第165回国会 災害対策特別委員会 第3号
平成十八年十一月一日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     藤本 祐司君     榛葉賀津也君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         福本 潤一君
    理 事
                田村 公平君
                西島 英利君
                松下 新平君
                水岡 俊一君
    委 員
                岩永 浩美君
                大仁田 厚君
                倉田 寛之君
                小池 正勝君
                中川 義雄君
                松村 祥史君
                小林  元君
                榛葉賀津也君
                那谷屋正義君
                羽田雄一郎君
                広田  一君
                山本 香苗君
                仁比 聡平君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        溝手 顕正君
   副大臣
       内閣府副大臣   平沢 勝栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊原江太郎君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        増田 優一君
       総務大臣官房審
       議官       椎川  忍君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部技術参事官   舌津 一良君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中谷比呂樹君
       農林水産大臣官
       房政策評価審議
       官        中尾 昭弘君
       国土交通大臣官
       房官庁営繕部長  藤田 伊織君
       国土交通省国土
       計画局長     渡邊  東君
       国土交通省道路
       局長       宮田 年耕君
       国土交通省住宅
       局長       榊  正剛君
       気象庁長官    平木  哲君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策樹立に関する調査
 (平成十六年新潟県中越地震の復旧・復興対策
 に関する件)
 (大規模地震対策に関する件)
 (竜巻被害への支援策に関する件)
 (被災者生活再建支援制度に関する件)
 (建築物の耐震化促進に関する件)
 (平成十八年台風第十三号による農作物被害対
 策に関する件)
    ─────────────
○委員長(福本潤一君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十七日、藤本祐司君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(福本潤一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官増田優一君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福本潤一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(福本潤一君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。先日行われました大臣の所信表明に対して御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 その前に、本年の九月十一日から二十日にかけまして日本を襲いました台風十三号、特に人的被害も大きかったわけでございますが、死者が九名、そして行方不明者が一名というような大変な被害でございました。また、家屋等の被害、それから土砂災害、河川、道路の決壊等々、非常に大変な状況でございまして、特に佐賀、長崎がひどかったように思っております。また、この災害によりましてお亡くなりになりました方々に対しては、本当に深く哀悼の意を表したいと考えております。
 そこで、このことについて早急な復旧・復興が望まれるわけでございますが、この台風十三号に対して、今残された課題、そして速やかに激甚災害指定が必要ではないかというふうに思いますけれども、その見込みについてお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(溝手顕正君) 台風十三号被害に係る激甚災害についての質問でございます。
 御承知のように、激甚災害制度は、激甚災害と、これに対して適用すべき措置を併せ指定するものでございます。この場合、適用措置ごとに一定の基準があるため、地方公共団体の被害報告を受け、関係省庁において指定の前提となる復旧事業費の把握をする必要がございます。
 台風十三号による被害につきましては、農地・農業用施設関係の被害額が相当大きく、これについては全国規模の激甚災害である本激に該当するものと認識をいたしております。現在、激甚災害の指定に向け鋭意手続を進めておりますが、できれば来週中にでも指定ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○西島英利君 本当に、この被災に遭われた地域の方々は大変な思いをしていらっしゃるというふうに思います。また、行政もどのようにしていいのかということで大変苦労している状況だろうというふうに思いますので、是非、激甚災害指定をしていただいた上においては、最大の御支援をよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 次の質問に移らせていただきます。平成十六年の十月の二十三日に起きました新潟県の中越地震についてでございます。
 このときは、死者六十七名、負傷者が四千八百五名、家も、全壊が三千百七十五棟、半壊一万三千七百九十四棟と、大変な実は被害が起きたわけでございまして、それから二年がたちました。様々な復旧のための策が講じられてきたというふうに思いますけれども、どうも資料を見させていただきますと、まだまだ仮設住宅にお住まいになっている方もいらっしゃるようでございます。
 これにつきましても、残された課題、それから仮設住宅の問題等々につきまして今の現状をお教えいただきたい、そして、これからの取組についてもお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(溝手顕正君) 新潟中越地震の発生から二年が経過いたしまして、多くの関係者、関係地方公共団体、関係機関等の御尽力によりまして、被災地も日一日と復興への道のりを歩んでいるものだと思っておりますが、一方では、御指摘のように現在、これは九月末現在でございますが、千六百七十二世帯、五千三百十五人もの被災者が仮設住宅での生活を送っていらっしゃるという状況でございます。これらの方々のうち、インフラ復旧が完了していないことや今なお避難指示が継続している等、様々な理由による住まいの再建の遅れから、仮設住宅の設置期限であります本年十二月を過ぎてもなお帰宅ができない方が出てくるというように予想はいたしております。
 政府といたしましては、まずは当面の仮住まいの件でございますが、この確保のために仮設住宅の存続期間を延長が可能になるように措置をいたしたところでございます。また、これらの人が一日も早い帰宅を実現し、生活の再建が図られるよう、地方公共団体とともに宅地、インフラの整備、公営住宅の建設等、全力で被災地の復旧に取り組んでまいりたいと思います。
 引き続き、被害者のニーズの把握に努め、地元の地方公共団体あるいは関係省庁が一致協力して、地域コミュニティーの復活、再生と魅力ある地域の復興の実現のため、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○西島英利君 まだ仮設住宅にお住まいの方、たくさんいらっしゃるという今の御答弁でございました。
 やはり、仮設というのは本当に普通の生活ではないわけでございまして、できるだけ速やかにこの仮設から、本当に普通の生活ができる、そういう住宅へ移れる、そういうためのやっぱり環境づくりというのは非常に重要だろうというふうに思っております。ただ、今後、やはり経済的にも住宅が確保できないというような方々も恐らくこの中にたくさんいらっしゃるだろうというふうに思いますので、きめの細かい御支援を是非お願いを申し上げたいというふうに思います。
 これに伴いまして、いただきました資料によりますと、延長をして更にこの仮設の中で生活を余儀なくされる方々が、八百名近い方がどうしてもいらっしゃるというふうに聞いております。今、最初の初期の段階からかなりの方々が地域に住まわれるようになったわけでございますが、こういう状況の中で、私、実は精神科医でございますから、精神科的に考えますと、この八百名の方々、この格差という状況の中で自分たちは取り残されてしまっていくのではないかという心理的な不安を強くお持ちになってしまうんですね。そういう流れの中で、うつ病、うつ状態になったり、まあ本当にこれはあってはならないことでございますけれども、自殺という、そういう状況も起きかねないわけでございます。
 阪神大震災のときの状況も踏まえ、やっぱり心のケアというのが非常に重要視されているわけでございますが、この残された八百名の方々に対して精神的なケアというものを行政はどのようにお考えになっているでしょうか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。
 先生御指摘のとおり、被災者の心のケア、これは非常に重要でございまして、早期の対応のみならず、長期的な支援継続というのが必要であるというふうに思っております。そのために、各自治体において、保健所、精神保健福祉センター、医療機関などが中心となって継続的な支援、こういうネットワークをつくるということになっております。
 それで、新潟の、今回の新潟中越地震の場合におきましても、特に仮設住宅から出られないという方、非常に大きな問題だと思っておりますので、こういう方々につきまして、新潟県において仮設住宅入居者の聞き取り調査ですとか、巡回訪問指導の実施や心のケアのホットラインの設置、こころのケア相談会の開設、こういうことを行っておるというふうに承知をしております。
 私たちとしましては、国全体としては、やはり典型的には、PTSDと申しますけれども、やはりPTSDについて自治体で十分対応できるようにガイドラインをつくり、それを公表し、またそれを担って実際にサービスを提供される医療関係者の研修が重要でありますので、その研修につきましては専門研修会を開催いたしまして、十月の当初にはその研修会をちょうど終わったところでございます。そこの中では、より良いケアができますように、新潟中越地震のケーススタディーということも含めた研修会を行いまして、体制の面あるいはマンパワーの面での対応を考えているところでございます。
 ただ、今先生お尋ねの具体的な自治体の関係につきましては、やはり自治体がやられることを私たち厚生省といたしましても支援をすると、こういう立場から連携を図って対応してまいりたいと思っております。
○西島英利君 いただきました資料を読ませていただきますと、こころのケアホットラインという形で電話相談を受けているというのがどうも中心なような気がするんですね。ところが、うつ状態になったり、それから自殺までとお考えになる方は、そもそもがきちょうめん、まじめな人、人に心配を掛けてはいけないと思う人たちがそういう状況になるわけですね。はっきり申し上げますと、いい加減な人はならないわけですよ。ですから、そういう意味で、単なる聞き取り調査ということで訪問をされても、その中で生活されている方々は本音でのその不安というのはおっしゃらないと思うんですね。ですから、頻回の訪問によりましてまさしく信頼関係といいますか、信頼関係ができる中で初めてそういう本音の話が出てくるわけですね。
 私も、阪神大震災のときに支援隊で神戸に参りました。何回も何回も同じ人に訪問することによって、ようやく心を開いてくれるわけですね。そうしますと、もう涙をぼろぼろぼろぼろ流されながら、本当に心のうちをお聞かせいただいたわけでございます。
 ですから、表面的な対策でなくて、そういうきめの細かいことをやりませんと、自殺という状況が起きた後ではこれは遅いわけでございますので、そういう観点での何かお考えがあればもう少しお教えいただければと思います。
○政府参考人(中谷比呂樹君) 確かにおっしゃられるとおり、精神の問題、大変難しゅうございます。
 しかしながら、明らかなそういう御指摘のとおりの需要があるわけでございますので、今県ではこころのケアセンターを中心といたしまして、来所の相談を受け付ける、あるいは訪問をするということをしております。それが更に充実するにはどうしたらいいのか、私たち自身も県当局と相談をしてみたいと思っております。
○西島英利君 本当に表面的な対応では心を開いてくれないんです。ですから、まさしく信頼関係をつくっていくという、そういう気持ちを持ってやっぱり対応していきませんと大変なことが起きるわけでございますので、その辺りの御指導というのをやっぱり県当局にも是非していただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、地震の問題に移らせていただきたいと思うんですが、大臣の所信表明で、東海地震や首都直下地震のことできちんとした対策をやっていきたいというお話がございました。私のお隣に今、田村理事がいらっしゃいますけれども、何で自分のところの東南海とか南海地震のことが触れられないんだというようなお話でございましたけれども、限られた地域ではなくて、やっぱり全体的にこの地震対策というのは練っていかなきゃいけないだろうというふうに思っております。特に地震というのはいつ起きるか分からない状況の中でございますので、まさしく時間との闘いという部分もあろうかというふうに思います。
 そういう意味で、この四つの地震が起きる可能性が非常に強いという地域に対しての対策の現状と今後の取組につきまして、タイムスケジュールも含めましてお教えいただければと思います。
○副大臣(平沢勝栄君) 今、西島先生御指摘のとおり、地震はいつ起こるか分からないわけでございまして、私たちは国民の生命、財産を守るというこういった立場から、全力で大至急この問題に取り組んでいかなければならないと考えております。
 まず東海地震についてでございますけれども、この東海地震については、前々からいつ起こるか分からないということが言われておりまして、昭和五十三年に大規模地震対策特別措置法、こういうものができまして、これに基づきまして各般にわたる対策を講じてきているところでございます。既に対策のマスタープランとなる東海地震対策大綱、これは平成十五年に作っておりますけれども、そのほか、警戒宣言時等の発災前や発災時の政府の具体的活動内容を定めた応急対策活動要領、これも平成十五年でございます、こういったものを作っておりますし、今後十年間で死者数を半減することなどの具体的な数値目標を定めた地震防災戦略、これは平成十七年でございますけど、こういったものを策定しておりますけれども、今後とも防災訓練等を踏まえまして、随時見直しを行っていきたいと考えております。
 次に、首都直下地震についてでございますけど、これは私も地元が東京の葛飾ということもありまして、区民の皆さん最大の関心事の一つは、いつ地震が起こるか、そのときに最も大きな被害が想定されている地域の一つが東京の下町でございまして、これにつきましても都民の、区民の心配を和らげるという意味から全力で対策を講じていかなければならないということで、昨年来、首都直下地震対策大綱等、三つの計画を策定したところでございます。
 特に首都直下地震につきましては、もし不幸にして発生した場合には、避難者あるいは帰宅困難者が膨大な数に上るということが予想されているわけでございまして、大体避難者が七百万、それから帰宅困難者が六百五十万と、こう言われているわけでございまして、本年の八月より中央防災会議専門調査会、これでいろいろと対策の検討を開始したところでございまして、もうちょっと早くやるべきではなかったかなという感がしないでもございませんけれども、いずれにしましても、具体的な対策を大至急詰めていきたいということで考えております。
 次に、東南海・南海地震についてでございますけれども、この地震につきましては、今世紀前半にも発生のおそれがあると、今までの発生の周期からして今世紀前半にも発生するんではないかといったおそれが指摘されているわけでございまして、この地震に関する特別措置法を平成十四年に制定したわけでございますけれども、これに基づきまして種々対策を推進しているところでございまして、既に東南海・南海地震対策大綱等、三つの計画については策定を終えたところでございます。
 特にこの東南海・南海地震につきましては、津波による甚大な被害が想定されているのが特徴でございまして、したがいまして、堤防等の整備あるいはハザードマップの整備、あるいは津波避難ビルの指定、こうした津波防災対策を強力にこれからも推進していきたいということで考えております。(発言する者あり)これから全力で取り組んでいきたいと思います。
 それから、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震につきましては、過去巨大地震が繰り返し多数発生しておりまして、当該地震に係る特別措置法、平成十六年にできたわけでございますけれども、これに基づきまして対策を推進しているところでございまして、既に、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策大綱につきましては平成十八年に制定したところでございます。
 今後、今年度内を目途に応急対策活動要領及び地震防災戦略を策定する予定でございまして、津波防災対策とともに、積雪寒冷地域であることに配慮した対策を強力に推進していきたいということで考えております。
 いずれにしましても、今先生から御指摘ございましたことを十分踏まえまして、まだまだ不十分であることは十分分かっておりまして、これから大規模地震対策の推進に全力を挙げて取り組んでいきたいと思いますので、よろしく御指導のほどをお願い申し上げたいと思います。
○西島英利君 先ほども申し上げましたように、地震というのは起きたらもう終わりでございますので、できるだけ、時間との闘いでございますので、速やかな対策を講じていただきたいというふうに思います。また、命は一度失えばこれは元に戻りませんので、是非その辺りをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、次に移らせていただきますけれども、ここ数年のこの災害によりましてお亡くなりになる方、それから行方不明になる方、よく分析していきますと、六十五歳以上の方とか障害をお持ちの方が非常に多いように思っております。
 そこで、こういう方々に対して、今回の大臣の所信表明にも載っておりましたけれども、政府の災害時要援護者対策、これの具体的な取組をお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(増田優一君) 御指摘のように、ここ数年の風水害や豪雪によります死者・行方不明者に占める割合、六十五歳以上の方が大変多くなってございます。
 人的被害を少なくする、犠牲者をなくするという意味では、どうしても、まず住民の皆さんに早く避難していただく。特に、今お話ありました高齢者ですとか障害者といういわゆる災害時要援護者への支援というものをしっかりするということは極めて大事だというふうに思っております。
 このような認識の下で、内閣府では関係省庁と連携をいたしまして、まず避難指示・勧告の前にできるだけ早く避難準備情報をまず出すことということも徹底して今お願いしていますし、また、それぞれの要援護者ごとに具体の支援プラン、支援プランを作ってほしいということで、もう既に本年三月にガイドラインを出したところでございます。
 しっかりやっていただいているというふうに思っているんですが、実は現場では、これなかなか大変でございまして、実はこれは福祉部局がそういった方々の情報をお持ちなわけですけれども、どうしても個人情報保護との関係で防災部局にいただけない。したがいまして、具体の、どこにどういう要援護者がいらっしゃるのか、具体にどういうプランを作っていいのかというところが、なかなか現場で戸惑いがあって、実際にはほとんど進んでいない状況でございます。
 したがいまして、今年度、福祉部局の方々にも入っていただいて、どうすれば具体的にそういったことができるのかということをきめ細かにマニュアルを作ろうということで、今関係者集まって検討をさせていただいています。
 そういったことで、もう既にガイドラインはできているわけでございますので、是非それを浸透させていきたいというふうに考えています。
○西島英利君 そういう状況把握の中で、最近の傾向として個人情報保護が拡大解釈されているような、そういう感じがするんですね。
 そもそも、この個人情報保護法というのはどういう経緯の中でできてきたのかというと、まさしくIT化の中でインターネット等で個人情報が勝手に扱われたり、変なことが書かれたりとか、そういうのを処罰するために実はできた法律だと私自身考えているんですよ、これにかかわった経緯からいきますとね。
 そういう意味では、やはり行政が、どちらかというと個人情報保護を拡大解釈してやっているんじゃないかなというところもございますので、人命救助的な観点から、是非その辺りを解決できるような対応もしていただきたいというふうに思っております。
 次に移らしていただきますけれども、アジア防災センターや国連などと連携した国際防災協力の具体的な内容につきましてお教えいただきたいと思います。
 それから、この言葉の中で兵庫行動枠組という言葉も入っておりますが、少しこれを御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(増田優一君) 世界各地で災害が頻発しておりまして、世界の持続可能な開発を進める上で災害被害の軽減というのは今や国際社会の重要な課題として各国も今認識しているところでございまして、特に我が国は災害でいいますと先進国でございますので、そういった意味での国際貢献は大変期待されております。
 昨年一月に、我が国が開催国を務めまして国連防災世界会議を開きまして、その中で、今委員御指摘のありました兵庫行動枠組というものを提案し、採択をいただいたわけでございまして、その具体的なプロジェクトを現在アジア防災センターを通じたいろいろな形で今進めております。
 具体的に何点か申し上げますと、インド洋津波災害という大変な災害があったわけですが、その教訓を踏まえた津波の防災研修というものを国際的に実施しておりますし、また「稲むらの火」という物語がございますが、この教材をアジア各国の言葉で翻訳いたしまして配布する、そういう活動をやっております。
 また、アジア防災センター、これ二十五の国が参加しておりますが、これは本年三月にソウルでアジア防災会議を開催いたしまして、具体的にいろんな対策、例えば遅れております災害対策に関する法制度の整備、日本の災害対策基本法でありますとか、そういった法整備の指導でありますとか、あるいは防災教育の推進等のいわゆる我が国の実践事例、あるいは各国の実践事例を御紹介し、情報の共有をしたというところでございます。
 また、神戸に国際復興支援プラットフォームという拠点を置いておりますが、この拠点を通じまして被災国がより防災、つまり安全な国になるようにハザードマップの整備の方法等具体の災害対策のノウハウを現在提供しております。
 今後ともしっかりと国際防災協力を進めていきたいというふうに考えております。
○西島英利君 特にアジア諸国はこういう対策というのは非常にやっぱり遅れていると思うんですね。最近、特に大規模災害がアジア諸国で起きておりますので、そういう意味での日本の国際貢献というのは非常に重要かなというふうに思っておりますので、是非積極的なそういう対応をお願い申し上げたいと思います。
 次に移らせていただきますけれども、今回の大臣の所信表明の中にこういうのがございました。災害による被害を減らすためには、行政による災害対策を強化し、公助を充実させていくことはもとよりだけれどもということで、自助や共助の取組を一層推進していただくことが、特に企業や地域コミュニティーによる自助や共助の取組を一層推進していただくことが不可欠でありますというふうに書かれているわけでございます。
 これ、言うのは実は簡単なんですけれども、住民ややっぱり企業を動かすというのは本当に大変なことだというふうに思うんですね。やっぱり徹底した情報提供等々もこれは必要でございましょうし、そういうことから、こういうことを行っているモデル的な地域、先進事例があるのかどうか、もしあれば少しそのことをお教えいただきたいと、そしてまた、そういう取組を推進するために政府は何を考えておられるのか、その辺りもお教えいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(増田優一君) 御指摘のように、自助、共助、公助の連携が防災対策のかなめであると思っております。
 具体的には、自助の代表例は住宅の耐震化でございますし、共助という意味では地域社会が一体となって地域防災力の向上ということですし、それからそういうのを政府が一丸となって支える、公助と連携ということだと思っています。
 私ども、その中で特に、既に共助という意味では住民の方々の防災まちづくりというのはかなり進んでまいりました。実践例もたくさんございまして、これもいろいろと今普及啓発しています。その中で、今御指摘ありましたように企業、地域における企業の役割というものを非常に私どもとしては今重要視をしておりまして、企業の果たす役割は大きく二つございます。
 一つは、正に地域経済と雇用を支える企業は、まず自分の企業活動が災害があった際にできるだけ中断しないように、事業継続計画とこう言っていますが、正に自分の企業を永続するための様々な取組をしっかりしてほしいということで、これも昨年八月に私どもガイドラインを作りまして、これを普及するために今指導をしています。
 もう一つ企業が大事なのは、やはり地域社会の中でそのプレーヤーとして、防災のための重要な一員として活躍してほしいということを今お願いしています。先進的な事例ということがありましたので一つ御紹介しますと、東京の大手町、丸の内、有楽町地区、これ大丸有地区とこう言っていますが、この企業の皆さんが東京駅周辺防災隣組というのを作りまして、帰宅困難者対策でありますとかビルの耐震診断でありますとかガラス飛散防止対策を総合的に、これ地元の千代田区と様々な協定などを作りまして、しっかりやっていただいている取組がございます。この取組を今全国的に展開しようということで、経団連とも一緒になってそういった取組をやっていただきたいと思っています。
 先ほど申し上げましたような地域の皆さんの取組でありますとかこういった企業の取組を、私どもホームページを持っておりますので、そういったホームページも通じて普及啓発してまいりたいというふうに考えています。
○西島英利君 これも確かに、ガイドラインを作ってこういうふうにやったらどうかと言うだけで本当に進むのかなというふうに思うんですね。
 そういう意味では、何らかの法整備も必要かなというふうには思っているんです。特に、企業の場合はお金という、お金の持ち出しということが当然出てまいりまして、できるだけコストは掛けないようにという考え方、これは当然企業としてはそう考えるだろうというふうに思います。また、中小企業というのは非常に、そういうお金を出すこと自体が非常に難しい状況でもあるというふうに思います。そういう意味で、この法整備も含めた中でやっぱりやっていかないことにはこの防災対策なかなか進まないのかなと、実は私自身はそう思っているんですが、大臣いかがですか。何かお考えがございましたらちょっとコメントをいただければというふうに思いますけれども。簡単で結構でございますので。
○国務大臣(溝手顕正君) 防災対策というのは本当に難しいと思いますね。特に、突き詰めますとキャッシュの話も出てきますし、国としての限界もあろうかと思います。
 ただ、私が地方自治体をやった経験からいいますと、やっぱり地域の力をフルに活用するというきめ細かさというのが随分人を助けるんではないかと、そんな感想を持っております。
○西島英利君 大臣、是非先ほど申し上げたような観点も含めてお取り組みいただければというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最後に、もう時間が参りましたけれども、簡単で結構でございますが、本当に大規模水害が今非常に多くなってきております。この対策に対する現状と、それから今後の取組、何かございましたらお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(増田優一君) 毎年、水害の被害が発生しております。我が国は、現時点で申し上げますと、中小の洪水、毎年ある程度来て大変な被害が出ているわけですが、それはハード、ソフトともに、被害は出ておりますけれども、一定の備えができつつあるというふうに思ってきています。
 ただ、問題は、戦後直後襲いましたカスリーン台風でありますとか、あるいは伊勢湾台風級の大規模な水害、風水害が来たときに、これが特に大都市部を襲うということを考えますと、これは現時点では被害想定もはっきりできておりませんし、応急対策も十分な状況じゃないというふうに、大変大きな課題であるという認識を持っています。
 したがいまして、本年八月に中央防災会議に、これは水害では初めてでございますが、大規模水害対策に関する専門調査会というものを設けまして、今申し上げましたような本当に超大規模な水害が特に資産、人口が集積する大都市部を襲ったときにどういう対応をすべきかということを検討するということを始めたわけでございまして、今後二年間程度を掛けて勉強してまいりたいというふうに考えております。
○西島英利君 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 もう一度申し上げますが、時間との闘いでございますので、その辺りの認識を是非お持ちいただいて、よろしくお願いいたします。
 終わります。
○松下新平君 民主党・新緑風会の松下新平です。私、九州の宮崎の選出です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、本日、新しく大臣に就任された溝手顕正大臣、初めて質問をさせていただきます。大臣は参議院にも籍を置いていらっしゃいますし、院の運営にも深い御理解もございますし、また地方の行政にも携わってこられました。そういった面から、意を強く思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日から十一月であります。被災地の選出の先生たちはようやく台風シーズンから逃れられたという気持ちもおありじゃないかなと思っております。今年も七月の豪雨災害、そして台風十三号、先日の低気圧による大雨等々で多くの被災が発生しております。改めまして、お亡くなりになられました皆様に御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
 また、被災当時、ボランティアの皆さんあるいは地域の方々、役所の皆さん、災害復旧・復興に御尽力をいただいております。また、今もなおその職務に御尽力いただいている皆さんに感謝と敬意を表する次第であります。
 先ほど西島先生のお話にもありましたけれども、新潟中越被災、大臣所信の中にも触れていただいておりますが、二年たってもまだ不自由な仮設住宅の暮らし、そして三年目の厳しい冬を迎えるということであります。それを思うと、安倍政権が「美しい国、日本」、それを目指すということはすばらしいことですけれども、その基本である生命と財産、そういったものも私たちは政治の場で真摯に受け止めて、行動、発言していかないといけないというふうに改めて思っております。
 先日ニュースで、一部の小学校が、校舎が相当被災したんですけれども、復旧して、子供たちがそこにまた帰ってきて学校生活が始まったという報道もありました。やはり一刻も早い復旧をしなければ、その学校もそして地域も元の状態に戻るのが難しいということをいろんな方から聞いております。やっぱり、今までも取り組んでいただいておりましたけれども、スピード感を持ってこの復旧・復興に当たっていただきたいということを私からもお願いしたいと思っております。
 さて、本日は最初の溝手大臣に対する質問ですので、この災害に対する意気込み、考え方をまずお聞きしたいと思っております。
 私もこの委員会におりまして、全国の被災地を被災直後回らせていただきましたし、地元も昨年、今年と多くの被災地を回っております。その中で、私はいろんな方の御意見をお伺いし、またこの支援の協議をする中で一番強く思いますのは、不可抗力であるということであります。その人たちに何の責めもない中で、この自然災害、降ってわいたこの被害をどう国としてあるいは地域として考えるかということが大事でありますし、私は、少なくともこの原状の回復、被害が起きる前の状況に、先ほどから出ております自助、共助、そして公助、この三助のトータルバランスで戻すべき、そういった強い大臣からのメッセージがなければ、今現実問題として、被災をした地域、そしてそこに生活する方々が、原状の回復どころか、もう明日の生活の意欲さえもそがれているという状況がありますので、私はこの災害に対する考え方、不可抗力だからこの三助のトータルバランスで原状の回復まではするんだと強いメッセージが必要だと思っております。これはまあ考え方ですので、一方には自然災害だからこれはやむを得ないんだという考えもあるかもしれませんが、地方の実情ではやはり大臣の強いメッセージが求められていると思っております。
 まず冒頭に、大臣がこの災害に対してどのようにとらえ、そして取り組まれていくお考えなのかをお聞きしたいと思っております。
○国務大臣(溝手顕正君) 災害復旧の考え方、災害対策の考え方については本当に難しい面が多いと思っております。予防の段階から、また応急対策、復旧・復興のあらゆる段階において、おっしゃられましたように自助、公助、共助というのが連携して動いていく、それぞれの役割を果たしながら取り組んでいくことが必要だと思っております。
 また、御指摘がございましたように、時間との勝負、タイミングの問題も非常に重要なポイントだと思いますので、いかに政府の調査団を速やかに派遣するなり、あるいは法令の適用を速やかにやるなり、政府としてもいかにスピーディーに対応していくかということも極めて重要な要素だと思っております。また、地方公共団体に対する要請も必要だと思います。被災者支援に係る各種制度の活用をどう考えていくかということも考えないといけないんだろうと思っております。
 ただ、最後、住宅の被害、個人の財産の被害の問題になりますと、様々な問題点が出ているということは事実でございまして、なかなか一〇〇%の復旧というのは問題点が残っているということは十分承知をいたしております。それをどうやって対応していくかということが政治の責任なんだろうと思います。是非とも持てる力をフルに総合的に活用して対応していくと、現時点ではそう申し上げるしかないんですが、できるだけの総合力の発揮によって対応していきたいと、このように思っているところでございます。
○松下新平君 お話で申し上げましたけれども、天災だから仕方ないという考えもあったかもしれませんけれども、現状は、やはり緑のダムとして機能していた森林が崩壊しております。また、三方張りで、結局鉄砲水も発生しております。
 地域を見ますと、少子社会の中でなかなか行政コストが掛かる中で厳しい財政運営もあります。地域の経済も冷え込んでおります。そんな中で、ぎりぎりの生活をする中で災害が起きるという現実の中で、この災害対策、どう考えていくかというのは、今日、委員の先生たちもそれぞれ考えていただきたいというふうに思っております。
 大臣からは、私は申し上げましたけれども、被災地に対しては、この公助、国の責任ですべて原状を回復するという意味ではなくて、公助、自助、共助、このトータルバランス、都道府県、そして市町村との連携のことも言われましたけれども、その中で、原状回復はするんだという強いメッセージがあれば、地方は、地域の人たちは、被災者の皆さんはそこからやっぱり元気が出てくるということを強く申し上げたいと思っております。
 では、次に参ります。
 今日は気象庁の方からもお越しいただいております。今年災害が起きた中で台風十三号、とりわけ宮崎の中では竜巻が発生をいたしました。竜巻の現場を見られた方は少ないんじゃないかなと思っております。実際、この議事録で竜巻を正面から取り上げていることもほとんどありませんでした。どうも竜巻というとアメリカのトルネードですね、そういったイメージで、よその国の出来事ということが私も含めてあったわけですけれども、実際、今年の夏、台風十三号接近に伴って宮崎県で三か所発生いたしました。延岡市、そしてそのちょっと南の日向市、そして南の方の日南市でありました。特に延岡の方ではこの竜巻の発生により三人の方が亡くなられておりますし、皆さんもテレビでごらんになったかもしれませんが、JRの車両、四十トンもある重さなんですけれども、それが横転するという、そういった状況がありました。私も直ちに現場に参りましたけれども、表現するのはちょっと難しいんですけれども、かわらが飛んで壁に突き刺さっておるんですね。そういった、もう何かこう戦争の後のような状況であったわけであります。
 この竜巻災害、延岡の方ではちょうど中心街を通りました。時速九十キロぐらいで通り過ぎたと言われております。幅が五十メーターから二百五十メーター、長さが五キロぐらいというふうに地元の気象台は発表されております。これも、その被災があって、それからいろんな現場の状況を調査されての発表でした。
 当時は、九月十七日、日曜日でした。台風が接近するということで、皆さんやっぱり警戒されていらっしゃいました。いろいろお話を聞くと、おうちの中にいらっしゃった方は、台風接近ですから雨風が強くなったりやんだりという繰り返しですけれども、ちょうど竜巻の来る前はすごく静かになるそうなんです。そして、家にいたら、窓ガラスが一斉にがたがたがたと震え出して、一斉にぱりんと割れると。皆さん何事だと、初めての経験ですから、そういった状況がありました。また、外にいらっしゃった方は、鳥の大群が押し寄せてくるような、これは恐らく竜巻によってごみとか物が舞っていた状況じゃないかなと思います。
 そういった竜巻の状況、今日は気象庁からお越しいただいておりますので、なじみのなかったこの竜巻に関して、国内での発生の状況、そしてまたメカニズム、どういった研究をされているか等についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(平木哲君) 竜巻の発生数についてお尋ねがございましたが、全国で発生が確認されている竜巻の数は、平均して年に二十個程度でございます。このうち、気象庁では被害をもたらした竜巻の数を取りまとめておりますが、昭和四十六年から平成十七年までの三十五年間に全国で四百八、年間の平均では十個程度でございます。
 それから、竜巻の発生する仕組みでございますが、竜巻は活発な積乱雲の下で発生しております。約直径数十メートルから数百メートルのじょうご状又は柱状の渦巻でございます。台風の周辺や発達した低気圧に伴って発生することが多いという事実が知られております。
 それから、研究のことについてお尋ねがございましたが、大学始め内外の研究機関と連携しながら今、気象レーダー等のより有効な活用を進めて、その竜巻を含むよう、突風の発生の可能性につきまして予測するということを今開発を進めているところでございます。
○松下新平君 メカニズムという意味ではまだ解明されてないところもあるということでした。産学官の連携もありますし、諸外国との情報交換、そういったので是非研究を進めていただきたいと思っております。
 特に災害の中でも、予防というか、その準備ができていないのがこの竜巻でありました。さっき申し上げましたように、いきなりそういった、もうガラスが割れるというのが竜巻の恐ろしさでありますので、そういった研究、開発にも力を入れていただきたいと思っております。
 それでは、この竜巻に関して、ちょっといろんな国の支援策についての問題点を指摘させていただきたいと思っております。
 この竜巻も含めて台風十三号であったわけですけれども、先ほど、農業分野に関しては本激、来週中にも閣議決定されるというお話でありました。そのことは大変有り難いと思っておりますが、この竜巻による被災は、延岡市の場合は商店街が大体一割程度その割合がございますし、また住宅の方の被害もありまして、農業以外の分野も、この激甚災害指定を受けてそれでいろんな支援のかさ上げを期待しているところでもあります。
 竜巻というのでいろいろ、激甚災害のいろんな要件がありますけれども、竜巻自体がこの要件になかなかそぐわないという現実問題がございます。この竜巻の適用を前提にした激甚災害、この規制緩和についてもお考えいただきたいと思っておりますけれども、大臣の方で御見解がありましたらお願いいたします。
○国務大臣(溝手顕正君) お申し越しの点は二つかと思いますが、商店とか中小企業の問題はどうなのかということと、竜巻の問題をどう考えるかということだろうと思います。
 激甚災害の指定におきましては、中小企業あるいは商店等にかかわる被害は指定基準を満たさないということで適用が非常に難しいということを中小企業庁から報告を受けているところでございます。
 また、竜巻の問題でございますが、竜巻は非常に特殊な形態の被害を与えるということのようでございますが、復旧の方、我々、激甚災害の指定には原因というのは特にこだわっているわけではございませんし、発生した損害額、被害額や復旧にかかわる事業がどうかという観点からこれを検討することにいたしておりますので、竜巻によりましても、だからといって不利益になるとか得をするとかというようなことはないと考えているところでございます。
○松下新平君 実際の被災した状況を調査して、それで適用基準を、適合するか、そして決めていくという話でした。
 ただ、申し上げたように、竜巻というのは、面的な部分は少ないかもしれませんけれども、一個一個の被災はかなり激しい、大きいものがありますので、この激甚指定の在り方そのものも竜巻は想定していないと言わざるを得ません。そういった意味からも検討していただきたいと思っております。
 関連しまして、特別交付税、この増額について、今日は総務省からお越しいただいておりますので、その御見解をお願いしたいと思っております。
 被災した市町村については、特別交付税の増額、そして交付の前倒しを要望する声が強いわけであります。災害被災者への独自での支援を実施するなど、災害が発生した地域の市町村では住民のためにできるだけ手厚く支援をしようと努力するところが多いわけです。
 災害による特別な財政需要が生じた場合、特別交付税が交付されることになっております。しかし、延岡の場合を申し上げましたけれども、昨年の台風十四号でも被災いたしまして、大きな水害が発生して被災しております。その昨年の災害復旧もできない状況でまた今回の竜巻だったわけであります。毎年の特別交付税の交付時期は十二月と三月となっております。延岡市では、申し上げましたように二年連続しての被災ということもありまして、財政的にはかなり大変なことになっているようであります。地元からは特別交付税の増額、この強い要望が出ております。
 こうした疲弊した市町村に対して、これは延岡の事例を出しましたけれども、全国でもこういった例があると思いますけれども、こういった特別の配慮について総務省の考えをお願いしたいと思っております。
○政府参考人(椎川忍君) ただいまお話がありましたように、今回の竜巻が我が国においては非常に珍しい災害である、しかも今回の竜巻が過去に例を見ない強烈な竜巻であったということで、大変、地元延岡市の方々、応急対策や復旧対策に御苦労しているということを直接私も伺っておるところでございます。また、今御指摘ありましたように昨年の水害ということもございまして、大変にこの延岡市の財政状況は大変であるというようなことも併せてお伺いをしているところでございます。
 私どもといたしましては、特別交付税の算定に当たりまして、こういった被害状況や財政負担の実情などをこれから十分にお伺いをして、地方交付税あるいは地方債も含めて各般の地方財政措置を講じまして、その財政運営に支障を生ずることのないように適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○松下新平君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 続きまして、この公助の部分であります被災者生活再建支援法の指定基準、これが竜巻の被災にどう適用していただくかということについて防災大臣にお伺いしたいと思っております。
 この竜巻による被災者への支援が実態に合っていないという声を被災地から強くいただいております。特に被害の認定基準、これに合っていないということであります。
 現在の被災者生活再建支援法では、支援対象の適用対象となる世帯を全壊世帯及び大規模半壊としております。また、災害救助法では半壊以上を対象としております。この竜巻の被害は、竜巻によって巻き上げられて起こるものが多くて、被災の様態が地震災害による被災と大きく異なっております。例えば、この竜巻によって巻き上げられた屋根がわらなどが凶器のように人家を襲っていると先ほど申し上げましたけれども、壁やガラスを突き破るといった被害が相当起きております。こういったのが、竜巻特有の被害が多かったわけであります。このような被害に、従来の被災者生活再建支援法、災害救助法といった被災者支援のための法律に準拠して作られた被害の認定基準と合致しないケースが多く見受けられました。
 災害の被災認定基準は、昭和四十三年六月にそれまで関係各省庁の通達等で定められていたものを統一して策定され、通知されていらっしゃいますけれども、長い年月が経過して建築基準や住宅構造の変化などに伴って実情と合わなくなったために、幾つか改正されております。平成十三年六月二十八日、さらには平成十六年四月一日、被災者生活再建支援法の改正によって大規模半壊が創設されました。再度見直しもされています。しかし、これら基本的に、主に柱などの基礎部分の被害が認定基準となっております。竜巻のように、申し上げたように二階の部分が大きな被害を受ける、そういったものには対応しておりません。基礎部分の被害が少ないと大規模半壊に認定されないという指摘もございます。
 このことについて専門家からも、これは竜巻がこの支援法にそれぞれ適合していないと、そういったケースを想定していない法律であるという指摘もされておりますけれども、そもそもこの指定基準、これは竜巻を想定してないのかどうか、そのことについてお伺いしたいと思っております。
○政府参考人(増田優一君) 技術的なお話でございますので、私の方から御答弁させていただきます。
 今、先生からお話がありました災害の被害認定基準、あるいはそれの運用指針についてのお尋ねでございますが、被災者生活支援法等の法適用の前提になりますのは、御指摘のように住宅の被害の認定がスタートになります。その住宅被害の認定そのものは地元の市町村が行うわけでございますが、今申し上げましたように、それに基づいて各省中心になって作りました基準とその運用指針があるわけでございます。ただ、これはあくまでも自然災害に対して住宅が被災した場合の被害認定の基準でございまして、決してこれは地震向けでありますとか水害向けでありますとか、あるいは竜巻を想定したというものではございません。
 ただ、実際にはどうしてもそれぞれの災害特性がございます。例えば、今御指摘ありましたように、竜巻特有の突風でありますと、かわら、ガラスなどの飛散物によって屋根や外壁、窓ガラスに大きな損傷があると。その上で、中の建具、内壁にも影響があると。そういうことがありますので、私どもこの運用に当たりましては、元々基準も運用指針もある程度幅を持って作っているものでございますので、その災害特有に即応して柔軟に対応していただきたいということをこれ、これまでも市町村向けに指導をさせていただいています。
 今回のケースにつきましても、実は現地に建築の専門家を派遣いたしまして、その後、延岡市さんの方とも十分に調整させていただきまして、御不満のないような形で即応した対応ができるように今までやってきたつもりでございます。ただ、御指摘のように、なおまだ被災者の方で御不満があるということがございましたら、是非、延岡市を通じて私どもに言っていただきまして、御納得いただくような形で認定ができるようにこれからも指導してまいりたいと考えております。
○松下新平君 かなり不満があるから私はここで取り上げているわけでありまして、実際、災害救助法の対象になったのは全体の三〇%、さらに、被災者生活再建支援法の対象になったのは全体の一四%でしかなかったわけです。
 これは、担当の認定される方も何とかその対象にしたいということで考えていらっしゃいました。しかし、その認定基準というのが、国が定めた基準がありますから、それに合致しないというのが現実の問題でありますので、災害のいろんな種類がございます、台風災害はある程度予防もできるわけですけれども、この竜巻というのは、本当にあるとき突然どこに来るか分からないと。メカニズムも解明されていないと言われましたけれども、そういった性質のものでありますので、私はもっと柔軟にこの適用基準を、竜巻のケースも、いろんな想定を入れていただいて考えるべきだということを指摘しておきます。
 次に、今竜巻のことをずっと取り上げてまいりましたけれども、更に大きく、この被災者の皆さんからの切実な率直な声というのをお伝えしたいと思っております。
 大きく幾つかここで取り上げたいんですけれども、一つが被災者生活再建支援法の所得制限です。これさっき、延岡のケースですと一四%しか適用にならなかったと言われておりますけれども、ほとんどが所得制限でこの対象にならないというケースですね。やはり高額に納税される方は比較的その住宅も大きいわけで、大きいがゆえに被害も大きく出ております。その方々は、税金をしっかり納めているんだから、困ったときにこそ税金で対応していただきたいという率直な声もあるわけですけれども、実際この支援法の対象になっていないという現実がありますし、また、その住宅に例えば四人で生活していて、それぞれ給与があった人はそれだけでも簡単に所得制限をオーバーしてしまいます。そういった個々のケースがあります。
 また、そこに住んでいないケースがありますよね。空き家になった状態、廃墟ですよね。そのケースは、実際被災しても取り壊す費用も出ないという現実もあります。
 そういった様々な声をお伺いして、私は冒頭に申し上げましたけれども、国だけではありません。自助も共助も含めてトータルバランスの中で、これは不可抗力だと、だから災害の起きる前の状態には戻すんだという強いメッセージがなければ、私はこの地域の実情を申し上げましたけれども、これから頑張ろうという気にさえもなっていないという現状を見たときに、私はそういう観点から見たら、当然所得制限も撤廃するべきですし、あるいは店舗の話も出てまいりましたけれども、そこで商売を営む方がいらっしゃるわけです。生活は再建できても仕事がなかったらそれは営みとして成り立たないわけですから、そういったことも含めて今回の竜巻を契機にまた考えていただきたいと思っておりますけれども。
 そもそもこの所得制限の緩和、申し上げました住宅本体の建築費も対象になっておりませんけれども、その立法趣旨と申しますか、いきさつもお話しいただきたいと思っております。
○政府参考人(増田優一君) 御指摘のありました被災者生活再建支援法、一昨年大きな一部改正がございまして、御指摘の居住安定支援制度がスタートしたわけでございます。このときも様々な議論がございまして、この改正趣旨を一言で申し上げますと、住宅の再建というよりはむしろ居住、つまり住まい、生活の再建ということに主眼が置かれたということでございます。ですから、被害額の程度とかには関係せず、むしろ真に生活再建、居住を再スタートするのを支援しようということで制度が仕組まれているわけでございまして、どうしてもその際に、例えば経済的な理由でありますとか、あるいは高齢者であるとか、そういった自力ではなかなか生活の再スタートが難しい、居住を再開できない方に一定の支援をしましょうということで制度が仕組まれたというふうに私ども承知をいたしております。
 したがいまして、御指摘がありましたように、収入要件でありますとか年齢制限が設けられたということと同時に、実はこれはその住宅の所有が持家であれ借家であれ、かかわらず、そこにお住まいの方の生活再建ということで制度が仕組まれているわけです。したがいまして、住宅本体というよりは生活の基礎そのものに着目した制度になっておりますので、住宅そのものは対象にしないで、例えば住宅ローン利子の問題でありますとか、あるいは実際に被災された住居の撤去費用でありますとか、そういった生活再建のために必要な関連経費を居住安定資金ということでお出しするということになったわけでございます。
 ただ、先生御指摘のような問題は常々この委員会でも議論されております。また、法改正の際に、施行後四年を目途として抜本的な見直しを行うんだということも附帯決議されておりますので、今後、引き続きそういった御意見も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
○松下新平君 今のお話を聞いていると、被災した方はその生活のレベルが元に戻るんだというような錯覚に陥りますけれども、現実は全く違います。申し上げましたように、その対象にならないわけですから、皆さん本当に御苦労をされていらっしゃいます。店舗を持っていらっしゃる方が今回のケースは多かったんですけれども、もうとにかく仕事ができない状態も続きました。あるいは、融資にしてもやっぱり返さないといけないわけですから、後継者の問題もありますし、更に頑張ろうという気まで行っていないという声もたくさん聞いております。
 ですから、申し上げたように、私はその被災者側に立って、不可抗力ですから、あくまでも。だから、生活の被災をする前の状況に戻すというやっぱり強いメッセージがやはり今の防災対策として強く求められているというのを感じます。
 最後に、大臣に御答弁いただきたいんですけれども、今実際、地球温暖化の影響でしょう、毎年のように特に九州の方は台風災害が起きております。そして、その規模も大きくなっておりますし、今は台風シーズンが去ったといいますけれども、またすぐ、春が過ぎてこの六月、七月となるとまたその時期を迎えるわけで、皆さん本当にもう、今年も来たらもう生活ができないという切実な状況に来ておりますので、私は、自然災害でありますけれども、大臣のこの公助、自助、共助、このトータルバランスで原状の回復はするんだと強いメッセージがあれば、私はおのずから一つ一つの支援法の考え方も見直されるべきですし、一番はそれが被災された皆さん、そしてそれを周りから見ている皆さんの栄養剤になると思っておりますので、再度、大臣からの強いメッセージをいただきたいと思っております。
○国務大臣(溝手顕正君) 先ほど来よりいろいろ議論をしてまいりましたように、災害対策については、予防、応急対策、復旧・復興、それぞれの段階で御指摘のように自助、公助、共助がしっかり連携してそれぞれの役割を果たしていかなくてはいけないんだろうと思っております。今後とも、おっしゃられた趣旨にのっとって一生懸命頑張ってまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、先ほどの被災者生活再建支援制度というのは、非常に大きなつかみ方をしますと三百万をどうするんだということが最後の詰めになってまいるんだろうと思いますし、できるだけ被害者の生活状況に心を致しながら対応していかなくてはいけないことだと私はとらえております。
 いずれにしましても、関係省庁あるいは地方公共団体、お互いに困った人を一刻も早く助けようじゃないかと、そんな気持ちで取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○松下新平君 今最後に地方公共団体の話がありましたけれども、独自で基金制度を設けてスタートをしていらっしゃるところもあります。また、兵庫県のように共済制度を設けているところもあります。そういった全国の状況、国と地方自治体、それが公助になるわけですけれども、その連携もうまくいっているとは言えません。そういったところも含めて、それは公助の部分、そして共助の部分、そして自助はそれぞれ自己責任、また保険とか貯蓄とか、いろいろあるでしょうけれども、そのトータルで、被災した場合には被災前の状況に戻すということが大前提で、それで施策を打ち出していくということを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 溝手大臣、初めて御質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 盛りだくさんに質問を用意させていただきましたので、早速質問に入らせていただきますが、新潟県中越地震から二年がたちました。先ほど来お話にもありましたとおり、今なお多くの方が仮設住宅での生活を余儀なくされておられます。今年七月には仮設住宅の入居期限延長の閣議決定をしていただいたところではございますけれども、つい先日、我が党の議員が長岡市の仮設住宅を訪ねたところ、仮設を出た後の生活のめどが立っていないと、いつまでここにいれるんだろうかと不安を口にされる住民の方がたくさんおられたそうです。他方、仮設住宅を出られる方も増えてきておりまして、コミュニティーが崩れていっているという問題も出ているそうでございますが。
 そこで、大臣に改めてもう一度お伺いしたいと思っております。
 先日の大臣所信におきましても、新潟県中越地震について言及されて、「今後も引き続き、当地域が魅力ある地域として復興されるよう、力を尽くしてまいります。」とごあいさつをされておられましたし、大臣のブログも読ませていただきました。全力で復興支援をしてまいりますということを書いていただいておりますけれども、具体的にどのような取組をされるお考えなのか、仮設住宅への対応を含めて、復旧・復興に対する大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(溝手顕正君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、新潟県の中越地震の発生から二年もう経過いたしております。被災地も日一日と復興への道のりを歩んでいるとは思っております。しかし、十分な復興にはまだ時間が掛かるということも御指摘のとおりでございます。五千三百十五人という被災者が仮設住宅で生活を送っていらっしゃるという事実でございます。
 この中で、予算の関係、制度の関係から、この三月末までにはかなりの部分が改善できるという話も聞いておりますし、まだまだ避難指示が継続して出ているところもございまして、様々な理由がその背景にはあるということでございますが、皆さん非常に一生懸命、各省庁一生懸命対応していらっしゃることは私の目から見てもそんな思いをいたしております。
 ただ、仮設住宅の存続期間とか、まだまだ地元の個々の被災者のニーズについての把握、十分ではない面もあるかもしらず、今後も一生懸命対応しなくてはいけないんだろうと、このように考えております。一日も早い帰宅が実現して生活の再建ができるように更に頑張ってまいりたいと思います。
 私も来週辺りは一度現地入りして、しっかりこの目で見てまいりたいと考えているところでございます。どうぞよろしく御支援をいただきたいと思います。
○山本香苗君 是非、現地に足を運んでいただきまして、現状をよく見ていただきたいと思います。
 阪神・淡路大震災のときでも、仮設住宅を最終的に解消するのに約五年近く掛かっておりました。地元の要望を踏まえて、特に仮設住宅に残る方々は高齢者の方が多いんです。その点を十分配慮していただいた上で、その伺った議員からも聞いておりますけれども、先ほど西島先生のお話にもありましたが、高齢者の方々の体と心のケア等のきめの細かい対応を取っていただきたいということが現場からも寄せられておりますので、是非とも大臣の陣頭指揮でしっかりこの問題について対応していただきたいと思っております。
 また、地震対策につきましていろいろと伺ってまいりたいと思いますが、本当に地震がいつどこで起きても不思議でないというのが現在の状況でございます。その中で耐震化というのが喫緊の課題でありますが、次に改正耐震改修促進法の施行後の取組につきましてお伺いをさせていただきたいと思っております。
 同法は今年の一月二十六日に施行されておりますが、これを受けて国交省で地方自治体の方に対して耐震改修促進計画を半年以内をめどとしつつも遅くとも一年以内には策定するように通知をされておられますが、策定状況はどのようになっておりますでしょうか。
○政府参考人(榊正剛君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、本年一月に施行された改正の耐震改修促進法でございますけれども、新たに公共団体によります耐震改修促進計画を策定について盛り込んだところでございまして、現在、地方公共団体の方で住宅の耐震化の目標、相談窓口の設置、耐震診断の耐震改修に関する助成方針を内容とする促進計画を早く作ってくださいということで要請をいたしております。
 現在、静岡県が策定済みでございまして、その他のすべての都道府県も平成十八年度内には計画の策定を完了する予定というふうになっております。ただ、市町村に関して申し上げますと、都道府県計画を勘案して計画を策定するということになっておりますので若干遅れぎみでございまして、十八年度内に策定予定の市町村が実は百程度でございまして、六%程度にとどまっております。かつ、平成十九年度にじゃできるかというと、今予定の市町村が五百二十程度ということでございまして、約三割というような感じで取組が出遅れておると、こんな感じになっております。
 したがいまして、国土交通省では、住宅・建築物耐震改修事業ということで計画策定費を補助対象にするとともに、地方整備局の方で計画策定に関する情報提供を実施するなど必要な指導と支援をやっておる最中でございます。さらに、市町村ごとの計画策定の予定を公表をするなりして積極的な取組を促進をさせたいというふうに思っておりまして、可能な限りすべての市町村で早急に計画が策定されますように引き続き市町村に対して強く要請をいたしたいというふうに思っておるところでございます。
○山本香苗君 都道府県の方はどうにか今年度中にはできるという話でございますが、確かに今おっしゃられたように市町村におきまして、私も現場でいろんな担当の方々とお話をしますと、地域によってかなり差があるようでございますので、先ほどおっしゃられました様々な予算面から、また技術的な指導の面から、しっかり市町村におきましても計画が策定できるように御支援をしていただきたいと思っております。
 地方の方にしっかりやれという話でこの耐震改修促進法の改正をしたわけなんですけれども、次に、じゃ国の方としてはどうなっているかという点につきましてお伺いをさせていただきたいと思っております。
 今年の三月の当参議院災害対策委員会におきましても議論がございましたけれども、平成十六年度の会計検査院報告におきまして、地震のときに防災拠点となる官庁施設の多くの施設が大規模地震の際に役に立たないという指摘がなされておりました。
 私はこの指摘を聞いて大変びっくりしたわけでございますけれども、中でも、災害対策の指揮また情報伝達といった重要な機能を果たすべき災害対策拠点の中の一番総本山的なこの内閣府の本府庁舎がその役に立たないと、地震のときに危険な状況になるとされたグループの中に入っているという、入っているというか含まれていたのには大変びっくりするのと同時に、すぐに耐震化に着手しなければならないと思ったわけなんですが、これはこの会計検査院の指摘を受けて具体的に計画などは策定されておられないのでしょうか。されていないというのであれば、されているんだったらいいんですけれども、されていないというのであればその理由も併せてお伺いしたいと思います。
 また、特に内閣府の今申し上げました建物につきましては、もたもたしたら国の姿勢も問われるわけでありまして、急ぐべきだと思いますが、具体的な計画はありますでしょうか。
○政府参考人(藤田伊織君) お答え申し上げます。
 まず、御質問のありました会計検査院の指摘を受けての国としての対応につきましては、本年の八月二十五日に官庁施設の耐震診断結果等の公表を行った際に、今後の耐震化の具体的な数値目標を定めた防災拠点官庁施設整備の中長期計画を併せて公表させていただきました。具体的には、耐震性能の評価値が一・〇未満の施設を中心に耐震改修の促進を図りまして、おおむね十年後である平成二十七年度末までに耐震化率が少なくとも九割に達することを目標と定めましております。中でも、この中でも特に緊急度の高い施設については早期の解消を図ることといたしました。
 今後は、この目標の早期実現のために一層の耐震化対策に取り組んでいくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○山本香苗君 今おっしゃられましたのは耐震化の目標ですよね。おおむね十年以内に災害応急対策活動に必要な主な官庁施設等の耐震化率が少なくとも九割に達するように努めていきたいという話で、具体的な形じゃなくて抽象的なものなんですが、具体的にこの指摘を受けて、じゃこれ、どこから着手をされていくという具体的な案はないんですか。
○政府参考人(藤田伊織君) お答えを申し上げます。
 この少なくとも九割という中で、特に緊急度の高い施設については早期の解消を図るということで取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。
○山本香苗君 いろいろと財務当局とのいろいろな交渉があって答えにくいところだと思うんですけれども、大臣、今のを聞かれてどう思われますか。内閣府の本庁舎がそういった危ない状況にある。是非とも大臣の政治的なリーダーシップをもってしっかりと御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(溝手顕正君) 今の御指摘の点については、内閣府防災担当グループとしては速やかに対応してほしいということで一生懸命作業を進めておりますし、いろんな計画を既に始めていると、このように承っております。
○山本香苗君 本当に地震との闘いは時間との競争という形で先ほど来お話がありますが、是非国としてしっかり、地方にやってくれと言った中で国がきちんとやっていなかったという話になったらおかしなことになりますので、是非大臣、御就任されて一か月ほどたちますが、感じられることもあると思いますので、この問題につきましてはよろしくお願い申し上げたいと思っております。
 特に、あと急がなくちゃいけないところといたしまして、避難所となる学校の耐震化につきましてもお伺いをさせていただきたいと思います。
 今年の二月の二日の参議院の予算委員会におきまして、文部科学大臣とまた国土交通大臣のお二人が、両大臣が年内に学校施設の耐震診断すべてやると、そう言ってはっきり答弁をされておられましたが、年内に終わりそうでしょうか。その見通しはどうでしょうか。
○政府参考人(舌津一良君) 御指摘のとおり、両大臣の御指示があったわけでございます。年内に診断を終えるように強く指導をしておったわけでございます。
 本年四月の耐震診断の実施率は約七割弱であったわけでございますけれども、本年九月に改めて調査を行ったところによりますと、いわゆる旧耐震基準で建てられた公立小中学校の建物のうち、本年中に耐震診断を終える予定のものを含めますと約九割という数字になっておるわけでございます。なお一割がまだ残るわけでございますので、文部科学省としても、現在、学校の設置者でございます各地方自治体に対しまして、本年中に耐震診断を完了するよう様々な機会を通じまして強く指導を行っているところでございます。
○山本香苗君 約九割はどうにか大丈夫そうだということなんですが、残る一割ですね、どういった理由で一番、診断をなされないというような形になっているんでしょうか。
○政府参考人(舌津一良君) やはり、最大のその理由は財政的な事情ということと、あるいは、いわゆる地域によるその切迫感の違いといいますか、そういうようなものもあるやに思っておりますけれども、それを乗り越えて、強くやるように指導しておるというのでございます。
○山本香苗君 いや、今のところ九割の見通しで一割そういう状況にあるということでございますが、財政的にもいろんな支援策を新たにつくって対応してまいりましたし、また意識を上げなくちゃいけないというのであれば、是非、様々な機会ではなくて直接きちっと年内にやるんだという形で指導していただきたいと思います。
 その診断がなされた後のことにつきましてちょっとお伺いしたいんですけれども、診断結果についてでございますが、既にこの四月の一日から市町村別に公表がなされています。ですが、それでもなおやっぱりそういった診断なされないようなところもある、また工事が進んでないところもあるという状況で、意識がまだまだ低いわけであります。
 そこで、是非個別の学校施設の耐震化状況まで公表に踏み切るべきじゃないかなと思っています。以前こういう話をしたときによく、個別の学校施設の耐震化の状況を公表すると不安をあおることになるという声があったりしましたけれども、遅れている施設の名前が公表されれば、逆に皆さん方、(発言する者あり)そうなんです、対策を早くという声が上がって、耐震化の促進の援軍になるはずだと思うんです。専門家の方にお伺いしても、細かく状況を公表することによって学校の設置者である市町村の責任も明確になって、しっかりやらなくちゃいけないという気持ち、いわゆるそういう形に流れができていくというようなことを言っているわけなんですけれども、そういう中で既に個別の学校の耐震化の、学校施設の耐震化状況を公表していらっしゃる市町村もあります。
 是非、今回の調査結果を踏まえて、市民の皆様方に自分たちの学校が本当に大丈夫なのか大丈夫じゃないのかと、そういう意識を持っていただくためにも、市町村において原則個別の学校施設の耐震化状況を公表すると、そういう形で文部科学省からしっかり指導をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(舌津一良君) まず、十二月末時点で調査を行うかどうかということでございますが、当然終えるように指導をしておるわけでございますので、調査を実施するということにしております。その際、仮にその耐震診断を完了してないという地方自治体がございましたらば、それらについては当該市町村名を公表するというふうに現在検討をしておるところでございます。
 それから、学校名の公表につきましてでございますけれども、まず、基本的には私どもの考え方としては、その公立小中学校の設置者でございます各市町村の御判断により行われるべきものと考えておるわけでございますけれども、先生御指摘のように、学校の耐震化というのは極めて重要な案件でございますので、その実態を公表するというのは大変重要なことだというふうに認識しております。
 今後、先生御指摘のとおり、各地方自治体に対しまして各学校ごとの状況について公表するよう強く指導してまいりたいと考えておるところでございます。
○山本香苗君 検討でなくやっていただきたいと、やりますという御答弁をいただきたいなと思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(舌津一良君) 検討というのはちょっとあれでございまして、確実に、確実に公表するように指導をいたします。(発言する者あり)
○山本香苗君 本当に、平成十四年に初めて全国調査をしてからここまで持ってきた状況でありまして、やっと耐震化率も五割を超えたところであります。皆さんにやっと認識をしていただいた状況であるとは思うんですが、しっかり進むように、文部科学省としても国土交通省とも連携を取っていただきまして、しっかり町づくりの観点からも進めていただきたいと思います。
 次に、首都直下地震対策といたしまして何点かお伺いさせていただきたいと思います。
 首都直下地震対策大綱並びにそれに具体的な数値目標を書き込んだ地震防災戦略におきまして、いわゆる政治、行政、経済の中枢機能という、首都機能の継続性を確保するための対策の一つにバックアップ機能の充実という項目が挙げられておりましたが、これは具体的に何を想定して拡充を図るということをおっしゃっていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(増田優一君) 御指摘のように、首都直下地震の地震防災戦略で首都中枢機能の継続性について触れております。これは重要な課題ということで触れておりまして、首都中枢機能に障害が発生しますと、我が国全体の国民生活、経済活動に支障が生ずるほか、海外に大きな波及も想定されるということで、首都直下地震発災後も一日も途絶することなく継続性確保のための対策を取るというふうになっております。
 御案内のように、首都中枢機能は、政治、行政中枢機関でありますとか経済中枢機関、それを支えるライフライン、それから、それらを支える人、物、金、情報、そういう統合体で構成されている機能でございます。いわゆるBCPということで今進めておりますが、実は、日銀始め金融機関の多くは既に事業継続のためのBCPを策定して、経済界の方がかなり進んだ形で動いております。
 行政機関、特に中央省庁がそういった事業継続計画をどういうふうに作るかということで現在取り組んでおりまして、現在、内閣府で中央省庁版のBCP策定のためのガイドラインを検討しております。事業継続計画ということで、略称で言わさせていただいています。
 その中で、災害応急対策をどうするか、それから、通常業務の中で優先継続すべき業務を抽出してその継続するための人と物をどうやって確保するかということ、それから、先ほどもありましたが、耐震性が不足する建物につきましては耐震対策を進めるとともに、万が一の場合の代替業務施設の確保について、そういうことを各省庁決めるように、ガイドラインを今作成することで各省庁と調整をいたしております。速やかに進めたいと思います。
○山本香苗君 中央省庁のBCPはこれから策定、早めに策定されるということなんですけれども、それはそれとしても、首都機能というものを首都圏以外でも維持継続できる仕組みを構築しておくことも首都直下地震対策として非常に重要な課題ではないかと思っております。
 現在、我が国は国土づくりの基礎となる国土形成計画の策定が進んでおりますけれども、首都機能のバックアップをどう確保するかについて検討するためにも、国の定める国土形成計画、全体計画において、首都圏以外における首都機能のバックアップが必要だというような、そういった必要性を記載すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 国土形成計画の全国計画につきましては、現在、国土審議会に計画部会を設置いたしまして検討を行っております。今月中に計画部会の中間取りまとめを行いまして、その後、来年の中ごろを目途に計画を策定する予定でございます。
 現在検討中の中間取りまとめにおいては、新たな計画において取り組むべき課題の一つとして、災害に強いしなやかな国土の形成を掲げまして、災害に強い国土づくりに関する検討を行っているところでございます。
 具体的には、第一に、国や広域ブロックの経済社会機能の中枢を担う大都市圏等における中枢機能の相互ネットワーク化を通じた相互補完、代替性の強化、第二に、交通、情報通信ネットワークにおける迂回ルート等の余裕性の確保などの取組の重要性について議論がなされているところでございます。
 東京につきましては、先ほどもお話ありましたように、金融、情報通信などの諸機能が集中し、一たび災害が起これば、日本経済ばかりでなく世界経済にも大きな影響が及ぶおそれがあります。このために、危機管理の観点からも、国土全体での機能分担と連携を図りつつ、東京圏への過度の機能集中や人口流入を是正していく必要があります。国土形成計画の重要な課題の一つとして考えております。
 今後、国民各層の意見も広くお聞きしながら、計画の策定に向けて国土審議会における審議を行っていきたいというふうに考えております。
○山本香苗君 策定状況を聞いているわけではないので、そういうものを入れたらどうですかという議論をしているわけなんですね。それに似た、私も中間取りまとめをちょっと読ましていただきまして、見させていただきますと、大都市圏の中枢機能の相互補完、代替性の強化という形の言葉は踊っているわけなんですが、そういった首都機能のバックアップという形で明確に書かれておりませんので、是非そういうものも書き込んでいただけるようにしていただけないかなと思ったんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邊東君) お答えいたします。
 御質問の首都機能のバックアップ体制につきましては、国会等の移転に関する政党間両院協議会座長取りまとめにおいて、今後、防災、とりわけ危機管理機能、いわゆるバックアップ機能の優先移転などについて考え方を深めるための調査、検討を行っていくということとされております。
 このため、計画の中で、首都機能のバックアップ体制についてどのように扱うかということにつきましては、国会での御検討の方向も見極めた上で今後検討を進めていきたいというように考えております。
○山本香苗君 首都移転の議論とは別にして、首都直下地震対策として早急に検討すべきだと思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思っております。
 最後の質問にさせていただきたいと思いますが、これ、ちょっと現場をいろいろ歩いている中で出てきたお声でございますのでよろしくお願いしたいと思っておりますが、災害等で道路に穴ぼこができたりとか道路で様々な異状が発見した場合に、迅速に対応を図るために道路の利用者の方に通報していただく、ここは異状な状況がありますよという形で通報をしていただく道路緊急ダイヤルというものが、制度が、平成十七年の十二月一日から設置をされております。
 道路を利用している方に通報していただくというものであるにもかかわらず、固定電話以外からの通報は料金が掛かります。NTTからの固定電話からだと無料なんだけれども、携帯から通報すると料金が掛かると。道路で異状を見付けた場合、わざわざ固定電話があるところまで行って通報するという人は非常にまれだと思います。実際、道路を頻繁に使う方々から、道路で異状を見付けたら車は路肩に止めて携帯で電話するのが自然で、わざわざ通報しているのに何で料金が掛かんねんと、おかしいじゃないかという声が寄せられておりました。
 確かに、よくシャープ何千番という形のものってたくさんありまして、自分がサービスを受けるというものであったらそれの対価として料金を払うというのは分かるんですけれども、道路の異状があるからそれに対して通報して、かつ、お金を取られるというのはおかしいんじゃないかなと思うんですが、物流業者の方々なんかに聞きますと、そういう場合どうするんですかと、そういう方々は無線持っていらっしゃるので、道路での異状を見付けた場合に、道路緊急ダイヤルのシャープ九九一〇と言うらしいんですけれども、この九九一〇には通報しないで、仲間内で無線でどこどこの道路で穴ぼこがあるでとかいう形でやり取りしてしまって終わっているそうなんです。これでは、このダイヤルをせっかく設置した意味というのが余りなくなってしまうんじゃないかなと思います。
 広く利用者の方に異状を見付けたら通報していただけるように携帯からの通報も無料にすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、固定電話から道路緊急ダイヤルは無料になっておりますが、携帯電話からは課金になっております。
 これは、利用者の方が携帯電話でお掛けになる、で、各携帯電話会社がございます。それが、我々の通報窓口といいますか、コールステーションの方はNTTのいわゆる回線でありまして、そこの交換機のところで、そこが無料にできるというカウントが、それぞれ各会社に割当てが今システム上できないという、そのシステム上の問題が一つございます。それからもう一つの課題は、各会社が、今委員御指摘のように緊急ダイヤルというのはシャープ九九一〇という番号でございますが、シャープが付いた番号のときには基本的には有料ということで各携帯電話会社流されております。
 それで、別途我々は〇一二〇の方の番号も持っておりまして、そちらの方であれば携帯電話でも無料ということでありますが、シャープのやつはその二つの課題がありますので、今携帯電話会社の方と話を詰めておりまして、システムの方は大体解決が付きそうであります。
 単純に言えば、交換機のところで度数をカウントして、それを落とすと。あとは、各会社の方でそのシャープを付けられた番号の運用をどうしていただくかということを会社の中で御検討いただいて、できるだけ早期に、委員おっしゃいますように無料にするのが当然でありますので、無料化に向けて頑張っていきたいと思います。
○山本香苗君 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は、台風十三号の北部九州における農業被害についてお尋ねをしたいと思います。
 十月二十七日の時点で、政府のまとめによりますと、農林水産関係被害は六百三億円に上っております。農地・農業用施設と併せまして、農作物被害が特に甚大で、北部九州を中心に特に塩害あるいは倒伏の被害が大きくなっておりまして、三百七十二億円でございます。
 お手元に私どもの方で調査に行ったときの写真をお配りをいたしました。
 一枚目は、九月の二十五日の佐賀平野の水田、あるいはその転作でやっています大豆の被害の様子ですけれども、これをごらんになってある市長さんは、まるでススキのようだとおっしゃいました。作況指数を見ますと、一番ひどい佐賀では、記録が残っている一九四八年以降で最悪になります四九という事態、その佐賀平野の東部の方では四二という、正に大凶作という状況でございます。地元では、九州の米が歴史的な大不作になっていると、深刻な懸念の中で、生産者の方でいいますと、収入は平年の一割程度になってしまうんじゃないかという悲鳴です。米価が下落をする、あるいは農業構造改革への不安があるという中で、入植五十年、初めてのこの被害で、もうこのままでは農業が続けられないという、そういう声が上がっているわけです。
 二枚目は、長崎県のビワの被害を写した写真ですけれども、ここは全国の三五%というシェアを持っております日本一の特産地ですけれども、壊滅状態です。長崎市の農業被害総額が十八億六千万円ですが、このうち十三億七千万円がこのビワの被害。本来ならこの季節、あの深緑色のビワの御存じの葉っぱが生い茂っているというはずなんですけれども、このように焦げ茶色一面になっておりまして、面積でいいますと九八%がこういう事態になっていると。正に産地の維持さえ危ぶまれるという事態になっているわけです。
 このような甚大な被害の救済のために、私はあらゆる手だてを尽くすべきだと思います。被災者からも自治体からも激甚災害の指定が第一に切望をされてきたわけですが、大臣にまずその見通しについてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(溝手顕正君) 台風十三号に係る激甚災害指定の見込みにつきましては、先ほどお答え申し上げたとおりでございますが、農地・農業用施設関係の被害につきましては本激に該当するものと認識しておりますが、現在、他の部門につきましてはそういう報告を受けておりません。
○仁比聡平君 その指定の見通しについて、先ほど来週中にはという御答弁もありました。その指定を是非急いでいただきたいということをお願いをしますとともに、農作物の被害救済というこの取組について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 まず、水田について、甚大な塩害が起こったことによってこれからの作付けに影響はないのかという心配がございました。私も専門家の調査をお願いしたのですが、その結果はどうだったでしょうか、簡単にお答えください。
○政府参考人(中尾昭弘君) 台風十三号による潮風害を受けた圃場におきましては、海水中の塩分が土壌に集積をして、後作の麦、野菜などの生育に悪影響を生じるおそれがあるということで、佐賀県におきましては、甚大な潮風害を受けた有明海沿岸部を中心として土壌調査を行ったところでございます。
 その調査結果によりますと、沿岸部に近い圃場では塩分濃度が高かったものの、同県におきましては直接海水をかぶったごく一部の圃場以外は麦や野菜の作付けに特段の影響が出るほどのものではなく、念のために土壌改良資材の施用等の営農対策を徹底するということとしておるというふうに聞いております。
 農林水産省といたしましては、引き続き、今般の台風被害を受けた関係県との連絡を密に取り、後作の麦などの作付けに影響が出ないよう技術指導に努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 引き続きよろしくお願いしたいと思うんです。
 その切実な所得の補償についてなんですが、この点では、まず農業共済金の早期の支払が必要でございます。また、収量の減少という損害、その観点での損害評価にとどまらずに、塩害を受けて品質が低下をすることによって収入が激減をするということについての被害をしっかりと損害として評価をして支払を行っていただくということが大事だと思うんですが、水稲共済の損害評価とそれから支払の見通しについてお尋ねをいたします。
○政府参考人(中尾昭弘君) 水稲共済に係る特例措置でございますけれども、今後、農業共済組合連合会から申請があれば国としても検討してまいりたいと考えております。
 また、共済金の早期支払につきましては、被災農業者等の要望を踏まえまして、既に本年九月二十一日付けで経営局長名の通知を出しておりまして、迅速かつ適切な損害評価の実施及び共済金の早期支払体制の確立について農業共済団体等を指導しているところでございます。
 水稲共済金につきましては、従来どおり年内を目途に早期に支払うよう努めているところでございます。
○仁比聡平君 是非、年内の支払ということで頑張っていただきたいと思うんです。
 今御答弁の中にありました損害評価についての特例措置というのは、つまり収量の減少だけではなくて、実際の生産物の品質を評価の対象にして今頑張っておられるということだと思いますので、その点でもしっかりと頑張っていただきたいと思います。
 長崎の茂木枇杷農業協同組合の組合長さんは、五十年間ビワを栽培をしてきたけれども、こんな被害は初めてだ、来年は今年の約二割の収穫しか見込めないと困惑をしていらっしゃいます。実際、このまま木が立ち枯れをしてしまう、改植が必要だということになってしまいますと、実が現実になるまで五年、七年掛かると。だから、今雨が降らない中で現場では必死の水掛け作業が続いております。川からポンプアップをして、五百リットルタンクを積んだ軽トラックにそれを載せて、急傾斜地ですから、もう上の方は、もう高齢になった生産者が担いで上がって水を掛けると。例えば、二百本のビワで生計を立てておられる七十六歳の生産者がおられますけれども、ビワの木を枯らさないために毎日水を掛け続けるだけだと。必死だそうです。だけれども、一日じゅう水を運んでも十回上に上がるのがせいぜいで、一回当たり三本から五本ぐらいのビワにしか散水できない。ですから、一日三十本から五十本ぐらいにしか散水ができない。それでも、水を掛けた木とそうじゃない木は樹勢の回復に随分違いがあるようで、そのことを希望に必死で今も頑張っておられるということなんです。
 このせっぱ詰まった現地の取組を国としてもつかんで、技術支援など全力を挙げていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(中尾昭弘君) 長崎を中心といたしましたビワの被害につきましては、ただいまお話がありましたとおり、潮風害による落葉、倒木等の被害が出ておりまして、およそ十四億円の樹体被害が発生したというふうに報告を受けております。
 樹体被害は来年以降の生産にも影響を及ぼすことから、当面何よりも樹勢回復に努めることが重要と考えております。このため、かん水また施肥による樹勢の回復に取り組んでおられる農家に対しまして、県や市が用水の提供、樹勢回復に向けた技術指導及び資材費の補助等を行っているところでございます。
 農林水産省といたしましても、十月十九日に担当官を現地に派遣をいたしまして、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の果樹研究所の協力を得まして、樹勢回復に向けた技術的な指導、助言を行うとともに、今後の対応につきまして県の担当者と打合せを行っております。
 今後も、県や市などの関係者と協力をしながら、樹勢回復に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 是非、現場で一本の木もよみがえるようにと必死で頑張っておられる生産者の皆さんの現実の力になれるように、その専門家の方々の技術支援を始めとした取組を強くお願いをしておきたいと思います。
 それでも立ち枯れが予想をされる中で、想定をされる中で、改植を始めとして今後の産地の復興について国の支援が強く望まれています。これは、もう地元の生産者や農協の皆さんはもちろんのことですが、長崎市もこの問題を中心に発災後二回の特別な議会を開いて対策を打ってこられている。県の方も独自の取組を考えておられるということなんですが、そのような地元の要望をよく受け止めながら、この産地復興をどう進めていくのか、そこを農水省としてどう支援できるのか、そこの考えあるいは決意をお尋ねしたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(中尾昭弘君) 現在、現地におきまして樹勢の回復の努力が続けられておりますけれども、その回復状況次第では改植が必要となるということもございます。これらの取組につきましては、国の強い農業づくり交付金によりまして優良な品種への改植を支援することが可能であると考えておりまして、あわせて、生産効率の向上に資する園地整備を推進することが重要であると考えております。
 いずれにいたしましても、地元県や市との連携を密にいたしまして、産地の状況を踏まえながら産地の復興に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 被災農家の実情をよくつかんで、復興計画を立てていく上で、今もお話のあった交付金の活用も含めて柔軟な国の支援が継続的に必要だと思います。私も引き続き地元の様子をつかみながらお願いもしていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 最後、大臣にお尋ねをしたいんですが、十月の二十日に、長崎県下各地の農協の組合長さんたちが県知事さんに要請をされたという報道を私はテレビで見ました。この中では、現実に改植が必要だということになる見通しが高いものですから、ここで五年、七年収入が途絶えてしまう、ビワの場合ですね。この収入が途絶える数年間、国と県の援助が不可欠ですと、そういう組合長さんの声なんですね。災害が起こったときの農業対策ということを考えるときに、被災をしたがゆえに農業の道を閉ざされてしまう、もうこれでやめなきゃいけないということは絶対に起こしてはならないと思うわけです。
 そういった意味で、これまでも度々問題となってきた大変重要な問題なんですが、被災農家への生活支援策ということも含めて、私は今本当に真剣に検討をすべきだと思います。必要な県や市、自治体の取組としっかり呼応して協議をすることも含めて、大臣の御所見をお伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(溝手顕正君) 台風十三号の被害で農林水産関係の被害が大変であった、特に長崎県のビワを中心に大変な被害があったということは承知をいたしております。
 そのうち、農地・農業用施設の関係については、先ほど申し上げたとおりでございますが、激甚指定ということも可能という見通しでございますので、来週にはその対応を取っていきたいと思っておりますが、農業被害については、現行の考え方としまして、共済金の支払ということが一つの方法になっております。特に、果樹に関しては共済への加入というのが非常に進んでいないというか、十分でないということがあるような現状と思っておりますが、農水省が一生懸命対応をしていただけるものだと我々としては思っているところでございます。
 防災担当大臣といたしましては、関係省庁に一生懸命にお願いをしていくという以外には玉を持たない存在でございますんで、おっしゃった趣旨も踏まえまして各省庁には十分働き掛けてまいりたいと、このように思っております。
○仁比聡平君 先ほど住宅本体再建についての支援法の問題がございました。あるいは、中小企業者の被災をされた方々がどう再建していくのかと、これはもう各地で重大な問題になっているわけです。そして、この農業をどう復興支援するのかと。その点で、各省庁とおっしゃるんですけれども、大臣がこの日本の災害対策を、我が国の災害対策を一歩前進させる、前に進めるというお立場に是非立っていただいて、今後強いリーダーシップを発揮していただきたいということをお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(福本潤一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時一分散会