第169回国会 農林水産委員会 第4号
平成二十年三月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任   
     梅村  聡君     一川 保夫君
     川崎  稔君     米長 晴信君
     横峯 良郎君     藤原 良信君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         郡司  彰君
    理 事
                主濱  了君
                平野 達男君
                加治屋義人君
                野村 哲郎君
    委 員
                青木  愛君
                一川 保夫君
                金子 恵美君
                亀井亜紀子君
                高橋 千秋君
                藤原 良信君
                舟山 康江君
                米長 晴信君
                市川 一朗君
                岩永 浩美君
                牧野たかお君
                山田 俊男君
                澤  雄二君
                谷合 正明君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   若林 正俊君
   副大臣
       農林水産副大臣  岩永 浩美君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       澤  雄二君
       環境大臣政務官  並木 正芳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       本部事務局次長  青木 一郎君
       金融庁総務企画
       局審議官     細溝 清史君
       法務大臣官房審
       議官       始関 正光君
       文部科学大臣官
       房審議官     田中  敏君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局原子力安全監  川原田信市君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       藤崎 清道君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        吉田 岳志君
       農林水産省総合
       食料局長     町田 勝弘君
       農林水産省消費
       ・安全局長    佐藤 正典君
       農林水産省生産
       局長       内藤 邦男君
       農林水産省経営
       局長       高橋  博君
       農林水産省農村
       振興局長     中條 康朗君
       農林水産技術会
       議事務局長    竹谷 廣之君
       林野庁長官    井出 道雄君
       水産庁長官    山田 修路君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   平岡 英治君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人緑資源機構法を廃止する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成二十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成二十年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成二十年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管及び農林漁業金融公庫)
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○委員長(郡司彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、川崎稔君、横峯良郎君及び梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として米長晴信君、藤原良信君及び一川保夫君が選任されました。
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○委員長(郡司彰君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官兼行政改革推進本部事務局次長青木一郎君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(郡司彰君) 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○主濱了君 おはようございます。主濱了でございます。
 早速、水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 まず、法案関係でございますけれども、この法案の第一項の融資対象に「未利用若しくは利用の程度が低い水産資源の有効な利用の促進」が加えられました。その背景はまず何なのかと、こういう点をお伺いをいたしたいと思います。具体的に、資金需要の逼迫の状況あるいは業界からの追加要請といいますか、融資対象として追加してくださいと、こういったような要請があったのかどうか。
 さらには、提案されている具体的な新たな融資対象、加工残渣など未利用資源の非食用水産加工、これ魚粉等ですけれども、この魚粉等の製造業界の実態とかそれから景況とか、これはどうなっているのか、併せてお伺いをいたしたいと思います。
 これは水産庁長官にお願いしたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) ただいま法案の第一項の融資対象の追加につきまして御質問がございました。
 我が国の水産加工業は、国際的な水産資源の管理の強化でありますとか我が国周辺水域の資源の状況の悪化というようなことに加えまして、近年、世界的に水産物需要が増大をしているというような状況もありまして、水産加工業におきましては原材料の供給事情が悪化をしてきているということがございます。
 一方で、水産加工品の製造過程におきまして加工残渣が発生いたしますけれども、この加工残渣につきまして、一部は魚粉などの飼料、肥料などの原材料として有効に利用されておりますけれども、地域によっては焼却、埋立て等の処分が行われている現状にございます。
 このような中で、加工残渣等を有効利用しまして魚粉等の非食用水産加工品を製造するということは水産加工業者の体質強化に資するものでありますし、また魚粉に対する需要が国際的に高まっている中で養魚用の飼料の供給源として期待されております。
 このようなことから、委員からお話がありました第一項の融資対象ということも改正いたしまして、加工残渣等の未利用、低利用の水産資源を有効利用して魚粉等の非食用水産加工品を製造する施設につきましても水産加工資金の融資対象であることを明確にしたということでございます。
 それから、業界からの要望等についての御質問がございましたけれども、養殖業者の方々からは国内産の魚粉の製造によりまして飼料の確保をしてほしいという要請を受けておりますし、また水産加工業界の方からもこの法律の延長と併せまして魚粉製造施設等への融資について支援をしてほしいというような要望も受けております。
 それから、次に、魚粉等の製造業界の実態についてお尋ねがございました。
 魚介類の加工残渣などを原料にしまして魚類養殖や家畜の飼料に使います魚粉を製造する業者、これ現在全国二十七の道府県で七十業者ございます。年間の生産量は約二十万トン魚粉を生産をしております。魚粉の国内の需要量、これは大体六十万トンでございますが、今申し上げました国内生産の二十万トン以外の約四十万トンでございますが、これは輸入で賄われている状況でございます。魚粉に対しまして世界的な需要が高まる中で、国内の養殖業界などから国産魚粉の増産を求める声が強まっておりまして、先ほどお話ししましたように業界からも要望が出ているということでございます。
 一方、加工残渣でございますが、これは水産加工場などから排出されているわけですが、この加工残渣全体で約三百二十万トン程度というふうに推計をされておりまして、そのうちで約百万トンについては魚粉や魚油の生産に用いられて有効されておりますけれども、残りの二百万トンございますが、そのうち半分ぐらいの百万トンは有効利用が可能であろうというふうに見ております。しかしながら、近くに製造施設がないとか、あるいは製造施設が老朽化しているというようなことで利用されずに廃棄されている現状がございます。こういった資源を有効に利用していくことがますます重要になっております。
 こういうこともありまして、本法案で加工残渣等の未利用、低利用の資源を魚粉等の非食用の水産加工品として製造していくというような施設についても融資対象に含まれるということを明確にすることとしたところでございます。
○主濱了君 ありがとうございました。
 一昨日の委員会で谷合委員からも御質問あったわけですけれども、この加工残渣、魚粉等、魚の残渣ですね、その加工残渣の利用は産業廃棄物の処理に当たるのかどうかと、こういう問題でございます。その場合、当該会社は産業廃棄物処理業としての許可を得なければならないのかどうか、これについて環境省の方からお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(並木正芳君) 水産加工会社が魚介類等、こういうものを加工して出ます残渣物ですけれども、これはまず廃棄物処理法にいうところの動植物性残渣ということになります。したがいまして、これを利用するという場合も産業廃棄物の処理に該当するということが、この法が適用されるということがまず一点でございます。
 したがいまして、この加工会社そのものが利用する場合は処理業の許可は必要ないわけですけれども、それ以外のいわゆる排出者ではない者が利用する場合は産業廃棄物処理業の許可を受ける必要がある、こういう法適用でございます。
○主濱了君 ありがとうございました。
 ちょっと面倒くさいことになってしまいそうですけれども、農業でも実は様々な農産物残渣が出るわけなんですよ。そして、林業でも、樹皮とかかなり今の回答からいうと産業廃棄物がこれ出てくるということになってしまいます。その取扱いがこの産業廃棄物処理ということになりますと、かなり難しくなってくるような気がするわけであります。
 産業廃棄物に分類されたとしても、例えば今回の今提案されております魚粉等の製造、あるいは木質バイオの原料として、あるいはバイオエタノールの原料として簡単に利用とか活用ができる方向に調整をする必要があると私は思っております。
 もちろんこれは産業廃棄物としても最低限必要な事項は守りながらと、こういう前提の下なんですが、こういう道というものは考えられないかどうか、これも環境省の方にお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(並木正芳君) 先生おっしゃるとおり、この魚介物加工残渣を含めて木質系のバイオマスエネルギーですね、こういうものを利活用するということは、まさに循環型社会形成と地球温暖化防止を目指すと、環境省が行っている施策において重要な課題であると認識しているわけであります。
 このため、生活環境の保全を堅持しつつバイオマスエネルギー等の利用を積極的に進めていくということで、様々なバイオエタノール等の実証実験等も始めさせていただいているわけで、こういった点ではこうした利活用というのをこれから推進していくということはますます必要にはなってくるというふうには考えております。
 しかしながら、今の中で、単純に排出者ではない者が、ある意味では名分としてこういった利活用をするんだということでの許可を受けないままに処理するということになると問題も生じると思いますので、今後こうしたバイオマスエネルギー等の利活用を進めていく、そういう中で今後検討する余地はあろうかと思いますけれども、現状のところでは、法適用としては排出者でない者はしっかりとした許可を受けていただくという、現状ではそういう認識であります。
○主濱了君 この点につきましては、是非とも農林水産省、それから環境省一体となって、あと、今日は来ておりませんけれども、通商産業省も一緒になって何とか利活用できるような道を見出していただきたいものだというふうに思っております。これはよろしくお願いします。
 次は、TACとABC、漁獲可能量ですね、TACは漁獲可能量、それからABCというのは生物学的許容漁獲量、このTACとABCについてお伺いをいたしたいと思います。
 昨年の五月二十九日に実はこの問題を私質問をしているんですが、改めてその検証の意味でもう一回伺いたいなというふうに思っております。
 まず初めに、FAO、国連食糧農業機関によりますと、二〇一五年ですからあと七年後ですかね、二〇一五年の世界の水産物の総需要は一億八千三百万トン、これに対する世界の今度は総生産、総生産の方は一億七千二百万トンだと、こういうことで、需要量が生産量を一千百万トン上回ると。これは絶対そういうことはあり得ないんですけれどもね、生産がやっぱり頭打ちだということなんですが、かなり捕り尽くしてしまうんではないかなと、こういうふうに思われるわけです。いずれこの漁業資源が枯渇してしまうことが危惧されるわけであります。
 そこで、世界のABCは幾らか、簡単に言って、世界のABC、生物学的許容漁獲量は幾らか、把握していればお知らせをいただきたいなと。これはもう、全地球を一本で言うことはなかなか難しいと思うんですが、主な海洋の主な魚種のABCをお示し願いたいと思います。その中でも、特に資源量が低位であるとか、それから減少傾向にあるとか、そういったようなものを選んでお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) ただいま世界のABCについての御質問がありましたけれども、このABCにつきましては世界全体の資源量を評価するという仕組みはございませんで、日本については幾つか、七つなり幾つかの魚種について出しておりますけれども、世界全体についてはそういうものはありません。
 それで、資源量が多い少ないということの評価につきましては、魚種を限りまして、例えばマグロについて独立行政法人の水産研究所、日本の水産研究所が世界のいろんな地域で調査をしているというものはございます。その中で、例えばマグロ資源でいいますと、例えばですけれども東大西洋のクロマグロでは非常に低位水準にあるとか、そういう状況は分かっておりますけれども、御質問がありましたABC自体についての数値はございません。
○主濱了君 それでは、日本にはこれちゃんとTACとそれからABC、きちっと日本では決めているわけでありますけれども、日本についてお伺いをいたしたいと思います。
 それで、少なくとも日本においては、ABC、これ生物学的な許容漁獲高、これをTACが上回るということがないように私は是非セットするべきであると、こういうふうに考えておりまして、その観点からお伺いをいたします。
 それで、平成二十年のABCとTACの数量を、ABC、許容量ですね、許容量、生物学的な許容量からそのTACの値を引いてみる、こういうもので見てみました。それで、マイナスが大きくなればなるほど生物学的許容量をTACの方、漁獲可能量が上回っている、非常に悪い方向にあるというふうな、資源の枯渇につながると、そういうふうな方向になるものなんですが、イワシは、ABCマイナスTAC、これがマイナスの一万四千トン。これで、イワシの資源量は低位で横ばいであると、こういったような状況です。それから、マアジ、アジですね、これはマイナスの六万三千トン、非常に低い。これも資源量が低位で減少傾向にあるということです。サバも、これは十万一千トンマイナス。スケトウダラが九万九千二百トンマイナスであります。スケトウダラは資源量は低位で、しかも減少傾向にあるということ。オホーツク海系のズワイガニ、これもマイナスで五百七十九トンということでございますけれども、TACは七魚種あります。そのうち四魚種で生物学的に見た許容漁獲量、それをTACが上回って設定されております。
 そもそもTACというのは海洋生物資源保護のために定められたものだと私は思っておりますけれども、これがちょうどその機能を果たしていないのではないかということでございます。当面の漁獲あるいは目先の水揚げを確保することで実は百年後の世代に魚を食べさせることができないことになってしまうかもしれないと、こういうふうに思いますが、大臣、御所見をお願いいたします。
○国務大臣(若林正俊君) 先ほど委員がお話しになりましたFAOの長期の報告でございます。それについてまず先に申し上げたいと思いますけれども、主要な漁獲資源のうち、半分程度がもう限度、満限まで利用されている、四分の一が過剰に漁獲されている、そして残りの四分の一が利用度が低い又は適度に利用されているという、そんな状況分布になっております。
 そこで、我が国のTACとABC、つまり生物学的な許容漁獲量との関係について魚種別にお話がございました。お話にありましたように、漁獲の可能量、TAC制度の対象であります七魚種のうち、スケトウダラ、マアジ、マイワシ、サバ類の四魚種については、御指摘のように漁獲可能量、TACがABCを上回っているという状況にあるのでございます。これは、漁獲可能量、TACというのは、資源の状況のみならず漁業の経営状況等を勘案して設定することが法律上規定されております。また、実際の漁獲状況に応じて調整を図るための枠を国が留保しておきまして、余裕を持たせて設定しているということもございます。
 そこで、TACの漁獲可能量につきましては、漁業経営にも配慮しながら資源の状況を踏まえて適切に設定する必要があるわけでありまして、水産政策審議会の資源管理分科会というのが設けられておりますが、その意見を聴いて行っているところでございます。
 近年の状況を見ますと、この漁獲可能量と生物学的な許容漁獲量ABCとの幅につきましてはやや縮まってきていると、そういう傾向を見せておりますが、委員がお話しのように、今後とも漁業経営の状況にも配慮しながら、このTACの設定を適切に行っていく必要がある、このような認識でおります。
○主濱了君 ありがとうございました。
 いずれにしても、TAC設定の七魚種のうち四魚種がABCを超えて今TACが設定されているわけですよ。このまま行っちゃいますと、生物学的な限度を超えて捕ってしまう、そのとおりやれば捕ってしまう、こういうことになっちゃうわけですよ。
 それで、この二十年度のそのTAC、この見直しはあり得ますでしょうか。これは長官にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) 二十年のTACにつきましては、まあ一応、今委員がおっしゃいましたように決まっておりますけれども、これにつきましては、いろんな資源の状況なり、地域の状況なりも見ながら、必要があれば見直すことはあり得るところでございますが、基本的には今の形で決まっているという状況でございます。
○主濱了君 これは是非見直しをしなければならないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 今長官が答弁したとおりでございますが、やや私の先ほどの説明の中で誤解を招くことがあったかもしれません。それは、実は枠としてTACの設定をいたしておりますけれども、実際の捕獲量の統計を見ますと、そのTACでは枠は持っておりますけれども、実際の捕獲量はABCに近い、そういうような状態の捕獲量になっておりまして、枠いっぱい捕っているというケースはそんな魚種別見てもそれほど多くないという実情にありますということをお話を申し上げまして、この枠にもかかわらず、徐々に枠とのこの乖離が小さくなってきています。これはできるだけ小さいことの方が望ましいという意味でありますが、この上からの規制でこのTACを締めていけばいいというわけにもなかなか、漁業経営の実態からいって、そうまいらないことがあることは御理解いただきたいと思います。
○主濱了君 ただいま実績はTACを下回っていると、そしてABCに近いと、こういうふうなことであれば、なおさらTAC自体を直していただければいいわけです。何も実績に影響しないということであれば、枠としてのTACを直していただければ私はいいなというふうに思います。
 秋田県沖のハタハタ、これは大分枯渇した、資源として枯渇したことがあります。それを休漁したことによって復活をしていると、こういったような事例があるわけです。少なくともその資源量が低位で減少傾向の魚種については、ABCを上回ることのないようにTACを設定する必要があると、私はこのように思いまして、是非ともそのように監視といいますか、将来の魚、将来の我々の子孫のために是非とも魚を残す必要があると、こういうふうに思うところであります。
 私の質問は以上にいたしまして、満を持して待っている、弓を引いて待っている藤原委員に譲りたいと思います。
 以上で終わります。
○藤原良信君 主濱先生の御配慮に感謝申し上げながら、郡司委員長さん、そして平野筆頭理事さんを始め理事の皆様方の御配慮で質問する機会をいただきまして、感謝をいたしたいと思います。若林大臣、そして山田長官を始め、よろしくお願いしたいと思います。
 まず大臣に、今日は水産に絞って御質問させていただきますけれども、冒頭、大臣の見解をいただきたいと思います。
 私は、食料の安全保障ということを常に思っておりますけれども、国家の安全保障の大きな要点といたしましては、正面整備、いわゆる自衛隊、それからエネルギー、食料とこの三本柱であると思っております。
 その中での食料、その食料の中の水産というのが今回テーマとして取り上げさせていただきますけれども、特に日本の場合は特色が諸外国と違って大きな意味での二点あると思っております。一点は、物理的な要件でございますけれども、四方を海に囲まれておりまして、まさしく海洋国家でございます。それともう一点は食生活で、やはりこれは米を主食とする国家であると、その中で必ずおかずとして副食として魚介類が欠くべからざるものであると思っております。
 今まさに食料の国内自給率を問われている昨今でございますけれども、水産物のそういう意味での重要性ということが改めて認識を深める必要があるんだと思っております。したがいまして、今回は予算議会でございますけれども、予算が水産政策に重要に働いているのかどうかということもこれは問われていかなければならないと思っております。
 ちなみに、水産庁全体の予算が約二千五百億弱でございます。二千五百億弱。この間事故を起こしたイージス艦「あたご」が一隻一千四百億でございます。二隻で何と二千八百億を超えるわけでございます。私は、自衛隊も必要であるし、そのことをどうこう、そのイージス艦の金のことがどうこうということを言うわけじゃありませんが、比較としてこれを申し上げますけれども、オールジャパンで水産予算が二千五百億弱であると。
 今、食料の重要性、安全保障という観点というとらえ方で申し上げましたけれども、そういうことからいって、今日のこの予算体系、そして安全保障の位置付けの中の食料の中の水産、そういう観点から見て大臣はどのようなお考えを持っていらっしゃいますか、冒頭まずお尋ねをさせていただきます。
○国務大臣(若林正俊君) 水産物が国民の食生活において重要な位置付けにあるということについては委員と同じような認識を持っております。
 とりわけ、世界的に見れば、世界の人口はなおも増加していくということが見込まれております。一方、食料の供給の面でいえば、御承知のように、温暖化の影響を受けて食料供給力というのは将来に対して不安がある中、さらに燃料、エタノール生産の方に食料が振り向けられる、あるいは食料の耕作地が燃料生産の耕作、植物の生産に振り向けられるといったような供給面の不安定さを考えますれば、このことは食料の世界的に見た需給を見通した上でも大変大事な問題だと思っております。特に、陸上におきます農作物、特にたんぱく資源として見た場合の家畜の生産状況ということの見通しをもちましても魚食の意味というのは大きいという認識はいたしております。
 そういう中で、我が国は、日本型食生活と言われている食生活の中におきまして、組合せとすれば、伝統的な食文化として米と野菜と魚というのが典型的な好ましい組合せ方として推奨をしているわけでございますので、今の水産物の供給を図る、良質なたんぱくを国民に安定的に供給するという意味での水産業の振興を図っていくということは依然として重要な政策課題であると思っております。
 国の予算面におきます対応は、委員がお話しのとおりでございまして、二十年度の水産関係予算は公共、非公合わせまして二千四百二十三億円という状況でございます。そういう意味で、先ほどイージス艦の建造費と比較をされました。これは、多いと思うか少ないと思うかというのはそれぞれ総合的な角度から様々な意見があり得ると思いますが、私の方は、今の厳しい財政事情の中にありまして二千五百億円を水産予算として確保しているということは、全体の予算のバランスの上からいえば、これで、この枠組みの中でその責任を果たしていき得るものと、こう考えて予算を編成したところでございます。
○藤原良信君 これからは山田長官にちょっと御質問をさせていただきますけど、ちなみに今、例としてイージス艦の話を言いましたけれども、これから御質問の中の一つとして取り上げさせていただきますけど、新しい漁業経営安定対策、これ約五十二億円です。ちなみに農業の方になりますと、これは農林水産省の関係という形での例として取り上げさせていただきますけど、担い手法は関連を入れて三千五百億です。三千五百億。新しい漁業経営安定対策は全部で五十二億でございます。農と水とはこのくらい差が実はございます。
 そういうとらえ方をまず申し上げておきますけど、このことについて、よって、長官、私は、限られた、大臣がおっしゃるように、限られた二千五百億弱の水産全体の予算でハードが約六割、ソフトが四割なんですよ。これ有効に生かすことがまず大切であるということになります。有効に生かさなきゃならないわけですね、限られた予算で。僕は、本当はもっと予算が、そういう食料の安全保障からいって、水産の持つ意味合いからいって、もっと必要であると思いますけれども、まず、この限られた予算の中での、新しい漁業経営安定対策として今度予算として五十二億円を盛り込んだわけでございますけれども、これ有効に活用されるかどうかということについて、長官、御見解いただきたいんです。
 といいますのは、新しいということだから前に漁業安定対策があったんです。平成十四年から五か年で、五か年実施しまして、経営体が約十二万件ございます。その中で参加したのは、手挙げたのが二百三十四件しか手挙げていないんです、過去五年間に。要はそういうことなんです。
 そして、今度この経営安定対策を導入した場合、新しい経営安定対策、非常に懸念される材料ございますよ。それは何かというと、ハードルなんです、ハードル。申し上げますけど、五つ要件があるんです。付加生産額を一五%引き上げる、それから、漁業所得が他産業並みの所得を見込める水準にあること、それから、一定の補償水準で漁業共済に加入していること、四番目、六十五歳未満であること、資源管理や漁場環境改善に積極的に取り組むこと。これ、今までも十二万件の経営体の中で、全国でですよ、二百三十四件しか手挙げていないんですよ。
 ですから、私は各単協の漁協を歩いて漁業者、聞いて歩きましたけど、これ参加するのに非常に参加しにくいと、参加したいんだと。何しろ、全体の水産者はこれ沿岸と沖合と遠洋で成り立っていますけれども、九割が沿岸漁業なんですよ。ですから、これを有効に使われますと非常に沿岸漁業にとってはいいんです。限られた予算を有効に使わなきゃならないと思うんですが、過去の経緯とこれからの状況下をどうとらえていらっしゃってこの計画案を作られたものでしょうか、長官、よろしくどうぞ。
○政府参考人(山田修路君) まず、ただいま委員からお話がありました過去の話ということでございますが、お話があったのは漁業経営改善計画のことであろうかと思います。これ、平成十四年に漁業経営再建整備特別措置法を改正をいたしまして、この制度の下に創設された仕組みでございます。
 お話がありましたように、この計画の認定件数は、全国で見ますと、十八年度末の時点で二百三十四件ということになっております。この制度がこういう今お話がありました少ない数になっておりますのは、この制度の支援措置といたしまして、具体的にありますのが農林漁業金融公庫等による資金の貸付けなどでございまして、実際にこの計画の認定を受ける方は、ある程度大きな投資をするという方が認定を受けるというような現状にあったわけでございます。その結果、二百三十四件という件数になっているところでございます。
 今回の経営安定対策でございますけれども、これにつきましては、水産物の安定供給の担い手となるような漁業者につきまして、経営改善に積極的に取り組めるように環境を整備するということで、収入の変化による漁業経営への影響を緩和するということで仕組んだものでございます。
 こういった経営安定対策の趣旨、目的からいたしまして、加入の要件については主に五つの要件を決めているところでございます。これお話がありましたとおり、経営改善計画の作成ですとか、他産業並みの所得の確保、また漁業共済への一定の割合での加入、それから主として漁業から収入を得る、あるいは海上作業従事日数が最も多い者が六十五歳未満であることなど、主に五つの要件を決めているわけですけれども、この要件については、今言いましたように、制度の趣旨から必要なものであるというふうに考えております。
○藤原良信君 要は有効に、せっかく取った予算は、限られた予算ですから有効に使ってもらいたいと。これ水産の充実については、長官、私も一緒でございまして、水産庁も一緒なんだと思うんです。ただ、実態を把握をしていてこれは計画というのを作るべきだということの趣旨で申し上げているんです。
 六十五歳以上は駄目だ、六十五歳未満だというのは、これ非常にもう参加者は厳しいですよ。それから、これ共済に上乗せするという制度であることは承知しておりますけれども、この三つの共済ございますけど、漁業共済とかあるいは養殖共済とか、三つあるんですけど、これ五割ぐらいしか共済加盟していませんよ。ですから、漁業者五割はもうこれ対応されないという制度なんですよ。
 ですから、こういうこと等含めてさっき五つの要件申し上げましたけれども、今の燃油高騰のところで一五%付加生産額を五年間で上げろと、そうじゃなきゃ対応にならないよというのも、これ先ほど申し上げましたけど、こういう要件を五つあるんですよ。
 ですから、最初から入口で参加したくても参加できないと。自由民主党さんに大変申し訳ないけれども、いわゆる担い手法も作っても、結局後から入口を広げていったじゃありませんか。これもそうせざるを得ないと思いますよ。過去がなぜ十二万件の経営体で二百三十四件しか参加しなかったのかと、検証すべしなんですよ。
 このことを申し上げておきます。ここで論議しても始まりませんから、私はこのことを是非、これは水産庁、よく説明されているのは聞きますけれども、現場をこれは実態を把握をしてから計画を作るべきだと思います。
 次、行きます、時間の関係。
 燃油高騰、これも同じなんです。燃油高騰対策、これ百二億、これ予算計上、これは補正予算ですけれども予算計上されて、この中身も実態分かっていますから、その中身についての御説明は要りませんので、これは大日本水産会に交付金で行って、そして対応するというやり方なんですが、これも、要は、せっかく燃油対策で取ったものが有効に使われるかどうかということを、長官、是非賢察をいただきたい。
 私は、問題点申し上げます。この中身が三つあるんですけれども、一、二、三、いわゆる漁業経営体質強化対策、漁業の経営体質の強化対策、二、小規模漁業構造改革促進対策、二十一億円、これは四十億円、で、省エネ推進協業体活動支援対策四十億円、まあ百二億に拡充されておりますけれども、それぞれ問題点申し上げます。
 漁業経営体質強化対策では、経営体質の強化対策では、これは二分の一を助成する内容になっておりますけれども、これは経営圧迫の要因になりませんか。まず、これ一点。
 それから、小規模漁業構造改革促進対策では、この問題点申し上げますよ。一〇%以上の省エネが未達成の場合は助成金全額の返還が必要になってくるんですよ。一〇%以上の省エネが未達成の場合ですよ。これはリスクが高いと言わざるを得ないんですよ。それから、助成額を超えるもうけが出た場合、超過分の十分の九の返還が必要なんですよ。損失発生の場合は、損失部分の十分の一のみの返還が必要になってきます。だから、これは操業意欲なくしていくんですよ。
 それから、省エネ推進協業体活動支援対策、この問題点申し上げます。所得補償を伴わない輪番体制休漁は現実的なものなのかどうか。これは是非お答えいただきたいんです。
 この問題点をそれぞれ羅列すれば出てくるんですけれども、先ほど来申し上げておきましたけれども、限られた予算を有効に、少ない予算ですから、私は二千五百以上もっと水産庁必要だと思いますよ。その中でも、限られた予算を、あとでちょっと若干また例を申し上げますけれどもこれと比較する案件のやつ、これだけの予算を有効に活用できるかどうか。これ借りられると思いますか。借りられるというか、これは対応されると思いますか。非常に僕は漁業者は難しいという観点持っていますよ。
 どうぞ、まずはお尋ねします。
○政府参考人(山田修路君) 平成十九年度の補正予算で措置をしましたこの燃油対策の基金でございますけれども、今までにない取組をお願いをしているところでございます。
 委員がおっしゃいますように、なかなかその漁業者の方が取り組めないという御意見もお聞きをいたします。
 というのは、やはり漁業者の方々は、今までは自分たちが操業して、より早く漁場に行って、よりたくさん捕って、より早く戻ってくるということで、ほかの人たちと競争している状況で操業していたわけです。それに対して、それではエネルギーをたくさん使うとかいうようなこともあるし、資源に悪い影響を与えるということもあって、そういうことではなくて、みんなでルールを作って、資源に圧力を掛けるのも少なくしながら、あるいは自分たちの燃油のコストも少なくしながら操業していこうということで、今までとはかなりその体制を変えていただきながら、より収入が上がる、漁獲高は少ないかもしれませんけれども、収入としてはたくさん入るというような形で操業形態を変えていただきたいということでございます。
 そういう意味で、委員から御指摘のように、なかなか浜で難しいというお声はお聞きしますけれども、やはり今までのやり方を変えていくということで是非取り組んでいただきたいと思っておりますし、今、水産庁といたしましても、全国の説明会あるいはブロックごとの説明会を開いて普及に努めております。
 それから、幾つか制度的にいろいろあるんじゃないかというようなお話がありました。少し答えをしていただきたいというお話がありました部分についてお答えをいたしますけれども、一つは、輪番制休漁制について、所得補償が伴わないのにそんなことができるのかというようなお話がございましたけれども、これは今の漁業経営が、やはり今言いましたように、みんな競争で一斉に出て操業をしているということで非常に皆さん苦しくなっているということがございますので、それについて皆さんで御相談をいただいて順番に操業していくということにすれば、水産物の価格の維持安定にもつながりますし、それからエネルギー、省資源にも省エネにもつながるということで、こういった仕組みを取ったわけでございます。
 輪番で休んでいる人たちはどうするのかということなんですが、それについては、休漁者は藻場、干潟などの整備など、前浜の整備ですとか浜の清掃ですとか、そういったことに取り組むということについて手当を出すと。なかなか、その休漁補償ということはなかなか難しいわけですけれども、実際に公共的な仕事に携わっていただくということでその分の経費をお出しするということで、そういった輪番制の取組をやっていただくことによって新しい経営体制に変わっていっていただきたいというようなことでございます。
○藤原良信君 長官、漁業と農業の大きな違い、何だとお思いになるでしょうか。
 これは、漁業はグループ制はなじまないんですよ。そこから、この問題点の入口で、僕は大変恐縮な言い方しますけれども、欠陥があると思います。農業はグループ制はできるんです。漁業というのは、これ非常に難しいんです。これは、同じ漁村でもそれぞれもう千以上ありますから、許可、免許が。ある人はかご漁をやり、ある人はいそ建て漁をやり、ある人は養殖をやり、漁船漁業があり、漁船漁業でも様々なんです。ですから、グループでというのは非常になじみにくい性質のいわゆる種類なんですよ。
 それと、これは競争するなというのは通用しないです。休んでなさい、藻場での掃除でもしていたら二分の一出すからという内容なんです。それはやりませんよ。これは省エネで、急いで漁場へ行くなという趣旨に理解していますけれども、それは、そんなことよりも燃油が掛かったって人よりも先にアワビを捕り、あるいは漁場へ行って早く捕りたいという、そういうものだと思いますよ。
 ですから、元々この発想はこれは成り立たないと僕は思うんだなあ。その点はやっぱり僕は見直していく必要があると思いますが、この点だけ見直す必要があると思うんですが、この点についてもう一度賢察、いわゆる精査してみるということを考えませんかね。
○政府参考人(山田修路君) ただいま委員から御質問がありましたように、漁業の実態は委員がおっしゃったとおりでございます。皆さん競争してより早く漁場に行ってたくさん捕って、たくさんエネルギー、ガソリン使ってもどんどん捕ってくるぞというのが実態なんですけれども、そういうことでは、なかなか省エネなり、もうかる漁業にはつながらないという現状があるわけでございます。
 それで、おっしゃるように、なかなか地域で取り組みにくいというお話も聞きますけれども、一方で既に先進的にグループをつくって、例えば共同探索船を出すとか、あるいは共同で省エネ、例えばイカ釣りの光をみんなで落とそうということでやっている例もあるんで、できないということではなくて、やっぱりそういう取組をしていって省エネ型の体制に変えていくということが今必要なんではないかと私ども考えておりますので、是非この対策を更に推進をしていきたいというふうに思っております。
○藤原良信君 いや、これだけで議論するわけにはいかないんで、いわゆる懸念材料はお互いに協力し合って払拭していく努力をしようじゃありませんか。これはやっぱり、いずれ、参加者は少ないと思いますよ。有効に活用されるということをこれやっていかなきゃなりませんから、まずここではそのことを申し上げておきます。
 次に行きます。
 それでは、加工・流通・消費対策についてちょっと質問をさしていただきます。
 これは、水産物流通機能高度化対策事業で今回、内数ですけれども九百八十八億円盛り込まれている予算でございます。その中で、それから流通構造改革拠点漁港整備事業一千八十二億円、これ内数で、これも予算計上されてございます。
 そこでですけれども、拠点漁港整備事業の実施地域は、予定を含めて、高知県、青森県の八戸漁港、それから岩手県の、私のところの出身地でございますけれども大船渡港が、そのほかも何港かあるようでございますけれども、これが現状がどうなっておりますか。
 そしてまた、これらが、これはある意味での産地と消費地の価格差を縮減することと、いわゆる消費者に対して優良な水産物を供給するということが目的になってくるわけだろうと思いますけれども、これが円滑に進むためには、事業負担を含めた合意形成が産地の関係者とこれは必要になってくると思いますけれども、水産庁がどんな役割を果たそうとしていこうとしておりますか、この点についてお尋ねまず申し上げます。
○政府参考人(山田修路君) 水産物流通機能高度化対策事業の実施状況でございますが、今委員からお話がありましたように、既に計画を承認をしております地区が八戸、大船渡など三地区でございます。これはもう既に事業の実施に取りかかっております。三月中に計画承認をする予定の地区がそのほかに三か所あるということで、合計六か所で今後進んでいくというめどが立っております。
 委員からお話がありましたように、この流通拠点の漁港における水産物の流通の改善あるいは衛生管理の対策というのは極めて重要でございます。これは、漁港漁場整備長期計画の重点課題の一つとして位置付けておりまして、水産庁としてもこれに積極的に合意形成などの取組をしていくつもりでございます。
 十九年度におきましては、全国十四地区で都道府県あるいは市町村の担当者の説明会を開くなど合意形成に努力をしておりますし、また、今後ともこういった説明会やホームページ等におけるPRを通じて更に推進を推し進めていきたいと考えております。
○藤原良信君 それに関連をしていきますけれども、水産物の消費拡大についてちょっと見解を、関係者で結構でございますからお示しをいただきたいと思うんですけれども、私は、日本国民がほんの少しでもいいから水産物を消費を増やしますと大変な違いが出てくるわけでございまして、消費拡大ということは非常に大きなテーマであると思っております。ですから、水産振興のいわゆる主たる主管庁であります水産庁はこれについて強力に取り組むべきであると思っておりますけれども、現在も取り組んでいるんだろうと思いますが。
 まず、具体的な提言も申し上げたいと思うんですけれども、米は学校給食に三日ということを採用されることとなっておりますけれども、これ、魚も三日ぐらい学校給食に対応してもらうような、そういうことが大事じゃないかと思うんですけれども、今の取組はいかがでございましょうか。
 これは特に、私ら、よく言われておったわけですけれども、魚を食べると頭が良くなると。成人病予防や脳の働きに大きな効果を現しますDHA、ドコサヘキサエン酸が豊富に含まれているからであるとよく聞いておるんですけれども、こういうことからいっても、大いに学校給食に、子供たち頭良くなれということで大いにこれ推奨すべきだと思いますが、現状も含めていかがでございますか。どなたでも結構でございます。
○政府参考人(山田修路君) 委員がお話がありましたように、今、子供たちに対して魚を供給していくというのは非常に重要なことと考えておりますけれども、逆に言いますと、現実の状況を見ますと、若者層を中心に特に魚離れが進んでおりまして、特に子供たちがやはり骨があったりして魚が嫌いだということがかなり多くて、実際にお母さん方が子供に対して魚を提供しないと、それはまさに子供が魚が嫌いだということをおっしゃって提供されないという現実がございます。これがまた魚離れにつながっております。一方で、すしとかそういうものは非常にまた人気があるわけでございます。
 それで、おっしゃるように、この消費拡大、極めて重要でございまして、特に学童に対するそういう食、魚を食べていただくというようなことについて理解をしていただくために、学童を対象とした出前教室、こういったものや体験学習、料理教室の開催なども行っておりまして、特に若い人を中心に魚食の拡大に現在努めているところでございます。
○藤原良信君 いずれ我が国の水産業再生のキーとなるのは、私は消費拡大であるということを改めてこれを強くやっていくべきであるということを申し上げておきます。
 その中で、これ法律ができておったわけでございますけれども、食育推進法でございます。これ、報道されたやつ見て私驚いたんですけれども、これは農水省さんから聞いたわけではございません。これ、策定の自治体が、達成が五・四%なんですよ、五・四%。だけど、これ先ほど来予算のことを申し上げておきましたけど、水産庁が全体で二千五百億弱、全部でですよ。この食育推進計画、この金は、これどのくらいの予算持っているかというと、十八年度が六十六億円ですよ、六十六億円。十九年度は九十億円です。二十年度の今度の予算、九十九億円です、予算。それで、これ達成が策定自治体の五%です。これ、有効に使われている予算というふうにとらえ方をされるんでしょうか。お尋ねいたします。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明を申し上げます。
 現在、食育推進基本計画に基づきまして、都道府県、市町村の各段階で食育推進計画の策定が進められているところでございます。
 市町村の食育推進計画につきましては、内閣府によりますと、平成十九年十二月末の時点で約五割の市町村で作成済み、あるいは作成中、あるいは策定予定があるというふうに答えていると聞いているところでございます。
 農林水産省におきましては、これまで農林漁業者やあるいは食品関連の事業者等の参加も得ながら地域における食育を進めているところでございます。
 十九年度においていいますと、都市部の親子を対象に、田植とか稲刈りといった触れ合い体験教室を約四千五百人の参加を得て実施するとか、あるいは、米とか野菜とか果物、それにお魚といったテーマにいたしまして、出前授業を合計約千四百回、幼稚園、小中学校等で実施をしていると。あるいは、食事バランスガイドを活用した日本型食生活を普及、啓発いたしますモデル事業を外食店舗約五百店舗、中食店舗六十店舗、小売店舗約八百店舗で実施しているところでございます。また、米、野菜、魚介類等、健全な食生活に関するシンポジウムを約四十回開催するなどの取組を行ったところでございます。
 今後とも、関係府省と連携いたしまして、地域における食育の推進に更に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○藤原良信君 時間が十一時一分までということなんで、たくさんあったんですけれども、後でこれは申し上げますけど、前もっても申し上げておきますけど、漁船漁業の構造改革あるいは水産資源の回復でも今回予算計上しておりまして、養殖事業あるいは地球温暖化に対する影響、これらの対応策についてもございますが、後ほどこれはやらせていただきます。
 それで、せっかくタイムリーなんで、水産加工の施設の改良融資臨時措置法の一部改正について、これは長官、ちょっとお尋ねをさせていただきます。
 通告をしていなくて恐縮でございますけれども、先ほど始まる前に口頭で申し上げましたけど、意義です、これは意義、これについてまずお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) 本法律改正の意義でございますけれども、水産加工業者、多くの方が零細事業者でございまして、やはりなかなか一般の金融機関から融資が受けられないということもございます。
 こういった中で、水産加工業を取り巻く現状は非常に厳しいものがございますので、これに対して長期低利の融資制度を設けてきたわけでございます。これにつきましては、この法律の五年間の延長をするとともに、今大変問題になっております加工残渣を利用して非食用の水産加工品を作っていくということにも対応するということでこの法律の改正を提案させていただいているところでございます。
○藤原良信君 私は十一時一分までというこれがございましたので、一分前、十秒でございますからやめます。ありがとうございました。
○牧野たかお君 それでは、水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法案について、質問をさせていただきます。
 今、藤原委員が山田長官にお聞きになったものですから、私は大臣に最初伺おうと思いますけれども、事前にいただいた資料等を見させていただいたところ、これまでの融資実績というのが平成五年次が百六十五億円ぐらいで、これがピークということで年々減少をしておりまして、平成十八年度では四十五億円程度まで落ち込んでおります。まあ、ちょっといじわるなことを申し上げますと、ほかの融資制度を使えばわざわざこの四十五億円程度のこういう資金の貸出しというのが本当に必要かどうかという意見も多分出てくると思いますけれども、まあ私は必要だと思っておりますが、なぜ法律に基づいて水産加工業を特定して融資するのか、その必要性と意義を大臣に伺います。
○国務大臣(若林正俊君) 委員御承知のとおり、漁獲されます魚類の中で、加工に回すというのがもう半分以上なんですね。生で食べる加工の需要というのが非常に大きな割合を占めております。ですから、いろんな形の加工が行われるわけですが、加工業がしっかりするということが特に沿岸漁業の振興のためには非常に大事だという認識をまず加工業について持っております。
 そこで、この加工業を見てみますと、浜々で揚がったものを加工するというのが基本的な形になっているためでしょう、その多くが零細な事業者でございます。したがって、多額の資金を一般の金融機関から調達することは困難だという場合が少なくありません。ちなみに、水産加工所で見ますと、従業員が十九人以下、つまり二十人未満が七四%を占めているというそういう実態にございます。
 そういう中にありまして、原材料の供給事情が悪くなってくる、製品の販売環境も好ましくないといったようなことで、水産加工業全体の設備投資意欲が減退してきているというのが背景にあると思います。先ほども申し上げましたように、特に沿岸の漁業の振興のためには大事な加工業でありますだけに、このことは重大な問題だと思っております。しかし、現実は、そういう加工業の投資意欲が落ちてきているというようなことを受けまして、加工資金の融資実績が以前に比べて低水準となっているわけでございます。
 この加工業を取り巻く状況というのは、国際的な水産資源管理が更に強化されると、また、我が国の周辺水域の資源状況が悪化していくということに加えまして、実は、中国を始めとして世界的に水産物の需要が増大していますから、水産物の生の輸出というものも進んでいくわけですね。ますます加工業としては原材料の確保というのが難しい状況が生まれてくると、こういう状況にございますので、いろいろなところから資金供給がなされておりますけれども、この農林漁業金融公庫の資金というのは、まず、十年以上十五年未満という一般には供給されないような長期の資金であるということと、金利も非常に低利の金利を提供しているというようなことでありますから、零細加工業者にとっては非常に頼りになる資金だというふうに認識いたしておりまして、そういう厳しい状況に置かれている水産加工業者が投資によりまして体質改善を図る各種の近代化投資などについては、これを進めていく意味で大変大きな意味を持っていると、こう理解をいたしております。
○牧野たかお君 ありがとうございました。
 条文等を読ませていただいて、こういう融資制度の法律というのは一番分かりやすくなきゃいけないと思うんですが、そもそも対象とする水産加工業というのが、私なんかもちょっといろんな資料を見させていただきましたけれども、何かあいまいなような気がいたしましたけれども、ここで対象としている水産加工業というその定義はどういう定義としてお考えでしょうか。
○政府参考人(山田修路君) 水産加工業の定義についてお尋ねでございます。
 委員から御指摘がありましたように、この法律では水産加工業ということについて定義を設けておりません。考え方としましては、水産動植物を原材料として加工した製品を製造する事業を広く含んで水産加工業と言っております。水産加工業という定義がある法律も実はありまして、水産業協同組合法などでは具体的に、食料、飼料、肥料、のりなど、それから油あるいはというような形で特定のものを具体的に書いてありますけれども、この法律は書いてございません。そういう意味で、水産動植物を原材料として加工したものをすべて広くとらえているということでございます。
○牧野たかお君 分かりました。要するに、水産資源であれば、それを加工することであればどれでもいいということであろうと思います。
 今回、食品ではない加工業でも、非食品加工業も対象とすることになりましたけれども、それも非常に時代に合っていいなと思っておりますが。これも、要は生でなければ、手を加えれば要は何でもいいのかなと思っておりますけれども、今のお話にあったみたいに、非食品の中でいえば肥料も飼料もあるでしょうし、またさっきお話がありましたように、産廃の処理の中で何らかの形でリサイクルすればそれも対象になるんだというふうに思っておりますが、そういうことでよろしいでしょうか。
○政府参考人(山田修路君) 今委員からお話がありましたことでおおむねいいと思います。
 つまり、いわゆる丸のまま、手を加えずに丸のまま出荷されるものは加工品ではありませんけれども、それ以外のものは水産加工品でございますので、通常念頭にあるようなすり身ですとか缶詰ですとかいうもののほかに、例えば切り身ですとか、あるいは委員からお話がありましたほかの非食用のものについても水産加工業の対象ということでございます。
○牧野たかお君 それでは、今度は融資機関の方の話を質問させていただきますけれども、農林漁業金融公庫が中小企業金融公庫とか国民生活金融公庫とかと一緒になって今度は株式会社日本政策金融公庫に移行していくわけでございますけれども、この日本政策金融公庫というのは、今年の十月にそうなるわけですけれども、規模だとか業務内容というのは、簡単で結構ですけれども、どうなっているのか、行革推進本部に伺いたいと思います。
○政府参考人(青木一郎君) お答え申し上げます。
 日本政策金融公庫の業務でございますが、現行のそれぞれの政策金融機関が行っております業務、すなわち農林水産業関連、中小企業関連、国際金融関連等の貸付業務を引き続き行うということになっております。
 統合に伴いまして店舗の統合や人員の削減を行いまして、統合メリットを生かしながら、既存の業務を見直しつつコストの削減を図るほか、民間でできることは民間にゆだねるとの観点から、中小公庫の一般貸付の廃止等の業務の見直しを行っておるところでございます。
 日本政策金融公庫の規模でございますが、統合の対象となります現行の政策金融機関のデータでお示しをいたしますと、貸出残高で約二十六兆円、これは十八年度末の実績でございます。それから、職員数で約八千二百名、これは十九年度の予算ベースでございます。というようなことになっております。
○牧野たかお君 この日本政策金融公庫というのは株式会社になるわけですけれども、株式会社という、これはもう全額政府が株を保有する株式会社でしょうけれども、株式会社にする理由というのは何でしょうか。
○政府参考人(青木一郎君) 日本政策金融公庫の法人形態が株式会社である理由でございますが、法人形態を株式会社といたしましたのは、会社法に従った運営を行うことにより民間企業会計の適用、さらに、企業的組織運営の導入による効率的な運営を図るためでございます。
 また、日本政策金融公庫は引き続き政策金融を実施する機関でございまして、業務を的確に実施していくこととなるわけでございます。このため、国は株式の総数を常時保有すること、国が引き続き資金調達について支援をすること、予算について国会の議決を受けること等の規定が設けられております。
 これらによりまして、日本政策金融公庫は、強固なガバナンスを発揮しながら、透明性の高い効率的な事業運営と政策上必要な業務の的確な実施を図ることができるものと考えております。
○牧野たかお君 二十六兆円もの融資残高があるという、本当に巨大な公的なそういう組織ができ上がるわけですけれども、農林金融公庫というのは、要するに、農業、林業、漁業、そういう一次産業に対する専門の知識を持った職員がそういうところに融資を行うわけですけれども、そういう専門的というか、一次産業を守る、また振興させるための組織だったものが、そういう大きな組織の中に組み込まれて本当に今までと同様の機能が果たせるかどうかというのは若干心配するところもあるんじゃないかと思いますけれども、その機能が本当に維持できるかどうか、大臣、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、お聞きします。
○国務大臣(若林正俊君) もう委員も十分御承知でございますが、農林漁業というのは、他の産業に比べまして大変自然条件の影響を受けやすいとか、あるいは生産サイクルが長い、つまり仕込みから製品ができるまでの期間が長いといった様々な特性を持っておりますから、こういう農林漁業には長期低利な設備資金が必要であるにもかかわらず、この資金ニーズに民間金融機関では十分対応できない、そういう特性があるというふうに考えております。
 そういう意味から、今の農林漁業金融公庫の資金というのは、我々は日本の食を支える担い手たる農業者の育成でありますとか、水産資源の回復・管理を推進をし、そして水産資源を有効に活用する漁業生産というものを維持発展させていくというような、国民生活と密接にかかわる食の改善、安定につながっていくという政策目的を実現するために、民間金融機関では対応できない、長期で、そして低い固定金利の設備資金の融通を行っているわけでございます。
 そういう意味で、新しく株式会社形態になります公庫におきましても、こういう農林漁業金融の特性というものが制度金融として、政策金融として維持されますように、その業務の運営、執行、そして管理、指導という面でそういう体制を整えるということを考えているわけでございまして、そういうような執行体制をしっかりと確保することによりまして、従来農林漁業金融公庫が対応していた特質のある農林漁業金融が維持されていく、そういうふうに考えており、またそのようにしなければならないと、このように思うのでございます。
 ただ、この改革に当たりまして、新しい政策金融公庫においては、一方で、行政改革推進法に基づきまして、大企業向けの融資というのはもう民間金融に任せたらいいじゃないかという、これは農林漁業に限らず全般的にあるわけでございますが、そういう意味で、食品産業につきましても、大企業の融資も従来あったわけでございます。そのことについては、この趣旨によりまして、これらは民間金融で対応可能であると、また対応できるようにしていくべきであるという考えで、大企業向けの食品産業融資は廃止して、官から民へという政策金融の改革の方向に沿った対応をしながら、繰り返しでございますが、農林水産分野について金利や償還期限などの貸付条件についてその特性に応じた今までと同様の措置を講ずることによって資金ニーズに対応できるようにすると、こういうことでございます。
○牧野たかお君 それでは、今までどおり農林漁業金融公庫の機能は維持するというふうに今受け止めました。
 今までは改正するところの部分の質問をさせていただきまして、あとは改正しない部分のところを伺うんですが、この法律で行きますと、要は対象となる地域が元々施行令で、昭和五十二年のその法律ができたときに、「農林水産大臣が指定するもの」というふうになっておりますが、その中で、表現とすると、沿海都道府県というふうになっておりまして、沖縄県も除かれているんですけれども、沖縄県は沖縄県を対象とした金融公庫があるから多分そっちでということじゃないかと思いますけれども、何でそういうことを聞くかというと、もう今は別に沿海部だけで水産加工をしているわけじゃなくて、要は海に面していない県だって水産加工をしているところもあるでしょうし、またもっと言えば、山梨県、米長さんがそうですけれども、の名物はアワビの煮貝ですから、そういう特産品もありますし、ですので、この沿海都道府県たるのもちょっと何か時代に合っていないなというふうに思います。
 ひとつ対象地域について、これはどうなっているのか、そしてまたどういうふうにこれから変えていくのかというお考えを伺います。
○政府参考人(山田修路君) 対象地域についてでございます。委員からお話がありましたように、この部分については法律改正は予定をしておりません。ただ、実際の運用についてはこれから、来年度から委員が御指摘があったような形で変えていきたいというふうに考えているところでございます。
 具体的に申し上げますと、これまでは、委員がお話がありましたように、沿海都道府県に限定をしていると。これはまさに水産加工業の立地が主にそういうところが中心であったからということなんですけれども、委員からの御示唆がありましたように、近年、輸送機関が発達をしてきておりますし、内陸部に立地をする加工業者さんももちろん出てきているわけでございます。また、非食用のものを作っていくというようなこともありますと、これからはやはり沿海部に限定する理由は余りないのではないかと。むしろ、内陸も含めて、沖縄県については委員から御指摘がありましたように別の公庫がありますけれども、沖縄県以外のすべての都道府県を対象とするということでこれから検討をして、そういう仕組みにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○牧野たかお君 その方が私もいいなと思いますけど、実はもう一個、魚種も定められているんですが、ちょっと読みますと、アキサケ、アジ、イカナゴ、イワシ、カツオ、カレイ、サバ、サンマ、スケソウダラ、タイ、ブリ、ホッケ、マグロ、イカ、カキ、ホタテガイと海藻というふうに書いてあるんですけれども、私もこれ見たときに、こういうふうに十七種とプラス海藻になっていますけれども、結構ほかにも加工品、加工する海産物というのはいっぱいあるよなと思って浮かぶものをちょっとメモしたんですが、タコとかアマダイとかサザエとかアワビとか抜けていますし、私のところは駿河湾がございまして、サクラエビというのはもう静岡県の代表する水産物の加工品で、入っていないものだから、何で入っていないのかなというふうに思ったんですけれども、これも何というんでしょう、何か多分もう漁獲量とかそういうので昔、昭和五十二年当時決めたのかもしれないんですが、もうこれもある意味では魚種ももうそういうふうに絞らなくてもいいんじゃないかという気がしますし、それと、何といっても私のところはもう有名なサクラエビが入っていないのを非常にむっとしたんですけれども、とにかくそういうことをもう一回ちょっとこれも、魚種を考えられた方がいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(山田修路君) 対象魚種でございますが、これについては制度発足から逐次見直しをしております。
 委員からお話がありましたように、当初は加工用の原材料として十万トンという基準で引いておりましたけれども、前回の改正のときに漁獲量五万トン以上ということで線を引き直しまして、今の十八種類になっているわけでございます。具体的には、年間の漁獲量が五万トン以上かつ加工原料として利用度合いが高いという基準でやっておりますけれども、これにつきましては今回の制度改正に合わせましてやはり見直しをしていきたいというふうに考えております。特に、対象魚種を増やしていった方がいいんじゃないかということで、更に今の基準に追加した新しい基準を考えております。
 その今の考え方といたしましては、今申しました五万トンという基準がございますけれども、これにつきましては一万トン以上ということと、それから資源回復計画というのがございますが、その資源回復計画に取り組んでいて、かつ資源が回復してきている魚種というようなことで考えております。これによりまして、今回の見直しに合わせましてカニとハタハタがこれに該当するということで追加を予定をしておりますけれども、甘エビにつきましては残念ながら漁獲量もまだ少なくてこの基準に達しないということで……
○牧野たかお君 サクラエビ。
○政府参考人(山田修路君) 済みません、サクラエビにつきましては達しておらないということで、またこういった要件を達するようになりましたら追加ということも検討していきたいと思っております。
○牧野たかお君 時間がもうなくなりましたので、もう一個だけ今の魚種で追加をしますけど、これはもう海の魚種ばっかりで、水産加工の対象になるのは海の魚種だけなんですが、私は内水面という、要するに川の魚だって別に入れてもいいんじゃないかなと思うんですが、各地でやっぱり農村の地場産品でアユとかヤマメとかアマゴとかイワナの甘露煮とかいろいろ加工したものは結構どこでも作っていると思うんですよね。だから、必ずしも海のばっかりじゃなくて川の魚も考えていってもいいんじゃないかと思いますが。
○政府参考人(山田修路君) この基準の考え方は、内水面の魚を排除しているわけではないわけでございまして、今言いました今回の基準を新たに追加をして、種類を追加しましたが、そのときも内水面でも対象になるものはないかということで検討はしたんですが、残念ながらやはり今回は要件を満たすものがなかったということで追加が行われない予定でございます。
○牧野たかお君 時間がなくなりましたので、これからの、もう一度ちょっとそれはほかの場面でまた再検討をお願いすることにいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 自民党さんと民主党さんの委員の皆様の質疑を聞いていると、まだまだこの法案の不十分なところがあるのかなと率直に思ってしまったわけでありますが。
 私の方から、まず全体的な話から質問させていただきたいんですが、この水産業における水産加工業の位置付けということでまず大臣に伺いますが、もちろん水産加工業というのは重要なわけなんですが、魚介類の国内消費仕向け量が平成十八年には九百八十二万トン、そのうち四百四十一万トンと約四五%が食用水産加工業に向けられておりまして、水産物の最大の仕向け先となっております。消費の面からいいましても、この水産物を加工品の形で摂取することがいかに多いかということで、生産と消費の橋渡し役をしっかり担っているんだろうなというふうに思います。
 具体的に水産加工品、かまぼこですとか干物、つくだ煮、それからツナ缶とかかつおぶしとか塩辛とかもういろいろございます。水産加工業につきましては、漁業地域におきます基幹産業として地域経済の中心を成している例が多々ございます。実際に私も、中国地方を回っていると、やはりこの水産加工業が町の活性化のためには、ここが元気にならなければ元気にならないんだというようなお声をたくさんちょうだいしているわけでございます。
 そこで、まずこの水産加工業、水産業のみならず日本の社会全体にとって必要不可欠なものであり、その振興というのは大変重要なものであると認識しておりますが、大臣のこの水産加工業、水産業における位置付けと今後の施策の展開方向についてお考えをお聞かせ願います。
○国務大臣(若林正俊君) 委員が今御指摘になり、御説明をいただいたことと私は全くその認識を共有しているものでございます。
 お話しございましたように、水産加工業は国内漁獲物の最大の仕向け先なんですね、約半分を占めていると。ですから、漁業生産と車の両輪という形で漁業、水産を担っているものということでありますから、両者が共に発展していくということが大変重要であるというふうに考えております。
 しかしながら、近年、世界的な水産物需要が増大をしておりまして、原材料の供給事情は非常に苦しくなって、国内加工業者にとっては非常に苦しい状態になってきつつあります。これらの情勢変化に的確に対応して水産加工業の振興を図っていくということは大変重要であると考えております。
 子供たちの魚食離れという中にも、それは親の問題もあるんでしょうけれども、骨を取ってやらないと子供が食べにくい、食べたがらないなどということも聞きますし、丸ごとあるいは骨ごと食べるなどというようなそういうこともだんだんとなくなってきますから、その意味では、浜でできるだけ食べやすいような形の加工を加えて、水産物の需要を拡大していくというようなことも大事なことになってきているというふうに思いますし、また付加価値を高めて売るということはこれまた大事だと思うんですね。それだけ加工地域が生産基地と近接しているところが多いわけですから、地域の活性化にもつながっていくというふうに思います。
 農林水産省としては、昨年三月に水産基本計画を策定をいたしました。その中にありますように、水産加工業の経営基盤の強化、安全対策を進める、消費の拡大といったようなことを総合的に政策を展開することにいたしまして、今回のこの法律改正による長期かつ低利の融資措置に加えまして、強い水産業づくり交付金による水産物の加工処理施設の整備などに対する支援でありますとか、あるいはHACCP方式の導入などによりまして、衛生・品質管理体制の整備に対する支援でありますとか、消費者ニーズに基づく新たな需要の創出といったような施策を総合的に展開をすることによりまして水産加工業の振興を図ってまいりたいと、このように考えております。
○谷合正明君 ありがとうございます。
 今、大臣の答弁の中で世界の水産物の需給の動向の話にも触れていただきました。まさにその世界の水産物の需給動向が我が国水産業へどのように今後影響を及ぼしていくのかという点について質問させていただきたいと思います。
 水産物の自給率は、ほかの品目に比べて高いとはいえ、平成十八年で五九%となっておりまして、約四割が外国産に頼らざるを得ない形になっております。まさにこの世界的な水産物の需給動向が我が国の水産物の供給体制に大きな影響を及ぼすと言われるわけであります。
 近年、欧米、中国で世界的に水産物需要が増大しております。国連の食糧農業機関の予測によりますと、一人一年当たりの食用魚介類消費量が、一九九九年から二〇〇一年の十六・一キログラムから二〇一五年には十九・一キログラムに増加するものと見込まれていると。我が国の恐らく魚介類消費量というのは伸びは予測されてはいないのかもしれませんが、世界的に見ると中国とかで大きな増加が見込まれているわけでありますね。さらに、海洋水産資源の半分がいっぱいいっぱいまで利用されているという中で、漁獲量が飛躍的に伸びる見込みもない状況となっていると。
 こうした中で水産資源の争奪戦となっておりまして、この争奪戦において日本が買い負けてしまう状況になっていると言われております。今年の年明けのニュースで話題になったのが築地の初競りの大間のマグロですかね、マグロが香港のすし業者さんに買われてしまったという。マグロはまあ高級魚ではありますけれども、こういうような形でどんどん世界、グローバル経済の中で我が国の水産の食料事情が大きく影響されているわけでございます。
 そこで、世界の水産物の需給動向と、それが我が国産業に与える影響についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) ただいま委員からお話がありましたように、まず魚介類の世界の消費の動向でございますが、中国のお話がありましたけれども、中国のみならず欧米諸国でもやはり増えている状況でございます。この三十年間で見て、アメリカでは魚の消費量一人当たりで一・五倍、またEU十五か国で見ても一・三倍ということで、極めて一人当たりの消費も増えております。これは、健康志向ということもございますし、それからBSEや鳥インフルエンザ等の影響もあって水産物に需要がシフトしているというようなこともあろうかと思います。また、人口も非常に増えていきますので、世界の水産物需要は非常に高くなっていくというふうに見込まれております。
 一方、これも委員からお話がありました、資源の状況は極めて世界的に見るとやはり悪い状況になっておりまして、資源が悪い中で需要が多くなるということで需給状況は将来的には逼迫し、あるいは価格の上昇も見られていくであろうと思われます。
 また、買い負け現象のお話もありました。こういう状況の中で、やはり我が国としては我が国の利用可能な資源をできるだけ利用していくと。そのためには沿岸域での管理、また国際的な管理をしっかり行って永続的に再生産が可能なような形で水産資源を活用していくということ、また、足腰の強い水産業をつくっていくということが重要であると考えております。
 水産基本計画では自給率目標六五%ということで設定をしております。こういったことは、今言いましたような総合的な対策をやることによって達成をしていきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 水産物の需要の増大は、先ほども申し上げましたとおり水産加工業にも大きな影響を及ぼすことが当然懸念されるわけでございます。
 必ず水産加工業の場合、加工業である以上原料調達をしなければならないわけでありますが、先ほど言った我が国の水産自給率からすると、水産加工業もある程度海外原料に頼らざるを得ない面もありまして、まさにこの影響を被るわけであります。
 実質、国際的な需要増加に伴いまして輸入価格が高騰しております水産加工原料というものもあります。カツオ、スケトウダラ、サバ、こういったものが高騰しておりまして、結果、例えばかつおぶしでは価格高騰が一〇%から一五%あり、ちくわなどでは五%から一五%上がっていると。いろいろなファクターはあろうかと思いますけれども、こうした中で本日は水産加工資金法の改正案を審議しているわけでありますが、この法律の背景事情に世界における水産物の需要の増大を追加したということは、まさに今答弁されていることを踏まえているんだと思います。
 そこでお尋ねしますが、水産加工原料の供給状況と安定的な確保のための対策について農水省としてどう考えているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(山田修路君) ただいま委員からお話がありましたように、水産加工業にとってはその原材料の確保というのは本当に重要なことでございます。
 製品出荷額に占める原材料費の割合は六割ということで、六割を超えるような状況でございます。一方で、お話がありましたように資源の状況ですとか、そういった影響もあって、漁獲量は減少しております。こういうことを考えますと、水産物の需要の増大等もありますが、加工業にとって原材料の確保というのは極めて難しくなっていく可能性があるということでございます。
 これに対しまして、水産庁といたしましては、当面の対策といたしまして、安定供給契約を締結するというような形で産地と加工業者との連携を強化していくというようなこと、あるいは、今現在の時点では利用の度合いが低いような水産資源を原材料とした水産加工品の開発普及を進めること。また、今回の改正でお願いをしております長期低利の加工資金の貸付けを行っていくというようなこともございます。また、やや長期的な視点に立っては、やはり国内外を通じた水産資源の管理の徹底あるいは資源回復措置の強化ということで、資源全体を増やしていくということも重要であると考えております。
○谷合正明君 水産加工業におきましては原料確保というのはまさに命綱でございまして、我が国水産加工業が健全に発展していくためにも、今答弁していただいた内容についてしっかりと対策に取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、水産加工資金の融資実績等、またそれをどう評価しているのか、また、今回また五年間延長していくわけでございますが、その加工資金を維持する積極的な意義というのはどういうものなのかということについて最後質問をさせていただきたいと思います。
 融資実績についてはもう質問で出ております。
 最後に、改めて本法律を五年間延長して水産加工資金を維持する意義、また、これをどうやって積極的活用を図っていこうと考えていらっしゃるのか、この点について、最後大臣に御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 委員も御承知のとおりでございます、我が国の水産加工業というのは、その多くが零細な事業者でございます。したがいまして、設備の近代化などを図る場合に多額の資金を調達しなきゃなりませんが、一般の金融機関から調達することは困難な場合が少なくありません。
 そういう意味で、委員も御指摘になりました、原材料の供給事情が悪くなっていく、あるいは製品の販売環境も悪化するといったように、水産加工業全体から見ますと設備投資意欲というものが減退をしてきているということが言えるわけでございます。そういう意味では、この水産加工資金の融資実績を見ても、以前と比べて低水準になっているわけでございますが、一方で多くの水産加工業者の経営体質を強化するということが大事になってきているという事情を念頭に置きまして、我が国の水産加工業について近代化を図り、拡充をしていく、経営を強化していくということを進めていく上において、この水産加工資金法に基づきます長期低利の融資措置の適用というのが大事であります。
 これを、従来から、制度金融でありますから全体としてできるだけ、制度金融というのは、民間がまず対応することを期待をしながら抑制的に運営されるということを全体として、制度金融全体としてこれが基本になっておりますのと、今回御承知のように、行政改革の中で官から民へという流れの中で農林漁業金融公庫を全体の政策金融公庫というふうに切り替えていくということでございます。
 こういう流れがございますので、水産加工業者の体質強化資金としてこの水産加工資金は大事な資金でありますが、例えば十年以上の長期の貸付けに限るといったようなこと、あるいは大企業を排除するというようなことも今回の見直しとして加えたわけでありますし、また魚粉などのものも明確に対象にすることを明らかにするといったような見直しをしたところでございます。その意味で、この制度金融、政策金融でありますことから、それらの環境条件の変化、状況というものを見ながらこの資金の適用を考えるという意味で、五年という期間を限って、そして五年を経過したときの実績、状況、必要性、改めて見直して、またその時点で次なることを考えていくという仕組みにしたものでございます。
○谷合正明君 ありがとうございます。
 一分ほど余っておりますが、終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今回提案されております法案については、原料の高騰やあるいはこの原油高で厳しい経営を強いられている水産加工業者に対しての制度資金を拡充していくというもので、これ評価できるというふうに考えております。
 その上で、今日は漁業経営安定対策について質問をさせていただきたいと思います。
 二〇〇八年度から実施されます漁業経営安定対策ですけれども、私の地元の北海道でも漁業関係者が長年要望してきていて大変期待があるわけですよね。所得や年齢など制度の対象となる漁業者の要件が明らかになりまして、全国で説明会も開催され、制度のスタートに向けての準備がされているわけですけれども、農水省として、この経営安定対策を利用することができる漁業者が全国でどれぐらい、どの程度になるというふうに想定をされているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) 経営安定対策の利用者についての御質問でございます。
 経営安定対策につきましては、将来にわたって継続的に水産物の安定供給を担い得る経営体を育成するということでございまして、一定の要件を課しておるわけでございますが、この効率的かつ安定的な漁業経営につきましては、昨年定めました水産基本計画とともに公表しましたいわゆる構造展望というのがございますが、この中で平成二十九年度の目標数値を示しております。現在、約一万五千の効率的かつ安定的な経営体を、平成二十九年度において二万五千にしていくということを目標としております。
 経営安定対策はこういった目標を達成するための手法ということでございますので、具体的に経営安定対策の人数ということではありませんけれども、こういった二万五千の人たちに対して施策を講じていくという考え方でございます。
○紙智子君 そうしますと、所得要件の推計でどれぐらいになるのか、また二〇〇八年度の予算の積算、そこでどのぐらいの目当て、目標としているのか。
○政府参考人(山田修路君) 経営安定対策の主な要件として五つございます。それぞれが、私ども考えておりますのは、これからの普及推進の状況によってかなり変わってくるものというふうに考えておりますので、各要件ごとにどうかという分析は必ずしもしておりませんけれども、先ほど言いました水産基本計画の見込みなども踏まえまして、二十年度予算におきましては、この初年度の対象者ということで一万一千余りの経営体を想定して予算を編成しているところでございます。
○紙智子君 最初聞きましたときに二割ぐらいという話もありましたし、一割から二割なのかなということなんですけれども、北海道でいいますと、北海道の漁連が行った調査を基に、現在農水省が示している要件でこの制度の利用可能な漁業者がどれぐらいかというと、法人、個人合わせて千六百と言っているんですね、全漁業者の一割にしかならないと。それで、北海道の関係者も、これほど少ないと思わなかったというふうに言っているんです。水産庁の二割という最初の想定自体が多過ぎるというふうに思うんですけれども、国産水産物の供給基地と言われてきている北海道で、実際にはもうその半分と、一割しか対象にならないということになると、これはちょっと余りにも少な過ぎるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう、大臣。
○政府参考人(山田修路君) この経営安定対策は、先ほど言いましたように、効率的かつ安定的な漁業経営を目指す方ということで、他産業並みの所得が漁業経営から得られる方というのを想定をいたしております。したがいまして、ただいまありますすべての方が加入が可能な漁業共済制度の上乗せ措置として、特に担い手に対してこういう制度を設けるということでございますので、今までの方がこれまでより不利な取扱いを受けるということではなくて、そういう担い手の方をより育成していくための対策を今回講ずるというようなことでございます。そういう意味で、こういった要件が設けられているということでございます。
○紙智子君 北海道で一割しか加入できないということは、先ほども質問があったんですけれども、ほかの都府県なんかでいえばもっと割合は減るということで、それで農水省の想定の半分にしかならないというのは、加入要件自体がやはり漁業者の実態に合ってないんじゃないかというふうに思うわけです。
 それで、これから増やしていくんですよと、初年度はこうですけれどもという話もされたんですけれども、ネックになっているのはやっぱり所得制限だと思うんです。経営安定対策の要件となる所得の下限でいいますと、今説明があったように、他産業並みの所得を目指し得るということで、都道府県ごとの雇用者の所得の平均の約八五%と。北海道でいいますと、個人では二百六十八万円なんですね。所得がこれ以下の人は加入できないということになるわけです。
 北海道がすべての漁業者を対象に行った調査で見ますと、年齢要件ですね、六十五歳以下で、所得の要件である二百六十八万から五百九十一万の所得を得ている漁業者で回答した経営者に対して見ますと、一三%にすぎないんですよ。だから、二割想定というどころか、もう実際、所得の要件で一割に絞り込まれてしまっていると。やっぱりハードルが高過ぎるんじゃないかというふうに思うわけです。
 今、漁業者に雇用者の所得の八五%の所得がなければならないという要件は、これは地域や漁業者の実態、これをもう無視していると言わざるを得ない。そういう機械的なことではいけないんじゃないかというふうに思うんですけれども、これ大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 今、委員のお話を聞きながら、昔のことを思い出しました。余り昔の話はいたしませんけれども、四十年ほど前に私は、水産庁で漁業共済制度をつくれと、こういう国会側からの強い要請がありまして、急遽、漁業災害補償法というものの立案にかかわったわけでございまして、二年ほどこれに集中的にかかわったわけでありますが、その際に、一番この制度の創設に、熱心にこの制度創設に推進をされたのが実は北海道の漁業の関係者でありました。特に漁連の会長をしておられました安藤孝俊さんという方が浜回りをずっとしながら、どうしても浜の経営の安定のためには漁業災害補償制度が必要だということで全国に檄を飛ばし、運動を展開して、この制度の創設に至ったということを思い出したのでございます。
 今回の漁業経営安定制度というのは、漁業共済に加入している人、これがベースなんですね。その上積みとして、漁業共済の場合は補てん額が八割、ですから二割分は自己のリスクになっている、その部分について、一定の要件を満たす人についてはその代わり積立て方式で自分も出す、国も援助するという形で九割と。つまり、九割まで、仕組みは違うんですけれども、漁業共済に入っているという前提でいけば、それに一割上乗せができると、こういう仕組みでやってみようということでございます。
 どの程度の漁業者が実際これに積極的な加入をしていただけるのかどうか、これも率直に言って、大いに期待しつつも、なかなか急には広がらない。私も漁業共済を進めてきた経験からしますと、なかなか保険システムというものが理解、納得していただくのは難しかったこともございますので、まあ、スタート時点で逆につまずいたりしますと、後、普及が非常に難しくなるということもありますので、まずはこのスタートは今のような、委員、厳しいんではないかという御指摘がございます加入要件についてはこの条件でスタートさせていただきたいというのが率直な気持ちでございます。
 農業などと違いまして、漁業経営の主体というのは漁労活動という非常に厳しい海の上での危険を伴う仕事でございますから、年齢六十五歳で切っているということ、これ自身が問題だという意見もございます。その点も重々念頭に置きながらも、この仕組みを成功させるためにこのような条件でスタートをさせていただきたいと、このように提案をしたところでございます。
○紙智子君 やっぱり先ほど来議論になってきていますけれども、まずここからスタートなんだということなんですけれども、ただ、この後の条件として、実際に漁業者の経営状況というのは今燃油の問題などで大変厳しい状況にあるわけで、この後、じゃ所得を伸ばしていくことができるのかということになると、なかなかやっぱり大変だと思うんですね。
 だから、将来にわたって水産物を安定供給を確保するために、効率的で安定的な経営体を育てると、そういう制度の目的からも外れてしまうんじゃないんだろうかと。全国で開いた関係者の説明会の中でも、やっぱり地域の実情を踏まえて要件を考えてほしいんだという声が出ているわけです。地域や漁業者の実態に合った要件にするということがやっぱり改めて必要じゃないかということを指摘をしておきたいと思うんですね。
 さらに、共済の加入が壁になっているという問題があるんです。今、前提に加入しているということがあるというふうに言われたんですけど、経営安定対策に加入するために、前提として漁獲共済に加入しなけりゃならないと。
 昨年の末に、北海道のひやま漁協ってあるんですけど、函館の方ですね、こっちの漁協で、イカ釣り漁業をやられている方たちの話なんですけれども、国庫補助率が高い義務加入にするためには、加入区域内の関係漁業者の三分の二の同意が必要だということになっているわけですね。これが厳しいという話なんです。それで、所得要件で経営安定対策に加入できない漁業者は、わざわざ共済加入というふうにもしないというわけです。イカが駄目だとほかの地域の漁業経営の柱が丸ごと制度から外れることになってしまうと。災害などの備えのためにもやっぱり共済加入を進めることは必要なんだけれども、漁業者がやっぱり加入しやすくする対策というのが必要なんじゃないのかなと。
 その辺、検討されているのかどうか、お答え願います。
○政府参考人(山田修路君) 漁業共済への加入につきましては当然、普及推進も行っていく必要がありますけれども、制度としてもやはり漁業者にとって魅力的な制度、加入しやすい制度ということが必要であると考えております。
 これにつきましては、昨年の七月から十二月にかけまして漁協系統団体ですとか漁業共済団体、また学識経験者による制度に関する意見交換会を開いておりまして、一応その十二月に取りまとめました論点整理の中では、今後の我が国漁業を担っていくような重要な漁業者が漁業経営安定対策に参加できるよう、また見直すべきところは見直していくということも必要であるというような取りまとめを得ておりまして、今後その見直しも含めまして、更にその漁業共済制度の在り方については検討していきたいと考えております。
○紙智子君 どれだけの漁業が実際に制度に加入できるかというのは四月以降になるともっとはっきりしてくるんだと思うんですけれども、やはり想定から見ても非常に現実は厳しいという見込みもある中で、やはり制度そのものをやりつつも、やっぱり必要な見直しをどんどんしていって実態に合うようにしていくと。農業の方も品目横断ということで変えているという経過もあるわけですから、始まって変えているわけですから、ですから、これ自体も、本当に実態にかみ合うように最初からやっていかないとやっぱり後になってやっていくという人たちができなくなると思いますので、そのことを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(郡司彰君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(郡司彰君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(郡司彰君) 次に、独立行政法人緑資源機構法を廃止する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。若林農林水産大臣。
○国務大臣(若林正俊君) 独立行政法人緑資源機構法を廃止する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 政府においては、制度導入以来六年が経過した独立行政法人について、国民生活の安定及び社会経済の健全な発展のため必要なサービスを確保しつつ、無駄を徹底して排除するよう取り組んでいく観点から、平成十九年十二月に独立行政法人整理合理化計画を閣議決定したところであります。
 この法律案は、同計画において、緑資源機構を平成十九年度限りで廃止すること等が定められたことを受け、独立行政法人緑資源機構法を廃止して緑資源機構を解散するとともに、その業務の一部を森林総合研究所に承継させる等の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、独立行政法人緑資源機構法を廃止することとしております。
 第二に、独立行政法人森林総合研究所法の一部改正であります。
 独立行政法人緑資源機構法の廃止に伴い、緑資源機構が行っていた業務のうち、水源林の造成の事業、既に着手されている中山間地域における農林地の一体的な整備の事業等を森林総合研究所が暫定的な業務として実施することとし、このために必要となる業務規定の整備等の措置を講ずることとしております。
 このほか、緑資源機構の解散に伴う所要の措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(郡司彰君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(郡司彰君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総務企画局審議官細溝清史君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(郡司彰君) 昨日、予算委員会から、本日一日間、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 若林農林水産大臣から説明を求めます。若林農林水産大臣。
○国務大臣(若林正俊君) 平成二十年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成二十年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係府省計上分を含め、二兆六千三百七十億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆千七十四億円、非公共事業費が一兆五千二百九十六億円となっております。
 平成二十年度の農林水産予算は、強い農業づくりと農山漁村の活性化、食と農に関する戦略的な取組、資源・環境対策、美しい森林づくりや力強い水産業の確立などを進める観点から、既存の予算を見直した上で大胆に予算の重点化を行うなど、新たな政策展開が図られるよう編成いたしました。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一に、強い農業づくりと地域を元気付ける農山漁村の活性化に取り組みます。
 まず、昨年から導入いたしました品目横断的経営安定対策につきましては、担い手の経営発展に向けた努力を促すという制度の基本を維持しつつ、市町村特認制度の創設など地域の実態に即した見直しを行った上で、水田・畑作経営所得安定対策として着実に実施します。あわせて、高齢者や小規模な農家も安心して集落営農に参加できるよう、支援を充実します。また、米政策につきましては、主食用米の需給バランスを取るための生産調整を確実に実施することとし、麦、大豆、飼料作物等の国内生産を進めるとともに、飼料用などの非主食用米の低コスト生産を定着させてまいります。
 さらに、農地制度の改革に必要な農地情報の整備を進めるとともに、耕作放棄地を解消することを目指し、地域ぐるみでの取組を支援します。
 次に、農山漁村の活性化に向けた地域の創意工夫を積極的に後押しするため、農山漁村への定住や都市との地域間交流を一層促進するための整備を行うとともに、農林水産業と商業・工業等の連携を促進します。加えて、鳥獣被害の深刻化・広域化に対応し、農山漁村の暮らしを守る鳥獣害防止対策を講じます。
 このほか、防災・減災対策や都市農業の振興を着実に進めてまいります。
 第二に、食と農に関する戦略的な取組を推進します。
 まず、米や飼料作物といった食料自給率の向上に影響の大きい品目を重点に置き、消費と生産の両面からの取組を戦略的に推進します。
 また、食料供給コストを縮減すべく、生産と流通の両面におけるコスト縮減に向けて、生産資材の流通・利用の効率化や物流の合理化を着実に進めます。
 現下の原油価格の高騰を踏まえ、施設園芸の省エネルギー化などの対策に加え、税制優遇や金融措置を一体的に講じ、農林漁業者の経営体質の強化を図ります。
 農場から食卓までの食品安全を確保するとともに、昨今の食品偽装事件の発生等を踏まえ、食品事業者のコンプライアンスを徹底させるなど、食品に対する国民の信頼を確保するための取組を促します。
 日本型食生活の普及と教育ファームの展開による食育の推進とともに、農林水産物・食品の輸出を拡大するための支援、イノベーションを先導する技術開発の加速化や知的財産の創造、保護、活用に取り組みます。
 第三に、地球的視野に立った資源・環境対策を推進します。
 まず、食料自給率の低い我が国において、食料供給と競合しない稲わらや間伐材等の未利用のバイオマスを有効に活用し、国産バイオ燃料の生産拡大に向けた取組を進めます。
 このほか、温暖化防止・適応策や国際協力を柱とした地球温暖化対策を推進するとともに、田園地域、森林、海洋を保全し、生物多様性を重視する農林水産業を推進し、本年の北海道洞爺湖サミットに向けて、農林水産分野における取組を積極的にアピールしてまいります。
 第四に、未来に向けた美しい森林づくりの推進と国産材の復活に取り組みます。
 まず、京都議定書に基づく森林吸収目標の達成と森林資源の次世代への継承のために、多角的な森林整備を推進いたします。
 また、森林や山村の地域資源を利活用した地域の新たなビジネスを創出し、林業、木材産業の再生と適切な森林整備、地域の活性化を図ります。
 さらに、木材の加工流通体制の整備や林業生産コストの削減により、国産材の競争力の向上を図ってまいります。
 第五に、力強い水産業と豊かで活力ある漁村を確立します。
 水産基本計画に即して、水産資源の回復・管理を推進するとともに、漁船漁業構造改革や新たな漁業経営安定対策の導入等により、国際競争力のある経営体を育成確保します。
 また、燃油価格の高騰を踏まえた省エネルギー技術の開発等を推進するとともに、安全で新鮮な国産水産物を安定的に消費者に届けるため、品質・衛生管理機能の強化や産地市場の統廃合等を通じた流通の効率化を進めます。
 さらに、漁港、漁場、漁村の多面的機能の発揮に向け、地域の創意工夫を生かした漁村づくり等を支援してまいります。
 次に、特別会計については、平成二十年度から、国営土地改良事業特別会計を一般会計化するなど必要な見直しを行った上で、それぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫、日本政策金融公庫等による財政融資資金の借入れなど総額二千二十七億円を予定しております。
 以上で、平成二十年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○委員長(郡司彰君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○平野達男君 平野達男でございます。
 今日は委嘱審査でございますけれども、冒頭若干の時間をお借りしまして、先般来話題にさせていただいておりますところの全農の十万トンの飼料米処理の話について若干の今日確認をさせていただきたいと思います。
 まず一点目ですけれども、昨日の日本農業新聞に全中と全農のコメントとして記事が載っております。ちょっと読ませていただきますと、ふるい下米による非主食用米への処理に全力で取り組んできた、結果的に一万四千六百三十二トンにとどまったが、緊急対策の実施は二〇〇七年産米の価格下落の歯止めと価格浮揚に絶大な効果を発揮したと認識しているとコメントを発表という記事であります。
 これ、政府の方で、全中、全農さんがこういうコメントを出したということを確認されておるでしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) お答え申し上げます。
 全中によりますと、日本農業新聞の取材に対しまして、当該新聞に掲載されているようなコメントをしたというふうに聞いております。
○平野達男君 確認ですけれども、この記事の沿ったコメントをしたという確認でいいですね。
○政府参考人(町田勝弘君) そのとおりでございます。
○平野達男君 もう一点確認いたします。
 十八年産米については、昨年の十月二十九日にこの緊急対策の発表がなされたときに、十八年産米については全農では既に全量を契約、売る契約を結んでいたという説明が政府の方から聞いていますけれども、これは事実でしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) 昨年の米緊急対策を決定する前の段階で、農協系統は十九年十月時点で全農の十八年産米十万トン程度が契約済みであるものの、引渡しが終了しておらず、これが十一月以降に引き渡されるため、玉突きで十九年産米が十万トン程度余ることとなるため、これも価格下落対策の対象にしてほしいという主張をしていたところでございます。
○平野達男君 それは契約済みだということは、政府として農林省としてどういう手段で確認をされていますか。
○政府参考人(町田勝弘君) これは全中、全農からそのように話を聞いていたということでございます。
○平野達男君 要は確認をしていないということですね。
○政府参考人(町田勝弘君) これにつきましては、私ども、これは全農は一つの米の販売業者でございますので、そういったものとして取り扱っているということでございます。
○平野達男君 まず今の、まず確認していないということがまず問題だと思いますし、それから、このコメント、先ほど言ったコメントもう一回繰り返しますと、全中、全農はこう言っているんですよ。ふるい下米による非主食用米への処理に全力で取り組んできたと言っているんです。玉突きでやるとは言っていないです、これは。
 これは何が問題かといいますと、ふるい下米と言うそうですが、これによって非主食用米への処理に全力で取り組んできたということであれば、これを、本来これでやってきたにもかかわらずこれをどこかで売ったということなんです。売ったということは、片一方で十万トン、三十四万トンの買い付けと十万トンを要するに飼料米として処理しますよという宣言もうやっていますから、その中で価格下落の効果があったし、あるいは価格が上昇していたかもしれません。それをねらって本来処理するはずの米を売っていたということなんです。これは政府公認のインサイダーですよ。はっきりとしたインサイダー取引と言われてもしようがありませんよ、これは。こういう疑義が掛けられてもしようがない案件なんです。
 それで、私は今日あえて言いたかったのは、こんなコメントを出す全農がまずけしからぬと思います。少なくともおとといの農林水産委員会で農林大臣は何と言ったか。遺憾でありますと言ったんですよ。それに対して反省の言葉の一言もない。まず、これはここで言ってもしようがない話で、全農に言わなくちゃならない話なんですが、政府として相当これはぎっちりとした対応が必要だと思いますよ。
 その上で、以下、今日は私時間がないので、御要望、私の考え方をちょっと申し述べさせていただきますけれども、まず一点目、これから全中、全農は少なくとも以下の点について明確にする必要があると私は思っています。
 まず第一点目、当初、十万トンのえさ米の需要があることをどのような根拠を基にして見通していたのか。そもそも、えさ米なんかいきなり十万トン出てきてはけたのかと。はけもしないやつを要するに十万トンえさ米で処理してきたと、処理するんだと言ってきたんではないかという疑惑がまず一点目あります。
 それから第二点目、当初十万トン相当量の米はどのようにして、かつどのような手段で集めようとしていたのか。ここには二つの問題があります。一つは、十八年産米の下米ですか、十八年産を主とした下米だと思うんですが、その処理をやろうとしていたのか、あるいは、今局長が言われたように玉突きで十九年産もやろうとしていたのか、全然要するに言っていることが違うんですよ。これ、どっちかということはこれはっきりさせないかぬです。
 少なくとも、今日の段階ではっきりしたのは、全農がこのコメントでやっていることと今日の局長が言っている話の中では全然話が違うということははっきりしていますから、これをまず確認をする必要があると思います。それから、これも全農、全中にもはっきりこれ明確に説明してもらう必要があると思います。
 それから、先ほど言った三つ目なんですけれども、この十万トン相当量の米は当初どのような体制で集めることをいつから実施したのか、時系列によってちゃんと説明する必要があると思います。
 四点目、結果として何で集められなかったか。少なくともこの四つは全中、全農さんはきっちり説明する必要があると思っておりますけれども、大臣は共通の認識に立っていただけるでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 米緊急対策の二本柱であります政府買入れが全量される一方で、全農の飼料用処理が不十分な対応となったことは、昨日お話ししましたように極めて遺憾であります。
 昨日、全中の宮田会長と全農の柳澤会長が私を訪れた際、この旨伝えるとともに、これまでの取組の経緯だとか、また十万トンが実施されなかった事情などについて、よく整理をして納得のいくように説明するよう強く求めたところであります。
 具体的には、緊急対策が出された当時、これにきちんと取り組む旨の談話を出しておりますけれども、どのような体制、やり方で取り組もうとしていたのか、次にどういう事情の変化があって十万トンに届かなくなったのかなどについてきちんと確認したいと考えております。
○平野達男君 今日はその確認だけをさせていただければ私は十分であります。
 いずれ、これは私は、本当に国会の議決まで経た補正予算です。そして、それを利用した、本当に最悪の場合はインサイダーの可能性すらあるという、本当に深刻な私は事件だと思って、なる可能性があると思っています。そうでないんだという説明を全中と全農さんはしっかりやる必要があるということでありまして、その意味においても、先般から要求している当委員会での慎重な審議、今、大臣が言われたようなことを明らかにするためにも、しっかりとした審議を要望して、あとは、私の残り時間は、元々主濱委員にもらった時間ですのでお返しして、質問を終わります。
○主濱了君 それでは、あらかじめお示しをしております質問の順番をちょっと変えて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、第一番にBSEの方から質問をさせていただきたいと思います。
 先日、三月の二十日、北海道で三十五頭目のBSE感染牛、これ七歳五か月だそうですけれども、これが発見されたということでございます。一言で言いますと三十五例も、三十五頭もの事例があるわけですから、感染源とか感染ルートとか、これは特定は進んでいるというふうに思います。その感染源あるいは感染ルートの解明の状況についてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 我が国において確認された三十二例目までのBSEの感染原因とBSEのリスク管理措置の再点検などを行うために農林水産省が実施しました委託研究について、昨年十二月十四日に開催された第五回プリオン病小委員会において、その成果などが妥当とされたところでございます。
 この委託研究の報告書においては、幾つかの感染経路の可能性が示唆されるということになっておりますが、平成十三年十月以降、飼料規制などのリスク管理措置が講じられてきた結果、十四年四月以降に生まれた群では感染が確認されておらず、我が国もBSEの封じ込めに成功することが見込まれるという報告になっております。
 農林水産省としては、厚生労働省と適切に連携をいたしまして、今後ともBSEに対する適切なリスク管理措置の実施に努めることとしているところでございます。
○主濱了君 今御説明あったとおりだと思いますが、その感染源については、農林水産省は肉骨粉の可能性を指摘をしているということ、一方、食品安全委員会のプリオン調査会の座長でもあります吉川泰弘東大教授につきましては、代用乳が有力との調査結果も発表しているということでございます。
 結局、現時点ではその感染源、感染ルートの特定ができていない。ゆえに、今後も発生の可能性はあると考えるべきではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 今お話にありました吉川泰弘東京大学院の教授が研究の総括者といたしまして、当省が委託をした委託研究がなされ、そしてその委託研究の中で、第五回のプリオン病小委員会においてその成果等が妥当というふうにされたものと理解をいたしており、この報告書に基づいて判断をいたしているところでございます。
○主濱了君 大臣は、どうでしょう、今後、感染源、感染ルート、三十二例目までのところですけれども、ある程度特定されていると、こういうことなんですが、今後の発生についていかがお考えでしょうか。まだあり得るか、ある程度もう抑え込んだと、こういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。
 三十二例目以降、先日もございましたけれども、三十三例目、四例目、五例目ということで発生をしてきております。あとどのくらいというのはなかなか難しい問題でございますけれども、まだ場合によりましては何例か発生することも予測しているところでございます。
○主濱了君 分かりました。
 それでは、先に進ませていただいて、BSE検査で異常型プリオンたんぱく質の検出感度、検出限度といますかね、感度といいますかね、検出の感度の向上の研究、これは進んでおりますでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 異常プリオンたんぱく質の検出技術につきましては、牛の生体でも高感度で、かつ迅速に検出できる手法の開発を目指して研究に取り組んでいるところでございます。
 これまで具体的には、平成十七年六月に、牛の異常プリオンたんぱく質の検査感度を十倍程度の感度で検出できる技術の開発、平成十九年八月に、牛の異常プリオンたんぱく質の感染性を三百日から七十五日に短縮しても検出できる実験用マウスの開発などの成果が得られているところでございます。
 今後、牛の異常プリオンたんぱく質に係る現場の検査に応用できますように更なる研究開発に努めていくこととしているところでございます。
○主濱了君 今研究が進んでいるというふうに理解をいたしました。
 それで、イギリスでは二十か月齢での発症の例があるわけであります。二十か月で発症ですから、その前、二十か月よりも前に異常プリオンの検出の可能性があったというふうに考えられるわけであります。現行の検査の検出限界であるというだけで二十という月齢の線引きですね、そういうふうな線引き、これはできないんじゃないか。今の日本の検出限界が二十か月齢だからという、その一点でもって線引きはできないんじゃないか、こういうふうに思うのですが、厚生労働省はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(藤崎清道君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の英国における一九九二年の事例でございますが、これは非常に当時大量に肉骨粉を摂取したという状況がございまして、いわゆる通常のえさとして与えられる量から大きく逸脱をしておりますので、通常の我が国においての対応といいましょうか、そういうものと比較できるようなものではないというふうに認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、それまでの諸外国の様々な情報なども勘案をいたしまして、食品安全委員会におきましてこのBSEの我が国におきます食品健康影響評価を行っていただきまして、その結果を踏まえて、平成十七年八月に二十一か月齢以上の牛を義務的な検査とするというふうに対応を変更したわけでございます。
 また、高感度のBSE検査が実用化されていくのではないかという御指摘でございますが、これは技術的な進歩を踏まえまして、そのような検査方法が実用化されました段階では、そのような情報も踏まえ、技術の進歩も踏まえて食品安全委員会にて御検討をいただき、その結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと、このように考えております。
○主濱了君 確認であります。
 例えば、今のお話ですけれども、例えば検出の限界、精度、これが十か月齢まで上がったとすれば、その十か月齢での線引きもあり得ると、こういうふうに考えてよろしいですね。
○政府参考人(藤崎清道君) お答え申し上げます。
 仮定のお話ですので、なかなか現時点で確定的なことはお答えしにくいのでございますけれども、そのような技術的な限界を踏まえた検査方法が実用化されるのかどうかという点と、併せまして、そのようなときに、そのようなレベルで検出される量というものが安全性の観点からどのように評価されるのかと、こういうことも含めて食品安全委員会において健康影響評価をしていただいて、それを踏まえてリスク管理機関としてどのように対応していくのかと、このようなことを判断していくことになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、農林水産省とよく連携を取りつつ対応してまいりたいと考えております。
○主濱了君 ありがとうございます。
 大臣、今のお話お聞きになったと思います。検査の精度が上がって二十か月齢よりも前に検出できるようになったらば、これは大臣としても食品安全委員会の方に諮問していただける、こういうふうに考えてよろしいでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) ただいま厚生省の方でお答えをいたしたことと同じ考え方でおります。
○主濱了君 ありがとうございます。
 是非とも、そういうときには実行をしていただきたいというふうに思います。
 それで、先ほど感染ルート、まだしっかりした解明はなされていないと、こういったようなお話でございました。まだまだこれからもBSEが発生するおそれがあると言って差し支えないと私は思っております。そして、加えて、このBSEというのはやっぱり我々にとっては未知の病気なわけですよね。慎重の上に慎重を期す必要があるというふうに考えます。
 皆様御存じのとおり、こういう中で、昨年の八月三十一日、各都道府県へ二十か月齢以下の検査を終了するよう通知をしたということでありますが、この目指した効果というのは何なのかと、こういうことでございます。そして、現在のところ、二十か月齢以下のBSE検査をやめる都道府県は、明確にやめると言っている都道府県はないようでありますが、このことに対する感想と併せて厚生労働省の方からお伺いをいたします。
○政府参考人(藤崎清道君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、昨年の八月三十一日付けで食品安全部長名で通知を発出させていただきました。
 その通知に関してでございますが、この趣旨は、現在自治体が自主的に行っておられます二十か月齢以下の牛を対象としたBSE検査に対する国庫補助を当初の予定どおり本年の七月末に終了をするということにつきまして、改めて食品安全委員会の科学的知見に基づくリスク評価ですとか、これを踏まえた制度の変更が国民に十分に理解されるよう、自治体に対し関係者への周知の協力を依頼したものでございます。また、同じ通知の中で、二十か月齢以下の牛のBSE検査が終了するところと、それから実施するところということがありますと混乱が起きることが懸念されるのではないかということを、私の方の懸念を表明させていただきました。
 そういうことで、一斉に終了できることがいいのではないかというふうに申し上げましたが、このことはこれまでもいろいろな場面で御説明申し上げておりますけれども、元々が自治事務でございますので、あくまでも技術的助言として申し上げたことでございまして、自治体が自主的にこれを継続されるという御判断をされることを妨げるものでは全くないということでございますので、その判断は自治体にゆだねられているということを前提にしておるものでございます。
 また、これまでの状況はどうかという御質問でございますが、これまで私ども聞いているところでは、三十数自治体が予算措置をして自主的な検査を継続するというふうなところがあるとお聞きしております。また、それ以外のところもおおむね予算措置を、しているかしていないかは別として、基本的には継続をする方向で考えているとされるところが大多数であるというふうに認識をいたしております。
 以上でございます。
○主濱了君 ありがとうございました。
 まさに横並びのものは、私はこの際、厚生労働省としてこれは言うべきではないのかというふうにこう思っております。といいますのは、各都道府県というのは、それぞれの地場産品を全国に売り込もうと思って一生懸命頑張っているんですよ。外国産はもとより、隣の立派な食品を出している県よりももっと売り込もうと、こうやって頑張っているんですよ。それを一律に横並びにしようと、これはやっぱり当たらないというふうにこう思います。ですから、そのBSE検査をやることが一つのメリットになるんであれば、これは都道府県はやりますよ。売り込むためにやるというふうにこう思います。そういったような各都道府県の自主性あるいは自律性、これは是非とも尊重をしていただきたいものだなというふうにこう思います。
 じゃ、先に進みますが、次、米国のカンザス州のクリークストーンファームズプレミアムビーフ社というところがあるんですけれども、このプレミアムビーフ社が、米国農務省が日本向け牛肉の全頭検査について拒否の姿勢を示したとして、米国農務省を提訴しております。これは多分同じ農林水産省ですから把握していると思うんですが、その詳細、分かっていたらばお知らせをいただきたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 委員が御指摘になりましたこの訴訟でございます。この訴訟につきましては、米国農務省が民間でのBSE検査キットの使用を法律で規制したことに対しまして、平成十八年三月にクリークストーン社が自主的なBSE検査を容認することを求めて米国農務省を相手取って提訴したものであると承知いたしております。
 これに対し米国連邦地方裁判所が平成十九年三月にクリークストーン社の主張を認める旨の判決を出したことから、米国農務省は同年五月に上訴し、現在その裁判が係属中であると聞いております。
○主濱了君 そうですね、私もちょっと新聞情報でしか確認できなかったわけですが、これは米国の連邦地裁が、今言ったその検査の禁止、BSE検査の禁止は違法であると、こういったような判決を出したというふうに聞いて、それ以降は控訴中であると、こういうことでございます。米国ではそういうふうに、このBSE検査を禁止することが現時点では、地裁段階ですが、違法という判断が出ているということ。
 日本では、逆に日本政府は、このようにBSE検査を、このBSEの全頭検査を禁止するということは絶対ないでしょうね。これ、厚生労働省に確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(藤崎清道君) お答えを申し上げます。
 絶対にございません。
○主濱了君 ありがとうございます。
 それでは、BSEの最後の質問に入らせていただきますが、OIEの報告がありまして、米国はこのOIE報告に基づきまして全月齢ともBSE検査なしで輸入せよと、こういったような要求をしてきております。端的に言いまして、日本はどう対処される予定なのか、どう対処するおつもりなのか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 米国政府は、OIEにおいて管理されたリスクの国に認定されたことを受けまして、我が国だけではなくてすべての国に対してこのBSE検査なしで輸入をしてもいいはずだということで、韓国を始めすべての国にそういう要請をいたしていると承知いたしております。我が国に対してもそのような要請が参っております。
 これに対しましては、現在我が国は、日米間の技術的な会合において米国側から提供をされましたデータについて日米共同でその評価を含めた報告書の取りまとめの作業を行っているところでありまして、この輸入条件を見直すかどうかについてはその取りまとめ結果を踏まえて対応することとしているところでございます。したがいまして、現時点で見直しを行うかどうか、政府として方針を決定しているわけではありません。
 いずれにしても、農林水産省としては、食の安全と消費者の信頼確保を大前提に科学的知見に基づいて対応することが重要と考えておりまして、引き続き厚生労働省と連携して適切に対応していくこととしているところでございます。
○主濱了君 それでは、厚生労働省はこの件についていかがお考えでしょうか。
○政府参考人(藤崎清道君) お答え申し上げます。
 ただいま若林大臣がおっしゃられたとおりでございます。
○主濱了君 分かりました。適切な対応をお願いをしたいと思います。
 それでは次は、農協についてお伺いをいたしたいと思います。
 農協につきましては、希薄になる、その業務が希薄になってくるという私はおそれを感じております。といいますのは、農業構造の展望、これ平成二十七年の農業構造の展望では、四十万経営体を中心として日本の農業を担うこととしているわけでございます。仮にこの日本農業が四十万経営体で担われた場合、組合員数といいますか農家数、経営体数が四十まで減ってきますと、どうしても農協の希薄化が出てくるのではないかというふうに思うわけであります。これが第一の問題点であります。
 私の地元、実は私も農協の組合員なわけですけれども、私の地元では、新岩手農協というのが中心になって六農協が合併をすることになりました。一回目はこれは否決されました。二回目は臨時総会で合併を可としたわけでありますが、その管轄区域は実は秋田県境から太平洋までずうっと、もう大変な広さなわけであります。これは、選挙区でいいますと実は岩手二区と同じぐらいの、それをカバーするぐらいの農協ができてしまうと、こういうことになるわけであります。
 合併については、これはまあ現時点ではやむを得ないというふうに思っているんですが、農協の業務自体は極めて希薄になると、こんな大きいところをカバーする農協、これかなり希薄になるというふうに思うわけであります。これは私のところだけではなくて、特に今の食料・農業・農村基本計画の担い手制度がずうっと進んでいけば、これ日本全国どこでもあり得ることだと。
 農協の業務の希薄化、これについて大臣はどのようにお考えになっているか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) まず、委員が御指摘になりました将来展望、農業構造の平成二十七年度におきます展望におきまして、効率的かつ安定的な農業経営として、家族農業経営が三十三万戸から三十七万戸程度になると見込んでいるほか、法人経営は一万戸程度、集落営農経営が二万から四万程度と、このように見込んでいることは委員も御承知のとおりでございます。これらを含めまして、総農家数というのは二百十万戸から二百五十万戸程度になると見込んでおります。と同時にまた、これらのほかに、地域にありまして土地持ちの、農業を自らは経営しなくなる土地持ちの非農家が百五十万戸から百八十万戸程度になると、このように見込んでいるわけでございます。
 このような展望の中で、農協は、効率的かつ安定的な農業経営はもちろんでありますけれども、農協として、例えば副業的な農家、さらには農業を行わない地域住民までも組合員とする協同組織として、農産物販売など農業経営を支える事業はもちろんでありますけれども、生活ローンでありますとか、共済、医療、高齢化福祉など農村地域住民の生活を支える事業をも展開しているところでございます。
 今後、農協合併に伴う事業の広域化が進展していくのはおっしゃるとおりでございまして、農協が将来にわたって地域に根差した組織として発展していくためには、一方で、その担い手の育成支援への取組を通じて地域農業を支えていくと同時に、他方では、多様な組合員のニーズを踏まえた地域社会への貢献という役割を果たすことが重要であると考えております。
 農協系統組織におきましても、平成十八年十月の第二十四回のJA全国大会におきまして、担い手づくり・支援を軸とした地域農業の振興とともに、安心して暮らせる豊かな地域社会の実現と地域への貢献について決議をいたしております。
 このようなビジョンを実現するためにも、農協が常日ごろ組合員との結び付きを強化し、そしてその事業方針などについて多様な組合員の間で共通の認識を醸成していくことが重要でありまして、農林水産省としても、以上のような考え方の下で適切な農協指導に努めてまいりたいと考えております。
○主濱了君 農協については、これ否定的な考え方だけではなくて、いい方向に私どもも考えていかなければいけないというふうに思っております。
 ただ一点だけ大きな認識の違いがありますので、これだけはお話をさせていただきたいと思います。
 新しい水田・畑作経営所得安定対策ですね、この中でもやはり担い手という概念があるわけであります。この担い手という概念があって、それに該当しない、当てはまらない農家というのは、やはり農協に加入するか。それを考えますと、私は、足踏みをするのではないかと、要するに支援の対象にならないわけですから足踏みすると、なかなか農協の組合員にはならないんではないかと、こういうふうに思うわけであります。その点を今後どうやっていくのかと、こういったようなことをお互いに研究していきたいなというふうに思っております。その点、ちょっと認識の違いをはっきりさせておきます。
 続けてやります。
 それでは、その次ですが、その次の話題に進ませていただきたいんですが、鯨の関係でございます。鯨について質問をさせていただきたいと思います。
 鯨につきましては、日本の調査捕鯨船が公海上でアメリカの環境保護団体の抗議船から薬品入りの瓶を投げつけられた、乗組員がけがをするなど実力を伴った妨害行為を受けていると、こういう報道があります。このほかにも実力を伴った妨害行為様々あるんでしょうが、まずその実態を大臣はどのように認識されておりますでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 今年の南極海での調査捕鯨におきまして、我が国の調査船団はシーシェパード及びグリーンピースの両反捕鯨団体から妨害活動を受けました。
 シーシェパードにつきましては、二名の活動家が調査船の一隻に無断で乗り込むという事案が発生したほか、複数回にわたり合計百本以上、酪酸と思われる液体の入った瓶及び白い粉の入った筒の投擲を受けまして、負傷者が三名発生をいたしました。また、グリーンピースからは、調査母船日新丸の補給活動において小型ボートを船舶間に無理やりに割り込ませるという妨害活動を受けました。
 我が国が実施している調査捕鯨は、鯨類資源に関する科学的情報などの収集を目的に国際捕鯨取締条約に従って公海で行われている合法的な調査でありまして、このような危険な妨害活動が行われたということは誠に遺憾でございます。
 我が国としましても、こうした違法な妨害活動については、外交ルートを通じ関係国に対して国内法に基づく適切な対応を取るよう要請しているところでございます。
○主濱了君 まさに今大臣のおっしゃった違法な行為というふうなことだと思います。私どもの今朝行いました部門会議の中では、これはテロ行為である、あるいは違法な行為であると、こういう厳しい判断でございました。いずれ断固たる措置、あるいは的確な対応をお願いしたいというふうに、こう思います。私は、今日お話ししたいのはこういうテーマではないので、先に進ませていただきます。
 実力を伴った妨害行為の対象になりました調査捕鯨の内容について、今日はお伺いをしたいと思っております。
 この調査捕鯨の調査目的、そして調査主体、調査の場所、調査の項目、それから調査の経費、特にこの経費につきましては国の資金が入っているかどうか、この辺具体的に御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) 鯨類捕獲調査、これは大臣から先ほどお話をいたしましたように、国際捕鯨取締条約の規定に基づいて政府が発給する許可の下で行われておりまして、具体的には財団法人の日本鯨類研究所が南極海及び北西太平洋において実施をしております。
 調査の目的としましては、これも先ほど大臣からちょっとお話がありましたけれども、鯨の資源管理に必要な科学的な情報の収集、あるいは鯨類と漁業との競合の解明による新たな資源管理体制の構築などを目的としております。
 具体的な調査項目ですけれども、生物学的データを収集するということで、鯨類の年齢や妊娠の有無など各種のサンプルの採取を行うということのほかに、胃の中の内容物を調査することによりまして、食性やえさの嗜好性に関するデータも収集をしております。
 この調査の経費でございますが、年間約六十億円でございまして、この経費の大半は捕獲調査によって得られました鯨、この副産物であります鯨の肉の販売収益で充当されておりますけれども、調査の確実な実施という観点から、政府も約五億円の支援を行っているという状況でございます。
○主濱了君 五億円程度支出しているということでございますが、この調査捕鯨の結果報告書、私、一部見させていただきました。この報告書は、調査の都度、国に対して報告がなされているんでしょうか、確認したいと思います。
○政府参考人(山田修路君) 調査報告書につきましては、調査の都度、国に対して報告がなされております。
○主濱了君 それでは、内容について更にお伺いしたいんですが、この調査捕鯨で捕獲された鯨の流通についてであります。三点について伺いたいんですが、まず、流通の仕組み。先ほどお話のありました財団法人日本鯨類研究所、この研究所が販売代行者を通じて公益用と市販用に分けて販売しているとのことでありますが、この販売代行者、これはどのようにして決定しているんでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(山田修路君) 販売の代行者でございますけれども、これにつきましては、鯨の肉の取扱いの技術及び知識を有する販売代行者を、研究所でございますね、先ほどの、研究所が選定をいたしまして、販売を委託する形になっております。
 現在の販売委託先は、共同船舶株式会社及び合同会社でございます鯨食ラボとなっております。
○主濱了君 その決定については、日本鯨類研究所が自分で選定をするんですか。それとも一般入札か何かみたいな形でやるんですか。
○政府参考人(山田修路君) これは、先ほど言いました日本鯨類研究所が自分で選定をしているということでございます。
○主濱了君 それでは、次、鯨肉の売上げについて伺いたいんですが、鯨の肉の価格の決定はどうやっているのか、それから、総売上げはどうなっているのか。さらには、売上金、先ほど一部おっしゃっていましたが、この売上金の使い道ですね、さらに、この代行者の監視も含めた監査体制がどうなっているのか、この点について端的にお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) まず、鯨の肉の価格でございますが、これにつきましては日本鯨類研究所が決定をしているということでございますが、その際には、この経費で調査経費の大半が賄われておりますので、次年度の調査に必要な経費あるいは鯨肉の需要等を考慮してこの研究所が決定しているということでございます。
 収入でございますが、十七年度の収入で見ますと約六十四億円ということになっておりまして、この収入は、先ほど言いましたように、翌年の調査の経費に充当されるほか、研究活動や広報活動、これは、その今の研究所が行いますいろんな経費が必要でございます、それに充当されております。
 それからもう一つ、監査のお話がございましたけれども、これにつきましては日本鯨類研究所におきまして理事会あるいは監事というそれぞれの仕組みがございますので、こういった理事会なり監事がその収益の使途等のチェックを行っているということでございます。
○主濱了君 五億円程度国は支出しているんですが、この監査のところに国の関与はあるんでしょうか。
○政府参考人(山田修路君) 五億円の補助金につきましては、一般の補助金と同様でございまして、そのルールに従って国は適当な監査なりあるいは検査なり結果報告なりをいただいているということでございます。
○主濱了君 最近入ったことはありますか。
○政府参考人(山田修路君) 財団法人の日本鯨類研究所につきましては、毎年財団の検査ということで検査を行っております、立ち入っております。
○主濱了君 それから、鯨の肉の価格の決定ですが、これ財団法人日本鯨類研究所が決定しているということなんですが、いろいろな事情を勘案して決定しているということなんですが、こういったような実は新聞報道があってびっくりしたんですが、財団法人日本鯨類研究所が国から無利子で借りている三十六億円のうち十億円を返済できないとの報道があるんですが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(山田修路君) 今のお話は、昨年、前回の調査捕鯨の時期に、やはり反捕鯨団体の攻撃を受けたということ、それから火災を起こしたということで、調査期間の相当手前に調査を打ち切って帰国をしたという経緯がございます。すなわち、満杯まで調査ができなかったという経緯がありまして、その結果、昨年度について言えばそういう結果になったということでございまして、毎年生じることではなくて、去年の特殊事情によるものでございます。
○主濱了君 そうしますと、今後の調査捕鯨については支障はないと、こういうふうに考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(山田修路君) 今申し上げましたように、去年、非常に特殊な事情で火災があったりしたこともありまして特殊な状態になったわけですけれども、捕獲調査が正常に行われておればこういうことはないというふうに思っております。
○主濱了君 ありがとうございます。
 さて、これは先ほどABCについてお伺いしたわけですが、鯨の資源量がどうなっているか。日本が調査捕鯨をするには、やっぱり取り切っちゃ駄目なんですよね。これも先ほど言った魚と同じで、取り切ったら駄目なんですよ。鯨の資源量とのバランスでやっぱり調査捕鯨あるいは商業捕鯨があるというふうに思っております。
 まず、日本が捕獲している鯨種について、どれぐらいの資源量があるのか。それから、日本が捕獲していなくても、IWCが管理対象としている十三種の鯨の種類があるわけですけれども、そのうちの主なものについて、鯨の、何といいますか、資源量、どれぐらいあるか教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) まず、日本が捕獲調査の対象としております主なもの、これは南極海におきましてはクロミンククジラでございますが、これにつきましてはIWCにおいて資源量が評価をされておりまして、約七十六万頭ということでございます。この頭数はまさに、捕鯨が開始される前の資源量が約十万頭と言われておりますので、相当程度にもう多いレベルの状況でございます。もう数倍のレベルになっているということでございます。
 それから、今回の南極海の調査で調査対象にしようとしておりますナガスクジラ、ザトウクジラがございます。これにつきましては、南極海全体での推定値はないんですけれども、我が国が調査を行っている南極海の一部の海域におきまして我が国が調査したところによりますと、ナガスクジラが四万七千頭、ザトウクジラが三万六千頭ということでございます。
 これ以外の、我が国が南極海で調査対象にしていないものについて資源量のデータがありますのは、IWCによって調査をされておりますシロナガスクジラ、これが二千二百頭、セミクジラが七千五百頭ということになっております。それ以外の鯨については推定値はないという状況でございます。
○主濱了君 ありがとうございます。
 いずれにせよ、今捕鯨国である日本、オーストラリアとかニュージーランドとか、本当に反捕鯨国からいろいろ非難を受けております。私どもとすれば、やっぱり資源保護ですね、鯨としての資源保護、これをしっかりどうやっていくかと、これを示さないと反捕鯨国の納得は得られないのではないかなというふうに思うところであります。これは指摘だけにとどめておきたいと思います。
 それで、最後に、IWCにおける捕鯨に関する展望、今は調査捕鯨を行っているということなんですが、商業捕鯨に向けた展望、それから捕鯨再開に向けた決意について、大臣からお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 国際捕鯨委員会、IWCでは、我が国を含む持続的な利用推進国と反捕鯨国との勢力が拮抗いたしておりまして、そのために、効果的なIWCとしての意思決定がなされないような機能不全状態が続いております。このため、IWCを正常化する必要があるという認識でございまして、この三月上旬にIWCの中間会合が開催をされたところでございます。
 この中間会合におきましては、IWCにおける信頼の再構築、議論、交渉の在り方の改善に関しまして、外部の専門家のアドバイスを聴くことといたしまして、外部の専門家としては、ハーバード大学のケネディ・スクールのジュマ教授ほか学識経験者二名からのアドバイスを受けたわけでございます。
 そのアドバイスを受けた後、検討が行われました結果、安易に投票に持ち込まずにコンセンサスを目指していくということ、スモールグループ、小さいグループを活用をするということなど、幾つかの改善策が提示されたところでございます。
 また、この会合におきまして日本が提案をいたしました。調査捕鯨に対して妨害行為があったこと、これを非難する声明を提案をいたしました。これについてはコンセンサスが得られまして、IWC中間会合において声明が発せられたところでございます。もう声明の中身は申し上げませんけれども、この声明の中で、これを非難をすることを強調した上で、この国際捕鯨委員会の各締約国が、関係する国際法とそれぞれの国内法規に則して、海上における人命と財産に危険を及ぼす活動を防止し抑制するために協力するとともに、攻撃をしたとされる者への対処につき協力することを強く要請したということで、反捕鯨国に対してもこのような要請がなされたわけでございまして、中間会合はこの声明の中で、シーシェパードが受け入れ難い振る舞いと行動を取ったことから、一九八七年に実はシーシェパードはオブザーバー登録を拒否されたわけでありますが、国際捕鯨委員会へのオブザーバー登録をずっと拒否しているんだということを想起すべきであるという中間の会合で声明が発せられたわけでございます。
 日本としては、この会合の結果を踏まえながら、今後ともIWCの正常化に向けまして、国際捕鯨取締条約の規定に従って、科学的根拠に基づく適切な保存管理とその持続的な利用が図られるように努力をいたしますが、同時に、他の持続的利用支持国と連携をしながら、商業捕鯨の再開に向けて、我が国の考え方への理解を広く各国に求めていくつもりでございます。
○主濱了君 ありがとうございました。
 大分時間が詰まってきまして、次は六ケ所村の核燃料再処理施設について伺いたいと思います。
 この六ケ所村の核燃料再処理施設については、私、毎年やっていまして、今年で三年目の質問になります。
 昨年質問した際、六ケ所村の核燃料再処理施設は昨年の十一月本格稼働見込みということで答弁をいただいております。しかし、現実には今、まだ本格稼働をしていません。この本格稼働をしていない、遅れている理由は何なのか、端的にお願いいたします。経済産業省ですね。
○政府参考人(平岡英治君) お答え申し上げます。
 昨年五月の御質問の際に、十一月に竣工予定との届出が出されているというお答えをいたしておりますが、その後二回にわたりまして、日本原燃、事業者であります日本原燃から変更の届出が出ております。一回目の変更は昨年の九月でございますが、耐震計算の誤りという問題が発生いたしまして、その対応のために約四か月試験が中断されたということで、竣工予定を今年の二月まで変更したいということで提出されました。その後、これを終えまして、試験を再開しましたが、昨年の十一月に開始いたしました高レベル廃液ガラス固化施設の試験運転において安定した運転をすることが十分にできなかったということで、追加的なデータ取得などを行う必要が生じたということで、今年の二月二十五日に、竣工の予定については今年の五月に変更したいという届出が提出されたものでございます。
○主濱了君 非常に問題がありますよね。耐震に誤りがあったと、耐震計算に誤りがあったと。東京電力の柏崎刈羽原発、これは新潟中越沖地震で深刻なダメージを受けております。今も止まっております。こういったような状況がありますし、それから安全な操業が難しいと、こういうことですか、これも非常に大きな問題だというふうに私思うんですけれども、漁場を守り、そして漁業振興を図る立場にあります農林水産大臣、今の説明を聞いていかが感じられたか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 当然のことながら、安全に関しては完璧を期してもらいたいと思っておりまして、慎重の上にも慎重な、的確な操業に至るまでの諸調査、そしてそれらの申請が出た場合におけるその審査などをしっかりとしていただきたいと、このように思うわけでありまして、農林水産省としましては、今後ともに、その漁場の保全などの立場からはこれらのプロセスをしっかりと注視してまいりたいと、このように思います。
○主濱了君 若林大臣は環境大臣も務められたことがあります。イギリスのセラフィールド、あそこも核燃料の再処理施設があったところでありますけれども、あそこの近辺の漁場、大変な状況だということは十分承知しておられるというふうに思います。
 繰り返しますけれども、農林水産省は漁業振興がその職務の一つである、ひとつこれを中心に大臣には、もしこの安全性に問題があった場合は、経済産業省あるいは資源エネルギー庁の方にしっかり申し入れるべきことは申し入れていただきたいと、こういうお願いをいたしまして私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○舟山康江君 民主党・新緑風会・国民新・日本の舟山康江でございます。
 私の方から、まず食育に関して幾つか質問をさせていただきたいというふうに思っています。
 先ほど大臣から御説明のありました予算の重点項目の中にも、この食育について触れられておりました。日本型食生活の普及と教育ファームの展開による食育の推進を進めていきたい、そのようなお話でありましたけれども、やはり私は、この食育の必要性、まさに食に対する理解を深めることで農業への理解を深め、そして生命とか命とか、本当に生きた勉強をするいい取組じゃないかというふうに思っています。そして、この食育のためにはそういった体験も必要だと思いますけれども、何といっても、食べることから、食べることによっていろいろなことを学んでいく、まさに学校教育を通じての取組というのも非常に大事じゃないかというふうに思っているところです。
 このような状況の中で、学校教育の現場では学習指導要領、この中にも地域の農業や日本型食生活の良さ、健康に良い食習慣や地域の食文化への理解といった、そんな内容も新たに盛り込まれたというふうに聞いています。
 そして、今、二月二十九日に衆議院の方に改正学校給食法が今提出されています。この中で、学校給食法の目的が、かつては国民の食生活の改善、これが給食の主な目的、栄養不足の状態を改善する、食生活を何とか良くするといったことだったと思うんですけれども、そういった目的から、今次のこの改正法案の中では、児童及び生徒の食に関する正しい理解、そのために学校給食というのは重要な役割があるんだと、こんなふうに変化をしています。そして目的に、食育の推進と、まさにこの食育という言葉も登場しています。さらには、学校給食を活用した食に関する指導、こういったことも盛り込まれる予定となっているようでありまして、この中では、地域の食文化、食にかかわる産業、そのようなものに対する理解の増進というのも、この学校給食、給食を通じてそういったことも果たしていこうと、そんなふうになっているようであります。
 是非とも、この改正が実現することを私も願っているわけでありますけれども、学校教育におけるこのような変化を農林水産省としてどのように評価をされているでしょうか。大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(若林正俊君) 子供たちが学校教育の場で食について学んだり農業体験をするということは、食べ物を生産する産業であります農業への理解を深めて、お話ございましたような食の文化の継承、ひいては食料自給率の向上にもつながっていくというように考えておりまして、大変意義の深いものだという認識をいたしております。
 そして、委員がお話しになりました、今国会に政府が提案をいたしております学校給食法の改正案でございます。
 この改正案の政府内におきます協議の過程におきまして、私ども今申し上げたような立場で学校給食法に明確に食育を位置付けると、その趣旨も踏まえて目的の中で明確にしてもらいたいということを申し上げてまいったわけでございまして、文部科学省の方もそのことをしっかりと受け止めていただいて、このたびの学校給食法の改正を国会に提案をしたわけでございますが、是非とも、委員におかれましても、このような政府側の考え方について今御賛同いただけるようなお話ございましたけれども、これをしっかりと実現できますように、この審議を通じて委員のお考えを明確にしていただきたいと思うわけでございます。
 このようなことが位置付けられることによりまして、今後、学校教育において正しい食の教育の実践と、それを通じて農林水産業への理解が深まっていくことに私も大変大きな期待を寄せているところでございます。このため、これからの法案が成立させていただきますれば、文部科学省と連携をいたしまして、学校における食育の取組が更に実践的に活発に行われますように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○舟山康江君 ありがとうございます。
 私も全く大臣と同じで、やはり食を通じて農業の現場を理解する、この日本の農業の重要性、農村の重要性をしっかりと子供のうちから分かってもらうという取組は非常に大事だというふうに思っています。
 さて一方で、先般の中国製の冷凍ギョーザの中毒事件、あの事件を契機に、私も実は非常に衝撃を受けた部分があるんですけれども、学校給食においても、冷凍食品、それだけではなく、野菜などについても中国製のもの、輸入のものが随分使われている実態が調査の結果、明らかになりました。
 本来、やはり食、特に子供たちの食というもの、まさに今、地産地消なんかっていうことも言われていますけれども、できるだけ身近な食材、国産のもの、安心できるもの、そういったものを使ってもらいたいものだというふうに思っていますけれども、一方でそのような現状が明らかになりました。
 なぜ、あえて学校給食において輸入食材を使用していたのか、そこをなぜだというふうに思われるでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 学校給食において、輸入物、とりわけ冷凍食品や野菜などが使われているということについては、私も大変重大な問題だというふうに認識をいたしております。
 文部科学省が平成十八年度に全国の公立小中学校五百校を対象にして行った調査によりますと、学校給食に使用された食材は、食材ベースで見て、国産比率が七九・三%、また都道府県の学校給食会が扱う品目で見ますと、国内産、外国産の品目ベースで見まして、国産比率は九六・二%ということになっております。
 このように、学校給食に使用されております輸入品というものが数においても、また量においてもそれなりの割合を占めているということにつきましては、関係者からいろいろ聞きましたが、関係者が挙げている理由として、大きく三つほどあるのでございます。
 一つは、一定量の農産物を安定して納入することが学校給食としては求められると。そういう場合に、国産だけでは、天候だとか収穫時期によって、事前に約束してプログラムを組んでいたものが納入できないというようなことがあるということが第一に挙げられております。
 それで、二番目は、学校給食用に適した規格にそろえて農産物を受け入れるということ。そのことが学校給食側からは求められるわけでありますが、生産者側がそのような、規格をそろえて一定量農産物を計画的に納入するということに十分対応できていないということが二つ目であります。
 そして、三つ目は、こうして国産の農産物を扱うということになりますと、手間が掛かってくるということになりますから、どうしても納入価格が高くなると。この学校給食の給食費について、これは父兄負担があるわけでございまして、一定の、市町村によって大変ばらつきがあるようでございますけれども、そういう納入価格が決められているということから、その範囲内に収めなきゃならないというようなことがありまして、そういう理由によって、冷凍食品などの品目について輸入食材に頼っているという実態があるというふうに説明を受けているわけでございます。
 こうした実態を踏まえまして、農林水産省としては、学校給食において国産食材の使用が進みますように、もちろん定型的な、余り変化のない意味では、お米でありますとか牛乳でありますとか、そういうことを活用することについての助成をいたしますが、やはり一番大事なことは地産地消の推進だというふうに思いますので、その地域においてこれらの学校給食側の要請、条件、これらよく連携を取りながら、事情を説明しながら、これら地産地消が進むように積極的に協議を重ねてこれを推進していくという努力をすべきだと考えております。
○舟山康江君 ありがとうございます。
 今、幾つかの問題点を挙げていただきましたけれども、やはりそういった溝というんでしょうか、なかなか、輸入食材に頼っている現状と、本来やはり国産をしっかりと、特に地産地消を含めて進めていかなきゃいけない、その思いの溝がありますけれども、そういったところを埋める役割をやはり国なりがしっかりしていかなきゃいけないというふうに思っていますけれども、現在、農林水産省として、市町村レベルとか県レベルではいろいろな助成をしているところもありますけれども、農林水産省として、国レベルで何か助成を行っているものはあるでしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) 私の方から米についてお答えをさせていただきたいと思います。
 学校給食におきまして米飯を提供することは、子供たちが米を中心といたします日本型食生活を継承し、米の消費を拡大していく上で重要であるというふうに考えております。
 米飯学校給食の実施回数につきましては、昭和六十年に目標を週三回と定めて推進してきた結果、現在、全国平均で週二・九回まで増加しているものの、最近は横ばいとなっております。
 このため、米飯学校給食の増加が図られるよう、農林水産省といたしましては、学校給食関係者の啓発のための米飯学校給食フォーラムや学校栄養職員向けのメニュー講座等を開催していますほか、米飯給食の実施回数を増やす際には、その増加分の一部につきまして政府備蓄米の無償提供を実施する、こういったことによって回数が増加した年の保護者の負担軽減を図っている、こういった支援措置を講じているところでございます。
○舟山康江君 やはり私も、日本型食生活の推進のためにも、まさしくお米、この日本の文化を守るためにも米飯給食の推進というのは大事だと思いますけれども、その支援があるという中でちょっと、非常に私疑問に思うのが、その米の回数を増やしたときの支援が、備蓄米からお米を出しているというところが、何というんでしょうか、本来、やはり子供たちに米のおいしさ、米の良さを分かってもらうためには、それこそ一番いいお米を給食に提供するといった、そんなような姿勢が必要じゃないかというふうに思うんです。今全国平均二・九回というお話ありましたけれども、実は私の山形県は今三・七回、そしてさらに、何かそれが今全国二位だそうで、何としても全国一位になろうということで二十年度予算でさらに新しい事業を取り組んで、米の回数を増やしたときに支援をするとか、地産地消を推進するために支援をするとかという予算を組んでおりまして、週平均三・八回を目指しているところでありますけれども。
 いずれにしても、やはり今、給食に掛かる食材費、これは保護者が負担することになっています。そして、これ一食当たりの給食費、小学校で全国平均ですけれども大体二百三十円、中学校で二百七十円、そんなような感じです。恐らく、この二百三十円、二百七十円といった、このような金額の中で栄養を考え、バランスを考え、そしてしかも地場のものを使ってということになると、なかなか厳しい現状というのも恐らくあるんじゃないかというふうに思います。
 そういった中で、今、私の山形県でも何としても地元のものを使ってもらうために支援をしているという動きもありますし、新聞情報なんかによりますと、市町村レベルで、幾つかの県で、例えば地産地消を進めるときに、農家から一定の価格で買い上げて安く卸すような、そんな支援もしているところがあるようです。
 そういった状況の中で、やはり私は、米もそうだし、地産地消もそうですし、そうはいっても、結局いいものを提供するためにはどうしてもこの二百三十円、二百七十円では難しいという状況があると思います。そして、基本は保護者が負担なんですけれども、今回の改正法案の中で、目的に、今までの食生活の改善、栄養の改善というところから教育の観点、まさしく食を通じて教育の役目があるんだというような視点が入ったということもありますので、是非ここは、法律の見直しも念頭に置きながら、何らかの助成、金銭的な助成なのか、それとも現物の助成なのか、その辺はいろいろあるかと思いますけれども、教育の分野とそして食という農業の分野からそれぞれ何らかの助成を行うべきじゃないかというふうに考えていますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 当面の措置といたしまして、学校給食の回数を、全国平均二・九回でございます、三回を目標に進めてきているわけですが、この目標を全体としてもう少し高めてもらいたいなという気持ちを持っております。
 それにしても、地域のばらつきが、今お話ございましたように地域によって非常に違うわけでありますが、今、増加していく、増加する回数を増やしたり、そういうふうにして、増量をしていく部分についてはできるだけ新しいお米を提供をしてもらえるように、インセンティブとして、増やしていくところについては新しいお米をまず供給するというようなことの改善を図ろうということで進めておりますが、今委員がお話しになりました、余っているから学校給食で使うんだという、そういう観念というのは、かつてそういうことがございましたけれども、そういう余っているからというんではない、まさに教育場面における食育を推進するという視点で積極的な評価をしなければいけないと、私はそのように考えております。
 それを農林水産省の側で負担をするのか、学校教育という面で文部科学省の方で負担するのか、これは政府部内のことでありますが、いずれにしても、政府としては、新しく学校給食というものを学校教育の中でしっかりと位置付けたということを踏まえまして、この改善を図っていくべきものだと私は考えております。
○政府参考人(田中敏君) 文部科学省でございます。
 主として農林水産大臣に御質問されましたけれども、一応文部科学省としても一言申し上げたいというふうに思いまして御説明申し上げたいと思います。
 学校給食における経費負担は、まさに先生御指摘のとおりでございまして、現行の学校給食法では、実際の食材の費用については保護者の負担、設備とか運営の経費、これは学校の設置者の負担というようなことですみ分けがなされてございます。学校給食費に対する実際上の助成ということについては、経済的な理由によって就学が困難な方、そういう児童生徒の保護者に対しては生活保護とか就学援助措置というような格好で措置がされているところでございます。
 先生御指摘の、今回の国会で御審議いただきたいというふうに思って提出をいたしました学校給食法の改正法案という中でも、先生御指摘のとおりでございまして、学校給食を活用した食に関する指導の充実ということを前面に出して学校給食の教育的意義ということを明確にしていきたいというふうに思っているところでございます。
 ただ、これについて文部科学省としては、学校給食を通じて食に対しての適切な判断力の涵養でございますとか、伝統的な食文化への理解でございますとか、生命、自然の尊重ということについての態度の涵養というようなことの目的で、学校給食を通じた食の指導というようなことをしていきたいというふうに思っているところでございます。
 先生御指摘の、実際上何らかの支援措置、補助措置ということはこれまでの経緯上なかなか難しいなという感じはしておりますけれども、農林水産省ともよく連携をして本件検討してまいりたいというふうに思っております。
○舟山康江君 やはり教育の一環として、一概に比べるわけじゃありませんけれども、例えば教科書、教科書は無償で提供しているわけです、まさに教育のための道具ですから。だから食事も無償でというところまでは申しませんけれども、ただ、そういった教育の観点があるということで、是非教育を担当される部局でまず保護者の負担だけではない、やはり何らかのプラスの支援があればもっとよりよい、食を通じた教育が充実するんじゃないかと、そんなふうに思っているところであります。
 いずれにしても、子供のころの味覚というのは、結局これ大人までずっと引きずるわけであります。以前に聞いた話ですけれども、マクドナルドの戦略というのは、子供のうちから舌を変えようということのようであります。子供のときにそういったものに慣れると、これ大人になっても食べたくなる。だから、子供のころからおいしい御飯とおいしいみそ汁を食べればもうこれずっと御飯が恋しくなる、パンより御飯の方がおいしいということになる、お茶もそうですね、お茶もそうだと思います。
 この話はまた別途時間を設けたいと思いますけれども、給食にお茶を出すことも考えた方がいいのかな、牛乳はおやつにしてもいいのかななんて思ったりもするんですけれども。まさに、先ほど冒頭大臣の御説明の中でもありましたけれども、自給率向上のためにもやっぱり子供のころから日本の食材、日本の食生活、そしてこの日本の農業、農産物というのはすばらしいんだ、そういった意識を食事を通じて、給食を通じて、教育を通じて学ぶことが、まさしく私は農業の理解、農村の理解、この美しい日本をこのまま、農村風景を守っていくことに大きく貢献するというふうに思っていますので、是非そのようなことで、この食育、学校給食についても是非御配慮というんでしょうか、目を配っていただきまして、特に備蓄米じゃなくて新米を支援していただけるように、おいしいものを食べさせていただけるように、よろしくお願いしたいというふうに思っています。
 ちょっと時間が押しているんですけれども、次に、食品リサイクルについて少しお聞きしたいというふうに思っています。農林水産省として、飼料自給率向上の一環として食品残渣の飼料化、エコフィードの生産拡大を推進しています。これは飼料自給率の向上だけではなくてリサイクルの観点、そして資源の有効利用という観点からも大変重要だというふうに思っています。
 この食品残渣のリサイクルに関しては、飼料化だけではなく肥料化、さらには発電に利用していたり、そんなことがされていますけれども、積極的に推進すべきだというふうに思う一方で、どうも現場では処分料金、リサイクルより燃やしちゃった方が安いといった、そういった処分料金の違いによる理由とか、あとは食品リサイクルを推進する、飼料化、肥料化、現場で必要とする部局と廃棄物処理部局の連携不足によってなかなか現場の市町村ではリサイクルが進んでいないというような声も聞いています。
 そのような実態をどこまで把握されているのかなということをまずお聞きしたいのが一点。そして、そういった実態に対しまして、特に事業系に関しては一定の再生利用率が指定されていますのである程度利用が進んでいますけれども、どうも事業系の中でも外食産業とか、それから一般家庭なんかはなかなか進んでいないという状況があると思います。やはりこういった部分をいかに再利用を進めて資源の有効活用、そして肥料化、飼料化、いろんなことに役立てていくのに結び付けていくかというのは非常に大事だと思いますけれども、こういった現場の連携不足で進まないという状況に対して、国レベルではどの部局がどのような形で指導をしているんでしょうか。
○政府参考人(由田秀人君) 昨年改正されました食品リサイクル法におきましては、食品リサイクルを推進するための制度強化を図りまして、その一環として食品関連事業者が達成すべき食品循環資源の再生利用率の実施率を見直しまして、より厳しい目標値を設定したところでございます。
 さらに、この法律に基づきます国の基本方針におきまして、食品廃棄物の発生抑制、再生利用、熱回収、減量の順で食品リサイクルに取り組むこととしまして、特に再生利用の実施に当たりましては飼料化を最優先に位置付けたところであります。このため、食品関連事業者におきましては、改正食品リサイクル法に沿いまして、新たな再生利用等の実施率目標の達成に向けまして、リサイクルなどの推進に取り組んでいく必要があるものであります。
 環境省といたしましても、食品関連事業者の取組が着実に進むように、農林水産省と連携いたしまして食品関連事業者の助言、指導に努めてまいりたいと考えております。
 一方で、食品リサイクルは、御指摘もありましたように地域におきます取組でありますから、その具体化と推進のためには市町村や都道府県の廃棄物担当部局の理解と協力を得ることが肝要でございます。このため、食品リサイクル法の制度や食品リサイクルの意義につきまして市町村などの現場担当者を含めました地域の関係者に対します説明会を開催するなど、市町村等との、地方公共団体等との連携体制づくりに取り組んでいるところであります。
 具体的には、この去る二月二十八日から三月二十一日にかけまして、全国約九か所の会場におきましてこのような地方公共団体の廃棄物担当部局を含めました地域の関係者の説明会もいたしましたところであります。これも農林水産省と環境省、連携を取りまして実施させていただいたところであります。
 今後とも、こうした取組をきっちりと進めていくことによりまして関係者の連携がより一層進みまして、食品のリサイクルが円滑に進むように努めてまいりたいというふうに考えております。
○舟山康江君 是非現場がきちんと動くように、笛を吹いてちゃんと下が動くようにしていただきたいというふうに思っています。
 ちょっと時間がないんですけれども、またちょっと学校給食に戻りますけれども、事業系という位置付けじゃないために学校給食における残渣、食品残渣というのは恐らく、リサイクル、その独自の取組としてリサイクルが進んでいるところもあれば、そのまま一般破棄物として処理されているところもあるんじゃないかというふうに思います。再生利用率が設定されていないということがあると思いますけれども、まさにこれも教育の観点からもリサイクルが推進されるよう、これも是非文科省さんも一緒に連携を取りながら進めていただきたい。御要望にとどめておきたいというふうに思っています。
 さて、最後にちょっと緑資源機構について一点だけ質問をさせていただきたいと思います。
 緑資源機構については来週また集中審議がありますけれども、この問題につきましては、林業関係の補助金を官製談合という形で無駄遣いをしたと。そういった意味では非常に大きな問題だと思いますけれども、そのことと森林に対する投資をどうしていくのか。それから、地球温暖化の問題、特に洞爺湖サミットを控えて、森林の持つ役割とは全く別問題でありまして、本当にこの役割というのはますます重要性を増しているんじゃないかというふうに思っています。そういった意味で、私は、森林につきましては、それが国有であろうが民有であろうが、国土保全や水源の涵養、生物多様性の保全はもちろん、特に京都議定書の関係では二酸化炭素の吸収源としては非常に大きな役割が期待されているなど、公益性が非常に高いというふうに思っています。
 今回、緑資源機構については、組織の廃止、どうもこの廃止を前提に議論が進められていて、ちょっと何か一時的に他の組織へ移管が決まったような半端な形じゃないのかなというような懸念がありますけれども、いずれにしても、私は森林については国有も民有もみんな一体として、もう管理、保全、整備、しっかりと国が責任を持って、それこそ独立行政法人に任せるとかじゃなくて、国が責任を持って最終的にはしっかりと担当すべきじゃないかと、そのように考えていますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 国が責任を持ってという意味がどのようなことでありますか、少し詰めなきゃいけないんですけどね。
 ただ、もう御承知のように、森林・林業基本法というのがございます。森林・林業基本法に基づきまして森林・林業基本計画を定めているわけでありますが、森林・林業基本法、私も改めて今朝読んだんですよ。やはり森林所有者は所有者としての、その自らの森林についての整備や保全についての努力というものが要請されておりますし、また都道府県も、治山事業というのは都道府県がこれを行っております。
 そして、独立行政法人は、おっしゃるように緑資源機構による水源林造成事業などをやっております。それぞれの人たちがそれぞれ役割を果たすようになっておりまして、国はそういうような役割を果たす主体に対しまして、その森林の整備保全について、それに応じた助成をし、あるいは指導をするという意味で責任を果たしていると、こう理解をいたしておるわけでありまして、その森林の整備、今おっしゃられたように国が直轄していろいろやるというのはとても、この森林整備を進める意味で、それが責任だと言われれば、ちょっと私は考えを異にしているところでございます。
○舟山康江君 国がすべて直轄してというのとは違いますけれども、例えば、農業に関しても、全部やはり農林水産省本体が農業政策を考え、いろんな事業を仕組んでやっているわけですよ。そういった意味で、この林業、森林に関しても林野庁、国が、林野庁がいろいろ、様々な民有林の管理に対する支援とか、そういったものを行うという、そういった御提案でありまして、すべて民間の林も……
○委員長(郡司彰君) まとめてください。
○舟山康江君 全部国が直接支援をするという意味ではありませんが、いずれにしても、私はやっぱり国というこの組織、役所、官庁が責任を持って、まさにこれからますます森林の持つ役割というのは重要性を増していく、増すことはあれ減ることはないというふうに思っています。そんな意味で、しっかりとこれは一般会計の中でやるべきじゃないかと、そのような思いを申し上げ、私の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。
○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。
 若林大臣には、御就任以来、国民の食を担う農林水産業の振興に大変御尽力をいただいておりますことに、まずもって感謝申し上げたいと思います。
 昨年は、米の過剰基調から米価が下落をいたしました。そのために、昨年の十月に一千百十一億という緊急対策を講じていただいたわけでありますが、ただ、この緊急対策につきましては、民主党の平野委員は、お書きになったお書物を読ませていただきますと、劇薬だと、こういう評価をされておりますけれども、私は、まさに良薬、すばらしい特効薬だと、こういうふうに認識をいたしておる、思っております。
 また、今年に入りましてからは、飼料高騰等によりまして畜産農家が大変な経営危機に陥っている、そういう状況の中で、一千八百億の、またこれも緊急対策を講じていただきました。これで現在のところ畜産農家も一息ついたのではないかなと、こういうふうに思っておりますし、私どもの地元でもそういう評価をいただいておるところでございます。
 そういう意味でも、若林大臣はお人柄そのものが、誠心誠意こういう農政問題にお取り組みいただいておりますことを改めまして心から感謝と敬意を表する次第でございます。
 そこで、まず大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、これは大臣の所信の中でも述べておられましたけれども、昨年の七月に、国民に対する食料の安定供給の確保を図るための方向性について議論し、食料問題に関する認識を国民全体で共有することを目的として、食料の未来を描く戦略会議が設置されまして、お聞きいたしますと、一月までに既にもう四回も開いておられると、こういうことで伺っておるわけでありますが、この今申し上げました戦略会議でございますけれども、どのような観点で議論を行い、そしてその結果をどのような形で生産現場なり国民に発信し、理解してもらうのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) もう委員が十分御承知のことでございますけれども、この食料問題というものを地球規模で長期的視点で考えてみますと、世界の人口、これはまだまだ増えるというふうに予測されておりまして、ほぼ世界的には合意されているわけですね。一方、供給側からしますと、生産農地について限界がございますほか、昨今の地球温暖化の進み具合によりまして、生産に大変影響が心配されているわけでございます。
 また、地球温暖化に関連いたしまして、石油資源から植物由来の燃料という意味でエタノール生産というものにシフトしていく傾向が見られまして、そのために食料、特に穀物がそちらに使われていくようになるというような大きな状況変化が進んでいるわけでございます。
 そういうことを考えますと、この食料問題というのは、六割以上にわたってエネルギーのベースでいって輸入に依存している我が国としては、政府の責任はもちろんでありますけれども、国民全体がこの食料の自給率について考えていただかないと、なかなかこれを引き上げていくということ、安心できるようなところまで行くというのは非常に難しいというふうに状況の判断を私はいたしているわけでございまして、生産面の努力と併せて、やはり消費面で、先ほどの食育の話がございましたが、国民の皆さん方が消費に当たってそういう食料事情というようなことも念頭に置きながら、国産品は少し高いけれども安全だと、安心だと、あるいはおいしいといったようなことも、こちらは生産努力いたしますけれども、そういう認識をしていただくというようなことも必要なんではないかなというふうに考えておりまして、そういう食料問題についての危機的な認識というようなものを国民全体で共有をしてもらわなければいけないと。
 そういう意味で、昨年の七月に私は主催をいたしまして、食料の未来を描く戦略会議というものを立ち上げたわけでございます。それぞれ、有識者の皆さん方を煩わせまして、御議論をいただいてきたわけでございますが、この議論を通じて、やはり食料の未来を確かなものにするためには、国民、生産者、加工、流通、外食、そして政府というものが一体になってこれらの課題を解決する努力が不可欠だというような認識に至ってきておりまして、そういうことが最終的に食料の自給率を高めることにつながっていくということでございます。
 この戦略会議は、近々取りまとめをいただいて、提言をいただく予定になっているわけでありますが、私としましては、この提言は多くの国民に広く発信をし、食料問題を国民皆さん方自らの問題として認識していただくための国民的な議論、言わば井戸端会議、お茶の間会議、いろいろな場面でも話題にし、みんなでこのことを議論をしていただくというような、そういう素材を提供したいというふうに思っておりますし、この提言を受けまして、食料の安定供給に必要な政府としての施策についても早急に検討、取りまとめをいたして、それをできるところから着実に実行していくようにしたいと、このように考えているところでございます。
○野村哲郎君 今、大臣の御答弁で、生産と消費の両面から食料に対する問題、課題を共有していこうと、そして食料安定供給についての施策を検討していくんだと、こういうお話がございました。
 そこで、先般の、先ほど来も出ております中国製の冷凍ギョーザの事件もありまして、輸入食品に対する不安というのは高まっておりまして、さらに国際的な穀物の高騰、国民の間では食料自給率についての関心が高まっているところであります。
 先日の当委員会でも私どもの市川一朗委員より自給率の向上という視点で質問がありましたけれども、私は食料の安定供給、こういう視点でただいまから御質問をさしていただきたいというふうに思っております。
 といいますのは、市川委員からも今がその農業振興のチャンスだと、チャンスのときだと、こういう御指摘もありました。しかし、昨日の実は農業新聞に、世界の期末在庫危険水域にという見出しで出ておりました。早速、役所から海外食料需給レポートをいただいたわけでありますけれども、これを見ますと大変私はショックを隠し切れない、そういう感じがいたしました。
 当然、我が国の穀物の自給率はもう御承知のとおりでございまして、小麦なり大豆、それから油脂類、こういった大変低いものもありますし、三九%というカロリーベースの実情から考えますと、当然にこれは国内の自給率向上というのは喫緊の命題である、そういうふうには思っておりますが、しかし、一方ではそう簡単に一朝一夕に自給率をアップできない、この難しさということも認識をいたしておるところでございます。そこで、国民にその食料を安定的に供給するためには、もちろん先ほど申し上げました国内生産の拡大、そして自給率を上げていくと。もう一方では、現実的には安定的な輸入というのも一方では必要ではないかというふうに思うわけでございます。
 しかし、先ほど申し上げましたように、世界の穀物の在庫が危険水域にあるとの認識ならば、翻って我が国の米びつにはどのぐらいの在庫があるのかということが大変不安になってくるわけであります。当然、今まで小麦などを輸出しておりましたアルゼンチンだとか、あるいはまたロシア等々七か国が自主的に輸出を禁止をいたしました。国際市場に玉がない状況になりつつあるというふうに認識をいたしておるところでございます。
 そこで、輸入に依存している日本にとりましては、国民に食料の安定供給を行うのはある程度の国内在庫が必要であるというふうに思うわけでありますが、今現在、国家備蓄の穀物はどの程度の量があって、そしてそれは何日分に当たるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(町田勝弘君) お答え申し上げます。
 我が国におけます穀物等の国家備蓄でございますが、現在、米につきましては百万トンということで、これは十年に一度の不作、あるいは通常の不作が二年続いた事態を想定しているというものでございます。また、小麦につきましては、年間需要の一・八か月分の七十五万トン。食品用大豆につきましては、年間需要の約二週間分として三・五万トン。飼料穀物につきましては、年間需要の一か月分として、トウモロコシ、コウリャン六十万トン及び米三十五万トンの合計の九十五万トンの水準で備蓄を行っております。
 これらの備蓄につきましては、穀物等の供給国におけます災害によりまして短期的に輸出が停止されるなど、これまでの需給逼迫の事例等を勘案して必要な数量を設定しているものでございます。
○野村哲郎君 今局長の方からお答えをいただきましてびっくりしたのが、大豆が二週間分で三・五万トン、三十五万トンですか──三・五万トン、まあ二週間分だということでございます。
 私は、このレポートを見まして、やっぱり大豆について期末在庫が、これは世界の期末在庫でありますけれども、前年比で二五%減と急落する見通しがこの皆さん方がお書きになったレポートにあるわけでして、本当にこれだけでいいのかなという気がしてならないんです。
 といいますのは、私が先般地元に帰りましたときに、しょうゆのメーカーの社長さんといろいろお話しする機会がありました。そこで、その社長が言うには、もうとにかく玉がないと、あっても高過ぎて買えないと。で、どうしているんですかと言ったら、いや、もう中国から、それこそ本当はノンGMがいいんだけれども、もう遺伝子組換えの大豆であっても何でもいいと。そういうような大変せっぱ詰まった話を聞いたわけです。その代わり、小売店にはきっちりとこれは遺伝子組換えの中国の大豆で作ったしょうゆだということをはっきり言って、もうそれで売れなければいいと、こういう、開き直るじゃありませんが、大変苦しい胸の内といいますか、お話をお伺いしたわけであります。
 当然、大豆は豆腐なり納豆、それからみそ、しょうゆ、もう毎日の食生活には絶対欠かせないものでありますし、これはやっぱり日本の食文化そのものだというふうに思うわけでありますが、大豆に限らず、今局長がお答えになりました日本の米びつに入っている穀物ですね、在庫、このままでいいんですか。私はもう少しこれは増やすべきだと、そして国民の皆さん方にいざというときに安定的に供給していく、そういうやっぱり体制を取ることが私は国の役割であろうし、また政治の責任だろうと、こういうふうに思うわけです。
 そうしましたら、今朝、また農業新聞を見ておりましたら、まあ有り難いお話でありまして、高騰を予測して在庫を確保するということで、これは小麦だけでありますけれども、前年度より十三万トン増やして、期首よりも七万トン多い在庫を増やしていくよという記事が今朝載っておりました。
 これは昨日の農水省の食料・農業・農村政策審議会の食糧部会でのそういう発表だったというので、ああ、非常にタイムリーなお話があったなと思っておるんですけれども、これを増やすという、今おっしゃった在庫を増やす方向というのは考えておられるのかどうか。小麦は確かに昨日の食糧部会でお話があったと思いますが、そのほかの国家備蓄の穀類について増やすお考えがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(町田勝弘君) まず、最初の昨日の小麦のお話でございますが、先ほども申し上げましたように、小麦につきましては年間需要の一・八か月分という水準で備蓄をすることにいたしておりまして、十九年産の販売進度等の関係でこの在庫数量が一・八か月分を下回ったもので、先ほど言った七万トン増加ということで、基本的な考え方は変わってございません。
 今後国家備蓄を強化するべきではないかという二点目でございますが、現在のところ、小麦、大豆、飼料作物につきましては、従来から我が国の主要輸入国でございます米国、カナダ、豪州等からの輸入は取りあえず確保されております。また、これらの国々では、我が国が輸入している穀物につきまして輸出規制を実施しているという実績はございませんので、国内供給に直ちに支障を来すという状況にないものというふうに認識しているところでございます。
 しかしながら、こういうことで、直ちにこの備蓄水準を引き上げるという状況にはないというふうに考えておりますが、今後とも食料の需給や価格の動向をきちっと注視してまいりたいというふうに考えております。
○野村哲郎君 いや、局長、やっぱり大豆等がたった一週間程度ですか、二週間程度ですか、まあ確かに国際的な流通量からいったときには、まあそんなにまだ心配する話じゃないというお話ですけれども、しかし二週間といいますともうあっという間だと思うんですよ。それは前、あのアメリカが輸出禁止をしたときにあれだけパニックになったことがあるわけです。先ほど来言いますように、大豆というのは本当に毎日の食生活に絶対欠かせないものなんですよ。ですから、そのことはちょっとやっぱり、今後とも内部でも是非御検討を、これは大臣、お願い申し上げたいと思います。答弁は要りません。
 それで、大豆についてあと二、三お伺いしようと思って、たぶん佐藤局長はそのところで座っておられるかと思いますけど、時間の関係もありますので若干飛ばさせていただきたいと思います。せっかく先ほど市川先生が竹谷局長が来ておるぞと、大きいかばん持ってきているんでという話でありましたので、それに是非ともこれは質問しないと悪いなと思いましたんで、佐藤局長には大変申し訳ないんですけれど、竹谷局長の方にお伺いしたいと思います。
 昨日も市川一朗委員より質問がありました。いわゆる今後の新規の需要米との関連でございます。確かに飼料用米なりあるいは米粉なりあるいはホールクロップサイレージ、いろんな形で、米の主食じゃなくて新規の需要米として明るい、これは本当に暗い話が多い中で明るい私は展望のある話だというふうに思っております。そういう意味では、この新規需要米としての期待は膨らんでくるわけでありますけれども、これらの米は主食用米と違って、これは多収穫米でないとコスト的には合わないのではないかと、こういう問題があると思うんですね。
 そこで、特に今年から始まります飼料用米、これにつきまして、種もみの確保が難しいと、こういうことも聞いておるわけでありますが、現在、いよいよ今年からもう田植えが始まっていくわけでありますけれども、面積換算にしてどの程度の種子が確保されているのか。そして、今後こういう飼料米等については面積は今年だけじゃなくて来年以降も拡大していくというそういう気がしてならないわけでありますが、生産者の皆さん方が作りたいと言っても種がありませんじゃこれは困った話でありますんで、そういう意味で、あと何年ぐらいしたら大体生産者の要望にこたえられるような種子の確保ができるのか、そのことについてお伺いしたいと思います。
○委員長(郡司彰君) 内藤生産局長。
○野村哲郎君 ああ、済みませんでした、生産局長の方でしたか、ごめんなさい。
○政府参考人(内藤邦男君) 飼料用米、それからホールクロップサイレージ向けの専用品種の種子でございますけれども、これは県、それから日本草地畜産種子協会が増殖を行いまして希望する農家に供給しております。このほか、主食用米の種子を使ったりあるいは農家が自己増殖で作っている分を利用するということもございます。
 二十年産の飼料用稲の作付けに向けまして、県、日本草地畜産種子協会からの種子の供給数量は約百五十トン、これ面積に換算いたしますと約三千七百ヘクタール相当と見込まれます。このうち、日本草地畜産種子協会が供給する分でございますが、十九年産におきまして種子の増殖、増産を行いました結果、要望があったものが六十八トン、これは千八百九十一ヘクタールに相当いたします。この六十八トンの要望に対しましてほぼ供給できる状況となっております。
 一方、飼料用稲の専用品種の種子の要望がない地域もあるわけでございますが、こういった地域におきましては主食用の種子を活用することによって対応するのではないかというふうに思われます。
 今後の動向でございますが、まず飼料用稲、それからホールクロップサイレージ用の稲の生産の動向を踏まえながら、まとまった需要のある県がございますが、そういったところで種子をまず自ら増殖する体制を整備するよう指導することとしております。あわせまして、日本草地畜産種子協会におきまして種子の生産農家、これ委託して作ってもらうわけでございますが、この種子生産農家の拡大を図るということによりまして、専用種子を供給する体制を強化していきたいと考えております。
 以上でございます。
○野村哲郎君 ありがとうございました。
 次の質問に入らさせていただきたいと思いますが、担い手の育成対策についてでございます。
 昨年の十九年の十二月末現在の認定農業者数は二十三万七千、そして集落営農数が一万三千、合わせますと二十五万の経営体ということになろうと思いますが、ただ、二十七年の目標の経営体にいきますと、一昨日も話がありましたように、やっぱりこの四十万の経営体、これは必要になってくると思うんですけれども、この目標達成のためには今後十年足らずの間に十五万の経営体を育成、確保する必要があると、こういうことになってくるわけでございます。
 そして、昨年スタートいたしました品目横断的経営安定対策、これは生産現場からの要望、あるいはまた地域の実態を踏まえるということで、先ほども大臣の方からお話がありましたように、見直しがなされまして水田・畑作経営所得安定対策と、こういう形でリニューアルがなされたところでございます。このリニューアルによって、小規模農家なりあるいは高齢者、こういう方々も、地域が担い手として認めた者を認定するという市町村特認が導入されたわけでありまして、まさに生産現場の実態に応じた対応が可能になってくる、こういうふうに思うわけでございます。
 しかしながら、今回のこの要件見直しで、今現在、私どもの地元では、二月の十九日に説明会開いて、そして、今それぞれの地域の担い手協議会が生産者を対象にしながら説明会を開催しているところでございます。今からということになってこようというふうに思っております。
 ただ、せっかく市町村まで下ろしたこの特認のことでありますが、是非これはお願いしたいというか、役所の方でも、ただこれはもう市町村に下ろしましたと、こういうことではなくして、やっぱり進度管理をしなきゃいかぬ、そして、その前にこういう仕組みのやっぱり周知徹底をしていかないと、霞が関では分かっていても、なかなか今度は市町村に行ったときにきっちり説明ができるかというと、なかなかこれがまちまちな説明になっているというのを聞いております。
 したがいまして、なぜそんなことを言うかというと、知事特認のときはゼロだったわけでありますから、そのやっぱり轍を踏まないように、せっかくこうしてハードルを下げていったわけですから、やはり役所としてきちっとした進度管理をしていただきたい、そのことで局長の考え方をお述べいただきたいと思います。
○政府参考人(高橋博君) 水田・畑作経営所得安定対策につきましては、今委員御指摘のとおり、昨年末に生産現場からの意見等を踏まえまして、制度が地域の実態に即したものとなるよう所要の見直しを行ったわけでございます。
 今回の見直しに当たりましては、昨年末、この対策の見直し決定後直ちに、全国の地方農政局、地方農政事務所、これは国の機関でございますけれども、そこに内容を周知徹底すると同時に、前回私どもこの制度が発足段階におきまして各地域で御説明を差し上げたわけでありますけれども、説明者によって若干ニュアンスが違うとか、そのような御批判もいただいたところでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、今回の見直しに当たっては、今申し上げましたように、まず国段階での認識を一致させるとともに、年明けから都道府県あるいはJA、農業会議等の担当者を対象といたしました全国説明会を開催をしまして、その際には本省から直接担当者を派遣する、今回の見直しに当たりました担当者を派遣をいたしまして、ブロック単位の説明会あるいは県別単位の説明会の際にそこにそごがないようにということで、大体百回程度の説明会を開催させていただいております。
 さらに、実はこれから生産者に更に浸透していくということが重要でございますので、現在、今お話もございましたように、生産段階で地域の担い手協議会等が中心となりまして説明をしておりますけれども、その際には、農家向けのDVDを、これは私どもの担当者が画像でもちまして説明をするというのを地域の協議会で作っていただいております。これを積極的に活用する。
 それから、やはり地域、都道府県ごとに状況が異なります。北海道の状況、東北の状況、あるいは九州の状況等々違いますので、今回パンフレットを作成しておりますけれども、これも都道府県ごとにその実態に応じたものとする、そういったような形の資料を作りましてそれで積極的な周知徹底を図っておるところでございます。御指摘のとおり、今これからの一番の大事なところでございます。
 さらに、実は二月になりまして、本対策に関します相談窓口といたしまして、農政安心ダイヤルというのを本省、地方農政局、地方農政事務所の各段階に新設いたしました。これは生産者からの質問、御意見等に対して担当官、事務所で分からなければ本省に直接というような形で担当官もきちんと指名をいたしまして、御質問等、御意見等に対して対処するという仕組みもつくっておりますので、これらも積極的に活用しまして生産現場にきちんと説明をしていきたいというふうに思っております。
○野村哲郎君 前回の特認のようにゼロとかそういう数字にならないように、相当皆さん方が上がってきて大変苦労しているというぐらいのうれしい悲鳴になるように是非ともやっていただきたいと思います。
 そこで、やはりこの担い手対策として、昨年、新規事業として、担い手育成確保支援対策を作っていただきました。このことにつきましては昨年のこの委員会でも私は質問をさせていただきました。大変、担い手をつくっていく、そして集落営農を育成していく、そういう意味でのインセンティブの働く事業だと、画期的な事業だと、こういうことで申し上げたところであります。
 ただ、昨年、初年度ということで予算も百七十六億しかなかったわけでありますが、今年は大体百十億上積みしていただきまして二百八十七億、こういう大変財源の厳しい中で上積みを図っていただいたのは大変評価ができるというふうに思っているところでございます。
 そこで、昨年もこのことを申し上げたんですけれども、特に担い手の皆さんから希望が多いのが、俗にいう融資残補助事業であります。昨年もこの場で申し上げましたのは、三十五億の予算に対して七十二億からの要望が上がってきたと、半分は採択ができなかったと、こういうことで、今年もお聞きしますと、六十四億に今年は引き上げていただいたということがございます。
 そこで、はしょって質問いたしますけれども、要は、今年もどのぐらい来るか分かりませんが、多分私は六十四億では足らないと、不足すると、昨年非常に好評だっただけに今年はまたどっと来るのではないかなというふうに思っておるんですが、それの採択をするときの基準、いわゆるポイント制の基準が昨年まだスタートして間もないころでありましたので、いろいろ試行錯誤の中で実施されているというのは理解はできたんですけれども、どうもこのポイント制の評価基準がおかしいんじゃないんですかということを御指摘を申し上げ、是非二十年からは見直してほしいというお話をさせていただいたところでありますけれども、その後見直しをされた、二十年度からこういうところを中心にして変えましたよというところがあったら、局長、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(高橋博君) 今、野村委員御指摘がございました、担い手が融資を主体として農業用機械施設等を導入する際に融資残の自己負担部分に対しまして補助をするという事業でございます。
 御指摘のとおり昨年度、非常にこの事業に対しましては要望等が多くて、私どもとしてもその財源の確保ということについて更に頑張らなければいけないということで、本年度、ほぼ前年に比べまして倍に近い、今御指摘のような水準を確保いたしました。
 それから、これも昨年、二度ほど委員からも御指摘ございました。これに関しまして、本事業はそもそも我が国全体で不足している担い手について全国的に育成確保をしていく、そしてその育成確保された担い手が農地を利用集積をするという農政上の重要課題に対応するためにこのような緊急の措置として講じた手段でございまして、特に構造改革面で問題となっております水田農業あるいは畑作農業について、地域農業全体の底上げを図るという趣旨でこのような担い手の制度を取りまして、具体の採択についてはある意味高い成果目標を挙げることによって地域全体を底上げしていただこう、地域農業の構造を更により良いものにしていただこうということで決めました。
 それで、今御指摘の採択基準でございます。確かに前回、既に担い手が相当程度でき上がっている地区、今まで頑張ってこられた地区については、これを更に際立って目標立てるのはポイント制上は非常に問題ではないかというような御意見、不利、不公平だと、担い手が確保される仕組み、不公平だという問題があったことでございますので、今年度におきましては、この担い手の育成確保の成果目標につきまして、地区内の販売農家に占めます認定農業者の割合が平均以上であるという、これまで一生懸命頑張ってきたところについては特別の加算ポイントを付けるということで、このような御批判に対して改善を加えたところでございます。
○野村哲郎君 時間が大変なくなりましたんで、急いで御質問させていただきます。
 保険法のことについての質問でございまして、実はこの保険法、今国会に提出されているものでございまして、今回提出されるこの保険法につきましては、保険契約と同じく広く社会に普及しておりますJAの共済だとか、あるいは生協の共済、それから全労済、こういった共済契約について契約者保護のために保険契約と共済契約に関するルールを共通化したものというふうに理解をいたしているところでございます。したがって、法律の対象になるものは民間保険会社の保険商品と、それから農協、生協、あるいは全労済の取り扱う共済もこの対象になってございます。
 私は、法律そのものについては消費者保護の観点からも全く異議がありません。しかし、その一方では不安と実は危惧がございます。それは、一般の保険と違いまして共済は相互扶助の精神から生まれた制度でありまして、まさしく協同組合運動の原点とも言えるのがこの共済事業であります。今回の保険法におきましては保険と共済が同一の法律で規定されておりますけれども、契約手続だけに関して言えば全く、今申し上げましたように、私は異議はございません。
 しかし、保険法によってこの契約手続が同一の法律で規定されておりますので、今後、共済事業についても保険業法での下で一般の保険と競争させればいいという、そういう短絡的な議論が起こってくるのではないかという不安と危惧でございます。
 といいますのは、二〇〇五年十二月の日米規制改革及び競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書、ちょっと長いんですけれども、いわゆる対日年次改革要望書を見ますと、すべての共済に民間競合会社と同一の法律、あるいは規制監督を適用することにより共済と民間競合会社の間に同一の競争条件を整備すると、こういう記載がこの要望書の中にございます。まさに相互扶助が目的であります共済制度を弱肉強食の競争社会にほうり出さん、ほうり出せと、こういうふうに言わんばかりの、私は競争原理至上主義的なアメリカからの要望であると、こういうふうに思います。まさに、郵政民営化のときと同じようにアメリカのシナリオどおりに進むのではないかなという、まさに悪夢を見る思いでございます。
 先ほども申し上げましたように、共済事業はそれぞれの組織において相互扶助の精神から発足しておりまして、全然違うと、一般の保険とそれからこの共済は違うと、こういうふうに思うわけでありますが、仮に先ほどのアメリカの要望書にありましたような民間保険会社と同一の法律の所管となった場合、組織全体を所管する省庁と事業監督省庁が別になり、いろいろ不具合が出てくるのではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 したがいまして、先ほどの米国からの要望に沿うための布石ではないかというふうに何となく思われてならないんでありますので、念のためにこの場で幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 まず、この法律は、協同組合の組織運営や事業の在り方を規定するものではなく、またあくまで保険、共済契約の在り方を定めるものであり、また保険と共済が対等の制度として取り扱われているかどうか、まず農協の監督官庁であります農水副大臣に、農水省としての見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(岩永浩美君) 委員御指摘いただいた今国会に提出されている保険の法案は、現在施行されている商法の保険の規定を独立をさせて新法を制定しようとするものですが、現行の商法の保険の規定は保険契約のルールを規定するもので、共済契約には適用されておりませんでした。したがって、これまで共済契約については法律上の契約ルールが存在しておりませんでしたが、今回の保険法案は、保険契約と共済契約を対等に位置付けて、共済契約についても適用されるものであります。
 したがって、これによって共済契約についても法律に基づく基本的な契約ルールが定められることになりますので、共済契約上のトラブル防止などの効果が期待されると思います。このため、JA共済を所管している農林水産省としても、JA共済の健全な発展やJA共済の利用者の保護を図る上で評価できるものと考えており、全共連が共済事業を引き続き適正に行うように指導してまいりたいと思います。
○野村哲郎君 今日は法務省にも来ていただいておりますので、今、岩永副大臣から御答弁がございましたけれども、保険と共済が対等の制度として取り扱えることになるのかどうか、このことを法務省の方に確認したいと思います。
○政府参考人(始関正光君) 先ほども岩永副大臣から御答弁ございましたとおりでございまして、この保険法案におきましては、共済契約を保険契約と対等、独立のものとして取り扱っているところでございます。
○野村哲郎君 ありがとうございました。
 次に、金融庁にも来ていただいておりますが、この本法案は将来、保険、共済を同一の監督法、いわゆる保険業法で所管することを示唆するものではないという、金融庁は明言できるかどうかお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(細溝清史君) 所管官庁のある制度共済、こういった農協等の協同組織において提供されている共済でございますが、それにつきましては、基本的にはその在り方につきましてはそれぞれの所管官庁において検討されるべき事項であると考えております。
 ただ、一言、金融取引上の消費者保護の観点から必要があるということになりますれば、私どもといたしましても関係省庁と御相談をしていきたいというふうに考えております。
○野村哲郎君 もう少し、またこの話は時間があるときに、また今の審議官の答弁でちょっとやっぱり気になるところもございますので、時間が参りましたので今日はやめさせていただきますが、また日を改めてやる場合があるということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。午前に引き続きまして、よろしくお願いいたします。
 まず、今日は二日前の大臣所信質疑で聞けなかった点から進めさせていただこうと思っております。
 森林データベース及び森林境界の確定の話から質問をしたいと思います。
 効率的な森林整備を進めるためには施業実施の団地化が不可欠であるということで答弁がずっとあるわけであります。団地化を図るためには、山林の所有関係の情報整備というものもこれまた重要でございます。
 現在、我が国の私有山林の所有構造で、在村者、不在村者別の面積割合を見てみますと、不在村者の私有林面積割合は増加しておりまして、平成十七年には二四%を占めております。不在村所有者は自らが林業の担い手にはなりにくい特徴があるわけでありまして、また、不在村所有者が増えていきますと、自分の山に入ることが少なくなるために所有林地の境界が不明確になるという問題もございます。民有林の間伐を行うためには所有者の了解を得ることが必要でもありまして、境界が確定していない森林では間伐が進まない一因にもなってまいるわけであります。
 現在、都道府県レベルで森林GIS、地理情報システムの導入が進められております。森林の図面情報、森林簿などの台帳情報、施業履歴などの個別データを一元的かつ継続的に管理し、森林経営の効率化や企画立案に資するものであります。
 採算の取れる林業を確立するためには、よく例に、引き合いに出されます京都府の日吉町の森林組合の例のように、森林調査を行って、森林情報をきちんと整備して、不在村所有者の山の境界を確定していくわけでありますが、これに基づいて、不在村地主等の小規模所有者に対しても間伐を含めた施業提案をできるような体制を整えていくことは重要であります。
 林業競争力の強いフィンランドでは、サラリーマン、年金生活者が私有林の六割を占めております。その多くがいわゆる不在村所有者であります。我が国の所有構造と共通点が多いわけでありますが、この所有構造を克服するシステムがフィンランドでは構築されていると伺っております。その最大の武器がデジタル化された森林データベース、またこれをベースとした長期森林管理計画でございます。
 そこで、まずお尋ねいたしますが、現在、都道府県における森林GISの取組状況はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(井出道雄君) ただいま委員からお話がありましたように、森林整備を計画的かつ適切に進めるためには森林情報システムを整備していくということが重要でございます。
 現在、各都道府県におきまして、森林所有者とか樹種、面積などの情報を明らかにしました森林簿というものがございますが、この森林簿と地図情報を一元化しました森林GISというものを整備を促進をしておるところでございます。現在、四十四の都道府県でこの導入が進められておりまして、各種の森林計画の策定ですとか、今お話がございました所有界の把握、あるいは間伐などの森林整備に活用されているところでございます。
○谷合正明君 前回は、国土交通省さんにも来ていただいて、地籍調査について質問をさせていただきました。森林境界を明確にするということとともに、その地籍調査も同時にやはり、これは国土交通省のマターでありますが、しっかり進めていかなければならないと思っております。
 しかし、その林地分野におきます地籍調査は四〇%ということであります。山の所有者が高齢化していると、不在村所有者も二四%に現在上っているということを考えますと、これを進めていこうとするにはかなり力を入れて取り組まないといけないと思います。
 この点については、国土交通省だけじゃなくて、農林水産省との連携が非常に重要になると思っております。
 この地籍調査あるいは森林境界の明確化について農林水産省の取組をお伺いいたします。
○政府参考人(井出道雄君) 森林の境界の明確化についてでございますが、林野庁といたしましても、例えば森林整備事業を実施する際には事業区域を確定しなければなりませんので、その際の測量等は支援の対象といたしまして境界の確認を行っておりますし、また、森林組合が、今お話のあった日吉の森林組合のように、施業を集約化するためには境界測量が必要でございます。そのためにも支援を行っております。さらには、森林整備地域活動支援交付金制度というものもございまして、これも施業の実施区域を明確化するためのくい打ちなどの作業についても助成を行ってきているところでございます。
 また、御指摘のありました国土交通省所管の地籍調査あるいは山村の境界保全事業の内容が森林組合等に十分に理解されまして、地籍調査による森林境界の確認が円滑に実施されますよう都道府県の担当者とも連携を図っているところでございまして、今後とも、この境界の明確化に向けて林野庁としても国土交通省と協力して適切に取り組んでいきたいと、このように思っております。
○谷合正明君 いずれにしても、あと私は数年が山だと思っておりまして、これ、手遅れになりますと情報整備というのはなかなかもう進まないものだというふうに危機感を持っております。こうした声というのは実際、森林関係者、林業関係者の方に聞くと必ず出てくる話題でもございます。どうかひとつ農林水産省としても本腰を入れて取り組んでいただきたいと思います。
 次に、花粉症対策についてお伺いをいたします。
 私、花粉症なんですけれども、大臣、副大臣、政務官はそれぞれ花粉症でないというふうにお伺いをしております。大変結構なことだと思いますけれども、現在、日本国民の約一六%が杉花粉症であると推測されております。患者数は一千八百万人から二千三百万人と推定されておりまして、有病率一〇%とした場合の年間医療費が二千八百六十億円、労働損失は年間六百五十億円とも言われております。
 これは、杉花粉は文明病だとも言われているんですけれども、そうでもなくて、杉は樹齢三十年に達するころから花粉生産力が強くなると。つまり、今ちょうどその花粉を出す杉が増えてきているということでございます。花粉生産量の強い杉林の面積が増えておりまして、緩やかではありますが今後も花粉の飛散量は増え続けていくというふうに予測もあります。また、杉だけではなく、杉から十年ほど遅れて植林が広まったヒノキも杉同様に花粉生産力が強まる樹齢に次々と達しております。
 そこで、この花粉症対策でございます。今後の花粉症対策をどのように推進していかれるのか、まず、大臣の御決意をお伺いいたします。
○国務大臣(若林正俊君) 今委員がお話ございました花粉症の被害とそれに伴う波及的な損害というのは、もう大変な損害料になっているというふうに承知いたしております。
 国民からも花粉発生源としての対策強化の要請が非常に強まっているという状況を踏まえまして、昨年、林野庁内に花粉発生源対策プロジェクトチームというのを設置いたしました。そして、花粉発生源対策などにつきまして検討を行いまして、八月末にその検討結果を取りまとめまして、平成二十年度予算においてこのプロジェクト対策として措置を講じているところでございます。
 このプロジェクトにおきましては、まず、杉花粉発生源の調査を踏まえまして、首都圏などへの杉花粉の飛散に強い影響を与えると推定されております杉林の少花粉の杉林や広葉樹林などへの転換を図るというのが第一であります。
 二番目は、少花粉杉などの苗木をまず供給しなければなりません。そのような苗木の供給量を、平成十八年度は実は十一万本でございますが、長期を要します平成二十九年にはおおむね一千万本、十一万本を一千万本に大幅に増大するということのための供給体制を整備するということに取り組むことといたしておりまして、今後とも花粉発生源対策の一層の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 今、苗木の供給量の目標が出されました。一千万本、平成二十年から二十九年度にかけて十年間で一千万本供給していくという、これまでの実績に比べますと大変大きな数字、これは大変私も歓迎したいわけでありますが、この苗木の供給量を、これを、技術的な問題がいろいろあるんだと思います。
 これまでは一千万本じゃなくて百万本が目標だったと思うんですけれども、苗木の供給量を増やすための具体的な対策というのは現実にどうなっているのか、確認させてください。
○政府参考人(井出道雄君) 御指摘のように、十一万本を一千万本に増やすというのは、従来ベースの苗木の生産サイクルではこれは全然間に合わないわけでございますので、新たに様々な技術的な検討を行いまして新たなチャレンジをしようといたしております。
 一つは、ミニチュア採穂園と言っておりますが、採種する木を小面積に従来の四倍ぐらいまとめて植えまして、木の高さを一メートルぐらいまでに抑えるという、小さな木に作りまして、それによりまして、そこにいわゆる植物ホルモンであるジベレリンを散布して花を付かせるのを促進する、着花促進をするということで早期に大量に種子が生産できるというような仕組み。あるいはマイクロカッティング技術と申しまして、二、三年たった苗木から、その穂先から穂を取りまして、それを挿し木にして増やしていくということで、従来ですと、この採種園とか採穂園というのをまず十年ぐらい掛けて造成をして、それから取っていくということでありますので、準備運動がすごく時間が掛かったんですが、そういう準備運動を省略することによってこの二十九年度で一千万本というものを達成したいということでございまして、それに所要の予算を二十年度予算で大幅に拡充したところでございます。
○谷合正明君 ありがとうございます。
 過去の委員会質疑録を読んでいましたら、平成十一年から十七年の間で、七年間で花粉の少ない杉、あるいは無花粉杉を四十一万本植林したと。一方で、杉全体の植林の数はこの同じ七年間の中で一億四千万本だったということで、わずか〇・三%ぐらいですかね、一%に満たないと。これもっと抜本的に増やすべきだという話がございました。これは一千万本にしますと、単純には比較できませんけれども、〇・三%が約五%ぐらいの比率になるんだというふうに、この植林に関して、杉植林、全体の植林の五%はこの無花粉か花粉の少ない杉になるわけでございます。
 じゃ、この五%でしっかり先ほど言われた首都圏とか、そういう具体的に地域を出されましたが、十分これ対応できるのかどうか、この四大都市圏ですね。首都圏、愛知、大阪、福岡・北九州でまず取組を進めると。さらに、私は、その地域だけじゃない方も花粉症に苦しんでおりまして、余裕があれば、しっかり発生率が高いそのほかの大都市も支援していくべきだと思っておりますが、若干この一千万本と、このターゲットとする地域のこの相関関係というか、このバランスがよく分からないものですから、ちょっとそこを質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(井出道雄君) 委員から過去の実績等について御紹介がありましたが、最新の数字でいいますと、現時点では、一年間に供給されています杉の苗木というのは約一千五百万本でございます。ですから、先ほど申しました平成二十九年度に一千万本が達成できれば、約三分の二が少花粉杉等になるということになります。年間一千五百万本必要でございまして、二十九年度には一千万本を作れれば、少花粉杉でですね、ですから単年度では三分の二が少花粉杉でカバーできるということになります。
 そういう目標を持ってやっておりますが、当面は、やはり花粉症の被害を受けていらっしゃる方の多い大都市圏域の周辺から攻めていくということでやっていかざるを得ないということでございまして、そのために首都圏、中京圏、京阪神圏、九州北部の四大都市の周辺で今この発生源の調査の事業をやりまして、それを踏まえた形でこの少花粉杉を展開していくというふうに考えております。
○谷合正明君 分かりました。是非四大都市圏に加えて、三分の二がカバーできるのであれば、もっと広げられそうな感じも、印象もしないでもないので、是非、別に岡山だけじゃないですけれども、ほかの地域も含めていただきたいなというふうに思います。
 次に、都市農業について質問をさせていただきます。
 食料・農業・農村基本法には、国は、都市及びその周辺における農業の生産振興に必要な施策を講じることが明記をされております。
 農業全般の施策を推進するに当たりまして、私は、消費者に最も身近な都市農地を守り、そこにおける農業を活性化する観点というのが非常に大事だというふうに思っております。大規模農地の担い手を確保育成するということも基本でありますが、その周辺に都市農家のような多彩で意欲的な中小農家がたくさんいて初めて日本の農業が成り立っているという現実も直視しなければならないと思います。
 そこで、澤政務官に質問をさせていただきますが、この都市及びその周辺における農業の重要性の認識なんですが、今食料自給率は三九%ということで、世界的規模で食料争奪戦が激化していると。消費地に近い都市農地は、万が一の場合に食料供給の生命線ともなるんじゃないかと。実際にはキューバなんかはまさに都市農業というのはこの食料確保のための位置付けであります。さらに、地産地消のかなめと位置付けるべきであると思っておりますが、この都市農業の重要性をどのように認識されているのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(澤雄二君) 最初に、済みません、私、花粉症でございます。
 都市農業につきましては大変重要であると思っております。そして、その重要性というのは年々増しているというふうに考えております。
 その主な理由は五つございます。
 一つは防災であります。
 言うまでもなく、オープンスペースというのは避難場所になりますし、延焼を防ぎます。それだけではなくて、都市農家が持っている、所有している井戸ですね、これはいざというときに生活用水、飲料水に大変有効であるというふうに期待をされています。
 二つ目は環境であります。
 もちろん、農地の緑が環境にいいというだけではなくて、都市においてはヒートアイランド現象、これを抑止する力も持っております。
 三つ目は教育でございます。
 先ほどから議論されておりますけれども、食育にとって農地というのは大変重要な役割を持っています。それから、給食の話も出ておりましたが、最近、地場の野菜を給食の材料に使うという自治体も増えてきております。
 それから、四つ目は雇用であります。
 今団塊の世代が大量に離職をしておりますが、この人たちも最後は土に触って死にたいと思っている方がたくさんいるということでございまして、この団塊の世代の雇用、それから担い手が少ない都市農業にとっても非常にいいマッチングをするだろうと思います。
 それから、これも議論されておりますが、地産地消の意味で、最近都市農業の野菜が大変人気がございます。直販所の売行きも大変良くなってきております。ですから、新しい市場と流通を起こすことになるだろうというふうに思います。このような重要性がありますので、今委員が御指摘になりましたように、食料・農業・農村基本計画においても位置付けがされております。
 今、都市部において一生懸命頑張っておられる農業者の皆様の実情もよく踏まえながら、都市農業の振興に当たりましては都市政策などとも関係していることから、農水省としては国土交通省などと関係府省とも連携をして、都市農業の重要な役割が発揮できるよう努めてまいる所存でございます。
○谷合正明君 大変ありがとうございます。
 雇用の面も今答弁していただいて、まあ、そういう視点もあるのかなというふうに私も思った次第なんであります。是非、澤政務官におかれても都市農業を実際にやっていただいて、その話をこの国会の中にも反映していただきたいというふうに思っております。
 都市農業の中で、農業体験農園という取組がございます。市民農園と体験農園というのは似ているようでちょっと異なるわけですね。都市農業振興という角度で、今、農家、現場から歓迎されておりますのが農業体験農園でございます。この体験農園は、元々東京都練馬区で農業者と行政が知恵を絞って生み出されたものでございます。我が党もこれを積極的に推進いたしまして、全国展開されるようになった経緯もございます。
 この体験農園の普及の現状、また一般的な市民農園との政策的なすみ分けに関しての見解を聞かせていただきたいと思います。
○大臣政務官(澤雄二君) この農業の体験農園につきましては、私も、今御指摘のように練馬区で非常に盛んでございますが、東村山もよく取り組まれておりますね、視察に行かせていただきました。
 この農業体験農園は、都市住民にとって、農業の初心者でも安心して農作物栽培ができるということとともに、利用者同士や農家とのコミュニケーションの形成にもつながるというメリットがございます。また、開設する農家にとりましても、安定した農業経営に役立つというメリットがあります。都市農業振興の面からも非常に有意義な取組であると考えております。
 このため、農林水産省としましては、平成十九年度から広域連携共生・対流等対策交付金を活用しまして農業体験農園の整備を支援するとともに、農家にとって有望な農業経営の選択肢の一つであることについての全国的な啓発、農園開設や運営についての具体的なノウハウなどの研修や現地指導などに取り組んでいるところでございます。平成二十年度においても、引き続きこのような取組に対して支援を行っていきたいと考えております。
 ちなみに、平成十九年度にはこの研修会や現地指導を十九回開きまして、市町村の農政担当者や農家の方、九百五十名に対して説明会を行いまして、新たに稲城市やつくば市等でこの春から九つの農園が開設される見込みとなっております。
○谷合正明君 分かりました。
 是非、この体験農園の魅力を自治体の関係者にも、そして農家の方にも知っていただくための周知活動を是非よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、我が党は都市農業振興プロジェクトチームを三年前に立ち上げました。それ以来、先ほど政務官も言われましたが、東村山等、現場視察を行って、ヒアリングを重ねてまいりました。都市農業の課題をあらゆる角度から検討した結果、やはり、この都市農業を今後支えるためには、今、都市農業においても、農業従事者の高齢化あるいはリタイアによって、ある時期を境に一気に衰退してしまうのではないかという懸念もあるわけですね。抜本的な対策を確立するためには、農水省だけでなくて、やはり国交省だとか財務省などの所轄を総合的に、税制なんかを含めた抜本的、総合的に見直す必要があると考えております。個人的には、こうした関連法を一括して見直す工程であるとか都市農業新法を実際制定すべきだというふうに考えておりまして、その点、この場で提言させていただいて、私の今日の質問を終わらせていただきたいと思います。
 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 食の安全、安心についてお聞きします。
 昨年の偽装表示、そして全国に衝撃を与えた中国製ギョーザの薬物中毒事件などを通じて、国民の食の安全、安心に対する関心がかつてなく高まっています。今、国民生活審議会の生活安心プロジェクト、ここで食の安全、安心の審議も大詰めを迎えていると思います。そして、食品表示制度をどう改善するのかということが今真剣に議論をされているわけです。この中で、偽装表示を防止するためにも製造年月日表示を復活させるということが消費者の強い願いになっているわけです。ところが、若林農水大臣は、三月七日の記者会見において、製造年月日に置き換えればそれでみんな消費者側の判断で、知恵でうまくいくかというと必ずしもそうじゃないということを批判されているわけなんですね。
 ちょっと明確にしておかなくちゃいけないと思うんですけれども、製造年月日表示に置き換えるというのはだれも言ってないんですよね。置き換えると言っているんじゃなくて、期限表示と製造年月日表示を併記すべきだというふうに言っているわけです。国民生活審議会でも併記というふうに報告をしているわけなんです。併記することによって、消費期限、それから賞味期限、偽装表示も相当防げると、そういうことで言っているというのが考え方の大本にあるということなんですけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 私、記者会見のお話ございましたが、そのときには、併記というよりも、賞味期限というものあるいは消費期限というのが分かりにくいということから、製造年月日にした方がいいんじゃないかという趣旨の話と受け止めてお話を申し上げたわけでございます。
 実は、そのときのことを関連して申し上げますと、もう御承知のように、加工食品についてはもう大変な技術革新が行われているわけですね。
 例えば無菌充てんというようなのがございます。これですと、実はレトルトの食品で米を、米飯なんか、最近の業者に聞きますと、もうこれは一年でも二年でもまず無菌でやっている限り常温に置いておいても変化しないと思うと、こういうことを言うんですね。LL牛乳とかLLの豆乳なども、御承知だと思いますけれども、かつて賞味期限は七日分ぐらいかなと、こういった牛乳が今もう六十日、あるいは豆乳についても賞味期限の十日というのが三か月は大丈夫だというようなふうに変わってきていますし、真空包装でありますとか遮光包装でレトルト化だとか、例えば除湿剤を入れたものの味付けののりなんかは保存性がなかったものが二か月以上保存可能になるとかと、いろんな商品が多様化してきていますから、その意味では、商品ごとにその加工の形態によって大変違いが出てきております。
 そういうようなことを念頭に置きまして、どうしても消費者、私も含めてですけれども、これはいつできたのかなということを見ます。そうすると、常識的に、食品ですから、そんな長い、二年も三年も先のこれが保存されるというようなことはちょっと考えにくいといいますか、言われてもそうかなという思いで、できるだけ新しいものを新しいものを買うというような消費行動が起きます。
 そうすると、製造メーカーの方は、そういう技術革新のインパクトというのもそれで落ちていきますし、また、売れないものができてきますとそれだけ無駄ができるわけですから、製造者が販売ルートを通じて今度は販売店に行きますと、そういうような、本来でいえばもっともっと保存性があるものについて、むしろ保存年限を、十分あるにもかかわらずそれを廃棄をするというような、またそういう表示をするおそれがあるといったようなことを危惧しているわけであります。
 それからもう一つ、これを強制するということになりますと、これは前にもお話し申し上げましたけれども、WTOのことでいいますと、外国の加工品については任意表示でどっちでもいいけれども、国内の加工品についてはこれは強制するというわけにはまいりませんで、国内で提供されるものはみんな強制するということになります。そうしますと、国際的に製造年月日が慣行として普遍的になっていない中で、日本で売る場合は全部製造年月日を刻印しなきゃいけないというふうにしますと、これはWTO法上は貿易外障壁として内外無差別ということがあるわけですが、これは差別的な扱いをするということで大変な非難を受けます。通告を受けたりすることになるおそれがあるわけでございます。
 その意味では、併記するということについていえば、できるだけ私ども、国内の業者についてはそれは業者の判断に任せながら、任意的に製造年月日を付けるということは好ましいといいますか、余り行政指導も強くやることにはいろいろ問題ありますけれども、併記を勧めると。また、併記してきている業者も非常に出てきております。商品によって違うと思いますので、併記を否定しているものではありません。
 ですから、事業者自らが製造年月日を任意に表示するということについて、それをする必要がない、あるいはしない方がいいといった意味は全くございませんので、食品表示の指導あるいは監視活動については併記していくことに前向きに検討をし、指導をしていきたい、こんな思いでおります。
○紙智子君 併記することについては前向きにという回答が今ありました。
○国務大臣(若林正俊君) 強制じゃないですよ。
○紙智子君 それで、いや、それで私は……
○国務大臣(若林正俊君) いや、委員長。
○紙智子君 いや、いや、ちょっと、いいです。
 お話聞いていると、要するに、製造メーカーからいうと、やっぱり古くなって売れなくなると困るというのがあるわけですよね。だから、製造年月日を出すことによって、やっぱり古いものから売れなくなってしまうということがあるということを一つ懸念していると。
 だけど、考えてみますと、一九九五年まではずっと製造年月日を表示してきたわけですよ。それが九五年の段階で、実はアメリカからの輸入がずっと増えてくる中で、海を渡ってくるわけですから、物すごく年月がたつと。そういう中で、やっぱりこれを外せということが言われて、そういう中で変わってきたということが経過としてはあると思うんです。
 消費期限や賞味期限というのは、結局、製造業者の方に自主的にそれを表示するということが、責任があるわけですけれども、任意ですよね。だから、そういう意味で、この間やっぱり偽装が相次いだということは、そういう企業の製造の責任ということになるものですから、やっぱり利益を考えてなかなかそういうものを改めるということができない中で、やっぱり告発されて初めて明るみに出るということが続いてきたわけですから、そういうことを防ぐためには、やっぱり製造年月日と両方併記してやるということが大事なんだということがこの間のこの議論の流れだと思うんです。それが一つです。
 それから、もう一つ言われていた、結局、その製造年月日表示を始めたら、WTO上、非関税障壁になるという話なんですけど、アメリカやEUの大使館からもそういうことが問い合わせがあるということを、牽制することも言われているんですけれども、それでは、その米国の連邦法に食品の期限表示の規定というのはあるのかどうか、これいかがですか。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。
 米国におけます連邦レベルでは、表示の義務付けに関しましては、幼児用の調製粉乳、それとベビーフードを除きまして、期限表示を義務付ける規定はないというふうになっております。製造年月日の表示もまた義務付けられてはいないところでございます。州レベルにおきまして、私ども全体情報を得ているわけではございませんけれども、例えばミシガン州とかマサチューセッツ州などでは期限表示を義務付けているというふうに承知をしているところでございます。
○紙智子君 結局、だから連邦法にない、政府としてはだからない、州レベルではあるかもしれないけれども、食品の期限表示がないと。
 結局、国としての食品の期限表示がない、そういう意味では概念もないということだと思うんですけれども、そういう米国にとってみれば、それこそ期限表示自体が非関税障壁になるわけですよね。だから、そういう米国に合わせてそれが違反になるからやめましょうということになったら、これは我が国の表示制度は成り立たなくなってしまうんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(若林正俊君) まず米国に関して言いますと、州レベルではミシガン州とマサチューセッツ州で期限の表示というのがあるというふうに承知いたしておりますが……
○紙智子君 州ですね。
○国務大臣(若林正俊君) 州です、その二州について。他の州についてはよく分かりませんけれども、余りないんじゃないかと思います。
 実は、そういう中で、我が国が消費期限あるいは賞味期限を定めていることは、WTO上の規制からいうとそれだって駄目だと言われるんじゃないかということがお話でございますけれども、実はWTOの中では国際規格、コーデックスでありますが、国際規格というのが定められておりまして、これは賞味期限を表示することを基本として定められているわけです。アメリカはそれに従っていないという部分があるわけですけれども。この国際規格、コーデックスを基準としてやる場合はTBT協定、WTO上は貿易の技術的障害に関する協定と言うのですけれども、その上ではコーデックス規格が国際規格として認証されておりまして、包装食品など横断的にこれが適用される表示の一般規格として定められておりますので、我が国がそういう意味で賞味期限あるいは消費期限を設定することについては、WTO上、外からいろいろクレームが付くことはないと、こういうことになっているわけでありまして、製造年月日はこの国際規格においても、それからEUにおいても、米国においても定められておりません、義務付けられておりません。
○紙智子君 要するに、アメリカではそういったものが……
○国務大臣(若林正俊君) アメリカだけじゃないですよ。
○紙智子君 いや、私が問題にしているのはアメリカなんだけれども……
○国務大臣(若林正俊君) EUもですよ。
○紙智子君 いや、EUもそう……。
 それにしても、日本がそういうふうになってそちらに合わせようと思うと、日本ではできなくなっちゃうじゃないですか。問題は、農林水産省が表示問題が対象となるこの食の安心ということに最も後ろ向きな省庁であっては困るということなんですよ。
 伺いますけれども、二〇〇三年に農林水産省が決めた食の安全・安心のための政策大綱にあります食の安全・安心という言葉、これ二〇〇五年に策定した食料・農業・農村基本計画においては食の安心という言葉を削除しているわけですけど、なぜこれ削除したんですか。
○国務大臣(若林正俊君) これは、他意はございませんで、いや、本当に。
 経過からいいますと、消費者に安心した食生活を送っていただくということのためには、科学的な根拠に基づいて生産段階から消費段階における食の安全を確保するということが理念として重要な課題だというふうに考えております。
 その上で、食品表示の適正化についていいますと、分かりやすい情報提供を行うということなどの行政や食品事業者による適切な取組を通じまして消費者の信頼を確保するということが大事であるという意味で、食料・農業・農村基本計画を定めるに当たって施策の内容に即した表現をするという意味で、食の安全と消費者の信頼の確保という表現としているわけでありまして、そのような施策を通じて、結果として消費者の安心を得るということを理念として持っているということでありまして、安心をおろそかにすることではないわけであります。まさに安全と信頼の確保を通じて安心を確保すると、こういうことでございます。
○紙智子君 だから、一見するともっともそうに聞こえるんですけれども、なぜあえて外さなくてもいい安心を外したのかということには思惑が働いていたと思うんです。
 元々、二〇〇三年の四月に発表された食の安全・安心のための政策大綱では、食の安全と安心の確保に向けて改革に真剣に取り組むということがうたわれていたわけです。つまり、政策目標としてセットで安全、安心というふうにしていた意味があるわけですよ。
 ところが、それが外された経過を見ますと、財界の要望が影響していると思うんです。二〇〇四年の三月五日の基本計画策定、食料・農業・農村政策審議会、この企画部会で、当時、経団連の理事で食品業界の代表の委員が発言をしています。その中で、まず、お願いしたいのは、資料の中の、安全と安心という言葉がいつも一緒に使われているので、安心は削って安全だけにしていただきたいと、こういう要求が出されているんですよ。それを受けてその後なくなったという経過があるんですね。
 政府全体としては食の安全、安心は今も使われているわけです。ところが、農水省は安心という言葉は使っていないんですね。最も財界の要望に敏感に反応するのが農林水産省だというふうに言われても仕方がないと。ですから製造年月日表示にしても真っ先に抵抗するということなわけで、さっき併記するというふうには言いましたけれども。
 これをやっぱり続けていたら、消費者は本当にがっかりしてしまうと思うんです。日本の農林水産業にとってもこれマイナスだと。やはり、食の安全、安心という言葉を堂々と使うと、基本計画にも明記するというふうにすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) ただいまの委員の御意見は、やや偏見に満ちているように思うんですよ。その審議会の中で経済界の代表の人がそう言ったからそれに従ってそのようにしたなどということは絶対ありません。
 これについてはいろんな議論がございまして、どうしても、安心というのは主観的な感覚の問題になってくるわけですよ、安心というのは。安全というのは客観性があると。そこで、その安心に至る施策としていえば、消費者の信頼というもの、事業者が誠実にこれに対応する、消費者に十分な情報提供をするという、そういう信頼ということと安全の科学的な評価ということによって安心を担保すると。
 こういう意味で、安全と安心というのは並べている概念じゃないという整理がされまして今あのような仕組みにしたわけでございまして、やはり政策評価という面でいきますと、客観性を念頭に置いて信頼の確保ということをうたったわけでありまして、決して安心をおろそかにするわけではありません。安全を確保する客観的な評価と、そしてそれを担保するための業者の信頼性を確保するという行政手法を通じて安全を確保すると。
 そういうふうに考えていけばいいのかもしれません。ただ、並んでいく概念ではないという整理をしたということを是非御理解いただきたいと思います。
○紙智子君 例えば科学者や政府は、安全ということではもう担保しているんだと、安全ということではお墨付きを与えたから、それで後は何がそれを安心に感じられるかとなったら、これは個々人の受け取り方の問題だから、それ自身を目標にするのはしんどいということでそれを外してしまうというのでは違うと思うんですよ。やっぱり、安全が確保されていても個々人が安心として実感できるかどうか。もしできないんだったら、どうしてそういう事態が生じているのかということを、原因を検討して明らかにした上で、安心をもたらすために何をすべきかということでやっていかなきゃいけないんだと思うんですよ。
 BSEの全頭検査もそうだと思うんですね。全頭検査で言って、国は、科学的にはもうリスクは少ないんだということになっているんだと、だからもう全頭検査する必要ないけれども、しかしみんなやると言うんだったら三年間は期限切って国としても支援しましょうとやってきたと。三年たったから、じゃあなくしましょうと言うけど、現場はどうなっているかといったら、やっぱり安心を確保するために引き続き全頭検査やってほしいというふうに言うわけですよ。だから、今やめるかどうかという話になったときに、各県は続けてやりますと、独自でもやりますということを言っているわけですから、そういうやっぱり安全と安心ということを、両方を確保していくということが大事だと。
 これは、BSEもそうだし遺伝子組換えの問題なんかもそうだと思うんです。やっぱり個々人の受け止め方、個人差があるから大変だというんじゃなくて、やっぱりあくまでもそこを両方併せてやっていくというところがきちっと目標に定め、当初それで始まったと思うんですよ。それがやっぱり途中の経過で変わってきて安心が外れてしまったというのは、私はこれは問題だということを最後に指摘をして、ちょうど時間になりましたので、終わらせていただきます。
○委員長(郡司彰君) 以上をもちまして、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五分散会