第168回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第5号
平成十九年十二月十九日(水曜日)
   午後一時二分開会
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   委員の異動
 十二月十八日
    辞任         補欠選任   
     加藤 敏幸君     友近 聡朗君
     姫井由美子君     植松恵美子君
 十二月十九日
    辞任         補欠選任   
     武内 則男君     行田 邦子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                藤末 健三君
                谷川 秀善君
                山内 俊夫君
                谷合 正明君
    委 員
                犬塚 直史君
                植松恵美子君
                大石 正光君
                亀井亜紀子君
                行田 邦子君
                島田智哉子君
                谷岡 郁子君
                轟木 利治君
                友近 聡朗君
                長浜 博行君
                広中和歌子君
                牧山ひろえ君
                秋元  司君
                石井みどり君
                椎名 一保君
                田村耕太郎君
                西田 昌司君
                長谷川大紋君
                松村 祥史君
                森 まさこ君
                浮島とも子君
                近藤 正道君
   副大臣
       外務副大臣    木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
       常任委員会専門
       員        桐山 正敏君
   政府参考人
       外務省国際協力
       局長       別所 浩郎君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
 (参議院政府開発援助調査に関する件)
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○委員長(溝手顕正君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、加藤敏幸君及び姫井由美子君が委員を辞任され、その補欠として友近聡朗君及び植松恵美子君が選任されました。
 また、本日、武内則男君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君が選任されました。
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○委員長(溝手顕正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に外務省国際協力局長別所浩郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(溝手顕正君) 政府開発援助等に関する調査を議題といたします。
 本日は、平成十九年度参議院政府開発援助調査派遣団第一班に参加した委員から十分程度御意見を伺った後、五十分程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。
 それでは、第一班を代表して藤末健三君から御意見を発表していただきます。
 なお、発言の際は着席のままで結構でございます。
 藤末健三君。
○藤末健三君 御指名いただきました藤末健三でございます。
 私、ベトナムのODA調査団の団長として、今回、今年の十二月二日から十二月六日の四泊五日でベトナムの方に伺わさせていただきました。
 派遣団の構成を申し上げますと、私、藤末健三(民主党)が団長とさせていただき、牧山ひろえ君(民主党)、山内俊夫君(自民党)、長谷川大紋君(自民党)、谷合正明君(公明党)という五人のメンバーで調査をさせていただきました。
 調査の内容等につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、ごらんください。
 五ページをまず開いていただいてよろしいでしょうか。五ページにございますのがベトナムの地図でございます。その地図の下の方にホーチミン、旧サイゴンがございます。そして、カントーというところがございますが、このカントーに今ODAで、円借で橋を建設中だったものが事故があり、橋げたが落ちたということが九月二十六日に起きました。
 このカントーに建設中でございましたカントー橋は、長さが全長が二千七百五十メートル、着工いたしましたのが二〇〇四年十月でございまして、完成予定が来年の十二月ということでございます。円借款の規模は二百四十八億円ということを想定をしておりまして、実際に発生した事故は何かと申しますと、次のページごらんください、六ページ目を。上の方にございますのが事故が発生する前、下が事故の発生後でございます。このように写真で見ますと非常に小さく見えますが、実際現場で見ますと高さが何十メートルかあるという高さでございまして、本当に大規模な事故だったわけでございます。
 事故の原因についてはまだ調査中ではございますが、一部漏れ聞くところによりますと、この橋を支えていた支柱が何らかの形で崩れたのではないかということでございまして、事故によりベトナムの方が死者五十四名、そして負傷者が八十名という大規模な事故に、ODA最悪の事故が発生したわけでございます。
 国会開催中ではございましたけれども、委員長また国対の方々の御配慮をいただきまして、我々がベトナムの方に現地を視察させていただくということで訪問させていただきました。
 我々のこの訪問の目的は大きく三つございます。一つが現地で亡くなられた方々に弔意を表することでございます。
 実際に我々が伺いましたところを新聞社等が取材をいただきまして、確認できただけでも六社の新聞、全国紙を含めまして掲載いただきました。新聞のちょっと例をごらんになっていただきますと、例えば十ページ、ごらんになっていただいてよろしいでしょうか。十ページにございますのはラオドンという、これも全国紙でございますが、全国紙の一面にカラー刷りで我々が慰霊の塔に頭を下げているシーンが掲載されておりますし、また次のページ以降、幾つかの新聞に、写真も含め、私たち日本国の参議院議員が現地を訪れ、そして現地で慰霊をしたということが報道されております。
 そしてまた、これはビデオでございますが、全国のニュースでも、ベトナムテレビまた地元のカントーテレビでも我々がこうやって現地を訪れ、そして慰霊をしたことも放映していただきまして、非常にベトナムの方々にとっては、日本からわざわざ国会議員が来て、そして哀悼の意を表したということについては高い評価をいただいているというふうに思います。
 続きにございますのは、私たちが伺いました目的は、このような事故がもう二度とないように、事故の原因の究明にどこまで協力できるかという議論をやらさせていただきました。私たちがお会いした方の一人に、現地のベトナムの事故調査委員会の議長であるクアン建設大臣にお会いしました。クアン建設大臣との議論は、議論と申しますか話合いは非常に長時間に及びまして、そのとき建設大臣の方から一つのレポートを、機密ということでレポートを手渡していただきました。これは、今現在進行中の事故原因調査の中間報告のドラフトでございます。これは公開しないようにという約束の下にいただきましたが、現在調査を進めておられると。
 話合いの中でクアン大臣から指摘いただきましたのは、一つございますのは、いつごろこの調査が、事故原因の究明が終わるかという話を申し上げましたら、過去の事例で似たような事故で、オーストラリアで事故があった、その原因究明には八か月掛かったということをおっしゃっておりまして、ある程度の時間は必要ではないかということを示唆されておられました。
 そのほか、ODAの受入れ担当でありますフック計画投資大臣にもお会いしまして、我が国のODA全般の話、議論をさせていただいております。今ベトナムが受け入れているODAの一番大きな拠出国は我が国でございまして、我が国のODAがどれだけベトナムの経済、社会に貢献しているかという話、そして今後の協力についていろいろ議論を行わさせていただきました。
 多くのベトナムの方々の御意見を集約させていただきますと、三ページ目にございますが、大きく五つのポイントがございます。
 一つは、先ほど申し上げましたように、我々の一番の目的である事故現場を視察し、そして犠牲者とその家族の方々に哀悼の意を表するということにつきましては非常に高い評価をいただくことができました。
 そしてまた、犠牲者の方々の支援という問題、これ非常に重要な話ではございますが、今この工事を行っていた日本側企業も対応しておりますし、またベトナム政府としても対応していくと。同時に、やはり日本政府にもまた一層の支援をお願いしたいということを受けております。
 そして三番目、事故の原因究明と再発防止は重要であるということで、今国家レベルの調査委員会を設置し調査を進めているということでございます。地元でやっぱりお話をしていますと、この土木工事で、我々にとってはODA最大の事故でありますが、同時にベトナムにとっても土木工事の事故では最大級の事故であるということ、そしてテレビで放映され、五十四名の方が亡くなりその家族の方がやはり悲しむ様子がテレビで流れたということもあり、国家的に非常に関心が高いということをお話をお聞きしております。
 四番目にございますのは、やはり日本とベトナムの関係は非常に重要であるということは、もうあらゆる方がおっしゃっておりました。今後とも社会インフラのプロジェクトを日本に是非協力していただきたいということでございます。
 そして五番目に、最後にございますのは、このカントー橋は非常に重要である、来年十二月の完成予定であるがなるべく早く完成させたいということをおっしゃっております。実際、私たちがこのカントー橋に伺うまでに、大体ホーチミンから車で四時間、もう本当に凸凹の道を揺られていき、そして実際に、メコン川の支流でありますハウ川、これを渡るのにフェリーで渡らなきゃいけない。何隻も、五、六隻のフェリーがもうひっきりなしにエンジンを止めないまま代わる代わる車を運んでおりまして、やはり現地の方にとってこの橋ができることは非常に重要じゃないかということを痛感させていただきました。
 その他のでございますが、我々、ODAの関係の施設、また地元のベトナムで活躍される青年海外協力隊やシニアボランティアの方々とお会いしまして、もうほとんど休む間もなく移動させていただいたわけでございますが、非常に有意義な視察を皆様の御好意で送っていただいたと思います。
 私、個人的な私見ではございますが、やはりベトナムに伺わさせていただき、非常に親日的であるという印象を受けました。私たちのODAが非常に、不幸な事故はございましたけれど、生かしていただき、そして実際に日本の企業がベトナムに進出し雇用が一万人あるという規模も拝見させていただきまして、ベトナムと日本との関係がまず深まっていくというものを見せていただき、このODAがいかにベトナムと日本の懸け橋になっているかということを実感した次第でございます。
 以上をもちまして御報告は終わらさせていただきますが、何か補足、よろしいですか。──報告を終わらさせていただきます。よろしくお願いします。
○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。
 以上で意見の聴取は終わりました。
 なお、本日は、木村外務副大臣及び外務省別所国際協力局長にも御同席をいただいておりますので、発言に対して回答をお求めになる場合には、派遣に参加された委員に対してだけでなく、政府側に対してお求めいただいても結構です。
 また、回答される場合は挙手をお願いをいたします。
 なお、発言はすべて起立をしてお願いをいたしたいと思います。
 それでは、発言を希望される方は氏名標を立ててください。大塚耕平君。
○大塚耕平君 民主党の大塚でございますが、派遣団の議員の皆様方、大変お疲れさまでございました。と同時に、今回の派遣は通常のODAの視察とはちょっと違いまして、日本のODA史上まれに見る大事故の後に現地調査をするということでございますので、まず、委員会の一員として現地で犠牲になられた皆様方に私からも哀悼の意を表しますとともに、改めて派遣団の皆さんの御苦労を御慰労申し上げたいと思います。
 しかし、今回のこの事故ですけれども、いろいろその後の報道で不思議なことが一杯あって、是非派遣団の皆様方には、今から幾つかお伺いすることについて、現地で実際に見聞されたり何か感じたことがおありでしたら御発言をいただきたいと思いますし、また外務省並びに木村外務副大臣にもお答えを賜りたいというふうに思っております。
 まず、これは派遣団の議員団の皆さんにお伺いをいたしますが、このカントー橋の事故の後、実は事故の三か月前に日本のコンサルタント会社の技術者の方が、大変危険がある、崩落の危険があるという手紙をベトナム政府に送っていたという事実が報道されております。そして、事件後にベトナム政府関係者がその指摘の内容をコンサルタント会社と、これ日本のコンサルタント会社ですね、施工業者、これも日本のゼネコンさんですが、に伝えたところ、補強を行うと言っていたけれども、実際に補強が行われたかどうかは調査中と答えていると。これも報道されています。こういう問題に関するベトナム側とのやり取りは今御報告をいただいた内容以外の部分で何かあったかどうかを、これは派遣団の皆さんにお伺いをいたします。
 二番目は、もしこの事故が国内で起きていたら、五十人以上亡くなっているんですよ、二百人近くが重軽傷で、今も病院に入っている人が一杯いる。これ本来であれば、日本国内で起きていれば、これは施工業者の皆さんの業務上過失致死に相当するような事案に発展する可能性が高いと思いますが、この視点から、日本国内及びベトナム国内での動きについて、これは外務省にお伺いをしたいと思います。
 そして、三番目でございますが、これは派遣団のベトナム訪問は二日から六日と今御報告がありましたけれども、その訪問の最終日、六日に日本政府は、ベトナムに対して二〇〇八年度に過去最大の千二百三十二億円のODAを実施することを表明しています。これだけのODAをこの事件直後に実施するということならば、まずその一部は、千二百三十二億ですからね、遺族や被害者の方に補償金として、千二百三十二億の一部はむしろ財源をそちらに振り向けるということも私はあるべきだと思うんです。
 しかし、現状は、日本政府からは正式な補償金は全く出ておりませんし、もちろん事故原因がまだはっきりしていないからということもありますが。施工業者の皆さんの一部の拠出金を元に遺族に対して日本円で数十万円の見舞金を出しているだけということであります。
 この来年行われる過去最大のベトナムに対するODAに関しては、一点目がその一部はやっぱり補償金に向けるべきではないか。これは派遣団の皆さんの感想と外務省にも見解を伺います。
 そして、来年のODAに関して二点目ですが、全体でいうと四点目になりますけれども、派遣団の皆さんに対して外務省は事前に、派遣団の皆さんの最終日に日本政府として過去最大のベトナムに対するODAを表明するという事実を説明していたかどうかですね。これは大変推測の域を出ませんのであくまで私の推測として申し上げますけれども、何やら参議院のODAの特別委員会の派遣団に政府の露払いをやらせているような、そんなスケジュール感すら感じてしまうわけであります。先ほど藤末さんが御報告いただいた報告の中には、現地の新聞に深々と日本のこの参議院の議員の皆さんが頭を下げている写真、議員の皆さんにこういうことを日本を代表してさせるんであるならば、事前に当然外務省からしかるべき報告が藤末さんや山内さんたちにあってしかるべきだったと思いますが、これは外務省にお伺いをいたします。
 そして、大きな五点目ですが、今のODAに関する、来年のODAに関する質問が小さく分けて二つ、最初に二つ申し上げたので、通しではこれで五点目の質問になりますけれども、事故後の調査ですね。例えばこれはもう報道で幾つもなされておりますが、十月上旬に施工業者、日本のゼネコンが調査団が現地に入って一か月以内に調査報告を行うというふうに報道されているんです。そして、十月の中旬には政府調査団が現地入りして帰国後調査報告をまとめる、これもそういうふうに報道されています。さらに、十一月中旬には小泉元首相がベトナムを訪問して、ベトナムの首相と会談をしています。十一月のその直後には、福田首相と高村外相がシンガポールに入ってベトナムの首相、副首相に対して哀悼の意を表明している。この間、当委員会には業者の調査報告も政府の調査報告も何も行われていない中で、政府が来年のODA、過去最大のODAを発表するその直前に派遣団の皆さんが現地入りして深々と頭を下げている写真が現地の新聞に載っていると。これはおかしくないですか、少し手順として。これは外務省にお伺いをいたします。
 さらに、事故、九月二十六日。実はこの直後にミャンマーで日本のカメラマンが殺害をされた、そのことで日本国内の関心がそっちに行ってしまったんですけれども、これ五十人以上が亡くなって、日本のODA直轄事業ですよ、これは。そして、今もなお大勢の犠牲者そして家族が苦しんでいる中で、その直後の十月十四日、ハノイで日本人会のゴルフコンペが開催されて、駐ベトナム大使ほか大使館関係者、JICA等のODA関係者が参加して、ベトナム側から不謹慎だという批判が出ている。これ、日本であのJRの事故があった直後に、いろんなJR関係の会合に国会議員が出ていたら、あるいは官僚の皆さんが出ていたら、大変批判されたんですよ。
 これも外務省にお伺いしますが、その後、駐ベトナム大使に対してどのような指導をされたり、あるいはベトナム側に対して謝罪をしたのか。これが大きくは六点目です。
 最後に、七点目になりますが、こういう経緯があっての今回の派遣です。これまでのODAの通常の視察とはちょっと事情が違いますので、当委員会に対して今後、もう既に行われているのかどうか知りませんけれども、施工業者の皆さんの調査並びに政府の調査、いつどのように報告がなされるのかということについて、これは外務省に対してお伺いをいたします。
 最後になりますけれども、ODAは私たち並びに私も大事だと思っております。しかし、日本のODAについてはいい面もありますが様々な批判もなされて、その批判を改善するために今日までいろいろ工夫をしてきている。この委員会もそのために設けられたわけであります。
 日本のODAがODAの対象先の平和や安定や発展のために寄与すればいいですけれども、何やら日本のODAを諸外国でやって、諸外国のこう言ってはなんですが、場合によっては環境を破壊して、事業をやること自体に目的があって、言わば日本を舞台としないで公共事業をやるということになっていては困りますよということでODAの見直しが行われている中で、今回は過去最大のODAに関する事故が起きて、その事故の事後処理のプロセスとして私はいささか疑問に感じますので、ただいま御質問申し上げました。
 大変多くて恐縮ですが、七点について、派遣団の皆さんの是非、これは党派を超えた問題ですから、率直な御感想と御意見と事実関係の披瀝をいただきたいのと、外務省に対しては真摯な説明を求めたいと思います。
○藤末健三君 大塚先生の御質問、どうもありがとうございます。
 私は、頭四つの点についてお答えさしていただきたいと思います。
 まず、コンサルタントの関係の方が補強が必要であるというメモを作られたんではないかと。事実関係は実際に現地に行って確認をさしていただきました。回答をいただきましたが、メモは存在するということでございます。ただ、メモの位置付けが、正式な文書になっていないということもございまして、そのメモが重要視されなかったのは事実であるという回答は私は現地でいただいてまいりました。
 そして、二番目の問題でございますが、刑罰と申しますか、何か業務上過失致死とかいろんな議論ございましたが、これにつきましては、ベトナム政府の方も原因をきれいに究明し、そしてその後、刑事的な問題、民事的な問題をベトナムの法律で処理するということになるであろうということを明確にいただいております。
 そして、三番目の補償金の件でございますが、私たちがお会いしたベトナム政府のクアン大臣なども、やはりこの犠牲者の方々の遺族そしてまた負傷された方々に対する補償というものは非常に重要であるという話を私もいただいておりまして、実際に現場を見てきて、私も制度的にどうか分かりませんが、やはり何らかの日本の政府としての補償は行った方がいいんではないかというふうに考えます。
 そして四点目の、我々がベトナムに伺った最終日に発表された千二百三十二億円のこのODAということにつきましては、私は情報を現地ではいただいておりません。これは、うちの調査団だれも情報はもらっていないと思います。
 今回の調査に関しまして、これは外務省の方を批判するわけではないですが、事前のレクチャーも非常に不足しておりました。実際にこの橋の設計図もない、もう簡単な紙切れ二枚で事前に説明をいただいたということに対しては、私も外務省の方にきちんと説明をしてくださいということを申し上げましたし、また一つ、これはもうODA全般について言えるんですけれど、外務省の方々がもう少しきちんと情報を公開するという態度を示さなければ、我々のこの国会におけるODAの委員会の活動、そしてまた納税者の方々、今、国の予算七千億円程度を使っているわけでございますが、やはり納税者の方々に対する説明責任を果たすという意思が外務省には少し足りないんじゃないかということは、この二回目の、私は二回目でございますので、調査団で伺いましたのは、二回のこの調査の派遣で痛感させていただいております。
 私からは以上でございます。
○山内俊夫君 今団長から冒頭の約十分ばかりの基本的な説明があって、大塚委員から八点ばかりかと思いますが、質問がありました。
 その中で、一部、千二百三十二億円の中で補償についての具体的なことというような質問がありました。これは私も現地の大臣、いろいろな関係者にいろんな質問をさせていただきました。補償の在り方について、どういう考え方でどの程度の額を決めているんだという質問をいたしましたら、死亡者には百万という金額が提示されました。
 じゃ、ちなみにその百万という金額は、物価その他のことについての比較を少し述べてくださいと、ちなみに交通事故、一〇〇%加害者の悪い交通事故で被害者がどの程度の補償をもらえるんですかということをお聞きしますと、約二十万という金額が出ました。それと、その現場作業員、かなりの人数がいました。当日、百五、六十名の方々がその現場で上に乗っていたということでございますけれども、そのうち百三十名ばかりの方々が大けがないし亡くなったということであります。けがをした人たちに対する補償、これも大体七十万とか五十万とかいう数字が出ておりました。細かいその内訳については追及はしませんでしたけれども、大体アウトライン、それであります。
 その作業員の人たちの基本的な月給、これはどのぐらいかとお聞きしましたら、年収が六万円程度だと。ということになりますと、百万という金額は、六万からいきますと約十数年間の給料ということになろうかということで我々は一応説明を受けたわけであります。
 それと、大成、鹿島それと新日鉄のJVの皆さん方は、基本的にその遺児がいますから、遺児の人たちに対して約六千万の金額を積んで基金をつくったと。その基金によって就学その他の将来のサポートをしていきたいというような報告もいただいております。
 それともう一点であります。事故後の調査、これについて私も非常に関心を持っておりました。クアン大臣に対して約一時間半ばかりの会談でありまして、その中で私は二点ばかり質問させていただきました。報告書についてはいつごろ出すんですかということ、そして工事の再開についてはどのような考え方を持っておられるかという二つの質問をさせていただきました。
 今回の基本的な工事の発注の大本は政府なんですね、ベトナム政府が発注しておるということでございます。ですから、ベトナム政府もそれなりのお金も出している、それと日本の有償ODAを活用させていただいているということでございます。ですから、発注先が一番の責任者でありますから、その発注先の責任者として今調査をやっておりますと。その調査については、先ほど藤末団長から報告ありましたように、以前、一九七〇年代にオーストラリアの支援での工事、これで三十数名の人が亡くなっている、そのときの報告については約八か月掛かりましたと、今回についてはまだまだ少しいろんな複雑な要素が含んでおりますというのが大臣の答弁でありました。ですから、はっきりと、じゃ、いついつまでにその報告は出すかということについては言及されなかったと思います。
 それともう一つでございますが、じゃ、工事再開はいつかという話でございますが、工事再開については日本の専門的なJVの皆さん方から、従来の工事に、ちょうど橋げたと橋げたの間に仮の橋げたがあります。げたがあります。それが今回はやや崩落をしたというのが原因で落下したんではないかと言われておりまして、それについては、二本、四十メートルのスパンの間に二本入れますと。そして、その二本だけじゃなくて、従来は大体三十三メートルから六メートルのくい打ちであったところを、七十六メートルの岩盤までくい打ちを入れてやるという中間的な報告があると。ですから、それについては技術的なものを確認をして、再開についてのゴーサインはそれを確認した上で出しますということですから、これも日程の言及はなかったように思います。
 以上です。
○谷合正明君 補足をさせていただきますが、大塚委員の方から、ODAの中で補償、今回のマックスのODAの中から補償を出すべきではなかったかという議論ですけれども、その前にどういう誠意の見せ方をするのかというところで、若干現地で分かってきたところがありました。それは、言及されたとおりミャンマーの事件が重なっておりましたので、ベトナムの事故関係者、日本の業者等の中には、まあ事件が重なって良かったなというような若干本音の部分が当時見え隠れしていたのではないかと指摘をされました。その結果、一軒一軒、ベトナム側の被災者の方の家庭訪問が迅速に行えていなかったとか、そういった問題もありました。恐らく、これはODAに携わるコンサルタント、業者に、そういうリスクマネジメントというか、こういう大きな事故が起きたときにどういう対応をするのかというところが、私はまだ管理というかその辺がなかったのではないかというふうに考えています。
 もう一つ、まだ慰霊碑というのも、仮設の慰霊碑はありましたけれども、そういうしっかりしたものがないので、私はそういったところもODAの中でもしっかり見ていくべきだというふうに考えております。
 それから、ODAの中で、草の根無償で、現地の被災した住民の多くの方の出身地の、事故現場と近いわけでありますが、そこに対する草の根無償が迅速に決定したというふうに聞いております、医療機材の整備ということで。
 そういったこと、事実関係としては補足をさせていただきます。
○副大臣(木村仁君) 御質問いただきました諸点について概要を御説明いたしまして、また細部にわたっては局長が御説明する部分があるかと思いますが、何よりもまず、ODA特別委員会において、今回、委員派遣という形でベトナムに対して弔意を表せられ、かつ詳細な調査をくださり、責任者と懇談の上、今後のことも御協議いただいたことについて、心から御礼を申し上げたいと思います。また、御指摘ありました、至らない点があったことに対しましては、答弁の中でも申し上げますが、おわびを申し上げたいと思います。
 第一に、工事の過程でコンサルタントの一員が安全管理が十分でないというレポートを書いていたのを無視したのではないかという点でございますが、この点につきましては、日本人コンサルタントが補強工事の必要性等に係る提言を行ったということは事実でございますが、そのことは、政府としては本件事件の発生後にコンサルタントから報告を受けております。事前には把握していたという事実はございませんで、政府において握りつぶすとか、そういうことではないわけでございます。
 調べてみますと、レポートについては、コントラクターがその内容に従って補強をしたことが確認されておりまして、それは文書でなくて口頭でコントラクターにコンサルから伝えられたそうでございます。そういうことが確認されておりまして、私どもがベトナム国家事故調査委員会に派遣といいますか、協力のために派遣しております塩井委員によりますと、この委員会ではそれについての言及があったけれども議論の対象にはならなかったと、そういうふうに聞いております。
 それから次に、国内で起こっていたら大変な事件で、いろんな責任が生じるであろうと、そういうことでございます。これは正にそのとおりでありまして、私どもが十月七日に、初めに訪問いたしましたときに首相と会談をいたしましたけれども、その席上で首相はその責任のことについても言及をいたしておりました。
 責任は恐らく三つあると思います。一つは民事の責任でございます。もう一つは刑事上の責任でございます。それから、日本国内もそうでありますが、特にベトナムにおいては施行者としての政治上の責任、こういうものがあるということを指摘しておりました。そういうことをきちっと処理するために、調査についてはベトナム政府の責任と権限において実施したい、ついては日本に最小限度の協力をお願いするから委員一人を派遣してくれと、こういうお話でございました。
 私どもはその点については協議をいたしましたけれども、民事の責任を負わなければいけない、あるいはコントラクターあるいはコンサルタント、日本の方々の刑事責任が問われるかもしれない、そういう事件でありますから、日本でこの事件が起きたときにも恐らく日本政府は自分の力で調査をする、必要であれば技術的な委託とかはするとしても、権限と責任において政府がやるだろうということで、この間、立ち入っていろんな発言をすることは差し控えてまいりました。そして、協力については三人ほど出したいという希望を申し上げましたけれども、いや、当面一人にしてください、また必要であればお願いをすると、こういうことでございましたので、そういう形になっております。
 なお、その後の事情を聴きますと、日本から派遣しております塩井教授はそのレベルの中では最高の技術者であるというふうに考えております。
 まず、その調査の過程で、この責任の問題につきましては事実関係はほぼ解明されて、まだ一、二議論しなきゃいけないところが残っていると、こういうことのようでありますけれども、今やっておりますことは、また再び現地に赴いてコンサルタントあるいはコントラクターから法律の専門家が意見を聴取しておりますとともに、日本についてもそういった事件のときに一体どういう責任の取り方になるんだろうかということを照会してきて、事件の情報を出したりいたしております。これからその責任の部分の微妙な調査の議論に入るようでありますので、私どもも、干渉はいたしませんけれども、注意深く情報を取ってまいりたいと考えております。
 第三に、補償の問題でございますが、補償につきましてはこれまでまだ進んでいないわけでございます。先ほど派遣委員の方から御紹介がありましたように、コントラクターは私どもが現地に赴きます以前に九十億ドン、約六千三百万円の見舞金を出しております。これは民事の補償とは全く関係のない見舞金でありまして、十億ドン、七百万円ほどが遺族に対する見舞金でございます。あと八十億ドン、五千六百万円ほどが遺児の養育、教育のための基金をつくって渡す、そういう義援金だというふうに聞いております。
 その後もいろいろな方々が、コントラクターの社員等の募金あるいは商工会の企業の募金等が行われておりまして、日越友好議員連盟等も寄附をしておると、こういうことを承知いたしております。
 民事上の補償につきましては、首相は、是非ベトナムの法律にのっとった正規の補償をしていただきたい、しかしそれでは多分世界水準には達しないであろうから、どうかその世界水準のことも考えてほしいという強い要望を出しておられました。これは今後の問題でございます。まだ刑事責任については公安部が動いて調査をしているという話は、情報は得ておりますけれども立ち入った情報は得ておりません。今後の問題であると考えております。
 それから次に、この千二百三十二億円に上る有償、無償のODA、これの一部は当然補償に充てるべきではないかという御指摘でありますけれども、これは、日本政府はODAを出し、そして施主は向こうの交通運輸省でありますし、コントラクターは日本の企業でありまして、第一義的にはこの間で企業の補償、責任がどこまであるかという補償の問題でありますから、第一義的には日本国政府そのものは補償の責任を持っているとは言えないと考えておりますが、これは補償の実態をまた見ていくことになろうと考えております。
 議員派遣をなさいましたその七日でございますが、千二百三十二億円に及ぶ有償、無償の翌年度ODAの提案、プレッジをしたことは事実でございます。この間においてそのことを派遣委員の皆様にお知らせしていなかったというようなことは大変申し訳ないことでございまして、別に、何というんですか、露払いというようなそういう意識は全く政府にはないことは御了承いただきたいと思いますが、連絡等が十分でなかったことは深く反省をいたしたいと思います。
 これは東南アジア諸国が一堂に会してプレッジを行う、東南アジア諸国というより東南アジアの援助諸国ですね、援助する国が全体として集まってプレッジを行うものでありまして、前々から決まっていたそうでありまして、その日程、約束を守らなければいけないということでプレッジは一応いたしております。しかし、来年度どのようなODA援助をベトナムに対して行うかということは今後の問題でありますので、カントー橋の事後処理等もしっかりわきまえながら検討をさせていただきたいと存じております。
 それから、調査について、これ一か月以内に結論を出すということを言ったではないかという御指摘でございます。
 これはそのとおりでございまして、私どもがお話合いをいたしましたときに、向こうの首相は、一か月以内に少なくとも原因だけは明らかにしたいと、こういう意欲を強く述べておられました。私どもは、一月というのは日本のそういう大きな事故についての原因の調査としては大変短期間であって、恐らくそれではできないのではないでしょうかということは申し上げましたけれども、ベトナム政府としてはそういう意気込みでやるのだということでございました。
 一か月たちまして、もう二か月近くたっておりますので、中間的な情報の提供を求めておりましたけれども、それもまだ参りません。したがって、私がこの連休を利用して出張させていただければ、国会の御了承を得て、その点についても更に詰めますとともに、今後、原因の究明、責任の追及ということは向こうの政府の仕事だと割り切っておりますけれども、今度建設事業を再開するまでの安全管理、災害の再度発生することを絶対防がなければいけませんから、その点については我々も参加させていただいて準備をしたいということも申し上げてきたいと思います。
 そのために、カントー橋事故再発防止検討会議を設けまして、専門家の方々、JICA、JBICにも参加していただいて今準備の議論をしております。まだ事故分析についての十分な情報が得られておりませんので審議は進んではおりませんけれども、ベトナム政府の調査結果を、まあ点検するということは、立場は取りませんが、よく調べさせていただいて、そして事業再開に向かって万全の体制を取るための事故再発防止検討ということを進めていきたいと考えております。この段階になりまして私どもが入手できます情報は、できるだけ秘密にせず公表していきながら議論してまいりたいと思っております。
 なお、これまでに出されております情報については、コントラクター及び私どもが派遣している委員、この両方についてベトナム国家委員会の委員長から守秘義務について厳しい制約が課せられておりまして、私ども自身、塩井教授から明確な情報を取ることは難しいというくらいであります。しかし、今後ベトナムの調査が終わりましたならば、そういう情報はコントラクターからも、また調査団、調査会社からも取ってまいりますし、ベトナム政府からも情報は全部お願いをしたいと、こういうふうに思っております。
 それから、ゴルフをやっていたではないかということであります。本当にこれは誠に遺憾なことでございまして、厳しく指摘をしているところであります。具体的なことは局長からお教えしてくると思います。
 今後のODAの、通常の視察と違った格別の視察をしていただきましたことを御礼を申し上げましたが、この視察は、先日チェット大統領が訪問しました際に江田議長との懇談等がありまして、また派遣された皆様と委員長等との本当に長時間にわたる腹を割った懇談の中から非常に良い結果が生まれてきたことを感謝いたしております。
 以上でございます。
○委員長(溝手顕正君) それでは、田村耕太郎君。
 時間が限られておりますので、簡潔によろしくお願いします。
○田村耕太郎君 もう短くやりますので短く答えていただければと思います。一名で、どなたか分かる方だけで結構です。
 本来のODA調査団の役割に関しまして御質問させていただきたいと思います。
 今回、事故調査団みたいな役目を負われていましたので、本来の調査団の役割、日本の開発援助がその国の健全な社会や経済の発展に対してどのように役に立っているのか、また国民の血税ですから、どのような国益に、役の立ち方となっているのか、それに関してちょっと、どのようなヒアリングをされてきたか質問させていただきます。
 例えば、ベトナムの中でも、どの辺りから日本の政府はかかわっているのか。本当に向こうから申請されたものを受けているだけなのか、それともこちらから、経済、社会のベトナムの特徴みたいなのを分析して、こちらからオファーを仕掛けて、こういうのをしたらどうですかというところまでやっているのか、その辺り、ODAの役の立ち方ですね、どの段階から日本の政府がかかわって、どのような形で案件を決めているのか。その辺りは建設大臣やODA担当大臣に会われたのでそういう話があったのではないかと思いますが、その辺はどうですかという点と、もう一つ、中国のプレゼンスが目立っていると思うんですけど、その中国のプレゼンスと比べて日本の印象はいいと言ったんですけど、ぶっちゃけどうだったのかというところをちょっとお聞きしたいと思います。
○藤末健三君 まず、ODAの貢献、現地に対する貢献、我が国に対する貢献ということにつきまして、私は実は八月に自分でカンボジアの方にも行ってODAを視察してまいりました。
 そのときの経験と今回のベトナムの経験を併せて申し上げますと、今我が国のODAによりましてASEANの国を横に通じる道を造っているんですよ。実際に、その道路に即して我が国の企業が工業団地などを造り、どんどんどんどん進出していると。それはタイまで通じるということで、一つの新しい日本の企業が、製造業が特に活動するという道を僕は造っているということは、我が国の利益にもなるしベトナムの利益にもなるということになっていると思います。
 実際に、プロジェクトはどう決まるかということを現地で伺いますと、やっぱり初めから日本の例えば大使館の方々、JICAの方々がアドバイスしながら組み立てていると、プロジェクトを。ということで聞いておりますので、私は、実際にカンボジア、ベトナムを拝見させていただきまして、これは現地の経済発展のためにも役立つということとともに、我が国の企業がASEANで活動するという意味でもプラスになると思います。
 そして、一方で中国の問題につきましては、今回、ベトナムにおいてもどうなっているかと申しますと、南北に通る道を中国は造ろうとしていると。中国の経済発展のために造ろうとしている傾向が私はあると思います。
 我が国は横ということを言うとまたこれちょっとあれですけれども、正直申し上げて横になっているというような経済開発の合戦があるということがございますし、また二年前にアフリカに伺ったときに感じましたのは、例えばタンザニアに伺いますと、タンザニアにおいては我が国が第二位のODAカントリーであるにもかかわらず、行ったところ先々でおまえは中国人かというふうに聞かれるという状況が生じていまして、実際に中国のODAにおける活動というのは、中国人がどんどんどんどん来て現地で働いているという意味合いにおいて、金額ではなく、何というか顔が見えるという意味では効果が非常に大きいものではないかと、存在感があるものではないかということを感じております。
 以上でございます。
○山内俊夫君 今、田村委員の方から案件の決め方とかいろいろ御質問いただきました。先ほど大塚委員からも最後の質問にODAの在り方ということについても御質問あって、少し重ね合わせて私の考えなりを御披露させていただきますが、私もここ数年、当初はインドネシア、東南アジアでインドネシアですね、フィリピン、そういったところとかなり連係プレーを取りながらやらせていただいた。最近では特にアフリカがポイントになっております。小泉政権以来、アフリカのODAを二倍若しくは三倍にしようという方向が出ておりますし、今回、福田政権の下でも国家戦略の中で、私もアフリカ担当の案件づくりについて、方針づくりについて今勉強会を座長でやらせていただいております。
 その総合的な中で考えますと、基本的に日本は武器を持たない国際貢献と、私はこのような認識をしております。ですから、日本がやれる国際貢献というのは、例えば今回のようなその国の一番重要な案件、これはカテゴリーはある程度順番を分けていきます。これは当然日本のJICA、JBIC等々が償還についての担保能力その他をすべて調査いたしますけれども、案件については当然相手の国からテーマとして出されます。それについて日本の専門家が調査をして経済的な効果、そういったものを決めていくということであります。
 これがアフリカはそうじゃなくて、昔ヨーロッパの関係各国は、アフリカというのは基本的にお金なんか返せないんだという概念でスタートしています。私もかなりフランス、イギリスの人たちと話をしますと、日本は東南アジアでは必ず自立を促すためのODAの在り方をやっていますよと。それが効果を現して、ここ三十年の間に東南アジア各国は最貧国からかなり脱出をしてきた。ところが、アフリカはいまだに最貧国の認定を受けている国々が一杯ある、これは明らかにヨーロッパ型のODAの在り方と日本のODAの在り方、かなり違うんではないか、私は日本のODAの在り方が最終的には効果を現しているんではないか、このような認識であります。
 ですから、このODAの在り方については我々は自信を持って今後やっていく必要があると思います。
 特にこのベトナムというのは、最近メコン川周辺で、メコン川を挟んだラオス、カンボジア、このベトナム、この三か国、従来になかった考え方なんですね。二国間の中で決めるんじゃなくて、ゾーンで決めていくという今方向性が出ておりますので、これも私、また新しいODAの在り方ではないかなと思っておりますので、私はそのような認識をいたしております。
 以上です。
○委員長(溝手顕正君) それでは、近藤さん。
○近藤正道君 二つほどお聞きしたいと思いますが、最初に……
○委員長(溝手顕正君) 時間がないですから一つぐらいにしてください。まだ待っているから。
○近藤正道君 分かりました。じゃ、一つに絞らせていただきたいと思います。
 今回のこのODAの仕事は、コンサルから設計、施工、監理まで全部日本の企業が行うと。不況ということもありまして、全部日本がやるというそういうケースなんですが、このことについていろいろこの事件を経まして批判が出ておりまして、全部やっぱり日本企業がやるということになると内部でなれ合いが起こりはしないかと、こういう批判がありまして、とりわけ監理については、これは援助を受ける国にこれは自由に決めさせるべきではないかと。
 ベトナム自身に力がないんなら、ベトナムが自分の力で、例えばヨーロッパのどこか別の国に頼むとかそういう形で別の国に監理をさせて、そして施工業者との間の緊張関係を持たせるべきではないかという、そういう声がベトナムの内部でかなりある、この事件をきっかけに起こっていると、こういうふうに聞いておるんですが、そういう事実を行かれた皆さんは承知しているかどうかということが一点と。
 もう一つ、外務省の方にお聞きしたいんですが、監理はやっぱり受入れ国に任せて、そして緊張感を持って仕事をやる、こういう体制が長い目で見てこういうことを二度と起こさないことの一つの有力な防止策になるんではないか。すべて供出国から業者を決めるというのは、それは日本の企業にとっていいことかもしれませんけれども、全体の中の数%が言わば監理費用だということでありますので、長い目で見ていい仕事をちゃんとやっぱりやっていただくという意味では、施工監理は受入れ国に決定させる、そういうシステムをこの際つくるべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(溝手顕正君) それでは、簡潔にどうぞ。
○山内俊夫君 今先生がおっしゃいました工事発注について、今回の件についてはスリーパッケージに分かれているんですね。そのワンパッケージは基本的には中国がやっております。あとツーパッケージは日本がやっている。その中でも一番、ダブル斜張橋のところはこれどうしても技術的なものがある、それとワイヤーの関係もあってこれは新日鉄がやっているということで、これについてはかなり最近公正なやり方で発注されているし、発注大本はこれベトナム政府でありますから、その日本のお手伝いがかなりプラスになっているから多少の日本びいきはあるかと思いますけれども、それでもそれなりに外国が工事を受け持っているという事実もあります。これは間違いございません。
 それと、昔、インドネシアのやり方で、アチェの大きな地震がありましたね。その後、大体百四十キロにわたって日本が国道を受け持つたわけなんですけれども、その国道を受け持つ工事が実はジャカルタ政府の中央から、これどうしてもジャカルタの工事やらせというさしがねが入りまして、実はアチェ全体ではギナンジャール等々の国会議員数名が我々のところに陳情がありました。日本がどうしても取ってほしい、日本が取ってもらうと現地の人たちに工事が発注されるんだと。でもジャカルタから来られますと機材から人からすべてジャカルタから来るので、これはどうしても勘弁してほしいという、そういう逆の今作用が働いておりますので、タイド、アンタイドがいいか悪いかというのは少し最近方向が変わってきていると思いますので、その辺り御理解いただきたいと思います。
○政府参考人(別所浩郎君) 今のお話、付け加える形で一言申し上げさせていただきますと、コンサルタントというのは発注者である、この場合はベトナム政府でございます、ベトナム政府を代位する形で全体のコントラクターがきちっとした作業をしていくということを監理する、監督するという役割がございます。そういう意味で、当然ながら緊張関係はあるということでございます。
 ただ、正に木村副大臣の下で開かせていただいております事故再発防止検討会議におきまして、こういう日本企業同士であった場合であっても、これをどうやって、きちんとした監理体制をやっておくことによって安全対策を図っていくかと、そういった辺りにつきましてはきちんと精査して検討してまいりたいと思っております。
○委員長(溝手顕正君) それじゃ、犬塚さん。
 これで最終にしたいと思います。
○犬塚直史君 時間がない中、委員長の御配慮をいただきまして、一点だけ質問させていただきますが、これはもう大変重要な問題で、千二百三十二億円の日本がプレッジをしてこれから支出を決めていく。では、その支出を決める前に一体何をしなければいけないのかという大変重要な問題だと思うんですけれども、とてもではありませんが時間が足りませんので、まず委員長にお願いいたします。この件についての集中討議をどこかでお願いをしたいと思います。
○委員長(溝手顕正君) 本件につきましては、理事会で相談したいと思います。
○犬塚直史君 それでは、一点だけ外務省に伺います。
 先ほど来、山内理事から少しお話がありました工事の再開について、例えば仮の橋げたを二本入れるとかくい打ちを深くするとかいうことで、工事を再開するかもしれないという私は印象を受けたんですけれども、しかし事故の調査をして原因を解明をしていく中で、確かにそれはくい打ちやあるいは橋げたについての土台を深くすればいいのかもしれない。しかし、なぜ不十分なそのような工事が行われたかということが原因究明の最も大事な部分でありまして、なぜそのような意思決定がされたということの原因究明がされる前に工事の再開をするおつもりがあるのかどうか、あるいはこのプレッジをしたお金を支出するおつもりがあるのかどうか、この一点だけお答えください。
○政府参考人(別所浩郎君) 今の点でございますけれども、私どもといたしましては、まずこのカントー橋の建設につきましては、しっかりとした原因が判明して、安全対策がしっかり取れるということが工事再開の前提だと日本側としては考えております。また、そのようにベトナム側にも申し入れております。
 それから、それ以外の今後の援助でございますけれども、それは物によって違うと思います。いずれにせよ、全体として、安全対策ということについてはしっかりとしていかねばならないと思いますけれども、すべての援助を止めてしまうという話ではないと思っておりまして、安全対策がしっかりと確認が取れるというものから進めていくということだろうと思っております。
○委員長(溝手顕正君) まだいろいろあるようでございますが、予定の時間が参りましたので、これをもちまして意見交換を終了いたします。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三分散会