第165回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第3号
平成十八年十一月二十九日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     那谷屋正義君     高嶋 良充君
     柳田  稔君     藤原 正司君
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     黒岩 宇洋君     大久保 勉君
     福山 哲郎君     加藤 敏幸君
     和田ひろ子君     岡崎トミ子君
     渡辺 秀央君     芝  博一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         谷川 秀善君
    理 事
                木村  仁君
                野村 哲郎君
                保坂 三蔵君
                佐藤 道夫君
                下田 敦子君
                山下八洲夫君
                弘友 和夫君
    委 員
                大野つや子君
                荻原 健司君
                加納 時男君
                小泉 顕雄君
                鴻池 祥肇君
                陣内 孝雄君
                竹山  裕君
                二之湯 智君
                真鍋 賢二君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                足立 信也君
                大久保 勉君
                岡崎トミ子君
                加藤 敏幸君
                芝  博一君
                島田智哉子君
                高嶋 良充君
                谷  博之君
                藤原 正司君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                山本  保君
                井上 哲士君
                又市 征治君
                長谷川憲正君
   国務大臣
       総務大臣     菅  義偉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
       常任委員会専門
       員        田中 英明君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局公務員部長   上田 紘士君
       総務省自治行政
       局選挙部長    久元 喜造君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等
 の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
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○委員長(谷川秀善君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、那谷屋正義君、柳田稔君、渡辺秀央君、黒岩宇洋君、福山哲郎君及び和田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として高嶋良充君、藤原正司君、芝博一君、大久保勉君、加藤敏幸君及び岡崎トミ子君が選任されました。
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○委員長(谷川秀善君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川秀善君) 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(谷川秀善君) 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。
 上程されました法案について若干の質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
 この法律案は、まあ四年に一度、来年の四月は地方統一選挙であるということはもう国民が皆知っていることでございまして、そしてこの法律案そのものも、言わば四年に一度のルーチンのような、もう何も殊更お聞きするようなことではない法律でございます。しかし、幾つか問題を指摘し、関連する二、三の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、常に問題になることであろうと思いますが、いわゆる統一率と申しますか、昭和二十二年の発足時一〇〇%であった統合がだんだんだんだん減ってきていると思いますが、これは選挙部長にお尋ねいたしますけれども、今回が、一般市町村について見れば三〇・五%ぐらいの統一率。つまり三分の一だけが四月の統一選挙になるということのようでありますが、ここ何回かの傾向はどのようになっておりますでしょうか。
○政府参考人(久元喜造君) 委員御指摘のとおり、私どもの見込みですと、統一率、来年の統一率は三割前後になるのではないかというふうに見込んでおります。
 ちなみに、四年前の平成十五年の統一率は三六・二六%、さらにその四年前の平成十一年は三六・九四%、さらにその四年前の平成七年は三七・五九%ということで、徐々に低下してきているという状況にございます。
○木村仁君 この統一選挙をやるということの趣旨は、恐らく国民の地方自治そして選挙に対する関心を集中するということ、そして事務的にも経費を節減することができるというようなことがねらいであったろうと思います。
 そうしますと、都道府県の議会については東京ほか三県が外れるだけでございますけれども、知事についても、これは恐らく四十七都道府県のうち十三ぐらいですか、統合されるのが。そういう状態でありますし、政令指定市についても、新しく政令市になる二市を加えて十七のうちで十三ぐらいが議会で統合と、長についてはもっと低いということのようであります。そうすると、だんだんその趣旨があいまいになってきているのではないかと思います。
 で、三月一日から五月三十一日まで、そして六月に若干の特例があり、また九十日特例があるということのようでありますが、思い切ってこれをもう少し幅を広げてできるだけ統合するようにしてみてはどうかという説が、考え方があると聞いております。恐らく余り早くからやりますと、議会の空白の時間があるということで民主主義の趣旨に反するのでないかと、そういう意味から、もし幅を広げるとすれば任期の特例を設けて措置しなければいけないと、こういうことのようであります。
 しかし、もしそれで相当のものを統合することができるのならば、将来にわたってそれは好ましいことではないかと思いますが、今回の問題じゃないと、今後の長い問題として、その点についてどのように技術的にはお考えになっていらっしゃいますか。
○政府参考人(久元喜造君) 技術的には、技術的な問題というふうにおっしゃいましたが、制度的には、正にこの対象期間を広げるということになりますと、これは議会議員又は長の任期の満了日から選挙期日までの不在期間が更に拡大するということになりますと行政運営上の支障が懸念されるということは、やはり一番大きな制度上の問題であろうかと思います。
 また、この対象期間が三月一日から五月三十一日という期間になっておるわけですが、これがこういう期間になりましたのは昭和三十八年のことでありまして、非常に長い期間この対象が定着をしてきているというのが現状認識であろうかというふうに存じます。
○木村仁君 そういうことを措置するということは、かなり技術的にも、また制度面からも問題があるということは分かりましたが、それでは、年々、国政選挙においては四月と十月の第四日曜日を統合の日と決めて春秋二回の補欠選挙をするということになって、それは励行されておりますし、今回の地方選挙についても、国政の補欠選挙と日にちが四月二十二日で合わされていると思います。
 しからば、毎年の春秋二回、その投票の日に地方選挙も合わせるような工面をしてはどうかという気もいたしますけれども、その点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(久元喜造君) この点につきましては、まず、そういうふうにいたしますとどうしても任期の延長ということが必要になってまいりますので、その点について基本的にどう考えるかということでありますが、やはり非常にこれ大きな選挙制度の改変ということになりますので、非常に長年定着してきている制度でもありますし、非常に大きな各方面に影響を与えるということになろうかと存じますので、やはり各党各会派を含めて幅広い観点から御論議いただくべき課題ではないかというふうに考えております。
○木村仁君 かつて地方選挙を年に一回に統一しようという立法の動きもあったように記憶をいたしております。そういうことをするとすれば、一時期一回だけはかなり無理な任期の延長等をしなければ、まあ短縮するということはないわけですから延長等をしなければいけない。しかし、それでも一度やってしまえば、その以後はずっとそれになる、合併とかなんとかなければなるわけでありますから、あるときに思い切ってやってもいいのではないかと思います。御検討をされるのにも時間も掛かりますし、非常に難しい問題でもありますので、あえてお尋ねはいたしませんけれども、そういう意見があるということを大臣、お心にお留めいただきたいと思います。
 ちょっとこの法律そのものから外れますけれども、選挙制度について一、二技術的な問題をお尋ねした上で、選挙制度審議会のことについてお話を聞きたいと思います。
 衆議院小選挙区と参議院の地方選挙区、この選挙が終わった日から三か月以内にその議員が欠ける、つまり退職したり亡くなったりしました場合には、衆議院の小選挙区の場合には、同点決選でくじ引で負けた人がいない限りは選挙が行われると、ところが参議院の場合には、三か月以内に欠けますと、亡くなったりしますと、法定得票数を得た次点の方が繰上げ当選になると、そういうふうに私は理解しておりますが、それでよろしいですか。
○政府参考人(久元喜造君) そのとおりでございます。
○木村仁君 それはなぜそういうことになっているのか、ちょっと理由を教えていただけませんか。
○政府参考人(久元喜造君) この繰上げ補充の方法ですけれども、これは昭和二十五年に公職選挙法ができましてから参議院の選挙区選出議員の繰上げ補充の方法は変わっておりませんで、今のような形になっておるわけですけれども、これについて当時の資料を見ますと、これは当時の資料の表現でありますが、選挙費用の節約と選挙民の意思との調和を図ると、こういうふうに説明をされております。
 他方、衆議院の小選挙区選出議員の繰上げ補充につきましては、これは委員御指摘のとおり、欠員等の事由が発生した時期を問わず同点者に限り行うというふうにされておりますが、これもこの当時の資料を見ますと、これは、小選挙区制が各選挙区から一人の選挙人を選出する制度である、したがって当選人決定後、一定の期間内に欠けた場合であっても、選挙人の意思としては次点者の当選を当然に認めるものであるとみなすことは適当ではないと考えられたためだと、こういうふうに当時の資料では説明されているところであります。
○木村仁君 まあ公式にはそういう御説明になると思うんです。しかし、私は当選した後で十三階の階段から転げ落ちたことがございまして、一番下に無傷ですっと座りましたが、そのとき考えて、ああ、おれがここで死んだら民主党の方が当選するんだなと、これはちょっと不合理だなと思ってそれから更に注意をすることにいたしまして、三か月たったところでほっとして、また油断して転んだりいたしましたけれども。
 これはやっぱり、参議院地方区の選挙は確かに小選挙区ではないんです。しかし、実質的にはもう二十九の選挙区で一人だけ当選することになっている。したがって、地方議会の二十人、三十人、大きいところは六十人もいる、そのような市の選挙区のない選挙で一人亡くなったから一人が繰上げ充当されると。これはもうよく分かることでありますけれども、たった一人で争っていて、そして相手が法定得票数を得ていたというそれだけで十万も二十万も違う人が上がってくるとすれば、それは果たして選挙民の負託だろうかという気がいたすわけでございます。
 それから、もう一つ選挙についての違いをお聞きしますけれども、衆議院の小選挙区の選挙においては、今政見放送は政党がやることになっておると。これに対して、参議院の選挙区選挙の場合には依然として五分間ルールで、十秒余りましたから切りますとか、二十秒余りましたから空白になって面白くありませんよとか、いろんなプレッシャーの中で政見放送をやっているというのが実情であります。
 これも、お聞きすればもう何十年前からそうなっておるのでありますと言うかもしれないけれども、大変違いがあることについて、選挙部長、技術的にちょっとどんなものかなと思いませんか。思わないと答えるでしょうけど、あえてお聞きします。
○政府参考人(久元喜造君) これも、これが導入されたときの説明ということで答弁をさせていただきたいというふうに思うわけですけれども、平成六年の公職選挙法で、衆議院の小選挙区選出議員の選挙についてのみ、この候補者届出政党はいわゆる政見ビデオの持込みができるというふうにされたところであります。
 これは、真に政策を掲げて選挙を争うにふさわしい一定の要件を満たす政党というものは、できる限り自由に創意を工夫を凝らしてその政策を訴えることができるようにすることが適当であると。また、そのような要件を満たした政党については、この録画あるいは録画したものを使用することができるとしても政見放送の品位を損なうようなことは考えにくいと、こういうような理由が当時掲げられているところであります。
○木村仁君 参議院は良識の府でありますから、参議院の候補者に限って非常識なことはしないと、そういうことかもしれませんけれども、かなり違いがあることは確かです。私はなぜこういうことを申し上げるかといいますと、私なんか子供のころ、選挙というのは、衆議院の選挙であれ参議院の選挙であれ、おおむね同じルールで争われているなと思っておりました。ところが、最近は少しずつ違うんです。
 なぜ違うかというと、昭和たしか四十七年ぐらいまでは選挙制度審議会というのが十分仕事をしていて、そして選挙制度を全体をにらんでつくったと思うんです。ところが、そのころからどうも政治主導になって、お役人の皆様は何か問題があると、どうぞ政党でお決めくださいと、政党でお決めいただければ私どもが法律を書きますと、こういうことになったんですよ。そのために、もう政党のそれは利害の中で物が決まっていくとすればぎりぎりの時点で決まると。そうすると、三日で、三日三晩徹夜をしてあなた方は法律を書くじゃないですか。そうすると、どうしても四方八方のにらみが足りなくなって、いろんな意味で少しずつ違いができてきているのではないかと、そう思うんです。
 そして、つらつら思えば、およそルールに従って競争をする、争いをする、スポーツであれこういう選挙であれ、いろんなものがありますが、その中でプレーヤーが、現職の、現実のプレーヤーがルールを決めているというのは国会議員の選挙しかないでしょう。そうですよ。プレーヤーが自分でルールを決める。それは、スポーツだってルールは経験のある人が決めますが、その人たちはOBになってから、あるいは自分が現実の選挙でない人たちがルールは決めるんです。したがって、私はこの選挙も、基本的には選挙制度審議会みたいなものがあって、しっかり審議をして、そしてその上で、また政治的にも政党も判断をして国会で決めていくという、それが本当の姿ではないかと思うんです。
 昭和四十七、八年ごろだったと思いますが、私は選挙に直接携わっていませんから勝手なことを言いますけれども、そのころ、選挙制度審議会の国会議員の先生方が非常に強い意見を言われる。それは当然党利党略に近いわけでありまして、もうみんなが嫌になって選挙制度審議会をやめちまって、そして今度小選挙区の区割りをするときだけ若干の期間つくったと思うんです。そして、今はまた開店休業だと。開店ではないですね、閉店休業しておられるわけであります。
 ですから、私はやはり選挙制度審議会というものをまたほぼ常設に、もうお金が掛かるから今どきじゃそんなことできないと言われるかもしれぬけれども、それは出てきたときの日当という、お支払ということにすればいいわけでありますけれども、常設にして、もう一度しっかり選挙の手続とか制度とかいうものを時間を掛けて見直すのが本当ではないか。そして、大きな改正をするときにはやはり国民が十分納得できる、党利党略で選挙制度が決まったなどという印象を受けないようにしっかりした審議を第三者としてされるのが、まあ、こういうことを言うと、政治主導の時代に何というばかなことを言うかという人もあるかもしれませんけれども、選挙というのはやっぱりルールに従って争うものでありますから、それをプレーヤーが決めているというのは本当におかしいと私は常日ごろ思っております。
 その点について大臣に御所見と、そして選挙制度審議会の今後の扱いについてお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) いろいろと非常に貴重な御意見を承りまして、私ども真摯に受け止めていきたいというふうに思っています。
 私の答弁の中でも、やはり衆議院、参議院の選挙制度の在り方というのは正にそれぞれの議会政治の根幹にかかわる極めて大事なものでありますから、各党会派の皆様方の真剣な議論によって方向性出すと、このことも物すごく大事だというふうにも実は思っています。
 それと同時に、やはりこの選挙制度審議会の活用という、今委員から御提案がありました、このことも十分に私参考にさしていただいて、この現在の選挙、統一地方選挙の話もありました、今までのこの衆参の問題、そうしたことも真剣に考えていきたいと、こう思っています。
○木村仁君 終わります。
○下田敦子君 民主党・新緑風会の下田敦子でございます。
 本日は、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会に臨みまして一般質疑をさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 私は、省略して申し上げさせていただきます、倫選特に属しますのは今回が初めてで、しかもこの委員会に出させていただいたのは今回が初めてでございます。全く不慣れでございますが、少々心細く思っておりますけれども、大変御前にして失礼なんですが、ただ一人頼りがいのある方がいらっしゃいます。元青森県に部長としてお出ましになられました田口選挙課長が、あれっ、今いらっしゃらなく、ああ、いらっしゃいました、はい、大変昔お世話になりましたので、とても心強く今思っております。よろしくお力添えお願い申し上げます。
 まず第一に、開票管理についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 平成十五年の四月の二十七日投票の行われました習志野市長選挙にかかわる開票管理についてお伺いいたします。
 いろいろございましたようで、異議申立人が、本件選挙は市管理委員会にかかわる重大な公職選挙違反があると。本件選挙の結果に変動を及ぼすことが明らかであるから、本件選挙は無効とされるべきであると主張いたしました。このことについて、どういう内容であったかをまずお尋ね申し上げたいと存じます。
○政府参考人(久元喜造君) 平成十五年四月に千葉県の習志野市長選挙が行われたわけでありますが、この選挙につきましては、この五月に、今委員がおっしゃいましたように選挙の無効を求める異議の申出が市の選挙管理委員会に出されております。その後、千葉県の選管への審査の申立て、裁決を経まして、東京高裁に選挙無効の訴えが提起されておりまして、十一月に判決が出されております。
 そこで、この選挙の無効を起こした原告の主な主張ですけれども、幾つかありますが、市長選挙のこの開票所をつい立てを使って遮へいして開票作業の公開を阻害した、これが違法であると。それから、事前に届出がなかった者、助役、収入役等を開票所に立ち入らせて自由に行動させたこと、これが違法である。また、開票作業中に不審な行為があったと、ポケットに手を入れたり、つい立てのわきでしゃがんだり、許可なく携帯電話を使用したりと、そういった不審な行為を、これが看過されたと、こういったことが無効の原因として主張がなされております。
 この判決におきましては、これらのこの原告の主張につきましては、基本的にはいずれも理由がないということで訴えは棄却をされておりまして、この結果、この選挙は有効なものとして確定している、こういうふうに承知をしております。
○下田敦子君 ありがとうございました。
 最近、このときの異議申立人側からビデオカメラで撮影されましたものが某テレビ会社で放映されました。大変物議を醸しているわけなんですが、このことに基づいて全国的に様々な意見が寄せられております。
 例えば、私の土地のことで大変恐縮なんですが、青森県弘前市においても、十六年の二月一日に行われた弘前市市長選の開票風景と非常に類似している点が散見されています。当時の市民団体が市長選の無効、効力に対して異議申出がされました。百八十票差という開披点検が実施されたのでありますが、その開票作業が大変様々な問題があったり、多過ぎる、無効票が多くて、それに対する疑念が寄せられました。ちょっと一、二例を挙げさせていただきます。
 まず、開票に関する作業員の服装でありますが、まず一定の制服、ユニホームとまでは申しませんが、少なくともワイシャツにスラックス、ポケットの余りないような、胸ポケットには何か入れていても腰ポケットがないような、そういう服装に統一すべきであろうという声がまず出ました。これは立会人からも、あるいはまた一般市民の選挙を見ているそういう立場の方からもありました。ところが会場は、これは市の職員だと思いますが、トレーニングウエア姿が多くて、しかも筆記用具、用紙を持ち込んでいる。それから紙袋あるいは男性が持って歩くようなバッグ。持ち場を度々離れる。それから票を持ったまま移動する。第一に非常に大変だということを思ったのは、床にブルーシートを、ナイロンのですね、ブルーシートを広く敷いて、その上に各地から集められた開票箱を無造作に開けて、そのブルーシートの上に円座になってあぐらを組みながらそれぞれに開票すると。結局、立ってこういうテーブルの上で引き出しのないような状態の中で開票するという一つの決まりがあるようでありますが、それがない。非常にローカリックな感じのする風景であったと。それから私語あるいは写真撮影、それから票の束に腰掛ける者、それから開票中、会場の隅でキャッチボールをする職員、厳粛であるべき開票作業にあるまじき態度が目に付いたと。
 ですから、これに対して、開票作業場の出入りの際のチェックを厳しくするとか、各陣営では、立会人が一人では大変だと、開票所も広いので、複数にしていくべきだというふうな様々な意見が出て、そして選挙管理委員会に要望を出しましたと同時に、無効票の中身の点検を行うように要望をした事実がございます。
 それに対して、その開票の状況あるいは点検の状況なのですが、後ほど、票の集計が終わって一週間後に呼ばれて参りましたら、点検をする作業場はさすがに服装はそろっていたと。ですけど、一切の発言、挙手あるいはメモも認められなかった。そればかりか、票の内容を点検することもできなかった。それから、口述、結果だけが報告されて、異議に対する回答は文書ではない。公正を期するために大変様々な立会人の出席を認めてはいるものの、事実上はどういう内容であったかがさっぱり分からないということがありました。
 このことに対して総務省御当局はどういうお考えがあるのか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) たまたま私の友人も一万二千幾らの選挙でたった五票差で実は落ちた者がおりまして、やはりこの開票というのは疑念のないようにやらなきゃならないと思います。当然のことであるというふうにまず思っております。
 この民主主義の基本である選挙が選挙人の自由な意思の表明によって公正かつ適正に行われる、このことを確保されるためには、選挙の管理、執行というものは適切に行われなきゃならないというふうに思っております。特にこの開票事務は選挙事務の中核を成すものでありまして、その執行に当たっては公職選挙法等の法令を遵守する、このことはもちろんでありますけれども、選挙人から疑念を持たれないような細心の注意を行う必要があるというふうに思っております。
○下田敦子君 それで、選挙管理委員会についてお伺いいたしたいと思います。
 それぞれ県の選管あるいは市町村の選管がございますけれども、この位置付けに対してお伺いいたします。
 ここに、ささやかな一例なんですが、私が、私事で恐縮ですが、平成三年に県議会の選挙に臨みましたときに、こういう、後援会で名簿を集めます。この名簿を集めるときに封筒を同じく差し上げて回るわけです。これはまあ選挙に出た方はどなたも御案内のとおりでありますが。
 その当時、この料金受取人払いということは寄附行為に相当するのでいけないという指導がございました。それはもう長々そういうことで守ってきたわけですが、ちょうど十五年ぐらいたってからなんですが、候補になっている相手方が堂々とこの料金は受取人払いでありますというふうな印刷をしたものが出回っておりました。これはどういうことですかと県の選管に直接伺いましたら、それは構わないと思いますと。じゃ、法律が変わったんですかと伺ったら、さあ、それは市の選管の裁量によるからと。裁量ということの意味が私は非常によく分かりませんでしたが、そういう所見をいただきました。で、金品の贈与になるのか、違法行為なのか、この辺の所見が全く分からない。で、市の方の裁量ということで市の方に伺いましたら、市の方ではまあいいのではないかと、違法ではないと思いますというふうな誠にあいまいもことしたことでございまして、いわゆる県の選管と市町村の選管が一つのことであいまいであったり、キャッチボールをしているというこの現実に対して、国の御指導といいましょうか、お立場はどうであるのか、これをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(久元喜造君) 率直に申し上げまして、公職選挙法の規定が選挙運動に関する規定を中心に非常に抽象的な規定が多いものですから、個々のケースにつきましてどういう判断になるのかということは、率直に申し上げましてまた私どもも迷うケースはございます。
 ただ、全く同じ事案につきまして、市の選管あるいは県の選管、また私どもが違う解釈を取るということは適当ではありませんので、もちろんそれぞれのケースについての解釈をする権限というものはそれぞれの行政機関にあろうとは思いますけれども、それが同じケースについて個々になる、区々になるということは適当ではありませんので、私どもも、そういう私どもが行った解釈につきましてはいろんな手段を使いまして周知徹底をしてきております。また、現実に私どもも県の、都道府県の選管を通じまして市町村の選管からたくさんの照会を寄せられておりまして、それは一定のこの資料としても準備しておりますので、そういうものは幅広く市町村の選管においても活用されているとは思いますけれども、私どもはなおそういう努力は行っていきたいというふうに思っております。
○下田敦子君 ありがとうございました。
 それで、ここからは私見を挟んで申し上げることなので、要望と申しましょうか、意見を述べさせていただきたいと思うんですが、首長の多選禁止条例をこの当委員会でも質問された方がおられました。そういう意見が非常にこのごろ多くなりました。で、市町村のそれぞれの構成といいましょうか、そういうものをずっと見ておりますと、教育委員会と選挙管理委員会というのはそれぞれ独立した、首長の采配によらない一つのものなんでありますが、例えばこれをチェックしていく機関となれば、あえて言えば議会が当たるべきことが多いんだろうと思います。
 ところが、その議会自体が大変選挙には敏感な組織でもありますし、言ってみれば議会の皆さんというのは追認機関であると、チェック機関にはなり得ないと、住民の代表ではあるけれども。そういうことを大変私は感じてまいりました。
 それで、例えば教育委員会にもレーマンコントロールという教育委員会の組織立てがありますけれども、首長さんが長くなればなるほどこの選挙管理委員会の構成に対して大変過敏であります。
 私、最初県議会に当選させていただきましたときに、その組織替えのときでありまして、選挙管理委員の選出のときに何でこんなにみんなが真剣になるんだろうと、そう非常に奇妙な感じを持ったときがありましたけれども、なるほどなと思うのは、このごろになりますとよく分かります。
 そこでお伺いいたしますが、選挙そのものに専門家ではない、しかし、レーマンコントロールであると同じように人格が高潔で幅広い識見を有する方々ということで指名をされて就任しているんだと思いますけれども、この選出について何か御所見がございましたらお尋ねを申し上げたいと思います。
○政府参考人(久元喜造君) 教育委員会の選出方法につきましては、これは分権一括法などで制度の変遷はありましたけれども、この議会の同意を得て選出されるということになっておりますが、選挙管理委員会は、この選挙管理委員会という性格上、議会で選出をされるという仕組みになっておりまして、これはやはり長年の経緯の中で、これは広く定着をしているのではないかというふうに考えております。
○下田敦子君 なかなかに現場にいますと、特に地方の場合にいろんなことがあります。とても今ここでそれらを一々申し上げることは大変御無礼になりますので控えますけれども、例えばアメリカの大統領選で、大変手数が掛かってトラブルの多かった以前の選挙制度から、このたび中間選挙でタッチパネルに変えられた事例があります。そういうことを検討される時期ではないのかなと、そういう声も聞かれますけど、そのことについてまずどう思っておいでかをお尋ねします。
 それからもう一つ、併せてお尋ねをしてしまいますが、例えば、私、ノルウェー、オスロに約一か月間、国政選挙を見るために滞在したことがあります。当然、身障者がいたり、あるいは高齢で寝たきりの方がいらっしゃる場合に、選挙場に出向けないわけですから、その方々に対するシステムも、例えば日本の場合も郵便制度とかあるのは分かりますが、向こうで見掛けたのは、身障者あるいは障害のある方々が自宅にいらっしゃる場合に、それぞれの党の代表者が付いて、そして選挙人が投票箱を持参して自宅訪問し、家族の了解を、あるいは介助を得ながら投票しているという風景がまず一つありました。
 ですから、こういうことへやって変えていく。もちろん郵送でも間違いないかもしれませんが、ほとんど手数なので実際は行われていない例が私は多いように思います。
 それから、三つ目のお尋ねであります。
 投票率が非常に低い、上がらない。この投票率の向上のために義務化の制定をお考えになる余地はないのか。これは例えばノルウェーでは、投票率が八〇%いかない場合には再選挙をするという地域もございました。それから、これは非常になるほどと思ったのですが、投票日当日は酒屋さんもバーもすべて休業であります。アルコールを飲んだその頭脳で投票に行かれては困ると。大変厳正を期してきちっと選ぶ、投票する。私はすごいなと思いましたが、そういうことが日本の選挙の中にあるだろうかと。日本は民主主義国家にはならないということをドイツの大統領がおっしゃったようですけれども、そういうことの違いがあります。
 あとは、戸別訪問の自由化、これはもう欧米では大体どの国も行われておるわけですが、なぜ日本がこれほどにこだわるのか、このことを併せて、以上お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 投票率の義務化と戸別訪問については、これ政治的問題が非常に多いものですから、私から答えさせていただきたいと思います。
 義務化につきましては、選挙権は、その公務としての性格を踏まえても、ペナルティーを科すことによって国民を強制する性質のものを有するものかどうかという、こういう一つの問題点があると思いますし、もう一点は、選挙権の行使というのは選挙人の自覚にまつべきものではないか、外部からの強制によるべきものではないだろうと、そういう実は考え方もありますので、慎重に検討すべきことであるというふうに思います。
   〔委員長退席、理事木村仁君着席〕
 戸別訪問につきましては、これについては、平成五年に政府が提案した政治改革関連法案の中で、戸別訪問は候補者と有権者が直接触れ合うことができる有力な選挙手段であることから、これを自由化をしておりました。しかし、国会における議論の過程の中でこれは禁止されることになったという、そういう実は経緯があります。この問題というのはやはり各党会派で検討すべき問題であるというふうに思います。
○政府参考人(久元喜造君) ほかの御質問につきましてお答えを申し上げさせていただきたいと思いますが。
 まず、委員御指摘の、アメリカでかなり行われておりますタッチパネルによる投票ですが、我が国におきましては、地方選挙についてこの電子投票を導入するということで、既に平成十四年に法律の制定が行われております。これまで岡山県新見市を始め十市町村において選挙が行われておりますが、この電子投票につきましては、疑問票や無効票がなくなる、また開票の迅速化、効率化を図ることができる、自書が困難な高齢者や障害者の方の投票が容易になる、こういったメリットがあるというふうに考えておりまして、総務省といたしましては、この電子投票システムの信頼性の向上を図るということと、あと、そういうことをしながら地方公共団体に的確な情報を提供したり、あるいは助言したりといったような必要な支援を行いまして、電子投票を積極的に促進してまいりたいというふうに考えております。
 それから、巡回投票制度ですけれども、この巡回投票につきましては、短い選挙運動期間内に選挙管理機関の職員がすべての対象者を巡回することが可能なのかどうかと。特に、多数の該当者がおられるような地域、あるいは交通至難な地域における対応が可能かどうかといったようなこと、それから災害とか事故とかあったときに、この一部の対象者の方について巡回できなかったような場合にどうなのかといったような非常に難しい問題がありますので、私どもといたしましては、慎重な検討が必要なのではないかというふうに考えております。
○下田敦子君 じゃ、時間があと二分しかありませんので、要望を申し上げて終わりたいと存じます。
 これはあくまでも私見であります。首長が長くなりますと、その方を取り巻く様々な要件が定着するというか、根が付いてすっかり組織固めができていることになりがちであります。
 例えば、私の知っている範囲でございますが、選挙長、これがその選挙の年になりますと、首長の親戚の親戚の親戚が就任すると。で、選挙管理課長が、今までは大体、市の体育館の館長だとか公民館の館長さんとかでいらしてたのが、なぜかその選挙の年になると選挙管理委員会にまた戻ってくる。これを四年に一回繰り返しているわけですね。だれが見ても不思議だなという風景がありますが、これは事実です。ですから、例えば保守王国である地域は特にそうだと思いますが、済みません、みんなそうだとは申しません。ですが、御自分がある年齢に達して、もうそろそろ辞めると、そういうときには全く更地にはしません。やっぱり自分の息の掛かった、例えば収入役であるとか助役さんとか、まあ今度、君やりたまえというふうなことがあるかどうかは分かりませんが、そういう体制がどうしても続く。で、やっぱり多選であるということの意味から、一つの弊害がどうしても出がちであります。
 このことから、様々、例えば今、前半申し上げましたように、投票、開票の事務ノートなどというものもあり、またこういう事務ノートというのを国でちゃんと作ってくださってあるのですけれども、これはやっぱり、立候補している人は、もう最後の投票日まで懸命に命を懸けて歩いて歩いて歩いて、もうこういう開票のところまでは思いを致しません。事実、人任せということだと思います。
 したがって、これは私はこの習志野市のビデオをたまたま見せていただきまして、正確に今度そのビデオを取り寄せて見ました。どう見ても、この裁判の結果は解せない。そこで民主党の中で今会期中に、このビデオを見ながら、なぜこれをビデオを撮ってその異議申立てをしたのか、その方々にもお出ましを願って、少しくヒアリングも兼ねながら勉強をしていく会を今、倫選特の方で計画をさせていただいております。
 ですから、強く申し上げますことは、選挙管理委員会をチェックする機関、先ほど木村委員もおっしゃっておりましたように、やはり選挙そのものをどう審査していくかということの第三者機関というか、そういうものの存在が地方ほど私は重要で必要に入っているのではないかなと思います。明推協という、よく略して申しますが、明るい選挙推進委員会、これはその地域地域の知名人が半分名誉を懸けて就任しているのであって、私の意見としてはこれは全くと言っていいほどチェック機関にはなっていないと思います。推進運動のみだと思いますので、どうぞその辺を大臣の下で、お隣の秋田県で育たれた大臣ですのでいろいろな日本海側のまた意味も御存じだと思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 もう貴重な時間でございますから率直に質問に入らせていただきたいと思います。先ほど木村委員の方からも質問があったわけでございます。若干重複するかも分かりませんが、なるべくしないように質問をさせていただきたい。
 昭和二十二年の四月に新しい地方自治制度に基づき、知事あるいは市町村長、地方自治体議員の選挙が全国一斉に行われるようになったと。この当時は一万五百五団体あったわけでございますが、その後、首長及び議会の議員は御案内のとおり任期はすべて四年でございますし、以後、任期満了の時期が集中することになって、この選挙の期日を統一し、これに伴う公職選挙法の特例を定めるというふうになっていると思うんですね。
 ただ、その後、昭和の大合併、あるいは最近で申し上げますと、平成の大合併と言っていいかどうか、平成の大合併、あるいは、幸か不幸か、まあ不幸と言った方がいいと思うんですが、議会の任期半ばでの出直し選挙、あるいは、特に首長さん、知事や市町村長さんの任期半ばにおきます、いろいろな理由がありますが、辞任による選挙と。こういうことで、今日また団体はぐっと少なくなってきておりますけれども、この資料によりますと、平成十八年の十月現在で千八百十何団体になっておると、まだこれから来年の四月まで若干少なくなると思うんですが。
 そういう中で、全国で統一をして今一斉に選挙を行うのは、先ほどもお話ありましたとおり、もう三割になっているんですね。三分の一だったらまだ三三%、もう三割になってきていると。地方選挙を国が関与して統一する意義はこの三割程度で本当にあるんだろうかと、その所見をちょっとお尋ねしたいなというふうに思っています。
○国務大臣(菅義偉君) 実態は今、山下委員言われたとおりであります。ただ、この統一選挙は、国民の地方選挙に対する関心を高めるとともに、選挙の円滑で効率的な執行を旨として行われてきました。しかし、現実的には、今御指摘あったとおり、三十数%に今なっています。
 しかし、そうはいっても、都道府県の議会議員の選挙については、四十七都道府県のうち四十四の府県がこれで統一をされます。さらに、現時点での政令指定都市、これの議会議員選挙については、十五指定都市のうち十三の指定都市、来年四月一日に指定都市となります浜松、新潟市を含めれば十七のうち十五がまだこの統一選挙の対象になっておりますので、その選挙の意義というのは引き続きあるのかなというふうに実は思っております。
○山下八洲夫君 確かに、都道府県議会議員選挙は今おっしゃったように四十四あるんですね。だけど、その逆に知事選挙はわずか十二なんですね。たまたま福島にいたしましても、今度は和歌山にいたしましても、この十二の中に入ってなかったからまだ数が減りませんけれども、わずか十二なんですよ。
 それともう一つ。政令指定都市を含めて前期と、今度、市町村長以下市町村議会議員、これは後期と分かれていますよね。そうしますと、これ分ける理由は何ですか、わずかこれだけしかないのに。もうこれももし統一してやるんなら、一緒にやればそれぞれの自治体の選挙に対する経費もかなり削減されるのじゃないかと。推計によりますと、全国やると百億円ぐらいの節減になるんじゃないかというような説もあるんですけれども、なぜこれは前期と後期に分けているんですか。
○国務大臣(菅義偉君) 仮に、都道府県の選挙と市区町村の選挙を同一期日とした場合に、都道府県知事、都道府県議、市区町村長、市区町村議と合わせて最大四つの選挙が重なるという団体も生じます。さらに、そうした場合、投票所やポスター掲示板の確保が困難になるんじゃないかなとか、あるいは管理、執行に支障を来すおそれがあるんじゃないだろうか。そういう観点から、従来から都道府県選挙と市区町村の選挙というのは分けて行われてきているわけであります。
 さらに、指定都市の選挙については都道府県の選挙と同一の期日に行うとしておりますけれども、それは、指定都市の市長の選挙を一般の市と同一に行うこととした場合、その告示日が都道府県の選挙の期日と重複するということにもなり、選挙の円滑な管理運営ができないというふうに思っております。
 そういう観点から、今回の特例法案においても前期と後期と分ける、そのようにさしていただいています。
○山下八洲夫君 今大臣がおっしゃるような煩雑さは、私は、日本人には器用さがありますから、余り問題にならないというふうに思っております。時間がありませんので、もうこれ以上申し上げません。
 もう一つは、わずか三割しかないんですから、もう思い切って国が関与しないで、逆に地方に任したっていいというふうに思うんですね、一方では。だからといって、全く逆のことを申し上げます、今申し上げたことと全く逆のこと。あるいは、せっかく国が関与して統一して行うんであれば、思い切って、三割じゃなくて、昭和二十二年四月は一〇〇%だったんですから、一〇〇%になるように思い切ってやっていくか、どちらかの選択をすべきだと思うんですね。一番今、中途半端なんですよ。国が関与しながら、選挙のたびに、四年に一回の選挙のたびにだんだんだんだんと統一選挙は減っていく。そういう状態になっている。
 これは何かといいますと、特に首長選挙は途中で辞めちゃうというのが一番の原因だと思うんですよね、平成の大合併とか、こういうのはまた別問題として。そして、途中で黒い霧解散しても任期は四年である。あるいは、首長さんが自己都合で辞めても残りは任期四年になる。そういうところになってくると必ずいろんな選挙日になってくるわけですから、そうじゃなくて、国が関与するんなら残任期間にして、もう常に四月なら四月、全部行うんだというものにするか、あるいはもう三割しかないんだから地方に任すか、どちらかへ整理していただきたいと思います。その決意はいかがでしょうか。それで終わります。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど答弁させていただきましたように、そうはいっても約三割が実施されている。そして、昭和二十二年以降にこの統一地方選挙の方式というのはやはり国民全般に広く定着をしてきている。そういう意味において、まだまだ意義あるのかなというふうに思っています。
 そして、もう一点、今、再統一したらどうだと、そういうお話もありました。確かに、昭和二十二年スタートした当時からすれば、先ほど言われましたように、首長が今度十になるんですかね、十二から二人替わりましたから、非常に状況が変わってきているということも事実であります。仮に、年一回ないし二回、統一地方選挙を行うとした場合、例えばその任期の特例の延長、これ当然なりますし、そういう意味では地方選挙、今日まで根付いてきたものを大きく変える極めて関係各方面に影響あることだというふうに思っておりますので、こういう問題を考えたときに、やはり最終的にはこれは各党会派で解決すべき問題ではないかなというふうに考えています。
○山下八洲夫君 時間になりましたから、終わります。
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。
 まず、法案に関連してお聞きしたいと思うんです。
 私もこの倫選特初めてで、質問も初めてなんですけれども、この法案見ておりましたら、四年ごとに同じようなというか法律が臨時特例法によって出てきているわけですね。同じようなほかにもいろいろな法律案がありまして、毎年毎年変えるものでもそれを改正案ということでやる場合もありますし。これに関して、恒常的な法律として必要なときに改正していくという考え方もあるんじゃないかと思うんですけれども、この臨時特例法できちっと四年ごとにやるというのはどういうことでやるのかなという疑問がありますので、少しそこら辺についてお尋ねします。
○国務大臣(菅義偉君) この地方公共団体議会の議員及び長の統一選挙については、昭和二十二年四月の第一回統一地方選挙以来四年ごとに御指摘のように臨時特例法によって行ってきました。
 恒久法ではなくてなぜ特例法なんだと、そういう質問でありますけれども、選挙期日をいつに設定をするかということも含めて統一地方選挙の実施内容をどうするかについては、その時々のやはり諸般の情勢、事情というものを踏まえて判断することの必要があるんじゃないかと、そういう観点から今日まで来ているところであります。
○弘友和夫君 まあ手間というかあれは一緒だから、どっちでもいいようなもんだと思うんですけれども。
 それで、提案理由の説明を読ませていただきました。結構、だから同じような、要するに三行ぐらいの中で前と全く同じものを書くわけにいかぬということで苦心されているんじゃないかと思うんですけれども、今回地方選挙を統一する理由として、国民の地方選挙に対する関心を高めるということがこの提案理由の説明の中で明示されているわけですよ、今までになかった。反対に、今度は、選挙を統一する理由で経費を節減するというのは、前回の提案理由の説明はきちっと経費節減というのはありましたね。今回は、効率的な執行という言葉はありますけれども、経費の節減というのは明示されていないわけですよ。
 だから、選挙に関心を高めるというのを明示した以上は何かそういうものがあるのか。それとも、またそれと、経費節減と、こういうふうなのが削られたというのは、じゃ余りそういう効果がないのかなというふうに思いますけれども、経費節減のこの数字も含めて、もし分かりましたらお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(久元喜造君) 基本的に、四年前とこの特例法のこの趣旨あるいは目的に私どもとして考え方を変えたわけではありませんが、やはり統一することによって投票率が経験的に高くなっているということは事実ですので、やはりこの特例法の目的というのは国民の関心を高めるということもあるだろうと、そういうことで今回文言を盛り込んだわけであります。
 それから、当然のことながら、この統一する目的の中には委員御指摘のとおり経費節減の目的というのはあるわけでありまして、この点も含めまして選挙の円滑かつ効率的な執行と、こういうふうにさせていただいたところであります。
 それから、経費節減がどれぐらいになるのかということにつきましては、なかなか推計方法は、きちっとした推計方法は難しいわけでありますが、前回のこの統一地方選挙の執行実績などを基礎として、同じ団体が別々にやった場合と統一した場合とどれぐらい経費の差があるのか。例えば、開票所あるいは投票所などの経費が節減されますので、そういう一定のこの実績等を基礎にして試算いたしますと、おおむね六十億円程度今回節減が見込まれるのではないかというふうに推計をしております。
○弘友和夫君 統一することによって選挙の投票率が上がっていく、上がっているのは事実だと、こう言われる。だんだん下がっているわけですよ。それは全く、統一しなかったらどうなのかというのは分かりませんよ、これやっていないんだから。今まで、一〇〇%からどんどんどんどん下がってきているわけでしょう。三六・二五、ずっとこの何回か、それはずっと下がっていっているわけ。統一することによって投票率が上がるかどうかというのはもう分からないんじゃないですか、これ。一〇〇%から下がっているわけですから。じゃ、ばらばらにやったらもっと下がるのかという、そういうことはやっていないんだから。だから、今回明記する以上は何らかのあれが、上げられるというものがあるのかなということでお聞きしたわけですから。まあそれは結構でございます。
 先ほどから木村委員また山下委員からお話がありました。全く私もそのとおりだと思うんです。今三〇・五%ですか、この統一率というのは。富山なんかは二十四の選挙があったのが二つになったわけです。首長選はゼロ、首長はゼロだと。愛媛は五十一あったのが三つになって、ほとんど統一なんか皆無。今、四国に行って、愛媛行っても、統一選の話なんか、我々全体的に統一選の話したって、統一選ないんだから余り関心がないんですよ。こういうことで本当に統一選と言えるのかどうかというのは、もう先ほど来御質問があったとおりなんですよね。
 だから、もう一回元にきちっと戻すかどうかと、いろいろな困難なことはあると思うんです。空白ができるからって、空白ができるといったって、私もこう見て、法案、三月一日から五月三十一日の間にあるのを統一選にします。三月一日まで任期のあるところは四月の二十二日に選挙したら、二か月近く空白になるわけですよ。じゃその二か月が合法的で三か月が違法なのかというのはどこで決めるのかという話になるわけです。
 だから、そこら辺は考え方として統一した方がいいという、まあそれは各党のいろいろなことがあるかもしれませんけれども、そういう空白ができるからとかなんとかいうことは余り理由にならないと思うんですけれども、大臣、方向性として、統一選というんだったら統一なるべくした方がいいなとか、方向性だけもし考えがありましたらお答えいただきたい。
○国務大臣(菅義偉君) 実は私も、自民党で、たしか五、六年前だったと思いますけれども、統一しようという党内議論がありました。かんかんがくがくの大議論でありましたし、そのときも都市部出身と地方部出身の議員で圧倒的に考え方が違ったこともありました。
 今委員が言われるように、年一回あるいは二回に統一しようと。これを行おうとした場合に、任期特例等の措置が必要です。さらに、長年定着してきているこの地方選挙の仕組みを変えることは各方面に非常にこういう影響を与えるものでありますから、やはり最終的には各党会派でまとめてもらわないとこれはできないということでありますし、ちなみに、当時私は一回にした方がいいという立場で党内では議論しました。
○弘友和夫君 じゃ、話また変わらせていただきまして、地方議員の年金の問題なんですよ。これは、市町村合併へとどんどん進んできた地方議員の年金財政は非常に厳しいということで、今回改正されましたですよね。四年前も改正されて、一〇%か何か下がっています。今回も大幅にやはり下がっているわけでありまして、地方議員の、国会は年金なくなりましたけれども、地方議員の年金について、私はきちっと、やはりあるべきものはきちっとなければいけないんじゃないかなという気持ちなんです。
 そういう中でちょっと、制度の改正前と今回の改正と、来年の四月一日から施行されるわけですね。これ見ましたら、三月中に任期満了となって退職する議員は百五十分の四十・五、年金算定基礎額は百五十分の三十六なんですよ、それは任期がある人、四月一日にまだバッジを付けている人は百五十分の三十六なんです。その前に辞めた人は百五十分の四十・五なんですよ。四月一日前に、三月三十一日に任期はまだ残っているけれども議員を辞職しましたよという人と、四月中の任期一杯やった人でどれだけ違うのかと。こうちょっと見てみましたら、これは福岡県の県会議員、三期十二年やった場合、前の、三月三十一日までで辞めると二百万八千円です、年間。片や、百七十八万ですから。まあ二十一、二万、毎年これ永久に違うようになるわけですね。こういう人がどれだけ、都道府県議会、四月一杯で任期満了となる都道府県議会は四十三あるんですよ、四月一杯。市区町村議会は七百三あるわけですよ。だからほとんど、都道府県議会四十七の四十三、四月中ですから。あと一か月足らずの中で毎年一割違ってくる。二十何万違って、永久に違ってくると。
   〔理事木村仁君退席、委員長着席〕
 四年前の改正のときも、この新聞報道によりましたら、三月三十一日で辞めている議員が何人か出ているんですね。余り県の名前言ったらちょっとあれですから言いませんけれども、各県でやっぱり辞めている人が出ているんですよ。そういうせこいことをするなと、こう思われるかもしれません。そしてまた信頼関係が、信頼がなくなると思うんですね、こういうことをすると。
 だから、そういうことじゃなくて、きちっと制度として、四月一日じゃなくて五月一日施行に、四を五に変えるだけでこれ全部救済はされるわけです、はっきり言って。だから、そういうことで何かのあれをすべきじゃないか、救済措置という、救済措置というとちょっと語弊があるんですけれども、そこら辺論議をされて四月に決めたのかどうかですね、そういうことも含めてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(上田紘士君) お答えいたします。
 議員御指摘のように、さきの通常国会で議員年金の見直しを行って、給付水準を切り下げるという措置をいたしました。それから、四年前のときもそういうことをさせていただきました。
 この統一選の時期に見直しをするというのは、一つは年金財政の将来推計をするのに一番大きな塊がいるところで、新しい人が一番まとまって入るところの前で切るのが合理的だろうということでやってきたのではないかと思いますが、仮に例えば制度移り替えの始期を五月にするということになりますと、その四月の大きなまとまった集団が旧ルールを適用するということになります。したがって、そうすると年金財政が全体に厳しいということを踏まえますと、その先のタームをもっと切り込むとか、あるいは負担を上げるとかということをしなければならなくなります。したがいまして、その辺のバランスを考えながら、従来どおり四月の前と後で切らしていただいて措置をしたということでございまして、このことは全体として先生御案内のとおり年金財政が厳しい、その中で何とかしてこの制度は維持をしていきたい。
 それから、今回の場合には、特に既に裁定を受けている方からもその給付の削減をしていただくということもしておりますので、そういった制度の切替えの時期がどこかで不連続な部分が生ずるということでございますので、何とか御理解を賜りたいというふうに思います。
○弘友和夫君 じゃ、そのよく分かった上で、あえて対象が一番多いところになるところで切ったと、こういうことなんですか、あえて。どうですか。
○政府参考人(上田紘士君) あえてという意味がどういう意味かですけれども、どこかで切らなきゃいけないと、年金の財政を計算しなければならないのでどこかで切らなきゃならないわけですが、ルールが変わるときに、新しいルールを適用してリセットされる方が一番多いところがいいだろうということでいえば、そういう時期が従来より選ばれているというふうに理解をしていいと思います。
○弘友和夫君 あえてと言われれば、これはしようがないんですけれども、一番そこをターゲットにしたんだと。ただ、年金の改革はそういうことでいいのかなと、改正するのに。私はちょっと違うんじゃないかなと。それは減らす人数、ここ切るやつのが一番多いところでぴしっと切ろうなんという、そういう考えはおかしいんじゃないかと思うんですけれどもね。大臣も地方も経験されていると思うんですけれども、どうでしょう、こういうことで果たして、あえてそこをねらったんだというのか、まあ大体今までもやってきたし、そこでやるのかというのはちょっとニュアンスが違うと思いますけれども、大臣、ちょっとお答えを。
○国務大臣(菅義偉君) ただ、この改正の検討に当たっては、いわゆる地方議会議員共済会の代表の方にもこの地方議員年金制度検討委員会の委員としても参画をしていただいて、年金財政の状況や制度改正の必要性、そういうものを十分御認識をいただいた上で決定をさしていただいておりますので、御理解をいただいたのかなと思っております。
○弘友和夫君 代表の方がどれだけよくそこら辺まで御存じだったかどうかという論議は余りなかったということで、余り知らなかったんじゃないか。今ごろになっていろいろそういう声が聞こえてきますんで、一応、問題提起としてさせていただきたいと思います。
 最後に、先ほども出ましたけれども、今いろいろ福島、和歌山、県政トップの逮捕とかいろんな問題が出ておりまして、今、地方分権改革推進法案、審議されておりますが、余りこういうことが起こってくると、残念ですけれども、じゃ地方に任していいのかというような声も起きかねないというふうに思うんですね。
 先ほど多選のお話がありましたけれども、多選に対して法的にぴしっと多選は禁止すべきだということと、そうではないんだというのが半々ぐらい世論調査等でもありますけれども、総務省は十一月十七日、首長の多選問題に関する調査研究会を発足させたんですよ。そうしたら、平成十一年には、首長の多選の見直し問題に関する調査研究会というのを、これはきちっといろいろな報告が出されている。言葉が、首長の多選問題に関する調査研究会と首長の多選の見直し問題に関する調査研究会、どこがどう違うのかなというふうに思うわけです。前回もある程度きちっとしたあれがなされているんですけれどもね。
 今回、じゃ、それをわざわざまた新しく十一月十七日に発足をさせた。どういう意味、前とどう違うんだと、どういうことをこれ煮詰めていくんだということと、それから大臣自身の多選に対する考え方をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 平成十一年に、自治省当時に設けられたこの首長の多選の見直し問題に関する調査研究会においては、多選を禁止すべき立場とこれに反対する立場の双方から、憲法上の論点などを並列的に整理をしてもらって報告をした研究会でありました。
 しかし、今日これだけ多選について、それぞれの各党会派でも三選という方向が出ているところも実はあります。これだけ問題になってきておりますので、私は一歩踏み込んで、今度の研究会というのは更にこの議論を深めたいと。そういう中で、今まで立候補の自由だとか、あるいは職業選択の自由だとか、憲法上抵触するんじゃないか、いろんなことがありました。そうしたことを整理してもらうという形で実は発足をさせます。
 具体的には、憲法上の問題どうなるかということが一つです。もう一点は、任期はどうなのかと、何選なのがいいのかということも当然考えてみたい、答申を受けたいと思っていますし、さらに、どこまで、県知事と政令都市の首長だけでいいのか、全部の市町村長をやるのか、そういう主な三点を中心に今度は総務省としてもしっかりとした考え方をしたいと。そういう意味において、今回、研究会発足したと、そういうことであります。
○弘友和夫君 どうもありがとうございました。
 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 ただいま議題となっています地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律改正案については、一九七一年から行われている制度であり、統一地方選挙は一定程度国民の選挙に対する意識を高めることも期待できるものですから賛成であります。
 今日は、限られた時間ですので、総務省が管轄をする政治資金規正法についてお尋ねをいたします。
 戦後最大の疑獄事件と言われましたロッキード事件が起こってから今年で三十年目になります。この三十年間、様々な政治と金をめぐる事件が起きました。そして、何人もの政治家が逮捕をされたり辞職に追い込まれてきたりしたと。そのたびにこの政治資金規正法は改正をされてきました。
 そこで、安倍内閣、新内閣の一員として、そしてこの政治資金規正法を所管する大臣として、こうした政治と金の問題を根絶していく上でどういう施策をお考えか、その決意も含めてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 国民に信頼をされる政治を行っていくためには、政治家一人一人が襟を正すとともに、政治資金については政治資金規正法にのっとり適切に処理をされる、このことが大事なことであるというふうに思っています。
 また、今後とも、政治資金の適正な処理と透明性を確保し、政治に対する国民の信頼が得られるように今努めていく必要があるというふうに思っています。
○井上哲士君 透明性を確保し、国民の信頼を得られるようにと、こういうことでございました。
 九月に総務大臣届出の政治団体について二〇〇五年の政治資金収支報告書が公表されました。そのときの幾つかの新聞の社説を私持っておりますが、ある新聞は、透明度を上げなくちゃ、こういう見出しでありました。ある新聞は、ガラス張りにはほど遠いと、こういう社説の見出しでありました。
 実際、驚いたことの一つに、賃料が要らない衆議院の議員会館を主たる事務所にしていた政治資金の管理団体が三つあります。この三団体が事務所経費を三千万円から四千万円計上していると。これはマスコミでも報道をされました。その三団体は、一つは伊吹文明文部科学大臣の資金管理団体である明風会、これ四千百四十六万円計上しています。それから、松岡農水大臣の松岡利勝新世紀政経懇話会、三千三百五十九万円余りを計上しております。それから、中川昭一自民党政調会長の昭友会、三千九十六万円余りを事務所経費として計上をしております。
 そこで、大臣に見解をお伺いしたいんですが、この賃料が要らない議員会館を主たる事務所としているこの三つの政治団体が三千万から四千万円事務所経費を計上している、こういうことが国民の理解を得られるとお考えでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 政治団体が主たる事務所の所在地をどこに置くかと、こういうことについては、当該団体の政治活動の自由を尊重をする立場から特段の制限というのは設けられておりません。
 なお、衆議院、参議院とも、議員本人の資金管理団体に限り、議員会館の議員事務室を当該団体の事務所として使用できるということにもなっております。
 今御指摘をいただきました団体についてでありますけれども、総務省としては具体的な事実関係を承知する立場にありませんので、答弁については差し控えさせていただきたいと思います。
 また、政治資金の収支については、それぞれの政治団体の収支報告書の公開を通じて国民の監視の下に置かれており、その是非など収支報告書の内容に対する判断は、これは国民にゆだねられるべきものであると、このように考えています。
○井上哲士君 最初の答弁で、透明度の中で国民の信頼を得るというお話もありました。そして今、それぞれの判断は国民にゆだねられていると、こう言われたんですね。そのためには、正に透明でなくちゃいけないと思うんです。今紹介した賃料が要らない議員会館を主たる事務所として三千万から四千万円もの額を事務所費に計上しているというのは、これはやはり私は国民から見て大変疑問だと思うんですね。
 新聞報道の中でインタビューをされておりますが、この伊吹文部科学大臣の秘書はインタビューの中で、議員会館以外に東京、京都の事務所の家賃で千五百万円、それから交通・通信費、印刷費なども月二百万円掛かると、こういうふうに新聞で述べております。
 そこで、これは総務省にお聞きするんですが、事務所費というのは、この逐条解説などを読みますと、政治団体の事務所の借料損料、公租公課、火災保険料、電話使用料、切手購入費、修繕料等、事務所の維持に通常必要とされる経常な経費が該当すると、こうなっておりますから、交通費は含まれないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(久元喜造君) 今委員が朗読されたところですが、政治資金規正法施行規則別記第七号様式、この記載要領では、この経常経費のうち事務所費について、事務所の借地損料、地代、家賃、公租公課、火災保険金等の各種保険金、電話使用料、切手購入費、修繕料その他これらに類する経費で事務所の維持に通常必要とされるものをいうというふうにしておりまして、交通費が明示的にこの範囲、対象から除外しているという趣旨ではないというふうに考えています。
○井上哲士君 しかし、事務所の維持に通常必要とされる経常費に交通費が入るのかと疑問なんですね。しかも、ほかの政治活動費というのがちゃんとありまして、その中に組織活動とかというのが計上されるようになっているんです。ですから、その事務所費の中にこういうことがあるというのは、やっぱりどうも私は国民の目から見て大変疑問だと思うんですね。
 逆に言えば、今明示もされていないわけですから、明確な支出根拠がないということだと思うんです。私は、こういう不明瞭な支出は疑念を深めるばかりでありますし、松岡大臣の事務所に至っては、内訳は報告の必要がないので控えさせていただくということでコメントを出していないわけですね。私は、こういうコメントを出させないためにも、そして国民の信頼を得るためにも、この法十二条の二号に規定する事務所費を含む経常経費も領収書の写しを添付をして透明性を高めるべきではないかと思いますが、その点、総務大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 経常経費は、人件費に光熱水費、さらに備品・消耗品費及び事務所費の四項目が実はありまして、その中で収支報告書においてはその項目別の金額を報告すればいいと、そういうことになっています。これらの件について、その明細を逐一報告させ、またその領収書の添付を義務付けるということは政治団体側に過大な事務負担となる、そういうことでこのような規定になったということであります。
 いずれにせよ、今委員から御指摘のありました点に関しましては政治活動の在り方とも関連をしてまいりますので、政治団体側の今申し上げましたように負担の問題、そういうことを考えて、やはり各党会派の御議論をいただいて結論を得る問題であるというふうに思っています。
○井上哲士君 最初にも答弁ありましたように、やはり政治資金をガラス張りにし、透明にするというのは、やっぱり国民の信頼を得るために本当に大事なことだと思うんですね。
 そもそも、政治資金規正法の目的は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、こう述べた上で、理念としても、この法律は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないようにするというのが基本理念としても掲げられているわけです。
 ですから、今、政治団体の事務負担のことも言われました。金額をどうするかとか、それはいろんなやり方が私はあると思うんです。しかし、今こういう事態があり、そして先ほどもマスコミの社説なども紹介いたしましたけれども、これで本当にガラス張りなんだろうか、こういう声も出て、国民の厳しい目がある中、私はできる限りの透明度をもっと高めることは必要だと思うんですね。もちろん各党間のいろんな議論はありますけれども、しかし、やはり政治と金を担当する大臣としてもっと前向きの決意なりが必要かと思いますけれども、改めて答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 冒頭、私申し上げましたけれども、やはりこの政治資金規正法にのっとり、やはりしっかりと行うべきであるということは当然のことだというふうに思っています。
○井上哲士君 であれば、本当にやはりこの基本理念を文字どおり遂行するというためにも、今、例えば地方議会などでもいろんな政務調査費の公開や領収書添付などいろんな改革が進められております。私は、国会も、国会議員も一層の透明度を高めるということは必要でありますし、是非この十二条一項二号の改正をするという点で、政治と金を所管する総務大臣としてのイニシアチブも発揮いただきたいし、各党間にもこういう問題を私たちとしても一層詰めていきたいと、こう考えております。やはり、国民の疑念を放置をしたままでは内閣の真価も問われるのではないかと、このことも申し上げまして、私の質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
 この法案そのものには異論がないことを申し上げ、関連質疑をさせていただきたいと思います。
 まず第一点は、在外投票権についてお伺いをしてまいりたいと思うんです。
 そこで、まず確認ですが、在外在留邦人は約九十六万人、うち推定有権者は約七十二万人、この人たちは在外投票制度で在外公館での投票又は郵便投票によって国政選挙に参加できる、これが来年の参議院選挙から選挙区選挙にも適用されるようになったわけですね。
 過去、実際の在外投票者数や率はどのぐらいだったのか、まずこの点お伺いをします。
○政府参考人(久元喜造君) 直近の十七年九月十一日の衆議院選挙では、この在外選挙制度に登録された登録者数は八万三千人弱、実際の投票者数は二万一千人強、投票率は二五・八二%となっております。その前の十六年七月十一日の登録者数は八万人強、投票者数は二万一千人弱、投票率は二五・五二%。ちなみに、その前の衆議院総選挙、これが十五年十一月九日でありますが、このときは七万三千人強の登録者数、そして投票者数が一万二千人弱、投票率は一五・九三%ですので、このときから前回の衆議院の総選挙に向けては投票率はかなり上昇しているということが言えようかと思います。
○又市征治君 そこで、どうやってこの投票率を上げていくかということでいろんな御苦労もなさっておるわけでしょうが、そこで、前回六月の議員立法による改正では、国外の一時滞在者のうち、自衛隊員など一部の人たちに新たに国政及び地方選挙について国外での不在者投票権が認められることになりました。しかし、極めて特殊な条件を課しておりまして、大部分の在外有権者に同じく不在者投票の道を開いたものではなかった、こう言わなきゃならぬと思うんですね。
 そこで、この自衛隊員などと同様に、住民票を残して外国に出ている人については、どのように推定し何人ぐらいと見込んでおられるのか。六月に聞いたときは入管統計での総数しか答えられなかったわけでありまして、その後もう少し正確に推計がされているんだろうと思いますから、お聞きをしておきたいと思います。
○政府参考人(久元喜造君) この海外滞在者数を把握することというのは大変難しいですので、やはり帰国した方の数でもってこれを推計するしかないというふうに考えております。
 これは平成十七年の出入国管理統計年報を使うわけですけれども、平成十七年の一年間に海外から帰国した日本人は約一千七百万人、このうち在外選挙の対象となり得る三か月以上の長期滞在者を除きますと約一千六百万人、それから、これは六月には把握しておりませんでしたが、未成年者をこれから除きますと約一千五百万人であるというふうに承知をしております。
○又市征治君 それはちょっと過大なんじゃないですかね。十日以内の人であるとか六か月以上の人、未成年者を除いていきますと二百万余りじゃないんですか。
 まあ、いずれにしても、その数値、なかなかつかみにくいということなんですが、いずれにしましても、この人たちにも自衛隊員と同じく不在者投票権が与えられてしかるべきだと、こんなふうに前回も私は主張をしました。
 その中で、この六月の議員立法がなぜ千四百人程度の海外派遣の自衛隊員などにだけ不在者投票を認めたのか、私はいまだに腑が落ちぬわけです。たまたま派遣部隊が山形県とか兵庫県の出身者で、提案した議員の地元だったという話も聞くわけでありますが、あのとき理由とされたのが、自衛隊員なら施設つまり駐屯地に固まっていて、そして投票管理者、つまり部隊長がしっかりしているからだと、こういう説明だったんですね。
 それならばということで、私は逆に、民間商社の海外支店に属して、有能な支店長の下でまとまっている商社マンだってやれるんじゃないのと、NPOで、長の下にまとまっている在外ボランティアの人たち、あるいは青年海外協力隊員なども投票をきちっと管理できるんじゃないですかと逆に提案申し上げたんだが、明確な説明はありませんでした。法律で特定組織と定めているからという答弁がありましたけれども、これは循環論法でありまして、論理が全く通らない、こう言わなきゃならぬと思うんです。
 どうやって運ぶんだと、こう聞いたら、自衛隊機でも協力すると、こうおっしゃったわけで、しかし自衛隊員以外にも適用するとは言わないわけで、これではお手盛り選挙で、投票の自由も投票権の平等も何もあったもんじゃないということで申し上げた。これが前回の鳩山邦夫さんや大野元防衛庁長官からの提案者の答弁であって、本日その方々おられませんから、総務省としてはもう少し公正なやり方を考えておられるんだろうと思いますが、今後、一般の在外民間人に拡大をしていかなければ選挙の公正さが損なわれるんだろうと思いますね。
 そこで、一般の不在者投票の歴史を少し振り返ってみたいと思いますが、現在は期日前投票という名で、厳しい理由の制限もなくなって緩やかに認められておりますけれども、ここに至る経緯について簡単に説明してください。
○政府参考人(久元喜造君) 非常に複雑な経緯ですので、ごくかいつまんで申し上げさせていただきたいと思いますが、不在者投票制度は、大正十四年の衆議院議員選挙法で創設されたものでありまして、当時は船員、軍人が対象になったというふうに承知をしております。
 昭和二十三年のこの衆議院議員選挙法におきまして、不在者投票事由として、選挙当日の職務、業務に従事すること、やむを得ない用務、事故のために郡市区域外に旅行中であること等の事由が法定をされ、そして昭和二十五年に公職選挙法が制定されましたときに、病院に入院中の者、監獄又は少年院に収容中の者にもこれらの施設における不在者投票が認められ、そしてその後も不在者投票事由が拡大されて、平成九年には旅行等の私用であっても不在者投票ができるようになったというふうに承知をしております。その後、さらに洋上投票の制度が不在者投票制度の一環として議員立法によって創設をされ、さらに、今委員御指摘のとおり、平成十五年には期日前投票制度が導入されていると。そしてさらに、さきの通常国会で議員立法によりまして、今御紹介がありましたような投票制度が更に拡充されている。
 大まかに言いますと、そのような経緯ではないかというふうに承知しております。
○又市征治君 そのとおりで、大きく拡大をしてきたということですね。特に二〇〇三年の改正で名称も期日前投票と、こういうふうに変わって、言わば遊びに行くためでも投票ができることになったわけです。また二〇〇四年の改正では、要介護五度の人が郵便投票に加えられました。
 こうした中、今年の七月に最高裁判決がありました。引きこもり、対人恐怖症で外出できないある青年の選挙権保障に係る損害賠償訴訟だったんですが、裁判長が裁判官の一人として補足意見述べられているわけですが、不在者投票を認めず、他の方法も講じていない公選法は違憲の状態にある、こういう意見ですね。在宅障害者には郵便投票などによる不在者投票の措置を講じないと選挙権行使を保障したことにならない、こういうふうに指摘をしているわけです。
 このときの判決は、損害賠償は認めなかったけれども、彼の投票権を法律上制限したのは国会の裁量であったとして、またこれまで国会でほとんど取り上げられなかった、だから今後国会で十分検討されるべきだと、暗に国会の不作為を批判をしているわけですね。
 ましてや、投票の権利は国家の特定の組織に属しているかといった官尊民卑で差別すべきものではもちろんありません。海外での自衛隊員だけに不在者投票を認めたけれども、一日も早く海外の一般有権者にも私は認めるべきだろうと思うんですね。
 そこで大臣に伺いますが、さっき申し上げたようなNPOだとか青年海外協力隊だとかということなどの海外の例、二つ目にはこの最高裁の今の引きこもり問題の例などについて、不在者投票や郵便投票の適用によって権利を拡大をすべきじゃないかと、こう思うんですが、御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 今御指摘の二つの点についてであります。
 海外滞在者の方々に不在者投票を認めると、そういうことにしますと、選挙権の有無の確認や成り済ましや二重投票など、こうした防止策など、一つ課題があります。また、引きこもり等による外出が困難な方々に郵便投票を認めることには、その対象の範囲、これをどのようにするのか、公的な認定方法をどうするかなどという問題があります。
 しかし、こうした問題は確かにありますけれども、現行制度で投票できないこうした皆さんにどのような形で投票機会を拡大していくかということは、極めて私ども重要な問題だという認識をいたしております。それと同時に、やはり各党会派でもこの点について御議論いただきたいと、こう思います。
○又市征治君 是非、余り国会にばっかり振らないで、所管する総務省としてしっかりとやっぱり取り組んでもらいたい。
 今申し上げてきた問題、三番目になりますが、障害者の参政権拡大問題について触れたいと思うんです。
 高齢化が進む現在、障害者問題は高齢者問題ともダブっております。現在不自由を感じていない人たちも将来参政権を阻害されるおそれが十分にあるわけですね。障害を持つ人が参加しやすい選挙というのは、お年寄りや体の不自由な人などすべての国民にとって参加しやすい選挙になるわけであります。
 一例として、聴覚障害者は、七十歳以上の二人に一人が難聴と言われています。聴力の減退若しくは喪失した者は年々増大をしているわけでありまして、身体障害者手帳を持たない人も含めて全国で約六百万人の難聴者、中途失聴者がいるというふうに言われています。
 長い間、街頭演説や政見放送で立候補者が何を言っているのか分からない状態に置かれ、文章の苦手な人は公報も余り読めないために参政権を行使できない状態に置かれてまいりました。最近は政見放送に手話通訳を付けるなどの情報保障が少しずつなされるようになってまいりまして、大変いい傾向なのですが、この政見放送研究会報告書では、当時指摘されたマンパワーの確保は可能か、また地域による偏在はといった問題、課題は、その後の技術の進歩あるいは通訳士の数の増加などでクリアできつつあるんではないかと、こう思いますけれども、さっき申し上げた自衛隊員の例を言うならば、障害者だってまずはできる地域からやっぱり開始をする、試行錯誤を重ねていくという発想があってもよいんではないか、このように思うんです。
 そこで大臣に伺いますが、こうした課題について、当事者であるいろいろな障害者の参加も確保して、障害者の参政権保障、これにかかわる研究会を設けてはどうか、こんなふうに提言したいと思いますが、御見解あればお聞きしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 今委員御指摘のこの手話通訳士の確保の可能な地域から段階的に導入することについては、選挙ごとに政見放送の取扱いが異なることとなっておりまして、こうした観点からも検討が必要であるというふうに思いますし、今申出のありました研究会、私ももうできるだけ多くの方に投票していただきたい、その努力をすることは当然のことであると思っていますので、考えさせていただきたい、こう思います。
○又市征治君 今の大臣の答弁、是非しっかりと実現いただくようにお願いをして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(谷川秀善君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(谷川秀善君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十三分散会