するところで例えば建築安全担当室みたいな形で常設のものをつくって体制強化を図るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 全国で、特定行政庁で建築行政を担当していただく方々の職務の執行体制から、翻って我が国土交通省の住宅局の体制はどうなっているのかという御指摘でございます。
 非常に厳しい御指摘で、私どもも問題意識を持っているところでございます。住宅局の建築指導課には二十八名の職員がおりますけれども、建築の技術の職員が十七名在籍しております、今年の年度の初め、四月一日現在でございますが。このうち、指定確認検査機関に対する指導監督において重要な立入検査などの仕事がございますけれども、従来、技術職も含めた七名程度の職員で分担しておりました。年一回程度の実施ということでございました。
 今年度から新たに住宅局建築指導課に専門の組織を配置いたしました。建築業務管理官というスタッフのポストを配置いたしまして、指定確認検査機関に対する監督体制の強化を、ささやかではございますけれども図ったところでございます。
 今、指定確認検査機関への立入検査の在り方については、検討会を設置して学識経験者の御意見をいただきながら、その検査の内容とか検査の体制について抜本的な見直しを含めた検討を進めております。
 そういったことを踏まえまして、大変厳しい中ではありますけれども、御指摘いただきましたような組織も含めて必要な体制の拡充に努めてまいりたいと思います。
○山本香苗君 法律の施行を待ってではなくて、法律が施行される前の準備段階が非常に大変だと思われますので、できる限り早く体制の強化を図っていただくよう、大臣にも強く要望申し上げておきたいと思います。
 最後に、竹歳局長に、済みません、時間が迫ってまいりましたので、二問一緒にお伺いさせていただきたいと思っております。
 今回、この宅建業法の改正も中に入っているわけでございますけれども、先ほど加藤委員の御質問の中にもございましたが、これ、保険加入の有無だけではなくて、法文上は、保険の締結の後にその他の云々という形で、その他の措置で国土交通省令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要も義務付けることになっている。ここのいわゆる政令で定めるところはどういうものを具体的に指すのかということが一点。
 二点目は、今回、四十七条の改正もされるわけでございますけれども、ここは非常にトラブルが多いところだというふうなこともお伺いしております。そういう中で、重要な事項という、このいわゆる宅建業者に対して禁止されている行為を具体化するわけですね。この具体化することによってどういう意義があるのかと。今回、先ほど消費者の保護という観点からという話もありましたけれども、この重要な事項が具体化することによって消費者保護の観点からどのような効果が見込まれるのか、トラブル解消に役立つのか役立たないのか。
 その二点、併せましてお伺いさせていただきまして、質問を終わらしていただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) まず第一点目の、三十五条の改正の関係でございます。
 具体的な措置については国土交通省令で定めることとしておりますけれども、これを今現在検討しております。今検討している内容は、一つは、保険事業者との保険契約の締結や銀行等との保証委託契約の締結ということで、どういう種類の保証、保険契約かということと、それから瑕疵担保責任の履行による消費者保護の観点から、例えば引渡し後十年の瑕疵を担保することとか、そういう具体的な要件を定めようということで検討しております。
 それから二点目の、四十七条関係でございますけれども、今御指摘がございましたように、この紛争相談件数というのが十六年度で三千三百八十五件ございますけれども、その約二九%がこの重要事項の不告知を含む重要事項説明等に関するものでございまして、これを何とかしなくちゃいけないということでございます。
 今度、罰則を強化いたしまして、従来は一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金というのを二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金と改正するわけでございまして、それに当たりましては、やはり今は重要な事項についてと書いてあるだけでございますので、もう少し構成要件を明確にする必要があるということで、具体的な三十五条、三十五条の二、三十七条を引いた後、さらに例えば取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であって、宅建業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるものとか、そういうものも詳しく書き込んだところでございます。
 こういうことによりまして、罰則も非常に重くなりますので、法令違反の抑止力が強化されて、消費者の保護及び取引の適正化に資するものと考えているわけでございます。
○山本香苗君 終わります。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 今日、私は、耐震強度偽装事件の被害者の皆さんの救済問題で質問さしていただきます。
 まず、使用禁止命令が出されて、それで退去を余儀なくされました分譲マンション十一棟の建て替えに関しての現在の状況、そこでの追加負担の平均額を、説明要りませんので数字だけでいいですので、簡潔にお答えいただけるでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 対象となるマンション十一棟のうち十棟の居住者の退去が完了しまして、当初入居戸数三百九戸の九七%に当たる三百一戸の退去が進んでおります。残りは八戸となっております。建て替えに関しましては、都市再生機構などが作成しました計画案を基に検討が進められておりまして、十一棟のうち一棟において除却工事が行われております。また七棟において建て替え推進決議がなされております。
 戸当たりの追加負担の平均額ですけれども、都市再生機構が示しました再建計画の第二次素案におきまして、除却費、それから共同施設整備費に対する助成を実施した場合、住戸面積百平米当たりで戸当たり平均二千万円程度と見込んでおります。
○小林美恵子君 ここに建て替え決議の上げられましたグランドステージ東向島の方の意見書というのがございます。ここには、「平均二千万円の追加負担は到底無理であります。一千万円でも生活が困難になることは目に見えております。それでも追加ローンが組めるならば建て替えて、問題は先送りにしようとする住民が多くいます。そのようなギャンブルをしてまでも建て替えをしなければならないという、この追い込まれた住民の心情を国はどう捉えているのでしょうか。」と。
 私はここで大臣にお伺いしたいと思います。この住民の心情、大臣はどう受け止められますか。
○国務大臣(北側一雄君) 今まさしく特定行政庁の皆さんと一緒になって各住民の方々と建て替えに向けての交渉を、協議を鋭意誠意を持ってやらしていただいているところでございます。
 今、二千万円という、平均二千万円というお話がありましたが、これで決まりということじゃもちろんないんですね。例えば、東向島の例でいいますと、敷地の一部を都が都市計画道路として買収するわけなんです。この買収について、当然されることによって追加負担が実質的には引き下がってくるということにもなってまいりますし、さらには総合設計制度を活用して容積率を引き上げるという方法も選択としてあるかどうか、これも検討の余地があります。
 さらには、新たなローンにつきましても、その利子負担相当分について助成を行うことについても、所得に応じて助成を行うことについても決めさしていただいているわけでございまして、その助成を行えば実費の負担額は更に下がってまいります。
 さらに、個々の居住者の方々の状況は異なります。したがって、更に追加負担額を縮小するために、例えば、住戸規模を少し縮小をしていただくだとか、それから高層階じゃなくて価格の低い低層階の住戸を選択していただくだとか、そうしたことも検討事項としてあるというふうに思っておりまして、こうしたことを様々積み重ねながらしっかり協議をさしていただきながら、追加負担が少しでも軽くなるように今まさしく協議をしているところでございます。
 最終的には居住者の方々との合意形成ができなければできないわけでございまして、今しっかりとそうした協議を進めているところということで御理解いただきたいと思っております。
○小林美恵子君 この意見書の中には、一千万円であっても困難だというふうにあります。いろいろ大臣は御説明されましたけれども、それで一千万円になるのかなと私はいろいろ計算をしますけれども、いずれにしましても、どういう状態であっても困難なんだということは間違いのないことだと思うんですね。
 それで、私はこの間、既往ローンと、それから新たに加わる追加負担問題の二重ローンの負担の解消をということをかねてから質問をさしていただいてきました。改めてお聞きしたいと思いますけれども、民間銀行の支援、二月十四日に申合せをされましたけれども、それ以降いかに前進をしているか。もう前進しているというふうな部分だけでいいんでございますけれども、どう前進しているのか。
 そして、先ほど大臣もお答えがありましたけれども、住宅金融公庫を始めとして、国交省としてどういうふうに前進してきているのか、この点についてお答えいただけますか。
○政府参考人(山崎穰一君) まず、民間のことについてお答えを申し上げます。
 二月十四日の申合せを受けました各金融機関の対応につきましては、金融庁といたしましてもその状況を把握するため、特に取引先数の多い銀行を中心に適宜ヒアリングを行っております。このヒアリングによれば、各行とも相談窓口を設置し被害者からの相談に応じているほか、据置期間中の金利引下げを含む条件変更についても、被害者の御要望があれば申合せに基づいた対応が行われているものと承知してございます。
 各行とも相談の受付、条件変更の手続ともに真摯に対応するとしておりますが、当局といたしましても引き続き適切な対応を期待しているところでございます。
○政府参考人(山本繁太郎君) 住宅金融公庫の対応について御説明いたします。
 まず、既往の住宅ローンでございますが、危険な分譲マンション十一棟における公庫利用戸数三十九件のうち、昨日現在で利用者から十六件の条件変更の申請があり、これに対応しております。
 それから、建て替え後の住宅を取得する際の新規住宅ローンについてでございますが、公庫融資において融資率の引上げ等の措置を講じております。
 保有水平耐力比が〇・五未満の分譲マンションのすべて十一棟において公庫融資の案内を配付しておりますほか、公共団体からの要請などを受けまして、各地域で延べ九回の住民向け説明会や個別相談会を開催するなど、積極的に対応しております。
○小林美恵子君 先ほど大臣は利子相当負担の助成のこともお話されましたけれども、その点について若干具体的に教えていただけますか。
○政府参考人(山本繁太郎君) これにつきましては、スキームについて協議会で対応方針を定めまして、今特定行政庁において居住者と検討を進めているところでございます。
○小林美恵子君 私は、ここに利子負担相当分の助成についてという資料を持ってまいりましたけれども、例えば所得一千二百万円を超える方の場合は三・二一%の公庫の特例金利が二%になるというふうな、それが十年間と。六百万円以下の場合の方であると三十五年間で二%になるとか、こういうふうにして助成があるというふうにありました。
 それで、その点についてですけれども、二重ローンの負担の解決がなかなか見えない中で、建て替え決議をされた住民からのせめてもの要望というふうにして来ているのがございます。一つ、公庫融資に関してなんですけれども、今回の被害者の場合は災害予防融資の対象とされていまして、金利の減免は〇・二%です。ですから、三・四一%が三・二一%になると。それを利子相当負担分助成で二%にすると。しかし、所得一千二百万円を超える場合の方は十年限定になっています。災害の公庫融資の場合は三十五年なんですよね。
 そこで、私は大臣にお伺いしたいと思います。
 大臣は一月二十日の大臣会見で、金利また据置きなど、災害時などと同じような類似のやり方があると思っているというふうに話されています。災害時と同じようなやり方というふうにいいますと、例えばこの利子相当分負担の助成でいきますと、一千二百万円を超える方の場合であると年数を限定することになります。そうしますと、大臣のおっしゃるような考えというのはその趣旨とは異なるような助成になっているのじゃないでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 私、災害時と全く同じというふうには言っておらないんですね。むしろ、皆様から、委員の方々からも、御意見としては、災害時にもこんな支援してないだろうという御批判があったわけです。いや、そうじゃありませんと。災害時の制度なんかも参考にさせていただきながらバランスをしっかり取っているんですと、既存の制度を活用してやらせていただいているんですというふうに説明をさせていただく中でお話をさせていただいているんだと思うんですね。
 今回のこの利子負担分、新たなローンの利子負担分の支援につきましても、地方公共団体の皆さんとずっと協議を重ねてまいりましてこういうスキームをつくらせていただいたんです。
 所得一千二百万といったら、これ収入じゃありませんからね、所得一千二百万と言うたら結構な収入ですよ、結構な収入の方ですよね。そういう方々に対する、むしろ特定行政庁の方から、そういう方に対してはそういう利子負担分の支援も必要ないんじゃないかという御意見もあったぐらいなんです。でも、そういうわけにはいかないだろうということで、所得に応じて六百万を超えた場合には期間を少し限定をしていただくというようなことをさせていただいて、一千二百万の場合には十年間という形で決めさせていただいたわけでございまして、是非御理解をお願いしたいと思います。
○小林美恵子君 私は、災害時と全く同じというふうには言ってないんだというふうにおっしゃいましたけれども、同じような類似のやり方があるというふうにお話をされている。ですから、そのことを私は指摘をしたまででございます。
 更にお伺いしたいというふうに思いますけれども、この助成の場合でいきますと、住戸面積七十平米相当を上限として、それに対応した借入額が二千万円の利子負担相当分を上限というふうにあります。これでいきますと、例えば被害住民の方々からのお話でいきますと、一平米四十五万円、七十平米とすると三千百五十万円になるのだと。これでいくと、実態に合った助成なのかということで、住民の皆さんの声もあります。
 この声にはどのようにおこたえになるんでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 利子負担相当分を国と公共団体の財源で助成するわけでございます。助成がバランスの取れたものであるかどうかという観点から検証しているわけでございますけれども、この生活再建に必要な一定水準の助成を行うという観点から、公営住宅の家賃算定上の標準的な住戸面積を踏まえまして七十平米相当の住戸の取得に必要な借入額二千万円を上限としているわけでございまして、これは実際の住戸面積を七十平米以下に抑えるということを要件にしているわけではございません。住戸面積が七十平米を超える場合でも、個人の借入額のうち二千万円分の利子相当額を助成の対象とするということとしているところでございます。
○小林美恵子君 いえ、私はそれが実態に合ってないという住民の声なんだということを今申し上げたんですけれども、さらに、では住宅ローン控除に関してお聞きをします。
 ローン控除は、補修の場合は住み続けるので対象になるけれども、建て替えの場合は控除を受けることができないと。規定上、建物があることと、そこに住んでいることが条件になっているんですよね。よって、今回の被害住民の皆さんはこれはこれで適用を受けるようになるんですけれども、ただし、いわゆる退去されて、退去されたその年の年末まではその年の分の控除は受けれるけれども、その翌年はもう控除が受けれないわけなんですよね。
 それで住民の皆さんは、住宅ローンの控除というのはすごい生活設計に大きくかかわるということで、これがずっと受けれないということ、途中で打ち切られてしまうということは深刻だという声なんです。やはりこの声にはこたえていただきたいと思うんですけど、その点についてはどうですか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 住宅ローン控除制度の適用は、御指摘いただきましたとおり、ローンの残高に対して控除するわけですが、十二月三十一日まで引き続き居住しているという要件がございます。ただし、災害により居住者の意に反して居住できなくなった場合は居住しなくていいと。今回の事案が人為による異常な災害に該当すると認められるということを確認しておりますんで、一年度分の住宅ローン減税は受けられます。
 次年度以降でございますが、十八年度以降については住宅ローン減税は受けられませんけれども、所得税法に定める雑損控除、今回の事案によるキャピタルロスについては雑損控除できますし、これは翌年度以降三か年繰り延べて雑損控除適用できますんで大変な税の控除になりますんで、これを活用をしていただくということになると思います。
○小林美恵子君 私は、雑損控除の話を今しているのではありませんでして、ローン控除の話をしているわけでございまして、そこは局長さん、すり替えないでいただきたいというふうに思うんですね。ローン控除の場合でいくと、例えば昨年末退去された方は今年度の控除はもう受けれないんだということは事実でありますので、そこをしっかりと踏まえていただきたいということを改めて申し上げたいというふうに思います。
 私、どう考えてみましても、この国土交通委員会といいますのは、一月二十日から通常国会が始まりましたけれども、耐震強度偽装事件の発覚で前日の一月十九日の閉会中審査から今日まで来たと思いますけれども、それは本当に、その間ずっと耐震強度問題で偽装事件の被害者の皆さんが本当に苦しい思いをしてこられたというふうに思うわけです。最大の問題はやっぱり、何といっても二重ローン負担ですよね。いろいろ御説明していただいても、既往のローンや追加負担の二重ローンがやっぱり重くのし掛かるということは言うまでもない事実です。建て替えの方向に進んだところであっても、ましてやいまだ見通しのないところも、この二重ローン、東京稲城の被害住民は、建て替え案は追加負担二千万円、とても払えないと、一生ローン地獄になるのは明らかだと、生活破壊になるんだと。東京都の担当者も、二重ローン負担が解決しないので進まないという発言でした。
 私は、この被害住民の皆さんの生活が真に再建できるかどうかというのは、二重ローン問題をやっぱり正面から解決することが本当に問われていると思いますけど、大臣はこの問題で正面から解決するというお立場にあるかどうか、改めてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) それは、今日の論議の中でも住宅局長やまた金融庁の方からも答弁させていただいておりますとおり、住宅金融公庫、民間を問わず、既往のローン負担軽減、新規のローンにおける柔軟な対応を推進するということで取組をさせていただいておりまして、また利子負担分についても、そうした先ほど来説明しましたような補助をしていく仕組みというのもつくらせていただいているわけでございまして、まさしくこの二重ローン負担が大変だということで対応をさせていただいているところでございます。
 居住者の方々との協議をしっかりやらせていただいて、早く協議が前に進むように我々も全力で取組をさせていただきたいと考えております。
○小林美恵子君 私は、この間ずっとその問題取り上げてまいりましたけれども、予算委員会でも提案をさせていただきました。
 被害住民の皆さんがやっぱり個々人で銀行と交渉していくのはもう極めて困難です。今もなおかつ困難でございます。だから、既往ローンの債務軽減のために銀行などと交渉をすることや、販売会社等加害者に損害賠償責任を果たさせること、また銀行や不動産関係業界などから基金などをつくって被害住民の債務返済に充てるという、こういうことを提案もしてきましたけれども、改めてこうしたシステムを国の責任で、特別措置法の検討もこれまで求めてきました。既に耐震偽装事件発覚から随分たっておりますので、私は改めて被害住民の皆さんの支援のために、それこそ超党派で知恵を出し合って進めることが必要だというふうに今は思います。
 この点を最後に委員長に、今日の朝の理事会でも提案をしたことではございますけれども、改めて超党派で被害住民の支援に取り組める、そういうことを行っていくということを改めて委員長にお取り扱いをお願いをして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) 後刻理事会にて検討をさせていただきます。
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 まず、シンドラー社のエレベーター事故についてでございますけれども、耐震偽装の次は今度はエレベーターかと、一体おれたちはどこに住めばいいのかというような不安で一杯になっているのではないかと、このように思います。今、この事件については調査中のことでございますから、私はこの事件の背景、原因、それからその責任の所在、そして補償の問題、そして利用者保護の問題のそれぞれの観点からきちっと調査をいただき、住民に対して、こういう利用をする方々に対して、エレベーターを利用する方々に対して安全と安心を与えるような施策と事故の結果の発表について調査をしっかり行っていただいて、御報告をまずはお願いをしたいと、このように御要望申し上げておきたいと思います。
 今から質問に入りますが、今回の構造計算書偽装問題では民間の指定確認検査機関だけでなく、特定行政庁においても確認審査の過程で偽装を見過ごした事例が多数でございます。このことは偽装を見過ごしたケースに限らず、一般に確認審査、検査が適切に行われていないのではないか、その質や水準にばらつきがあるのではないかとの疑念を国民に抱かせています。こういう問題を解決するためには、ガイドラインやマニュアルのようなものを整備をして、その普及、活用を図るよう取組が必要と考えます。
 提出法案では、国は確認審査等に関する指針を定め、公表し、確認検査等はこの指針に従って行わなければならないとしていますが、どのような内容を指針に定め、それをどのように特定行政庁や指定確認検査機関に周知徹底を図るつもりなのでしょうか。また、この措置、今回のような偽装を含め、不正、不法行為は完全に排除できると考えていますか。いかがでございましょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 確認審査等に関する指針の具体的内容でございますが、例えば、今回問題となりました構造に係る審査につきましては、まず構造種別ごとの仕様規定に適合していることを各階床伏せ図、構造詳細図などを用いて審査すること、それから意匠設計図と構造設計図とを比較して構造耐力上、主要な部分の位置、形状及び寸法が整合していること、構造計算書の入力データ、柱、はりの寸法などと構造設計図とが整合していること、データの入力の方法の適切さ、構造計算の過程が適切であることについて構造計算適合性判定に基づき判定することなどについて定める予定でございます。
 また、国土交通大臣は指針を定めた場合はこれを公表しなければならないと規定されておりまして、告示により公表をいたしますけれども、あわせて、講習などを実施することで特定行政庁や指定確認検査機関への周知徹底を図ってまいります。
 また、この指針の策定と併せまして、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物に対しては構造計算適合性判定を義務付け、ダブルチェックを行うことといたしました。
 こうした措置を講じることで、今回のような偽装を防止して、確認審査の公正かつ的確な実施に努めてまいる考えでございます。
○渕上貞雄君 構造計算適合性判定制度の導入に当たっては、都道府県知事は、申請者の提出した構造計算のチェックにとどまらず、再計算まで行おうと考えているのでしょうか。また、再計算で採用する構造計算方法は申請者と同じ方法に限るのでしょうか、お尋ねいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 今回の偽装の対応の中でも、厳格に審査していれば見抜けたものと、一部を巧妙に修正したものがあって、詳細な審査とか再計算を行わなければ見抜けなかったものとあるわけでございまして、そういうことで今回の改正案をお願いしているわけでございます。
 高度な構造計算を要する大規模な建築物について義務付けることにしております適合性判定でございますが、具体的には、大臣認定プログラムを用いて構造計算書を作成した建築物については、建築確認の申請時にその入力データも併せて提出していただきまして、適合性判定機関において入力方法等を審査した上で、再入力、再計算を行うこととしております。大臣認定プログラムを用いないで計算書を作成した建築物については、専門的な知識、技術を有する判定員が計算方法、計算過程等の詳細な審査を行うこととしております。
 御指摘の再計算を行う場合についてでございますが、申請者が行った構造計算方法と同じ方法で、かつ同じ大臣認定プログラムを用いて再計算を行うことになります。
○渕上貞雄君 提出法案では都道府県知事が構造計算適合性判定の全部又は一部を行わせる機関を指定することとしていますが、どのような機関を指定することを想定しているのでしょうか。機関の具体的な要件はどのようなものか、お尋ねいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 指定の基準といたしましては、構造計算適合性判定員を含む職員、設備、構造計算適合性判定の業務の実施の方法を定めた計画が業務の的確な実施のために適切なものであること、それから構造計算適合性判定の業務の実施に関する計画を的確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものであること、それから役員、職員などの構成が構造計算適合性判定の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること、それから親会社などが構造計算適合性判定の業務以外の業務を行っている場合には、その業務によって構造計算適合性判定の公正な業務の実施に支障を及ぼすおそれがないものであることなどを定めておりまして、これらの要件を満たす機関を指定することになります。
 具体的に想定される機関としては、都道府県の建築住宅センター、例えば東京都の防災・建築まちづくりセンターとか兵庫県の住宅建築総合センター、あるいは全国的な組織としては、指定性能評価機関でございます財団法人日本建築センターや財団法人日本建築総合試験所などがあると考えております。
○渕上貞雄君 都道府県によっては区域内に構造計算適合性判定が行われる機関がないところもあり得ると思いますが、その場合はどのようにするのでしょうか、区域外の機関を指定することも可能なのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 都道府県には少なくとも一機関を指定していただきたいと考えておりますけれども、都道府県によっては、御指摘いただきましたように、区域内に適合性判定が行える機関がないところもあり得ると考えておりまして、この場合には区域外の機関を指定することになります。そのことは可能でございます。
 具体的には、先ほど御紹介しました、全国的な組織として指定性能評価機関として仕事をしております財団法人日本建築センターなどが各地に支所を設けて仕事を実施することが考えられますので、そういったことで相談してまいりたいと思います。
○渕上貞雄君 今回の構造計算書偽装問題ではマンションにおいて甚大な被害が発生をしたところであり、マンションにおいては多数の者が長時間過ごすことから倒壊等などの際に人的被害のリスクが非常に高いこと、それから居住者、建築物に関する専門知識を持たないことが多いことなど、安全性を確保する必要性が高いことには異論のないことと思います。しかし、多数の人が利用する建築物はほかにも様々な種類がある中で、果たして三階建ての共同住宅だけを対象に義務付けすることが妥当なのかどうか議論が必要と思われます。
 中間検査の実施率の向上を勘案しつつ、将来の一律義務付けに向けて、国としてはどのような考えであり、どのようなスケジュールで対象拡大を行っていこうとしていく考えなのか、お伺いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 中間検査の制度の経緯でございますけれども、これまで特定行政庁が地域の実情を勘案した上で対象となる建築物を指定する制度とされておりまして、また中間検査導入当時は行政の検査体制も不十分だったということもありまして、中間検査は対象区域と期間を限定して行う制度とされていたわけでございます。
 今回の耐震偽装事件を契機としまして、特にマンションについては全国共通の課題として厳格な検査を行う必要性が高まったと判断いたしまして、今般、三階建て以上の共同住宅について一律に中間検査を義務付けることといたしております。
 なお、今回の改正におきましては、すべての建築物について全国一律に中間検査を義務付けることは、現状の特定行政庁それから指定確認検査機関の検査体制では無理があるというふうに考えまして、三階建て以上の共同住宅以外の建築物につきましては、特定行政庁が引き続き地域の実情に応じて対象となる建築物を指定することとしております。
 御指摘いただきました問題意識を踏まえまして、中間検査の義務付けの対象の拡大につきましては、毎年度、特定行政庁それから指定確認検査機関から御報告いただいております中間検査の実施状況、あるいは特定行政庁における対象建築物の指定状況、それから特定行政庁の執行体制の状況、違反建築物の状況などを見定めた上で今後検討してまいりたいと思います。
○渕上貞雄君 完了検査については従来から義務付けられており、本来は一〇〇%実施されるべきものでありますが、実態は全国平均で七三%にとどまっています。
 完了検査が一〇〇%実施されない原因と理由、それから一〇〇%に近づける方策について、国としてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 御指摘いただいたとおりの問題意識を持っておりまして、現在でも完了検査率が低い都道府県に調査をしておりますけれども、その原因として、建築主それから設計者、施工者などの関係者の意識が低い、それから検査体制が未整備だといったようなことを調査の結果では挙げてきております。
 現在、都道府県に安心安全実施計画というものを策定してもらっておりまして、完了検査率の向上に関する具体的な数値目標を定めて、完了検査を受けるようにという案内はがきの送付とか、現地パトロールの強化、金融機関との連携などの取組を行っているところでございます。
 国土交通省としましては、都道府県、特定行政庁などによる完了検査の徹底がより一層計画的に進みますように、都道府県会議などの場を活用して今後も積極的に推進してまいりたいと思います。
○渕上貞雄君 大臣認定を取得している構造計算プログラムは二〇〇六年二月現在で合計百六件ありますが、特定行政庁や指定確認検査機関ではほとんど所有していないと聞きます。
 プログラムを持ったことも使ったこともない機関が十分な検査を行うことができるのでしょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) この点につきましては先ほどの御質問の中でも申し上げましたけれども、これまでの建築確認の事務におきましては、構造計算書の審査は再計算をするというところまで求めておりませんで、したがいまして、特定行政庁も民間機関もプログラムを自ら保有するということはしていなかったわけでございますけれども、今度の偽装が発覚しまして、特定行政庁や民間機関において、より厳密に安全性の検証をするという観点からプログラムを集めたところもございます。
 これから、先ほど御説明しましたような形で、確認事務の厳格化、指針を作って厳格化、それから大規模な建築物についてはダブルチェックというような形でやってまいりますので、プログラムも公共団体とか民間機関自身が保有するということには今後ともならないというふうに考えております。
○渕上貞雄君 住宅性能表示制度は、第三者機関が設計図書の審査や現場検査等を行い、性能評価表示し、評価書を発行するなど、住宅の品質を確保し消費者の保護を図るものですが、その利用は任意であることからまだ十分な利用実態とはなっていませんが、また今回、建築確認のみならず、住宅性能評価の過程において指定住宅性能評価機関が構造計算書の偽装を見抜けず評価書を交付してしまうという事例が発生をしております。
 建築確認制度の見直しと併せ、指定住宅性能評価機関における評価方法等について十分に見直しと改善を図るべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 御指摘のとおり、住宅性能表示制度は一層の普及に努める必要があると考えております。
 それから、住宅性能評価機関において偽装を見抜けなかった事案があったということは大変残念なことでございまして、建築確認検査に準じて評価方法の改善を図る必要があると考えております。
○渕上貞雄君 提出法案では多岐にわたる罰則の強化を図ることとしています。罰則強化をされれば一定の抑制は期待できると思いますが、悪意のある不正、偽装、改ざん等の行為に対してはどの程度抑止効果があると考えていましょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 今回、法定刑を大幅に引き上げたわけですけれども、現行法令の罰則の体系における均衡は確保した上で、その上で最大限の罰則の強化を図ったものでございまして、私どもとしては最も厳しい法定刑を設定したと考えておりまして、特に故意、悪意に基づく違反行為に対する抑止力として妥当なものと考えております。
○渕上貞雄君 最後になりますが、この建築にかかわる問題についての事件、事故が様々起きておるところでございますけれども、最後に、今回の建築基準法の改定によって国民の信頼が回復できると大臣はお思いになっているんでしょうか、大臣の認識をお伺いをして、質問を終わります。
○国務大臣(北側一雄君) 今回の法改正におきましては、建築確認検査の厳格化、また指定確認検査機関に対する監督の強化、また建築士の業務の適正化や、さらには建築士、建築士事務所、指定確認検査機関の情報開示、また住宅の売主等の瑕疵担保責任の履行に関する情報開示等について見直しをさせていただきたいということで御論議をいただいているわけでございます。
 第一弾の改正といたしましては私は相応の改正案になっているというふうに考えているところでございまして、この改正案を通させていただき、そしてまたこの委員会で様々御論議、御意見もちょうだいいたしました。そうしたものも念頭に置きながら、参考にさせていただきながら、この夏に向けまして、残された課題、建築士制度の抜本的な見直しの問題、また住宅取得者の利益を守っていくために売主等の瑕疵担保責任の更なる充実の問題等々につきましてもこの夏までに取りまとめをさせていただいて、更に改善をさせていただきたいと考えているところでございます。
 国民の皆様の建築行政、また建築そのものに対する信頼を回復すべく、これからも全力で取組をさせていただきたいと考えております。
○渕上貞雄君 終わります。
○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会を代表して、政府提出の建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 マンションなどの耐震強度偽装の発覚により、今日、建築物への信頼性は大きく揺らぎ、さらに事件の流れの中で政治家の関与の疑いもあり、国民の建物への安心感や業界や行政への不信感は一段と強まっています。その中で、建築行政の信頼回復と真の建築物の安全性確保のために本法律案が提出されたわけでありますが、残念ながら、内容的には不十分であると言わざるを得ません。
 第一に、建築士の地位と独立性を高め、建築における設計と施工を分離して、チェック機能を強化して不正を防止する必要がありますが、これが今回の改正において不十分です。
 第二には、売主が倒産しても瑕疵担保責任が保証される保険の普及施策が不十分であるということです。これでは消費者、購入者が十分に保護されません。最低でも住宅の販売広告にその住宅が保険に加入しているか否かを表示させることが必要です。
 第三には、建築確認における特定行政庁の責任体制をより強化する必要がありますが、これが不十分です。特に確認済証は最終的には特定行政庁が発行すべきです。また、中間検査もすべての建物を対象とすべきと考えます。
 以上、法案が建築物の安全確保において、また消費者保護において不十分であることを強く訴え、政府案への反対の討論にいたします。
 以上です。
○小林美恵子君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、今回の耐震偽装事件をきっかけに、我が国の建築確認検査制度が機能不全の危機に瀕していることが明らかとなりました。その原因には、一九九八年の建築基準法改悪に代表される、政府による安全よりも効率優先の建築行政への変質が大きく影響しています。さらに政府の責任は重大であります。それにもかかわらず、政府自身の住宅産業分野の規制緩和路線に対する解明と真摯な反省がないことです。
 反対の第二の理由は、民間検査機関が営利目的の競争をすることをそのままにして、しかも特定行政庁が建築確認検査に責任を持つ仕組みとその責任体制をあいまいにしたままであることです。
 建築物は今後ますます社会的存在としての価値が重視されていくとともに、地域の暮らしやまちづくりにも影響する公共的側面があります。建築確認制度は、その建築物の安全と安心を確保する公の事務です。建築確認をもうけの対象とする仕組みを残しては、公正中立で厳正な審査、検査を徹底させることは期待できません。
 最後に、今回の偽装マンション被害住民の方々は多額な負担を余儀なくされ、展望が見いだせないと、生活再建のめどが立たず、困難を今もなお窮めています。政府の支援策では問題の早期解決にほど遠い状況です。問題の早期解決のために、新たな方策を含め、超党派で力を尽くすことを呼び掛けて、反対討論を終わります。
○委員長(羽田雄一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(羽田雄一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大江君から発言を求められておりますので、これを許します。大江康弘君。
○大江康弘君 私は、ただいま可決されました建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、建築確認検査業務の適正な執行を確保するため、指定確認検査機関に対する指導監督を強化するとともに、特定行政庁において、必要な人材の確保や職員の能力向上等建築行政体制の充実整備が図られるよう、関係省庁の連携のもと、その環境整備に努めること。
 二、今回の問題において多数の構造計算書の偽装が見過ごされた事実を真摯に反省し、国民の住宅・建築物に対する不安の解消を図るため、居住者の求めに応じ速やかに設計図書の再点検等が可能となるよう措置すること。
 三、建築物の安全性が確実に確保されるよう、特定行政庁・建築主事、指定確認検査機関の機能的役割分担とともに、建築士、建築主、施工業者、住宅性能評価機関、金融機関、保険会社等関係者間による連携・相互チェック体制の構築に努めること。
 四、建築士及び建築士事務所制度の見直しについては、これらをめぐる近年の技術的及び社会経済的な環境の変化等を踏まえて、その業務の適確な遂行と社会的責務の達成を確保する観点から検討を進めること。
 五、建築物に係る瑕疵担保責任の実効性を確保するための保険制度等の整備については、被害者の迅速かつ確実な救済が図られるとともに、保険制度等を通じて、不良建築物や不良業者の排除が有効になされるよう検討を進めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(羽田雄一郎君) ただいま大江君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、大江君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、北側国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北側国土交通大臣。
○国務大臣(北側一雄君) 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 大変にありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に国土交通省航空局長岩崎貞二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に株式会社日本航空代表取締役専務西松遙君、株式会社日本航空インターナショナル代表取締役専務・株式会社日本航空ジャパン代表取締役専務岸田清君、スカイマークエアラインズ株式会社代表取締役会長兼社長西久保愼一君、スカイマークエアラインズ株式会社生産部門担当取締役副会長井手隆司君、全日本空輸株式会社代表取締役副社長大前傑君及び全日本空輸株式会社執行役員・グループ総合安全推進室担当中村克己君を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、航空機の運航における安全確保に関する件を議題といたします。
 まず、政府から報告を聴取いたします。北側国土交通大臣。
○国務大臣(北側一雄君) 航空機の運航における安全確保について御報告を申し上げます。
 安全の確保は、申すまでもなく、航空を始めとする公共交通の根本を成すものでございます。しかしながら、昨年の春以来、我が国の航空会社においては、日本航空グループ等で安全上のトラブル、ミスが頻発しております。
 このような状況を改善するため、当委員会での厳しい御指摘、御意見等を踏まえつつ、国土交通省においては、航空会社に対し個別のトラブル、ミスについての適切な再発防止策を徹底するよう指示してまいりました。あわせて、安全で安心な航空輸送サービスを提供することが最大の社会的使命であることを経営トップに改めて認識していただき、全社一丸となって安全意識の定着と安全管理体制の確立に取り組むよう指導をしております。また、航空会社の安全確保のための取組が的確に行われているかどうか監視監督体制も強化し、抜き打ちの検査を含む立入検査を重点的に実施してきたところでございます。
 しかしながら、最近においても、日本航空グループにおいては不適切な点検が行われたほか、スカイマークエアラインズについても不適切な整備管理に起因して修理期限を超えて運航を行うなど、トラブルが続いていることは大変遺憾でございます。日本航空グループ及びスカイマークエアラインズからはそれぞれこの四月に再発防止のための対策が提出されましたが、国民の空の安全、安心に対する信頼を一刻も早く回復するよう、対策の確実な実施を改めて強く要請するものであります。
 国土交通省においては、こうした一連のトラブル、ミスを教訓に、航空の安全体制の充実強化を図ってきております。
 具体的には、制度面において、運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案による航空法改正案を今国会に提出し、先般成立させていただきました。本改正では、安全の確保のためには、単に現場の取組だけでなく、経営と現場が一体となった組織管理を的確に実施していく必要があるとの認識の下、航空会社に対し安全管理規程の作成や安全統括管理者の設置を義務付け、安全管理体制の構築を図ることとしております。また、事故やインシデントを未然に防止する観点から、安全情報の国への報告を義務付け、報告された情報を分析、共有することにより事業者の安全への取組を推進してまいります。
 現在、施行に向けての準備を鋭意進めているところであり、本年七月に大臣官房に新設されます運輸安全政策審議官をヘッドとする輸送モード横断的な安全監視組織を新設するとともに、十月からは航空局に監査専従部門を新設し、各社ごとに常時監視できるよう大幅な増員を行うこととしております。新しい制度を的確に施行すること等により、安全かつ安心な日本の空とするよう最大限の努力をしてまいる所存でございます。
 一方、航空管制につきましては、昨年四月に羽田空港において閉鎖滑走路へ航空機を着陸させる等のトラブルが発生いたしました。これらのトラブルに対しましても、個別ミスに対する再発防止策を講じるとともに、全国の管制機関に対する業務監査を実施し、管制支援システムの整備等、今後のヒューマンエラー再発防止策を取りまとめました。航空会社を指導監督し、何よりも航空交通の安全確保に自ら範を示すべき立場として、航空管制の安全対策を的確かつ着実に実施してまいります。
 安全確保策の現状及び国土交通省の講じた施策の詳細につきましては、引き続き航空局長から御報告をさせていただきます。
○委員長(羽田雄一郎君) 岩崎航空局長。
○政府参考人(岩崎貞二君) 航空機の運航における安全確保策の現状及び具体的取組について御説明を申し上げます。
 昨年来、航空において安全上のトラブル、ミスが頻発したことを受け、私ども航空局としても航空事業者に対する監視、監督を強化し、再発防止に努めてきたところであります。
 日本航空グループにおきましては、貨物機の主脚部品の誤使用、千歳空港における管制指示違反等のトラブルが発生し、昨年三月に、事業改善命令を発出したところですが、その後も、客室ドアの非常用脱出装置が作動しない状況での運航、安全ロックピンの抜き忘れによる逆噴射装置の不作動、一定着陸回数ごとに点検することが義務付けられている主脚の検査期限超過及び期限超過判明後の点検作業の不適正といったヒューマンエラーに起因するトラブルが発生しております。
 航空局としては、抜き打ちを含む立入検査を継続するとともに、文書による厳重注意を行い、再発防止を指示してまいりました。
 日本航空グループから本年四月五日に提出された整備作業の確実な実施に関する再発防止策報告書においては、昨年の事業改善命令に対する再発防止策の柱である安全意識の徹底が現場の第一線にまで浸透、定着していなかったとの報告がございました。当該報告書においては、整備士に対する技術支援体制の強化、整備実施期限超過防止のためのコンピューターシステムの改善といった個別の再発防止策はもとより、役員と現場との直接対応の強化、組織長に対する定期安全教育の導入といった安全意識の浸透、定着のための対策について、新しい経営体制の下、しっかりと取り組むという内容が示されています。
 こうした対策を本当に着実に実施するよう、私の方からも直接、新町社長、本日出席の西松次期社長に対して厳しく指摘したところでございます。
 現在まで、昨年四月以来、延べ四十六回にわたり運航便や整備現場への抜き打ち検査を含む立入検査を実施し、日本航空からも五月十二日及び六月六日に実施状況の報告を受けております。今後も立入検査を継続的に実施するとともに、再発防止策の実施状況について毎月報告を受けることとしております。
 スカイマークエアラインズに関しては、本年三月、修理期限を超過して航空機を約九か月にわたって運航する等のトラブルが判明するとともに、整備士の出入りが激しいなど整備や安全管理の体制に懸念があることから、三月十七日より、航空局の職員七名を羽田空港事務所に常駐させ、同社の整備、運航の状況についての特別監査を実施しております。
 その結果、同社においては、安全運航確保のための管理体制におけるチェックが十分機能していない、整備士やパイロットなどの安全の確保にかかわる現場の声が必ずしも組織運営に反映していない、人員の出入りが頻繁にある状況において規程類の理解が不十分である、予備部品の管理が不適切等、整備を適切に実施する体制について幾つかの改善すべき事項を確認いたしました。
 このため、四月十七日に西久保社長に対し業務改善勧告を発出し、これに対し四月二十四日、同社から改善計画書が提出され、整備、運航の安全管理に従事する人員を今年度中に増員する、関係する全職員への再教育を実施する等、安全運航体制を確立するための改善策が盛り込まれました。
 今後も、当分の間、引き続き監査を継続し、改善計画の実施状況をしっかりと監視するとともに、改善計画の進捗状況について同社から定期的に報告させることとしております。これまで、同社からは五月八日及び六月九日に報告があり、特に、六月九日は西久保社長本人から航空局技術部長が直接改善状況の報告を受けたところでございます。今後も、引き続き着実に改善計画を実施していくよう強く指導してまいりたいと思っております。
 その他の航空会社におきましても、昨年の四月のエアーニッポン機の小松空港における管制指示違反、昨年六月の全日空機の高度計の誤指示に従った飛行等のトラブルが発生しており、これらの事案の都度、事業者に対して再発防止に関し厳重に指導を行ってきたところであります。
 また、こうしたことを踏まえ、航空会社の団体であります定期航空協会において、エアラインのトップが集まって安全対策の啓発、意見交換を行う場を設置するよう指導したところであり、以来、定期航空協会ではこれまで八回にわたり経営者トップが集まる安全委員会を開催したとの報告を受けております。
 次に、航空事業者に対する監査体制の拡充、法制度面の対応強化について御説明申し上げます。
 航空事業者に対する監査につきましては、現時点においてもトラブルの発生している航空会社を中心に監査を強化しているところでございますが、本年十月より、航空局に約二十名規模の監査専従部門を新設し、航空会社に対する国の監督体制の大幅な強化を図ってまいります。具体的には、各エアラインごとに担当チームを置くことにより、常時監視体制を構築し、立入検査の回数を段階的に増強いたします。また、監査の質を高めることを目的として監査マニュアルを整備するほか、航空会社の監査について多くのノウハウを有している米国連邦航空局が行う研修に職員を参加させる等、職員の能力向上にも取り組み、専門的かつ体系的な監査を行うこととしております。
 制度面におきましては、先ほど大臣御説明させていただきました、今般成立させていただいた改正航空法に基づきまして、法令の遵守、経営トップの安全に果たす役割等の事項を明確にした安全管理規程の作成、事業所内部における安全管理の取組について、統括的に管理する責任と権限を有する安全統括管理者の設置を航空会社に対し義務付けることとしております。
 また、国への報告、公表を新たに義務付けることとした重要な装備品や非常装置の不具合といったトラブル情報についても有効に活用し、安全基準の見直し等、予防的な安全対策の実施や情報の共有化による事業者の安全の取組を促すなど、航空の安全性の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、航空管制につきまして、昨年の四月に、羽田空港において管制ミスにより閉鎖滑走路に着陸させた事案、その後、八月以降において飛行計画の承認の授受が適切に行われていない等のトラブルが発生いたしましたが、その都度、必要な再発防止策を実施してまいりました。
 こうした個別ミスに対する再発防止策と併せ、より深く掘り下げて管制の安全体制を確立するため、昨年の十月に全国三十七の管制機関に対し業務監査を実施し、管制の現場でどのような問題が発生しているのか幅広く調査を行い、本年二月に管制業務監査報告書を取りまとめました。
 本報告書においては、飛行計画の承認の伝達業務の簡素化、飛行場支援機能の具体化、管制官の訓練体制の充実、パイロット等との交流の更なる充実、管制官の連携強化等の今後のヒューマンエラー防止の再発防止策を盛り込んだところでございます。航空局が行う空港管理や管制を始めとする航空保安業務の安全確保を図るため、航空局においても安全推進委員会を設置し、安全情報の把握、集約、分析、安全対策の企画立案、周知徹底を図るなど、安全管理体制の強化に取り組んでいるところでございます。
 今後、航空局としては、エアラインに対する指導監督の充実を図るとともに、航空局の行う管制等についても一層の安全性の向上を図るよう努めてまいりたいと考えております。
 委員の先生方の御指導を引き続きお願いし、報告とさせていただきます。
○委員長(羽田雄一郎君) 以上で政府からの報告の聴取は終わりました。
 次に、西松参考人から説明を聴取いたします。西松参考人。
○参考人(西松遙君) 日本航空の西松でございます。ひとつよろしくお願いをいたします。
 本日は、日本航空の安全活動全般について御説明をさせていただきます。
 昨年、当社は国土交通大臣より事業改善命令を受けましたが、さらにその後もトラブルが続き、お客様を始め社会の皆様に大変御迷惑、御心配をお掛けしましたことにつきまして誠に申し訳なく思っております。この一年、しっかりとした安全運航体制を確立すべく、事業改善命令でお約束した改善措置を中心にいたしまして幅広い対策を取ってまいりました。おかげさまで、皆様の御指導もあり、ここに来て徐々に成果が上がってきており、これからも着実に改善施策を実施してまいる所存でございます。
 さて、昨年いただいた事業改善命令に対する具体的な改善措置でございますけれども、まず緊急安全ミーティングを開催をしております。それから、安全啓発、教育の実施、法令、規程類遵守の再徹底、一斉安全総点検、安全にかかわる手順、マニュアルの見直し、安全組織の強化として、社長直属の安全補佐の設置、社長を本部長とする安全対策本部会の設置等を行っております。
 まず、緊急安全ミーティングでございますが、社長以下全役員が現場に赴きまして安全啓発を行うとともに、社長と直接話を交えるということによって経営と現場の双方向のコミュニケーションを図るものでございます。昨年度は、回数で申しますと約四百五十回開催をしております。
 ミーティングで上げられました提案につきましては、役員を交えて検討した上で、運航ダイヤの見直し、社内安全情報の共有化、トップと現場の直接対話の継続等、数多くの提案を会社の施策に反映をいたしているところでございます。安全ミーティングは現在も体裁、形式にとらわれることなく継続しており、経営と現場の距離感をなくす努力をしてまいりたいと思っております。
 それから、安全にかかわる手順、マニュアルの見直しでございますけれども、これにつきましては、現場にとって真に使いやすいマニュアルとなるよう調査、検討に半年以上の時間を掛けましたが、現場から約三千件の提案が上げられ、そのうち約七百件をマニュアルに反映しているところでございます。
 また、社長直属の安全補佐は、日々現場で発生しているトラブルを遅滞なく経営のトップに必要な説明を加えた上で報告をしておりますが、経営のトップが常に現場の生の情報を把握でき、必要な対策を早期に決定し得る体制としております。
 それから、社長を本部長とした安全対策本部会は、原則二週間に一回の割合で開催し、技術部門の役員だけではなく経営、営業の役員も出席して、現場で起きているトラブルに対して、情報の共有とともに、お客様の視点から幅広い検討を行っているところでございます。
 それから、誠に申し訳ないことでございますが、昨年暮れから今年の三月にかけてヒューマンエラーに起因するトラブルを幾つか発生させてしまい、国土交通省より厳重注意書をいただいております。これに対しましては、整備用の管理システムの改善、作業者間の確認行為、申し送り、疑問を持ったときの一言念押し確認等のいわゆる確認会話の普及、経営者層、管理者層、実務層に対してヒューマンファクターを含めた定期安全教育の実施等の対策を取っているところでございます。
 さらに、来年度より技術系総合職の採用拡大を図り、これは現在のといいますか、従来の十数名から三十数名に拡大するというものでございますけれども、この技術系総合職は、整備本部にて安全にかかわる技術的な知識、経験を習得させた後、他本部、企画部門等に配属させることでより全社的にバランスの取れた安全体制の構築、運営を図ることとしておるものでございます。
 以上の改善措置に加えまして、昨年八月より、柳田邦男先生を始めとする五名の外部有識者の方々に当社の実情をつぶさに見ていただき、それらを基にしてまとめられた貴重な提言書を昨年十二月末にいただきました。
 なお、五名の先生方には今後とも継続してアドバイザーをお願いしており、社外からより客観的な目で社内を見ていただき、適切な御意見、御提案をいただく予定にしておるところでございます。この提言書は、意識改革、組織改革、事故からの教訓、ヒューマンエラーから安全文化の構築等百数十ページに及ぶ大変有益かつ示唆に富んだものでございます。
 現在、当社は事業改善命令、厳重注意書に対する改善措置を着実に実行していくことに加え、この提言書を本中期経営計画の中核に位置付け、その具現化に向け鋭意取り組んでいるところでございます。一例としまして、本年四月一日付けで様々な部門の安全のプロスタッフより構成した安全推進本部を設置し、社内の各部門に対して適切なサポート、指示ができるよう組織強化を図っております。また、安全推進本部内にヒューマンエラーに関する事例を専門に調査、分析する安全調査研究グループを設置いたしました。このグループは、社内のヒューマンエラーに関する事例を調査、分析するだけでなく、外部の業種、これは鉄道、電力、医療等でございますが、こういった外部の業種とも連携して幅広い角度から分析を加え、ヒューマンエラーの防止に役立てるものでございます。
 さらに、四月下旬には、従来展示しておりました一二三便、御巣鷹山事故機の胴体後部圧力隔壁、飛行記録装置、操縦室音声記録装置に加えて、保存しておりました垂直尾翼、胴体後部、客室座席等の残存部品を展示した安全啓発センターを開設いたしております。ここには過去の事例の記録や他社の重立った事故の資料も展示しております。過去の事例を決して風化させることなく、その悲惨さを教訓として、社員自らが改めて安全運航の大切さ、重さをしっかり感じ取る場としていきたいと考えております。
 この安全啓発センターは、社員の安全啓発教育に使用することが主目的でございますが、時間の許す限り安全に関する関心のある外部の方にも公開して、安全啓発の場になればと考えております。五月末までに社内外合わせて約二千名が見学に訪れてきておりまして、安全運航の大切さを肌で感じておるところでございます。
 最後に、安全に関する投資でありますけれども、今後二〇一〇年までの間に、新整備システム構築に約二百七十億円、機体の改修、予備エンジンの購入費として約二百四十億円、整備施設の強化に約八十億円、シミュレーター強化、マニュアルの電子化等で約十億円と、合計六百億円の追加投資を計画しており、一層の安全対策強化を図ってまいる所存でございます。今年の春には、先ほども触れられておりましたけれども、航空法も改正され、名実ともに安全管理体制の充実が求められております。現在、JALグループでは、十月一日の施行に向けてJALグループ全体の安全管理体制の更なる充実を図っているところでございます。
 航空運送事業者にとって安全運航は絶対的命題であり、経営基盤そのものであります。安全確保なくして信頼回復なし、信頼回復なくして業績回復なしの気概を持って経営に当たってまいる所存でございます。今後とも、御指導、御鞭撻賜りますよう、お願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) 次に、西久保参考人にお願いいたします。西久保参考人。
○参考人(西久保愼一君) まず、先般、整備管理上のトラブルによりまして業務改善勧告を受け、皆様に御心配を掛けたことを深くおわび申し上げます。
 まず、三月十七日から特別監査を受けまして、当社も自ら安全自主点検を四月九日から十九日の昼間時間帯におきまして、ボーイング767全機を対象に機体外観点検、システム作動点検、エンジン点検を行いました。
 具体的には、地上からの機体目視点検だけではなく、高所作業車を利用した目視点検や耐空改善通報項目についての点検、エレベーター等のシステム作動点検、通常運航では現れないウオーニングシステムのチェック、特にエンジン点検につきましては、スラストリバーサーのコントロールシステム作動確認や、ボアスコープインスペクションというエンジンの中を内視鏡によって確認作業をいたしました。一機当たり外観点検、システム作動点検で一日、エンジン点検で更に一日、都合二日を掛けております。
 さきの業務改善勧告に対する是正措置といたしまして会社が最優先に取り組むべき事項を取りまとめ、四月二十四日、安全を最優先とした組織運営を行うため、安全管理体制の構築と整備等の適切な実施を行うために整備管理体制の改善を骨子とした改善計画書を国土交通省航空局岩崎局長に提出いたしました。改善項目は四十三項目ございますが、現在の時点で三十七項目を完了しております。
 主なところは、まず管理職の一部兼務を解除する、安全推進委員会に現場経験者を参画させる、技術文書管理システムの導入及び訓練を技術部全員に実施する、整備情報システム、TRAXの不具合発生時の復旧手順書作成、復旧体制を整える、部品庫の整理及び人員体制を整える、乗務割り管理担当者の再教育をする、QCインフォメーションを発行し、不適切な整備作業の事例について整備本部内に周知する、以上を完了しております。
 次に、整備及び運航の人員の状況でありますが、現在、確認整備士は四十二人の体制で運航しております。四月四十二名の状態で、六月には四十三名になる予定でございます。整備の一般作業職が三十五名から三十九名、その他整備関連スタッフは四十三名から五十三名と整備部の人員は四月百二十名から六月百三十五名に増員しております。乗員につきましては、現在キャプテンが四十名、副操縦士が三十八名となっております。さらに、十九名の訓練要員を抱えておりまして、現在訓練中でございます。
 外国人機長とのコミュニケーションですが、当社では安全啓蒙のための社報セーフスカイを年三回発行しております。これを従来、日本語だけで発行していましたものを、外人キャプテンとのコミュニケーションを図るために今回から英訳して発行しております。それ以外にも、外人機長とのコミュニケーションを改善するために、安全運航に寄与させるためにも、羽田の運航部門にスケジューラーと庶務担当者を配置し、また本社で行われる毎朝のミーティング及び本部長会議の報告についても必要事項を英訳し、掲示しております。
 今後の安全管理体制の確立ですが、当社は創業期に運航に重点を置く余り、組織としての基本的な部分の充実が後回しになっており、労働環境の整備がなされておりませんでした。また、組織としての機能も十分でなく、個人に判断、責任をゆだねる状況が続いた結果、個々の判断によって業務の内容を解釈し、誤った判断を生む状況になっておりました。組織の機能充実があってこそ安全管理体制が築けるという考えの下に、昨年までに就業規程、賃金規程、評価制度を制定し、それと職位と権限の確立、社員研修、管理職研修などを並行して進めております。
 業務改善勧告で指摘された中に管理職の兼務体制がありましたが、これらを解消するため、二〇〇六年四月二十四日に十一名の内部昇格及び新規配置を行い、当該管理職を配置することで業務にかかわるチェック機能の向上を図りました。さらに、兼務体制等の改善に加え、二十九名の増員を図っております。現在、二十九名中八名を配置し、引き続き増員中でございます。
 加えて、増員後の人員数が現在の運航規模に対し適切であるかを今月末に検証を完了し、その結果を踏まえた上で新たな人員配置を検討をいたします。また、安全推進委員会の委員に現場の実情を反映すべく、パイロット等の現場業務経験者を加えることという御指摘がございましたが、これについては、既に四月二十六日開催の安全推進委員会にて安全推進委員会規約の改定を決議し、即日、運航乗務員、整備士、運航管理者、客室乗務員、旅客業務担当者、ランプ業務担当者の代表を委員として参画させ、委員数は七名から十三名に増員しております。五月二十四日には新体制で二回目の委員会を開催し、従来に比べ多少なりとも現場に即した話合いができるようになりました。
 また、今般の業務改善勧告につきましては、勧告を受けた旨を四月十九日に社内ネットワークにて私からのメッセージとして全社に周知しております。さらに、四月二十一日に、安全推進委員長として社員へセーフティーインフォメーションの周知を図り、全社を挙げて安全性の確保に取り組む姿勢を明示しております。
 以上、報告でございます。
○委員長(羽田雄一郎君) 次に、大前参考人にお願いいたします。大前参考人。
○参考人(大前傑君) 航空機の運航における安全確保という観点から御報告申し上げます。
 私は全日空の大前でございます。現在、全日空の運航、整備、客室、空港というオペレーション部門を統括すると同時に、安全にかかわる最高機関でございます総合安全推進委員会の委員長を務めております。
 昨年、公共交通機関の事故やインシデントが続いたことにより、輸送の安全確保を図るために大変重要な航空法の改正が今国会で行われました。空の安全を担う航空運送事業者の一員として、本改正法の趣旨を厳粛に受け止め、身を引き締めて十月の施行に向けて万端の準備を進めているところでございます。
 本日は、航空機の運航における安全の確保につきまして、弊社の考え方を御説明させていただきます。
 ANAグループの安全についての基本的考え方は、グループで定めておりますグループ安全理念の冒頭にも記されておりますが、「安全は経営の基盤であり、社会への責務である」という言葉に凝縮されております。この言葉は、安全がすべてに優先することをグループの全社員が共有することの決意を示したものでございます。
 グループの安全理念の下に、安全確保をより具体的に実施していくための規程として安全マニュアルを五年前に制定いたしまして、今般の法改正の作成が義務付けられました安全管理規程を盛り込む安全マネジメントシステムの考え方を先んじて取り入れるとともに、実際に各生産部門がこれらをしっかり運用しているかどうか内部監査を実施して点検し、改善すべき点を是正していく仕組みにしております。
 また、安全を推進していく体制といたしまして、各生産部門から独立いたしました総合安全推進委員会やグループの総合安全推進室を設置しまして、安全にかかわる方針決定や各部門の取組に対する助言、勧告、国内外の事故の事例等の紹介、安全啓発誌の発行など安全推進活動を行っております。
 また、安全にかかわる不具合の多くはヒューマンエラーがかかわっていることから、約二十年前から運航乗務員を皮切りに、現在では整備、客室、空港といったすべてのオペレーションにかかわる部門を対象にいたしましてヒューマンファクターズ訓練を実施しております。
 さらに、安全に関する機材面の強化についても取り組んでまいりました。例えば、昨年の十一月に導入いたしました新型のボーイング737型機には、国内の民間航空では初めてのヘッドアップディスプレーという装置を装備しております。これは、飛行計器に表示される姿勢や針路などの情報をコックピットの窓に備え付けられた透明な表示板パネルに投影するもので、飛行中にパイロットが外界から視線を外すことなく、事故防止に大きく寄与するものと期待しております。このような新しい装置やボーイング787といった技術革新の進んだ新しい機材の積極的な導入を通じてハード面での安全強化を進めてまいりたいと思っております。
 こうした安全に関する仕組みや取組を実効あるものにし、お客様に心から御満足いただけるような安全や安心を提供し続けていくために、グループ全社員の安全に対する意識をより一層高めていく努力を継続していかなければならないと考えております。
 これには、社員一人一人が安全に関する約束事を守る、決められたことを守ることが何よりも大切であるという意識を徹底して共有し、自然に守れるようになる、守らなければ恥ずかしいという風土をつくることだと思っております。万が一、社員が約束を守れなかった場合でも、正直に報告できる風通しの良い職場をつくっていかなければならないというふうに考えております。
 このため、経営トップと現場の従業員とのコミュニケーションを精力的に行っております。弊社では、社長、副社長及び関係各本部長との間ですべての運航情報を共有し、不具合事象に対する早期対策、改善報告を行うことを目的にしまして、OR会と称した会合を毎週火曜日の早朝、羽田空港で開催しております。OR会と申しますのはオペレーションレポートということを略した会議体でございます。また、ダイレクトトークや安全トップキャラバンと称して、社長を始めとする経営幹部が自ら現場に出掛け、従業員と直接対話することも行っております。このようなコミュニケーションの機会を持つことで個々の意識も高まっていくものと思っております。
 また、安全に対する意識を高めるために、事故資料の展示施設を今年度内をめどに設置することを検討しております。
 一九七一年七月三十日でございます、雫石で起きた事故から三十五年近くたちます。当時を知らない社員がほとんどでございます。こうした世代へ事故の記憶を引き継いでいくこと、安全に対する決意を新たにする機会を増やすように努力していくことであります。教育や研修にもこういった展示施設を活用し、事故の怖さ、悲惨さを伝えることで、絶対に間違いを起こしてはいけないという緊張感を持てる環境づくりをしていきたいというふうに考えております。
 また、今回の法改正を踏まえまして、安全性の一層の向上につなげていくためにも、特に次の点に重点を置いております。
 まず、安全マネジメントシステムの改定を今年度の重要課題としております。安全マニュアルの制定から五年、二〇〇一年八月に制定いたしまして五年近く経過いたしましたので、制定当時の安全マネジメントシステムと今般の法改正で求められる安全管理体制、欧米の現況を総合的に勘案して、改善すべき点、補強すべき点がないか、今点検を進めているところでございます。
 次に、安全情報の報告につきまして、事故、インシデントを未然に防ぐという観点から、パイロットや整備士など現場の従業員からの報告が不可欠であるというふうに理解しております。ANAとしても、この航空法の改正を機会に社内の安全報告制度をより充実すべく検討しているところでございます。
 安全情報の報告で最も重要なことは、集まった情報をしっかり分析、評価して、いかに効果のある予防対策を行っていけるかどうかでございまして、集められた情報を有効に活用し、空の安全に寄与するような仕組みが必要であると考えております。今回、改正されました新たな航空法の下に、ANAグループといたしましてもより有効な安全管理体制を構築し、全グループ社員が安全運航に対する意識を一層高めてまいりたいと考えております。そのためには全社員が責任と誇りを持って自らの仕事に取り組める企業風土をつくることこそが最大の安全対策ではないかと考えております。
 航空輸送サービスの利用者である国民の皆様方の信頼を得られるような航空輸送の更なる安全の確保に向けて、グループ全社員が一丸となって取り組んでまいります。
 これにて私の御説明、御報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) 以上で参考人からの説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日は、理事会の合意により、まず大会派順に各会派一人一巡の質疑を行います。その後、あらかじめ質疑者を定めず、三十分程度自由に質疑を行うことといたします。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○田村公平君 本来であれば、参考人の外部の皆さん御苦労さんなんて言わなきゃなんないかと思いますが、そんな気は全然ありません。
 そもそも、この国土交通委員会に当時の新町社長あるいはその関係する全日空の社長、二名お呼びしたときに、私どもの理事会では、特定の航空会社を呼んで、社長を呼んで糾弾したり、そういうことをするのは目的ではない、国会というところは犯人を見付けてみたりとかそういうところではないということで、定期航空協会のあくまで会長であり、理事という役員という形でこちらに御足労願い、真剣な討議がなされたことは委員諸君は御案内のとおりであります。にもかかわらず、本日このような形で、今度は航空三社、参考人として質疑を行うことは実にざんきに堪えない、情けない。今あった説明を聞いても、何をもっての安全対策か皆目理解できません。
 航空局長にお尋ねいたします。
 あなたの長い経験において、このような、表現はインシデントだ何だと訳の分からぬことを言うけども、人が死ぬかもしれないようなことにつながるようなこの航空機の安全対策について、抜き打ちで検査を行ったり、二か月に一回、三か月に一回行ってみたり、あるいは大変多忙な大臣が現場に査察というんでしょうか、そういうことが今までにありましたか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 私の承知している範囲では、今までそういうことはございませんでした。
○田村公平君 今までにない。
 かつて、昭和四十年代、全日空のボーイング727が北海道の雪祭りか何かのお客さんを一杯積んで羽田に墜落して、なかなか機体が見付からない。東京湾は狭いかなと思うと大変広い。まだまだそういう意味での航空機を飛ばす技術、それをバックアップする体制、未分な時代でありました。これだけテクノロジー進歩し、あるいはその前に松山空港でYS11がおっこちました。私の知り合いも死にました。今の若い人というか、その当時私学生でしたけども、よく分かってないかもしれないけども、それから雫石の話も出ましたし、御巣鷹山の件もありました。これは自衛隊機と、雫石の場合は、衝突した。大きな事故は起きてない。発展途上国で、中古の飛行機を使っていてバックアップ体制も管制も悪くて機材も古い。そういうことによって、アンデスの山におっこちたり、あるいはインドネシアでシルクエアーがおっこちたり、シルクエアーはいい飛行機会社ですけどね。だけど、あってはならないことの体制をつくっていくためには、余りにも事故が多過ぎる。
 これちょっと、日本航空の岸田さん、あなたこういうことについて日本航空の生え抜きだけど、どう思います。岸田さん、答えて。
○参考人(岸田清君) 岸田でございます。
 先生のおっしゃるとおり、私の経験、私自身も現場で三十五年ほどやってまいりまして、今こうやっておりますが、その中で、弊社といたしましても幾つかの事故を経験しております。その上で、この一年間のトラブルに関しましては、先生のおっしゃるとおり、どこかに問題があることは事実ですし、また航空会社の使命であります安全のためにも、地道な努力は、原因究明、それから対策に関してはやっていく所存でございます。
 ただ、現実的にこうやって一年間起きていることに関しましては、非常に航空会社として反省しているところでございます。
○田村公平君 これは参議院の調査室が作ってくれた資料ですけども、読売新聞の報道によれば、こんな時期に人事権争いだ、社長の首取るだとか、そんな内紛を起こしておるというのは、こっちにも出ています、それはもう皆さん、みんなお読みになって分かっている。一体何考えている航空会社なの。JASと一緒になったはいいよ、それは経営の勝手ですから。組合は九つあるって、まず一番大事なのはお客さんじゃないですか。
 次期社長になる人、だれだって言ったっけ、西松参考人、あなたは航空会社にずっといてさ、そんなことどう思う。
○参考人(西松遙君) いわゆる経営のごたごたと言われておりますが、非常に誠に申し訳ないことだというふうに思っています。
 いずれにせよ、安全性の確保というのが航空会社の原点であります。そういったときにごたごたしていてはいかぬと、こういうふうにはもちろん思うわけでありまして、そういった意味では、現状、いわゆる経営の紛争といいますか、ごたごたと言われておりますけれども、現時点におきましては、いわゆるアドミニストレーションについては一枚岩で対応しているつもりでございます。現状もそういう状況になっております。
 そういうことで、今後とも全社一丸となっていかなければ、安全対策、それから業績回復できないわけでありますので、そういった方向で経営をしていきたいと、こんなふうに思っております。
○田村公平君 じゃ、今こんな問題が起きる前に、JASと合併する前に、私がJALに乗っておって、デッドヘッドという休みの人が飛行機に乗ってきて、私服で、ごろごろ車ってあるでしょう、スチュワーデスさんが持っている、客室乗務員、あれは通路に置いちゃいけないと。彼女たちは平気でどんと座席の間に置いて、おれはちゃんと、そんなのおかしいじゃないかと言うと、私は何も悪いことしてないんですよ、ただ非常口の前に座っていたことは事実、荷物を持っていたことも事実、しかしそれは棚の上に上げてある。にもかかわらず週刊誌に、その事実を知っているのは客室乗務員だけですよ。何で週刊誌にそのことをばんばんばんばん売ってだね、チクってるわけよ、まあチクり。おれ取材を受けて、身に覚えのないことで、だからニュースにもフォーカスにもフライデーにも週刊ポストにも週刊現代にも出なかったけど、そういう体質がある。
 かつて日本に翼を取り戻し、昭和二十七年ですか、社員五、六百人でスタートし、世界一周便を持つ、〇〇一便というのを飛ばしておったのが、それをピークにして衰退の一歩。これはどういうことだと思いますか、会社の体質として。岸田さん、ちょっと答えてくださいよ。
○参考人(岸田清君) 先生のおっしゃったような形で、当然のことながら、先生のみならず、お客様に対して不快な思いをさせるようなサービスということは、我々もそこら辺は指導しておりません。また、先生の最初にお話にありました、デッドヘッドと呼ばれている乗員のいわゆる乗務外で移動手段として機内、これに関しましても、手荷物、乗務員に関しましては当然お客様の範たるということで指導をいたしておりますので、現状でそのようなことは私どもは決してないと思いますが、もしそういう報告がありましたら、それは指導をさせていただきたいと思います。
 また、体質に関しましても、当然航空会社、特に弊社に関しましても、当然航空会社の一つとして、安全運航、それからお客様に対するということでは、安全で安心、それから快適で、さらには確実であるという運航を目指しているところでございますので、先生のおっしゃるようなところはもしみじんでもございましたら、今後のいわゆる糧といたしまして、体質の改善と、さらに国民の足となるような航空会社を目指していきたいとは思っております。
 以上です。
○田村公平君 何でこんなこと、私、こんな言い方あんまりしたくなかった。しかし、私、証拠書類見たわけじゃないからあれですが、うわさによれば国会議員のリストというのがあってね、百人ぐらいあるそうです、あの国会議員はうるせえと、与野党問わずですよ、要注意と、そういうのがあるというのをおれ聞いてんだよ。あのね、そんなね、国会議員だけおっことそうって。選挙ではおっこちますよ、こっちは。しかしね、飛行機ごとおっことされたらかなわぬです、ほかのお客さんが。
 だから、冗談にもならない、そういうことじゃなくして、国会議員のブラックリストを作ってみたり、そんな暇があったら、もっと労使が一体となって、今度は、いいですか、万が一でも飛行機おっことしたら会社つぶれますよ。そういうことにならぬように、もっとしっかりしてほしいということで申し上げているわけであります。
 ついでにと言っちゃあれですが、実は航空局からもらった資料で、私どもの高知にも飛んでもらっております、ボンバルディア社というカナダの聞いたことのないような飛行機会社の飛行機があります。これは売り込みのときは、すごい静粛性に高く、経済燃費が良くて、なおかつジェット機並みのスピードで、非常にいい、環境に優しい、すばらしいターボプロップのプロペラの飛行機である。
 ところが、去年一年間だけで十六件、ボンバルディアというのがインシデントというので運航ができなくなったと。大体、脚が、ノーズ、前脚含めて、後ろ脚というのは主脚というんです、脚が下りなかったり上がらなかったり収納できないとか、それが大体十五、六件あったのかな。で、それ去年が十六件、今年もこの四月までで十六件。これが、何でそんなぼろ飛行機を、聞いたことのないようなボンバルディア社というところから、全日空、だれか政治家でも圧力掛けたんですか。昔、ロッキードでそんな話あったけど、トライスターか。おれらも聞いたことない、サーブだとかフォッカーだとか、そういうヨーロッパ系のは聞いたことあるけど、聞いたことがないと言っちゃ怒られるかもしれぬけれども、全日空さん、何でそんなぼろ飛行機を、全日空がお金出して買ったわけでしょう。
 あなた方、買う方ですよね、お客さん。我々乗る方がエンドユーザーのお客さん。で、売ってもうかるのはボンバルディア社ということになる。どういう因果関係で、どういう形でそんなぼろ飛行機、新品だけど、同じパターンのトラブル、車体番号という、ほら、車体番号というのか知らぬ、機材番号だ、JA843Aとかね、主脚というか、脚がやられるのはいつも841Aと、まあこれ全部混合して起きている。基本的な設計ミスじゃなかろうかと思う。
 まあ、車だって、それは車はいいよ、具合が悪くなりゃ道路の脇へ止めて直せるけど、飛行機ばかりは、空の上へ上がってからちょっと具合が悪いから直しますというわけにいかぬでしょうが。どういうことで選考基準を持ち、どうしてそういうものを入れて、で、航空局は一体どういう対応しているかというのは後で聞きますから。
○参考人(大前傑君) お答えいたします。
 まず、今先生から御指摘ありました飛行機は、ボンバルディア製のダッシュ8の400という機体でございます。これは、二〇〇〇年の二月に世界で初めて就航いたしまして、当社でも二〇〇三年の十一月に導入いたしまして、現在十一機保有しております。
 就航いたしましてから二年半強過ぎておりまして、この間、先生のおっしゃられるようにイレギュラー運航、それから遅発だとか欠航ということで、お客様並びに飛行機が飛んでおります地域の住民の皆様方に大変御心配と御不安を掛けていますことに関しては、改めてこの場をかりて心からおわび申し上げたいと思います。
 ボンバルディア社のちょっと御紹介をさせていただきますと、ボンバルディア社というのはカナダにある会社でございまして、創業六十年近くたっている会社でございまして、最近になりまして航空機の方の市場が非常に大きくなったということで、製造をかなり積極的にやっているということで、エアバス社だとかボーイング社と比べまして売上げで三分の一、民間でございますが、そのぐらいの規模、従業員でも半分ぐらいの規模の従業員を持っている規模の会社でございます。Q400そのものは世界じゅうで百機以上使われていまして、近距離のネットワークを張るという意味において性能的にはかなり優れているというふうに我々考えております。
 ただ、残念ながら機材の信頼性という意味で、先生の御指摘のとおり、なかなか思うような結果が出ないということで、現在日本にも全日空が十一機、他社でも八機所有しておりますけれども、何としてでもこのすばらしい性能に対して不具合を一刻も早く回復して、本当にお客様から信頼いただけるような航空機にしていきたいということで取り組んでおります。
 そのためには、まず発生する不具合をいかに減らすかということでございます。
 それから、もう一点目は、残念にして不具合が発生したときにいかに早く修復して、お客様にいかに御迷惑を少なくするかという観点で体制を充実するかというこの二点に懸かってきます。
 そのために、後者の部分ですけど、不具合が発生したときどうするかということに関しては、予備機を十分に用意するだとか、それから部品をそろえるだとか、整備体制の充実ということにおいてはかなり積極的に進めてまいったつもりでございます。
 ただ、不具合そのものを発生させない、減らすということに関しては、エアラインだけではなかなか独自に進められません。そういう意味では、航空機メーカーとともにその不具合を認識し、どうしたら改善できるかということをともに考えて直していくことが最善でございまして、これはボンバル社に限らず、エアバス社でもボーイング社でもやっている手法でございまして、我々はワーキングツゲザーという手法を用いまして、ともにこの不具合を認識し、共通の認識の下に改善していく取組をしております。
 そういう意味では、かなりその効果が出ているという認識しておりますけれども、これで十分ということはありません。更に全力を挙げて頑張ってまいりたいと、で、お客様の信頼を得るようにしてまいりたいというふうに考えております。
○田村公平君 じゃね、そんなこと言うならおれ聞くけどね、平成十八年の一月十四日、ANAの一八一三便、機体番号JA850A、同じく一月二十二日、ANA一六三三便、機体番号JA850A、さきの便は中部国際空港から新潟空港、その後の便は大阪国際空港から松山空港行き、前脚ステアリングが不作動となり、牽引車により駐機場へ移動するまでの間滑走路が閉鎖された。これが一八一三便であります。同じ機体の、新潟空港に行く予定の、新潟空港に着陸後何が起きたかというと、また脚が収納できない、離陸直後、脚上げようと思ったら脚上がらない。同じパターンじゃない。じゃ、この十日間、十日間弱一週間の間の、この機体、どういう整備したか。
 じゃ、もっと言おうか。もう一々言ったら時間なくなっちゃうから言いたくないけどね。JA843Aという機体番号でANAの一六一四便、これ三月一日、平成十七年の、同じく三月一日、ANA一六二〇便、これ機体番号JA843のA、高知空港から大阪空港に行く。同じですよ、事由が、客室の油圧系統が不具合、二便とも。同じ日に直してないところで飛んでいるということと同じじゃないですか。
 そういうすばらしい飛行機会社だとか言わないでよ。そんなこと言われると、これ全部言わなきゃならなくなる。理事会に頼んであと一時間ぐらいもらわなきゃならなくなる。そういう言い方しない方がいいですよ。もっと、間違った飛行機の選択したって言ったっていいんですよ。そんなあんた、人をごまかすようなことを言っちゃ駄目。こっちには資料あるんだから。
 私がこんなことを言っているのは、目の前でしょっちゅう止まっているのを見てるのよ、不具合で。お客さん降りてきて電話しまくっているよ。大阪のお得意さんに間に合わない。現実問題、この時期にいろんな総会がある、地元でも。公平さんよと、私、田村公平というんだけど、あのボンバルディア社、何とかしてくれよと、高速バスで大阪に行かんといかぬ、JRで行かんといかぬ、仕事が読みができない。
 いつから、JALが世界一になるって頑張ってきて、〇〇一便造った途端に落ち込み始めた。全日空さんは、JALを追い越すぞといって物すごい気合い入れてワシントン線からロサンゼルス線へ入れ始めた。世界第四位とかなんとか言われることもあった。どうもそのころから態度が悪くなったというか、おごりが出たのか、こういう形を僕は感じてしようがないんですよ、今。
 もっとよく、国会出てきて参考人で答弁するんなら、もう少しきちっとしたことをよく把握した上で答弁してくださいよ。まあ、参考人さんだからね、私余り航空会社のこと言ったら、JALにも乗れなくなってANAにも乗れなくなったら、今度の金曜日また帰るとき意地悪されちゃ困るから、もう言いませんけどね、それ以上言うと。困ったもんですよ、それしか選択肢がないんだから。
 本当に、だからね、連帯責任よ、死ぬときはみんな一緒なんだから、パイロットもコーパイも客乗もお客さんも。飛行機ってそういうもんじゃないですか。落ちて死ぬとき、まず全員死ぬんだから。会社も死んじゃうよ。社長だ何だって派閥争いやっている暇はないよ、JALさんも、会社死んでしもうたら。
 そこで、航空局にお尋ねしますけれども、世界的に珍しく、カナダ航空局と我が日本の航空局がボンバルディア社の問題についてトロントまで行って、航空局対航空局、全日空対製造メーカーのボンバルディア社といろいろ協議を行ったと、四月の何日かですかね、四月二十五日、トロントにおいて、そういうことを聞いておりますが、ちょっとあと五分、詳細になおかつ丁寧に五分以内でお答えをいただきたい。
○政府参考人(岩崎貞二君) このボンバルディアのQ400が本当に多様なトラブルで運航に支障を生ずる例が非常に多いということについて私どもも心配をしております。
 私ども、この飛行機、先生御案内のとおり、JALグループ、ANAグループ両方使っておりますので、それぞれの会社からお話を聞き、それからそれぞれのトラブル、お互いにトラブルの内容を意見交換をしてもらって、情報公開してもらって、どっちかに起こったトラブルも教訓にどっちかのエアラインの方もちゃんと守ってもらうと、こんなこともやっておるわけでございますが、どちらかというと、その運航上、運航に起因するトラブルというよりも、製造の品質管理の問題でありますとか設計に起因する問題でありますとか、こういう疑いの多いトラブルが多うございます。
 このために、私どもは余り会ったことはないんですけれども、この会社、カナダでございますので、四月の二十五日に私どもの航空局の担当官をカナダに派遣をいたしまして、カナダ政府に対しても、ボンバルディアのQ400について日本でこういうトラブルが起こっていると、この辺のトラブルについては、繰り返しになりますけれども、製造の品質管理の問題あるいは設計上の問題が多いのではないかと、こういう指摘をいたしまして、何といっても航空機の安全を監督するのは基本的に世界的にそれぞれの当該国政府が監督するということになっておりますので是非きっちりやってくれと、こういうことで申し入れたところでございます。カナダ政府の方も真剣に受け止めてくれておりまして、我が国のこのような要請を理解してきております。
 今後とも、カナダの航空当局と連携を取りながら、ボンバルディアに対してそうしたトラブルが起こらないようなちゃんとした機体にするように是非しっかり監視をしてまいりたいと、このように思っているところでございます。
○田村公平君 私、いろいろ申し上げましたけど、今、日本の航空業界、非常に心配なんです。シンガポールのSQは五年以上の機材を持っておりません。中国は新鋭機をぼんぼん買って、空の世界はいまだにアメリカに占領されているような状況で、航空協定一つ取っても日本は弱腰。中国にも弱腰。そういう中で中国がぼんぼん追い上げてきて、このアジアの空を、主導権とは言いませんよ、共存共栄せぬといかぬけれども、日本人が乗れない航空会社ばっかりになってきたらどうするんですか。
 何とか条約があって、ホフマン方式でもない、一番安いのをやっているのは、台湾で有名な作家が亡くなったときもえらい目に遭いましたよ。上海の列車事故で昭和六十三年に私どもの学芸高校の子供が亡くなっても、補償金は二百万円も出ない。そういうところはしかし競争力を持ってくる。国際社会の中で、アジアの中で、JALであろうとANAであろうと、やっぱり足腰強くしてもらって、信頼に足り得る、それには国土交通大臣も財政的な面を含めて、飛行機高いですから、低金利のローンももうちょっと組んであげるとか、そういう意味での航空行政について、大臣、ひとつ所信というよりもそういう思いを言っていただいて終わりにしたいと思います。一分で結構。
○国務大臣(北側一雄君) 今おっしゃっていただきまして、航空機は非常に高いですし、また最近の原油の高騰で本当に航空会社は大変厳しい経営環境下にあるというふうに認識をしております。
 これまでも政投銀等々を通じまして支援をしてきたわけでございますが、今後とも、やはり我が国の公共交通の非常に大事な機関でありまして、そういう公益性、公共性ということをよく考えて、しっかりとした支援ができるように取組をさしていただきたいと考えております。
○田村公平君 ありがとうございました。終わります。
○大江康弘君 民主党・新緑風会の大江でございます。
 今日は参考人の皆さんにもお越しをいただきました。田村先生から今大変厳しい御指摘があったんですけれども、山本七平さんではありませんが、今日来られた参考人の皆さん、この委員会の空気というもの、この今の空気の重さというものをひとつどうか感じ取っていただいて、今日ここに参考人として来たということを私は重く受け止めていただきたいと思います。
 それぞれ質問をさしていただきたいと思いますけれども、最初にJALに対して数点お伺いしますけれども、今日は限られた時間ですから、できるだけ簡単明瞭にひとつお答えをいただきたいと思います。
 今もありましたが、この一連の不祥事、そして西松参考人は内紛、そういうもめ事ではないというふうに言われましたけれども、マスコミにあの時期に面白おかしく伝えられるような、やはりそういうことをしたということはこれはまた事実であったと思います。
 私は、JALが抱える問題というのは、やっぱり一企業の経営問題ということで私はとらえてはいかぬのじゃないかな、そんなふうに思う一人であります。一企業の経営問題だからこれ勝手にどうぞなんて、こんなことの言えるような、そういう立場のそれぞれ今日来ていただいた皆さんは会社ではないわけであります。公共の航空輸送事業という本当に大事な部門を扱っておられる、担っておられる会社の今日まで一番トップ、先頭に走ってきたJALの責任者として、今どういう思いであるかということをちょっと、参考人、聞かしてください。
○参考人(西松遙君) 先生の御指摘のとおり、この一連の不祥事と言われている件につきましては大変に申し訳なく思っていますし、またこういったことが外に出る、マスコミに取り上げられるということ自体に非常に世の中の皆様の、何といいますか、信頼を損なったということで大変申し訳なく思っているところでございます。
 今日の会議が、この会議であるとおりでありますが、安全運航体制をどのように確立していくかということが一番航空会社の大命題でございまして、それがなくなれば、先ほどの田村先生の御指摘のとおり、我々もなくなってしまうわけでありますので、安全運航を第一にしてこれからもやっていきたいと思っていますが、それをやるには経営そのものが一枚岩になって対応していかないと、これは事務系も、ここにおります技術系の岸田も含めて、一丸となってやっていかなければ安全運航体制というのは確立できないわけでありますので、そういった方向に向けて今後やっていきたいというふうに思っております。
 それから、今までの当社の歴史を振り返ってどう思うかという御指摘でございますけれども、我々、こういった業種でございます。ビジネスをやっていく、路線を展開していくということになると、必然的にこれが公共性につながってくるわけであります。そういった意味で、我々も、口幅ったいんですけれども、戦後の民間航空の発展に少しでも寄与できたのかなというふうに自負はもちろんあるわけであります。それから、自分たちだけでやってきたわけではなくて、お客様に御愛顧賜ってここまで来たという意味では皆様に育てていただいたというふうに思っているところでありますが、残念なことに今、現状こういう状況にございます。
 我々、経営陣一丸となって、初心に戻って、初心忘れるべからずの精神で、基本に忠実に地道に一便一便安全運航を堅持しながら皆様の信頼を回復していきたいと、こんなふうに現在思っているところでございます。
○大江康弘君 いろんなことが言われておりますけれども、私は、やはりJJ統合と言われておりますあのJASとの統合というのは本当に良かったのかなと、後でまたこれは聞きますけれども、やはりそうせざるを得ないように追い込まれていったというようなこともあったんではないか。
 それは、やはり国が過度に監督官庁として介入をしてくるという今の航空業界を支える国の姿勢、そして非常に厳しい規制、そういう中で企業としてもやっぱり伸ばしていかなければいけないというこのはざまにあって、私は今、西松参考人、本当にあの統合というのは正しかったのか。今年、平成十五年度で見れば、JALグループは六百五十億円の赤字を出しておると言われておる。これは単に事故とかいろんなことがあって、その利用客が逃げるということではなくていろんな無理があったんではないか。どう思いますか、あの合併は。
○参考人(西松遙君) 私は旧日本航空の方の出身でございますので、そういった立場でちょっとお話をさせていただくことになりますが、旧日本航空で見ますと国際線が主体でありまして、国内線の日本におけるシェアというのが二十数%であったわけであります。
 海外の、あるいは歴史的に見ますと、国際線のみやってきたエアラインで見ますと、例えばパンアメリカンなんていうのあるわけですが、アメリカでいきますと、これはもう既に市場から撤退しております。それから、ヨーロッパを見ても国土が小さいところ、例えばスイスですとかベルギーの航空会社につきましては、やはり国内線の基盤がないものですから、現状、市場から撤退していると、こういう状態にあります。
 何を申し上げたいかといいますと、国際線のビジネスというのは極めて変動要因が多いわけであります。例えばで言いますと、二〇〇一年のセプテンバーイレブンが起こると手前どもの収入ベースで国際線で一千億以上の収入減になります。それから、その後二〇〇三年にSARSというのが起こりましたけれども、これもやはり一千億強のインパクトがあるわけであります。
 それから、現状の油の高騰でありますが、これも国内線より圧倒的に国際線の方が油使いますから、したがっていろんな意味で国際線というのはビジネスが非常に変動要因が多い、リスクの大きいビジネスになっているというのが現状であります、残念なことにこれが実態であります。一方、国内線の方は極めて安定的に推移します。セプテンバーイレブンが起こった後もそんな需要落ちませんし、あるいはSARSが起こった後もそんな需要が落ちないわけであります。
 そういった意味で、旧日本航空からすると国内線の基盤を充実するということがこれから先の経営基盤を安定することにつながると、こういう問題意識の下にJASとの統合に踏み切ったわけであります。したがいまして、これ仮にないとすると、旧日本航空のままでどんな経営ができていたかということを考えると、かなり厳しいものがあるんではないかと、こんなふうに思っているのが現状でございます。
○大江康弘君 そこでもう一点、ちょっとこの統合のことについて聞きたいんですけれども。
 今いろんな世界情勢の変化の中で頑張ってやってきたと、それは統合の一つの成果だということを言われたように思うんですけれども。価格が同じならば、市場シェアは便数の比率以上に便数の多い事業者に有利に働くというこの経験則というものが航空業界にあると言われておるんですけれども、いわゆるJJの統合前の羽田の発着枠はANAが四三%、JALが二三%、JASが三〇%、そしてその他が四%であって、やはり今国の、後で私は国にも聞きますけれども、この羽田という正に黄金の空港に飛行機は乗り入れたい、飛ばしたいというこの中で、国が規制しているんですね、これ。国が規制しているんです、この発着枠を。自由でも何でもないんです。後で私は局長や大臣にも聞きますけれども。
 やはりANAにこれだけの二〇%もJALは空けられておったという当時の厳しい状況の中で、やはりJASの三〇%というのは非常に魅力なんですね。これで合併すればひっくり返る、一番になる、国内でという。私はやっぱりそういう一つの、先ほど申し上げましたけれども、追い込められて追い込められていった、やっぱり一つの、国内輸送をどうしていくかという。私はある意味百歩譲ってJALの立場になれば、まあ仕方がない、何とかしなきゃいかないという、このせっぱ詰まった思いもあったのではないか。それは分かりません、これ。いろんなまた、JASが当時JRが買収をするんだとか外資企業が買収をするんだとかという、そういう当時いろんなことが耳にも入ってまいりました。しかし結果、JALとJASとがJJ統合をしたという。
 私は、やっぱりそういうことを考えたときに、あのときにもう一点、参考人はJALにおられたと言いますけれども、一番合併のときに考えたプライオリティーというのは何だったんですか。
○参考人(西松遙君) 先ほども申し上げましたとおり、国際線と国内線の事業比率といいますか、商売上の比率がまず第一点です。
 それから、もう一点につきましてはやっぱり国内線の競争力でありまして、国内線というのは、やっぱり個人のお客様というのは便数の多い航空会社を選択するという傾向に当然あるわけで、当然往復といったケースが多分多いと思いますが、そのときにはやっぱり帰り便の便数が、便の多いエアラインで選ぶという、そういう傾向がもちろんあるわけで、そういった意味ではシェアをしっかり国内線で持っているということがこれが次の発展につながると、こんなふうに思ったのがその二点目であります。
 したがいまして、我々としては、国内、国際の事業比率が一番大きな問題といいますかね、問題意識、それから国内線においてもある一定のシェアを取らないとなかなか競争に勝てないと、この二つが旧JAL側のエゴで言いますと動機であったと、今から思うとそんなふうに思っております。
○大江康弘君 そこで、結果として国内でナンバーワンのシェアを獲得したんですね。いわゆる量で一番になった、JALは。
 私はやっぱりそこに慢心というものがあったんではないか。後で私はANAに聞きますけれど、ANAがしっかりして伸ばしてきたのは、やっぱりあのときの私は危機感というものがいいばねになって、やっぱりANAがもう本当に背水の陣で、これはえらいこっちゃと、大変なことだという、私はある意味、分かりませんよ、これはANAの会社の人の考えることですから、ある意味やっぱり外から見ていてそういう危機感というものがばねになったんではないか。
 しかし、残念ながら、JALはやっぱり量で一番になったということで、結局そこで慢心が出てきて、今言う、これから申し上げるいわゆる労務対策、あるいはまた賃金問題、そして機材更新だとか路線の再構築というようなものに対して、しっかりと積極的に手を打ってこなかったということがやっぱり今日のこういうような事態を生んでいくというふうに、私は生んでいったというふうに思うんですけれども。
 やっぱり文化が違うと言われておるこの航空業界の中で、やはりこの合併というのは本当に良かったのかどうかというのを私は今改めて疑問に思うんですけれども、これは無理がなかったんですか、どうですか。
○参考人(西松遙君) 先ほどからもくどく申し上げておりますけれども、会社がうまく経営できないと、これは職員ももちろん、何といいますかね、雇用を継続できないわけでありますので、そういった意味で、事業基盤を拡充するという意味で、国際線、国内線のバランスを良くしたい、あるいは国内線のシェアを上げたいと、こういうことでやってきたわけであります。
 先生の御指摘のとおり、文化というんなら、やはりそれぞれ何十年と会社の歴史がありますので、違うところは事実であります。しかしながら、世の中といいますか、日本の中でも合併、合従連衡はいろんな業界で起こってきているわけで、そういった意味で、これから先この会社をどうするかと、どうしたらいいんだという観点でまとめていきたいというふうに思っています。
 そういった意味では、合併は私は今でも正しかったというふうに、選択肢としては正しかったというふうに思っておりますが、そういった意味での小異を捨て大同に付くといった、こういった考え方をみんな持ってもらうべく今後とも経営をしていきたいと、こんなふうに思っております。
○大江康弘君 もう時間がありませんので、これは口が裂けても合併が失敗だなんてこれ言えぬわけでありまして、やはり私は、今参考人が言われたように、これからしっかりとこの運営をしていっていただきたいし、同時に、先ほども少しだれか言葉にありましたが、やはりJALがもう自負心なんということは一度捨ててしまって、やはり一からはいつくばってやっていくんだというこの原点に一度立ち返ってやってもらわないと、私はやっぱりJALがそういう意識を持ってきたということは、私は国も責任があると思うんです。
 まあ昔は半官半民とか何とかと言われたような時代も私はJALがあったような、そういう時期もあったと思うんですけれども、やはりそういう、国もやっぱりいい加減もう、子供もこれだけ大きくなってきたらやっぱり一人旅せよよという、ねえ、局長、大臣、もうそういう時期なんです。いつまでもやっぱりJALをしがまえて、やっぱりそういう、JALだけではありませんが、やっぱり航空業界に対してもっとこれフリーハンドを与えてやるという、ここがなかったら、私は、規制改革だとか小泉さんが好きな構造改革なんというものにつながっていって本当の競争の原理が働かないというふうに、こう思います。
 ですから、本当に参考人、これしっかり反省をしていただいて、立て直しをしていただきたいというふうに思います。ちょっと何か一言。
○参考人(西松遙君) 先生の御指摘のとおりでありまして、我々も、ここにおります岸田含めて、経営陣が団結して、新生日本航空、はいつくばって新しい会社をつくっていきたいと、こんなふうに思っております。
 ありがとうございました。
○大江康弘君 お願いをしておきます。
 次にスカイマークでありますけれども、社長も私そんなに年代も違わないと思うんですが、どうも小泉改革の申し子といわれますか、ホリエモンのように金ですべて買えるんだだとか、今は村上ファンドがああいうことになっておりますけれども、何か社長のスカイマークの会社というのは、衆議院の方のいろんなあなたの意見を聞いても、随分公共性というものに欠如をされて、もうからなけりゃこれ撤退してもいいんだとか、やっぱりそういう、どうも私は、何か投資の対象にされているんじゃないか、この飛行機という業界を何か自分の資産を増やしていくような対象にしているんじゃないかと思われるような発言をあなたはされているんですね。その思いはどこにあったか分かりません。分かりませんけれども、そういう発言をされておられますけれども、今、一連の不祥事、とりわけたくさんな不祥事を今日まで起こしてきた。先ほど聞けば、いわゆる航空協会というのか、あれには入っていないと、脱退されたわけですね。私はそれもよく分からないんですけれども、一連のそういうことも含めて簡単に今の思いちょっと聞かせてください。
○参考人(西久保愼一君) まず私個人の姿勢でございますが、スカイマークを投資の対象として考えたことは一度もございません。
○大江康弘君 個人じゃない、社長としての姿勢を。
○参考人(西久保愼一君) はい。スカイマークに資金が必要であったために投入したまでです。
 それと、ローカルの路線を撤退したことに多くの方から批難を受けてしまうことになりましたが、現実的には、昨年、その撤退した三路線で四十億を超える赤字を出してしまっております。これは、売上げが三百数十億の当社にとっては、かなり耐え難い損失ではあります。
 公共性と収益性のバランスの取り方について、スカイマークはまだはっきりとした解答を出せずにおります。当然のことながら、損失を食い止めるために撤退をした次第でございます。このことについて、各県の方からも不満の声をいただいたのは我々も十分理解しております。その答えがないためにこういう結果に陥ってしまっております。
 それと、済みません、最後におっしゃられたことをもう一度お聞かせ願えますでしょうか。もう一つ御質問があったと。(発言する者あり)
 定期航空協会は昨年の春に退会しております。定期航空協会では、スカイマークがその意見を取り入れられることがほとんどなく、会費と、なおかつそこから指示される作業に当社は少ない社員の中で多くの時間を割かれることになってしまっておりました。スカイマークは十分な人材がいる会社ではございません。そのために、やむなく退会をさせていただいた次第でございます。
 以上です。
○大江康弘君 もう今日はちょっと時間がありませんので、余り衆議院の委員会で答えられてから、こちら、その発言の中身に私は余り進歩がなかったんじゃないかな。
 赤字路線を抱えていくことの大変さというものも言われましたけれども、しかし私は、やはりあなたを評価しているんですよ、私は。こういう業界にやっぱり勇気を持って飛び込んでいって、風穴空けたことは事実なんです、事実なんです。だから、私はやっぱり日本の社会というのは、なかなかいろんな既存のお互いの慣習だとかいろんなものがあって、知恵とか、こういうやっぱり先輩の知恵をどう生かすかということに立ったときに、私は、航空協会を脱退するという、これは一つの若さでしょうけれども、やっぱりその中で、こたえてくれない、受け止めてくれないじゃなしに、その中でどう知恵を自分出していって知恵をいただいてという、やっぱりこのことも私は、社長として必要じゃないんですか。
 私は、この建築基準法で一級建築士が二十七万、三十万近くある中で、彼らが会へ入っていないということが今回問題になったんですね。そういう一つの帰属意識というものがしっかりしたものがあって、やっぱりその中でお互いが切磋琢磨するということもあるんですから、この機会に一回もう一度カムバックをして、いろんな意見を聞くというやっぱりそういう姿勢も私はそれぞれの、あなたがやっていくいろんな会社の運営に私は生きていくと思うんで、ひとつ参考の意見として聞いておいてください。
 もう時間がありませんので、次、ANAに行きたいと思いますが。
 ANAも含めて、いつも我々乗せていただくときには、つかさつかさでは本当に大変な対応をしていただくんです、これ。これがやっぱりずっと整備員の皆さん、本当に現場で働く皆さんのところまで広がっていくという、やっぱりそういうものが総合点となって、私はやはりANAが、今聞けば大変な、一兆三千億円ですか、二〇〇六年の三月の、好調に売上げが推移をしておるということで、非常に評価をするんですけれども、私は、やっぱりさっき言った、ああいう危機感というものが、やっぱりこういう今のANAの現状を生んでいると思うんですけれども、そういうところはどういうふうに分析されておりますか。
○参考人(大前傑君) お答えします。
 当社では、二〇〇一年に同時多発テロございましたし、当社に限らずありまして、もう航空界が非常に極めて厳しい逆境の世界に置かれたということ。それから、イラク戦争がありまして、SARS、鳥インフルエンザとありまして、当社は一九九七年から当期利益が赤字、黒字を達成できなかったという非常に厳しい環境状態をずっと続けてまいりました。
 その間に、JAL、JASの、先ほど先生からも御指摘ありました合併がありまして、本当に全日空並びに全日空グループが生き残っていけるんだろうか、そういう本当に大変な危機感をみんなで持ちまして、何としてでも自分たちの力で、自分たちの在り方で生き残っていきたいという思いが全員の中でみなぎりまして、何とかそのためにいろんなことをやっていこうと、こういうことでやってまいりました。
 特に、当社もJALさんと同じように八年前に業務改善命令いただきました。安全がなくして我々の存在というのはあり得ない。先ほど先生から御指摘いただきましたけれども、絶対それをなくすべく最善の努力で何とかしたいと思っています。その意味では、安全なくして我々の存在はないんだということを前提にして、まず安全運航を絶対守っていこう、その上でどうしたら生き残っていける体力を付けていけるのかというところで、いろんな取組をしました。ネットワークのいろんな再編成もしました。コスト構造改革も積極的に進めてまいりましたし、いろんなことを進める中で今日至ったということでございます。
 今年、昨年の、二〇〇六年の三月の決算では非常にいい結果が出ましたけれども、これも必ずしも自分たちの努力だけじゃなくて、世の中の景気が少しずつ上向いてきたという中で、個人のお客様の御利用が増えてきたという中によって我々の業績が得られたということであって、決して実力で得たということじゃなくて、もっともっと頑張っていかなきゃいけないという感覚を改めて持っている次第でございます。
 以上でございます。
○大江康弘君 あと二分です。
 ちょっと局長に聞きますけれども、私、前段で触れましたけれども、やっぱり羽田の発着枠というのは、これいつまでも国が、これやっぱりしっかりとしがまえて、おまえにこれだけ、おまえにこれだけという、聞けば評価方式というのがあるそうでありますけれども、国がいわゆる安全の確保というものを一番航空業界に求めながら、そういう中で、私はJALと今回ANAとのあの羽田の発着枠を比べたら、お互いこれ四十放出して、そのうちの二十をJAL、ANA以外に渡して、あとの二十を十一と九とでこれ分けておるという、傾斜配分かも分かりませんけれども。
 私はANAの肩を持つわけではないんですが、これ、子供でもしっかりやったらやっぱり褒美はあるんですよ。褒美はあるんです。だけど、一番あなた方が求めてやまない安全性をしっかり守っておるところが、この発着枠で褒美ももらえない、増えることができない。私は、この評価の仕方というのはおかしいんですね。それで、これを見たら、乗客の死亡伴う事故が過去五年間なかったことが安全の評価で、両方ともこれ二重丸になっているんですよ。私は、そうではなくて、これだけ安全というものがいろいろと言われておる中で、もっと私は、その評価の仕方をやっぱり変えるべきだと、私はそう思うんです。
 だから、何もJALのものを取り上げろという話ではないんです。そこのところをやっぱりしっかりと頑張っているところを、あなた方が求めているところをしっかりこたえている航空会社に対して、やはりその分はしっかりと国は評価をしてやるべきだというふうに私は思うんですよ。こういう発着枠のやり方を続ける限り、私はいろんなまた問題が起こってくると思うんですけれども、それが改められないんなら、やっぱりこういう発着枠の私は評価基準というのは変えるべきだと思うんですけれども、どう思いますか。最後にそれ。
○政府参考人(岩崎貞二君) 羽田の発着枠の基準、配分の基準でございますけれども、御指摘のように、最近航空の安全をめぐってこのようにいろいろトラブルが発生しておりますので、これまで以上に安全性確保の観点を重視して配分をしていくという方向で考えていきたいと、このように思っております。
 先生今御指摘ございましたのは昨年の二月の配分の結果でございますので、今後の、次回の配分につきましては、今先生御指摘の死亡事故以外の安全の要因もちゃんと追加して要因として加えてありますよということにつきまして、既にエアラインの方にも通知をしております。
 現在、それをじゃどうやって具体化していくかということについて勉強しております。例えば、死亡事故以外にどういう数字を取ればいいのか、重大事故、インシデントを取ればいいのか、あるいはいろんな、イレギュラー運航なんかも全部取ればいいのか、それからそれをどの程度ウエート付けしていくのかと、こうした問題について局内で勉強しているところでございます。
○大江康弘君 終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず初めに西松参考人にお聞きしたいと思いますが、事業改善命令後のいろんな対応をなさっているというお話がございました。一連のいろんな整備不良を始めとした様々な問題につきまして、よく言われること、今質問でも出たと思います。私も昨日、たまたまある銀行家の人と懇談をしておりまして、やっぱり組織の持っている問題点というのが大きいんではないかというところに落ち着くわけであります。そこでよく言われるのは、いわゆる派閥の問題が大きいんじゃないか、結局、団結をするといっても、なかなかそれができていないんじゃないかという指摘をよくされます。
 この派閥ということにつきましては、西松参考人、報道では、もうそんなに派閥をつくっているいとまはないと、時間がたてば解決するだろうと、そんな暇がないんだから、時間がたてばそんな派閥なんてできなくなる、こういうふうにコメントをされておられました。一方、御社の社外取締役である諸井虔さん。諸井さんは、今年二月の社長退陣要求に対するいわゆる内紛劇について、企業に悪い遺伝子が組み込まれていると思わせるほどだと、遺伝子治療が必要だと、こういうふうに社外取締役としての発言をされておられました。つまり、遺伝子としてそういう悪い遺伝子が組織の中にもう既に組み込まれちゃっているんだと、で、また起きた、こういうような多分趣旨だと思うんですね。
 そういう社外取締役の御発言と西松参考人が言われているところの時間がたてば解決するというところとは必ずしも同じじゃないというふうに思っておりまして、この派閥ということについて、また団結するということを言われておられましたので、御所見をお聞きしたいと思います。
○参考人(西松遙君) 私が派閥は解消すると申し上げたのは、先ほども幾つか、何人かの先生から御指摘があったとおり、今断崖絶壁にあるわけでありまして、これ以上後ろはないという認識にあるわけで、これは我々アドミニストレーションにいる人間はもうみんなそういう意識あると思います。そういうことで、派閥争いなんかやっていたって、会社がなくなっちゃおしまいという、そういう意味をもって、時間がたてば解決すると言ったのは、その場で申し上げたのは、そういう意味での、何といいますか、そういうことをやっている時期じゃないという趣旨で私は申し上げているつもりでございます。
 それから、諸井先生のおっしゃった遺伝子が組み込まれているということであるとすると、これは解決の糸口がないという、逆に言うとそういうことになってしまうんで、どういう真意で諸井先生がおっしゃったのかちょっと私も直接確認したわけではありませんけれども、遺伝子が組み込まれているとすると対策がないということになっちゃいますので。
 私は必ずしもそんなふうには実は思っていないわけでありまして、それは個々人がその気になって危機意識を持って対応するというところがこの派閥解消の最も重要なポイントだと、こんなふうに私は認識をしておりまして、そういった方向に向け、一致団結して会社運営ができるようにやっていきたいと、こんなふうに私自身は思っておるところでございます。
○西田実仁君 この諸井社外取締役が言われているのは、正にその遺伝子の治療が必要だということを言っているわけでありまして、だからもう対策のしようがないということではないわけで、しかも御社の社外取締役ですから、一般的な評論家が言っているわけじゃございませんで、ですから私もあえて引用しているわけでございます。
 そこで、結局、社内の派閥の問題もそうですけれども、労組の問題もよく指摘されておりまして、労使の会話、現場との対話ということも随分指摘されておられました。
 具体的に、団結という言葉で言うのは簡単で、団結しようと言うのはだれでも言えますけれども、実際に団結しようと思うとこれはどんな組織でも実は大変なことであります。それはもう私どももいろんな場面で、組織において団結するということはいかに言葉で言うほど易しくないかということを感じているわけでありまして、何をもって、また労使の会話も含めてでございますけれども、団結をしていくのか、そういうためにどういう努力を特にされておられるのか、これについてまたコメントをいただきたいと思います。
○参考人(岸田清君) 労使の関係、先生のおっしゃるとおり弊社におきましてはかなり多く、九つという形で組合を抱えております。実際に懸案事項もございます。
 今日の場は安全ということで、安全に関しましても、安全のキーは、組織は幾らでも施策が打てますが、基本的にそれを実施するのは現場でありまして、現場が実行しない限り航空会社の安全もないということを踏まえれば、当然のことながら現場の力をどれだけ発揮さしてやるかということは、ある意味労使関係にもつながると思っております。そういう意味では、弊社の場合、確かに数の多さと、それから今までの歴史もございます。現場と経営ということを、そういう観点からも、ある意味それはアドバイザリーグループの提言にございますとおり、労使の協調、協調路線というのは必要であろうと思っています。
 先ほど私が述べましたとおり、答えはかなり現場のところにあると思いますので、その現場の声を聞くという意味合いで組合の声も一つだと思っております。そういう発言もしておりますし、それに対しまして、やはり労使双方が歩み寄る必要はこの問題の糸口であろうと思っております。
 ただ、きっかけといたしますと、当然のことながら会社側も幾つかの施策、話し方をもってそれは解決するという手段を取るものだと理解しておりますし、今後もそういうやり方で、現場力を引き出すという意味合いで労使関係も対応していきたいとは思っております。
○西田実仁君 やはり、私もそんなに偉そうなこと言えませんけど、安全文化をいかに組織の中に確立していくのかということを考えたときには、正にそうした現場の人たちが一番ノウハウとかいろんな問題点も押さえていらっしゃるわけですから、そこの意見が自由に言えて、しかもそれがしっかりと組織の中で、大きな組織ですけども、くみ上げられていくということが、まあ難しい困難な事業だということは分かりますけれども、そこがなければやはり安全文化は確立できないんだろうというふうに思います。
 また具体的にお聞きしたいんですが、整備の問題で、特に海外への委託ということが問題にされることがございまして、特にTAECO社とかSASCO社といった会社への海外委託をされていますね。これについてはいろんな問題も既に指摘されております。その不完全検査についてどう対処するのかということで、具体的に専門スタッフを常駐させるというような施策ももうされていると思いますが、もっと増やしていくというお考えもあるやに聞いておりますが、その点、いかがでございましょう。
○参考人(岸田清君) 整備の問題に関しましては当然、まず基本的な考え方を言いますと、航空会社の安全を守るための二つの大きな柱は、当然運航と整備と考えております。特に、機材の整備に関する問題点は、当然整備による質という答えだと思っております。
 また、先生のおっしゃる意味合いで、海外委託の問題でございますが、今の私の観点から、基本的に航空会社としては整備から出てくる機材の品質だと思っております。その品質が完全に航空会社の品質に担保されるものであるならば、それは、いわゆるそれは海外であろうと自社整備であろうと、それは航空会社の選択のうちの柔軟性の問題だろうと思っています。
 また、弊社におけます海外委託に関しましては、先生の御指摘のとおり、現地、TAECOとSASCOと、こういう形でシンガポールと中国のアモイに置いておりますが、実際に弊社におけます整備力を持ってその質を一応は担保する形で見ております。また、両社におきましても、先生のおっしゃるとおり、弊社から技術員を派遣しておりますし、また領収検査ということでは、現在弊社が持っております技術力で最終的な領収を確認しているシステムになっております。そういう意味では、海外委託という問題を離れまして整備の質自体は担保されていると私は思っております。
○西田実仁君 今お聞きしたのは、既に出されているわけですけれども、これをもっと完璧なものに、問題が起きているわけですから、その常駐スタッフをもっと増やしていくお考えなのかどうかということをお聞きしたんです。
○参考人(岸田清君) 失礼いたしました。
 そういう意味では、現状で直ちにスタッフを増やすという案は現状では持っておりません。ただ、先ほど私が述べました趣旨で、もし不足分、過不足があるということであれば、それは人的配置も考えざるを得ない時期があるかとは考えております。
○西田実仁君 スカイ社の西久保参考人にお聞きしたいと思います。
 この四月二十四日に出されました業務改善計画書におきまして、一番最初の方に安全推進委員会というのを設けられて、様々な現場の業務経験者の方も交えて直接いろんな意見を言う場をつくっていると。実際に、西久保参考人もそこに中心となって参画されているんだと思うんですね。いろんなことをお聞きになっていらっしゃると思います。そういう現場で業務に携わっている方から安全ということについていろんな御意見をお聞きしながら、ああ、こんなこともあったのかと、ああ、こんな、思いもしなかったけれどもこういう問題もあったのかというようなことで、特に所感がございましたらお述べいただきたいと思います。
○参考人(西久保愼一君) 前回の安全推進委員会では、スタッフを増やして二回目ですが、そのときに当社で起こしました運航のトラブルについての議論を行いました。その際に、従来は各部門の責任者のみが出ておりましたが、今回は実際に現場に働く人間が出たために、その改善の手法についてやはり現場の者にしか分からない、そういった意見が出ております。
 お恥ずかしい話ではございますが、地上係員が機内に体の不自由な方を案内して、その対応をしている間にドアクローズがなされた、そういったケースがございました。その際に、現場の方からどういう事情で見えにくかったのかとか、あるいはその確認の行う際のそれぞれのセクションの連絡の悪さが臨場感を持って我々は話を伺うことができました。これは、御指摘を受けて改善をした中でかなり我々にとってもその有効性を感じた部分でございます。
○西田実仁君 この委員会で三月には学識経験者の方や専門家の方をお招きして参考人への御質問をさせていただきましたが、その際にも先生から出たのは、墓標安全ではなくて予防安全が大事であるということで、今様々指摘されている点は、多くは金属疲労につながっていくような整備不良というようなお話が中心だったと思います。
 最後にお聞きしたいのは、最近、日本ではまだ起きておりませんけれども、いわゆる飛行機の中に組み込まれている組み込みソフトのバグによる故障ということについて、それに対してどういう対応をされているのかということをお聞きしたいと思います。
 昨年の八月でございましたけれども、マレーシア航空ですが、ボーイング社の機体であります、インド洋の上空で自動操縦による飛行中に急上昇したと。パイロットが自動パイロットを解除して、そうしたら加速しながら急降下したということで事なきを得たわけですけれども、実は、これは数週間前にバージョンアップしたソフトウエアが誤動作を惹起したと。しかも、これは就航後もう十年たっている機体なんですね。でも、そこでバグが発生をしたと。また、昨年二月には、同じようなバグによる燃料供給の突然停止ということがヴァージンアトランティック航空でも起きておりまして、こちらはエアバスでございます。コンピューターのこうした誤動作とか組み込みソフトのバグによって故障が起きてくるという事例が、金属疲労とは違う種類の問題としてこれからもっと増えていくだろうと思うんですね。
 言うまでもなく、航空機の歴史は自動化の歴史でありますし、様々なところで自動化がなされておりますので、一機の中にソフトウエアのステップというんでしょうか、百万ステップぐらいだった時代からもう今五百万とか非常に増えている。そういうところでバグが起きた場合には後で大変なことになってしまうというふうに思うわけであります。
 こうした潜在的なバグも増えているという状況の中で、こうした事態に対するトレーニングやバックアップシステムの搭載等についてどういう対策を打っておられるのか、大前参考人でしょうか、お聞きしたいと思います。
○参考人(大前傑君) お答えします。
 今先生から御指摘ありました件ですけれども、当社機ではトリプルセブンという機体を持っていまして、正に同じような機体で同じシステムを持っております。
 航空機のシステムに関してはその性能を上げるためにバージョンアップというのはよくやりますので、そういう意味でソフトを入れ替えるという行為が時々ございます。これは性能を上げるための目的でございます。ただ、残念ながら、どうしてもその中にバグが入ってしまうとかいろいろな問題がありまして、本当は起きてはいけないような不具合が起きることもございます。
 ポイントは、それがワールドワイドに、また全フリートに広がるということは極めて怖いということでございまして、一番我々がポイントなのは、最初に起きたときにその原因をしっかりまずつかまえて、何が悪くてどうしていったら直るかということをしっかり把握して原因対策を取るということですね。同時に、同じ機体を運航している会社にその情報を流していただいて未然にその現象が発生するのを防ぐという取組がございます。これは、既にこの件では航空局さんからはTCDをいただいていますし、それからFAAからADという形でアラートの情報をいただいて、改善なり点検の指示をいただいています。
 こういう形で、この不具合が一点で収まってしまうような対策をしっかり取ろうというのが航空界の整備でございまして、これを徹底してやって大きな事例に至らないように頑張ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 同じ質問でございますけれども、JALの岸田参考人でしょうか、お聞きします。
○参考人(岸田清君) 基本的には同じ考え方でございますが、航空の安全、安全というのは基本的には危機管理でございまして、どんな危機が潜在的にあるのか、それが将来致命的な形で事故とかそういう形にならないように食い止めるというのが安全にかかわる者の仕事だと思っておりまして、その意味では、今、大前さんおっしゃったような形での情報共有が一番重要だろうと考えています。
 その上で、危機管理の中で一番厄介なのはやはりヒューマンファクターと、それから、今先生おっしゃったような形でいうと想定できない形のトラブル、すなわち、これだけIT化してきますと、ソフトウエアのバージョンアップ等に伴いますバグ等は地上で再現がなかなか困難になっております。ですから、実際の運航に供した場合にどんなトラブルが出るかはかなり不明なところがございまして、かといって、それは決して大きなトラブルにつなげてはいけないわけで、そのためのバックアップシステムといいますか、ある意味で、ファイアウオールと我々呼んでいますが、多重の防火壁を設けてそれが致命的な事故にならないように、すなわちハードでできるものはハードで対処する。また、最終的には航空機、マン、マシンの関係ということは、要は人間と機械との兼ね合いでございます。人間のヒューマンファクターに関しては、そのエラー、それが起きたときにはハードで、またシステムでそれを防止するシステムになっております。
 逆に、今先生がおっしゃったような、私が申し上げたようなトラブル、なかなか情報が少ないようなトラブルに関しましては、最後のとりでとなるのが人間の力だと思っております。そういう意味で、パイロット等のいわゆる乗組員ですよね、航空機乗組員に対する教育等は欠かせないわけでして、双方に抱えながら、運航の安全に関しては防火壁をつくっているものだと、そういうふうに考えております。
○西田実仁君 終わります。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 私は、まずスカイマークの西久保社長にお聞きをいたします。
 私は三月の本委員会で、貴社の整備不良問題、つまり亀裂を放置したまま飛ばし続けた問題を取り上げました。それで、そのとき航空局長は、二〇〇五年の四月以降で十二人の方が退社ないし社内異動をしていて頻繁に出入りが激しい、必要な整備士四十一名が四十三名だと。大臣も、余裕がない状態で、退職についても現場のよく声を聞いてもらいたいという答弁をされたほどなんです。
 それで、改めて私は西久保社長にお聞きしたいと思いますけれども、整備といいますのは航空会社の生命線だと思います。安全対策は第一の優先順位で進めるのでなければ信頼は得られないというふうに思うんですね。
 そこで、こうした問題についてしっかり反省をなさって、整備士の人員をしっかり確保されて、安全優先するということを国民に約束をしていただきたいと思いますけど、いかがですか。
○参考人(西久保愼一君) 整備士が退職したことにつきましては、これは衆議院の方でも申し上げましたように、当社としては整備士であればだれでもいいというわけではなく、組織の指示に従った形の、そういう実直な整備士が必要であります。スカイマークは、創業のときに運航に必要な人数を集めるのを優先し、そういう組織としての在り方を少し後回しにしてきた推移がございます。このため、賃金体系もなく、業務基準もなく、各個人にその判断をゆだね、なおかつそのことが後進の整備士の育成に一部妨げになっている部分もございました。
 私が社長に就任して以来、そういった点には重点的に改善に着手しております。その結果、その会社の方針にどうしてもなじめない、そうしたスタッフが辞めていくことになっております。すべての、辞めた整備士がすべてがそういう理由ではございませんが、そういった理由で辞めた人間が多々おります。
 それともう一つは、やはりNCAさんが全日空さんから離れることになり大量の整備士を募集されたり、あるいはスターフライヤーさん、あるいはギャラクシーエクスプレスさん、そういった新たな航空会社が誕生することで、当然既に資格を持っている人員を強く募集されています。そんな中で、そういった会社にかなりの好条件で異動をされた方がいます。
 そういった事情でこの一年半の間に多くの整備士が退職しております。これにつきましては、当然会社としても誠に残念なことであります。我々の方では、整備士の充実を図るということは当然優先順位の高い命題として経営に臨まなければなりません。現在は、現在というか、この二か月の間に私が直接整備士数十人と話合いをしております。各整備士の不満とかあるいは労働環境の改善ですとか、そういったことにも着手しております。確かに、辞めた人数がクローズアップされてはおりますが、会社としてそういう整備士に対して労働的な問題で彼らを辞めざるを得なかったようにしたわけではございません。どうか御理解いただきたいと思います。
○小林美恵子君 私は、先ほどお聞きしたのは、整備士の人員の確保など安全優先にすることを国民に約束されますかとお聞きしたんですね。まずは約束すると言ってからそういう話をなさるんだったらまだ分かりますよ。でも、そのことをまず言わないで、そのことから言うということについては、私は、やっぱり今の西久保社長の姿勢というのはまだまだ安全を優先していないというふうに言わざるを得ないというふうに申し上げておきたいと思います。
 次に、私はJALの皆さんに質問させていただきます。
 まず初めに、安全担当責任者の岸田さんにお伺いしたいと思いますけれども、一九八五年、私も忘れることができませんけれども、日航一二三便墜落事故の反省から、日航は整備士要員の採用凍結を一時解除して定期定量採用の方針を出されたと思います。日航整備四百名体制の確保と同時に自社整備主義を宣言をされて、安全運航を社会に誓われました。しかしながら、九四年には、せっかく誓われたのに、定期定量採用からまた整備要員の新規採用を停止される。国のいわゆる整備の海外委託の規制緩和と相まって、一気に整備の海外委託が日航さんで始まっていく。そしてまた、効率化の名の下に整備委託会社を設立して、安い整備コスト、日航整備士の約六割で賄おうとしている、こういうことがありまして、今や日航さんは自社整備をなくすという方向に進んでいるのではないかと言われています。
 それで、これで本当に安全確保は大丈夫かと、乗客の皆さんにはしっかり説明付くんでしょうか。
○参考人(岸田清君) 整備の海外委託に関しましては先ほど御説明したとおりで、品質の問題に関してはそういうことだと思っています。
 先生の最初の御質問に関しましては、御巣鷹以降の件に関しまして、現在に至るまで形は変えるということはございます、当然のことながら。整備に対する柔軟性、それは会社としての施策は、ある意味、合理性の部分、当然のことながらございます。ただ、自社採用ということは、形を変えた関連会社といいますか、カンパニー制を整備の方はしいておりまして、そこの会社でずっと自社整備員、全く位置付けは同じ形で、勤務等は多少本体とは違うところは、変化しておりますが、ずっと続けておりますし、その技術伝承も本体から着々とやっている現在の状況でございますし、整備の品質そのもの、自社整備それから海外委託、この両面に関しましても質は決して今後も落ちないように我々自身も努力していきたいと思っていますし、現状もそういうつもりでおります。
○小林美恵子君 形態を変えていると、その私は形態を変えていくことが問題ではないかというふうに指摘をしているところでございますけど、ここでANAさんに確認したいと思います。
 ANAの方でいきますと、自社整備の部門を引き続き残していく方針だというふうに私は理解していますが、それで合っているでしょうか。
○参考人(大前傑君) お答えいたします。
 当社の整備体制につきましては、自社体制と、それから関連グループの体制と、それから海外委託というこの三つの枠組みでやっていきたいと思っておりますし、自社整備というのは、本当の意味での整備の本質を絶えず自社の中にとどめておく、また体験させて、整備することの苦しみ、楽しみ、喜びを自社員が自分の組織の中で味わうことが極めて安全性を維持する上で大事だろうという観点からその体制を組んでいると、こういうことでございます。
○小林美恵子君 三つの分野の整備体制があるとおっしゃいながら、自社整備についてのいわゆる意義付けといいますか重要性を今御説明になられました。それを受けて、私はJALの西松専務にお聞きしたいと思います。
 今、ANAはそういう御報告でございましたけれども、三月十日の衆議院国土交通委員会で、国交大臣も航空局長も、一定程度、自社での整備を適切に実施する能力があることが望ましいと発言をされています。
 そこで、西松専務にお伺いしますけれども、今でもずっとこうトラブルが連続して続いて、安全に関する乗客の信頼は失っているというふうに言われても仕方ないですよね。それで、安全にかかわる肝心の整備の問題、先ほど岸田さんも航空会社のその安全の基本は運航と整備だとおっしゃいました。その整備の問題で、こういう状態で何をメッセージとして信頼回復につなげていこうとしているのか、そこをお聞きしたいと思います。
○参考人(西松遙君) 現状の整備体制につきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、いわゆる技術系の職員を、今まで十人程度でありましたけれども、社員を、これを三十名台に乗せて採用していこうというのが、まさしくこれから先の技術の伝承を含めて意識した対策でございます。そういった意味で、自社整備の技術力というものにつきましては他社さんに負けないようにやっていこうということで考えている一つのステップだと、こんなふうにお考えいただければいいと思いますが。
 それから、この数か月いろいろ私どもありましたんで、言い訳めいたことを申し上げる立場にはないかもしれませんけれども、四月以降はかなり安定的にオペレーションといいますか、やれてきておりますので、現状の体制を、個々人の意識を安全運航第一に据えてやっていけば更に一層安全性の確保はできるものと、こんなふうに思っているところでございます。
○小林美恵子君 私は、個々人の問題ではないというふうに思います。
 次に、日航さんの乗務時間の問題で、残された時間で質問させていただきたいと思います。
 私、この問題も三月の本委員会で取り上げさせていただきました。昨年四月の裁判でも、交代なしの一回着陸は飛行時間九時間、そして二回着陸の場合は八時間半を超える乗務は無効とされていますよね。しかし、再び日航さんは一回着陸十時間、二回着陸九時間の就業規則にされました。
 大体私は判決に従わない貴社の姿勢というのは社会から批判を浴びるものではないかというふうに言わざるを得ないと思うんですけど、そこで、先にANAさんに確認したいんですけど、ANAさんの場合は成田―サンフランシスコ線の九時間を超える場合は交代要員を乗務させているのでしょうか。
○参考人(中村克己君) 規則としては日本航空とそれほど差があるとは思っていません。例えば、一回の着陸に対して十一時間、十四時間という勤務時間制限、変わっていませんが、サンフランシスコ線については労使間で随分議論をいたしまして、冬場並びに夏場での風の変化が激しい、並びに飛行時間の変化が激しいということで、サンフランシスコについては、この勤務時間の制限に基づくというよりかは労使間の話合いの下に一人乗務員をオントップするという協定になっているという、そういう経緯でございます。
○小林美恵子君 要するに交代要員を乗せておられるということですよね。
 それで、ではJALさんの場合は乗せていないというふうに思いますが、どうですか。
○参考人(岸田清君) お答えします。
 サンフランシスコ線に関しましては、日中帯のいわゆるお客様の便に関しては交代要員は乗せておりません。
○小林美恵子君 乗せていないということでございます。
 ANAさんは乗せておられて、JALさんは乗せていないということでございますけれども、私は、三月の委員会でもこの問題取り上げさしていただきましたけれども、本当にパイロットの皆さんが裁判まで闘って、空の安全が脅かされていくということを訴えているということが、JALさんなかなかお分かりでないんじゃないかというふうに言わざるを得ないというふうに思うんですね。
 長時間の乗務がやっぱり安全を左右していくということが要因であるという、そういうことを自覚されて今後編成をしていただきたいということを強く申し上げまして、質問を終わらしていただきます。
 ありがとうございました。
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 まず、スカイマークの方にお伺いをいたしますが、規制緩和、参入自由の時代になって、スカイマーク、新たに航空業界に参入をしてきた。スカイマークとして航空業界に参入をしてくるときの決意についてどのような決意があったのか、まずは社長の考えをお伺いをしたい。
 先ほど、交通大臣からもお話ありましたように、公共交通における根本的な問題は何かといえば、安全と安心の問題であるというふうに先ほどお話がございました。
 そこで、やはり安全という問題は公共交通における最も重要なことであり大切なことであります。こういう公共交通を運営するに当たって次に大事なことは、やはり公共交通を運営をしていくという使命感というものが最も大事なことではないか。したがって、会社の創立に当たってのときの決意と、今公共交通に対して実際に運営をしてみてどのような使命でやられているのか、お伺いをいたします。
○参考人(西久保愼一君) まず、創業の精神でございますが、これは澤田会長より、日本の航空業界を変えていくんだと、空の旅をもっとカジュアルなものにするんだと、そういう強い意志でスカイマークエアラインズは創業されたと私は伺っております。その姿勢は今なお変わるものではございません。
 私自身が未熟なために、いろんな方から非難を受けてはおりますが、決してスカイマークエアラインズは安全を軽視して社業を営んでいるつもりはございません。安全を維持できなければスカイマークは企業として存在すらできない会社だと思っております。
 公共性につきましては、路線の組替えをする際に随分これも非難を受けました。これも地元との話合いが不十分で、私の経営の姿勢がこの業界の形に合っていなかったためと思います。
 ただ、この二月より、スカイマークは運賃を更なる安い価格に改定しております。このことだけが随分目立ってはおりますが、スカイマークはもう一つ、この運賃改定において一つ思うところを入れ込んでおります。
 公共交通機関として、バスや電車に比べて、空の運賃は障害者運賃等に余り親切な状態ではございません。スカイマークエアラインズは、この身体障害者に対する運賃について、我々なりの考えを示していきたいと考えております。
 現在、普通運賃は大手さんの大体四割安ぐらいで提示しておりますが、障害者運賃につきましては大手さんの半額を基準にして出しております。
 体が不自由な方は移動にも困難です。たとえ半額であっても、付添いが必要な方につきましては、当然、その運賃が発生するので、それは半額であって半額とは言えません。こういったことを当社の社員は胸に掲げて仕事をしております。
 非難を受けましたのは私のつたないところによるものが多いんですが、そういった気持ちを胸に持って社員は働いていることをどうか御理解ください。
○渕上貞雄君 衆議院の議事録も読ませていただきました。そこで西久保社長、労働組合に対する社長の考え方、認識についてお伺いいたします。
○参考人(西久保愼一君) 労働組合は労働者が基本的に持つ権利の一つであると考えております。それは決して私は否定しているものではございません。
○渕上貞雄君 次に、日航の方にお伺いをいたしますが、安全と利潤というものは似て非なるものでありまして、ここのところは相対立する矛盾でもあろうと思うんですね。しかし、経営が思わしくなくなってきたときに、まず最初に犠牲になってくるところは多くのところ安全ではないか。安全のところの投資というものが少なくなることによって安全が保障されない。こういうことを考えますと、一体、日本航空として安全に対して、基本的な考え方については先ほどお伺いいたしましたが、具体的に予算を組んでどのようなことをやられようとしているのか、まずはお伺いをしておきたいと思います。
○参考人(西松遙君) 先生が安全と利潤は対立するとおっしゃいました。私はそうは思っておりません。安全が確保されて、それがお客様の信頼をかち得る、そしてその信頼をかち得ないと収入が入ってこないわけでありますので、そういった意味でいうと、安全性の確保と利潤の確保は対立する概念でないんじゃないかと僕自身は、僣越でございますが思っているところであります。
 したがいまして、何を申し上げたいかといいますと、会社がこれから先も存続し続けるという意味での利潤を上げるという観点からすると、安全は絶対的な命題であって、それがなくしては逆に収入はないと、こんな認識でおりますので、ひとつその点はちょっと私の考えを申し上げておきたいというところであります。
 それからもう一点目の投資でございますが、冒頭私が申し上げましたとおり、いろいろトラブルもあるといいますか、今後のことも考えて二〇一〇年の間に六百億の設備投資をしようと、資金を投入しよう、追加的に投入するということを既に発表しておりますが、これはコンピューターシステムあるいはいろんな設備関係でございますけれども、それは必要なところには必要な資金を投下していく、こういう体制を取りながら安全性の確保を万全の体制で臨んでいきたいと、こんなふうに思っております。
○渕上貞雄君 今言われたことについてどうかひとつ現場で具体的に実施をしていただく、そのことを通して、事故がないことが今言われたことの証明になっていくだろうと、このように思います。
 私どもがもらいました調査室からの資料による新聞によりますと、やはり社内における派閥の問題がかなり大きく取り上げられておりました。人間の社会ですから私自身は派閥はあると思います。問題は、その派閥がどのような形で運営をされてきたかというところが問題でございまして、恐らく上層部だけの派閥の争いならそう問題はなかっただろうと私は思います。上層部の争いは必ず下部まで浸透するわけでございまして、そこで団体戦をやる、派閥対派閥の団体戦をやるわけですよ。派閥と派閥の中で団体戦をやれば、そこは人間のお互いの不信になってくるわけで、そういうところがやっぱり私は会社運営上問題ではなかったのかと。そこのところをどのようにして一枚岩にしていこうかと。無理は私はする必要はない、派閥はあってもいいと思う立場ですから、私は。
 しかし、やはりそういうところがどういうところに表れてきているかというふうに私なりに見ますと、労働組合の次元に表れてきているんじゃないか、労務政策のところに表れてきているんではないかと。一部の閥を通して、そこを支配をしていくことを通して、それを力にして社内の中で力関係を変えていこうとするやり方というのは間々経営側にあることでございますから、私はそこら辺りが、今、日航における多数の、複数の、数多くの労働組合が存在する一つの理由ではないかと、このように思っているところですが、会社としてはどのような理解をされているのかお伺いをいたします。
○参考人(岸田清君) 最初に、派閥の問題に関しましては、先ほどの御質問にもありましたとおり、DNAに組み込まれたという、そういうようなお話もございますでしょうけど、要は派閥があろうとなかろうと、基本的にはその力が内向きに向かわなければいいわけで、外向きに向かう分にはどのような形であろうと会社として成立するものだと基本的には思っております。
 それと、組合との関係、組合との関係で先生のおっしゃっている意味合いで、弊社、先ほども御説明いたしましたとおり九つの組合抱えておりまして、それぞれ数の多さ等々ございます。数の多さというのは構成する組合の人数、その意味での幾つかの差はございます。
 ただ、別の意味で組合の数そのもの、九つあるという意味合いは、航空会社の特質からいいますとそれぞれの現場がかなり独立した業務を持っておりまして、それぞれの主張を踏まえる形でいえば、それは組合の数はまああるものだろうとは私自身は理解しておりますし、数自体が会社にとってそれが問題であろうとは私自身は認識しておりません。
 また、対組合に関しましては今日いろいろ私の方も申し述べましたとおりでございますが、基本的に、先ほども申し上げたとおり現場力を、それを引き出すためには現場の声が必要ですから、その中の声の一つに当然組合の声もあるわけですし、またこのように安全が基盤の会社のなりわいからすれば、労使の適度、適度といいますか適切な緊張感というのは必要だと思っていますので、特にその組合問題等々で私どもの事業が問題になる点はないとは思っております。
○渕上貞雄君 航空会社の性格上、業種別に労働組合ができることについて私は是としますが、これが会社としての分断支配にならないようにだけ御注意申し上げておきたいと思います。
 時間もなくなりましたが、最後に全日空にお伺いをいたしますが、やはり会社として運営をしていく場合、例えば他の航空会社と比較してなぜ全日空はこういう問題が表に出てこないのかなと、全日空にはこういう問題はないのかなというふうに思うんですよね。それはなぜかといえば、まあお隣の日航さんはどんどんどんどんマスコミに出てくる、どんな小さなことでも出てくるようなことになっている。しかし、全日空は出てこないというのは一体どこら辺に問題が、問題というよりも何なのかというふうに考えるわけです。
 ここのところは私どもがどういうふうな理解をしているかというと、いわゆる安全という問題の根本は労使の安定がなきゃならないというふうに理解するものですから、恐らくそこら辺りは非常にうまくやられているのかどうかなというふうに思っているところで、この私の印象についてどういうふうにお考えでございましょうか。
○参考人(大前傑君) 極めて難しい御質問で、本当我々、やっぱり安全がなくして我々の経営基盤がないし、社会の責任果たせないという思いは、これはもう従業員全員の思いとして、もちろんすべてということになりませんけれども、みんながそういうことを大切にするんだという風土をつくる中で、ここには組合も会社も全く異存がない。これはやっぱり、そのために我々は存在しているんだと、そこに初めてお客様が安心して乗っていただけるという思いがありますので、そのレベルで御了解いただければと思います。
 決して、飛行機の不具合も発生していますけど、一生懸命やっておりますので、そこも是非御理解いただきたいと思っています。
○渕上貞雄君 最後の質問になりますが、国土交通省にお伺いいたしますが、なお航空業界に対して抜き打ち検査やらなければならない状況というのが存続していると思いますね。同時に、常駐体制をまだ続けておられるようでございますが、抜き打ち検査並びにこの常駐体制に対して今の時点でどのようにお考えになっているのか、その考え方をお伺いして、質問を終わります。
○政府参考人(岩崎貞二君) 引き続き日本航空グループとスカイマーク社に対しては、当面、常駐ないし抜き打ち監査を含む監査体制は当分の間は継続していきたいと思います。
 ただ、本格的には今年の十月から私どもの方の定員も大幅に増加さしていただきますので、その中でまたきっちりした体制を組み直してよくエアラインのことを見ていきたいと、このように思っているところでございます。
○渕上貞雄君 終わります。
○委員長(羽田雄一郎君) これより自由質疑に入ります。
 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言いただきたいと存じます。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いします。藤野公孝君。
○藤野公孝君 御指名いただいてありがとうございます。自由民主党の藤野公孝でございます。
 三十分の時間で同僚四人ぐらいで質問するので、七、八分しかないぞと先ほどから忠告受けておりますので、手短に質問をいたしますので、趣旨をよく御理解いただきたいと思います。
 もう一点に絞ってお伺いしたいと思います。それは、公共性といいましょうか、地方路線の維持の問題でございます。
 その意味で、ケーススタディーのようなことで申し訳ないですけれども、スカイマークの西久保参考人と、その後それを踏まえまして航空局長に一問ずつお伺いしたいと思いますが、まず公共性ということで、いろんな公共性があると思うんですけれども、この地方路線の維持の問題でぱっと思い出すのは、アメリカの航空自由化が一九七八年か、カーターのときにやられたときに、あっという間にアメリカの都市の、数は正確には覚えていませんが、数多くの都市の航空路線が一瞬にしてなくなった。減便とかそんな問題じゃない。そういう航空サービスがなくなった、これが一番の公共性の喪失でありますよね。
 今、スカイマークさんの話というのは、徳島にせよ鹿児島にせよ、鹿児島も徳島もそれでおたくがいなくなったから航空路線がなくなったと、そういう、撤退という言葉を使っても、ほかのJAL、ANA、飛んでいますから、その問題ではないんですが、しかし、しかしですよ、そもそも新規航空会社が羽田において新規航空枠を、スロット枠を持っておって、なぜそういうものが設定されているか。それは競争の促進であり、まあ大手エアラインの人には申し訳ないですけれども、独占、寡占がかつて一杯ありました。まあ勝手と言っちゃ悪いですけれども、独自の判断で、増便してもらいたいなと思ってもしないとか、減便するとかいうようなことはもう自由でありました。寡占の場合でもそうでありました。こういうときに、もう少し競争を促進すれば、元気のいい、効率のいい会社が入っていてくれれば、増便もあるし運賃も下がるし、そういう期待感があって新規エアラインの参入というものを社会が、あるいは利用者が、何とかそういう体制に、自由化の体制にしてほしいということで私入ってもらったと、そういう期待があるわけです。ただそこでもうけてほしいと思って入ってもらったわけじゃないと思うんです。
 そういう中で、この前の四月の十一日の御質問はよく分かるんです。でも、私から見れば、こういうことは絶対言ってほしくないというようなことがあります。我々も一杯努力していますよと、値段も変え、サービスも変え、いろんな工夫しましたけれども、鹿児島もどんどん搭乗率が下がっておる、四国も、これ四十何%ぐらいだと思いますけれども、一定の数字から全然上がらないと。それから、鹿児島も福岡も、大手さんは我々が低価格でやったらどんどんそれに近づけてきて、これに公共性をかぶせて撤退しちゃいかぬなんて八方ふさがりですよという、この状況は一番最初、入られるときから分かっていたじゃないですか。我々、議論したじゃないですか。もうどんどん既存のエアラインは押し出そうと、追い出そうとして低価格でやってきますよと、体力をかさに。それでも耐えてやっていけますかということで、やりますということで入ってこられたエアラインが、そのときのことを理由にして八方ふさがりだと言われたんじゃ、新規企業の使命はどこへ行ったんだと私は言いたいわけです。
 ですから、それは大臣も認められたように、最後はあれですね、企業の何といいますか判断で、ある路線をやめるやめないの、それは当たり前のことです。けれども、やはり競争促進のために入ってこられて、それで結果が追い出されて、最後JAL、ANAが残るだけなら、何のための新規企業なんだと私は言いたいわけであります。
 そういう意味で、特に地方路線なんかについては、あれは利益性が薄いわけですから、そこの中でも入っていって航空ネットワークって、路線じゃなくてネットワークとして日本にいい形ができるようにということを期待して日本の航空の自由化というのがあり、その中で羽田の貴重なスロットを新規枠で新しいエアラインにという、この公共性について、もう一回地方路線の維持ということに焦点を当てて公共性の問題の認識を西久保参考人にお伺いします。
○参考人(西久保愼一君) 確かにおっしゃいますように、航空会社は公共性を維持するという点ではほかの企業と異なる側面がございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、維持する解答を見いだせないのも事実でございまして、そもそも撤退が違法なのかどうか、その辺りの明示をいただければ私としては有り難いと思います。
 それと、維持するための必要な条件として、例えばそういう支援がどこから得ることができるのか。実際にはスカイマークは私企業として存在しております。一〇〇%の民間企業でございます。民間企業であれば、それは一〇〇%の公共性ではございません。一〇〇%の公共性を要求されるのであれば、それは国営企業として存在すべきではないでしょうか。この辺りのその比率の問題、民間企業としてどこまでの公共性を考える必要があるのか、そういった決まり事をもしも作っていただけるのであれば、我々としては有り難いと思います。
 以上です。
○藤野公孝君 もう全部の時間をもらって追求したくなりましたけれども、私だけが一人でやれないので、航空局長にお伺いしますけれども、今の話とも絡むんですが、羽田の新規発着枠の件でございますが、私はこれ非常に公共性を意識した競争促進アンド地方路線の維持も含めた公共性を認識した制度だと思って評価しているわけですが、これの配分に当たりまして、例えば条件を付けるとか、地方路線のトータルのネットワークを損なうような撤退を十分にその地元と調整もしないで勝手にやるような、そういうエアラインに対してペナルティーを科すような仕組みが必要じゃないかと思いますけれども、どう思いますか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、羽田の発着枠、貴重に使っていかなきゃいかぬと思っておりまして、競争の促進と多様なネットワークの形成と、このように生かしていきたいと思っております。
 従来より、地方路線、少便数路線を減便する場合はそれを幹線に当てては困りますよといったようなルールを作っておりましたけれども、最近の状況を踏まえまして、昨年の十二月に新しく羽田の発着枠が出ましたけれども、これも新規の航空会社にもう配分をいたしました。その際、新千歳、伊丹、福岡、那覇、いわゆる幹線と呼んでいるわけでございますけれども、こうした路線につきましてはもうかなり各エアラインが便数を張っておられますので、そこに新しく便を張ってもらうのは、かえって多様なネットワークの形成という意味から御遠慮願った方がいいじゃないかと思いまして、去年の十二月に配分した際にはそれは地方路線に使ってくださいと。地方路線に使うか、幹線以外の路線に使ってください、幹線の方に転用されるということになれば、それは回収しますと、こういったルールを作っておるところでございます。
 今後とも、試行錯誤でございますけれども、そんなことをやっていきたいと思っておるところでございます。
○藤野公孝君 終わります。
○委員長(羽田雄一郎君) 佐藤雄平君。
○佐藤雄平君 民主党の佐藤雄平です。
 今の、航空局長ね、西久保さんの答弁についてどう思います。
○政府参考人(岩崎貞二君) 特に、公共性の今のお話のことだろうと思いますが、私どもも、エアラインもそれは民間企業でございますので、まるっきり収支の合わないところにずっとそこでやっていろということには、航空法でもそこまで規制をしておりませんし、路線の選択が自由だと、こうしておりますので、そこはそれでやむを得ないものと思っておりますけれども、ただ、公共性ということでそこの空港でやっぱり行って路線を張った限りは、その人たちがそれを期待して使っておられるわけでございますので、その路線の改廃についてはもう少し慎重にいろいろ対応していただくべきものではないかと、こんなように思っております。どうしてもやめざるを得ない場合は、地元との合意を丁寧に取っていくとか、やはり路線開設したときには地元に相当お世話になって各エアライン入っておられるはずでございますので、そうしたことを踏まえた丁寧な対応が必要ではないかと、このように考えているところでございます。
○佐藤雄平君 私は、国交省が認めている航空会社なわけですから、そういう意味合いの中で、何度も私も質疑をさせてもらったけれども、その監督責任、これはやっぱり十分に私は感じてもらいたいなと思っております。
 先般、西日本JRの一周忌に行って、慰霊祭に行ってまいりました。御遺族の方がいろいろ追悼文を上げておりました。その中で極めて印象に残った言葉が、正にこれ西日本JRと同時に公共交通機関の皆さんに申し上げたい話かなと。人を運んでいるんじゃなくて命を運んでいるんですと、こんなことの追悼文があって、大感銘を受けて、今最も大事なことであろうと、そんな思いをしました。
 昨年、私もこの国土交通委員会で十回近く質疑をさせていただきましたが、その中の八回、これ航空行政についてでございます。新千歳空港でJALが管制官とパイロットの正に交信の不備というか、これでANAと衝突しそうになったと、そこから始まりました。質問をするたびに、正にインシデント、不具合が起きている。私が質問するからこんな事案ばっかり起きるのかなと思って一時質問をやめたんですけれども、やめたけれども事案はまた起こっていたと、そんな状況。さらにまた、これは何回となく事業改善命令、それから立入りもされた。しかしながら、一向に改善されていない。
 それぞれの質疑の中で、最終的にはヒューマンエラーということの答弁が一番強かったかなと思うんです。私は、ヒューマンエラーというのは現象面の話であって、何回も質疑の中で、そのヒューマンエラーを起こしている原因は何ですかと、そんなことを何度も問い掛けたわけでありますけれども、結果的にヒューマンエラー、それは人のミスであることは間違いない。何でミスを起こしたのか。この辺について私は、それぞれの、今日三社お見えになっておりますけれども、どうしても私は、一つにはやっぱり過密ダイヤという、その過密ダイヤの中に同じ時間で離陸する飛行機が二機あったりする。一つは業務用であろうし、一つはそれからお客さん用であるというふうなことも聞きました。
 この点について、私は、いろいろ改善の中で、各社問題が出なかったのか、それに伴う正に過重労働というか、もう極めて労働が過重になっている、そういうふうなことも大きなヒューマンエラーの大きな私は要素になっているんじゃないかなと思うわけでありますけれども、この件についてそれぞれ各社からお伺いしたいと思います。まず、日本航空から。
○参考人(岸田清君) ヒューマンファクターに関しましては、先生のおっしゃる以外にも幾つかの原因はあろうと思っています。人間がミスを起こすということは技術の問題もございますでしょうし、それ以外の、今おっしゃったようなハリーアップ症候群等々のきっとタイムプレッシャーと、それも一つの要素でしょうし、また人間の、ある意味、幾ら技術を持っていてもミスを犯す要因としては、当然のことながら気持ちの問題もあると思います。気持ちの問題が何に影響するかというのは、それは会社のバックグラウンド等々でそれなりにやっていきたいとは思っております。
 先生のおっしゃったポイント、ここに関しましては、当然我々もこの一年間を振り返りまして、タイムプレッシャー等がヒューマンファクターに影響しているかどうか、これは現場の声も当然のことながら聞いております。その分の実際に対策も現在打っておりまして、ある意味グラウンドタイムの延伸を図ったり、国際線、国内線とも三割、二割相当の部分を五分から十五分、十分程度の時間、十五分ぐらいですかね、そういうような取組も行っていますし、これから先も、もしその要因があるならば組織で吸い上げ、かつ組織で分析し、また現場の意見も聞いていきたいとは思っております。
○参考人(大前傑君) お答えいたします。
 まず、基本的にヒューマンエラーを起こす要因というのはいろんな現象であると思います。人と人との関係において、それから物との関係において、また、いろいろ時間的な関係とかいろんな要素の中で人間はついうっかり、ぽっかりしてしまうんだろうと思います。そのために、人間はどういうところでヒューマンエラーを起こしやすいかということをしっかり認知して、日ごろからそういうことを個人個人が意識するということが極めて重要だということが一点目。
 それから、環境面で、やっぱり個人がそういうミスに陥らない環境をつくるということも極めてこれは重要な仕事だと思っています。これは我々の仕事だと思っています。
 その中には、よく言われていますように、定時性を追求する余りに安全を疎外していないですかという問い掛けもあります。決してそれはないと思っています。安全があって初めてお客様に時間という貴重なサービスを提供できるんだと、安全がなくて時間のサービスが提供できるわけないというふうに基本的に考えていますので、そういう意味で、我々が飛ばしている、仕事をしている環境面でいろんな問題がないかどうかということを、ヒヤリ・ハットも含めていろんな情報を集めて、日々改善していくということが我々の大きな役割だというふうに理解しておりますので、決して現状に甘んじているということではなくて、絶えずいろんなことの評価の中で、仕事の仕組み、いろんな環境面をいいものに変えていくという努力を我々は永遠に続けていくんだろうというふうに理解しております。
 以上でございます。
○佐藤雄平君 今、両社から聞いた。私が問うているのは、いわゆる過密ダイヤが、また過重労働が、それに伴う、それがヒューマンエラーの背景になっていないかというふうなことをお尋ねしているんです。
 もう一回お願いします。
○参考人(岸田清君) 過密ダイヤがもたらす結果に関しても、先ほど私が説明した部分が含まれているとは理解しております、要は時間的な部分。
 それで、実際に、特定空港においては確かに過密状態にあると認識はございます。羽田、成田等の特定空港ではそういう状況。ただ、それがヒューマンファクターに実際に影響を及ぼす程度の混雑度であるかは、今後も研究してまいりますが、現状ではそこは問題ないとは思っております。
○佐藤雄平君 それは、じゃ組合の皆さんといろいろ改善等についてそれぞれ質疑をしている中で出ておりませんか、そういうことは。
○参考人(岸田清君) 昨年一年間を含めまして相当な意見を現場から聞いておりますが、当然その中にそのようなお話は聞いております。ただ、会社は、それに対応しまして実際の現状を見た結果として今の私の話でございますので。
○佐藤雄平君 だとすれば、それに対してどういうふうな対応をなさっておられますか。
○参考人(岸田清君) ですから、特定の空港、羽田等、まあ羽田を例に取りますと、ある時間帯に集中いたしますが、それが直接に、現在、ヒューマンファクター、安全の面に影響を及ぼすという時点まで会社としては判断いたしておらないということでございます。
○佐藤雄平君 スカイマーク。今の過密、それから過重。
○参考人(西久保愼一君) スカイマークでは、過密と言われるほどのダイヤにはなってはおりませんが、人員が十分でないために一時的には業務が過密状態になることはございます。これは十分理解しております。ただ、それに対しては、人員増を図るということでしか現在解決するすべがございません。
 ただ、長期の問題としましては、まずヒューマンファクターは事前に必ず何らかのシグナルが出ております。これを検出することに注意力を向けております。先ほど申し上げた安全推進委員会などでも、トラブルとして例が挙がっていないトラブルの探知というものを現場の人間から細かく聞くようにしております。
○佐藤雄平君 いずれにしても、安全第一ということで、航空運航、忌憚のないようにお願いいたします。
 終わります。
○委員長(羽田雄一郎君) 西田実仁君。
○西田実仁君 先ほどお話をいろいろと、御答弁をお聞きしていて、ちょっと不安に思ったことで確認を二つだけさせていただきたいと思います。一つは西久保参考人に、そしてもう一つは航空局長に御確認をさせていただきたいと思います。
 西久保参考人からは、先ほど、冒頭でございますけれども、公益性と収益性ということについての兼ね合い、まあ御自分の中でなかなか答えが出せないというようなことをおっしゃっておりましたし、また先ほどの質疑応答でも同じようなことをおっしゃっておられました。この意味は、公益性という意味合いは地方路線の撤退云々ということだと思いますが、もうちょっとその意味合いを深めれば、中には安全ということもこれはやっぱり入ってくるんだろうというふうに解釈をするわけであります。
 そこで、御自分の中で公益性と収益性について答えが出せないという方がトップにいらっしゃる場合、社員の方々に対してどういう使命感というかミッションを与えようということで訴えておられるのか。まあなかなかトップの方が答えが出せないものは社員の方にもどう語っておられるのかということにちょっと不安を持ったものですから、この公益性と収益性という兼ね合いの意味合いでの社員の方へのミッションの与え方、訴え、この辺をちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○参考人(西久保愼一君) 公益性と収益について十分な答えが出せないまま我々は撤退という、そういう結論を出してしまっております。これについて多くの方々から非難されましたことは私も真摯に受け止めております。ただ、社員につきましては経営と同次元でそういったことを考えているわけではございません。ただし、撤退したことに対しては私は社員にはちゃんと説明はしております。
 我々は、公共性を維持しながら収益を上げる、そういう答えを見いだせなかった代わり、先ほど申し上げたように違った面でのその公共性を築いていこうと、それが障害者の方に対するそういった低価格でのサービスであったり、スカイマークの社員は決して賃金が高いわけではありませんが、そういったところで何らかの社会貢献を我々はしようと、そういう形で社員の同意を得ております。
○西田実仁君 先ほど西久保参考人が、事業を始められる場合に、組織として業務基準とかあるいは勤務基準というのもなくスタートしたという御発言があったように思います。
 そこで、航空局長にお聞きしたいんですが、国土交通省に出した計画書、報告書でしょうか、それを見ても、そのような組織としての対応の遅れということも記載されておりました。先ほど西久保参考人からも、そもそもスタートするときにそういった勤務基準とか業務基準もしっかりしてなかったという話もあったんですけれども。そうしたことの現状を踏まえた上で、新規参入ということで、そういうことも把握された上で、でもやっぱり新規参入ということに踏み切ったということなんでしょうか。ちょっと意味合いがよく、そんな不十分な体制でそもそも始めたということであれば、それはそれでまた問題ではないかと思ったわけですけれども。
○政府参考人(岩崎貞二君) 私どもも、新規の航空エアラインの参入を許可する際には安全についてはチェックをしております。運航、整備については、運航規程、整備規程というのを出していただきまして、その体制なんかもできるだけ見るようにしておると、こういうことでございます。
 ただ、私ども、この間の一連の反省といたしまして、そのときの状態は見ているんですけど、その後の変化の状態でありますとか、そこがぎりぎりでやられているのか、もう少し余裕を持ってやられているのかということについては必ずしもそのチェック体制が、最初入ったときにはちゃんと見ているけどその後は必ずしも十二分にフォローしていなかった、あるいはそれが本当にぎりぎりのものなのか、もう少し余裕があるものなのかということについては必ずしも十分思料してなかったと、こういうことは少々反省すべき点かと思っております。
 今後、新しい航空法で安全マネジメントという概念がありますので、そういうソフトの体制というのをこれから新規のエアラインも含めてきっちり見ていくように頑張ってまいりたいと思っておるところでございます。
○委員長(羽田雄一郎君) 小林美恵子君。
○小林美恵子君 二度目の質問の時間を与えていただきまして、ありがとうございます。私は、この場での質問は、客室乗務員の方にかかわりまして質問さしていただきます。
 職員の皆さんの、何といいますか、やっぱり誇りといいますかね、それがやっぱり大事にできる職場環境でこそ安全も担保できる面もあるかなというふうに思うんですけど、その点といいますのは、やはり経営されている皆さんの姿勢いかんに問われているというふうに思うんですね。
 そこで、これはJALさんの場合でございますけれども、客室乗務員にお客さんから二件のクレームがあると、JR西日本ではないですけど、日勤教育並みのことが行われているというふうに私は聞きました。これはその一日のカリキュラムでございます。朝九時半から夕方の五時半まで、一人に対して室長など四人の担当者が付かれて、中には接客対応の基本をビデオを撮る、さらにロールプレーをしてビデオを撮る。想像しますと、私は何か本当に恐ろしくなる感じがするんですけれども。それ以降は最短で一か月、長い場合は数か月も降格となるということでございました。このことで、そういう教育といいますか、そういう場面に遭遇せざるを得なかった方は、職場復帰がもうできなくなったり、精神が不調になったりするんだと。
 私は、いわゆる誇りを持って、職員の皆さんが誇りを持って働くというふうに考えますと、研修どころか、こういう日勤教育まがいのことというのは、それと相反するんじゃないかというふうに思いますけれども、これは西松専務、いかがでしょうか。
○参考人(西松遙君) 職員の教育というのは非常に難しい問題だろうと思います。個々人の資質ももちろんばらばらでありますので、我々としては、先生がおっしゃったような形の一方的な教育といいますか、しているつもりは毛頭ございません。個々人のどこが欠けているか、どこがこの人には教育する部分が必要なのか、そういったものを見極めた上で教育をして、なるべくサービス、全員がきちっとサービスができるように、そんなふうに教育しているというのが、教育の、まあ何というか訓練といいますかね、これの基本であるというふうに考えております。
○小林美恵子君 ですから、そのことによりまして、例えば精神が不調になったり職場復帰ができなくなったりってするようなことはあってはならないと思うんですけどね。これはそうじゃないですか。
○参考人(西松遙君) もしそれが事実とすれば非常に重要なことだというふうにはもちろん認識はしております。ただ、現状、私自身はそういった事実があるというふうにはちょっと把握しておりません。
 以上でございます。
○小林美恵子君 冒頭、専務さんは、安全ミーティングだということで、役員の皆さんが現場の皆さんとお話をするということをおっしゃられていました。そういうことを本当に隅々にわたっておやりになっていたならば、こういう問題は既に把握されているはずだと私は思います。しっかり把握されて是正をしないと、本来の安全運航というのにも影響を与えていくんじゃないかということを指摘しておきたいと思います。
 最後になりますけれども、私は、今日は航空三社の皆さんがお越しいただきましたので、その皆さんに対して御質問さしていただきました。しかし、この間の航空のトラブルといいますのは、やっぱり政府が、整備の面しかり、それから運航乗務時間しかり、規制緩和してきたことはやっぱり重大だと言わざるを得ません。こうしたトラブルの背景に政府の安全をないがしろにした規制緩和もあるんだということを最後に指摘を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) その他質疑を希望される方、いらっしゃいますか。──よろしいですか。
 予定の時刻が参りましたので、本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十九分散会