第165回国会 厚生労働委員会 第5号
平成十八年十一月三十日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
     南野知惠子君     荻原 健司君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                櫻井  充君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                荻原 健司君
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                足立 信也君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本 孝史君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
       厚生労働副大臣  武見 敬三君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       菅原 一秀君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       山浦 耕志君
       内閣官房内閣参
       事官       伊奈川秀和君
       警察庁警備局長  米村 敏朗君
       法務大臣官房訟
       務総括審議官   大竹たかし君
       外務大臣官房参
       事官       辻   優君
       文部科学大臣官
       房審議官     辰野 裕一君
       厚生労働大臣官
       房技術総括審議
       官        西山 正徳君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省健康
       局長       外口  崇君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高橋 直人君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に
 関する法律等の一部を改正する法律案(第百六
 十四回国会内閣提出、第百六十五回国会衆議院
 送付)
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○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長外口崇君外十二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(鶴保庸介君) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 おはようございます。大臣、今日もまた一日長い時間と思いますが、よろしくお願いいたします。
 この法案につきましては、一昨日、既に審議が進んでおりまして、できるだけ私、重ならないようにしたいというふうには努力したいと思いますけれども、重要なことについてはまた重ねてお尋ねすることもあると思いますので、お許しいただきたいと存じます。
 まず最初に、この法案でございますけれども、アメリカで炭疽菌のテロが起こりまして、いつ自分のところに封筒で炭疽菌が送られてくるか分からないというようなことをみんな実感する大変な事件だったというふうに思います。
 ところで、日本で一体そういうものがどこにあるんだろうか、だれが持っているんだろうか、だれか持っているんだろうか、全く分からない状況だったわけですね。そして、今も研究者が自由に使えるような状況になっていると。これはやはりおかしいのではないかということで、今度この法律では、生物テロに使用されるおそれのある病原体等の管理についてきちんと法的な根拠を持ちましょうということでございますので、これはもう早く成立させていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 この法案の施行に伴いまして、国内における病原体の管理体制がスタートするわけでございますけれども、まあ法律ができますれば一刻も早くこういうふうに整備してほしいなという思いがあるわけでございますが。しかし、例えば厚生労働省が厚生労働省関係の施設等を対象に調査したものを見ましても、相当な数の施設、そして相当な数の対象があるわけでございまして、これ、恐らくまだ文部科学省あるいは防衛庁、農水省と、あるいは県だとか市だとか、いろんなところにこういうものにかかわっている方々がいるのではないかというふうに思うんですね。これを、この法律が通りまして、初めにこの実態を調査するということになろうかと思うのですけれども、どのようにしてこの実態をつかんで、そして漏れなくこの法案の趣旨を徹底させるのかということが心配なんですけど、まずその方法についてお伺いします。
○政府参考人(外口崇君) 改正法案によります病原体等の管理規制は、御指摘のとおり、厚生労働省のみならず文部科学省や農林水産省等の所管の機関も対象になります。
 今回の管理規制における施設の基準、病原体等の取扱基準等の具体的内容につきましては、改正法の施行に備え検討を行っておりますが、その検討内容については、関係各省庁を始め関係各学会等にお伝えし、また意見をお聞きしているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、引き続き他省庁所管の機関も含め、研究機関や研究者等に対して、この規制の周知を図り、病原体等の安全管理に関する意識を高めていただくとともに、施行後には適切な管理体制が取られるよう、よく関係者の御意見も把握しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○清水嘉与子君 実際に対象がどのくらいあって、実態調査が始まりまして、それでその後、今の保管の基準を、かなり厳しめのものができているわけでございまして、そこに合っているのかどうかと、これがまた問題ではないかというふうに思うんですね。
 まあ、一般常識から考えれば、研究者の方々がかなりきちんと管理しているかなという気もする一方、大学等において本当にそんなにきちんと管理されているのかなという気もしないでもないわけでございまして、この基準に当てはまっているかどうか、このチェックというのも結構大変だと思うんですよね。そこまで含めて、一体この法の趣旨がいつごろまでに、つまり日本ではきちんと管理していますよと言えるのはいつごろまでになるのでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 病原体等の管理に関しましては、御指摘のように、これは日本ではほかの国に比べて後れておりましたので、できるだけ早くその体制を立ち上げたいと思っております。
 ただ、一方で、既存施設の研究を阻害してはいけないという面もこれもありますので、その辺のバランスを取りながら進めていくわけでございますけれども、具体的には、その施行時点で病原体等を所持している施設が施設の基準を満たさない場合に、このときに一定期間の経過措置がやはりある程度必要であろうと考えております。それがないと、例えば二種の病原体を所持している施設について、その施行時点で直接違反になってしまうということが起きますので、それについては猶予期間を設けますし、それから、ほかの種につきましても、一定期間の経過措置を設けて、この法律の精神である病原体等の管理についてはしっかりやっていただく。でありますけれども、直ちに施設が基準違反として違法状態にならないよう、配慮することとしております。それで、経過措置期間後において病原体等を所持している施設が施設基準を満たさないと認められた際には、この当該施設の修理又は改造等の必要な措置を命ずることができるわけでございます。
 いずれにしても、病原体等の適切な管理及びこれを通じた感染症の発生、蔓延の防止というのが大事でございますので、今後、関係者に対しまして、これもできるだけ早く施設基準を含む今回の規制内容についてまず十分な周知を図って、それで、一定の経過措置後にできるだけ早く御指摘のような病原体の管理の体制が立ち上がるようにしていきたいと考えております。
○清水嘉与子君 前回も、やはり現場の混乱を招かないようにということが大分御指摘もございました。確かに、今局長おっしゃるような配慮、必要なことだと思いますけれども、しかし事が事でございます。今まで自由にそういうことが取り扱われていたのに、何か規制が掛かって大変なことになるというような現場の声もあるかもしれませんけれども、やはり危険な病原微生物を使っているということの緊張もやはり高めていただいて、しっかりとできるだけ早く、なかなか今、時期がいつというのはなかなか言えないと思いますけれども、実施に移していただきたいということをお願いをしておきます。
 次に、感染症対策に関しての国際的な取組について少しお伺いをしたいと存じます。
 先週でしたか、韓国で強毒性の鳥インフルエンザが発生したと、六千羽の相次いで死んだというような報告がございました。日本政府は、既に韓国からの鳥肉の輸入はもう禁止したということが報じられております。
 こういうふうに、今問題になっておりますようなインフルエンザのようなものが出てきたときに、一体この情報が国に、日本に、あるいはWHOに伝えられるような仕組みというのがもう既にできているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 例えば、新型インフルエンザが国外で発生した場合でございますけれども、その情報は可能な限り早期に正確に入手することが必要だと思います。新型インフルエンザ対策におきましては、関係省庁による対策会議を設置して、平成十七年十一月に新型インフルエンザ行動計画を策定し、政府一丸となって進めているところでありますが、この計画におきましても、発生情報の収集についてはWHO等の国際機関や発生国から発信される情報を収集し、関係者間で共有することとされております。
 厚生労働省においては、この計画に基づき、WHOから加盟国政府への連絡による情報、WHOが国立感染症研究所等、各国の研究機関と構築しているネットワーク、これはグローバル感染症警報・対応ネットワークというものがございますけれども、そこからの情報、また発生国政府が公表する情報、そして外務省を通じての在外公館からの情報、これらに加えて、さらに専門家が有する国際的なネットワーク、こういうものも機能しておりますので、そういった専門家のネットワークからの情報も加えて、新型インフルエンザ発生時の情報入手を迅速に行う体制を構築しているところであります。
○清水嘉与子君 そういうふうなネットワークが既に張られていて、かなり機能しているというふうなお話でございましたので安心をしたわけでございます。
 いつ、韓国だけにとどまらず、パンデミックと言われるような状態になるかというのが本当に分からない状況に今なっているわけでございますので、是非、当事国もそうですし、WHOとの連携等について強化をしていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 仮にそういう事態になって当該国あるいはWHOから日本に援助要請が来たと、もうそういうこともあったのかもしれませんけれども、そういった場合に、日本がその援助に行ける体制というのが一体どのくらいできているのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 新型インフルエンザや新興・再興感染症は国境を越えた世界規模での感染拡大が懸念されておりまして、特にアジア諸国等との情報交換、そして専門家の派遣受入れ等の国際協力を積極的に推進することが、これは国際的に役に立つということに加えて、我が国の国民をこうした感染症から守る上でも重要であると思っております。
 特に、国外で発生した感染症により我が国の国民の脅威となる事態が発生した際には、発生国において対策が迅速かつ確実に行われることが重要であります。発生国からの要請があれば我が国から専門家を派遣し、発生国における対策に協力するとともに、その当該専門家を通じてのリアルタイムの情報を入手することが我が国における対策上も極めて有意義であると考えております。
 我が国におきましては、国立感染症研究所がこれまでも感染症対策の中核的な役割を担い、国内の対策に加え、国際協力の分野でも実績を有しているところであり、この研究所の専門家が中心となって国際的な対応も行っているところであります。今までもH5N1に関しましても、ベトナムやインドネシアに派遣して協力してきた実績がございます。
○清水嘉与子君 鳥が媒介して広がってきた鳥インフルエンザ、二〇〇三年末から東アジア諸国に発生して、今日まで四十八か国の流行があるというふうに言われております。人への感染例、これも二百五例確認され、百十三例死亡というすごい状況になっているわけでございます。
 一月にトルコで鳥インフルエンザが発生しましたときに、WHOのメディカルオフィサー、進藤奈邦子さんという方がそこに駆け付けて大変大活躍をしたというのがちょうどNHKの「プロフェッショナル」という番組で報道されまして、大変感銘を受けたんですけれども、ちょうどこの夏に私、WHOに行くチャンスがございまして、進藤さんに直接お話を伺うことができました。もうそのすさまじい体験、本当に自分だってどうなるか分からない中に本当に駆け付けていってそういうことをやっていらっしゃるわけですよね。こうした優秀な人材を日本が派遣して、そして彼女がもうWHOの中でもかなり、何というんでしょうか、高い尊敬を受けているなという感じが本当にしたんですけれども、それを見ていてすばらしいなというふうに思いました。
 進藤さん自身、世界の感染症対策の中で日本が果たしている役割、非常に高く評価しておられて、非常に安心して、彼女自身も国立感染症研究所にいた方ですよね。そこから出ているわけですけれども、非常にそういうことを高く評価しておりましたけれども、やはりさらに東南アジアでの日本の役割といいましょうか、それをもっと高めていく必要があるんじゃないかと、私も本当にそういうふうに思うんですね。やはりそういう分野で日本が貢献できるという分野はすごくたくさんあると思いますし、国際機関で活躍する日本人をもっと増やそうというのはもうどこの分野でも言われていることなんですけれども、特にこの分野で私は大きく貢献できる分野かなと思っているんですが、なかなか今はそれほど高いポジションの方がWHOの本部ですね、おられない。まあ局長さんの件については、尾身先生については今回本当に残念だったんですけれども、しかるべくその後をやはりつくっていかなきゃいけないんだと思うんですが、そういう人材づくり、これは非常に大事なことだと思いますので、確かにODAを拠出金増やしてということもあるかもしれませんけれども、人の、日本の持てる科学的知識あるいは人材ということで貢献することは非常に大きな役割だというふうに思うんですね。
 大臣に是非この辺について、人材育てることも大変かもしれませんけれども、やはり東南アジアの中で、例えばアメリカのCDCみたいなわけにいきませんけれども、日本に来て勉強して、そして自国の安全を守るというような人たちが一杯出てきてもいい、そういう役割が日本で果たせるんじゃないかと思うんですが、その辺についてお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) たまたま今先生の御質疑の中のお話で、WHOの進藤奈邦子さんのお話がございまして、私も何かその番組を見たような記憶がございます。まあ、この職におりませんでしたのでついうかつに見た面もありますけれども、彼女が息子さんに、自分はいつ何どきどうなるか分からないというようなことを、一々外に出るときにそういったことをしっかり子供に伝えながら、もう本当に真剣な姿勢でもってこうした国際的な活躍をしていただいているという姿を見まして、私も大変、こういう立派な方もいらっしゃるんだということで感銘を受けて拝見いたしました。
 さて、そういうような、同じような、進藤さんのような方を輩出、もっとすべきだと、こういうお話をいただいたわけでございますけれども、まず第一に、国際機関そのもの、例えばWHOで働く邦人職員というようなものについてまず充実をする必要があるという感は、先生と私、全く同じ考え方を持っております。
 今現在がどうかといいますと、まあ大変りょうりょうたる状況でございまして、四十一名の邦人職員がWHOに働いておるということでございますが、我が国の拠出金その他の比率からいえば、これはもう三倍も四倍もこれよりも多数の方が働いてしかるべきだという状況にあるということがまず言えるわけでございます。
 このことにつきましては、私、最近、このWHOではありませんけれども、国連全体の状況を見ておりましても、非常に語学のできる日本人、若い日本人が、もう日本の就職というようなことをスキップして直接国連の書記官に堂々と就職をして働いているというような傾向が見られる。特に女性において優秀な人がそういった形で働いていらっしゃるというのを見まして、これは、いずれ今言ったような二倍、四倍というような倍増あるいは倍々増というようなことも可能になってくるんではないかと思います。
 もう一つ先生の御指摘された点で、留学生をしっかり受け止めて、専門家として育ててそれぞれの国内で働いてもらう、これも非常に大事な人材供給のやり方だと思うわけでございます。
 これは文科省の、取りあえずは文科省の国家の奨励金、そういったことが支給されておりまして、各国大使館でそういったものの選考にも当たっているわけですけれども、そうした選考において、今言ったような感染症の専門家というようなものに配意してもらうというようなことも必要かなということを考えまして、機会があればそういったことについて文科省あるいは外務省に注意を喚起して、是非そうした形の人材育成が図られることを通じて日本が国際貢献できる、こういったことについても充実を図っていかなければならない、こんなふうに思いました。
○清水嘉与子君 是非よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 次に、院内感染の問題について少しお伺いしたいと存じます。
 病院に入って、実際に自分が問題にしていた病気は治った、しかし病院の中で新たな感染症にかかって、時には命を落とすというような、本来あってはならないようなことが起きております。最近報道された例をちょっとこう挙げてみましても、例えば都立老人医療センターで患者五人が多剤耐性緑膿菌に感染して一人死亡、自治医大大学の病院で患者八人がセレウス菌に感染して二人が死亡、一人失明、長崎大学病院で患者、医師二十三人ノロウイルスに感染しました。東京医大の病院で患者五名が多剤耐性緑膿菌で感染して四人死亡、大阪の坂本病院分院で患者、職員二十名ノロウイルス感染、患者一人死亡、一人重体と、こう並べるとまだまだあるんですね。
 現在、任意の医療機関で院内感染対策サーベイランス事業というのをやって、恐らく厚生労働省の指導でやっていらっしゃるんだと思いますけれども、それを見てみますと、そういう参加した病院の中での院内感染に関する情報、こう見ますと、ICUだとか手術室あるいはNICUでも院内感染の事例がやっぱり出てきているわけなんですね。
 もとより、今の状況からいって院内感染を完全に防ぐということはもう不可能に近いわけでございますけれども、各病院が感染を減らす努力、あるいは早期発見あるいは感染の経路の解明などにもっと力を注ぐ必要があるんじゃないかというふうに思うわけでございます。さらに、そういった情報について情報公開をして患者からの質問とか相談にこたえる体制ということがやはり同時に必要なんじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 さきの国会で医療関連の法案ずっと審議をしたわけですけど、その中の大きな目標の中には患者の安心、安全の医療を提供するんだということがございました。院内感染の対策の充実、これも大きな問題だと思いますので、この法案にかかわって厚生労働省の取組、院内感染対策に関しての取組についてお伺いしたいと存じます。
○政府参考人(松谷有希雄君) 院内感染の防止、院内感染のコントロールということは極めて大事な取組だというふうに思っております。各医療機関それぞれに取り組んでいらっしゃるわけでございますけれども、政府といたしましても、例えば今回の医療法改正におきましては、医療の安全を確保する規定ということを整備するということから、その一環として院内感染対策につきましてもそれぞれ規定したところでございます。
 具体的には、院内感染につきまして対策の基本的な考え方等を示しました指針を国として策定をいたします。そして、従事者に対する研修をそれぞれ実施をする、そして対策の検討を行う委員会を必ず開催をする、そして感染症の発生動向の情報を共有するための院内報告等に関する責務、これらにつきまして医療機関の管理者にこれらの責務を課することとしてございます。こうした取組を通じて院内感染対策の充実強化というものが図っていかれるのではないかと思っています。
 なお、法改正を待つまでもなく、これまでも院内感染につきましては専門家による検討を院内感染対策中央会議ということで行っておりますし、今先生御指摘ございましたように、全国的な発生動向を把握してホームページで情報提供を互いに融通する院内感染対策のサーベイランス事業も行っているところでございます。
 また、地域における院内感染対策の推進を目的といたしまして、全国八地区で院内感染対策地域支援ネットワーク事業というのも併せて実施しておるところでございまして、医療施設等からの相談を受ける体制として相談窓口の事業、更には院内感染対策の講習会なども行って知識の普及、それから対策の充実を図っているところでございますが、今般の法律改正、来年施行となりますけれども、これで各医療機関での管理者の責務という形で明確に位置付けられましたので、更にこれを進めていきたいと思っております。
○清水嘉与子君 かなり前からこの院内感染の問題は現場では大きな問題になっていたわけでございまして、今、そういう感染症を担当する専門官が、専門の教育が進められております。看護関係におきましても、看護協会、あるいは日赤、あるいは幾つかの病院等で感染症の管理認定看護師というような方、あるいは感染看護専門看護師というようなことで教育が進んでいるところでございます。
 認定看護師については、五年の経験を経て、そして六か月の研修をするというようなことをきちんとやっているわけでございまして、これ、七十万くらいお金が掛かるんだそうでございますけど、みんなそれぞれ自分のキャリアアップのために一生懸命努力をして資格を取っているわけでございます。
 こうした看護師が実際に配置されることによって、どんなに本当に成果が上がるんだろうかということなんですけれども、やはり、感染ルートが早く解明されたり、そしてそれが広がらないようになったり、あるいは新規のMRSAの発生率が落ちたり、あるいはその結果、平均在院日数も縮小する、あるいは抗菌剤の使用量の減少も見られるというようなことで、結局これは医療費の削減にずっとつながっていくわけなんですよね。そういう活躍がもうかなり見られております。
 私は、こうした努力が報われるために、診療報酬上、やはり病院の中でもそういう体制がきちんと行われているところについて見るべきじゃないかと思っていたんですけれども、今年の診療報酬の改定でこの辺の評価がされたというふうに伺っているんですが、その辺、具体的に教えていただきたいと存じます。
○政府参考人(水田邦雄君) 院内感染防止に関します診療報酬上の取組についてでございますけれども、今回の改定前におきましては、こういった対策の実施を促す観点から、院内感染対策委員会の開催等が行われていない場合に入院基本料を減算するという措置を講じてきたところでございますけれども、今回、十八年度の改定におきまして、これらの対策、既に大半の医療機関において実施されているという状況を踏まえまして、これらの対策の実施を入院基本料を算定するための要件に組み込んだところでございます。その上で、今回、改定におきまして、安全対策を一層促進する観点から、お話ありました専任の院内感染管理者の配置等を要件といたします医療安全対策加算を新設したところでございます。
 今後とも、適切な評価に努めていきたいと思っております。
○清水嘉与子君 ありがとうございます。更に多くの病院がこの加算がもらえるような状況になって、そして、結果的にはそれによって医療費の削減が図れるような形になったら大変有り難いというふうに思っております。
 また、患者さんからの、服薬の方法だとかあるいは院内感染に関して相談できる体制というのも、これ本当に必要なことだと思うんですが、この辺についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 院内感染についてそれぞれ専門の方が院内で体制を組んでやっていくと。今お話しの看護師さんもそれぞれキャリアを積んだ方が配置をされるということが大事でございます。
 ただし、感染症はある意味では専門的な分野でございますので、おっしゃるとおり、御指摘のとおり、その相談体制というものも重要だというふうに考えておりまして、先ほど申し上げましたけれども、院内感染対策の相談窓口事業といったようなことを平成六年から実施しておりまして、医療施設等からの相談を受ける体制としているところでございます。
 また、院内感染対策の講習会も開きまして、これは科学的な知見、根拠に基づきまして常に進歩してまいりますし、病原体の方もまた変わってくると。常に新しい知識を得ていく必要がございますので、そういった講習会等も開いて相談の役に立つようにいたしておるところでございます。
○清水嘉与子君 情報公開という一方、その情報公開されることによってまた心配も大きくなるわけでございますので、是非そういう心配に対する、を解明するために相談を是非やっていただきたいと。よろしくお願いを申し上げます。
 それから次に、結核予防法の改正、そして感染症予防法への統合の問題について伺いたいと思います。
 十七年の結核の登録者が六万八千五百八人、次第にこれ減ってきてはおりますけれども、新規の登録者が二万八千三百十九人、このうち四〇%は喀たんの塗抹陽性者というふうに伺っております。そして、先進諸国に比べまして結核の罹患率がずっと高いままに推移している、これはもう一昨日も随分問題になったわけでございます。結核というのはまだ決して過去の病気ではないという意識が改めてするわけでございます。
 そこで、平成十一年に、これ宮下大臣のときに、結核緊急事態宣言というのが出されました。これが出されてからの評価、どういうふうに評価していらっしゃるんでしょうか。何か結核を取り巻く環境は余り変わっていないにもかかわらず、そして、しかも関係者が結核予防法をなくしてしまうことに対して非常に慎重な意見を述べている方々が多い、こういう中で法律をなくして感染症の法律に統合するんだ、一本にするんだということについて、改めて大臣、理由をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 結核につきましては、今清水委員御指摘のとおり、昭和五十年代後半から次第にまあ順調に減少してきたんですけれども、その減少の足取りというものの勢いが鈍りまして、ついに、昨日私ちょっと九八年と申したんですが、これは私の誤りで大変恐縮ですが、九六年にボトムが打たれたんですけれども、その後反転上昇ということで罹患率の上昇が見られる。そういうことで、平成十一年に、今御指摘の宮下大臣当時でございますが、結核非常事態宣言ということがなされたわけでございます。その後、鋭意、厚生労働省におきましてはこの罹患率抑制のための努力を続けているわけでございますけれども、その後、顕著な低下というものが見られないんですが、最近ようやく少し低下の兆しが見え始めたといったところが現況かと思うわけでございます。
 そういう中で、今回私ども、結核予防法というものを廃止しまして、これを感染症法に統合するということを行ったわけでございますけれども、これは元々、こういう特定の感染症の病名を冠した法律というのはとかく差別、偏見の温床になるという御指摘を各方面から実はいただいておりまして、そうした指摘を踏まえて今回、感染症法の改正のこの機会にこれを統合するということをいたしたわけでございます。
 しかし、その中身はと申しますと、結核予防法にございましたいろいろな措置というものをしっかりとこの感染症法の中に盛り込んでおるわけでございます。加えまして、それに人権の尊重という、かねて問題視されておりました、指摘をされておりましたこの手続規定を拡充するということをいたしておるわけでございまして、私どもとしては、これによって結核対策が何か疎漏になるというようなことはゆめ考えておらないわけでございまして、この統合によりまして更に一段と私どもは真剣にこの結核の罹患率の引下げというものを実現すべく努力をしていきたいということでございますので、是非御理解を賜りたいし、また国民の理解もいただきたいと、このように考えておるわけです。
○清水嘉与子君 ありがとうございます。
 今、特に大都市におきます結核の治療率を向上させるためにDOTSというのを、事業が進められて効果上げているというふうに、一昨日も随分これ問題出てきて評価をされておりました。
 私も、この質問をする機会に、そういうことにかかわっています現場の人たちの話を聞いてまいりました。看護師、保健師、本当にこういうのをやっているのかなと思いましたら、本当にやっているんですね。もうすごい勢いでやっていました。実にきめの細かい対応をしていることが分かりました。患者さんが登録されるとすぐに保健師さんが行って、そして病棟に入られたらそこに面接に行き、そして入院中も何回か面接に行き、退院されてからずっと地域のDOTSにつなげていくというようなことをやっているんですね。元々は、これ喀たんの塗沫の陽性の方を対象にしたと思うんですが、今はもう登録者全部にやっているんですね。保健師さんが実際に対象入院患者さんのところに行く率は、九三%の患者さんのところに行っているというふうに伺いましたので、相当みんな保健所が努力してやっているのかなというふうに拝見しております。
 また、病院は病院で、病院の方も看護師さんたちがしっかりとこの方針に従って、最初は、何だよ、子供扱いにしてと怒られた患者さんもいらっしゃるようでございますけど、そういう人だけ外しておくとまた逆に差別になるのでみんな一緒にやっているんだそうで、これは大変みんなに喜ばれているというんでしょうか、もうそれが普通になってしまっている。で、そういう細かいことをやっているおかげで、地域にもずっと広がってうまくいっているんですよね。
 例えば、ホームレスの人の罹患している人を見付けて、そしてその人たち入院させて、そしてずっとDOTSを続け、そのホームレスが毎日毎日保健所に来るようになったなんという事例もありまして、すごいものだなと思って私も感心したところなんですね。正にこれが看護の原点なんですよね。そして、地域クリティカルパスと、もうこの前のとき随分問題になりましたけれども、それの正に実行例なんだと思うんですね。
 今日のあれじゃありませんけれども、これから療養型病床に、療養病床に入っている方々を地域に出ていただくときに、やっぱりこういう優しさを持って進めていただければやっぱり成功例上がるんじゃないかというふうに思いますので、これは是非参考にしていただきたいなというふうに思っているわけでございます。
 ただ、問題はやっぱり費用なんですよね。これ税金でやっている限り、なかなかこれ進まないといいましょうか限界がある。だから、やりたいと思っても、県によっては持ち出しがあるのでできない。どうしてかというと、保健師さんだけではできないので、ボランティアの方を採用したり教育してやってもらうとかいうようなことで、やっぱりお金が掛かっているわけですよね。それが、予算を見てもちっとも広がってこないというようなこともあって、本当に徹底的にやるんだったら、対象も限られているわけだし、ある一定の期間だけやればいいわけ、だけということもないですけど、できるわけですから、しっかりとやっぱりやるべきじゃないか。できれば、これ本当に医療機関の中でもやれというのであれば、将来はやはり診療報酬の面で手当てをするということも考えられるんじゃないかと思うんですよね。
 これは水田局長には通告もしておりませんでしたけれども、将来こういうことも是非お考えいただきたいなと思うのですが、もし御意見があったら答えていただくし、なければもう聞き流しで、どうも聞き流しのようですから、じゃそれは是非お考えいただきたいというふうに思っております。
 そしてまた、外国に比べて、先進諸国に比べてちっとも下がっていかない罹患率、これを改善しない理由として、先回も多剤耐性結核の方が多いことでありますとか、あるいは高齢者が、かつて既往のあった高齢者が再発するというようなことがあったり、それから外国人だとかホームレスだとか、そういうようなことが出されておりました。今、老人ホームに入っている方々が仮に再発しますと、免疫のない若い看護師や介護士がすぐにもう本当に集団発生する、感染する可能性はあるんですよね。
 私、せっかく今この機会に、この機会というのは、つまり結核予防法がなくなって感染症に一体になるというときに、みんなが本当にこれどうなるのかと心配しているときに、もう剛腕大臣の下で、是非こういう結核撲滅の運動のキャンペーンでもつくっていただいて、本当に思い切ってそれをなくすための努力していただけたらいいんじゃないかと思うんですが、大臣、一言御意見を。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど申し上げましたし、また清水委員の既に御質疑の中でも取り上げていただいたわけですが、結核非常事態宣言というものがございまして、これはこれで私ども非常に、やはり言葉からしましても緊迫感を持った、緊急事態宣言、これを既に行ったところでございます。
 こういう緊急事態宣言等を発出するような場合に、これを重ねてまた、まあ少しは言葉を変えるかもしれませんけれども、やることについてはこれはいかがかと。オオカミ少年と言っては少し語弊があるかもしれませんが、やや効果を期待できないようにかえってなってしまうというようなこともあろうかと思います。
 この上は私どもは、地道な取組ということがかえって必要なのではないか。そういう宣言をした以上、それにふさわしい政府側の努力というものもあるなという、そういう努力、それがかえって必要なのではないかと、このように考えているわけでございまして、そういった意味では、予算とか人員の確保というのが何よりも大事なんですが、現今、行政改革という大変な逆風がこのことには吹いておりますので、その中でできるだけ頑張ってまいりたいと、このように考えている次第です。
○清水嘉与子君 宣言をもう一回出してほしいというんじゃなくて、やはり本当にこの事態を変えていただきたいということで、やっぱり予算の面、人の問題、なかなか厳しいということで、厳しいのはもうみんな分かっているんですけれども、しかし、日本がこのままでいいわけはないと思いますので、是非また実効ある政策をしていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 次に、保健所の問題について少しお伺いしたいと存じます。
 結核対策の最前線というのは、今も変わらずやっぱり保健所になっているわけですよね。保健所はかつてもう八百以上を超える保健所の数があったわけでございますけれども、地域保健の広域的なあるいは技術的な専門的拠点として機能を強化するんだというようなことで、対人サービスがどんどん市町村に移ってきました。そして、保健、医療、福祉の連携を図るというような観点から、また二次医療圏を勘案して規模の拡大を図るというようなことで、今は五百三十五、さらにこれからまた統合等あればもっと減っていくんじゃないかというふうに考えられます。
 そこで、今その五百三十五の保健所の中で、保健所長さんが専任でいないところが二十九か所もあるんですよね。この保健所の所長さんの不在というのは、いないというのは前から、ずっと前から問題になっていたわけでございまして、医師の確保が全体難しくなっているんだけれども、この問題について、こんなに大きな仕事をしていながら不在のままで、もう十何年不在なんというところもあるので驚いちゃったんですけれども、もちろん兼任はしていらっしゃるんでしょうけれども、兼任くらいでできる仕事なのかどうかということを考えると、やはり公衆衛生を担当する医師の確保ということにもっと力を入れなきゃいけないんじゃないかと思いますので、そこについて御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 保健所長の兼務している実態でございますけれども、まず、御指摘のように平成十八年九月現在は二十九保健所、これは五百三十五の保健所のうちの五・四%となります。そこが兼務となっております。これは、平成八年七月当時の兼務保健所数七十七保健所、このときは八百四十五保健所がありましたので九・一%になりますけれども、これに比べて改善されてきているとはいえ、やはり保健所というのは充足することが前提でありますし、充足していないとやはり危機管理という面からも課題が多いと思います。
 そういった観点含めまして、私ども、平成十六年に厚生労働省の健康局総務課内に公衆衛生医師確保推進室を設置しまして、公衆衛生医師確保推進登録事業を実施して、地方公共団体における医師確保の環境整備を図ってきているところでございます。
 また、医学生や臨床研修医向けの就職説明会等において、公衆衛生医師活動についての普及啓発活動をしております。今後とも、公衆衛生医師確保の推進強化に努めてまいりたいと考えております。
 また、臨床研修の制度の中でも、かなり保健所に来ていただいている例がございますので、そういったことも通じまして公衆衛生を志す医師を一人でも多く増やそうと、そして保健所の充足率を高めようと努力していきたいと思っております。
○清水嘉与子君 かつての保健所のように医師を引き付けられなくなったという現状はやっぱりあるんだと思いますけれども、それがずっと長い間続いていたものですから、地方分権推進会議からも保健所の所長、医者じゃなくてもいいんじゃないかという指摘がされているわけでございますよね。それで、保健所長は今は、医師で三年以上公衆衛生実務、国立保健医療科学院の専門課程を修了した者というふうになっているわけでございますけれども、この地方分権推進会議からの指摘もございまして、結局、医師と同等以上の公衆衛生行政に必要な専門的知識を有する技術職員、これはいろんな職員がいると思いますけど、それを保健所長にすることができるようにということが決まっているんですよね。決まったんだけれども、だれも今まで一人もこういう人いない。これは実際問題として、できないんですか。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の特例制度でございますけれども、著しく医師をもって保健所の所長に充てることが困難であると認めるときは、これは期間を限ってございますけれども、医師でない技術吏員をもって保健所の所長に充てることができるという特例が十六年から動いております。
 ただ、御指摘のように、まだこの特例制度を活用されておりません。私どもは、先ほど申し上げましたような、公衆衛生医師の確保対策を推進すること、これが基本でございますけれども、この特例制度につきましても、地方公共団体に対しまして、所長の兼任をできる限り解消するんだけども、どうしても困難な場合にはこの特例制度もありますと、活用できますということを引き続き周知を図っていきたいと思います。
○清水嘉与子君 現状、現場が動かないという御発言でございますけれども、このまま、なるたけ多くの適任の所長さんを早く得るように努力をしていただきたいと思いますが、本当に保健所長さんがどういう方が来るかということによって保健所の活躍って違うんですよね、そういう声をたくさん聞いています。だから、本当にやる気のある方、本当に公衆衛生やりたい方にちゃんと来ていただけるように、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、保健師の教育の問題について伺いたいんですけれども、この委員会でも、この数年、介護予防の話でありますとか、在宅ケア推進の問題でありますとか、あるいは生活習慣病対策で保健指導の充実でありますとか、あるいは児童虐待、障害者の自立支援等々等々、何かというと保健師に保健師にという声が随分上がってきました。
 実際にじゃどうなっているかと見ると、ちっとも、保健所も市町村もそれほどもう増えていないんですよね、実際問題として。大体年間に今七百人くらいでしょうかね、保健師として就職している人が。ところが今、この保健師の教育というのは大体看護婦の教育の上に一年なり、まあ法律の上では六か月なんですけど、実際一年くらいの教育でやってきました。ところが、大学が増えてきた。大学が増えてくることによりまして、大学の中に看護の教育と統合して四年間で教育するような仕組みになってきたんですね。今、結果、百四十五の大学ができまして、見てみますと、保健師は八五%は大学のその後一緒にやったカリキュラムの中で卒業してきている。そして、それが一万人くらい近く出てくる。そのうち雇われるのが七百、八百ということで、非常に需給のバランス、需給のバランスというか、でもないんですね、現場で問題が起きている。
 今、看護の教育がもう非常に、三年では足りなくなってきて、いろんな需要、現場の需要に対してこたえられなくなってきたということで、それを長くしてほしいというのをもう大臣もよく御存じだと思います。その上に保健師をつなげているものですから、保健師の教育も実は、土台がぐらぐらしているおかげで保健師の教育もぐらぐらしちゃう。そして、しかもその一万人近くの人に実習をさせなきゃいけないわけですね、保健師の実習。とてもこれ、保健所もどんどん縮小、この中で実習ができないというようなことがありまして、大変苦労しているわけでございます。
 そこで、できれば、大学の中で今助産師はもう選択で、看護と助産師と選択でやっているんですけど、保健師はすべて大学の中で教育をしなきゃいけないような仕組みになっているんですが、これを、できればやっぱり保健師も選択制にして、本当に保健師になりたい人に教育をする、そしてそれにしっかりした実習をする。だって、見学だけではやっぱり困るんですよね。看護の場合には何人かチームで仕事をしますけど、保健師の場合には独りでいろいろ動かなきゃならない。そういうときに、あんまりやっぱり知識のない、実力のない人が出されても非常に困っちゃうわけで、やっぱりきちんと実習もしたい。そうなりますと、本当にそういうふうなことで、カリキュラムの中で、カリキュラムの中でというか、大学の教育の中で保健師についても選択制を認めてほしいという声が現場から上がってきております。ところが文部省がなかなかこれを許可なさらないということを伺っているんですけれども、これはどうしてでございますか。
○政府参考人(辰野裕一君) お答え申し上げます。
 保健師育成のための教育につきましては、在宅療養支援や地域ケアの体制づくりといった国民の幅広いニーズにこたえるため、看護師教育と一体のものとして行うべきとする考え方に基づいておりまして、平成十六年三月に文部科学省の看護学教育の在り方に関する検討会、これは看護職の関係者の方々も含めた有識者会議でございますけれども、四年制大学におきましては、保健師、助産師、看護師に共通した看護学教育の基礎を体系化して教授するということが示されておるわけでございます。で、現在、すべての看護系大学において看護師教育と保健師教育を統合した教育が行われているということでございます。
 これを選択制とした場合どのような課題があるかということでございますけれども、看護師の養成のみを目的とした課程を作るということになってきますと、幅広いニーズに対応する能力を備えた看護実践家を育成するという統合化の目的を達成することができるのかと、また四年制大学としてふさわしい教育内容が担保できるかと、そういうような課題があるのであろうと考えております。
○清水嘉与子君 今おっしゃっているのは、保健師、助産師、看護師の教育の統合ということをおっしゃいました。しかし、現実問題として、もう助産師はとてもとても、看護教育の中で、大学教育の中でできません。実習施設もございません。というようなことで、これは全部専攻になっているんですよね。で、保健師の中でも、実際問題として、保健師になりたくない人たちの、なりたくないって分かりませんけれども、国家試験の合格率なんかもあんまりやっぱり多くない、良くないんですね。そんなこともあって、しっかりと保健師の教育をしたいという要望、大学の方から出てきている。それは決して今の規則から外れるものでも何でもないとは思うんですけれども。
 そして、さらに保健師の教育をどういう形でするかというのもまた次の問題になると思いますけれども。大学の教育の中で看護の教育をしっかりとやる、その中にはもちろん保健師の今学んでいるようなことが入るかもしれませんけれども、保健師のもっとしっかりとした教育をしたいという要望にこたえるために、今すべての人が保健師のカリキュラムまでしなきゃいけないというのはちょっとやっぱりおかしいんじゃないかと思うんで、そこは是非、そういう要望が出てきたら、つまり大学がそういうことで選択したいといったときに、是非それを許可していただきたい。
 そして、これは学生の選択ですから、学生がやっぱり保健師も取りたい、助産師も取りたい、それにはこたえられるような仕組みになるわけですよね。ですので、それは是非、そういう要望が出てきたとき、まあ出てくるかどうか分かりませんけれども、したいということを言っているところもあることは私聞いておりますので、そういう事態になったときに是非それをお受け止めいただきたいと思いますが、いかがですか。もう一回お願いします。
○政府参考人(辰野裕一君) 大学の設置につきましては、大学設置・学校法人審議会におきまして専門的な観点から個別に審査を行い、設置の可否を判断するということになっておるわけでございます。この場合、大学の教育課程に関する基準におきましては保健師教育が選択制になっているか否かについては具体的に記載されているものではございませんけれども、そのような申請が行われた場合におきましては、先ほど申し上げました看護学教育の在り方に関する検討会報告の考え方等も踏まえつつ、専門的な観点からこの審議会で審査を行うということになろうかと思います。
○清水嘉与子君 厚生労働大臣にお願いしたいんですけれども、看護の教育が本当にいろいろ問題が起きてきていることは、もう現実問題そうなんですね。今の仕組みでやっていると本当に看護も保健師も助産師も何かおかしくなっちゃっておりまして、今厚生省ではいろいろ看護の基礎教育の、検討してくだすっていることは分かっておりますけれども、是非この充実のために、今文部省も、ちょっとこれもう私もおかしいと思っているんですけれども、是非その方向を出していただく。将来を見据えた、今のカリキュラム改正というよりも、将来を見据えた検討をしていただきますようにお願いしたいと思いますが、一言コメントをいただいて終わりにしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 看護師、保健師、助産師の教育の体系をどうすべきかという観点でお話がございました。
 看護師、それからまた助産師につきましては、これはもう現在大変な需給の状況にあるという御指摘もいただいておるわけでございますし、また保健師につきましても、今後の需要というか、そういうものを考えますと、これはもう完全に右肩上がりが予想されるわけでございます。そういうようなときに、それぞれの今の看護師、保健師、助産師の皆さんが本当に国民の期待にこたえられるような資質、あるいは教育を受けた形でこれにこたえていただくということのためには、相当いろいろ多角的な検討が必要だということは今の清水委員のいろいろなお話からも私伺ったところでございます。
 したがいまして、現在御指摘のように、看護基礎教育の充実に関する検討会というものが行われておりまして、さしずめ看護師の皆さん方の基礎教育がどうあるべきかということを中心として議論がされているわけでございますけれども、今申したように、現実に保健師の教育は助産師の教育と密接不可分の形で教育が行われているということを考えますと、これらもできれば併せて専門的な見地からの御検討をいただく機会にしていただければと、こう思うわけでございます。
 いずれにしましても、今先生の御指摘、大変私も貴重な御意見として受け止めましたので、今後のいろんな検討の中でできるだけ生かして、それを踏まえての検討が行われるように我々も努めてまいりたいと、このように考えます。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。
 終わります。
○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。
 今日は、まず最初に感染症法そのものの枠組みといいますか、総論的な部分と、それから次に結核について、そして最後に新型インフルエンザ、大体三本立てで行こうと思っています。
 感染症法の審議ですから、内容も、それから単語も非常に難しいと思います。ですが、私、前職から、難しいものを分かりやすくというのをモットーにしてやっておりましたので、できるだけ分かりやすく伝えたいと思いますので、お付き合いのほど、どうかよろしくお願いします。
 まず、現行法のことなんです。感染症のことなんですが、これ現行法では感染症を一類感染症から五類感染症まで、そして指定感染症と新感染症と七種類あるわけですね。そして、その方々、患者さんが入院する、あるいは入院させる医療機関は、一類感染症は特定感染症指定医療機関か第一種感染症指定医療機関、つまり何類感染症と指定しておきながら、その方々が入院する施設は何種感染症指定医療機関となっているわけですね。繰り返しますけど、二類の感染症の方は第二種感染症指定医療機関と、そういうふうになっているわけです、現行はですね。
 そこに今回、生物テロを考えられて、病原体そのものを分類してその対処を決めたと。これがまた、一種、二種、三種、四種になってきたわけですね。ここで、やっぱり感染症は類、その方々が入院するところは種と区切って、また病原体は種と、これが非常に僕は混乱するんじゃないかとやっぱり思うんですね、その名前がですね。
 例えば、二種病原体と二類感染症がたまたま一致するのはコロナウイルスによるSARSだけですね。ほかはみんな違いますね。結核症は御存じのように二類感染症になって、でも結核菌は三種か四種病原体ですね。で、この方々は二種感染症指定医療機関に入院するわけですね。で、急性灰白髄炎、これ二類感染症ですけれども、ポリオですね。ポリオは二類感染症で、ポリオウイルスは四種病原体で、入院するのは二種感染症指定医療機関。
 ちょっとしつこくなるかもしれませんけど、こういうふうに種でやって類で区切られてまた種の病院に入ると、これが非常に僕は混乱を招くと思うんですが、まずその点についていかがでしょう、混乱はないですか。
○政府参考人(外口崇君) 改正前の感染症におきましては、議員御指摘のとおり、感染症の類型については類、感染症指定医療機関については種という表現をしております。また、今回、感染症法に規定する病原体の類型については、これは種という表現を用いているところでございます。その種と類が、種が例えば二回出てくることになって大変分かりにくいんじゃないかという御指摘でございます。
 私どもは、感染症の分類は種と類があると、そのうち感染症自体はこれは類で分類する、そのほかの医療機関と病原体はそれぞれ種で分類するというように説明をしておりますけれども、この規定の内容については、今、関係省庁、関係学会、業界団体等に説明を続けております。
 今のところ一定の理解は得られていると考えておりますけれども、今後更に御指摘のような意見をいただいた場合は、それは丁寧に説明会等を実施するなど、この規定が円滑に施行されるよう努めてまいりたいと考えております。
○足立信也君 混乱あるかもしれないという意味合いだったと思いますね。
 昨日、質問取りのときに話をしたんですが、例えばこれ、行政に関係していられる方あるいは感染症の専門の方は、もうそういう診断が付いてこられるからこれは分かりやすいんですよね。ところが現場は、例えば私ポリオを例に言いますよ。夏風邪みたいな症状で受診しますね。それが、熱が下がるようなころに足や腕がちょっと麻痺してくると。そして、採血したらポリオウイルス抗体価が上がっているから、あっ、ポリオだとなりますね。このポリオウイルスは四種病原体ですよ。あっ、四種病原体かと。この人を第二種感染症指定医療機関に入院させようと思いますかね、現場で。そういうことなんですよ。
 もう専門の医療機関に所属している人、あるいは決まってそこに入院されている方しか見ていない人は分かりやすいですよ。でも、現場は、四種病原体だとなったときに、じゃ、この人を二種感染症指定医療機関に入院させなきゃって思えないと思うんです。少なくとも、うちの党のドクター三人に聞きました。これは分からないよと。実際に見るのは現場ですからね。指定医療機関の人じゃないですから、最初に見るのは。そういう意味なんですね。
 だから、これは、私は混乱はあるかもしれないという話は知っていました。これ、現場で混乱したら、例えば、例えばですよ、これ、今回の法律で、二類から三類感染症になる、赤痢やコレラ、チフスありますね。これ四種病原体ですよ。四種病原体だから、どこに入院させようかと考えたとき四種はどこにも指定がないなと思ったら入院させない、あるいは送らない。これ実際は送らなきゃいけなかったわけですよね、今までは、二類感染症でしたから。
 だから、現場ではまず先に、何類感染症という診断が付く以前に、その病原体が何種かというのが先に来るわけですよ。病原菌が分かる、ウイルスが分かった時点で診断が付くわけですよ。だから、何種病原体というのが先に来るわけですよ。そこで何種、何種と言われていて、じゃ違う種類の名前の付いている指定医療機関に入院させなきゃいけないというふうには思えないと私は思うんです。
 こういう混乱は現場の感覚ではあると思いますし、医師である外口局長、恐らくもう少し理解していただけると思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) まず、恐らく我々説明していく上で大事なことは、感染症に関する規制と、それから病原体に関する規制が違うということをまず現場に知らせていく必要があると思います。
 それで、どの医療機関に入院するかどうかというのは、それは感染症の分類で入院するんであって、病原体の分類というのは、それは病原体の管理の規制なんで、それは病原体そのものの分類というものは、どこへ入院するかということはそれとは別の枠立てだということを、先生すべて御存じで、それが同じ種だから分かりにくいんじゃないかという御指摘だと思いますけども、そこのところをやはり現場が混乱しないように私どもも丁寧に説明していきたいと思っております。
○足立信也君 結論からいきますと、今までは感染症が類で指定医療機関が種でよかったんですよね。それ今回、病原体を種ってやったから、せっかく法改正なのになぜここの名称を変えなかったのかということなんです。それが同じ種だから混乱するということを私が申し上げているんですね。
 ちなみに、ちょっと気になっているのが、二類感染症というのは四疾患か五疾患ですね。ジフテリアが入っていますよね。ジフテリアの原因菌であるジフテリア菌というのは、この特定病原体といいますか、どこにも属していないですよね。それはそれでよろしいんですか。
○政府参考人(外口崇君) 病原体の区分につきましては、その病原体の適切な取扱いが行われなければ国民に対し健康影響を及ぼす可能性があるものを対象としております。
 病原体の分類に当たりましては、生物テロの観点のみならず、人為的な健康被害の可能性、病原体の適切な取扱いや安全管理の必要性等を考慮し、更に病原体が引き起こす感染症の重篤性等を総合的に勘案して区分したところであります。
 御指摘のジフテリア菌でございますけれども、これは既に予防接種法に基づく定期接種の対象であり、人為的な健康被害の可能性は低く、また国際的にも病原体の規制対象となっていないこと等を踏まえ、今回の病原体等の規制の対象には含まれていないものであります。
○足立信也君 二類感染症というものが総合的な観点から見て危険性が高い感染症だというふうに定義されている中で、その病原体そのものはどこにも指定されていないというのはちょっと違和感ありましたもので、そこはお伺いしたわけです。
 そこで、大臣、今のお話を聞いて、私の説明聞いて、お分かりになったと思うんですけど。今まではよかったんですよ。何類感染、まあ二類で限って言いますと二類感染症、その方は第二種感染症指定医療機関に入るわけですね。そこに病原体の種がまた加わってきたから、なぜ名前変えなかったのかということを言っているわけです。例えば、私は、二種感染症指定医療機関と付いているからおかしいのであって、二種感染症、多分これ厚生労働省の方は二種ポツ感染症指定医療機関という意味だと思うんですよ。指定医療機関に一種、二種、特定を付けて、ランクを付けて、そういう意味だと思うんです。だとしたら、これは感染症指定医療機関一種、二種、特定の方がはるかに分かりやすいと思うんです。類の感染症と一対一対応のように見えてしまうんですね、第二種感染症指定医療機関と言うと。
 ここのところは、私は先ほどから何度も言いますが、現場は混乱すると思うんです。病原体が先に分かりますから、そして診断されるわけですから。ここのところ、大臣、是非とも混乱がないように、そしてさっき私がちらっと言ったのは、病原体の種類で最初に判断してしまったら、届けなきゃいけないのも届けなかった可能性があるわけですよ、今後も。その人に後で、なぜ届けてなかったのかと責任を負わされる可能性もあるわけですよ。
 ここのところの混乱がないように、その手だて、具体的なことよりもどうしようと思うかということを、大臣のお考えを、また私の懸念が御理解していただけるかどうかも含めてちょっとお答え願いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変、日本語のというか紛らわしい面が御指摘いただいている点かと思います。ただ、今これ先生方の、お医者様たちの現場での御意見ということであれば、我々もこれをまた重く受け止めざるを得ないとは思いますけれども、今局長が説明したように、病原体はまずそこが認識されるということが大事だと思いますが、その病人はやっぱり病原体ではないわけで、入院するのは病人でございますから、やっぱりこれはどの病気かということで、感染症の二種、種ですね、種というものがそこで特定されると。しかし、その種になってもまた一対一の関係でないというところは極めて、確かに難しい、紛らわしいところかと思うんですが、ではどうしたらよろしいかと。
 これが恐らく、私はもうその当時別にこの職にあったわけじゃないもんですから相談にもあずからなかったんですが、それではもう第二等の指定医療機関みたいな等級でやるかと。そうすると、重篤の度合い、あるいは病院に課せられる言わば規制の度合いはそれでまた図られるというようなことがひとつ、まあ私もど素人で勝手なことをここで言わせていただいて本当恐縮なんですが、あるいは考えられるかもしれない。しかし、やっぱり等だの級だのというようなことになりますと、何か上等か上等でないかというような変な価値判断もまたそこで出てくるというようなことがおもんぱかられたのではないかということで、多分ここはいろいろ苦吟の果てにこういう結論で、PRでもって、情報提供でもって慣れていただくと、こういうことを解決の道として取ったのではないかと、このように考えまして、専門家の先生にこんなことを申して恐縮ですが、是非御理解をしてやっていただきたいとお願い申し上げる次第でございます。
○足立信也君 よく分かります。
 ちょっと手前みその話で、さっきも私言いましたように、昨日、厚生労働省の方と相談したときに、単語そのものは変えるともう定着しているから変えたくないというのはあるんですけれども、やっぱり順番だと思うんですね。二種感染症指定医療機関ではなくて感染症指定医療機関第二種、その方が僕ははるかにいいと、これは私の思いですけれども。
 先ほど、後半部分で大臣にお願いしたかったことの一つは、病原体が最初に分かってから診断が付く、そしてその方をその感染症の患者さんだと認定する、ですから、これ、指定医療機関の先生だけではなくて、多くのまず現場で、第一線で診るドクターに病原体の種の分類と感染症の分類は違いますよということをまず絶対徹底させるべきです。このことを是非とも努力していただきたい。そしてまた、そこを責任持ってやっていただきたい。そのことをお願いしたいんですね。その点だけちょっと。
○国務大臣(柳澤伯夫君) それはもう本当にそのとおりでございまして、結核をさっきから見ておったんですが、結核菌は第三種病原体、それから感染症は二類と、こういうふうになりまして、数字がやっぱりねじれているというか、そういう状況にありますので、この点はもうしっかりとPRをして認識を徹底していかないといけないと、こういうように考えております。
○足立信也君 それ言いますと、結核菌は三種と四種があるんですよ。感染症は二類なんですよ。難しいですよ。私も分かりません、はっきりは。
 じゃ、病原体の話になりますが、これ四種、一種から四種までありますね。いろんなそこで管理の仕方が書いています。特に、四種病原体に絞ってお聞きしたいんですね。管理の基準の遵守というふうになっているんですよ。これ管理の基準の遵守というのは、遵守しているかどうかと、どうやって届出制もなくチェックできるのかということなんです。
 更に言わせていただくと、災害や事故が起こったことによりこの病原体の感染症が発生した場合、保管場所の変更等の措置をする、そういう監督義務が厚生労働大臣にあるんです。厚生労働大臣にその義務があるんですね。ところが、この四種病原体というのは、届出の義務もないんですよ、基準を遵守しなさいと。じゃ、事故が起こったときに届け出なかったら、病原体が広がっていっても黙っていればいいということになってしまうんですよ。これどうやってチェックするつもりなのか、届出制もなく。ここのところを私、非常に心配するんですが、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) まず、今まで管理基準というのがすべて自主的に決められていたわけですけれども、今度、管理基準を作って遵守していただくわけでございます。ただ、どこまで厳しくやるかというのは、実際に行われている医療とか研究活動を阻害しないレベルということになりますので、これも一種、二種、三種、四種の種類別に程度が違ってまいります。
 四種病原体のことでございますけれども、四種病原体等につきましては、通常その所持施設を把握することは困難であります。しかしながら、病原体が盗まれたりとか、それから災害時とか、そういった場合等には厚生労働大臣への通報又は届出により当該施設を把握することとしております。こういった届出が出ないときには、これは罰則が掛かることになります。また、これらの施設に対しまして、必要に応じ報告の徴収や施設の立入検査等を行い、当該施設が施設基準や保管等の基準に適合しているか否かを確認、必要な改善命令等の措置を行うこととしております。
 それで、災害等による感染症の発生時には、これは厚生労働大臣への届出により、このとき当該施設を把握するとともに、感染症の蔓延を防止するため緊急の必要がある場合には、法第五十六条の三十七の規定に基づきまして病原体等の保管場所の変更等の必要な措置を講ずることを命ずることとしております。
 以上のことから、四種病原体等の所持者に対しての監督を行っていくわけでございます。
 したがいまして、その把握は、これは事故とかそれから盗まれたときとか、そういったことが起きたときに把握するわけでございますけれども、これを届け出ないときはそれは罰則が掛かると、事故が起きたときに国の方で適切な必要な措置を講ずることを命ずると、こういう仕組みになっているわけでございます。
○足立信也君 事故や災害が起きたときに初めて通報をする、そしてその義務があると、罰則規定もあると、そういうことでしたね。
 ということは、基準を遵守してきちっと管理しているかどうかという、そういう検査はしないんですか、それまで、事故が起きるまで。
○政府参考人(外口崇君) すべての施設について定期的にやるということはこれは難しいと思うんですけれども、これは必要に応じ報告の徴収や施設の立入検査等行えることになっておりますので、仮に、そういった問題があるというような仮に情報がどこからか入ったときには、もちろん必要な対応はすることになると思います。
○足立信也君 保管している届出制もなくて、届ける必要もなくて、必要に応じて立入検査をするって、一体どういう手段を考えられているか、かなり矛盾があると僕は思いますし、実際上可能かなという、今の答弁聞いて。実際、届け出なくていいわけですから、持ってますよと言うだけで。そう届けもしてないところに、どうやって必要に応じて立入検査をするんでしょう。ちょっと疑問なんですが。
○政府参考人(外口崇君) 一般的には、こういった病原体を持っておるところというのは、医療機関でございますとか研究機関でございますとか、大体範囲は想定できるわけでございます。そういったところに対して必要に応じてやるわけでございます。もちろん、かなり厳しい管理規程を作るということもこれ可能なんでございますけれども、一種、二種、三種につきましては、これはかなり義務等を重くしておりますけれども、この四種に該当する施設というと、これはかなりの数になりますし、それから、それだけじゃなくて、必要以上に措置を厳しくし過ぎると、やっぱり日ごろの医療とか、それから研究に支障を来すこともありますので、ここはある程度性善説ということも含めてやっぱり対応をすることにしたものでございます。
○足立信也君 説明はよく分かります。そして、もうそれほど僕はしつこくは言いたくないんですけれども、ここにはそういう病原体があるだろうと思われる研究所や医療機関、だから分かる、立入りができるって、それだと、生物テロに対する対策じゃないですよ。でしょう。とてもあるとは思えないところにそういうものがある場合にテロ対策になってくるんじゃないですか。だから、ここはやはり少なくとも届出ぐらいはないと、それは立入検査もできないんではないかと私は思います。これ以上はもうちょっと申しません。でも、ここは不足があると、足りない部分があると、私はそう思っています。危険性を感じますので、よろしくお願いします。
 今年の七月に総務省から、感染症対策に関する行政評価・監視がなされて、その結果が出ましたですね。いろいろ指摘されております。いろいろ確かに指摘されていて、これ全部読もうと思ったんですがそれは無理ですので、一点だけ質問します。
 先ほどから問題になっている第一種感染症指定医療機関、これを都道府県知事は指定しなきゃいけない。ところが、現状では四十七都道府県中二十五都道府県しか指定できていない。その二十五都道府県の中で、十五は指定のめども立っていないと。これはゆゆしき事態だということなんですが、これに対する対策を説明してください。
○政府参考人(外口崇君) 第一種感染症指定医療機関の指定については、本年三月の時点で二十二都府県、二十五医療機関の指定にとどまっているところであります。この事態、先生ゆゆしき事態とおっしゃいましたけれども、私ども大変深刻にこれを感じております。
 この指定が進まない理由を分析するなどして、もちろん未指定都道府県に対する指導、支援を行っていくわけでございますけれども、本年七月の勧告を受けてから今まで何をやってきたかということですけれども、第一種感染症指定医療機関が未指定で指定の見込みが立っていない県に対して、その理由等について今個別にヒアリングを行っております。また、本年十月の全国主管課長会議の場においても、各都道府県に対して、指定に向けた対応を講ずるとともに、その指定が行われるまでの間どうするのかと、その体制の確保についても、これを指示を出しております。例えば、どうしても時間が掛かるんであれば、隣の県にこれお願いしなさいと。実際、患者さんが出たらどうするんですかと。じゃ、しっかり体制を組んでくださいというような、これお願いをしているところでございます。
 そして、実際にその第一種感染症指定医療機関の指定事例、指定されているところを、ちゃんとやっているところのいろいろな工夫も収集して未指定道府県に提示する等の、これを支援を行っていきたいと思っております。
○足立信也君 これはもう行政側の指導しか手はないわけですから、何としても確保できるようによろしくお願いします。
 次からは、個別の問題に移りまして、まず結核のことですね。先ほど、清水委員からありましたように、平成十一年に結核緊急事態宣言がありました。その後、これ平成十六年の六月、結核予防法の改正がございました。そして、昨年の四月から施行されております、二年半前ですね。その平成十六年に結核予防法と感染症法との統合は時期尚早であるという中の議論がございまして見送られました、平成十六年に。
 そこに、その時期尚早であるという結論に達した根拠となったデータとしては、十五年、前の年ですね、十五年には新規登録患者数、結核が三万一千六百三十八人なんですね。この十五年と昨年、十七年を比較すると、新規登録患者数は二万八千三百十九人で三千三百人減った。ところが死亡者数は、その平成十五年は、統合は時期尚早だという根拠になった平成十五年は、死亡者数は二千三百三十七人、で、昨年は二千二百九十五人、四十二人しか変わっていないんですね。二年半前と何がそんなに違いがあったのか。これは、今の私の説明で患者数の変化ではない。となると、ほかの理由は何なのかと。先ほど説明がございました。これはやっぱり個人情報保護を始めとする人権に配慮してということが恐らくメーンなんだろうと思いますが、そういう解釈でよろしいですか。
○副大臣(石田祝稔君) 今委員からも御指摘ありましたが、十六年に改正をして、そして、今回なぜこのような形になったかと、こういうことでありますけれども、感染症法に規定されている手続が結核予防法においては規定されていないと、こうした不備についても、過去の厚生労働科学審議会においても御指摘を受けておりまして、また感染症法制定時の国会の附帯決議や、また日弁連の意見書と、こういうことで、特に特定の感染症の名前を付けているという法律、これは差別や偏見の温床になると、こういう御指摘もあったわけであります。
 そして、平成十六年改正時においても、こういう御指摘はもう既にいただいてはもちろんおったわけでありますが、一つは、結核対策の独自性と、こういうものをどうしても確保しなきゃならない、こういう観点から、感染症法への統合を見送ったわけでありますけれども、今回、新たに感染症法を改正をすると、こういう時期に当たりまして、病原体等の規制、特に多剤耐性結核菌についても所要の規制を講じる必要があると。こういうことと、先ほど申し上げましたように、既にいろいろと御指摘をいただいておったもの、こういうものについても含めて、感染症法全体に共通する規定を適用すると、こういう形にしたわけであります。
 ですから、平成十一年にいただいておったいろいろな御意見等も当然今回には入っておりますし、先生が御疑問に、十六年になぜできなかったかと、なぜそれが十八年でやるようになったかと、こういう御疑問も、私はある意味ではもっともな御疑問であろうかと思いますけれども、今回の感染症法の大きな見直しに合わせてこれをとにかく取り込んで、さらに、以前の特別なその結核に対しての措置についても漏れなく移行してきたと、こういうことで今回入れたということでございます。
○足立信也君 そのときの議論の話をしますね。
 今日もこの法案が成立したときには、いろいろ附帯決議の案が出されているようであります。
 平成十六年のそのときの審議ですね、四月二十二日、参議院の厚生労働委員会です。私が出馬表明する直前の話ですが、附帯決議のその四に、非正規労働者が増加している状況にかんがみ、結核に関する知識の普及・啓発、健康診断の実施を図る方策を検討することとあります。
 施行されて一年八か月になりますか、これで結核患者さんの、登録患者さんのその職業、正規か非正規か、あるいは非正規労働者への啓発や健康診断、これ附帯決議でやることとなっているんですが、実施状況を教えてください。そして分析を教えてください。
○政府参考人(外口崇君) まず、保健所の管轄する結核登録票においては、これは、患者の職業は、これは記録されておりますけれども、この労働が正規か否かについては、これは把握はしておりません。で、これを非正規労働者の方に対して、じゃどうするのかということでございますけれども、この基本指針というのがございまして、基本指針では、職場での健康管理が十分ではない労働者など、結核の発症率が高い住民層については、地域の実情に即して定期の健康診断その他の結核対策を総合的に講じることとされております。
 すなわち、この非正規労働者と申しましても、その非正規の度合いが大分違うということもあります。で、非正規労働者の方の中でも、まあ特に極端な場合は、今都市部でいろいろ問題となっておりますホームレスの方とか外国人の方とか、あるいは何と申すんですか、いわゆる日雇の方でございますか、そういった方おられるわけでございますけれども、こういった方も広くあまねく必要な措置を講じるということが重要でございますので、そういったことに着目して、今職場でしっかりと健診を受けられる方以外の方について、幅広く知識の普及啓発とか、健診の実施とか、そういった取組をなされるよう、今自治体の方でもいろいろ取り組んでおるところでございます。
○足立信也君 二年八か月前の附帯決議、読みますよ。「なお、近年、企業の健康診断の対象外とされがちな非正規労働者等が増加している状況にかんがみ、これらの者への結核に関する知識の普及・啓発に努めるとともに、健康診断の実施等が図られるような方策を検討すること。」。
 正規か非正規かの把握もしていないと。これ行政として、この立法府が決定した法案と、それに対する附帯決議、二年八か月前、何もやっていないということですね。まず最初の段階である非正規か正規かも分からないと。これでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この附帯決議については、当然、厚生労働省としても重く受け止めているわけでございます。
 私は、このお話を承ったときに、これはもう労働安全衛生の問題だろうと、こういうふうに思ったわけでございます。で、ちょっとただしましたところ、労働安全衛生法でどうなっているかと申しますと、これは一つは、一年以上引き続き使用される者は、当然健康診断をやらなきゃいけないと。短時間労働者の中でも、一日一日が短時間労働者であっても、所定労働時間の四分の三以上である場合には、これは一週間単位で考えるわけですけれども、これはもう当然労働安全衛生法上、健康診断の対象にしなければいけないと、こういうことになっております。したがって、一年以上であって一週間四分の三以上である労働者は、短時間労働者といえども、いわゆる非正規雇用者でありますけれども、それらについてはこれはもうちゃんと健康診断の対象にしなければいけないということが今の法律の運用でございます。
 加えまして、これらの二つの要件を満たさない者でありましても、通常の労働者の一週間の所定労働時間のおおむね二分の一以上である者については健康診断を実施することが望ましいということで、言わば労働管理、雇用管理の面から健康診断の義務というものは非正規と言われる労働者の中にもかなり広くとらえられていると、こういうことが一つございます。
 そういうことで、それ以外の者についてはどうなるかということが今、外口局長の答えたものでございまして、これらについては、むしろその生活の実態の方からとらえて知識の普及啓発を図っていき、それをまた健康診断につなげていくという考え方が取られているということであります。
○足立信也君 私なりに解釈すると、先ほどの附帯決議に合わせると、実施はできていないけれども方策は検討しているということだと思いますね。これはもう現状がそうなんですからやむを得ないとは思うし、努力しなければいけないことだと私は思います。この附帯決議にあることが実施されてもいないのに、その法案は廃止されてしまうんだという現実を受け止めて、先ほど清水委員の発言にもございましたように、決して結核対策がおろそかになることのないように、これはもう行政としてお願いするしかないと思いますから、これ以上は申しません。是非ともお願いします。
 そこで、先ほど石田副大臣から答弁がありました、差別や偏見の温床になると、人権侵害の面もあるかもしれないという発言に関連してお聞きします。
 私は、これ結核症というのは、当然皆さん御存じのように結核登録票があって、これは法が変わりましても今後も継続されてきちんとフォローされるわけですね。登録制度なんです。法が変わってもそのまま引き続く。私が関連した今年の法案、今年に行われた法案で、例えばアスベストによる中皮腫、あるいは私は良性石綿疾患も含めたいと思っているんですが、あるいはがん対策基本法において、これ、本当に分析をして治療の効果があったのか、あるいは健診の効果があったのか本当に分かるためには登録制度が必要だというのをその都度私は申し上げてきました。
 そこで、いろいろ理由はありましたが、その中で一番多かったのは、できない理由の多かったのは、個人情報保護法との関連で人権の問題であるということを主に言われました。それで登録制度はなかなかできないんだと。ということは、今回、感染症に結核予防法が統合されて、しかし結核に対する登録制度はそのまま残る。で、フォローをすると。ここの問題、それは先ほど副大臣がお答えになったように、人権に配慮してあるいは個人情報のことにも配慮してこういう法案に変えたんだと。そこでも登録制度は残す、やるべきだと。ということは、登録制度と直接個人情報の保護や人権の問題は関係ないということをおっしゃっていると私は思うんですが、その理解でよろしいですか。まず局長で結構ですよ。
○政府参考人(外口崇君) がん登録と結核の登録制度の違いということがあるかと思いますけれども、まあ私もがん登録、できるだけ早く進めたいと思っているんですけれども、やはり結核登録のようにいかないということの一つの理由は、やはり結核の場合は人から人への感染をする疾病であると。がんの方は感染する病気ではないということで、そこがまず大きく違うと思います。
 それから、がんの場合は、やはり一番難しいのは、日本の特性かもしれませんけれども、患者さんの同意を得て登録するといった場合に、その患者さんへの告知の問題ということがまだ確実にコンセンサスが得られていないということもあります。
 そういった中で、がんの場合は結核の場合と違う中で、やはり個人情報という問題の扱い方についても少し違ってきているのかなと。そういったところで、結核の登録とそれからがん登録の場合でプロセスが違ってきているんではないかというふうに私は考えております。
○足立信也君 告知の話もございました。ところが、これは結核の場合はまあ感染するしないという大きな違いがあるとおっしゃった、そこに理由があるかもしれませんが、措置入院もあるわけですね。必ずしも告知ではないわけですね。この点は明らかにしていると。
 となると、私が石田副大臣に最終的にお答え願いたいのは、今、外口局長がおっしゃられた理由の中には、やっぱり個人情報の保護、あるいは人権に配慮して、だから登録制度はできない。あるいは、それを配慮した結果、結核の場合は登録でいいんだというその話の中には、直接的には登録制度と個人情報の保護というのはダイレクトには関係ないという意味なんだと思うんですよ、今の要点を抜き出すと。その理解でよろしいですかね、副大臣。
○副大臣(石田祝稔君) 今、外口局長がいろいろと御説明をいたしましたけれども、私も、がんにつきましては、これはどうしても、その個人情報ということはもちろんありますけれども、その個人情報ということと御自分のかかっているということ、まあ告知された後ということになると思いますけれども、やはりがん治療のために役立てたいという方も私はいると思うんですね。そういうときに、やはり先生がおっしゃるように、登録をして一つの基準にのっとって情報を集めていかないと、これはばらばらの情報になってしまいますから、これは役に立たないことも出てくるんじゃないか、こういうふうに思います。
 しかし、最近、どうしてもその個人情報というものに関しては、これはもうどうしても最大限の配慮をしていかないと、これはなかなか行政上も有効な政策についてはかえって阻害要因になると、こういうことも私はあるのではないかというふうに思います。
 ですから、そういう個人情報の尊重ということと病気を治していくと、このバランスというんでしょうか、これはやはりこれから大きな私は解決をすべき課題だと、こういうふうに思っております。
○足立信也君 じゃ、要点だけ抜き出します。
 今の現在のがんよりも、五十年前あるいは四十年前の結核の方がはるかに差別的であったと、これはそう思いますね。事実だと思います。そして、配慮をすれば、個人情報に関して配慮をすれば登録制度への妨げにはならないということを今おっしゃったわけですよね。配慮が必要だと。それでよろしいですね。
○副大臣(石田祝稔君) ですから、私が申し上げたのは、個人情報に対するそれぞれ各個人の情報というのはもう自分のものだというこの意識が、もう最近私は特に顕著に強くなっていると。そういう中で、この結核が、先生がおっしゃったように、四十年、五十年前はもう今のがん以上の大変な、まあ結核というのは衝撃的な病気だと、こういう受け止め方はもちろんあったわけですけれども、現在、やはり薬とか療養によっては結核というのはこれは不治の病ではないと。
 しかし、療養の仕方によっては現実に二千人以上の方が亡くなっているわけですから、これはそういう点ももちろんこれはあるわけですけれども、その個人情報のそのものと先ほど申し上げた件につきましては、私が再度答弁を先ほども申し上げたとおりでございますので、御了解をお願いしたいと思います。
○足立信也君 私は、登録制そのものには直接に結び付く問題ではないと、そのようにとらえます。
 次に、疑似症のことをちょっとお伺いします。
 指定感染症、特に一類、二類感染症には疑似症患者への適用というのが決められております。これは、先日のうちの櫻井理事の質問に関連する非定型抗酸菌症のことなんですね。現実に微熱があって肺に影があるという患者さんが入院しておられる、それが細菌学的検査で結核かあるいは非定型抗酸菌症か、そこで診断が付くわけですね。これは、結核は二類ですから、疑似症と認められているあるいは認定されても当然いいんじゃないかと思うんです、非定型抗酸菌症は。
 現時点では、疑似症というのはどれぐらいそういう認定というかされているんでしょうか。一類、二類。
○政府参考人(外口崇君) 疑似症患者の段階で届出の対象となる感染症に関しまして、届出のあった疑似症患者は平成十八年四月から昨日までに三十二件でありました。
○足立信也君 先ほど経過を説明しましたように、やはり細菌学的な診断が付いてやっと確定診断になるという現状を踏まえると、疑似症の適用はもう少し広がってもいいのかな、特に結核に関してはですね、という私の意見を述べさせていただきたい、そのように思います。
 次に、結核症の入院期間です。これ、昔はサナトリウムを含めてかなり長いものがございましたが、これは法律を見ると、そもそも結核の入院がどういうふうにされているかはっきり分からないのでお聞きしたいんですが、第二十六条の二に、三十日以内の延長可となっているんですね、結核の場合。そして、感染症法そのものではそもそも十日以内の入院だと。しかしながら、十日以内の延長は可となっているんですね。
 つまり、結核症で入院する場合、その入院できる期間というのは四十日以内ということですか、それとも五十日以内、そこで、その後どうされるんですか、そこを教えてください。
○政府参考人(外口崇君) 今回の改正におきまして規定する感染症法上の結核患者に係る入院に関する特例でございますけれども、まず、通常は七十二時間の応急措置の規定がありますけれども、その後に、普通は十日以内の期間を定めて延長することができる原則に対し、結核に関しては三十日以内の期間を定めて延長することができるという規定がございます。治療の必要に応じて入院期間を再延長することは、これはあり得ることでございます。で、協議会の意見を聴いた上で、結核に関しては三十日以内の期間を定めて再延長することができることとなっております。もちろん、極端に言えば三十日ごとに延長するということも可能であります。
○足立信也君 はい、分かりました。そこで切られるというわけではないということですね。はい、分かりました。
 じゃ、次に三番目の、今日の項目である新型インフルエンザについて御質問いたします。
 先ほど清水委員が剛腕大臣とおっしゃっていましたが、柳澤大臣がですね、これは衆議院の委員会質疑だったと思いますが、就任後いろいろ説明を受けた中で最も恐ろしい話だったと、そのようにおっしゃっています。そのとおりだと私は思います。多分それはWHOの事務総長の、もはや新型インフルエンザの出現は避けられない、もしもではなく時間の問題であると、この発言にすべて集約されていると。非常に恐ろしいという話だと思います。
 ただ、うちの末松議員も言っているように、私も、大臣も先ほどおっしゃいましたが、決してオオカミ少年になるつもりはないんですね、オオカミ青年かもしれませんけれども。ただ、私は、やっぱり備えあれば憂いなしということで、どれだけ現実に理解していてその対処ができているかと、ここに尽きるんだと思っていますので、その観点から御質問をしたいと思います。
 これは今年の三月の参議院の予算委員会で澤先生、それから十一月の衆議院の厚生労働委員会、そして、我が党の末松議員が、質問主意書とそれに対する答弁書がございますので、それをベースに私質問させていただきたいと思います。
 まず、簡単にそのH5N1インフルエンザのことをちょっとだけ触れておきますけど、まあ皆さんもう御案内かもしれませんが、これはもう高齢者ではなくて小児、若年者に重症例、死亡例が多い、患者さんも多い。これが一番の特徴で、潜伏期は二日から四日で、平均三日であると。大事なのは、潜伏期から感染する危険性があるということですね。感染の経路は空気感染あるいは口からの感染もあって、ウイルスを排せつする期間、つまり感染しやすい期間は潜伏期から発症後二週間まである、非常に長いと。何も症状がないときから人にうつしてしまう、こういう疾患ですね。
 よく間違えられるSARS、重症急性呼吸器症候群ですね、鎮静しましたけれども、これと一番の違いは全身性疾患だということですね、H5N1はですね。これは、別のSIRSって私たちは使っていますが、システミック・インフラマトリー・レスポンス・シンドローム、全身炎症反応性症候群というんですか、全身疾患で、これの救命率は非常に低い。というのは、日本でもそうですね、いまだに。中には、これの治療をするためには、CHDFといって一日じゅう持続的に血液ろ過透析をやらないと無理だというような治療法もありますね。非常に厳しい状況だと、これが前提で質問したいと思います。
 去年から今年になって初めて感染が認められた地域がある。あるいは、急激に今年になって増加した地域がある。それは、例えばアゼルバイジャン、エジプト、中国、カンボジア、インドネシア、イラク、トルコです。ベトナムは今年は発症していませんね。それだけ減っていると、鎮静化したという、ベトナムはですね。
 そこで、一つ最初に聞きたいのは、インドネシアで家族内発生があった。つまり、現時点では鳥―人感染だと言われているけれども、この家族内発生は人―人感染の始まりじゃないかと言われている。家族の中で八人が感染して、七人が死亡している、ですね。人―人感染かもしれない。
 これに対して、WHOからの発表で、この家族の中、八人が感染したということに対して、これには遺伝的に非常に近いところがあった場合に感染するんじゃないか。つまり、この家族の中で八人が感染して七人が死亡したけれども、配偶者には感染していないんですね。あるいは近所の人には感染していないんですね。だから、何らかの遺伝的な類似性がある人に感染しやすいんじゃないかということがWHOから出されましたが、この情報の評価ですね。どの程度、その後、この遺伝的類似性が人―人感染には必須条件かどうかという点について、ちょっとお聞かせください。
○政府参考人(外口崇君) インドネシアのカロ地区で発生した家族内感染事例において、配偶者やそのほかの人に広く感染を広げる機会があったにもかかわらず感染者が血縁関係者のみに限られていたということから、これは、WHOの方で、本年九月にワーキンググループを開催して、人と動物の接点におけるインフルエンザの研究という報告書を出しております。そのリポートの中で、感染者が血縁関係者のみに限られていたことから、遺伝的な要因が人の感染しやすさに影響を与えている可能性があると考察をされております。
 実際にまだどういう遺伝子が、あるいはウイルスがどのリセプターに付着するかということと関連するかどうかとか、そういったところまでの分析はされておりませんので、まだそれは仮説にすぎないとは思いますけれども、こういう可能性については今後とも十分注意していきたいと思っております。
○足立信也君 ありがとうございました。
 私が得ている情報とまだ同じ段階ですので、新しい情報が分かったら是非知らせてください。お願いします。
 次に、これ日本ではこれWHOの世界インフルエンザ事前対策計画二〇〇五に準じて、恐らく罹患率二五%、人口の二五%、そして病院へ受診する人は、これは米国疾患管理センターの推計モデル、CDCモデルに基づいて、二千五百万人という今想定で対策を考えられていますよね。これをまず確認したいんですよ。二五%で、病院受診は二千五百万じゃないかと。それはそれでよろしいんですね。
○政府参考人(外口崇君) 新型インフルエンザ対策行動計画においては、全人口の二五%、すなわち、三千二百万人が罹患すると想定した上で、CDCの推計モデルを使って外来患者数を推計し、千三百万人から二千五百万人、二千五百万人が医療機関を受診すると推計されているところであります。
○足立信也君 三千二百万人が罹患して、医療機関を受診するのは二千五百万人。七百万人はどうするんですか。
○政府参考人(外口崇君) この七百万人の場合は、医療機関を受診しないで、恐らく在宅ということになると思います。
 実際にどういった仮定を置くかということでは、今もこれは議論が続いているわけでございますけれども、まだ国際的には全人口の二五%が罹患という推計が大体国際的にコンセンサスとして、仮定として置かれ、それから外来患者数についてはそれは各国ともCDCモデルを参考にしてやっております。ただ、先生御指摘の点、多分、実際に本当にそれでいいのかどうかということだと思いますけれども、これはこれをベースにしながら応用問題を考えていくことになると思います。
 実際に、このほかにも、じゃ死亡率が、今までのアジア風邪とかスペイン風邪をベースにして〇・五%から二%ということで各国やっておりますけれども、今までの状況から見て本当にこれでいいのかどうかとか、それから感染率についても、これもまだ定説なかなか定まっておりません。どのぐらいの感染力があるかというのが、まだ実際の例が少ないということもあるし、感染の発生したところが結構ローカルな場所であったということもあるんで、大分ばらつきがありますので、そういったことも踏まえて、今後いろいろとこういったモデルは改定されていくことになると思いますけれども、現時点ではこういう計算式にやっていくのが国際的な標準のようになっておりますので、まずはこれで推計しているということでございます。
○足立信也君 先ほどの備えあれば憂いなしと、大臣もうなずいてくださいました。それは今、外口局長がおっしゃったことと全く逆の話ですよ。現時点ではこう想定しているから、それに対してこういう備えがあるから安心できるんであって、この推計は今はこうしていますけど、これは当てにはしていませんでは何にもならないんですよ、ですね。
 だから、最初に私が聞いたのは、二五%が罹患する、でも病院に受診する人は二千五百万人だろうと、だとしたら罹患して病院を受診しない七百万人というのはどう考えているんですかと。そういう前提で話ししていると今おっしゃいましたんで、在宅だろうと。これ在宅で亡くなるってことですか。
 つまり、今現在、私が集めている情報の中で、H5N1に罹患して発症しなかった人っていないんですね。そういうデータありますか。だとすると、発症して、罹患率と発症率がほぼ同じ、でも七百万人は病院に受診しないだろう、ということはどこかで亡くなっているんじゃないかと、致死率の関係ありますけど。致死率のことはこれから言いますけど、今現在五九%ですね、発症者のうちの五九%が亡くなっている。で、罹患した人がほとんど発症するとすると、その七百万人はどう考えているんですか。合わないですよね、話が。
 もう少し言いますと、つまり最新の、先ほどの清水議員とはちょっと違いますが、二〇〇三年十一月以降、今年の十一月十四日までのデータで、二百五十六人発症していて百五十二人が亡くなっていますね、五九・四%。もう少し増えているかもしれません。で、一九九七年の香港風邪でも、H5N1ですけど、香港風邪でも死亡率は三三%ですよ。で、なぜ日本の死亡率の予測が二千五百万人、あるいは罹患から考えると三千二百万人中の六十四万人、二・五%で済むのかと。香港が三三%亡くなって、日本が二・五%だろうと。そんなに医療レベルの違いは私ないと思っていますが、どこに根拠があるのかと。つまり、さっき消えた七百万人、この七百万人の方は罹患している、ほとんど発症するだろうと。七百万人はどうなると考えてお話しされているんですか、今。
○政府参考人(外口崇君) まず、新型インフルエンザというか今の鳥のH5N1の鳥―人感染例について、今いろいろなデータが積み上げられているわけでございますけれども、まだ実際にその感染力がどの程度か、それから実際に潜在的な、潜在的なというか症状の出ないあるいは軽く済むような感染者が実際どのぐらいいるかとか、そういった情報についてはまだ確定したデータがありません。
 実際に、ベトナムあるいはほかの国におきましても、かなり重症になってから運び込まれているという、そういう事実がありますので、一方でもっと周辺に重くない患者さんがいるんじゃないかという意見もあるものの、他方トルコの事例のように、実際には罹患すると発症する人が多いんじゃないかというような、そういう例もあるわけでございます。
 そういった中で、まだ感染率と実際の発症率等についての定型的な国際的なコンセンサスというのが得られておりませんので、現状では、私が先ほど申しましたような二五%罹患、それから死亡率については、これはアメリカとかイギリスとか、それは各国共通でございますけれども、一応スペイン風邪を前提にしてやっていると。
 それから、じゃ実際の死亡率が、どのぐらいのもので実際発症してくるかということについても、これもまだいろいろ意見が分かれておりまして、まだそこは定説となっておりませんので、いろいろな仮定を置いた上のことでございますけれども、私どもが示しているのはスペイン風邪の死亡率ということを用いて計算しているわけでございます。
 それから、七百万人の差でございますけれども、これも軽症ということを仮定してのことでございます。それももちろん、そういう仮定に立っての数字でございますけれども。
○足立信也君 推計に基づいた話はもう僕はこれでやめようと思います。筋の通った推計であるべきだと。それを使うと決めたからにはそれに合ったように対処しなきゃ、計画を考えなきゃいけないということは間違いない事実だと思いますから。
 現実的な話を、じゃ、させていただきますね。
 先ほど説明しましたように、これ潜伏期に日本に帰国して、つまり入国して日本で発症することは今でもあり得るんですね。今すぐにでもあり得るわけです。そうした場合に、これはどうやって診断するかということをちょっとお聞きしたいんです。
 高熱が出る、で、病院受診しますね。これ恐らく今のインフルエンザと同じように、インフルエンザの判定キットで多分最初に見ますね。A型インフルエンザは全部陽性に出ますね。その段階から、私は、当然のことながら、H5N1よりも普通の、通常のA型インフルエンザの方がはるかに多く出ると思うんですが、じゃH5N1の確定までにはどれぐらいの時間が掛かるんでしょう、今。
○政府参考人(外口崇君) 今、H5N1の同定でございますけれども、国立感染症研究所においてリアルタイムPCRという検査法を用いると、通常六時間程度で確認検査ができます。
 確かに、先生御指摘のように、いかに早くH5N1を確定するかということが課題でございますので、今一、二時間程度で一般医療機関でも判定可能な新しい簡易キットを開発しております。これが開発されれば、更に短時間でH5N1の診断が可能になるものと考えております。
○足立信也君 そこで、高熱を伴う患者さんは病院受診するということは、昨日から急に熱が出始めたという患者は大体病院に来ますね。ということは、もう既に、最初に来た時点で大体十二時間か二十四時間はもう既にたっているわけですね、発症から。そして、キットで調べてインフルエンザだと診断される。さらに、H5N1かどうかというのは現状では、搬送の問題もありますけど、六時間以上は掛かるわけですね。その間、この前、中原委員の質問に対して局長は、H5N1以外の、人―人感染が起きたときの話ですけれども、H5N1以外のインフルエンザではタミフルの使用は控えさせるというふうな説明がありました。
 現状、病院へ来て、A型インフルエンザという診断が付いて、じゃ、H5N1かどうかが確定するまで待ってくださいというふうにするということなんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 実際、タミフルの使い方の基準で、新型インフルエンザの疑い患者以外の通常のインフルエンザにおいての使用を控えるということになっているわけでございますけれども、もちろん先ほど申し上げましたような迅速キットが普及した段階ではそういったことは可能でありますけど、じゃ、今すぐ出てきたらどうするかという御指摘だと思います。
 その場合は、やはり、例えば流行の初期段階に疫学的な判断とか、それから、これはB型だからとかいうふうなことはあると思いますけれども、そうじゃない場合には、例えば現行の簡易キットでA型になって、それからあと臨床症状等を見て、そこでその段階で治療するということは、これはもう今の段階ではそういうことになると思います。
○足立信也君 はい、分かりました。今の段階では当然使うだろうということですね。はい、分かりました。
 先ほど、潜伏期で日本に帰ってきた場合に日本で発症した、十分あり得る話ですね。そこで、H5N1のウイルス、まあ株が、株というかそのもとが入手できたわけですね。それからワクチン精製というのはどれぐらいの期間でできる予定なんですか。
○政府参考人(高橋直人君) ちょっと一般論から申し上げれば、ワクチンは、そもそも防御の対象となります病原体が出現しまして、それで特定されてから製造できるというものでございますので、新しい疾病の発生後直ちに生産できるといったものではないわけでございます。
 新型インフルエンザの場合には、人から人への感染が発生した場合に、そのウイルス株を特定を、あらかじめワクチン製造に必要な鶏の卵などのその試材の確保ができていれば、約六か月掛けて生産できるであろうというふうに見ております。
○足立信也君 六か月ですね。
 ちょっと一問飛ばしますね。もうお昼過ぎましたので飛ばします。
 ですが、私、先ほど一番最初に申し上げましたように、潜伏期も感染力があるわけですね。今、現実の問題として、日本に潜伏期の状態で帰ってきて日本で発症するということはもうあると、それはもうお認めになりました。ということは、その間に接した人、空港や乗り物の中で接した人、この人たち、もう既に感染している可能性があるわけですね。この人たちへの対応はどうする予定なんですか。
○政府参考人(外口崇君) 新型インフルエンザウイルスは、発症直前に人から人へ感染する可能性について、これは否定できないと考えられております。
 新型インフルエンザ対策行動計画では、現時点では、人―人感染が始まった段階で、当該患者を診察した医療従事者、若しくは患者と濃厚接触があった社会機能維持者に対しまして抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を行うということになっております。
 ただ、先生御指摘の、その当該患者の発症直前に接触した人に対する抗インフルエンザウイルス薬の投与をどうするかということについては、これは実際なかなか、その確認をし、そして事前に対応することができるかどうかということも含めて、これはなかなか難しい課題だと思っておりまして、専門家会議で検討を進めることとなると思いますけれども、これが恐らく今一番難しい課題ではないかと思っています。
○足立信也君 難しい課題だと思います。でも、これが蔓延を呼んでくると思いますので、抗インフルエンザ薬ってタミフルのことだと恐らく思うんですけど、それは発症前投与ってできるものじゃないと思いますし、やっぱりワクチンの開発が可能であればそこしかないと思うんですね。この点を十分にこれから検討していただきたいと思います。
 そのタミフルの話なんですけれども、既にタミフルに対する耐性株が出始めているという話も情報が入ってまいりました。ロイター通信で九月三十日に、ペラミビルという新薬が鳥インフルエンザに対して有効とアメリカの企業が発表しておりますが、このペラミビルについて簡単に有効性のことなんかについて教えていただければと思うんですが。
○政府参考人(外口崇君) ペラミビルは、アメリカの企業が開発中の抗インフルエンザ薬でございまして、これは注射で用いる薬になります。それで、まだ動物実験段階ですけども、H5N1を含む各種のインフルエンザウイルスに対し、マウスとかフェレットを用いた動物実験で効果を発揮することが確認されたと報道されておりまして、そのことは私どもも承知しております。
 実際に、このH5N1ウイルスに感染した場合に、人の場合にも効果を発揮するかどうかというのは、これは実際に実験することできませんので、なかなか難しいんでございますけども、今開発が進んでいるわけでございまして、それで、アメリカにおきましても、これを最優先評価薬として位置付けて承認のための迅速評価を行う方針だと聞いておりますので、注目していきたいと思っております。
○足立信也君 ありがとうございます。
 これ、くれぐれも、今問題になっておりますがんに対する未承認薬と同じように、開発はアメリカに任せる、そこで承認されたものを日本で速やかに使えるようにしていこうという方策を取らないように、できるだけ早期に使えるような形に持っていっていただきたいと、もし有効性が確認されればですね、と思います。
 最後に、H5N1は検疫感染症に規定されました。この検疫感染症というのは、例えば隔離をするとかあるいは停留ですね、そこにとどめると、いろんな検疫感染症の中でもコレラや黄熱、デング熱あるいは一類感染症でやり方が違うんですけれども、このH5N1は今どう考えておられるんですか。
○政府参考人(外口崇君) H5N1の場合、世界的な発生拡大に対応して、事前予防の観点から法的体制を整備しておくために、平成十八年の六月二日に、インフルエンザH5N1を検疫感染症に政令指定したところであります。この六月というのは、その前にインドネシアの事例とかトルコの事例とかがありまして、それを踏まえたものでございます。
 この検疫感染症に政令指定したことによりまして、検疫官がインフルエンザH5N1の患者発生国等から入国した者に対し質問、診察、検査等の措置を行うことが可能となるなど、検疫体制が強化できることになります。
 またさらに、患者さんを発見した場合には、感染症法に基づく措置等に効果的につなげられるよう都道府県知事へ通知することとするなど、自治体との連携も強化しているところであります。
○足立信也君 もうこれで終わりにしますけれども、やはり先ほど、一番最初に言いましたように、備えあれば憂いなしだと思うんです。そして、一度この推計値を利用すると決めたら、それに合った対処を考えていかないと、この推計が途中であてにならないものじゃないかってまた言い始めたら、何のための行動計画か分からなくなるんですね。
 例えば、アメリカは人口の二五%が罹患するとしたら、アメリカの場合は六千万人ですね。その六千万人を超える八千百万人分のタミフルを備蓄する予定にしてあるわけです。ところが、日本はそれよりも更に少ないという形になってくるんですね、四分の一よりも、二五%よりも。ここはやっぱり、せっかくの推計があるんであれば、それを採用すると決めたらそこに向かって計画を立てる、それが備えだと思っておりますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
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   午後一時十五分開会
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 先ほどの足立議員のように、専門家からの厳しい質問がございました。大臣も大変言葉の意味をめぐって本当に御苦労されたと思いますが、私は極めて国民的な素人の立場から質問をさせていただきますので、大臣中心に是非お答えをいただきたいなというふうに思うわけでございます。
 一昨日の委員会で、法案の中身につきましては、今日の午前中も含めましてかなり詳細な議論が行われてまいりました。冒頭に、国家賠償請求訴訟、これに関する一般論についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。
 私人、私ですね、私人が国家公務員の不法行為を理由に国に対して国家賠償請求訴訟を提起する例は決して少なくありません。本日の議案に直接関係する本年六月十六日に最高裁の判決が出されたB型肝炎訴訟、あるいは大阪や福岡の地裁で判決が出されましたC型肝炎訴訟始め、トンネルじん肺訴訟、被爆者訴訟など、厚労関係におきましては他省庁以上に数多くの案件を抱えております。
 こうした国の利害に関係のある争訟については、国の立場から裁判所に対して申立てや主張あるいは立証などの活動を行う事務を訟務事務というふうに呼び、これはもう大臣もよくお分かりのことだと思いますけれども、我が国においては、各省庁の所掌事務に関する訟務事務を法務省に統一的、一元的に処理をさせております。そして、この訟務制度の下で民事に関する争訟のうち、国の債務関係を担当しておりますのが法務省大臣官房の民事訟務課であります。
 この民事訟務課では、肝炎訴訟などのほかに、中国残留邦人問題、戦後補償問題なども担当してきているわけですが、ここで実際に働かれていた方の体験記が今年の春に雑誌に掲載をされておりました。いい加減な雑誌ではございません。国立国会図書館から入手をいたしました。
 それによりますと、国が被告となった事件の判決が全国の法務局、地方法務局から毎日のように民事訟務課に連絡され、そうした連絡を民事訟務課の職員が電話を受けた場合、その結果を響き渡る大声で課内じゅうに知らせるのが恒例になっているようであります。例えば、全勝です、全勝ね、朝青龍じゃありませんよ、一部敗訴です、あるいは全敗というような具合で、大きな声でこの民事訟務課課内全体で叫ぶんだそうですね。
 そして、このようにも書かれているんです。全国のだれもが注目するような訴訟の判決の場合、全勝ですという報告があれば課内じゅうで大拍手が自然にわき起こるというふうに書いてあるんですね。こうした拍手がわき起こった実例として、小泉総理の靖国参拝訴訟が挙げられておりましたが、全国のだれもが注目するような訴訟の場合ということですから、ほかにも課内で拍手が自然にわき起こる例は少なくなかったんではないかというふうに思われるわけです。
 私は、間違っても、厚生労働関係の訴訟のように、原告団が正に命懸けの闘いを行っている場合に、訟務制度の担当部局において、国の全勝、すなわち原告団の全面敗訴の際、こうした拍手が起こることはないものと信じたいわけでありますが、仮にそのようなことがあったとしたら大変ゆゆしき問題であります。
 昨日も東京高裁で学生無年金訴訟の判決が出されました。これは国の全敗という形になったわけでございますけれども、このときは全敗と言ったのかもしれません。そもそも、国民との間に国が勝訴をしたからといって担当部局で拍手が起きる体質そのものに大きな問題があるのではないかと考えます。
 法務省では、こうした担当部局の実態について把握をいただきまして、適切な指導をお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(大竹たかし君) 私どもの訟務の基本的な立場というものは、勝訴すべきものは勝訴いたしますけれども、敗訴すべきものは敗訴をするというのが基本的な立場でございます。
 ただ、勝訴すべきかどうかの判断というのはなかなか容易なものではございませんし、訴訟の途中の段階では必ずしも判然としないということもございます。
○津田弥太郎君 私は、民間同士、いわゆる民民の訴訟の場合に、両当事者が勝訴を目的とする、あるいは勝った側が勝訴を喜ぶ、そんなことは否定するものではありません。しかし、国が被告として訴訟に臨んだ場合、そもそも国は訴訟に勝つことが目的となるのかどうか。国にとっての国家賠償請求訴訟の意義というのは、訴訟を通じて真実を明らかにし、その結果として社会正義を実現することにあると私は考えます。すなわち、仮に悪意の個人が国に訴訟を提起してきた場合には、これは国が敗訴した場合には、支払われる賠償金、この原資が国民の血税であることからすれば、これは無駄な出費を減らすためには当然に国は勝たなきゃならぬだろうというふうに思うわけであります。
 しかし、まあ言い過ぎかもしれませんが、優秀な官僚の皆さん方も時には間違いを犯すんですね、今まで。度々かどうかはともかくとしてあったわけであります。日常の行政事務の中で過ちを犯すことは必ずあります。まして、作為のみならず、不作為が問われた場合にはなおさらであります。私はこの件について、この通常国会の中でも指摘をさしていただきました。そうしたことを踏まえるとするならば、国家賠償請求訴訟の場合は、国が負けることで主権者たる国民が救済され、社会正義が実現される場合が数多くあるだろうということを認識する必要が私はあると思います。
 法務省、改めてお尋ねをしますが、訟務制度の目的は勝訴することにあるのでしょうか。先ほど、勝つときには勝つし、負けるときには負けるという訳の分かんないことを言っておりましたけれども、訟務制度の担当部局の職員は、国が敗訴した場合に、人事考課がマイナスになり、出世に響くことになるのではないですか。裏取りますから、ごまかさないではっきり言ってください。
○政府参考人(大竹たかし君) まず、裁判を通じて法が適正に実現されるということが大切だろうと考えております。
 そして、人事考課の点でございますが、国が敗訴したという結果をもって人事考課がマイナスになるということはございません。
○津田弥太郎君 まあそういう答えになるんでしょうね。
 柳澤大臣、答えやすいことをお聞きします。
 そもそも一般の個人が国を相手取って裁判を起こすということは、これは大変、並大抵のことではありません。原告と被告の間にはもう圧倒的な情報格差がございます。あるいは、裁判費用は、国の側は税金で賄われ、個人は経済的な制約が強く存在をしておるわけでございます。さらに、何よりも大きいことは、個人はだれもが年老いて、その結果、最後には例外なく死んでいくわけであります。一方、国は一審、二審で敗れたとしてもほとんどの場合は上訴することで裁判は長期化してしまいますし、その間も次から次に、訟務の担当部局あるいは各省庁の担当部局には半永久的な優秀な人材が入れ替わり立ち替わり着任してまいります。
 本日の議案であります感染症につきましても、厚生省、厚生労働省の担当課長は、数えました、この二十年間で実に十二人目。すごいですね。そういう事情があることから、国に対して損害賠償を提起した当事者が、裁判の長期化により、財政的あるいは心身の問題で訴訟の維持に耐えられなくなることも多々あるわけでありますし、裁判結果が確定しないうちに不幸に命を落とすということも少なくないわけであります。その場合、遺族が裁判を継続するというのは大変困難なケースもあるのではないでしょうか。
 今正に、教育特におきまして、国を愛する心が自然に涵養されていくためにどのような道筋を描くべきかという議論をしている最中でありますが、国家賠償請求訴訟をめぐっては、国との長期化した裁判に傷付き、国を憎む人たちが数多く生じておるわけであります。場合によっては、そうした国を恨み、憎む気持ちが累代に引き継がれていってしまう。私は大変、これは不幸なことではないかというふうに思うわけであります。
 まあ、本来ならばさっき言ったような個別の訴訟における原告団の悲痛な叫びに対して見解を求めたいところでありますが、恐らく満足いく回答は出てこないと思いますので、一般論としてこういう、先ほどの法務省のやり取りもお聞きをされた上での柳澤大臣の率直な感想をお聞かせください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 一般論として申し上げますが、今先生の御指摘は私は当たっているというふうに思います。やはり行政において不法行為を、自分で考えて自らに対する行政行為を不服としてこれを損害賠償の対象にして訴えると、裁判に持ち込むということは、言わば非常な巨人に向かって普通の人間が立ち向かうというような力関係というのが容易に想像されるところでございます。
 ただ、しかし、これは両方とも社会正義の実現を求める、あるいは行政の目的あるいは個別の法律の目的とするところの実現を求めるという方向では私は同じ方向を向いているというふうにも思います。
 そういうようなことから、訴訟をする側にも、特に最近非常に、いろいろの形でこれを応援する弁護士さん等も出てまいりまして、そして、力というか事柄や主体性、主体の大きさからいうと、今冒頭申したようなことではありますけれども、なかなか国側もたじたじとするような裁判、法廷での論議の応酬というようなこともあるように見るわけでございまして、いずれにせよ、私どもとしてはやはり法の執行というものを誠実に希求をする。国の行政当局といえども、これは結局、先生も今お触れになられたように、国民みんなの税金を言わば背負っての話でございますから、そういう意味では別に自らの欲得のためにやるわけではありませんので、そういう意味で、不幸にして法廷の場に持ち込まれた場合でも、そこの論議を尽くすことによって社会正義が実現し、また法の趣旨が実現されるということを向いて行われるということだと私は思っております。
○津田弥太郎君 おっしゃるとおりだと思うんですよ。ただ、民民の訴訟ということであるならば、より多くの責任がどちらにあるのかということを最後まで争うという意味は当然あるわけです。あるいは、犯罪者に対する刑事裁判、これも白黒付ける必要が当然あるだろうと思うんですね。
 問題は、一般論でお聞きしましたけれども、厚生労働大臣ですから、あなたは、厚労省の所管分野に関する国家賠償請求訴訟というのは、私が先ほどから申し上げておりますように、人の生き死にが懸かっている話が、裁判が圧倒的に多いわけであります。先ほどの、昨日出された東京高裁の学生無年金訴訟の場合も私は共通していることだと思うわけであります。
 こういう裁判を国は長引かせて勝つことに意味があるというふうには思えないわけです。国の役割というのは、そもそも国民の幸福を実現することにあるということを踏まえるならば、国の側に少しでも責任があるとすれば、被害者である国民に対して可能な対応を早期に行うことが必要ではないかというふうに私は思うんですが、先ほど大臣も一般論としては同じ考えだというふうにおっしゃいました。長期の裁判の過程で尊い命が失われたら取り返しの付かないことになるわけですから、こういうことを考えますと、大臣、厚生労働大臣として厚生労働省所管の訴訟については他の省庁の裁判とは違う姿勢が必要ではないかと思うんですが、もう一言いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) タイミングの問題を今、津田理事は主としてお触れになっているかと思いますが、私どもも裁判を長引かせてどうこうというようなことは全くこれは考えておりません。また、考えるべきではないと思っております。
 ただ、やはり双方言い分があるわけでございまして、それらを闘わせるということには最低限の時間は必要だろうと思いますが、これはいろんな訴訟指揮というか裁判官の法廷の指揮でもってなるべくもう早く結論を得られるようにということで、これは我々の方もお願いするわけですが、努めていただきたいと、このように思います。
 それからもう一つ、それとは別に、今不幸にして裁判、法廷の場に持ち出されたこととは別に、いろんな当該の事案については、被害の発生を防止する取組など、国として行うべき施策がある場合が多うございまして、これにつきましては、裁判とは別にどんどん取り組んで推進をしていくということをやらせていただいておりますが、今後ともそのような姿勢で臨みたいと、このように考えております。
○津田弥太郎君 大臣の決意、しかと受け止めさせていただきたいと思います。
 さて、今法案についての具体的なお尋ねに移らせていただきます。
 近年、SARSあるいは新型インフルエンザを始めとして新たな感染症が出現をし、その一方で、結核のような今から約九千年前に地球上に存在していたハイデルベルグ原人、すごい名前なんですが、このハイデルベルグ原人の遺骨の中にも痕跡が見いだされるような極めて古い古い感染症との闘いも依然として我々は余儀なくされておるわけでございます。このうちSARSに関しましては、二〇〇三年七月にWHOが終息宣言を出し、これ以降は実験室内の研究者の感染を除いては新たな症例が発生をしていないということでございます。
 実は日本においていち早くSARSの問題を国会で指摘をし、政府に対策の必要性を提起をしましたのは、私の出身組織でありますJAMの先輩でございました鍵田節哉元衆議院議員でございました。WHOを中心として、世界各国が力を合わせSARSを終息に導いたということを私自身も高く評価をしておるわけでございます。
 しかし、残念ながら、感染症を完全にゼロにしていくということは不可能であります。新たな感染症は自然発生的にも誕生しますし、人為的な形で誕生させてしまうということもあるわけでございます。その意味で、正に人類と感染症との闘いは終わりなき闘いと言っても過言ではありません。終わりなき闘いではありますが、それは不毛な闘いではない。人類の英知により大きな成果が上げられるものと考えておりますし、またそうした努力を各国で行っていかなければならないと考えるわけです。
 そこで、まず、結核問題について一点確認をさせていただきます。
 我が国において結核は一九八〇年ごろまでは一貫して減少してまいりました。私は文科系なもので、三島由紀夫のエッセーを見たところ、このエッセーにこういうふうに書いてあるんです。我々は、自動車事故以外にはめったに死ぬことがなく、薬は完備し、かつての病弱な青年を脅かした肺結核と、健康な青年を脅かした兵役からは完全に免れている。この三島由紀夫のエッセーは一九六八年から六九年にかけて書かれていたということでございますので、まあ多少意図的に誇張した表現はあるかもしれませんけれども、当時の結核に関する社会認識として、このような受け止め方がなされていたのも事実なのかな、そんなふうに思うわけであります。
 その後、九〇年代後半、結核は再び増加に転じ、九九年に結核緊急事態宣言が出され、今日に至っても日本は世界の中で結核については中蔓延国、まあ非常に不名誉な位置付けがされており、この位置付けから脱しておらないということでございます。
 そういう過程の中で、昭和二十六年から結核対策の根拠法として重要な役割を果たしてきたのが結核予防法であります。今回、感染症対策全般の一般法に統合されるということになったわけでございます。その理由として、大臣は、現行の結核予防法については患者の人権上手続が十分ではないのではないか、あるいは特定の感染症の病名を冠した法律はとかく差別、偏見の温床になるのではないか、こういうような問題点の指摘があったと衆議院の委員会で答弁しておられます。覚えていらっしゃいますよね。この点については、もう少し詳しく大臣から説明をしていただかなければならないと思うわけです。
 なぜなら、平成十年の第百四十二回国会において感染症予防法の改正が審議をされた際に、衆議院厚生委員会で当時の厚生省の保健医療局長はこのように答弁しております。結核予防法には人権配慮という規定は入っておりませんが、具体的には、結核の患者さん方で実際に人権問題で御意見を言われる方はほとんどない、私は聞いたことがないというのは事実であります。ただお題目で人権配慮と書くだけでは人権が守られるということにはなかなかなりにくい、しかし、そういう規定がなくても、そういう人権侵害が起きるような要素をなくしていこうということの手だてがこの結核予防法にはある、私はこんなふうに思っておりますという答弁をされているんです。このように、結核予防法のスキームにおける人権への配慮に関し極めて高い評価を担当局長が国会で発言をしているということからすると、今回の大臣の御説明というのはどういうふうに受け止めたらいいのかな、ちょっと悩ましいところなんですね。
 ここまで言うと大臣は思い出されるわけであります。当時の記憶がふつふつとよみがえってきていると思うんですが、この保健医療局長の答弁がなされた当時の衆議院厚生委員会の委員長はあなた、柳澤大臣その人でありますよね。覚えていらっしゃいますよね。
 平成十年当時の局長答弁がそもそも間違いであったのか、それともそれ以降の八年間の間で結核予防法に関する厚労省内の認識が変わったのか、御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、平成十年当時、私は厚生委員長でございました。その当時、この結核予防法の改正がかかって、そもそもこの結核予防法における患者の人権上の問題が質疑応答の中で問題になったということ自体が、ある意味でもう既にやはりこの結核予防法上の人権の規定について関心があったということの私は逆に証左ではないかと、このように考えるわけでございます。
 そこで、その後はどうかと、余りわあわあ言う動きがないじゃないかということでございますけれども、やはりこの点につきましては、例えば公衆衛生審議会の「二十一世紀に向けての結核対策(意見)」というようなもので結核予防法の人権上の手続に関する審議会の指摘というものもございますし、また、一番この人権についていろいろ建設的な意見を通常提起してもらっていると言わせていただいていいと思うんですが、日弁連ですね、そこからもやはり同じように病気事の法律による差別、偏見が助長されるというような指摘もございまして、やはり当時から厚生労働省の担当官の中にもそういった問題、まあいろいろ、もう出してしまった法案についてはこれをディフェンドしなければならないという立場での言葉はあったにせよ、やはりそこに一定の留意が行われていたということは私は明白だというふうにあえて先生に御理解をいただきたいわけでございます。そういうふうなことで、今回新しい感染症法の法律案を起案するに当たって、言わば年来の課題にこたえるという意味で結核予防法を統合したということでございます。
 しかして、どういうことが具体的に規定されたかと申しますと、入院措置の前に勧告をするということで、本人の入院の意思を尊重する、そういう規定を置かせていただいた、あるいは入院期間の設定と、それをまた延長する場合については第三者による判断を求めるというような規定を置かせていただいたということでございまして、私どもとしては、ずっと一貫した関心の下で、今回より良い形にさせていただいたということで、御理解を賜りたいと思っております。
○津田弥太郎君 苦しい答弁ありがとうございます。
 私は、結核予防法の廃止と感染症予防法への統合を否定しているわけではないんです。しかし、一昨日の審議の中でも、今回の対応については、国会における附帯決議も踏まえてということを大臣は答弁をされていたわけですが、個別の立法が患者等に対する差別や偏見につながったとの意見を真摯に受け止めという内容の附帯決議は、実は先ほど足立議員の質問の中でもございましたけれども、平成十年の感染症予防法改正の際に付けられたものであり、御存じのように、その後、平成十六年に結核予防法が改正された際にはこのような附帯決議は付されていないのであります。
 この点については、先ほどの平成十年当時の局長答弁と併せ、厚労省の対応に若干の疑問を持たざるを得ないことは、私は指摘をしておきたいと思います。大臣も大変さっき苦しい答弁になったわけであります。
 さて、平成十年の百四十二回国会において、会期末に伴い感染症予防法改正案は衆議院厚生委員会で継続審議となりました。しかし、同法案は参議院先議で審議をされ、衆議院厚生委員会に送付された段階で既に政府案は修正され、参議院を代表して尾辻議員が修正部分の説明を柳澤大臣の目の前で行いました。修正項目は四点あり、ここで一々述べませんが、その中の一つに五年後の見直し条項がございました。
 一昨日、共産党の小池委員の質問の際に、大臣は、今回の法改正で結核対策が従来と比して何ら後退することはない、むしろ拡充の方向の改正だと答弁されましたよね。私はこれを大変重く受け止め、信頼をしたいと考えているわけであります。また、今回の政府案には当初より五年以内の見直しが明記をされています。こうした事実も評価をしたいと思います。
 それでもなお、結核予防法という昭和二十六年来の個別法がなくなることの重要性、そして一昨日、浮島委員も指摘をしましたように、結核予算が大幅に減るのではないかという心配が一部で持たれていることなども踏まえ、要望を申し上げたいというふうに思います。
 今日における時代の変化というものは極めて急速であり、かつ、結核については事は命にかかわることでありますので、五年という法律見直しスキームとは別に、今回の法改正後の結核対策の進捗状況、これに関し、遅くとも二年程度経過をした後には当事者、家族、有識者などからのヒアリングを行い、その結果を踏まえ必要な対策を講じることをお約束していただけないでしょうか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 津田理事の御指摘のとおり、今回法律案におきましては、その附則で、施行後五年を経過した場合に、必要があると認めるときはこの法律の規定について検討を加えて、その検討の結果に基づいて必要な措置を講ずるという、いわゆる見直しの規定がございます。ただし、これは別段、本法律案に基づく施策がどんな具合になっていようとも、とにかく五年間は全く見直しをしないという意味では私はないと解しているわけでございまして、そういう事態が発生した場合には、その前であっても当然いろんな角度からの検討をするということは当然でございまして、その結果に基づいて必要な見直しをしていくだろうということでございます。
 いずれにせよ、今後の改正法の施行後の状況を見ながら、今先生のおっしゃった関係者の意見を聴取する等によって適切に対処してまいりたいと、このように考えております。
○津田弥太郎君 是非そのように進めていただきたいと思います。
 次に、新型インフルエンザ対策について質問させていただきたいと思います。これも先ほど足立議員からも質問がございました。
 内閣官房が中心になりまして、既に九月の十二日から十三日にかけて机上訓練が行われております。この机上訓練から二か月半以上が経過をしておるわけでございますが、この新型インフルエンザに関する危機感というものについて、大臣、先ほどもそれに近い答弁がございましたが、この危機感は高まっているのか、低下しているのか、あんまり変わらぬのか、率直なお答えをお願いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 新型インフルエンザについての危機感の推移いかんということでございますけれども、現在、新型インフルエンザにおきまして、世界的な流行の段階には至っておりませんけれども、インフルエンザの鳥から人へ感染する事例が広く見られるようになっておりまして、その中には人から人への感染といったような事例もあるのではないかと、こういうようなことも報告を受けているわけでございます。そういうようなことで、現在の状況は予断を許さない状況だという認識を持っているわけでございます。
 このため、私どもといたしましても、各国における発生状況等を注視しながら、関係機関等と密接に連携を高めていくということが一つございますし、さらに、今お触れになられたこの机上の訓練といったようなものにつきましても、私ども更に地方団体まで広げたところでもう一回訓練をすると、より徹底した形での訓練をするといったようなことも同時に考えているわけでございます。
○津田弥太郎君 内閣官房にお聞きします。
 大臣から、そのような大変危機感を強く持っていると、更に取組を強化をしていきたいというお話がございました。これ、九月の十二日から十三日、第一回目の机上訓練が行われたわけでございますけれども、当然、そうだとするならば、二回目の訓練を行うと理解してよろしいですか。
○政府参考人(伊奈川秀和君) 先生御指摘のように、この新型インフルエンザ問題というのは経済社会に深刻な影響を及ぼすものと考えております。したがいまして、前回の訓練を受けまして、今後、自治体も関与した訓練というものを実施すべく、現在関係省庁と相談、連携しながら検討しているところでございます。
○津田弥太郎君 検討だけではなくて、是非実施をしていただきたいと思います。
 最後の質問になります。大臣、この感染症対策に関する国際協力という問題でございます。
 既に衆議院における質疑の際にも、大臣からは、我々の能力を挙げて資金的な援助、人的な、技術的な援助、こうした国際協力を行うというふうに高らかに述べられております。私も大賛成であります。日本の科学、経験などを活用し、アジアの中あるいは世界全体の中でリーダーシップを発揮をしていくということは極めて重要であります。
 そもそも、人と物の移動が急速に進み、ボーダーレスが常態となっている現状を踏まえた際には、各国が独自に病原体に立ち向かうことでは効果は乏しいわけで、感染症問題を人類全体の課題と受け止め、可能な限りターゲットとなる感染症について、発生国においてWHO等と国際的に連携協力しつつ迅速な対応を行うことが不可欠と考えるわけであります。このことは、我が国への感染症の侵入防止などにも効果的であります。
 このため、感染症に関する危機意識と対応が十分でない国への意識付けを含め、世界の感染症対策において日本がリーダーシップを発揮することは日本の国際協力の一歩になるというふうに思われますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 感染症は正に今、津田理事が御指摘になられたとおり、昨今のボーダレス社会、もうグローバルに物、人が非常に短時間に動き回るような、そういう世界におきましては、これはもう全く一国の国内問題などというような取組は許されないというのは御指摘のとおりだと思っております。そこで、私ども、感染症は正に地球規模の脅威という認識の上に立ちまして、その対策には国際的な協力が不可欠であるというふうに思っております。
 私ども厚生労働省といたしましては、WHO、国連などへの人的貢献や財政的支援、それからまた、今そうしたことについて十分手が回らない開発途上国の感染症対応能力の効果等のために、専門家の派遣や我が国への研修員の受入れなどを通じまして、我が国の感染症対策の実績と経験を生かしながら、アジア地域に重点を置きながら国際的な感染症対策に積極的に参画していくことが重要である、このように考えるわけでございます。特に、今申したように、アジア地域において主導的な役割を果たしながら感染症対策についての国際協力を積極的に推進していきたいと考えております。
○津田弥太郎君 終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 通告の順番とちょっと違っておりますが、今、津田委員からるる質問があった点で、特に最後のところが私も極めて大事な点だと思っておりまして、もう少し踏み込んで考えていけないかどうかについて御質問させていただきたいと思います。
 前の国立感染症研究所の倉田所長がウェッジという雑誌に投稿してあった記事がございまして、私はその記事を読んで本当に感動したことがあります。それは、感染症そのもの自体がやっぱり予防という観点に立てば、もっと積極的に日本がアジア各国に感染研の支社のようなものを置いて、そこで発生した感染症の治療を行っていくと。そうすると、地域に対しての、アジア各国に対しての貢献もできると。ましてや、日本に入ってくるものを未然に防ぐことができる。その上で、そこでウイルスなり細菌なりの株も同定できるということは、その先のワクチンとかそういうものの開発も容易に進んでいくんだという点から考えてくると、今大臣が御答弁なされたことよりももっと更に踏み込んだ対策を私は取っていくべきではないのかなと。
 特に、ODAというのは予算の使い方が決まっているのかもしれませんが、むしろそのODAの予算で道路や橋を造っていくことも極めて大事なことだとは思いますが、こういった分野のところにむしろ積極的にお金を使っていくべきではないんだろうか。
 もう一点申し上げると、国防という観点でいうと、すぐ自衛隊とか警察とかそういう話になりますが、むしろ感染症というものも国防の私は一環だと思っておりまして、そういう観点からすると、極めてその予算的措置が少な過ぎるんじゃないのかなと、そう思っております。
 そういう点で、倉田先生が指摘されていた内容に関して大臣はまずどのようにお考えか、御所見をお述べいただければと思いますが。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 倉田先生のお話でございますが、一つは感染症研究所の人数、人員の問題、さらには予算規模の問題もお触れになられたかもしれません。それからまた、今、その御寄稿の文章ではなくて、先生たちとの対話の中でより踏み込んだ形で感染症研究所の支所を配置するといったようなことも話題になったようでございますけれども、いずれにせよ、いろんな形で国際的な協力体制を強化していくということが重要ではないかという御指摘、これは非常に私も参考になる御意見かというふうに思って受け止めさせていただきます。
 ただ、今、厚生労働省としてはやっておりますのは、先ほど来申し上げましたとおり、WHO、国連などへの人的貢献や財政的貢献、あるいは当方からの専門家派遣や、我が国への現地あるいは途上国、アジア諸国の研修員の受入れというようなことでございます。更に踏み込んでの話ということについては、またいろいろ先方政府との関係もあるということは容易に想像されるところでありまして、多くの課題があって更に検討を進めなければならないと、このように考えます。
○櫻井充君 これは、先方のことというのもそれはおっしゃるとおりだと思います。ただ、日本としてどうしていくのかということも極めて大事だと思っておりますし、WHOからも日本がこの地域での中心的な役割を担うべきだということもこれは言われているわけですから、そういう点で考えてくると、僕は本当に外交上すごく大事なことだと思うんですね。
 今日は外務省の方も来られておりまして、私、麻生大臣にもこの問題についてお話をさせていただいたときに、私は一定の理解を示していただいたものだというふうに認識しておりますが、外務省として、これはまたもう一つ問題なのは、多分縦割りの行政があって、厚生労働省が幾ら言ってもできない問題もこれは国内的に私はあるんだろうと思っておりまして、外務省としてこういったことについてどうお考えか、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(辻優君) お答え申し上げます。
 本年三月の予算委員会におきまして外務大臣からも御答弁申し上げましたとおり、開発途上国におきます感染症対策というのは、我が国のODAの非常に重要な分野となっております。今御指摘のございました感染症対策におきまして、現地におきます施設、研究機関を拠点として活用することの重要性、これも先生のおっしゃるとおりだと思っております。
 我が国は、感染症対策としてはもう既に御説明しております沖縄イニシアチブないしは保健と開発に関するイニシアチブというものを従来行っておりますけれども、既にタイ国立保健研究所ないしはマヒドン大学内にございますASEANの研究センター等を通じまして、またアフリカにおきましても同様に、いわゆる研究拠点をつくって、そこに何らかの支援を行うという形で研究支援、振興を行ってきているところでございます。
 また、ODAではございませんけれども、文部省予算の中で東京大学、長崎大学等が現地の大学、研究機関等との関係でいろいろと研究交流拠点をつくるということが行われていることも、ある意味では先生のおっしゃる御指摘に沿ったものだと思います。
 具体的に、国立感染研究所の方でどういう御計画があるかについては、申し訳ございませんが承知していませんけれども、先ほど柳澤大臣からも御答弁ございましたように、先方政府との関係等も十分踏まえまして、御指摘も踏まえて、また今後検討していくべき課題だと思います。
 以上でございます。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 個々にやっていくと最終的に無駄も出てきますし、肝心なところに、実は拠点をつくらなきゃいけないところに拠点ができなかったりとかするので、本来、やっぱりこういうものそのもの自体、どこかが中心になってきちんとやっていった方が私はいいんだろうなと。そして、そこでの情報がきちんと交換できるようなシステムをつくっていった方がいいんだろうと思っているんですね。
 もう一つ、先ほど鳥インフルエンザの問題がありましたが、今我が国は鳥インフルエンザが発症したらタミフルを使いましょうと、そういう観点に立っております。じゃ、まず大事な点からお伺いしたいのは、タミフルを今まで臨床で鳥インフルエンザの患者さんに使ったことがあるのか、そして効果があったのか、まずこの点のことについて確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) タミフルを鳥インフルエンザに使った例でございますけれども、東南アジアで発生した際に実際に使った例がございました。ただ、残念ながら、四十八時間以内という一番大事な時期を超えて使っている例が多うございましたので、効果のほどについてはまだ確定的な結論は出ていないと思います。
○櫻井充君 ここも私が申し上げていることの大事なポイントになるんだろうと思うんですね。
 つまり、もし例えばそういうところに支社を置いておいて、発生したとなったときに、若しくは危ないと思ったときにすぐ検査体制があって、そしてすぐに処方できるようなことになっていれば、本当に効果があるかどうかということが分かるんだろうと思うんですね。
 何を申し上げたいのかというと、日本は鳥インフルエンザ対策の一番が実はタミフルの備蓄でございますが、本当の意味で効果があるかどうかは分かっていません。理論上は分かっております。しかし、本当に効果があるかないかが分からないものに対して大量の投資をしているわけですね。
 そして、これがあるからさも大丈夫だというような話になっておりますが、これ、実際備蓄しておいて、投与してみたら全然効かなかったということになったらどうされるんですか。
○政府参考人(外口崇君) タミフルは、先生もう御存じのとおりでございますけれども、インフルエンザウイルスが増殖するのに必要なノイラミニダーゼという酵素の働きを抑える作用により、人体内においてインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬であります。
 でございますんで、先ほど私、東南アジアの例を申し上げましたけれども、理論上あるいは動物実験上等におきましては、これは適切な時期に投与されれば有効であろうというように考えられるわけでございまして、その意味で、WHOの方でも治療としてはやはりタミフルを中心に推奨し、それから、タミフルをWHO自身も備蓄をしているというのが現状でございます。
○櫻井充君 理論上も分かりますし、動物実験上も分かります。ただ問題は、本当にそれが人に有効になるのかどうかということの実証はされていないということです。ですから予防という観点が大事になってくるんだろうと。
 そうすると、その予防ということをやるためには、何回も申し上げますが、その発生地に即座に行けてそこで治療ができて、そしてそういう治験を積み重ねてくることが極めて大事なことですから、改めてこういった感染症全般的な取組の根本的なところを考えていただきたいんだと思うんです。
 もう一つ、狂犬病が日本で三十七年ぶりでしょうか、発症いたしました。これとて、日本国内で恐らく狂犬病が発症する可能性というのはゼロに近いというのか、もうないと考えていいんだろうと思いますが、ちょっとまずその点について確認させていただけますでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 我が国では、昭和三十年以降、国内での人での狂犬病の感染報告はありません。それで、あるとすれば、今回起きたわけですけれども、海外で感染して、輸入症例と申しますか、帰国してから発症したと、そういう事例になるわけでございます。
 実際に、じゃ、狂犬病自体が中で発生する可能性があるかということでございますけれども、これは確率としては非常に少ないと考えております。
○櫻井充君 そうなんですよね。日本国内では発症しないんですよ、恐らく。
 ところが、例えばインドなどですと、公称は一万数千人ぐらいでしょうか、もうちょっと、二万人弱ぐらい発症していると。別な方から言わせるともっと多いんじゃないかというお話もありますが、今後、中国の次はインドだと、オーストラリアだという話になっておりますが、そうすると、そういった地域に行かれた人たちが発症するかもしれない。そういうところから仮にペットを輸入するかどうか分かりませんが、そういった場合にまた発症してくる可能性が出てくるんだろうと、そう思うんですね。そういう観点から考えても、海外での感染症そのもの自体を抑制するようなことをしていくことが極めて大事なことになるんだろうなと、そう思います。
 例えば、ちょっとこれは通告しておりませんが、狂犬病の場合には初期の段階でワクチンを打てばいいわけですが、これは各県にそういうワクチンというのはもう常備されているものなんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 狂犬病のワクチンの場合は、これは各県かどうか、今確認いたしますけれども、仮にない県があったとしても、すぐ搬送して必要な量は届けられることになっております。
○櫻井充君 済みません、ちょっと通告しておりませんで、申し訳ございません。
 その意味で、この間、感染症の病院なりそれから医療提供体制がどうなっているのかということで資料を提出していただきました。これを見ると、例えば二種感染症指定病院の医師数の状況などということがありますが、例えば結核は今回これは二類に分類されましたが、これは二種になるんですか。ちょっと済みません、そこを確認させていただきたいんですが、それはその認識でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 提出した資料には、入る前の今の二種の数で入っております。結核はその後に加わるということになります。
○櫻井充君 そうすると、同じ二種でも、結核を診れる方とそれ以外の感染症とはまた別個になってくるんじゃないのかなと。同じような形で治療することが可能なんでしょうか。
 つまり、結核病棟にそのほかの患者さんたちを入院させるというような手だてを取るお考えはおありなんですか。
○政府参考人(外口崇君) 例えば新型インフルエンザが仮に大流行した場合のようなときには、これは結核病棟の空床等も活用することになると思います。
 ただ、一般的には、結核はかつて結核病棟であったところで、専門家がいるわけですので、そこで治療するということになると思います。
○櫻井充君 今後、多分病院の統廃合が行われていくと、今までのような結核病棟だったから結核を診ますと、それ以外のところはそうではないというような形にはなっていかないんじゃないのかなという気がしているんですけれども。
 そしてもう一つ、この二種病原体というのはいろいろありますね。そのいろいろある中で、例えばある北海道の病院などは、病床は六床しかないけれども医者が百一人もいると。これは報告いただいているんですが、これ実際、その病床というのは多分感染症の指定のための病床が六床で、あと元々大きい病院だと思います。しかし、その二種の感染症の指定のところでこの百人の方全員がこれ本当にちゃんと診れるんですか。
○政府参考人(外口崇君) 提出した資料でございますけれども、実はこれ、急遽直近の数字を電話で聞き取りでやって行ったものでございます。
 率直に申し上げまして、中の数字で我々が更に確認する必要がある数字が一部混じってございます。というのは、医療機関に感染症の専門家の数を聞いて、大部分そのように答えていただいておるわけでございますけれども、中には、うちは全部専門家だとか、なかなか我々とちょっとまだ意見が統一できていないところもございましたので、ただ取りあえずということで聞いた数字をそのままお出ししておりますので、ここはもう少しお時間をいただいて正しいものを出したいと思っております。
○櫻井充君 なぜ今までそういうきちんとした調査をしてこられなかったんでしょうか。まずその点についてお伺いしたいと思いますね。
 それは何かというと、八年前のこの法案の審議をする際に、ちゃんと医療の提供体制ができているのかどうかということを私、質問させていただきました。その当時、不十分であるからちゃんと体制を整えるんだということが御答弁でございました。その答弁どおりやってないということじゃないですか。現状も把握してないで、感染症の対策をちゃんとやっているなんてこれ言えるんですか。
○政府参考人(外口崇君) 私ども、そもそも感染症対策は危機管理等も一緒に行うものでございますので、これは私どもが常時各自治体の状況を把握しておくのが本来の業務でございまして、それは十分反省しなければいけない点だと思います。
○櫻井充君 八年前に約束したことをいまだにやってないことについて、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変残念なことだと思いますが、過ちを直すにはばかることなかれでございますので、とにかく早急に必要な手だてを講じていくべきだと思っております。
○櫻井充君 いつまでやれますか。これはきちんとしていただきたい。いつまでも反省して何とかだと、今の教育特に出ていても同じことの繰り返しですね。これはちゃんと目標を立てて、いついつまでに整備すると約束していただかないと、とてもじゃないけれど審議はできませんね。こっちは大事な点だと思っているからああやって指摘もしました。体制整備すると約束をしたじゃないですか。したにもかかわらず、調査もしていない。現状把握されてないんでしょう。こんなんで危機管理体制ちゃんとできていますか。国民の安全をこれで担保できていますか。テロ対策を今回法案に盛り込んでますよ。
 これからお伺いしますが、じゃテロが発生した際には、どこの病院で一体何床受入先があって、そういうものをどうやって見るんですか。そういうことが、まず基本的な数字がなかったら話にならないんじゃないですか。幾ら法律を作ろうが何しようが、現実は動きませんよ、こんなものは。
 大臣、いつまでにおやりになりますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、さしずめ鳥インフルエンザのことについて大変心配をしておりまして、そしてその関連で第一種感染症指定医療機関の整備ということをほとんど局長の顔を見る都度言っているというような状況であります。
 そのときに、先ほど来答弁の中でも申し上げたわけでございますけれども、都道府県の中では、なかなかこれ消極的というか、いろんな事情があるわけでございます。その分析もするということを先ほど御答弁申し上げましたけれども、例えば旧の国立大学、今も独立大学法人ですが、そういう国立大学病院がそれにその地域ではふさわしいということで、そこを指定医療機関化したいと、こういうことを構想したとしても、そこにはお金が掛かるわけでありまして、その資金をじゃその都道府県なりが出し得るかというと、これは地方財政法上制約があるというようなことで、何と申しますか、法律の枠組みの中で両方がすくんでしまうというような事態もあるということを聞いているわけでございます。
 今総務省にお願いをして、それらについての解決策を講じてもらおうということで依頼をしておるわけでございますが、そういったこと一つ取りまして、まあそれは一つの例ですけれども、そういったことで、なかなか厚生労働省だけのいろんな考え方でもってその実施がはかどらないというような面も実はありまして、そんなことを私言い訳にするつもりはないんで、ただ一例を、実情を申し上げるということで申し上げたんですけれども、今後、鋭意この問題しっかりやっていきたい。ただ、相手のあることだと、相手があるというケースもあるということは先生に是非御理解を賜りたいと思います。
○櫻井充君 相手にならないようにすればいいだけですよ。
 例えば大学病院は、文部科学省の病院だから問題が起こるんですよ。何も、これは厚生労働省なら厚生労働省の病院にすればいいだけですよ。そして、厚生労働省の病院にして予算は厚生労働省が握れば、それは何も地方自治体にお願いする必要性も全くないわけです。だから私は、数日前の教育特でも大臣に申し上げたんですよ。ああいうところを文部科学省が持っているから根本的な問題が解決しないんですよ。残念ながら、大臣からは今のまんまのシステムでいいという御答弁でございましたが、こういうことがあるからこそ、本来は厚生労働省なら厚生労働省が一元管理するべきなんですよ。
 いいですよ、こういうことがもしこういう議論になっていて、万が一テロが起こったとして、そのときに緊急で対応できる病院がありませんでした、医者もいませんでした、そこで被害が広がりましたと、そのときはどなたが責任取るんですか、これは。
○国務大臣(柳澤伯夫君) テロが起こって、それが生物テロであったというようなことで、感染症絡みの話であるという際には、当然、厚生労働省が責任を取り、その責任者である私が責任を負うというふうに申し上げます。
○櫻井充君 分かりました。ありがとうございます。この点については、感謝申し上げます。これだけはっきり自分が責任者であって、責任の所在は自分にあると。なかなか大臣おっしゃいませんが、そういう点で、僕は柳澤大臣、立派だと思われます。
 そうすると、そこの中で僕は是非、逆にお願いしたいのは、これだけ責任感の強い大臣の時代に是非整備していただきたいなと。そうでもないと、なかなか変わっていかないんじゃないか。ですから、ここのところをどうすればあと良くなっていくのかということを、もう少し具体的にお話しいただきたいと思うんですね。今いろんな実情があると。
 もう一点は、僕は予算の問題なんだろうと思うんですよ。これは全部地方自治体に押し付けるということになれば、今の地方財政からいっても大変なことなんだろうと思います。そうすると、この国の感染症対策の予算が十分なのかどうかということがもう一点問題になるんだろうと思うんですね。
 この国の、基本的にお伺いしたいのは、感染症で亡くなっている方の人数をまず教えていただきたいことと、感染症対策費として計上されている予算を教えていただけますか。
○政府参考人(外口崇君) 日本において感染症で亡くなる方の数でございます。人口動態調査の感染症による死亡数死因統計表によれば、感染症法に規定される感染症による死亡数は、平成十七年で八千八百九名、感染症法施行後の年間平均になると七千百三十三名であります。この統計で結核による死亡数を見ると、これは二千二百九十六名であり、平成十一年以降の年間平均数では二千四百八十名であります。統計では結核とこの感染症は別になっております。それからまた肺炎とかも別になっております。
○櫻井充君 予算、予算。
○政府参考人(外口崇君) 予算でございますけれども、平成十九年度概算要求として百九十九億円を感染症対策で要求しております。ちなみに、十八年度予算は百八億円でございます。この感染症対策予算の中には、例えば結核の医療費でございますとか、そういったものは含んでおりません。
○櫻井充君 ほかの国々、例えばアメリカ、ドイツ、フランス、イギリスなどの先進国の感染症対策の予算というのは幾らぐらいになっているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) アメリカでいいますと、例えばCDCの予算を挙げますと、二〇〇六年度の感染症対策に関する予算は約十七億ドルになります。仮に一ドル百二十円として換算すると、約二千四十億円相当になります。このほか、アメリカでは、例えば国際エイズ基金とかマラリア予防管理基金等への拠出が約四億ドルございます。
 それから、イギリスの方では感染症の健康危害に対する対応などを担当する機関である英国健康保護庁、ヘルス・プロテクション・エージェンシーの二〇〇五年の予算が約二億ポンド、一ポンドを二百三十円として換算すると約四百六十億円となっております。
 ドイツ、フランスの予算の状況については、現時点では把握しておりません。
○櫻井充君 後で分かったら教えていただきたいと思いますが。いずれにしても、日本の予算は他国から比べるとかなり少ないと思います。
 この国の道路予算が幾らあるのかというと十兆円を超える額です、これは高速道路も含めてですが。アメリカが道路予算が十三兆円ぐらいで、日本は正確にいうと十一兆幾らだと思いますけれども、国土の二十五倍の国とほぼ同額なんですね。ドイツが二・五兆、それからイギリス、フランス、イタリアが一兆円前後ぐらいですよ。
 そうすると、この国の道路予算はけた違いに多いんですよ。こういったものにこれだけの金を掛けて、なぜ人の安全であるとか生命の維持していくためのものに対して、この国の予算はこれしか付けられないんでしょうか。
 大臣、この点はいかがでございますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まあ予算というのは、白紙でその年の予算をつくるわけではなくて、ずっと長い経緯をたどって、少しずつと言ってはまた櫻井委員にしかられますけれども、まあ動いていくという性質のものであります。それはどうしてかというと、それは別に、単に財政ニーズに対して的確な対応というのが財政上遅れるということだけではなくて、まあ私どもも若いころから言われたのは、予算は飛躍せずという、この言い習わしも実はございます。それはどうしてかと。
 私は、若いころ、環境予算を物すごく増やす原案を持って局長のところに現れたことがありますけれども、たしなめられました。そういうものを実際にこなすのは、まあそれぞれの民間の人が最終的にはいろんな工事をやったり、そういうことをやるんだと。そういうマンパワーがそろわないのに、予算だけつくったらそれでいいというわけじゃないんだよと。つまり、ある程度ならして、少しずつ増やしていくことによって国の方向を見て、そこに日本の資源が移っていくと、こういうことも反面、必ず伴わないと予算の執行はできないと、こういうことでございます。
 まあいろいろ講釈を並べて本筋を離れそうなんですけれども、例えばそういうようなこともありまして、全体の予算の中でバランスを取って決めていくということでございまして、今のように、言わば各省ごとのシーリングを厳しくはめられますと、厚生労働省予算全体の中で工面をしていくということにならざるを得ません。
 そういう中で、こういうそれぞれの局が、あるいはまた、こういう施策ごとの予算をそれぞれの責任者が頑張って取っているわけですけれども、今はこういう状況だということでございます。
○櫻井充君 現状はよく分かりました。
 いいシステムですか、これが。
○国務大臣(柳澤伯夫君) いいシステムかどうかということは、もうこれは多角的に検討しないと結論が出ませんが、これはこれなりの合理性を持っているという面もあると私は考えております。
○櫻井充君 では、合理性があると、ある面もあると。ということは、問題点もあるんだろうというふうに認識されていると思いますが、問題点はどこにありますか。今のシーリング等、そういうその予算付けのところでどこに問題があると思われますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まあシーリングをはめられますと、それぞれの、何というか、この施策の責任者というのは、自らの存在を懸けて頑張りますからね、なかなかこれは変化をしてそういかないということです。これには相当の政治的な決断というようなものでアクセントを付けていくということの必要性というのが高くなっているということだろうと思います。
○櫻井充君 やはり大きくその財政の使い方を転換しないと、新しい産業というのはやっぱり生まれてこないんだろうと思うんですよ。つまり、いつまでも土建国家でやって、そこで雇用を生んでいくというのは、それはその一つのやり方でしょう。しかし、これだけ財政状況が悪くなってきている中で、公共事業をやり続けて本当に雇用を生んでくるのかどうかという時代になったんじゃないですか。つまり、五五年体制ぐらいのときは農業人口が約四〇%だったと記憶しております、今、五%にもなっておりませんが。この人たちが失業しないでその農業人口が減っていった最大の要因は、実は国が公共事業をやり続けたことです。そして、そこで雇用を吸収していったこと。別に公共事業を否定しておりません。これは道路やいろんなインフラができ上がって、経済が活性化されていったんです。だから右肩上がりの成長を遂げていくためには、僕は必要な時代はあったんだと思うんですね。
 ところが、今、高齢社会を迎えていく中で、本当に今までのような形のお金の使い方が必要なのかどうかということ、それからもう一つは、産業構造として、本当に公共事業の雇用が必要になってくるのかどうか。むしろ医療の分野であるとか介護の分野であるとか、そういったところで雇用を創出すればいいだけの話であって、となれば、そこにもう少し税金をちゃんとつぎ込んでもらわないと変わってこないんだろうと思うんですよ。例えば、医療費に対しての国税の投入額はたしか八兆円ぐらいだったかと思いますけれども、この国の道路予算よりも実は医療費に対しての税金の投入額の方が少ないと。
 これから介護がどんどんどんどん広がっていく中で、保険料というものが上がってくることを厚生労働省は何とか抑えなきゃいけないと思っていらっしゃる。これは僕は一つそのとおりだと思いますよ。それはなぜかというと、年金の支給額そのもの自体が、まあ六万六千円なら六万六千円で固定されてしまうと、そこからまた拠出しなきゃいけないお金が増えていくということはすごく問題があることですからね。そうすると、そのことを解除していくためには何をすることが必要なのかというと、結局、税金をそういった分野のところに投入していくことなんだろうと思います。
 最後の問題は、そうすると雇用がそこに発生して、雇用が生まれれば今まで公共事業で食べていた人たちが失業しないで済むということです。この国は私は大きな方向性をちゃんと打ち出すべきだと思っているんですよ。大臣のおっしゃるとおり、いきなりお金を付けるから駄目なんだ、それはそのとおりだと思います。逆に言うと、宣言すればいいんですね。毎年何千億円ずつ医療費を増やします。介護の費用を増やします。ここの分野での雇用をこういう形で創出していきたいと思うと。これが本来の僕は骨太の方針だと思うんですよ。あの当時、何百万人の雇用を生み出しますと竹中大臣おっしゃっていましたが、もう実現全然せずに、何の責任も取らずにお辞めになられましたね。そういうような政治が行われ続けているからこの国はいつまでたっても僕は良くならないんだろうと思っているんです。
 いずれにしても、本題に戻りますが、この予算でやっていくということは僕はすごく大変なことなんだろうと思うんです。そして、その上で何らかの被害が起きたときに本当に対処できるのかどうかということなんだと思うんですね。わずか百億とか、その程度のお金でしかない。ほかの例えばアメリカでいえば、人口比もありますから単純にいきませんが、それでも十分の一程度ぐらいなんでしょう。そういうような危機管理そのもの自体に私は問題があるんだと思っています。
 済みません、もう時間がないので、じゃ今度は実際にテロが起こった際に、そのことについてちょっとシミュレーションさせていただきたいと思いますが。
 まず、これは生物テロではなくて、まずテロが起こった、このこと自体を認定するのは今政府の中ではどこに当たるんですか。
○政府参考人(山浦耕志君) テロに限らず自然災害とか、それからいろんな航空機事故とか、そういう事象が起きたときには二十四時間体制で官邸に危機管理センターございまして、そこで情報が、第一報が入ることがまず普通は想定されます。そうしますと、内閣危機管理監がおりまして、その方が総理、官房長官の判断をいただいて政府の対策室を立ち上げる。
 そこで、各事象ごとに違っておりますけれども、例えば生物テロの場合は厚生労働省さんはどの方とか、まあ局長クラスなんですけれども、そういった方が各省庁、自衛隊ももちろん警察も消防もみんな入っていますけれども、そういった方に召集が掛かって、官邸の危機管理センターで一応内閣危機管理監を中心としまして協議ができるという、そういうことになっております。その事象に応じて更に上の段階の判断が必要だということになれば当然、総理あるいは担当大臣を中心とした政府の対策本部ができると、こういう形になろうかと思います。
○櫻井充君 これは今の、もう一度ちょっと確認させていただきたいんですが、そうすると、テロであろうがそれから自然災害であろうが、国民にとっての何らかの危機的な状況が起これば、そういうような対応をそちらの部署でされるということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(山浦耕志君) 政府としては、まず要するに政府の、官邸としての対策室をつくり、それから必要に応じて内閣全体で責任を負うべく政府の対策本部ができるということであります。
○櫻井充君 そうすると、それからもう一つ、今のシステムそのもの自体はどの法律によって定められていることなんでしょうか。
○政府参考人(山浦耕志君) 内閣が全体として責任を負うというのは憲法、内閣法で決まっておりますし、それから今のような体制で第一次初動措置をするということは閣議決定がなされております。
○櫻井充君 これは閣議決定でされていることであって、なぜそういったものを危機管理体制として立法されないんでしょうか。
○政府参考人(山浦耕志君) 立法するかどうかというのは国会が御判断になることであろうかと思いますけれども、基本的には、要するに内閣がそういう重大テロとかそういう自然災害に対してこういった形で責任を負う、そのシステムはこれでいいということは内閣の判断だろうと思います。
○櫻井充君 立法というのは、最終的な多数決でこれがこの国の法律としてふさわしいかどうかの判断をこれは国会で行います。しかし、今、九割以上が閣法ですね。今の例えばこの感染症の対策もそうですし、それから教育基本法もそうだろうと思うんですね。
 つまり、内閣全体の意思としてなぜそういったことを提案されないのか、閣議決定でそれが了解なのか、内閣の見解をお伺いできますか。
○政府参考人(山浦耕志君) 私がお答えするのが適切かどうかはよく分かりませんけれども、基本的には、生物テロに関しては感染症の予防なり蔓延の防止ということで感染症予防法の改正で対処するというふうに厚生労働大臣が御判断になり、そのようになっていると思います。
 で、そうしたことをするということは、関係閣僚会議等で、テロの未然防止に関する行動計画がございますけれども、そこで決定をされております。それは平成十六年の十二月十日に決定をしております。
○櫻井充君 私が申し上げているのはそういうことではなくて、危機管理全体としてなぜ立法措置をとられないで閣議決定にされているのかということをお伺いしているんです。
 今回の、私のもう一つの疑問は、感染症の予防法の中にこういうテロ対策を盛り込むのが適切かどうかと思っているんです。逆に言うと、テロ対策、生物テロだけが法律の中で定められて、ほかのテロに関していうと、実は立法されていないんですね、今のお話ですと。ほかのものは内閣の閣議決定でされているのにもかかわらず、なぜ生物テロだけがその感染症の予防法の中に入ってきて立法化されるのかということになると、整合性取れないと思っているんですね。
 ですから、もう一回申し上げますが、テロなり自然災害でも結構ですが、いずれにしても、国民にとっての危機ということが起こったことに対して、今の危機管理体制は、内閣は閣議によって了承された体制を構築されていると。私が申し上げているのは、閣法として九割以上この国の法律を提案されているのであれば、そういったものに関して法律を作って提案されてくるのがまず筋ではないのかなと、そう思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(山浦耕志君) 私の説明が舌足らずで失礼をいたしましたけれども、生物テロに関してだけ今回こういう法律改正をしたということではなくて、要するにテロ対策にとって一番大事なのはやっぱり未然防止をすることでして、そうしますと、テロリストが国内に、我が国の国内に入らないための対策、それからテロリストが自由に国内を動き回れないようにするための対策、それからテロリストがテロに使われるような物質、例えば爆発物とか、生物テロに使用されるような微生物もそうですけれども、そういったものを入手しにくくするような対策、それぞれについて各省庁に対策を取っていただいておりまして、その生物テロ版がこの感染症の今回の改正ということでございまして、ほかの省庁もいろんなことでそういった対策を取っていただいております。それは、先ほど申し上げましたけれども、テロの未然防止に関する行動計画で決めておりましたその内容の中の一つであります。
 こうした要するに自然災害も含めて緊急時対策をどのようにするかというのが非常に大切なことだと思いますけれども、今は、要するに平成十年に内閣危機管理監が設置されましたけれども、その内閣危機管理監を中心としてそういう初動対処をすると。そして、そこでの政府の対策室、それは緊急参集チームの判断を経て、必要がある場合には政府の対策本部をつくると、こういったシステムでやっております。
○櫻井充君 ほかのところの対策は、これも法律全部作られているんですか、それとも、今みたいな形のその行動計画みたいなものをただ各省庁でまとめているだけなんですか。
○政府参考人(山浦耕志君) 法律の改正という形でやったものもありますし、それから政省令でできるというものはそういうふうにしております。必要度に応じて法律改正が必要なものは法律改正をする。まだその法律改正を今は準備をしているというのもあります。既に法律改正をしたものもあります。
○櫻井充君 上にあるものが、上にある危機管理体制そのもの自体がただ単純なマニュアルみたいなものができ上がっていて、その下の体制が法律であったり政省令であるという、普通は、基本的な体制をどうするかというのは枠組みとして法律で定めておいて、あとの部分は法律になじむものもあれば、法律までしなくてもいいという形に作ってくるのがシステム上は僕は基本なんじゃないのかなと。
 つまり、今の教育基本法なら教育基本法も、基本法であって、そこを全体を教育をどうするのかというまず枠組みを決定して、国民の皆さんにちゃんと分かってもらうという形でやるんだろうと思うんですね。
 ですから、そういう意味でいうと、その危機管理体制に対しての整備のようなものは、僕はですよ、僕はですよ、もうあとはこれ私の意見だけですから、きちんとした基本法みたいなものがあって、そしてその下に、こういう場合は何をします、こういう場合は何をしますという形にしておかないと、あとは欠落してくる可能性があるんじゃないか。
 それから、閣議決定というものは広く知られるわけでもないし、十分我々審議させてもらえるわけでもない。そういうもので本当に危機管理体制というものを国民全体で共有できるのかというと、私はちょっと難しいのではないのかなと、自分自身としてはそう思っています。これはあと別な場でまた議論はさせていただきたいと思います。
 今回、その生物テロが起こった場合には、この場合の、今のお話ですとトップは多分内閣総理大臣になるんでしょうか、官房長官になられるのか分かりませんが、一義的にはそうですが、結果的に現場で指揮を取られるのは厚生労働大臣ということになるんですか、それとも警察ということになるんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、大体、櫻井理事が総括したとおりの法制というか、そういうことですね。閣議決定があってその下で各省の法律がある、そして国民の権利義務にかかわるようなことについては、これはもう法律事項としてこの法律の中に盛り込まれると、こういうことでございます。
 生物テロが発生した場合に、まず政府の初動体制はどうかといえば、これは先ほど、まず第一には内閣官房長官になると思うんですが、実務的には、そこで閣僚レベルでは会議が行われて事実の認定、情報の交換等が行われる。そして、より実務的には危機管理監の下で各省担当局長等が集まって、そこで今言ったようなことを実務的にこなす、そういう初動のためのいろんな体制づくりが行われるということであろうと思います。
 その中で、この生物関係、特に感染症の感染の病原体を使ったいろんな活動に対しての抑止とかあるいは感染の防止だとかといったことについてはこの法律をもって厚生労働省が取り組むと、こういうことになるというふうに申し上げたいと思います。
○櫻井充君 その中で、今度は厚生労働省がそこのところの責任を持ってやられるということになります。であるとすると、例えば患者さんが発生した場合、例えばアメリカでも炭疽菌なら炭疽菌であったかと思いますけれども、そういった場合にはどのような形で病院にまず搬送されるのかということになりますね。人数が少なければ救急車で問題ないのかもしれませんし、それとも救急隊からしてみれば、その救急隊の人たちが感染する可能性があるものであれば、どういった形で現場から病院まで搬送されるようになるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 例えば、生物テロのおそれがあって、患者さんが発生した場合、どういった形で搬送をされるのかということでございますけれども、一般には化学テロの場合ほど一度に感染、感染者というかその被害者の方が急に出るという形というよりは、まず最初にどこか前兆があってだんだん広がってくる形が多いかと思いますけれども、二通りありまして、まずゆっくり出てくる形ですと、通常の感染症法の体系に沿って、例えば感染症の患者を発見して、それで診断をし、それで入院勧告を行うというような形になって、その場合は患者の移送は保健所の責務とされておりますけれども、そういった形で動くことになります。
 それから、例えば急にたくさんの患者さんを搬送する場合になると、これは診断を付けている間もなく入院することになりますんで、そういった場合には、所要の防護措置を講じた上で、消防機関というか救急車による搬送が行われるようになります。
 その場合のやり方を具体的にどういうことを考えているかというと、例えば最近の例ですと、平成十六年に天然痘対応指針というものを出しておりまして、その場合に、例えば天然痘が出たときに搬送はどのようにすればいいかとか、そういったようなガイドラインを出しておるところでございます。
○櫻井充君 そうすると、あとは問題は、その人たちが大体どのぐらいの、何というんですか、人数までは対応できる体制を取りたいなと、これ都道府県ごとに体制を取られるのか、それとも近隣の県までお願いするようになるのかちょっとよく分かりませんが、これは基本的に言うと、今のことで大体搬送までのシステムは分かりました。
 今度は、もう一つ想定されるのは、今度は運ばれていったところの施設の問題になりますが、その施設の規模は一体どの程度を予定しているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 現在のところ、これは感染症の種類によりますけれども、例えば、かなり重篤な場合を想定して、第一種感染症指定医療機関に運ばれるようなケースでございますと、今想定しているのは、やっぱり一つの県で最低一か所で、それも病床数は複数床、二床以上というようなことで想定して準備を進めておるところでございます。
 もちろん、現状は、先日来御指摘受けておりますように、まだ二十五医療機関、四十七床と、これは一種の場合でございますけれども、まだ十分ではありませんので、ここのところは鋭意努力していきたいと思っています。
 二種の場合ですと、これは三百十医療機関、千六百四十三床になりますんで、ここの場合はある程度、一か所によっぽど多く患者さんが出ない限りは対応できるんじゃないかと思っています。
○櫻井充君 これは、いつごろまでにそういうことの体制整備をきちんとされるという計画があるんですか。それからもう一つは、それのための予算というのは来年度もうこれは計上されるものなんですか。
○政府参考人(外口崇君) まず、整備がいつまでということでございますけれども、これはいつまでというよりは、もう今できていなければいけないような状況でございますんで、これはもう各県一つずつヒアリングしながらしっかり詰めていきたいと思います。
 それで、予算の方については、これは自治体の方で対応する予算になるかと思います。
○櫻井充君 不思議なんですけど、国が指針を決めて、これは国の責任を持ってしてやる僕はことなんだろうと思うんですね。それをどうして地方自治体に任せることになるんでしょうか。
 つまり、先ほどのお話ですと、テロの対策というのは、これは国家管理です。国家管理上やることなんですね。だから官房長官がトップでやられるわけですよ。そうすると、あとは現場のところになってくるといつの間にか国ではなくて責任の所在が地方自治体に落ちるというのは、私はちょっとおかしいんじゃないかなと思いますけどね。大臣、その点いかが思われますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 何と申しますか、地方分権というのが非常に大きな流れになりまして、そうして医療監視というのが自治事務ということに今はなったといういきさつがあります。それでしばらく推移したんですが、感染症を自治事務とするのはやはりおかしいということで、これも大いに主張した結果、ようやく厚生労働省にこれを取り戻すことができた。今どういう位置付けになっているかというと、法定受託事務ということになっているということなんです。
 そこで、私が思いますのに、今、一度自治事務になって、それで独自財源で当然、自治事務でも、財政的には自治事務でありながら補助金の対象になったり、法定受託事務でありながら補助金の対象になっていないなんて、もう今のこの制度が、まあ私がこんなことを言ってはいけないかもしれないが、やや混乱しているんです、正直言って。私はもうそれを日ごろから随分正そうと思って努力をした、一部署で努力をしたんですが、なかなかこれは徹底するものではなかったということです。
 そこで、今この法定受託事務たる、テロであろうと何であろうと、契機はともかくとして、感染症対策ということの財政負担がどちらにどうあるべきかというようなことがあいまいになっていると、率直に言って、私はそう思います。ですから、早くこれはもっと体系的に、まあ櫻井理事なんかはパワフルな政治家ですから、どんどんそういうことを言い募っていただいて、これは国家の体制としてしっかりしないと、本当に筋道が立って、いやまああんまり言うとこれはいけないんでちょっと少し戻しますけれども、私も私の立場でできるだけの努力をいたしたいと、このように考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。(発言する者あり)いや、ちょっと結構です。
 実は、これ平成十年に議論した際に、感染症の予防法の権限をほとんど都道府県に下ろしたんですね。私はこれがおかしいということをさんざん指摘したんです、あのときに。それは何かというと、国内発症だけじゃなくて国外の発症があるんだから、そして新しいものが来たときにはこれは国がちゃんとやらなきゃいけないので、都道府県に権限を移すことそのもの自体がおかしいんじゃないかということを指摘したんですよ。実際、SARSのときにそういうことが起こったんですね。ですから、今回のテロなんというのはまさしく国家上の、あれですよ、だってテロとの戦いは国家の戦いなんでしょう、アメリカだけじゃなくてこの国も。それがなぜいつの間にか国家じゃなくて都道府県に下りていくのかが全く理解できないですよ。
 ですから、そういう意味では、そういう意味では、そのものに対しての予算措置は、ああ、じゃ、まあいいや、何かあるんでしょうか。予算措置を、じゃ、ちょっとまず御答弁いただけますか。
○政府参考人(外口崇君) 済みません、ちょっと補足させていただきます。
 自治体への補助でございますけれども、多い額じゃないんですけれども、施設整備費は国庫補助の対象となっております。それから、指定医療機関の運営費で、光熱水料とか燃料費とか備品購入費等に対する補助金、それからあとは入院医療費に対しての負担金というものはございます。
 ただ、これで十分かどうかというのは、自治体の担当者に言わせると、なかなかこれだけではやっぱり人件費とかそういう必要な分だけ確保できないという意見は聞いております。
○櫻井充君 まあひど過ぎると思いますよ。これはもう一回ちゃんと考えてくださいよ。国家として、政府として、テロというのとどういう形で戦っていくのかということですよ。テロに対して国家として戦うということをちゃんと明言しているからには、やはりそれは全部システムそのもの自体は私は国で責任を負うものだと思っていますよ。
 それから、まあちょっとここばっかりやってもあれなんですが、もう一つ、予防計画という項目が十条に起こされていますが、これ全部地方自治体がすべて立てることになっているんですね、予防計画そのもの自体が。ですが、国外から入ってくるものがあるかもしれない現状を考えてきたときに、予防計画そのもの自体、なぜ国の書く分がないのか私は不思議でしようがないんですね。国は基本計画、基本指針は作りますよ。しかし、予防計画そのもの自体は全部都道府県なんですね、この条項を見ると。私はおかしいと思っていますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(外口崇君) 予防計画でございますけれども、これは国の方で基本指針を作って、その基本指針に即してそれぞれの自治体が実情に即して予防計画を作ると、こういう体系になっております。
○櫻井充君 それ、私が今質問した内容じゃないですか。だから、おかしくないかって聞いているんですよ。じゃ、国の部分の予防計画というのはないんですか。
○政府参考人(外口崇君) それぞれの県、それぞれの地域、実情ありますけれども、それらを総合的に踏まえて、基本指針、これが国にとっての予防計画と言えるかもしれません。
 それから、あと、もちろんその個別の疾患ごとに、例えばインフルエンザの行動計画のようなものはもちろん別途国が作っていくわけでございます。
○櫻井充君 だって、国の予防計画なら予防計画というか、国の全体の指針からすりゃ、もう本当は一種の感染症の指定病院なんてちゃんと全部できていることになっているんでしょう、本当だったら。だから、今のは全然違いますよ。地方自治体にそういうことをやったことが全部国の何とかだとか、そういうことじゃないじゃないですか。
 こういうものに関して言ったら、例えば予防計画なら予防計画、もう一度申し上げますが、例えば海外から入ってくる可能性もあるんだから、そういったものに対しての予防計画は、これは完全に国が作るべきものじゃないですか。
 だから、冒頭に戻りますが、そのためには、例えば海外に支所を置いて、そこのところでこういう形でやっていくとか、そういうような計画そのもの自体、僕はこれ国が書いてやっていくことなんだと思うんですよ。国が感染症に対して、もう今やボーダレスなんですから、そこから未然に防ぐことに関して、水際の措置のところは、これ当然国が書くべきことなんじゃないですか。
 だから、国が書くべきものというのは本当にないとお考えですか、じゃ、逆に言うと。基本指針さえ作れば、後は全部都道府県、地方自治体が書けばいいものなんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 国と自治体の役割分担の問題だと思うんですけれども、国の方で、国じゃなきゃいけないことはやはり国際関係のこと、それから輸入感染症のこと、そういった海外から入ってくる例等であると思います。それから、全く新しい、例えば新型インフルエンザに対する対策とか、そういったことはもう国が中心になってやっていくべきだと思っております。
 それから、あと他方、それぞれの自治体がそれぞれの地域地域の感染症に対してどういう対策を立てるか、もちろん結核等も含めてでございます。こういったことについては、それぞれの地域がその実情に合わせて、それぞれの医療機関の配置等を意識しながら、それは自治体が作っていくと。だから、それぞれが役割分担をして作っていくべきものだと思っております。
 国の場合には、この感染症に対する予防計画は、これは基本指針という名で作っているところでございます。
○櫻井充君 これは、済みませんが、都道府県は基本指針に即して予防のための施策の実施に資する計画を立てるということになっているとすると、この基本指針そのもの自体が予防計画には当たらないんじゃないんですか。
 今のお話ですと、国は予防計画というのは基本指針を立てることが予防計画を作ることだという御答弁だったかと思いますけれども、それは当たらないんじゃないですか。
 じゃ、もうちょっと聞けば、基本指針と予防計画がなぜ一致するんですか。基本指針というのは予防だけではなくて様々なことがあるはずですね。予防じゃないんですから、治療体制とかいろんなことも全部含めた上でこれ基本指針ですよ。だから、基本指針イコール予防計画になるなんていう、そんな答弁ないんじゃないですか。
○政府参考人(外口崇君) 国は感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針を定め、それが国の方針となるわけでございます。で、都道府県が基本方針に即して感染症の予防のための施策の実施に関する計画、予防計画を定める。だから、自治体の方はより具体的な計画を作るということになるわけでございます。
○櫻井充君 それはもう分かっていますよ、システムは。だから、何回も言っているじゃないですか。国はそういう、じゃ、具体的な予防計画みたいなものは国は書く必要性はないんですねと私は聞いているんですよ。
○政府参考人(外口崇君) 国が作るのは予防の推進の基本的な方向と、それから予防のための施策に関する事項、それから蔓延の防止のための施策に関する事項、医療を提供する体制の確保に関する事項、それから調査及び研究に関する事項等、こうずっとあるわけでございます。それで、国はその方向付けをするというのが、これが国の基本指針でございます。もちろん、先ほどの繰り返しになりますけれども、必要な、例えばインフルエンザでありますれば行動計画を作るのも、これも国の仕事でございますし、先ほどちょっと触れました天然痘の対応指針のようなもの、これを作るのも、これも国の仕事でございます。
 だから、そういった感じで、その対象によって使い分けて、国は指針、県はより具体的な計画という形で、併せて全体でオールジャパンの計画がうまく進むようにという、そういう考えでございます。
○櫻井充君 要するに、法律は法律ですから。そうすると、そこの中に僕は、もう一度申し上げておきますが、条項として落ちているんじゃないかと。国が基本指針を作るのは、これ当然のことですね。その上で、国は国なりの予防計画が僕は出てくるものだと思っています。そうすると、そういうことに関して条項を、普通は法律ですよ、法律立てとすれば、起こしてくるのが普通なんじゃないかなと、そう思っているんです。
 例えば、今、若い人たちのその性病の形態が変わったというんでしょうか、耳鼻科の先生方にお伺いすると、若い方々でその性病に感染されて耳鼻科に来られる方が増えていると。いわゆる本当にその性行為そのものが変わってきているんですね。いわゆる普通のセックスをしないから大丈夫なんだと思っている人たちがいらっしゃいますが、決してそうでないんですね、今。これ、耳鼻科の先生方にお伺いすると、皆さん同じような認識を持っておられるわけですよ。
 こういうことそのもの自体、蔓延の防止はね、都道府県でやることではないと思いますよ。こういったものは国全体として警鐘を鳴らしていくとか啓蒙活動していくとか、そういう予防計画を立てていくっていうのは、僕はこれは一つの国の仕事ではないのかなと、そう思っていますが、取りあえず、この実態をどの程度まで把握されていて、どういうような対策を取られているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 咽頭部、のどですね、のどになぜ淋菌感染症が起きるとか、何で性器クラミジア感染症が起きるんだというようなことでございますけれども、これは最近の性行動の多様化と泌尿器科、耳鼻科の先生方、分析されておりますけれども、この場合に、実際には普通の、例えば生殖器感染の場合と抗菌剤の使い方が大分違うと。量を増やす、あるいは種類を変えないとなかなか治癒しにくいと、そういうような研究報告も出ております。
 そういったことを含めて、私どももこうした症例に対する治療法の確立が必要だと考えておりまして、性感染症に関する特定感染症予防指針、これも国の作っているガイドラインでございますけれども、これで感染予防のための正しい知識の普及啓発、あるいは保健所が行う性感染症検査の支援、検査や治療等に関する研究開発の推進等の取組を行ってきたところであります。
 また、保健所が行っております性感染症検査におきましても、相談指導を充実するとともに、国からの委託事業により電話相談窓口を設置するなどの対策を進めております。
 こういったこの新しい事象についても研究を進めるとともに、こういった治療法の開発等についても研究等について取り組んでいきたいと考えております。
○櫻井充君 治療法は治療法ですがね、やはりこういったことで起こるんですよということのまず知識の普及をすることの方が大事なんじゃないか。こういうことで起こると思っていない人たち、一杯いるわけですよ。つまり、普通にセックスをすればそこのところでうつるかもしれないということは、皆さんそれなりに認識はお持ちなんだと思いますよ。ですが、そうでなければうつらないんだと思っている人たちが随分いるらしいんですね。ですから、これこそまさしく予防でしてね、予防でして、なったからどうするということよりも、正しいその知識を普及していくということの方が大事なんじゃないかと、そう思います。
 例えば、結核なら結核で、何でその差別を受けてきたのか。例えば、その結核の予防法みたいな単独の法律があるからそういうふうなんだという、一つ話は話として、私はそれもあるのかなとは思いますが、現場で私は治療していてそうでないと思うんですね。ある方が結核になって入院されて、退院されたおばあちゃんですが、半年後の定期健診に来てくださいとあるお医者さんが電話をしたら、その晩、自殺未遂で担がれて救急車でこられました。その方は、まあ一命取り留めて話を聞いたら、自分は結核よりもがんになりたかったと、結核になるということそのもの自体が村八分だと、そういうふうなお話をされているんですね。実は、うちのおやじも結核になりまして、結核病棟に入院していた際は、一族郎党だれもお見舞いに来なかった。
 ですが、どういう形でうつるのかとか、どういう病気なのかということを知らなかったこと、そこでの対処の仕方の間違ったことが実はそういう差別を生んできたんじゃないのかなと私は思うんですね。そういう点から考えてくると、やはりまず正しいその知識なりをちゃんと教えてあげる、伝えてあげる。一時期エイズなんか本当にひどかったと思いますよ。だから、その差別される患者さんたちがいらっしゃると。
 そういうことをやっていくことが一つは僕は国の基本的な役割で、ですから、予防計画なりなんなりというのは国はないんですかと聞いているのは、そういうこともあって、国がこういうことをきちんとやっていくんですという指針を定めていく必要性があるんじゃないのかなと、そう思います。やはり、感染症そのもの自体は、何といっても一番大事なことは予防ですから、そこのところに国は是非力を入れていただきたいと思います。
 それから、最後にC型肝炎のことについて一つだけお伺いしておきますが、そのC型肝炎の問題で、国の責任というものはないというふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) 今年の六月、それから八月に、大阪それから福岡の地裁におきまして判決が出ております。現在、これ控訴中でございますが、その判決の中では、フィブリノゲン製剤については、投与の時期によって国の責任のある患者、それからない方々もいらっしゃいましたけれども、その方々が判示されている。それから、もう一つの原因となっている製剤、第\因子製剤については、この国の責任は否定をされているところでございます。
 医薬品は、有効性それから副作用面でのその安全性、これ両面のあるもろ刃の剣ということでございまして、実はクロロキンに関する最高裁の判決では、医薬品については、その治療上の効能効果と副作用を比較考量して、副作用を考慮してもなお有用性を肯定し得るときには、これは違法性の評価を受けることはないと、こういう判示もあるわけでございます。
 フィブリノゲン製剤につきまして申し上げれば、多くの産婦の方々を大量出血による死亡から救った医薬品として評価されております。昭和六十二年以降も産科学会などからその存続は要望されていた医薬品でございまして、現在でもドイツなど国際的には有用性が認められており、国が同製剤について国家賠償法上の責任を問われるものではないというふうに私どもは現在考えております。
○櫻井充君 時間になりましたんで最後に一言だけ申し上げておきますが、ヤコブ病のときと全く同じなんですね、調べてみると。ある時期までは確かに、これ、まずもう一つ申し上げておきたいのは、因果関係は僕ははっきりしていると思っております。
 問題は、それは因果関係がはっきりしているけれども、国が分かんないで認可をしていた時期と、分かり得る情報を仕入れて、分かり得る可能性のあった時期以降認可していた場合と、これはまず国の責任というのはもうこれ全然違うと思っています。
 そして、その上で、じゃ国として、ここから境を決めて、じゃ後はばらばらですかという、そういう本当に対応というのが適切なのかどうかということを一度考えていただきたいと思いますし、それから、現実そういう中で物すごく苦しんでいる患者さんがいらっしゃるということを考えてくると、例えば生活保護とかいう制度の中でいうと、例えばその方々は、まあ特別扱いするといったら変な話ですけれども、そういう形のものでもう少し手厚く保護してさしあげるとか、そういった措置というものを是非一度検討していただきたいと。そして、御自身は何も悪くないにもかかわらず、その当時の医学的な知識が乏しかったがゆえに、今でも生活に困っていらっしゃる方が山のようにいらっしゃるわけです。
 私は、全部が全部、盲目的に国の責任で、全部国がやれとは申し上げませんが、ただし、少なくともそこら辺の因果関係がはっきりしているような人たちに対して、何らか国が救済措置を取るべきだと思いますし、それから医学的な見地からいえば、きちんと検査をする人たちは検査をしてあげて、治療できる人たちは治療してあげた方が最終的に肝硬変やがんになる確率が減るわけですから、そうすると、国として見て、こんな言い方変かもしれませんが、財政措置上、むしろそちらの方が大きくプラスになるんじゃないか、そして苦しんでいる方々も助かるということを考えれば、国はもう一度改めて考えていただきたいなと、そのことを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○山本保君 公明党の山本です。
 もう大分質問も出尽くしているようなので繰り返しの質問が多いかと思いますけれども、私の方からもお聞きいたしたいと思います。
 最初に狂犬病についてです。
 最近、やはりショックを受けた事例でありましたし、日本では大丈夫だと思っておりましたらそうでもなかったんじゃないかなということで、家で私も犬も飼っていますし、時々かまれますから、この辺はどうしてこういうことが起こってきたのか、それに対してどんな手を打たれたのか。
 特に、先ほどから発生の世界の状況などは出ておりましたから、特に今回の症例が二例ですか、出たということに対してどのような対応を打たれ、そしてそれが一般の国民にもどの程度よく理解といいますか啓蒙されているのかと、この辺について局長にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 我が国では、昭和三十年以降、国内での人での狂犬病の感染報告はございませんが、昭和四十五年にネパールからの帰国者で輸入症例が発生し、今回、御指摘のとおり二例の輸入症例が続けて発生したところであります。
 今回の事例は、二つの事例ともに患者さんはフィリピン滞在期間中の八月ごろに犬に手をかまれたが、現地で狂犬病の暴露後ワクチンの接種をしていなかったと聞いております。狂犬病は、通常、人―人感染することはなく、患者から感染が拡大することはありませんが、今回続けて二つの事例が起こったことから、厚生労働省としては、空港等においてポスターの掲示など海外渡航者向けの注意喚起の徹底、狂犬病の流行地域で犬にかまれて帰国した者でワクチン未接種の者に対する暴露後ワクチン接種の呼び掛け、医師会を通じて医師に対する診断方法等の情報の周知等を行い、狂犬病予防対策の充実に努めているところであります。
○山本保君 局長、ちょっと専門的というか、少し、私は素人なので。例えば、かまれましても、その外国のところで病院に行くといっても旅行者などでありましたらなかなかできませんし、ちょっと聞きましたら、大使館などで、領事館とかそういうところで対応してくれるかというとなかなか難しいと、医官もいると思うんですけれども、なかなか狂犬病についてということではないと。そうすると帰ってからと、帰国してからとなりますが、それでも間に合うものなんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 一般には、かまれたときにまず先に行っていただきたいことは、かまれた場所をよく洗うことです。これは石けんで洗っても構いません。それで、よく洗って、それでできれば現地の医療機関に掛かってワクチンを打つんですけれども、それが駄目なときはできるだけ早く帰国して、例えば、次の日じゃなくてもいいですから、早く帰国して、検疫所で相談してもらってもよろしいですけれども、適当な医療機関でワクチンを打つと。これ何回もワクチンを打つんですけれども、とにかく発症する前に打たないと、発症してからでは命にかかわりますので、そこが大事です。
○山本保君 何か月ぐらいですか。
○政府参考人(外口崇君) これ、発症まで短いときは一か月、長くて三か月ですかね。一から三か月が普通潜伏期間です。
○山本保君 ありがとうございました。
 それでは、法案の中身についてお伺いしたいと思います。
 最初に、病原体の管理規制を今度始めたということですので、基本的なことだけ、これについてお聞きしたいと思っております。
 もちろん、二〇〇一年の九月のテロがもとでアメリカとか世界各国でこのことが問題になったと。今まで日本にこういうことがなかったということ自体がちょっと信じられない気もするんですけれども、しかし改めて病原体の管理について今回、規制を行うということでありますけれども、まず総合的に見まして、今回の規制、一種から四種までですか、所持禁止、許可、届出、また基準の遵守と、今日お話があったとおりでありますけれども、これはテロ未然の防止という観点から十分なものかということであります。
 もちろん、ずっと今日のお話を伺っておりましても、言わば今回はこれを専門に扱っているような機関等からの輸出などを防ごうということがどうも主のようでありまして、これだけでどうかという気もするんですけれども、例えば、後でお聞きしようと思ったんですが、検疫関係などでこの法律ができたことによってこの辺がきちんと今まで以上に整備されるというふうに私も願いたいわけですけれども、その辺も含めてよろしければちょっと御答弁いただきたいと思いますが。石田厚生労働副大臣、お願いいたします。
○副大臣(石田祝稔君) それでは、お答えしたいと思います。
 今回の規制の導入に際して、病原体の所持、こういうものについて、またその施設についても管理の徹底と、こういうことも入ったわけでございます。ですから、今、山本委員が二つにわたって御質問になったんではないかというふうに思いますけれども、今回のテロの未然防止という観点からは、アメリカの連邦規則においてやられているものとほぼ遜色がないと、こういうところまで私はできているというふうに思っております。
 そして今回は、この法律が成立をいたしまして、その後、成立をさせていただきましたら、一部を除いて公布から六月以内に施行すると。余り時間がないわけですので、しっかりとこの今回の法の改正についての趣旨も徹底をしていかなきゃいけないと思っております。
 午前の質疑でも、一類から五類と、それから一種から四種とか、分かりにくいという話もこれもありましたので、こういう点も踏まえて、それぞれの病原体にどういうふうな規制が掛かっているかと、こういうことはしっかりとこれは周知徹底をしていかなければならないと、こういうふうに考えております。
○山本保君 やはり、今日お話にもありましたけれども、研究開発とか治療のためのそのような活動がマイナスになるようなことがあったのではいけないし、かといって、もし万が一ルーズな取扱いなどがあって、それがもとになって、若しくはそれがテロなどの者にねらわれるというようなことがあってはならないわけですから、なかなか難しいかと思いますけれども、局長にもちょっと、じゃ同じ質問なんですけれども、検疫との関係では局長、どうでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 検疫との関係ですけれども、今回、病原体の所持に関する管理規制が強くなりますと、輸入した際についてのこれも規制もきっちり掛かりますんで、その意味では従来以上にこれは強化されると思います。
 例えば、一種病原体等については、これは国又は政令で定める法人に限って指定する施設で所持を認め、指定を受けた場合に輸入ができるということになりますし、二種病原体等については許可を受けた場合に輸入ができる、三種病原体等については輸入の事後届出が必要となると、こういうことでございます。
○山本保君 それからまた、副大臣にもう一度、繰り返しになりますが、ちょっとお聞きしますけれども、厚生省の発表などによりますと、相当多くの機関や大学、研究所などで、今回対象になった病原体といいますか、それを持っているということがあるようです。
 これについて、今から短期間の間に連絡をして、それがきちんと管理できるようになるのかどうかちょっと心配なところもあるんですけれども、その辺の相手に対する情報とか、またそのための啓発というようなことについてはどういう手を打たれるつもりなのか、副大臣、お願いいたします。
○副大臣(石田祝稔君) これは、研究機関もそうでありますけれども、やはり国民に対しても十二分な周知徹底もしていかなきゃいけない。先ほども申し上げましたように、午前中でも、もう病原体の一種、二種と、それから危険性の病症としての一類から五類と、こういう混同についても心配があるのではないかと、こういうお話もありましたので、こういう点につきましても研究機関を含めて国民それぞれに周知徹底をしていくことが大事ではないかと、こういうふうに思っております。
 こういうことで、具体的には、厚生労働省や国立感染症研究所のホームページ、こういうものでも関連情報の掲載、またメディアに対しても、現在のところ二週間に一度、記者クラブで情報を提供していると、こういうこともこれはやってきておりますので、この辺りもしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○山本保君 じゃ、分かりました。どうぞよろしく、また遺漏のないようにお願いしたいと思っております。
 次に、結核について何点かお聞きしますが、結核予防法が感染症今回の予防法へ統合されるということで、実は私の方に、私、名古屋市に住んでおりますので、名古屋の担当の方からも幾つか割と具体的なちょっと心配だという話がありましたので、それも含めてお聞きしたいと思うんですけれども。
 最初に、今日、結核の全体の罹患率の状況などもお話がありましたけれども、いろいろお聞きしますと、地域格差、地方と都市部というのでも格差があるともお聞きしておりますし、また、言わばホームレスの方ですとか、また外国人、特に日系の方など非常に増えているわけですが、こういう点で、この方たちに対する結核予防ということがうまくいっているのかどうか、少し心配になるところがありますけれども、この辺は現在どんな手が打たれているのでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 我が国における結核罹患率の地域間格差は、やや縮小したとはいえ依然として大きく、罹患率、人口十万人単位の新規登録結核患者数の最も高い大阪市の結核罹患率は五八・八、これは最も低い長野県の一〇・七の約五・五倍となっております。結核に感染するリスクの高いグループが多く存在する等の理由により、大都市を中心に罹患率が高い状況になっております。また、御指摘の社会的弱者の方に関しては、例えばホームレスの方などは結核の罹患率が高く、またその治療を開始した場合、それを中断するリスクが高いと考えられております。
 こうした地域格差の縮小や社会的弱者の方の救済のための対策として、結核対策特別促進事業を活用して、特に罹患率の高い地区においては治療成功率向上のためのDOTS、直接服薬確認療法事業を実施するなど、地域の実情に応じた取組を行っているところであります。
 こうした対策を今後も積極的に推進することによって、地域格差の縮小、社会的弱者の救済のための対策に取り組んでいきたいと思います。
○山本保君 今の、DOTSでというんですか、何か訪問型で飲むタイプだというふうに聞きまして、先ほどお話がちょっと出たような、まあ毎日のように保健所へ行くような必要はないんだろうと思うわけですけれども。
 やはりこの辺は、私も福祉の方を見ていますと、特に、正にいろんな社会的な問題が重なりますとまた健康面も重なるという例が非常に多いわけでありまして、是非、一般的な対応に加えて、この辺の方たちに対するものはしっかりやっていただきたいということをお願いしておきます。
 次に、ちょっと具体的な問題なんでございますが、この結核患者が多い場合、特に名古屋の場合は、いろんな分類があるんでしょうけれども、三百五十例以上の、一年間のという数字もちょっといただいているんです。そうしますと、今度の法律で、診査のための協議会の開催ですか、これが七十二時間以内に行わなくてはならないというふうにあるようでございますが、そうしますと、もう毎日のようにこの協議会を開くということになるのだが、そうなりますと、なかなか負担もあって開催が難しいのじゃないかと、こういう質問が来てるんです。この辺についてどういう対応が考えられるのか。また、今日もお話ありましたけれども、入院延長するというような場合については、例えばもうそれはまずやっておいてからでもいいのではないかなという気もするんですが、この辺はどういう制度を、どういう運用を考えられておられるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 各自治体において、七十二時間以内の協議会の開催が可能となるような運用上の方策を検討していただくことになるとは思いますけれども、御指摘のように、結核の患者さんの数が多い地域では、委員の招集を前提とした協議会の開催が事実上難しくなるような事態も想定されます。このため、客観的な検査結果により結核の診断が可能な、いわゆる定型的な事例等につきましては、結核患者さんの人権を尊重するということが大前提ですけれども、この当該協議会の開催方法を簡素化する方向で検討をすることとしております。
○山本保君 では、そのことはまた徹底して連絡をきちんとしていただきたいと思っております。
 次に、今も人権ということが出ました。強制入院というふうな言葉もあるのかということで、今先ほど小池先生にもちょっとお聞きしておりましたら、勧告をするんですか、そういう形なんだということでありまして、もちろん御本人の人権ということも大事なわけでありますけれども、二次感染というような心配もあるわけでありまして、こういう一般の方の人権ということもあるわけであります。
 この辺、両方がなかなか大変かなという気がするんですけれども、何か今回の法律によってこの辺の規制といいますか、その対する勧告をするんだそうですけれども、今まで以上に何か弱くなるのではないかというちょっと心配をされている向きもあるんですけれども、この辺はいかがでございましょう。
○政府参考人(外口崇君) 実際には、この勧告の制度を使ったときに、弱くなるのか、それからもし勧告で駄目なときに強制措置をすることになるのかと、いろいろ御懸念あるかと思いますけれども、一つの例として、今の、普通の、結核じゃない感染症法の方で、例えば勧告した際に拒否して強制措置が発動される場合があるかということで申し上げますと、例えば患者さんが入院を了承しない場合に、法律の規定上、即時強制としての措置を行うことができるわけでございますけれども、実際には、二類の感染症、例えばこれ、コレラですとか赤痢ですとか、そういった場合が入るんですけれども、そういった患者さん、平成十六年の一年間において入院が三百件ありました。それすべてが勧告によるものでありまして、実際そこでトラブって措置によるようになったケース、一件もございません。
 こういったことから考えると、公衆衛生の重要性というものをかなり御理解いただいていると思いますんで、これを勧告の制度にしても実際にはトラブルは多分起きないだろうと考えております。
○山本保君 法律の形としては変わらないと言っていいでしょうか。つまり、今までは入所命令というような言い方でとらえられておりましたですよね。これが勧告という形になって、実際には今までのものは問題はなかったといったときに、結核に関して少し制度が変わるということから、その影響はあるのかどうかという御心配だと思うんですけれども。お願いします。
○政府参考人(外口崇君) 感染症の例からしてみて、恐らく今と同じように多分なるだろうと。むしろ、患者さんにとっては勧告を受けて入る形の方が、もちろん人権への配慮という面ではそちらの方がいいわけですから、こちらの制度で円滑にいくんではないかと思っております。
○山本保君 それから、これも先ほどいろいろお話がありまして全国的な話が出たんですが、まあ名古屋の場合なんでしょうが、結核病床が逆に今、逆といいますか、今どんどん減ってきていると。そういうときに、今度の第二種感染症指定医療機関ですか、ここに入ってくるということで、これまで以上に適切な体制がなされるのではないかなという気はするわけでありますけれども、この辺の見通しについて、局長、お願いいたします。
○政府参考人(外口崇君) 平成十六年の結核病床数は一万三千二百九十三床でありますが、結核患者さんの数の減少等に伴って結核病床は減少傾向にありまして、例えば平成十六年の結核病床の全国平均の利用状況四八・六%、都道府県別に見ても、一番高いところ、奈良県ですけれども、これは七四・五%です。現在のところ病床不足は問題とはなっていないと思います。
 しかしながら、結核医療体制の確保というものはこれは結核対策上大変重要でありますので、今後、結核医療体制の後退が生じないよう、これは分析を加えながら慎重に対応していきたいと考えております。
○山本保君 それでは、総合的に大臣にお聞きいたします。
 結核というのは、今日のお話もありましたけれども、大変日本人にとっては重いものだと思います。私自身余りないんですが、私の妻の話を聞きますと、非常に元気だった体操の先生だったお兄さん、そしてまた昔の女子師範を出たお姉さんが結核で亡くなり、本人も長期間休学をしていたということです。私もその話を聞くまで、特に戦後の、戦前の結核イコール座敷牢とか、どこか田舎の端の方にという、そういうイメージはあったんですが、戦後こそまたそれ以上に厳しい一家全員が倒れたという、私の家内の場合もそういうケースなんですけれども、こういうことについて余り現在若い人も知らないんじゃないかなと。私自身も実はそういう、直接聞くまで感じなかったわけです。まあ、偶然それが自分のところにはなかったということだと思うんですけれどもね。
 ですから、結核ということについては、やはり今日もお話ありましたように、WHOでは結核の、日本は中蔓延国というちょっと余り有り難くないように位置付けられておるようでもありますし、今回の法律改正で、正に今までどおりというよりは、もっときちんと対応してこれを減らしていけると、こういうことが必要だと思いますが、大臣の決意をお聞きしたいと思っております。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我が国におきましては、昭和二十六年の結核予防法制定以来、官民一体となった取組によりまして、年間の新しい登録結核患者数は昭和二十六年当時の約六十万人から平成十七年には約三万人に減少するなど、飛躍的に改善を見たという状況がございました。
 しかし、最近またこれがやや罹患の皆さんの数が頭をもたげるというような状況もありまして、我が国は依然として、今先生御指摘のように、結核の蔓延国として中程度レベルというふうな不名誉な位置付けがなされております。したがいまして、私どもとしては引き続き十分な対策を講じていく必要があると認識しているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、今回の法改正による措置も活用しながら、高齢化による結核患者の発生、また御指摘の地域間格差の拡大、薬剤耐性結核菌の出現等に対する対応など、今後とも新法律の制定を、新しい改正案の制定を期しまして、結核対策の一層の推進を図ってまいりたいと、このように考えております。
○山本保君 それでは次に、やはり最近、予防ということが非常に言われております。介護とか福祉関係でもやっとこういう概念が制度化されてきたわけでありまして、非常にこれは結構だと思っているわけですけれども、感染症に関しては特に予防接種という制度が極めて重要な意味を持っていると思います。私ども、子供のときにそういう予防接種をしたような覚えがあるわけですが、何か最近は余りそういうのも見ていますと、昔のような大きな傷跡があるようなこともないような気がします。
 現在、この予防接種の制度というのはどういうふうになっているのか。また、もう一つ、一緒に局長にお聞きしますけれども、最近ですか、これをお聞きしましたら、平成十八年の四月と六月に麻疹と風疹というこの二つについて改正をしたというふうにも聞いているわけですけれども、現在の日本の予防接種というものの現状と、そして今の取組の状況について総合的にお願いいたします。
○政府参考人(外口崇君) 予防接種法でございますけれども、これは、伝染のおそれがある疾病の発生及び蔓延を予防するために、予防接種を行い、公衆衛生の向上及び増進に寄与するとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的としております。
 予防接種には、市町村が行う定期の予防接種及び市町村又は都道府県が行う臨時の予防接種があり、これらの予防接種による健康被害については公費による救済が行われます。
 現行の対象疾病は、一類疾病としてジフテリア、百日せき、急性灰白髄炎、ポリオですね、麻疹、風疹、日本脳炎、破傷風が規定され、また、二類疾病としてインフルエンザが規定されております。このほか、痘瘡については臨時の予防接種を想定して、政令で一類疾病に規定されております。
 一類疾病については、予防接種を受けるよう努めなければならないとされ、二類疾病については、個人の疾病予防を目的としていることから、接種勧奨を行うことは合理性を有しないため、このような努力規定はございません。結核については、これは予防接種というとBCGになりますけれども、乳児の重症化予防の観点で行われているものでありますが、結核予防法の中に努力規定に相当する規定があることから、今回の結核予防法の廃止に伴い、BCGを予防接種法の一類疾病として位置付けることとしております。
 次に、予防接種制度のうちの麻疹、風疹について、十八年の四月と六月に改正したことについての御指摘でございますけれども、四月に施行された制度改正の概要は、麻疹及び風疹の予防接種に関しまして二つございまして、一つ目が、生後十二か月から生後九十か月に至るまでの一回接種であったものを、生後十二から二十四か月を第一期、小学校就学前の一年間、いわゆる幼稚園年長児の時期ですけれども、これを第二期とする二回接種とすると。それからもう一つは、そこで使用するワクチンは、第一期及び第二期にそれぞれ乾燥弱毒生麻疹風疹混合ワクチンのみを使用すると、そういう改正でございます。
 十八年六月からの、制度のこの二か月後の再改正の概要でございますけれども、これは、四月一日以前に予防接種法により既に麻疹又は風疹の予防接種を受けた方について第二期の対象者を適用除外としていたところでありますが、第二期に混合ワクチン等を接種した場合の有効性及び安全性が確認されたため、第二期の接種の対象としたものであります。あわせて、地方自治体及びその他関係者の御要望等も踏まえまして、当面の間の措置として、使用するワクチンとして、第一期、第二期ともに麻疹及び風疹の単抗原ワクチンを追加することとしたものであります。
○山本保君 それでは、先ほども少し触れたんですが、改めまして、やはり外国から入ってくるということを水際でそれを阻止するということですので、日本の場合、検疫というのが大変重要になってくるわけでありますけれども、最近のこの制度の現状と、そして今回の改正についてお聞きしたいわけですけれども、まず最初に、最近の制度の、検疫制度について、現状を簡単にお示しください。
○政府参考人(外口崇君) 厚生労働省が行っております人に対する検疫は、我が国に常在しない感染症の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することを防止するとともに、船舶又は航空機に関して、その他の感染症の予防に必要な措置を講ずることを目的としております。
 この目的を達成するため、検疫所においては、外国から来航した者に対する感染症の病原体の有無に関する調査や診察、隔離、停留、消毒などの措置、検疫感染症に汚染された船舶又は航空機について、ネズミ族又は虫類の駆除、消毒等の防疫措置、港や空港の一定区域の衛生状態を調査するなどの港湾衛生業務、予防接種病原体の有無の検査、船舶の衛生検査、海外における感染症情報の収集・提供業務などの業務を行っているところであります。
 検疫所は、現在、全国に十三の本所、十四の支所及び八十一出張所の合計百八か所を設置しております。
○山本保君 ちょっとお聞きしたいんですが、私も学生時代インドへ行って帰ってくるとき、実は下痢をしていたんですが、もう黙って通ってきてしまったという、まあ何十年も前ですから許してもらえると思うんですが。こういう場合、何か罰せられるとかあるんでしょうか。今もよく飛行機利用していても、通り過ぎてしまってあれでいいのかななんてことを時々思うんですけれども、この辺について、罰則とかそれについて、それからもっと利用者、国民に周知をしているのかなというちょっと心配があるんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 実際には、どこの国から来る飛行機かによってこれは程度が違います。実際、アジアの国から例えば成田に着いた場合、それからあとヨーロッパから来たときとで扱いがやっぱり違いまして、例えばほとんど素通りに近い場合もありますし、それからかなり細かく書き込んでもらう場合もあります。
 実際、検疫官がいろいろ相談に乗ってくれますし、むしろそこで何か体調悪いときにはもう遠慮なくそこで相談していただくと、後いろいろと、むしろ相談した方が多分役に立つんではないかと思っています。
○山本保君 そうですね。確かに、罰則というよりはそういう相談があるよということについて知らせていくというのが大事ですね。おっしゃるとおりだと思いました。ありがとうございます。
 それで、今回の改正案で検疫感染症の対象疾患からコレラと黄熱病ですか、これを除くということになっておりますけれども、これ大丈夫なのかなという気がするんですが、これはなぜ除いたんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) コレラ及び黄熱につきましては、公衆衛生の水準が向上した現在においては検疫の必要性自体がかなり低くなってきております。
 それで、国際保健規則というのがあるんですけれども、WHOで定めているんですけれども、この国際保健規則で定める検疫対象疾病として挙げられておりますので、国際的な整合性を担保する理由から引き続き検疫感染症としてきたところであります。しかしながら、平成十七年に国際保健規則の改正案がWHOの総会において採択されまして、これは平成十九年六月に発効予定となっております。その中では、今後は検疫感染症を個別具体的に列挙して固定化させることはせずに、重篤性や国際的拡大の危険性等に応じて臨機に定めていく仕組みに改正されております。
 コレラ及び黄熱について、固定的に検疫対象疾病とする必要性がなくなること、それからコレラについては通常の生活では感染が拡大するおそれが少ないことから、もちろんこれは日本においてですけれども、感染症法の改正に伴い、入院措置対象となる二類感染症から三類感染症に今回分類されるわけです。それで、国際的な流行状況や感染経路から見て、黄熱の場合ですけれども、感染媒介蚊であるネッタイシマカ、これは我が国ではごく一部の地域を除き生息しておりませんので国内で常在化するおそれがないと考えられておりますので、検疫感染症とする国内の特別な事情がないこともありまして、今般、検疫法を改正し、コレラ及び黄熱を検疫感染症から外すこととしたものであります。
○山本保君 それで、次に新型インフルエンザについてもお聞きしますけれども、先ほど推計数などが出ましたので、これは副大臣にお聞きするつもりだったんですが、省略させていただきますが、局長に、検疫所においてこの新型インフルエンザ対策としてこれまでどんな手を打たれてきているのかについてお話しください。局長、お願いします。
○政府参考人(外口崇君) インフルエンザH5N1の世界的な発生拡大に対応しまして、事前予防の観点から法的体制を整備しておくために、平成十八年六月二日にインフルエンザH5N1を検疫感染症に政令したところであります。これによりまして、検疫所で検疫官がインフルエンザH5N1の患者発生国等から入国した者に対し質問、診察、検査等の措置を行うことが可能になりましたので、検疫体制の強化が図られたところであります。
 現在のところ、人―人感染は極めて限定的でありますが、インフルエンザH5N1が更に変異するなどして新型インフルエンザが発生した場合には、これは研修や訓練等を受けた検疫所の職員により適切な対応を行うこととしております。
 なお、新型インフルエンザの感染力、病状の重篤性等の科学的知見に照らして、必要に応じ臨機応変に、新たに検疫法に基づく政令指定によって停留・隔離措置等の追加を必要な場合に行うなど、検疫体制の強化を図ることも想定しております。
○山本保君 先ほどもお話が出たんですが、私も確認さしてもらいますが、九月に新型インフルエンザの対策の机上訓練があったというふうに聞いておりますが、やはりこれは机上訓練とかいろんな形での対応、訓練、準備というのは大事だと思います。そのときに、地方公共団体とか検疫所、また保健所なども一体的な訓練というのが必要だと思います。前回はそうでなかったというふうに聞いておりますので、今後この辺についてもきちんとやっていただきたいと思いますが、局長、いかがでございましょうか。
○政府参考人(外口崇君) 九月には関係省庁間で、フェーズ4、5を前提として、国内に持ち込まれるところまでを想定して机上訓練を行いました。その中で、やはり先生御指摘のように、やはり自治体の体制整備が重要なので、次は自治体を巻き込んで机上訓練を行おうということで今準備を進めております。自治体の方にも、訓練を実効性を保つためにもやはり行動計画を更に具体化したガイドラインが整備されることが必要ですので、それも今併せて準備しておりまして、できるだけ早く、年明け早々になるかと思いますけれども、準備を進めておるところでございます。
○山本保君 ありがとうございます。
 そこで、先ほどこの新しいインフルエンザのウイルス薬ですか、タミフルという名前だそうですが、これの備蓄ということが非常に心配な点があるわけですけれども、これはどの程度、また次の来年度予算などでどの程度それが対応してあって、我々、大丈夫だというふうになるのかどうか気になりますので、まずこのタミフルの備蓄とその使い方などについて、二つ分けて書きましたけど、一緒にで結構ですから、これも外口局長、お願いいたします。
○政府参考人(外口崇君) 抗インフルエンザウイルス試薬のうちタミフルについては、国と都道府県でそれぞれ千五十万人分を備蓄することとしており、国内の流通量、いわゆる普通の通常のインフルエンザにはタミフル使われておりますので、その流通量で、その流通のベース部分というか在庫部分が四百万人分ほど実際には使われると思いますので、それを加えて、平成十九年度までに二千五百万人分の備蓄を完了する予定で進めております。
 実績ですけれども、現在、国の備蓄分七百五十万人分確保しました。タミフル以外の抗インフルエンザウイルス薬についても、これはリレンザを今年度中に三十一・五万人分、最終的には平成十九年度末までに合計六十万人分を備蓄する予定であります。
 それから、タミフルの投与の方法でございますけれども、実際に新型インフルエンザが発生した場合のタミフル投与は、これは新型インフルエンザ対策行動計画で投与の優先順位を考えておりまして、流行初期、フェーズの4あるいは5でございますけれども、このときはもちろん患者さんには使うんですけれども、患者さん以外に、患者さんを診察した医療機関の従事者、若しくは患者との濃厚接触があった社会機能維持者にこれは予防投与をするようにします。それから、更にそれが流行が進んで大流行になったときには、これは新型インフルエンザの入院患者の治療、それから罹患している医療従事者及び社会機能維持者の治療、罹患している医学的にハイリスク群の治療、児童、高齢者、それから一般の外来患者の順、この順で優先的に投与することとしておりますが、これらについてはより具体的な対応について更に専門家の間で検討を進めたいと考えております。
○山本保君 確認ですけど、インフルエンザの今予防などあって我々も打つわけですが、あれは有料でやっていますけど、このタミフルについてはこれは有料でございますか、それとも無料ですか、今の対応策として考えられておられますのは。
○政府参考人(外口崇君) これはまだ決めておりません。
○山本保君 何か担当にお聞きしますと、カプセル一つが三百十六円ですか、大したのではないなと思いますが、多分、何回も必要なのかもしれません。これは一般のインフルエンザはもちろん大事なことですけれども、こういう万が一のときのことですので、遅れないように、またお金の心配ないような対応を取っていただきたいなと思っております。
 最後に、石田副大臣に、毎年のように最近新型インフルエンザということが割と出まして、逆にちょっとオオカミ少年のような感じがあるんじゃないかという気がしないでもないんです。しかし、非常に重要なことでもありますので、国民に分かりやすく、どうもちょっと心配だ、非常にリスクについてきちんと出すということはこれは重要なことですけれども、それだけが独り歩きしているのではないかという気もします。
 先ほどいろいろ種々お話があったわけですけれども、国民に分かりやすい情報提供について、副大臣の御見解をお聞きしまして終わりたいと思います。
○副大臣(石田祝稔君) 今お話がありましたように、やはりこのインフルエンザ、普段は何もないわけですので、どうしても一人一人が関心を持って自らの問題として考えて行動していただくと、対応していただくと、こういうことが必要だろうというふうに思っております。ですから、こういう問題については正しい知識を、また発生時の対応についての周知が当然必要だと思っております。
 先ほどの山本委員の御質問の際に、私がちょっと先走りましてもうお答えをしてしまった部分もあるんですが、一つは厚生労働省や国立感染症研究所のホームページ等への関連情報の掲載と、もう一つはメディアに対して広報担当官が定期的に関連情報の提供を行っております。これは先ほどお話をしました二週間に一度しっかりと対応していると、こういうことでございますし、やはり各国の発生状況等も注視しつつ万全の体制づくりを進めていこうとしておりますけれども、国民への最新かつ適切な情報の周知についても今後とも積極的に取り組んでまいりたいと、このように思っております。
 ともかく、やはり国民一人一人が自分のこととして常に備えておかなければならないと、大臣もおっしゃったようでありますけれども、備えあれば憂いなしと、このことが私は肝に銘じて取り組んでいく必要があると、このように考えております。
○山本保君 終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 法案質疑の前に、本日報道されました生活保護の母子加算廃止の問題について大臣にお伺いをしたいと思います。
 これは、母子加算というのは、一人親の生活保護世帯に対して、子供の健全な育成のためにということで出されている子育てに欠かせない給付だと思います。今、縮小されたとはいえ九万世帯に出されている。私、今の本当にこの経済社会の中で一番深刻な状況に置かれている世帯だと思うんですよ、母子家庭というのは。よりによって、そういう世帯に対する、生活実態、引き続き極めて深刻な中で、これを廃止をするなどということは私、断じて許されないと思うんですが、大臣、いかがなんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この生活保護の在り方につきましては、実は骨太方針二〇〇六、今年は六月だったかと思います、あるいは七月にずれ込んだかと思いますが、この骨太方針におきまして、既に母子加算につきまして就労支援策を講じつつ廃止を含めた見直しを行うこと、それから自宅を保有している者についてリバースモーゲージを利用した貸付け等を優先すること等が盛り込まれておりました。つまり、この段階から既に母子加算について問題提起がなされているわけでございます。これまで、社会保障審議会生活保護制度の在り方に関する専門委員会におきましても、一般の母子世帯との公平性の観点から母子加算の見直しなどが指摘をされているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした経緯を踏まえまして、平成十九年度予算におきます対応について現在検討を進め、また具体的な内容及び削減策について現在、財政当局と調整中でございまして、まだその細目について結論を得たというわけではございません。
○小池晃君 結論を得たわけじゃないと言いながら、かなり踏み込んだそういう報告も出されているという話もあった。しかも、一般の母子家庭との公平性ということを今おっしゃいましたけどね、私ね、これは本当ひどい議論だと思いますよ。要するに、一般の母子家庭世帯と生活保護世帯を比べると、一般の母子家庭の生活水準の方が低いから、だから生活保護も下げると。
 これは、一般の母子家庭の生活というのが私は生活保護水準以下になっているという事態こそが深刻なわけであって、私、まず厚生労働省やるべきことというのは、なぜそういうことになっているのか、一般の母子家庭というのが生活保護水準以下の暮らしをせざるを得ないような、今はやっぱり母子家庭に対する支援策が余りにも不十分だと、そこのところをどうするかということをまず考えるべきじゃないですか。それをやらずに、一般世帯との公平性ということでそれを削っていくというのは、私は余りにも乱暴な議論だと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、一般の母子世帯、これまあ母子世帯ということですから子供一人の場合を基準に取っているわけですけれども、この消費支出額の平均、これを取りましても、これはもう非常に、全国の平均ということですけれども、これをも上回っているということもございますし、また低所得世帯との比較においてはかなりこれを上回っているというようなことがありまして、要はそうした比較考量の中で、さあ、これをどうしたらよろしいかということを、現在、来年度の予算編成に向けて検討をしている、また財政当局との折衝に臨んでいるということでございます。
○小池晃君 私が言っていること全く答えていないと思うんですが、私は、そういうことを理由にして、一般の母子家庭よりも高いから生活保護も下げるんだという議論自体がおかしいんじゃないのかと。まずやるべきことは、日本じゅうの一般の母子家庭の生活水準というのが生活保護水準以下に抑えられている、やはりその施策の不十分さがあるわけですよ。そこをやっぱり検討するのが厚生労働省じゃないかと。
 これ、昨年度から縮小されたときに、おととし、私はこの委員会でこの問題、撤回を求めました。その当時、見直すのは十五歳から十八歳まででそれ以下は大丈夫だと答弁したけれども、今度はもう全部廃止と、これは許されないと思います。この問題については撤回を引き続き求めてまいりたいというふうに思います。
 それから、法案の方に入りますが、前回、質問の最後の部分について改めてお聞きをしたいんですが、局長、結核を始めとする一類、二類感染症の患者で必要な要件を満たした場合には、自主的な入院であっても入院の勧告という手続を行って、で、公費治療の対象とするというふうにすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 現行の感染症法及び結核予防法におきましては、感染の疑いがあるとして自発的に受診、入院された方であっても、法に基づく入院の必要があると判明した場合には、改めて法に基づく勧告や命令が出され、これに基づき、勧告又は命令が出された日以降の医療費について公費負担が行われることになっております。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 こうした対応は改正後の感染症法においても行うこととしており、引き続き適正な運用に努めてまいりたいと思います。
○小池晃君 引き続き、肝炎の問題について聞きます。
 これ、ウイルス肝炎の拡大の原因として予防注射やあるいは血液製剤が指摘され、B型肝炎訴訟においては最高裁で判決が出ております。この最高裁判決を受けて、肝炎対策について、B型肝炎対策について国はどういう対応をされたのか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 過去の集団予防接種時に注射針・筒を連続して使用したこととB型肝炎ウイルスに感染したこととの因果関係等が争われた訴訟について、去る六月十六日、最高裁から国の賠償義務、慰謝料を認める旨の判決がありました。国としてはこれを重く受け止め、既に原告の方々に対し判決に従って慰謝料をお支払いしているところでございます。
 肝炎につきましては、何よりも健診の強化など、早期発見、早期治療の促進並びに治療水準の向上によって、感染された方の健康の保持増進及び不安の解消を図ることが最も重要であり、こうした観点から、肝炎対策の充実を図ってまいりたいと考えております。
○小池晃君 判決の五名の原告に限ったもののように今お聞きをしたんですが、この最高裁判決というのはこう言っているんですね。一般に、幼少児については、集団予防接種等における注射器の連続使用によるもの以外は、家庭内感染を含む水平感染の可能性は極めて低かったと。要するに、この五人だけでない話なわけですよ、これは、実態としては。
 お聞きしたいんですけれども、厚労省はB型肝炎の相当部分が集団予防接種による感染の可能性があるという認識をお持ちですか。
○政府参考人(外口崇君) B型肝炎の感染経路としては、母子感染のほか血液感染等が考えられますが、予防接種による感染者については、これは数についてでございますけれども、医療行為等の記録が保存されておらないということもございまして把握することが困難であり、これについては不明であります。
○小池晃君 そういうね、ごまかしちゃ駄目です。私が聞いたのは、何人いるかと聞いたんじゃないんです。相当数のそういう原因を持つ患者さんがいるという認識を持っていないのかと聞いているんです。
○政府参考人(外口崇君) 予防接種による感染の方がほかにも存在するかどうかということになると、その可能性は排除はできないと考えておりますが、相当数いるかどうかについてはそれは不明であります。
○小池晃君 最高裁判決で、一般的にはそれ以外には考えにくいって書いてあるじゃないですか、水平感染については。それは、母子感染が多いことはそれは医学的にはそうだと思います。しかし、水平感染でかかった患者さんの中のかなりの部分がやはり集団予防接種であると、普通、素直に考えればそういうことになるんじゃないですか。
○政府参考人(外口崇君) 諸外国の例を見ても、母子感染というのは、これかなり数が多いと思います。ただ、その予防接種による感染、どうかというと、もちろんその存在自体はそれは可能性は排除できないわけでございますけれども、繰り返しになりますけれども、具体的にどのぐらいかということについては、これはなかなか把握は困難だと考えております。
○小池晃君 まあ、具体的にどのぐらいかということはともかく、相当数いるということはこれは否定できないんですよ。だとすれば、これは救済策というのは五名ということに限られるものであってはならないんです。
 C型肝炎についても同様の感染あるし、さらに血液製剤による感染の被害が、これ各地の裁判ではすべて原告が勝利をしています。患者さん方は、訴訟手続抜きにして個別賠償しろと言っているわけではないわけですね。例えば、その肝炎を負担上限額一万円となる特定疾病にしてほしいとか、あるいは自立支援医療の対象としてほしいと。私は、その被害から見れば極めて控え目な要求ではないかというふうに思うんです。
 大臣は、私、大臣にお聞きしたいんですけれども、衆議院でこの問題の議論があって、何とか、何か一歩でも半歩でも前進することがあり得るのかどうか、そういった方向での努力はしていかなければいけないというふうにお答えになっているんですね。
 私はやはり、どれだけいるか分からないというふうに言い訳されているけれども、しかし少なくともやはり一定数の患者さんがいることは、これは間違いない。そのウイルス肝炎の拡大に国の責任があるということも、これはもう私は明確だというふうに思うんですよ。だとすれば、やはり努力というのは、患者全体に対するやはり一定の救済ということを含むものでなければならないというふうに思うんです。
 大臣、大臣がおっしゃった努力というものに、そういう肝炎患者に対するやはり救済、全体に対する救済ということを含む、そういう意味でおっしゃられたのかどうか。被害者の方が大変この答弁に期待を掛けていらっしゃいますので、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、本当に、その場面もそうだし、また、いろいろな場面にそうですけれども、感情的には、気持ちの上ではいろいろなことのお訴えを理解しているということを申し上げるわけです。
 ただ、私も行政の責任者として、これについて公費負担医療制度の対象にできるかどうかということについては、その際の答弁におきましても、非常に難しいと思っておりますということは申し上げております。
 これは、難病と異なって治療法が確立していないわけではないということ、また、結核等の感染症と異なって蔓延防止のために特別な措置を必要とするものでもないというようなことで、要は、公費負担医療制度をそこまで広げていけるかということについては、現状、私も難しいということを申し上げつつも、お気持ちのお訴えがありますから、それについては、私も微力だけれども、先生のそういうお訴えにも照らして努力をしていくというふうに感じているという感想を申し上げました。
○小池晃君 それだけではやはり被害者の方の救いにならないんですよ。
 やはり具体的に、どれだけの、やはり私は、この原告の方だけじゃなくて、やっぱりこれは明らかに、かなりの数そういう国の責任によってやはり広がった患者さんがいるという事態があるわけですから、それに対する救済ということはどうしてもやっていただかなければいけないというふうに思うんです。それを進める上で努力するというふうにおっしゃるのであれば、今そういう努力をしたいというのであればどういう努力が必要なのか。
 私は、是非大臣には、直接被害者の方に会っていただいて、その声を聞いていただきたい。やはり、被害者の方々は本当にその強い願いを持っているんです。私たちの声を抜きにして被害者対策進めないでほしいと、是非声を聞いてほしいと、厚生労働省の前にみんな行って大きな声を上げて、声を聞いてくださいとやっているんですよ、何度も何度も。
 大臣、こういう努力をしてみたい、しなければならないと感じているというふうにおっしゃるのであれば、一体どういう努力が求められているのかについて、是非、直接被害者の方に会っていただいて、お話を聞いていただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 肝炎の問題については、現在、司法手続が取られているという側面もございます。そういうようなこともありまして、その問題については、やはり従来とも、これは政府として一貫してそういう態度を取っているわけですけれども、そういった問題について法廷の外でいろいろと話のやり取りをするというのはやっぱり適切でないと、こういう考え方を取っているわけでございます。
 それ以外の患者さんの実情等についてお話を聞くということについては、これは、担当者がお話をお伺いすることによって私も把握をしていきたいと、このように考えておりまして、まず担当者とお会いいただいたらどうだろうかということを申し上げているわけであります。
○小池晃君 それ以外の患者さんという言葉はちょっと聞き捨てならないんですけど、原告と会わないということですか。それはおかしいですよ。
 司法手続で個別の賠償について話をしろと言ってるんじゃない、肝炎総合対策について話をしたいと言ってるんですよ。だとすれば、その中にだって、原告の人だって含まれたって、それは当然でしょう。一番強く願っている人たちですよ。そういう人たちに会って話を聞くということも否定されるんですか。私はそれはいけないと思う。是非、そういった人も含めて、きちっと声を聞くというふうにお答えいただきたいと。
○国務大臣(柳澤伯夫君) それは、何回言われても、私の今の答弁を変えるつもりはありません。やっぱり法廷で争っていることのその当事者のお話を私が直接聞いて法廷外でやり取りするというのはやっぱり適切を欠くと、このように思います。
 ですから、それ以外の患者さんの実情等についてのお話であれば、これは担当者がまず聞かせていただいて、それを通じて私も把握したいと、こういうことを申し上げているわけであります。
○小池晃君 私は、これだけ被害が広がっているにもかかわらず、やっぱり行政の責任者が直接声聞かないというのは許されないというふうに思うんですよ。努力すると言いながら、やっぱり真摯に耳傾けるということなしには、私はそんな努力は実らないというふうに思いますので、是非会っていただきたいというふうに思います。
 加えて、肝炎のウイルス健診の問題についてもお聞きしたいんですが、これ、肝炎ウイルスの健診については、二〇〇五年の実績で、対象者数比二四・七%です。これはもっと引き上げる必要があると思うんですが、この点についてはどうお考えですか。
○政府参考人(外口崇君) ウイルス肝炎対策においては、早期発見、早期治療の促進によって、感染者の健康維持増進及び不安の解消を図ることが重要でありますので、検査体制の充実強化が必要であると考えております。
 御指摘の肝炎検査、例えば老人保健事業、ちょうど五年のタームが終わるところでございますけれども、かなりのまだ未受診者がおられますんで、それは老人保健事業、それから健康局の事業も含めて、何とかこの未受診者を掘り起こして検査体制を充実しながら健診率を上げたいと思っております。
○小池晃君 これまで肝炎ウイルス健診というのは老健事業の基本健診と一緒にやられてきました。ところが、これ、さきの国会の法改正で老健事業廃止される、一方で保険者による特定健診の項目は生活習慣病に特化されているという問題があって、このままでは現行の水準から後退するのではないかという懸念がございます。これはどうやっていくおつもりなんですか。
○政府参考人(外口崇君) 平成十九年度をもって、御指摘のように、老人保健事業は廃止されることになってはおりますが、これ以降の肝炎ウイルス検査体制については、これは、この事業が果たしてきている役割と実績を踏まえて、検査体制の後退が生じないよう、今後具体的に検討していきたいと考えております。
○小池晃君 これは、大変根拠のない偏見が強い現状で、特定健診というのはこれは保険者が行う健診になるわけですから、感染の事実が判明すると本人の不利益にもなりかねない。一方で一人でも多くの人が健診をやっぱり受けるということも必要だと。その辺をしっかり踏まえて、これは配慮して進めていくということを求めたいと思います。
 それから、薬害HIV訴訟の和解協議について引き続きお聞きをしたい。
 これ、四月十八日の当委員会で、私は、除斥期間を理由にして和解に応じない問題取り上げました。二名の方がそういうことになっている。一人はわずか四日間です、もう一人は一年余り、除斥期間を経過したということが理由だったんですね。
 私の質問に対して、当時川崎大臣は、これは除斥期間の問題がなければ、通常のHIV感染にかかわる和解の枠組みに沿って対応すべき事案と考えていると、法務大臣とも議論してみたいと答弁されました。その後、大臣はどう対応されたんでしょう。
 ああ、大臣、前の大臣ですから、医薬局長。
○政府参考人(高橋直人君) 除斥期間が問題となっております二つのケースにつきましては、今お話しのとおり、前回の国会におきまして、大臣の答弁後、前厚生労働大臣から前法務大臣にお話をしたところでございます。
 前法務大臣からは、今後、裁判所の和解に関する御見解が示されればそれも踏まえつつ検討していくと伺ったものと承知しております。
 裁判所におきましては、原告に対しまして主張の整理を促しているところでございまして、その結果を今後踏まえまして、裁判所の和解についての御見解が示されることもあり得るものと認識をいたしております。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
○小池晃君 これ私、いまだに最大の障害は、これは国というより法務省なのかもしれませんが、除斥期間という主張を捨ててないことだと思うんですね。
 九六年の和解の精神は全員の救済だったわけです。除斥期間除斥期間と言うけれども、最終投与から訴えを起こすまで、HIV感染者というのは漫然とその権利を行使しなかったわけじゃないわけですね。知らなかったと、まず。しかも、大変な偏見の中で声を上げることに本当に勇気が必要だったわけですよ。
 私、そもそもこの除斥期間という二十年という期間を当てはめること自体、これ制度の趣旨に反するのではないかというふうにも思うんですね。九六年の和解というのは、これは国の責任も製薬企業の責任も認めている。それにもかかわらず、こういう除斥期間ということを盾に取ってこの二名の方について和解に応じないというのは、私は許されないと思います。
 ハンセン病の訴訟でもこの問題は政治解決がされました。大臣、今回もこれ、私、政治決断を求められているというふうに思うんです。川崎大臣は前向きの対応を表明されて、法務大臣とは対応されました。柳澤大臣、この問題について、私は、どういう姿勢で臨むのか、やはり政治的な決断で解決していく前向きの姿勢を示していただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 除斥期間という法的地位の安定を図るために、客観的にその期間が経過すれば損害賠償請求権が消滅すると、それは被害者側の認識のいかんを問わないという厳然たる制度があるわけです。したがいまして、この除斥期間の問題というのは、正に民法解釈の根幹にかかわる一般的な問題であるというところでいろいろ難しい問題となっているわけでございます。
 したがいまして、今局長から御答弁申し上げましたように、本件につきましては、現在、原告らの主張の再整理が行われているところでありまして、和解を含め、その後のいろいろな裁判所での事態の推移というものもあろうと思いますので、それを注意深く見守ってまいりたいということで、私どもの趣旨を御理解賜りたいと思います。
○小池晃君 いや、これ注意深く大臣が見守ったら解決しないんですよ。やっぱり大臣がしっかり物を言わなきゃいけないんですよ。川崎大臣は動いてくれたんですよ、でも。やっぱり柳澤さん、厚生労働大臣でしょう。そういう法律の四角四面のやり方でいいんですか。だって、私の言っていること、大臣、理解していただけます。
 HIVの感染者の方は二十年訴訟を起こさなかったというけれども、その期間分からなかったわけじゃないですか。あるいは、声を上げることすらできなかったわけじゃないですか。一人の方は、わずかあれですよ、四日ですよ。それを盾にして門前払いをするという態度は、私はこれは絶対許されないと思います。是非再考をお願いしたいと。何か聞くと余計なこと言いそうなのでこれ以上聞きませんが、ちょっと本当にこの問題は前向きに対応していただかないと困ります。是非御検討いただきたい。
 それから、難病の問題について併せてお聞きしたいんですが、何度もこの委員会でも問題になっていますが、五万人という基準で見直しという議論があります。そもそも五万人ということを希少性の基準にする根拠は何でしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 特定疾患治療研究事業の要件についてでございますけれども、これは原因が不明で治療法が確立しておらず、患者数が少なく、いわゆる希少性、生活面で長期にわたる支障を来すという四つの要件を満たすことが条件でございます。
 それで、五万人の件でございますけれども、平成九年三月の特定疾患対策懇談会において、患者数の少ない、いわゆる希少疾患に対して研究者の目を向けさせ、研究体制を構築することが事業の目的であることから、希少疾病用医薬品の指定制度、オーファンドラッグの制度における対象疾患が五万人未満であること等にかんがみて、対象を患者数がおおむね五万人未満の疾患と考えているところでございます。
○小池晃君 オーファンドラッグと難病というのは何の関係もないわけですよ。しかも、今おっしゃられた九八年の検討部会報告では、その時点での疾患がおおむね五万人未満であるということも一つの根拠になっているわけですよね。五万人、みんな五万人未満だったら五万人にしたんですよ、そのとき。
 もう一度聞くけれども、その五万人ということに、じゃ科学的根拠というのは、何か論文があるとか研究結果があるとか、そういうことはないんですね。
○政府参考人(外口崇君) この特定疾患治療研究事業の考え方でございますけれども……
○小池晃君 そんなこと聞いてないよ。ちょっと、駄目だよ。
○政府参考人(外口崇君) 繰り返しになりますけれども……
○小池晃君 繰り返しだったらいいです。私が聞いているのは、繰り返し聞いているんじゃないんです。五万人という根拠になるような論文とか研究結果あるのか、イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(外口崇君) オーファンドラッグを参考にして考えております。
○小池晃君 結局、根拠はないんですよ。それは難病の研究じゃないですからね。科学的根拠ないことで切り捨てようとしている。しかも、今のやり方でいうと潰瘍性大腸炎の六割以上、パーキンソン病の補助対象の約半数、これだけ除外されるということになる。それでね、そもそもこれ治療研究事業なわけですよね、研究。で、研究だと言いながら大半の患者さんを除外して、どうして研究が成り立つんですか。
○政府参考人(外口崇君) この事業の考え方ですけれども、患者数が極めて少なく、全国規模で症例を収集しないと研究が進まない疾患について症例を収集することが考え方であります。
 患者数の多い疾患につきましては、これは公費を投じて全国規模ですべての患者の情報を収集しなくても、個々の研究において必要に応じて症例を収集できる面もあると考えております。
○小池晃君 でたらめですよ。軽症者あるいは軽快者を外しているんでしょう。病気というのは、重い人から軽い人まで全部研究して初めて病気の研究は成立するんですよ。あるいは、軽快した人、治った人、そういった人だって視野に入れて研究しなければ、これは研究事業にならない。でたらめです。
 しかも、これだけ重大な数万人の人の命綱を打ち切ることを、健康局長の私的諮問機関である特定疾患対策懇談会で決める、こんなことが許されるんですか。
○政府参考人(外口崇君) 特定疾患治療研究事業につきましては、公的な関与が必要な希少な難病の研究を一層効果的に実施できるよう、現在、健康局長の諮問機関である特定疾患対策懇談会において検討が行われているところであります。
 特定疾患対策懇談会は、昭和四十七年から、医学、医療における専門家により、特定疾患治療研究事業の対象疾患の選定などの専門的な事項について討議することを目的として開かれております。
 特定疾患治療研究事業の対象疾患や対象者の選定に当たっては、医学的な専門的検討を行う必要があることから、これまでと同様、特定疾患対策懇談会において御検討いただくことが適切と考えております。
○小池晃君 これね、重大な、大臣ね、これ、これだけ大問題になっている、数万人の人の生活に影響を与えることが、一私的諮問機関で決まっていいんですか。これ重大だと思う。
 大臣、私、これ実態見ると、一人一人本当に大変なんですよ。パーキンソン病の推定失業率、職業安定局の調査で五四%です。しかも、切捨て対象となっているヤール三という病状の患者さんの薬代自己負担、月一万五千円です。どれだけこれ救いになっているか。潰瘍性大腸炎、平均年齢四十二歳です。推定失業率二三%、年収四百万円台。こういう人たちの将来不安掛かっているんです。
 大臣、これ、絶対こういう切捨てを一私的諮問機関でやるなんということは許されない。こういう方針、撤回すべきじゃないですか。大臣、お答えいただきたい。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来お答えいたしておりますとおり、特定疾患治療研究事業というのは、一定の要件に該当する疾患を対象として行われているところでございます。研究ができるだけ効果的に実施されるためには、患者数の推移など、状況の変化に応じて対象の見直しを行うことは、これはもう必要であるということは小池委員も御理解いただけるかと思います。
 その問題を特定疾患対策懇談会という局長の諮問機関でやるのはいかがかという御指摘でございますけれども、今局長が答えましたとおり、この懇談会は長きにわたって専門的な見地からのいろいろ納得的なこの御意見をいただく機関としてこれまでも存在してきたものでございますし、今後とも、この懇談会の結論を受けて見直しについて考え方をまとめていくということは私は適切な対応だと、このように考えております。
○小池晃君 断じて容認できません。
 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず初めに、C型肝炎の問題についてお聞きをいたします。
 八五年生まれの大学生から手紙が来ました。聞いてください。
 私は生まれて間もないころ、赤ちゃんのときに旧ミドリ十字の血液製剤クリスマシンを投与され、C型肝炎に感染させられました。特に症状がなかったためか、私はもちろん両親もだれもC型肝炎に感染していることを知りませんでした。十五年後、高校一年生のときに病院で検査をした際に感染が分かりました。当時の私はクリスマシンの危険性について知らなかったので、まさか感染していないだろうと思いながら検査を受けました。しかし、診察室に入り、医師から陽性の結果を聞いたときは衝撃を受けました。医師からC型肝炎の説明を受けたはずなのですが、頭の中では自分がC型肝炎に感染しているという事実だけで一杯になってしまって、ほとんど空返事で、内容をしっかり理解することはできませんでした。私は、一年前にペグインターフェロンとリバビリンの併用療法をしようかどうか、医師と相談しながら考えていました。そのときに病院の事務で試算された治療の金額は、一年間におよそ百二十万円という高額なものでした。私の両親は私たちが払うよと言ってくれたのですが、自分の病気の治療のことなのにとても申し訳ない気持ちになりました。このようなたくさんのお金を出さなければ治療できない現状は、多くの肝炎患者を苦しめています。
 別の小林さんという方からもお手紙をいただきました。
 肝炎患者を取り巻く状況は、現在、格差を感じずにはいられません。完治する人、しない人、インターフェロンを受けれる人、そうでない人、がんの進行を必死に遅らせて頑張っている人と、様々ですが、みんな治りたいという願いは一緒だと思います。やはり、現在の社会保険制度ではなかなか肝炎治療を受けながら社会生活を営むのは困難ではないかと感じています。私の病気は慢性肝炎です。三十四歳になりますが、治療のこともあり、福岡市で臨時職員をしています。金銭的な理由からインターフェロン治療をちゅうちょしております。
 そもそも、なぜ薬害肝炎の問題が起きるのかということも、これは根本的に解決しなければなりません。しかし、被害に遭った人たち、全く本人の過失なく被害に遭った人たちは、やはり治療費に苦しみ、また救援を大変求めています。
 大臣、この当事者の声をどうお聞きになられますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も同情を申し上げるというか、お気の毒な事態だというふうに思っておることはもう間違いありません。ただ、私も行政の責任者でして、制度を構築する、あるいは発動するという場合には、これはもう公平公正、他との均衡、こういったものを常に念頭に置いて判断をしなければならないということでありまして、この立場からは、従来申し上げてきましたとおり、むしろこの、むしろと申しますか、この健診の強化などの早期発見、あるいはその早期の治療の促進、あるいは治療水準の向上など、感染者の健康の保持増進や不安の解消を図ることでもってこの肝炎対策に取り組んでいきたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 柳澤大臣が他の省庁の大臣だったらそれでいいかもしれません。金融大臣、それなどだったらそれはいいかもしれません。公平公正はとても重要な政治の要素です。しかし、厚生労働省というのであれば、やっぱりそこは涙を、やっぱり患者さんやいろんな人の涙を流さないで済むようにどうこたえていくかと、その部分がなかったらやっぱり人は救われない、そう思っています。
 この委員会で、先ほど川崎大臣の名前も出ましたが、尾辻大臣、例えば在外被爆者やハンセン病や、在外のハンセン病の問題などについて、裁判の原告たちと例えば会う、会って救済に取り組む、厚生労働省と実は超党派の国会議員が対立するのではなく、立法も含めてどう解決するかということで、この厚生労働委員会も一緒に力を合わせて問題の解決に向かおうとして成功した例も幾つもあります。柳澤大臣、どうか在任中に涙が流さなくて済む解決をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来申し上げていることの繰り返しですけれども、公費負担医療制度の対象疾病、これまでのものとどういう関係に立つかということを私として考えなきゃなりません。
 したがいまして、涙の点はよく分かりますけれども、どこでどういうことをなすべきかということは、やはり行政の基本に戻って判断すべきだと私は考えております。
○福島みずほ君 先ほど在外被爆者と言ったのは在外のハンセン病の人たちなので、ちょっと訂正します。済みません。
 判決が出ているわけですよね。これはもう既に判決が出て、控訴中ではありますが、裁判所はこれは国に責任があると、これは明言をしています。私は、大阪地裁と福岡地裁で国の過失の認定があり、現在控訴中ではありますが、第一審で裁判所が国の過失があると判決を出したことを厚生労働省は重く受け止めてほしいというふうに思います。この判決を受けて早期に解決することが患者さんを苦しめない、それから早期に解決する方が医療費の点からも本当はいいのだというふうに思います。
 柳澤大臣、どうか、どうせこれは解決しなくちゃいけないんですよ。いつか解決しなくちゃいけない。だとしたら、早期解決の方が両当事者にとってもいいはずです。いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 解決するということで、どういうことを意味されたかあれですけれども、私、必ずしも十分に御理解をさせていただいたかどうかは分かりませんけれども、我々としては、先ほど言ったような健診の強化その他の措置でもってこの肝炎対策の充実を図っていくということが私どもの道だというふうに考えているわけでございます。
○福島みずほ君 最高裁で判決が出た後、どういうふうに取り組もうと思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) やはり、国の制度について、これについて判断をいただくという場合には、しっかりした法律構成、法律判断がそこにあったということでございまして、私どもとしては、それに従ってそれに沿った措置を早速講じているということでございます。
○福島みずほ君 先ほど申し上げました六月二十一日、大阪地裁、八月三十日、福岡地裁、出ています。東京は八月、仙台は十月、名古屋地裁は来年一月に結審予定というふうになっております。
 大臣、もうこれは取り組むべきときですよ。判決が一審出て、最高裁まで行って闘えというのではなく、これはもう解決をすべきであると。これはもう過失の認定をされているわけですから、厚労省としては、じゃこれをどう解決するか。
 先ほど、百二十万治療費が年間掛かる、こういうことについてすべての人が百二十万払えるわけではないじゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは医療費だと思います。ですから、また自己負担とはまた別途の話ではないかと、このようにお聞きいたしました。
○福島みずほ君 では、治療費の公費助成はどのような状況か教えてください。
○政府参考人(外口崇君) 肝炎治療の医療費の負担の仕組みでございますけれども、これは医療保険が適用されておりますので、高額療養費制度によって患者負担には上限が設けられているところでございます。
○福島みずほ君 インターフェロンは医療費ベースで一人当たり総額二百八十万円、公費助成は通常は二割負担なので実質負担は約六十万円。で、ある程度収入があると百万とか百二十万掛かる、それでよろしいですね。
○政府参考人(外口崇君) 大体御指摘のとおりであると思います。平均すると、医療費が約二百八十万で、自己負担額が約八十万ぐらいになるかと思います。
○福島みずほ君 自己負担が八十万、ちょっと収入が多いと百万、百二十万というのはやはりこれは多いですよ。今、年収がどんどん下がっている人も多くて、自分の過失でも全くない、自分が赤ん坊のときにたまたま薬が使われて、自分の例えばあずかり知らないところで、あるいは輸血でかかってしまった。で、今、年間百万払え、治療費助成受けても百万円、これでは本当にやっていけないというのは当然だと思います。
 大臣、是非、この問題について、健診の無料化、公費助成を進めてくれということは改めて強く申し上げます。ただ、現に被害が生じている部分についてもう一歩進めて救済をしていただきたい、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう、健診を含めて、公費負担の問題というのは一つのルールに基づいて行われているということでありまして、それ以外の制度を仕組むということになれば、私ども、先ほど言ったように、行政制度の基本に立ち返ってこれを考えていかなきゃならないと、こういうことです。
○福島みずほ君 在外被爆者の問題でも法律では穴の部分だったわけですね。それをどう救済するか。あるいは、ハンセン病の問題だってどうするか。全部、この厚生労働委員会は、制度的に欠陥で問題がある部分をどう私たちは工夫して救済するかということを現にやってきたわけです。駄目だから駄目だって言うんだったら本当に救われない。大臣、是非当事者に会っていただきたいということを私も改めて申し上げます。いかがですか。厚労相は今までやってきたんですよ、大臣たちは。いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもの前任者がいろんな努力をしたということについての御評価のお言葉をいただきました。私も前任者たちのやられたことについてはいろいろと勉強をさせていただいております。
 この問題につきましては、先ほど来申し上げておるような基本的な立場でありますが、これからまたいろいろと福島委員の御評価いただいた先輩大臣に倣って努力をしていきたいと思います。
○福島みずほ君 最後に努力をされるというふうにおっしゃいましたので、是非涙の分かる厚労相でいてくださるよう心からお願い申し上げます。じゃ、会いに行きますので、よろしくお願いします。
 では、次に、感染症法改正、結核予防法の廃止についてお聞きをいたします。
 医療費の公費負担に関して、一般病院に入院後結核と判明した場合、その期間は公費負担の対象とならないのでしょうか。また、結核の疑いで結核病床に入院した後に結核ではないと判明した場合についての公費負担について教えてください。
○政府参考人(外口崇君) 感染症法におきましては、法に規定する入院の勧告が行われた以降の入院が感染症法に基づく入院となります。当該措置は、公衆衛生の観点から知事が入院の必要性を判断した結果なされるものでありますが、他方、勧告前の入院は当該患者自身の判断による入院となりますので、これは公費負担の対象となりません。
 それからまた、結核の疑いで入院した後に結核ではないと判明した場合であっても、結核の疑いで入院していた期間については感染症法の規定に基づく公費負担の対象とする方向で考えております。
○福島みずほ君 結核の発生率については他の委員も先日質問されましたが、最も多い大阪市と最も少ない長野県では五・五倍の開きがあります。特に都市部においては、外国人労働者あるいはホームレスの人たちが結核になるケースが今後増大すると予想されます。都道府県ごとに地域における医療関係者の育成対策並びに結核発生の予防策はどのように考えられているでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 外国人労働者やホームレスの方などは結核の罹患率が高く、またその治療を開始した場合、それを中断するリスクが高いと考えられております。さらに、こうした方は都市部に多くおられますことから、都市部において結核対策は大変重要な課題となっております。こうしたリスクの高い人に対しては個別に対応していくことが必要であり、保健所等において服薬状況を確認しながら指導する直接服薬確認療法、いわゆるDOTSを推進することがその対策として重要であります。
 また、こうしたDOTS等の結核対策を推進するためには、結核対策に知見を有します医療関係者の育成が重要なポイントとなります。医療関係者に対しては、国庫補助の下、財団法人結核予防会において、医師を始め、診療放射線技師、保健師、看護師、臨床検査技師等、医療従事者に対してこれまで様々な研修コースが実施されてきました。
 厚生労働省としては、引き続きこれらの研修を支援するとともに、学会等関係機関と連携を図りながら、今後とも結核の診療に携わる医療従事者の人材確保、人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 結核予防法が廃止されることになりますと、結核を冠とする法律がなくなってしまう。ですから、まだ病気があり、まだ日本は結核患者の方がいて、死亡例もあるにもかかわらず、どうもそこがやっぱり薄まってしまうのではないかというのが率直な当事者の皆さんの心配です。後退をするのではないか。
 ですから、また改めてお聞きしますが、後退をしないために、保健所や医療現場での周知徹底や努力、あるいは厚生労働省として早急な実態の把握と、入院や退院をどうするか、退院後の対策をどうするか、国の責務としてのガイドラインやマニュアル作りや専門施設の設置が重要であると考えますが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 改正感染症法におきましては、結核にかかわる措置に関し、人権を尊重した適正手続を拡充するとともに、入院勧告の規定など、感染症対策全般に共通する規定が適用されることになります。
 さらに、結核対策にとって固有に必要となる定期健康診断や通院医療、直接服薬確認療法、DOTSについて、感染症法において引き続き関係規定を設けるとともに、今般の改正により、疫学調査や動物の輸入に関する措置など、従来の結核予防法にない措置が新たに結核について行えるようになります。
 御指摘のとおり、結核は引き続き我が国において無視できない重要な感染症として十分な対策を講ずる必要があると認識しており、今回の法改正による措置も活用しながら、保健所や医療現場における周知も含め、結核対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、国の責務としてガイドラインやマニュアル作りという御指摘もございました。現在のところ、ガイドラインの、特に多剤耐性結核菌等についてのガイドラインの作成が必要だと考えておりますけれども、厚生労働科学研究費において現在研究を進めているところでございます。また、多剤耐性結核治療の施設整備につきましても、平成十一年より多剤耐性結核専門医療機関整備事業を開始して、都道府県域を越えた広域圏拠点施設の整備を図っているところでございます。
 私も、結核予防法と感染症法のこの統合に当たりまして、特に結核の治療に長らく当たってこられた方から随分いろんな意見をお聞きしました。それで、彼らはやはり今後の運営を、一部の方は心配されておりますんで、よくよく現場がこれからどう変わっていくかということについても意見をよくお聞きしながら、適正な運用を図っていきたいと思っております。
○福島みずほ君 補助金の拡充など、是非よろしくお願いしますが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 結核対策についての補助金につきましては、患者さんの減、それから様々な要因により減少していることが事実関係としてございますけれども、やはりこれからの結核対策、特に外国人労働者とかホームレスの方々とか、そういったところに対してきめ細かく対応していくためにはやはり必要な予算というものがあると思いますので、予算の確保に努力していきたいと思っております。
○福島みずほ君 それはよろしくお願いいたします。
 法案第二条、基本理念にある人権の尊重には、患者だけでなく施設周辺の住民に対する人権尊重が含まれますか。
○政府参考人(外口崇君) 感染症法は、公衆衛生、社会防衛上やむを得ない理由から、感染症患者に対して入院命令や就業制限など基本的な人権に一定の制限を掛けるものであることから、これらの感染症患者に対する法的な措置に際して人権尊重の観点を明確にしているところであります。
 このような趣旨から、周辺住民の方の人権をおろそかにするということではございませんけれども、この法律上では第二条の基本理念において規定する「感染症の患者等」ないし「これらの者」には施設周辺の住民は含まれてはおりません。
○福島みずほ君 社民党はその点が問題であると考えます。
 前回もバイオセーフティーとバイオテロの関係で、じゃ、実はバイオセーフティーの方の理念がこの法案に盛り込まれていない、住民ということに対する視点がないのではないかという趣旨の質問をしました。二条のところの人権の尊重に施設周辺の住民に対する人権尊重など含まれておりません。周辺住民の安全のため、安心のために、施設の安全性に関する情報公開のみならず、感染症情報や施設の運営管理実態の情報も含まれるのでしょうか。
 二十八日の答弁で、WHO決議を踏まえた地域のリスク管理の視点の重要性等から云々という、地域住民の理解が得られるような取組について努めていきたいとの答弁がありましたが、具体的にはどんな情報を想定しているのでしょうか。武蔵村山の感染研究所ではP4レベルの実験ができる施設にありながら、住民の反対があり、運用が行われていないという事実があります。情報提供に問題があるのではないでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 病原体の保管状況等の情報が生物テロ等に悪用されることを防止するため、個別の施設ごとに所持する病原体の種類など個別具体的な情報は、これは公開が難しいですが、例えば我が国における所持施設の全体的な概要といった情報は、これは公開できると思います。具体的には、病原体の種類ごとの所持施設数あるいは国による立入検査の件数、それから立入検査を踏まえた施設基準、保管の基準等の遵守状況、施設の安全管理の実態の概要等であります。
 これらの情報の公開を行いつつ、例えば国立感染症研究所におきましては施設見学の機会を設定するなど、地域住民の理解が得られるよう努めていきたいと考えております。
○福島みずほ君 生物テロ対策の名の下に情報が国に一元管理されていれば、都道府県、市町村、住民への情報提供が迅速に行われず、情報が明らかにされなければ、テロのみならず事故の場合の対処が取れないのではないでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 今般の感染症法の改正による病原体等の規制については、生物テロ等による感染症の発生及び蔓延防止を趣旨とするものであり、これら病原体等の盗取、テロ等の犯罪等の防止等の危機管理上の観点から、所持者等に関する情報は国で一元的に管理することとしております。
 万が一、テロや災害等によって病原体等が流出し患者が発生した状況においては、住民の保健サービスを担う保健所を始めとした関係自治体の役割が重要であり、それらとの連携協力体制は必要不可欠であると考えております。
 このため、今後、保健所との連携協力体制をも踏まえた緊急対応要領を作成するなど、病原体等の流出事例の発生時において必要な情報交換を含め適切な対処が行えるよう備えてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 二十八日にも質問しましたけれども、私が理解できないのは、警察庁や海上保安庁などによる施設の立入り等は犯罪捜査のためには行わないというふうに条文上なっていることです。しかし、警察が立入検査をするということは、犯罪捜査のためとしか考えられません。条文の作り方に無理があるのではないか。警察庁が立入検査をするんだけれども、犯罪捜査でないという場合など想定できるのでしょうか。あるいは、犯罪捜査のためでないにもかかわらず、一般的に入ることができるのでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 先般の答弁の繰り返しになりますけれども、今回の改正では、病原体所持者等の規制を新たに講じ、患者や感染者の方に対する措置としては、むしろ人権保障のための措置を充実しているところであります。
 いずれにせよ、今後御指摘のような懸念が具体化することのないよう、今回の法改正の趣旨に即した法律の運用を行ってまいりたいと思います。
○福島みずほ君 質問に端的に答えてください。
 警察庁が立入検査をするのが犯罪捜査のためでない場合というのはどういう場合を想定していますか。
○政府参考人(外口崇君) 例えば、その病原体等の運搬が適正になされているかどうかを確認するために入るということはあると思います。
○福島みずほ君 それは厚労省がやればいいんじゃないですか。
○政府参考人(外口崇君) 都道府県の公安委員会に届け出ることになっておりますので、それを確認のために入るということは十分あり得ることだと思っております。
○福島みずほ君 これは公安委員会がそのような場合に入るということを念頭に置いているのですか。具体例を言ってください。それ以外は含まれないんでしょうか。(発言する者あり)してます。
○政府参考人(外口崇君) 先ほども申し上げましたような病原体の運搬が適正に行われているかどうかということがございますし、それからあとは、公共の安全の維持又は海上の安全の維持のため特に必要があると認めるときは、これは入ることになると思います。
○福島みずほ君 公安委員会以外に権限を持っているところはあるわけですよね。各都道府県の厚生労働のところ、部分は持っていると思いますが。
 なぜこういうことを言うかというと、どうもやはりこの法案そのものが立入りやいろんなことはあって、サイバーテロに関することはあるにしても、サイバーセーフティーの部分がないので、犯罪捜査のためではなくどういう場合に立ち入るかを再度確認させてください。
○政府参考人(外口崇君) 立入検査のところでございますけれども、厚生労働大臣又は都道府県公安委員会は、この章の規定の施行に必要な限度で、当該職員に、特定病原体等所持者の事務所又は事業所に立ち入り、その者の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、関係者に質問させ、又は検査のため必要な最小限度において、特定病原体等若しくは特定病原体等によって汚染された物を無償で収去させることができると規定されております。
 ですから、先ほど申し上げましたように、例えばその運搬とか所持等によることが適切に行われているかどうか、必要な場合に立ち入るということでございます。
○福島みずほ君 それは条文に書いてありますので、それは理解できます。
 厚生労働大臣がやることと警察庁がやることというのは何か区別があるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) これはどちらも一緒になりますけれども、先ほどからちょっと繰り返しになりますけれども、立入検査等については、これは犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとされておりますし、施行に必要な限度で行う旨法律に規定しているところでございます。
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(外口崇君) 厚生労働省とそれから警察の方の仕切りの問題が一つあると思うんですけれども、例えば警察の方は、運搬の安全確保になりますと、例えば道路の輸送とかそういったものに関しましては、厚生労働省よりもそれは、その地域の警察の方がそれは熟知しているわけですからそちらが対応することになると思います。
○福島みずほ君 私が条文見て疑問を持ったのは、厚生労働大臣と警察がやると。今の答弁でも、先ほども一緒にやるとおっしゃったので、その仕分が、できれば厚生労働省が責任を持ってこのセーフティーのことに関してやっていただきたいと。このバイオセーフティーについては厚労省が責任を持ってやり、公安委員会、警察庁がやることは例外的になるのかというふうなことを要望したいというふうに思っています。
 要するに、一緒にやると言ったけれども、その権限分配や、それから犯罪捜査にならないというのであれば限られた場合になるとか、というふうなことを言っていただきたいと思いますが、最後に答弁お願いいたします。
○政府参考人(外口崇君) この犯罪捜査のために認められたものと解してはならないということが、この規定が適切に行われているかどうかについて、これは、法で規定されておりますように、警察庁長官又は海上保安庁長官との連携等を通じて、御指摘のような懸念が生じないよう対応してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 新しい法律ですので、それはしっかりお願いします。
 残りの時間、駆け足ですが、十一月二十八日の答弁で、二〇〇八年に始まる児童扶養手当の一部支給停止措置の施行と母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法により、二年前倒しをして全国母子世帯等調査の実施を十一月一日より始めたということについてお聞きをします。
 この結果をどのように使っていくのか。二年前倒しをして調査をしていくということは、この結果によって削減率を決めるのか。結果の数字によっては削減しないということもあり得るのでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 全国母子世帯の調査、これはおおむね五年ごとに実施しているところでありますが、前回は平成十五年に実施いたしました。今般、児童扶養手当の一部支給停止を控えまして二年前倒しして本年実施することとした、これは一昨日申し上げたところでございます。
 この児童扶養手当の一部支給停止に当たりましては、これは関係政令を定めることとされておりまして、支給停止の水準につきましては、現在調査中の全国母子世帯等調査の結果を含め、その他関連データも参考にして考えたいというふうに考えております。
 いずれにせよ、今後、改正法の附帯決議の御趣旨も踏まえながら検討を進めたいと思います。
○福島みずほ君 その附帯決議で、母子福祉団体など幅広く関係者の意見を聞くことということが衆参両院で附帯決議となっております。この関係者の意見を公的に聞くという準備はあるのでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 御指摘の附帯決議に基づく関係者の意見でありますが、これは母子福祉団体など幅広く関係者の意見を聞くことというふうにされておりまして、この政令を制定するに当たりましては、こうした附帯決議の趣旨も踏まえて対応していきたいと考えているところでありますが、現在その全国の母子世帯等の調査をまだ実施している段階でありまして、具体的な進め方につきましては今後検討させていただきたいと思います。
○福島みずほ君 議事録は残すということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) どういう形で聞き取りをするかということでありますけれども、行政の透明性については配慮してまいりたいと考えておりますので、当然議事録は残すものと考えております。
○福島みずほ君 また、有識者や学識経験者、母子福祉団体などで構成する検討会などをつくって十分検討していただいて、やっぱり実態調査を踏まえて削減率をどうするのか、これでいいのかということを検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 今後いろいろ慎重に検討してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 慎重に……
○委員長(鶴保庸介君) 時間ですので手短にお願いします。
○福島みずほ君 慎重にというのがよく、是非、前倒しで実態調査をするわけですし、かつて国会で削減するということは決めたけれども本当にいいのかという問題なので、やはりこれはきちっと検討してやっていただきたい、検討会を開くなどしてやっていただきたい。最後にどうですか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 検討会という形を取るかも含めまして、手続についてはまた慎重に考えさせてください。
○福島みずほ君 前向きにお願いします。
○政府参考人(大谷泰夫君) はい。
○福島みずほ君 以上です。
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、南野知惠子君が委員を辞任され、その補欠として荻原健司君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○福島みずほ君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、内閣提出の感染症法改正案に対し、反対の討論を行います。
 当法案は、感染症の病原体等の管理体制の確立、また感染症の分類の見直しを行い、また結核予防法を廃止して感染症法に統合するものであり、併せて生物テロによる感染症の発生や蔓延を防止するものと厚生労働省は説明しています。
 しかし、この法案は、病原体の適正な管理を施設内に求めており、施設がある地域全体の安心、安全を確立していくという視点が欠落していると言わざるを得ません。また、患者の視点から作られた法律である感染症法に生物テロ対策を組み入れたことで、公衆衛生並びに感染症対策に警察の介入を招く可能性があります。
 そこで、次の理由からこの法案に反対するものです。
 まず第一は、バイオセーフティーへの対策が不十分であることです。病原体等を特定の個人や団体が不特定多数に、人々に被害や混乱を与えることを目的に使用することは生物テロでありますが、バイオセーフティーは病原体等を取り扱う個人や機関が事故や規則違反で引き起こす災害であります。
 バイオセーフティーについてWHOがガイドラインを出しており、そこでは、病原体等を保有する周辺の住民に対して正確な情報を提供すると同時に、感染予防策を取ることが明記されています。つまり、地域住民に対する情報公開が重要であるというのがバイオセーフティーの考え方であり、この点がこの法案には欠けております。
 第二の理由は、生物テロ対策のためと言いながら、この法案では、研究機関や大学などに対する警察などの立入捜査に十分な歯止めがないことです。
 この法案では、警察などの立入捜査を犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとしていますが、警察や海上保安庁の職員が立入検査をすることは犯罪捜査のために認められるものととらえるべきではないでしょうか。生物テロ対策としてこの法案が想定している警察や海上保安庁の捜査について極めて規制部分が不十分であり、感染症の患者並びに病原体の管理のための法案にはふさわしくないと考えます。
 最後に、日本においてバイオハザードに対する国としての体系的な対応策、すなわちバイオセーフティー政策を確立するために独立した法律を作ることを強く訴え、反対討論といたします。
○委員長(鶴保庸介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、津田君から発言を求められておりますので、これを許します。津田弥太郎君。
○津田弥太郎君 私は、ただいま可決されました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、国の基本指針については、今回の改正の趣旨を踏まえ、生物テロによる感染症の発生及びまん延を防止する対策を含め、総合的な感染症予防対策を推進する観点から、その策定に向け、速やかに検討を行い、実効性のあるものとすること。あわせて、都道府県の予防計画について、基本指針に即して速やかに策定されるよう、都道府県に対し適切な指導を行うこと。
 二、結核対策については、結核予防法が果たしてきた役割の大きさと未だに結核が主要な感染症である現実とを踏まえ、結核予防法廃止後においても結核対策の一層の充実を図ること。特に、最近の結核の発生動向にかんがみ、発病しやすい高齢者等及び感染を受けやすい医療従事者等に対する対策の強化に努めること。
 三、地域における結核対策の中核機関である保健所については、その役割が十分果たせるよう体制の強化に努めること。また、結核患者の治療成功率の向上に向けて、医師等に対する結核の標準治療法の一層の周知や研修に取り組むこと。
 四、感染症診査協議会については、結核がその診査対象になること及び感染症患者の人権を一層尊重するために同協議会の役割が増大することにかんがみ、各地域において同協議会が十分な機能を果たせるよう、必要な支援策を講ずること。
 五、慢性の感染症に係る医師の届出に関する省令の策定及び運用に当たっては、患者に対する差別、偏見につながることのないよう、人権を十分尊重すること。また、収集された感染症情報が患者の治療等に真に役立つよう、実態を適切に把握し、これを感染症施策の展開に反映させるとともに、感染症のまん延を防止する対策を講ずること。
 六、病原体等の所持等に関する情報の管理については、厳重な管理システムの構築、取扱基準の策定及び遵守を徹底することにより、万が一にも漏出することがないよう万全を期すこと。
 七、病原体等の管理基準等に関する政省令の策定に当たっては、医療機関、検査機関、研究機関等の実態に留意し、遵守可能な合理的なものとすること。また、移送に当たっての届出等の手続については、業務に支障が生じないよう十分周知するとともに、円滑な窓口業務が実施されるよう留意すること。
 八、生物テロの発生や災害等により病原体等が流出したケースを想定した緊急対応マニュアルを示し、保健所その他の関係機関が住民の健康を守るために迅速かつ的確な対応がとれるよう、その周知を図るとともに、実地訓練の実施を促進すること。
 九、感染症に関する研究を推進し、一類感染症等の国内発生や生物テロなどの緊急時に備えるため、周辺への安全配慮の下、P4施設を確保し、稼働させること。
 十、新型インフルエンザの発生に備え、実効性のある計画を策定し、国と地方との連携等について訓練を実施するなど国内における初動態勢の確保に努めるとともに、その流行の拡大に備え、医療機関等で使用するマスクや消毒薬等が十分確保されるよう、必要な対策を講ずること。また、新型インフルエンザが発生する危険性が高いとされる東南アジア地域の各国と緊密な情報交換を行うとともに、保健医療分野における支援を含め協力関係を更に推進すること。
 十一、感染症のワクチン、新薬等の研究・開発については、国による支援の強化を図り、その一層の促進に努めること。特に、新型インフルエンザワクチンについては、その緊急性にかんがみ、早急な開発・製造を可能とする体制整備を進めること。
 十二、感染症は過去の疾病ではなく、日常的な疾病であることから、医師をはじめとする医療関係者に対し定期的に研修を実施し、診断、治療、感染予防等の知識の普及に努めるとともに、指定医療機関における感染症専門医等の確保など医療機関の体制整備を図ること。また、感染症専門医、研究者の養成のため、海外への派遣研修などの事業を更に充実させること。あわせて、その際に必要な財政支援措置を講ずること。
 十三、感染症指定医療機関への感染症患者等の搬送については、その体制を更に整備するため、必要な対策を推進すること。
 十四、院内感染対策については、安心かつ安全な医療を確保するため、その充実を図るとともに、相談体制の整備に努めること。また、医療従事者等に対して、ワクチンで予防できる疾患に対する予防接種が行われるよう配慮すること。
 十五、肝炎対策については、検査体制の強化、診療体制の整備、有効性の高い治療法の確保方策、研究開発の推進、普及啓発・相談指導等、総合的な対策のより一層の充実を図ること。
 十六、感染症に対する理解の促進及び感染症のまん延防止のため、国民に対し、感染症に関する知識の普及及び啓発を十分に行うこと。特に、性感染症については、若年層に対し、その予防教育を含めた正しい知識の普及に努めること。
 十七、地球規模化する感染症問題については、海外の事例の収集、分析等を踏まえ、新感染症等への速やかな対応が可能となるよう研究機関の体制整備等を図るとともに、海外における患者情報の把握及び発生源対策が重要であることにかんがみ、WHO、二国間協議等を通じた国際医療協力の一層の推進を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(鶴保庸介君) ただいま津田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鶴保庸介君) 全会一致と認めます。よって、津田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、柳澤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。柳澤厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
○委員長(鶴保庸介君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十六分散会