第166回国会 外交防衛委員会 第2号

平成十九年三月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     緒方 靖夫君     仁比 聡平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                岡田 直樹君
                山本 一太君
                浅尾慶一郎君
                柳田  稔君
                高野 博師君
    委 員
                浅野 勝人君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                櫻井  新君
                関口 昌一君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                榛葉賀津也君
                白  眞勲君
                浜田 昌良君
                仁比 聡平君
   国務大臣
       外務大臣     麻生 太郎君
       防衛大臣     久間 章生君
   副大臣
       外務副大臣    浅野 勝人君
       農林水産副大臣  国井 正幸君
       防衛副大臣    木村 隆秀君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  関口 昌一君
       外務大臣政務官  浜田 昌良君
       防衛大臣政務官 北川イッセイ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       下川眞樹太君
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        鶴岡 公二君
       外務大臣官房審
       議官       木寺 昌人君
       外務大臣官房審
       議官       佐渡島志郎君
       外務大臣官房審
       議官       草賀 純男君
       外務大臣官房参
       事官       片上 慶一君
       外務省アジア大
       洋州局長    佐々江賢一郎君
       外務省北米局長  西宮 伸一君
       外務省中東アフ
       リカ局長     奥田 紀宏君
       外務省国際協力
       局長       別所 浩郎君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   内藤 邦男君
       農林水産大臣官
       房審議官     笹谷 秀光君
       経済産業大臣官
       房審議官     高田 稔久君
       防衛大臣官房長  西川 徹矢君
       防衛省防衛政策
       局長       大古 和雄君
       防衛省運用企画
       局長       山崎信之郎君
       防衛省人事教育
       局長       増田 好平君
       防衛施設庁長官  北原 巖男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (外交の基本方針に関する件)
 (国の防衛の基本方針に関する件)
    ─────────────
○委員長(田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、緒方靖夫君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(田浦直君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官下川眞樹太君外十七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(田浦直君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言お願いします。
○岡田直樹君 おはようございます。自由民主党の岡田直樹でございます。
 冒頭、浅野副大臣にお伺いをしたいと思います。
 インド、ベトナム、中国と歴訪されて、御苦労さまでございました。少しお伺いをしたいんですけれども、とりわけベトナムのグエン・フー・ビン外務次官、この人は北朝鮮との太いパイプを持った人物というふうに聞いておりますけれども、この人とはお会いになりましたか。
○副大臣(浅野勝人君) 会いました。
 インド、ベトナム訪問は、ともに今月下旬、東京で行われる外相会議の事前調整が主な目的でしたが、ハノイは直前に日朝国交正常化のための作業部会が開催された場所でもございます。したがいまして、ビン外務次官との会談を重視をいたしました。
 内容についてですが、私から、日朝国交正常化のための作業部会にベトナム政府が場所を提供してくれたことに感謝を申し上げましたところ、ビン次官からは、ハノイを選んでいただいて名誉に思っている、二回目以降もハノイを使ってほしいという謙虚な言葉がございました。ビン次官によると、北朝鮮の宋日昊大使を昼食に招いて二時間話し合ったとのことでした。今回、日朝の交渉当事者以外で宋日昊大使とこれだけの長い時間接触をした人はほかにいないと承知をしております。
 そのような事情もありまして、私とビン次官との会談も、当初一時間の予定が一時間五十分に及ぶものになりました。会談の内容につきましては、具体的な内容につきましては、先方との約束もございまして申し上げることができませんことを御理解ください。
○岡田直樹君 いろいろと機微に触れるようなお話も聞くことができたのではないかと思いますし、今後の日朝協議に是非生かしていただきたいと思います。
 それから次に、中国で武大偉外務次官と会われたことはいろいろ報道されております。大分長時間にわたって会われたとお聞きしましたけれども、どんな雰囲気でございましたか。
○副大臣(浅野勝人君) 会談を七十分、続いてワーキングディナーを七十分、合わせて二時間二十分にわたり意見交換をいたしました。日曜日の夕方から夜にかけてでしたから、先方も時間のゆとりがあったから比較的長い時間話し合う機会に恵まれたんだと思います。
 武大偉次官は日本駐在大使のころからの顔見知りでもございますし、その上、日本語が大変堪能な方なので、通訳抜きでみっちり話し合うことができました。
○岡田直樹君 みっちりお話ができたということでありますけれども、中国のミサイルによる人工衛星の破壊実験、私は非常に乱暴で不可解な行為であると思っておりますが、この点についても言及をいただいたかどうか。また、ミサイルに限らず、中国の巨大な軍事力というものは透明性を欠いておる、これをもっとオープンにすべきではないかと。こんなことも当然求めてしかるべきことと思いますけれども、この二点について提起をされたか、あるいはそれに対してどういう反応があったか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(浅野勝人君) 人工衛星を破壊するための弾道ミサイルの発射については、今後もするつもりなのかどうなのか、中国政府の姿勢がいまひとつあいまいでしたので、抗議の意味を含めて中国側の真意をただしました。
 武大偉次官は、中国は宇宙の軍事競争に加わるつもりは毛頭ないと明言をいたしました。このことから、私は、中国は今後、人工衛星を破壊するための弾道ミサイルを発射するつもりはないと強い印象を受けました。確信に近い印象を受けました。
 それから、もう一つお尋ねの国防費の透明性の問題については、私から、全人代の発表によると中国の軍事費は四兆九千億円で、偶然日本の防衛関係費の四兆八千億円と並んだと。際立った違いは、日本は国会審議を通じて一〇〇%オープンになっているのに、中国の軍事費は透明度がゼロに近いと。透明度を高めて近隣諸国の懸念を払拭する努力が求められるのではないかということを繰り返し述べたのに対して、武大偉次官からは、努力はするが日本のようになるにはまだまだ時間が掛かるとの回答しか得られませんでした。
○岡田直樹君 特に、人工衛星の問題でしっかりとくぎを刺していただいたことに敬意を表したいと思います。
 副大臣のお話を聞きますと、中国側は明言を避けながらも、しかし再びこの実験を行わないという意思表示をしたものと私は受け止めたわけでありますが、これは極めて注目すべきやり取りではなかったかと、こんなふうに思います。
 また、六者会合の件でありますけれども、武大偉次官はこの六者会合の議長役ということも聞いております。日朝の作業部会について十九日から始まる全体会議、これが終わった後、できるだけ早期に日朝作業部会、二度目を行うべきと述べたと、こう報道がありました。
 この入口で行き詰まっている感のあります日朝協議、何か武大偉さんから言及がございましたでしょうか。
○副大臣(浅野勝人君) 先ほどの弾道ミサイルの件については事実上の明言と受け取っております。
 それから、御質問いただいた六者会合の方ですけれども、十九日から行われる予定の六者会合の全体会議が終わったら、今回は余り長く掛からないだろうというようなことをおっしゃっておりましたけれども、できるだけ早く二回目の日朝作業部会を行うのが望ましいので、日朝双方でそのための努力をしてほしいと。六者会合の議長国として側面から支援すると。特に議長は勧告をする権限があるので、自分としてもそのことを、できるだけそのことに側面から努力をするということでございました。粘り強く交渉を積み重ねて、会合が何回になっても事態を解決するよう期待しているという発言がありました。
 それに関連して、岡田委員の御指摘についてあえて申し上げるならば、武大偉次官から日朝協議の現状を踏まえて、特に入口の問題で確かに行き詰まっているような現状なので、仮に入口の問題が解決できたとしたら、その先にこうなるというようなことを話し合ってみたらどんなものだろうかという示唆に富んだ指摘がありました。
○岡田直樹君 我々にとっては拉致解決ということが大前提なわけでありますけれども、しかし、もし拉致で進展があった場合、どんな道がこの両国に開かれるかという、少しは前向きなことも次の作業部会で話し合っていただきたいなと思います。そんな意味でも、武大偉次官の発言というのは示唆に富むものではないかなと、こんなふうに思いました。副大臣、ありがとうございました。
 それでは、外務大臣の所信に日中の戦略的互恵関係を改めて強調しておられますが、これを環境の面から少し考えてみたいと思います。
 中国の急激な経済成長で環境破壊が進んでいると、これはもう今更言うまでもないことでありまして、中国の砂漠化、これが深刻で、我々、地元は北陸の石川県なんですけれども、黄砂がたくさん降って車が黄色くなる、あるいは吸い込んでぜんそくを起こす人が出ると、こういういろんな影響がありますし、また酸性雨、この因果関係必ずしも明らかではありませんけれども、特に日本海側、海岸沿いの松が広範囲に枯れるといった、こういう現象も起こっております。
 それから、先日は、テレビで煙霧、煙霧というのは煙と霧と書いて煙霧と言うそうでありますが、光化学スモッグの一種が中国で深刻で、それが風に乗って日本にも降り掛かってくると、こういう特集がございました。中国の工業地帯から硫黄酸化物とか窒素酸化物が季節風に乗って飛んでくるわけでありまして、特に冬の間その影響が深刻であると。
 お手元に資料をお配りしておりますが、これはもう八年ほど前の少し古いデータでありますけれども、大陸からの季節風によって、一月十五日から二月十五日という一か月に限ってみると硫黄酸化物の六二%は中国からもたらされると、こういう推計もあるわけであります。そして、特に日本海側や九州、とりわけ北九州に対する影響が大きいと、こういうデータがございます。
 先日のテレビでは福岡の煙霧についても紹介をされておりましたけれども、ちょうど福岡県の麻生大臣そして長崎の久間大臣と、九州北部の御出身のお二方がいらっしゃいますので、両大臣からお感じになるところを一言ずついただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この大気汚染に関係いたします中国の環境問題というのは、これは北部九州に限らず日本海沿岸は総じて被害が大きい。これはもう太平洋とは全然違う感じで、日本というのは広いなと思うぐらい、もう全く、朝起きたら一面真っ黄色なんというのはなかなか東京じゃ見られないと思いますけれども、時々ある話だと思っております。これは目に見えますものですから、非常に、何となく空気と違って目に見えるという点におきましてはかなり心理的な影響も大きいと思っております。
 こういうのは、これきちんと片付けませんと、中国以外の我々にとりましても影響が出るということでもありますし、これは地球環境全体の問題として温暖化とかいろんなことに関連していると言われておりますので、いろんな意味で日本の場合はこういったことに関する技術とか経験とかこれまでの知見とかいうものに関しましては、三十年ほど前、我々似たような経験をしておりますので、そういった意味ではこの分野で協力はやっていくというのは極めて重要だと、私どもはそう思っております。
○国務大臣(久間章生君) 私も、もう十年ぐらい前になりますか、遼寧省瀋陽に行きましたけれども、雪が降っていても、あそこは暖房のためにまきをたくのかしれませんが、とにかく真っ黒にこうなっているぐらいすごい状況でした。それとまた、鉄工所の前を通りましたら、とにかくスモッグといいますか、すごい煙が出ていまして、かつて公害で日本がいろいろ言われたときの、まあ市の名前を出すわけにいきませんが、本当にそういうようなことを想像しながら、これが日本に来るんだなと思いながら、これはやっぱり中国だけでなかなか解決できないんじゃないかなという、まあそういう思いの中でびっくりしたことがございますが。
 今日、それだけではなくて、砂漠化が進んできて黄砂だとか、まあいろんな意味で環境問題が一向に中国自身で解決できないでおるという状況を見るにつけ、日本としては人ごととはこれはなかなか思えない。これは日本にも影響してきているという、そういう認識でやっぱり考えていかなきゃならないんじゃないかなと思っております。
○岡田直樹君 いろんなデータがあるんですけれども、二枚目をごらんいただきたいと思います。これは冬だけじゃなくて年間を通して日本に来る硫黄酸化物の発生源がどこにあるか。
 一番中国からたくさんやってくるんだというのは山梨大学の研究でありまして三二%、そのほか二五%とか、あるいは世界銀行は一〇%としておりますが、一番低いのは中国科学院で三%だけと、日本が九四%と、自業自得であると。中国側からすると、こういうデータが出るのかもしれませんけれども、軍事力と同様、環境データの面でも多少不透明性があるんではないかなということを感じるわけであります。まあ決して中国を責めるわけではありませんで、先ほど大臣からもおっしゃったとおり、日本もかつて通ってきた道でありますし、できるだけの協力をしたい。そのためにも、中国に対してこの問題をしっかりと提起する必要があると思うわけであります。
 今はやりの不都合な真実、中国にとっては不都合な真実かもしれないけれども、日本側からきっちりと問題提起をしないと、これ以上これが進むと中国の環境破壊に日本が巻き込まれて共倒れになってしまう、そんなおそれもあると思うわけであります。
 外務大臣、李肇星外交部長と会談された折にも環境のお話しされたと聞いておりますが、どんなやり取りがありましたでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、中国の自覚があるのかないのかというところが非常に大事なところだと、私どもはそう考えます。
 したがって、昨年の十月、安倍総理が訪中されたときに、中国との間で戦略的互恵関係という話が出たときに、エネルギープラス環境保護の分野を重点として互恵協力という話をされております。
 私の場合には日中外相会談というのを東京で李肇星外交部長とさせていただき、これは日本も似たような道通ってきたんで、そういう意味ではかつて東京湾もほとんど死の海みたいに言われた時代もあった。今は渤海湾というところが、国連の調査でここの魚はという話が今公にされているような時代になっているが、これをもう一回活性化させるというのも日中の共同プロジェクトとしては大きいのではないかと。そういう具体例を挙げて、この中国の環境問題というのは深刻なんではないかと申し上げたのに対して、向こうの李肇星外交部長の方からは、この環境問題は深刻、はっきり言って深刻ともうはっきりその言葉を言われて、是非日本の経験に学びたい、またこれまでの環境分野での日本の援助に感謝する旨の発言があっております。
 あと、具体的に、これいろいろ環境省やら何やら、この間大臣以下行っておられますけれども、結構深刻な話を、私らよりもあちらの方がプロなんでそういった話をされておられますので、この問題について日中共同でいろいろなことが今後していくべきだと、私どもはそのように考えております。
○岡田直樹君 できるだけ多くの場で中国側とこの話をしていただきたいと思いますし、四月に温家宝総理が来日する、そうした際にも、もし機会があれば問題提起をいただきたいと思います。
 この環境協力は、しかしいいチャンスでもあると思うんです。ピンチであると同時にチャンスであって、災い転じて福となして、この環境協力を糸口にして経済協力を進めて、日中関係全体が発展すればこんないいことはないわけで、是非積極的にお取り組みをいただきたいと思いますが、この日中環境協力をどんな枠組みで進めていくか、あるいは環境保全に関係する会社、かなり今中国に進出をしておりますし、NPOもNGOも行っておると思うんです。こうした企業や団体の支援も含めて何か具体的な方策といいますか、お考えがありましたら、伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 環境分野におきます協力の実施というものは、これは、政府間レベルというのはもうこれはかなり限られたものにしかなりませんので、先方も、かなり民営化というか、いろいろな形で国営化から手が離れているという企業も多いように思っております。これまでいろいろやってきましたけれども、少なくとも重点分野の一つでやることにして、今民間活動の支援というものでいけば、例えば日中民間緑化委員会、緑の、緑化委員会というものを通じて植林の緑化運動というのをかなり支援をしております。
 昨年の十一月の日中首脳会談を、十月か、首脳会談を受けまして、ビジネスベースでの協力というものも考えろということで、省エネそれから環境の官民共同モデル事業の実施が合意をされておりますので、具体的なものに向けて今当局間で検討が進められております。日本の持っております植林なんていう最も基本的なところなんですけれども、こういったところも含めまして今いろんな分野で共通の戦略的な、何だか、おたくのため、こっちのためにもなりますからということで、率直な話合いがかなり進みつつあるというところまで来ております。
○岡田直樹君 環境ODAについてでありますが、三枚目の資料、これを見ますと、対中ODAは今減少しております。もう北京オリンピックで卒業と言われておりますけれども、私は環境に絞った援助というものはむしろ増額をしてもいいぐらいの覚悟でやるべきではないかと思います。もう既に対中ODAのほとんどは環境ODAになってきておるとは思いますけれども、この方向で今後も続けていただきたいと。これは決して中国にやるお金ではありませんで、むしろ日本の国民を守り、あるいは日本の国土を保全すると、自己防衛のためのODAなんだと、あるいは援助なんだと、こういうふうに日本の国民にも説明をし、また理解を得ることは可能だと思います。
 この点について麻生大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のとおりで、今、対中ODAというものに関しましては、環境分野にかなり的を絞ってやらせていただいておりますのが実態であります。御指摘のとおり、二〇〇八年をもってこのODAは打切りということで、両方円満に終結するということで合意ができております。
 今後の話で今お話があっていましたけれども、例えば円借でいきますと、黒竜江省ハルビンの水環境整備七十四億とか、雲南省昆明の水環境整備百二十七とか、ずっといろいろこの種の話が、事は進んでおりまして、こういったことは、今御指摘のありましたとおり、日本にとっても大きな問題になろうと思いますんで、私どもとしては、回り回って日本の影響を受けるところでもあります。したがって、個々の案件というのはいろいろございますんで、それを精査しながら、御指摘のありましたように、ODAというものはこの分野に絞ってやらせていただきましたけれども、円借等々も同じようなところを基本というのが一番我々にとりましても大きなことだと思っております。
○岡田直樹君 時間も限られておりますけれども、もう一点だけ端的にお伺いをしたいのは、台湾のWHO総会へのオブザーバー参加の問題であります。
 環境と同様に保健衛生の面ももうボーダーレスでありまして、これは東アジアの共同対処ということが強く望まれるわけであります。鳥インフルエンザ、新型インフルエンザに備える上でも、中国の反対もあってWHOに加盟していない台湾、この台湾が感染症の情報や対策の面で空白地帯になりはしないかと。かつてSARSの流行もありました。今、日本と台湾の人的交流は年間に二百五十万人と、これは年々増加をしておりますし、こうしたインフルエンザが東南アジアから台湾を経由して日本へ入ってこないとも限らないわけであります。日本国民を感染症から守ると、この見地からも台湾を空白地帯にすべきではない。
 本当に、鳥やウイルスにとっては台湾が国であるか地域であるかなんということは全く関係のない話でありまして、中国や台湾の国際政治の思惑とは切り離して、人道的な問題として、そして中国の立場ももちろん十分配慮しつつ、台湾がせめてWHOの活動にオブザーバーとしてでも参加をすべきであろうと思っております。
 この資料の四枚目に、下の方には、二〇〇四年のWHO総会において日本政府がこのときはオブザーバー参加に賛成票を投じたわけでありますけれども、そのときの投票理由説明がございます。その中に、関係者の、関係者のというのは主に中国を指すんだと思いますけれども、関係者の満足する形で台湾がWHOに何らかの形でオブザーバー参加することが望ましいと考えておると、こういうふうに表明をされたわけでありますが、このときの日本政府の表明というものは今も生きておる、考えは変わっていないと、このことを確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたとおり、年間約二百五十万人、これビザなしで渡航できる関係もございまして、かなりな頻度、頻度というか、頻繁に両国間、両国というか両地域、国、そういったところとの往来があることは事実でございます。したがいまして、今言われましたように、この種の感染症という新しい一種の事態が日本にばっと広がる可能性というのは、極めて我々としては恐れているところでもあります。
 したがって、この地域だけが全く空白地帯になるというのは、これはWHOの立場としてもいかがなものかということをこの二〇〇五年のときに我々の方から言ったところでもありますが、この保健総会におきまして、我々としてはオブザーバー参加することが望ましいと、どうしてもいろいろな国の話とか、いろいろあるけれども、これはもう事は全然違うんだからということを言って、今でも基本的にはこの問題に関しましては、我々は門戸を広げるべきだという考えに関しては変わりはございません。
○岡田直樹君 ありがとうございます。
 毎年台湾はオブザーバー参加を求めておりますけれども、オブザーバー参加させるか否かを議題にすることすらできない、言わば門前払いを食わされているわけであります。
 今年五月にもWHOの総会がございますけれども、日本として関係国やあるいはWHOの事務局に対してこの台湾問題、どういうふうに協議をしていかれるか、私としては、例えばかつて共同歩調を取ったアメリカとも緊密な連携を取っていくべきだと思いますが、この点について最後にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) WHOへの技術的活動、この種の用語では技術的活動と言うんですが、技術的活動の参加拡大というものは極めて直接的な影響があるということははっきりしていると思います。
 したがいまして、米国、欧州の主要国、また中国、WHO事務局、いろいろあろうと思いますが、この件についてずっと話合いを続けてきたというのも事実だと思いますが、本年の世界保健総会というものが五月に開かれることになっておりますので、日本としては、この技術的活動への台湾の参加というものができるようにということに関しまして、従来どおり更にこれをやっていかないと、我々はかなり近いところにいて最も影響を受ける確率の高いところなんで、おたくらとは立場が違うと、うちはかなり近いんだからという話は今後とも続けていきたいと思っております。
○岡田直樹君 終わります。ありがとうございました。
○白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。
 今日は、外務大臣所信についてまずお聞きしたいというふうに思います。
 先日、大臣がお話しされました中で、やはり北朝鮮の問題というのは、ほかのいろいろな外交課題においても実数的にも一番多いということからしても、やはり我々としてもまた政府としても非常に重要視している部分だなということは認識できるんですけれども、その中で、アメリカが対北朝鮮金融制裁の一部を解除、具体的にはマカオの銀行のバンコ・デルタ・アジアに対する最終的な調査結果を発表して、その報道によりますと、違法取引と関係のないと認定した一部の資金についてはマカオ当局による凍結解除を容認するというニュースが今朝飛び込んできたわけなんですけれども、その件に関しまして外務大臣としてどのように認識されていますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 正確には米国時間で十四日、財務省、これは国務省じゃありません、財務省のマターですんで、すべての米国金融機関がバンコ・デルタ・アジアのための、あのコルレス口座、為替の、コルレス口座を維持することを禁止、バンコ・デルタ・アジアが米国金融システムに直接又は間接的にアクセスすることを阻止する規則を確定、この決定に至る調査の結果をマカオ当局に今週中に伝達、明日あさってに伝達の旨の発表をしたということであります。
 これは、米国がマカオ当局の協力を得まして、約一年、一年半ぐらいにわたりまして、バンコ・デルタ・アジアに関しまして詳細な調査を実施した結果、BDAにおいて、大量破壊兵器拡散を促進する人たちとの関連する活動を含め、不法な金融活動が行われていたことが明らかになったということなどを受けてやるものと承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、北朝鮮に対しましては、二〇〇五年の九月の六者の共同声明及び先月の六者会合におけます合意に沿って核放棄に向けての具体的な行動を取ることを我々としては引き続き求めていくという向こうの言い分に関しましては、我々としては、この件に関しまして、財務省の発表であってこれは国務省の発表じゃありませんけれども、財務省の発表も同じく国務省のあれを支援して具体的な行動を取ることを引き続き求めていくと、財務省も同じようなことを言っているというように理解をいたしております。
○白眞勲君 それに関しましては、日本政府としてはこのアメリカの決定に対してどのように認識をされているんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 我々といたしましては、BDAに関する処置というものはこれは米朝協議において取り上げられてきたんであって、これは六者協議とは直接関係しているわけではないというのが、まず立場上そういうことになっておりますが、これは米国の金融当局による法執行の一環というのが向こうの立場でもありますし、これまでの調査結果を踏まえた今回の立場を取ったんだと思っております。
 ただ、北朝鮮側は、これがなければいわゆる米朝協議という国務省レベルの話にも入らないという話と、まあ譲ったといえば譲った形になるんだと思いますが、米朝協議を促進し、もって核というものを放棄させるための一手段として財務省もこの点に関して国務省と歩調を合わせているというように理解をいたしております。
○白眞勲君 今正に外務大臣もおっしゃいましたように、北朝鮮にとってみたら非常に、予想外にというふうな言い方をされる場合もありますけれども、北朝鮮にとってみたら非常に大きなダメージになった部分があると。そういう中で、六か国協議の復帰を今回、しばらくの間休眠状態だった六か国協議が動いたのもこの金融制裁が一つの引き金になったんではないかというふうに言われている向きもあるという中で、当然それは麻薬とか偽札の、今不法な金融活動の中にはそれも含まれるのかもしれない。
 そういう中で、当然これは日本政府としても注目すべき部分でもあるんではないかなというふうに思うんで、その辺につきまして、日本政府としてはアメリカのこういった措置、当然これはアメリカがやったことだからというふうには言えるんですけれども、今外務大臣の御認識としてはどうなんだということをお聞きしたいんですけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) 米朝協議含めまして、六者協議を進め、もって北朝鮮の非核化を目指す。元々この六者協議というのは北朝鮮の非核化のためにスタートしたものですから、そういう意味では、今回の財務省の話によって六者協議が少なくとも動いたという点に関しましては我々としては評価すべきものだと考えております。
○白眞勲君 そういう中で、この北朝鮮の金融制裁の一部解除というふうなニュースが飛び込んでくるということになりますと、当然これは六か国協議にもそんな少なからない影響が出てくるんではないかというふうに思いますが、その件に関してはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、これを動かすことによって少なくとも、IAEAのエルバラダイが昨日、おとといと北朝鮮、寧辺に入り、寧辺というか平壌に入り、そして少なくとも寧辺の核施設の停止等々の話が進み始めるということになるんであれば、これは一つの取引の話、交渉の話の一環としては、我々としては、その生まれてくる結果は、事、核に関しましては大きな一歩が進められるというのを期待をしております。
○白眞勲君 そうしますと、今度は拉致問題のポイントが出てくるかと思いますけれども、拉致問題に関してはこの件についてどういうふうに御認識されていますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 拉致問題は、この六者協議の中で、日朝の間で過日、交渉を七日、八日行われておりますが、残念ながら双方間の意見の相違はいまだ著しいということははっきりしたと思っております。
 しかし、六者協議の中でこの日朝の話というものは、主に拉致の話と日本の北朝鮮に対する制裁、これが主な議題ということになろうと思いますけれども、私どもは、少なくともこの核の話について、同調すれば百万トンとか九十五万トンとかいろんな話がありますけれども、我々はその話に加わることはできませんということに関しては、四か国いずれも理解をしてもらっておることははっきりしております。
 したがって、これがもう少し更に詰まっていく、ほかの部分がどんどん詰まっていかない限りは、我々の方のも先に進むことはまず考えられないと基本的には思っておりますので、こういった問題があるというのを、一番最後にこの日朝の拉致の話が俎上に上がってくるというのが、方程式からいったらそういうことになるのではないかと思って覚悟はいたしております。
○白眞勲君 つまり、金融制裁等いろいろな、ほかにも幾つかの作業部会があって、その作業部会の前進がある程度進展した後にこの拉致問題の解決への、今方程式とおっしゃったんですけれども、そういったものが最後に出てくるんではないかという御認識だということですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 金融は、白眞勲先生、基本的には、金融はこれは御存じのようにこの六者とは関係ない、まず基本的にはこれは法的処置の話だろうと思いますので。これが、私ども申し上げておりますのは、拉致の話が仮に進展すれば、約百万トンというと今バレルで計算して、だから三百四、五十億円になろうと思いますが、その三百四、五十億円を丸々、我々一円も払いませんということを言っておるのであって、それをみんな納得しているわけですが、これは少なくとも拉致の話が進展すれば、我々としては当然それに応分のあれを応じる用意はあります。
 ただ、何にも進展しない、誠意も示さない、それでおいてというのは我々は応じることはできないということを申し上げているのであって、今回の話が仮に進んでこれだけが残った場合、これはほかの四か国にしてみればちょっと北朝鮮さん、おたく、これの問題に誠意を示して対応してもらわぬとおれたちのところはしんどい、一番負担できる経済力のある日本というのが全然応じない、自分たちはその分、四分割か五分割かという割り前の話でいけば増えるわけなんであって、そこのところは、今度はほかの国がこの拉致の話についてしかるべき態度をやるべきではないかということを、アメリカが言い中国が言いということが我々としては大きな助けになるとも思っております。
○白眞勲君 つまり、もちろん拉致問題、急にあした進展するかもしれませんけれども、このままの調子でいったら、ある程度最後になる可能性があるというふうにも御認識されているわけですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、多分この問題は一番最後になり得るというのは、最初からそのような感じは分析、予想、感じはしております。
○白眞勲君 今回のこのマカオの銀行の北朝鮮関連口座の処理の件については、マカオ当局に全面的に任せることを決めたということに対して韓国政府にあらかじめ伝えてあったということが、もう数日前の報道でも、韓国の報道も出ているんですけれども、当然それは日本政府にも連絡があったということですね。
○国務大臣(麻生太郎君) あっておりました。
○白眞勲君 いつごろ連絡ありましたか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) この点につきましては、実は大分前からアメリカ政府がこういう調査を行っていて、こういう方向で考えているということは随時連絡、協議を受けております。また、この発表を行うに際しても、その前にしかるべきタイミングで連絡を受けているということでございます。
○白眞勲君 しかるべきタイミングじゃなくて、いつごろ出したんですかということを聞いているんですけれども。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) しかるべきというのはしかるべきですが、何回も連絡を受けております。
○白眞勲君 それと、この文書の中の件についてちょっと、まあ非常に細かいと言えば細かい話なんですけれども、大臣、この文書の中に大臣が北朝鮮拉致問題について、北朝鮮側より拉致問題の解決に向けて誠意ある対応を示されなかったのは誠に遺憾でありますというふうにお話しされているんですけれども、確かに細かいといえば細かいんですけれども、この誠に遺憾でありますというふうに私はどうもぴんとくるんですね。ぴんとくるというのはぴんとこないと、ぴんとこない。
 つまり、遺憾というのが私、一昨年、実は予算委員会で総理に対してこの拉致問題について、やはり遺憾というお話を私にされたんですが、ちょっとかみ付きましてね、この言葉は二度と使わないでくれと言ったんです。というのは、韓国語、あるいはもちろんこれは北朝鮮でも使われているのは、漢字はそのままなんですけれども、発音がユーカムと言うんですけれども、ユーカム、ユーカムというふうに言うんですけれども、日本語以上にその意味というのが弱いんですね。韓国語辞典、これは韓国の延世大学言語情報開発研究員が出している国語辞典ですと、遺憾というのは心に残っているとか名残惜しいというような意味になって、あるいは気がふさいで晴れないとかいう意味になって、恐らく麻生大臣は別に名残惜しいという趣旨で今回、拉致問題に使われたわけではない。もう少し強い意味でお使いになったんだと思うんですね。
 そういう観点からすると、逆に、ただ翻訳としては、例えば大臣所信とか、あるいはこの前、原口大使がハノイで北朝鮮との日朝協議やったときにも遺憾だという言葉を使っているんですよ、記者団の前で遺憾だと、私テレビ見ていて。そうすると、それがそのまま翻訳されて向こうに伝わると、名残惜しいのかというふうにも思われてしまう。私は元々、学生時代、この遺憾という言葉を政治家が使うことに対して何かよく分からないなと。日ごろも余り遺憾という言葉を使わないのに、何か非常に、何かそういう面でのこだわりがあったんですけれども、特に韓国とか北朝鮮問題に対して遺憾というのはどうなのかなと。
 小泉総理もそのときにはこう言っている。余り感情的な言葉を出してしまって、大事な交渉に支障を来さないことも自分としては重要だというようなことは言っているんですが、でも最終的には憤りの気持ちという言葉を言ったんですね。ですから、私は、小泉総理もその後は北朝鮮に対して遺憾という言葉は私の知っている限り使っていないんですよ。
 ですから、大臣も今後は遺憾という言葉はなるべくお使いになってほしくないなというのが私の個人的な感情でもあるし、まあしゃれじゃないけど遺憾はいかぬという感じがするわけでして、是非その辺についていかがかなと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 参考になりました、正直なところ。ふだん余り使わぬ言葉ですもんね、これは。いかぬ方は使いますけれども、遺憾という言葉は余り使いませんから。不満とか、面白くねえとかいう話分からない、簡単にはそういうことなんでしょうけれども、今の言葉、どういう言葉が適切か、特に対北朝鮮、対韓国、いわゆる、何というか、トーン、トーンの感じが言葉によって大分違うのはよくある話なんで、勉強させていただきます。
○白眞勲君 是非よろしくお願い申し上げて、なるべく遺憾という言葉を使わないように是非外務省さんも、原口大使にもよく言っておいていただきたいと思います。佐々江局長、ちょっとお願いします。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 大臣が申し上げた以上に私も申し上げることないのでございますが。
 韓国語の意味でそういうふうに取られるということについては気を付ける必要があるというふうに思いますが、他方で、この問題について日本が非常に怒っているという意味で使っているということは、北朝鮮が誤解をしているということはないというふうに思っております。
○白眞勲君 誤解はすることはないといっても、言葉って非常に重要だと思います。遺憾ですというふうに言うと、それは北朝鮮のその担当者は、ああ怒っているんだろうなと、それを遺憾と表現するんだろうなと思っても、北朝鮮のいわゆる一般というか、権力者の中枢の中にある人たちの中には名残惜しいというふうに思われているということになると、これはちょっと誤解を生じる可能性があるというふうに思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 次に、テロ支援国家の指定解除問題についてお聞きいたしたいと思います。
 さきの予算委員会で安倍総理は、チェイニー副大統領との会談の際にも、米国がテロ支援国家を解除する際には当然拉致問題を解決していくという方向にあることを条件にしてもらいたいということは何度も申し上げていると、また、先方からも日本の立場をよく理解してくれている、このように理解しているわけですからというふうに、何度も理解という言葉を使っているわけなんですけれども、ちょっとこれ不思議なのは、逆に報道の中には、テロ支援国家の条件としては拉致問題は含まれているのか、含まれていないんではないかという課題というか疑問もあるんですけれども、この辺は大丈夫なんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 例の成果文書というのがございますけれども、このテロ支援国家に関しましては、支援国家指定を解除する作業を開始することだけ書いてありまして、指定の解除につき合意されたことではないということだけは承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、今御指摘にありましたチェイニー副大統領、訪日のときにお目に掛からせていただきましたけれども、この問題に関しましては、我々としては最もこれ大きな話なんであって、これは非常にエモーショナルな話でもあるので、こういった日本のような民主主義のやっている国においては何を意味するかよく分かっていると思うので、この点につきましては重要な要素、この拉致の問題というのは非常に大きな要素なんで、この問題に関しては是非今後とも緊密に連絡を取ってもらって、ある日突然おれの方は解除したよなんて言われたってとてもじゃないよという話は私の方からかなり、二回ほど言っております。
○白眞勲君 とてもじゃないよというのは分かるんですけれども、それでも解除しちゃったよというふうに言われちゃったら困るわけですから、その辺はどのような働き掛けを今後していくつもりなのか、それと、そういった可能性というのはあるのかどうかというのをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の段階でちょっと基本的には考えにくいと思っています。今すぐ、六十日は四月の十九日、四月の十九日までその種のことが起きるとはちょっと考えにくいというのが今の率直なところです。
○白眞勲君 ただ、非常にこのテロ支援国家の中に拉致問題の要素というのは私は大きなポイントではないかなというふうに思いまして、その関係で恐らく麻生大臣も二度ほどそういった働き掛けをしたんだということだし、向こうも、恐らくアメリカの方も理解はしているんだろうとは思うんですけれども、理解はしていてもアメリカはアメリカだということでやってしまわれたら、これは日米同盟にとっても非常に大きな禍根を残すといいますか、影響が出てくるんではないかということをしっかりと私はここで、麻生大臣、もう一度、安倍総理でもいいですから、よくその辺は、電話会談でもいいですから、言い方としてはくぎを刺すじゃないですけれども、そういう言い方がいいんじゃないかなと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今すぐチェイニー等と、また国務長官と今日明日電話するという予定があっているわけではございませんけれども、私どもとしては、これは今から残りの作業部会、三つの作業部会、今スタートをさせておりますんで、今日から行っておりますんで、その中で機会もあろうとは思いますけれども、いろんな形で日本の立場は、そのレベルでもきちんとやるのと同時に、今言った上の方のレベルでも機会を持ちましてやらせていただこうと存じます。
○白眞勲君 是非よろしくお願いしたいというふうに思います。
 そういう中で、日朝作業部会の件について、この前ハノイで行われた件についてちょっとお聞きします。
 二日目の会合が四十五分間だったというふうに聞いておりまして、通訳を介してでしょうから実質二十分ぐらい、二十分ということはお互いに双方十分ぐらいということが論理的な部分だというふうに思うんですけれども。簡単に言えば、双方十分ということはお互いに言いたいことだけ言って出てきちゃったという感じだと思うんですけれども、そういうことですよね。
○国務大臣(麻生太郎君) 七日及び八日、ベトナムで行われました第一回日朝国交正常化のための作業部会というのが開催されておりますが、今御指摘のありましたように、日本側からは日朝平壌宣言にのっとり、拉致、核、ミサイルという懸案事項を包括的に解決し、不幸な過去を清算することを基盤として国交正常化を実現するという基本的方針の下に、今回、積極的に作業部会に取り組む用意があるとの立場を我々の方からははっきり表明をしております。
 特に、最優先課題であるこの拉致問題という問題につきましては、我が方の立場を詳細に説明して、不幸な過去の清算につきましても我が方の立場を改めて説明をしたというところです。今言いましたように遺憾ではなくて甚だ残念ながら、拉致問題につきましては、いわゆる不幸な過去の清算の議論につきましても日朝間の立場は極めて大きく離れているということが明らかになったと思っておりまして、具体的成果を得ることは得られなかったというのが率直なところです。
 ただ、白眞勲先生、一つだけ私ども今回のあれで良かったなと思いますのは、これ一年一か月かな、一年一か月、日朝間の交渉はゼロですから、その中において、この一年間の間に全く双方の違いは、こちらはこの一年半の間に全く、一年半たっても同じことしか言わないということをはっきり向こうに伝えられたということは一定の意味があったんだと思っておりますし、持ち帰った向こう側も、日本の態度は全く変わっていないということは向こうもはっきりして、それを上に上げて、その上がどう判断してくるかというのがこれからのところだと存じます。
○白眞勲君 正に今大臣おっしゃったように、日本の立場は一貫していると。それを見越しているかどうか分かりませんが、向こうは何か三人だったと、何か来たのが。そうなんですか、佐々江さん。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 本国から来たのは三人でございます。ただし、大使館の者がそれぞれ北京とベトナムから一人ずつ別途参加していたということでございます。
○白眞勲君 ちなみにうちは何人行ったんですか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 正確な数は覚えておりませんが、十人前後……
○委員長(田浦直君) だれかな、今発言しているのは。佐々江局長。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 済みません。失礼しました。十人前後だったと思います。
○白眞勲君 そういうことですから、結局、向こうは話だけ聞こうじゃないかということだったら三人ぐらいでもいいのかなということで、最初からそういうスタンスだったのかもしれない。
 けれども、それはそれとして、そもそも大臣、麻生大臣は十二月十四日の外交防衛委員会で私の質問に対して、五つの作業部会に分けても果たしてこれ全部できるのかという、北朝鮮側がそれに対応し切れるのかというふうに言って、少々疑問に思っているんだって言っていたんですね。正に大臣の予想どおりになっちゃっているんじゃないかなという、私はしているわけでして、そうすると、それでも良かったんだと今何か一生懸命おっしゃっていましたけれども、やはり日朝の作業部会ということで開くんではなくて、拉致問題切り離さないで、全体の中で協議して主張していく方がよかったんじゃないかなとも思えるんです。この件に関して、大臣どうでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは白眞勲先生、基本的な考え方もこれいろいろあろうと思いますが、私どもは二者だけで事が前に進むということはまずないと思っておりましたので、したがってこの六者協議の中に拉致問題を入れるというのが我々の戦術としては最も譲れないところだと思っておりました。したがって、これみんなの中でやりますと我々しか関係しませんもので、そこだけぽっと外されるのが最も恐れるところなんで、ここだけは別に一つ立てるというのが一番大事なところだと思っております。
 今でもその考えは変わっておりませんので、残り四作業部会が全部どんどん進んでここだけ残ったということになったときに初めてほかの四つの部分が、終わった残りの四者が、これはおまえ、ちゃんとこれもやってもらわぬと早い話が百万トンも駄目よという話につながれば、それで大きなプレッシャーになり得ると、私どもはそのように予想して、予想というか考えております。
○白眞勲君 北朝鮮のもくろみは、この六か国協議において、日本をメーンにした話を相手にしたいと思っているわけではないと思うんです。アメリカだと思うんです。そういう関係からすると、これは北朝鮮側にとってみると、作業部会をつくるということは、結局、アメリカと北朝鮮との直接的な話合いができるという面では非常にもくろみとしては当たっている部分があるのかもしれない。そういう中で、結局、この六者会合自体が米朝協議のメーンになってしまって、そのほかは付け足しというか、そういうふうにもなる可能性があるんではないんだろうかと。つまり、米朝の二者の話をほかの国が聞くような場所になっちゃって、六か国協議というのは、単なる、ああそうですかの場になってしまう、そういった懸念というのは大丈夫でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 米朝協議の中でこの金融制裁に関連したところは確かに大きかったと、私どももそこのところは、動かすきっかけになった点においては、この金融制裁、財務省の部分は大きかったと存じます。
 ただ、これが動くことによって、あのエネルギー部会とかそういった部会のところ、いわゆる寧辺の施設の話やら何やらのものが進んでいくことになりますんで、米朝の話は一つの糸口として、一つの、出てこないと駄目よという一種の釣った部分ではありますけれども、間違いなくほかの部分が、我々の目的はもう核が一番の問題ですから、この問題で我々が直接影響を受ける確率の一番、地理的に見ましても私どものところが、私どもというのは日本が一番影響を受ける可能性がありますので、その意味におきましてはこの問題が前に進むというのは大きいと思っておりますので、米朝だけが進んで、残りのとおっしゃいますけど、これ、エネルギーの部分とか核の部分とかいうのが進むということになれば、それは大きな一つの成果だと存じます。
○白眞勲君 この中で、北朝鮮の核実験に関しては、国連安保理の制裁決議一七一八というのがある。そういう中で、この決議は、特にぜいたく品の輸出規制ということに対しては各国の事情において策定するということになっているんですけれども、私の知っている限り、制裁履行状況の九十日後の第一回報告の一月十一日では、四十六か国、国連加盟国中、プラスEUだということで、ちょっと何かお粗末だなという感じしますんですけれども、いわゆる金融資産凍結など、凍結ですね、これも当然入っているわけですけど、どの国かはリストが提出されていないということなんですが、今の状況、どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先生御承知のとおり、安保理決議一七一八号によりまして、すべての加盟国が大量破壊兵器計画に関与する個人、団体の資産凍結を行うことを求めているわけでございますが、他方で、実態のところ、この決議が、制裁委員会あるいは安全保障理事会がこういう個人、団体を指定するというふうに定めておるわけでございます。この点について現時点では国連の方で特定されていないと、指定されていないという状況でありまして、我々も国連に対しまして早くこの制裁委員会あるいは安保理で指定されるべきだということをずっと訴えてきている次第でございます。
 そういう状況の中で、各国が独自にあるいは既に、一七一八号ではありませんが、むしろミサイル発射のときに採択された安保理決議、これは一六九五でございますけれども、それを受けて、それぞれの資金の移転の防止を中心として措置をとっているということでございます。この点につきましては、我が国も行っておりますが、特に米国、豪州が特定の個人、団体を指定して措置をとっているということでございます。
○白眞勲君 つまり、片や六か国協議においては、韓国が三十万トン出すとか、肥料ですね、今の三十万トンというのは肥料でしょうけれども、中国と北朝鮮の貿易も、昨年一年間の韓国側の統計では前年比七・五%増の史上最高だというふうになっておるということになりますと、何かこの経済制裁、つまり国連の経済制裁とこの六か国協議とかそういった絡みというのが何かばらばらになっているような認識があるんですけれども、大臣、いかが御認識でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 残念ながら、日本が取りましたように、国連の制裁決議のほかにも我々は万景峰始めいろいろしておりますし、人の往来の禁止含めまして、そういったようなところをやっているというぐらいのところまでみんなが全員でやっているかといえば、なかなかさようなところまではいっていない、残念ながら事実だと思います。
○白眞勲君 これ、みんながやらないと意味がないわけでして、こちら側が幾ら扉を閉じていても、表玄関が閉じられても裏玄関がすかすかだと、これ何のことを言っているのかよく分からないという状況なんですけれども、その辺に対してはどう大臣として考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろな、いろいろな機会で我々はこれだけやっていますと、おたくらは少なくともそれほど、我々ほどじゃないにしても、少なくとも一七一八、一六九五、ここらのところはきっちり守っていただいて当然なんじゃないんですかという話はいろいろな機会、いわゆる閣僚レベルの機会とか事務レベルの機会とか、そういったときに韓国に限らず中国に対しても同様なことを言っておるというのが事実です。
○白眞勲君 そうはいっても、貿易量はどんどん増えているよという中ですから、その辺の働き掛けをもっと強めた方がいいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 食料の話とか人道上の支援とかいろいろな話が出てきて、そこのところがいろいろ、まあ抜け穴と言っちゃ恐縮ですが、少なくとも人道支援の話とか食料の話というところが今言ったところにつながっている部分ではあろうと存じます。
 ただ、少なくともどんどんどんどん伸びていくというような状況は私どもとしてはちょっとなかなか認め難い、国連の話と全然違うじゃありませんかということだと存じます。
○白眞勲君 では、続きまして、イラクの関係についてちょっとお聞きしたいと思います。防衛大臣にお聞きしたいと思います。
 イラクの航空自衛隊の空輸活動における現在の輸送実績をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(山崎信之郎君) 航空自衛隊につきましては、平成十六年三月以降、多国籍軍、先生御承知のように、国連の人員、物資等の空輸を実施をしておりまして、総計四百七十七回、物資の総量は五百十四・一トンでございました。
 陸上自衛隊が昨年の七月の十七日に派遣部隊が撤収して以降の輸送につきましては、総計百三十二回、物資総量は約三十八・二トンでございました。
○白眞勲君 そうしますと、一回当たり、陸上自衛隊が帰った後の一回当たりのトン数は何トンになりますか。
○政府参考人(山崎信之郎君) ちょっと手元に資料がないもので、恐縮でございます、ちょっと、後ほど報告はさせていただきます。
○白眞勲君 大体四百キロですね。
○政府参考人(山崎信之郎君) はい、三十八・二トン、約四百キロでございます。
○白眞勲君 この航空機の積載量は何トンぐらいなんですか。これ輸送機ですよね。
○政府参考人(大古和雄君) C130の最大積載量につきましては約二十トンでございます。
○白眞勲君 つまり、二十トンの飛行機、二十トン積める飛行機に四百キロしか積んでいない、一回。何か発泡スチロールでも積んでいるんでしょうかね。どういうことなんですか、これ。
○政府参考人(山崎信之郎君) 国連及び多国籍軍の物資の内容については、諸般の事情によりまして各国とも発表していない、あるいは発表を控えてほしいというような要請もありまして、詳細は承知をしておりませんが、主として我々が陸上自衛隊の撤収後運んでおりますのは、物資というよりは人員でございます。
○白眞勲君 人員であれ何であれ、貨物は四百キロと。
 今、大臣は何かぼそぼそおっしゃっていたような感じがしたんですけれども、ちょっと御発言願いたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 全体のトン数あるいはまた全体の人数、そういったことしか発表していませんので、一番たくさん積むときはこれぐらいだったとか具体的に公表できればまた今の御懸念も解けるんじゃないかと思うんですけれども、いろんな事情から個別ごとの発表をしないでトータルでやっておりますから、それを平均回数で割ったりなんかしますと、今言うように四百キロぐらいかというふうに言われかねないわけでありまして、そういう点は大変我々としてももっと細かく公表したいという思いもございます。
 そして、人を運ぶのがどちらかというと主になっておるのも事実でございまして、やっぱり陸上でなかなか車で移動できないというようなことから、クルド地区からバグダッドへ運ぶとか、そういう点でやっぱりこの自衛隊の輸送機が活躍をしているということを是非御理解していただきたいと思うわけであります。
○白眞勲君 防衛大臣のこの前の所信の中に、多国籍軍に対する空輸支援を継続しており、自衛隊の活動は高い評価を得ているところでありますと書いてあるんですけれども、どこからどういう評価を得ているんですか。
○国務大臣(久間章生君) これは、国連のアナン事務総長からも国連としてもいろんな輸送をやってもらって大変感謝しているという話がございますが、多国籍軍のみんなも自衛隊が運ぶことによって非常に助かっているという、そういうような評価を受けております。
○白眞勲君 何か具体的にそういった発言とか、そういったものというのはあるんでしょうか。
○政府参考人(山崎信之郎君) 恐縮でございます、突然の御質問で今資料が手元にございませんが、多国籍軍の報道官等が非常に航空自衛隊の航空支援についての感謝をしているという表現をいただいております。
○白眞勲君 それでは、是非後でお示しいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(山崎信之郎君) 後ほど調べて御報告をいたします。
○白眞勲君 アメリカの主要メディアはもう最近イラクのことを内戦だとか戦争だというふうに言っているわけなんですけれども、大臣としてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 私自身は内戦とは思っておりませんで、治安状況が非常に悪いと、特にバグダッドの市内が非常に悪いという、そういうような報告は受けておりますけれども、内戦状態かどうか、これは内戦という言葉自体がどういうのを指して言うかでございますけれども、いわゆる戦争状態と、戦争が行われている戦闘地域であるとは認識しておりません。
○白眞勲君 最後、最後何ですか、戦争、ちょっと最後だけお願いします。
○国務大臣(久間章生君) 例えば、爆弾を持って自爆テロがあるとか、そういうことがあるからといって、そこが非常に治安が悪いからといって、そこが戦争状態かどうかということになりますと、若干その認識は違うんじゃないかと思いますが、そういう意味では戦争状態になっているとは思っておりません。
○白眞勲君 今朝の朝日新聞に、イラクの支援、特措法の延長には六九%は、これ朝日新聞社が実施した世論調査によると反対だと、六九%が、というようなデータが出ておりまして、戦争は誤りだというようなこともタイトルとして載っているということなんですけれども、大臣としてどうお考えですか。
○国務大臣(久間章生君) これはこれから先、政府自体としてどう判断して決めていくかですけれども、私どもは今の状態は戦闘状態じゃないところで自衛隊は、各国のそういう、国連あるいはまた多国籍軍、そういった皆さん方が平和の維持活動といいますか、あるいはまたイラクの復興に努力しているときにそれなりのできる範囲で支援をしている、これについては私はやっぱり必要なことじゃないかなというような思いがあります。
 しかしながら、今みたいなことも踏まえて、また国際的ないろんな評価も踏まえながら、最終的には政府として決断をしなければならない時期が近づいておるんじゃないかなと思っております。
○白眞勲君 やはり、そうすると、世論の動きというのは、国民の世論の動きというのも判断材料の一つであるということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(久間章生君) 判断材料の一つにはなりますけれども、世論が反対だからといってやらないというような選択肢がないわけじゃありませんから、そこのところは世論が圧倒的に反対しておっても、これはやるべきだというときにはやらざるを得ない、そういう決断を政府としてはせざるを得ない場合がございます。
 アメリカ自身が今回増派したのも、まあそういうような非常に厳しい決断をしたんだろうなというふうな、そういう思いを私自身は持っております。それと同じようなことを我が国政府としてもせざるを得ないときが来るかもしれないというような思いもございます。しかし、今その決断をしているわけではございません。
○白眞勲君 今アメリカもそういう決断を、国民世論とは別の次元での決断をしたんだろうなというふうに今大臣おっしゃったんですけれども、なぜそういうふうな決断をされたんでしょうかね。その辺についてはどういう御認識を持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(久間章生君) やっぱりイラクの安定ということを考えたときに、政府は政府の立場としてどれが一番我が国として貢献できるか、そういうことを考えざるを得ない場合がございますから、世論調査に従って政治をやるというわけではないということを私たちは必ず覚悟としては持っております。
○白眞勲君 アメリカ空軍の最新ステルス爆撃機F22ラプターですか、が嘉手納に来ているようですけれども、この件について、これは海外での運用は初めてだということらしいんですけれども、外務省としては何かイラクに伴う東アジア地域の抑止力低下を補うためという説明をしたとも報道されているんですけれども、その辺はいかがですか。
○副大臣(浅野勝人君) アメリカ空軍は二月からF22戦闘機十二機を嘉手納飛行場に一時的、暫定的に展開しております。
 F22十二機を暫定配備したことについて、アメリカ側の説明によりますと、米軍の運用状況を勘案して極東における米軍の適切な抑止体制を維持する上で一時的に航空機を補う必要があるためであって、地域における特定の脅威の増大によるものではないということであります。
○白眞勲君 防衛大臣、この件について何かお話ありますでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 非常に優秀な飛行機でございます。それをどういう意図で一時的とはいいながら持ってきたのか、いろんな思惑もあるかもしれませんが、まあ公式的には日本の抑止力に寄与するというような、そういう表現がされるんだと思いますけれども、まあとにかく新しいすばらしい飛行機で共同訓練もあるかもしれませんから、そういう意味ではいろんな思惑が背後にはあるんじゃないでしょうか。
○白眞勲君 今共同訓練されるというのは、共同訓練するんですね。
○国務大臣(久間章生君) いや、これも分かりませんけれども、恐らくすばらしい飛行機ならその性能を見てもらいたいという気持ちはあるんじゃないでしょうか。
○白眞勲君 防衛大臣にもう一点ちょっとお聞きしたいんですけれども、北朝鮮の最近の軍事情勢についてどう御認識されているでしょうか。防衛大臣としまして、どう御認識されていますか。
○国務大臣(久間章生君) ミサイルの実験が、発射実験が行われましたけれども、あの状況を見ておりましても、かなりの技術が進んでいるなというような認識を持っております。
 それと同時に、核実験も行ったと発表しておりますけれども、これについてもあそこまで発表するからにはそれなりにやっぱりいろいろと開発についても準備は進めているんだろうなという、そういう認識は持っております。
○白眞勲君 それに対しまして、防衛省としてどういう対応をこれから取っていくおつもりなのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) この核兵器の問題につきましては、六者協議等を通じてこれをやめさせるという、あるいは朝鮮半島の非核化をするという方向でこれやらなければなりませんが、我々としてはミサイルに対抗する、いわゆるミサイル防衛システムを予定よりもできるだけ早く完備したいと、そういうような思いで今度の予算についても前倒しをしましたが、これから先も努力していきたいと思っております。
○白眞勲君 この嘉手納に配置されたF22ラプターが、今一時的というふうに浅野副大臣もおっしゃったんですけれども、これと北朝鮮との関係はどういうふうに御認識されていますでしょうか、防衛大臣お答えください。
○国務大臣(久間章生君) 私は、それは特別の関係はないと思います。特別の地域をねらってあれを持ってきたとは思っておりません。
○白眞勲君 その特定の地域ではないにしても、嘉手納に置いたという、一時的にせよ嘉手納に配置したといっても、これはやっぱり燃料代、燃料とかその整備の関係を考えますと、相当なやっぱり部隊の移動があったんではないかなと思うんですけれども、今一時的ということですけれども、大体どれぐらいというふうに外務省は認識しているんでしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) 米側の説明によりますと、現時点では未確定でございますけれども、およそ三か月、つまり五月ごろまでの一時的な配備を想定しているという説明を受けております。
○白眞勲君 最後の質問になりますけれども、外務大臣にお聞きしますけれども、全体的な状況として、アメリカ軍のいわゆる再編の問題とか何かも絡んで、現状についてはどう御認識をされているのか。つまり、アメリカ軍の再編、そして今の東アジア全体の地域の状況について、どういう御認識されているか、最後にお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 大きく言えば、このユーラシア大陸の東半分におきましては、西半分では冷戦構造が崩壊した、東半分ではまだそのような段階ではなくて、いわゆる昔の言葉を使わせていただければデタントの状態にはあっても、いわゆる崩壊したという状況にはないという前提に立って、朝鮮半島、台湾海峡等々、いずれも今不安定な状況がまだ続いているというように認識をいたしております。
○白眞勲君 終わります。
○犬塚直史君 民主党の犬塚直史でございます。
 まず、麻生大臣に伺いますが、大臣所信を読ませていただいて、この中にNATOとかEUとかいう言葉が一言も出てなかったんですけれども、これは私は何かちょっと、どうしてなのかなと思いまして、昨日は外務省の人にも聞いたんですが、まあ分量の問題だとか、あるいは自由と繁栄の弧という文言が入っているからとかいう話を聞いたんですけれども、どうも釈然としないんですけれども、まず大臣の方からどうして入っていなかったかということについて、何かありましたらお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 犬塚先生、これは特に意図的なものがあるわけではなくて、あれはもうとにかく短く短くということにどうしてもなりますので、今特に重点的にというところにどうしても絞らざるを得ませんので、今度いろいろしゃべりますと総花的じゃないかと言われて、どっちにしてもいいことは言われぬわけですから、それでこれはなかなかしゃべりにくかったということだとまず御理解いただいて。
 少なくとも、総理が一月にNATO含めて西ヨーロッパ訪問と、私どもの方は、私というか外務省としては、そのときに同じ時期に東ヨーロッパ、中部ヨーロッパというのを訪問させていただく。いずれもNATOに入っておりますところでもありましたので、基本的な考え方としては極めて重要なものになりつつある、かつてと比べてかなり重要なものになりつつあると、私どもはさように理解をして事に当たっております。
○犬塚直史君 おっしゃるように、一昨年はスケッフェルNATO事務総長が来日された、我が国の統幕議長もNATOに訪問しておる、昨年は麻生大臣がNACで政策スピーチをされたと。今年になってアフガニスタンに関する外相会合出席、安倍総理のNACでの政策スピーチというふうに来ていますので、物すごいNATO、EUは大事だなという理解をしておったんですけれども、やっぱりこれは重要な点だと思いますので、それはもうはっきりとEUのイの字も出ていなかったので入れていただきたいと、これは私の希望というか、ということを申し上げておきたいと思います。
 この関連になるんですけれども、防衛大臣に伺いたいんですけれども、NATOが今アフガニスタンの復興支援ということで、NATO軍が今三万五千名ですか、ISAFという国際治安部隊という形で活動しておると。その下にまあPRT、アフガニスタン復興支援という形で我が国がこれから入っていこうかという話だと思うんですけれども、ここで軍民協力といいますか、シビル・ミリタリー・コーポレーションというんですか、軍民協力と。多くは軍事部門と文民部門の混成部隊であると、PRTはですね。百から三百五十名程度の部隊が現在アフガニスタン全土に二十五か所展開をしておると。
 我が国はこのPRT展開地域において学校、診療所等の建設を実施するNGO等に草の根・人間の安全保障無償で数年間で二十億円程度の支援を行うという、こういうことらしいんですけれども、まずはこの防衛大臣のPRTに対する認識を伺わせてください。
○国務大臣(久間章生君) これから先の地方の復興といいますか、そういうのをやっていくためには軍だけではなくて、そういうNPOを始め文民の、一緒になってやるというのは非常に大事なことだという認識をしております。そういう点では日本もそれに対していろんな形で援助する、入っていく、それは非常にいいことだと思いますが、その一方、PRTはやっぱり治安維持面を軍が背負っている点もございますから、その辺になりますと、自衛隊そのものがそこに直接入っていくということはなかなか難しいので、PRTに直接参加できるかどうかについては結構議論があるところじゃないかなと思うんです。
 ただ、そのPRTをどういう形で応援できるか、これについては私たちが今イラクでやっておりますように、多国籍軍の安全確保活動の支援をやっているのと同じような形で輸送業務は行えるのかどうかとか、そういうことについては検討する余地は残されているんじゃないでしょうか。
○犬塚直史君 将来に向けて準備をしていくということだと思うんですけれども、確認として、自衛隊に対するアフガニスタンのPRT参加の要請というのは来たんですか。
○政府参考人(山崎信之郎君) 来ておりません。
○犬塚直史君 それでは、先ほどの軍民混成部隊の準備の方に戻るんですけれども、大変難しい話だと思うんですね。事態が刻々と変化をしておると。軍の機能が必要なときもあれば、翌日はある程度落ち着いてきたと、そしたらまた急に治安が悪くなったというようなことだと思うんですけれども、そういうところに働く軍民混成部隊の訓練について、防衛省では今どういうふうに取り組んでおられるんでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 混成部隊の中のその軍の方の役割というのは、いざというときにはやっぱり治安を維持する、武力を行使できるという、そういう側面があります。しかしながら、我が国の場合は自衛隊にそこを求めるのはなかなか難しいと思いますので、だから、PRTそのものに我が国が参加していくということはなかなか現在の状況では難しいんじゃないかと。だから、それを、訓練を今直ちにやってそういう部隊に参加していくというのは今のところ考えておりません。
○犬塚直史君 実は、今年の二月の末にドイツ大使館の招聘プログラムで、ミュンヘン市が地方自治体として平和構築活動に取り組んでいる現場の話を聞いてきました。これ、どういう話かというと、日本でいえば県警の警察官を平和構築活動の文民警察の一員として現場に送っているわけなんですね。自治体レベルでやっているんですが、ちょっと話を聞きますと、復職はもう保証されていると。行って戻ってきた経験がドイツのこのミュンヘンの警察、県警と言っていいのかもしれません、県警では非常に評価をされると、いい経験してきたなという正にキャリアの継続性みたいなものもきちっとしているというような話を聞いて感心をしたわけなんですけれども。
 ここで思い出しますのは、やっぱり麻生大臣が去年の八月、ウ・タントのところで発表された寺子屋構想、正に自衛官だけじゃなくて警察官、地方自治体職員、司法関係者、NGO、医療関係者等々あらゆるノウハウを持った人たちがあるところにプールされておると、で、育てていくと。しかも、復職も保証されるし社会保障の継続性もかなり担保されておるというような構想だったと理解しているんですが、まずその寺子屋構想について大臣の意欲というか、を伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、冷戦終結後いろんな形で紛争の形が変わって、ダルフールなんかよく例に引かれますけれども、あちらこちらで今でも紛争が続いているというならともかく、紛争は終わったけれども、紛争の結果、いわゆる内部のインフラが完全に破壊、若しくはもう行政システムは全く作動していないというような国々が一杯あります。総じて皆、金の話をされますが、金だけ出せばうまくいくかといえばさようなわけにいかないというのも実は一杯あるのではないか。
 例えば、今カンボジアの例をよく引かせていただきますけれども、カンボジアで今忘れられた名前でクメールルージュというのがありました、赤いクメール人という意味ですが。この赤いクメール人のポル・ポトの話の裁判というのは今始まっておりますが、これは裁判官は日本人です。この裁判官の日本人というのが全部仕切っているわけですけれども、このカンボジアというところは内戦、内紛がずっと続いておりましたのが終わって、今ここにいろんな国の投資が始まってみたり、いろんな形で新たな動きが出ておりますが、実は民法が全然うまくできていません。民事訴訟法も駄目です。したがって、今、日本としてはここに民法のプロを実は送っておりまして、法務省から人を借り、若い弁護士を借りたり、いろんな形でやらせていただいているんですが、これがきちんと整備されますと、カンボジアの中の整備が投資しやすい環境になっていくということは、結果としてカンボジアも良くなりますけれども、我々にとっても、民法が日本の民法にほぼ似たものができ上がるというのは我々にとっても非常に投資がしやすい環境になりますので、そういったようなことをやるというのを前提として、じゃ法務省は人を育てているかと。
 ベトナムから随分、地方自治大学校に毎年いろいろな人を預かりましたけれども、そういったような人たちを我々は訓練するのを目的に地方自治大学校はつくっておりません。したがって、そういった人たちを全部集めて、何も日本人に限りませんから、そういったのを集めていざというときに行政官が足りない、こっちは司法官が足りない、何が足りないというときには、いわゆる鉄砲持ったドンパチばっかりの話じゃなくて、国をつくっていくいわゆる行政官、司法官というものをきちんとリザーブしておいて、何かといったときに出せるというようなものを常日ごろから持っておく、それを適当な言葉がないので寺子屋と言ったんですけれども。
 そういうような言葉というのは、これはカナダのピアソン・センターとか、スウェーデン、ノルウェー、いろいろそれぞれ先端的なものを持っているところもありますので、そういったところの知恵もかりにゃいけませんでしょうし、いろんなことでこういったものを日本は、アジアに限らずですが、こういったものを、人を派遣する用意があると、かつ、人はいるけれども訓練されていないというアジアの人たちをうちは預かって訓練して出していくと、そういったこともできるというのでやらせていただければというのが構想の基で、それに沿って今一応調査費の計上を今年の予算、今年って平成十九年度予算で上げさせていただいたというところであります。
○犬塚直史君 私、寺子屋構想というのはすばらしい構想だと思うんですね。今日これを持ち出しましたのは、進捗がまだ、進捗、今年からということなんですけれども、御存じのように五年前のこの明石レポートですか、でももう既に、国際平和協力活動に派遣する人員を育成する対策は十分とは言えないと、将来のニーズを見据えた上で、現行の研修プログラムを見直し、必要な改善を行うことが急務であると、もう五年前にこれを言っているわけなんですよね。にもかかわらず、その寺子屋の進捗状況がもう少し、予算も余り、まあレベルがあるのでしょうけど少ないし、なかなか進捗してないような私は印象を持っているんですけれども、その進捗状況はどうでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成十九年度の予算で調査費というところで上がっておりますので、今、国際協力局やらいろんなところで人をこれ組織して訓練する、ちょっとシステムの基事を考えないかぬというところが今の状況でして、予算がまだスタートしておりませんので、ちょっと今これに幾らというような話ができる段階にはございませんけれども、それを進めるに当たって支障なきようにするために勉強をいろいろさせていただいておるというのが今の段階だと存じます。
○犬塚直史君 それをやる上で私は一つ障害になっているのは、特に外務省、障害になっているのはキャリア制度があると思うんですよ。いいキャリア制度もあるんでしょうけど、あしきキャリア制度というのはやっぱりあると思うんですね。
 現場で、特にアジアの諸国で、そういう国々が大変好きであると、そういう国で根を生やして本当に働きたいという人たちが、じゃ例えば外務省にも門戸が開かれていて、自分のキャリアとしてそこから入っていけるというようなものが今のところはないと。あるのは半年ぐらいの短期の雇用を繰り返していくと。しかも、その人たちは上の方には上っていけないと。キャリアの人たちはどこを見ているかというと、失礼かもしれませんが、主に東京を見ていると。現地にあちこち行って一生懸命やられるんだけれども、大体三年ぐらいでどんどん替わっていくと。ぐるぐる回りながら上に上がっていくと。私はやっぱりこの下のところを外務省は率先して、半年とかなんとかじゃなくて、やる気と、現場で本当にやろうとしている人間にもっと門戸を開くということをもっとどしどしやっていただきたいんですけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) キャリアのシステムにつきましては、昔とは随分変わったような感じがいたします。中級職から上級職に上がった方も随分いらっしゃいますし、いろんな意味で少しずつではありますけど変わりつつある。
 また、あれはケニアのスワヒリ語のうまいのを、現地に長いのをケニアの大使館で採用というのはありますし、いろんな形で、そこに長く入っているNGOで最初はスタートしたけれども現地にすっかりという方は、むしろそういった人たちを採用した方が我々にとっても都合がいいと。今更スワヒリ語、ゼロからスタートしたって何ぼのものだと、そこらのところをやったらいいじゃないかという話を大分幾つかして、結構そこそこの人たちが。
 ところが、犬塚さん、一つだけ難しいのは、役人なんかなりたくありませんよという人は多いんですよ。こっちが声掛けても、向こうは、だって給料が全然違いますから、我々の方が給料いいものなんて話言われると、ちょっとなかなか民間の人を採用するって結構難しいんですね。
 私どもとしては、社会人採用というのが結構採用させていただこうとしているんですけど、これまた例によって定員の枠が少なくて、それはとてもその枠に入らぬとか、これはなかなか今の定員の枠の話などもかかっていて、いいのがいても採れないというのは確かにあります。しかし、我々としては、今おっしゃるように、これは努力していった方がよほど効率がいいと思っておりますんで、是非その方向で更に進めてまいりたいとは思っております。
○犬塚直史君 そこで、簡単な提案なんですけど、私はやっぱり外務省は新規学卒一括採用、要するに学卒の優秀な学生を一括して毎年毎年大量に雇用するということをやめて、やっぱりそういう人たちも必要なんでしょうから、それは、じゃ全体のキャリアの三割ぐらいにしておいて、残りの七割というか、大多数の人たちを現場から採っていくというぐらいの大胆なことをやらないと体質は私は変わっていかないと思うんですけど、いかがですかね。
○国務大臣(麻生太郎君) このたび予算が通りますと、外務省としては枠をいただくことになろうと、新たな枠をいただける、百五十人ぐらいの枠をいただけることになろうと思っております。そうなりますと、百五十の新規採用なんかとてもできるわけありませんので、具体的にいけば中途採用ということになる。今、結構声が上がりつつあるというのは私どもとしては大変有り難いことなんですけれども、社会人を採用する。
 また、今、御存じかと思いますが、ニューヨークの総領事は民間の人です、三菱商事。この人、たしか、なって給料が三分の一に下がったといったかな、二分の一に下がったかな、どっちかちょっと給料忘れましたけれども、こんなに下がってやる気があるかねと、正直、声は掛けたものの思いましたけれども。正直、そういったようなことが実態でもありますので、私どもとしては中途採用というのができるんであれば、我々としては大いに活用されてしかるべきものだと、私自身はそのように考えております。
○犬塚直史君 最後に、これは、この件に関してはもうこれでおしまいにしますけど、コメントなんですけれども、英語能力、その英語能力が私は全体に低いと思うんですね。特に外務省に限らず、日本の場合は非常に低いと。これがやっぱり国連を始めとする国際機関で日本人が活躍できない一つのネックになっているというのは確かだと思うんですけど。ただ、今寺子屋の構想なんかでは、こういうところで、人間、英語を習っている間は英語なんてしゃべれないんですよね。やっぱり寺子屋みたいなところで、本当に実務で現場に入っていって絶対役立つという人間になれば、英語なんというのは本当に日本の中学生ぐらいの英語でどんどん通じていくと思うんですね。
 ですから、是非中途採用、専門家、地域に根差す職員の雇用の方をお願いしたいということを申し上げて、この件はこれでおしまいにいたします。
 防衛大臣に伺います。
 中央即応集団と今申し上げた寺子屋の関係なんですけれども、陸上自衛隊に設置される中央即応集団、CRFですか、これが機動運用部隊と専門部隊、一元的に運用して、国際平和活動にも即応する全く新しい組織ということになっているんですけれども、この国際活動の部分の教育は、従来、カナダ、ノルウェー、イタリアなんかの教育センターに要員を派遣して行っていたと。しかし、今次これではいかぬということで、国際活動教育隊、これはこういう名前かどうか私はちょっと今確認していないんですけど、で訓練すると聞いているんですけれども、この内容を教えていただけますか。
○国務大臣(久間章生君) このたび本来任務化されたこともございまして、陸上自衛隊が国際平和協力活動を実施する部隊を迅速に派遣して、かつ継続して一定の部隊を派遣できるように、国際平和協力活動を実施する上で必要な教育等を平素から実施する専門の部隊として今月末に新編する部隊でありまして、先ほどのほかの省庁と合わせてやるということではなくて、まずは自分のところだけでとにかくまず始めてみたいと、そういうことでやろうとしているところであります。
○犬塚直史君 私はそこのところを伺いたいんですけど、どうしてまず自分のところでやるのかと。つまり、どうして、寺子屋みたいなものと一緒にやれば、やっぱりお互いに、軍事の関係者は法律だとかあるいは災害援助あるいは民間の人との、例えば警察だったら現地に行ってアパートを借りて、民間の人たちとのコミュニケーション取りながら仕事をしていくというのが警察であると。軍事はそんなこと一切しないわけですので、お互いにそれを理解し合うという意味では、初めから私は寺子屋と一緒にこの教育隊、活動するべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 寺子屋のそういう教育、方向、それが見えてきて、それとの連携をうまく取っていくようなことが必要であるし、またその方がいいということが目に見えてきたらいいわけですけれども、取りあえずはもう、しかし自衛隊としては、国際平和協力活動について本来任務としてこれから先も出ていくだろうと。しかしながら、今までは今おっしゃられましたように個人を外国のセンターに派遣したりなんかしてやっておったけれども、やっぱり部隊として運用するそういう面もあるわけですから、自分たちの組織としてもそういう教育隊はやっぱりつくっておく必要があるということでそれをスタートさせるわけでありまして、こちらのいろんな構想が内閣として固まっていくまで待っておくというわけにもいかぬのだと思いまして、その辺はもう今月末にまずスタートさせようということで今計画しているところであります。
○犬塚直史君 ということだと、じゃ内閣官房に伺いますけれども、昨年末から平和構築のための関係省庁連絡会議というのを行っていると聞きますけれども、今後、中央即応集団、この教育の部分と寺子屋というのはどういう関係に育てていくつもりなんでしょうか。
○政府参考人(下川眞樹太君) 先ほど委員から御指摘がございましたとおり、我が国はこれまでも平和構築分野の人材育成に様々な形で取り組んでまいりましたけれども、昨年十二月に総理から、日・フィリピン首脳会談等において、我が国としての東アジア地域協力のための具体的な取組の一つとして平和構築分野の人材育成構想を表明したところでございます。これを契機といたしまして、本件の重要性にかんがみまして、関係省庁間の情報共有、連絡、協力をまずは推進し、関係省庁の取組を強化し、政府全体、一体として取り組んでいくため、昨年十二月に平和構築分野の人材育成に関する関係省庁連絡会議を設置したところでございます。自来、局長級、課長級で一回ずつ会議をしておるところでございます。
 御質問のあった点に関しましては、まずは関係省庁間で情報共有をし、どういった分野において連携、協力が可能かということについて検討をしていこうということを考えておるところでございます。
○犬塚直史君 明石レポートから五年もたってまだそういうことをされていると、私は遅いと思うんですね。官房の方で、それが遅いために自衛隊の中で取りあえず中央即応集団の中に教育隊をつくるとか、あるいは寺子屋の部分も別にこうやってやらなきゃいかぬ。やっぱり今までやってきた人たちの衆知を集めてやらなければいけないことがばらばらにスタートしなきゃいけないというのは、五年の間、一体何やっていたんですか。官房はちょっとこれ遅過ぎませんか。
○政府参考人(下川眞樹太君) ただいま委員から御指摘のありました懇談会における報告書の作成以外にも、国際平和協力分野における人材育成検討会においての行動計画の策定等、いろいろな形で平和構築における人材育成の問題についても取り組んでまいってきたところでございます。
 他方で、平和構築自体は、やはり平和の定着や、それから国づくりを包含する広範な分野にわたる問題でございますので、その関係でやはり多くの関係省庁が知見を有していると思われますところから、今後、この関係省庁連絡会議を通じて政府一体としての取組を強化していく所存でございます。
○犬塚直史君 私は地元は長崎なんですけれども、御存じのように離島、半島地域が非常に多いところであると。で、地元に戻って若い人たちにこの寺子屋の話なんかをしますと、もう本当に目を輝かせているわけですよ。海外に対して、特に若い人たちは、何とか平和協力活動参加したいというような気持ち、私は、日本はほかの国と比べてももうはるかに大きいものがあると。シルバーボランティアを見ても、あるいは自衛隊のOBの方の地雷除去の作業なんかを見ても、本当にその意欲が物すごくあるんですね。それに対する受皿づくりが五年間もこんな状況って、私はもったいないと思うんですね。是非、両大臣にこの件については強力に内閣で進めていただくようにお願いをしまして、次の質問に移りたいと思います。
 安倍総理と来日中のハワード・オーストラリア首相が十三日に共同宣言を行って、安全保障協力に関する日豪共同宣言というのを発表したわけなんですけれども、まず麻生大臣に伺います。この宣言というのはどのような意義を持っているんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 一昨日でしたか、安倍総理との間に安全保障協力に関する日豪共同宣言というのに署名をしておりますが、包括的な枠組みをやられているんだと思いますが、オーストラリアとの間は、これまで北朝鮮の問題、それからイラクの復興支援、テロ対策等々、いろいろ安全保障上の課題にこれまで一緒に取り組んできたところではあります。
 共同宣言というのは、こうした協力関係というのをもっとスムーズにさっといけるようにしようじゃないかという関係で、ハワードという人は、何というのかしら、豪州の総理大臣になったころから、豪州にとって一番大事なパートナーは日本というのをかなりはっきり言い続けてきた人だと思っております。
 傍ら、日本の方も、今我々すぐエネルギーというと中東の話ばっかりどうも偏りますし、九〇%を中近東からの輸入に頼っている日本としてはどうしてもそこになるんですが、石炭の輸入、またウラニウムのエネルギー換算に直したりしますと、今、日本で一番の輸入の相手はサウジアラビアの一五%、石油換算で一五%だと思いますが、オーストラリアは多分、石炭を石油換算にしましたりウラニウムを石油換算にしますと、多分二〇%を超えていると思います。ちょっとこんな資料ありませんけど、多分それぐらいになると思っております。
 そういった意味では、関係は極めて我々としては大きい関係にあろうと思いますんで、そういった意味では是非、この間というのは、台湾海峡を始め、いろいろ我々の間というのは不安定なところというのが通ってやるわけなんで、是非そういった意味では行動計画を考える。で、日本とアメリカでやっております2プラス2みたいなものがオーストラリアとの間にできるというんであれば、日豪関係というのを発展させていくために有益なものではないかというのが基本的な考え方でありまして。
 とにかく、民主主義とか市場経済とか、そういった基本的価値を共有しております。しかも、エネルギーの非常に大きな、我々、鉄鉱石もそうですけれども、そういったものの関係から見ましても、地域において同じ太平洋に面する国として関係をきちんとしていくというのは、我々にとりまして国益に資するのではないか、そのように基本的な考えは持っております。
○犬塚直史君 日米同盟以外でこうした2プラス2を視野に入れての安全保障協力をつくるというのはオーストラリアが初めてですので、私はもう歴史的なことだと思うんですけれども、であるからこそ、ちょっと中身についてもう少し聞きたいんですが、まず事務方で結構なんですけど、日豪共同宣言というのは英文が正本になっているんですか。
○政府参考人(佐渡島志郎君) お答えを申し上げます。
 交渉の過程では英語を基礎として交渉をいたしました。
○犬塚直史君 今のが答えでいいんですか。英語が正本なんですかという質問だったんですけど。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 失礼しました。
 少なくとも、私ども、宣言ということでございますのでどちらを、その解釈正本としての英語というふうな決めはしておりません。ただ、申し上げましたように、交渉の過程では便宜の都合上で英文をやったと。日本は、日本政府の声明ということでもございますので、日本側は日文を依拠すると、こういうことだろうと思います。
○犬塚直史君 分かりました。英語と日本語、両方正本になるということだと思うんですけれども、ただ、ホームページなんかで出ていますのは、日本語の方は仮訳と付いているんですね。
 で、英語の方の協力の分野という見出しの中の二番なんですけど、簡単な話なんですが、ジョイント・エクササイズ・アンド・トレーニングという、ジョイント・エクササイズ・アンド・トレーニングという一言があるんですけど、これを仮訳の方で見ると、両国がともに行う訓練としているんですね。私はこれちょっと引っ掛かりまして、ジョイント・エクササイズということになると合同演習、アンド・トレーニングというと訓練と。だから、むしろ合同演習及び訓練ではないかなと。
 何でこんなこと言うかというと、文末にわざわざ人道支援活動を含むというのが出ているんですね。ということは、軍事プラス民事も視野に入れた訓練をやりますよと。ですから、ジョイント・エクササイズという方が軍事を主体とした合同演習であって、アンド・トレーニングですから、その他の両国間の訓練がいろいろ入ってくると。それを一緒くたにして両国がともに行う訓練というと、ちょっと余りにも訳があいまいになり過ぎると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐渡島志郎君) ただいまの委員御指摘のございました点でございますけれども、正にそこは一つのポイントでございます。私どもとしても、なるべく広く、ただ単に先方の軍あるいは日本の自衛隊との訓練に限らず、いろんな幅広い分野を視野に置いておりますので、ともにやる訓練、それを包括する意味で日本語としてはそういう訳を今のところ当てていると、こういうことでございます。
○犬塚直史君 私は、これはもうちょっときちんと出した方がむしろ広がると思うんですね。
 というのは、先ほど来お話ありましたが、オーストラリアは特に文民警察の分野で相当の経験を積んでおられると。国連大学にも来ていろんなお話をオーストラリアの方はしていましたけれども、日豪でこれからいろいろな枠組みの中でやっていくというときに、普通の軍事訓練と、文民警察も含むその他いろいろなオーストラリアが持っている知見というのもやっぱりどんどん日本に取り入れていくんだという表現をするんであれば、これはもう間違いなく合同演習及び訓練とすべきだと思いますけれども、もう一度いかがでしょうか。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 御指摘の点、よく分かりました。私どもも中で勉強させていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 犬塚先生御指摘のあったように、これは合同演習というと何だか軍事面ばかりが妙に突出するようなイメージになるというのは私どもとしては意図しているところではありませんので、検討させていただきます。
○犬塚直史君 次に行きます。
 本年の一月十二日、安倍総理がNACで演説をしまして、その内容として、今や日本人は国際的な平和と安定のためなら自衛隊が海外で活動を行うことをためらわないということを宣言をしたわけなんですけれども、まあ当たり前のことを言ったんだなというふうに私は思うんですが、ただ、これでどういうふうにも取れるなというのは問題だと思うんですね。どのようなNATO、あるいはどのようにEUとの協力関係を視野に入れてこういう発言をしたんだというふうに大臣はお考えですか。
○副大臣(浅野勝人君) 日本の立場は、憲法の様々な原則を遵守しながら日本にふさわしい役割を果たしていくと、それが国際的な平和と安定のための取組だというのが前提であります。特に、日本とEUは自由や民主主義などの基本的価値を共有しておりますから、両者が緊密に協力しながら国際的な課題と取り組んでいくことは重要だと、そういう前提で、EUとの安全保障面での政治対話も更に強化をしてまいりたいと、それらの意味合いを含めて指摘をしたものと理解しております。
○犬塚直史君 何が言いたいかというと、別に憲法のことを言いたいんじゃないんですね。私が言いたいのは、例えばこれはドイツの大使館の資料なんですけれども、ドイツで世論調査をする、そうすると、欧州共通の、要するにNATOではなくて、NATOは米軍中心ですから、欧州共通の安全保障政策、防衛政策を望むという声が常に七〇%以上に上っているということなんですね。そういう世論を背景にして、一方ではNATOというものがあると、もう一方ではやっぱりEUが独自に持っている外交防衛政策、あるいは今年から始まるそうですが、実力部隊のバトルグループというようなところも含めて、ESDPとNATOというどうも二つの選択肢をEUというところは持ちつつあるんじゃないかなと、そんな気がしておるんですね。
 残念ながら、日本はまだ安保以外の選択肢は持ちつつないというふうに考えておるんですけれども、この安倍総理のNACの演説について、外相、いかがですか、どのような視野を持っておるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のあったのは、これは冷戦崩壊した後から少しずつではありますけれども、この十五年間の間に、ユーロピアン、いわゆる欧州人という言葉がかなりヨーロッパの中で広がりつつある。加えて、中欧、東欧の地域に至るまでかなりその広がりを見せてきて、ウイーユーロピアンという言葉は普通に使われるような状況になるのに伴って、ソ連のかつての脅威がなくなりつつあるという中にあって、やっぱりアメリカ中心のNATOからヨーロッパだけでやれるところがあるんじゃないかという意識は、もうこれは軍事に限らずいろんな面で出つつあるというのはもう先生御存じのとおりのところだと、私らもそのように考えております。
 それに伴って、ヨーロッパというところは今イラクではなくてアフガニスタンにその主力を、かなり目を向けていて、アフガニスタンにおける共同作業というのをPRTに限らずいろんな形で言ってきております。
 私どもとしては、それを今手を付けようということで申し上げているんですが、そのほかにも、犬塚先生、昨日、パレスチナとイスラエルのあれをジョルダン挟んで昨日四者でスタートをさせていただきました。これはアメリカでは絶対できない、日本じゃなきゃできないと思っておりましたのでスタートさせていただきましたけれども、ここに関して、このプロジェクトにドイツが乗りたいというような話を間接的に言ってくるというようなのは我々はいいことだと思っております、何も日本だけでやることはありませんから。
 そういった意味で、ヨーロッパがやると、いいじゃないかというので、ドイツ人というのは、これは下手にやるとまた日独伊なんと言われちゃ話が込み入っちゃいますので、もっとほかにもやる人がいないかという形で、一緒にやるというのは、我々がある程度形をやってみせていくと、これならといって人が出てくるというのは我々側にとっては、やっぱりヨーロッパと組むというのは私は、特にスウェーデン、ノルウェー、ああいったところはいわゆる御存じのような国際協力センターみたいのを持っておりますし、カナダのピアソン・センターとかオーストラリアのセンターとかいろいろ持っておりますので、ODAの一人頭の拠出金は我々絶対額では多いですけれども、一人頭で割りますと多分ノルウェーが一番だと思いますし、そういったところと一緒に組むというのは私はいいことだと思っておりますので、今回のものも、ちょっともう少しまだ、やっとスタートしたばかりですので、窓口は広く、いろんな形で検討させていただければと思っております。
○犬塚直史君 おっしゃるように、いろんな協力の形態をたくさんつくっていくと、決して一本やりではないということは、ひいては我が国の安定と繁栄につながると思いますので、その辺はよろしくお願いしたいと思います。
 時間もなくなってまいりましたので、今のお話をやっぱり現実的に物にしていくには、ODAというのは物すごい大事だと思うんですね。特に今年は、来年にTICADとかサミットとか新JICAの発足とかいうことを控えて大変大事な年でありまして、実はODA委員会というのは参議院にしかないんですよね。参議院でODA委員会においていろいろ話をすると、今までもう随分視察や参考人意見聴取等々を積み重ねてまいりまして、来年に向けて本当に何かいい提案をしていこうという機運は超党派で今盛り上がっているところなんですよ。
 これはもう本当に、ODAをどう使っていくかというのは大変大事な問題なんですけれども、そこにきて、外務大臣の諮問機関である国際協力に関する有識者会議というのが一方ではできましたよと。えっ、それは何なんだということでちょっと調べてみたんですけれども、ちょっと資料を配付してください。
   〔資料配付〕
○犬塚直史君 それを見ますと、いずれにしてもこれだけ大事な話ですので、本当に何か、ただ単に今までの延長ではなくて、一つの戦略性を持ってやっていきたいという気持ちは多分共有していると思うんですが、ODA特別委員会とこの諮問機関である国際協力に関する有識者会議というのは、どうもうまく今のところは連携が取れていないと思うんです。その辺は、今日は是非大臣に、ODA特別委員会と連携を取って、せっかく今までやってきたことですから、御一緒にやっていただきたいということと。
 もう一つは、今資料に配った内容なんですけれども、これは、ODA総合戦略会議からここに引き継いだわけなんですけれども、ODA総合戦略会議に参加をしたNGOが二つ、認定NPO法人日本国際ボランティアセンター及び特定非営利活動法人国際協力NGOセンターと、この二つは二〇〇二年六月からのODA総合戦略会議にも参加をしていたんです。その経験を踏まえて今度の有識者会議に対する要望を作ったのが今お配りしたやつなんですよ。
 この中身を一つ一つ見ていきますと、何だ当たり前のことじゃないかと。会議を公開にしろとか、時々意見書を提出するから随時受け付けてくれだとか、論点整理を中間でやってくれだとか、何しろこういうものは知見はNGOはたくさん持っていますから、それをもっとオープンに受け入れる姿勢を取ってくれというだけの話なんですね。これもやっぱり、今お渡ししましたんで、是非検討していただきたい、前向きに取り組んでいただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) NGOにつきましては、これは最初のときから私の方からNGOでしかるべきところと。これは、御存じのようにNGOというのは、言葉は適切じゃありませんけど、ピンからキリまでいろいろなNGOがいらっしゃいますんで、しかるべきちゃんとしたNGOというので、経験のあるところ、ここらのところの意見は是非我々としては利用すべきということを指示してありますんで、多分二つぐらい入ってくることになることだとは思っております。今選んでいるというのが正直なところです。
○犬塚直史君 終わります。
○高野博師君 それでは、今日はFTA、EPAについて何点かお伺いしたいと思います。経産省、農水省からもおいででありますんで、関連の質問もさしてもらいたいと思います。
 FTAにつきましては、私、六、七年前にここで取り上げまして、そのときはまだEPAというような言葉も使われてなかったときでありますが、積極的に推進すべしと、こういう主張をしたと思いますが、その後、シンガポールとかメキシコとかEPAが結ばれ、また交渉中のものも幾つかありますし、これからも増えてくるんだろうと思います。
 先般、ハワード首相の来日の際にも、日豪の間でEPAの交渉を開始するということも合意されたということでありますが、こういうEPAについては国内の農業関係者が相当懸念を持っている向きもあるということであります。一方、先般の外務大臣の外交演説の中で、湾岸諸国との関係を一層強化するということからもFTAを早期に結ぶよう努力すると、こういうことも述べておられます。
 そこで、私の質問は、FTAというのはあるいはEPAは、我が国の外交政策上あるいは外交戦略上どのような位置付けをされているのかということであります。その基本的な考え方をお伺いしたいと思いますが、このEPA、FTAによって関税撤廃など実質的な経済効果も当然あるんでありますが、政治的な動機、政治的な目的に主眼がある場合が結構あると思うんですね。その経済外交の手段として使っていくという点もあるかと思います。
 例えば、これも後でお伺いしたいんですが、アメリカの場合は中東戦略の中で資源外交あるいはテロ対策としてもFTAを使うというようなこともやっているようであります。極めて政治的な意味があるようですし、中国もASEANとの関係でのFTAというのは、ASEANとの関係を強化するというねらいも、まあ政治的な色彩もかなりあると思います。それから、例えば南米のチリとFTAを結んでいる国が相当あるんです。中国、韓国、EUもそうなんですが、これは南米市場、メルコスールへのアクセスとか足場にこのチリを使っていくというようなねらいもあるようであります。
 それぞれいろんな考え方があってやっているんだと思いますが、日本の場合はどういう位置付けなのかということをまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、日本の場合は、このWTOというワールド・トレード・オーガナイゼーション、世界貿易機構というものを中心とする、いわゆる多角的自由貿易体制というものを補完するという意味においてこのフリー・トレード・アグリーメントとかエコノミック・パートナーシップ・アグリーメントとか、EPAとかFTAというのを使わしていただいております。
 このFTAとEPAというのは、WTOは今ドーハ・ラウンドなんというのが止まっておるような形になっておりますんで、これをいろんな意味で、これだけというわけにはいきませんので、個別にということで、最初にシンガポールを皮切りに今逐次やらさせていただいております。メキシコ等とともやらせていただいて大きく伸びました。チリの御指摘がありましたけれども、チリも近々これを調印させていただければと思っております。
 こういったものは、基本的には相手の貿易市場、マーケットにこっちがアクセスできるのが、楽にアクセスができるようになることが一つであります。それから、日本が進出しております企業というのはかなり国際的な企業が多くなっておりますんで、そういう企業にとりましてビジネス環境を良くするというのが大きなところです。三つ目が、エネルギーとか食料の安定供給の確保というようなことが挙げられると存じます。
 さらに、相手国との地域、その地域との関係、メルコスールを例に引かれましたけれども、チリのところのメルコスール辺りも同じことだと思いますが、日本にとって有利、有益な国際環境をつくり上げるということも期待できると思っておりますんで、私どもは、基本として、やっぱり貧しさと絶望というのは基本的にはテロに結び付く、これが一番大きなところだと思いますんで、そういったところに関しましても、我々は日本の六十年間の過去を見ると、経済的繁栄と民主主義を通じて日本は平和と繁栄というか、幸せを獲得してきたというのがこの六十年間の国民的合意だったと思います。
 そういう意味で、是非、おれたちは経済繁栄というのが非常に優先順位が高いんで、そのためにその国に合ったのはどうすればいいかというようなことをいろいろ言っているレベルと、ある程度経済的発展が進んだ段階で更にというところと、ちょっと分けないとなかなかうまく進まないと思っております。
 そういった意味で、我々は農業関係についてはかなり、そういったところからいったら、むしろ我々の方は守りに回っている方だと思いますんで、そういったところを含めて、我々は今の段階でどうするといえば、ここは守らにゃいかぬ、ここは攻めにゃいかぬ、ここは育てにゃいかぬ、いろいろ分野ごとに分けにゃいかぬとは思っておりますが、国全体として、やっぱり究極的には日本の更なる繁栄、国益につながっていくというのに、一環としてこのEPA、FTAというのは使われてしかるべきものだと考えております。
○高野博師君 基本的にはWTOを補完しながらということで、資源エネルギーの安定供給を含める、あるいは先方の市場に入っていく、いろいろ今御指摘がありましたんですが、ODAは日本の外交の手段だと、唯一の手段だと、こういう位置付けかと思いますが、このFTA、EPAというものをODAとうまく組み合わせながら、経済外交としてかなり使えるんだろうと、使っていくべきではないかと。というのは、FTAによって人、物、金というのが自由に動くようになるということになりますし、当然その背景にあります相手国の文化、こちらの文化に対する理解も深まる、相互理解が当然深まりますから。そういうことでの二国間関係というのは相当緊密化できると、一体化していくということだろうと思うんですね。
 外務省の外交政策上の位置付けは分かりましたが、それでは経産省にちょっとお伺いしたいと思うんですが、経済のグローバル化、市場経済が拡大していると、戦後六十年間で世界の経済規模というのは約四十倍になったと、こう言われています。それは当然、自由貿易、市場の拡大というのが根底にあったと思うんですが、経済界としましては、FTAを積極的に推進すべしという恐らく考えだろうと思いますが、例えばメキシコとのEPAによって、在メキシコにある日系企業、これも相当優位に立つようになったと、あるいは対米進出がよりしやすくなったと、そういう効果が現れていると思いますし、貿易投資も増大していますし、メキシコとの関係でいいますと、人の動きも相当拡大していると、アエロメヒコという航空会社が成田直行便が先般入るようになりましたし、そういう意味での関係は非常に緊密化していると。
 一方で、農産物もメキシコから入ってきていますんで、これはオレンジとか鶏肉、豚肉、こういうものがEPAを結ぶことによって実際に日本の農業なり関連のところに影響を与えているのか与えていないのかということなんでありますが、まず最初に、基本的に経産省はどういう考え方、経済産業政策上どういう位置付けをしているのかお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高田稔久君) 先ほど麻生大臣から御答弁されたとおりでございますが、特に先生がおっしゃいましたグローバル化の文脈で申しますと、EPAあるいはFTAを推進することによりまして、関係国との貿易の拡大、あるいは幅の広い分野での経済関係緊密化、そういうことを通じまして、特にアジア諸国等を中心として、そういった国々の成長を我が国の成長にもつなげていくという経済政策あるいは成長戦略として重要なものと考えております。また、資源産出国との関係では、そういう協定、資源エネルギーの安定供給の確保にも資するものだと考えております。
○高野博師君 それでは、ちょっと具体的に、メキシコとのEPAによって貿易投資の増大等も含めて、具体的な経済交流が拡大しているのかどうか、何か数値がもしあれば教えてもらいたいと思います。
○政府参考人(高田稔久君) メキシコとのEPA、ちょうど二年前でございます、二〇〇五年の四月に発効しておりますが、貿易の数値で申しますと、二〇〇四年度の日本からメキシコへの輸出額は五千九百二十二億円でございました。発効後の二〇〇五年度でございますが、これが八千五百八十億円、約二千六百五十八億円の増ということで、比率でございますと発効前後で四五%の増加でございます。それから二〇〇六年度、これはまだ昨年十二月までの数字でございますけれども、八千五百十四億円ということで、さらに前年の二〇〇五年度の同期比でございますと三五%の増ということでございます。
 それから、メキシコから日本への輸入でございますけれども、これもそれぞれ二〇〇四年から二〇〇五年度では二二%増、それから二〇〇六年度の十二月までで前年同期比では一六%ということで、これは必ずしもFTAとの因果関係、これは今後更に検証していかなければならないと思いますけれども、発効前、発効後でこういう顕著な貿易額の増大が見られるということでございます。
 それから、あと投資だけ簡単に申し上げますと、これも日本からメキシコに対する新しい投資あるいは追加増資ということも活発化しておりまして、二〇〇五年度は前年二〇〇四年度に比べますと約七〇%の増ということで、年度でございますと六百十四億円に増えているという状況がございます。
○高野博師君 相当、恐らくはEPAによってこれだけ貿易投資が拡大しているという数値が出ているわけでありますが、それでは農業関係でいいますと、これはマイナスの影響は出ているんでしょうか。特に農産物あるいはいろんな肉類を含めまして、それはどうでしょうか。
○政府参考人(笹谷秀光君) 農林水産省の関係の影響という御質問でございますが、基本的には、データを見ますと、十七年四月の日・メキシコEPA発効後の輸入状況を見ますと、十七年度のデータでございますが、対前年比で全体額で総額二二・三%増、これは五百三十三億円に該当いたしますが、そのうち農林水産物に関しましては八%増、四十六億円に該当いたします増加を見ております。
 この内訳を少し分析をしてみますと、先生御指摘のような品目について見ますと、農林水産物につきましては、このEPAにおきまして関税撤廃又は関税削減が行われた品目というものを見てみますと、全体で対前年度比二%、これは七億円に該当いたしますが、の増加となっているものの、対前年度で五億円減となったような例えばメロンのような例もあったりしまして、関税撤廃又は関税削減が行われて輸入が増加していない品目もあるという状態でございます。
 なお、農林水産物の輸入の増加の一要因といたしまして、EPAによる関税撤廃品目ではございませんが、牛肉の輸入に関しまして、米国からの輸入停止があった等によりまして、対前年比三十三億円増という状態になっているものもございます。
 このようなことを全体的に見ますと、農林水産物の輸入動向につきましては、国内の需給、それから他国からの輸入動向などいろいろ影響することを考慮いたしますと、日・メキシコEPAにおきます我が国の農林水産物輸入への影響、ひいては国内農林水産業の影響につきましては一概に言えない面があると思っておりますが、いずれにいたしましても、今後、メキシコからの農林水産物輸入の動向を注視してまいり、また先生御指摘の観点からも考えてまいりたいというふうに思います。
○高野博師君 今の数値を見ますと、国内の農業関係はそれほど影響は受けてないという、今のところ、という見方でよろしいでしょうか。
○政府参考人(笹谷秀光君) 現時点におきましては、先ほど申し上げましたような数値の影響、対前年比で関税撤廃又は削減が行われた品目を見ますと二%ということでございます。
○高野博師君 実は私、埼玉なんですが、我が党の埼玉県の中に農業活性化対策本部というのをつくりまして、私その本部長をやっているんですが、いろんな視察を現場でやっておりますが、農業問題というのは相当深刻だと。特にもう御存じのとおり、後継者問題、あるいは農産物の価格の問題、あるいは遊休農地、あるいは海外からの農産物の輸入等を含めまして、相当これは活性化なり農業振興というのをやらなくちゃいかぬなと思っているんですが、特にFTA、これはオーストラリアとのFTAについては物すごい反対の意見がありまして、オーストラリアとEPAを結んだ場合には相当打撃を受けるという見方なんですね。
 それに拍車を掛けたのが、先般、EPAによって農産物の関税を全廃した場合にどのぐらい影響が出るかという試算を農水省がやりまして、これを経済財政諮問会議のEPA部会に提出した。これが報道されたんですが、これによりますと、もし農産物に対する関税を撤廃すると、食料の自給率が今の現在の、これはカロリーベースですが、四〇%から一二%に低下すると、こういう数値を農水省が出したものですから、これは相当なショッキングな話でありまして、食料自給率一二%というふうな数字が出てきたら、もう日本の農業はほとんど壊滅だと、こういうことになるわけですね。
 失業者が三百七十五万人とかあるいは農業生産額が三兆六千億円も減少するとか、こういう具体的な数字が出たものですから、なおさら今オーストラリアとの関係でいいますと、このEPAに反対という意見が相当国内的に強くなっていると、こういう現状がありまして、ただこれは、この試算は全廃した場合ということでありますので、EPAの交渉の中でこれはできない、あれはできると、こういう話の中でこういうことにはならないと思うんですが、これは全体的に見ますと、EPAを進めるということは食料自給率にも影響をやがて与えてくるんだろうと思うんですね。そうすると、今、日本の国内でやっている農業振興策、食料自給率を四〇から五〇に上げるとかというようなことは、これはもうほとんど不可能ではないかと、こういう見方があるんですね。
 したがいまして、まず農水省にはEPA、FTAについての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。これは経産、外務と恐らく違う考え方だとは思いますが、を聞きたいと思います。
○副大臣(国井正幸君) このFTAにつきましては、農林水産分野から見ていきますと極めて、関税が撤廃された場合は極めて重大な影響があると。特に、委員御指摘のようにオーストラリアとの関係でいいますと、オーストラリアが関心を示しておりますのが牛肉でありあるいは乳製品であり小麦であり砂糖であり米であると。こういうふうなことからしますと、いずれも我が国の重要な農業上の位置付けにありますので、そういう意味からすると極めて大きな悪影響があるであろうというふうに私どもは承知をいたしております。
 したがって、先ほど外務大臣おっしゃっていただいておりますように、是非、農林省も政府の一角でありますが、守るべきものはしっかり守ると、こういう姿勢で我々は最大限の努力をしていきたいと、このように考えておる次第でございます。
○高野博師君 それでは、ほかの国は、例えばEU、ドイツとかフランス、これはEU全体としてやっているんだと思いますが、フランスは食料の自給率が百数十%、ドイツは九七%かそのぐらいでありますが、これをFTAを推進した場合には、これEU全体でありますが、EUの中には農業国もたくさんありますんで、そういう基本的な考え方をどうしているのか、あるいはアメリカも農業は相当大きな経済全体の中で占めていると思いますんで。しかし、外交戦略上FTAを結ぶということになると、農業というのはこれは相当影響を受けるんだろうと思いますが、例えばEUあるいはアメリカというのはどういう考えでこれをやっているのか、分かる範囲で教えていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 伝統的にEUの場合は、いわゆる中東などの周辺諸国というのを主に重視してこれまでやってきたというのがEUの歴史だと存じます。近年は中南米とかアジアにも随分成長が見られますものですから、これらの諸国とFTAを積極的に結びたいということでいろいろ進めております。市場規模が大きいわけですから、当然のこととして成長の観点からEU経済への効果が見込まれるとこれは向こうが考えるのは当然だと思いますんで、ASEAN、韓国、メルコスール、それからインドといった国の地域を主に優先してEUはやっているように見受けております。
 中国の場合は、これは周辺諸国地域との経済関係というのが拡大するという方針の下で、既にASEANとの間にはFTAを締結を終わっております。現在、豪州、ニュージーランドとの交渉をいたしております。中国のFTAの特徴というのは、これはどう考えても物の貿易が中心ということになっておりますので、また政治面で近隣諸国との関係重視といったことが指摘されると思います。
 それから最後に、米国の場合は、これはFTAを自由貿易、投資、経済改革を促進するための手段というように考えていると、私らにはそう見えます。物やサービスだけではなくて、投資とか知財、そういったものを含む包括的なFTAをいわゆる中南米諸国とか中東とかアジア太平洋、そういった諸国との間で進めてきているというのが米国の基本的な戦略というか考え、このFTAとかフリートレードに対する考え方の基本だと存じます。
○高野博師君 まあ中国の場合には農村部と都市部の格差が約十倍だと、こう言われておりまして、農業政策の中で、これはちょっと余談になりますが農民税を廃止したと、去年で。農民の子弟の教育費も無償にしたと、こういうことをやっているんですね。それが意味するところは、農民税に頼らなくても中国の経済はもうやっていけると、あるいは今の胡錦濤体制が非常に権力を掌握してきたというような背景があるのかなとは思いますが、しかし農民税を廃止しただけで中国の農業問題解決するわけではない。ここは質問をしませんから大丈夫でございます。
 ただ、そのFTAをどんどん進める中で、中国だって中国の農業関係は相当影響を受けるんだろうと思いますが、しかし近隣諸国との関係を強化するという点で積極的に進めているという、こういう事情なんだと思いますが、外交上のあるいは政治的ないろんな意味合いが非常に強いと。
 そこで、もう時間がないんで、FTAを推進するというこの外交政策上あるいは経済外交上やらざるを得ないんだろうと思うんですね。しかし、その中での農業関係、このFTAによって日本の農業が衰退するということになれば、農業ばかりじゃなくてこれは環境問題にもなりますし、いろんな国内的な問題が出てくるという意味でそのバランスを取るのは非常に難しいと思うんです。守るべきものは守ると大臣はおっしゃっておられますが、そこがどこまで守れるのか非常に難しいと思うんですね。
 私は基本的な考え方は両立させたいと、FTAも進めたいと、しかし農業振興もする、食料の安全保障上もやっぱり自給率を高める必要があるということなものですから、非常に難しい中でこれは進める必要があると思いますが、是非そのバランスを考えながら日本の農業が衰退しないように、これは外務大臣、是非よろしくお願いしたいと思いますが、一言、御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、高野先生言われましたように、これはかなり難しい連立方程式であることは確かだと存じます。日本の場合、今国際競争力のないところというのが幾つも指摘されているものの中の一つに農業もあると存じます。
 私は、これまでの歴史を見た場合、農業に関しましては、これは少なくとも国際競争にさらされることはほとんどなかった業界ということになろうと思います。銀行業界とかいろいろありますけれども、金融業界も似たようなものだったと思いますし、いろんな意味で国際競争というのはさらされなかったところほど何となく構造改革が遅れた。
 私のところも農家を見ていまして、後継ぎのいる農家というのはもうかっている農家です。もうかっていない農家に後継ぎはいない。私は基本的にそうだと思って、最大公約数、例外はあろうと思いますけれども、そこが一番肝心なところかなと思って考えております。したがいまして、今言われましたように、日本としてこの農業を考えるときには、今申し上げた点が一点。
 もう一点は、やっぱり美しい日本というんだったら風景を含めているんだということだと思います。したがいまして、農家の風景、農村の風景というのは日本の原体系みたいなものですから、そういったものをある程度維持するためにフランスは補助金出していろいろやっている。
 そういったことを考えたときには、やっぱり治山治水を含めまして、日本がこれだけ、先ほど岡田議員の御質問の中にもありました、黄砂の中にもありながら、酸性雨にさらされながら、この程度のいわゆる枯れ木でもっている大きな理由というのは、治山治水によってかなり水が浄化される、酸性雨がアルカリによって洗われているという部分というのは極めて大きいと。
 私は、そういう具合に農地の多いところほどそういうような感じがしますんで、是非これ、ちょっとどれくらい直接関係があるんだか私詳しくは知りませんけれども、そういった意味では、これはやっぱり守るべきところは守るという点は、食べ物が高いか安いかとかいうだけの話以外の部分も考えて政治的な決断が必要、私にはそのように思われます。
○高野博師君 これで終わりますが、正に大臣が指摘されたように、日本が一番弱いのは競争にさらされてこなかった金融部門あるいは農業部門ということだと思うんですが、そういう観点からすると、農業もこれは一方的な防戦ばかりではなくて、積極的に農業の構造改革を進めるということが必要だろうと思うんですね、正にこれからのFTAを含めた国際化の中で。その点について最後に副大臣にお伺いして、終わります。
○副大臣(国井正幸君) 私どもも、今年度を初年度として品目横断的経営安定対策、これはしっかりとした担い手をつくり上げていこうと、構造改革を促進しようと、こういうふうなことで、特に土地利用型農業が競争力を失ってきたという部分がありますので、規模拡大を含めて最大限の努力をして構造改革を進めていきたいと、このように考えておる次第でございます。
○高野博師君 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 防衛大臣にまずお尋ねをしたいと思うんですが、米軍再編と分散移転に関しまして、政府は基地周辺自治体の首長さんたちとの協定の締結を進めてこられていて、それによって理解を得たというふうにおっしゃっておられます。一部の首長は、協定を結んだから大丈夫というような趣旨の説明を地元で行っている方もあるわけですけれども、ですが、住民や議会は納得をせずに、米軍来るな、協定は撤回せよという声が私は強まっていると思うんですね。
 そこでお尋ねをしたいのは、防衛省として自治体と結ばれた協定の内容、これを米軍の部隊に守らせるというお立場にあるんでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 在日米軍そのものは協定の当事者じゃございませんけれども、防衛施設庁が中心になって地元と交渉するに当たりましても、どういう内容で協定を結ぶかというのは米軍とは絶えず連絡を取り合いながらやっておるわけでございますから、その中身については熟知しているわけでございますから、間接的には十分それは守られるものと確信しております。
○仁比聡平君 間接的には守られるというのがよく私に理解がいかないんですけれども、大臣がおっしゃるように、協定そのものの当事者は国と自治体、その国と自治体の間での約束が米軍の部隊に対してどのように及んでいくのか、あるいはそれが、日本政府として具体的な米軍にこれを守らせるという手段はどういう形になるのか、そこをお尋ねしたいと思うんですが。
○国務大臣(久間章生君) 協定の中身を見ていただければ分かりますけれども、例えば何日間訓練する、自衛隊と同じような内容の訓練をするとか、そういうようなのを中身にしておりますけれども、そういうような中身については日米で協議した内容を盛り込んでおるわけでございますから、米軍も、当然今度は日米の当局同士で交わしているいろんな日米合同委員会等の合意のそれに沿ってやるわけでありますから、米軍は米軍で自分のところにそれを徹底すると思いますから、訓練日数を変えるとか、そんなのを部隊が勝手にするわけはありません。
○仁比聡平君 米軍がすると思うという御趣旨なんですけれども、そうすると、実際に米軍が地元との協定の内容ではない、それに違反する事態が起こったときに、言わば違反状態ですね、これは防衛省としてはどうやって回復をされるんですか。
○国務大臣(久間章生君) 仮定の話に直ちにそれに答えるというわけにもいきませんけれども、もしそういうような事態が仮に起きたとすれば、地元は協定の中身と違うじゃないかということで防衛施設庁、今度は防衛施設庁なくなりますから、地方防衛局なりあるいは防衛省に対して申出がある。そうすると、我々は、外務省と一緒になって米軍に対して、こういうような内容と違うことをやってくれては困るじゃないかということで申入れをするわけでありまして、米軍は、それは済まなかったというそういう形に、仮定の話ですから、そういうふうになるという前提に立ちますと、ちょっと約束をさも守らぬかのような印象を与えるのでここの発言は注意しないといけませんけれども、直接の当事者でない場合はそういう形でしか担保できないんじゃないでしょうか。
○仁比聡平君 そういう形でしか担保できないのではないかという御答弁が大変私は大事、重要なんじゃないかと思うんですが、大臣、今の御答弁の中で仮定の話とおっしゃったけれども、現実に今私が申し上げているテーマが問題になったことがございますよね。
 大分県の日出生台演習場での、沖縄のいわゆる県道越えの実弾演習の移転にかかわる協定に反する米軍の行動があったと。これが問題になったときに、福岡の防衛施設局は、協定は地元自治体と結んだもので、協定書自体を米軍に示して説明したことはない。地元との基本的な遵守事項は米軍側に申し入れており、内容は伝わっていると思うという発言をされて、歯止めとしてあるいは担保として地元の住民の皆さんがその協定を結んだと理解をしていたのに、それを示して伝えてもいないのかと、説明してもいないのかということで大きな怒りが起こったというのは大臣も御存じではないかと思うんですよ。違いますか。
○国務大臣(久間章生君) 私が就任する前の話、あれは十年前に私は確かに日出生台も回って、そのときにも同じように協定を結んでやりましたが、その後十年間の間にそういうことが、トラブルがあったのかどうか私もはっきり知っておりませんので、確認しますけれども、今回についてもそういうことのないように米軍に対してきちんと、この内容で締結しましたということは説明しておりますから、それでもし御懸念なら、それを更に下の部隊まで徹底するように私の方からもまた再度言っておきます。
○仁比聡平君 大臣が、今私が申し上げた出来事を御存じなかったというのは、私は大変残念でございます。大分県あるいは日出生台の周辺自治体では、これは国政上の与野党かかわらず、挙げて、この協定を守らない米軍のやり方は絶対に許せないということで、厳しい抗議あるいは取組が行われていたわけです。
 是非、大臣にこの点はよくお調べいただきたいと思うんですけれども、その当時、私、防衛施設庁やあるいは外務省の事務方の現場の方々とお話をさせていただいたときに、こんなふうに言われたことがあります。地元との協定は国と自治体の約束であって、国としてはそのような協定があることをアメリカ政府に伝えて配慮を願う立場にある、部隊が知らないことはあり得るという、そういうお話だったんですよ。というのは、この日出生台の演習、これは海兵隊の部隊ですけれども、その大隊長が、地元住民の抗議に対する回答の中で、私はそんな協定があるとはつゆとも知らなかったという、そういう発言をされて大問題になったわけですね。それに対して、そんなことがあっていいのかという私どもの抗議の中で今申し上げたような応答があって、それで住民やあるいは自治体との約束を国が守れるのかと、私どもの申し上げたことについて、私の理解では返す言葉がなかったと思います。いかがですか。
○国務大臣(久間章生君) まず、協定の中のどういうことに対して違反行為があったのか、そして、それに対して協定の当事者である地方自治体から防衛施設局に対してその抗議があったのか、そういうことについてもはっきりしておりませんので、おたくが出掛けていって、おたくが抗議したことに対して向こうが返事をしたのか、そういう事実関係が分かりませんので、私の方では調べてみます。
○仁比聡平君 先ほど私が申し上げた概要の経過については、これは事実だと思いますので、是非お調べいただきたい。
 それで、麻生大臣、外務大臣に今の点にかかわってお尋ねしたいんですけれども、その地元自治体と日本政府、防衛省が窓口だと思いますが、協定があります。これに違反する状態が、これは仮にと今日はしておきますが、あったときに、この状態を回復するために外務省としてはどういう行動、お立場になるんですか。
○副大臣(浅野勝人君) 確かに、在日米軍は協定の当事者ではありませんので協定の効果が直接及ぶことはありませんけれども、この現地の協定は日米合同委員会の合意の内容を踏まえたものでありますから、違反があれば、外務省、防衛庁一体となって合同委員会を通じて是正、改善を求めてまいります。
○仁比聡平君 是正、是正、回復ですか。
○副大臣(浅野勝人君) 改善。
○仁比聡平君 是正、改善を求めていくときの手段というのはどういう形になるんでしょうか。
○副大臣(浅野勝人君) 毎月一回ないし二回開かれている日米合同委員会の中で、日本側がアメリカ側に対して、もし仮に具体的な協定に違反するようなことがあれば、それを正してもらうようにきちんとアメリカ側に伝え、アメリカ側がしかるべき措置をとるということであります。
○仁比聡平君 その際のアメリカ側の主体といいますか、日本側は外務省ということだと思うんですが、相手方はアメリカ政府のどこになるんでしょう。
○副大臣(浅野勝人君) 在日米軍及び在日アメリカ大使館であります。
○仁比聡平君 そうすると、在日米軍のどこ、司令部ということになるんでしょうか。
○副大臣(浅野勝人君) 直接の責任者は副司令官、副司令官です。
○仁比聡平君 そうしますと、現実に共同訓練だとかあるいは基地の使用という形でその自衛隊基地なり演習場を使う米軍の部隊がこの協定の中身に反するということがあった場合には、外務省ないし防衛省にもなるんでしょうか、日本政府がアメリカ大使館とそれから副司令官、在日米軍の、ここに申し入れて協議の上、現場が正されるという、そういうことになるわけですか。
○副大臣(浅野勝人君) 先ほどから何度も申し上げておりますように、日米合同委員会というのが毎月平均二回開かれております。現地の地方自治体から防衛施設庁、防衛省を通じて具体的な指摘があれば、この日米合同委員会で外務省、防衛省が一体となってアメリカ側に是正なり改善なりを求めていくと、そういうシステムに、そういうスキームになっているんです。
○仁比聡平君 月一回の合同委員会ということであれば、二回ですか、失礼しました。
○副大臣(浅野勝人君) 平均よ。必ずやるということじゃないですよ。
○仁比聡平君 はい、分かりました。
 現実にもう今日あしたから訓練始めるということでやってきて、トラブルが起こったときにはなかなか間尺に合わないということがあるかと思うんですけれども、実際に現場でそういう事態が起こったときに、事前にどうして調整がなかったのかとか、あるいは今それはもうやめなさいとかいうような形での抗議あるいは申入れをこれはすることはあるんですかね。
○副大臣(浅野勝人君) それらのことを含めて、日米合同委員会では月二回平均の委員会の中で協議をしております。
○仁比聡平君 実際に米軍が自衛隊基地を共同使用するとか共同訓練をするとかいうような出来事は、これは周辺自治体、住民にとって大変重大な問題で、だからこそその協定の内容をどうするのかということについてシビアな議論があるわけです、意見があるわけです。
 にもかかわらず、実際に協定が結ばれたのにその内容に反するという米軍の行為が行われたときに、今、今日お話をいただいたような御答弁の中身では自治体あるいは同じ周辺住民の立場に立って臨んでいるのかということが私は大変疑問に思うわけです。昨年の経過で、私は逆に米軍の都合に合わせて環境調整を図っているんじゃないだろうかという思いも厳しく持ちましたので、久間大臣、先ほど調査をされるというお話でしたから、是非調査をいただいて、御検討いただきたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 我々が調査する前に、こういう事案があったということを言っていただくと調査のしようもあるわけですけれども、何か奥歯に物の挟まったような言い方されるとさっぱりつかみようがないわけでありまして、今度の協定、読んでみていただければ分かりますけれども、例えばこの市にその訓練期間中は防衛施設庁の職員が常時配置しておりますというような協定も入っているわけですから、そういうのがある以上は、市長がこれはおかしいよと言えばすぐ連絡が密になって米軍に対しても言えるわけでありますので、恐らく市長さんとかそういう首長さんを介さないで、おたく自身が抗議しただけの話じゃないんですか。違うんですか。具体的に言ってくださいよ。
○仁比聡平君 ちょっと時間がないんですけれども、いいですか、一言。
○委員長(田浦直君) はい、仁比君。
○仁比聡平君 いや、大臣、ちょっと誤解しておられる。私が申し上げているのは日出生台の演習にかかわってです。
○国務大臣(久間章生君) 具体的に言ってください。
○仁比聡平君 これは、協定の中では、実弾演習、つまり百五十五ミリりゅう弾砲だけを使用するということになっていた。小銃、機関銃の実弾訓練は認めてなかったんだが、だけれども、これが米軍の都合で必要だということで部隊がマシンガン等々を持ち込んだという、そういうことです。
 もう時間がありませんから、あとは御調査いただきたいと思います。
○委員長(田浦直君) それでは、本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会をいたします。
   午後零時四十八分散会