第166回国会 文教科学委員会 第6号
平成十九年三月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                大仁田 厚君
                中川 義雄君
                佐藤 泰介君
                蓮   舫君
    委 員
                有村 治子君
                荻原 健司君
                神取  忍君
                北岡 秀二君
                小泉 顕雄君
                中曽根弘文君
                水落 敏栄君
                鈴木  寛君
                西岡 武夫君
                林 久美子君
                広中和歌子君
                水岡 俊一君
                山本 香苗君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
   国務大臣
       文部科学大臣   伊吹 文明君
   副大臣
       文部科学副大臣  池坊 保子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       下川眞樹太君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       大島  寛君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局長     清水  潔君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  磯田 文雄君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        樋口 修資君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
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○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国立大学法人法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官下川眞樹太君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(狩野安君) 国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○神取忍君 自由民主党の神取忍です。この委員会では初めて質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。
 私、神取忍は大学とは縁もゆかりもない世界で生きてまいりました。縁もゆかりもない私がこうして国立大学の再編統合について質問をさせていただくのはちょっと気が引けますが、こうして国立大学再編統合に不安を抱いている学生のために質問に立たせていただきます。
 しかし、まず冒頭、能登半島地震について少し質問をさせていただきます。
 三月二十五日に輪島市を中心に震度六強の地震がありました。今もなお余震が続いて、住民の皆さん、不安と緊張の中、御苦労されていると思います。このたびの地震で亡くなられました方の御冥福をお祈りするとともに、被災に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 そこで、今回の能登半島地震によるスポーツ施設も含めた文部科学省関係の被害状況はどうなっているのか、お伺いします。
○政府参考人(大島寛君) お答え申し上げます。
 去る三月二十五日発生いたしました平成十九年能登半島地震、これによります文部科学省関係の被害の状況でございますが、二十八日の十三時現在まで取りまとめた状況で御説明させていただきます。
 まず、学校管理下におきます人的被害の報告はございません。
 それから、今御指摘のスポーツ施設を含めた文教施設についての被害でございますが、石川、富山、新潟、福井、この四県にまたがりまして、二百八十五施設で被害があったとの報告を受けております。このうち、御指摘の体育関係、スポーツ関係でありますが、学校体育施設、これということで報告があったものが六十九施設、それから社会体育施設として報告がありましたのが四十九、合わせますと合計百十八施設がございました。
 主な被害の状況ですが、特に多かったのがガラスの破損、あるいは壁の亀裂、それから天井仕上げ材の落下と、こういった状況があったわけであります。
 引き続きこのような文教施設の被害状況等の把握に努めておりまして、被災した施設の早期復旧に向けまして、関係機関と連携しながら、被災地への協力、支援等に万全を期してまいりたいと存じます。
○神取忍君 速やかに対応していただけるとうれしいと思います。
 また、地震による多くの方々が避難所に避難しています。新聞報道などを見ていますと、避難所などの窮屈な環境が招くエコノミークラス症候群などを防ぐため、市内の小学校の保健師の指導でお年寄りらに手を回したり伸ばしたりといった体操をしているそうです。
 子供たちも大変不安な気持ちになっていると思いますが、子供たちの心のケアなど、この地震に対して文部科学省としてはどのような対応を取っているのか、お伺いします。
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
 三月二十五日発生いたしました能登半島地震による子供たちの心の不安につきましては、適切に心のケアを行っていくことが大変重要であると考えております。
 石川県の教育委員会におきましては、地震の二日後の三月二十七日には、能登地区のすべての小中高等学校に対しまして、学校の要請があればスクールカウンセラーを緊急派遣する旨を周知したところでございます。私ども文部科学省といたしましても、現在までのところ、いまだ石川県からスクールカウンセラーの派遣について具体の要請はまだ受けていないわけでございますが、今後、石川県からスクールカウンセラーの配置の要請があり次第、速やかにこのスクールカウンセラー活用事業の中で対応させていただきたいと思っております。
 また、昨年三月に、私ども、災害時におきます児童生徒の心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSDの理解とその予防のための保護者用のパンフレット、この「子どもの心のケアのために」という、こういう冊子を作って、保護者の方々にその理解と予防に努めていただくようなケア資料を作っているわけでございますが、これも私ども、可及的速やかに被災地の保護者等に対して準備をさせていただきたいと思っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、文部科学省としては、児童生徒の心のケアが適切に行われるように万全を期してまいりたいと考えております。
○神取忍君 速やかに、そして具体的に活動していっていただけること、お願いします。
 それでは次に、国立大学法人法の質疑をさせていただきます。
 本法律案は、遠山プランに基づいて、大阪大学と大阪外語大学を統合するという非常にシンプルなものです。大阪大学、大阪外語大学は、ともに歴史も古く、受験生にも人気のある大学であると思います。なぜ今回この二つの大学は統合するのかを決めたのか、統合の目的と統合の決定に至るまでの流れを池坊副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(池坊保子君) 大阪大学は昭和六年に旧帝国大学として設置されました。総合大学として多岐にわたる専門的な教育研究を推進してまいりました。
 一方、大阪外国語大学って古いんですね、歴史が、大正十年です。言語と地域文化の教育研究の発展に大きく役割を果たしてきた外国語大学です。
 両大学は、各々の特性を生かしつつも、多彩な研究を展開することによって国際社会の中で果たすべき真の役割を担える国際的人材を養成することを目指して、平成十六年五月に統合の検討を開始し、計三十一回もの連絡協議会を経てまいりました。平成十八年三月に大学統合推進合意書を締結いたしました。これによって、平成十九年十月に統合を目指す、こういうような経過がございます。
 両大学の統合は、じゃどういういいことがあるのかというふうなお尋ねかと思いますけれども、教育研究における国際性の充実発展、それから我が国の国際化に対応した社会貢献事業の展開など統合によるメリット、子供たち、生徒たちがやはり刺激を受けることによって、生き生きと弾みを持ってこれから勉学に励んでもらえるのではないかというふうに考えております。それぞれはすばらしい学校ではありますけれども、統合することによってより大阪大学も国際性を持つことができ、また、言語に対する外国語学校のそうしたいい面も受け入れることができるのではないかと思います。
 統合によって生じます様々な問題は、そのような支障はきめ細やかに対応していきたいと思っております。
○神取忍君 ありがとうございます。
 それでは、今回の統合により大阪外語大学外国語学部に置かれている夜間コースを廃止し、今後の募集を行わないこととすると聞いております。
 今回の統合に当たって、大阪外語大学に置かれている夜間コースが廃止されることになる経緯についてお伺いするとともに、もう一つ、大阪外語大学の夜間コースに入学した学生たちからは、今回の統合をきっかけとして、これまでのように夜間大学に通うことができなくなるのではないかという不安の声があると聞いております。
 今回の統合がスムーズに進み、二つの大学がしっかりと一緒になっていくためにも、夜間コースに在学する学生たちもしっかりと考えて、これらの学生を卒業するまでの間、新しい大阪大学には夜間における授業を続けていくことに是非配慮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) まず、夜間主コースの廃止は、今回の大学の統合を契機として大学側の判断に至ったわけでございますけれども、経緯を申し上げますと、まず大阪外語大学では昼夜統合のワーキンググループを設置して、夜間主コースの在り方について平成十六年から十七年にかけて六回審議を重ねてきました。その結果、夜間主コースを廃止することについて一つの方向性が出、その後、教授会、あるいは外語大学の役員会、教育研究評議会において廃止を承認し決定されたということでございます。
 また、大阪大学との間でも、大学の統合の連絡協議会において夜間主コース廃止というのを前提とした新しい教育研究体制をどのようにつくっていくかということを基に協議が進められてきたと、こういう経緯がございます。
 さて、お尋ねのその夜間主コースを廃止ということに至る理由でございますけれども、大阪外語大学あるいは大阪大学から聞いておりますところでは、大阪外語大学における夜間主コースの学生の在学中の有職者、有職の状況は、過去五年間、平成十三年から十七年度においてですけれども、約八・三%と、その割合は一割に満たなくなってきていると、こういう実態がございます。
 また、夜間主コースの学生を対象として、社会人の特別選抜というものを実施しているわけでございますが、社会人選抜の志願状況は、平成六年度には百九十五人の志願者、倍率にして二・七倍ございましたわけでありますけれども、平成十八年度の時点では志願者は三十九人と、〇・五倍まで落ち込んでいる、こういうふうな状況がございます。
 こういうふうな状況にかんがみまして、大学側としては、夜間主コースの本来の趣旨である社会人への教育機会の提供という観点から、夜間主コースに対するニーズが低下するというのがございますし、もう一方では、大学院レベルに社会人の様々な学習ニーズが生じているというようなことを踏まえ、今回の統合を契機に夜間主コースを廃止し、さらには新しい大学院の専攻等の整備を行うと、こういう方針に至ったというふうに聞いておるわけでございます。
 第二にお尋ねがございました大阪外語大学の現在夜間主コースに在学する学生に対しては、卒業するまでの間、従来と同様の履修、科目でありますとか、時間帯でありますとか、場所というものを含めて、従来と同様の履修を可能とする体制を取るというふうに、そういう方針であると承知しております。
○神取忍君 とにかく学生の不安を取り除いていただければと思います。
 統合によって、大阪大学にグローバルコラボレーションセンター、世界言語研究センターという二つのセンターができます。これらのセンターは、JICAなどと連携して国際社会に通用する多彩な人材を養成するということです。このようなことから、新設される二つのセンターは非常に意義深いものになると思いますが、この二つのセンターの具体的な研究内容をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(清水潔君) 今回の大学の統合を契機として、新しい法案がお認めいただければということでございますが、新しい大学では二つの御指摘のようなセンターを新設するという計画を持っております。
 まず、グローバルコラボレーションセンターでございますけれども、専任、兼任合わせて六十三名の教員を擁しながら、国際協力と共生社会、いろんな外国人の方々の共生という社会を我々は、我が国は迎えつつあるわけでございますが、共生する社会に関する研究を推進する。そして、真の国際性を備えた人材を養成するということで、教育プログラムを開発研究あるいは実践するということと同時に、大学内の各部局、内外の大学研究機関、国際機関、御指摘のございましたようなJICA等の国際的な活動を行っている機関との連携事業を行うという内容でございます。
 具体的にちょっと例を申し上げさせていただければ、例えば、今我が国の外国人の方々とのそういう意味での共生という部分で、外国人の方が多数いらっしゃいますが、そういう中で、様々な裁判あるいは裁判外のプロセスを含めた、いわゆる司法に関する通訳というもののニーズは高まっております。あるいは医療面で、その医療、いろんな言語を含めて、例えば痛みがどういうあれであるかというものをどう、お医者さんあるいは看護師さんとの間をつなぐというような、例えば医療通訳というようなニーズも高まっている。
 こういうことで、社会人の方々等を対象としつつも、司法通訳、医療通訳を養成するような、そういう教育研究プログラムを開発すると同時にそれを実施していくというのが一つの例でございますし、あるいは御指摘のJICA、国際協力機構と連携した国際教育に関するプログラムの開発、実践を行うというふうな内容でございます。
 また、お尋ねの世界言語研究センターについてでございますけれども、世界の言語と、言語を基盤とする世界の文化あるいは社会について研究を行う、そしてその成果を大阪大学全体の、新生大阪大学の全体の教育研究に活用する、そして社会のニーズにこたえるような教育研究プログラムとして展開するということを目途といたしまして、専任、兼任合わせて六十四名の体制をしいて、例えばということでございますと、中央アジアでありますとかアフリカなどの地域の言語と、その言語を基礎とした文化あるいは社会の研究というものを実践する、あるいは地域言語の、例えば電子辞書化しますとか、いろんな社会的ニーズに対応する、あるいはe―ラーニングなど、社会的なニーズに対応するような、そういう研究を実践していく、このような内容となっておると聞いております。
 このように、新設される両センターにおいては、大阪大学と大阪外語大学の両大学の特徴、あるいは持てるいろんな教育研究の資源というものを最大限活用できるような、そういう教育研究の展開をねらっていると、こういうふうなことであるわけでございます。
○神取忍君 従来以上に幅広い教育研究が行われることを期待します。
 私のような教養のない人間は、遠山といえば私は遠山の金さんを思い浮かべます。遠山の金さんは弱者を助け悪者をやっつけるわけです。果たして、この遠山プランに基づいた国立大学法人の統合が不安を抱く学生やそこで働く教職員を助けるものになっていけるかどうか、その点が問題があると思います。
 統合自体、自主性に任せることは非常に大事なことです。しかし、国立大学は文部科学省の様々な施策を見ながら統合するかどうかを決めることになります。しかし、自主性に任せるといいながらも、統合するに当たっては文部科学省の与える影響は非常に大きいと思います。その意味で、文部科学省が遠山の金さんの気持ちになって、経営に不安を抱える地方の国立大学を支援していく必要があると思われます。
 そこで、伊吹文部科学大臣に、文部科学省の姿勢と今後の展望についてお伺いします。
○国務大臣(伊吹文明君) まあ、文部科学大臣であった遠山さんは女性の奉行でしたからね、きめ細やかな配慮はしておられたと思うんですが、現状を見ると、やはりいわゆる学部の学生の六割以上が先生がおっしゃったように三大都市圏以外の大学で学んでいるんですよ。ですから、これらの三大都市圏以外の大学は各々の地域における知識の集積の中心地であり、研究の拠点であり、よく御議論になるように、医療その他においても大切な役割を果たしておりますので、私たちはこれらの、まあ地方と言うと語弊があるかも分かりませんが、三大都市圏以外の大学の運営についても強い者勝ちということにならないように遠山の金さん的配慮をしないといけないと思います。
 それで、大学の運営は、御承知のように授業料と、それから文部科学省が持っております、約、どれぐらいになっていますかね、一兆二千の大学への交付金の配分で賄われているわけですが、それ以外に、競争的資金として渡されているそれ以外のお金ですね、それから文部科学省が持っております科学振興費、厚生労働省が持っております厚生科学研究費、それから企業等から講座の寄附、研究の補助等をもらっているわけですが、これらのお金はどうしても旧帝大系を中心にして、三大都市圏に集中しているところが取りやすいお金ですから、大学の交付金その他について、今おっしゃったように、やはり配慮をしていかなくちゃいかぬと。これを抑えられないように私たちは頑張るという立場なんですけれども、同時に、一方で財政再建ということをやって、小泉内閣のときは随分抑えられてきておりますので、ひとつ来年の予算要求では、今日ここにおられる先生方にも与野党通じて御協力をいただいて頑張りたいと思っておりますので、ひとつ先生も力をかしてください。
○神取忍君 ありがとうございます。
 ただいま伊吹文部科学大臣から地方の国立大学に対する力強い支援のお言葉をいただきましたので、自分も頑張りたいと思います。
 ちょっと質問は変わります。
 私は、柔道そしてプロレスの経験から、アスリートの一人として、体力を養い、心身ともに健康であることの大切さを実感しています。そのため、私は、スポーツを通じて健康的な社会づくりを目指していきたいと思っておりますので、それについて質問をさせていただきます。
 現在、教育再生でいろいろな議論が進められていますが、子供が成長する、あるいは人間が生きていく上で最も重要な要素と思われる体力の向上については、必ずしもそれを中心にした議論は行われていないのではないかと思っております。子供の体力低下については、長年指摘されているにもかかわらず、毎年文科省の調査結果が公表されるたびに議論するだけで、改善されたという話はなかなか聞こえてきません。
 早急に具体的な施策を取り組む必要があるのではないかと思いますが、伊吹大臣の考えをお伺いします。
○国務大臣(伊吹文明君) この前、文部大臣をやられた、東大総長を御経験になった有馬先生とお話をしておりましたら、最高学府の総長をやられたこの方がおっしゃったことは非常に私は印象的だったんですが、学力の低下が来しているということを新聞が書いたり再生会議で議論されているけれども、一番今憂慮すべきなのは児童生徒の学力よりも体力の低下だと。体力の中でも運動能力の低下は目を覆わしむると。うまいものを食って運動しないから、体重と身長は伸びているけれども、運動能力はもう全く駄目ですねという話をしておられました。
 これはいろいろ原因があると思いますが、裕福になって食べるものが十分になって、テレビは見るわ、核家族になるわ、マンション住まいはするわ、広場で遊べなくなる、野球はできない、授業は大変だという、体力が落ちるのは当然なんですよ。
 しかし、そういう現状を嘆いても、これは社会の推移の中で起こっていることですから、スポーツ振興計画のようなものを作ったり、そして総合型の地域スポーツクラブをつくるとかいうようなこともいろいろやっております。それはそれでやっていきたいと思いますけれども、やっぱり食事の内容を変えていくこと、それから地域でやっぱり子供がある程度遊べる場所をしっかりとつくること、こういうことの方が大切なんじゃないのかと。
 栄養満点のものを食べさせて、お金を掛けた施設ができて、どんどん造りますからいいですよという問題では私はないように思いますので、地域やなんかとも協力をして、放課後子どもプランの中で子供をどういうふうに扱っていくかとか、総合的な立場で考えていく必要があると思いますので、御指摘を受け止めて、広い視野でやらせていただきたいと思います。
○神取忍君 ありがとうございます。とにかく子供の体力向上をスポーツの視点からも強く要望しておきます。
 もう一つです。これまでのように学校体育や部活を中心に考えていくのであれば、指導者の確保も重要となります。一般的な運動の指導であれ、特定の競技の指導であれ、子供の指導を行う際に指導者として一定の技能がなければ、体力を付けることの重要性やスポーツの楽しさは伝わらないこともあります。
 部活動に関しては、少子化や指導者不足などから継続が困難なことがあると聞いております。教員が顧問として指導に当たるのであれば、教員の仕事としてそれを明確にして、それに見合った手当を支給すべきだと思います。また、地域の人に指導者として学校に入ってもらう場合には、学校教育の一環として行われるという意識を持ってもらうように国として必要な支援を行うべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(樋口修資君) 子供の体力向上に向けては、私ども、社会全体の取組が必要となってくると思っておるわけでございますが、学校教育においては、体育の授業時間だけではなくて、特別活動とか総合的な学習の時間等々、いわゆる学校教育全体の中でこの体力の向上に取り組んでいかないといけないと。とりわけ運動部活動の役割は非常に重いものがございます。
 中学校でも七割近くのお子さん方が運動部活動に属して体づくりに励んでおられるわけであります。そして、こういった運動部活動の充実に向けては、外部指導者の積極的な活用が求められてくるということで、現在、中学、高校の運動部活動には三万四千人の外部のスポーツ指導者が運動部活動の充実のためにお入りいただいております。また、あるいは正課の体育の授業でも七千名の体育の外部指導者が特別非常勤講師としてお入りいただいておると。
 このように、体育の正課の授業でも特別非常勤講師の活用を推進したり、運動部活動でも外部の指導者の活用を促していくという取組を今後とも進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○神取忍君 なかなかそれが成果に出てこないので、それを確実な成果にしていただきたいと思います。
 そういった中で、なかなか学校でスポーツに親しむ機会をつくるのが難しいものであれば、この際、学校体育の在り方を見直し、これまでとは異なる方法を導入することも検討する必要があるのではないかと思います。
 例えば、ドイツのように学校の部活でなく地域のスポーツクラブで行うことや、アメリカのように、体育の授業の際、子供が希望するスポーツを選んで行うなどの取組を参考にするなど、これまでの学校体育にとらわれない見直しを検討する必要があると思うのですが、文科省のお考えをお伺いします。
○政府参考人(樋口修資君) 先ほど大臣からも申し上げましたとおり、子供が外遊びやスポーツに親しむことができるような場づくりというものを学校の中にも学校の外にも設けていく必要があると。とりわけ学校の外におきましては、総合型地域スポーツクラブというものの立ち上げを私どもスポーツ振興基本計画で推進をしてきております。これは、二十二年度までにはすべての市町村に最低一か所以上はこういったものを立ち上げながら、子供たちがそういった外遊びやスポーツに親しむことができるようなプログラムと場所の提供を推進をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○神取忍君 ありがとうございました。
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 国立大学法人法の一部を改正する法律案について、なかんずく、大阪大学と大阪外語大学の統合について審議されるわけでございますけれども、まず、幅広く高等教育の国家戦略についてお伺いしたいと思います。
 折から、時代は少子化、そして高齢化、国際化、IT化ということで非常な変化のときにあるわけでございます。そういう中で、平成十六年四月、国立大学法人化がなされたわけでございます。その制度を導入するに至った目的、そしてその概要、そしてその後の評価ですね、特にその後の評価についてまずお答えいただければと思います。
○政府参考人(清水潔君) 国立大学の法人化についてのお尋ねでございます。
 法人化は、国立大学に期待される役割をこれまで以上にしっかりと果たせるよう、自律的な環境の下で大学をより活性化し、より個性豊かな魅力ある大学を実現することを目的として行ったものでございます。
 具体的には、中期目標計画を通じて、大学が、あるいは大学を構成する様々なあれで、それぞれの教育研究の理念、改革の方向性というものをそれぞれ明確にしていただくというのが第一でございますし、それに沿って自らの責任と判断において大学経営を行う体制を確立するというのが二点目でございます。そして、それを更に具体化すべく、法人化によりまして、諸規制の大幅な緩和等により、裁量性、大学の裁量性、自己決定性を拡大するということでございます。そして、第四に、その結果については第三者評価でありますとか情報公開を行うことを通じて社会への説明責任を果たしていくと、こういう仕組みとして整備したものでございます。各国立大学がその目的をしっかりと果たせるようにというふうなねらいであったものでございます。
 そこで、言わば、今法人化は三年目を迎えたわけでございます、三年間をたとうとしているわけでございますけれども、その取組の現状についてのお尋ねもございました。
 それぞれ、全体として申し上げれば、組織編制の運営面、財政面について自由度が高まったことを受けて、それぞれの大学の特色に応じた目標、ミッションを立てて、法人自ら様々な形で様々な方向で努力して教育研究上の、活動上の様々な改革に取り組んでいるということは総じて申し上げられるかというふうに思っております。
 具体的には、例えば、岩手大学の大学院における地元金型工業との連携による金型・鋳造工学専攻の設置でありますとか、琉球大学における観光学科の設置など、それぞれの個性や社会地域のニーズに対応した教育研究の重点化が一つ教育研究上の例として挙げられるわけでございますし、あるいは、学長の裁量による予算配分はすべての大学において実施されております。
 また、人事面におきましては教員の任期制の導入が進んでおりまして、平成十六年は平成十二年度の十三倍。十二年度には四十四大学五百十六人でありましたものが、平成十六年度には七十七大学六千九百、約七千人弱というふうなところまで行っております。
 また、企業等との連携におきましては、受託研究、共同研究というようなことで、とりわけ受託研究の額は一・六倍、十七年度で申し上げますと一千億弱に広がってきていると、こういうふうな状況でございます。
 総じて申し上げれば、それぞれの大学において差はございますけれども、法人化から三年をたとうとしている現在では、全体として申し上げれば、運営面、経営体制の充実が図られ、あるいは学長のリーダーシップの下での機動的、戦略的な法人運営あるいは経営が定着しつつあるのかなというふうに考えております。
○広中和歌子君 大変に前向きな、つまり裁量性が、あるいは自己決定権が高まったというお話でございますが、伊吹大臣は大臣としてどのように評価していらっしゃいますか。
○国務大臣(伊吹文明君) 国公立、私立を通じて、先般お認めをいただいた改正基本法では、教育と研究とそしてそれらの成果の地域還元ということが法律に明確に書かれておりますね。そして、私立というのはやはり建学の精神というものがありますから、それなりの特色のある授業が行われております。国立もまた学問の自由というのは認められるわけですけれども、この教育基本法の精神にのっとれば、まず私はやっぱり一番大切なのは、広範な知識の厚みを持っている知識人というのか、知的エリートと称せられる人を社会に送り出すということ、これがやっぱり一番私は大学として大きな目的だと思います。それと劣らず大切なのは、やはり将来に対する研究開発、研究機能、そして社会へのそれらの還元、生涯教育も含めてですね、こういうものだと思います。
 大学法人制度をなぜ導入したかについては、これは私立を含めてやはり一兆二千億あるいは五千億近い交付金、あるいはまた私学助成費が入っているわけですから、これらの国民負担をやはり効率的に使っていくというねらいがあったということは間違いないと思います。
 しかし、同時に、効率を追求する余り、特に研究の分野においては、一般社会の市場経済に乗りやすい研究の分野は非常に伸びると思いますが、それ以外の基礎研究、それから教育の分野においてお金が十分回らないとやはり私は困ったことになるんじゃないかという危惧も持っております。
 ですから、本来、私が当時文部大臣であれば、文部大臣であれば、私は制度を変えずにやはり効率的意識を持って大学人が運営するのが一番いいという主張をしたと思いますね。しかし、残念ながら大学の現状は必ずしもそうじゃないところがかなり多かったので、効率化を達成するために裁量を大幅に認めたと。大幅に認めると効率は達成できる可能性があるけれども、市場に乗らない分野だけど大切な分野がやや手薄になってくる。その辺のバランスをいかに取っていくかというのが文部科学省の本来の役割だろうと思いますので、そこのバランス感覚を大切に局長の仕事ぶりをよく査定をしたいと思っております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 それで、こうした裁量性というのか自由度が増したことの一環としてこの統廃合というのは行われようとしているわけでございましょうか。過去十年間、いろいろな形で行われているわけでございます。今回は大阪大学と大阪外語大学と、それから、つい先ほどこの委員会でも審議いたしました富山大学を中心とした統合などがあるわけでございますけれども、こうした統合の主たる目的についてまずお伺いいたします。
○政府参考人(清水潔君) まず、統合についてでございますけど、統合自体はそれぞれの大学の自主的な判断、合意を前提としておるわけでございます。
 私どもは、平成十三年に、当時、いわゆる遠山プランという形で再編統合について一つの問題提起を行いました。それは、基本的に教育研究を更に発展させるということを考えた場合に、これからの大学がそれぞれの大学の、いろいろ大学には学部等それぞれ違いがございます。規模も違います。そういう中で、より広い視野、あるいは長期的展望に立った教育研究基盤の厚みと申しますか、人も含めてでございます、そういう基盤をどうやってつくっていくのかということでございます。
 したがいまして、今、統合は、法人化前、法人化後、これで二組目を審議をお願いしているわけでございますが、その前に、法人化前にかなりの数の統合が、実は十二組の統合が進んだわけでございます。要は、それは、それぞれの大学でお考えになった場合に、正に教育研究体制をどう充実強化していくか、自分にない、それぞれ今まで統合したものを見てみますと、ない分野と、様々な意味での学際的な領域、あるいは融合、分野融合も含めた教育研究体制をどうつくっていくか、そういうのがそれぞれの大学の判断、あるいは合意に至る考え方の主要なポイントだったと思いますし、私どもとしても、あくまで統合というのは減らすということが目的ではない。教育研究体制のそれぞれの足腰を強化するための充実強化、あるいは地域貢献の機能の強化というものをよくお考えいただいて、そのメリットをどうとらえ、どう中期的、長期的な展望を持つか、それを中心にお考えいただきたいということでそういうお願いをしたわけでございますし、それぞれの大学はそういうベースの下で御検討された、そして統合という合意に至ったものというふうに承知しております。
○広中和歌子君 もう一度お伺いいたしますけれども、これはあくまでそれぞれの大学の自主性によるものであると、決して文部省の方針として国立大学、特に国立大学を統合しながら効率化を進めていくということではないということでございますか。
○政府参考人(清水潔君) 御指摘のとおりでございまして、統合自体につきましても正に国会の審議を仰ぐわけでございますし、また、それ以前の段階においては、あくまで大学の自主的なそういうお互いの、どういう教育研究体制をこれによって、統合によってメリットがお互いに出るようになるか、どういう将来展望をにらむか、そういうことを前提とした上での判断ということになるわけでございます。
○広中和歌子君 それでは、今、私ども民主党だけではなくて、政府の方でも自民党の方でも道州制ということを考えていらっしゃいますよね。そういう道州制を視野に入れて大学を統合していこう、国立大学を統合していこうというような考え方は背景にございますか。
○国務大臣(伊吹文明君) 広中先生、私は大臣に就任する前、自民党の道州制調査会長をしていたんですが、まだまだ、大学をどこへやるかなんというような議論はとても、少なくとも、民主党さんは進んでいらっしゃるのかも分かりませんが、自民党の中ではやったことはございません。
 ありていに申しますと、大学がどうするかということについては、文部科学省が昔のように直接所管をしていたときですら、やはり学問の自由というものがあって、なかなか大学の学部の構成や科目について言葉を差し挟むことはできなかったです。ですから、将来どういう形で大学を配置していくかということは、これは少なくとも私が大臣をしている限りは、文部科学省が口を差し挟むということはさせないつもりです。
 問題は、少子化時代が来ておりますから、大学も生き残りを懸けて今必死なんですよ。ですから、小学校や幼稚園を私立の大学はつくって、そこからもう学生を囲い込もうという動きすら出てきているわけですから、今の統合の話は、決して文科省が何か口を挟んだということは、これだけは、先生、一切ございません。
○広中和歌子君 いや、こうした傾向がどんどん進むのかなと。かつての帝国大学というのがございましたよね。その帝国大学、旧帝大の方に収れんされていくのかしらと。戦後せっかく各県にできた国立大学、そういうものの将来について多少の危惧を持ったものですから、ここで確かめさせていただいたわけでございます。
 それでは、文部省の教育予算、特にこうした国立大学に対する予算ですね、統廃合も含めましていろいろこれから変わっていくんでしょうか。今までの状況が守られるのかどうかということを、御決意も含めてお答えいただければと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 率直に申しまして、財政再建という大きな国家的な課題が一つございますね。それから、国民の負担でもって特に国立大学はその運営の大部分が賄われているということがありますから、この要請にはある程度こたえないといけないと思いますけれども、しかし、教育という分野について政権としてどれだけのプライオリティーを置いているかということを考えますと、それから特にイノベーション、科学技術ですね、私は安倍内閣においては、少なくとも研究開発費を含めた大学予算はマイナスになるという、トータルのですよ、運営交付金だけではなくて、ことはないと思いますし、十九年度予算も、大学交付金で少し抑えられた部分を研究のお金で補って、トータルとしてマイナスにならないように、私学助成を含めてですね、年末には私が措置したことは先生御承知いただいていると思います。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 それでは、限られた予算をどういうふうに配分するかということでございますけれども、今、国際化の中で、特に国際競争力というのが問われている中におきまして、大学間の競争というのも大いに存在するし、それもまたエンカレッジされなければならないと。そういう中にありまして、予算の配分というのは次第次第に重点化していくおつもりなのか、そういう方向なのか、お伺いいたします。
○国務大臣(伊吹文明君) これは、率直に言うと、非常に難しいいろいろな要素があると思います。先ほど神取先生が御質問になったことも、地方への配慮ということもあると思いますし、国際競争力ということを考えると、イノベーションその他、市場に乗りやすい分野、経済発展に結び付きやすい研究を重点的にという配慮もあります。
 しかし、同時に、経済発展の一番大きな要素は、やはり私は国民の能力、勤勉さ、そういうものに懸かっていると思いますので、まあ何というんでしょうか、民間からお金を導入しやすい大学、そして厚生科学研究費や旧科学技術庁が持っております科学研究費を取りやすい大学、率直に言えば旧帝大系とかですね、こういう大学はそういうお金を取りやすい大学だということを考えて運営交付金というのはやはり配分していくという、この判断が一つ大切だと思います。
 それから、市場に乗りにくい分野、例えば今回統合になった大阪外語大学なんかは、例えば司馬遼太郎さんは大阪外語大学の御承知のようにモンゴル学科ですよ。モンゴル語学科ですよね。でも、彼はそこで超一流の文化人として、小説なのか歴史ドラマなのかをずっと、あれだけのものを書いておられるわけですから、そういう要素もやっぱりある程度考えないと、もうけ仕事のところだけが立派だ立派だというわけにもいきません。
 それが私、先ほど申し上げたことで、その辺のことを局長がよく配慮して仕事をしてもらいたいということは、私は常々指示はいたしております。
○広中和歌子君 つまり、知的エリートを社会に送り出すということと、それから優れた研究者を出すということのバランスの中で教育が進められていくということは大変すばらしいことだと思います。
 それでは、大学の認証制度についてお伺いいたしますけれども、これは国立大学だけではなくて、公立大学も私立大学にもそうした認証制度というのがあるようでございますけれども、その評価機関について御説明いただきたい。だれが評価なさるんでしょうか。そして、評価が悪かった場合ですね、そうした場合には、廃校とか統合とか、そういう方向に示唆されるというようなこともあり得るんでしょうか。それからまた、交付金の額が左右されるということもあり得るのでしょうか。お伺いいたします。
○政府参考人(清水潔君) 認証評価についてのお尋ねでございます。
 認証評価制度は、先生御案内のように、平成十六年四月から国公私すべての大学、短大、高等専門学校について、文部科学大臣の認証を受けた評価機関、認証評価機関でございますが、その評価を定期的に受けることとする、そして、それによりまして言わば大学の全体としての質の保証をしていく、このようなことでございまして、今現在、認証評価機関といたしましては三つの機関が認証されております。一つは大学基準協会、もう一つは大学評価・学位授与機構、そして日本高等教育評価機構でございまして、また短大については短大基準協会とか、三つの別な評価機関がございます。
 そこで、認証評価機関のその三団体におきまして実際にだれが評価するかというお尋ねであろうかと思いますが、認証評価機関の評価委員をそれぞれ評価機関はお願いしておりまして、評価委員は大学の関係者、民間企業の関係者、公認会計士、あるいは報道関係者等の大学の教育研究活動あるいは運営に関して識見を有した者によって構成されている、こういうことでございます。
 その他、それぞれの機関の中に、専門分野ごとの評価をお願いするという観点から、大学の教員を中心にしたいろんな専門家の協力を仰ぐという形で、例えばそれを全体として申し上げますと、大学基準協会では六百八十八名の評価委員が、大学評価・学位授与機構においては百十七名の評価委員が、日本高等教育評価機構では九十二名の評価委員がその評価に参画、御協力いただいておる、このような状況でございます。
 さて、第二番目のお尋ねとして認証の評価、今いろんな形で評価が逐次進行しているわけでございますけれども、認証評価の制度というのは、各認証評価機関は、それぞれがそれぞれの認証評価の方針に基づいて、評価の基準あるいは評価の方法はそれぞれの機関が定める、こういうふうな仕組みでございます。
 したがって、そういうそれぞれの認証評価機関の評価基準、評価方法によりまして行われた評価の結果を社会一般に公表する、そして大学へ通知する、当該大学に通知するということによりまして、まず大学が社会による評価を受ける、そして評価結果を踏まえて自らの改善を図っていくということを目的としております。
 このような認証評価制度の性格から導き出されることでありますけれども、公表された評価結果に例えば法令違反が明らかになったというような場合は、また別途私どもが、その場合、それを契機として私どもとして必要な調査を行い改善、是正を求めるということは当然公表される以上はあり得るというふうに思っておりますけれども、法令違反が明らかになったような場合を除きますと、評価結果が直ちに行政上の対応に結び付くというようなものではないというふうに思っております。
 また、認証評価の結果が例えば予算配分にということでございますけれども、今申し上げたように、複数の認証評価機関が自ら定める評価基準について行うということから申し上げますと、私学助成を含め、大学に対する予算配分に直ちに活用する仕組みとはされていないということでございます。
 ただ、一点ちょっと付け加えさせていただければ、国立大学法人につきましては、正に確実にその事務事業を行うということで、通常の私立大学とは異なる、例えば中期目標の付与、中期計画の認可等々、あるいは、そういうことも含めまして、先ほど若干触れさせていただきましたが、認証評価とは別途に大学法人評価委員会による評価が行われ、大学法人評価委員会が評価を行うに当たっては、その専門的な教育研究にかかわります内容についての評価は、評価機構、独立行政法人でございますが、評価機構が行った評価を尊重しなければならないということが国立大学法人法に明定されているところでございます。そういう意味で、国立大学法人については、その国立大学法人という性格から、正に評価を法人評価委員として評価委員会が評価を行い、その評価を基に例えば資源配分も法律によりまして一定の検討が法律上は要請されている、こういうふうなことでございます。
○広中和歌子君 評価委員のメンバーは大勢いらっしゃるわけですけれども、これ、フルタイムでございますか。それとも、大学の先生がちょっと来てくだすって、それについてちょこちょことなさるのか。かなり評価って大変なことだろうと思うんでございますけれども、いかがですか。
○政府参考人(清水潔君) 評価に御協力をお願いしている方は、フルタイムの方というよりは、言わばそのことについて評価をお願いするということで、フルタイムの方はほとんどおりません。
○広中和歌子君 じゃ、それぞれの専門家に直接御意見をお伺いすると、必ずしも本人がそこへ出向いて大きな会合でやるということではないということですか。
○政府参考人(清水潔君) 認証評価機関、それぞれ評価の方法はございますが、いずれもフルタイムではございませんが、評価委員の方々は、実際にいわゆるその大学が提出された自己点検評価報告書を見ると同時に、書類を見るだけではなくて、実際にその大学に参りまして、そこで実地にいろいろ関係者とお話を伺う、あるいは学生とも意見交換すると、そういうことで、ほとんどすべての評価機関ではそういう形で評価を行っているというふうに承知しております。
○広中和歌子君 大変なお役割であろうなと思いますので、いい方がお引き受けいただければ大変よろしいと思うんでございますけれども。
 それはさておき、それでは大阪大学と大阪外語大学の合併についてでございますけれども、先ほどのお話では、大学側からそういうお話があったということでございますけれども、これにはメリットとデメリットがあるんではないかと思います。それも含めまして、大臣はどういうふうに評価していらっしゃいますか。
○国務大臣(伊吹文明君) 何事も、先生、メリットとデメリットはあるんですよね。だけど、デメリットよりメリットが大きければ、組織を管理している者はどこかで決断をしなければならない。決断をしたら、デメリットをあげつらって批判を受けるということは常に覚悟をしてやらなければならないということだと思います。
 このことについては、大阪大学と大阪外語大学の相互の評議員、理事者の間のメリット、デメリットを勘案した上で、相乗効果の方がはるかに大きいという御判断をなすって決断をされたんだと私は思います。文部科学省が決断を促したとか、あるいは特別のことの話合いの中にいたということはございませんので、その間の経緯については私はつまびらかにはいたしておりません。
○広中和歌子君 少なくともデメリットの部分として、大阪外語大学では夜間部というのを持っていたわけですけれども、この統合によって夜間部が廃止されるということだそうでございます。
 私のオフィスにも、また同僚議員のオフィスにもそうだと思いますけれども、夜間部をやめないでほしいというような陳情もあるわけでございますけれども、なぜやめなくちゃならなかったのか。これは単なる語学のコースだけではなくて、例えば外国文化についてのコースをたまたま取っている人が、せっかく取っていたのになくなってしまうのは残念だというようなことでございました。
 なぜ夜間部が廃止されるのか。費用の点であるのか、それとも何か別に理由がおありになるのか、ちょっとお伺いいたします。
○国務大臣(伊吹文明君) どの程度の方が夜間部で学んでおられて、夜間部の実態がどうなっているかということは参考人から後ほど御説明をさせます。
 私も、党の要請があって大阪へ参りましたときに、やはり夜間部をやめさせないでといって女子学生の若い人たちが二人ほど私にお話がありました。これは、もちろん続けられれば続けた方が夜間部で学んでおられる方にはプラスだと思います。それは確かにそうです。しかし、その結果、もっと他の学部を充実したりいろいろなことができるお金が極めて非効率に学部の実態、夜間の学部の実態のために使われているということであれば、それをどうするかという決断を大阪外大と大阪大学の新しい統合後の意思決定機関がすることなんですよ。
 ほとんど夜間部という形の運営は実態的にはなされていないんじゃないかと思います。その間の事情はちょっと参考人からつまびらかにさせていただきたいと思います。
○政府参考人(清水潔君) 大阪外語大学の夜間主コースの廃止、募集停止でございますけれども、これ、統合を契機として大学の在り方をどう今後中長期的に考えていくか、そういう検討の過程の中でそういう判断に大学が至ったというふうに承知しております。
 そこで、先ほども申し上げましたように、外語大学における夜間主コースの在学生の有職状況、これは有職者である社会人学生に正に夜間に授業を、夜九時過ぎまでになりますけれども、授業科目を開設して、夜間を中心に履修していただこうというものでありますけれども、在学中の有職者の状況が既に一割を平均してもう切っているというふうな状況でもございますし、また、特に社会人の方々が例えば大学に入学するときには特別選抜方式で、要は小論文と面接でもって言わば選抜させていただくというふうな中身で、その有職者の、社会人の方の志願状況自体がもう定員の半分に至っていると、こういうふうな実態があるわけであります。
 一方で、社会人の方々の、今、あるいは大学、これはいろんな要因があろうかと思いますけど、大学、大学院に寄せるニーズというもの、次第に変化しております。これは一大阪大学、大阪外語大学だけの話ではなくて、全体に国公私を通じて、就業構造の変化でありますとか産業構造の変化とか、そういう中で、あるいは奨学金の抜本的拡充というのも、まあこれは私どもが申し上げるのもなんですが、一つの要因としてあろうかと思いますけれども、現実に言えば、社会人への教育機能の低下、機会の提供という部分では夜間主コースに対するニーズは低下していると言わざるを得ない。
 これは大阪外語大学だけではございません。国立大学の夜間主コース全体でもやっぱり一割、有職者が一割というふうな実態になってきている。そこの中で、一方ではニーズが高まっている、こういうものに対応しようとするのが判断の理由であるというふうに承知しておるわけでございます。
○広中和歌子君 調べさせていただいたんですけど、国立大学の中で夜間部を持っている大学というのは結構あるわけでございますよね。ところが、旧帝大の方は、旧帝大にこだわるわけじゃないんですが、全然ないんですよね。だから、大阪外語大学は大阪大学という旧帝大と合併したために、そういう伝統の中に埋没してしまったのかなと思ったんですが、それは思い過ぎでしょうか。
 それから、夜間のコースでございますよね、だんだんニーズが少なくなっているとおっしゃいましたけれども、私はもしかしたら逆なんじゃないかなと思っておりました。というのは、これから、いわゆる安倍総理の再チャレンジの精神からいいましも、いったん社会に出た人たちが学校に戻って勉強するといったときに、やはり夜間部から始めるというのが非常に取っ付きやすいという、そういうこともあるのではないかと思ったんですが、そのことも含めましてお答えいただけたらと思います。
○政府参考人(清水潔君) 国立大学全体の夜間学部、夜間主コースの現況についてのお尋ねが一つだと思っておりますが、まず、国立大学における夜間学部、夜間主コースは平成十八年度現在で二十八大学三十三学部において設けられております。
 それは、それぞれの地域の状況、大学の状況でいろんな経緯がございます。基本的には、主に地域社会の要請に基づきながら、若干経緯的に申し上げれば、昭和三十年代から四十年代に、地域における高等教育機会を提供するという観点から、勤労青年、社会人のための短期大学を併設するという形がスタートし、そしてそれが、勤労学生の実態が更にその後変化していく、そういうふうな中で、あるいは高学歴志向というのもございまして、四年制の大学の夜間主コースに昭和五十年ごろからほぼ転換してきていると、こういうふうな全体の状況がございます。
 要は、一言で申し上げれば、それぞれの地域における様々なニーズに、そしてその高等教育機会の提供というニーズにどうこたえるかという中の経緯の中で出てきたというふうなことでございます。
 そういうことでございまして、基本的には、いろんな社会人の多様な学習ニーズにどう対応していくかということは、繰り返しで恐縮でございますけど、近年は大学院の方に次第にシフトをしつつあるというふうな全体の状況もございますし、またe―ラーニングとかあるいは放送大学とか、そういう形の新しいITを活用したニーズというのもまた新しい形で対応する態様として出てきていると、こんな状況であろうと思っております。
○広中和歌子君 諸外国と比べてそうした夜間コースへのニーズが少ないというのはちょっと私としては認識不足であったわけでございますけれども、日本には日本の事情があるのかもしれません。
 それで、次にお伺いしたいのは、時代がどんどん変化する中で、学生が学びたいという科目、テーマもシフトいたしますよね。そうした場合に、これは国立大学に限りますけれども、学部の新設とか改組ですね、そういうものは自由にできるんでしょうか、それとも、非常な御指導とか、文部省の御指導とか認可とか、そういうようなことが必要なんでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) まず、学部、研究科、大学院の研究科という一つの大きな組織は大学における基本的な組織というふうに位置付けられております。そういう意味におきまして、国立大学法人にありましては、中期目標の別表として、これは文部科学大臣が大学の原案に基づきまして目標を付与するわけでございますけれども、中期目標の記載事項でございます。そういう意味で、学部、研究科を設置する場合には目標の変更が必要になります。
 また、こういう新たな分野で新たな学位を出すことになるというような、そういう新設とか改組につきましては、私立大学も同様でございますけれども、教員組織とか教育課程につきまして大学設置・学校法人審議会において御審査いただく、こういうことになっております。
 なお、一点だけ、学部の中に置かれる学科でございますとか、例えばコースでございますとか、あるいは大学院研究科の中に置かれる専攻につきましては、基本的には予算に関係のない限り大学が御自由に新設、改廃できると、こういうことでございます。
○広中和歌子君 私は環境に興味を持っておりまして、いつでしたか、カナダに伺いましたときに、もうカナダではいわゆる大学の中に環境学部という、非常に環境というのは多分野にまたがる総合的な分野でございますけれども、環境学部という総合的な学部ができてどんどんやっていると。そこに研究に来ていらした日本の大学の先生が、日本にはそういうのがなくて遅れているとおっしゃっていたのが十数年前ですから、今、日本は変わっているのかもしれません。変わっていることを期待したいんですが、環境のようなそういう総合的なテーマはどのように扱われているのか、設置は自由にされているのかどうか、お伺いいたします。
○政府参考人(清水潔君) 今申し上げましたように、学部でございますと、国立大学法人の場合は中期目標に、私立大学の場合は学位に変更があるないという問題が、学位の分野が変わる変わらないという問題がありまして、変わるような場合には、やはり教員組織とかあるいはカリキュラムについて御審査いただくと、こういう審議会での審査を踏まえた上で設置が認められる、認められぬというふうなことになっておるわけでございます。
 ただ、環境に関連いたしまして、これは私、今、直ちにデータが出てこないものですから申し訳ございませんが、国立大学に限りますと、環境に関する、特に大学院で専攻研究科は近年非常に多うございます。ただ、課題となっておりますのは、環境でどういうコンセプトの中で環境を、余りに広がりを持つものですから、それをどうまとめるかということで、カリキュラム、教員組織でなかなか皆さん御苦労をされているなというのが率直な印象でございます。多うございます。
○広中和歌子君 それで、せっかく環境がテーマになりましたので、ESD、つまり持続可能な教育の十年についてちょっと触れさせていただきたいと思います。
 背景として、二〇〇五年から二〇一四年の十年間を持続可能な開発のための教育の十年、ESDとするアイデアが生まれたのは日本の草の根グループの提案、そしてそれを日本政府が非常にしっかりと受け止めて国際社会に提案されたと。ヨハネスブルクの二〇〇二年のサミットでそれが提案され、そして同じ年の十二月の五十七回国連総会で日本政府からの提案で決議されたと。言ってみれば、日本のイニシアチブによって生まれたものだというふうに理解しております。
 その言い出しっぺの我が国の取組でございます。なかなか見えないもんですから、少なくとも私にとって見えなかったもんですから、いろいろ調べてみました。非常にいろいろなことをやっていらっしゃることは事実なんです。事実なんですけれども、多くの方が知らないんではないかというふうに思いますんで、あえてお伺いいたします。
 日本が本当に推進力、リーダーシップを発揮することなんですが、どのような形でやっていらっしゃるか。簡単にお伺いいたしますけれども、ちょっと今までの、例えば人権教育のための国連の十年のときには、総理が本部長となられて、官房長官がその下で実際にいろいろな形で日本で人権問題を推進したという経緯があるわけですけれども、このESD、持続可能な教育の十年に関しては政治的なリーダーシップが見えてこないというのはどういうことなのか、お伺いいたします。
○政府参考人(下川眞樹太君) ただいま先生から御指摘がございましたように、二〇〇二年、持続可能な開発に関する世界首脳会議、いわゆるヨハネスブルク・サミットにおきまして小泉総理が国連持続可能な開発のための教育の十年というものを提案いたしまして、同年末の第五十七回国連総会において、二〇〇五年から始まる十年間を国連持続可能な開発のための教育の十年とする旨の決議が全会一致で採択されたところでございます。この決議で、各国は二〇〇五年までに同決議を実施するための措置をそれぞれの教育戦略、開発戦略の中に盛り込むことが求められたところでございます。
 このような動きを受けまして、我が国としましても、国内での実施を担保するために、二〇〇五年十二月に国連持続可能な開発のための教育の十年関係省庁連絡会議を設置したところでございます。この連絡会議の下に国内実施計画策定に向けて有識者やNGOとの円卓会議の開催、さらにはパブリックコメントなども実施した上で、二〇〇六年三月、二〇〇五年度内でございますけれども、二〇〇六年三月に第二回連絡会議を開催いたしまして、我が国における国連持続可能な開発のための教育の十年実施計画というものを決定したところでございます。
 なかなか見えにくいという御指摘ございましたけれども、この実施計画の策定におきましては、今申し上げましたように、円卓会議の実施、パブリックコメントの実施、さらにはいろいろなNGOの方々からの意見聴取というようなことをやっておりますし、実施計画自体についてもホームページに公開して、着実に今実施しているところでございます。
 実施計画自体は、我が国における持続可能な開発のための教育の課題等を明らかにした上で、持続可能な開発のための教育の実施の方針、その教育の推進方針、方策などを示しておりまして、現在、関係します各関係省庁において同実施計画に基づきしかるべく施策を実施しているところでございます。
○広中和歌子君 いろいろやっていらっしゃることはよく分かりました。
 しかしながら、今、環境問題に関しましては正に外交のテーマになっているのは、伊吹大臣、十分御案内のとおりだと思います。ゴア前副大統領が「不都合な真実」という映画を作られて、それが大きく話題になっておりますけれども、それだけではなくて、昨年のEUが議長国となって行われたサミットにおきましてもスターン・リポートなんかも出ておりますし、正に環境問題というのが、何というんでしょう、地球の安全保障の問題として大きく取り上げられている中におきまして、正に日本は前から環境問題ではリーダーシップを発揮する発揮するというふうに口では言っているわけですけれども、それが十分に発揮できないんではないかと。
 そういう中で、文部省の役割でございますけれども、私もどういうふうに教育されているのかなといろいろ見てみましたら、少なくとも、それぞれの学科ですよね、単に社会科だけではなくて、国語とか社会とか理科とか、様々な分野に環境の視点から環境の問題を子供たちに教えているというようなことをおっしゃっている。そのことについては評価いたしますんですが、もうちょっと、何というんでしょう、環境問題というのをまた道徳の問題として、モラルの問題というんでしょうか、そういう問題としてきっちりやはり子供に、これは今、高等教育だけではなくて、下の方の子供に教えていくことが非常に必要なんではないかなと思うわけでございます。
 ユネスコが作成した「持続可能な未来のための学習」という本があって、日本語にも翻訳されています。それをどういうふうに評価されて教育の中で使っていくおつもりなのかということも含めまして、つまり、新しい地球規模のモラルというのが地球環境問題を中心として今求められている、そういう新しい時代に入っているということでございまして、是非文部大臣のリーダーシップを要望したいところなんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生おっしゃるとおりだと思います。
 環境問題というのは財政再建と非常によく似ておって、今に生きる者がいい目を見る、楽をするために次の世代にコストを残しているというのとよく似ているんですよ。ですから、今に生きる者が便益のある生活を維持するために環境を破壊している、その破壊されたコストを受けなければならないのは次の世代だと、今生きている者がいろいろな自分たちの納税以上のサービスを受け取っているために借金をしている、次の世代はそれを返すために自分たちの稼いだ税金を自由に使えないというのとよく似ているんです。ですから、道徳的な、規範的なとおっしゃったのは私、全く同感でございます。
 さきの改正教育基本法にのっとって今、学校教育法の改正を国会にお願いいたしまして、同時に学習指導要領を変えることを考えておりますので、環境の問題を単に環境という問題だけにとらえずに、世代間のやはり公正というのか、そういう観点から是非記述をしてもらうように、これは一方的にちょっと議院内閣制の下で政権与党の大臣が内容について云々するのは、まあこのことについてはいいと思いますが、それ以外にいろいろ問題が出てくると困りますので、私の意向はよく伝えておきたいと思います。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 この美しい地球はだれのものということで、私どもだけのものではなくて、未来の世代と共有するものでございますんで、そういうことも含めまして、是非学校教育の中で教えていただければと思います。
 残った時間、また高等教育に戻りたいと思います。
 法科大学院など、いわゆる専門大学院というのが幾つかできました。どんな種類があるのか、まず簡単にお答えください。
○政府参考人(清水潔君) 専門職大学院制度がスタートして以来、法科大学院でございますとか会計専門職大学院、あるいは公共政策系の専門職大学院、あるいはいわゆるビジネススクール、経済、経営関係の専門職大学院、それから工学と経営をドッキングする、いわゆるMOTと申しますが、経営工学に関する専門職大学院等、それ以外も含めまして様々な専門職大学院が今スタートを見ている、このような状況でございます。
○広中和歌子君 期待をし、いい学生さんたちが集まることを望むわけでございますが、じゃ、教職員大学院ですね、教職大学院というんでしょうか、それの設置が考えられているというふうに伺いますけれども、その設置目的とか、いわゆるタイムテーブルについてお伺いいたします。
○政府参考人(清水潔君) 専門職大学院でございますけれども、正に専門職大学院の設置基準を改正いたしまして、去る三月一日付けで教職大学院の設置基準を公布した、施行は四月一日でございますが、公布したところでございます。
 教職大学院につきましては、これまでの教員養成系の大学院がややもすると研究者養成と高度専門人材養成を併せ目的とするということから、一定の科目の履修のほか、研究指導を受け、修士論文の審査合格が要件となる、このようなものでございます。したがって、ともすれば理論面の講義が中心であるなど、学校現場での実践力の育成という部分では必ずしも十分ではない、こういう御指摘がございます。
 例えば、教員養成学部、大学におかれましても、むしろそれぞれの論文が、他の専門学部と同じような内容の論文が修士論文としてかなり出ているという意味では、やはり教育学研究科における正に大学院とするならば、教育に関する論文を副論文の形で併せ改善していくべきじゃないか、このような議論もあったところでございます。
 一方、そういう中で、現在の学校における様々な課題の解決という観点から、力量ある新人教員の養成とか、あるいは学校、地域において指導的役割を果たし得る教員の養成、これをどう進めていくのかというのもまた大きな課題でございます。
 こういう意味で、教育課程改善のモデルとして学校現場における実践力を重視する、アカデミズムよりもむしろ学校現場における実践力を重視しながら、学校、地域におけるリーダーとしての専門的知識、技能を有する教員を養成する、そういう仕組みとして教職員大学院を構想したものでございます。
 多少ちょっと申し上げさせていただければ、標準修業年限は二年でございますけれども、修了要件は四十五単位として、うち十単位以上は実習、そして専任教員のうちは四割以上を実務家教員とし、附属学校ではなく、市中の小中学校等から正に連携協力校を必ず確保していただくというような内容でございまして、教員としてのやはり知識、技能を備えることこそが優れた教員の一つの大きな役割ではないかという観点で、これを教職大学院を契機としながら、学部における養成の在り方等も見直していただきながら、そういう新しい形の教員養成の一つのモデルとなっていければということを期待しております。
○広中和歌子君 大変結構だと思いますけれども、そうしたところでトレーニングを必要とする先生方あるいは学生さんたちは一杯いらっしゃるわけで、一つや二つこういう大学院ができても当然間に合わないわけですよね。そういたしますと、従来型のいわゆる教育大学ですか、あるいは教育大学院、教育の大学院ですよね、そういう教育大学の大学院、そういうところの講義内容というのも一部アカデミズムに偏り過ぎたとおっしゃいましたけれども、アカデミズムをやってもいいんですが、もうちょっと実質的なことに変わっていく、つまり今のニーズに合わないという反省に立って教育大学が変わっていく必要があるんじゃないか。さもないと学生がどんどん減っていきますよね。そういうことも心配になるわけでございますけれども、大臣にお尋ねしたいと思います。
 それから、時間がありませんので質問ちょっと付け加えますと、そういうところで勉強する人たちは、現職の教員の方がその仕事を辞めて今までの教職の経験を基に更にブラッシュアップするといった意味で、何というんですか、リカレントエデュケーション的な形で大学院に戻るということも非常に効果的なんじゃないかと思います。アメリカなんかでもそういう大学院一杯ございまして、私もちょっとのぞいたことがあるんですけれども、やはり経験した上で勉強をし直すということは非常に意味があることだと思いますので、そのことも含めましてお答えいただけたらと思います。
○政府参考人(清水潔君) 先生まず御指摘いただきましたように、教員養成のカリキュラムというのは、それぞれ教職大学院の設置は、今現在いろいろ私どもに御相談いただいているのは国立だけでも二十数校を超えている、二十校を超えておりますし、私立の大学でも具体にいろいろ構想中あるいは検討中のものもございます。
 そういうことを含めまして、全体として、これを契機として教員養成課程における教員養成のカリキュラム、いわゆる力量ある教員を養成するためには養成段階、学部段階ではどうすればいいか、そのための例えば医学部医師養成におきますようなコアカリキュラムというような、それぞれ共通的にこういうものは最低限必要だよねというのは大学の関係者が国公私含めて共同で、例えば医師養成の場面ではつくっております。例えばそういうコアカリキュラムの試みとか、いろんなそういう工夫を凝らした取組が私どもとしては期待したいと、こういうふうに思っております。
 それから、第二点目のお尋ねでございますが、現職の方でございます。
 御案内のように、現職の教員の方々が例えば一つは教育委員会から派遣をされてという形態もございますし、御本人が法律でお認めいただきました長期休業制度を活用してというケースもございますし、一方で、受け入れる大学院の側も、例えばいわゆる実際上の授業、研究指導を行う時間帯を、さっきあれではございますけれども、週末でございますとか夜間でございますとか、いろんな工夫を行うことによって、正に教職大学院もそうでありますが、現職者と、それはある意味で大学の教える側にとってもいろんな意味で刺激になりますし、またそういう意味で、要はそういう相乗効果の中で非常に出てくるものでありますから、そういう意味で、正に現職の方々を積極的に受け入れるための工夫を図りながら、そういう大学院が、あるいは学部が育っていくということを私ども期待しております。
○広中和歌子君 最後に、英語教育についてお伺いいたします。
 まず大臣に、今、小学校から英語を教えることについていろいろ世間では議論が非常に行われているわけですけれども、どう思われるかということについてです。
 ちょっと意見を言わせていただくと、子供というのは生まれたときには非常に音を聞き分ける能力があると。そういう中で、小学生ぐらいは、何も文法を教えろ、どうのこうのというんじゃないんですけれども、英語なりフランス語なり、ああいう発音を聞かせる、歌を歌わせる、そういったことを、何というんですか、現地語をしゃべる人ですね、英語を母国語とする人の発音で学ぶということが絶対に必要なんじゃないかというふうに思っているところでございまして、長い時間取る必要はありません、朝十分でもいい、それはテープででもいいわけですけれども、そういうことも含めて、まず小学校から英語を導入することの是非についてお伺いするということと、それから、私ども、中学、高校、大学と行った人は六年間あるいは八年間英語を学んでいて、実用に供さないような語学力しかないという現状に関してはやはり英語の教師は反省していただかなくちゃいけないんじゃないかと。あるいは、そういう英語の教師しか提供してこなかった文部省の行政はやはりもうちょっと努力するべきではなかったかと思うわけで、大変厳しい言い方でございますけれども、私自身も英文科で英語の教師の資格はいただいているわけでございますが、やはり非常に簡単に取れちゃうんですよね。だから……
○委員長(狩野安君) 時間が過ぎていますので、簡単に。
○広中和歌子君 そうですか、済みません。
 ということで、ちょっとコメントをいただいて、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(伊吹文明君) 文部科学大臣に就任しましたときの記者会見で言ったことで大変物議を醸しまして、賛否両論をいただきました。
 私は別にとっぴなことを言ったわけじゃなくて、学習指導要領に書いてあるとおりのことを言ったわけです。学習指導要領には、日本の伝統文化、歴史を学び、進んで国際感覚を養うと書いてあるわけで、先生が今正に文法等とおっしゃいましたが、そういう英語の教育をしろということは書いてございません。
 ですから、国際感覚を養うという意味で、外国の言葉を聞かせるとか、あるいは外国人の物の考え方に触れるために外国の臨時の講師の方々に来ていただくとか、こういうことは随分あって私は当然だろうし、いいと思います。ただ、総合学習の時間を使って、日本の言葉すらまだ十分に表現できない、話せない段階で、いわゆる英語の、先生が正におっしゃった、今まで失敗をしてきたような英語教育をする必要はないということを申し上げただけなんですよ。
 私の経験からしますと、うちの子供は向こうにおりましたけど、帰ってきてしばらくしたら全く英語を忘れちゃって、中学校や高校で英語の成績は必ずしも良くなかった。
 それから、日本語でおしゃべりな人は英語もすぐうまくなります。そのことも一つ大切にしておく必要があると思います。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 本日は、国立大学法人法の一部改正案につきまして御質問させていただきたいと思いますが、冒頭にもございました、一つ能登半島地震に関連いたしましてお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の地震でお亡くなりになられました方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思いますが、今回の地震におきましては、現時点におきましてもまだ千六百人以上の方が避難所で生活をされておりまして、学校施設もその避難所の一つとなっております。
 先ほど神取委員の御質問の中に被害状況のお話はございましたので割愛をさせていただきますけれども、今回は壊れて使えなくなったとか、そういった大事に至ることはなかったわけではございますけれども、改めて耐震化が必要である、重要である、急がなくてはならないんじゃないかという認識が強まったのではないかと思います。
 そこででございますけれども、先日もお伺いをさせていただきましたが、全国の耐震診断の結果がほぼまとまったそうでございますけれど、この結果を、この間は公表をきちんとしなさいという話をしたわけでございますが、もちろん公表することは大事なんですけど、それとともに、それらを調査分析をして、更に耐震化を進めるためにはどうしていかなくちゃいけないんだろうかということにつきまして、役所だけではなくて専門家の方々も交えてしっかりと検討していただいて、目標等を定めていただいて進めるような形を取るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(池坊保子君) 今委員がおっしゃいますように、石川県の輪島の地震は予測されておりませんでしたから、本当に日本全国いつどこで地震が起きるか分からない。学校は安心、安全に学べるだけでなくて、何かございましたときの地域の人々の安心、安全の拠点でございますから、きっちりとした耐震を行っていくことが必要かと思います。
 今日の夕方に平成十八年十二月までの耐震の状況がきちんと公表されます。今したいところでございますが、夕方にプレスで公平を期しまして、夕方までお待ちいただきたいと思います。
 耐震診断というのはほぼ進んでおりますが、耐震化率というのは地域によってばらつきがございます。耐震診断もしないし、耐震化率なんか念頭に置いていないという地域もございますので、これはその現状を見極めながら、しっかりとした地域における取組が必要だと思います。
 有識者会議は開くつもりでございます。早急に開きます。そして、現状を把握し、どう指導していったらいいかというようなことも考えていきたいと思います。
 先日の委員会で山本委員がおっしゃいました廃校利用、その活用の仕方、一部を基金にして耐震に使えないのだろうか、そういうこともこれは進めますことによって耐震化率が進んでいくと思いますから、いろんな知恵を出し合っていくことが必要であるというふうに思っておりますので、これは早急に立ち上げまして、そして地域における指導をしていきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 ありがとうございます。ここでやりますという御答弁がいただけるとは思っていなかったんですが、しっかりと早急に立ち上げていただきまして、やっていただきたいと思います。
 さて、本論に入らせていただきたいと思いますけれども、大阪大学と大阪外国語大学が統合することにつきまして、この二月に大学関係者の方々とも直接お話をさせていただきました。両大学がそれぞれの特徴を生かしつつ、多彩な教育研究が新たに展開されることを心から願っているわけでございますけれども、ただ、統合に際しまして懸念されている点が幾つかございます。
 先ほどの御質問と重なるところがございますけれども、我が党としても確認をしておきたいところでございますので、御容赦願いたいと思います。
 まず最初に、今回の、先ほど来お話しになっておりますが、大阪外語大学の夜間主コースとまた国際文化学科というところが募集停止になるということになるわけでございますけれども、統合以前に入学していた学生さんたちには予想ができない事態になっているわけでございまして、大変不安に思っていらっしゃいます。
 この件につきましては、大阪外国語大学側からは、在籍していらっしゃる、今実際在籍していらっしゃる学生さんのカリキュラムは卒業する時点まできちんと保障すると、そういう説明が学生さんになされているそうでございますが、新しい大阪大学において、先ほどの局長の答弁でありますと従来どおりちゃんとやるんだというお話ではございましたが、具体的にどのように保障されるのかということがつまびらかになっていないという指摘もあります。
 ですから、この点につきまして、文部科学省としてはどういう形でこれが保障されるかということについて、しっかりとどういう形でかんでいっていただけるのか、その辺りのことにつきまして御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(清水潔君) 御指摘の在学する、在籍する学生については、卒業するまでの間、従来と同様の履修を可能とする体制ということでもございますから、大学から聞いておりますところを具体的に申し上げますと、まず、授業科目については、共通教育科目、専門科目といった卒業要件となる授業科目のみならず、必ずしも卒業に必要ない自由選択科目についても従来と同様の科目を提供する。これが一点。それから、開講の時間帯については、従来と同様、六限目、七限目、つまり十八時から十九時二十分までですね、これに開講する。そして三点目、場所でございますけれども、従来と同様、箕面キャンパスにおいて開講する、こういう内容でございます。
 大学から聞いておりますところでは、これまで五回にわたり学生さんに対する説明会を開催し、この趣旨を説明してきたということではございますが、ただ、具体的なカリキュラムということにつきましては、正に統合を契機としということもございますし、その内容については、教員体制も含めて、本年の秋ごろに決定するというふうな予定であるようでございます。
 その時点では、より詳細な授業科目、担当教員、時間割等に関する説明あるいはそういうものがきちんと学生に行われるというふうに承知しておりますけれども、私どもの方からも、学生に対してそういうことが、無用の不安、懸念が抱くことがないようにということは大阪大学に申し伝えたいというふうに思っております。
○山本香苗君 大学の自主性、自律性にゆだねられていることであるとはいえ、先ほど大臣が、口が、国が挟むようなことではないというような御答弁もありましたけれども、きちっと卒業時まで保障できると、具体的にきちんと学生さんに詳細な説明をしていただけると、統合前にはですね、そういう体制をつくっていただきたい、そして学生の理解を得られる形にしていただきたいと思っております。
 先ほども話がありましたけれども、この夜間主コースというものが廃止されることによりまして、いわゆる働きながら学ぶと、そういう機会がなくなるのではないかという懸念の声も聞かれますけれども、新しい大阪大学の先生方のいろいろお話を聞きましたら、多様な社会人教育の充実をしっかり図っていくんだと、そういうことをお伺いしました。
 現在、政府を挙げて再チャレンジ支援ということを掲げて、より多くの社会人の方々の学び直しの機会をと言っている中でもございますので、これに逆行することがないようにしていただきたいと思いますが、文部科学省としてどういう御見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 統合後の大阪大学におきましては、学生が働きながら学ぶ機会として、まず箕面キャンパスにおいて外国語学部の授業科目の一部を夜間に開講する、それが一点。第二点目として、放送大学との連携により学士レベルでの外国語教育を提供するということで、具体的には統合後の大阪大学の教員が放送大学の授業科目を担当し、面接授業の場として大阪大学の中之島センター、これは利便性が良うございますので、そこを活用する。三点目として、中之島センター等に、先ほどもお答え申し上げました、グローバルコラボレーションセンターにおいて司法通訳、医療通訳の養成プログラム、あるいはJICAと連携した国際協力に関するプログラムを提供する。四点目として、インターネットを活用し、企業の社員、家族、あるいは海外に派遣される方を対象に、語学、言語、当該国のですね、少数言語も含めて、言語、歴史等に関する学習機会を提供する。こういうことを検討するとしておりますし、私どももそういう様々な試みについて支援していきたいということでございます。
○山本香苗君 しっかりとそういう流れの方向でやっていくということでございますし、また、大学が履修証明を発行する制度というものを今回学教法の改正の中でもいろいろと御検討をしていらっしゃるわけでございますので、しっかりとそういう流れの中で一緒に再チャレンジを支援していくような、後押しできるような形に是非していただきたいと思っております。
 次に、その統合による学生の負担という観点からちょっとお伺いをさせていただきたいと思っておりますが、今大阪大学というのは豊中キャンパスと吹田キャンパスというふうな形であるわけなんですけれども、先ほどのお話のとおり、大阪外国語大学の箕面キャンパスというのはそのまま使用されるという形になるわけですが、今吹田と豊中の間はスクールバスが走っているわけなんですね。今度は統合後もそっちも使うという話ですから、そこのところまで一緒にこういったスクールバスを走らせると、運行させるということによって、統合による新たな学生負担が生じないような、つながらないような形にすることも配慮しなくちゃいけないことではないかなと思っておりますけれども、文部科学省のお考えはいかがでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) これは文部科学省がというよりも大学のあれでございますけれども、御案内のように、豊中―吹田キャンパス間で大阪大学はスクールバスを午前八時から午後八時まで二十分間隔で運行しております。統合後、箕面キャンパスと吹田キャンパスをつなぐ路線を新設して、二十年四月から、これは初めて学生、お認めいただければ、学生受入れになるわけでございますけれども、二十年四月からスクールバスを運行したいと、こういうふうに聞いております。またそのほか、大阪モノレールは今年の三月から吹田と箕面キャンパスを結ぶ路線をもう開業しております。
○山本香苗君 もちろん、大学側の自主的な判断によるものですけれども、学生さんたちの負担ということが統合によって新たに生じないような配慮もしておいていただきたいなという観点で質問をさせていただきました。
 今回の統合というのは、大学法人化後のいわゆる教員数も生徒数も最大規模の統合になるわけでございまして、うまくスタートができるように是非文部科学省としても御支援をしていただきたいと思っております。
 特に、大阪外国語大学におきましては、スウェーデン語だとかハンガリー語、デンマーク語、スワヒリ語、これは非常にレベル高いんですね。かつ、それが国内で唯一学べる大学でもありまして、私も外務省におりましたときに、同僚にたくさん出身者がおったわけですけれども、語学のみならず地域文化の研究というところも非常に造詣が深いところがありまして、こうした少数言語の教育、また研究がしっかりと継続できるような形で御支援をしていただきたいと考えております。
 また、今回の統合には直接関係するわけじゃないんですが、その関係者の方々とお話をさせていただきました折に、大阪外国語大学の学長さんから、今年の四月に、試験に合格されて、拉致被害者の地村さんの息子さんが大阪外国語大学に入学されることになったというふうにお伺いをしました。その際、入学後、言葉の面であったりだとか、また生活面においては特別な支援というものを考えていらっしゃるそうでございまして、そういうものに対して是非とも御協力をしていただきたいというお話もございました。
 この件につきましては、聞いてすぐに担当課の方々ともお話をさせていただいているところではございますけれども、是非大学側とよく連携を取っていただきまして、そして支援に支障がないような形を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 御指摘のように、拉致被害者の御家族の方が十九年四月から外国語学部に入学されるということでございます。大学側においては修学に支障がないように、まず日本語能力向上のための特別授業を週一回行う、そして、日常的に学習支援、生活の支援のための学生のチューターというようなものを配置するということで支援を実施したいというふうに聞いております。
 私どもも、拉致被害者の家族を学生として受け入れた大学に対しては、円滑な教育の提供あるいは安全かつ良好な学習環境を整えるための所要の経費について支援をさせていただいております。今回のケースにつきましても、大学からの相談に応じて対処していきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 是非円滑な支援ができるような形で今後連携を取っていただきたいと思っております。
 国立大学法人に関連いたしまして、先日の委員会質疑の中でもありましたことにつきまして、再度大臣にお伺いをさせていただきたいと思っております。
 経済財政諮問会議において、大学法人の運営費交付金の問題について競争原理を導入する、つまり運営費交付金の配分を研究提案の内容などによって振り分けていくというような提案が、提言が民間議員の方々からなされたことについて、大臣がこの間の委員会で交付金を市場経済に役立つことばかりに配分しろということは私は責任者としてできかねるとはっきりとおっしゃっておられたわけでございますが、この運営費交付金ということを大学法人化の議論の中でもいろいろと我々も議論をしてまいりましたが、大学の運営を支えるために必須の基盤的な経費であって、根幹を成すものであって、ここがいわゆる競争的な形でそういったものに依存せざるを得ないような状況になってしまうと、その国立大学が維持することが難しくなるんではないかと私も考えております。
 しかし、もちろん大学側も十分努力をしなくちゃいけないと思うんです。今までの護送船団式でやってきたところからいきなり、抜本的な見直しをする等々の努力はしっかりしなくちゃいけないわけなんですけれども、こうした競争原理を導入するといった提案がなされて、そういう流れがつくられていくような中で、この提案に対して、先日は民間議員の提案のとおりにしたら経営が成り立たなくなるんだというような試算も文部科学省から出されているようですが、今後どういう形で対応していくのかということを大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 また、運営費交付金には一%、毎年この効率化係数が掛かっていくわけで、これは二〇一〇年までそういう形になるということになっているわけですけれども、その先どうするんだというところも含めて、今日いろいろと国立大学法人の在り方についても御質問がありましたけれども、その将来的なところまで含めて、文部科学省としてしっかりどうやっていこうというお考えをお持ちなのであるのか、戦略的にどうお考えなのか、大臣にお伺いさせていただきまして、質疑を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 余り将来のことはちょっと私も、経済社会状況がどう変わるか分かりかねますが、まず、先生も正にそうおっしゃっていたように、大学の研究、経営に当たる者が国民の血税を使っているからという効率化原則を持つということ、これはもう大前提で、その上での話なんですよ、私が申し上げているのは。
 ですから、その上で、やはり教育と研究と社会還元という三つの目標を教育基本法に書いているわけですから、この教育の分野に当たるところはできるだけ、そして基礎研究に当たる部分はできるだけやはり運営費交付金で賄っていくと。そして、社会に、市場経済に割に結び付きやすい研究開発の部分はできるだけ競争的資金というのか、まあ我が省でいえば科学研究費、そして厚生科学費あるいは民間企業からの寄附口座、こういうものでやっていくという仕分が必要だと思うんです。
 ですから、教育の分野、基礎研究の分野に、だから一%の効率化原則が掛かっているというのは、正にそういう両方の割り振りをうまくやってもらいたいということと、自分たちの中にある非効率を排除していくということを念頭に置いているわけですから、非効率が排除された後は別に減らす必要はないでしょう。むしろ、ただ学生数が減ったりしてくれば、少子化だから、それに応じていろいろなことは変わってくるかも分かりません。
 民間議員の私学の先生だと思いますが、おっしゃっている御意見は国立についておっしゃっているんだけれども、じゃ私学助成費も同じように一部競争的に配分させていただくということでよろしいのかどうかは、これは私学関係者の中で意見統一をしてもらわないと困りますよね。国立だけそういうことになるというのは、私はやや考えが違うと思っております。
○山本香苗君 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 提案されている法案は賛成でありますが、今日、各委員からもありましたように、現在夜間主コースに行かれている学生の皆さんの学ぶ権利であるとか、そして社会人の方の学ぶ権利などがしっかり保障されるということは私からも求めておきたいと思います。
 統合される新しい大学、そしてそれ以外の国立大法人にとって財政基盤の確保というのは非常に重要だということは、今日も様々な議論がありました。国立大学法人法案の質疑の際に、当時の遠山大臣は、国立大学は、我が国の学術研究と研究者養成の中核を担うとともに、全国的に均衡の取れた配置により地域の教育、文化、産業の基盤を支え、学生の経済状況に左右されない進学機会を提供するなど重要な役割があると、こう言われました。そして、それを担う大学に対する財政措置については、移行前に必要とされた公費投入額を十分に踏まえて、従来以上に国立大学における教育研究が確実に実施されるよう必要な所要額の確保に文部科学省としてしっかりと取り組んでまいりたいと、こういう答弁があるわけですね。
 この立場は今日においても当然変わらないと思うんですが、それをまず確認をしておきたいのと、こういう資金の確保といった場合に、先ほども大臣から様々な資金が言われたわけでありますけれども、とりわけこの運営費交付金が持つ役割、意義についてどのように文科省としてはとらえているのか、まずお願いをしたいと思います。
○政府参考人(清水潔君) 運営費交付金のまず性格についてでございますけれども、運営費交付金は六年間の中期目標期間、中期計画に沿って安定的かつ持続的に教育研究を展開するための、そういう意味での基盤的経費であるというふうに認識しております。
 最初にお尋ねがございました法人の移行に当たっては、法人化前の公費投入額を踏まえながら十六年度においては実質的に同水準の額を措置したということはこれまでも答弁させていただいておるところでございますが、運営費交付金の算定に当たっては、一定の効率化を図りつつも、新たな教育研究ニーズに対応して、各大学の取組については特別教育研究経費による増額を図ると、こういうふうな仕組みを取っておるところであり、いずれにいたしましても、基盤的経費である運営費交付金を、その本来の性格にかんがみて、それを支えるものとしてきちんと手当てをしていきたい、このように思っております。
○井上哲士君 既に国立大学法人でも運営費交付金の算定ルールで毎年一%の効率化が明記をされまして、法人化後の〇五年で九十八億円、〇七年は百七十一億円、この三年間で既に三百七十一億円の削減となっております。百七十一億円といいますと、近くでいいますと千葉大学の一年間分ぐらいの交付金に当たる大変大きな規模の予算が毎年削減をされておりまして、非常勤講師の削減や語学教育の削減、教材費や印刷費の減少、学生図書や雑誌購入の制限、実験設備を維持更新する経費の不足など様々深刻なことも上がっておりますし、文部科学省の行ったアンケートでも、法人化以降の研究室の経費は、約八五%の研究室が削減をされた若しくは削減される見込みと、こういうことも出ております。
 その上、今もお話ありましたように、二月二十七日の経済財政諮問会議で民間議員から、この運営費交付金の算定ルールを見直せと、こういう議論がされまして、これに対して三月八日の国立大学協会の総会でも学長の皆さんから相当異論が出たと、こういう報道もされております。
 三月十八日付の朝日新聞に、この問題について、科学研究費補助金の獲得実績に基づいて計算をすれば、全国八十七の大学のうち七十で交付金が減って、四十七は半分以下になると。新聞報道では大学がない県が半分になってしまうと、こういう報道がされまして、大変不安の声が上がっておるわけですけれども、こういうシミュレーションを文部科学省が行っておられるというのは、これは事実でしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 結論的に申し上げれば、報道された試算あるいはシミュレーションということでございますけれども、これは私どもとして責任を持って試算したというふうな、行ったというふうな性格のものではございません。
 と申しますのは、報道内容、例えば国立大学の教育機能を全く考慮しないあり得べからず前提だと私は思っております。そういう意味で、例えば運営費交付金総額を科研費の補助金の獲得割合に応じて計算するというアプローチは、そもそも国立大学の性格あるいは大学の性格を没却しているというふうに思っております。
 ただ、この試み計算、試算でございますけれども、先行する二月二十七日の報道を受けて、それをどう具体的にイメージするという観点から、担当者がいろんな仮定に仮定を重ねた上で計算したものがこういう報道になったものと、こういうふうに承知しております。
○井上哲士君 試みの案としては行われたようでありますし、そして文部科学省としては、結果としてこういうふうに地方の大学などが経営ができなくなるようなことがあってはならないと、こういうことだと思います。
 それで、この法人化の際に、法人化によって国立大学に対する財源措置を含めた国の責任は変わるものではないと、こういうことも繰り返し答弁をされておりまして、この経済財政諮問会議で行われている国立大学の運営費交付金の在り方の議論は、こうした国立大学法人ができる際に議論されてきた経緯からは私はかなり外れていると思っております。
 大臣は繰り返し知的エリートを社会に送り出すという、大学の役割をこういう表現もされまして、教育としての役割ということも強調もされているわけですね。そういうことも考えまして、この運営費交付金を確保していくということはやはり国の大きな責任かと思います。
 改めて最後に大臣の御所見と御決意を聞いて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど来、神取先生、広中先生、山本先生の御質問にお答えしたとおりの私の考えでやっております。
 したがって、国立大学のみならず、私学も同じ扱いでいいという前提で私学出身の経済財政諮問会議の委員は御発言をいただいておるものだと理解しております。
○井上哲士君 やはり、国立大学の基盤というものを支えていくって非常に大事なわけですね。
 先ほど紹介した試算の記事の中で、文科省のコメントとして、運営費交付金というのは人件費や光熱費などを賄う、人間でいえば三度の食事のようなものだと、こういう言葉が出ております。食事もせずに研究しろ競争しろというのはできないわけでありますから、やっぱりしっかり確保していただきたい。改めて申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(狩野安君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国立大学法人法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(狩野安君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会