第165回国会 内閣委員会 第7号
平成十八年十二月七日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 正司君
    理 事
                秋元  司君
                鴻池 祥肇君
                朝日 俊弘君
                工藤堅太郎君
    委 員
                佐藤 泰三君
                田村耕太郎君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                林  芳正君
                山谷えり子君
                木俣 佳丈君
                黒岩 宇洋君
                郡司  彰君
                松井 孝治君
                風間  昶君
                白浜 一良君
                亀井 郁夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   参考人
       第二十八次地方
       制度調査会委員  松本 英昭君
       新潟大学大学院
       実務法学研究科
       助教授      田村  秀君
       同志社大学法学
       部教授      市川 喜崇君
       北海学園大学法
       学部教授     横山 純一君
       北海道知事    高橋はるみ君
       財団法人太陽北
       海道地域づくり
       財団会長     東原 俊郎君
       北海道大学公共
       政策大学院教授  山口 二郎君
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  本日の会議に付した案件
○道州制特別区域における広域行政の推進に関す
 る法律案(第百六十四回国会内閣提出、第百六
 十五回国会衆議院送付)
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○委員長(藤原正司君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本案につきまして七名の参考人の方々から御意見を伺います。
 午前御出席をいただくのは、第二十八次地方制度調査会委員松本英昭君、新潟大学大学院実務法学研究科助教授田村秀君、同志社大学法学部教授市川喜崇君及び北海学園大学法学部教授横山純一君、以上四名の参考人の方々でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。
 まず、松本参考人、田村参考人、市川参考人、横山参考人の順序でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 御発言をいただく際は、その都度、委員長の指名を受けてからお願いいたします。
 また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いをいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、松本参考人からお願いいたします。松本参考人。
○参考人(松本英昭君) おはようございます。松本でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 一般的な道州制についてということでございましたので、私見を述べさせていただきたいと思います。
 最初に、トップバッターでございますので、恐縮でございますけれども、道州制論議の経緯を若干述べさせていただきたいと思います。
○委員長(藤原正司君) 先生、松本先生、どうぞお座りのままで結構です。
○参考人(松本英昭君) よろしいんですか。それじゃ座って、失礼します。
 道州制の論議は戦前からございました。ただ、戦前は知事が国の一般地方行政官庁ということでございまして、そういう点では戦後とは基盤を異にいたしております。
 戦後、都道府県知事が御承知のように公選制になりまして、その当初から、実は都道府県の自治を充実強化するという観点に立ちまして、都道府県の区域を適当に整理統合すべきだという意見がございました。一方で、道州制とされる構想、提言等も多様なものがございまして、それらは国による国内統治を強化するという観点が非常に強かったということが言えます。つまり、この当時道州制と言われておりましたものは、かなり中央集権的な志向があったということが言えるのではないかと思っております。
 そして、もう御承知の方も多いと思いますけれども、昭和三十二年に第四次の地方制度調査会が、全国を七ないし九ブロックに分けまして、地方、これがいわゆる今で言えば道州というものに相当するわけですが、そういうものを置きまして、その長は地方の議会の同意を得て国の内閣総理大臣が任命するという地方制案を論議いたしました。このような地方制案に対しましては、戦後の地方制度改革の趣旨をないがしろにするんだということで大変厳しい批判がございまして、この地方制案に対しまして、長の直接公選制である都道府県を統合した県というものを全国に十五ないしは十七置くという県案、これは都道府県統合案と言っておりますけれども、これが出されまして、採決の結果、過半数に一票差という僅差で地方制案が答申されたということがございました。しかし、このような経緯もございましたから、この地方制案というのはその後具体的には検討されることはなかったわけでございます。
 しかし一方で、高度経済成長とともに都道府県の区域を越えます広域行政需要というのは増大いたしてまいりました。例えば、水資源問題とかあるいは幹線道路の整備とか大都市圏整備等、そうした広域行政が非常に課題となってきたわけでございます。そういう広域行政需要に対する対応の必要性ということは皆さん認識しておりまして、当時、いろいろと構想も出されておりましたけれども、いずれもそれは実現をしなかったわけでございます。
 そして、結局、そうした都道府県を越えるような広域行政需要に対しましては、都道府県の権限を国に引き揚げてしまう、あるいは国の権限を新たに設ける、それから国の地方出先機関、特に地方支分部局でございますけれども、これを設置するとか又はその権限を強化すること、あるいは公団、事業団等を設置し又は拡充すること、地方公共団体が処理する事務事業に対して国の関与等を強化することなどが行われたわけでございます。
 その結果、中央集権的な傾向が強まりました。これをよく新中央集権主義というようなことで言っております。また、国に係る組織機構が膨張し、さらに国と地方を通じた行政が複雑かつ非効率で責任の所在が非常に不明確なものになったわけでございます。しかし、この問題は、当時は高度経済成長下の下でございまして、余り顕在化しなかったと言えます。こうして戦後の道州制などの構想はいったん下火になったといいますか、私はこのときにいったん終止符が打たれたものと考えているわけでございます。
 道州制の論議が再び浮上してまいりましたのは昭和の終わりのころからではないかと思っております。すなわち、我が国のキャッチアップの時代が終えんし、中央集権的体制の制度疲労が指摘されるようになり、中央集権的な政治・行政システムを地方分権的な政治・行政システムに転換するための抜本的改変として道州制の導入が論じられるようになったということであります。
 昭和六十三年に閣議決定されました第四次全国総合開発計画が基本目標としました多極分散型国土の構築は、各地域が個性豊かな活力ある地域社会を形成していくことによって達成されるものであることから、地方分権の推進ということが欠かすことのできないものであり、こうした視点からも都道府県を越えた広域行政への対処の在り方を検討する必要があるとされてきたわけであります。
 平成元年の十二月、第二次行革審は地方分権のための新たな次元を生み出して取り組まれた国と地方の関係等に関する答申において、いわゆる道州制の導入に関し広く各界の検討を要請し、国においても検討するものとしております。
 平成五年六月、国会の衆議院及び参議院におきまして地方分権の推進に関する決議が行われましたが、その年の十月に、第三次行革審はその最終答申におきまして、現行の都道府県に代わるべき新しい広域自治体制度、いわゆる道州制と、これは括弧書きで付けてありますけれども、この意義等について国として幅広い視点から具体的な検討を行う必要があるとしております。
 平成七年、地方分権推進法が制定され、同法に基づいて設置された地方分権推進委員会が調査審議を進めましたが、同委員会は都道府県や市町村そのものの在り方というこの受皿論、いわゆる枠組み論を議論いたしますと、それが決まらなければ地方分権のための措置も決められないのではないかといった主張が出ることを危惧いたしまして、この受皿論、枠組み論というのは一時棚上げにしたわけでございます。ただ、同委員会は平成十三年六月、最終報告におきまして、広域地方公共団体としての都道府県の見直しも視野に入れた新しい地方自治制度に関する様々な提言が現実性を帯びてくる可能性があると指摘しております。
 以上のような経緯にかんがみますと、地方分権改革の新たなステージとして、一つは基礎自治体の在り方、もう一つは広域自治体の在り方が論議されることとなったのは当然の流れであります。この広域自治体の在り方として道州制の論議が活発になったと言えます。
 これまで述べたことで明らかなように、今日において道州制の導入ということは、地方分権の推進という脈絡においてこそ論議されることとされていることが誠に重要ではないかと思うわけでございます。
 現在、広域の地域で地方分権、地方自治の担い手となっている都道府県について見ますと、次のようなことが指摘されます。
 すなわち、第一に、現在の都道府県は明治期において国の行政区画として設置されて以来、百二十年近くにわたってその区域、構成が変わっておりませんが、それでいいのかどうか。第二に、近年の市町村合併の進展で都道府県の位置付けや役割の再検討が迫られているのではないか。第三に、最近の都道府県を越える広域行政課題は圏域的な総合性とソフトの構築ということが欠かせないものでございますが、複数の都道府県や数多くの国の地方出先機関あるいは独立行政法人等が様々な形で公の主体として存在するわけでございまして、そうした下においては十分に円滑にこうしたことは行われ難いのではないか。第四に、都道府県間の差異が非常に大きくなっており、それが拡大しつつありますけれども、このまま放置できるのかどうか。第五に、少子高齢化の急速な進展、多額の財政の長期債務残高を抱える下で、国と地方を通じる政治、行政の抜本的な効率化、能率化が求められているのではないかといったことが挙げられるわけでございます。
 ただいま申し上げましたようなことを踏まえ、道州制の趣意、言い換えれば、道州制を実現して目指すべきことについて整理して説明すれば、次のとおりであると思います。
 第一に、地方分権及び地方自治の充実強化ということであります。
 国の仕事は国において真に果たさなければならないことに重点化、純化し、地域に関する仕事は原則的に地方公共団体が担うこととして、事務権限、人と組織、財源、これらをそれこそ三位一体で地方公共団体に移し、住民自治を踏まえた地方自治の仕組みによって処理するようにすることであります。現在では、地域に関する仕事でも国が手放そうとしないのでありますけれども、道州制であれば、広域自治体の区域及び能力が一般的に相当広がり、現在の国の事務事業、人と組織を道州に移すことができ、国と地方の税財政制度も抜本的に担うことができます。そして、自己決定と自己責任を基本とした地域社会の実現を目指すことが可能となるのであります。そして、このことは、国は本当に国家として遂行していかなければならない仕事に全力を注ぐという体制になることであり、国家として本当に果たさなければならない機能の強化を図ることにもなるのであります。
 第二に、自立的で活力ある圏域の形成であります。
 我が国においては、地域に関することを中央に集約し、中央が決定又は判断してそれに地域が従うというプロセスが多くの分野で見られ、特に政治、行政では以前から今日まで根強く続いております。こうしたことから、人口、産業、金融、情報、学術、文化等の東京圏への著しい集中が進んでおります。そして、人口減少、超少子化、高齢化、グローバル化等が進む中で多くの地域において活力やダイナミズムの低下が深刻な状況になりつつあり、他方で、集中の著しい大都市圏域においては圏域の視点での総合的な整備等や運営管理の面での多くの課題が指摘されております。したがって、原則的には圏域、ブロックと言われているぐらいの単位で自立的で活力がある枠組みを形成し、圏域内の様々な資源や能力を適切に組み合わせ、また経済、学術研究等、政治、行政等の諸活動が相互に連携し補完し合って創造力をはぐくみ、圏域の発展と課題の解決を期するようにすることが肝要であると思われるわけであります。
 そうした圏域において、現行の制度のように複数の都府県、国の地方支分部局等出先機関、独立行政法人等が個々に対応しているのではこれらの間の調整が難しく、総合的、総体的なパワーや機動力を発揮することができ難いのではないかということでございます。道州制によってこれらを統合することができます。
 第三に、国と地方を通じた効率的、能率的な政治・行政システムの構築であります。
 先ほども申し上げましたように、我が国は急速な高齢化と人口減少の時代を迎え、また財政の巨額な債務残高を抱えています。このような厳しい状況にあって展望を切り開いていくためには、国民一人当たりのパワー、すなわち人間力を高めていかなければならず、諸資源や諸能力を人間力向上の方向にシフトさせなければいけないと思います。
 現在は公的部門に向けられている諸資源や諸機能に関しても、それを推進する必要があります。しかも、我が国の政治・行政のシステムには、国と地方を通じて非効率、非能率と責任の不明確さといった大きな問題があります。こうした課題への対応と問題の解決のためには、基本的に国の役割は重点、純化することとし、地域に関することは地方公共団体が企画立案から管理執行までを一貫して担うこととするべきであります。そのために、事務権能、人と組織、財源を先ほど申しましたように国から地方に移して、国の義務付けや関与等をできる限り廃止、縮小することとともに、国の地方支分部局等の出先機関は一部を除いて廃止すべきであります。また、地方の側の重複的な施策も避けられるようにしなければなりません。道州制はこうした国と地方の通じる非効率、非能率な政治・行政システムの抜本的改革にもなるのであります。
 以上、道州制の趣意、目指すべき方向について総括いたしますと、要するに広域の地域レベルで自前の政策を形成し、自前の戦略を立てることができ、効率的に遂行していけることということではないかと私は考えております。
 以上です。どうもありがとうございました。
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、田村参考人にお願いいたします。田村参考人。
○参考人(田村秀君) 新潟大学の田村でございます。
 初めに私は、道州制の導入に賛成の立場から、また導入する以上は、やはり真に分権社会にふさわしいものとすべきという立場から私の意見を述べさせていただきたいと思います。お手元にレジュメもございます。そちらに従いまして私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、現行の都道府県制度でございます。先ほども話がございましたが、百二十年近く現在の四十七都道府県体制が続いております。確かに、人々の間に、高校野球ですとか様々なスポーツあるいは県人会、そういうものによりまして県民意識などが根付いてきている面も確かにあろうかと思います。その一方で、法案の参考資料、こちらの一ページにも幾つか書かれておりますが、様々な課題も表面化していると、そのように思うわけであります。
 また、そもそも住民の目から見ますと、現在の都道府県というのは、市町村と比べてある意味遠い存在でございます。実際、都道府県庁とか都道府県の機関に行くというのは非常に少ないわけでありまして、実際あっても、パスポートの交付事務というように、これは法定受託事務でございます。しかも、これは旅券法等の改正がございまして、今では市町村もやるというふうになっておりますので、都道府県というのはますます住民の目からしますと一体何をやっているところなんだろうかというような感じもいたしているかと思います。
 しかしながら、その一方で、例えば原子力発電所ですとかいわゆる迷惑施設の立地といった政治的にも難しい問題、この調整ということがあります。あるいは環境、大規模災害対策、大きなプロジェクトもそうですし、あるいは観光を取ってもそうですが、これらのテーマというものは、単独の市町村でも取り組むことがあるでしょうが、なかなか取り組みにくかったり、実際には解決が不可能だったりというようなことも多々ございます。そういうことからしますと、やはり地域の住民に選ばれた民主的で広域の組織というものが一定程度必要なんだろうというふうに考えるわけでございます。
 次に、道州制導入の必要性について述べたいと思います。
 広域行政の必要性については戦後一貫して指摘されておりますが、これまでは市町村の規模が比較的小さかったということもありまして、都道府県の役割あるいは存在意義というものはやはりある程度認められていたのではないかと、このように思うわけであります。しかしながら、市町村合併が進展してまいりました。その数も千八百ということであります。日常生活圏の拡大、分権の進展、正に広域自治体の在り方が大きくクローズアップされてきて今日の議論に至っていると、このように考えております。
 また、都道府県と一方で国の出先機関というのがあるわけでありますが、この間ではやはり重なっている事務、あるいはどちらか一か所でやった方が効率的なものは少なくないと考えられます。確かに今、都道府県あるいは市町村の不祥事等も出ておりますが、住民のチェックというもの、住民監査ですとか住民訴訟、そしてまた議会による統制があるという部分、国の出先に比べますと、都道府県といいますか、民主的な組織の方が住民のチェックが掛かるだろう。逆に言いますと、国の出先というのは、どちらかといいますと、住民のチェックが掛かりにくい。その一方で、地域にかかわることを多々やっているというわけでありますので、これはいろいろな問題点等もこれまで指摘されてきたところでございます。こういう中で、やはり広域自治体、道州に極力地域の事務を任せて遂行するということが今、今日的に求められているんだと思います。そしてまた、国と地方を通じた財政改革、そういうものが必要な中で、この国の出先というものに手を付けずに改革というのでは、やはり説明責任が十分果たされてないのではないかと、かようにも思うところでございます。
 次に、どのような道州制かということでございます。
 お手持ちのレジュメの方に簡単な表を付けております。これは、実は私、一応道州制のことを多少研究しておりまして、これまでの様々な議論ですとか提言、そういうものを私なりに整理したものでございます。これはあくまで参考に付けております。いろいろなタイプの道州制なり道州制の在り方というものが提案されてきましたが、基本的なところでは、やはり地方制度調査会、こちらの答申がベースになるんだろうと、かように考えております。
 その中で、やはり一番大事なことは何かと。私が思うに、やはり地方自治法の第一条の二というのがございます。こちらにも規定しておりますが、やはり国と地方の役割分担、この原点に立ち返るべきではないかということであります。これは先ほどもやはり話がありました。正に、国は本来あるべきところに特化するということ、これは決して、霞が関といいますか、国を、役割を縮小すると私は必ずしも考えておりません。
 例えば一つ例を出しますと、これは外交を見ればこの点は明らかかと思います。日本人というのは交渉事ですとか駆け引きというのは残念ながら余り強くないのではないかと、他国と比べますと。もちろん、仲良くするのは得意かもしれませんが、アジア諸国と比べましてもいわゆる外交というのは余り上手じゃないというような感じを持っております。これだけ国際化が進んでいる時代でございます。正に総力戦で外交ということをやらない限り、私は日本の未来というのは明るいものはないというふうにも考えております。BSEの問題ですとか様々な外交交渉を見ますと、やはりもっともっとそういう国際交渉、情報収集に各省庁が積極的にかかわる必要があるのではないか。もちろん、それぞれの省庁には国際部局等がございますが、どうも人的には不十分のような感じもいたします。その一方で、国内向けの補助金の細かい配分ですとか様々な箇所付け、そういうことに忙殺されているというのが実情でございます。やはりこの点は、内閣主導で各省庁の人的資源を総動員するぐらいの決意といいますか、道州制に合わせてそのようなことをやることが必要かと思いますし、その面からも道州制の導入には私は大きな意義があると考えております。
 内政に関してでありますが、もちろん大きな方針を国が立案すべきというのは当然でございますが、やはりそれを踏まえて、実際の内政の企画立案は総合的な行政主体である自治体、特に広域的なものは道州というふうなスタイルが時代の要請であると思います。画一的な基準によって、地域の実情に応じた弾力的な政策も現実には取りにくいと。また、立法権に関しても非常に国の法律の縛りがございます。そういうものも、例えば国は枠組みだけを基本的に示すと、枠法化といいますか、そういうものにとどめまして、大胆な権限移譲を国から道州、そしてまた市町村へと行うことが人口減少時代におきます日本各地の地域の実情に応じた発展につながり得るのではないかと、このように考えております。
 また、国のシステムの欠点といいますか、指摘されていますのは、縦割り行政の弊害ということがございます。例えば、いじめですとか虐待の問題では、文部科学省、警察庁、厚生労働省など、国の組織は様々、ある意味ではばらばらでございます。その結果、指示や情報も錯綜することもあります。そして、それで現場が混乱するというような指摘もあるようでございます。
 地方に行きますと、教育委員会も児童相談所も警察も、もちろん市町村の部分もありますが都道府県が担ったりということで、総合的な組織の中でまとめられております。もちろん、リーダーシップの発揮いかんではございますけれども、総合行政主体である自治体に企画も政策も任せた方が、かえって効率的で効果的、そしてまた民主的な統制というものも働くのではないかというふうに考えております。
 そのほか何点か細かい点でございますが、例えば諸外国の制度等を見ていきますと、私は、三層制というものは余り議論されておりませんが、それも選択肢の一つと考えております。行政の効率化に反するということもありますが、市町村の補完とか一部の専門的な業務に代替するということであれば、戦前の郡のような存在として一定期間残すとか、そのようなアイデアもあろうかと思います。実際、フランス、イタリア、スペインは三層でございますし、ドイツは郡部は州を含めれば三層ということでございます。
 また、道州の規模でありますけれども、必ずしも地方制度調査会が示しているような規模までなくてもいいのではないかという思いもございます。三千万、四千万の道州というのは、これはもはや中規模の国をしのぐものでございます。そのトップの政治的影響力が非常に大きくて、首相をもしのぐのではないかというような指摘もございます。まあ少し大き過ぎるのかなという感じもいたしております。その意味からは二つ三つの県でも一つの州というのはあり得るのではないかなと考えております。
 私は今たまたま新潟におりますが、例えば地方制度調査会の答申では北陸という案が一つ示しております。実際その新潟の人に、あるいは石川とか富山、福井の人に聞いてみますとぴんとこないと。福井の人はやはり関西の方を向いているでありますし、新潟の方はどちらかというと関東の方を向いていると。この辺は区域の問題というのは非常に難しいかと思います。ですから、当然区域の問題も重要でありますが、まずは先ほど言いました国と地方の役割分担、そちらから手を付けるべきかと思います。
 また、この道州制の議論の中で広域化ということがあるわけですが、やはり現行の都道府県の区域が必ずしも経済圏に合ってないということから考えますと、今の都道府県の単位を固定的に扱うのもどうかと思われます。必要に応じては区域、その区域自体も見直すということもあってもいいのかと思います。
 いずれにしましても、道州制が今の都道府県よりは大きくなるわけでありますが、そのエリアが広くなることによって遠い存在となってはいけないと思います。むしろ東京に行かなくても基本的なことは地域で決められるということ、そして住民や市町村にとっても近い存在になることが必要かと思います。
 このほか、私、現在地方の国立大学法人に勤務しておりますが、医学部ですとか教育学部ですとか非常に地域に密着した教育研究をやっております。こういうところも基本的には州立とした方が教育研究の分野で地域に特色のある活動が行えるのではないかと、このようにも考えております。
 若干今回の法案に対して意見を言わせていただきます。
 もちろん、今回関係者の御尽力には大変敬意を払うものでございますが、しかしながら、その権限の移譲の範囲が非常に狭いのではないかという感じもいたします。今回の法案は最初の一歩、第一歩かもしれませんが、少しその一歩が余りにも小さ過ぎないかなと。もちろん、小さく産んで大きく育てるということであればいいのですが、これが上限といいますか最大限のものということになってしまいますと非常に物足りないものがございます。
 実は私自身北海道出身の者でございますが、北海道様々な課題があるということで、北海道庁も今回大変法案に関して努力をされたんだと思いますが、残念ながら少し、大きな大志といいますか、そういうものが見えないといいますか、中途半端な感じになっているような気もいたします。いずれにしましても、これで終わりでは元も子もないというふうに考えております。
 最後に、今後の課題について私見を述べさせていただきたいと思います。
 道州制というのは正に国家統治の在り方にまで踏み込んだものであると思います。そして、これは行政だけではありません。金融ですとかメディアですとか、様々な方面にも波及すると思います。例えば一つ例を取りますと、地方の、いわゆる地方銀行というものは都道府県などの指定金融機関になっておりますが、道州という大きなくくりになれば、そういうものの在り方も大きく変わってくるかと思います。あるいはテレビ局などもしかりかと思います。
 そういう中で、道州制の実現に向かっては、やはり政治のリーダーシップ、これは不可欠かと思いますし、一方で国民的な議論も必要かと思います。ある意味では道州制の導入というのは霞が関をかなりシャッフルするような、出直しという側面もございます。当然のことながら、関係省庁の様々な総論賛成各論反対というのもあるかと思います。しかしながら、様々な変化が急激に進む中で、やはり日本という国が生き残るためにも私はこの制度、中長期的にも必要かと思っております。さきにも述べましたように、これは決して霞が関を小さくするというものではございませんで、むしろ霞が関、国を純化させる、本来果たすべき役割に邁進していただくと、そのためにも必要不可欠な改革だと思っております。
 なお、参議院につきましても、将来仮に道州制が導入されますと、ドイツのように州政府がその議員を任命する方式ですとか、道州の単位から選ばれる議員で構成されるやり方ですとか、いろいろな議論が私は出てくるのではないかと思っております。
 いずれにしましても、今回の法案成立を契機に本格的な道州制の議論が深まることを期待しております。
 以上で私の意見陳述を終わりにさせていただきます。
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、市川参考人にお願いいたします。市川参考人。
○参考人(市川喜崇君) おはようございます。同志社大学の市川です。行政学と地方自治を専攻しております。
 まず、私の立場を最初に述べさせていただきたいと思いますが、分権には賛成ですけれども、道州制にはやや慎重な態度を取っております。道州制は長期的な検討課題だとは思いますが、今はその時期ではないと、このように考えております。恐らく、私以外の行政学者もこうした態度を取っている者が多いのではないかと考えております。
 理由は次の二点です。
 一つは、道州制導入の意義がいま一つはっきりしないということでありまして、明治以来百年以上続いた都道府県を、府県を廃止しようという話ですから、当然それに見合う意義や価値が必要となるわけですが、これが必ずしもはっきりしないということです。
 もう一つは、道州制の前に、まずは現行制度を前提とした地方分権改革を進めるべきだろうという、そういう判断です。道州制には当然国民的な合意が形成されるまでに相当な時間を要しますし、また検討しなければならない種々の課題を含んでおります。そうだとすれば、まず今は当面の分権改革の課題を優先すべきではないかと。最近、地方六団体が報告書をまとめましたが、この中でも、道州制は議論をし検討する課題ではあるけれども、当面は今の分権改革を優先し、その後の課題として位置付けると、こういう位置付けになっております。
 本題に入ります前に、前置きを一つしておきたいと思います。
 一口に道州制といいましても実に様々なタイプが、先ほど田村参考人のお話にもありましたように様々なタイプがありますので、どういう道州制を念頭に置いて話すかを一応ここで明らかにしておきたいと思います。
 私が念頭に置いて話しますのは、これが一番一般的な形だと思いますが、次の四つの特徴を備えた道州制です。基本的に今年の二月に答申されました地方制度調査会のようなタイプですけれども、一つは、国の総合的出先機関ではなくて自治体としての道州制。二つ目は、二層制としての道州制、つまり道州を設置する代わりに都道府県を廃止するというものですね。三つ目は、国から道州への大幅な権限移譲、地方分権のための道州制。四つ目は、市町村へも大幅な権限移譲をすると。
 この四つ目について少し申し上げますと、要するに、道州制においては、現在、都道府県が実施しております事務のすべてが道州の事務となるわけではないということでして、現在、都道府県が実施しております事務は次の三つに、広域事務、二つ目が連絡調整事務、そして三つ目が市町村の補完事務と、この三種に概念上分類できますが、この最後のいわゆる市町村の補完事務といいますものは市町村にもできるものですから、この際、積極的に市町村に移譲していこうというのが恐らく地方制度調査会に限らず多くの道州制が取っている方針ではないかと思います。つまり、道州はこの市町村の補完事務を積極的に手放し、市町村に移譲することによりまして広域事務に特化できると、そういうのが多くの道州制の取っている立場ではないかと思います。
 さて、冒頭でも述べましたように、私は現時点では道州制についてどちらかというと慎重な立場を取っておりますが、理由は全部で三点あります。
 一つは、道州制は東京一極集中の解決策であるように言われておりますが、私は、道州制によって実際に起きることは、東京から地方への分散というよりも、むしろ道州内の一極集中化の進展ではないかというふうに考えております。具体的に言いますと、旧県庁所在地が寂れて、そのある意味では犠牲の上に新たに道州庁の所在地となった都市が繁栄すると、そういう図式、こちらの方がはるかに現実的なシナリオではないかというふうに考えております。
 先ほどのお話にもありましたように、県庁所在地にあるものは県庁だけではありませんで、国の出先機関にしてもブロック単位の次のものは県単位で設置されておりますし、また各種団体の支部や、あるいは企業の支社などについても県単位の設置というものが多いですし、あるいは新聞、テレビ局、金融機関などもそうです。道州制になれば、恐らくこういったものは何らかの再編が進んでいくということが予想されます。つまり、国土構造の相当な地殻変動が起きるということが予想されるわけです。もちろん、こういうものを受け入れるということであれば、それはそれでよろしいかと思いますけれども、現在の段階でそこまで見越した議論をきちっとしているかどうかということについてはやや疑問を持っておりまして、こういう可能性も含めた上での議論というものをきちんとしていかなければならないと思っております。
 慎重な理由の二つ目ですが、道州制は極めて大規模な自治体になるということです。
 道州の数として想定されておりますのは、これもいろんな議論がありますけれども、大体九から十四程度ですから、日本の総人口の一億二千万人をこれで割りますと、大体道州一人当たりの平均人口規模は一千万人程度ということになります。この平均人口規模一千万人という自治体は、恐らく世界でも極めてまれな存在になるのではないかと思います。
 ちなみに、フランスやイタリアの道、レジオンとかレジオーネなどといいますけれども、これの平均人口規模が大体二百万人台の後半です。ですから、実は日本の都道府県の平均人口規模とほぼ同じです。ドイツやアメリカの州、こちらは連邦国家の支分国ですから、単一国家であります日本の道州とは本来は比較の対象にはならないわけですが、この州でさえも両国ともに平均人口規模は大体五百万人台です。ですから、日本の道州がいかに大きな団体かということがお分かりいただけるのではないかと思います。
 ですから、もし道州制を導入するとなりますと、恐らく世界に類例を見ない実験に日本が乗り出すことになるわけです。こうした大規模な団体が果たして自治体と言えるのかどうか、あるいは自治体として機能するかどうか、これについても慎重に検討をする必要があるのではないかと思います。
 三つ目は、市町村の規模の問題です。
 私は、今の市町村の規模では道州制の導入は少し難しいのではないかと思っております。先ほども言いましたように、現在主流となっております道州制は、国から道州への事務の移譲と同時に、現在の都道府県の事務の市町村への移譲、この二つをセットとして考えております。このうち、都道府県から市町村への事務の移譲に関してですが、私は必ずしも容易ではないように考えております。確かに、平成の大合併の結果、市町村の能力はかなり高まりましたけれども、お手元に表を配りましたように、小規模な町村がかなりたくさんございます。人口一万人未満の市町村が二七%、三万人未満が五五%もあります。したがいまして、市町村への大幅な権限移譲といいましても、現実的な可能性を考えますと、一部の市町村しか対象にならないという可能性があるような気がします。もちろん、そうした中で道州制を導入することも可能ですけれども、その場合は、現在の都道府県事務が整理されないまま道州は国から権限移譲された事務を抱えるということになってしまいますので、本来の道州制の趣旨とは少し異なるものになるのではないかというふうに考えております。
 もっとも、この問題を解決するために市町村の広域連合を活用すべきだとおっしゃる論者もおられます。つまり、小規模市町村単体への権限移譲は難しいけれども、小規模市町村が広域連合を組織すれば十分に都道府県事務の受皿になり得るという主張です。
 ただ、私はこれについてもやや疑問を持っておりまして、広域連合や一部事務組合といいますものは、これまでもしばしば指摘されてきましたように、住民からの統制が間接的な制度ですから、必要以上にこれを多用するというのは余り好ましくないように思っております。
 ただ、そうはいいましても、今言いましたことはひょっとすると私の単なる思い込みかもしれませんで、小規模市町村でも十分に権限移譲が可能かもしれません。実は、北海道が昨年から市町村への積極的な権限移譲を進めておりまして、市町村の要望に基づいた権限移譲を進めているようですけれども、人口四、五万クラスの都市の中でも積極的に道からの権限移譲を受け入れているところもあるというふうに聞いておりますが、ただ、すべての町村についてそういったものは可能であるかということになりますと、ちょっと難しいのではないかという気がします。都道府県によります小規模市町村の補完支援機能というものは依然として必要ではないかと、このように考えております。
 以上申しましたように、道州制にはまだ不明確な要素ですとか克服すべき課題がかなり多くございますので、私は現時点では少し難しいのではないかと思っておりますが、ただ、検討課題であることは間違いないと思いますので、では、じゃ、もし導入するのであればどういった点に留意をして導入すべきかという点について、以下三点にわたって意見を申し述べたいと思います。
 第一点は、道州の区域の問題です。
 道州は単なる行政区画ではありません。そこで民主主義が営まれる単位であるという視点が必要だと思います。これはやや逆説的な言い回しになりますけれども、市町村と道州を比較した場合に、基礎的自治体である市町村よりもむしろ道州の方が住民にとってより愛着のわく、違和感のない区域の設定というものが必要になってくるように思います。
 といいますのは、市町村の場合は、現にそこに生活しているという、正に生の生活実感に基づいて地域に対する愛着がわきますが、都道府県や道州の場合、そういったものに依存をすることができませんから、歴史や文化、あるいは一体感や帰属意識などといったより観念的なものに依存せざるを得ないからです。
 ですから、そういったことを考えますと、単に道州間の規模を一致させる、機械的に一致させるということを優先するよりも、ある程度人口規模や面積に凸凹があっても場合によれば許容すると。例えば、沖縄県の場合は、当然のことながら、単独で道州に移行するのが望ましいと、このように考えております。
 二つ目ですが、道州の政治体制が現在のような二元代表制でよいのかどうかという問題です。
 私は、戦後の地方政治の中では二元代表制というものは基本的に好ましい結果をもたらしてきたと思っておりますが、ただ、先ほど言いましたように、道州は相当大きな規模の団体になりますので、そこで行われる政治は現在の都道府県のそれとはかなり異なる可能性が出てくるかと思います。そうしたことを考えますと、私は道州の政治は、現在と異なりまして、もう少ししっかりとした政党政治の枠組みで営まれるべきではないかというふうに考えております。そうなりますと、現行の二元代表制を改めて議院内閣制を導入するということも重要な検討課題ではないかと思います。
 ただ、そうしますと、議院内閣制の下で知事のリーダーシップが本当に確保できるのかというような問題もあると思いますが、これについては、例えば同時に道州議会の議員選挙を比例代表制に改めて、いわゆる政党規律を高めることによって知事のリーダーシップを確保すると、そういうことも考えるべきかと思います。
 最後に三点目ですが、道州制への移行方式です。
 道州への移行方式は、いわゆる一括移行方式と順次移行方式とあります。順次移行方式といいますものは、できるところから順番に移行すればよいというものですけれども、私は、百年続いた府県を廃止するわけですから、国の在り方を大きく変えるということですから、もし導入するとすれば、しっかり議論をしまして、納得ずくで、言うなれば、覚悟を決めて導入すべきだと思います。メリット、デメリット、光と影を比較考量して導入する、あるいはしないということを決めていくべきであろうかと思います。これが正しい道筋ではないかと思います。ですから、できるところからという順次移行方式には余り賛成できません。
 そういう観点から今回の法案を見ますと、三つ以上の都府県が申請してですか、道州制特区になれるという方式がありますけれども、私はこの方式が果たして道州制への移行方式として適当なものかどうか疑問を持っております。この三つ以上の都府県が将来の道州制の区域と一致するかどうかも分かりませんので、こういった先行実施方式を許容するようなやり方というのは私は余り好ましいものではないというふうに考えております。
 どうも御清聴ありがとうございました。
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、横山参考人にお願いいたします。横山参考人。
○参考人(横山純一君) 北海学園大学の横山です。よろしくお願いいたします。
 私は地方財政論と地域経済論を専攻しておりまして、そういう面でいうと、今までの三名の参考人の行政学、地方自治論の専門家とちょっと違った視点からの発言が多いんではないかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 最初に要約をしたいと思います。最初にどういう点を強調してしゃべるのかということを最初に要約したいと思うんですけれども、一つは、現在、分権の推進が求められております。分権改革というのは、現行の地方自治制度を前提にしてもできると思いますけれども、道州制という新しい地方自治制度をつくっても行うことが可能であろうというふうに思います。
 それから二つ目ですが、全国的な道州制は課題が多く、一斉に早急に導入するというのは難しいんではないかと。しかし、北海道では先行実施という形で実施は可能なのではないだろうか。
 それから三番目ですけれども、段階的に北海道で地方分権の取組として実績を積み重ねた上で本格的な道州制の先行実施につなげていくということが必要なのではないだろうか。
 それから四番目は財源の問題なんですけれども、完全歳入自治論というのは完全に無理であるということですから、地方財政調整制度が必要だということ。それから、実績を積みながら段階的に進めていくことになりますから、現実的な財源として国庫支出金を包括補助金あるいは一括交付金に切り替えていくということですね。これは丸め方という面で現実性があるということです。
 それから五番目ですが、これは、北海道で先行実施をするということであれば、道州制で北海道の発展が見えていくということが必要ですし、道民の間でしっかりした議論がないと難しいんではないだろうかと、こういう趣旨でございます。
 では、具体的にお話し申し上げたいんですが、まず最初に、地方分権の声が非常に高まっているわけですけれども、やはり背景にあるのは集権行政システムの限界というものが明らかになってきているんではないかということでございます。
 つまり、今までですと、国の官僚が発想して政策化して、地方へひも付きの国庫補助負担金を交付し、地方が国の手足のようになって働くといったようなシステムが、ある面でいうと高度成長期などはうまく機能していたんですけれども、もう完全にそれが問題が生じてきてしまったという感じがいたします。
 高度成長期であれば産業基盤形成に公共事業の国庫補助負担金が働いたと、それが高度成長を成し遂げるのに役立ったということはあったと思いますし、その後の福祉だとか教育だとか生活基盤などにおけるナショナルミニマム形成にも国庫支出金のシステムはうまく機能したというふうには思います。例えば、七〇年代に全国に市町村立の保育所が多数造られましたけれども、これは正に国庫支出金のたまものであったというふうにも言えると思います。
 しかし、一九八〇年代に入って集権行政のほころびが見え始めました。国庫補助事業で優れた施策が少なくなり、地域ニーズと懸け離れた事業も目立つようになってきました。税財源の有効活用とはほど遠い事業も増えたし、また地域の政策を遂行する上で使い勝手が悪いものも増えてきたというふうに思います。そこで、国庫補助負担金を通じた国の関与を少なくし、地方分権を重視する必要性が高まったというふうに言えると思います。
 ただ、誤解のないように申し上げますと、義務教育費国庫負担金などのように、ナショナルミニマムの観点で依然として有効な国庫補助負担金も少なくない点も同時に申し上げたいと思います。
 続きまして、地域のニーズに合った事業展開がしやすくなる仕組みづくりの必要性ということでございますが、そこで、地域のニーズに合った事業展開や地域のビッグプロジェクトの展開がしやすい仕組みづくりが求められて、それで分権的な改革が必要になっているというふうになると思うんですけれども、先ほど申し上げましたように、現行の地方自治制度を前提にしてもかなりのことはできると思いますが、ただ、道州制という新しい制度をつくってもそれは行うことが可能だと思います。
 ただ、全国的な道州制ということになりますと、都府県の区域変更を伴うため、都府県間の合意形成がなかなか難しいという問題もございます。また、実際に全国的な道州制が実施されれば道州と市町村という関係になるわけですけれども、実際には道州と旧都道府県、市町村という三重行政が実際的には生じてくることになるんじゃないかというふうに思われます。
 その意味では、早急に道州制を導入するというのは現実的ではないし、かえって課題や問題点が多く浮かび上がることになるのではないかと思います。そういう面でいうと、全国的な道州制には必ずしも今の段階では現実性という点で必ずしも賛成できないということでございます。
 しかし、北海道の場合は、面積、人口の点で北欧諸国の一国にも匹敵し、単独で一つのブロックを形成しているため、道州制を採用する条件に恵まれ、道州制を先行実施することが可能であると考えます。段階的に実績を積み重ねていきながら地方分権のモデル的な取組を進める、そしてそういう中で道州制の北海道における先行実施につなげていく、本格的な道州制の先行実施につなげていくということが必要なのではないかと思っております。
 実は、北海道庁はかなり道州制には関心が高くて、実は前の知事の堀知事のときに道州制検討懇話会というのを設置しまして、私がその座長を務めたんですけれども、そのときに報告書を知事に提出いたしました。その中で、やっぱり事務権限移譲と財源の移譲というのは非常に重要である、そして規制緩和なども重要であるということを申し上げたんですが、その中で、事務権限移譲についてはそのときどういうふうに答申をしたかといいますと、これについては検討懇話会では提言をいたしません。これはむしろ、道庁内部はもちろん、市町村や経済界、国の出先機関、道民の意見を十分に踏まえながら段階的に決めていくということが必要だろうということであります。
 もう一つ重要なのは財源の問題でして、この点については相当踏み込んでかなりシミュレーションなどもしまして、その上に立って道州制についてはやはり地方財政調整が引き続いて重要であるということを指摘して、包括補助金、一括交付金という国庫支出金の弾力化も同時に必要であるということをそこで主張いたしました。
 道州制の推進の論者の中には、道州制を、今現在ですけれども、全国的な道州制をやっていこうという方の中には、道州制をしくことによって事務権限の大部分を道州に移譲する代わりに、財源についてはそのすべて若しくはその大部分をその地域内で調達するという、これを完全歳入自治論というふうに言うんですけれども、完全歳入自治論も見られます。しかし、現在の北海道の場合、地方税収入が歳入の一八%しかないので、道州制になっても引き続いて地方財政調整が必要でありますし、仮に全国で道州制が行われるというような場合になったとしても、この地方財政調整はもちろん相当に必要なものであるというふうに思います。
 それから、現実的な裁量的な財源といたしまして、包括補助金と一括交付金を提起いたしました。
 これにつきましては、包括補助金というのは、経常的経費を対象にして、教育、福祉、保健など各々の分野ごとにまとめて計算ベースで国から交付すると。そして、使途は限定、細分化されている現行の国庫補助負担金に対し、包括補助金はその分野であればどんな支出にも自治体は充てることができるという、そういう裁量のある国庫支出金、まあ国庫支出金の弾力化を図っていくということが必要なんじゃないかと。そうすれば、ナショナルミニマムとしての全国的な基準は一定の幅を持たせて定め、確保すればよく、自治体は地域の個別ニーズに応じて自律的に政策を選択でき、福祉・保健政策や教育政策の地域の決定権は包括補助金によって格段に高まるのではないかというふうに考えました。
 さらに、一括交付金は公共事業の分権化を意味します。国から各自治体に対して一定の枠により一括交付されて、各自治体は自己の政策判断と裁量の下で事業展開ができます。現行の国庫補助負担金は省庁縦割りで事業ごとに細かく使途が限定され、地域で重点化したり横断的な施策がしにくかった面があります。また、事業の必要性よりも、補助制度があるから事業を実施した面もあり、時に無駄な公共事業との批判を招くことにつながりました。一括交付金になれば自治体の自己責任は重くなりますが、自治体の権限と裁量は拡大し、住民ニーズの高い事業、地域に必要な大型プロジェクトの推進に財源を振り向けることも可能になります。
 そのとき私たちは、一括交付金というものを、北海道で先行実施する、道州制を先行実施していく中でも、事業、財源の特例措置は一定期間維持すべきであるということを提言いたしました。
 じゃ、なぜ包括補助金や一括交付金が現実的かといいますと、これは丸め方が大くくりにしていくことによって地方に裁量を拡大することになるわけですけれども、徐々に弾力化することが可能なんですね。丸め方も、一挙に大きく丸めちゃうやり方もありますし、小さく丸めていくということもできるわけであります。今回の道州制特区でも、最初は道庁が特区推進交付金みたいなことでいっていたわけですが、最終的に目的別交付金になるというような形で、丸め方の違いということになるわけですが、そういう現実的な対処やあるいは事務権限の移譲なども段階的に行いながらやっていくということになれば、そういうものが非常に有効に活用できるのではないだろうかというふうに考えたわけであります。
 いずれにいたしましても、道州制というのは、北海道で先行実施をしていくとなれば、各経済圏域の発展や、北海道におけるですけれども、各経済圏域の発展や道民生活向上に結び付けられるかどうかが大切なわけであります。逆に、北海道で道州制を先行実施して一極集中を招く、札幌市に一極集中を招くというようなやり方であれば、それはまずいわけでありますから、そういう面でいえば、道州制を実施するということは、そこの地域の中でどういうふうにグランドデザインを描いていくのかということが大事になります。
 私は北海道でというふうに言いましたけれども、仮に全国的にも道州制をやるとしたら、常に危険が伴うのは、道州制の中の中心地に一極集中する可能性がありますから、そういう面でいえば、その地域の中がどういうふうにグランドデザインを描いていくのか、その地域は将来どのようになっていくのか、それを、またどのようになることが望ましいのか、これも抽象的な話ではなくて、具体的にピクチャーしていくということが重要になってくるんではないだろうかと思います。そういう面では、制度論中心の議論だけでは発展の展望は見えてこないんじゃないかというふうに思います。
 例えば、今までの公共事業の在り方をどうしていくか、どうするべきなのかとか、道州政府と市町村はどのような役割を担えばいいのかとか、道州政府と市町村は適切な役割分担の下でどのように相互に連携をしていけばよいのか、あるいはどういう産業を基軸にそこの地域のやっぱり発展性のシナリオを描いていくのか、それからどのような規制緩和というものが求められて、その地域の中では求められるのか、あるいは少子高齢化というのはもう迫っているわけですから、そういう少子高齢化が進む中で地域特性を生かした取組ができるんだろうか、こういった議論の延長上に本格的な道州制があるというふうに考えます。
 そういう面でいえば、本当に一部の担当部署と国とのキャッチボールというのではなくて、正に国民的な議論が必要だというふうに思います。今の道州制特区の問題でも同じでありまして、道庁の一部担当部署と国とのやり取りではない話なんですね。やはり道民的な議論が必要であるというふうに思っております。
 そういう意味でいいますと、やはり道州制を考えていく場合も、やはり改革には夢やパッションが必要であるということですね。そして、新しい自治の形をつくるわけですから、そのためにグランドデザインをどう描いていくかということが非常に大切であるということを申し上げまして、私の話とさせていただきたいと思います。
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○秋元司君 自由民主党の秋元司でございます。
 今日は大変もう年末も差し迫った中で、参考人の各先生方におかれましては、本当にお忙しい中、お時間を取っていただきましてありがとうございました。
 実は、まず今回は道州制特区法案ということでこの委員会が実は開かれておりまして、衆議院では本当にたっぷりした審議時間を議論させていただきました。そして、そういった中で、この今回提出された法案の審議の一環として、まず、将来的には我々国会議員といたしましても道州制へ移行していきたいという思いの中で、今回の参考人の各先生方におかれましては、我々の委員会で二ラウンド方式で、まず第一部としては道州制全体の議論と、そして二部では各論の、北海道を、特区北海道ということを考えた特区法案そのものについて議論するということでございますので、まずこのラウンドでは道州制全体ということでございますから、そういった観点で少し質問をさせていただきたいと思います。
 まず、基本的に我々は、我々といいますか私としては、道州制導入への大きな目的というのは、まず地方の独自性を目指してもらおう、そして当然それに対して行政の効率化、こういったものを目指してもらう。その行く先には、それぞれ道や州がより魅力的に、そしてまた面白い地方になってもらわなくちゃいけないと思っております。
 その懸念材料としては、やはり先ほどからお話出ましたそれぞれの、今現在におきます一極集中という問題がありますから、これをある意味是正するためにも地方に魅力を持たさなければ、すべてこういう東京、大阪、福岡、こういったところに人が集中してしまうというそういった懸念がある中に今回この道州制を議論すれば、これが少し日本国土全体に人口もばらまけるんじゃないかな、そういった思いが私は隠されていると思うんですけれども、その道州制に移管をしていく先行的な方式として、今回、道州制特区法案、今議論をさせていただいているところでありますが。
 まず全参考人の方にお伺いしたいんですけれども、今回我々が目指している道州制特区法案が、将来を考えた道州制に対して支障を来すと考えるか、若しくはないと考えるか。あわせて、この道州制特区法案がいいじゃないかという御意見の方もいらっしゃいましたが、そういったことになれば、今回の特区法案における一番の魅力的なものは何なのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○委員長(藤原正司君) では、松本参考人から順次お願いいたします。
○参考人(松本英昭君) それじゃお答え申し上げます。
 今回私たちは、今回の法案については全体の話だということで一切申し上げなかったんですけれども、私はこの今回の道州制特区法案というのは、地方分権の推進という視点からは、それはもう間違いなく評価できることだと思います。
 そういう点で、先ほど参考人の方からやや物足りないという御指摘もありました。そういうことはあろうかと思われる点もありますけれども、私はこの提案制度を、一番今何が魅力だとおっしゃったんですから申し上げますと、やっぱり提案の制度があって、それをくみ上げてこれから充実していく。まあ小さく産んで大きく育てるという、先ほど田村参考人からおっしゃいましたが、そういうことが本当にうまくいく、そのことが非常に重要で、そこのところをこれからどういうふうに皆さん方共々に目的を達することができるか、そこが重要ではないかというように私は考えております。
○参考人(田村秀君) 私としましては、支障を来すと考えるかということですが、支障を来さないようにしなきゃいけないと思っております。そしてまた、私は非常に魅力に欠けるというようなことを言いましたが、それは一つには、他の都府県がやっていることがまだ北海道庁はやっていないと、開発局がやっているとか、そういうところが十分じゃなかったところが残念です。これは、次の段階では必ずそういうところはやっていただきたいなと。
 そして、魅力ということですが、私はもう一つ、この法案が出ることで道州制ということについての第一歩の国民的議論といいますか、少し、まあ十分多くの方が認知しているか分かりませんが、その第一歩にはなっているのではないかと思います。ですから、次の二歩目、三歩目を考えないで一歩で終わってしまってはいけないと思っています。
 以上です。
○参考人(市川喜崇君) 支障を来すかどうかですが、先ほども言いましたように、三つ以上の都府県というものが将来の道州制の区域と一致するのかどうかということが懸念されるところです。
 ただ、北海道に限って言いますと、これは確かに権限移譲が少ないということはあるかと思いますが、道州制の特区であると同時に地方分権の特区というふうにも位置付けられるかと思いますので、そういった意味で、法律ができましたら積極的に活用していただきたいというふうに考えております。
○参考人(横山純一君) 小さく産んで大きく育てるとよく言われるんですけれども、正にそうでありまして、ここからスタートするんだということですね。これで終わりじゃないんですね、ここからスタートするということでございます。枠組みをつくったわけですから、あとはいろんなものを盛り込んでいくチャンスが生まれたということであります。そういう点で評価をしたいと思います。
 それから、物足りないという方もおられますけれども、むしろ早急に大胆な改革が行われますと、地域経済もたないです。そういう面でいいますと、最初、三けたの国道の移譲だとか開発局の仕事の七割を道の方に移すとかそういう議論もありましたけれども、そういうことを簡単に大胆にされますと、これは北海道経済に大きな打撃が生じます。そういう面でいいますと、まず小さく産んだというところで逆の意味の評価をしたいと思います。そして、その上に立ってこれからどういうふうに大きく育てていくかということだというふうに思います。
○秋元司君 ありがとうございました。
 実は昨年、我々は三位一体改革、この議論も相当させてもらったんです。
 その中で、いわゆる六団体と我々は通称呼んでいますけれども、六団体の思いと、地方六団体の思いと個々に市町村長さんの、首長さんの話を聞いていると、何といいますか、六団体としては三位一体すべきだという話もある。しかし、市町村長さんからの思いが絡むと、いや、県に任せるよりは国の方がいいんですよという声も実はここにも聞こえてきたということもあって、我々はこの矛盾点をどう解決すべきかなということを実は頭を悩ませてもらったという経緯があるんですが。
 こういったことも踏まえてちょっと横山参考人にお伺いしたいんですが、そういった議論をされた多分大きなポイントとしては、一括交付金の問題があって、いわゆる国が国庫補助金でちゃんと事業を指定すれば、国が考えた方式で、いわゆる教育の分野だとか、もう一つは目に見えないところまでしっかり事業が行われるけれども、一括交付金になっちゃうと、まあそれぞれ首長さんというか各知事の判断もあると思うんですけれども、目に見えないところには予算は行きづらいんじゃないのかなと、交付金が行きづらいんじゃないかなということがちょっと議論されたんです。
 その点、どういうお考えかということと同時に、もう一つお伺いしたいんですが、先ほどから一括方式じゃなくて段階的にやっていこうというお話がございましたけれども、段階的というのは非常に難しい言葉であって、期間をどれぐらいを考えた上での段階的だというふうに考えるんだろうか。その点について二点、お伺いしたいと思います。
○参考人(横山純一君) 国庫支出金については二つあるわけですね。経常費については包括補助金、そして臨時的には一括交付金と私なりには分けているんですけれども、そこの地域で弾力的に使えるということは、これは税源移譲なんかも非常に大切なことなんですけれども、かなりメリットがあるというふうに思います、地域の裁量性を発揮して。それはただ、事業によって違うと思います。ですから、何をやっぱり包括補助金にするかということだというふうに思うんですね。それから一括交付金も同じです。
 そのときに、やはり包括補助金とか一括交付金は非常に便利な面もあるんですね。それは何かというと、丸め方がいろいろできるわけですよ。そういうことも含めて、事業ごとにやっぱり考えることはかなりできると思いますが、ただ将来的には、私自身は、そこの地域の裁量を全面的に求めるということになりますと地方税プラス地方交付税でいくというのが最終的にはいいんじゃないかと思いますけど、ただそこに行くには相当長いやっぱりステップが必要なんじゃないかというふうには思っております。
○秋元司君 次に市川参考人にお伺いしたいんですけれども、あっ、ごめんなさい、市川さんじゃない、田村参考人です。済みません、間違えました。失礼しました。
 お話の中に、道州制が将来的に移行されれば参議院制度もやっぱり変えていかなくちゃいけないんじゃないかというお話がございました。私はそれおっしゃるとおりだと思うんですね。これは参議院に限らず、各県会議員と言われた要するに地方議員もそうでありますし、同時に衆議院の選挙区割りというのも、小選挙制の選挙区割りというのも考えていかなくちゃいけない。現に今どういうことが起きているかというと、衆議院の場合は大体人口比例で割りましたから、特に東京なんかは各区が分断されて衆議院の小選挙区制の区割りになっていまして、そうすると、住民から見れば、自分の代表は、一つの区から分断されていますから、どっちがうちの代表なんだって、例えば私が今住んでいる練馬区なんか見ますと、いわゆる練馬、大きい本体九区と豊島とひっ付いている十区というふうに分かれていて、住民から見るとよく何が何だか分からぬということがよく言われるんですけれども、もう参議院ということじゃなくて、全体的な要するに代議員制度の見直しということを考えていかなくちゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、その点についていかがですか。
○参考人(田村秀君) 私は残念ながら選挙制度の専門家じゃございませんので、思い付きでしか答えられないかもしれませんが、基本的には、やはり選挙というのは正に民主主義、正に住民の代表を選ぶということですから、それは正に統治のことですね、正に密接不可分でございます。ですから、どのような形がいいかというのは今言えませんけれども、やはり道州制の議論というのは、議院制度、衆議院、参議院、地方議員、これすべて来る。そしてまた首長選挙ですね。
 ですから、場合によっては、先ほど市川参考人がおっしゃいましたけれども、例えば議院内閣制だとか、まあ憲法改正等も必要でしょうが、そういうことも一つの視野としてあるでしょうし、あるいはイタリアなど、首長は直接選びますけれども、それと政党選挙が非常に比例等で名簿があったりしまして密接にくっ付いているやり方もございます。そういうのはまた選挙の専門家の方が御見識あるかと思いますけれども、様々な可能性はあろうかと思っています。
○秋元司君 ありがとうございました。
 次に松本参考人にお伺いしたいんですけれども、松本参考人は元々自治省でいらっしゃったということもあって、いろいろとこういった問題について精通されていたと思いますんで、今日はお話には出ていませんでしたけど一つお伺いしたいと思う点があるんですが。
 要するに、道州制を導入すれば、それぞれ地方が自分たちのことは自分たちでというのが基本的な考え方だとは思うんです。ただ、今の日本の現状を見て、やはり財政的な問題、本当にそれぞれ道州制が導入されたときに、それぞれ道や州で、本当に自分たちで、先ほども専門的な言葉で完全歳入自治論というんですか、横山参考人の言葉が出ていましたけれども、そういった形が移譲されるのかということ、非常に疑問な辺が多いわけでありますね。まあ現実上多分無理でありましょう。
 ですからこそ東京の予算を地方に振り分けるということになってしまうんですけれども、東京の立場から見ますと非常にこの点が頭が痛いことがありまして、東京都というのは実は昼間人口が非常に多いんですね。それで、今のいわゆる交付金の算定額、いろんなことが議論されていますけれども、例えば、細かい話で言うと、東京の昼間人口の算定の基準として七十万人しか今は総務省の方ではカウントしてくれないんですよ。実は、でも東京の昼間人口というのは三百万人なんですね。こういった点もある。
 それで、何を言いたいかというと、要は、東京、人が集まるところには集まるだけ、それだけいろんな治安の面あり、またインフラの面あり、インフラで細かい話をしますと、交通渋滞やそういった、まあもっと細かく言うと開かずの踏切とかいろんな問題があって、もっともっと人が住めば住むほど金を掛けなくちゃいけないという点があるんですけれども、多分道州制が導入されたとしても、それぞれ地方が自分で完全歳入論というのが展開されるというのはないだろうと。結局、何というのかな、お金が集まっているところからどんどん地方に持っていけという話になっていってしまう可能性があると思うんですが、その辺どのようなお考えがあるか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(松本英昭君) 東京に財源が偏在しているというこの実態の話ですけれども、よく調べてみますと、東京でも中央三区なんですね、これが飛び抜けて現在の制度の下でも財源が偏在している。これを分けて、大きいシェアで考えますと、例えば地方制度調査会が取り上げております南関東州、あるいは南関東道かもしれませんけれども、そういう単位で考えてみますと決して過剰にならないんです。
 結局、これからもちろん道州制の事務配分、道州制に権限が下りていきますからその財源が更に付加されますから、それも考えなきゃいけませんけれども、今委員おっしゃったような、東京のお金をどんどん地方に配っていくと、そういう構造には私は道州制になってもならないと。やはり、東京が一体的に考えていかなきゃならない南関東州の間で正に配分されていくというようなことの方が現実的な話ではないかと私は考えております。
○秋元司君 ありがとうございました。終わります。
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 四人の先生方、それぞれに貴重な御意見ありがとうございました。質問項目も結構ありますので、簡潔にそれぞれお答えいただければ大変有り難いと思います。
 まず最初に、道州制に対して比較的積極的な御意見というふうに私が理解をいたしました松本先生、田村先生にお伺いをしたいと存じます。
 国から道州への権限移譲が必要だと、これはまあ各参考人共通の御意見でありましたが、具体的にどこまでの権限移譲をするのかという意味において御意見を伺いたいわけですが、国の責任を持つ領域と例えば道州を筆頭とした自治体の責任を持つ分野を明確にするということになりますと、場合によっては部分的な立法権限まで道州に持たせるべきかどうか。立法権限を持たせるということになりますと、司法機能をどうするのか。こうなってくると、道州というよりはどちらかというと連邦制に近づいていくわけでありますが、その辺り、どこまでの強い道州を持つべきかというふうにお考えになられるのか。
 それとも多少影響するんですが、国が例えばナショナルミニマムとしてどこまでの責任を確保するかというときに、先ほど横山先生の方からは一括交付金のような話もありましたが、例えば今問題になっておりますような生活保護、これはもう典型的なナショナルミニマムですが、これが今地方にある程度法定受託事務として委任されていますと、財源的には交付税措置はなされていますけれども、それがナショナルミニマムとしての本当の、例えば現業員の充足率が満たされているかというと、必ずしも地方で満たされてないような現状があるわけですね。
 これを権限移譲していくと、本当の意味でのナショナルミニマムというのはどういうふうに確保されていくのかという、そういう疑問もあるわけでありますが、その辺りも含めまして、道州はどういう権限を担っていくのか、そしてその権限をどういう責任で果たしていくのか、その辺りについて両先生の御意見をいただきたいと思います。
○委員長(藤原正司君) じゃ、まず松本参考人、お願いします。
○参考人(松本英昭君) 二十八次の地方制度調査会の答申におきまして、「国と道州の事務配分に関するメルクマール」というのを書いております。この中で、今おっしゃいましたようなナショナルミニマムに相当するようなものはこれからも国の役割としてこれは国が行っていく。ただ、ナショナルミニマムが何なのかというそこの判断は、これは確かにこれから大いに論議していかなきゃならないことです。
 おおむねそういうことを前提に、道州制の下で道州制が担う事務のイメージというのを出しておりまして、これに、答申ではゴシックで書いております、付けておりますが、例えば国道の管理でも、本当に骨格的な道路はこれは国が行っていくとして、本当に骨格というのは国土の骨格的という意味ですけど、これは国が行うとして、現在の多くの国道と言われているようなものは、これは道州が管理する。河川も、大体道州ぐらいの単位になりますとその圏域の中で収まりますから、一部は例外ありますけれども、これも大体道州以下で管理していく。
 それから、大きいのは環境問題の中の有害化学物質とか大気汚染とか水質汚濁、こういうものも道州になると。あるいは、産業経済振興、これはもう観光などを含めまして大幅に道州にいくだろうと。それから、いわゆる労働関係の法制の問題、これも道州にいく。こういう感じで、以下省略しますけれども、考えております。
 先ほどおっしゃいました、その次の、これちょっと切り分けが違うんですけれども、立法権限の問題ですね、これは私はこれから論議のあるところだと思います。
 それで、これよく、この間もある研究会でそういうことを言った人いるんですけれども、いわゆる道州制になれば立法分割をするのかといいますけれども、私はこれは、まず立法分割の概念のとらえ方が非常に関係してきますけれども、いわゆる立法分割というのは、国がかかわってはならないような立法権限を道州に認めていくと、そういう意味だったら、これはもう連邦制ですから、単一国家の下ではそれは認められない。しかし、国がその立法の在り方を大幅に道州に任せるものとする、すなわち国が決めても大枠のものにする、そういうものだけにしていく、こういうことはあり得る。このことは私は立法分割で両方を表すには不適切だと言っているんですけれども、前者は立法分割かもしれません。これはしかし、連邦制との関係で言われるもので、後者は、私は立法分割じゃなくして、これは分権的な立法権を地方分権によって地方に大いに任せていくという、こういう制度だと言っているんです。
 それで、後者でなければならない、連邦制じゃない以上は後者であるべきであると、こういう考え方を持っています。
○参考人(田村秀君) 基本的には、インフラですとか経済政策ですとか環境ですとか、やっぱりそういうものが道州の中心になろうかと思います。逆に言えば、やはり国というものは、外交、防衛を中心として国家の枠組みをしっかりと示すといいますか、そちらの議論をしていくのが国で、それをベースにしつつ地域の独自性を踏まえて地域の魅力ある施策をやっていく主体が道州であるべきだと思っています。ナショナルミニマムはどこまでかというのは、またこれもなかなか難しい議論で私もあれですが、まあそれも基本的にはある程度枠組みを国は示すということがよろしいのではないかと。
 また、法律のことですけれども、今、松本参考人がおっしゃられたようなことでございます。ある意味では、現在、国の法令というのは、がんじがらめとは言いませんけれども、いわゆる規律密度が高いといいますか、いろんなところのしがらみがあります。そういうものが一定程度上乗せができるとか対象を加えることができるとか等々、様々な弾力的な、正に地域の独自性に応じてできるような仕組みが必要かと思っています。
 ただ、連邦制という話でありますが、今すぐということではありませんけれども、私は、数十年先を見据えるとそれも一つの考え、もちろんそれが日本として、単一主権国家の日本でそれがなじむかという議論はありますけれども、準連邦制的な考え方も五十年、百年先にはあるかもしれませんし、そのころはEUのように東アジアも変わっているかもしれませんので、そのときはまた大きな議論が必要かと思っています。
○松井孝治君 ありがとうございます。
 次に、これは四先生にそれぞれ簡潔にお答えいただきたいんですけれども。
 財政調整機能は、それは財政調整しないという考え方もありますけれども、現実的に言うと、何らかの財政調整が必要になってくるというのは、これは間違いのないことだと思うんです。問題は、その財政調整をどこが責任を持ってやるのか。例えば、ドイツの連邦参議院のようなやり方もあると思うんですけれども、その例えば財政調整を水平的にどういう組織が責任を持ってやるべきだというふうにお考えなのか。
 ひょっとしたらこれは、横山参考人は先ほどの御意見の中で、ある程度そこは国が引き続き従来のように一括交付金の交付というような形でやるということであれば、もうそれで結構ですが。
 それと同時に、今のような若干、部分的に立法機能、実質的な立法機能を付与するということになりますと、財政的な調整だけじゃなくて法制度上的な調整というものがどうしてもそれは州間、道州間で出てくると思います。ここについても、どういう調整の在り方がふさわしいのか、四先生に簡潔に御意見をいただきたいと思います。
○委員長(藤原正司君) それでは、今度は横山参考人からお願いします。簡潔にお話しください。
○参考人(横山純一君) 私は、基本的に垂直的財政調整という形で国のやり方がいいというふうに思っております。
 それで、これはドイツでよく州間財政調整ということがよく話題になるんですけれども、やはり州と市町村の関係でいえば、これは全く垂直的財政調整なんですよね、ドイツの場合も。州の中でのやり取りは、これはまあ州間財政調整というのはありますけれども、基本的には垂直的財政調整なんですよ。やはり、そういう面でいうと、ドイツの場合の連邦制国家の場合の州というのは、ある面でいえば国なんですよね。そういうふうに考えてもいいんですよ。そうすると、その国である州と市町村の関係は、全くこれは垂直的財政調整です。
 そういうふうに考えても、やはり道州制になってもこれは国の役割は大きいというふうに私は思っております。
○参考人(市川喜崇君) 私も、今の点については垂直的財政調整でいくべきだと考えております。
○参考人(田村秀君) 基本的にはやはり垂直的かと思いますが、そういうものをどういう場でとなるときには、やはり国と地方の、第三者的なと言ったら変ですけれども、そういう外の組織をつくるというのも一つ考えられるかと思います。
○参考人(松本英昭君) 垂直的財政調整とか水平的財政調整かという定義の問題はあるんですけれども、まあ私はその真ん中みたいなやり方があるんじゃないかという気がしているんです。もうこれは、ちょっともう時間がありませんから詳しく申し上げません。
 それから、同じような政策調整、これもそれは必要です。ですから、政策調整のそういう仕組みも考えなければいけないと思っています。
○松井孝治君 松本参考人、よろしければその中間的な考え方というのは、少しだけ御説明いただけませんでしょうか。
○参考人(松本英昭君) いわゆる道州ですね、道州が相当な影響力を持つ国と一緒につくるような組織、そういう組織の中でその配分決めていく、調整を進めていく、そういう仕組みが考えられるんですね。だから、私はそういう仕組みになっていくのがいいのではないかなという感じがしております。
○松井孝治君 松本先生、それは第三者機関的な、田村先生がおっしゃったような、そういうものに国の代表も入るし、道州の代表も入ると、そういう意味ですか。
○参考人(松本英昭君) その第三者制の濃度、その程度、それはいろいろ考えられますが、まあそういうふうに理解していただいていいんじゃないかと思います。
○松井孝治君 ありがとうございました。
 もう恐らく、ひょっとしたらこれが最後の質問になるかもしれませんけれども、二層制、三層制という話が出ています。
 多くの先生方は、三層制とおっしゃったときに、現行の都道府県をイメージして三層制というふうにおっしゃった方が何人かいらっしゃったような気がしますけれども、別の観点で、非常に今市町村合併が進んでいて、旧市町村といいましょうか、場合によってはもっと小さな単位ですね、公立の小学校区とか中学校区的な単位というのが、割と住民が本当に身近にいろんな教育であったり福祉であったりに参画する単位として私は実は注目をしておりまして、そういう本当の地域のコミュニティーに根差したような単位、これは行政単位ととらえるべきかどうか、あるいは自治単位としては当然とらえられないのかもしれませんが、そういうやや、道州制の議論をしますと、ちょっと大きな国と道州の関係ばかりが問われるわけですが、この自治組織の再編というときに、本当の身近な、人口例えば一万人とか二万人ぐらいの単位、これも人口密度によっても違いますけれども、例えば全国の小学校区の平均で言うと人口一万人ぐらいですよね、そういう身近なコミュニティーをどう位置付けていくか。住民のその行政、公共的なことへの参画の主体の場としては非常に貴重な場だと思うんですけれども、それについて四先生、一言ずつコメントいただければ有り難いと思います。
○参考人(松本英昭君) 今の御指摘は私どもは二十七次の地方制度調査会で取り上げまして、そのときの答申を踏まえまして、現在地域自治区という制度を法制化しております。これはやはり今先生おっしゃったような観点でして、その範囲をどの範囲でなければいけないかというようなことは一切なく、自分たちが住民で、市町村の中でそういう地域自治区を構成していけるような、そういうものを考えております。
 この制度、何もこの制度が今一番いいという意味じゃありませんが、これから運用の実態を見ながら発展的に改善していくことによって、先生御指摘のようなことも期待できるんではないかというように考えております。
○参考人(田村秀君) 私は新潟で幾つかのそういう地域協議会的なところのアドバイス的なこともしたことありまして、かなり各地域、試行錯誤でやっております。うまくいっている、いってないというのはなかなか評価分かれますが、やはりそういう前向きな動きがありますから、それをうまくサポートできるような、そういう仕組みがもっと必要かと思っております。
○参考人(市川喜崇君) コミュニティー単位の自治の話ですが、私はこれは積極的に進めていくべきだと思います。ただ、その場合に、先ほど試行錯誤というお話がありましたように、これ自治体によって、また自治体の中でも地域によってそういう条件を備えているところとそうでないところと、これかなり違いがありますので、一律に法制化してやるというよりも自治体独自の措置として進めていくということが重要かと思います。
○参考人(横山純一君) 私も、やはりコミュニティー単位の自治体を、これ自体は進めていくべきじゃないかというふうに思っております。
 ただ問題は、道州制ということになったときに、北海道を除いた地域や都道府県の合併などが伴う広域連合という手もあるんでしょうけれども、なってまいります。そうしたときに、国、道州、市町村とあって、実際に都道府県合併など伴うと、結局今度はその真ん中に、都道府県というものが実質的には、形としては残んないかもしれないけれども、実際にはそういう形で、いろんな形で機能せざるを得ないから、三重行政になるんじゃないのかなと、そういうちょっと心配をしていますけどね。
○松井孝治君 ありがとうございました。
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
 今日は、先生方、年末のお忙しいところ本当にわざわざお越しいただいて、貴重な御意見ありがとうございました。時間も限られておりますが、何点か御意見をいただきたいと思います。
 まず、松本先生でございますが、私は、地方といえ都市といえ、それぞれやっぱり歴史というかそういうものがあるわけで、それを踏まえなければそういう行政もできないと、こういうふうに思うわけでございます。
 そういう意味で言いますと、日本に果たして地方というのはいつからできただろうなと私は思うんですけれども、やっぱりこれは天皇制の確立と同時に、いわゆる六十六州と言われる国司を置いたという、この辺からなんじゃないかなというふうに思うわけでございます。それで、武家が台頭して、いわゆる城下町とかそういう違う要素の都市づくりができまして、それで江戸時代に幕藩体制ができたと。これはまあ当たり前の話でございますが。
 ところが、明治でつくるときに、中央集権国家をつくらなきゃならないということで便宜的に都道府県つくったんですよね。ですから、これ百二十年たつというんですが、今でもそれぞれ県内でいろんな地域がある。よく言われることですけれども、例えば島根県という県がございますけれども、石見の人と出雲の人は気性が違うと。そういうのは今でも残っているんですよね。ですから、私は基本的にそういうやっぱり歴史をやっぱりベースにすべきだと、地方を考える場合は、そのように思っているんですが。
 先生がおっしゃった地方分権としての道州制、まずそういう立場でお考えを伺ったわけでございますけれども、地方分権としての道州制というもののポイントを、これは市川先生もおっしゃっていましたけれども、もう東北やと、東北は広うしたけれども、県都は全部滅びて仙台だけにぎやかになったって、こんなんじゃ何の意味もないわけでございますから、地方分権としての道州制と、こういう理念をおっしゃったんで、その場合のポイントは何なんでしょう、お教えいただきたいと思います。
○参考人(松本英昭君) 地方分権としての道州制というのは、単にいわゆる都道府県、いわゆる広域団体の改革ということではなくて、もう市町村から国までの政府の在り方を変えていくと、そういう観点で申し上げております。
 で、今の都道府県の仕事の中で、これはどなたかおっしゃいましたけれども、いわゆる補完事務的な事務とか、まあ広域事務でも必ずしも広域事務でないようなものがございますけれども、そういう仕事の大半はもう市町村に下ろしてしまう。で、市町村が受けられるのかという議論がありますから、そのことはまたそのことで別途私は私なりの考え方を持っておりますけれども、ここはちょっと申し上げませんが。
 ただ、そういうふうにして現在の大半の仕事を市町村に下ろします。これが一つの大きな地方分権で、住民の身近なところで仕事させる。そして、今の残りの都道府県が持っている広域事務、真の広域事務と、まあ市町村内の連絡調整事務というのは残りますが、それと現在国が持っております地域に関する事務の、特に先ほども挙げましたような事務を、これを道州に下ろしていく。そういう考え方でございますから、いったん広域自治体をスリムにして、市町村に落とすことによって、そういうことで新たな事務を受け入れるという新しい広域自治体をつくる、こういう考え方でございます。
 よく、先ほどもちょっと出ておりましたが、これは地域に一極集中をまたつくるんではないかと。これに対して、これはある意味で名言なんですけれども、東京一つに東京があるよりは、全国に十ほど東京があった方がいいじゃないかということをおっしゃった先生もいらっしゃいまして、これまた名言だと思いますが、そういう面もございますし、それから、私は、やはり道州が、先ほど言いましたように、市町村に相当事務を下ろしていくということが大前提になっていますので、そういうことを通じて分権というものは図られていくだろうと。で、圏域単位でやらなければならないことを、先ほど言いましたように、自前の政策形成ができて自前の戦略が立てられると、それが非常に大きな地方分権の意味じゃないかというように考えているわけです。
○白浜一良君 どうもありがとうございました。
 それから、田村先生にお聞きしますが、道州制の中身の問題ですね。いろんな幅がございます。先生のレジュメ見ましても、合併型から連邦型と、こういうふうに書いていらっしゃいますけれども、日本の歴史考えたら、私は連邦制というのは向かないと。確かに沖縄とか北海道の歴史には一部そういう要素もございますけれども、あとはずっと民族的にも一体ですし、大体共有の歴史で来ている国ですよね、日本は。そういうところで、無理やりそういう政治上のそういう、これを分権化して連邦制みたいなのをつくることの意味がいかほどあるかと。
 行政の効率化とか、そういう地方分権という、そういう理念は大事なのは私もよく分かるんですけれども、連邦制を取る意味が日本では余りないんじゃないかと、私はもうすごくそう思うんですが、その辺の意味合い、もしこういう意味があるんだということがございましたらお教えいただきたいと思いますが。
○参考人(田村秀君) 私もさっき中長期的にはあり得るとは言いましたけれども、是非すべきだというつもりで言ったわけではございませんで、例えばイギリスなども、スコットランドとか、かなり自分の議会を持ったり、実はイギリスは準連邦化、まあ評価いろいろありますが、そういう言い方されていますし、連邦制のその定義いかんと思うんですが、要は北海道とか沖縄とか、よりもっと独自性を持たせるような、あるいは立法権限、これは立法権限という言葉がいいかはあれですが、やはり柔軟な条例制定ができるような、その意味での少し踏み込んだことも今後はあり得るのではないかと。
 ですから、是非連邦制を導入してヨーロッパのようになるべきとは思いません。ただ、アジアの社会情勢というのがもし今後変わってくるならば、アジアの中でも、通貨体制も含めて、五十年、百年先にはそういうことがなると、九州とか北海道とか、そういう単位で何かもう少しプレゼンスといいますか、いろんな経済活動とか、そういうことは起こり得るんではないでしょうかという意味で、一つの可能性として申したということでございます。
○白浜一良君 ちょっと先生に反論して申し訳ないんですけれども、イギリスはいろいろ歴史がございますね、いろいろ大陸からも攻め込まれたりして、それで今のイギリスの形態ができているわけです。
 日本は、私よく思うんですが、ただ四国と、今で言ったら四県でございます。しかし、歴史見て、四国を統治した人はいないんですよ。長宗我部が随分戦国の時代に影響力持ったのは事実ですけれども、四国全体を統治はしていない。ですが、私、律令国家と武家社会というふうに言ったんですけれども、そういう歴史、そういう自治の歴史のないところに無理やり、便宜的につくるのはいいんですけれどもね、連邦制というのはそれの必然性がなければならないと私は思うわけでして、例えば東北という地域取ってもそうです。あの藤原氏が物すごい影響力持ったという時代もありますけれども、今の東北全体を支配したわけじゃないわけでございまして、そういう面でちょっとイギリスとはそういう意味では比較にならないというふうに、ちょっと今お考え聞いたんで、直観的に反発して申し訳ないですが、何か御意見ございますでしょうか。
○参考人(田村秀君) 私も直観的にイギリスを例に出してしまいまして、余り強い思いがあるわけじゃないんですが、連邦制という言葉はどうかは別として、やはり地域が、四国四つが一つの方がいいかというのは別に議論ありますけれども、もっと地域が地域の個性を発揮できるようなやはり政策なり国家統治になっていった方が、結局日本全体としても地域としても大事だと思いますし、ということであります。
 で、正に歴史はそうだと思います。一つだけちょっとお話をしますと、私、実は昨日、妙高という小さな市で市民勉強会やってきました。人口三万人です。でも、そういう市でも、政令指定都市に負けないぐらい市民の力ですとか地域の歴史を誇りを持っている。あるいは、ちょっとした飲みの席では、まあ上越と下越というのはやっぱり全然違うと、同じ越後の中でも。蒲原政治ということで何か反発があるとか、いろんなことをおっしゃっていましたが、やっぱりそういう地域のやはり歴史というものを前提とした上で、正に広い広域の在り方を考えるべきじゃないかと思っております。
○白浜一良君 ありがとうございました。
 それから、市川先生に、まあ慎重論よく分かります。それで、要するに、市町村への権限移譲が大事だとおっしゃいましたけど、今の市町村にそういう機能がすべてないということをおっしゃいましたけれども、私もそのとおりだと思うんですね。基礎的自治体としては市町村が一番大事であって、これは人口だけじゃないと思うんです。いろんな住民のニーズを吸収しながら真っ当なそういう地方行政に当たれるという、それが基礎的自治体なんです。そういうふうにするというのが一応大事なんです。これは人口だけじゃないと思うんですが、先生のお考えはどういう条件なんでしょうか。権限移譲できるという内容。
○参考人(市川喜崇君) 市町村が人口だけではないと。人口の小さい市町村でも優れたパフォーマンスしている市町村がありますが、ただ、事、権限移譲ということになると、これはやはり財政規模にかなり比例してくると思いますので、そうするとやはり人口というものが非常に重要な目安になってくるかと思います。もちろん、それ以外の要素もあると思いますが。
○白浜一良君 それで、人口も例えば大体どのぐらいの規模がいるとか、そういうことも先生お考えあったらお教えいただきたいんですけれども。
○参考人(市川喜崇君) これは非常に難しいところだと思いますが、理想的にはやはり十万以上ではないかと思います。
○白浜一良君 ありがとうございました。
 それから、横山先生にお伺いしたいんですが、税というのは当然再配分機能があるわけでございますから、地方財政調整はそれは必要なことは私にもよく分かるんですけれども、そういう地方分権としての道州制というものを考えた場合に、やっぱり、財政的な自立というのが一方でなければこれはやっぱりそうならないと思うんですね、地方分権には。
 ですから、その地方財政の核は何かということ、その場合地方税の柱は何かということをもしよければお教えいただきたいと思いますが。
○参考人(横山純一君) 財政の自立ということなんですけれども、やはり税源としたら所得課税と消費課税ですね。地方消費税あるいは住民税ということが基軸になるんじゃないかというふうに思っております。
 それで、ただ地方財政調整も同時に大事なわけで、これ、どこの分権国家でも地方財政調整は行われております。優れた産業国家はみんな行われておりますし、日本の場合は特に高度成長が急激でしたので、そういう面でいうと自治体間の、経済力格差が非常に自治体間の財政格差に反映しています。そういう面でいえば、ヨーロッパの国々に比べてみても地方財政調整は必要なんじゃないかというふうに思っております。
○白浜一良君 ちょっと私に誤解があったらお許しいただきたいと思うんですけれども、今の税制のままやっぱり考えてはいけないと思うんですよね。今の税制のまま考えたら、当然地方税というのはもっと少ないわけですから、やっぱり地方分権考える場合、当然その自主財源の拡大がなければならないわけで、その場合に、今の税制を抜きにして、これを変えるということを前提にして、ここを国税から地方税に移管して地方の財政の基盤にすべきだということがあればお教えいただきたいという意味で私は申し上げたんです。
○参考人(横山純一君) 税源の中で大きいのは、やはり所得課税、法人課税、消費課税なんですよ。その中で地方の方に税源を持ってくるとすると、ふさわしいのはやっぱり所得課税と消費課税であると、そういう趣旨でございます。
○白浜一良君 終わります。
○委員長(藤原正司君) 以上で午前の参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時四分開会
○委員長(藤原正司君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案を議題とし、参考人の方々から御意見を伺います。
 午後御出席をいただくのは、北海道知事高橋はるみ君、財団法人太陽北海道地域づくり財団会長東原俊郎君、北海学園大学法学部教授横山純一君及び北海道大学公共政策大学院教授山口二郎君、以上四名の参考人の方々でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。
 まず、高橋参考人、東原参考人、横山参考人、山口参考人の順序でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 御発言をいただく際は、その都度、委員長の指名を受けてからお願いいたします。
 また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、高橋参考人からお願いいたします。高橋参考人。
○参考人(高橋はるみ君) 北海道知事の高橋でございます。
 本日は、道州制特区推進法案に関しまして、北海道の知事として意見、考え方を国会の場で聴取していただけるということで、大変有り難く光栄に存じているところでございます。
 この法案につきましては、私ども北海道が、地方分権改革を進める一つの先駆的な仕組みとして、その制定を強く望んだものであります。そのことを踏まえて、将来の道州制導入の検討に資する取組として法制化作業が進められ、今正に御審議いただいているものでございます。御尽力をされました方々には、大変私ども感謝を申し上げているところでございます。
 さて、初めに、道州制特区に対する私の考え方について、これまでの経緯も含めてお話をさせていただきたいと思います。
 北海道におきましては、既に私の前知事の時代から有識者会議を設置するなどして、その場は後からお話のございます横山先生にも大変お力添えをいただいたわけでありますが、そういったことなどを含めまして、将来、道州制になった場合の考え方などを整理をし検討してきているという経緯があるところでございます。特に、北海道は国土の二二%を占めており、面積の小さい都府県から並べますと二十二個分が入ってしまうだけの広域な地域でございまして、自然、経済、社会、文化等の面で独自性を有する島国でもあり、他府県との合併というプロセスなしに道州制に移行できるという状況にございます。
 こうしたことから、国からの大胆な権限移譲や条例への委任範囲の拡大など、国の関与を縮小し、道州制が実現すれば地域の生活や経済はこういうふうに変えていけるというモデルを示すことができるのではないかと考えまして、道州制特区の取組を進めてきたところであります。これまで、平成十六年、二回にわたって国に対して道州制特区に関する提案を行わせていただいておりまして、様々な議論を行ってきたところであります。このたび、この法案が今国会で成立をすれば、道州制特区を進めていく制度的裏付け、法的枠組みができることによって地方分権を更に前進させるステップになるのではないかと考えているところであります。
 次に、この法案に対しての私の考えをお話しさせていただきます。
 まず第一番に、法の目的についてでございます。第一条において、地方分権の推進を道州制の目的として鮮明にしておりますことは、道州制特区の議論を方向付ける上で大きな意義があると考えているところであります。
 次に、その仕組みであります。法案の第六条では、地方側から内閣総理大臣に対し、閣議決定された道州制特区基本方針について変更提案ができること、あわせて、その提案に対し遅滞なく対応することを政府に義務付けていることなど、国と地方との関係において画期的なものとなっていると考えております。
 さらに、道州制特区推進本部という国としての意思決定にかかわる場に知事が参画をし、同じテーブルに着いて議論をすることができること、また国から北海道への権限移譲に伴う財源としてこれまで国が要していた経費を補助金ではなく交付金で交付するとされていることなど、地方の自主性、裁量性に配慮した制度設計がなされているものと考えているところであります。
 このように、本法案は地方からの提案に基づき国からの権限、財源の移譲を先行的に実施するなど、地方分権の一層の推進を図る上で大きな意義を持つものであると考えております。私ども北海道議会においても、臨時会を含めて活発な議論がなされているところでございますが、二度にわたって法案制定の意見書が採択されておりますほか、全国知事会においても法律の早期成立を求めているところであります。知事会では他の知事さん方からも頑張ってねと言われているところでございます。
 さて、話は変わりますが、北海道といたしましては、道州制及び道州制特区については道民の皆様方や市町村の皆様方の御理解をいただきながら進めていくことが何よりも重要であると考えております。道といたしましては、これまでも道州制の下での北海道の姿や自治の在り方などについて非常に多くの皆様方と意見交換を積み重ねてきております。特に、道州制特区推進法案について北海道内の六つの圏域単位で開催をしております地域意見交換会では、多くの道民の方々の御参加をいただいております。私や副知事などが直接対話をいたしますほか、市町村長や関係団体などへの説明や意見交換を行うなどして道州制特区及びこの法案の意義などについてより一層御理解をいただけるよう努めているところでございます。
 このような意見交換を続けている中で、法律のスタート段階で位置付けられている八項目の移譲内容では不十分だとか、財源が担保されるのかどうか心配などという御発言があります一方で、先日、道東のある町長さんから、当初は権限移譲される項目が非常に小粒ということで、こんな内容であるならば意味がないと思っていたが、最近は考え方が変わった、一気に権限移譲を進めようとしても無理なので段階的に一歩一歩進めることが重要だ、そういうことで最近では賛成論者になっているといったお話もいただいているところであります。
 また、民間の方々からも、この法案に対し、権限、財源などをもっと道民に身近なところで独自に決める、そうすると自分たちの生活にどう影響してくるのか、そういう議論をどんどんと進めていかなければならない、そのための枠組みとなる法案を期待したいといった御意見や、日本全体の規制や法律が変わるのを待つよりも地域で声を上げて地域でできることを一歩一歩やっていく、そうすることで住んでいる私たち一人一人が地方自治を一番身近に考えられるのではないかと感じた、道州制を分かっていくうちに次第にそれが実現できるという希望を抱いているなどというお話をいただいているところであります。
 こうしたことに加えまして、民間の皆様方からは道民の民間有志の方々から成る道州制道民臨調あるいは観光連盟、青年会議所、道経連など多くの民間団体からも様々な御提案をいただいているところでございます。
 次に、法案が成立した場合の私ども北海道の取組ということでお話をさせていただきます。
 北海道といたしましては、新たな権限移譲等の提案は道民の皆様方や市町村、議会、経済団体などから幅広く御提言や御意見をいただく、そしていただいた御提言についてオープンに議論し、その上で国への提案をまとめる、さらには、関係市町村の意見を伺い、北海道議会の議決をいただく、こういったことが重要であると考えており、こうした仕組みを位置付ける条例の制定について現在検討を進めているところであります。
 法律成立いただいた後の新たな提案についてでありますが、私といたしましては、北海道経済の活性化や道民生活の向上を目指した提案を広く募集をし、道民参加の下に提案を取りまとめ、国からの権限移譲等を積み重ねていくことで道民の皆様方にその意義を実感していただきたいと考えております。
 例えば、今北海道では、私どもの特性あるいは資源を最大限生かして経済の活性化につなげていくため、食や観光といった本土経済をリードする分野で世界に通用する北海道ブランドの創出に向けた取組を展開をいたしているところでございます。観光の分野においては、個性ある新たな観光資源を掘り起こし、付加価値を付けて北海道ブランドとして更に磨き上げていく、そしてその魅力を全国そして世界に向けて積極的に発信をする。特に、世界の中でもこれまで道が進めてまいりました中国あるいは韓国といった東アジアを中心とした国々と、これをターゲットとした取組、こういったことを重点に置いていこうと、こういうことを考えているところであります。
 また、食の分野においては、我々北海道は我が国最大の食料基地として十七年の三月に食の安全・安心条例を制定をし、クリーン農業あるいはBSE対策の推進、遺伝子組換え作物の交雑、混入の防止など、全国のフロントランナーとして努力を積み重ねているところであります。こうした食の安全、安心の確保を基本としながら、食育の総合的な推進など、全国の消費者の方々が北海道の食を愛し、応援団となっていただくための取組を進めているところであります。
 また、昆布、エゾシカなど新たなブランド食品の開発、北海道米の消費拡大や愛食運動、国内外への販路拡大など、優れた品質の北の恵みを食のトップブランドとして広く普及させる取組も進めているところであります。そして、こういった取組はこれまでのような縦割りの政策ではなく、観光、交通分野あるいは食の安全、安心の分野に加えて農業、環境などといった様々な分野の施策を私ども道として広域自治体が一体的に実施することで初めて最大の効果を発揮することができるものと考えております。
 今回の法案は、このような北海道という広域自治体が独自の施策を総合的、一体的に展開をする際に、国からの権限移譲などを活用できるといった点で国による様々な規制に縛られずに施策を展開していくための新たな道具、ツールとなると考えているところであります。
 私といたしましては、こういった観点から道民の皆様方と幅広く意見交換をし、対話を重ね、北海道としての新たな提案を早急に取りまとめてまいりたいと考えております。
 最後になりますが、私といたしましては、この法案の意義は、国からの権限移譲などを北海道が提案をし、国と同じテーブルで議論をし、実現していくという、地方側が参画して分権を進めていく新たな法的枠組みができることにあると考えているところであり、まずはこの法案の早期成立を強く要望するところであります。
 そして、成立後は新たな提案型の仕組みを十二分に活用して、道民参加の下に北海道が元気になる提案を行ってまいりたいと考えております。そして、これは法案が法律になった後の話でありますが、そうした道からの提案を政府としてしっかりと受け止めていただきたいと思っておりまして、そのことを今日の内閣委員会の諸先生方にもしっかり見届けていただきたいと、このようにお願いを申し上げたいと思う次第であります。
 以上、私の意見を話させていただきました。よろしくお願いをいたします。
 ありがとうございました。
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、東原参考人にお願いいたします。東原参考人。
○参考人(東原俊郎君) 東原でございます。本委員会にお招きいただいたこと、大変光栄であります。有り難く思っております。
 私は民間経済人、それから太陽北海道地域づくり財団という、公益目的ということを主に参考人として話をしてほしいというお招きでございましたので、難しい私にとっては法律用語であったり、法律案であったり、行政の在り方というものを別に、民間の経済人という立場で話をさせていただきます。
 まず、私の業から話をいたしますけれども、私の業、結果的に今から数年前に太陽北海道地域づくり財団というものが誕生したわけでありますけれども、私の身を置いている業に入ったのは、会社ができたのは昭和六十三年ですね。ですから、今十八年目を終えたところということでありますけれども、残念ながら私の業種というのは余り評価を得ている業ではありません。そんな中で、その中に身を置いたいわゆる私の仲間、その従業員共々何とか喜びであるとか生きがいというものを探すというふうなことで、暗中模索であった時期もあります。
 そんなことが、途中ははしょりますけれども、何かのきっかけでその人間たちが思いが変わったというところから話しますけれども、それはたまたま児童養護施設であるだとか老人ということがそのころから盛んに言われておりまして、うちの者、うちの従業員、これが率先して行ったのが老人福祉、いわゆる老人ホームへ行って一緒に遊ぼうと、お年寄りとですね。
 それから児童養護施設、これは何らかの都合でお父さん、お母さんと暮らせない子供たちがいる施設でありますけれども、そんなところへ行って遊びたいと言い出したのが私どもの従業員であります。年齢的にいうと二十歳前後の連中でありますけれども、その者たちも、決して誇れる業ではなかった、娯楽業でありますけれども、そんな中で、そういう慰問であったり、老人それから子供たちと遊ぶということに目を輝かせたということが私に大きなヒントを与えてくれたと今でも考えておりまして、それから更に何年かたって少年野球にかかわるようなことがあって、その要望がグラウンドが欲しいと。
 これは、札幌の例でありますけれども、札幌市には少年野球の規格の野球場がない。そんなんで、市の方にもお願いしていたというのがもうほぼ二十年前だということを耳にしまして、野球場を造ったのが平成九年かと思います。今から九年ほど前、約十年たつわけですけれども、そこから甲子園球児がもう二十名出ていると。例えば、苫小牧、駒澤苫小牧の生徒もそうでありますけれども、一度、二度行った旭川の学校、名前は忘れましたけれども、それから鵡川高校であったり、そういう者がうちのグラウンドから二十名出ているということであったり。
 その当時、この我が業界において、娯楽産業でありますけれども、子供の事故というのが大きく取り上げられた時期でありました。そんなことから、託児室を設けてお子様をお預かりするというふうなことをスタートしたのもやはり同じ平成九年であります。そのときに、その当時は保母、今は保育士という国家資格になっておりますけれども、保母さんを十何人雇用しまして、託児室で勤務してもらった。それについてのやはりその保母さんたちの喜びというもの、この喜びというものが私のばねになったというものがたくさんありますけれども、これも大きなばねになりました。それが今、社会福祉法人太陽育生会ということで二つの保育園を運営しておりますけれども、うちの保母から行った者もいます。現在、その保育園で勤務する保育士が三十数名、四十名ほどいると思いますが、さらに私どもの店舗といいますけれども、店舗に勤務している保育士が百三十名ほどいます。
 これらの、一々こういう例があったよ、ああいう例があったよと言えば長くなるのではしょりますけれども、やはり女性というものは偉いなと。私、とても男性じゃこれできないなって思うことを幾つか見ております。そんな御褒美といいましょうか、そんなことを考えて保育園をやっていたと。これもちょうど平成元年に一・五七ショックというのがあって、そしてさらに三、四年前に一・三人を切った、一・三七人ですか、二、三年前に一・二人を切ったというような中にあって、いわゆる保育園というもの、これについてもちょっと問題ありましたけれども、保育園をつくることは大いに有意義なことであるなということと、うちの保育士たちに対しての御褒美というつもりでやりました。
 その結果、今二つの園で二百七十名の園児が、実はあしたも、幼稚園祭だからといって、理事長先生、是非来てくださいと。くという字を反対側に書いてみたり、てという字を反対に書いてみたりして園児から招待状が来ていますので、それで行ってまいりますけれども。
 そういうことをやりながら、これは前知事からのお考えであったというふうに聞いておりますけれども、北海道を活性化するために財団をつくってほしいという要望があって、私どもも是非こういう業にあって、北海道の活性化にほんの少しでもお手伝いできるならこれはもう喜びであるなというふうなことからスタートしたのが五年か六年前ですけれども、太陽北海道地域づくり財団と。これは毎年百何十件かの申込みがあって、そのうちの十何件かに助成をしているということでありますけれども、その辺を少し話すようにということを言われたので、そっちの方を話しますが。
 大体役所にかかわった人が少なからず申請者の中にはいます。そういう中に、当初私が理事長だったんですが、今は理事長別の者に替わってもらっておりますが、そのとき必ず言うのが、いわゆる助成したお金を種銭と考えて実らしてほしい、活性化してほしいと言うんですけれども、どうも種銭という言葉を嫌がるんですね。どうして種銭という言葉を嫌がるのか、予算と言えばいいのか。我々民間であれば、種銭というのは元手であって、金繰りであって、資本なんですね。この言葉というのはどうも好まないのか、予算だとか、それからそれがちょっと狂ったら補正と。私ども民間では、補正予算というのは会社つぶれるときのためのつなぎ資金のことを言うのであって、補正予算というのを平気で使っているのもどうかなと思うんですが。
 いずれにしても、種銭として使ってほしいということで、年間十幾つですから、多分五十何件か六十件ぐらいは助成したと思います。その中には、それを種銭としながら、いわゆる地方ではありますけれども、花を植えてだんだんこれを、二十九・二キロの直線道路というのがあるんですけれども、これ何年掛かるか分からないけれども続けていきたいという人もいます。
 さらには、昔は炭鉱町であったと、炭鉱町で今はもう寂れてしまったということから、そこで何か産業を見いだしたいと。これは、例えばブドウ園をやっていると、最終的に私ども引き受けておりますけれども、ブドウ園をやりながら製品にして、そして北海道から本州、北海道ではこっちのことを内地と言うんですけれども、本州の方へ出そうというような動きについてはお手伝いしています。
 これも、中には、例えば助成金をもらったからこれを何とか使おうと。名前言っちゃまずいのかもしれませんけれども、助成金うまく言えば当たるかもしれないと。で、当たった、だから高木ブーを呼ぼうなんという、こういうことを書かれたら困るのかもしれませんけれども。そして北海盆唄やったというのは、名前言ってしまいましたけれども、そんなことで終わるというのも、悪いとは言いませんけれども。いわゆる助成金を元に活性化ということをやってほしいということをこちら側では考えているんですけれども、行事が終わってから三枚か四枚の写真が来て、こんなことでやりましたと。ほんの一部の写真を送ってきてこんなんでやりましたって、何かそれというのは、どうもうちの趣旨とは懸け離れているのかなというふうな気がするものもあります。
 さらには、ほかにNPO法人、この中には先ほど申し上げた野球少年の応援、これはグラウンド一つということで平成九年に造ったということを申し上げましたけれども、一昨年二つ造りました。これも土地を広げていくのになかなか難儀しました。結構邪魔もされたというのがあります。今三つ、特に北海道というのはおよそ七百六十チーム野球少年の野球チームがあると聞いています。その人口、野球少年というのは一万五千人とも一万七千人とも言われていますけれども、その子たちから僕らの甲子園というふうに言われていることを、私はもちろんそうでありますけれども、私どもの従業員も喜びとしてうれしく思っております。
 さらに、セキュリティーのことでありますけれども、私どもどうしても犯罪というのが付きまとう。そんなことから、これも平成十年ぐらいですか、即応予備自衛官制度というのが、どなたが防衛庁長官だったか忘れましたけれども、そこから人を雇用しまして、今現在六十数名の即応予備自衛官という者を採用しながら、これは御案内のとおり、一年間のうち一か月だけ自分の隊へ戻って訓練をするというふうなことになって、残りの十一か月間を民間会社で働くというふうなことで、これも、彼らに対して言っていることは、いわゆる国の考え方でそういうふうになったと、十一か月間の中で自分たちの生きがいだとかやりがいというのを懸命に探しながら、こちらも応援するという中で頑張ってほしいということから、太陽ミリタリーセキュリティという法人を設けて、これも十年たちます。
 今あっち行ったりこっち行ったりしましたけれども、これの、法律でいうと予算というかもしれませんけれども、原資ですね、元手。これというのは、我が業が生んでいるものであって、予算としてちょうだいしているものでないということを申し上げたいのと、別に、それを余り宣伝すると損な商売なんで余り宣伝はしておりませんけれども、この道州制特区法案については、私はもういわゆるそれを与えるというんですか、決まるところであったり、道民の意識がどういうふうに変わるかということ、言ってみれば、北海道というのは悪い言葉で言うと支店経済なんということをよく言われておりますけれども、もらうというのが当たり前と。
 私も実は屯田兵の四代目でありますけれども、国の保障であるだとか、要するにもらうということに慣れているというのが北海道には少なからずあります。この法案が通ったときには、いわゆる官の立場であっても民の立場であっても意識を変えると。
 先ほどずっと私どもの会社のことを言いましたけれども、とても立派な職員と言えない者もそういうことによって喜びを感じていると。たかだか一企業ではありますけれども、さらに十八年の社歴しかございません。そんな中でこの法案が通ることは私は大賛成であって、更にそれに付け加えることで申し上げると、隣に知事がいるから言いづらいんですけれども、北海道庁も民間も意識を変えなければならないと。いわゆる猫に小判ならない猫に権限であれば何にもならないんですね。本当にそういう意識を持ってやると。
 たまたま明治政府ということを、また終戦後ということをよく言いますけれども、大体考えてみれば、ロシアですか、コンドラチェフという経済学者が六十年周期と言った。明治のときも、ほぼ六十年と。戦後六十年というふうに考えれば、今がまさしく転換期であって、この転換期の中に道州制特区というような法案が、何というんですか、制定されるということは、私は歓迎であって、ただただ歓迎ではなくて意識も変えていくと、それぞれがというようなことを感じながら。
 最後になりますけれども、ただただ賛成、もらうだけということじゃなくて、自分たちでいかに生きるかということを道民も考えながら、道庁も考えながら、またこういう中央も考えていただきながらやっていくのが、いずれにしても屯田兵というのも北海道を守るため、また開拓するための試金石で来たのが屯田兵だと、大体そういうふうに考えています。まあ、第二回目の屯田兵の時期であるのかなと。次は一回目の屯田兵と違う、意識の高い屯田兵でいこうというふうに考えております。終わります。
 どうもありがとうございました。
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、横山参考人にお願いいたします。横山参考人。
○参考人(横山純一君) 午前中、一般的な道州制についてお話しいたしましたので、特区の問題に限定してお話し申し上げたいと思います。
 それでまず最初に、どういうことをお話しするかという、最初に要約をちょっと私の方でしたいと思います。
 一つは、小さく産んで大きく育てるということが非常に大事なことでありまして、法案を作って終わりなのではないということですね。枠組みをつくったから、ここからスタートするんだと、そういう意味で私は今回の法案については賛成しております。
 二番目です。大きな改革になっていないという批判はもちろんございますが、拙速に大きな改革ですね、実は三けた国道の移譲などというような問題もあったんですけれども、そういったことを拙速に大きな改革を行うというのは、後で詳しく述べますけれども、北海道経済にとって打撃になる。小さく産んだことをまずは評価したいというふうに思います。
 それから三つ目でありますが、段階的に地方分権の取組として、北海道で実績を積み重ねながら本格的な道州制に結び付けていくことが必要であるということです。そうしたときに、この間の策定過程を見ていったときに、やはり国とそして道庁の一部担当者とのやり取りが中心であったと。道民の間の議論はほとんどなされていなかったんじゃないかというふうに思っております。そういう面でいいますと、これから大きく育つ方は、小さく産む方はそういう感じだったんですが、これから大きく育てていくには北海道のグランドデザインが必要になります。役人だけではなくて、経済界だとか、あるいは市町村だとか国の出先機関だとか、道民の幅広い議論が必要であると、こういうことをこれから具体的にお話し申し上げたいと思います。
 それでまず、レジュメもございますが、大体レジュメに沿ってお話し申し上げますが、実は今回の法案については二月、三月大変注目されたわけであります。どのような内容の法案になるのかが実はポイントだったわけです。そこで、議論の経過というのを、特に二月、三月の間ですけれども、特に強い関心を私は持っていましたし、大なり小なり影響を受ける諸団体の人たちとも意見交換する機会を随分持たせていただきました。その中で自民党、内閣府、関係省庁、地方支分局、地元経済界、地元労働界など、それぞれの主張や利害が合意形成を難しくしていたことを痛感いたしましたし、単純な対立図式ですね、単純な対立図式ということは中央対地方ということなんですが、この問題を考えることの困難さについても実感いたしました。焦点は、明らかにどのような事務事業の移譲が行われるのか、移譲される財源は支出の裁量権の高い一括交付金になるのかどうか、それから北海道特例というものがあるんですが、それを維持することができるのかの三点でした。
 その中で最重要なものが事務事業の移譲であったわけです。特に北海道開発局関係の事務事業の移譲が特に注目されました。というのは、それが北海道開発予算や北海道特例に大きく影響するからです。北海道にある各省庁の出先機関が北海道の中で仕事を行っていることが多いんですけれども、北海道開発局が行う事業は道路整備管理、河川整備管理、ダム建設、港湾改修、かんがい排水など多岐にわたり、しかも予算規模が多額に上ります。この中には北海道特例分がかなり含まれております。
 そういう中で、北海道開発予算と特例の問題について少しお話し申し上げますが、北海道開発予算の中にやはり北海道特例の存在というのが非常に注目されるわけでありまして、二つ特例にはあるわけです。
 一つは、補助率のかさ上げという財源面の特例、それから国が実施する事業の範囲が本州などに比べて広いという事業面の特例です。財源面の特例につきましては、北海道の場合、国が実施する直轄事業、道などが実施する補助事業、ともに国が負担する割合が本州等よりも高くなっています。例えば、一般国道の改築事業の国庫負担率は、北海道は直轄事業で十分の八であるのに対し、本州は三分の二となっております。
 また、事業面の特例の方なんですが、例えば一般国道の維持費を見ますと、北海道では一般国道は全線で六千四百キロメートルあるわけですが、全部直轄管理です。本州では一般国道の六八%が知事管理の国道で、直轄管理は一けた国道と二けた国道、延べで一般国道のわずか三二%にすぎません。国道維持費の国庫負担率は、北海道はすべて直轄で十分の七であるのに対し、本州の直轄は十分の五・五ですし、知事国道、知事管理の国道の維持費については全額都府県が負担しているというふうになっているのが実情であります。そういう面でいうと、拙速にこれを、特例の問題を簡単になくされますと、北海道の財政負担割合が他府県に比べ低くなってしまうということを恐れました。
 私は三けた国道の問題につきましては、実は内閣府の副大臣の方ともお話ししたことも随分あるんですけれども、もしこれが一挙に実現されると、三けた国道の移譲が一挙に実現されるということになりましたならば、国道の維持管理や改修工事にかかわる北海道特例の部分が早晩見直されることになりはしまいかということを考えました。本州等では国道の六八%は知事管理の国道で、その維持は全額都府県の負担で行われております。改修工事も国庫補助負担金を用いて都府県政令市が実施しております。北海道はどちらも直轄事業で行われておりますし、距離も非常に長いわけです。そういう面でいえば、三けた国道の道への移譲が実現すれば、北海道特例について他の都府県の合意を得るのはなかなか容易ではないのではないかと思いました。特に維持管理については、北海道は十分の七、本州はゼロということになるわけですね、知事国道につきましては。ですから、長期にわたって本州等の納得を得るのは難しいかもしれません。
 ただ、何といっても国道総距離数が三割を占めております。北海道全体で日本の国道の三割を占めていると。そうなれば影響は非常に甚大になるわけです。そして、その維持管理というのは約一千億円ぐらいに上っておりますので、開発予算の七分の一ぐらいを占めるというふうに考えます。そうしますと、非常に厳しい問題になると思います。
 整備事業の方につきましては、まだこれは、北海道特例は何とか維持できるかもしれませんが、維持管理については、ゼロか十分の七かというのは非常に大きな問題だというふうに思いまして、将来は別にいたしまして、拙速にこれを変えられたら困るというふうに思いました。
 だけど、この部分は割と、もし三けた国道の移譲ということが実現するようなことになりますと割と、整備事業の方の特例と違って、なかなか他の都府県との合意形成は難しいんじゃないかということで非常に心配をいたしました。交付税措置はあるんだというんですけれども、しかし、地方財政計画の規模縮小が続いておりますので、それはそう簡単なものではないし、国道全体の三分の一を占めているというようなことを考えますと、影響は非常に大きなことになるのではないかというふうに思いました。ということがあります。ですから、そうしますと、簡単に北海道特例がなくなってしまうということになりますと、ただでさえ、もう国の事業予算が大幅に減少し、そして道の単独事業も大幅に削減されている中で、将来、地域経済の自立を当然目指さなければいけませんが、これは簡単にできることではありません。ということは、短期的には地域経済が一層打撃を受け、雇用にも影響が出てくるということでございます。
 そういう面で考えますと、非常に懸念をしていたんですが、今回の法案に関しましては、最終的には、むしろ非常に小さいものになりました。小粒なものになりました。小粒になったこと自体は、私は、これは今の時点ではしようがないというふうに考えております。確かに、予算規模にしますと開発予算のわずか一%ぐらいの予算規模になるんですね、今回の移譲に関しましては。そういうことはあるわけですが、しかし、私自身は、先ほど言いましたような観点から、小さく産むということはそれなりの意義があるんではないかというふうに思います。
 ただ、先ほど言いましたように、今回の道州制の議論で道民の議論が非常に少なかった、道民議論が非常に不在であったというふうに思っております。そういう中で拙速に大きな改革というのは望ましくないというふうに思いましたので、そういう面でいうと、ともかく枠組みをつくったというところにむしろその意義を求めないといけないんじゃないかというふうに思っているわけであります。
 ただ、知事が参与として加わるとか、国と地方の協議の場の第一歩が踏み出されたという側面、提案というのが出てまいりました。そういうことでいっても、その辺はまた評価できる部分ではないかと思っております。
 問題はこれからでございまして、正に大きく育てるための努力をどうしていくかということであります。新しい地方自治制度をつくるわけですから、北海道は志が高くなければならないわけであります。行政機関の役割分担の議論だとか、あるいは二重行政批判といったような議論だけに道州制の議論を矮小化してはならないというふうに思います。
 そもそも、北海道庁への国の出先機関の統合が道州制なのではありません。道庁も国の出先機関もそれぞれの改革を行った上で、新しい地方制度の根幹となる道州政府にまとめられるということであります。行政改革と地域振興の両立として道州政府を考えていかないといけないと思います。
 改革には夢やパッションが必要です。道州制導入の意義は、自主自立の地域づくりが可能となる北海道の新しい自治の形をつくることにありますから、道州制は単なる制度いじりに終始するものであってはならないわけです。午前中も言いましたように、各経済圏域の発展や道民生活向上に結び付けていくことが何よりも大切であります。そこで北海道のグランドデザインをどのように描くのかが重要になりますし、北海道は将来どのようになるのか、どのようになることが望ましいのか。抽象的ではなく、できるだけ具体的にピクチャーすることが重要になります。
 道州政府と道内市町村はどのような役割を担えばよいのか、道州政府と市町村は適切な役割分担の下でどのように相互に連携をすればよいのか、行政と地域住民との協働はどうあるべきか、どういう産業を基軸に、また、どういう産業をメーンにして北海道の中の各経済圏域が発展するそういうシナリオを描いていくのか、少子高齢社会が進む中で地域特性を生かした取組ができるのか、このような議論の延長上に、これから大きく育てるという意味での道州制があるというふうに考えています。
 そういう面でいうと、要は、どんな北海道にしたいのかの構想力が重要になってくるわけでありまして、そういう面でいうと、これまでの策定過程にありましたように、一部の道庁の担当部署だけの発想ではなく、経済界や市町村、国の出先機関、そして何よりも道民が大きく育てるための議論を始めていかなければならないと、こんなふうに思っているわけであります。
 いずれにいたしましても、段階的に、この法案ができまして、これから地方分権への取組、事務権限移譲だけじゃなくて、規制緩和なども含めまして北海道で実績を積み重ねていくということが大事になってまいります。
 それから、先ほど、私は開発予算の問題を随分言ったわけですが、公共事業に何も依存しろと言っているわけではございません。むしろ、これから簡単に大きく減らされると大変なことになるということでありまして、十年、十五年のスパンで自立に向けた経済の取組をしていかないといけない。
 実は、今、北海道商工会議所連合会というところで経済再構築会議というのをつくっております。私がその会長をやっております。そういうところでも、本当に、北海道の経済界もどちらかというと官依存だった側面があるんですけれども、これから自立に向けて取組をちゃんとやっていこうという今意欲に燃えております。
 そういう面でいうと、道庁あるいは経済界、市町村、国の出先機関等しっかりした議論をやって、道州制への、大きく育てるものにしていきたいというふうに私は考えております。
 以上です。
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、山口参考人にお願いいたします。山口参考人。
○参考人(山口二郎君) 山口でございます。こういう機会を与えていただきまして大変ありがとうございます。
 私は、道州制特区法案については、その意義や目的について十分納得できないという立場から幾つかの疑問を申し上げたいと思いますが、話の前提として、道州制全般について、まず考えを述べたいと思います。
 今回の法案を拝見しまして最初に感じた疑問は、そもそも道州制とは何であるかという定義がこの法案にはないということであります。これから、日本の地方制度改革や地方分権の中でも道州制というものが一つの重要なテーマになってくるとは思いますが、道州制という言葉を使った最初の法律となるはずのこの法案においても、そもそも道州制とは何かということについて明確な議論がありません。
 私は、個人的には、中央政府の権限、財源というものを地方にもっと分与していって、従来の都道府県を越える単位の地域政府というものをつくっていくという意味であるならば、道州制については基本的に賛成であります。
 なぜそういう立場かと申しますと、最近、ヨーロッパの各国で地域政府、リージョナルガバメントというものが大変に活躍をしております。私自身、イギリスでしばらく勉強しておりましたが、一九九七年、イギリスで、ブレア政権の下でスコットランドの地方分権が実現をいたしまして、今やスコットランド議会は、外交、防衛、それからマクロ経済等を除いた内政のほとんどの問題について独自の立法を行う権限を有しております。その下でスコットランドは独自の地域政策を展開して、大いに活性化をしているわけであります。
 このようなモデルを日本に当てはめることには大変大きな意味があるというふうに私自身も考えております。日本においてそのようなモデルを当てはめるとすれば、やはり北海道というものがまずパイロット的な実験の場となるということも当然理解できるわけであります。
 北海道は、人口五百六十万余りということで、ヨーロッパにおいてはデンマークなどとほぼ同等の規模であって、一国の規模を有します。先ほど紹介したスコットランドも五百万人余りの人口であります。要するに、独自の地域の経済政策や社会政策、教育政策などを展開していく単位としては、この程度の規模の地方政府というものは適切なものではないか。住民にとっても国政ほど遠くはない、比較的参加しやすい身近な政府であると同時に、人口や財政規模の面で独自の政策を展開する実力を有するという条件を備えているわけであります。
 日本において道州制を展開していくというときに、私は全国一斉の道州制の導入は無理だというふうに考えております。特に、本州においては都道府県の合併という大変ややこしい問題があるわけでありまして、まず北海道、あるいは場合によっては沖縄や九州といった比較的条件が整っているところにおいて先行的に道州制モデルを実施するということは大いに意味があるだろうと思います。その意味で、特区という発想も私は大いに評価したいと思います。
 道州制を導入していくというときには、したがって一国多制度という発想が必要になっていくだろうと思います。
 先ほど申しましたように、イギリスにおいては、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドといった地域を単位として自治政府を設立をして、そこに程度は違いますがかなりの立法権限というものが移譲されました。財源についても、正に使い道の自由な一括交付金という形で地方政府の財源が保障されているわけであります。このような形で日本における道州制のモデルをやはり構想すべきであろうというふうに思います。
 私は、よく北海道で道州制の必要性について説明をするときに、本州の道路交通法を北海道で適用するのはナンセンスであろうということをよく言います。つまり、北海道は、御承知のとおり道が真っすぐで広いですから、どうしてもスピードが出るわけでありまして、これは別に内地の六十キロという規制を当てはめる方がおかしいんでありまして、ヨーロッパやアメリカのように、普通の道でも時速九十キロぐらいにしても何の不都合はないわけでありまして、そういうふうにしてローカルな必要性に応じてルールを作っていく、ルールを作れる、そういう仕組みをつくることこそが道州制の真の意義であろうというふうに思います。
 そうすると、一国多制度というときに法の下の平等との兼ね合いはどうなるか、あるいは憲法四十一条で言う国会は唯一の立法機関であるという規定との関係はどうなるかという難しい論点もあります。
 しかし、私は、憲法九十五条に注目をしたいわけでありまして、九十五条では、一つの地方公共団体のみに適用する特別法というものを当然の前提としております。従来の憲法学説においては、この九十五条は、国法によって特定の地方自治体をねらい撃ちにした自治の制約の立法について住民による住民投票という防御手段を与えるという趣旨で説明されてきましたが、私は、むしろもっとこの規定を積極的に読み替えて、地方自治体の自治を拡大するための根拠規定として読むこともできるという説をかねてから主張をしております。そういたしますと、例えば北海道における自治基本法とかあるいは北海道版道路交通法とか、そういったものを北海道から提案をし、住民投票によって可決をすることによって国法としても承認していただくという手続は可能になるわけであります。
 そういう意味で私は、道州制特区という構想自体が小泉内閣のときに提唱されたときに大変に期待をしたわけでありますが、正直申しまして、今回の道州制特区法案についてはいささか期待外れという印象を否めません。
 先ほど横山先生は小さく産んで大きく育てるという表現をされましたが、私は政治学者として、日本の官僚機構の行動様式というものをそれなりに承知しておるつもりでありまして、立法のコストというのは大変大きいわけであります。一度作った法律を変えるのは本当に大変でありまして、この道州制特区法案ができてしまえば一丁上がりということで、北海道あるいは道州制の推進についてより一層議論をして更に制度を広げていこうというような関心が永田町、霞が関で低下していくことは私は明らかだというふうに予想しております。その意味で小さく産む必要はないんでありまして、どうせ作るんだったらもっと根本的な分権規定を構想すべきであるというふうに考えております。
 以下、幾つか私の感じる疑問点を申し上げます。
 第一は、立法手続の問題点です。
 この法案の第一条では、北海道以外にも特別区域というものが定義されておりますが、実際問題として、本州その他の地域においてこの道州制を適用する自治体が近い将来出現するとは思えないわけでありまして、この第一条の条文というのは、やはりさっき申しました憲法九十五条の住民投票を回避するための便法ではないかというふうに私は思います。先ほどから道民の意識ということが言われておりますが、道民の意識を啓発し、分権改革や道州制についての世論を喚起するためにも、この九十五条に定める住民投票というのは大変有効な手段となるはずであります。そこで、この点について委員の先生方の御考慮をいただきたいと思います。
 それから、これからの北海道あるいは将来の道州制の分権改革をどのように進めていくのかという全体的な構想の問題についても、大変物足りない感じがするわけであります。
 先生方御承知のとおり、北海道は公共事業の削減、地方交付税の削減など大変な財政面での逆境にあえいでおりまして、経済的にも大変苦しんでおります。そういう状況の中で、地域活性化の切り札として道州制というものを導入するのであれば、やはり経済政策、農業政策あるいは労働・社会政策、こういった面で北海道ならではの政策を可能にしていくという政治行政体制をつくることが必要であります。例えば国際空港の管理でありますとか、そういった北海道の将来にとって基幹的なインフラの整備やその管理の権限というものが北海道のものになれば、これは経済的な飛躍のきっかけになる可能性が大きいわけであります。あるいは、労働力の質の向上という面から見ても、教育政策や労働政策について北海道スタンダードをつくるということは、私は大いに意味があるだろうというふうに思うわけであります。
 それからもう一つ、地域間の平等という問題についてこの道州制特区というのはどういう構想を持っているのかということも不明であります。例えて申しますと、家の中でみんな相当くたびれて日々の生活にも結構難渋している状況で、その家屋のマイナーな改築の設計図について今議論をしているというのが道州制特区法案の現状ではないかというふうに思うわけであります。
 話はちょっとずれますが、あえて申し上げたいと思います。今、教育基本法の審議がこの参議院で進んでおります。その中で、郷土を愛する態度という言葉が盛られております。法律でお説教されなくても大抵の人は郷土を愛しております。問題は、その郷土において生き、学び、働くための基本的な政策や制度が今どんどん崩壊をしているという現状であります。
 例えば、北海道では、地域の公立病院でも分娩をしない、したがって出産するためには何十キロ、何百キロと離れた町に行かなきゃいけないとか、あるいは道立の高等学校の整理再編成ということで自分の町から高校がなくなるということも現に進行しつつあります。そういう教育や医療の基幹的なインフラの危機というのは、正にナショナルミニマムといいましょうか、憲法二十五条で言う生存権の危機につながっていくと私は大変に憂慮しております。
 例えば、医療の問題であっても、北海道のように、人口密度が低い、患者の密度が低いところでは、農村部の公立の総合病院というようなものは、現在の診療報酬体系の下においてはこれは赤字になるに決まっているわけであります。したがって、その地域の医療の拠点がどんどんと整理統合されていくという結果につながっていくわけでありまして、だとすれば、特区、一国多制度という観点から見て、北海道の例えば医療のスタンダードというものがいかにあるべきか、そのための診療報酬体系というのはどういうものか、そういった具体的な問題について北海道独自の議論が進むということがこれからどうしても必要になってくるのではないかというふうに思います。
 こういったテーマは、知事さんを始めとして北海道の様々なリーダーの方々がもっと声を大にして言うべきことだと思いますが、残念ながら北海道は最近そういった発信が足りませんので、あえて私はこの場で申し上げました。
 最後に、道州制特区というものがこれからの自治の拡大につながるのかどうかということについて、一言申し上げて終わりにしたいと思います。
 先ほどは私は、失礼ながら、法律が一本通ってしまえば行政官も議員の先生方もこの問題について関心を持続することは難しいだろうということを申し上げましたけれども、しかし今後、日本全体の課題として道州制を導入していくという議論が必要になるのであれば、やはり北海道というものを舞台として、道州制の具体的なイメージを膨らませていって制度や政策の実験をしていくということはやはり必要になっていくだろうと思います。
 その点では、この道州制特区法案に盛られた北海道からの様々な提案について北海道自身が最大限活用していく、またそれを行政機関や国会において受け止めていただいて議論を継続していくということを是非ともお願いをしたいというふうに思いますし、我々北海道に住んでいる学者やあるいはその他様々な立場の者も、北海道の活性化という観点から具体的に国のどのような権限を北海道に下ろしてほしいかということを積極的に議論をしていくべきだというふうに思います。
 望むらくは、この法案は多分この臨時国会の会期中に成立をするんだろうと思いますが、その場合、やはり今後の分権の進め方について何らかの担保を取る工夫をしていただきたいというふうに思います。例えばこの国会で附帯決議を付けるとか、そういった形で、道州制特区はこれで終わりではない、更に北海道を舞台として具体的な分権の構想を進めていくという点で国会の一層の工夫をお願い申し上げて、私の意見陳述といたします。
○委員長(藤原正司君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○秋元司君 自由民主党の秋元司でございます。
 改めまして参考人の方々におかれましては、大変、もう年末も近づく中に、またお忙しい中にこうして委員会まで御提案を賜りましたこと、本当に感謝を申し上げるところであります。また、横山参考人におかれましては、午前午後と二回にわたりまして、本当に感謝申し上げます。
 四人の参考人の方のお話を伺いまして、国会議員、気を引き締めて頑張れという、そういったメッセージだと受け止めまして、今回のこの道州制特区法案、これはこれだけにとどまらず、当然、道州制につながり、イコールこれが地方分権につながっていく法案だという思いでこれからも頑張っていきたいと思いますし、とりわけこの特区法案につきましてはそのスタートであるという位置付けで、我々もしっかり火を消さないように頑張っていきたいと思いますので、これからも御指導いただきたいなと思うところであります。
 先ほど高橋参考人の方から、この法律が成立した後、北海道としての意気込み、もう非常に強い、力強いものを私も感じさせていただきました。知事、高橋参考人のおっしゃられた思いというのは多分北海道民の思いであるだろうということを我々受け止めさせていただいて、なるべく御希望にかなう形で、地方分権、道州制の移行、それを将来的に模索して頑張ってまいりたいと思いますけれども。
 国も今、行革というもの又は国全体の国家体制というものを考える中に、官邸の方で経済財政諮問会議であるだとか規制改革委員会だとか、いわゆる民間の皆さんを取り込む形で官邸でまずは議論し、そしてそれを党にぶつけて、あとは議会にぶつけて一つの法律というものを作っていこうということで今国の方は取り組んでおります。同じように、各県においても、行政府の考え方、また議会の考え方、それぞれあると思うんですけれども、今後北海道の中にそういった国がやっているみたいなことを、これは北海道民の方だけじゃなく、全国から又は場合によっては世界からも集めていただいて結構でありますし、そういった会議等をつくって、北海道としての本当の道州制を移行された後には、そういったものを導入して北海道がより独自性というものを発揮できるような、そしてまた財政においてもしっかり運営できるような体制にしていこうというお考えの方はいかがですか。
○参考人(高橋はるみ君) 高橋でございます。ありがとうございます。
 この法案に基づく法律ができた暁にはということで、私どものこれからの第二弾、第三弾の提案についてのことを申し上げた私どものスタンスというか、こういう形でやっていきたいということを申し上げたところでございますが。
 先ほど横山先生からもお話ございましたとおり、私ども自身は道民議論は十分してきたつもりではありますが、ただ、やはりいろんな面からごらんになっていらっしゃる方々から、まだまだもっと十分な道民のオープンな議論が必要だという御意見を私どもちょうだいいたしておりまして、正にそのとおりだと思っておりますので、これから更に、今、秋元委員のおっしゃったような趣旨も踏まえた形で私どもとして議論の場を広げていくということは是非やっていかなければならないと思っているところでございます。
 そして、そういった中で、私の冒頭のお話の中でちょっと触れさせていただきましたが、この委員会へのお願いというか、山口先生もおっしゃられたとおり、私も霞が関におりましたので、霞が関の行政官の方々のビヘービアというか考え方はよく分かるんですが、法律というのは頻度高く改正するものも多々ございます。ですから、その意味では、やはりこの法律を御審議いただいたこの委員会の各党の代表の先生方がいかに、この法案を通していただいた後、政府をウオッチをしていただくのか、そういったところで私どもの提案がこれからスムーズにまた実現していく道筋ができるかどうかというところも懸かっていると思いますので、是非その点についてよろしくお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございます。
○秋元司君 今のはしっかり受け止めさせていただいて頑張りたいと思いますが。
 今後とも、提案という話でありましたけれども、そういった提案がなされる、なされた後、推進本部の方は北海道の代表の方もメンバーとなっていただく予定になっておりますので、その場でもしっかり折れずに議論をしていただきたいなと、そのように思うところであります。
 続きまして、山口参考人にお伺いしたいんですが、私は個人的には、高橋参考人と山口参考人の議論をちょっと横で傍観していたいなというのを個人的には思わせていただいたところでございますけれども、今回の道州制特区法案、余り、言葉悪いんですけど意味がないんじゃないのというような感じにも受け取ったんですが、実はこの中に、先ほどから申し上げたとおり、今回の法案のポイントというのは、各地方からの提案型であるということが一つのポイントであると思うんですね。この提案型ということに関しまして山口参考人の御評価をいただきたいというのが一つと。
 それともう一つは、山口参考人と高橋参考人へのお伺いでありますが、今、我々、党の方では議連ができて議論していますが、実はカジノというのも今議論しております。これから道州制が導入される中に、道州にされた後ですね、前でもいいですけれども、いわゆる地方活性化、そしてまた観光立国ということを目指す中で、こういったカジノというものに対する両参考人のお考えというのを、簡単で結構でございますからお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(山口二郎君) 第一の御質問ですが、私も地方からの提案の根拠が法律にはっきりと明記をされ、かつ内閣がこれに対してきちんと対応する、その提案に沿えない場合はその理由をきちんと公表せよ、こういうことを明記している点は大いに意義があるというふうに思います。ですから、これを北海道は大いに活用していくべきだというふうに考えております。
 第二の御質問ですが、私、個人的には海外旅行の折にカジノへ行くのは好きでありまして、北海道にもそういうものがあればいいなというふうに思います。特区というものを利用してそういうことをいろいろ工夫していくべきではないかというふうに思います。
○参考人(高橋はるみ君) じゃ、私はカジノということで、はい。
 私もヨーロッパ等でカジノへ行ったこともございますし、個人としては楽しいものだという認識はあるわけでございますが、ただ日本の場合には、競馬などを含めていわゆるギャンブルというのは公営でやるということになっているところでございます。
 私もカジノということについて、いろんな自治体で検討も進んでおりますし、私どもも検討している中で、やはり私の一つのイメージとしては、例えば温泉場のようなところでゆっくりと家族と滞在しながらこういったものも健全な形でカジノも楽しむというような姿が一つあるかなというふうに思いまして、道内も温泉地はとてもたくさんございますので、いろんなところと非公式な議論はしているところでございます。
 そういった中で出てくる意見は、地域活性化のために極めて魅力的だというお話がある一方で、地域住民の方々の、特にPTAを始めとする教育関係の親御さんを中心とした方々から、やっぱりその地域の風紀を乱すというか、いろんな負の影響もあるんではないかという懸念なんかもよく出ているというところでございまして、これからも、私ども北海道のこの疲弊の状況というのはなかなか、特に夕張を中心として厳しいものもございますので、いろんな可能性についていろんな自治体との議論を深めながら私どもとしての考え方をまとめていきたいと思っております。
○秋元司君 ありがとうございました。
 続きまして、東原参考人にお伺いしたいんですが、参考人は、民間人といいますか会社の社長さんという立場と、そして公益法人という両方のお顔があるわけでありまして、今回、この道州制特区法案という、いわゆる北海道のことは北海道で今後は考えていこうじゃないかと、そういったことに対する先駆けの法律だと我々は位置付けしているんですが、まず、そういう法律がやってくる、北海道として今後は自分、自らがある意味独自性というものを持って頑張っていくんだという、そういう行政当局の意気込みということもあるんですけれども、そういうことをまず率直にどういう形で受け止められたかということが一つ。
 もう一つは、これは先の話だから分かりませんけれども、仮に道州制ということ、道州制そのものが移行された後に、やっぱり北海道のことは北海道となりますと、北海道独自の税、いわゆる新税になるかもしれませんが、そういったことも今後は考えていかなきゃならない局面になるかもしれません。そういったときに、会社をやっているお立場としてはそういうものに対してどういった思いがあるか、お伺いしたいと思います。
○参考人(東原俊郎君) 道州制が成立したときにはどう考えるかということが一つ目の質問でありましたけれども、私は、先ほど申し上げたように、千載一遇のチャンスであるというふうに考えるか、又はあれもこれもあれもこれもと言いながら注文を付けていって、結局、おねだりをするという道民で終わるのか。これは、もう言ってみれば中央省庁であったり道民が考えるところであって、私の立場で言うと、これを千載一遇のチャンスというふうに考え、道も道民もこぞって気持ちの転換を図るべきだと。北海道、開拓されてから百三十年。百三十年間というのは学生時代だとすれば、これからというのは自立する社会人というふうに考えればいいというふうなことで、賛成ということで申し上げました。
 それからもう一つの質問でありますけれども、カジノということが盛んに言われておりまして、知事さんもちょっと誤解しておられるのかなと思いますが、私ども積極的に店舗展開はしていません。私どもの業は、ある銀行の社長から依頼されてその会社を建て直した、それがこの業界へ入ったきっかけでありますけれども、その業はパチンコ業であります。このパチンコ業に対して、北海道においては、北海道しか私は、本州嫌いだとは、本当は言いますけれども、北海道好きなんで北海道しかいませんけれども、例えば函館市長、それから帯広の市長、それから室蘭の市長から言われて町の活性化をということで進出したのがあります。知事さんはどこら辺、どういうところからお話を聞いたのか分かりませんけれども、負の部分があるというようなことを十八年間で、さっき言った公益目的ということでお手伝いした。金額で言うと年間五千万から一億ぐらいだと思います。売上げにすれば〇・〇〇何%という数字でありますけれども、これがうちの従業員が喜んで地域が喜ぶというものが私は望ましくてやったわけであって、これが利益になると。今言った先というのは全然客にはなり得ませんから。そういうことでやってきたということ。
 さらに、カジノについては興味がおありだということでありますけれども、ほかの都、都と言ったらまずいのかな、ほかの都府県でもカジノをということを盛んに言っておられるけれども、多分そういう方というのは元手ということ、さっき言った種銭ということに余り縁のない方が言っていると思う。例えば、造れば何十億、何百億と掛かるんですね。そこからいわゆる官依存の体質を持った者がそこで勤務するというのが大体駄目になっているケースというのは、私はよく目にします。
 したがって、道独自ということでいえば、これは五年前に私一つ本を書きまして、これ何か国会図書館にも置いているということも聞きましたけれども、「うちのお父さんはパチンコ屋さん」という本の中でほんの三行ぐらい書いたんですね。そんなのが結構、業界からバッシングありましたけれども、いわゆる今知事さんがおっしゃった、それから山口先生もおっしゃった、多分ヨーロッパでというのは、私もこの間、スコットランド、エジンバラへ行ってまいりました。RBSから三百億ほど資金を調達しまして、そういうことの御礼で行ってまいりましたけれども、それぞれカジノ税というのがあって、それと同じような、例えばこの我が業界に対してもそういうようなことをということであれば私個人は賛成です。業界に向けて君しゃべれ、働き掛けるかといったらこれは何とも言えませんけれども、私個人は賛成であって、どうしても民間人でありますから、大きないわゆる元手を掛けてやるよりも、こういうことによって例えば特区と、北海道特区ということであれば、そういうことでこの業も成り立つと。
 ちなみに、この業というのは売上げが二十五兆とも三十兆とも言われていますけれども、多分、北海道内にあっても一兆円以上あると思います。そういうのを利用しろとは言いませんけれども、そういうことも考えながら、法律、法律というようなことで面倒なことじゃなくて、できれば簡単なもので、簡素化するということが、何かこう言えばああ言って逃げられる、こう言えばああ言って逃げられるというような法律というのは、どうもなじまないのかなと。
 余計なことまで話しましたけれども、終わります。
○秋元司君 時間です。終わります。
○黒岩宇洋君 本日は、四人の参考人の先生方に貴重な御意見をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございます。
 本日は、この道州制特区法案についての参考人質疑でございますけれども、我が内閣委員会におきましては、もう一つの特区法案、すなわち構造改革特区法案について、制定時からその後の度重なる改正において大変活発な議論がなされてきました。
 その特区法案についての審議において一つのキーワードがございました。それは、わくわくどきどきです。これは決して法案の定義や目的に明記されているものではございませんが、今ここにいらっしゃる鴻池理事が初代構造改革特区担当大臣として、とにかく特区を認めるにはわくわくどきどきするようなものにしようよと。これについて、我々与野党たがわずそうだなと。二十一世紀の試みだから、わくわくどきどきするような特区をつくっていこうという、こういう視点で議論をさせていただきました。
 それで、四人の先生方にここでお聞きしたいんですけれども、私この法案を見まして若干失望感があるのは、このわくわくどきどき感が本当にあるのかなと。
 例えば、危険猟法ですか、これが知事に権限が移譲されたと。じゃ、これからどんどんおれもあれだと、麻酔を打って鳥や獣を取るぜと、わくわくするぜという人がどれほどいるんでしょうか。ましてや、商工会議所の解散の許可権限が知事に移った、これはどきどきするぜと。これは別の意味で、解散ですからどきどき冷や冷やするかもしれませんが、私、そういった感覚が本当にあるのかなと。
 今日、四人の先生方は北海道におられる先生方ですので、お一人お一人から、本当にこれ、いかに小さく産んでも法律です。いざできたら、これは法律ですから、半人前だとか赤ん坊だとか言っているわけにはいかないわけですよ。一人前の法律を作るわけですから、法律ができたその先のことではなく、この法律ができて本当に道民が実感できるわくわくどきどきできるようなものは果たしてあるんでしょうか、そして、あるとしたらどんなものなんでしょうか。これについて四人の参考人の方々からお一人ずつ意見をお聞かせください。お願いします。
○委員長(藤原正司君) 簡潔にお願いします。
 まず、高橋参考人。
○参考人(高橋はるみ君) 鴻池委員におかれましては、大変お世話になりまして、その節はありがとうございました。
 構造改革特区法案、そして道州制特区法案、いずれも特区法案ということでは、まあ構造改革特区の方はもう案は消えたわけですけれども、いずれも特区ということではございますが、少し違うのかなと思います。
 かつて竹中大臣のころにこの道州制について懇談会が設けられまして、今、金融財政担当をやっておられる大田大臣が座長で委員会がございまして、その際も、道州制の特区ということと構造改革の特区どう違うんだという議論をさんざんさせていただいた経緯があったような記憶がちょっとあるんですけれども、構造改革特区というのは、極めて限られた地域できらりと光る何かを目指すという、その方向を目指すためにこういった規制緩和をやっていくという、そういうことが構造改革特区の私なりの解釈でございますが、道州制というのは、道州制特区の方というのは、先ほど私が冒頭申し上げましたとおり、いわゆる一つ一つは縦割りの政策分野になっているものを、北海道だったら北海道という広域自治体が、政策の企画立案から含めて一括して分野ごとにその政策の方向性を出していくということのために使われるツールではないかなと私は位置付けておりまして、その意味では、一点一点、例えば構造改革特区で、ちょっとすぐには浮かびませんが、何か一つのことができるという、そういったことではない意味での位置付けというのがこの道州制特区ではないかなと私は思っております。
 ですから、その意味ではいぶし銀のような、わくわくどきどきというよりも、やっぱりこれからこのツールを使っていかにこの地域がいろんな政策手段を駆使しながらこの地域をどう高めていくか。先ほど幾つかの分野として、食なり観光なり環境なり農業なり、そういったことを幾つか言及させていただきましたが、そういった分野についての政策展開の円滑化というものを権限移譲あるいは条例委任の範囲の拡大等の形で地方から提案をして、それを国が真摯に受け止めるという手続ができる枠組み法であるという意味において、私はやっぱりちょっと違うのかなと思います。
 そして、その意味でおっしゃられた、今スタートラインに立って書かれております八項目というのは、先ほどもその評価のところで幾つか出ておりましたが、小さくということはそのとおりでございますが、ただ、そこだけで終わるものであれば当然そうでございますが、これは佐田大臣のこれまでの衆参両院の御答弁なんかも議事録で拝見しておりますと、(発言する者あり)ごめんなさいね、もう提案はがんがん受け付けるということは言っておられますので、その意味ではこれからいろんな展開をしていく、そういったものとして私は位置付けております。
 済みません、長くなりまして。
○参考人(東原俊郎君) 私は民間の経済人ということで呼ばれておりますので、そういったことで申し上げます。
 わくわくどきどきということのお話ありましたけれども、私はどきどき冷や冷やの方が多いんであって、一気に全部法案を決めるというのが、これがもう実際無理であって、やってもいないことを全部決めるというのはどうも私にはできません。
 これからは小さく産んで大きくというようなことを言っていますけれども、何度か積み重ねをしながらやっていくと。一〇〇%というのは多分、まあ見込んだところでそれが本当に一〇〇%になるかなといったら甚だクエスチョンだと思います。
 いずれにしても、どきどき冷や冷やといった、民間であり経済人であるというのは、時の政府の中でいかに利益を上げるかというのが経済人の役目であって、フェアにやっていくというふうに考えておりますので、どきどき冷や冷やがとってもする、その辺は先生是非しっかり見ていただいて、どの辺とどの辺で作っているのか分かりませんけれども、しっかり見ていただきたいと逆にお願いしたいというところであります。
○参考人(横山純一君) なかなか東原さんいい、冷や冷やどきどきということで、私なんか三けた国道の移譲の問題で冷や冷やどきどきしていました、本当に。それがわくわくには絶対今の状況では北海道はならないですよというふうに思います。
 それで、それはそうとして、むしろそんなに簡単にわくわくどきどきするいい提言をするには、これからしっかり考えていかなくちゃいけないんですけれども、やはり今すぐというふうになかなかいかないですね。
 で、今回法案ができます。そうするとこれから、知事もおっしゃったように地方からの提案がこれからいろんな形でできる仕組みになりますよね。その中で、時間は掛かるかもしれませんけれども、規制緩和の問題だとか、あるいはどういった事務の移譲がふさわしいのか、あるいは権限の移譲がふさわしいのかしっかりとした議論をして地方から提案をしていくという、そういう枠組みができたというところで私は評価しているんですよね。
 以上です。
○参考人(山口二郎君) 個別の権限の移譲に関しては私は全くわくわくということはないんですが、先ほど申しましたが、やはり地方から提案ができると。内閣はこれに対して真摯に対応しなきゃいけないということで、これからやる気のある地域がもうちょっと国政に対していろんな提言ができるということではもうちょっとわくわくするチャンスが来るかもしれないということだと思います。
○黒岩宇洋君 時間がないんで余りそのやり取りができないんですが、高橋知事、結構苦しくお答えになっているような気がしてならなかったんですけれども、この道州制特区法案に対する知事のやっぱり期待とか意気込み、そして、私、横山先生の論文も読ませていただきましたけれども、やはり大きな期待感というところからすると私はやはり若干小さ過ぎるのかなという、その視点は改めて変わらないんですけれども。
 それで、最後、一点ですけれども、北海道特例、これについても私、今横山先生のお話も聞かせていただきましたし、非常に取扱いは微妙なものだと思っています。今までの歴史的な経過とか、あとは地理的な北海道の存在という意味からも、この北海道特例の意義は私も十分理解しております。今すぐなくせとか減らせとか、これはもう乱暴な議論です。しかし、長期的に見れば、これはいずれは、完全になくなるかはともかく、減らしていくということはこれも確かに間違いない事実だと思うんです。
 そこで、これを踏まえながら高橋知事と山口先生にお聞きしたいんですが、山口先生もインタビューの中でこの高率補助というのはなくなっていくんだろうと。だったら、それに引き換えて何かを取るというような、そんなある意味戦略も必要だったのではないかというこういう指摘も、私も本当に非常に勉強になっておるんですが、やはりこのグランドデザインですね、これも横山先生のおっしゃっているこの北海道特例という存在が、これが一体将来どうなっていくべきと考えていらっしゃるのか。そして、それにやはり備えるべき北海道のある意味自立のビジョン、グランドデザイン、これについて高橋知事と山口先生から御意見をお聞かせください。お願いします。
○参考人(高橋はるみ君) できる限り短く努力します。
 北海道特例というのは今委員御指摘いただいたところでございまして、北海道の広域性、先ほど申しました、二十二県入ってしまうほどの広さでございます。
 それから、横山先生が先ほどおっしゃった三けた国道といいますと、ほかの県だと、何だローカルラインじゃないかと思われるかと思うんですけれども、北海道における三けた国道というのは、他県でいえば県庁所在地に当たるような、我々十四の支庁に分けて行政をやっておりますが、その支庁所在地を通るぐらいの道路がいわゆる三けた国道でございます。
 そういったことなどを考えて、広域性あるいは歴史的に開発というか、インフラ整備の歴史がそれほど長くないと、他県と比べて、等々の背景の下に認められているものでございますので、私は、北海道の知事として申し上げれば、このことは北海道のエゴとかそういうことではないというふうに主張はさせていただきたいと思います。
 しかしながら、そうは言っても、戦後歴史を長期で振り返りますと、このいわゆる北海道特例はどんどんと縮小の傾向にあることも事実でございます。そういった中で私どもとしてどういう形で自立を目指していくかということにつきましては、やはりこの長い、長い短いという、すごく矛盾しちゃいますけれども、開拓、開拓ということを、国費が多く、一兆円超える額が投入されていた時期がずっとあったわけでございまして、そういった公共事業が多く行われた北海道の中で、やはり公共事業に依存する形の経済というものが今まで構築されてきたと。これは産業構造を見ても明らかでありまして、建設業のウエートが他県の倍以上ございます。また、その建設業の中における民需、官需というものを見ても、全国との比較において公需依存が高いという産業構造でございますので、今大変に苦労しているという状況にございます。
 この北海道経済がやっぱり自立を果たしていくためには、やはり様々な景気の動き等に対して耐久力のあるバランスの取れた産業構造、経済構造というものを達成をしていくということが不可欠だと思っておりまして、そのための努力を日々私どもとしてやらせていただいているところでございます。
 以上です。
○参考人(山口二郎君) 私も、北海道、いきなり公共事業費を大幅に削減するということは非現実的だと思っておりますが、やはり趨勢としては、公共事業分野の法律補助金が他の府県並みになるということはもう不可避だというふうに考えております。また、北海道だけがその歴史的背景を理由に特例の維持を主張しても、ほかの地域の人は納得してくれないだろうというふうに思います。
 ですから、これは北海道自身の問題ですが、財務省とか国に言われて渋々やめるんじゃなくて、もう自分からまず率先して中期的なビジョンの中で特例を返上していく。その代わりに、北海道としてお金に頼らない活性化の手段としてこういった権限が欲しいんだという具体的な提案を是非ともしていくべきだというふうに考えております。
○黒岩宇洋君 終わります。
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
 今日は、先生方、本当に師走のお忙しい中、貴重な意見をお聞かせいただきましてありがとうございました。
 何点か御意見を伺いたいと思いますが、まずは知事さん、御苦労さまでございます。
 私も、若いころから何回も北海道へ寄らせていただいていますけれども、公的に行ったこともございますし私的に行ったこともございます。一番感動を受けたのは、網走に行ったときでございます。まあそれは私が無知だということもございますけれどもね。網走といいますと、私たち、学生時代は高倉健の映画しかイメージがないわけでございます。しかし、実際行って、大変日本の明治以後の歴史のきしみを物すごく感じました。
 なぜかといいますと、明治政府はつくったけれども思うようにいかない、腐敗もしているということで、いろいろ武士の反乱があるわけでございますが、少なくとも西郷隆盛に従った西南の役というのは大きな運動でございました。もう薩摩の若い武士たちが従ったわけですね。で、その子たちが生き残った。大半は北海道へ連れていかれて獄につながれて、あの鉄道開拓に従事させられたと。本当に志も清くて能力もあった若い武士たちだったと思います。それを読んだときにじいんときまして、これが本当の、歴史をつくるというのはこういうことなんだというふうに私思ったわけですが。別にそのことが主題じゃないんですけれども、北海道も、確かに風光明媚なところは一杯あって温泉も一杯あってと、それはそういうところもありますし、いろいろやっぱりいいところは一杯あると。
 そういう面でいいますと、この今特区法をやっていますけれども、この法律以前に、北海道の中で札幌一極集中になっていて、北海道の中の疲弊していく都市もたくさんあると。こういう現状の北海道の在り方をどう認識されているのかということと、今回道州特区でこの法案がこの国会で成立しますけれども、これを通してこの事態をどのようにしていこうと決意をされているか、その点をちょっとお伺いしたいんです。
○参考人(高橋はるみ君) 現状の北海道についての認識ということでよろしゅうございますでしょうか。
 ただいま御指摘をいただきましたとおり、現下、私ども北海道の目の前には大変厳しい事実がたくさんございます。夕張市は財政再建団体入りをいたしまして、今再建計画作りに大変苦労をいたしております。また、そういったところを含めて、地方交付税への依存度が他の地域と比べますと格段に高い自治体が多いわけでありまして、まあかく言う道自身も極めて財政も厳しい状況にあると。厳しい厳しいばかりが目に付く今の北海道だと思っております。
 しかしながら、今委員、網走市のことを言及していただきましたが、その網走市の近くには世界遺産になりました知床もございます。また、網走を今度は西の方に参りますと稚内、サロベツ原野、それから滝上というとっても芝桜のきれいなところなどなど言えば切りがないんですが、もう北海道、全国土の二二%、どこもここもすばらしい風光明媚なところ、あるいは温泉、そういった観光資源を含めてすばらしい地域資源がたくさんあるというふうに私は認識をいたしております。
 そして、何よりも北海道には五百六十万のすばらしい人たちがいるというふうに思っておりまして、私は、ですから、現下の厳しい状況にはあるものの、今を何とか耐えしのいで頑張って頑張って生き抜いていけば、その先には必ずや全道各地に賦存しておりますすばらしい地域資源をうまく守り立てる形で道民の方々と共同しながら、日本一の北海道をつくっていくことができるんではないかと、このように思って日々頑張っているところでございます。
 よろしいでしょうか、そんなので。済みません。ありがとうございます。
○白浜一良君 まあ現職の知事ですからね、いろいろおありでしょうけれども。
 せっかく、この法律は、いろいろ御指摘があるように、そんな期待するような、大きく期待するような法律じゃないと思いますけれども、これから努力されて、この法律の趣旨が生かされるように、私の言いたかったのは、札幌だけじゃなしに北海道の各地域がよかったと言えるような、これはこれからの行政の責任ですから、しっかり取り組んでもらいたいという意味でお考えを伺ったということでございます。
 それから、東原参考人、今日は御苦労さまでございます。お伺いしていたら、民間のお立場でいろんなスポーツ事業とか社会福祉事業に御努力いただいているということで、敬意を表したいと思います。
 それで、何回も強調されていますけれども、第二期の屯田兵の時期だと、こうおっしゃっているし、意識が変わらないといけないと、こう何回もおっしゃっているんですけれども、多分そうだろうと思うんです。それを意識を覚せい化するというか、開発するための、そのためにはこういうことをやらなあかんというような、何かもしアイデアとかあればちょっとお教えいただきたいと思いますけれども。
○参考人(東原俊郎君) 意識を変えるというのはなかなか無理であって、例えば私どもの業でいいますと、とても誇れる職員がたくさんいたという状態ではありませんでした。そんな連中が意識が変わったというのは、いわゆる児童養護施設であるだとか老人のお世話をする、それの喜び、またその喜びを見た私がヒントを得たということでありまして、例えば北海道活性化ということであれば、いろいろ難しい話もされていて私にはちょっと理解できかねる部分もあったんで、決して反対ということじゃないですけれども、例えば、もう少し貧しくなったら本当に屯田兵としてのDNAがまたよみがえってくるのかなと。だから、もう少し悪くなった方がいいのかなというのは、これは極めて乱暴でありますけれども、そんな気もします。
 例えば、先ほどどちらかの先生がおっしゃっておりましたけれども、広域化ということによって、そこでいわゆる助産施設であるだとか何か老人ばかりの町になってしまうということを言っていましたけれども、これはしようがないと思うんですよ。こういう少子化という中で、広域化、広域化ということでいうと、私どもの経済人からすると、入るを量って出るを制すということが必ず基本にあるわけであって、入らないものを出ることばかり考えてちゃこれ駄目なので、したがって、入るを量って出るを制すというふうになれば、かなり乱暴な話ではありますけれども、意識を変えるというのは、小さい子でいえば、例えば、私も保育園やっているって先ほど申し上げましたけれども、子供に、湯飲み茶わんて最近ないですけれども、あっちっちって教えるのは熱いということを教えなきゃ分からないんですね。あっちっちと言っても、触ったら熱いということは分かるんですよ。そういうものが必要かというのは、そういうものが必要であって、余り望みたくはない、望みたくはないけれども危機感を一度持つということが必要であるというふうに考えますし、うちの会社、いわゆるグループでいうと、決して社会的に地位高くない連中であったけれども、喜びというのを身をもって私に呈してくれた、それが私はばねになっているというようなものが官と民の中にあれば、それはそんなに難しくないと思う。
 そんな中で、法案というのは簡素化ということと、更に申し上げると、官はいわゆる予算ということで、民というのは予算をつくらなきゃならないんですね。そういうことをお互いが認識するということ、官だから民だからというんじゃなくて、よくあちこちで講演しているとき言ってるんですけれども、官の立場にしたって七〇%ぐらい仕事やればまあまあいいじゃないかと、一〇〇%を装おうとするから無理があるんであって、その分を民間がお手伝いするというようなことでなければ官民一体、官民一体と言っていますけれども、官民一体で結構仲よくやったら癒着だって言われたんですね、私。どこまでが官民一体であるのか、その辺のあいまいさというのがあるうちはなかなか良くならない。何かの刺激があればというふうに、ちょっと余計なことまで言いましたけれども、そんな感じです。
○白浜一良君 今後とも、北海道の発展のために御努力いただきたいと思います。
 ちょっと横山先生済みません、山口先生に先に伺いたいんですが。
 いろいろおっしゃっていることはごもっともな話、ごもっともな話なんですが、打開ができません。問題の指摘と同時に、どこから突破口を開いていくかということ、これが大事でございまして、まあ医療の話を具体的におっしゃいましたけれども、中央の官僚の実態というのをよく御存じですからおっしゃっているんでしょうけれども、私も知っているつもりでございます。しかし、これ北海道が成功しなかったら今後道州制というのは考えられません。これ道筋付けるということの特区ですから。そういう面で安倍総理が最初の所信表明で道州制に触れていらっしゃるということで、そういう意味で私たちはしっかり育てていかなあかんという趣旨でこの法律を認めているわけでございますから。そういう面で、どうでしょう、どういう具体的なところから突破していけばいいか、先生、お考えあれば伺いたいと思います。
○参考人(山口二郎君) 道州制というその言葉の意味、イメージについて私はちょっと混乱があるのじゃないかという懸念を持っておりまして、つまり地方自治として、分権改革として道州制を導入するのか、それとも国のブロック別の支分部局を統合して、ある種上からの行政再編としての道州制というものを考えるのか、それによって道州制の中身は百八十度異なったものになるわけでありまして、私は今回の特区法案を拝見しても、これが自治の拡大につながるものかどうかということについてはよく分かりません。
 先生の御質問にお答えすれば、やはりあるべき道州制というのは私は分権の、その拡大としての道州制の導入だというふうに考えておりまして、だとすれば、やはり地方からの提案というものがこれからできるということですから、北海道の行政あるいは議会、更には様々なところから具体的にやっぱりこの法律のここの部分を北海道へ移してほしいというような、ちゃんとしたリストを作っていくということが取っ掛かりになっていくんじゃないかというふうに思いますし、これからいろんなレベルの国政、地方の選挙の中でもそういった具体的な分権のリスト、改革のリストをきちんといわゆるマニフェストなんかに出して民意というものをそこに集約していくということが大事だろうというふうに思います。
○白浜一良君 午前中の質疑で、スコットランド余り参考例にならないという意見を私が申し上げたんですけれども。というのは、日本は北海道と沖縄は別なんですけれども、あとはもうそういう、イギリスのウェールズとかスコットランドというのも連邦制という意味じゃないですけれども、そういう連邦制に余り日本はふさわしくないというようなちょっと議論をいたしましたんで、時間がないのでそれは割愛いたしますが。
 最後に、横山先生、小さく産んで大きく育てると。大きく育てるということが今後努力が大事だとおっしゃいまして、その例示として経済界とか道民の議論が大事だというふうなお話しされましたけれども、そういう大きく育てていくという、努力していくという面でのポイントは何でしょう。
○参考人(横山純一君) まず、その問題なんですけれども、経済界だとか市町村などとの議論が非常に大切だということを言ったわけですね、大きく育てるためには。具体的に、今ちょっと経済界の人たちと勉強会いろいろやっているわけですけれども、経済界として、つまり道庁の一部の担当部署がいろんな、もうともかくものを上げてくるというやり方ももちろん必要かもしれませんけれども、やっぱり経済界としたら、規制緩和、一杯項目は上がりましたよ、だけどその中で本当に経済界としては何が必要なのかと。それから、場合によっては規制緩和の逆の規制もあるかもしれないですね。そういうものを経済界として、今本当に自分たちが仕事をしている中で一番感じているものは何なのかと、そういうものを重点的に出してほしいということを今経済界の人たちと勉強会をやっている中で言っているわけです、私は。
 それから、市町村もそうなんですよ。一体、事務権限移譲でどういうものが本当に市町村にとって必要なのか。まあこれ今、道とのやり取りあると思いますけれども。そういうのを本当に積極的に出していく。そうすると、やっぱりそれは大きく育てるというのは相当時間が掛かることなんですよ。その中でしっかりとしたものを出していくということになってくると思うんですね。それが本当に今大事だと思います。
 それから、先ほど言った札幌一極集中のこと心配されていましたけれども、本当に今人口の三分の一が札幌、札幌圏域まで入れたら二分の一近くなります。ですから、そういう面でいうと、今経済界の人たちと議論している中で、やはり経済自立のシナリオを描いていかなくちゃいけない。そのときにそれはもう札幌一極集中ではない道をやっていくのであれば、これ各圏域ごとの発展をどういうふうに考えていくかと。それは例えば苫小牧市と千歳のあるような地域でやれば、これは企業誘致するわけですよ。アイシン何とか電機も来ましたよね、アイシン精機ですか、そういう大きいところも来ました。しかし、宗谷圏域だとか檜山圏域だったらば、これ企業誘致一生懸命努力してもなかなか来ないわけですよね。そして一次産業、そしてそれと結び付ける一・五次産業、どういうふうにしていくか。そういうところだと結構農政なんかと、実は道の補助金なんかも必要になってくるわけですよね。
 そういうそれぞれの圏域ごとのやっぱり具体的な発展展望をその地域にいる商工会議所の人たちが中心になって考えていかなくちゃいけないと。そんなことも含めて、やっぱり経済界とか市町村との議論が必要だと言ったのはそういうことなんです、大きく育てるためには。
 以上です。よろしいでしょうか。
○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございますけど、今日は四人の皆さん、いろいろとありがとうございました、どうも。
 私、一点だけお聞きしたいと思うんですが、さっき横山先生がおっしゃったように、こうやってみても実際にはほかの地方と比べてみたときによく北海道の負担は非常に小さいということも言われたわけでございますけれども、交付金にしても何にしても。それこそそういう状況で、国も北海道を何とかしたいということでこれまでも北海道開発庁なんかつくってやってきたわけですよね。ここで今度北海道だけ特区の特例だと、特区だということでやるんですけれども、これも地方分権の問題なんですね、考えてみたら。地方分権の特区でやれば楽なものをわざわざ道州制の特区だなんということでやるわけですから非常に荷は重いわけですけれども、しかし皆さん方、北海道の皆さん方はこれを喜んでやるんだと言っておられるけれども、果たしてどうなんだろうかと思うんですね。地域ごとにずっと経済情勢調べてみても北海道が一番悪いわけですよね。そういうところをモデルに選んでやろうということは本当に道州制のためにいいのかということを疑問に思うんですけれども、皆さんは是非とも物にしたいと、小さく産んで大きく育てるんだという御意見もありましたけれども、とにかく何とかしたいという思いでございますけれども、これに対する思いを四人の方からお聞きしたいと思います。
○委員長(藤原正司君) 四人の方にそれぞれお聞きするんでしょうか。
○亀井郁夫君 はい。
○参考人(高橋はるみ君) 今の委員の御質問の御趣旨は、経済が最も厳しい北海道が道州制特区の一番手となることは問題ではないか、それについての意見いかんと、そんなようなことでよろしいんでしょうか──はい、分かりました。
 確かに、先ほども申し上げましたとおり、北海道の経済状況というのは全国との比較において、まあ改善の方向にはございますが、全国との比較においては厳しい状況にあるというふうに認識をいたしております。でも、私どもというか、少なくとも私自身は道州制になればすべてのことがバラ色、北海道がバラ色になるというふうには、申し訳ございません、法案を御審議いただいている場で申し上げることとしては不適切かもしれませんが、思ってはおりません。これは私ども道としていろんな政策を進めていく上での一つのツール、先ほども申しました、ではないかというふうに考えているところでございます。
 すなわち、例えば食なり観光なり、そういった北海道が他地域との比較において優位性のある分野を更に高めていくためにいろんな政策手段というのが必要になってくるわけでございまして、当然、予算措置も必要になるでしょう。そういった分野で、国の既存予算を活用させていただく、あるいは道のなけなしの財政の中から財源を捻出する、そういったことも手段になりますし、また加えて、今回法案を法律としていただければ、この法律に基づく第二弾、第三弾の権限移譲等の提案を私どもから出させていただくことによって、これを私どもが地域として目指す政策の分野の方向性を実現するための予算等と並ぶツールとして活用していきたいというのが私の思いでございますので、あえて申し上げれば、御質問に対してお答えするとすれば、経済の厳しい北海道だからこそ、この道州制特区推進法というツールを使って北海道の更なる活性化を目指していきたいというのが知事としての私の思いでございます。
○参考人(東原俊郎君) 質問の趣旨とちょっと答え違うかもしれませんけれども、広域化ということが必要であるとか、それから老人が多いということであったり、今一つの破綻自治体がありますけれども、第二、第三、第四というのもうわさをされております。これは時の流れでしようがないと取られればそれはしようがないことであって、例えば漁業に携わる人、また農業に携わっている人ということの例え話も、三人の先生からありましたとおり、そうなると当然、食料基地である北海道がだんだん疲弊していくということであれば、中央にも当然それなりの何といいますか、損害といいましょうか、そういうものもあると思うんですね。
 特に北海道の、私、先ほど屯田兵ということで申し上げましたけれども、言葉は悪いですけれども、やはり植民地の労働者というものになっている者が少なくはなくあって、いわゆるこれは各自治体で講演するときに言うんですけれども、ある地方に行けば、農産物が取れ過ぎて豊作と、したがってそれで値崩れをしていると、それを畑に捨てて廃棄していると。それから、魚を取った、北海道の場合、大体、大漁してくると奥さんに一杯付けてもらうというのが、奥さんから付けてもらうのがうれしくてうれしくて、大漁大漁というのがあるんですけれども、大漁し過ぎてやっぱり値崩れを起こしているというようなことというのは、もう今の時代を考えるとずれというものがあるのかなというようなことで、これを何とかとどめるということよりも、流れに沿ってやっていくということであって、広域化することを反対するわけでもない、もちろん反対しません。
 それから各自治体が多いと。私、二百十二自治体というふうに言われたのが三年ぐらい前で、道庁の主催でも私、各役所の地域開発担当者ですかね、それで講演したことありますけれども、今多分百九十幾つかになったということを考えれば、例えば百九十が百八十になっても百五十になっても、その自治体でやれることをやればいいのであって、今百九十何自治体があると、だから助けようというのはおかしい。先ほどから申し上げているように、入るを量って出るを制すということであれば、これだけの自治体があるから必ずこれだけ、今もこれは議論されているようでありますけれども、十四支庁があるから必ず十四支庁ということであると、十四支庁が本当に必要なのかなということ。これ反対しているわけじゃないですから。そういうようなことであって、いつまでもその形にということじゃなくて、その時代の流れということを考えながらやっていけば、時の政府の中でいかに生きていくかなんという乱暴な言い方もしましたけれども、そこに至ると思います。
 さらに、生きがいをどういうふうにしたら持つんだというような御質問でもあったかと思いますけれども、できれば、生きがいを見いだせるような法案を先生の方でお考えいただいて、難しい言葉で表現するんじゃなくて、こういうことをやったらどうだというような提案をしながら話を聞いていただければ、言ってみれば植民地の労働者というものがというふうに言われているものが資本家をも生むと。
 例えば、大体おおよそ日本の原材料の、知事さんが先ほどから全体の二二%、日本国土の中で、その中で原材料がおおよそその程度できています。二〇%、二五%。製品にする能力が〇・九%というふうに私、聞いておりまして、いかに資本家がいないかということなんですね。やはり労働者の集まりというようなことでいつまでも甘んじていて、ちょうだいするということだけであれば、ここに発展であるだとか活性化であるだとか進展というのは余り望めないなと。
 是非この法案、成立に向けて、先生の、生きがいを提供していただけるような、文章で作る法案じゃなくて、ハートの法案というのを作っていただければということをお願いしたいと思います。
 終わります。
○参考人(横山純一君) 亀井委員の御質問に対してお答えしたいんですが、まず最初に、道州制特区というのは、私自身は、地方分権の取組を段階的に実績を積みながらやっていくということだと思うんですね。そしてそれが本格的な道州制につながっていくんじゃないかということで、段階的に実績を積むというところが非常に大事で、それは正に、道のいろんな、あるいは国の出先機関もそうかもしれませんけれども、そういった政策論というものがそこに非常にかかわってくるということで、段階的にやるというところでそれはいろんな形でやっていけるんじゃないかと思うんです。それで、そのとき、なかなか道が厳しい中でなぜそんな特区をということなんですけれども、そういう面でいうと、段階的にやるということと、道のいろんな政策論の中でやっていけるということでそこはクリアするんじゃないかと。
 それからもう一つは、心配していたのは、私は前知事の堀知事のときに道州制検討懇話会の座長をさせていただいて、そのときはもう分権の議論でやってきたわけですよね。今回の特区というのは、分権も入るんですけれども、行政改革にシフトしている面が非常に強いと思うんですね。特に私は三けた国道がそうだというふうに思っているんですけれども、の移譲の問題などはそういう色彩が非常に強かったと思うんですよ。ですから、余り行政改革にシフトされると北海道にとっては非常に困ったことになるんじゃないかというのがございましたから、そういうことも含めて小さくということがあったんです。ですから、大きいというけれども、わくわくというけれども、わくわくどころかかえって行政改革で北海道経済縮こまっちゃうんじゃないかというのを逆に私は心配していたんですね。
 ただ、じゃ、やらないでいいかというと、そうじゃないんですよ。やっぱり、小さくても産むことが必要なんです。それはなぜかと言えば、やっぱり先ほど知事がおっしゃったように、地方からの提案ですよね。そういったことはいろんな形でできます。そういう仕組みができるわけです。それは将来の可能性につながります。そういう意味で評価をしているわけです。
 ですから、亀井先生のおっしゃる心配な面ももちろんございますけれども、そういう点で推進をしたいというふうに考えているわけでございます。
○参考人(山口二郎君) 私も、亀井先生の御心配はある部分共有しておりまして、この道州制特区というものが突破口になって、むしろ北海道に対してどんどんリストラをしてくる、北海道開発局の体制を変えて全体として国の予算の流れをどんどん絞っていくというようなことを大変心配をしておるところであります。
 しかし、そうは申しましても、やはりいつまでも中央依存で、北海道はつらい、大変だということだけ言う時代でもありませんので、逆境を乗り越えていく上でも、新しい権限を獲得して独自の政策をつくっていくという気概がこれから必要だと思いますし、道州制特区というものがその気概を持つきっかけとして活用していかなきゃいけないというふうに思っております。
 もう一つ、ほかの地域に対する波及効果ということで、私、全国一斉に道州制は無理だということを先ほど申しましたが、北海道でいろんな実験をしてみて、道州制というのはいいものだというふうにほかの地域の人が思ってくれれば、そこから本当の下からの道州制というものが広がってくるということもあり得ます。
 要するに、中央集権体制でどこも一律に縛られて当たり前というような既成観念を打破していく、そして住民本位の低コストの地域経営と、より優しい政策というものを実現していくという意味で、私は、取りあえずこの道州制特区というものは、やっぱり北海道が最大限活用をしていくべきだというふうに思います。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 道州制ビジョンそのものもできていない状況で道州制特区ということですから、なかなかお困りだと思いますけれども、しかし北海道の皆さん方、これを機会に是非やっていくんだと、小さく産んで大きく育てて、そしてほかの地域も倣ってくるようにやるんだというふうな意気込みですから、是非とも皆さん頑張ってほしいと思います。
 これをもって終わります。
○委員長(藤原正司君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会します。
   午後三時一分散会