第166回国会 本会議 第21号
平成十九年四月二十七日(金曜日)
   午前十時三分開議
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○議事日程 第二十一号
  平成十九年四月二十七日
   午前十時開議
 第一 国際刑事裁判所に関するローマ規程の締
  結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 国際刑事裁判所に対する協力等に関する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
 第四 救急医療用ヘリコプターを用いた救急医
  療の確保に関する特別措置法案(厚生労働委
  員長提出)
 第五 放射線を発散させて人の生命等に危険を
  生じさせる行為等の処罰に関する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第六 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に
  関する法律案(内閣提出)
 第七 戸籍法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第八 産業活力再生特別措置法等の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第九 中小企業による地域産業資源を活用した
  事業活動の促進に関する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第一〇 企業立地の促進等による地域における
  産業集積の形成及び活性化に関する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、請暇の件
 一、少年法等の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 一、株式会社日本政策金融公庫法案及び株式会
  社日本政策金融公庫法の施行に伴う関係法律
  の整備に関する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
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○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第百五十四番、選挙区選出議員、沖縄県選出、島尻安伊子君。
   〔島尻安伊子君起立、拍手〕
○議長(扇千景君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、島尻安伊子君を環境委員に指名いたします。
    ─────────────
○議長(扇千景君) 議席第百八十五番、選挙区選出議員、福島県選出、増子輝彦君。
   〔増子輝彦君起立、拍手〕
○議長(扇千景君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、増子輝彦君を総務委員に指名いたします。
     ─────・─────
○議長(扇千景君) この際、お諮りいたします。
 秋元司君、二之湯智君、矢野哲朗君、山内俊夫君から明二十八日から九日間、椎名一保君から明二十八日から八日間、松田岩夫君から来る二十九日から八日間、犬塚直史君から本日から九日間、それぞれ海外渡航のため請暇の申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
○議長(扇千景君) この際、日程に追加して、
 少年法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。長勢法務大臣。
   〔国務大臣長勢甚遠君登壇、拍手〕
○国務大臣(長勢甚遠君) 少年法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 近年、少年人口に占める刑法犯の検挙人員の割合が増加し、強盗等の凶悪犯の検挙人員が高水準で推移している上、いわゆる触法少年による凶悪重大な事件も発生するなど、少年非行は深刻な状況にあります。
 このような現状を踏まえ、平成十五年十二月、青少年育成推進本部が策定した青少年育成施策大綱において、触法少年の事案について、警察の調査権限を明確化するための法整備を検討すること、触法少年についても、早期の矯正教育が必要かつ相当と認められる場合に少年院送致の保護処分を選択できるよう、少年院法の改正を検討すること、保護観察中の少年について、遵守事項の遵守を確保し、指導を一層効果的にするための制度的措置について検討することが示されたほか、同月、犯罪対策閣僚会議が策定した犯罪に強い社会の実現のための行動計画においても、非行少年の保護観察の在り方の見直し及び触法少年事案に関する調査権限等の明確化について検討することが取り上げられましたが、これらの検討事項は、いずれも、かねてから立法的手当てが必要と指摘されていたところでもあります。
 また、平成十四年三月に閣議決定された司法制度改革推進計画において、少年審判手続における公的付添人制度について積極的な検討を行うこととされました。
 そこで、この法律案は、少年非行の現状に適切に対処するとともに、国選付添人制度を整備するため、少年法、少年院法及び犯罪者予防更生法等を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
 政府から提出しました法律案の要点を申し上げます。
 第一は、少年法を改正して、触法少年及びいわゆる虞犯少年に係る事件の調査手続を整備するものです。
 すなわち、触法少年の事件について警察官による任意調査及び押収等の強制調査等の手続を、虞犯少年の事件について警察官による任意調査の手続をそれぞれ整備するとともに、警察官は、調査の結果、家庭裁判所の審判を相当とする一定の事由に該当する事件については児童相談所長に送致しなければならないこととし、児童相談所長等は、一定の重大事件に係る触法少年の事件については、原則として家庭裁判所送致の措置をとらなければならないこととしております。
 第二は、少年法及び少年院法を改正して、十四歳未満の少年の保護処分を多様化するものです。
 すなわち、十四歳未満の少年についても、家庭裁判所が特に必要と認める場合には、少年院送致の保護処分をすることができることとしております。
 第三は、少年法、少年院法及び犯罪者予防更生法を改正して、保護観察に付された者に対する指導を一層効果的にするための措置等を整備するものです。
 すなわち、遵守事項を遵守しなかった保護観察中の者に対し、保護観察所の長が警告を発することができることとした上、それにもかかわらず、なおその者が遵守事項を遵守せず、保護観察によってはその改善更生を図ることができないと認めるときは、家庭裁判所において少年院送致等の決定をすることができることとするほか、少年院及び保護観察所の長が保護処分中の少年の保護者に対し指導、助言等をできることとしております。
 第四は、少年法及び総合法律支援法を改正して、国選付添人制度を整備するものです。
 すなわち、一定の重大事件について、少年鑑別所送致の観護措置がとられている場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、家庭裁判所が職権で少年に弁護士である付添人を付することができることとしております。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院において、触法少年の事件の調査の要件を明確化すること、虞犯少年の事件の調査に関する規定を削除すること、少年の権利保護のための規定を設けること、少年院に送致可能な年齢の下限をおおむね十二歳とすること、保護観察中の遵守事項違反が家庭裁判所における新たな審判事由となることを明確化すること、少年が釈放されたときには国選付添人選任の効力が失われる旨の規定を削除すること等を内容とする修正が行われております。(拍手)
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○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。千葉景子君。
   〔千葉景子君登壇、拍手〕
○千葉景子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました政府提出、衆議院与党修正に係る少年法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 今回の改正案は、二〇〇〇年の少年法改正から一貫している少年事件の厳罰化の潮流を十四歳未満の触法少年に対しても拡大し、一層推し進めようとするものです。
 確かに、前回の改正後、二〇〇三年の長崎の幼児殺害事件、二〇〇四年の佐世保の小学校同級生殺害事件などが起こり、社会に大きな衝撃を与え、それがこのたびの改正案に結び付いているものと思います。しかし、児童福祉や少年司法の専門家などは、少年事件対策は衝撃の大きさに惑わされてはならないと口をそろえて言っております。
 また、子供たちが健やかに育つことのできる環境をどのようにつくり上げていくかということは、本来、与野党という立場にかかわりなく、時間を掛けて真摯に論じ合うべきテーマです。衆議院において民主党提案の修正案が一部取り入れられ、改善された部分はあるとはいえ、なお問題は残されていました。にもかかわらず、共同修正のための協議がわずか一回、ほんの短時間で打ち切られ、その後たった三時間の質疑で強行採決が行われました。
 衆議院において本改正案が強行採決されたことに強く抗議するとともに、参議院においては良識の府にふさわしい慎重な審議を行っていくことをここに確認したいと思います。
 以下、衆議院での与党修正後の改正案の内容及びその背景等について、関係大臣にお尋ねいたします。
 本年二月に警察庁生活安全局が公表した資料によると、少年事件の検挙者は、刑法犯全体では二〇〇三年の十四万四千四百四件をピークに減少し続けています。また、凶悪犯だけを見ても、二〇〇三年の二千二百十二件をピークとして同様に減少を続けております。さらに、触法少年の刑法犯の補導人員も、全体では二〇〇三年の二万一千五百三十九件を境としてやはり減少傾向にあり、凶悪犯だけを見ると二〇〇三年の二百十二件以降横ばいで、大半を占める放火は増加しているものの、殺人、強盗、強姦等はいずれも減少しています。こうした統計を見ると、今回の触法少年厳罰化の理由としてしばしば用いられる、少年事件は増加、凶悪化、低年齢化しているという説明は事実ではないと思われますが、法務大臣、国家公安委員長、それぞれの御認識、御所見をお聞かせください。
 また、警察庁統計の凶悪犯とは別に、少年法第二十二条の二の第一項各号に定める一定の重大事件新受数の推移はどうなっているのか、それら触法少年についてどのような保護処分がなされたのか、その件数の推移についても法務大臣にお尋ねいたします。
 少年法は、その基本理念が保護主義であり、究極的には少年の保護と健全育成を目指すものであることは御承知のとおりです。非行に走った子供を単に罰し、社会から排除したり隔離したりするのではなく、被害者も加害者も地域も積極的にかかわる中で、子供の育ち直しを進めるための政策が今求められているのです。二〇〇〇年の少年法改正以来の厳罰化が少年の改善更生に有効なのでしょうか。法務大臣、厚生労働大臣はどのようにお考えか、お答えください。
 改正案は、触法少年事件の調査手続の整備として、警察官による任意調査権限を明確化するとともに、これまで認められなかった押収、捜索、検証等の対物的強制調査権限を付与することとしております。重大事件については、警察官が適正な手続の下、物的証拠などを集め捜査することは必要ですが、民主党は、その調査の主体はあくまでも児童相談所と家庭裁判所とし、警察官による調査はこの両者が必要に応じて警察官に協力要請を行ったり、警察官らの求めに同意した場合に限るべきであると考えております。
 これに対して改正案では、警察官の調査権限が児童相談所等の権限と並行的に設けられ、警察官が独自の判断で幾らでも調査できるような仕組みとなっております。これでは、警察官が触法児童に対する中心機関になってしまい、児童福祉の役割が大きく後退してしまうのではないかと強く危惧します。特に、児童福祉を所管する厚生労働大臣は何ら問題ないとお考えなのでしょうか。児童相談所等が調査の主導権を持つべきであるとする民主党提案では何か不都合でもあるのでしょうか。法務大臣、厚生労働大臣の御所見をお聞かせください。
 また、警察官に押収、捜索、検証等の対物的強制調査権限が付与されることにより、小中学校でのいじめによる傷害や恐喝などの触法事件で警察官が令状を持って教育現場に乗り込むことが可能となりますが、学校側はどのような体制で協力するのでしょうか。特に、小学校での強制捜査では児童に過剰な不安を与えたり混乱を生ずることのないよう配慮すべきであると考えますが、どのような対策を取るのか、文部科学大臣にお尋ねいたします。
 十四歳以上の少年事件でも、警察官の過酷な取調べで虚偽の自白がなされたことが後になって判明し、非行事件はなかったものとされたものは少なくないと聞いております。また、最近、死刑を求刑された被告の無罪が確定した佐賀の北方事件や、起訴された十二人全員の無罪が確定した鹿児島県議選の買収事件など冤罪が多発していますが、これらは、自白を偏重する捜査体質が今なお深くはびこり、警察官の強引な取調べにより自白を強要している捜査の実態を暴露するものと言えます。
 こうした警察の体質が改められないままに、表現能力などが不十分で、暗示や誘導にも掛かりやすいと言われる低年齢の少年に対して、成年の被疑者に認められる黙秘権等の権利も保障されないままに、任意とはいえ警察官の取調べが行われることになれば、虚偽の自白がつくり出されるのではないかと危惧されます。
 衆議院における修正では、民主党提案を踏まえて、少年等がこの調査に関していつでも弁護士である付添人を選任することができることが明記されました。しかし、民主党が提案していた少年に対する黙秘権の告知の義務付けは盛り込まれず、「少年の情操の保護に配慮しつつ」、「質問に当たつては、強制にわたることがあつてはならない。」という訓示規定が追加されただけです。これでは、調査に当たる警察官の行為規範としてもほとんど機能しないのではないでしょうか。
 十四歳以上の犯罪少年に対しては認められている黙秘権が、同様に少年院に送致される可能性のある十四歳未満の触法少年に対しては認められていないというのは明らかに矛盾しており、欠陥法案と言わざるを得ません。なぜ黙秘権の保障を明確に規定しないのか、お尋ねいたします。
 また、民主党が提案している児童福祉司又は調査付添人の立会い、ビデオ録画などの義務付け、不適切な取調べに対する児童相談所等による中止命令についても何ら盛り込まれておりません。特に、裁判員制度の実施に向けて捜査の可視化が不可欠とされている昨今、少年の手続においても積極的に可視化を進めるべきと考えますが、これを認めると何か不都合なことでもあるのでしょうか。
 以上の手続の保障について、法務大臣、厚生労働大臣、国家公安委員長の御所見を求めます。
 特に、低年齢の少年については、児童福祉施設での育ち直し、福祉的、教育的支援こそが必要です。現在十四歳となっている少年院収容年齢の下限を撤廃するという原案について、長勢法務大臣が五歳児でも少年院送致はあり得る旨の答弁をしたことから、与党内にも疑問の声が高まり、おおむね十二歳を下限とするよう修正されました。
 しかし、おおむね十二歳とは十一歳も含むとされ、しかも、これは行為時年齢ではなく収容時年齢であるため、実際には行為時に十歳の小学校四年生の児童なども含まれることになります。小学生など低年齢の触法少年について、児童自立支援施設などの家庭的な雰囲気の中での育ち直しよりも、少年院収容により罰することが彼らの改善更生に役立つのだという考えには疑問が残ります。安倍総理も記者団に、小学生を少年院に入れることはやむを得ないと発言されたそうですが、小学生を少年院で改善更生することの実効性について、法務大臣、厚生労働大臣の御所見をお尋ねします。
 また、小学生に対する学校教育が少年院で本当にできるのか。少年院に収容されていた児童が小学校に戻る際に、差別や偏見を受けたり、他の児童に不安や混乱を生ずるおそれはないのか。文部科学大臣に御所見を求めます。
 改正案は、保護観察中の遵守事項違反者を少年院に送致することができることとしております。しかし、元の事案について保護観察処分となった少年に対して、保護司の呼出しに応じないなど、それ自体には犯罪性のないささいな理由で少年院送りにするというのは、保護司や保護観察官との信頼関係を築きながら成長し更生していくという保護観察制度の本来の意義を失わせるものではないでしょうか。保護司の方々の御苦労は十分承知しております。その活動に対する支援を充実することは当然ですが、だからといって、威嚇によって保護観察の実効性を確保しようとするのは本末転倒です。
 また、遵守事項違反というささいな理由だけでなく、処分理由となった元の事案をも考慮して決めるというのであれば、正に憲法上禁じられた二重処罰に当たるのではないでしょうか。私たち民主党の指摘に対して、与党修正案では、遵守事項違反が新たな審判事由であるとすることによって、二重処罰ではないかのような形を取っておられますが、元の政府案とどう違うのか、はっきりいたしません。このような規定は削除すべきであると考えますが、法務大臣の御所見をお尋ねいたします。
 最後に申し上げます。
 少年非行はあっても、非行少年はいないということです。非行に走る少年には、家庭での虐待など不幸な生育環境に育った子供が少なくありません。少年犯罪をつくり出しているのは私たちの社会であり、したがって、それを解決することができるのも、また私たちの社会なのです。非行を犯した少年たちをむちを持って追い回し、少年院に収容してよしとする社会が安倍政権の目指す美しい国、教育重視の内実なのでしょうか。社会の中の最も弱い存在を救済することができなくて、何が再チャレンジなのでしょうか。
 安倍内閣の下、社会の格差がより一層拡大し、弱い立場にある者が自己責任論で切り捨てられています。国民の治安への不安もこのような殺伐とした社会のありようと無縁ではありません。
 少年非行問題に対しては、非行少年の育ち直しという少年法の理念を忘れてはなりません。また、本人だけでなく、周囲の環境を整える観点から、親の支援や再教育、地域社会の再構築などに取り組む必要もあります。さらに……
○議長(扇千景君) 千葉君、時間が来ております。簡潔に願います。
○千葉景子君(続) 早期発見のネットワーク、安心して相談できる仕組み、小中学校における取組、児童相談所や家庭裁判所の充実強化、保護観察官の増員、少年院や更生施設を出た後の就労・社会復帰支援等の立ち直り支援策の強化等、総合的な対策が何より重要であると考えますが、これらに対する法務大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣の御所見を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣長勢甚遠君登壇、拍手〕
○国務大臣(長勢甚遠君) 千葉景子議員にお答えを申し上げます。
 少年事件は増加、凶悪化、低年齢化していないのではないかとのお尋ねがありました。
 少年人口千人当たりの刑法犯検挙人員は、平成九年ごろから増加に転じ、平成十六年以降は前年より減少していますが、依然高い数字を示しています。また、少年による凶悪犯の検挙件数は、昭和四十六年以降千件台でしたが、平成九年以降二千件を超えており、平成十六年以降は二千件を下回りましたが、なお予断を許しません。触法少年による凶悪犯も、平成十五年に十数年ぶりに二百件を上回り、その後、二百件台の年が続いている状況であります。さらに、近年、低年齢の少年による重大事件が発生しております。このような観点から、現在、少年犯罪は深刻な状況にあると考えております。
 次に、少年の重大事件の新受数の推移についてお尋ねがありました。
 最近五年間における刑法犯のうち、少年法第二十二条の二第一項各号に掲げられた事件の家庭裁判所での新受人員の概数は、平成十三年が二千四百七十九人、平成十四年が二千四百四十七人、平成十五年が二千六百八十人、平成十六年が二千百五十七人、平成十七年が一千七百二十二人となっております。
 次に、触法少年についてどのような保護処分がなされたのか、その推移についてお尋ねがありました。
 最近五年間における家庭裁判所における触法少年に関する少年保護事件の終局人員のうち、保護処分を受けた者の人員は、平成十三年は、家庭裁判所の決定時に十四歳以上となり少年院送致となった者が一人、児童自立支援施設等送致が三十五人、保護観察が二十一人であり、平成十四年は、少年院送致が八人、児童自立支援施設等送致が三十八人、保護観察が十八人であり、平成十五年は、少年院送致が八人、児童自立支援施設等送致が四十七人、保護観察が十七人であり、平成十六年は、少年院送致が九人、児童自立支援施設等送致が四十二人、保護観察が二十五人であり、平成十七年は、少年院送致が十三人、児童自立支援施設等送致が四十三人、保護観察が十六人となっております。
 次に、平成十二年の少年法改正以来の厳罰化が少年の改善更生に有効かとのお尋ねがありました。
 少年非行につきましては、単に甘くするとか厳しくするという対応ではなく、少年が立ち直り、社会に戻っていくために適切な処遇を行うことが重要と考えており、平成十二年の少年法改正も、基本的には少年の健全育成という観点に立ちながら、その規範意識を育て、社会での責任を自覚させることを期したものであります。本法案も、事案の真相解明を前提に少年に対する適切な処遇選択を可能にするという趣旨に基づくものであり、厳罰化を目的とするものではありません。
 なお、平成十二年の少年法改正が少年の改善更生にどのような効果があったかを一義的に述べることは困難でありますが、同法が施行された平成十三年以前から各種少年犯罪は増加し、施行後も一年、二年ほどはその傾向が続いておりましたが、平成十六年ころからは減少に転ずる結果となっております。
 次に、児童相談所等が触法少年事件の調査の主導権を持つべきではないかとのお尋ねがありました。
 児童相談所における調査は、児童の状況、家庭環境、生活歴等の事項を対象とし、非行事実の解明を直接の目的とするものではないと承知をいたしております。また、家庭裁判所は、裁判所としての性格からすると、事件が認知された直後の段階から積極的かつ能動的な証拠収集を自ら行うことは実際上困難と考えられます。したがって、事案の真相解明のためには、その手法や刑罰法令等に関する専門的知識と経験を有する警察が主体的かつ迅速に調査を行うことが不可欠であり、その結果を児童相談所や家庭裁判所が活用するのが適当と考えられます。
 これに対し、児童相談所長等の要請、同意などを必要とすると、本来、事件発生後迅速に行う必要のある調査が困難となるおそれがあると考えられます。
 次に、触法少年に対する黙秘権の告知についてのお尋ねがありました。
 触法少年はおよそ刑事責任を問われる可能性がなく、黙秘権の問題は生じないとの見解が有力であると考えております。また、少年の健全育成には少年が自ら話をしやすい環境を整えることも重要であって、仮に黙秘権の告知を一律に義務付けるならば、正直に話をしなくてもよいという誤った意識を生じさせるおそれがあり、適当ではないと考えております。もとより、少年に強制的に供述させることを容認するものではなく、衆議院における修正でもこのことが明らかにされております。
 次に、触法少年の質問の際の児童福祉司等の立会い等についてお尋ねがありました。
 触法少年に対する調査は刑事処分に結び付くものではなく、また身柄拘束も伴わず、質問等も任意に行うものであります。また、個々の事案に応じ柔軟かつ迅速な対応が求められますが、児童福祉司等の立会いを一律に義務付けると、少年に向き合いながら時宜を得た質問をすることや、ひいては事案の真相解明に支障を来すおそれも否定できません。また、質問の録画等をした場合、少年の抱える問題や人間関係等、プライバシーに深くかかわる事実を話題とすることが困難になるとともに、少年に供述をためらわせるおそれもあります。したがって、児童福祉司等の立会いや質問の録画等を一律に義務付ける制度については慎重な検討を要するものと考えます。
 また、児童相談所等は非行事実の有無や内容に関する調査に必要な専門的知識を有してはいないことに照らすと、具体的な質問行為の適切さやその中止を求める必要性の判断を求めるのは困難と思われ、中止命令等の制度化は相当ではないと考えます。
 次に、小学生を少年院で改善更生させることの実効性についてお尋ねがありました。
 まず、少年院は少年を処罰する施設ではなく、その健全育成のための育て直しの教育を行う施設であります。少年院では少年を二十四時間体制で預かり、安定した教育環境の下、少年一人一人の特性や問題性に応じたきめ細かい処遇計画を個別に策定し、法務教官がマンツーマンで行う個別的処遇を中心とした教育を行っております。また、少年院には小学校教員免許を有する法務教官が多数おり、現在、年少少年に対する教科教育を含めた処遇プログラムを準備中であります。このようなことから、少年院での教育処遇は小学生に対してもその改善更生に十分に資するものと考えております。
 次に、保護観察中の者に対する措置についてお尋ねがありました。
 遵守事項を遵守するよう指導監督することは保護観察の基本でありますが、その違反に対する手当てを設けることが直ちに威嚇につながるものとは考えておりません。かえって、本法案による制度により、遵守事項の重要性が制度上も明確になり、少年にその意味を自覚させ、これを守る意欲を喚起することになると考えております。
 次に、二重処罰の禁止は、憲法上の規定上も刑事手続に関するものであり、少年審判に直ちに適用するものではありません。
 また、本制度は、保護観察決定後の遵守事項違反という新たな事情をとらえて、新たな審判、決定をするものであり、当初の保護観察決定の対象となった事由と同一の事由について重ねて保護処分決定するものではありません。
 政府原案と与党修正案の違いについては、与党修正案は遵守事項違反が新たな審判事由であることをより明確にしたこと、また、新たな保護処分をする場合の要件を分かりやすく規定したことにあると考えております。本制度は必要なものであり、これについての規定を削除すべきではないと考えております。
 次に、非行のある少年の立ち直り支援策の強化等、総合的な対策についてお尋ねがありました。
 少年の立ち直りに重要な家庭環境整備のため、少年院や保護観察所においては親に対する助言等の働き掛けに努めております。また、社会を明るくする運動等を通じて、少年の立ち直りについての地域社会の理解と協力が得られるよう努めております。さらに、少年院や更生保護施設を出た少年の就職先確保のため、平成十八年四月から厚生労働省と連携して、少年院出院者を受け入れてくれる協力雇用主の確保に努めております。保護観察官の増員につきましては、平成十九年度予算において四十三人の増員が認められたところであります。
 児童相談所や学校教育の充実、また、家庭裁判所における事件処理体制等の整備の努力もなされていると承知しておりますが、法務省といたしましても、関係機関と連携し、非行のある少年の立ち直り支援に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣溝手顕正君登壇、拍手〕
○国務大臣(溝手顕正君) 千葉議員の質問にお答え申し上げます。
 初めに、少年事件の増加と凶悪化、低年齢化についてお尋ねがございました。
 平成十八年中に検挙されました刑法犯少年は三年連続で減少をしておりますが、人口千人当たりの刑法犯少年の検挙人員は成人に比べて約六倍となっております。依然として高水準にあると認識をいたしております。また、凶悪犯で検挙された少年はここ三年ほど同じように減少はしております。平成十八年には一千百七十人となっておりますが、いまだ楽観できる状態にあるとは思っておりません。さらに、刑法犯の罪に触れる行為を行って補導された触法少年は、平成十二年以降二万人前後で推移をしております。そのうち凶悪犯で補導された者は、平成十五年以降二百人を超える状況で推移をいたしております。少年による社会の耳目を集める重大な事件が後を絶たないことなどからも、少年非行は依然として深刻な状況にあると認識をいたしております。
 次に、触法少年の調査に当たっての黙秘権告知や捜査の可視化についてお尋ねがありました。
 まず、触法少年は刑事責任を問われることはないわけで、触法少年に対する調査は任意で行われるものであります。また、面接においては、これまでも分かりやすい言葉を用いるなど、少年の特性に特段の配慮をいたしております。したがって、黙秘権の告知を義務付けることは、場合あるいは事情によって調査の目的に沿わないことにもなるから、黙秘権の告知を義務付けることは適当でないと考えております。
 また、児童相談所による質問の中止命令は適時の調査の遂行上相当でなく、捜査の可視化の問題につきましては、刑事司法制度全体の中で多角的な検討を行った上で慎重に議論することが必要だと考えております。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(柳澤伯夫君) 千葉景子議員から私に数問お尋ねがございました。順次お答えを申し上げます。
 まず、少年法の厳罰化が少年の改善更生に有効かとのお尋ねでございます。
 平成十二年の少年法改正は、基本的には、少年の健全育成という観点に立ちまして、その規範意識を育て、社会での責任を自覚させることを期したものでございます。今回の法案も、事実解明への社会的要請にこたえながら、触法等の少年に対する適切な処遇選択を可能にするという趣旨に基づくものでありまして、厳罰化を目的とするものではないと考えております。
 次に、警察の調査権に関する改正案と民主党案についてのお尋ねがございました。
 今回の改正案は、従来、警察が触法少年に対し実施してきた調査につきまして、法律上その権限を明確にするものであること、また、児童相談所が警察の調査結果とともに自ら実施する調査結果に基づきまして触法少年の処遇を決定するという基本的な枠組みを変更するものではないこと、この二点からも、これによって児童福祉の後退につながるものではないと考えております。
 また、警察と児童相談所の調査はその手法や視点が異なっておりますため、児童相談所が適切な処遇を決定する上で的確かつ幅広い調査の活用ができるという点で、民主党案に比し政府案が適当であると考えております。
 少年に対し手続の保障を進めることについてのお尋ねがありました。
 触法少年に対する警察官による調査については、児童福祉の観点からは、個々の子供の心身の状況に即して不適切な負担を掛けないよう配慮が必要であると考えております。そのための具体的な手続の在り方につきましては、こうした児童福祉への配慮、非行事実の的確な把握の必要性などを総合的に勘案して定められるべきものと考えております。
 なお、民主党案につきましては、事案の真相解明に支障が生じるおそれがあるとの指摘があると承知をいたしております。
 小学生を少年院で改善更生することの実効性についてお尋ねがございました。
 十四歳未満の触法少年、虞犯少年については、児童自立支援施設における開放的かつ家庭的なケアになじみにくい触法少年等が現に存在するということが施設関係者からも指摘をされております。こうしたことから、少年院の対象年齢をおおむね十二歳以上とすることにつきましては、個々の子供にとって最適な処遇を選択できるよう、処遇の選択肢を広げるという意義が見いだせるものと考えております。
 最後に、児童相談所の充実強化等についてのお尋ねでございます。
 少年非行を始め、児童虐待、障害などの課題に対応するためには児童相談所の充実強化が重要であると考えております。こうした認識に基づきまして、児童相談所において中核的な役割を担う児童福祉司の配置について、その充実を図る観点から、本年度、地方財政措置の大幅な拡充を図りました。そのほか、少年非行等の児童を一時的に保護する施設につきまして、定員超過状態の解消や居住環境の改善に向けた取組を進めているところでございます。
 少年非行問題については、今後とも、関係機関と連携しつつ、総合的な対策に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣伊吹文明君登壇、拍手〕
○国務大臣(伊吹文明君) 三点のお尋ねについてお答えを申し上げます。
 まず、警察官の学校への立入りに対する際の児童生徒への配慮ですが、現行の少年法でも、御承知のように、児童生徒に対する警察の調査というのは行われておりますけれども、その際、当然、警察当局は十分な教育的配慮を行うことが必要なことは当然であって、今回の法改正においてもこの必要性は何ら変わっていないと思います。児童生徒への影響に対して十分教育的配慮の下に調査が行われるということは、今も申し上げましたように当然のことでございまして、先生の御指摘、この御審議を国家公安委員長も当然聞いておられるわけですから、この理念に基づいて警察当局を適切に指導していただけるものと期待をいたしております。
 次に、少年院に入院後の小学生に対する配慮についてのお尋ねであります。
 少年院では、在院者に対して矯正教育の実施を行うに当たりまして、少年法の四条、五条の規定により、小学校、中学校で必要とされる教科指導が行われるよう、適切な配慮がなされるべきものでございます。また、退院後の、退院をして学校へ戻る際にも、学校においては、保護観察官等と十分連携を取りながら、当該児童へのきめ細かな指導、支援を行うとともに、周りの児童との間にも適切な信頼関係が築かれるよう温かい学級集団づくりを進めるなど、学校適応に向け適切な環境が取られるということは、学校及び学校を管理をいたしております教育委員会が進める最も大切な視点であると思いますので、文部科学大臣としてもこの点を大切に行政執行に当たりたいと思います。
 最後に、少年非行問題への対策でありますが、文部科学省では、非行等から立ち直りの支援を進めるために、各教育委員会が保護者やボランティア団体、青少年団体と連携して、地域における継続的な活動の場づくりを推進する取組を進めております。
 同時に、青少年が自立した人間として成長することを支援するため、教育委員会や各種団体が青少年の社会性をはぐくむ自然体験や生活体験などの体験活動を推進する取組を支援するとともに、学校においても、非行などの問題を抱えた児童生徒の状況に応じた支援、心の教育の充実に努めるよう教育委員会を促してまいりたいと存じます。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(扇千景君) この際、日程に追加して、
 株式会社日本政策金融公庫法案及び株式会社日本政策金融公庫法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。渡辺国務大臣。
   〔国務大臣渡辺喜美君登壇、拍手〕
○国務大臣(渡辺喜美君) 株式会社日本政策金融公庫法案及び株式会社日本政策金融公庫法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 昨年五月に成立した簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律、いわゆる行政改革推進法においては、政策金融改革として、平成二十年度において現行の政策金融機関を再編成し、新たに一つの政策金融機関を設立することとし、その機能を国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援する機能等に限定すること等の方針が規定されたところであります。
 政府としては、改革の後退は許さないという姿勢で政策金融改革に取り組んでおり、行政改革推進法等に則して、新たな政策金融機関として株式会社日本政策金融公庫を設立し、その目的、業務の範囲等に関する事項を定めるため、これら二法案を提出する次第であります。
 まず、株式会社日本政策金融公庫法案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、新たに設立する株式会社日本政策金融公庫の目的は、行政改革推進法の規定にのっとり、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能、並びに我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得を促進し、並びに我が国の産業の国際競争力の維持及び向上を図るための金融の機能を担うとともに、内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融を行うほか、当該必要な金融が銀行その他の金融機関により迅速かつ円滑に行われることを可能とし、もって我が国及び国際経済社会の健全な発展並びに国民生活の向上に寄与することとしております。
 第二に、新公庫の業務について、行政改革推進法において現行の政策金融機関の業務のうち廃止、縮小又は限定することとされたものを忠実に反映するとともに、一般の金融機関が行う金融の補完を一層推進するため、証券化の手法を活用して一般の金融機関による貸付けを促進するための業務等を追加することとしております。また、主務大臣が指定する金融機関が行う危機対応業務に必要な信用の供与を行うこととしております。
 第三に、新公庫の業務の適切な実施を図るため、役員及び職員、財務及び会計、監督等について所要の規定を整備するとともに、新公庫の設立に関する事項等を規定しております。
 次に、株式会社日本政策金融公庫法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、株式会社日本政策金融公庫法の施行に伴い、恩給法を始め、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律を含む八十六の関係法律に所要の整備を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。
 以上が、株式会社日本政策金融公庫法案等二法案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。大久保勉君。
   〔大久保勉君登壇、拍手〕
○大久保勉君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました二法案につきまして担当大臣に御質問いたします。
 母屋でおかゆを食って辛抱しようとけちけち節約しておるのに、離れ座敷で子供がすき焼きを食っておるとは、特別会計の無駄遣いを指摘した塩川元財務大臣の有名な言葉であります。私は、この敷地内にさらに地下室があり、どんちゃん騒ぎが行われているということを付け加えたいと思います。地下室とは、特別会計より更に外部のチェックが利きにくい公益法人や特殊法人を指します。行政改革を断行するに当たって、この地下室に本気でメスを入れるのであれば大いに評価したいと思います。まず、渡辺行政改革担当大臣にその決意をお尋ねします。
 これまで小泉改革を断行するという掛け声の下、特殊法人が新しく独立行政法人として再出発する多くの法案が成立しました。しかし、法律成立後の運用は役人に任せっ放しで、何の関心も示さないのが小泉・安倍政治の実態です。今月二十五日、日経新聞は一面で、五十四の特殊法人を四十九の独立行政法人に移行する過程で、総額十二兆円の累積欠損金が政府出資金で穴埋めされたということを報道しました。
 そこでまず、この報道内容が真実であるか、尾身大臣に質問します。次に、今後、政府出資金を減資する場合、その都度、その金額、理由、責任の所在を財務大臣が国会に報告すべきであると考えますが、尾身財務大臣の御所見を賜りたいと思います。
 累積損失額の穴埋めが大きい上位十独立行政法人の中に、文部科学省所管が五法人、また厚生労働省所管が三法人含まれております。そこで、伊吹文部科学大臣と柳澤厚生労働大臣に、それぞれの独立行政法人の名称、欠損穴埋め金額、多額の欠損金が発生した理由及び責任の所在を質問します。
 最近、財務省は、二〇一五年度末までに郵政公社や日本政策投資銀行など三十六法人の民営化で八兆四千億円の売却収入が見込めると発表しました。あれだけ大騒ぎした郵政公社の株式売却金額だけではなく、更に三十五法人の株式売却金額を加えた数字が八兆四千億ということであります。一方、独法化に乗じてひそかに累積欠損金の処理がなされた金額は、五割近く多い十二兆円ということであります。地下室で長年どんちゃん騒ぎをした巨額のツケがこのように秘密裏に処理され、最後は増税として国民にツケが回ってくるのです。この巧妙な責任逃れのための隠ぺい工作に対して私は大きな憤りを感じます。
 衆議院の審議において、日本政策金融公庫に統合される国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫の累積欠損金額の合計が一兆四千億円に達していることが明らかになりました。このような巨額の損失をいかに処理する予定なのか、尾身財務大臣に御所見を伺います。また、法案成立後、国民の関心が薄れたところでそっと政府出資金を使って処理しようとしているのですか。あるいは、国際協力銀行の剰余金を借用して処理しようとしているのですか。明確な答弁をお願いします。
 日本政策金融公庫法は、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の四既存政策金融機関を一つに統合して日本政策金融公庫をつくるという法案であります。この新公庫は、近い将来再び分離したり、また他の機関と合併したり、あるいは民営化することを考えているのか、渡辺行政改革担当大臣に政府の中長期的な考えを伺いたいと思います。
 日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は、完全民営化することが昨年の行政改革推進法で決まりました。どのような基準で残す政策金融機関と民営化する政策金融機関を切り分けたのか、これまでの政府の説明は明確ではありません。また、例えば商工組合中央金庫と中小企業金融公庫は、ともに中小零細金融を扱っております。また、日本政策投資銀行と国際協力銀行とは、国内と海外との違いはありますが、ともに大企業融資や投資銀行業務を行っております。どのような理由でこのような切り分けを行ったのか、さらには将来見直しが行われる可能性があるのか、渡辺行政改革担当大臣の御所見を賜りたいと思います。
 新公庫は、国民の生活に密着した金融、農業関連金融、中小零細金融から、大企業金融、さらには海外資源確保のためのプロジェクトファイナンスまで、幅広い業務を行う巨大金融機関であります。これまで国際金融の分野で長く働いてきましたが、このように広範囲かつ多様な金融業務を一つの法人で行う諸外国の政策金融機関の例も、あるいは民間金融機関の例も私は知りません。というのは、余りに性質の異なった広範囲かつ多様な金融業務を一つの組織で行うことは管理上不可能に近く、また効率の面やリスク管理の面で問題が発生するからです。私の実務経験に基づいた結論に対して、渡辺大臣の説得力ある反論を是非聞きたいものです。
 次に、新公庫をより詳しく見ていくことにします。
 新公庫は、国内統合三機関から継承される国内部門と国際協力銀行から継承される国際部門に大別することができます。
 国内金融三機関は、起業、創業、あるいは中小零細企業の資金繰りを金融面から支えるために低金利での融資を行っております。企業会計原則による会計処理を行えば、三機関とも貸倒引当金の計上で大幅な赤字決算を余儀なくされます。そのため、一般会計からの収支差補助金により赤字を補てんする制度が備わっております。
 一方、国際金融部門は、政府からの補助金を当てにせず、利益を上げることを前提にした収支相償原則の下で運営されています。そのため、毎年三百億円以上の国庫納付がなされております。
 収支差補助金を基本とする国内部門、それと利益を上げ国庫納付を基本とする国際部門は、言わば水と油であります。この二つの部門が一つの株式会社になる場合、新公庫は収支相償機関となるのか、それとも非収支相償機関になるか、渡辺大臣に伺いたいと思います。
 もし非収支相償機関が選択された場合には、これまで国際協力銀行により毎年三百億円以上納付されていた国庫納付金がなくなることを意味します。もし収支相償原則が選択された場合には、中小零細金融分野におきまして官製貸し渋りや官製貸しはがしが発生する懸念があるんです。
 小泉・安倍改革は、複雑な事象を単純化したワンフレーズポリティックスが特徴であります。政策金融改革もこの例に漏れず、多様な政策目的を有する政策金融機関を無理やり一つの器に押し込んだと言えます。そのため、その強引な手法から発生する現場の大混乱や中小零細企業の痛みに対して、小泉前首相並みの鈍感力を強いられることになります。このことに対する渡辺行政改革担当大臣の御認識を伺いたいと思います。
 この法案によれば、新公庫の主務大臣が、財務、農水、経済産業、厚生労働の四大臣となることであります。四大臣が主務大臣になることは極めてまれです。一つの公庫にするというのであれば、主務大臣を一名にするのが筋であります。縦割り行政の弊害と、改革という名の下で役所の既得権益はしっかり保護されている実態がかいま見えます。
 これに関連して、新公庫の役員の人数、主務官庁から天下りの有無に関して伺いたいと思います。
 トップと主要な役職、ポストが相変わらず天下り官僚で占められるのであれば、官僚の官僚による官僚のためのエグゼクティブ専用人材バンクであるという批判を免れないと思います。現在、公務員制度改革で人材バンクの制度設計を行っている渡辺行政改革担当大臣に御所見を伺いたいと思います。
 新公庫は、一〇〇%政府保有の株式会社でありますが、株式会社のガバナンスを向上させるために、報酬委員会や監査委員会を持った委員会等設置会社にするのも一案であります。政策目的の明確化、業績評価の透明化、さらには組織の効率化を果たすために具体的にどのような工夫があるのか、渡辺大臣に御所見を伺いたいと思います。
 統合する四機関に共通することは、随意契約率の高さであります。衆議院調査局、中央省庁の補助金交付状況、事業発注状況及び国家公務員の再就職状況に関する予備的調査によりますと、国内三機関の場合、その比率は九割です。国際協力銀行に至っては、一般競争入札〇・八%、指名競争入札一・三%で、残りの九八%が随意契約ということであります。
 そこで、新公庫は随意契約を半減するなどして経費を大幅に下げる努力をすると約束できるか、渡辺大臣の御所見を伺いたいと思います。
 次に、四機関で目立つのが職員の高給優遇ぶりであります。
 ラスパイレス指数によりますと、国内三機関の給与水準は国家公務員の三割増しであり、国際協力銀行に至っては何と五割増しという高水準であります。もちろん、給与水準は業務内容や職能により決定されるべきものであります。しかし、余りにも高過ぎる給与や大き過ぎる部門間格差は問題と言えます。
 そこで、新公庫となった場合に、どのような基準で業績評価、人材交流、昇給昇格を行っていくのか伺いたい。また、新公社で新卒の採用、研修、配属に関してどのような制度を考えているのか、渡辺大臣の御所見を伺いたいと思います。
 政策金融改革は、財投の入口である郵政改革に続く財投の出口の改革というのが政府の説明であります。昨年暮れに郵政造反議員が、選挙による有権者の審判を受けることなく自民党に復党しました。また、郵政民営化は実現しつつありますが、一向に格差や将来不安は解消されません。一時の熱狂が冷め、小泉郵政改革の化けの皮がはがれてくると、ワンフレーズポリティックスの怖さと後味の悪さを国民は感じております。
 このような入口の改革の反省に立ち、今回、出口の改革を審議するに当たっては、国と国民の将来を見据えた緻密で冷静で、かつ良識のある議論が必要であることを訴えて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣渡辺喜美君登壇、拍手〕
○国務大臣(渡辺喜美君) まず、公益法人、特殊法人等の改革についてのお尋ねでございます。
 公益法人、特殊法人等については、先ごろの通常国会で成立した行革推進法並びに公益法人制度改革関連法に基づいて、政策金融を始め抜本的な改革、見直しを進めているところであります。また、特別会計に関する法律、随意契約の適正化の取組などにより、公益法人、特殊法人等に関する歳出の合理化、透明化の向上を図っております。
 さらに、今般の国家公務員制度改革は、予算や権限を背景とした人事の一環としての天下りを根絶をするものであります。これまでは、OBがいるために、公益法人、特殊法人改革が進みづらい面があったと思います。その意味で、今回の改革は更に抜本的な法人改革を進めるための突破口になるものと考えております。
 政府としては、引き続き後世代にツケを回さないよう徹底した合理化を図るため、公益法人、特殊法人等の改革を進めてまいります。
 新公庫の分離、再合併及び民営化等についてのお尋ねがございました。
 新公庫の合併、会社分割、事業譲渡、解散等については、新公庫法案で別に法律で定める旨を規定をしております。このため、このような重要な組織変更については、別に法律で定めない限りは行えないようなっております。
 また、新公庫については、政策金融として行う業務の適切な実施等を確保する観点から、政府が一〇〇%出資するとともに、常時全株式を保有し続けることを法定しているところであり、民営化を想定しているものではございません。
 新公庫に統合される機関と民営化される機関を分けた基準に関するお尋ねがございました。
 政策金融改革については、経済財政諮問会議において、民にできることは民にという考え方を基本とし、政策金融の手法を用いて真に行うべきものを厳選することが必要であるとの認識の下、現行政策金融機関の担っている機能について、政策金融から撤退をするもの、残すものに分類がなされたところでございます。
 この分類において、商工組合中央金庫については、民間金融機関同様のフルバンキング機能であることや、所属団体向けの組合金融であること、日本政策投資銀行については、大企業、中堅企業向け融資であり、民間市場から様々な形態で資金を取り入れが可能であること、これらから、ともに政策金融から撤退をし、その組織について完全民営化をすることとされたところでございます。
 他方、今回統合する中小公庫、国際協力銀行等の機関については、中小零細企業、個人の資金調達支援、国策上必要な海外資源確保、国際競争力確保に不可欠な金融など、政策金融として残すべき真に必要な業務に限定した上で、その業務については行革推進法において新たに設立する一つの政策金融機関に担わせることとされたわけでございます。
 なお、新公庫の業務については、今回の法案に規定されているとおり、新公庫が一般の金融機関が行う金融を補完するものであることを旨とする観点から、新公庫の業務に関し不断にチェックを行い、その上で、必要があると認めるときは、業務の廃止その他の措置を講じてまいります。
 次に、新公庫の組織管理上の効率性についてのお尋ねがございました。
 新公庫は、零細事業者への貸付けから国際金融まで多様な業務を担うことから、それぞれの政策分野に責任を持つ主務大臣がきちんと業務実施を監督していくことになっております。ただし、新公庫の運営が縦割りになってはならないことは当然のことであります。シナジー効果を発揮し、一体的、効率的な組織運営が行われることが重要であります。
 このため、まず新公庫の運営に当たっては、新公庫自身が取締役会による意思決定、そして業務執行の監視等のガバナンス確保、これに資する会社法上の仕組みを活用することによって、各勘定別の縦割りの運営ではない一体的、効率的な組織運営に努める必要があると考えております。また、主務大臣においても緊密に連携し、新公庫の一体的、効率的な組織運営が図られるよう指導監督を行っていく必要がございます。行革担当大臣の立場からも、運営が縦割りとなることがないよう、しっかりと監視をしてまいります。
 新公庫の性質が収支相償機関であるか否かについてのお尋ねがございました。
 新公庫においては、政策目的ごとに財政資金をきちんと分別管理をし、各政策の適切な実施と透明性の確保を図るため、主要政策ごとに勘定区分を行うということになっております。
 国際部門と国内部門の業務の性格の相違から、収支相償原則の下で運営を行うか否かについて、国際部門、国内部門とでは取扱いを異にいたしております。すなわち、国際部門に係る勘定に関しては、収支相償原則の下で運営を法律上規定をしておるわけであります。一方、国内部門については、必要に応じ予算の国会議決を経て財政措置を講ずることが想定されるものと考えております。
 異なる性質の業務を一つの機関に担わせることによる御懸念についてのお尋ねがございました。
 新公庫においては、主要政策ごとに勘定区分を行い、他の勘定との損益通算等は行わないということになっております。国庫納付については、勘定ごとの決算で剰余金が生じた場合には、他の勘定の損益と通算することなく、必要な内部留保を行った上で残余を納付することになります。したがって、国際部門で行われてきた国庫納付が統合を理由として行われなくなる御懸念はございません。また、国内部門に係る勘定については、政策として必要な業務を実施するため、収支相償原則は適用されず、それにより中小零細企業向けの貸し渋りや貸しはがしが発生するという懸念もございません。
 いずれにせよ、新公庫の成立後、民業補完を旨としつつ、政策金融として必要なところに必要な資金が円滑に供給されるよう運営していくことが重要であると考えております。
 新公庫の役員の人数及び天下りの考え方についてのお尋ねがございました。
 新公庫の役員数については、この法案を成立させていただいた後、組織の具体的な姿を固めていく過程において決めることになります。具体的には、設立委員が必要最小限の役員数を検討し、その上で主務大臣が判断し、役員数を定款に定めることとなります。その際、行革大臣としてもしっかり見てまいります。
 新公庫の経営責任者については、行革推進法及び新公庫法の規定により、新公庫の設立目的とその担う金融業務に照らし、必要と認められる識見及び能力を有する者から選任されるということになっているんです。また、特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないようにするということにもなっております。また、新公庫の役員の選任については主務大臣の認可が必要であり、認可に当たっては役員全員について官房長官の同意が必要になります。代表取締役会長及び社長については、閣議の口頭了解というチェックが掛かることになっております。こうした手続により、適材適所の人選が行われるものと考えております。
 なお、今般、国会へ提出した国家公務員法改正法案においては、再就職規制の対象法人の範囲は営利企業だけでなく非営利法人にもその規制は掛かるということになっておりますので、新公庫の再就職もその規制の対象になるわけでございます。
 次に、新公庫のガバナンスを向上させるための具体的な工夫、委員会設置会社、政策目的の明確化、業績評価の透明化、組織の効率化についてのお尋ねがございました。
 新公庫のガバナンスについては、それを可能な限り強固とするための措置を講じております。具体的には、会社法に基づく株式会社とすることにより企業的な組織運営を図り、民間企業会計や会計監査人による監査も導入いたします。また、政策金融業務の適切な実施等を確保するため、国が監督を行います。リスク管理については金融庁の検査も行います。さらに、その予算について国会の議決を要し、決算は会計検査院の検査を経て国会に提出することを要するとしております。
 また、四機関の統合に当たっては、管理部門等の共通する業務の一元化を行い、同一地域に複数の支店が存在するところではこれを極力統合する方針でございます。以上の措置により、一体的で効率的な組織運営を図ってまいります。
 また、政府の各政策の内容を踏まえ、新公庫の経営陣が政策金融業務に関する目標を策定し、その実施状況について情報公開の徹底を図りつつ、その評価をしっかりと行うことが必要であります。このため、政府の行政改革推進本部の下、行政減量・効率化有識者会議にワーキングチームを設け、しっかりと見ていただくことにしております。
 なお、委員会設置会社とするかどうかについては、新公庫の経営陣が中心となって具体的な内部組織等を検討していく中で、必要に応じ検討されるものと考えております。
 次に、随意契約の見直しを含めた新公庫の経費削減の見通しについてのお尋ねがございました。
 新公庫の経営の効率化を図るため、各経費について最大限の合理化努力を図っていくことが重要であり、管理部門等の共通する業務の一元化や支店の統廃合による役職員の縮減、経費の節減を図ることになっております。具体的には、支店の統合について、国内三公庫の二百三十三の店舗のうち、六十地域で同一地域に複数の支店が存在することから、これを極力統合していくとの方針であります。新公庫の役職員の縮減につきましては、行革推進法に基づく総人件費改革により、五年間で五%以上の人員の純減又は人件費の削減を行うことにしております。これに加えて、本店の管理部門等の一元化等により、円滑な業務遂行に必要な職員は確保しつつ、更なる縮減の努力を行っていただく考えであります。
 随意契約の見直しについては、最近の社会情勢や各機関の置かれた立場等を踏まえ、必要に応じ、入札を始めとする競争性ある契約に移行するよう、契約方法について不断の見直しを行います。適切に対処してまいります。
 いずれにせよ、統合後の具体的なコスト削減については、新公庫の経営責任者に継続的に取り組んでいただくことになります。
 最後に、新公庫における業績評価及び人事管理のお尋ねでございます。
 新公庫においてどのような業績評価、どのような人事管理を行うかについては、一義的には組織の一体化を踏まえ新公庫が決めることになります。その際、業績評価については、新公庫の経営理念や目標に即して的確に業務を遂行しているかどうかの観点から適切な評価が行われ、それに基づき、昇給昇格が適切に行われることが必要であります。人事管理については、行革推進法において、国内と国際の部門ごとに専門能力を有する職員の配置及び育成を可能とするとされていることに十分留意をしてまいります。これを踏まえ、新公庫の業務の内容、求められる専門性等を総合的に勘案し、採用、研修、配属、人材交流等に関する具体的な仕組みをつくってまいります。
 いずれにしても、新公庫の管理運営に当たって、強固なガバナンスの下、一体的かつ効率的な組織運営が図られ、新公庫の役職員が一体感と高い士気を持ってその能力を十分発揮できるよう環境を整備することが重要でございます。
 以上。(拍手)
   〔国務大臣尾身幸次君登壇、拍手〕
○国務大臣(尾身幸次君) 大久保議員の御質問にお答えいたします。
 累積欠損金を政府出資金で穴埋めしたとの報道についてのお尋ねがありました。
 御指摘の報道の計数の具体的な計算内容は承知しておりませんが、平成十五年度から平成十八年度において、独立行政法人化に伴う政府出資金の減少額を国有財産台帳の計数に即して申し上げれば、約十二兆円となっております。
 こうした独法化に伴う政府出資金の減少は、従来、各法人に対する研究開発費を出資金として措置してきたことによるところが大きいと考えます。各法人に対する研究開発費は平成十三年度までは出資金として措置されていましたが、実態として、見合いの資産が残らないため、その使用分は財務諸表上、欠損金の累積という形で処理されてきました。
 これらの研究開発の成果は将来にわたり国民に有形無形の資産として残り、その利益が国民に還元されているものでありますが、民間企業会計と同じ考え方でとらえた場合分かりにくいとの指摘もあったところでございます。そこで、平成十四年度以降は、出資金ではなく補助金等として措置し、より分かりやすい形に改めたところであります。したがいまして、報道にあるような事業の失敗によって積み上がった損失を国民負担で穴埋めをしたというような御指摘は全く当たらないものと考えております。
 いずれにいたしましても、一般論で申し上げれば、特殊法人等の独立行政法人化に伴う政府出資金の取扱いにつきましては、各独立行政法人において、個別法に置かれた資産、債務の承継規定に基づき、適切に処理されたものと承知しております。
 独立行政法人等への政府出資金の取扱いについてのお尋ねがありました。
 独立行政法人制度は、効率的な業務運営を図るため、国の監督、関与を最小限にとどめ、各法人の自主性、透明性を確保する仕組みとなっております。この中で、独立行政法人への出資金が減少する場合には、個別の措置法に設けられた規定に基づき、各主務大臣の下、適切に処理されているものと承知しています。さらに、独立行政法人の財務諸表等は、独立行政法人通則法の規定に基づき、企業会計原則によって作成され、主務大臣の承認を受けることとなっております。
 なお、財務大臣としては、国有財産法に基づき、政府出資金の増減も含め、会計年度間の国有財産の増減額を毎年国会に報告するとともに、ホームページ等において独立行政法人に対する政府出資金の増減額を公表しているところであります。
 いずれにいたしましても、財務大臣といたしましても、独立行政法人における適正かつ効率的な業務運営と経営の透明性の確保は重要な課題であると認識しております。この点について、独立行政法人制度の趣旨を踏まえ、同制度を所管する総務省及び各主務大臣の下、適切に取り組まれるべきものと考えております。
 日本政策金融公庫に統合される三公庫の累積欠損金についてのお尋ねがありました。
 現行機関から新公庫への統合に当たっては、新公庫法上、財務、会計の透明性の観点から、資本、負債ともに現行各機関からそれぞれの業務を引き継ぐ各勘定に承継され、その状況が明らかにされます。したがいまして、統合時点において民間企業会計上の累積欠損金が生じることとなったとしても、現在の政府出資金を減資することや国際協力銀行の剰余金を他の勘定に充当することは新公庫法上できない仕組みとなっております。
 なお、新公庫の各勘定に承継された累積欠損金については、その後の経営努力による累積欠損金の解消も含め、適切に管理されることとなります。(拍手)
   〔国務大臣伊吹文明君登壇、拍手〕
○国務大臣(伊吹文明君) お尋ねの文部科学省所管の独立行政法人の出資金等に対する減少額の大きかった五法人の件でございますが、これらはいずれも旧科学技術庁所管の研究開発型法人でございます。
 具体的には、日本原子力研究開発機構の出資金の減少額四兆七百四十三億円、それから宇宙航空研究開発機構の二兆六千二百九十六億円、科学技術振興機構の四千四百十八億円、理化学研究所の三千五百四十三億円、海洋研究開発機構の二千八百一億円です。
 この原因でございますが、これは大久保議員もバンカーの御経験があるからすぐに御理解なさることだと思いますが、いわゆる公会計と企業会計の違い、今財務大臣が申したことによる部分が非常に大きいと思います。研究開発の成果はもちろん国民の将来の資産として残るものでありますから、企業会計では当然この資産価値は貸借対照表上、資産勘定に計上されます。しかし、これに要した費用は毎年損益計算書の経費をもって処理されます。しかし、公会計ではその仕組みは十分ではありませんので、平成十三年度までは要した費用を出資金の中で処理をしておりました。したがって、法人格の変更により累積損となったものと出資金を両建て表示をして相殺をしたというのが今回の会計処理の生じた大部分であります。
 しかし、もちろん平成十三年度まで各法人の経営上の非違事項があったり、あるいは非効率があった場合には、当然会計検査院の検査を受けておりますから、指摘があったと存じます。そのことはその時々の責任者が重く受け止めて是正を図ってきたということであります。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私に対しましても、厚生労働省所管の独立行政法人の出資金等についてのお尋ねでございました。
 特殊法人から独立行政法人へ移行した際に出資金が減少している御指摘の厚生労働省所管の三法人の名称とそれぞれの減少金額は次のとおりです。
 まず第一に、雇用・能力開発機構が約一兆三千五百四十八億円、二番目に、労働者健康福祉機構が約六千百二億円、三番目に、年金積立金管理運用独立行政法人及び福祉医療機構が約四千三百七十四億円となっております。
 これは、独立行政法人への移行時におきまして、各個別法及び独立行政法人会計基準に基づきまして、一つ、経年劣化等に伴う資産の減価償却、二つ、時価を基準とした資産の再評価、三つ、国等への資産の承継等を行い、資産に見合う出資金額を定めたことによるものでありまして、適正に処理されたものと認識をいたしております。
 以上であります。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第一 国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第二 国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長田浦直君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔田浦直君登壇、拍手〕
○田浦直君 ただいま議題となりました条約及び法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、国際刑事裁判所ローマ規程は、集団殺害犯罪や人道に対する犯罪など国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を犯した個人を訴追及び処罰するため、常設の国際刑事裁判所の設立、締約国の同裁判所に対する協力等について規定するものであります。
 次に、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案は、ローマ規程の我が国による締結に伴い、同裁判所が管轄権を有する事件の捜査等への協力のための手続規定及び同裁判所における偽証等その運営を害する行為についての罰則を整備すること等を内容とするものであります。
 委員会におきましては、両件を一括して議題とし、規程に定める重大犯罪の中に国内法上処罰できない行為があることと憲法との関係、集団殺害など重大な犯罪を国内法上の犯罪とする必要性、二〇〇九年の規程の検討会議に向けての我が国の対応方針、規程で定める被疑者、被告人などの保護規定の国内法担保等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、順次採決の結果、国際刑事裁判所ローマ規程は全会一致をもって承認すべきものと決定し、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、国際刑事裁判所ローマ規程の締結に当たり、同裁判所の運営及び活動に積極的にかかわり、その実効性及び効率性の向上に努めること、人材面での貢献を積極的に行うため、裁判官等輩出のための人材の発掘及び育成に関する体制を強化すること等を政府に要請する決議が行われたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 まず、国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十六  
  賛成            百九十六  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十七  
  賛成            百九十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第三 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案(厚生労働委員長提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告及び趣旨説明を求めます。厚生労働委員長鶴保庸介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
○鶴保庸介君 ただいま議題となりました二法律案のうち、まず、社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年の社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化を踏まえ、社会福祉士及び介護福祉士の資質の確保及び向上並びに社会福祉士の活用の場の充実を図るため、これらの資格の取得方法及び身体障害者福祉司等の任用の資格の見直し等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、介護福祉士等介護職員の労働条件の改善策、准介護福祉士を設けることの是非、社会福祉士資格の活用方策等について質疑を行うとともに、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党を代表して津田弥太郎理事より、日本国とフィリピン共和国との間の経済連携協定に関する両国政府間の協議の状況を勘案し、本法律の公布後五年を目途として、准介護福祉士の制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小池晃委員、社会民主党・護憲連合を代表して福島みずほ委員より、それぞれ修正案及び原案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 次に、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案につきまして、厚生労働委員会を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 救急医療用ヘリコプター、いわゆるドクターヘリは、事故、急病や災害等の発生時に救急現場等に出動することにより、救命率の向上や後遺症の軽減に顕著な実績を上げております。政府はドクターヘリの導入を進めておりますが、現在、十一機が運航するにとどまっております。
 そこで、本法律案は、ドクターヘリを用いた救急医療の全国的な確保を図るための特別の措置を講ずることにより、良質かつ適切な救急医療を提供する体制の確保に寄与しようとするものであります。
 以下、本法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、この法律による施策は、救急医療用ヘリコプターにより速やかに救急医療を行う態勢を全国的に整備することを目標としております。
 第二に、厚生労働大臣は、医療法の基本方針に救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する事項を定めるものとしております。
 第三に、都道府県は、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の提供に関し、関係者が協議する場を設ける等の措置を講ずるものとしております。
 第四に、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の提供に対する補助の制度を定めることとしております。
 第五に、民間からの寄附に基づく基金を設けて、助成金を交付する非営利法人を登録する制度を設けることとしております。
 第六に、政府は、この法律の施行後三年を目途として、救急医療用ヘリコプターに要する費用のうち診療に要するものについて、健康保険法等の規定に基づく支払について検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。
 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
 なお、本法律案は厚生労働委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであり、何とぞ速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 まず、社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十七  
  賛成            百八十五  
  反対              十二  
 よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十七  
  賛成            百九十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第五 放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長狩野安君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔狩野安君登壇、拍手〕
○狩野安君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約等の適確な実施を確保するため、放射性物質をみだりに取り扱うことによる放射線の発散などによって、人の生命、身体又は財産に危険を生じさせる行為等についての処罰規定を整備するものであります。
 委員会におきましては、放射性物質の管理の在り方、原子力防護に関する情報公開の是非、本法律案における処罰対象の範囲等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十七  
  賛成            百九十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第六 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長大江康弘君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔大江康弘君登壇、拍手〕
○大江康弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、新築住宅に係る瑕疵担保責任の履行の確保を図るため、建設業者及び宅地建物取引業者に保証金の供託又は責任保険契約の締結を義務付けるとともに、国土交通大臣は、住宅瑕疵担保責任保険の引受けを行う保険法人を指定することができることとするものであります。
 委員会におきましては、参考人からの意見聴取とともに、一連の耐震強度偽装対策立法の効果と本法律案の位置付け、供託、保険の制度化が中小事業者に及ぼす影響、事業者に故意、重過失がある場合の消費者保護の方策等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十六  
  賛成            百九十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第七 戸籍法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長山下栄一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔山下栄一君登壇、拍手〕
○山下栄一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、戸籍に記載された個人情報を保護するため、戸籍の公開制度を見直し、戸籍の謄抄本等の交付の請求をすることができる場合を制限するとともに、当該請求をする者の本人確認、不正に交付を受けた者の処罰等を行い、また、戸籍の真実性を担保するため届出の受理の通知手続等を定めるなど、戸籍の制度について所要の整備を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、戸籍公開の原則を改める理由、戸籍謄抄本の不正請求防止策の在り方、第三者の交付請求に対する本人通知制度の必要性、民法第七百七十二条の嫡出推定規定の運用問題等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十六  
  賛成            百九十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第八 産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案
 日程第九 中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律案
 日程第一〇 企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長伊達忠一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔伊達忠一君登壇、拍手〕
○伊達忠一君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案は、産業活力の再生や生産性の向上のために取り組んでいる事業者を支援するものであります。
 中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律案は、中小企業が地域産業資源を活用することにより、地域経済の活性化を図るものであります。
 企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律案は、地域の特性を生かした産業集積を促進して、地域経済の自律的発展を図ろうとするものであります。
 なお、経済成長戦略大綱に関する件について、三人の参考人から意見聴取を行いました。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、一つ、中小企業の事業再生に対する支援の在り方、一つ、地域産業資源を活用した事業が地域経済に与える効果、一つ、自治体間による企業誘致競争が過熱することへの懸念等の諸問題について質疑が行われました。
 質疑を終了し、順次採決の結果、産業活力再生法改正案及び地域産業活性化法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定し、地域資源活用法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、各法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 まず、産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案及び企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十六  
  賛成            百八十四  
  反対              十二  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十六  
  賛成            百九十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十八分散会