第166回国会 厚生労働委員会 第12号
平成十九年四月十九日(木曜日)
   午前十時五分開会
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   委員の異動
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     山本 孝史君     尾立 源幸君
     又市 征治君     福島みずほ君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                阿部 正俊君
                中村 博彦君
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                浮島とも子君
    委 員
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                尾立 源幸君
                櫻井  充君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                柳澤 光美君
                山本  保君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   柳澤 伯夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  石田 祝稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      堀田  繁君
       総務大臣官房審
       議官       岡崎 浩巳君
       法務大臣官房審
       議官       後藤  博君
       法務大臣官房審
       議官       三浦  守君
       法務省矯正局長  梶木  壽君
       財務大臣官房審
       議官       古谷 一之君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高橋 直人君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     高橋  満君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    中村 秀一君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中村 吉夫君
       厚生労働省老健
       局長       阿曽沼慎司君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
       経済産業大臣官
       房審議官     立岡 恒良君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○消費生活協同組合法の一部を改正する等の法律
 案(内閣提出)
○社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、又市征治君及び山本孝史君が委員を辞任され、その補欠として福島みずほ君及び尾立源幸君が選任されました。
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○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消費生活協同組合法の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君外十四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(鶴保庸介君) 消費生活協同組合法の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井基之君 おはようございます。自由民主党の藤井基之でございます。
 今日は、議題となっております生協法改正法につきまして御質問をさせていただきます。
 御案内のとおり、昭和二十三年、一九四八年でございますが、この年に生協の制度が発足いたしまして、もう六十年近い月日が流れております。戦後の食料品などの日用品等の物資不足の時代から、その後の経済成長期、また物や各種サービスのあふれる今日まで、我々の日々の生活環境は大きく変化をしてまいりました。そして、生協も変化を続けまして、現在では、組合数が千百十六組合ですか、そして組合員の方々も延べで五千九百十五万人という多きを数えることとなっております。今日の日本国における世帯数というのは、これ約五千万世帯と、こう言われておるわけでございますから、この延べ組合員数の方々というのが各世帯もしも一人いるとしたら、すべての世帯が生協活動と関係していると、こうなるわけでございます。
 この生協制度の根拠法令でございます今日かかっております法律、消費生活協同組合法、今回見直しをなされるわけでございますけれども、その趣旨につきまして、前回の法案提示でもお聞きいたしましたが、改めまして厚生労働大臣に改正の趣旨について御説明いただきたいと存じます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) おはようございます。
 今、藤井委員から御指摘がありましたように、生協は昭和二十三年の制度発足後、大変皆さんの、組合員の御努力あるいは御支持の下で発展をしてきたというふうに考えております。
 生協の行っております購買、利用、共済等各種事業ともに規模を拡大してまいりましたけれども、例えば購買事業で見ますと、我が国の小売総売上げの二%前後を占めるに達するなど、経済事業主体としてかなりの存在になっているということがまずございます。
 その一方で、生協を取り巻く環境、これはモータリゼーションであるとか、あるいは共済事業が信用秩序の中で大きないろいろな問題を他の事業体においてもいろいろはらんでいるというようなこと。そういうようなことでございまして、経済主体として一定の地位を占める中で事業の健全性というものを一層確保する、そういう要請が高まっていると。それから、組合員の便宜については、より充実を図っていかなければならないと、こういうことがあるわけでございます。
 したがいまして、そういう意味合いで、まず購買事業については、生活圏の拡大等に対応した見直しをしなければいけない。それからまた、利用活動と申しますけれども、福祉活動につきましても、その充実強化を図る必要があるというようなこと、そういうようなことがある上に、先ほど申したように、共済事業においては契約者保護というものを図っていかなければならないというようなことで、そうした各事業の充実強化を図る中で、経営責任体制、いわゆるガバナンスと言われる機能についても強化を図っていく必要があるというふうに考えまして、それやこれやを今回改正におきまして、はっきりした法律の規定を見直すという形で改正をさせていただきたいという御提案を申し上げている次第でございます。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今大臣から御説明がありましたとおり、今回のこの見直しというものは、制度発足以来の生協を取り巻く環境の変化を踏まえて、そして結果としてかなり大規模な法律の改正になったというふうに理解をしております。
 そうすると、これだけ多くの改正、非常なポイントも今大臣が御指摘なさったとおりでございますが、これだけになりますと、やはり今までのこのような改正法案をまとめるための行政庁における御苦労も多々あったと思います。特に関係される方が大勢いらっしゃる関係上、多くの方々の御意見を集約してこのような法案提出にこぎ着けたんだろうと思います。
 この法案を成立させるため、成立というか、法案を作るための今までの検討の経緯について、簡潔で結構でございますけれども、少し御紹介いただけませんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今回の法改正に当たりまして、昨年七月に厚生労働省に生協制度見直し検討会を設置し、全九回にわたる審議を行い、改正内容を検討していただいたところでございます。
 この検討会におきましては、企業論や保険業法の専門家である学識者の方、マスコミ関係者の方、類似の協同組合である農協関係者のほか、生協関係の方にも委員として参加していただき、多様な角度から改正の内容について御議論いただきました。また、検討の過程において、生協を取り巻く関係団体、具体的には生命保険協会、損害保険協会、日本商工会議所からのヒアリングも行うとともに、途中で中間取りまとめを行いましたが、パブリックコメントの手続を付して各界から御意見をちょうだいし、それらの意見を反映した報告書が取りまとめられたところでございます。
 このように、今回の見直し、各方面の幅広い意見をちょうだいしたものでございます。生協が将来にわたりその役割を果たすための内容をこの報告書を基に作成させていただいたと考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 先ほど大臣の御説明がありましたように、この生協の事業の内容というのは非常に幅広い、多岐にわたっております。商品の購買事業でありますとか、今お話がございます、これからももう少し質問したいんですが、共済事業と言われるもの、そして利用事業、いわゆる医療福祉事業など、実に広範な事業展開をなさっております。これらの生協が行う各種事業の中で、私ども、一般的には保険業務だろうと、こういうふうな呼び方をしている、その呼び方が共済事業というふうに言われている事業でございますが、制度が始まった当初はあるいは慶弔見舞金程度のものだったというふうに聞いております。しかし、その後の組合員のニーズに応じまして共済の種類も非常に多様化しております。現在では、火災や台風などの災害共済でありますとか、あるいは自賠責の制度と併せて利用されます任意の自動車共済、あるいは生命共済など様々でございます。
 私がかつておりました大学における大学の生協の共済事業を見ましても、これは学生向けの、例えば交通事故でありますとかあるいはスポーツやアルバイト中の事故における医療共済など、これらはもうすべてカバーされているわけでございます。
 このような生協の共済事業の規模というもの、これは今現在一体どの程度の大きさになってきているんでしょうか。この法改正の趣旨の一つとして、共済事業における契約者保護のための見直しを行うということが指摘されておりますわけですが、この共済事業における契約者保護のために、具体的にはどのような見直しを行う御予定なのか、お伺いをしたいと存じます。
○政府参考人(中村秀一君) 今、生活協同組合が行っております共済事業について、委員の方から、昭和二十三年の法制定当時においては慶弔見舞金程度のものが、多様な共済商品が出てきていると、こういう御指摘がございました。
 現在、生協が行っております共済事業につきまして、直近の平成十六年度の状況を御報告申し上げますと、千百十六組合ございますが、そのうち共済事業を実施しておりますのは、これは元受け共済と呼んでおりますが、百三十九組合でございます。日本全体のいわゆる保険分野でのシェアということになりますと、生協の契約件数は約一億件で全体の一一・七%、受入れ共済掛金額で見ますと約一兆三千億円で三・一%という規模になっておりまして、大臣から御答弁申し上げましたように、かなりの規模を占めていると、こういうふうに申し上げてよろしいかと思います。
 そこで、共済事業が委員から御指摘ございましたように多様化しております。また、一定の規模に達しておりますので、現行制度下では、何分古い法律でございますので、契約者保護を図る規制が十分ではないと、こういうことでございます。今回の改正法案におきましては、同じいわゆる制度共済と言われております農協法や中小企業等協同組合法の改正なども参考にもしつつ、生協が最低限保有すべき出資金額の基準を設けるとか、経営情報について開示を義務付けるとか、それから契約を募集する際、当然のことながら虚偽を告げることの禁止など禁止行為等について規定するなど、契約者保護の観点から今回制度見直しを提案させていただいているところでございます。
○藤井基之君 先ほど局長からも御答弁ありましたように、今回の見直しに当たっては、いろいろ関係各方面からの御意見を伺ってこのような改正法案をまとめられたというふうな御答弁いただきました。
 確かに、いろいろな各分野から今回の共済事業、特に共済事業の見直しについて指摘事項であるとか要望があったというふうに承知をしております。例えば、金融審議会の報告書におきましては、利用者保護のための適切な措置を講ずることが望ましいという指摘がございます。また、規制改革の流れの中では、生協共済につきましても、今答弁がありましたが、情報開示の規制であるとか募集規制等について保険業法とか農協法との整合的な規制を整備すべきだといった、そういった要望もなされております。
 こうした中で今回の見直しが行われているわけでございますが、そうすると今回の改正というのは、ある一面を見ますと、保険業法でやっている保険とこの生協のやっております共済とのある意味でイコールフッティングを行うためのそういった見直しなのでしょうか。保険業法並みのある意味での規制を課すということは、これは、それはそれで非常に意味があることは、先ほどの私は局長の答弁を理解するところでありますが、生協というのは元々が組合員の相互互助組織、扶助組織としての性格、それが余り保険と共済のイコールフッティングを見直すと、そういった相互の扶助組織としての性格を失わせてしまう、そういったおそれがあるのではないかということを危惧いたしますけれども、これについてはどのような考えで対応されるおつもりなのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 先ほど申し上げました、今委員からの御質問の点につきましては、生協制度見直し検討会でも最初に議論になったところでございます。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 生協につきましては、一定の地域又は職域による人と人との結合であり、国民の自発的な発意に基づきます生活協同組織であると、こういうことでございますので、そういう自発性と、他方、一定の経済的な主体という面と併せ持つもので、そのバランスをどう取っていくか。繰り返しになりますが、非営利目的の組合員の相互扶助組織という一面と経済事業主体としての面を併せ持つ、そこのバランスを考えていくことが大事であると、こういう基本的な考え方で見直しも検討されております。
 そういった面で、共済事業を見ますと、先ほど相当の規模に達しておると申し上げましたけれども、年間の受入れ共済掛金額が、生協の中には一億円未満という小規模生協もある一方で、その金額が三千億円を超えるという、企業に例えますと中堅の保険会社の保険料収入に匹敵するほどの生協も存在すると、大変幅があると、こういうふうに考えております。
 したがいまして、今回の改正に当たりましては、ただいま申し上げました基本的な考え方に立ち、相互扶助組織という生協の特質と、二つ目は生協のただいま申し上げました大変幅の広いという規模の実態を踏まえ、また委員からも御紹介ございましたように、保険業法や他の協同組合法における規定の整備状況、そういったことを踏まえて様々な基準を考えることとしております。
 契約者保護を図りつつも協同組合の特性を今後とも維持し、一層の発展が図れるような見直しにしたいと考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 それでは少し、ちょっと各論的なことで申し訳ございませんけれども、お聞きしたいと思います。
 まず、その共済の個別の問題で、今お話がありましたので、答弁は今の形で、総論的な答弁で尽きているかもしれませんが、一つは最低出資金規制についてでございます。
 今回、共済事業を開始するに当たりましては、最低限保有すべき出資金額の基準、これが新たに設定されることとされております。今、局長からも答弁ありましたように、共済事業を実施している組合の規模というのは、非常に大きいところから小さいところまであるわけですね。いわゆる組合員の人数で見ますと、千人以上というところの基準のところから百万人を超えているようなそういった組合まであるわけでございます。
 私自身、契約者の保護のためにはやはり当然のことながら生協の財務の健全性を確保するという、これは当然重要なことであります。そして、こうした規制は必要だと考えます。しかし一方で、こうした共済事業を行っている組合の規模が非常に大きいところから小さいところまで幅広く分布しているわけですね。ですから、実際のこの最低出資金規制の適用に当たっては、そういった規模等々に対する配慮というものも必要になってくるのではないかと思いますけれども、それについてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(中村秀一君) まず、共済事業を行っていただく生協につきましては、やはり財政的に脆弱でありますと十分に契約者保護が図れない可能性がございますので、最低出資金の額、最低限持っていただく、出資金を持っていただくと、こういう基準を作ることといたしております。
 この点につきまして、今委員から御指摘ございましたように、大変生協の規模も違うということで、基準を設定する際、その点も考慮させていただきまして、単独でやっております単位生協につきましてと連合会について、共済事業の規模の違いにも着目し基準を分けると、こういうふうにさせていただきまして、単位生協については一億円、連合会については十億円という基準を今念頭に置いてございます。
 現在、単位生協は百二十九組合、連合会は十組合、合わせまして先ほど申し上げました百三十九の組合が共済事業をやっているわけでございますが、この基準を設定しますと、現段階で必ずしも一億円なり十億円の基準を満たせない組合もございます。五年間のこの点につきましては経過措置を設けることとしており、この期間中に組合員や出資金の額を増やすことをお願いし、基準を満たしていただくように各組合にお願いをしたいと考えているところでございます。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 引き続き各論でございますが、いわゆる兼業規制についてお伺いをさせていただきたいと存じます。
 先ほど来議論しておりました保険業法の関係で申し上げますと、保険業法ではその保険契約者の保護の観点等々から、いわゆる他業を兼業することを規制しているわけでございます。今回、共済事業を行う生協につきましても、一定規模以上のものについては他の事業との兼業は禁止されると、こういうふうな規定になっているわけであります。
 しかし、先ほど来お話ありますように、生協というのは、元々が食料品等を中心とした生活物資を供給する事業を中心にして発展してきているという経緯もございまして、そしてその一方で、昨今のニーズに応じて医療福祉事業等の利用事業であるとか各種共済事業を実施するなど、いわゆる組合員のニーズに応じまして幅広く事業を実施している、そこに生協活動の特徴があると思うんですね。実際に、生協事業を行っているそういった生協の中で、他の事業を兼業している組合というのは約半数だというふうに伺っているわけでございます。これは、一般会員が生協に行けば生活に必要なものもサービスも受けることができると、それに魅力を感じてこの生協を御利用なさっているんじゃないかという感じがするんですね。
 こうした中で、共済事業と他の事業との兼業、駄目よと、こういうふうにしますと、このような組合員のニーズに応じられなくなってしまう、そういった心配が出るのではないかと思いますけど、これについてはどのような対応をお考えでしょうか。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 共済事業を行っている生協の他の事業との兼業を規制すると、こういう問題についてでございます。
 これも悩ましい点がございまして、組合員のニーズからすると総合的なサービスを求めたいという希望もあり、生協さんはそれにおこたえしたいという気持ちもあると。他方、先ほど来申し上げておりますように、共済事業につきましては金融事業の一種でございまして、破綻した場合に契約者に与えるリスクの大きいことを考えますと、やはりそれなりの規制も必要だということで、そのバランスをどう取るかということがここでも問題になったわけでございます。
 組合員の生活を保障するという共済事業の特質を考えますと、他の事業における財務状況の悪化によって健全性が脅かされるような事態は避けると、こういうことから基本的には兼業規制を行うということにいたしました。特に共済事業を行う連合会、これは生協を会員として連合会がつくられているわけで、その連合会の目的からいって、その場合には兼業をやめていただくということ。それから、単位組合でありましても、支払共済金額が一件当たり高額であったり、組合が受け取る受入れ共済掛金の総額が大きな共済事業を行う組合、つまり共済事業を大規模にやっている組合につきましては、破綻した際の影響が大きいことから他の事業との兼業はやめていただくと、避けていただくと、こういうこととさせていただくことにいたしました。
 なお、この規制が実施されますと共済事業と他の事業との兼業をできなくなるわけですが、組合員サービスを続けたいという場合には、その他の事業につきまして、組合員と図って他の組合を設立していただくというようなことが代替の方策としては考えられるのかなと思っております。
 また、この兼業規制につきましても、直ちに実施しますと影響が大きいものでございますので、五年間の経過措置を置かせていただいているところでございます。
○藤井基之君 分かりました。
 もう一つ教えてください。この共済事業の制度の実施に当たって、今回の改正で、いわゆる経理の専門家といいましょうか、共済計理人の設置というものを求めることとされておりますけれども、この共済計理人を関与させることによって、一体この共済事業の健全性というのは具体的にはどのように、どの程度のレベルまでその健全性というのは担保されることになるというふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 共済事業につきましては、合理的な共済事故の発生率や予定運用利回りなどの前提を用いて収支を均衡させていくことが大事ではないかと考えております。共済の掛金と共済金をそこで設定することが必要であるため、その運営には数理的な専門知識が必要になると、こういうふうに考えております。
 今回の改正では、そういった中でも、共済事業もいろんな種類がございますが、長期の共済事業、年金のようなものを行っているもの又は契約者に割戻しを行う、こういった事業を行う生協につきましては、数理的、専門的知識を有する方を置いていただくということで、一定の資格要件を満たす共済計理人を選任していただくことといたしております。
 こういったことによりまして、生協の方で財政状況をより正確に把握し、共済事業の財政状況に問題が生じることが想定される場合には早期のうちに対応できると、そういったことによって財政の健全化が図られるのではないかと考えております。
○藤井基之君 生協制度の見直しの検討会の報告書読ませていただきました。幅広い検討がなされたことは十分理解をできました。その中で、今もちょっとお話ありましたが、資産運用規制、これについてはある意味で緩和される方向のように読めたんであります。
 現在の我が国の経済の状況というもの、実感はなかなかわかないという説もありますけれども、戦後最長の景気拡大の中にあるということで、資産運用の環境というものも、取りようによってはこれ非常にいい、好環境の下に今置かれているわけでございます。しかし、御案内のとおり、数年前まで、日経の平均株価見ても現在の半分だし、失われた十年のころというのはとんでもない状況になっていたわけでございまして、今お話ありましたように、組合員からの例えば預り金を運用していくということになれば、これはやはり十分な配慮がなされて、その中でこの制度というものが動かされなきゃいけないというふうに私も考えます。
 そこで、お尋ねしたいんですが、現在、生協における資産運用の現状というのはまずどうなっているのかという現状の御報告、そして今後これをどのようにより良くしていこうとなさっているのか、それについてのお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 資産運用の現状でございますが、主に年金共済や長期生命共済など契約期間が長期にわたる共済事業を実施する生協が将来の共済金の支払に備えるために行っております。平成十七年度末現在で見ますと、長期共済事業を実施する生協全体の運用資産は四兆一千六百億円と、こういうふうになっております。現在、生協の資産運用につきましては、元本保証性資産が五割以上でございますとか、株式とか外貨建て資産はそれぞれ三割以内という規制があって、そういう規制に従って、ただいま申し上げました四兆一千六百億円の資産が運用されているということでございます。
 今後の資産運用の方向性につきましては、検討会の報告書でも、柔軟に運用できる仕組みが必要でございますので、近年の金融資産の多様化、他の事業体の状況なども参考にして、その在り方を検討することといたしております。
 確かに、運用は難しい側面もございます。どうすれば生協が適切にリスクを管理できるかを考慮しつつ、安全性を重視した効率的な資産運用の在り方を私どもとしても検討してまいりたいと考えております。
○藤井基之君 いずれにしましても、この生協の共済事業、先ほど答弁ありましたように、いわゆる保険、共済全体の事業の割合がいわゆる契約件数で見たら一割を超えているという御答弁でございました。それだけの大きさになっているこの生協の共済事業でございますから、万が一のときに備えて、いろいろな制度整備を図るとか各種規制を見直して契約者の保護を図ること、これは当然のことながら十分そういった制度設計をしなければいけない、大変重要なことだと思っております。
 ただ、法律的にある意味で整備をすれば、これで本当に契約者であります生協の組合員の保護が徹底されるかといったら、法律作っただけではこれはやっぱり不十分なんだろうと思いますですね。やはり組合員が十分に保護されるためには、新たに設けられる規制の実効性というものを行政庁はちゃんと担保しなければいけないと考えます。
 これについて、例えば同じような共済事業を行っています農協を監督しております農林水産省、ここの組織を調べますと、協同組合の検査担当者というのは、これは本省だけでも七十名以上の方々、人員が配置されているわけですね。地方庁にも大勢の方がいらっしゃるわけでございます。この生協を所管する厚生労働省におきましても、本当に生協の組合員を保護するために必要かつ適切な検査あるいは監督の体制、これを整備することが肝要であろうというふうに考えます。
 厚生労働省は、現在、この生協の検査・監督体制が一体どうなっているか、また今回の改正法の施行に合わせまして、私は当然のことながら、要員の確保を含めまして検査・監督体制を充実させるべきであろうと、そういうふうにも考えますけれど、どのようなお考えでございましょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 現在、生協に対する検査につきましては所管行政庁が行うというふうにされておりまして、所管行政庁とは、厚生労働省の本省、それから地方厚生局、また都道府県の県庁、これがそれぞれ対象の規模等によりまして分担しておりまして、検査計画の策定し定期的に実施をいたしております。
 検査体制につきましては、私どもの検査体制を申し上げますと、厚生労働省本省に生協検査官二名、地方厚生局に社会福祉監査官が生協検査も担当しておりまして九名配置しておりますが、先ほど農林水産省の方のお話がございましたけれども、この法案の提出につきまして与党で御審査いただいているときも、与党の方からも厚生労働省関係の検査体制が手薄ではないかと、こういう御指摘をいただいたところでございます。
 我々、こういう検査体制の下で検査項目や検査実施方法につきましては検査要領を策定し各都道府県にもお示ししているところでございますが、確かに委員おっしゃいますとおり、これからの課題として検査の充実ということが求められております。この点につきましては、生協サイドの方からも御要望いただいておりますし、また関係業界であります生損保業界からも要望されているところでございますので、我々といたしましては、マニュアルとかそういった内容の充実のほか、検査に係る担当官につきましても整備充実していく必要があると考えております。
○藤井基之君 昨今、なかなか人員を増やすことというのは大変な環境にあることは私も十分存じておりますけれど、何も農林水産省と単純な比較をするつもりはありませんけれど、やはりしかるべき検査・監督体制、これは人員の増加も含めて対応を取っていただいて、そして今回の共済事業に関する見直しが実効あらしむようにしていただきたいと考えます。
 次に、先ほど大臣からお答えいただきましたように、今回の改正は共済事業のみならずガバナンス全体に対するような見直し、それと様々なものが含まれているという御答弁をちょうだいいたしました。いずれにしましても、これはいずれも生協の事業の健全性を確保するためと。そして、約延べ六千万人近い組合員の方々が安心して生協の事業を利用していただける、そのための法制度の改正に伴って発生してくるいわゆる政策課題になってきているわけであります。今回また見直しが多岐にわたっております。そして、それによって生協にとっても新たな負担になる見直しもこれは含まれております。
 元々生協は、先ほども申し上げましたが、組合員の相互の扶助組織として組合員が自らの責任で運営する組織でございます。そして、現在千百を超える組合が存在しているわけです。ただ、この規模、一組合が千人以下のところから百万人を超えるまでと、そういった状況でございます。これらの大小の各生協が組合員のために様々な事業を今現在も健全に行っていることを踏まえますと、今回のこの法改正の円滑な対応というものをやはり配慮する必要があると思います。
 先ほど局長からも答弁いただきましたけれど、改めて、トータルとして、総体として、厚生労働省は必要な対応をどう考えているか、もう一度御答弁をいただきたいと存じます。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 生協につきましては、今委員からお話ございましたように、数が千を超え、また規模も千人以下のところから百万人超えるところまであると、大変多様でございます。また、自発的な相互扶助組織でございますので、そういうことを踏まえた生協の自主性、そういったものも当然尊重し、そういう内容の規制でなければ、規制を行うとしても、なければならないと考えております。
 先ほど来御答弁申し上げましたとおり、具体的には出資金に係る規制を御紹介いたしましたけれども、そのほか様々な基準がございますが、それらにつきまして、規模に応じた適正な基準を設けるなどの工夫をさしていただくということ、また、兼業規制の際に申し上げましたけれども、実施に当たりまして五年の経過措置を設けるなど、そういった意味で生協の実態に配慮した規制とさしていただいております。
 また、これからの話でございますが、改正内容につきまして関係の皆様に周知徹底を図るとともに、私どもといたしましても、モデルとなる定款例の作成でございますとか、生協の会計基準につきましても近代化していくとか、共済事業についての監督指針、検査マニュアルの作成なども行い、関係者、行政側も、また当事者でございます生協の方々においても、改正法に円滑な対応が図られるよう努力してまいりたいと考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今回の改正法、今審議をさしていただいているわけでございますが、提案された題目は消費生活協同組合法の一部を改正する等の法律案と、等という文字が付けてあるわけでございます。これ、教えていただきましたが、具体的にはこれ、いわゆる資金の貸付に関する法律の廃止を意味しているんだと、こういうことでございました。この資金の貸付の法律というのは、いわゆる協同施設等の整備を行う生協に対して資金の貸付けを行う都道府県に対しまして、国が低利で資金貸付けを行う、そのための法律だったというふうに伺っておるわけであります。
 ある意味で非常に生協活動にとっては有意義な制度、これを今回廃止してしまうんじゃないかというふうに思うわけでございますけれど、これ、この廃止される趣旨についてちょっと確認をさしていただきたいと存じます。
○政府参考人(中村秀一君) 今、委員から御指摘のございました消費生活協同組合資金の貸付に関する法律の廃止の件でございますが、この法律は、委員からお話ございましたとおり、生協法の施行当時、まだ十分生協が発達しておらず資金力も乏しかったことを踏まえ、事業実施に必要となる協同施設の整備等を図るために制定されたものでございます。
 近年では、先ほど来御紹介申し上げておりますとおり、生協も十分発達し、それぞれの施設の整備も進んでおります。また、多様な資金調達手段も整備されているということ、本制度の利用状況を見ますと、ずっと予算額も二、三千万円程度で推移してきております。具体的には、平成十七年度では二千五百万円の予算を計上いたしておりましたけれども、利用実績は一件二百五十万円と、こういうような状況でございまして、利用実績も極めて低調なものとなっていることから、今般の制度全般の見直しと併せ廃止させていただくことといたしたものでございます。
○藤井基之君 ありがとうございました。
 先ほど、この法を制定する際に幅広く各界の意見を伺って改正法をまとめられているというお話がございました。今回、この法案を見せていただきますと、やはり各条文の運用の細部につきましては、これ当然のことながら政省令にゆだねられると、そういったものもたくさん存在しております。
 したがいまして、この改正法の施行に当たりましては、やはり政省令の制定を含めまして幅広くやっぱり各界の意見を聞いてこの政省令を取りまとめいただくという、これが非常に大切になると思うんですけれども、これについてどのような手はずをお考えでしょうか、答弁をお願いします。
○政府参考人(中村秀一君) 最初の方でも御答弁申し上げましたが、検討会の意見書を取りまとめる前に意見書においてもパブリックコメントの手続を取らせていただきました。政省令制定するに当たりましては、我々もまた関係者の方々の御意見も聞くとともに、最終的に制定する前にパブリックコメントも実施し、各界の御意見も募集した上で政省令の制定を行いたいと考えております。
○藤井基之君 よろしくお願いいたします。
 大体、まだ時間がかなりあるんですけれども、質問をしたいということについてはおおむね御回答いただいておりますので、少し早めに終わらせたいと思いますが、最後に大臣にお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 今るる御説明をいただいたとおりでございますが、生協というのは、一定の地域であるとかあるいは一定の職域を通じて結ばれた人々の結合体でございまして、組合員の相互扶助組織でございます。この組合員の相互扶助組織という協同組合が持つ性格ゆえに、この生協というのはその活動が株式会社等の経済事業体とは当然のことながら一線を画したものとなっております。
 先ほど大臣から御答弁いただきましたが、生協の購買事業は小売業の総売上げに対して二%の大きさをもう占める時代になっているというお話がございました。一般のスーパーストアの業界でありますとか宅配サービスの業界とこの生協が同じ事業展開をしていたら、そもそも生協というのは一体何なのかという、そういった議論を呼びかねないものだろうというふうに考えます。
 生協が本来の組合員の相互扶助組織として組合員のために共済であるとか購買などの様々な事業を行いまして、また組合員が自主的に家事の援助でありますとか子育て支援活動、あるいは地域の食品安全の問題であるとか環境問題に取り組んでいる、これはすべて大変意義のあることだというふうに考えます。
 今後、我が国が高齢化が進展してまいります。高齢者世帯が増える、老老世帯の増えること、これらが予想されております。高齢者社会におきます私は生協の役割というのは小さくないんだろうというふうに考えております。
 今回の法改正、大きな改正になっております。この法改正を経て今後生協の活動はどのようになっていくのか、またそれに対して監督する厚生労働大臣はどのような期待をお持ちなのか、その大臣の御見解を、御所見をお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、藤井委員から今回の改正の重要なポイントについていろいろ問題を提起をいただきまして、それに対して政府側から今回改正の趣旨を御説明させていただいた次第でございます。
 基本のところで、生協というのは相互扶助組織であるということがまず一点ございます。したがいまして、御指摘のように、株式会社等の経済事業体とはこれはもう基本的にその性格を異にするものでございまして、そのことは一般の協同組合の一種通則のようなことで、出資に対する配当というものについては、一つのルールで利用分量配当ということが基本であって、この出資の額に応じた利益の配分などということはもう一切これはいけない。それからまた、この生協では、特に利用事業の福祉の事業に関しては、これは剰余金は再投資をむしろ促していくというような、そういう基本的な点で一般の民間の経済事業体とは組織の原理が違うということが一つあるわけでございます。
 それに加えまして、いろいろとこの生協組織では利用事業のほかに福祉の活動をしている、今委員が御指摘のとおりでございまして、これはもう本当に自主的な活動ということで認められているわけでございますけれども、これらのことは、今後の高齢者世帯、老老世帯の増加の中で非常に私は期待されるところが多いであろうと、このように思っている次第でございます。そういう意味合いでも、これからまた生協の活動というものの存在価値というものは非常に大きくなってくるだろうと、このように考える次第です。
 それから、生協の発足以来の活動の中で非常に注目されているのは、都市化や核家族化が進む中で、主婦層が例えば産直の商品を仕入れて、そしてそれを自分たちの仲間に供給していくという活動の一翼を担ったという側面がありまして、こういうようなことというのはどういうことかというと、相互扶助組織の言わば内発的な意思としてそういう、特に安全、安心な食品を提供していくというようなことに生協というのが非常に格好な器を提供するという面があったのではないかと、このように考えているところでございます。
 したがいまして、今後とも生協組織の内発的なそうしたニーズを酌み取って、しかもそれは、何と申しますか、商業というかそういうことではなくて、相互扶助組織の趣旨を生かしてきめ細かくサービスが提供されていく、利用されていく、こういうようなことというのは今後とも非常に期待を私はされる面であろうと、こういうように考えているわけでございまして、基本的に、これからともにこの生協、相互扶助組織としての生活協同組合というものについては、その存在というものが非常に貴重なものとして維持発展されるべきものであろうと、このように考えている次第でございます。
 なお、ちょっとだけ申し上げますと、私先ほど、協同組合組織の一般的な通則としてあるものとして、出資に対する配当というものについて一定の限界があるということを申し上げましたけれども、この生協におきましては、もちろん一つの規律の下で、それが全面的に禁止されているわけではないということのようですので、誤解のないように、その点は付け加えさせていただきます。
○藤井基之君 ありがとうございました。終わります。
○森ゆうこ君 おはようございます。民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。
 生協法、昭和二十三年制定以来の五十九年ぶりの抜本的改正ということで、大変大きな改正でございます。非営利目的の組合員の相互扶助組織として設置をされまして、平成十七年度末現在、組合数が千百十六、組合員は延べ五千九百十五万人に達しているというふうに伺っております。組合員のニーズに応じた様々な事業を展開する中で、公共性、公益性の高い事業を行い、国民生活の安定に寄与してきたというふうに伺っております。
 大改正でございますので、まず初めに、生協がこれまで果たしてきた社会的役割についてどのような御認識を持たれているのか伺いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生協、消費生活協同組合でございますが、組合員の生活の文化的、経済的向上を図ることを目的とする相互扶助組織でございまして、昭和二十三年に創設をされ、四十年半ば以降、我が国の都市化や世帯の核家族化が進む中で、主婦層を中心とした地域生協として各地で発展をし、今日に至っているというふうに見ておるところでございます。
 また、近年では、地域における組合員の自主的活動として家事援助であるとか子育て支援等の活動をいたしております。また、食の安全や環境に配慮した商品の開発等にも精を出している。さらに、レジ袋を有料化して、その削減を図るマイバッグ運動等を指導しているなど、新たな先駆的な取組も進められておりまして、その活動というものは今委員御指摘のように国民生活の向上に大きな貢献をしてきたものと考えているところでございます。
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 続きまして、現在、組合員は生協に対してどのようなことを期待しているというふうに御認識をされているでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 購買事業を行っている生協の多くが会員となっております日本生活協同組合連合会というものがございますが、ここにおきまして毎年、組合員の生活、購買に関する意識あるいは生協の事業に関する評価を調べるため、全国生協組合員意識調査というものを都合よく実施をいたしております。
 そういうことで、この調査結果によりますと、今委員の御質問にぴたりと合うアンケートの結果がございまして、生協への期待・要望ということで回答率が高かった項目を挙げさせていただきますと、第一には、食品の鮮度や商品の質について関心、期待が大きい。それから二番目は、食品の安全性や情報の提供について関心、期待が大きい。それから三番目は、食品全体の価格、できるだけ安いようにということでございます。それから四番目が、品ぞろえを充実してもらいたい。五番目は、環境保全に配慮してもらいたいというような順番になっておりまして、組合員は食の安全であるとか、あるいは環境への関心であるとかというようなことに期待を持っているということがうかがえるかと思っております。
○森ゆうこ君 私自身も子供が小さいときには地域での共同購入事業に参加をいたしておりました。今大臣の御答弁のありましたように、組合員の生協に対する期待、非常に大きいものがあると思います。
 この際、私もこの生協法の改正につきまして様々に勉強させていただいたんですけれども、私たちの想像している以上に生協の実施する事業は複雑化、多様化が進んでおりまして、その規模も拡大をいたしております。この際、委員会でその内容について明らかにさせていただきたいと思いますが、まず、生協は経済事業主体としてどのような事業を実施し、事業規模で見ると市場でどのくらいの地位を占めているのか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 現在、生協は組合員のニーズにこたえるために様々な事業を行っておりますが、大きく分けまして三つございます。購買事業、これは食料品等について店舗販売や戸別の家庭への配送等を行っているものでございます。利用事業、これは生協が施設などを設置し組合員の方に利用していただく事業でございますが、その三分の二が医療事業や介護保険事業を含む福祉事業となっております。それから、組合員から共済掛金を受入れ、共済事故の発生に対し共済金を支払う共済事業などが主要な事業でございます。
 それぞれの事業につきまして事業規模ということでございますのでお答え申し上げますと、購買事業につきましては、我が国の小売総売り掛けに占める割合が二%前後でございます。利用事業につきましては、介護保険を例に取らせていただきますと、介護保険の在宅サービスの費用額に占めます、生協が事業者として提供している費用の割合が約二%でございます。
 また、共済事業につきましては、共済保険に占める割合が、契約件数で一一・七%、受入れ共済掛金額、言わば保険料収入に当たるものでございますが、三・一%となるなど、経済事業体としても一定の規模を占めているところでございます。
○森ゆうこ君 今ほど触れられなかったんですけれども、その購買事業における食料品の販売額で見た場合には、平成十三年度では四・六%ということで、小売業全体の中では二%前後で推移しておりますけれども、先ほど大臣から御答弁ありました食の安全等々の問題も含め、特に食品の中でのシェアというものは高いのではないかというふうに思います。
 その生協におきまして各事業の経常剰余から見まして、どの事業が経営を支えて、どの事業が経営を圧迫しているというふうに分析をされているでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 全国の六百以上の生協が会員となっております日本生活協同組合連合会が会員の地域生協から抽出調査を行った結果によりますと、まず、全体では購買事業のうち店舗を持っていない無店舗事業と共済事業が経営を支えており、購買事業の一部である店舗事業がいわゆる赤字と申しますか、損失を計上している傾向にあります。つまり、店舗事業が不振で、無店舗事業と共済事業が経営を支えているというのがこの日本生活協同組合連合会の抽出調査の結果でございます。
○森ゆうこ君 生協が公共性、公益性のある事業を行っていくためには、ある程度収益を上げ、今ほど指摘もありましたように、経営を圧迫している部分もあるわけでございますが、公共性、公益性を発揮する基盤を整備することが必要であると考えます。しかし、生協は、員外規制や県域規制などその事業活動に様々な制約があり、効率的な事業実施ができないという指摘もございます。
 ちょっと質問項目、続いて幾つか列挙させていただきたいんですけれども、現在、生協の経営状況はどのようになっているのでしょうか。また、経営悪化により解散に至ったケースはどのぐらいあるのでしょうか。そして、その経営悪化の原因をどのように分析をされているのでしょうか。そして、今回の改正は経営基盤の安定に寄与するものであるというふうに考えられているのかどうか。大変申し訳ないんですが、続けて質問をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 経営状況でございますが、平成十六年で七百三十九組合、購買事業を実施しておりますので、その状況を見ますと、七五・一%、五百五十五組合が黒字、百八十四組合、二四・九%が赤字と、こういう状況でございます。共済事業につきましては、受入れ掛金額が平成十六年で一兆三千億円、支払共済金額、支出の方が六千五百億円となっております。生協全体の財務状況といたしましては、負債額が約五兆円に対し資産額が約六・八兆円になっておりまして、全体としては財政状況は健全であると、こういうふうに考えております。
 経営悪化により解散に至ったケースはどのくらいあるかということでございますが、日本生活協同組合連合会の会員生協につきまして、平成二年度から平成十七年度までの解散ケース二百二組合ございます。そのうち、これは合併等によって解散したケースもございますので、経営悪化による解散は百一組合というふうに承知いたしております。
 経営悪化により解散に至った状況を見ますと、典型的な例としては、過剰な設備投資等により新規店舗を出しましたけれども不振で解散に至るというようなこと、あるいは経常的に赤字が続いており、その結果、負債が相当多額になり、経営が成り立たなくなったというようなケースが多いように思います。
 また、ただいまのは地域生協の例でございますが、職域の生協もございまして、こちらの方は、親企業のリストラ等により従業員の規模等が縮小し、職域生協の組合員が大幅に減少したことにより解散を余儀なくされたケースなどがございますので、そういったケースが典型的なケースというふうに考えております。
 お尋ねの最後の点でございますが、今回改正、そういった意味で経営基盤の安定にどのような点が寄与するのかということでございますが、一つは、購買事業の実施等に必要な場合に隣接県まで事業区域の設定を可能にするというような、そういった点での見直しが第一点ございます。
 第二点、福祉活動などについては、繰越し義務のある剰余金の使途をその福祉活動に充てられるようにするというようなことも行っております。
 もっと根本的な点といたしましては、共済事業における契約者保護として様々な基準を設定し、それを守っていただくことで健全性を担保するということがございますし、何よりも経営が大事でございますので、そういった意味で経営責任体制の強化、組合員の方の意向が反映されること、また、組織としての意思決定が迅速にできるように、理事会、代表理事等に係る規定の整備をしているということでございます。
 そういったことで、事業の健全性を確保し、組合員の保護を図っていくということによって適切な経営基盤の安定に努めていただくことを期待いたしているところでございます。
○森ゆうこ君 もとより、その経営責任ということが発揮されなければいけないわけですけれども、特に店舗の購買事業に関しては、これは全体的に言えることなんですけれども、日本の今の小売業の競争の激しさ、厳しさという大前提があるわけですね。私の住んでおります新潟県においては、もう既に何年も前からオーバーストアの状態、非常に続いているわけです。大変熾烈な競争が続いているわけです。そのような中でこの生協が経営責任を発揮されて、しかも健全な財務状況を確保し、結果的に組合員の幸福に資するということが非常に重要だというふうに考えます。
 今ほどの御答弁ありましたけれども、今回の改正が経営基盤の安定に寄与するという御答弁だったと思いますので、それを期待したいと思います。
 続きまして、社会情勢の変化に対する生協の対応について伺いたいと思います。
 過疎地や中心市街地の空洞化等により近隣に食料品スーパーがない都市では、住民の安定した生活を支える上で生協の店舗が重要な役割を担っているところもございます。過疎化が進む地域などでは、組合員の数そのものが減少するため生協の経営が行き詰まるケースも出てくるというふうに考えられますが、生協の店舗は、購買事業に活用するだけでなく、店舗の空きスペースを利用して他の事業や活動を行うことも可能であります。そのため、地域コミュニティーを活性化する上で重要な役割を担っているケースもございますが、今回の改正につきましては、特に過疎や山間へき地において重要な役割を担う生協の事業活動を維持発展させる上でどう寄与するのか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 先ほど来お答え申し上げておりますとおり、購買事業も店舗を持つ事業と店舗を持たない配送事業などがあるところでございます。中心市街地などでは、生協制度見直し検討会でも議論が出ましたけれども、都市部の中心市街地などでは高齢者の方が中心市街地の商店がなくなって困っているときに、やはり宅配、戸配というのが非常に有効だというような議論が紹介されておりました。
 他方、ただいまお話ございました過疎地の住民等に対する生活物資の供給の問題でございますが、生協は御案内のとおり組合員に対する相互扶助組織でございますので、組合員の方の御利用が原則でございますが、今回の改正で、例外的に組合員でない方の利用を認める場合として、山間へき地等における組合員以外の方の利用に対しての物資の供給、提供を認めるということがなされておりますし、また、新潟県に該当するかどうか分かりませんが、隣接県まで区域の設定可能にするということで、場合によっては、山間へき地等の住民の方で道路の具合によっては隣の県の生協側の店舗による物資提供を可能にするというふうなこともできるのではないかと考えておりますので、そういった意味で、今回の見直し、過疎地や山間へき地において生協がその地域の住民の方々に役割を果たしていただく上で資する改正になっているんではないかと考えております。
○森ゆうこ君 今ほど御答弁をいただいたように、今回の改正によって寄与するものであるというふうな御答弁をいただいたところでございます。
 中越地震、新潟県中越地震の際の事例を少しここで検討しておきたいと思うんですけれども、新潟県中越大震災の折には、生協の皆さんが行った支援活動というものが大変高く評価されております。生協は、そもそも組合員の相互扶助組織であることから、原則として組合員以外は利用できないことになっておりますが、今ほど御答弁のあったとおり、様々な改正が今回行われるわけでございます。その生協に社会貢献を求める声というのが大変強まっているわけですけれども、その中越大震災においては、組合員であるとないとにかかわらず貢献した例としてこれは例示できるのではないかと思いますが、生協がこの中越地震において具体的にどのような支援活動を行ったというふうに把握されているでしょうか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 中越地震の発生時におきまして、新潟県生活協同組合連合会に中越地震対策本部を設置されたと、こういうふうに伺っております。また、生協からの支援として、新潟県内及び県外の生協から緊急支援物資の提供があった、避難所での炊き出しをしていただいた、また、市町村に集まった支援物資の避難所への運搬を行われたと、こういうふうに承知いたしております。
 また、当時、三千四百六十戸という応急仮設住宅が建設されましたが、応急仮設住宅に入居されるに当たり、生協の連合会に引っ越しボランティアの要請があったことから、生協の運送車両による仮設住宅への引っ越し支援が行われたと伺っております。参加した生協は八十五生協、延べ二千百名の方が参加し、車両四百台が提供されたと、こういうふうに承知いたしております。
○森ゆうこ君 私自身も民主党新潟県連の災害対策本部長として当時復旧復興支援活動に当たったわけですけれども、今局長が御答弁のとおり、生協の皆さんの非常にすばらしい支援活動というものを私自身も目の当たりにさせていただきました。このような生協の支援活動に関する評価をどのようにされていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 大変このような活動は地元でも高く評価されたと伺っておりますし、また非営利団体として、組合員の相互扶助組織ではありますけれども、やはり社会的貢献をしていただくという上で、また、先ほど引っ越しのボランティアで車両の提供というお話もさせていただきましたが、本来生協が行っている業務で持っている力、それから支援物資、緊急支援物資の提供、そういう物品を扱い、運搬をしていると。そういう本来の力を、持つ力をこういう緊急時にボランティアとして提供していただいたということは、生協活動の社会的な貢献度を高める上でも非常に良い活動ではなかったかと、そういうふうに高く評価さしていただいているところでございますし、今回、そういった意味で今度の制度改正でも、緊急時の対応につきましては当然組合員以外の方に対しても活動ができるように規定の整備を図ったところでございます。
○森ゆうこ君 それで、新潟県中越地震以後、被災時の、今ほどお話のありましたような生協の支援活動を踏まえまして、新潟の生協連合会と新潟県の間で災害時の緊急物資提供協定が締結をされました。そのような協定を結んでいる自治体はほかにどのぐらいあるのか、把握されているようでしたら御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 生協と都道府県や市区町村とそのような緊急物資提供協定が締結されておりますのは、本年三月末現在で四十二都道府県二百七十三市区町村と九十四生協が協定を締結していると、これは日本生活協同組合連合会の御調査によるものでございます。
○森ゆうこ君 生協の社会的な役割、果たす役割の大きさを考え、今のような協定が更に多く締結されることを望むものでございます。
 さらに、公共性の高い事業活動について伺いたいと思います。
 生協は福祉の分野において、介護保険事業を始めとする福祉事業と組合員が自主的に取り組んでおります福祉活動の両面で地域住民のニーズに対応し、生活向上に寄与しておりますが、特に最近は生協による子育て支援活動やそれから多重債務者支援といった取組がマスコミに大きく取り上げられ、高く評価をされております。
 そこで伺いたいんですけれども、このような生協の活動は、地域での支え合いの担い手として公的支援がカバーし切れないニーズを補完し、意義あるものと認識をしておりますが、生協の活動はサービスの受け手に信頼感と安心感を与えており、利用者の満足度も高い。こうした活動を進めていくことが生協の社会的役割を考えた場合に重要になると思われますが、見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生協の活動ですけれども、冒頭に述べましたように大きく分けまして三事業と、購買事業、それから利用事業、共済事業というふうに三本立てになっているわけでございます。
 このうち利用事業というのは、要するにサービスの購買をしているというふうに位置付けることができるのではないかと、このように考えます。購買事業は文字どおり物の販売と、こういうことでございます。で、同じサービスの事業ですけれども、お金に絡む事業は共済事業として行われているというふうに考えるわけでございますけれども、このうち特に利用事業の中で福祉の事業というものも、今委員御指摘かと思いますが、介護保険事業を始めとして大変大きなニーズが生まれておるわけでございます。
 昔からやっておりました医療事業に加えて、介護事業というものが今生協全体の中で一一・九%というようなそういうシェアを占めるまでになっておりまして、これは需要に生協がきちっと対応しているということの表われかと思います。
 加えまして、組合員の自主的活動である子育て支援であるとか家事援助であるとか、そういう多重債務者支援等の福祉活動、これは事業というわけではありませんけれども、非常にこのところきめ細かく展開されているところでございまして、これもまた地域社会、地域住民あるいは組合員の福祉の向上に役立っているということかと思います。
 これら生協の行う福祉事業、福祉活動というものは公共性の高い活動であるとともに、地域住民のニーズにきめ細かく対応しているという点が特徴かと思うわけでございまして、少子高齢化ということが進む中で孤立しがちなお母さんあるいは高齢者というような方々に対して、生協がこうした事業を取り組むことによってそれに対応するというのは極めて重要な活動であると、このように考えている次第であります。
○森ゆうこ君 今ほどいろいろお話がありました。福祉活動につきましては、例えばお食事会、配食サービスということで、主に高齢者を対象にした食事会の開催や自宅へお弁当を届ける活動で予防介護や安否確認の役割も果たしているということで、いただいた資料によれば、お食事会の活動、三十一生協、四万二千食の利用がある。また、配食活動は二十一生協で七万食の利用があるということで、温かい真心とともにこれらの活動が行われているというふうに私は認識をさせていただいているところでございます。
 また、報道によりますと、これらの高齢者の皆さんへのサービスもさることながら、むしろ最近は、子育て世帯に対する活動に組合員の利用の要望が非常に多くなっているというふうに伺っているところでございます。
 こうした公共性、公益性の高い取組を政府として支援するための見直しということを行う考えはおありかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 大臣からお答え申し上げましたとおり、生協が行っております福祉事業、また福祉活動は公共性の高い活動であり、非営利セクターの主体の一つとして重要な役割を担っていただいているものというふうに考えております。
 今回の改正では、利用事業の中で生協が行っております医療福祉事業につきましては更にその積極的実施をお願いしていく必要があると考えておりまして、生協法で定める事業の中で医療事業、福祉事業として類型を法律上独立して位置付けさせていただいております。その事業の実施に当たりましても、医療福祉事業につきましては、その医療福祉事業で上がった収益について更に医療福祉事業を進めていただくようにお願いをしているところでございます。
 また、組合員による自主的活動を一層推進していただくために、生協では繰越し義務のある剰余金という規定がございまして、その剰余金の使途として福祉活動が充てられるようにということを考えております。
 厚生労働省全体では、そもそも、例えば介護保険の事業者として、在宅サービスにつきましては生協も事業体になれるというようなことで広く非営利セクターの方も事業に参入していただくような仕組みを取っておりますし、様々なこれから地域福祉のことも考えていく際に、生協に限らず、農協その他、様々な団体の方々の役割についてもよく考えさせていただきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○森ゆうこ君 今、局長の御答弁の中で、様々なセクターの皆さんからもっと幅広く活動してもらえるように見直しを考えていきたいという御答弁があって、その中に農協というふうなお話も今あったんですけれども、何か具体的にお話が進んでいるんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 一般的な意味で申し上げましたところでございます。
 例えば、介護保険ができる前の話でございますが、ホームヘルパーさんなどいろんな方々が、例えばホームヘルパーさんの養成などしていただいておりますが、その際も、生協の方々も参加されましたし農協サイドでも参加されたということで、いろんな意味で、少子高齢社会を支える活動の担い手として生協さんや農協さんは一つの非営利セクターの有力な存在としてあるものですから申し上げた次第でございます。
○森ゆうこ君 所要の見直しを行うおつもりがあるということで承りました。
 続きまして、多重債務者支援に関しまして若干伺っておきたいと思います。
 今、全国で多重債務者、二百万人を超すというふうに見られております。破産をしたとしても、その生活再建をしなければまた新たな借金を重ねがちであるということから真の解決には至らないということで、生活再建のために生協が多重債務者支援をされているというふうに伺っております。このことにつきまして、この多重債務者支援の活動対象は組合員以外の地域住民へも及ぶのでしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 多重債務の問題が大変深刻な問題になっており、そういった方々に対する支援の必要性が言われている中で、よく注目されておりますのは岩手県消費者信用生活協同組合がございまして、昭和四十四年九月からその事業を実施しているということで、多重債務者の救済活動の成功例として多重債務問題が検討される際に注目されている例でございます。
 この例は、事業の内容といたしましては貸付事業と、こういう事業でございまして、生協活動の中の共済事業の一つというふうに位置付けられておりますので、委員の御質問にお答えさせていただきますならば、基本的には組合員の相互扶助ということでございますので、この利用される方も組合員となっていただいて利用を図っているというのが実態でございます。
 岩手県の消費者信用生活協同組合の例としては、組合員数がそういった意味で一万七千人でございまして、相談件数が五千件ということでございます。県や市の協力を得ながらこういう事業を実施しているということで一つの活動として注目されておりますし、同様の取組をしようということで、グリーンコープ生活協同組合ふくおかや東京の生活サポート生活共同組合・東京などがこういう多重債務者支援事業に乗り出しているというのが現在の状況でございます。
 今申し上げましたように、組合の事業としてはそういった意味で組合員に対する事業として行っていただくわけですが、組合員による自主的な活動として様々な相談、支援に乗るとか、そういった場合には組合員以外の方に対してその活動を行うことは禁止されているものではないということは付け加えさせていただきます。
○森ゆうこ君 そこで、生協の貸付事業について今回見直しを行うこととした趣旨を伺いたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 今申し上げましたように、生協でも貸付事業ができるということ、それから多重債務問題で岩手県の消費者信用生活協同組合が大変注目されていると、こういうことが一つ背景にございます。その上で、先般、貸金業者による貸付けにより借り手が返済能力を超える債務を負いまして多重債務者が多く発生している現状を踏まえて、貸金業の規制に関する法律等が改正されて様々な措置が講じられたところでございます。
 そういった中で、貸付事業を生協が行えると、こういうことでございますが、生協には今、貸金業法の適用がございませんので、今後貸金業者として、そちらの方の規制が強化されるようなことがあって、生協というこのツールを使って、貸金業の規制に該当しないものですから、貸金業者として従来登録されている方がそちらの世界から生協を設立して貸金業を行うという懸念もあるのではないかと、こういうことで、貸金業法の改正の趣旨を踏まえまして、貸付事業を行う生協についても貸金業の規制と同等の、具体的には一定の純資産の保有を義務付けるとか、その額は貸金業法と同等とするとか、貸付事業規約に対する行政庁の認可制を導入するといった措置を導入いたしまして、貸金業者への生協へのそういった意味での流入を防止するとともに、組合員の保護を図りたいというのが今回貸付事業関係の規定を整備した理由でございます。
○森ゆうこ君 そうしますと、今、次の質問に答えていただいたわけですが、今回新たに、貸付事業を行う生協に対して必要な措置を講じることが義務付けられたわけですけれども、その具体的な措置の内容というのは今お述べになったことですべてでしょうか。付け加えることがあればお願いいたします。
○政府参考人(中村秀一君) 具体的には厚生労働省令で定めるというような内容になっておりますので、その省令の内容としては、考え方としてはただいま申し上げたような考え方ですが、むしろ今申し上げたのは、組合員の利益の保護を図る観点を十分御説明申し上げませんでした。
 生協がそういう貸付事業を行う場合には、貸付利率の生協にふさわしい上限を設定するとか、そういう貸付条件などについて、また過剰貸付けを防ぐとか、そういうことなどについて組合員の保護のために生協が講ずべき措置を規定したいと思います。
 いずれにしても、具体的な内容につきましては金融庁ともよく御相談しながら作らせていただきたいと思っております。
○森ゆうこ君 そうしますと、趣旨は分かるんですけれども、結局、貸金業に対する規制強化という中で、今回のこの見直しによりまして、現在、先ほど例示をしていただきましたが、多重債務者支援のために貸付事業を行っている生協の取組や生協の組合員の利益を阻害することはないということで理解をしてよろしいでしょうか。確認をさせていただきます。
○政府参考人(中村秀一君) 今正に注目されている例として、多重債務者の支援を行っております生協さんが従来のそういう事業を行えなくなるようなことはないように工夫をしてまいりたいと考えております。
○森ゆうこ君 ありがとうございます。それを確認させていただきました。
 社会貢献的な事業につきましては員外利用規制を緩和すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 原則は組合員の方に対する事業ということで、原則は原則でございますが、今回、むしろ例外的に員外利用を認める場合については法令上明記するということできちんと明確にしたいと考え、社会貢献的な事業として、改正法におきましては災害時の緊急物資提供、体育施設等の一般開放、医療福祉事業などについて規定をいたしているところでございます。
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 様々な生協の現状、そしてまたこれから期待される役割等々、また懸念されること等確認をさせていただいてきたわけでございますが、生協の更なる発展についてということで伺いたいと思うんですけれども、今ほど様々なお話がありましたように、組合員のニーズにこたえ各種事業を実施し、また組合員以外に対しても貢献を行っております。
 今回の生協法の見直しが生協全体の更なる発展に資するものであることを大臣に確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これまで森委員の御質疑に対して、私ども政府側から種々御答弁をさせていただきまして、改正の全貌、また、いろいろ改正に伴ってさらに御懸念になる点について、御質疑に対するお答えということを通じて明らかにできるだけさせていただいた次第でございます。
 今回の改正でございますけれども、生協が経済的主体として一定の規模を有するに至ったこと、それから生協を取り巻く環境が大きく変化していること、こうしたことを背景にいたしまして、各事業の健全性を確保する、あるいは、特に共済事業につきましては契約者保護というものを他の、生協以外のそうした保険等の事業を行っているところを参考にいたしてこの充実を図る、こういうようなことでその改正に取り組ませていただきました。さらに、経営責任体制といったものについて、従来、通達のようなものでその実現を図ってきたわけですけれども、今回はきっちり法律の上でこうしたことの体制の明確化も図らせていただいたということでございます。
 このような改正が着実に実施に移されることによりまして、生協が将来にわたってその役割を果たして今後の生協の一層の発展につながる、そういう基盤がつくられたものと考えている次第でございます。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 それで、先ほど福祉事業の中で、介護保険事業、これ生協が非常に大きな役割を担っていると、その担当セクターとして、そのようなお話がありました。そこで、ちょっと関連いたしまして、この介護に関する問題について若干時間をいただきたいと思います。
 介護報酬の不正請求問題についてでございますが、去る四月十日のマスコミ報道において、グッドウィルグループの訪問介護大手コムスンの三事業所が、実際には勤務していないヘルパーを常勤として届け出るなどして、東京都から不正に介護事業所の指定を受けていたことが明らかとなりました。都は、他の複数の事業所でも不適正な介護報酬の請求などがあったとして同社に業務改善勧告を行ったほか、ニチイ学館、ジャパンケアサービスに対しても、不適正な事業所の運営があったとして業務改善勧告を行っております。
 今回の事件を通じまして、訪問介護事業の業界において虚偽申請や不正請求が横行している実態が浮き彫りとなりました。私は、このことは大変ゆゆしき事態だというふうに思っております。
 介護保険制度は、事前規制から事後規制へという流れの下で、様々な事業主体の参入を認め、利用者の適切な選択と事業者間の競争により、サービスの質を確保する仕組みを導入いたしました。その結果、サービス量は確保できましたが、サービスの質をめぐる問題が今大きな課題となっております。平成十七年の介護保険法改正では、情報開示の徹底と事後規制ルールの確立が図られております。訪問介護の事業所は、平成十二年の九千八百三十三から、平成十七年には二万六百十八にまで急増しております。
 今回の事件の背景には、人手不足で行政側のチェックが追い付かない実態もあったと聞いております。介護保険制度改正により事後規制ルールの確立を図ったとしても、人員の配置が伴わなければ実効性も上がらないと思いますが、この点について見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今般、東京都が訪問介護の事業所に対してそのような行政処分をするに至ったことは、私どもとしても極めて遺憾なことであると、このように考えております。
 介護サービス事業者の指導監督体制でございますけれども、施設・居宅サービス事業者につきましては都道府県が、それから地域密着型サービス事業者につきましては市町村が指定あるいは指導監督に当たることとなっておりまして、国はそうした地方自治体の事務に対して指導を行っているということが枠組みでございます。各地方自治体におきます指導監督体制については、一義的には地方自治体の判断によるものでありますけれども、介護事業者が増加する中でこの指導監督体制の強化は重要な課題でございますので、厚生労働省としても全国厚生労働関係部局長会議の場などを通じて強くその強化を要請しているところでございます。
 平成十七年の介護保険法の改正によりまして、地方自治体がより実態に即した指導監督や処分を行うことができますように、勧告・改善命令であるとか、あるいは指定の欠格事由を追加するなど、機動的な監査が実施できるような体制を整えたところでございます。こうした体制を各地方自治体が積極的に活用いたしまして、不正な事業者に対して効率的かつ効果的な指導監査を実施するように今後とも努めてまいりたいと、このように考えております。
○森ゆうこ君 今ほど大臣が御答弁になりました事後チェックの強化という中で、確かに欠格事由、指定が行われない場合の欠格事由が追加されたわけでございます。しかし、今回のコムスンの介護報酬不正請求に関しましては、御存じだとは思いますけれども、その通知予定日ですね、指定取消処分の通知を予定した日に、東京都が指定取消処分の通知を予定したその当日に廃止届を提出したという事実がございます。これは明らかに、改正した欠格事由等、これを回避することを目的にしているのではないかと思います。
 非常に私は悪質だと思いますが、これは、具体的にはこの部分は通告をさせていただいておりませんけれども、確かに強化はしたんですけれども、更にそれを逃れようと、この欠格事由を逃れようとする悪質な、明らかに悪質なことが行われているわけでございますが、その点についてはいかが御認識でしょうか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 委員御指摘ございましたように、今回のケースは、聴聞の通知をする前に廃止届をコムスンの方が提出をするという形で、ある意味では指定取消しを逃れるかのような行動といいますか対応を取られたことは事実でございまして、私どもとしては大変それは遺憾に思っております。
 今現在、厚生労働省としては全国の都道府県に一斉に立入検査をするようにという指示もいたしておりますし、今後、全体の実態が分かりましたら、大変厳しい措置を私どもとして講じたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 その厳しい措置については後でもう一回伺いたいんですが。
 まず、平成十七年の介護保険法改正においてサービスの質の確保、向上が図られたということになっているんですけれども、これほど事業者の不適正な運営が蔓延しているということを想像されていたのかどうか。また、こうした事態を受けて、今局長からは強い発言があったわけですけれども、更に踏み込んだ措置を検討する必要があると考えていらっしゃるのかどうか。もし今の時点で具体的に踏み込んだ措置ということが俎上に上がっているのであれば、さらにそれも伺いたいと思います。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 平成十七年の介護保険の改正におきまして、大臣からも御説明いたしましたように、指定の更新制を導入するであるとか、あるいは介護事業者への勧告とか改善命令ができるようにするということをやりました。それから、指定の欠格事由を追加して、更新をしないといったようなことについても事業者の規制の強化をいたしました。私どもとしては、こういう新たな制度を積極的に活用して、都道府県あるいは市町村と連携して事業者に対する法令遵守の徹底というものを徹底したいというふうに思っております。
 それで、具体的なこれからの展開でございますけれども、今現在、各都道府県に対しまして、広域的に事業展開をする訪問介護事業者への監査をしろということで指示をいたしました。その際にはできるだけ早く、できれば遅くとも夏前ぐらいまでには何とかそういう広域の事業所についての監査を実施をしたいと思っておりますし、仮に各地で不正の事実が確認された場合には、そういう事業者に対します重点的な監査を更に実施するなど追加的な措置についても検討いたしたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 広域的に事業を展開する訪問介護事業者を対象に、制度が始まって以来初めて今回全国監査を行うということを今御答弁いただきました。
 しかし、こうした不適正な事例は制度発足当初からあったのではないでしょうか。従来、全国監査が行われてこなかった理由、並びに訪問介護事業以外の事業についても全国監査を実施する可能性について伺いたいと思います。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お答えを申し上げます。
 介護保険制度におきましては、お話がございましたように、介護事業者の指定権限は都道府県等が有しております。各自治体において指導監査はこれまでも行われてきております。
 厚生省としては、これまでもいろんな機会を通じまして、大規模な事業者に対する重点的な指導を実施するようにというお願いは各自治体にお願いをしてまいりました。特に、指導監査をするに当たって留意すべき事項というものを毎年示してまいりました。しかし、今般、広域的に事業を展開する訪問介護事業者の不適正事例というものが初めて発覚をいたしましたので、私どもとしては都道府県に対して速やかに監査を実施するように指示をいたしたところでございます。
 今後、御指摘のございました、他の種の介護サービス事業者に対してどうするかということでございますが、今後、各自治体における監査結果などを踏まえまして検討してまいりたいと思いますが、過去の監査の事例等を見ますと、訪問介護の事業所以外にかなり大きな取消しの事例としてはいわゆるケアマネジャーの事業所もございますので、その辺も視野に入れて今後慎重に検討していきたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 私は、今回のコムスンの事例は非常に、先ほど申し上げましたように、非常に悪質だと思います。
 欠格事由、追加された欠格事由ですね、指定を行わない事由七でございます。指定取消しについての通知があり、その通知日から取消処分日、処分を行わないことの決定日までの間に事業廃止の届出を行い、その届出日から五年が経過していないそういう事業者は、指定取消処分を逃れるために処分決定日前に事業廃止の届出を行った場合が該当するというふうにあります。
 つまり、指定の廃止の通知、それが受け取ってしまいますと、その通知を受け取った時点でその後に事業を廃止しますと、それはこのことに該当するわけでして、要するに、指定取消処分を逃れるために処分決定日前に事業廃止の届出を行った場合に該当して、それ以後五年間は申請ができなくなるわけですけれども、今回のコムスンの場合はこれをよく熟知していたのではないかというふうに思われます。したがって、その通知予定日に廃止届をするという許し難い行為に出たわけでございます。
 それで、その日に東京都がコメントをしております。事業所の廃止を許可制に変更する法制度改正を求めていくというふうなコメントも出されておりますが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 御指摘のように、指定取消しを受けた事業者は、新たな更新をする場合には、仮に取消しを受けておりますと、五年間を経過するまでは新たな指定を受けられないということになっております。
 御質問の廃止届を出した場合はどうなるのかというお話でございますが、一応、指定取消しの手続中に自ら廃止を届出を出した場合でもやはり更新をしないという扱いになっておりますので、私どもとしてはそこは厳正に対応したいというふうに考えております。
○森ゆうこ君 そうしますと、この間のこのコムスンの事例ですと、新たに申請をしても却下される可能性が高いというふうに御認識をされているんでしょうか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 手続の問題でございますけれども、通知してそれから手続が始まるわけでございますから、そういう意味では指定取消し手続中に当たるかどうかというのは大変難しいところでございますけれども、実は私ども、コムスンの事例につきましては、現在全国で広域的な立入調査をお願いしておりますので、恐らく類似の事例がもし見付かれば、万が一、具体的なできるだけ手続を早く取って、厳しい厳重な措置を講じていきたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 そもそも適正を欠く事業所として私は申請が却下されるべきだというふうに思います。
 それで、昨日の本会議、我が党の下田委員からの本会議の代表質問の中で、教育訓練給付の支給金額上位十社ということについての質問がありました。その中で、一位がニチイ学館ということでございます。このニチイ学館も介護報酬の不正な請求があったということで自主返還をされているわけでございますけれども、こういうふうな適正な運営体制を担保できない事業所は、昨日質問がありましたけれども、介護員養成研修の指定事業所の取消しをすべきではないかというふうに私は考えますが、これについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 突然のお尋ねで、よく精査をいたしてお答えした方がよろしいかと思いますが、研修の指定の要件と、それからこういう事業者の指定の要件というのは異なっておりまして、今回、ニチイ学館につきましても東京都が監査を実施をいたしました。その結果、私どもが知る限りにおきましては、三十三事業所に入った結果、幾つか問題があったということで改善勧告なり文書指導を行っているということがございました。
 これはあくまでも介護サービス事業者に対する指導ということでございますので、お話のございました研修制度における取扱いにつきましては別途またしかるべき判断をしなきゃならないというふうに思っております。
○森ゆうこ君 いや、通告はしているんですよ。この質問は文書でしか通告してないんですけれども、適正な運営体制を担保できない限り指定校の取消しをすべきではないかというふうに文書ではお渡しをしたと思うんですけれども、趣旨はそういうことでございまして、要するに、介護員養成研修、それを行うに足る事業所ですね、そういう講座の指定というものが、受けて初めて教育訓練給付の支給対象となるわけでございますが、その中で、これはホームヘルパー、介護員の研修に係る介護保険法施行令でございますが、第三条の第二項で、「厚生労働省令で定める基準に適合する介護員養成研修を適正に実施する能力があると認められること。」というふうになっているわけですけれども、また、第三項におきましては、「要件を満たすことができなくなったと認められるときは、第一項第二号の指定を取り消すことができる。」というふうになっているわけでございますが、そういう点から考えますと、このような問題になっております大手の介護事業者であり、さらには、このような訪問介護員養成研修事業を展開し、指定をされて教育訓練給付の支給の対象になっている、このような指定は私は直ちに取り消すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 教育訓練給付の対象となっているその前提として、そういう意味では、指定校といいますか、そういう扱いになっているというお話でございますが、ちょっと、今回のようなニチイ学館のケースがその指定の要件に当たるか当たらないかということについては、ちょっともう一回慎重に検討させていただきたいというふうに思います。
○森ゆうこ君 いや、おかしいじゃないですか。昨日の本会議の御答弁でも、例えば、ニチイ学館は総額百六十二億円の教育訓練給付費、これはもちろん直接ニチイ学館が受け取るものではありませんけれども、結果としては、受講生が教育訓練給付を受け、そしてこのニチイ学館に入るわけですよね。このお金が入る。こういうことで、それはきちんとした事業を行うということを前提として指定をされているわけです。
 しかし、直接のこの研修事業で不正があったというわけではありませんが、その事業者全体として介護保険法の根底を揺るがすような不正な介護報酬の請求があったということが分かった以上、私はそういうところが研修を行う資格はないというふうに考えるのが普通だと思いますけれども、大臣、今のやり取りを聞いておられてどのようにお考えですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、行政というのは、いつでもそうですけれども、法律による行政ということでありまして、いろいろな行政の運営というのはすべて法律の規定したところを踏まえてこれを行うということになっているわけでございます。
 そうした意味合いにおいて、今、老健局長の方から答弁をいたしましたように、この事案で非常に非難されるべき事実が明らかになったというときに、別の事案でそれに該当、取消し等の原因になるのかどうかということについては、この取消しの原因となるかどうかについて規定した法文に照らして、きっちりとそれを押さえた上で対処しなければならないということから、それを今、森委員の言われているようなことを全面的に否定しているわけではないわけですけれども、処分というか、取消しというような重大な処分をするに当たっては、やはりきちっと法文の運用としてそれが適切かどうかということを検討した上で決定をしたいと、こういうことをお答え申し上げているわけでございます。御理解を賜ればと思っております。
○森ゆうこ君 私は、是非厳正に処分をしていただきたいと思います。
 先ほども御紹介いたしましたけれども、介護保険法施行令におきましては、訪問介護員養成研修に関して、「厚生労働省令で定める基準に適合する介護員養成研修を適正に実施する能力があると認められること。」というふうに規定しているわけでございます。介護保険事業全般にわたってこのような不正な事業、不正な行為を行っている事業者に果たして介護員養成研修を適正に実施する能力があるというふうに考えられるでしょうか。私は、この条文に照らし合わせても、指定を直ちに取り消すべきというふうに主張をさせていただきたいと思います。
 今、この介護の市場というふうに言われておりますけれども、市場規模で七・四兆円に膨らんでおります。そして、保険料も第一号被保険者でいえば一・四倍。つまり、このような不正を行うところが増えれば、結果として介護保険の財政を非常に圧迫するわけですね。ですから、訪問介護事業者サービスを提供すれば、これは費用の九割は、今ほど申し上げましたように、介護保険給付として当該事業者に支払われます。財源は介護保険料と税金です。事業者の不正請求の横行は制度の信頼性、公平性を著しく損なうものであり、これらの不正請求は結果として介護保険の財政を著しく圧迫いたします。
 私は、公的保険制度として実施している以上、政府は不正の根絶に向け最大限の努力を行う義務があると考えますが、不正の根絶に向けた、大臣から決意を伺いたいと思います。できれば具体的にいただければ大変有り難いと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員御指摘のとおり、介護保険の費用は国民の税金と介護保険料でございます。不正請求を始めとした介護事業者における不正な行為というものは、利用者に対して不利益をもたらすだけではなくて、国民一般の介護保険に対する信頼というものを大きく失墜される行為であるということは、委員も御指摘のとおりでございます。
 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、この監督行政というのは、一義的には地方団体の処理するところでございますが、地方団体と連携を図りながら、国民から信頼される介護保険制度の実現に向けまして不正の根絶に最大限努力をしていかなければならない、このように考えております。
○森ゆうこ君 まあ一義的に地方自治体の責任というふうにおっしゃいますが、しかし現実、事後チェックを強化してもこのような形ですり抜けようとする非常に悪質な業者がいるわけですね。ここはやはり国としてもっと積極的に私は、許さないということをもっと大臣がここで、一義的には地方自治体の責任ではありますがなんて言っていないで、こんなことが許されたら大変なことになるということをもっと強くおっしゃるべきだと思いますよ、政治的なメッセージとして。非常に私は物足りないと思います。
 もう少し踏み込んで、こういうことが横行したら介護保険制度が崩壊しかねないということで、こんなの絶対許さないと、厳正に処分する、そのための方策を検討すると、こういうふうに言い切っていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も、一義的には地方自治体の行うべきことだけれども、今回の事案に照らして、地方自治体とよく連携を取りながら最大限努力をいたしたいということを申し上げました。また同時に、その前提として、そうした不正な行為というものが国民の介護保険に対する信頼を大きく失墜される行為として、これはもう断固許されないことであるということも申し上げたわけでございます。
 私どもとして、委員が御指摘になられるように、もうメッセージとしては、こんなものが許されてはそれはもうこの介護保険制度そのものが成り立ち得なくなるわけでございますから、こういうものについては断固許容できないということで諸般の措置を考えてまいりたいと、このように考えます。
○森ゆうこ君 今本当に少子高齢社会の中で、どうやってその地域で、限られた財源の中でお互いに助け合って、そしてみんなが安心して暮らせる社会をつくろうかというふうに努力している。先ほど議論させていただいた生協法の改正の中ではそのための、またそれに資するような改正も行われたわけでございまして、一方、このような事業所が存在するという、また、それが不法な行為をしても、法令を熟知していればそれをすり抜けられるのだというようなことがまかり通ってしまえば、それは本当に大変なことになると思います。是非、大臣からは更に、強い強い政治的なメッセージを、一回と言わず、これからもどんどん発していただきたいというふうに思います。
 私は、大臣の役割というのはそういうところに一番あるんだと思うんですね。ほかの細かいところは優秀な官僚の皆さんがやってくださるんですよ。局長もいろいろ検討してくださって、きちんと対応してくださると思います。そのような御答弁をいただいたというふうに思っておりますが、私は、政治家というのはそういうふうな姿勢をきちんと強く示すということが一番重要だというふうに思います。
 そこで、もう一個だけ政治的なメッセージをいただきたいのでお許しをいただきたいんですが、薬害問題についてでございます。
 先月の薬害C型肝炎をめぐる東京地裁判決は、大阪、福岡地裁判決に続いて国と製薬会社の責任を認めております。これまで、薬害エイズ、ハンセン病など、当時の厚生大臣、総理大臣が政治主導で解決してきた過去も少なからずございます。薬事行政は後手に回ると被害者が増えてしまうことは容易に想像できます。薬害C型肝炎問題を政治主導で解決すべきと考えますが、大臣のメッセージをいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) フィブリノゲン製剤もそうでございますけれども、患者を救うための医薬品におきましては副次的にいろいろなマイナスの効果も想定されるわけでございます。こうして生じた問題についての裁判におきましては、その時代その時代の医学的な知見に照らして厳正な司法判断を求めざるを得ない、このように考えているわけでございます。
 ただ、私どもとしては、訴訟の問題とは別に、肝炎対策を推進することは極めて重要であると考えておりまして、具体的には早期発見、早期治療の促進、治療水準の向上という観点から、検査体制を強化し、診療体制を整備し、更に治療方法等の研究開発等総合的な取組を推進しているところでございまして、今後ともこうした取組を一層推進してまいりたいと、このように考えております。
○森ゆうこ君 私はお手紙をいただきました。薬害肝炎の大阪原告団、弁護団の皆様からお手紙をいただいたところでございます。この方自身被害者でございます。
 ちょっとここだけ少し引用させていただきたいんですけれども、平成元年に長女を出産したときに出血が多く、フィブリノゲンを使われました。たった一グラムで出産から三週間後に急性肝炎で入院、四か月半ほど入院をいたしました。その後しばらくは家事、育児、病院と大変な日々を過ごしました。国、製薬会社、病院、どこでもだれでもいいから、この薬は危ないと使用を中止し、回収していてくれれば肝炎にならなくて済んだのにと思うと悔しいです、という文書をいただきました。非常に苦しい日々を送っておられます。私はこの問題を政治主導で早く解決すべきというふうに考えます。
 また、タミフルにつきましては新たな薬害かとも言われております。平成十四年の薬事法の改正時に、予防原則に基づいての迅速な対応を約束していただいたはずでございますが、データの隠ぺい等は誠に遺憾でございます。副作用の監視システムが機能しない理由について伺いたいと思います。
○政府参考人(高橋直人君) タミフルにつきましては、副作用報告のございました全症例の情報を医薬品医療機器総合機構のホームページで公開をいたしております。また、薬事・食品衛生審議会に医薬品ごとの副作用名別の件数データをすべて報告をしてきたところでございまして、タミフルの精神神経系の副作用につきましては、こうした副作用報告を基に、平成十六年五月に添付文書に記載をいたしまして医療関係者の注意喚起を行ったところでございます。
 その後、異常行動などが報告される中で、副作用としては最も重い死亡症例につきましてその詳細を審議会に報告いたしまして専門家による御議論もいただくなどの対応を取ってまいりましたが、こうした検討におきましては、異常行動による死亡とタミフル服用との因果関係については否定的というふうにされてきたところでございます。
 そうした中で、本年二月以降、新たな事故がございましたので、なお原因は不明ではございますが、予防的な観点から、二月二十八日、さらには三月二十日に順次必要な措置をとってきたところでございます。さらに、これまでのタミフルに関するすべての副作用症例を改めて精査をいたしまして、審議会において因果関係の徹底した究明に取り組んでいるところでございます。
 医薬品などの副作用報告全般につきましては、これは医薬品で年間約三万件、それから医療機器で約一万件の報告がございます。その報告の分析に当たっては、全く新たな副作用に関する報告や特に重大な副作用であります死亡症例に関する報告などを中心に分析を行ってきたところでございますけれども、今回の件を踏まえまして、より十分な分析を行うための必要な見直しを行って安全対策に万全を期してまいりたい、かように考えております。
○森ゆうこ君 私も平成十四年の薬事法の改正のときに審議に参加させていただいたわけでございます。様々な形でシミュレーションも委員会の中でさせていただいたわけでございます。残念ながら予防原則に基づくそのような副作用情報等が早く開示されて早期の対応が行われなかったということについて私は大変残念だと思います。結局はシステムをつくっても機能しない、これではこれからもこのような問題が起きるのではないかというふうに大変懸念を持っているところでございます。厚生労働省に対しては猛省を促し、きちんとこの問題に対処をしていただきたいというふうに重ねて申し上げておきたいと思います。
 さて、少し脱線をいたしましたけれども、本日、生協法の大抜本改正について様々な、生協の改正について様々な点を議論をさせていただいてまいりました。生協がこれまで果たしてきた社会的役割の大きさ、また現在組合員が生協に対して期待されていること等、様々な点について議論をさせていただいてきたところでございます。
 局長に最後に伺いたいんですけれども、今回、関係者の皆さんに聞きましても、今回の改正で大体盛り込まれるべきところはほぼ網羅されたのではないかというふうに回答をいただくわけでございますけれども、厚生労働省として、今後の課題ということで今後検討されていく事項等ございましたら是非御答弁をいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 生協法の見直しにつきましては、生協制度見直し検討会で広範に議論していただきまして、現在生協法として必要な事項については提案をさせていただいたと考えております。
 これからの課題としては、むしろ円滑に実施されるよう生協の皆様方に対応をお願いするとともに、委員からも御指摘ございましたように、やはり制度だけではなく運用が大事でございますので、そういった意味で、私どもの行政サイドにおける検査体制、これは各界から求められておりますのでそういったことが、検査体制の整備、そういったことが私どもの課題ではないかと思っております。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ─────・─────
   午後二時三十分開会
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、消費生活協同組合法の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 まず、基本的なことをお伺いしたいんですが、生活協同組織という、法律の第一条のところに「生活協同組織の発達を図り、もつて国民生活の安定と生活文化の向上を期することを目的とする。」とうたわれておりますが、この生活協同組織というのはこれは日本独特の組織なんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) いわゆる今委員御指摘のものは、消費生活協同組合法第一条でございます。したがって、消費生活協同組合法で消費生活協同組合あるいは生協と言われているものでございますが、生協は法律的には農業協同組合などと同様、協同組合に属しているものでございますが、欧米各国においても、そういった意味では生協と同様に購買事業等を行う協同組合は存在しております。
 ただ、欧米各国の協同組合は生協や農業協同組合など包含した協同組合法のようなものに根拠を置いている例が多いようでございまして、我が国の生協は消費者の相互扶助組織として個別法を有している、この点が大きな特色だと、こういうふうに考えております。
○櫻井充君 今のお話ですと、いや、別に日本の組織が悪いと言っているわけではなくて、そうすると、その協同組織みたいな協同組合をつくったときには、ある種やれる事業というのはヨーロッパなどは限定されているということなんでしょうか。そして、それからもう一つは、農協やいろんなところと一くくりにされているけれども、日本の場合には、これは縦割り行政の問題なのかどうかよく分かりませんが、いろいろ分断されているんですね。そこの差だということなんですか。
○政府参考人(中村秀一君) そういった意味での生協の歴史をひもときますと、我が国においては戦前から歴史があり、戦前は、消費生活協同組合法、この生協は明治三十三年に制定された産業組合法に基づき設立され、購買組合あるいは利用組合などとして事業活動を行っていたようでございます。
 今申し上げました大戦前の産業組合法、これ一九〇〇年に制定されたわけですが、それを見ますと、例えばドイツの法律で、ドイツで農業や中小企業の方々を振興するために作られたドイツの産業経済法などを参考にして産業組合法を作ったというふうに言われております。
 戦後、そういう産業組合法を基にされていました中で農協法や商工協同組合法という法律が昭和二十一年や二十二年に、中小商工業者を対象とした商工協同組合法、農業者のための農業協同組合法が作られたという中で、消費者の協同組織を対象とする特別の法律の制定が望まれて、消費生活協同組合法が昭和二十三年に作られたと、このような経緯でございます。
○櫻井充君 経緯はよく分かりました。
 そこで、ちょっと質問の順番逆にしますが、十条に事業の種類というのが羅列されているわけですね。この羅列されているものを読んでみると、例えばその十条の一項第三のところに「組合員の生活の改善」と書いてあって、多分これで医療事業が行われるとか、多分相当拡大解釈が可能なような形に書かれていて、私から見ると、この事業の種類というのを読むとやれない事業というのはほとんどないんじゃないのかなと、そういう感じがしているんですね。ですから、やれる事業は何かということではなくて、逆に言うと、この十条に書かれている内容から読み取ると、やれない事業というのは一体何なのか、その点について教えていただけますか。
○政府参考人(中村秀一君) 生協は、法律全体読みますと、今委員が御指摘になりました国民の自発的な生活協同組合組織で、地域や職域による人と人との結合で言われております。
 じゃ、どういう人が組合員になれるかといいますと、法人は組合員になれないということでございますので、生きている人間、個人が、言わば自然人が組合員になると。入れる人はどうかといいますと、組合は、その組合員の数を制限することはできないということでございますので、地域にいる人が入りたいと言ってきたらみんな入れなければならない。出資を求めるわけでございます、一口以上の。しかし、その出資の金額は組合員の資格を有する者が通常負担できる程度とし、かつ均一とされておりますので、そういったことを全部併せ読みますと、言わばそんなにお金持ちではなく、普通の消費者の人が入れる組織と、こういうふうになります。
 したがって、できないことといいますのは法人を対象とした事業とかそういったことになると思いますので、あるいは法人の中でも特別な人でなきゃできないとされている事業、ほかの法律で規制されているような金融などそういう、金融といいますか、銀行業などそういったことができないとか、あるいは法人を対象とした生産財を売ったり買ったりすることはできない。あくまでも、法律上、消費生活協同組合あるいは生活協同組合と名のれと、こういうふうに言われておりますので、やはりそういった意味では、消費生活を基盤として様々な組合員の便宜を図る事業を行うと、そういったものに例外なものは認められないと、そういうことでないかと解釈いたしております。
○櫻井充君 こういう書き方をしておくと、例えば生協で何か仕事をやりたいなと思うときに、一々厚生労働省にお伺いを立てて、ここの条文のこういう解釈だからできるでしょう、できないでしょうという議論になっちゃうような感じがするんですね。
 そうであるとすれば、これ本当に相当広いことができる。これが多分日本の特色なんだろうと思いますが、そのことを考えてくると、むしろこれができませんと書いてもらって、それ以外はできるという形にしてもらった方がより自由濶達に活動ができるんじゃないのかなと、そう思いますけど、いかがでしょう。
○政府参考人(中村秀一君) 委員御指摘の御議論は立法論として、正に立法府に属されている議員のおっしゃっていることでございますので、そういう議論はあり得るというふうに私は思いますが、申し上げさせていただきますと、我が国、農協法とか様々な協同組合法がございますが、大体この生協法と同じような意味で、言わばやれる事業という事業の種類を列記しているということでございます。
 法律学者の方の書いたものを読みますと、やはり協同組合というのは、概して小規模の事業者でございますとか消費者である組合員の事業や家計を助長することを目的とするものでありますので、一般の営利を目的としている会社のようにできるだけ広くということではなく、法律と定款によって協同組合の事業を明確にし、限定した方がいいんではないかと。基本的には、その法律の範囲内で定款でやれることを定め、その定款で定められたことをやるということでその協同組合としての言わば権利能力が発生すると。それに違反するような行為をした役員というものは解任の対象になったり損害賠償の対象になると。そういった意味で、組合員の利益の保護を重視するという観点からこのような組立てになっていると私ども承知しております。
○櫻井充君 要するに、今のお話ですと、ほかの法律との横並びだからそうなんだと、それから最後は、組合員の方の保護ということなのかなと思いますね。ただ、時代の流れとともにいろいろその仕事も変わってきますから、そういう点でいうとかなり不自由な形に書かれているような感じがするんですよ。
 例えばですよ、例えば自衛隊の方が海外に行かれた際にどうなっているかというと、この業務を自衛隊員はやるんですというふうに書かれて出掛けていきます。そうすると、例えばアメリカ兵の方ならアメリカ兵の方がそこで、これ現地で本当にあった話ですが、傷付いて倒れていたとしても、自衛隊の方はこの人を手助けすることができないんですね。つまり、そういう書き方をしてしまって、限定列挙でできますという形で全部書いてしまうと、そういうことが起こり得るわけですよ。
 だから、むしろ、ここまで自由にやっていいんですということであれば、であれば発想の転換が必要で、むしろできないものだけ書き上げて、あとはどうぞ御自由におやりくださいと、その方がいいんじゃないかなと私は思うんですけどね、いかがでしょう。
○政府参考人(中村秀一君) 繰り返しになりますが、他法の例なり協同組合法共通の書き方であるということ、それから二点目に、委員の方からいみじくも最初の方に御指摘ありましたが、現在の十条第一項で六号書かれておりますが、かなりある意味では広範な書き方がしておりまして、そういった中で定款で定めて、具体的な事業を定めていただくというようなことをしていただければかなりの事業が実施できるというふうに考えておりまして、今回もそういった意味で生協法の見直しについて、有識者の方の集まっていただく、あるいは関係者の方集まっていただく検討会でも様々な改正の御要望なり、何が問題かということをお聞きしたわけですが、そういった議論の中では、委員からお話のあるような十条関係で事業の種類で何か困ったことがあるとか問題があるという御指摘はなかった次第でございます。
 委員おっしゃるとおり限定列挙されておりますので、全く列挙しないで、あるいは逆にできないことを書くという立場からすると、当然理論的には事業の範囲に広狭が出るという御議論は私よく分かりますが、現状において、ここのところで何か困っていることがあるというような状況にはないということを御説明させていただきたいと存じます。
○櫻井充君 それは、解釈いろいろやったりなんかするからそれなりに全部できていて、でも生協の方と話をすると、もし今私が申し上げたような内容にしたらどうですかと言ったら、そうしてもらった方がよっぽど楽だと言っていました、これは。それはそうだと思うんですよ。
 しかも、今回十条は書き換えられていて、医療のことであるとか、それから多分福祉のこと、介護のこととかをきちんとやれるようにするために明記されているのかもしれませんが、こうやってどんどん書き加えるわけでしょう。書き加えるわけであれば、今回、大体この国会というのは悲しいのは、なかなか修正してもらえるわけでもなく、今後の参考として、こういう考え方もあるんだということはちょっと頭の隅にでも置いておいていただけたら有り難いなと、私はそう思うんですが。
 大臣、どうでしょうかね、この辺のことについて。つまり、法律の書き方そのものがこういう形で書くよりは、むしろもうこれだけ自由にやらせるということを方針として決めれば、これ以外全部できますという形にしてしまった方がいいんじゃないですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 事業はどういうものを行うかということももちろんでございますけれども、ここに掲げられているのは事業の種類ということで掲げられているわけでございます。そういう意味では、生協が行う事業というものを一応区分、類別をしているということが言い得るかと思うわけでございます。
 一号は、前から申しておりますように、物資について供給する事業だと。それから二号は、これはサービスを利用させる事業だと。それから三号は、これは生活改善と文化向上ですから、ちょっと今、何と申しますか、具体のものとしてはどういうものがあるかつまびらかでないんですが、四号において共済を図る事業ということ。五号は、これはまあ組合についての知識の向上を図っていく事業ということでございまして、そういう、一応この生活協同組合というものの行う事業について種類を示していると。こういうことによって、一つの何と申しますか、指針を、組合運営の仕事の面での指針を示しているという、そういう機能はこの条文は果たしているんだろうと私は思っております。
○櫻井充君 まあ分かりました。
 一応考えておいてだけいただきたいし、今、阿部先生からはやらせ過ぎだという声もありましたんで、それ、そこのところはまたこれから議論をしていかなきゃいけない、実態を見なきゃいけないところがあると思うんです。
 その十条の改正の条文の中で、私はちょっとこれはおかしいんじゃないかと思うのは、「組合員の生活に有用な協同施設を設置し、」までいいんですが、「組合員に利用させる事業」と書いてあるんですね。これ、あくまでその主体は組合員であったとすれば、組合員に利用させるというその発想そのもの自体が間違っていると思うんですよ。これ同じように七のところも「組合員に利用させるもの」として書いてありますが、これは組合員が利用できるというふうにするべきことではないのかなと。主体は、主体は組合員なんですから、そう考えるのが筋ではないんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 確かに、十条の書き方はそのように、生協が行うことのできる事業を規定するという立場から、生協の事業として組合員に利用させるという生協を主体とした規定ぶりになっております。これは生協が主語であり、生協ができる事業ということでそういうことになっているわけでございますが、御指摘のとおり、生協のそもそも存在理由は、言うまでもなく組合員の方のためにあるということ、それの相互扶助組織である生協事業の利用の主体は組合員であるというのは確かであると思います。したがって、この十条の規定ぶりというのは法令上の整理によるものであり、組合事業を利用する主体が組合員であることは間違いないわけであります。
 また、生協がこのように相当の社会経済的にも地位を占めるようになったということは、利用される組合員の皆さんが出資し、利用し、運営に参加すると、そういう生協の在り方に賛同して、自発的な組織としてこのような今日の事態の状況まで来たと、こういうことではないかと考えておりますので、そういった意味でも組合員主体の組織であるということは間違いないものだと考えております。
○櫻井充君 御丁寧に答弁いただいたんですが、よく分かんなくて、要するに、組合というのはやっぱり組合員が集まってできているものですから、その主体とすれば、もう一つ、先ほどなぜ十条のことについていろいろ申し上げたのかというと、組合員が主体なんだということがこの法律上、全体に本当にきちんとした形で明文化されているかどうかということなんだと思うんですね。
 ですから、その点から考えてくると、こういう「利用させる事業」とか「利用させるもの」とか、あくまでお上的な発想がここの部分に僕はすごく色濃く出てしまっているんじゃないのかなと、そう思います。
 本来であれば、これは組合員が利用できる事業というふうに書き換えた方が私は適切ではないかと、私はそう思いますが、改めてどちらが良いと判断されますか。
○政府参考人(中村秀一君) この法律自体、消費生活協同組合というものについて、組合の言わば成り立ち、構成、それから機関、そういったものを規定しております。その書き方の問題ではないかと思いますが、組合の正に基準のところで、組合というものは人と人との結合であり、生活の文化的、経済的向上を図るということ、そういったことを規定しておりますので、正に組合員のための組合であるということはこの法律で明記されていることではないかと思います。
 委員の御提案というのは、私が言うのもちょっと僣越ですが、一つの考え方ではないかとは思いますが、今の法律の書き方は、ただいま申し上げました、先ほど申し上げましたような立場から規定をしているということであり、ただ、そういう規定ぶりと物の精神、基本的な考え方は、委員がおっしゃっている組合員主体のものであるということに矛盾はしていないと、我々もそういう考え方でやっており、またお上がというようなことではないというふうに申し上げさせていただきたいと存じます。
○櫻井充君 ここのところは、あとはお互いの考え方の違いと言われてしまえばそこまでなんですが、やはり文字を見て判断することになりますから、そういう点でいうと、主体としてどちらなのかということは明確に分かるように書いた方が、法律ですね、書いた方がいいんじゃないのかなと、そういうふうに思います。
 次に、法人のことについてお伺いしたいんですが、四条に法人格として単純に「法人とする。」と書いてあります。「法人とする。」といっても、法人というのは相当様々な種類があるはずなんですが、今日は法務省に来ていただいておりますけれども、ちょっと法人の種類について、まず簡単に御説明いただけますか。
○政府参考人(後藤博君) 法人には、公益を目的とする公益法人、それから営利を目的とする株式会社等の営利法人、さらに、一般的には公益も営利も目的としない中間的な法人と言われるものに分類されております。
○櫻井充君 そうすると、今その法務省が分類している法人の中に、この四条で規定された「法人とする。」というのは入ることになるんでしょうか、それとも全く別組織になるんでしょうか。
○政府参考人(後藤博君) 個別の法人は、個別の、例えば協同組織に関するこの消費生活協同組合法を始めとする協同組合法であるとか、あるいはその他の個別法で定められておりますけれども、その性質に応じて先ほどの分類で申し上げれば、生協につきましては中間的な法人であると理解をしております。
○櫻井充君 そこで、ここは確かに中間法人なんだそうです。しかも、出資者に対しての責任はどうかというと、これは無限責任ではなくて有限責任なんですね。有限責任の中間法人というのは、これは法人法の中にありますよね。これまず確認ですが、有限責任中間法人というのは法律上定められているものですよね。
○政府参考人(後藤博君) おっしゃるとおり、有限責任中間法人とは、中間法人法、平成十三年、法律第四十九号に規定されておる有限責任中間法人のことを指すと思います。
○櫻井充君 そうしますと、厚生労働省でこれ定めたというか、この閣法、消費生活協同組合法で定められている「法人とする。」とあって、性格上は中間法人であって、なおかつ有限責任ということは、これは法務省で定めている法人の中の一形態と考えるべきものなんですか。それとも、こういうものはその中から独立させた、何らかの形で独立させる根拠があっていわゆるそういう形態を取るという形になるんですか。厚生労働省。
○政府参考人(中村秀一君) まず、生協法は今の御紹介のあった法律より先にできている法律でございまして、昭和二十三年からこういう形の法律になっていると。生協法で規定されておりますのは、相互扶助組織として一定の地域又は職域による自然人の結合の組合であり、営利目的ではないと。そういった意味では非営利目的とする相互扶助組織という形で、そういうものをつくるとするとどういう形で構成しなければならないのか、どういった人たちを組合員にし、どういうふうにつくられるのかということを規定した法律でございまして、分類上、今委員から御指摘がありました有限責任中間法人とされているわけでございますが、なぜ有限責任になっているかということも、先ほど申し上げましたように、自然人が集まり、地域の人がみんな入れる、また負担も、通常そういう人たちが負担できるものでなければならないと、そういうふうにされている。そういう多くの人たちが集まりやすいものにするということから、責任の在り方としても有限責任であるべきであると。それは、昭和二十三年に、戦前、産業組合法でやられていたときには有限責任でなかったので、やはり消費者のための団体としては有限責任であることが望ましい。また、家族の方が入っておられますので、消費生活協同組合法では家族の方の総会における発言権なども規定されている。そういう消費者組織としてふさわしい形として規定されているのがこの消費生活協同組合法であると、こういうふうに我々は理解いたしております。
○櫻井充君 我々の理解そのもの自体は、それは我々の理解でいいんですよ。ただ、それは広く社会で見たときに、一方で有限責任中間法人というのがあります。
 これは、私は地元でシックハウス対策の関係の、何というんでしょうか、組織をつくるために、実はお医者さんや、それからそこの建設業界の人たちが集まって対策チームをつくりましたが、それは有限責任中間法人という、それにのっとって実はつくっております。
 そうすると、一方でそういうものがあって、なおかつ厚生省から話をお伺いすると、中間法人であって有限責任だと言われてしまうと、何か組織が一杯あってかなり混同してしまうところが出てくるんじゃないか。それからもう一つ、後から税制上のお話をお伺いしますが、税制上としてもすごく混同してしまうようなところがあって、こういう法人格そのもの自体を多数つくってくるということが本当にいいことなのかどうかというのは、これ僕は一つの問題なんじゃないかなと、そう考えているんですね。
 アメリカの場合には、ノンプロフィットの場合には全部NPOを一くくりにしてあって、日本でいう社会福祉法人のようなものとかそういったものはありません。ですから、どちらの形態がいいのか、これからもう一回改めて議論しなきゃいけないと思っていますが、そういう様々な法人形態を次々その根拠法をもってつくっていくということがいいとお考えですか。
○政府参考人(中村秀一君) まず、消費生活協同組合法ができた経過については、様々な形態でつくっていくことがよいかというお話でございますけれども、まず先ほど申し上げました経過によって、昭和二十三年に、それまで言わば日本では産業組合の中でカテゴライズされていたものが、産業組合も商工組合でございますとか農協、農業協同組合などに分かれたという中で消費生活協同組合という形態もできたと、そういう経過の下でできてきているということでございます。
 今委員がおっしゃっておられますのは、そういう法人、営利法人、非営利法人、また中間法人という法人があり、現に日本でもいろいろあると。そういったことについての政策論的な意味合いではないかというふうに承知して伺っているわけですが、例えば消費生活協同組合は、先ほど申し上げましたように、地域の人々が出資をするということによって成り立つという形式を取っておりまして、これは、こういう形態の言わば法人組織は消費生活協同組合だけでございますので、そういった意味では、そういったことで例えば介護事業をやりたいために集まる、あるいはできるだけ良い生鮮食料品をみんなで手に入れようということでそういう組織がつくられ得るということでございますので、こういう組織の形というのは一つの存在意義はあるんではないかと。だからこそ、今日、千を超える組合があって、延べでございますが六千万人近い方が組合員として出資して参加されているんではないかと。そういうふうに私どもは理解しているわけでございます。
○櫻井充君 それでは、組合基準のところに、二条のところですが、「一定の地域又は職域による」と書いてあるわけですね。そうすると、これは農業従事者が集まってつくれば、別にこんな農協法みたいなものはなくても済むんじゃないか。これ話をお伺いすると、農協法とほとんどすり合わせてそごのないような形で調整されているということであれば、これは職域ですから、別に中小企業なら中小企業が集まればこれでできてしまうと。
 ただ、問題は何が起こるかというと、多分それで所管省庁の取り合いになるから、結果的には一杯ばらばらつくらなきゃいけないというだけの話じゃないか、私はそう感じるんです。これはもう、あとはちょっと今日時間がないのでやめますけれども、そういう点でいったときに、一つにまとめられるものは一つにもうまとめてしまった方が分かりやすくていいのじゃないかなと、私はそう個人的には思っています。
 もう一つ、法人のところで、いわゆる非営利と言われる組織が一杯あって、まず一つはNPOと、それから生協と、それから社会福祉法人等いろんな組織があるわけですが、これの組織を調べていってみると、実は税制がちょっと違うんですね。税制が違っております。
 これは、皆さんお手元に資料を配付させていただいておりますが、例えば国税の方からまず財務省にお伺いしたいんですが、生協の場合には法人税として二二%、それからNPOの場合には税率基本的に三〇%、それから医療法人も三〇%、そして社会福祉法人は二二%というふうになってきていますが、なぜこのような税率の違いが生じてきているんでしょうか。
○政府参考人(古谷一之君) お答えを申し上げます。
 各般の立法によりまして我が国では法人が設立をされておるわけでございますけれども、法人税法におきましては、そうした法人の組織形態ですとか目的などを勘案をいたしまして、税制上異なる扱いを定めております。
 具体的に申し上げますと、先生がお配りいただいた資料にございますように、まず生協のような協同組合につきましては、各般の事業が行われておるわけでございますけれども、組合員間の相互扶助を目的とした組織であるといったことから、課税対象はすべての所得でございますが、政策的に税率を軽減をしておるという扱いになってございます。それから、特定非営利活動法人、いわゆるNPOですとか社会福祉法人につきましては、言わば特定の公益目的で設立をされておるということで、基本的には非課税なんでございますけれども、収益事業を行われる場合について課税をするという前提で、税率について社会福祉法人等は軽減をされてございますけれども、NPOの方はなるべく公の関与から自由を確保する枠組みにするといったようなことで、一定の要件を満たしている場合には所轄庁は認証しなければならないという自由度が公益法人等の場合よりも高いといったことから、軽減税率の適用はないといった扱いにさせていただいております。
 取りあえず、以上でございます。
○櫻井充君 これは、軽減税率の適用はそうすると、今自由度というお話がありましたが、自由度なんですか。僕は財務省と電話で話をした際には公益性だという話をされていたんですけれども、これは公益性をもってしてこういう形で決められているんですか、それとも自由度をもってしてこういう形で決めているんですか。
○政府参考人(古谷一之君) 基本的には、社会福祉法人やNPOにつきましては公益性の高い一定の活動を行われるという前提で課税対象や税率について特別の政策的な配慮がなされておるわけでございますけれども、通常の公益法人と違いまして、NPO法人の場合には、公の関与からなるべく自由を確保するという枠組みになっていることも勘案いたしまして、税率の面では軽減税率ではないということでございます。
○櫻井充君 これ、例えばNPOなら、まあNPOと医療法人と基本的に税率一緒ですけれども、両方医療がやれますわね。それから、生協も医療をやれますね。同じ医療をやった際に、片側は税率は二二%、片側は税率が三〇%ということになってくると、これはやっぱり税制上私は問題が起こってくるんじゃないのかなと、そういう感じがしますが、いかがでございましょう。
○政府参考人(古谷一之君) 生協等の協同組合ですとか公益法人等につきましては、先ほど申し上げたような事情で政策的配慮が行われているわけでございますが、医療法人の場合は、構成員等に対しまして残余財産の分配ができますということでございますとか、個人で開業されております個人形態のお医者さんの場合と同様に同族経営が可能であるといったような、特段その組織の取扱いにつきまして要件がないといったようなこともございまして、租税の減免を行うに足りる公益性が必ずしも担保されているとは言えないということで、これまで普通法人と同様の取扱いをしておるということでございます。
○櫻井充君 普通法人と医療法人と税率一緒なんですよね。片や、株式会社で元々利益を出すことを目的としているところと、それから、例えば地域なら地域で医療を提供するというのは、これ極めて強い公益性を持っているわけですよね。ですから、例えば今度だって開業医の人たちも二十四時間できるようにしろとか、様々な制約を課せられているにもかかわらず、なぜ税率がじゃ一般の法人と医療法人は同じにならなきゃいけないんですか。
○政府参考人(古谷一之君) 繰り返しになって恐縮でございますが、医療法人の組織の形態等につきましてもう一度申し上げますと、構成員等に対して残余財産の分配をすることができる法人でございます。さらに、法制度上同族経営が可能でございまして、個人事業として医療を行う者とのバランスなどを考えますと、医療法人一般につきまして軽減税率を適用することは、現在の法人税の考え方からはなかなか難しいというふうに思っております。
○櫻井充君 いや、現在の法人税の考え方がおかしいから質問しているんですよ。それが正しければ別にこういう場面で質問する必要性、僕はないんですね。
 もう一つ、その総合課税という観点から考えてもらいたいこともあるんですよ。つまり、何かというと、消費税の取扱いが一体どうなるかということですね。医療法人そのもの自体は、消費税は病院が全額持っているわけですよ。ところが、一般の法人は、消費者からお預かりしていて、それを納税するという形になってきていますから、消費税そのもの取ったら物すごく医療法人の方がこれは不利益なんですよ。ですから、そういうことを考えてくると、総合課税という観点で考えれば、私は一般の法人と医療法人というのは、例えば生協と一般法人の中間ぐらいのところにせめて位置してくれないと話は合わないんじゃないかなと。
 それから、消費税で申し上げますと、例えば輸出業界の方々ですね、例えばトヨタにしても何にしてもですが、あれは消費者が海外です。でも、消費者が海外だからといって、じゃ、その消費税はだれが負担しているのかというと、国が結局は還付制度があって戻していますから、税金を戻していますから、彼らは全く負担をしていないんですね。そういう点でいうと、一般法人と医療法人が同じ税率であるという現在の考え方は私はおかしいと、そう思います。
 それで、税にもお詳しい柳澤大臣にお伺いしておきたいんですが、専門家でございますから、所管大臣として医療法人の税制はこれで適切だと思われますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医療法人につきましては、こういうことでずっと位置付けがなされてまいりました。それの、ある意味で過去の一時期までは概算経費率というものが使用されておりまして、そういうことで言わば、何と申しますか、配慮が行われていたという時期もございました。しかし、それがいろいろな長年のこの税制の整理の中で、ちょっと私の記憶の整理が十分でなかったわけですけれども、そうした概算経費率というようなことで配慮が行われてきたというのが経緯でございます。
 それから、消費税についてどうかといいますと、これは医療行為を消費税非課税にしてくれと、こういうことを御主張になられて、それが容認されたという結果、言わばそれまでのこの仕入れ税額というものを自らが負担せざるを得なくなったというのが実態でございます。
 片方、輸出企業を始めとして、輸出の場合には日本人、日本国民が消費者になるわけではありませんから、それまでの仕入れ控除というものが全部還付をされるということで、全く消費税が、日本国の消費税が掛からない形で外国の消費者に受け入れられる、外国ではしかし外国の消費税が掛かって、消費者としては自らの国の消費税を負担するということになると、こういうことでございまして、それぞれの税制について政策的あるいは理論的に筋が通った扱いになっているというふうに現状を認識しているわけでございます。
○櫻井充君 筋が通っていないと私は感じているから質問させていただいております。
 それは、世界の国々は確かに医療法人で、患者さんが消費税を負担しておりません、ほとんど。若しくは、物すごく軽減されていて、ヨーロッパなどは元々消費税が十数%ですが病院では数%程度だとか、そういう形になっております。ですから、それは世界の流れ、世界と比較しても僕はおかしくはないと思っているんです。
 ただ一方で、その分、じゃどういう形で世界は担保されているのかというと、診療報酬点数がその部分を引き上げてあって、病院の収入の見合いになるように調整されているんですよ。ところが、ここ何年来の保険点数の改正で六%も引き下げられているわけですよ。そうすると、もう消費税分なんかは吹っ飛んでしまっているわけです、実際のところを申し上げるとね。ですから、そういう観点全体を考えていただきたいんですよ。
 今、全体のことを申し上げているわけであって、であったとすれば、例えば法人税率は、公益性等を勘案すれば、例えば五%程度カットしてあげるとちょうど消費税分になるわけですよ、ある種のところで言えばですね。ですから、そういうような取扱いがあってもおかしくはないんじゃないか、例えば医療法人は法人税率が二五%ぐらいになるとちょうど見合いかなと、個人的にはそう考えております。
 では一方で、ちょっと時間がないので、じゃ一枚めくっていただいて、じゃ地方税はどうなのかということですね。
 地方税を見てみると、実はここで逆転現象が起こっていて、法人事業税は生協と医療法人は同じですが、これは普通法人と医療法人は違っております。これは優遇税制が掛けられております、実際のところ。ところが、NPO法人と社会福祉法人と医療法人、生協法人を比較すると、今度は、やはり医療法人の方がNPO法人や社会福祉法人と比較してみると一応優遇税制になってきていると。なぜこういう形態を取られているんでしょうか、総務省のまず見解をお伺いしておきましょう。
○政府参考人(岡崎浩巳君) 医療を行う法人の税制上の取扱いについてということでございますが、御承知のように、地方税では法人住民税と法人事業税という税目が二つございます。
 まず、財務省の御議論がございましたので、法人税、国の法人税との違いを中心に御説明いたしますと、法人住民税につきましては法人税額を課税標準にしていますので、そういう意味では、法人税の税率設定等はそのまま法人住民税に及ぶ体系でございます。両者の間でそごはないことになっております。それから、ただいまの御指摘に係るものと思いますが、法人事業税でございます。これにつきましては、法人の担税力あるいは公益性等に配慮しまして、一定の法人について軽減税率を定めております。
 医療を行う法人について申し上げますと、御指摘のように、協同組合等につきましては法人税と同様に軽減税率が適用されます。また、NPO法人につきましては法人税と同様に収益事業に軽減税率は適用されておりません。
 特に、御指摘の医療法人でございますが、これについては、昭和二十七年から、社会保険診療報酬を実質非課税とすると、さらに自由診療報酬部分につきましても例外的に軽減税率の対象にするという取扱いになっております。ただ、これらの措置につきましては、昨年十二月の政府税制調査会の答申等を見ましても、法人税と取扱いの差があるということを踏まえて、それぞれこういう措置について撤廃あるいは見直しを行うべきであるというふうな答申もあるところでございまして、今後、保健医療政策との関連も踏まえつつ検討が必要であると考えております。
 なお、社会福祉法人が行う医療保健業につきましては、法人税と同様、収益事業の範囲から除外するというような扱いになっております。
○櫻井充君 なぜ社会福祉法人は優遇税制を受けられないんですか。──じゃ、もう一度言っておきますが、一般の普通法人とそれから社会福祉法人と比較した際に、なぜ地方税の場合には優遇税制は受けられないんですか。
○政府参考人(岡崎浩巳君) 社会福祉法人、今申しましたように、医療保健業につきましては収益事業の範囲から除外されておりますが、そのほかにつきましては、先ほど申し上げましたように、担税力、公益性等を総合的に配慮して従来から軽減税率の取扱いにしているところでございます。
○櫻井充君 よく分からないんですが、じゃもう一度。
 でも、国税の場合は、国税の場合には、一般の法人と社会福祉法人は、これは税率二二%ですから、これは違っているわけでしょう。で、こちら側は一般の法人と同じになっているんでしょう。だから、国と地方とで税金の掛け方の考え方そのもの自体が違ってきているからこういう差が生じてきているんじゃないんですか。
 改めてお伺いしますが、これは財務省とそれから総務省にお伺いいたしますが、私は、その優遇税制の掛け方、在り方そのもの自体、これは国税と地方税と違っているように感じますが、各々財務省と総務省の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(古谷一之君) 社会福祉法人の方からまず申し上げますと、国税でございます法人税の場合には社会福祉法人は学校法人や民法の財団、社団とグループになっておりまして公益法人等という扱いでございますけれども、そういったグループにつきましては収益事業から生じた所得に限定をして軽減税率を課するという政策的な対応を取らせていただいております。
 さらに、社会福祉法人の場合には、その収益事業の範囲から医療保健業を除外をしてございます。この理由は、医療保健業自体は一般的には収益事業でございますけれども、社会福祉法人の場合には厳しい管理監督の規制が掛けられてございまして、さらに、生計困難者に対して無料又は低額な料金で診療を行うことが法制度上予定をされておるといったような公益性が高いということを判断をいたしまして、収益事業の範囲から除外をしてございます。
 それから、医療法人に対する課税でございますけれども、先生からも御指摘ございましたように、一般的な医療法人は軽減税率を設けていないわけでございますが、先生がお示しいただいております資料の中にもございますように、一定の公益性を有する医療法人につきましては税法上、特定医療法人ということで国税庁長官が認定をいたしますと、そういった法人については二二%の軽減税率を適用すると。
 さらに、社会保険診療報酬につきまして……
○櫻井充君 繰り返さなくても分かっているよ。
○政府参考人(古谷一之君) はい。一部概算経費控除を認めるという形で、その部分は国税におきましても一定の政策的な配慮を行っておるということでございます。
○政府参考人(岡崎浩巳君) 失礼いたしました。
 法人住民税、法人事業税のうち、法人住民税と異なりまして、事業税の性格というのが都道府県から受ける様々な行政サービスの対価に対して応益的に課税されるという性格がございまして、そういう意味で法人税とは課税の根拠が若干異にするところがございます。そういう税の性格あるいは様々な経緯等もございまして、先ほどの医療法人の例で逆の例がございますが、必ずしも法人税と全く同様の取扱いをしているということになっておりません。
 御指摘の社会福祉法人等につきましては、行う事業の内容に着目いたしまして、非収益事業を行う場合に非課税ということで法人税と同様でございますが、公益法人でありましても収益事業を行う場合にありましては御指摘の確かに基本税率を適用いたしております。ただ、法人事業税の基本税率は所得が八百万円以下の金額につきましては基本税率そのものが低い税率となっているというようなこともございまして、法人税と異なる扱いになっているのではないかと考えております。
 なお、医療保健事業を除外することは、先ほど申しましたとおり法人税と同様でございます。
○櫻井充君 そういう考え方になっているのではないかと考えておりますという答弁はおかしくて、それは所管省庁としてはっきりとどういうことなのかを明言すべきだと私は思います。
 時間がないので、大臣、この点について、所管省庁としてみると、公益性やいろんなものに対してどう判断するかだと思うんですよ。そして、それに対しての税率がこういう形で国税と地方税と私はそごがあると思っています。そういう点でもう少しきちんとした形で調整をするべきではないのかなと。もう一度申し上げておきますが、僕は医療法人そのもの自体の税率は下げるべきだと、そのように考えておりますけれども、大臣としての御所見をお伺いしておきたいと。
 それから、私は先ほど法人のところにこだわったのは一体なぜかというと、実は法人の意味合いをきちんとした形で定義していただかないと、こういう税率で調整する際に、どの部分が公益性が強いとか財産の贈与がどうだとか、そういうことのくくりそのもの自体をきちんとしなきゃいけないので、その法人の性格をきちんとしなければいけないということで申し上げております。
 大臣として、いかがお考えですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今政府参考人の方からるる説明がありましたように、実はいろいろ分かりにくい全体としてのイメージかと思いますけれども、それぞれに合理性を持ってその処理が決められているということが実情でございます。
 それで、その上に、今、櫻井委員の指摘されたような医療行為というものは、今一般の個人の診療所も含めて非常に公益的な見地からある意味の縛りが掛かるというか縛りが強化されるという実情、これを税制上考慮すべきではないかという新たな問題提起があったわけでございますが、これは私どもといたしましてはかなりそういうことを今後お願いしなければならないということを考えております中で、またそれぞれそれがどう税制に反映されるべきかということについては検討をしてまいりたいと、このように思います。
○櫻井充君 是非御検討いただきたいと思います。
 それから、総務省と財務省にもお願いしておきますが、一応地方税と国税とでもう一度考え方をきちんとすり合わせていただきたい。要するに、どういう観点に立っているからこういう税率になるんだということを合わせておいていただかないとなかなか理解し難い部分があるんじゃないかなと、そういうふうに思います。
 それからもう一つ、医療に関して言うと、これはもう完全に国が保険点数を決めていますから、収入の限度というのがあります。これは一般の法人とは全く違う性質を持っているわけですから、その辺のところからももう一度税率を改めて考えていただきたいなと、そういうふうに思います。
 もう一点、今度は生協法の十三条で厚生省令でそう定めるというふうに書かれているんですが、この厚生省令というのは一体何を考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今回の改正法案の十三条においては、貸付事業を行う生協は貸付事業の適正な運営の確保及び資金の貸付けを受ける組合員の利益の保護を図るために必要な措置であって厚生省令で定めるものを講じなければならないと規定されております。
 したがいまして、第十三条の厚生労働省令につきましては、貸金業者として登録が困難になった事業者が生協に流入することを防ぐとともに、組合員の利益の保護を図る観点から、生協の貸付事業としてふさわしい貸付条件、例えば貸付利率の上限、そういったものを定めますとともに、過剰貸付けの防止、勧誘、債権の取立てに関し、資金需要者の保護のために生協が講ずべき措置を規定するつもりでございます。
 いずれにいたしましても、貸金業を規制しております金融庁との整合性が大事でございますので、具体的な内容については金融庁ともよく相談しつつ検討させていただきたいと考えております。
○櫻井充君 そこの部分はきちんとやっていただきたいと思います。
 もう一つ、こういう形で変な話ですが、言わば消費者金融ということになってしまうのかなという感じがしていて、この金利制限をきちんとやっていただかないと結果的には同じことになる。
 もう一つは、ここのところは、ここの貸付事業は金融庁の検査が入ることになるんですか、それとも全く別の中身になるんですか、これは。
○政府参考人(中村秀一君) こちらの方は、世の中では制度共済と言われておりますが、それぞれの協同組合の事業としてやられるものでございますので、結論から申し上げますと、ここの部分の検査なり指導というものは金融庁ではなくて厚生労働省が行うこととなります。
○櫻井充君 分かりました。
 あともう一つ、済みません。共済事業のところで、ソルベンシーマージン比率を設定しようかどうかということで検討されているという話をお伺いいたしました。生協がやる共済事業そのもの自体は、これは金融庁の監督にはならないわけですよね。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 ただいまの貸付事業と同様、共済事業につきましては金融庁の監督にはなりません。
○櫻井充君 金融庁の監督にならないとすれば、なぜソルベンシーマージン比率を設定するようなことを検討されているんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 共済事業は、正に法制定当初は慶弔見舞金程度のものでございましたが、近年の共済事業の状況を見ますと、契約者数が我が国の一一%程度、契約金、共済掛金も三%を超えているというようなもので、金融事業の一種を担っていると、こういうふうに考えております。破綻時に契約者に与えるリスクが大きいことを踏まえれば、一定の規制が必要であると考えております。
 ただ、先ほど来御説明申し上げておりますし、また委員からも御指摘いただいておりますとおり、生協が非常に自主的に事業を実施しているものも多いということでございます。規模的にも零細なものから中堅保険会社に匹敵するものなど幅もあると、そういうことでございますので、そういったことも考慮しながら規制については様々な規制を考えていくと。そういった中で、健全性基準、健全性の基準ということについても設定をする必要があるというふうに考えまして、御提案申し上げているところでございます。
○櫻井充君 健全性の指標が必要なことは理解はいたしますが、ソルベンシーマージン比率はあくまで支払余力であって、健全性の指標になり得るとは僕は思っておりません。しかも、なぜソルベンシーマージン比率が二〇〇になっていなきゃいけないのかということの言わば本当に理論的な根拠というものが全く私はないと、そう思っています。
 つまり、病気の場合に、例えばコレステロールの値が私が医者になった当初は二百四十でした、今二百二十まで下がってきていますがね。だけど、それは、例えば死亡者数であるとか動脈硬化の比率であるとか、そういったいろんなデータに基づいてここまで下がった方がいいというちゃんとした根拠があるわけですよ。
 ところが、ソルベンシーマージン比率にしてもBIS規制にしても、これは全くその手の根拠がなくて、私から言わせてもらえば、アメリカ系の金融機関そのもの自体がどうやって日本の金融機関を排除するのかということを考えた挙げ句出してきたものだと、そういうふうに私は理解しておりますし、それから、これは国際業務を取り扱うところに対しては考えなければいけない制度ですが、基本的に言うと国内業務、しかも契約者が集まっているだけの組織の中で共済事業をやっているところに対して、そこまで課す必要性が私はないと思いますけど、いかがでございましょう。
○政府参考人(中村秀一君) 私ども、今回の改正は共済事業につきまして契約者保護を図りたいと、こういう観点から導入しようと考えているものでございます。
 共済事業の財政の健全性を判断するための指標が必要であるというふうに考えておりますし、そういった意味で、協同組合事業として類似の制度でございます他の協同組合法等でも同じ方向性を目指して改正を行ってきております。契約者にとって目安となるとともに、生協が行う共済事業を行政が指導監督する上でも活用してまいりたいというふうに考えております。
 ただ、保険会社と生協の場合、一つの生協が生命系と損害系の両方の共済事業を行うなど違いもございますので、よくそういったことも配慮しながらソルベンシーマージン比率というようなことについて定めてまいりたいと、よく研究してやってまいりたいと考えております。
○櫻井充君 時間がなくなりましたんで、最後にちょっと意見として述べさせていただきますが、まず、少なくともソルベンシーマージン比率という言葉を使うべきではないと思います。それはなぜかというと、金融庁が検査している場合にはソルベンシーマージン比率ですが、そうでないものであったとすると紛らわしいことになるので、まずそういう文言は使うべきではないと思っています。
 それから、金融検査そのものが、小さいところになればなるほど、そのための事務量というのが物すごく増えますから、そういう点から考えてくると、本当に契約者のためとおっしゃっていますが、契約者の方々にとって大きな負担になるような可能性が私は否定できないと思っています。ですから、そういう点で過度な規制を掛けることそのもの自体が必ずしもプラスではないと思っていますから、その点についてはきちんとした配慮をしていただきたいと、そういうふうに思います。
 私は、先ほどの事業内容等について見れば、むしろ逆にああいう書き方にして規制緩和をすべきだと思うし、こういうところに関して逆に今規制を掛けて強化しようとされていますが、そこまでのことをやる必要性は私はないのではないかなと、考え方が僕は若干違っているんじゃないかなというふうなことを指摘させていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。櫻井委員に引き続きまして生協法改正についてお聞きしたいと思います。
 これまでの御議論の中でも様々な角度から御質問がございましたが、生協という言葉自体はもう私たちの日々の生活の一部のようになっておりまして、また最近では「生協の白石さん」という本がベストセラーになって大変話題になりましたけれども、私も読ませていただいて本当に心がほっとすると申しましょうか、心和ませていただいた次第です。
 この本の中に書かれていたんですけれども、そうした組合員の方々と職員という立場でのやり取りの中で、組合員に奉仕をするという生協職員の立場を逸脱しないよういつも配慮していますという一文がございまして、正に生協法第九条で言われているところの最大奉仕の原則の重みというものを再認識いたしました。つまり、生協とは組合員によるコミュニティーであって、組合員に対するきめ細やかなサービスを提供することであるんだと思います。
 そこで、今回の改正案を見てみますと、改正項目も広範多岐にわたっておりますが、今後の生協の方向性という意味ではやや不明確ではないかと、そんな懸念も持っておりますけれども、例えば購買事業における県境問題という硬直した制度は解消されたというように思いますけれども、しかし員外利用については原則維持しつつも利用分量の上限額の範囲内というやや中途半端なように思います。
 生協が組合員に対する最大奉仕の原則を尊重し、組合員に対するきめ細やかなサービスを維持するのであれば、例えば災害時、医療事業など緊急性の高いものに限定すべきであると思いますが、逆に、既存の小売業と対等に競争するのであれば原則員外利用も認めるべきであって、そのところで今回の改正案では今後の生協の方向性というものがはっきりと示されていないのではないかと、私はそのように感じているんですが、この点について大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生協法ですけれども、やはり生協はあくまでも組合員の相互援助組織という、そういう基本的な性格は維持されるべきだというふうに考えます。そういう意味で、員外利用についてですけれども、やはり一定の限度を設けていくべきだと、このように考えておるわけでございます。今、一般の小売業などと競争してというようなことを島田委員がおっしゃったようにお聞きをいたしましたけれども、それはやはりそうではなくて、それは共存をしなければなりませんので、この面ではやはりあくまでも組合員のための共助の組織ということで、こうした制約の下で最大の奉仕を組合員に対して差し向けていくという基本的な点は踏まえていくべきだと、このように考えております。
○島田智哉子君 競争してくださいというふうに申し上げているんではないんですけれども。
 それでは、第五条の関係の県境問題についてお伺いしたいと思いますが、今回の改正案では、県域規制を緩和するということにされているわけですけれども、具体的にどのような事例が該当するのか、その基準はどのように設定をするんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 今回の生協法の改正において、この県域の問題は一つの御議論の対象になったところでございます。
 生協を利用する消費者の方々の状況の変化、高齢化が進んでいるとか、過疎化が進んでいるとか、モータリゼーションの進展による生活圏域の拡大など、生協を取り巻く環境の変化を踏まえ、生協サイドの方からも、事業を実施されておられる皆さんの方からも、やや、現在の都道府県の区域を越えては行うことができないというのは硬直的で非常に支障があると、こういう御要望をいただいたところでございます。したがいまして、購買事業の実施に必要な場合に隣接県域までの事業区域の設定を可能とすることといたしております。
 そういうことでございますので、決めていただくのは、やはり事業を実施される生協のサイドの方々、また、これを利用されようとする組合員になろうとする方、あるいは組合員の方々の御要望ではないかというふうに考えております。
○島田智哉子君 私どもの埼玉県の場合ですと七都県と隣接しているわけですけれども、例えば沖縄県の場合、鹿児島県と海をまたぐような場合でありますとか、また、海をまたぐものの橋が架かっている瀬戸内のような場合もございまして、そういう地理的生活圏の観点から認められる地域としてどのように想定されるのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 基本的には、海があっても、例えば交通手段とかそういった場合で、通常、購買事業でございますので、店舗に行くとか、それからあるいは無店舗の事業もございますので、生協側の方が日々の購買されたものをお届けすると、そういう事業を想定しておりますので、そういった事業を実施する上で必要な程度の隣接であれば、例えば海を挟んでいて陸地はつながっていなくても隣接というふうに解釈できるのではないかというふうに思っております。
 沖縄県というふうになりますと、なかなか、沖縄からというようなのはなかなか想定し難いと思いますが、それも地域の実情でございますので個別に判断する必要があるのではないかと思っていますが、一般的には、私どもが立案いたしましたときに沖縄県を想定は正直申し上げてしてはおりませんが、絶対認められないかどうかというのは実態によるのではないかと考えております。
○島田智哉子君 この県域規制の緩和については、購買事業のみを認めるものとあるんですけれども、他方、医療福祉事業についても、これこそ組合員の生命を守るという、正に最大限奉仕の原則から県域規制を緩和すべきではないかと、こうした意見はパブリックコメントの中でもございまして、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 生協制度見直し検討会などでのヒアリングやそういった議論のときに基本的に議論の対象になりましたもの、また切実度が高かったものが購買事業でございますので、購買事業の実施のために必要と認められる場合というふうなことで県域拡大を御提案しているところでございます。
 購買事業につきましては、原則、員外利用がこれまでも禁止されているということで、県外の方が利用するためには新たに組合員になっていただくしか方法がないわけですが、それの道が閉ざされていたということがございます。
 医療福祉事業につきましては、員外利用の限度の範囲内で組合員以外の方についても事業を利用することが可能な仕組みと、こういうふうにさせていただいておりますので、基本的には、医療福祉事業につきましては員外利用という形で対応していただけるのではないかと、このように考えております。
○島田智哉子君 医療事業と医師法について、その整合性についてお聞きしたいと思いますけれども、今回新たに員外利用限度を組合員の百分の百と設定されております。しかし、医療につきましては、医師法第十九条において、医師は診療の求めがあれば診療に応じる義務が課せられております。また、医療生協の中には救急医療を担っている医療機関もございまして、今更医療事業に員外利用限度を設けることはやや違和感があります。
 この点について、生協法と医師法の整合性についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 医師法第十九条において、診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な理由がなければ、これは拒んではならないというふうにされておりまして、この規定は守られなければならないというふうに考えております。
 他方、員外利用の限度を設けること、また員外利用の制限というようなことにつきましては、生協の事業としてこれは恒常的にそういうことに努めなければならないと、こういうふうにしているところでございまして、理論的に言えば、この方を診ると百分の百超えてしまうと、そういう事態も想定されるかもしれませんが、できるだけそういうことはないように、組合員の確保に努めていただくということでそういう事態にならないようなことをお願いしたいと思っておりますし、ぎりぎり申し上げれば、やはり医療の重要性がございますので、医師法第十九条の規定がそういった意味では優先されるのではないかと。私ども、この御提案をさせていただいている立場からはそういうふうに考えて御提案をしているわけでございます。
○島田智哉子君 そうしますと、百分の百という設定自体どのような意味があるのかなと。そもそも公共性の高い医療事業に員外利用限度を設けることがなじむのでしょうか。その辺りの御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今回の改正では、生協は基本的には組合員のための組織であり、組合員に向けて最大限の奉仕をすると、こういうことでございます。
 基本的には、したがって、原則ということを申し上げますと、医療の事業であれ介護の事業であれ、組合員の方をまず対象にするということが原則でございますが、そういう中で、員外の利用も、医療や福祉の公共性も踏まえ、地域への貢献ということも考えて、利用限度ということについて考えていこうということで、農協法を参考に、組合員数と同等の量ということで百分の百ということを設定させていただいた次第でございます。
 なお、現在の生協の医療事業についての組合員の利用割合、これにつきましては、日本生活協同組合連合会の調査でおおむね七割強というふうになっておりますので、組合員の利用分量と同量以内の員外限度ということについて大きな御支障が生じるということはないのではないかと考えております。
○島田智哉子君 それから、医療福祉事業の員外利用について、これまで行政庁の許可を得た場合は無制限となっていたわけですけれども、現在、行政庁の許可を得ている件数はどのようになっているのか、また、今回、員外利用限度を設定することで利用者に影響を与えることはないのか、その辺りの状況を御説明ください。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 医療福祉事業の員外利用の許可状況でございますが、医療事業については百三十組合、福祉事業については百七十六組合申請がございまして、許可申し上げているところでございます。
 先ほど申し上げましたように、現在の実態を見ますと医療福祉事業に係る組合員の利用割合はおおむね七〇%強となっておりますので、大きな支障が生ずることはないと、こういうふうに考えております。
○島田智哉子君 生協が行う利用事業を見ますと、医療福祉事業が大きなウエートを占めておりますし、また、公的保険制度の担い手としての側面があるんだと思います。
 今回の改正では、福祉事業が法律上明確にされました。また、組合員が自主的に行っているボランティア活動についても、福祉活動として多様な取組が行われているわけですけれども、それぞれ事業としての福祉と組合員活動としての福祉という点では異なるものの、一方ではそれぞれ密接に関連している部分もありまして、少子高齢社会においては生協の新たな存在意義としてとても重要な領域であると思います。
 厚生労働省として、今後の福祉事業と活動の方向性、展望性についてどのようなお考えがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生協の行う福祉事業は、医療事業とともに利用事業の中で大きな位置を占めておるわけでございます。介護保険事業であるとか介護保険外の高齢者の福祉事業、あるいは障害者自立支援法に基づく事業などを実施しているということでございます。
 他方、福祉事業については、今委員が御指摘になられたように、福祉事業とは異なるわけですが、組合員が自主的に取り組む活動として、家事援助や子育て支援など大変喜ばれる幅広い福祉活動が行われていると、こういうふうに受け止めております。
 このような生協の福祉事業、それから福祉活動の両方を育てていこうということで、今回の法改正におきましては、剰余金の組合員への割戻しを禁止して、その剰余金は福祉サービスの再生産のために用いるということが一つ定められました。また、加えまして、組合員の福祉活動を一層推進するために、福祉活動に対する助成というものを繰越し義務のある剰余金の使途として想定すると、こういうことを行ったわけでございます。
 厚生労働省といたしましては、少子高齢化や地域におけるつながりの希薄化が進む中で、地域で支援が必要な方々をコミュニティーで支え合うため、非常に生協の活動ということはこれからも期待の大きい活動であろうと、こういうふうに考えておりまして、今回の法改正の定着を図って、正に福祉事業、福祉活動が車の両輪となって発展していく、そういうことが期待されておると、このように考えております。
○島田智哉子君 そこで、福祉事業に関連をしてお聞きしたいと思いますが、昨日の本会議において介護福祉士法等改正案の審議が始まりました。改正案の内容については今後の委員会で詳細に審議されていくことと思いますが、今回の全労済さんあるいは生協連さんにおいても、全国各地でホームヘルパーの養成研修が行われておりまして、若干訪問介護の養成確保についてお聞きしたいと思います。
 午前中、森委員からも御質問がございました。不正請求を行った介護事業者については、私もそうした行為は断固許されることではございませんし、厳正な処分を行うべきであると思っております。そこはしっかりと申し上げた上で、私からは、現在ホームヘルパーとして働いている方あるいはそこからその職に就きたいと考えておられる方の立場からお聞きいたしたいと思います。
 そこで、まず昨年度から導入されました介護職員基礎研修について、その導入趣旨とこれまでの実施状況について御説明ください。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 介護保険職員の基礎研修についてのお尋ねでございますけれども、介護にかかわる職員の専門性を高めるということは、大変介護サービスの質の向上を図る上で重要なことだというふうに思っております。
 そういう観点からいたしまして、平成十六年七月の社会保障審議会介護保険部会におきまして、介護保険制度の見直しに関する意見ということでございますが、介護職員につきましては、将来的に任用資格は介護福祉士を基本とすべきだとしながらも、当面は研修の強化等によりましてホームヘルパーの資質の向上を図ることを検討する必要があるという御意見をいただいたところでございます。これを受けまして、昨年度から、十八年の四月からでございますけれども、新たに認知症ケアやあるいは医療、看護との連携などの内容を含みます介護職員の基礎研修を創設をしたところでございます。
 現在の実施状況でございますけれども、介護職員基礎研修につきましては、各都道府県が指定した養成研修事業者が実施をするという仕組みになっておりまして、本年四月十八日現在で約五十事業者が指定されているというふうに認識をいたしております。
○島田智哉子君 この介護職員基礎研修の位置付けと申しましょうか、将来的にはこの基礎研修に一元化するとしているものの、ヘルパー一級、二級の研修も引き続き残ると。
 私どもにも、これから研修を受けてヘルパーの職に就きたいんだけれども基礎研修を受けた方がいいのか、それとも二級研修でいいのか、そういった御相談がございます。ただ、基礎研修といいましても五百時間、受講料も多額になる中で、まずは二級研修で実務を経験した方がいいのか、あるいは将来二級では働けなくなるということになればその研修は無駄になるのか等々、様々な情報の中で混乱を与えている状況もございます。
 この現在二級、一級で働いていらっしゃる方に対して、どの程度の期間で基礎研修を受けていただくということを想定されていらっしゃるんでしょうか。また、これからホームヘルパーという職に就くために研修を受けようとされている方々に対して、どの時期に一元化するかということをしっかりと事前にアナウンスすることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 現行のヘルパー研修につきましては、将来的には介護職員の基礎研修に一元化をするというふうに考えております。
 ただ、当面はヘルパーの研修と介護職員の基礎研修とを併存させるという仕組みでいきたいと思っておりまして、その場合には、今御指摘ございましたヘルパー研修を既に修了した方、例えば二級ヘルパーの研修を修了された方につきましては、その受講の負担の軽減を図るという観点から、付加的な研修を受講すれば基礎研修の修了と認めるといったような取扱いにしたいと思っておりまして、そういう意味で介護職員の基礎研修所の修了した方とヘルパーの研修修了者の方の間の関係は明確にしたいというふうに思っております。
 それから、介護職員基礎研修でございますが、十八年度に創設をし実施しておりますけれども、現状では、先ほど申し上げていましたように、まだ五十事業者ということでございます。したがいまして、当面既存のヘルパー研修と併存させながらこの基礎研修の普及定着を図っていくことが必要だろうと考えておりまして、いつ一元化するかというお尋ねでございますけれども、私どもとしてはこの基礎研修の普及定着の状況でありますとか現在の介護の労働者の需給の状況というものをよく見極めて、その実態を見ながら判断をしていきたいというふうに考えております。
○島田智哉子君 そこで、先日来、本委員会でも介護福祉士制度の見直しについて御議論がございましたけれども、改めてお聞きをいたします。
 厚生労働省の検討会で検討されておりましたこの介護基礎研修を受けた方が二年の実務経験を経て介護福祉士の受験資格を得るというルートについて、今回の改正案には盛り込まれませんでした。その御判断に至った理由についてお聞かせください。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 経過については今、島田委員が御指摘にあったとおりでございますが、今回のこれから御審議いただく介護福祉士法等の改正法案には、ただいま御指摘のありました介護職員基礎研修の修了者についての規定は盛り込んでおりません。
 理由でございますが、まずは、介護福祉士の制度を見直していただくのと並行してカリキュラムの見直しを行い、これを踏まえた上で、その審議会での意見書も、基となる基礎研修の教育時間や教育内容の在り方についても検討を行っていくべきであるとされておりますので、介護基礎研修についても検討を行った上で、それを、結果を受けて、基礎研修修了者につきまして介護福祉士の受験資格の取扱いについて検討を行っていきたいと考えております。
 なお、介護福祉士の教育カリキュラムの見直しにつきましては昨年秋から御議論いただいているところでございまして、本年の夏から秋を目途に取りまとめをさしていただきたいと考えておりますので、それを踏まえ、介護基礎研修の方のカリキュラムなどについても御検討をいただきたいと、こういうふうなことで考えている次第でございます。
○島田智哉子君 昨日の本会議での大臣の御答弁では、介護福祉士の教育カリキュラムの見直しの結果を受け、介護職員研修についても検討を行った上でその位置付けを考えてまいりたいということでございました。これは、今後そのほかの実務ルートとの整合性が図られるのであれば、その導入も視野に入れて検討していくということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) まずは、先ほど申し上げましたとおり、考え方としては大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。また、検討課題といたしましては、まずは介護福祉士の教育カリキュラムを定めますので、それを踏まえて検討していただくということでございます。その結果を踏まえて御判断をいただくことになろうかと思います。
○島田智哉子君 その時期については、平成二十四年度に合わせるのでよろしいでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) これは、正にそういう中でカリキュラムを考え、それから関係者の方々の御意見を伺いながら、また介護基礎研修をめぐるいろいろな方々の御意見もあると思いますので、そういったことを踏まえ、できる限り結論が得られましたら、また合意が得られましたら取り組んでいくというふうになろうかと思います。
 平成二十四年というお話がございましたが、これは法律の施行時期でございますが、その施行時期を目指すというのは一つの考え方だと思いますが、いずれにしても、私どものこの作業を踏まえて関係者の方々に御判断を仰ぎたいというふうに考えておりますので、二十四年までに絶対かどうかということについては、そういうことを経てやらしていただきたいというふうに申し上げることで、御理解を賜りたいと思います。
○島田智哉子君 その是非についてはそれぞれのお立場からの御議論もあることと思いますので、いずれにしても、多様な人材を確保するためにも働きながら学びやすい環境を整えることについても十分な検討が必要であると思いますけれども、この点について大臣の御見解をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今度、多様な人材が必要だということを重要と考えておりまして、今回の、まだ御審議は正式にはお願いをいたしておりませんけれども、現行の三つの資格取得ルートのそれぞれにつきまして、教育内容の充実を図って、国家試験の受験を必須とする形で資格取得方法の一元化を図るということを是非実現いたしたいと。そして、このうち実務経験ルートについてですけれども、三年以上の実務経験に加えて新たに六か月以上の養成課程を経た上で国家試験を受験する仕組みにしたいと、このように考えております。
 そして、この六か月以上の養成課程につきましては、働きながら学ぶ方が多いというふうに考えられるところから、通信課程等を認めましてその負担軽減に配慮するということを考えているほか、働く方の主体的な能力開発の取組を支援する雇用保険の教育訓練給付制度の対象としたいとも考えておりまして、いずれにしても今委員の言われる方向で適切に対応していきたいと考えております。
○島田智哉子君 終わります。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 与党の阿部理事には申し訳ないんですが、最初に、まだ議論していない社会保障協定の迅速な締結についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕
 実は、この質問は三月十五日の一般質疑のときにやろうと思っていたのが時間がなくなってできなくなったものですから、大変恐縮なんですが、そのときも予定していた人が答弁できなかったということで関係者に御迷惑をお掛けをしたことをおわびを申し上げたいと思います。
 なお、質問時間の大半は生協法の質疑を行いますことを前もってお知らせをしておきたいというふうに思います。
 過去二回の教訓を生かして冒頭です、今国会において、これまで相手国ごとに制定をしてきました厚生年金等の特例法の内容を網羅した包括的な法律案が審議する予定になっております。法案の趣旨については、現段階では私は個人的には一定の理解をするところであります。ただし、仮に法案は成立したとしても、個々の協定の締結そのものが迅速に行われなければ包括法案の効果も発揮できないわけでありまして、政府としても現在政府間交渉中の案件や予備協議中の案件、さらにはそうした俎上にのっていない案件についても今後はこれまで以上に議論を活発に行い、早期に協定の締結が図られることが必要だというふうに考えるわけであります。
   〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
 そこで、お尋ねをいたします。G8、主要国首脳会議のメンバー国において、現段階でそれぞれ社会保障協定の締結国数、数字のみお答えください。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 主要国首脳会議のメンバー国についてのお尋ねでございますが、それぞれの国に社会保障協定をめぐる歴史と経緯があるものと思いますが、本年一月現在、これらの国が締結している社会保障協定の数は、米国が二十一か国、英国が四十五か国、ドイツが四十五か国、フランスが五十八か国、イタリアが四十七か国、カナダが四十七か国と承知しております。
 残るロシアにつきまして、私ども十分承知しておりませんものですから外務省に改めて確認をさせていただきましたが、現段階でロシアに関する情報は把握していないということですので、申し訳ございませんが、国の数についてはお答えをできないという状況でございます。
○津田弥太郎君 抜けてますよ、日本。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 恐れ入ります。
 我が日本国でございますが、現在六か国との間で協定が発効し二か国との間で協定を署名、八か国ということでございますが、現在予備協議を含めて五か国と交渉している途上でございます。
○津田弥太郎君 ただいまお答えのように、元々はG7であった枠組みの中に新たに加わったロシアを除いて比較をした場合、八か国ですね。これから交渉するのは五か国というふうにおっしゃいましたけれども、ほぼまとまったのは八か国ということでございます。極めて締結国数は少ない。世界経済のグローバル化、企業活動のボーダーレス化への対応が甚だ遅れていることが明らかなのであります。
 その意味で今回、包括法案の提出という事態を踏まえ、大臣御自身も個々の協定の早期成立に向けて最大限の努力を行っていただきたいというふうに思います。特に要望したいことは、相手国との交渉頻度を現在以上に増やしていく。すなわち、これまでの交渉の回数を聞きますと、大体一年間に三回程度の交渉だというふうに言うわけですね、事務方の方では。我が国は大体、春夏秋冬という言葉があるわけですね。大体三か月に一回、年に四回ぐらいは今の担当局の人員を増加しないでも十分対応できるんじゃないか。一回交渉を増やすだけでも全体としては、この参議院で先議で後ほど審議される法案が通ればかなり早くなるわけでございまして、その点で是非努力をしていただきたいと思いますが、大臣の決意をお伺いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これから御審議をいただく包括実施特例法が制定されるということになりますと、私どもとしては、今委員が正に御指摘になられますように、これまで個別の特例法を作らなければならなかったマンパワーが正に協定の締結の方に差し向けられるということが可能になりますので、この社会保障協定の発効までの過程が迅速化されるということが期待されます。
 したがいまして、外務省とも連携をしながら、より多くの国との交渉ができるというふうに思いますので、鋭意その方向で努力をしてまいりたいと思います。
○津田弥太郎君 それでは、消費生活協同組合法の一部改正案に対する質問に移りたいと思います。
 まず、この生協法につきましては、昭和二十三年の制定以来、実質的な見直しが行われないまま今日に至っているわけであります。昭和二十三年といいますと、昭和十年生まれの柳澤厚生労働大臣は別格として、武見副大臣あるいは石田副大臣の生まれた翌年、合っています、合っています。──はい。私が生まれる四年も前のことであります。この間、我が国の社会経済は大きく移り変わる中で、生協法について実質的な見直しが行われてこなかったということは、正直言いまして不思議な気持ちがするわけであります。
 特に今回、生協制度見直し検討会の議論を経てまとめられた改正案においては、まず一番、共済事業において契約者保護を図る観点からの見直し、二番、事業の区域と利用者の範囲の見直し、三番、経営責任体制の強化等、これが主な内容となっているわけですが、これらは、よくよく考えてみるとここ数年になって初めて課題となった事項ではないわけであります。例えば、購買事業と金融事業を生協が兼業することに対しては、契約者である組合員保護の観点からは問題があるのではないかとの質問は、何と昭和二十四年の衆議院厚生委員会、大蔵委員会の連合審査などで既に行われているところであります。
 大臣、五十九年間、実質的な見直しあるいは抜本改正が行われなかったのはどのような理由があったのでしょうか。率直にお答えください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 相互扶助組織としての生協の特性にかんがみまして、その都度行政通知等によって運用を見直していくということが可能なというか、そういうことを許容する側面がこの制度にあったのではないかと、このように思いまして、そういうことを通じて適正な事業の実施を図ってきたということが主たる実務的な理由かと思います。加えまして、若干、私には政治的な背景もあったのではないかと、率直にそのように思います。
 いずれにいたしましても、しかしながら近年、事業規模の拡大に伴い透明性が求められる、あるいは信頼の向上が求められるというようなことで、基本的に法定主義というか、法律で律していくということが適当だという、そういう、この生協制度をめぐっても国民意識の変化というものがあるというふうに思います。そして、それと並行してですが、平成七年以降、保険業法で契約者保護の見直しが行われまして、そういうことに触発されて農協法、中小企業等協同組合法におきましても同様の法改正がなされたということによりまして、今回私ども、生協法につきましても必要な対応を法律改正によって行うと、こういう機運が熟成されたと、こういうことで今回お願いをしているものでございます。
○津田弥太郎君 先ほど指摘しましたように、今回の法改正は、厚生労働省に設置をされた生協制度見直し検討会の議論を経て取りまとめられました報告書「生協制度の見直しについて」というのがベースになっているわけであります。この検討会には当事者の代表あるいは有識者も加わり、大変に熱心な議論が行われたというふうに承知をいたしておりまして、本法案に対しては賛成の立場で、先ほど来我が会派もそれぞれの観点で質問をいたしました。私も同じ立場で質問をしているわけでございます。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいんですが、この生活協同組合を取り巻く社会環境の変化というふうに先ほどもおっしゃいました。これを踏まえた法改正という意味では、今回の法改正にもうあらゆるものを本当に漏れなく盛り込むことができたのでしょうか。先ほど、午前中の森委員の質問の中にもありました、残したものはないのかという質問があったわけでありますが、仮に積み残しがあるとするならば、近い将来の生協法改正はどのような環境変化を踏まえ、どのような事項が予想されているのか。パーフェクトだと、間違いないというふうにおっしゃるのか、どちらでもいいですから、どうぞ。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の法改正は、正に委員が御指摘のように、生協制度見直し検討会におきまして九回にわたって審議を行った上で提出をさしていただいているものでございます。この検討会でございますけれども、企業論、保険業法の専門家、あるいはマスコミ関係者、類似の協同組合である農協関係者というような方のほか、もちろん生協関係者に委員として参加していただきまして、このような多角的な観点からの御議論を行っていただいております。
 したがいまして、また検討の過程におきましては、関係の団体であるところの生保協会あるいは損保協会、商工会議所などからのヒアリングも行うと同時に、途中、中間取りまとめの段階でパブリックコメントに付しておりまして、このような過程を通じまして各界からの意見を募集をして、それらの意見を反映した報告書が取りまとめられました。
 このように、今回の見直しのプロセスを考えてみますと、現段階では最善のものとなっているものと認識をいたしております。
○津田弥太郎君 久しぶりに大臣の自信を持った最善のものであるという、ここ一、二か月ずっと非常に伏し目がちな感じが続いてきたわけでありますが、自信を持ってすべて盛り込んだと。五年の見直し規定があると、そういう面ではパーフェクトだというお答えでありますので、将来予見不可能な環境変化が生じた場合に適宜法改正を行うことは当然でありますし、五年後の見直し規定も置かれているわけですが、そのような特段の状況が生じない限りは、ここからが大事なんです、今回の改正案も前回同様に五十九年間抜本改正を必要としないほどの、そのくらいの自信のある内容であるということを、久々ですから、もう一度自信を持って、大臣、おっしゃってください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 五年の見直し規定も置かれているわけでございまして、私どもとしては現在段階におきましては最善というふうに考えておりますが、率直に言って、この時代の変化というものは今までとはテンポが違うようにも思いますので、その意味での私は将来の担当者を縛るようなことはやはり差し控えたいと、このように率直に思います。
 先ほど、担当の局長からもお話を申し上げましたように、今回の改正法の定着というものを目指していくと、こういうことでございまして、ここに私どもは注力をしていきたいと、さしずめそういうふうに思っているわけでございます。
○津田弥太郎君 もっと自信を込めて言っていただいていいと思うんですが。
 それでは、先ほど島田委員もちょっとお聞きをした県境問題、県の境ですね、この問題について具体的にお聞きをしていきたいと思います。
 この生協は消費生活協同組合法に基づく協同組合であり、購買事業を始め利用事業、それから共済事業などの各種事業を組合員の期待にこたえて行っておるという形になっております。そもそも生協の定義というのは、この法二条一項一号にあるように、一定の地域又は職域による人と人との結合というふうになっておりまして、前者は地域生協、後者は職域生協というそれぞれの形で発展を続けてまいったわけであります。この地域の問題に関してお尋ねをしたいというふうに思うんです。
 これまで生活協同組合は同一県内のみを購買事業の区域として限定しておりましたが、近年、道路整備やモータリゼーションの進展により、県境を越えた、県の境を越えた店舗利用のニーズが生じていること、あるいは店舗等の購買事業の効率的な展開は必ずしも県境と一致してないことなどから、組合員の立場からも同一県内に限定せずに事業の区域を広げてほしいとの要望がなされてきたわけであります。この県境問題については、今回の法改正により隣接県まで事業区域の設定が可能となったということは評価をしたいというふうに思います。
 そこでお尋ねをするわけですが、この隣接県の概念というのはそもそもどのようなものなのでしょう。法案には隣接都府県と書かれております。北海道については隣接県は認められない。先ほど島田委員もおっしゃいましたけれども、沖縄県については海を隔ててもというような話がございました。一定程度隣接という概念を持てるんではないかというような話をされましたが、局長、いかがでしょう。
○政府参考人(中村秀一君) この第五条の区域の問題でございますが、生協法ができて以来、環境も変わっている、また生協の事業の形態も変わってきたと。こういう中で、県境問題、隣の県の人はその店舗を利用できないというような問題もあると。こういうことから、地域による人と人との結合という生協の基本的な性格の中で、隣接県まで事業範囲として区域を設定できるようにしたらどうかということで御提案をさしていただいているところでございます。
 したがいまして、基本的にはその県境で形式的に利用できないのが具合が悪いと、こういう概念でございますので、通常はその隣接といった場合に、生活圏を形成できるということが基本になる、あるいはその店舗なり配送の事業が実際的にスムースに行われる隣接県ということでございますので、余りに隔絶している場合はそういうことではないということで隣接都府県という規定を置いているところでございます。
 したがいまして、例えば瀬戸内海で離れている場合はどうかとか、何とか灘で離れている場合はどうとか、離島の場合はどうとか、いろいろ話が出る可能性はあるわけですが、基本的には、そういった形で生活圏域が形成できるつながりということで判断をしてまいりたいというふうに考えております。
 そこで、先ほど御答弁申し上げました沖縄の場合はやや、実態を私存じ上げない点もあってあるいは例外があるかもしれませんが、やや隔絶の度合いが大きいのではないかと、そういうふうに思いながら条文は作成さしていただきましたが、いずれにいたしましても、事業されようとされる生協さんの方の定款の認可のレベルの話になりますので、その際、迷う点がありましたらよく御相談しながら、いずれにしてもその御利用される組合員のための措置でございますので、まずその点を念頭に置いて判断さしていただきたいと考えております。
○津田弥太郎君 そこで、この隣接県まで事業の区域を設定をした場合に、それが一つの地方厚生局内であるならば、所管行政庁についてはこれまでの都道府県知事から地方厚生局長に変更されるわけですが、例えば圧倒的に、九九%近く事業活動が一つの県に偏っている場合に、従来までのような都道府県知事が所管行政庁となる可能性はあるのかどうか、あるいは地域的一体性の高い二つの県を事業区域とした場合に、都道府県知事の共管となる可能性はあるのでしょうか。そうした例外の有無についてお答え、局長。
○政府参考人(中村秀一君) 所管行政庁といたしまして国と地方厚生局、それから都道府県がございます。いずれにしても、重複があったりあるいは抜けがあったりしてはいけない場合でございますので、基本的には地域、職域が都道府県の区域を越えるものについては厚生労働大臣、その中で、厚生労働大臣の中でブロック単位で考えられる場合には地方厚生局と、こういうふうに考えております。
 その他の組合については都道府県知事ということでございますので、二つの県で両知事さんが親しくということもあるかもしれませんけれども、行政的な、行政庁の管轄の整理といたしましては、ただいま申し上げましたように、二つの県をまたがる場合には厚生労働大臣で、厚生労働大臣の下で地方厚生局が担当するか本省が担当するかについてはブロック単位ということで考えさしていただきたいと思っております。
○津田弥太郎君 分かりました。
 そうすると、この地方厚生局はこれまでも地域生協の連合会あるいは職域生協などにおいて一定のケースにおける所管省庁となってきたことは確かです。しかし、現時点では、単位生協の実情を含め、当該分野におけるスキルなど若干の不安を持っております。今回の法改正によりまして地方厚生局の役割は極めて高くなるということを踏まえるならば、組合員、関係団体の期待に万全にこたえられるように、厚生労働省として、当該分野にかかわる職員に対し、職務能力の向上に万全を期していただかなければならぬというふうに考えるんですが、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 地方厚生局に限らず、私どもの本省の行政につきましても関係団体の方々から様々な意味で御要望をいただいております。事務処理の迅速性の問題でございますとか、そういったことはございます。
 地方厚生局の仕事も増えますので、そういった点について、委員御指摘のとおり、私どもも努力してまいる必要があると思っております。二つの点で努力が必要かと思っております。一つは、検査や監督方法につきましてより適切なものにしていく努力と、それから、やはりそういうことを行うにはマンパワーも必要でございますので、そういった意味で、できる限り体制の整備ということも各方面にお願いもしていかなければならないと思っておりますし、我々自らも努力する必要があると考えております。
○津田弥太郎君 しっかりやっていただきたいと思います。
 次に、今度は職域の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 職域生協の組合員となれる範囲については、法律上は第十四条において、一定の職域内に勤務する者のうちで定款で定められるということになっております。そこでお尋ねをするわけですが、これまで職域生協について厚労省で法律の条文以上に詳細な概念を規定しているのでしょうか。局長、お答えください。
○政府参考人(中村秀一君) 簡潔にお答え申し上げますと、職域生協につきましては、条文上、今委員が御指摘あったところでございますが、通達におきまして示しております。
 一つは、例としては、同一工場内で働く労働者から成る生協がございます。つまり同一職場をその職域とするもの。二つ目は、全国同一グループ企業で働く方から成る生協でございまして、職場はそういった意味で地理的に同一ではございませんけれども、同一グループ企業というようなことであるケース。それから、同一職種にしてかつ同一系統でない職場、例えば全国の教職員の方から成る生協がございます。そういったものはいずれも職域生協である旨を示しているところでございます。
○津田弥太郎君 そうしますと、厚生労働省として、職域組合の組合員資格、この組合員資格に関し、これまで例えば正規とか非正規、こういう雇用形態で制限を加えた事実はないという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 職域生協の組合員資格について雇用形態により制限するというような規定もございませんし、また私どもそのような指導を行ってはおりません。そういうことはございません。
○津田弥太郎君 分かりました。
 今回の法改正におきまして、職域部分に関しては二つの改正が行われております。一つは、定年退職者について共助の仕組みの拡充という観点から職域組合の組合員資格を認めるものであり、もう一つは、これまで法第十四条三項、すなわち職域の付近に住所を有する者という条項を用いて、昭和二十七年八月二十六日の佐賀県知事あて厚生省社会局長通知を基に認められておりました大学生協への学生組合員の加入を法文に明記したことであります。これらは、人と人との結合体である生協の本旨に照らした場合、いずれも評価ができる改正だというふうに考えます。
 この二点以外について今回は職域の定義にかかわる実質的な改正は行われておらず、その意味では、引き続き職域の具体的な範囲については当該生協の自治を重視して定款により定めていくことが相互扶助組織としての生協の姿としては望ましいというふうに考えておるわけですが、そうした理解について厚生労働省としての見解をお伺いいたします。
○政府参考人(中村秀一君) 今回の職域関係の改正点につきまして委員からむしろ御紹介をいただいたわけでございますが、それ以外についてのこの職域という観点からの範囲の見直しはございません。職域生協の組合員資格の具体的な範囲につきましては従前から組合ごとに定款で定めることが法律で規定されておりまして、相互扶助組織、また国民の自発的な生活協同組織と、こういう生協の本旨を踏まえて、引き続き定款により定めることといたしております。
○津田弥太郎君 分かりました。
 さて、大臣にお伺いをしたいんですが、今回のこの法改正に当たりまして、この検討会報告段階で、生協外部の者による監視機能の強化のための措置ということで、一定範囲内での行政庁の関与も必要であるとの文言が盛り込まれております。最終的な法案にも行政庁による解散命令の強化ということが盛り込まれ、加えて行政庁による役員解任命令の新設なども盛り込まれることとなったわけであります。これらは、生協の経営、責任体制の強化という観点から一定程度是認されるべきだというふうに考えます。
 そこまではいいんですが、そうではありますが、一方で、これらの条項は当事者としての生協にとっては死活問題につながりかねない事項でありまして、場合によっては監督官庁である厚生労働省とのきずなを可能な限り強めたい、具体的には天下りについても受け入れてみたらどうだろうか、よくあるケースなんですね、こういう気持ちにさせることも極めてあり得ることになるわけで、可能性があるわけであります。
 これは、厚生労働省としてもそのようなことを意図してこうした条項を設けたわけではないというふうに考えるわけですが、この法律が今回施行されて、例えば十年たったとき、結果として極めて多くの厚生労働官僚がこの法律の関係団体に天下りをしていたということは、これはあってはならないと思うんですが、厚労省の事務方あるいは関係団体側の意識の徹底を私は大臣にしっかりお願いをしたいというふうに思うわけですが、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の法改正によりましてガバナンスの強化を図ったということは御指摘のとおりでございます。その一環として、組合の解散命令であるとか、あるいは役員の解任命令というようなものについても規定をしっかりいたした次第でございます。
 そのほかにも、実は、先ほど委員もちょっとお漏らしになられたとおり、スキル不足というようなこともやや、共済事業等では専門的な知識というものも必要になってまいりますので、そういうことについても、先ほど局長から御答弁申し上げましたように、この法律の施行に当たって、我々は念頭に置いてそれに配慮していくと、こういうことでございます。
 それからまた、透明性という意味では、員外監事だとか外部監査を導入しているというようなことでございますが、それに加えて、今言ったようなガバナンスのための行政の権限というものも明定をした次第でございます。
 しからば、そういったことを背景に、厚生労働省職員の天下りと申しますか再就職ということを権限を背景として行うようなことがあってはならないということは私として当然のことであると、このように考えておりまして、この点については目下、公務員制度改革の中でも非常にいろいろ立法のための準備作業も一番最後の段階に至っているかと思っておりますが、いずれにしても、この公務員制度改革の趣旨にのっとりまして適切に対応していくという所存でございます。
 一つ蛇足を申し上げますと、今度は役員の中に外部の、員外の人を登用する枠も広げておりまして、そういうようなことで、委員は関係団体というようなことをおっしゃりましたが、関係団体で実はスキルを蓄積した人のノウハウを単協で活用させていただくと、単位の生協で活用させていただくというようなことはこれはいろんな場合にあり得ることでございまして、役所ということではなくて、非常に全国の、全国規模の連合会でスキルを蓄積した人のノウハウを単位の生協が活用するということは十分あり得るわけですので、そういうようなことは総合的に戦力アップというか、スキルアップということの中で私どもはしっかり対応していきたいと、このように思っておりますことも付け加えさせていただきます。
○津田弥太郎君 その蛇足以降の話というのは蛇足ですね、あくまでも。そういうふうにお聞きをしておきたいというふうに思います。
 最後の質問であります。
 私の出身母体の仲間で製造業の、働いている労働者はたくさんいるわけですが、一定の比率で、ふとしたことがきっかけで多重債務に陥るということは間々あるわけであります。そうした方々の生活を守っていく観点から、昨年の百六十五回臨時国会におきまして、委員会は異なるわけでありますが、グレーゾーン金利の撤廃に向けて貸金業法改正に私は党内で努力をしてきた経緯がございます。
 現在、日本生活協同組合連合会がホームページ上で生協法改正への要望というものを掲載をいたしておりますが、そこにおいては、多重債務者の支援に取り組むためにも組合員への貸付けや信用供与についての規定の創設が必要ですというふうに記されております。
 私は、この生活協同組合が低利融資、無担保融資、連帯保証人を付さない融資などを積極的に行っていただくことによって一般の勤労者が高利のサラ金に頼らなくて済むようになる、そうしたことは、結果として多重債務者を生み出すことを未然に防止をするという意味で極めて大きな意味を持つことになるのではないかというふうに考えるわけですが、柳澤大臣としては、この法改正後において、こうした観点における生活協同組合の貸付けということについてどのような期待を持っておられるのか。あくまでも期待ということで結構ですが、厚生労働大臣柳澤伯夫として御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 貸金業法の改正によりまして設置されました政府の多重債務者対策本部の有識者会議の場におきましても、多重債務者のための貸付事業を実施し効果を上げている生協の事例が実は優良事例として取り上げられているところでございます。
 一般的に貸付事業を実施するためには相当程度の財産的基礎を必要とすると考えられますけれども、厚生労働省としては、生協が地方自治体と連携することによって多重債務者支援のための貸付けを行うことは好ましいと考えておりまして、今後そのような取組が、今先駆的に岩手県の消費者信用生活協同組合で行われているということでございますけれども、しっかりした準備の下でそのような取組が更に多方面と申しますか多くのところで推進されているということを期待いたしたいと、このように思います。
○津田弥太郎君 五十九年ぶりの改正ということで、しかしまあ自信を持ってというふうに大臣はおっしゃいました。是非、そうはいっても、世の中はどういうふうに変わっていくか分からないということでありますので、きちんとウオッチをしながら、見直しという規定もございますので、この法律が現場にしっかり根差していくよう進めていかれることを念じて、私の質問を終わります。
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。よろしくお願いいたします。
 本日は、まず初めに、生協とはそもそもどのような組織なのかということをいま一度お伺いをさせていただきたいと思います。
 生協は、先ほど来からございますけれども、昭和二十三年に創設され、その当時は町内会組織などを中心とした地域生協や小規模の職域生協がそのほとんどであったということを伺っております。その後、地域経済の発展とともに生協の組合数や組合員数も増加して、今や組合数は一千組合を超えて、組合員数は六千万人弱となっております。また、各生協の規模を見ましても、組合員数が一千人を下回るような小さな規模の生協から五十万人を超えるような大きな生協まで、多様な生協が存在していることも事実でございます。
 一方、生協の行う事業は、かつて食料品や日用品等の確保や共同購入を中心に行ってまいりましたけれども、現在は火災共済、生命共済など各種共済の事業や医療事業、介護保険事業など、幅広く事業を行っております。また、生協の組合員による自主的な活動として、先ほど来もございました高齢者を対象とした食事会や配食のサービス、子育て支援活動なども実施をされているところでございます。
 消費者の生活のあらゆる場面で生協の取組を目にすることができますけれども、このように一口に生協と申し上げても規模や事業内容などが異なる多種多様な生協がたくさん存在しており、それぞれが地域における消費者の日々の生活に貢献していることと考えておりますけれども、そこでまず、この生協とはどういった組織なのか、その基本的性格や特徴についてどのように考えればいいか、いま一度御説明をいただければと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 生協につきましては、「国民の自発的な生活協同組織の発達を図り、もつて国民生活の安定と生活文化の向上を期することを目的とする。」と消費生活協同組合法の第一条に規定されております。
 法的性格は先ほども議論がありましたけれども、一つの単位協同組合と連合会から成っておりまして、双方法人になっております。また、生協の基準、組合の基準と原則がございまして、法人は組合員となることができず、一定の地域又は職域による人と人との結合であり、相互扶助組織というふうに位置付けられております。このため、組合員の生活の文化的、経済的改善向上のみを目的とすることということが法律上定められておりまして、生協といたしましては組合員への最大奉仕をしなければならない、また営利を目的としてはならないとか員外利用は例外を除いて禁止されている、また特定の政党のために利用してはならないなど、組合が運営上守るべき原則も決められております。
 また、加入、脱退の自由、また議決権、選挙権は出資口数にかかわらず一人一票制というようなこと、剰余金は原則として利用分量により割り戻すということで、出資額によって割り戻すことは非常に限度が定められておりまして限定的にされているというようなのが生協の基本的な性格でございます。
 事業の種類等につきましては委員からお話がございました。規模につきましては、小売総売り掛けに占める割合が二%前後、介護保険サービスの割合が費用額に占める割合が二%、それから、共済事業につきましても共済掛金額で三%、契約件数で一一%など、こういう非営利の自発的な組織でありますが、一面において相当規模の経済的な事業体としての実態もあるということで、一般の消費者の方が出資、利用、運営参加しているところに特徴があると、このように認識いたしております。
○浮島とも子君 今回、制度創設以後の生協を取り巻く環境の変化を踏まえて、事業の健全性を確保し組合員の保護を図る観点から各種見直しを行うこととされておりますけれども、そこでまず、今回、組織運営の規定の見直しを行うこととされておりますが、どういった考え方で見直しを行うこととされたのでしょうか。その趣旨をお伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 先ほど来御指摘がございましたように、現在の消費生活協同組合法は、制定された時期が昭和二十三年ということでございますので、現在の様々な法令と比較いたしますと、理事会や代表理事などの生協の内部組織に関する規定が法定されておらなかったり、組合員の意思の反映するツールがなかったり、また生協を外部から監視するための制度が十分整備されていないと、こういう点がございました。
 このため、今回改正では、生協における事業の健全性を確保するとともに組合員の保護を図る観点から経営責任体制の強化を図ることとしているわけでございますが、具体的には、今申し上げました理事会、代表理事に係る規定など、言わば生協の機関に関する規定を整備する、また、機関相互の関係の規定も整備することといたしております。
 また、組合員の意思の反映をするために様々な規定を整備いたしておりますが、例えば、総会決議取消しの訴え等、組合員の訴訟の規定の新設もいたしております。また、これは小規模の事業体もあることから、すべてというわけではございませんが、一定規模以上の組合につきましては、例えば組合員など、組合内部の者以外から監査を行う監事の選出を義務付けるいわゆる員外監事設置義務付けなど、そういった規定の整備をし、生協の適正な業務執行ができる、またそういうことを任せられる生協になるよう法令上も規定の整備をさせていただいております。
○浮島とも子君 先ほどの御答弁の中にも、生協は組合員による相互扶助組織だとの御説明がありました。生協は、組合員の生活の文化的そして経済的改善向上を図ることを目的とした組織であることだと思いますけれども、そうなると、これら組合の目的を達成するためにも組合員の意思が組合運営に適切に反映される仕組みとなっていることが重要ではないかと考えているところでございます。
 その一方で、生協は制度創設以後この事業規模を拡大させ、組合員を多く抱える生協も多く存在しておりますけれども、こうした生協は時として組合員同士の顔が見えにくくなるおそれがあります。また、その規模ゆえ組合員の意思が反映されにくくなるということもおそれがあるのではないかと思っているところでございます。
 そこでお伺いをさせていただきたいんですけれども、現在、生協の運営に対して組合員の意思はどのように反映される仕組みとなっているのでしょうか。また、今回の改正において組合員の意思が適切に反映されるようにするためにどのような見直しが行われるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○副大臣(石田祝稔君) 現在の生協の組織運営に当たりましては、総会が組合員で構成される生協の最高意思決定機関として位置付けられておりまして、組合員が一人一票を保有する議決権及び選挙権を持って組合員の意思を生協の組織運営や事業実施に反映させる役割を担っているところであります。
 今回の改正では、組合員の意思が反映される生協運営を強化するため、総会や組合員等に関する規定を見直すことといたしておりまして、具体的には、役員の選任や選出方法に関する規定を整備する、二つ目には、組合員が組合の運営に対し適切に権利を行使できるようにするため、組合員による総会決議取消しの訴え等に関する規定、組合員訴訟を設ける、そして三つ目には、総会の招集手続や議決事項について規定を整備するなどの見直しを行い、生協の適正な業務執行を確保することといたしております。
○浮島とも子君 それでは次に、員外監事の設置の義務付けについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 この事業運営の規律強化のために組合員以外の方による経営への関与を強化するとのことでございましたけれども、生協外部の専門家等第三者の立場から経営等に意見を述べていただくことは非常に重要であると考えております。理事については、これまで組合員でない理事がその定数の五分の一までとされておりましたが、今回の改正により三分の一までと緩和され、また監事については、これまで組合員に限られておりましたけれども、組合員以外の監事も認めるということでございます。これにより、生協は自主的に外部の経営の専門家や有識者を役員に迎えることも可能になり、生協の運営の健全性、透明性を高めることができるものと私は考えております。
 しかし、その一方で、生協は組合員による相互扶助組織でもあり、株式会社であれば出資が株主、運営は取締役、そして利用は一般消費者となっているのに対し、生協は、先ほどもございましたけれども、組合員自らが出資、運営、そして利用を行うということに特徴があるものと理解をしております。
 こうした中、今回の改正においては一部の組合については組合員以外の監事の設置を義務付けることとされておりますけれども、それはどういった考え方によるものなのでしょうか。また、設置が義務付けられる組合の範囲はどのようにお考えなのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 委員からもお話ございましたように、生協に対して外部監視機能を強化し、客観的、第三者的な立場から業務執行の是非について意見を述べていただく、そういった方を置けるということは非常に生協の業務の健全性の確保のために役立つのではないかと思っております。
 生協は組合員の相互扶助組織でありまして、組合員自らがその運営にも当たり、参加するということで特色があるわけでございますが、その一方で、組合員としての立場と、言わば経営、業務と対立する立場とが相反する場合が想定される面もございます。したがいまして、そういった意味で、組合員でない監事をお願いして、客観的な判断をしていただく必要があるのではないか。また、事業規模が大きくなりますと、その事業について債権者等関係者の方も増えると、生協外部との人の取引も大きくなるわけでございますので、より透明性の高い公正な経営監視体制が求められる。こういった考え方から員外監事の設置を義務付けることといたしております。
 対象となる組合の具体的な範囲につきましては、現在の生協の事業規模や他法の規定等を踏まえて政令で定めてまいりたいと考えておりますが、現在考えております案といたしましては、負債総額が二百億円を超える規模の連合会、単位組合を想定しているところでございます。
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 今回の改正において、この外部の方に対する経営の透明性を確保する観点からということで、組合経営の情報等の開示が行われるということを伺っております。そこで、定款、規約や決算関係書類等各種の経営に関する情報の作成、そして備付け義務規定やまた会員等による閲覧の請求等にかかわる規定が整備されたところでございます。
 その中で、今回の改正では、組合員名簿についてもその作成や備付け、閲覧に関する規定が整備をされております。組合員名簿には組合員の氏名、住所を記載しなければならないとされておりますけれども、その一方で、組合員や債権者はその閲覧の請求をすることが認められております。
 組合員名簿の閲覧を広く認めることとした場合、個人情報保護法との関係で問題があるのではないかと考えますけれども、この点については何らかの配慮が行われているのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 御指摘のとおり、組合員名簿の閲覧も認められております。
 一つは、会社法や他の協同組合法でもそういう取扱いになっております。必要性といたしましては、例えば組合員が総会の招集や役員解任の請求を行うときに総組合員の一定割合以上の同意が必要になります。こういったことで動議出す場合には、働き掛けをするためにも、組合員名簿の閲覧請求を認めないとした場合にこういったことができないということもあり、これまでも組合員や組合の債権者が組合員の名簿は閲覧ができることとされていたところでございます。
 しかし、御指摘のとおり、組合員名簿には組合員の個人情報が含まれておりますので、正当な理由がなく閲覧認めることは個人情報保護の観点からも慎重な取扱いが必要であるというふうに考えております。閲覧の請求に関しては、正当な理由がなければこれを拒んでならないと、こういう規定は設けられておりますが、逆に申し上げますと正当な理由がある場合は組合は閲覧を拒否できると、こういうことでございますので、個人情報を保護する観点から、組合の方についても、この組合員名簿の閲覧についてはそういう観点からきちんと対応をしていただきたいと考えております。
○浮島とも子君 個人情報の保護に関連してまたお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、組合員による相互扶助の組織である以上、生協は組合員に関する個人情報を数多く有しており、組合としてもその適切な管理がとても重要で必要だと考えているところでございます。個人情報保護法により、現在、官民問わず個人情報の取扱いについては細心の注意が払われているところでもございます。特に生協は組織の数も多く、単一組織だけではなくて連合会、そして事業連合等様々な組織があり、さらに多様な事業を展開しているために組合員の個人情報がいろいろな局面で利用されていることとも思います。
 個人情報保護の取組としては、例えば日本生協連ではホームページで個人情報保護基本方針を公開しておりますし、各個別組合も個人情報の取扱いについて基本方針等を定めているようでもございます。しかし、生協が多様な事業を展開している現状を考えてみますと、個人情報の利用範囲について、ともすれば不適切な取扱いがなされている可能性もあるのではないかと思っているところでございます。
 個人情報保護法では、個人情報の漏えい防止や個人情報の目的外利用の禁止等が規定をされております。これは、五千人以上の個人情報を保有する事業者等では義務規定となっておりますけれども、それ以下の事業者等では努力規定となっているところでございます。生協では、この五千人以下の組合員の生協が四四%と伺っているところでございます。つまり、個人情報保護法で規制が掛かっている生協は全体の約半数となっていることでございます。その意味で、個人情報保護法による規制だけではなくて、生協法の枠内で個人情報が目的外利用された場合に何らかの措置が必要ではないかと考えます。
 そこで、生協が組合員の方々の個人情報を利用できる範囲について、そしてこの個人情報が目的外利用をされた場合、厚生労働省としてはどのように指導をされるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 個人情報保護についてのお尋ねでございます。
 今、個人情報保護法の対象範囲なり、小規模事業者はそれから外れるということ、また生協の場合、五千人未満の事業者がかなりいるということは正に委員から御指摘のとおりだと思います。基本的には、その個人情報の保護については、個人情報保護法に規定する考え方に立ちまして、当然目的外利用の禁止、データの安全管理のための措置、第三者提供の原則禁止といったことが守られなければならないと考えております。
 生協法では、先ほど来申し上げていますとおり、生協自体、組合基準で組合員の生活の文化的、経済的改善向上を図ることのみを目的とするということ、組合はその行う事業によって組合員に最大の奉仕をするということを目的とするということで、その方向性は明確になっております。組合において、法令等を守らせるために必要がある場合は、行政庁は当該組合に対しまして報告徴収や検査を行うことができますし、検査の結果、法令に違反していると認められるときは措置命令等を講じることが可能となっております。
 もちろん、こういう、何といいますか、制度的なペナルティーに至る前に、むしろ、自主的な組織でございますので、組合員のためということを考えて当然個人情報保護に向けてきちんとするのが生協の基本的な在り方だというふうに考えておりますので、こういったことについては、今回、法改正で情報開示ということを一方で行いますので、それに併せて生協側の御理解も賜りたいと考えております。
○浮島とも子君 万が一不適切な取扱いなどが行われた場合には是非しっかりと指導していただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。
 また、先般の統一地方選挙前に、平成十九年二月七日付け、厚生労働省社会・援護局長名で都道府県知事あてに「消費生活協同組合の政治的中立の確保について」という、地方自治法第二百四十五条の四第一項の規定による技術的助言が出されております。また、同内容の文書が同日、消費生活協同組合理事長あてにも発出をされております。
 この生協法では、第二条第二項において、消費生活協同組合及び消費生活協同組合連合会は、これを特定の政党のために利用してはならないと定められております。この点から、政治的中立性の遵守は当然であります。
 そこで、個人情報保護法との関係で、生協が特定の政治団体のために組合員の個人情報を利用することは違法行為であるかどうかを確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 生協法におきまして、消費生活協同組合は、これは特定政党のために利用してはならないとされております。
 生協が組合員の個人情報をそういった意味で特定の政治団体のために利用することや、特定の政党又は候補を支援するなどの政治行為のために利用することは極めて問題があると考えております。
○浮島とも子君 生協は、本当に組合員に対して最大の奉仕をすることを目的とする非営利団体であり、多くの組合員の方々の多様な意見を踏まえて組織を運営することが健全な組織の在り方であると私は考えているところでございます。
 しかし、先ほど御指摘させていただいたように、政治的中立性については、直近の平成十九年の二月の通達だけではなくて、平成十一年三月五日付け、当時の厚生省社会・援護局地域福祉課長の通知で、「選挙に際し組合を特定の政党のために利用すると考えられる事例について」という文書が都道府県の生協主管部局長あてに出されているところでございます。
 この通知では、具体的な事例として、理事会、総会等の組合の機関において特定の政党又は候補者の支援を決定すること、機関誌、チラシその他組合が発行する印刷物によって特定の政党又は候補者の推薦等を行うこと、店舗等組合が管理する施設において特定の政党又は候補者のポスター等を掲示すること、特定の政党又は候補者の選挙運動のために組合が管理する施設、車両、備品等を提供すること、特定の政党又は候補者を直接支援することを目的とする組織に組合として参画することなどが挙げられております。
 生協は、その性格にかんがみれば、組合員による自治運営組織であり、基本的には、生協内部でのガバナンスを強化し、法令遵守、コンプライアンス体制を構築することが重要であると考えます。しかし、その上であえて意図的に生協法上禁止されている政治活動を行うのであれば、厳しく処分をしていく必要があると考えています。
 そこで、生協における政治的中立性の確保について、そして違反するような団体への指導、処分について、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま委員が御指摘になられたように、生協法二条二項におきましては、消費生活協同組合及びその連合会は特定の政党のために利用してはならないという規定が盛り込まれているところでございます。
 厚生労働省としては、このような趣旨を踏まえまして、生協の政治的中立の確保のために、今御指摘になられるように、あらゆる機会を通じましてその趣旨の徹底を図っているわけでございます。
 仮に具体的な政治的中立違反が明らかになった場合には、これまでも行政庁として指導を行ってきておりまして、さらに、改善がなされない場合には生協法の規定に基づきまして報告徴収や検査を行い、その結果、法令に違反していると認められる場合には措置命令等を講じることが可能となっておりますので、このような法規範に基づきまして適切な対処をしてまいりたいと、このように考えております。
○浮島とも子君 生協法上禁止されている政治活動は断じて許してはならないと私は考えております。しっかりとした指導、そして監督を強く要望いたします。
 今回の法改正は、正に生協法の抜本改正ということで多岐にわたる見直しが行われておりますけれども、組織・運営規定の見直しについても多岐にわたる見直しが行われているところでございます。こうした見直しが、大規模な生協のみならずに地方の小さな生協についても適切に実施されていくことが重要であると考えています。
 厚生労働省には、今回の見直しが円滑に施行されるよう積極的な取組をお願いしたいと考えておりますけれども、どのように取り組まれていくのか、お伺いをさせていただきたいのとともに、また、生協が、組合員へのサービスを優先しつつ福祉活動等を通じて様々な社会的問題に取り組んでいるという点では積極的に評価すべきだと考えます。その上で、改善すべき点は改善をし、今回の法改正を通してより良い方向へ改善すべきだと思いますし、また最後に、今後の生協のあるべき姿と未来の生協像のようなものがございましたら、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、今御指摘のように、今回の法改正というのは非常に長きにわたって改正がなかった際の大改正でございます。そういう意味では、実施に当たって私どもとしても大きい配慮をしていかなければならないと、このように思っております。
 具体的にどうするかということにつきましては、他の協同組合法の状況であるとか、事業内容が多様である生協の実態を踏まえまして、まず模範の定款例を作成すると、それからまた生協における会計基準も作成するなど、都道府県の担当者の会議などを通じまして改正内容の周知徹底を図ってまいりたいと、このように考えております。
 その上で、生協の将来ビジョンというものについてどう考えるかということでございますけれども、今も御指摘がありましたように、生協というものは、これから先も非常にこれに期待する、そういう社会情勢というものは容易に予想をされるわけでございます。高齢化であるとか、あるいは働く女性が増加するとか、さらには商業や流通の在り方も変わるとか、さらに消費者の安全、安心を求める意識が高まるとか、そういうようなことが予想されますので、そういうような中で、これからの生協は相互扶助組織として大いに期待をされると、このように考えております。
 そういう期待にこたえてどうしていくかということですけれども、やはり組合員の内発的ないろいろなニーズを酌み取っていく、そしてそれに対してきめ細かに対応していくということがまず基本であろうと、このように思っております。
 生協の使命である消費者の生活改善、向上というものがそういった対応を通じまして達成されていくことを私ども強く期待をいたしているところでございます。
○浮島とも子君 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 消費生活協同組合法の一九四八年の成立以来、およそ六十年ぶりの改正で、必要な改正であり、賛成の立場で質問したいと思います。
 生協は、戦後、食料を始め生活物資の供給を中心とする事業から出発をして発展しております。行っている事業も購買事業だけではなくて、医療福祉事業、共済事業、生活文化事業など、様々な事業を展開されています。
 大臣、最初に、今日まで生協が日本の社会全体に果たしてきたような役割を大きくどのように認識し評価されているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生協は、昭和二十三年、戦争が終わりまして間もなくに創設をされました。そして、今日では延べ五千九百十五万人の組合員を擁している大きな組織になっております。そして、今委員からも御指摘がありましたように、生協が行っている購買事業、共済事業あるいは高齢者への福祉に関する事業など、非常に地域住民あるいは職域の組合員の期待にこたえているというふうに考えております。
 特に、近年、地域における組合員の自主的活動として、家事援助、子育て支援等の活動が行われておりますし、また食の安全や環境に配慮した商品の開発、あるいは産地直結の流通を確保するというような、そういう運動もございましたし、さらにレジ袋を有料化してその削減を図るマイバッグ運動等の環境に配慮した活動も行われているということで、日本社会のいろんな面でそうした先駆的な取組が進められてきたと、このように評価をいたしております。その活動は国民生活の向上に大きな貢献をしてきたものと考えております。
○小池晃君 具体的な中身をお聞きしたいと思うんですが、現行の県域規制については、先ほどからも御議論あるんですが、一つの生協が県を越えて事業活動を行うことを禁止しています。組合員が県境を越えて生協の店舗を利用する場合に、例えば通勤先で、自宅と通勤先が県が違うなんてこれは幾らでもあるわけで、今は二つの生協に加入しなければならないと。で、緩和してほしいという要望もございます。
 私たちは、日本生協連が掲げているような、地域とともに支え合いながら前進する組織が生協なんだと。この精神は、地域に密着した生協という考え方は非常に大事だというふうに思っております。同時に、法制定時から六十年を経て、当時は予想もできなかったほど多くの方々が県をまたいで生活をしている中で、見直しも必要であるというふうに考えます。
 ところで、本改正の県域規制の見直しが購買事業に限定されている、この理由について御説明ください。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 今、県域規制を見直す理由につきましては、委員からお話があったとおり、人々の生活圏域が様々な意味で拡大していること、県境問題が発生しているというようなことでございます。
 県境問題は店舗等の購買事業に係るものが多いということでございまして、生協制度見直し検討会で議論いたしましたときも、購買事業の実施のために、この問題について議論がありましたことから、購買事業の実施のために必要と認められる場合に隣接県域までの区域の設定を可能といたしたところでございます。
○小池晃君 生活圏の拡大とか都市の広域化といった事情は、これは医療福祉事業にとっても同様だと思うんです。医療事業を行う生協のない府県もあることを考慮すれば、やはりその県域規制の緩和を購買事業だけに限定する理由はないと思うんですね。医療福祉事業にも適用されるべきではないだろうか。
 さらに、医療生協の組合員活動は、単に利用する、医療、病院や介護施設を利用するだけではなくて、健康づくり、助け合い活動が中心になってきております。この点からも県域にとらわれるものではない。これは、もう今後の検討課題として指摘だけしておきたいというふうに考えます。
 それから、引き続いて、重なる部分も若干あるんですが、お聞きをしていきたいと思うんですけれども、員外利用についてです。
 従来、医療事業を行う場合や介護保険等による事業者指定を受ける場合に、これは事前に員外利用許可を受けるということが必要だったと思いますが、これは確認したいんですが、今後はそういう許可を受ける手続は必要なくなるということですね。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 これまでは法律では員外利用が禁止され、それの例外につきまして行政通達などで対応していたと、こういうこともございます。今回、員外利用の議論においては、例外として認める場合もきちんと法定化し、透明性を高めてきちんとやろうと、こういうことでございます。したがいまして、法律できちんと要件が規定されておりますので、例えば医療福祉事業等について行政庁の許可と、そういったことは不要になっております。
 ただ、行政庁の判断が必要とされますのは、中小小売事業者の、小売業者の事業活動に影響する可能性がある場合は行政庁の許可を要するという規定になっておるところでございまして、そのような条項につきましては行政庁の許可が必要とされるということで、具体的に申し上げますと、山間へき地、離島等における物資の提供がその可能性がありますので、その際は行政庁の許可を要することと条文上されております。
○小池晃君 先ほども御議論あったんですが、災害時の緊急物資の提供は、これは制限なく員外利用が認められている一方で、医療、福祉については、今の御議論であったように行政庁の許可は要しませんが、現行は上限なしであるにもかかわらず、今度の改正では員外利用は組合員の利用分量の額の同量以内までというふうにされています。これ、先ほども議論あったんで確認だけなんですが、医師法では診療応需義務があると、これは医師法が優先するということでよろしいんですね。
○政府参考人(中村秀一君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、医師法の求めておりますこと、これは緊急性の問題であろうというふうに考えますし、私どもが申し上げております員外利用の問題というのは、恒常的に、本来、組合員の方のための組織であるという基本的な考え方でございますので、員外利用も認められますけれども、できるだけ組合員ということでカバーしていただきたいという、言わば恒常的な義務でございますので、差し迫った医師法の御要請の方が優先するというふうに考えているところで、委員の御指摘のとおりでございます。
○小池晃君 医療生協などでは、組合員拡大を一生懸命やっていますからね。実態としてはほとんど問題にならないとは思うんです。しかし、医師法との関係でいえば、これは組合員でないので帰ってくれということにはこれは当然ならないわけですから、やっぱりこれは考え方としては災害時の緊急物資の提供と同様に本来制限なしとされるのが整合性という点ではいいのではないかというふうに考えております。
 それから、本改正で、医療、福祉等の事業に関する剰余金ですが、これは積立金として整理するということとして、その事業の再生産のために使用することとしています。これは今でも同様な扱いに実態としてはなっていると思うんで、そこを御説明いただきたいのと、新たに法律に書き込むということで、実務上新たに負担が増えるようなことはないのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 医療福祉事業につきまして今回とっております措置は、医療福祉事業についてはその公共性にかんがみ、また、その財源が御案内のとおり保険料や税といった公的財源に賄われているという、そういうことを考えまして、剰余につきましては医療福祉サービスの再生産に充てていただきたいと、こういうことで、今委員からお話ございましたように、医療福祉事業から生じた剰余金の割戻しについては行わないこととし、剰余金の積立金は医療福祉サービスの再生産のために用いる場合を除いて取崩ししてはならないこととされております。このことは、現在も通知において剰余金の割戻しの自粛をお願いしているところでございますが、今回改正において、この取扱いを法律上明記するということといたしたところでございます。実際そういう扱いでやっていただいていると考えておりますので、そういった意味で、委員のお言葉にあるような意味で御負担が増加するということは基本的にはないものと承知しております。
○小池晃君 それから、本改正は、これまで法定化されていなかった理事会及び理事の権限と責任に関する規定を明確にする、必要な規定を整備するというものになっております。
 例えば、一定の規模以上の生協に員外監事の設置を義務付けるということになっているわけです。経営規模の拡大に伴って、消費者を保護して、理事者の経営責任をきちんと問うものとして一定の意義があるというふうに考えます。しかし、生協という自主的組織としての性格から見て、生協の自主的判断にゆだねるべきなのではないか、義務付けというのは適切ではないのではないのかという考え方は持っております。これは指摘だけにとどめさせていただきたいというふうに思いますが、お聞きしたいのは、いずれにしても、こうした員外監事の問題あるいは区分経理の問題、員外利用の問題など、本改正によって生協にとって新たな実務上の負担が増えるようなことがないように、特に中小、弱小の生協にとってはそれが大事だと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) ただいまの点につきましては、特に医療福祉事業におきます区分経理などの問題につきましては、生協制度見直し検討会におきましても、かなり生協の当事者の方、また生協と類似の事業をされている農協の関係者の方からも御指摘があり、また実務上過大な負担にならない方式でお願いすべきであるという御指摘いただいているところでございます。そういったことも含めまして、また員外監事につきましても、事業規模が大きいまず生協に義務付けると、こういうことを考えております。
 そういった意味で、実務上の負担あるいは業務遂行上事務負担が増えると、そういったことは可能な限り避ける、そういった観点から運用を考えたいと思っております。
○小池晃君 今後様々政省令など出していくときに、是非その点についての御配慮をお願いしたいと思います。
 大臣にこの問題の最後にお聞きしたいんですが、現行の生協法というのは、これは理事会についての規定がないなど実情に合わない部分があります。本改正によって、それらを含めて整備することにはこれは意義があると思っています。員外利用の禁止についても、これは基本的な考え方としては、このことによって組合員拡大への強い動機付けになって、生協は組合員のものであるという組合員自身の自覚とメンバーシップを高める、生協の強化に貢献するという役割を果たしてきた側面もあると思うんですね。実際、お聞きすると、ヨーロッパなんかでは、県域規制と同様に員外利用などの規制はなかった、その結果、生協運動は逆に停滞してしまったという、そういう教訓もあるというふうにお聞きをしております。
 その点で、生協の事業というのは組合員の出資を募って運営されているわけで、やっぱり行政のかかわり方の問題なんですけど、私がお聞きしたいのは。やっぱり組合員が利用するということが前提だと思うんですね。
 しかし私は、自主的な組織であり、その員外利用をどうするかとか運営をどうするかも含めて、やっぱり基本的には生協自身が考えて進んでいくということが土台にあるべきだというふうに考えておりますので、私は大臣にちょっと大きく、その行政の関与の考え方について最後にお聞きしたいんですけれども、やっぱりこうした観点から、行政の関与ということについては、生協自身が自主的に自らの発展の道を模索し進んでいけるような、そういう考え方でやっぱり応援していくということがやっぱり基本に据えるべきだというふうに思うんですが、その点についてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生協が自主的な組織であるということ、それから相互扶助組織で組合員のために最大の奉仕をするというような原則ということは、非常に私は大事な原則であるというふうに考えております。
 しかし、そういう中でかなりこの生協というものが発展をしてまいりましたので、その規模に見合うようなガバナンスという経営責任体制というものをしっかりと法定をしたというのが今回の改正の趣旨でございまして、決してそれは自主的な運営を阻害しようというような意図に出るものではもとよりないわけでございます。そういうようなことで、今委員が言われるようなその自主性というものについて尊重をするようにということは、私ども全く同じ考え方でございます。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、最近の経済組織というものを考えますと、やはりいろんな意味で、ガバナンスであるとか、あるいは透明性であるとかということが要請されていると、それにこたえていかなきゃいけないと、こういうことで考えてまいった次第でございます。
○小池晃君 ありがとうございました。
 ちょっと続いて研修医の過労自殺問題について残る時間お聞きしたいんですが、日大板橋病院で臨床研修中だった女性の研修医が昨年四月に自殺をされました。過労でうつ状態ということで労災認定をされました。
 臨床研修の必修化以降、研修医の過労自殺が労災認定されたこれは初めてのケースだと報道されているんですが、基準局長、これはそういうことでよろしいですか。
○政府参考人(青木豊君) 研修医について精神障害による自殺に係る労災認定を行ったのは、新医師臨床研修制度がスタートした平成十六年四月以降初めてでございます。
○小池晃君 私、労働行政という立場で最初に基準局長にお聞きしたいんですけれども、やっぱりこの女性の場合も、労働時間多いときで週八十七時間、日当直年間七十七回あったというふうに報道されております。
 労働行政の点から見て、現在の研修医の労働実態、特に長時間労働の実態についてはどういうふうに認識されているのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) 研修医について、その労働時間に関する統計的なデータは私ども持っていませんけれども、医療保健業に対しましては、平成十七年における監督指導結果を見ますと、監督指導千七百五十九件実施いたしておりまして、何らかの労働基準関係法令違反が認められたものは千三百六十三件、違反率七七・五%でございます。
 これを違反事項別に見ますと、労働時間に関するものが八百六十五件、千三百六十三件のうちの八百六十五件、割増し賃金、これも時間外労働等に関するものでありますけれども、割増し賃金に関するものが五百六十六件、それから休日、こういったものに関するものが五十三件となっておりまして、そういう意味では、そういった違反率に、通常の全国平均の違反率に比べても高いというふうに思っております。
 いずれにしましても、労働基準監督機関としては、労働条件履行確保上問題があると考えられる事業所に対しては適切に対処していきたいというふうに思っております。
○小池晃君 医政局長の方に今度はお伺いしたいんですが、厚生科学研究などで研修医の労働実態についての調査もございます。筑波大学の前野助教授らによれば、研修医の三人に一人が八十時間以上、七人に一人は九十時間以上勤務していると。九十時間ということは休日なしで一日十三時間という計算になるわけですね。
 医政局のサイドでは、今の研修医の労働実態についてどう考えておられるのか。同時に、アメリカでは研修医の労働時間は週平均で八十時間以下とされておりますし、EUでは現在の週五十八時間から段階的に削減して二〇〇九年までに週四十八時間までに短縮するという指針も示されているようです。
 やっぱり日本ではこういう研修医の労働時間について規制は今ありやなしやということと、やっぱり何らかの時間的な物差しというのが私はあってしかるべきではないかと思うんですが、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 研修医の労働実態でございますけれども、個々の研修医についての詳細な労働実態を把握しているわけではございませんけれども、一般に、患者さんの容体によりましては時間外勤務が必要となる場合が研修医の場合はどうしてもある、あるいは、正規の勤務時間後も、研修の一環といたしまして、引き続き病院に滞在して自主的な学習やカンファレンスへの参加等を行っている場合が多いというふうに承知をしております。また、平成十八年三月に、当時の、必修化、二年間でございますが、その二年次の研修医に対して行った調査によりますると、研修医の一か月当たりの日直、当直の回数は平均で約五回という状況でございました。
 研修医の労働時間についての考え方、基準でございますけれども、臨床研修制度上は研修医の労働時間に関する定めというのは設けられておりませんけれども、一般に研修医にも労働者性が認められるということから、臨床研修病院の指定に当たりましては、研修医に対する適切な処遇を確保することを確認するとともに、指導医を対象とした講習会等におきましても、勤務時間や時間外勤務の在り方を含めまして研修医の処遇を適切なものとするよう指導しているところでございます。
 また、あらかじめ研修医の側からも労働時間等を含めた勤務条件を確認することができるように、臨床研修病院が研修医を募集するに当たりまして、労働時間や給与条件など研修医の処遇に関する事項を公表しなければならないということといたしているところでございます。
 先生御指摘の労働時間全体についての考え方、基準については、引き続き研究してまいりたいと思っております。
○小池晃君 勉強してまいりたいということなんですが、これはやっぱり一刻を争う私は話だと思うんですね。
 この女性研修医の方も、うつ状態になっていって、病院に向かう電車内で泣くこともあったと。最後は、研修に行けない日が増えてきたけれども、これ以上休んだら単位がもらえなくなるといって、それで自ら命を絶っていったという経過も報道されているんですね。
 やっぱり一般の医師も今大変ですよ。大変な長時間労働です。しかし、研修医というのは、やっぱりそういう意味では、臨床研修必修化され、ある意味では、言うことをきちっと聞いてやらなきゃいけない、指導医の指示の下で、どうしても弱い立場に置かれがちだということがあるんですね。ところが、今規定としては適切な労働条件ということしかないわけですよ。
 大臣、私やっぱり、医師全体の労働の問題もそうなんだけれども、研修医のこういう問題を解決する上で、一つは、やっぱり研修医の労働実態について、これはこういう労災認定等もあったわけですし、是非全国的な実態調査をやっていただきたいというふうに思うんです。それが一点と、それから労働時間の上限の問題について、今のように適切にというんじゃなくて、やっぱり一定の目安となるような上限規制的なものを考える時期に来ているんではないかというふうに考えるんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来、政府参考人からも答弁申し上げておりますが、まず、研修医を含めました病院勤務医の従業時間の調査につきましては、平成十七年十二月から十八年にかけて研究班の調査というものが行われております。それからまた、研修医の一か月当たりの日直、当直の回数につきましては、これは毎年三月にアンケートを通じた調査を行っているということでございまして、私どもとしても実態の把握に努めているところでございます。今後とも、そうした勤務時間等、研修医の置かれている状況についてはしっかり実態を把握してまいりたいと、このように考えます。
 その上に、研修医については、研修時間の上限を定めた指針等を示したらどうかという御提言でございますけれども、私どもといたしましては、研修医が自発的に行う研修に対してまで規制を設けるということが本当に適切なのかどうかということなど、様々な論点があるというふうに認識をいたしておりまして、そのようなことについては慎重に検討していく必要があると。
 いずれにいたしましても、厚生労働省におきましても、病院関係者等に対する講習会の機会を活用しまして、関係法令の遵守を含め、臨床研修が適切に行われるように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○小池晃君 もう少し前向きに言ってくれるかなと思ったんですけれども、やっぱり大臣は、予算委員会の総括質疑のときに、私の質問に、研究時間とか休憩時間は労働時間でないとおっしゃった、やっぱりああいう考え方が根底にあるんじゃないですか。やっぱりもっと実態を見て、やはりきちっと、こういう悲劇的な事態が起こらないように真剣に前向きに、慎重にではなくて前向きにやっぱりこれ考えていくべきだというふうに思います。これは引き続きちょっと取り上げたいと思います。
 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 六十年ぶりの生協法の改正です。社民党は、基本的に賛成の立場から、しかし是非、生協をエンカレッジする立場で施策をやってほしいという思いを込めて質問をしたいというふうに思っております。
 生協については、ちょっと個人的で済みませんが、私の母がカネミ油症の事件が起きたときに報道でびっくりして、家族のために一生懸命料理を作ってこういう被害が起きるなんて信じられないとびっくりをして、それから母親が、私が小さいときですが、地元の生協に入って、組合員をやっていました。今も実は、複数、生協に地元で入っています。粉石けん運動や、それから有機の野菜や、安心、安全な食べ物ということで、私は生協で育ててもらったというふうに思っています。
 私も大学を卒業してから地元の生協に入って、子育てをして、働いて、生協の組合員をやってきました。班活動などもとても楽しかったですし、今は政治家、議員になってちょっと余りに忙しくてできないんですが、安心な食べ物を、地域の女性たちと活動しながら、現場のというか、末端のというか、組合員としてやってきて有意義ですし、大変楽しい活動でした。ですから、是非、そのような自発的な生協活動を、是非本当に応援してほしいというふうに思います。
 また、安心な食材だけではなくて、粉石けん運動や環境をどう守っていくかという、あるいは生協によっては遺伝子組み換え食品は使わないといった運動など、非常に広範囲な社会的な活動とも結び付いています。ですから、組合員のための生協ですが、組合を超えてやはり社会のためにやっているという面も大変あるというふうに思っています。
 ですから、ここで厚生労働省にお聞きしたいのは、やっぱりそういう生協活動というものを是非エンカレッジするような施策をやってほしい。国は育成策としてどう考えているのか、またこの法案で、規制、規制、規制という方向ではなく、応援する方向でやってほしい、その点についていかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生協は、随分長い間、我が国の戦争後の社会におきまして活発な活動をされてきまして、今日ではその規模あるいは抱える組合員数などにおきまして大きな存在になっているということは、先ほど来申し上げているとおりでございます。
 その活動は、組合員の生活の向上に寄与するため、購買事業、共済事業、利用事業などを行っているわけでございますが、その上に、最近では組合員の自主的活動としての家事援助であるとか、あるいは多重債務者支援等の活動を行っておりますし、また、今委員から御指摘がありましたように、食の安全であるとか、あるいは環境に配慮した食品の開発であるとかというものについて非常に先駆的な活動をしておるということは、私どもよく認識しているところでございます。
 このような生協の取組につきましては、今委員も御指摘になられたとおり、組合員のみならず、国民生活全体に対しても貢献しているというふうに考えておりまして、厚生労働省といたしましては、こうした取組を育成、発展させていく必要があるというふうに考えております。
 今回の法律改正も、決してこのような社会に対して積極的な貢献をしている自主的な取組について阻害をしようなどというようなことは毫も我々考えていないところでございまして、先ほど来申し上げておりますように、いろいろと経済主体につきまして社会的な関心も高まる中で、そうしたことに対して、しっかりしたガバナンスであるとかあるいは透明性であるとかといったような、そういう社会の要請、現在の社会の要請にこたえていく、そういうことを考えて今回改正を御提案申し上げている次第でございます。
○福島みずほ君 組合員のための生協ですが、他方、先ほども質問の中で他の委員が発言をされましたが、EUでは基本的に県域の規制や非組合員の利用の禁止はないと。オーストリア、イギリスでは国内全域で事業展開する生協もあると。EUの生協では買物をする人の半数以上が非組合員であると。ヨーロッパは社会民主主義が非常に活発ですから、手づくりの相互扶助としての生協活動というのは非常に活発で、それが社会の中でみんなに支持され、買物も組合員以外の人もやっているという現状があります。
 ですから、私も、基本的にはみんなの生協という、もちろん組合員の生協ですが、みんなの生協という思いが非常にあります。
 例えば、今回例外的な員外利用を認めることとなりましたけれど、特に保育所などへの食材提供については、中小小売商の事業活動への影響を考慮しつつ行政庁が判断するとありますが、具体的に何をどのように判断して認可をしていくのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 員外利用の問題、ヨーロッパの例などを引かれてお話ございましたが、保護策と規制策と、規制とバランスがあるような点もございまして、各国の事情、様々だと思います。
 今お尋ねの保育所、老人ホーム等への食材の提供についてでございますが、この員外利用の問題を議論されましたときに、関係の方々から、保育所や老人ホームへ食材の提供を頼まれることがあるんだけれども、全員の方が、保育園、老人ホームの利用者の方全員が生協の組合員とは限らないと。そういった場合に、依頼をされて保育所、老人ホームへ食材提供するのに、地域では生協が最もふさわしいんだけれども、この員外利用の規定によってうまくいかないことがあるというようなお話がございましたので、これらのような状況につきましても員外利用を認めるということで対応したいと考えております。
 その際、員外利用を認める場合に、今回の法律では、中小小売の方々に影響を及ぼす可能性がある場合につきましては行政庁の許可が必要ということでございますので、どのような基準かというお話でございますが、むしろその地域の実態を踏まえまして、保育、老人ホーム等への食材の提供を生協にお任せした場合に大変打撃を受ける事業者がいて倒産問題なんかが生じるというような地域での判断の問題になるのではないかと考えております。
○福島みずほ君 パブリックコメントの中にも、多くこの員外利用規制を考えてほしいというものがたくさんあります。
 例えば、許可要件の中で、保育所、老人ホーム等への食材提供としているが、病院からの要望もあるため、追加してほしい。高齢者の食事サービスに携わっているが、毎日の食材調達の際、団体利用できないので個人組合員の利用しかできず、精算が煩わしい、団体も利用できるようにしてもらいたい。あるいは、山間へき地、離島等における物資提供について、商工会議所等が認めた場合などは許可できるよう、山間へき地、離島あるいは商工業者と連携した町づくりへの参加等における物資提供としていただきたい。法人の利用を員外利用の対象とするのではなく、法人も生協に加入できるよう個人組合員の構成枠に法人を是非加えてほしいなど、パブリックコメントはたくさん具体的なものがあります。
 最近は生協と商店街が競合するのではなくて、むしろ共存するというふうにも言われております。また、生協の製品は産直なので、安いし安心だし顔が見えるし、あるいは低農薬、有機農薬など安心な食材という点もあって、病院や保育所などでは非常に歓迎されるというふうにも思いますが、改めてどうでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 今委員からのいろいろ御指摘なり御要望があったような、そういったことを議論の俎上にのせた上、例えば今、法人の会員のお話ございましたけれども、これは消費生活協同組合、組合員は法人はなれないというのは大原則でございますので、そういった意味で、消費生活協同組合法の言わばDNAに組み込まれている、そういった生協の本旨というものを一方に踏まえながら、しかし様々な地域での御要望なり、例えば職域組合の母体企業や大学でいろいろ学会をする場合などについて、一時的に来られる方への対応も大学生協としてはしたいとか、様々なそういう御要望の両方を考えまして、現在の生協の本旨に基づき、また、そういった中で地域への貢献、それから政策、例えば行政が委託事業として生協にお願いする場合のような政策的な要請、そういったこととの整合性を考えまして、今御提案申し上げておりますような員外利用規制の案にしているという点でございまして、是非その点については御理解を賜りたいと思っております。
○福島みずほ君 員外利用限度については、組合員の利用分量の額の五分の一までとしておりますが、どのようにその利用限度を測るのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 私ども考えておりますのは、まずは、その五分の一とか百分の百とか様々な限度がございますが、利用分量の言わば費用の額で算定をしたいというふうに考えております。算定期間については、期間がないとその量が出ませんので、年度を単位とするということで考えております。
 具体的な測定方法になりますと、購買生協では、例えば販売したものの総量の中で員外利用の方々のシェアがどのくらいであるかということを調べる必要になるわけでございまして、そういうことを把握していただくために、余り手間が掛からず、厳密にやれば幾らでも厳密にやる方法は提案できますけれども、実際問題として、日々、事業をされている中でリーズナブルな方法でその量が把握できるということについて、これは実際に事業をやっている方々とよく相談して、御無理のないやり方でその量の把握について検討をさせていただきたいと考えております。
○福島みずほ君 是非、事務が煩雑にならないように、この点は是非、今後、工夫していただきたいと思います。
 素朴な質問で、海外の事例は員外利用規制を設けていない生協が多くありますが、なぜ日本では員外利用規制を外すことができないんでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 素朴な疑問という委員の御指摘でございますが、海外の例で申し上げますと、例えば日本では消費生活協同組合事業の類型に位置付けられ、例えば税制上、利用者、ユーザーの方が限られていると、そういう中での事業だということ、そういった意味での公共性の度合いとか、そのユーザーが限られているという一種の規制の下で事業をされている、しかしそのユーザーのために一生懸命やっているという公共性の勘案で税制上の優遇も認められていると。そこの規制と助成とのバランスでそのような措置が講じられているものと理解しております。
 外国の生協の場合は、というか、この協同組合の場合は、株式会社方式になるか、協同組合のままでいるかということについても選択制であったり、また税制上の優遇措置などないというような中で、言わば助成もない代わりに、そういった意味で垣根も低くしていると、そういった事情もあるのではないかというふうに私ども考えております。
○福島みずほ君 ただ、生協の果たす役割を考えれば、員外利用の規制の例外については、余り厳格でなく、要望が強く、いい食材であればやっぱりみんなが使えるようにするということを是非よろしくお願いします。
 また、組合員を獲得するための事業としてお試し利用などがありますが、実際使ってみないといいかどうか分からないというのもあるので、それで加入しようかどうしようかということを判断するので、是非導入を認める方向での検討を要望したいというふうに思っております。
 次に、臨時総会についてお聞きをいたします。
 法案の三十五条に臨時総会の開催規定が定められていますが、理事会は五分の一以上の組合員の請求があった場合、二十日以内に開催しなければならないとされています。会社法の規定では、臨時株主総会の開催規定は開催までの期間が八週間になっております。二十日以内というのは余りに短期間過ぎるのではないでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 会社法の規定など、委員の御指摘のとおりだと思いますが、現行の生協法においても臨時総会の招集請求があったときには二十日以内に招集しなければならないというふうにされておりますし、組合員自らが出資し、利用し、運営参加と、こういうことをうたっている生協でございますので、総会が組合員の意思を反映させる上で速やかな総会招集を決めているということは、それなりに合理性があるのではないかと考えております。
 なお、よその法律のことも申し上げて恐縮ですが、農協法など他の協同組合法においても、生協法と同様に招集の請求があった日から二十日以内に臨時総会を招集すべきこととされておりまして、私ども、そういったことも勘案しながら、法第三十五条二項のような規定というふうにいたしているところでございます。
○福島みずほ君 一か月を切って二十日というと、やはり余りに短い。会社法が八週間ですので、これは見直しのときなど是非考慮をしていただきたいと思います。
 剰余金なんですが、剰余金は現状では組合員の教育事業に充てられているとのことですが、今回の改正では福祉活動を助成する事業にも充てることが可能とされております。
 今年度の組合員向け教育事業とはどんな内容なのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 現在、生協法においては、剰余金が出た場合に毎年度の剰余金の二十分の一を組合員及び組合従業員の組合事業に関する知識の向上に図る事業として充てなければならないと、こういうふうにされておりまして、例えば日本生活協同組合連合会の会員生協六百一生協がこの規定によりまして教育文化事業に支出した費用は、十七年度で七十八億円に上るというふうに伺っております。
 どういう事業かと申しますと、具体的には研究会、学習会、講演会、あるいは機関紙、パンフレット、それから組合員組織の運営諸活動に関する費用などに充てられているというふうに伺っておりますし、事業の具体的な例としては、食品添加物について学習しながら調理を行う親子料理教室の開催でございますとか、取扱商品の紹介記事を含みます機関紙の発行など、そういった経費といたしまして充てられているというふうに承知いたしております。
○福島みずほ君 共済事業についてですが、現在、共済事業規約の認可が不要とされている共済金額、掛金の総額は五万円、これは昭和三十四年の設定であり、現在の貨幣価値では三十万円以上と考えられております。
 政省令によってどの程度の金額を基準とするのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 現在、共済契約者一人当たりの共済金額の総額が五万円未満の共済事業については、自治的な互助活動の範囲を出ないものとして共済事業規約の認可を不要といたしております。
 御指摘のとおり、五万円という額は変わっておりませんが、例えば保険業法では十万円とされておること、それから農協法では規制の対象から外されている金額はない、すべて規制の対象になっているというようなこと等を考えながら決めてまいりたいと思いますが、今私どもが事務的に考えておりますのは、保険業法などと並んで十万円というふうに考えております。
○福島みずほ君 五万円は昭和三十四年の設定ですので、是非、この点については今の貨幣価値との勘案して決めていただきたいと思います。
 現行制度は、行政庁が解散命令を出せる事例として、規定に基づかない事業を行った場合、員外利用の規定に違反した場合、理由なく事業を一年間以上休止した場合などの限定的なものでした。しかし、今回の改正では、すべての法令違反に対して解散命令が可能となっております。組合の自発的、自主的な活動を萎縮させてしまうことがないよう、行政庁が解散命令を出すことについては極めて慎重にすべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(中村秀一君) 御指摘のとおりだと思いまして、我々もそういうことを望んでいるわけではございませんので、正に相互扶助組織として、また自発的な国民の生活協同組織として健全な運営をしていただきたいと思っておりますし、そういった意味で、解散命令でありますとか役員解任命令でありますとか、そういったことの発動がしなくて済むような運営であってほしいというふうに考えております。
○福島みずほ君 是非、生協を規制の対象というよりも、エンカレッジする対象として是非厚労省は取り組んでくださるよう要望します。
 今日は法務省に来ていただいたので、済みません、時間が短くなって申し訳ありません。
 医療観察法が施行からちょうど一年半、それの検証をやはりすべきだというふうに考えております。執行猶予や無罪判決が出た後に本法による申立てを受けるケースがあります。本来なら、起訴、不起訴を決める段階で真剣に検討をするべきであり、必要であれば拘置所に留置する間に治療をしていくべきではないでしょうか。
○政府参考人(三浦守君) お答えいたします。
 検察当局におきましては、個別の具体的事件におきまして、犯行に至る経緯、犯行態様、さらには犯行後の状況などについて必要な捜査を尽くすとともに、被疑者の責任能力につきましても精神鑑定を行ったり専門家の意見を聞くなど、諸事情を総合的に勘案いたしまして適切に判断を行い、事案の真相を解明するよう努め、その上で、起訴、不起訴を判断しているというふうに承知しているところでございます。
 ただ、その上で、裁判の結果として、被告人、弁護人側の主張、立証を含め、審理が行われた結果として責任能力が問題とされ、執行猶予あるいは無罪判決ということを受けることがあるというものでありまして、その場合に、その段階でこの医療観察法による申立てを行うということでございまして、以上のような状況を御理解いただければというふうに思います。
○福島みずほ君 審判過程で、主治医や鑑定人との面会など情報交換を精神障害者が行わないケースが見受けられます。このような規制はするべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) お答えいたします。
 鑑定入院は、検察官等による申立てを受けた対象者について鑑定その他医療的観察を行うものでございますが、鑑定入院中の処遇や治療については精神保健福祉法に準じて行われるべきものであり、入院患者に対する行動制限につきましても精神保健福祉法に準ずる取扱いとしているところでございます。
 行動制限は、主治医等の判断により、その医療又は保護に欠くことのできない限度においてのみ行われるべきものでありまして、御指摘のように、鑑定入院の全期間にわたって情報交換等の制限を行うことは一般的には考えにくいことと思っております。
 また、鑑定については、対象者の精神障害の類型や過去の病歴などに加え、対象者本人の性格も踏まえて行うことが必要と考えられますので、鑑定入院を行う医療機関の主治医や鑑定医による診察、鑑定等については、基本的には対象者との直接的な接触の機会が設けられるべきであり、御指摘のような規制は設けるべきではないというふうに考えております。
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 消費生活協同組合法の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鶴保庸介君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。柳澤厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま議題となりました社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 介護福祉士・社会福祉士制度につきましては、認知症である方に対する介護など従来の身体介護にとどまらない新たな介護サービスへの対応やサービスの利用支援、成年後見、権利擁護等の新しい相談援助の業務の拡大など、近年の福祉ニーズの多様化、高度化への対応が求められております。このような中で、介護福祉士、社会福祉士について資質の確保及び向上等を図るため、これらの定義、義務や資格の取得方法等を見直すこととした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、介護福祉士の行う「介護」を「入浴、排せつ、食事その他の介護」から「心身の状況に応じた介護」に改めるなど、定義規定を見直すこととしております。
 第二に、個人の尊厳の保持、認知症等の心身の状況に応じた介護、福祉サービス提供者及び医師等の保健医療サービス提供者等との連携等について新たに規定するなど、介護福祉士、社会福祉士がその業務を行うに当たっての義務に係る規定を見直すこととしております。
 第三に、介護福祉士、社会福祉士の資質の向上を図るため、介護福祉士については、一定の教育プロセスを経た後に国家試験を受験するという形でその資格取得方法を一元化するとともに、社会福祉士については、福祉現場における高い実践力を有する人材を養成するための資格取得方法の見直しを行うこととしております。
 第四に、社会福祉士の任用、活用の促進を図るため、身体障害者福祉司等の任用の資格に社会福祉士を追加することとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、平成二十四年四月一日としております。なお、介護福祉士の資格を取得するために新たに国家試験を受験することとなる介護福祉士の養成施設の卒業者については、当分の間、准介護福祉士の名称を用いることができることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十五日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時四分散会