第165回国会 決算委員会 第3号
平成十八年十二月四日(月曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任   
     松下 新平君     高橋 千秋君
 十二月一日
    辞任         補欠選任   
     岸  信夫君     小林  温君
     犬塚 直史君     松下 新平君
     神本美恵子君     山本 孝史君
     藤本 祐司君     那谷屋正義君
     山下 栄一君     遠山 清彦君
     小林美恵子君     紙  智子君
 十二月四日
    辞任         補欠選任   
     高橋 千秋君     和田ひろ子君
     藤末 健三君     主濱  了君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         泉  信也君
    理 事
                小池 正勝君
                中島 眞人君
                吉田 博美君
                直嶋 正行君
                柳澤 光美君
                弘友 和夫君
    委 員
                岡田  広君
                小泉 昭男君
                小林  温君
                田浦  直君
                西島 英利君
                西銘順志郎君
                藤井 基之君
                森元 恒雄君
                山谷えり子君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                主濱  了君
                高橋 千秋君
                津田弥太郎君
                那谷屋正義君
                藤末 健三君
                松井 孝治君
                松下 新平君
                山本 孝史君
                和田ひろ子君
                加藤 修一君
                遠山 清彦君
                紙  智子君
                又市 征治君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       総務大臣     菅  義偉君
       法務大臣     長勢 甚遠君
       外務大臣     麻生 太郎君
       財務大臣     尾身 幸次君
       文部科学大臣   伊吹 文明君
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
       農林水産大臣   松岡 利勝君
       経済産業大臣   甘利  明君
       国土交通大臣   冬柴 鐵三君
       環境大臣     若林 正俊君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 塩崎 恭久君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        溝手 顕正君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、イ
       ノベーション、
       少子化・男女共
       同参画、食品安
       全))      高市 早苗君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    大田 弘子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      佐田玄一郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   副大臣
       財務副大臣    富田 茂之君
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官       北川イッセイ君
       国土交通大臣政
       務官       梶山 弘志君
       国土交通大臣政
       務官      吉田六左エ門君
       国土交通大臣政
       務官       藤野 公孝君
        ─────
       会計検査院長   大塚 宗春君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    谷  公士君
       内閣法制局長官  宮崎 礼壹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐山 正敏君
   政府参考人
       内閣審議官    原  勝則君
       内閣参事官    安藤 友裕君
       内閣府大臣官房
       長        山本信一郎君
       総務大臣官房長  荒木 慶司君
       総務大臣官房総
       括審議官     久保 信保君
       総務大臣官房審
       議官       綱木 雅敏君
       総務省行政管理
       局長       石田 直裕君
       総務省自治財政
       局長       岡本  保君
       厚生労働大臣官
       房長       太田 俊明君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高橋 直人君
       厚生労働省職業
       安定局長     高橋  満君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   奥田 久美君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省老健
       局長       阿曽沼慎司君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       社会保険庁総務
       部長       清水美智夫君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       環境省地球環境
       局長       南川 秀樹君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     石野 秀世君
       会計検査院事務
       総局第一局長   諸澤 治郎君
       会計検査院事務
       総局第二局長   千坂 正志君
       会計検査院事務
       総局第五局長   増田 峯明君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十七年度一般会計歳入歳出決算、平成十七
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十七年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十七年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十七年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十七年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)
    ─────────────
○委員長(泉信也君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、岸信夫君、小林美恵子君、山下栄一君、犬塚直史君、藤本祐司君及び神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君、小林温君、紙智子君、遠山清彦君、那谷屋正義君及び山本孝史君が選任されました。
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○委員長(泉信也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十七年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣審議官原勝則君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉信也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(泉信也君) 平成十七年度決算外二件を議題とし、本日は全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中島眞人君 おはようございます。
 いつもの時間より早い時間で、閣僚の皆さん方には大変御苦労をお掛けしておりますけれども、時間の日程等でお許しをいただきたいと思います。
 自由民主党の、遅れましたけれども、中島眞人でございます。
 総理は、総理御就任早々に中国、韓国を訪問し、胡錦濤国家主席、盧武鉉大統領との首脳会議を通じて日中、日韓の信頼関係の構築に努められ、また十一月にはAPEC首脳会議に出席し、世界に開かれ力強く成長する日本を実現していくことを堂々と主張されるとともに、ブッシュ米国大統領を始めとする各国首脳と会談を行うなど外交面で積極的に行動され、国民から高い評価を得ておられることは誠に喜ばしいことでございます。また、総理御就任以来、北朝鮮の核開発問題や新たな拉致被害者が認定される問題など、外交面における新たな問題も生じております。大変難しい問題でございましょう。
 こうした北朝鮮の核開発や拉致被害者問題、とりわけ六か国協議の開催などを視野に入れて、今後の日本外交の方針につきまして、まず総理から御所見をお伺いいたしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮の問題、ミサイルの発射、そして核実験、こうした問題に対しましては、六者会議におきまして、北朝鮮の核計画あるいはまた既存の核のこの開発にかかわる計画、すべての廃棄を目指して六者協議の場において前進させるべく努力をいたしておるところでございます。
 六者会合が開催されるという基本的な認識において、そのことが再開に向けてスタートしたこと、再開に向けて今協議が行われていることは大変喜ばしいことであるわけでありますが、しかし、開催自体が目的ではなく、先ほど申し上げましたように、北朝鮮の核開発計画、そしてまた既存の核すべてを廃棄をさせる第一歩とならなければならないと、このように考えております。
 また、拉致問題におきましても、残念ながら現段階で拉致問題に対する誠意ある対応は北朝鮮は見せていないわけであります。拉致問題につきましては、塩崎官房長官を担当の大臣に任命をいたしました。そして、拉致対策本部、私が本部長を務める拉致対策本部を政府に設け、全力を挙げてこの問題の解決に取り組んでいかなければならないと、このように考えているところでございます。
 その中にありまして、現在、我々は、もちろん対話の窓口は開いているわけでありますし、また六者会合においても、我々も参加をして、核の問題、またミサイルの問題、そしてもちろん拉致の問題につきましても議論を進めていかなければならないと考えているわけでありますが、同時に圧力も、北朝鮮が誠意ある対応をするように促すために圧力も必要であると、このように考えております。
 先般の核実験の発表を機に国連決議がなされたわけであります。この国連決議を世界各国が履行していくことが大切ではないか、我が国はもちろんでありますが、世界各国が、国際社会が履行していくことが大切だろうと、このように考えております。また、我が国独自の制裁も行っているわけでありまして、今度とも対話と圧力の姿勢でこの問題の解決に取り組んでまいる所存でございます。
○中島眞人君 国民が大変期待をいたしておりますので、総理の今の御答弁を是非ひとつ実現の方向に向かって進めていただきたいことを心から切望いたしておきたいと思います。
 ここで、数日前に高市担当大臣が、領土の問題について国民が非常に関心が薄いと、こんな発言をしているテレビを実は見させていただきました。
 麻生外務大臣にお聞きをいたしますけれども、ここ数年間という間、日本にとってみると固有の領土であるいわゆる北方領土問題、あるいは竹島の問題、尖閣諸島の問題等々について、いわゆる外交の場面の中で大きく取り上げていなかったんではないのか、そういう問題が、この間、高市担当大臣から、国民の関心持つのには政治も一生懸命取り組んでいかなければ持てませんというような御発言かと思いますが、聞き違いがあったらごめんなさい、そういう御発言だったと思いますが、それを踏まえて、実は領土問題について外務大臣から御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘を受けるまでもなく、これは領土問題というものは、これは我が国にとりましては極めて大きな、重要なというか、外交問題であろうと思っております。当然のこと、そういったような認識の下に、政府といたしましては、今後とも引き続きこの領土問題というものには、これは相手のある話でこちらが一方的に言えば必ず決まるというものでもありませんので、粘り強い、時間を掛けてきちんとやっていくという、長期戦を覚悟した話の上に立ってやっていかねばならぬ問題だとまず認識をいたしております。
 北方領土問題に関しましても、この五年半の間、プーチン大統領との間で小泉総理のときに六回か五回か、何回か同席しましたけれども、その中にあってこの問題は必ず長時間にわたって出るところでありますし、過日の安倍・プーチン会談がハノイで行われたときにも同様な態度で話が続いておりますんで、今後ともこれは引き続き事務レベルだけではなくて更にレベルを上げてやっていかねばならぬところかなという感じで、いずれにいたしましても、きちんと引き続きこれ、この関心は常にあるんだということを我々は主張し続けていく立場にあろうと存じますんで、きちんとやってまいりたいと思っています。
 竹島の領有権の問題に関しましては、これはもうはっきりしておりまして、これは韓国側にも累次にわたって、この問題に関しては我々としては最大の関心があってここは元々という話もずっといたしております。竹島の問題解決というのが解決いたしませんといろいろ漁業問題を含めてこの日本海沿岸の漁業の問題にも大きく関係をしてくるところだと思っておりますんで、その問題に取り組んでまいりたいと思います。
 尖閣列島の話もよく出てきますけれども、これは、元々これは本来固有の問題でもありますので、私どもとしては中国との間に、この尖閣の問題に関して中国との間にこの問題が存在しているというようなことを考えたことはございません。
○中島眞人君 御努力なさっていることについては評価をいたしたいと思いますけれども、高市担当大臣がくしくも申し上げたように、国民の世論が大きく盛り上がっていく領土問題という形を受けてやっていくことが必要かと、こんなふうに思いますんで、国民の世論形成につきましても鋭意努力をいたしていただきたいと心からお願いをいたしておきたいと思います。
 さて、再チャレンジ可能な社会づくりについて総理にお尋ねいたします。
 昨今、所得格差を示すジニ係数が上昇していること等から、格差社会の到来を心配する声が高まっております。頑張った人、汗を流した人、一生懸命知恵を出した人が報われる社会をつくることは重要でございます。努力した人もしない人も結果が同じような社会では何の活力も生まれない。しかし、いったんできた格差が固定化される社会であってはならない。たれもが意欲さえあれば何度でも挑戦できる社会をつくることは極めて重要である。その意味で、総理の再チャレンジ可能な社会の構築をされておられることは、実に時宜を得たすばらしいことだと思います。
 しかし、再チャレンジと言葉で言うのは簡単ですが、実際は困難な壁が多々ございます。例えば中小企業です。中小企業が一度失敗すると、立ち上がろうとしてもこれは大変ないろいろな問題がございます。まず第一に、金融機関がまず相手にしてくれない。そして、この再チャレンジする方法が、果たして再チャレンジできるであろうかというふうな問題等々を含めますと、これはきめ細かな対策を効果的に打ち出していく必要があるんではないのか。新たな再チャレンジ政策を検討する専門機関をつくらないと効果的な支援ができず、結局再チャレンジという言葉だけに終わってしまう懸念があろうかと思うんです。
 総理のきめの細かい、そういう今後の展望につきまして御所見をお伺いいたしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になられたように、頑張った人が、一生懸命汗を流した人が、知恵を出した人が報われる社会をつくっていくというのが私たちの目標でございます。
 しかし、一度失敗した人がもうそれで終わりという社会であってはならないわけでありまして、何回でもチャンスのある社会をつくっていきたい。そしてまた、更に広げまして、今までのこの生き方、人生の方向を、それから新たな新天地を求めて方向転換したり、新たな新天地を求めて機会をつかんで頑張っていこうという人にとっても、いろいろな多様な機会のある社会にしていくことによって日本の社会はもっともっと活力に満ちあふれたものになっていく、このように思います。
 またさらに、将来人口が減少していく中にありまして人材をもっと有効に活用していくためには、このように、再チャレンジしようという人たちが頑張ろうと、また新たな新天地で何かやってみようという人たちが生かされる、そういう社会でなければならない、こう考えているわけでありまして、私の内閣におきましては、再チャレンジ担当大臣を議長とする推進会議を設置をいたしまして、内閣官房に担当室を置き、全府省で密接に連携をしながら効果的な支援策の検討を進めているところであります。
 そして、それと同時に、今先生がおっしゃったように、きめ細かく対応していくことが必要であります。フリーターと言われる人たちに対しましてはどのように対応していくかと。特に、就職氷河期に就職の時期を迎えた年長のフリーターの人たちにどう対応していくか。あるいはまた、非正規労働者と言われる方々がまた将来正規の労働者になって更にキャリアアップしていこうと、そういう道筋もつくっていかなければならないわけであります。
 また、今委員が御指摘の、事業に一回失敗をした人たちがなぜなかなかもう一度日本では事業を起こす機会がないのかということでございます。統計によりますと、日本におきましても、一度事業を失敗した方の方が初めて事業に挑戦される方よりも成功率は少し高いということでございますが、しかし、そうであるにもかかわらず、なかなか銀行また金融機関は、一回したということをもってしてなかなか貸してくれないのも事実であります。そういう方々への融資や保証をどうするかということも考えなければならないわけでありまして、支援対象者別に予算措置や法改正を含めた行動計画を内容とする再チャレンジ支援のための総合プランを年内に取りまとめることといたしております。
 いずれにいたしましても、こうしたきめ細かな対応をすることによりまして、日本にはいろいろな段階において様々な機会のある、単線型ではなくて複線型の、そういう豊かな社会にしていきたいと、機会に満ちあふれた社会にしていきたいと考えております。
○中島眞人君 きめの細かい対策が必要だということにつきましては御了解をいただきましたけれども、総理の下に対策室というようなものを持って担当大臣を決めていくと。それはそれでいいんですけれども、地方の中小企業にも、これが打てば響くというような形で地方自治体との、特に都道府県との関係というものも同時につくりながら、連携を取りながら中小企業の問題等には取り組んでいただきたいことをお願いをいたしておきたいと思います。
 次に、少子高齢化時代を迎えましていろいろな形で仕組みが変わってきております。とりわけ昨今、国民の間には、そうしないと少子高齢化が保たれないという理解を求めながら、年金とか介護とか高齢者医療、さらには定率減税の見直し等によって国民の間の中には、分かるんだけれども何となく増税感が起こっているというような感じがいたすわけであります。
 このような中、政府税調本間会長が、さきに民放テレビにおきまして、現行四〇%の法人税の実効税率を三五%にしたいという発言がございました。率直に言って、私ども党内の中でもまだそのような論議はしていないやさき、政府税調の本間会長が、何回論議を重ねたか知りませんけれども、その発言に実は驚きを持っているわけでありますけれども、二〇一〇年代初期にはプライマリーバランスの能率化を目指すとの政府の方針にもこれでは悪影響を及ぼしていくんではないのか、そんなことを思いながら、確かに法人税率を下げて、実効税率を下げていくということは、企業が世界とともに生きていくという点では、これは大切なことかと思いますけれども、しかし、今この発言が果たして妥当な時期の発言であったろうかという点につきまして、財務大臣から御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 現在、我が国の国、地方を合わせた法人実効税率は大体四一%でございまして、アメリカ、ドイツと並んで国際的に高い水準にあることは事実でございます。ちなみにほかの国の例で申しますと、フランスが三三%、イギリスが三〇%、中国三三%、韓国二八%というような水準になっております。
 経済がグローバル化する中で、イノベーションを加速させ、あるいは国際競争力を強化する必要があることも事実でございますし、また現在は、企業が国を選ぶ、経済活動の拠点としてあるいは事業活動の拠点として国を選ぶ時代になりました。そういう時代におきまして、税制においても国際的なイコールフッティングを確保することも極めて重要であるというふうに考えております。
 さはさりながら、財政健全化というのも我が国の大変大きな目標でございまして、そういう中で今後この企業に対する税制をどうするかということにつきましては、今後総合的な税制改正の中で検討してまいりたいと考えている次第でございます。
○中島眞人君 ちょっと財務大臣の答弁、私には本論から意図的に外して御答弁いただいているなというふうな感じでございますけれども、この辺については、確かに法人税率を下げていくと、国際的な企業と肩を並べていくという、それがあって日本経済が成り立つということはよく分かるんです。しかし、国民の間に、やっぱり少子高齢化を迎えた中で年金とかあるいは介護とか、そういういろんな問題を抱えているときにこの発言が政治的に妥当であったかどうかという点については、私はもっと突っ込んだ答弁が財務大臣からあるのではないかという期待をしておったんですけれども、もう一度。
○国務大臣(尾身幸次君) 政府税制調査会会長の本間会長は、この政府税制調査会の会長として、今の日本の企業の法人税率、実効税率が世界的に見て高い水準にある、したがって、この企業が国を選ぶ時代に国際的なイコールフッティングを実現するという意味からの発言をされたんだと思います。
 ただ、しかし、今財政非常に厳しい状況の下にありまして、この点をどうするかについては今与党税調の中でも検討していただいているわけでございまして、こういう財政厳しい状況なども含めまして総合的に判断をして結論を出すべきものであると考えております。
○中島眞人君 これが実現をされていくということになりますと、政府が考えているプライマリーバランスにも影響を与えてくるわけですから、これは慎重に、やっぱり政府税調との関係、あるいは党税調とも連携を取りながら進めていっていただきたいと心からお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、十七年度決算でございますけれども、平成十七年度決算報告が二十一日に提出されました。この報告書を見ると、国民の血税を無駄遣いするような不祥事が数多く指摘されております。私のみならずこれを見た人たち、大変な怒りを持ってとらまえたんではなかろうかと思いますが、今般の検査に当たりまして、昨年の十六年度決算報告から改善された点、改善されていない点、あるいは十七年度の特徴的な点について、会計検査院並びに財務大臣からまずこの報告書に対する感想をいただきたいと思います。
○会計検査院長(大塚宗春君) お答えいたします。
 会計検査院が決算検査報告に掲記した事項のうち、まず不当事項につきましては、指摘を受けた各省庁等において徴収決定や補助金の返還や手直し工事等の処置がとられているものと承知しております。また、意見を表示し処置を要求した事項につきましては、指摘を受けた各省庁において是正や改善の処置がとられたり、そのための取組がなされているものと承知しております。
 なお、会計検査院では、意見を表示し、又は処置を要求した事項につきましては、処置が完了するまでフォローし、その改善状況を決算検査報告に掲記することとしております。
 そして、平成十七年度決算検査報告の特徴的な点について申し上げますと、四点ほど挙げられると思います。
 一つ目といたしましては、合規性の観点から厳正な検査を行い、厚生労働省の都道府県労働局における庁費、謝金、旅費等に関し百件、指摘金額計六十億余円の不当事項を掲記するなど、不正な会計経理、不正な請求について多数な指摘を行ったということであります。
 二つ目といたしましては、有効性の観点から掘り下げた検査を実施し、事業の目的が達成されていないなどの事態を幅広く掲記したというものであります。これにつきましては、実施された事務事業についてその継続の必要性にまで言及した指摘もございました。
 三つ目といたしましては、昨年、会計検査院法を改正していただきましたが、これについてはまず、国や国が二分の一以上を出資した法人の事務の受託者のその契約に関する会計について検査権限が拡大されたことに関しましては、その権限を背景に、当該事務の受託者の事業所に実地に赴くなどして検査をいたしまして、幅広く検査、指摘を行っております。また、国会及び内閣に対して随時報告できることとされたことに関しましては、これまで五件の報告を行い、その概要等につきまして決算検査報告にも掲記しております。
 最後に四つ目といたしまして、国会法第百五条の規定による会計検査の要請を受けて検査を実施し、会計検査院法第三十条の三の規定により検査の結果を報告したものにつきましては、その概要を計七件掲記したということでございます。
 これらはいずれも参議院決算委員会からの御要請によるものでございまして、会計検査院といたしましては、国会からの会計検査の要請がありました場合には、今後とも全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○国務大臣(尾身幸次君) 財政当局といたしまして、検査報告における指摘事項につきましては、従来からできる限り予算編成等に反映するべく努力をしてきたところでございます。例えば十八年度の予算におきましては、公益法人等の基金等の廃止、縮減により千百九十五億円の国庫返納を実現するなど、適切に反映しているところでございます。
 しかるに、十七年度の検査報告におきましては、指摘事項が四百七十三件、四百五十二億円と、なお多くの無駄遣いが指摘されておりまして、これは誠に遺憾なことであると考えております。これを踏まえまして、先日の閣僚懇談会におきまして私から閣僚の皆様に、予算の厳正かつ効率的な執行と適正な経理、今回の検査報告や国会での決算審議の内容、予算執行調査の十九年度予算編成等への的確な反映などについて改めてお願いをしたところでございます。
 財政当局といたしましては、検査報告等の趣旨を十分に踏まえるとともに、納税者の立場に立って、限られた財政資金の有効活用の観点から引き続き歳出の無駄を徹底的に排除するなど、十九年度予算編成に向けて予算の質の向上、効率化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○中島眞人君 もう既に担当大臣にはそれぞれ報告されておりますからお分かりになっていると思うんですけれども、まず何といっても十七年度決算のハイライトは、厚生労働大臣、都道府県労働局の不適正経理でございます。この検査報告の問題点の中でも、都道府県労働局の不適正経理が全部の県にわたっていると。これは全く驚くべき現象でございます。
 第一には、消耗品等の物品購入等に当たって、未納入なのに納入されたこととして虚偽の関係書類を作成していた、二十七億五百十八万円。求人情報自己検索システムの取得等に当たり、法令に違反して複数年度の役務提供契約を締結し、当該経費を全額支払った、二十三億五千余万円。空出張、空超勤等の不正支出十一億七百万円余と。
 結局、四十七都道府県全部の労働局に、すべてにこの不祥事がまたがっているという、余り好ましいことではないこの問題について、まず柳澤大臣からこの問題について御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今般、会計検査院の検査結果におきまして、地方労働局の不正経理の問題、これは多く国家の財政に損害を与える性質の指摘事項でございますが、それとともに不適正経理、これは経理のやり方が適正を欠いている、法令に遵守していない、こういうたぐいの指摘事項でございますが、このような指摘を受けたことは極めて、今委員御指摘のように、私自身も遺憾だと思っておりまして、国民の皆さんの信頼を損ねた点については深くおわびを申し上げたい、このように思っております。
 で、この不正、不適正経理の端緒は、実は厚生労働省自体におきまして調査を始めたものでございますけれども、その後の国会論議等を踏まえまして、会計検査院の方にこの調査を、この仕事を移したと、こういういきさつがございました。会計検査院におきましては、二か年度にわたりましてすべての県にわたって悉皆的な調査を行っていただきまして、前半については昨年度、そして総体については今年度の調査報告で御報告をいただいたというものでございます。
 これを受けまして、私ども先般、これについて適切な処分をしようということで処分を行ったところでございますが、なお倫理審査会等に最後の審査をお願いしているものもございまして、これらを通じまして、すべてにわたって適切な処分をし、再発防止にも努めていきたいと、このように考えている、これが全体の私の今とっている措置でございます。
○中島眞人君 襟を正してという言葉を幾ら言ってみても、地方の段階ですべての全都道府県においてこのような不正が発覚をしたということについては、大変な問題として受け止めていただかなければならない。
 さらに、柳澤大臣、これは昨年の調査ですけれども、国民年金保険料の不適正免除、何と二十二万二千五百八十七件が全国において指摘されているわけですね。これらも、地方の社会保険事務所が免除を恣意的に行っている、もっとうがった見方をすると、分母を小さくしてやることによって納入率が減るのをだましたんではないのかと、そういう誤解までも生んでいるその問題等について、御存じと思いますので、これらについて今後どういうふうなチェックをし、どういうふうな対応で臨むのかということについて御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、中島委員の御指摘になりましたように、国民年金の保険料につきまして百十六事務所で二十二万二千五百八十七件という多数の事案につきまして不適正な手続の下で免除の措置がとられたということ、これにつきましても今この決算上の大きな我々の課題だと、このように受け止めているわけでございます。
 今先生は、分母を小さくするためにやったんではないかと、こういうようなお話がございましたけれども、これは若干のいきさつがございまして、それまで地方事務として処理ができたものが、行政改革の下で国の事務になったと、この国の事務になったことに伴いまして、これまでいただいた地方税の課税実績の報告というものが必要的には行われなくなったということで、言わば資料不足のような形で免除の事務が適正に行われなかった、こういうことが背景にございました。
 それが、法律の改正によりまして地方から地方税の課税実績の報告がいただけるようになりましたので、ここからが問題なんですけれども、免除というのはあくまでもその対象者からの申請に基づいて行われなければならないところを、実はこの課税実績の報告に基づいてだけ行ったというような事例が典型的でございますが、そうした不適正な手続による免除が行われたということがこの事案の実態だというふうに考えております。
 しかし、いずれにせよ、こういう国民の年金権をめぐる手続というのは、あくまで法令を遵守し厳正に行わなければならないということでございますので、私どもとしては、このような処理を行った根源、組織上の弱点というものについて深く反省をし、またメスを入れまして、この報告書に基づいて法令遵守意識の徹底、あるいはマニュアルの制定、あるいは、これまでは人事が、まあどちらかというとタコつぼ型に行われていたということで、他の部局に属する人材の批判の目というものが全く欠けてしまう、こういうような欠点もありますので、人事異動の規模を大きくするといったような各般の努力によりまして今後の再発防止に努めてまいりたいと、このように考えております。
 もとより、これにつきましては、そのほかに実は委員会、適正な事務の処理を行うべく内部に委員会を設けたのでございますが、これには第三者も加わっていただくというようなことで、できるだけ客観的な目というものを内部に入れまして、今後このような事態の再発を防止してまいりたいと、このように考えているところでございます。
○中島眞人君 そのほか、厚生労働大臣には、国民年金の納付率の低下問題、それを受けた社会保険庁の在り方等の問題についても質問を用意しているんですけれども、時間の関係で、これは私も所属しております厚生労働委員会の中でまたゆっくり論議をさせていただきたいと思います。
 ただ、一つ、生活保護の問題についてお聞きをしたいと思います。
 生活保護世帯数が今百万世帯を超えていると、保護費の総額も平成十六年度には二兆五千億円を超え、十年前の一・七倍に増加している。しかし、生活保護の実態を見ると疑問点が多々ございます。例えば、人口一万人当たりの生活保護対象者数を比べると、東京を除く関東では一万人当たりで五十人程度、富山県では二十三人程度、福岡県では二百人程度、大阪府では二百五十人程度となっておりまして、この地域格差が物すごいんですね。これは何に原因しているんでしょう。厚生労働大臣、ひとつ御指摘をいただきたいと思いますが。
 さらに、年金を受給しながらこの生活保護を受けているという指摘が会計検査院から出されております。これ、平成十二年から十八年にかけて三億四千万円のいわゆる生活保護費が、これがこういうダブりで支出されているということについて御所見をお伺いしたいと。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生活保護の点につきましては、保護率に地域格差が見られるというのは先生御指摘のとおりでございました。
 私も党におりますときには、この問題について、本当、那辺に一体原因があるのかというようなことで検討をさせていただく会議に参画をいたしましたけれども、私どもは、そもそもの生活保護の認定に、やはり厳正さといったものに格差があるのではないかというようなことで随分いろいろ役所の側の見解も求めたのでございますが、大まかに言っては、実は役所の側の意見にもそれなりの私は理屈があって、やはり経済情勢あるいはその地域の産業構造等々、そういった客観的な事実がこの保護率の格差になって現れているということ、こういうことも現実になかなか否定できない事実としてかなりのウエートを持ってそこに現れている。これは私もかなり厳しい立場で当時は見ておったのでございますが、私は理由ありと、このように判断をした経緯もございます。
 そうかといって、じゃ、全部が全部これを認めるべきかといったことについては、なお我々として努力の余地があるということも、これもまた一方で認めざるを得ない、このように考えておりまして、これは実際にこの実施体制の問題として、これからケースワーカー等の配置においてしっかりした配置を行うことによってより客観的な現実を反映した保護率の実現といったことに努めてまいらなければならない、このように考えておるわけでございます。私ども、これにつきましてもより適正な生活保護の認定というものが行われますように、当然のことでございますけれども、手引をもっと事細かく書く、マニュアル化といったようなことについても努力をさせていただいておるというところでございます。
 それから、今先生お触れになられました、年金の受給権がありながらそういうものは放置しておいて生活保護をもらうと、こういうような事例が今回の検査院報告で指摘をされたじゃないかということは、そのとおりでございます。
 これは二つのケースがございまして、年金の受給権があることによって、それがしっかり受給されていれば生活保護がそもそも必要ないというような方もいらっしゃるし、また、いや、年金の受給をしてもそれは言わば生活保護費の水準には至らないからその差額についてはやっぱり生活保護をもらう必要があったと、こういうケースがあるわけでございまして、我々としては、後者でありましても、やはりしっかりした客観的な事実によって行政が発動されるべきだという考え方からすれば、やっぱり年金は年金でもらっていただく、そしてその上で生活保護を補てんしていただく、こういうことはしっかりとした対応をしてもらう必要があると。
 これにつきましても、今後、私どもとしては、十分確認をして生活保護をするようにということで、従前、生活保護の発動、認定については、ここまでプライバシーに立ち入るかといったようなことで御批判もいただいているところでございますけれども、しかし、やっぱりこれらのことについてはしっかり認定に当たって確認をしていただくことが必要だということでその点を徹底してまいりたいと考えております。
○中島眞人君 厚生労働大臣のお話を聞きますと、その地域地域の格差には、ある面、理解しなければならない様相もあるんだというふうな御発言もございました。とすれば、現行の生活保護、国が決めておる制度というものをやっぱり手直しをしていかなきゃいかぬだろうと。地方自治体ごとにそれぞれ、現行の国の基準、四分の三国負担、四分の一地方負担というような問題を変えてでも、うちの県ではここまで生活保護をやるよと、うちの県では生活保護はこの程度で収めるよというマニュアルを各都道府県がそれなりに作っていく方法というのはあってしかるべきだろうと、そういうことを考えることが今後の課題ではなかろうかと思いますので、提言を申し上げて、またひとつこれを見守っていきたいと、こんなふうに思います。
 さて、次は教育問題。伊吹大臣に大変御苦労をいただいておりまして、今教育特もやっておりますから、教育特の中での問題についてはダブる面がございましょうし、そちらが専門でございますからそちらへ譲ることにいたしますけれども、私は、教育問題の未履修の問題、約六百六十校が出てきたと、そういう点の問題と、同時に学力低下の問題、二つが今私は今日提案をしてみたいと思うんですが、一つには、文部省が平成十二年ころから挙げた飛び級の問題、飛び入学、高校を卒業しなくても高校二年から大学へ行けるという飛び入学、そのことが案外、一面、いわゆる大学へ入ればいいんだ、卒業しなくてもというような緩みを生じたんではないだろうかと。そんなことと、もう一つは、ゆとり教育というのがございますね、ゆとり教育というのが案外これが本当にゆとりになっちゃって学力低下が進行していったんではなかろうかというふうに私は思えるんです。
 かつて、我が国の数学、理科は一位か二位だった。最近では五、六位に落ちている。そして、特に理科の応用問題等については、国際機関で発表した例によりますと、何と六十位という非常に低い数値が出ているわけでございますが、文部当局にもこれらを起こしていった問題が内在しておったんではなかろうか、緩みがあったんではないのか、そんなことをお聞きしたいと思いますが、伊吹大臣からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 幾つか複合的な問題についてお尋ねがございましたが、まず飛び級というのは、先生御承知のとおり、ある分野に特に優れている高校生は高校の卒業免状を持っていなくても大学に入れるという制度でございますが、これは年間、よほど優れた人というのは十人ぐらいしかいないんですよ。ですから、このことが原因になったとは思いません。むしろ、能力を高めて飛び級の対象になりたいという意欲がもっと出てきても私はいいんじゃないかという気がいたします。
 それから、ゆとり教育につきましては、まあ率直なところ、これについてはいろんな御意見があると思いますが、本来ゆとり教育を導入したゆえんのものは、基礎学力を十分マスターして、それを現実の社会に適応していく能力を養う総合学習というものを設けたと、これがゆとり教育と言われている部分なんですが、これが実は現場の運用において大変私は不幸に運用されていると思います。これが先生の御指摘がある程度私は当たっているんじゃないかと思いますのは、基礎学力を十分身に付けずに基礎学力の応用をしろなんということはどだい間違っているんですよね。
 ただ、ゆとり教育の本来の考え方が私は間違っていたとは思いませんので、今の御指摘も踏まえて、ゆとり教育の現場の運用については少しやっぱり見直さないといけないんじゃないかと。
 日本は、OECDなどの調査をしますと、残念ながら少しずつ学力は低下してきておりますが、なお理科あるいは数学においてはベストファイブに入っております。一番問題なのは日本語なんですよ。母国語の読解力と表現力というのが残念ながらこれはOECDの平均まで落ち込んでしまっておりますので、今、教育基本法の御審議をちょうだいしておりますが、これが一段落いたしましたら、その辺りも含めて学習指導要領の在り方等についてもう一度中教審にお諮りをしたいと考えておりますので、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
○中島眞人君 教育問題については幾つかまだ質問を用意してあるんですけれども、教育特が御熱心に論議をしておりますので省略をしますけれども。
 その一つの中で英語教育の問題。英語というのは言葉ですよね。コミュニケーションを図っていく会話なんだ、話し言葉なんです。それを受験の対象のトップに据えているという日本の大学入試の在り方というのは私は問題があるんではないか。
 私なんかも、中学校三年、高校三年、大学四年と十年間英語をやってきましたけれども、しゃべれませんね。大体、欧米から来ている方々、あるいは東南アジアから来ている方々というのは、もう一か月ぐらいでもう会話が、意思が伝えられるようになっていると。そこの外国語教育という点が非常に問題があるんではないかという点を御指摘をし、また御意見をいただきたいと思いますが。
 さてそこで、実は文化庁長官ちょっと御病気でいないので伊吹大臣にお伺いしますが、文化財の問題です。
 平成十一年改正されました以後の文化財というのは、所有者が分からなくてもその地方へ、県へ渡すと。ところが、平成十一年前の文化財は、何でもいいものは国がみんな取り上げている。で、東博と奈良博の地下に眠っているんです。
 例えば、山梨県の例を言いますと、国宝が二点、重要文化財が四点、県指定が一点という文化財が東博に眠っているんですよ。言うなれば、亀井勝一郎氏が昔、私どもが読んだときに、いわゆる文化財というのはその地域にある、そこにあることが一番必要なんだと言っているんです。しかし、昔は博物館とかそういうものの収納ができなかったんですけれども、今は美術館とか博物館がもう各地方に出てきておりますので、山梨県の文化財データを私が取ってみたら、約二百五十点、東博の地下に眠っている。その中には強制で引き揚げたものもあるし、あるいは買い取ったものもある。買い取ったって安いでしょうね。
 そういう形を、地方分権時代にこの文化財は地方に返していくという、これは伊吹大臣、大変なことだと思いますけれども、是非実現をしていただきたいと思いますが、一言。
○国務大臣(伊吹文明君) 十一年以降は先生がおっしゃったような扱いをしておりますが、それ以前のものは国が所有をする、あるいはお預かりをするという形を取っております。ただ、先生がおっしゃいましたように、地方にも博物館、美術館が随分できるようになりましたので、御要望に応じて随分長期にわたって地方へ貸出しをするということはやっておるようでございます。
 問題は所有権を移すかどうかということでございますので、国宝でございますから、県宝ではないんですよね。だから、やはりこれは国が責任を持って、全国民のためにしっかりと管理しなければならないものは国が管理をすると。しかし、その地方地方で御要望があったものは長期にわたってお貸出しをすると。それから、民間の方が持っておられてお預かりをしているものについては、これはもう民間の方の御意思で地方へ移されるということについては国がこれをとやかく言う筋合いのものではないと。
 地方の時代と言われておりますから、地方もちょっと今の状況を見ていると心配なことがかなり多いんですけれども、地方自治体の理事者もまた地方議会もしっかりとした地方自治をやっていただけるのであれば、何も国がすべて抱え込む必要はございませんから、先生の御意思がどういう形で実現できるかを十分我々も考えながら対応させていただきたいと思います。
○中島眞人君 地方の文化財は地方に返って初めて生きるんです。そして、その地域の文化を引き継いでいくという役割を文化財がなすことだという点で、是非、地方が必要とするものは展示で自由に貸出しができるとかお返しをするとかということについては、もう一回見直しをしていただきたいと思います。
 次に、農水大臣、お聞きします。
 ガット・ウルグアイ・ラウンドにおきまして、外国から毎年輸入している米の問題です。
 この十七年度米の倉庫保管料が年間百七十億円、十七年度までの累計額が九百三十七億円という膨大な、保管料だけですよ、倉庫に。そして、そういう問題については、ウルグアイ・ラウンドの交渉の結果だということは分かるにしても、国民にとってみるともったいない、そしてこれは何とかすべきだという声があるんです。
 農水大臣、現在までにある、輸入された米の量はどのぐらい残っているんですか。そして、それをどんな形で有効活用しているんでしょうか。その辺について農林水産大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(松岡利勝君) 中島先生にお答えいたします。
 今現在残っております在庫の量は、玄米トンでございますけれども、二百三万トンでございます。先生御指摘のこのミニマムアクセス米は、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉が平成五年末から六年初めにかけまして、当時の細川内閣において決着を見たところでございますが、当時、交渉全体の成功のためにはある一定の負担といいますか、国際的な貢献をしなきゃならぬ、こういったこともあって、苦渋の決断をもって受け入れたというふうに承っております。その後、さらにまた、平成五年末に閣議了解がございまして、これを主食、このミニマムアクセス米の導入によって転作強化を行わない、こういう閣議了解を受けまして、主食用以外の用途、さらには国際的な援助用、こういったことで活用してまいったわけでありますが、なかなか需要が伸びない、こういうことでずっと在庫が増嵩してまいったという現状であります。
 そこで、これからでありますが、国産備蓄米を今から何年か前にえさ用、飼料用として活用いたしました。それを受けまして、この十八年からはミニマムアクセス米につきましてもえさ用、飼料用として活用を開始したところでございます。あらゆるいろんな需要の開拓を図りながら努力をしてまいりたいと思っておりますが、平成九年から九年間におきまして、一応保管料の一割は経費節減をして、五十四億円は通常の掛かる経費から削減を見たということでございますが、先生御指摘のとおりの状況にございまして、今後とも更なる努力をしながら経費の節減、それからまた活用の拡大に努めまして経費の削減を図ってまいりたいと、このように考えております。
○中島眞人君 輸入米がこれだけある、国内の農家では減反といっていわゆる生産調整をしている。来年度からもいわゆる農業の構造改革によって、北海道十ヘクタール、内地四ヘクタールというような一つの規模を変えて農業に新しい農業の息吹というものを求めて、そしてさらに農業を受け持っていくというふうな担い手の養成も考えているやさき、いわゆる食わないもの、使えないようなものを二百三万トンを、これをちょっとしたことで解決は私はできないんじゃなかろうかと、大変勇敢な農水大臣ですから、思い切って、おれならこうするんだという意見がおありかと思いますんで、所見で結構です、自分の、こうすれば減っていくと、そんな意見を松岡大臣、お持ちですか。
○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたしますが、なかなか名案といいますか、特効薬がないというのが現実でございます。そういう中で、今まではとにかく入れる一方というのがこの農産物貿易の状況でございまして、安倍総理も所信表明で申されましたように、この農産物の輸出というものを私どもは一大政策、一大方針にして取り組んでいきたい。もう入れる一方なもんですから膨らむわけです。したがって、これを何とか出していく、そのことによって一つ大きな転換を図りたい、このように思っております。
 是非とも、中島先生からもいろいろと御支援賜ればと思います。よろしくお願いいたします。
○中島眞人君 米の問題についての来年度からの構造改革というのはございますけれども、果樹につきましても抜本的な、災害でやられるとか、そしていろいろな問題がございますんで、果樹面についてもいろいろな抜本的な、いわゆる農家保護策といいますか、そういうようなものも御検討賜れば、私の出身の山梨県は果樹王国でございますので、この果樹王国がいわゆる新しい担い手の大きな魅力になっていくような方法を考えていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(泉信也君) 関連質疑を許します。藤井基之君。
○藤井基之君 関連質問に立たしていただきます自由民主党の藤井基之でございます。
 私の方からは、主として医療費の問題について御質問をさせていただきたいと存じます。
 御高承のとおり、十七年度の一般会計決算支出総額は八十六兆円を超えているわけでございますけれど、いわゆる高齢化の流れを受けてでしょうか、年金であるとか医療とか介護という社会保障費の額も二十兆円を超えました。総体の約四分の一を占める状況になっております。
 先般発表ありました平成十六年度の国民医療費、これを見ますと、国民医療費は三十二兆円を超えております。十六年度、対前年度一・八%の増加ということでございます。政府は、近年、この医療費の適正化のために様々な施策を展開されていらっしゃいますが、適正化のその前提となる条件として、やっぱり一つ大切なのは、適切にその診療報酬の請求等がされて、支払が適切にされることではないかと思います。
 会計検査院は、平成十七年度の決算検査報告におきまして、いわゆる厚生省の社会保障、診療報酬の関係で二十一万一千四百六十一件、金額にしますと七億円以上の金額のものが、その支払が適切ではないという指摘をしております。この国のいわゆる不当な負担になったのは四億円を超えた金額になっております。
 私は、この委員会で、今から約三年前になりますが、第百五十六通常国会の決算委員会、平成十五年でございましたが、同じような会計検査院が医療費に対する検査結果の指摘をして、その際に質問をいたしました。そのとき、診療報酬体系の問題に触れさしていただきまして、どうも診療報酬の体系が余りにも項目が多過ぎる、そしてその算定のための要件というものが種々決められているんですね、非常に分かりづらい、もっと診療報酬体系、簡素化しなければこの支払とか執行の適正化というのはなかなか難しいんじゃないでしょうかということを御指摘さしていただきました。そのとき、厚生労働大臣からは、診療報酬体系、確かに非常に複雑になっているんだと、これはいわゆる分厚い電話帳のようだと、こう時の厚生労働大臣はおっしゃられました。これはやっぱり簡素化して、明瞭化して、もうちょっと改革をすべきじゃないだろうかと、そういう御答弁をいただきました。医療費の改定は、その後、平成十四年、そして今年平成十八年と二度にわたって行われました。
 厚生労働大臣にお伺いしたいんですが、今申し上げましたような診療報酬体系を簡素化するという、そういった観点からどのような改革を行われたのでしょうか。まず、お尋ねしたいと存じます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 多額の医療費がこの皆保険ということの中でお医者様からの、医療機関からの請求にこたえて審査が行われ、それでその支払が行われているということでございますが、これをいかに適正化するかということはもう非常に大きな課題だと、そういうふうに認識しております。
 それにつきまして、先生の今御指摘になられた診療報酬体系の簡素化の前に、私どもどういうことを考えておるかということをちょっとだけ触れさせていただきますが、やはりこれを、これだけ発達した情報技術、コンピューターの技術を、やはりこれを活用しない手はないというふうに我々は考えておりまして、レセプトのオンライン化というものを一生懸命今やらせていただいております。先般も経済財政諮問会議で、高コスト構造の是正の中でこれを是非取り上げるべきだというお話もございまして、さらにこれを前倒し実施をすべきだというお話もいただきまして、我々もそのように取組を更にまた厳しくして対処しようとしているところでございます。
 加えまして、今先生の御指摘になられた診療報酬体系自体が複雑になり過ぎてはいないかということにつきましても、私どもこれに、さきのさきの厚労大臣の御答弁のとおり、これに取り組ませていただいております。今先生お手元にお持ちの一番その厚いやつが診療報酬の書物でございますけれども、これにつきましては十五年度、十五年年末に国民に分かりやすい体系に見直すべしとする閣議決定も行われておりまして、これらに基づきまして十八年度の診療報酬改定におきましてはできるだけ分かりやすい体系ということで若干の努力をさせていただきました。これは、一般の医科診療の報酬点数表と別建てであった老人診療報酬点数表を一本化するとか、あるいは乳幼児加算と時間外加算を再編して乳幼児を対象とする新点数に一本化することなどを行いまして、まあ我々の言い分としては、その点数表が五十ページばかり薄くなったと、こういう次第でございます。
 しかしながら、これについては、先ほども申し上げましたように、非常に現状大部でございまして、まあ見る人が見れば分かるのかもしれません。しかし、こういったことが患者にも分かる、あるいは国会議員の皆さん方にも分かっていただいて、その論議の対象になるというようなことで客観化され合理化されていかなければならないということからすると、もっともっとこの方向を進めていかなければならない、このことは私も同じ考え方でございます。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今大臣がお話ありましたように、実は改革の跡は私は見えていると思っております。というのは、先ほど四億円の不正な負担があったと申し上げましたが、それは過去の数字の推移を見ましたら、これはかなり少なくなってきているわけですね。私は、そういった意味で行政庁の努力を多としたいと思います。
 ただ、一言申し上げておきますけれど、電話帳と大臣が評されたのはこれだけじゃありません。一番厚いのだけじゃなくて、この薄いのも、これもこれも全部電話帳の一部でして、それからこれ使われているお薬一万三千種以上ある、このリストなんですよ。だから、これがすべてなんですよ。
 そして、これに加えて、もう少し言うならば介護の問題、この後御指摘させてもらいたいんですが、そういったものまであるということは、これもちろん大臣がこれをコンサルするわけありませんので、これは担当者の方が使っているものでございますので、そういったものですけれど、引き続きます努力をお願いしたいと存じます。
 今回の十七年度の会計検査院の医療関係の検査結果を見ますと、私は何か一つこう新しいトレンドというものが見えるような気がしてなりません。それは何かと申し上げますと、やはり介護制度がだんだんだんだん成熟してきている、それを受けていることだろうと思いますが、その指摘例の中が、ある特徴的なものが読み取れます。
 実は、会計検査院は報告書の中で、国の不当な支払と指摘された事例を大きく分けて九つに分類をしております。そして、その九つの類型に分けて、そのうちの六つ、三分の二です、それ一つは在宅医療費の問題、在宅医療料、それから初診料・再診料、それから検査料、それから指導管理料、そして処置料、そして調剤報酬、この六つなんですが、これらに共通して指摘されている内容があるんです。これ何かといいますと、医療保険と介護保険の両者にかかわるところで、どちらを選んで請求したのかということに対する不適な指摘なんですね。
 これについてはなかなか難しいところがあります。私もいろいろ見してもらいましたけど、ううん、どうしてかなということがないわけではないんですね。その幾つかの例を申し上げますと、例えば在宅医療料の項で、介護保険の要介護被保険者である患者さんに対して、在宅患者の訪問看護・指導料あるいは訪問看護の歯科衛生指導料を算定しているという、これが不適だ、不当だと、こう言われている。
 しかし、これ、具体的に私ある医療機関にこれお尋ねしたんですね。どういうような経緯で不当とされたんですかと言ったら、当該医療機関が言うことには、まず、お医者さんが患者さんのところに往診をされている、そして診断を行って、そこで患者さんに対して処方せんを発行されている、そしてその場には看護師さんが同行されている、そして介護、介助を行った、だからこの医療機関はこの在宅患者訪問看護・指導料、これを請求したんですという。ところがこれは厚生労働省の判断で、いや、これ駄目なんだよと、ということで会計検査院からこれ駄目ですと、不当ですという指摘を受けた。
 また、調剤報酬の事例見ましても、要介護の被保険者、これに対しまして在宅の患者訪問薬剤管理指導料、これを算定したところ、これ不正だと言われている。ただ、この場合も聞いてみましたら、その保険薬局は実際に院外処方せんによって調剤を行って、患者さんのお宅に行って訪問指導をしているんですね。だけど、これは、厚生省の判断でこれは不当ですよと言われた。
 で、調べてみました。そして担当の方にもお尋ねをしました。どういう判断をされているんですかということをお尋ねした。そうすると、厚生労働省は医療保険と介護保険の給付の調整ということの判断を示されているんですね。
 一つは、これは厚生労働大臣が定める療養の告示ということで、いわゆる告示を示されている。そしてその告示を受けて、具体的に行政庁は指導通達を出されております。それによって、例えば施設や居宅で要介護の方々に対して日常的に医療とか健康管理を行う、これは原則的に介護報酬から払えばいいんだと、だからそういった方はそちらでできているんだから医療保険から給付はやっちゃ駄目よと、こう言っている。だけど、ただし末期がんとかその他緊急に医療行為が行う必要があるとき、このときは、できることなら本来は医療機関に転送して行うべきですけれど、やむを得ない場合にあっては医療保険の適用も認めざるを得ないなと、こういうふうにも言っているんですね。これじゃ現場は分かりづらいですよ。そして、不適や不当だと言われて返還命令を受けているわけですね。
 私は、この医療保険と介護の区別というのは、医療機関から見てもこれやはり分かりにくいなと思うとともに、先ほども言いました緊急である場合なんていうのは一体どんな基準が考えられるんだろう、文書で書けるか、多分書けないんだろうと思うんですね。そして、その患者さんの病状によってもそれはまた変わってくるんでしょう。このような診療報酬体系の分かりにくさというものが、あるいは医療機関の意思じゃなくても不当だと言われてしまったと、そういったものも掲上されているんだという感じがします。
 このことは、一方では逆に医療を受ける側の方、医療を受ける側にとって、あるいは要介護者のために、あるいは介護のプログラムを作成しているケアマネジャーの方々も、それは善かれと思って作ってあげたら、例えば負担が実は判断が違っていたと、本来それは保険でカバーしてもらえると思ったらそれは保険じゃ駄目だよと、こういうふうになったということがあるんですね。
 このように、医療保険と介護保険の両制度にかかわって絡んだところにそういった指摘が多い。先ほど申し上げました。こちらは全部医療保険です。そして今申し上げました介護報酬の方というのも、またこれで電話帳があるわけです。これらがちゃんと線が引いてあればいいんですけど、どうしても高齢者の方々にとってはボーダーというかグレーゾーンみたいなものが出るわけですね。そうしたら、これをどう判断するかというのは、非常にこれは難しいんだろうと思うんです。
 ただ、これから先、この境界領域というのは増えてくると思うんですね。ですから、来年の会計検査院も再来年の会計検査院も指摘は、このジャンルについての指摘は増えるんじゃないかと思うんです。これは何もいたずらに不当だ不当だと言うだけじゃなくて、この判断をもう少し分かりやすくしてあげたら、このような判断というのは明確になるんじゃないかと思うんです。厚生労働大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 介護がひとつ成熟をし始めて、そしてその医療によるケアとの間で分界を画すべきところが多いわけですが、現実にはなかなかそれが難しいということで、検査院の不当な会計処理ということで指摘も受けちゃうというようになっているということは私も大きな問題であるというふうに考えております。
 正直言って、私も特養などをちょっと見学させてもらって、それでその説明のときに、ここがお医者さんが来て診察をしてくれるスペースですというようなところで小さな部屋を見させていただいたりいたしましたので、藤井委員からこの御質問をいただいたときに、あのケースの場合はどうなんだと言ったら、あれは当然嘱託医が普通に来てやっていることなんで、あれは介護の方でこれはもうちゃんと手当てがなされているという考え方ですというようなことでございまして、私は、お医者さんがやれば医療行為なんで、これはこの医療保険の対象になるんじゃないかというような、分かりやすいことにできないのかなと思ったりいたしましたが、なかなか、本来介護で面倒見ることの中にそういう若干お医者さんのお世話になることも標準的に想定されている、こういうようなものがあって、これについては介護保険で賄うということのようでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、先生が御指摘のように、非常にその分界が分からない、それがために、請求をしてそれが不当な請求だというようなことで指摘をされるような、そういう当事者、関係者にも紛らわしいような事態というのは早く脱却しなければいけないということかと思います。
 もとより、これは告知、通知等により両保険の給付調整に関する基準を定めて周知しているところというのが役所そのものの主張でございますけれども、さらにこれが分かりやすいようにしていく、そういう簡潔な制度とすることには努めていかなければならないと、このように、御指摘のとおりと思っております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 ちょっと視点を変えた別な質問をさせていただきたいと存じます。
 我が国は人材は豊かかもしれないけれども資源が足らないよと、日本をどうするんですかという話があります。政府は科学技術創造立国を掲げておりまして、本年度から第三期の科学技術基本計画、これがスタートいたしました。予算もかなりの額を想定して、これから力を入れようというふうに伺っております。この分野におきまして、幾つかの分野を重点的な分野だと、そういうふうに言われておりまして、四つ重点推進分野が指摘されているわけで、その中の一つにライフサイエンスというものが挙げられております。このライフサイエンス分野の一つのターゲットは医療であり医薬品の研究開発だろうと思います。
 安倍総理大臣は、総理の所信表明におかれまして、いわゆるイノベーションの創造を訴えられました。そして、各分野ごとに二〇二五年までに、それまでを視野としたある程度長期の戦略指針、イノベーション25、これを取りまとめて実行すると、そういうふうに表明されておりますが、その対象の第一の分野に医薬があったことをうれしく思いました。
 私は、医薬というもの、これは総合的な科学技術力、それに立脚した、それらのエッセンスが実は詰まっているもので、付加価値が非常に高い、我が国にとって、我が国産業の構造から見てリーディング産業の一翼を担える、そういった産業である、そういったことは当然でありますが、もう一つ、医薬が期待されていいしかるべき理由というのは、やはりこれ人類のある意味で根源的な願望である、長生きしたい、健康でいたいという、その希望をかなえるための実は技術であり商品である、そういったものだからだと思っております。
 私は、改めて総理から、この科学技術基本計画あるいはイノベーション25、これらにおきます総理のお考え、そしてできましたら、その中に医薬というものをどのようにお考えかということについて触れて御答弁をいただきたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、日本が人口の減少局面に入っても力強く活力を維持し続け、成長し続けるためにはイノベーションとオープンな姿勢が重要であると、このように申し上げました。特に、このイノベーションによって生産性を上げ、かつ日本を活力のある競争力に富んだ国にしていくことができる、このように考えています。
 そして、二〇二五年の段階で、このイノベーションを進めていくと日本はどういう社会になっているか、今からこれは予測をし、そしてそれに備えて政策を立案をしていくべきであるとの観点から、長期の戦略指針、イノベーション25を現在検討をしています。正に戦略的なロードマップをこれは書いていくということになるわけでございます。
 その中でも、今先生が御指摘になられました医薬の分野、正に私はイノベーションが極めてこれは重要な位置を占めていると。医薬において、このイノベーションこそ新しい医薬品の開発、そしてそれは国民に、また世界の人類に対して大きな利益をもたらすと、このように確信をいたしているところでございます。
 第三期の科学技術基本計画に基づいてライフサイエンス分野推進戦略を推進中でございまして、これは今後五年間の計画に基づくわけでございますが、その中で、この医薬品の分野におけるイノベーションによって、治療だけではなくて予防においても画期的な新薬、また新たな技術による恩恵がもたらされるのではないかと、こう期待をいたしている次第でございます。
 また、現在、新健康フロンティア戦略を我々検討中でありますが、この新健康フロンティア戦略におきましても、予防においてこの医薬品が果たすべき役割、その中でも最先端のこの分野、イノベーションが期待されるところでございまして、この正に医薬品の分野におけるイノベーションにより競争力を高めていくことによって、産業分野においてもこれはいろいろな可能性が出てくるわけでありますが、何といっても一番大切なことは私たちが元気で長生きできる、人生の質を高めていくことに私はつながっていくと、このように思います。
 その中におきまして、この実用化を目指し、また競争力を上げ、一日も早く国民への還元を図ってまいりたいと考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。希望がわいてまいりました。
 それで、その希望が今ない状況の話についても少し触れさせていただきたいんですが。というのは、今、お薬の開発が、そして治療に貢献することは非常に大切だという今総理からの御答弁をちょうだいしたわけでございますけれども、どうも現時点において見ますと、どうも新しいお薬を開発して、それが承認されて世に出ていくまでの時間が、期間がどうも日本は欧米と比べて長いんだという指摘が多いんですね。
 二〇〇四年の世界の売上高上位百五十品目の医薬品について調べた調査があるんです。そうすると、欧米の状況と比べるとどうも日本の状況はよくない。日本で上市されていない、日本ではマーケットに出ていない薬が百五十のうちの四十五もあるんだというんですね。これはひどいじゃないかと、こういう話が出ております。
 特に、最近ではがんとか難病の治療薬、外国でも一生懸命開発をしているわけですね。それで、優れたお薬が外国で上市されると。ところが、我が国ではまだ承認されていないんだということですね。これは我が国の患者さんにとってはもう耐えられない話だと思うんですね。いわゆるドラッグラグという言い方をされて、この問題がいろいろなところで議論をされているわけです。
 ちょっと具体的な各論で一つお尋ねをしたいんでございますけれど、私は関西の岡山というところの出身なんですが、私の出身県であります岡山県の総社市というところにムコ多糖症という難病で苦しんでいる五歳の男の子、秋山君という男の子がいらっしゃるそうです。このムコ多糖症というのは、アミノ酸を成分に持つ多糖、これがムコ多糖と言われる、総称されるわけですが、これを分解する酵素が生まれ付き欠けている。だから全身にムコ多糖が蓄積をしてくる、臓器や何かに。そしていろんな臓器障害を起こす、発育の問題にも出てくると、そういった大変な難病なんだというふうに言われております。この総社の秋山君の場合には、このムコ多糖類についても、これ欠損している酵素の種類によって、一型から七型までというんですか、分類されるんだそうですけど、彼の場合は六型という分類なんだそうですね。この六型というのは日本では年間にもう数例しか発病しない非常にもう珍しい病気なんだというんです。
 ところが、こういった病気にも世の中には研究開発をしていただいている研究者もいれば企業もあるわけです。昨年、この六型に対する治療薬で、ガルスルファーゼというお名前だそうですが、新しいお薬がアメリカで承認をされたそうなんです。そして、今年に入りましてヨーロッパでもこの薬が認可されたそうなんですね。ですから、御家族の方々は一日も早く日本でもこの薬入手できないかということで、取りあえず当面は、いわゆる、何というんですか、個人輸入という形でしょうか、そういった形で個人で輸入して治療に使っていただいているという、そういうことなんです。でも、個人で使うといっても、これやはり高価なお薬だそうなんですね。
 私は、こういった患者さんの数が非常に少ないオーファンドラッグと言われているもの、これ患者さんの数が少ないんだから市場の規模も非常に小さい。民間の製薬会社に研究しろと、こう言っても、なかなかそれは民間としてはインセンティブがわかないじゃないですかと、こういうことがあろうと思うんですね。
 もう既に今までも、政府はこういったオーファンドラッグ対策、いろいろと施策を講じていただいたと信じておりますが、このようなまだ多くの患者さんが一生懸命訴えているお薬というのは一杯あるわけですね。重ねて何かの手だてを講じていただきたいと存じますけれど、厚生大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我が国の医薬品の承認手続におきましては、欧米諸国で既に承認されておりながらまだ未承認と、こういうようなものがあるということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、これについて早く承認をするというこの考え方の下で、まず第一に、その未承認の医薬品が医療の必要性から非常に優先度が高いかどうかということを検討していただくと、こういうことを考えておりまして、専門家による未承認薬使用問題検討会議というものを設置をいたしております。本検討会議では、これまでもう三十三の未承認薬につきましてこの早期承認に向けて取り組んでいるわけでございます。
 しかしながら、この検討会議で何かすべてができるかというと、手続上はそうではないわけでありまして、やはり関係企業に早期の治験開始をしていただくということがまず先決でございます。その治験もどうかというような、今お聞きになっている国民の皆さんの中には、欧米の諸国で承認されたものをそのままもう承認すればいいじゃないかというようなお気持ちで、そういうせっぱ詰まったお気持ちの方もいらっしゃるかと思うんですけれども、今までの我々の経験ですと、欧米では適切な薬品ということでありながら、実際にやってみると日本人にとっては不適切だというものがやっぱり三分の一から四分の一あるというのも現実でございますので、やはり日本の手続を早期に迅速に進めるということでもってこれは対処していかなければならない、こういう問題だということを是非御理解賜りたいと思います。
 そういうようなことで、いずれにしましても、早期の治験の実施につなげて、希少疾病用の医薬品につきましてもこれを早期に承認する方向で取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 あれでしょうか、政府委員の方からでも結構なんですが、具体的に今申し上げました商品について今どのような取扱いになっているか、お答え可能でございましょうか。可能でしたらお答えいただきたいんです。
○政府参考人(高橋直人君) お答え申し上げます。
 今お尋ねのムコ多糖症六型の患者さん、これは日本では四名の方々が確認されていると聞いております。その治療薬でありますガルスルファーゼにつきましては、今大臣から申し上げましたとおり、昨年十月でございますが、未承認薬使用問題検討会議におきまして検討を行い、我が国で早期使用の機会を提供すべきとの結論をいただいて、現在その早期使用に向けて取り組んでいるところでございます。
 現時点では、国内企業がアメリカの製薬販売企業と我が国へのこの医薬品の提供について条件などを詰めている段階というふうに今は聞いております。私ども厚生労働省といたしましては、このアメリカ企業との契約や申請が速やかになされますよう、この国内企業への支援、指導を適切に行いますとともに、承認が出た場合には速やかな優先審査をやっていきたいと、かように考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 済みません、一つ飛ばしまして、審査の問題について触れさせていただきたいと存じます。
 厚生労働省は、平成十六年に独立行政法人の医薬品医療機器総合機構、新しい独立法人を創設されまして、お薬等の審査を迅速にやるために、充実してやるために、その体制整備に努力されているわけでございます。ただ、いろいろと聞いてみますと、どうも欧米と比べて差があり過ぎるんじゃないかという指摘がございます。
 御案内のとおり、十八年の現在におきまして、日本における承認審査の審査人員は百九十七名だそうです。アメリカではその数が二千二百名を超えている、イギリスでは六百九十三名ですか、フランスは約九百名、ドイツは約千百名、どう見ても我が国の状況が十分だとは言い難い状況であると思います。
 そんなこともありまして、総合科学技術会議がこの前報告されました中間報告におきましてもこの問題について指摘をされているように伺っております。
 科学技術担当大臣、もしもよろしかったら、この辺について少し審査の状況等を教えていただけませんでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 私も科学技術を担当する大臣として思うんですけれども、有効で安全な新薬を、それからまた医療機器も含めて一日も早くやはり国民のもとに届けるというのは、これは国民の健康を守るという意味においても、それから科学技術政策上も私は非常に大切なことだと考えております。
 それで、審査の人員体制も、今、欧米との比較を先生おっしゃいました。そのとおりでございます。第三期科学技術基本計画におきまして、この治験薬の臨床研究環境については制度的に解決すべき課題があり、検討する必要があるとされましたので、これを受けまして検討を進めてきて、今年の七月の総合科学技術会議の中間報告なんですけれども、この承認審査の更なる迅速化、効率化ということで、まずは、この機構の人員拡大、育成などの審査体制の拡充ということ、それから二つ目に審査官の待遇の見直し、キャリアパスの確立ですね、三つ目にこの機構における承認審査基準の明確化、こういったことが中間報告として出されました。
 これで更に現在検討を進めておりまして、十二月の下旬になるかと思うんですけれども、最終的な制度面の改革も含めた結論を得たいと思っております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 十二月下旬というともう少ししか日数がございませんので、是非、今大臣の御報告いただいた方向での成案がまとまることを期待しております。
 厚生労働大臣、今科学技術担当大臣からお話ございましたけれど、最終的にお薬の認可、医療機器の認可というのは、これは厚生労働大臣の所掌になるわけでございまして、この医薬品医療機器の総合機構、これも大臣の所掌のところだと存じます。この承認審査の迅速化に対する厚生労働大臣の御決意をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、科学技術担当大臣が申し上げましたとおり、安全で有効な医薬品を迅速に国民の手元に届けるということは、私どもにとってもう本当に重要な課題でございます。それには治験というものが少し不振であったということで、これについても治験活性化三か年計画というのをやっておりますが、それに加えまして最終段階の審査、これを迅速に行うということが必要不可欠でございまして、そのためには、今担当大臣も申し上げましたとおり、この十二月末を一つのデッドラインにして体制の強化というものを図ってまいるべく政府部内の調整を行いたいと、このように思っております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今認可の問題のお話をさせていただいているわけでございますけど、やはりお薬というのは、認可する場合というのはいろんなデータによって判断をしていただくわけでございますね。でも、なかなか難しいと伺っております。
 しかも、ある意味で、よく時々報道等で見るんですが、例えばネズミのがんに物すごく効いているとか、がん細胞がなくなっちゃったよと、すごいじゃないかと、これでいけばがんなんというのはすぐ滅亡されるんじゃないか、その日は近いよと、そういったような報道もあるわけでございます。でも、産業界がデータを取って調べてみたそうなんですが、そうすると、動物実験のところまでは確かによく効いているんだと、安全なんだと。だけど、実は人で使って臨床試験を行ったところ、大体四つに三つは駄目になっちゃう、効果がはっきりしない、あるいは想定できなかった安全性に問題が出てきたりすると。ですから、お薬の開発というのは、最終的には臨床の分野、患者さんに対して実際に使われたときどうかという、そこが最大の関門になってくるわけでございます。
 ですから、私は、今お話がありました治験の問題、大切な問題だと思っておりますが、治験というのはある意味で臨床研究という、そういった基礎の上に成り立っていくジャンル、それが治験と言われている分野だろうと思っております。ですから、治験を有効にしよう、日本の治験が時間が掛かってしようがない、金も掛かる、加えて質も余り良くないと、こういう批判を受けているわけですけど、それを解決するためにはやはり全体の臨床研究というもののレベルを上げていかなければいけないんじゃないかと思うんですね。
 総合科学技術会議で、先ほど申し上げました第三次の五か年計画で、この治験を含む臨床研究の推進、これに対して前向きに取り組んでいただいております。ただ、私ども、やっぱり気になりますのは、例えば十八年度、臨床研究を含めたライフサイエンス全体の予算というのはかなり大きいんですね。ところが、その中でどうも臨床研究というのは一体どの程度やられているんだろうかというのがはっきり分からない。これは、何もすべてがアメリカがいいとは申し上げませんけれど、アメリカの臨床研究に対する実は政府の研究費等々を見ますと、かなり大きなものがあるわけでございますね。
 私は、イノベーション25、先ほど総理が御答弁いただいたように、医薬の問題って大切なんだと、そうおっしゃっていただけるんであれば、やはりこのライフサイエンスの中で臨床研究というものに対してそれなりのやっぱり力を入れなきゃいけないんだろうと思うんですね。是非これに対するお考えを両大臣からお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(高市早苗君) まず、臨床研究体制、特に研究開発の目標ということなんですけれども、総合科学技術会議が十八年の三月に策定いたしましたライフサイエンス分野別推進戦略におきまして、この臨床研究、それから臨床への橋渡し研究、これが今後五年間に重点的に投資するべき戦略重点科学技術の一つに位置付けられておりますんで、この具体的な目標という感じなんですけれども、例えば二〇一〇年までに拠点となる医療機関の臨床研究の実施体制を整えていく、人材育成を行うということ、それから二〇一〇年には医師主導治験の試行ですとか、それから治験啓発活動を通じて治験環境の基盤を確立するですとか、二〇一五年ごろまでに効率的、効果的な新規医療システム基盤を確立して、日本の臨床研究環境を向上させていく、革新的医療の国民への迅速な還元を実現するといった感じの目標をあらあら立てております。
 それで、お金の問題なんですが、これちょっと臨床研究に限った予算という形では数字がうまく出ないようなんですが、十八年度の臨床研究を含めたライフサイエンス全体の予算は、先生御承知のとおり三千四百七十一億円なんですね。それ、我が国のトータルでございます。
 比べまして、アメリカのNIHございますね、ここが生命科学、医学研究の中心なんですが、ここの二〇〇七年度予算が二百八十六億ドルですから大体三・三兆円、十倍ぐらいは行っているかなということで、単純比較はできないんですけれども、まだまだ金額的には厳しい状況であると思います。
 これからしっかり頑張って積極的な臨床研究の推進を行いたいと思っております。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医薬の開発は、まず基礎研究、それから開発段階、それから治療研究ということの中で、その一部に今委員仰せのとおり治験も位置付けられておって、こういう一連の流れの中で国民に提供されるという、こういうことでございますが、今私どもも、この治療研究の段階、本当に国民の皆さんに提供されるためのそういう段階の研究に大いに力を入れるべきだと、こういうことをいろんな機会に申しておりますし、また、予算につきましても、NIHに比べますと、どの角度から見ましてもこれはもうどうにもならないという感じもしないわけではないですが、一歩でも半歩でも近づくように予算の充実を図ってまいりたいと、このように考えております。
 是非、担当大臣等と力を合わせ、連携をして、今後とも努力をいたしたいと、このように考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 もうこれ言わずもがなでございますけれど、何だおまえ、アクセル踏んで片っ方でブレーキ踏むのかと言われると困るんですが、この臨床研究というものは、当然のことですけれど、倫理的な制度といいましょうか、そういった倫理的な制度整備というものは、これは並行してやらなければいけないんだろうと考えております。今までも既に厚生労働省は臨床研究の倫理指針等も作成されておりまして、その普及をされていると思いますが、今両大臣から御答弁いただいたように、これから先、国として臨床研究というものを推進していくと、そういった方向でいかれるということについては私も賛同します。ですから、そのときは、併せて臨床研究においては倫理面の配慮も要るんだということについては御配意いただきたいと存じます。
 続いて、もう一つ厚生労働大臣にお尋ねをしたいと存じます。
 今お薬の開発大変だというお話をずっと繰り返してやってきておりますが、どうも世界のお薬の会社といいましょうか産業、どこが今強いんだろうというと、どうも欧米欧米と我々言いますけど、もう少し正確に言うとアメリカが強い、そういうふうに言われております。で、この産業が産業として強くなる、そしていろいろな、医療にも貢献する、産業界の成熟にも貢献するとなると、研究開発費が非常に掛かる医薬品、一説によりますと、これ八百億円から九百億円の金額が掛かるんだと、こう言われているわけですね。そうしたら、これだけ大きな金額を民間だけでやれとかいうことになったら、これなかなか難しいんではないかと。やはり官民の相互の協力とか、あるいは相互理解というものが不可欠だと思うんですよね。
 今申し上げましたアメリカに最近少し差を付けられたというふうに言われている欧州におきましては、例えて申し上げますと、イギリスでは二〇〇〇年に総理が医薬品産業の競争タスクフォースというものを設置されたそうでございます。また、ドイツにおきましては、二〇〇三年に厚生労働大臣、まあ向こうでは厚生・社会保障大臣というんでしょうか、その方がチーフとなるタスクフォースをつくられたそうです。また、フランスにおきましても二〇〇四年に首相が医療産業戦略審議会というものをおつくりになっているということでございまして、閣僚あるいは産業界の方々が参画して議論をする、そういった場を設けられているということなんですね。
 私は、我が国においてもこういった場というのは当然必要だと思っております。あるいはもう行われているかもしれませんが、私は、やはりこういった医薬品であるとか医療機器、医療関連産業、特に皆保険制度である我が国においては、なおさら私は民間の方々と政府のトップレベルの方々、閣僚の方々との定期的な対話の場がやっぱり必要なんだろうと、そしてそれは非常に意味を持つんだろうと考えますが、厚生労働大臣、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 国民に有効で安全な医薬を、医療を提供していくということを考えた場合に、日々の医療保険の支払、こういうことももちろん、今や巨額にもう上っているわけですけれども、だからといって新しいフロンティアの開発というか研究というか、さらに、臨床研究といったものをおろそかにいたしますと、これはもう世界から確実に後れを取ってしまうということは、先生御指摘のとおりでございます。
 そういう意味合いで、私どもも非常にこの点に関心を持っておりまして、御指摘の、今産業界との意見の交換の会というものを組織しておりまして、医薬品産業政策の推進に関する懇談会ということで、医薬の開発に当たっておられる業界の第一線の方々と事務次官以下の幹部が定期的に意見交換をしておるということでございます。
 一方、特に製薬業界からは、よりハイレベルの官民対話の場を設置するような要望もなされておりますので、そうした意向も酌み取りまして、今後その設置に向け前向きに検討してまいりたいと、このように考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 これで最後にしたいと思いますが、先週末、参議院におきましてはいわゆる感染症予防法と言われている法律、成立をいたしました。大臣、御苦労さまでございました。
 この中で、今まで結核は結核だけの法律だったものが、この感染症予防法の中で一括して感染症の中で扱われるようになったわけでございますが、ちょっと結核対策について一問だけお尋ねさせていただきたいと思います。
 御案内のように、平成十七年から厚生労働省、大都市における結核治療率の向上事業という、いわゆるDOTSと呼ばれているものですよね、DOTS、ダイレクトリー・オブザーブド・トリートメント・ショート・コース、直接服薬確認療法とでも申すんでしょうか、これはWHOが一九九〇年代から非常にこれが結核対策に効果があるんだということで推奨しているやり方なんです。これを日本でも導入をされている。
 そして、平成十七年の実施状況を調べてみましたら、厚生省のレポートですが、入院患者さん等に対応する病院内でのDOTSと言われているもの、これは結核病床を有する医療機関の七五・一%の医療機関が実施しているんだそうです。ところが、外来患者さんに対するDOTSというもの、これは実施率は三〇%しかない、そういう状況なんだそうですね。
 これについて最近どうも調べてみましたら、結核の患者さんも、外来の場合はどうも処方せんが出て、いわゆる薬局でお薬を受け取るような状況になっているようなんですね。そういった状況になったことも踏まえてでしょうか、実は結核の問題、非常に大きな問題だと指摘されております大阪市におきまして、この大阪市は、薬剤師会と契約をしまして、本年四月から薬局におけるDOTSというそのやり方、これを開始したんだそうでございます。ある意味では、医薬分業という下におきましては、薬局というのは患者さんに対する服薬の指導であるとか情報の提供であるとか、あるいは服薬コンプライアンスを確認するなど、ある意味でのDOTSをやっている、そういった場所なんですね。
 厚生労働省のDOTS事業における事業計画では、薬局の薬剤師さんというのはこれは服薬支援者という位置付けでございまして、あくまでも補助的な位置付けにしかすぎません。ただ、多くの外来の患者さんが既にもう町の薬局でお薬を受け取っている時代になっているんだとするならば、厚生労働省は外来の患者さんのためのDOTSという事業についてもう少し積極的に薬局を活用をしたらどうでしょうかと、そう思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) DOTSが結核の蔓延に大変大事な措置であるということは、もうみんなほぼ共通の認識になってきていると思うわけでございます。
 高齢者の結核が増えておりますが、これも、昔薬を、本来だったら飲み切らなきゃいけないのを飲み切らなかったということから再発をしているということが多いわけで、ですから、これからの患者さんについては、完全に飲み切るというのを現場確認するという意味でDOTSという手法が大事だということになっているわけでございます。
 大阪市では、確かに非常に結核の罹患率が高いわけでございますけれども、それだけに近年、非常に熱心に結核対策に取り組まれまして、平成十三年には人口十万人当たり八十二・六人であった罹患率が平成十七年には五十八・八人まで改善したと、これはもう本当にすばらしい努力の成果だと思って、我々も敬意を表し、更にこういう努力を続けていただきたいと切にお願いをしている次第でございます。
 今年度からは、今委員御指摘のように、薬局への委託によって薬剤師を積極的に活用するという手法を用いられたということでございまして、我々といたしましても、この大阪市での取組を参考としながら、このDOTSによる患者支援を趣旨とする様々な形の結核対策を推進してまいりたいと、このように考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(泉信也君) 関連質疑を許します。小林温君。
○小林温君 おはようございます。引き続き、自民党、小林温でございます。
 今日は、大きく資源エネルギーに関する会計制度の問題、それと来年度の税制改正、今自民党の中でも激烈な議論を毎日繰り広げておりますが、その点について関係各閣僚の皆さん方に質問をさせていただきたいと思います。
 十一月十二日の読売新聞朝刊の社説に「検査報告に見える新しい流れ」ということで、決算の新しい流れが会計検査院とともに参議院の主導の下に今つくられつつあるという評価が載っておりました。これは決算重視の参議院の面目躍如というところであると私は思いますし、今年の通常国会において行政改革推進法案が成立をして、来年には特別会計整理合理化法案の提出が予定されているなど、特別会計改革も実は進められているわけでございます。
 塩川元財務大臣が、母屋ではおかゆを食って節約しているのに離れ座敷で子供がすき焼きを食っているという名言を残されました。私、すき焼きを食べるたびに塩川大臣の顔を思い浮かべるわけでございますが、確かに特別会計が国民とかなり離れたところにあって理解できないずさんなものであったということは、私は認めざるを得ないと思います。この点を踏まえ、特別会計の改革を進めていく中では、まず反省すべきは反省をし、そして無駄を排して聖域なき見直しを進めていくべきであり、決算重視の参議院としても当然その中で重要な役割を担っていくべきだというふうに思います。
 しかし一方で、私は、安倍内閣に与えられた課題は、特別会計における本来の機能は何かということをしっかりと見極めることではないかというふうに思います。必要のないものはこれは徹底的に整理をする一方で、本当に必要な機能は維持あるいは逆に強化し、めり張りのある改革を進めるべきだというふうに思いますが、総理、安倍内閣の特別会計改革に対する考え方、お聞かせをいただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小林委員が指摘されましたように、特別会計はその数が多数に上っています。また、国民による監視が不十分になり結果として無駄遣いが行われる、そういう批判がある中におきまして、行革推進法にのっとりまして、政府といたしましては、財政健全化に貢献する、そして国民への説明責任を十分に果たすといった観点から、引き続き、全特別会計を対象とした徹底した見直しを行ってまいる考えであります。
 また、政府としては同時に、行革推進法に定められました特別会計の統廃合、剰余金の繰越しを始めとした一般会計と異なる取扱いの整理、そして特別会計の情報開示といった内容を実施に移すための法律案を次期通常国会に提出をすることを予定をいたしております。
 このように、特別会計の改革が進展してきた、これはやはり決算審査措置要求決議や国会法百五条に基づく会計検査院への検査要請といった近年の参議院の当決算委員会による取組が極めて大きかった、意義深いものがあったと、改めて参議院の御努力に対しまして敬意を表したいと、このように思います。
 いずれにいたしましても、政府としては、今後の予算編成に当たって、行革推進法等の方針にのっとって特別会計歳出の一層の合理化、効率化に努めてまいりたいと考えております。と同時に、今委員が御指摘のように、特別会計のそもそもの意義というものもあるわけでありまして、そういうものはしっかりと見極めながら、基本としては無駄遣いは徹底してなくしていく、そして我々は無駄な特別会計についてはこれは廃止、統合していくという方針を進めてまいりたいと、このように思います。
○小林温君 参議院の取組について御評価をいただいたこと、これは党派を超えてお礼を申し上げたいというふうに思います。
 そして、めり張りのある改革をということでお願いを申し上げたわけでございますが、様々な改革が、これは特会改革に限らず進む中で、私はやはり今、資源エネルギーの確保というものは、これは極めて重要だというふうに国策として思いますし、その制度のデザインをどうしていくかという中にこの重要性が織り込まれるべきだというふうに思います。
 私、今、自民党でエネルギーの専任部会長というのをやらしていただいておりますが、その中で、エネルギー関連の特別会計については電源特別会計と石油特別会計、この二つが統合されるということが予定をされているわけでございます。しかし、一方で原油価格の高騰など、我が国を取り巻くエネルギー情勢はこれは極めて厳しくなっているわけでございまして、資源に乏しい我が国がエネルギーの安定供給を確保するという重要な課題に向けて必要な予算はしっかりと今こそ確保していくべきだというふうに思いますし、制度設計もそういうふうにデザインされるべきだというふうに思っております。
 経済産業大臣、この点について御見解をお聞かせを願えればと思います。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、電源特会と石油特会を統合いたします。あわせて、従来、電源特会は電源開発促進税というものが直入をされておりましたが、これを一般会計をきちんと通して必要な額が支出されるということになります。これで会計の透明性が更に前進をするわけであります。
 ただ、一方、委員が御指摘のとおり、透明性を高める、効率性を上げる、それはもちろんいいことだけれども、資源小国日本にとっての資源の調達供給に支障を来すというようなことがあっては角を矯めて牛を殺すようなことになってしまうわけであります。そこで、きちんとめり張りを付けた予算配分をしていくということでございまして、もってエネルギーの安定供給を確保するということであります。
 石油等の重要資源の確保、そして省エネ、新エネ対策の充実、それから安全確保を大前提とした原子力の推進等々を通じまして、予算の効率化、重点化の中できちんとしたエネルギー政策を遂行するということをしてまいります。
○小林温君 国民の目から見ると、特別会計けしからぬと、全部なくしてしまえというのが議論としてあるのかもしれませんが、やはり我々、国民の生活と安全を預かる者としては、やはり必要な機能がどこにあるかということをしっかり見極めていく必要があると思いますし、今後ともそうした取組をお願いをしたいと思います。
 そこで、幾つか今日はパネルを用意しましたが、まず資源の価格高騰ということでございます。(資料提示)ガソリンの値段が上がっているということを通じて原油価格が上がっているということを一般の国民の皆さんも気付きやすいわけですが、それに限らず、例えば電線や工業製品などに使われている銅、亜鉛、ニッケルといった非鉄金属、あるいはインジウムという希少金属がございますが、これ液晶テレビや携帯電話の液晶画面などを作るときに必ず使わなければいけない希少な金属でございますが、こういったものの値段が例えば五倍になったり十倍になったり、我々の産業の発展や経済成長を支える資源がかなりの勢いで高騰しているわけでございます。ですから、この資源安全保障というものを図らない限りは、こういったものが家計や産業に大きな影響を及ぼすということに私はなるというふうに思います。
 一方で、その資源の獲得に関して世界じゅうでいろんな競争が激化をしておりまして、そうした点から、我が国が国家のエネルギー資源戦略が必要だということでこうした新しい取組をされているわけですけれども、私も、昨年、尾身大臣と一緒に、例えばスーダンやリビアといったアフリカの石油、ガスの出る国にもお邪魔をさせていただきました。中東や中南米の資源国にもお邪魔をさせていただきましたが、やはり中国の資源獲得に関する意欲というものは、これは極めて大きいものがございまして、一見なりふり構わず資源をあさっているという言い方があるわけでございますが、一方で、実は戦略を持って精緻に組み立てて、資源獲得のための活動を全世界で展開しているというのを私も目の当たりにしてきたわけでございます。
 そこで、中国の国家の首脳は、ここのパネルに作りましたように、(資料提示)一年半でこのぐらい様々な国に訪問して、その陣頭指揮の下、資源を獲得しているわけでございます。残念ながら、日本は総じてこのトップ外交というものについては後れているというふうに私は言わざるを得ないと思いますが、例えば、私、今年の夏ですが、チリの三千メートルぐらいの標高のところにある世界最大の銅鉱山、訪問しました。ここ、実は中国の歴代首脳が訪れて、その足跡が残っているんですね。やっぱりトップが礼を尽くせば、資源国もそれにこたえて、じゃ、この権利を中国に上げようかということも不思議ではないわけでございまして、是非このトップ外交、私は力を入れていただきたいというふうに思います。
 小泉総理がこの夏に中央アジアを歴訪されました。これは非常に意味があったと思いますし、先般、安倍総理とユドヨノ・インドネシア大統領との間で初めてエネルギー安定供給の視点も織り込んだEPAに大筋合意をされたことを私は評価をさせていただきたいと思いますが、このトップ外交について正に安倍総理には是非力を入れていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界のこのエネルギー事情を見てみますと、中国の人口が急成長していく中におきまして、更に経済成長し、一人当たりのエネルギーの消費が増えていく中にあって、だんだん逼迫をしていくのではないかという見方もあるわけでありまして、その中で、日本はエネルギー資源のほとんどを海外に依存をしているわけでありまして、この安定供給ということは、安定供給の確保をするということは、日本にとっては極めて重要な課題であります。国民の安定的な経済生活を維持する上で、エネルギーの安全保障の強化は外交政策上も極めて重要であり、その中におきましても、やはりこれはトップ同士の外交による信頼の醸成によってこのエネルギー資源を確保していくということも重要であろうと。
 しかし、もう余りにも日本がエネルギーを確保ということが前面に出てしまえば、これはなかなか信頼を得ることは難しいわけでありますが、その点、日本は世界の中でも着実に誠意を持って誠実にODAを行ってまいりました。各国の状況に合わせて社会基盤を向上させる、民生の安定のために日本は援助を行ってきたわけでありまして、その上において、更にこうした外務大臣レベルあるいは首脳レベルにおけるこの外交を展開することによって、お互いが利益を得ることのできるような、そういうこのエネルギーの安定的な日本への供給を確保するという外交上のこの方針にのっとって首脳外交も展開をしてまいりたいと、このように思います。
 ユドヨノ大統領との間におきましてもEPAの大筋合意をいたしたわけでありますが、今委員が御指摘になられましたように、このEPAにおきましてはエネルギー分野においても合意がなされているわけでございます。これは同時に、インドネシアにおけるエネルギー資源の日本への供給と同時に、日本がインドネシアのエネルギーの効率化を図っていくことにおいても日本は協力をしていく。日本はそういう技術があるわけでありますから、その技術を生かしていくということも重要ではないかと。
 いずれにいたしましても、今委員が御指摘になられましたように、こうした首脳外交を通して我々のこのエネルギーの安定供給を確保してまいりたいと、このように思います。
○小林温君 是非、安倍総理、そして麻生外務大臣、甘利経産大臣も、是非資源国に訪問を重ねていただきたいとお願いを申し上げておきます。
 今総理にもお触れをいただきましたように、幾つかやはり政府や関係機関が連携をして進めていくべき交渉ツールがあるんだろうというふうに思います。
 総理からODAということにお触れをいただきましたので、外務大臣に質問させていただきたいと思いますが、このODAの予算も財政再建の観点から予算が絞られる傾向にあるわけでございます。他方で、これは私先ほどより主張しているように、資源戦略というものが重要だということを考えますと、ODAの効果的な活用ということも必要だというふうに思いますし、そのために真に必要な額については十分な確保があるべきだと思います。
 この資源案件に関するODAの供与に際しては政府全体の総力戦でいかなければいけないというふうに思いますし、その際、関係省庁が十分に連携していく、戦略的に活用していく、この点についての外務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、資源というか自然資源の乏しい日本にとりましては、いわゆるエネルギー確保、いわゆる天然資源エネルギーの確保、化石燃料の確保等々、これはもう重要な外交課題の一つだと思っております。
 八月に開かれました海外経済閣僚会議におきましても、ODAを活用してという話がいろいろ出ております。その環境整備を図っていくに当たって、これ外務省だけでやれる話ではありませんので、例えば、その国における政治的な安定というものがないと、そこの石油資源のエネルギーの権限がどっちに行ったりこっちに行ったり、また非常に不安定なことにもなりますし、投資環境を整備してもらうためにいろいろ我々としてやっていかねばならぬということだと思っております。
 そこで、一つの例ですけれども、これはOECDが発表しましたGDP一人当たりの一次エネルギー消費の各国比較という数字がありますけれども、いわゆる経済活動を行うときに必要とされる一リッター、ガソリン、日本の場合で一とした場合は他国はどれくらい石油を必要とするか。これは日本が一番左側で一です。断トツ高いのがロシア、で、むちゃくちゃ高いのが中国、インド、この数字が一番大事なところです。したがって、中国はこれを日本並みにしてもらうと、少なくとも石油の消費量は九分の一でいいということになろうと存じます、同じことをやるにしても。したがって、その技術は日本からお買いになったらいかがです、日本の技術を使われた方がよろしいのではないでしょうかと。ということが一つの例でもあります。
 また、サウジアラビアというところで今石油がなくなったらどうするという話、カタールもLNGがなくなったらどうするというようなことをいろいろ先のことを考えておる、当然のことだと思いますが、今巨大な利益が出ている金をどこにつぎ込むかということに関して、教育につぎ込みたいという話でカタールと話をして、今そういった方向で従業員の、いわゆる従業員というか労働者のいわゆるレベルを上げるということと教育を徹底させるということに関してこれらの投資をされたらどうですということでいろんな形で、経済産業省やらまたその他の省庁と連絡を取ってこのODAの活用というのをそういった方向で使わさせていただいておる次第です。
○小林温君 是非力を入れていただきたいと思います。
 中国の場合は、OECDに加盟をしておりませんので、援助するときに余りルールを守らずにしております。私と尾身大臣もアフリカに行って食事をした場所が中国にプレゼントをされた国際会議場だったりもしたわけでございますが、外務省のビルをプレゼントする、国会議事堂をプレゼントすると、こういう中国と一つは争わなければならない。
 一方で、今お話にありましたように、仮に中国やロシアのエネルギー原単位を下げることができれば、結果的にパイが大きくなるわけでございますので、日本の売り物であるそういう技術を供与することによって安定供給に資するということもまた正しい選択だというふうに思います。
 そこで、今度は財務大臣にお伺いをしたいんですが、資源開発や資源の貿易に関する資金の金融という問題がございます。これは国際協力銀行、JBICがその役割を果たしているわけですが、ここでも政府系金融機関の今改革の議論が進められており、影響が出るんじゃないかというふうに懸念もされているわけでございます。この効果ある融資を推進するために、今後の制度設計についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほど来お話がありますように、資源を大きく海外に依存する我が国といたしましては、資源エネルギーの安定確保のために、この経済協力を活用していくということは極めて大事だというふうに思っております。JBIC、国際協力銀行につきましては、この国際金融業務は、その一環として、資源確保に不可欠な役割を果たしていくものと考えている次第でございます。
 そこで、この国際金融業務について、今後、政策金融改革の中において、官から民へという観点から、民業の補完に徹して、政策金融として必要な業務に限定をして、新しい政策金融機関に承継されるということになっているわけでございます。その際、我が国にとりまして極めて大事な資源の海外における開発とか取得の促進に必要な業務につきましては、行政改革推進法において新しい機関に承継されるということが明記されておりまして、改革後も適切にこれを実施していくというふうに考えている次第でございます。
 そういう中で、JBICの役割、特に日本の顔として、外国の首脳と会うときも、JBICの総裁は一人で会えるというような実態にもなっているわけでありまして、そういう国際的な顔としても活用していけるような体制をつくっていきたいというふうに考えている次第でございます。
 資源金融の活用につきましては、現在、海外経済協力会議を内閣の司令塔といたしまして、そこで関係省庁間で緊密な連絡を取りながら、戦略的かつ効率的な進め方をしていくということでございまして、そういう観点を踏まえまして、しっかりと方針を決め、推進をしていきたいと考えている次第でございます。
○小林温君 資源国に行ってJBICの皆さんと、例えば現地の駐在の皆さんとお話をすると、自分ら体を張ってやっているんだけれども、果たしてその我々が正しいと思ってやっている機能がこれからどうなるんだろうということについて大きな懸念も持たれております。私、今大臣の答弁にもありましたように、この部分も機能強化を進めていくべきだというふうに強く思っております。
 日本には中国のように国営の石油会社があるわけではございませんので、資源開発の主役は民間企業にゆだねざるを得ません。例えばいろんな新興の資源国に行っても、日本の商社や石油会社の駐在の皆さんが大変な努力をされているわけでございます。こうした努力を重ねている資源開発、供給の主役を担う民間企業に対して、出資や債務保証、貿易保険などのリスクマネーの供給というものをしっかりと行っていくことも私は重要だというふうに思いますし、ロシアや中南米の諸国あるいは中央アジアでは資源ナショナリズムと、資源を持っている国がそれをてこに存在感を大きくしていこうということで国家管理を強化したり、あるいはメジャーも再編強化をしている中で、我が国のリスクマネーの供給能力は、残念ながら石油公団廃止後、大幅に低下をしております。
 石油公団の解散の経緯というのはいろいろ原因もあるわけでございますので、ここは真摯に反省すべきだと思いますが、同時に、リスクマネーの支援など必要な機能についてはここも私は更に強化をしていくべきだと思いますが、経済産業大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 石油公団に不良債権がたまったと、経営が極めて効率的でないという指摘が過去にありました。その際に、今や石油の調達市場が世界じゅうにできているんだから、必要ならお金出して買ってくればいいじゃないかというような論が先行したと。
 ここは誤りだったと思いまして、日用品と違って石油を始めとするエネルギーは戦略商品でありますから、欲しけりゃ行って買ってくると、しかも適正価格で買ってくるなんということはこっちの意思でできないわけであります。ですから、上流開発にきちっと踏み込んでいくということが大事でありますし、そして原子力の推進等、別なエネルギーを持っているということがバーゲニングパワーになるわけでありまして、そこを見誤ってはいけないというふうに思うわけでありますが、しかし、石油公団の問題点の指摘が石油公団が要らないというような方向になってしまったのは、極めて残念なことでありました。
 委員おっしゃるように、今資源国において自国の資源の国家管理がどんどん進んでいって、民間企業が日本に限らずかなり悪戦苦闘をいたしております。でありますから、余計に政府がそこのリスクを少しでも軽減するための御指摘のような措置をとることが極めて大事でございます。
 政府による支援、そして石油天然ガス・金属鉱物資源機構、長い名前ですけど、私は資源機構と呼んでいますが、いわゆるJOGMECでありますが、これやあるいは御指摘の日本貿易保険など関係機関による支援を行うことが大事と。特に経済産業省といたしましては、来年度から関係機関による支援を一層強化するということで、この資源機構、これによる出資の上限を今までの五〇パーから七五パーに引き上げるということを関係省と折衝をしているところでございます。
 あわせて、これ石油公団のときの反省点でもありますけれども、民間の創意と意思を尊重すると。官が必要以上に介入していかないということが大事でありますから、プロジェクト会社の出資比率を引き上げる際に、この議決権を有しない株で引き上げていくと。ですから、民間の創意を尊重しながら出資比率を引き上げるということに努めていきたいと思っております。
 これからも官民を挙げて石油、天然ガス等の安定確保の供給に全力を挙げてまいります。
○小林温君 今JOGMECという言葉も出ましたが、JOGMECの皆さんにも資源国でたくさんお会いをしました。本当に山の中を歩いて探鉱をやられて、成果も出しているわけでございます。こうした日本の技術もこれから更に強化をしていくべきだと思いますし、石油が今戦略商品になって、どこでも簡単に手に入る時代じゃなくなったわけですので、民間の補完をいかに公的なセクターが行っていけるかということを今こそしっかりと立案の中に組み入れていただくべきだと思います。
 そこで、若林大臣、先般ナイロビでCOP12に参加をいただき、また昨日は中国で日中韓の環境大臣会合にも御参加をいただきました。
 この環境問題、日本は経済成長を環境に優しいという視点からもしっかりと実現して世界をリードしていく、そういう国になるべきだと思いますが、ただ、世界各国ともやっぱり環境問題の取組も利害関係を有しながら国益をもってその議論の場に来ているというふうに思います。日本も是非しっかりと主張するべき点は主張すると、CO2排出国による最大限の削減努力を促す実効ある枠組みをリードしていく必要があるというふうに思います。
 パネルにもありますけれども、(資料提示)中国、インド、あるいはアメリカも実はこの取組には後ろ向きな中で、これまで懸命に日本が省エネを進めてきたわけですが、日本ばかりが重い負担を背負って正直者がばかを見るということにならないように是非していただきたいというふうに思いますし、こうした国際交渉を関係省庁をリードして進めていただきたいというふうに思いますが、御見解をお願いします。
○国務大臣(若林正俊君) 委員が御指摘のとおりの状況でございます。今排出削減努力を京都議定書に基づいて先進国三十八か国が努力していますけれども、この三十八か国が排出しているCO2、炭素量というのは世界全体の三分の一弱なんですね。三分の二強はこれに参加していないアメリカとかあるいは中国、インド、その他の諸国でございますが、もう今やこの地球の温暖化の問題は現実の世界人類の脅威になっているわけでございまして、その意味では、言わば地球の安全保障問題だというとらえ方をしなきゃいけないんじゃないかと考えております。
 そこで、我が国の主張は、先進国あるいは途上国を問わず、すべての国がその国の能力に応じてやはり排出抑制に協力し合っていくというような新しい枠組み、体制をつくらなきゃいかぬという立場で主張をいたしておりまして、先般のお話ありましたケニアにおきますナイロビでの気候変動枠組条約の協議におきましても、かなり激しい先進国、途上国間の議論、あるいは先進国内部における思惑も含めました議論がございましたけれども、最終的には、もう細かいことは申し上げませんが、我が国が主張をしておりました線に沿いまして、二〇〇八年、我が国でG8が開催されます、そのG8に焦点を絞って、G8までに協議を重ねて、G8で新しい枠組みをつくっていこうじゃないかというような線で合意を見たわけでございます。そういう意味では、これからの一年有余というのは大変大事な時期に差し掛かっていると、こう思います。
 私は、お話ありましたように、一昨日と昨日、北京に行ってまいりました。中国の環境問題を担当する大臣と協議をしてきたわけでございます。お互いにその置かれた状況が非常にデリケートでありますから、中国の場合も限界はあるんですけれども、しかし共通の認識として、このままで推移しますと、スターン報告にありますように、三十年後には少なくとも二度ぐらいの温度上昇が予想されるし、そういう温度上昇の影響を受けるのは実は途上国なんだと。まだ社会的基盤なども整っていない、食料問題も抱えている、そういう地域により多くの被害が出るんだという、そういうことについても共通の認識を得まして、できることはお互いに最大限協力し合ってやっていこうと。
 そのときに問題になりますのは、おっしゃられましたような環境技術の問題でございまして、我が国は大変優れた環境技術、これは学習効果でありますけれども、世界にも誇れる環境技術を持っておりますし、そういう知見を有しているわけであります。その意味で、世界においてリーダーシップを発揮して実りのある成果を出していくのは我が国の責任ではないかと、こういうふうに思っております。委員のおっしゃるとおりだと思います。
○小林温君 是非、日本の世界最先端の環境技術もこれは世界にしっかりと発信をしていくべきだと思いますし、このCO2削減の議論でもやっぱり日本がリーダー役としての役割を今後とも大臣のリーダーシップの下、果たしていただきたいというふうに思います。
 次に、税金の問題に移りたいと思います。
 自民党におりますと、まあ与党でございますが、十一月の頭ぐらいからずっと税金の話ばっかりしております。減価償却の話もさせていただいておりますが、やはり今一つ問われているのはグローバルな競争の中でスピード経営というものをどう実現していくかだというふうに思います。
 かつて覇権を握っていた半導体は台湾や韓国のメーカーに追い上げられ、抜かれてしまいました。今、液晶の分野、テレビ、今、年末商戦盛んですけれども、でも日本が最高級の品質のものを世界じゅうに供給して、今、日本の産業の稼ぎ頭でもありますが、これも追っ掛けられています。
 そこの一つの原因が、やはり減価償却制度にスピード感がないということも言われているわけでございますが、このグローバルな競争を考える中で、今の減価償却制度あるいはこれからの在り方について、経産大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 企業の競争力を高めていくためには、外国の企業、競争相手と競争条件をそろえる必要があります。外国企業は新しい設備をどんどん投入できるような税制があるのに、日本にはなかなか新しい設備に更新をできないような障害があるとしたら、これは競争力を減殺をすることになるわけであります。
 そこで減価償却税制が大切になってきます。今、日本の税制は法定耐用年数が来ても全額償却をできない。しかも、最終的にも五%残存価額が残る。でありますから、なかなか新しい設備に更新をしづらいわけであります。で、一〇〇%きちんと償却ができる、しかも法定耐用年数を短くするということによって設備更新が進むわけでありますから競争力も付いてくるということになります。
 なお、ちょっと誤解がありますのは、国税はともかく地方税についてという議論がありますけれども、この法定耐用年数を短くするとか一〇〇%償却をするということは、設備を新しいものに替えさせるという促進効果なんであります。
 古いものがいつまでも残っていれば税金は余り入ってこないんであります。新しい、いいものに替われば税金は入ってくるんでありますから、そこのところにちょっと誤解があるんではないかと思います。新しいものに入れ替えるということは国の競争力を高めますし、税収としても結果としては国も地方も豊かになるということになるんだと思います。
○小林温君 安倍内閣の基本方針は、成長なくして財政再建なし、成長なくして日本の未来なしということだと思います。この考え方を具現化するための税制改正として、私は今、経産大臣からもお答えいただいた減価償却制度の抜本的な見直しが必要だと考えますが、昨年は要求側でしたが今年は査定側の尾身財務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 経済がグローバル化をしておりまして、この競争というのは国内だけではなしに国際的な競争というのが非常に大事であります。そういう中で、イノベーションを進め、国際競争力を強化する、成長なくして財政再建なしというのは安倍内閣の大きな柱でございます。そういう意味において、少なくとも税制においてはイコールフッティングの税制をつくるということが大変大事であるというふうに考えております。
 今の減価償却の問題につきましても、ほとんどすべての国が一〇〇%まで償却できるのに日本は残存価値五%を残さなければいけない、あるいは、特に半導体などにそうなんでありますが、非常に法定耐用年数が長いために企業が早く償却できない、企業が償却できないために資金的なゆとりができないということが、また半導体産業が非常に厳しい競争にさらされ、シェアを低下している理由でもあるというふうに考えておりまして、こういう点については是正する方向で検討してまいりたいと考えている次第でございます。もとより、税制改正は与党税制調査会でも議論をしていただいているわけでございまして、そういう点についても御理解をいただかなければならないと考えております。
 企業と家計といいますか、一般国民が遊離している、企業減税ばかりするのではないかというような御意見、御批判もあろうかと思いますけれども、企業の体質強化をし、競争力を強化することによって企業が好調な経営を続け、競争力を持ち、そしてそれによって雇用を増やし、そして所得環境の改善を通じて給料も上がる、家計部門に響いてくる、そういう意味での経済全体の活性化というのが大変大事であると考えておりまして、その経済の活性化を実現しながら財政再建を実現していきたいと考えている次第でございます。
○小林温君 財務大臣から前向きな発言をいただいて、思いは同じということも確認をさせていただきました。
 ここで、菅総務大臣にお伺いをしたいと思います。
 今の固定資産税の議論もあるかと思いますが、その前提としていわゆる三位一体の改革が今進んでいるわけでございまして、その権限と併せて税源の中央から地方への移譲がこれから進んでいくことになります。この際の地方税収というものがどうなるかということを考えると、まず、今議論になりました償却資産に掛かる固定資産税は偏在性が高いわけですし、地方の法人税も景気の影響を受けて税収が不安定、また偏在性もあるというふうに言われております。
 私、自治体の安定的な財政運営を考えると、現在の基幹税、いわゆる税収の大部分を占める税が必ずしも将来的な基幹税である必要はないというふうに思います。国から地方への抜本的な税源移譲が検討される中で、将来的な地方税の歳入の割合、いわゆるポートフォリオについてどのようにお考えになられているでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 地方が自分で考え、自分の責任の下に様々な事業を展開できる、そして魅力ある地方をつくる、極めて大事なことであると思いますが、その前提となるのはやはり地方税であって、その充実を是非全力で取り組んでいきたいと思っています。地方分権改革や税制制度の抜本的な見直しの際には、国と地方の税源配分の見直しというものを一対一にできるように頑張っていきたいというふうに思います。
 さらに、その際、この偏在度の小さい地方税については、私は具体的には地方消費税、こうしたものなどを実は念頭に置いております。
○小林温君 今、地方消費税というお答えいただきましたが、まあこれから偏在性がなく安定的な地方の税源をどうしていくかということは、やがて来る消費税の議論の中でもしっかりと、その国の税金をどうするかというだけではなくて、あわせて、三位一体の改革が進んだ後の国、地方一体となった税制の姿というものを私は議論していく必要があるだろうというふうに思います。
 そこで、もう一問、総務大臣にでございますが、今、甘利経産大臣からも御言及がありましたけれども、法人税の減価償却制度が見直された場合には固定資産税の議論も必ず出てくると思います。私、これ今現在、例えば市町村などでは四割とか四割五分ぐらいの基幹税であるということも承知をしておりますし、その大きな金額を例えば国に合わせて減免をしろということを言う気はございませんが、例えば先ほど甘利大臣のお言葉をかりれば、新規投資分でありますとか、新たな税制のポートフォリオを考え、歳入のポートフォリオを考えていく中で、この国と地方のバランスというものも考えていくということは議論に値するんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 減価償却制度におきましては、現在、国際競争力の強化、そういう観点から、法人税や地方法人二税、これについて議論が行われているということは私も承知をしております。ただ、この法人税、地方法人二税については、投下資本を回収するため所得課税を減価償却を行う、そういうことだろうというふうに思います。
 一方、固定資産税は、資産の所有と市町村の行政サービス、その間にある受益の関係に着目をした資産価値に応じた税負担を求めている、それが固定資産税であるというふうに思っています。政府の税制調査会、先般総理に答申をされましたけれども、この調査会の中でも、これ、諸外国の実態も踏まえた上でも、固定資産税における償却資産については、資産課税として課税対象の資産価値を評価するために減価を行っているものであり、法人税の減価償却とは趣旨が異なる、こういう実は報告もいただいております。
 総務省としては、仮にこの法人税において減価償却が認められた、こうした見直しをされた場合においても、資産課税であるこの性格を擁しています固定資産税の現行の評価方法、これは変える必要がないというふうに考えています。
○小林温君 自民党の税制調査会、今週、来週が本当の山場でございますので、また寝ないで勉強しながらこうした議論を続けさせていただきたいというふうに思います。
 最後に、現在、いわゆる日本版のNSC、国家安全保障会議の検討が進められております。これは、官邸の機能を強化して、総理のリーダーシップの下で専門家が安全保障にかかわる問題に対処していくという枠組みをつくるものだというふうに思いますが、塩崎官房長官などもかつて党でこういう御提言をまとめていただいたというふうに承知をしております。
 ただ、いろいろやはり今までとがらっとその組織も変えるわけでもございますし、問題点も浮かび上がってきております。それは、省庁設置法の問題でありますとか、あるいはそのスタッフをどのように、優秀なスタッフをどのように充実をさせたりあるいは確保していくかと、それから民間も含めて人材の登用をどのように行っていくかということでございまして、これは予算措置においても思い切った改革が求められていると私は思います。
 これは、正に新時代の日本の政治の枠組み、安全保障の枠組みをどうするかということだというふうにも思いますし、是非、総理のリーダーシップで時代に即した改革を進めていただきたいと思いますが、総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の安全保障政策につきましては、官邸はもちろんでございますが、外務省、防衛庁を含め、関係省庁がこの万全な体制を期するために努力をしているわけでありますが、その中におきまして、この我が国の安全保障の万全を期するために、政治のリーダーシップを強め、迅速な安全保障にかかわる政策を立案そして決定をしなければならないと、このように考えております。
 その中におきまして、私を議長とする国家安全保障に関する官邸機能強化会議を設置をいたしまして、外交、安全保障に関する官邸の司令塔機能を再編、強化するための施策について検討を始めたところでありまして、来年二月末を目途に意見を集約をする予定でございまして、この会議の意見も踏まえまして、我が国にふさわしい外交、安全保障に関する官邸の司令塔機能を強化してまいりたいと、このように思います。もって国民の生命と安全を守ってまいる所存でございます。
○小林温君 国民の生命と安全を守っていただくということで、資源安全保障、あるいは例えば食料安全保障ということもございます。正にこれからNSCも含めてしっかりとした取組をお願いをして、質問を終わります。ありがとうございました。
○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史でございます。
 冒頭、先週金曜日に神戸地方裁判所で示されました、国は中国残留孤児に対して早期帰国促進義務や自立支援義務を怠ったとの判決に関して、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
 総理と私が衆議院議員に初当選をしました平成五年のその選挙のちょうど九月、十二人の中国残留婦人の方が強行帰国されまして、成田の飛行場で一夜を明かされるということがございました。私はそれ以来、微力ですけれども、日本の敗戦によって中国に置き去りにされた、あるいは中国にとどまらざるを得なかった人々への支援の充実を訴えてまいりました。さきの総選挙の前には、超党派で議員が集まりまして、生活保護制度とは別に生活支援金制度を創設することで合意寸前まで行っておりましたけれども、残念ながら選挙ということになってしまいました。
 小泉前総理は、ハンセン病訴訟で控訴を断念され、解決策を講じられました。安倍総理にも、どうぞ今回の神戸地裁判決を真摯に受け止めていただいて、控訴せず、解決策を早急に講じてくださることをお願いをいたしたいと思います。総理のお考えをお伺いをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のございました判決につきましては、国側としても厳しい判決であったと、このように思います。今後、この判決の内容をよく検討をいたしまして適切に判断をしていかなければならないと、こう思っておりますが、いずれにいたしましても、この残留孤児の皆様は既に高齢の域に達しておられるわけでありますし、長年にわたって大変な困難の中にあったわけでございます。きめ細かなこれは対応、支援が必要であると認識をいたしております。
○山本孝史君 失礼ですけれども、安倍首相は、おじい様の岸信介元首相を政治家として尊敬されておられるとお伺いをしております。岸元首相が中国残留孤児問題に少なからぬかかわりを持っておられるということは御存じでしょうか。あるいは、岸元首相から中国残留孤児のことについて何かお聞きになったことがございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 残留孤児の問題について話をしたという記憶はそれほど鮮明には残っておりません。
○山本孝史君 御存じかと思いますけれども、岸元首相は満州国の今で言う通産大臣兼副首相をお務めでございました。戦後は岸内閣を組閣して、その中国敵視政策によって一九五八年五月には日中国交断絶となり、中国残留孤児らの帰国を遅らせることになりました。さらに翌年、一九五九年には、未帰還者に関する特別措置法を制定し、約一万三千人の邦人がいることを知っていながら戦時死亡宣告を行いました。ようやく日本に帰ってきて自分の墓に対面したという中国残留孤児らも少なくありません。岸元首相に続いて、お孫さんである安倍首相にも中国残留孤児はまた見捨てられるということになるのでしょうか。どうぞ、美しい国日本として、温かいお心を中国残留孤児の皆さんにお示しをしていただきたいと思います。
 対応していただけるというふうにおっしゃいました。もう一度、しっかりとした御対応をいただけるかどうか、御答弁をお願いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時、中華人民共和国との関係について委員は御指摘をされたわけでありますが、その当時は日本は中華民国との関係で国交を持っていたと、こういうことではないかと、このように思います。それは日本だけではなくて、世界の多くの国々の趨勢でも当時はあったわけでありますが、そのことは指摘をさせていただきたいと、このように思います。
 その上で、先般の御指摘のあった判決については、判決の中身をよく更に検討をしてまいりたいと思うわけでありますが、この孤児の皆さんが相当の年月を経て御高齢にもなっておられます、そして戦争の結果大変な御苦労をされた、そういうことにかんがみまして、きめ細かな対応、支援を考えてまいりたいと思っております。
○山本孝史君 どうも重ねての質問で失礼をいたしました。どうぞ、おじいさまの岸元首相が満州国あるいはその後の中国残留孤児にどのようにかかわってこられたかという足跡を是非お調べをいただきたいと思います。
 それでは、会計検査院の検査官についてお尋ねをしたいと思います。
 会計検査院の意思決定機関である検査官会議は三名の検査官で構成され、前早稲田大学商学部教授の大塚会計検査院長、元総務事務次官の西村検査官、元国税庁長官で内閣官房副長官補も務められた伏屋検査官が任命されています。
 会計検査院は、憲法第九十条に基づき、内閣から独立した機関として設置されています。しかし、三人の検査官のうちの二人が総務省と財務省の元高級官僚で、伏屋検査官に至っては内閣の重要ポストにも就いておられました。国の予算編成に強く関与してきた元高級官僚が会計検査官として決算のチェックをするのは、私は合点がいきません。安倍総理はこの三人の検査官の構成を妥当だとお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 検査官の人事につきましては、広く官民を問わず人材を求め、法律や行財政等に精通をし、そして豊富な知識と経験に基づく公正な判断力が備わっていると認められる人物を両議院の同意を経て任命をいたしているわけでございまして、今後とも、適材適所の考え方の下に、民間の方も含めて検査官にふさわしい優れた人材を任命をしてまいりたいと考えております。
○山本孝史君 ただいまの答弁は、今年の一月、参議院本会議で自民党の国井正幸委員と公明党の浮島とも子委員が私と同趣旨の質問をしたときに小泉総理が答えられた答弁と全く同じでございます。
 私は、検査官については、したがってこの問題については与野党問わず実は同じ思いを持っており、三人とも民間出身者でもよいのではないか、あるいは五人にして、そのうちの三人を会計検査院で長年検査に当たってこられた方を含めて民間出身者にすればよいのではないか、三人という数字にこだわる必要性はないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いろいろな御指摘があるところでございまして、今、山本委員から、山本委員のお考えを伺ったわけでありますが、会計検査院の検査体制については、国の組織として、行政改革というこの考え方も踏まえながら、その機能を十分に発揮できるような体制を考えてまいりたいと、その機能を十分発揮できるよう考えてまいりたいと、このように考えています。今直ちに検査官を増やすということは考えてはおりません。
○山本孝史君 実は、この三人という体制はいつ決まったかといいますと、昭和二十二年に当時の会計検査院法が改正されたとき、すなわち日本の占領下に決まった三人という数字でございます。それ以来改正はされておりません。
 時代の流れに応じて、今おっしゃった行政改革ですとか、しっかりとした体制が取れるような検査官の体制をつくるべきだと思いますし、あるいは、この情報の公開もされておりません、議事録も出てまいりません。そういう意味では、せめてこの議論の骨子ぐらいは出てくるような形でないと私は時代後れだというふうに思いますが、この点についてお伺いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 会計検査院の検査官会議は、憲法上の独立機関である会計検査院の意思決定機関であり、その実施した検査の結果等を指摘事項等として決算検査報告に掲記するかどうかなどについて最終的な審理、判断ないし議決を行う機関であると承知しております。
 検査官会議の議事録の公開に関しては、御指摘の透明性の問題も、御意見としてはこれは理解できるわけでありますが、他方、外部からの不当な圧力、干渉を招来し、検査官会議の中立かつ公正な審理、判断が損なわれるおそれがないかという点を十分に踏まえ考える必要があるのではないかと、こう考えております。
○山本孝史君 会計検査院の報告を見ておりますと、極めて政府寄りあるいは経済財政諮問会議寄りのような検査の文言が見受けられますので、ここはしっかりとした議論を引き続きしていきたいというふうに思います。
 午前中の質問はこれで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(泉信也君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(泉信也君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として和田ひろ子君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(泉信也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十七年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に総務省行政管理局長石田直裕君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉信也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(泉信也君) 休憩前に引き続き、平成十七年度決算外二件を議題とし、全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史です。午前中に引き続いて御質問させていただきます。
 まず、安倍総理にお礼を申し上げたいというふうに思います。さきの通常国会で官房長官として自殺対策基本法の成立にお力添えいただきまして、本当にありがとうございました。また、がん対策基本法も、皆様の御協力のおかげで来年四月の施行に向けて準備が進んでおります。本当にありがとうございます。
 私事で恐縮でございますけれども、昨年十二月の末に胸腺にがんが見付かりまして、既に肺や肝臓にも転移をしているということで、治療をしなければあと半年の命ということを言われました。しかし、その後、治療のおかげでこうして今日も元気に質問に出させていただいております。ありがとうございます。
 この間に感じましたことは、自分の命は自分だけのものではない、自分だけの人生じゃないということです。そして、生きていることに価値があるということです。私も、来年夏には改選を迎えますけれども、引き続き国会議員として活動を続けたいと願っております。
 さて、がん患者となりまして、多くのお手紙をいただくようになりました。先日も沖縄のホスピスに勤めるお医者さんから、どうしても納得ができないというメールをいただきました。それは、公職選挙法による病院や特別養護老人ホーム等での不在者投票制度についてであります。沖縄県の場合は、五十床以上の病院でないと不在者投票ができる公職選挙法上の指定施設にはなれません。その病院は四十八床でした。残された家族の未来を託す最後の選挙に、小さな病院に入院しているという理由で投票できないのはおかしいと思うとお医者さんはおっしゃっておられました。
 調べてみて驚いたのですけれども、総務省は、病院は五十床以上との基準を行政指導しておりますけれども、どの施設が指定施設となるかは、都道府県の選挙管理委員会が、その施設は公正な選挙ができるという体制にあると認めればよいということになっております。このため、大阪府、京都府、兵庫県は四十床以上、北海道は三十床以上、神奈川県では二十床以上の病院であれば不在者投票ができる指定施設と認めることができるということになっています。
 投票に不正があってはならないことは当然ですけれども、総務省には、都道府県選挙管理委員会が公正な選挙の執行が行われると認められる施設であれば、施設の大きさにかかわらず不在者投票の指定施設と指定することができるという通知を是非各都道府県選管に発していただきたいと思っております。総務大臣の御見解をお伺いをします。
○国務大臣(菅義偉君) 不在者投票制度でありますけれども、投票当日に自ら投票所に出向いて投票するという仕組みの例外でありますから、投票の秘密や選挙の公正を確保する、そういう必要性から厳格な手続が定められております。
 そういう中で、不在者投票を適正に行っていただくためには、やはり人的、物的に相当の規模の施設であることが必要であることから、設備や人手といった点を考慮し、従来より五十人規模と、こういうことを行っております。このおおむね五十人規模というのは絶対的なものでなくて、今委員から御指摘がありましたように、都道府県の判断によって、一番少ないところは神奈川県二十人、そういう、行われておるのがこれ現実であります。
 今委員の意見も踏まえまして、そうしたことも検討させていきたいと思います。
○山本孝史君 検討するというお答えですけど、是非お聞きをいただきたいと思うんですが、その後にいただいたメールを紹介をします。
 もうこの選挙は始まっておりましたので、既に指定施設のことについてはどうしようもなかったと思いますけれども、投票の手段はないと患者様にその旨を伝えましたところ、おかしいよな、仕方がないかとの返事でした。本人が納得したんだからいいじゃないという人もいますが、違います。とても重い仕方がないなのです。病気になるということは、失ったりあきらめたりの積み重ねです。ある日入院が必要と言われ、歩くのは無理と言われ、トイレもベッド上でと言われ、食べることもあきらめる。結果としてそれを強いている医療者が投票まで無理と言わなくてはならないのが無念ですと、こんなメールを後でいただきました。
 今御指摘申し上げましたように、投票の基準がばらばらになっている。私は、民主主義の根幹を成す参政権、その参政権を実質的に奪ってしまう指定制度の運用がばらばらの状態であるということについて、総理はどのようにお考えになるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、一つの目安として国としては示しているんだろうと、五十人というのは一つの目安として、恐らくそれによって適切な規模と公正性が担保されるという点においてのこれは一つの目安としてであって、あとはそれに準じて各都道府県において対応していると、このように思います。
 今、山本委員からもいろいろと御指摘もございました。そういう中にあって、所管の総務省として適切に対応していくと思います。
○山本孝史君 この五十床というのは指定病院の基準で、昭和二十五年の質疑集の中で、これはその前に国会の議論等もあって、おおむね五十人以上の患者を収容するに足るベッドを有する病院を指定することとされたいという、こういうQアンドAの中で示されている基準なんですね。しかも、申し上げたように、それぞれができるから、片や五十床、片や神奈川県のように二十床。でも、選挙としては、参議院選挙のように全国区でやっているものもありますし、あるいは衆議院もブロック制度になってきましたので、そう考えますと、やはり基本はすべての人に参政権を保障するということであって、それをこうした指定制度の何か目安というときの目安。
 じゃ、これは目安ではないんなら目安ではないということをちゃんと通知で出して、各都道府県、例えば神奈川の二十床でもありますよ、二十床ぐらいまでのところはみんな行けるようにしようじゃないかというふうに是非内閣として取組をしていただきたいというふうに、それが僕は普通の姿だと思うんです。
 もう一度お願いします。検討するだけじゃなくて、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもその五十という目安を決めた、それは先ほど総務大臣が答弁したような基準を勘案をして決めたんだろうと。その中で、それは一つの目安でありますから、あとはその目安を勘案しながら都道府県で判断してきたことであろうと、こう思います。その中で、実際の全国でそういうばらつきもあるわけでありますし、そうしたことを勘案しながら総務省において適切にこれは検討していくということになる、対応していくということになると思います。
○山本孝史君 少なくとも二十床まで下げるというお考えはありませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほども申し上げましたけれども、五十にというのは一つの目安であって、一定の基準を総務省としては示しているということであって、これは都道府県選管の判断によって行うことができるようになっておりますので、その実情に応じた不在者投票の指定が行われると、そういうふうに私どもは考えております。
 今委員から先ほど御指摘ありました、そういうことも踏まえてこの制度の仕組みをそれぞれの都道府県でよく理解してもらえるように、先ほども申し上げましたけれども、検討させていただきたい、そう思っています。
○山本孝史君 ほかにも問題がありますのであれですけど、去年は在外邦人の投票権をつくりましたよね。そして、自衛隊の方たちのことも踏まえて十人以上であれば投票できるようにしようとかと、いろんな改正をしてきましたよね。投票というのは民主主義国家の基本ですし、参政権をみんなに保障する、公平な選挙でなければいけないけど、一人でも多くの方が投票できるようなシステムにするというのが去年から我々の取組だったというふうに思います。
 そういう意味では、五十ということじゃない、検討するだけれども、二十でもやっているところがあるんだから二十でもいけるんじゃないか。あるいはもっと小さなところでも、やっぱり一人でも多くの方が投票に参加できるような仕組みにするというのが私は安倍内閣のお仕事だというふうに思います。それをやらないのは民主主義を否定しているということと私は同じだと思います。
 冬柴大臣にこの参政権の問題についてお尋ねをしたいのですが、去年の十二月十日でございました、御一緒に在日本大韓民国民団大阪府本部主催の外国人の地方参政権実現を目指すシンポジウムに同席をさせていただきました。先日、そのときの記録集が私のところにも届きまして、改めて読み返しをしてみました。在日外国人の地方参政権の実現は、七年前に公明党が連立政権、自民党と御一緒になられるときの私は連立合意だったということを理解しております。
 今後、安倍内閣の中で実現の可能性があるのかないのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御案内のとおり、日本には多くの外国人がいます。しかし、その中でも大韓民国等朝鮮半島由来の外国人が昨年末で六十万八千名余いまして、これは多くの外国人の中で三〇・八%を占めます。
 なぜこうなったか。これは、一九一〇年、日韓併合条約により朝鮮半島全体を日本の植民地といたしました。したがいまして、そこに住む人々の国籍は日本国民というふうになりました。したがいまして、それ以来、朝鮮半島から日本へ自らの意思で、また国家総動員法等計画令に基づく移動令等で日本へ移住をさせられた朝鮮半島由来の人々がたくさんそういう日本国民として日本に定住することになりました。
 これは、一九一〇年から一九四五年、日本が敗戦になるまでの三十六年間の間、この人たちは日本国民としていわゆる徴兵令に応じて、そして……
○山本孝史君 事実関係はいいんです。実現しそうなのか、しそうでないのか、お聞かせください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) いや、そういう人たちが選挙権も持っていたわけであります。朴春琴さんという人は、二回、昭和七年、十一年に衆議院で当選をして国会に籍を置いた人もありますし、数十名にわたる人たちが各地で地方議員としてやっていました。
 そういうことをとらえて私ども公明党は、この人たちに、限りなく日本国民と近い生活を、実態生活を営んでいるこの人たちに地方における選挙権を与えてもいいのではないかというのが我々の考えで、そのような提案をいたしまして、先ほど言われたように、平成十一年十月四日の連立合意の中では、三党でこの法律を成立させましょうという合意ができました。
 しかしながら、その後、特に自由民主党の中で大きな異論がありまして、それは、国の統治機構の一部ではないかということが主な理由でございました。しかし、その後、地方分権推進法で国と地方は対等平等の関係にもうなりまして、そして、地方自治の本旨からいけば住民自治ということで、そういう生活実態が日本人と全く同じ人たちにも与えてはいいんではないかという議論もたくさんあったんですけれども、なかなか実現をせずに今日に至っております。
 しかしながら、昨年六月末に韓国では、日本国民でも三年以上永住した十九歳以上の人たちに対しては地方選挙権を与えるというそういう法律を制定しまして、今年の五月の末に行われた地方選挙権ではそのような日本人にも地方選挙権が与えられて選挙が行われました。そういうことを踏まえまして、私は、もう相互主義で韓国に限っては与えてもいいんではないかということで今法律を提案しているところであります。
 しかし、今反対していられる方、与党の人方に対して、その内容とか、そういうものをよく分かっていただくように我々も説明しなきゃなりませんし、もう少し時間が掛かるのではないかというのが現実でございます。
○山本孝史君 連立政権に入られたときの合意事項ということを踏まえて、冬柴幹事長としてお取り組みになってよく御存じですから今の御説明だったと思いますけれども、是非実現する方向に努力をしていただきたい。でなければ、何だ絵にかいたもちじゃないかと、単に言っているだけかと、連立政権の合意なんていうのはその程度のものなんだ、公明党は結局はそういう姿勢で臨んでいるのかという国民の受け止め方になりますので、そうならないようにしていただきたいと思います。
 社会保障関係費の削減についてお伺いをしたいと思います。
 政府は、七月に公表した骨太の方針二〇〇六で、基礎的財政収支の黒字化のために今後五年間で十六兆五千億円の対応額が必要だと言っております。そのうち、七割から八割を歳出削減により、残りの分を税制改革により賄うとされています。
 最初の資料をごらんをいただきたいと思います。(資料提示)社会保障経費は毎年度約一兆円の自然増となりますけれども、政府は平成十四年度以降、毎年二千二百億から三千億の削減をしてまいりました。これは十八年のところは予算で書いてございますので、決算であればもう少し社会保障関係費伸びますのでグラフが入れ替わりになると思いますけれども、しかし、高齢者の伸びよりも低く抑えるという形でずっとやってきたわけです。その伸びを抑制するために何をしてきたかというと、二年に一回の診療報酬の減額、平成十四年と十八年に行いました医療制度の改悪、あるいは介護報酬の減額と介護制度の給付範囲の制限などを行ってまいりました。
 そこで、まず総理にお尋ねをしたいのですが、この社会保障関係費については今後五年間も毎年二千二百億円削減をする、こういうふうに受け止めてよろしいのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年七月の骨太の方針二〇〇六におきまして、社会保障におきましては、過去五年間の改革を踏まえ、今後五年間の改革においても努力を継続をしていくということを決定をいたしました。毎年度の具体的な削減額につきましては、その時々の経済、財政の状況なども踏まえながら、毎年毎年決めていくことになります。
 いずれにせよ、この骨太の方針二〇〇六に示された歳出改革の内容について計画的に着実に実行していく考えであります。
○山本孝史君 今後も毎年二千二百億円程度の削減が続くと。来年は雇用保険制度への国庫負担の廃止で千八百億、生活保護の見直しで四百億ということで二千二百億円が予定されています。再来年は診療報酬の改定、二年に一度ですから、そういう形になるのかなというふうにも思います。
 ところで、この医療や介護などの社会保障制度というのは長期的な視点から構築されるべきであるにもかかわらず、毎年度予算編成過程で二千二百億とかというふうに削減額が示されて、その数字をひねり出すために制度の変更が短期間の間に何回も行われるということになっています。これでは、国民に国の社会保障制度は安心だ、信頼してほしいということにはならないのではないでしょうか。社会保障のプロと評される安倍総理の見解をお尋ねをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障については、これは人間が生きていく上において最低限のセーフティーネットを確保しなければならないと考えておりますし、私の内閣におきましてもそのセーフティーネットはしっかりと守っていく考えであります。
 と同時に、国民の皆様に安心感を持っていただくためには、このセーフティーネット、社会保障制度は給付と負担、負担があって初めて給付が確保できるわけであります。果たして給付は大丈夫なんだろうかという不安は、その負担に国民が耐えられるかどうかということから来るこれ不安でもあるんだろうと、このように思います。みんながこれは、これぐらいの負担だったらこの給付を確保するためにはいいだろうと納得するという、その納得できるところを我々は政治の場において求めていく努力をしなければならないと。
 という中におきまして、今財政の状況が極めて逼迫しているというのは国民の皆様が御存じのことであって、だからこそ、果たして大丈夫なんだろうかという不安もあるんだろうと思います。
 ですから、その中でできる効率化はしっかりと効率化を図っていくと。その中で、なるべく給付の質は落とさないように確保しなければならないという中で改革を進めていかなければいけないわけでありまして、その改革努力を進めていく中にあって、もちろん財政ありきだという御批判がありますが、財政ありきではなくて、財政もやはり横に置いて見ていく必要はあるわけでありますが、基本的にその中であるべき制度、また、効率化を図ることができればその制度自体にもメスを毎年毎年入れていく努力が大切ではないか。
 しかし、それは、診療報酬におきましては二年に一度ということになっておりますし、また介護についても介護の報酬についての改定の時期があります。その時期時期に適切かどうかということを判断していくことも私は必要ではないかと、このように思うわけでありますが、いずれにいたしましても、持続可能なセーフティーネットをしっかりと構築をしていかなければならないと。その中で、財政も見ながら努力をしていく必要もあると考えております。
○山本孝史君 読ませていただきましたこの御著書の「美しい国へ」の中で、「やみくもに小さな政府を求めるのは、結果的に国をあやうくすると思っている。」とお書きになっているんですね。私は、毎年二千二百億円とかというふうに金額を決めて、それで抑え込んでいくというのは、これは正におっしゃっているやみくもに小さな政府を求めていくということにはなっているんじゃないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) やみくもに小さな政府ということは、例えば公的な保険制度、医療も年金もそうですが、例えば公的な医療保険制度をすべて公的な保険制度から外に置いて民間に任してしまいますよということはもちろんしないということでございまして、やはり公的な医療制度が果たしてきた役割はしっかりと踏まえながら、しかし、その中でこの公的な医療制度も持続可能なものにしなければいけない、介護保険制度もそうであります。
 そういうものを持続可能なものにしていくためには、それと同時に財政の状況、負担の在り方等は常に見直しを行っていく必要もありますし、やるべき効率化、適正化は行っていかなければこれは持続可能なものにはならない。これはなかなか政治の判断としては難しい判断でありますが、国民の皆様にお願いをし、また御説明をし、御理解をいただかなければならないと思っています。
○山本孝史君 財政が成り立たなければ社会保障が成り立たないというのはおっしゃるとおりだと思います。一円でも年金を払えばそれで制度が破綻していないとおっしゃるのは余りにも無謀な言い方だと私は思いました。
 しかしながら、まず削減ありきが立ってきますと、制度の変更がそれに伴って無理が生じるんですね。例えば介護保険の居住費、光熱費の負担でも年度途中の十月から求める。六月に法律が改正されて、十月からそれでもうすぐに負担増だというようなことで金額合わせをしているわけですね。そういう形ではなくて、本来合理化するべきところ、効率化すべきところはやらなければいけない。しかし、それが何か金額をひねり出すがためにやっているような形になっているから、またこれで切り下がるんだろうな、年金下がるんだろうな、医療保険はどんどん底が抜けていくんだな。昨日のNHKのテレビでもやっていましたけれども、国民健康保険がいよいよ底が抜けてきている。年金は、基礎年金をつくって国民年金を吸収合併する形で何とか逃げましたけれども、じゃ医療はどうするのだという、国民健康保険をどうするのだという問題はやっぱり大きな問題として残っているわけですね。そういう基本的な問題をやらずにこういう数字だけが先に立ってくるから私は制度がおかしくなってくるんだと、こう申し上げているわけです。
 医療のことについてお触れになりましたけれども、この御本の中には医療はほとんど出てきません。それで、高齢者医療制度についてお尋ねをしたいんですが、御承知のように、今年六月に高齢者にかかわる医療費を適正化するということで、高齢者の医療の確保法というのが成立をいたしました。再来年の平成二十年から七十五歳以上の後期高齢者については、その心身の特性や生活実態等を踏まえ、七十五歳未満とは切り離された新たな高齢者医療制度をつくるということになりました。診療報酬も、七十五歳未満の人とは別建ての診療報酬制度ができるというふうに理解をしております。
 そうなりますと、この新たな高齢者医療制度というのは、今行われております介護保険と同じ仕組みを取りますから、今後七十五歳以上の高齢者については負担の範囲内で医療給付を行うという形になるのじゃないか。介護保険も、スタートして、大きいからといってしぼませましたよね。同じことが高齢者の医療として起こって、結果として低い医療水準にしか七十五歳以上の人はならないのではないかというふうに思っています。
 端的にお伺いをしますけれども、同じ病気で同じ症状であっても、診療報酬から支払われる金額が七十五歳を境として高齢者と若年者とでは異なる、そのようなことになるんでしょうか。総理にお尋ねをします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに後期高齢者医療制度というものが始まるわけですが、その点については、これからどういうふうな医療にするかということにつきまして、現在、社会保障審議会特別部会において御議論をいただいておりますので、今ここで我々が予断を持っていろいろお話をするということは適切ではない。要は、後期高齢者の心身の特性等を踏まえた適切な評価、診療報酬上の評価というものについて今鋭意検討しているということ、これは山本委員はもう専門家ですからだれよりも御存じですけれども、そういうことでございますので、今ここで予断を持った御議論をするというのは控えたいと、このように思います。
○山本孝史君 私、厚生労働委員でもありませんでしたので、外からずっと議事録読んでいただけですけれども、高齢者医療制度がどういう姿になるのかということについて非常に分かりづらいんですね。都道府県単位になるということは分かっているんだけれども、それじゃ都道府県単位でどういうふうな違いが出てくるのか。別建ての診療報酬と言われているので、普通に考えればマルメになって、恐らく高齢者の方たちについては一定の医療費の中で収めてくれというシステムが更に強くなっていくのではないだろうか。結果として、申し上げたように、介護保険制度も、介護保険の国庫負担もあるいは保険料負担も上がってきたのでそこで見直しをしてという形になりましたよね。同じことが高齢者医療の中でも起き得るのではないか、起きてしまうということを私は心配をしているわけです。
 だから、同じ病気であっても、七十五歳を境として若年者のようにきちっとした医療が受けられるのか。あるいは七十五歳を超えているから、あるいはあなたは八十歳を超えているから、もう積極的な治療をしては仕方がないので、どうせ残っている命は少ないでしょう、もうホスピス行って過ごしなさいというような形にならないのかどうか。だから、美しい国とおっしゃっているときの、医療を通じての美しい国の総理が思い描いておられる高齢者の医療はどうあるべきかということを私はお尋ねしているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま柳澤大臣から答弁をいたしましたが、後期高齢者の医療についてはこれは様々な御意見があるわけでありまして、その中で、例えば治療から、これは医学管理から終末期にかけての、みとりまでの一貫した対応も必要になってくるわけでありますが、その中で、今、山本議員は、それでは例えば終末期にある方に対してどうこれは対応していけばいいかということについては、御本人のこれは要望もあるわけでございますし、これは様々な対応をこれは想定しながら検討していく必要があるんだろうと、このように思います。
 大切なことは、この後期高齢者の方々の医療の質が落ちていくんではないかという、そういう不安があるのも事実であろうと、このように思います。しかし、そういう不安や指摘がある中において、それはそうならないように、懸念が生じないように対応していく必要があると、このように思います。
 後期高齢者の心身の特性等々を勘案をしながら、医療に対する評価の在り方について有識者による具体的な検討を進めていかなければいけないと考えております。
○山本孝史君 だから、その具体的な心身の特性等に応じてというところがみそなんで、そこのところは、これは専門家の議論に任せるといったって、公費負担半分、高齢者がどれだけ保険料を負担できるのかって、年金天引きでしょう。基礎年金も減っていく中で、介護保険料も上がってくる、国民健康保険料も上がってくる、後期高齢者の医療制度も保険を払ってもらうということになる。どれだけの負担能力が実際のところ高齢者あるんだろうと考えたときに、公費負担をどうするかという問題はありますよね。
 だから、そういうことも踏まえた上で、いや、今みんなが心配に思っておられるだろうと、それは確かにそうなんです、みんな心配に思っているんです、平成二十年度から始まるんですから。そういう意味では、早く外へ出すというのではなくて、やはり総理として、たとえほかの予算を削ってでもこういう形にしたい、高齢者の一番の問題である医療は確保したいということがやっぱり私は聞きたかったんですけれども、それはどこか専門家に任せておきますということなので、話にならないと思います。
 社会保障、(資料提示)これは与野党問わずの共通認識だと思いますけれども、結局社会保障制度を持続可能にするためにどうするかといったときに、総理の今のやり方ですと、制度は何か形だけは残っても、結局中はがらんどうになっていて、国民生活の持続可能性というものは結局犠牲にされてしまうんじゃないか。それは本末転倒だと私は思うんですね。国民の安心や安全のもう底が抜ける状態になっている。
 しかしながら、こういう国の状況の中で、社会保障関係費、今後とも毎年削っていくんだ、あるいはこの歳出の中で七割から八割削減をする、これを縮小して、そして税の部分で残りの部分を何とか賄う。これによって二〇一一年に国と地方のプライマリーバランスをゼロ、二〇一〇年代の半ばに国のプライマリーバランス、ゼロ、十七年度決算でいけば、ここの十二兆円というものがゼロにするというのが政府の方針だと思うんですね。
 そうすると私、現在のやっぱり税収入の水準というのは、どう考えても、これから先のこの社会保障関係費の伸びですとか、あるいは金利が上がったときの国債費の償還が増えてくることを考えると、今の税収のこの水準というのは足りないんじゃないか、低いんじゃないかと思うわけです。
 その点について、現在のこの税収水準は総理も低いと思っておられるんだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その前に、社会保障費については確かに削減ということで御指摘になられましたが、これは増えていく額からそれを削減していく努力ということでございますが、絶対額としてはもちろん増えていくわけでありまして、社会保障費は増えていく。増えていく中で増え方をこれは抑えていくということになるわけでございます。
 現在の税収の状況でございますが、私の内閣の方向としては、まず、成長なくして財政再建なしという考え方の下に、しっかりとした成長戦略を推進をしていかなければならないという中にありまして、その中で税収増も目指していきたいと考えております。そして、二〇一一年までにプライマリーバランスを黒字化していかなければならない。今年度の予算も国債の発行額を、新規発行額を三十兆円以内に抑えたわけでありますが、来年度はこの公債発行額を大幅に減額をしていきたいと思います。そして、二〇一一年に何としてもプライマリーバランスを黒字化していく、その目標に向けて着実に進んでいくことが大切であろうと、このように思います。
 その目標に向かっていくわけであります。その中で、先ほど申し上げましたように成長戦略を行っていくわけでありますが、しかしその中で、増えていく社会保障に対する対応、あるいはまた少子化対策に対してどう対応していくかということもあるでしょう。そしてまた、今後国と地方の税の配分の在り方等々、抜本的な税制改革の中においてどのように税収を考えていくかということも議論をしていきたいと、このように思います。
○山本孝史君 こういうことですからこういうふうに議論していきたいとおっしゃっているだけで、御自分のビジョンというのが出てこないんですね。
 私が申し上げているのは、私が危機感を持って申し上げているのは、今のままでいくと、削りに削っていったら、結局社会保障制度は底が抜けますよねと。公共事業が半分に減ったことも知っていますし、しかし、もっと合理化を進めていけばもっと捻出できる部分があるだろうという御主張も分かる。成長していけば税収入が増えてくるとおっしゃっていることも分かる。しかし、それは景気が波を打てば当然そんなものは少なくなるときだってあるわけで、そんなことを考えるよりも、もっとこのプライマリーバランスのこのでかいものをどうやってゼロに近づけていくのかという、もっと具体的な考え方を出さないと駄目ですよね。やはり増税の議論から逃げている。
 来年の秋以降に、消費税も、それから先ほどの企業税制の部分についても議論するとおっしゃっているんだけれども、私などは、例えば所得税の最高税率の問題だとか、あるいは相続税の問題だとか、あるいは、これから与党の中でもめられるようですけれども、証券税制の優遇税制の問題だとか手を付けなければ、早く手を付けて格差を是正して、そして少しでも税収が上がっていくという方向に持っていかないといけないので、それを全部来年の秋、参議院選挙が終わってから議論を始めますでは議論にならぬのではないかと私は思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 税収においては、これは改革の成果で税収は伸びているわけでありまして、それははっきりと申し上げておきたいと、このように思います。
 十八年度の補正予算におきましても、これはかなりの額を借金の返済に回すことができるようになった、これは成長によって得た果実によって我々は借金を減らすわけでございます。ですから、その意味におきまして、我々は更に成長戦略をしっかりと推進していくことによって税収を上げていくことは十分に可能であるということは申し上げておきたいと思います。
 そこで、それでもなお足らず前が出てくるのであれば、先ほど申し上げましたような観点から、来年の秋に抜本的な税制の改革を行う中で検討をしていきたいと。来年の夏ぐらいまでにはこれは決算の状況が分かってくるわけでありますし、また、医療制度の改革を行いました。この医療制度の改革の成果、影響がどれぐらいのものであるかということもだんだんはっきりしていくわけでありまして、その中で、そうした正確な数字を基に抜本的な改革について議論をしていくということでございます。
 いずれにせよ、二〇一一年に向けて今のところプライマリーバランスの黒字化に向けて着実に前進をしているのは間違いのないことであります。
○山本孝史君 私が申し上げているのは、単年度の税収が上がったから下がったからという話ではなくって、二〇一一年度あるいは二〇一〇年度の半ばに向かってプライマリーバランスをゼロにしていくというちゃんと道筋を立ててやっていく。確かに景気が良くなれば税収は上がります。でも、景気が悪くなれば税収は減るんですから、そういうことを考えてこの国債の非常に膨れ上がっているものを何とかしなきゃいけないですねと、こう申し上げて、いろいろ議論すべき課題はありますよと、それを先送りしていますねと、こう申し上げているわけです。
 先ほどのお話でおっしゃった、今年の税収は良かった、三十兆円以内に来年は抑えられるだろうとおっしゃっているこの国債の発行を、じゃ来年は幾らぐらいにまで抑えるお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三十兆円以内に抑えたのは今年度の予算でありまして、来年度については、我々としてはこの三十兆円から大幅に減額をしたいと、このように考えております。
 それと同時に、やはり景気を良くしていくことによって税収は上がっていくわけであって、景気を悪くしてしまっては、これは元も、他方ですね、子もなくなるということも考えなければならないわけでありまして、経済は生き物であるということは忘れてはならない、その中で我々は経済財政政策を遂行していくということになろうと、このように思います。
○山本孝史君 大幅というのは、幾らをもってして大幅ですか。──総理、総理、総理、御自身の答弁なんだから、総理が答えてください。大幅っておっしゃったんだから、感覚の問題なんだから。
○国務大臣(尾身幸次君) 十八年度が支出が八十兆円でございました。そして、税収が四十六兆円、税外収入が四兆円でございまして、合計五十兆円の収入。したがって、差引き三十兆円の国債発行であるということでございまして、総理から、来年度、十九年度の予算については厳しい縮減努力をして、この三十兆円から大幅な縮減をしろという御指示がございまして、私どもその線で厳しい予算編成をする予定でございまして、少なくとも三十兆円を大幅に下回る、下回るといいますか、少ない、少ない額に赤字幅を抑えていきたいと考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから私は、今大幅とお答えをしたわけでありまして、そして、私の大幅という指示にのっとって、これから予算編成をいたしますから、今私がすぐここで数字を申し上げられるんであれば大幅ということは申し上げずに数字を申し上げているわけでありまして、大幅に減額をせよと、このように財務当局に指示をしているところであります。もう少し待っていただければ額は分かってまいると、このように思います。
○山本孝史君 いやいや、だから、補正予算のこともあるから、来年の税収増もあるから、だから三十兆というものに対しての大幅という、御自身がおっしゃっている感覚はどのぐらいまでだったら大幅ですかと、こう聞いているわけです。
 一割なのか二割なのか、三なのか五なのか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大幅は小幅ではないわけでありますから、言わば大幅という言葉を、大幅という私は今表現で申し上げているわけであって、その中身が幾らぐらいになるかということは予算編成でお示しをしてまいります。
○山本孝史君 何億円単位までの話を聞いているわけじゃないわけですよ。だから、そこは姿勢の問題であって、ばらまきにならないようにやっぱりこれぐらいは下げたいということで、一一年あるいは一〇年度の真ん中ぐらいまでのプライマリーバランスのゼロというのはやっぱり物すごい厳しい状況ですよね、たとえ税収が上がってきたとしても。それをやっぱりみんなが、国民みんなが理解をするために、こういう状態ですよということの私は前のことをお話を申し上げているのだから、乗ってくれというわけじゃないけれども、是非この機会に、これぐらいには抑えていかなければいけないのだ、だから国民の皆さん御理解くださいというお話があって私はリーダーたる者じゃないかなと、こう思うということです。
 残念ながら、聞いても同じ答えだから、もう言いません、時間ですので。
 最後、指摘だけ申し上げておきたいと思います。(資料提示)
 人口ピラミッドをずっと見ておりまして、間もなく十二月末までには新しい人口推計が出るというふうに聞いております。確かに、高齢化が問題であることは確かで、私も団塊の世代ですけれども、団塊の世代がだんだんと六十五を超え七十五を超えとなってくるのは事実ですけれども、人口ピラミッドで一番の問題は、団塊の世代の団塊のジュニアはできたんだけれども、この団塊のジュニアのジュニアが生まれないということですね。ここに山がもう一つ本来ならできるはずなのに、ここができないんです。
 なぜできないのか。団塊の世代のこのジュニアの人たちは、大学を卒業したときが就職氷河期だったんですね。そして、その後フリーターになって、今非常に不安定な雇用状態に置かれている。したがって、なかなか結婚しようにも結婚しようがないわけです。
 国勢調査で聞いておりますと、男性の三十歳代前半の未婚率が四七%、後半が三〇%、女性の三十歳代前半の未婚率三二%、三十歳代後半の未婚率一八%なんですね。結婚していないと子供が生まれてこないということを考えると、出産適齢期のところがだんだん今もう過ぎていこうとしている。だから、なかなか少子化対策というのは難しくなってきているわけです。人口構造の変化見て、多分今度出てきますと、ここのところがもっと低く、ちっちゃくなっていきますよね、ずっと先、中位推計でいくと。そういう先を見通した上で社会保障制度を考えないとやはり無理。
 最大の問題は、やっぱり雇用の問題なんですよ。少子化対策というよりは、やっぱりこの団塊ジュニアのこの世代の人たちにしっかりとした仕事に就けるようにしなきゃいけない。ところが、今やろうとしていることは、派遣労働をもう固定化してしまう、あるいはパートタイマーを増やす、非正社員化を増やすというふうな労働政策、雇用政策になっている。これではやっぱり日本の国がもたないという意識を私は持っているんです。
 総理はそういう認識をお持ちでしょうか。これ、最後に質問したいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 意識調査によりますと、確かに非正規雇用者、意識調査というか、調査によりますと、非正規雇用者の若年者の未婚率は正規雇用者よりも低いというのが現実でございます。ということは、つまりこの非正規雇用者の方々をなるべく正規雇用者にしていくことによって、結婚していく率も上がっていく可能性は十分にあるだろうと思います。
 その中で、私が今進めております再チャレンジ推進の中において、非正規雇用者と雇用者の待遇の不均衡を是正していかなければならないと考えております。社会保険の適用等についても、これ対応を考えていきたい。そしてまた、フリーターと言われる、特に年長フリーターと言われる方々の雇用、正規雇用に向けて企業側にもお願いをしているわけでありますが、政府としても、まずは政府からということにおいて中途採用をこれは広げていくということを既に決めているわけであります。
 そういう形で、この非正規雇用の方々の待遇の改善、あるいはまた正規社員への道を広げていくことが大切ではないか、そのためにも中途採用の機会を増やしていくことが必要であろうと。制度また法律の改正等々も含めて検討をしてまいりたいと考えております。
○山本孝史君 時間になりましたので終わります。
 雇用法制の規制緩和を進めたことが結果としてこれからの社会を、日本の社会を非常に危うくしているということを御指摘申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(泉信也君) 関連質疑を許します。松井孝治君。
○松井孝治君 民主党・新緑風会の松井孝治でございます。山本議員に引き続いて御質問をさせていただきたいと思います。
   〔資料配付〕
○松井孝治君 今、ちょっと大部になりますが、本来はパワーポイントか何かで説明できればいいんですが、許されておりませんので、理事会の許可をいただきまして資料を配付させていただきました。
 私は決算委員会に所属をいたしまして五年目になります。議員生活六年のうちほとんど決算委員会に所属させていただいておりまして、中島前委員長あるいは鴻池前々委員長の下で、参議院の決算機能強化に尽力してまいりました。結果としてこういう形で年内に審議ができるということについては、私自身評価をしております。
 それで、早速ですが、まずは安倍総理に御見解を伺いたいと思います。パネルをお願いいたします。(資料提示)
 閣僚の皆さん方に資料をお配りをしておりますが、一ページ目をごらんをいただきたいと思います。格差社会というふうに言われて久しいわけでありますが、統計的なデータを取ってまいりました。
 まず、このパネルの一番上が、貯蓄なし世帯の推移でございます。昭和三十八年からの統計で、日本銀行の統計でございます。塩崎官房長官も御在籍された日本銀行の統計でございますが、昭和三十八年というと東京オリンピックの前年ですね、貯金が、郵便貯金も銀行預金もなしという世帯が二割を超えています。それから急速に高度成長期に入りまして、国民の預貯金ゼロという世帯の割合というのは急速に下がって、大体五%内外で推移しています。それが、平成元年ぐらいからバブルの崩壊とともに一〇%レベルというところまで参りました。さらに、小泉内閣が誕生した平成十三年ぐらいから一〇%台後半。そして今、二割を超える水準、ざっくり言えば四家族に一家族はもう預貯金がゼロという水準になっております。いろんな要因があると思います。
 そして、それを所得階層別で見たのがこの右側の棒グラフでございまして、さっき山本議員の質疑の中でも出ましたが、所得二百万円未満では、四年前の数字ですね、二五%、四家庭に一家庭、預貯金ゼロだと。ところが、最近の数字でいうと五五・六%、もう半分以上が所得二百万円未満では預貯金ゼロ。それから、二百万から三百万、年間所得ですね、その御家庭では四年前ぐらいまでは二割ぐらいだったのが今は四割が預貯金ゼロになっているという状態でございます。
 それから、真ん中のグラフを見ていただきたいんですが、OECD諸国の貧困率と。これは貧困率という訳がいいのかどうか、僕はよく分かりませんが、要は日本ですと一億幾らの、一億二千何百万の人口がいて、所得の高い人から低い人にずっと並べてみたときの真ん中の所得の人、その所得の半分に満たない所得の方が何%いるかということですから、むしろOECD諸国の格差率というふうに言った方が正確かもしれませんが、これ見てびっくりしたんですが、大体二〇〇〇年ぐらいのレベルですから小泉内閣の発足前のレベルですが、もう既に日本は二十五か国中ワーストファイブに入っておりますね。こういう状況なんです。これは別に、前に小泉さんは格差が必ずしも悪いことではないという答弁をされていますし、安倍総理もジニ係数を用いて非常にアカデミックな分析をされたことがあります。こういう所得の格差。
 それから、地域間でも大変な格差が今生じています。有効求人倍率でいいますと、高卒の新人で東京は五・何倍の職があります。要するに、新人一人に対して五・幾つの職場、口があるということですね、働き口が。ところが、青森県あるいは九州の多くの地域では、高卒の新人であっても〇・幾つ、〇・三とか四とか、それぐらいの水準しか雇用がないんですね。
 こういう数字を見て、総理、答弁書も御丁寧に、余り詳しくこういう事前にグラフを私はお見せしなかったんですが、率直な総理の感想を伺いたかったものですから。私の恐らくメールマガジンとかを読んでいただいて、どうやらいろいろ先読みをされて答弁書までお作りいただいたようでありますが、答弁書もいいですけれども、総理、率直にこの数字を見て、今この国、格差社会になっているんじゃないか。御自身の本音をお聞かせいただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま松井委員の御指摘をいただきまして、ただ、これはせっかくこちらも用意をしてきたわけでありますが、この数値にはいろいろなデータがあるわけでありまして、御指摘の調査によりますと、バブル崩壊後増え続けてきたわけでありますが、貯蓄を保有していないという層でありますが、二〇〇三年に二〇%台まで増加した後はおおむね横ばいであるということでありますが、一方、厚生労働省の国民生活基礎調査においては、貯蓄がないと回答した世帯の割合は、二〇〇四年に九・四%となっており、その後は上昇してはいないということでございます。また、OECDの調査でありますと、それはいわゆる絶対貧困値ではなくて真ん中からということでございます。また、若干日本側の統計の出し方とOECDのほかの国々とは少しデータが出し方が違うということでございまして、OECDと同じ方式で全国消費実態調査を用いて計算される相対的貧困率は九・五%となってOECD平均を下回る水準であると、こういう指摘もあるわけでありますが。
 いずれにいたしましても、格差を感じている人たちがいるとすると、そういう人たちに対して光を当てていくというのが、これは政治の使命であろうと、このように思うわけでありますし、地域における地域の間の不均衡についてでありますが、このように景気がだんだん回復をしていく局面にあっては、それにうまく乗っていける地域とそうでない地域が出て、より格差があるなと感じる人たちが出てくるかもしれない。のであれば、やはりそういう皆さんにも常にチャンスがあると、機会があるという、これは我々が、政治の側がそういう政策を実行していく必要があるのではないかと、このように考えております。
○松井孝治君 本当に率直な感想を聞きたかったんですね。大体こういう資料を出しますと、そうじゃないデータを引っ張ってきて官僚答弁を書くわけでありますが、そういうことは余りテレビをごらんの方々もお聞きになりたくなかったと思います。やっぱり率直にこれを見て、明らかに格差があるんですよ。日本銀行がつくっている数字なんですよね、塩崎官房長官。日本銀行が出している数字なんですよ。だから、いい加減な数字を適当に持ってきているわけではないんで、やっぱりこの事実というのは、いろんな理由があると思いますよ、低金利も影響しているかもしれません。だけれども、そこは受け止めていただきたいと思います。
 それで、このパネルの左下を見ていただくと、こういう状況の中で、生活保護を受けている世帯が、平成四年、約十年余り前に比べて非常に増えています。そして、その生活保護の実態、これ午前中の与党側の質疑の中でもありましたが、今回会計検査院は、生活保護の過払いがあるということで、数億円の過払いがあるんじゃないかという指摘をしています。それもサンプル調査ですから、本当はもっとあるんじゃないかというのが会計検査院の指摘でありました。私は確かにそういう実態もあると思います。
 同時に、これは伊吹大臣、毎日教育特でお疲れでございますが、これは京都新聞に載った記事なんですが、割と有名な案件でありまして、伏見というところで、母子家庭で親御さんが介護状態で、仕事を辞めて介護をしておられた。失業給付が打ち切られて、いよいよもう立ち行かない、家賃も払えないということになって、結局、その方は桂川のところまでお母さんを連れていって、車いすに乗せて連れていって心中を図られたけれども、御自身死に切れなくて、結局裁判になった。裁判官が、その判決の中で、裁かれているのは被告だけではない、生活保護制度が問われている。そして、その伏見の福祉事務所、一生懸命働いておられる方が大部分だと思いますけれども、三度この被告は訪ねたけれども、結局、頑張って働いてくださいとしか言われなかった。判決文の中で裁判長は、被告はその対応に死ねということかと受け取ったと、それが本件の一因とも言えるというふうに裁判長が述べておられる。こういうケースも現実に起こっている。
 要するに、片方では生活保護の問題で過払いの問題もある、きちっとチェックをするべきところがチェックが抜けていたというところもあるけれども、門前払いで殺さなくてもいいようなお母さんをみすみす殺してしまって、裁判長も非常に情状酌量の余地があると言っているようなものもあるわけです。
 私が何が言いたいかというと、このパネルで、見てください、生活保護の相談から開始に至るまでの割合、物すごくばらつきがあるんですよ。先ほど、午前中の答弁の中でも柳澤大臣も認めておられましたのでもう答弁は求めませんけれども、こういう非常に大きなばらつきがある。これは政令市の中でのばらつきです。都道府県レベルで各町のばらつきというのはもっとあるんです。
 生活保護というのは、これは地方の事務じゃないんですね、本来ね。法定受託事務といいまして、国がナショナルミニマムとして厚生労働省の責任できちんと手当てをしなければいけない。ところが、ケースワーカーと言われる現業員の方々の充足率が地域によってばらばらであって、それ以外の特殊的な要因もあるかもしれませんが、要するに、住む地域によってこれが認められる、認められないにこれだけばらつきがある、こういうことで総理、よろしいんでしょうか。
 やっぱりナショナルミニマム、最低限度の生活保護というものは、不正はいけませんけれども、しっかり認められるような体制をつくらなければいけないんじゃないかと思いますけれども、もう厚生労働大臣、結構です、総理、何か感想があれば一言。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この生活保護という制度については、これはもう言わばセーフティーネットにおいて最後の段階で頼るべきセーフティーネットであろうと、このように思います。当然、これは福祉事務所においてしっかりとした審査が行われるものと、このように我々は期待をしているわけでありますが、今後、常にこの生活保護の在り方については検討をしていかなければいけないと。
 先般、三位一体の改革を行った際にも、この生活保護をどうするかということが議論になったわけでありまして、国とまた地方がその場で協議を行っていたわけでありますが、地方に対しましても、この生活保護、またこの審査等々も含めた在り方について、地方自治体においてもよく検討してもらいたいということを申し上げているところであります。
○松井孝治君 地方自治体で検討していただきたいというのはそのとおりなんですよ。そのとおりなんですが、これ、生活保護の現業員の人件費は、総務大臣、ちょっとお時間がないのでもう聞けませんけれども、これは交付税手当てがなされているんです。ところが、いったん交付税手当てがなされたら、その人件費をどこに回すかというのは正に自治体の判断なんです。ですから、現実には、警察官も足りない、先生も足りない、あるいは児童相談所なんかは非常に人が足りない。そういうところの中で、必ずしもこのケースワーカー、現業員に人が足りていない。
 しかし、これは本来は国が保障しなければいけない一番コアになるナショナルミニマムであって、これは三位一体、生活保護の補助率を四分の三から三分の二に下げるということがありましたけれども、私は分権論者でありますが、分権論者の私から言わせても、やっぱり本当に国が引き受けなければいけないところはしっかり国の責任で引き受けなければいけないんじゃないか。私は教育もその部分があると思いますが、そういうふうに思うということだけ意見として申し上げておきたいと思います。
 それでは、二つ目の項目に入らせていただきたいと思います。
 ごめんなさい、三ページ目を出していただけますか。(資料提示)
 昨日、私、新聞を読んでおりましたら、これは朝日新聞でありましたが、一面と二面に記事がありまして、縮小の裏、官脈々という、こういう記事がありました。たまたま私が今日使おうと思っていた資料と同じ資料を取り上げておられましたので持ってまいりましたが。小さな政府を目指しているけれども、官は脈々と生き残っているというような趣旨の記事が昨日のたまたま朝日新聞に載っていました。
 私の質問は、基本的にこれが言いたいわけであります。
 それで、人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較、この朝日新聞にも出ていました。役所の方に答弁を求めると、こういうことで日本は小さな政府なんですよという根拠にする数字ですね。こういう数字なんです。アメリカに比べて日本は非常に少ないという数字が、閣僚の方々にお配りをしているのはもうその種明かしまで付けた資料をお配りしてあります。非常に、三十三・六人が日本、フランスは八十九・七人、三分の一近く小さいですよという話なんですが、ちょっと二ページ目のパネルをお願いします、二ページ目のパネル。実はこれ、ちょっとからくりがありまして、私もいろいろ調べてみて、何かいいデータがないかなと調べてみたらこれに突き当たりました。
 この官の構造というのがなかなか分からないですね。私も役所出身でしたけどよく分からなかったですが、いろいろ調べてみると、一番狭い意味での官というのは公務員ですね。これは国家公務員と地方公務員、九十五万と三百四万。これで郵政公社の人が公務員から抜けるからこの外側に行くわけでありますが、来年十月以降。
 ところが、どうもおかしい、実感に合わない。日本が本当にそんな小さな政府かというような実感に合わないということでいろいろ調べてみました。そうすると、その周りにいろんなものがあるんですね。特殊法人とか国立大学法人とか認可法人、政府企業、非特定独立行政法人云々といろいろある。
 結論だけ申し上げますと、一番右下に官公庁の合計で八百七十四万人という数字がある。これはどういう数字か調べてみました。これは国税庁の数字なんです。国税庁が、まあお役所ですから、お役所というかお役所に準じた組織ですから、基本的に源泉徴収ですね、源泉徴収のときにいろんな法人に、事業所に届けを出してもらうときの数字なんです。だからこれは余りうそ偽りがあるとは思えない数字なんですが、この官公庁、定義は、政府機関、地方公共団体及びこれら関係機関、括弧して、所得税法別表第一の第一号に掲げる法人等のうち、公社、公団、公庫、事業団、国際協力銀行、日本政策投資銀行、国立大学法人、それから、これが大事なんですが、国、地方公共団体が全額出資しているもの及び特定独立行政法人をいうということなんです。これで計算をしてみますと、これははっきり数字が出ております、国税庁の資料が。八百七十四万人という数字になるわけであります。
 そうすると、これ、最初の二ページ目の表にもう一回戻ってください。二ページ目の表を見ると、失礼、三ページ目の表を見ると、この一番左の赤いところというのは中央政府の職員ですから、これは統計がはっきりしています。それから、次の水色の部分、青の部分は地方政府の職員ですから、これも公務員の定数ということははっきりしています。一番右は軍人・国防職員ですから、自衛隊員ということではっきりしています。ここの部分以外の部分でどうもあいまいな部分がある。それが、この緑の部分、五・〇人と書いてあるところが、これが本当にイギリスとかフランスに比べて日本は少ないのかなという私の疑問でありました。
 今のところ、国税庁の資料の説明すると、要するに全額出資法人というのが山ほどあるんですね。それがこのさっきの左側、右側にも入っていなかった部分なんです。それを人口で計算しますと、藤末議員、済みません、はがしてみてください。ということで、非常にここが、圧倒的に緑の部分が、緑の部分が多いのはイギリスが多いんですが、これはエージェンシー制度を採用したとかいうことが影響しているんだと思うんですが、ここが圧倒的に多いということが分かるんです。
 要するに、日本というのは正規の公務員あるいは表に出ている特殊法人、独立行政法人、場合によっては公益法人まで含めて、ただ公益法人は私は民だと思っていますけれども、そこが多いというのは分かったんですけど、どうも国税庁の資料、本当に課税ベースで見てみると、ここの部分が隠れている部分が相当多いということが分かるわけであります。
 それで、私が申し上げたいのは、ずっとこの間、決算委員会でもあるいは行革特でも私が申し上げてきたことでございますが、要するに天下り問題、後で中馬プランの評価も佐田大臣に特に御見解を承りたいと思っておりますけれども、それを聞く前に、まず四ページ、五ページを、資料、パネルの四を見せてください。(資料掲示)これはもう前に私が行政改革特別委員会でも申し上げた話でありますが、各省庁の調達と外郭団体の関係、そして最終的な民間企業の関係で、要するに防衛施設庁もそうですし、国土交通省もそうです。たまたまこの二つの役所だけ出しましたが、この二つの役所だけじゃない構造です。
 要するに、役所が発注をする、随意契約の発注をする。そのときのいろんな監督補助とか積算補助、施工監理みたいなところを財団法人や社団法人にお仕事を投げる、これは公共的なお仕事だということで財団に投げる。そこが関与したものがほとんど、予算のうちほとんどで、非常に高率の落札、あるいはこの発注自体も随意契約ですと無競争ということになりますから、天下りと随意契約というのが密接に絡んだ表であります。
 五ページもごらんください。
 同じことでありますが、今申し上げたような各種団体というのは、非常に国が丸抱えをして、随意契約で、しかも天下りをしているということを申し上げたものでございます。
 パネルの六をお願いします。(資料提示)
 要は、人が渡り鳥のように、迂回天下りということで、これは後で私どもの法案も説明させていただきますが、いろんな外郭団体に行って、そこ経由で関連企業に行くという、二年間の、今、人事院が監督をしている天下り規制というものを逃れるような天下りが行われている、それと随意契約だったり官製談合がセットになっている、このことを申し上げたいと思うわけであります。そういう状況で、要するに我が国の天下りとか官の問題というのは、いわゆる狭い意味での公務員身分を持っている方々だけの問題ではないんだということが、私が申し上げたいことのポイントであります。
 そこでちょっと、事務方で結構ですが、御答弁を求めたいんですが、政府参考人で結構です。
 国から、天下り規制で、特殊法人、独立行政法人に対する天下り規制はどのようなものがありますか、簡潔に御答弁ください。政府参考人。
○政府参考人(原勝則君) お答えを申し上げます。
 政府におきましては、平成十六年より特殊法人及び独立行政法人の長及び常勤役員につきまして、官民の出身者をいずれかに偏ることなくバランスよく適材適所で登用する等の趣旨から、公務員OBを二分の一以下にすること、いわゆる二分の一ルールと申しておりますけれども、これを目標として、各府省を通じて法人を指導しているところでございます。
○松井孝治君 分かりました。
 理事長なりのポスト、あるいは常勤理事のポストのうち公務員出身者を半分以下にするという目標を立てておられる。それで、それは半分以下に一応なっていると思います。徐々に減っていると思います。
 もう一つ、さっきの二枚目のパネルでいうと公益法人ですね。これはここのところずっと指摘をしてきた問題ですが、実は、公益法人というのは職員五十七万人いるんです。しかも、さっきの国税庁の八百七十四万人にはほとんどこの五十七万人はカウントされていないものなんです。この公益法人経由で民間企業に天下りをされていたり、この公益法人の職員の方々がいろんな積算補助等で官製談合、防衛施設技術協会なんかが典型ですが、官製談合の温床になっているんじゃないかという指摘があるのも公益法人です。
 この公益法人に対する天下り規制、これも政府参考人で結構ですが、今どういう規制をお持ちですか。
○政府参考人(綱木雅敏君) お答えを申し上げます。
 公益法人の機関につきまして、公益法人に対する指導監督という基準から、それに対して所管する官庁の出身者が理事の数の三分の一以下に抑えるという規制を設けております。
○松井孝治君 これは総務大臣に伺った方がいいですね。
 何で特殊法人、独立行政法人は理事長又は常勤理事のうちの半分を天下り規制、半分以下にしなければいけない、今の話だと常勤理事じゃないんですね、理事全体の中の三分の一、どうしてこの基準が違うんですか。総務大臣、もし分かったらお答えください。分からなかったら分からないと言っていただけば結構です。
○国務大臣(菅義偉君) 意思決定権に参加する人数が同じだからです。
○松井孝治君 よく分からない、その経緯、決定には参加していないから分からないという意味ですかね。いや、そうだと思います。別に菅総務大臣がお決めになられたわけじゃないですから。
 それで、資料のそれでは八をごらんください。
 上の方が国家公務員の天下り。さっき申し上げましたように、官の世界というのは、官から民への天下りというのはごく一部なんですね。再就職のうちの営利法人への天下りというのは一三・三%、そして圧倒的に多いのは公益法人。それから、これは今年の二月でしたかね、衆議院の予備的調査で明らかになったものですが、何と二万二千二百四十九人の天下りがいるという中で、圧倒的に多いのは公益法人、それからその他の法人。ここが圧倒的な天下りの温床で、毎年六兆何千億がここに流れているわけです。ここに私はきちんと網をかぶせなければ天下り問題というのは全く解決しない。過去に人事院勧告の中にもそういう指摘がありました。最近ちょっと人事院弱くなっておられるのか、そういう指摘が、中島総裁時代にはありましたけれども、今少なくなっています。
 下を見てください。理事に占める天下り。さっき三分の一要件というのが紹介をされました。三分の一以下にするような閣議決定要件をしていますと。これは今年の四月に、私、小泉総理に御質問をいたしまして、その三分の一要件というのが非常に公務員の範囲を厳しく見ている、逆に言うと、官庁出身者を厳しく見過ぎていて、現実には三分の一をはるかに超えていると。さっき申し上げた防衛施設技術協会なんか圧倒的に三分の一を超えています。だけれども、それは厳しくすると。いずれにしても、公益法人の理事に占める天下りの割合は三分の一以下にしますと、二年以内にしますという基準が出ましたから、それはいいでしょう。
 いいですけれども、例えばこれ総務省がまとめられた資料で、十億円以上の補助金を受けた国所管の公益法人、理事に占める比率というのは実は一五・二%なんです。三分の一をはるかに下回っているんです。それから、委託費も同じで、一一・六%なんです。よく見てみますと、常勤理事に占める天下り、常勤理事に占める天下り、両方見てください。大体五割を占めているんですよ。簡単なことなんです。理事の数を増やせばいいんです、役人以外の出身の人たちの。何十人という理事の団体っていうのは一杯ありますから、非常勤理事を増やせばいい。そういう形で三分の一要件というのは簡単にクリアしてしまいます。だから、ここを何とかしなければいけない。
 現に、先ほど伺いました特殊法人、独立行政法人は常勤理事に占める比率を二分の一以下にするという基準を決めていますよね。何で公益法人についてもそういう規制をつくらないんですか。これはどなたに伺えばいいでしょうか。
 官房長官、特殊法人、独立行政法人の天下り基準を決めておられるのは内閣官房です。公益法人については総務省が決めておられます。だけれども、総務大臣にそこまでお聞きするのは酷かもしれません。官房長官、これ、やっぱりこの実態を見ますと、この天下り規制、あるいはいろんな随意契約等、官製談合の問題きちっとするためには、独立行政法人や特殊法人並みの天下り規制に公益法人も合わせるべきじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 通告を受けていないで、今急に聞いた話でございますが、独立行政法人それから特殊法人の場合と公益法人の場合というのは、やっぱり官との距離というのが若干違うんだろうと思うんですね。公益法人の中でも官とほとんど関係ないところもあるということで、またそれは地方にもたくさんございます。これは地方も入っているんですかね。
○松井孝治君 はい、入っています。
○国務大臣(塩崎恭久君) したがって、独立行政法人と特殊法人と全く同じルールを持てというのは少しどうかなというふうに思います。その他の問題が起きること自体は、それはまた別問題であろうと思います。
○松井孝治君 官房長官の答弁とも思えないですね。
 なぜかというと、おっしゃるとおりなんですよ、特殊法人とか独立行政法人の方が国に近いんですよ。民間に近いところほど厳しく遮断しているというのが今の考え方なんですよ。民間に近いところというのは、要するに、民間企業には役人の天下りは二年間原則禁止なんですよ、所管官庁から。そうでしょう。独立行政法人や特殊法人、禁止措置はないでしょう。ないんですよ。
 だから、むしろ独立行政法人よりも公益法人の方が民間に近いんだから、しかも所管官庁からたくさんお金も流れているんだから、独立行政法人、特殊法人並みの厳しい厳格な規制を民間に近いようなものは持つべきではないかということを私は言っているんですけれども、もう一回、趣旨分かっていただけましたでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 確かに公益法人の場合は、距離がまず官との間が遠いということであって、物によっては確かに、何というか、本当に民なのかというようなものもたくさんあるということで、それは私も自民党の行革推進本部で、もうこんなに地方のも含めて全部見ていったことがあります。したがって、そういうものに関しては、いささか官とのつながりが強過ぎておかしなものがあるなというような気持ちは私自身持っておりましたが、なお、今のルールが有効なのかどうかということについては、それは絶えず見直ししなければいけないと思っておりますが、取りあえず今の距離感で今ルールができておりますが、今の御指摘のようなことがあるかどうかも含めて、よく見ないといけないというふうに思います。
○松井孝治君 安倍総理に伺いたいと思うんですけど、ちょっとパネルの九番目、十番目、出してください。(資料提示)
 これは、今回会計検査院が指摘したWAVEという団体、これも財団法人ですね、随意契約で多額のお金が流れています。これを見てください。常勤理事、理事二十五名中役所のOBは、理事でいうと六名なんですね。だから三分の一要件軽々クリアですよ。そうですよね。ところが、常勤理事のうち全員がOBなんですね。いや、こういうのばっかりだから、別に改めてここの批判してもしようがないかもしれません。
 このJITCOというところは、これは新聞紙上いろいろ出ている六省所管のものであります。ここは、二十九名の理事のうち常勤理事七名、そのうち六名が天下り。しかも、ここは御丁寧にその保険の代理店を、国際研修サービスという、ここがその外国人研修の受入れプログラムを始めた平成三年に、同じときに会社をつくって、そこは天下りでここは保険代理店にしているという構造なんですが、ここも全く同じ構造で、常勤理事のうち圧倒的多数を天下りが占めている。
 だからやっぱり、これ別にここだけを責めているわけじゃないんですよ。この構造というのを、幾ら三分の一要件を、私が申し上げたように、すり抜けだといって総理が認められて、翌日の経済財政諮問会議で改正しろというふうに指示を出されて、三分の一の要件は厳格化されました。でも、厳格化しても、それは理事のうちの三分の一であって、非常勤の理事を増やしたらすぐクリアできちゃうんですね。
 だから、本当の意味で、この常勤理事というところに規制をしなければならない、私はそう思っています。後でまとめて総理に御見解を伺いたいと思います。
 それで、その上で、今日、本当は一番伺いたかったのは中馬プランですね。前の行革担当大臣が九月の半ばに、もう小泉政権の一番最後のころにまとめられた、今までの天下りの規制というのを、二年間の営利企業への就職制限というものを、これを撤廃しよう、その代わり行為規制というものを掛けて、あっせん行為等あるいは自分で会社の人に私の天下りポストを用意してくれというふうにお願いするという行為を規制しようと、こういう行為規制で、その事前の二年間の天下り規制を撤廃しようというのが中馬プランの天下り規制の眼目だと思うんです。
 それで、私は過去の人事院総裁の答弁を見ましたら、こういう行為規制は日本の実態からいうと合わないと。こんな行為規制というのは実際そぐわない、日本の実態からいうとという、そういう答弁を中島総裁時代にございました。
 人事院総裁にお伺いしたいわけでありますが、人事院総裁として、この行為規制というのは本当に実効性があると思われますか。過去の中島総裁の答弁を覆すような答弁をされるかどうか、その点だけ簡潔にお答えください。
○政府特別補佐人(谷公士君) 中島元総裁は、そぐわないとまで断言していることはないと私は承知しておりますが、同様に、考えることはできないという趣旨の答弁は確かにしていると思います。
 そこで、私としての現在の考えでございますけれども、事後の行為規制が有効かどうかということにつきましては、企業への働き掛けでございますとか企業から公務員への働き掛けを具体的にどのように規制するかの仕組みの設計の仕方にもかかわってくるのではないかと思います。御指摘ありましたようなそういう違いも十分踏まえて、どう設計していくかということだと思います。
 それで、そのためには、この問題の解決のためには公務員全体として取り組んでいく必要がございますし、また実効性ある仕組みを設計していきますためには、様々な観点から幅広く慎重に議論をしていく必要があるというふうに考えております。
○松井孝治君 もうしようがないから、時間食いますけど、中島総裁の答弁を読み上げましょう。
 実はこの行為規制というのはアメリカで現在採用される制度でありますが、アメリカと日本では実は基本的に違うことがございます。日本の場合には、官庁が勧奨退職をする、そして官庁が勧奨退職に応じた職員を責任持って企業にあっせんする、就職あっせんするということを行っておる。したがって、官庁と受入れ企業との関係ということがそこで成立しておりまして、再就職した本人は特段働き掛けなくても官庁の方が面倒を見るというのが日本の再就職構造の特色だということがよく言われております。当たっていると思います。
 要するに、日本の特徴を人事院総裁がはっきりおっしゃって、別に働き掛けなんかやらなくても受け入れてくれたらそこで配慮するのが日本の官民の関係だと、天下りの受入れ企業と派遣元の官庁との関係だというふうにはっきり、平成十四年七月一日、又市議員の御質問に対する中島総裁の答えなんです。
 これから見て、佐田大臣、ちょっと御答弁いただきたいと思いますが、記者会見等で佐田大臣、この中馬プランの見直し、見直しといいますか、この天下り規制のところについては異論もお持ちだと思いますが、佐田大臣は、今の私が御説明したこと、むしろ逆に言うと、今この天下りが迂回天下りも含めて非常に巧妙に行われている、そういう実態も踏まえていただきまして、この事前の二年規制というものを撤廃して、こういう日本の官民関係の中では、アメリカとは全然違う官民関係で個別のあっせんなんかしなくてもいいと、そこはあうんの呼吸で企業、官庁が配慮し合うというところからいくと実効性がないんじゃないかという中島総裁の見解も踏まえて、中馬プランの見直しについてどうお考えになりますか。
○国務大臣(佐田玄一郎君) お答えさせていただきます。
 その前に、先ほど委員が言われました三分の一の規制を含めまして、これから全体的に、これしっかり天下りということに対してはガラス張りでしっかりと国民に見えるようにしていかなくちゃいけないと思っています。
 お答えする前に、先ほどのお話にもありましたように、三分の一規制の中でも、松井委員に言われまして、閣議決定をいたしまして、運用において十年以内、課長以上というのを全部それを直しまして全職員にわたってやるということで今進めておりますので、あと二年でこれを完了していきたいと、まずそれを申し上げたいと思います。
 また、今申し上げましたように、もちろん役所の方々も職業選択の自由がありますからそれはそれとして、やはり権限であるとか予算を背景としてこれを、いわゆる天下りをするということは、これは厳に慎んでいかなくちゃいけないと、こういうふうに思っております。
 その上におきまして、中馬前行政改革担当大臣は、再就職の在り方について公務の公正性に対する国民の信頼に疑念を生じる行為を厳しく禁止して、その違反を厳格に取り締まるとの観点から行為規制の導入と監視体制の確立を提案されており、この提案を踏まえ、公務員の再就職管理の適正化に向けて検討を進めているというふうな形でありまして、天下りの問題をなくすためには新たな規制の実効性を確認すべきであり、現行の規制を暫定的に、中馬プランにおいては二年の要するに規制を外したらどうだという話もありますけれども、現行の規制を暫定的に併存すべきであるという考え方もありまして、その実効性を評価機関で検証していきたいと、こういうふうに思っております。
○松井孝治君 要するに行為規制も取り入れるけれども、その行為規制だけで担保できるかどうか分からないから、今の二年間の再就職規制も、これも残すという意味ですね。
 それから、暫定的にということの意味を教えてください。二年間だけ残すのか、あるいは原則その効果が見えるまでは残すのか、そこも含めて御答弁いただけますか。
○国務大臣(佐田玄一郎君) 今、政府の行革本部で公務員改革、総合的に議論をさせていただいております。その中で中馬プランを踏まえた考え方もありますし、また、要するにもっと今の規制はしっかりと担保しなくちゃいかぬと、こういう意見もあります。少なくともこのたびの行為規制を、要するに事後の行為規制を厳しくした場合にそれが実効性なければ意味がないわけでありますから、そういうことをチェックする機関も考えて、それが実行されなければこれは暫定的が伸びる可能性もあり得ると、こういうふうに考えていただきたいと思います。
○松井孝治君 それなら別に暫定にしなくて、行為規制を取りあえず導入して、その結果を見てまた判断すればいいということじゃないですか。
 私は佐田大臣のいろんな記者会見録とか拝見して、むしろ今の再就職制限の期間を長くするという考え方もあるというようなこともおっしゃっていると。それを記録も拝見をしたわけですが、大臣、せっかくですから、テレビで国民の皆さん注目していますから、御自身の見解で、むしろこれ規制期間長くすべきじゃないかと、行為規制導入するのはいいけれども、そこまで含めてお考えなんじゃないんですか、正直な御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(佐田玄一郎君) いや、私は正直に答えているつもりでありまして、私の私見で、記者会見でそういう意見もあるということは述べさしていただきました。ただ、先生、御理解いただきたいのは、やはりこれから将来に向けて、官から民、民から官に対するいろんなやっぱり交流もこれ必要でありますし、また優秀な人材の方々にどんどん伸びていただきたい、また行政の方も民間に行って民間の効率性を学んでいただいて、そしてより良き行政を行っていただきたいと、そういう観点もありますので、それも踏まえて総合的に議論をしていきたいと。
 私が申し上げたのは、私も私見を含めて申し上げましたけれども、しっかりと、そんなに時間を掛けずに方向性は出していきたいと思っております。
○松井孝治君 官民の交流を進めたいというのは、私全く同意見なんですよ。ただ、問題は、組織的にその組織の背景であっせんをする、そういう天下りをやめたらどうだと。
 官庁の中に、石原信雄元官房副長官が提言されて、官民のデータベースみたいな、マッチングをしようというデータベースも作りました。だけれども、それで利用したのは、十年ぐらいもうなりますけれども、十年まではならないかな、七、八年になりますけれども、まだ一件しか使われていない。ほとんどが役所のあっせんなんですよ。そうじゃなくて、役所のあっせんで、さっき人事院総裁が、元の人事院総裁がおっしゃったような、あうんの呼吸で仕事を出すとかもらうとかそういうことではなくて、本当の意味での官民交流というのは僕は透明に大いにやるべきだと思いますよ。それと今申し上げている天下り規制とは私は全く違うと思うんです。
 総理、この辺りで御感想をいただきたいと思いますが、今まで中馬さんのプランを踏まえて検討するとおっしゃいましたけれども、今、佐田大臣もあそこまでおっしゃっています。やっぱりこの天下り規制の在り方、中馬プランを離れて、本当にやっぱりちょっと厳格にするところは厳格にしなきゃいかぬじゃないかと思うんですが、御自身のお考えをそろそろこの辺りで教えていただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までもこの委員会等で申し上げておりますように、先ほど佐田大臣も申し上げたわけでありますが、官民問わず優秀な人材に政策決定に参加をしていただくということは極めて必要なことであって、迅速な的確な、また国際社会を見据えた判断をするためには官民を問わず優秀な人材が集まってくることが必要であって、一度官を辞めた人がまた民に行って経験を積んで帰ってくるということも必要でしょうし、民間で優秀な人たちにまた官に入ってきていただいて、経験を積んで官に帰っていく、そういう意味においての流動性は確保はしなければいけないという中において中馬プランも作成されたわけでありますから。
 他方、松井委員が指摘された問題もあるわけでございます。言わば、あっせんと仕事がワンセットにならないようにしなければいけないと。という中において、厳しい行為規制において、果たしてこれは、我々としても何とかそういう言わば仕事をあっせんするということが行われないようにしなければならないと考えているわけでありますが、果たしてどうなるかどうかという今御指摘もあったわけであります。そうしたことも総合的に勘案をしながら、この中馬プランを基に早急に結論を得たいと思っております。(発言する者あり)
○松井孝治君 後ろからやじも飛んでいましたけれども、そこら辺はね、やっぱり総理、もうちょっと歯切れいい答弁をいただきたいと思います。前総理はそこはもう少し歯切れいい答弁されました。
 それで、天下りの背景には早期勧奨退職というのがあるんですね。この早期勧奨退職も今是正に取り組んでおられますが、これも小泉さんに私申し上げたんですが、表の七番かな、七ページ、これを見ていただくと、キャリアだけじゃないんです、早期勧奨退職の対象というのは。この数字見ていただければ、キャリアの退職のこの三百五十九という数字があります。キャリアというかある一定のランクまでしか行かない人の数字、九級以下、千八百六十六、むしろノンキャリアの方々の早期勧奨退職の方が圧倒的に数が多いんです。ところが、今政府が取り組んでおられるのはキャリアの方々の早期勧奨退職の是正だけなんです。これは私、小泉総理に伺いましたら、九級とか十級とかそういうテクニカルなことは分からないけれども、見直していかなければいけないという趣旨の答弁を今年いただきました。これについては、見直しをされて、むしろキャリアの、一握りのキャリアだけではなくて、やっぱり定年まで働きたいと思っている人が多いんですよ。それを無理くり肩たたいて外部にあっせんしているというのが日本の天下りのあっせんなんですよ。だから、天下りしている人たちも決してみんなが天下りポストが欲しくてやっておられるわけじゃない。
 複線型人事にして、ある程度定年まで働きたい方は働かせる、そういうことが可能なような取組、キャリアだけじゃなくてノンキャリアの方々も含めてきちんと複線型の人事をしく、早期勧奨退職というのを是正する、これは総理、お取り組みいただけますか。総理、お願いします。時間がないんでお願いします。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども私申し上げたのは、言わば早期勧奨退職をさせて、そしてそれと同時に仕事との取引、そういう慣行は絶たなければいけないと、これはもうはっきりしているわけであって、我々のこの検討の目的もそういうことはしないということであります。
 そして、それと同時に、今それの基になっているキャリア、ノンキャリアを含めてのそうした早期の勧奨の退職については、これは当然今までの在り方を見直していくということで検討をしていくことになるんだろうと思います。
○松井孝治君 今日初めて前向きの答弁をいただきました。是非、キャリアだけではなくて、むしろノンキャリア、一般職の人たち、本当に定年までちゃんと働かせてあげられるような、そういう環境をつくっていただきたいと思います。それも目標を定めてお願いしたいと思います。
 あと、本当は幾つか伺いたい天下り関係の話がありました。ちょっと簡単に御紹介して、最後に総理の御感想をいただきたいと思います。
 これは読売新聞の記事からいただきました。(資料提示)全国市民オンブズマン連絡会調べでありますが、外郭団体に天下りをした地方公務員OB数というのがこれだけあります。この外郭団体数千七百八十五、常勤役員二千三百九十五、うちOB数千二百二十。そして、随意契約率見てください。一〇〇%とか九十何%がずらりと並んでいます。
 麻生大臣は元総務大臣ですから御承知だと思うんですが、地方公務員法には天下り規制がないんですね。今の国家公務員法に準じたような天下り規制はないんです。それは、いろんな歴史的背景があってないわけでありますが、しかし、考えてみましたら、この福島の談合問題なんかも地方公務員の天下りの関与がいろいろささやかれています。
 この地方公務員の天下り規制というのは、これはなくていいのかどうか。これについては菅大臣にお伺いしたかったんですが、ちょっと時間がないので、最後に総理にまとめて伺いたいと思います。
 もう一つ、十三ページをごらんください。省庁のいろんな随意契約、これを調べてみました。財務省、内閣官房が骨を折っていただいて随分調べられました。随意契約が非常に多いですね。全体の、非常に少額の契約まで含めていっても随意契約がやっぱり過半数です。しかも、この中で、ちょっと見にくいかもしれませんが、やっぱり所管している団体との随意契約が非常に多いんですね。
 これをこれからしばらく掛けて見直していって、競争入札、あるいは企画競争などはせめてするぐらいのものにしていこうということは是正努力はされています。私から言わせれば、ここは年限が、目標年限が決まってないとかいろんな問題はありますけれども、一応中央省庁はやっています。
 じゃ、独立行政法人とか特殊法人の外部に対する随意契約、あるいは地方自治体の外部に対する随意契約、一般競争入札、この改革が進んでいるかどうか、これ佐田大臣御存じですか。地方自治体や独立行政法人が国と同じようにこういうものを把握しているかどうか。あるいは、総務大臣にお伺いした方がいいですね、地方自治体の問題、それから特殊法人、独立行政法人は総務大臣が総括所管しておられますから。ここについて、国と同じように随意契約が何割あって一般競争入札が何割あるのか、そういうことは調べられましたか。総務大臣、通告してあります。
○国務大臣(菅義偉君) 全体について把握はいたしておりません。
 特殊法人の随意契約については、それぞれの法人の業務に関し監督権を有する主務大臣において適切に対応すべきものであり、総務省としては、全体を主務大臣を通じてその徹底を図っている、そういうところであります。
○松井孝治君 平成十六年度の警告決議の中に、政府は、独立行政法人の運営の大部分が国からの運営費交付金等により行われている実態にかんがみ、原則一般競争入札の徹底及び随意契約受注企業への天下り抑制等々指導すべきだ、こういう警告決議が付いていますが、この警告決議に対して誠実に対応するという答弁をされたんじゃないんですか。総務大臣、これ警告決議が付いて、今実態を把握してないというのはおかしいんじゃないですか。
 委員長、答弁時間が掛かるんだったら時計止めてください。
○国務大臣(菅義偉君) 失礼しました。
 独法の随意契約につきましては、これは国会の議論も踏まえ、総務省としては各法人に対しての随意契約の基準を具体的に規定し、ホームページで公表すると。一定以上の随意契約については随意契約によることとした理由なども明らかにする、そういうことをそれぞれの主務大臣に徹底を図っておりまして、その状況については、例えば具体的なものについては百四法人中百三法人について公表しておりますし、随意契約とした理由などを明らかにする基準として百四法人中七十九法人、これは独法については行っております。
○松井孝治君 そうではなくて、国でこういうふうにやっているように、どれぐらいが随意契約の割合かと。私、随意契約やらざるを得ないものはあると思いますよ。だけど、一般競争入札が原則なんですから、どれぐらいの割合が一般競争入札でどれぐらいが随意契約かということが分からないんですかと、実態分からないんですかと。その基準を出したと、こういうふうに明らかにしなさいと出したというだけじゃなくて、トータルとして透明化する努力はしてないんですかということをお伺いしているんですが、まあどうもまだしておられなさそうです、事前に聞いた限りにおいては。ですから、ここはやはり、総理、透明化していかなければいけないと思うんです。
 それから、地方の本当に天下りというのも、先ほど全国市民オンブズマン連絡会議が調べられた数字で、私は政府の公式の統計でこういうものを取っておられるとは聞いていません。これも、きちっとまず、本当にこういうことがあるのかどうか、私は政府で責任持って調べていただく必要があるんじゃないか。一遍に地方公務員法を改正をしろというところまでは言いませんけれども、やっぱり天下り問題というのはむしろ中央だけじゃないんじゃないかという指摘を私こうやってテレビで天下り問題を追及しているといろんな方から受けるんです。ですから、そこの実態もやはり調べていただきたいと思います。
 本当は今日はコンピューター調達の問題も議論しようと思ったんですが、途中で時間を食われてしまいました。一つ伺いたいんですが、政府全体でコンピューター、IT調達というのが約大体六千億円ぐらい年間予算要求しているんですね。それで、過去に、二年前の決算委員会で、その決算額が出てなかったので、決算委員会で警告決議を、議決を本会議でいたしました。要するに、そういう決算の状況も政府が把握していないというのは全く問題だという警告決議を二年前に付けました。
 それで、これは高市大臣に、もう時間がありませんので、お伺いしたいんですが、この平成十七年度決算であります。私が知る限り、平成十七年度のIT関係の予算要求というのは、もう答弁をしていただくと時間がありませんから私が申し上げましょう。平成十七年度の国の行政機関の情報システム関係予算というのは五千七百七十二億円なんです。で、今回の決算、決算額を教えてください。もし、高市大臣分からなければ、政府参考人で結構です。決算額を教えてください。
○政府参考人(安藤友裕君) お答えいたします。
 政府におきましては、電子政府推進計画等に基づきまして……
○松井孝治君 いや、そんなこといい。決算額だけ。
○政府参考人(安藤友裕君) その点につきましては、調達に関する状況をフォローアップしていくことは非常に重要でございますので、こうした観点から平成十七年度の決算に関する調査につきましても、関係省庁と連携いたしまして、できるだけ速やかに今後実施してまいりたいと考えておるところであります。
○松井孝治君 これは、二年前の決算委員会で、私、同じように質問をしまして、答えられない、要するに調査をしていますと。これ平成十七年度決算審査なんですよ。それで、同じ質問をして、警告決議を受けて、これ、総理ね、会計検査院が指摘し、我々が委員会で議論をし、警告決議を付けて、そしてきちんと対処するという答弁を内閣としてされて、また平成十七年度でこれ決算が出てこない。私、ここで決算が出ないんなら、質問続けられませんよ。
○国務大臣(高市早苗君) この決算の調査でございますけれども、来年一月から開始をする予定で今調整中です。
 なぜ、それでは十七年度の決算、やっていなかったかということについて一応御説明申し上げますが、平成十五年度の警告決議を受けまして、十六年度の決算審議で報告をいたしました。ただ、その中で特段、まず御指示がなかったということも事情としてはあったようでございますが、ただ、平成、(発言する者あり)ちょっと待ってください、平成十九年度のですね、ちょっと待ってください。平成十九年度の予算に対してこれを反映させていくということで、別途六月七日に、総務省の方からでございますけれども、今度の平成十九年度の情報システム関係予算概算要求の留意点について、関係予算の執行状況及びその検証結果を踏まえたものであることという旨を記載いたしておりますので、きちっと反映させていく予定であるということ、それから、最適化計画の策定というのが十七年度になっている分野が比較的多うございましたので、十八年度からこの改革が本格的に開始されると考えたこと、以上はですね、済みません、私自身が入閣する前にどういう事情で今まで置いてあったかということを私は聴取いたしましたが、ただ、内閣委員会でも松井先生の御指摘受けております。
 ちょっと私自身の判断に時間も掛かりましたが、来年一月から実施をいたしますので、よろしくお願いいたします。御理解ください。
○松井孝治君 私、理解できません。
 平成十七年度決算で、前にも指摘をして、私はずっと質問主意書も出し続けて、この話もずっとしているにもかかわらず、何千億円の政府のIT調達予算の決算額が、予算要求のときに約六千億円まとめているんですよ、その決算額が決算として確定できないのに、こんな決算質疑できませんよ。ちょっと是非協議をしてください。
○委員長(泉信也君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(泉信也君) 速記を起こしてください。
 ただいま松井君からの質問は参議院の決算委員会として決議をさせていただいたことでございますので、政府では可及的速やかに答弁を取りまとめていただくようにお願いを申し上げます。
○国務大臣(尾身幸次君) 予算の執行につきましては執行官庁の責任において行われることになっておりますが、御指摘のとおり、IT関係の予算と個別の事業の予算につきましては、各執行官庁が執行実績を把握することは適切な予算執行に関する評価やあるいは予算要求を行っていく上に必要なことだと考えております。今後とも、IT関係予算と個別の予算の執行実績について把握するための方法について、関係省庁とよく連携して検討してまいりたいと思っております。
 なお、予算と決算の対比ができない状況の改善の、(発言する者あり)ちょっと聞いてください、最後まで。最後まで聞いて何か御意見があったらどうぞ。予算と決算の対比ができない状況の改善の取組を行うべきであるという御指摘に関しましては、現在、財務省におきまして予算書と決算書の見直しを行っておりまして、例えばこれまで予算書にのみ記載されていた事項別の内訳を決算書にも記載する方向で検討しているところでございます。これによりまして、予算と決算の対比がより容易になるものと考えております。(発言する者あり)
○委員長(泉信也君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(泉信也君) 速記を起こしてください。
 この案件につきましては、先ほど申し上げましたように政府として可及的速やかに取りまとめた上で御報告をいただくということで処理をさせていただきたいと思います。
○松井孝治君 総理、最後に一言、御感想なり決意を伺いたいんですが、この決算委員会、決算重視の参議院と言いながら、やっぱり警告決議をしたことが全く政府側は意に介していないということが非常に多いわけですよ。ですから、総理のリーダーシップで、先ほどの例えば天下りの問題、例えば地方の天下りの問題、独立行政法人や特殊法人の随意契約の問題、あるいは今の、尾身大臣は御答弁されました、まあ苦しい御答弁だったと思いますが、国全体の決算システムの問題、これも含めてしっかり政府として取り組んでいくということについて一言、最後に総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員長から御指摘された点を踏まえて政府としても対応してまいります。
○松井孝治君 天下りも。天下り。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 天下りにつきましては、先ほど答弁をいたしましたように、この天下りと言わば仕事とセットでということは今後二度とないように我々としても取り組んでまいりたい、また、地方公務員の天下りの問題につきましては、各地方においてそれぞれ取り組んでおられるというふうに承知をしておりますし、また各地域においていろいろな御事情があるんだろうとは思いますが、また実態を把握をして検討してまいりたいと思います。
○松井孝治君 時間が超過しましたので、終わります。ありがとうございました。
○委員長(泉信也君) 関連質疑を許します。柳澤光美君。
○柳澤光美君 民主党・新緑風会の柳澤光美と申します。
 私は、今回、十七年度決算に基づく、一つは国の財政状況をお聞きしたいと、それからもう一つがその中で行われている税金の無駄遣いについて、二点をお伺いしたいと思っています。やっとのことでやりくりしている家計、そして民間企業の物差しを中心に素朴な質問を、余り難しくなく、本当にテレビを見ていただいている皆さんに分かるようにということを心掛けてお伺いしたいと思いますんで、安倍総理にも是非簡潔に分かりやすくお答えいただければと。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初のボードを見ていただきたいというふうに思いますが、(資料提示)これが平成十七年度の決算の歳入と歳出です。もう全体のことは言いません。私はここで一番問題だというふうに思っていますのは、歳入の中に三十一・二兆円もある公債金という借金だというふうに思っています。右の歳出でいうといわゆる国債費になっていますが、借金の利息払いに十八・七兆円が消えていることだと。このいわゆる決算がずっと続いてきていると。
 次のグラフを出していただけますか。(資料提示)その結果が、見ていただきたいんですが、毎年毎年雪だるま式に借金が積み上がって、現在、公債の借金だけでも六百七十兆。借入金、短期証券、保証等を入れると実は八百九十一兆五千億を超える大きな借金になっているということが私は国の中で一番問題だろうというふうに思っています。
 そこで、ちょっと見ていただきたいのですが、平成十三年というのは小泉内閣が誕生したときで、そこからこれ五年間取っているんですが、毎年増えてきた公債が実は二百二十兆なんです。ですから、四百四十八兆円が六百七十兆まで増えた。何でこんなに増えてしまったのかということが私は一番問題だろうと。
 実は、単位が大き過ぎるんで一般の方には分からないんで、僕は率直に言わせてもらうと、家計でいえば五百万円を収入が切っていると、ところが毎年三百万借りてきて八百万の生活を続けてきた、結果、たまった借金が八千九百万を超えていると。これは、個人でいえば私は自己破産と同じ状態だというふうに感じています。
 そのことをちょっと知っていただくために、三枚目のグラフをちょっと出していただけますか。(資料提示)実は今年の春に、大変つらいし、残念なことなんですが、北海道の夕張市が財政破綻をして財政再建団体になりました。その財政状況と国の財政状況を比較したものです。
 夕張市は、一番左にあるように一般財源で五十七億あります。一番右端のすべての債務、いわゆる借金を入れても九・六倍です。ところが、国の場合は、四十九兆から十七兆は地方へ行きますから、引いた三十二が国が使える税収なんですが、長期の債務残高の五百九十一兆円を割って十八倍になります。ということは、財政再建団体になった夕張、それよりも二倍も財政状況は深刻だというふうに私はとらえています。本当に政府は、この借金を減らすためにどこまでやるんだという決意を今しなければ、ずっと行ってしまうと。
 この十七年度決算を踏まえて、この借金をなぜここまで増やしてしまったのか、そして総理がこの危機的状況をどのように認識されて、今後どうされる予定か。時間がないんで簡潔にお答えいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、なぜこんなに債務が巨大になってしまったかと、こういうことでございます。
 もちろん、小泉内閣におきましても債務をGDP比増やさないように最善の努力をしてきたわけであります。そのための構造改革を進めてまいりました。国が、基本的に少子高齢化を迎える中において増え続ける社会保障費に対する対応もありました。そしてまた、長引く景気の減速の状況の中で、停滞する中において減税等を行った。また、かつては景気対策の予算も組んでいたわけであります。そうしたものが累積となって現在七百七十五兆円、国、地方を合わしてですね、GDP比一五〇%という額になってしまったわけでございます。しかし、その中でもし小泉構造改革を行っていなければもっともっとこの累積の債務は巨額になっていたと、このようにも思うわけであります。
 この中で我々は財政の健全化を大きな目標に掲げているわけでありまして、二〇一〇年代の中ごろには我々はこの債務のGDP比を安定的に減少させるべく、まずは二〇一一年までにプライマリーバランスを黒字化を目指していかなければならないという方針の下に、今年度の予算につきましては新規の公債発行額を三十兆円を割ったわけでありまして、来年度の予算編成に当たりましては三十兆円を更に大幅にこれを割り込む形において公債の発行額を縮減さしていきたいと、公債の発行額を大幅に縮減していきたいと、このように考えています。
○柳澤光美君 最初のグラフをちょっと出していただきたいんですが、(資料提示)先ほど同僚の山本委員も質問されましたが、総理がいつも言われるのは、三十一・二兆円借りてきて十八・七兆円返しているから、その差額の、今赤字で真ん中にありますけど、十二・五兆円を早く減らしたいと。ただ、率直に言わしていただいて、これがもしプライマリーバランスを黒字化したとしても、右側にある十八・七兆円の借金の利払いだけは借金として積み上がっていくということだというふうに私は考えます。
 これは、一般的に言われているのは、僕らはサラ金地獄といいます。金利を返すためにまた借金をしてくる、それからプライマリーバランスがゼロになっても借金は続く、このことが一点。
 それからもう一つ、個人とか民間企業が借金をしていて一番怖いのは金利が上がることなんです。今非常に、景気が少し良くなってきたと。これは市場で金利というのは決まっていきますが、私は、こうなってくれば必ず金利は上がるだろうというふうに思っています。そうなったときに、単純に言えば、公債の六百七十兆円の一%上がっても六・七兆円、これは非常に乱暴な言い方ですよ。でも、そのくらい大きな借金を抱えていますから、少しぐらい返しても焼け石に水になってしまうというのが私は国の実態だろうと。
 ですから、このプライマリーバランスを二〇一一年なんて言っていないで、私は、今でもできるだけ返すと。もう答弁求めません。なぜかといえば、さっき山本委員の質問に対して、大幅の減税もきちんと言ってくれない、プライマリーバランスをそこまでやったってもっと返さなきゃいけないんだと。
 答弁を求めないのも失礼なので、総理に一言、是非。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この十八年度の補正においても、災害等の国民の安全、安心にかかわるもの以外についてはすべて借金の返済に充てるという決断をいたしました。そして、十九年度の予算におきましても、先ほど申し上げましたように、今年度の発行額である三十兆円を割ったわけでありますが、それよりも更に大幅に減額をさせたいと、このように考えているわけでありまして、他方、同時に、やはり景気の力も維持をしていく。成長していかなければ税収も増えてこないということでございます。
 税収を増やすべく、自然増収を増やすべく、成長戦略を取りながら、他方、今長期金利のお話がございました。やはり日本の経済に対する信頼性を失ってしまってはならない。やはり、この財政規律に対して政府がしっかりと財政を再建をさせていくという意思を常に強く見せていなければ今委員のおっしゃったような心配が出てくるわけでありまして、市場、また世界の信用を失わないように改革は続行していくという意思は示し続けていきたいと考えております。
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 本当に、先ほど山本委員からもありました、今総理も答えていただきましたが、このプライマリーバランスを減らすと同時に、いよいよ補正予算の編成に入りますし、来年度の予算編成にも入ります。しかも、非常に苦しかったのが少し税収も増えてくる。こういうときにこそ無駄遣いをしてはならないと。
 私は、この税収も、もう余り言っちゃいけないかな、僕らの定率減税がなくなったり、企業が良くなったといっても、本当に非正規社員が増えて働く者にしわ寄せが来て、早く言わしてもらえば、私たちの本当に血と汗と涙の結晶ですよ。それをばらまきなんてとんでもないと。本当にこの借金を返して、私たちの子供どころか孫までそのツケを残さないということが非常に大事だと思っています。
 そういう意味では、特別会計もそうです。今二十兆を五年間でやると言っていますけれども、五十兆も余っていたり、二百兆も積立金がたまっているんであれば即でもやるということも踏まえて、総理にもう一度決意を聞かしていただければと。済みません、併せて。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 無駄遣いは厳に慎んでいくということでございまして、特別会計も当然そうであります。我々、統合や縮減を行ってまいる考え方でございますし、この約二十兆円の財政健全化への活用も当然考えているというか、その方針で進めているわけでございまして、財政の健全化、子や孫にツケを残さないと、その強い意思を持って取り組んでまいります。
○柳澤光美君 そういう意味では、安倍総理と基本的な考え方が一致ができて大変うれしく思いますが、本当にここまで来れば、今総理もおっしゃったように、人の生命にかかわる、命にかかわること以外は基本的に借金を増やさない、そして返す方に回すというのが一番基本的な考え方だろうと。ですから、総理が災害対策や社会保障関係以外にはばらまかないというふうにおっしゃっていただいたのを受け止めさせていただきたいと。是非これは言うだけではなくて実行しなければ、結果が出なければ何の意味もないということで、是非やっていただきたいと思いますし、できなければ是非、政権交代をしてやらしてみていただきたいということもお願いしておきたいと思います。
 実は、次に、税金の問題なんですが、会計検査院から今回、決算の検査報告書、本当に厚いのがたくさん出てきました。この厳しい財政の中でですよ、不適正な経理処理で四百七十三件、総額四百五十二億九千七百二十七万、このうち税金の無駄遣いは二百二十七億円。その上、検査院が不正不当、いわゆる悪いことですよということが昨年の一・五倍の百四十一億円もあると。
 実は地方財政もひっくるめて聞きたいことがたくさんあったんですが、私はこれをこの後の決算委員会で一つ一つ追及させていただきたいというふうに思いまして、今日は、官僚の皆さんが無駄遣いをする典型的な例である実はタウンミーティングの問題で、十一月の三十日に民主党の同僚の藤本祐司議員が、決算委員会で委員長に資料を求めてタウンミーティングの資料を取り寄せました。それを自分の地元の静岡で行われたタウンミーティングを厳密にチェックをしました。その結果を十一月三十日に質問をして大変大きな問題になりました。その答弁を踏まえて今日は政府参考人の方に幾つか確認をしていきたいというふうに思います。
 最初にこの、ボードを出していただけますか。(資料提示)一番後ろの表になりますが、真ん中に赤く書いてあるのが一番議論になった、ハイヤーを三万円で四台使い、それから伴走車を二万円で二台使って、十二万と四万円、これが契約書です。ところが、実際請求が上がっていわゆるお金を払ったのは、ハイヤーが十五台で四十五万円、伴走車が六台で十二万円になったと。おかしいじゃないかということで質問をしたら、答弁は、実はハイヤーを四台使いましたという答弁でした。実は全部うそでしたと。
 ちょっとお伺いしたいんですが、実はハイヤーを用意するのは右下にある「出席閣僚等」のこの三名の方なんですが、伴走車がありますけど、ハイヤー四台ということで伴走車はなかったんですね。イエスかノーかで答えていただけますか。イエス、ノーですよ。
○政府参考人(山本信一郎君) 伴走車ございました。四台契約をいたしまして、うち一台が伴走車でございました。
○柳澤光美君 じゃ、先回のハイヤー四台という答弁はうそだったということで今訂正ということですね。
○政府参考人(山本信一郎君) 御答弁します。
 四台いずれもハイヤーでございます。
○柳澤光美君 ハイヤーと伴走車のこの一万円の別にしてある理由は何ですか。
○政府参考人(山本信一郎君) 閣僚等と伴走車ということで、車の単価を違えておるところでございます。
○柳澤光美君 本当は二時間分ぐらい掛けてやりたいんですが、時間がないんで。分かりました、いいです、ハイヤー四台でも。
 ということは、いいですか、ハイヤー四台で、伴走車のところに六台で十二万って請求していますが、この表を正確に書き直すとどういう表現になりますか。正式に教えてください。
○政府参考人(山本信一郎君) ハイヤー三台、それから伴走車一台というのが正しい数字でございます。
○柳澤光美君 金額。
○政府参考人(山本信一郎君) したがいまして、単価は決まっておりますので、私は正確に書くとこれは別建てをしてしっかりと処理をすべきだったと思います。したがって、ここは三掛ける、三台で三万円ということでここは処理すべきであるという具合に考えております。
 ハイヤーは三台、それから伴走車は一台、単価はこれは単価契約でございますので、契約書のときに単価が決まってございます。したがって、それはそのとおり記載すべきであると。
○柳澤光美君 分かりました。済みません。
 全部で幾ら掛かったのか答えてください。ハイヤーだろうが伴走車だろうが、幾ら掛かったんですか。
○政府参考人(山本信一郎君) お答えします。
 三掛ける十五台、四十五万と、それから十二万と、この数字が実態に、この数字でございます。
○柳澤光美君 五十七万ということでいいんですね。それをハイヤー四台で割らない、ハイヤーを十五台で六台。
 はっきり言いますよ。これは完全な捏造ですよね。イエスかノーで答えてください。
○政府参考人(山本信一郎君) 実態的に申し上げますと、先般もお答えしましたけれども、走行距離を契約しておって、それで単価の三万円で割り返してこの数字を入れたという具合に業者の方に確認しております。
○柳澤光美君 ですから、実はここへ実際に使った台数は入っていないわけです。そうすると、この表、全部おかしくなるんですね。
 時間があったら聞きたいぐらいなんですが、要は、例えば一番大きい会場受付業務十三名が三十名、会場内整理が十名が二十四名、それからその下の警備員が十名が三十二名。本来、この仕様というのは業者と単価で契約をした分なんですね。ところが、その契約内で本来収めるのが当たり前なのが、掛かったのを請求してくる、それを割り返してやる。
 じゃ、実際にその人員十三、十、十というのは、三十、二十四、三十二という右の数字はうそですね。実際に使った人数は何人ですか。
○政府参考人(山本信一郎君) お答えします。
 この人数を使ったということでの請求であり、それを承認しているものでございます。
○柳澤光美君 このってどの人数。
○政府参考人(山本信一郎君) 今、柳澤委員お尋ねの、この会場受付業務三十人、会場内整理業務二十四、警備員三十二でございます。
○柳澤光美君 済みません。そうしますと、いいですか、お金が無駄遣いにならないように随意契約にしないで一般競争入札にしましたと、で、単価の目安を作りましたと。そうすると、いいですか、会場警備で十名、で、一万五千円で十五万。本来はここでやりくりをするんですよ、業者が。それが三十二人使って四十八万来ましたという請求を受けて、そのまま払ったんですか。十名は、三十二も本当に必要だったんですか。
○政府参考人(山本信一郎君) この契約のちょっと基本についてごく簡単に言わせてください。
○柳澤光美君 要らない。それはこの前の答弁で確認しています。
○政府参考人(山本信一郎君) はい、いいですか。
 単価契約という中で一応モデル的な員数を内閣府の方で示して、そこに各業者に単価を入れていただいております。したがって、この員数と実態が異なりますと、その実態の数字を員数に掛け算をするということが契約書上決められているところでございます。
○柳澤光美君 だったら、三十人、二十四人、三十二人使ったというのはうその数字じゃないですか。使ったと言ったじゃないですか、人数。だから、いやもういいです。
 実は、この一番下の内閣府との事前調整見てください。打合せに一式二十万、実は静岡だけ三式六十万使っているんです。何の打合せを三倍もやって六十万も使っているのか、ひとつ簡単に答えてくれませんか。静岡だけですよ、これは。
○政府参考人(山本信一郎君) これにつきましては、先般の教育特でも御答弁しましたけれども、百周年記念の展示施設を追加施工をいたしておりまして、その経費を、今、柳澤委員おっしゃった何式というところに、複数式にそこに手当てをしてこの請求書を処理をしているという具合に担当者から聞き取ったところでございます。本来ならば、これは別途きっちりと別建て項目にすべきであったという具合に承知をしております。
○柳澤光美君 済みません。それを偽装なり偽造と言わなくて何を偽装と言うんですか。いいですか。もうやめます。
 委員長、お願いがあるんですが、今官房長の下で調査委員会がつくられていますが、この静岡の件は決算委員会で資料請求をしていただいたのを使ってやっています。このことが全部、それが百周年の別の行事もいわゆるばらして入れてごまかしたと。とすれば、実際にこの人数が何人で、実際に掛かったのが幾らで、だから単価契約のほかに実費で掛かったのが幾ら掛かったんだと、それからごまかして割り振ったのは幾らなんだと、これを大至急決算委員会に資料を提出していただきたいと思いますが、お取り計らいいただけますか。
○委員長(泉信也君) 本件につきましては、後ほど理事会で諮った上で処理させていただきます。
○柳澤光美君 では、次のボードを出してくれますか。いいですか、国民の皆さんも聞いてくださいね。
 この説明を聞いて納得できますか。実は、タウンミーティングは、やらせとか何かの問題は教育特の方でまたやっていただくとして、この委員会というのは平成十三年から百七十四回行われているんです。で、お金が掛かるということで実は一般競争入札にして、平成十五年、十六年、十七年をまとめました。契約のときには一回会場、大体平成十五年がそこにありますように五百五十万、それを二十八回やったと、一億五千五百四十万の契約で請け負ったと。ところが、実際に払っているのがその右から二つ目の実費総額です。そして、差額が全部一億以上出ているんです。
 ということは、せっかく契約しても全部倍以上になる。恐らく答弁求めると、会場費だとか電気だとかガスだとか、読み切れないのがあると。これは、今、塩崎官房長官の方、林副大臣の下でやっていますが、こんなことが本当にあり得るのか。とすれば、本当にプラスで掛かった実費というのは幾らなのか、ちょっと答えてもらえませんか。
○政府参考人(山本信一郎君) 今委員配付の資料を拝見いたしておりますが、確かに契約時点ではモデル的な員数を基に単価契約をしております。したがって、実際の実行ベースになりますと、これにプラスいわゆる実費精算とされております会場経費ですとか、こういうものがプラスになります。それから、よろしいでしょうか、それから員数、今おっしゃいました実際にやったときには員数が変動しますので、その分、増える部分がございます。それからもう一つは、先ほど言いました、例えば百周年施工の追加展示費用と、こういったものがプラスされまして、最終的にはこの契約になります。
 しかしながら、節約すべき、もっと厳しくこの単価契約だとかいろんなものを見直すべしということで、今調査委員会の方で全数調査をしていただいているところでございます。
○柳澤光美君 是非、全数調査を私は、静岡は別にやってもらいますけれども、全体ですから突っ込み切れないところがあるんで、厳密にやっていただきたいというふうに思っています。(発言する者あり)いや、してもらいますけれども。是非、官房長官に、この調査委員会で徹底的に調べて、実はその請求書をもらって、必ず内閣府の担当者が確認してお金払っているんです。おかしいと思わない。それはそうですよ、何でそうなるか。これ、別で使っちゃったやつを悪いけれどもおまえの請求書へ入れてくれと、入れてくれと言っているからあの請求書が出てくるわけでしょう。元々官僚の皆さんのごまかしを契約業者にお願いして、これ癒着と言わないで何と言うんですか。
 これは徹底的に調べていただいて、いいですか、本当にだれが担当者で、その上の責任者はだれか、私は処分まで明確にしていただきたいというふうに思いますけれども、御答弁いただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 百七十四回分のタウンミーティングにつきましては、林副大臣の下で調査委員会、特にこれはもう弁護士さん二人と、あと外部識者一人入れて、外の目をもって徹底的にやるということでやっております。
 先ほど来御指摘をいただいているこの単価契約と仕上がりと違うとか、こういう、これまであったことといえども我々でもちょっと信じられないようなこともたくさん入っておりますので、今徹底的に調査をし、なおかつ国会の審議に資するようなタイミングで出したいというふうに考えております。
 ということで、これからいろいろな詳細な調査の中でどういうやり方を、今までずさんなことをやってきたのかということを含め明らかにし、そして他の役所で似たような行事をやっているわけでありますから、そういうことについても、我々のこの調査や林委員会で出てくるものを、まあいろんなパターンがあるでしょうから、それを是非各役所でも、それぞれのやっている自分たちのイベントについてもそれを当てはめてみて、反省すべきところは直していってもらうと、こんなふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○柳澤光美君 今官房長官から力強い御答弁いただきました。ただ、はっきり言えば官房長官にも責任があるわけですからね、結果として。
 というぐらい、実はもしこれ民間企業であったら即首ですよ、担当者は。その上司は必ず降職か降格になりますよ、間違いなく。そのことが例えば私は、ここのところ不正もたくさん、談合もあったり、例えば労働局で七十八億の裏金を使ったと。でも、懲戒処分になっていわゆる懲戒解雇になったのは一名ですよ。地方でいったって、岐阜県庁であったあの裏金で解雇になったのは四名ですよ。私は甘過ぎると思っているんです。
 特に、私は公務員の皆さんに言いたいんです。私も同じ働く仲間ですけど、民間企業がバブルがはじけてからどれだけ苦労してきたのか。特に、中小の努力なんて涙が出ますよ。それが、自分のお金じゃないから、入ってきた税金をまるで自分の金のようにじゃぶじゃぶ使って、しかもそれをごまかしている。偽造して資料を堂々と出している。追及されれば言い訳だけやる。そのときだけ逃れればいいと。一つも変わってない。僕は、だから塩崎官房長官が言ってくれたように、この問題だけじゃないと、これが本当に氷山の一角なんだと。国がこれだけ財政的に厳しいときに、無駄遣いじゃないですよ、不正ですよ、ある意味では、私から言わせれば。ということを本当に強く感じます。
 総理、本当にこれを僕は総理のリーダーシップで変えないと、実は私が思うのは、三つあると思っているんです。一つは、お金に対する感覚が麻痺していることです。何兆円なんという予算をいじってくると、億という単位になりますよね、予算、下ろしてきても。そうすると、いいですか、たった十二万円で済むハイヤー代を静岡県内で死に物狂いで探すとかしないで、東京から四台、いいですか、その会場は駅から五分のところですよ、歩いた方が早いんです。ハイヤー使うと回り道するから、十分以上掛かっちゃうんですよ。ただ、官僚だから、警備の問題あるから使うのは分かるんです。私は、本当に借り上げタクシーだっていいと、熱海にないのか、浜松にないのかと、真剣になって本当に探したのかと。
 ということは、どうしてそうなるかというと、契約した会社で、一般競争入札したって、裏で通じ合っちゃっているわけですから。そうじゃなければ、あんな偽装請求書を業者出せっこないですよ。二度と取引中止ですよね、民間企業からいえば。その辺が官僚の皆さん、一つも分かっていない。もったいないという言葉が一つもない。皆さんの金じゃないですよ、国民の皆さん、聞いてくださいね、私たちの税金ですよ。これは国も地方も一緒です。
 それからもう一つは、すべて業者に丸投げしちゃうんですよ、自分たちがやりたくないから。だから、随意契約じゃなくて一般競争入札にしたって、全部丸投げなんです。細かいチェックなんかしてっこないんです。このことを、官僚の仕組みを変えなければ絶対駄目だと。
 総理、是非その辺を、この財政破綻しそうな日本の一家の長として強い決意をちょっと述べていただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 無駄遣いは厳に慎まなければならないわけでありまして、タウンミーティングの本来の趣旨は、国民との対話であり、双方向での対話であり、我々が進めようとする政策について御説明する大切な場でありますが、しかしそれと同時に、当然それに伴う支出については無駄遣いがあってはならないわけでありますし、豪華である必要も全くないわけでございます。
 そういう観点から、ただいま林副大臣の下で行っている調査において出てきた結果を見ながら、こうした無駄遣いが絶対にこれは起こらない、そういう仕組みにおいて再びまた国民との対話を始めたいと思うわけでありますが、今までのこの支出については徹底的にうみを出すという考え方の下に調査をしてまいります。そのことによって私も責任を果たしてまいりたいと考えております。
○柳澤光美君 今総理がおっしゃられたように、タウンミーティングだけではなくて、あるいは塩崎官房長官もおっしゃられたように、これが氷山の一角なんだと、この官僚システムがあらゆるところで生きていると。
 ただ、私は、官僚の皆さん、済みません、仏の柳澤と言われるぐらい優しい男なんで今日は余り怒りたくなかったんですが、皆さん一人一人はとても一生懸命やられているんですよ。僕はなってみて、やっと三年目ですけど、よく分かります。ただ、仕組みの中でこういうふうにごまかしてしまう、このことがずっとつながっていってなかなか切れない。これは本当に、安倍総理を中心に内閣で徹底的に切っていただかないと、先ほど冒頭言いました、何が大変かって、個人でいえばサラ金地獄で自己破産をしそうだと。あの大変かわいそうな夕張市は、皆さん、体育館もプールも全部廃止しましたよ。市民の二百円のパスも全部なくなる、老人ホームまでなくなる。市長以下、市長と特別職は六割賃金カットですよ、そして職員も三割、しかも三百人の職員の方を半分にすると。(発言する者あり)分かっています。
 ということで、私は、是非お願いしたいのは、国家公務員の皆さんも地方公務員の皆さんも、それは高度成長のいいときと違って、国がこうなったら、民間企業でいえば倒産しそうになったときにはそこまできちんと、これでよかったんだとか、今までのことではなくて、変えなきゃいけない、意識を変えるだけじゃなくて行動を絶対変えなきゃいけないというふうに強く思います。
 これ以上すると時間なくなりますから、総理にそのことをお願いをして、質問を終わります。ありがとうございました。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。(発言する者あり)ありがとうございます。
 本年も十一月中に決算報告書が国会に提出をされまして、本日の総括質疑を迎えることができたことにつきましては、決算重視の参議院の改革努力が実っているものと高く評価をするものでございます。
 この参議院の決算重視の改革の背景には、国民の強い声があるというふうに私は思っております。それは、端的に申し上げるならば、税金の無駄遣いをしっかりとチェックをして次年度の予算編成にその教訓を反映すべきだという声だというふうに思っております。その立場に立って、今日は総理を始めとして安倍内閣の閣僚の皆さんに御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、私の質問の途中で退席される塩崎官房長官にお伺いをしたいというふうに思います。
 本年の決算報告の中でもODAに関する記述があるわけでございます。私もこの参議院の決算委員会でODAにつきましては厳しく追及を、与党の立場でありますけれどもしてきたわけでございますが、大分改革が進んできたというふうに理解をしております。
 他方で、今年の決算書を見ますと、主に外務省の在外公館が実施をしております草の根無償プロジェクトにつきまして、この案件が終了した後のフォローが弱いという指摘があるわけでございます。会計検査院の勧告は、この草の根無償プロジェクトが終了した案件を事後的に評価し、将来の案件形成にフィードバックすることが不可欠な業務であることを十分認識して、計画的、効率的なフォローアップに一層努めることという勧告を出しているわけでございます。
 外務省としては引き続きこの無償資金プロジェクトの事後的な評価というものに力を入れていただきたいと思うんですが、私は、こういう評価が出た背景には、やはり在外公館におけるマンパワー不足というものがあるんではないかというふうに思っております。私も、三か月前まで麻生外務大臣、塩崎外務副大臣の下で政務官をやらせていただきましたので、特にそういう思いが強いわけでございますが。
 そこで、今与党の中で、公明党もそうですし自民党もそうですが、外交力強化について様々な議論が行われております。私は官房長官に、前外務副大臣でもございますし、また今は官邸にあって安倍総理の官邸外交を補佐している立場でありますのでお伺いしたいんですが、この安倍内閣の中で外交力強化というものがどういう位置付けになっているか、率直なところをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 遠山先生と麻生大臣の下でともに汗を流させていただいたとき、あのとき大変お世話になりましたことは感謝申し上げたいと思います。
 今、安倍内閣の下で外交力強化はどういう位置付けなんだというお話でありましたが、正に安倍内閣、主張する外交ということで、いろいろな新しい時代にふさわしい日本外交を独自に展開していこうじゃないかと。もちろん日米同盟の基軸ということでありますが、世界いろいろなところで平和外交を展開していこうと、こういうことでございます。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 それにしては、我々ももう共通の認識を持っておりますけれども、例えばアフリカ五十三か国で日本は二十四の国にしか大使館を持っていない。逆にアフリカから東京に大使館を持ってくれているのは三十四あると。つまり、十か国については、向こうから来てくれているのにこっちから行ってないと、そういうことでありますから、アフリカの皆様方との間での外交関係というものが十分にできないというようなこともあって、その他にもいろいろ、百十六か七ぐらいしか日本は大使館を置いてないわけでありますので、本当にそのベースが足りないということでありましたが、今、草の根無償のマンパワー不足によるいろいろな欠陥というのがお話がありました。
 財政厳しき折ではありますけれども、私どもとしては、やはり足腰の強い外交を展開していかなければ主張する外交というのが言葉だけに終わってしまうということになりますので、この外交力強化、公明党でも外交力を強化するための特命チームというのが提言を出されて、自民党でも外交力強化に関する特命委員会が既にもう提言をしておりますけれども、やはりここはいろんな工夫をして、定員においてもそれから予算においても、今までのように、大使館というのは十五人が最低単位だと、こう言われておりましたけれども、それを全部公務員でやらなきゃいけないのかとか、それから今までのような大使館のつくりでなければいけないのかということも含めて、やはりこれから、本当に主張する外交を展開するためにどういうことが限られたこの財政の厳しき中にあってできるのかということを考え、強力に外交を推し進めていきたいと、このように考えております。
○遠山清彦君 大変前向きな御答弁、ありがとうございました。
 本来、ここで麻生外務大臣にお聞きをしなきゃいけないんですが、あえてお聞きをいたしません。これから来年度の予算編成に向けて、今日は財務大臣、総務大臣もおられますけれども、今の官房長官の援護射撃を受けて頑張っていただきたいと思います。私も、世界で戦略的な外交を日本が国益に資する形で実施をするためには今の外交力では不足しているというふうに考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、安倍総理にお伺いをしたいと思います。
 今、景気回復がイザナギ景気を超える長期にわたっていると言われておりまして、これは私は、小泉内閣時代の構造改革、不良債権処理の成果であると思いますし、また同時に、民間企業側の努力の成果であるというふうに受け止めております。しかし、その一方で、今のこの景気回復を実感している国民が少ないということも事実だというふうに思います。
 これは、総理のところにもいろんな、政府の内閣府とか、統計が行っていると思いますが、やはりこの景気回復の恩恵を受けているところが大企業にとどまっていると、特に都市部の大企業にとどまっているということが盛んに指摘をされているわけでございます。じゃ、どこに届いていないかといいますと、国民の家計、家計部門ですね、ここに届いてない、それから中小零細企業に届いてない、地方に届いてないと、こういう指摘があるわけでございます。
 これは全国紙の新聞の社説でも指摘をされておりましたけれども、小泉総理の後継内閣としての安倍内閣の景気問題に関する最大の課題は、この景気回復のすそ野を家計、中小企業、それから地方に広げられるかどうかと、ここが非常に大きいんだというふうに思っております。
 また、決算委員会の立場で申し上げれば、景気回復の結果、税収が五十兆を超えてくると。これは六年ぶりと言われておりますけれども、しかし、税収が多くなっても、引き続き税金の無駄遣いを徹底的に検証していくという歳出改革も同時に進めなければいけないと。
 そこで、総理にお伺いしたいのは、景気の拡大のすそ野を広げていく成長戦略と、それから税金の無駄遣いを厳しくチェックしていく歳出改革と、これについての総理の基本戦略をお聞きをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま遠山先生が御指摘のように、景気拡大の長さにおいてはイザナギを超えたわけでございますが、ただ、まだまだこの実感が薄いと、こういう御指摘もございます。
 我々は、この構造改革を進めることによって経済の景気回復軌道には乗ったわけでございます。そして大切なことは、しっかりとしたこの経済成長を安定的に持続的に続けていくことが私は大切であろうと、このように思います。そういう中におきまして、今いろいろと指摘をされている地方との格差、あるいはまた家計への波及、雇用への波及、賃金への波及、こうしたものを確実なものにしていかなければならないと思っております。今後とも、言わば成長戦略、オープンな姿勢とイノベーションによって成長戦略を着実にこれは前進をさせていくことが大切だろうと思います。
 その中におきまして、やはりこれは家計部門、特に雇用、企業が今大変、これは大企業が中心でありますが、企業が上げている利益でありますが、これがだんだん雇用にも、そしてまた賃金にも波及していくように、我々も雇用政策においてもこれは補強していかなければいけないと、そういう動きを補強していかなければいけないと。また、当然、非正規から正規へ、非正規職員から正規職員が増えていくような流れにしていかなければならないわけでございます。
 そしてまた、中小企業においては、やはり中小企業の活性化を我々図っていくわけでありますが、特に地方にある中小企業が、地方にあることによるいろいろな資産もあるわけでございまして、地方の良さを生かして伸びていく中小企業を支援をしていきたいと、このように考えておりますし、また地域が活性化をしていく上において、頑張る地方を応援をしていく頑張る地方応援プログラムも推進をしてまいりたい。
 要は、まずはこの成長をしっかりと確実なものにしていく、持続的な安定的な成長を続けていく、その中でその果実が雇用にあるいは家計に、そしてまた地方に、中小企業にと、すそ野が広がっていくように我々も政策において努力をしてまいります。
○遠山清彦君 総理、包括的なお答えありがとうございました。
 それで、私も、やはり今の景気回復がこれからも続くかどうかというのは、個人消費の拡大がこれからあるのかどうかというところに懸かっているというふうに思います。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 これは月例経済報告でも出ておりますが、個人消費の伸びは鈍化しておりまして、その最大の原因は、やはり総理も今御自分でおっしゃっていたように家計部門に景気回復が行ってないと。
 じゃ、なぜ家計部門に行ってないのかといいますと、やはりこれは経済の専門家はいろいろ言っておりますが、バブル期の過剰な人件費問題でかなり悩んだ、苦労した企業が、その収益を、改善をしてもそれを即社員の給料に転嫁しない、いわゆる労働分配率がなかなか上がらない。実際、データ見ますと、大企業が特にこの数年ずっと労働分配率が下がり続けているわけでございます。
 また、当然、雇用政策、労務管理だけではなくて、やはり国際競争が激化したと。グローバリゼーションとIT化が進んで、例えばインドには国内で百二十八万人のITのエンジニアがいるわけですけれども、彼らは大変安い労働力のコストでインドにいながらにしてアメリカの大企業や日本の大企業のエンジニアと向こうを張って戦っているわけですね。そうしますと、日本の企業もその国際競争の中にさらされて人件費をどんどん抑制していくということになっていくわけでございます。
 その結果、今日の委員会の質疑でも既に出ておりますけれども、派遣労働者や非正規労働者が増えました。非正規労働者、非正社員の数は全国で千六百万人今いると言われているわけでございまして、労働者の三人に一人はもう非正規だという時代になっているわけです。
 私が総理に申し上げたいことは、この中で一番困るのは、企業の側から見て、安くていつでも切れる労働力というところに、先ほど総理がおっしゃっていた、ほかの委員の質問で、年長フリーター、正にそのとおりなんですが、安くていつでも切れるというようなところに入れられてしまった方々がそこに五年、十年といると抜けられなくなってしまうと。
 しかも、先ほど民主党の山本委員がおっしゃっていまして、私、全く同感なんですが、この世代の未婚率というのは非常に高いわけです。先ほど出ましたけれども、三十代前半の全国の男性で二人に一人は未婚と、女性も三人に一人は未婚という状況で、要は少子化の背景にはこの問題があると。これが男性の非正規従業員に限ると、実に未婚率が六九・七%で約七割の人が三十代の前半でも結婚していないあるいはできない状況になっているわけです。
 そこで、総理は雇用再チャレンジに力を入れているということでございますけれども、こういった就職氷河期を経て安くていつでも切れる労働力に入り込んでしまって長期化した方々、具体的にどうなされようとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは柳澤大臣の方からお答えをいたしますが、いわゆるフリーターと言われている非正規雇用で働く若者が自立をして安定的な生活をすることによって、先ほど申し上げましたような将来の少子化に対してもいい影響が出てくるわけでありますし、社会の安定、また活力にも私は資するんだろうと、このように思います。
 そのためにジョブカフェやハローワークによるきめ細かな就職支援を行うなど、フリーター二十五万人常用雇用化プランを推進してまいります。また、ハローワークにおいて正社員としての就職の支援に積極的にもちろん取り組んでまいりますし、また、企業においても新卒者以外にもいわゆる中途採用者に対して門戸を広げていくように我々も進めていかなければいけない、このように思います。政府の部門におきましても中途採用への道を開いたわけでございまして、そうした方向において何とかこうした方々が夢を持ってステップアップできるような、そういう環境をつくってまいりたいと思います。
○遠山清彦君 それでは、柳澤大臣にお聞きをします。
 今、総理から基本的な方針が示されたわけですけれども、政府は、今フリーター二十五万人常用雇用計画というのがあって、非正規雇用から常用雇用へもっと労働力を移していこうと。これは私も支持する政策なんですが、ただ、現場を回っていますといろんな声があって、今日もうスペシフィックに具体的に一つ注文があるんです。
 それは、いわゆる今までフリーターとか派遣社員として働いてきた人の中には、その職場においていわゆる重要な役割、政府の文書の言葉をかりますと、基幹的な役割を果たしてきて、それなりに即戦力のキャリアを積んできた人も中には、全部じゃないですよ、中にはいるわけです。ところが、この人たちが正社員に移行したときに、例えば派遣社員とかフリーターで十年間やったときの能力とか実績が給与や待遇面でカウントされるかというと、ほぼどんな企業でもカウントゼロなんですね。
 具体的に申し上げますと、高校を卒業して派遣社員としてある大企業で十二年間働いた若い女性の方がいるわけです。十二年間ですから、三十歳ですね、もう。それで、その人が正社員に、ずっと十二年間同じ企業に派遣されていて、そして働いていて、直接雇用をされたときに、あなたの給料は新卒の高校生と同じだと言われたというんですね。派遣社員辞めるまでは、最後もう、十二年間もやっていますから、手取りでいうと大体二十五万円近くもらっているわけです。ところが、新卒の高卒扱いですから、もう十五万円切っちゃうんです、手取りが。十万円も下がってしまうと。そうすると、数字上では非正規から正規雇用にこうやって移っていますって政府の統計では自慢して話せる話なんですが、実態見ると、当人にとってみれば給与は下がってしまうと。それはなぜですかということを雇用側に聞くと、あなたは確かにうちの会社で働いていたけれども、あなたを雇用していたのは派遣会社であってうちじゃないと。だから、派遣会社に雇用されていた期間はゼロカウントですと、キャリアとしてと。
 こういう実態があると、これなかなかインセンティブとして、生活できなくなっちゃいますから、家賃払って終わりになってしまいますからね、東京辺りだと。だから、正規雇用に行かないんですよ。こういう問題が指摘されています。
 私は、もうこれは先に要望もまとめて言っちゃいますけれども、フリーターとか派遣社員がそのフリーターや派遣社員をやっている期間にそれなりのキャリアを積んだ方は正当に評価してあげなきゃいけないと。実は、私、調べていたら、後で聞く高齢者雇用の世界では、職業能力評価基準というのをちゃんと作って高齢者を雇用しましょうと言っているんです。これ、フリーター、派遣社員やっていないんです。厚生労働省、是非やってください。答弁お願いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 遠山議員から現在の労働市場のお話をいろいろ深刻な問題、指摘を含めてお伺いしました。
 ただ、私、ここでちょっとお時間いただいて申し上げたいんですけれども、派遣が悪い、あるいは短時間労働が悪いというように一刀両断に決め付けた議論というのは、現在のように雇用の形態が多様化している中ではやっぱり公平を欠くと思います。
 ですから、もちろん常用雇用とか、あるいはパートであるとか、あるいは短時間労働であるとか請負であるとか、あるいは派遣であるとかといういろんな形態の雇用があるわけですけれども、それぞれのところで、現在、自分はハッピーだというふうに思っている方もいらっしゃるんです。多くは、その非正規の中には、できれば正社員になりたいという切実な希望、願望を持っている方もいらっしゃる、そういうことでございまして、それぞれの雇用形態ごとに両方の人たちがいるということはしっかり我々は把握しないといけないと思うんです。正社員になりたい、常用に移りたいという人たちの希望が絶たれるような社会はいかぬ、そういうことが固定化、特に若い人たちがそれで固定化することはいけない。特に、結婚、出産のことを考えると、それは非常にマイナスだと、こういう位置付けを我々はしているのでございます。
 そういう仮定の上で、今先生がおっしゃったように、派遣労働を、派遣の会社員であったときのことが全然評価されないようなことはおかしいではないか、これはもう御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、来年の通常国会で雇用対策法を改正いたしまして、こういう募集方法の改善について企業努力をお願いするということと同時に、人物本位の採用がなされますように事業主の方が適切に対処する必要な指針を示していきたい。これは、具体的に法改正が成った暁に労政審の審議をお願い申し上げまして、今先生が御指摘のような採用基準であるとか能力、資質の明確化であるとか、あるいは応募資格の既卒者、既卒業者への開放であるとかというようなことについてしっかりした枠組みを示していきたい、このように考えます。
○遠山清彦君 大臣、私も派遣労働が悪いとか短時間労働悪いということは、そこまで言ってないですし、そう思ってないんです。
 ただ、総理、総理、これも念頭に置いていただきたいんですが、十二月一日に新聞でも報道されていますけれども、経済財政諮問会議の民間議員から、労働ビッグバンと再チャレンジ支援についてのペーパーが出されたと聞いております。その中の議論でこの派遣労働出てきているんですね。その中の議論では、派遣労働の社員の、派遣労働者の待遇は改善しましょうということを一方で言っていると。しかし、それとセットで、派遣期限は今三年間なんですね、期限が。それを超えたら、その使っている会社は直接雇用を申し入れる義務があるわけですが、この期限を撤廃しようという話が出ております。
 私は、これはアンケートを見る限り、大臣、確かに派遣労働で私はいいという人もいるんです。しかし、二十代で派遣労働やっている人なんか、アンケートを見ると、それはいろんなアンケートありますから違いはありますけれども、大多数は行く行くはやっぱり正社員になりたいと、四十、五十になっても派遣社員でいたくないという人がやっぱり大半なんですね。ですから、こういう改革はちょっと気を付けていただきたいと。
 それから、総理、やはり派遣労働とかフリーターの最大の問題は、マクロ的に言えば、派遣労働とかフリーターが多くなると、個人の労働者に即してみれば、やはりキャリアアップとか能力向上がなかなか図れないと。そうしますと、長期的には、能力向上が図れない、キャリアアップが図れていない労働者が日本で増えますから、日本の労働生産性は低くなるわけです。それからもう一つ、企業の方も、安い人件費で、労働コストで人をたくさん雇えるということをずっとやっていますと、要するに労働分配率が下がっていくわけですね、先ほど申し上げたとおり。
 労働分配率が下がって、労働生産性も限定的となりますと、これは後発世代の平均給与が下がるということで、世代間格差の温床になるという指摘も経済学者からされているわけですから、場当たり的な、先ほど私現場の話をしましたけれども、議論とも関係しますし、長期的、マクロ的な観点からも、フリーター、派遣社員の問題というのは本当に真剣に扱わないと、十年後、二十年後に振り返って、あれは失政だったというふうに言われかねないので、是非慎重に扱っていただきたいと思います。
 そこで、ニートの問題も関係あるんですが、ニートは今、政府の資料ですと六十四万人ぐらい全国でいると言われております。六十四万人というと、何だ、少ないじゃないかと言う人もいるかもしれませんが、実は、ずっとさんざん私が言ってきた派遣労働者の数が全国で百二十万ですから、ほぼその半分に匹敵する人がもうニートになっていると。家事もしない、学校にも行かない、働かないという若者の数が十五歳から三十四歳のレンジで六十四万人いると。
 私は先日、このニート対策で厚労省が今年から始めた地域若者サポートステーション、足立区にあるところに視察に行ってまいりました。結論から言いますと、非常にいいことをやっているんですね。何がいいかというと、自治体が推薦した民間団体が委託を受けて事業をやっていると、ここがまずすばらしいと。それから、この民間団体が、これ大臣、すごい少ない予算なんですよ。全国で二十五か所つくっているんですけれども、たしか三・二億円ぐらいしか充てていないんですね。しかし、やっている中身は、今日質問で取り上げようと思って聞かなかったんですけれども、雇用開発能力機構の独立行政法人は千何百億円と特会から入れているわけですけど、こっちのサポートステーションは三・二億円なんです、二十五か所で。
 しかし、足立区へ行きましたら、足立区はニート率がすごい高いんです。そこで、私が何に一番感動したかというと、アウトリーチ型といって、ニートのいる家庭まで訪ねていって、家庭訪問して掘り起こして社会復帰を促すということをやっているんです。ただ、予算が何しろ全国で三・二億円ですから、非常に少ないんです。
 是非、これは予算の拡充をすると同時に、またできれば、公共広告機構ですか、ああいうところを使って、一回、全国紙の全面広告で、全国二十五か所、こういうところにこういうのがありますよとお父さん、お母さん方に言わないと、ニートの若者、新聞読みませんから。しかし、親御さん読んでいるんです、必死に。是非そういう周知、広報宣伝の徹底も併せてお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっとその前に、三年期限の話をミスリードになっても困りますので申させていただきたいんですけれども、三年を期限にするのは、最初の技術的な、ちゃんと自分に専門の技術を持っているいわゆる二十六業種の方にはそういう制限はありません。彼らは自分自身そういう技術持っていますから、ある意味強い立場にいるわけです。そうではなくて、その後追加をされた製造業等の派遣の方々には、やっぱりそれで固定化されてはいけないということで三年の期限が設けられているということでございます。
 そこで、ニートの問題ですけれども、これも非常に難しい問題だと私も思っております。私いつか、若者自立塾というのを何かテレビで放映していたとき、たまたま見ておったんですけれども、本当にこれも大苦労ですね。もうその五、六人のグループで、もう本当にやる気満々の先生がリードするわけですけれども、しかしまたその寮の一室に引きこもってしまうと。それを朝行って起こして、また何とかやる気を起こさせるというようなことで大変な苦労をされているという光景を見まして、このニートの人たちに対応するのは並大抵でないという気がしていますが。
 その中で、もう一つの若者自立塾とともに地域若者サポートステーションというものを厚労省が始めて、今先生は足立のそのステーションを見ていただいたということで、私もそのお話を是非伺いたいものだと、こう思っておりました。非常にまだこれトライアルの段階というか、試行錯誤の段階なものですから、予算も非常に僅少で、そしてどちらかというと親御さんたちにむしろ負担をお願いしているというような仕組みになっていはしまいかというのが私がデータを見ての感じでございます。
 それで、若者ステーションは今言ったアウトリーチのこともやっていらっしゃるということで、本当にそうあっていただきたいということを正に足立区が一生懸命やってくださっているわけですが、同時に、足立区の話であるわけですけれども、このニートの問題というのが、単に厚労省だけの問題ではなくて、やはり教育の部門の問題、課題でもあるということを足立の方々が言っていらっしゃるということもあるようでございまして、我々としては、予算のこの拡充というのを是非心掛けていただきたいんですが、もう少し成果を見たいという気も率直に言っていたしておりまして、トライアルのこの制度の成果を見て、そして改善すべきを改善して、大いにこれは真剣に取り組んでいきたいと、このように考えております。
○遠山清彦君 是非、対応方よろしくお願いいたします。
 次に、中小企業の件についてお聞きをしたいと思います。
 今回の決算報告の中でも、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施しております中小企業高度化事業に対する貸付実績というのが減少して、昨年度末で約三千八百億円もの多額の余裕金が発生しているという問題が会計検査院から指摘をされているわけでございます。これについては、恐らく経産省も入って中小企業に直接貸付けを行う方式の適用拡大の検討などもするんではないかと思いますが、私、甘利大臣にお聞きをしたいのは、中小企業に対する支援メニューというのは、実はたくさんあるわけですね。これは公明党も与党になって七年間、いろんなことを要求してきて実現をしてきてもらっているわけですが、ただ私が感じておりますのが、中小企業への支援は、メニューはあるんですけれども、政府の方がやっぱりやや受け身なんではないかと。
 やはり、私も以前、中小企業庁の方から聞いたんですが、中小零細企業の経営者の方の中には頑固な方がいて、二十年前、三十年前はこのやり方でもうかったんだと言って、なかなかこのやり方を変えない。昔は大企業の大きな工場からの受注をして、それを納品してれば、それで食べてきたという時代があったわけですが、大工場が海外へ行ってしまった、あるいはほかの地方に行ってしまったといいますと、今度は自分たちで、だから技術は、腕は持っているんです。しかし、今まで営業マンを会社に置いたことがないとか、経営革新とか、ましてや今総理がよくおっしゃっているイノベーションとか横文字になると全然よく分かんないと。中小企業庁がコンピューターのホームページで自分の企業を自己診断できますよというプログラムを紹介しても、会社へ帰ってそれやるかというとやらないんですね。
 だから、やはりこれからはもうちょっと中小企業に人を、この中小機構とかから派遣をして、さっきのニート対策じゃありませんけれども、アウトリーチ型で場合によってはやらないといけないと思うんですが、そういったたぐいの支援というのは考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のように、日本の中小企業は、個々にはびっくりするぐらいのすばらしい技術、腕を持っているところが随分あります。ただ、今までは大企業からの要請に従って、要求される仕様以上のものを納めていれば何の問題もなかったと。しかし、昨今、なかなかそうはいかないと。しかし、自分のこの腕、技術をどういうふうに使えるんだろうかというところまで思いをはせない、思いをはせることができない。
 そこで、御案内のとおり、中小企業基盤整備機構では、専門家を中小企業に派遣をすると。待っていて向こうから来てくれればそれは一番いいんですけれども、こちらから出向いていって、こんな優秀な技術があるんだったらこういうことができるんじゃないですか、あるいはこんなことを漠然と考えているんだけど、どうしていいか分からないということの相談に専門家がきめ細かく乗っていくということが大事だと思います。
 特に、何が欠けているかというと、技術を使った商品企画、物はできたはいいけれども、市場とどうつなげていくか、マーケティングというところが極めて弱いです。ですから、こんないい技術があるんだったらこんなプランもできますよということ、マーケティングを中心にアドバイスをしていって、それを具体的につなげていってあげると、そういう作業が必要だと思います。
 今後打ち出します、中小企業の地域資源活用プログラムというのを出します。地域の資源、経産省の範囲の中だけではなくて、他省庁にもありますけど、それを商品化していくような戦略、それに向けて、こうした人材を充実をさせて支援をしていきたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 是非よろしくお願いします。
 私も政府の来年度予算に向けた中小企業地域資源活用プログラムの中身を見ましたら、確かにハンズオン支援事業と、これもちょっと横文字なんですが、ハンズオンですから、相手に手を乗っけて手取り足取り指導をするということを中小企業に対してやるということが新規で出てますので、これはしっかり予算獲得していただいてやっていただきたいと思います。
 それから、次の話は答弁は要りませんけれども、私はやはり中小企業の方々が、今の時代ですと、例えば海外進出したいと思ってもそのノウハウが分からないと、それから、マクロの金融情勢のことになるともっとよく分かんないということがありまして、私、たまたま中小企業の事業再生の関係の有識者の会議の記録を読んでおりましたら、やっぱり指摘があったのは、中小企業庁とか中小機構とか経済産業省とか、そこだけが縦割りでやるんじゃなくて、例えば、日銀が各県に支店持っているわけですから、そこの支店長も連携させて中小企業の支援のために活用すると。それから、あるいは中小企業の事業再生に明るい弁護士、会計士、それから税理士、こういった方々ももっと巻き込んで中小企業の再生支援をやるという体制を是非つくっていただきたい。これは要望で申し述べておきたいと思います。
 続きまして、総務大臣に、先ほど安倍総理の方から、これは所信でもおっしゃっていますけれども、頑張る地方応援プログラムと。私、先ほど申し上げましたように、景気回復の波が中小企業と同時に地方にも来てませんねと。
 この新しい地方応援プログラムに非常に期待があるわけでありますが、昨年度の決算報告の中でも、以前やった、平成十年度にやった中心市街地活性化プロジェクトに対しては厳しい検査結果が出ているわけですね。具体的に二点だけ引用しますと、多くの地区において市区町村は地域住民等の意向を把握してなかったと、あるいは、ほとんどの地区において中心市街地の活性化の状況を評価するための具体的な数値目標を設定していなかったという厳しい指摘があるわけでございます。
 私、是非こういった、過去に政府が相当な予算規模でやったことについて厳しい見解が検査院から示されているわけでありまして、これをしっかり教訓としてやらないと、この頑張る地方応援プログラムというのも余り成功しないんじゃないかというふうに懸念をいたしているところでございまして、これは交付税を使って、ある具体的な指標をその交付税の算定に反映させるという案だと聞いておりますが、その概要と、それからその期待される成果というのはどういうものなのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 地方にはどこの地方にもそれぞれの特徴と魅力があると思います。そういうそれぞれの地方のそうしたものを生かして頑張れる地方を応援しようという、そういうものが基本であります。年内にどのようなプランについてどのような算定を行うかということは決めたいと思っています。
 これまでも有識者と言われる人たち、あるいは頑張っている地方の市町村長、六人の方、市町村長さん、私、直接いろんなお話を私ども聞きましたけれども、やはりそれぞれの地方の魅力を生かしながら、全国にいろんなところで頑張っている地方がたくさんありますから、頑張れるそういう仕組みを是非つくっていきたいということであります。
 内容については、国から直接これだということではなくて、やはりその地方の実情に合った、地方が出してきたものを優先的に考えたいというふうに思っています。例えば、出生率だとか、U・Iターンだとか、あるいは地域ブランド品だとか、あるいは企業誘致とか、いろんなメニューが出てくると思いますので、そういう中を、どういうものをその算定根拠にするかと、そういうことを決めたいというふうに思っていますし、基本的には交付税で処置をしていきたいというふうに思います。それも、地方も今歳出抑制を行っておりますので、そうした中で生み出した財源というものを充てて、めり張りの付くものにしたいと、こう思います。
○遠山清彦君 是非、地方の皆さん大変期待をしているプロジェクトですので、成功を期していただきたいと思います。
 続きまして、また厚生労働大臣、恐縮ですけれども戻りまして、先ほど若者の雇用の話しましたが、今度は高齢者の雇用の問題についてちょっとお伺いしたいと思うんですね。
 これも現場の話ですが、今いわゆる負担増という問題で、今日の委員会でもるる出ておりましたけれども、社会保険料の負担が上がる、それから地方税が上がる、所得税の定率減税がなくなると、いろんな意味でこの負担増ということが言われておりまして、高齢者にもその影響及んでいると。
 現場で回って、高齢者の皆さん、お話聞きますと、中には、今の日本の世界最高水準の社会保障制度を子供とか孫の世代につなげていく、持続可能なものにしていくために若い人たちだけにすべて負担を押し付けちゃいけないというのは分かると、しかし、高齢者の側から見ると、まだ我々はすごく元気なのに働き口が見付からないと。なぜかというと、日本では、これは麻生大臣も総裁選で盛んにおっしゃっていましたが、日本では、一番分かりやすい例でいうと、求人広告に年齢制限、年齢上限を付けたものが海外と比べると圧倒的に多いわけですね、という印象があるんです、と言っておかないと後の答弁と整合性取れないんで。
 例えばどれぐらい少なかったかというと、二〇〇一年の九月の統計では、年齢不問求人の割合、すなわち何歳でも受けていいですよと、面接来ていいですよという求人の割合は何と全体の一・六%、つまり九八・四%は何歳からは駄目ですよというような制限が付いている国だったんです、日本は、二十一世紀に入っても。その後、厚生労働省も対策を取られて、雇用対策法を改正をしたり、高齢者雇用促進法ですか、改正したりして。
 まずお聞きしたいのは、昨年度までに、十七年度までにこの年齢不問求人広告の割合を三〇%にするという目標を掲げておりましたが、これは達成したのかどうか、今何%なのか、教えてください。簡潔で結構です。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十六年度末で四〇・五%となりまして、一年前倒しで十七年度に三〇%とするという目標をクリアいたしました。最近時点ではどうかと申しますと、平成十八年十月末における、これはまあ先生、広告とおっしゃられたかもしれませんが、ハローワークでの求人について年齢不問の割合は四六・三%ということでございます。
○遠山清彦君 ということで、今の、現在のハローワークにおける求人の中で年齢制限を付けてないのが四六%まで来たと。これは恐らくテレビをごらんになっている国民の皆さんは意外に思うと思うんですが、増えてはきているんですね。
 ただ、大臣、ここでしつこいようですけれども、実は年齢不問の求人を出している会社でも、高齢者の再就職チャレンジ組に聞くと、会社に行ったら事実上門前払い食うと。だから、建前として年齢制限付けてない、もう六十二歳で来てもいいですよと言っているんだけれども、行ったら、もうほとんどけんもほろろの扱いを受けるということもあるんです。大体これはおかしいんですね、日本は。それは後で話します。
 それで、今、厚労省は、最近若干報道もされていますけれども、来年十月から定年を六十五歳あるいは七十歳まで引き上げる特に中小企業に対して奨励金を出すというような案を言っておるようですが、これはまた簡潔に、どんな中身なんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず第一に、六十五歳以上のところに奨励金を出しまして、企業規模に応じまして四十万ないし八十万ということで、一時金でございますけれども、奨励金を出させていただいております。それを今度、七十歳以上の定年、あるいは定年の廃止の企業に対してはこれを倍増するということで、まあ一時金でございますので大変恐縮なんですけれども、とにかく奨励しようと、これを政府としては進めているんだ、そういう姿勢をこういう形で明らかにしようとしておるわけです。
○遠山清彦君 総理にお伺いしたいと思います。
 これはもう総理、お分かりのことだと思いますが、年齢と労働者としての能力というのは個人差が非常に大きいわけで、実は一律に五十五歳以上は駄目とかって言えないはずなんですね。もうはっきり言って、この政界見たら、まあ外務大臣がぐるぐるやっていますけれども、もう七十過ぎて何でこんな元気なのかというのが、財務大臣、一杯いらっしゃるわけですよ、政治家で。そうですよね。正直申し上げれば、四十代の方でも六十代の人より元気ない人もいるわけです。だから、極めて個人差の大きい問題で、一律に年齢で差別するのはおかしいんですね。私は総理に今日提案したいのは、定年の廃止、雇用における年齢差別の禁止をそろそろ日本も法制化すべきだと、法律で明記すべきだと。
 実はこれは世界の潮流です。アメリカは、一九六七年に年齢差別撤廃法を制定し、累次の改正を経て、八六年には上限を求人で付けることはできなくなりました。ヨーロッパ、EUは、二〇〇〇年に年齢差別を規制する指令、ダイレクティブが採択をされて、それを受けてEU加盟各国が現在国内改正を順次やっております、済ませています。イギリス政府は遅い方なんですけれども、今年の十月一日から施行した雇用均等年齢規則という法律で昇進、採用等における年齢差別の禁止、また定年制の禁止を法制化しております。
 これは私、早晩日本も国際社会の中の動きとして定年制を廃止を法律で明記するということは迫られると思いますので、総理、ここでちょっと前向きな御答弁、是非いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人口が減少していく中において労働資源を活用していく、女性である、あるいは高齢者、まだまだこれはフロンティアの部分なんだろうと。つまり、我々にはまだ、人口減少していくわけでありますが、可能性はまだ十分に残っているという中において、高齢者は確かに個人差は大変あるわけでありまして、年を取っても本当に元気な方々はたくさんいます。卑近な例を引かれたわけでありますが、これはもうすぐに分かりやすい例だったと、このように思うわけでありますが。
 その中で、それを法制化するかどうかということについてはいろいろと議論があるところであるでしょうけれども、改正高年齢者雇用安定法において定年の引上げあるいはまた廃止を円滑に今進めているわけでございますし、また先ほど柳澤大臣が答弁いたしましたように、奨励金等々も払っております。
 また、再チャレンジ支援の総合プランにおきましても、今、柳澤大臣が答弁いたしましたような奨励金に合わせてそういうこの高齢者を雇っている人たちに対しての新たな寄附の税制等も考えているわけでありまして、いずれにいたしましても、まずはそうした支援を、高齢者を雇っている、元気な能力のある高齢者を雇っている企業をまず支援をしていきながら、企業が実感としてやはり高齢者の方々を雇うということは、その人たちの熟練の技術があったり知恵があったり、その高齢者の方々が持っている能力、やはり組織自体を引っ張っていく力とか融和、調和の能力等々に企業も十分に評価をする中において、だんだんそちらの方向に進んでいくことになるんだろうと。もちろん、法制化という議論もあるわけでありますが、まずは円滑に高齢者がどんどん雇われる環境を、雇用のある実態をつくっていきたいと思っております。
○遠山清彦君 今の質問で麻生外務大臣と民主党の皆さんから応援のやじをいただきましたけれども、私は、公明党としてもこれは言っておりますので、是非定年の廃止、年齢差別の禁止というのを法制化するということを早急に安倍内閣の時代に決めていただきたいというふうにお願いをいたします。
 時間がなくなりましたので、厚生労働大臣、介護保険の給付費の適正化について三問まとめて私がちょっと要約して、そして答弁一本いただきたいと思います。
 介護保険制度がスタートしまして六年が経過をいたしました。予算も大きくなっておりますし、利用者も四百三十九万人と増えているわけでございますが、私、以前厚生労働委員会で介護サービス事業者に支払われる介護報酬の不正請求の問題を取り上げました。
 昨年度の決算を見てこれ質問するんですが、昨年度は介護保険を運営する市町村などが不正事案として返還請求した金額が四十五億円、これは前年度より下がってはいるんですね。ただ、返還請求された事業所は全国で四千百十三か所。不正行為など悪質なケースで指定を取り消された事業所の数が九十五か所で、これは前年から十四か所増えているということで、横ばいか、まあ額は減ったけれども事業所は増えてますよと。
 サービス別で見ると、不正事案が一番多いのは訪問介護事業なんですね。これは、理由は恐らくかなり簡単で、訪問介護を必要としている高齢者のところにヘルパーさんが行ったときは、そこは在宅、密室の状況でありまして、やっていないサービスをやっていたかのように請求をしたり、もうひどいケースは、キャンセルされたサービスをやったかのように請求をするというケースもありまして、新聞で定期的に捕まった事業者の記事が出ているわけでございます。
 それで、厚生労働省の方は、済みません、時間がないので私が要約しちゃっていますが、いろんな適正化事業を平成十六年の十月からやっていると。一番多いのが、私の理解では、サービスを利用した高齢者の方に介護給付の通知書を送るというサービスを国保連合会に委託してやっているわけです。
 ところが、問題は、この通知書が手元に来るのがサービスを受けた後の三か月から五か月、ひどいケースは一年後なんですね。私、三十七歳ですけど、三日前に食べた食事なかなか思い出せないんですよ。高齢者の方で認知症の方もいるのに、三か月前あなたはこういうサービス受けましたね、確認してくださいと言ったって、もう絶対無理だから、余り適正化に役立っていないと。
 私、今日御紹介したいのは、群馬県の草津町で介護保険サービスモニタリングシステムというのを導入したと。これは、ヘルパーさんが磁気カード持っていって、サービスを受けている人の家で電話を借りて磁気カードで出入りをちゃんと入れるんですね。そうすると役所のコンピューターに全部自動記録されると。これで財政効果が一年間で約四千三百万出たと。システムの設置に一千万円ですから、非常にいい効果が出ているんですね。
 これから高コスト是正プログラムか何かを厚労省やらなきゃいけないということですが、是非こういうITを活用したシステムを入れて介護給付の抑制に役立てていただきたいと思いますが、答弁お願いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 介護の費用の適正化は、今先生がおっしゃられるように、今厚労省が熱心に取り組んでいるところでございますけれども、大きな柱であるところの通知制度については、今言われたようなちょっと欠陥というか、そういう問題があることも確かであります。
 いずれにいたしましても、これは非常にうまくやっている市町村の例、成功事例というようなものを収集しまして、それぞれの市町村にそうしたことを啓蒙啓発してまいりたいと、このように考えております。
○遠山清彦君 終わります。
    ─────────────
○委員長(泉信也君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として主濱了君が選任されました。
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○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 二〇〇五年度は、連続的な大増税、負担増のスタートの年でありまして、高齢者や障害者など負担能力のない人にまで負担を求めたのが特徴でした。
 今日は、その中の障害者支援対策について、二〇〇五年決算を含めてお聞きしたいと思います。
 国連の障害者の権利宣言は、障害者はその人間としての尊厳が尊重される生まれながらの権利を有している、障害者はその障害の原因、特質及び程度にかかわらず、同年齢の市民と同等の基本的権利を有すると、まあほかにもありますけれども、ということで各国にこの権利の実現を求めています。
 総理は障害者施策推進本部の本部長でありますね。日本の障害者支援の対策がそれにふさわしいものになっているとお考えでしょうか。まずお答え願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国連障害者年、これは昭和五十六年でありますが、において、完全参加と平等がテーマとされ、障害のあるなしを問わず、社会の一員として、社会、経済、文化その他あらゆる活動に参加することができる社会の実現が目指されたわけであります。これに続く国連障害者の十年を契機に、障害者の完全参加と平等を目指すノーマライゼーション等の理念に基づき、障害者施策の長期計画が策定、そして推進されてまいりました。
 平成八年から七か年計画、ノーマライゼーションプランが進められてきたわけでありますが、障害を持った方が障害のない方々と同じように活動できる日本にしていこうということでありますが、その結果、国民の意識も大きく私は変わってきたと思うわけであります。
 障害者は健常者とはもう別の生活をするという中から、障害者、障害を持った方々も同じようにチャンスのあるそういう日本をつくっていこうと。その中でバリアフリー、これはもう心の問題も含めたバリアフリーが私は進んできたのではないかと、このように思うわけでありまして、国際障害者年で示された理念に照らして十分ふさわしい日本の現状はなっている。まだもちろんこれから更に努力をしていく必要はあるわけでありますが、この理念に沿って日本も着実に歩みを進めてきたと、このように思っております。
○紙智子君 今着実に進んできているが、しかしまだ引き続きやる必要があるというお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) こういう施策には完全というものはないわけでございまして、今までのこの歩みの中においては着実な歩みは示しているということでございます。もちろん、さらにこれからも障害者の方々の声に耳を傾けながら推し進めていかなければならないと思っております。
○紙智子君 そういう総理の御答弁なわけですけれども、二〇〇五年度決算を含めまして、国内総生産に占めます障害者支援の予算も先進国の中では一番実は日本は低いまま推移をしてきたと思うんです。その上、障害者自立支援法で社会参加とは全く逆の事態が今起こっているというふうに思います。障害者が生きる上で必要な支援を、利益を得ることとして応益負担を導入しました。これまで負担能力に応じて支払っていた利用料が一律に一割を負担することになって、一体どういうことが起きているかと。
 先日、テレビで作業所に通っている広島の廿日市の障害者の御夫婦が紹介されていました。週五日から六日、一日六時間、はがきの印刷の仕事をしているわけです。一か月の工賃収入は二人で一万円です。ほんの少しでも役に立てるということがうれしいと。でも、毎日、することもなく行くところもなく、ずっと家の中にいる生涯だったら耐え難いというふうにおっしゃっています。
 障害者自立支援法の応益負担でどうなったかといいますと、この御夫婦は二人合わせて障害基礎年金で十六万円ぎりぎりの生活です。ところが、作業所への利用料やヘルパーのこの支払で支出が月に三万五千円増えました。毎月の生活が赤字になっちゃったわけです。五月に社会福祉協議会から三万円を借りて、月に六千円ずつ今返済しているということなんですね。このままだったら、作業所に通って働けばかえって生活できなくなる、社会参加の道が閉ざされて家に閉じこもっていなければならないと。
 こういう声は、恐らく総理のところにも声が届いているんじゃないかと思うんです。障害者施策の推進本部の本部長として、こういう現実をどのように思われますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 障害者自立支援法につきましては、もう紙委員も御承知のとおりの目的がございます。それは、今までどちらかというと措置費でやられていたころの言わば延長だったと思われるんですけれども、まず第一に、この障害者福祉の自立支援についても実は地域的なばらつきが非常に多かった、それを全国均てんの制度にしよう。それから、どちらかというと利用者の方を向いてそういう趣旨の改革をいたしました。その結果、一割負担ということを皆さんにお願いすると、そして利用者がそれぞれの施設を選択できる、施設の事業者からいったら、利用者の立場をおもんぱからなければいけない、そういうような仕組みになったというように思います。
 今、紙委員は、工賃の話とそれから今度新たな一割負担の話を比較して御指摘になられたんですけれども、この比較は、そういう比較をされたのでは困るわけでございまして、私どもとしては、やはりそういうことによって一体ケア、サービスが幾ら行われたか、それに対してどのくらいの比率の御負担をお願いするか。それはそれぞれのその利用者のこの状況を見まして我々は減免措置もそれぞれ講じているということで、御無理をお願いしているという状況ではないと思っております。
○紙智子君 私は総理に、推進本部長なんですから、その総理に、今現実にこうなっているという問題をお示しして、どう思いますかというのを聞いたんですよ。もう一度、総理、お願いします。総理じゃないでしょう。総理に聞いたんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま担当大臣から詳しい御説明をいたしましたが、まずはこの趣旨として、まずはこの障害者自立支援法においては障害者への支援を一本化した。それまでこのいわゆる障害者への支援はばらばらに行われてきたものもありますし、それを一括した。そしてまたサービスを、全国でなるべく同じようなサービスを受けられるようにした。そして、みんながやはりこの制度を支えていこう、これはやはり大切なことなんですが、国や都道府県に義務化したわけですね、まず支援を義務化した。しかし、まずこの趣旨を国民の皆様に説明をしなければいけないわけでありまして、その中においてまた更に一割の御負担をお願いをしたわけでありますから、それまで措置費であったものが、利用者として、言わば利用者としていろいろと、このいろいろなサービスを選択できるという可能性もこれでできたわけでございます。その中において、この負担、所得に応じまして負担の上限も設けておりますし、今個別に減免の措置もとっております。
 しかし、今様々なこの正に新しい仕組みをスタートをしたわけでありまして、それに至るまでは障害者の団体等の皆様方からいろいろな御意見をいただいた上でこの制度はスタートしたわけでありますが、しかしその中で、いろいろな御意見があることも承知をしているわけでありまして、そうした声にも真摯にこたえながら、今後どういう対応をしていくかということもこれ検討していきたいと考えております。
○紙智子君 時間が短いので、長々とはやらないでいただきたいんです。
 それで、今結論のところで総理は、やっぱりこれからその声も聞きながら改善していきたいというお話だったと思うんですけど。そこで厚生労働大臣にお聞きしたいんですが、実施わずかで、我が党が度々この指摘をしてきた矛盾が出てきているわけです。障害者の方々からも本当に悲痛な声が上がっているわけです。法案に賛成した自民党さん、公明党さん、与党からも、とうとうこの負担軽減のための、予算措置も含めた、そういう今要望、提案が出されているというふうに思うわけです。
 厚生労働省としても、今障害者の負担軽減を盛り込むように要求していくというふうに聞いていますけれども、これ具体的にはどういうことを要求していこうということなんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども厚生労働省は、国会の議論もございましたが、もうできるだけ法施行後の実際の法の運用状況、こういうことについて調査をいたしております。大体先月末をめどにこれを取りまとめたいということでございますが、まあこの調査そのものもかなり手間が掛かるものですからなかなかまだ発表にまで至っておりませんが、おおむね概成をしたということでございます。そういうことを踏まえまして、また与党の議論等も踏まえまして、それらを総合して、私ども改善すべきは改善していきたいと、このように考えております。
 大体、利用者の問題、それから事業者の問題、さらには包括支援を運営していただく地方自治体の問題、これら三者について実情に応じた取組をいたしたいと、このように考えております。
○紙智子君 新聞報道などでも出ているのがあるわけで、もう少し踏み込んで言っていただきたいなというふうにあるんですけれども、今言われたことの中でも、一応検討はしてその方向でということなんですけど、現在起こっている深刻な事態を、それに本当に解消できるかどうかということが問題だと思うんです。
 これちょっと見ていただきたいんですけれども、これ、さいたまの市が行っている調査の結果です。(資料提示)四月以降の利用者の負担ですけれども、かなり負担が増えたというのが六一%、多少増えた、合わせて八〇%です。それから、家計への影響もやっているんですけれども、生活できない七・二%、大きな影響を受けた五二・二%、少し影響ということを含めてあるというのは八割超えているわけですよね。こういう実態に、実際にそれぞれの自治体でやっている調査の中でも出ているわけです。
 それで、中でも障害児の影響も非常に深刻だというふうに思っていまして、障害児施設の場合は、これまでの措置制度が保護者との契約になって利用料を負担しなければならなくなったと。
 札幌の施設なんですけれども、入所の定員が四十五人の知的障害児施設です。十月から負担増で既に二人が退所したと。払えないということで、請求書を見て二件相談があったと。これまで負担が無料だったんですけれども、これ最高で月額四万八千円まで増えていると。施設では親の負担を少しでも減らそうということでいろんな行事をもう大幅に削っているんですね。年間で一番楽しみにしていた親子の一泊の旅行というのもやめてしまったというお話なんです。この子供たちの家庭状況は約半数くらいが一人の親の家庭なんですね。親自身が障害を持っているとか、ネグレクト、いわゆる育児放棄ですね、こういう問題を抱えてやむなく施設に入所していると。経済的にも厳しい家庭が半数ということになっているわけです。障害児の場合、親の収入で負担額が決まるということもあって非常に重くのし掛かっていると。
 今検討されているということなんですけれども、このように障害児を抱える家庭を含めて、非常に大変になっている世帯に対して本当に解決できる見直しということになるんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもとしましては、この障害者自立支援制度が円滑にいく、特に利用者の観点からこれが耐えられないから施設をやめてしまうというようなことの生じないように、そういう方向での改善策を探ってまいりたいと、このように考えております。
○紙智子君 障害を持った子供の場合、やはり中断しますと発達に深刻な影響があるということがあるわけですね。ですから、そういう意味からでも解決できる負担の見直しをしていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、大臣にお聞きしたいんですけれども、障害者の働く場所である共同作業所などの施設の運営にしても大きな影響が出ていると。施設への報酬単価が引き下げられた上に、月単位の支払が日割計算で支給されるということになって、多くの施設が大幅な収入減。ただでさえ低い職員の給料を減らして、それでも経営を継続することが困難だというふうになっているわけです。
 障害者の中には体調を崩しやすい人も多いわけですけれども、病院に行って施設に行かないとなると日割りということになりますから、収入が入らないということで、おもんぱかって熱があっても行くという人もいるということを聞いています。
 それで、ヘルパーの事業所も深刻で、重度訪問介護の単価が下がって引き受ける事業所がないと。ヘルパーの人件費を下げなければならないと。この札幌でも、時給、最賃ぎりぎりの七百円です。ですから、ヘルパーからもし生活できないから辞めたいと言われたときどうしようと。やっぱり安心して仕事できるし、命預かってやっているんだという自負が持てるような単価にしてほしいというのが利用者の側の障害者の方から言われるわけですね。
 やはりサービスが後退することのない報酬単価、そして職員の配置基準の見直しをすべきじゃないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど事業者についても改善の方策がないのかということについて、その可能性を探ってまいるということを申し上げました。報酬単価の問題もありますが、基本を我々変えるわけにはまいらないということで、現在あります最低保障、従前のレベルに比べて今原案では八〇%保障したいということを考えておりますが、そういったことの延長で何ができるかということを探ってまいりたいというふうに考えております。
○紙智子君 激変緩和というところではやっぱり大変だと、もっとやっぱり抜本的な対策が必要だというふうに思うんです。
 それで、次、財務大臣にお聞きしたいんですけれども、今ちょっとやり取りしましたけれども、お聞きになっておられて、やっぱり障害者の方々への負担の軽減策、緊急課題ということはお分かりだと思うんですけれども、やっぱりこれを補正予算の中に含めるということで、これ必ずやるべきじゃないかと思うんですけれども、それについて一言お願いします。
○国務大臣(尾身幸次君) 障害のある方が地域で自立した生活を送れるように支援していくことは重要であると認識しております。急速に障害福祉サービスが増大する中で、将来にわたり適切な支援を行い続けていくためには、制度の持続可能性というものを確保することがどうしても必要であります。
 このため、十八年度から障害者自立支援法が施行されたところでございますが、施行後も利用者負担を含めまして様々な御意見がございます。厚生労働省において、先ほどの議論にありますとおり、こうした意見を踏まえた対応を現在検討しているところと承知しております。
 私どもといたしましては、こうした厚生労働省において行われている検討結果を踏まえまして、必要な対応を考えてまいりたいと考えております。
○紙智子君 障害者の置かれている状況というのは、本当に一刻の猶予ならないと。緊急に対処していただかなきゃいけないというふうに思うんです。
 それで、検討の中身がなかなか、まだ言われないわけですけれども、総理にお伺いします。
 まだ詳しい中身が明らかにはなっていないけれども、しかし検討するということなんですけれども、例えば補正でそれをやったとしても、緊急の措置としてはそれでもってやれるとしても、その根本問題が解決するかどうかということになりますと、これは私は非常にそれでもまだ足りないというふうに思うわけです。
 大本にあるのはやっぱり無理な負担を押し付けた応益という考え方です。障害者の就労の場で負担を求めるのも、この報酬を引き上げようとすると利用者の負担が増えるのも、その根本に応益という考え方があるというふうに思うんですね。
 そもそも、やっぱり障害者の方々は、本当に食べたり外出をしたりと、それから人とコミュニケーションを取ったりと、病院に行ったり生きるために必要最小限のことをするにも助けが必要なわけですよね。それがどうして利益を受けたことになるのかと、この疑問は繰り返し出されているわけです。これが利益になるんだったら、障害の重い人ほどそれこそ最もその負担が重くなってしまうじゃないかと、これはやっぱりおかしいと、これこそ見直すべきではないかというふうに思うんですね。
 この間、私、埼玉の二十五歳の重度の障害を持った子供さんをお持ちのお母さんとお会いして話をしたんです。娘さんは知的障害者の更生施設に通っているんですけれども、三月まで無料だった負担が、利用料一割負担と食費で四月から毎月二万五千円前後の負担ということなんです。毎月の障害年金が約八万円です。近い将来はケアハウスに入って自立をして、日中活動をやって、本当に心豊かな暮らしが送れるように願ってきたと。ところが、これが応益負担でもってできなくなったというふうに言うわけです。お母さんが言いますけれども、今は父親が働いて、そこでともに暮らしているけれども、これが二十五歳の自立した女性の姿じゃないとおっしゃるんですね。やっぱり、成人した二十五歳の女性だったら本当に心豊かに自立した生活をやらせてやりたいと、親の気持ちとしてそう思うということなんです。親の収入がなくなったとき、あるいは親がいずれいなくなったとき、その後一体どうするのかということを考えたら心配で心配でたまらないと言うわけですよ。
 そういう思いは本当に皆さん共通の思いだというふうに思いますし、総理にお伺いしたいのは、こういう障害を持つ子供の親御さんたちの願い、本当に子供を思う気持ち、それに国がこたえていくというのは当たり前じゃないかと思うんです。政治の責任じゃないかと。障害者の自立を阻んでいるこの応益負担、これをやっぱり撤回すべきだと思いますけれども、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この言わば応益負担を導入して一割の負担をお願いをしたと。それは、言わば利用者の立場として障害を持った方々も、言わばそうしたサービスを利用するという立場に立っていくという中において、また今までなかなか地域の人たちとも閉じ込められた形で交流がなかった人たちももっと地域に出ていって、世の中に出ていって活動しやすい、あるいはまた、意欲を持った障害者の方々については雇用の機会を増やす、そうした趣旨でこの障害者自立支援法が導入されたわけでありまして、この一割の負担についても、みんなで支えていく、障害者の方々も含めてみんなで支えていく、そして利用者の立場として、言わばそういうサービスを利用していくという立場に立つことができると、こういうことでございます。
 もちろん障害の重い方々については、当然所得においてはこの上限を設けているわけであります。この利用料の上限を設けているわけでございますし、また例えばグループホームや入所施設で暮らす方で資産が少ないなど負担能力が少ない方については、月額六万六千円までの収入の方は定率負担をゼロとしているわけであります。このように個別の減免措置をとっているわけでありますし、また、繰り返しになりますが、障害の重い人については所得において利用料の上限が設けられているという制度になっているということは御理解をいただきたいと思います。
○紙智子君 総理は繰り返しそういうふうに答弁をされるわけです。でも、実際に現実が示しているように、この応益負担が導入されたことが今現実の障害者の皆さんの生活のやっぱり自立を妨げているということだと思うんですよ。
 私、二日前に、二日の日に札幌で障害者のシンポジウムがありました。与党の先生方も参加していましたけれども、その現場でも、今本当に見直しをしようというのであれば、当事者である我々の声を聞いて抜本的な見直しをしてほしいというふうにおっしゃっているわけです。
 今総理言われたように、障害者が社会参加をして自立をするために可能な範囲でみんなが支え合うための制度ということであるならば、何で応能負担じゃ駄目なのかと。応能負担はそういうやり方してきたわけじゃないですか。障害者の皆さんだって何も全然負担したくないと言っているわけじゃないと。だけど、能力に応じてやれる範囲でということでやってきたのに、それが原則一割負担ということになって今の事態になっているわけですから、そのことに対してやっぱり変えてもらいたい、元に戻してほしいと、こういう声が出ているわけです。
 あえて応能負担じゃなくて応益負担にしたというのは、やっぱりそもそもが、財源問題が主な理由だったんじゃないのかと私は言いたいわけです。
○委員長(泉信也君) 時間が参りました。
○紙智子君 結局、そもそも障害者に対する予算の枠自体が少なかったわけで、やっぱりお金がないと言いながら、もう一方では、バブル期以上の利益を上げている大企業に対しては大減税をやるわけですからね。そこはやっぱりお金の使い方違うんじゃないかということを最後に指摘をさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○又市征治君 社民党の又市です。
 私は、去る二十四日の本会議で、特別会計の余剰資金の活用について安倍総理に初答弁を求めました。本会議での警告決議であるとかあるいは会計検査院の新しい報告を踏まえて、前内閣よりもう一歩踏み出すことを国民の視点から求めたわけでありますが、小泉前総理は去る三月三日、このような全般質疑の中で、私への答弁で、特別会計からの資金活用が十二兆円では少な過ぎると、具体的な提案ですので、今後真剣に検討していくべき問題だと、また、もっと剰余金を一般会計に繰り入れることができるんじゃないかと、具体的な提案もありますので、今後真剣に検討していきたいと、二度にわたって答えられております。
 ところが、総理、あなたは、小泉総理のこの答弁以前に逆戻りをした答弁で、借金が多いから特別会計の余剰資金活用は返済に回すんだと、こんなふうにおっしゃっているわけでありますが、この間の全会派一致してのこの決算委員会での警告あるいは措置要求、そしてまた国民からの特別会計批判、これにこたえて、前内閣の改善方針をやっぱり一歩進めていくぐらいのこういう努力が必要じゃありませんか。
 総理にお聞きしますが、今後四年間で六兆円の財源捻出ということになっているんですが、これじゃ平年度と全く変わらないわけです。検査院の指摘も踏まえて、もっと活用額を増やすべきだということがまず一つ。
 そしてまた、その活用は借金払いだけに回すんじゃなくて、一般会計への繰入れを含めて、福祉の自己負担の縮小であるとか低所得者への減税であるとか経済格差の解消、消費の拡大に振り向けるということも、やっぱり今この時代状況の中では必要なんじゃないか、このように思います。
 この点についての総理の見解を求めます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現下の大変厳しい財政状況をかんがみれば、明確な必要性がない剰余金、積立金については一般会計への繰入れを行うなど、可能な限り財政再建に活用することが必要であると認識をしております。行革推進法においても、すべての特別会計の事務事業について精査の上、余剰金の縮減等により、十八年度から五年間で合計二十兆円程度の財政健全化への寄与を目指すこととしているわけでございます。
 そして、今、その中で、今後の四年間で六兆円では平年並みではないかと、このような御指摘でございますが、平成十八年度予算における特別会計の積立金、剰余金の活用のうち、その大部分は財政融資資金特別会計の積立金、これは金利変動準備金でございますが、から国債整理基金への繰入れ、十二兆円でございます。これは、国の財投において過去に発生してきた利益を累積した、過去の利益を累積した資産である金利変動準備金から、これは歴史的な、今までの言わば歴史的な低金利が継続をしてきたという特別の事情を背景として多額の繰入れになったわけでありまして、その中で差し引いた額の残りということでございまして、この十二兆円というのは、正にそういう意味では、今までの累積と、そして特別な事情があったということでございまして、このように、特別会計の剰余金の積立金の活用については、各特別会計の事業に対する需要の動向など不確定な要素もあることから、政府としては、今後の予算編成において、毎年度すべての特別会計について精査を行い、確実に目標を達成することが大切であり、それに向けて取り組んでまいる決意でございます。
○又市征治君 長々と御説明いただきましたけれども、私も決算委員会で五年やっていまして、全部そこらのところは今までしっかり議論をしてまいりましたから、余り多く説明要りません。
 そこで、十一月二十二日の政府の月例経済報告は、景気の拡大局面が四年十か月続いてイザナギ景気を超えましたと、こういうふうに言っているわけですね。しかし、利益を上げているのは大企業だけでありまして、国民全体への波及効果はほとんどない。個人消費は低迷をして、ついに消費に弱さが見られると、こういうふうに一年十一か月ぶりに文言下方修正、こういう方向にあるわけですね。当たり前だろうと思います。企業の収益は上向いても、勤労所得は八年連続で低下をし続けているわけでありますから。
 例えば、総務省の家計調査では、〇一年の世帯収入五十五万円が、〇五年には五十二万円に落ちているわけですね。正に小泉政権のリストラ政策の結果と、こう言わざるを得ないと思うんです。にもかかわらず、政府税調は、庶民の減税ではなくて企業減税の提案が出ておるわけで、全くそのセンスが分かりません。
 それで、総理の見解を伺いますが、相変わらず国際競争力の強化のためには、こうおっしゃるのか。しかし、企業の方は、正に貿易収支も海外の利子やロイヤリティー収入も伸び続けている。だから、四期連続で過去最高益を上げているわけですね。そういうことを踏まえてお答えをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は常々申し上げているわけでありますが、人口減少局面においても力強く成長していくためには、イノベーション、そしてオープンな姿勢が大切であると、このように申し上げております。生産性を上げ、そして国際競争力を保っていかなければ経済成長は達成できないわけであります。このような観点から、税制の果たす役割は重要であると思います。
 企業に対する税制につきましては、今や国際社会において競争をしなければならない、国際社会の中において勝ち残らなければ日本において勝ち残ることができないという時代になっているわけでありまして、競争上ハンディキャップになっているかどうかということも検証する必要があります。また、企業減税が雇用や個人の所得環境に及ぼす影響について調査分析を深めることも必要でしょう。税制改革全体の姿や、また消費者としての国民の受け止め方も、それは当然考慮に入れる必要があると思います。
 こうした観点から、今後十分に配慮しながら対応してまいりたいと考えております。
○又市征治君 認識が大きく違うんだろうと思うんですね。経済評論家の内橋克人さんも、パートなどの非正規雇用を増やし従業員の賃金を減らしたリストラ効果が大きい、銀行の不良債権処理も公的資金と日銀のゼロ金利政策が原資であり、家計から企業に所得の移転が進められたと、こういう指摘を実はしています。
 総理、こういうときだからこそ逆の流れ、企業から家計へと所得の再分配を図るのが私は、さっきあなたもおっしゃったけれども、正に政治の使命なんじゃないでしょうか。その点をもう一度改めてお聞きをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この構造改革を進めてきた五年半の間に日本経済は力強く回復してきたと、そして成長軌道に乗ったのは事実でございます。そして、もちろん企業も収益を上げているわけでありますが、有効求人倍率も回復をいたしてまいりました。失業率においてもそうです。
 そしてまた、非正規の雇用者と正規の雇用者について見ても、正規の雇用者がだんだん増え始めてきたのも事実でございまして、それはやはり経済が活性化してきた、これは結果であろうと、このように思うわけでありまして、こうした方向は決して間違っていなかったと私は確信をいたしておる次第でございまして、先ほど申し上げましたように、税制を考える、企業税制を考える上においては、やはり世界の中において競争に勝ち残っていく、そのことによって雇用も確保されるわけでございまして、そういう観点からもこの税制を検討していく必要もあるでしょう。しかし、それと同時に、当然、国民の皆様の受け止め方等々も配慮していくのは当然だろうと、このように思います。
○又市征治君 庶民は定率減税は来年から全廃、一月から、ところが法人税は九八年度の減税で一兆四千億円を下げたまま、さらに九九年にも下げてまいりまして、今もそのままですね。合わせて、当時の額にして三兆一千億円の企業減税が続いている。大企業が四期連続で過去最高益を上げている今、そして今おっしゃったとおり、大変なそういう意味では国際競争力を付けて大企業が今の申し上げたようなこういう数値を出している。全くオウム返しみたいな同じことをおっしゃっておって、国民の側は、さっき総務省の家計調査を言ったように下がり続けているわけですよ。ここのところをしっかり踏まえてほしいと、こう申し上げている。法人税の税率はむしろ、八九年の四〇%とは言いませんけれども、せめて九七年度の三七・五%までやっぱり私は戻すべきじゃないかと思う。
 こんなことをおっしゃっていると、総理は、あなたは美しい国づくりなんというふうに売りにされていますけれども、これでは一部大企業栄えて民貧し、こんな格好で、先ほども出ましたが、OECD諸国の中で今ワーストファイブだと、こういうふうに言われていますけども、ますます貧困率の高い格差社会、醜い国になっていってしまうんじゃないですか。こうした小泉改革の影の部分の是正が今求められているんじゃないかと、こう思うんです。もう一度お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) OECDの先ほどの数字でございますが、先ほども申し上げたんですが、それは、日本が提出をしている数値とほかの国々が出している調査の仕方が違うわけでありまして、これは、例えば学生等々もこちらの方は数字が入っているわけでありまして、それを変えますとそれほど下位の方ではないということと、それは決して絶対値ではないということでございまして、平均値とどれぐらいの差があるかということでございまして、絶対値としての貧困ではないということはまずはっきりと申し上げておかなければならないと、このように思います。
 その上において、やはりこれは先ほども申し上げましたように、国が経済成長をしていくことが大切であって、その果実をいかに均てんしていくかということではないだろうかということでございます。成長していくためには、やはり成長のエンジンである企業が競争力がなければならないというのは当然のことではないだろうかと、このように思うわけでございます。その中で安定的な経済成長を続けることによって、いかに家計部門に、あるいはまた地域に、中小企業にそうした果実が均てん化されるか、そのための方策を考えていかなければならないと考えております。
○又市征治君 本当は、この関連で生活保護費問題を厚労大臣にお伺いするつもりでおりましたが、時間がなくなってまいりますので、また既に出ておりますから、重複を避けたいと思います。ただ、生活保護費の母子加算、これを廃止するというこういう方向性が出されておりますから、この点については格差是正に逆行する政策だと、こう思いますし、そのような措置がとられないように強く求めておきたいと思います。
 次の方に移りたいと思いますが、二〇〇五年度決算がこの委員会の、これからの一年掛けて、一年まで掛からないが、まあ来期、来年の七月ごろまで掛けてやらなきゃならぬ仕事でありますが、その中で、やっぱり過去五年余りの支出の中でどうしてもこれは指摘しなきゃならない問題が出てきたと。いわゆるタウンミーティング問題ということでありまして、政府による民意の偽装と言ってもいいんだろうと思います。
 小泉内閣が始めたこのタウンミーティングにおいて、政府によるやらせの意見表明、サクラの動員があった、教育基本法についても世論を捏造したわけですが、他の郵政民営化問題等々の場合も同様ではなかったのかと、こういう疑念がぬぐえません。今出されている資料は、百七十四回の、二十億円も掛けた中身になっているわけですが、そのうちのごく一部しか公表されていない。
 そこで、順次官房長官にお伺いをしてまいりますけれども、まず行われた調査ですけれども、内閣府から各省庁にどのような文書をお出しになってこの調査をなさったのか、そしてまた、各省の回答の文書もこの後すべて公開されるのかどうか、その点をお伺いをいたします。
○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。
 内閣府におきまして、林副大臣を長といたします調査委員会を設置をいたしまして、ここで百七十四回の全数調査を行っております。
 今、又市委員御指摘のように、発言依頼をしたのかどうか、あるいは発言内容を添えて依頼をしたのかどうか、あるいは動員関係はどうであったのか、契約関係はどうであったのか、こういった諸点につきまして、関係省庁に、その実態を調査をし報告をいただくようにお願いしているところでございます。
 あわせて、地方公共団体にもその旨お願いをし、また参加者等にも電話等で情報提供をお願いをするということで、十一月十四日に設置をいたしまして、今、鋭意全数調査をいたしておるところでございます。早急にまとめていくという林委員長の指示の下で、今、大車輪で作業しているところでございます。
○又市征治君 聞いていることに答えてくださいよ。どのような文書で照会をしたのか、そしてこの回答文書も全部公開するんですかと、こう聞いているわけでありまして、官房長官、ちゃんと答えてくださいよ。
○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。
 各省庁には口頭でお願いをいたしておりまして、文書で資料提出をいただくことにいたしております。その今おっしゃいました資料の扱いにつきましては、この調査委員会で調査報告書をまとめる際にまた御判断をいただくべきものという具合に承知をしております。
○又市征治君 公文書も出さないで口頭でやりました。だから、ある新聞は、おれおれ詐欺の犯人に被害調査をしろと言っているようなものだと、こういう格好で実効性がないと批判をしているわけですよ。こんなずさんな調査ってありますか。長官、しっかりお聞きしますよ。
 じゃ、次に具体の中身に少し入っていきますが、契約書で言うその他協力者謝礼、これは一般の参加者のリーダー格の人、一番口火切った人に五千円ずつ払ったというわけですね。しかし、中間的な報告では、司会者が氏名、経歴を示して発言を求めかつ謝金を払った人数というようにして、二重、三重に縛って支払ったのは六十五名だ、こう言っているわけですね。しかし、それ以外に町内会とか企業とか青年会議所とか、県や市町村や教育委員会の職員だとか、そういう集団のリーダーに、発言しなくてもこれ以外の項目から支払った相手があるんじゃないのか、そういう疑念があります。
 我が党の調査委員会では、例えば、後ほど申し上げますが、十万円の日当を含めて別の項目でも業者への支払に潜り込ませて支払っている疑いがあるというふうに言っているわけで、この点についてお答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず大原則として、林調査委員会は決して内まだけでやっているわけではなくて、弁護士さん二名にも入っていただき、そしてまた学者の方にも入っていただいているんです。そこで、頼み方については調査委員会が方針を決めてやっておりますし、まとまったところできっちり国会の審議に供するべく提供をいたしたいと、こういうことでございます。
 今、その支払の問題でありますが、これについてもまあ個別の問題ということで、調査委員会で今鋭意、先ほど御指摘のようなケースを含めて調査をしているところでありますが、何分にも相手のプライバシーにもかかわる問題で、受け取った、受け取っていないというような問題もあるものですから、それについては調査委員会の方で統一的な扱いをするべく今調査をしているというところでございますので、その調査報告の結果をごらんをいただいて、また審議に付していただければ有り難いなというふうに思っております。
○又市征治君 先ほど言いました十万円の日当というのは、我が党がこの間記者会見しまして、平成十三年度の電通との随意契約で九億三千九百万円の中にあるわけです。ここに今あるんですけど、電通の局次長十万円、部長七万円、主管五万円などなど続いて、こうした日当だけでこの十三年度で何と七千四百三十三万円の日当が払われていると、めちゃくちゃなことをやっているわけですね。どうしてこんな額になるのか、官房長官、後でお聞かせください。
 もっと内容不明なのは、出演料なんというのがあるんですね。だれが出演、そんなところ、歌手でも来るんですかね。出演料で各会場ごとにまちまちで、最高額の神奈川では九十万円支払われているわけですが、まさか主催者側の大臣に払うわけでもないでしょうしね、パネリストの数人分にしては多過ぎる。請求は一式とあるだけで、単価も人数も何にも書いていない。この中から動員ややらせ発言への謝礼を潜り込ませたんじゃないのかと、こういうことがあるわけで、現にその後の年度でやらせをやっているわけですから。
 この点については、現段階で、官房長官、答えるところを答えてください。
○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。
 今、又市委員御指摘のように、平成十三年度は株式会社電通と随意契約を結んでおりまして、その中に出演者謝礼という請求項目がございます。この中には参加者の謝金と交通費が含まれているものと思われますが、この十三年度につきましては、総額での総価契約でございましたために、いわゆる領収書の添付等がございません。したがいまして、どのように、どのような人にこれが支払われたのか現時点では不明でございます。ただ、今委員御指摘のように、各回にこの出演者謝礼というものが、神奈川の場合は九十万、その他三十万とか八十万と載ってございますが、その内訳については不明でございます。
○又市征治君 驚くばかりなんですが、私、せっかく今日資料をお配りしましたから、この点ちょっと申し上げておきたいと思うんですが、資料の一枚目見ていただくと、単価契約といいながら、実際の支払額は、単価契約掛ける実施回数と比較をしますと、最大でも三倍、平均で二倍にもなって支払われているわけで、平成十四年度以降の累計で五億二千八百万円もが契約よりも余計支払われている。
 さらに、資料の二枚目は一会場ごとの例でありますけれども、追加項目という支払にも応じているわけでありまして、これではもう単価契約はなし崩しに形骸化されて、相手の言いなり、政府の司令塔の内閣府自身がこんなむちゃくちゃなことをやってきた、こういうことなんですね。
 一番下の欄、単価契約部分だけ比較しましても、一会場当たり二百万円から四百万円ずつ多く払われている。この点について説明をしてください。
○政府参考人(山本信一郎君) 御説明をいたします。
 委員御指摘のように、これは単価契約でございます。したがいまして、実際の実行段階では、員数を確認をして単価に掛け算をして額を算定するということで、一つはそういう員数が増になったという要素。それから、会場借り上げですとか、こういったものにつきましては、単価契約の外で実費精算ということになってございます。そういったものが更にプラスになる。それから御指摘のもう一つは、追加工事を、プランの後に施工をお願いするということで、そういったものがプラスになる。そういうことで、契約時点の一回当たりのモデル的な額よりも、おっしゃいましたように非常に高くなっているケースが多いということでございまして、これはこれからいろいろ単価の在り方とか、そういった仕様の在り方をよく見直していく必要があるということで、調査委員会でも調査をいただいているところでございます。
○又市征治君 大体そんなむちゃくちゃな、一回について幾らでやりますよといったら、人数が増えましたからって、その人数にもうみんな金配ったの。どうしてそんな金が二倍も三倍も掛かるわけ。そんな説明どうして通用しますか。もう全然お話にならぬじゃないの。本当にひどい、でたらめなこういう報告。だから信用できないんですよ、これは。
 そこで、委員長、さっきから申し上げてきたこういう幾つかの問題、やっぱりきちっと決算委員会としても資料請求を是非委員長として求めていただきたいというのが一つです。
 もう一つは、百七十四回すべてについてこんな無駄遣いがやられておったということが、これはもう先ほどの質問でも明らかですよ。そして、御丁寧にそれが民意捏造にまで及んでいる。こういう疑念を解くためにも、そうした資料請求と同時に、委員会として私は国会法百五条に基づいて検査院への調査要請を検討いただくように委員長に要請したいと思います。
○委員長(泉信也君) ただいまの要求につきましては、理事会で協議をいたします。
○又市征治君 ありがとうございました。
 それじゃ最後に、総理に意見だけ申し上げておきます。
 一連のタウンミーティングにおいて、やらせ発言、自治体職員などのサクラ動員を積み重ねて、教育基本法の改正を始め、これが民意であるごとく演出をした政府の責任は重大ですよ。耐震偽装ならぬ民意の偽装、こういう官僚の政治的犯罪だというふうに言わざるを得ません。小泉劇場という言葉がありましたが、あなたは官房副長官、長官としておられたわけで、それらのむしろ演出家であったり兼舞台監督、そういう役割だったんだろうと思うんです。
○委員長(泉信也君) 時間が参っておりますので。
○又市征治君 政府の広報、広聴の予算を一手に握って世論を捏造するのはもってのほかでありまして、百七十四回の全貌を国民にやっぱり説明できるように、積極的に総理自身の指導性を求めて、今日の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(泉信也君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四分散会