第169回国会 本会議 第9号
平成二十年四月四日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第九号
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  平成二十年四月四日
   午前十時 本会議
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 第一 平成二十年度における公債の発行の特例
  に関する法律案及び所得税法等の一部を改正
  する法律案(閣法第三号)(趣旨説明)
 第二 国務大臣の報告に関する件(平成二十年
  度地方財政計画について)
 第三 地方税法等の一部を改正する法律案、地
  方法人特別税等に関する暫定措置法案及び地
  方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
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○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
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○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成二十年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案(閣法第三号)(趣旨説明)
 両案について、提出者の趣旨説明を求めます。額賀財務大臣。
   〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(額賀福志郎君) ただいま議題となりました平成二十年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成二十年度における公債の発行の特例に関する法律案について御説明をいたします。
 平成二十年度予算編成に当たっては、これまでの財政健全化の努力を緩めることなく、社会保障や公共事業など各分野において、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六で定められた歳出改革をその二年目においても着実に実現をし、歳出改革路線を堅持する中で、成長力の強化、地域の活性化、国民の安全、安心といった課題に十分に配慮して予算の重点化を行っております。
 これらの結果、新規国債発行額については、税収の伸びが小幅にとどまる中、歳出歳入両面において最大限の努力を払い、二十五兆三千四百八十億円にとどめて四年連続の減額を実現したところでありますが、なお、引き続き特例公債の発行の措置を講ずることが必要な状況となっております。
 本法律案は、こうした厳しい財政事情の下、平成二十年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるものであります。
 すなわち、本法律案において、平成二十年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができることとするなどの特例措置を定めております。
 次に、所得税法等の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。
 本法律案は、現下の経済・財政状況等を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現する等の観点から、公益法人制度改革に対応する税制措置を講ずるとともに寄附税制の見直しを行うほか、法人関係税制、中小企業関係税制、金融・証券税制、土地・住宅税制、国際課税、道路特定財源諸税等について所要の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、民間が担う公益活動を推進する観点から、公益社団・財団法人等について収益事業課税を適用するほか、公益社団・財団法人が収益事業から公益目的事業の実施のため支出した金額を寄附金の額とみなすなど、新たな法人類型に係る税制上の措置を講ずることといたしております。
 第二に、法人関係税制について、研究開発投資を促進する観点から、試験研究費の総額に係る税額控除制度と控除可能限度額を別枠とする追加的な税額控除制度の創設等を行うこととしております。
 第三に、中小企業関係税制について、一定の特定中小会社に出資した場合に寄附金控除を適用する制度を創設するほか、教育訓練費に係る特別税額控除を教育訓練費が増加しない場合でも総額の一定割合を税額控除できる制度への改組等を行うこととしております。
 第四に、金融・証券税制について、金融所得課税の一体化に向け、上場株式等の譲渡益及び配当に係る軽減税率を廃止し、譲渡損失と配当との間の損益通算を導入するとともに、これらを円滑に実施するため、平成二十一年及び二十二年の二年間の特例措置等を講ずることとしております。
 第五に、土地・住宅税制について、土地の売買等に係る登録免許税の特例の適用期限を延長する等の措置を講ずるほか、住宅の省エネ改修促進税制の創設等を行うこととしております。
 第六に、国際課税について、いわゆるオフショア勘定で経理された預金等の利子の非課税措置の適用期限を撤廃する等の措置を講ずることとしております。
 第七に、道路特定財源諸税について、揮発油税、地方道路税及び自動車重量税の税率の特例措置の適用期限を延長する措置を講ずることとしております。
 その他、入国者が輸入するウイスキー等や紙巻きたばこに係る酒税及びたばこ税の税率の特例措置の適用期限を延長するなど、適用期限の到来する特別措置の延長、既存の特別措置の整理合理化等の所要の措置を講ずることとしております。
 以上、平成二十年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 税制改正等の予算関連法案については、国民の安全、安心を確保し、地域を活性化させ、成長力を強化する施策が含まれております。与野党の議員各位におかれましては、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げる次第であります。(拍手)
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○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大塚耕平君。
   〔大塚耕平君登壇、拍手〕
○大塚耕平君 民主党の大塚耕平です。民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して、総理大臣、関係大臣に質問をさせていただきます。
 初めに、所得税法等改正案に関連してお伺いします。
 道路特定財源を投入している我が国道路政策は、策定の手順に問題があります。整備計画が起案され、費用以上の便益があると裏付ける費用便益分析が行われ、それを完遂するのに必要な財源を確保する手順となっております。これでは、計画完遂まで財源を投入し続けることになり、この手順を変える必要があります。
 社会保障や産業政策など他の政策分野との比較考量の結果、道路に投入できる財源を決め、その財源の範囲内で公正な費用便益分析に基づいた計画を策定するという手順に変更するおつもりはありませんか。
 また、他の政策と比較考量するということは、財源は一般財源でなければならないと思いますが、いかがでしょうか。総理にお伺いをいたします。
 それでは、現在の手順に従って、整備計画、費用便益分析、財源確保のための道路関連税制について順次お伺いをいたします。
 過去十三次にわたる整備計画はすべて期間五年でしたが、今年度からの中期計画は十年です。その理由をお伺いします。
 中期計画の前提となる交通量調査は一九九九年のデータを用いています。昨年公表された需要推計があるにもかかわらず、なぜ最新データを用いないのでしょうか。また、最新データを用いると中期計画より予測交通量が大幅に減少することを御存じだったのでしょうか。
 中期計画の位置付けについても伺います。現時点では閣議決定されていない中期計画が、国会で議決を要する予算を十年先まで拘束することは、法論理的に問題ではないでしょうか。また、今後、中期計画自身が閣議決定されることになれば、単年度主義を掲げる憲法八十六条、財政法第十一条、第十二条に違反していないでしょうか。
 次に、費用便益分析について伺います。
 費用便益分析の前提には様々な問題があります。耐用年数や計算原価の根拠、物価変動率を加味していないことなど疑問は多岐にわたりますが、一点だけお伺いしておきます。
 費用便益算定時の社会的割引率を四%と設定していますが、三月三十一日の財政金融委員会で国交省は、五十九兆円は割引率を勘案しない現在価値と答弁しました。費用便益分析では割引率を勘案し、総支出五十九兆円に対しては割引率を勘案しないのはなぜでしょうか。仮に五十九兆円について割引率を勘案すると、十年後には計算上八十七兆円に膨らむことになります。国交大臣に事実関係を確認するとともに、総理の所見をお伺いいたします。
 道路建設に建設国債等の借入金が投入されることを考えますと、財務省の国債管理政策上の想定金利と整合的でなければなりません。財務省は、今後十年間の金利をどの程度と想定していますか。財務大臣にお伺いいたします。
 国交省が、プロジェクトライフの期間設定が困難としているのも驚きです。要するに、費用便益分析は行うが、建設期間、社会資本寿命等を定めることが困難なので全く当てにならないと言っているのと同然であります。どういう意味でしょうか。国交大臣にお伺いをいたします。
 私は、すべてを費用便益分析で裏付けることを主張しているのではありません。むしろ、過疎地の道路や生活道路等、費用便益的には割に合わないものもあります。そういう道路は、費用便益分析とは別に政策判断で造るべきと考えますが、それは地方自治体の判断にゆだねるべきでしょう。申し上げたいのは、恣意的な費用便益分析で不要不急の高規格道路の建設を正当化するのはやめるべきだということです。総理の所見をお伺いいたします。
 次に、財源についてお伺いいたします。
 私たちは、所得税法等改正案の内容を道路と道路以外の二つに分け、道路以外については全面的に政府案に歩み寄りました。
 総理に伺います。残り半分の道路に関して、全面的に私たちに歩み寄っていただけないでしょうか。法案を二つに分け、半分は野党が政府に歩み寄り、残り半分は政府が野党に歩み寄っていただく、現下の国会情勢における建設的な対応と考えますが、いかがでしょうか。
 二〇〇九年度からの一般財源化に言及された総理の御英断には敬意を表します。しかし、そもそも一般財源化は、小泉政権最後のいわゆる骨太二〇〇六に、道路特定財源について、一般財源化を図ることを前提に早急に検討を進め、納税者の理解を得つつ年内に具体案を取りまとめると明記されていました。本来、二〇〇六年中に結論が出ているべきものを二〇〇九年度から行うと言っても、大きく踏み込んだことにはならないのではないでしょうか。
 安倍政権下の骨太二〇〇七では、特別会計の実質的歳出の縮減を掲げたものの、道路特定財源については言及がありませんでした。なぜでしょうか。また、特別会計の実質的歳出の定義及び平成十九年度から二十年度にかけての実質的歳出並びにその中に含まれる道路特別会計分の動きを確認させていただきます。
 その上で、総理は今後、骨太二〇〇八を策定し、その中に一般財源化を明記するおつもりがあるのか、お伺いします。
 累次の骨太の内容はともかくとして、そうした基本方針を総理主導で策定することは、官僚政治からの脱却の一つの手段であることは認めます。自民党の伊吹幹事長は総理の御提案を一つの参考とおっしゃいましたが、三月二十七日の御提案の今後の取扱いについてお伺いをいたします。
 仮に与野党合意が四月中に調わない場合、所得税法等改正案を衆議院で再可決するおつもりがあるかどうかもお伺いいたします。
 暫定税率廃止の合意が成立した場合、それに伴う税収減少分を補完することが必要だという前提に立てば、財源を捻出しなければなりません。
 そこで、お伺いします。財源はどこにもないのでしょうか。例えば、昨年度までの第十三次中期計画歳出枠三十八兆円の支出実績は三十三兆六千億円であります。余剰分四兆四千億円はどのようにお使いになるんでしょうか。
 また、国交省は、独法を含めた五十六法人に年間千八百九十億円を支出し、千二百八十八人分の天下りポストを確保していると聞きます。財務諸表を見ると、多額の積立金、剰余金が存在します。国交省所管の独法、公益法人等が全体で幾つあり、一般会計と特別会計から年間幾ら支出され、これら法人等が保有している内部留保総額について、定義及び具体的な金額をお伺いいたします。国交省所管の特別会計自身の内部留保総額も併せてお伺いいたします。
 総務大臣にもお尋ねいたします。地方自治体所管の公営企業、公益法人等のうち、道路建設にかかわるものは幾つあり、それらに対して地方自治体の予算が幾ら支出され、また内部留保総額はお幾らでしょうか。
 小泉政権は、特殊法人等の独法化、民営化を行いました。しかし、現実には、独法化、民営化によって国会への報告義務や責任者の出席義務をなくし、独法に財源を投入している特別会計や独法等の実態が以前よりも不透明になっていると思いますが、総理の所見をお伺いいたします。
 今や歴史的名言にもなった塩川元財務大臣の、母屋でおかゆ、離れですき焼きの例えになぞらえれば、離れの向こうに独法、公益法人、政府出資の民間会社という別荘を造り、母屋から実態が分からない資産を隠し持っております。それを埋蔵金と呼ぶかどうかは別にして、我々議会の制御が及ばず、放置すると無駄遣いされる可能性がある財源です。各省は予算配分上の根拠があると主張していますが、財政状況が厳しく、また、ずさんな使い道の実態が次々と明るみに出ている以上、一度回収するのが当然の対応と考えますが、いかがでしょうか。
 国民に対しては、財政状況が厳しいといって、政府の判断で年金給付金を切り下げることのできるマクロ経済スライド制度を導入し、今月からは後期高齢者医療保険制度を新設して保険料を更に取り立てながら、別荘に隠されている財源は放置するという対応は、現下の日本国総理としてバランスを失していないでしょうか。
 全省庁の特別会計、独法等関係団体の財務状況を精査し、その実情を国会に報告し、不要不急の内部留保を一括して政府の管理下に置くおつもりはないか、総理にお伺いをいたします。
 次に、民営化会社について伺います。
 小泉元総理は、道路公団民営化によって不要不急の道路建設の抑止を企図したものと理解しています。ところが、民営化された高速道路事業が中期計画に組み込まれ、中期計画の財源に民営化会社の通行料収入も充てることが想定されているのはなぜでしょうか。現在の姿は小泉改革のねらいと大きく矛盾していると考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
 さらに、民営化会社と債務返済機構の関係にも重大な問題があります。すなわち、日本高速道路保有・債務返済機構法第十五条と道路整備特別措置法第五十一条によって、高速道路会社が計画、建設した道路と、それに要した債務は、丸ごと債務返済機構に移管できる仕組みになっています。それを財務技術上可能としているのは、高速道路事業等会計規則第七条に登場する仕掛かり道路資産です。民営化会社は、債務返済機構に道路と借金を移管するまで、自らの財務諸表の資産方には仕掛かり道路資産、負債方には借入金等を計上しています。
 民営化会社が不採算路線を幾ら造っても、それはやがて、道路と借金を丸ごと返済機構に移管し、借金は、返済機構に投入される道路特定財源、つまり国民の血税で返済される仕組みです。これでは何の改革にもなっていないのではないでしょうか。
 そこで、総理にお伺いいたします。仕掛かり道路資産とは何でしょうか。仕掛かり道路資産については、小泉改革の折に国会で説明されたのでしょうか。仕掛かり道路資産の現在高、今日までに返済機構に移管した額及びこれまでに返済機構に投入された道路特定財源は幾らでしょうか。また、この仕組みを見直すおつもりはあるのでしょうか。
 国の予算と地方予算の関係についても質問いたします。
 国の予算や税制が成立する前に、それを前提にした地方予算が既に成立している現状には問題があると思います。来年度は、国の予算編成、審議のタイミングを早めるか、あるいは財政法上の国と地方の会計年度をずらすといった改革の必要性について、総理のお考えを伺います。
 次に、公債発行特例法に関連してお伺いいたします。
 新規国債発行額が減少傾向にあることは評価したいと思いますが、日本経済の基本的問題は改善の気配が見られません。公債発行に毎年依存して財政出動を行い、異常とも言える超低金利政策を続けても、成長率も株価も低迷しています。その原因について総理の御認識をお伺いいたします。
 また、原因の一つには、財政出動が経済効果の薄い道路建設に集中し、産業投資が手薄になり、不要不急の高規格道路を造ることでストロー現象が発生し、地方や地域の経済をむしろ疲弊させているという御認識はありませんか。総理にお伺いいたします。
 私たちと政府の立場の違いは、無駄遣いの程度についての認識と道路を特別扱いする必要性の有無についてであります。
 私たちは、社会保障や教育なども含め、公正かつ適切な優先順位付けを行い、議会の制御の及ばない不公正、不適切な隠し財源は有効活用すべきだという立場です。
 経済大国と思い込み、その成功体験に根差したこれまでのシステムに固執しているうちに、世界は急激なスピードで変化し、日本はまた鎖国するのかとやゆされる始末です。言わば、これまでの仕組みをまさしく抜本的に見直し、第二の開国と言える大転換が必要な時期に来ています。
 私たちは、この所得税法等改正案と上程されている道路整備財源特例法改正案によって、向こう十年間、五十九兆円の財源を道路建設だけに固定することは、時代に合わなくなったシステムを温存し、無駄遣いと流用を助長し、日本をますます衰退させてしまうと懸念をしております。
 どちらの主張が的を得ているかは、明治維新の開国の折、時の明治天皇がおっしゃったように、広く会議を興し、万機公論に決すべしという対応が必要な局面にあります。
 国破れて山河ありならぬ国破れて道路ありという事態にならないように、参議院で議論を尽くし、万機公論に決すべしと総理に申し上げます。
 小泉元総理は、改革なくして成長なしという歯切れの良いキャッチフレーズを、一時期多くの国民を魅了しました。天才的です。しかし、言葉足らずだったと言えましょう。正しくは、無駄遣い一掃、歳出改革なくして成長なし、政府の改革なくして日本の成長なし、そして、道路特定財源による道路建設の見直しこそが歳出改革の本丸であることを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣福田康夫君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(福田康夫君) 大塚耕平議員にお答えをいたします。
 道路政策の策定手順についてのお尋ねがまずございました。
 道路政策については、財源ありきでなく、客観的かつ厳格な評価により必要な道路を見極め、その整備を計画的に進めていくべきと認識しております。毎年度の道路予算については、財政状況や他の政策の必要性等も踏まえた上、決定されるものであり、先般の新たな提案では、道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止し、二十一年度から一般財源化するとの考え方をお示ししたものでございます。
 中期計画の計画期間についてのお尋ねがございました。
 中期計画の素案の作成に当たり、二十一世紀を見据えた日本の国土建設という中長期的な視点等の観点から、計画期間を十年といたしました。先般お示しした新たな提案では、これまでの国会審議における野党の意見を受け止め、計画期間を五年として新たに策定することとしたところでございます。
 中期計画のデータ、予測交通量についてのお尋ねがございました。
 中期計画の作成に併せて参考に実施した高規格幹線道路の未供用区間における点検では、その時点で活用可能な平成十一年の道路交通センサスを基に行った交通需要推計を用いたものであります。一方、平成十七年のセンサスでは交通量が減少傾向にあることは承知しており、将来の交通需要の変動に備えるため、費用対便益計算の基準を一・二に引き上げて検証を行ったところであります。
 いずれにせよ、新たな人口推計を踏まえて、今年の秋までに作業が完了する交通需要推計など最新のデータ等を用い、評価手法も第三者の意見を聞いて見直した上で、改めて点検を行ってまいります。
 中期計画の事業量と単年度主義との関係についてお尋ねがございました。
 道路の中期計画は中長期的な目標と必要な事業量を内容とするものでありますが、個別の事業箇所を特定しないことから、毎年度の予算を縛ることにはなりません。毎年度の道路予算は、財政状況や道路整備状況等を踏まえ、国会の議決を経て決定されるものであり、中期計画を閣議決定することで憲法に定める単年度主義に反するものではありません。
 五十九兆円と割引率の関係についてお尋ねがございました。
 個別事業の費用便益分析においては、評価期間が四十年以上と長期にわたり、発生時期が異なる費用と便益を比較する必要があることから、基準年の現在価値に置き換えて分析を行っていますが、今回の中期計画素案においては、計画期間が五から十年程度の他の計画と同様に割引率を用いておりません。
 道路事業の費用便益分析についてお尋ねがございました。
 高規格幹線道路を始めとする道路事業の評価に当たって、客観性を向上させていくことは重要な課題と認識しております。費用便益分析を含む道路事業の評価手法については今国会でも様々な御意見をいただいており、今年の秋の最新データに基づく交通需要推計に併せて経済学や工学等の専門家である第三者の知見を取り入れて事業評価手法の見直しを行い、改めて高規格幹線道路の点検を行ってまいります。
 次に、道路特定財源について歩み寄るべきとのお尋ねがありました。
 道路特定財源につきましては、野党との協議を前進させることが必要との強い思いから、国会審議の中での野党の御意見等を踏まえ、その改革について新たな提案をお示ししたところであり、今後は、参議院及び与野党間で真摯な議論が行われ、一刻も早く結論が出されるよう、強く期待いたしております。
 二十一年度から一般財源化との提案についてお尋ねがございました。
 骨太二〇〇六で、一般財源化を図ることを前提に、納税者の理解を得つつ、年内に具体案を取りまとめるとされたことを踏まえ、二〇〇六年十二月に具体案が閣議決定されました。これを具体化する関連法案が今国会に提出され、衆議院の可決後、参議院に送付されております。今般の提案は、これまでの国会審議で野党の皆さんからいただいた意見を受け止めて、大きく踏み込んで、野党の皆さんにも受け入れられる案をお示ししたものでございます。
 骨太方針二〇〇七に道路特定財源についての言及がなかった理由についてお尋ねがありました。
 道路特定財源については、骨太方針二〇〇六に掲げた平成十八年中に具体案を取りまとめるとの方針に沿って、平成十八年十二月八日に道路特定財源の見直しに関する具体案を閣議決定し、措置すべき内容とスケジュールを具体的に示したため、骨太方針二〇〇七で改めて言及することは行わなかったと承知しております。
 特別会計の歳出についてお尋ねがございました。
 平成二十年度予算における特別会計の歳出総額から会計間の重複計上分等を控除し、さらに国債償還費等や社会保障給付といった特別会計改革とは別途議論すべきものを除外した事務事業にかかわる歳出は十一・二兆円となります。
 特別会計については、無駄遣いの排除の観点等から改革に取り組んでおり、平成二十年度は十九年度の十一・六兆円から約〇・三兆円マイナスの削減をいたしました。このうち社会資本整備事業特別会計道路整備勘定、旧道路整備特別会計の歳出は、平成十九年度の約三兆四千五百億円が平成二十年度の約三兆四千四百億円と、約百億円の削減となっております。
 骨太二〇〇八に一般財源化を明記するつもりがあるのかについてお尋ねがございました。
 骨太二〇〇八については、今後、経済財政諮問会議において議論が行われていくものでありますが、道路特定財源の一般財源化についても盛り込むことを検討してまいります。
 道路関係法案、税制の取扱いの提案についてお尋ねがございました。
 御指摘の提案は、野党との協議を前進させることが必要との強い思いから、国民、野党の御意見も踏まえてお示ししたものであり、今後の具体的な取扱いについては与野党間の協議の状況等を踏まえて検討していくこととなります。協議の過程で建設的な提案があり、与野党が合意に至ることができることを期待いたしております。
 所得税法等改正案の再可決についてお尋ねがありました。
 法案の再可決は国会における議案の取扱いの話であり、また、与野党間の協議の決裂を前提とした仮定の話を申し上げることは適当でないと考えます。全国の地方公共団体も、参議院がその意思を一刻も早く示されることを望んでおられるところでございます。政府としても、一日も早い法案の成立に向けて全力を尽くします。
 暫定税率廃止を伴う財源についてのお尋ねがございました。
 暫定税率の廃止によって、国、地方を合わせて消費税の約一%に相当する約二・六兆円の財源が失われ、これをすべて補完する財源を捻出することは困難であります。なお、平成十五年度から五年間の事業量として閣議決定した三十八兆円は計画額であり、実績との差額は余っているわけではありません。
 次に、国交省所管の独立行政法人及び公益法人特別会計についてのお尋ねがございました。
 平成十八年十月一日時点で国土交通省所管の独立行政法人は十九法人、公益法人は千百五十三法人です。これら法人への支出額については、国全体で所管独立行政法人に対しては一般会計で三千六十六億円、特別会計で千七百三億円となっております。所管公益法人については、直ちにそのすべてを明らかにすることはできませんが、国土交通省からの支出額は千八百六十九億円となっております。
 内部留保額に関しては、所管独立行政法人の平成十八年度財務諸表の貸借対照表中の利益剰余金及び繰越欠損金の合計額は一兆五千七百六十一億円となっております。所管公益法人については、平成十七年度においてマイナス二千五百五十六億円となっております。また、国交省所管の特別会計については、御指摘のような内部留保に相当するものはないものと考えております。
 特殊法人等の独法化、民営化についてお尋ねがございました。
 特殊法人については、従来から業務運営の在り方等について不透明である等との問題点が指摘されていたことから独立行政法人化や民営化を行いました。独立行政法人については、第三者による事後評価、財務諸表や事業報告書を始めとする業務、財務、運営に関する広範な情報の開示などにより業務の透明性を確保することとしています。また、民営化された法人については、民間会社として企業的な運営の仕組みを通じ、情報開示がなされております。したがって、特殊法人等改革により、独立行政法人や独立行政法人に資金手当てを行っている特別会計に関する実態が不透明になったとは考えておりませんが、引き続き適切に情報開示を行っていくことが重要であると考えております。
 特別会計等の内部留保についてお尋ねがございました。
 特別会計や独立行政法人等の資産は財務諸表等で明らかにされており、実態の分からない資産を隠し持っているとの指摘は当たらないと考えております。特別会計の積立金等は、その約八割が年金等の将来給付に充てるためであるなど、それぞれ必要な目的に沿って積み立てられております。一方で、厳しい財政状況にかんがみ、国債残高の圧縮に充てる等、財政健全化に貢献しております。
 独立行政法人については、六千億円を超える土地、建物の処分、国庫返納を行うとともに、不要資産の国庫返納に関するルールを策定します。また、公益法人についても、過大な内部留保の適正化の視点も含め、今般、特に行政と密接な関係にあるものに着目し、集中点検の実施を指示しました。
 今後とも、財政健全化に向け、徹底した無駄の排除など、できる限りの努力をしてまいります。
 中期計画の財源及び民営化の趣旨との関係についてお尋ねがございました。
 有料道路は、一般道路と連結してネットワークを形成していることから中期計画の事業量に含まれていますが、すべて何が何でも整備するということではありません。道路公団等の民営化の考え方は、高速道路建設の債務を確実に返済する一方、厳格かつ客観的な事業評価によって必要と判断される道路を整備することとしたもので、現在の考え方と何ら矛盾いたしません。
 高速道路会社と債務返済機構との関係についてお尋ねがございました。
 高速道路会社が行う高速道路の建設、管理に要する費用は、基本的には国費に依存せず料金収入で賄う仕組みとしており、民営化後四十五年以内に償還することを法定化しております。なお、首都高速道路会社等の他の三社については、建設資金コストを下げる等の理由によりまして必要最低限の機構への出資を行っております。
 仕掛かり道路資産についてお尋ねがございました。
 仕掛かり道路資産とは、いまだ供用前の高速道路で機構への引渡しがなされていないものであり、仕掛かり道路資産も当然に将来償還すべき債務として扱っている民営化の枠組みは、全体として国会の議決を経たところであります。
 また、平成十八年度決算における高速道路会社六社の仕掛かり道路資産の合計は約一兆五千四百億円、平成十八年度末までに会社から機構へ承継された資産の額は約二千七百六十億円、機構に対し国からの出資金として拠出された道路特定財源の額は約千二百二十億円であります。
 なお、現在まで民営化の枠組みに基づく高速道路の整備や債務の返済は順調に推移しており、見直しは考えておりません。
 国と地方の予算編成の時期等についてお尋ねがございました。
 政府としては例年、各年度の予算案を前年十二月末までに閣議決定し、一月召集の常会で御審議いただいておりますが、予算案は当該年度の経済、社会の状況を的確に反映した適切な内容でなければならず、現行より日程を早めることは困難と考えております。
 また、国と地方の会計年度を不統一にすることについては、国、地方を通じた経済、財政の一体的な把握を困難とするとともに、地方で行う事業に対する補助金等が当該年度の国の予算で一部しか手当てされず、事業計画が立てづらくなるなどの不都合が想定し得ることから、難しいと考えております。
 次に、株価など我が国経済の現状と道路建設の地方経済への影響についてお尋ねがございました。
 我が国の景気は、息の長い回復を続けてきましたが、このところ回復は足踏み状態にあり、サブプライム住宅ローン問題を背景とするアメリカ経済の減速や株式、為替市場の変動、原油価格の動向等から、景気の下振れリスクが高まっていることに留意する必要があります。
 また、高規格幹線道路の整備は、時間短縮効果などにより交通圏域を拡大させる効果があります。その結果、ストロー現象が発生するとの指摘がある反面、それぞれの地域においては人流や物流を活発にし、地域経済の活性化を支える効果があると認識されております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(額賀福志郎君) 大塚議員にお答えをいたします。
 国債管理政策上の今後十年間の想定金利についてお尋ねがありました。
 国債管理政策は、国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑制、すなわち金利変動リスク等のリスクの抑制と資金調達コストの最小化を基本的な目標として実施しているものであります。
 長期金利については、景気、物価の動向、財政政策等複合的な要因によりまして変動するものであり、あらかじめ確定的に見込めるものではないと思っております。
 したがって、国債管理政策上、将来の想定金利は特に設定しておりませんけれども、他方で、将来の金利変動リスク及びその平均的な利払いコストについてコストアットリスク分析等を行い、国債管理政策に活用しております。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣冬柴鐵三君登壇、拍手〕
○国務大臣(冬柴鐵三君) 大塚議員にお答えを申し上げます。
 五十九兆円と割引率の関係についてお尋ねがございました。
 個別事業の費用便益分析におきましては、社会的割引率として四%を適用していますが、これは、評価期間が四十年以上の長期にわたること、発生時期の異なる費用や便益を比較する必要があることから、基準年における現在価値に置き換えているものでございます。
 一方、中期計画素案にお示ししている五十九兆円につきましては、御指摘のとおり、現在価値に置き換えるための社会的割引率は用いておりません。これは、計画期間が五年から十年程度の過去に策定された計画と同様の扱いになっており、割引率を用いずに計画策定時点での事業量を算定しているものでございます。
 道路事業のプロジェクトライフの期間設定についてお尋ねがございました。
 道路は長期にわたる供用が可能となるよう適切に管理を行うこととしており、通常、供用の廃止時期を設定して建設してはおりません。このため、道路事業の費用便益分析に当たっては、建設期間は各事業ごとに設定しており、また供用後の評価期間については、構造物の耐用年数を勘案するとともに、社会的割引率を考慮すれば、供用後四十年目以降の便益と費用は非常に小さくなることなどから、一律四十年に設定しているわけでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣増田寛也君登壇、拍手〕
○国務大臣(増田寛也君) 大塚議員より、地方公共団体の道路建設にかかわる公営企業等についてお尋ねがございました。
 平成十八年度において公営企業として有料道路事業を実施している地方公共団体は四団体であります。平成十八年度においてこれらの特別会計に対して一般会計等から行われました支出は、九億三千七百万円の貸付けのみとなっております。また、これらの特別会計においては、お尋ねの内部留保といった考え方の財務分析は行っておりませんが、過去からの収支の累積を示す実質収支の額は四団体合計で一千八百万円の黒字となっております。
 次に、地方公共団体所管の公益法人等のうち、道路建設に係るものとして地方道路公社の状況についてお答えを申し上げます。
 地方道路公社は平成十八年度末現在で四十二団体が設立されており、これらの平成十八年度決算における経常収支のうち、地方公共団体からの補助金及び委託料による収入は百三十一億円でございます。また、お尋ねの内部留保といった考え方での分析は行っておりませんが、公社の実質的な資金の過不足の状況を貸借対照表の流動資産と流動負債の差額で見ますと、その合計額は流動負債が流動資産を二百六十八億円上回る状況となっております。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) 椎名一保君。
   〔椎名一保君登壇、拍手〕
○椎名一保君 私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十年度における公債の発行の特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に関しまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 最初に、これらの法案の審議が衆議院送付から一月以上たって開始される今、これまでの参議院における状況について、第一党である民主党の対応がいかに理不尽なものであったか、経緯を含めて申し上げた上で、質問に入りたいと思います。
 皆様御承知のとおり、歳入法案については、一月三十日の両院議長のあっせんによる与野党各党の合意により、徹底した審議を行った上で年度内に一定の結論を得るものとされたところであります。これを受け、我々与党は、法案の年度内成立を目指すため、定例日以外の審議や夜なべ審議も辞さないとの決意で取り組んでまいりました。
 しかるに、法案は二月二十九日に参議院に送付された後、我々与党からの一か月にわたる再三の審議要請にもかかわらず、民主党は一度も審議に応じることなく、その結果、年度末までに本院として意思が示せない異常な事態に陥りました。
 民主党は、予算審議がある程度進まない限り各委員会での審議には応じないとの方針でした。このため、与党は、三月三日の参議院予算委員会の理事懇から予算委員会の早期開催に向けた要請を行うとともに、野党に出席呼びかけを行いました。しかし、予算委員会の基本的質疑が開始されたのは三月十三日でありました。
 また、三月十八日の参議院での各委員会における所信聴取に際しても、財政金融委員会については、民主党の反対により三月十八日には行えず、一週間後の三月二十五日となりました。
 さらに、三月二十六日、財政金融委員長に対し、私を含め与党委員から、参議院規則に基づく委員会開会要求書を政府案審議のために提出いたしましたが、この要求は残念ながら受け入れられませんでした。
 他方、民主党提出の税制改正等の三法案については、三月二十六日、財政金融委員会に付託されましたが、いまだ審議が行われておらず、議長にも審議入りをお願いしましたが、実現しておりません。
 民主党は、閣法と同時に議員立法を審議すべきとしながら、その閣法の審議に入らないのであり、こうした対応は、民主党が自ら提案した法案を審議拒否するという常軌を逸した行動をしていると断ぜざるを得ません。
 そもそも、この民主党の議員立法は、衆議院で可決された政府提出の税制改正法等を三つに分割し、実態は政府案の修正にほかなりません。政府案をたなざらしにし、自分たちの議員立法のみを先に審議、採決しようというのが民主党の意図に思われますが、いざ審議をする段階において、その審議に応じないという不可解極まりない理不尽な行動を取られました。
 総理は、今回の問題の国会における審議状況、そして民主党の対応姿勢などに関してどのような感想をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
 福田総理は、三月二十七日に、国民生活を第一に考え、民主党の意向を踏まえて最終的な提案をされました。道路特定財源を今年度の税制の抜本改正で廃止し、来年度から一般財源化するという画期的な内容でありました。しかし、民主党は、今年度からの道路特定財源の一般財源化という主張を譲らず、歩み寄れなかったのは極めて遺憾であり、責任ある立場にあることを自覚していないと言わざるを得ません。
 民主党は、今年度からの一般財源化を本当に実現できると考えていたのでしょうか。地方を含めた予算対応の問題や国民生活の混乱を招くのみならず、時間的にも実現不可能でありました。民主党は、参議院で第一党としての判断をすべきであり、政局を念頭に置き、衆議院を解散に追い込むことだけを目的とした、あるまじき行動を取ってしまったと言わざるを得ません。
 さて、民主党の道路問題に関する考えには、以下述べるように多くの問題があり、一刻も早く閣法を成立させねばなりません。
 例えば、暫定税率分がなくなれば、国は一・七兆円、地方は〇・九兆円の財源が失われますが、さらに国は地方へ補助金、交付金として一・二兆円を拠出しており、約四千億しか残りません。現在の国道の除雪や維持管理費が約四千億円ですから、それ以外の例えば新規事業や継続事業のみならず、過去に契約した工事の支払も全面的に止まってしまいます。地方でも、暫定税率分がなくなれば、道路の整備拡充を図ろうとすると、どうしても福祉や教育など重要な住民サービスの縮減を余儀なくされることになります。
 政府としては、こうした国や地方の財政悪化からくる影響を軽減するため、新年度入りとともにできる限りの手当てをされると聞いています。実際に起こったこの異常事態に際し、今後、国民生活や経済取引の混乱を最小限に食い止めるべく努力をするのも政府・与党の大きな責任であると考えます。混乱回避のため、具体的にどのような財政的な措置を講じる予定であるのか、財務大臣と総務大臣にお伺いします。
 民主党案では二・六兆円の代替財源が明確に示されておりません。株式譲渡益課税の強化などには言及されていますが、結局、国民に増税を強いる面があり、最終的には赤字国債増発によって財政事情が更に悪化することになり、財政規律の緩みにつながるいいかげんな内容であります。財務大臣は、二・六兆円もの財源が不足した場合、どのような財源手当ての方法があるとお考えでしょうか、御認識を伺います。
 そして、国際的な日本の評価についても影響が出るのではないかと懸念されます。総理が指摘されているように、環境問題を議論するサミットを控えた日本にあって、二十五円ものガソリン価格の引下げは我が国が環境立国にふさわしいのか、先進諸国の間で疑問が投げかけられることになりかねません。
 さらには、民主党は、今回のガソリン税の引下げにより景気刺激の効果があると言っています。確かに、ガソリン値下げの減税的な効果により個人消費につながる可能性はあるでしょうが、一方では二・六兆円の公共事業が削減され、また現実に予算の執行ができなくなり、混乱が生じております。
 政府としては、今回のガソリン値下げのプラス、マイナスの影響をどのように定量的に判断されているのでしょうか。また、何より政治の混乱が経済にどう影響するのか、経済財政担当大臣の御認識を伺います。
 政府提出の税制改正法案等は、国民の安全、安心を確保し、地域を活性化させ、成長力を強化する施策が含まれている重要法案であります。
 三月三十一日、いわゆるつなぎ法案の成立により、道路特定財源以外の日切れ税制措置については四月以降二か月間は従来と同様の措置を講ずることとなりましたが、ガソリン関係の税制改正法案等については本院で年度末までに議決することができませんでした。
 このため、国民の皆様や地方自治体の関係者に多大な御迷惑をお掛けすることになったことについては大変遺憾であります。また、参議院として意思を示せなかったことについて自戒するとともに、あっせんされた議長を始め、それに同意した我々参議院全体が国民の皆様におわびを申し上げなければならないと思います。
 最後になりますが、政府提出の税制改正法案等の歳入関連法案の一日も早い成立が是非とも必要だと考えますので、改めて総理の決意をお聞かせ願います。
 そして、政府においては、国民への説明をしっかり行っていただいた上で、国民生活の混乱を最小限のものとする政策努力を要請して、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣福田康夫君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(福田康夫君) 二問、椎名議員からちょうだいいたしました。
 税制改正法案等をめぐる国会審議の状況、民主党の対応姿勢への感想及び法案成立に向けた決意についてのお尋ねでございます。まとめてお答えいたします。
 税制改正法案等の歳入関連法案については、両院議長のあっせんにもかかわらず、参議院で一か月間一度も審議が行われないまま年度末を迎え、誠に残念であります。これらの歳入関連法案は、国民の安全、安心を確保し、地域を活性化させ、成長力を強化するものであり、四月一日以降、暫定税率の失効に伴う財政への影響、とりわけ地方財政への影響を最小限にとどめるため、一日も早い成立が是非とも必要であります。
 私は、去る三月二十七日に、野党との協議を前進させることが必要という強い思いから、道路特定財源の一般財源化等についての考え方をお示ししました。今後、民主党を始め野党におかれては、国民生活や経済取引の安定に責任を持って対応する観点から、一刻も早く法案の成立に向け御努力いただくことを期待いたします。(拍手)
   〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(額賀福志郎君) 椎名議員にお答えをいたします。
 揮発油税等の暫定税率の失効による混乱回避のための財政措置についてお尋ねがありました。
 揮発油税等の暫定税率の失効に伴って生ずる国民生活や経済取引に与える影響については、最小限に抑えるべく、関係省庁と連携しながら万全の措置をとっておるところであります。
 具体的には、道路予算については、法律成立前においても、支払期限のある債務や維持管理等については例年どおり執行することにしております。また、ガソリンスタンドについては、混乱を回避し、消費者へのガソリン等の安定供給を確保するため、資金繰り支援等を実施することにしております。地方の減収につきましては、各地方団体の財政運営に支障がないよう、国の責任において適切な財源措置を講ずることといたしております。
 次に、暫定税率切れに伴う財源手当ての方法についてお尋ねがありました。
 道路特定財源諸税の暫定税率を維持できなければ、平成二十年度予算において、国、地方合わせて二・六兆円の歳入不足が生じることになります。これを補うためには、道路予算やその他の予算を減らすか、公債を増発するか、いずれかによらざるを得ません。
 しかしながら、道路予算の削減で対応する場合、地方への交付金等を維持するならば、国の直轄事業について維持管理以外のすべての建設事業を凍結せざるを得ません。その他の予算を削減する場合は、行政サービスを低下させることになります。また、公債を増発すれば、将来世代に更なる負担を掛けることになります。このため、いずれの対応も極めて困難であると考えるものであります。
 政府といたしましては、このような事態を招かないためにも暫定税率の維持が是非とも必要であると考えます。(拍手)
   〔国務大臣増田寛也君登壇、拍手〕
○国務大臣(増田寛也君) 椎名議員より、暫定税率の失効による地方財政の悪化を軽減するための財政的な措置についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、暫定税率が失効したままとなれば、地方税、地方譲与税だけで年間九千億円もの地方財源が失われ、道路整備はもとより様々な行政サービス提供に重大な支障が生じかねません。暫定税率の失効に伴う地方の減収につきましては、各地方団体の財政運営に支障が生じないよう、国の責任において適切な財源措置を講じる必要があると考えております。
 具体的な対策につきましては、暫定税率の失効による影響額、補助・直轄事業の取扱い等を見極め、今後検討をいたしてまいります。その際、地方の御意見にも十分配慮してまいります。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣大田弘子君登壇、拍手〕
○国務大臣(大田弘子君) 椎名議員の御質問にお答えいたします。
 今回のガソリン税引下げのプラス、マイナスの影響及び政治の混乱が経済に与える影響についてお尋ねがございました。
 暫定税率期限切れの影響を内閣府の経済財政モデルで取り扱える範囲で考えるとすれば、同じ額の減税と公共投資削減を実施した場合の実質GDPに与える影響について考えることになります。
 公共投資や所得税額が一兆円変化したときに実質GDPが何兆円変化するかを乗数効果と呼んでおりますが、内閣府のモデルの乗数によれば、初年度において、公共投資を一兆円削減すれば実質GDPは同じ一兆円程度減少いたします。所得税を一兆円減税すれば実質GDPは〇・六兆円程度増加いたします。したがって、これらを同時に行えば、実質GDPは〇・四兆円程度減少することになります。
 仮に二・六兆円の公共投資削減と同額の所得税減税を同時に実施した場合には、初年度の実質GDPを一兆円程度押し下げることとなります。
 暫定税率期限切れ後の状況を見ますと、減税に対して直ちに価格を引き下げることができるガソリンスタンドとそうでないところが混在するなど様々な影響が出ております。また、地方自治体が予算執行の一部停止に追い込まれるなど幅広い影響が見られます。
 これらの影響が地方経済や企業、消費者のマインドにどのような形で影響が出てくるかについては、企業収益への影響、税収減による影響などを含めもうしばらく状況を見ていく必要があると考えております。(拍手)
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第二 国務大臣の報告に関する件(平成二十年度地方財政計画について)
 日程第三 地方税法等の一部を改正する法律案、地方法人特別税等に関する暫定措置法案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、総務大臣の報告及び趣旨説明を求めます。増田総務大臣。
   〔国務大臣増田寛也君登壇、拍手〕
○国務大臣(増田寛也君) 平成二十年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案、地方法人特別税等に関する暫定措置法案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成二十年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 極めて厳しい地方財政の現状を踏まえ、基本方針二〇〇六及び基本方針二〇〇七に沿って、歳出全般にわたり見直しを行い、その抑制に努めております。一方、喫緊の課題である地方の再生に向けた自主的、主体的な地域活性化施策の充実等に要する財源を確保するため、地方税の偏在是正により生ずる財源を活用して、歳出の特別枠である地方再生対策費を創設するとともに、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税及び一般財源の総額を増額して確保することを基本としております。
 また、引き続き生ずる財源不足については適切な補てん措置を講ずることとし、地方財政の運営に支障が生じないようにしております。
 以上の方針の下に平成二十年度の地方財政計画を策定しました結果、歳入歳出の規模は八十三兆四千十四億円となり、前年度に比べ二千七百五十三億円の増となっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 最近における社会経済情勢等にかんがみ、個人住民税について、寄附金控除の拡充、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に対する税率の特例措置の見直し並びに公的年金からの特別徴収制度の創設を行い、自動車取得税及び軽油引取税の税率の特例措置の適用期限の延長並びに公益法人制度改革に対応した所要の改正を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方法人特別税等に関する暫定措置法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置として、法人の事業税の税率の引下げを行うとともに、地方法人特別税を創設し、その収入額に相当する額を地方法人特別譲与税として都道府県に対して譲与することとしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成二十年度分の地方交付税の総額につきましては、十五兆四千六十一億円を確保するとともに、単位費用の改正を行うほか、当分の間の措置として地方再生対策費を創設し、あわせて、減収補てん特例交付金の創設等を行うため関係法律を改正することとしております。
 以上が地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案、地方法人特別税等に関する暫定措置法案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。那谷屋正義君。
   〔那谷屋正義君登壇、拍手〕
○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義です。
 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法等関連三法案に対し、福田内閣総理大臣並びに増田総務大臣に質問をいたします。
 その前に、地方税法等のこの議題につきましては大変国民の関心が深く、総理のお考えをしっかりと聞きたいという、そういう状況の中で、是非、早退をなさらないで最後までお答えいただけるよう、よろしくお願いいたします。
 過ぎ去った弥生三月は別れの季節でもあります。だからでしょうか、三月は、新たな出会い、旅立ちへの思いに胸を膨らませた夢見月とも称されてきました。
 夢多かるべきこの時期、国政を覆う現状はどうでしょうか。政府・与党は、無為の日々をただ重ねるだけで年度末を終えることになりました。異なる民意を反映した両院の在り方を無視するかのように、国民不在の予算案等の強行採決、無理無体の日銀総裁にかかわる同意人事の提案、さらには消えた年金の公約違反問題等々、福田内閣はおてんとうさまに顔向けのできる政治の対極にあるものとして暴走へのアクセルを吹かし続けてきました。国民は、この一か月余り、ささやかな夢を見ることすら打ち砕かれてきたのです。
 以下、総理にお尋ねいたします。
 暮らしと経済に大きな影響を及ぼす道路特定財源についてお尋ねをいたします。
 四月一日から道路特定財源の暫定税率が切れ、ガソリンの値下げが実現しました。このガソリン値下げは、経済無策を続ける政府・与党に代わって民主党などが実現した二兆六千億円の減税、国民本意の景気対策です。逆転参議院の正常な作用がまた一つ結実したことになります。
 ただし、言うまでもなく、この値下がりとの表現は便宜上、通りが良いものとして使っているだけであります。利権培養のために国民にツケ回しされてきた、つまりは腐敗の温床となってきた上乗せ分としての暫定税率が、やっとあるべき負担水準に戻ったというにすぎません。ガソリンスタンド等の皆さんには御心配をお掛けする結果になったことは心苦しい限りであります。
 大変だ、大混乱だと、今回の暫定税率のみならず、昨年の秋にはインド洋での給油をしなければ大変だとか、マスコミを利用して国民の不安をあおる総理はまるでオオカミ少年のようであります。一国のリーダーたる総理がこうであっては、国民はだれを信用すればいいのでしょうか。
 また、政府・与党のしり馬に乗って大混乱になると吹聴するやからは、道路特定財源と一蓮託生の関係にある暫定税率が国民の享受するべき権利さえも侵害してきた事の重大性にこそ気付く必要があります。
 この道理からしても、去る三月三十一日の総理の国民へのおわび会見は甚だしい考え違い、思い違いをしていると断ぜざるを得ません。
 第一に、総理は今回の事態で地方自治体に迷惑を掛けると言い、それがあたかも民主党の責任であるかのように仕向けられましたが、言いがかりは困ります。民主党は、国の直轄事業の地方負担金を廃止し、国からの道路整備臨時交付金の額を維持するための法改正をするなどして、地方の減収分の財源確保にもめどを付けた法案も提出してきました。地方に迷惑が掛かるとしたら、それは政府・与党が民主党案に聞く耳を持たなかったからではありませんか。
 第二に、暫定税率の廃止は地球温暖化対策に逆行すると言っています。しかし、ガソリンはこの一年間で二十五円以上値上がりしています。二十五円下がったからといってガソリンの消費が急激に伸びることはありません。福田総理が洞爺湖サミットに出席されるかどうか分かりませんが、あなたは暫定税率を維持して道路を造り続けることが地球温暖化対策だとG8国に説明されるのですか。
 第三に、総理は、参議院で一度も審議が行われないまま税制関連法案が成立しなかったことを異常な事態と呼び、それを民主党の責めに帰しています。しかし、すべての発端は、政府・与党が衆議院で強行採決を繰り返し、議長あっせんを踏みにじったことにあります。参議院でも、政府・与党はみなし否決によって衆議院で再可決するそぶりを最後まで捨てませんでした。国会審議の前提は信頼関係にあります。政府・与党はまずこの点を謝罪すべきです。いかがですか。
 ところで、総理は二〇〇九年度から道路特定財源一般財源化を表明していますが、政府・与党内はばらばらです。いつそれを閣議決定なさるのですか。また、二〇〇九年度からの一般財源化とはどういう意味ですか。いつまでに完了するのか、部分的な一般財源化なのか、全面的な一般財源化なのか、お答えください。言っておきますが、それは協議しましょうでは駄目です。政府又は自民党としての考え方も示さずに協議を呼びかけても、国民の目にはいつもの時間稼ぎとしか映りません。
 総理は、混乱を一日も早く払拭するため全力を尽くす云々などとおっしゃっていますが、これは本法案が参議院で成立しない場合には衆議院で再可決するという意味ですか、明確にお答えください。その下心を秘めたものであるならば、国民には二兆円以上の大増税を押し付け、かつ参議院での議論は無用と言い放つようなものです。参議院の権威を傷つけるにもほどがあります。この思い、憤り、本院所属の各会派に共通するものであることをしっかり受け止めていただきたいと存じます。
 以上、六点にわたり、誠実な答弁を求めます。
 次に、喫緊の課題たるべき地方交付税の法定率引上げについてお伺いします。
 現在、国と同様に、地方財政も危機的状況にあります。その大きな要因には、バブル経済崩壊後において、本来、国の任務であるべき景気対策に地方も強引に引きずり込まれたことがあります。
 地方にも景気対策を担わせる理由としてよく持ち出されるのが、国と地方は車の両輪であるという考え方です。この名言は、福田総理のお父上である福田赳夫大蔵大臣が発したものであり、東京オリンピック後の景気の息切れを克服するために、旧来、厳守されてきた均衡財政主義を転換し、国債発行に踏み切るとの決意の表れでもありました。それまで旧大蔵省は、国は国、地方は地方と区分けしていたのですが、福田大臣の決断により、国が窮地に陥ったときには地方も協力することになりました。
 忘れてならないのは、その際に、地方交付税の法定率を二九・五%から三二%に引き上げ、国の果たすべき責任も明確にしたことです。地方を景気対策に巻き込んだのも、地方公共団体の要求する法定率引上げを断行したのも、福田大蔵大臣であったわけです。
 このような経緯から、不況のたびに地方の出番も強いられる景気対策が展開されてきたのです。特に、九〇年代には総額百兆円を超える景気対策を国が策定し、三十兆円もの公共投資と定率減税にかかわる地方枠が、文字どおり有無を言わせぬ形で用意されてしまったと言えます。この結果、地方財政に占める公債費、すなわち債務の返済と利子負担は、約二倍にまで急膨脹することになりました。
 国が押し付けた経済対策によって、肝心の住民生活を守るための政策的経費が抑制される本末転倒の構図ができ上がったことは一目瞭然です。少なくとも、国の本務である景気対策のたびに積み上がったこの三十兆円の借金に関して、地方にも責任があるかのような言説は、実態論からしても不見識のそしりを免れないものであります。お父上の大英断に学び、地方交付税の法定率引上げこそが総理に最もふさわしい選択になると確信するところであります。答弁をお願いいたします。
 昨年夏の参議院選挙前に唐突に提案されたふるさと納税構想について、その当初から私は総務委員会で厳しく批判してきました。
 主な理由は二つあります。一つは、財政苦境に陥る地方団体間で、より貧しいのはどちらかというような不幸極まる財源の分捕り合いに道を開く大きな矛盾を内包すること、いま一つは、地方交付税そのものが、地方から出てきて東京等の大都市圏で働く人々が生み出す税収を地方に仕送りする機能を持っていることからであります。今ある交付税制度自体がゆがみを生まない形でのふるさと納税の理念を、より正当な形で反映した仕組みと言えるのであります。
 古代ギリシャの大哲学者であるあのプラトンですら、より良き故郷に対する魂の郷愁と表白せざるを得ないほど、人々のふるさとへの思いはまさに時代を超えた普遍性を持ちます。かかるふるさとへの情理にこたえるとの一大難物に福田内閣として本当に向き合う覚悟がおありならば、小泉改革が何の根拠もなく三兆円、地方交付税を召し上げた地財ショック分の適正な水準への復元という基礎を固めた上で、ふるさとという尺度を重視した地方交付税制度の再構築へと踏み出すべきです。納得できる答弁を求めます。
 次に、増田大臣にお尋ねいたします。
 現下の地方格差を是正するという名目のために、政府案にある地方法人特別税のごとき、地方税源が利用されねばならない理由は全く見出せないのであります。なぜなら、地方格差の根源は税収格差にあるのではなく、小泉改革が乏しい税収を補う地方交付税を切り刻んだことにこそ由来するからであります。この結果、条件不利地域の自治体は財政的に立ち行かなくなってしまったのです。
 地方格差の正しい解決のためには、これらの起因からすれば当然ですが、交付税に充てる国税の法定率分を引き上げ、その総額を積み増すことが最善の道になります。にもかかわらず、福田内閣においても国は他人の懐に手を突っ込んで、つまりは他人の金である地方税をむしり取って、自らの過ちのしりぬぐいに用立てるという悪代官さながらのやり口に性懲りもなく手を染める有様です。
 それは、税源を地方から国へと逆に移譲するのと同じであり、いかなる目的があろうと断じて認めるわけにはいきません。地方税による税収調整は財政調整における国の責任放棄であり、地方自治の完全なる否定に等しい暴論と言わざるを得ないのであります。
 立場が人を変えるのは世の常としても、岩手県知事として地方分権及び地方税財源の強化推進の旗手として活躍されてきた増田大臣だからこそ、王道に立ち返る見識はお持ちだと確信します。速やかに地方法人特別税等暫定措置法案は撤回するべきです。確たる答弁を求めます。
 残された時間も少なくなってまいりました。
 私が若かりしときに感銘を受けた言葉を踏まえて、総理に対する最後の質問といたします。
 生の哲学を掲げるとともに、自分らしさ、自分と他人とのつながりを通して、個人がどのように社会を形成するのかという相互作用論的社会観を提唱したゲオルク・ジンメルは、私の生涯を通じて、私とは、空虚な場所、何も描かれていぬ輪郭であるにすぎない。しかし、それゆえに、この空虚な場所を充てんすべき義務及び課題が私に与えられている。それが私の生であると、個人と社会との関係性を明快に説いています。
 私が求める、そして、私に求められている、本当の私とはに収れんされるこのジンメルの箴言を、福田総理には肝に銘じていただきたいのです。洞爺湖サミットがあるからという身内の論理にかまけて延命を策することは、一国の宰相として私に求められている、本当の私では断じてありません。このままでは、国民の暮らしも地方財政も、福田内閣とともに漂流しかねません。
 総理が首班を担うに当たり明らかにした国民のため、地方格差是正のためにという看板に偽りがないならば、その命題に反する地方税法等関連三法案は自ら進んでお蔵入りさせるべきです。道理を踏まえたこの選択を万が一にでも取り得ないとすれば、総理に残された道は一つしかないのはお分かりのはずです。
 国民の輿望は那辺にあるのか。国民が心底より望む福田総理の本当の在り方に名実たがわぬ意義を与えるためにも、衆議院解散という、憲法上総理に与えられた専権を今こそ振るうべきではありませんか。その断行を強く強く求めた上で、真っ当な地方税財政に背馳する地方税法等関連三法案は到底容認し得るものではないとの立場を明らかにして、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣福田康夫君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(福田康夫君) 那谷屋議員にお答えをいたします。
 道路特定財源の民主党案に対する姿勢についてお尋ねがございました。
 民主党の提案では、直轄負担金を廃止し、交付金等の水準を維持するということでありますけれども、そうしますと、国に残る財源は約四千億円ということになります。この金額では最低限の維持補修程度しか行えないと、こういうことでございますけれども、それでよろしいのかどうか。そういう問題について十分な説明がされていないと思っております。また、地方団体の方々からも、もう既に地方財政が直ちに立ち行かなくなるとして暫定税率の維持を強く求められております。
 先般、私の方から提案をいたしました国会審議での野党からの意見を受け止めて見直すべきは見直すという決意の下に、受け入れていただけるものとして行ったものでありまして、野党の意見によく耳を傾けて提案をいたしたものでございます。国民生活、地方財政等の観点から与野党において協議を行い、本院において早急に結論を得ていただきたいと考えております。
 次に、暫定税率と地球温暖化対策の関係についてお尋ねがございました。
 世界では、地球温暖化問題への対応として、ガソリン消費の抑制効果を勘案しガソリン税を引き上げる傾向にあります。原油価格も上昇傾向にある中で、燃費効率の良い自動車の開発などによって温暖化ガスの排出を抑制することが本来取るべき方法であります。そういう状況の中で我が国がガソリン税を引き下げるということは、環境、気候変動が主なテーマの一つである北海道の洞爺湖サミットを目前に控えて、世界に誤ったメッセージを与えることになりかねません。こういうような理由を勘案し、暫定税率の維持が必要と申し上げておるわけであります。
 税制関連法案の国会審議についてお尋ねがございました。
 平成二十年度予算案並びに税制関連法案については、衆議院において例年を相当上回る十分な時間を掛けて審議が行われた上で参議院に送付されたところであります。与野党間の実りある議論を経て年度内に円滑に成立することを望んでおりました。しかしながら、両院議長のあっせんにもかかわらず、税制関連法案については、参議院で一度も審議が行われないまま年度末を迎えたことは誠に残念であります。
 野党との協議を前進させることが必要という強い思いから、道路特定財源の改革について新たな提案をお示ししたところでございまして、今後は、参議院及び与野党間で真摯な議論が行われ、一刻も早く結論が出されるよう強く期待をいたしております。
 道路特定財源の一般財源化の意味、範囲及び閣議決定についてお尋ねがございました。
 今般の提案は、これまでの国会審議における野党の皆さんからいただいた意見を受け止め、見直すべきものは大胆に見直すという決意の下、野党の皆さんにも受け入れていただけるものとしてお示しいたしました。この中で、道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止し二十一年度から一般財源化と明記し、また、一般財源としての使途の在り方は、与野党協議会で協議、決定といたしたところであります。閣議決定については、こうした与野党協議を行った上で必要に応じて行う考えであり、今後は速やかに協議が行われることを強く期待いたしております。
 次に、法案の再可決についてお尋ねがございました。
 法案の再可決は、国会における議案の取扱いの話であり、また、与野党間の協議の決裂を前提とした仮定の話を申し上げることは適当でないと考えます。
 全国の地方公共団体も、参議院がその意思を一刻も早く示されることを望んでおられるところでございまして、政府としても一日も早い法案の成立に向けて全力を尽くしてまいります。
 地方交付税率の引上げと地方交付税制度の再構築についてお尋ねがございました。
 地方交付税は、地域間の財政力格差を調整するとともに、全国どのような地域にあっても一定水準の行政を確保するという重要な機能を果たしております。地方財政は大幅な財源不足が続いていますが、国の財政も極めて厳しい状況にあることから、交付税率の引上げ等の恒久的な制度改正は難しいという判断の下に、これまで特例措置として国の一般会計の加算による交付税の増額措置等により対処してきたところでありまして、引き続き地方財政の運営に支障が生じることのないようにしてまいります。
 平成二十年度においては、喫緊の課題であります地方の再生に向けた施策の充実等に必要な財源を確保するため、地方交付税の総額を前年度を上回って確保しております。
 今後の地方交付税制度の在り方については、地方分権改革推進委員会からいただく予定の勧告を踏まえ、地方分権改革における国と地方の役割分担に応じた自主的な税財源の確保等の観点から検討をしてまいることになると考えております。
 なお、ふるさと納税については、ふるさとに対する納税者の思いを寄附税制上配慮する観点から行うものであります。
 最後に、衆議院の解散についてお尋ねがございました。
 今政治に求められていることは、社会保障を始めとして、将来に向けてのしっかりとした方向性を示すことであります。やみくもに選挙ばかりを意識して人気取りに走るのではなく、国民のため何が必要かを見定め、腰の据えた政治を行っていくことがまずは私たちの責任であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣増田寛也君登壇、拍手〕
○国務大臣(増田寛也君) 那谷屋議員より地方法人特別税についてお尋ねがございました。
 今回の地方税の偏在是正措置は、消費税を含む税体系の抜本的改革において、地方消費税の充実と、そして地方法人課税の在り方の見直しを含む地方税改革の実現に取り組むこととして、それまでの間の暫定措置として講ずることとしたものでございます。
 また、地方法人特別税は、形式上は国税としておりますが、その税収の全額を地方に譲与するとともに、賦課徴収も都道府県が行うなど、実質的に地方の税源と考えられるものでございます。
 したがいまして、今回の措置は、税源を地方から国へと逆に移譲するものではございませんで、地方分権に反するものではないと考えており、御理解をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) 弘友和夫君。
   〔弘友和夫君登壇、拍手〕
○弘友和夫君 私は、公明党、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました四案件につきまして、総理、総務大臣及び関係大臣に対して質問をいたします。
 ガソリン税など道路特定財源の暫定税率維持を含む税制関連法案は、衆参両院議長のあっせんがあったにもかかわらず、二月二十九日の衆院通過から一か月もの間、参議院で一度も審議されないまま新年度を迎え、ガソリン税の暫定税率の期限が切れました。
 税制改正法案など歳入法案の成立の遅れは、国民生活や地方財政に多大な影響を与え、このため、これまで国会は慣例として、歳入法案を年度末の三月三十一日までに成立させてまいりました。国会がねじれ下にあるとはいえ、今回、立法府の良識として続いてきた慣例が破られたことは極めて異常な事態と言わざるを得ません。
 しかも、参議院で税制改正法案の審議入りすらしなかったことは、参議院第一党の民主党がどう言い訳をしても厳然たる事実であります。参議院第一党として責任ある対応をしたとはとても言えません。民主党は、責任放棄の行動を猛省し、参議院で速やかに税制改正法案の審議を行い、一刻も早く院としての結論を出すべきだと考えます。
 道路特定財源以外の租税特別措置につきましては、一応、与党の提案を野党側が受け入れ、適用期限を五月末まで延長するつなぎ法が三十一日に成立をいたしました。土地売買の登録免許税の軽減や東京オフショア市場の預金利子非課税などの期限切れによる国民生活や経済への影響は辛うじて回避できました。
 しかし、焦点のガソリン税の暫定税率に関して、民主党は即時廃止に固執し、福田首相が道路特定財源の二〇〇九年度からの一般財源化を新提案したにもかかわらず歩み寄ろうとせず、その頑迷ぶりは、今の民主党にとって道路財源問題は選挙のための手段になっていると見るしかないと報道されているように、国民生活より党利党略を最優先する姿勢が厳しく批判されています。
 もし、民主党が自ら吹聴しているように国民生活を第一と考えているのなら、道路特定財源の一般財源化を柱とする総理の新提案に歩み寄るべきであります。現実を無視した暫定税率の即時廃止に固執すべきではありません。民主党内からすら、暫定税率の廃止がなければ駄目だと突っぱねるのはおかしい、一般財源化こそ改革の本質だとの声が上がっているではありませんか。
 まずは、今日までに至る一連の民主党の姿勢について総理の忌憚のない御所見を伺うとともに、総理御自身の提案について、その真意と今後の道路特定財源問題に対する方針を改めてお聞かせいただきたいと存じます。
 地方自治体からは、年度末に地方財源の根本にかかわる問題について政局とすること自体が異常である、あるいは、委員会審議すらしないのは国会として職場放棄であるなどといった厳しい批判がなされています。地方自治体は、道路財源不足に加え、交付税法等改正案の年度内不成立のため当初見込額が減少することへの対応など、予算面での様々な対策に苦慮しております。
 現実には、四月一日より国税、地方税の暫定税率が期限切れとなり、既に国民生活に混乱が生じております。当面の問題として、今回の期限切れにより税収に穴が空くことについて、いまだ民主党からは納得のいく説明がありませんが、現実対応として、このままだと国税一・七兆、地方税九千億円、合わせて二・六兆円の税収の穴が空きます。特に、地方財政は現状でも厳しく、軽油引取税、自動車取得税に譲与税を加えた減収額は四月分の影響だけでも六百億円以上ということになれば、予算執行ができないのではないかと懸念するところであります。
 既に税収の見通しが立たなくなったと道路予算の執行を止める自治体が出始めて、地域の経済や雇用にも多大な影響が出ることが予想されます。また、中小ガソリンスタンド倒産の危機が叫ばれ、庶民のガソリンの買いだめによって安全面が危惧されるため、これに対し消防庁からは緊急対策として国民に呼びかけを行っているところであります。
 そこで、このような状況を受けて、平成二十年度予算に関し、各方面における影響と対策について、財務大臣及び総務大臣、それぞれどのように考えておられるのか、また、総務大臣には地方自治体の資金繰りについて併せてお伺いいたします。
 さらに、道路特定財源の暫定税率の期限切れは、徴税現場、さらにはガソリン、軽油の元売各社、ガソリンスタンドにおいて混乱を来しております。徴税現場では、徴税システムの手直しや人員増強などが求められ、ガソリン、軽油の製造販売業界では、系列や地域においてばらつきのある販売価格への暫定税率の期限切れの反映方法などが決まらないなど、混迷しております。赤字覚悟での値下げ競争が広がれば、収益や採算が急速に悪化し、全国四万五千のガソリンスタンドで三百億円規模の損失が生ずるおそれがあると言われております。徴税現場やガソリンスタンドへの対策について、関係大臣よりお答えをいただきたいと存じます。
 次に、地域間の財政力格差と税制抜本改革についてであります。
 現下の地方財政を取り巻く最大の課題は、巨額債務を抱える地方自治体間における財政力格差であります。総理は、今国会の施政方針演説において、地方の元気は日本の活力の源であるとされ、地方と都市の共生の考え方の下、法人事業税を見直し、地域間の税源の偏在をより小さくする暫定措置を講じ、特に財政の厳しい市町村に重点的に配分し、今後、税体系の抜本的改革に結び付けていきたいと述べられております。
 現在の厳しい経済状況の中で、地域間財政力格差の劇的な改善は大きく期待し難い状況にあります。そこで、今後とも地域間における財政力格差に関する調整措置は必要であると考えますが、政府として、平成二十年度に措置される地方再生対策費あるいは地方法人特別税等について、税制の抜本的改革の中でどのように生かしていくおつもりなのか、財務大臣及び総務大臣の御所見をお聞かせいただきたい。
 最後に、今後の地方分権改革について伺いたいと存じます。
 政府としては、新しい国と地方の関係の構築に向けて、地方自治体に一層の権限移譲を行う地方分権改革の議論を加速し、平成二十一年度中に新地方分権改革一括法を国会に提出し、分権改革後の姿と在り方を国民に示していくとともに、中長期的課題としては道州制への移行を積極的に推進するとされております。
 道路整備を中心とする公共事業の見直しや道路財源の再検討も、このような国と地方のありよう、地方分権改革の姿と密接にかかわる問題であります。
 総理が、明確な地方分権改革のビジョンの下で、国から地方への大胆な権限、財源の移譲を進められることによって、地方に元気が戻り、それが起爆剤となって日本全体の経済も活性化されることを期待しつつ、地方分権改革に向けた総理の決意を最後にお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣福田康夫君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(福田康夫君) 税制関連法案をめぐる民主党の姿勢と私の提案についてお尋ねがございました。
 税制関連法案については、与野党間の実りある議論を経て年度内に円滑に成立することを望んでおりました。しかしながら、両院議長のあっせんにもかかわらず、参議院で一度も審議が行われないまま年度末を迎えたことは誠に残念であります。
 私は、三月二十七日に、野党との協議を前進させることが必要という強い思いから、国民、野党の御意見も踏まえて新たな提案をお示ししました。今後は、参議院及び与野党間で真摯な議論が行われ、一刻も早く結論が出されるよう強く期待をいたしております。
 次に、地方分権改革についてお尋ねがございました。
 私は、これまでの国と地方の役割分担の在り方を見直し、地方が自ら考え実行できる体制を整備するにふさわしい事務や権限を地方に移譲する地方分権改革の推進が、我が国社会の将来にとって極めて重要と考えております。
 政府としては、地方分権改革の実現に向け、新分権一括法案の国会提出を含め、私が本部長である地方分権改革推進本部を中心に一体となって強力に取り組んでまいります。
 また、道州制の導入についても国民的な議論を深めてまいります。
 残余につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣増田寛也君登壇、拍手〕
○国務大臣(増田寛也君) 弘友議員より三問お尋ねがございました。
 まず、暫定税率の失効による影響とその対策等についてでございます。
 暫定税率が失効したままとなれば、地方税、地方譲与税だけで年間九千億円もの地方財源が失われまして、道路整備はもとより、様々な行政サービス提供に重大な支障が生じかねませんが、こうした地方の税収については、各地方団体の財政運営に支障が生じないよう、国の責任において適切な財源措置を講じる必要があると、このように考えております。
 具体的な対策につきましては、暫定税率の失効による影響額、そして補助・直轄事業の取扱い等を見極めまして今後検討をし、その際、地方の御意見にも十分配慮をしてまいります。
 なお、各地方団体の資金繰り状況についてでございますが、四月一日現在で、四十七都道府県中三十六団体が事業の執行を保留しておりまして、うち十一団体は道路関係事業以外の事業にまで影響が及んでいると、このように把握をしております。
 次に、徴収現場等への対策についてお尋ねがございました。
 軽油引取税などの税率の特例措置の期限切れへの対応といたしましては、関係業界に対する課税関係の周知、納税者等からの問い合わせ等について適切に対応するよう、地方団体へ要請をしたところでございます。
 各都道府県の課税当局に対して、軽油引取税や自動車取得税に関し、販売業者等から課税関係の照会、確認、一部苦情などが寄せられておりましたが、適切に対応して今のところ特段の問題は生じていないと、このように聞いております。
 いずれにいたしましても、地方財政や国民生活などへの影響を最小限にすべく、政府として全力で取り組んでいるところでございます。
 最後に、地域間の財政力格差と税制の抜本改革についてお尋ねがございました。
 今回、税制の抜本的改革が行われるまでの暫定措置として、地方法人特別税等の創設による偏在是正を行うとともに、これにより生じる財源を活用して地方が自主的、主体的な活性化施策に取り組むことができるよう、地方再生対策費を創設しているところでございます。
 税体系の抜本的改革が行われる際には、地方消費税の充実と地方法人課税の在り方の見直しを含む地方税改革の実現に取り組みまして、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築を進めるとともに、地方の再生、活性化のための安定的な財源が確保されるよう取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(額賀福志郎君) 弘友議員の御質問にお答えをいたします。
 揮発油税等の暫定税率の失効による平成二十年度予算に関する影響と対策についてお尋ねがありました。
 揮発油税等の暫定税率の失効に伴って生ずる国民生活や経済取引に与える影響については、最小限に抑えるべく、関係省庁と協調しながら万全の措置を講じてまいる所存であります。
 具体的には、道路予算については、法律成立前においても、支払期限のある債務や維持管理費等については例年どおり執行ができるようにしたいと思います。
 ガソリンスタンドにつきましては、混乱を回避し、消費者へのガソリン等の安定供給を確保するため、資金繰り支援等を実施することにしております。
 地方の減収については、今、総務大臣からもお話がありましたけれども、各地方団体の財政運営に支障が生じないように、国の責任において適切な財源措置を講ずることにしたいと思います。
 次に、地域間の財政力格差についてのお尋ねがありました。
 地域間財政力格差の是正に取り組むために、平成二十年度予算におきましては、まず、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税を創設をし、人口及び従業者数の基準で都道府県に配分することによりまして、地方税の偏在是正を行うことにいたしました。
 また、地方税の偏在是正効果を活用し、地財計画の歳出の特別枠として地方再生対策費四千億円を設け、財政力が弱い市町村へ重点配分することといたしました。
 平成二十年度税制改正要綱においては、消費税を含む税体系の抜本的な改革において、地方消費税の充実と地方法人課税の在り方の見直しを含む地方税改革の実現に取り組むこととされております。
 これを踏まえながら、今後、消費税を含む税体系の抜本的な改革について、早期の実現を図ってまいりたいと思っております。その中で、地方再生対策費や地方法人特別税等の取扱いについても検討されるものと考えております。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣甘利明君登壇、拍手〕
○国務大臣(甘利明君) ガソリンスタンドに対する資金繰り対策についてお尋ねがありました。
 ガソリンの流通面における混乱を少しでも小さくするようにとの総理の指示を受けまして、暫定税率の期限切れに伴い大きな損害を被ることが懸念をされるガソリン等の販売事業者に対しまして、その資金繰りの支援を行うことといたしております。
 具体的には、信用保証基金による特別信用保証の借入限度額の拡大、運転資金の借入れに対する特別利子補給の新たな実施、資金繰り等について事業者からの相談を受け付ける特別相談窓口の設置、政府系中小企業金融機関等によるセーフティーネット貸付けといった対策を講ずることとしております。
 こうした措置によりまして、引き続きガソリンスタンドにおける混乱を最小化するよう取り組んでまいります。(拍手)
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会