第166回国会 財政金融委員会 第9号
平成十九年三月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     広田  一君     田名部匡省君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     田名部匡省君     広田  一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         家西  悟君
    理 事
                沓掛 哲男君
                中川 雅治君
                野上浩太郎君
                大久保 勉君
                峰崎 直樹君
    委 員
                泉  信也君
                金田 勝年君
                岸  信夫君
                椎名 一保君
                田中 直紀君
                舛添 要一君
                山下 英利君
                池口 修次君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                広田  一君
                西田 実仁君
                山口那津男君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     尾身 幸次君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        山本 有二君
   副大臣
       財務副大臣    富田 茂之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       外務大臣官房参
       事官       伊藤 秀樹君
       財務省関税局長  青山 幸恭君
       財務省理財局長  丹呉 泰健君
       農林水産大臣官
       房審議官     佐久間 隆君
       農林水産大臣官
       房参事官     原口 和夫君
       農林水産省総合
       食料局食糧部長  皆川 芳嗣君
       農林水産省生産
       局畜産部長    本川 一善君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     押田  努君
       国土交通大臣官
       房技術参事官   林田  博君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 関税定率法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省関税局長青山幸恭君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(家西悟君) 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○広田一君 おはようございます。民主党・新緑風会の広田一でございます。
 それでは、早速質問に入らさせていただきます。
 まず、十九年度改正の基本認識につきまして尾身大臣にお伺いをいたします。
 関税定率法の改正におきましては、特に留意しなければならないこととして、いわゆる一見利益相反すると思われる事柄に対してどのように対処するのかということだろうと思います。すなわち、中国を始めとするアジア諸国の成長活力を日本に取り込むというふうな考えを持つ一方で、また水際対策、つまり国民生活の安全の確保のための通関の規制というものも重要であります。
 以上のような通関の迅速、円滑化と通関の規制というところの一見利益相反するような事柄に対して、尾身大臣自身、どのような基本認識を持ちまして今回の改正に取り組まれたのか、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 近年、アジア諸国の急速な成長を背景といたしまして国際物流が飛躍的に増加をしており、税関手続を始めとする輸出入手続の迅速化、円滑化への要請がますます強まっていると認識しております。他方、我が国における国民生活の安全、安心の確保への更なる取組も急務でございます。また、諸外国に目を転じますと、アメリカやEC等において、貿易の安全確保と手続円滑化を両立させるための取組が鋭意進められているところでございます。
 そのように、内外の経済社会情勢の変化に対応する見地から、十九年度改正におきまして競争力強化、利便性の向上のための通関制度の改革や水際取締りの強化等を図ることとしているところでございます。
○広田一君 ありがとうございます。
 こういった中で、大臣自身の個人的な御所見で結構なんですけれども、大臣といたしましては、これから国際競争力強化のための通関の迅速、円滑化というものを進めていく方に力を置くべきなのか、それとも、あの九・一一に象徴されるように、やはり様々テロ対策とか国際犯罪を防止するための水際対策、そちらの方に力点を置くべきなのか、政治家としてどのようにお考えになっているのか、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) もとより、この日本経済の国際化に伴いまして、この通関業務におきましても利便性を向上させる、あるいは国際競争力をこの通関あるいは輸出入手続等において競争力を持つということが非常に大事であると考えております。同時に、このテロ対策、国民の安全、安心を守るということも、これは水際での対策が極めて重要でございまして、その対策を含め、この両者の要請を両立させるような対応をしていくことが必要であると考えております。
○広田一君 どちらに力点というふうに、置いているということはなかなか大臣のお立場からは言えないと思いますけれども、両立を図っていくということで、それでは具体的に御答弁を受けてお伺いをしたいと思います。
 国際競争力強化のための通関制度の改善についてなんですけれども、これにこれまでも資するということで、平成十三年には輸入における簡易申告制度とか、平成十八年には輸出における特定輸出申告制度を導入いたしております。
 いずれのこの改善の結果、特例輸出入者の数、申告件数及び取扱金額などの利用実績はどのようになっているのか、あわせて、それぞれ全体の何%を占めているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) お答え申し上げます。
 簡易申告制度とあと特定輸出申告制度の承認者数でございますが、簡易申告制度が五十一者でございます。それから、特定輸出申告制度が現在八者ということになってございます。
 申告件数と取扱金額でございますが、簡易申告制度でございますが、平成十八年の一月から十二月までの実績でございますと五万四千件ということで、金額に直しますと一兆一千五百八十億円でございます。それから、特定輸出申告制度につきましては、これは平成十八年の三月からスタートしたものでございますが、三月から昨年の十二月ということで取りますと一万八千件、金額に直しますと一兆四百七十億円という数字になってございます。
 全体に占める割合ということでございますが、問題は輸出入者の数との関係でございます。これにつきましての正確な統計的な数字というのは正直言ってございません。といいますのは、一人一回でも、それは一人でございますということでございますので、私ども通関情報処理システムに記録されました概括的な数字から推計いたしますと、十八年でいいますと、輸出が大体、一回ぐらいやった方も含めてなんですが、二十万者、それから輸入がおよそ八十万者ということでございます。これと比較いたしますと極めて小さいということになるわけでございます。
 ただ、この者数を、例えば輸入につきましては、例えば年間一万件以上とかいう数字になりますと、これは八十五者とかいうことになります。それから、あと輸出につきましても、同じように一万件以上の者というふうに取りますと百四十五者と、今こんなイメージになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、申告件数トータルでとらえてじゃどうかということで、その比率を見ますと、簡易申告制度につきましては〇・三%、それから特定輸出申告制度につきましては〇・一%と。それから、金額ベースで申し上げますと、輸入に係る簡易申告制度につきましては一・七%、それから特定輸出申告制度は一・五%、こういう数字になってございます。
○広田一君 国際競争力の強化ということは、言い換えればコストの削減であるとか時間短縮、こういったようなところに資するということだろうと思いますけれども、実際利用されている数が、御紹介がございましたように、単純な比較等ができないということなんですけれども、かなり低い現状に陥っているわけでございますけれども、そういった意味で考えますと、これまでのこの二つの取組は大変残念ながら政府の皆さんが目指していらっしゃる国際競争力の全体の底上げにはいまだ十分な効果がなかったというふうに言わざるを得ないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(青山幸恭君) そういう御指摘等を踏まえまして、今回の改正におきまして、簡易申告制度及び特定輸出申告制度につきましては、片方で利用者におきます利便性の向上のための改革と、併せまして、先ほど委員御指摘のような、大臣から御答弁ありましたように、いわゆる両立という議論でいいますと、コンプライアンスの優れた者につきましてのレベルをアップするということ等を含めてやろうということでございます。
 いずれにしましても、これらのこういう新たな今回の制度の見直しによりまして、例えば特定輸出申告制度につきましては大幅な増加を期待したいというふうに考えているところでございます。
○広田一君 このたびの、十九年度の改善策につきましてはちょっと後ほどお伺いしたいというふうに思うんですけれども、まずやはり、そういった改善策を講じることも結構なんですけれども、なぜねらいどおりにこの制度が活用されなかったのか、効果が上がらなかったのか、そういった原因についてきちっと検証することも大変大事じゃないかなというふうに思うわけでございますけれども、そのような検討、検証というものはなされたんでしょうか。なされているんだったら、その点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の、例えば特定輸出申告制度でございます。これ昨年三月に導入したわけでございますが、制度の運用開始当初におきましては、特定輸出申告が行われましてからその特定輸出申告に係ります貨物が実際に船とかあるいは航空機に積み込まれるまでの間にきちっと貨物管理がなされるかなということを見極める必要がありますということから、いわゆるその他の輸出者に係ります貨物と混じっている場合がございます。これ混載貨物と申します。これらにつきましては、基本的に本制度の適用対象外とするようなことを行ったわけでございます。
 しかしながら、この制度の運用を見ますと、一年ぐらい経過しているわけでございますが、その特定輸出者におきます貨物管理につきましても、部品等につきましてもこれきちっとやれているということでございまして、特段の問題が生じることがないということでございますので、今回の制度改正に併せまして、メリットを少し与えるような形で、混載貨物につきましても、この案を今回、制度の適用対象とするような取扱いにしたいというふうに考えたわけでございます。
 いずれにしましても、片方で、ただ、やはり緩めていっても、片方でやはりコンプライアンスの議論ございますので、その事業者の承認のときもそうでございますが、承認後のチェックもやらせていただくということでございます。
○広田一君 ありがとうございます。
 そういった今のこの特定輸出申告制度の在り方を見たところの分析、確かにそのとおりだというふうに思いますけれども、ただ、やはり全体を見てこの制度が活用されないということの一つとして、もう既にほかの施策におきまして通関手続の迅速化というものは、簡素化というものはかなり進んできているんじゃないか。扱う業者さんからいって、あえて今御提示されているような制度を活用されなくても十分対応ができているんじゃないか。また、併せてコンプライアンスのことについても、法令遵守というふうな業者、今、大変日本を代表する企業でも不正輸出というものが発生する中で、コンプライアンスというのは一体何ぞやも含めて大変ハードルも高いんじゃないかというふうな気もいたします。
 そういった意味で、全体を見て、私は今のこの制度に特段のやっぱり皆さん魅力を感じていないんじゃないかなというふうなところが根本的な理由じゃないかというふうに思いますけれども、その点についての御所見はいかがでしょうか。
○政府参考人(青山幸恭君) 大変厳しい御指摘でございますが、私ども従来からいわゆる適正・迅速通関と言っておりますが、迅速の方につきましては、ちょっと長くなりますけれども、NACCS含めまして、ある意味でその電子化を極端に推し進め、かついろいろな、例えば今の輸出の話でございますと、包括事前審査制度ということで、これは昭和五十四年から実はやっている制度でございます。こういうことで、割とどんどんどんどん通っているという実態がございます。
 したがいまして、実際の実輸出入者についてみれば余りメリットはないじゃないかというような議論が片方であろうかと思いますが、ただ、問題はやはり二〇〇一年九月十一日以降のこの国際物流をめぐるいわゆるテロなり、あるいはそのセキュリティーの確保と円滑化の両立という中では、やはりこういう新しい制度の下でやっていただかないと今後は困るなということから、これ諸外国との流れもありますので、そういう形でやらせていただきたいというふうなことでございまして、今までの委員の御指摘にもございますけれども、それらを踏まえまして、今後、こういう形で新たにお願いしたいということでございます。
 例えば、今の包括事前審査申告制度でございますけれども、これらにつきましても、運用上でございますが、例えば来年の末ぐらいまででおしまいにするとかいうような議論を含めましてきちっと考えているというところでございます。
 あともう一点、委員御指摘の、大企業でもコンプライアンス大丈夫かというような御指摘がございます。いずれにいたしましても、アメリカのことを申し上げてもなんでございますが、やはり一番厳しくなってきたのはもちろんアメリカの政策でございます。
 これらを含めて、利用者におきますこういう、ある意味で輸出、輸入、双方に係りますコンプライアンスの確保というものをどうやってやっていくかということでございますが、今申し上げましたような承認要件の厳格化ということでございますけれども、具体的に申し上げますと、一つは通関情報処理システムの義務付けを行います。さらには、税に関します法令以外の他の法令について違反したことがないということ、あるいは法令遵守規則というふうなことでやらせていただくわけでございますが、具体的には、例えば輸出、輸入、そうなんでございますが、今の法令遵守に係ります体制あるいは貨物管理の履行等につきましてチェックリストを用いて、これを簡単にと言うとちょっと語弊がございます、いずれにしても、迅速かつ的確に私どもはチェックしていきたいというふうに思うわけでございます。
 なお、もちろん承認後は適宜事後的な監査を行うということでございます。
○広田一君 是非、そのコンプライアンスの確保に向けても鋭意努力、取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そして、先ほど局長の方から若干触れられましたけれども、特定輸出申告制度の改善策の一つとして、混載貨物の方を対象に含めるというふうなことでございました。これも効果があるというふうに言われているんですが、一方で、セキュリティーの面では、現場からはテロ関係物質などの輸出を誘発する可能性があるんじゃないか、こういった指摘もあるわけなんですけれども、この点に対してはどのような対応をされるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 正に委員御指摘の点が私ども懸念する点でございます。
 しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、本制度導入から一年程度を経過しております。しかも、部品等の貨物管理、さらには、いわゆる他法令規制の外為法関連の部分ということにつきましても、今回併せて経産省のコンプライアンスプログラムと連動するような形で出しておりますので、そういう点は問題がないようにしていこうというふうに思っておりますし、なおかつ、承認を受けた後におきましては事後的な監査と、場合によっては取消しということもやらせていただこうというふうに思っておりますので、こういう形での十分なチェック体制をしきながらやっていこうと。例えて言うならば、通関時におけるというよりも、むしろ通関前後において私ども厳格なチェックを行わさせていただくということにしたいなというふうに思っているわけでございます。
○広田一君 私の質問通告のやつの先々等をちょっとお答え願っているんで恐縮でございますけれども、今回の混載貨物を対象にしたことにつきましては是非とも人員を含めた体制整備、このことについてもしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そうした中、局長がお触れになっていただいたことに関連するんですけれども、今回、業務部に統括調査官の機構が新設されまして、国際テロ対策の一つとして輸出事後調査業務というものをなされると。これも大変重要な役割を果たすというふうに思いますけれども、これはもう現実として平成十七年十月でしょうか、それの方から運用をされているということなんですけれども、具体的にどのような運用がなされているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の輸出の事後調査でございます。
 貨物が輸出許可されて、その後何を見るかということでございますが、実はやはりこれ十七年度の関税改正におきまして導入させていただきまして、関税法百五条を改正させていただいておるというわけでございます。
 国際的なテロ対策の強化の一環といたしまして、大量破壊兵器等の不拡散に係ります監視の強化というのが求められております。そういうところから、適正な輸出申告の履行を、通関時点のみならず通関後も書類等々を含めて検査しようということで、その履行を確保するために、委員御指摘のとおり平成十七年の十月から実施させていただいているというところでございます。
 これをきちっとやる、的確に運営するというのはどうしたらいいかという議論でございますが、当然のことながら、今統括調査官というのは、これは税関の課長さんクラスのレベルの人間でございますが、ここの下におきまして調査対象者を的確に選定いたします。さらには、調査手法を向上させるということが極めて重要でございます。
 具体的に、じゃどうかということで、これは個別の話になって恐縮なんで余り言いにくいわけでございますが、一つは、例えば国際的なテロ対策等の観点から注意を要する国あるいは地域に対して貨物を従来から輸出している方々については、やっぱりそれはきちっとチェックしに行きましょうねというのが一つでございます。
 もう一つは、昨今、産業廃棄物で例えばスクラップ等もございますが、一時期非常に問題になりました盗難自動車ですね、こういう問題もございます。こういう盗難自動車あるいは産業廃棄物等を不正に輸出するおそれのある者、こういう方々につきましては重点的にもちろん行うということでございますし、あとは、常日ごろから情報収集を行うということで、私どもの税関内部のみならず、いろいろな関係省庁等を含めて情報の収集、分析等をやっているというところでございます。
 さらにまた、職員の数、もちろん限りございますので、過度な負担が掛からないように調査の実施計画というのを作るわけでございますし、さらには、万が一に備えましたいわゆる安全対策、安全確保ということにつきましても十分配慮していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにしても、委員御指摘のとおり、今後とも輸出の事後調査につきましても適切な運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
○広田一君 事柄がやっぱり国際テロ対策に関連することでございますので、調査の対象となる企業、会社の厳格な基準というものを明らかにするというのはなかなか難しいことだろうと私も思うわけでございますけれども、けど、これは非常に運用の仕方一つではかなりその対象となる会社にとりましては負担になる話でございます。この点についても是非とも御留意を願いたいと同時に、あと、一体皆さんがどこまでの調査権限を持たれて具体的に何をお調べになっているのか、この点についてはもう少し明確にしていただければと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 個別の議論はなかなかしにくいわけでございますが、輸出者のところに立ち入らせていただくと。あわせまして、いろんな帳簿書類等を検査させていただくと。場合によっては、今在庫で仕掛かりになっているような部分等を含めて見させていただくというところがまずは大事ではないかと思います。あと、さらにはいろいろな入金の事実等もございますので、そこら辺をどういうふうに見るかという点ももちろんあるわけでございます。
 いずれにしても、これは関税法百五条の権限ということで、任意調査の権限でやらせていただいているというところでございます。
○広田一君 分かりました。また、このような仕事に携わられる場合は、先ほど言いましたように、安全体制確保というのも重要でございますし、これまた人員を含めた体制整備、充実強化を図っていただきますように強く御要望をしたいというふうに思います。
 次に、国際郵便手続に関連してお伺いをしたいと思います。
 今回、二十万円を超える国際郵便物に対しまして申告納税方式を適用しようとしているわけですけれども、対象となる郵便物をどの程度の割合と見込んでいるのか、まずお伺いをいたします。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の国際郵便物でございますが、税関に国際郵便物、すなわち、信書以外でございますが、小包等で提示されます国際郵便物は年間で一億個ぐらいでございます、強でございます。このうち、今私どもお願いしております二十万超の郵便物でございますが、約五万件超ということでございまして、数字に直しますと〇・〇五%程度のものでございまして、これらの郵便物が原則として申告納税方式の対象となるというふうに見込んでおるわけでございます。
○広田一君 対象となるのがパーセントに直すと〇・〇五、非常に少ないなということをこの数字を見るだけでは感じてしまうわけでございますけれども。
 それでは、各国におきましてもこの制度は導入されているわけでございますけれども、各国において対象範囲についてかなりばらつきがございます。例えば、イギリスなんかは日本円に直すと約四十万円、韓国なんかは七万円というふうなことになっているんですけども、日本の場合はなぜ、どのような考え方で二十万円を超えるものというふうに線引きをなされたのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の先進国の例ちょっと申し上げますと、主要先進国におきましては、申告納税方式の対象になります郵便物でございますが、おおむね十万円から二十万円程度というふうになってございます。米国は二千ドル、二十三万ぐらいでしょうか。それから、ドイツは千ユーロでございまして十五万円超と。イギリスは二千ポンドということで約四十五万円ぐらいでございましょうか。それから、豪州は千豪州ドルでございまして九万円超。韓国はちょっと低うございまして、六百米ドルでございます、七万円程度ということで、これらにつきまして申告対象としているわけでございます。
 我が国の、なぜ、じゃ二十万円にしたかという議論でございますが、一つは、この基準を下げますとかなり新たな負担になるということがあるわけでございます。そういうこともありまして、その二十万円という基準でやりますと、ビジネス用あるいは通信販売用ということでございまして、比較的、何といいますか、常連、お得意さんというふうになるわけでございまして、こういうことになりますと、申告納税方式を適用しても、利用者の立場から見れば十分対応可能ではないかというふうに考えたわけでございます。
 なお、ただ反面で、民間の貨物でございます、例えばこれフェデックス等が、いわゆる国際宅配便でございます、これらにつきましては金額のいかんにかかわらず、すべて輸入申告という形になっているわけでございます。
 さはさりながら、今度はちょっと別の議論でございますが、貿易統計という、ちょっと技術的な話でございますけれども、これにつきましては二十万円超の貨物を対象としておりますので、片方で、事務的な点、統計管理の観点等も含めまして考えますと、当面は二十万円超という形で管理させていただくのが望ましいんではないかというふうに判断した次第でございます。
○広田一君 何分初めてのことなんで最初はきちっと問題なく運用できるように、常連、お得意さんから始めてというふうなお考えだろうというふうに思いますけれども、しかしながら、少し今お触れになったように、民間の業者の場合はすべて申告納税方式を採用しておりまして、その業務は、これは当然なんですけれども、業者の皆さんが負担をいたしております。
 一方、国際郵便につきましては、現在、税関職員の皆さんが税額の計算から賦課まで行っているわけでございまして、その数も平成十七年だけで九百二十六万件というふうなことであります。一方、二十万円を超えるということの対象だけになりますと国際郵便は五万件にとどまると。これは明らかに民間とのイコールフッティングとの関係で果たして適正と言えるのか。これについて甚だ疑問に思うわけでございますけれども、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 今御指摘の点、先ほどもちょっと答弁させていただきましたけども、ただ、国際郵便物につきましては、商業上の輸出入がなされますような一般貨物とは異なりまして、言わば一方的に送られてくるケースが結構多いわけでございまして、ある意味で、送られてきて内容物が把握していないと、で名あて人による適正な申告が期待できないという側面もあるわけでございます。そういうことで、従来から先進国におきましても、大体、先ほど申し上げましたように、おおむね十万から二十万程度というような扱いをしているというふうに承知しているわけでございます。
 もちろん、御指摘の点のイコールフッティングの点でございますが、これ実はいろいろ、それこそ国際宅配便の方々がイコールフッティングという議論で従来から申されております。いずれにしても、そういう点を含めて、私どもとしましては、先進国の取扱い、さらには、ある程度導入につきましての円滑化ということも考えまして、ビジネス用、通信販売用ということも含めまして、二十万円超というふうにしたわけでございます。
 いずれにしても、今後どうするかという議論を含めまして、実施後の状況を踏まえて今後また検討させていただくということになろうかと思います。
○広田一君 今後については運用状況を見て判断ということだと思いますけれども、ただ、ここでちょっと議論が終わると余り意味がないんで、逆に言えば、どのような運用状況だったら今後申告納税方式の対象を拡大するのか、どのような運用状況だったら二十万円超で堅持していくのか、この辺の判断基準についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) まだスタートする前でなかなかお答え申し上げにくいし、なおかつ、これ実は郵政民営化実施後二年以内で政令で定める日という形になっておりまして、いろいろ新しいシステムの構築等も時間が掛かるというふうに伺っております。いずれにしても、そこら辺の状況を見た上で、どの程度この見直しができるかという点は、やはりどの程度、何といいますか、この申告納税が定着するかというところでございます。
 こういうことを言いますと答えに余りなってないようでございますけれども、いずれにいたしましても、ある程度恒常的な部分が大体出てくると、こんな形で皆さん申告できるんだなというふうにそれなりにやっぱり思えるような部分が出てきた場合におきまして、また更に検討させていただくということだと思います。
○広田一君 青山局長さんも本当にぎりぎりの御答弁をしていただいているわけなんですけど、そこでちょっと尾身大臣にお伺いをしたいんですが、確かに局長の言われる事柄も事務方としてはもっともなお答えだろうというふうに思いますけれども、しかしながら、先ほど言いましたように、民間とのイコールフッティングということを考えた場合に、申告納税方式の適用範囲につきましては、少なくとも今後の方向性はやはり明確にすべきではないかというふうに思うんですけども、この点についての大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) この申告納税制度の導入に当たりましては、これに適切に対応するシステムを整備する必要がございまして、そのための期間として本年十月の民営化後、一年から一年半程度要すると見込んでいるわけでございまして、このために今回の法案では、施行日については公布の日から二年以内の政令で定める日となっておりまして、具体的な施行日につきましては郵政公社やあるいは総務省と協議しつつ決定してまいりたいと考えております。
 この臨時開庁制度につきましては、利用者利便の向上を図る観点から、申告方式の導入に併せまして適用していく考えであります。
○広田一君 これも、これまたちょっと事務的な御答弁だったんで大変残念でございますけれども、是非とも、この二十万円超ということで決め打ちではなくて、まさしく運用状況を測られて、民間とのイコールフッティングを実現できるような方向性で不断の見直しを図っていただきたい、このように強く要望しておきたいと思います。
 次に、税関における水際の取締り強化についてお伺いをしたいと思います。
 まず、知的財産物品取締りに関連してお伺いしたいと思います。
 我が国は知的財産立国の実現を目指してということで、官民挙げての取組が行われているわけでございます。我が国の国際競争力を図る上でも知的財産保護の必要性というものは年々高まっておりまして、そういった意味でも税関による水際取締りの役割は極めて大きいわけでございます。
 ただ、この平成十八年度の知的侵害物品の差止め状況の特徴を見ましても、残念ながら対前年度比で四六%の大幅増加をいたしておりますし、仕出し国の割合というものは、中国、韓国で、この二国だけで九二・七%を占めております。さらには、商標権の侵害というものがこれまた九八・六と圧倒的である。また、輸送形態は先ほどちょっと議論になりました郵便物が九七・二%、このような特徴があるわけでございますけれども。
 まず、この国際郵便にちょっと関連して、知的財産侵害物品とか、そういったものが流入している実態をどのように受け止めて、その流入阻止に向けどのような対策を講じられているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘のとおり、郵便物が大変多うございます。税関が差し止めております知的財産の侵害物品でございますが、いわゆる偽ブランド等の商標権侵害物品でございますが、これは郵便物がほとんどでございます。理由でございますけれども、やはり郵便物は少量の物品を安価で反復継続して送付するのに適しているということ等によるものと考えるわけでございます。
 こういう状況を背景にいたしまして、昨年の七月からでございますが、侵害の疑いのあります物品が発見されれば、かなり少量で、要するに、何といいますか、多品種といいますか、そういう形で入ってくるケースが多いものですから、その数量にかかわらないで、認定手続ということでそれをきちっと取りましょうということで、少量の物品の輸入に対します税関の取締りの強化策を図っているところでございます。
 そういうこともありまして、委員御指摘のように、郵便物の差止め件数というのはかなり増加しているというところでございます。これを数字でいいますと、件数ベースでいいますと、郵便物が九七・二と、点数ベースでいいますと、これは郵便物が五六%ということでございます。
 こういうことを踏まえまして、これまで累次にわたる知的財産の水際取締りに係ります関税関係の法令の整備を行ってきたわけでございますが、今回お願いしておりますのは、平成十九年度関税改正の中でございますが、これは政令でございますけれども、関税法施行令の改正によりまして、先ほど申し上げました認定手続、税関側の、おかしいね、クロになるかもしれないねということで通知を出したと、これを最終的に認定するという手続がございますが、これの簡素化措置を導入するということにさせていただきたいと思っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも水際におきますその取締りに万全を期したいというふうに思っております。
○広田一君 差止め件数の増加というものは、ある意味では摘発というものが適正に行われていることの表れだろうと思います。一方で、そういったもう増加傾向に歯止めが掛からないという事柄についても私は大変危惧をするわけでございますけれども、いずれにいたしましても、一億個を超える国際郵便貨物を取り扱っているのに対して、摘発に要する人員体制整備、先ほどの御答弁の中で充実強化を図っていくということではありましたけれども、そもそもの規模が適正なのかも含めてこれまた不断の見直しをしていただきますように、よろしくお願いいたします。
 そして、一点ちょっと具体的にお伺いしたいのが著作隣接権についてでございます。
 これ、昨年の差止め申立て数と差止め実績、ちょっと時間の都合上私が御紹介しますと、平成十八年は二百五十四件ございまして、差止め実績は一件にとどまっております。この申立て件数自体が、平成十八年度は対前年度比で何と二九八・八%増加をいたしております。この背景をどのように分析をされているんでしょうか。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘のとおり、著作隣接権に係ります差止め申立てでございますが、これは中身見ますと、海外での販売を目的といたしました正規のCDに係りますいわゆる還流防止措置でございます、この対象になるものでございまして、それが二百五十四件ということでございます。これ件数が多いというのは、私どもの推測でございますが、対象になります個々のCDごとに、タイトルごとに輸入差止めの申立てを行うということで件数が多くなっているわけでございます。
 ただ、ちょっとお答えしておきますが、いわゆる還流防止CDでございます、正規のCDでございますが、日本国内で売っちゃいけないというものでございまして、海外の海賊版、海外で勝手に作った海賊版、これとは違うわけでございます。
 あと、片方でこの隣接権の差止め件数が余り多くないという議論が確かにあるわけでございますが、これにつきましてはいろんな見方があろうかと思います。一つの考え方ですね、いや、ちゃんと抑止効果が働いているんではないかという議論があろうかと思いまして、これはやはり還流防止CDの場合でありますと、そのCDの裏側、裏側といいますか、ケースの裏側に日本国内の頒布禁止ということでちゃんと書いてございます。したがいまして、なかなかこれ表立って入れにくいんじゃないかなということで、結局、差止め申立ての件数は多いけれども、実際に差し止めた件数は余りないのかなと。したがって、ここにつきまして、私どもは、やはり考え方としましては抑止効果がそれなりに働いているんではないかなというふうに思っているわけでございます。
○広田一君 抑止効果が働いているという、確かにそういうふうな言い分もあるのかなというふうに聞いてしまったんですけれども、いずれにいたしましても、この申立て件数の急増というものは、一方では、先ほど言いましたように、還流CDということでございますので、音楽業界にとっての影響等も含めて、今後とも余りにもちょっと急増ぶりというものが目に余るようでしたら、やはりもう一歩踏み込んだ対策というものを講じていただくようにお願いをしたいと思います。
 それに、ちょっと著作隣接権に関連しまして、このたびの改正で著作権及び著作隣接権を侵害する物品を輸出してはならない貨物に追加をいたしております。
 これにつきましては、昨年の審議の中で私自身も輸出にしてはならない貨物に追加するよう求めてきた経緯もございますので、今回の改正は支持するものでありますけれども、今回のどのような経緯を経てこの改正に至ったのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 端的に申し上げますと、もちろん著作権法の改正に伴うものでございますが、やはりこの輸入のみならず、国際的ないわゆる著作権、著作隣接権に係ります違法な移動を阻止しようという観点から、輸出についても併せてチェックをし、かつその規制をするということに尽きると思っております。
○広田一君 昨年も指摘したんですけれども、であるんだったら、やっぱり輸入、輸出同時に行うべきじゃなかったのかというふうなことになろうかというふうに思います。
 そういった意味で、縦割りで物事が済んでしまうのは政府の皆さんの体質として仕方がないことだと思いますけれども、一方で、この問題につきましては皆様方自身連携して取り組んでいくということは再三確認をされているわけでございますので、また、財務省の立場からもより効果的な対策を講じるためにも一致して同時に行うことが望ましいものについては、今後とも問題意識を持って取り組んでいただければと、このように思うわけでございます。
 時間が近づいてまいりまして、それではもう一点、今度はちょっと大臣の方に御所見をお伺いをしたいと思うんですけれども。
 先ほどもちょっと御紹介しましたように、侵害物品の仕出し国、国別に見ますと、中国と韓国が圧倒的なシェアを占めているわけでございます。中国とは昨年四月に日中税関相互支援協定を締結して、その中でも効果的な水際取締りを実現しようと、こういうふうなことでありますけれども、残念ながら差止め数の増加傾向には歯止めが掛からないというふうなことであります。
 この点に関して、私自身も昨年の質問に対して、当時の竹内関税局長さんが、中国で行われたWCOという会議の中でこういった議論があったということを伝えるというふうなお話もしていただきました。こういう取組には、努力については多としながらも、今のこの現状を見ると、更なる対策であるとか中国や韓国への働き掛けというものが大変重要だろうというふうに思います。
 そういった中で、ちょっと具体的にお伺いするんですけれども、昨年三月に第一回の日中財務対話というものが行われて、これについては人民元の取扱いをどうしていくのかということが中心テーマだったというふうに聞くんですけれども、同じく、谷垣財務大臣は、知的財産侵害物品の水際取締りの意義についても大いに中国側に働き掛けたというふうに言われております。
 今年は東京で行われる予定というふうに聞くんですけれども、それはいつごろなのか。また、その際、知的財産侵害物品についても是非取り上げていただいて議論を深めていただきたいと思いますけれども、この点についての御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 日中財務大臣対話につきましては、このたびは、今度は東京で開催するということで中国の財政部と合意しているところでございますが、まだ具体的な日程は決まっておりません。
 この際、やはり知的財産侵害の水際取締りの問題は、日中財務対話の中でも含めまして、枠組みも含めまして、極めて大事な問題であるというふうに考えておりまして、あらゆる機会を通じて中国側への働き掛けを行い、今後ともこの問題がきちっとできますように努力をしていきたいと考えております。
○広田一君 どうもありがとうございました。
○富岡由紀夫君 民主党・新緑風会の富岡由紀夫でございます。
 関税定率法の改正に関して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、後発開発途上国に関する特恵対象品目の拡大についてお伺いしたいと思います。
 今回見直しされたことによりまして、LDCからの特恵対象品目にコンニャクが対象品目として加わることが案として出されておりますけれども、まず、この特恵対象品目にコンニャクを入れた理由を、尾身財務大臣、もし御説明いただければ教えていただきたいと思いますが。
○国務大臣(尾身幸次君) 特恵関税の拡充に関しましては、十七年十二月のWTO香港閣僚宣言におきまして、九七%以上のLDC、いわゆる後発開発途上国の産品に対しまして無税無枠措置を供与することが国際的に合意されたところでございます。
 我が国といたしましては、ドーハ・ラウンドが開発ラウンドであることも踏まえまして、LDCをできる限り支援するという観点から、LDC無税無枠措置の対象品目ができる限り一〇〇%に近い割合となるよう検討を行ったところでございまして、そういう中で、具体的な対象品目につきましては、政府部内におきまして、国内産業や消費者に与える影響等も踏まえつつ検討を行ったところであります。この結果、コンニャクイモにつきましても対象品目にされることとしたものでございます。
 今般の特恵関税の拡充に当たりましては、緊急特恵停止措置の機動的な発動等も通じて、農林水産省等とも緊密に連携しつつ、コンニャクイモ生産を含め、国内産業に悪影響が生じないよう機動的に対応してまいりたいと考えております。
○富岡由紀夫君 国内の産業に影響ないようにいろいろとお考えもいただいているという御説明だったと思うんですけれども、現状のコンニャクイモの生産量、生産額、関税率等々、簡単に、お分かりいただければちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(佐久間隆君) お尋ねのコンニャクイモの収穫量、農業産出額、生産農家数でございますけれども、現在、コンニャクイモ生産につきましては、まず収穫量でございますが、平成十八年の作物統計によりますと、全国で六万八千九百トンでございまして、このうち、主産県でございます群馬県が六万一千九百トン。農業産出額につきましては、平成十六年の生産農業所得統計によりますと、全国で百十一億円、このうち群馬県が九十七億円。生産農家数につきましては、二〇〇五年の農林業センサスによりますと、全国で四千百八十四戸、このうち群馬県が二千二百七十二戸となってございます。
○富岡由紀夫君 ちょっと群馬県については次にお伺いしようと思ったんですけど、先に言われてしまったんでちょっと手順が変わっちゃったんですけど。
 今お話ありましたように、群馬県がこのコンニャクイモの生産、日本国内における比率が非常に高いということで、私も群馬県出身なんですけれども、尾身財務大臣もよく御存じだと思っておりますので。ちょっとローカルな話になりますけれども、ただ、ローカルといっても、今、これからは地域が非常に大切な時代を迎えておりますので、ちょっと群馬県について、群馬県の影響というのは日本の影響そのものでありますから、このコンニャクイモに限ってはですね、ちょっと議論をさせていただきたいと思います。
 今ありましたように、収穫量は約八九・八%が群馬県ということでございますね。農業産出額でいうと八七・四%ぐらいが群馬県が占めているということで、このコンニャクイモの輸入、この関税を、税率を特恵対象にすることによって、影響というのは、やっぱり群馬県が一番大きな影響を受けるというふうに思っておりますけれども、この辺の影響の受ける見込みについて尾身財務大臣はどのようにお考えを持っていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) 私もこの生産地の出身でございますから、この問題が大変重要な問題であることはよく承知をしておりまして、農林水産省とも緊密に連携をしつつ、コンニャクイモ生産を含めて国内産業に悪影響が及ばないよう機動的に対応してまいりたいと考えております。
○富岡由紀夫君 今の現状のコンニャクイモの関税率はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) コンニャクイモでございますけれども、関税割当て制度の対象になっております。これはウルグアイ・ラウンドでいわゆる関税化された品目でございます。
 関税率でございますが、関税割当てを受けて輸入されるものが四〇%、それ以外のものが二千七百九十六円、キログラム当たりということでございますが、二千七百九十六円ということでございます。
○富岡由紀夫君 パーセントでいうとどのぐらいになりますか。
○政府参考人(青山幸恭君) 従価換算でいきますと一七〇六%という数字になってございます。
○富岡由紀夫君 一七〇六%の非常に高い関税率を掛けているということは、これは取りも直さず、海外からのコンニャクイモの輸入が日本に与える、日本の農家、生産農家に与える、コンニャクイモの生産農家に与える影響が大きいということを、証左というか証明、そういうことを示しているわけでございますので、これだけ海外からのコンニャクイモの輸入に対して今非常に、現状は、何ですか、日本の国内、関税の面で非常に今対策というかそういう防波堤を高く掲げているのにもかかわらず、今回こういった形で特恵対象品目の中に入れてしまうというのが、私は非常に、ややちょっと理解になかなかできないところなんですけれども。
 今まで一生懸命国内の生産農家を保護していたのにもかかわらず、今回いきなりこの対象品目に入れてしまったというのは、その辺の関係はどういうふうに考えたらいいのか、財務大臣、もし御意見あれば教えていただきたいと思いますけれども。
○国務大臣(尾身幸次君) この問題は私が財務大臣就任以前のことでございまして、しかし、国家としては、先ほど申し上げましたように全体の無税無枠措置の対象品目を拡大するということが国際的に合意されているわけでございまして、そういう中で、他方、この拡充に当たりましては、緊急特恵停止措置の機動的な発動等も含めまして、農水省とも相談をしつつ、連携をしつつ、コンニャクイモ生産を含めて、国内産業に悪影響が生じないよう機動的に対応してまいりたいと考えております。
○富岡由紀夫君 今回、特恵対象品目にコンニャクイモが該当することになると、恐らくミャンマー等々からの輸入がされるというふうに見込まれますけれども、今回、このコンニャクイモが特恵対象品目に該当した場合のコンニャク農家に対する影響というのが、もし予測されているのであればお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(佐久間隆君) コンニャクイモの生産農家への影響ということでございますが、我が国のコンニャクイモ国内供給に占めます輸入品のシェアでございますけれども、平成十七年、精粉ベースにおきまして五%程度となっております。また、コンニャクイモは荒粉又は精粉の状態で輸入されるのが通常でございまして、現在、中国、ミャンマー及びインドネシアのこの三か国から輸入をされております。
 このうち、LDCに該当いたしますのはミャンマーのみでございます。加えて、これまでの実績からいたしまして、当面ほかのLDCからコンニャクイモが輸入される可能性は極めて低いものと考えてございます。
 さらに、ミャンマー産のコンニャクイモでございますけれども、山野に自生している芋を採取したものがほとんどであることから計画的な増産が困難であるということに加えまして、現地におきましても荒粉に加工する際の加工技術、設備が貧弱であるということから荒粉の品質が悪くかつ不安定であるということで、こうした理由から今般の無税無枠措置の供与によりまして我が国への輸出が直ちに拡大されると、このようには考えておりません。
 なお、仮にの話でございますけれども、輸入が増加することによりまして群馬県を始めとしまして国内の産業に損害を与えるおそれがあると、こういう場合には、特恵の停止を行いますエスケープクローズを機動的に発動するということ等によりまして、その影響を回避することといたしております。
○富岡由紀夫君 今の御説明ですと、ミャンマーはそういう生産を拡大して日本に輸出できる能力を持っていないというか、可能性は低いということだったんですけれども、それじゃこのLDCの特恵対象品目に入れた意味合いがないんじゃないんですか。要するに、ミャンマーの農産物の輸出を、何というんですか、促進するために、後発開発途上国のそういった農業の振興のために今回やっているわけでございますから、今の話だと全く意味合いがないというか、今回の対象品目に入れた意味合いがないということになってしまう話になってしまうので、その辺はちょっとやや論理的に矛盾があるのかなというふうに思っております。
 多分、関税率が、この一七〇〇%の関税がこれ無税になるわけですから、無枠になるわけですから、よほど、何というんですか、全く気付かない人でない限りは、多分日本に対して一生懸命輸出できるように努力をされるんだというふうに思っております。
 そういった意味で、今まで非常に高い関税率を掛けて保護していた国内産業の対象品目でございますから、私はそもそもこの特恵対象品目からコンニャクイモは除外すべきだというふうに思っておるんですけれども、この考え方に対して尾身財務大臣はどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(富田茂之君) 今先生の方で国別・品目別特恵適用除外措置をとるべきだという御指摘がございましたが、この措置は我が国市場におきまして高い国際競争力を有する特恵受益国の産品につきまして、より競争力の低い特恵受益国への特恵メリットの均てん化を図るという観点から、国及び品目を指定して特恵の適用を行わない制度でございます。
 こうした国別・品目別特恵適用除外措置、いわゆる部分卒業措置のLDCに対する適用につきましては、まずLDCは一般特恵受益国に比べまして貿易を通じた開発を支援する必要性がより一層高い、またEC等におきましてもLDCは部分卒業措置の対象としていないこと、これらを踏まえましてLDCにはこれを適用しないこととしておるものでございます。
 是非御理解いただきたいと思います。
○富岡由紀夫君 今の話は一般特恵対象品目、対象国の話でありまして、そうじゃなくて、私が今お話ししたのは、LDC向けの特恵対象品目にこのコンニャクイモが入っているわけです、今回入れられるわけですけれども、そもそもそれを入れないで除外すべきだと、LDC向けの特恵対象品目からこのコンニャクイモは除外すべきだというふうに私は思っているんですが、この点について改めて尾身財務大臣に御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 全体のこのLDC無税無枠措置の拡充に当たりまして、農林水産省とも協議をした結果、コンニャクイモなど対象産品の輸入の増加により国内産業の損害が生じた場合には、特恵関税の供与を停止するエスケープクローズについて機動的に発動を行うべく、その運用基準について明確化を図るところにしたところでございまして、こういう必要な対策を講じた上でこの今回の措置になったわけでございまして、しっかりと、コンニャクイモ生産を含めた国内産業に悪影響がないよう、今後機動的に対応してまいりたいと考えております。
○富岡由紀夫君 特恵対象品目から除外はする御予定はないということでございますか。分かりました。
 今お話にありました、緊急特恵停止措置の発動基準のお話が出ましたけれども、これはやや基準が非常に抽象的に書いてありまして、明確な客観的な基準が示されてはおりませんけれども、この発動基準、この運用基準というか、について、これをどのようにとらえたらいいのか、何か主観的な抽象的な表現で書いてあるんですけれども、どこが、どこから、どういうふうになったら実際に適用が発動されるのか、お示しいただければと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘のエスケープクローズの発動の点でございます。これにつきましては、基本的にはやっぱりケース・バイ・ケースで国内産業の損害というものの判断の必要があるんではないかというふうに考えております。一律的な数値基準になりますと、これは今申し上げました無税無枠と併せまして考えますとなかなか難しいという点と、あわせまして、やはり少しでも損害があればということも、もちろんそれはいろんな考慮の対象になるわけでございますから、そういう意味で数値基準は採用しておりませんけれども、その措置の機動的な活用のために、私ども運用に係ります基準ということで、私ども関税・外国為替等審議会において議論したところはございます。
 具体的に申し上げますと、第一は、やはり特恵適用のその輸入の増加ということでございます。これは、国内の市場占拠率の増加。しかし、これもやはり何%増えたらという議論はなかなか言いにくいと思います。少しの場合であってもやはりまずい場合もあろうかと思います。
 それから、二番目でございますが、国内産業の損害ということでございますが、これにつきましては、当然のことながら、国内の国産品の販売価格が低下するということもございますが、これもどういうふうに判断するかというのは必ずしも、それはあいまいという議論よりも、そこはやはりむしろその数値基準というのはあらかじめ示すことは多分できないのではないかというふうに思うわけでございます。
 さらに、三番目でございますが、特恵の適用対象の輸入の増加と、それから国内産業の損害の因果関係と、こういうことで検討を行うということで、それが言わば基準になってございます。
 いずれにいたしましても、私ども発動が必要と認められた場合におきましては、農水省とも相談いたしまして、原則二か月以内に調査を終了して政令でやってしまおうというふうに考えておるわけでございまして、速やかに政令でその当該の対象品目等を指定いたしまして、緊急特恵停止措置、エスケープクローズを発動するということになろうかと思っております。
○富岡由紀夫君 国内の生産農家に影響のないように、このエスケープクローズの発動基準を明確に活用していただいて、していただいて、今ありました調査期間、これもできるだけ短縮していただいて、影響が、何というんですか、長引かないように早めに手が打てるように運用を是非お願いしたいと思います。この点を要望させていただきたいと思います。
 さらに、今の現状のコンニャク農家に対する経営安定対策というのは、現状どのような対策が取られているのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(佐久間隆君) コンニャクイモ生産農家に対します支援でございますけれども、まずコンニャクイモにつきましては、中山間地域におきます特産物といたしまして、地域農業の振興でございますとか生産条件不利地域の国土保全に寄与している重要な農産物であると考えてございます。
 他方、コンニャクイモの特性ということの中に関連しまして、担い手の高齢化でありますとか後継者不足といったような問題に加えて、気象災害に弱く収穫までに複数年を要するといったことなどがございまして、生産量の増減及び価格変動が激しいと、こういった課題がございます。
 このため、従来より、強い農業づくり交付金等の各種の助成措置によりまして、品質、生産性の向上によります産地の生産体制の強化のための機械でございますとか施設の整備を図っていること、価格の安定を図るための計画的な生産や調整補完を行う、あるいは消費拡大を図るための消費者に対する啓発、こういったことについて支援をしてきております。
 加えて、産地の構造改革を加速する観点から、平成十八年度補正予算におきまして新たに特定農産物産地構造改革対策事業を創設いたしまして、契約栽培の推進等によりまして産地強化対策を講じたところでございます。これらの対策を引き続き推進することによりまして、コンニャクイモ生産農家の経営安定に努めてまいりたいと思っております。
○富岡由紀夫君 今のはコンニャク生産農家だけに適用されるものじゃなくて、一般の、広くそれ以外の、コンニャク以外の生産農家に対する、何というんですか、経営安定対策というふうにとらえることができたんですけれども、昨日の御説明だとコンニャク農家に対する経営安定対策はないということで御説明いただいたんですけど、それとちょっと矛盾するんですが、どういうふうに理解したらいいんでしょう。
○政府参考人(佐久間隆君) 昨日御説明に伺った者からのことでございますけれども、御説明申し上げたのは、コンニャクイモの国内の価格支持といったような、そういうものはございませんということで、今申し上げました対策は、コンニャクイモの生産農家に対しまして具体に取られている、これはもちろん費目としてコンニャクという名前が付いているということではなくて、これを強い農業づくり交付金等々の中で対応しているということでございますが、具体にコンニャクイモの生産農家に対して実際に行われているものでございます。
○富岡由紀夫君 コンニャクイモについてちょっと最後の質問なんですけれども、昨日ですか、ニュースでやっていましたけど、中国産の里芋が千葉県産ということで、そういうふうな販売をされたということが、それでいろいろと処分を受けたというニュースが出ておりました。
 原産地証明というのが多分あるはずなんでしょうけれども、そういうのがなかなかこういう事例を見ると信用できないということが、まあそういうことになるんですけれども、本当にこういったコンニャクイモについても、中国からの迂回輸入とか、原産地証明が本当にそれがちゃんとしっかりしたものが、信憑性のあるものがちゃんと持てるのかどうか、それも心配でございます。
 最後に、このコンニャクイモの経営安定について、再度、尾身財務大臣、今のいろんな原産地証明の悪用とかそういったことも含めて、そういった現象があるということも考慮してお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) LDC産以外のコンニャクイモ等がLDCを通じて迂回輸入されるということのないよう、輸出国の発給する原産地証明書の提出を義務付け、そして税関により証明書の確認を厳格に行うこととしております。また、輸入に際しまして適切な検査、分析を行うとともに、仮に輸入許可後において疑義が生じた場合につきましても事後調査の実施をするなどの対応を行ってまいりたいと考えております。
 このような取組によりまして、LDC無税無枠措置を悪用した迂回輸入につきましては、これを水際で厳格に措置すべく万全を期してまいりたいと考えております。
○富岡由紀夫君 次に、EPAについてちょっとお伺いしたいと思います。
 今、オーストラリアとのEPAが議論されておりまして、農水省さんの試算によりますと、小麦、砂糖、乳製品、牛肉の四品目の関税が撤廃された場合八千億円ぐらいの国内の生産額が減少するという見方もされているようでございますが、この四品目の関税が撤廃された場合、砂糖は群馬県はないんですけれども、群馬県もかなり影響を受けるというふうに思われますが、このオーストラリアとのEPAが締結されて四品目の関税が撤廃された場合の群馬県への影響について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(原口和夫君) 豪州から輸入されます農産物の多くは我が国農業にとって重要な品目であり、仮に日豪EPAによって関税が撤廃されましたならば、群馬県の農業始め我が国農業に大きな影響があるというふうに認識しております。
 群馬県の農業への影響でございますが、これにつきましては群馬県庁の方から試算が公表されておりまして、関税撤廃が行われれば小麦、牛肉、生乳の三品目の生産が合計で三百五十三億円減少するという結果が出ているというふうに承知しております。
○富岡由紀夫君 群馬県だけで三百五十何億円ということで、非常に日本全体にするとかなり影響が大きいと思いますので、私はこの四品目はこの関税撤廃の対象から外すべきだというふうに考えておるんですが、この除外すべきだという考え方について、財務大臣、どのようにお考えでいらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(原口和夫君) 日豪EPAにつきましては、日豪の政府間共同研究を行いました。そこの報告書におきまして、今申しましたような重要品目の重要性にかんがみまして、交渉に当たっては除外及び再協議を含む我が国農業を守る上で必要なすべての柔軟性の選択肢を取りそろえるということで報告がなされております。
 EPA交渉に当たりましては、このような報告を土台といたしまして、国内農林水産業への影響を十分踏まえまして、守るべきものはしっかりと守るという方針の下、政府一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
○富岡由紀夫君 今回のオーストラリアとのEPAの締結もそうですけれども、WTOとかFTAとかいろんな交渉がされるとき、いつも犠牲になっているのが日本の農業だというふうに思っております。日本の農業の犠牲の上に日本の輸出産業が成り立っているという見方もできるのかなという感じがしますけれども、ただ、余りにも農業ばかり非常に犠牲が大変強いられているという状況は私は行き過ぎじゃないかなというような思いがしております。今ありましたオーストラリアとの影響は非常に大きな影響も含んでおりますので、今後のこういったWTOの交渉とかEPAの交渉の中で、やっぱり農業については日本も守るべきことは、今お話ありましたように、しっかりと守るということで議論していただきたいというふうに思っております。
 改めて、再度、尾身財務大臣に、日本の農業を守るという観点から今後の交渉についてのお考えをお示しいただければと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 今のWTOドーハ・ラウンド交渉やあるいはEPA、FTA交渉に当たりましては、食料安全保障の確保とかあるいは農林水産業の多面的な機能、我が国農林水産業の構造改革の進捗に十分留意することが必要であると考えております。EPA、FTA交渉につきましては、攻めるべきは攻め、守るべきは守るという考え方の下に、我が国と相手国双方の共存共栄が図られるよう戦略的かつ積極的に取り組んできております。WTOドーハ・ラウンド交渉につきましても、本年交渉が本格的に再開されたところでありますが、同様の方針の下で交渉の早期妥結に向け積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、これらの交渉に当たりましては、我が国農林水産業の構造改革の進捗等に十分配慮しつつ、我が国として最大限の利益を得られるような政府一体となって交渉を進めてまいりたいと考えております。
○富岡由紀夫君 先日、テレビでドキュメンタリーというか特集があって、WTOでどういう交渉が行われているのかという話がされて、放映されていましたので私も見たんですけれども、それを見ると、先進国が自国の農業はしっかりと補助金を出したり輸出奨励金を出したりして産業を育成して保護しているわけでございますけれども、だれが犠牲になっているかというと、開発途上国が非常に被害を受けているといった内容でございました。農業に対する関税を撤廃して、本来であれば開発途上国というのは国が成長をするためにはまず農業基盤をしっかりと成長させていかないといけないわけですけれども、その開発途上国の農家が先進国からの農産物の輸入によって非常に大打撃を受けていると。先進国は輸出補助金とか農業補助金、いろんな奨励金を出して自国の農業はしっかりと守っていると。それで、開発途上国の農家は非常にその輸出品に抑えられて、自国の産業として農業が成り立たないといった状況が出ておりました。もう先進国は非常にそういったエゴをむき出しにして開発途上国の農業を食い物にしているというか、そういった内容のドキュメンタリーでございました。
 是非、そういったことのないように、日本もこの先進国の中でリーダーシップを発揮していただいて、そういった開発途上国をいじめるような農業政策、関税政策を、貿易政策を取るんじゃなくて、しっかりとリーダーシップを発揮していただいて、本当に開発途上国、特に後発開発途上国に対してしっかりとした支援ができるような議論をしていただきたいというふうに思っております。
 最後に、今のお話を受けて、尾身財務大臣の、もしそういったお考えをお伺いできればと思いますので、よろしくお願いします。
○国務大臣(尾身幸次君) 開発途上国の経済の発展を支援するということは極めて大事であり、また基本的には自由貿易の方向に行くということが大きな世界の流れであると考えております。
 ただしかし、そういう中で、やはり国内の農業を守っていくということも、我が国の自給率の問題も含めまして非常に大事な国家としての基本的な課題でございまして、そういうことも含めましてしっかりと対応していきたいと考えております。
○富岡由紀夫君 時間になりましたので、これで質問を終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今般の関税定率法の改正案につきまして、幾つか確認をさせていただきながら質問をさせていただければと思っております。
 お手元に配らせていただきましたものは、新聞社、業界紙でございますけれども、昨年の一年間のコンテナ取扱量をランキングしたものでございまして、トップ二十が記されております。これ見ていただければもう一目瞭然なんですが、まず分かることは、日本はどこにもないということで、東京港も神戸港もないわけでございまして、トップテンの港を見ますと、これは括弧内が前年でございますので、上から十位は去年も一昨年も変わらない、前年と同様ということでございます。
 ちょっとコピーですので分かりにくいかもしれませんけれども、やや網掛けをしているところが中国関係でございまして、大変に中国勢が大きく躍進しているということもお分かりいただけるんじゃないかというふうに思うわけであります。
 一方で、そういう大変に競っている方としては韓国が、伸びとしては釜山なんかを見るとやや苦戦を強いられているということもありまして、この韓国ではいろんな物流特区を設定したり様々な規制緩和をしたりして環境整備を進めているわけであります。
 このランキングを見る限りは、やはり日本は、もう物量だけではとてもではないけれども対抗し得ない状況にもう日本の港というのは来ているんだろうというふうに思います。
 私も、一昨年でございますけれども、党の方の派遣で香港を訪問したことがございまして、その際、民間の企業でありますハチソンという大きな財閥がございますけれども、このハチソンが運営しておりますターミナルを視察する機会がございました。ここのターミナルは一つだけで東京港の二倍強、二・五倍ぐらいの扱いがあるというふうに言っておりました。二十四時間稼働して、電子情報の事前情報を生かしながら、大変狭いスペースでありますけれども、縦にコンテナを積み上げていって大変効率的に運営をされておられまして、私も大変に勉強になったわけでございます。
 こうしたことを踏まえて、まず日本の港湾の競争力ということにつきまして、今日は国交省の方にもお見えいただいていると思いますので、どう認識されているのか。日本の港湾の競争力が、いろんな日本に産業ございますけれども、そういう中で、そういうものと比べてどういう国際競争力を持っているのか、そういう認識をしているのかということについて、まずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(林田博君) お答えを申し上げます。
 近年、アジア域内におきまして港湾間競争が激しさを増す中で、我が国港湾は相対的にその地位を低下させております。委員御指摘のとおりでございます。これは、アジアの諸港を始めとする海外の港湾と比較してコンテナの貨物一個当たりの取扱コストが我が国の場合高うございます。また、船舶が入港してから輸入貨物を引き取るまでの時間、リードタイムと申しておりますが、この時間が長いというようなことなど、サービス水準が低いことなどによるものと認識をしております。
   〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
 このため、現在、京浜港、伊勢湾、阪神港などにおきまして、平成二十二年度までに、港湾コストは韓国の釜山港、台湾の高雄港並みとなる約三割低減、リードタイムはシンガポール港並みの約一日程度に短縮することを目標にスーパー中枢港湾プロジェクトを推進しております。
 スーパー中枢港湾におきましては、コンテナ船の大型化に対応した高規格コンテナターミナルの早期整備を行いつつ、これを一体的かつ効率的に運営するメガターミナルオペレーターの育成を図ること、さらに、港湾行政における手続の統一、簡素化の促進、港湾の二十四時間運営を支援する取組を進めるなど、官民連携の下でソフト、ハードが一体となった総合的な施策を実施しております。
 また、アジアなど海外の成長や活力を取り込み国際競争力を強化する取組を推進し、アジアのゲートウェイ機能を向上させるため、スーパー中枢港湾を始めとする国際港湾におきまして、ターミナルと一体となって稼働する臨海部の物流拠点を形成することによりまして物流産業活動を支援し、国際水準を上回る港湾サービスの一層の向上を図ることが重要と考えております。
○西田実仁君 今御丁寧にいろいろと御答弁いただきましたけれども、今回のこの関税定率法の改正も、正にそうした国際競争力、港湾も含めてでございますけれども、港湾も含めた物流、また物流産業の国際競争力、これを強化していくための一つの環境整備として通関制度を改善していこうと、こういうことが大きなねらいだろうというふうに思うわけであります。
 そこで、こうした日本の物流産業の国際競争力を高めるために、じゃどういう改革が必要なのかということについて、この法案の中身にも、そこに随分盛り込まれておりますのでお聞きしたいと思いますが。
 昨年末に国際物流競争力パートナーシップ会議というのが開かれておりまして、ここでは、経済産業省、国土交通省、そして財務省関税局が連携してのいわゆる行動計画というのが策定をされております。その中身は、二〇一五年のASEAN統合というものを視野に入れて中長期的にASEAN域内での物流コスト及びリードタイムの半減を目指すと、こういうことで一言で言えば行動計画は作られていると思いますが、この行動計画は大きく二つ中身がございまして、一つはASEAN各国に働き掛けていく内容と、もう一つは日本自身が取り組むべき内容というのに大きく分かれると思います。
 そこで、まず、ASEAN各国に働き掛ける内容として行動計画に盛り込まれておりますASEAN統合に向けた輸出入通関手続の電子化に関する行動指針、行動計画というのが盛り込まれております。具体的には、ASEAN各国のシングルウインドーをどう構築していくのか、それをどう支援していくのか、人材面、また資金面、こうした支援を今後どういうふうに進めていこうとされているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の物流パートナーシップの件でございます。二つございまして、委員御指摘のとおり、国内をどうするかという議論、これは今国会、今お願いしておりますような法律の議論と、あとはシステムの議論がございます。それからあと、ASEAN各国をどうするか、ASEAN域内全体をどうするかと、こういう問題に分かれます。
 ASEANの域内で見ますと、やはりそれぞれ国ごとによりましてかなり電子化のばらつきがございます。まだ全然できていないところもありますし、マレーシア等かなり進んだところもございます。もちろんシンガポールは一番進んでいるわけでございます。こういう点を中心にいたしまして、私どもNACCSセンター等を利用しまして、そこら辺の全体のシステムをどういうふうに考えていくのかということを中心にASEANとの関係をいろいろつくっていこうということで、各国ごとにそれぞれ、私ども関税局からも人を派遣いたしまして、どういう状況になっているのか、あるいは具体的にどういうことで何をこれからしたいのかという点を含めて、今後また検討させていただきたいと。
 それに応じまして、いわゆるキャパシティービルディング、能力構築なり、あるいは技術支援を行うというような形をやっていくということがまず大事だと思っておるわけでございます。そのためにシステムをどうやって構築させるか、さらには日本とどうやってつなげるかという点も出てまいるわけでございまして、ここら辺がやはりこれからのキーポイントになろうかというふうに思っているわけでございます。
○西田実仁君 こうしたそのシームレスなアジアをつくっていくときに、今のシングルウインドーの支援、お金の面も、どういうふうなスキームでそうした支援をしていくのか、債務保証していくのか、あるいは基金みたいなのをつくっていくのかですね、この辺はどんなお考えなんでしょうか。
○政府参考人(青山幸恭君) 今、ASEAN各国におきます電子化の進捗状況がまちまちだと申し上げました。大変これ、いろいろそれぞれまちまちでございますし、まずは通関手続自体の電子化の議論がございます。次に、その各国国内におきますシングルウインドーがございます。さらに、ASEAN域内におきます、今AFTAができるわけでございますので、その間の共通フォームはできておりますが、その電子化というのが今実験段階でやっておるわけでございます。
 したがいまして、ここら辺の進捗状況と、私どものどの程度支援できるかというところを中心にいたしまして、税関当局間のいろんな集まりがございます、そういう場面を利用しまして、今後いろいろ検討させていただくと。したがいまして、まだ、先生御指摘のような資金がどうかという議論までは、まだ正直言って至っておりません。
○西田実仁君 次に、日本が取り組むべき課題ということで今回の法整備の中身に入っていくわけでありますけれども、今回のこの法改正で、こうした国際競争力を高めていく物流を目指したときにどういう環境をつくらなきゃいけないのかというところで、この通関制度をどう改善していくのか、それによって物流産業の国際競争力をどう高めていくのかということにつながってくるんだろうというふうに思うわけであります。
   〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
 そこで、まず大臣にお聞きしたいのは、私自身問題意識として持っているのは、やはり様々な省庁が取り組んでいかなければ物流産業自体の競争力を高めるのは難しいと思いますけれども、その様々な省庁、また官と民との連携ということも含めて、いろんなパートナーシップというのはやはり相当強めていかないと、日本全体のこの物流産業の競争力を高めていくというのは非常に難しいんではないかなというふうに私自身は思っているわけでございますが、今回、日本国内で取り組むべき課題として、いみじくも国際物流競争力パートナーシップ会議と命名されている、そのパートナーシップが入っているわけでございまして、そうした官民での連携、また府省間での連携、こうしたパートナーシップということについて、特にこの物流産業の競争力を高めるという視点からどのように大臣としてお考えなのかをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 省庁間の連携、また官民の連携ということが大変大事だと思っておりますが、大きな方向は、二十四時間体制をきちっとつくるということが一つ、それからワンストップで通関とか検疫とかそういうことが全部できるようにすると。これは、やはり省庁の権限とか役割がばらばらになっているということが現在まだ問題としてかなり残っておりまして、これを協力をしながらやっていかなきゃいけない。つまり、利用者の視点に立った手続の簡素化をやり、かつ、昨今問題となっておりますテロ対策等もしっかりと含めましてやっていかなければならないと考えております。
 先ほど最初に申し上げました二十四時間体制については、これはもうほとんどの地区で、地区というか、ほとんどの国の港湾あるいは空港においてそういう体制ができているわけでありますが、率直に言って、私はこの面において大変に我が国は遅れているというふうに考えております。これはいろんな社会制度や規制やいろんなことがあると思いますけれども、アジア・ゲートウェイという方向で日本の経済のオープン、オープン化を実現していく上においては避けて通れないというふうに考えておりまして、先ほど申しましたようなことでこれからも努力をし、できない理由を並べることではなしに、どうやったらできるかということを考えていかなきゃならないというふうに思っておりまして、この点について我々やらなきゃならないことがたくさんあると思っております。
○西田実仁君 できることからということでいえば、特にその電子化ということは大変重要になってくる。特に、府省庁間でのパートナーシップでいえば、来年の十月に次世代シングルウインドーの開発がなされ、いわゆる府省共通ポータルというのができるというふうに聞いているわけでございますが、この次世代シングルウインドーの中でのNACCSの今後の方向付けについてはどういうお考えでしょうか。
○副大臣(富田茂之君) 財務省は、平成十五年の七月から税関手続に関する通関情報処理システム、今先生御指摘のNACCS、又は船舶の入出港に関する港湾EDIシステム等関係システムを接続、連携しまして、複数の手続を一回の入力、送信で可能とするシングルウインドー化を開始したところであります。
 さらに、FAL条約の締結に合わせまして、平成十七年十一月から、港湾手続に係る各官庁統一申請様式の採用や申請項目を三分の一程度に削減するなど簡素化、合理化を図っております。現在、NACCSと港湾EDIのシングルウインドー機能を完全一本化するなど、現行シングルウインドーよりも利便性を一層向上させた次世代シングルウインドー、府省共通ポータルですが、平成二十年十月に稼働させ、これをNACCSセンターに運営させる予定であります。
 NACCSを中心とした次世代シングルウインドーの構築に当たりましては、船会社など利用者の意見を十分聴取するとともに、国土交通省港湾局など関係省庁と密接な連携を取り、NACCS自身の利便性を更に高めるとともに、システム稼働後におきましても地方港湾の手続の統一的な処理などの新規機能の追加にも機動的に対処することとしております。
 また、我が国の国際物流競争力の向上を図る観点から、アジア諸国の通関システムとNACCSの連携にも取り組んでまいりたいと考えております。
○西田実仁君 来年の十月にそうしたNACCSセンターを中心にして府省共通ポータルがシングルウインドーとして開発されるというお話でございますが、これもうちょっと早められないのかと、その開発を、そういう声も出てきているようですけれども、これはなかなか難しいんでしょうか。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘のように、なかなか難しいというふうに伺っております。
○西田実仁君 そうだと思いましてお聞きしましたけれども、この府省共通ポータルに民民も加えてほしいという声も随分ございまして、今NACCSと民間団体が運営するシステムとのEDIがどこまで進んでいるのかということを踏まえながら、この次世代シングルウインドーにおける、民民もどこまで加えられるのかということについてちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の点は多分TEDIの話、その他の議論だと思います。
 貿易金融をめぐるEDI化というのは、確かに歴史的には十数年前からやっておるんでございますが、なかなかいわゆる船荷証券の電子化等含めまして、大変技術的、法技術的にも難しい問題があるということでございますが、いずれにしましても、TEDIというのは今ございますんで、そこら辺を含めて、ちょっと余談になりますけれども、先ほどの、アジアでまだPAAという、そういう言わば、何といいますか、システムの団体がございます。ここら辺を含めて、NACCSが実質的に参加することによりましてそういう問題解決に資するのではないかなということで、今関係者とちょっといろいろお話をさせていただいているという段階でございます。
○西田実仁君 来年十月にこの次世代シングルウインドーが開発されるというときに、その次はどういうふうに考えているのかと聞くのもちょっとどうかとも思いますけれども、次世代のその次ですね、次々世代というのはどういうふうな構想をお持ちか、お持ちであれば可能な限りお答えいただければと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 今のは次世代シングルウインドーでございますが、一応、船会社等利用者の御意見を伺いながら港湾局等を含めまして関係省庁ともやっている段階でございます。
 そのシステム、来年十月稼働後でございますが、例えば地方港湾の手続の統一的な処理という新規機能の追加にも機動的に対処できるようにしようかなというふうに思っておるわけでございまして、先ほどもちょっと申し上げましたようなことでございますが、外国とどうやってつなげるかという点も含めまして、今後大きな課題になろうかなというふうに思っているわけでございます。
○西田実仁君 そうした外国との連携や、また地方の港湾との連携も含めて開発にお願いを申し上げたいと思いますが。
 もう一つ、府省庁間でのパートナーシップのもう一つは、官民でのパートナーシップということになろうと思います。今回の改正案の中には、日本版C―TPAT導入の基盤としての通関制度の改善ということがうたわれておりまして、先ほどの行動計画の中にも、「我が国の通関手続を網羅するコンプライアンス・プログラムを完成させ、これを日本版C―TPATの基盤とする。」というふうに指摘されているわけでございます。
 この日本版C―TPATというのは一体何なのか。いわゆるアメリカで始まった官民での非義務的な取組であることは、C―TPATそのものは理解しておりますけれども、日本版というわけですから、じゃアメリカと何がどう違うのか、これをちょっとまずお話しいただければと思います。
○副大臣(富田茂之君) コンプライアンスの優れた事業者に迅速な輸出入を可能とするいわゆる日本版C―TPATは、昨年六月に経済財政諮問会議で決定されました経済成長戦略大綱におきまして導入が提言されたものでありまして、セキュリティー強化と物流効率化の両立を確保するという考え方に立つものであります。
 この両立を図る制度といたしましては、これまでコンプライアンスの優れた輸出入者を対象として、輸入者については納税申告前の貨物の引取りを可能とする簡易申告制度があり、また輸出者につきましても保税地域への搬入原則を適用しない特定輸出申告制度が既に導入されているところであります。両制度につきまして、事業者のコンプライアンスの高度化を図りつつ利用者の利便性の向上を図るなど、通関制度の改革を今回の関税改正に当たりまして行うこととしております。
 今後、更に輸出入にかかわる各事業者のコンプライアンスを向上させるとともに、有機的連携を実現するような仕組みを構築してまいりたいと考えております。
 また、こうした国内制度の整備を推進するとともに、同様にコンプライアンスに着目した輸出入制度を導入している諸外国との連携を図ることも今後の重要な課題と考えております。
○西田実仁君 元々アメリカで始まっているC―TPAT自体は、セキュリティーの強化ということで、例の九・一一以降、国際物流関係の組織を統合して、そして税関の国境保護局が示すセキュリティーガイドラインに従ってそれぞれがセキュリティーを強化すると、こういうようなかなり一本化した形でのセキュリティーの強化、一方での利便性の向上ということを追求をしているんだろうというふうに思いますけども、この日本版C―TPATではその辺はどういうふうになるんでしょうか。
○政府参考人(青山幸恭君) 今アメリカの例を申されましたけれども、確かに九・一一以降、そもそも国土保安省ができました、安全省ができました、その中に税関も入ったということでございまして、一応全体としてのいわゆるセキュリティー関連は一元化されているというようなところでございます。
 我が国におきましては、現実の姿としましては、警察、あるいは国土交通省の中におきましては海上保安庁なりあるいは港湾局なり航空局なり、あるいは法務省は入管局、それから経産省というところが関係しているわけでございます。そういうところで実務面では密接なつながりは持ちながらセキュリティー対策をやっているというところでございますが、問題は、私ども今回の制度改正の中でのポイントは、やはり他省庁との関係でいいますと、主として経産省とあるいは国土交通省だと思っております。いわゆる安全保障管理等々を含めた部分とのどうやって整合性を保つかという議論でございます。
 私ども、特定輸出申告制度でございますが、これは昨年の三月からスタートして、もう先生御案内でございますが、コンプライアンスプログラムにおきましては、特定輸出者の承認を受けようとする方が貨物管理の適正化ということで法令遵守事項を定めるということになっているわけでございます。
 他方、外為法の世界におきましては、経産大臣の輸出等の許可を包括的に受けようとする場合におきましては、いわゆる輸出貿易管理を確保するための法令遵守を含みます安全貿易、安全保障の貿易管理ということに係ります輸出の管理社内規程を定めて経産省に届け出るように定めているということになっているわけでございます。
 実は、昨年三月からやっております私ども今の特定輸出申告制度におきましても、運用の中では既にこの経産省のコンプライアンスプログラムがあればそれで結構でございますということで、申請者の事務負担に配慮をさせていただいているというところでございます。
 ただ、一点ちょっと違いますのは、国土交通省さんのやられているような施策におきましては、例えば航空貨物利用運送事業者等を対象といたしましたいわゆる航空保安という世界になれば、ちょっとこれは今度のサプライチェーン、国際物流全体の中との話でいえば少しちょっと違うかなという感じになっておるわけでございまして、いずれにいたしましても、輸出、輸入双方、今回私どもの制度を見直させていただきます。
 こういう中で、コンプライアンスプログラムの策定を要件としているわけでございますが、これに係ります見直しの中で、各省庁間、それからあと企業、経団連等を含めまして、調整しながら全体としてやっていこうというふうに思っておるわけでございます。
○西田実仁君 今お話ありましたように、経産省プログラムと税関でのプログラムの整合性というか、利便性を高めるための様々な整理というものが今回なされるということを御指摘いただきましたが、この経産省プログラムですね、一番やはりいわゆるコンプライアンスの中で重視されるというか問題だなと私自身は思うのは、やはりこの安全保障輸出管理の面でございます。
 経産省の方にお聞きしたいと思います。この安全保障輸出管理で、最近幾つかの企業でこうした問題が起きていると思いますけども、その実例をちょっと挙げていただければと思います。
○政府参考人(押田努君) お答えいたします。
 外為法におきまして安全保障貿易管理の観点から輸出規制をやっておりますけれども、特に昨年、大企業などで違反事例が生じました。一つは、ヤマハ発動機の中国向けを中心とした無人ヘリの輸出についての不正輸出事件、あるいはミツトヨ、これ三次元測定機でございますが、これについてシンガポール等を通じた不正輸出事件、あるいは北朝鮮関係で凍結乾燥機、これは生物化学兵器等に転用ができるというものでございますが、こういったものの不正輸出事件と、こういったものが生じております。
○西田実仁君 これは、中小企業が大変に苦しくて何かそういう違反してしまうという、それももちろんいけないわけですけども、そうではなくて、もうかなり有名な大企業ですね、こうした大企業がこうした安全保障輸出管理に反してしまうという、このコンプライアンスのそもそも在り方そのものがかなり問われてくるんだろうというふうに思うわけでありますけども。
 どうなんでしょうか、これ、こうした安全保障輸出管理に関してもうちょっときちっとコンプライアンスを徹底させるために、一つの意見としては欧米並みにもうちょっと社会的制裁を強くした方がいいんじゃないかというような声もございますけども、経産省として今どんなお考えでしょうか。
○政府参考人(押田努君) お答えいたします。
 経済産業省におきましては、東芝機械事件が昭和六十二年に発生いたしましたが、それ以降輸出関連企業等に対しましてこの輸出管理規程の整備を求めまして、現在では千二百を超える企業がこの輸出管理規程を保有するに至っております。
 しかしながら、先生、議員から御指摘のとおり、大企業、これコンプライアンスの規定を定めているわけでございますが、その外為法違反事案が発生していることは我が国の輸出管理に対する内外の不信感を惹起しかねないということで、極めて遺憾であると思っております。
 こういった事態は経営者の輸出管理意識の低さなどにも大きな原因があるものと考えておりまして、経産省におきましては、昨年の三月に大臣名で輸出管理の強化について主要な団体に要請をしたところでございまして、その中で、何といっても輸出管理の成否が企業の存亡にかかわりかねないということを経営者自身が十分認識して、体制強化に努めるようということで要請をしたところでございます。
 そして、これは単に定めると、コンプライアンスを定めるということだけではいけないわけでございまして、体制が実効的なものになるように、を確認するために企業に対する立入検査、これを大幅に強化をしておりますし、あるいは普及啓発のための安全保障貿易管理説明会、これを全国各地で開催をしておるところでございます。
 悪質な事例につきましては、当然刑事的な対応もございますし、あるいは私ども行政制裁ということで輸出禁止という処分もございますので、こういった取組を引き続き着実に進めていきたいと思っております。
○西田実仁君 終わります。
○大門実紀史君 大門でございます。
 関税法の審議ですけれども、本題に入る前に、損害保険会社の問題について一、二点お聞きしたいと思います。
 今日はわざわざ山本大臣にお越しをいただきまして恐縮でございます。せっかく来ていただいたので、是非いい御答弁をお願いしたいと思いますけれども、まず山本大臣は、損保会社の不払事件、相次ぎました、これについてどういうふうにお考えか、またその根底に何があるとお考えか、簡潔にお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(山本有二君) 損保会社が相次ぐ不払事件、十七年、十八年、十九年と連年続いております。第三分野に係る不適切な不払が判明した損保会社十社に対しまして、三月十四日、業務改善命令を発出するとともに、うち六社に対しまして一部業務の停止命令を発出いたしました。
 保険金の支払というのは、基本的かつ最も重要な保険会社の責務でございます。多数の損保会社におきまして、第三分野商品に係る不適切な不払が判明したことは極めてあってはならないことであり、遺憾でございます。損保会社におきましては、十七年十一月の二十六社に対する業務改善命令以来、数次にわたって行政処分が下されておりまして、にもかかわらずという感が否めません。
 そして、今後、こうした処分をもっと厳粛に受け止めていただきまして、二度とこのようなことがないような、言わば構造的な問題について原因究明に徹底していただきたいと思っております。その上で、利用者の保険事業に対する信頼を回復すべく、適切な保険金の支払管理体制、これに当たってもらって改善を進めていただきたいと願うところでございます。
○大門実紀史君 私は、その構造の問題の根底には、もうけばかり追い掛ける、もうこの間いろいろ起きていますけれども、そういう利益至上主義があるんじゃないかと思います。
 その不払で処分を受けた損保保険最大手の東京海上日動火災が、今度は東京地裁からそのリストラ計画が不当であるとの判決を三日前の二十六日に受けました。これは簡単に言いますと、時間がないので、外勤社員制度、つまり地域限定で保険募集にかかわる社員の方々ですけれども、九百二十一人が勤めておられましたが、この制度を七月に廃止をすると。そうすると、会社を辞めて保険の代理店になるか、あるいは既存の代理店に出向する配転を選ぶかということになるわけですけれども、事実上の解雇強要に等しいということで、東京地裁が厳しく断罪をしたということでございます。
 私は、この保険不払問題も取り上げてまいりましたけれども、この法律違反の不当労働行為も根っこは一つで、先ほど申し上げました利益ばかり追い掛けているその延長で、人の道に外れる脱法行為が起きたんではないかと思います。損保業界、競争激しいんでしょうけれども、この労働問題も含めて、やっていいことと悪いことがあるんじゃないかと思いますし、利用者にもそういう不払を起こすし、働く人にも不当労働行為と、法律違反と。この東京海上火災の経営姿勢はいかがなものかというふうに二重に思ったわけでございます。
 大臣、もちろん裁判の個別のことについては言及される立場じゃないということも事前にお聞きしておりますので、私、大臣にお伺いしたいのは、いろんなことを起こす損保業界の経営姿勢、東京海上の経営姿勢そのもの、その根っこにあるものといいますか、もっと要するに利益だけじゃなくて、人を大切にするような経営というのがやっぱり、損保業界だけじゃないと思いますが、今失われているんじゃないかと、もうそういうところにいろんな問題を起こす原因、根本があるんじゃないかと思っております。
 ですから、経営姿勢が今問われているんじゃないかという点で、余り答弁書をお読みにならないで、大臣の率直なお考えをお聞きできればと思っているところでございます。
○国務大臣(山本有二君) 大門委員のおっしゃる趣旨は、大宗私もそう思っておりまして、特にガバナンス体制の改善強化がこの分野では必ず求められていると思っております。
 そして、支払管理体制が不十分な点については、利用者の信用失墜することはもう火を見るよりも明らかでございますので、これについての具体的な方策、特に苦情処理やあるいは不服申立て、こういったことが業務改善計画の中に正確に盛り込まれているかというのが今後見極められるところだろうというように思っています。
 また、契約者保護や利用者利便の改善、法令遵守、もとよりでございますが、一部の業務を停止する社は役職員の責任の明確化、こういうことも大事だろうというように思っております。
○大門実紀史君 もう一言お聞きしたいんですけれども、それは利用者の不払の方ですが、やっぱり全体として働く人も利用者も余りそういうことを頭に置かないでやっていると、こういう東京地裁から厳しく糾弾されるということも起こるんじゃないかと。やっぱり人を大切にする経営ということを、大臣、前、そういう話をされたことがあると思いますので、そういう点で一言お伺いしたいということでございます。
○国務大臣(山本有二君) 特に保険分野は、情報の非対称というものがありますし、資本力における巨大性と弱小性というものの対称もございます。そんな意味におきまして、とにかく地位あるいは規模あるものはヒューマニズムというものが欠かせない、今後の社会の円滑化を図る上において最も大事なことだろうというように思っております。
○大門実紀史君 とにかく、まだいろいろ起きそうだと思うのがこういう経営姿勢のところでございます。
 不当労働行為というのは、控訴しても、この間負ける可能性が高いわけですし、時間延ばしで控訴して、時間延ばしなんかやると、もうとにかく社員の皆さんと家族の皆さんに苦しめるだけだと思いますし、不払問題ともう表裏一体で、そういうことをやればますます東京海上の、何といいますか、企業イメージもダウンするし、社会的な評価も下がるばかりだというふうに思いますので、控訴をしないようにということを国会の場でも私も要求をしておきたいというふうに思います。
 山本大臣、本当にありがとうございました。もう質問終わりましたので。
○委員長(家西悟君) 山本特命担当大臣、御退席いただいて結構です。
○大門実紀史君 ありがとうございました。
 それでは、本題の方に入ります。
 既に様々な角度から議論がございました。私は、この法案の最大の問題点は、経済連携協定の規定の整備の問題だというふうに思っております。改正理由が書かれておりますけれども、なかなか意味が不明でございます。要するに、何か実務的な整理をするみたいなことが書いてありますが、それは本質的な問題ではございません。
 確かに、条文上、この関税暫定法の中の条文というのは、EPA、FTA、そのたびに国の名前が書き込まれて、ほとんど同じような法文が追加されるというふうになっております。これをまとめたらどうかと。これそのものは実務的な整理なら何も反対することではないと。審議するたびに国の名前を加えていけばいいと思うわけですが、実はそうではなくて、国の名前を加えるというようなこともやらない。
 もっと分かりやすく言いますと、EPAが外交委員会で本体の協定が審議して採決されると。今までですと、その関税の部分はこの財政金融委員会で審議をして採決をすると。二重にチェックをしていたわけですね。もっと言えば、外交防衛委員会で、ある国とのEPAが、協定が、本体が承認されても、もしこの委員会でその関税部分が否決をされたら、そのEPAは事実上発効できなかったわけです。そういう二重のチェックになっていたわけですが、今回、実務的な整理とか言っていますが、要するに包括規定にして、一個一個国の名前も書き加えないということで、要するに外交防衛委員会だけでEPAの審議が終わってしまう。先ほどからあった国内産業の影響、農業の影響も含めて外交防衛委員会でやれば、それが採決されればもう発効まで行ってしまうと、こういうことでございます。つまり、今までは二回審議をしてチェックをしたというのを一回、一つの委員会で審議してチェックする、それだけでもう終わらせちゃおうというのがこの包括規定の、それだけのことじゃないかと思います。
 制度の説明は必要ありません。そういうことかどうかというのだけ確認したいと思います。
○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘のとおり、従来でございますと、経済連携協定が署名された際には、その都度、協定実施のための私どもの関税暫定措置法の一部を改正するということで、中身は何かといいますと、二国間のセーフガードと二国間の関税割当てに係ります規定の整備でございます。
 現在の、今の経済連携協定の進捗状況でございますが、まず、去る三月十九日でございますが、シンガポールの協定の改正が行われて署名がなされております。さらに、おとといチリの署名がございます。
 さらに、今後ありますので、それらを含めたところでの複数の協定に対応し得るよう、今回、実施協定をお願いしているというところでございまして、いずれにしましても、今後また新たないろんな交渉が出てまいります。そういう際に今回の改正案によって対応できない部分が出てまいりますると、それは改めてこれに対応いたしました改正案を御審議いただくということでございまして、いずれにいたしましても、政府が提出しております経済連携協定でございますが、通常、外交防衛委員会において審議されておりますけれども、いずれにしましても、国会におきましてどのような形で御審議いただくかは国会側の御判断というふうに私どもは伺っているわけでございます。
○大門実紀史君 いや、そうじゃないんですよ。もういろいろいいから、私が聞いたのは、今までは両委員会でやらなければ発効ができなかったと、今度は外交防衛委員会でやれば発効はできると、そういうことでしょう。それだけでいいですよ。
○政府参考人(青山幸恭君) くどいようでございますが、今回の改正は、今の既存の各協定における規定内容を踏まえて、今国会におきます署名が予定されている部分についての改正を包括的に行うということでございますので、今後の交渉、また新しいこれからいろんな交渉始まります、そういう過程におきまして今般の改正案によりましては対応できないような条文が出てまいるかもしれません。そういう場合におきましては、改めてこれに対応したような改正案を御審議、当委員会において御審議いただくということでございます。
○大門実紀史君 あなた、だれでしたっけ、関税局長でしたっけ。分からないんですか、法案の中身が。そうじゃないんですよ。それはイレギュラーな例が出てきたときだけやるわけだから、今回のことによって、今までのこの条文で包括規定になっちゃうのは、もう向こうで決まったらここでは審議しないということなんですよ。そんなこと分からないで提案しているんですか。
 それで、もう一つ申し上げたいのは、イレギュラーな例として、例えば日豪のEPAが来る、これはもう大変な今議論になっております。心配の声も上がっております。その場合でも、私は、今回の包括規定にしちゃえば、日豪のEPAだけはセーフガードも関割りも、関税割当ても、よほど特別なものがあればこの包括規定に合わないから関税法の、暫定法の改正をしなければいけないということがあるかも分かりませんが、日豪だって、この包括規定、非常に包括的ですからね、手続だけですからね、中身は書き換えていませんからね、包括的にその枠組みに該当するということになれば、日豪だって何も法改正しないと、これに該当すると、だから外交防衛委員会だけで済んじゃうということもあるんじゃないですか。
○政府参考人(青山幸恭君) 再三申し上げますように、日豪の例はこれからまた交渉をやる話でございます。これからスタートする話でございますが、いずれにしても、どのような今後二国間セーフガードの形態になるのか、あるいは二国間の関税割当て制度をどういうふうにするのか、これは個々まちまちだと思っております。そういうことでございますので、今後の交渉次第でございます。
 委員御指摘のとおり、同じパターンであれば、今までどおりの二国間のセーフガードであり、あるいは二国間の関税割当ての基本スキームが変わらない限りは確かに御指摘のとおりでございますが、今後の交渉というのはまたいろいろ紆余曲折あろうかと思います。したがいまして、私どもでは今、今現在におきまして御審議をお願いしているということでございます。
○大門実紀史君 問題は、私思うんですけれども、やっぱり今日も群馬のコンニャクの問題ありましたし、いろいろ農業の問題、国内産業の問題もよく取り上げられました。それは主にこの委員会でやってきたんですよね。その場がなくなって、余り経済のこと御存じないと思われます外交防衛委員会の中だけですべてが発効まで行っちゃうというのは、私は問題ではないかと思っております。
 あとはちょっと反対討論でもう申し上げますが、どうしても今日の委員会、もうしばらくないそうですので一言聞いておかなきゃいけないんで、またちょっと別の話になって申し訳ないんですけれども、前回、国有財産処分の有識者会議の伊藤滋座長さんが、国有財産処分と利害関係のある不動産業界、個別企業から何らかの収入を得てないかということを確認してほしいと申し上げました。理財局長さんは確認しますとおっしゃいました。その報告を簡潔にお願いします。
○政府参考人(丹呉泰健君) お答えいたします。
 先日、確認させていただくと答弁をいたしました。その後、伊藤座長に議事録を見ていただきまして、事実関係を確認いたしました。この結果、金銭関係につきましてはプライバシーの問題もあり具体的にお答えできないわけでございますが、財務省としては伊藤座長に有識者会議の座長をお務めいただく上で問題となるような事実はないものと確認したところでございます。
 それから、一言、国有財産の売却、有効活用の進め方について説明させていただきます。
 有識者会議は有効活用について検討いただく場でございまして、国有財産の個別具体的な売却先を決定する場ではございません。個別具体的な売却先は財務省が決定するところでございます。
○大門実紀史君 もう時間がなくなりましたので、次回、大きな問題ですので、もう時間ないときでもったいないですから、次の機会に全面的にやりたいと思います。
 財務省が問題があるないは、そんな主観的な判断聞いていません。収入があったかどうかということを聞いたわけで、何らかの収入があったから確認をされたんだというふうに思います。
 なぜこの問題を取り上げるかといいますと、思い出してほしいんですけれども、過去にも公務員宿舎跡地の問題では新宿の戸山開発の大問題がありました。これも大手町と同じように随契で、随契で大手不動産会社の連合体の開発会社に売却されました。これも大手町と同じスキーム。当時、中曽根総理でございましたけれども、その参加企業の関係を我が党が追及をいたしまして、中曽根総理は、その企業からもらっている献金を御返還なされました。そういうことと同じスキームだということで申し上げているわけでございます。
 伊藤滋さんはあるフォーラムで、今回の都市プロジェクトについて自分でおっしゃっています。国家と大資本の癒着であると自ら放言をされています。さらに、こういうのは赤旗が書くかもしれないと。御希望どおり書いたわけでございますけれども。こういう問題でございますので、我が党も追及しているということだけ認識をして、次の機会をお楽しみいただきたいというふうに申し上げて、質問を終わります。
○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○大門実紀史君 反対討論を行います。
 反対の主な理由は、先ほど質問で取り上げたとおり、経済連携協定に関する包括規定への移行です。このことによりEPAの審議、チェックの機会が半減をいたします。特に財政金融委員会では、その国とのEPAの賛否にかかわらず、与野党とも関税と国内産業や農業との関係に時間を取って審議をしてまいりました。今後EPAが増えていく見通しの中で、ますます国内産業や食料自給率との関係を含め、農業問題との関係が深く議論されなければならないときに議論の場を縮小することは、国会の在り方や、特に参議院のチェック機能からしても賛成するわけにはいきません。
 本法案には、米、麦など十一品目と牛肉、豚肉の特別緊急関税制度の一年延長や沖縄への関税優遇措置の延長など賛成できる内容も含まれておりますが、今後のEPAの審議を形骸化される重大な内容を含んでいることから反対といたします。
 以上です。
○委員長(家西悟君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 関税定率法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(家西悟君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大久保勉君から発言を求められておりますので、これを許します。大久保勉君。
○大久保勉君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国民経済的な視点から国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、調和ある対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。
   なお、関税の執行に当たっては、より一層適正・公平な課税の確保に努めること。
 一 急速な高度情報化の進展により、経済取引の国際化及び電子商取引等の拡大が進む状況にかんがみ、税関の執行体制の整備及び事務の一層の情報化・機械化の促進に特段の努力を払うこと。
 一 最近におけるグローバル化の進展等に伴い税関業務が増大し、複雑化する中で、その適正かつ迅速な処理の重要性に加え、麻薬・覚せい剤を始め、銃砲、知的財産侵害物品、ワシントン条約該当物品、テロ関連物資等に係る水際取締強化に対する国内外からの要請の高まりに加え、経済連携協定の進展による貿易形態の一層の多様化に的確に対応するとともに、税関業務の特殊性、国際郵便物の通関手続を含めた今後の国際物流の在り方等を考慮し、税関職員の定員確保はもとより、その処遇改善及び機構、職場環境の整備・充実、更には、より高度な専門性を有する人材の育成等に特段の努力を払うこと。
   特に、国民の安心・安全の確保を目的とするテロ・治安維持対策の遂行及び後発開発途上国に対する無税無枠措置の拡充に伴う原産地規則の適正な運用に当たっては、その重要性に十分配慮した定員の確保及び業務処理体制の実現に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(家西悟君) ただいま大久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(家西悟君) 全会一致と認めます。よって、大久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、尾身財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾身財務大臣。
○国務大臣(尾身幸次君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(家西悟君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四分散会