第168回国会 環境委員会 第5号
平成十九年十一月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     米長 晴信君     山本 孝史君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     友近 聡朗君     大久保潔重君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     轟木 利治君     津田弥太郎君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     津田弥太郎君     轟木 利治君
     広中和歌子君     加賀谷 健君
     山本 孝史君     梅村  聡君
     山下 栄一君     木庭健太郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松山 政司君
    理 事
                岡崎トミ子君
            ツルネン マルテイ君
                中川 雅治君
                橋本 聖子君
    委 員
                梅村  聡君
                小川 勝也君
                大石 正光君
                大久保潔重君
                加賀谷 健君
                轟木 利治君
                荒井 広幸君
                神取  忍君
                川口 順子君
                矢野 哲朗君
                加藤 修一君
                木庭健太郎君
                市田 忠義君
                川田 龍平君
   国務大臣
       環境大臣     鴨下 一郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  岩永 浩美君
       環境副大臣    桜井 郁三君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  並木 正芳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 堅一君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局参事官     私市 光生君
       金融庁総務企画
       局参事官     三村  亨君
       総務大臣官房審
       議官       御園慎一郎君
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        鶴岡 公二君
       外務大臣官房参
       事官       片上 慶一君
       財務大臣官房審
       議官       古谷 一之君
       財務大臣官房審
       議官       桑原 茂裕君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     黒川 達夫君
       林野庁森林整備
       部長       針原 寿朗君
       水産庁増殖推進
       部長       重  義行君
       経済産業大臣官
       房審議官     伊藤  元君
       資源エネルギー
       庁次長      平工 奉文君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        北川 慎介君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   平岡 英治君
       海上保安庁警備
       救難部長     石橋 幹夫君
       海上保安庁交通
       部長       米岡 修一君
       環境大臣官房審
       議官       白石 順一君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
       環境省総合環境
       政策局長     西尾 哲茂君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       石塚 正敏君
       環境省地球環境
       局長       南川 秀樹君
       環境省水・大気
       環境局長     竹本 和彦君
       環境省自然環境
       局長       櫻井 康好君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (気候変動に関する国際連合枠組条約第十三回
 締約国会議及び京都議定書第三回締約国会合閣
 僚準備会合に関する件)
 (気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
 第四次評価報告書に関する件)
 (森林吸収源対策に関する件)
 (海洋環境の保全に関する件)
 (環境国債、環境会計、環境金融に関する件)
 (気候変動と保険制度の在り方に関する件)
 (電力分野の二酸化炭素排出源対策に関する件
 )
 (六ヶ所村核燃料再処理工場の安全性に関する
 件)
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○委員長(松山政司君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、米長晴信君、友近聡朗君、山下栄一君及び広中和歌子君が委員を辞任をされ、その補欠として梅村聡君、大久保潔重君、木庭健太郎君及び加賀谷健君が選任されました。
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○委員長(松山政司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総務企画局参事官私市光生君外二十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松山政司君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。
 この際、気候変動に関する国際連合枠組条約第十三回締約国会議及び京都議定書第三回締約国会合閣僚準備会合に関する件について鴨下環境大臣から報告を聴取いたします。鴨下環境大臣。
○国務大臣(鴨下一郎君) 十月二十四日から二十五日にボゴールで開催された気候変動枠組条約第十三回締約国会議及び京都議定書第三回締約国会合の閣僚準備会合に出席いたしました。
 会議では、米国、中国、インドなど約三十五か国から閣僚などが出席し、次期国際枠組みに関して、それを構成する主な事項や交渉スケジュール等について活発に意見交換を行いました。私からは、次期枠組みの検討に当たり、すべての国が参加する新たな交渉の場の創設の必要性について主張しました。
 また、次期枠組みに関して、すべての主要排出国が参加し、京都議定書を超え、世界全体での排出削減につながることが重要であり、我が国は来年のG8議長国として、そうした枠組みの実現に積極的に貢献していくことも主張してまいりました。
 さらに、会議の開催期間中、中国の解振華国家発展改革委員会副主任、英国のウーラス環境・食糧・農村地域省閣外大臣と今後の国際交渉の進め方等について意見交換を行いました。
 このような訪問の成果も踏まえ、地球温暖化対策に今後とも一層積極的に取り組んでまいります。
○委員長(松山政司君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡崎トミ子君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。
 バリで行われますCOP13の開催が来月に迫りました。これに先立ちまして、十月二十三日から二十五日までボゴールで大臣が参加された、気候変動に関する非公式閣僚会合に出席をされたということで、ただいま御報告をいただきました。ボゴールでの会議の後、日米首脳会談や東アジア・サミットなどの場でも温暖化問題が大きなテーマとして扱われました。
 今日は、これらの会合や会談などについて質問をしながら、COP13に向けた政府、大臣の対応、決意ということについてお聞きしたいと思います。
 その前に、IPCCの統合報告書、十七日に出されたわけですけれども、この採択について聞いておきたいと思います。
 この統合報告書は、科学者が積み重ねたその研究に対して各国政府が意見を言うという、更に議論を重ねた成果で、今後の議論のベースになるものでありますけれども、これを受けてどういう行動を取るのか、各国の政府関係者あるいは政策担当者が問われているというふうに思います。
 大臣はこの統合報告書の意義をどうとらえておいでか、日本政府としてこれを踏まえてどう行動をしようと考えているのか、今日の議論の最初に伺っておきたいと思います。
○委員長(松山政司君) 南川地球環境局長。
○岡崎トミ子君 大臣です、大臣。
○政府参考人(南川秀樹君) 大臣から決意の方はお話しいただきますが、ちょっと、まず中身についての注目すべき点だけお答えさせていただきます。
 私ども、今回のIPCC報告書でございますが、統合報告書ということで、春に出たものを科学的な部分を中心にまとめたということではございます。ただ、その中で幾つか、特に政策に影響を与える重要な示唆があると考えております。
 具体的には、適応と緩和のオプションという中で、緩和策を推進するための国際的枠組みの確立における気候変動条約及び京都議定書の役割は将来に向けた緩和努力の基礎を築いたと評価されるということで、一定の評価を各国の了解の下に得たということが大きいと思っております。
 また、その既存技術及び今後数十年間で実用化される技術により温室効果ガス濃度の安定化が可能である、今後二、三十年間の緩和努力と投資がかぎとなると、こういった自然科学的なこと以外に社会科学的な観点から非常に大きな位置付けがなされたというふうに感じております。
○国務大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、IPCCの統合報告書の中で、まずは人為的なことが今回の気候変動の主たる原因だということと、加えて、二、三十年の間に我々が対応しなければ、ある意味で不可逆的ないろんな問題が起こると、こういうようなことと、さらには、パチャウリさんが最後に、これから先はポリシーメーカーの行動なんだと、こういうような話がございました。これを我々は重く受け止めまして、これから、例えばバリあるいはその後の国際会議の中で我々としても反映をしてまいりたいと、かように思っております。
○岡崎トミ子君 それでは、そのボゴールの非公式閣僚会合についてお聞きしたいと思いますが、来年から始まります京都議定書の第一約束期間から途切れることなく次の約束期間を始めるためには、各国の国内手続に必要な期間を含めまして二〇〇九年までに次の制度について合意をしなくてはなりませんが、そのためには何としましても来月のCOP13では京都議定書後の温暖化対策の枠組みを話し合う公式協議を始めたいという、こういう状況であろうと思いますが、そのためのCOP13に向けた準備のために行われた会合だと理解しております。
 一般的に国際会議というのは政府の主張が国を代表して行われるということですから、国民の方にも十分にその内容についても分かっていただくということが大変重要だと思いますけれども、その点がなかなか共有されにくいというふうに思います。それは、政府の主張とか立場の形成過程が必ずしも透明とは言えないことが多いということがありますし、事後の報告も不十分なためにそういうことが国民に共有されないのではないかというふうに思うわけなんですが、この温暖化問題は本当に、国のやるべきこと、地方自治体のやるべきこと、そして民間のやるべきこと、家庭で個人がやるべきこと、いろいろありまして、大変重要な問題だというふうに思います。そして、日本政府の立場を国会が正確に把握しておくということが非常に大切なので、出発をされたその日にも質問をさせていただき、今日もまた御報告をいただくということなわけなんですけれども、今大臣からいただきましたこの報告を見ますと、大臣の発言内容の骨子のごく一部、それから中国とイギリスとバイ会談を行ったという事実のみでございましたが、大臣が主張された内容をもう少し具体的に、会合の成果ですね、それから会合の中で明らかになったことについて、また各国の姿勢というものについてお伺いしたいと思いますが、会合の成果を確認したいと思います。
 まず、二〇〇九年末の合意を目指すことで合意をしたと言われておりますけれども、この点どうだったのか、一つですね。
 それから、アメリカや中国については反対の意向は表明されなかったとか、消極的な賛成だったというふうな報道がされておりました。これ、ちょっと心配をしております。アメリカについては、十六日の日米首脳会談の後で発表されたファクトシートですね、この内容なんですけれども、国連気候変動枠組条約の下での二〇〇九年までの全地球的な合意に対する貢献をもって完結するプロセスというふうにこの主要経済国のプロセスについて書いてあるわけなんですけれども、アメリカはこの二〇〇九年までにきちんとした合意を目指しているという、この点について、これで大丈夫ですか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 先月のボゴールでのCOP13の閣僚準備会合、これにおいては、すべての参加国の中での、まあ合意というような形までは至りませんでしたけれども、少なくともバリに向けて我々それぞれが自分の意見を開陳しました。その中では、二〇〇九年というのは我々は非常に難航するかというふうに思っていたんですけれども、現実の中では、各国ほぼ二〇〇九年までにある意味で次期枠組みについての議論をしようということについての異論はなかったというのが現実だと思います。
 その中では、先生おっしゃるように、例えば途上国あるいは島嶼国の中にはいろんな削減目標等についてもそれぞれの思いがあるわけですし、例えばあとは、適応などについても例えば先進国がもっと支援をするべきとか、こういうような話はありましたけれども、少なくともポスト京都に向けての方向性については異論がなかったと、合意ができたじゃなくて、異論がなかったというのが現時点だろうというふうに思います。
 ただ、そこから、じゃスタートですから、これから始まるバリでのCOP13の中で多分激しいいろんな議論があると思いますけれども、全体的には、二〇〇九年に向けて全体的に合意形成をしていこうという機運はあったと、こういうことだけは申し上げられると思います。
○岡崎トミ子君 今はアメリカのことについてだけお伺いしましたけれども、中国についてはどうかですね。
 それから、十二月一日に一応、日中ハイレベル経済対話に大臣も出席されるという御意向をお持ちだということでございますが、国会でまた決めていく方向ですけれども、二〇〇九年に合意を目指すということ、これは当然そこに中国も加わるということで、その働き掛けをきっちりとされるのかどうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 中国は、もう既に主要排出国の中でもあるいはアメリカを超えているかも分からないというような速報があります。ですから、中国が参加をしてもらうというようなことは非常に重要ですし、中国もそういう意味では積極的にこの条約下での交渉にかかわるというようなことについての姿勢はあるんだろうというふうに思います。
 ただ、やはり具体的な話になりますと、じゃ先進国との間でどういうふうに共通な部分を見いだすのか、あるいは差異はどこにあるのかと、こういうようなことについては多分、中国はいろんなことを言うだろうと思います。そういうことでいうと、今先生おっしゃるように、十二月の早々には日中のハイレベルの経済対話がございます。その中で初めて環境大臣も参加をすると、こういうようなことになりましたので、中国側のカウンターパートと、是非これバリに向けてこれから中国も主要な役割を担ってもらいたいと、こういうようなことについては積極的に私からも働き掛けたいと思います。
 加えて、これ日本と中国の間のこれからの議論でありますけれども、中国はもう現在、例えば北京も含めて大都市の中では大気汚染あるいは水質の問題、こういうような問題で非常に直面する公害問題がございますので、こういう問題に対しての日本の技術的な供与あるいは様々な資金メカニズムをどういうふうに駆使するか、こういうふうなことについて申し上げつつ、それと同時に地球温暖化のことにもかかわってもらう。我々、それコーベネフィットアプローチというふうにも言っていますが、そういうふうなことについてもお互いにある程度合意をしつつ、最終的にバリに向けて中国をより積極的にかかわってもらう方向で私としても汗をかきたいと、こういうふうに思っております
○岡崎トミ子君 ポスト京都に向けて、当面の課題としてはバリでロードマップを作るという目標があるわけなんですけれども、これはあらゆる機会を戦略的に生かすべきだというふうに思います。
 今回の日中ハイレベル経済対話には、大臣の最大の目標というのは何ですか。
○国務大臣(鴨下一郎君) バリでの最大の目標ですか。
○岡崎トミ子君 バリでロードマップを作るということを目標にしまして行くわけですから、あらゆる会合を生かす意味でこの日中ハイレベル対話も。
○国務大臣(鴨下一郎君) バリではやはり、何度も申し上げますけれども、すべての国が参加をする交渉の場をつくるということが日本にとって、あるいは私にとっても重要な役割だというふうに思っています。その中で、更に踏み込んだ問題が合意ができればいいんでしょうけれども、国際交渉ですから、一部の途上国は交渉はしない、対話だけだと、こういうふうに言っているところもあるくらいな中で、すべての国が参加をして交渉のできる場をつくるというのが一つと、それから、今もう既にあるあのAWGについては、これはまた更に深掘りをした地球温暖化対策の議論ができると、こういうようなことで、ある意味でツートラックアプローチがきちんとした形で合意ができるということがよろしいんじゃないかなというふうに思います。
 我々は、理想型は申し上げています。理想型としては、すべての国が参加して、削減目標も議論をし、交渉もできる場をつくろうと言っていますけれども、なかなか乗らない国もたくさんありますので、そういう意味でツートラックアプローチをきちんとした形で合意し、それをこれから着々と進めていくロードマップを作ると、こういうようなことが今回のCOP13の一つの我々の目標といいますか、現実的な目標と、こういうふうに考えています。
○岡崎トミ子君 ボゴールのメーンテーマの一つは、二〇〇九年までにその合意をきちんとつくっていくということが大変大事だというふうに思うんですけれども、日本はこれまですべての国が参加する、枠組みづくりと今大臣はおっしゃられましたけれども、そこでずっと、今もその立場でやっておられるということなんですけれども、アメリカ、オーストラリア、中国、インド、そのほかの途上国が温暖化対策に積極的に取り組まなければならないのはこれ当然だと思うんですね。そのための努力は必要なんですけれども、再三これまでも、委員会でも指摘してまいりましたけれども、すべての国が参加するということが次期枠組みの実効性を損なうということがあってはならないというふうに思います。
 今回、京都議定書の下での検討の場に加えて気候変動枠組条約の下に新たな検討の場を立ち上げる、将来的にはそれを一本化するということを提案されているんですけれども、このことについて、今のアメリカ、ブッシュ政権下に気を遣って新しい検討の場をつくって、そして京都議定書の下での検討の場を統合するということになりますと、アメリカに引きずられないかという、そういう心配、それで削減目標が認定というか、それが設定が甘くなる、そういうおそれがないのか。本当は、引き続きアメリカには京都議定書の方に戻ってきてもらいたいという気持ちが大臣の中にもおありになるのではないかなと私は思うんですけれども、特に先進国の排出削減について今議定書の下で検討しているわけですけれども、このテーマまで拙速に、新しい場一本で議論をするということにいたしますと、現実的な問題としては実効性ある枠組みづくりという意味でかなり交渉が難しくなるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、この点はどうなんでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) いろいろ折衝しています立場で若干御説明させていただきたいと思いますけれども、まずアメリカにつきましては、メジャーエコノミーの主要経済国会合などを開いておりますけれども、アメリカの現在のブッシュ政権のスタンスは、基本的には長期、二〇五〇年を目指して世界がどのような削減をすべきか、またその中でアメリカは何をすべきかということが中心になっております。したがって、さほど賛成も反対もしませんが、二〇一三年以降の具体的枠組みについてブッシュ政権が具体的なコミットをするというスタンスは全く見えておりません。これはいい意味でも悪い意味でもコミットしないということに比較的徹底しているように私には見えるところでございます。
 したがって、現状で申しますと、二〇一三年以降の枠組みを話し合うアメリカが入る場がないわけでございますので、是非、傍観者、当面は傍観者であるかもしれませんけれども、アメリカにも入ってもらって、また中国、インドにも入ってもらって話合いの場をつくるということは大変意味があると思います。また、それと同時に、バイでもいろんな話合いの場を持っていくということが必要だと思っております。
○岡崎トミ子君 今のアメリカは大きく変わりつつあるというふうに思います。殊に、ブッシュ後で変わるというふうに思います。
 それで、大臣も記者会見の中でわざわざそういうことをおっしゃっておいででございますよね。今のアメリカに入ってもらうこと、そのこと自体を目的化して実効性を犠牲にすることがあってはならないというふうに思うわけなんですけれども、今回の日米首脳会談で、例えばこのファクトシートの文言を見ますと、主要経済国のプロセスを進め、アプローチの柔軟性と多様性を許容し、環境面で効果的で、かつ経済的に持続可能な合意を追求する、こういうふうになっておりまして、警戒心を呼び起こすものであるというふうに思いますけれども、筋を通して議論すべきじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今の御質問の前の話も含めましてですけれども、アメリカも民主主義の国ですから、そういう意味でいうと、世論の中には非常に気候変動について御関心があり、なおかつ、これからずっとそういう方向に変わっていくんだろうと私も信じておりますけれども、そういう中での話ですから、アメリカに引きずられて日本が低めの目標でというようなことではなく、すべての国が入ってもらうというようなことの中にもちろんアメリカが入らなかったら意味がないわけですから、是非、そういう意味での、我々はアメリカに言われたからやらないとかということじゃなくて、むしろアメリカをどういうふうにかかわってもらうか、かかわらせるかと、こういうようなことで努力をしているわけでありまして、是非そこのところは御理解をいただきたいと思います。
 そして、これはCOP13の中でも、決してアメリカの意見に全体の会合、会議が引きずられるというような雰囲気はありません。むしろ、アメリカは非常に肩身の狭いような状況が現実には準備会合の中でもございましたので、そういう意味でいうと、これから多分、アメリカの国内でもいろんな議論はあると思います。そういう中で、是非我々が当初考えているような枠組みの中に入ってきてもらうと、こういうような方向で我々は常に働き掛けていますし、これからもそうしたいというふうに思います。
○岡崎トミ子君 いずれにいたしましても、その目標というのは次期枠組みをしっかりとつくるということなわけで、それには日本自身がしっかりとした考え方、戦略を持っていなくてはならないわけです。いろんな対話の場にいたしましても交渉するにしましても、明確な目標を持つ、戦略を持つということでなければ混乱を招きますし、どんどん目線が、目標が低くなってしまいます。
 このバリに向けての日本の主張、立場、これをどのように準備、調整しているのかお聞きしたいと思います。大臣そして総理は、こういうプロセスにはどうかかわっておいでなんでしょうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) COP13に向けて、日本の立場あるいは主張を環境大臣としてどういうふうにやっていくのかという話でありますけれども、再三申し上げておりますけれども、この次期枠組みの交渉の在り方については、日本が提案をした唯一の国になっているわけでありまして、この提案はCOP13のバリ会合における合意の土台になると、こういうふうに我々は確信しています。
 そういう意味で、今後多くの国の賛同を得まして、主要排出国の参加ができる交渉の場、こういうようなものを条約の下に創設するという日本の提案に沿ってバリの会合が合意が得られるよう、こういうふうなことで今現在も水面下でいろいろと各国と交渉しているところでありますが。
 この中で、先生も御懸念のように、アメリカ、中国、インド、こういうような主要な排出国がすべてが参加してもらうと、こういうような実効ある枠組みにしていかないといけないわけで、我々もノンペーパーの中で、一つは、条約の下に新たな枠組みをしっかりとつくって、そこで交渉をすると、それから、二〇〇九年までに合意を得ると、それから、加えて、その中で議論をする構成要素として九つの構成要素についても提案し、これについてもいろいろと議論はありました。そして、日本に対してそういうことについての異論もありましたけれども、でも、全体的にはそういう方向に向けて我々は頑張っていきたいと、こういうふうに考えています。
○岡崎トミ子君 今、総理について、プロセスに入っているのかどうかについてはちょっとお答えになられませんでしたけれども。
 総理も随分積極的に温暖化問題について発言をしておいでなわけなんですけれども、日米、日中、日韓、日印、東アジア・サミット、ASEANと、会談や会議で参加を重ねておられまして、温暖化についても様々な議論をされてきたわけですけれども、鴨下大臣は総理とはどういう連携をしておられるのか。閣議の後など、政治家同士そういう問題についてきちんと話し合われているのかどうか。
 どうも、例えば日米の会談で帰ってこられる、いろんな参加をされる、そのほとんどを外務省が対応されていると、環境省ではなく外務省だということになると、何か私は、環境省が対応して、環境省が責任を持って総理にもいろいろな働き掛けをされておいでなのかなと思ったら、そうではないということなんですけれども、その辺の連携はきちんとされて、プロセスにも、まあ方向性は間違いなく同じ方向を向いているというふうに思うんですけれども、もっとしっかり連携してやっていただきたいなという意味も含めまして、環境省を総理にもしっかり使っていただきたいというか、そういう意味も込めまして大臣に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 先生のお話は、これは我々に対しての応援というふうに受け止めさせていただきますが、現実的には、総理とも、閣議の後、あるいは例えば四大臣会合のときにお隣に座られますから、そういうときにどういうふうな形でというような御指示もいただきますし、我々もちょっと提案をさせていただいたりと、こういうようなことで連携はさせてもらっています。
 ただ、外交交渉ですから前面に立つのは外務省であるわけでありまして、そういうような中で、我々は専門的な、あるいは環境の問題についての全体像についてはあらゆる場面で提案もし、それから我々が主導してやるべきことは主導すると、こういうようなことはさせていただいています。
 ですから、決して外務省だけがやっているわけではないし、内容についてはしっかりと環境省がグリップをして、そしてやらせてもらうと、こういうふうに考えておりますので、是非応援もいただきたいというふうに思います。
○岡崎トミ子君 ごめんなさい、今のを正確に知りたいんですけれども、ボゴールの後は七大臣会合、四大臣会合、そこのところを開いて、きちんとそれが生かされているということでしょうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) まず、四大臣会合は国際的な戦略のための会合でありますから、ですから外務大臣も含めて、国際的な枠組みをどういうふうに日本がリードするか、こういうようなことについての議論をします。
 七大臣会合はむしろ国内向けの、マイナス六%をどう実現するかと、こういうようなことも含めた国内の対応についての議論をすると、こういうふうに位置付けをしておりますので、いずれのところにも総理御出席をいただいて、環境問題について非常に関心……
○岡崎トミ子君 ボゴールの後、やったかどうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) ボゴールの後は、ですから、そういうような会合を早速開きまして……
○岡崎トミ子君 これからですね。
○国務大臣(鴨下一郎君) ええ。そして、対応をさせていただきたいと、こういうふうに思っておりまして、官房長官も非常に関心を持っていらっしゃいますので、近々開く予定でございます。
○岡崎トミ子君 それをお伺いしたかったのでございます。
 では、大臣が目標としているその中身についてなんですけれども、次期枠組みも国別の総量削減目標を設けるという意味で、基本的には京都議定書を踏襲して、そこにいかに今のお話のように、アメリカや中国を巻き込んで他の途上国をどういう形で参加させるかという方向で考えるべきだというふうに私も思いますが、この二十三日の委員会で大臣は、最終的には国別の目標を立てて、そして日本はそれはもうEUには負けないような目標をきちんと設定していきたいというふうな発言をされました。
 確認なんですけれども、これは当然、総量削減の目標を立てるべき、義務を伴う目標であるべき、こういうお考えだと理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 交渉の過程では、いつのタイミングで何%というのを言うべきか言わざるべきかということについては、これは最優先は、私はすべての国が入るということが最優先だろうというふうに今の段階では思っています。
 ですから、その枠組みができた段階で、日本はEUと比べて遜色のない、あるいはそれ以上の目標をできるだけ掲げたいというようなことについて、これは環境省だけではできませんから、産業界あるいは様々なセクターにも協力をしていただかなければできない部分でありますから、それについては今正に厳しいいろんな反論もあるわけで、それを交渉をしつつ、しっかりとした形を作りたいと思います。
 そして、できたことについてはこれは当然義務は負うべき話でありますから、最終的には、ある程度といいますか、ほとんどの人たちが合意ができた段階ではこれは義務を負うべきと、こういうふうに考えます。
○岡崎トミ子君 美しい星50の中で、次期枠組みについては京都議定書を超えるものとすべきというふうにございます。この京都議定書を超えるという意味ですね。アメリカが入れば京都議定書を超えたことになるのか、途上国が参加する、あるいは科学的根拠に基づいた目標設定の在り方とか、京都議定書に改善すべき点があるかどうかですね、これらをクリアして京都議定書を超えるものにしてほしいというふうに思いますけれども、少なくとも、もう後退しては超えたことにはなりません。それは、総量削減は外さないという、このことが美しい星50の言う京都議定書を超えるという意味ではないかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) いろんな形で京都議定書を超えないといけないわけでありまして、これは我々、京都議定書は先ほどの話でIPCCも評価してくれていると、こういうような意味では大変意義があったと思いますが、反省もしなければいけません。それは、アメリカそれからオーストラリア含めて、そういうような国が参加しなかったということでありますから、これについては、すべての国が入るという意味において、先生おっしゃるように、アメリカというのは何といったって主要排出国の中では一番あるいは二番ですから、必ず入ってもらわなければ、これはある意味で京都議定書を超えるということの一つの大きなことだろうと思います。加えて、そういう主要排出国が削減義務を負うということになれば、これはトータルでいうと世界全体での排出削減につながるわけですから、そういう意味では京都議定書を超えると、こういうようなことなんだろうと思います。
 ですから、それは両方です。結果的にはすべての世界の中の排出の削減ができると、こういうようなことのためには主要排出国にそれなりの義務も負ってもらうと、こういうことでありますから、単純に言えばアメリカだけじゃありません、主要排出国の中では新興国もありますから、そういうような国も含めて削減を実現すると、こういうことが京都議定書を超えることだというふうに私なりには考えております。
○岡崎トミ子君 是非、今の御希望と目標を持ってなさるということについて受け止めましたので、私たちもその面については応援をしていきたいというふうに思いますので、是非頑張っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○小川勝也君 民主党・新緑風会・日本の小川勝也でございます。
 大臣、ボゴール、お疲れさまでございました。岡崎筆頭理事を先頭に、我々は、大臣のそういう部分での活躍を大変期待をしておりますし、できる限りの後押しをしたいというふうに思っております。
 国際公約をしっかり果たす、あるいは地球環境問題について日本が世界の中でリーダーシップを発揮していくことは大変重要なことであります。しかし、今日は国内対策について、まずお伺いをしなければなりません。
 目標が定められております。そんな中で産業面は割と私はしっかり頑張ってきているのかなというふうに思っております。そしてもう一点、今の政府の対応についてまだまだだなというふうに思う点は、環境税とか炭素税とかいう議論、あるいはこれがなかなか進んでいかないことに歯がゆい思いを持っています。
 そして、今日はお伺いしたいのは、森林吸収源対策の問題であります。過大な期待を我が国の森林に課しているにもかかわらず、これは環境大臣お一人のせいではありませんけれども、しっかりとその部分の予算配分が政府として、内閣として、森林、林業の部分になされていないということ、これは地球環境問題に対する責任者であります環境大臣もしっかりとその責任を認識していただきたい、そのことをまずお訴え申し上げたいというふうに思っています。
 森林吸収源で三・八%を何とか確保しろという割り振りがなされているようであります。まず、林野庁にお伺いをいたしますけれども、その目標を達成するために必要な予算はどのくらいなのか、そして現在までのその進捗状況あるいは達成見込みはどういう状況なのか。
 余計なことを申し上げますと、最近は地域が崩壊をしそうな、そんな状況にも陥っておりますし、もっともっと深い問題があります。地域、農山村の疲弊、林業労働力の確保が難しい、あるいは代々築いてまいりました林業及び森林環境対策の施術、この技術が伝承しにくい、大変大きな課題があるやにも聞いておりますけれども、併せて林野庁から御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(針原寿朗君) 委員御指摘のとおり、京都議定書における温室効果ガスの削減目標六%でございますが、そのうち森林吸収源三・八%でございます。それを達成するためには毎年千三百万炭素トンを森林吸収量で確保する必要がございます。
 しかしながら、現状の森林整備水準で推移いたしました場合に百十万炭素トン分が不足する、百十万炭素トンが不足するということになっておりまして、平成十九年度以降六年間にわたりまして毎年二十万ヘクタールの追加的な整備、現在の予算では三十五万ヘクタールの整備をしておりますが、プラス二十万ヘクタールの追加的な整備が必要な状況にございます。
 このような中、平成十九年度、今年度におきましては、十八年度の補正予算も合わせまして、総額七百六十五億円の追加的な予算を措置したところでございます。これは追加分二十三万ヘクタールに相当いたします。平成二十年度の概算要求でございますが、平成十九年度で措置いたしました農業なり水産の予算の投入などを含めた各種の取組の継続に加えまして、民間事業体の森林整備への意欲を最大限活用する新たな整備手法を導入するなどの意欲的な要求を行っております。
 今後とも、この追加的な森林整備を実施していくことが重要な課題でございます。平成二十年度から京都議定書の第一約束期間が始まるということもございますので、必要な予算が確保されるよう、林野庁としても努力してまいりたいと考えております。
○小川勝也君 大臣にお答えをいただくわけでありますけれども、基本的に人工林は施業をして何ぼのものでありまして、特に森林吸収源としての役割をしっかり森林に果たしてもらいたいというふうに思い願うならば、しっかりと施業をしなければならない、そういう宿命に置かれています。
 そして、国際会議やあるいは締約国の中で日本がしっかりと発言をするためには、日本国内での対策を十分にというのは必須の要件であろうというふうに思っているところであります。
 そしてまた、私は後から別な課題で申し上げようと思っておりますけれども、私たちの国の行政というのは、ここ何十年も縦割り行政の弊害が出ていると。環境省は環境省の縄張の部分だけやる、そして森林の部分は林野庁だから林野庁に任せっ放しという流れが反省すべき材料として私たちの大きな課題だろうというふうに思っています。
 地球温暖化問題に対する責任者として、この森林の分野にも環境大臣としてしっかりとイニシアチブを発揮していただきたい。そして、岡崎筆頭理事からは、あらゆる部分で総理の力もかりて、いろんな施策を環境大臣として進めていくべきだというお話もありましたが、私は、この森林の部分、正に今、森林整備部長が答弁のあったとおりにすべきと申し上げるつもりはありませんけれども、環境大臣の立場から、森林及び森林吸収源対策、大変重要な課題でありますので、内閣の中でしっかりとしたリーダーシップを発揮していただきたい、このように考えますけれども、大臣のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるとおり、京都議定書の目標達成計画では、これはもう森林経営による吸収量として基準年総排出量比で三・八%ですから、これは全体からいうと大変大きなウエートを占めるわけでありまして、そういうようなことを確保するということは、今先生おっしゃったように、並大抵のことじゃない。
 それで、特に林野庁は一生懸命やってくださっているんでしょうけれども、これから予算も含めて様々な意味でなかなか困難な部分もあります。ですから、我々は直接的にはなかなか関与できないというちょっと隔靴掻痒の感があって、つらい部分もあるわけでありますけれども、全体的な削減目標を約束を果たすと、こういうような意味においては森林吸収というのは実に重要な役割を果たしますので、おっしゃるとおり、総理にも、それから環境大臣としてもそのことについては国民の皆さんにも訴えて、森林の言わば手入れ、間伐、こういうものは重要なんだというようなことについて環境省としてもどんどんまた国民の皆さんに訴えてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○小川勝也君 大臣の活躍に期待をするところであります。
 歴代環境大臣が御苦労されてきたことも、あるいは林野庁が御苦労してきたことも分かっているつもりであります。
 来年は北海道洞爺湖サミットの年であります。橋本理事のふるさとからも近いところで行われるわけでありますけれども、私たちは、この京都議定書という、あるいは京都会議というこのことによって、私たちの国の中においての地球環境問題への意識、認識が大変大きくなったというふうに認識をしております。
 そして、来年、北海道洞爺湖サミットが環境問題を主要のテーマとして開催されるということは、これは千載一遇のチャンスであるというふうに思っています。世界から首脳を招いて環境を議題としておきながら、その環境の最たるものであります森林環境の整備にお金が使えないんだというのでは、ホスト国として恥ずかしい限りであります。これから年末の予算編成に向かうわけでありますので、来年、北海道で行われます北海道洞爺湖サミットを大きな有効なる手だてとして、環境問題及び地球環境問題、そして今話題としております森林吸収源対策、大いに利用すべきだと考えております。
 このことも踏まえまして、来年の北海道洞爺湖サミットに向けてのホスト国の環境大臣の御決意を賜りたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 来年の北海道洞爺湖サミットにおいては、地球温暖化を始めとする環境問題、これは最も重要なテーマの一つになると思います。そういう意味では、御指摘のような環境における国際的なイニシアチブ、これを発揮する絶好の機会でもありますし、加えて、先ほどからお話をいただいていますように、京都議定書の議長国でもあったわけでありますので、是非そういう意味で環境を一番の重要な課題の一つとしてしっかりと日本としても訴えていくべきだろうというふうに思っています。
 私の方の環境省としては、これはハイリゲンダムのサミットでも議論をされたわけでありまして、非常に国際的には評価されました。こういうようなことを踏まえまして、地球温暖化あるいは生物多様性、そして3R、この三分野を中心に国際的な対応の進展に向けた、より前向きなメッセージを世界に発信していく、こういうようなきっかけにしたいというふうに考えているわけであります。
 そのためにも、来年の三月には千葉で開催予定の、これはG20のグレンイーグルズから受けた閣僚級会合、それから五月に神戸でG8の環境大臣会合、こういうようなことをあらゆる機会で今先生がおっしゃったようなことを議題にしつつ、それを最終的にG8の洞爺湖サミットにインプットしていく、こういうような一連の作業を今しているところでありますけれども、加えて、御指摘いただきましたんで、さらに森林の問題についてもしっかりと配慮をしつつやっていきたいと、こういうふうに思います。
○小川勝也君 ありがとうございました。
 もう一点、今日は御確認をいただきたい課題、短時間でありますけれども、大臣に御認識をいただきたいというふうに思います。それは北海道のやや北にありますサハリンにおきまして、油田、ガス田、エネルギーの開発が行われているということであります。その海域、すなわちオホーツク海あるいは宗谷海峡に油あるいはエネルギーを積んだ船が航行する機会が多くなるということであります。
 ナホトカ号が日本海に油濁事件を起こしたということは記憶からぬぐい去れないわけでありまして、私たちの、その近くに住む沿岸住民や漁業関係者、自治体関係者はその危機あるいは対策というものに大変高い関心を持っています。先ほど申し上げましたとおり、様々な関係省庁が絡む問題でありますので、どちらかというと、自分たちの役所のテリトリーはここまでだという縄張争いが強過ぎまして一つの大きな課題としてとらまえられないという、隔靴掻痒という言葉を大臣使われましたけれども、私どももその思いを同じくしております。海洋環境という言葉もあるとおり、油濁問題や海洋環境の保全というのは正に、省庁の定款がどうなっているか分かりませんけれども、環境大臣に大きな関心を持っていただかなければならない、そういう部分だろうというふうに思います。
 一点は、油濁をまず防止をするため、すなわちタンカーの安全航行に対するルール化ができないだろうか、もっと発展した形が取れないだろうかという点が一点。そしてもう一点は、万が一、何らかの事故が起きて海域に油がまみれてしまったときの除去対策、関連対策はどうなっているのか、関係省庁が綿密に連携を取っていただきたい。そして、できることを速やかにやる体制をハード面、ソフト面併せてやっていただきたいということでございます。
 まず、環境大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、こういう海洋環境の保全ということに対しての環境省の関心は高いでしょうか、薄いでしょうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 薄いわけはないわけでありまして、特に、環境省のやれる範囲というのは、今おっしゃったように、限定的である部分もあって私も面映ゆいところがあるわけでありますけれども、一つは、これは油等汚染事件に対する準備及び対応のための国家的な緊急時計画、こういうようなことに基づきまして、海洋環境の保全並びに国民の生命、身体及び財産の保護のため迅速かつ効果的に対応すると、こういうようなことが閣議決定をされているわけでありますけれども、環境省はその中で、この計画に基づきまして、特に緊急時に防除地域を決定するための判断材料となります脆弱性沿岸海域図というようなものを作成しまして、地形あるいは生態区分をベースに作らせていただいているわけでありますけれども。また、今お話しになったように、例えばウミドリ、こういうのの救護に関しましても、地方公共団体の職員や獣医師等を対象とした研修、こういうようなものも行っているところでありまして、まあ関心を持ちつつ、各、他関連省庁としっかりと連携を取って、そして特に自然あるいはその自然の中にいる動植物、こういうものの保護を中心に環境省としてもしっかりと取り組んでいくと、こういうようなことを申し上げます。
○小川勝也君 関係省庁に来ていただいていますけれども、すべてにお答えをいただける時間がありませんが、海上保安庁に先ほどのタンカー等の運航管理の工夫、そして油濁除去の装置とかハード面、どういう対策が今なされておられるのか、二点お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(米岡修一君) お答え申し上げます。
 サハリン油田に関連しまして、タンカー等に対する海難防止策がどのようなものがあるかについて御答弁申し上げます。
 委員御承知かと思いますが、宗谷海峡は大半が我が国領海外の公海に当たりまして、一般的には、公海上における外国船舶の安全対策につきましては、旗国主義の原則により、当該旗国において所要の措置を講ずるものであるものと承知しております。
 海上保安庁としましても、宗谷海峡を通峡します外国船舶に対して、航行警報や沿岸域情報提供システムなどによりまして、流氷の状況、気象、海象の状況、障害物等について所要の船舶交通の安全のための必要な情報提供を実施しているところでございます。
 また、船舶が航行する際の国際的なルールにつきましては、条約による海上における衝突予防のための国際規則というのがございまして、そこにおいては所要の規定が設けられております。例えば、状況に応じた安全な速力で運航し、機関を直ちに操作できる状況にあること、他船をレーダーのみにより探知した場合には、近接、衝突のおそれの有無を判断し、余裕のある時期に回避行動を取ること、回避行動を取る場合の針路の変更に関する禁止事項等がございまして、所要の安全が、航行が保たれるような定めがされております。
○政府参考人(石橋幹夫君) 油流出事故に備えるための資機材につきまして、海上保安庁では、稚内それから紋別海上保安部、それと網走海上保安署に大型真空式油回収装置などの大型油回収資機材をそれぞれ一基ずつ配備するとともに、これらの大型油回収資機材を運用することができる大型巡視船を稚内海上保安部等に配備しております。また、北海道に所在します海上保安部署に油処理剤や油吸着剤等の資機材を配備しているところであります。
 油流出事故が発生した場合には、海上保安庁では油を流出させた原因者に適切な油防除活動を行うよう指導等を行うとともに、原因者が適切な防除措置を行っていない場合には、必要に応じて巡視船艇及び航空機を出動させ、配備している資機材等を活用して油の防除活動に当たります。
 また、現地レベルにおいて排出油等の防除に関する協議会などを開催するとともに、中央レベルにおいても、油等汚染事件に対する準備及び対応に関する関係省庁連絡会議を通じて事故や汚染の状況を把握し、情報の共有化を図ることとしております。さらに、関係機関等においても大型油回収装置や大型しゅんせつ兼油回収船等を配備していることから、これら関係機関等とも連携の上、防除措置を実施することとしています。
○小川勝也君 資源エネルギー庁や水産庁には御答弁をいただく時間なくなりましたけれども、御案内の水産業が大変重要な地位を占める海域でもありますし、地元住民の皆さんの不安も募っているようであります。今御答弁をいただきましたけれども、環境大臣にもしっかり御関心をいただいているようでございますので、関係各省が連携を密にして、まずは事故を未然に防ぐという工夫をしていただく、そして万が一のときの対策も、迅速に効果的な対策が取られますように、今まで以上に連携を密にしていただきたいという要望を申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○大久保潔重君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の大久保潔重です。
 小川先生は日本の最北端、私は日本の最西端、そして離島、半島を多く抱えた海洋県、長崎県選出の議員として、本日初めての質問をさせていただきます。
 我が国も四方八方を海に囲まれている正に海洋国であります。古来から国内外の人、物、また文化の交流、物流のルートとして海が存在をしてきました。また、自然の恵み豊かな海には多様な魚介類が生息をして、人々に大きな恩恵をこれまでもたらしてきました。
 しかしながら、近年、国内の近辺の海洋汚染が進んでおり、特に閉鎖性の海域の水質汚濁が進んでいるというふうに聞き及んでおりますが、今この国内の閉鎖性水域の状況とその水質保全対策について、まずお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(白石順一君) 閉鎖性海域のお尋ねでございます。
 御案内のように、内湾、内海等の閉鎖性海域、一度流入した汚濁負荷が滞留しやすいということがございますので、一度水質悪化が進みますと改善するのに長期間を要するということになります。特に、高度経済成長期以降、富栄養化による大規模な赤潮の多発など水質の悪化が顕著となってきておったことがございます。
 そのため、閉鎖性海域の中でも、とりわけ人口あるいは産業が集中して汚濁が著しい広域的な閉鎖性海域、具体的には東京湾、伊勢湾、瀬戸内海でございますけれども、こういったところは通常の水質の濃度規制に加えまして、いわゆる水質の総量規制というのを昭和五十四年に導入いたしました。まずは、CODを対象にいたしたわけでございますが、先般、平成十四年からは、これに加えまして窒素含有量、それと燐の含有量も対象に加えまして汚濁負荷量の総量削減ということを図っているという対策を取っております。
 また、今御指摘のように、全国の閉鎖性海域は八十八ございますけれども、有機汚濁の指標となるCODに加えましては、そのほかの今申し上げました三つの海域以外のところにおきましても、平成五年からは富栄養化の原因となります窒素含有量、それから燐の含有量につきましても水質汚濁防止法に基づく排水規制というふうなことを行っておるところでございます。
 おかげさまで、こういった対策が功を奏しまして、燐あるいはCOD、窒素等々の汚濁発生負荷量というのは順次改善を見ておるわけでございますけれども、最近その傾向が頭打ちになっているという状況がございまして、更に一層の対策をしなければならないと、このように考えているところでございます。
○大久保潔重君 国内八十八か所、閉鎖性海域において特にひどい東京湾、伊勢湾あるいは瀬戸内海においては、濃度規制、排水の規制だけじゃなくて総量規制を掛けて、そういう汚濁負荷の除去に努めているということであります。
 しかしながら、ちょっと頭打ちをしているというところで非常にそこを心配しておりまして、更なる保全、水質の保全対策に向けて今後取り組んでいく上で、やっぱり生活排水、人口が多いところほどやっぱりそれだけ生活の活動の営みがあるわけですから、その排水処理対策についてこれはもう本当に率直に御質問をしたいと思うんですが、今非常に縦割り行政の中で排水処理対策が行われているというような感じがいたします。
 しかし、今各地方自治体、都道府県とかあるいは自治体においては排水処理対策をいわゆる組織を再編して、目的は一つということで新たな組織で効率良く取組をなされているというところはもう全国的に見られます。国においてそういうことも可能なのかどうか、環境省のお考えといいますか、あればお伺いをしたいと思っております。
○政府参考人(由田秀人君) 具体的な話で申し上げますと、浄化槽や下水道などの生活排水の対策のための汚水処理施設の整備に当たりましては、それぞれの汚水処理施設の特徴や地域の特性を踏まえて効率的に整備されることが重要であるという認識をいたしております。
 こうした観点から、これまで環境省におきましては関係省庁と連携いたしまして、都道府県構想の策定や見直しの支援を行ってきたところであります。このようなことから、都道府県におきましてはかなりの県で一本化をして取り組まれているところは御指摘のとおりでございます。
 それからまた、この地域再生計画に基づきまして、環境省、農林水産省、国土交通省所管の汚水処理施設の整備を効率的に行いますために、事業間や年度間の融通が可能な地域再生基盤強化交付金を内閣府を担当として平成十七年度に創設をしたところであります。平成十九年度のこの地域再生基盤強化交付金、十九年度予算として一千四百十八億円ございますが、この中でもこの下水道、浄化槽、農業集落排水事業、それぞれ事業間や年度間の融通の利くものとして採択されているものは十九年度で三百七十件ございます。
 環境省としましては、今後とも関係省庁との連携をより一層図りながら、各地方公共団体におきまして都道府県構想の下、汚水処理施設の担当部局にかかわりなく、効率的な汚水処理施設の整備が実施されるよう指導してまいりたいというふうに考えております。
○大久保潔重君 生活排水処理という目的に沿っていきますと、できる限り各省庁、下水道、農村集落、漁村集落、あるいは浄化槽、各省庁でしっかりとした連携を取っていただいて、できれば何か全省的に組織を再編してこの排水対策をやっていただきたいなというような気持ちはあるんですが、是非今後もしっかり連携を取って進めていっていただきたいというふうに思っております。
 それから、平成二十年度の環境省重点施策というのを拝見をいたしました。その中で、概算要求重点施策の中に入っておりますけれども、高度処理型浄化槽の整備促進というのが項目としてあります。予算も要求されておりますけれどもね。この高度処理型浄化槽、この対策状況といいますか、今の現状と今後の取組ということについてちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(由田秀人君) 閉鎖性水域や水道水源地域におきます窒素あるいは燐対策などを特に実施する必要がある場合におきまして、窒素などを除去する高度処理型浄化槽の普及促進を図るために、市町村に対しまして高度処理型浄化槽を設置する際の助成を行ってきているところであります。これまでも高度処理型浄化槽の助成対象地域の拡大などの普及促進も図ってきたところであります。しかしながら、高度処理浄化槽の整備は必ずしも十分に進んでいるとは言えない状況がございます。その理由としましては、高度処理型浄化槽が通常の浄化槽と比べまして利用者の負担が高額であるということが考えられるわけであります。
 そこで、高度浄化槽を設置できる地域におきまして、市町村整備推進事業によりまして高度処理型浄化槽で整備する場合には、この高度処理型浄化槽の利用者負担分、ここのところを通常型の浄化槽の利用者負担分と均質とするよう平成二十年度の予算概算要求を行っているところであります。
○大久保潔重君 この高度処理型というのは非常にいい機能といいますかね、いいんですよね。それから、燐、窒素、CODの改善に向けてやっていくという意味では非常に費用、コストが掛かるということでありますけれども、是非、環境省としてたくさん要求をしていただいて、これをやっぱり広めていただきたいというのが思いであります。
 閉鎖性の水域ということで、今年度は例えば新規で里海創生支援事業なんというのも出されております。これ、ちょっと説明を聞きましたら、NPOなんかの支援をされるということでありますけれども、是非そういった取組をやっていただきたいと思います。
 さて、全国八十八か所の閉鎖性水域のうち、その八分の一の十一か所が実は我が長崎県にあります。その十一か所の中には、作家の村上龍氏が世界一静かできれいな内海というふうに絶賛をしております大村湾もあります。それから、先日、二十日の日には完工式を終えました、五十五年にわたる諫早湾、これは諫早湾干拓事業の完工式が終わりましたけれども、その諫早湾から有明海にまたがる流域というのも閉鎖性の水域であります。ちょっとこの有明海について御質問をしたいと思います。
 この有明海もまた同じように年々水質が悪化をしております。そして、特に今年度、赤潮の発生によって魚介類が非常に多大な被害を被りました。実は、平成十二年にノリの不作を受けて、議員立法で平成十四年に、有明海及び八代海を再生するための特別措置法というのが公布、施行をされました。ちょうど五年たちまして、今年が見直しの時期に来ているということでありますが、この五年間、この有明海及び八代海を再生するためのこの特措法がどう機能してきたのか、そしてまた今後の展開についてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(重義行君) お答え申し上げます。
 今議員から御指摘ございましたように、平成十二年度の有明海におけるノリの養殖の不作などに対応いたしまして、国民的資産であります有明海及び八代海を豊かな海として再生することを目的に、平成十四年に有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律が制定されたところでございます。
 これまで、法律制定後、同法律に基づき、国が有明海及び八代海の再生に関する基本方針を、また関係県が基本方針に基づいた県計画を定め、覆砂や堆積物の除去などの水産基盤整備事業の一部事業のかさ上げ措置を講ずるなどにより各種再生措置や調査を進めまして、また環境省に設置されました有明海・八代海総合調査評価委員会、これが平成十八年十二月にこれまでの調査の結果に基づきまして再生に係る評価を行うとともに今後解明すべき課題等について提言を行うなど、関係省庁並びに関係各県等が連携いたしまして、有明海及び八代海の再生のための対策を講じてきたところでございます。
 今後につきましては、総合調査評価委員会の提言を踏まえながら、有明海及び八代海を貴重な自然環境と水産資源の宝庫として豊かな海に再生いたしまして、関係者が将来に明るい展望を持てるよう、引き続き海域環境の保全や改善を図るとともに、水産資源の回復等漁業の振興に関する施策を進めてまいることといたしているところでございます。
○大久保潔重君 私は、ずばりその地元であります諫早で生まれ育ちました。そして、過去において未曾有の水害を経験してきております。そういう意味で、また長いこと、これは昭和何年でしたかね、五十五年来ということでありますけれども、実は今、議運の委員長をされております参議院の西岡武夫先生のお父様、西岡竹次郎知事のときからしますと約五十五年掛かりでいろんな人々の重い犠牲の上に成り立ってもきていますし、いろんな総合的な観点から、私は、この事業に関しては、最終的な諫早湾干拓事業、この土地改良の事業に関しては推進の立場を取ってきました。
 しかし、本当にこの数年、いろんな各界の論争があったのも事実であります。特に、諫早湾から有明海にかけての環境問題あるいは漁業被害というのは年々深刻化しておりまして、是非そういう意味で、よもや、よもや、今日、農水省の方おられますよね、諫早湾干拓事業が終わったからといってこれでおしまいということはないでしょうけれども、是非、完工式がまたこれから新たなる将来に向けての私はいろんな意味でのスタートだというふうに思っております。
 諫早湾には日本で一番短い、そして流域の小さい一級河川の本明川が流れております。その上部ではダムを今後造ろうかというような計画もあって、実は自治体からも国に対して再三の要請が行われております。先ほど言いましたように、私自身はいろんな観点からこの諫早湾干拓事業推進の立場を取ってきましたけれども、しかし、これから子孫にあそこを本当にいい貴重な財産として残していくためにはもっともっと国が関与をしてしっかりと、特に環境省が一番リーダーシップを取ってあの地域の今後をしっかりと見守って、あるいは支援をしていただきたいという思いがあるわけでございます。
 特措法の二十四条には総合調査評価委員会ということがありまして、先ほどの答弁には、その提言を受けまして環境省としてもしっかりと対応していくということでありますけれども、できればもうちょっと詳しく、どういった提言内容があったのか、それに対してより強い環境省の思い、対応といいますかね、そういう答弁をお聞かせいただけたらというふうに思います。
○政府参考人(白石順一君) 今御指摘ありました、いわゆる特別措置法によりまして環境省に設置された有明海・八代海総合調査評価委員会、その任務でございますけれども、国、県の調査結果に基づいて有明海、八代海両海域の再生に係る評価というのを行うことを任務としておりまして、先ほど農水省の方から御答弁ありましたように、昨年の十二月、いろいろな環境変化の要因分析、具体的な再生方策、今後の課題等の報告が取りまとめられたわけでございます。
 具体的な内容ということで、主な内容をかいつまんで申し上げますと、まず環境悪化、水産生物の減少要因ということでございますが、タイラギ、アサリ等の二枚貝、それから魚類、ノリの色落ちというふうな各論の前提となる総論といたしましては、二つほど指摘がありまして、過去からの埋立て・干拓、人工構造物の構築、砂利採取等の人的な開発、及び二点目としては、潮位の上昇あるいは海水温の上昇等の自然現象が長期間にわたってあったことから、海域環境の悪化、水産資源の減少があるというふうな評価をしておるわけでございまして、大きく分けて二つ目の具体的な方策といたしましては、底ですね、底層環境の改善ということ、あるいは沿岸域の環境保全、回復ということ、それから、とりわけ貧酸素水塊への対策の取組、あるいは貝類、魚類の資源管理、持続的なノリ養殖業の推進等々についての再生方策を具体的に述べておるところでございますし、また、まだ解明すべき重点として引き続き調査をすべきだということで、二枚貝の減少要因であるとか魚類の減少要因等々について提言をしておる次第でございます。
 環境省といたしましても、いろいろな再生に向けた対策ということを農水省さん、それから国土交通省さんなんかと一緒にやっておるわけでございますが、とりわけ浄化槽の関係において水質保全の対策に取り組むこと、それから貧酸素水塊の影響であるとか、あるいは様々な調査研究の推進という観点から、環境省も協力してやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○大久保潔重君 もうこれ本当に、私、地元ですから、いろんなことを説明するとすごく時間が掛かるんですけれども、この事業によって得られた七百ヘクタールの土地、これは本当に環境配慮型の優良農地としてこれからしっかりとやっていくということで、県も基本計画を立ててやっております。
 それから、調整池の水、これがなかなかきれいにならないということでありますけれども、これは常にマイナス一メートルにコントロールをして、そして我々、諫早旧市街地で生まれ育った者にとっては非常に、雨が、大雨が降ったときもまくらを高くして寝られるという意味では既に防災効果を発揮しております。そういう防災機能も含めて、豊富な水を農業用水として使うということでありますので、是非、また調整池の水質保全、これしっかりやっぱりやっていただきたいと思います。
 それから、周辺地域では地下水を豊富に実はこれは工業団地に送っております。これも、工業用水として使う分だけならいいんですが、地下水を農業用水で使うとなると、周辺地の地盤沈下がやはり起こって悲惨な状況になりますので、これまたしっかりこの農業用水を確保するという意味でも大事でありましょう。
 また、堤防道路、潮受け堤防、これは高さ七メートルで距離は七キロあります。これがいよいよ今年度、今年中には供用を開始するということでありますけれども、できた暁には流通ルートとしても非常に役をしてくるでしょうし、これはまた高潮災害のときにも大変なこれまで効果を発揮してきました。
 やっぱり問題は、諫早湾の調整池と、その堤防の外の諫早湾から有明海にまたがる本当に水質をどうするかということであります。いろいろあっても、結局、調査をしてもはっきりと原因が分からないということでありますけれども、更なる専門組織を入れての調査を是非、環境省もリーダーシップを持ってやっていただきたいと思いますし、私は、いろんな、有明海を取り巻く、取り巻くというか、またがる各県、それぞれにいろんな要因があると思います。すべて諫早湾の干拓事業のせいじゃないと思っています。そういうふうに国も恐らく考えていると思います。そういう意味では、是非これまた環境省がリーダーシップを取って、長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県それぞれに、有明海にまたがる県にもきちっと連携を取って、そしてみんなでこの海きれいにしていくんだということで、是非強い取組をやっていただきたいと思います。
 是非、これ、農水省、国交省併せて、環境省が一番強いリーダーシップを取ってやっていただきたい、その私の思いに対する大臣のお答えと、それからもう一つは、一方で我が党は、あの諫早湾干拓に対しては、無駄な全国の公共工事の一つとして反対を取ってきたわけであります。私は、全くあの事業が無駄だったとは言いません、あのところで育っていますから。しかし、いろんなことを総合的に考えましたら、本当にあの事業が必要十分条件を満たす一番最良の事業だったのかと思いますと、それも一つまた疑問があるわけであります。
 どうも国が進める大型プロジェクトというのはどんどんどんどん突き進んでいく、そういうふうな傾向がありますので、そういう大型プロジェクトに対して、本当にそのとき、その時代時代、その地域に合った抑止力を利かせることができるのは私はやっぱり環境省だと思っております。是非、二十一世紀、今後の発展を考えたときに、是非もっともっと、環境立国戦略というのも出ておりますから、環境省が強い強いリーダーシップを取っていただきたいと思うわけでありますので、それに対して大臣のお気持ち、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今先生るるお話しになった中には、いろいろと悩みもあり地元の要望もありと、こういうような中でのお話だというふうに理解しております。
 有明海、八代海の再生に向けましては、これ、平成十四年に制定されました有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律、これに基づきまして関係省庁が協力して基本方策を策定し、関係県はこれに基づく県計画を策定していると、こういうようなことでございますけれども、関係省庁及び関係県はこうした基本方針や県の計画に基づきまして各種の対策や調査を実施しているわけでありますけれども、この連携をしっかりと図ると、こういうようなことが重要なんだろうと思います。
 環境省としましては、これ、関係機関の連携を更に強めてしっかりと対応してまいりたいと、こういうふうに考えているわけでありますが、本年度からこの連携強化を図るための新たな調査予算を計上するなど、その取組強化に努めているところでございます。
 今後とも、有明海さらには八代海の再生に向けて、関係省庁、関係県と緊密に連携を図りつつ取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○大久保潔重君 是非、有明海に関しては、地元でもありますし、またこれからも厳しいことを申し上げるかもしれませんけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、最後の質問ですね。やっぱり国の進める大型工事というのはどんどんどんどん突き進んでいくというような傾向があると思います。それに対して、そこにやっぱりいろんな、今問題になっているのが税金の無駄遣いだとかなんとか、問題になっているわけでありますので、そこに唯一、抑止力を利かせるのは私は環境省だと思います。そういう意味では、是非、開発と環境というのは相反するものでありまして、そういう中でさじ加減を取ってしっかりとやっぱり環境省の存在というのを出していただきたいという思い、それに対してちょっと大臣の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(鴨下一郎君) 公共事業の実施につきましては、これ環境基本法の第十九条において、国が環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定、実施するに当たっては環境保全に配慮しなければならないと、こういうふうにされているわけでありまして、また、今先生おっしゃるように、大規模な公共事業等については環境影響評価法による所要の手続を経て環境保全への配慮が行われると、こういうようなことになっているわけであります。
 さらに、大規模な開発事業等については、より早期の段階で環境配慮に取り組むことができるよう、これは本年四月に戦略的環境アセスメント導入ガイドライン、こういうようなことをまとめたところでありまして、その推進によりまして、多分、数十年前と比べて今はより環境に配慮した事業、こういうようなことが国民の理解を得ると、こういうようなことになるんだろうと思いますので、しっかりと環境省としての存在感を示していきたいと、こういうふうに考えています。
○大久保潔重君 ありがとうございました。
○荒井広幸君 荒井でございます。
 質問の機会をいただきました会派の皆様にお礼を申し上げます。
 早速ですが、今総務省の皆さんも席に着かれますので、今日、私は、環境国債、そして環境会計、環境会計の中では特に金融部門の必要性、そしてまた、そろそろ国民的盛り上がりが出てきました、言うなれば民間環境臨調ができる時代かなと、こういう期待を込めて提言と質問をさせていただきたいと思います。
 まず、早速ですが、総務省にお尋ねをいたします。
 川崎市の川崎緑化推進債、また横浜ではハマ債風車という市債ですね、ともに、この起債が認められている理由、これをお尋ねします。
○政府参考人(御園慎一郎君) 今御指摘の二つの市債でございますが、まず川崎市の方でございます川崎緑化推進債、これは、公園、緑地の施設整備あるいは自然保護対策それからリサイクルパークの建設と、こういった内容の公共事業を行うための財源とするために起債の協議がございました。これらの事業は地方財政法に起債対象として規定する公共施設の建設でございますので、その財源とするために地方債を発行したいということでございました。
 地方債の発行に際しましては同意、許可が必要でございますけれども、その際に、財源として適当かどうかということで、世代間の負担の公平あるいは財政運営の健全化というようなことを検討いたしまして、一般公共事業債あるいは廃棄物処理事業債として同意を行ったところでございます。
 それから、横浜市のハマ債風車でございますけれども、横浜市の風力発電事業の財源とするために許可申請がありました。
 この事業でございますが、地方財政法に起債対象として規定する公営事業でございまして、その経費につきまして、事業によって生じる収入とか、あるいは他会計の繰入金によって確実に回収されることが見込まれるというふうに認められましたので、これも同様に財政的な観点で合理性があるということで起債の許可をしたと、こういう経緯であります。
○荒井広幸君 委員の先生方もお聞きになって、つまり公共事業、公共施設、そういうものだというふうに、目的については非常にあっさりしているんですね。そうではなくて、世代間の公平とか財政運営でちゃんとこれ返せるのかとか、そんなことの手続に、枠にはまっていれば起債を許したと、こういうことなんです。目的が非常に過小評価されている。この点を考慮して、今この横浜、今日、私は専ら環境と言った場合には、大臣、地球温暖化、気候変動という意味でございます。そういった意味で使わせていただきますけれども、例えばこの横浜について見てみますと、非常に幾つものいわゆるポリシーミックスが見られるんですね。こういう点をどう評価するかというのが非常に重要だと思うんです。あえて内容について踏み込ませていただきたいと思いますが、こうした環境配慮、取組ですね、これについての地方債という行政手法、これを使うことについての評価をまず環境省に、次いで総務省にお尋ねします。
○政府参考人(西尾哲茂君) 荒井先生から御指摘いただきました川崎緑化推進債、それからハマ債風車、これは住民参加型市場公募地方債という手法は使うと、こういうことでございましょうけれども、その中で、公園緑地等の公共事業や風力発電等の公営企業について地方債を募ると、そういう形でありますけれども、一方では一定の利子軽減分を緑化事業の原資にすると。全体として眺めて環境対策ということが市民によく分かるようにということで、ユニークな工夫をされた取組であるというふうに思っておりました。これによりまして環境保全の意識を広めるということをやりながら資金調達を図るという工夫をしておられる、そういう点では極めて意義深いものだというふうに思っております。
○政府参考人(御園慎一郎君) 今御答弁ございましたように、横浜市それから川崎市の両方とも住民参加型の市場公募地方債という資金調達方式を使っています。私ども総務省といたしましては、こういう住民参加型の市場公募地方債につきましては、住民の行政への参加意識の高揚を図るとともに、その資金調達手法も多様化することができるということで評価しているところでございますが、特に御指摘の川崎、横浜両市におきましては、委員御指摘の環境という観点も考慮した上で市民の市債の購入を通して環境行政に対する市民参加を促すと、こういう観点からこの地方債という方式を選択したというふうに考えているところでございます。
○荒井広幸君 今年の五月と六月に、私は財務省にこの場で、先ほどありましたキーワードを使えば、環境というものに住民、市民、国民が自ら参加する、これは非常に重い、また意義のある取組だと思うんです。しかし、財務省は国債について、私は環境国債、目的国債として環境国債を創設するべきであると、こういうことを申し上げましたが、それはできないと、こういうお話です。その理由を再三、三度お尋ねいたします。そして同時に、今ほど環境省、総務省、これらの評価を含めて財務省はどうこれら両市の取組を評価されますか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 委員御指摘の川崎市及び横浜市が発行した債券は、先ほど総務省から御答弁ありましたとおり、地方財政法に基づいて公共施設の建設事業費等に充てるために起債されたものと承知をしております。そのような個別の地方債に対する総務省のいろんなお考えについて、財務省として個々に云々する立場にはございませんが、ただ、委員のかねてより御示唆いただいている環境対策国債を新たに目的公債化して、として発行すべきではないかという点については、かねてより私どもとしましては、第一に、それがその特定分野の歳出に充てるための国債の増発ということにつながることになりますと財政の硬直化につながる可能性があるというのが第一点。それから第二点に、いわゆる環境対策のうちに、消費的支出ではなくて、国の資産を形成し、その資産からの受益も長期にわたるものについては既に公債発行対象経費とされておりますので、現在も建設公債によってその財源は賄われているということ。それから三番目に、環境対策のうち消費的支出については国の資産を形成するものではございませんので、その他の経費と同様、やはり将来世代への負担の先送りになるという点についてはほかの国債と変わらないということなど、毎年、大量の国債を発行している現状におきましては、その公債を発行している立場からいたしますと、そういうような様々な問題があると考えておるところでございます。
○荒井広幸君 横浜にちょっと限定いたします。横浜のいわゆるハマ債風車というものでございますけど、私も担当者にお会いしてお話を聞いてまいりましたけれども、これポリシーミックスとして、大臣、非常に優れているのはどこかといいますと、歳出と歳入両方に対して参加できるということなんですね、国民が、市民が。
 一つは、国と同じなんです、横浜は、格付が。ですから、普通は一・二三%ぐらいで調達できるんですが、一・一八%、〇・〇五%実は金利安くして調達できた。その分、横浜は償還財源が少なくて済むということです。財政再建上、これは極めて有効である。これは安くても私たちのお金が有効に使われればといういわゆる参加型であります。
 地方自治は民主主義の学校という言葉を使うならば、正にこうした税によらない新たな公債というようなもの、起債というようなものに国民がそれぞれの所得や考えに応じて参加するということは、正にある意味においてこれは財政の学校であります。そして環境の学校です。これを過小評価してはならないということです。
 どの程度あったか。この風力発電造っているんですが、五億円。その中の二億八千万をこれによって調達した。三日間で完売です。そして、もう一つはNEDO、国からのこれは補助金であります。ですから、それだけではできない。そうした市民の意見、そういったものを酌み取るためにもこのNEDOの補助金が必要である。後ほど経済産業省にもお尋ねいたします。
 同時に、企業の参加、一口百万円で実は四千五百万円ほど年間に集めまして、これはグリーン電力証書を与えられます。広告的なものでありますけど、グリーン電力を購入したと、こういうようなものにみなしているということです。これによって償還財源に充てていきます。
 どれぐらいで売れるんですかと。入札して売電の会社を決めました。一千万から二千万だと言うんです。随分見込みが甘いんですねと、こう言ったんです。随分、総務省も頑張った配慮ですよ。なぜかといったら、風が吹かないときもあるから一千万から二千万だと言うんですね。
 こういう環境循環型のエネルギーというのは問題点を持ちますが、こういったことで五年で完済しようと、こういうことです。こういう手法を取らなくて、財務省、財政再建どうしてできますか。先ほど言ったように、これはたまたま施設という形で目に見えますが、有形、無形のものであってもこうした形でODA、後ほど申し上げますが、その財政が郵貯、簡保、年金資金から回りづらくなってしまった、民営化によって。どんどん日本の武力を使わない世界の平和貢献というODAの道がだんだん閉ざされている。
 こういったものを考えると有効な手段だと考えますが、もう一度財務省に、もっと柔軟に、そして国民が参加して、しかも財政再建ができるような方途を考えるべきだと思いますが、同じ答えならば同じですというふうに言ってください。長くなって質問時間なくなりますから。
○政府参考人(木下康司君) お答えをさせていただきます。
 一つの貴重な御示唆だとは思いますけれども、先ほど言ったような問題点があるという点については同じでございます。また、それ以外にも、いわゆる国債の円滑かつ安定な消化という面からもいろいろ検討すべき点があるというふうに考えております。
○荒井広幸君 財務省さん、これは個人国債持ってもらおうということにしていますね。国債のある意味でのポートフォリオですね。それと同時に、郵貯、簡保を民営化してくる、年金資金もなかなか難しい。国債償還できないから個人に振り向けているということですよ、一つの意味は。これだって政策の間違い、私から言えば。
 しかし、個人国債は年々増加傾向でしょう。今幾らぐらいですか。二十三、四兆になりますか。個人国債の現状を教えてください。どれぐらいになっていますか。そして、伸びている傾向にあるかどうかお聞かせください。
○政府参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。
 まず、個人国債の現状でございますが、十八年度末における家計の国債保有額は三十三・四兆円、国債残高に占める家計の保有割合五・〇%となっております。
 それで、伸びているかどうかというお尋ねでございました。同じ数字を十五年度末で取りますと、十四・六兆円、二・六%でございました。十八年度末には三十三・四兆円、五・〇%と、ほぼ倍増しております。
○荒井広幸君 そこの国民の気持ちを使わなければなりませんよね。国民参加型ですよ、これからは。小泉さんは、劇場型と言って、国民に参加しろと言った。だけど、それは観客として参加しただけであって、政治に参加するところにはまだ至っていない。私は、この国債というものの幅広い発行の仕方ということは、財政再建にも寄与し、そしてまた、それぞれの目的意識を達成するための有効な国民参加型の、ある意味において国にとっては財政、国民にとっては目的、これはSRIですね、社会的責任投資という形になっていくんでしょう。
 そういうことを踏まえて、今の財務省さんのるるの答弁について環境省はどう意見を持ちますか。同じく総務省はどう見解を持ちますか。別な省だから関係ないということは言わないで、少し意見を聞かせてください。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今御指摘のハマ債風車でございますけど、私も、御指摘いただきまして、例えば利回り一・一%、五年満期でありますけど、一・一%。偶然ですが、風車の高さは百十八メートルだと書いてあります。ああ、市民に向けた仕事というのはこういうふうな仕方があるのだなということについては非常に勉強もさせていただいたという気持ちでございます。
 ただ、今大変な達見の御指摘でございますけど、ちょっと私ども、ずっと今まで仕事していまして、国債というものに何か事業とリンクしたものという頭が全く今までございませんでしたので、にわかにそういうことが考えられるかということにつきまして、まあ私自身は更に考えさせていただきますけれども、そういう特定財源的なものでセットしていいのかとか、あるいはそれは資産であるとか、いろんな課題、問題点があるのではないかなというふうに思っております。
○政府参考人(御園慎一郎君) ハマ債風車等の住民参加型の地方債でございますけれども、現状はそういう発行形態を取る市町村もだんだん増えてきているところではおりますし、私どもこれから、また先ほど申し上げましたようなこの発行形態の持っている意義にもかんがみて、日本のいろんな市町村なり地方公共団体が活用していただきたいというふうには思っているところでございますけれども、ただ、委員御承知のように、その発行の規模とか資金調達の規模ですね、それ等が国債とは大きく異なりますし、そういう意味でその購入層だとか流通性ということも異なってきておりますので、直ちにその国債の議論と私どもの住民参加型の地方債とを同様に論じるというのは難しいんではないかというふうに考えております。
○荒井広幸君 先ほど民主党の皆さんからも縦割りということがありましたけれども、正にそういうものを感じるんですね。国民の皆さんに対しては、もちろん国に、そして自分の住まう、働く地域にという意識の違いはありましょう。しかし、環境というところについては、それぞれのいわゆる参加の仕方、かかわり合い方というのがあるんですから、大いにこれは検討すべきであるということを三度、四度申し上げたいと思います。
 あと、総務省さん、私は常にこれ言っていますから、消費税だけに頼っていて、この改革の中で、いわゆるグリーン税制、その中で環境税だけに頼っていてはならないということです。こういうやり方もあるということです。こういうところを私たちはやはり今大きく考えていくべきであろうというふうに思います。
 さて、次ですが、そうしますと、地球温暖化対策含めて、日本の、人に人柄、国に国柄があるとすれば、ODAを含めた武力によらない紛争解決をしていくというような意味では、環境自体が武力に代わる人間の安全保障を脅かすものになっているわけです。こういったものを考えたら、日本のODA、世界に対する環境、そしてその中でも地球温暖化に対する貢献というものは、するべきであるし、望まれているわけです。こういうことに対しての資金調達源として環境国債というのは別途発行しろというんじゃないんですよ、今発行しているものに上乗せしろと言っているわけじゃないんです。目的を持たせて発行したらその分安くなるでしょう、国民は参加するんですから。必要に応じては今の三十兆のプライマリーを出ることはあるかもしれませんけれども、しかしその分、金利は安いんですから償還していく。計算してみたら、結果は一兆円高く付いても同じだったということはあるんですね。
 いずれにしても、こうしたODAを含めて世界貢献のための日本がやるべき道、そこと環境国債は一致すると思うんです。これについてどう調達、環境の国債によって調達して環境保全世界に貢献するべきと考えていますが、いかがでございましょうか。これは環境省。それじゃ、外務省でもいいですよ。当然だという話ばかり出てきますから、財務省に聞きましょうか、財務省。
 どうですか、財務省。財務省は別にあれが悪い、これが悪い、こんなの出さないという、そんなこと言っているばかりじゃないんでしょうから。やっぱり精査する、査定するときには本当にこれが世界に貢献するかということですよね。ODAを含めて効果あるわけでしょう。特に、参議院はそこに重点を持っていますけれども。そういう観点からいったら問題はあっても検討に値するかどうか、環境国債。問題はあるんですよ、何でも、三百六十度見渡せば。それを乗り越えてもやる価値があると私は思っているんですが、査定するだけ、ただ切り詰めているだけですか、目的意識として環境国債、これは必要と思うかどうか、財務省さん、どう思います。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 私どもも環境対策、それから御指摘ありましたODAの重要性については、全くそれは、重要なそれは歳出だというふうに考えておりますけれども、先ほどから申し上げておりますように、いかに重要な分野でありましても、そういう特定分野の歳出に充てるためにその特定の国債の増発をするということになれば、やはり財政の硬直化の問題ということが出てくるだろうというふうに申し上げている点が第一点ですし、それからやはり既に建設国債というものもございますし、それから、先ほど答弁にありましたように、国は非常に大量の国債を発行しておりますので、結局、どうしても発行ロットという問題がありまして、その発行ロットの観点から見ても、やはり特別の目的の国債を言わば細切れで出すということになれば、流動性や調達コストの面でもいろんな問題が生じかねないというようなこともありまして、貴重な御意見としては受け止めさせていただきますけれども、現時点では我々そういういろんな問題があるというふうに考えております。
○荒井広幸君 私も貴重な意見として聞かせていただくんですが、既にそういう時期は過ぎているんです。何でバブルが起きましたか。お互いに善かれと思ってやっていても合成の誤謬があるんです。ですから、もっと大きな観点に立った英断というのをしていかなくちゃならないと思っていますので、大臣には一番最後にまとめて包括的に御意見をいただきたいと思います。
 環境会計に移ります。
 今の問題と全く別な問題ではないんです。つまり、環境というものの価値を我々は今感じているわけです。温暖化、テレビで見て、感性で何となく分かってきた、肌で。ところが、金目で見える化していない、感じていない。やはり、ある程度金目で見えるようにする、貨幣換算という言葉の方がきれいかもしれません。こういう意味においては、環境会計というのは、我が国が洞爺湖サミットに向けて極めて世界を引っ張れる、通産省とも連携した中身だというふうに考えています。
 では、この環境会計について細かくお尋ねをしたいと思いましたが、時間の関係もありますので、まあ環境会計は言うなればどういうものなのか、どういう意義があるのか、その点と、同じように環境管理会計、通産省としてやっている、企業の内部会計でやっています、そのものとどう違うのか、そして中小企業向けにエコアクション21という環境管理会計の手法を取り入れています。これらはISO14001とどう違うのか、本当に簡単にお願いします。
○政府参考人(西尾哲茂君) 環境会計につきましては、企業がその事業活動における環境保全のためのコスト、それからその活動に得られた効果ということをきちんと認識してもらう、そういうものを可能な限り貨幣に表して、貨幣あるいは物量単位で定量的に表して、それをしかもステークホルダーに公表していくと、ここがみそでございます。そういうような制度でございます。
 それから、ちょっと順番が違うかもしれませんが、ISO14000シリーズにつきましては、そういう評価ということだけではなくて、むしろマネジメントシステムとして国際規格で決められておりますので、いわゆるPDCAサイクルと申しますか、方針を決めて、それを達成するためにどうやって、それをどうやってチェックしていくという、そういうシステムの、マネジメントのシステムのことを言っておると考えております。
 それから、環境管理会計ということでございます。これは経産省の方でガイドラインもお出しになって進めておられるわけですけれども、環境会計が内部的にそういうものをチェックすると同時に、外部に対してステークホルダーとかそのコミュニケーションに使うということに重視をしているのに対しまして、環境管理会計につきましては、いわゆる管理会計の一つとして環境の切り口ということから、例えば生産、ある製品の生産工程に着目して、原料、エネルギー、それから製品、排出、廃棄量、そういったものをきちんと測定して、内部的にきちんと貨幣単位に評価をして経営に役立てていくと、そういう内部管理の手法だというような性格付けができると思います。
 それから、最後に出ましたエコアクションでございます。エコアクションにつきましては、これはISOのような環境マネジメントシステムでございますけれども、これは中小企業の方、そういった方々に簡易にやれるシステムということで考えたものでございまして、マネジメントシステムではございますけれども、その中に若干、会計でありますとか、例えば環境報告書みたいなところのいいとこ取りも少ししていまして、二酸化炭素の排出量だとか廃棄物の排出量とか、そういうものは必ず取り組んで数量的にやりなさいとか、それから環境活動レポートということで必ず外向けに発信しなさいという、そういうところも、欲張った形ではありますが、中小企業が簡単に取り組めると、そういう仕掛けで作ったものでございます。
○荒井広幸君 資源を持ってきてそれを加工して、そして製品にして売ると。その場合、資源の無駄をなくせばそれだけ原料費は浮いてくるわけですから、製品にも単価安でいきますし、当然、資源環境にいいと。こういったところを専らにして環境管理会計はできております。
 そして、今度、世界に通産省がこれは提案をいたしました、ISOに、マテリアルフローコスト会計ということで、これも非常に私は評価します。これらについて、公表するという、世間に公表して価値判断をしてもらうというのが環境会計です。見てもらうということに重点がある。エコアクション21はむしろ中小企業向けです。簡易版ですね。そして、ISOの場合は、これは公表基準がございません。公表しなくてもいいんです。ということになりますと、どんな資源効果をしているかということを公表するということに非常に意義があるし、資源だけでなくて、今度はこれらに、環境会計で有効なのはCO2、廃棄物、排水の三点を必ず計算して出しなさいと言うんです。いわゆる地球環境そのものにぶつかるところをやっているんですね。
 これらのものを洞爺湖サミットに体系化立てて、そしてこうしたものを世界の皆さん共通にしましょうと。アメリカの言葉で言えばスタンダードでしょう。しかし、それは、みんななるほどそうだねと、やっぱりやおよろずの自然の国々で、そして、水俣問題はまだ解決していませんが、公害という不幸な歴史をしてきた、そして同時にオイルショックでも対応してきた、こういった日本の出せる私は顔だろうというふうに思うんです。
 そこで、こうしたものを考えていきますと、経産省は改めてマテリアルフロー会計、これ世界標準としてやろうというふうにしているわけですけれども、これ正に非常に重要なところですけど、金融は入っていますか。資源を買うときにお金がない、金融が貸した、貸さない、ここ入っていますか。経産省でお願いします。
○政府参考人(伊藤元君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、マテリアルフローコスト会計といいますのは管理会計の一つの考え方でございます。管理会計は、正に各企業が自社の中での効率的な経営を目指すための手法ということでございます。
 若干補足させていただきますけれども、現在のいわゆる通常の原価計算という中では、最終的な商品として体化した原材料だけではなくて、途中段階で端材として捨てられてしまったものも最終的な商品の原価という形で一緒くたに計算されるわけでございまして、マテリアルフローコスト会計を通ずることによって、最後、製品に体化した部分と、それから捨てられてしまったのと明確に分けるという手法でございます。当然、これはいわゆる円ベース、金額ベースで出すことによって売上げなり利益との関係でのコストの大きさというのを明確に出す、捨てたものの価値というものを明確に出すということでございます。
 これにつきまして、金融をどう扱うかということにつきましては、いわゆるその開示を目的とした環境会計とは違いまして、各企業が自社の経営の中でどういうふうにツールとして活用していくかということでございますので、その点につきましても利子分をどうするかという辺りも、今の段階では正に企業の判断ということになっておると思います。ただ、当然のことながら国内的にも、先ほど御指摘のありましたISOを通じた国際標準の中でも、そうした論点も含めて一つのルールづくりを目指していくべきであるというふうに考えております。
○荒井広幸君 最後のところ重要です。正に、我が国が言える分野なんですね。
 先ほどありましたけれども、今までですと、例えば製品としてできましたけれども、百グラムの材料を使ったが、製品としては八十グラムだった、二十グラムは今までは単なる廃棄物として考えていた。それを廃棄物を負の生産品として計算すると二十グラム分、幾らそこに労力やいろんなコストが掛かって、どれぐらいの、金で言ったらば無駄にしたんだよと、こういうことを見るわけですね。そこに今度は国民の皆さんが、先ほどの環境国債と同じように、公債と同じように、そういうものを見て企業価値を決めていくわけですよ。だからこそ公表しなくちゃいけない。
 公表という意味では、先ほどもアメリカが遅れているようなお話もあり、進んでいるようなお話もありますが、アメリカの州はすべての事業体に対して、まずは公表しろってやっているところあるでしょう。そういうところの方が進むんですよ、これから。我が国はこれはまだ義務化していない。ここが足下を見ずして洞爺湖で言えるかという問題です。ここを検討してもらいたい。
 義務化していくということですよ、中小に対しても。こういったものを、もちろん六月から始まっている部分がありますが、そして自治体も公表しないと駄目ですね。同じように、自治体は環境管理会計の手法でグリーン購入などは少しずつ始まりましたけれども、自治体なども同じような計算式、同じような公表式で出せると思うんですが、総務省、どう思いますか。
○政府参考人(御園慎一郎君) 御指摘の環境会計でございますが、国、地方公共団体はちょっと企業と違うというところもあると思います。その導入には多くの課題があるところではありますけれども、ただ委員も御承知のように、一部の地方公共団体においては既に水道事業などにおいて、環境会計になじみやすい企業会計を中心に環境会計を用いた広報行われているところも出てきているところでございますので、そういうところの実績も見ながら、今後また環境省等とも十分議論をしていきたいというふうに考えております。
○荒井広幸君 飛ばしますが、交付税でこれはグリーン購入の計画を練りなさいと、そしてグリーン調達をしなさいということですが、資料いただきましたが、まだまだですね、町村部分では。やはり、そういう意識を見てもらうためにも、一つの表現方法として見える化して住民の皆さんの参加を招く、ともに協働していく、そういったところの企業と自治体は違いますが、共通点はあるんです。そこを積極的に勉強会してください。
 そして、金融の話に戻りますが、この間、参議院の調査会で末吉竹二郎さんのUNEP・FIの特別顧問のお話を聞きました。金融機関の責任多いでしょう。どんどん、先ほど言いましたように、百グラムで八十グラムの製品ができて二十グラム捨てるような企業には融資できないというところまで入っていかなくてどうしてできますか、これが世界の隘路です。ステークホルダーというような形で言いますけれども、マルチ、金融からもう最後に捨てる、燃やす、すべてのところまで一気通貫で、そのもののこれは行政改革と同じですよ。最初から最後までライフステージ広げて考えていかなければ見れないと思います。そういうところに融資する金融や保険や、あるいは証券会社などの金融機関は責任を負うべきである、これがUNEP・FIの宣言であります。
 金融機関を取り込むためにも、まずはこうした環境会計、環境管理会計の中で環境会計公表するというところを重視していかなければ、どうやって融資、投資するんでしょうか。金融庁はどういう指導をしていますか。どんどん公害を垂れ流す、無駄に資源を使う、そしてCO2どんどん排出する、そういう企業に融資するような金融機関はこれは正義ですか。実態はどうなっているんでしょう。金融庁に聞きます。
○政府参考人(私市光生君) お答えします。
 今の環境問題と金融機関の在り方の御質問でございますけれども、基本的には社会的責任投資というようなことがございまして、そういう、いろんな積極的に環境配慮に取り組んでいる、取組などが行われていると思いますが、いずれにしましても、金融機関における環境配慮の取組は、まずもって個々の金融機関が自己責任原則にのっとった経営判断に基づいて行う性格のものでございますけれども、環境配慮の取組を含め企業の社会的責任を果たすことは、言わば企業市民として認知されることで企業の持続可能性を高めるとの側面があることがございます。
 それから、様々なニーズを反映した投資家が市場に参加することで厚みのある金融市場が形成されるとの側面もありまして、そういった取組を、金融機関としまして、責任投資原則に基づく投資の主体として金融機関が参加することはこうした手法の一つとして理解できるものというふうに考えております。
 以上でございます。
○荒井広幸君 金融機関がなぜ参加することが必要かというのは、バブルを見ればよく分かるんです。裏返しなんです。どんどんこのまま融資を続けていったら、幾ら産業界や、個人の家庭でも結構です、住宅でもいいです、続いていっちゃうんですね、減価償却するまで、あるいはローンが終わるまで。だから、目利きを国民参加型でしなくちゃいけない。
 その金融機関を参加するすべがありますか。どういうところに投資しているのか、なぜ融資したのか、それが大蔵省のこの主要行等向けの総合的な監督指針ですよ。これは金融庁からいただきました。社会貢献は必要だと、しかし、本来、私企業である銀行が自己責任原則にのっとった経営判断に基づいて行うべきであると、しかしながら、CSRは必要だから情報開示が分かりやすい形で適時適切に行われることが必要だ。今おっしゃったことです。
 じゃ、どういうふうになりますかというと、結びのところです、金融庁の監督手法・対応というところです。このところで何と書いているか。任意に行うものであるから、るる述べてきたような観点で報告がなされていない場合においても監督上の措置を講ずることはない。UNEP・FI、百九十の金融機関と日本は十八参加しているんですよ。そして、社会的に環境に配慮しない投資というのはやはりこれはいかがなものであるかと言っているときに、金融庁は、公表もしなくてもいいし、そんな融資基準なんかなくたっていいと。こういうことで、大臣、いいでしょうかね。
 これ、経済でいえば競争力をそぐことになるとか、こんな話になってしまう。しかし、本当に競争力をそがれるんでしょうか。IPCCの議長のビデオをこの間、調査会で見させていただきましたけれども、私はアメリカにいたが日本で成功していたじゃないかと、オイルショックだと。あのとき失業がいつまで続きましたか、そして経済成長がなかったですか、今の日本がそれを表している、日本よ、これを参考にしようじゃないかという趣旨ですよ。こんな後ろ向きなことでいいんですか。バブル行政と全く変わらないでしょう、こんなことやったら。CO2排出するバブルになりますよ。地球温暖化バブルを、また金融庁、大蔵省は同じようにこれを進めるというんですか。検討する余地はありませんか。
 金融庁、こうした、まず、どういうことを銀行が、どういう目利きで環境に対して融資しているのか。これは中小銀行もありますからね、地方銀もあります、いろいろあるから、一遍には無理でも、そういう姿勢で整えていこうということがないとおかしいんじゃないですか。そして、この監督通達、何ですか、これ。やらなくてもいいですよと言っているだけでしょう。お願いいたします。
○政府参考人(私市光生君) 金融機関も、金融機関である前に企業でありますし、社会的な責任があるというふうに理解しております。そうした、日本の、あるいは社会の一員として適切な社会的責任を果たすことは重要だと考えておりますし、そういう目で各銀行がどういう行動を取っているかというのは今後とも見させていただきたいというふうに考えております。
○荒井広幸君 また次回、それはやりましょう。
 まあとにかく、こういうことでは第二のバブルですよ、炭素バブルだ、環境破壊バブル。こういうものを私は言わざるを得ないんですね。
 そういうことを含めていきますと、経済産業省にお尋ねします。中小企業もどんどんとこの排出量削減に取り組まなきゃいけない。そのときに、研究会やっていらっしゃるでしょう、国内版のCDMですよ、これをやっていかなくちゃいけない。そのためには、資金も、ポリシーミックスで資金もノウハウも、そして、先ほどのような金融機関もそこに目利きして貸すということじゃないと、どうやって進みますか。中小企業に対して大企業が国内で売る、買う、お互い買うというのはありますよ、別に中小から大ばかりじゃないです。こういうこと、原則的には全部自らが削減しなければならないが、当然取引というのは生まれますね。こういった意味においては、ポリシーミックスで公的資金もなければできないと思います。
 一つ、金融機関がこんな姿勢でできますか。国の財政支出だけでやったら、財務省、金が掛かって大変じゃありませんか、国民の血税が。年金だって大変な時代に。金融機関が責任を持っていながら、本当に積極的にできるんですか。できなくて、政策だけで支援できますか、経済産業省。そういうことを含めて、今どんなことをやっているか、で、公的支援、そして金融の支援もなければできないと明確に言ってください。
○政府参考人(伊藤元君) 御質問、多岐にわたっておりますので、一つ一つお答えさせていただきますけれども。
 まず、委員御指摘のとおり、大企業と比較いたしまして取組が遅れている中小企業についても、温室効果ガスの削減対策を推進をしていくということが大変重要な課題であると認識をしております。こうした観点からいたしまして、委員御指摘のとおり、経済産業省といたしましては、自主行動計画の枠組みの中で、すなわち大企業が技術、資金等を提供して中小企業が行った温室効果ガス排出量を自主行動計画等に活用する制度、私どもこれを国内CDMと言っておりますけれども、の構築に向けた検討を進めているところでございます。
 この制度におきまして、中小企業における温室効果ガスの排出削減量を第三者が審査し認証する仕組みが必要で、このための必要な予算というものを要求をしているところでございます。今後、関係者の御意見も伺いながら、制度の速やかな具体化を進めていきたいというふうに思います。
 ちょっと時間もございませんので、ポイントだけでございますが、更に政策的な支援策といたしまして、補助金、それから金融面からの支援、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫等からの支援、それから税制面につきましても、省エネ設備については、特に通常の税制に加えまして、税額控除制度も中小企業については認めていただいているということでございます。
 それから、当然のことながら、民間の金融機関からもいろいろな形で御支援をいただければ、更にそうした政策効果も上がっていくというふうに認識をしているところでございます。
○荒井広幸君 時間がなくなりましたので、大臣に最後に御見解をお聞かせいただきたいと思いますが、このようにすべて関係してまいります。例えば、金融を除いた環境対策ということを考えてもやはり限界がある。そういった面においては、私は炭素連結会計というのをつくっていいんだろうというふうに思うんですね。従来の連結会計の幅を更に超えてしまう、これがマテリアルフローの考えでもあるんですが、金融抜けているんです、すっぽり。そして、同じように自治体もそういう考え方で自治体を運営していかなくちゃいけない。そういう、足下を固めながら世界に発信できるというものは、私は非常にクリアカットされてくると思うんです。
 洞爺湖サミット、非常に重要だと思います。そういう意味では、与野党もなく、英国ではバツケリズム、バッケリズムという言葉があります。選挙で戦う政党が違う、しかし政策は一致していれば協力する、これが英国の伝統であります。そういう意味において、極めて大臣として、すべてが応援していますから、すべての政党が。いかがですか、洞爺湖サミットに向けて、こうした環境会計、環境国債、そして連結、金融を入れる、いろんなやり方含めて御意見を承れれば幸いです。
○国務大臣(鴨下一郎君) 古くからの友人であります荒井先生から、大変野心的な御提案をいただきました。特に、今ちょうど経済至上主義から徐々に環境配慮と、こういうようなことで移行期なんだろうというふうに思います。
 先ほど大久保委員からも、大規模公共事業についてもっと環境配慮するべきだと、こういうような話もありましたけれども、あらゆる部分で、例えば金融の部分も、それから経済の部分も、そしてライフスタイルの部分も、すべての部分に環境という配慮がなければこれからの世の中やっていけないと、こういうようなことになるちょうど端境期なんだろうというふうに思っていまして、大変力強く先生の御提案を拝聴いたしました。
 具体的な話としては、これをどういうふうに我々が具体的に実現をしていくための、言わば国の中での制度として考えるべきか、あるいはそれを更に洞爺湖に反映させるべきか、こういうようなことについては少し受け止めさせていただいて、検討をしたいと思います。ただ、環境会計の導入については、私もなるほどなというふうには思いましたので、更により具体的に検討をさせていただきたいというふうに思いますし、それぞれ各事務当局にも指示をしたいというふうに思います。
 大変言わば建設的な御意見をいただきまして、感謝をいたします。
○荒井広幸君 終わります。
○委員長(松山政司君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(松山政司君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず、私は最初に、二十一世紀環境立国戦略、手元にそのパンフレットありますけれども、それに関してお聞きしたいと思います。
 この中では、二十一世紀の三つの危機ということで、三つの危機について触れておりまして、それに対応する社会像を明確にしていると。低炭素社会、あるいは循環型社会、さらに自然との共生する社会と、そういう形で明確になっていて、そういう意味ではこの戦略については単なる書面ではないと思っておりますし、環境行政におけるベクトルを示したと、そういう重要なものであるというふうに考えておりまして、やはりベクトルというのは方向と大きさを持つわけでありますので、戦略の方向性としてはきちっと示したというふうに考えておりますが、問題はやはり大きさという話ではその推進力の関係でございます。午前中も、環境省の役割の関係についても議論があったわけでありますけれども、やはり大きな推進力をどう出すかと。省庁横断的な推進力、政府全体としてどうかかわるか、どう力を引っ張り出すか、結果として強靱な効力をどうつくり出していくかということが極めて重要であると思っております。
 そういった意味では、例えば各府省庁が二十一世紀環境立国戦略の下に、これは環境省も含めてでありますけれども、何々省二十一世紀環境立国戦略に関する行動計画とか、ロードマップですね、そういったものを策定して、より環境行政が明確に進められるようにしていくべきではないかと、このように考えております。
 そういったことを通しながら、二十一世紀の国際社会における日本の位置を明確にすると、国民にとっても非常にそういう意味では分かりやすくなってくると、このようにとらえておりますけれども、環境大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 二十一世紀環境立国戦略と、こういうようなテーマそのものがある意味で環境を重視しようというような国全体の施策と、こういうふうに位置付けられるんだろうというふうに思っております。そしてまた、その実施状況につきましては、これは中央環境審議会において的確にフォローアップをすると、こういうようなことにしてあるわけでありますけれども、この中環審の特別部会を開催しまして、本戦略に盛り込まれた、今後一、二年で着手すべきと、こういうような戦略の八つにつきまして、各関係省庁が行っている平成二十年度予算要求の状況等についても今議論をしていただいているところでございます。
 さらに、先生今御指摘いただきましたように、低炭素というようなことでいえば、温暖化防止あるいは生物多様性保全、さらには資源循環の確保のこの三分野に関して、それぞれ京都議定書目標達成計画、第三次生物多様性国家戦略、循環型社会形成推進基本計画、こういうようなことの見直しや策定を進めると、こういうようなことで言わば成果は上がりつつあると、こういうふうに考えています。
 今後とも、中環審の議論の中で二十一世紀環境立国戦略の一層の具体化、そして、先生御指摘になっているように、ある方向性と同時に、エンジンになるように我々もしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。
○加藤修一君 各省庁に環境配慮の基本方針というか、そういうものがあるわけでありまして、そういったものに更に上位の考え方として、今議論しております戦略についても各省庁でそういう名前をかした形で是非対応のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 それから、報道によれば、オーストラリアの話でありますけれども、労働党が勝利したということで、その選挙のさなかで公約として京都議定書を批准すると。その労働党が勝ちまして、これは非常に喜ばしいといいますか、他国のことではありますけれども、そういう方向性が出てきているということについては、残るはアメリカが先進国の中ではただ一か国批准していないという話になるわけでございます。そういった意味では、今年、ゴア元副大統領が来たときにも、日本はこの関係についてはイニシアチブをしっかりと取るべきだと、このように言っていたときに、日本の大臣は、我々も取るけれども、アメリカもしっかりとイニシアチブを取るべきだという、そういう話合いがありました。
 そういうことを含めて、私は、鴨下環境大臣が改めて、この段階でどうこうという話は、当然批准の関係については極めて厳しいアメリカの対応にはなると思いますけれども、改めてそういった環境が変わってきていることを踏まえて、やはりアメリカに対してしっかりと、こういう現状を踏まえた形で電話等々を含めてしっかりと向こうに意見を言うべきではないかなと、そのように思いますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 豪州の選挙の結果で、これはどちらが勝ったということについては私が論評をするべきではないんだろうと思いますが、少なくともオーストラリアの選挙の争点の優先順位の上の方に環境問題、特に京都議定書に関する批准の問題が議論されたということは、これは極めて重要な国際的な動きとして我々も受け止めるべきだろうというふうに思いますし、そういう中でアメリカにも働き掛けるべきだと、こういうようなお話であります。
 私も個人的には誠にそのとおりだというふうに思いますし、これはちょっと私事で恐縮ですけれども、前に日本が批准をするときに、やはり産業界とそれから環境を志向する議員の先生方、それぞれが大変対立しましたときに与党の中で特命委員会をつくりました。そのときに私、事務局長をやっておりまして、非常にそれの調整に苦慮したことを思い出しまして、それで日本が国会で批准をして承認をいただいたときに、それぞれのアメリカの上院、下院の議員全員にメールを送りまして、日本はこんなに苦労して批准したんだけれども、ついては皆さんもいろいろと考えてくださいという話を申し上げました。そのときに一通もメールの返事は来ませんでしたけれども。
 そういう意味では、アメリカも民主主義の国ですから、豪州がそうなり、EUがそうなり、日本が非常に積極的だと、こういう流れの中できっと国際社会の中での果たすべき役割と、こういうようなものもそれぞれ州あるいは国民それぞれの皆さんが考えてくださるんではないかと、こういうことを信じたいというふうに思っております。
○加藤修一君 今のポスト京都の関係で枠組みについて議論がなされているわけなんですけれども、今国会におきまして福田総理は、十月の時点だったと思いますけれども、予算委員会で、我が国の将来の削減目標と、まあ上限値ですよね、そういった、上限値と言うと言い方がおかしいわけでありますけれども、数値をしっかりと明確にしてやっていかなきゃいけないと。
 これは、今セクターごとに目標数値を出すとかそんな議論もあったりするものですから、まあ産業セクター別という意味でありますけれども、そういうふうに明確にすることは非常に大事だと思いますけれども、改めて、これは政府の見解として当然、私は受け止めておりますけれども、改めてここの確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 福田総理が予算委員会の中で、我が国の総量目標を出さなければいけない、こういうようなことを答弁なさったわけでありまして、環境省としても意を強くしているところであります。
 ただ、これから、先ほども申し上げましたけれども、バリに向けて、あるいはこのバリからその二〇〇九年のすべての国が参加をしていただく枠組みづくりと、こういうようなことに向けては様々な選択肢があってしかるべきだと思います。そういう中に一つ、セクトラルアプローチのようなものも選択肢の中にはあると。ただ、日本としては、福田総理がそういうふうにおっしゃっているんですから、そういうような方向に向けて我々はしっかりと取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
○加藤修一君 それに付随して、産業セクター別に目標数値があることについては全然問題ないと私は思っておりまして、今の御答弁のとおりに更にしっかりやっていただきたいと、このように思います。
 次に、損害保険制度の関係であります。
 このIPCCの第四次報告書によれば、今後、更に気候変動の状況というのは極めて深刻になってくると。強烈な暴風雨、洪水とか干ばつとか、あるいは熱波などが厳しくなってくるわけでありますけれども、やはり温暖化に対する適応政策の重要性が指摘されているというふうに取ることができるわけでありますけれども、ハリケーンのカトリーナの関係については極めて大変な被害が出たわけであります。これは、アメリカの被害としては五百六十億ドル、うち三百億ドルは保険でカバーしていた。日本でも十個の台風が上陸いたしましたけれども、これは百四十億ドルの被害総額でありまして、そのうち七十億ドルが保険でカバーしているという話であります。そういうことを考えてまいりますと、これは産業経済の影響は極めて大きいと。
 保険業界を見ても、近年、こういう気象異変による損失増加ということがありまして、具体的にはアメリカの話でありますけれども、保険の掛金の引上げ、あるいは保険限度額の引下げ、あるいは補償制限事項の増加ですね、こういったことが見掛けるようになってきていると。これは、別の観点から考えると、保険のいわゆる有用性ですね、あるいは負担能力、そういったものが危険にさらされ始めていると、そういうふうに理解することができるわけでありますけれども、気候変動にどのように対応するかということで、やはり損保業界の日本における実態ということを是非説明を金融庁にしていただきたいと思いますし、金融庁自身はこういう状況をどのように認識しているのかと、あるいは今後こういった面についてどのような対応を考えているのか、その辺についての御見解を示していただきたいと思います。
○政府参考人(三村亨君) 気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第四次評価報告書におきまして、先生御指摘のとおり、将来予測によりますと、地球温暖化の影響により、今後ほとんどの地域における大雨の頻度は引き続き増加をし、また熱帯低気圧の強度が強まるものとされているということについては承知をしております。
 地球温暖化の影響により、今後、大規模自然災害が増えることとなれば、損害保険会社の保険金の支払負担は増加していくことも考えられます。そういった場合には、火災保険におきます保険料率の引上げといった等の対応が行われる可能性もあるのではないかと考えているところでございます。
○加藤修一君 保険、損保関係でありますけれども、年々、気候リスクが急激に増大してきていると。順調に業務拡大を期待することはできない側面もなくはないということが言えると思うんですね。そういった意味では、リスクヘッジングをどういうふうに行うかというのは極めて重要な段階に入ってきていると思います。
 それで、金融庁がやはり業界に対して要請すべきだということになってくるわけでありますけれども、やはり保険業界に対しては気候、気象関係の損害についてより充実したデータを収集する、そういう対応を機敏に図る。これは、すなわちリスク分析に気候モデルを組み入れて、気候変動が損害保険業や投資に与える影響分析を行うこと。また、その結果ですね、その結果を株主と共有し、いかに対応するかという、そういう機会をつくっていくということにもなってくるわけでありますので、やはりこういうことについては金融庁はしっかりと要請を行うべきではなかろうかと。
 そういう認識を深めることによりまして、結果として排出削減の政策を支援する行動に結び付けることもできると、非常に私は重要なことだと思いますけれども、金融庁の御見解はどうでしょうか。
○政府参考人(三村亨君) 風水災等によります損害を補償する火災保険の保険料率につきまして、損害保険料率算出機構が算出をし、金融庁において検証した参考純率が用いられることとなってございます。
 少しテクニカルになりますけれども、同機構におきましては、参考純率の算出に当たりまして、損害保険各社から過去の自然災害における保険金の支払データと、様々な気候、災害関係のデータの収集を行っております。特に、長期の契約となります火災保険の参考純率につきましては、地球温暖化等に伴う台風災害、水害への影響等に関する調査研究の成果も盛り込まれているところでございます。
 金融庁といたしまして、同機構の算出する参考純率を的確に検証することを通じ、気候変動等の長期自然災害リスクが適切に参考純率に反映されますよう、等の対応を引き続き促してまいりたいと考えております。
○加藤修一君 是非、よろしくお願いしたいと思います。
 今は金融庁が関係業界に対して要請するという内容でありましたけれども、じゃ金融庁自身としてはどういうことをやるかということは極めて私は大事だと思っておりますが、これは保険企業の支払能力にやはり気候リスクを含めるという考え方に立つわけでありますけれども、それはすなわち気候変動由来の災害を含めていわゆる保険契約基準、これを見直すことではないかと。
 先ほど言ったことと若干重なるわけでありますけれども、保険業者に今まで以上の包括的な損害データの積極的な収集の要請、今答弁がありましたけれども、あるいは気候リスクが極めて高まる、そういった意味では災害モデルの基準、これを引き上げる、そういうことも検討すべきことではないかなと思います。
 そういった極端な気象現象や強烈な暴風雨、そういったものに対する損保業者の投資リスク、あるいは資本とか剰余金の関係でありますけれども、その妥当性についてしっかりと検討すべきことではないかなと、このように考えておりますけれども、この辺についてはどうでしょうか。
○政府参考人(三村亨君) 御指摘の気候変動等を含めました巨大災害リスクにつきまして、保険会社の支払能力の評価基準に関して、昨年の十一月より本年の四月まで、学識経験者や実務家等から成る検討チームを設け、現行制度の問題点の検討を行っていただいたところでございます。
 その結果、巨大災害リスクに関しましては、風水災害の将来発生するリスクを今後どのように見積もっていくのかといったような様々な論点が存在することから、中長期的な視野に立ち、十分検討すべきであるとの御提言をいただいたところでございます。
 金融庁といたしまして、気候変動が今後の自然災害に及ぼす影響につきましても念頭に置きながら、この提言を踏まえ、巨大災害リスクの評価方法の改善に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○加藤修一君 二〇八〇年、これからかなり遠くの話でありますけれども、大気中のCO2の濃度が二・二倍になるシナリオを考えていきますと、日本では保険の支払額が約二・七兆から三・七兆円という試算があるわけなんですね。これは大変な金額だとは思いますけれども、今答弁がありましたように、やはり私は、こういう大型の自然災害に対してどういうふうに対応するか、しかも台風の大きさを考えていくと、七十年に一回、伊勢湾台風並みのが来るという、そういう気象モデルではなかなか難しいんではないかな、中長期的に、今これ二〇八〇年の話でありますけれども、中長期的にどういうふうにそういう対応をしていくかというのは極めて重要でありますので、金融庁も関係業界と連携しながらしっかりとそういう対応を進めていただきたいと思います。
 次に、私は、政府自身は、温暖化由来の気象災害に関する財政上の負担でありますけれども、このことについては包括的な評価をしなければいけない、そういう段階に来ていると思います。将来に向けて潜在的な財政負担の積算ということになるわけでありますけれども、これは当然、プライマリーバランスに関係してくる話でありますが、かつて建設省の時代に、いわゆる海面上昇による港湾施設関係の対策費用の試算では十一兆円を超えると、そういう試算があったわけですね。また、政府がやるべきこととしては、早期警戒警報システムの構築、これは現在進行形でありますけれども、また現在、国土審議会では国土形成に関することが審議されておりますので、やはり土地利用計画、これをどのように改善するかということも大災害の損害をいかに小さくするかということにもつながってくる話であると思います。
 そこで、金融庁の役割ということでありますけれども、やはり金融庁は災害保険について、先ほど話がありましたように、大規模自然災害の損失を補てんする能力、すなわち巨大リスクに関して保険リスクの拡散でありますよね、この国際的な減衰ということも含めてという話であります。薄く延ばしてしまうと、リスクを小さくしてしまうということでありますけれども、そういった意味では、新しい官民の協力、協働体制をサポートすることが大事だと私自身は考えております。
 例えばの話でありますけれども、東アジア全体を対象にする災害保険とか、あるいは国際的な再保険に関するもの、地域全体をカバーする大規模な国際的ないわゆる災害保険の枠組みあるいはスキーム、そういったものを検討する必要になってきているんではないかなと、このように考えておりまして、例えばハリケーン被害で有名でありますカリブ海の諸国においては、こういう大規模自然災害に関するカリブ海諸国間の国際的な再保険市場、そういうものに支えられているところがある。しかし、最近は自然災害が極めて大変な状態になっているので、そういう小域、カリブ諸国というそういう領域であったとしても、なかなか対応が取れなくなってきているというのが現実のようであります。こういう国際的なスキームについて私は検討すべきだということで内閣に対して質問主意書も出しておりますし、我が党の環境部会も環境省に対してこういう申入れを部分的に行っているわけであります。
 そういった意味では、環境省は、こういう気候変動由来の大規模自然災害に関する適応政策の一環としてこういう市場メカニズムを利用した国際的なスキーム、こういったことについても考えるべきでありまして、いかなる認識、見解をお持ちかということで、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(南川秀樹君) この適応でございます。
 私ども、気候変動に伴うこういった自然災害対策等については国際適応ということで対応したいと思っておりますけれども、これ自体が公共事業的な部分が随分ございます。そういう意味ではやはり順位付けとかそういった区分をきちんとしませんと、また無駄遣いという御指摘も受けやすいわけでございまして、今その仕分を環境省でもしているところでございます。
 また、そういったことを国際的に考えた場合に、現在、適応に使われる費用というのは国際的なCDMのやり取りの二%の金額をそちらへ回すということだけ決まっておりまして、それ以外については特に財源がないという状況でございます。もちろん、民間の保険ということがあればいいと思うんですけれども、実際に被害が出やすいのが、例えば今洪水に見舞われておりますバングラとか、あるいは島が沈み掛けているツバルという、ある意味で発展途上国そのものの地域でございまして、なかなか民間ベースの保険というのは大変だろうと思います。私ども、COPにおきましても、この適応をどうするのかについてはこれからの非常に大きな話題になります。バリでも話題になると思います。
 また、それに加えまして、加藤先生御指摘の東アジアという観点でございます。先般の福田総理が出席されました東アジア・サミットにおいても環境が大きな話題になりました。その中で、自然生態系の保護を含めた環境保護のためのシンガポール宣言が出されまして、それをフォローするために環境大臣会合を新たに設けるということも決まったわけでございます。私ども、こういった会議の中でも適応というものを東アジア地域でどう進めていくか、是非しっかりとこれから議論していきたいと考えているところでございます。
○加藤修一君 環境省は現在、地球温暖化影響・適応研究委員会を発足して七つのワーキングチームでやっているわけでありますので、こういった面も踏まえて是非、国際的なスキームということについても検討をお願いしたいと思います。
 次に、金融庁にも同様な質問でございます。
 やはり、従来の大型の自然災害リスクを超えるようなそういう大規模な自然災害の対応策として、保険業界の健全な経営維持の点からも今後、有識者会議や勉強会などあらゆる機会を通じて検討していくべきテーマではないかなと思っておりますけれども、金融庁の御見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(三村亨君) 金融庁といたしまして、今後とも、大規模自然災害リスクにつきまして、地球温暖化の影響も念頭に置きつつ、御指摘の保険会社の健全性、あるいは保険契約者保護の立場から必要な検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○加藤修一君 この問題は広い意味で責任準備金制度、それに相当することだと思います。かなり広い範囲にわたる話であり、また途上国にはまだ保険が十分浸透していないというそういう課題も多いわけでありますけれども、ともかくこういった面についての検討を金融庁にもお願いを申し上げたいと思います。
 次に、外務省に同様の質問でありますけれども、途上国を含めて気候変動リスクを吸収できるようなこういうスキームについてしっかりと考えていくべきではないかと。どういう意味で言っているかといいますと、明年は二〇〇八年G8サミットでありますので、こういうテーマについても議論できるような環境を是非つくり上げていただきたいと思いますが、外務省、どうでしょうか。
○政府参考人(鶴岡公二君) 明年、我が国が議長国となりますG8北海道洞爺湖サミットにおきましては気候変動問題が主要な議題の一つとなると考えております。その中で、日本の特色のある議論の進め方の一つといたしましては、ただいま御指摘のございました適応の問題から入る途上国への配慮というものを十分議論していきたいと思っております。
 また、ただいま御指摘ございました保険の役割というのは、市場メカニズムをどのように活用して気候変動への適応対策の中で役立てるかという視点であるかと理解いたしますけれども、このような考え方も今後の準備の中で私どもといたしましても取り上げて検討を進めてまいりたいと思っております。
○加藤修一君 先ほどの環境省からの答弁では、CDMの関係で二%、これは適応基金ということでありますけれども、まあ多くなったとしても数百億円ぐらいかなという判断なんですね、私自身は。ですから、それは、十分対応できるかどうかということについてはまだまだこれからの段階であると、このように考えておりまして、今外務省から答弁がありましたように、やはり市場メカニズムをいかに活用するかという点も加えた形でやっていかなければいけないなと、そんなふうに考えておりますので、外務省の方にもよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、京都議定書目標達成計画の関係でありますけれども、今見直しの段階、最後の段階に入っているわけでありますけれども、財務省が試算したケースが出ておりました。一・五%から二・七%の削減量の不足ということが言われておりまして、これを仮に京都メカニズムで賄った場合には、財務省の試算として、最小で五年間で二千二百億円掛かる、最大で一兆二千億円掛かるということですね。この数千億円の資金が、簡単に言いますと、海外に流出してしまうと。
 本来、これは国内対策として数千億円をやれば、国内の環境にかかわる、あるいは地球温暖化対策産業といいますか、そういう産業が効率よく成長に向けて進んでいくことができると、そういうふうに考えてもいい。ある意味では、経済のエンジンの一つとして考えることもできるわけでありますけれども、ただ、これは京都議定書の関係の二〇〇八年から二〇一二年の五年間の話でありますから、もうこれは対応はできないと。
 しかし、ポスト京都の関係で、こういう海外に膨大な量の資金が流出しないようにして、なるべく国内にそういう資金が、いわゆる内需拡大ですよね、そういう形でやっていくことによって、日本が削減の面において世界のトップランナーであるという、そういうことが養えるようにしていかなければいけない、そういう観点から質問しておりまして、要するに、今回はなかなかできないわけでありますけれども、次回にそういうことがないように、なるべく国内対策に資金が向けられるようにしていくべきだと、このように考えておりますけれども、この辺についてお願いいたします。
○大臣政務官(並木正芳君) 環境省としましても、京都メカニズムについてはあくまで補足的な、国内対策に対する補足的な手法であると、この原則を踏まえていかなきゃならないと、このように今考えておるわけです。
 御案内のとおり、今、京都議定書の六%削減目標と、これを達成するためには国内対策を優先させなければならないということで、産業・業務・運輸部門等のあらゆる分野において追加対策を検討していただいているというようなことでありまして、また、産業部門においては自主行動計画ということなんですけれども、これを政府がフォローアップするに際しても、今先生御指摘のとおり、直近のコストパフォーマンスというか、そういうところで安易に京都メカニズムの手法を取らないように、国内を是非優先して削減努力をしていただきたいと。そして、京都メカニズムというのは、省エネ等の国内取組を最大限に行ってもなお目標が達成できないと、そういった場合の補足的手法であると。そういうことからしますと、将来のポスト京都においては、正にこれからの環境産業、そうしたもののイノベーション等々も含めて、先生御指摘のとおり、国内経済にも、なおかつ世界の需要にもかなうように日本が指導的役割を果たしていきたい、そのように考えております。
○加藤修一君 いや、関係者の話によると、国外でやった方が限界費用が小さいからいいんだという話がありました。海外でやることそれ自体が発展途上国のためにもなる。確かに、地球全体から見るとそういうことにもなりますけれども、やはり日本が京都会議の議長をやったという、そういう役割の重さを考えてまいりますと、やはり私は、日本が世界全体のトップを走るぐらいのことをまず見本として示す必要があると思いますので、今答弁のあったような形でポスト京都については進めていただきたいなと、我々もしっかりと対応していかなければいけないなと、こんなふうに考えている次第でございます。
 それで、環境大臣にお願いでありますけれども、イギリス政府はもうこの地球温暖化対策については非常に強いイニシアチブを発揮しているなという、そういう印象でございます。気候変動法案が今イギリスの国会で審議されているそうでありますけれども、イギリスのCO2を二〇五〇年までに一九九〇年レベルで六〇%削減と、あるいは二〇二〇年までに二六から三二%を削減すると、そういう目標数値を法律案の中に明確にすると、そういうふうに聞いているわけでありますけれども。また、ロンドン市長の気候変動行動計画では、二〇二五年までに九〇年レベルから六〇%のCO2削減を行うと、大幅なCO2削減ということでありますけれども。
 私は、日本も温暖化対策推進法という法律を抱えているわけでありますけれども、せっかちな質問かもしれませんが、やはりこういった数値目標も含めてしっかりと法律の改正ということも含めて是非積極的な対応をしていただきたいなと、このように思いますけれども。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今先生おっしゃったように、英国政府は非常に積極的に取り組んでいるというようなことでありますし、気候変動法案、これについては今提出されていると、こういうようなことであります。また、ブラウン首相は、今後の見直しによっては八〇%の長期目標を引き上げると、こういうようなことも言っているわけでありまして、我が国にとってみると、ある意味でお手本のようなところもあるわけであります。
 今、日本は現在、京都議定書の目標達成計画の見直しを行っておりまして、今年度末までには改正をしたいと、こういうふうに考えているところでありますけれども。
 加えて、先生おっしゃるように、法制度によって対応をすると、こういうようなことについても我々は検討したいというふうに思っております。特に、明年は地球温暖化対策推進法の見直しも視野に入れているところでありますので、そういう中に法制度によって対応を要するようなこういうような事項があれば、これを幅広く検討してまいりたいというふうに思っておりまして、常々、先生がおっしゃっているように、日本はまず世界の中で模範となるようなこういうような対策をしなければいけないということは、重々我々も肝に銘じて対応に当たっていきたいというふうに思います。
○加藤修一君 極めて積極的な答弁、ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、子供環境のいわゆる汚染の問題でありますけれども、コホート疫学調査の関係あるいは予防的取組方法ということでありますけれども、一九九七年にマイアミで環境関連大臣会合があって、そこで子供環境のいわゆる環境基準を、子供用の環境基準を作ろうと、そういう声明を出しているわけでありますけれども、十年が経過いたしまして、その中で、やはり依然として子供環境というのはリスクは高まってきているというふうに私は認識しておりまして、東京都は子供環境リスクのガイドラインを策定した段階でありまして、そういった意味では、リスクコミュニケーションはそれ相当に進んでいるように私は理解しております。
 そこで、環境省に質問でありますけれども、子供環境のリスク増大に関して環境省はどのようにとらえているか。それから、コホート疫学調査の調査概要、その意義について手短に紹介をいただきたい。三点目は、予防的取組方法の進捗状況について、環境省の立場から示していただきたいと思います。
○副大臣(桜井郁三君) 環境省といたしましては、子供が非常に肉体的にも精神的にも大人と比べて大変大きな差がありますし、未熟さもあるわけでございますから、化学物質が子供の健康に与えるリスクを対象とした調査研究を実施しております。
 昨年の八月には、専門家などから成ります小児の環境保健に関する懇談会において、今後の対応策、研究推進の方向性についての御提案をいただきました。その中で大気汚染や水汚染などの環境が悪化した、そういうようなことを考えまして、それに摂取される化学物質と小児の健康との関連に関する疫学調査の実施を検討すべきとの御指摘を受けてまいりました。これを踏まえて環境省では、小児環境保健疫学調査に関する検討会を立ち上げまして、疫学調査実施内容について検討を行っているところでございます。
 化学物質と子供たちの健康との関連についてはいまだ分からない部分が多く、疫学調査の実施により科学的な見地が蓄積することによって小児の脆弱性を考慮したリスク管理体制を構築していきたいと考えておるところでございます。
○加藤修一君 予防的取組方法の関係については、ちょっと時間がありませんので、簡単に厚生労働省の方から進捗状況、どういうアウトプットが出たのか、今後どういうふうに対応していくか、その点についてお願いしたいと思います。
○政府参考人(黒川達夫君) お答え申し上げます。
 化学物質の安全性の問題に対処するためには、科学的証拠の充実に努めながら、それぞれの時点で入手可能な情報を基に予防的な取組方法の考え方も踏まえ、必要な対策を講じていくことが重要と考えております。
 特に、子供の場合、体の各器官が未発達であることなどから、一般的に化学物質による有害な影響を受けやすいと考えられるため、厚生労働省では、生活環境中の化学物質への暴露が胎児や乳幼児の発達に及ぼす影響についての疫学調査など科学的知見の充実に努める、それとともに、子供等の有害性を受けやすい者に視点を置いた安全性の評価に基づいて、予防的な取組方法の考え方も踏まえ、基準や指針の設定を行ってきております。
○加藤修一君 最後でありますけれども、外務省にお願いしたいのは、今子供の環境の関係について予防的取組方法をどういうふうに具体的に導入するかという点とか、これは保健、医療の分野にかかわることだと思います。
 明年のG8サミットでは、この保健・医療分野の国際協力行動指針、これを策定するというふうに聞いておりまして、今るる議論してきた件についても、やはり子供というのは、これは発展途上国問わず、先進国問わず、極めて大事な点であって、しかも地球規模大に環境、化学物質の汚染というのが広がっている段階でありますので、やはりどういうふうにこういった面について行動計画、行動指針を作るかというのは大事であると思います。
 そういった意味では、この行動指針の策定に当たって、こういった面についても加味して是非やっていただきたいと、このように思いますけれども、外務省の御見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(鶴岡公二君) この日曜日の二十五日、高村外務大臣から、来年のG8北海道洞爺湖サミットにおきまして、我が国といたしましては国際保健協力を大きな課題として各国との間の議論を積み重ねてまいりたいということを御提案申し上げました。この大要は、あらゆる分野にわたる保健の問題にかかわるような課題を各国との間で共有した上で、その上で行動指針、先ほど委員の方から御指摘のありましたものを策定してまいりたいという考え方でございます。
 したがいまして、現時点において限定的な課題を特定したわけではございませんので、今御指摘のございましたような点につきましては、実は国連のミレニアム開発目標というものがございまして、この中で乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康改善がいわゆる感染症対策に加えて具体的課題として挙がっておりますから、子供の健康問題についても当然のことながら大きな課題として取り上げることを考えております。
 ただいま御指摘のありました環境汚染と子供の健康の関係についても、私どもも勉強いたしまして、どのようにこれを取り上げることが可能かどうか、検討させていただきたいと思います。
 御指摘、ありがとうございました。
○加藤修一君 終わります。
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 私、先日、サイクロンの大きな被害を受けたバングラデシュの大使館を訪問して、お見舞いを述べて、大使と懇談をしてまいりました。大使の話によりますと、二メートルの海面上昇でも国土が完全に水没してしまうと、そうおっしゃっていました。地球温暖化が我が国にとって死活にかかわる問題だと切々と訴えておられました。
 十七日に採択されたIPCC第四次評価報告書によりますと、温暖化対策を進められない国際社会への強い危機感が示されましたし、国連の事務総長も政治の責任を訴えました。ところが、十一月五日に発表された速報値を見ますと、我が国の温室効果ガス排出量は基準年比で六・四%も増加していると。私、最初に幾つか数字の確認をしておきたいんですが、我が国の温室効果ガスのほとんどを占める二酸化炭素の排出量、これは二〇〇六年度の実績と基準年とを比べてみますと、伸び率が一一・四%、二〇〇六年度の実績は十二億七千五百万トンであります。
 そこで、お聞きしたいんですが、この二〇〇六年度における二酸化炭素排出量のうち、世間で今言われている、増加が著しいとされている業務その他部門、家庭部門が占める割合と、その中で電力由来の排出量が占める割合について数字をお述べください。
○政府参考人(南川秀樹君) 二〇〇六年度の業務部門、家庭部門、それぞれのCO2の排出量でございますが、業務が全体の一八%、家庭部門が一三%でございます。
 なお、それぞれの排出量のうち、電力の使用に伴う二酸化炭素排出量、CO2が占める割合は、ともに約六割ということでございます。
○市田忠義君 業務その他部門からの直接排出量ですね、電力由来を除く、これ、基準年と比較しますと千七百万トンの伸びと。そして、家庭部門を見てみますと七百万トンの伸びなんですが、そこで、私、お聞きしたいんですが、二〇〇六年度における電力分野、発電所等エネルギー転換部門からの排出量は一体どれだけか、それが全体に占める割合はどれだけか、お述べください。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘の数字が電熱配分前だというふうに承知をいたしております。それでございますと、全体が、まず全体が十一億八千四百万トンでございますけれども、そのうちエネルギー、エネ転部門、いわゆる発電部門等からの排出が三億八千六百万トンということで、三三%に当たります。
○市田忠義君 今数字が述べられましたように、二〇〇六年度における二酸化炭素排出量、エネルギー転換部門からの排出量は実に三億八千六百万トンで、全体に占める割合は三分の一だということが数字上も明らかにされました。
 先ほども言いましたけれども、業務その他部門、家庭部門からの排出の大幅な伸びが温暖化問題にとって最大の問題という報道をよく目にします。私も確かに、どの分野であろうとそれぞれの削減努力、対策は当然必要だと思うんですけれども、今確認した数字で明らかのように、電力由来の排出量の占める割合が非常に大きいと。ですから、大本から、大本の供給されている電力の排出削減対策を進めることが私は温暖化対策にとって不可欠だと思います。
 大臣に認識をお聞きしたいんですが、この電力分野の排出削減対策の位置付け、どういう位置を持っているか、その取組が他の分野の排出に与える影響、これについての鴨下大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 業務その他部門及び家庭部門でそれぞれ約六割を占める電力由来の二酸化炭素排出量を削減すること、これが地球温暖化対策上非常に重要と認識をしております。このため、企業や家庭といった電力の需要側における省エネルギー対策と電力会社の供給側におけるCO2排出原単位の改善の双方がともに必要であると、こういうふうに考えます。
 京都議定書の六%削減約束を確実に達成するためには、今年度末までに京都議定書目標達成計画を改定しまして、あらゆる分野において抜本的な対策の強化を行っていきたいと、かように考えています。
○市田忠義君 電力分野の排出削減対策というのは、量という面、我が国の排出量の約三分の一を占めるという量の多さから見ても、他の分野の排出量増減に与える影響から考えても、私は非常に重い意味を持っているというふうに思います。今日は、その電力分野の取組について幾つかお聞きしたいと思います。
 まず、二〇〇六年度の発電所等エネルギー転換部門からの二酸化炭素排出量、これは基準年と比較してどれだけ伸びているか、率でお答えください。
○政府参考人(南川秀樹君) 基準年に比べまして二一%の増加となっております。
○市田忠義君 三・一八億万トンから三・八六億万トンと、六千八百万トン、今言われたように二〇%強の伸びであります。
 電力分野の排出量のほとんどを占める電気事業連合会の資料によりますと、基準年と二〇〇六年度を比較してみますと、火力発電の占める割合、これは約五八%で、九〇年五八・四%、〇六年五八・二%でほとんど同じであります。問題は火力発電の内訳です。
 石炭火力発電の占める割合は、基準年と二〇〇六年度、それぞれの年度でどれだけ占めているか、お答えください。
○政府参考人(平工奉文君) 一般電気事業用の全電源に占めます石炭火力の発電電力量の構成比につきましては、基準年であります一九九〇年度においては九・七%、二〇〇六年度におきましては二四・五%となっております。
○市田忠義君 九・七%から二四・五%ですから、比率が二・五倍の伸びであります。
 石炭火力発電による二酸化炭素の実際の排出量と全排出量に占める割合は、じゃどうなっていますか。
○政府参考人(南川秀樹君) 石炭火力でございますので、全体の中の、基準年が四・七六%、二〇〇五年度で一五・〇八%でございます。
○市田忠義君 基準年以降、石炭火力発電による排出だけで一億四千五百万トンも二酸化炭素を増やす。今や我が国の温室効果ガス総排出量の七分の一強を占めるまでになっておると。私は、これを野放しにするんじゃなくて、二酸化炭素排出量のより少ない天然ガスだとか自然エネルギーの開発利用を本格的に促進する、そういうエネルギー転換を図るよう排出総量での削減を迫るべきだと考えますが、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 京都議定書の目標達成計画に位置付けられました電気事業連合会の自主行動計画は石炭火力、LNG等の別、まあ石炭火力とかLNG等の別なく、全体として電力の二酸化炭素排出原単位で目標が設定されています。
 安全確保と信頼回復を前提としますけれども、原子力発電の推進、あるいは石炭火力の高効率化やLNGコンバインドサイクル発電の導入等による火力発電の熱効率の更なる向上などの国内における排出削減に加えて、京都メカニズム等の活用、これらによって目標を達成すると、こういうことになっております。
 まあ環境省としては、自主行動計画の目標が確実に達成されるよう厳格にフォローアップをすると、こういうようなことでございます。
○市田忠義君 電事連の計画を読みますと、今後も天然ガスの二倍の二酸化炭素を排出する石炭火力で発電の多くを賄うと、こういう予定にしています。しかも、この間の実態を見ますと、原子力発電の長期停止、さらに柏崎刈羽原発の運転停止などで、その不足分は火力発電で代替することになることは、これはもう明らかだと思うんです。
 そもそも、私たち日本共産党は技術的にいまだ未確立で大きな事故、事件を繰り返している原子力発電への依存を強めることは無謀な政策だと批判してきました。結局、増やし続けた分の穴埋めとして京都メカニズムの活用に頼ることになってしまうと。その量は約一億二千万トンと。
 我が国の二〇〇六年度温室効果ガス総排出量は十三億四千万トン、政府全体で取得する予定の京都メカニズムクレジット、これが一億トンですから、それと比較してもその量、規模というのは大変大きなものがあるというのは数字上も明らかだと思うんです。
 補完的、補完的と言いながら、大量に増やしている排出の帳じりを合わせるためにこれほどの大量の京都メカニズムクレジットの活用を許すと、これでも大臣、これ補完的と言えるんでしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) 私ども、原子力についてでございますけれども、あくまでその原子力が今六・四%のプラスになっておりますけれども、原子力が当初想定した形で操業いただければそれだけで三・一%減ると。つまり六・四が三・三になるわけでございまして、それだけ大きな意味を持っております。それが、原発の稼働が元に復旧すれば一番いいんですけれども、そうでなければ、それをCDMで補っていただくということは私は合理的だと考えております。
○市田忠義君 いや、尋ねていることに答えてくださいよ。
 これだけの多くの量を京都メカニズムで補うと、これで補完的と言えるのかということを聞いている、その認識を聞いているんです。
○政府参考人(南川秀樹君) ぎりぎり申せば、補完的ということについての特に数字的な限界ということは国際法、国際的な取決め上、示されておりません。私どもとしては、この範囲であれば十分補完的として国際的に理解が得られると考えております。
○市田忠義君 正に官僚答弁で、全然実態をあなた認識していないですよ。
 日本全体の京都メカニズムクレジット、これ一億トンでしょう。ところが、電気業界だけでこれだけの京都メカニズムに頼ると、これどうして補完的と言えるのかと。国際的に了解を得られると、そんな勝手な判断、あなた、したら駄目ですよ。電事連、大量の京都メカニズムの活用で排出原単位を五ないし六%程度向上させると、こう言っています。こういうやり方では、見掛け上の排出係数を幾ら改善されても、実際に消費している電力は排出量の多いものであって実態と懸け離れたものになると。これは、業務、家庭始め全部門の排出量にも私は影響を与えることになると。こういうことが分かっていて大量の京都メカニズムクレジットを電力の排出係数に反映すると、こういうことを私は認めるべきでないと思うんですが、今度は大臣の認識を伺います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃっていること、一つ一つはそのとおりの部分もあるわけでありますけれども、石炭は使うな、原子力は使うな、京都メカニズムは使うなというような話になると、なかなかこれ解決策がないわけでありまして、我々はローカーボンソサエティーと、こういうようなことを目指しておりますので、極力、石炭を使わないで発電ができればいいし、効率を上げていく必要もありますし、加えて、京都メカニズムは補完的であるわけですから、本来的なところで削減目標を達成できればそれにこしたことはないわけであります。
 今の御質問は、電気事業者が取得した京都メカニズムクレジットを算定・報告・公表制度において電気事業者ごとのCO2削減・排出係数に反映させる方策について、これはおっしゃるとおりのところもございます。ですから、今後少し検討させていただきたいというふうに思います。
○市田忠義君 後半の部分はよかったと思うんですけれども、最初の、私が言っていないことを言ったみたいに大臣おっしゃったら駄目だと思うんです。私、石炭、火力、すべて駄目、石炭は使うな、京都メカニズムはすべて駄目と、そんなことだれも言っていないでしょう。あの答弁は取り消してください。
○国務大臣(鴨下一郎君) 京都メカニズムも補完的であるべきだと、こういうようなことについては、我々もそういうようなことについてはもっともだと、こういうふうに思っております。
○市田忠義君 電事連が経団連の自主行動計画で排出原単位の目標しか持たずに実際の排出量を大量に増やし続けてきたと、これはこれまで見てきたとおりです。これは電力だけの問題かというと、私はそうでないと思います。業界任せの自主行動計画の取組はどうなっているか、これちょっと見てみたいと思います。
 京都議定書の削減目標が総量での目標であるにもかかわらず、経団連の自主行動計画ではほかにも総量での目標を持たない業種がかなりあります。経産省がフォローアップしている業界のうち、経団連傘下で二〇〇六年度実績で原単位の目標しか持っていない業界の数と、そのうち、自ら掲げた目標を達成している業界の数は幾つですか。
○政府参考人(伊藤元君) お答え申し上げます。
 経団連傘下の業種で、かつ経済産業省が自主行動計画のフォローアップを実施した、これ三十二業種ございますが、このうち原単位のみを目標としようとしているものは十八業種でございます。ちなみに、このうち十八業種のうちの十七業種は自主的にCO2排出量のこれは見通しを示しまして、毎年のフォローアップの中ではこの二つの数字を使いながら審議会の先生方に評価をしていただいているところでございます。
 戻りまして、先ほどの十八業種のうち、二〇〇六年度実績において二〇一〇年度の目標を既に達成している業種数は十二業種でございます。
○市田忠義君 その達成した業界の排出量の合計、基準年と比較してどうなっていますか。
○政府参考人(伊藤元君) これら達成した業種の二〇〇六年度の排出量は合計で約一億九千五百万CO2トンというふうになっております。一九九〇年との比較でございますが、ちょっと手元に数字がございませんけれども、その当時、約一億七千万トンぐらいであったというふうに承知しております。
○市田忠義君 増えているのか減っているのか、どうなんですか。
○政府参考人(伊藤元君) 増加をしております。
○市田忠義君 全然減っていないんですよ。
 経団連は十四日、自主行動計画二〇〇六年度実績を発表して、七年連続で目標を達成したと、産業界の努力は限界と、そういう主張を強めています。これはマスメディアでも報道されているとおりであります。しかし、今確認したように、原単位だけの目標の業界は、目標を達成しているけれども実際には排出量を増やしていると、こういう実態から考えて、それでも産業界の努力は限界だと、大臣、そうお考えでしょうか。私は一切努力していないとは言いません。これは産業界の努力が限界という認識でしょうか、大臣。
○国務大臣(鴨下一郎君) 基準年から比べて産業部分についてはかなりの努力をしていただいているというようなことは多としたいというふうに思います。ただ、これから我々は第一約束期間の中でマイナス六%を実現すると、こういうようなことでありますので、より深掘りをした努力をしていただかなければと、こういうふうな認識でございます。
○市田忠義君 まだ限界ではないという認識だと考えていいですね。
○国務大臣(鴨下一郎君) より努力をしていただきたいと、こういうふうに思っております。
○市田忠義君 大変あいまいで、ちょっと官僚的答弁に近くなってきましたけれども。
 じゃ、関連する話ですが、別の話に移しますが、先日開催された東京都気候変動対策方針に関する意見交換会、これが行われました。東京都から、この間の取組の実績を踏まえた上で、自主的取組を前提にした指導、助言では目標対策レベルの取組は十分には計画化されないと、そういう立場から自主的取組という枠組みの限界を示して、義務的削減を都は提案をいたしました。
 京都議定書目標達成計画の見直しを行う今こそ、電力を始め各業種、企業に実効性のある総量での削減目標を義務付けて、排出量取引制度の導入に私は踏み出すときだと思うんですが、大臣、認識いかがでしょう。
○国務大臣(鴨下一郎君) 東京都の取組につきましてマスコミからも聞かれまして、私は共感すると、こういうふうにお答えを申し上げたんですが、委員おっしゃるように、国内排出量取引は、一つは排出量の確実な削減、あるいは削減への経済的なインセンティブ、排出削減コストの最小化と、こういうような意味での特徴を有しておりまして、市場メカニズムを活用した極めて有効な政策手段の一つだというふうに考えております。
 そういう中で、排出量取引をめぐる国際的な動きが広がりつつあり、これを踏まえて自主参加型、環境省が取り組んでおりました自主参加型国内排出量取引制度の運用によって蓄積された知見を活用しつつ、我が国における排出量取引制度の在り方について関係者等の理解を得ながら検討に加速をしたいというふうに考えます。
○市田忠義君 私たちは石原都政とは立場が違う野党の立場ですが、この環境問題の東京都の取組は大変私は積極的だと、それに環境大臣が共感すると、前向きに検討したいと言われたことは極めて重い意味を持っていると思いますし、積極的な答弁と受け止めたいというふうに思います。
 最後はもう質問ではありませんが、十七日に採択されたIPCCの評価報告書では、今後二十年ないし三十年の温暖化対策の取組が地球の将来の分岐点であると、そういう見通しをこれ作業部会報告とは別に新たに書き起こしたと。そして、化石燃料の大量消費をこのまま続ければ、水位の大幅上昇などこれまで千年単位と考えられていた現象が百年単位で突然現れ、しかも元に戻らない可能性もあるという言及しましたが、私はバングラデシュの大使とお会いしてお話ししていて、本当にその大使が言っておられた懸念がすぐそこに迫っているという感じをいたしました。
 日本から執筆メンバーとして加わったある研究者は、地球温暖化を防ぐためにどんな方法がいいかという状況ではない、二酸化炭素を削減するためにできることは何でもやらなくてはと、記者会見でそう述べられました。
 先ほど他の委員からもお話がありましたが、他国を見てみますと、先日、イギリスのブラウン首相が、二〇五〇年までに一九九〇年比で六〇%削減では不十分だと、八〇%削減目標の検討を求める考えを示すなど、非常に各国とも意欲的な削減目標を検討しています。また、アメリカやカナダについても、十一の州が欧州連合と温室効果ガスの排出権取引の制度共通化に向けて協定を結びました。
 私は、結論として、いつまでも産業界の自主性に任せておれば世界の流れから日本が取り残されてしまうと。いつまでも法的拘束力のない経団連の自主的行動、自主行動計画、これにゆだねるんじゃなくて、ヨーロッパなどでやられているような経済界と政府の間で削減協定を結んで、達成責任をオフィシャルな、公的なものとして、正に分岐点に立っているという危機感、自覚を持って地球温暖化対策に取り組むべきだということを申し述べて、時間になりましたので終わります。
○川田龍平君 私は、今月十一月五日に行われました住民の運動に触れて、国会議員の果たすべき役割と住民活動のパワーに学ぶ経験をいたしました。
 一つは、三陸の海に、空に、放射能を流さないでという岩手県三陸の住民団体、漁民、サーファーの皆さんが九万二千三百八十七人もの署名を集めた活動です。日本では高速増殖炉も高レベル核廃棄物処分場もできるめども立っておらず、核燃料サイクルは確立していません。なのに、再処理工場は、プルサーマル計画に備えるとしてアクティブ試験を始め、本格稼働すると三陸海岸に未曾有の放射能汚染をもたらすのではないかという不安が広がっています。
 もう一つは、私が国会で議席を得る前に生活の拠点としていた長野県で、富士見町という小さな町の灰溶融炉に不安を持たれる住民活動です。灰溶融炉は、ごみを焼却処分した後の焼却灰を高温で溶かしスラグを作り、公共事業で再利用するというものです。
 しかし、この灰溶融炉も核燃料再処理工場も、いずれも技術水準、コスト、安全性において大きな問題を抱えています。
 まず、この三陸の海に、空に、放射能を流さないでという九万を超える署名は、福田首相と経済産業大臣に提出されました。私は、経産省、環境省、農水省の担当部局の皆さんに切々と語った岩手県の住民や漁師、そしてサーファーや東京の消費者の叫びに心を打たれました。一方で大変残念だったのは、担当部局の皆さんの対応が、私が薬害エイズの問題で経験した、自分の担当している任期中に問題が起きなければよいとする無責任な官僚の姿に重なったことでした。
 もちろん、官僚の皆さんがすべてそうだということではなく、良心と誇りを持って仕事をされている方がいらっしゃることは熟知しております。そこにはやはり、官僚が仕事ができるのも法律の上で仕事ができるのであって、そこの法律の限界を政治の側が果たさなければならない、本来の役割と責任を自らに課しながら質問をさせていただきます。
 今日も、傍聴席には再処理工場に疑問を持たれる多くの方がいらっしゃっています。皆さんの不安の例を挙げると、トリチウム水、十一月十八日にこの原子力発電所の濃度限度値の一千四百倍が放出をこの六ケ所の再処理工場からされました。本格稼働が始まると、海には三億三千万ミリシーベルトが放出されます。これは三億二千四百万人分もの被曝許容量を超す、すごい量です。これでは、幾ら国が安全だと言っているからといっても、そうそう納得できません。
 まず、この九万二千三百八十七人の署名についてを経済産業省原子力保安院の方へ質問です。この安全性をめぐって十一月五日に各省庁との間での激しいやり取りがあったわけですが、この九万二千三百八十七人という、三陸の海に、空に、放射能を流さないでというこの署名をどのように受け止めたか、それをまずお聞かせください。
○政府参考人(平岡英治君) お答え申し上げたいと思います。
 先般、日本原燃再処理施設に関します九万筆を超える署名を提出いただきまして、私ども、受領をさせていただきました。私ども、再処理施設の安全規制に関して責任を有するという立場でございます。原子力安全・保安院としましては、六ケ所再処理施設の安全性につきまして不安の声があるということを改めてお聞きしたものと受け止めております。私ども、再処理施設の安全規制を担当しております原子炉等規制法に基づきまして、しっかりした安全規制を行ってきておるつもりでございます。
 御指摘の放射性物質の放出に関しましては、事業指定に際しましての安全審査において、放射性物質の放出等に伴います一般の公衆の方の線量、これが法令に定める線量限度を超えないということはもとよりですが、さらに合理的に達成できる限り低いということを確認をしてきているところでございます。
 私ども、こういった運転中の規制も用意をしておりまして、こういった安全活動につきましてしっかり国民の方の理解を得るよう努めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 詳しい質問はまた後ほどいたしたいと思いますが、環境大臣へ質問です。命を預かる医師として、また地球環境と基本的生存権の裏付けとなるこの空気、そして水、環境を守る環境大臣として、この九万二千三百八十七人という署名をどう受け止めますか、お聞かせください。
○国務大臣(鴨下一郎君) 九万人を超える方々がこの再処理工場に不安を抱いて、そして署名をされたと、こういうようなことは私たちは重く受け止めなければいけないというふうに思います。政府全体として十分にこの安全性というものについて考えて、そして皆様の不安が解消されるような、こういうようなことにしていくということがもう重要なことだというふうに認識をしております。
○川田龍平君 今日は農水副大臣にも出席いただいておりますが、先日、十一月十日、十一日と、全国豊かな海祭り全国大会が琵琶湖という内水面を抱えた地域としては初めて開催されたと聞きました。海の恵みである水産物の安全性に責任のある農水省として、この九万二千三百八十七人の署名をどう受け止めますか、お聞かせください。
○副大臣(岩永浩美君) 十一月の五日に、先ほど先生から御指摘があった三陸の海を放射能から守る岩手の会などから再処理工場から放射能を放出をさせないようにという陳情があったことは伺っています。
 原子力安全・保安院や青森県などによると、再処理施設からの影響は、海藻などの海産物摂取による内部被曝も含めて、法令に定める一般公衆の年間の線量限度一ミリシーベルトを十分に下回るとの評価をしているということをお聞きいたしています。さらに、再処理施設の稼働による海水や海産物への影響については、青森県、文部科学省などで影響のモニタリングを実施をしていただいており、また農水省としても、海産物への一般的な放射能レベル調査を三陸沖を含めて各地で実施をしています。
 農林水産省としては、漁業者の皆様方が適切に漁業活動を営んでいくことができるよう、漁場保全などの立場から関係省庁と十分連携をいたして、今後とも適切に対処してまいりたいと思っています。
○川田龍平君 ありがとうございます。また後ほど、ちょっともう少しお聞きしたいことがありますので、もう少しお待ちください。済みません。
 それで、経済産業省の原子力保安院へのまた質問ですが、十一月五日の集会でも、住民グループの皆さんとの間で論点となっていることは、再処理工場からの海や空への放射性廃棄物の放出について、年間の総量規制はあっても排出するごとの濃度規制がないことです。原子力発電所など関連施設では、その放射性廃棄物に濃度規制があるのに再処理工場にないのはなぜなのか、お伺いいたします。
○政府参考人(平岡英治君) 再処理施設から海洋に放出されます放射性物質でございますが、再処理施設の場合は原子炉等の場合に比べまして、核種が非常に多様であるということ等を考慮いたしまして、また放射線審議会からの答申を踏まえまして、現在、使用済燃料の再処理事業に関する規則及びその関連の告示におきまして実効線量当量について、三か月について〇・二五ミリシーベルトという規則を定めております。
 これに加えまして、法令に基づき認可されました保安規定、ここでは放出管理目標値というものを定めておりまして、これを遵守することにより、十分に安全が確保されるというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 その今の答弁をお聞きしましても、なぜ再処理工場に濃度規制がないのかがよく分かりません。実は、青森県にある原子力施設すべては県と六ケ所村と日本原燃の間で安全協定が結ばれています。しかも、再処理工場に先立つ三施設、ウラン濃縮工場、低レベル放射能廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの排出規制は濃度を使っています。そして、三か月平均は原子力発電所の十分の一を超えないように規制されています。
 ところが、再処理工場の年間放出予測量だけの規制です。なぜ再処理工場だけが排出規制に濃度規制がないのでしょうか。重ねて質問いたします。
○政府参考人(平岡英治君) 繰り返しになりますが、再処理施設の排出される放射性物質については、非常に多様なものであるということで、この規制についてどのように考えるかということが議論された結果、放射線審議会からの答申を踏まえまして、全体の総量、総量といいますか、線量によって規制をするという形になっておる次第でございます。
○川田龍平君 なぜ濃度規制をしているかというと、年間総量規制ということは、一回ごとの排出量に差が出る、大量に放射性廃棄物が排出されたり少ないときもあるかもしれない、一定ではないということです。再処理工場から海や空へ放出される放射能は大気となり、海水に混ざり、魚の体や海藻に宿り、食を通し、最終的には人体への影響として現れてきます。魚や野菜の場合に、季節によっても生産物の種類も違います。サーファーの皆さんは季節によって飲む海水の放射能量が変わるということです。だからこそ、原子力発電所では発電用の軽水型原子力施設周辺の線量目標値に関する指針が一定した濃度規制で安全性を保とうとしているのです。再処理工場の稼働にはその指針が必要ではないという理由を改めてお伺いいたします。
○政府参考人(平岡英治君) 今先生御指摘がございましたものは、原子力安全委員会の方で定めていただいております線量目標値の指針の御指摘と承りました。
 再処理施設につきましては、この原子力施設にございます〇・〇五ミリシーベルトという設定は安全委員会においてはされておりません。安全委員会におきます指針の策定につきましては、保安院としてはこれに基づいて審査をするということでございますので、その指針そのものについてはここでちょっとお答えする立場にはないわけでございますけれども、再処理施設の安全審査指針というものがございます。これに基づいて私ども審査をしたわけでございますけれども、これでは法令に定める線量限度を超えないということはもちろんですが、合理的に達成できる限り低いものとすることということを求めておりまして、そういう意味で、この線量につきましては〇・〇二二ミリシーベルトという、年間ですね、評価をしておるところでございまして、原子力発電所における線量目標値〇・〇五ミリシーベルトを下回る値ということになっておるところでございます。
○川田龍平君 もっと具体的にお伺いいたします。
 再処理工場の被曝線量目標は今おっしゃいました二十二マイクロシーベルトだから安全ですと原子力安全保安委員会が配っているパンフレットに書いてあります。果たしてそうでしょうか。青森県の東通原発での年間線量は三マイクロシーベルト、四つの原発のある大飯原発でも六マイクロシーベルトです。全国の原子力発電所の年間線量と比較したとき、いかに二十二マイクロシーベルトが高い値であるか分かります。これについてはどう認識されているのでしょうか。
○政府参考人(平岡英治君) 原子力安全・保安院といたしましては、法令に定める線量限度並びに原子力安全委員会の指針等に基づいて審査を行い、十分に低いレベルであるということを確認をして許可をいたしております。施設の特性上、原子力発電所に比べますと放出の量が多いのは事実でございます。
○川田龍平君 安全論争をここでやっていくと時間もありませんので、指摘だけしておきたいことがあります。
 二十二マイクロシーベルトが安全だと言いますが、例えば沃素が生体にどれくらい蓄積するかの基礎計算のところでその係数がありますが、同じ青森県の東通原子力発電所、すぐ近くの発電所ですけれども、四〇〇〇という係数を使っています。しかし、この再処理工場では二〇〇〇という係数を使っています。原子力発電所ではそれだけ厳しい数値を使って三マイクロシーベルトなんです。半分の二〇〇〇の係数を使って二十二マイクロシーベルトなんです。この係数問題、改めてお伺いしたいと思います。
 そこで、この次に農水省の副大臣に御質問です。
 この網、これは宮城県の唐桑というところの漁師の方からお借りしてきたものですけれども、ホタテの養殖に使うものです。これをこうぐしゃぐしゃとしたのをここの網の中に入れまして、これを一杯にして海につるしてホタテの養殖に使っているそうです。ホタテの稚貝や卵がここに、海の中で通ってきまして、この小さい網を通って卵がここに付着して、稚貝がここの間を行ったり来たりしている間にだんだんと大きくなってきて、この網に、中に捕らえられて、ここで成長してホタテの養殖がされると聞いています。
 こうしたホタテの稚貝が、実は太平洋に流れてくる放射能の廃棄物、放射性廃棄物は太平洋に拡散するから安全だという説明をされているんですけれども、黒潮に押されて津軽暖流が三陸沿岸を流れていきます。つまり、再処理工場から廃棄される放射性物質は、ホタテの赤ちゃんもそうですけれども、津軽暖流に乗ってやってきて、三陸の恵み豊かな湾に滞留するんです。
 副大臣は、この潮の流れを、自然の摂理を御存じでしたか。そして、不安を感じる漁民の方にどんな思いを抱きますか。お答えいただけますか。
○副大臣(岩永浩美君) 宮城県、岩手県に養殖をしてあるホタテガイの稚仔のかなりの部分が陸奥湾からのものであるということについては認識をいたしております。これは、関係者間での定説になっていることは承知をしていますが、南下する沿岸の暖流に乗ってくる、そのことについて具体的に、私は専門的にその知識を持ち合わせておりませんが、今御指摘いただいたようなことを踏まえて、今漁業団体の皆さん方の御意見としては、今私が申し上げたような形で常識のような形になっていることは事実です。
○川田龍平君 さすが副大臣は見識がおありだと思います。
 その副大臣にもう一度伺いますが、プルトニウムが海藻にどれくらい蓄積するか数値が発表されています。青森県が出している平成十七年度原子力施設環境放射線調査報告書の二百七十一ページ、再処理工場の操業に伴う環境モニタリングへの影響の中で、今までは実質上ゼロの海藻に〇・〇二ベクレルのプルトニウムが蓄積すると、稼働した後に変化すると予測がされています。
 角砂糖が五個で日本人全員、日本の住んでいる人口全員の致死量、史上最悪の毒性と言われるこのプルトニウムです。
 どんなに少なくても海藻に蓄積されることが既に想定されていますという状況は大問題です。もし大問題ではないというのであれば、マーケットの感覚が麻痺しているとしか言いようがありません。新潟県柏崎刈羽原発の中越沖地震でも、放射能が漏れたというだけでその風評被害は相当な額であったと聞きます。幾ら日本原燃や国が巨大な広告費を投入して青森県六ケ所村の再処理工場を安全だ安全だとアピールしても、これは青森県の農産物や三陸の漁業に大きな風評被害を出ることを避けられないと思いますが、それをどう受け止めますか。農水副大臣、お願いします。
○副大臣(岩永浩美君) 私よりも、専門的なことですから事務方に答弁をさせます。
○政府参考人(重義行君) お答えいたします。
 ただいまの青森県のシーベルトの件でございますが、私どもとしては、原子力安全・保安院や青森県の調査等によります再処理施設からの影響というのは、海藻等の海産物摂取による内部被曝も含めて法令に定める一般公衆の年間の線量限度一ミリシーベルトを下回ると、十分に下回るという評価をしているというふうに聞いております。
 私どもといたしましては、今委員御指摘の風評被害という問題は大変重要な問題だと感じておりますし、この問題を誤った対応をいたしますと漁業者の方々に大変な被害を被るということから、関係省庁連携いたしまして正しい情報を広く国民の方々に認識していただくということが大事であろうと考えておるところでございます。
○川田龍平君 是非、農水副大臣、せっかくおいでですので一言いただきたいと思うんですが、同じ質問でお願いします。
○副大臣(岩永浩美君) ただいま御指摘いただいた件については、関係省庁と十分な連携を取って、皆さん方に御不安をいただくことがないように取り組んでまいりたいと思います。
○川田龍平君 ありがとうございました。
 大丈夫です。これで質問を終わりますので、退席していただいて結構です。ありがとうございました。
 それで、環境省の方々そして大臣の方々にはずっと今のやり取りを聞いていただきたいんですけれども、この原子力の安全性について経済産業省が所管、一部、内閣府という行政配置がこれまででしたが、これは一般市民にとって非常に違和感を感じる部分です。放射能汚染から国民と環境を守る仕事は環境省がやるべきことなのではないでしょうか。再処理工場の濃度規制のない放射性廃棄物の大量廃棄は、どう考えても産業廃棄物と同質です。日本の自然環境や国民の健康を守るため、放射能放出を監視することは環境省の関与すべき案件と私は考えますけれども、どうお考えになりますでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(竹本和彦君) ただいま御指摘の点につきましては、環境基本法におきまして、放射性物質によります大気の汚染、また水質の汚濁及び土壌の防止のための措置については、原子力基本法その他の関係法令において定めることとされております。したがいまして、原子力施設から放出される放射線につきましては、関係法令に基づき、放射線による汚染の防止のための必要な措置が講じられるとされているところでございます。
 環境省におきましては、一般環境中の放射性物質についての監視を実施をしておるところでございまして、関係省庁がそれぞれの役割分担の下に今後とも政府全体として適切に放射性物質に係る対応を実施していくことが重要であるというように認識をしておるところでございます。
○川田龍平君 六ケ所の再処理工場の設計の基となったフランスのラアーグ再処理工場周辺では、小児白血病が高い率で発生している調査報告が出ています。日本は水俣病を経験していますが、そこから一体何を学ぶのかということだと思います。大臣は医師であります。この事実を知っているかどうか。
 そして、世界の放射能管理がどのような政府機関に管理されているかについても問題意識を持ってほしいと思っています。環境先進国ドイツ、スウェーデンでは環境省が放射能について管理しています。今、日本では、推進と監視の両方を経済産業省と内閣府が担っています。内閣府の監視機関がきちんと機能しているかといえば、残念ながらそうは言えません。再処理工場をめぐるアカウンタビリティーの問題性は推進と監視が同体であることが原因とも言えます。
 現在、内閣府に置かれている原子力安全委員会を環境省下に置くことを提案します。これについてどう思われるか、お答えください。
○国務大臣(鴨下一郎君) 私が答える話ではないかも分かりませんが、今、川田委員おっしゃったように、推進と規制、この二つを同一のところが取り仕切るということが問題だというような認識については、私も共有をいたします。
 ただ、これはそれぞれの国のこの行政の歴史の中での話でありますんで、直ちにドイツ、スウェーデンのように環境省がというようなことはなかなか難しいんだろうというふうに思いますが、今、委員の御指摘については受け止めさせていただきます。
○川田龍平君 ありがとうございました。
 是非、本当にこういった問題について、先ほど長崎の諫早湾の話もありましたけれども、やはりこうした、今までこうだったからということだけではなく、官僚のそういった固まった考え方で動いていくことではなく、政治がやはりリーダーシップを発揮して、こうしたことに対しても対処に当たっていただけますように、是非よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三十六分散会