第164回国会 環境委員会 第2号
平成十八年二月三日(金曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 二月二日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     小池  晃君
 二月三日
    辞任         補欠選任
     竹中 平蔵君     岡田 直樹君
     矢野 哲朗君     水落 敏栄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         福山 哲郎君
    理 事
                関口 昌一君
                橋本 聖子君
                岡崎トミ子君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                大野つや子君
                岡田 直樹君
                狩野  安君
                西田 吉宏君
                真鍋 賢二君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                大石 正光君
                小林  元君
                広野ただし君
                加藤 修一君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                荒井 広幸君
                田村 秀昭君
   国務大臣
       環境大臣     小池百合子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   副大臣
       文部科学副大臣  馳   浩君
       厚生労働副大臣  中野  清君
       環境副大臣    江田 康幸君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  竹下  亘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渋川 文隆君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局参事官     山崎 穰一君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  神余 隆博君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       大島  寛君
       厚生労働大臣官
       房審議官     岡島 敦子君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       小野  晃君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       森山  寛君
       経済産業省製造
       産業局次長    塚本  修君
       国土交通大臣官
       房審議官     和泉 洋人君
       環境大臣官房審
       議官       寺田 達志君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
       環境省総合環境
       政策局長     田村 義雄君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       滝澤秀次郎君
       環境省水・大気
       環境局長     竹本 和彦君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○石綿による健康被害の救済に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○石綿による健康等に係る被害の防止のための大
 気汚染防止法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(福山哲郎君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
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○委員長(福山哲郎君) この際、江田環境副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。江田環境副大臣。
○副大臣(江田康幸君) おはようございます。
 昨年の十一月二日に環境副大臣を拝命いたしました江田康幸でございます。
 二十一世紀は環境の世紀と言われ、環境と経済の好循環を目指して新たな社会の構築が求められておりますが、環境省が、小池大臣の下、その責任を十分に果たしていくことができるよう、微力ではございますが、精一杯、環境行政に取り組む所存でございます。
 福山委員長を始め委員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
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○委員長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 石綿による健康被害の救済に関する法律案及び石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案の両案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総務企画局参事官山崎穰一君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(福山哲郎君) 石綿による健康被害の救済に関する法律案及び石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○関口昌一君 自由民主党の関口昌一です。
 昨年六月にアスベスト問題が浮上してまいりまして、政府は各種対策の検討を進めて昨年の十二月にアスベスト問題に関する総合政策を作成したということであります。これに基づき、今回、石綿による健康被害に関する救済と対策、二法案を国会に提出したということであります。
 私は、今国会直前に行われました環境委員会におきます委員の派遣に参加いたしました。そして、尼崎の市役所において、市役所の方々、そして株式会社クボタ、また患者と家族の、被害者のですね、患者と家族の方々から、意見交換を行ってまいりました。限られた時間でございますので、そのときの意見交換を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、今回の法案の提出に至るまでの経緯についてお伺いいたします。また、その意見交換のときに患者さんの方々からは、自分たちの意見を聞かないで進められたんではないかという疑念を持っておられたようであります。環境省では一般的に、法案を提出する際には中央環境審議会において諮問等を行って、その審議会で十分審議を行った上、パブリックコメントを行って法案を提出しているということでありますが、今回こうしたプロセスを踏まなかった理由について併せてお伺いいたします。
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 何よりも迅速な救済の必要性ということに尽きるのではないかと思っております。
 今回の救済制度の対象としております中皮腫や肺がんでございますけれども、これは重篤であるとともに非常に予後の悪い疾患でございます。半数の方々が死亡に至るまでの時間が、肺がんでは十二か月、中皮腫では十五か月ということでございまして、しかも患者さんの数は年々増大傾向にあると、こういったことを踏まえまして、政府としては一刻も早い救済が必要であるというふうに判断したところでございます。
 先年、八月二十八日にアスベスト問題に関する第二回の関係閣僚会合を開催いたしまして、救済のための新たな法的措置を講ずることとし、次期通常国会に提出するということを決定いたしましてから数次にわたる関係閣僚会合を重ねまして、今日の法案提出に至ったものでございます。
 なお、その間、この法案につきましての基本的枠組みあるいは大綱等々随時公表させていただきまして、広く国民の皆様の御意見を承るとともに、大臣にも尼崎まで行っていただきまして患者の方々とお話しいただくなど、政府としてはできる限りの努力をしてきたと考えております。
○関口昌一君 迅速な対応が必要、私もそう思うわけであります。この法案が通りますと五年ごとに見直すというようなこと、改定をするということであります。いろいろ十分ではまだまだないと私も理解しておりますが、しかし緊急の対応が必要ということで今回の法案の提出ということであろうかと思いますが、いろいろな様々問題が出てくる中で、五年の間の中でしっかりと被害者の方々が救われるような対応をしていただきたいと思っております。
 次に、患者の意見交換会のときに患者の方々から、労災では救済できないアスベストによる健康被害者の救済について、新たな救済新法でなく公害病として公害健康被害の補償等に関する法律の対象にしてほしいというような要望が出されました。
 公健法の対象としないで新たな救済新法を制定することにした理由をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 公健法の位置付けでございますが、相当範囲にわたる著しい大気汚染などの影響による疾病に対しまして、汚染原因者の負担による補償給付を行う法律でございます。
 一方、今回の石綿による健康被害につきましては、石綿への暴露から三十年ないし四十年という非常に長い期間を経て発症するという特性を有しておりますが、石綿への暴露があった当時の大気汚染の状況は定かでないということもございます。
 また、石綿は、事業活動のみならず建築物でありますとか自動車など極めて広範な範囲で利用されてきたこともございまして、どのような状況において石綿に暴露したのかを明らかにすることが難しく、個々の健康被害の原因者を特定することが極めて困難であるという特徴がございます。
 したがいまして、汚染原因者を特定することができない石綿の健康被害につきましては、汚染原因者の責任を踏まえた制度である公健法を適用することは困難であると考えたわけでございます。
 しかし、今回問題となっております石綿を原因とする中皮腫でありますとか肺がんにつきましては、発症から一、二年で死亡するケースが少なくなく、自らに非がないにもかかわらず、何らの補償を受けられないまま亡くなられるという悲惨な状況にもあるわけでございます。
 このような中皮腫等の石綿による健康被害の特殊性にかんがみまして、原因者が被害者の損害を補償するという民事上の賠償責任とは切り離しまして、事業者、国、地方自治体の全体の費用負担による被害者の迅速な救済を図ろうとしたわけでございます。
○関口昌一君 今ちょっと、答弁の中にもちょっと出てまいりましたけれども、ここであえて政府では補償という言葉は使わず救済という言葉を使用しているということは、簡潔で結構ですが、どのような理由か、ちょっと聞きたいと思いますが。
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 ただいま保健部長からも答弁いたしましたように、損害のてん補を目的とするような制度ではないということに尽きようかと思っております。
○関口昌一君 お二人の説明も今伺ったわけでありますが、あえて救済という言葉を使っているということでありますが、補償という気持ちに立ってまた対応をしていただきたいと要望させていただきたいと思っております。
 次に、救済給付の内容でありますが、法律では療養手当、そして葬祭料、また特別遺族弔慰金などがありますが、金額については政令で定めるということになっております。これらの金額と策定の根拠についてお伺いいたします。
 あわせて、尼崎市や患者の方々からは、労災補償とバランスの取れた補償の制度化を要望しておりました。特に要望の強い医療機関までの交通費等も含めて、どのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 ただいま御質問の中にもございましたけれども、また先ほど答弁をさしていただきましたけれども、本制度は損害のてん補ということを目的とするものではございません。また同時に、例えばすべて必要となる費用をすべて積み上げてそれを支給するというものでもございません。そのような救済制度というフレームの中で、国における各種救済制度とのバランスを取って支給額を決定するということにしております。
 具体的には、医療費につきましては自己負担分を支給をする、療養手当につきましては関連諸制度を参照して月十万円ということを考えております。葬祭料につきましても、他の制度の例に倣い、約二十万円ということを考えております。また、特別遺族弔慰金につきましては、これはなかなか類似の制度ございませんけれども、特別遺族葬祭料と合わせまして三百万ということを考えているところでございます。
 なお、御質問にございました交通費等の問題でございますけれども、ただいま申し上げました療養手当、これは定型化されたものでございますけれども、入通院に掛かる費用等も勘案して定めるということとしておりまして、これと別途通院費の実額支給ということは考えていないということでございます。
○関口昌一君 答弁聞いて少しがっかりした部分もあるんですが、被害者の方々からとりまして、今大変な思いをしているということであります。質問の中の要望として、またそうしたものも含めて今後お考えをいただきたいと要望したいと思っております。
 次に、指定疾病について、法案では中皮腫、気管支又は肺の悪性新生物、そして政令で定めるものとなっておりますが、具体的に対象指定疾病の範囲、また認定基準、そして申請から認定までの期間についてお伺いいたします。
 あわせて、尼崎市からは労災の対象疾病と同等とされたいというような要望もございました。これに対する環境省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 本救済制度の指定疾患の関係でございますが、いろいろと専門家の御検討もいただいている最中でございますが、中皮腫、肺がんを指定疾患として想定しております。ちなみに、労災における石綿関連疾患といたしましては、中皮腫、肺がんのほか、石綿肺、びまん性胸膜肥厚、あるいはさらに良性石綿胸水という疾患が挙げられているわけでございます。
 中皮腫、肺がん以外の、まず石綿肺でございますが、その特徴といたしまして、これまで職業性暴露での発症しか知られていないという事実がございます。また、労災の関係でございますが、古くからよく知られた典型的な職業病ということでのじん肺の一つというふうに位置付けられておりまして、特別加入制度も含めた労災制度が一方において整備されているという状況にございます。
 またさらに、びまん性胸膜肥厚あるいは良性石綿胸水について申し上げますと、これもやはりこれまで職業性暴露での発症しか報告されておらないということと、労災制度におきましても平成十五年に新たに対象疾患として加わったと、認定者数も少ないというふうに聞いております。
 こうした経緯、特殊性を勘案いたしまして、現時点ではこれら中皮腫、肺がん以外の関連疾患については救済給付の対象としていないわけでございますけれども、今後、医学的知見でありますとかデータの集積を図り、職業性暴露以外の暴露による御指摘の疾患の発症状況等を踏まえつつ、必要に応じて将来これらを指定疾患とすることはあり得るものと考えております。
 また、申請から認定までの期間でございますが、当該疾病が石綿によるものであることについて医学的な判定をするために一定の期間が必要になると考えております。石綿による健康被害は重篤であり予後も悪いという実情を踏まえて、でき得る限り早急に認定が行われるように努力はしてまいりたいと考えております。
○関口昌一君 いろいろ認定で難しい部分もあるかと思いますが、職業暴露以外でも被害者の方もおられると私も思っております。しっかりとまた対応していただきたいと要望しておきます。
 いろいろ尼崎市や患者の方々から意見や要望はまだまだあるかと思います。環境省を始め政府にいろいろなまた意見や要望もなされていると思っております。なお一層理解と協力が得られるよう全力で取り組んでいただきたい。そしてまた、救われるべき人が救われるよう、被害者に対して、今回のアスベストによる健康被害の救済措置の周知徹底をお願いしたいと思います。
 国民に対して、国民への周知に対する竹下政務官の決意を、強い決意をお聞かせいただきます。
○大臣政務官(竹下亘君) 関口委員のおっしゃるとおり、周知徹底するということがまず大事でございまして、やっぱり被害者、あるいは被害者の遺族の皆さん方にこの制度の内容をしっかり理解していただきまして、そして積極的に利用していただく、そしてもちろん労災の方も積極的に利用していただくという形に持っていくことが大事であるというふうに考えております。
 このために、制度の内容や認定の申請手続等につきまして本当に徹底的に周知徹底を図っていきたいと考えておりまして、政府広報や環境省及び独立行政法人環境再生保全機構のホームページを活用するという方法のほかに、ポスターやリーフレットも作成をいたします。また、被害者の目に触れるよう関係機関に協力をお願いするなど、様々な広報媒体を利用をいたしまして、もちろん新聞にも広告を出しますし、環境省が持っておるものだけではなくて、政府が持っておりますあらゆる広告媒体を通じて積極的かつ分かりやすい広報に取り組んでいこうと、こう決意をいたしておるところでございます。
○関口昌一君 よろしくお願い申し上げます。
 次に、アスベスト廃棄物対策についてお伺いいたします。
 今回、廃棄物処理法を改正して、高度技術による無害化処理認定制度を創設することになったということであります。そして、今年一月には北九州市、また広島県の福山市の民間施設で既に実証実験を行っているということであります。
 そこで、アスベスト廃棄物について無害化処理は可能であるのかどうか、また埋立て処分と比較した場合のコストについてお伺いいたします。
○政府参考人(由田秀人君) お答えいたします。
 アスベストは千五百度以上の高温域で溶融されますが、混合物の種類、混合比、投入方法などの条件を適切に組み合わせることにより、これよりも低い温度域でも溶融・無害化処理が可能な場合があることが知られており、現に処理を行っている溶融施設もあるわけでありますが、更に新たな技術の開発へ向けまして、現在、今のお話にありました実証試験を進めているところであります。
 また、コストに関しましては、アスベスト廃棄物の処分場につきまして、今回のアスベスト問題以降、受け入れる処分業者が減少するなどによりまして処分費用が高騰している状況も見られております。無害化処理に要するコストは、最終処分に要するコストとそれほど大きな差異はない状況になるものと想定をいたしております。
 さらに、環境省におきましては、アスベスト廃棄物の新たな無害化処理技術の開発を進めるために、公募により研究費の配分を行う補助制度を行っておりまして、その支援を行うことといたしております。特に無害化処理につながり得る早期の実用化が可能な技術の開発を重点的に支援する方針でありまして、この事業を活用して更に安価な無害化処理技術の開発を支援してまいりたいと、このように考えております。
○関口昌一君 今後十年間の間にアスベスト廃棄物はピークを迎えるものと思われております。しかし、一方で、現在も産業廃棄物の不法投棄というのが頻繁に行われているというのが現状でありますし、また、過日新聞報道によりますと、一部アスベストの廃棄物の不法投棄が発生しているとのことであります。
 国民の健康に重大な影響を与えるアスベストの不法投棄をどのように取り締まっていくのか、またアスベストの不法投棄対策に臨む小池環境大臣の強い決意と、そしてこのアスベストの全体の問題について、しっかりと取り組んでいく決意を併せてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 今回御審議いただいておりますこのアスベストの新法によりまして、そしてまた関係法の改正によりまして、一日も早くまず被害者の皆様方の救済を行っていくという観点と、それから、今後更に出てくるであろうアスベスト廃棄物が、その取扱いを間違うことによってまた新たな被害を生じさせない、この二つの観点が重要かと思います。
 今不法投棄のことについての御質問がございましたが、残念ながら、これまでも京都や大阪、岡山などでアスベスト廃棄物の不法投棄が行われたということが明るみになっております。いずれも自治体、撤去して最終処分場に処分を行ったということでございますが、いずれにいたしましてもこのアスベスト廃棄物の不法投棄の防止というのは重要な課題であると、このように認識をいたしております。
 今回、廃棄物処理法の改正で、先ほど部長の方からもお答えいたしましたけれども、無害化処理認定制度というのを設けました。埋立て処分のルートに加えまして新たにこの無害化処理のルートを開拓するということで、処理のバリエーションを広げるということも不法投棄防止の一助になるかと考えております。そのほか、マニフェスト制度の充実であるとか監視の強化など様々な総合的な措置を通じまして、今御質問ございましたアスベスト廃棄物の不法投棄対策にも全力で取り組んでまいりたいと、このように思っております。
 救済、そしてこれからの発生を抑える、こういった総合的な取組を迅速に行ってまいることによりまして、今回のこのアスベストについての様々な措置、まず行っていきたいと、このように考えているところでございます。
○関口昌一君 昨年六月からこのアスベストの問題が浮上してきて、そして今国会で迅速に石綿に関連する二法案を提出するということで、私はさらに、小池大臣も尼崎市の方に行かれていろいろ意見も聴取されたということであります。私、その迅速な対応には大いに評価している一人でありまして、ただ被害者の方々、患者さんにとってまだまだ十分な法案ではないかと思います。私は、このアスベストの問題についてスタートを切ったと思っております。今後もしっかり時間を掛けて少しでも被害者の方々に御満足いただける、そしてこうした問題が二度と起こらないようなしっかりとした対応をしていただきたい、それには環境大臣、本当に頑張っておられること、また今強い決意も聞かせていただきましたので、今後ともよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。
 今日はこの参議院の環境委員会に、多くのこのアスベストの問題について見守っていらっしゃる患者の皆さんや、あるいは働く現場で苦労されていらした皆さんや、そのことを応援された皆さんたち、傍聴しておいででございますけれども、つい先日は二千五百名の皆さんたちが国会に要請においでになりました。ある方は酸素ボンベを持ったまま、訴えなければいけないという思いで国会にいらしたわけでございます。
 私ども参議院の環境委員会、尼崎市で、市やあるいはクボタやあるいは患者の皆さんからの意見の交換ということもさせていただきましたけれども、これは本当に被害の規模が大きくて、長期間持続して、そして生産過程だけではなくて経済のすべての過程において被害を生じていくというものでありまして、正に人類史上類を見ない、複雑で、しかも深刻な問題だというふうに思っております。
 衆議院の質疑の経過をずっと見てまいりましても、なかなかこれ患者さんにこたえることができていないなという思いでございます。そして、国の責任、国の不作為という問題についても、はっきりとその責任が明確になりませんでした。本当に残念な気持ちでこの質問に立たせていただいております。
 国の責任ということでいえば、国がどのように認識していたのか。各国の動きでありますけれども、一九七二年にデンマーク、翌七三年にはアメリカがアスベストの吹き付けを禁止しました。日本は一九七五年に労働安全衛生法で吹き付け作業を規制しましたが、アスベストの含有率が五%以下のものは除外されて、ノンアスベスト製品として使われ続けました。一九八三年にはEUが毒性の強い青石綿の原則禁止を打ち出して、八三年にはアイスランド、八四年にはノルウェーがすべての石綿を禁止いたしました。一九八六年に青石綿と吹き付けを禁止するILO石綿条約が採択されまして、デンマーク、スウェーデンが全石綿の原則禁止、九〇年にオーストリア、九一年にオランダ、九二年にフィンランド、イタリア、九三年にドイツ、九六年にフランスが続きまして、九九年にはEUがすべての石綿の禁止を決定しております。
 ところが日本は、九五年にやっと青石綿、そして茶石綿の禁止。しかし、白石綿については引き続き使用が認められました。一九八六年のILOの条約批准から二十年間たっているんです。
 二万人、こういう数の皆さんたちが命を落とされました。今も、間もなく私も死んでしまうかもしれない、そういう不安な声を私たちは実際に聞いてまいりました。何としても国の責任というものについて明確にしていただきたい、そのことを私は申し上げて質問をしていきたいと思いますが、こうして各国が禁止をしてきた、このことを把握した上で管理使用の道を選択したのはなぜでしょうか。
○副大臣(中野清君) 岡崎委員の御質問にお答えをしたいと思います。
 今、いわゆるクロシドライトとかアモサイト、いわゆる青石綿、茶石綿についてはお話ございましたけど、お話しのとおり、これについては我が国でも平成七年に法令上禁止しておりますが、それ以前からこれについては実質的には行政指導でほとんど使ってなかったんですけど、今御質問のことについてちょっと申し上げたいと思いますけど、有害性の比較的低いクリソタイル、白石綿ですか、につきましては法令に基づく暴露防止措置を義務付ける等の厳格な管理の下で使用を認めていました。これが今委員おっしゃったことでございますが、これにつきましては、昭和六十二年、一九八七年にWHOの国際がん研究機関、IARCが、その主要な代替品でございますところのグラスウール、ロックウール等を人に対してがん原性となる可能性があると分類しておりまして、これには、これと一緒に当時から、安全というんでしょうか、で使用できる代替品というのがほとんどなかったということが一点と、それから、今委員おっしゃいましたILOの石綿条約でも、どちらかというと禁止というよりも管理というんでしょうか、使用禁止でなくて管理使用の対象にクリソタイルが当時あったというようなことを踏まえまして、今のようなことをやってきたわけでございます。
 しかし、これにつきましても、平成十三年、二〇〇一年に、WHOが代替品の評価、これはグラスウールとかロックウールでございますけれども、これについてを人に対するがん原性として分類され得ないというふうに変更したことを受けまして、平成十五年、二〇〇三年に政令を改正して、平成十六年からその使用等を原則禁止をしたものでございますので、どうか御理解を賜りたいと思います。
○岡崎トミ子君 だれも納得しないようなことを営々とおっしゃいますね。
 なぜかというと、これまでの御答弁の中で、衆議院でも科学的知見が限られてきたというようなことを言うわけなんですけれども、今私がずっと言いましたのは、アスベストの危険性というものに関してはもうはっきり指摘されていたということなんですね。環境暴露の可能性も指摘されてきていたと。こういうことが分かっていて、環境汚染の観点からもその可能性はっきりしてきたわけなんですけれども、どうしてその管理使用には限界があるということについて気付かなかったのか。管理使用に限界があったということについての認識はいかがですか。そして、管理使用も徹底されてないんですよ。
○副大臣(中野清君) 今の委員の御質問でございますが、管理使用については、当時としての知見としては、やはりこれで大丈夫だろうというような、そういう認識があったということは御承知のとおり間違いないわけでございまして、そういう点については我々も今の時点になってくれば反省せざるを得ない点はたくさんございますけど、まあその点については、今申し上げましたように、例えば代替品の問題を一つ取りましても、当時から全然もう、何というか、代替品もう駄目だというようなことになっておったものでございますから、やむを得ずそういうようなことを実際にやってきたということについては御了解を賜りたいと思います。
○岡崎トミ子君 理解できないという観点で質問をしているわけなんですけれども。反省したという言葉で、命を落とされた側はどういう思いで今受け取ったかなという思いがいたしておりますけれども。
 これまでの御答弁の中にも、予防的アプローチというものについても浸透していなかった、あるいは小池大臣は、すき間のない救済というときに今までずっと縦割りでやってきたのでその省庁間の連携が悪かった、このことも認めておいでですが、だからといって政府が責任取らなくていいということには全く理由にならないというふうに思うんですね。国全体としてやっぱり適切な処置はとってこなかったと、このことを明確にしていただきたい。
 小池大臣、環境行政に当たるときには、基本は環境だけではなくて命の問題にまで行き着く、そこに向き合うところから環境行政を行っていくというこの視点で当たっておられますか。
○国務大臣(小池百合子君) それは当然のことだと思います。
 今、環境によりまして、例えば開発途上国などでかつて日本で見られていたような事件などが多発しているということを考えますと、そういった環境のことは日本のみならず世界においても同じことが言えると、このように思っております。
 また、このアスベスト、石綿の問題を考えますと、やはり科学的知見ということ、これを立証していくことが完璧にならないとアクションが取られなかった。つまり、予防的アプローチという感覚が九二年のリオ宣言で明確になっているわけでございますけれども、そこの実効が足りなかったのではないかと、このような反省をすべきだと、このように考えております。
○岡崎トミ子君 そういうことをなさっている間に、そういうふうに認識している間に病気になりあっという間に命が失われるというのは、この正にアスベストによって病気になってしまわれた肺がんや中皮腫と、そういうことなんですけれども、一つお聞きしておきたいのは、国が過去の対応の検証、なぜこれを行ったのかですね。この検証はやはり第三者機関によって行わないと、はっきりと、こういう国の責任という、行政の責任ということを明確にしてほしいというときに答えが出てこないんですね。なぜ第三者機関によって行わなかったのかですね。
 今後の対応について、総理の下に対策会議を設けて、そして当事者も入った中での委員会の設置ということを私たちは要求していきたい。そういう法案の中身にも私どもはなっているわけなんですけれども、本当にこれまでと違うことをやるためには是非第三者機関でのきちんとした検証というものを行うべきだと思うんですが、どうですか、それについては。
○国務大臣(小池百合子君) 今回、この石綿問題につきましては関係閣僚会合を幾度か開きました。その間において、例えばそれぞれの省庁の検証ということを行うということで、環境省の方におきましても何をやってきたのかということで検証を重ねたところでございます。そして、十分な検証作業を行いまして、その結果を八月、そして九月の関係閣僚会合にも提出をさせていただきまして、この検証に用いた資料を併せて公表もさせていただきました。
 その検証の結果でございますけれども、旧の環境庁、ちなみにこれは、旧環境庁は昭和四十六年に設置されたものでございますけれども、四十七年、翌年の昭和四十七年から石綿に関する科学的知見の収集、そして環境モニタリングなどに努めまして、それぞれの時点で科学的知見に応じて対応を講じてきたものでございまして、その意味で行政としての不作為ということはないと、このように検証いたしております。
 しかし、一方で、大気汚染防止法によります規制の導入というのは平成元年に行っております。当時においてはまだまだ予防的アプローチの考え方が十分な認識がなかったという事情もございまして、平成元年まで規制、この大気汚染防止法によります石綿の規制の導入がずれ込んでいるということでございます。
 また、検証の中で私はやはり痛感したわけでございますけれども、それぞれが持っている情報であるとか、そういったことについて関係省庁間の連携、必ずしも十分ではなかったのではないかと、このように思うところでございまして、こういった検証を通じまして政府の過去の対応と何をしてきたのかということが明確になったものと考えております。
 今御指摘ございましたけれども、更に第三者機関の設置して検証をしたらどうかということでございますけれども、各省庁でこのような検証を行ってきたということで、御指摘のような第三者機関の検証ということについてはその必要を感じておりません。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 今、岡崎トミ子議員からるるの話で政府の御質問ございましたので、第一回目の会合から各閣僚の会合につきましては内閣官房が主催をしておりますので、御答弁させていただきたいと思います。
 今、第三者機関の話が出ております。今、小池大臣からお話しいただいたとおりでありますけれども、内閣官房といたしましても、政府の過去の対応については、アスベストに関連するこれまでの通知とか通達、そして行政文書、研究等の結果等をともかく誠実に関係各省の中できちっと調査を踏まえて検証し、昨年の八月二十六日に「アスベスト問題に関する政府の過去の対応の検証について」をまず第一弾として公表をさせていただき、なお精査することとされた点につきましても、この省は厚生省と環境省でありますけれども、九月二十九日に「政府の過去の対応の検証について(補足)」を取りまとめ、これもきちっと公表をさせていただきました。
 政府といたしましては、十分な検証を行ったものと考えておりますし、さらに第三者機関の設置については検証を行うことは考えておりません。
 いずれにしても、岡崎トミ子議員のお話のように、私どもは政府として真摯に反省すべき点は反省をして、政府としてアスベストによる健康被害者の皆様の現状を重く受け止めまして、迅速な救済のために救済法案を提出したところでございまして、一日も早く施行できるように、誠実に務めていただきたいと思っております。
 以上であります。
○岡崎トミ子君 幾ら誠実に真摯にというふうに言われましても、結果、こういう会議を持って今までとは違うことをやりましたって示してもらわないと、これはだれも納得しません。縦割りでいろいろやってきた結果命を落としたということになりますと、納得しません。ここが本当に、国は責任を取ろうとしていない、逃げの一点張りだ、そういうふうにしか私には思えないんですね。
 本当に、環境省は大気の問題、厚生労働省は労働安全と廃棄物の問題、経済産業省は代替の促進、業界の指導、国土交通省は建設省の時代に建築物、運輸省、自動車、文部科学省、学校アスベスト、防衛庁が基地と艦船、そして消防庁が火事や断熱材、こういうことで縦割りでずっとやってきて、それを誠実に検証したと言っても、もう命を二万人以上落とされたとなると、本当に今までと違うことをやってください、患者さんを入れてやってください、当事者を入れてやってください。今までと違うことをやったから反省の形がこう表れているということがなければ、私は納得されない方々、そちらに本当に傍聴席にお座りでいらっしゃると、そういう気持ちなんです。
 その方向性を大臣はお考えになりませんか。
○国務大臣(小池百合子君) 関係閣僚会合は、正に関係した閣僚が、このアスベスト問題をいかにして救済をし、そして今後の更なる被害を広げないかという観点で数次開いてまいったところでございます。また、関係閣僚のみならず、それぞれの省庁の担当職員が連日討議をいたしまして、どういった形で進めていくか、またさらには、検証を踏まえた上でのどのような対応ができるかということで今回の新法を出させていただいたところでございます。
 これまでにないということでいうならば、この新法、全く新しい法律でございます。そしてまた、各種の事業者の皆さんにも御協力をお願いするという、ある意味で極めて新しい、新法だから新しいんですけれども、正に新しい法律でございます。それをやはり被害者の皆様方の今背負っておられる現実、そして命の尊さということを考えますと、ここはスピード感ということも十分必要ではないのかということで、昨年の六月以降でございますけれども、半年余りでこの新法を皆様方に御審議いただけるというのは、ある意味では今スピード感を言ってもしようがないと被害者の皆様方は思われるかもしれませんけれども、しかしながら政府として今なすべきことということでこの新法の救済策を出させていただいていると。これはある意味で、これまでの縦割りで、いやこれはあんたのところの仕事だといって押し付け合ってきたような部分がある、その正に霞が関におけるすき間を一気に埋めて、そしてこの新法が出てきたものと、これまでになかったことではないかと考えているところでございます。
○岡崎トミ子君 やっぱりスピード感はいいんですよ。本当にスピード感を持ってやっていただくということに異議はありませんけれども、責任、だからないということについてはこっちに置けない、横に置けないという、真っすぐにそこをまず認めていただかなきゃいけないというふうに思うんですが。
 今すき間のない救済制度ということについても触れられましたけれども、労災補償とは随分内容において大きな格差があるというふうに思います。被害者の方々からそれが強い声となって私どもにも寄せられました。衆議院で議論して、民主党は最低限の改善点として労災との水準の格差を小さくする修正案を出しましたし、こちらも、やはり同じように参議院でも、是非とも改善していただきたいということで、政府の現実に十万円ではやっていけないということに関して、一人一人が事情は違うんじゃないかと、そういうことは勘案されないのかと。病状も違うし生活の面でも違っているというふうに思うんですね。患者の皆さんたちは全く落ち度がない、落ち度がないのにどうしてこういうことになったんだと、そういうことをたくさん背負いながら今頑張っておられるわけですが。
 小池大臣、三十歳で亡くなった中皮腫の方、こういう方々、若い人たちのアンケートでは、じゃどうやって生活していくときに、借金なんですね。それから保険を解約したという方もいらした。それから小さいお子さんがいらっしゃる方もいる、でももう高校生の方もいらっしゃる、こういう方々も大変お金も掛かるという、こういう現状になっておりますけれども、これは大臣、全部自分で背負いなさい、十万からはみ出したのはあなたたちが背負いなさいと、こういう意味ですか。十万一律というふうになっていますけれども、背負いなさいという意味ですか。ここをちょっと聞いておきたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) まず、今回の救済制度でございますけれども、個別的な因果関係をなかなか明確にできないというような特殊性がございまして、こういった背景を基に、民事上の責任とは切り離した上で、事業者、そして国、そして地方公共団体、全体の費用負担をお願いして被害者の皆様方に対しての迅速な救済を図ろうというものでございます。
 この制度におきましては、被害者のすべての損害をてん補するということを目的といたしておりませんで、その意味では就学援護費などの支給は行わないということになるわけでございます。
 また、療養手当についても御指摘ございました。中皮腫、肺がんなどが重篤な疾病であるということは重々分かっているわけでございまして、入通院に伴います諸経費、そして介護に掛かる費用を勘案いたしまして定型化したものでございます。
 そういった形で、できるだけこの救済に資していこうという、その意味を込めましての法律案、法案でございます。
○岡崎トミ子君 多分、その十万円、もうきついけれどもこれでやっていかなきゃいけないというふうに思われる方も私は中にいらっしゃるだろうというふうに思うんですけれども、どうしてもそれでは間に合わないという個別の事情を抱えている人たちに我慢しなさいというふうに小池大臣は言うのかと、そこについて答えていただこうと思ったんですけれども。
 最近の疫学調査でも、家庭の中でずっとい続けてきた、そういう女性たちが割と患者さんに多いということも分かってきた。こういう方がまた別なところに移転して、そして夫が先にもし亡くなっていらした、全く別なことで。子供も抱えていた、お金も掛かってくる。こういう人たちに対して十万円一律という、全く後の事情については勘案できない制度なんですよと。他の救済制度と見合いでやっているんですよと。日本の法律の枠はこれ以上出ないんですよと。それが今のこの新しい法案の結果だというふうに思うんですけれども。
 どうなんでしょうか。やっぱり私たちが、民主党としても、せめて通院費、せめて就学支援、これだけは配慮が必要だというふうに思っているわけなんですけれども、この枠、何とか検討していきたいというような方向性、見いだすことできないんでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 先ほどお答えさせていただきましたけれども、被害者の救済を目的とする制度でございまして、被害者の逸失利益の補てんであるとか遺族の生活保障を目的とするような給付項目は位置付けておりません。こういった形で、まず今御指摘ありましたように、通院費、就学援護費の支給ということについて、その制度の目的ということについて、そこから出てしまうということで、このたびの法案におきましては今御指摘のところの項目ということについては入っておりません。
 ただ、先ほども申し上げましたように、例えば通院費などについては、介護に掛かるような費用を勘案して定型化したもので、その中に入っておりますので、その別途の通院費という支給については考えておりません。
○岡崎トミ子君 アンケートを見ましたときに、一か月に十六万円通院費が掛かってしまったという方がいらっしゃいました。なかなか声が届かないのがとても残念なんですけれども、時間も限られておりますから次に行かなきゃいけませんが。
 ここで、中皮腫で亡くなった方のうちに確実にアスベストと接触していたことが分かっているという方の割合はどのぐらいありますか。
○副大臣(中野清君) 今お尋ねの問題でございますが、業務によってアスベスト暴露によって中皮腫を発症したとして労災認定された件数は、平成十六年までに五百二件でございます。なお、人口動態統計によりまして中皮腫を独立した疾患として集計を開始したのが平成七年でございますが、それ以来十六年までの十年間に亡くなられた方は約七千名でございます。
 以上でございます。
○岡崎トミ子君 昨夕の報告なんですけれども、中皮腫はアスベストが原因であることがほぼ明らかにされたというふうに考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(寺田達志君) 基本的に、中皮腫につきましては、中皮腫という確定診断があればアスベスト起源のものと認めて差し支えないということだと思っております。
○岡崎トミ子君 どこでアスベストと接触したのかというのが分かりにくい、非常に困難だというのが今日まで分かっているわけなんですけれども。たまたま仕事で暴露した、そのことが証明されて労災補償ということになった方、そうでない方という、この差別があるという、これは不合理ではないですか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 現在、厚生労働省、環境省、一緒になりまして専門家の検討をお願いしております。そうした暴露歴をいろんな制度上の認定にどう考慮するかと、労災の方ではそういった今までからの経緯があるようでございます。私どもの今回の新しい救済法の指定疾患という意味では、中皮腫という医学的な診断があればこれは救済の対象としていこうという考え方で目下整理中でございます。
○岡崎トミ子君 そうすると、やっぱりもう一回、本当に差別がないということになると、労災で認められている通院費、就学援護、こういうものは、差別がないとすると、それをきっちりやっていただかなければいけないなというふうになるわけなんですね。ここ差別がやっぱりあるんですよ、大臣。今、差別をしないというふうに、中皮腫で、どこで接触したかよく分からない、しかしもう病気になってしまった、でもそれは職場で暴露したか環境暴露かというところでは新法と労災との間にはやっぱり差別があって、一番最初に強い声で私どもに、なぜ格差があるのか、差別があるのかということについて言われているわけなんですけれども。中皮腫というのがアスベストに触れたことによってということがほぼはっきりとしてきたということになりますと、ここに差があってはならないというふうに私は思います。
 またもう一回戻ってしまうので、それでその次に進まなければいけないと思いますけれども、この労災関係ということでいきますと、この救済法によって救済する人の人数、それから労災によって補償するその対象となる人の人数についてはどのように見込んでおりますでしょうか。
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 本制度の対象者数の見込みにつきましては、吹き付け石綿の禁止あるいは石綿の発生施設における敷地境界基準の遵守等の義務付けを行ってまいりまして、こうした規制の効果というのをどの程度見込むかという難しい問題がございますので、政府として長期的に公式に予測できるというものではないと思っております。
 ただし、我が国の石綿の輸入実績が一九七〇年から一九九〇年までの間がピークであったこと、あるいは石綿による疾病の潜伏期間が三十年から四十年というふうに言われていること、また近年中皮腫による死亡者が増加していると、こういったことを考慮いたしますと、少なくとも当面は石綿による健康被害者の数は増加していくものだろうというふうに考えております。
 具体的には、石綿の使用量と中皮腫患者の発生との関連性に関する海外の研究事例、さらには厚生労働省が実施しております人口動態調査などを基に、二〇〇六年度以降の数年間は毎年二千から三千人、これは中皮腫と肺がんの合計ということで考えておりますけれども、二千から三千人の新規発症者が発生するのではないかというふうに思っております。
 お尋ねの中で、労災でどのくらい見込むのかと、こういうことがございましたけれども、これまた正確な予測というのは難しいわけでございますけれども、現時点で私どもは、労災補償制度のカバー率はおおむね五割程度を期待しているところでございます。
○岡崎トミ子君 労災で申請して認定するまでに大体六か月間掛かってしまうんですが、そこの方で申請をして、でも、あなたのそれははっきりしませんでした、労災認定されませんでしたということになると、今度、新法に行くわけなんですけれども、そうすると、その新法で認められたとしても、実はその申請した労災のこの六か月間というのは大変貴重な期間だというふうに思いますが、これ認められないわけなんですね。
 ですから、私はやはり、もっと手続が簡便で、労基署に行ったときにもう一つの例えば新法の申請をきちんとして、その期間からずっと認められるというふうにしないと、この六か月間は実は今、国では認められないことになっています、あなたは労災のこれが駄目でした、じゃ、どうぞ次、新法に行ってくださいというふうになる。ここをちょっと明確に整理して、患者さんが本当に便利なように、スピード感を持ってということであれば、露出がないようにしていただきたいと思いますけれども、その点に関してはいかがですか。
○政府参考人(寺田達志君) 労災と新法というのは、これは制度が違うわけでございます。
 新法の中では患者さんの利益を図ると、こういう意味合いもありまして、給付につきましては申請時にまでさかのぼると、こういう措置をとっておるわけでございます。
 ただいま御指摘の労災の窓口とそれから新法の窓口、例えば保健所でございますけれども、ここにおいてどういうことをするのかということでございますけれども、まず一つは、当然のことながら労災で救われる方は労災で救われるべきであるということがございます。また、御指摘ありましたように、労災の窓口に行かれても、結局最終的には労災の認定が受けられずに新法の方に更に救済を求めるという方もいらっしゃるということも想定されるわけでございます。私どもといたしましては、厚生労働省とよく連絡を取り合いまして、それぞれの窓口において十分にこの両制度の周知が図られるよう努力してまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 努力じゃなく、それを必ずこの新しい制度が出発するその時点においてやっていくということを確約できないですか。私は、そのやっぱり六か月間失うのは痛いというふうに思うんです。
○政府参考人(寺田達志君) 運営の細部につきましては今後検討いたしますけれども、ただいまの御指摘を踏まえまして最大限努力してまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 先ほども大臣は、とにかく各省庁間縦割りで、内閣の方からも縦割りでやっていたものを連携をしっかりするんだと、今までと違ってそれをやるんだというふうに言っているんだったら、やっぱり今のところも、検討とか努力とかじゃなく、そのようにしていきたいということを、もう衆議院の方でもこの話はちょっと出てて明確にしておきたいということの質問なので、そういう答えをいただきたかったというふうに思います。
 次に、財源の問題なんですけれども、この特別事業主というのはどういう会社か。何社から幾らぐらい徴収をするのか。数社なのか、数百社なのか、数千社なのか、これはっきりしておりません。地方公共団体の負担の分担の在り方につきましても、これからの議論だということでありますけれども、国会での議論が必要だったのではなかったでしょうか。
○政府参考人(寺田達志君) 御質問の内容に的確にお答えできるかどうかというところでございますけれども、まず特別事業主でございますけれども、これにつきましては、石綿との関係が特に深い事業活動を行っていたと認められる事業主ということを想定しております。
 この事業主の範囲とそれから負担額の問題につきましては、石綿の使用量、指定疾病の発生状況などを勘案して定めることとしておりますけれども、それにつきましては今後、有識者等から成る検討会を経て、平成十八年度前半のできるだけ早い時期に決定をいたしたいということでございまして、まだ検討過程でございますので、現時点で何社でどのくらいということについて政府として決定を行っているというものではございません。
 また、地方公共団体の負担についての御質問もございました。
 この制度は、何らかの賠償責任に基づいて負担をするというものではございませんで、個別的な因果関係を明確にすることができないという石綿による健康被害の特殊性にかんがみまして、民事上の責任とは切り離して事業者、国及び地方公共団体、それぞれが全体で費用負担をしようと、それで被害者の迅速な救済を図ろうというものであることは再三申し上げているところでございます。
 地方公共団体につきましては、石綿による健康被害者をすき間なく救済するというこの基金の創設の趣旨、あるいは今回の救済制度が創設されれば結果として健康被害に苦しむ各地域の地域住民の方々の迅速な救済にもつながるという面を御理解いただきまして、財源の確保に協力をお願いしたいというふうに考えているところでございます。
○岡崎トミ子君 自治体の方からは、救済費用負担に関する申入れ、きつく全国知事会の方からも、その根拠というのがよく分からない、誠に不明確で遺憾であるというようなことの要望、申入れが出されているわけなんですけれども。結局、三百八十何億という形で、それを大体四分の一が地方自治体で負担ということになって、五年間、見直す中で、初年度大体十八億幾らぐらい、そんな感じの負担なのかな。それを、その患者さんがたくさん出ているところ、そうじゃないところ、この辺辺りがどんなふうな検討になっているのか。全く分からないという感じなんでしょうか。その根拠というのは少しは考えておいでなんでしょうか。
○政府参考人(寺田達志君) まず、ただいま委員御指摘、一部御指摘いただきましたけれども、地方公共団体にお願いする負担の総額につきましては、国が基金に拠出する額の四分の一、十分比で言いますと八対二ということになりますけれども、これを、近年の環境保全問題に関する国と地方との負担割合とを勘案してその額をお願いしたいと思っております。
 なお、その配分につきましては、まだ政府として決定をしているところではございません。
○岡崎トミ子君 自治体が納得しないというその気持ちの中には、国が責任じゃないかというそういう思いが私はあるんだろうというふうに思うんですね。是非とも各自治体納得のいくような形で、その結果を見るために私どもにもいろいろ報告をしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 それで、学校アスベストの問題についてお聞きをしておきたいと思いますが、文部科学省では、昨年から学校施設等における吹き付けアスベスト使用実態調査を行っておりますが、十一月二十九日に発表されました時点での結果の概要は、簡単にお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(大島寛君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘のように、文部科学省で昨年の七月の末から、子供たちの安全対策に万全を期すということで、吹き付けアスベスト等の使用実態調査を実施したところでございまして、十一月の末に結果を公表しているところでございます。
 調査の対象の学校等は全体で約十五万一千機関、うち調査が完了した学校等は約十三万七千機関で、進捗率九一%という状況になっているところでございます。
 このうち、吹き付けアスベスト等がある部屋を保有するもの、これは既に対策済みのものもございましたが、これも含めて六千二百七十一機関ございました。そのうち、さらに損傷、劣化等による石綿等の粉じんの飛散によりまして暴露のおそれがある部屋等を保有するもの、これについては七百七十一機関という報告がまとまっているところでございます。
 以上でございます。
○岡崎トミ子君 やっぱりこの吹き付けアスベスト等がある部屋を保有する学校、公立二千五百六十校、私立が二千二百二十九校ですね。それから、損傷、劣化によるこの石綿等の粉じんの飛散によって暴露のおそれがある部屋、それを持っているもの、公立学校三百三十校、私立学校が百五十三校あるわけなんですけれども、この吹き付けアスベストがある、日常生活、日常的にその部屋を利用している、その部屋が六千七百六十一あるということなんですけれども。
 昨日お伺いしたところでも、吹き付けとか囲い込み、あるいは私は除去というのが完全になされるべきだと、最終的にはそういうふうに思っていらっしゃるだろうと思うんですが、私たちは、災害にいつ遭うか分からないというときに、垂れ下がっている天井のアスベスト、これを、囲い込みということで、いったん下には落ちないようにしている。しかし、これは地震によってはすぐ崩壊のおそれがあるというふうに私は心配がされるわけなんですが、囲い込みはどことどことどこがなされたのかということについてはきちんとした記録は残されているのか、そしてそれは早急に除去という方向でなされるのか、それについて確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(大島寛君) 御指摘ございましたように、これまで既に対策取られたものの中には、御指摘のような囲い込みという形でやっているものもございます。
 今回、先ほどの調査結果を踏まえまして、今回の補正予算において対策費を計上しているところでございますが、これについては、まず飛散のおそれのあるもの、これをまず最優先でやるということをやっております。さらに、飛散の恐れはないものの、安定はしているものの、やはりこれはなるべく早急に取った方がいいという判断ございますから、それについても設置者側の要請を受けて、これは対策取れるようにするということをしております。
 それから、囲い込みの状況というものは、今回の調査によりますと、それぞれ各学校設置者においてはそれぞれの状況を把握しているというふうに受け止めているところでございまして、これらについても調査結果の報告に併せて各設置者側に留意事項というものを示してございますが、そういう中では、計画的に状況を把握しながらなるべく早期に対策を取るようにという趣旨を伝えているところでございます。
○岡崎トミ子君 クボタ・ショックが起きてから学校でも対策というのが急いで、スピード感を持ってなされたというふうなことは私も認めるんですけれども、一九八七年のいわゆる学校でのアスベストのパニックのときの調査では、アスベストがどうしてなくならなかったのかという、十八年間も危険な状態が続いたということの責任は大変大きいというふうに思うんですね。
 それは、学校が通知をするという、ペーパーを送るというこのことだけで、最終的な確認がなされなかったということだと思うんですね。そうしますと、保護者の皆さんですとか学校、教師、児童生徒、十分に徹底していなかった、だから十八年間もこう何か放置されたままになった。つまり、措置済みということで全部終わったんだなというふうに認識してしまったと。この辺の反省がきちんとなされていたのかどうなのかという、そのことを確認しておきたいと思います。
○政府参考人(大島寛君) お答えを申し上げます。
 御指摘ございましたように、一九八〇年当時に、まずアスベストに対する対応方策について早急に検討すると、そういう趣旨から、当時の知見に基づいて毒性が特に強いとされたものについて使用実態調査を行いました。それに基づいてさらに補助制度を創設といった対応策を取り、さらに、その後の漸次規制強化というものに対して、ただいま先生御指摘がございましたように、規制担当省庁からの通知でございますとかいったものをそれぞれ各学校の設置者に通知する、あるいは各種会議においてその内容について適切に行うように指導すると、こういったことは繰り返しやってきたところでございますが、今御指摘ございましたように、昨年実施した実態調査の結果を見る限りにおきましては、依然としてアスベスト対策が行われていなかった公立学校が多数確認された、このことにつきましては重く受け止めているところでございますし、私どもといたしましては、今後、更に関係省庁と連携いたしまして、フォローアップを行うなど、安全対策に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
○岡崎トミ子君 なぜ学校のアスベストについて触れなければならないかといいますと、やっぱり相当私は、一九八七年のときのその除去している学校の様子が新聞に写真が写っていたわけですね。それは、防護服を着て作業されている作業員の方、そして全く防護服を着ていない子供たちがその下でその作業を見上げている、そういう姿。これは記者の方も危険だということを認識されていなかったし、学校側も認識されていなかったし、周知徹底がなされていなかったという大変危険な状況があったというところから、今後十分に、児童生徒に至るまで、本当にこの危険であるということについて周知徹底をしていただきたい。
 これ、やっぱり学校の責任、国の責任ですよ。これから子供たちが万が一発症する可能性という、これ持ってしまったわけです。三十年、四十年の潜伏期間でそういうふうになる可能性を持ったということであります。
 是非、計画的、戦略的になくすということを、学校の方からもはっきりとそのことを明確に言っていただきたいというふうに思います。
○副大臣(馳浩君) 先生御指摘のとおりと存じております。
 それで、今回の補正予算で七百四十五億ということで緊急に対策をしていくと。と同時に、今後は、昨年行いました実態調査、調査は完了していないところまだございますが、まずそれを早く調査を完了してそして対策を実施する、これがまず第一段階。
 また、その第二段階としては、おっしゃったように、都道府県教育長会議や政令市教育長会議を通じて十分に対策をするように周知をすること、また、設置者の方は市町村でございますので、そういった担当者を通じて研修会を継続して行うことも必要と存じております。
 また、児童生徒、教職員、保護者に対してはどのような対策を取ったかということを、基本的にはホームページの活用を検討しておりますが、速やかに、きめ細やかにどういう対策を取ったということについて、情報の公表もしながら検証を進めていきたいと考えております。
○岡崎トミ子君 是非よろしくお願いいたします。
 私たちはノンアスベスト社会を目指して、少なくとも国とそういう面で一体で取り組みたいというふうに考えているわけなんですが、このアスベストの把握をしっかりして、どこにどのように行ってしまったのかということがはっきりしないと実は解決に結び付かないというふうに思うんです。
 そこで、これまで一千万トン弱のアスベストが輸入されたと言われておりますけれども、この一千万トンのアスベストの行方ですね、それらが今どこにあるのかはどの程度把握しておられるのか。それから、現在建材などとしてアスベストを使っている建築物、アスベストを含む製品、それから廃棄されたアスベストについて所在を明らかにして、そして追跡するための仕組みというものが本当のノンアスベスト社会を目指していくには必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) まず、大づかみのところから参りますと、石綿を含みます建材ですけれども、ストック量として約四千万トンと推計されております。それから、建築物などが耐用年数を迎えることによってこのストック量がこれから三十年程度にわたって排出されていくと、このように想定いたしますと、今後のアスベストの廃棄物の排出量は年間百万トン以上に上ると、このように想定されるわけでございます。よって、アスベストの廃棄物を円滑に処理をするということは、先ほども申し上げましたように、これまでの被害者の方々、そしてきっちりとした処理を行わなければそこからまた飛散をするということなどから生じます新たな被害と、そこにつなげてしまってはいけないわけでございますので、十分な処理体制を確保することが必要だと、このように感じております。
 そこで、今回の法改正の中にも入っておりますように、埋立て処分、これまでの埋立て処分に加えまして、溶かし込むということで、無害化処理の促進を図るということで処理の選択肢を広げていこうと。そして、これから出てくるであろうアスベストの廃棄物が滞ることなく安全かつ適正に処理されるように努めてまいりたいと、このように考えております。
 今後の流れについては部長の方から、廃リ部長の方からお答えさせていただきます。
○政府参考人(由田秀人君) アスベスト廃棄物のうち、飛散性アスベスト廃棄物につきましては、年間二万トン弱発生をいたしております。その九割程度が最終処分をされておりまして、残り一割弱が溶融槽へ処理をされております。また、非飛散性アスベストにつきましては、アスベスト以外の成分が多く含まれておりますが、先ほど大臣の方からも申し上げましたが、これも含めまして年間百万トン以上発生していると推定をされ、最終処分場に処分をされているわけであります。
 廃棄物の処理に当たりましては、排出事業者に、書面による委託契約を締結して委託する処理業者を明確にすること、それから処理の流れを管理するために産業廃棄物管理票、いわゆる産廃マニフェストを交付する義務を課しているところであります。これに関しまして、昨年、委託契約書にアスベスト廃棄物である旨を明記すること、それから、この産廃マニフェストにアスベスト廃棄物である旨を明記することを環境省から都道府県に通知をしたところであります。このことにつきましては、今回の廃棄物処理法の改正案に伴って必要となります政省令の改正時に合わせて、環境省令の方に位置付けさしていただく予定にしております。
 以上によりまして、アスベスト廃棄物の処理の流れも適切に管理されるよう万全を期してまいりたいと、このように考えております。
○岡崎トミ子君 時間が少なくなってきたんですが、私は本当に、一千万トンを輸入した、それが最終的には本当に除去する、それから無害化していくっていう、そこまではっきり分かるような仕組みを是非追跡を更にしていただきたい。今のだとまだまだ不十分だし、ちょっと不可能だという感じのにおいもするのですね。是非その努力は続けていただきたいなというふうに思っておりますが、その解体撤去の際の安全基準ですか、安全確保ですか、そのことに関しまして、大気汚染、その室内汚染に関する基準、これが大変必要だというふうに思いますが、この点に関していかがでしょうか。
○政府参考人(竹本和彦君) 委員御指摘のとおり、今後、解体の数が増えてまいることが想定されます。そういう意味では、大気汚染防止法によりまして、まずは解体に伴う作業基準というのをきっちり決めております。一方、今お尋ねの室内等の環境濃度の基準につきましてでございますが、現在、その大気汚染防止法に基づきましては、特定粉じん発生施設の敷地境界における規制のための基準として、一リッター当たり十本というのを定めておるところでございます。室内等のお話がございましたが、学校等におきます空気中の石綿濃度の先ほど申し上げたその十本というのは、そういった意味での室内の空気中の石綿濃度の安全判断の基準ということではございませんが、大気汚染防止法におきましては、先ほど申し上げました敷地境界における基準ということで設けております。なお、解体の方は、作業基準をきっちりやっていただくというような仕組みにしてございます。
○岡崎トミ子君 納得しない基準です。一リットルというのは牛乳パック、あの大きい方ですね、その中が大体一リットル。そこのところにアスベスト、髪の毛の五千分の一の分からないものが十本、これが入っていたときには、それ以下だったら安全であるかどうかと、そういうような話をしているわけなんですけれども。昨日伺ったところでも、国土交通省と厚生労働省と環境省と、ほとんど意味がないとか、そういうことは、一本でも二本でもあったらまずいんじゃないかっていうようなことなので、この安全基準はなかなか、一リットル当たり十本以下であるかどうかの安全判断の目安というようなこのケースはもうちょっとやはり研究していただきたいというふうに思っております。
 ちょっとオーバーしますけれども、足立さん、済みません、もう一問だけ。
 今年中に第三次環境基本計画というのが決定されるんですけれども、その中でアスベストの扱い、どうなってますでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 御指摘のように、第三次環境基本計画、目下、中央環境審議会の方で御審議を賜っているところでございます。これまで取りまとめていただきましたこの審議会の答申案ですけれども、化学物質の環境リスクの低減に関します政策プログラムの中において、「アスベスト問題等の経験を踏まえ、国際的な動向の把握や関連情報の共有を通じ、環境リスクを見逃さないような対策を講ずる」という旨定めるべきであると、このような御審議をちょうだいしているところでございます。
 こうした審議会での議論、十分踏まえまして、そしてまた今回の石綿の問題の教訓生かしながら、石綿のみならず化学物質の全般にわたってその環境リスクを減らしていくように努めてまいりたい、このように考えております。
○岡崎トミ子君 済みません、ちょっと確認したいんですが、化学物質全般の中でこれを減らしていくという表現は、アスベストがきちんと分かるような形でこの環境基本計画の中に位置付けられているのか、そこを確認しておきたいというふうに思うんです。独立してそれがあるかどうかです。今のお話ですと、アスベスト等の経験を踏まえ、総体的には化学物質を減らしていく、こういうような形なんですが、アスベストは化学物質じゃなく天然のものですから、そういう意味ではちょっと違うのではないかというふうにも思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(小池百合子君) 今審議会の方で御審議いただいているところは、今私の方からお伝えしたとおりでございます。化学物質の特性等に応じた様々な対策の手法の必要性という項目の中でその点が設けられているということでございます。
 それから、中長期的な目標ということで、迅速にリスク評価を実施して、その結果適切に対策に反映されているということを目標の中にも入れさせていただいているわけでございます。
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 民主党といたしましては、昨年の通常国会の集中審議、そして特別国会、そして今通常国会、この問題につきましては、アスベストの問題につきましては最後の質疑ということになりますので、ちょっとまとめるようなつもりも込めて、そしてまた、岡崎理事、それから傍聴席の方の怒りも受けて、ちょっと順番を変えて質問させていただきます。
 昨年の特別国会で私一時間掛けて、これまでの文科省それから環境そして厚生労働、研究と、それが施策あるいは法制度に生かされたかどうかということを検証しました。そのことが全然生かされていないなという気がいたしましたので、もう一度簡単に振り返ります。
 まず、管理使用のことなんですが、先ほど岡崎理事が触れておられました。これは、一九七〇年代は世界じゅうアスベストは管理使用でした。一九八六年のILOの石綿条約、これ以降、世界は全石綿の使用禁止の方向に向かったんですよ。日本は封じ込め、囲い込みの推奨、つまり管理使用をずっと続けたわけです。日本は一九九五年、労安衛法で、青、茶石綿の使用禁止をしました。しかし、このとき世界はすべて使用禁止の方向ずっと続いていたんですね。日本は白石綿の使用は残そうという方針だったわけです。
 世界は、先ほどから言いますように、青、茶、白の区別はしていないんですよ。日本でも、先ほど私研究のことを言いましたが、青、茶、白別々に研究されているというのはないんですよ。これは昨年答弁でもはっきりそうおっしゃっています。実際、できるわけないんですね。石綿の総数が問題なんですよ。総数として、石綿を総数としてとらえていたのは環境省なんですね。ここに問題があるのではないかと私は思いますし、中皮に限って言いますと、中皮に一番浸透しやすいのは白石綿だと。これも研究が出ているんですね。
 先ほど岡崎理事が言われた一九八三年のアイスランドとか、この流れは全石綿の禁止であって、もちろん白石綿を禁止しているんですよ。ところが、日本は二〇〇三年十月、労安衛法施行令の改正で、白石綿の輸入は合法として認め、石綿製材の在庫類の利用、使用は認める。二〇〇三年ですよ。こういう方向なんですよ。白は使っていこう、在庫品は全部使っていこう、こういう方向なんですね。先ほど総数でとらえているのは環境省だと言いました。つまり、全石綿の規制ができたのは環境省だけだったかもしれないんですよ。そこに責任があると私は言ったんですね。
 もう一つ、これ官と民の違いということで、先ほど学校パニックの件がありましたが、一九八七年当時、これ学校の調査は教室を、教室の天井、壁、外見上調べるだけで、危険性の高い給食室や廊下、放送室、機械室、体育館は調べていないんですね。放送室に、まあどうでしょうか、放送部員か何かで毎日行っている人というのは毎日暴露したかもしれないです。しかもその除去について、これは補助制度を創設して、希望者は手挙げ方式にしたわけですね。そのまた手挙げ方式の中でも、対象になったのが昭和五十一年以前に建築されたものとなったんですよ。ところが、昭和五十五年までアスベスト含有吹き付けロックウールは使われていたんですよ。なのに、対象は五十一年以前の建築物だったんですよ。
 ところが、そのちょうど同じとき、同じときに、旧建設省は各省庁の庁舎や公務員宿舎など国有の建物は石綿を使用しないことを決めました。国有の建物は石綿を使用しないことを決めました。同じ時期ですよ。そして防衛庁は、一九九〇年から九四年までにすべての建築物について吹き付けアスベストの使用状況を調査して除去しました。ちょうどこのときに、旧社会党から提出された石綿規制に関する法案が与党によって廃案にされたんですよ。そのときに防衛庁はすべて除去しているんですよ。
 その結果どうなったか。昨年十二月の国土交通省の調査、全国十八万九千九百七十一棟の民間ビルやマンションのうち、アスベストが露出していた建築物は一万六千三百四十九棟、八・六%です。厚生労働省の調査では、全国の病院や社会福祉施設四万三千二百六十一施設のうち、アスベストがまだ吹き付けられている施設が四千二百二十六、九・八%ですよ。一〇%をちょっと欠ける程度が民間そして病院や社会福祉施設にまだ残っている。これに対して、国土交通省の調査です、国の建築物は、八万四千二百七十六棟の調査で六百十一棟が未対策、〇・七%ですよ。十五倍ぐらいの差があるんですよ。国の施設と民間あるいは学校や病院、十数倍の差があるんです。こういう結果になってしまったんですよ。危険性を認識しながら管理使用政策ずっと取ってきた。その石綿を、白石綿を使用させ続けたのは、これ行政そのものじゃないですか。これから先は管理使用施策で使用させてきたと。それがどのようになったかと、どのような結果を導いたかということなんですが。
 まず、ちょっと唐突かもしれませんが、国の施策で、これは高度経済成長も支えたし、皆さん恩恵賜ったと、そういう施策を取ってきたということを考えると、なるほど補償と救済は違うという説明に終始しておりますが、じゃ、ここでいったん、補償と救済、あるいは賠償、国家賠償はどのように違うのかと、どういう認識か説明していただけますか。
○政府参考人(寺田達志君) 補償と救済でございますけれども、補償につきましては、いわゆる民事上の責任に基づきまして何らかの被害をもたらした原因者がその生じた損害をてん補するというものであるというふうに考えております。これに対して救済というものは、そういうものに基づかない制度ということになります。
○足立信也君 責任の所在だけに今絞ってお答えになったんだと思います。
 じゃ、国家あるいは行政側の責任はどういうことにあるかと。それは公益のためを思って行政執行してきたという前提が付くんだと思います。そのことについてお伺いいたします。
 まず、今回、先ほど拠出金の話がございましたが、労災保険適用事業主から一般拠出金を徴収するということになっております。その理由は何ですか。
○政府参考人(寺田達志君) アスベストによる健康被害の特殊性ということでございますけれども、長い潜伏期間、それから被害の重篤性、それから予後が悪いということ、そうした被害サイドの問題と、更に加えまして、アスベストというものが委員御指摘のとおり日本の高度経済成長を支えてきたような、一千万トンに及ぶ輸入量があり、我が国産業社会を支えてきたと。こういう状況にかんがみまして、現在お苦しみになられている被害者の皆様の御負担というものをやはり我が国経済社会全体で何とかその一部分でも救済すると、こういう趣旨でございます。
○足立信也君 政府の出されている説明、なぜ一般拠出金を徴収するかについては、石綿の使用による経済的利益を受けてきている者すべてが、つまり利益を受けている。確かにこれは、私も業者の方に聞くと、非常に便利で良かったと。しかしそれは、先ほど言いましたように管理使用政策を取ってきたからなんですよ。
 それは、公益のためを思って行政がやってきた、その結果、健康被害が生じた。これは正に補償の概念じゃないですか。私はそう思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(寺田達志君) ただいま恐らく国の政策についての責任の所在についての御質問かと存じますけれども、その場合は、法令といたしましては国家賠償法の適用の有無ということになろうかと思います。
 この場合、結果責任ということではございませんで、公務員に不作為があったかどうかと、こういうことが論点になろうかと思っております。
○足立信也君 私の認識では、国家賠償というのは国が法律を犯す、まあこれは故意と過失あるでしょうが、法律を犯して害を生じたということがあるんだと思いますよ。
 ただ、補償は、先ほど言ったように、そうではないんです。やはり行政として、これは国民あるいは国全体の公益を図ってそういう措置をとってきたんだと。そのことが結果、被害を招いたんだと。これは、責任の所在が明確でないから云々という救済じゃなくて、やっぱり私は補償だと、補償の概念だと、そのように思います。これは多分水掛け論になるので、私は補償だと、定義からいっても補償だと、そのように思っております。
 では次に、最初に戻りますが、やはり、この法案を拝見したときに、どうしても私たち民主党としては、昨年提出した我が党の総合対策の法案と比較せざるを得ない、どうもそう考えています。私も作成の一員でしたので。
 そこで、ノンアスベスト社会の実現のために、健康被害に対する補償にとどまらない総合的対策、これはやっぱりどうしても必要だと。これが必要ではないって思う人はまずいらっしゃいませんから、絶対に必要だと。ここに提出されている新法以外に、アスベストによる健康被害に関する実態調査とその結果の公表、国民の健康相談、健康管理手帳を含む健康管理制度の創設、継続的な大気中濃度測定、アスベスト関連疾患の医学資料の保存、こういったことがやはり私は義務付ける必要があるんではないかと、そのように思っています。
 この政府の出された石綿に関する総合対策、昨年十二月の中で、それからまた予算案の中でも、今私が挙げましたような内容は予算付けされているんですね、十八年度。
 じゃ、十九年度以降どうするんだと、あるいは五年後十年後どうするんだと、このことは全く補償はないわけですね。先ほど私が挙げたような総合対策として必要だと思われる項目について立法化する、その予定、あるいはその意思はありますか。
○政府参考人(寺田達志君) お答えいたします。
 ただいま委員の御質問の中でも御指摘ございましたけれども、政府といたしましては、昨年末、十二月の二十七日でございますけれども、アスベスト問題に係る関係閣僚会議を開催いたしまして、アスベスト問題に係る総合対策というものを取りまとめたところでございます。
 もとよりアスベスト対策というのは、この総合対策の中でも、一、すき間のない健康被害者の救済、二、今後の被害を未然に防止するための対応、三、国民の有する不安への対応と三つに分けて更に詳細に論じておりますけれども、もとより非常に幅の広い対策でございます。
 これを踏まえまして今回すき間のない健康被害者の救済としていわゆる救済法を、そして今後の被害を未然に防止するための対応の中で法改正が必要な事項四つをまとめましていわゆる一括法として提案さしていただきましたけれども、もとより石綿問題につきましてはこの二本の法律にとどまるものではございませんで、予算措置で行うものもございましょうし、既存の法制度の中で実現していく対策もあろうかと思っております。
 今回、政府といたしましては、法改正が必要な事項ということは、新しい救済の新法と、それから今回の一括法の四項目ということで整理させていただいておるところでございます。
○足立信也君 昨日の質問通告の際に、先ほどからの質問、それから今の質問、すべて答弁者は小池大臣だということになっているんです。
 今の話ですね、十八年度は予算付けをして、まあこれから審議が始まるわけですけれども、十九年度以降はどうなるか分からない。でも、これは必要だと。そして、それが今ある制度の中での予算の付け方によってできるかもしれない。あるいはまた別な法制度が必要かもしれない。かもしれない、かもしれないという話をしているわけですね。
 そこで、立法化する意思があるのか、あるいは予定があるのか、現在それを検討中なのか、そういうことはやはり大臣じゃないと答えられないんじゃないですか。
○国務大臣(小池百合子君) 基本的な考えは今、寺田審議官からお伝えしたとおりでございます。
 今回、この新法をこれから正に動かしていこうということでございます。その間に、この新法を実際に施行する中で見直しの観点も出てくるでしょうし、また実施していくことによって様々な新たな要素なども加わってくることもあるかもしれない。
 いずれにいたしましても、今回新法ができるということは、今後の予算措置そのものがむしろレギュラーなものとしてなっていくわけでございますので、今回この新法を加えまして、また今回の補正、そして十八年の本予算、さらにはその後もこの新法をベースにした形で必要な予算措置がされていくものと、このように確信をいたしております。
 なお、今申し上げましたように、今回のは全く新しい法律でございます。今後、施行していく中におきまして、実際に被害者の方々の申請状況であるとか、それから疾病についてのこれからの健診の問題などなど、様々施行する中で調整していくことも必要だということが多々出てくるということもあるかという観点から、今回の法律の中におきまして、附則として五年以内にまた見直しを行うということの定義もさせていただいたところでございます。
 衆議院の方で、私、五年後ということで、明確にそれ以降というようなニュアンスが漂ったかもしれませんけれども、法律的にも五年以内というふうに明記をしているところでございまして、そこは全く新しい国としての対応ということで臨機応変になすべきであると、このように考えておるところでございます。
○足立信也君 その答弁を聞いておりますと、先ほど私が具体的に五つほど挙げました、例えば濃度測定や実態調査や、あるいは管理手帳のこと、健康管理の促進、健康相談、このようなことは今回の、新法とおっしゃっていますが、石綿による健康被害の救済に関する法律案の見直しの中で足りる項目だと、そのように思われているということですか。
○国務大臣(小池百合子君) この新法を施行する過程において、必要な変更、そして追加などは適宜適切に行うべきだと考えております。
○足立信也君 ということは、まあ見直しというのはいろいろあるでしょうが、全く別、項目立てが相当増えることもあり得るような見直しになってもいいだろうという判断なんですか。
○国務大臣(小池百合子君) 必要に応じての見直しは適宜適切に行うべきだと考えております。
○足立信也君 じゃ、一つ一つ後で聞いていきます。
 昨日の提案理由のその説明の中で、アスベストによる健康被害者のうち、既存の法律で救済されない被害者をすき間なく救済するために立法したと。すき間なくというのは、私は、なるほど法律上は、制度上は確かにすき間がないなと、まあ実際思うんですね。それは特に指定疾病に関してなんですが。中皮種、あるいは気管支又は肺の悪性腫瘍、そして石綿を吸引することによる発生する疾病であって政令で定めるもの、こう書けば、なるほどすき間はない。
 しかし、この書き方で、問題なのは、アスベストによって健康被害を受けた方が漏れなくになっているかどうかなんですよ。すき間は、制度上のすき間はないかもしれないけれども、それが漏れなくではないんじゃないかと、そこが問題なんだと思います。
 どのような人が救済の対象になるか、これが決まらないと私は議論が進まない。実際、衆議院の委員会でも、この認定に関して、物事のスタートじゃないかと、そこが決まらなくてどうやって審議ができるんだという、かなり食い下がった同僚議員もおりましたけれども、まあ先には進みませんでしたね。
 提案理由の一行目に書いてあるんです。健康被害を受けた人のうち指定疾病であること、そして石綿の吸引が原因であるという認定が必要であると、一行目に出てくるんですね。これがないと、これが決まっていないと、その後、じゃ救済の費用はどうするんだとか、幾らぐらいになるんだとか、そういうことを審議しようがないんではないかと。認定に関しては白紙委任にしてくださいと。それはやっぱり国会審議としては、もちろん、関係者あるいは被害に遭われた方々は何を話し合っているんだろうという思いがたまらなくあるんじゃないかと思うんですね。
 私は、今週月曜日、予算委員会、衆議院の予算委員会でああいう事態になって一日ずれました。私は非常にラッキーだなと思ったんですね。それは、衆議院の委員会で、昨日、二月二日の五時から石綿による健康被害に係る医学的判断に関する検討会が終局するという情報をもう当然得ていましたので、この検討会が終局する前に参議院ですべて審議が終わってしまったら、何のためにやるんだって思っていましたが、一日ずれたおかげで、今日は少しでも、少しでも具体的な内容が出てくるんではないかと、実は期待していますからね。
 そこで、昨日五時から行われたその議論の内容、特に指定疾病と認定の基準について、まず労災認定から、そして次に新法についてできるだけ分かりやすく、傍聴をされている方々にも分かりやすく説明してください。
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 今回のその創設いたしました特別遺族給付金、この対象の関係でございますけれども、この特別遺族給付金につきましては、石綿による疾患により亡くなっている労働者の遺族の方であって、時効がなかりせれば労災の対象になったということでございますので、この疾病としましては、現行の労災補償に係る疾病、これすべてを対象にしたいというふうに考えております。
 その認定基準でございますが、今先生お話ございましたように、その検討会、昨日でその考え方が取りまとめられたところでございますけれども、近々この報告書が取りまとめられる予定になっております。
 その中で、具体的に中皮種でございますけれども、これは御案内のように、そのほとんどが石綿によるものであるということがこの検討会で確認をされました。それで、私どもの認定基準の中におきましては、この中皮種の認定、診断が、確定診断がなされたならば、現在の認定基準で必要としている医学的所見につきましては、これは改めて要しないという方向で認定基準を改正をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、肺がんにつきましては、現行の認定基準では、石綿小体あるいは石綿繊維以外に、暴露歴、これが十年以上であるということを要件にしておりますけれども、石綿小体あるいは石綿繊維が一定数以上ある場合、これにつきましては、十年以上の石綿暴露作業従事歴を要しないというようなことで、昨日の検討会の考え方を踏まえまして認定基準を見直しをしていきたいというふうに考えているところでございます。
 主にそういう内容で検討会の考え方がまとまりまして、近々その検討会の報告書がまとめられることになっておりますので、それを踏まえまして私どもの労災認定の方の基準も先ほど申し上げましたような形で見直しをしていきたいというふうに考えているところでございます。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 昨日の医学的判断に関する考え方をまとめていただいた内容でございます。
 石綿を原因とするか否かの判断のための医学的知見でございますが、一つ一つ具体的に申し上げますと、中皮腫につきましては、中皮腫のほとんどが石綿に起因するものと考えてよい、それから中皮腫の診断の確かさが担保されれば石綿を原因とするものと考えてよい、また近隣暴露でありますとか家庭内暴露による発症の可能性もあるというような考え方がまとめられました。
 また、肺がんにつきましては、やや診断基準的な要素でございますけれども、肺内に一定量以上の石綿小体でありますとか石綿繊維が確認された場合に加えまして、よりルーチンなものとして、胸部エックス線写真の像又はCT画像において一定の異常所見が認められる場合に石綿を原因とするものであると判断できること、これは当然、原発性肺がんという診断されたケースでこういう所見があればということでございます。そういう考え方が肺がんについてはまとめられました。
 なお、石綿肺、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚につきましては、一般環境暴露による発症例の報告がないことなどから、今後の発生状況等について十分知見の収集に努めていくべきということが示されております。
 私ども、新しい救済制度の指定疾病に関することでございますので、今後、更に広い見地から、中央環境審議会において更に専門的な議論をお願いすることとしております。また、パブリックコメントを通じまして、最終的にこの認定基準に関する考え方を早めに、早急にまとめていきたいというふうに考えております。
○足立信也君 なかなか理解が多分難しかったかと思います。私なりに、じゃまとめてもう一度聞きますね。
 中皮腫に関しては、労災と新法という両方を言っていきます。重要なことは、労災も新法も、中皮腫に関しては病理組織学的検査は必ずしも全部絶対必須というわけではないということ、それから作業歴に関しては、労災は一年以上ですけれども新法は問わない、暴露歴ですね。
 肺がんに関しては、さっきちょっと気になることをおっしゃったんですが、職業歴、暴露歴、今まで十年以上というのがあったんですが、これは、肺がんに関しては要しないというふうに労災の方で言われましたか、そこを確認したいです。
 石綿肺、良性石綿胸水、それからびまん性胸膜肥厚については、これは労災の場合は個別に協議する、ただし十年以上の暴露歴が必要、それで新法については、これは指定疾患には入れないという認識で、間違いがあったら訂正してください。
○政府参考人(森山寛君) まず、肺がんの方でございますけれども、先ほど申し上げましたのは、これは今の認定基準は、これは先生おっしゃいましたように十年以上ということで、一定のまたプラーク等の医学的所見、これを要しております。
 今回、検討会で具体的に、アスベストとみなされるような肺がん、これにつきましての一定の、石綿小体等の一定の数が示されました。そこで、私ども基本的に、その十年以上である、そしてまた一定のその石綿プラーク等の医学的所見が必要であるという大枠は、これは今後とも変えていかないということを考えておりますが、昨日の検討会で考え方が示されました一定数のものにつきまして具体的数字を、先生御案内のとおりでございますけれども、一定数の石綿小体あるいは石綿繊維が、これが示された場合には十年以上の石綿暴露作業歴を要しないというふうにしていきたいというところでございます。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 中皮腫の確定診断の関係でございますが、昨日の考え方の整理の中では、中皮腫は診断が困難な疾病であるが、臨床検査だけで判断することなく、病理学的に診断を行うことが重要であると。ただし、患者さんの状況によっては困難な場合もあるというような記述がございます。
 さらに、こうした分野の専門のドクターが総体的に少ないという状況が指摘されておりますが、この考え方の整理の中で病理診断の精度を向上させるためには病理医の研修等の確立が必要である、また今後、病理診断が困難な症例については、全国レベルで病理医、臨床医、疫学者による中皮腫パネル、これは症例検討会的なものでございますが、中皮腫パネルを開いて診断を確定していくことも望まれるというような御指摘もいただいておるところでございます。
 そのほかの疾患については先ほど答弁したとおりでございまして、今のところ、昨日の考え方の整理の中では一般環境経由のものはないということで整理されておりますが、今後、中環審の御審議も踏まえたいと考えております。
○足立信也君 内容がちょっと難しいのでこれ以上ちょっと控えますが、ちょっと私の意見を聞いてください。
 十年以上の、肺がんの場合、十年以上の暴露歴を、これは、それを病理学的にそうみなせる濃度といいますか、それで医学的にはいいだろうとしたわけですね。ですから、暴露歴が説明、証明できない場合は病理検体、生検材料が必要になるということになってきます。これは気管支洗浄含めてそうですね。そして、今の新法の方でも、まあ必須ではないとは言いながらも、やっぱり欲しいというようなニュアンスで聞こえてきましたね。この点は、これは衆議院の岡本代議士がかなりやられていまして、僕はあんまり、あんまりというか、これ以上やってもきっと理解が得られないとは思いますが、ちょっと、どれだけ大変かということだけは触れておきますね。
 実は皆さんに今日資料を渡そうかと思ったんですが、それはなぜか、どういうものかというと、病理組織医学的生検材料を採るためにどれだけ大変かということを、病院の患者さんへの説明書を持ってきたんですね。これは気管支鏡検査、検査ですよ、気管支鏡検査、死亡率が〇・〇〇六%です。
 それから、経済的なことを言うと、僕自身は余り好みませんが、恐らくその方がショッキングだと思うので、胸膜プラークを始めとするびまん性肥厚、これは今のヘリカルCTなんかではもう八割以上分かるというふうに専門医は言っています。
 ところが、衆議院の委員会でもありましたように、病理医が組織を見て診断が一致する、中皮腫だと診断が一致するのは四割ぐらいしかないんですね。これは班研究で森永先生、昨日も一緒だと思いますが、彼の報告でそうなっていますね。CTだともう八割以上分かるんだという現状。
 それから、金額的なことなんですが、胸部のCT、これ一万四千円。ところが、先ほど出ました気管支鏡の生検、三万一千円。気管支鏡で採れればいいですが、非常に末梢や胸膜の病変だとすると、胸を開いて生検する、手術的にですね。試験開胸、九万七百円。今は傷をできるだけ小さく、しかも全肺やあるいは胸膜面を観察しながら胸腔鏡下で胸膜生検、胸膜切除というのをやりますね。これはまあ中皮腫の確定診断を求められたら、一番今やられるんじゃないかと私思いますね。三十一万です。
 医療費抑制、医療費抑制というふうな話になっていますが、これはまあちょっと問題の観点違うかもしれませんが、八割以上分かると言われている一万四千円のものなのか、三十一万以上掛かって入院をして、そして診断率四割というものを求めるのか、この点は是非今後の検討課題にしてください。しかも、認定されなかったら自己負担かということにもなります。
 そこで、先ほどの認定基準の話にまた戻るわけですが、平成十五年九月に石綿による疾病の労災認定基準が変わりました。心膜、精巣鞘膜の中皮腫、あるいは良性石綿胸水とびまん性胸膜肥厚が新たに追加されました。その新たに追加した理由、そして、その後認定された労災認定患者数を教えてください。
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 この労災認定基準につきましては、これは症例の発生状況あるいは国内外の新たな医学的知見等の状況から必要な見直しをこれまでも行ってきたところでございます。
 平成十五年に先生今おっしゃいました新たな疾病を加えたわけでございますが、これは、心膜の中皮腫につきましては労災認定の事例が具体的に発症いたしました。それからまた、良性の石綿胸水あるいはびまん性の胸膜肥厚につきましては、国内外の報告例が集積をしてきたという実態がございます。これを踏まえまして見直しを行ったものでございます。
 これらの疾病の具体的件数でございますが、心膜の中皮腫は一件、それから、良性の石綿胸水それからびまん性胸膜肥厚につきましては、それぞれ五件認定をしているところでございます。
○足立信也君 まず、理由のところなんですけれども、これはもう、条文というんですか、通知というんでしょうか、はっきり書いていますね、石綿との関連が明らかな疾患であると。だから追加された。そして、先ほど挙げた三つの病変についてはそれぞれ認定されている人がもういるということですね。つまり、石綿によるという原因が明らかであって、認定された人はいるんです、労災ではですね。
 そして、昨年の尼崎市と鳥栖市の住民健康相談の件なんですけれども、これは、尼崎市では六百四十九人受診して二百七名が要精密検査、そのうちアスベスト疾患が見付かった人が三十名、医療が必要だと判断された人が二名です。ですから三十二名。その内訳は、中皮腫一名、肺がん一名、石綿肺一名、胸膜プラーク二十九名。
 で、職業性暴露か環境性暴露か。先ほど部長は、今回指定疾病に入れなかった三つについては環境性暴露では今まで報告が一例もないということがございました。先ほど私、三十二名の疾患、ここ挙げましたけれども、職業性暴露が十名、環境性暴露が十一名。そういうことです。だから、環境性暴露では今回指定疾病に入れなかった疾病が起こらないんだということにはならないですね。
 そして、鳥栖市でも、これ八百八十一人受診して百二十八人が要精査。アスベスト肺疾患は百二十八人中六十二人。この六十二人の内訳は、元従業員二十四名、関連取扱業種二十一名、住民や家族十七名。この十七名がすべて中皮腫あるいはアスベストが原因である肺がんであるはずがないですから、そのほかの石綿疾病が相当いるというこの事実ですよ。
 これを、このデータを見て、あるいはもう多分手元にあるんじゃないかと私は思いますけれども、それでも一例も報告がないから指定疾病から外すということは正しいんでしょうか。認定はされているんですよ、実際。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 今御指摘の尼崎市、それから兵庫県も含めて実態調査を既に進めておりますけれども、私ども、その関係の別の専門検討会も何回か開催してきております。そういう調査結果を、吟味を二月のたしか九日でございましたか、次回の検討会も予定しております。
 先ほど来申し上げています昨日の考え方の整理の中では、正にこの分野の専門の先生方六名がいろいろ文献、過去の症例報告等々を踏まえまして、一般環境経由のものは報告されていないという整理をしておりますが、今後そういった疾患の発生状況等を十分注視すべきだという意見も付記されているわけでございまして、そうした要素も踏まえて、今後中環審等の御審議を進めていただくつもりでおります。
○足立信也君 今の発言で、専門家の意見は聞いたと。私のデータで、今やられている住民健康相談あるいは調査ではどうも合わない経過が出ている、結果が。今後はこの追跡が是非とも必要だという認識は今お話しされたと思いますよ。
 政府案では、救済と補償、これを分けて、これ額の差で表しているわけですね。だとしたら、私は認定に差を設ける必要は全然ないと思うんですよ。額で差を付けて更に認定でも絞ろうと、その根拠はどこにもないと思います。
 ちょっとここで、今までの、新しい指定疾病とか認定基準についてずっと話をしてきたわけですけれども、大臣にお聞きしたいんですけれども、これまで法律では、今までの法律では救済できない被害者の方々を救済するために新法を作るとおっしゃってきた。アスベストによって健康被害を受けた、あるいは受けたと思っている国民のうちで、この新法で新たに救済される方と救済されない方、これ概念的で結構ですから、どのようにとらえていらっしゃいますか。
○国務大臣(小池百合子君) 今回の救済の対象としての疾病は、石綿を原因といたします中皮腫及び石綿を原因とする肺がんを想定し、また、かつ昨日の医学的判断に関する検討会において、よりその点を詰めていただいたところでございます。また、これは言うまでもなく、労災の対象にならない方々を救うという観点からは、その労災の中に入らない方々に対しての救済策として全く新しいものであることはもう御承知のとおりだと思います。
 昨日の検討会で様々な症状によっての医学的な考え方がお取りまとめいただいたところでございますけれども、先ほど部長、保健部長の方からもお話しいたしましたように、更に広い見地から中央環境審議会において専門的な御議論、お願いをして、そして認定基準に関する考え方は早急に取りまとめていきたいと思っております。
 私とすれば、この石綿の原因ではないかと不安に思っておられる方々、ことごとく何とかならないかという思いを抱くのは当然でございます。ただ、いったん、この救済策を進めるに当たりましては、やはり対象となる方を何らかの基準で特定せざるを得ないということは、これも御理解いただけるのではないかと思っております。
 今そういった基準ということについて御議論をいただいているところでございまして、先ほど委員御指摘のように、実際に検診を受けるために何と開胸手術をしなければならないといったような現実、そういったところと、患者の、被害者の皆様方のそういった心情なども勘案するようなことは十分やっていかなくてはならないのではないかと、このように思っておりますが、いずれにいたしましても、この新法を進める際には何らかの基準がなければ、やはり、私はそう思うんだけれどもだけではなかなか進めていくことはできないかと思っております。
 概念的ということでございましたので、お答えさせていただきました。
○足立信也君 私はだから、基準が必要だって言っているんですよ。そこを決めるのが物事のスタートだって言っているんですよ。
 端的にお伺いします。アスベストによって健康被害を受けた方の中で新法では救済されない方というのはいるという認識ですね。
○国務大臣(小池百合子君) 何らかの基準に当てはまる方々を救済していくということでございますので、今逆説的にお答えいたしました。
○足立信也君 これは政令で定めることになっております。
 大臣にお伺いしますが、法施行前に政令で、つまり閣議決定で指定疾病を定める予定はありますか。
○委員長(福山哲郎君) 滝澤環境保健部長。
○足立信也君 閣議決定の内容を大臣が答えた方がよろしいんじゃないですか。
○国務大臣(小池百合子君) これからの審議を経ました上での決定ということになろうかと思います。
○足立信也君 どういう結論になるか分からないにしても、法施行前に、つまり今年度中に政令が出て新たな指定疾病が加わる可能性があるというお答えでよろしいでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 今、その昨日の検討会、そして中央環境審議会、こういった御議論を踏まえて決定されるということでございます。
○足立信也君 次に行きます。
 先ほど法整備が必要なんじゃないかと言いました。五項目ほど挙げました。一つ一つ行きたいんですが、全部は行けないかもしれません。
 現在、全国百四十の地域、三百六十地点で緊急大気濃度調査をしています。この中には、四十二のアスベスト飛散が懸念される地域、尼崎を始めとするアスベスト被害が発生した三つの地域、そして二十の解体現場が含まれています。
 既に百以上の地域で採取、サンプルの採取が終わっています。私は終わっているだけでも結果を教えてほしいと言いましたが、教えてくれませんでした。三月中に結果を公表するということです。もし仮に境界基準なんかと照らし合わせて異常があった場合、この大気濃度調査、モニタリングを今後、十八年度は予算設定しておりますが、その後継続する予定はありますか。
 もう一つ。先ほどから話が出ておりますが、私の昨年の委員会の質問で、過去の輸入量から考えると年間二千六百五十人、二〇一二年以降は出ていくだろうと。そして、二〇四〇年ぐらいまではその値が続くであろう、今後増加するのは間違いない。それから、建築物の解体、二〇一〇年ぐらいからどんどん進んでいくということを踏まえて、その濃度測定はいつごろまで必要になるだろうという、見通しで結構ですが、お答えください。
○国務大臣(小池百合子君) 今の二点の御質問、順番にお答えしたいと思います。
 まず、モニタリングでございますけれども、御指摘ありましたように、昨年来この石綿の問題が大きくクローズアップをされてきたということにかんがみまして、昨年秋からアスベスト緊急大気濃度調査を実施してまいりました。吹き付け石綿が多用されたのは昭和四十年代でございますので、その四十年代に建造された建築物が今後次々と建て替え時期を迎えるといったことなども勘案いたしまして、引き続きこの一般大気環境中の石綿濃度の把握をするというのは重要だと考えております。
 そういったことをベースといたしまして、環境省として来年度も引き続きこの調査を実施したいと考えておりまして、また、大気汚染防止法におきまして、大気の汚染状況の監視、都道府県知事が行うということにされておりますけれども、今後は自治体との連携の下でモニタリング、この充実に努めてまいりたいと考えております。ですから、引き続きこれらのことを行っていくということでございますけれども、やはり環境省の方で行う仕事の大きな一つがモニタリングでございますので、これは自治体の方に今役割が移っておりますけれども、連携を取っていきたいということが一点。
 それから、二件目の御質問でございますけれども、まず、住民の健康診断、健康管理ということが重要でございますけれども、厚生労働省が設置いたしました石綿に関する健康管理等専門会議というのがございます。そちらで検討が行われておりまして、この検討結果については厚生労働省と環境省とがその情報をシェアし、また連携をして対応するということといたしております。
 そして、この調査、環境省の調査研究事業として来年度から実施を予定をいたしておりますけれども、具体的な医学的検査の方法であるとか、どれぐらいの期間継続して調査をするのか、どれぐらいの調査期間が必要なのかというようなこと、内容につきましては、具体的なその柱については、今後専門家の方々の御意見なども聞きながら進めてまいりたいと考えております。
○足立信也君 引き続きやる必要があるという、そのことは私も賛成いたします。
 小さな政府、改革改革という中で、これ予算措置、法もない状況ですね。来年度は予算を付けてもらいたい。じゃ、再来年度あるいは十年後どうなっちゃうんだろう。このことについては、先ほど見通しの中でも相当長い期間これは必要だと、これはやっぱり法整備必要なんじゃないかと思います。
 そして、同様の趣旨で、先ほど住民健康相談の件をもう触れていただきましたけれども、例えば尼崎市や鳥栖市、先ほど私、多くの人が受診して要経過観察の人、話しました。この方々は、市の方は、今年の四月以降は政府が予算を組んで追跡すると、してくれるようになったと、良かったということをおっしゃっております。じゃ、来年以降どうなるのか、来年度以降どうなるのか。追跡、潜伏期が胸膜プラークまで、岡山労災病院の岸本先生の意見では二十年、中皮腫は三十八年、どこまで追跡してくれるのかな。これ、法整備が絶対に必要なんじゃないかなと私は思います。
 あわせて、もう言わせていただきますけれども、この大気濃度調査、住民健康相談、そして住民健康調査、これすべて絶対に法制化して予算が必要だと私思います。発生状況をやっぱりあまねく調べないと特別拠出金だって計算できないわけですね。そして、国民の健康管理をしっかりするためにアスベスト関連疾患の登録制度、これはもうどうしても必要。疾患がなくても暴露歴がある人だけは登録していくとか、それも、その方も登録していく。そのような全体としてそれこそ省庁の垣根を越えたような登録制度を設けていかないと、これは早期発見早期治療につながっていかないし、予防にもつながっていかないと、私はそのようにとらえます。
 もう簡潔でいいんですが、去年の小池大臣の発言でスリーSと言われて、ずっと売り文句のように言われているような気もしますが、スピーディー、シームレス、それでセキュアという話をしましたが、どうも最近の話はスピードスピードばかり言って、本当にすき間がなくなっているのかな。あるいは三番目の安全という、安心というのは全く触れられていない。これじゃ被害に遭った方は安心できない。スリーSと言っておきながら、もう一・五Sぐらいになってしまったと、その思いが非常に強いですね。
 最後に、ちょっとそのことについても実は大臣のお考えをお伺いしたかったんですが、ちょっと最後にこれだけはお伝えしておきたいことがございますので。
 皆様のところにも多くの患者さんあるいは家族の、遺族の方から手紙が届いていると思います。私、これだけはどうしてもお伝えしたかった。読みますね。私は労災によりアスベスト疾患に苦しむ患者の一人です。同時に、環境暴露の被害者からすれば加害者側の一人です。被害者であり加害者でもある私は、環境暴露によって苦しんでおられる方々の救済を是非お願いしたい。被害者でありながら加害者の一人だと、そういう二重の苦労、苦悩にさいなまれる人がいるんですね。これは、制度のすき間はなるほど防げたかもしれない、しかし漏れなくにはなっていない、このことを是非訴えて、私の質問を終わります。
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 本法案に関連いたしまして質問をさせていただきます。
 まず初めに、小池大臣にお伺いしたいと思いますが、先日の予算委員会の方でも、短時間ではございましたが、アスベストに関する質問をさせていただきました。
 その中では、やはり救済の一つといたしまして予防法、治療法の確立を総合的に強力に推進していただきたいことを要望させていただきまして、またもう一点といたしまして、この今回のアスベスト問題等を教訓に、健康や環境への被害が発生する前に対応する予防原則の考え方を浸透させまして、それに基づいた対策を講じることが重要であるということを訴えさせていただきました。
 それに関しまして、小泉総理の方からは、二度とこのような被害が生じないように、どのような予防策が必要か、科学的な対応はどうあるべきか、しっかりと検討していきたい、こういうような趣旨の御答弁をちょうだいしております。
 最近では、この施策の中、また企業の中、また個人の中におきましても、こういった予防原則の考え方は浸透しつつあるかとは思いますけれども、まだこの確立には至ってないと思います。また、こういった予防原則の考え方を確立する上では、やはり環境省の役割が重要になってくるかと思いますけれども、この予防原則の考え方につきましては、我が党の加藤議員も数年前から取り上げて訴えさせていただいている点でもありますけれども、今回改めてもう一度、このアスベスト、こういった問題を二度と起こさないという観点からも、小池大臣の方に、この予防原則について御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) せんだっての予算委員会の中におきまして、委員の方から、鰐淵委員の方から総理に御質問なられて、総理も的確な御答弁をされていたかと思います。
 環境問題の中には、おっしゃりますように、科学的な知見が十分に蓄積されていないといったことなどから、原因の解明であるとか影響の予測、十分に行われていないことがございます。それによって、人体又は自然環境に対して長期間にわたって極めて深刻な影響をもたらすおそれがある、そういった問題がございます。
 こうした問題について、完全な科学的な根拠が欠如しているということを、いや、まだよく分からないじゃないかと、どうやって証明するんだといったような形で、対策を延期するという理由にはもうもはやしないと。そして、科学的知見の充実に努めながら、必要に応じて予防的な方策を講じてきたところでございます。政府として、現在検討を進めております第三次環境計画の中でも、この予防的な方策の考え方を整理いたしまして取りまとめることといたしております。
 今回、石綿のような、このような問題を再び生じさせないためにも、こういった予防的な措置、プレコーショナルアプローチと、この考え方に立ちまして、官民一体となって的確に、また遅れのないような対策を講じるように努めてまいることが肝要だと感じております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほども申し上げましたが、予防原則の確立ということでやはり環境省の役割が大きくなってくるかと思いますので、その認識を持っていただきまして今後取り組んでいただきたいと思いますので、再度要望として申し上げたいと思います。
 次に、救済法の周知徹底ということで質問させていただきたいと思いますが、先ほど関口委員の方からも御質問ございまして、ちょっと重なりますけれども質問させていただきたいと思います。
 先日、中皮腫の診断を受けた方からお手紙をいただきまして、その方は自分がどこでどういった形でアスベストを暴露したのか全く身に覚えがないということで、でも今回、中皮腫に診断されまして、でも今回の救済法には自分が対象ではないんではないか、そういった認識でいらっしゃいました。ですので治療費がもう大変だと、心配だと、そういうようなお手紙だったんですけれども、ですので今回の救済法、いろいろ説明させていただきました。
 これから周知徹底していただくわけですけれども、やはりこういったお手紙もいただきまして、一人でも多くの方、救済していく上で、この新法の周知徹底、どのような方が対象なのか、どのように申請をするのか、そういったことを本当に分かりやすく、また誠意を持って対応していくことが重要であると改めて実感したわけですけれども、この点におきましても環境省しっかり力を入れていただいているかと思いますが、改めて、この法案につきましてどのように周知徹底をするのか、江田副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(江田康幸君) 先生の御指摘のとおりだと思います。今回の制度によりまして石綿による健康被害が迅速に救済されるように、制度の内容や認定の手続等について周知徹底を図ることが最も重要だと考えております。
 このため、政府広報、これも法案成立直後から実施してまいりますが、この政府広報や環境省並びに環境再生保全機構のホームページ等も活用しましてこの周知徹底を図ってまいります。また、ポスター並びにリーフレット等も作成しながら、被害者の目に触れるような関係機関に、被害者の目に触れるように、例えば病院、保健所等、厚生労働省と連携を取りまして関係機関に協力をお願いしていきたいと、このように考えておりますが、ともかく、先ほどからの御指摘もありますように、救われるべき方々が救済されないというようなことの決してないように、積極的かつ分かりやすい広報に努めてまいりたいと考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非、分かりやすく、そして誠意を持って対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、被害防止という観点から、石綿スレートについて環境省と厚生労働省の方にお伺いしたいと思います。
 屋根や外壁等に使用されています波形のスレートでございますが、これは基本的に飛散の心配はないとされております。しかし、工場や駅の屋根等に使われていることが多いですので、年月がたちまして、雨、酸性雨や大気汚染などの影響を受けて劣化をしてしまいまして、アスベストの飛散を心配する、そういった声も出ているようでございます。
 ドイツの研究者の方がこの劣化した波形スレートがある建物の付近でこういった大気中のアスベスト濃度を調べて、一般の大気中、環境中の濃度と比べたときに、やはりこの波形スレートの建物のある付近の方が濃度が高かった、そういったような発表もあったようでございますが、こういったこの波形スレートの劣化によってアスベストの飛散を心配する声がある、こういったことに対してどのような御認識か、環境省の方にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(竹本和彦君) ただいま委員の方から御指摘のありました点につきまして、波形スレートの劣化でありますとか高圧水洗浄における石綿の飛散の御懸念について私どもも承知をしてきておるところでございまして、専門家から成る石綿飛散防止検討会の場においてもいろいろと御検討をしていただいてきたところでございます。
 この検討会の報告によりますれば、使用時よりも石綿が飛散しやすい解体時におきまして、波形スレートなど石綿含有成形板からの石綿の大気環境への飛散状況、これは石綿を含有する保温材などに比べまして低いというような検討結果が出たところでございます。
 しかしながら、外装材など石綿含有の成形板の解体等における石綿の飛散状況及びそれを踏まえました対応については今後とも引き続き検討すべき課題として取扱いされたところでございますし、慎重な取扱いにつきましては実際の事業者に対するマニュアル等においても反映をさせていきたいと思っております。
 いずれにしましても、我が環境省としても、関係省庁と連携をしまして、更なる情報の収集、実態の把握等努めまして、今後とも引き続き検討してまいりたいと考えております。
○鰐淵洋子君 続きまして、厚生労働省の方にお伺いしたいと思いますが、同じくスレートの件で、住宅の屋根用の化粧スレート、これは表面に塗装されておりますので、まだ多少劣化が緩やかということでございますが、しかし、この塗装の塗り替えをするときに高圧水で、高圧の水で洗浄するということで、そのときにアスベストが飛散するという、これも専門家のこういう声がございます。
 この周辺住民、また労働者への影響があるのではないかと思いますけれども、このような点に関しまして厚生労働省、労働者とかかわるということで御認識をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(小野晃君) お答えをさしていただきます。
 今先生御指摘の件でございますけれども、一般的にスレート等のアスベスト含有建材につきましては、吹き付けアスベスト等と違いまして飛散性は一般的には低いというふうに考えておりますけれども、スレート屋根の高圧水による洗浄作業によりましてアスベストが飛散するような場合には、実際にその作業に当たられる労働者の方には当然呼吸用の保護具あるいは作業衣等を着用していただくということは当然でございますけれども、飛散を防止するために作業場の周囲をシートで養生するとか、湿潤化等の措置を講じていただくということが必要だというふうに考えております。
 建築物等の解体等の際のアスベスト暴露防止、飛散防止につきましては、法令ですとかマニュアルとか、そういったものを通じまして周知徹底を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 今、環境省と厚生労働省の方から御認識、対応等をお伺いいたしましたが、やはりこの被害防止、また冒頭申し上げました予防原則の考えからいいますと、また不安だという声、また危険ではないかという声に対しましてしっかりと更に調査、対応していくことが重要であるかと思いますので、引き続き取組をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、震災廃棄物対策についてお伺いしたいと思います。
 大地震によります特に災害時、被害が広範囲にも及ぼしますし、またライフラインや交通等も途絶えてしまいます。そういった中でこの廃棄物が大量に出るわけですけども、特にこの中で、災害廃棄物をスムーズに処理していく上で事前の対応策が重要になってくるかと思います。また、震災時の建物の崩壊によりますアスベストの飛散が懸念されておりますが、これもやはり速やかに的確に対応していくことが重要かと思います。
 そこで、このアスベストの被害防止のために市町村地域防災計画、この中に災害廃棄物処理に伴いますアスベストの飛散防止策を盛り込んでいく必要があるかと思いますが、これに対しての対応、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(由田秀人君) お答えいたします。
 震災廃棄物処理計画の策定状況につきましては、昨年四月に全国の市町村を対象にその策定状況を調査したところ、全国の約二四%の市町村が計画を策定済み、二%が策定中ということでございましたが、残りの四分の三の市町村につきましてはいまだ策定されていない状況にございました。
 そのため、昨年六月に開催いたしました都道府県を対象とした全国行政担当課長会議や本年一月に開催いたしました環境担当部局長会議におきまして、災害廃棄物処理計画の策定を強く指導をいたしたところであります。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 策定状況も御報告していただきましたが、やはりこれ起きてからでは遅いことですので、更なるこの策定へ向けまして推進を強力によろしくお願いしたいと思います。
 同じくこの災害時の対応といたしまして、国土交通省の方にちょっとお伺いしたいと思いますが、大地震によって被災しました建物を調査しまして、その後、余震によります倒壊などの危険を認定、判定いたします応急危険度判定士、そういう方がいらっしゃいますが、この方々はボランティアで協力をしていただきまして、民間の建築士の方、そういった方に講習を受けていただいて対応していただいていると伺っております。平成十六年度現在で全国で九万六千百八十九人いらっしゃるということですけども、この応急危険度判定士、この方が地震による建物の倒壊の判定だけではなくて、例えばここの部分にアスベストが使われているとかここの部分が飛散のおそれがあるとか、そういったアスベストに関する判断や対応ができないかと考えております。
 また、あわせまして、この応急危険度判定士は判定した結果を、建物に調査済みとか危険とかそういったステッカーを張るわけですけども、これと同じようにこの部分はアスベストだとかこの部分は飛散のおそれがある、そういった、だれが見ても分かるようなそういった表示をしていただければいいのではないかなと考えておりまして、これが行く行くはアスベストの被害防止にもつながりますし、また廃棄物として処理する際にも的確な対応にも結び付くのではないかと考えておりますが、国土交通省の方に御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、建築物の危険度の判定に併せまして建築物における吹き付けアスベスト等の飛散件数の調査を併せて実施することは重要な課題であると考えております。
 国土交通省としましては、地震発生直後に緊急にこの調査を行わなければならないという制約はございますが、目視で判断可能な吹き付けアスベスト等につきまして応急危険度判定に際しまして調査を行うことが可能か否か、関係団体と協力してしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非とも、先ほどの災害廃棄物処理のところでも言わせていただきましたが、やはり起きてからでは遅いことですし、阪神・淡路大震災のときにも心配された点でもありまして、特に本当にこの被害防止の対応といたしまして、是非この講習を受けてそういう対応ができるような、そういったシステムづくりも含めて早急に検討していただいて対応していただきたいと再度お願いをさせていただきたいと思います。
 様々、今回の救済法、また被害防止の対応ございますけれども、是非とも各省庁連携を取っていただきまして、一人でも多くの方を救っていく、また被害防止を推し進めていく上で誠実にまた全力で取り組んでいただきたいことを御要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず、この救済法の関係でありますけれども、すき間のない救済ということで、法律は成立する予定になってございますが、ただ、法律を作っても魂を入れないとなかなか効果的にならないケースも中にはある。やはり政省令をいかにしっかりと作り上げるかということも大事でありますし、私は、やはりそういった意味では患者の利益を考えて政省令をしっかりと作っていただきたいと。そういった全体的な運用をしっかりと私はやっていただきたいと思っておりますので、この辺について、環境省、よろしくお願いいたします。
○副大臣(江田康幸君) 先生の運用をしっかりとやって救済できない方がないようにせよとの御指摘、誠にそのとおりでございます。
 本制度は、先生もよく御存じのように、周辺住民や御家族など、労災対象にならない被害者の方々を居住地や職業歴を問うことなく、石綿を吸入することによって中皮腫や肺がんになった、かかった旨の認定をもって救済するものでございます。すなわち、すべての被害者が制度の谷間に落ちることのないように、まさしくすき間なく救済しようとするものでございます。
 また、委員御指摘のとおり、この被害者の救済は迅速かつ継続的に実施する必要がございます。法案成立後はその速やかな施行に努める所存でございます。
 また、制度の内容や認定の申請手続等においても、先ほども鰐淵先生の御質問からもございましたけれども、ホームページやポスター等を活用して周知徹底を図ることで本制度により救済されるべき方が適切に救済されるように努めてまいりたいと思っております。
 なお、制度の施行五年以内にこの被害者の発生状況等に関する知見やデータの蓄積を行いまして、事業者、国、地方公共団体の適切な役割分担を踏まえつつ、必要な見直しを実施することとしておるところでございます。
○加藤修一君 弾力的に、また課題が当然出てくるわけでありますし、現在でも課題があるかもしれません。真摯にそういった課題に真っ正面から取り組んでいくこと。さらに、今、副大臣から話がありましたように、五年以内に見直しという話でありますから、法律を超えれない課題も出てくる可能性は十分あり得るわけですので、そういった面についてもなるべく早い機会に法律の見直しを含めて是非検討をしていただきたいと、このように思います。
 それで、先日、予算委員会で私は日本は環境立国を目指すべきであるという話をいたしまして、環境大臣からも非常に適切な答弁をいただいております。また小泉総理からもいただいておりますけれども、要は、環境の技術、あるいは環境の美術、あるいは環境の文化とか教育、そういった面については非常に私は日本は優れているものを持っていると思いますが、ただ私は、過去の経緯を考えてまいりますと、公害病の関係を含めて、水俣病等々を含めて非常に大きな教訓になるものを持っているわけですね。そういう教訓をいかに生かすかというのは極めて重要なわけであります。
 そういった意味では、今回はこれを一つのスタートにいたしまして大きな教訓としてどういうふうにとらえるかということが、やはりそれは産業政策に対しても環境政策に対しても、あるいは厚生労働政策に対しても非常に私は大きな影響をプラスとして与えれるように考えていかなければいけないと。そういった意味で、教訓に対してどういうふうにとらえているかと、そういった観点から質問をしたいと思いますが、まず最初に環境大臣、お願いいたします。
○国務大臣(小池百合子君) 今回、このアスベストの問題を通じての教訓ということでございますが、環境問題への対応について予防的な方策の必要性であるとか、それから各省の連携、この重要性がよりクローズアップをされてきたのではないかと思っております。
 予防的な方策の必要性ということにつきましては、これは加藤委員常々御指摘、また警鐘を鳴らす意味でもよく引用なさるわけでございますけれども、平成四年のリオ宣言を契機として国際的にも定着し、我が国においても平成六年の環境基本計画で我が国の環境政策の基本原則の一つだと、このように位置付けられたところでございますし、また現在作成中の第三次の環境基本計画においても予防的な方策の考え方、これを踏襲する予定でございます。また、平成十六年にこの予防的方策・予防的原則の在り方に関する研究会、設置いたしまして、予防的方策の在り方についても議論を深めているところでございます。
 環境においても、また経済産業におきましても、更には厚生労働の分野におきましても、企業で言うところのCSRということはもう当然の倫理であろうかと思っております。倫理のみならず、これをしっかりと政策に刻み込んでいくということが日本にとって必要でございますし、また環境立国という観点からも必要な柱だと、このように考えていることをアスベストの問題は更に伝えてくれた、また学ばせてもらったと、このように思っております。
○加藤修一君 そういう教訓をしっかりと政策に的確に反映できるようにしていただきたいと思います。
 それでは次に、厚生労働副大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、厚生省の庭に誓いの碑というのがあるわけなんですけれども、これは知っておりますかという質問でございますが。ただ、これは当初は薬害根絶の誓いの碑というふうにする予定でしたが、まあいろいろ様々な経緯があって、最終的に誓いの碑というふうになっているわけなんですね。
 今、環境大臣に答弁をしていただいたわけでありますけれども、教訓としてどういうふうにとらえているか。また、この誓いの碑というのは、これも一つの教訓として考えて造られた話なんですけれども、そういった面含めて今回のケースをスタートにしてどういう教訓の内容を考えていらっしゃるか、その辺、的確にお願いしたいと思います。
○副大臣(中野清君) 厚労省の正面玄関に誓いの碑がございまして、これは委員も御承知のとおりでございますが、私どもは厚労省の一員としてこの誓いの碑の精神というものを共有して今、行政については真摯に取り組みたいということをまず考えておりますことは当然のことでございますが、御報告させていただきたいと思います。
 その中で今の御質問について御答弁させていただきますが、まず私どもといたしましては、アスベストによりまして例えば中皮腫ですか、だけでも亡くなった方が七千人にもなると、こういう重大な健康被害が現実に生じていることについては私自身も重く受け止めなきゃならないということは痛切に感じておるのでございます。
 その中で、アスベストに起因する健康障害を防止するための対策といたしましては、その時々の科学的知見に応じて必要な対策を講じてきたところでございますけれども、やはり関係省庁間の連携が必ずしも十分でなかった、そういう面でも大いに反省する点があったと考えております。
 今後におきまして、こういう災害が二度と起きないというためには、人体に有害であるという科学的な確実性だけを言うんでなしに、例えばそういうような被害、深刻な被害をもたらすような可能性がある、おそれがあると、そういう場合についても対策を遅らせてはならない、いわゆる予防的なアプローチというんでしょうか、そういう考え方を持ってこれからの行政の中においてスピード感を持って的確にかつ遅滞のない対策というものを講じたいと、そういう決意を持っておるわけでございますので、どうかこれからもよろしく御指導賜りたいと思います。
○加藤修一君 その誓いの碑の関係ですけれども、これは大臣が就任、副大臣が就任、あるいは大臣政務官が就任のたびに、新たになるたびにそこに行ってやはり認識を私は深める必要があると思いますけれども、そういうやり方を是非していただきたいと思っておりますが、どうでしょう、検討してくれますか。
○副大臣(中野清君) 今、加藤委員お話しのとおりでございますし、私どももこの精神というものは共有しているところでございますので、おっしゃるとおりそういうようなことも大臣に申し上げまして、これからの我が省としてこの誓いの碑の精神というものを一つの大きな原点としてやることについては頑張りたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○加藤修一君 じゃ、同じ質問で、教訓ということで経済産業省、お願いします。
○政府参考人(塚本修君) 経済産業省といたしましても、先ほどから環境大臣それから厚生省の副大臣の方からの御答弁ございましたけれども、今回の教訓といたしまして、予防的アプローチという考え方が十分認識されていなかったと、それから関係省庁の連携が不十分であったということで、そういうことにつきまして十分意を、心して、特に第二、第三のアスベストのような有害物質が出ないようにするためには、予防的取組の考え方も踏まえまして、特に関係省庁一致団結して対応しないといけないと。
 とりわけ経済産業省といたしましては、有害な化学物質に関し、その製造、輸入禁止等を定めております化学物質審査規制法に基づきまして厳格な対応を行っているわけでございますけれども、こういうふうな、更に厳格な対応をするとともに、特に昨年十月に内閣官房に設置されました人体に影響のある化学物質に関する関係省庁連絡会議、これが設置されておりますので、当省としても積極的に対応していきたいと、かように考えております。
○加藤修一君 それでは、二〇〇三年の四月十六日に、これは経済産業委員会と環境委員会が連合審査やっているんですけれども、そのときにこの予防的取組方法についても私は質問をしておりまして、そのときの平沼大臣は、要するに私は、省庁横断的にこの予防的取組方法についてしっかりとやるべきであると、つまり、どういうときにこの予防的取組方法を発動するかどうか、そういった要件を含めて、カナダやイギリスがやっているように、そういうことも参考にしながらしっかり作ってくださいねと。そのときの答弁というのは、御答弁の中でも御指摘を踏まえて、こういうことを申し上げましたとありますけれども、関係各省が連携をしまして、そういったワーキンググループ、そういうようなものも設けて検討をすると、こういうことで御理解をいただければと思いますと、こういうふうに答弁しているわけですね。
 それから同時に、当時の鈴木環境大臣は、各省との連携の中で、今、平沼大臣が一定の御答弁がございましたので、よく連携を取らせていただきたいと、連携を取って協議を進めて対応を決めてまいりたいと考えていますと、こういうふうに答弁がありまして、昨年、私はここの点について確認したら、何も進んでいなかったというのが実態なんですよ。
 ですから、ここはしっかりと対応することが大事であると。経済産業省、どうですか、ここは。
○政府参考人(塚本修君) 先生から今御指摘ございました二〇〇三年の四月十六日の当時の平沼経済産業大臣の答弁、御指摘のとおりでございます。
 それで、先生の御指摘の特にワーキンググループといいますか、そういう具体的に目に見える形で各省連携をきちっとやっていったらどうかということでございますけれども、厚生労働省、経済産業省及び環境省の三省におきまして連携を深めるということで、先ほど御答弁申し上げました化学物質審査規制法にかかわります合同の審議会、これまで別々にやっておりましたけれども、まさしくそれ以降合同の審議会を設けまして、まさしく予備的な取組の方法の考え方に沿いまして、例えば難分解・高蓄積性が明らかな化学物質でありまして、ただしその段階ではまだ毒性が不明なもの、そういうものでも一定の措置を前広に講じるということが非常に大事だということで、そういう考え方に基づいて現在三省庁の合同審議会を設けて対応を図っているという状況でございます。
○加藤修一君 それはいつ設置いたしましたか。
○政府参考人(塚本修君) 平成十五年度以降、今の化学物質の審査法を所管する三省庁がそれぞれ個別に開催していたものを合同で開催するということで合意をいたしまして、毎年約十回ほど、会合を開催しているということでございます。
○加藤修一君 質問通告しておりませんが、要は、私が言いたいのは、予防的取組方法について省庁連携してやるという話になっていて、それが昨年私が確認したときにはそういうものはありませんという話だったんですよね。そこはちょっと事実が違うんで、どういうことかなと私、今内心思っているわけなんですけれども、是非そこは調査してほしいと思うんですね。
 要は、予防的取組方法の関係で、どういうときに発動させなければいけないか、あるいは、例えばの話でありますけれども、国際機関が勧告を出したと、そういったときには、もうそのもの、電磁波の関係でも勧告を出す出さぬという話がありますけれども、そういう勧告になったときに、発動というよりは、それを取り上げてどう検討するかという、そういったことを、じゃ発動するためにはどういった要件も一般的に必要であるかという、そういったところの検討のことを私は言っているんですよ。化学物質一般の話じゃないんです。是非そこは、いいですか、調査してくれますか。
○政府参考人(塚本修君) 先生の御趣旨よく承知いたしましたので、関係省庁御相談しながら対応を進めてまいりたいと思います。
○加藤修一君 昨年、厚生労働省に来ていただきましてこの辺について経緯を話しました。私は、そういう話になっているから、議事録見せまして、そういう話になっているから厚生労働省としてはどういうふうに動くんだと、今動いているんですかと言ったら動いていませんと言うから、それじゃその辺はどうなっているのかというふうに昨年既に言っている話ですので、要するにこの予防的取組方法についてどういう認識でどういうふうに今連携をしようとしているか、その辺ちょっとお願いします。
○政府参考人(小野晃君) お答え申し上げたいと思います。
 先生おっしゃるように、予防的取組というのは非常に重要であるという認識について我々もしっかり受け止めさせていただいております。まずそういう意味で、特に有害な化学物質に関する情報をできるだけ早期に把握をすると、今先生おっしゃいました国際機関でのいろいろな勧告等の動向、あるいは諸外国の取組、こういったものを関係省庁の連絡会議等の場でしっかりと共有をしていくということが非常に大事であろうというふうに思っております。
 我々厚生労働省としましても、化学物質の調査研究ですとかあるいは新規化学物質に関する届出制度、これは労働安全衛生法に基づきましてございます。こういった制度の運用等につきましても、よく関係省庁間で情報を共有しながら、政府全体としてしっかりした対応ができるように今後も努力していきたいと、こう思っております。
○加藤修一君 予防的取組方法のいわゆる発動要件の関係含めて、昨日の通告でも既にその部分について言っているはずですね。発動要件云々じゃないんですけれども、要するに連携してこれはやるようになっているはずだと。その辺のところは聞いていないですか。
○政府参考人(小野晃君) 具体的な発動あるいは施策の実施につきましても、当然、先生おっしゃるようにしっかりと関係省庁間で連携をしてやっていきたいと、こう思います。
○加藤修一君 積極的な答弁、ありがとうございます。
 それでは、環境省にお聞きしようとも思いましたが、ちょっと申し訳ないですけどスキップさせてもらいます。
 それで、アジア太平洋の諸国はまだ使っているところが結構あるわけなんですね。それで、WHO等々含めて相当の情報は流していると思いますが、私は、日本でこういう状況になったわけでありますから、できる限りやはり私は国際会議等を含めてそういうことを、情報を共有する、そういうイニシアチブは日本がやっぱりやっていくべきでないかなと思ってございます。
 それで、昨年の十二月に外務省の地球環境課にお願いしてありますが、政策対話等の活用ですね、もう一つはJICA研修の場でそういった面についての情報の共有を図ると、そういったことでありますが、これはどの程度進んでおりますか。例えば、第九回の日韓環境協力合同委員会、これは二〇〇六年の一月下旬に東京で開催する予定であったという形で、こういう形でやりますというような報告書を私はいただいているわけですけれども、この辺についてはどういう状況で進んでおるでしょうか。
○政府参考人(神余隆博君) 委員御指摘ございましたように、アジアにおきましてはまだ発展途上国におきましてアスベストの使用が続けられております。これは我々の方としても様々な調査の結果として確認をしておるところでございますけれども、この政策対話の場を活用して、外務省としても関係の各省と協力をして、アジア地域を始めとする各国との意見交換、情報交換、そういったものを行っていきたいと。そしてまたアスベストの重要性について認識が深まるということをやっていきたいと思っております。
 御指摘の韓国その他との合同委員会はどうなっているのかということでございますけれども、韓国との間の第九回につきましては、当初一月ということもあったんですけれども、日程が変更になりまして、二月の下旬に開催予定ということになっておりますので、御指摘いただいたことも念頭に置きながら、こういう場、あるいはまたその他日中の環境保護合同委員会というのもございますけれども、そういうところでなるべく取り上げていきたいというふうに思っております。
 また、研修につきましては、先生御指摘いただきましたけれども、もう既にいろいろ化学物質の管理に関する研修とか専門家派遣とか、そういったところは実施をしております。ただ、アスベスト対策につきましてはこれまで支援実績がございませんので、個々の案件、相手国の政府から要請があれば、個々の案件を精査した上で具体的な協力の可能性について検討してまいりたいというふうに思っております。
○加藤修一君 時間が来ましたので、これで終わります。
○委員長(福山哲郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後零時三十分開会
○委員長(福山哲郎君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、石綿による健康被害の救済に関する法律案及び石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 政府提出の救済法案ですが、これは国の行政責任、関連企業の加害責任をあいまいにしたもので、すべての健康被害者、遺族の生活を維持する上では極めて不十分な制度だというふうに言わざるを得ないというふうに思います。そもそも、工場の中と塀の外の間に格差があってはならないというふうに思います。こうした救済法になっているのは、先ほどから議論あるように、スピードスピードと称して、原因解明や被害実態の把握に基づかない拙速な対策に陥っているからだというふうに言わざるを得ない。
 そこで、最初に原因の解明について伺いたいんですが、環境省は昨年九月から尼崎市などに委託をして、一般環境経由によるアスベスト暴露の健康影響調査を実施していますが、調査結果はいつまでにまとまるんですか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 御指摘の調査につきましては、兵庫県尼崎市等の協力をいただきまして、人口動態調査のデータを活用いたしまして、平成十四年から十六年の三年間に尼崎市を含む兵庫県内で中皮腫でお亡くなりになった方を対象に、御遺族の御協力をいただきながら、一般環境原因による石綿の健康被害について調査を行っているものでございます。
 内容といたしましては……
○小池晃君 いつまででいい、いつまで。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) はい。年度内にはまとめたいと考えております。
○小池晃君 もうすぐまとまるわけです。この調査、今ちょっと説明ありましたが、アスベスト暴露の可能性、経緯、暴露量の推定、暴露期間の推定、潜伏期間、これを分析をして、一般環境経由によるアスベスト暴露と中皮腫発症の関連について知見を得るものだと思うんですが、この調査結果で、尼崎では、これはクボタと周辺住民の健康被害との原因が究明されると思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 今回のこの石綿の暴露の関係、影響の関係、非常にほかの疾患と違った特性がございます。そういう特性ももちろん前提といたしまして、目下この関係の専門家検討会がございます。そこで十分専門家の御検討もいただきながら、そうした因果関係等について解明を進めていくということになろうかと思います。
○小池晃君 ですから、そういう因果関係、原因究明の大切な調査になるわけです。
 尼崎市に聞くと、人口動態統計での五十名の中皮腫対象者については既に地図に住所地をプロットしていると。今は市に相談に来られたクボタ周辺の中皮腫死亡者・罹患者百五十名程度について作業をしているというふうに聞いているんですね。また、当時のそのクボタのアスベスト取扱施設の配置状況の調査も終わっているというんです。
 ですから、約二百名程度のこの中皮腫による死亡、罹患患者の地域別のプロットがされれば、これはクボタとの因果関係は明らかになるんじゃないですか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 地図上のプロットという話が出ましたけれども、そのクボタ以外にも様々な事業所もございます。それから、それぞれ個々の生活形態、あるいはどういった範囲の通勤をしていたかとか、そういった細々とした各個別の亡くなった方々の調査でありますけれども、そういう分析も踏まえて慎重に検討されるべきものと考えております。
○小池晃君 しかし、基本的なその因果関係というのはかなりの部分解明されるはずだと思うんです。加えて、やはり大気汚染公害のように飛散のシミュレーションをすれば、これはもっと明確になるのではないかというふうに考えますが、この点についてはどう考えますか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) シミュレーションにつきましては、市の方から御提案がございました。そこで、私どもとしましては、複数の専門家に技術的な観点から実施が可能かどうか等について御意見を伺いました。その結果、アスベストはどのように拡散するかなどについての知見が十分でないことから、既存のシミュレーションモデルとして単純に当てはまらないのではないか、あるいは当時のアスベストの排出源、排出量、環境中の濃度に関するデータがないことなどから、なかなか科学的に妥当な結果を得ることは困難ではないかという御助言をいただきましたので、市の方にもそういった専門家の助言の趣旨はお伝えしたところでございます。
○小池晃君 これは現地に行ったときも伺った話なんですが、尼崎市の担当者に聞くと、これ、シミュレーションをやれば、この今やっている健康影響調査の結果と重ね合わせて、特定発生源の影響範囲、労災以外の健康被害者との関係は明確になるということで、これ千四百万円余りの予算で実施することにしてたそうなんですね。ところが、今言ったように、いろんな理屈を付けてこれをやめさせてると。
 これ、環境省で尼崎市の担当者が会った際にこう言われたっていうんですよ。不確実の要素が多い中で実施すれば、結果だけが独り歩きし、要らざる議論を呼ぶおそれがある、行政が苦しい立場に立つ場合があると、こういうふうに環境省の担当者から尼崎市の担当者は言われたっていうんです。尼崎市としては、この結果、環境省がこういうふうに言うんであれば、これは実施を見送らざるを得ないというふうに判断したと。これ、正に圧力じゃないですか。こうした経緯があったことは認めますか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 担当のやり取りについては、私、承知しておりません。今先生の発言で初めて知りました。そういう言い方をしたとすれば不適切だったと思います。
 それから、先ほど申し上げたように、専門家の検討会という場もございますので、この御提案について複数の専門家に聞いたというふうに申し上げましたが、こういう問題提起がございますので、更にそこは検討会の場でも検討していただこうと思っております。
○小池晃君 何でも専門家専門家って言うけれども、尼崎市は健康影響調査やり、更にシミュレーションまでやろうじゃないかと、一千四百万円の予算付けてやろうとしたら、これを環境省が、これではかえって行政苦しい立場に立つ場合があるんだと、こう言われたら、弱い立場の市はできませんよ。
 私、原因解明だとか言いながら、環境省は結局この石綿による健康被害者の救済のために本気で原因究明する気があるのかというふうに言われても仕方ない経過じゃないですか。大臣、こういう経過があったことをどう考えますか。
○国務大臣(小池百合子君) 担当者がそう言ったかどうかの事実は私は把握をいたしておりません。いずれにいたしましても、原因究明ということでこれからのモニタリングも含めてしっかりと対応していくことについては変わりはございません。
○小池晃君 原因究明して救済するというのであれば、大臣、じゃなぜ、この三月の末に調査結果が出ると言っているわけですね、尼崎市の健康影響調査は。尼崎市の市長も、去年の十二月二十六日に要望書を出していて、人口動態統計の死亡小票などによる健康影響実態調査への着手が遅れたことから実態の解明が不十分なままでの立法措置となっている、多数の環境暴露による健康被害者が生じていることが推測される本市にとりまして不十分な内容になっているというふうに市長さん言っているんですよ。
 だとすれば、これせっかく今、尼崎、健康影響調査やっているわけですから、少なくともこの三月末の年度末には調査結果が出ると先ほど答弁ありました。これを踏まえて、やはり実態を反映した法案を提案すべきだったんじゃないですか。──大臣に聞いているんです。
○国務大臣(小池百合子君) まずその分析の調査を待ちたいと思います。
○小池晃君 だから順序が逆だと言っているんですよ、こういう原因究明の調査が今やられているんだから。それを待たずにやれば、補償じゃなくて救済だという中途半端なものになる。きっちり因果関係を究明して、それで法案作って提出すべきじゃないかと、順番が違うんじゃないかと私申し上げている。
○国務大臣(小池百合子君) 適切な段階を踏んでここまで持ってきているという、このように思っております。
 そもそも救済というのは、やはり今回の石綿によります中皮腫などの患者さんたちのその原因ということがなかなか特定ができないということでございまして今回の救済法に至っていると。なおかつ発症までに四十年、暴露から発症までに四十年、さらにその発症からは非常に厳しい一、二年という予後の情報、平均的にですね、そういったことが伝えられているわけでございますので、ここで救済策をスピーディーに設けていくというのは、これは必要なことだと考えております。
○小池晃君 それは私は違うと思いますね。やはり一般環境による中皮腫の発症というのは、例えば奈良県立医大の車谷教授の疫学調査でも、このクボタ周辺住民の中皮腫による死亡率というのは、全国平均と比べて工場の半径五百メートル以内では九・五倍ですよ。五百メートルから一キロ以内では四・七倍ですよ。これ、明らかに異常な高率になっているわけです。だとすれば、このことをしっかり今、更に裏付けをする調査を尼崎市やっているわけですから、スピードスピードと言うけれども、別に何年先という話じゃないんですよ。年度末には結果が出るというんですよ。だったら、この結果踏まえて、より因果関係明確になる中で原因企業の責任追及をはっきりさせた法案にして提出するというのが筋ではないかと私申し上げているんですよ。どうですか。スピードという言葉では私はこれは説明になってないと思います。
○国務大臣(小池百合子君) この石綿の被害ということ、そして中皮腫などの被害者の方々が発生しているのは尼崎のみならず泉州地域など各地域にわたっているわけでございます。そういったところから全体を考えますと、特定の原因者というのを追及する、そこを突き止めるというのはそう容易ではないということから、今回、この新法の設計をさせていただいたところでございます。
○小池晃君 私、今の議論をやっぱりやってて、どうも因果関係明らかになってからでは提案されている法案の不十分さが一層明らかになってしまうから、これは健康調査結果が出る前に急いでこれ提案したというふうにしか思えないんですよ。
 やはり、その環境暴露による健康被害者が労災と著しい格差がある。あるいは公健法と比べても著しい格差がある。こういう問題、いろんな方から指摘をされているわけですが、私は、この調査結果でクボタのアスベスト飛散による健康被害が明らかになるわけですから、尼崎市もこの結果を待ってほしいというふうに言ってるんですよ。だとすれば、しっかりこれを踏まえて、環境暴露による被害者に対して労災補償並みの補償を制度化するというのが私は行政として当然のあるべき態度であるということを申し上げたいと思います。
 さらに、その中身であります。被害実態に基づいた救済対策になっているか。
 今日、資料をお配りしております。先ほど他の議員からも指摘があったような問題をちょっと私取り上げたいんですが、健康被害者が救済法案では中皮腫、肺がんに限られているわけですが、この尼崎市のアスベスト健診の実態調査を見ますと、要精検者二百七名のうち、びまん性胸膜肥厚が百六名、胸水が十一名、プラークが四十一名、そのほか中皮腫一名、肺がん一名という実態なんですね。こうした実態がある。こうした中で、すき間のない救済と言いながら、お金の集め方だけは中小企業から地方団体から全部すき間なく集めながら、補償は全然すき間だらけじゃないですか。こういう人たちに対しては何の補償もない。特に、この調査では居住歴しかない要精密検査者七十三名のうち、胸膜肥厚三十六名、胸水二名、プラーク十二名、この被害者は全く救済されないということになる。
 私は、職業以外の環境暴露の被害実態を把握して、きちっとこの労災と同じようにびまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水、石綿肺、これをきちっと救済していく必要、指定疾病にしていく必要当然あると思いますが、この点いかがですか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 指定疾病に関する考え方は昨日の検討会で一定のまとめをしていただいたところでありまして、おっしゃるその他の関連疾患については一般環境経由のものが報告されていないという整理を今のところされているわけでございます。
 御指摘の尼崎市の健診の結果でございますが、私どもも市から情報もいただいておりますし、内容も確認いたしました。一次スクリーニングを経て、あなたはもうちょっと詳しく調べた方がいいですよという所見として胸膜肥厚とか胸水とかプラークとかの方々が、いろんなエピソードのグループ別でありますけれども、あるというふうに承知しておりまして、そうしたその胸膜肥厚とか胸水とかといったものがどういうふうな、何といいましょうか、疾病なのか、鑑別診断も含めて今後、さらに、正に要精検ですよという段階だと聞いておりますので、それが結果的にどういう病気なのか、結核なのか肺がんなのかというようなことも含めて、これは一概にこの所見だけでは、今言われているその他疾患の方々ですよという結論は今の時点では出せないと思います。
○小池晃君 いや、常識的に考えて、健診やってこれだけ異常所見が出ることないですよ。胸膜肥厚がこれだけ出る、胸水が出る。それは中には精査すれば恐らく石綿由来でないものもあるかもしれません。しかし、私、実際の健診に当たった方にも聞きましたけれども、きちっと問診取ってやってるんだと。だから、基本的にはアスベスト関連ということでこういう診断結果が出ていると。
 だから、私、そういうふうに言うのであれば、こういう結果を持っていながらですよ、報告受けていると言いましたね、この結果を知りながら、昨日のこの検討会、何ですか、じゃ。一般環境における発症例の報告はない。これだけその可能性がある資料が提示をされていながら、これはないという結論を昨日の段階で出してしまうというのは余りにも拙速なやり方じゃありませんか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) お示しいただいたデータではないんですが、個別に三例、四例、石綿肺が疑われる、あるいは胸水、良性胸水と思われる症例について、いろいろ検討会でも個別には話題になりました。その都度医療機関にも確認して、石綿由来のものではないという確認もいたしております。
 先生方が昨日いろいろ結論をまとめていただいたものは、報告あるいは文献として、国際的なことも含めて、当面の取りまとめをあのようにしていただいたということですので、先ほど来申し上げてますように、いろいろ情報収集、引き続き努め、さらに中環審での御審議も踏まえて決めていきたいと考えております。
○小池晃君 全然説明になってないですよ。こういう結果が出てるんでしょう、現実問題としてこれだけの数字が。
 じゃ、検討会の皆さんはこの数字どう受け止めたんですか。こういう数字、これがすべて、じゃこの一般暴露によるアスベスト由来のものではないという結論を出したんですか。どうなんですか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) そこまでの議論はしておりません。
○小池晃君 無責任ですよ、余りに。こんな検討で、昨日の段階で一般環境での発症例の報告はないと。余りにもずさん、いい加減なこれは検討じゃないですか。大臣、どうですか。こういう、これだけの数字が一方で示されていながら、一般環境で石綿肺、良性胸水、貯留、びまん性胸膜肥厚ないと言い切っていいんですか。
○国務大臣(小池百合子君) 昨日の専門家の先生方によります結論として、その取りまとめをお願いしたところでございます。その取りまとめが行われたところでございます。訂正いたします。
○小池晃君 こういう取りまとめでは、私は被害者の皆さん絶対納得しないと思う。私、当然これを、この実態を見れば、必ずこの中には一般環境による発症があることは間違いないと思いますし、例えば、この尼崎の調査では石綿肺はありませんが、大阪泉南地方の健康調査の結果を見ますと、石綿肺の方も多数出ているという実態を私聞いております。大阪泉南石綿健診では、石綿肺四名、石綿肺の疑い三名いると。
 その中のFさんという方、紹介しますと、この人は石綿肺というふうに診断されているんですが、両親が一九五五年ごろから石綿工場で勤務してた。工場に隣接する社宅で暮らしていたと。工場の外では石綿の粉が舞っていて、日光が当たるときらきらきらきら光っていた。仕事を終えて帰宅した両親が石綿まみれの作業衣着替えると、もうもうとその石綿の白い粉が室内に充満したと。家族、知らず知らずのうちに吸引してたんだと。このFさんのお父さんは肺がんで九五年に亡くなっている。お母さんは続発性の気管支炎で治療中である。Fさんは、石綿肺胸膜肥厚斑と診断されているんですが、看護師さんをやられていると。夜勤明けなどせきがひどくなり、しんどい思いをすると言っておられるんですね。どんなこれからこの法案で補償が受けられるのか心配だというふうに私聞きました。
 この、こういう被害者が多数今現に存在している、それにもかかわらず一般環境における発症例の報告がないというふうに断言をして、当然救済の対象とすべきところから最初から除外してしまうというのは、私はどう考えたって被害者の皆さん納得しないと思いますよ。大臣、このような形で指定疾病に入れないということで被害者の方納得されると思いますか。
○国務大臣(小池百合子君) 専門家の先生方の御意見を取りまとめさせていただき、また中央環境審議会において御議論いただくと、このような経過をたどりながらできるだけ早く救済措置をとっていきたいと、このように考えております。
○小池晃君 専門家専門家とおっしゃいますけども、じゃ環境省は、この尼崎の検査結果、調査結果は承知してたというんですが、これは検討会に提出したんですね。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 先ほど二月九日に予定されておりますということを関連で申し上げましたが、この二月九日の検討会にこの健診の方のデータが議題として上るかどうかというのはまだ決まっておりません。先ほど申し上げた死亡者の調査の方は進んできておりますので、ちょっとそういう意味で、検討会に、この二月九日の検討会にこの案件が精査、かかわるかということは私レベルでもまだきちっと連絡を受けておりません。
○小池晃君 ということは、この結果は検討会の検討対象になってないということですよ、現時点では。そういう段階でありながら、一般環境における発症例の報告がないというふうに結論付けてしまったことは、私は本当にこの検討会の中身はずさん過ぎるというふうに思います。これに基づいて指定疾病を決めてしまうようなことは絶対にあってはならないということを求めたいというふうに思いますが。
 さらに、それなら加えて聞きたいんですが、中皮腫の発症に至ってないけれども、経過観察必要になった健康被害者は一杯いるわけです。尼崎市では現在六十名程度いる。こういう人たちに対して必要な健診が無料で受けられるようにする、安心して健康管理できるようにする。その点では労災の健康管理手帳と同じような措置を当然講じるべきだと思いますが、その点はどうなんですか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) いろんな検討会がありまして恐縮ですが、この関係では、厚生労働省にこの専門家会議がございまして、近々最終的なまとめが行われると。つまり、健康管理が必要な人に対してどのようにしていくべきかという考えがまとまるというふうに聞いております。私どももそこの検討会はオブザーバーとして毎回出席させていただいております。
 そうした検討を踏まえまして、厚生労働省と環境省がどのような形でこういうリスクの高い方あるいは所見のある方を健康管理的にフォローアップしていくかという方法について、更に詳細に検討を進めたいと考えております。
○小池晃君 更に聞きますが、今、尼崎市ではアスベスト健康診断、自己負担六百三十円でやっているんです。こうした健康診断やった場合とか、あるいは経過観察者に必要な健診、これを尼崎市が無料で受けられるようにというようなことを実施した場合は、これはやはり技術的にも財政的にも支援をする必要があると思いますが、その点はどうですか。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 既に今年度、市が実施している調査については、わずかではありますけれども、私どもの方の予算も御支援させていただいております。
 それから、ちょっと話がずれるかもしれませんが、一次スクリーニング的なことをどうするのかということと関連してお答えしますと、一般の住民健診でありますとか、厚労省所管でありますが肺がん検診でありますとか、そういう場を通じていろいろ適切な問診を追加するとか、そういうことで広く網を掛けてリスクの高い人を絞り込んでいく。そのリスクの高い人を何らかの形でフォローアップシステムを構築していくと、こんなことも考えているところでございます。
○小池晃君 今まで議論してきたように、私は、そのアスベスト被害については、工場の中と外で各救済に、救済のもちろん水準にしても対象疾患にしても格差を付けるべきでないというふうに思います。
 これは、今年の三月末までに尼崎市の健康影響実態調査の結果が出るということですから、やはりその調査結果を踏まえて、法の見直しはこれ五年後と言わずに、新しい知見が出てくれば、本当にすき間のない対象を補償とするために、やはりその救済法という枠組みからやはり補償法という枠組みへ発展させていくことも含めて、これは当然見直しをしていく必要があると思いますが、その点はいかがですか。
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 環境省としては、当然のことでございますけれども、石綿による健康被害の実態について十分調査、把握しまして、因果関係の解明に努めてまいりたいというふうに考えております。
 ただ、ただいまのお尋ねでございますけれども、科学的知見の進展、特に因果関係の解明に対応して補償制度への移行というのが検討課題となるのかという御質問であると思いますけれども、そうした将来得られる知見の内容を今現在予見できないということでございますので、具体的な制度見直しの方向について確たることをお答えすることは困難でございます。
○小池晃君 まあ、予見できないけれども、そういう可能性を否定はされなかったというふうに理解はしたいというふうに思います。
 最後に、ちょっと小池大臣に私どうしても聞きたいことがある。昨年十一月二十六日に、大臣は尼崎で中皮腫の患者、家族と懇談されました。懇談後のその大臣の発言、これは新聞でも報道されましたが、がけから飛び降りるという気持ちでやるということが報道もされた。この問題、衆議院でも問われて、大臣はその言葉使ってないというふうにお答えになって、私は、そういうふうに言われたんで、はいと答えただけだというような趣旨でお答えになったかと思いますが、実際にその言葉聞いた方に私はお聞きしたら、全く違うんです。
 その懇談に参加された古川和子さん、今日もお見えになっています。土井雅子さんからも私、直接話聞いたんです。大臣は、記者会見終わったらば、私たちのところに歩み寄ってきて、古川さん、飛び降りますよ、頑張りますよ、土井さん、またお店に行きますからね、土井さんというのはその大臣の元選挙区でお好み焼き屋さんやっていて、大臣も行かれたことが……
○国務大臣(小池百合子君) たこ焼き屋さん。
○小池晃君 たこ焼き屋さん、ということだそうですけれども。でも、そういうふうに言ったと、力強く言われたんだと、私、直接お聞きしたんですよ。
 で、今回の法案の、そのもちろん不十分さにも被害者の皆さんは怒っていらっしゃるんだけれども、やっぱり、こういう発言しておきながら、実際出てきた法案は違うじゃないかということに、本当に怒りをかき立てられているんですよ。
 私、政治家の言葉というのは重いと思うんですよ。大臣のこの言葉によって期待をし、実際出てきた法案見て裏切られたというふうに考えていらっしゃる方がたくさん現地にいらっしゃる。私、その責任をどう考えるのかということを大臣に問いたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君) 私も言葉を大変大切にしていると自覚、自負しております。
 古川さんががけから飛び降りるつもりでというふうに御発言をなさいましたので、私はその言葉は使いませんでしたけれども、しかし環境大臣である限りは、この法、新法を構築していくというのはこれは当然のことだと、このように思っているわけでございます。
 そして、今回、被害者の皆様方は、基本的に労災、特に尼崎の場合は工場と民家が本当に隣接している。例えば、ほかの地域、例えば奈良の方に参りますと、かつては田んぼの真ん中に工場があったなどという形で、全国、状況が違うところがございます。
 ただ、いずれにしても、尼崎で住んでおられる方々はクボタにお勤めになっていた方々と、それからその近隣に住んでおられる方々と、その非常に近いところで住んでおられるというので、今回いろんなお気持ちがあるということは重々理解を私いたしているつもりでございます。
 そういった中で、この中皮腫そして石綿によります病を被っておられる方々、非常に三十年、四十年という長い潜伏期間があって、そして、ましてやそれがなかなかその間は発見できない、さらに発症されてからは非常に短い時間でお亡くなりになるケースが多いというような特殊性にかんがみますと、今回、この二法を提出させていただいておりますが、特に救済法ということはこの形で制度設計の中で進めさせていただくのが適当と、このように考えているところでございます。
 いずれにせよ、環境大臣といたしまして、これまでこういった新法がなかった、法律がなかったということから、制度のすき間の中に入ってしまわれる方々を一日でも早く救済してまいりたいと、どこから飛び降りようが、なすべきことはなしていきたいと、このように思っているところでございます。
 今申し上げましたのは、国会のこの答弁で答えているわけでございますから、確かに私が言ったということは記録に残るかと、このように思っております。
 また、被害者の方々の心境につきましては、これは人間である限り、その御苦労であるとか、それから中には、かつて尼崎信用金庫にお勤めになって、私のおりました母校に何度か通ったこともあるんですよといってお答えになっていた男性もおられました。何度も何度も入退院を繰り返し、そして手術を繰り返しというその皆様方を見ていますと、これについて何にも感じないという政治家の人は一人もいないんじゃないかと思っております。
 一日も早く、そういった方々の救済、さらにはこれからの新しい被害者が出ないために何を講ずべきかということを判断して、この新法によって一日も早く救済の措置がとられていくことを私自身望んでおりますし、また先ほど来申し上げておりますように、附則の項目の中に五年以内の見直しということも設けてございます。これは、後から修正といったような形でなされるものではなく、新しい法律が運用されるその過程におきまして、様々な措置を、必要な措置をとるべきものについては見直しは行うということでございます。
 いずれにいたしましても、今回の法律がより的確に、そしてまた迅速に被害者の皆様方の生活に対しまして支えになるということを期待をいたしているところでございます。
○小池晃君 長々おっしゃいましたけれども、出てきている法案は今のお言葉とは全く違う中身になっているということなんですよ。だから皆さん怒っているんですよ。
 それから、大臣はごまかしましたけれども、やはり、がけから飛び降りるというふうにはっきりおっしゃったことの責任は私重大だということを改めて申し上げたいと思います。
 そして、もう一言付け加えますと、長い経過だから長い経過だからというふうにおっしゃる、四十年。だからこそ、周辺疾患まで含めてきちっと救済の枠組みにのせて管理をして、その中から中皮腫の人、がんの人が出ないかどうかということをしっかりフォローしていく体制をつくる、今回法律を作るスタート地点が大事なんですよ。そのときにそれを除いて決まったらば、正に二十年、三十年、四十年たったときに、そういう周辺に取り残された人から中皮腫やがんの人出てくるじゃないか。正に行政の不作為、立法の不作為が改めて問われるような事態になる私は法案だというふうに思いますので、断じて今の大臣の答弁では納得できないというふうに申し上げて、時間なので終わります。
○荒井広幸君 荒井でございます。
 ずっと議論を聞かせていただきまして、また冒頭、被害に遭われている皆様方にお見舞いを申し上げる次第です。
 そしてまた、この議論を聞かせていただきまして、やっぱり遅い、遅かったなという感は否めないんです。確かに予想できないことは今本当に頻繁に起きています。頻繁にいろんな予想できないものが起きている。それらに当てはまる法がない。じゃ、どうしようかと。今回は新法ということになったわけです。お隣の国土交通委員会では、偽装問題による、いわゆる入居していた人たちの救済の予算の議論がされているやにも聞きますが、しかし何らかの、いかがなんでしょうか、何らかの兆し、予想できないものが一杯起きてきますけれど、何らかの兆しがあって、それを見落としていたという責任はやっぱり私ども又は行政に、国にあったんではないかと。そういった観点から質問をさせていただきたいというふうに考えています。
 冒頭、先ほどの質問にもありましたけれども、労災の認定を受けるまでに六か月という時間が掛かる。その間、ではどのような救済があるのかということは弾力的にというようなお話がありましたが、改めて、この点の新法との関係、それから六か月の空白、どのように考えているか、お願いできますか。
○政府参考人(寺田達志君) まず、労災と新法との関係でございますけれども、これは当然のことながら別の制度でございます。ただし、労災の認定申請と新法での認定申請は相互に排除し合うものではなくて、基本的には、恐らくは当然のことながら新法の方が早い判断ができると、こういうふうに、かように考えておりますので、その場合には新法での救済が受けられ、更にその後、労災の認定がもし受けられれば、今度は新法の方の体系から離脱すると、こういうことになろうかと思っております。
○荒井広幸君 つまり、同時でよろしいと、こういうことですか。
○政府参考人(寺田達志君) 同時に御申請なさることを排除するものではございません。
○荒井広幸君 排除するものじゃなくて同時にできますと、こう言わないと分かりません。
 そういう形でやりますと、非常にやっぱりお互いにいろいろと配慮するところはたくさんあります。大臣がおっしゃるように、すき間がないと、こういう意味で評価できる内容でありますが、しかし、その内容にもまだ不十分な問題があり、また今のような、やっぱり温情というか人間として当たり前のやり方、考え方、気持ち、そういったもので手当てできるところがありますから、そういう意味では、今日の議論にありますように、まだ十分とは言い切れません。今後とも改善を待つわけでございます。
 さてそこで、今回、先ほど来からもありましたけど、公健法の問題ですね。原因者が特定できないとか大気感染が明確でないとか、いろんな、そのエリアの範囲ですか、こうおっしゃっています。
 しかし、ぜんそくについてはこれ割り切ったんじゃないですか、原因者というのは。割り切って、不特定ではっきりしないところはあるけど、割り切ったんじゃないですか。なぜ今回、公健法ではぜんそくの原因者について一定の割り切りをして適用させながら、今回はこのように新法を作らざるを得ないのか、この辺の説明をお願いします。
○政府参考人(滝澤秀次郎君) ぜんそくという御指摘がありましたので、公健法の関係で、いわゆる四日市ぜんそくが極めて重大な社会問題となる中で、昭和四十七年の四日市公害判決が地域の工場を排出源とする大気汚染とぜんそく等の健康被害との間に法的因果関係を認め、被害者の損害を定型化したことを背景にいたしまして、各地において損害賠償問題が大きく取り上げられたために、問題の迅速かつ円滑な解決を図るものとして制度化されたものでございます。
 当時は事業活動等に伴う大気汚染が大変著しく、四日市など相当範囲の著しい大気汚染に伴って、気管支ぜんそく等の疾病が多発していた地域においては、汚染と疾病の疫学的相関データ等により、当該地域の患者はすべて大気汚染によると制度的に割り切ることに合理性があるとされたものでございます。
 ちなみに、その後、大気汚染が改善されまして、昭和六十三年にはこの制度的な割り切りに合理性がなくなったとされ、すべての指定地域が解除されているわけでございます。
 こうした経緯を踏まえまして、公健法のぜんそくと同様な制度的な割り切りを今回の石綿健康被害に当てはめることは困難ではないかと考えております。
○荒井広幸君 訴訟という可能性がその中に実際に行われてまたそういう対応になったということなんですね。これもまた後手の話で、新法をやるのであれば、あるいは新法をしない、いろいろな形で、例えば公健法で適用するとか、そういう教訓をやっぱり大臣がおっしゃるように予見的に入れておくべきじゃないんでしょうかね。
 だから、そういう意味で私は、新法ということに行かざるを本当に得なかったのかということを、行政の責任や、あるいはもしかしたら今後訴訟が起きる、裁判が起きる、いろいろな形の中でやっぱり後手に回るという感を否めないんです。
 お手元に、委員長、理事会の了解をいただきましてペーパーお渡ししましたけれども、後ほどこれについては関連しますので、お話をさせていただきたいと思います。
 そこでお尋ねをしたいんですけれども、金融庁に来ていただいております。
 堀江さんの事件、あります。市場の声を聞けというわけです。市場の中にもうかる種があったり、そしてまた株が上がる、いろんな材料がある。市場に声を聞けと。市場原理万能主義者の言う話ですね。世の中にもっと耳を澄ませれば、あるいはそれぞれの役所役所、我々も耳を澄ませれば、助けてくれという、あるいは危ないぞというその予兆が、声が聞こえたはずなんです。
 実はその予兆は、先ほど議員各位からお話がありましたけれども、アメリカでは既に損害賠償という形で働いていた人が会社を相手取ってやって、そして会社が損保会社に入っているんです、補償のために。そういうことで、損害保険会社は八〇年代に、日本の損害保険会社はアスベストは危険だから会社との支払、これ約款でやりますけれども、アスベストについては免責する、アスベスト被害のときには保険金出しませんよという、そういうふうにしているんじゃありませんか。金融庁、この事実関係はいかがですか。そうした、いわゆる損害保険業界は知っていて、アスベストについては免責をしている事実をつかんでいますか。金融庁。
○政府参考人(山崎穰一君) お答え申し上げます。
 損害保険会社が各々の企業と契約している内容でございますので画一的なことは申し上げられませんが、御指摘のとおり、企業賠償責任保険におきましては、一般に石綿損害等不担保特約条項を附帯し、アスベスト免責としているというふうに承知してございます。
 その理由でございますが、海外における保険会社の支払状況や、再保険会社の慎重な引受け態度等が挙げられておりまして、またその時期につきましても、昭和六十年代のころからと聞いております。
○荒井広幸君 大臣、いかがですか。正にそういう意味においては、損保業界は大変なことになるって分かっていたんです。
 金融庁、今そういうふうにつかんでいるということは、昭和六十年代、一九八〇年、そのときのやり取りで金融庁に対していわゆる免責をするというやり取りはあったのですか、ないのですか。当時は大蔵省ですか、当時はね。はい、じゃ、金融庁。
○政府参考人(山崎穰一君) 当時の状況についてでございますが、この保険は企業向けの賠償責任保険でございまして、やや専門的になりますが、生命保険等の個人向け商品とは異なりまして、契約者が専門的知見を有している企業であるということから、その当時におきましても当該保険契約の趣旨、目的の範囲内で当局の商品審査を受けることなく特約の新設又は変更を行い得るということにしていたわけでございます。
 したがいまして、御指摘の当時の大蔵省、御指摘のその特約条項、石綿につきましての特約条項につきましては、その当時の大蔵省が審査をしたということはございません。
○荒井広幸君 皆さん、いかがでしょうかね、こういう危険なものがあるから、それは保険では面倒見れませんよと、そういうものは社会一般に共有するべきものじゃないでしょうか。
 さらに、この規制改革、小泉改革の中では個人商品、先ほどの言う生命保険の部分も含めて、商品はどんどん届出でできるようになっているんですよ。しかし、今の話は企業対企業でしょう。いわゆる損保会社対企業ですよ。その場合は何の話もする必要ないということですよね。
 どうですか、このずっと金融庁も議論聞かれて、今度からは届出ぐらいにする、それぐらいの話、改善されたらどうですか、金融庁。
○政府参考人(山崎穰一君) ただいまの点でございますが、賠償責任保険のような企業向け商品というものが、繰り返しになりますが、企業が専門的知見を有しているということ、それから契約対象が多種多様でございまして、またニーズも多様でございます。ということから特約自由となってございまして、こうした理由からその特約自由という考え方を取っておりますことにつきましては合理性を有していると考えてございまして、このことをもってその被害者救済を遅らせたというようなことではないかというふうに考えてございます。
○荒井広幸君 これが一方の私は市場原理の落とし穴というふうなものだと思うんです。いわゆる市場の失敗とも言います。やっぱりチェックするところはしていくということでないと、国民生活、担保できないわけでしょう。
 それで、私は金融庁に、これは損害保険業界ありますね、全国損害保険業界、是非、まあ私の方で聞いてもいいですけれども、こういう事案があって、やはり問題だと言うために業界はあるはずなんですよ。恐らく横並びで一斉に免責しましたよ。業界談合方式ですよ、恐らくですよ。そうなりますと、そういうものを業界が知っていたはずですよ。そういうものとの連携というのは、皆さんのところから天下りが行っているでしょう、専務か事務局に。少なくとも聞こえてこないんですか。
 ですから、是非業界に、損保業界に御確認ください。承知していたと先ほどおっしゃったんですよね、一九八〇年代から。それは私に言われて承知しているように昨日聞いたんですか、それとも六十年代、昭和六十年、一九八〇年代から知っていたということですか。知っていたらこれ問題ですよ。
○政府参考人(山崎穰一君) 具体的にいつということではございませんが、保険会社に、主要な保険会社にヒアリングを最近いたしまして、このような状況を聞いておるということでございます。
○荒井広幸君 最近ということですけど、本当に最近なんでしょうかね。
 大臣、省庁の連携を図るとおっしゃったわけですけれども、これが実態です。つまり、それぞれの分野で予兆があるんです。灰色のと灰色のものが一杯合わさってきたら黒なんですよ。危ないぞと、それが予防的原則、予防的アプローチということじゃないですか。私は、非常にそこを思うんですね。
 それで、金融庁に聞きますけれども、なぜ損害引受け制限をしたんですか、なぜ免責したか、その理由。
○政府参考人(山崎穰一君) これは保険会社の判断でございますけれども、先ほど、昨年末に聞いたところによりますと、海外における保険会社の支払状況、これは米国等でございます。それから、再保険会社の慎重な引受け態度等がありまして、昭和六十年代のころから企業賠償責任保険においてこの免責、不担保特約条項を附帯しているというふうに聞いてございます。
○荒井広幸君 そうしますと、いずれにしても、これアメリカでは、払えなくて倒産して、企業が倒産、そして保険会社が倒産なんです。労災制度は企業の負担で原則成り立っていますから、いろいろな意味で今度は被災された方々に補償ができないというところにまでこれ陥るんですよ、厚生労働省。
 これは金融庁含めまして、そういうことを知った、あるいはそういう話がある、私はつかんでいたと思いますよ。そういうことをやっぱりみんなが共有していかないと、予防的アプローチという言葉を言ってみても、結局は素通りではないですか。素通りなんですよ。
 そこで、もう一つ聞きたいんですが、それを最近聞いて金融庁はどういう対応を取られましたか。内閣には何か連絡会議まであると言っている話ですけれども、どのような行動を取られたんですか。
○政府参考人(山崎穰一君) この点につきましては、一般に企業のCSRということにつきましては重要な問題というふうに認識してございますが、この点を特に、現在におきましてこの点について特に各省庁の連絡会で周知をさせたとか、そういう事実はございません。
○荒井広幸君 そういうのをみんな内閣にある調整するところに持ってくるというのがお昼の前の話なんですよ。だから、やっぱりこれ全然何か危機感が足りないのじゃないかなということですね。
 ですから、やっぱり、大臣ちょっとお尋ねしますけれども、第三者機関で、先ほど来の話の中でそういう機関は設けないとおっしゃっていますが、もう一度、今のようなこともあるんです、第三者機関でもう少し検証して煮詰める必要はあるんじゃないですか。いかがですか、大臣。
○国務大臣(小池百合子君) 関係省庁間の連絡、連携が悪かったということは、これは大いに反省すべきだと考えております。
 また、検証につきましても、関係省庁におきまして何年に何が行われたのかということ、それから、それを同時に検証する際には海外における動向などについても並行してその検証も行っているわけでございます。
 今お話しのこの損保の免責ということにつきましては、当時から、その八〇年代ごろから諸外国において、特にアメリカの場合、アスベストの問題が社会問題化をしていったという過程においてこういう損保の対応が出てきたということなども、諸外国におけるアスベストの取扱い、それによって起こっている社会的な事象ということでそれはとらまえていたと、このように考えております。
 いずれにいたしましても、この損害保険契約に関しての免責条項については、そういった海外での意向を受けまして、我が国の損保でも取り入れられて、現在で一般的であると。そのことについて、じゃ旧環境庁がそのことについていつどの時点で知ったかということについては、これについては明確にいつということをお答えできる状況にはございません。
○荒井広幸君 大臣の方から、その連絡関係でいつ知り得たかということの話に及んでいただきました。
 経産省、当時通産省です。少なくとも企業が加入する保険ですね、企業の皆さんを所管するわけですけれど、そういう話がどうも、損保会社から、石綿については駄目だと、これは補償できないよと言われたような話は、経産省、その昭和六十年、一九八〇年代、耳に入っていましたか。
○政府参考人(塚本修君) 当時、そういう状況について経済産業省として明確に認識をしていたという状況にはなかったんではないかというふうに承知しております。
○荒井広幸君 だんだんだんだんこう分からなくなるんですよね。
 日本の良さというのは、ある意味で、談合をやったりあるいは天下りを入れたりということで業界団体は批判されるものです。しかし一方で、そういう情報を共有して、少なくとも国民生活あるいは経済活動でいろんなプラスマイナス出ますが、そういうものを、できるだけマイナスを減らしていこうと、こういう役割も担っていたんですよね。そういうものが機能しなくなった今の日本の社会、そういうものの一面でもあるような気がするんです。
 代替品がなかったからじゃないですか。費用対効果で実はこの石綿というのは魔法の鉱物と言われていると、魔法だと。耐熱性もあれば薬品にも強いし、曲げや引っ張りにも強い、しかも安いと。当時の経済・産業界挙げて需要もありました。そういうものの中で、実はそういう危険だという声を聞かぬふりしたか、あるいは、聞かなかったとは言えないと思うんですよ。当時の、経済産業省、いかがですか、通産省。
○政府参考人(塚本修君) 当時通産省、今経済産業省でございますけれども、当時の認識といたしましては、労働安全衛生法それから大気汚染防止法と、そういう具体的な規制措置の中で関係業界に周知徹底、ないしはその当時からアスベストの代替化を進めるというのが当省の対応だったというふうに認識しております。
 それで、当時からアスベストの代替材の開発というのは当省としても鋭意取り組んできておりまして、特にアスベストの大宗を占めます建材等につきましては、そのアスベストの使用比率を下げるための研究開発、それからアスベストの代替化の取組等を進めてまいっておりまして、現在におきましては、可能なものから順次代替化が進んできたというふうに承知をしております。
 ただ、どうしても今、一部例外的に、例えば化学プラント等の非常に高温高圧、それで腐食性の強いようなそういう配管の継ぎ目等にはどうしてもアスベストの含有製品でないと対応ができない、そういうのが今一部残っております。こういうものにつきまして可能な限り代替化が進むように今鋭意取り組んでいるという状況でございます。
○荒井広幸君 それは、利用制限から予防的アプローチ、そしていろんなことを言われますが、経済性を優先しちゃいけませんよと、また因果関係、科学的因果関係が分からなくても事前に手を打ちなさいと、これが合い言葉でありますが、本当にそれを実態としてまだまだ定着していないということだと思います、当時も。また、当時はそういう考え方がなかったんじゃないんです。あったはずなんですよ。しかし、それを見過ごしてきた、あるいはそれを許してきた。そういうことが大きな、遅過ぎた教訓なんです、今。ところが、今被害に遭われている方々に教訓では済まないんです。
 そういうことを考えると、やっぱりやれるべきところはやっていくということの、最低、姿勢と反省はしてもらわないと、更にやり場がないんだろうと思うんですね。
 そこで、お尋ねいたしますけれども、当時の労働省、厚生労働省にお尋ねします。石綿関連疾病で労災補償を行っていた、一九九〇年代じゃないかと思いますが、その被害実態について把握していらっしゃいましたか。
○政府参考人(森山寛君) 労災につきましては、一九七八年、昭和五十三年にこの石綿による中皮腫それから肺がんにつきまして労災の対象に具体的に掲げまして、それ以降具体的な件数を集計しておりますけれども、二〇〇〇年度までは少しずつでございますけれども増加をしてきておりまして、十四年度以降、この対象について認定件数が急激に拡大をしたというふうに認識をしております。
○荒井広幸君 ちょっと私の聞き方も悪かったんですけれども。まあ、少なくともどんどんどんどんそうやって、我々は知っていたわけですよね。
 だから、そういうことを知っていたとするならば、企業はですよ、これ、厚生労働、経済産業省にも言いたいんですけれども、企業から聞いてなかったと言っているけれども、企業の中の労災ですよ。それなら厚生労働省は、石綿の危険性というのはこれは大変なんだなって、そういう危機感というのか、大変だという気持ち持たなかったんですか、厚生労働省。
○政府参考人(小野晃君) お答えをさしていただきます。
 昨年八月の政府の検証にもございますように、国際的にアスベストについてのがん原性があるということが認められましたのは一九七二年、昭和四十七年。その時点で旧労働省それから関係省庁ではこういった認識はあったというふうに検証でもされております。そういう意味で、旧労働省におきましても、ILOあるいはWHO等で指摘されたがん原性についての認識というものを持っておりました。
 それに対して、旧労働省におきましては、昭和五十年、一九七五年に、アスベスト等の吹き付け作業の原則禁止、湿潤化等によるアスベストの発散防止等の規制を労働安全衛生法に基づいて行いまして、順次いろんな規制をしてきたと。
 ただ、先生も御指摘のように、現在の段階から見まして、特に予防的なアプローチという観点に立った取組というのは必ずしも十分でなかったと、そういう面がございますので、今後ともそうした予防的アプローチに立った施策について迅速な取組をしてまいりたいというふうに考えております。
○荒井広幸君 その損害の免責とかいろんな形で、実は厚生労働省だってそういう労災のところからだって聞こえるはずなんですよ。いろんな形で情報というのは取れたんです。そういった意味において、私は国に行政責任というものはあったと、あるいはあるのではないかと、そういう気がしてなりません。
 そこで、お手元に出さしていただいておりますけれども、今度のアスベスト、そしてまたこの薬害エイズ、ハンセン病、そして偽装建築やら大震災、一杯あります、雪も。予想できない事案、天災、人災などが多く発生する今日においては、国民における助け合いの精神、国や企業の立場を超えた公の理念というのがうんと重要だと思うんです。
 私は、前のこの委員会でも大臣も御共感いただきましたけれども、同じ気持ちだと思いますけど、やはりお互いが助け合うんだと。人間と自然も助け合うし、そしてみんなが困ったときには助け合う、そして困る前にもみんなで助け合う、そういう気持ちがすごく必要で、これが問題をすごく解決していくと思うんです。
 今回の場合は正にそのとおりで、原因の態様を問わずに、国民に責任が何らないんですよ。しかし、ないけれども、法律があるとかないとか、そんな話言っているどころじゃないと。国民の生命、身体、財産に被害を受けた場合は現行制度で対応できない、それなら、そういうものに限って速やかに救済できる制度の構築というのを予定しておくということは非常に重要であろうと、こういうふうに思うんです。この新法もそういうものの中の一つの項目であろうと思うんです。こういうことを大臣に是非検討していただきたい。
 そして、その要旨は、まずは原因者を速やかに特定することは当たり前です。
 二つ目は、原因者が特定されるまでの間は速やかに被害者の救済のための援助や救済金等の支給を行う。先ほどのいわゆる子供たちの就学支援とか、それからいろんな、子供たちのいろんな手当の話もありましたけれども、そういうものを含めて必要だろうと。
 それから、原因者が特定できない場合、そういう場合もあります、支給した救済金等は返還されないものとする。また、原因者が特定されても、原因者に救済能力がないときも同様とする。
 これは一九六八、九年のカネミ油症です。結局、最高裁で和解しましたから、高裁のときに仮払いを国が補償していまして、いただいていた。ところが、もう時間もたって使った。使ったのに、国は返せって言っているんですよ。こういう無情なものあるのかなと私は思うんです。助け合いだろうと、国民全体がその気持ちを共有していってもらって許される範囲でやっていく、こういうことが必要だと思います。
 じゃ、金目はどうするかと。これは予備費です。財政法第二十四条、三千五百億ぐらいあるんです、毎年。そして、各省は調整費を持っています。こういったものを充てるべきだと。
 今回は三千種類にも上るような魔法の鉱物だからこそ、広く産業連関表使ったみたいにして企業に広く負担させて、そして直接的なのは二階建て方式ということです。こういうやり方も一つかもしれませんけれども、税金こそが広く助け合いなんですよ、みんなで困ったときに。そういうものの原資を予備費などから使って私はやったらいかがかと。
 そして、被害の未然防止の観点から、国民リスクの発見、今冒頭申したようなことです。
 これらの体制を整備することこそ、公務員も政治家もいろんな問題起こして国民に批判を浴びていますが、しかし行政の皆さんこそやっぱり使命感を持っていただいて、誇りを持っていただいて、やっぱり声を聞く。そういう声なき声、あるいは何か予兆があるんだから、そういうものにお互いの立場を超えて連携して耳を傾けるということにやっぱり全力を尽くすと。そういう本当に公務員としての使命感を持ってしっかり当たっていただきたいと、このように思います。
 予算委員会がありますので、早めですがここで終わらせていただきます。
 大臣に、時間がちょっと、一分だけもらいます。大臣、御感想お願いします。
○国務大臣(小池百合子君) 熱弁を聞かせていただきました。
 ただ、さっき一つ気に掛かったんですけれども、日本の良さとして談合を挙げられたのはちょっとどうかなと……
○荒井広幸君 それは悪いって意味。
○国務大臣(小池百合子君) そう、それは失礼いたしました。ちょっと気に掛かったところでございます。
 今回の、私は教訓などということで先ほどお答えさせていただきましたけれども、被害者にとっては日本政府がどういう教訓を得るかということは、それはまた別の話でございまして、今回この救済策を一日も早く施行させていただきたい。それがまず現在おられます被害者の方々に対してまずできることであると、このように考えているところでございます。
 また、反省につきましては、先ほどから予防的アプローチの欠如であるとか、感覚の欠如であるとか、省庁間の連携がうまくいってなかったということでありますが、やはり政治を預かる者とすれば、そういった予見性であるとか、それから縦割りになっているのは、結局そういった役所の職員というのはやっぱりまずは自分のところを考えようと。それはうちの問題であってほかの役所から言われたくないよと思っているのが、これが極めて自然なことなんだろうと思いますが、そこの縦割りを排除していくのはやはり政治の力ではないかと思っておりますので、今後とも予見性を持ちながら、危機感を持ちながら、そしてしっかり対応していくという、それが重要なのだと改めて認識を、先生のお話などを伺いながら改めて認識を深めたところでございます。
 以上です。
○荒井広幸君 終わります。
○委員長(福山哲郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 石綿による健康被害の救済に関する法律案の修正について小林元君及び小池晃君から発言を求められておりますので、順次これを許します。小林元君。
○小林元君 私は、民主党・新緑風会を代表して、石綿による健康被害の救済に関する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 政府が提案している新たな救済制度は、労災補償との様々な格差が歴然であり、政府がうたうすき間のない救済になっていません。
 アスベストの危険性も知らされず、たまたまアスベストを扱う工場などの近くに住んでいただけで生命や健康を奪われた方たちへの代償として総額三百万円の救済は余りにも不十分です。また、一律十万円の療養手当が支給されることとなっておりますが、これでは限られた専門医療機関に通院するための多額の費用すら賄えないという悲鳴も聞かれます。経済上の理由から被害者のお子さんが学業の継続や進学を断念せざるを得なくなったような家庭にとっても、有効な救済にはなっておりません。
 私たちは、被害者の皆さんの切実な悩みに迅速に対応するため、最低限の立法的措置による解決が急務であると判断し、本修正案を提起させていただくものであります。
 以下、修正の内容を御説明いたします。
 第一に、その月の被認定者の病状の程度が政令で定める程度に該当するものであるときその他政令で定める特別の事情のあるときは、その請求に基づき、その月分の療養手当の額は、第十六条第一項の額に政令で定める額を加算した額とするものといたします。
 第二に、国は、石綿による健康被害を受けた者の遺族の就学の援護その他石綿による健康被害を受けた者及びその遺族の援護を図るために必要な措置を講ずるものといたします。
 第三に、政府は必要な見直しをこの法律の施行後三年以内に行うものといたします。
 以上が本修正案の提案理由及びその内容の概要であります。
 アスベストによる健康被害を受けた方々への救済について、最低限行うべき法的手当てがこの修正案であります。党派を超えて取り組むべき課題として、ここに提起させていただきます。
○委員長(福山哲郎君) 小池晃君。
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、石綿による健康被害の救済に関する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 内閣提出の法律案は、国の行政責任と関係企業の加害責任をあいまいにし、救済内容においても、被害原因や被害実態が明らかでありながら、給付水準などが極めて不十分な制度と言わざるを得ません。
 日本共産党は、この国と加害企業の責任を明確にした労災補償水準の補償を求めていますが、次の三点については最低限の修正として強く求めます。
 修正案の第一は、指定疾病として中皮腫、肺がんに加えて、石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水を明記することです。既に労災補償の対象疾病では石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水が認定されています。この間、認定基準がないなど制度の不備で認定された件数は極めて少ないものの、高濃度暴露地域では相当数のびまん性胸膜肥厚などの健康被害者が存在しており、労災補償の対象疾病と同等にして、本法でも健康被害者をより幅広く救済する必要があります。
 修正案の第二は、石綿健康被害救済基金への地方自治体の拠出をなくすことです。
 既に地方自治体においては、石綿対策で国民健康保険への負担や石綿の解体除去費用の負担など様々な負担を負ってきており、規制権限のなかった地方自治体に新たな負担を課すべきではありません。製造、使用してきた関係企業や、規制対策が遅れた国の責任で費用負担すべきものであります。
 修正案の第三は、石綿健康被害救済基金への中小零細事業者の拠出を軽減することです。
 費用負担に当たっては、石綿による汚染原因者負担の原則を明確にしながらも、国の規制対策の遅れによる被害者とも言える中小零細事業者の脆弱な経営状況に配慮して拠出を軽減します。
 一般拠出では一定の率で減免し、特別拠出では事業の規模も考慮した拠出とし、軽減部分は国と大手企業が負担することによって給付費用を賄うものです。
 以上、委員の皆さんの御賛同をお願いして、趣旨の説明を終わります。
○委員長(福山哲郎君) ただいまの小林君及び小池君提出の両修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から両修正案に対する意見を聴取いたします。小池環境大臣。
○国務大臣(小池百合子君) ただいまの民主党・新緑風会の御提案による修正案及び日本共産党の御提案による修正案につきましては、政府としては反対いたします。
○委員長(福山哲郎君) 暫時休憩いたします。
   午後一時四十分休憩
     ─────・─────
   午後二時二十二分開会
○委員長(福山哲郎君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、竹中平蔵君及び矢野哲朗君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君及び水落敏栄君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(福山哲郎君) 休憩前に引き続き、石綿による健康被害の救済に関する法律案及び石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、両案並びに石綿による健康被害の救済に関する法律案に対する小林君及び小池君提出の両修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○足立信也君 私は、民主党・新緑風会を代表し、石綿による健康被害の救済に関する法律案については、民主党提出の修正案に賛成、政府案及び共産党提出の修正案に反対、地方財政法、建築基準法、大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の四法一括の改正案に対しては賛成する立場から討論を行います。
 世界じゅうで未曾有の被害を生み続けるアスベスト禍が我が国でも急速に顕在化してまいりました。数十年にわたり経済発展の美名の下、深刻な健康被害が指摘されていたにもかかわらず、使い続けた代償は余りにも大きいと言わざるを得ません。各国で政府が糾弾され、原因企業への賠償請求が多発し、解決に向けた取組が進められる中、対応が遅れていた我が国においてやっと出された本法案ですが、以下に列挙する大きな問題点があります。
 第一に、アスベストに接したという実感のないまま健康被害を受けている人々に対する責任の所在がはっきりしていません。影響が明らかでありながら規制が遅れ、国家賠償さえ求められる中、政府の不作為責任には全く触れられておりません。また、公害の場合は原因企業に無過失責任を課す我が国において、過失どころか故意の疑いも禁じ得ないアスベスト問題を扱う本法案が企業の責任をあいまいにしているのは理解を得られません。
 第二に、総合対策が取られていないという点です。民主党は、ノンアスベスト社会を実現するため、アスベスト総合対策推進法案を提出しており、健康被害者への補償以外にも、健康管理、調査、アスベスト製造等の禁止、建築物からの除去、廃棄物の適正処理、建築物の解体時の飛散防止などを定めています。補償のみを取り出して法制化することは、問題を矮小化させ、今後の取組を一過性に終わらせる危険性をはらんでいます。
 第三に、補償の内容が極端に貧弱という点です。労災補償と比較しても、通院費、就学等援護費、遺族年金がないなど、格差があり、支給額も被害者や遺族の深刻な状況から考えると極めて少ないものです。我が党は、被害者の方へのせめてもの誠意と考え、通院費と就学援護費の給付に絞った修正案を提出しました。是非御賛同いただけるよう、皆様の良心に期待いたします。
 最後に、対象となる疾病の範囲が狭いことです。中皮腫と肺がんのみ疾患名が明記されましたが、労災補償で認められている石綿関連疾患を網羅すべきです。この点については共産党から提出された修正案に賛成いたしますが、地方公共団体も応分の負担は負うべきものと考えます。
 本法案は、二十一世紀のあるべきノンアスベスト社会を見据えた法案としては極めて不十分であるとともに、労災によりアスベスト疾患に苦しむ被害者でありながら加害者側の一人であるという思いにさいなまれることのない法整備が必要であることを指摘して、私の討論を終わります。
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、石綿による健康被害の救済に関する法律案に反対する討論を行います。
 この救済法案は、これまで石綿による健康被害でありながら一切救済されなかった周辺住民等の被害者遺族と、労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族、そして今後健康被害が発生する周辺住民等に対して初めて救済対策が制度化されることになるもので、長年にわたる被害住民の運動を一定反映したものです。
 しかし、以下の理由から賛成できません。
 第一に、この救済法案は、国の行政責任と関連企業の加害責任をあいまいにした救済制度となっていることです。
 七〇年代初めから既に石綿使用の有害性が医学的に指摘され、国際的にも明らかになっていたにもかかわらず、七五年に吹き付け作業の原則禁止の措置をとっただけで、発がん性が特に強いとされる茶石綿、青石綿の製造も九五年まで放置してきました。主な石綿製品の使用の原則禁止措置がとられたのは一昨年のことでした。
 こうした安全対策も不十分なまま、大量の石綿の製造と使用を続けてきた企業と、危険性を認識しながら長期にわたって使用を容認してきた政府の責任は重大です。今、行政の不作為はないなどとして、国の責任と加害企業の責任をあいまいにしたままの救済を容認するわけにはいきません。
 第二に、すべての健康被害者、被害者遺族が生活し、通院、治療を受ける上で極めて不十分な救済制度となっていることです。
 対象疾病を中皮腫、肺がんに限定せず、労災で認定されている石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水を追加し、健康被害者をより広く救済すべきです。また、給付内容も、労災や公害健康被害補償の水準に引き上げ、健康被害者が生活を維持できる上で十分な補償とすべきです。こうした極めて不十分な救済制度を認めるわけにはいきません。
 なお、民主党提出の修正案は、療養手当の加算、就学援護措置など、極めて不十分な本法案の救済内容を一定程度改善するものであり、賛成とします。
 以上で討論を終わります。
○委員長(福山哲郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 石綿による健康被害の救済に関する法律案の採決を行います。
 まず、小池君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 少数と認めます。よって、小池君提出の修正案は否決されました。
 次に、小林君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 少数と認めます。よって、小林君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 岡崎トミ子君から発言を求められておりますので、これを許します。岡崎トミ子君。
○岡崎トミ子君 私は、ただいま可決されました石綿による健康被害の救済に関する法律案及び石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び国民新党・新党日本の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    石綿による健康被害の救済に関する法律案及び石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、政府は、アスベスト問題に関する過去の対応の検証結果を踏まえ、環境リスクへの予防的アプローチに基づく施策の在り方について検討するとともに、アジア・太平洋地域を視野に入れ、国際会議等を通じた知見や技術の共有化に努めること。
 二、過去の関係省庁間の連携が必ずしも十分であったとはいえなかったことを踏まえ、今後とも、関係省庁間の連携を確実なものとするため、アスベスト問題に関する関係閣僚による会合等により政府を挙げて総合的なアスベスト対策を推進すること。
 三、被害の未然防止の観点から、石綿による健康被害のような国民リスクの発見に、政府一丸となって取り組むこと。
 四、アスベスト疾患の早期発見・治療のため、専門医の育成など医療体制を充実するとともに、中皮腫に効果のある新薬の研究・開発を促進すること。さらに、診断治療・研究の向上のため、個人情報の保護に留意しつつ中皮腫患者等の情報の集積と中皮腫の発生動向の把握に努めること。
 五、アスベストによる健康被害についての国民の不安に対応するため、石綿健康被害医療手帳の対象とならない家族、周辺住民等のアスベストばく露者に対し、健康管理対策を図るほか、家族、周辺住民等への健康相談・診断の充実を図ること。
 六、指定疾病については、中皮腫及び肺がん以外の疾病についても被害の実態の把握に努め、必要に応じて対象に加えること。また、指定疾病の認定に当たっては、認定基準を明確にするとともに、認定を迅速に行うこと。
 七、政府は、救済制度の施行状況につき毎年とりまとめて公表するとともに、併せて最新の医学的知見、海外の状況その他の情報の収集と因果関係の解明に努め、その結果を踏まえて、必要があれば、施行後五年を待たずとも同制度について適宜適切に所要の見直しを行うこと。
 八、アスベストの使用実態調査を継続し、国民に情報開示をするとともに、建築物等のアスベストの除去や解体について、低コストで安全な技術・工法の早期確立及び普及を図ること。また、学校、医療などの公共施設等におけるアスベストの除去などの対策を推進するとともに、民間施設も含め適切な財政上・金融上の措置を講ずること。
 九、大気中のアスベスト濃度測定の結果を踏まえ、大気汚染防止法による建築物の解体現場における規制基準等を適宜見直すことについて検討すること。
 十、アスベストを使用した建築物の老朽化により、今後アスベスト廃棄物が大量に発生する可能性があることから、アスベスト廃棄物の無害化処理を促進するとともに、アスベスト廃棄物の不適正処理対策を強化すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(福山哲郎君) ただいま岡崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、岡崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小池環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小池環境大臣。
○国務大臣(小池百合子君) ただいま御決議のございました附帯決議については、その趣旨を十分尊重いたしまして努力する所存でございます。
○委員長(福山哲郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十五分散会