第165回国会 経済産業委員会 第8号
平成十八年十二月十二日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     弘友 和夫君
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     岩本  司君
 十二月十一日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     小林  元君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         伊達 忠一君
    理 事
                加納 時男君
                小林  温君
                佐藤 昭郎君
                藤末 健三君
                渡辺 秀央君
    委 員
                魚住 汎英君
                倉田 寛之君
                保坂 三蔵君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                松山 政司君
                岩本  司君
                小林  元君
                直嶋 正行君
                広野ただし君
                若林 秀樹君
                弘友 和夫君
                松 あきら君
                田  英夫君
                鈴木 陽悦君
   国務大臣
       経済産業大臣   甘利  明君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  浜田 昌良君
       経済産業大臣政
       務官       松山 政司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        世木 義之君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       貞森 恵祐君
       外務大臣官房参
       事官       梅田 邦夫君
       財務大臣官房審
       議官       清水  治君
       財務大臣官房参
       事官       森川 卓也君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   石田  徹君
       中小企業庁長官  石毛 博行君
       海上保安庁交通
       部長       枡田 一彦君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に
 基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務
 を課する等の措置を講じたことについて承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(伊達忠一君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、山口那津男君、松下新平君及び小林正夫君が委員を辞任され、その補欠として弘友和夫君、岩本司君及び小林元君が選任をされました。
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○委員長(伊達忠一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官貞森恵祐君、外務大臣官房参事官梅田邦夫君、財務大臣官房審議官清水治君、財務大臣官房参事官森川卓也君、経済産業省貿易経済協力局長石田徹君、中小企業庁長官石毛博行君及び海上保安庁交通部長枡田一彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊達忠一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(伊達忠一君) 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小林温君 おはようございます。自民党、小林温でございます。
 今日は、外為法の承認案件ということで、よろしくお願いいたします。
 日本と北朝鮮の間には、拉致問題、そして今回の契機ともなった核やミサイルの開発を始めとした不正常な関係が継続をしているわけでございます。今回は、十月の九日に北朝鮮の地下核実験について、平壌放送がこの実験の実施を発表して、これを受けて講じられた措置でございます。
 今回の政府のこの実験以後のいろんな動きを見ていると、国連での非難決議も含めて、国際社会の中で極めて日本政府がリードをする形で、日本の顔が見えた外交努力を行っていただいて、今回の外為法の輸入禁止措置についても極めて迅速で、こういう状況の中で日本政府も非常にしっかりとした対応ができることが国際社会にも示されましたし、国民からもそういう御理解をいただいているのでないかというふうに思うわけでございます。
 ちょっと最初に数字をお聞きしたいんですが、日朝貿易、これピーク時の貿易額は幾らで、昨年の貿易額というのはどのぐらいでしょうか。
○政府参考人(石田徹君) お答え申し上げます。
 日朝間の貿易額、過去最大でありました年は二〇〇一年でございまして、輸出総額が千二百九十五億円、輸入総額は二百七十四億円、合わせて千五百六十九億円となっております。ただ、この年は北朝鮮に対する米の緊急支援の額がかなり入っておりまして、これを除きますと、貿易総額が四百四十七億円ということで、むしろ前年より減少することになっております。
 そういう意味で、この二〇〇一年を除きますと、日朝間の貿易総額が最大となっております年というのは一九八〇年でございまして、輸出総額が八百四十九億円、輸入総額が四百十億円、貿易総額が千二百五十九億円ということになっております。
 近年、日朝間の貿易は減少傾向にございまして、二〇〇五年、昨年につきましては、輸出総額が六十八・八億円、輸入総額が百四十五・四億円、貿易総額として二百十四億二千万円ということになっております。二〇〇〇年の貿易総額約五百億円に比べますと五七・一%の減少という状況でございます。
○小林温君 一九八〇年が数字が一番大きくて、二〇〇五年と比べると六倍以上、六分の一になっているということだと思います。
 これは、我が国の強い北朝鮮に対する姿勢の結果、こうして貿易量が実質的に減ってきたんだろうというふうに思います。一方で、中国や韓国との北朝鮮の貿易量の推移を見ると、例えば同じその五年間で、例えば中国の場合は二倍以上になっておりますし、韓国も二・五倍ぐらいに増えているわけでございます。
 財務省が委嘱をした研究会のレポートを読ませていただくと、例えば中国に関して言えば、日朝関係の悪化に伴って対日輸出の減少した北朝鮮から日本に対する輸出、魚介類や繊維製品が北朝鮮の対中輸出の主要品目となっていて、これらの品目が中国の保税区を経由して日本に輸出されているということもこれは十分に考え得るというふうに指摘をしているわけでございます。
 今回も、この北朝鮮からの輸入禁止措置の実効性を高めるためには、中国や韓国からの経由した迂回輸入を効果的に防止をする必要があるというふうに私は思うわけでございますが、この北朝鮮からの迂回輸入に対して経済産業省としてはどういう対策を取られておりますでしょうか。
○政府参考人(石田徹君) 正に先生御指摘のように、今般、我が国独自の措置として講じましたこの輸入禁止措置でございますが、実効性を高める観点からは、近隣諸国を迂回した輸入を防止することは極めて重要であると考えております。
 政府全体といたしましても、去る十月二十日に内閣官房に北朝鮮貨物の迂回輸入の防止に係る関係省庁会議というものを設置いたしまして、関係省庁間の連携の強化を図りながら対応しているところでございます。
 経済産業省といたしましては、迂回輸入を隠ぺいするための原産地の虚偽表示につきまして、外為法の未承認輸入でありますとか、あるいは不正競争防止法の不正競争行為として厳しく取り締まるべく関係省庁と連携しながら厳正に対応しているところでございます。さらに、こうした迂回輸入への適切な対処をすべく、第三国からの輸入が急増していないかどうかをよく監視をいたしまして、急増しているような場合には、輸入業者からの報告を求めて、その原産地の確認等をきちっとやっていきたいということで現在対応しているところでございます。
○小林温君 同じ趣旨の質問でございますが、これ、税関においてはどのように対応されているんでしょうか。財務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(森川卓也君) お答えいたします。
 本年の十月十四日から実施されております北朝鮮に対する輸入禁止措置を受けまして、税関におきましては、迂回輸入を防止する観点から、中国等の周辺諸国からの輸入申告があった場合に、北朝鮮からの主要な輸入品でありました水産物等、これはアサリ、マツタケ等十六品目でございますが、これらのすべてにつきまして原産地証明書の提出を求めることとしたところでございます。この措置につきましては、中国等の税関当局、それから原産地証明書の発給機関等に対しまして連絡を行いまして、現に協力を得ているということでございます。
 また、それだけではなくて、過去、北朝鮮からの輸入実績等を踏まえまして、北朝鮮からの輸入が多かった品目全般につきまして、関係書類に基づく慎重な審査、それから貨物、そのこん包材に付されました表記の確認等によりまして貨物の原産地を一層厳正に確認することといたしているところでございます。
 今後とも、経済産業省等の関係省庁と密接な連携を図りつつ、周辺諸国からの輸入貨物に対する厳正な審査、検査を実施いたしまして、北朝鮮に対する輸入禁止措置の実効性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○小林温君 是非、この迂回輸入をしっかりとストップするということが今回の措置の効果を上げることにもつながると思いますので、関係各省庁で連携を密に取っていただきたいというふうに思います。
 一方で、私、一昨年、下関に行きまして、北朝鮮の船がアサリを積んで来る現場を視察をさせていただきました。一方で九州では、例えば北朝鮮なり中国から入ってきたアサリを一度海にまいて、もう一度引き揚げるとこれが国産に化けるなんていうことも報道されたり、実質そういうことがあるなんていうことも言われておりますし、テレビなどを見ていますと、中朝国境で山のようにマツタケを積んだり農産物を積んだトラックが行き来をして、それが中国で中国産に化けて日本に輸入をされていると。これは日本向けだなんていう場面もよく出てくるわけでございます。
 今お伺いをした経産省、それから財務省、それぞれのお取組がもちろんあるとは思いますが、マツタケ、においをかいで、これがどこの産地かと分かるものでもございませんので、ここは本当に、どういった手段が更に考え得るのかということについてもしっかりと御検討をいただきたいというふうに思いますし、やはり、もちろん中国の経済レベルが上がっているので、今まで日本向けに輸出をされ消費をされていたものが、今中国で実はマツタケ、みんな食べるようになったなんという話もあるわけですが、この貿易量の変化を日本の場合と中国、韓国の場合比べると、やはり相関関係があると判断をしてもおかしくないというふうに私は思うわけでございます。
 そこで、次は中国と北朝鮮との関係でございますが、同じ財務省のレポートによりますと、北朝鮮の投資環境が未整備であるにもかかわらず、中国企業の北朝鮮進出が活発化しているということも実は指摘をされているわけでございます。
 一つには、北朝鮮の経済再建の取組を支援しようという政治的な配慮もあるんだろうというふうに思うわけでもございますが、やはり経済制裁ということを考えたときに中国の北朝鮮に対する影響力ということを無視することはできないわけでございますので、中国が北朝鮮に対して相変わらず経済支援を続けているということについてどういう評価あるいは分析をされていますでしょうか。外務省からお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(浜田昌良君) 小林委員より質問いただきまして、ありがとうございます。前国会までは私自身が逆に小林委員に質問する立場でございましたが、今回は攻守場を変えましてお答えさしていただきます。
 御質問の中国の支援又は貿易の状況でございますが、まず支援については、その規模や内容が必ずしも明らかとなっているわけではございません。しかし、従来より食糧やエネルギーといった分野を中心に一定規模の支援が行われていると。例えば、二〇〇三年にはディーゼル油一万トンの無償供与、あと、二〇〇五年には無償でガラス工場を造る等のことが行われております。一方、中朝貿易につきましては、大韓貿易投資振興公社、KOTRAの統計によりますと、二〇〇五年における北朝鮮全貿易額に占める中国の割合は三九%で、二〇〇〇年の二〇%に比べ約二倍に上昇しております。そういう意味で、北朝鮮市場における中国の影響力は高まっていると理解しております。
 一方、他国の経済政策、援助施策については、基本的に我が国として立ち入ってコメントする立場にはございませんが、北朝鮮に対する支援や北朝鮮との貿易に関しては、北朝鮮から国際社会の責任ある一員として誠意ある態度を引き出すということも念頭に置きつつ実施すると、そういうことが重要と考えております。
○小林温君 北朝鮮が誠意ある対応を期待できる相手かどうかはまあ別といたしまして、中国というのがかなりの程度、やはり我が国からすると連携なり協力の相手として重要になってくるんだろうというふうに思うわけでございます。まあ中朝関係自体もどうも今、かつてのような関係ではないんではないかと。特に、核実験を受けて中朝間にも緊張があるのではないかということ。これから貿易の数字もどう移り変わっていくのかということも我々注視していくべきだというふうに思います。
 今の質問の続きでございますが、迂回貿易の防止はもとより、いろんな経済制裁を法律の発動やそれ以外の手段も通じて今行っているわけでございますが、これを実効性のあるものとするために、我が国は中国そして韓国に対して今後どのような連携を取っていくというふうにお考えでしょうか。これも浜田政務官にお願いします。
○大臣政務官(浜田昌良君) 我が国といたしましては、北朝鮮から前向きな対応を引き出すためには、対話を続ける一方で、各国が安保理決議一七一八号を着実に実施し圧力を掛け続けると、これが重要と考えております。この点については中国、韓国とも議論を重ねてきておりまして、この安保理決議一七一八号を着実に実施していくことの重要性についてこれらの国との間で意見の一致を見ておるところでございます。
 さらに、六者会合は今月の十八日より再開されることとなっておりますが、政府としては北朝鮮の核放棄に向けて早期に具体的成果が得られることが重要と考えております。そのために我が国としても、中国、韓国を含めた関係国と緊密に連携しつつ、最大限努力していく所存でございます。
○小林温君 日米は比較的足並みがそろっているというふうに思います。本来であればそこに韓国が入って、日米韓の連携で中国あるいはロシアも巻き込んでこの六者協議及び今の状況の打開に動いていくべきでございますが、なかなかそうならないのも現実だと思います。是非、外務省及び政府には、引き続きこうした連携の模索をあらゆる角度から御検討いただき、実質的な方向を示していただければというふうに思います。
 先ほど申し上げました、例えば下関にアサリを見に行きました。仮に北朝鮮から来ているとすれば、船が入ってきて、その貿易の実務にかかわる方々がいます。それから、荷揚げをする業者さんがいます。そこからトラックに載せてどこかに運んでいくそういう運送業者、関係者もいます。市場を通るか通らないかは別にして、最終的に消費者の元に届く前に魚屋さんなりスーパーなりに並ぶわけでございますが、アサリだけを取ってもかなりの数の関係者がここに介在をしているわけでございます。
 ですから、今回、この措置によっていろんなところに影響が当然出てくるわけでございます。中には北朝鮮と謀って偽装輸入も含めて行っている、そういう業者もあるんでしょうが、そうではなくて、善意の第三者で正に商売としてこうしたことを行っている方々にはその影響がなるべく行かないようにしなければいけないというふうに思いますが、この中小企業者への支援策の内容及び実績、今のところどうなっておりますでしょうか。経産省、お願いします。
○政府参考人(石毛博行君) お答え申し上げます。
 経済産業省は、この北朝鮮からの輸入禁止措置の発動を踏まえまして、十月の十三日の金曜日でございますけれども、全国の六百五十一か所に特別の相談窓口の設置をまず指示をいたしました。
 六百五十一か所と申しますのは、政府系の金融機関であります中小企業金融公庫に六十一か所、国民生活金融公庫に百五十二か所、商工中金に九十九か所、その他商工会議所に二百三十一か所等々でございます。それと併せまして、政府系の中小企業金融三機関のセーフティーネットの貸付け、それから信用保証協会のセーフティーネット保証、そういう支援策によって資金供給などに問題が生じないよう万全を尽くしております。
 それから、今回の措置についての中小企業対策をまとめたリーフレットを作成いたしまして、それを約二万枚でございますけれども特別相談窓口を通じて配布をして、相談に応じております。
 それから、お尋ねの実績でございますけれども、十二月十一日まででございますが、水産品輸入業者あるいは中古車、バイク、家電、そういうものの輸出業者、そういう者から融資・保証制度についての問い合わせがございまして、八十八件の相談が寄せられております。そのうち二十三件については融資などの申込みがありまして、現在までのところ七件の承諾実績となっております。
 経済産業省としましては、今後とも中小企業者の影響についてしっかり注意をして細かい対応を取っていきたいというふうに思っております。
○小林温君 これからまた、申込みの件数、相談件数も増えてくると思いますので、そこはしっかりと万全を期していただきたいというふうに思います。
 それから、今回の輸入の規制にかかわらず、北朝鮮は武器や軍事用途にも転用可能な物品の輸出もしているということも言われているわけでございますが、我が国ではこの安全保障貿易管理はリスト規制とキャッチオール規制、二つの手段で行ってまいりました。しかし、こういう不正輸出というのは、その貿易管理の不十分な国をねらって行われるというのが容易に想像されるわけでございますが、これは是非アメリカも巻き込む形で、貿易管理体制の不十分なアジアの諸国とも連携強化をこれから図っていきたいというふうに思います。この点について御見解が経産省からいただければと思います。
○政府参考人(石田徹君) お答え申し上げます。
 正に御指摘のとおり、この安全保障上機微な貨物の北朝鮮への迂回輸出を防止するためにも、その貿易管理の不十分なアジアの国々への働き掛けというのは従来にも増して重要な問題になっていると考えます。
 当省といたしましては、第三国を迂回したこうした迂回輸出を防止するために、アジア諸国の輸出管理制度の導入を支援すべく、例えばアジア輸出管理セミナーを日本において毎年開催をいたしております。例えば、今年は二十二か国から七十五名の参加をいただいておりますし、アジア各国におきましても開催をしております。平成十六年以降十四回開催をしていると。
 あと、JICAの輸出管理の運用技術向上研修でありますとか、アジアの主要港、主要な港を有するシンガポール、あるいは香港との間での協力協定の締結等、正に連携を強化をいたしてきているところでございます。現に、こうした活動によりまして近年アジア諸国との連携が強化されておりまして、その成果の一例として、例えば北朝鮮へタイを経由して迂回輸出をしようとしていた貨物を香港の当局と協力をして未然にそこで押さえたというような事例も出てきております。
 正に、先生言われたようにアメリカとの関係も非常に重要だと思っておりまして、アジアにおけるそういったセミナーにアメリカ政府からも参加をいただいたりとか、その辺は協力をしながら積極的に取り組んでいきたいと思っております。
○小林温君 甘利大臣に決意をお伺いしたいんですが、多分、この輸入禁止措置を発動した経済産業大臣ということでピョンヤンでは甘利大臣の顔が今有名になっているんじゃないかというふうに思いますが、是非、毅然とした態度で北朝鮮に対して譲歩を迫ることが必要だというふうに思います。この措置も含めて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 北朝鮮のここのところの一連の行為、つまりミサイルを発射し、核実験を強行をしたと。拉致問題に対する誠意ある回答はないと。これは、日本の安全保障に対する脅威を増大させるということだけではなくて、北東アジアや国際社会に対する言わば挑戦であります。平和と安全への脅威であり、国際社会への挑戦であるわけであります。
 我が国といたしましては、やれることはやる、独自の制裁案件は今日こうして御承認をいただいている措置をとっているわけでありますが、あわせて、安保理決議に基づいて国際社会と協調しての措置も行うというわけであります。十八日に六者協議が開催されるということを承知をいたしておりますが、要は、北朝鮮が国際社会の要請に従って対応をきちんと取ると、国際社会に対する脅威を除去していくための当然の行為を行うということでありまして、そういうことに従って日本及び国際社会の制裁措置はフェードアウトをしていくということになると思います。
 これからも、対話と圧力、これはこの種の問題に対する共通な方途だというふうに思っております。毅然たる姿勢で引き続き取り組んでまいります。
○小林温君 よろしくお願いいたします。
 終わります。
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末でございます。
 本日は、北朝鮮への外為法に基づく輸入制限措置の承認についてお話しさしていただきたいと思います。
 私は、外為法に基づく個別の措置というよりも、大きく北朝鮮への制裁という議論をさせていただきたいと思います。ポイントは二つございます。一つは、この経済制裁措置全体を含めて、具体的に経済制裁措置の効果を予測しておられたかどうか。そして、その検証を行っているかどうかということが一つ。そしてもう一つは、実際に経済制裁措置をするに当たっての実施の仕方について、その体制、本当にあるべき体制でやっているかどうかということをポイントとしてお話をさせていただきたいと思います。
   〔資料配付〕
○藤末健三君 お手元に今資料をお配りしております。一枚目にございますのは、北朝鮮の主要国別の貿易額の推移ということで、先ほど小林委員からもお話ございましたが、日本と北朝鮮との貿易、二〇〇五年で見ますと五%を割っているという状況でございます。過去には二〇%を超えているという状況だったものがどんどんどんどん減っていると。一方で、中国、韓国のシェアは上がり、そしてまた御注目いただきたいのは、タイとロシアという国の北朝鮮との貿易のシェアが今大体一五%、二〇〇五年で一五%にまでなっているという状況でございます。
 このような状況の中で、我が国のこの経済制裁、どれだけの効果を予測して実施をされたか、その効果予測をされているかどうか。また、具体的な効果を把握されているかどうか。把握されていればその効果を教えていただきたいと思うんですが、鈴木内閣官房副長官にお願いいたします。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 今の御質問に答えさしていただきます。
 政府として、北朝鮮による弾道ミサイルの発射、また核実験の実施発表を受けまして、それぞれの機会に、諸般の事情を総合的に勘案をしまして、対北朝鮮措置を発表してきたところでございます。また、安保理決議の一六九五及び一七一八号の採択を受けて、これらの実施にかかわる所要の措置も講じてまいりました。
 その結果、現在、北朝鮮籍を有する者の入国は特別な事情のない限り認めないとされておりますとともに、北朝鮮船舶の入港及び我が国と北朝鮮の間の航空チャーター機も乗り入れが禁止をしました。また、大量破壊兵器関連の貨物等及び奢侈品、ぜいたく品のことでありますけれども、輸出が禁止されるとともに、北朝鮮からすべての品目の輸入が禁止されている。さらに、北朝鮮の大量破壊兵器計画に関すると認められる御案内の十五団体一個人に対する資金の移転防止も措置として講じました。
 これらの、北朝鮮経済に一定の影響を与え、北朝鮮の対応を促すための手段として私どもは効果的であると考えております。また、我が国がこのような措置をとったことは、北朝鮮に対し、我が国と北朝鮮との間の諸懸案の解決に向けた断固たる意思を示したものであります。また、国際社会に対し、国連安保理決議の実施を促すことでも十分意義があると考えております。
 政府として、我が国のこうした措置や安保理決議を受けて北朝鮮が直ちに国際社会の一員として耳を傾け、責任ある一員として行動することを強く私ども政府は期待をしております。
○藤末健三君 具体的にまた御質問申し上げますけれど、経済制裁をすることによってどれだけ北朝鮮が困窮し、そして彼らが我々の言うことを聞くだろうという予測はされたわけですか。例えば生活レベルはこれだけ落ちますと、これだけ困窮すれば恐らくこちらの、我々の言うことを聞くだろうという予測はされているんですか、されてないんですか。そこを教えていただけませんでしょうか。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 私どもとしては、かなりの効果があると考えて措置をいたしました。
○藤末健三君 恐らく経済制裁措置をすれば効果が出るというのは明確だと思うんですよ。ですから、それがどれだけの効果があるかということを見ていないでやるということについてはすごく疑問があります、正直申し上げて。
 なぜかと申しますと、二枚目にちょっと資料を作ってまいりました。これ、うちの事務所で作ったオーダーメードでございます、実は。何かと申しますと、戦後の安保理決議に基づく経済制裁措置でその効果がどうだったかということを一応リストアップしてみたんですよ。見ますと大体二十一ケースあります。完全に決議された内容をのみ込んで経済制裁をやめてくださいというふうに言ったのは、実は上から五つ目のリビア、一九九二年の決議に基づいて行ったリビアが唯一完全に、経済制裁を受け、そして国連の決議、完全に受け入れるというふうになっております。ほかの例を見ますと、その国自体がもう内乱でおかしくなったり、若しくはもう完全に国連との関係が途絶えてしまうというような状況でございまして、このリストだけを見ても、完全に成功したというのは一件しかないような状況でございます。
 また、ほかの論文も調べてみますと、経済制裁を各国が連合して行ったケースが百五十あると、その百五十のうちに成果が出たのが二十しかないというレポートもございまして、私は、経済制裁をすることをある程度分析した上で行う必要があるんじゃないかなと。やれば効果があるのは分かっていることであります。ですから、それが経済制裁をすることによってどれだけの効果があるかということを予測せずに走るということの危険性を正直これは本当に感じています、私は。
 もうこれ余り関係ない話かもしれませんけど、我が国が対米開戦に踏み切ったのはなぜかというと、アメリカが石油の日本に対する輸出を止めた、日本は当時一年半の石油備蓄しかない状況だったわけでございますので、それで石油があるうちに戦おうという決断をしたという歴史もございますので、経済制裁、まあやろうというのは僕は正しいと思うんですよ、やることは。ただ、その予測、経済制裁したらどうなるのという話を分析しないでやるということについては副官房長官はどうお考えですか、教えてください。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 私どもは、経済制裁に関しましてかなりの分析をして、いろんな項目等はきちっと整理をして、あくまでも感情的じゃなしに冷静な立場を考えて経済制裁をさせていただきましたし、またもう一つ、先ほど申し上げましたように、北朝鮮とのいろんな諸懸案の解決に向けた断固たる日本政府の姿勢というものも併せて見せたつもりでございます。
○藤末健三君 私も姿勢を見せていただくのは非常に重要だと思います。ただ、先ほど私が冒頭でお聞きした内容で、例えばぜいたく品を止めること、あと送金を止めること云々ございますけれど、恐らくその分析というのは、ほかの国々との連携に基づく分析が必要だと思うんですけれど、そういうことはなされておられるんでしょうか。お願いします。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 委員がおっしゃるとおり、他の外国等の分析も当然踏まえて行ったつもりでございます。
○藤末健三君 分析を行っていただいたということで非常に安心しておるわけでございますけれど、一つ私が思いましたのは、実際に内閣官房の方々とお話しして、具体的な分析を、細かいシミュレーションというか、やっているかというと、やってない可能性も僕はあると思うんですよ、失礼なことを申し上げているかもしれませんけれど。
 それで、実際に海外のそういう外交のシンクタンクの話をお聞きしていますと、やはりアメリカだったらもう外交関係だけでも二十か三十のそういう研究機関、独立した研究機関があって、それぞれがいろんな議論をしていく。イギリスも二十ぐらいあるらしいんですよね、外交の研究機関が。
 そういう専門機関が具体的にきちんと学術的というか科学的な分析を行うことも必要だと思うんですけれど、そこの点いかがでございますか。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 全く委員のおっしゃるとおりで、これは大変重要な分野だと思っておりまして、こうした外交の政策の企画立案を行う上で外交分野のシンクタンクや有識者の活用は最も私も重要だと思っております。
 外務省においても、国際問題研究所を中心とした外部シンクタンクの一層の活用や外部研究者との交流や研究の活発に取り組んでいることは委員も御承知のとおりだと思いますけれども、こうした外部シンクタンクが独立した立場から経済制裁の効果を分析を行う場合には、政府としても、特に政府といいますと内閣官房が今やっておりますんですけれども、その分析の結果を適宜十分参考にしたいと考えております。
 なお、北朝鮮に対する制裁措置について、経済的な効果のみならず、先ほど言いました問題も踏まえて、意義の問題ですね、政治姿勢の問題も踏まえて、誠意ある対応を北朝鮮から引き出すということが私どもの最大の目的でありますから、そういう観点から、総合的にやっぱり今の問題も踏まえて進めていきたいと思っております。
○藤末健三君 私が表に出ている情報だけを調べてみたんですけれど、少なくとも外務省の傘下にある研究機関若しくはいろんな学者が発表したデータで経済制裁の効果を分析した記事は見付からなかったんですよ、実は。発表してないだけかもしれません。
 私は、これは副官房長官又は外務省の政務官浜田さんに御提案申し上げたいんですけれど、私は今の外交を見ていて思うのは、非常にこの分析機能が弱いんじゃないかなという気がしております。いろんな国連での議論とかをお聞きしていても、外務省の方から話を聞くといろいろ仕事をされているということをお聞きするし、頑張っていただいているのも分かるんです、けれど、本当にきちんと分析してこうすればこうなってああなるよと、だから一緒にやりましょうよと説明をされているかというと、僕はされてないんじゃないかなという、これはアメリカ側から出てくるデータを見ていて僕は思うんです、それは。我々日本が経済制裁を提案をしますと、そのときにきちんと科学的に分析されたデータを持って提案しているかというと、僕はできてないんじゃないかと思うんですよ。
 そういうところを強化する必要があると思うんですけれど、いかがでございますか。それは外交全般に言える話ですので、是非鈴木副官房長官と浜田政務官にお答えいただきたいんですが、お願いします。
○大臣政務官(浜田昌良君) 先ほど内閣官房副長官から御答弁がありましたように、外務省といたしましては、国際問題研究所やまた日本国際フォーラムといったシンクタンクにおいて、外部研究者との交流、また研究の活発化に取り組んでおりまして、こういったシンクタンクが経済制裁の効果等の分析を行う場合には積極的に使っていきたいと思っております。
 正に藤末議員がおっしゃったように、こういう場を通じて、政府が政策決定をする場合にはそれを参考としてやっていくと、こういう面を強めていきたいと思っております。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 今、政務官からお話しいただいたように、私どもも、もちろん、先ほど言いました外務省もそうでありますけれども、他の省庁にもこういう研究所等に似たような仕組みもありますので、そういうのを先ほどおっしゃいましたように総合的に勘案して、私ども内閣官房もしっかりとそれを対応していくつもりでございます。
○藤末健三君 是非、外交は、私はちょっと本当にお願いしたいことがありまして、政府に所属しちゃうと多分政府の御用機関の研究所になっちゃうと思うんですよ。ですから、政府を外からきちんと学術的に見れる独立した機関を僕はつくらなきゃいけないと思います、正直申し上げて。我が国のやっぱり外交の後れというのは、外交の専門の独立した研究機関がないところに僕はあると思うんですよ。
 アメリカでいけば、もう大学の中に行政の研究機関が独立して幾つかあるし、中立なシンクタンクが、外交専門のシンクタンクが幾つかある。その中で政策が出て、それを政治家が選んで実施するという体制ができているじゃないですか。今、日本の外交は、外務省の方々が交渉し、そして政治家、我々に対しても外交機密ですということでなかなか情報が出てこない、というのが僕は今回の経済措置の話を外務省の方々とかと話をしていて感じました。
 ですから、私は是非、政治のイニシアティブで、独立した外交を研究する機関、政府から独立して研究し、きちんと情報を発信する機関を、今この機会に僕はつくるべきじゃないかと思うんですが、いかがでございますか。
○委員長(伊達忠一君) どなたに。
○藤末健三君 お二人にお聞きしたいと思います。お願いします。
○大臣政務官(浜田昌良君) 藤末委員が御指摘のように、外交分野におけるシンクタンク機能を強化すると、こういう提案は重要だと思っております。しかも、その検討の仕方については、いわゆる政府の立場を少し離れて中立的立場であるということも重要であると思っております。
 ただ、外務省でも、今行っているこのシンクタンクの活用でございますが、この国際問題研究所、また日本国際フォーラムにおいては、すべてプロパーの研究員だけじゃなくて、いわゆる外部の研究者をたくさん参加していただいて、なるべくそういう中立した視点から御検討をお願いするということをしておりますので、委員の御指摘の点についてはこたえられているのではないかと考えております。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) おっしゃるとおり、いろんな情報とかそういうものは多元化すべきだと、全く同感でございます。
 ですから、外務省のシンクタンク等もそうでありますけれども、やはり情報というものは多元化して客観的に分析するのが当然だと思いますので、なお一層頑張っていきたいと思っています。
○藤末健三君 是非外交のインフラづくりをお願いしたいと思うんですよ。外交のインフラがあって、きちんと中立に独立な議論をしていただき、研究をしていただき、それを発信していただくと。そして、きちんとしたものを、データを持って外交の場に行っていただくということをしていかなければ我が国の外交の位置付けは僕は上がらないと思います。
 私、昨年、アメリカのワシントンDCに行ってきて驚いた話がございまして、それは何かと申しますと、アメリカとイギリスの間で外交的な連携を強めようということで、イギリスの大学にアメリカ研究センターをつくって、アメリカの大学にイギリス研究センターをつくり、お互いの研究者が外交の研究を共同でやろうということを進めているんですよ。具体的には、ケンブリッジ大学とMITがお互いにセンターをつくって共同研究を進めるし、あと、オックスフォード大学とプリンストン大学がお互いにイギリス研究センター、アメリカ研究センターをつくって研究すると、お互いの外交をですよ、二国間の。
 やはり彼らと話をして聞いてきたのは、その研究がそのまま政策に上がってくるとおっしゃるんですよ。ですから、もう日本とアメリカの関係とは違うんだとおっしゃるんですよね。日本とアメリカ、帰って調べたんです、実は。日本にアメリカ研究センターがあるかというと、ないです、大学には。調べました。
 私は、アメリカの外交の方、担当の方からおっしゃっていただいたのが、日本とアメリカと、アメリカとイギリスとの関係は違うんだよと、そこから、そこのベースで違うと。学者の研究のベースからもうつながっているアメリカとイギリスとの関係と、日本とアメリカの関係は同じにできないんだよと言われましてすごいショックを受けたわけでございますが、やっぱり帰って調べてみると、外交の議論のインフラであるシンクタンクがないんですよ、まだ、正直申し上げて、政府から独立して中立なものというのが。
 ですから、それを今つくる努力をやらなきゃいけないと思いますし、今回のこの北朝鮮への制裁の議論を見ても、本当に具体的な分析があったかなというと、本当に努力していただいているとは思うんですけれど、恐らく科学的な分析、表に出してこうですよと言えるものが余りないんじゃないかなという気がします、これは分かりません。是非、お二人のイニシアティブで変えていただきたいと思うんですけれど、そこを是非お願いしたいと思います。
 これから、恐らく我が国が外交でイニシアティブを取り、いろんなものを引きずっていくためには、きちんとした議論のベースがなければ僕はできないと思いますので、それをつくる舞台を是非設置していただきたいと思います。これは、私が今回この経済制裁のいろんな議論を聞かせていただいて思ったことでございますので、是非お願いしたいと思います。
 私が次に思いますのは、今後どういう展開を予測されていたかということにつきまして、鈴木内閣官房副長官にお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 今後の話というのは非常に重要な話でありますし、七月五日の北朝鮮の弾道ミサイルを受けて、政府はその同日、万景峰号92の入港を禁止しました。そして、北朝鮮当局の職員の入国も原則禁止をしました。そして、我が国の国民の北朝鮮への渡航自粛も要請を、厳格に措置を発表させていただきました。
 これらいろんな我が国を取り巻く国際情勢をやっぱりいろいろ考えて、今後北朝鮮に対して毅然とした厳しい対応を私どもは取る必要があると考えておりますし、先ほど藤末委員が言いましたように、感情的にならずに冷静にそういう形で今後とも進めていきたいと思っております。
○藤末健三君 ありがとうございます。
 本当に、引き続ききちんと頑張っていただきたいと思います。
 私、次に、制裁の実施についてお話しさせていただきたいと思います。
 小林委員からもお話がございましたけれど、やはり今回の制裁、日本は二〇〇五年で北朝鮮との貿易はもうシェアが五%になっていると。一方で、中国、韓国、増えてきているわけでございますが、ほかにもタイとロシアという国々との北朝鮮との貿易が増えているわけでございます。
 このような他国との連携をどうするかということにつきまして非常に重要じゃないかと思うんですけれど、今経済制裁を考えた場合に、日本単独、国内法で日本が単独で行う、若しくは国連決議に基づき各国が一斉に動くということでございまして、例えば、この表でいきますと、中国、韓国、タイ、ロシア、日本、これだけで全体、北朝鮮の貿易の九〇%ぐらいを占めるわけでございますので、この五か国だけで地域的な制裁を行うような連携が取れるんではないかなと。
 一国だけでやるのか若しくは国連だけという世界じゃなくて、ある複数の国が集まって制裁をするというような仕組みというのはできないかと考えるわけでございますが、それにつきまして、外務省、浜田政務官、よろしいでしょうか、お願いします。
○大臣政務官(浜田昌良君) ただいま藤末委員から、いわゆるグローバルな枠組みのみならず地域的なそういう制裁等の措置が、枠組みがあるかどうかという御質問をいただきました。
 まず、基本的な認識でございますけれども、テロはいかなる理由をもっても正当化できず、断固として非難されるべきものと思っておりまして、特に、国境を越えた大規模なネットワークを有するアルカイーダの活動を始め、テロが近年グローバル化していると。そういう現在において、国際社会が一致団結するということが重要と考えております。
 このため、国際社会は種々のテロ対策措置に取り組んでおりまして、テロ対策といたしましては、経済制裁については国連安保理決議の一二六七号、また一三七三号等により国際的な枠組みが形成されております。これらによってテロリストに対する資産凍結措置が各国に義務付けられるというところでございます。また、我が国においても、こうした安保理決議の履行のために、海外送金の停止等の措置を講ずることができる旨、外為法でも規定されているところでございます。
 また、テロを未然に防止するためには、経済制裁に加え、テロリストの安住の地またテロ対策の抜け穴をつくらないことが必要でございまして、そのための国際的な法的枠組みの形成、強化も重要でございます。このため、国連を中心としてテロ防止関連十三条約が作成されたほか、現在、国連において包括テロ防止条約が交渉されています。加えて、テロ関連情報の収集、テロとの戦いについての政治的意思の強化、途上国のテロ対処能力の向上支援等、国際社会として様々な手段を通じてテロ防止のための取組を行っております。
 このように、我が国を含む国際社会は、現在、国連安保理決議及び関連条約等、こういった国際的な枠組みの下、テロ防止に取り組んでいるところでございまして、我が国としても、まずはこのようなグローバルな枠組み、その下での措置が十分に確保されるべく各国と協調していくことが重要と認識している次第でございます。
○藤末健三君 私、浜田政務官に一つお願いがございまして、先週、十二月六日に国連におきまして武器貿易条約、ATTという条約の議決案が採択されました。これは武器の貿易を国際的に管理してテロ対策とかを行いましょうという条約でございますので、これは是非政務官もきちんと進めていただければと思います。非常にインパクトがある話だと思いますので、是非お願いしたいと思います。
 私、次の質問でございますが、今、浜田政務官からテロ対策というようなお話をいただいたわけでございますが、今回の経済制裁の話をお聞きしていまして、いろんな役所の方がお越しになられるんですよ。経済産業省は貿易の管理、送金の問題は金融庁の方が来られたり、あと財務省の方が来られたり、あと、先ほどおっしゃっていたようなテロの国内的な管理については警察庁の方が来られるということで、いろんな役所の方が関係されていて、スムーズに連絡が取れているかなというのは少しちょっと疑問なんですが、そういう各役所の調整の一元化若しくは海外との窓口の一元化などを内閣官房が率先してやっていただきたいと思うんですが、その点につきまして、鈴木副長官、いかがでございましょうか。
○内閣官房副長官(鈴木政二君) 委員おっしゃるとおりだと思います。
 これはやっぱり総合的に対応の中で、一つの、各省のいろんな情報等を一元化しないと日本の方向付けが非常に間違ってしまいますので、現在も総合調整の上で内閣官房、私どもやっておりますけれども、関係省庁と今後ともなお一層きちっと協議をする政府一体の措置をとっていきたいと思っております。
○藤末健三君 是非、官房というか、鈴木副長官のイニシアティブで是非体制をつくっていただければと思います。
 これは最後の質問になりますが、先ほど小林委員からは、甘利経済産業大臣の今後の経済制裁に対する決意を聞いていただいたわけでございますけれど、私は今後、経済産業省、非常に大きな役割を持っていると思います。一つが核不拡散、もう一つは大量破壊兵器の拡散といったような経済安全保障、貿易の安全保障というような観点で、経済産業省が貿易の管理をどうするか。恐らく先ほどの武器の貿易管理も最終的には経済産業省の仕事になると思うんですよ。そういう核不拡散、大量破壊兵器等に関する貿易の安全保障に関する甘利大臣の決意をお聞きして、質問を終わらさせていただきたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(甘利明君) 核を始めとする大量破壊兵器、これが拡散をする、そしてテロの勢力の手に渡る、これはもう地球規模で悲惨なことになります。でありますから、これを断固阻止していかなければならないわけであります。日本は世界有数のハイテク製品の輸出国であります。それらの輸出された製品が、あるいはその技術が大量破壊兵器の開発にかかわっていくということも食い止めていかなければならないわけであります。
 従来から、外為法に基づいて、大量破壊兵器の開発等に用いられるおそれのある貨物であるとか技術について、経済産業大臣の輸出業者に対する許可義務を課すということで管理をしている、リストで管理をしキャッチオール規制で管理をしていく。このたび、少額特例、五万円以下のものについてはその網から外れていると。しかし、考えてみれば、大量生産の時代に入って五万円以下でも結構なものがありますよと、あるいは中古品だと五万円程度だと相当なものが購入できると。それがこうしたキャッチオール等の網をかいくぐって外に出ることになってはいかぬということで、この少額規制の撤廃もするということで、厳重に、大量破壊兵器が拡散する、そのための技術が流出する、あるいは構成する部品が流出するということを防いでいくということに取り組んでまいります。
○藤末健三君 今回の経済制裁の話でございますが、私が思いますのは、今後の経済制裁またテロの対策という問題に対する一つの一歩、一歩というか半歩だと思うんですよ。これをやはり参考に、先ほど申し上げましたように、きちんと外交交渉ができるインフラとしての研究機関の設置、そしてもう一つございますのは、各省庁やはりばらばらな感じがございますので、それを一元的にまとめる仕組みを是非政治のイニシアティブでつくっていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。
 まず、承認案件に対しましてお尋ねしたいと思うんですけれども、外為法第十条一項は、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、閣議決定に基づき、支払、資本取引、対外直接投資、特定資本取引、役務取引、輸出の許可、輸入の承認といった対応措置を講ずることができると規定しておりまして、政府はこれらの措置を講じてから二十日以内に国会に付議し、その承認を求めなければならないとしているわけでございます。
 十月十三日に閣議決定された制裁措置のうち、国会承認の対象は、北朝鮮からのすべての貨物の輸入についての承認を受ける義務を課すること、北朝鮮から第三国への仲介貿易取引について許可を受ける義務を課することであり、輸入承認を受けずに北朝鮮からの輸入代金の支払を行うことを禁止する措置は国会承認の対象とされていないということでございます。
 まず、ちょっと基本的なことといいますか、私もこの委員会初めてでございますので、外為法が今言ったように国会承認の必要な制裁措置と、そうでない、承認の必要でない制裁措置と、こういう、分けているわけですね。なぜ国会承認が必要なものがあり必要でないものがあるという、この分けている理由につきましてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(石田徹君) お答え申し上げます。
 現在のこの単独制裁の根拠規定、この外為法十条でございますが、これは平成十六年の議員立法の際に追加をされたものでございます。それ以前は、国連安保理決議に基づいて、国際的な協調の下に日本が経済措置を講ずるということはこの外為法に基づいてできたわけでございますが、それについては特段国会承認という手続は求められていなかったということでございます。
 この十条に基づいて単独制裁措置を講じた場合には、今正に先生言われたように二十日以内に国会承認を求めなければならないということで、対象としてその支払でありますとか資本取引あるいは輸出入の禁止といった、正に外為法上規定しております主要な経済措置がこの対象になっております。
 一方、今般、御指摘いただきました北朝鮮からの輸入貨物代金の支払を禁止する措置につきましては、これは輸入を行うために前払的にお金だけ出ていってしまうというケースを防止するために、輸入禁止措置に万全を期すという観点から補足的、付随的に講ずることとしたものでございます。こうした補足的な措置につきましては、改正外為法第十条に基づく単独制裁措置としては規定をされておりませんで、したがってそれ自体については国会の承認は要しないというふうに整理をされているものと承知いたしております。
○弘友和夫君 要するに、主要な経済措置は国会承認が必要だと、付随的なものは外れておる、こういうことでございますけれども。
 今回の措置の対象として対外直接投資というのが外れているというか、やってないわけですね。何でこれが、対外直接投資というのが外れたのかというのをちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(清水治君) お答え申し上げます。
 外為法上の対外直接投資に対する取扱いでございますが、武器製造業などの一部の業種に対する対外直接投資につきましては事前届出の対象となってございまして、必要に応じまして変更、中止などの勧告、命令を行うことができることになってございますが、そのほかの業種に対する対外直接投資については原則自由ということでございます。
 なお、付け加えますと、金融面での北朝鮮に対します制裁措置といたしまして、十五団体一個人に対して資金移転防止措置を実施しているところでございまして、北朝鮮の核、ミサイルなどの大量破壊兵器計画に資金が流れないように現在対応させていただいておるところでございます。
○弘友和夫君 それが少し不思議なわけですよね。大量破壊兵器につながるものは駄目ですよと。今、十五団体一個人に対しては規制していますよと。
 だけれども、例えばぜいたく品も日本独自の、日本独自かどうかあれですけれども、輸出は禁止しているわけですね。それだけじゃなくて、対外直接投資というのは原則自由ということであれば、そういったもの、輸出するものというのは品物として分かるわけですけれども、向こうで例えば合弁会社か何かつくって、どんどんどんどんつくっていけば、これはもう、それがまた大量破壊兵器につながらないとも限らない、そういうおそれもあるのに投資はいいですよということが、先ほど来抜け穴をつくらないとか言われておりまして、断固とした日本の今回の措置は、規制は日本の意思を示すという御答弁もありましたけれども、その抜け穴をつくらないというんであれば、この対外直接投資というのを外しているということ自体が非常に、少しのものを輸出する、それは禁止するけれども、直接投資をしてどんどん工場も造って何でもやっていけるということになると、これは制裁措置に穴を開けるものじゃないかなというふうに考えますけれども、大臣、いかがでございましょうか、これは。
○国務大臣(甘利明君) 北朝鮮からのまず輸入を止めるということは向こうの外貨獲得手段を断つということでありますし、奢侈品についての輸出を止めるということは、軍部、そのトップ指導者の今までのかたくなな姿勢に風穴を開けると。その統治体制といいますか指揮命令系統を維持していくためのいろいろな必要な外貨であり、必要な奢侈品であると。そこを止めるということによって譲歩を引き出すという意味があるわけですね。大量破壊兵器については今度のキャッチオール規制の中でも少額特例も外していくと、極端なことを言えば、もう一円から全部掛かるぞということによって網の目を抜けるということを止めていくと。
 じゃ、対外直接投資はなぜ止めないのというお話であります。日本の企業で北朝鮮にこういう状況の中で直接投資をするところがあるのかなということも正直ちょっと思いますが、しかし、なくはない。朝鮮総連系の企業があるかもしれない、可能性としては。
 要は、対話と圧力で向こうの譲歩を引き出していくために少しずつカードを切っていっているわけですね。持っているカードをいきなりぼおんと全部切って、それで譲歩がなければ、はい、それでおしまいということではなくて、少しずつきつくなっていきますよと。
 ということは、まだ手元にカードが残しているわけでありまして、次第に強くなっていく、フェードインしていく、そして向こうがちゃんと譲歩してくれば次第にフェードアウトしていく。このカードを回収します、このカードを回収しますということで、対話と圧力の交渉の手段として、いきなり持っているカードを全部ぼおんと切っちゃってそれで終わりというんじゃなくて、次第に強くなっていきますよと。そちらが少しずつでも譲歩してくれば次第にカードは引き揚げていきますよという手だての一環であると御理解いただければいいかと思います。
○弘友和夫君 カードは、大きいカードを保存しておくという、持っておくという御答弁でありましたので。私も先ほどの御質問の中に、やっぱり経済制裁の効果だとか、どこまでの範囲でやる、そこを読み切れた上でこれはカードを持っていくんであれば、まあそれは考え方としてはあるんじゃないかなと思いますので。
 次に、対応措置を講ずる期間、平成十八年十月十四日から十九年四月十三日までの六か月と。六か月としたこの理由、また状況を見て延長、短縮もあるのかどうか、そしてまたどういう状況であればこれを延長し、どういう状況であればこの期間を短縮するというようなことがあるのかどうか、お答えをいただきたい。
○政府参考人(梅田邦夫君) お答え申し上げます。
 先ほど先生申されましたように、この措置をとった理由は、我が国の平和及び安全の維持のために特に必要があるということで判断したということでございますが、その期間につきましては、この措置の要否につきまして評価をするために六か月という期間が必要というふうに考えた次第でございます。それから、延長等につきましては、現時点でどうかということは判断しにくいものでございますが、当然理屈の上ではあり得ます。
 ただ、今後、北朝鮮が拉致、核、ミサイル等の問題につきましてどれぐらい誠実に対応してくれるのかということを見極める必要がありますし、それがまた我が国の平和及び安全の維持にどういう影響を及ぼすのかということを踏まえて判断することになろうかと思います。
○弘友和夫君 それで、既に制裁措置が発動されて二か月近くなるわけですけれども、これを、また将来どういう効果があるのかは別として、二か月たって、船を止めましたということだとか、要するに輸出入金額は現在それによってどうなったかとか、そういうことを、その効果どれだけあったのか、二か月、まあ余りはっきりないかもしれませんけれども、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(石田徹君) 我が国が単独の措置として講じております輸入禁止措置及び北朝鮮船籍の入港禁止措置でございますが、これは十月の十四日から実施しているということで、先生が言われたように正にまだ二か月弱ということではございますけれども、最新の貿易統計、これは十月の数字が出ておりますが、十月単月で見ますと我が国の北朝鮮からの輸入総額は六億円、これ前年同月と比べて五三%の減少でございます。
 それからまた、北朝鮮船籍の船の入港禁止措置によりまして貨物を運ぶ船舶が減少したことも影響しておりますので、我が国から北朝鮮への輸出につきましても、十月二・六億円ということで前年同月比六一%の減少ということになっております。
○政府参考人(枡田一彦君) 北朝鮮船舶の制裁前後の入港隻数でございますが、当庁が把握しているところでは、本年に入りましてから入港禁止措置が閣議決定された十月の十三日までに延べ六百十一隻の北朝鮮船舶が我が国特定港に入港しております。
 他方、十三日の閣議決定時におきまして我が国に入港しておりました北朝鮮船舶は二十二隻おりましたが、同日中にはすべて出港し、それ以降、北朝鮮船舶の我が国入港は確認されておりません。
○弘友和夫君 もう時間が参りますので、あと通常国会で予定している外為法の改正、関税法の改正案等の見解だとか、それから中小企業、これによって、制裁によって中小企業が非常に影響を受けている、輸出業者、輸入業者ともに受けている。是非、これは今後、中小企業者に対してはきちっとした対応をしていただきたいということを要望いたしまして、終わりたいと思います。
○田英夫君 先ほど大臣が言われたように、北朝鮮は一つは核をやったと。核を実験したと。あるいは様々なことをやっているわけですが、それはそれとして一つ考えなければいけないのは、それより以前の状態、金日成の時代はどうだったかと。これは明らかに違うんです。金日成に私は五回ぐらい会っていますが、一緒に食事をしたこともあります。明らかに違うと思いますね。そういう北朝鮮の政策というものがどこでつくられどこで出てくるかは分かりませんけれども、明らかに違う。
 さらに、南北が分かれたというのはどういう事情かというのも、申し上げる必要ないと思いますが、これは明らかに理由がある。さらに、その両方が、南北が一緒に日本の植民地になっていたという事実があります。その悲劇がどういう影響を今日及ぼしているかということを考えなければならないと思うんです。
 例えば、数え上げたら切りがありませんが、戦争中、大本営を掘った、松代に大本営を移すというんで、その穴は今も残っておりますが、朝鮮人を大動員して掘ったわけです。今でも韓国の学生が修学旅行に来てどこに行くかというと、松代へ行く。松代へ行って自分たちの先輩がやったことを見ている。その近くの日本の高校生は松代の歴史を知らない。そういう事実があります。
 本当に挙げたら切りがないんですが、戦争中になるまでも、前も、植民地時代の朝鮮人に日本人が何をしたか。こういうことを考えなければいけないんじゃないかと、日本人としては。皆さんは果たして考えているかというと、考えていないと思いますよ。御存じないという、それくらい古くなってしまったということかもしれません。しかし、百年とたっていない。こういうことを考えておかないと、今やっていることは、事実、拉致であるとか核の実験だとか、そういうことを行われたことは事実なんですから、それに対するしかるべき措置というものはとらなければならない。これも一つです。
 大臣もその点をよくお考えくださって対応を誤らないようにしていただきたいと。答弁は要りません。それだけ申し上げます。
 終わります。
○鈴木陽悦君 では、最後の質問をさせていただきます。
 私は、大きく二つに分けて御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、二〇〇四年の外為法改正によりまして、我が国の平和及び安全のため特に必要がある場合、閣議決定に基づきまして、先ほどお話出ましたけれども、支払、資本の取引、対外直接投資、特定資本取引、役務取引、輸出の許可、輸入の承認などの対応措置を講ずることができるようになりました。
 それまで、国連安保理決議の履行とか複数の国による共同行動によってのみ発動が可能であったこの経済制裁が、この改正によりまして我が国単独の発動が可能になったわけなんですけれども、このたびのこの二〇〇四年の法改正に基づいて初めてその措置を発動した理由をまず伺いたい。
 それから、我が国単独の経済制裁措置のうち、輸出入の中で輸入禁止措置だけを発動したのはなぜなのか、この辺を伺いたいと思います。
○政府参考人(石田徹君) ただいまの御質問でございますけれども、今回、この輸入禁止措置という正に我が国独自の単独措置をとることとなりました背景といたしましては、北朝鮮自身が核実験を実施した旨発表をしたということ、北朝鮮のミサイル開発と併せて、これによって我が国安全保障に対する脅威が倍加したと認識されること、北朝鮮が拉致問題に対しても何ら誠意ある対応を示していないこと等を総合的に政府として勘案して単独措置の導入を決めたということでございます。
 それから、今回なぜ輸入だけかということでございますけれども、これが、北朝鮮の輸入が北朝鮮の外貨獲得手段の一つとなっているということから、北朝鮮の対応を促すための手段として効果的であるというふうに判断をしたものでございます。
 なお、輸出につきましては、大量破壊兵器関連貨物の輸出につきまして厳格に管理を行ってきているところでございまして、今後もかかる措置を継続していきたいと考えております。
○鈴木陽悦君 次に、対話と圧力、いろいろとお話出ていますが、今回の措置というのは対話と圧力というよりは圧力と対話という、順番がちょっと違うんじゃないかと思うわけでありますけれども、第二次大戦以降、日本と北朝鮮の間では、何回もお話出ていますが、不正常な関係が継続しております。特に、拉致に加えまして核、ミサイル問題、安全保障上の懸念もあるわけでございます。
 政府は、対話と圧力、これを対北朝鮮政策の基本姿勢としておりまして、十月九日の核実験の発表を受けて我が国単独で経済制裁を取りました。これは、国連安保理決議に基づきます対北朝鮮制裁、それから六か国協議での合意を北朝鮮に求める関係国の共同行動とともに、圧力の一つと位置付けられるわけでございます。しかし、経済措置の目的というのはあくまでも、それを講じること自体じゃなくて、東アジアを平和で安全な地域に、そして拉致問題など日朝間のいろいろな懸案を解決して国交正常化することにあるはずでございます。
 経済制裁の目的がこのような点にあるならば、経済制裁措置にはその解除によって、いわゆるその圧力からの解除によって対話を実現して、いろいろな懸案の解決に向けて望ましい状況をつくり出すという役割もあると考えますけれども、政府としてはこのような認識や展望をどのように持っていらっしゃいまして共有しているんでしょうか。外務省と、それから実務的な部分を受け持ちます経済産業省のお考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(浜田昌良君) ただいま鈴木委員から対話と圧力の関係について御質問をいただきました。まさしく我々も、圧力のための圧力ではなくて、対話を導き出すための圧力であるという認識をしております。
 具体的には、我が国は北朝鮮に対しまして様々な制裁措置を講じているところでございますが、制裁自体が目的ではございません。北朝鮮との対話の道を閉ざしているわけでもございません。我が国としては、北朝鮮が拉致、核、ミサイルといった、こういった懸案の解決に向けた誠意ある対応を示すならばいつでも対話に応じると、こういう用意があるわけであります。しかしながら、一方で、北朝鮮が誠意のある対応を見せず対話に応じない限りは、誠実な対応を促すための圧力を強めていくことになるわけでございます。
 我が国としては、今後とも、このような対話と圧力という一貫した考え方の下で、北朝鮮との諸懸案の包括的解決に向けて総合的に取り組んでいく決意でございます。そして、このような認識や展望は外務省始め政府としても共有していると、そう理解をしているわけでございます。
○国務大臣(甘利明君) 非軍事による制裁、経済制裁というのは、おっしゃるようにあくまでも手段であって、それ自身が目的ではありません。目的は、国際社会が求めている核の不拡散、ミサイルを始めとする国際社会への脅威の除去、あるいは拉致問題に対する誠意ある回答、そういったものを求めていくための手段でありまして、おっしゃるように対話と圧力のコンビネーションが大事だと思っています。
 圧力より対話じゃないかとおっしゃる方も確かにいらっしゃいますが、実は対話は随分やってきているんでありまして、対話をしてきたけれども誠意ある回答がなかった、踏みにじられるような対応があった。象徴的な出来事というのは、九四年の米朝包括合意を無視されたということだと思います。
 クリントン政権下で、当時の元大統領カーターさんが個人の資格として北朝鮮に行って正に対話をした。その対話に従って、核開発を放棄をするということを条件に軽水炉を二基建設をする。これは日本も韓国もかかわって推進を途中までしたわけでありますし、一基目の軽水炉が完成する、電力供給ができるまでの間は代替エネルギー支援ということで年間五十万トンの重油を供給をすると。実際にやったわけでありますけれども、しかし、いいとこ取りをされて全く無視されたということが分かったわけであります。
 あのアメリカですら対話の交渉が踏みにじられてしまったということで、これはもう対話だけでは動かない国だということが国際社会が認識をして、圧力、経済的な制裁も組み合わせていかないといけないと。しかも、カードを少しずつ切って、向こうの誠意ある対応に従って一枚ずつカードを引き揚げていくという対応に至ったわけでございます。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。
 大臣から、今、対話と圧力のコンビネーションというお話いただきましたんで、是非、情報を共有しながら一丸となって当たっていただきたいと思います。
 終わります。
○委員長(伊達忠一君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(伊達忠一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊達忠一君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十八分散会