第165回国会 予算委員会 第1号
平成十八年十月十一日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         小野 清子君
    理 事         市川 一朗君
    理 事         木村  仁君
    理 事         鶴保 庸介君
    理 事         藤井 基之君
    理 事         小林 正夫君
    理 事         辻  泰弘君
    理 事         平野 達男君
                秋元  司君
                浅野 勝人君
                岩井 國臣君
                岩永 浩美君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                岡田 直樹君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                関口 昌一君
                田村耕太郎君
                伊達 忠一君
                谷川 秀善君
                段本 幸男君
                常田 享詳君
                南野知惠子君
                山本 一太君
                浅尾慶一郎君
                犬塚 直史君
                小川 敏夫君
                喜納 昌吉君
                黒岩 宇洋君
                櫻井  充君
                下田 敦子君
                主濱  了君
                内藤 正光君
                前田 武志君
                山根 隆治君
                蓮   舫君
                若林 秀樹君
                加藤 修一君
                澤  雄二君
                山口那津男君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                福島みずほ君
    ─────────────
   委員長の異動
 九月二十八日小野清子君委員長辞任につき、そ
 の補欠として尾辻秀久君を議院において委員長
 に選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 九月二十六日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     中川 雅治君
 九月二十七日
    辞任         補欠選任
     市川 一朗君     脇  雅史君
     岩永 浩美君     武見 敬三君
     岸  宏一君     国井 正幸君
     中川 雅治君     岡田 直樹君
     犬塚 直史君     広田  一君
     小川 敏夫君     広野ただし君
     黒岩 宇洋君     前川 清成君
     櫻井  充君     福山 哲郎君
     辻  泰弘君     芝  博一君
     内藤 正光君     池口 修次君
     平野 達男君     佐藤 雄平君
     前田 武志君     峰崎 直樹君
     山根 隆治君     白  眞勲君
     若林 秀樹君     島田智哉子君
     加藤 修一君     木庭健太郎君
     山口那津男君     遠山 清彦君
     渡辺 孝男君     鰐淵 洋子君
 九月二十八日
    辞任         補欠選任
     小野 清子君     尾辻 秀久君
     鶴保 庸介君     岡田  広君
 十月四日
    辞任         補欠選任
     秋元  司君     吉村剛太郎君
     浅野 勝人君     金田 勝年君
     岩井 國臣君     坂本由紀子君
     岡田 直樹君     松村 祥史君
     岡田  広君     岩城 光英君
     木村  仁君     中島 啓雄君
     国井 正幸君     太田 豊秋君
     関口 昌一君     松村 龍二君
     田村耕太郎君     三浦 一水君
     伊達 忠一君     小野 清子君
     武見 敬三君     加納 時男君
     谷川 秀善君     山下 英利君
     段本 幸男君     中川 義雄君
     藤井 基之君     愛知 治郎君
     脇  雅史君     中川 雅治君
 十月十日
    辞任         補欠選任
     小野 清子君     舛添 要一君
     島田智哉子君     柳田  稔君
     主濱  了君     森 ゆうこ君
     前川 清成君     西岡 武夫君
     木庭健太郎君     高野 博師君
     紙  智子君     井上 哲士君
 十月十一日
    辞任         補欠選任
     森 ゆうこ君     主濱  了君
     柳田  稔君     島田智哉子君
     井上 哲士君     仁比 聡平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         尾辻 秀久君
    理 事
                愛知 治郎君
                金田 勝年君
                坂本由紀子君
                中島 啓雄君
                吉村剛太郎君
                小林 正夫君
                佐藤 雄平君
                芝  博一君
                澤  雄二君
    委 員
                岩城 光英君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                太田 豊秋君
                加納 時男君
                佐藤 昭郎君
                常田 享詳君
                中川 雅治君
                中川 義雄君
                南野知惠子君
                舛添 要一君
                松村 祥史君
                松村 龍二君
                三浦 一水君
                山下 英利君
                山本 一太君
                浅尾慶一郎君
                池口 修次君
                喜納 昌吉君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                主濱  了君
                西岡 武夫君
                白  眞勲君
                広田  一君
                広野ただし君
                福山 哲郎君
                峰崎 直樹君
                森 ゆうこ君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                高野 博師君
                遠山 清彦君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
                大門実紀史君
                仁比 聡平君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       総務大臣     菅  義偉君
       法務大臣     長勢 甚遠君
       外務大臣     麻生 太郎君
       財務大臣     尾身 幸次君
       文部科学大臣   伊吹 文明君
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
       農林水産大臣   松岡 利勝君
       経済産業大臣   甘利  明君
       国土交通大臣   冬柴 鐵三君
       環境大臣     若林 正俊君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 塩崎 恭久君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        溝手 顕正君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、イ
       ノベーション、
       少子化・男女共
       同参画、食品安
       全))      高市 早苗君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    大田 弘子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      佐田玄一郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   副大臣
       内閣府副大臣   林  芳正君
       法務副大臣    水野 賢一君
       外務副大臣    浅野 勝人君
       財務副大臣    富田 茂之君
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
       農林水産副大臣  国井 正幸君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        谷本 龍哉君
       防衛庁長官政務
       官       北川イッセイ君
       法務大臣政務官  奥野 信亮君
       文部科学大臣政
       務官       小渕 優子君
       文部科学大臣政
       務官       水落 敏栄君
       厚生労働大臣政
       務官       菅原 一秀君
       農林水産大臣政
       務官       永岡 桂子君
       経済産業大臣政
       務官       松山 政司君
       国土交通大臣政
       務官       藤野 公孝君
       環境大臣政務官  北川 知克君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  宮崎 礼壹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       防衛施設庁長官  北原 巖男君
       気象庁長官    平木  哲君
       海上保安庁長官  石川 裕己君
   参考人
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 去る九月二十八日の本会議におきまして、皆様方の御推挙により予算委員長の重責を担うことになりました尾辻秀久でございます。
 当委員会の運営につきましては、公正中立を旨といたしまして円滑に進めてまいりたいと存じます。
 何とぞ、皆様方の御指導、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が八名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に吉村剛太郎君、金田勝年君、中島啓雄君、愛知治郎君、坂本由紀子君、佐藤雄平君、芝博一君及び澤雄二君を指名いたします。
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ日本銀行総裁福井俊彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、外交等に関する集中審議を行います。
 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 これより質疑を行います。舛添要一君。
○舛添要一君 皆さん、おはようございます。
 このたび参議院自由民主党政策審議会長に就任いたしました舛添要一でございます。今日は、参議院自由民主党を代表いたしまして、特に外交について政府に質問いたしたいと思います。
 まず、先ほど北朝鮮が二回目の核実験を行ったと情報が入りました。まず、この情報について、今の段階で政府はどういうふうに把握しているか、安倍総理大臣、お願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 報道は承知をいたしております。現在情報収集中、また調査中でございますが、現在のところそういう兆候があったということ、いう情報には接しておりません。
○舛添要一君 麻生外務大臣、何か補足はございますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今日中に第二回目の核実験を行うであろうという情報に接してはおりますけれども、それを確認できたかといえば、確たる裏が取れているわけではありませんし、その証拠になるような地震波が特に出たというような情報も持っておりません。
○舛添要一君 冬柴国土交通大臣、今地震波の話が出ましたが、気象庁の方で何か捕捉していることはございますか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) そのような情報に接して検索をいたしておりますが、感知をいたしておりません。
○舛添要一君 政府にお願いいたしますが、この予算委員会の審議中に新しい情報が入りましたら、特に気象庁含めて、直ちに御報告願いたいと思いますが、よろしゅうございますか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。
○舛添要一君 それでは、この北朝鮮の核実験絡みの問題は後ほど詳細に御質問させていただきたいと思いますが、その前に、安倍総理、日中、日韓首脳会議、大変御苦労さまでございました。私は、みんなが非常にこの時期に行かれるということを驚いたと思いますし、大変な外交的な成果だったと思いますが、この二つの首脳会談について今どういうふうに総括するか、そしてまた今後の展望ということについてお話し願いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、日本にとりまして重要な隣国である中国、そして韓国の各首脳と率直な話合いをし、そして信頼関係を構築をし、未来志向の関係を構築をしていきたい、その思いで、八日中国、そして九日韓国を訪問をしたところでございます。
 中国につきましては、胡錦濤主席、呉邦国全人代委員長、そしてまた温家宝総理とそれぞれ会談を行いました。この両国関係において、先ほど申し上げましたように、首脳同士が胸襟を開いて率直に話をする関係を構築をし、信頼関係を積み重ねていくことによって、日中関係を次なる高みに導いていくべきであるという点において日中は一致をしたところでございます。
 今後、APECの会合あるいはASEANプラス3の会合が予定されておりますが、そういうマルチの会合の場においてもそれぞれ首脳会談を行っていくということにおいて一致を見たわけでございます。
 そしてまた、政治、経済、この両面において、車の両輪として力強く作動させていくことによってお互い共通の戦略的利益に立脚した互恵関係を構築をしていく、いわゆる友好関係から戦略的互恵関係へと高めていくということでも一致をしたわけでございまして、あらゆるレベルにおいての交流を進めていくべきであると、その認識に至ったところでございます。
 また、九日の韓国におきましては、韓明淑総理、そして盧武鉉大統領との会談、また晩さん会を通じまして、それぞれの首脳と率直に話をいたしました。その結果、両国は自由と民主主義、そして基本的な人権、法律の支配という価値を共有する二国間関係であり、その二国間関係の下にパートナーシップを強化をしていこうと。やはりもう今既に、今の段階でも様々なレベルでの交流が盛んであるわけでありますが、政治の分野においても更に交流を深めていくべくお互いに努力をしていこうということで一致を見たわけでございます。
 そして、この訪韓をする直前に北朝鮮の核実験が行われたという発表があったところでございまして、韓国側とこの北朝鮮の核実験に対して日韓両国での意思を表明することもできたのではないかと、こう思っております。
○舛添要一君 本当にこの二つの首脳会談、五年間相互訪問ができていない中国との間で、大変な成果だったと思いますが、日韓首脳会談において北朝鮮の核実験という大変な事態、これ、日韓が結束しないといけない事態が起こりながらも、なお韓国側は日本側の歴史認識について厳しく追及したと、それは四十分にも及んだというような報道もございますが、この点はそのとおりでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 盧武鉉大統領との会談は、会談は二時間でございまして、その後の晩さん会は一時間でございました。その間、いろいろな問題について率直に話をいたしました。EEZの問題についてもお話をいたしました。そして、もちろんこの北朝鮮の核問題、また拉致問題、ミサイル問題、北朝鮮をめぐる問題についても相当の時間を掛けて議論をしたところでございます。と同時に、いわゆる歴史問題についても韓国側からお話があり、私の方から私の考え、思いをお答えをさせていただいたところでございます。
 こういう問題についてももちろん突っ込んだやり取りをしたところでございますが、しかし、今回は中心的な議題は北朝鮮のこの核問題でありまして、四点にわたる合意事項に至ったことは、私はこの時期に時宜を得たお互いのこの会談であり、また認識を発表することができたことは成果ではなかったかと思っております。
○舛添要一君 そこで、靖国問題でございますけれども、私自身は、日韓関係も日中関係も非常に重要な二国関係でありますから、靖国問題を脱争点化する、非争点化する、ないしは争点のレベルをずっと下げる、こういうことで両国がこの大事な関係を前に進めると、経済見ても政治見てもですね。正に、正に北朝鮮のああいう暴挙が起こったわけですから、それを実証したと思いますが、総理は、そういう脱争点化、非争点化、そういうことのための、戦略的にそれをお考えになってここに到達したのか。
 そして、それに対して、我々から見ると、靖国行かないと言わないと来るなと、そういう厳しい態度を取っていたのに、手のひら変えたように中国も韓国も変わった。まあ変えさせたというのはこちらの外交的な成果だと思いますが、この辺りのいきさつ、いや、安倍さんはもうとにかくあいまいにして逃げたんだという批判がありますが、脱争点化かという、非争点化という観点から見ると、これは一つの戦略として位置付けることは可能だったと思いますから、まあその点、公にできる限りにおいてお答え願いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小泉政権当時から首脳会談については日本側は扉を開いていたわけでございますし、一つの問題についてすべての問題にふたをしてしまうのはおかしいのではないか、このように申し上げてきました。
 確かに、言わばこの両国関係の入口にその問題を置いて、この問題を処理をしなければそもそもその入口に入っていくことができない、二国間の対話ができないというのは、これはおかしいわけでございます。国が違えば当然認識が違う場合もありますし、国益がお互いぶつかる場合もあるわけでありますが、そういう問題があるからこそ、会ってお互いに率直に話合いをしていくことによってお互いの違いは違いとして認めることもございますし、誤解を解くこともできる、あるいは共通の考えに至る場合もあると、こう思います。
 そういう意味におきましては、今回、まずは会ってお互いに話をして、そして信頼関係をつくっていきましょうと。その中で更にまた新たな道が開けてくるのではないかということになったのではないかと思います。
 今回ももちろん、日韓間で歴史問題についても時間を割いて話があったわけでありますが、しかし、会って話をするということは、これは決して悪いことではないわけでありまして、そこで私の考え方を述べさせていただきました。私としては、韓国の国民の感情、思いというものは重く受け止めながら、今後、相互が相互理解を進めていくことによってこうしたいわゆる歴史問題、政治的な困難を克服していく、そして未来志向の関係を築いていきましょうというお話をしたところでございます。
 言わば、日々にいろいろな新たな問題が起こってくるわけでございますし、特にこの北東アジア地域は北朝鮮の問題が存在します。こうした北東アジアの地域の問題について、日中、日韓がそれぞれ協力をすることによってこの地域はより平和で安全になっていくという認識もお互いに持たなければならないと、またそうするべきだということで認識が一致したと思っております。
○舛添要一君 安倍総理の御郷里の下関、それから麻生外務大臣の御郷里の飯塚、私も北九州市の八幡、同じ地域でありまして、この地域は朝鮮半島からの方々、戦前からたくさんいらしていて、下関で降りて関門海峡を渡って八幡製鉄所に働く、こういうことを我々ずっと見てきています。非常に私たちの地域は歴史の重みがございます。
 是非、苦節をともにした間柄でありますんで、未来を語るときに、率直に我々は反省すべきことは反省して、この歴史の重み、それは安倍総理の御尊父の安倍晋太郎元外務大臣もよく私にそういうお話をなさっていましたんで、是非ともそういう歴史の重みを持って今後とも隣国と付き合っていただきたいと思いますが、一言、その点いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま舛添先生から御指摘があったことについても盧武鉉大統領に申し上げました。
 私の地元は下関でありますと、私の地元に朝鮮通信使の方々は初めて上陸をし、そしてその碑がありますと、この朝鮮通信使によって多くの文化や技術が日本にもたらされたことは十分に承知をしていますと。そしてまた、多くの在日の方々が住んでおられ、例えば、チングという言葉は、私の地元では友人のことをチングと、このように言うわけでありまして、最近「チング」という映画が上映されるまではチングというのは日本語だとみんな思っていたわけでございまして、そのように同じ言葉がこの地域の方言として残っているのも事実でありますし、また、下関におきましては交通標識等ハングルも使われているわけでございますし、釜山フェスティバルも大変盛んに行われている、こういうお話もしたわけでございます。
 このように、今お互いに文化が交流し、長い歴史の中で今日があると。そして、その長い歴史の中で不幸な一時期があったことを我々は謙虚に省みながら、今日の日本をつくってきたということを申し上げたわけであります。そして、今や日韓においては四百万人を超える方々が一年間に交流をしています、四百二十万人ですか。
 ですから、このような切っても切れない関係になっているし、文化の交流も目覚ましい状況になっている中で、この基盤をしっかりと生かして、将来、日韓は共通の価値を持っているわけでありますから、正に戦略的なパートナーとして地域や社会のために、世界のためにこの両国関係を生かしていくことができるのではないかと考えております。
○舛添要一君 麻生外務大臣にも、今の同じ点についてコメントを願います。
○国務大臣(麻生太郎君) 同じように、地理的に昔朝鮮半島から下ってきて、何でしたっけ、久間先生のところの方も対馬渡って長崎の方を、佐賀の肥前の街道を抜けて下関に渡っていくときに私らのところは長崎街道で通りますんで、いろんな意味で、通信使含め、いろいろな長い歴史があります。
 したがって、今、舛添先生御指摘がありましたように、いろいろな意味で近いというか、周りに結構一杯おられますんで、そういうのはかなり融合しているところじゃないかなと、私らの感じはそういう感じがしておりますんで、ちょっと下関、そんな詳しいわけじゃありませんけれども、私らのところ、先生のところの八幡、若松、皆、元々地付きの人より後から来た人の方が多い、いや、若松は違いますけど、八幡の方は特にそうなっておりますから、融合がかなり楽だったと思いますし、八幡の場合は特に製鉄所ができるまではあそこは遠賀郡上津役村字八幡ですから、そういった意味ではかなり外から来た人の方が多いところでありますんで、その中にうまく融合していっているという現状があるように、私どもとしてもそう思っておりますんで、ほかの地域よりはうまくいっているところじゃないかなと私自身はそう思っております。
○舛添要一君 是非みんなで力を合わして韓国、そして中国との関係を良くしたいという、それが実は昨日来起こっていますこういう事態、北朝鮮の暴挙に対する大きな力となると思います。
 そこで、その北朝鮮のほぼ核実験だと思いますが、この点について政府に質問をいたしますけど、私の認識は、北東アジアの安全保障環境はこれで大きく変わったと、完全に局面が転回したよと。したがって、政府としては、対応としては、完全に危機管理対応、これが必要だと思いますんで。もうどの国民とお話をしても、不安だと、先生、何とかしてくれないかと、いつ核ミサイル飛んでくるんだと。どの世論調査を見ても圧倒的多数が非常に不安を感じている。
 今日はNHKの中継もやっておりますから、安倍政権、しっかりこの国民の不安を除去して、どんなことがあっても日本国民の生命と財産を守り抜くと、こういう固い決意で、国民の前に具体的に対応をこうするんだと、心配するなと、これをおっしゃっていただきたいと思いますが。
 まず第一点、大きく局面が変わったと、こう私は認識しておりますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もし北朝鮮が実際に核実験を行ったとすれば、それはこの北東アジア地域の安全保障の環境を大きく変えることになると思います。新たな核の、危険な核の時代に入ったと言ってもよろしいのではないかと思います。
 この核の開発とともに、先般、北朝鮮はミサイルの発射を行いました。ミサイル技術の向上、そして射程を延長させている中にあって、日本はその射程の中に入っている。つまり、彼らは日本への運搬手段を確保し、更にその射程を延長させようとはしているということであります。
 御承知のように、先軍政治の国であり、世界から孤立もしている状況であります。そしてまた、この技術等々が世界に拡散をしていくという、そういう局面も出てくる危険性にも直面をしているわけでありまして、我々としては断固としてこの北朝鮮の試みを許さないという姿勢が必要であり、国際社会においてもその思いを共有することが大切であります。そのためにも、国連において厳しい措置を含む決議を何とか成立をさせたいと、そのための今努力をしているところでございます。
 それと同時に、拡散体制を防ぐため、もちろんNPT体制に北朝鮮が完全に復帰をする、また六者会合に復帰をすべく努力もしていくわけでございますが、と同時に、日米のこの安保体制は、先般もブッシュ大統領とは電話で会談をいたしましたが、この日米の安全保障条約による、安保体制による抑止は揺るぎないものであるということは確認をしたわけでございます。更にこの日米同盟関係の機能を向上させていくように努力をしていく必要があります。
 また、ミサイル防衛についても、この配備についても更に努力をしていきたいと、このように考えております。
○舛添要一君 北朝鮮が核実験をやるという意思を表明して一週間以内に実際にやった。私自身はもっと遅いかなと思っていました。というのは、やっぱり日中、日韓首脳会談を見て、その結果を踏まえて、そして十一月七日にアメリカの中間選挙ありますから、この間かなと見ていたんですが、あの日にやったということはなぜなんだろうかと考えているんですが、総理はこの時期を北朝鮮が選んだのはなぜかということのお考えはございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮の意図はなかなか難しいところがございまして、むしろ国際政治学者の舛添先生のお話を伺いたいところでございますが、なかなかこの意図、今までもいわゆる瀬戸際外交を展開をしながら、国際社会の関心を買う中で彼らが外交的な成果を上げようと、そういう外交を展開をしてきたのも事実でございます。近年は六者会合への出席を拒否をする、そしてまたミサイルを試射をするという挑発的な行動を取り、国際社会から厳しい対応を取られているところでございます。
 今回のこの実験がどういうものであったのか、どういう意図があったのかどうか、そこはなかなか断定するのは難しいところでございますが、いずれにいたしましても、北朝鮮がこのように国際社会の懸念にこたえない、こたえないどころか国際社会の平和と安定に対して脅威を与える挑戦的な行動を取るんであれば、今よりももっと北朝鮮の置かれている立場は厳しくなっていくということを国際社会は態度で、行動で示さなければならないと、このように考えております。
○舛添要一君 そこで、この日本政府の準備態勢、担当大臣にお伺いいたしますが、北朝鮮は自ら核実験やるよと言った、まあ言わなくてもこっちはそういう兆候があれば準備しておかないといけないんですけれども、まず外務大臣、情報収集体制含めてこの間どういう準備をやってこられたか、お答え願います。
○国務大臣(麻生太郎君) 北朝鮮の核実験が起こり得るという話は、いろいろうわさはかなり前からあっておりました。したがいまして、これが実際に行われたときにおいては内閣としてどのような態度を取るかという一応のシミュレーションが一つ。それから、前回、ミサイルのときに一応の訓練かな、が一応なされておりますので、そのときにどのようなところがうまくいかなかったか、どこの点がうまくいったか等々の学習は一応やっておりますので、そこのところは今回はそれなりにうまくいったと思っております。
 準備も、こうなった場合は更にこのレベルを上げていくという話もそれなりの準備ができておりましたので、これが実際に核実験であるというものが確認されてみたり、また、たしか今日、オーストラリアは確認をまだできていないけれども実験をやったと声明したこと自体が脅威ということで対応すると決めておりますので、そういった形で情報収集はいろいろやっております。
 それから、これは国連、もう一つは六か国協議というのがありますので、これが私どもでは十二時、六日の十二時三十分でしたか、ぐらいに五か国、五か国というのは北朝鮮を除きます韓国、中国、ロシア、アメリカ、日本、この五か国で電話会談を既に行っております。それを終わった後、アメリカとだけ個別に二回、イギリス一回、それぞれの国と個別の対応をずっとしてきておりますので、向こうの形がどのような形であれ、日本としては、これは今議長国にたまたまありますので、国連安全保障理事会の中において七章を、国連憲章の七章四十一条を含みますあの分を含めて対応するという形でアメリカ、イギリス等々と電話で根回しをしたり、いろいろ態度を、段取りはかなりスムーズに進んだと思っております。
 ただ、今回はミサイルのときと違って核となりますと、この核の技術、また製造技術が拡散することなり密輸出されるとかいう形の拡散をすることの方が、いわゆるテロリストに売られる等々の方がもっと危険を伴いますので、そういった面も含めてこれは非常に真剣にやらないかぬ。ミサイルという、ノドンという運搬手段はもう間違いなく持ったと思っておかねばなりませんから、その先に付ける核弾頭の大きさ等々が今問題なんで、そこの技術が拡散する、若しくはそういったものに必要ないわゆる備品、いわゆる機械というものが日本から逆に輸出されるとかいうようなことになるのを最も注意しておかねばならぬところだと思っております。
○舛添要一君 防衛庁長官にお伺いいたしますが、防衛庁はどういう準備態勢を取っていたのか、それが第一点。
 第二点は、核実験と思われる兆候があったときに長官は大阪におられたと、帰ってくる時間が非常に遅れたと、どういう連絡体制なんだということが批判されていますが、その事態に、どういう事態であったのかということを説明願って、その批判が当たらないなら当たらないということを、しかしやっぱり三つの自衛隊、現実に動かすのは長官ですから、東京で指示をするのが遅れるということであっては、そういうことでもしあればですよ、大変困りますので、これはやっぱり国民が不安を抱くもとになりますので、しっかりと説明していただきたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 日ごろから防衛庁としましては警戒監視態勢をやっておりますけれども、それを強化して、特に情報の収集には、各部隊はもちろんでございますけれども、米軍との情報交換を密にしながら抜かりないように情報の収集に努めてきたところであります。
 そういうことで、防衛庁としては、いざというときにどういうふうにするかということで、私が例えば東京から出張する場合には官邸に報告するということにして、代理を置くことにしております。そして、代理には金曜日の日に北川政務官を指定しておりました。そして、土、日というふうに、私は東京にそのときはおりました。しかしながら、党務で九日の日は大阪に出張することになっておりましたので、もちろん報告をしながら、そういう話は、具体的なことを言ってよければいいですけれども、それはちょっと遠慮させてもらいます、お互いにとってプラスマイナスありますから。
 そういうことで、私は十時三十分ごろ宿舎を出まして、十一時半の飛行機に乗ったわけであります。そのときに、飛行機に乗りましてから大阪空港まで着く間、一時間が空白がございまして、私は最初の予定では、十一時半の飛行機に乗って、そして向こうを四時半の飛行機に乗って帰ってきて、五時半に東京に、羽田に着くことになっておりました。まあ、言うなればその間が出張しているわけでございます。
 そこで、飛行機に乗りましたのが十一時半でございましたが、内閣官房の方から防衛庁の方に連絡がございましたのが十一時半過ぎておりまして、四十分に実は報告があったわけであります。そして、私は飛行機に乗っているわけでございまして、これが自衛隊機ならともかくとして、党務でございますから、民間機で行っているわけでございますから、民間機に乗っている間は一時間の空白があるわけであります。そして、十二時半に向こうに着きましたらすぐ引き返せるように航空機の手配をしておりまして、十二時半に着いて一時の飛行機で帰ってきたという、そういう状況でございまして、結局大阪の方での党からの出張命令でございましたけれども、党務の方はこなすことができなかったと。(発言する者あり)それは言っていいんですか。それは、おたくらのためにもそれは言わない方がいいと思うんですよ。私が何のために行ったかということになりますと、それによってプラスの人もおられるわけですから、こういう席でそういうことを言わない方がいいと思って、私は衆議院の答弁でも政務で行ったということを報告したわけでございます。
 以上でございます。
○舛添要一君 総理、総理も必ずしもいつも政府専用機で行くわけではありませんし、長官おっしゃったように自衛隊機で行くわけではありません。だけど、今、東京羽田―大阪伊丹間というのは五十分ぐらいで済むんですが、仮に、東京から沖縄まで飛んでいるときは三時間ありますね。そのときに緊急事態が起こって、総理の御決断を仰がないといけないというような状況になったときはやっぱり、これはパイロットに無線ということもできると思いますが、これ是非、冬柴大臣、国土交通省所管ですから、研究していただいて、皆さん方が、私は先ほど総理に申し上げたように、危機管理の体制に入っているんですよ。そのときに飛行機に乗っていたから駄目だということはできませんので、これ大臣、やればできると思いますけれども、まず安倍総理にそういうことを検討していただきたいということを申し上げて、それのお答えと、後ほど国土交通大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が政府専用機を使う場合は、政府専用機内には最先端の機器が装備されておりまして、すべての情報を私は把握できるような、またこちらから発信できるような体制になっております。しかし、御指摘のように、民間航空機を使うときの連絡体制がどうかということについては、今の委員の御指摘も踏まえて、総理の場合は、当然、民間航空機を使う場合においては、これは機長経由で緊急のときには連絡が行くと、そういう体制も既に整っているというふうに私は思いますが、またこれは他の閣僚においてもそういう事態において常にこういう二十四時間体制のときには入ると、体制についてもう一度よく見てみたいと、このように思っております。
○舛添要一君 冬柴大臣、今の総理の御指摘を受けまして、是非、大臣、この件解決していただきたい。やっぱり、アメリカの国防長官が飛行機に乗っていて指示できなかったというのはあり得ないと思うんですね。ですから、それは政府がやればできることでありますから、冬柴大臣、お答え願います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 航空事業者とよく検討いたしまして、今、舛添委員から御指摘の点について前向きに解決をしたいというふうに思っております。
○舛添要一君 冬柴大臣、気象庁長官今日は来ていますかね、気象庁についてお伺いしたいんですが、七時半前後に第二回の核実験が行われたということですが、今もう時間九時半で、二時間たっています。地震波の分析はまだできないのか。それから、地震波を取ることはできるけれども、これが人工波であるのか本当の地震であるのか、その分析する能力はないということを国土交通省の役人は私に言いましたけれども、それなら問題なんで、波は取ったけどおれらは分かんないということでいいんですか。
 それから、防衛庁長官にもお伺いしますが、今練習機で空気中のちりを取っていますね。すぐ分析しろと言ったら、それは駄目だと。たしか、文部科学省の管轄下の財団に持っていかないと分析できない。
 総理、これが今の政府の現状なんですよ。役所ごと全部違う。防衛庁が取ってきたちりは文科省に持っていかないと分かんない。だから、気象庁どうするんですか、波見て東大の先生に聞きに行くんですか。ちょっと、そういうことを是非、この危機管理というのはそれなんで、これは取ったらすぐ分析するというようなことを含めてやっていただかないと。国民の不安を今日取り除いていただきたいんですよ。
 まず気象庁の件、それから防衛庁の件、それで総理、一言あれば。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 二つ、九日の日のことをまず申し上げます。
 十時四十分ごろ、外務省より官邸に第一報が入って、気象庁が通常の波形とは異なる地震波を観測をしたと、そういうことでございまして、それはもう東大へ持っていかなくても分かるわけです。
 それで、そのときの発生の時刻は十月九日十時三十五分ごろということは、長野市の松代というところの周辺にある観測機で約、距離から推定しまして二分到達で、三十七分ごろ観測しております。それで二分を引きますと三十五分ごろに起こったんではないかということがまず時間です。
 それから、震源につきましては、北緯四十一度二分、東経百二十九度二分というところで起こった。これは北朝鮮北東部であるということが特定できました。規模はマグニチュード四・九相当というふうに、これは気象庁でそのように判断をしたわけであります。
 ただ、その波形が通常の波形とは異なるということで、通常の波形というのはP波が先行しましてその後S波が来るわけですけれども、今回はP波というのが大きく反応しているんですが、S波というのが非常に微弱ということで、通常の場合はP波が小さくてS波が大きいということから比べますと、これが通常の波形とは異なる地震波であるという判断をいたしました。
 じゃ、それが核実験によるものなのかどうかと言われますと、それについての知見がありませんので、それについては、これで行われたという判断をするにはそこまではできないというのが現在でございます。
 それからもう一つ、先ほど冒頭聞かれました今日の問題でございます。
 本日の午前五時から八時三十分までのこの観測点で詳細に調べましたけれども、波形は確認がされておりません。地震波は確認はされていないということでございますので、今日は、その時間は、九日とは違って、今日十一日の五時から八時三十分までの間に地震あるいは地震波というものは観測はされていないと、こういうことでございます。
○舛添要一君 冬柴大臣、ちょっともう一遍再確認しますが、九日の日の核実験の場合に、核実験が行われたであろうその時刻から今のこれは波形が出ますね。で、ぱっと専門家が見れば、気象庁の人間だって分かるはずなんで、今おっしゃったように通常の地震と違うというその判定まで何時間何分掛かりました。
○委員長(尾辻秀久君) 冬柴国土交通大臣。
○舛添要一君 気象庁長官でも構いません。
○委員長(尾辻秀久君) ちょっと待ってください。
 指名を変えます。平木気象庁長官。
○政府参考人(平木哲君) お答えいたします。
 十月九日の地震でございますが、地震発生からその御連絡をいただきまして、判断をしたのは大体二時間ぐらい掛かったというふうに承知しております。
○舛添要一君 冬柴大臣、是非この時間を短縮していただきたい。つまり、これは実験ですけど、いろんな兆候があったときに二時間という時間は危機管理の時間としては長過ぎるので、そのことを是非お願いしたいと思います。
 先ほどの空気中のちりの分析について、防衛庁長官、お願いします。
○国務大臣(久間章生君) 空気中のちりを集めたときに、それに放射能が含まれているかどうか、これは分かるわけであります。
 ただ、それ以前の、自然界にもちりはありますから、それ以前の今まで集めた数値と違っているかどうかは、やはり同じような状態で取ってなきゃならないので、それで政府に置かれました放射能対策会議というのが中心になって、窓口は官邸でございますけれども、そして主導者は文科大臣でございますけれども、そこで各方面からのやつを集めながらそういうやつと比較をするという、それをセンターで行っているから、防衛庁が独自にはそれを判断していないということでございます。
 それから、先ほどの危機管理の話がございましたけれども、実は空白のときでも必ず代理を置いておるわけでございまして、出発前に防衛長官指示の案文もちゃんと作っておりますんで、その辺については抜かりないようにはしておるわけでございますから、誤解のないようにひとつ皆さんにもおっていただきたいと思います。
○舛添要一君 総理、是非、担当の省庁違うからということで、それは現実はそうかもしれないけれども、それで時間ロスあるというのは危機管理できないんですね。是非、安倍新政権では、安倍政権の下では危機管理の一元化ということをやっていただいて、私は本当は、冬柴大臣、驚いたんだけれども、核実験の波かどうかを判定しろと言ったんじゃないんですよ。P波があってS波がない。これを、そこまではできるんですかと言って、できるっておっしゃったでしょう。だから、そのために税金使って気象庁があるわけですから。
 そういう意味で、総理、省庁のセクショナリズムとか縦割り行政で国民の生命と財産が脅かされるような状況は、是非安倍政権の下では避けていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、こういう事態に対しては、日ごろから二十四時間体制で情報の、官邸を中心として情報の共有、伝達ができる体制を取っております。
 確かに各省庁別々ではありますが、基本的にその情報はすべて官邸で把握をし、そして指示ができる体制になっているわけでございます。ですから、今回においても事前に、こういう核実験をした際には、それぞれ危機管理室がございますが、そこに各省庁から情報を伝達するようにということはもう前もってそれは決めていたわけでございまして、そういう中におきましては、今回のこの放射能に関する会議についても直ちに立ち上げることができたと、このように思っています。
 そしてまた、たまたま私の外遊中ではありましたが、私の臨時代理は塩崎官房長官でございまして、私も塩崎代理にも指示をしておりますが、代理としてこの危機管理に当たっていたわけであります。また、先ほど久間大臣がおっしゃったように、久間大臣が東京を離れているときにはこの代理は指定されているわけであります。
 また、先ほど、民間機に乗っていたときの情報なんですが、委員の御指摘のように、もう一度よく検討をしてみますが、問題は、情報の種類によっては民間人を通じる場合は守秘義務と保秘の問題もありますので、その点も考慮しなければならないと考えております。
○舛添要一君 続いて菅総務大臣にお伺いいたしますが、核実験をやるよという声明を北朝鮮出して、そうすると、例えばその実験によって漏れた放射能が自分の地域に降り注ぐんじゃないかと、特に日本海側の方々含めて大変心配であるわけですね。
 それで、国民保護法制も成りました。これは総務大臣の下に各地域に指示を出して準備態勢を整えないといけないわけですが、今回どういう準備態勢を整えたか、そしてこれからどういうふうにするのか、総務省としての対応をお伺いいたします。
○国務大臣(菅義偉君) お答えをいたします。
 通常の体制でありますけれども、私どもは、二十四時間、三人が消防庁を中心にこれは待機をいたしておりますので、瞬時に対応、情報収集できる体制に実はなっています。
 それと、国民保護法の下に地方の公共団体は国民保護計画を今作成中であります。都道府県は十七年度に完成をします。しかし、市町村は本年度中ということであります。しかし、武力攻撃というのはいつあるか分からないわけでありますから、その計画が完成するまでの間は、自然災害等の避難体制がありますから、そうしたもので対応していきたいと。
 いずれにしろ、この避難等有事に備えて国と地方公共団体がしっかりと連携をして国民の保護に万全を尽くしていきたい、こう思っています。
○舛添要一君 総務大臣、そのときに、この総務省というか、政府、中央と地方との連携が緊急事態にうまくいかないといけないんですが、私は、ITというかその活用がまだ地方は非常に遅れている、地域格差が非常にあり過ぎる。だから、結局は政府から、中央政府からの指示じゃなくて、マスコミの情報の方が早いというような状況が特に田舎なんかで多いわけですね、地域において。
 是非これは、菅大臣はITに非常に強いと思いますので、是非そのIT活用を国民保護に使っていただきたいと思いますが、そういう御決意はおありですか。
○国務大臣(菅義偉君) ちなみに、今回の場合は、前回のミサイルの発射の際の反省を受けて、体制は、地方公共団体の連絡は素早く、そして緊密にしています。当然これから正にITを使って地方公共団体にも瞬時にできるように努めてまいりたい、こう思います。
○舛添要一君 続きまして、国際社会の連係プレー、対応についてお伺いいたしますが、まず、これだけ我々国際社会が警告をした、特に中国がですね、ある意味で北朝鮮の庇護者でもあるわけですけれども、厳しい警告をしたにもかかわらず、この北朝鮮の暴挙を止めることができなかった。
 どこに、それはもう、それは北朝鮮の指導者に聞かなきゃ分からない話かもしれないですけれども、国際社会として、アメリカ、中国、国連、ロシア、我が国含めて、韓国ですね、何か間違いがあったのか、なぜ我々はこれを阻止できなかったか。総理、どういうふうにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この北朝鮮に今の政策を変えさせるために、例えば国際社会において六者会合への無条件の復帰、あるいは昨年のこの共同声明をしっかりと実施をするようにということを我々主張してきたわけでありますし、また先般のミサイル発射に対しては全会一致の国連決議がなされたのであります。この国連決議にのっとって北朝鮮が正しい行動を取るように促してきたところでございますが、残念ながらまた少なくとも核実験を行ったと、こう言っているわけでございます。
 これは、私どもが政策を間違えたというよりも、北朝鮮がやはりむしろ国際社会の真の意図を見誤っているのではないかと、このように思います。今まで、韓国も太陽政策からいわゆる平和繁栄政策という政策を取ってまいりましたが、今般のこの事態を受けて、日韓でともに厳しい行動を取っていくということを決めたのであります。また、今までの平和繁栄政策をもう一度点検をするということにもなったわけでありまして、そこは北朝鮮にとってはある意味読み誤ったのではないか。また、中国も大変厳しい声明を出してきているということでございます。
 ここから、正に現在、国際社会が一致して北朝鮮に更に強いメッセージを出していくことが重要ではないかと思います。
○舛添要一君 本当に核実験に成功したということになれば、核不拡散、先ほど総理もおっしゃったように、この体制自体が揺るぐわけであります。
 そこで、まずアメリカの対応についてですが、インドとパキスタン、核実験をやった、これ今核保有国になってしまったわけですね。我々は一貫して核兵器を持つ国が増えることに反対してきた。それは広島、長崎の体験もあります。しかし、イランにしても北朝鮮にしてもシリアにしても、インドやパキスタンが持っていてなぜ我々が持って悪いんだと、そういうようなことを言うわけですね。これに対して、我々は一貫していますけれども、やはりアメリカのダブルスタンダードというものについてどこかで正さないといけない。それとともに、元々NPTというのは、既に持っている、五大国含めて持っているところはそのままで新たに増やさないというので、なぜアメリカは持っているのに自分のところは持っちゃいけないんだ、こういう、発展途上国は言ってくるわけです。
 だから、CTBTにしろ、今持っている大国も軍縮をやりなさいよと、それをやりながら増やしちゃ駄目ですよということなんですけれども、やはり必要があればアメリカにも苦言を呈するということが必要だろうと思いますし、私たちの態度は一貫していると思いますが、その点、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは正に委員のおっしゃるとおりでありまして、日本は被爆国として核の完全廃絶を理想として、目標として掲げているわけであります。その中でNPT体制をしっかりとまず守る、強化していく、さらにはCTBTを実効あらしめるものにしていく中において核の軍縮を更に進めていくべきであると、この主張は、日本は今までずっと不変の主張であり、今後ともそうであるということは申し上げておかなければならないと思います。
○舛添要一君 麻生外務大臣にお伺いいたしますが、イラン、シリア、こういう中東の国々の動向も気になります。特にイランについては、アザデガンの油田の問題と核開発の問題が関連していまして、我々のシェア、アザデガン一〇%に減らすと。私たちは、党も政府も今年新エネルギー戦略を打ち立てまして、尾身先生も中心になっておやりになりましたけれども、二〇三〇年までに自主開発油田比率を四〇%まで上げるということなんですけれども、イラン、既に輸入量の一五%イランから来ています。そのアザデガンに非常に我々は期待してた。それが一〇%に減ったと。
 そうすると、私は今アメリカのダブルスタンダードということを申し上げたんですけれども、我々にとっては北朝鮮に対応するときとイランに対応するときは微妙なニュアンスの差がそれは国益から考えて出ざるを得ないと思いますが、今回のこの北朝鮮の暴挙の影響として我々の対イラン政策、またそのイランの出方、こういうものを外務省としてはどういうふうに読んでいらっしゃるかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、イランの方には石油という地下資源がある、北朝鮮にはない。日本にとって片っ方は近い、片っ方は遠い。いろいろ地理的条件、資源の分布状況、差がある、それに伴っていろいろ対応も違ってくるという御指摘は正しいと思っております。
 イランのアザデガンにつきましては、これはもうかなり長い時間が経過をいたしておりますし、またイランの今の状況から考えますと、これはなかなか私どもとして、事が、こっちは今から核を持つぞ持つぞと言って長い時間掛けて確実にそのレベルを上げてきていると予想されます。そこと、今の段階で確実にやります、民間のレベルであってそれに政府の保証を付けますというような話になると、これは話としてはいかにもその金を核開発のために使われるということを考えねばなりませんので、我々としてはそこのところはちゅうちょせざるを得ない。核というものの方が与える影響は大きいと存じますので、エネルギーももちろん大事ではありますけれども、核の話になりますとこれまた全然別の次元で考えねばならぬところだと思っておりますので、今私どもとしては、それを嫌だって、向こうが七五を一〇にと落としてきているのは御存じのとおりです。しかし、それに合わせて私どもとしては全くゼロにする必要はないとは思いますけれども、ただ核開発を、こちらもいわゆるEUプラス3等々との関係から、向こうも圧力がどんどん上がっている最中に日本だけがというのは、これはなかなか、北朝鮮の核のときにはこっちも頼まないかぬ立場にいる我々としては、そこのところは対応としては物すごく難しいと思います。
○舛添要一君 総理、国連との絡み、それから六者協議についてお伺いいたしますけれども、私は、今回北朝鮮がこういう、本当にやったとすれば、その核実験の挙に出たということは、まあ六者協議にある意味で見切りを付けて、ずうっと昔からあの国は対話の相手はアメリカであるということで、しかもサダム・フセインの独裁体制がああいう形で倒されたと、サダム・フセインの二の舞にだけは自分はなりたくないと、そして金体制を守っていきたいと、自分の金ダイナスティーというか金王朝を守っていきたいというふうに考えていると思います。
 そうすると、次のアメリカの打つ手が二国間、つまり米朝の協議に踏み切るのか踏み切らないか、非常に難しい対応を迫られている。安易に踏み切れば脅しに乗ったことになる、しかしほっておけば六者協議がどうなるんだと思いますから、六者協議への復帰ということは表向き要求していかないといけないと思いますが、私は、本音のところで、北朝鮮はこれに見切りを付けて、核実験というカードを持ってアメリカとのじかの話合いという路線に踏み切るのかなと、そういう感じがしていますが、総理はその点どういうふうにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮が米朝の直接対話を要求しているということは、これはもう周知の事実であろうと思います。
 九三年、九四年については直接対話を行い、そして北朝鮮はあのKEDOの枠組みにおいて冷却炉二基というものを提供されるということになったわけでございます。しかし、その後、かなり早い時期からウランの濃縮計画を始めていたのではないかと。事実、そういうことについて北朝鮮側が述べていると、こう言われているわけでありまして、今日に至っている中において、六者会合は、北朝鮮に対して大きな影響力を持っている中国が議長国としてその影響力を行使をすることが期待をされている仕組みでもあります。
 米国が北朝鮮に対する不信感の中において、この言わば数か国、関連の数か国、日本を入れた数か国が入る中で北朝鮮に約束をさせると、そして約束を実行させることに対してそれぞれの国々がちゃんと約束を実行しなさいと、言わば後見人的な立場の責任も持つと、こういう仕組みでこの仕組みが機能することを期待をしてきたわけでありますし、また今後もこの六者会合に無条件で復帰するよう我々も求めていきたいし、またこの六者会合の場での言わば米朝の接触は、バイの接触はあったと、このように思います。
 この後どう対応していくかということでありますが、まずは安保理において決議を、厳しい措置を含む決議をまず、できれば満場一致で行うことが望ましいのではないかと思います。その上で、どちらにしろ平和的、外交的にこの問題は解決をしなければならないと考えております。
○舛添要一君 問題の解決が六か国協議の枠組みでやられる限りにおいては、これは制裁というような話ではなくて、地域の枠組みでやれるわけです。非常にそこはメリットがある。しかし、北朝鮮のああいう態度に対して、今総理おっしゃったように、安保理の場に持っていくと、当然制裁が頭に、制裁を頭に入れないといけなくなります。
 そこで、七章の制裁を含んだ形の安保理決議を実現させると、そういう方向で総理は指示を出しているのか、いかがですか、そこは。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 正に今この交渉中でございますので、明示的に七章でということを私が指示しているかどうかということについてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、日本は議長国という立場もあるわけでございまして、いずれにいたしましても、厳しい措置を含むこれは決議でなければならないと、そして、私は基本的には強制力を持つものであることがふさわしいと考えています。
○舛添要一君 麻生外務大臣、そういう態度で我々が臨んだときに、今総理おっしゃったように厳しい態度で臨んだときに、中国、ロシアはどういう対応を取るだろうというふうに外務省としては予想していますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今総理から御答弁がありましたように、七章の四十一条、御存じの条文ですけれども、あの七章の四十一条というのを我々若しくはアメリカも希望いたしております。イギリスもほぼ同じ線だと思いますが、前回のミサイルのときも、中ロに関しましてはこの七章が非常に問題になったところで、結果的には七章に至らなかったという経緯があります。したがって、全会一致というのが効果があるのか、拒否権を受けていることを覚悟で七章に突っ込むのかというのは、これから、今交渉の過程で、いろいろな結論がまだ見えてきている段階ではありません。
 ただ、我々としては、迅速かつ厳しい内容で対応していきたいという方向で事を進めてはおりますけれども、いわゆるP5と言われる常任理事国五か国の中で拒否権のある国の対応等々は見極めた上でやらないと実が取れない、名は取れても実が取れないということになるというのは避けたいと思っております。
○舛添要一君 その七章の四十一条、今外務大臣おっしゃったとおりですけれども、ちょっとこれは読んでみますと、一部分ですけれども、この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、通信、無線電信その他の運輸通信手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができるということでありますが、具体的な措置についてまずお伺いいたします。
 尾身財務大臣、今回の北朝鮮がこういう核実験という挙に出た背景にはアメリカの金融制裁が非常に、マカオですね、利いている。やはり制裁の一環として、これは菅大臣も入っておられた我が党の北朝鮮対応のシミュレーションチームが詳細にこのエスカレーションのラダーというか、それを作ってあります。そういう中で、どういう手をまず金融についてお取りになるのか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 七月の北朝鮮のミサイル発射に関連をいたしましてこの九月の十九日に閣議了解をいたしまして、特定の資金移動の防止、十五団体一法人についてのこの大量破壊兵器あるいはミサイルに係る資金の移転の防止の措置をとらせていただきました。さらに、金融機関に対する本人確認義務の徹底を要請をする、そしてまた外国送金に係る特別検査を実施する等の措置をとったところでございます。
 今回の北朝鮮の事態を踏まえまして、国際的な協調の下でこれらの措置の拡充強化、それからさらに追加的措置について現在検討中でございます。この内容につきましてはまだ申し上げられる段階にはございませんが、この核実験は断固容認できないという基本的なスタンスを持ちながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 その際に、国際社会とも十分に連携を取らなければいけないと考えておりまして、今朝もポールソン財務長官と意見交換、情報交換をいたしまして、これからも協調をしながら対応を進めていきたいと考えております。
○舛添要一君 今検討中ですし、制裁について、まあほかの省庁もそれで余り手の内を明かすのはどうかということもあるんですが、相手が明確に実験やるぞ、やった。今回の場合は、次やればこれですよということを明示するということが、今回の、ゲームという言葉は悪いですけど、外交交渉では必要だと思いますんで、ある程度はっきり、もう一回核実験やったら次はこれだよというのを示した方がいいというふうに私は思いますんで、そこは政府の御判断でしょうけれども、そのことを申し上げておきたいということと。
 もう一つ、例えば今度はATMで現金を送ろうとすると十万円以内になりますね。そういう決定なんですよ。ところが、我が国というのはやっぱり現金決済が多くて、非常に国民の皆さんはそれ不便になります。それ、アメリカや何かだともう二十ドル超えたらクレジットカードとか、私がいたヨーロッパなんかはもうパーソナルチェックでやる。それと違って、やっぱり現金決済多い国なんです。
 そのときに、何で十万円なんですかというときは、これマネロンの国際的な取締りの一環としてやることある。それはもちろん、おれおれ詐欺とかいろんな国内的な状況もあります。ただ、私は財務省の対応見ていて、こう決まったからこうやれということが多過ぎたんですよ。だから、私が今申し上げたのは、中小企業の社長連中は、えっ、十万円以上だったら証明しないといけないの、窓口行かないといけないの、しょっちゅう窓口で銀行員と会っているのに、身分証明書持って、これ非常に不便を強いられるわけです。
 だから、こういう機会に、北朝鮮のああいうことに対応するために国際的な連帯なんだということを大臣がちゃんと説明していただかないと、せっかく大臣財務省へ乗り込んでいかれたわけですから。私、非常に財務省の体質は、それは本当に官尊民卑というか、けしからぬと思いますよ。その点どうですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 私自身の実感といたしましては財務省もかなり変わってきていると思っておりますが、今の舛添委員のアドバイスもしっかりと承りながら対応してまいります。
○舛添要一君 総理、制裁の内容についてある程度私は明らかにして、これはゲームですから、ある意味で、誤解を避けて言うと、やった方がいいんじゃないかと思いますんで、是非、そうした方がいいかどうかの判断を役人任せにしないで我々政治家レベルでやりたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この制裁法案そのものにつきましても、そもそもそういう法案を作っても意味がないではないか、こんな議論があったわけであります。私は一貫して、まず国の意思を示すためにも制裁法案を作るべきであると、そして、それはそれなりの効果があるんではないかということを申し上げてきました。政権中枢に対する資金の流れを妨害すること、また止めることによって、これは政権中枢に打撃を与えることができる。そういう意味においては、正に米国がとったこれは法執行の措置の一環ではありますが、大きな成果があり、またあのときに舛添先生を始め多くの方々が決断をして議員立法として成立をさせたからこそ、先般のミサイル発射については、万景峰号を止めるということはもう全く、恐らくそれは恐らくできないだろうと言われたことをできたわけであります。あれは、あの措置は即日、我が国単独の措置として決定をいたしました。
 この後、日本にとりましては、先ほど申し上げましたように、核実験を実際にやったとすれば、日本への運搬手段を既に手に入れている中にあっては、日本にとっては、正に日本こそが最大の脅威を受けているという認識の中で、国連の場で厳しい措置を含む決議を行い、それに応じた、対応した措置も制裁も行われるでしょうけれども、日本単独の制裁についても、申し上げておりますように、総合的に判断をして行わなければならないと思っております。
 そこで、中身について既に今お示しをした方がいいだろうと、そういう今御指摘でございますが、取りあえずはもう既に今回やったことについての対応措置と、また、もし次なる実験ということに対してどうかということでございますが、かなりの、これは既に今回の、既に彼らが発表していることに対する措置としてはかなりの措置を行わなければならないと、このように考えています。
 北朝鮮側の受け止め方も、それは恐らく、まあ私の内閣で決めることですから、それはそれなりの措置になるということは考えているのではないかと思います。
○舛添要一君 今日、朝の再実験というのはまだ確認されていないということですけれども、もし本当だとすればやっぱりこれは核実験であって、恐らく一回目は若干失敗したと、二回目で更に進める、三回四回と行く可能性が十分あると思います。
 そういう事態を受けて、総理は、国連安保理の決議が出た後に我が国独自の制裁を決めるのか、国連安保理の決議とは時系列含めて関係なく決めるのか、そこはどうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国連安保理におきましては、そもそも北朝鮮が核実験をやったということを発表した、この発表したことは既に国際社会に対する挑戦であり、NPT体制に対する挑戦であるという中で国連決議について議論をすぐに始めているわけでありまして、厳しい内容を含んだ決議を行うべく我々も努力をしております。
 他方、我が国単独の制裁措置でございますが、これについては、できれば核実験を行ったということを確認して行いたいと、このように思っております。これは国際社会でというよりも、我が国が行うわけでありますから、それなりの裏付けも必要であると、こう考えておりますが、他方、なかなか、これはもう委員もよく御承知のように、実際に本当にそうだったのかどうか、何かの爆発はあったけれども、これは核実験がそうだったかどうかということを確定することが果たしてできるかどうか。しかし、例えば失敗したとしても、それは核実験を試みたわけでありますから、同じ罪の重さではないかというふうに私は考えておりますが、総合的に判断をしながら我が国独自のこれは措置をとらなければならないと考えております。
○舛添要一君 万景峰号の話が出ましたけれども、冬柴大臣、我々努力して、ポートステートコントロール、これも実行するようにしました。船舶の出入国禁止、万景峰号以外にも拡大する方向での制裁をお考えだと思いますが、この点いかがですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今総理から御答弁がありましたように、核実験を実施したということが総合的に判断されたならば、政府として今御指摘のようなことも当然射程に入れて考えていかなければならないと。万景峰号の場合は特定船舶としてその船舶を特定してその入港を禁止しているわけですけれども、法律的には、外国を特定してその船舶の入港を禁止することとか、あるいはその範囲を限ることとか、いろいろな方法があると思います。したがいまして、そういうものも含めて検討しなければならないのではないかと、こういうふうに思っております。
○舛添要一君 第七章、国連憲章第七章に含まれる経済制裁含み、及び軍事的措置を含む決定がなされたならば、当然国際社会としては、船舶検査、臨検ということを行う可能性があります。
 日本海において北朝鮮に向かう船の積荷のチェックをすると、点検をすると、そういうことでアメリカの海軍ないし他国の、国際社会の海軍がその船を止めて検査をやると。そのときに、久間防衛庁長官、海上自衛隊はどうするんですか。動くとすればどういう法律に基づいて動くのか、御説明願いたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 自衛隊の場合は法律に基づいて行動しなければなりませんから、周辺事態と認定された場合には船舶検査活動法は適用されますけれども、今の段階で周辺事態とはなかなか認定できないんじゃないかと思います。そうすると、それではやれない。海上の秩序維持のための海上警備行動が発令できるような状況で、そして総理の承認を得た場合はそれに基づいて行動することもできますけれども、そのような混乱が生じてない状態で海上警備行動が発動できるかどうか、これもなかなか難しい問題でございます。
 そうしますと、国連の一員として、国連が決議したときにどういう形で協力できるか。これについては、これはもう立法府としても政府としてもこれから先やはり検討していかなければならない課題じゃないかなと思います。国連決議がない場合には更にそこのところは非常に難しいわけでございますが、しかしながら、日米同盟のいろんなコミットメントを高めるというそういう中で、日本として協力できることはできるだけのことをしなきゃならないわけでございますから、そういうときにどういう法に基づいてどの程度のことができるか、これについてもいろいろ検討しておく必要があろうと思います。我々としても、それはこれから先検討いたします。
 ただ、言えますことは、いかなる法を使った場合でも、日本の場合は強制力を伴うことができないというそういう点が限界がございますので、そこは国民の皆様方にも分かっておっていただいて、その範囲内で米国とどういう行動を取っていくか、そこがやっぱり研究課題だと思っております。
○舛添要一君 我々は党としても国際協力基本法、これは自衛隊の海外活動、国際貢献に伴う法律を恒久的なものを作ろうと思って、もう案文もできております。今までは、イランで何か起こる、イラクで何か起こる、そういうときに一々アドホックに、個別的に対応してきた。
 だから、一つは総理、そういう恒久法の中にきちんと臨検についての項目を書くか、それとも、今回数日後に、臨検を含める制裁を行うという国連の決議があった場合には、緊急立法であれ、これはやっぱり法律の形を整えておかないといけないし、もちろんこちらから発砲することはありませんが、非常に危険な作業です。本当に臨検というのは危険な作業で、さらに、それもう一歩行くと、ケネディのキューバ危機のようなことにもなりかねない。これは現場の自衛官は非常に気の毒なことになると思いますので、総理、是非これ、我が党としても早急に国防部会、外交部会を通じて、我が参議院も含めて検討したいと思いますが、この点、総理、どのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の場合は、テロ特措法あるいはイラク特措法、そういう形でそれぞれ個別の事態に対して法律を作ってきたわけでありますが、機動性においては、言わば一般法的なようなものを作った方がいいという議論があり、与党で、党で議論されているというふうに承知をしております。こうした事態も念頭に置きながら、更に与党で議論を深めていただきたいと、このように思います。
○舛添要一君 その点で防衛庁長官ね、例えばある船を、まあアメリカの海軍でもいい、どの国の海軍でもいい、国際社会の代表として臨検をやると。日本海でやりますから、舞鶴でもどこでも、我が国の海上自衛隊の基地が非常に近い。だから、後方支援であれ、そばにいてお手伝いをしていると。そのときに、臨検をやっているアメリカの海軍に向かってその船から発砲が始まったと。そのときに、そばにいて、いや、うちは憲法上禁じられているから何もしないということで済みますかね。それは集団的、ですから総理ね、やっぱりこれは是非この安倍政権の下で憲法改正含めて、そういう事態が今からあり得るわけですよ。あえて我々は戦争する気は全くありません。しかし、国際社会の一員として国連決議に基づいてやるときに、日本だけで、目の前で友人の国が国際社会の仕事をやって発砲されているのに、何にもできない、ただ水運ぶだけだと。これで許されるのかなということを思いますが、まず防衛庁長官、どうですか。
○国務大臣(久間章生君) 正直言いまして、我が国は終戦後、集団的自衛権と個別的自衛権と二つに峻別してしまって、その間の連続がないような形に従来から政府解釈を内閣法制局がしてしまったわけですね。果たしてそのグレーゾーンは本当にないのかなと、そういうような気持ちを私は正直言って持っております。
 政府の一員ですから、従来の政府解釈を踏襲しておりますけれども、例えば二人連れ立って歩いておった、友人と歩いておったときに、ならず者が来たときに、その友人に殴り掛かってきたときには正当防衛としてそれを助けるということはできるわけでありまして、そういう意味では、国連憲章でも集団的又は個別的又は集団的な自衛のための固有の権利を有すると、集団的又は自衛、個別的な自衛のための固有の権利という表現しているわけですね。そうしますと、二つに分けられない場合だってあるかもしれぬというようなことからそういう表現になっているかもしれないと思いますと、今正におっしゃったように、共同でいろんなことをやっているときにそれを峻別してしまっていいのか。
 例えば、昔と違って大分状況は変わってきていますから、例えば空中給油機でこちらの自衛隊機が空中給油を受けている、そのときに相手は相手の空中給油機をねらってきたと、向こうは、空中給油機は無防備ですからね。それをねらってやってきたときに、じゃ、日本の自衛隊機がその敵機を落としていかぬのかと、こちらは攻撃されていないわけですから、まだ。空中給油を受けようとするときに、空中給油機をねらってきたときに、私はそれは自衛のための固有の権利を有するし、それを守るためには実行はできるんじゃないかなという、そういうような気持ちがございますけれども、政府としての従来からの峻別した議論でいくと、そういうときにどうなるのかなという、そういう問題がございますから、これらについてもやっぱり研究する必要があるんじゃないかなと思っております。
○舛添要一君 この五十一条、今おっしゃったように安保理の決定が下されるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。私の知っている限り、こういう国際条約の中で集団的自衛権という言葉が出てきたのはこの国連憲章が初めてである。なぜかといったら、これはドイツ、イタリア、日本、旧敵国との対応を差別するために、旧敵国があったから出てきた話で、そういうことを考えれば、もはや個別や集団というのを今防衛庁長官おっしゃったように峻別するというのはほとんど意味がない状況になっている。それから、今の空中給油機の話のように一体となって活動する場合がある。
 ですから、安倍総理、我々も一生懸命この新しい憲法を作ろうということで努力をしてきました。昨年選挙があっていろんなことが止まってしまいました、憲法については。是非、今のことも含めてやはり新しい時代に即した我々自身の憲法を作って、できたら憲法改正という形でこういう問題にきちんと筋道を立てたいと思っていますが、今のこの問題も含めて憲法について総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法につきましては、もう既に憲法が成立をいたしまして六十年近い年月がたったわけでございます。その中で世界も大きく変わった。
 二十一世紀にふさわしい私は日本の国づくりを始める中において国の姿、形、理想を示すものは憲法であります。その憲法を私たち自身の手で書いていくということが求められているのではないかということを総裁選を通じて申し上げてきました。自民党総裁としてこの憲法改正を政治スケジュールにのせていきたいと、このように思っております。是非また自民党、また与党、また国会において更に議論を深め、また国民的な議論を行っていただきたいと、このように思います。その中では、まずは手続法である国民投票法案がこの国会で成立をすることを期待をしています。
 そしてまた、ただいま久間防衛庁長官が答弁されましたこの言わば我が国の安全と地域の平和と安定を守るという大きな責任が我々には与えられているわけでありまして、そしてこの五十年、六十年の間に大きく時代が変わりました。テロの頻発、あるいはまた今までのような国と国との関係における抑止力が利かない、又は大量破壊兵器の拡散という状況にもなってまいりましたし、また武器技術が大きく進歩してきた中において、今までの解釈の仕組みの中で果たして本当に安全が守られるのか、あるいは同盟関係が維持できるかどうかということでございます。
 先ほどの例でございますと、日本の艦艇と米国の艦艇、これがもし米国の艦艇が攻撃をされたのが我が国の領海であれば、これは我が国に対する事態でありますから共同対処をします。しかし、これが公海である場合は、これはなかなか判断が分かれる。根っこから絶対にそれはできないということを今までの法制局も言っていないわけでありますが、それは非常に厳密に峻別されます。もちろん、我が国に対する事態が起こった後であれば、公海において米艦が攻撃をされた場合は我が国に対する事態としての個別的自衛権の延長線上で行きます。しかし、我が国に対する事態が起こっていない中でそういうことが起こったことがあったらどうかと。
 これは先ほどの久間大臣の例で言えば、友人と歩いているときに友人が殴られたのが私の家の中であればすぐ助けると。しかし、玄関から出たら、これはちょっとできませんねということになるわけでありまして、そこで果たして友情関係というのが保てるか。
 つまり、同盟関係というのは信頼関係であります。例えば、安保条約の五条に共同対処義務があるということを、それは確かにあるわけでありますが、しかし、ここはやはり、米国の若い兵士が日本のために身を挺して、これは日本のために戦うということになるわけでありまして、その基盤はやはり信頼関係がなければならないという中にあって、また、我が国のつまり安全のためにどうかと。つまり、それは先ほど申し上げました、久間大臣がおっしゃった個別的自衛権と集団的自衛権の間にあるものについて、いろいろと個別的なケースを当てはめていくことができるのではないかということを私は問題意識としてずっと持っていたわけであります。
 日本が禁じる、それは果たして集団的自衛権の行使なのかどうかということを研究するのは私は当然ではないかと、このように思っております。また、例えば海外での武力行使の問題もそうでありますが、サマワにおいて活動している自衛隊に対しての攻撃ではなくて、一緒に活動している例えば英豪軍に対する攻撃があったときに駆け付けることは、これは警察行動ではないかどうかという問題もあるわけであります。そういう問題について、やはりしっかりと研究をしていくことが我々の責任ではないかと思っているところでございます。
○舛添要一君 是非、それは私の問題意識とも重なるわけでありまして、是非そういう研究を進めていっていただきたいと思いますが、憲法改正という事態、そういう憲法改正を実現するためには衆参各院の三分の二の賛成が必要であります。したがって、今総理おっしゃった研究の成果の上に憲法改正が実現する以前においても、集団的自衛権に関する旧来の政府の解釈を変更することはあり得ると考えてよろしゅうございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 問題は、もちろん、憲法を改正して新しい考え方の下に安全保障政策を構築をしていくというのは当然なんだろうと思います。と同時に、今、日々日本の安全にかかわる問題が起こっている中において、例えば自衛隊の人たちもその瞬間その瞬間に大きな判断を迫られるわけでございます。その中で、机上の理論でこれはこうなる、これはああなる。しかし、それは常に相手のあることであって、その応用動作の中で、間違っても、それは後で正しい行動であったことが違法の行動につながらないようなことをしなければならない。もちろん、これは解釈を、もしこれはこういう解釈だということをしても、それは直ちにそれをしなければいけないということではなくて、それはそうできるということであり、またそれを裏付ける別個、個別の法律の改正も当然必要だということになるわけであります。
 私はこの研究を行った結果、それは我が国が禁止をする集団的自衛権の行使でないという解釈を政府として出すということも十分にあり得ると思います。それは個々の研究の結果によるということでございます。
○舛添要一君 国土交通大臣、今ある臨検の件について海上保安庁はどういう対応を取るのか、簡潔にお答え願います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 海上保安庁といたしましては、領海、すなわち十二海里の範囲におきまして警察権を行使するわけであります。それから外へ出ては、それは、例えば特殊な漁業法違反とかそういうものについては二百海里までそれは及びますけれども、普通の貨物船とかそういうものになりますと、十二海里以内の犯罪捜査ということになります。
○舛添要一君 総理ね、海上保安庁の船が古くて、相当我々も努力して予算を付けて近代化していますけれども、これだけ任務多くなる。それでまた臨検に伴って当然領海内で仕事増えると思いますんで、まあ財政事情厳しい折でございますけれども、危機管理という観点からの、非常にめり張りの利いた、これは海上保安庁だけじゃありません、ほかの省庁も含めて、そういう予算編成を安倍内閣の下でやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 正に海の安全というのは日本の安全であるということは、これはもう例えば明治維新のときの問題意識から出発をしていると言ってもいいのではないかと、こう思うわけであります。
 この海洋法条約の時代に入って、より一層この海の権利、そして安全を守っていくということについては、その任務に当たる方々の責任は大変重くなっている。その中で、やはりその方々に対する、この予算ですね、しっかりと実効あらしめるものにするために、当然、我々重点的に、この安全確保、また我々の主権的な権利を守るためのこの予算ということについては、当然配慮していかなければならないと思っております。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が迫っております。おまとめを願います。
○舛添要一君 今日、いろんな御質問を申し上げましたけれども、やはりこの北朝鮮の暴挙ということは、北東アジアの安全保障環境を大きく変える大変大きな変換点だと思います。我が国は毅然として国際社会と協調してこれに対応するということが必要だと思います。
 そして、政府全体として、危機管理の局面に入ったよと、この認識を忘れないでやっていただきたいと思います。
 我々参議院自民党は、挙党一致体制で安倍内閣を支えて、国民の安全と平和を守っていきたいというふうに思っています。ただ、良識の府参議院といたしましては、他党とも協力して必要な苦言は呈すると、いさめるべきは厳しくいさめると、そういう態度でまいっていきたいと思いますので、是非我々のこの参議院自民党の意を受けていただいて、しっかりとこの危機に対応していただきたい、そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で舛添要一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、柳田稔君の質疑を行います。柳田稔君。
○柳田稔君 おはようございます。民主党・新緑風会の柳田でございます。
 総理、就任おめでとうございます。実は私も昭和二十九年生まれで、大学は違いますが、卒業後神戸製鋼に入社しました。で、平成二年に衆議院ということで初当選さしてもらって今日までおります。そういう意味ではシンパシーといいますか、頑張ってほしいなと。あのころは、ニッパチというか、昭和二十八年生まれというのは非常に華やかだったんですが、二十九年生まれというのは余り日が当たらなかったんで、やっと二十九年生まれの代表選手が出たかなと個人的には喜んでおります。
 ただ、同じ年ということで、少し私の感じたところを申し上げますと、総裁選挙のときに麻生大臣が、安倍総理との違いについてマスコミから聞かれたら、経験かなと答えていました。私はそれを聞いて、そうだと思いました。経験、大変大切だなと、これが、安倍総理がどうクリアするのか、実は心配なんです。そのことだけ一言申し上げて、本題に入りたいと思います。
 今日、北朝鮮の核実験について質問さしていただきます。
 まず、防衛庁長官にお尋ねしますが、核実験が行われた十月九日、先ほどの答弁を聞いておりますと、十一時半に羽田発の飛行機に乗って十二時半に大阪空港に着いたと。実験が行われたのは十時半過ぎなんで、飛行機に乗っている間は報告を受けられなかったと。で、降りたら報告を受けたんで一時の飛行機に乗って東京に帰ってきたという答弁がございました。ああ、なるほどなと。
 で、質問の中で、大阪に何しに行ったんだという質問に対して、党務だと。テレビを見ている人は党務と言っても分からないかもしれませんが、自民党の指示によって大阪に行ったということですよね、党務は。そういう意味ですよね。自民党の指示を受けて防衛庁長官が大阪に行った。何しに行ったんですか。
○国務大臣(久間章生君) 皆様方も御承知でしょうけれども、我々は政府の一員であると同時にまた党の一員でもございます。したがいまして、休日の場合には、いろんな党務で、大会があって講演をすることもございますし、またいろんな政治活動をするわけでございます。
 まあ、具体的に答弁しようかなとも思いましたけれども、実を言いますと、一昨日からもう告示になっておりますので、それを言うことがプラスマイナスいろんな影響を与えるんじゃないかと思って、私はあえて党務という言葉でそこをはっきりさせなかったわけでありまして、それは、例えば防衛庁長官である私がどういうようなことを願いながらどういう運動をしているかということになりますと、それは微妙な影響をやっぱり与えるわけでございますんで、そこで、こういう公開の場での発言は控えさしていただいたわけでございますんで、まあ、柳田委員、その辺は御理解できるんじゃないかなと思って、あえてもう勘弁願いたいと思うわけであります。
○柳田稔君 実験が行われる前に、既に実験は実施されるだろうという情報は入っていましたよね。先ほど外務大臣はそういう答弁もされました。で、週末、私もテレビを見ていますと、外務省の事務次官殿がアメリカに行かれていて、週末にも、この連休中にも実験は行われるかもしれないという情報を得ているという報道を私も見たんです。ということは、防衛庁の長官がそういう情報を一切知らなかったということはあり得ません。
 週末三連休中のうちにもしかしたら核実験が行われるかもしれない、その情報を持っておきながら、持っておきながらですよ、防衛庁長官という立場の人が党務で行ったその中身は教えられません、もしかしたら党務でも非常に大事な党務だったかもしれないじゃないですか。その環境の中でもなぜわざわざ大阪に行かなくちゃならなかったのか、私はちゃんと聞きたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 防衛庁長官は大変大事なポストでございますから、絶えず危機管理に対する意識を持っておらなければなりませんが、やっぱり組織でございますから、そこの場を離れることはあるわけでありまして、それで、確かにあるかもしれないという情報はございましたけれども、その日にあるということではないわけでございますから、だから、そういう意味で三日間のうち二日間おりましたけれども、それは代理を立ててその間行ったわけでございまして、これから先おたくらが政権を取った場合でもそういうことはあるわけでございまして、例えば政権を取ったとき、あなたが総理大臣になったときに、自分の党から出ている、それは例えば選挙のときに応援に行くとかですね、その準備のために行くとか、そういうことはあり得るわけでございますから、だからその辺は、その判断を私がしたのは間違っていた、行くべきでなかったとおっしゃられれば、それはそれで甘んじて受けますけれども、その辺はしんしゃくしながら代理を立てて危機管理に対しては万全を期しておると。
 というのは、その間に関係閣僚の緊急集会がありましたけれども、北川政務官がその代理として出席しておるわけでございまして、だから、そういうことも考えながら、やはりあらゆる状態の中で万全を期しておるというのについては御理解賜りたいと思います。
○柳田稔君 これは全国放送されていますからね。これは安倍内閣としての認識だといって受け止めますよ。いいですね。それぐらいの危機管理意識しか持っていませんと、通常のパターンと一緒ですと、だから私は代理を置いたから行ったんですと、何が悪いんですかとおっしゃっているのと一緒ですよ。
 いいですか、もう一回繰り返しますよ。週末には核実験が行われるかもしれないという報道まであったんですよ。あったんです、私も見ましたから。外務省の事務次官が言ったんですよ、テレビの中で。それを受けながら、党務だ、何しに行ったのか答えない。私は、このことを国民が聞いて何と思うか。はあっと。
 言っておきますよ。内容は核実験ですよ。この実験が行われた後に安倍総理は何てコメントしました。アメリカ、中国、韓国は何てコメントしました。最大級の危機感だと言っているんですよ。その事態は分かるわけでしょ、事前に。実験やったらこういうことになるって。その認識があるんだったら相当大事な党務なんだなと思っちゃうじゃないですか、我々は。だから、何しに行ったのか、答えてください。
○国務大臣(久間章生君) 党としては党として大事な行動はあるわけでありますから、それはまた判断が別と思います。長官としてそれを、自分の代理を立てるのとどちらがいいかという、そういう状況で、そして、その日のその時間帯にあるかどうかというのが不確かな状態なんですよ。だから、そういう状況の中でどちらを取るかは、それは私はそう取った。そのときに、飛行機にたまたま乗っているときにその報告があったという、そこが空白の一時間だったというふうに言われれば、それはそのとおりでございまして。だから、柳田委員だったらどちらの方を取られるか、それはまた分かりませんけれども、あなたも党の仕事でそっちを非常に大事だと思う、そのときのバランスを取りながらどう判断するか。結果としてそれを非難される場合はそれは非難に甘んじなければなりませんけれども、それは私は自分の取った行動が決して間違っているとは思っておりません。
○柳田稔君 じゃ、自民党の総裁である安倍総理に聞きます。
 どういう党務で防衛庁長官を大阪に行かしたんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防衛庁長官としての立場と議員としての立場もあるわけであります。そしてまた、それと同時に、防衛庁長官としての立場と議員としての立場の中であらゆる場面において我が国の防衛政策を国民に分かりやすく説明をするという、そういう責任も背負っているわけでございます。
 党務等々については、私が総理にある間は基本的には我が党においては幹事長がすべて党務を取り仕切ってまいるわけでございます。ですから、私は一々その党務のすべてについて承知をしているわけではありませんが、いずれにせよ、久間長官の出張中には大臣政務官が代理として業務を行っています。常に、危機管理の体制においては、例えば私がいない間は塩崎官房長官が私の臨時代理になっておりますが、常に対応できるようになっておりまして、この臨時代理がいろいろな危機に対してしっかりとその職責を全うできる体制になっているわけでありますし、事実、この核実験の後、大変私はスムーズに対応できているとこれは確信を持っているところでございます。
○柳田稔君 このことばっかりで時間取っているともったいないんですけど。
 今の時期というのは通常一般の時期と一緒なんですか、総理の認識は。いや、代理を置けばいい、政務官を代理で置いたんだからいいんだ。何回も繰り返しますよ。北朝鮮で核実験が行われるかもしれないという情報が入っていたんですから、この三連休中にもと。ああ、それも通常の事態と一緒なんですと、政務官に代理を頼んだんだからそれで十分なんだというのが今総理の答弁でしたよね。この話は国民、ちゃんと聞いていますよ。国民がどう判断するか。僕は、そんな対応では安倍内閣の危機管理体制というのはなってないと僕は思う。まず、意識が低過ぎる。どう思います、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この核実験については、いつこの核実験を行うかということであります。そこは先般のミサイル発射のときもそうであったわけでありますが、それは六月の段階からそういうことが言われていたわけであります。今日にもということで、そのときには行われなかった。しかし、もちろん危機管理対応を取っていたわけでありまして、今回も普通の対応では全くございません。既にこうした核実験が行われることを想定して、既にどういう対応をするかということを決めていたわけでありまして、その決めていたとおり我々はしっかりと対応していました。私がいなかった間は、先ほど申し上げましたように、臨時代理がいたわけでありますし、また、私には直ちに情報が入り、そして私は直ちにまた官房長官に指示をし、そして安保会議を行い、必要な処置をとるように指示をして、そしてそのとおりに対応しているわけでございます。
 その対応自体に、対応自体に何か問題があったということであれば、それは確かに問題であろうと、このように思うわけでありますが、対応については全く問題がなかった、迅速に対応できたと、このように申し上げておきたいと思います。
○柳田稔君 私が言いたいのは、安倍内閣の危機管理体制に対する決意なんですよ、意思なんですよ、態度なんですよ。六月から分かっていました、だからいつ起こるか分かりません。よくそんな答弁ができますね。一週間前に北朝鮮が平壌放送でやりますと言ったじゃないですか。週末には外務省の事務次官がアメリカに行っていて、週末にもあるかもしれない、テレビで報道したんですよ、放映。それを受けておきながら、核実験、防衛庁長官がいません。はあ、それでも十分なんです。まあ、いいや。それが安倍内閣の危機管理体制に対する認識だと、私はそう受け止めます。これは国民がちゃんと判断されるだろうと思います。
 じゃ、次に行きます。
 今回の核実験というのは実際に行われたんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども答弁をいたしましたが、核実験を行ったということはまだ確定されておりません。
○柳田稔君 じゃ、日本政府は、安倍内閣は確認はしていないと。
 じゃ、アメリカとか韓国はどうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米国も韓国も確認には至っていないと思います。
○柳田稔君 ただ、十月九日の日、韓国の報道を見ていますと核実験が行われたと断定的に言っていたんですが、今でも韓国は核実験が行われたかどうか分からないというのが立場なんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) たしか中国も韓国も、北朝鮮は核実験を行ったと発表した、その発表を受けてのコメントをしております。そしてまた、私は、もし核実験を行ったとすればということについてコメントを述べております。米国の大統領も、もし核実験が、核実験をしたとは今確かめられてはいないが、行ったとすればということでのコメントを述べているわけであります。
 これはミサイル発射とは違いまして、核実験を実際に行ったかどうかという判断は、しかもその規模にもよるわけでありますが、大変難しい、これは見方としては確定するのは大変難しいんです。
 そしてまた、核実験を行ったけれども、場合によっては失敗したかもしれないということもあるわけでございまして、そこは軍事的に精密にこれは見ていかなければならないと思うわけでありますが、通常は、通常は、これはやって、自分のところはやっていないというところに対してこれはやっているということを情報を収集していくわけでありますが、北朝鮮の場合は、北朝鮮自体がやったとこう言っているわけでありますから、まずやったと宣言していることそのものは大変な問題であって、既にその段階で国際社会に対しての大きな挑戦であり、NPT体制への挑戦であると、こう考えております。
 実際問題として、やったかどうかということについては、彼らの核能力の問題でもありますから、ここは厳密に情報を収集し分析をしていかなければならないと思います。
○柳田稔君 ということは、今国連の安保理でいろいろ日本の大使を始め動いていますね。そういう報道が流れています。北朝鮮に対する制裁をどうするか、決議をどうするか、制裁を含む決議をどうするか、そういう報道がされていますが、じゃ日本政府としては、まだ確証を得ていないので安保理が決議をするのは早いというスタンスなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、先ほども御説明をしたわけでありますが、そもそも北朝鮮は核実験を行ったと宣言をしております。そして、その前段階として核の開発を既に行ってきたわけでありまして、核の開発という前段階がなければこの核実験には至らないわけでございます。
 例えば、イランについてはその核開発そのものをやっていないと、こうイランは言っているわけでありまして、北朝鮮は核開発をやっていると、こう言っていて、事実やっているだろうと、やっているであろうと、こう言われていて、そして実験をやったと言っている。しかし、確認はしておりませんが、やったと言っている以上は、そのやったという行為そのものは、核開発をしていて核実験を行った、国際社会はそれをやめろと再三注意、警告をしてきたことに対する重大な挑戦であるのは間違いないわけでありまして、そしてその国自体が言っている以上、それはその認定の上に立って国際社会は対応するべきであろうということで国連においてその議論がなされているわけであります。
 一方、我が国独自の対応、制裁措置をとる場合は、それは我が国独自の立場の中において、北朝鮮が核実験をすればこれは大変な脅威、新しい脅威、そしてまたこの地域の安全保障環境を一変させる事態になるわけでありますから、我が国としては我が国の厳しい措置をとるわけでありますが、その厳しい措置をとる上においては、できればこの国際社会に対しても、我が国はなぜこんな厳しい措置をとったんだという説明の部分において、やはり確証はできれば取りたいと思っております。
 ただ、その確証ができるかどうかはなかなかこれは難しいという中にあっては、これは総合的に判断することもあり得るということでございます。
○柳田稔君 はい、分かりました。
 次ですね、事前の質問通告していませんけれども、先ほどの舛添議員の質問、答弁聞いていて、これは何としてもやっておかないかぬなと思ったんですが、小泉内閣、安倍内閣、基本方針がありますね、北朝鮮に対する対話と圧力、対話と圧力。これを基本にして北朝鮮に対応しますというのが小泉政権、安倍政権の基本でしたね。これはもろくも崩れ去ったんですか、今回の事態を受けて。これは間違っていたんですね、方針として。どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、対話と圧力の方針をこれからも続けていきたい、対話と圧力の方針で北朝鮮と対応していきたいと思っています。
 まあ、対話と圧力は、これ対話そのものが目的でもございませんし、圧力そのものも目的ではないわけでありまして、できれば対応をしながら対話の場で解決をしたい。しかし、残念ながら北朝鮮が誠意ある対応をしない、また対話において全く問題解決をしようとしていないんであれば、彼らのその態度を変えさせる、あるいは政策を変えさせるために圧力を掛けざるを得ない。しかし、最終的には対話によってこれは問題を解決をしていくというこの対応方針でございます。
 何か一般的に私は圧力だけを掛けているように、そう思われているところがあるわけでありますが、私もやはり対話を行わなければ問題は解決をしない、しかし今の段階ではこれはより圧力を強めるべきであるという認識でございまして、この認識においては恐らく韓国も同じ認識であるし、また国際社会でこの認識が共有され、国連決議に結び付くように努力をしていきたいと思います。
○柳田稔君 私は理系なんで日本語の、国語は余り良くなかったんですけど、対話と圧力とおっしゃっているんですよ、対話と圧力。まずは、これはだれが考えても対話が先じゃないですか。で、応じない場合は圧力。私はそう感じたんですね。
 ところが、今回の核実験を受けて、もう対話はできなくなったんでしょう。あとは圧力を掛けるしかない。だから国連決議もやろうと言っているわけでしょう。で、同時に日本独自の制裁もやろうと言っているわけでしょう。とすると、もう対話と圧力じゃないんじゃないですか。少なくとも圧力が先に出て強い大きな面を占めるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば、先般のミサイル発射に対して我々は新たな制裁措置をとりました。国連の決議を行ったわけでありますが、そのときにおいても、無条件で六者会合に戻りなさい、六者会合の場は、これは対話の場であって、その場に戻って対話を通じてこの問題を解決をしましょうということを申し上げているわけでございます。ですから、決してこれは圧力だけということでもないわけであります。
 今回、核実験を行ったわけでありますが、我々は、この六者協議に無条件で戻り、そして核保有という意思を放棄せよと、こう申し上げているわけでございまして、常に圧力を掛けながら、他方解決の場は対話の場であるというふうに考えているわけでありまして、対話だけでは解決をしないというのは、これはもうほぼ私は共通の認識になっているのではないかと思います。
○柳田稔君 少し時間が過ぎてますので、質問飛ばしますので。
 今回、国連の方で決議云々という動きがありますね。日本の大島大使が議長を務めて、今回の核実験、まあ確証はないけれども、やったという北朝鮮の表明を受けて動かれているということであります。
 そこで、日本政府としてというよりも安倍内閣として、この国連の決議どのように臨む気か、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この国連決議につきましては、北朝鮮が核の開発をし、そしてまた、今回実際に核実験をやったとすれば、既にミサイルを開発をし、そしてその能力を向上させ射程を延ばしているわけでありまして、日本への運搬手段も持っている中においては、断固としてこの北朝鮮の今の政策を許すわけにはいかないと、この北朝鮮の核保有を許すわけにはいかないというのが日本の立場でもありますし、多くの国々の立場でもあります。そのために、北朝鮮が今の政策を取っていれば、ますます北朝鮮をめぐる状況は厳しくなっていくということを北朝鮮自身が認識する、そういう決議を出さなければならないと思っています。厳しい措置を含む、そしてまた拘束力も含む決議になればいいと。
 しかし、これは正に今協議をしている最中でございますので、中身の詳細については今申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
○柳田稔君 国連というのは、国連が決めるんじゃなくて、国連に参加する国々が決めると僕は国連に行って教えてもらったんですね。今回の安保理というのは、安保理に参加している国々が議論をして物事を決める、安保理が決めるんじゃない、安保理に参加している国々がいろいろ議論をして物を決めるんですと、私は国連に行ってそう教わったんです。
 日本もこの安保理に出席しているんです、それも議長としてね。北朝鮮に近い国、日本ですよ。ミサイルも飛ぶ範囲内、核実験もされた、その国がですよ、この安保理に、議論に、こういう姿勢で臨みますとはっきり言ってもいいんじゃないかと私は思うんですよ。
 具体的にじゃ聞きます。
 国連憲章第七章、いろいろあります、先ほども出ましたよね。非軍事的な処置あるいは軍事的な処置、まあいろいろ差があるでしょう。第七章に基づいて、日本としては決議ができるように努力をする気持ちがあるのかないのか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も先般のミサイル発射の後の国連決議にかかわってまいりました。そのときには、この決議についてはできれば満場一致で決めたいと、しかし厳しい措置を含む拘束力を持つ決議を行いたいということを申し上げてきたわけであります。結果としてはそういう決議ができたのでありますが。
 この国連決議を行う場は、正に委員が御指摘になったように、その国々が、参加している国々が決めるわけであります。中でも、常任理事国は拒否権を持っていると、極めて大きな権利を持っている国であります。残念ながら日本は拒否権を持っていないという中において、何とかこの日本の考えている方向に向かって決議をしなければいけない。その中ではいろんな交渉をしなければならないわけでありまして、今の段階ですべて、ではどこを到達点にすべきかということを、これは今示すよりも、その中でいろいろなやり取りや交渉もあるわけであります。
 ですから、そこは、今私が申し上げたようなこの厳しい措置を含む決議を行いたいと、満場一致で行いたいというのが基本的な考え方でありまして、その中で、また現地におきましてもそれぞれの国々と連携を取りながら最終的な決着点を目指していかなければならないと思っています。その間、米国、同盟国である米国を始め、中国もそうでありますが、そういう国々とも十分に連携を取りながら、あるときは交渉をし、そしてあるときは同じ方向を向いている国々をなるべく増やしていきながら、そういう努力を重ねて最終的な結論を得るべく作業をしなければならないと思います。
○柳田稔君 質問は、具体的にどういう姿勢で臨むんですかって聞いているんです。
 いろいろ報道とか見ていますと、やはり国連憲章第七章に基づく処置というのが非常に議論になっていますね。だから、安倍内閣としてどういう姿勢で臨むのですかと。答えられないんだったら、答えられないと一言言ってくれればいいんです。それも、基づいてやるということも含めてやりますと言えばいいんですよ。どっちなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、今私が申し上げておりますように、私は、麻生大臣を始め、国連代表部に対しては指示をしております。具体的な指示をしております。しかし、それを今この場で申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
 今私が申し上げられることは、厳しい措置を含む決議を行うということでございます。
○柳田稔君 ここは国会の場なんです。審議をしているんです、我々。
 この問題は、与党の自民と公明だけの、公明党だけの問題じゃないと私は思っているんですよ。場合によっては日本人の生命も危機にさらされるんじゃないかという事態もあるので、私は安倍内閣としての考えを聞きたかったんです。ただ、どうまとまるか分からないので答えられませんと、指示だけはしていますと。そういう考えであるなら、それで結構です。これは、国民がまた聞いて判断されるでしょう。
 次、行きます。
 次、総理が、日本独自の厳格な処置についても検討を直ちに始める、速やかに、速やかに処置していくと。韓国でそういうコメントを出されましたですね。御記憶があろうかと思いますが、具体的に我が国の独自の制裁処置、何やられるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの国連決議につきましては、正に交渉するというときに、私が例えば何を考えているかということをつまびらかにすることで交渉の結果が必ずしも私たちの望んでいる結果にならないということもあり、あえて今この場では申し上げていないということでございます。先般のミサイル発射のときにも私はそういう態度で臨み、結果としては私はいい決議を出すことができたと、こう思っています。それが交渉というものじゃないでしょうか。
 そして、今、制裁措置について申し上げたいと、このように思うわけでありますが、制裁措置については厳しい措置をとらざるを得ない。しかし、そのためには、先ほど申し上げましたように、まず、実際に北朝鮮が核実験を行ったかどうか、私どもの単独の制裁については、まずできればそのことを確認したいと、こう思っています。
 既に、ミサイル発射の際には万景峰号を止めるということを含む制裁措置を直ちにとったのでございますが、そして、今般にはもちろんそれを上回る措置をとるということになります。まだ、詳細については今詰めているところでございます。
 いずれにいたしましても、できれば、できれば我々としては、実際にやったかどうかの確認を取りたい。しかし、それはなかなか難しいという状況であれば総合的に判断をしなければならないと考えています。
○柳田稔君 検討を始めていますとおっしゃいましたよね、今、答弁でね、どういうことをやるか検討を始めていますと。その後に、速やかに処置していくと言った速やかにって、これどれぐらい待っていればいいんですか、我々は。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それについてはまだ、先ほど申し上げましたように、国連決議にのっとった措置もあります。そして、我が国独自の措置もあります。
 既に我が国は世界の国々の中でも大変厳しい措置をとっているというのは御承知のとおりであります。特定の船舶を止めているというのは日本だけであります。万景峰号という、この日本と北朝鮮を結ぶ最も大きなこれは運搬手段である船を止めた。しかし、いろいろとおっしゃる人がいますが、かつて万景峰号を止めるのは非常に難しいと、こう言われていたわけでありますが、その措置をとったわけでございます。それはしっかりとよくこの問題について真剣に考えていただいた方々には評価されていると、こう思っています。
 そして、その中で今度追加的な措置をしっかりととらなければならない。厳しい措置をとっていくのは当然のことであります。それについては、今検討をしながら、先ほど申し上げましたように、国連の決議ができれば国連の決議にのっとった措置をとりますが、他方、我が国独自で厳しい措置、これはほかの国々と比べてかなり厳しい措置でありますが、その措置については今検討をしているところでございます。
○柳田稔君 質問は、具体的な項目については検討しているとおっしゃられたので、まあそれはそうでしょうねと。多分、人、物、金、情報とか、いろんなことについて検討されているんだろうなと個人的に推察します。
 ただ、速やかに処置していく、速やかに。いいですか、国連決議というのは一年先の話じゃないですよ。国連決議というのはそんな先に決まるわけじゃないでしょう、今回の分も。そう時間を置かずに私は決定されると思う。それを受けて、足りない分を日本独自でやられる。と同時に確証、核実験をやった確証を得なければならないと。条件は二つあるんでしょうね。で、速やかにやる。そういうふうに僕は個人的には理解したんですが、今の総理の答弁は、速やかにって何を基準にしておっしゃっているのかよく分からなかったので、もう一回答弁願えますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が速やかにと申し上げましたのは、この核実験を実際にやったということを確認した上で速やかに行うということでございます。これはもう再三私は申し上げてきたとおりでございます。
 というのは、我が国の措置というのは、他の国に比べてこれからやろうとする措置は特段に厳しいものになるわけでございます。それについては、やはり先ほど申し上げましたように、できれば核実験を行ったということの確証を得たい。しかし、それが難しいのであれば総合的に判断をいたします。
 また、我が国がとるこの措置については、大体これは基本的に私ども考えているわけでありますが、これは措置を行うときに発表させていただきたい。そうしなければ、今これはこうやりますということを申し上げますと、対抗のこれは対応を取られる可能性があるわけでございますので、それは実行する際に申し上げればそれは十分ではないかと、このように思います。
○柳田稔君 速やかにというのは、では、核実験を行ったという確証を日本政府が持って、速やかに日本独自の厳格な処置を実施していくというふうに理解をさせてもらいました。
 で、何を具体的にやられるか、それは今何かいろいろあるので具体的には言いませんけれども検討はしていますということでしたね。それでよろしいんですよね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 検討はしておりますが、事実上、中身については大体もう決めているところであります。それはまだ、しかし、それは実際まだ、事態は流動的な面もありますから、それがすべて固まったということではありませんが、その時々にいろいろと対応していくのは当然のことではないでしょうか。
○柳田稔君 国連の決議がそのうち出るでしょうね。国連の決議には当然として日本政府は従うんでしょうね、決議には。どういう決議の内容が出るか分かりませんけれども、できるものについては決議に従うんですよね、日本政府は。それだけちょっと確認さしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは当然、国連決議が出ればその国連決議にのっとって、我が方の法律にのっとって執行をしっかりと行っていくということになります。
○柳田稔君 これも、いつごろ決議が決まるんだと言われても御答弁は難しいんでしょうけれども、そう時間掛からないでやるんだろうと僕は思っているんです。
 それで、次に行きたいんですけれども、私は、北朝鮮に国連決議にのっとって日本がいろんな制裁を実施していく、又は、と同時に日本独自の制裁も実施していくということになれば、なればですよ、北朝鮮、何をするか分からないんじゃないかと私は思うんですよ。もっと具体的に言うと、いわれのない報復に出るんじゃないかと。
 なぜこんなことを心配しているかといいますと、万景峰号を止めたときに平壌放送は、これは戦闘行為とみなすという放送もありましたよね。ということは、今度これ以上のことをやれば相当厳しい態度で北朝鮮は出てくるのかなと私は思いがあるんです。出てこなければこれは幸いですと。出てきたら大変なことになりますね、これは。あした起きたから対応しろと言われてもこれは無理なんです、準備しないと。これはお分かりいただけると思うんですね。一日も早く、一時間も早く準備を始めないといけないと私は思っているんです。
 それで、具体的に幾つか質問さしてもらいたいんです。
 僕は、究極には日本人の生命をどう守るんだということだと思っているんですけれども、一つは、今これは国家公安委員長に事前にお願いしていたんですが、日本に潜伏している北朝鮮の工作員というのはもういますというのは従来から答弁も聞いています。何人ぐらいいるというのも把握していますとおっしゃっていますんで。
 これからどう対応するんですかね、この日本に潜伏している北朝鮮の工作員。国家公安委員長、安倍内閣としてどう対応されるんですか。
○国務大臣(溝手顕正君) 警察はこれまで戦後約五十件の北朝鮮の工作員関係の事件を検挙してまいっております。こうした事件捜査を通じまして、北朝鮮工作員がいわゆる工作船等を用いて我が国に不法に侵入し、自衛隊及び在日米軍等に関する情報を収集したり、あるいは日本人を拉致したり、対韓国工作等の対日有害活動を繰り返してきた実態を明らかにしてまいったところでございます。
 警察は、北朝鮮工作員によるこうした活動について、我が国の国益を侵害するとともに国民の生命、身体に危険を及ぼす治安上極めて重大な事件と認識し、これまで事件検挙を始め所要の情報活動を進めてきたところでございます。
 警察庁におきましては、七月五日の北朝鮮によるミサイル発射事件がございました、引き続いて十月九日の北朝鮮による核実験の報道を踏まえて、改めまして、改めて北朝鮮工作員等による対日有害活動を始めとする各種の違法行為防止のために取るべき諸対策につきまして都道府県に指示するなど、所要の措置を講じてきているところでございます。
 日本国内において、北朝鮮工作員による不測の事態を生じさせることがないよう、更に一層諸施策の推進をするよう警察当局に督励をいたしているところでございます。
○柳田稔君 今の答弁の中で、今回の核実験を受けて、各都道府県の警察に新たな指示をしていると答弁をされましたよね。いつやられたんですか。
○国務大臣(溝手顕正君) 情報が入ると直ちにやっております。
○柳田稔君 情報が入って直ちにできません、物理的に。情報が入ったのは十月九日のお昼ですよ。直ちに集まれと言ったって集まれるわけないじゃないですか、旗日でもあるのに。
 いつやられたんですか。普通、常識で考えても火曜日の、火曜日の日にやられましたと言うんなら分かるんだけど、情報が入ってすぐにやりましたって。
○国務大臣(溝手顕正君) 情報が入りまして、直ちに警備局部内で対策本部を設け、そこから各関連箇所に指示を出したところでございます。
○柳田稔君 次、行きます。次も大切な問題なんで、ちょっと聞きたいんで。
 今度、北朝鮮からの工作船の対応ですね。先日もありました。この核実験を受けて、各国がいろんな制裁処置をやってくると、いろんな動きを北朝鮮もやられるだろうと。人とか物を運ぶのは船でしょうから、工作船、この取締りも相当厳しくやらなきゃならないと思うんですけども、どういうふうに対処されておりますか。これは防衛庁並びに海上保安庁ですね、ともに手を取り合って行動しないといけませんので。御答弁を、できれば短くお願いします。
○政府参考人(石川裕己君) 北朝鮮の工作船につきましては、御案内のとおり、平成十一年に能登沖で、言わば停船させることができませんでした。平成十三年には九州南西沖事案で、工作船を停船させ、その後、自爆、沈没をして工作船の実態を明らかにすることができたわけでございます。私どもは、このような中で更に工作船への対応、能力というものを強化するために必要な装備の充実を図ってきております。
 具体的には、機関砲については従来の手動照準というものから遠隔自動照準、かつ遠距離からの射撃が可能な四十ミリ機関砲というものの装備を進めてきております。さらには、速度について言えば、従来の二十ノット程度から三十ノット以上、あるいは四十ノット以上の巡視船の整備を図ってきております。
 そのような形でございまして、現在、日本海側の部署にはこのような不審船、工作船への対応を主目的とした二千トン型、千トン型などの最新鋭の船七隻を配備しております。さらに、それに加えて二千トン型のヘリ甲板付高速高機能巡視船というものも配備をしていきたいと考えております。さらに、このほかに日本海側では大型巡視船、計十一隻ございます。必要に応じて、これに加えて日本海側以外からも巡視船を配備して対応してまいりたいと考えております。
 以上です。
○国務大臣(久間章生君) これは、第一義的には海上保安庁でございますけれども、平成十一年の例もございまして、その後、共同マニュアルを作りまして机上訓練等もやっておりまして、絶えず連携を図っておりますから、海上保安庁で対応できないという事案になりましたら、海上警備行動といいますか、海上自衛隊が出てくる手はずになっております。
○柳田稔君 与えられた時間が五分になりましたので次行きますけども、飛ばしますけども、交通機関ですね。もし何かあったときに交通機関がねらわれやすいなと、サリン事件もありましたんでね。とすると、交通機関という安全も確保しておかなきゃならないんじゃないか、その準備を始めないといけないんじゃないかと私は思うんですが、どういう対応策を講じていらっしゃるのか、これは国土大臣、お願いします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 国土交通省としては、第一の使命は国民生活の安全、安心の確保であることは言うまでもございません。そのような観点から、お尋ねの問題につきまして、本年の一月十二、十三日、東京で国際交通セキュリティー大臣会合というものを開催いたしました。これには十四か国と一機関、そしてまた国際民間航空機関等が参加をいたしまして、国際的な連携協力、施設管理者や事業者における総点検の実施等を決めたわけでございます。具体的には、航空機における旅客や手荷物に対する保安検査の厳格な実施、それから国際航海船舶及び国際港湾施設の保安強化などの措置を講ずることにいたしております。
 とりわけ鉄道につきましては、大変難しいんですけれども、監視カメラを装備いたしております。平成十六年に、御案内のとおり、スペインで大きな鉄道テロ事件が起こりました。このようなことを考えまして、当時二万台でありました監視カメラを現在三万台増設をいたしております。そして、それまでは水面下での取締りということで、できれば平服でやっていたんですけれども、その会合により、見せる警備ということの方がいいと。そういう意味で、鉄道保安官等、制服できちっと巡回をする、それからまた利用者にも参加をしていただいて、不審な行動をする人たちについては直ちに通告を、通報をしていただきまして、これに対する対策を講じたいということでございます。
 鉄道事業者や警察とともに、鉄道テロ対策連絡会議というものを設置をいたしております。これによって事業者、内閣官房、それから警察も交えまして、非常に頻繁に取締りについての協議を進めているところでございます。
○柳田稔君 六つぐらい用意したんですが、三つで終わりましたけれども、今私、答弁聞いていまして感じることがあります。
 今の危機レベルといいますか、我が国内におけるですよ、危機レベルというのは、ミサイルの発射実験前、ミサイルの発射後、核実験後の今、大分危機レベルというか、上がっているんじゃないかと、高まっているんじゃないかと私は思うんですよ。それなのに、今の答弁は、従来もこうしていました、これからもこうします。それでいいのと。
 繰り返して言いますよ。国連決議が出たらそれに日本政府は従いますとおっしゃっている。場合によっては日本独自の制裁もします。地理的には北朝鮮から日本って近いんですよ。船もさんざんよく来ているんですよ、工作船も。
 いいですか。もう一回言います。ミサイルの前の危機意識レベルとミサイル発射後の危機意識のレベルと今と大分違うんだ、その認識をなぜ安倍内閣は持ってないのかな、非常に私は危ういなと。私、野党だからどうのこうのじゃなくて、そんなことじゃ私は国民の生命を守るために一生懸命やっているとは言えないんで、そう期間があるわけじゃないから、精一杯やっていただきたいということを最後に申し述べて、森さんに質問を渡します。
 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) あらかじめ申し上げます。
 午前の質疑は十一時五十四分までといたします。
 関連質疑を許します。森ゆうこ君。
○森ゆうこ君 民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。
 安倍総理、御就任おめでとうございます。私は率直に総理が、私は拉致問題について特に集中して質問させていただきたいと思うんですけれども、この拉致問題に関しまして総理が早くから取り組んでおられた、そして被害者の家族の皆さん、救う会の皆さん、様々な拉致問題の解決のために奔走される皆さんの様々な気持ちを、声を聞き入れて、そして真摯に対応してきていただいたということは、私は野党の立場ではありますが、率直に評価をさせていただき、そしてまた敬意を表する次第でございます。
 私自身、新潟県選出でございます。この拉致問題の解決、横田めぐみさんたちを始めとする拉致被害者を救出するということは、もちろん我が国日本国民の悲願でもありますが、特に私ども新潟県民にとりましてはまさしく県民の悲願でございます。そういう意味で、早速拉致対策本部を設置されましたこと、そして様々な対策を既に講じられていることとは思いますけれども、是非安倍総理の手腕を発揮していただきたいと期待をさせていただきたいと思います。
 それで、質問をさせていただきたいんですけれども、まずこの核実験が行われたということに関して、今後、国際社会ではそのアジェンダの優先順位というのは核の方によりシフトしていくと思います。この中で拉致問題を埋没させてはならない。むしろ、この北朝鮮の暴挙、核実験、この暴挙、この機会をとらえて、拉致問題を今度こそ解決に導くという方向に持っていくために、この拉致問題を埋没させないようにするために何としても力を尽くしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 核問題、ミサイル問題、特に核問題については国際社会でこの問題について取り組んでまいるところでありますし、また六者会合の場においてもこの北朝鮮の核の廃棄を目指して議論がなされております。
 と同時に、我が国にとりましては拉致問題というのは極めて重要な課題でもあります。であるからこそ、この六者協議の場においても我が国は拉致問題について提起をしているわけでありますし、また先般のミサイル発射後、我が国が制裁措置をとったわけでありますが、当時官房長官でございました私は、この制裁措置は、今般のミサイル発射に対する措置であると同時に、拉致問題に対して誠意ある対応を取ってこなかった、このことも含み制裁を行ったと、このように述べているわけであります。
 この核問題について我々は断固たる対応を取ってまいりますが、と同時に、決して拉致問題がその中で消えてしまってはならないと思うわけでございまして、この拉致問題についても当然我々全面的な解決を目指してまいりたいと思っております。
○森ゆうこ君 私は、せめて日本は、日本だけは、日本だけでもと言ったらいいでしょうか、この拉致問題を北朝鮮問題に関する最優先の課題というふうに位置付けて、常に総理から発信をしていただきたいと思うんですね。
 先ほど、七月の独自制裁のときの話がございました。しかし、あのときは、今ほどお話しされましたけれども、国会での答弁でその独自制裁の理由について拉致問題を加えられたのであって、当初、その独自制裁を行うときにはミサイル発射をその理由といたしまして、この拉致問題は明記されておりませんでした。このことは、家族会、救う会の皆さん始め、この拉致問題にかかわる人々を非常に落胆させました。
 先ほどからの論戦を聞いておりましても、日本独自の制裁もあり得るというふうなお話も、独自制裁を更に追加するんだというお話もございました。是非、その核問題だけではなくて、まず真っ先にこの拉致問題がその理由にあるのだということを明記していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この核問題に対して我が国が我が国独自の制裁措置をとる場合においては、当然、日本と北朝鮮との間の問題というのはこの核問題だけではなくて、拉致問題について北朝鮮が誠意ある対応を取っていないという状況があるわけでありまして、それを併せた措置をとるということになります。
○森ゆうこ君 もう少し強いメッセージをいただきたいと思うんです。
 そして、今安保理で制裁決議が協議されているということでございますけれども、この制裁決議が採択されるに当たりまして、その理由の中に、やはり私は拉致問題を明記していただけるように日本側が働き掛けるべきと考えますが、この点についてはもうしていただいているでしょうか、それとも今後やるということでしょうか、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国連決議については、これはこの安保理の国々の了解を取らなければなかなか決議ができないというのは御承知のとおりであります。
 その中で、まずはこの国連の安保理においては、核の問題についての共通のコンセンサスをつくることをこれは優先するわけでございます。そして、その中で我が国がどこまで主張するかということは、これは外交的な、またこの決議を何とか、できれば満場一致、少なくともこの決議がなされるようにするという中で判断をしていかなければならないと思っておりますが、いずれにいたしましても、国連の場におきましては、例えば総会において国連人権状況決議が採択をされました。これはもうかつてなかったことでありますが、こうした国連の場においても拉致問題をしっかりと我々アピールしていかなければならないと考えています。
○森ゆうこ君 今回の制裁決議の議論の中で、拉致問題を理由として明記するよう働き掛けるつもりはないという御答弁でよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この決議についての中身については今どういう交渉をしているかということを申し上げることはできませんが、しかし、この決議については、基本的に国連の場にある認識としては、この核の問題について、何とか北朝鮮のこの核の暴挙を止めなければならないという中にあっての議論であると承知をしております。
○森ゆうこ君 だから、どうするんですか。総理のスタンスをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 要するに、これは核の問題が重要であるということで、今回、北朝鮮が核実験を行ったかもしれないということにかんがみて国連の安保理において協議がなされるわけであります。
 私も、この拉致の問題を解決をしたいという気持ちにおいては人後に落つるものではないと私は自負をしているわけでありますが、しかし、実際にそこで何か結果が出せるかどうかというのはこれはまた別の問題であって、どこに努力を集中するかということも大切ではないかと、こう考えております。
○森ゆうこ君 その今の御答弁では、残念ながら私は総理のこの拉致問題解決に向けてのその強い意志というものが感じられませんでした。
 安保理決議一四四一号、これは総理はお分かりでしょうか。二〇〇二年十一月八日に出されました安保理決議一四四一号、これは例の湾岸戦争のときにイラクに対して出された決議、制裁決議でございますが、これは御存じですか。済みません、質問通告しておりませんが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その国連安保理決議、イラク戦争に係る決議であるというふうに認識をしております。
○森ゆうこ君 この安保理決議一四四一号、二〇〇二年十一月八日に成立したものでございます。これはロシア、中国も含め全会一致で成立した制裁の決議案でございますが、この中に実は、総理はずっと拉致問題にかかわってこられましたので当然私は御存じだというふうに思っておりましたけれども、イラクによるクウェート人やまた第三国民に対する拉致の問題がこの制裁決議案の制裁の理由に、ということで明記をされております。思い出していただけましたでしょうか。御存じでしたでしょうか。又は、この決議については初めて今目にするのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この一四四一については、二〇〇二年十一月八日に出されたものであると、このように理解をしているところでございます。
 今委員が御指摘になられたのは、かつての湾岸戦争のときにイラク人が、クウェート人に関するものであるのではないかと、このように私は、今つまびらかではございませんから推測をしているわけでございます。
○森ゆうこ君 つまり、私が言いたいのは、先ほどの総理の御答弁ですと、今回の国連安保理のその制裁決議のところに、その理由に拉致問題を明記するよう日本側から働き掛ける御意思が余り感じられなかったんです。でも、かつてこの湾岸戦争のときにイラク人の、イラク人によるクウェート人の拉致又は第三国人に関する拉致、これが制裁の理由として明記をされている、しかも全会一致でこれが採択をされているというこれまでの経験があるわけですから、これを見れば、今回この核問題を契機に、今協議されていると思いますけれども、同時に北朝鮮による重大なる人権侵害、この北朝鮮拉致問題、このことについてこの制裁決議の理由として明記する、明記できるというふうに私は考えられると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この一四四一が決議されたときの状況と、また、この核をめぐる問題についてこの安保理の中の国々がどう考えているかということの状況というのは大きくこれは異なるわけでありまして、この問題について、拉致の問題を私としてもそれは入れ込むことができて、そして決議案を出せれば、当然それは大きなこれは前進になるかもしれないと、こう思うわけでありますが、現実問題として果たしてそれが可能であるかということについて言えば、それは非常に厳しいわけでございます。
 そして、先ほど申し上げましたように、これはもうこの一、二年において国連の場において、先ほど申し上げましたように、北朝鮮の人権状況の決議を行いました。こうした決議を行うときにもなかなか難しい障害があったのも事実でございます。
 そしてまた、今年展開をしました各大臣が戦略的な海外出張を行うに際しましては、すべての大臣が必ず北朝鮮の拉致問題についても先方の国々にそれぞれ説明をするという外交を展開をしてきておりますので、国際社会における拉致問題に対する認識は相当高まったのではないかと思います。
○森ゆうこ君 やらない理由をいろいろと述べていただいても困るんです。とにかく、拉致問題を最優先の課題として総理はとらえていると、我が国はこの拉致問題の解決がない限り許されないということをしっかりと示すために、そういう働き掛けをまずは行っていただきたいという意味でございました。
 それでは、なかなかそういう具体的な御答弁がいただけないので大変残念なんですけれども、先ほど来、様々な状況においてはどうなるのかというふうな質問がありました。北朝鮮の国内の情勢も大変緊迫しているというふうに伺っております。そして、いったん国連で制裁決議が成立すれば、それは様々な活動が展開される、そして最悪の状況に至る場合も想定しておかなければいけない、いろんな状況が考えられるわけですけれども、それではこの拉致被害者の救出、拉致被害者の救出について、どのように救出されるおつもりなのか、具体的に考えておられると思うんですけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) すべての生存者の帰国を求めて今、北朝鮮に対して我々圧力も掛けているわけでございます。北朝鮮の状況がどうなるかということでございますが、あらゆる状況を想定しながら情報の収集を行っているわけでありますし、また、そうした状況にどう対応するかということについても検討を行っているところでございます。
○森ゆうこ君 何か具体的にこのような方法があるという御答弁は少しはいただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般、私の内閣におきまして対策本部を、私が本部長となり立ち上げたわけでございます。そして、この対策本部の中におきまして、事務局長として中山恭子補佐官が事務局長を務めております。以前は参与として、言わば拉致被害者、またあるいは御家族の方々に対して対応するという立場であったわけでありますが、拉致問題に関する様々な問題について対応を検討していくという立場に今度はなっているわけでありまして、当然いろいろな状況を想定して、そのときに、救出をするためには何を考えるべきかということも考えているわけであります。
○森ゆうこ君 もう少し私は具体的に、どうやって我が国がその拉致された日本人を救出するのか、その具体的な方策を示していただきたかったというふうに思います。
 それで、外務大臣に関連して伺っておきたいんですけれども、拉致問題が埋没してしまわないように、むしろこの機会に拉致問題の解決につながるようにするために様々な、在外公館等での国際社会に対する働き掛けも同時に行う必要があると考えておりますけれども、外務省は何を今やっておられるでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 私の感じでは、埋没しているというより充実してきていると思っております。
 基本的には、(発言する者あり)具体的に、あなたに対する答弁じゃありませんので、こちらに対する答弁なんで、場外発言は控えていただきます。
 基本的には、例えば、G8の外相サミットの議事録ぐらいは読まれたと思いますが、あの中にはヒューマンライツ・インクルーディング・アブダクションという言葉が正式にロシアが議長の中で入ったと思います。少なくとも、G8の外相サミットの中にこの種の、アブダクションという、拉致という言葉が入ったのは過去に例がありません。
 そういった意味でも、今、一つの例を申し上げろという場外発言にこたえてお答え申し上げさせていただきました。
○森ゆうこ君 やっと一歩進んだということは私も認めたいと思いますけれども、実際、金正日というのは、非常にこうかつといいますか巧妙といいますか、したたかなんですね。
 それで、私は、海外から来られた議員の皆さん、海外の公的機関に属する皆さん、様々な方たちに対して必ず、お会いするときには、この拉致問題の解決について理解をいただきたい、そして協力をいただきたいということをお話をさせていただいておりますが、そのときの反応は様々でございます。それで、金正日から非常にロビーイング活動を受けているのではないかと思われるような発言もございます。そういう中で、それぞれの外務省の官僚の皆さん、もちろん政府一体となってですけれども、様々な活動を積極的に行っていただきたいと思っております。
 次の質問に移ります。
 昨日、我が党の中川正春衆議院議員から、衆議院の予算委員会におきまして、ラジオでの働き掛け、既に「しおかぜ」等で民間の人たちが一生懸命海外からラジオ放送を行っておりますけれども、このラジオでの働き掛けについて、総務省としてもというか、日本政府としてもようやく協力をするというようなニュアンスの答弁があったかと思うんですけれども、もう少し具体的にお答えをいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 総理が本部長で拉致対策本部、政府の中に、内閣の中にできて、私ども閣僚は副本部長であります。総理から、それぞれの立場で拉致問題解決のためにできることはすべてやるようにという強い指示がありました。
 その中で、昨日の私、中川委員の発言にお答えをしたわけでありますけれども、この「しおかぜ」に代表される北朝鮮の拉致問題に関しての放送でありますけれども、放送地域だとか放送時間など、どのような形で行うことが一番効果があるのか、これは具体的にまずお話を伺いたい、そう思います。その上で、新たな短波放送の周波数の確保が必要であるということであれば、国際ルールにのっとりまして、国際電気通信連合に私ども働き掛けをし、必要な対応を取っていきたい。
 さらに、現在考えられる、実際放送を行う場合、国内では利用可能な施設として、NHKが国際放送を行っております茨城県の八俣送信所の利用、これが唯一想定をされますので、この利用についても検討を昨日私は指示をいたしました。
○森ゆうこ君 例えば、今「しおかぜ」は、どこから放送しているかは明かせませんけれども、百キロワットというふうに言っておりました、出力は。それで、そういう放送をやっていらっしゃる内外の関係者の話をお聞きしますと、例えば日本海側にある秋田県のNHK秋田放送局というのが、これは出力が非常に大きい、あの施設が使えないかというふうな具体的な話もあるんですね。例えば、そういうふうな具体的な話があった場合に、できるだけ対応するということでよろしいですか。
○国務大臣(菅義偉君) 具体的にNHKで国際放送、短波放送を実はやっております。これに対して、政府は従来から命令放送というのが実はできるわけであります。具体的に申し上げますと、時事問題、国の重要な政策、国際問題に関する政府の見解、これについて命令できることになっていますから、拉致問題というのは正に政府挙げて対策本部をつくっておるわけでありますから、これについて強く要請することは可能であると、こう思います。
○森ゆうこ君 済みません。それで、先ほどちょっと質問が前後したんですけど、総理に伺いたいんですが、このたびの訪中、訪韓の際に、総理より胡錦濤主席及び盧武鉉大統領に対しまして、拉致問題は日本の主権を侵害し国民の人生を奪った深刻な問題だ、拉致問題を解決せずして日朝国交正常化はあり得ないというふうなお話、様々されたというふうに伺っております。で、問題解決のために協力を求めたというふうに伺っておりますけれども、具体的にどのような要請を両国に対して行い、またどのような回答があったのか、御答弁をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、中国の首脳に対しましては、日本にとってこの拉致問題というのは極めて重要な問題であると、今、森委員がお話をされたような趣旨で先方に話をしたわけであります。そして、その上で、中国の影響力を使って協力をしていただきたい、あるいは情報の収集についても協力をしていただきたいということをお願いをしたわけであります。北朝鮮の問題について、これはまあ中国の立場と日本の立場は違うわけでございまして、中国側からは、日本国民の気持ちについては理解をするという、そういうお話でありました。今後、更に協力をしていただけるように努力をしていきたい。
 そしてまた、拉致問題の特命チーム、鈴木官房副長官が責任者で作りましたパンフレットが、中国語のパンフレット、拉致問題の中国語のパンフレットがございますので、それを先方に渡し、また、温家宝総理に対しましては、是非渡したパンフレットをよく読んでいただきたいということを申し上げたわけであります。この問題については、まだまだ理解されていないところでもあるかもしれないわけでありまして、そうした理解を促す働き掛けを行っていきたいと思います。
 また、韓国側に対しましては、この拉致問題は日本だけの問題ではなくて、韓国の国民も多数拉致をされている、あるいはまた更に広がりを持って、タイやルーマニアあるいはレバノンといった国々からも拉致をされているという話をしたところでございます。そういう中で、是非この問題についても協力をしていきたいということを申し上げました。
 また、情報の収集等についても、また情報のお互いの交換等についても協力をしていきたいということを申し上げたわけであります。この問題について、既に韓国側とは情報の共有も行っておりまして、その中で、金英男さんの家族の面会については、これは正に日韓が協力をしたからこそこの真実に近づくことができ、また家族が再会されたわけでございます。当初は、なかなかDNAの鑑定をするに際してサンプルを取るのが難しかったわけでありますが、私が当時、羅鍾一大使にお願いをし、先方から最終的な了解をいただき、DNAの提供を得ながら、これは真実に近づいたわけでありまして、こうした例もあるので、今後、是非協力をしていきたいということを申し上げたわけであります。
 韓国側からは、協力できる、協力できる分野については是非協力をしていきたいと、こういうことでございました。
○森ゆうこ君 私は、安倍総理は、その拉致問題の具体的な解決について、要するに、具体的に、どうやって拉致被害者を我が国が救出するのかということについて、もう少し具体的な、私のこの午前中、午後からも少し質問をさせていただきますが、この午前中の質問に対してもう少し具体的な御答弁をいただけるものと実はすごく期待をして臨んでまいりました。何となく、ちょっと肩透かしを食らったような感じでございます。
 それで、非常に私はこの不愉快な記事を先ほどいただいたんですけれども、週刊現代です。総理はもうごらんになったでしょうか。「安倍晋三は拉致問題を食いものにしている」という週刊現代の記事です。
 それで、私は、非常に不愉快な記事だと思います。安倍氏、これは、私もさっきもらったばっかりなのでよく分からないんですけれども、中国朝鮮族の大物実業家、崔秀鎮という方と総理が会談されたときのことが詳細に書かれておりまして、そして、こういうところがあるんですね。
 金正日総書記が謝罪したということは、生存している拉致被害者及び家族は全員帰国させる決定を下したということです、だから、八人の帰国に関しては御安心ください、しかし八人を帰国させた時点で、これ以上生存している拉致被害者はいないのだから、北朝鮮と国交を正常化させるというお考えでよろしいですねと問われた安倍総理は、それは八人の家族さえ帰国させれば、北朝鮮としては、やることはすべてやったということでしょうというふうに答えたというふうに言っております。
 私、よく分かりませんが、この記事の事実関係についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○委員長(尾辻秀久君) 手短にお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、そのよく分かっていないことを質問しないでいただきたいというふうに思います。
 それと、私は、一々、一々そうした記事を私は読んでおりません。
 そもそも、例えば、例えば週刊現代については、有本恵子さんの御両親が言ってもいない、私に対する、コメントを載せたことがあります。そんなことは言っていないということを有本さんの御両親は言っていただきました。その程度の話なんですよ。その程度の話について、私は一々コメントするつもりは全くありません。事実、食い物にしてきたということをこの委員会で言うのは失礼じゃありませんか、少し。
○森ゆうこ君 もう時間来ました。
○委員長(尾辻秀久君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、外交等に関する集中審議を行います。
 速記ちょっと止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。
 ただいま午前中の森ゆうこ君の発言中に不穏当な言葉があるとの御指摘がありました。委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な措置をとることといたします。
 森ゆうこ君。
○森ゆうこ君 先ほど、午前中の私の質問に関しては、私の質問の趣旨がよく総理に伝わっていなかったようです。
 総理が大変激高されましたので、私としても、(発言する者あり)失礼いたしました、声を荒らげられたようでしたので、私としても大変驚いているんですけれども、私としても拉致問題をずっと一生懸命やってきて、そして、総理のその拉致問題に対する姿勢についても評価をさせていただいているということは最初に申し上げたとおりでございます。
 その上で、あのような記事が、あのような記事が載るということについては私も不愉快だというふうに考えておりまして、そのことについて、この記事の信憑性について総理はどのようにお考えになっていらっしゃるのか伺いたいなと。堂々とこの記事については全く事実無根であるというふうに御答弁をいただければ私はそれで済んだものというふうに思っております。
 それでは、質問がまだ残っておりますので、質問をさせていただきたいと思います。
 安保理筋では、近年の安保理決議では最も広範囲の制裁措置として今回の制裁協議に入っているというふうに伺っております。今後、国連決議が採択をされまして、仮に米国を始め国際社会が北朝鮮船籍などの臨検等を実施することも想定されるということについては、先ほど来議論があるところでございますが、その場合、我が国はいかなる協力ができるのか。また、我が国が臨検等を実施するには、例えば周辺事態における船舶検査法や有事の場合の海上輸送規制法などがございますけれども、これら法律の適用の検討は行っているのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厳しい措置を含む安保理決議が成立をいたしましたら、当然我が国の法令の範囲内で適切に対応していくことになるわけであります。
○森ゆうこ君 済みません。質問は、実際にその制裁措置が決定をいたしまして、国際社会が協力してその制裁に当たるといった場合に、我が国としては一体どのようなことが協力できるのか、具体的にお答えいただきたいという質問でございますが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まだその決議が成立をしていないわけでございまして、今正にその決議の中身について厳しい措置をとる決議となるように協議を重ねているところでございます。それが成立をすれば、当然その中において我々は法令にのっとって実施をしていくということになります。先般のミサイルに対する決議についても、我々、大量破壊兵器にかかわる企業のこれはお金の移転に関しての措置をとったところでございます。
○森ゆうこ君 いや、決議が行われてからでは遅いのではないでしょうか。
 まず協力が、その場合にどのような協力が現法制下でできるのか、そしてその法律の適用について、きちんと既にもう検討されているならされていると、全く手を付けていないなら手を付けていないと、そのような、どちらなんでしょうか、具体的にお答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) 今からどういう手口をやるかという手のうちを先にしゃべることはありません。それが通常だと思われませんか。しかも、今国連は決議のやっている最中ですから、まだ決まっていないときに、決まってもいないものが、これやりますということもありませんから、だからみんなで決まった後、対応いたします。
○森ゆうこ君 いや、我が国には法律的ないろいろな制約がございますので、仮にその制裁決議決定した場合に、国際的な連携で様々な活動をする場合にどのような協力ができるのか、そしてまたそれを行う場合には、どのような法律をどのように適用していくのかということは既に準備をしていないと間に合わないのではないかということで、具体的にできるだけお答えをいただきたいというふうに思って質問をしているんですけれども、質問の趣旨が伝わってないんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本語としてはきちんと通じていると思いますが、私の方としてはお答えができる範疇とできない範疇があるというお話をしております。
○森ゆうこ君 これは非常に重要なことなんですよ。我が国は法治国家であり、そして、様々な措置を講ずる場合に、ここの議論を経てできるだけやらせていただくことが望ましい。もちろん、緊急事態のときに、まあ私は超法規的な行動はできるだけ避けるべきだろうというふうに思っております。ですから、事前にもう想定幾つかされるわけですので、そのことについての具体的な議論と、そしてその法律をどのように適用するのかということについては、きちんと今の段階で議論しておくべきであるというふうに考えておりますけれども、総理、もう一度お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮に対する制裁的な措置にかかわる様々な、これは実施の中身については、当然もう既にこれ幅広く我々は議論をし、検討をし、どういう法令を当てはめていくかということについては検討をしているところであります。
○森ゆうこ君 それで、今回の北朝鮮の核実験が平和に対する脅威と認定された場合、周辺事態の認定も含めた検討を行うこととなるのか、その点についてお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の北朝鮮の核実験の発表でありますが、もしそれが事実であるとすれば、核能力を持ち、そして運搬手段も持っている、これは極めて大きな我が国に対する脅威であり、地域の安全保障の環境を大きく変えるものであると認識をしております。
 その中で、我々は、まず北朝鮮に今の政策を変えるべく、核を放棄させるべく、国際社会において圧力を強め、そして北朝鮮に今のこの核保有という挑戦をやめさせなければならないと。その中で、安保理でしっかりと決議を目指していくわけでございます。また、それに附属しまして、様々なこれは想定は当然念頭に置きながら検討をしていかなければならないと考えております。
○森ゆうこ君 その肝心なところですね、周辺事態の認定についてはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が答弁をさせていただいたわけでございますが、しかし、この特定の仮定のこの質問については今お答えをさせていただくことは控えさせていただきたいと思います。
○森ゆうこ君 今、安保理でその制裁決議を日本が議長国として進めているわけですよね。強い、毅然たる態度でしかるべきその決議を求めて行動しているわけですから、それが決定された場合において想定されるものはできるだけ我々としては議論をさせていただきたいと思います。
 この周辺事態の認定ということは非常に大きいことだと思いますので、いかがですか、これについては。もう一度。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど外務大臣からも答弁をいたしましたように、今正に国連において決議をするために具体的に今議論をしている状況でありまして、その中で特定の事態を想定して仮定した上での答弁は、むしろそうした協議に対して影響を及ぼすこともございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○森ゆうこ君 その制裁を科すということについては物すごいリスクが伴うわけですね。先ほどの柳田委員の質問にもありました、その制裁を科した場合に北朝鮮がどのような行動に出てくるのか、また制裁決議をした場合に日本がどういう行動を求められるのか、様々な場合を想定してきちんと議論をしなければいけない。
 特に、例えば先ほどの、いろいろお話が出ましたけれども、臨検をやったりする場合に本当に日本が参加できるのか、又はその場合に部隊の安全はどのように守らなければいけないのか、様々な議論をできるだけこの国会で議論を尽くしていくことが私は重要だと思いますし、それがそのシビリアンコントロールにつながるというふうに思っておりますが、制裁をやる、毅然たる態度を取る、断固たる態度を取ると言いながら、実はその辺のところ具体的に全く何の準備もされていないのではないか、こういう不安が私は国民の皆さんにあると思うんです。その威勢だけはいいけれども、その危機管理体制、先ほどの久間防衛庁長官の対応からしても、今日この中継をごらんになった国民の皆さんは、こんなことで大丈夫なのか、そういうふうな感想をお持ちになったのではないかと思います。
 私は、できるだけきちんとした万全の体制を整えて、そして断固たる態度でこの問題に立ち向かうのだということを示していただきたい、そういう趣旨で様々質問をさせていただきました。しかしながら、期待をさせていただいており、正直期待をさせていただいておりました。特に、この拉致問題の解決については、拉致された被害者たちを救うために、これから様々予想される不測の事態に備えて具体的な救出の作戦の計画があるのかどうか、そういうことも含めて、もう少し私は具体的な御答弁をいただきたかったと思います。
 もし、今の段階でそういう救出する作戦があるんだと、内々もうあって、そしてどんなことをやっても必ず拉致被害者を救出するんだという覚悟が安倍総理にあるということであれば、もう一度ここでしっかりと、特に拉致問題に関してお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、生存者全員の返還を求めて交渉をしていくという立場で交渉をしているわけであります。認定された方々、またさらに、もしかしたら拉致をされたかもしれないという方々も含めて、生存者全員の返還を求めていくという立場でございます。
 今、森ゆうこ議員が指摘をしておられる救出ということでございますが、救出というのは何を意味しておられるかと。今の段階で、例えばどこかに出掛けていってということなのかどうかということでありますが、例えば、先ほども申し上げましたように、もし状況が大きな変化をしていく中において安全を確保するためにどうすればいいかということについては、当然、もう今の段階でもいろいろな状況に備えて情報を収集しながらそのプランを考えているわけでございます。
 そしてまた、先ほど来質問があったことでございますが、国連決議におきましては、当然私どもは私どもの立場があるわけで、拉致の問題に対する立場があるわけでありまして、その中での最大限の努力は行っているということは申し上げておきたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) これにて森ゆうこ君の関連質疑は終了いたしました。
 以上で柳田稔君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、高野博師君の質疑を行います。高野博師君。
○高野博師君 質疑に入る前に、午前中の民主党の森ゆうこ議員の質疑におきまして、御本人も今見たばかりで内容をよく把握していないという週刊誌の記事に基づき、事実関係を把握しないで安倍総理を誹謗するような質問がなされたことは問題であると考えますので、委員長において議事録を精査の上、適切に対処願いたいと思います。
 それでは最初に、総理の訪中についてお伺いしたいと思います。
 北朝鮮の核実験によって、安倍総理の訪中、訪韓の意義、重要性というものが若干関心がそらされた感じもありますが、中国、韓国との関係がぎくしゃくしたままで北朝鮮の核実験が行われたとしたら、これは日本の対応は相当難しいものになっていたのではないかと思われます。そういう観点からも、政権発足間もない安倍総理が早期に両国との関係改善のために訪問されたということ、そして首脳会談を実現されたという英断を高く評価したいと思っております。首脳間の対話を行うこと自体が何よりも重要であろうというふうに思っております。
 そこで、私は、日中友好こそがアジアの平和と世界の平和にとって重要であるとの観点に立った上で、日中関係の入口に、あるいは日韓も同じでありますが、靖国問題あるいは歴史問題をその入口に置くべきではないと、すなわち外交、政治問題化すべきではないというのが私の一貫した考え方であります。
 中国、韓国と、特に中国とは文化も価値観も違うということもあります。歴史問題は日中の両国関係、特に国交正常化の際の原点ではありますが、靖国問題はできるだけトーンダウンをした上で、より高い次元で大局的な見地から両国首脳が日中、東アジアあるいは世界の諸問題にともに協力すべきだというふうに考えております。そういう意味では、今般、そういう方向で未来志向で動き出したことは高く評価したいと思っております。
 靖国問題での安倍総理のあいまい戦術について批判する向きもあるようでありますが、胡錦濤主席もある意味ではあいまいにした感じもあります。しかし、これは双方の政治的な知恵ではないかと。今後の展開は必ずしも予断は許されないかもしれませんが、私はそういうふうに認識をしております。
 ところで、安倍総理は主張する外交ということを標榜されているのでありますが、日本側もきちんと中国に対しては言うべきことを言う必要があるんではないかと思っております。
 一つは、歴史の共同研究であります。それは近くスタートすることになりましたが、歴史的な事実関係等についてはこれは正確な検証をする必要があるんではないかというふうに思っております。
 もう一つは、中国側のこれは若干反日教育的なところがありまして、こういうことについては、我が国の平和国家としての正しい認識を教育してもらいたいというようなことを中国側に主張してもいいんではないかと思います。
 この辺の総理のお考えを、御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も全く先生と同感でございまして、言わば靖国問題を始めとした歴史問題をこの両国の関係の入口に置くべきではないと。こうした問題があるから例えば首脳がお互いに率直に話をしないというのは間違いでございまして、正に国が違えば国益がこれはぶつかる場合もありますし、認識の違いもあります。まあしかし、そうしたことがあるからこそお互いに胸襟を開いて話をし、誤解を解くべきは解き、また、例えば認識の違いがあれば認識の違いがあることをお互いに認め合うということも大切でしょうし、しかしその中で、将来に向かって未来を構築をしていくことが重要ではないかということで、今回、まずはお互いの首脳同士が率直に話ができる、そういう信頼関係を構築をしようとの思いで中国、韓国を訪問したわけでございます。
 そこで、当然、私どもの立場は中国側にも主張すべき点は主張しなければならないわけでございまして、例えば、まずは日本の戦後六十年の歩みでございます。この戦後六十年の歩みは、正にさきの大戦の反省の上に平和な国をつくってきたわけでございますが、この日本の戦後の歩み、一度も好戦的な態度を取ったことなく、平和とそして自由と民主主義、この基本的な考え方の下に基本的な人権を守り、そして世界の平和にも貢献をする。世界の人々から、これは多くの国々からも評価をされているということも首脳会談で申し上げたわけでありまして、そのことについても理解をしていただきたいし、そしてそのことをどうか政府の方々に国民に向かって公にしていただきたいという話もしたわけであります。その結果、日中の共同プレス発表につきまして、日本の戦後の歩みについて、言わば文章では初めて積極的な評価をするということが載ったのであります。つまり、六十年前だけのことではなくて、六十年以降の歩みについて理解をしていただき、それを公にその認識をしていただいたということは大きな一歩だったのではないかと、このように思っております。
 また、日中共同歴史研究につきましては、言わば歴史の問題というのは、政治の場で政治的、外交的に語るのではなくて、正に歴史家がアカデミックな観点から静かにお互いに事実について分析をしていくことが正しい方向ではないか、その意味で年内に、この年内に立ち上げていくという方向で努力をしていくということで一致をしたことも良かったのではないかと、このように思うところでございます。
 そしてまた、言わば愛国主義的な教育が行われているということが、結果としてこれが反日的な形のこれは教育になっているという中にあっては、やはりそうした施設、教育ということを今後の未来関係を構築していく上においてよく検討して対処してもらいたいということも首脳会談で申し上げたところでございます。
 今後は、お互いが率直に議論をこれは交わし合いながら信頼関係を構築していく、真の意味での強い信頼関係に結ばれた基盤の上の正に未来志向の関係をつくっていきたいと。その意味においては、戦略的な互恵関係、ただの友好関係からお互いに共通の利益を持っているんだという認識の上に未来を見詰める関係をつくってまいりたいと、このように考えております。
○高野博師君 日中間で協力すべきテーマはたくさんあると思います。環境の問題、あるいはエネルギーの問題、あるいは感染症、犯罪の問題、あるいは領海を含めての東シナ海での油田、ガス油田開発等の問題、相互の理解の上での協力関係を築いていくべき分野はたくさんあると思います。日中両国は、世界の中の日中関係というような視点に立って、大国としての責任を自覚しながら、東アジアの平和と繁栄のために協力すべきであろうと思っております。
 そこで、北朝鮮の核実験の問題について何点かお伺いしたいと思います。
 北朝鮮の今回の核実験の意図は米国の脅威に対応するためだと、対抗するためだということも要人が言っておりますが、核保有国になる、独自の核抑止力を持つということにあると、そしてまた米国との直接交渉を引き出すというところにあろうと思いますが、結果として北東アジアの、あるいはひいては世界の平和と安全に重大な脅威となったということでありまして、これはもう断じて許すわけにはいかないと思います。
 国際社会の、国連を通じて一致して厳しい措置、あるいは国連憲章第七章に基づいた拘束力のある安保理決議等がこれからなされるんだろうと思いますが、特に中国が原油の供給とかあるいは食糧等を供給していると、この中国が制裁に加わるというのは非常に決定的な重要性を持っているんではないかというふうに思っております。我が国も独自の制裁を科すべく検討中ということでありますが、核を保有するということがいかに不利益かということを十分認識させるということが重要だろうと思っております。
 もう一方で、北朝鮮はノドンを二百基ほど配備をし、照準が日本に向いているとも言われておりますが、技術的にもかなり高度なレベルに達しているんではないかというふうに見るのがこれはしかるべきではないかと思っておりますが、ソ連崩壊後、北朝鮮には相当の科学者、研究者が流れたという情報もありますので、またパキスタンのカーン博士の核のやみ市場というような情報もありますので、これについては十分注視する必要があろうと思います。
 イランとの関係でも、北朝鮮との連携があるんではないかというような推測もされておりますし、何よりも最もこの問題で恐るべきは、この北朝鮮の核兵器なり核技術がテロ組織に渡るということであろうと思います。姿も国境もない、守るべき国民を持っていない、こういう彼らに対しては核の抑止力というのは全く無力でありますから、正にこれは国際社会にとって最大の脅威になるだろうと、なるおそれがあるという認識をしております。
 今回の北朝鮮の行動についてはNPT体制、核不拡散条約体制のダブルスタンダードが問題あるという指摘もありますが、いずれにしましても、民主的なチェックが利かない独裁国家がこういう核兵器を持つということ、これはもう絶対的に避けなくてはならないというふうに思います。
 総理の認識を、簡単で結構ですのでお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮は先軍政治と言われておりまして、軍事を優先する、そして国際社会の中で孤立をしている国であります。この北朝鮮が核能力を持つということは、既に開発をしているミサイルと運搬手段と併せ持って考えれば、日本にとって大変な脅威になるわけでございます。また、委員正に御指摘のように、この北朝鮮のミサイル技術、核技術、またそのものが拡散をするということは世界にとっても大変な脅威であり、平和な世界を構築をしていくためには新たな挑戦にもなってくるわけでありまして、断じて許すべきではない、国際社会でその認識を共有し、国連において決議をしなければならないと、このように思います。
 いずれにいたしましても、こうした大量破壊兵器の拡散を食い止めるためにも、実効性のある決議が行われることを我々、追求をしていきたいと思います。
○高野博師君 こういう核の問題の、東アジアの状況の中で、日米同盟というのは我が国にとって死活的な重要性を持っているだろうと思います。そういう意味では、アメリカが、同盟国が攻撃された場合には自国に対する攻撃と同じだとみなすということを、これは今回も明言をしております。
 北朝鮮にとって最も怖いのは在日米軍基地だとも言われておりますが、いずれにしても、ミサイル防衛等の整備も急ぐ必要があるのだろうと思いますが、いかなる状況になってもこれは国民の生命、財産を守るということについて、総理の口から是非明言をしていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮のもし核実験が事実であるとすれば、これは大変な脅威が、我が国にとって大変な新たな脅威となるわけでございまして、その中にありまして、私どもは日本人の生命と財産を守ることに責任を持っているのでございます。いかにして守るべきか、まずはしっかりと抑止力をこれは維持をしなければいけない。
 九日の日にブッシュ大統領と電話で会談をいたしました際に、日米同盟による抑止力は全く揺るぎないということを大統領からもおっしゃっていたわけでございまして、正に日本に対する攻撃は米国に対する攻撃と同じということになるわけでございます。正に日本を攻めることは米国のこれは反撃ということになるという、その抑止力は極めて大きいわけでございます。電話会談によってこの抑止力に全く揺るぎはない、新たな事態になっても揺るぎはないということを確認をした次第であります。
 そしてさらに、今委員が御指摘になられましたミサイル防衛網を、これはこういう状況を受けまして、我々、何とか早く構築すべく努力をしていきたい、限られた予算の中ではありますが、努力をしてまいりたいと思います。
○高野博師君 それでは、今日はロシア関係についてお伺いしたいと思います。
 総理が歴史に名を残す仕事をするとすれば、私は、一つは北方領土の問題ではないかというふうに思っております。中国、韓国と並びまして、ロシアは日本の隣国であります。六か国協議の一角を成している。北朝鮮から核実験の通告もされていたようでありますが、この対ロ関係を改善するということは極めて日本の外交にとっては重要ではないかというふうに思っております。美しい国を構築するにはこの領土問題を避けて通れないと私は思います。領土問題解決してないということは、この国の形が定まっていないということであります。
 先般の漁船の拿捕の問題、銃撃問題、こういう問題はこれからも起こり得ると思います。したがって、そういう事件が起こるようでは美しい国とは決して言えないと思いますが、去る四月五日にも麻生大臣にもこの北方領土問題について若干お伺いいたしました。今日は是非総理にお伺いしたいと思っております。
 御存じのとおり、ロシアの国旗というのは、国の旗は双頭のワシであります。双頭のワシというのは二つ首がありまして、一つはヨーロッパに向いている、もう一つはアジアに向いている。ユーラシア大陸ににらみを利かせる。そのワシが持っている王笏は権力の象徴だと。内には権力を集中する、しかし外には拡大していくというのがロシアの本質かもしれません。
 そこで、法治国家とか人治国家というのではなくてロシアは力治国家だと、力こそが正義なりという、そういう国だと、こうも言われておりますが、我が方は戦後一貫して北方領土は不法占拠されているという、そして固有の領土だということを主張しながら何度も交渉を重ねてまいりました。しかし、一向に進展はなされてないという現状であります。四島返還というのが我が国の国民の悲願であるということも私は十分認識をしております。
 しかし、領土問題というのは非常に難しい問題であります。例えば、イギリスとスペインというのは人口数万のジブラルタル、この領有をめぐって一七〇二年からもう三百年以上も領有権を争っているのであります。領土問題というのは双方の国民が納得しなければ解決しないと思います。したがって、勝者も敗者もない解決を目指すべきではないか。一方だけが勝ったということは戦争でもなければあり得ないということだろうと思います。
 これまでの経緯で言いますと、一九五六年の日ソ共同宣言の中で歯舞、色丹という二島については明記されております。二島返還の意思はあるのではないかと思います。しかし、四島返還には応じないということも向こうの関係要人は明言をしております。
 そういう中で、これは私の提案でありますが、交渉の中身について余り具体的に言わない方がいいのかなとも思いますが、しかし、今、外交交渉は秘密裏にやる話でもない。国民の支持がないとなかなかこれはうまくいかないということも現実にありますので、これは是非総理に御検討いただきたいと思いますのは、歯舞、色丹、国後、択捉という四島を返すか二島か、あるいは三島かという数の考え方ではなくて面積割りをしたらどうかと、両方の国民が納得するように。もし面積で半分こするとどうなるかといいますと、歯舞、色丹、国後、そして択捉の四分の一まで行きます。強いて数にすれば三・二五であります。これができれば、漁業問題はほぼ解決するということであります。当然、反対する人もいると思います。しかし、あと何十年、この領土問題について今のままでおいておくのかという問題があろうと思います。
 この領土について、面積割りは前例があります。これは、ロシアと中国もウスリーとあるいはアムール川の周辺については、これは面積割りをして国境を画定しました。そしてまた、中国と中央アジア、ウズベキスタン、カザフスタン等も、これも国境画定は面積割りをやりました。中国とベトナムも、トンキン湾を含めて、これは面積といいますか、分割をしております。
 そういう前例がありますが、法的な根拠があるわけではないという一つの難点はありますが、しかし、国民を説得すべきであり、私は説得できるんではないかというふうに思っております。政治的なリーダーシップと政治的な決断というのが求められているんではないかなというふうに思っております。是非検討してもらいたいと思いますし、昨年プーチン大統領が訪日したときは何ら見るべき成果が上げられなかったと、上がらなかったということもあります。このアイデアについてロシア側は好意的な反応を示していると私は理解をしております。
 ロシアは世界最大の面積を持っておりますし、シベリア、サハリン等には膨大な資源があると。日ロの現在の年間の貿易量は約百三億ドルであります。これは日韓の七百億ドル、あるいは日中の一千九百億ドルと比べても余りにも少ないと思います。ロシアは資源依存型の経済構造でありますから、今景気は大変よろしいようでありますが、いずれ日本の技術とか資本とかを必要にしてくるだろうというふうに思います。この対ロ関係を北方領土問題を解決することによって、より日本のアジア外交というのはダイナミックに力を発揮することができるんではないかというふうに思っております。
 アジアにおける戦略的な視点からも、この北方領土問題に政治生命を懸けるぐらいの真剣さで是非取り組んでいただきたいと思いますが、私の提案も含めて総理の御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) かつてこの北方領土問題は、ブレジネフ、グロムイコ時代には両国間には領土問題は存在しないという時代も長く続いていたのも事実であります。その中で、何とかこの問題を解決をして両国の平和条約を締結をすると、その目的に向かって多くの方々が努力をしてまいりました。私の父も晩年、当時のソ連に赴きまして、当時のゴルバチョフ大統領と会って、英知ある解決をという言葉を引き出したのを今思い出しているわけでありますが、その後、東京宣言、またイルクーツクでの宣言と、こう続いてきたわけでございます。
 この北方領土の問題は、委員御指摘のように、いまだ平行線のままでありますが、これが永遠にこのままでいいわけではありませんし、これは両国にとってもそれは利益にはならない。むしろこの日ロ間こそ、もし平和条約が結ばれたら新しい可能性はたくさんあるのではないか。貿易量についてもそうでしょうし、エネルギーについてもそうなんだろうと、このように思います。これは日本、ロシア双方が大変な大きな利益を得ることになると思います。その認識の上に立って、今までの合意してきた諸合意、また諸文書の上に立って、双方が納得できる解決案を模索をしていかなければならないと思います。
 その観点に立って、今後粘り強く交渉をしていかなければならないと考えておりますが、これはもう委員は十分に御承知の上で恐らく質問されていることだと思いますが、個別具体的、今極めて個別具体的な提案を出されたわけでありますが、正に我々これから交渉をしていくということでございますので、基本は先ほど申し上げましたような基本に立って、この問題を解決をして平和条約を結ぶために努力を粘り強く行ってまいりたいと思います。
○高野博師君 是非、北方領土問題について取り組んでいただきたいと思っております。
 それでは最後に、外交力の強化という観点について総理並びに外務大臣にもお伺いしたいと思います。
 今回の北朝鮮による核実験の実施の発表、あるいは中国、韓国等、近隣諸国との信頼関係の強化等々、喫緊の外交課題が山積をしているのであります。そういう中で、いろんな情報の収集とか分析とかという、あるいは国連での根回し等も含めて、この外交のインフラというのが非常に日本というのは貧弱ではないかというふうに思っております。日本が平和外交を積極的に推進するという観点からもこの外交実施体制を強化すべきではないかと思っております。
 九月の二十五日、我が党と自民党総裁の間で、与党の合意として、連立の合意として、その中の一つで、平和外交に向けての外交実施体制の充実など総合的な外交力を強化するということもうたっております。我が党としましても、外交力を強化するプロジェクトチームというものを発足をさせました。本件につきまして真剣に議論をしているところであります。
 そこで、まず外交力の強化につき、麻生外務大臣にお伺いしたいと思いますが、我が国の総合的な外交力を強化していくために、他の先進国並みの在外公館の配備、あるいは外務省の定員の増強、これが必要ではないかと思っております。例えば、アフリカには五十四か国ありますが、中国は四十四か国の大使館を持っている。しかし、我が国は二十四しか持っていない。これでは安保理常任理事国入りのこのいろんな交渉をするにしても、まず手足がないと、現場で、というような問題があります。世界全体で見ますと、中国よりも四十一大使館が少ないという、これが現実であります。
 そういう、中国とは必ずしも張り合う必要はありませんが、いずれにしましても先進国並み、ドイツあるいはフランス並みの外交のこの体制、大使館の充実というのが必要ではないかと思いますが、外務大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 一九九〇年にいわゆる冷戦構造が終わってソ連という国が分裂して十五の国になっております。また、例えばユーゴスラビアも分かれて六つぐらいになりましたし、今御指摘のありましたように、アフリカも急激に増えてというような状況の中にありまして、今増えましたソ連十四の新しい、ラトビア、リトアニア、エストニア、ベラルーシ、いろいろございますけれども、そういった新しい国々の中で日本の大使館があるのは、十四のうち四つしかございません。
 また、アフリカも今御指摘のありましたとおりで、アフリカのかなり発展途上国の貧しいと思われている国々の方が日本に大使館があって日本の大使館が先方にないというのが十か十一あると思います。
 いろんな意味で、この問題はこの十数年間の間、国際情勢が急激に変化していっている中にあって、日本としては、その間、いわゆる、何といいますか、合理化、まあ役所の、役所の合理化、いろんな表現がありましょうけれども、そういった中にあって、その一環として外務省もどんどん減らしていった結果、世界じゅうはどんどん増やしている中、日本だけ減らしていった結果だと思っております。まあ、日本の実情としてはその当時やむを得なかった面もあろうかと存じますが、今の段階としてはそれが非常に大きな問題になってきたと思っております。
 人数につきましても、今言われましたように、日本で今五千人、海外入れまして五千数百人、二百人ぐらいだと思いますが、フランス、イギリス、いずれも七千人を超えていると思っておりますし、国の人口からいきますと、大体半分ぐらいのところが日本より二千人多いとかいう数字になっておりますんで、今後、日本の外交を言われる場合におきましては、外交の質もともかく、邦人が今、年間千七百万人ぐらい海外旅行に出ております。いろいろ事件に巻き込まれたり、事故に遭ったり、いろいろしている人の数というのは、報道されていない部分で示談で話が付いている部分も含めますとかなりな数に上っております。対応だけで現地の領事館等々は大変人を取られるということになっておりまして、現実、猛烈な勢いで今増えておるというのが、もう結構なことだと思っておりますが、それに対応できる役所の体制ができていないというのが外務省に来て率直な実感でもありますので、過日、自民党の方からも御指摘をいただきましたし、過日の政策綱領というか、政策合意を、与党の政策合意をされるときにもこの点を指摘していただいておると伺っておりますので、私どもそれにこたえるべくいろいろ努力をしていかねばならぬと思っております。
○高野博師君 外交力の強化という点では、民間人も含めてこの国際平和に貢献できる専門家等の育成等も必要ではないかというふうに思っております。対日理解を促進させるための広報外交、こういうことにもやっぱり人材を育成する必要があろうと思いますが、全体的に見まして外交力の強化という点で総理から一言所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま外務大臣から答弁したとおりであり、日本は正に今グローバルな社会の中で世界においてビジネスをし、そしてまた日本のこの力を更に増しているわけであります。その意味におきましては大変外交は重要でございますので、今後とも外交力が向上するように努力をしていきたい。
 また、ただいま委員が御指摘になられましたように、民間の方々の知恵もかりるという意味においては、かつては大使すべて外務省の出身者でありましたが、今は民間人も含めて外務省以外からの方々にも大使として活躍をしていただいている。
 そして、やはりまた、海外での広報力を生かして、日本が誤解をされているんであればすぐに誤解を解いていく、あるいはまた日本のすばらしさをどんどんどんどん世界に発信をしていくという強い意思とまた能力を持たなければならないと考えております。
○高野博師君 終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で高野博師君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 安倍総理に北朝鮮の核実験の問題で質問をいたします。
 日本共産党は、北朝鮮の核実験の問題で直ちに志位委員長の談話を発表いたしまして、国連安保理決議などの国際社会の意思を無視し、六か国協議や日朝平壌宣言などの国際的な取決めをじゅうりんをした、世界とアジアの平和と安定を脅かす脅威として強く抗議をいたしました。
 私自身でいいますと、私は被爆地の広島で育って、核兵器の悲惨さということを胸に刻みながら育ってまいりました。卒業した高校が爆心地のすぐそばでしたから、先輩たちは全滅をした。人間の形で死ぬことすら許されなかった先輩たちもいる。そんなことから私は、このような理不尽は二度と許してはならないし、核兵器と人類は決して共存できないんだと、このことを自分の政治活動の土台にしてまいりました。ですから、昨年は国連で行われたNPTの再検討会議にも行きまして、いろんな場所でこの核兵器の廃絶を訴えてまいりました。それだけに、今回のこの北朝鮮の暴挙については本当に心からの憤りを持っております。
 今大事なことは、国際社会が一致結束して働き掛けて、北朝鮮に対しすべての核兵器、核計画を放棄をさせる、そして即時無条件に六か国協議に復帰をさせると、こういう働き掛けをすることだと思います。そして同時に、軍事衝突、戦争というものは何としても避けなくちゃいけない、外交的、平和的解決が本当に大事だと思っております。昨日の衆議院の予算委員会で総理は、この点では日本共産党と同じ考えだと、こういう答弁もございました。
 そこで、安倍総理に幾つかの点を聞きますが、まず国際社会が一致して対処をするという点で、とりわけ日本、中国、韓国、三国の結束というのは大変大事だと思います。総理は、この実験の直前、直後に中国、韓国を初めて、初めての首脳会談を行われました。
 まず、胡錦濤主席との会談についてお聞きをするんですが、中国側は、これはまだ実験前の宣言だけの事態でありましたけれども、どういう認識をしていて、そして総理はどういう提起をし、両国間ではどういう一致点が得られたのか、まずこれをお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私から胡錦濤主席に対して、この北朝鮮の当時、核実験をするという宣言があって、実際にしたということはまだ外に北朝鮮は言っていなかったのでありますが、この核実験の試みは何としても阻止をしなければならない、そして六者協議に無条件で復帰しなければならないと。この六者協議無条件復帰に際しては、中国は六者協議の議長として大変な御努力をしてこられたが、何とかまた影響力を是非駆使をしていただいて、北朝鮮にこの六者会合に無条件で復帰をし、そして核を保有をするというこの試みを放棄させるべくお互いに努力をしていきましょうと、そのための連携を取っていこうということを申し上げたわけでございますが、その点では一致をしたわけであります。
 そして、私どもとしては、日本としては断固としてこの北朝鮮の核実験は許すわけにはいかないということを申し上げたわけでありますが、中国側からも北朝鮮のこの核実験、核保有を容認しない、断固許さない、そしてそれは不変の考え方であると、原則であるという意思も表明されたわけでありまして、その点では一致をしたと思っております。
○井上哲士君 次に、韓国との首脳会談が行われました。盧武鉉大統領はこの首脳会談後の記者会見で、核実験に対する対応基調について日本の首相と意見が異なる点はなかったと、こういうふうに述べられたわけでありますが、韓国との間でもどういう提起をされ、どういう点で一致点を見たのか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 韓国はそれまでは平和繁栄政策を取ってきたわけでありますが、私との会談の際には今後は厳しい反応をしていかざるを得ないということでございました。これは、私は今までの平和繁栄政策をもう一度検討するという示唆ではないかと、このように理解をしているわけでありますが、私と盧武鉉大統領との会談の中におきまして、四点合意、認識が一致したわけであります。
 第一点は、核実験の実施が確認されれば重大な脅威であり、断じて容認できない。そして、国際社会はこのような北朝鮮の行動を容認せず、更なる厳しい措置をもって臨まなければならない。そして、三点目は、日韓両国が今後直ちに断固たる対応を取っていく必要がある。そして、安保理における厳しい措置を含む決議の速やかな採択に向けて緊密に連携を強化をしていく。この四点について私と盧武鉉大統領は一致したのであります。
○井上哲士君 総理は、昨日の予算委、衆議院の答弁で、この日中韓三国の緊密な連携を重視をして対応をしていくと、こういう答弁がございました。この日中韓三国の連携を重視をしつつ、その上でやはり国際社会が一致結束して対応していくという点で、じゃ、国連ではどういう対応を日本としてはしているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 同盟国である米国を始めとして、この安保理の決議でありますから、安保理に入っている国々、特に常任理事国であるイギリス、フランス、そしてロシア、また中国と連携を取りながら、連絡を取りながら、厳しい措置を含む決議を採択すべく努力をしているところでございます。
 また、この安保理とは別に、六者会合のメンバーということで韓国も入っております。先般、外務大臣がそれぞれの国々の外相と電話連絡を取りました。また、マルチの電話協議も行ったところでございます。
○井上哲士君 こういう国連での対応、また六か国協議に参加をしている国々との対応という点でもう一つ重要な点は、外交的、平和的解決を貫くということだと思います。これは国際社会も望んでいることだと思うんですね。
 米韓の首脳の電話会談で盧武鉉大統領は、冷静、戦略的に調整した対応に努めること、友邦との協議と協力を基盤に対処すること、国連の措置を支持すること、これを挙げて、この点で米韓の首脳が一致をしたと報道されております。
 それから、米中の首脳の会談も電話で行われていますが、胡錦濤主席は、関係各国が冷静に対応することを願う、事態を更に悪化させ、制御不能な状態に陥らないようにするためにも対話と交渉によって問題を解決する姿勢を維持するよう希望していると、こういうふうに述べて、ブッシュ大統領は、米国は現在のところ外交により朝鮮半島の核問題を解決できると認識していると、こう述べたと報道されています。
 軍事力で対応して軍事衝突ということになりますと、これは最悪の事態になるわけでありまして、この米韓中が電話会談の中で平和的解決の努力をしている、大変大事だと思いますけれども、この点についての総理の認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、軍事衝突はだれも望んでいないわけであります。そうしたことにならないように全力を挙げなければいけない。また、そもそもこの北朝鮮の問題、核問題もまたミサイル問題もそうでありますが、この問題の解決は、平和的な解決をしていく、外交的な解決をしていくということについては国際社会が認識を一つにしていると、このように思います。
 我々日本といたしましても、当然、平和的、外交的に解決をしていかなければならない。そのためにも、国連の場におきましてまずは国際社会が一致して北朝鮮に対して強いメッセージを出すことが大切であろうと、このように考えています。
○井上哲士君 韓国の韓明淑首相も、国連決議に関連をして、軍事政策を含めるべきではない、朝鮮半島で戦争があってはならないというふうに述べております。朝鮮半島での動乱とか戦争ということになりますと、同じ半島内の韓国はもとより、日本にも大変な被害ということが生じるわけでありまして、この軍事衝突、ならないと、ここでの対応が本当に大事だと思います。その上で、じゃ、北朝鮮にどういうメッセージを国際社会、そして日本が与えていくのか。
 北朝鮮はこの核実験によって安全保障が強化をされたということを繰り返し言っております。私は、やはり北朝鮮に言いたいわけですね。現実はむしろこのことによって国際社会からの孤立を深めて、自分の安全保障にとっても最も危険にさらす状況になっていると。今、北朝鮮の安全保障にとって問題なのは、戦力が不足していることじゃない、国際社会とまともな外交関係がないこと、ここにあるんだと。これを改めて、早期かつ無条件に六か国協議に復帰をし、そしてすべての核兵器及び核計画を放棄をする、そして国際的な無法行為の清算によって周辺諸国や世界各国とのまともな安定した外交関係を築いていく、このことが北朝鮮の安全にとっても平和にとっても最大の保障なんだと、こういうことを道理を持ってこの国に説いて分からせていくと、このことが私は大事だと思うんですけれども、この点での総理の認識、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮が核武装をして、そして世界の中で注目を浴び、大国になって米国と交渉する国になったというのは、正にこれは錯覚であって、本来、北朝鮮の政府が取り組むべき課題は、ミサイルを造ったり核兵器を造ることではなくて、国民に食糧を供給し、そして国民の生活の向上に全力を尽くすことではないかと、このように思います。
 北朝鮮がこうした核兵器を開発をすれば、ますます国民が置かれている状況が厳しくなっていくわけでありますし、北朝鮮という国自体の生存の条件も厳しい状況になっていくわけであります。
 こうした政策を変えれば、日本との関係においても、例えば拉致の問題を解決をして、そして核の問題、ミサイルの問題、こういう懸案について解決をすれば正常化するわけでございます。そしてまた、世界からも受け入れられる国になれば、新たな未来が開けていくことは間違いのないことでございまして、そういう北朝鮮に対して道理を理解するように我々も努力をしていかなければいけない。
 そのためには、間違ったメッセージを出さないことも重要であって、こうした核兵器を保有することによって何かかえって国の存在が大きくなったということを思わせないようにすることも大切であろうと。そのためにも、国連の決議によって、厳しい措置を含む決議を全会一致で採択することが大切であろうと思っております。
○井上哲士君 最後に、この問題解決していく上での日朝平壌宣言の位置付けについてお聞きをいたします。
 この北朝鮮の核実験という現実の前に、もう六か国協議は限界だとか、平壌宣言は破綻したとか、制裁をもう強化するしかないと、こういう言わば制裁をどんどんエスカレートするような議論があります。私は冷静な対応が必要だと思います。そのためには、この核問題、拉致問題、歴史問題について、解決の目標と方向を示してきたこの日朝平壌宣言は非常に大事だと思っております。
 日本政府として、今回の事態について、この日朝平壌宣言に基づいて解決していく、この姿勢を貫いていくべきだと思いますが、総理の御見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮がこの日朝平壌宣言の趣旨にのっとり、精神にのっとり、ちゃんと対応していけば国交正常化に向かって進んでいくわけであって、国際社会の懸念は解消され、北朝鮮には未来は開けていくわけであります。
 この平壌宣言の精神に戻るように、我々もこれから北朝鮮にしっかりとそれを理解するように、これはまあ対話と圧力にならざるを得ないわけでありますが、働き掛けていかなければならないと考えております。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が参っております。
○井上哲士君 国際社会が一致して結束して対応し、そして平和的、外交的な解決を図るために全力を尽くしていただきたい。強調しまして、質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 社民党は、いかなる核にも、核兵器にも、核実験にも大反対です。アジア、特に北東アジアにおける非核構想を作るべく、モンゴル、中国、韓国を訪れ、非核化に向けて頑張ってきました。今回の核実験に強く抗議をすると同時に、朝鮮半島における非核化に向けて、社民党は、中国、韓国など関係国に対して直接働き掛けていきます。
 次に、総理、総理のこれまでの戦争指導者の責任、いわゆる従軍慰安婦に関する発言は間違いだったのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既に国会で答弁をいたしておりますように、河野官房長官談話については、私の内閣においてそれを継承しているところでございます。
○福島みずほ君 以前の見解を変えたわけですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 以前の見解というのはどの見解のことでしょうか。
○福島みずほ君 総理は、いわゆる従軍慰安婦問題について、強制連行について、ない、あるいは問題があるという旨発言をされてきました。私が今日ここで問題としたいのは、総理が以前行っていた発言と違う発言を総理になってからされていることです。以前の発言は間違いだったんでしょうか。
 一九七二年、日中国交正常化に際して周恩来首相は、日本の中国侵略は一部の軍国主義者によるもので、一般の日本人も戦争の被害者だったと説明し、この考えを前提に日中の国交正常化が実現をいたしました。
 総理、総理もこの見解に立たれますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、周恩来、当時の首相のこれはごあいさつの中から引かれたものだと、このように考えております。
 日中国交正常化に際しましては、正にこれは日中平和友好条約あるいは日中共同声明等に書かれているとおりだろうと、このように思っております。
○福島みずほ君 歴史認識をなぜ聞くのか、見解をなぜ聞くのか、それは哲学に関する重要な問題であるからです。戦争指導者と一般の国民を分けて、戦争指導者にこそ責任があった、この見解、この日中共同宣言に伴う中国の考え方、私の理解では、日本もそれを前提に日中国交正常化をしたと理解をしております。
 総理、総理はこの見解に立たれるんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば両国が条約を交わす、あるいは文書を作る際には、それぞれお互いに主張をするわけでございます。その際に、周恩来首相が述べておられますように、中国側はそういう見解を述べられた。しかし、日本がその見解を承知をしたというか、日本側も同意をして作ったというものではないわけでありまして、成果であるこの日中共同声明あるいは日中平和友好条約、あるいはまたその後の共同宣言に書いてあることがすべてであると思います。
○福島みずほ君 極めて重要なことです。戦争指導者と国民を分けて日中共同宣言を取ったのかどうか、それは日中共同で当時の認識だったと思います。総理が今日その見解に立たないとするから問題だと思い、質問をしています。総理は、その分ける見解に立たないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、もう既に国会で申し上げておりますように、指導的立場にあった方々の責任は極めて重たい、それは当然のことであります。一方、この日中友好平和条約について、その前にお互いが述べ合ったことを前提にできているということを我々は認めろと言われてもそれは違うわけでありまして、正に条約とかあるいは共同声明、共同宣言、みんなそうなんですが、それまでに交渉の過程でいろいろなことがあるわけでありまして、それは中国側は中国の認識を持っているということを我々は承知をしておりますが、その同じ認識に立っているということではございません。
○福島みずほ君 この日中共同声明の発言に当たって、日中間において戦争指導者の責任は認めると、しかし国民は被害者であったと。この前提に立って日中国交回復をし、その後の方向をつくってきたと思います。総理がその見解に立たないということは極めて重要だと考えます。
 次に、集団的自衛権の行使についてお聞きします。
 総理は、集団的自衛権の行使は日本国憲法下でできると発言をされています。その見解でよろしいですか。総理になってもその見解を維持されますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの話でございますが、私が首脳会談を行った際に、それは安倍さんのその見解はおかしいからという話は一切出なかったということは申し上げておきたいと、このように思います。
 集団的自衛権につきましては、先ほども答弁をいたしましたように、言わばこの集団的自衛権の、日本が禁止している、禁止されている集団的自衛権の行使に当たるかどうかということについて、これは言わば集団的自衛権、禁止されている集団的自衛権、個別的自衛権と集団的自衛権の間に、個別的に当てはめていく中において研究をしていくことは必要ではないか。要は、つまり日本人の生命と安全、この日本の平和を守るために何をすべきかということはよく真剣に考えるのは当然のことでありまして、そのために個別的なことについて研究するのは私は当然ではないかと、このように考えております。
○福島みずほ君 意味が不明です。私は端的に聞いております。総理は日本国憲法下で集団的自衛権の行使を認めるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員は少し物事を単純化し過ぎているわけでございます。
 これは、先ほど来申し上げておりますように、集団的自衛権については厳密にお話をさしていただかなければならないわけであります。言わば、自衛権発動の三要件というのがある中において自衛権を我々は発動するわけでございます。この自衛権を我が国は集団的自衛権と個別的自衛権に分けているわけでございますが、その中で、例えば公海上において、我が国に対する攻撃が発生していない段階において日本の船と同盟国たる米国の船が並んで並走していたときに、米国の船に対して攻撃がなされた際に日本はそれは全く救助しない、しかし救助できないのかどうか。
 そこで、解釈としては、今までの答弁の中におきましても、これは法制局の見解の中で、ある一定の条件がそろっていけばそれは可能ではないかという考え方もあるわけでありますが、そこはそれぞれ、その事態事態において、事態の前にやはりある程度のこれは解釈をしておかなければならないわけでございます。つまり、同盟関係が効率的にこれは動いていくことによって日本の安全は私は向上し、また抑止力は維持されると考えております。
○福島みずほ君 総理は、総理になられる前に雑誌の中で、単純に日本国憲法下で集団的自衛権の行使はできると明言をされているからですよ。あなたはそんなぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ言ってません。集団的自衛権の行使は日本国憲法下でできると言っていたんです。日本国憲法は、武力行使はできない、しない、戦争しない、決めています。どこをどうつついたら武力の行使ができるんですか。憲法の規範力をどう考えているのか。あなたのような総理大臣が暴走しないようにこそ憲法があるんです。
 単純にあなたは集団的自衛権の行使ができると言っていました。政府見解は戦後ずっと集団的自衛権の行使はできない、そうでした。あなたが違う見解に立つのかどうか。しかし、あなたはぐじゃぐじゃぐじゃぐじゃぐじゃぐじゃ言って、認めるのか認めないのか、そこをはっきり言いません。でも、研究をすると言っているからには集団的自衛権の行使ができると認めているはずです。はっきり言ってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はしかし、私の著書の中でもいろいろなケースについて述べているところでございます。で、今までの政府の見解の中におきましても、例えば一体化という議論がありました。この一体化は何をもって一体化するかということについてもいろいろと議論の変遷はあったわけでございます。時代がこれは移り変わっていく中において、正確な精密な議論を私はしなければいけない。正確な精密な議論をぐじゃぐじゃと言うのは極めて私はふまじめな態度だと思いますよ。
○福島みずほ君 政府見解ははっきりと集団的自衛権の行使はできない、これを日本政府は維持してきました。ところが、それについてあなたははっきりと集団的自衛権の行使ができると総理になる前には発言をされています。そして、総理になった途端に研究すると言ってできる余地を残しているから大変危険だと思っているからです。あなたは総理になる前と後で発言をころころ変えています。それが維持されるのかどうかということについて私たちは極めて重要なことだからこれを聞いているわけです。
 教育基本法改悪法が国会に提出されています。国のために命を投げ出すことが美しいことだと言うために愛国心が盛り込まれる、愛国心を教育の法律の中に設けているのは今現在では中国だけです。なぜ日本においてそれを盛り込むのか。そのことが極めて問題であると同時に、沖縄で今パトリオット搬入のためにデモ隊、ゴボウ抜きがされています。そういうミサイルを沖縄に押し付けることも問題であることを申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて外交等に関する集中審議は終了いたしました。
    ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) この際、予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日、明日及び明後日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は三百十二分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党百二十九分、民主党・新緑風会百二十八分、公明党三十二分、日本共産党十六分、社会民主党・護憲連合七分とすること、質疑順位につきましては質疑通告表のとおりでございます。
 それでは、これより質疑を行います。西岡武夫君。
○西岡武夫君 民主党の西岡武夫でございます。民主党・新緑風会を代表して、主として総理に御質問申し上げます。
 総理、御就任おめでとうございます。また、御就任後、まず中国、そして韓国を御訪問されたことにつきましては私も大賛成でございまして、その御判断について心から敬意を表します。大変短時間の間に大変御苦労でございました。
 そこで、中国を訪問されたときに、総理は尖閣諸島の問題についてお話しになられましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 尖閣は我が国固有の領土であり、日本がしっかりと実効支配をしているわけでございます。あえてこちらからこの尖閣について申し上げる必要はないわけでありまして、私からは申し上げておりません。
○西岡武夫君 ところが、中国の方は、尖閣諸島は中国の領土であるという主張をしております。間違いありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、中国は中国の御主張があると思いますが、日本の主張は、この尖閣は日本の固有の領土であるということでございます。
○西岡武夫君 領土の問題は正に国家の基本的な問題であると、このように認識しております。総理が初めて御就任になって中国を訪問されたわけでありますから、一番大きな領土の問題について両国の見解が違っていると、この問題にお触れにならないのはどういうことでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、この領土問題は、我々は事実上存在しないという立場でございます。つまり、尖閣は日本の領土であり、そして我々は実効支配をしているわけでありますから、あえて外交問題化するためにこの場に出す必要はないと、そう判断をした次第であります。
○西岡武夫君 それでは、尖閣諸島については、日本はこれを中心とした、もちろん領海の問題、こうした問題についていかなる行為も行い得ると、行う用意があると、このようにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が申し上げましたように、尖閣諸島は我が国の領土でございますから、主権的な権利が存在するということでございます。
○西岡武夫君 それでは、尖閣列島を中心とするいろいろな海底資源の問題を始めとする諸問題が存在をしている、これについてはどうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私申し上げましたように、そこには主権的な権利が存在する、これは私どもの不動の認識でございます。
○西岡武夫君 それでは、少し分かりやすく申し上げますけれども、韓国を訪問されたときに竹島の問題についてお触れになりましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この問題につきましては、韓国側から、竹島の問題についてはこの場ではあえて議題にしないというお話がございました。
○西岡武夫君 それを総理は了承されたんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この首脳会談の場においては議題にしないという提案でございましたから、私はあえて議題にはいたしませんでした。
 他方、海洋における放射能の調査の問題を含めEEZの画定の問題があるわけでございます。それにつきましては、お互いが交渉をするようにということについて、お互いが、この首脳が交渉するようにということを確認をしたということでございます。
○西岡武夫君 これはおかしな話でありまして、竹島の問題は、現に韓国があそこにきちっと施設を造って実効的に支配しようとしているんです。これを総理は、初めて行かれたわけですから、ここで一言言っておかなければ、安倍政権の下で竹島問題はこれは解決しないということになりかねない。どうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは両国がお互いに知恵を出し合うことが大切でありまして、今まで何回もこの日韓の会談が行われているわけでありますが、その中でそれぞれの首脳が対応してきたところでございます。
○西岡武夫君 知恵を出し合うというのはどういうことですか。竹島は我が国の領土でしょう。もう一度お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 竹島につきましては我が国の領土であるという立場は、これはもういささかも変更していないわけでございます。今後とも粘り強く対応していくということになるわけでございます。
 また一方、例えば漁業の問題につきましては、これは正にお互いが知恵を出しながら解決をしているところで、解決をまた模索しているところであると、このように承知をしております。
○西岡武夫君 ところが、実際問題として韓国は軍隊も置いているという話でありますけれども、そういう状況の下で、我が国は固有の領土である、総理はこれどうされるんですか、知恵を出し合う問題じゃないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 領土の問題は、それは一朝一夕に解決するわけではないのであります。普通は、通常は、これは平和条約を結んだ段階、講和条約を結んだ段階で解決をするわけでありますが、この問題は六五年の日韓の条約が結ばれた以降も残っているわけでございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、例えば漁業資源につきましては、これは暫定水域として、両国の漁民がお互いに入会の形で、旗国主義の中で漁獲量等を管理をしながら漁業を行っているということになっているのではないかというふうに承知をしております。
○西岡武夫君 実利的には、今総理がおっしゃったその漁業の問題が具体的にあるんです。我が国の漁業関係の皆さん方が、竹島の問題が、我が領土でありながら、領土でありながら、きちんと領有権を確立しないままに入会の状態になっているということが我が国の西日本における漁業不振の最大の原因になっている、これ、お認めになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 漁業につきましては、これはもう日本海全体をこう俯瞰しながら日韓で漁業の協定を結んでいるわけでございます。要は、その中でお互いにルールを守っていくことが私は大切だろうと、このように思いますし、また、そのことを韓国側にも求めているところだろうと承知をしております。
○西岡武夫君 竹島は我が国の固有の領土であると。それならば、今総理がおっしゃった問題は、お話はおかしいんじゃないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) しかし、今の段階で、先ほど竹島の状況というのは委員が御指摘されたような状況になっているわけでございます。しかし、その中で我々は、私の地元も西側でございますが、この中で漁業者が漁業できるような状況をつくるために、お互いに知恵を出しながら、暫定水域という形でこの地域を暫定水域にする、別の地域もありますが、そういう中でお互いに知恵を出し合った結果ではないでしょうか。
○西岡武夫君 総理は、御自分の任期中にこの竹島の問題を解決するという御決意はございませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 解決をするというのはどういう意味であるかということでございますが、解決というのは、これはそう簡単に話の付くものではないわけでありまして、その中でお互いが知恵を出し合っていくことが大切であって、日本海を紛争の海としない、平和と協力の海にするべく努力をしていくことが大切ではないでしょうか。
○西岡武夫君 それでは、総理の日本国にとっての領土ということについての基本的なお考えをお聞きしなければいけません。どうお考えなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、領土、これは国民と領土と我が国の今までの歴史と文化があるわけでございます。その中で国というものが形作られていくわけでございますが、当然この領土ということにつきましては、我々はそこには主権的な権利が存在するわけでございまして、しかし、この竹島の問題につきましては、例えば北方領土の水域に係るようなそうした不利益が生じないように、お互いに知恵を出しながら漁業者が漁業ができることが可能な状況をつくっているのではないでしょうか。
○西岡武夫君 北方領土の問題は竹島の問題とはかなり事情が違って、歴代の政権が大変な御苦労をされてきているのを私も与党に在籍をしておりましたから十分承知をいたしております。しかし、竹島の問題については、これは我が国の領土であると、しかしお互いにいろいろ協調し合ってやっていこうと。どういう意味なんですか。よく分からないんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いやしかし、今委員がおっしゃっている解決というか、いう意味なんですが、今実際にこの竹島を支配をしているのは韓国でありまして、その周りには巡視艇がいるわけであります。その中で我々は、しかしその水域においては漁業が可能なような処置をとっているところでございまして、韓国側の了解も得ているということでございます。話合いをしなければそれはできないわけであって、さらにそこに、ではどういう対応をしていくかということなのかと私は思っております。
○西岡武夫君 ですから、総理が御就任になって初めて韓国を訪問されたと。そこで、領土は最大の問題ですから、竹島の問題を話題にしないで、向こうは、言われたから、こっちは話題にしなかったと。おかしいじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは今まではですね、今まではむしろこちらから出さなくても、韓国側からむしろ、この竹島の問題について我々が主張するというか、我々が固有の領土であるということを言うこと自体がおかしいではないかということを向こう側はずっと主張してきたのであります。しかし、今回はあえてそのことは議題にしないということになったと私は理解をしております。
○西岡武夫君 じゃ、いつ議題にするんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この領土の問題も含めまして日韓関係全体を俯瞰しながら、我々両国の未来について何をするべきかを考えるべきではないかと私は考えております。
○西岡武夫君 実は先月、私の郷土であります長崎県の対馬市の市議会で、対馬の日の条例というものを韓国が、韓国の領土とするということで、馬山市という韓国の市ですけれども、そこの市議会がそれを決議した。これに対抗いたしまして、これは国がやることだから地方自治体がいろいろ言わない方がいいだろうということで、一年数か月どうも現地では、対馬の皆さん方は我慢をしておられたんですけれども、これに対して、どうもいたたまれず、対馬の日というものに対して抗議するということを議会が満場一致で決定をしたわけであります。
 領土の問題は、対馬には何人住んでおられる、市民がおられると、総理御存じですか。御存じないと思います。四万人以上の人が住んでいるんです。そこを、韓国の一地方自治体とはいえ、これは我が国固有の島であると、そう言っているんですよ。こうして一つ一つ韓国は既成事実を積み重ねていって、これは失礼な話ではありませんか。このことを御存じでしたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 対馬の日というのを韓国の地方自治体が決めたということは私は寡聞にして存じ上げないわけでありますが、しかし対馬については我が国がしっかりとこれは実効支配をしているわけで、当然でありますが、我が国の固有の領土であるわけでありまして、何のそのことに問題も起こっていないわけでございます。
○西岡武夫君 総理が言われたように、対馬は現に四万人以上の市民が存在をし、それに対してさえ、韓国の地方自治体とはいえ、これは自分の国だと言っているんですから。どうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、対馬は日本の固有の領土であり、実際に四万人の方々が営みをしていて、日本のこれは領土であるということは、もうこれは言うまでもない話であろうと、このように思います。そして、それはもちろんそういうことを、日本の領土ではないということを言うことは、これは極めて遺憾なことであると、このように思うわけでありますが、それは国として言っているということではなくて、むしろそれは地方自治体で決めたことであろうという範囲の中で理解をいたしております。
○西岡武夫君 これはおかしな話だと思うんですね。韓国の地方自治体が議会で決議したんですよ。これを放置するんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 韓国においてもやはり、日本でも地方自治であろうと思うわけでありますが、今申し上げましたように、それは遺憾なことであるというふうに申し上げたわけでございます。
○西岡武夫君 遺憾を通り越しているんですけれども、総理、なぜ韓国政府にそのことに厳重に抗議をしないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も今それは初めてお伺いをしたというふうに申し上げました。よくそれは事実関係を調べてみたいと思います。
○西岡武夫君 これまたおかしな話でして、私の知る限りでは、内閣総理大臣と官房長官とは本当に自分の家族以上に一緒にいる時間が多いと思うんですね。官房長官がこれについてはコメントしているんです。それを総理は御存じないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が申し上げたとおりであります。
○西岡武夫君 それでは、総理はこのことについて、これ一地方自治体が言ったからという問題じゃないですよ、大変な問題ですよ。韓国に対して厳重な抗議をするとここでお約束をいただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、事実関係を調べてみたいと思っております。
○西岡武夫君 官房長官がコメントしているんですから、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、私は事実関係をまず調べてみたいと、このように申し上げているわけであります。
○西岡武夫君 官房長官がこのことについてコメントをしていることについて、総理は事実関係をよく調べないと分からないと。おかしいじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、先ほど申し上げましたように、この問題については存じ上げなかったわけでございますから、よく調べてみたいと、こう申し上げているのでございます。
○西岡武夫君 それでは、官房長官、そこでこそこそ話は結構ですから、御答弁ください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 急な御指摘なものですから、そのときどういうふうに正確に申し上げたか、ちょっと定かではありませんが、たしか、韓国の一地方自治体がお決めになったことではないでしょうかというふうに申し上げたような気がいたします。
○西岡武夫君 地元の新聞の記事の報道によりますと、あなたはこうおっしゃっているんです。それぞれ立場があって、それぞれ立場があって、地方議会が決めたこと、地方自治なので、政府としてコメントしない、こうおっしゃっているんですよ。どういう意味ですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) それは、たしか島根県の竹島の日の条例についてリファーしたこととして私は申し上げたと思います。
○西岡武夫君 この今読み上げた新聞記事は皆、官房長官、お認めになりますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 何分にも今事前通告を受けてない質問でございますので、正確にもう一回確認をしたいと思いますが、思いますが、地方議会が決めたことということで、私は新聞報道を見て、対馬の今先生御指摘の問題については読んだ記憶がございまして、どこの会見の場かはちょっと失念をいたしましたが、そのような質問が出たときに、まあ地方議会の決めたこと、つまり地方自治でおやりになっていることですからコメントをしないということを申し上げたと思います。
○西岡武夫君 総理、この問題について御存じなかったようですから、まあここでこんな押し問答していてもしようがありませんから、速やかに事実関係をお調べになって、そして韓国政府に対して、これは地方自治体、一地方自治体が言ったからこれは政府は知らないという問題じゃないんですよ。こんなもうとんでもないことを韓国の一つの市がやったわけですから、これについて韓国政府に厳重な、十分調査の上厳重な抗議をすると、このことをお約束ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よく調査をまずしてみたいと思います。
○西岡武夫君 どうも総理は、対馬でさえこういうことを韓国の人々が言い出したと。どんどんどんどん竹島の場合には事実関係を積み重ねられて現状に至っていると。したがって、総理がやるべきことは、直ちに韓国が竹島については現在ある施設、軍隊の撤去を求めると、これが本筋じゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 竹島については、今までも施設を増強する、あるいは人が、いろいろな人たちが上陸をしていくというときについては、その時々に適切に外務省において対処をしていると思います。
○西岡武夫君 私は、総理が発言する外交ということをおっしゃったので、こうしたことについてきちっと毅然たる態度で臨まれるであろうと期待をして御質問を申し上げました。私の質問の趣旨を十分御理解いただきまして、この領土の問題について毅然たる態度で対応をしていただきたいということを、もうこれ以上お話ししてもどうもらちが明かないものですから、次に進みたいと思います。
 私は、政治家が内閣総理大臣に就任する、このことは自分が長年温めてきた理想や具体的な政策、これを実現する機会が来たと私は思うんです。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはそのとおりでございます。
○西岡武夫君 それでは、安倍総理は御自分の任期中に何をなさろうとしているんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 正に私は、その私が目指すべき日本、社会、政策について所信表明で申し上げたのが、正に私がやろうとする姿でございます。
○西岡武夫君 大変、総理大臣の所信表明をたとえ野党といえども余りこう、くさすようなことはしたくない、少なくとも我が国の総理大臣ですから、そういう意味では大切にしたいと思っています。しかしながら、安倍総理の所信表明の中からどういうことをしようとしているのかというのが具体的に分かってこない、私はそう思うんです。
 まず第一にやりたいことは何なんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が所信で述べましたことにつきましては、私は、日本を活力にあふれ、チャンスにあふれ、そして優しさに満ちあふれた、世界に開かれた国にしていきたいと。
 その中で、まず一つは、日本のこの美しい自然や長い歴史や文化や伝統を大切にする国にしていきたいと。そしてまた、日本を自由な社会を基盤に規律を知る凜とした国にしていきたいと。そしてまた、さらには、成長し続ける、成長するエネルギーを持ち続ける国にしていきたい。そして、世界から信頼され、そして尊敬される、愛されるリーダーシップのある国にしていきたいということを申し上げたわけでございます。
 その中で私は、我が内閣の重要課題として教育の再生に取り組んでいきたいということを申し上げました。そして、さらにはまた、日本が力強く成長をしていくためには成長力を高めていかなければいけない。そのためにはやはり、この国、社会、経済を開いていくことが大切であろう。そして、新たな試みである新しい技術、そして新しい考え方、言わばイノベーションにしっかりと投資をしていくことが大切ではないか、(発言する者あり)まあ今イノベーションとは何かという御質問がありましたが、今私が正に申し上げたことがそれでございます。そうしたことをしっかりとやっていけば、人口が減少していく局面においても日本は成長していくだろうということでございます。
 また、社会保障政策につきましては、やはりこの社会保障というのは、日本人のお互いの助け合いの精神、また協調の精神の延長上にあるのが我が国のこの社会保障制度ではないか。この制度をしっかりと守っていくためにも、持続可能なものにしていく。そのためには国民の信頼を得なければいけない。もっと分かりやすく、また親切に対応していく制度にしていきたいということを申し上げてきたわけでございます。
 そしてまた、日本の社会はこの活力を見失わないようにしなければいけない。そのためにも改革はしっかりと続行していくということを申し上げたのでございます。そしてまた、改革を進めていくと同時に、頑張った人が報われる社会をつくっていく。汗を流した人、知恵を出した人が報われる社会をつくっていかなければならないということも申し上げたわけでありますが、一方、何回でもチャンスのある社会もつくっていきたいということを申し上げたわけでございます。
○西岡武夫君 今総理がおっしゃったことは、ここにおられる議員、同僚議員の皆さん方、与野党を問わず思っていることだと思うんです。
 総理大臣として具体的に、それではそういう日本をつくっていくためにはまず何をしなければいけないかと。今総理は教育の再生ということを、具体的な政策としてはそれをおっしゃったわけですが、安倍政権の最大の課題はまず当面教育改革であると、こう認識してよろしいんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の重視をしている大きな重要な課題は教育改革であり、教育の再生であります。
○西岡武夫君 それでは、少し安倍総理の具体的に政策を進めていく手法、やり方について質問をいたしたいと思います。
 小泉政権の下で、小泉政権の下で総理は一貫して小泉さんと、あるときは官房副長官、あるときは与党の幹事長、そして官房長官、密接不可分な間柄におられたと思うんです。小泉さんの手法を踏襲されますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小泉総理の手法といっても、いろいろといろんな側面があると思います。私のパーソナリティーと小泉さんのスタイルは違うわけでございますから、私は私流のやり方で行っていきたいと思います。
○西岡武夫君 それでは、安倍総理は小泉政権の下でそれぞれ重要な、主要な役目を果たされました。その中で、小泉さんのやっておられることに対して、自分は反対だとおっしゃったことがございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、その都度いろいろと議論を行います。しかし、今、私はあのときにこの問題について反対だったということではなくて、その結果については、私もそれぞれ官房副長官であったり官房長官であったり、あるいは幹事長であったり幹事長代理であったりしたわけでありますから、結果については責任は共有をしているということではないかと思います。
○西岡武夫君 それでは、小泉政権の下で経済財政諮問会議というものが、ある意味では、私ども野党の立場から見ておりますと、猛威を振るったと思うんです。猛威を振るった、あえて申し上げると。このやり方をそのまま踏襲されますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 諮問会議は、これは総理が議長という立場でございます、担当の大臣もおりますが。その中で、言わば有識者の意見を生かしながら、政治主導において予算編成を行い、そして予算編成の原則を作り、そしてまた構造改革を進めてきた、その大切なエンジンの部分を果たしてきたと思います。その役割は私の内閣においても変わることはないということでございます。
○西岡武夫君 小泉政権下と同じ位置付けと、今の御答弁、解釈してよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういうことでございます。
○西岡武夫君 それでは、経済財政諮問会議があるときは与党の政策決定よりも先行すると、こういうことがあったと思うんです、過去に小泉政権下で。こういうことは、これも踏襲されるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 諮問会議は、先ほど申し上げましたように、言わば構造改革、特に改革面においては、私はエンジンの役割を果たしてきたと、今後もエンジンの役割を果たしていくということになると思います。
○西岡武夫君 総理、我が国の政治体制というのは議院内閣制です。だれが責任持つことになるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、諮問会議の議長は総理でありますから、当然総理が責任を持つということでございます。
○西岡武夫君 それでは、小泉政権下で起こった、例えば諮問会議で決定をして、法案を政府としてはその決定に従って提出をすると。一方、与党は、提出することだけは最終的に認めたけれども、内容については了承をしなかったということがございましたね。御記憶だと思うんです。こういうやり方が議院内閣制の下で、政党政治の下で行われるということを、総理はおかしいとお思いになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、内閣総理大臣であると同時に自由民主党の総裁でもあるわけであります。そして、私の内閣は、議員である自民党の議員、また公明党の議員が構成員として入っているわけでございまして、政府、与党一体となって政策を進めていくわけでございます。
○西岡武夫君 しかし、政府、与党一体だと、このように考えるときに、与党が政策の内容について意思決定をしないまま政権が国会に法案を出すと。これ、おかしいんじゃないんですか。おかしかったんではないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) すべての責任は総裁であり総理である、例えば当時は小泉さんが負っているわけでございます。西岡先生がおられた時代の自民党と今の自民党はこれ大分違う自民党になっているわけでありまして、時代の要請というのは、これは、政治のリーダーシップにおいて迅速な意思決定をなさなければならないときもあるわけでございます。それに対応できるように我々は自由民主党を改革をしてきたのでございます。
 もちろん、政府と与党が一体となって政策を推進をしていくことによって、よりスムーズに、円滑に政策は実行できると思っております。
○西岡武夫君 今の安倍総理のお話を承っていて、ああ、安倍さんも小泉さんと同じような手法を取られるんだなという感想を持ちました。これは私は間違っているというふうに思います。しかし、総理が、まあ与党の皆さん方も最近おとなしいようですからそれで進められるのかもしれませんけれども、これは議院内閣制の本質にかかわる問題だということを指摘しておきたいと思います。笑い事じゃないですよ、総理。真剣にお聞きをいただきたいと思います。
 それでは、経済財政諮問会議がそれほど、総理大臣が議長になって重要なことをこれからも決めていかれるようでありますから、今度の新しい諮問会議の役割というのは非常に大きいと。
 そこで、お尋ねをいたしますけれども、与党は前国会で政治資金規正法というものの改正案を出されました。このことは、内容は、日本の株式市場に上場する会社の株主、外国人の株主が過半数を超えた場合でも、まあどういう限界を設けるかは別といたしまして、政治献金ができるという内容だったと思います。これを今国会でやはり成立させるお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法律につきましては、議員立法でございますから、よく院においてそれぞれ議論をしていただきたいと思います。
○西岡武夫君 先ほど総理は、自分は自民党の総裁でもあるんだとおっしゃったでしょう。総裁としてどうなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、まず行政府の長という立場がございます。議員の、政治資金規正法に関するものは議員の立場にある者、立場に極めて密接にかかわることでもあり、議員立法であり、それは議員立法という形で出ているのであれば、政府の立場として立っている私は当然そこで今の答弁をしたのでございます。
○西岡武夫君 私がこの問題をあえて申し上げているのには、経済財政諮問会議と密接な関係があるから申し上げているんです。
 私は、具体的な名前はなるべく申し上げたくないんですけれども、メンバーのお一人の会社が既に外国人の株主が過半数を超えていると、株数、持ち株の、この方が経済財政諮問会議の主要なメンバーになっていると、これは大変なことだと思うんです、私は。政治資金規正法の改正も私は反対です、個人的に。一体どこでこのことを峻別するんですか。外国人の株主の方が過半数ある企業の責任者を経済財政諮問会議に据えて、そして外国の影響はゼロだとは言い切れない。どのようにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、経済財政諮問会議のメンバーは、財界人からメンバーに入っていただくに当たりましても、これは会社で選んでいるわけではなくて、個人の見識に、人物に着目してお願いをしているところでございます。
 また、会社について今お話がございましたが、それは、例えば外国の影響力ということであれば、特定のこれは個人であったり特定の外国の企業がそれは大きなシェアを、極めて大きなシェアを占めて影響力を及ぼしているのか、あるいは国際化していることによってグローバルな形で世界の多くの国々の人たちがその株を買った結果であるかということはよく見ていかなければならないのではないかと思っております。
○西岡武夫君 私が申し上げているのは、小泉政権の下でいろいろな出来事がございました。それは、具体的に一つ一つ挙げますとあれでございますけれども、アメリカからの要請によって行った決定が幾多私はあると考えています。そうした中で、先ほど総理が言われた、経済財政諮問会議というのはこれから日本の国を変えていくエンジンだとおっしゃったんですね。エンジンの中に外国の意思が、これは会社の代表ではないと言っても代表なんですから、現実には。その会社が外国人の株主が過半数を超えていると。これで外国の影響がゼロだとは言い切れない。どのようにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、その個人の見識によく着目をしていただきたいと思います。今委員が御指摘の人物、大体私も想像が付くわけでございますが、極めて高い見識を持っていて、日本こそしっかりと日本の競争力を持たなければならないと考えている人物であり、極めて私は日本を愛する心については人後に落ちない人物ではないかと信頼を申し上げているところでございます。
○西岡武夫君 私も、今総理がだれを指しているか想像できますとおっしゃいましたけれども、その方の経営者としての見識、あるいは人間としての見識、すばらしい業績も会社は上げていると、このことは私もそのとおりだと思います。認めます。しかし、しかしそのことと、経済財政諮問会議の、先ほど総理がおっしゃった、正に政治の中心になっているんですよね、おかしなことに、諮問会議であるはずなのに。そこに、もうそれ自体がおかしいんですけれども、そこに、国際化ということで許される問題ではないんです。国際化ということがすべて至上のことであるかのごとく、至高のことであるかのごとくずっとやってきたんですけれども、これに対してはいろいろな問題が起こっていると私は思っています。そうした中で、諮問会議のメンバーの中心に、個人は立派な方かもしれない、しかし自分は会社の責任持っているわけですから、これは、外国人の株主が過半数を超えているということは好ましいことではないと私は思うんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、この日本はグローバル社会の中で競争力を持たなければならないわけであります。日本の株式市場を始め日本の経済には多くの海外からの投資がなされているところでございまして、魅力ある企業に対してその魅力ある企業を国際社会の中において買いたいという方がたくさんいることによって、その企業の価値がどんどん増していくのが現実でございます。日々の売買、例えば株の売買における外国人投資家の比率も大変高い水準になっているわけでございます。
 そして、この株主に占める比率において中身をよく見なければならないわけでありまして、これは特定の人物、例えば特定の外国によって支配されているかしていないかということについて、それは例えば外国人の株主が過半数を超えたところで特定の人物に支配されているということには私はならないだろうと。
 これからのこの日本の経済の中においては、むしろ日本の企業が魅力的な企業であって海外からの投資がなされる、そのことによって日本の活力が私はむしろ向上していくのではないかと思います。
○西岡武夫君 私はそんなことを言っているんじゃないんです。これは、日本の国を、国の企業を外国の皆さん方が認めて大いに投資をしてもらう、株を持ってもらう、結構なことです。ただ、問題なのは、外国人の株主が過半数である。
 これは、総理は会社を経営されたことはあるんですか。ないと思うんですね。会社の責任者は常に株主を意識するんです、当然のことですけれども。何で外国の株主が過半数を超えている企業の責任者を、別に責任者にしたわけじゃないと、個人だとおっしゃるけれども、結果としてはその責任者を経済財政諮問会議のメンバーにしなければいけないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずは、最初に申し上げましたように、経済財政諮問会議のメンバーは、会社ではなくて個人に着目をして、その個人の高い見識を持っている方にお願いをしているわけでございます。そして、それと同時に、今それぞれの企業は、むしろ海外に出ていって、海外で企業の戦略、魅力を説明し多くの投資を呼び込む、そういう努力をしている私は時代ではないかと思います。
○西岡武夫君 いや、それはいいんですよ。私が申し上げているのは、なぜわざわざそういう方を財政諮問会議のメンバーにしなければいけないのかと。もっとたくさん我が国は人材がいるじゃないですか、仮に諮問会議であったとしても。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにいたしましても、諮問会議のメンバーは、個人として入っていただいているわけでございまして、メンバーになっていただいた方々は高い見識を持っている、そしてグローバルな経済の中で日本をもっと経済を強くしていくということについても方法論も持っておられるし、見識も持っておられると私は信頼をいたしております。
○西岡武夫君 総理、この問題で余り時間取るのもいかがかと思うんですけれども、今の総理の御答弁というのは全部はぐらかしですよ。そうでしょう。私は何も、日本の企業が世界で認められて外国の皆さん方がその株を買ってくれる、これがいけないなんて一言も言ってないんですから。何で日本の、総理の考えは、日本のこれからの行く末を決める重大な一つの機関の、しかもそれはエンジンだとおっしゃった。そこにそういう企業を、個人とおっしゃっても、会社辞められればいいですよ、お辞めになるなら。それを言っているんですよ。別に辞めろと私は申し上げているんじゃなくて、その方が、その方が、諮問会議にわざわざその方を起用されるということの総理の神経を疑っているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、株主が外国人が過半数を占めていようがいまいが、その会社の利益を図ろうとして諮問会議で発言をするような方にはメンバーになっていただくということはあり得ません。
○西岡武夫君 そんなの当たり前のことですよ。私が申し上げているのは、アメリカの考え方がいろんな形で日本の政治に影響を与えている、これとのかかわりの中で好ましいことではないと申し上げているんです。その企業のためにって、そんな見え透いたことをなさるはずないですよ。企業のこと言っているんじゃないんですよ。企業のこと言っているんじゃないんですよ。企業の利益のこと言っているんじゃないんですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、その出身企業の株主構成が問題であるというふうにおっしゃったから、会社とは全く離れた立場で議論をしていただくということで私は問題がないと、このように申し上げているわけであります。
○西岡武夫君 総理は、私の質問の趣旨を十分分かっておりながら、ちょっと小泉さん流のことを取り入れてお答えになっているような気がしないでもないんですけれども、私が申し上げているのは、もう最後にいたしますが、アメリカの株主が過半数を、(発言する者あり)外国人の、外国人の、訂正いたします。外国人です。外国人の株主が過半数を占めている企業が存在して、その長がわざわざ財政諮問会議の中に入って日本の将来を決めるエンジンになる、その一部になる、これは好ましいことではないのではないかと申し上げているわけです。これだけはきちんと御認識をいただきたいと思います。
 私の出身地の長崎市内でも、大きなあるホテルが倒産をして、倒産といいますか、成り立たなくなって、これが競売に出たわけですね。それを外国のファンドが大体建設費の、想定される建設費の十分の一ぐらいでぱっと落札して、今そこをその会社の子会社が経営しているんですけれども、全国の、特に地方ですね、いろんなところで私はそういうことが起こっていると思うんです。そういう意味で、日本の経済の実態というものは大変な私は危機的な状況にあると、こういうことも踏まえながら私は申し上げているわけでございます。
 そこで、次の問題に移らせていただきますが、経済財政諮問会議と性格は異なるんでしょうけれども、総理がこの政権でまず、まず最大の課題としてやろうとしておられる教育再生という問題について、教育再生会議というのを設置されました。ここで全部お決めになるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、ここですべて決めるわけではございません。この場で、正に英知を結集した中でいろんな御議論をいただき、議論を深めていただきたいと思っております。
○西岡武夫君 これはどういう位置付けなんでしょう。
 私は、メンバーを拝見しまして、中嶋嶺雄先生あるいは浅利慶太さんあるいは陰山先生など存じ上げている方、また敬愛している方がたくさん入っておられます。
 しかし、そのことと、ここで教育改革、教育再生と総理はおっしゃっているんですけれども、再生ということは今もう崩壊しているということでおっしゃっているんだろうと思いますが、それをここで十分議論して決めるというのは、これ内閣の、閣議で決定されたようではございますから、内閣の方針としてどう進めていかれるんですか、この教育再生会議を。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 公教育というのは、だれでも受けることができる場でありますから、格差の再生産をしないためにも公教育の場を再生していくことが大切であると思います。その中で、基礎的な学力の向上、あるいはまた教員の質の向上、そしてまた外部評価の導入等々を検討してまいりたいと思います。
 それも含めまして、現在言われている子供たちのモラル観、道徳観、規律観が欠如しているのではないか、学ぶ力が低下しているのではないかと、そういう指摘もあるわけであります。そうしたことに対して政策的にどう対応していくかということについて議論をしていただきたいと思います。
○西岡武夫君 教育政策につきましては後でお話を申し上げますが、ここで私が申し上げたいのは、私は官邸機能を強化する、結構なことだと思うんです。もっと早く日本もやるべきだったと思います。ところが、官邸機能が強化された、そして各役所がある、教育改革でいえば文部科学省が存在する。与党はそれぞれ部会があり、私も自民党時代部会長やりましたから、部会があり、政策審議会があり、総務会があって議論をやるわけですね。そうすると、入り乱れてしまって、どこで何やっているか分からない。だれが責任を負うんですか。再生会議ですか。(発言する者あり)いや総理に、再生会議ですから総理です。大臣は後から具体的な政策のときに。だれが責任持つんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、この我が内閣で進める政策においては最終的に私が責任を持っているのは当然のことでございます。
○西岡武夫君 それちょっとおかしいんじゃないんですか。私が質問しているのは、文部科学省というきちんとした役所がある、一方、公明党さんにもそれぞれの政策決定の機関がある。先ほど申し上げたように、自民党にもある。その調整ということはだれがなさるんですか。(発言する者あり)総理ですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 与党との調整についてはどうぞ御心配なく、我々がしっかりとこれから与党との関係においては調整をしていくわけでございます。
 そこで、当然、文部科学省、この教育の問題については、例えばこれは幼児教育については保育所等も入るわけでございます。また、家庭での教育も入るでしょうし、また地方自治とかかわることもあると思います。ですから、そういうふうに幾つかの省庁にまたがることも事実でございますので、またこの再生会議につきましても、もちろんこれは私が進めている政策でありますから、私が当然責任を持つところでございます。
○国務大臣(伊吹文明君) 委員長の御指名でございますので、お許しをいただいて。
 西岡先生が我が党で文教政策をずっと進めていただいておったのでよく御存じのように、やはり家庭のしつけ力、それから地域の教育力、それから学校の教育力、これが相まってやっぱり子供をつくっていくんだと思います。そして、それが今非常にうまくいっていない現実があるからこそ、教育の憲法である基本法について、我が党も、また西岡先生の党も新しい教育の憲法を出そうという共同の認識を持っているわけです。
 ですから、総理の下で、今総理が申しましたように、各省にまたがるいろいろな教育力の欠陥、あるいはどこをどう直していくかということを総合的に検討して、文部省、文部科学省の所管するところについては、その中で当然これは中教審にお諮りして文科省がやっていく。そして、あるいはまた家庭の教育力ということになれば、何とか三世代一緒に暮らしていくような家庭をどういうふうにつくっていくのか。あるいは、共働き、核家族というこの流れを止めるということはなかなか難しいと思いますけれども、その中でどういう形の家庭をつくり地域社会をつくっていくのか。これは文部科学省だけではできないことです。だから、官邸で総合的にそのことを検討したいということだと理解しております。
○西岡武夫君 教育改革につきましては後で具体的に御質問をいたします。
 ここで申し上げたかったのは、教育再生会議という組織をおつくりになって一体何をやるんだろうなと。非常に、これは委員の皆様方はもう任命されたので、私も先ほど申し上げたようによく存じ上げている方が多いので大変言いづらいんですけれども、大変なこれは、何といいましょうか、どういう手法でこういうことが出てくるのかなということを疑問に思ったので、ここではそのことで申し上げたわけであります。
 そこで、総理にお尋ねをいたしますけれども、日本は、国連外交について総理としてはどのようにお考えなのか。常任理事国というものに入るということになかなか、世界の各国の賛同がなかなか今日まで得られないでいるわけですけれども、このことについての安倍政権としての御方針を承りたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国連につきましては、さきの戦争が終わって成立をしたのでございます。連合国を中心にして成立をしたのが国連でございまして、六十有余年もう既に経過をしています。
 当時の世界と今の世界は大きく変わりました。加盟国の数も変わった。そして日本も、当時は言わば敵国ということであったわけでありますが、今や分担金におきましても二〇%前後を分担している国でございます。そして、大きな貢献もしている。二十一世紀にふさわしい国連に改革をしていくというのは機運として今や醸成されてきていると、このように思います。
 その中で日本も常任理事国としてこの国連の改革を進めていく、そのためにはこの国連の常任理事国、国連の安保理の改革も当然必要になると、このように思います。また、そういう意味におきまして、日本も常任理事国入りを目指して外交を展開をしていくべきときが来たと、こう考えています。
○西岡武夫君 その総理のお考えはよく分かりました。
 ところで、今総理もちょっとお触れになりましたけれども、国連憲章の中に依然として敵国条項というのがございます。これをまず改正すると、これが先なのではないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この敵国条項については既に有効ではないという決議がなされたということは承知をしておりますが、この言わば敵国条項を削除するべく我々も努力をしております。
○西岡武夫君 敵国条項が現に存在を、国連憲章の中で存在をする中で、日本は国連の分担金、どれくらい払っているんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど二〇%前後と、このように申し上げましたが、たしか一九・五%ではないかと思います。
○西岡武夫君 この敵国条項というものを削除するということを具体的に国連の場で提案をしたことがこれまでの内閣で、政権下であったのかなかったのか。これは総理に突然お聞きしてもあれですけれども、どのように御認識ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどそれに近いことをお答えをしておりますが、昨年、総会で何らかの決議がなされている、しかし、この条項、国連憲章を変えるまでには至っていないと思います。
○西岡武夫君 それを削除するということについて、総理が具体的なアクションを起こされるお考えはございませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この一連の国連改革の中において、この安保理の改革についてはなかなか大きな、既得権との関係もあって障害があるわけでありますが、この敵国条項については、大体これは幾ら何でもこれは改正しようという、そういう機運は日本の今までのこの長い努力の成果としてだんだん生まれつつあると認識をしております。
 ですから、この機運をしっかりととらまえて、この敵国条項は削除しなければならないと思います。
○西岡武夫君 是非速やかに削除されるように御努力をいただきたいと思います。
 そこで、常任理事国になるということの意味なんですけれども、総理はどのように御認識ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国連の運営について、そしてまた国連が果たしている役割、特に安全保障理事会であれば世界の平和と安定をしっかりと確保するという意味において、ともに責任を負っていくということになると思います。
○西岡武夫君 安全保障の常任理事国に入った場合、日本はどういう責任を負うことになるとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、責任と同時に、日本が今まで、非常任理事国であることはありましたが、しばしば理事国に入っていない状況もあったのであります。それはよく委員も御承知のとおりでありますが、今回もこの核の問題あるいはミサイルの問題のときに日本が日本の意見を主張でき、また日本の主張も入れた、また日本が起草するこの決議案を採択できたのは、日本が理事国に入っているからでございます。つまり、常任理事国となるということは、そのように日本があるべき姿、この世界や地域のあるべき姿、平和のために何をすべきかということを主張する場を与えられることになるわけでありまして、それと同時にそれは責任が伴うということではないかと思います。
○西岡武夫君 仮に常任理事国になった場合、常任理事国の間で、ある地域が紛争が起こったと、それに対してこれは武力行使を含む国連としての行動をするということを決めたときに日本はどうするんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今でも日本は国連のメンバーとして責任を果たしているということは言うまでもないところでございます。しかし、常任理事国になったからといって、すべて、常にそうした活動に参加をしなければならないということではなくて、そこは選択的に、日本が主体的に判断をしていくことになります。
○西岡武夫君 私がこの質問をいたしておりますのは、常任理事国になった場合には決めるわけですね、武力行使をすると。決める側に立って、それには賛成すると。しかし、我が国は参加しない、これが許されるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、これは理事国になった段階において、いろいろなこれは決議案が出され、その時々、賛成する場合もありますし、反対する場合もあるのは当然のことだろうと思います。
 そして、そこで賛成することが、必ずしも何か一定の行為をしなければならないということではないということは、今までいろいろなことが決議されてきましたが、それに賛成をした常任理事国の行動を見れば明らかではないかと思います。
○西岡武夫君 私が申し上げているのは、常任理事国になった場合に、仮にですね、なった場合に、その決定に参加したときに、これまでと違って日本は、いや、国内のいろいろな憲法の解釈もこれあり、できませんと。ほかの国に対してはそれをやるべきであるということを決める立場に立ったときに、おかしなことになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば日本が提案したり日本が起草してこれを世界がやるべきだと、起草したことに対して日本がやらないということは、それはおかしいかもしれませんが、しかし、他方、賛成したからといって、それは国連で決めることには賛成だけれども、例えばそれに参加するかどうかというのは、これは別の選択であるのはこれは言うまでもないことでありますし、今までも常任理事国の国々はそういうその時々において判断をしてきたのではないでしょうか。
○西岡武夫君 私は常任理事国に日本がなった場合にかなりの決意をしなければいけないと。その決意をまず我が国の国内の問題としても持った上で常任理事国にならなければ、世界に通用しないということになるおそれがある。このことを御指摘を申し上げておきたいと思います。
 時間がなくなりましたので、肝心の教育問題につきましては後刻引き続いて別の日に質問させていただきますけれども、総理に、今、日本の教育で具体的に、具体的に何が問題だとお考えでしょうか。具体的に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、今の教育において問題がないと思っている人は私はいないと、このように思います。そして、いろいろな問題があります。例えば学級が崩壊をしているではないかという問題があります。またその中で、ではどうしてそうなったかといえば、これは道徳律等が低下しているのではないかと、こうも言われております。そもそも、家庭でしつけをするべきことがされていないのが問題ではないかという指摘もあると思います。また、体力においても、体力が低下をしているという指摘もあると、こう考えています。その中で、どうこの教育を再生をしていくか。
 また、特に公教育の場以外の場に子供の教育を託す人たちが増えているのも事実であって、塾とかあるいは私立に行かせようと。それは大きな費用が掛かるわけでございまして、ですから、だれでも通えるこの公教育の場で、高い水準の学力とあるいは規範意識を身に付ける機会を保障すると。これをやはり国の責任として、私たちの責任として何とか実現をしたいと考えています。
○西岡武夫君 総理は家庭、私どもも家庭教育が一番大事だと思っているんです。しかし、それは一応おいておいて、行政としての教育ということを考えたときに、だれが日本の学校教育について、学校教育ですよ、責任を持っているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、この国としては私であり、また文部大臣が教育において責任を持っておりますが、そしてまた地方において地方のそれぞれの現場が、都道府県の長も、また自治体の長もそれぞれ責任を持っているということでございます。
 最終的には文部大臣であり、私が責任を持っているということになると思います。
○西岡武夫君 総理は教育行政の現状を御存じないようです。文部科学省にしても学校教育について指導と助言しかできないんです。そして一方、地方においては教育委員会が責任を持っている。しかし、この教育委員は非常勤なんです。非常勤なんです。その中で教育長だけを一人選んで、それに任せている。地方自治体の首長は責任を持たないんです。予算についてだけなんです。教育委員会も予算の編成権はないんです。
 私は、国が最終的に学校教育について責任を持つというきちんとした制度を構築しなければいけないと思っています。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど私が説明いたしましたのも、言わば予算ということにおいて、まあ予算は教育を受ける環境をつくる非常に重要な手段でございます。国と地方自治体がそれは責任を負っているところでございます。他方、教育委員会も重要な役割を担っていることは私も承知をしているところでございます。
 そこで、教育委員会の空洞化が指摘されているわけでありますが、教育委員会がしっかりとその責任を果たすようになるように、我々抜本的な改革も考えていかなければならないと、こう思っておりますが、それと同時に教育委員会の持っている権限を、これは地方の自治体の長に、これは特区において、言わば試みとして権限を移譲していくということも行っております。もちろん国が、先ほど申し上げましたのは、最終的なこれは正に基本的な精神として責任を持っているということを申し上げたわけであります。
○西岡武夫君 私の質問の時間が終わりましたのでこれで終わりますけれども、別の機会に是非総理と教育問題について議論をさせていただきたいと思います。それに当たって、是非今の、総理、今の教育の行政の仕組みと実態がどうなっているのかということを十分文部科学大臣にお聞きをいただいてお答えをいただきたいと思います。
 以上です。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。広野ただし君。
○広野ただし君 民主党・新緑風会の広野ただしでございます。
 まず私からも、安倍晋三新内閣の誕生、そして第九十代内閣総理大臣になられましたことをお祝いを申し上げたいと存じます。
 しかし、やはり日本丸のかじ取り政治家のトップとして、日本丸のかじ取り誤りなきようにという思いで、またおっしゃっておられます美しい国の中身についてお伺いをしたいと思います。
 外交問題、そして地方の荒廃の問題、また心の荒廃の問題、そしてセーフティーネット整備充実の問題について伺いたいと思っております。
 まず、私は前に参議院の拉致特別委員長をやっておりましたので、今度総理を長とする拉致対策本部、対策本部が発足をいたしました、このことについて是非問題解決に力一杯やっていただきたい。そしてまた、総理は最後の一人まで救出をする、そのために全力を尽くすと、こうおっしゃっておられるわけで、そのことについても是非それを実行していただきたいと、こう思っております。
 ところで、現在拉致被害者として認定をされている方は十六名でございます。そのうち五名が救出をされて帰国をされた、またその家族も帰国をされた、こういうことでありますが、特定失踪者、拉致をされたおそれがあるという方々が私たちの見方で三けた以上おられるというふうに思っております。特にそのうち、千番台と言っておりますけれど、その方々三十数名について、認定、拉致被害者としての認定を増やすというお考えについてはどうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、拉致被害者として認定されている方々は十六名でございます。しかし、それ以外にも、もしかしたら拉致されたかもしれない、あるいは私の息子や娘は拉致をされたかもしれないという申出はたくさんあるわけでございまして、いわゆる特定失踪者と言われている方々でございます。この中で、これはもう拉致をされたのは間違いないという認識に立った方々を今認定をしているわけでありまして、その中で田中実さんが新たに拉致被害者として認定されたわけでございますが、ここはなかなか難しいところでございまして、随分年月がたっておりまして、関係者も、関係者はそもそもなかなか日本にいないということもありまして、失踪はしているけれども果たして北朝鮮に渡ったのか、あるいはそれは強制に基づくものなのかどうかということを確認をしなければならないというもどかしさもあり、なかなかその後新たな拉致被害者の認定がなされていないわけでありますが、こうした特定失踪者も含めて、すべての拉致被害者の生還を求めてまいります。
○広野ただし君 特定失踪者で、特に日本海側の新潟、富山、石川、福井、五十名近くおられると思います。その方々の認定を早くやってもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この認定については、政府において様々な情報を分析をした結果、認定をしてまいります。
 もちろん、御両親のお気持ち等を考えれば、認定をなるべく、もう少しある程度増やした方がいいというその気持ちはあるわけでありますが、しかし間違った方を認定することによってむしろ北朝鮮にこの我々の認定はおかしいという口実を与えかねないわけでございまして、その中で厳密に、しかし証拠がそろい次第認定を進めてまいりたいと思います。
○広野ただし君 十六名より例えば三十数名更に増やされるとなると五十名近くになってまいりますが、そうしますと協議がますます複雑になり、困難なことになります。それをちゅうちょしておられるということはないでしょうね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治的、外交的な判断は一切入れないように、それは事務方にそのように指示をいたしております。
○広野ただし君 拉致被害者は、関係者は非常にお年寄りになられて、もう本当にくたくたになっておられるわけですね。ですから、この問題解決、いつまで待てばいいのか、めどをちょっと教えていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も被害者の御両親、御家族と会うたびに、年々時間がたっていくことによって大変ないら立ちを覚えておられる、自分がだんだん年取っていって大丈夫だろうかという、そういう思いは本当に私も共有するものでございます。
 しかし、この問題は北朝鮮という相手があることでございますので、今の段階でめどということを言えないわけでありますが、この拉致問題、日本にとりまして重大な、大切な課題であり、この問題の全面解決に向けて全力を挙げてまいります。
○広野ただし君 北朝鮮という独裁国家によって人生を台なしにされていると。その方々を最後の最後まで救出をする、その意気込みを是非実行していただきたいと、こう思っております。
 次に、訪中問題に移らさせていただきたいと思います。
 訪中問題の準備のために、靖国神社参拝に反対をしておられる創価学会名誉会長池田大作さんにお会いになりましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういうことはございません。
○広野ただし君 新聞報道によりますと、自民党総裁になられて河口湖にこもられるその前後のところにお会いになったというふうに報道されておりますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、そういうことはございません。
○広野ただし君 渋谷区の創価学会施設で会ったというふうに言われておりますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはもう何回も申し上げておりますように、そういうことはございません。
○広野ただし君 何でこういうことが極秘になるんでしょうか。もし会ったとされたら、言われたらいいんじゃないかと。
 報道は間違いなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、そういうことはございません。
○広野ただし君 そして、池田名誉会長に中国への橋渡しを頼まれたというような報道が伝わってきておりますが、これはどうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、そういうことはございませんと、こういうふうにお答えをいたしております。
○広野ただし君 このことも、公明党を飛ばして創価学会の名誉会長に会われたと、そしてその政治的なことをというように伝えられているわけですね。そういうことについて、御否定になっていますが、またそのことについて、事実だったというふうになりましたらどういうことになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今お答えをしているとおりでございます。
○広野ただし君 じゃ、押し問答しておっていてもしようがないですから、この程度にさせていただきたいと思います。
 ところで、今、地方ではシャッター通りができたり、どんどん東京一極集中が進んで地方が非常に疲弊していると、農村あるいは農林漁村が疲弊をしていると、こういうのが実態でございます。
 そういう中で、総理は日本全体バランスを取ってと、発展をしていくと、こう言っておられますが、その具体策は、お示しください。
○国務大臣(佐田玄一郎君) 地域活性化の担当ですので答弁させていただきます。
 同時に規制改革の担当もさせていただいておるわけでありますけれども、規制改革はこれは不可分な話でありまして、先ほど来から教育の問題、またブロードバンドの問題、こういう中におきまして、地域間格差の是正を文化やそして教育、経済においてもこれは行っていかなくてはいけないと。その規制改革の中から生まれたのが要するに地域再生であり特区制度であり、そしてまた都市再生、こういうことでありまして、今非常に変わりつつ、地方も変わりつつあると。
 実は、私の方の地元の方もシャッター街があります。しかしながら、商工会議所を中心として、いろんなこのスキームを考えて地方の活性化のために皆さんで努力をしている。昔でしたらば、そういうものを出して認定をして、そして仕事がうまくいかなければなかなか予算も出ないという状況でありましたけれども、逆に、もうそういう提案が来たら政府の方としてもどんどん積極的に相談に乗って地域の活性化に関与していく、こういう状況になっておるわけであります。
 これからも、地域間格差の是正、そしてまた地域の活性化のために、また都市再生、そして地域再生、そして中心市街地活性化、こういうことも踏まえて全力で地域の復興のために頑張っていきたいと、かように思っております。
○広野ただし君 総理は美しい国ということを掲げておられます。地方がまず美しく発展をしていかなきゃならない。ですから、総理の見解を改めて伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、私の地元山口県におきましても商店街が寂れているシャッター通りがございます。そしてまた、言わばこの山陽地区と山陰地区に陰陽の格差というのが出ております。日本全体では景気は回復をしているわけでありますが、この地域間のばらつきあるいは産業界のそれぞれの産業別にばらつきがあるのも事実でございます。その中で、今、佐田大臣が答弁をいたしましたが、地域活性化の担当の大臣を私は任命をしたわけでありまして、地域の活力なくして国の活力はないという基本的な考え方の下に施策をしっかりと推進をしていきたいと。
 また、頑張っている地域もあるわけでありまして、いろいろな知恵を出している地域があります。地域の地場産業を育成させる、あるいはブランド化を図っているところもございます。人口を増やすためのいろんな工夫をしているところもありますし、また外国の企業を自分たちの地域に引っ張ってこようという努力もしている。そういう地域に対しては、交付税においてその算定基準の中で考えていくということも含めた頑張る地域応援プログラムも推進をしていく考えであります。
○広野ただし君 地域にとって中小企業も非常に大きい問題です。しかし、大宗を占めるのは農林水産業だと思います。農林水産業は疲弊しているというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松岡利勝君) どうも、広野先生にお答えをさせていただきます。
 農林水産業、先生の御指摘の点、確かにいろいろな、老齢化、高齢化、そしてまた担い手の問題、こういったこと、また山も相当手入れが滞っておる、そういった実態にあることは事実でございます。
 そこで、私どもといたしましては、これはどうやって農業を活性化していくか、そういった観点で今取り組んでおります一番の中心的な政策が品目横断担い手経営安定制度と、こういうことでございまして、これは何を目指しているかといいますと、総理が常々申されておられますように、二十一世紀の農業は、これはもう戦略産業として大きな発展の可能性を秘めていると、私もそう確信をいたしております。
 では、その具体的な根拠ですけれども、日本の農産物は、もう皆様方、大体自分の地元で農産物ごらんになってお分かりと思いますが、これはもう世界のどこにも負けない世界一の農産物である、すばらしさにおいて。それはもう否めない事実だと思いますし、そういった意味で、私はそのすばらしさを生かして、世界の市場で大きな価値を獲得することができる、ある意味では一大輸出産業に発展することも可能である、こう思っております。また、もう一面におきましては、温暖化対策、それからまたエネルギー対策、こういうことに役割を果たしながら、バイオマスエネルギー、こういったものの生産を大きくこれは求めていく、そういったような意味で可能性を大きく持っております。したがって、この可能性にチャレンジしていく。このチャレンジに当たって今私どもが進めておりますのが、担い手をつくっていこうと。これは認定農家ありますし、それから法人経営もございます。
 そこで、問題は、(発言する者あり)短くやりますが、これは大事なことでありますから。兼業農家の方々、こういった方々に、現状のままではなかなか担い手になり得ない、そういった方々に一定の要件をクリアしていただいて、乗り越えていただいて、大きくまとまってもらって固まってもらう、これをチャンスととらえて担い手になっていただく、こういうようなことをしっかり進めていこうと、こういうことで取り組んでおりまして、森林整備の点はまた別途お答えしたいと思いますが、そういうことで活性化を図っていきたいと思っております。
○広野ただし君 今の横断品目的措置でありますけれど、これは大規模経営というものを目指していて、私は中小農業あるいは兼業農家切捨てではないのかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松岡利勝君) そこのところ、今、広野先生の御指摘の点がこの政策を進めていく上での一番私は重要なポイントだと思っております。
 といいますのは、先生でもそう思われるぐらいでございますから、ややもしますとこれが誤解につながっていく。したがって、決してそうではないわけでありまして、このままでは、今までのままでは、これは例えば一反歩とか二反歩とか、小さな規模ですから担い手になり得ない。ところが、一定の要件をクリアする、そういう形で集落全体、地域全体まとまって固まっていただく、そうすることによってその担い手たり得るこういう一つの経営的な大きな固まりができると。そのことによって、正に逆に、切捨てじゃなくて、意思のある方々はそういう形で担い手として参加をしていただく。
 一定の要件をクリアするのはかなりそれはいろいろとあると思います、感情的にも。例えば選挙の対立もありますから、一緒にやるのは嫌だとか。しかし、良くなるためには嫌なところを何としてもみんなで乗り切っていただく、そういう方向で、切捨てではなくて、逆にこれをチャンスととらえて大きく発展していただく、私はそういう政策だと、またそのように進めたいと思っております。
○広野ただし君 集落営農に参加できない中小農家はどうなるんですか。
○国務大臣(松岡利勝君) これは極力御参加をいただくように全力で御理解をいただくように申し上げたいと思っておりますが、それ以外の場合には、それは通常の品目的な対策の中で対応していきたいと思っております。
○広野ただし君 私は、今のような措置では中小農家切捨てになると、こう思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、松岡大臣が答弁したように、この新世紀にふさわしい戦略的な分野、戦略的産業としての可能性を秘めている、その可能性を引き出していくことが、未来に夢を持てる産業になるわけであります。
 他方、小さな農家がいるのも事実でございます。その中で、それが幾つか集まれば、言わば担い手と同じようにこれは新たな取組ができると、そういう枠組みについても努力をしてまいりたいと思います。
○広野ただし君 やはり農業は知恵の農業ということになっていかなきゃいけないと思います。だけど、それは何も大規模であろうと中小であろうと知恵はどんなにでも出るんですね。ですから、中小の方を切り捨てるというのは、これはどういうことになるんですか。
○国務大臣(松岡利勝君) 広野先生御指摘の点、これが一番大事だと先ほども申し上げたわけでありますが、現状のままですと、このままですと、これはもうこれ以上の発展はないわけであります。したがって、一人で駄目なら二人、二人で駄目なら三人、こんな形で大きく固まっていただく、まとまっていただく、そして一定の要件をクリアしていただくことによって私は大きな展開ができる、そういった方向にみんなで取り組んでいくと、そういう形で進めたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○広野ただし君 やはり中小農家は助成措置から外れていくということになると、田園が荒れてくると、そして災害が多発する、環境保全がなされないと。そして、日本の美しい田園風景、正に原風景だと思います、日本のですね。そういうものが荒れてくるということについて総理はどうお思いですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しいことは農林大臣からお答えをしますが、正にこの田園風景こそ原点であるということは私も同じ認識でございまして、山陰地域、また山陽地域もそうでありますが、この美しい山々と圃場を見ると何となくほっとするわけであります。そして、環境や地域の保全、そういう多面的な機能も持っているのも事実でありまして、そういうことも当然勘案していくことも我々念頭に入れなければならないと思います。
○広野ただし君 正に今、田園荒れなんとするということだと思うんですね。そして日本のすばらしい白砂青松、そして正に里山あるいは「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川」、ああいう風景がなくなろうとしているんですよ。そのことについて、美しい国と言われるならちゃんとやらなきゃいけないんじゃないんですか、総理。
○国務大臣(松岡利勝君) 先ほどから申し上げておりますが、日本全国の農家の方にも、今の広野先生の御心配、それは、今、現状のままでこういう形が今荒れなんとしておると。したがって、これをこのまま現状を放置すれば正に荒れなんとするのが荒れてしまうわけでありまして、したがって、これをここから逆に私どもは、これを、美しいまた田園風景を取り戻しますためにも、新たなチャレンジをして、みんなでやっぱり農業というものをしっかりと大きな発展できるものにしていこうと、これが今回の政策の基本でございまして、そういったような意味におきまして、是非ともこの政策をしっかりと進めていくことが、私は、水田や畑を守り、また緑を豊かなものにしていく、そういう紛れもない方向だと思っております。
 どうぞそういったような意味で御理解を賜りたいと思います。
○広野ただし君 そして、小泉内閣で市町村合併が促進をされました。そういう中で、合併によって過疎地域が更に過疎化が進むというようなことも見えてきております。総理、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) 三千二百あった市町村が約千八百に合併をされまして、三役の数も三千六百人、議員の数も一万七千六百人減と、地方は大変な行革努力を行っております。
 その中で、この合併市町村におきましては、市町村建設計画を策定をして、合併市町村の一体性の速やかな確立とともに、周辺地域が寂れないように新市町村全域のバランス取れた発展を目指して新たな町づくりに今取り組んでいるところであります。
 国としては、こうした取組に対して、市町村合併支援プランに基づき、様々な支援措置を今講じております。そういう中で、合併しますとどうしても中心部が栄えてその周辺部が過疎化なるということも現実的には起きておるわけでありますけれども、バランスの取れた発展ができるように過疎債などで支援をしていきたい、こう思っています。
○広野ただし君 そして、その過疎地に不法にごみが捨てられる、産廃が捨てられると、こういうのが実態ですよね。ごみはもう大変な量が毎年出てきてて、産廃は特にそれを入れる場所がなくなってきている。三、四年しかもたなくなってきている。そういうことから、不法投棄が物すごくある。これはもう岐阜県あるいは岩手県、青森県の県境等で一杯出てきているわけですね。総理、このことについてどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆるごみの焼却、また産廃の焼却については、これは広域の行政の中において今まで取り組んできたところであろうと、このように思います。
 今委員が指摘されたことは正に違法行為でありますから、そうした違法行為については厳重に取り締まっていくべきでございます。
○広野ただし君 現状、取締りを抜けて、大変な量がたまっているんですね。原状復帰するのに大変なわけですよ。美しい国とは言いますけれども、そういう過疎地域あるいは田園が荒れてきているのに、どうしてそれが美しい国になるんですか。もう一度お答えをください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 市町村合併に伴うということではないと思うんですが、市町村合併に伴う過疎を防ぐためには、例えば市町村合併支援プラン等々で行っておりますが、他方、そうした違法行為に対しては断固とした取組を行わなければならないと。また、そういうことを平気でやるという、気持ちがすさんだ日本にならないような取組をしていく必要があると思います。
○広野ただし君 私は、環境立国日本というくらいの気持ちでおります。やはり日本の地方を守り、そして環境を保全をする、それが美しい国をつくっていく大事な道なんじゃないかと思いますが、施政方針演説では余りこの環境の問題を取り上げられませんでしたが、何かどうでしょうか、もう一度。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 環境の問題については、地球温暖化に対する対応についてお話を申し上げたところでありますが、こうした今御指摘の地域の美化、もちろんこのごみの不法投棄や産業廃棄物の不法投棄はあってはならないところでございますので、そうした対策は当然取り組んでまいりたいと思います。
○広野ただし君 私は、地方にこそ文化があり、そしてお祭りもあり、様々にいい面が残っているんですよ。それを今正に、何といいますか、西洋一番というような考え方でそれが破壊されようとしている。私は、東洋哲学といいますか、人間と自然が共生をするという、そういう考え方の下に日本建築も庭園も全部できているわけですね。そういうことを、美しい国をつくるということならば、もう一度そういうことにしっかりと目を置いていただきたいと思いますが、総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘の地域の言わば共同体、コミュニティーを再構築をしていくことが重要であると思っております。地域の温かさ、ぬくもりが、これは極めて重要であり、また子供の健全育成にとっても大切であろうと。
 また、今委員が御指摘のお祭りでございますが、これはお祭りそのものも楽しいわけでありますが、このお祭りを行うまでみんな地域の人たちが協力して、一緒になってお祭りを実行していく、その中で新たなきずなも生まれてくるのでございまして、こうした地域のお祭りを復活をさせていくという取組を行っている地域もあるやに聞いているわけでありまして、いずれにいたしましても、そうした地域の発展があって初めて、この美しい日本が目指すことができると、こういう認識を持っております。
○広野ただし君 どうも言葉だけの美しい国ということで、地方に対する目配り、具体策、それは農業の問題あるいは文化振興の問題、環境問題、そういうことについて総合的にやらなければ、とてもじゃないけれど私は美しい国日本はつくれないんじゃないかということを指摘させていただきたいと思います。
 ところで、日本のこの心の荒廃といいますか、日本は今余りにも毎日耳や目を覆いたくなるような事件が一杯起こり、しかも非常にひどいのは、エリートと言われる方々が、指導層あるいはそういうリーダーと言われる方々がいろんなことを起こしているということであります。
 お手元にガンジーの七つの大罪というのが配られているかと思います。(資料提示)
 私は、やはり東洋の大政治家また哲学者であるガンジーが本当にしっかりしたことをおっしゃっているなと思っております。原則のない政治、そして汗をかかない富、あるいは享楽・快楽、四番目が人格向上のない知識、ただ知識だけを上げるということではない、道徳心のない商い、人間性のない科学、犠牲のない信仰と、こういうことをおっしゃっているわけです。
 私は、そういう中で、日本のエリート層、これはこういうことを胸に置いて指導をしていく。政治家も官僚も、また経済人も、そして警察も、さらに医者だ、あるいは弁護士ですね、そして宗教人、そして大学の教授あるいは教師、そういう人たちが本当にしっかりした意識を持って、志を持ってやっていかないと日本の荒廃は止まらないと、こう思っております。
 そういう中で、この間、経済人として、まあホリエモンですとか村上ファンドというようなことで大変な、司直の手も入って裁判になったりしております。そして、その村上ファンドに投資をして、金利ゼロなのにその二倍も三倍も利息を得る、こういう利殖をすると、こういうことが結果的にはなされました。
 日銀総裁、いかがでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) お答えを申し上げます。
 私、民間におりました時代から、大変閉塞感の強い時代でございましたけれども我が国の企業が先々活力を取り戻していくことが必要だと、そのためには株主からもきちんと経営をチェックできる仕組みをつくると。で、経営者、従業員、債権者そして株主、そういうそれぞれの立場の方々がバランスの取れた形で尊重される企業経営と、これが非常に大事なことだというふうに考えてまいりました。
 村上氏のファンドに資金拠出を、私、民間におりましたとき決めましたのも、利益を求めるという気持ちからではなくて、我が国のコーポレートガバナンスを投資家の立場から変革していく必要があると、そういう当時の村上氏の考え方が私の考え方にも沿うものと思ったからでございます。その後、村上氏の行動が当初の志からそれたと、それてしまったように見えると、大変残念かつ遺憾なことだというふうに思っております。
 そうした当初の気持ち、そしてその後の経緯がございましたので、かねてより私、ファンドに拠出しました資金が手元に戻ってまいりました場合には、すべて慈善団体等に寄附をいたしますということを申し上げました。これまで、まだ全部戻っておりませんが、部分的に戻ってまいりました資金については、今般寄附を実施いたしました。
 いずれにいたしましても、現時点で振り返ってみますと、総裁就任の段階で拠出を続け、結果として、ただいま御批判いただきましたように利殖行為に走ったんではないかという厳しい批判を招いた、このことは私の不明の致すところでございます。深く反省をいたしております。
○広野ただし君 私は、福井総裁は大変苦労もされ、そして経済知識は抜群で経済界の総理と言われるような中央銀行総裁になられたということだとは思うんですね。だけれども、さっき言いましたように、何か、ガンジーが言うような何かを忘れておられるんじゃないんですかと。汗をかかない、そういう富、あるいは道徳心のない、そういう商いと、こういうことについてどう思われますか。
○参考人(福井俊彦君) 振り返って、御指摘のとおり反省すべきことが多いということで、深く反省をいたしております。重ね重ね自戒をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○広野ただし君 やはり国民はこの間ゼロ金利で大変な犠牲を強いられたわけですね。そういう中で、何か道徳心のない商いといいますか、そういう利殖をされる、結果としてはそうなっているんですよね。ですから、日本でも新渡戸稲造先生の武士道精神というのはあって、やはり惻隠の情あるいは謙虚さというものをしっかりと持っていますから、私も惻隠の情はありますからそういう思いではありますけれども、やはり経済界の総理は高潔な気持ちでやっていただきたいと思います。
 もう一度答弁いただきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 重ねて厳しい御意見、御批判をちょうだいいたしまして、そのおしかりをしっかり胸に受け止めて、自己規律、自分に更に強く課してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○広野ただし君 私は、これでもう一つ。子供たちが見ているんですよ。政治家あるいはこういう経済人のトップ、そういう人たちが、子供たちが見ているんですね。親の背中を見て育っているんですから、何をやってもいいんだと、もうければいいんだと、こういうことが、拝金主義的なものがはびこるということが最も美しい国にとって駄目なんじゃないのかと、こう思いますが、総裁、もう一度お答えください。
○参考人(福井俊彦君) 私自身の問題としては、重ね重ね厳しく自己批判を繰り返しながら身を律してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○広野ただし君 私は、何というか、居残るといいますか、潔くというのがやはり一つの精神だと思います。しかし、今のような答弁を私ずっとやっていましてもしようがないので、誠に残念な答弁であったと、お答えであったということを御指摘させていただきたいと思います。
 ところで、サラ金問題、消費者金融の問題に移らせていただきたいと思います。
 総理にグレーゾーン金利というものをなくしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(山本有二君) 今回、多重債務者をこの社会から一掃するべくグレーゾーン金利をなくすという決意で臨んでいるところでございます。
○広野ただし君 総理、それは確認してよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 金融担当大臣が責任を持って、今党と調整をしながら、多重債務者がもう出てくることのないようにしなければならないという決意で臨んでいるわけであります。今大臣が答弁したとおりでございます。
○広野ただし君 それともう一つ、生命保険を強制的に掛けさせる、これもやめさしていただきたいが、どうでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 団体生命保険を掛けるという行為が常態となっておりますが、これにつきましては多重債務者が更に困難を窮めることのないように改革、善処さしていただきたいと思います。
○広野ただし君 善処というのは意味分かりません。もう一度お答えください。
○国務大臣(山本有二君) まず任意に、大手の貸金業の方々はこの生命保険を付保するということをおやめになってきつつございます。そういう任意の業界の行動も含めて考えながら、なおその契約時におきまして、貸金業の契約時にサインをすれば自動的に付保されるというようなことのないように、契約書は別途作っていただくなり、そういうような工夫を凝らしまして、完全に被害のない、そういう惨めな多重債務者が二度と起こらないような措置を講じてまいりたいと思っております。
○広野ただし君 元々自分の命を担保に掛けるという、正にそれが悲惨な事態に陥っているわけで、総理、どうでしょうか、決断いただいて、生命保険、強制することをやめさせるとお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、生命保険に例えば強制的に入れさせてそれを担保にする、その結果いろんな悲劇が生まれているのは事実でございます。こうした言わば多重債務者の高い金利でお金を借りている人たちとは別に、言わば生命保険で、自分の、自らの命を絶ち、そして借金を返している人たちがいるのも事実であろうと、このように思うわけでありまして、こうしたことは本当に好ましくないことであります。その中で、このいろいろな対応をどうすればいいか、借り手の利便等々も勘案しながら今金融庁において検討をしていると思います。
○広野ただし君 それでは、ちょっと少年犯罪等の問題を示さしていただきたいと思います。
 前は、お手元にお配りしました二ページ目になりますが、一番、神奈川県の金属バット両親殺害事件始め、十年に一回ぐらいこういうことが起こっていました。しかし、この十年、これからの十年、今までの十年は、神戸市の酒鬼薔薇殺人事件始め、長崎での男子誘拐殺人事件とか、もう本当に毎年のように嫌な事件が起こっております。
 そして、二ページ目にお示しをしましたが、学校のいじめ、暴力等の状況でございます。
 公立学校のいじめ件数総計二万一千件、暴力事件三万四千件、不登校の児童数十二万人、高等学校中途退学者七万六千人、児童虐待相談件数三万三千件と、こういうような事態になっております。正に、日本の社会が病んでいる、心を病んでいる、それが子供たちのところにまで及んでいると、こういうことだと思います。ということですが、総理、いかがですか。どういうふうな感想を持たれます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昔からそうした子供をめぐる犯罪もあったわけでありますし、またいじめもあったわけでありますが、しかし、この数年間のいじめの件数、またその結果、大変陰惨な結果になっていると思っております。であるからこそ、子供たちに命の大切さ、あるいは道徳的な規範、自己抑制をする、そうしたことをしっかりと身に付けさせていかなければならない、そのための教育再生にも取り組んでいかなければならないと決意をいたしております。
○広野ただし君 いじめあるいは暴力行為、不登校、この家族の方々また本人ですね、毎日のように悩み苦しんでいるんですね。私は、そういうことでは、本当にしっかりとやりませんと、これこそ総理のしっかりですけれども、やりませんと、とてもじゃないけれども日本は立て直らないと、こう思っております。
 そのときに、今おっしゃいましたが、社会的規範、こういうことだけですべてが直るとお思いですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この不登校に悩む家族、またその不登校にもいろいろな原因があるわけでありますが、いじめによる場合もございます。私の身近な方々の中にも何人か悩んでおられる親御さんたちがおります。それぞれ理由が違うわけでありまして、それは一つの対策でそれがすべて完了するわけではなくて、総合的な対策も必要なんだろうと思います。
 そのためには、専門のカウンセラーを育成していく必要があります。子供たちにとっては、うまくこのカウンセリングによっては直ちに立ち直っていく子供たちもたくさんいるわけでありますし、そういう実例を出しているそういう専門の学校もございます。また、例えばこれは犯罪を犯した子供たちの中でも、広島の少年院は極めて再犯率を低くすることに成功しているわけでございます。
 そうしたノウハウを共有しながら、あるいはカウンセリングすべきはカウンセリングをしながら、あるいはまた地域において、地域のコミュニティー全体で取り組んでいくということも大切ではないか。そうしたことを総合的な対応も検討していかなければならないと考えています。
○広野ただし君 具体策ですから、伊吹文部大臣にもお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) ただいま総理がお答えいたしましたように、先生が御指摘の誠に悲しいいろいろな事件あるいは事象、これはいろいろな要件が絡まり合ってできていると思います。時代が大きく変わりましたので、核家族になっておりますし共働きになっております。ですから、家庭の教育力、あるいは子供が悩んでいるときに家庭がそれを見付けるというチャンスが非常に少なくなっている。同時にまた、地域社会においても地域社会の崩壊という現象が起こってきておるのは御承知のとおりです。
 ですから、多面的なやはり対策を立てなければならないので、正に総理が言っている規範意識というのはその原点にあることだと思いますが、当面は、やはり子供が発している一種の危険信号というのか、つらい思いというのを家庭であり地域社会であり学校でありができるだけ早く理解して、発しておるものを隠すような教育委員会じゃこれは困るわけでございますから、ケースワーカーその他臨床心理士にできるだけ対応できる。これはしかし対症療法でございますので、基本的な対応について教育再生の中で抜本的にみんなで考えて対処していきたいと思います。
○広野ただし君 厚生労働大臣に伺います。
 この児童虐待ですね、かわいい子供をこれ虐待をする、こういうのが三万三千件も年間ある、こういうことについてどういう感想と対処を考えられますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 児童の虐待の問題について、二〇〇四年度で三万三千件も発生しているというような御指摘をいただきましたが、日常の報道等に接する中でも、私自身も大変、またこんなことが起こるのかと。片っ方で少子化と言って、子供は大事だ、大勢育てたいと言いながら、せっかく生まれた子供たちに対してこの仕打ちは何だというような、そういう次元で私的な憤りも感じているということでございます。
 こういうような問題が起こる都度、行政として行われている児童相談所の機能というものが、これが十全のものかどうか、そういうようなことについても、これについて更によく事情を精査して立て直して、もっと効果的な機能が果たせるようにしてまいりたいと、このように心から思っております。
○広野ただし君 昔、真田幸村のいた真田町、今は上田市、長野県の上田市になったんですが、大塚教育長というのがおられまして、真田町も非常に荒れておったというところでありますが、まずそこでは花や野菜を植える、体を通して、そして美しい花や命のすばらしさに感動させる、こういうことをさせたんだそうです。もうその方は、大塚先生は、酒鬼薔薇の事件ですとか長崎の事件のところへ行かれて、その学校には花がないと言うんですね。花をやっぱり育てる、そういうところからやりますと、美しいものを美しく、そして、そんなのを踏み付けたらもう全部駄目になるんですからね。そういうようなことをやってやりますと、瞬く間に良くなって、また知識も学力もぐっと上がってきたと。だから、美しい心をちゃんと育てれば学力も上がるという点なんですね。こういうことをおっしゃっています。
 そしてまた、立命館大学の陰山先生ですね。有名な早寝早起き朝御飯のモットーを言われる方ですね。こういう、親が悪いんですよ、子供たちに対してそういう生活のリズムを壊しちゃうわけですから。そういうところから子供たちを育てろと言ったってなかなか簡単ではないということだと思うんですね。
 ですから、具体的なという点にもっと踏み込んだ話にしてもらいたいと、こう思っておりますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 正に先ほど私からも、また伊吹大臣からもお答えをしたように、個々の問題にしっかりと着目をしながら対応していくことが大切であり、また、今、広野委員が御指摘になったように、いろんな試みをして成功している事例があるわけでございます。そうしたことを参考にしながら、それを全国に広めていく、また活用していくことも考えていきたいと思います。
○広野ただし君 それと、これは、今日はマスコミもいらしていますんで言いますが、テレビあるいはインターネットの時代になっております。朝、私たち起きますと、もう最初のニュースが殺人事件とか暴力事件というものを余りにもこれ克明に映して、こんなことまでやらなきゃいけないのかと思われることが出るんですね。あるいは、普通のときでも、過度な暴力行為あるいはセックスシーン、こういうものを子供たちが見ていていいわけがないんですね。
 もちろん、マスコミの自主規制というものが大切だと思っております。これを強制するわけにはまいりませんけれども、その点、総理はどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私からお答えをいたしまして、放送行政にかかわることでございますので総務大臣からお答えをいたしますが、先ほど委員が御指摘をされました、花を見たりとか美しいものを目にすることによって気持ちが和やかになり、切れやすい子供も自分を抑制する力を持つわけでありますし、また命の大切さということにも気付いていくのではないかと、このように思います。そうしたものになるべく触れるような環境をつくっていくということも大切でしょうし、また子供によってはそれぞれ持っている問題が違いますので、それぞれ対応していくことが大切だろうと思います。
 一方、やはりまたインターネットの世界においては非常に過激な映像等があるのも事実でございますし、また書き込み等においても憎悪をかき立てるものがたくさんあるのも事実であろうと、このように思います。放送事業者においては、自ら放送番組の編集の基準を定め、これに従って児童及び青少年の視聴に十分配慮した放送番組作りに努めているというふうになっているわけでありますが、実際にそれを担保していかなければならない。また、これは放送と通信、両方、放送だけではなくて、また今申し上げましたインターネットの世界においてもどう対応していくかということもこれは悩ましい点ではないかと思います。
 具体的には総務大臣からお答えをいたします。
○国務大臣(菅義偉君) お答えをいたします。
 総務省では青少年と放送に関する調査研究会というものをかつて開催をいたしまして、青少年向け番組の充実や放送時間の配慮等の提言を受けました。その提言を基に、実は放送事業者、これNHK、民放連でありますけれども、これらの提言を受けて、視聴者からの意見に基づく審議、必要に応じて提言等を公表する第三者機関というものを設けまして、放送と青少年に関する委員会を設置をするとともに、この児童や青少年の視聴に関する時間帯、これ十七時から二十一時までの間でありますけれども、これを設定するなど、今日まで自主的な取組を行ってきておるわけであります。
 しかしながら、放送は子供にとって最も身近な目でありますので、今後とも十分配慮しながらこうしたことがないように取り組んでいきたい、こう思います。
○広野ただし君 もう一つ、環境教育の問題であります。ノーベル平和賞をもらわれたマータイさん、ケニアのですね、が言われたもったいない精神、もったいないキャンペーン、日本人は前からもったいないという精神がありました。このことが省エネですとかあるいは川下にもいろんな影響を与えないようにというようなことがもう前々から先祖は教えてくれていたわけですが、そのもったいない精神というものを安倍総理はどういうふうに教育の中で位置付けられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が党の幹事長代理を務めておりましたときに、党としてこのもったいない運動を展開をしようということも徹底し、行ってきたところでございます。
 やはり、このお金で何でも買えるという認識があると、もったいないという気持ちがこれはうせていくものでございまして、やはりこの自然の恵みを大切にしていくという気持ち、あるいはまた自分が使っているものを大切にしていこうという、そういう気持ちをはぐくんでいくことは、これは環境を保全をしていく、循環型社会をつくっていく上においても重要であると思います。そうした観点から、教育の場においてそういう気持ちをこれははぐくんでいくように、これは教育の現場で実行していくことが大切だろうと思います。
 我々が子供のころは、例えば消しゴムにしろ筆箱にしろ、相当これは使えなくなるまで使ったわけでありまして、これを、もう早く新しいものが、子供ですから新しいものが欲しいんで、それを何となく新しいものを買ってくれと言っても、母親や父親がそれはもったいないだろうということをよく連発をして、子供のときには、それはあるときは反発を覚えるわけではありますが、なかなかこのもったいないという認識をだんだん気持ちの中に構成していくわけでございます。そういう意味におきましては、教育の場でこのもったいないという認識を植え付けていくことも大切ではないかと、私もそのように思います。
○広野ただし君 施政方針演説ではそういう話が余り出ていませんでしたので、お伺いをさせていただきました。
 伊吹文部大臣、いかがですか。
○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど西岡先輩から外資のお話がありましたが、まあ、アメリカというのはいろいろな国からいろいろな社会規範を背負っている人たちが移民で集まった国なんですね。ですから、一つの社会規範でなかなか国が治めにくいですから、法律、そして競争のルール、それに不満な人は最終的には法廷で争うと。
 しかし、日本の場合は、正に先生がおっしゃったもったいないという言葉が日本語であるように、法律より以上の我々祖先が作り上げてきた伝統的な社会規範というものが社会の安定のために非常に大きな役割を果たしているんですね。
 今の教育基本法も私は非常に立派な法律だと思いますが、この法律は日本においても通用しますし、アメリカにおいても私は通用するものだと思います。日本には日本のやはり伝統的な社会規範をこれにプラスして教えるということがあっても私はいい、当然いいことだと思いますので、そういう意味からも、西岡先生の党の案も出ておりますから、できるだけ早くもったいない精神が教育基本法にのっとって堂々と教えられるようなことを実現していきたいと思います。
 お説は全く同感でございます。
○広野ただし君 伊吹文部大臣にもう一度伺います。英語教育の問題です。
 私も、祖国は国語という藤原正彦先生にいたく感動を覚えております。英語教育のことについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生のお尋ねは、義務教育段階の英語教育と理解してお答えをいたしたい……
○広野ただし君 小学校。
○国務大臣(伊吹文明君) 小学校のですね。
 我が国の教育は、御承知のように教育の憲法と言われる教育基本法とそれを受けた学校教育法、そして学校教育法を受けた政令と大臣告示である指導要領、これによって成り立っております。
 学校教育法の小学校のところを読みますと、日本語の読み書きは基本的なことをマスターさせなければいけないということをはっきりと明記しております。しかし同時に、英語教育と言われるものの取っ掛かりになる法律上の言葉は、日本の伝統的な歴史をよくマスターした上で進んで国際的な感覚を養うということが書いてあるだけで、英語教育ということは書いてないんですよ。
 ですから、一般の外国の方に教育の現場へ来ていただいて、おはよう、こんにちはということはグッデーという、ボンジュールという、あるいはグーテンタークということだと、ああ、そんな言葉がたくさんあるんだなと。あなた方は朝何食べていますか、夜はどんなものを食べるんですか、こういうことをやるということは私は一向構わないと思いますし、国際感覚を養うと思います。その中で、いろんな言葉があるんだなということをマスターすることも法律に従って当然あっていい。
 そして、余裕があれば、英語教育という言葉が、アルファベットでどうも何か英会話、英語のアルファベット、文法を教えるというふうに取られがちですが、国際感覚を養うという意味じゃ、私は非常にそれで結構なことだと思いますが、法律に書かれている日本語を基本的にやっぱりしっかりマスターした上で余裕があればやればいいことだと思います。今、日本語が私はかなり乱れてきていると思いますので、学校教育法に書かれているやはり根本をしっかりと守ってやっていってほしいなと。
 ですから、今、中教審にこのことは諮問しておりますから、中教審から進んで諸外国の事情を理解してという意味をどういう形で答申してこられるかということを受けて判断しなければならないことだと思っております。
○広野ただし君 やはり美しい国づくりにも、やはり国語をしっかりとしたものにしなきゃいけないと、こう思います。
 総理、この小学校からの英語教育導入、慎重であるべしと、こういうお話ですが、総理はどうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小学校においては、日本語や基礎的な学力あるいは規範意識を身に付けるということをしっかりと教えていく必要があるでしょう。そして、その上に立って、言わば国際感覚を身に付けるために英語、外国語について触れていくということも必要なのではないかと。まずは日本語をしっかりと教えていくということとのバランスにおいてどう教えていくかということは、学習指導要領を改訂する中で専門家によく議論をしていただきたいと思います。
○広野ただし君 次に、セーフティーネット充実、整備について伺いたいと思います。
 失業問題、これは民主党の小沢代表が言っていますように、政治は生活であるということで、失業問題は生活の大前提を狂わせる。これは普通、労働問題というふうに言われますけれども、そうではないと思いますね。失業問題は正に生活に密接にかかわる問題である、こういうふうに私は思っております。
 現在、失業率が四%にまで、四・一%ですか、改善されたというふうに言われますが、まだ完全失業者は二百七十万人です。そして、地域格差は、沖縄では七・八%の失業率、北海道五・四%、九州五・一%というようなことで、地方の方がまだ失業率が高いと、こういう実態でございます。
 こういうことについて総理はいかがお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しいことは厚生労働大臣からお答えをいたしますが、景気は回復し、また失業率におきましても、一時は五・五%まで上がった失業率が全体としては四・一まで下がってまいりましたし、また有効求人倍率もだんだん上がってきているのも事実でありますが、確かに地方にはばらつきがあるのも事実であろうと、このように思います。
 また、非正規雇用者、短期間の非正規雇用者がこれは増えているのも事実でございまして、長期間の正規雇用者が減少している。ただ、この傾向は、実は小泉内閣の前からこれはそういう傾向になっているところでございますが、そうしたことも含めて対応を考えてまいりたいと思います。
○広野ただし君 厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、総理からお述べになったとおりでございます。失業率は最高五・五%というようなレベルに達したこともありますけれども、それがかなり最近顕著に改善を見まして、現在は四・一%というところまで来ていると、こういうことでございます。
 もう一つ、この場合に、この摩擦的失業というものを日本の場合何%と見るのか。つまり、完全雇用というのは失業率がゼロになるのかというと、必ずしもそうではないというような問題もひとつ私としては今後考えていきたいということで、今投げ掛けていたりしております。
 それからもう一つ、地域的な格差があるということは、これはもう産業構造の変化の中で我々は全体としての経済の回復を獲得しているということはもう明らかなように思われます。特に、私も、ここのところは非常に不思議なんですが、ITというのは、私どもがこの問題に直面したときには地域格差を逆に克服していく、そういうツールになると、そういうふうに私どもは受け止めたはずなんですけれども、現実にITを活用して産業が回復軌道に乗っていくという中で必ずしも地域が同じような状況を享受できない、これ一体どういうところにあるんだというようなことを考えながら、今先生が提起されたような地域格差の問題を私としては今後考えて有効な施策を打っていきたいと、このように考えているところであります。
○広野ただし君 ちょっと聞き捨てならない答弁がありましたが、じゃ、完全失業率がゼロじゃなくて、何%ぐらいだったら妥当だというようなふうにお考えなんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは言わずもがなのことを申したかもしれませんが、経済政策の実体を扱う責任ある、まあ責任を取った行政をしていくためには、やはりかなり経済が順調に回っているときにもそこに一定程度の失業というものが摩擦的に生ずるということがあり得るわけでありまして、そういう意味で日本の場合にその摩擦的な失業、回避できないところの摩擦的な失業というのはどの程度かということを一応踏まえて考えませんと、我々が目標とするレベルというものについて誤った判断をする、あるいは政策を考える場合にも必ずしも適切な政策になり得ない、そういうようなものを考えるところにいざなわれていく、こういうことは避けたいという意味で私は申したのでございます。
○広野ただし君 今でも二百七十万人の人が完全失業だと、こういう事態で、さらにニートと言われる人たちが六十万から八十万いるわけですね。ホームレス、まあ失業が根本だと思いますが、ホームレスの人たちが二万五千人ぐらいいると。こういうことですから、やはり先ほど申しましたように、失業は家族崩壊をもたらし、地域の方にも大変な影響をもたらすと、治安の問題にもかかわると、こういうことですから、やはり失業問題しっかりとやっていきませんと美しい国なんてとてもじゃないけどできないと、こう思います。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このニート、フリーターの問題は、言わばこの社会が不安化しないためにも重要な問題であります。ニート、フリーターが増えていくということは、将来この格差が開いていくということにもなっていくわけでございますので、我々、このニート、フリーターと言われる人たちに対して対策を打っていかなければならないと思います。
 このため、ジョブカフェやハローワークによるきめ細かな就業・就職支援を行うなど、フリーター二十五万人常用雇用化プランを推進をしてまいります。また、ニート等の若者を対象とした若者自立塾や地域若者サポートステーションを設置をしたりと、そういう取組を進め、またさらに、言わば年長のフリーターと言われている、就職氷河期に就職の機会を逸した人たちが再就職の機会を得ることができるように、中途採用に道を開くべく努力をしていきたいと思います。
○広野ただし君 続きまして、定年制問題について伺いたいと思います。
 やはり、働くことが生きがいという人たちはたくさんおられるわけですね。また、これだけ長寿社会になりました。元気で長生きという方々もおられるわけです。そういう中で、私は生きがい問題というのは非常に大切だと思っております。
 よくテレビでも出ますけども、バーモント州でターシャ・チューダーさん、ガーデニングと動物とのナチュラルライフを楽しんでやっておられます。九十歳になってもなお元気であると。日本でも、もう九十歳でもなお職人的な、あるいは発明をされる方々が一杯おられるわけですね。そういうことから考えますと、定年問題、定年制問題、抜本的に見直すべきだと考えますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生の御指摘のチューダーさんのことについても、私も大変、正にあれは、美しいガーデニングの中で、九十歳を超えてなおかくしゃくとして人生をエンジョイされているということで、でき得べくんばみんながそういうような生活を送られるということがやはり一つの夢ではないかと、このように感じている次第です。
 定年制につきましては、現在、先般義務付けまで行いました改正高年齢者雇用安定法に基づきまして六十五歳まで、そしてそれが厚生年金の受給開始年齢に合わせて完全に実現されるように、これを義務付けるということのプログラムを進行しているところでございます。
 ただ、今先生が御指摘のように、でき得べくんば七十歳まで働ける企業というものを普及推進したいということが安倍総理の下で御指示をいただいておりまして、私どももそのことに対してこれから大いに配慮した政策を展開していかなければならないと、このように考えている次第です。
○広野ただし君 雇用形態についてちょっと御説明させていただきます。(資料提示)
 四枚目のページに示しておりますが、この五年間、小泉総理、小泉内閣の間に、正規職員が七四%から六七%に減っております。そして、非正規が二六%から三三%、三人に一人は非正規従業員という事態になっているんですね。みんなにアンケートを取ると、正規社員になりたいと、これが雇用の実態です。総理、これを見られてどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、この正規社員と非正規社員、このような比率で変化があるのは事実でございます。
 一方、多様な生き方を望んでいる方々も増えているわけでありますし、今労働の流動性が高まる中で、経済が活力を得ているのも事実でございます。ただ、その中で非正規から正規になりたいという方々もおられるでしょうから、非正規社員から正規社員になっていくこの道をしっかりと整える必要もあるでしょうし、そのために研修をしたり、あるいはまた資格を取ったりする、そういうことを応援をしていくということも考えるわけでありますし、また企業にも協力をしていただかなければならない。また、非正規社員の方々が正規社員であれば受けることができる研修等が受けられないということについて改善を求めていきたいし、また正規、非正規のこの均衡待遇等々についても改善を求めていきたいと考えています。
○委員長(尾辻秀久君) そろそろおまとめをください。
○広野ただし君 私は、この労働法の規制緩和の速度とタイミングが誤ったんではないのかと、こう思います。まず、厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生御指摘のように、正規労働と非正規労働の比率、先生が三二・六ぐらいをおっしゃっておられたでしょうか。現在は三三・二ぐらいになっていること、最近の数字で御案内のとおりかと思います。
 こういうことについて今後どのように取り組んでいくかということでございますけれども、やはり今度のこのような状況が、じゃ労働法規の規制緩和からもたらされたものかといいますと、それは必ずしもそうではありません。先ほど総理の御答弁にもありましたように、これは決して小泉内閣始まって以来のことではない。それ以前から趨勢的に企業が構造改革、構造的な変化に対応するためにそういう雇用をしてきたんだという御答弁がありましたけれども、そういうことで、必ずしも労働法規の、労働規制の緩和がこういうものをもたらしたとは言えないと、このように考えております。
○広野ただし君 そのほか、国民年金、本当に国民年金に対する不信、不安というものが非常に高まっております。また、生活保護との調整問題もあるわけですが、時間がないので、これは次回に移させていただきたいと思います。
 ところで、やはり安倍総理に伺いました美しい国づくりについての具体策、こういうものがどうももう一つ見えない。美しい国というのは言葉やよしということでありますけれども、具体策はもう一つ。結局は役人にそれを丸投げして具体策をつくってもらう、こういうことになるんじゃないのかと。
 私は、政治家のトップとして、政治家のリーダーとして、しっかりと目を配ってしっかりした美しい国を本当につくってもらわなきゃならないと、こう思っております。そういう感想を述べまして、終わらせていただきたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会