第165回国会 総務委員会 第9号
平成十八年十二月七日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     内藤 正光君     足立 信也君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 俊夫君
    理 事
                二之湯 智君
                森元 恒雄君
                伊藤 基隆君
                那谷屋正義君
    委 員
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                河合 常則君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                山本 順三君
                吉村剛太郎君
                足立 信也君
                今泉  昭君
                芝  博一君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                澤  雄二君
                遠山 清彦君
                吉川 春子君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  椎名 一保君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       総務大臣官房総
       括審議官     久保 信保君
       総務省自治行政
       局長       藤井 昭夫君
       総務省自治財政
       局長       岡本  保君
       総務省郵政行政
       局長       須田 和博君
       財務省主計局次
       長        松元  崇君
       厚生労働大臣官
       房審議官     村木 厚子君
   参考人
       日本郵政公社理
       事        佐々木英治君
       日本郵政株式会
       社執行役員    白川  均君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○地方分権改革推進法案(内閣提出、衆議院送付
 )
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○委員長(山内俊夫君) ただいまから総務委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方分権改革推進法案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房総括審議官久保信保君、総務省自治行政局長藤井昭夫君、総務省自治財政局長岡本保君、総務省郵政行政局長須田和博君、財務省主計局次長松元崇君及び厚生労働大臣官房審議官村木厚子君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
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○委員長(山内俊夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方分権改革推進法案の審査のため、本日の委員会に日本郵政公社理事佐々木英治君及び日本郵政株式会社執行役員白川均君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山内俊夫君) 地方分権改革推進法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○二之湯智君 おはようございます。自民党の二之湯です。幾つかの点についてお尋ねをしたいと思います。
 平成の十二年の四月でございましたか、地方分権推進一括法が施行されまして、国からの機関委任事務が廃止され、地方自治体の仕事はいわゆる自治事務と法定受託事務に限定されまして、そして国と地方の関係がいわゆる上下主従の関係から対等平等の関係だと、こういうことになりまして、与えられた権限と財源で地方は創意工夫を持って生き生きとした町づくりができるんではないかと、このように思われたわけでございます。
 しかし、六年余りたった今日、私も率直なところ、この予算時期になりますと相も変わらず地方からの陳情が繰り返されて、そして今から十年近く前のあの地方分権への熱気がもうどこへ行ってしまったんだろうというような、そんな雰囲気が地方にも漂っているわけでございます。本当の意味の対等平等というのはほど遠いなと、そういうことを思うわけでございます。それどころか、東京の独り勝ちいいますか、東京がますます栄えて地方は寂れてくると。あの地方分権は一体何だったんだろうなと、こういうようなことを思うわけでございます。
 そういうことで、菅大臣、あの第一次分権改革の所期の目的ですね、一体どの程度達成されたのか。そういうことを率直な感想をお聞かせをいただきたいと、このように思うわけでございます。
○国務大臣(菅義偉君) 今委員が御指摘されましたけれども、現実は非常にまだまだ国と地方の関係というのは主従関係に近いという、そういう現実的な物の見方の今のお話であったというように思います。平成十一年に制定された地方分権一括法、これによって機関委任事務制度が廃止されて、これに伴って各省庁の包括的な指揮監督権が廃止されるなど、ともに国の関与の範囲縮小等が行われるなど、それなりには一定の成果があったというふうに私は思っています。
 しかし、委員も京都の市会議員、私も横浜の市会議員も経験をしております。地方議員の皆さんから、やはりそうした問題、先ほど御指摘のようなことが当然言われていると思いますし、私もそのことは承知をいたしております。
 そして、平成十三年六月の地方分権推進委員会の最終報告、これにもありますように、地方公共団体に対する法令による事務の義務付けだとか枠付け、こうしたものの緩和等の解決すべき問題がまだあるという、そういう指摘も受けておるところであります。ですから、現実的にはまだまだ分権が行われていない、それが共通をした認識であろうというふうに思います。
 今回のこの地方分権改革推進法によって、正に当初目指している、そうした地方のことは地方で、地方が財源の裏付けの下に自由に物事を考えて、そして企画をし実行に移すことができる、その代わり責任も地方に取ってもらえると。まあ魅力ある地方にするために、是非この法案を成立させたい、そんな思いであります。
○二之湯智君 次に、いわゆる三位一体改革についてちょっと御質問をしたいと思います。
 いわゆる国の国庫補助負担金を減らして、そしてその分税財源を移譲しようと、更にまた交付税の削減と、こういうことで地方の財政を賄っていこうと、こういうことでございまして、それが地方にとって非常に、地方の自立に向かって三位一体改革が非常に大きな効果をもたらすだろうと、このように思っておったんでございますけれども。補助金削減、補助率の削減に伴うだけの税財源が十分移譲されなかったということで、なかなか厳しい財政状況が地方自治体に及んでいるわけでございまして、私もせんだって京都府下の各自治体等の関係者との懇談会に臨んで、各自治体のトップは、平成十九年度の予算なんてもう財源が組めないぐらい逼迫しておると、こういうことでございました。言わば、悲鳴に似たような声が聞こえてくるわけでございます。
 経常収支比率はもう一〇〇%近くなり、さらに公債比率も二十数%近くになりまして、本当に地方の自治体は全く余裕がないと。よく言われているように、乾いたタオルをまだもっと絞らないかぬというようなそんな感じ、そんな自治体が多いわけでございまして、いわゆる地方の単独事業とか住民の福祉向上のためにお金を使うというようなもう余裕はほとんどないわけでございます。
 三位一体という、非常に美しい言葉で地方分権が進展するんじゃないかと、こう言われておったわけでございますけれども、しかし三位一体が更に厳しかった地方財政を更に一層追い詰めているんではないかと、こんな感じすらするわけでございまして、この三位一体改革が本当の地方の自立に役立ったのか、役立っているのか、そんな疑問を持つわけでございますけれども、どのような見解をお持ちになっておるのかお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 三位一体改革は、御承知のとおり、三兆円の国から地方への税源移譲による自主財源の強化や国庫補助負担金による地方の自由度の拡大と併せて、全体として地方の自立や地方分権の進展に資するものであるというふうに考えております。
 当初、地方六団体の皆さんもこのことについては評価を実はいただきました。しかし、現実になってみていろんな声が出ていることも私、承知をいたしております。しかし、この一般財源化によって、例えば公立保育園運営費だとか学校社会福祉施設の施設整備費、そういうことで地方の創意工夫がそれなりに発揮できる部分もできたということも、これは事実であろうというふうに思います。
 また税源移譲、これは十九年度から正式に実施をされるわけでありますけれども、国の財政状況にかかわらず地方税として、その自主財源として安定的に確保される、そういう形になってくると思いますし、当然景気が良くなればまた増えてくる、またその地方税に対しての様々な涵養の仕方も努力によって、税源の涵養力もできてくると、そういうことも考えられます。そういう中で、増収が期待できるものも当然私は出てくるだろうというふうに思っています。
 いずれにしろ、今回の法案の中で国と地方の役割というものを明確に分担をし、権限、税源、財源、これを地方に移譲して地方が自立できる、そうした事情をつくっていきたいと思っています。
○二之湯智君 今国会で安倍首相は、地方の活力なくして国の活力なしと、こういうことを所信でも表明されて、いわゆる活性化に一生懸命取り組む自治体にいわゆる頑張る地方応援プログラムと、こういうことで交付税の上乗せをすると、こういうことを言われたわけでございます。言わば一生懸命努力している自治体にはそれだけに報いていこうと、こういうことでございます。
 ただ、これの、どのように頑張る自治体の成果を測るのかと、この指標の取り方が非常に難しいわけでございます。幾つかありますけれども、例えば出生率を上げたところ、あるいは工場誘致をして雇用を確保したところと、あるいは人口を増加さしたところとか、こういうことがあるんですが、例えば出生率を上げるとなりましても、今もう非常に厳しい過疎の町村で高齢化比率が三〇%以上になっているところにどうして子供を増やすことができるのだと、こういうような町長さんとか村長さんの声が聞こえるわけですね。つまり、もう人間としてリタイア寸前の人がほとんど住んでいるのに子供なんて生まれないじゃないかと、こういうことでございますし、さらに、そうしたら町に出た子供を呼び戻してその人口を増やそうと思ったって働く場所もないと、こういうことですね。まあ、どちらにしてもなかなか難しいと。
 そうしたら、私は、そういう工場誘致のために、ああ、もうあと百メーター道路を延ばしたら幹線道路につながるのにな、あるいは県道につながるのになと、ところがそういう道路整備すらなかなか今裏負担ができないのが地方財政の私は実情ではないかと、このように思うわけでございます。
 したがいまして、やはりこのお互いの平等な条件で頑張るだけの基盤づくりに協力をしてあげないと、なかなかいわゆる競争しろといったって競争の条件が整わないんではないかと、このように思うわけでございまして、そういう面でもやっぱり十分な配慮をしていただかなければならないんではないかと、こう思うわけですね。
 さらに、この各自治体でもう数年前から総務省が公務員の数を減らしなさい、そして人件費の削減に取り組みなさいと、まともにそれを正直に受けて一生懸命人員削減とか、いわゆる人件費削減に取り組んでいた自治体が急にこれ今言われたって、もうそれ以上なかなか努力しない。だけど、今までなかなか努力しなかったり急に言われたからやりますと、当然、ああ、職員を削減して頑張りましたね、人件費削減してよく頑張りましたねって、それだけが評価されては私はちょっと不公平だと思います。つまり、相当前の基準年を取って、そこからよく頑張っておった自治体にその成果としての評価をしないと私はそれは若干不公平になるんではないかと、こう思うわけでございまして、その頑張る地方支援プログラムを、そういうことを十分配慮して交付税の算定に加えていただきたいと、このように思うわけでございますけれども、これについての見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) この頑張る地方応援プログラムでありますけれども、地方は全国もう様々な町があるわけであります。どこの町に行ってもそれなりの地域の特徴はありますから、そうした自分のところでできるというものを一つの目標として取り組んでいただいて、それに対して私どもは支援をしていこうと、まあ基本的にはそういうことであります。
 そして、具体的にはどういう指標を取るかということは今月一杯の間にその仕組み、制度設計というものを、年内にしっかりとしたものをつくっていきたいというふうに思います。
 たまたま私どもこの応援プログラムを策定する中で、先般、地方の頑張っている市長さんに来ていただきました。お話の一つの中に、宮古市、これ岩手県でありますけれども、そこの市長は子育て、お医者さんでありましたけれども、窓口を一本化にしたというんですね。で、子育てで一番安心な全国で町を目指したい。そうしたら、やはりその周辺からそこの市に子育てのために集まってくる人がかなり多くなって、出生率も今一・六七まで上がったという実は報告もありました。あるいは地方によっては、例えば都会と農村との交流とかも進めているところもありますし、様々なことが私はできるというふうに実は思っています。今委員御指摘がありましたけれども、行革を一生懸命やっているところもありますし、そうした様々なことをやはり頑張ることによってなし得る、そうしたものを応援していこうということで、今月中にその指標についてはしっかりとした基準付けをしていきたいと思います。
 また、この基盤付けが遅れている、最初から条件がないという実は御指摘もあります。確かに地方公共団体の努力だけによって具体的な成果の上がらない地域もあることも私、これ承知をいたしております。特に離島など、過疎の条件不利地域に対しては従来より配慮している特別財政需要について引き続き的確な算定を行っていきたいと思いますし、またスタートの時点に、そうした頑張るプログラムを作るときに対しても特別交付税で支援をするとか、様々なことを今月中に決めていきたい、こう思っています。
○二之湯智君 大臣はお聞きしますと、生まれと育ちが秋田県ですか、そして大きくなって横浜に来られて横浜の市会議員から国政に進出されました。言わば地方と大都会の実情をよくお知りになっておると、こういう立場でございます。もう一度言いますと、大都会の事情をよく御存じだと。そして、私はいつも思うんですが、やはり人間というのはそこで生まれ、そして育って、そして一生涯そこで住み続けたいと思うような町づくりがやっぱり一番だと、こう思うわけですね。なかなかそれがうまくいかない。しかし、そういう町づくりをしていくことがやはり日本全体の活力を生み出していくんじゃないかと、このように思うわけでございます。
 一方、大臣は横浜市会議員のときに、県と政令指定都市の間の問題、そして政令指定都市には非常にこうあいまいな法律上の位置付けもなくて単なる政令で政令指定都市は定めるという、非常にこう権限と税財源があいまいだというふうな立場、こういうこともよく御存じだと思いますね。こういうことについても恐らく政令市の市会議員はかなりこの位置付けを明確にしてほしいという要望もあるかと思いますので、ひとつその辺も一つ視野に置いてこれから頑張っていただきたいなと、このように思うわけでございます。
 しかし、この地方分権改革というのは第一次も道半ばやった、それで今度第二次に入っていこうと。そして、単なる総務省だけではこれは十分もう成し遂げられないわけでございまして、相当な蛮勇を振るって改革をしていかないと、あるいは他の省庁ともけんかをしてでも、言い争いをしてでもこれを進めないとなかなか真の意味の地方の自立、あるいは地方の分権というのは実現できないんじゃないかと、このように思うわけでございます。
 分権分権と、何か政権のときの一つの単なる国民向けのテーマじゃなくて、本当にこれを取り組まないと私は日本の社会というのは正しい方向に進んでいかないんじゃないかと思うわけでございまして、私は菅大臣にそれだけに、地方議会の出身者がそういう総務大臣に就き、そして地方の実情をよく知っておる大臣に大いに期待するところあるわけでございまして、この第二次分権改革に対する取組に対する大臣の心構えをお聞かせをいただきまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 委員も全国議長会の会長も務められました。全国に様々な市、あるということも十分御理解をいただいていると思いますし、先般も東京の国会議員の皆さん、私のところに陳情に来ました。東京は東京の理屈が実はあるわけであります。
 しかし、やはり何といっても私どもが求めているというのは、この中央集権体制でこれからの日本の国づくりが、やはり私も委員と同じように立ち行かなくなってくるだろうというふうに思っています、少子高齢化社会、そして市町村合併が進んでいくという中で。ですから、そういう意味でこの地方分権というものを確かなものにしなければならない。しかし、そこに権限、財源、税源を移譲させるには、強力なリーダーシップで行わなければこのこともできないということも、過去の様々な事例からもそうであります。やはり、私は、内閣総理大臣を本部長として、正に内閣、政府挙げてこの改革を推進していかなければできないというふうに思っております。
 そういう意味におきまして、今回、ある意味ではプログラム法でありますけれども、この法案を是非成立をさしていただいて、しっかりとした分権の七人の委員によって日本のあるべき姿というものを描いていただいて、そしてそれを受けて政府が強力な実行体制をつくると。そういう形で、地方が自分でやはり責任を持って物事を考えて判断をして、そして自分の地方をつくっていくという、そういう仕組みを是非つくりたいと思っていますので、是非御理解と御協力を賜りたいと思います。
○二之湯智君 終わります。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
 まず、総論的な部分について大臣に伺ってまいりたいというふうに思います。
 先ほども二之湯委員からも指摘がありましたけれども、第一期分権改革というのは、国の機関委任事務を自治事務と法定受託事務に整理をして、国と地方自治体の関係を上下主従の関係から対等平等の関係に変えるという、これは画期的なことであったというふうに思います。
 しかし、それはあくまでもペーパー上の問題であって、実際の改革は残念ながらうまく進んでこなかった。いまだに地方固有の事務に対しても国による関与、義務付けが残っている。そのことによって地方の自由度も自立性も全く高まってこなかった。また、この間の三位一体改革でも三兆円の税源移譲がされましたけれども、しかしその財源のほとんどは国庫補助負担金の補助率の引下げによるものだった。これでは、分権改革は未完の改革だと、こういうふうに言われてもやむを得ないというふうに思っているわけであります。
 そこで、今回の地方分権改革推進法案について伺ってまいりますが、基本理念は非常にいいことを書かれました。個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現をしていくんだ、私はこのスローガンというかこの基本理念は大賛成であります。
 じゃ、この基本理念を実現するために何をすべきなのか。そこの部分が大事でありまして、菅大臣、個性豊かで活力に満ちた地域社会にしていくためにどのような分権改革をやっていこうとされているのか、その基本的な考え方をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘にありましたように、さきの分権改革で国と地方の関係というのは主従関係からもう対等の関係になっているはずでありますけれども、まだ現実的には様々な問題が生じていることもこれ事実であります。
 今度は正に個性豊かで活力に満ちた地域社会をつくるために、権限、財源、税源というものをやはり地方にしっかりゆだねて地方の自由度を広める、そして地方にも責任を持ってもらう、そうしたことを明確にする、そのことがこのすばらしい活力ある地方をつくる私は基本であるというふうに思います。そして、そう考えたときに、国と地方の役割分担というものをやはり明確にする必要があると思います。
○高嶋良充君 大臣の今の考え方を伺っていると、第一期分権改革の考え方とそんなに変わらないのかなというふうにも思うわけですけれども、どうも第一期のときもそうでしたけれども、この第二期と言われるこの改革も分権後の市町村の姿というのがよく見えてこないんですね。だから、国民の理解と支持が地方分権の改革に得られないんではないかなというふうに思っているんですが。
 第四条で国民の理解と関心を深める措置を講じると、こういうことを入れられました。確かに第一期の分権改革では、市町村合併を議論され、あるいはされたところは、これはかなり市民の皆さん方の関心は高まったというふうに思うんですが、それ以外のところは先ほど言ったように全く高まっていないと、こういうことです。だから、まず第一期分権改革で国民の関心が低かったのはどこに原因があったのかということをやっぱり検証しておく必要があるんではないか。そして、今後具体的にどのような対策を立てれば、どのようなことをやっていけば国民の理解と関心を深められるのか。その原因と今後の対策について伺いたいと思います。
○政府参考人(藤井昭夫君) 分権改革と国民の関心の関係の御質問でございますが、確かに第一期の分権改革では主として国と地方の関係、端的には機関委任事務の廃止というような、そういうことが大きな課題であり、それがクリアされたということなんですが、なかなか国と地方の関係が中心での議論ということで、住民とか国民、そういった生活とどういうふうに関係してくるのかというような説明とかメッセージが足りなかったのかなと思っております。
 ただ、本来、地方分権改革というのは、この法目的あるいは基本理念でも明らかにしておりますが、究極の目的はやっぱり国民の生活あるいは国民の福利、正にそういったもののための地方行政をいかに自主性、創意工夫を持ってできるようにするかということにあるかと思います。この四条というのは、そういう認識の下に、やはり国民の視点あるいは国民のバックアップが分権改革に絶対に必要であると。そういう認識の下、そのためにはまず、国民の関心とか理解を深めるためには情報公開と申しますか、国民に開かれた形で運営していくということ、そういう趣旨で国民の関心と理解を深める適切な措置を講ずる等の規定を設けているところでございます。
 あとは、個々の分権改革推進委員会での審議事項においても、やはり身近な行政主体に置かれる住民、そういったものに非常にかかわり合いの深いそういう行政の仕方、在り方、こういったものが検討されていくということになれば、住民の方々の関心も深まり、分権改革の意義も御理解していただけるんじゃないかというふうに期待しているところでございます。
○高嶋良充君 大臣、今局長の答弁を聞かれて、国民の理解と関心が得られることになるというふうに思われたのかどうか、また後でお聞きしますけれども、私は今のような国と地方の行政の在り方を変えるというようなことを中心に国民に幾ら訴えても、これはなかなか関心を呼ばないというふうに思うんですね。
 広報では、専門家の広報担当の総理補佐官であります世耕さんが本席におられますが、答弁をいただこうと思ったんですけれども、補佐官は答弁できないと、こういうことのようでございますから大臣にお聞きをしたいというふうに思うんですけれども。
 私は、最初に申し上げた、この基本理念にある、やっぱり個性豊かで活力に満ちた社会をつくっていく、そのために、そのことをやれば国民の皆さん方にはこういう夢と希望が与えられるんですよということをやっぱり明確にメッセージとして打ち出していく必要があるんではないかと。
 今、地方の皆さん方が一番やっぱり関心の深いのは、都市と地方の格差をどうしてくれるんだと、こういうことなんですね。だから、この第二期の分権改革をやれば都市と地方の格差はなくなりますよと、こういうやっぱりメッセージを送り続けなければならないんではないかというふうに思いますし、地域の活力と、こう言っておられるわけですから、分権をやれば、東京だけではなしに地方も、あるいは島の中もみんな活力に満ちたそういう社会になるんですよということを具体的にやっぱり示してやっていかないと、地域の皆さん方は、何のための分権かと、分権というのは市町村合併だけなのかと、こういうことになってしまうわけですから、そういうメッセージを送り続けていくべきだというふうに私は思っているんですが、大臣の感想をお願いします。
○国務大臣(菅義偉君) 実は私も、たしか前々回の選挙に出馬する際に、約二千通、国民の皆さんが、選挙民の皆さんが何に関心あるかというアンケートを実は取ったことがあるんです。その中に地方分権というのも実は入れました。景気の問題だとか治安の問題だとか教育の問題だとか外交の問題だとか。
 しかし、今委員御指摘になりましたように、地方分権というのは非常に関心度が低かったんです。ちなみに言いますと、治安が意外に、治安を何とかしてくれというのがすごく多かったですね。それは、やはり国民の皆さんの関心があるのは、やはり自分と近いところが一番関心があるんだなということを実はそのアンケートで私は思いました。そういう意味で、地方分権というのは多分自分のところと遠いところにあるだろうと、そういうふうに国民の皆さんが受け取っているから関心がなかったのかなというふうに実は私は思いました。しかし、市町村合併をやって自分のことが、どこの町と、どこの市と一緒になるか、そう具体的になってくると非常に関心も実は高まってきます。
 ですから、私も、地方分権を推進することによって地域の皆さんが自分でやはり責任を持って物事を決めて実行できるんだと、そういうことをやはり説いていく必要があるというふうに私は考えております。ですから、この四条に、国民の関心を高めるというそういう形のことを書き入れさせていただきました。
 ですから、私どもも、地方に出向いて、この分権改革の目指すところというものも是非説明をさせていただいて、自分自身の問題である、この国の将来の問題である、そういうことを是非説明をして、普及に、発展に努めていきたい、こう考えています。
○高嶋良充君 都市と地方の格差の問題もありますが、やっぱり今一番、地方がどうすれば活力のある地方、地域社会になるのかというのがやっぱり一番関心が深いというふうに思うんですね、だからそういう基本理念を入れられたんだというふうに思うんですが。
 じゃ、地方が活力を生む、地方が活性化をするような分権を行おうとすれば、今のような総務省を軸にした行政、自治の在り方を問うだけで本当の分権ができるのかどうかというのが、私はそこが問われていると思うんですね。そういう意味で、私は経済の分権化というのも非常に重要ではないかというふうに思っているんです。すなわち、産業も官庁も、そして大学と言われる研究機関等々、言わば産官学、これを地方にどんどん移転をしていくというそういうやっぱり政策を取らないと、幾ら地方に税源を渡しても税収なんか伸びるはずがないわけですから、そういうことと一緒にやらなければならないと。
 昨日、参考人質疑で、島根県の斐川町の本田町長、こんなことを言っておられました。町は大きな投資をして工場誘致をしたと、そのことによって雇用も拡大して非常に良くなったと、しかし本体の税金は本社のあるみんな東京に持っていかれるんだと、これではなかなか地方も税源潤ってこないと、こういう言い方をして嘆いておられました。
 正に、地方分権をやっていくためには、経済の分権を含めて、東京一極集中であるとかあるいは県都集中というようなそういうものも緩和していくような、先ほど二之湯さんも言われましたけれども、全省庁というか国家挙げて分権改革に取り組むんだと、こういうことが求められているというふうに思うんですけれども、この経済の分権化について大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 経済が分権化された社会というのは、私はやはり最も望ましい社会であるというふうに思います。そうした社会をつくるためには、やはり地方に対して自由度、自分たちで物事を考えて実行できる税財源、そして国のかかわりを廃止をする、そうしたことが私は非常に重要であるというふうに思います。
 それと同時に、例えば今までの社会というのは、例えば各県に一つずつ大学があって、そこにそれぞれ医学部があったり、そういう形でありましたけれども、しかし、そこの地域に合ったものはやはり自分でつくるべきだというふうに実は思っていますし、そういう自由度を得ることができるという、それが今回の一つの大きな目的でもありますし、そして、そういうことによってやはり経済が分権する社会、今委員が御指摘されましたけれども、そうした社会が私も一番理想的な分権の姿であるというふうに思っています。
○高嶋良充君 経済の分権化も行っていこう、そういうことを私自身が言う以上は、やっぱり受皿としての自治体ももっとしっかりして、その役割ももっと大きくしなければならないと、こういうふうに思っているわけです。すなわち、今、先ほどから大臣が言っておられるように、地方あるいは市町村がやっぱり自立をする、そういう状況をどうつくり上げるかということだろうというふうに思っています。
 私は、最近、地方の自立を促すという意味で三自という言葉を使っています。三自というのは、午後三時ではありません、三つの自ということなんですけれども、そういうことを求めているんです。自ら立つという自ですね、これは自立の自。それから、自分たちのことはやっぱり自分たちで決めていくんだという、そういう意味では自決の自。そして、最近は談合事件や、恥ずかしい限りですが裏金問題等々がまた出てきているという状況の下で、そういう信用を失っているという状況をやっぱり打開をしなければならない、そのために自らが、自治体自らが律するという自律の自。
 だから、この自立、自決、自律という、このことをやっぱりきちっと自治体側もやらないと、これは信用されなくなるんではないかということを言っているんですが、そのためには、地方が自立をするためには、先ほど大臣は、権限も財源も税源も今度は移譲するようなことをということを最初に言われました。私は結構なことだと思います。私は、その場合にいつも言っているのは、三ゲンが必要だと。大臣が言われた中で二ゲンは、これは今言われたんですね、権限と財源という。しかし、三ゲンのもう一つのゲンは言われなかった。
 一昨日のこの委員会で、国民新党の長谷川委員の方から、地方自治体の人材確保というのは非常に重要ではないかと、こういうことを言われました。だから、三番目のゲンというのはやっぱり人間なんですね、人間をどうするのかと。だから、国も地方自治体に自立をせよと言う以上は権限も財源も人間もこれをきちっと移譲していくという、そういう考え方に立たなければならないんではないかと。この三ゲンについて大臣の考え方をお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 今回の法案、私、権限、財源、税源を移譲し、地方に自由度を拡大をし、そして責任を明確化をし、地方が自分で物事を考えて実行を移す、そういう社会をつくりたいということを申し上げました。
 そうしたことを実行に移すには、やはり委員御指摘のありました、この人間、やはりそこの地域に愛情を持って、能力のある人が必要だということは申し上げるまでもありません。地域を担う人材の育成確保ということも極めて大事なことであるというふうに私も考えております。
 ただ、これについて国から地方に押し付けのような形で人間を配置することは、私はこれは避けたいと思いますし、それは要請があれば当然そういうことも十分考慮しなきゃならないだろうというふうに思っています。
 そして、私、実は大臣としてよく役所の人間に言うんですけれども、権限とか財源を持っているんで、それで地方に来てほしいということではなくて、やはり地域振興、そうしたものの能力を買われて地方から是非総務省から人を欲しいと、そういうやはり私どもは役所になりたいということも実は申し上げていることも御披露させていただきたいと思います。
○高嶋良充君 私は、人の移転ということは、国から地方に天下り的に腰掛け的に行くということ、これはもう大臣も否定をされていますけれども、そういうことではなしに、やっぱり行く以上は、その地域に骨をうずめると、そういう立場で人的交流というのは必要なんではないかと。ただ、今のような状況ではできませんから、権限も財源も仕事も全部、大半を地方に移した段階でそういうことも必要だということを是非検討いただきたいというふうに思っております。
 それでは、具体的な課題について伺ってまいります。
 まず総務省に伺いますが、国の過剰な関与はまだまだ残っていると、これが地方が自立できない一番最大の問題だということを以前から言っているんですけれども、この関与の問題で確認をさせていただきたいんですが、前回の分権一括法案の審議のときに修正した附則が付けられたのは御承知のとおりであります。それは第一号法定受託事務を縮減をしていこうと、こういう附則が付けられたんですけれども、その附則が付けられた以降、改善されたんでしょうか。第一号法定受託事務を含めた法定受託事務と自治事務の現状は今どうなっているのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(藤井昭夫君) 法定受託事務については、委員御指摘のとおり、一括法の附則で新設を抑制するという趣旨の規定がございまして、それを受けまして、私ども自治行政局では、各省庁が法定受託事務を新設するような場合は、事前に協議を受けていただいて精査させていただいているところでございます。
 また、法定受託事務の数についてでございますが、この法定受託事務というのは各省の法令によって定められるんですが、それだけでは一覧性あるいは国民の分かりやすさという点では不十分ということもありまして、法律ベースのものは地方自治法の別表、それから政令ベースのものは地方自治法の施行令の別表に網羅的に掲げられているところでございます。
 この別表に掲げられている法令の数で御質問の動向を御説明させていただきますならば、ただ、法定受託事務といっても国と地方の関係の法定受託事務と都道府県と市町村の関係の法定受託事務があるんですが、御関心は国と地方の関係、これは法定、第一号の事務と言っているんですが、これについて御説明させていただきますならば、平成十二年四月一日、地方分権一括法の施行時点でございますけれども、この時点では、法律百九十本、政令百三十七、三百二十七ございました。これが平成十八年一月一日現在では、同様に法律が百九十九ということで、いろいろの加減あるんですが、結果的には九つ法律が増えております。それから、政令については百三十七と同じでございまして、都合、合わせますと三百三十六ということで、全体でもやっぱり九つですね、九増えているということでございます。
○高嶋良充君 大臣、当時審議をしていたときに、当時の、その当時まだ自治省でしたかね、自治省の考え方は四五対五五だと、法定受託事務と自治事務の割合はと。審議の中では四対六というようなことも出てきて、しかし、分権の推進をされる専門家の皆さん方は、せめて二対八ぐらいにすべきではないかと、こういうことが言われました。そういうこともあって法案に附則が付いたんですね、修正されて。だから、第一号法定受託事務というのはどんどんどんどんやっぱり縮減をしていくと、そういう方向でなければならないのに、今答弁あったように、三百二十七から三百三十五、逆に増えていると、こういう状況なんです。
 今回の第二期分権改革ではこんなことにはならないとは思いますけれども、法定受託事務を縮減をしていくと、そういう考え方について大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 地方分権一括法の附則の第二百五十におきましては、いわゆる第一号法定受託事務についてはできる限り新たに設けることのないようにすべき趣旨の規定がされている。そして、この第一号法定受託事務とされているものについて、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜適切な見直しを行うものともされております。
 しかし、今局長が説明しましたように、確かに新しい法律の中でそうした部分もできているということもこれ事実であります。今後とも、この法定受託事務の創設を抑制するとともに、既存のものについても不断の見直しについて私は前向きに取り組んでいきたいというふうに思います。
○高嶋良充君 ちょっと通告している質問の順番を一つ変えますけれども、この法定受託事務、縮減の方向を是非やっていただきたいんですけれども、法定受託事務というのは国が本来果たすべき役割にかかわるものだというふうにされているわけですから、それを地方が国に代わって執行していると。だから、法定受託事務については、その執行に係る経費というのは当然全額国庫負担でやるべきだと、こういうふうに私は思っているんですけれども、どうも今そうはなっていない。総務大臣は法定受託事務に係る経費の全額財源措置についてどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 法定受託事務、自治事務を問わずに、法令により地方自治体に事務の処理を義務付ける場合には、基本的に地方自治法上、国はそのために要する経費の財源について確保しなきゃならないということになっております。その際、ただ、国、地方双方の利害に関する事務であって、国が進んで経費を負担する必要があるものについては、地方財政法上、国が一定の負担をするものとされて、その負担率は個別の事務ごと、国の関与の度合いや地方の利害の度合い、そうしたものを換算して定められているところであります。
 いずれにしろ、地方団体が実施しなければならない法定受託事務については、その円滑な処理が行われるように、適切に財源措置を図ってまいらなきゃならないと考えています。
○高嶋良充君 是非、法定受託事務、全額国庫負担の措置がとれるように努力をいただきたいというふうに思いますし、法律に抵触するような部分があるのなら地方財政法を改正するというような処置もこれはとっていただかなければならないというふうに思いますので、これは強く要望しておきたいというふうに思っております。
 次に、国直轄事業負担金の問題について伺いますけれども、国の直轄事業だけれども、今は地方にも受益者負担だと、こういうことで国庫補助負担金と同程度の率での負担を求められているというのは現状なんですね。そして、これを地方は実質的に拒否できないような仕組みになっている。拒否をすれば事業が中止に追い込まれる、あるいはその事業の進捗が遅れるという。そういう意味では国の言いなりにやらなければならないというようなことになっていて、この負担が地方財政を圧迫していると、こういうことが言われているわけであります。
 この国が行う事業及びその維持管理費というのは、当然国がその経費を全額負担すべきだというふうに私は思っているんですけれども、こういう地方に負担をさせるということは不合理だというふうに言わねばならないんですが、これらは速やかに廃止をすべきであるというふうに思いますが、大臣もそうだというふうに思いますけれども、是非見解をお尋ねをしたい。
○国務大臣(菅義偉君) 私も多くの地方公共団体からそうした要望を受けていることもこれ事実であります。
 直轄事業の負担金は、国直轄事業の受益を受ける地方公共団体に相応の負担を求める制度でありますけれども、国と地方の責任関係の明確化の観点からは、国が担うべき部分は国がしっかりと責任を持つ分かりやすい仕組みにするということが私は基本的なことであるというふうに思っています。
 そういう中で、直轄事業負担金の見直しは極めて重要であるという認識を持っています。特に、維持管理に係る直轄事業負担金は、本来の管理主体が維持管理費用を負担することが基本であることから、平成十年に閣議決定をされた地方分権推進計画では、段階的縮減を含め見直しを行う、こういうふうに実は規定をされています。しかし、残念なことに現実はそういう状況になっていないということも事実であります。
 したがって、本案に基づく新たな分権改革の取組においては、この公共投資の分野における国と地方の役割分担の見直しを行い、その見直しの内容に応じて直轄事業負担金の在り方についても本格的に検討していきたいと考えております。
○高嶋良充君 是非御要望しておきますので、検討いただきたいというふうに思いますが。先ほどのところに、大きな三項目にちょっと戻りますのでよろしくお願いします。
 自治事務の関係についてであります。
 自治事務というのは、その地方自治体が自己の責任によってその地域の実情に応じて最小の経費で最大の効果を発揮をするように事務の遂行をしていくと、これが原則だというふうに思っているんですが。ということは、本来、自治事務というのは、国が統一的、画一的に取扱いをするのではなくて、自治体で独自にやっぱり主体性を持ってやっていくということが自治事務の大原則だというふうに思っているんですけれども、この自治事務に対する国の関与、規制が政省令等々通じてまだまだ続いているという状況なんですけれども、こういうものは禁止すべきだというふうに思いますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(菅義偉君) 平成十一年の地方分権一括法によって、地方自治法に関与の法定主義、関与の基本原則等に関する規定が整備をされております。
 自治事務に関する関与は、助言、勧告、資料の提出の要求、訂正の要求の三つの類型にできるだけ集約をし、代執行や許認可等の関与をできるだけ設けないこととされています。しかし、現実的にはかなり国が関与しているということも私、地方からも様々なことを聞いて理解をいたしております。
 いずれにしろ、国の関与というのは必要最小限にとどめるべきである、こう考えておりまして、そうしたことも指導してまいりたいと思います。
○高嶋良充君 今大臣が言われたとおりなんですね。地方六団体の中でもずっと言い続けておりますけれども、この自治事務に対する法令の義務付けというのは、分権一括法の後も増大をしているというふうに、先ほどの法定受託事務との関連もそうですけれども、増大をしているというふうに六団体の方では言っています。やっぱりこういうことは法律でそういうことを定めてきているわけですから、一刻も早く全廃をしていくという、そういう方向で検討いただきたい。これは市町村に対する都道府県の関与の問題もありますから、その辺も含めて早急に検討いただきたいなと、こういうふうに思っております。
 次に、国と地方の二重行政等の関係で若干法律案の内容についてお尋ねをしますけれども、基本方針の中に、地方公共団体に対する事務の処理又はその方法の義務付けの整理合理化について措置を行うと、こういうふうに記載をされています。
 この意味するところは、法令の規律密度を根本的に緩和していくんだと、そういうふうに私は理解しているんですけれども、そういう理解でいいんでしょうか。
○政府参考人(藤井昭夫君) 法案第五条の地方公共団体に対する事務の処理又はその方法の義務付けの整理合理化についての趣旨についてのお尋ねでございます。
 結論的には、委員の御指摘のとおり、法令の規律密度を緩和しようというものでございます。
 先ほど来、委員御指摘のとおり、法定受託事務であろうが自治事務であろうが、実質的にいろいろやっぱり法令等の枠付け、義務付けがあると。こういったものを、やっぱり地域の総意をできるだけ発揮して地域の実情に即した合理的な行政をやっていけるようにするというために、そういったいろいろな義務付け、基準とか、そういったものを見直していくと、そういう趣旨でございます。
○高嶋良充君 はい、分かりました。ということは、法令の規律密度を緩和をするということは国の権限を移譲するということに当然結果としてつながっていくというふうに思うんですけれども。
 これまた基本方針にある地方自治体への権限移譲についてなんですけれども、これはこの法令の規律の密度の見直しと同時に、各省のすべての権限を見直して地方に移譲していくということを検討されるんだと、こういうふうに私は思うんですけれども、いやそうではないんだと、以前のように各省の重点的な部分だけを検討して実施するようにするんだと、そういうことなのか、その辺についてはどうなんでしょう。
○政府参考人(藤井昭夫君) これも法案の趣旨ということで私の方から御説明させていただきたいと思います。
 法案上は、一応限定も付けずにすべてのやっぱり行政分野にかかわるそういう事務を対象とするということになろうかと思います。ただ、実際の審査というのは、分権改革推進委員会がやっぱり限られた時間の中で運営されているということでございますが、まあ通例、審議会等ではまず一番よく知っている関係者の意見、要望なんかをお聞きになって、そういった中からやっぱりどういったところに問題があるかということをつかみながら全般的な御検討をやっていただくと、そういうことになろうかと思います。
○高嶋良充君 ここのところは非常に一番大事なところでして、全省庁含めてすべての権限の見直しだと、こういうことでスタートを切っていただくということですから、先ほど二之湯委員も言っておられましたけれども、けんかするぐらいのことをどんどんやらないかぬと、こういうふうに言っておられました。そういう意味では、分権推進委員会の七人の委員というのは腕力の強い人も二、三人入れておかないかぬのと違うかなというふうに思っているんですけれども、これはまた時間があれば委員の任命については御要望申し上げたいというふうに思っております。
 そこで、このような過剰な関与問題を縮小することによって、権限が移譲されてくる、これはまあいいことだというふうに思うんですけれども、しかしそれと同時に、その権限とともに財政面での改革というか財源も移譲されてこなければ地方自治体は仕事すらできないと、こういうことになってしまうわけですから、税財源の充実について伺いたいというふうに思っております。
 前回の分権推進法では、税財源の充実確保というのは盛り込まれていた。しかし、今回は盛り込まれていなかった。衆議院でそのことが修正をされた。こういうことになったわけでありますけれども、修正されてからやるんだということでは政府のやる気がなかったんではないかなというふうに私は残念でならないんですが、何で最初から入れてもらわなかったのかなというふうに思うんですが、いずれにしても、衆議院で修正を受けたわけですから、この税財源の充実確保について大臣の決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来私申し上げていますけれども、地方が独自で物事を考えて実行に移していく、地方の自由度の拡大と責任の明確化をしていく。そういう中でやはり裏付けとなるのはこれ財源でありますから、そうしたことは当然、この充実確保に努めることは当然であります。
 そして今、衆議院の修正のお話をされました。私どもは、様々な国の関与というものを地方に移譲していく、当然そのことによって財源というものも移譲させる。段階的にそういう仕組みを実は考えておりましたので、今回修正をされた部分と、私ども当初の法案の部分とは基本的な考え方は私は一致していたというふうに思っています。
○高嶋良充君 税財源の配分というのは、先ほどからの権限移譲等の問題も含めて、国と地方の役割分担、これによって財政分担が決まってくるということだろうというふうに思うんですけれども、ただ、分権一括法のときにも私ども申し上げましたけれども、あの当時でも、地方が国の機関委任事務ということも含めて国の仕事七割やっているではないかと、しかし財源は三割しか来ていないという逆転現象だということが言われたので、やはり私は、今でもこういう規制、関与が残っている以上は、国と地方の税源割合も三対七ぐらいにすべきだというふうに思っているんですけれども、ただ当面、地方六団体の方では五対五ということを要望されています。
 この五対五ということに対して、大臣はどういう見解を持っておられますか。
○国務大臣(菅義偉君) 現在は、よく言われておりますけれども、地方が仕事六で国の仕事は四である、しかし財源は全く逆である、それを少なくとも国と地方の関係を五対五にしたい、私は経済財政諮問会議においてもこのことを明言をいたしました。
 やはり、地方が自らの責任において仕事を行っていくためにはしっかりとした財源の裏付けがなければならないのは当然でありますので、やはり今回の法案のこの一括法、それのときは当然でありますけれども、その前にも税制改正等が、税制の見直し等があった場合にはそうしたことを強く主張をし、まず目標は五対五にしていきたいと思いますし、そしてその上は、やはり仕事の比重によってその税源が変わってくるというのは当然でありますので、地方が六であれば六が地方と、国が仕事が四であれば四と、そういう形まではっきりと明確にしていきたいと、こう考えています。
○高嶋良充君 分かりました。
 新型交付税の関係について伺っておきます。
 前竹中大臣の肝いりでやってこられているわけですけれども、今度この法案の第六条で財政上の措置を検討することになるわけですが、今後推進委員会で検討される補助金や交付税、あるいは税源配分についても検討されていくわけですけれども、そういう検討された措置の結果、この新型交付税については行うかどうかということも含めて検討すべきだというふうに私は思っているんですけれども、これは今の考え方は、こういう推進委員会で検討することとは全く別にこれはやっていくんだと、そういう考え方なんですか、その辺をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど質問のありました税源配分、私は最終的に五対五にすることを目標にしたいという話をしてきました。これも、この地方分権改革推進法が制定する前であっても、そうした見直しがあればこのことは強く求めていきたいというふうに思っていますし、この三年間の間にやれるものはできるだけ早く詰めて実行に移していきたいと思っています。
 その一つがこの新型交付税でありまして、現在でも国の基準付けのないあるいは弱い行政分野が少なくとも一割程度ありますので、抜本的な算定の簡素化を図って交付税の予見可能性というものを高める意味から、是非十九年度からスタートをさせていただきたいと考えております。
○高嶋良充君 しかし、いずれにしても三年掛けて交付税の問題を含めて税源配分の措置を決定をされていかれるわけですから、慎重に取り扱っていただきたいというふうに思っております。
 交付税は自治体固有の財源だというのは、前回の委員会でも同僚委員からの質問にお答えをいただいておりますが、地方六団体、地方共有税というふうに名称を変更して国の特別会計に直接繰り入れる、あるいは地方固有の共有財源であることを明確にしてほしい等々の要望も出されているわけですけれども、この地方共有税、あるいは地方固有の共有財源であるということを明確にするということに対して大臣の見解を伺っておきます。
○国務大臣(菅義偉君) 地方六団体が提案をする地方共有税でありますけれども、交付税特別会計に直接繰り入れる等を内容といたしております。この点は、総務省としても、地方共有の固有の財源である地方交付税の性格を明確にする観点から望ましいというふうに考えております。
 地方分権改革推進計画に盛り込む具体的な見直しの内容については、今後、地方分権改革推進委員会で調査審議をしていくことになりますけれども、このような六団体からの提案についてもその議論の対象になってくるだろうというふうに考えています。
○高嶋良充君 この交付税問題について財務省にお伺いをいたします。
 私は、この間、椎名政務官に来ていただいて、山本委員の方から質問されているのをお聞きしましたんで、余りここでまた椎名政務官呼んであれするのもあって副大臣を指名したんですけれども、副大臣が来られなくて、椎名政務官がまたまた来ていただきました。ということは、財務省の考え方は、これはもう総務委員会の、椎名さんはもう地方自治のベテランで、総務委員会に所属をして頑張ってこられた人が政務官に来たんだから、これはもう財務省の考え方を変えるために椎名さんは来てくれている。その人をこういう質問に対して答弁に送り込んでくるということは、椎名政務官もう好きなようにちゃんともうしゃべってきなさいと、こういうことで財務大臣は送り出しているというふうに思いますので、山本さんのときのような、若干財務省の立場寄りでなしに、今までの椎名さんの考え方で御答弁をいただきますようにお願いをしておきたいというふうに思っています。
 いずれにしても、基本方針二〇〇六で、骨太の方針ですね、法定率を堅持をする、地方の財政収支の状況等を踏まえ適切に対処すると、こういうことになっていたはずなんですけれども、言われているように、税収増だから今までの財源不足を解消して財源余剰が発生すると、地方交付税を特例的に減額をしていく、そういうことを考えているんだと、そのことによって国の財政再建に使っていくんだと。これは、けしからぬことを財務省は考えておるわけですけれども。
 私は、地方財政というのは、平成十八年度においても八・七兆円ですか、財源不足だと、五十三兆円もの特別会計の借入金も償還しなければならない。そういう意味では決して財源に余剰など生じていないというふうに思っているんですが、なぜ、この財務省の関係では地方に財源余剰が生じるという議論を展開をされているのか。そのもう議論の前提そのものが間違っているのではないかというふうに思っているんですが、そうですよね、椎名さん。間違っていると、こうお答えいただくのが一番いいんですが、立場上もありますから、財務省の考え方お聞かせください。
○大臣政務官(椎名一保君) 私も、当選以来一貫して総務委員会に籍を置かしていただいて、地方議員としての経験を踏まえていろいろ発言をしてきたところでございますけれども、余り居心地のいい、座り心地のいい席ではないんですけれども。
 先生の今のお話でございますけれども、基本方針におきまして、地方財源不足に係る最近十年間ほどの国による対応等を踏まえ、適切に対処するということが示されておりまして、これは平成十一年からの恒久減税における減収補てん、また財源不足の補てん、合わせて四十八兆円に上るという補てんがなされていると。そういうことを踏まえまして適切に対処をするという方針が示されておりますので、そういうことから、財源余剰が生じるという考え方が出てくるのではないかと思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、十九年度の地方財政の収支見通しにつきましては、これは国税、地方税、まだ見積りの段階でございますので、予断を持って具体的にお答えを申し上げることができないということでございます。
○高嶋良充君 ずっと同じ委員会で同僚委員でございましたから、これ以上もう質問は申し上げません。ただ、椎名政務官の主義主張はずっと存じ上げておりますから、ここではそういう答弁だけれども、省内に帰ったら総務委員会を代表した御発言をいただけるものだと、こういう御期待を申し上げて、エールだけ送っておきたいというふうに思います。
 大臣、今こういうことを財務省の方でやられてくると、先ほど二之湯先生からも話が出ていました、地方はこれまで国以上に懸命に行革に取り組んできている。市町村合併もそうですね。
 昨日、本田町長、参考人質疑でこういうことも言っておられました。ある町では町長の歳費は五〇%カットしていると、職員は三〇%だと、そこまでの努力をしていてこういうことをやられたらたまらないと、こういうことを言っておられます。そのとおりじゃないですか。
 これだけ国を上回るペースで歳出削減努力を行ってきて、その地方の努力の成果が国の財政再建に横取りをされてしまうと、こんなことはもってのほかだというふうに思うんですね。これでは、幾ら総務大臣が頑張る地方を応援だとこう言っても、頑張るだけ損だと、こういうことになってしまいますよ。やっぱり、頑張った分、応援をしてもらった分、そこで出てきた成果というのは、最初に申し上げましたけれども、地方の活力、活性化のために生きた金を使っていくんだと。
 そういうことでなければ職員だって三〇%の賃金カットに耐えられませんよ、そんなのは。町民のためにカットをされたお金がどんどん使われていって町が活性化をして、また税金が増えれば、それによってまた給与も元に戻ってくるんだという、そういうことがなければ、緊急避難的に三〇%と言われても、はいそうですかということにはならないわけですよ。だから、財務省にこういうことをやられると、賃金カットしている分、全部返してくれと言わざるを得ないと。
 そういうことに私はなっていくというふうに思うんですが、その問題と、当然総務大臣の役割として、交付税の総額確保あるいは交付税が財源保障機能と財源調整機能を有しているんだという、そのことをやっぱり堅持をしていく、そういうことについて決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 私のまず思いを椎名政務官に質問していただきまして、大変感謝しながら今お聞きをさしていただきました。
 今、地方交付税のお話でありますけれども、基本方針二〇〇六においては、地方交付税の現行法定税率を堅持すること、歳出削減努力と併せて地方団体の安定的な財政運営に必要な地方税、交付税の一般財源の総額を確保すること、このことは明記をされております。
 私はこれに沿ってしっかりと対応していきたいと思いますし、地域間の格差、先ほど来もうずっと言われております。こうした格差調整をし、全国のどこの地域にあってもやはり一定水準以上の行政運営ができるように、この財源保障機能及び調整機能を確保することというのは極めて大事なことでありますので、これについては全力で取り組んでいきたい、こう考えています。
○高嶋良充君 時間が迫ってきたようでございますが、市町村合併のことについてお聞きをしたいというふうに思ったんですけれども、ここに入ってしまうと、あとの、残りの時間をオーバーするようなことになって、他の、次の委員に御迷惑をお掛けをすることになりますので、若干時間早いようですけれども、六団体が一刻も早くこれを成立をさしてほしいという昨日の参考人の御要望もございましたから、一刻も早くではなしに、二分ほど早く上げるために協力して、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 まず、総務大臣にお伺いをしたいと思いますが、本法案の基本理念の中に個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現というものが入っているわけでございまして、それぞれの地域また地方公共団体がより自立性を持って行政を運営をして、そしてまた個性豊かな地域を実現するということがうたわれているわけでございまして、私も、この方向性には、この委員会の他の同僚議員もそうだと思いますが、全面的に賛成なわけでございます。
 他方で、じゃ、日本の戦後の開発の歩みの中で、本当に地域社会が個性豊かになってきたかといいますと、これには異論があるわけでございます。
 私、議員になる前の前職が大学の講師だったんですが、その職場の同僚の八割が外国人でありました。
 この外国人の同僚の講師と会話をする中で、よく頻繁に聞いたことがあるんですね。それは、この外国人の大学講師の皆さんが休みのときに日本の各地を旅行するわけです。帰ってきて必ずほとんどの方が言っていたのは、日本はいろんな地域で豊富な伝統とか文化とか、独自の多彩なものがたくさんあるというふうに外国人なりに聞いているし勉強もしてきているんですね。ところが、日本国内を彼ら旅行しますと、非常に町全体が画一的で、どこ行っても同じように最初は見えると。
 特に彼らが一番強調してたのは、これは総務省の所管でも何でもありませんので、うちの冬柴が大臣やっておる国土交通省に聞いた方がいいのかもしれませんが、彼らが一番言ってたのは、鉄道の沿線の駅降りて見る風景が全国どこ行っても一緒だと。駅ビルがあって、ロータリーがあって、バスが止まってて、タクシーが止まってて、それで西日本に行こうが東日本に行こうが北海道行こうが、ほぼ駅前というのは同じ風景だと。そうすると、彼らが、別に行政の専門家じゃない人もたくさんいるわけですけれども、外国人旅行者として思うのは、戦後の日本というのは個性を消すという哲学で国づくりやったんじゃないかというふうに思えるぐらい似てると。
 こういう話を聞いて、私自身のことで恐縮ですけれども、私はイギリスという国に六年半留学生で暮らしていたわけでありますが、確かに言われてみれば、イギリスはロンドンにある駅も、キングスクロス駅とかビクトリア駅とかいろいろあるんですが、みんな建物も風景も違いますしね。これは地方に行けばまた地方の特色ある町づくりになっているわけなんですね。
 ですから、まあこの法案とは直接関係ない話なんですが、ただ、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会の報告書でもやっぱり同じようなニュアンスの話が出ているんですね。その地域の魅力を高めると言っているが、実態は全然そうなってきてないということが戦後日本はあるわけなんですね。で、非常に象徴的な例として駅前の風景がどこも同じだというのがあると思うんですが。
 これから地方分権を進め、かつ、その目標の一つとして個性豊かな地域社会を実現するという方向を目指している総務大臣として、この戦後日本の今までの社会開発の在り方、地域振興の在り方というのをどのように総括をされて、また今後はどういう哲学、ビジョンの下に地域社会の振興を図っていかなきゃいけないかとお考えか、伺いたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 日本は明治維新後、中央集権社会、その体制の下に、欧米列強に追い付き追い越せという形で大変な発展を遂げてきたと、このことも事実であったというふうに思います。そして、この敗戦という中で、戦後もまたその体制を日本は維持しながら今日を迎えてきております。例えばドイツなんかは、敗戦後は逆に中央集権から地方分権に向かった国もあります。
   〔委員長退席、理事二之湯智君着席〕
 ただ、そういう中央集権の体制の中で、今駅前広場の話がありました、国が様々な事業に関与をし、国のそうした決められたものでなければ補助金を受けることができないという形の中で、全国どこに行っても同じような施設ができてきたということもこれ事実であるというふうに思いますし、駅前広場もその一つであるというふうに思います。かつては公園をつくるのに、平らでなければならない、平面でなければ、起伏があっちゃ駄目だと、そこには必ず砂場とブランコがなきゃならないとか、あるいは、全国どこに行っても全部銀座があってアーケードは同じであるとか、そういうことをやゆをされたときもあります。
 しかし、ここにきて少子高齢化そして市町村合併が進んでくる中で、日本の国のあるべき姿というものを考えたときに、やはりこれからは地方分権がこの国の在り方を私は決める大きな形になってくるのではないかなというふうに実は思っています。そのためには、地方が魅力ある地方に変わらなきゃならない。そのために何が必要であるかといえば、権限とか財源とか税源をやはり地方にゆだねる、国と地方の役割というものをはっきりと分担をする、そうしたことが地方が個性あふれる豊かな魅力ある地方に生まれ変わる基本的なことではないかなという思いは多分皆さん一緒であるというふうに思います。
 そのための、そうした魅力ある地方を確立をするために今回そのプログラム法としてのこの推進法を出さしていただいている、このように御理解をいただければ大変に有り難いと思います。
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 ちなみに、先ほど私が言及しました二十一世紀ビジョン懇談会の報告書の中でも、地方の歳出の約九割について国が定めた基準が存在しており、全国どこでも似たり寄ったりの画一的な地域の形成につながっているということが端的に書かれているわけでございまして、是非これは変えていかなきゃいけない。
   〔理事二之湯智君退席、委員長着席〕
 それから、今これ、大臣のお話伺ってたら突然思い出したんですが、私ちょっとラジオで対談したことがあるんですが、昔、路地裏の経済学という本を出して有名になった竹内宏さんという経済評論家おりますけれども、彼が一番最近出した本が、とげぬき地蔵通りの経済学という面白い本がございまして、これは、大臣御存じかと思いますが、豊島区の巣鴨駅の近くにおじいちゃん、おばあちゃんの原宿通りと言われるとげぬき地蔵通りという商店街があって、ここは、私もちょっと対談するときに勉強してびっくりしたんですけど、一日平均四万人ぐらい訪れて、縁日とかあると十万人近く来ると。縁日もしょっちゅうありまして、年に五、六回十万人以上集めるという、もうたった一つの通りの商店街でですね。
 なぜここが成功したのかというのをその竹内さんが本の中で詳しくお書きになっているんですが、一つは、今のお話で思い出したのが、国から補助金をもらってできる事業を幾つか断っているんですよね、商店街として。で、その竹内さんに言わせると、ほかの商店街だったら当然にやっていた事業を断った結果、そのとげぬき地蔵通りにしかない雰囲気とか物が残って、それが集客の要因になって、今非常に経済的に潤っている商店街になっていると。だから、ある意味でいうと、国が推し進めた事業にあえて乗っからなかったから今日があるという皮肉な、行政区の側から見ると皮肉な結果になっているという事例もあるので、大臣お忙しいでしょうけど、簡単に読める本ですから、このとげぬき地蔵通りの経済学という本を一度目を通していただくとまた面白い発想があるかと思います。
 次にお伺いしたいのは、先日の決算委員会で私大臣に、頑張る地方応援プログラムの具体的な中身についてお聞きをしました。大臣の御答弁の中で、要は地方の考えを聞いてしっかり中身を考えていきたいとおっしゃった上で、例示として、例えば、就業率とか出生率の改善、あるいは地域ブランド、それから企業誘致、こういったものをその成果指標として使って、そして地方交付税の算定に反映をしていくと。で、結果として独自にいろんなプロジェクトを考えて、また改革努力をして頑張っている地方を応援していくと、こういうものにしたいということだったんですが。
 ちょっと、若干続きの質問で素朴な疑問がございまして、それは、例えば、就業率とか出生率というのはデータですぐ出てくる話ですので分かりやすいんですが、例えば企業誘致とかに関しては、公共インフラがそろっている地域とそうでない、整っている地域と整ってない地域が元々あるわけであって、そうすると、整ってないところはハンディを背負ったままこの頑張る地方応援プログラムで淘汰されてしまうと。
 それから、地域ブランド、地域資源の活用についてもいろんな形態の活用方法が考えられるわけで、私がお聞きしたいのは、要は、単純に数値化できないものとか質的に同列化できない成果指標になるんじゃないかなというふうに若干疑問を持っているわけですが、この点について現時点での大臣のお考え、伺えればと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 今、具体的な例として企業誘致の例がありました。これについて、やはり何らかの基準が必要であるというふうに私ども考えておりまして、これは経済産業省とも今お互いに打合せをさせていただいておるところでありまして、そうしたものもそれなりになるほどなと思える、そうした指標というものを是非つくっていきたいというふうに私は思っています。
 先ほど、今、その出生率やいろんな話がありました。地方から、こういう話をしますといろんなアイデアが出てくるんですよね。やはり、地方と農村の交流だとか、あるいは生活保護を今までよりは減らしたとか、いろんなことが出始めてきていますので、そうした地方の努力ですよね、就業に向けて、生活保護減らして就業を市が応援をしたとか、そういう意味では少しずつ私どもの頑張る地方応援というものが浸透し始めてきているのかなというふうに実は思っています。
 いずれにしろ、そんなにしゃくし定規のようなものではなくて、やはり財政力指数の低い地方でも、農村との都会との交流なんかもできるわけですから、そうしたものも含めて様々なことを考えていきたいというふうに思っています。
○遠山清彦君 これについては年内に策定をされるということでございますので、私、個人としても、また地方の皆さんも大変楽しみにしていると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それで、今の話にもちょっと関連するんですが、昨日のまた参考人質疑でも要望がございましたけれども、国が地方の声をしっかり聞く場を、いわゆる定期協議の場を制度化してほしいという話がございます。昨日、参考人質疑でお聞きをしておりましたら、三位一体改革、まあ辛口の批評も多かったわけですが、ただ三位一体改革を小泉内閣でやる中で非常に良かったのは、十四回ですかね、国と地方で真剣な協議の場があったと。これは、地方の六団体の代表の方々も国の代表と真剣な討議をまあ小泉総理も入ってやったことで、誤解が解けたり勉強になったこともあったというようなニュアンスで昨日はお話になって、大変高い評価だったわけでございますが。
 これから地方分権の推進の委員会とか推進本部とか、いろいろと枠組みは具体的に出ているんですが、プログラム法ですからある程度の期限が付いているわけで、そういう期限付きのプロジェクトとしてやる中での国と地方の対話もそうですが、それとは別途により長期的な観点からこの国と地方の協議の場というのを制度化した方がいいんではないかと私は考えておりますが、大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 国と地方の協議の場というのは、どのような形で国の政策決定の中に取り入れていくかということは、ある意味で非常に難しい問題も実はありまして、多角的にこれ検討を実はしているところであります。
 しかし、地方のそうした協議の場がなければならないということもこれ事実であります。今は六団体の会合だとか、あるいは官邸で総理あるいは全閣僚が出席をして、県、都道府県知事との会談、つい先般終わりましたけれども、そうしたこと等を実は行っていますし、私ども、この頑張る地方応援プログラム、そういう中では、私や副大臣や政務官、四十七の都道府県手分けしながら私どもも考えもし、現場の声というものも聞いていきたいというふうにも思っています。
 いずれにしろ、やはり地方と極めて密接な連携を取りながら、そうした声というものを反映できる仕組みというものも考えながら進めていきたい、こう考えています。
○遠山清彦君 是非よろしくお願いいたします。
 それから次に、事務方で結構でございますが、地方公共団体の財政状況についてですが、一般に経常収支比率が八〇%を超えると財政構造として弾力性を失うと言われているわけでございまして、これは、意味するところは、臨時的な財政需要に対応ができない財政構造を抱えているということになるわけでございます。
 現在、すべての都道府県、また政令市がこの弾力性を失うラインと言われております経常収支比率八〇%を超えているというふうに私は理解しておりますが、この現状についての総務省の認識と今後の改善の見通しについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(岡本保君) 今委員御指摘のように、十七年度決算で見てみますと、全都道府県と政令指定都市の経常収支比率は八〇%を超えておりまして、都道府県全体でも九二・六、政令指定都市で九四・三というようないずれも高い水準にございます。
 この要因といたしましては、例えばこれまでの累次の経済対策等に係ります公債費負担が非常に累増しているというようなこと、それから市町村におきましてはやはり高齢化の進展、あるいは生活保護世帯の増加といったような扶助費、社会保障系統の義務的な経費の増といったものが、こういう経常的収支比率を構造的に押し上げていっているという要素があるのだろうと思っております。
 ただ、十七年度について前年度と比べてみますと、各団体でこれまで人件費の削減努力というのをかなり努力をしてきていただいているということもございますのと、分母の標準的な収入といったものが若干持ち直しているということ等もございますが、政令指定都市から市町村全体の平均では、微減ではございますが、経常収支比率がやや改善をしたということもございます。
 こういう改善に向けて努力するためには、人件費、それから公債費といったものがやはり大どころの改善の対象になるわけでございますので、こういうものについて集中改革プランで削減努力をしていただく、あるいは公債費におきます、少しでも金利をどうやったら軽減できるかとかというような各般の対策を私どもとしても講じてまいりますとともに、各市町村に対しましても、そういう自己努力と正にそういう今各般の努力を入れた中長期的な財政計画をつくっていただいて、適切な財政運営でその経常収支比率を改善していけるようにともにやってまいりたいというふうに考えております。
○遠山清彦君 それで、今の話に関連をしますけれども、大臣にできればお答えいただきたいと思いますが、今全国の自治体間の財政力の格差というものが拡大しているという指摘がございます。たしか十二月三日でしたか、朝日新聞に北海道のある都市と東京の二十三区のある区を比較をした図を基に自治体間の財政力格差ということを特集した記事がありまして、両方とも人口規模が二十万人程度で、どれだけ財政力に格差があるかというのを分かりやすく表で示しておりましたけれども、私も大変勉強になったわけでございますが、当然この背景には地方交付税の減少がございますし、また今景気回復局面でございますので、都市部にどうしても企業がございますから、地方法人二税ですね、法人事業税とか法人住民税の収入が景気のいい企業がいる都市部だけ上がるということもありますので、ある意味、政府のコントロールできないエリアでも自治体間の格差というのは広がっている状況になるわけですが。
 そこでお聞きをしたいのは、当然、先ほど大臣もおっしゃっていたいわゆる中央集権体制の中では、中央に権限を集中させることによって負の側面が当然この今の法案の議論では多いわけですけれども、プラスの側面としては、いわゆる格差が生じたときの格差是正機能、あるいは調整機能というものを国が持っていたという面があるわけでございます。当然、これは地方分権が進んでいきますとこの格差是正調整機能というのは弱まっていく面があるわけでございますし、またこの文脈で申し上げれば、先ほどの頑張る地方応援プログラムも、逆にこの頑張るところはどんどん交付税が増えて頑張らないところは減っていくということになって、総務省としては、その自治体間を競争させることによって生じるメリットの方が競争させないことによって生じるデメリットよりも大きいという判断でやっておられるんだと思いますが、可能性という次元で申し上げれば、国の格差是正機能が弱まっていって、頑張る地方をどんどん伸ばしていくという予算の重点化ということをやっていきますと、なかなか格差なくならないんじゃないかと。そうしますと、格差の付いた自治体に住んでいる住民から見るとどうしても国に対して不公平感が強まってくるわけでございまして、大臣として、これから地方分権進めていくこの改革の流れの中で、現実に格差が拡大してきたといったときに、この格差の是正、調整というのはどういうふうにしていけばいいとお考えなのか。また、その格差というのはどうしても生まれてくるということはあるわけですけれども、それをどこまで容認をして、どこまでの格差是正は国として考えていかなきゃいけないのか、この辺について、ちょっと雑駁な質問でございますが、所見をいただければと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 地域の財政力の格差というのは、これは地方分権というよりも少子高齢化だとか、あるいは企業が特定のところに今集中をしている、そうしたことにもかなり私よるのではないかなというふうに実は思っています。有効求人倍率なんかを見ても、例えば愛知県なんかは一・八とかで、地方の低いところは〇・五とか、そういう形にもなっておりますし、そういうことを考えるときに、やはりこの企業が全国に平均的に存在することが一番かなというふうに実は思っています。
 ただ、そういう中で、今は税の仕組みが、御指摘いただきましたように、地方の法人二税、このことが東京が極めて多いということもこれ事実でありますので、この偏在の少ない地方消費税というものを例えば地方税の基本とするとか、いろんなこの改革、税についても私は必要だというふうに考えております。
 ただ、この間総務省で地方自治体の長の皆さんとの懇談会を開いたときに、例えば島根県の隠岐島の海士という町であります。町長さんに来ていただきましたけれども、非常に人口も少ないし財政力としても非常に少ない。しかし、海に囲まれている、そうした自分の地域の資源を生かして様々な商品開発をしたり、あるいは都会の人からファンドという形でお金を集めたりもしながら人口も少しずつ増えているとか、やはり地方が私はそうした魅力ある地方づくりを行うことによって地方も必ずそういうことができるのかなという私は可能性というのは非常に持っておりますので、しかし、そういう自由にできるような仕組みを私もやはりつくってやる、つくってやるというとあれですけれども、つくることがやはり国の、私どもの役割じゃないかなというふうに実は思っておりますので、この分権改革推進というものを何としても進めていきたい、そういう思いです。
○遠山清彦君 時間が来ておりますので一言申し上げて終わりたいと思いますが、私もこれ最終的に税制改革をしっかりやっていかないと地方が自立的に発展していく素地というのはなかなか広がらないんだろうというふうに思いますし、また自治体も破綻しますよと、だから財政規律を緩めないでくださいという意見が専門家の間で強いわけですが、私も沖縄を担当しておりまして、離島を回りますとなかなかそういうところにはそういった議論がストレートに適用できない現実というのもございますので、そういった日本の国土の中の多様な、地域の多様な条件というのも御配慮いただきながら必要な改革を進めていただければと申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 さきの通常国会で成立した簡素で効率的な政府を実現するための行革法において、今国が決めている人員等の配置基準を廃止を含めて見直すこととされています。今年四月二十六日の参議院行革特で、私の質問に答えて中馬行革担当大臣は、地方公務員純減を後押しする観点から、政府においては、教育、警察、消防、福祉関係といった地方公務員配置に関する国が基準を決めた分野を対象に見直しをしていきたいと、このように答弁しております。
 そこで伺いますが、今回の地方改革推進法案では、配置基準の廃止等の検討をどのように行おうとされているのでしょうか。地方分権改革推進委員会、七人委員会で丸投げして検討して、一括法として国会に提案してくるということなんでしょうか、伺います。
○国務大臣(菅義偉君) 行革推進法第五十五条第二項においては、地方公務員の純減を要請する等の趣旨に照らして、政府は地方公務員の配置に関し国が定める基準を見直しと規定をされております。地方公務員の配置基準については、本法案第五条に規定する法令による事務の義務付け、枠付けに含まれるものであることから、本法案に基づく地方分権改革推進委員会における検討審議の対象となり得るものと考えております。また、本法案第三条第三項には、国と地方公共団体を通じた行政の簡素化、効率化を推進する責務について規定をされており、地方分権改革の推進においてもこのような取組を行っていくものと考えております。
○吉川春子君 私は何遍もこの七人委員会が担当する対象の法律を出してくれと、項目でいいからとお願いしたんですけど、多過ぎて出せないと、千本ぐらいあるんだということですけれども、そういうたくさんのものをその七人委員会に任せて取捨選択して一括法として出してくるという、三年間で検討して出してくるということは大変乱暴なことだというふうに私は思います。
 それで、地方分権推進法、改革法には、地方分権の名において、さきに成立した行革法の下、これを実行に移すという性格があるんだなということですね。地方分権というのは国が握っている様々な権限を地方に移すことですけれども、まずこれに見合った財源の裏付けが必要で、加えて安全を担保する責任は国にあると思います。この二点について国が責任を持たなければ、地方分権どころか地方や国民の負担増大のみで、国の責任放棄になりかねないおそれがあります。ナショナルミニマムの水準が極めて重要だと思います。
 具体的に、保育の問題について伺います。
 敗戦直後の一九四八年に定められた保育所の最低基準がほぼそのまま世界第二位の経済大国になった現在も維持されて、正に最低水準で保育所が運営されています。川崎前厚労大臣も認めていらっしゃいますけれども、この国の基準で保育が行われているわけではないと、行われないんだと、大幅に自治体が上乗せしてやっているわけです。
 総務大臣、自治体が配置基準をどれほど上回って保育の運営について負担しているか、御認識がおありかどうか伺います。
○国務大臣(菅義偉君) 私も横浜の市会議員を務めていました。そういう中で、待機児童ゼロ作戦、保育行政というものを私もその必要性の中で懸命に努力をしてきました。
 例えば、この保育所につきましては児童福祉法やこれに基づく厚生労働省令において、保育士の数を始めとし、その設備、運営などに関する最低基準が定められ、そうした中で地域の実情に応じて住民ニーズに合った人員配置などが行われています。
 今般の新たな地方分権改革においては、法令による事務の義務付け、枠付けの緩和に取り組むとしているところであり、その具体的内容については、本法案に基づき設置される地方分権改革推進委員会において検討、審議がされて、政府として地方分権改革推進計画を作成していく中で検討されていくだろうと、このように考えています。
○吉川春子君 川崎前厚労大臣が私に答弁されたところによりますと、保育士の配置基準は公立では一・八二倍、私立では一・六六倍、平均で一・七八倍の上乗せをして保育所の運営がされているわけなんです。
 それで、厚労省にお伺いしますけれども、実態は国基準ではやれないということは明らかですが、基準の一・七八倍の配置でも安全を確保するぎりぎりの配置で、保育士の皆さんが必死の努力をして質の確保が何とか守られています。それで、伺いますが、東京都が独自に実施している認証保育所、国基準と比較して大きく異なる点はどこでしょうか。常勤職員比率、保育料、施設、園庭等について報告していただきたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) 東京都の認証保育所でございますが、まず施設等の基準につきましては、調理室が必置とされているとともに、類型が複数ございまして、類型によっては屋外遊技場が必置とされているものもあり、そうでないものもあるということでございます。
 それから、職員の配置基準でございますが、職員数は認可保育所と同様でございますが、認可保育所では全員が保育士である必要があるのに対しまして、認証保育所の方は保育士は職員の六割以上というふうにされているところでございます。
○吉川春子君 ちょっと写真を持っているんですけれども、認証保育所なんですね。駅のホームがすぐあって、飲み屋街のとあるビルの三階に認証保育所があるんです。これ、個々の名前が入っていますので、お渡し、資料としてはいたしませんけれども。
 認証保育所は常勤職員は六割でいいと、園庭がなくてもいいと。正にこういうところは園庭がないわけですよ。そして、乳児室は二・五平米でいいと、国は三・三平米になっているんですね。平均はなかなか難しいんですけれども、保育料の四、五万円が二八%、五、六万が二八%となっております。
 共産党の都議団が五十三施設を訪問して聞き取り調査をしたところでは、三歳児で六万から十二万、このほかに入会金が二、三万要ると。保育料は七、八万が大半なんですね。認可保育所の都の平均は一万四千三百八十五円。都の資料によると、認証保育園の平均は五万九千円、約六万円となっているわけなんです。
 非常に、東京都が独自で、まあ無認可保育所ですよね、認証保育所というのをつくったのと、国の今基準を決めております認可保育所とはこれだけ差があるんですね。私も子供二人保育所に預けてずっと働いてきましたので、この保育所の劣悪な基準でもいいよと、都が認めているということは本当に切ない思いがします。
 厚労省に伺いますけれども、大半の施設には園庭がない、窓が一つもない施設もあるんですね。認可保育所の五倍近い保育料の負担、このような保育基準の緩和を国民は求めていないと思うんですね。厚労省が〇四年に行った都の認証保育所調査で、親の第一の願いはどうなっていますか。
○政府参考人(村木厚子君) 平成十六年の七月に東京都が取りまとめた認証保育所の実態調査結果についての御質問だろうと思います。この中で、利用者が更に充実してほしいことということで、その質問に対して最も多く挙げている回答が保育料の値下げとなっております。
○吉川春子君 七六・四%が保育料の値下げということを要求しているわけなんです。
 総務大臣も地方議員の御経験があり、保育所の、昨日の参考人の質問ではないんですけれども、上乗せ、横出しという超過負担ですね、これが保育園にもやられてきているわけですけれども、認証保育所に預けている親の求めているのは、今も報告がありました保育料の引下げ、そして第二は認可保育所に入りたいということなんです。
 安くて安心して預けられる保育所が求められています。最低基準を切り崩すことを自治体が、つまり東京都が率先して進めているわけですね、一番財政力も豊かなところが。横浜や大東市で民営化は子供の権利を侵害するものとの判決も出ております。基準を著しく欠いている施設で死亡事故が拡大しています。
 総務大臣、本法案の第二条では、共通の目的である国民の福祉増進ということをうたっていますけれども、やることは、国民の願い、あるべき福祉の増進に逆行してはいないかと、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 私も実は横浜市会議員当時、横浜型保育室というものを条例でつくりました。それは、国の保育所の補助基準というのは、現実的には全く都市のお母様方、父兄の要望にこたえることは非常に難しいのが私は現実であるというふうに思います。たしか当時、子供一人当たりに一坪以上の広場が必要だとか、様々な実は規制がありました。しかし、働く女性については、駅前、自分が通勤の途中に子供をしっかりと安全にお預かりをしてもらえる施設が欲しいという、それが御父兄の皆さんの要望でもありました。
 私どもは、当時その条例を作る中で、やはり市がしっかりそうした待機児童を解消するために、しっかりとした基準を作って市が支援をするということで、多分東京の認証保育所、多分同じだと思いますけれども、今でもたしか四千人近く市の保育所で、横浜型保育室というところでお預かりをし、多分市の負担四十億ぐらいに今なっているのかなというふうに実は思っております。
 いずれにしろ、国の基準というのは、なかなかそれを適用したら待機児童がはるかに今よりも多くなってしまうということの現実もあることも理解をいただきたいというふうに思います。
○吉川春子君 〇二年八月二十九日の東京都福祉局部長に提出された資料によりますと、認証保育の位置付けについて、将来において市場サービスを中心に利用選択を可能とする新たな保育システムが実現できるよう認証保育所の実績を通して国に働き掛け、国に新たな保育システムが認証保育所モデルへと転換していくことを目指す、そのために認可保育所が認証保育所のサービス水準になるように誘導していくと、認証保育所の一定程度の数を確保し、それをてこに認可保育所の世界を壊していくと、目標は三百か所、一万人なんですけれども、そしてこれらを進める上で大事なポイントは、公立保育所の補助を引き下げ、保育料金を上げる、公設を株式会社等に運営を委託する、国に対して保育所の制度の抜本的な改革の必要性を迫る、このような手順が示されています。総務大臣もこういうようなお考えなんでしょうか。
 時間の関係で厚労省にも聞きますけれども、八割が人件費という保育や福祉で、人件費を削ってもうけ追求のシステムをつくるために基準を壊すようなことは断じて許されないと思います。厚労省の姿勢も明確に示していただきたいと思います。
 まず総務大臣から。
○国務大臣(菅義偉君) 私、今の委員が指摘をされた、その東京都福祉局ですか、それについては私は承知をしておりません。ただ、私の地方議員当時の経験を踏まえて言わさせていただくならば、働くお母さん方というのは、要望というんですかね、思いというのは、今の国の基準とはやはり違うというふうに私は思っております。
○吉川春子君 もう少し高いんですよね。
○国務大臣(菅義偉君) そうした人たちにこたえるための私はそれぞれの地方自治体が独自で作った処置であるというふうに思います。
○政府参考人(村木厚子君) 東京都の中で議論をされた資料について御意見申し上げるということはいたしませんが、基本的な厚生労働省としての考え方としては、保育サービスについてその安定的な提供や質の確保という観点から必要な最低基準を作り、それをベースにして保育サービスを充実をしていくというのが基本的な考え方でございます。
○吉川春子君 時間が来たので終わりますけれども、お母さんたちは園庭のないところで幾ら駅が近くてもそこで保育してほしいとは思わないんですよ。大事に子供の将来を守ってほしいと考えています。そのことを言いまして、質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
 おとといの質疑で、私は主に旧法やあるいは今回出されている地方六団体の提案との比較で質問をいたしました。答弁の多くは地方の目から見ると正直言って満足できるものではないと、こう言わざるを得ないと思うんです。少なくとも、今度の分権推進改めて分権改革推進が、国と地方の役割分担とか地方の自主性と責任という名で財政負担のみを国から自治体へ押し付けられる、つまり改悪することにならないように、これはやっぱりしっかりとしていかなきゃいかぬもんだろうと思うんです。
 そこで、今日はもう少し実質的な、すなわち財政の部分について質問をしたいと思います。前の地方分権一括法で何が積み残されたかといえば、それは地方の自立に必要な財源問題であったという点で、当時の地方分権推進委員会が二〇〇一年に出した最終報告、これは言わば遺言でもありますけれども、未完の改革であるということを明らかにしていますね。だから、問題はその後なぜそれが進まなかったのかということが問われているんだと思うんです。
 そこで、質問に移りますけれども、最近の財源問題といえば、いわゆる三位一体の改革でしたけれども、その結果、地方は三兆円の税源移譲は受けたものの四兆円もの補助金削減と、差引きマイナス一兆円になるわけですし、また地方交付税について言うならば五兆五千億円、これは臨時財政対策債の分を私は含めて言っていますけれども、丸々純減されただけで終わってしまった、これは地方の側から見るとそういうことなんですね。
 だから、総務大臣として、地方から見た三位一体改革の財政面における評価、これをどのように総括なさっているのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 三位一体改革において、今委員御指摘をされましたように、国庫負担金の改革として四・七兆円、税源移譲が約三兆円、交付税の改革が約五・一兆円行われました。そして、国庫補助負担金改革については、約三兆円は税源移譲により財源的措置をされました。交付金化の改革〇・八兆円は地方財源の減ではないこと、スリム化分一兆円は事業自体の廃止、縮小であることから、全体として地方財源の減とは言えないというふうに考えています。また、三位一体改革は地方分権に加えて財政の健全化を目的としており、この三年間で地方一般歳出を四・一兆円抑制をしてきました。こうした取組や景気回復による地方税収の増加等が相まって、地方交付税等の合計は三年間で約五・一兆円抑制をされたところであります。したがって、この三年間における実質的な意味での地方一般財源の減は、交付税等の抑制五・一兆円から地方税収の増二・七兆円を差し引いておおむね二・四兆円程度になるというふうに考えております。
○又市征治君 いろんな理屈をおっしゃいますけれどね、現実には、そうだとすれば、さっき二之湯さん、今日の皮切りでしたが、そんな地方の側が本当に悲鳴を上げて予算も組めないという理屈は成り立たぬわけですよ。そういう意味ではやむなく、国が勝手に削ってくるから、人減らしです、人件費の削減です、いや福祉や行政サービスどんどん切らざるを得ない、あるいは公共料金を上げざるを得ないと、こういうことなわけでしょう。つまり、補助金削減は、地方の願いに反して率で落としただけであって、項目は残して、政府の関与は全く残っているわけですよね。そして、交付税は五兆円も減らされた、政府が一般財源の補てん責任を逃れたくて自治体の財政需要額を無理やり削ったと、これが現実の自治体側の受け止め方ですよ。どうも、だから総務省の側が本当の意味で自治体の側を代表する立場で政府の中で立っているのかどうかということが問われているんだろうと思うんですね。だから、先ほどからの議論がそういう立場で出ているわけですよ。
 ですから、この分権推進法案、この後それに続いて新地方分権法ということになってくるんだろうと思いますが、これが骨太方針式の歳出削減路線では困る、これが地方の一致した意見だろうと思うんです。
 我が党の重野衆議院議員が十一月二十八日の衆議院総務委員会でも言いましたけれども、二〇〇六年一年度分の閣議決定にすぎない骨太方針、この中で言うところの歳入歳出一体改革、実は地方歳出の削減政策という、こういう問題と、今回の推進法案で言うところの将来にわたる財政上の措置、つまり税源移譲や地方交付税の充実による地方財源の確保とではどちらが長期的に大事なのか。この点は言わずもがなのことなんでしょうけれども、改めてお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 非常に厳しい財政事情を考えるということであれば、国、地方ともに基本方針二〇〇六に従って歳出抑制をしていくということは必要なことであるというふうに思います。ただ、委員御承知のとおり、この二〇〇六においては、歳出の抑制と同時に必要な地方税、地方交付税の総額は確保する、そういうことも明記をされていることも事実であります。さらに、この地方分権改革を進める中で地方の権限や責任の拡大にふさわしい地方の税源を拡大をしていくと、このことも極めて大事なことであるというふうに思います。どちらが大事かということでなくて、財政の健全化、さらに地方分権の推進、このことは私は極めて地方の活力、国の活力を高めていく上で大事なことであると考えています。
○又市征治君 大臣は、口開けば、それこそ個性豊かで活力に満ちた地域社会づくり、頑張る自治体支援と、こうおっしゃるけれども、現実悲鳴を上げて困っているというのに、片一方で何かしら、私、前のときにも申し上げましたよ、財界側の委員入れて、労働界側も、全く地方自治体の委員なんか入っていない経済財政諮問会議でぼこっと作る、これに何もかにもみんなそれが天の声であるような、こんなばかな話はないと。ここのところはやっぱりお互いにもっと、与党側の委員の皆さんももっと物を言ってもらわにゃ困るなと、こう思うんですよ。そこらのところは、みんな口を開くと、ここの委員会で言うと、地方の側はひどい、ひどいと、こうおっしゃるわけで、こういう格好がまかり通っているところに私は問題があると思う。
 そこで、この第六条の問題に触れたいと思うんですが、政府原案では国庫補助負担金、地方交付税、国と地方公共団体の税源配分等の財政上の措置の在り方について検討するとあって、これではどっち向きに検討するのか分からなかったと、こういうことであったもんだから、これは衆議院の側で修正をいただいた。これは元々旧法では、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図るものとすると、こういうふうに旧法の場合は断言しておったわけですね。だから、大変に後退だということで衆議院側で大変御努力いただいて、これは与党側でも御努力いただいて、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保等の観点からというのが挿入された。この努力は、衆議院側の努力は敬意を表したいと思います。まあもっと明確にするとすれば、地方税財源の充実確保の観点から云々検討するというふうにしないで、旧法のとおり、地方税財源の充実確保を図るものとする、こう言い切ってもらえばもっと良かったんですけれども。
 そこで、大臣、この修正を受けて、第六条の財政上の措置とは、あくまで地方税財源の充実の方向での措置であって、逆ではない、こういうふうに確認をいただきたいと思いますが、この点の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 今回の法案では、権限移譲や国の関与の整理合理化など、地方の役割を強化する方向で事務事業の整理、見直しを行い、それにふさわしい財政上の措置の在り方を検討する、こういうことに実はなっておりました。したがって、当然に地方の税財源を充実する方向で検討するということであります。
 しかし、衆議院において修正をされた点も、こうしたことをより明確にしましょうということでこのようになったというふうに思っています。考え方は、私、全く一緒であります。
○又市征治君 とにかく最大のポイントは、税源移譲又は地方交付税による地方への税源の再配分ということですよね。だからこそ、前回の最終成果というべき一九九九年の地方分権一括法案の審議の中で、参議院の附帯決議で、「地方における歳出規模と地方税収との乖離を縮小する観点から、国・地方を通じる税体系のあり方について抜本的な検討を行うこと。」、こういうふうに税制が重視をされて、この参議院で附帯決議が上げられているわけですね。
 また、当時の野田自治大臣は、地方分権を実効あらしめるため地方税財源の充実確保に積極的に取り組んでいく、その際、地方への権限移譲に積極的に取り組み、権限の移譲に対応した税財源の移譲を推進すべきであるというふうに答弁をされておりますし、少し調べてみますと、ちょっと今見ますとびっくりするんですが、正に宮澤大蔵大臣、当時、むしろ大蔵大臣ですから地方に対して冷たいはずです。さっきもちょっと出ていましたけど、財務省は冷たいと、こう言っていますが、従来から、この宮澤さんがどう言っているか。従来から申し上げておりますとおり、我が国の経済成長が回復軌道に乗りましたら徹底的に地方行財政への再配分をいたさなければならない、文字どおり戦後最大の抜本的な再検討になるのではないかと考えております。この地方分権問題について、地方への財源配分の問題をこういうふうに宮澤さんも、財務大臣も答弁しているわけです。
 そこで大臣、今回、政府は既にイザナギ景気を超えましたと、こう言っている。こういうふうに言っているわけですから、正に宮澤さんの言う戦後最大の抜本的な再検討を行い、徹底的に地方行財政への再分配を実現すべき時期だろうと思うんで、この点、大臣として本気になって政府の中でしっかり申し上げていく、こういう立場での決意を伺って、今日の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 私としては、必ずしもこの地方分権改革を進める条件として景気の拡大、回復が前提となるということには考えておりません。むしろ、国全体の活力を高めるためにはやはり地方の活力が必要であり、そのために地方分権改革というものを進めていきたいというふうに思います。
 また、本法案を成立をさせていただき、地方分権改革推進委員会が発足をすることになれば、そうした観点から抜本的な見直しに向けて徹底した議論をしてもらいたいと考えております。私としても、地方が自由と責任を持って独自の政策を取り組めるようにするために、権限や責任の拡大にふさわしい地方税財源の確保することができるように、最大の努力をしてまいりたいと考えております。
○長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。
 この地方分権改革につきましては、一昨日そして今日の各委員の熱心な質疑、そして大臣の御答弁をお聞きをしておりまして、もう大臣の並々ならぬ御決意をお聞きをしておりますものですから、これはもう期待が持てるなと、我々も全面的に御支援を申し上げたい、そういう気持ちでおります。
 ところが、今朝ほど二之湯委員も御指摘をなさいましたけれども、政府全体の施策を見ておりますと、どうもベクトルが皆同じ方向を向いて、地方の分権、地方の活性化、一生懸命政府としてやろうというふうになっていないように思えて仕方がないわけであります。各省のいろんな取組もあるわけでありますが、総務大臣のお仕事の中でも方向が一致をしていないようなものがありまして、気になってならないわけであります。それは郵政民営化の進捗状況でございます。
 これはもう御存じのとおり、来年十月に郵政事業民営化されるということで法律ができ上がっているわけでありまして、公社そして郵政株式会社、いろんな取組を今しておられるわけでありますけれども、その中でますます何か中央集権化が強まっているように私は感じられてならないわけであります。かつ、中央集権化のみならず、要するに採算重視といいますか、利益重視というようなことで、例えば郵便局も大きな郵便局のみならず小さな郵便局までもがどんどんと集配機能を取り上げられて、今まで十数人いたような局が更にまた小さくなって、二人や三人ぐらいの局になってしまうというようなことが進行しておりますとか、あるいは地方でも、学校ですとか病院ですとか、いろんなところに郵便貯金の自動の預け払いができるATMと呼ばれる機械が置いてあったわけでありますけれども、これらも利用が少ないということでどんどんと撤収をされているとか、ポストの取り集めの回数が減るとか、いろいろなサービスダウン等も行われておりまして、郵便局の人間ももちろんでありますし、地方の住民の皆さんも随分不安になっておられて、私のところにもたくさん投書等が来るわけであります。
 その中で特に私が今気掛かりなのは、例年に比べまして非常に多くの職員が退職を希望しておられると。これは、要するに民営化しても将来に希望が持てないということの端的な表れではないかというふうに私は心配をしているわけであります。
 そこで最初に、今日は公社からも来ていただいておりますので、事実関係をお聞きしたいと思うんですが、来年の春、今年度の退職予定、全国でどのぐらいの数の方が退職を予定をしておられるのか。特に、その中で特定局長はどのぐらいの数字になっているのか。そして、それは前年度と比較をした場合にどの程度の増率になっているのか。本当は地域別にお聞きをしたいんですが、時間の関係で全国一本でお答えをいただきたいと思います。
○参考人(佐々木英治君) 郵政公社の退職の種類といたしましては、高齢勧奨退職と定年退職と自己都合による普通退職がございますが、今現在把握している数でお答えさせていただきますと、平成十九年三月末の高齢勧奨退職に応募している職員は約一万三百人、定年退職見込みは二千百人、これを合わせると約一万二千四百人でございます。そのうち特定局長は約二千四百人でございます。なお、この高齢退職、定年退職のほかに、先ほど申し上げましたように、自己都合による退職がございますが、これはまだ現段階で数が確定しておりません。
 それから、前年度との比較でございますが、平成十八年三月末の高齢勧奨退職者は四千三百二十九人、定年退職者は一千三百三十九人、合わせて五千六百六十八人でございました。そのうち特定局長は八百四十一人ということでございます。
○長谷川憲正君 今お聞きをした数字を見ますと、退職を希望する職員の数は来年三月では例年の、例年といいますか、前年の二倍を超えると、特定局長に至りましては前年のほぼ三倍近い人たちが退職を希望しているということであります。
 私、事前にちょっといろいろなデータを取って調べてみたわけでありますが、六十にならずにもうとにかく辞めさせてもらおうというふうな希望を出している人が全体の七割近くいらっしゃるということのようでありまして、ちょっとゆゆしき事態だなと。これはもう辞めるという決意をした人はよほどのことがあって、これは今辞めてほかに就職先があるとかいうわけでは当然ないわけでしょうから、経済的には苦しくなることを承知の上で、もうやってられないという気持ちなのかなと。非常に悲しい気持ちがするわけであります。
 私、ある人から聞いたところでは、何か公社の方はいわゆる勧奨退職と、定年にならないうちでも退職を希望した場合には若干の優遇措置があるというのが前から制度としてあるわけですけれども、それが今回でおしまいだというようなことを言ったために、今仕事がもう民営化の準備でさんざん忙しいし、何か点検事項が増えて夜七時になっても八時になっても働かなきゃならぬというような状況の中で、その優遇措置までも奪われてしまうんだったらもう辞めようかというようなことで手を挙げたという人もかなりいるようでございますが。
 聞くところによりますと、新会社が今いろいろと民営化後の経営の在り方について検討しておられる。そういう中で、新会社としては、従来公社がやってきたような退職に対する優遇措置のようなものも継続しようかという気持ちでおられるというふうにも聞いておるわけでありまして、そんなことを考えますと、しまった、もう一度頑張ってみようかというような気持ちになる人もおるのじゃないかというふうに思いまして、ここは公社にも、希望が出たからみんなもうとにかく退職させるんだということだけでなくて、これはもう事業の安定的な経営ということを考えた場合にも一度見直しをしてみる必要があるのかなということを申し上げるだけ申し上げておきたいと思います。
 そこで、今日は日本郵政株式会社からもおいでをいただいておりますが、これだけ大量の退職者が発生して、新会社、円滑に来年十月民営化のスタートが切れるんでしょうか。お聞きしたいと思います。
○参考人(白川均君) 今、日本郵政株式会社におきましては、本年一月発足以来、民営化に向けまして準備を急ピッチで進めておるところでございます。
 新会社の中でも郵便局株式会社は、郵便局株式会社法第五条に定められております郵便局の設置義務、これを当然の前提とした上で、お認めいただいております経営の自由度と、地域に密着した郵便局とお客様との接点等を生かしまして、新しいビジネスモデルを打ち出していかなきゃいけないというふうに考えております。弊社といたしましては、このような観点から、民間会社としての自律性を高めていく仕組みといたしまして、郵便局の中間組織、それから郵便局長の人事制度につきまして新・郵便局ビジョンというものを取りまとめをいたしまして、去る十一月三十日に発表させていただきました。
 そして、この新・郵便局ビジョンにおきましては、民営化後も、先ほど先生お触れになりました勧奨退職制度、これにつきまして、公社の制度も参考にしつつ、これを設けることを検討するというふうにいたしております。これを公表したことによりまして、来春退職予定の職員の中から民営化後も頑張っていこうと思い直す職員が出てくることも期待されるのではないかというふうに期待しているところでございます。
 新会社の要員問題につきましては、弊社といたしましても重要な問題だというふうに認識をいたしております。公社の職員の民営化後の帰属会社の決定につきまして、公社を通じて調整作業を今進めているところでございます。
 今後とも、その新・郵便局ビジョンに基づきまして検討を進めるなど、郵便局長以下職員の一人一人がこれまで以上に旺盛な士気と誇りを持って新しい気持ちで新会社での職務に取り組むことができ、また新会社が円滑に民営化のスタートが切れますよう、民営化の準備に努めてまいりたいというふうに考えております。
○長谷川憲正君 どうもありがとうございます。
 私は元々、郵政の民営化ということが進められると、特にそういう地方での郵便局の経営というものはうまくいかなくなると、ドイツやニュージーランドで郵便貯金を売り払った結果、郵便局の七割、八割がつぶれたと、そういう実績に基づいて反対をしてきたわけでございますけれども、民営化ということが決まった以上、皆さん方がその準備をなさるのは当然だということでありますけれども、やっぱりそうであるならば、いいスタートを切っていただきたい、円滑なスタートを切っていただきたい。やっぱり民営化して良かったなとお客様もあるいは職員も言えるような形のものを目指していただきたいというふうに思っているわけでございまして、是非公社もあるいは会社もそれに向けて打てる手を打っていただきたいということを重ねて要望したいと思います。
 そこで、大臣に申し上げたいんですけれども、この民営化の議論をいたしましたときに、郵便局はなくさないとか、サービスはダウンをしませんとか、職員の労働条件も悪くしませんと、いろいろな政府側の答弁もあったわけでございます。
 ところが、実際には、今お聞きをいただいたように、職員の人たち、特定局長の人たちもどんどんもう職場を辞めちゃおうかというような状況にまで追い込まれてきております。
 この特定局長の皆さんは、今までいろんなところで申し上げましたのでよく御存じのとおりでございますけれども、単に郵便局で事業を提供するだけではなくて、地方の中で例えば保護司だとか学校のPTAの会長だとか防災士だとか、いろんなことをやりながら地域の活性化のために努力をしてきた人たちでありまして、その人たちの意欲を損なうということは、私は、この地方分権改革の趣旨にも反する方向に作用するんじゃないかということを心配をするわけでございます。
 やっぱり人が本当に夢と希望を持って将来こういうような地域をつくるんだということで取り組めるか取り組めないか、その差は大変大きいわけでございますので、この分権改革推進法の運用に当たっていろいろな手だてを講じていただくのはもちろんでございますけれども、同時に、大臣の権限の中でこの郵政の民営化というものも今行われつつあるわけでございますので、より一層この郵政の問題にも御関心をお寄せいただいて、しっかりと監督をしていただいて、そして郵便局で働く者、また地域の住民が困ることのないように御配慮をいろいろいただきたいというふうに考える次第でございまして、最後に大臣の御所見を伺って、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘がありましたように、やはりせっかく来年の十月一日ということで私ども民営化をスタートさせていただくわけでありますから、円滑にスタートできるように頑張っていきたいと思います。
 そして、今具体的に特定郵便局長の皆さんのお話がありました。私もそのことについては委員と全く同じであります。地方で町内会長だとか、歴代そうした信頼のある方が郵便局をスタートさせたという歴史もあります。これからこの民営化事業がしっかりと地域に根差して、そして成功するには、そうした皆さんのお力添えなくして私もできない、このように考えております。
 私は、生田総裁や新しい株式会社西川社長を始め、経営陣、そして組合の皆さんにもそうしたことも理解してもらうし、また組合の皆さんもやはり働きやすい環境の中でこの郵政事業に従事できるように、そうした環境づくりに全力で取り組んでまいりまして、国民の皆さんから民営化して良かったと、そう言われる民営化が実現できるように頑張っていきたいと思います。
○長谷川憲正君 終わります。
○委員長(山内俊夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
○委員長(山内俊夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、内藤正光君が委員を辞任され、その補欠として足立信也君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(山内俊夫君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、地方分権改革推進法案に反対討論を行います。
 地方分権の推進は、それによって地方自治が拡充強化され、住民のナショナルミニマムが保障されるものでなければなりませんが、本法案はそれにこたえるものとなっていません。
 以下、具体的に反対理由を述べます。
 反対の第一の理由は、法案は骨太方針二〇〇六の歳出歳入一体改革に位置付けられているものであり、地方財政計画の歳出の圧縮による交付税の削減を始め、国から地方への財政支出の削減をねらったものだからです。
 九五年の地方分権推進法に基づく地方分権一括法、三位一体改革は、市町村合併を大幅に進め、三千二百以上あった市町村が千八百程度に減らされ、過疎地はますます過疎が進み、住みにくくなっています。都会と地方の格差は広がっています。地方分権の名の下に、保育所の一般財源化、義務教育費の負担率引下げなど、国の責任の後退あるいは放棄をしてきました。法案は、地方公共団体への義務付けの見直しなど、こうした方向を一層促進していくものです。
 骨太方針二〇〇六は、社会保障の切捨てや消費税増税など国民に犠牲を押し付けるものです。骨太方針の一環として、法案は、交付税や国庫補助負担金など国から地方への財政支出の削減をやりやすくするものです。このように、法案は、初めに歳出削減ありきで、憲法の地方自治の本旨、すなわち住民自治と団体自治を拡充しようとするものではありません。
 第二に、法案は、地方分権の推進や地方公共団体の自主性、自立性を高めるとしながら、それを保障する税財源の確保が明確にされていないからです。三位一体改革は、国庫補助負担金、交付税が約十兆円削減される一方で、税源移譲されたのは三兆円にとどまり、地方の税財政の確保どころか、地方財政の基盤を掘り崩すものでした。衆議院で地方税財源の充実確保を加える法案の修正が行われました。しかし、修正されても地方の税財源の確保の保障とはなり得ないものと考えます。
 最後に、福祉や教育、医療、介護、生活保護など国民がどこでも一定水準以上の公共サービスを受ける権利、ナショナルミニマムは国の責任によって保障されなければならないものであり、分権と称して市場原理を導入したり、行革の名で国民の権利を崩していくことは許されません。そのことを指摘して討論を終わります。
○委員長(山内俊夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方分権改革推進法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山内俊夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。
○那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました地方分権改革推進法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読します。
    地方分権改革推進法案に対する附帯決議(案)
  地方公共団体の自主性・自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図るため、政府は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。
 一、今回の地方分権改革が国と地方の関係の基本にわたる見直しを行うものであることを踏まえ、地方公共団体が自らの判断と責任において行政を運営することができるよう、国と地方の役割を新たに見直す場合には、地方への税源移譲等役割分担に応じた税財政上の措置を講ずること。
 二、地方分権改革推進委員会における調査審議の充実が極めて重要であることにかんがみ、委員の人選に当たっては、地方公共団体の意見が十分反映するよう特に配慮するとともに、同委員会の権限が地方分権改革に関係するあらゆる事項に及ぶとの前提の下に、同委員会の要請に応じ最大限の協力を行うよう、適切な事務局体制を構築する等、万全の措置を講ずること。
 三、地方分権改革を集中的かつ一体的に推進するためには、地方公共団体との密接な連携と関係府省の誠意ある対応を確保し、国民の関心と理解を得ることが必要不可欠であることにかんがみ、地方分権改革推進委員会の調査審議の基本方針を可能な限り早期に示すことを同委員会に対して要請すること。
 四、地方分権改革推進計画の作成に当たっては、地方公共団体の意見を幅広く、誠実に聴取するよう、常設の場を設ける等、最大限の配慮を払うとともに、地方分権改革推進委員会の勧告を尊重してその実現を図ること。
 五、本法に基づき地方分権改革推進計画が実施に移されるまでの間においても、地方分権改革のための措置を検討中であることを理由として、地方分権に向けた動きを停滞させることのないようにすること。また、この間において、地方に関係する制度の改正を行う場合には、本法に基づく地方分権改革と整合性がとれたものとなるよう、特段の配慮を払うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(山内俊夫君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山内俊夫君) 多数と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅総務大臣。
○国務大臣(菅義偉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと思います。
○委員長(山内俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山内俊夫君) 御異議ない認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会