第169回国会 外交防衛委員会 第8号
平成二十年四月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任   
     藤原 良信君     佐藤 公治君
     長谷川大紋君     小池 正勝君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任   
     佐藤 公治君     松野 信夫君
     徳永 久志君     植松恵美子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                浅尾慶一郎君
                犬塚 直史君
                藤田 幸久君
                佐藤 昭郎君
                山本 一太君
    委 員
                植松恵美子君
                喜納 昌吉君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                松野 信夫君
                柳田  稔君
                秋元  司君
                浅野 勝人君
                木村  仁君
                小池 正勝君
                佐藤 正久君
                浜田 昌良君
                山口那津男君
                井上 哲士君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     高村 正彦君
       防衛大臣     石破  茂君
   副大臣
       外務副大臣    木村  仁君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  小池 正勝君
       防衛大臣政務官  秋元  司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       深田 博史君
       外務大臣官房審
       議官       新保 雅俊君
       外務大臣官房審
       議官       猪俣 弘司君
       外務省北米局長  西宮 伸一君
       外務省領事局長  谷崎 泰明君
       防衛省防衛参事
       官        枡田 一彦君
       防衛省防衛参事
       官        小川 秀樹君
       防衛大臣官房長  中江 公人君
       防衛省防衛政策
       局長       高見澤將林君
       防衛省運用企画
       局長       徳地 秀士君
       防衛省人事教育
       局長       渡部  厚君
       防衛省経理装備
       局長       長岡 憲宗君
       防衛省地方協力
       局長       地引 良幸君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び
 安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び
 に日本国における合衆国軍隊の地位に関する協
 定第二十四条についての新たな特別の措置に関
 する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締
 結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議
 院送付)
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○委員長(北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会を開会をいたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、藤原良信君及び長谷川大紋君が委員を辞任され、その補欠として佐藤公治君及び小池正勝君が選任されました。
 また、本日、佐藤公治君及び徳永久志君が委員を辞任され、その補欠として松野信夫君及び植松恵美子君が選任されました。
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○委員長(北澤俊美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官深田博史君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(北澤俊美君) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 今日は採決のある日、また私が回ってきたんですけれども、時間たくさんいただきましたので、特に両大臣を中心によろしくお願いを申し上げます。
 今日は、思いやり予算ということでございますが、在日米軍基地のことについてお話を、質問させていただくわけですが、その在日米軍が使用しております武器の一つにクラスター爆弾がございます、自衛隊も所有をしているわけですけれども、実戦に使っているわけでございます。
 今日は木村外務副大臣もいらっしゃいますが、先週ですか、お会いいただいたようですが、ベオグラードのカペタノビッチさんという方が先週日本を訪ねてこられました。
 この方は、クラスター爆弾で、除去作業をしているときに、不発弾処理ですけれども、両手両足を失った方で、車いすに乗って、そして握手もできない、手もございませんので、それから聴覚も失われ、目も傷つき、それから爆風で頭部と肺に損傷を受けたと。二十回手術を受けたというお話を伺いました。片方の足の手術を四回、もう一方の足の手術が五回、皮膚の移植、両手の手術五回、耳の手術、それから額からりゅう散弾を取り除く手術ということで二十回手術を受けた方が日本にいらっしゃったということで、テレビ等でもやっておられました。
 それで、クラスター爆弾について、そもそもどんな形で近年使用されているかということについてまずお聞きしたいと思いますけれども、まず一つには、クラスター爆弾というものが領土防衛的に使われた例はあるのか、それから、いわゆる正規の大規模部隊による着上陸侵攻に対して使用されたことがあるのかということについて、これは防衛大臣、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 領土防衛的に使用された例はあるのかというお尋ねに限定してお答えをいたしますと、確定的に承知をしておるわけではございませんでなかなか難しいお答えになりますが、私どもとしていろいろと調べてみました。
 例えて申し上げれば、イギリスの国防省でございますが、このホームページにはこのような記載がございます。一九八二年のフォークランド紛争におきまして英国が、同国が領有権を主張する区域内、フォークランド、マルビナス、この諸島でアルゼンチン軍に対してクラスター弾を使用したと、こういうふうな記述がございます。領土防衛的と申し上げますと、それが一番の例になるのではないかなというふうに考えておる次第でございます。
○藤田幸久君 私の質問は、近年と書いたわけですが、八二年というのは二十六年前のことでございまして、少なくともいわゆる冷戦が終わった後、あるいはごく十年ぐらいの間ですかね、についてお聞きしたつもりでございますが、ただ、今明らかになったことは、私はフォークランド戦争のときイギリスにおりましたが、地球の反対側のアルゼンチンにおいての、飛び地におけるアルゼンチン側の侵攻に対する言わば着上陸に対して使用したということでございますので、遠くまで出かけていって迎え撃ったということですから、私の質問からすると、これは最近の例にはないということだろうと思います。
 それから、近年ということでお答えをいただきたいと思いますが、近年使われた、アフガニスタンとかチェチェン等も含めまして、内陸国での使用がほとんどだろうと思うんですね。かつ、これもいわゆる防御的な使用であったというふうに理解をしておりますけれども、いかがでしょうか。簡単にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 九九年にコソボ紛争に介入したNATO軍がユーゴスラビア連邦共和国に対する空爆において使用したというふうに承知をいたしております。また、二〇〇六年、レバノン紛争においてイスラエルがレバノンに対して使用したというふうに承知をいたしておるところでございます。確かに内陸国でございます。
 イラクにおきましては、アメリカの新聞社が入手したとされますアメリカ中央軍資料、これはそういう注釈付きでございますが、イラクでの軍事作戦において米軍は一万一千発、英国が二千二百発を使用されたというふうにその資料には書いてございます。また、アフガニスタンも似たようなお話でございますが、NGOが入手したとされるアメリカの国防省資料によれば、〇一年十月一日から〇二年三月にかけて千二百発のクラスター弾を投下したというふうな記述はございます。
 それの何を防御的と言うかというお話でございますが、私は、クラスター弾というものが持っておる能力からそれなりの抑止効果というものは、それは発現をされておるということは認識をしなければいけないことだと思っております。
○藤田幸久君 そのアメリカ軍が使用したというのは、まさに沖縄から出撃をしたアメリカ軍が使ったクラスター爆弾だろうと思いますけれども。
 次に進みますが、私も、今日、高村大臣もいらっしゃっておりますが、対人地雷禁止等にかかわった人間でございますが、対人地雷禁止のときの論議の一つは、いわゆる民間人の被害が多いということでございますが、その後、四分の三ぐらいの国がオタワ条約等に加盟したりしておりますので民間人の被害が減っておりまして、今ある意味では、民間人に対する被害、とりわけ使用したことによって自国の民間人あるいは自国の兵士に対する被害の大きさでは、多分クラスター爆弾を上回る武器というものは存在しないのではないかという印象を持っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、だれが何によって被害を受けたかということを特定するというのは極めて難しいことなんだろうなというふうに私は思っております。自国の民間人、兵士に対する被害の大きさで上回る武器があるのかと、また最近の事象においてどうなのかということになりますと、これは数字に基づいてこれだけ上回りますよということを確定的になかなかお答えしにくいというのが私どもの見解でございます。
○藤田幸久君 多分、印象としては強くお持ちだろうと思いますが、時間の関係で先に行きます。
 日本の自衛隊の保有しているクラスター爆弾について伺いたいと思います。
 自衛隊は四種類クラスター爆弾を保有しておりますが、そのうちの三種類はいわゆる旧型式、つまり不発弾処理とか自己破壊能力等はない旧式のものと理解をしておりますけれども、これを廃棄あるいは削減すると日本の防衛能力というものはどの程度実際減少するんでしょうか。防衛大臣。
○国務大臣(石破茂君) これは、抑止力というのが、これによってこれだけの抑止力がある、これによってこれだけの抑止力がある、足してこんな抑止力ですというようなものではございませんで、これはもう委員もよく御案内のことでございます。したがいまして、それをやめたとしたならば、どれぐらい、例えば一〇%とか二〇%とか、これを定量的にお答えをすることは極めて難しい。
 だから、先ほど来申し上げておりますように、クラスターというものを私どもはいわゆる抑止力として使っておりますものですから、そういう観点から申し上げますと、これぐらい減りましたということを申し上げることが適当でもないし、同時に、それが数量的にお示しできるというわけではございません。ただ、申し上げられますのは、面的制圧能力、これを相当に失うことになるということは、それは事実として言えるのだというふうに考えておるところでございます。
○藤田幸久君 対人地雷のときには代替兵器ってすぐ答えが出てきた。つまり、それだけ具体的な防衛の能力の指標があったんだろうと思いますが、今のお答えですと、言わば合わせ技的にいろんな方法があるというふうにも理解ができました。
 それで、仮に現在のこの旧型の三種類のものを削減するには、どの程度の予算、時間を要するのか。この間、あるパネルディスカッションで、ある実は自民党の議員とも一緒に出ていたんですけれども、つまり今非常に重要な時期に来ているんですけれどね、これ、日本がこれから積極的に取り組むためにはこういう具体的なことも考えながら政策の選択肢として考えるべきではないかと思うんですけれども、答えられる範囲で結構でございます、大体どの程度の予算でどのぐらい時間が掛かるのか、お答えいただければ幸いです。防衛大臣。
○国務大臣(石破茂君) 私どもとして、現在のところこれは必要な装備であると考えておりますもので、もしやめるとしたら幾ら掛かるかということをお答えするのは極めて難しいということでございます。
 ただ、委員のお尋ねでございますので、あえて私個人的に考えてみますと、これを廃棄するというのは、調達したのと同じか、あるいはそれ以上の予算が掛かるというのは、これは大体どのような砲弾のたぐいでも同じことでございまして、それを安全に処理するということを考えました場合には、調達に掛かったお金と同等か、あるいはそれを相当に上回るお金が廃棄するだけで掛かるというふうに考えております。そしてまた、それも一遍に捨てちゃえばいいじゃないかという話にはなりませんので、期間についても相当期間が掛かるということは、私、これは事務方から資料で出てきているわけではありませんが、私自身、そのようなものが通例であるというふうに認識はいたしておるところでございます。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 というと、日本は石川製作所とか、それからアメリカのメーカーも造っているようですけれども、これが、このアメリカのメーカーも関係していますから若干時間も掛かるかと思いますけれども、ただ、政策的に政治的意思を決めれば、私は可能な範囲の、今までもやったわけですから、対人地雷も小泉さんが行って滋賀県でやりましたけれども、可能なんだろうと思いますので、是非頭に入れて選択肢に入れていただきたいと思います。
 それから、日本が使用する場合の想定について説明を受けたんですが、多分、大臣自身もこれはと思っていらっしゃるかと思うんですけれども、つまり、大規模部隊による着上陸侵攻ということを抑止力として面を制圧をすると言っているわけですが、この大規模部隊による日本の海岸線において着上陸侵攻が起きるということは、日本の空自が制空権を失ったときしか考えられない。それから、着上陸侵攻に関する使用というのは、二十六年前のイギリスがフォークランドにおいて使用した以外にはないということであれば、この想定自身が私は非常に危ういんではないかと思っておりますし、更に追加で申し上げますと、使用前に民間人を退避させるという前提での使用を想定されているわけですが、日本の海岸線、九十九里浜なのか鹿島灘なのか、そこで日本の市民を実際に退避させるということが完全に実現可能なのか。
 この二点からしますと、実際に日本において防衛的にクラスター爆弾を使用するという想定自身が私は極めて根拠が薄いんではないかと、あるいは危ういんではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、委員のおっしゃることは、よくよく防衛力を構築する上において考えてみなければいかぬことだと私は思っております。
 専守防衛的な政策を取る国において、陸上自衛力というのはよく横文字でファイナルゴールキーパーと、こういうふうに言われるわけですが、外征軍では私どもございませんので、専守防衛における陸上自衛力の本質は何なのかということは常に検討する必要があるということは私も委員と認識を共にするものでございます。
 ただ、じゃ制空権を失ったときに必ず着上陸侵攻が起こるのか。この制空権という言葉もなかなか定義がきちんとあるわけではございませんが、そういうときに必ず着上陸侵攻が起こるのかといえばそうではないだろうと。それは重畳的にそういうことが起こることも考えられることでございます。
 そのような前提で申し上げるとすれば、洋上を経由してやってくる艦艇とか航空機などを早期に撃破する段階ですとか、あるいは長大な海岸線の水際に集結する上陸部隊を攻撃するですとか、あるいは上陸部隊を各個に撃破するですとか、いろんなことが使われるのであって、それがトータルして抑止力ということになるのだろう。そこにおいて抑止力が効いているのだということと制空権を失ったときにしか使えないというのは、必ずしもぴったりくる概念ではないのかもしれないというふうに私は思っておるものでございます。要は抑止力としての本質をどう評価するかという問題でございます。
 もう一点は、本当にちゃんと民間人の方々を避難させることができるのかということは、何もクラスターに特定して、クラスターを使うから九十九里の住民避難しなさいよというような、何々を使うからということに特定して避難訓練を行うものではなくて、いわゆる国民保護法において定められたいろいろな誘導措置、すなわち市町村による避難住民の誘導、あるいは都道府県知事による誘導に関する措置がどのようになるか、そして自衛隊がそこにおいて何をするか、あるいは民間防衛という考え方と言って悪ければシビルディフェンスと言ってもよろしいですが、それがどのようになるかということは常に常に検証を行っていかねばならぬことでございます。ただ、クラスターを使用してという前提でおっしゃいますと、なかなかお答えが難しいという状況でございます。
○藤田幸久君 国民保護法とか民間防衛の場合には、例えば確率的にある程度退避できない人がいても可能なんだろうと思うんです。ところが、クラスター爆弾に関して言えば、一〇〇%退避が済んでいない場合にクラスター爆弾の使用ということは、面を抑止するということですからできないんだろうと思うんですね。ですから、今の例示は私は適当でない。あくまでもクラスター爆弾が使われるという前提があるならば、一〇〇%以上に退避できたという前提でなければ私は使えないんだろうと思いますので、その理由付けは私は適当でないと思いますが、先に行きます。
 時間の関係で高村大臣にお伺いしたいと思います。
 小渕大臣のときの政務次官、そして小渕総理のときの外務大臣として対人地雷のときに決断をしていただきまして有り難かったわけでございますが、いよいよ今大詰めに来ていると思いますが、ダブリンの会議が五月にある。そして、明日午前中ですが、超党派の議員連盟が結成をされる。恐らく軍縮の議連の会長でおられる議長が会長になるという流れのようで、超党派の議員の呼びかけ人で案内が出ておりますけれども。
 先週、国連開発計画、UNDPが各国にクラスター爆弾禁止条約を承認すべきであるという報告書を提出をいたしました。これは、このUNDPの中に言っていますけれども、クラスター爆弾というのはミレニアム開発目標達成の大きな障害となるということをうたっているわけであります。
 したがって、洞爺湖サミットが近いわけですから、この理念からしても日本もオスロ・プロセスを全面支援すべき政策転換、せっかくウェリントンで一歩踏み込んだわけですから、そういう党派を超えて、今、国会若干いろいろありますけど、そんな中で党派を超えてここまで来ているわけで、日本の政治的な意思決定とすれば私は非常にいい意思決定になると思いますけれども、それに向けての日本政府の取組と決意を少し踏み込んでお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 国連開発計画が本年四月に発表したクラスター弾に関する報告書においては、クラスター弾が被害国の開発に与える影響についても委員がおっしゃるように言及されていると承知をしているわけであります。
 政府といたしましては、クラスター弾による人道上の懸念を十分認識しているところでございます。クラスター弾の不発弾が開発に与える影響についても同様に理解しているところでございます。政府としては、このようなクラスター弾の人道上の懸念に実効的に対処することが重要との観点から、主要な生産国及び保有国の参加も得られる人道面と安全保障面のバランスの取れた国際約束の作成をしなければいけないと考えているわけであります。
 政府としては、こうした実効性の観点から、特定通常兵器使用禁止制限条約、CCWの枠組みにおける国際約束の交渉を重視しているところでございます。同時に、オスロ・プロセスを含む様々な国際的議論にも積極的に参加してきているところでありまして、本年五月に予定のダブリン会議においてもかかる立場から積極的に議論に参加していく考えでございます。
○藤田幸久君 ですから、参加国以外の保有国とおっしゃいましたが、対人地雷禁止の場合も、アメリカは参加していないけれども地雷の除去なんかでは大変な貢献をされたわけですね、それから削減をしたわけです。ですから、私はその保有国、つまり今回のオスロ・プロセスのようなものが進むことによって、条約に参加しなくても保有している国が実質的に実効的な削減をしていくものにつながる、是非そのための動きをしていただきたいと思います。
 それでは、時間の関係で思いやり予算の方に動いていきたいと思います。
 まず、思いやり予算についての前提でございますが、そもそも在日米軍の役割が大きく変わってきていると思っております。それで、質問通告をしておりますけれども、在日米軍の役割について幾つかお答えをいただきたいと思います。
 その要素とすれば、在日米軍の世界的任務区域の大きさ、それから戦闘艦の母港機能があるかどうか、それから海兵隊、海兵遠征軍の駐留の存在、それから信号情報収集拠点が存在するか、そしてその財政援助の規模からして、アメリカ軍の世界戦略にとってこれは比べるものもない不可欠の存在であるというふうに考えられると思いますけれども、この今私が申しました要素についての在日米軍の役割についてお答えをいただきたいと思います。防衛大臣ですかね。
○国務大臣(石破茂君) 本質的にそのとおりだと私は思います。それに対して特に異を差し挟むつもりは私はございません。ただ、同時に、アメリカにとってもそうなのでしょうが、我々にとっても安全及び地域の平和と安定の維持にとって不可欠なものだというふうに考えておるところでございます。
 ですから、委員御指摘のように、アメリカの世界戦略にとって不可欠の存在であるということは、私はいつも申し上げておりますように、日本の高度な工業力でありますとか労働力の高さでありますとか治安の良さでありますとか、あるいは対米感情の良好性といいますか、そういう意味から申し上げましてもこれは不可欠なものだろうねというふうに思っております。
 なお、信号収集拠点ということが私もよく内容を正確には把握できないというか、理解できる能力を持っておりませんが、そこのところは全くそのとおりですと言うだけの材料を私自身持っておりません。ただ、いろんなアメリカの情報収集において、これが電波的なものにおいてもそういうような施設があることは、それは当然委員も御案内のとおりでございます。
○藤田幸久君 今日、たくさん資料をお渡ししている中で、数年前にアメリカに参りましたときにこの在日米軍の役割についてチャートを作って、英文で恐縮ですけれども、在日米軍ってこれだけ日本にあるんですよと、今私がお聞きしたようなことについて整理していたものを持っていったことがございます。お会いをしたアメリカの議員の方、ペンタゴンの方あるいは国務省の方等々も、この内容については反論した方はおりませんでした。
 これの日本語の解説文もございますので、ちょっとおさらいのことも含めて、記録上ちょっと申し上げたいと思いますが、図表集「日本―米国の世界戦略の大黒柱」ということで私の方で作ったものでございます。
 図一ですけれども、まず、米国のリーダーシップは地球の半分で日本に依存している。で、数行下ですが、第七艦隊について、その任務区域は西経百六十度、つまり米国のアラスカ半島、真珠湾西方から南アフリカの喜望峰に至っている。それから、その下の方ですけれども、この地域におけるアメリカの貿易は直接的には大体、これ数字は概算ですけど五百万人、間接的には一千万人の米国人の雇用を生み出しているだろうという専門家の分析がございます。ですから、世界貿易の四分の一と中東産の石油の半分がこの東南アジアの海上交通を通っていると。
 日本が米軍に提供をしている施設・区域とすれば、この在日米軍施設・区域が百三十三か所、日米共同使用が四十八か所、この専有と共同使用を合わせた施設・区域の国土面積に対する比率は、アメリカでいえばマサチューセッツ州以上というようなことでございます。
 それから、海軍の日本での前方展開、米国以外で戦闘艦の母港はここだけですね。今は横須賀にキティーホークがありますが、八月からは原子力空母ジョージ・ワシントンが配備と聞いております。それから、佐世保のエクスベティショナリー揚陸任務艦ですか。
 それから、海兵隊のいわゆる海兵遠征軍の基地は、アメリカ以外では日本だけ、つまり沖縄のキャンプ・コートニーということですね。
 それから、次のページに行きまして、先ほど石破大臣の方から、信号情報収集、つまり通信傍受拠点としての日本ということですが、私が調べた範囲では、三沢に三沢保全作戦センター、これは空軍第三七三情報群だそうですけれども、これは東アジア地域全体の通信とレーダーを傍受していると。それから、アメリカ本土や三沢の海軍情報作戦コマンドから沖縄の嘉手納空軍基地に派遣されている空軍や海軍の電子偵察機は、朝鮮半島や中国周辺で信号情報の収集に当たっているというふうに理解をしております。
 もし、中身について御異論があれば是非教えていただきたいと思いますが、これが一般的なことでございますけれども、さらに、近年の在日米軍基地の役割について考えなければいけないことは、アフガニスタンの戦争とイラク戦争にこの在日米軍基地が果たした役割というものが非常に大きくなってきている、今大臣がうなずいていただいたように。
 それで、ちょっと教えていただきたいのは、このアフガニスタン戦争及びイラク戦争に在日米軍基地からどんな航空機、艦船が出撃したのか、その運航回数、部隊、兵士の種類、数、作戦の地域、内容、その成果等について教えていただければ幸いです。防衛大臣。
○国務大臣(石破茂君) 具体的な数としての成果というものについて、今直ちにお答えできるということにはございません。この時間中にお答えをさせていただきたいと思います。恐縮です。
○藤田幸久君 それでは、通告していたんですが、私の方もちょっと調べてみました。それで、資料としてお配りしてありますので、私なりに図書館の方で調べていただきました。
 別に、図書館がいろんな新聞、雑誌等々から抽出をして作っていただいた資料ですけれども、例えば、アフガニスタン戦争は、横須賀基地を母港とするキティーホークが平成十三年、これ艦載機十機を積み込んでアラビア海に向かい、それで特殊作戦部隊の発進ホームとなった。それから、艦載機は攻撃のため延べ約百回出撃をした。それから、その下の方ですけど、空母を発着した全航空機の出撃回数は延べ約六百回。
 それから、今補欠選挙が行われておりますが、海兵隊岩国基地のF18戦闘攻撃機一個中隊による空爆、航空管制チームがウズベキスタンで後方支援をした。
 それから、今日は沖縄の議員の方が二人いらっしゃいますが、海兵隊の普天間飛行場の第一八海兵航空管制群約百五十人が展開して、これはアフガニスタンのカンダハルで航空管制業務に当たったと。それから、トリイ・ステーションの米陸軍のグリーンベレー特殊部隊二百五十人とその行動を共にする嘉手納空軍の特殊作戦機等がキャンプ・シュワブの偵察大隊の一部を派遣させたのではないか、これは確定じゃないですけれども、そういう報道があります。
 それから、イラク戦争が、空軍三沢基地のF16戦闘機部隊がイラクに参加。それから、横須賀のキティーホークがやはりペルシャ湾北部を拠点に活動等々。それから、その下の岩国基地のCH53D輸送ヘリ、佐世保基地の強襲揚陸艦など三隻が海兵遠征部隊やヘリ部隊を乗せペルシャ湾へと。それから、キャンプ・シュワブ、沖縄の海兵隊約三千人が普天間飛行場の攻撃ヘリなど約二十機と展開。それから、一番下でございますけれども、空軍嘉手納基地のF15戦闘機十機前後がイラクの飛行禁止空域の監視に出撃というようなことが出ております。
 そして、その次に、先ほど申しました、在日米軍基地のレーダーなどの情報収集能力・設備、弾薬、燃料などの兵たん能力・設備ということで、三沢基地のセキュリティーヒルにある通信傍受、衛星通信設備。それから、首都圏にありますが、相模総合補給廠は、これは極東最大の米陸軍の補給基地である。それから、牧港の補給基地、これは航空燃料等々。それから、弾薬庫も、広、川上、秋月等々、陸空、とりわけ嘉手納の弾薬庫は空軍最大の弾薬庫であると、これは太平洋地域全体においてですね。それから、以下、油の方も、八戸、小柴、鶴見等々ございます。
 それで、日本側の負担分ということで次に行くわけですけれども、石破大臣はこの辺よくお分かりだと思うんですが、大体この内容に間違いございませんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) この内容と申しますのは、今委員が御指摘いただいたことだと思います。
 私ども、そういうような施設があるということにつきまして、今委員が御指摘になりましたのは、ここが間違いだというのを私が今拝聴する限りにおいてはございません。ただ、電波傍受施設につきましては、私本当にこのとおりかどうか、今これを見て確たるお答えをいたしかねるところでございます。
 細かい数字等々につきまして、今、議員がお示しいただきました数、これが正しいかどうか、私どもの方、今すぐお答えできるだけの能力を持ちませんが、このようなものがあるぞということについては、私自身そのような認識かと思っております。
○藤田幸久君 検証する能力をお持ちでないということですが、やはりこれ、能力的に検証をすべきだろうと思いますし、実際にいろいろなことに一緒にかかわっておるわけですので。それから、もし十分開示されてないものがあって、日本政府として日本の安全保障のために必要だと思うならば、当然その情報を収集して確認をすべきだろうと思いますので、是非、お手数ですが、確認をしていただければ大変有り難いと思っております。
 というのは、これはかなり報道されている内容でもございますから、もし違っていれば、これはやっぱりただす検証責任が、在日米軍基地ですから。しかも、今申し上げたような中には、鶴見とか首都に近いところもございますので、人口密集地域、市街地に近いところもございますので、やはり検証が必要ではないかと思いますので、その検証をできるだけ早めにしていただきたいということをお願い申し上げたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、私は専権的にお答えすることではないとは思いますが、基本的に私は同じ意識を持っております。
 在日米軍基地ですので、我が国、主権独立国家の施設・区域を提供しているわけでございますから、それがどのような規模を持つものであり、何に使われておるかということについてはきちんとした検証が必要だと。当然、軍事でございますから限界というものはございますが、我々としてそれを、主権独立国家の政府として、それをきちんと認識する、可能な限り認識するのは、私は政府の責任だというふうに思っております。可能な限り私どもとして把握をしたいと考えます。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 それで次に、財政制度等審議会を飛ばして次の質問に移りたいと思いますが、一昨日の当委員会において、白眞勲議員の質問に対して外務省の北米局長、西宮局長が、在日米軍駐留経費の米軍側の負担額について、数年前ですか去年ですか、間もなくとおっしゃっていたのに出ていないと……(発言する者あり)二年前なのに出していないと。それで、それに対する白議員からのたびたびの質問に対するお答えは、だけれども向こうから出てきていないので、しようがないじゃないですかというような言いぶり、ないものはないという答えだったわけですけれども、ないものはないと、入手できないということでございますと議事録にありますけれども。
 これは、要するに米軍から情報が出ないのでということでしたけれども、そもそも米側に二〇〇五年以降のデータはないんですか。まずないのかあるのかを確認したのかどうかということと、もしないならば、これは交渉できませんよね。アメリカ側の負担が不明で交渉ができるのか、その確認をしたかということと、交渉ができるのかということ、二点について西宮局長からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(西宮伸一君) 御質問の点でございます。まず、事実関係についてもう一度御説明をさせていただければと存じますが、在日……
○藤田幸久君 もう一度でなくて結構です。答えを言ってください。
○政府参考人(西宮伸一君) 在日米軍駐留経費に係る米側負担ということでございますと、現時点で政府が把握している最新の数字は二〇〇四年度、平成十六年度……
○藤田幸久君 把握しているかどうかを聞いているんじゃなくて、存在を確認したかどうかを聞いているんです。
 私の質問は、把握しているかどうかじゃなくて、それは今まで延々とあったわけで、要するにアメリカ側にデータがあるかどうかの確認と、それからそれを確認しなくて、そのデータがなくて交渉できるんですかという、その二点について答えてください。
○政府参考人(西宮伸一君) 特別協定に関します交渉の過程におきまして、米側に対し、米側負担に係るより新しい数字を提示するよう日本側から求めましたが、結局より新しい数字を得られないまま交渉を進めざるを得ませんでした。米側の負担状況は、交渉を進める上での参考となるものであり、より新しい情報を得られないまま交渉を進めざるを得なかったことについて御批判があろうことは十分認識しております。
 他方、新たな特別協定におきまして、米側との間で交渉の対象となりましたのは、基本的に労務費、光熱費といった日本側が従前の特別協定で負担してきた費目部分でございまして、実際これらにつきましては、政府としては、交渉時点で申し上げますと、二〇〇六年度、平成十八年度までの実績額を正確に把握した上で交渉を進めた次第でございます。
 その意味で、米軍人の人件費であるとか米軍の運用維持費といった在日米軍駐留経費の米側の負担の最新の状況を把握することは、それ自体有益であったとは思いますが、それなくして交渉を進めることができないというものではなかったものと認識しております。
○藤田幸久君 つまり、その得られないという何か当事者でないような表現、それから参考とか有益であるということですが、これは私の方でも資料としてお渡ししましたが、今までのこの在日米軍駐留関係経費の推移というもの……
○委員長(北澤俊美君) 藤田委員に申し上げますが、せっかくの資料でございますから、どの資料かということを表明してお使いください。
○藤田幸久君 はい。
 表題とすれば、在日米軍駐留関係経費の推移という二枚紙の資料をお配りしております。これは、昭和五十三年度以降平成二十年度までの表でございます。上の方に防衛施設庁等がありまして、一番下に米側負担ということになっておりますが、その二枚目を御覧をいただければ、平成十七年度からが空欄になっております。日本側の方は忠実に誠実に平成十七年以降も細かい数字を出しておるのに対して、米側の方は十七年度から出ていない。
 私の質問は、これ、数字あるわけですよね。アメリカ側にないわけない。それを出させないままで得られなかったという何か人ごとのような話で、得られなかったで済まされる話ではないというのが、(発言する者あり)今、白さんの方で、聞けば分かるじゃないかという話ですが、つまり聞いたかどうか、向こうで出さないと言ったら出せと言って交渉するのがぎりぎりの交渉だろうと思うわけです。
 それからもう一つ、委員長、資料としてお配りをしております中で、一枚紙で「現状」という、在日米軍駐留に係る経費負担という円グラフの資料がございます。左側にアメリカの国旗、右側の方に日章旗。これ、やっぱりあれば有益だという話じゃなくて、これ対称でやってきているわけですから、これなくして、いわゆる一〇〇%必要不可欠でないというふうな逃げではなくて、交渉というのは、これ税金を使って交渉しているわけですから、当然のことながら、この左側の方が分からないで、しかも今までは出してきたものを出してきてないというのは、これ数字がないわけじゃないわけですから、出さない意図があるわけですね。意図があるならばその意図も含めて聞き出しながら交渉するというのが交渉じゃないでしょうか。石破大臣うなずいていらっしゃいますけれども、西宮局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) 政府といたしましては、新たな特別協定の交渉を行うに当たっては、必要な範囲内で米側負担の現状、あるいは他の同盟国における接受国支援の在り方などについても調査を行いました。お尋ねの点に加えまして、米国防省報告書、共同防衛に関する同盟国の貢献に関する統計概要の最新版を入手するよう在米日本大使館に指示をいたしました。これに対して、米政府から、報告書については二〇〇四年版が最新のものであるとの回答がございました。
 また、駐留軍を受け入れている他の主要な同盟国に所在する我が方日本国大使館に対しまして、各国における米軍駐留経費負担の実態につき相手国政府に照会するよう指示をいたしました。しかしながら、これらの照会事項に対しては一部の国から部分的な事実関係につき非公式な回答が得られたのみであるということでございます。
 また、在日駐留米軍経費負担に係る米側の負担につきましても、我々としてこれの最新版を出すということは要求したわけでございます。
 他方、繰り返しになりますけれども、新たな特別協定において米側との間で交渉の対象となりましたのは基本的に労務費とか光熱費とかいった日本側が従前の特別協定で負担してきた費目部分でございまして、実際、これら経費につきましては、政府として二〇〇六年度までの実績額を正確に把握の上、交渉を進めた次第でございます。その意味で、米軍人の人件費や米軍の運用維持費といった在日米軍駐留経費の米側負担の最新の状況を把握するということは、それ自体有益であったではあろうかと思いますけれども、それなくして今回の交渉を進めることができないというものではなかったものと認識しております。
○藤田幸久君 要求したということですけれども、その要求したという、具体的にどういう方法で要求したかということを後で出していただきたいことと、直接今回の交渉に関係ないといっても、これバランスということがやはり国民からしてみると非常に重要な要素でございますので、その個別費目的な対象という以上に、やはり経済情勢の話もさっき出ていましたけれども、今、日本の経済が逼迫している中でどれだけ負担ということは、これバランスというのが重要なんですよね。
 そういう意味では、私は、なくても済んだ話ではない。これは、交渉事というのは、国民にしてみると意識、世論というものが非常に重要な中での交渉ですから、私は、一般国民からしてみると、今局長がおっしゃったように、この数字がなくても交渉事は十分可能だったんだというふうには納得できないと思いますよ。やっぱり出してもらって交渉しなければ、本当にぎりぎりの交渉をしていたのかというふうに私は国民は納得しないと思いますけれども、高村大臣、どうですか。本当に国民これで納得すると思いますか。参考になったという程度の話じゃないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) あらゆるバランスについて数字があった方がいいということを我々も考えたからこそアメリカ側に要求をしてきたわけであります。ただ、アメリカ側はそれを出さなかったわけでありますが、これは強制的に出させるわけにいきませんので、そういう中で我々が調べられる範囲の必要なものについては調べて、そして、そういう中で交渉を進めてきたと。
 先ほどから言っていますように、光熱水費あるいは労務費等は今までやってきたものがあるわけでありますから、そういうものについてできるだけ厳しくぎりぎりの交渉を行ったというわけであります。よろしく御理解をお願いしたいと思います。
○藤田幸久君 なかなか理解は得られないと思っておりますが、時間の関係で次に移りたいと思います。
 それで、先ほど来、この思いやり予算について在日米軍基地の役割等を含めて今までやってきた流れからいいまして、在日米軍基地の役割というものは、日本の防衛という以上にアメリカの世界戦略にとっていかに不可欠であるかという点が一点。それから、近年においてはアフガニスタン戦争及びイラク戦争に対して在日米軍基地の役割というのはいかに大きかったかということが御理解いただけたと思います。それで、その中で、なぜアフガニスタン戦争、イラク戦争に在日米軍がかかわっていったかという原点が私は九・一一なわけです。そこで、九・一一の同時多発テロについてこれから質問したいと思います。
 それで、資料の方お配りをしておりますけれども、一枚紙のFBIのホームページがございます。これを御覧いただきたいと思います。この一番多分最後の方なんでしょうか、FBIのビンラディンの顔が入っている資料がございます。これは昨日、ホームページから出したものであります。これはどういうものかというと、十名ほどFBIが最重要手配、言わばお尋ね者といいますか、というリストをFBIのホームページに書いているものでございます。ここにオサマ・ビンラディンと書いてありまして、これ、莫大な懸賞金が懸かっております。
 その莫大な懸賞金が懸かっているオサマ・ビンラディンがなぜ言わば最重要手配者になっているかという理由が一番下の方に書いてございます。コーションというところですね。これを読んでみますと、要するに、オサマ・ビンラディンは、一九九八年七月のタンザニアのダルエスサラームとケニアのナイロビにおける米国大使館爆破事件のみが書かれているわけです。したがいまして、九・一一事件への言及がないんです。
 それから、一昨年の六月五日ですけれども、なぜこのホームページに九・一一に関する言及がないかということについて問い合わせをした人がいるんですが、それに対して、FBIの調査広報責任者のレックス・トム、Tombという方ですけれども、一昨年の六月五日にFBIのホームページに掲載された最重要手配者の項目でなぜビンラディンに関して九・一一が言及されないかについては、答えとして、FBIがビンラディンと九・一一を結び付ける確固とした証拠を有していないためであると、ビンラディンは九・一一に関連して正式に嫌疑を受けていないというふうに発言しておりますが、この点について、これは高村大臣でしょうか、この事実を承知しておられますでしょうか。
○副大臣(木村仁君) FBIのホームページに掲載された最重要指名手配者としてのビンラーディンの容疑について、九・一一同時多発テロ事件への言及がないことは承知をいたしております。他方において、その理由等に関するFBI関係者の発言については承知をいたしておりません。
 二〇〇二年二月六日、米国連邦捜査局、FBIは議会証言において、九・一一同時多発テロ事件をアルカイダ及びビンラーディンとリンクさせる証拠は明確であり、反証不可能である旨述べたと承知しております。
 我が国としては、各情報を総合的に判断して、九・一一同時多発テロ事件はアルカイダにより実行されたものと判断しております。
○藤田幸久君 今、木村副大臣はちょっと私の次の質問まで答えたんでしょうかね。
 ちょっとそれを参考までに申し上げますと、つまりホームページだけではなくて、二〇〇三年の四月十九日に、当時のFBIのロバート・ミューラー長官はサンフランシスコにおける演説でこういうふうに発言をしております。十九人のハイジャック犯に関し、我々の調査では、米国内はもとよりアフガニスタンやほかの国で発見された貴重な資料の収集品を当たっても、九・一一と結び付ける一片の証拠も見出せなかったというふうに演説をしているわけですが、これも御承知ないという答えでしょうか。簡単にお答えください。
○副大臣(木村仁君) それも承知しておりません。
○藤田幸久君 それで、実は今、木村副大臣の方でアメリカの議会等において証言があったということでございますけれども、その証言等を踏まえて作成されたのがこの九・一一コミッションレポートというものでございます。これが二〇〇四年七月に書かれたわけでございますけれども、この中身に関していろいろな実は情報が十分出てきていないということについて、これにかかわった方々が最近いろいろおっしゃっているわけでございます。
 それで、その一つは、これも質問通告をしておりますが、私が実は一月にお配りした資料の中で、済みません、委員長、資料の説明をさせていただきますと、一番たくさんページ数があります、別紙で各種世論調査というのが一枚目に出ております数ページの資料と、それから「九・一一に疑問を呈する発言」という数ページの資料がございます。
 その「九・一一に疑問を呈する発言」という数ページの資料の中の、数字で言いますと三ページの一番上にアルファベットでIと左側に手書きで書いておりますけれども、実はこのマックス・クリーランド元上院議員という方の発言が出ております。実はこのマックス・クリーランド元上院議員という方は、この九・一一コミッションレポート独立調査委員会の委員であったわけです。ところが、この方は途中でこの委員を自分から辞任をしているんです。
 その理由は、この真ん中辺にマックス・クリーランド元上院議員の引用として出ていますけれども、もしこの決議、ホワイトハウスの文書へのアクセス制限が通ったならば、私は九・一一委員会としてアメリカ国民、特に被害者家族の目を見て、委員会にはアクセスの権限があったと言うことはできないと。つまり、アクセスの権限が情報に対して担保されているのにもかかわらず、この調査が今や抑圧されてしまったと。つまり、事務方の方から情報が、各種機関から情報が出てきていないと。情報がきちっと出ていないのにこれだけ権限を与えられたコミッションの委員会とすれば、調査がきちっとできないという理由でこのクリーランド元上院議員はこの委員から辞任をされているんです。
 ところが、今年になって、両大臣、このコミッションレポートというのは二人の、委員長とそれから副委員長とおられまして、一人がトーマス・キーンという、これはニュージャージーの知事をされた方ですね、それからもう一人は、多分両大臣よく御存じかと思いますが、あの有名なリー・ハミルトン議員でございまして、アメリカの議会の外務委員長等を歴任された、日本でいえば北澤委員長のような立場をずっと長くされた方でございますけれども、大変著名なリー・ハミルトン、山本一太さんもよく御存じかと思いますが、このお二人が今年になって本を書いておられます。
 これも質問通告をしているわけですが、この独立調査委員会、このレポートを書いた委員長と副委員長に当たるお二人が、つまりトーマス・キーン議長とリー・ハミルトン副議長の二人が今年二月にこんな本を書いているんです。前代未聞、アンプレシデンテッドという、山本さん、前代未聞というような意味だろうと思いますが、それで独立調査委員会の内幕という内容の本を出版しています。このお二人は、いかにその九・一一委員会でCIAやFAA、NORAD、つまり航空調査委員会等々が資料の提出を拒んでデータを隠していたかということをこの本に書いておられるわけです。
 それから、一月二日付けのニューヨーク・タイムズで、このやっぱりお二人が、この報告書、つまりこの報告書です、この報告書にやはり不正確な点、あるいは未回答な点、誤った回答、疑問点が種々あるというふうに述べておられるんです。
 この記事の中で、二人はCIAがこの調査を妨害したと批判をし、我々は、我が国が直面した最大の悲劇の一つを調査するために議会と大統領によってつくられた法的な力を持つこの機関、つまりこの委員会に対して、政府の高官たちが情報を与えないように決定していたことを承知していると、我々はこれを妨害行為であると受け止めているというふうに述べていらっしゃるわけです。今私が引用しましたのは、英文を私なりに翻訳をしたものですから必ずしも正確じゃありませんけれども、大体こういう内容でございます。
 そうしますと、高村大臣、事は、一月にもお聞きをしましたが、日本人二十四名が殺害をされたことでございます。これは、テロというのは犯罪だという政府からの答弁もございました。それからもう一つは、今日の在日米軍基地の関係、あるいはテロ特措法との関係でいうと、九・一一が理由で、あの昨年の議論もございましたが、日本がテロとの戦いに行っているわけであります。そのテロとの戦いのある意味では根拠となる、一番権威を与えられたこのコミッションレポートを中心になってまとめられた元知事とそれから下院の外交委員会、上院ですか、委員長をされていたハミルトン議員が、実はそれだけ権威を持って与えられた独立委員会ですね、ところが各種機関からきちっとした情報が開示されていないということに対して、ここまでニューヨーク・タイムズでお語りになったり本まで書かれているということは、これは昨年来、テロ特措法との関係においても、それから今問題になっている思いやり予算に関しても、これは日本は当事者ですね、でありますから、これはやっぱり事実関係をしっかりただすべきではないかと思いますけれども、高村外務大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 委員長。
○藤田幸久君 外務大臣。高村外務大臣にお聞きをしております。
○委員長(北澤俊美君) 木村副大臣じゃいけませんか、一度。
○藤田幸久君 じゃ、一度、木村副大臣に。
○副大臣(木村仁君) 御指摘の諸点は米国政府内部のやり取りに関する評論でありまして、我が国政府として意見を述べる立場にあるものではありませんが、いずれにせよ、九・一一独立調査委員会報告書は、米国大統領及び議会が米国内法に基づき設立、授権した独立調査委員会により行われた九・一一同時多発テロの事件の全容について調査結果をまとめたものでありまして、米国内における公的権限に基づいて作成されたものと承知しております。
 我が国としては、同報告書は米国政府による事実究明及び再発防止に向けた努力の結果によるものと受け止めておりまして、その内容の基本的な事実関係につき新たに米国政府に照会する必要はないものと考えております。
○藤田幸久君 木村副大臣、新たに照会する必要はないということは、今まで照会したことがあるんでしょうか。どういう照会の内容を、どういう報告を受け取っているんでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 報告書によって事実と認め、それ以上の……。
 全然照会をしなかったということではございませんで、報告書を入手し十分精査いたしますとともに、それに関連して必要な事項についてはいろんな方面からいろんな情報を得ていることは事実でございます。
○藤田幸久君 つまり照会していないということですね。報告書はだれでも本屋さんで買えます。それからほかの情報は得られることができます。しかし、先ほど来、アメリカ国内の内部のやり取りで法律的な裏付けがあるという話であるならば、日本政府で、日本人が二十四名犠牲になっているんですね、それを本屋で買ったもの、あるいは手にしたものでもって、これで内容を吟味したでは済まされない。つまり、さっき新たな照会をする必要がないということは照会をしたと。じゃ、照会をしたというならば、具体的にどういう照会をして、どういう報告を得ているのか。単にこれを渡されたというなら照会じゃないと思いますが、具体的にどういう照会をしたんですか。
○副大臣(木村仁君) 日本国政府としては、この公式の報告書の内容を信頼しその事実を認める以外にないわけでありまして、それについての基本的な問題について疑問を呈するような照会はしておりません。ただ、情報はいろんなところから取っていることは事実でございます。
○藤田幸久君 全く答えになっていないと思いますけれども、ちょっとこれではまっちゃうと時間がなくなるので先に行きますけれども。
 今日幾つかお配りした中で、先ほども数ページの、疑問を呈する発言というものをお配りをさせていただきました。それで、発言の中の三ページにロン・ポール下院議員という方が出ています。ロン・ポール下院議員というのは共和党の大統領候補と書いてありますが、初期の段階で大統領に手を挙げていた方でございます。この方が、高村大臣、テキサス州選出の現職の共和党の下院議員でございます。
 この方が、これまでの各種調査は多かれ少なかれ隠ぺいであり、実際に何が起こったかについての真の説明がされていないと。それで、もっと下の方に行きまして、第三のビル、つまり第七タワー、飛行機が突っ込んでいないのにすとんと落ちてしまった、一月に質問をいたし紹介しましたけれども。それで、当日だれもが飛行機への搭乗を許されなかったのに対し、なぜビンラディンを含む多くのサウジアラビア人は帰国できたのか、つまりアメリカにいたサウジアラビア人のビンラディンの関係者が帰国をしているんですね、飛行機を政府側の方で調達をして。それで、十九人のうち十五人がサウジアラビアからという理由で、彼らはイラク戦争の口実に使ったのだと、これ現職の共和党の下院議員がここまでおっしゃっておられます。それに加えて、この委員でいたクリーランド議員という方が辞めて、そして主宰をしていた二人の方がここまでおっしゃっておられると。
 ここまでのこのロン・ポール議員等のコメントについて御存じかということと、これについてどうお考えかということを質問通告してございますけれども、高村大臣、どう受け止められますか。
○国務大臣(高村正彦君) このことについて事前には知っておりませんでした。どう考えるかと言われましても、まあ一人の議員の方がこういうことを言っておられるということを認識するということであります。
 前々から藤田議員もいろいろ言っておりまして、私は藤田議員の人柄はよく知っていますから、自ら思ってもいないことをおっしゃる方ではないということはよく分かっておりますが、このロン・ポール議員については私は知りませんので、特にどう考えるということは特に、ああ、こういうことを言っている方もいるのかなと、こういうことでございます。
○藤田幸久君 それでは五ページ、この同じ資料に行きたいと思いますが、つまり、今回のこの事件について、私は政治的に国際政治の中でこれから新しい時代を迎えておると思いますのは、それぞれの国で政治関係の意思決定とか情報というのは限られている国が多い。今までもそれが理由で一般の市民が情報を共有できないことが多かった。しかし、今回明らかになったことは、世界中の市民が実は情報にアクセスすることができるようになった。しかも、九・一一に関して言えば、いろいろな専門的な知見を持っている方がそうした直接的な、つまり映像等が手に入りますから、情報を手に入れることによってかなり専門的な見解を示してきているということがあるわけであります。
 そのたくさんある管制官だとかパイロットですとか軍の関係者とか、たくさんある中の幾つかがこの二人でございます。
 この五ページの真ん中辺のアメリカ軍の元空軍大尉のウィテンバーグという方が、私自身、九・一一にかかわった一七五便と九三便の二機の飛行機を操縦したことがある。テロリスト又はテロリストと呼ばれた人々が172機、つまりセスナの訓練を、フロリダで訓練を受けていたということになっているわけですが、いきなりこの大きなボーイング757とか767の大きな飛行機の操縦席に座り、機体を垂直に操縦することが可能とは思えない。機体はまさに空から降ってきたような操縦ができたということになっている。私にはそのような操縦はできなかったと。
 それからもう一人、これもやはりアメリカの陸軍大尉だった方ですけれども、その九・一一で墜落した四機のハイテクの高熱合金エンジンが火や衝突によって完全に破壊、燃焼、粉砕又は溶けてしまうことなどはあり得ないと保証できる。破損、つまり壊れることはあり得るけれども、破壊されて消えてしまうということはない。一体四機のエンジンはどこに行ってしまったのか。
 これは一月にも御説明しましたけれども、四機飛行機が突っ込んだことになっているわけですけれども、そのフライトレコーダーだとかボイスレコーダーも出てきたものが少ないし、それから機体はジュラルミン、ステンレス等で弱いわけですけれども、エンジン部分というのは非常に強いと、なのに出てきていないと。これは専門家がこういうふうにおっしゃっているんですね。
 今日は国交省の方来ておりませんけれども、私も、国交省の方来ていますかね、聞いていますけれども、やはり普通の事故においては、日本においても航空調査委員会があるわけですけれども、エンジンが消えてしまったような事故に遭遇したことはない、それから機体番号等が、部品番号等が確認されなかった事故はないというようなこともおっしゃっているんです。
 こういうつまり専門的な方が物証的にもおかしいと言っていることは、これだけいろんな疑問が出てきているということは、原点がここからあってアフガニスタン戦争といっているわけですから、これやっぱり私は検証すべきじゃないかと思いますが、こういうコメントに対する評価と、これを政治的にやはり取り上げる必要があると思いますけれども、これは機体に関係することでもございますので、石破防衛大臣にお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 機体に関係することではございますが、私は答弁する立場にはございません。
 私も、済みません、不勉強でこういうことを一つ一つ存じておるわけではございません。ただ、エンジンが全部跡形もなくなくなっちゃったとか、そういうことがあるかどうか、一般論としてはないのだろう。ただ、その飛行機が突っ込んで、あのビル全体がもう、あれだけ高いビルですから、あれが崩れて、その衝撃たるや、ただ事ではないのであって、普通の航空機事故とは全く違うような力が働いたのだと、こう素人なりに思うところでございます。
 私の立場でお答えすることではございませんが、私も、これをよく読んで、実際にどうすればこういうことが起こるのかと、本当になくなっちゃったということはどういう場合に起こり得るのかということは、個人的にはそれは非常に関心のあるところではございます。
○藤田幸久君 先ほどの、つまりこの報告書を書いた方々からの、こういった実は情報が十分でなかったということの関連に戻りたいと思いますが、今まで私も委員会で質問をしたり質問主意書等でやり取りをしてきましたけれども、それから一部、一月に外務省からいただいた資料、つまり日本人の方が九・一一で二十四名お亡くなりになっております。そういう方々の御遺体の確認方法等について資料を出していただいております。この一枚紙でございます。委員長、済みません。
 亡くなった邦人の氏名、年齢、勤務先、遺体発見場所という一番上に書いてある一枚紙でございます。これは一月に出していただいたものでございますけれども、真ん中辺で、四、遺体の確認方法というところで、邦人犠牲者二十四名のうち、御遺体が確認されているのは十三名で、残る十一名については米国の裁判所により死亡宣告がなされていますと。つまり、確認されていないんですね。だから、裁判所の宣告があったというだけで死亡をされたというふうに日本政府は受け取っておられるわけですけれども、一月にお聞きしたときも、DNAをしたのかどうかということについても資料がありませんという答弁だったんです。
 それで、実は最近になっていろんな事実が明らかになってきておりますし、ドイツ銀行という建物の上でかなり多数の御遺体が、おととしですか、見付かったりとか。それと、アメリカにおいては、この航空事故調査委員会というものが遺族に対してその経緯等々について説明をしなければいけないという法律があるんです。
 日本人に関しても、私は当然、アメリカにおいてこういう事故に遭っているわけですから、私は質問主意書に書きましたらば、そういったことは存じていないという答弁でございましたけれども、アメリカ国内において、アメリカの遺族に対しては航空事故調査委員会が報告をするという義務がある以上、日本政府として当然要求をして、この日本の遺族の方々にとってやはり満足のいくような、そういう対応をすべきであるし、とにかく、いろんな事実がむしろ最近になって出てきているということがあるわけですから、そうした御配慮をしていくべきであると思いますけれども、高村大臣、いかがでございますでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 死亡宣告をされておりまして死体が発見できない遺族等につきましては、政府としてもいろんな形で最大の支援を行っておりますけれども、結論的に言えますことは、その過程で御遺体を確認してほしいという要望が遺族から出たことは承知しておりません。それから、米国国家運輸安全委員会からの事故の原因について説明を受けたいという御遺族の意向もございません。
 この事件が、米国国家運輸安全委員会がその原因等について遺族に対して説明を行うべき事項に含まれるか否かは必ずしも明確ではありませんが、いずれにせよ、御遺族がそのような希望を持っておられないということを踏まえて対応をしてまいりたいと考えております。
○委員長(北澤俊美君) 私の方から外務省に申し上げますが、質問者は質問通告で答弁者を指定しているわけです。だから、それが仮に外務省の立場として副大臣とかあるいは局長に答弁させるということであるならば、事前に質問者に了解を得るということか、あるいはこの場で答弁要求者が詳細については担当者に答弁をさせるというきちんとしたけじめを付けるべきであって、質問者の意向を勝手に変えて答弁者を決めるというのは、この委員会としては極めて遺憾でございますので、外務省としてきちんとした手続を踏むように私から要求しておきます。
○藤田幸久君 その点については、私は参考人については、私が認めたときのみ参考人等の答弁を認めますということを事前に申し上げていたわけでございますから、その意味で、私は先ほど来外務大臣と申し上げておりますので、その限りにおいて外務大臣にお答えをいただきたいと思います。
 それで、今副大臣の方から、御遺族から希望があればという話でしたけれども、私はそんな問題じゃないと思うんですね。そもそもアメリカにおいては、こういう事故調査委員会があって、アメリカの家族であれば、それを報告する義務があるということを伝えるぐらいのことは当然日本政府としてすべきじゃないんですか。そういうものがあれば、当然のことながら知ってみたいという、いわゆる九・一一直後はみんな動転していましたから、もうとにかくそんな中で聞くことすらはばかるみたいな雰囲気があったかもしれないけれども、ところが、どんどんどんどんいろんな情報が出てきて、こういったアメリカ政府のこの独立委員会ですらかかわった人がそこまでおっしゃっているわけですから、それに対して、しかもこれが理由でもってアフガニスタン戦争、イラク戦争等に日本もかかわっておるわけですから、これはやっぱりそういう形の、何か人ごとのような対応では私は困るというふうに思っております。
 それで、私はたまたま、このコミッションレポートというのは、そういう議会とそれから大統領府の方から権限が与えられてできた報告である、そしてこの存在というものが一番権威のある存在であるということは日本政府も認めておられる。そして、北澤委員長、この実はまとめられた、アメリカのこの外交委員会の委員長もされた方自身が十分な情報がなかったということを認めておられるということにかんがみて、たまたまこの外交防衛委員会は、昨年末以来、山田洋行の関係で、アメリカのメーカーに対する直接的な事実を解明をする文書を委員長名で出したりしておりますけれども、やはりこちらの外交防衛委員長として、議会も関係しておりますこのレポートを直接まとめられた方がそこまでおっしゃっているわけですから、日本の二十四名の犠牲もあったことでございますので、外交防衛委員長の名前で、いわゆるクレディビリティーについて、どういう真意でこのキーン委員長、それからハミルトン副委員長がそういうことをおっしゃっておられるのかについて是非照会をする問い合わせをしていただくように、委員長及び理事会の方々にお願いをしたいと思います。
○委員長(北澤俊美君) ただいまの藤田議員の要求につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 時間も迫ってまいりましたので、最後に石破大臣、それから高村外務大臣にお聞きをしたいと思います。
 世界中が、私はやっぱりこの歴史が変わった九・一一というものが、世界中の安全保障、それから国際政治、そして冷戦後、そしていろいろな紛争が続いた。そして、そんな中で、結果的に在日米軍が担当しております中で、とりわけ日本から中東にかけての地域において一番紛争が最近多かった。そして、日本の在日米軍基地がいろんな意味でかかわっている。そして、その根拠についていろいろな形で疑念が出ている。そして、日本のかかわり方も変わってきている。その原点について、やはり情報を確認をし、検証をし、そして政策立案をするということが私は、単に事件の解明とかいうレベルじゃなくて、私は好きでやっているんじゃなくて、これは非常に重要な問題があると思ってこの問題も取り上げてきているわけでございます。
 その意味で、お二人から是非、こういった問題について検証するということは、これは自民党、民主党とか、どちらが政権にいるかということ以上に、これはアメリカとの関係それからアジアの関係においても、これおっつけいろんな情報出てきます。アメリカの政権も替わります。ほかも替わりますよね、少なくともブッシュ大統領は替わります。それからブレアさんも替わりました。この間もブレア内閣の環境大臣を務めた方、ここにも引用が書いてありますけれども、この九・一一についての疑惑を表明したがゆえに環境大臣を辞任をした方がいらっしゃいます。これはやっぱりおっつけこういった事実が明らかになってきて、それに対する国際的な対応が必要だということもおっしゃっている議員の方もたくさんいらっしゃいます。この前、私はEU議会でこの話をしてまいりました、EU議会の招きで。
 そうした中で、私はやっぱり日本にとってもこの問題をしっかり究明をして取り組んでいく必要があると思いますけれども、両大臣に率直な意見を言っていただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) この文書はアメリカの公的文書でありまして、確かに、委員から教えられるところによりますと、個々的にはいろいろ問題にしている方が多いわけでありますが、やはりアメリカの中で、上下院とも野党が過半数を持っている中で、そういう中で特別のこれを全体的に否定するような動きがあるというようなことも私はまだ聞いていないわけでありますし、それに対して委員個人がいろいろ疑問を持って、そしてそれに対して問題を提起するというのは、それは意義のあることだと、こういうふうに思いますが、日本政府として果たして直ちにそれに対して調査に入るべき事案かどうかというと、私はそういうことでもないと。やはり国連においても九・一一というのは、まさにそういういわゆる謀略によって何かアメリカが自作自演でやったというふうには全くとらえられていないわけでありますし、そういう中で日本政府が今、ほかでもない委員の御指摘でありますけれども、直ちにこれを疑問を持って調査に入る、そういう事態ではないと、こういうふうに思っております。
○国務大臣(石破茂君) 外務大臣と同じであります。
 ただ、だれが何を言っているかというのはよく読んでみなければいけないなと私は改めて思っているのですが、例えば委員がお触れになりましたロバート・ミューラー氏が言っている、それは証拠が見付からなかったと言っているのか、証拠を全く残さないように巧妙、周到にやったのだと読むか、それはまたいろんな読み方があるんだろうと思っております。
 それから、合衆国においていろんな人がいろんなことを言っている。それは、私は、日本政府としては今外務大臣がおっしゃったとおりであります。私自身そういうものをまた時間があればよくきちんと検証してみたいなと思いますし、また私は、むしろそれをやることによってだれが何を得るのだということ、真珠湾においてもよく謀略論というのがございますが、それをやることによってだれが何を得るのかということもよく理解をして検証してみなきゃいかぬだろうと思っております。
 いずれにしても、歴史の変わり目というのは委員御指摘のとおりであって、なぜこのようなことが起こるのか、冷戦が終わった後のテロの時代とは何なのか。先般も犬塚議員と議論したのかなと思いますが、新しい世界の秩序というのはどうつくるべきなのかというような視点からもいろんな議論、検証は必要だというふうには思っております。
○藤田幸久君 時間がまいりましたので終わりますが、私は謀略とも自作自演とも言っておりませんが、両大臣からそういう表明があったということは、このハミルトン議員も含めまして、謀略、自作自演ということの潜在意識がおありなのかなという感想をもって、質問を終わらせていただきます。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今日は、米兵住宅の状況、特に基地外居住についてお聞きします。
 全国の米兵宿舎の大半は思いやり予算として提供施設整備費で建設されております。全国の施設・区域内の米兵家族住宅の戸数と入居状況をまず施設・区域別に明らかにしていただきたい。
○政府参考人(地引良幸君) お答えさせていただきます。
 米軍家族住宅の整備につきましては、軍人、家族等の居住する生活基盤となるものであり、在日米軍の駐留基盤整備に寄与する施設であるという考え方に基づきまして整備してきているところでございます。
 昭和五十四年度に整備を開始してから提供された家族住宅の戸数については、総計一万一千百三十四戸でございます。
 施設別で申し上げますと、三沢飛行場二千三十三戸、横田飛行場千三百四十三戸……
○井上哲士君 入居状況で結構ですから、全部。
○政府参考人(地引良幸君) 入居状況につきましては、現時点において防衛省としては掌握しておりませんが、なお、米国が独自に建設しております住宅等を含め、平成二十年一月末現在で、すべての家族住宅数は一万九千六百十二戸、入居戸数は一万五千四百五戸で、入居率は約八割と米側から説明を受けているところでございます。なお、入居していない約二割の家族住宅につきましては、調査時点で極度の老朽化や改装中等の理由により使用することができない住宅も含まれているということでございます。
 いずれにいたしましても、提供施設整備費により整備いたしました家族住宅の入居状況については現在米側に照会中であり、現時点で回答を得ていないところでございます。
○井上哲士君 言わば施設・区域ごとに施設の入居率を把握をしていないと、現状では、ということなんですね。
 私は、これは米軍宿舎の建設は日米間の交渉事でありますから、当然空き家状況というのは把握していることだと思うんですね。これまで日本が建設する際にそういうことを把握せずにやってきたということでしょうか。
○政府参考人(地引良幸君) お答えさせていただきます。
 家族住宅の整備に当たりましては、米側の要望に対しまして、整備場所、緊要性、規模の妥当性等を米側より聴取いたしまして、安保条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係、社会経済的影響等につきまして、現地におきます既存施設の現況、老朽度でありますとか使用実態等や立地条件などの調査を踏まえまして、日米担当者において累次にわたり打合せを実施いたしまして米側の要望について確認し、整備戸数を決定しているところでございます。具体的には、改築整備する場合においては、老朽化が著しく維持補修が困難な状況等を現地調査などにより確認し、現有施設と同規模の改修を実施しているところでございます。
 また、新たに家族住宅を整備する場合におきましては、各地区ごとに必要戸数、現有戸数及び不足戸数を米側から聴取いたしまして、さらに過去の資料等により確認し、整備しているところでございます。米側から聴取しております必要戸数については必ずしも個別に空き家状況を確認しておりませんが、米側から、空き家状況の住宅数も考慮して算出していると認識の上、我が国として整備戸数を判断しているところでございます。
 なお、米国政府が建設した住宅を含むすべての家族住宅につきましては、平成二十年一月時点で入居率は八割ということを米側から説明を受けているところでございます。
○井上哲士君 日本が負担する必要はないという基本的立場でありますが、税金が使われる以上、やはり少なくとも施設ごとの入居率というのはきちっと考慮をされるべきだと思います。今のもう一つはっきりしなかったんですが、その点、今後の建設の問題等でしっかりやっぱり入居率は考慮をしていくという点で、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、今も空き家状況の住宅数も考慮して算出しているというふうに考えております。
 ただ、今入居率八割と申しました。つまり、二割が空いているわけですね。それが老朽化が著しくてとても住めないとか、今改装中であるとか、こういうふうに言っておるわけですが、一体どれぐらいが老朽化が激しくて、一体どれぐらいが改装中でということは、それは我々は把握しなきゃいかぬと思っております。当然、今地方協力局の方から米側に照会中でございますが、これはやはりきちんと、私は、なぜこんなに空いているのだと、そしてそれができた暁には、少なくとも改修中のものができた暁にはそこに人が入るわけですから、将来的に建てることが仮にありとせば、一体いつできて、どうなるんだということもきちんと掌握をするということは必要だと思っておりまして、今地方協力局において米側にその状況をきちんと確認をするということを作業として行っておるものでございます。
○井上哲士君 これを聞きますのは、結局二割以上の空き家があるのに基地外居住が今どんどん行われているからなんですね。今、全国的な基地外居住の状況というのはどういうふうになっているでしょうか。
○政府参考人(地引良幸君) お答えいたします。
 在日米軍の軍人軍属、家族の施設・区域外居住者の人数につきましては、米側から提供されている直近の情報によりますと、平成二十年一月三十一日現在において二万二千八百九名でございます。
○井上哲士君 この発表の数でいいますと、居住者数は七万一千四百八十人で、そのうち今の数が地域外なわけですね。
 基地内の米兵住宅というのは日本国民より間取りも庭などもはるかにゆとりを持った住宅でありまして、米軍はこの間、基地増強によって足りなくなったとして新たな住宅提供を求めてきました。そして、それに加えて基地外居住を積極的に進めております。海兵隊が作っている住居管理マニュアルというのがありますけれども、それを見ますと、軍人の基地外居住は海兵隊及び軍人の健康と福祉にとって最善の利益をもたらすと、こういうふうに書いているわけですね。
 その下で、例えば、沖縄の嘉手納の近くに砂辺という地域がありますが、ここは現在の世帯数は九百五十余りですが、そこに七百世帯の米兵住宅ができてきていると。区長さんは、これはもう基地外基地だと、砂辺が米国に乗っ取られるというような声も上げておられる、こういう事態が出てきているわけです。実態上、こういう基地外居住の広がりで事実上の基地拡張になっていると、こういう事態が生まれていると私は思うんですが、この点、外務大臣の認識、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 施設・区域外の居住については、例えば昭和六十一年の三月の国会審議におきまして、沖縄における約六千五百戸の米軍家族用の貸し住宅のうち約五千五百戸は米軍家族が住んでいるものの、昭和二十年代、三十年代に米軍からの協力依頼もあって建てられた約千戸が空き家となっていることについて貸家組合から陳情を受けていた旨の政府答弁があるわけでありまして、施設・区域外居住は必ずしも最近生じたという話ではありません。最近、沖縄の一部地域において施設・区域外居住者が増加傾向にあるとの調査結果が報じられていることは承知をしております。
 いずれにしても、米軍人等が施設・区域外に居住する際には民間の住宅を賃貸しており、政府が施設・区域として提供しているものではありません。したがって、施設・区域の拡張であるという指摘は当たらないと、こういうふうに思っております。
○井上哲士君 主権国家に他国の軍が駐留をしていると。しかし、軍の管理下なので例えば外国人登録もしていないという状況にあるわけで、私は、基本的にやはり基地内に居住をするべきだと思うんです。
 かつてからあった問題だと、こういうふうに言われましたけれども、今、新しい事態が生まれつつあるわけですね。二〇〇三年に在日海軍は、賃貸住宅提携プログラムというのを作っております。レンタル・パートナーシップ・プログラム、RPPというふうに言われておりますが、これ、軍人や家族、独身者に対して質の高い手ごろな賃貸民間住宅を提供するという目的で、物件を検査、評価をして軍の住宅部が不動産業者と契約すると。さらに、そこに入る軍人も不動産業者との間で契約をすると。全体として言えば、軍が保証するみたいな形になっているわけですが、こういうプログラムを持っていることは外務省は掌握されているでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 承知しております。
○井上哲士君 このRPPによりまして、今各地で米軍専用マンションというのが建てられておるわけですね。広さや設備も全く違います。例えば佐世保の例でいいますと、それまで日本人と混在していたところでいいますと、三LDKで大体七十から八十一平米ですが、これで造られたものは三LDKで百二、三十平米ですね。間取りも広いしいろんな電化製品も最初からくっついているという米軍仕様になっております。
 この間、佐世保で写真もいただいたんですが、入口のところに看板がありまして、この建物は米軍専用住宅です、関係者以外無断で立ち入らないでくださいと、こういうふうに出ているものもあるわけです。
 こうした米軍専用マンションというものについて、これが増えてきているということについてはどうお考えでしょうか。
○副大臣(木村仁君) このRPPというプログラムは、米軍がその個人個人で契約する私的契約である民間住宅の賃貸契約についてモデルを示し、そしてよりスムーズに契約ができるようにという配慮の下に作っておられるプログラムでございまして、基本的には私的な契約に関するものでございますので、第三者である日本政府が一々コメントする立場にはないわけでございますが、その上であえて申しますと、そういう形で米軍専用マンション等ができていることは事実でございます。
 ただ、一つの集合住宅の居住者がすべて米軍関係者であったり、あるいは米軍関係者向けを想定して建設が行われているということもございます。これも今申しましたように、あくまで私的契約の結果そういうことになるのでありまして、日本人でもそういう特別のグループの方々がみんな入っておられるというマンションはあると思います。このような契約自体について政府として意見を言うわけにはまいらないと思います。
 近隣住民を始めとする地元の方々に無用の懸念を生じさせるということがあってはいけませんので、かかる観点にかんがみ、実態を把握することや規律の強化について要望をいただいておりますので、そういう面については対応してまいりたいと思います。
○井上哲士君 佐世保で在日海軍の司令部が民間業者に説明を受けたときのリーフ持っているんですが、ここでは、現在盛んにアメリカ本土で実施されている賃貸住宅提携プログラムの紹介と推進を行いたいと、こういうふうに言っているんですね。しかし、アメリカ本土で盛んに行われているからといって、駐留国である日本にこれを持ち込むというのは私は無理があると思うんですね。
 これまで在日米軍住宅の建設というのは、国が関与して進められてきました。池子住宅にしても岩国にしても、これ随分大きな地域住民を巻き込んだ、自治体をも巻き込んだ問題になってきたわけですね。しかし、これも民間業者主導だということで、第三者だから知りませんということでやられますと、どんなことが起きているか。
 例えばこれ横須賀の例でありますけれども、当初住民は、分譲マンションの建設というふうに聞いていたのに、途中で在日米軍の単身者向けの賃貸マンションというふうに聞いて驚いたと。近くに小学校があるわけです。騒音の問題もありますし、それから米軍関係者が例えば通勤中に自動車事故を起こしたという場合に、現状で言いますと日本の警察が関与できない、補償も十分なされないと、こういう心配もいろいろ起きているわけですね。
 ですから、国が全く知らないままに、個人とはいえ実際は米軍が関与してそういう施設がどんどん増えていくということは、私は、こういうアメリカの本土で行われていることをそのまま持ち込んできているということは許されるんだろうかと、こう思うわけですが、これ、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) アメリカ本土で行われることを何でもかんでも日本国内に持ち込んでいいという話ではありませんけれども、このことについて、アメリカ本土で行われている、日本の中で個人と民間業者がするのに軍の方でこういうふうにしたらいいですよという老婆心でそういうことをやったからといって何がいけないのか、私には直ちに理解できないところでございます。
○井上哲士君 軍がいわゆる紹介、あっせんをしているということだけではないんですね。米軍自身が不動産業者とも契約をしてやっているんです。そして、居住者も直接契約するという形でやって、そして、まさに先ほど言いましたような、その下における米軍専用マンションというのができてきているわけですね。例えばテロの対象になる場合だってあるんですね、米軍専用マンションだということで。そこがそうならなくても、どこかで起きたというときに警備対象になるということもあるでしょう。ですから、やっぱり地域住民とか地方自治体にとっては特別な施設になるわけでありまして、私は国が全く知らないというような姿勢はおかしいと思うんです。
 それで、更に聞きますけれども、例えば地位協定上にこうしたいわゆる米軍専用マンションで日本の主権が制限されるとか、そういうことは起こり得ませんか。
○国務大臣(高村正彦君) 米軍専用マンションで主権の制限が起こり得ないかというその質問自体の意味がよく分かりませんが、何か起こるということは、私の常識の範囲では起こり得ないのではないかと思います。
○井上哲士君 先ほどありましたように、入口には、専用住宅であり、関係者以外は無断で立ち入らないでくださいと、こういうのが出た看板もあります。報道では、例えばこの間の沖縄の例、基地外の自宅前にいて警察が身柄を拘束できたけれども、米軍は基地外居住地も米軍専有の財産との認識で、家宅捜索には米側の許可が必要になると言っていると、こういう報道もありましたけれども、こういうことは起こり得ませんか。
○副大臣(木村仁君) 基地外の米軍居住物件について日本の警察権が制約を受けるということは全くありませんし、関係者以外入ってはいけないというような看板を出すことは日本人でもそういうことはよくやることで、取り立ててそれを禁止するというような必要はないものと思います。
○井上哲士君 沖縄でもあの事件が基地外住宅居住者だったということで改めて問題になったわけですが、地方自治体にとっても住民にとってもだれが住んでいるか分からない状況になっているわけですね。そこで、防犯という点でも、きめ細かい町づくりという点でも、それから災害対策という点でも、どこにだれが住んでいるかということを地方自治体が把握をしたいというのは私は当然だと思います。この点、日本政府としてはどういう立場で米国と交渉をされているんでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 施設・区域外に居住する米国人等に関しましては、地元からその実態をできるだけ把握してほしいという要望、あるいは規律を強化してほしいという要望もいただいております。
 こういう要望を踏まえまして、二月二十二日に発表した再発防止に係る当面の措置におきましては、米国側が日本政府の要請を受けて、年に一度、施設・区域の所在する市町村ごとに施設・区域外居住者等について情報を提供することとし、日本政府はこれを適切な方法で関係自治体と共有するということを決めました。既に、二月二十七日、防衛省から平成十九年三月現在の情報を得て、これを公表することと同時に、各地方の防衛局より関係地方自治体にお知らせすることにいたしました。二十年三月現在の数字も、鋭意今作業を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、地域内にそういう居住者がいて、やはり地域との関連を重視する意味からいろいろ配慮をしてまいりたいと考えております。
○井上哲士君 地方自治体は、自治体ごとの数だけではなくてもっと細かく地域ごとの、どういう人物か等も含めて把握したいとしているわけでありますから、是非その方向での交渉を求めたいと思います。
 終わります。
○山内徳信君 私は、思いやり予算の功罪について最初に申し上げたいと思います。
 沖縄に住んでおる人と東京に住んでおる人、あるいは関係省庁の皆さん方の答弁を聞いておりますと、随分認識に差があるなと、こういうふうに考えております。私は、軍人でございますから基本的には基地の中に住むのが原則だと思います。そういう原則をきちっと踏まえてほしいというのが私の意見でございます。
 この思いやり予算ということについては、私が国会議員に昨年当選したから問題提起をしてくれというふうに私に伝わってきたんじゃないんです。私は嘉手納町の北の読谷村に住んでおりまして、全く基地被害は嘉手納町民、北谷町民と一緒でございます。したがいまして、基地の、米軍に優先あるいは優遇しておる家賃だとか光熱水費がどのような功罪があるかということを最初に申し上げたいんですが、夏の干ばつのときに、沖縄の人が水道が止まって夜しか水が出ないというふうな、そういう状況のときにも、基地内は、彼らは芝生に水を掛けておるんです、水を。沖縄の県企業局からは、車も洗うときはバケツに水を入れて車洗えと、こういうときに、彼らはもう本当にアメリカ国内と同じようなやはり生活でしょう。ああいう水を掛け捨てていいのかと、こういう声があります。なぜアメリカ軍人とか家族は、アメリカに休暇を取って帰るのに、バケーションを取って帰るのに、なぜあの建物はずっと昼も夜も冷房がついておるのかと。そういうチェック体制が全くできてない、こういうふうに思います。
 ですから、やはり家賃の問題。私は昨日も電話を二か所にやってみました。貸し住宅関係のところにも、水道を取り扱っているところにも電話しました。山内さん、やはり家賃は高いよと、沖縄の感覚からすると、どうして彼らが三十万前後の家賃を払えるのかと、こう言うんです、女子職員が。したがいまして、これはやはりアメリカ兵の給料と比較しながら、基地の外には今思いやり予算は出していませんというのが最近の政府の答弁というふうに聞いておりますが、それは違うんじゃないかというのが沖縄の現地の人々の認識なんです。
 ですから、先ほどもありましたように、北谷町の砂辺の区長さんは、砂辺の住民地域が基地になっておると。そして、爆音地域ですから、そこから丸々防衛省が屋敷を買って、どこか移転させるわけですね。そういう後にまたマンションみたいなものを建ててやっておると、そういうふうな状況があるんです。
 トリイ・ステーションのグリーンベレーが、どうして読谷村民の普通の住宅、住民のそばに住むんですか。あのグリーンベレーの果たす機能とか役割とか、これはもう皆さんよく承知しているとおりです。普通の兵士をはるかに超える、そういう機能を持っているわけですね。
 したがいまして、基地が沖縄の環境をずっと破壊してきた。アメリカ軍が県民の間に住むようになって不安を与え続けておる、あるいは事故とか事件が起こり続けておると。この実態を、この功罪を、防衛省あるいは外務省の関係者の皆さん方はきちっと頭の中に入れておいてほしいと思います。
 さて、私の質問でございますが、最初の質問は、政府は基地外の米軍住宅の水道光熱費、まあ家賃も含めまして一切負担していないというふうに今日までずっと答弁をされております。
 そこでお伺いしますが、過去に支払っていた期間、過去に支払った金額、一定期間でよろしゅうございます。そして、それはどういう名目で、どういう理由で支払をしていたのかということを最初にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(地引良幸君) お答えさせていただきます。
 我が国の光熱水料等の負担につきましては、平成三年度から特別協定に基づきまして、制度的に施設・区域の内外を問わず、在日米軍が公用で調達した光熱水料等、電気、ガス、水道、下水道及び暖房用、調理用又は給湯用の燃料の経費を上限調達量に基づく予算の範囲内で負担しておりまして、平成三年度では約二十七億円、平成四年度では約八十一億円、平成五年度では約百六十億円、平成六年度では約二百三十億円、平成七年度では約三百四億円、平成八年度では三百十億円、平成九年度では約三百十八億円、平成十年度では約三百十六億円、平成十一年度におきましては約三百十六億円、平成十二年度では約二百九十七億円となっております。このうち、米軍施設・区域外に居住する米軍人等の住宅の光熱水料等につきましては、平成四年度から平成十二年度までの間、特別協定二条に基づきまして負担したところでございます。
 したがいまして、日本側の負担額の確定に当たりましては、施設・区域の内外を問わず、予算額の範囲内で一括して確定しておりますので、施設・区域外の負担額についてお示しすることはできないということを御理解賜りたいと思います。
 なお、施設・区域外の米軍住宅の光熱水料等に係ります米側の支払実績につきましては、当方の資料のある限りでお答えすれば、平成八年度におきまして約十二億円、平成九年度が約十二億円、平成十年度が約十二億円、平成十一年度が約十一億円、平成十二年度が約十一億円であります。しかしながら、光熱水料等の負担につきましては、施設・区域の内外を問わず、上限調達量に基づく予算の範囲内で負担していることから、我が国において今申し上げました米側の支払実績額について、すべてを負担しているというものではございません。
 いずれにいたしましても、施設・区域外の家族住宅の光熱水料等につきましては、平成十三年度以降、負担の対象とはいたしておりません。
○山内徳信君 以下の答弁は、長い答弁は結構ですから、結論的なことだけおっしゃってくださいね。
 二〇〇一年以降は、何といいますかね、基地の外は一切支払をしていないと、こういうお答えが過去にありましたが、その支払をやめた理由は何ですか。
○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、光熱水料等につきましては施設・区域外も含めて平成三年度より負担を開始したわけでございますけれども、平成十三年度から平成十七年度を対象とする特別協定にかかる際に、その合意を得るに当たりまして、節約合理化のための具体的な施策の一つとして施設・区域外の米軍住宅分の光熱水料等に係る負担は日本側では行わないということで、日米間で合意に至ったという経緯でございます。
○山内徳信君 思いやり予算から支払っていった時期があるわけですね。それは基地の中も基地の外もそういう対応をした時期があるわけですが、そのときはちゃんとした、やはり実際に消費した、実際に使われた、そういう資料は政府としてはちゃんと掌握していらっしゃいますか。
○政府参考人(地引良幸君) お答えいたします。
 光熱水料等の確認に当たりましては、公用調達証明書を兼ねた支払証明書が在日米軍から毎月提出されておりまして、例えば電気について申し上げれば、当該証明書とその添付資料である供給業者から提出された請求書、各種明細書により、支払日、支払金額、件数、調達量、調達時期、調達施設等の確認をし、使用用途の確認を行っております。
 基地外住宅につきましては、それぞれ各世帯ごとに供給者と契約しておりますので、その支払請求書に対しては各個人あての支払請求書になっておりますので、そういうことを確認しながらやってきたところでございます。
○山内徳信君 二十二日の委員会で、基地の外に住む米兵や家族のための米軍の住宅手当が上限二十七万という答弁がございました。そのことについては最初に少し触れておいたんですが、これは基地の周辺に住んでいる人からすると、この二十七万という金額についてはやはりかなり高いと、かなり高い家賃をお支払いしておるなという印象を受けておるんです。
 そこで、昨日出していただきましたアメリカ兵の家賃手当の資料をいただいたわけですが、一等兵とか二等兵、上等兵たちに十六万の手当が出ておるわけです。これ全部申し上げる時間ありませんから申し上げませんが、上級曹長については二十五万、少尉という欄を見ますと十八万、中尉十八万、大尉二十一万、少佐二十五万、中佐二十六万、大佐二十七万、こういうふうな住宅手当の基準があるわけでございますが、この基準に基づいて支給されておるんだろうと思いますが、これは在日米軍の基準でございますか。この支給基準、何万という基準は在日米軍の支給基準でございますか。
○政府参考人(地引良幸君) お答えします。
 今先生に提出した資料につきましては、アメリカ国防省のウエブサイトから出しておる資料で、そのうち数字を申し上げたのは日本の住宅手当のところの部分を提出させていただいたところでございます。
○山内徳信君 アメリカ兵の平均的な、標準的な給与は、あるいは月給は幾らぐらいもらっていますか。
○政府参考人(渡部厚君) 標準的なと申しますとなかなか定まったところが把握し切れないわけでございますけれども、参考までに申し上げますと、米軍人の俸給表におきましては、階級が大尉の方の初号俸ということで申し上げますと三千三百九十・九ドルということで、日本円に換算しますと約三十六万円、それから一等軍曹につきましては、その初号俸が二千四百九・三ドルということで、日本円に換算いたしますと約二十六万円ということになっていると承知いたしております。
○山内徳信君 これはもう少し私も研究をしてから、また次の機会に譲りたいと思いますが、これだけの予算を執行した後のやはりその執行状況とか、決算に結び付いていく話になるわけでありますが、そのことについてお伺いしておきたいと思います。
 思いやり予算の執行についてでございますが、沖縄では、米側に渡った思いやり予算が基地の外の住宅手当や水道光熱費に充当又は転用されておるんではないかといううわさと疑問がずっと住民の間にあるわけであります。過去、水道光熱費二百六十億円が具体的にどこの施設にどのように使われているのか、政府としてはそのことを確認していらっしゃいますかどうか。
○政府参考人(地引良幸君) お答えさせていただきます。
 我が国が特別協定に基づきまして負担しております各種の経費につきましてはそれぞれ使用用途の確認を行っているわけでございまして、例えば光熱水料の確認に当たりましては、先ほど申し上げましたとおり、公用調達証明書を兼ねた支払証明書が在日米軍から毎月提出されております。例えば当該証明書とその添付資料である供給業者から提出された請求書、各種明細書には、支払日、支払金額、件数、調達量、調達時期、調達施設等の確認をして使用用途の確認をさせていただいているということでございます。
○山内徳信君 時間もありませんから、指摘だけ申し上げて私の質問は終わる予定でありますが、沖縄返還に向けてずっと問題になってきました密約がありましたね。その中身については申し上げません、よく御承知のことですから。
 私は、その当時、復帰後、読谷の村長で、市町村会の役員しておりまして、その復帰後の復元補償費の要求の検討委員会委員になりました。そのときまで、そのことが密約による、日本政府の方からこのお金はアメリカに回っていって、形はアメリカが支給したという形になっていたというふうに私は今理解しておるんです。したがいまして、よもや、よもやこの思いやり予算の、基地の外の家賃だとか光熱費にそのようなことがあったら、これは大変な事態になりますよと、そういうことをここで申し上げて、私の質問は終わりたいと思います。
 以上です。
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○喜納昌吉君 民主党・新緑風会・国民新・日本の喜納昌吉です。
 私は、会派を代表して、思いやり予算と呼ばれる在日米軍経費の特別協定に関して、反対の立場から討論を行います。
 民主党は、我が国の防衛及び近隣のアジア太平洋地区の平和と安定のために日米安保体制が極めて重要であると認識しています。そのためには、相互信頼に基づいた強固で対等な日米関係を構築していく必要があります。その観点から、本協定についての議論は極めて重要なもので、在日米軍地位協定やこの特別協定に日米関係が凝縮されていると言っても過言ではありません。
 民主党は、厳しい財政事情の下で国民生活を大切にする視点から、あらゆる財政支出について、節減すべきところは節減するとの考えで、国会の場で検証を進めてきました。特別協定については、前回及び前々回も経費の合理性の検証と削減を求めるのを条件として賛成しました。
 しかし、本委員会でも明らかになったように、思いやりの名の下に行われる数々の在日米軍への経費負担や優遇処置は、暫定の形で始まったにもかかわらず年々増え続け、九〇年代後半のピークを境に最近は減少傾向にあるものの、その総額は特別協定分だけでも年間千四百億円を超え、総額では毎年六千億円以上にも膨れ上がっています。今回光熱費を若干減額したものの、光熱費の無駄遣いや高額な米軍住宅建設などについて見直しが極めて不十分であると言わざるを得ません。
 そもそも、在日米軍の地位を定めた地位協定にも大きな問題があります。米軍基地を抱え、多くの基地被害を被る沖縄を始めとする地元からは、事件、事故が起きるたびに地位協定の改定の要求が出されてきました。しかし、政府は運用改善を言うだけで一向に地元の要求に耳を貸さず、地位協定改定へ向けた動きを起こそうとはしません。国際的にも例を見ない多額の経費負担と優遇処置が、在日米軍や兵士たちにとっても日本を極めて居心地の良い国にしています。そのことが度重なる事件、事故に通じ、また多大な基地負担をいつまでも残す温床になっていると言うべきでしょう。
 このように、巨額の在日米軍への経費負担は、我が国の厳しい財政状況を考えるとき、既に納税者である国民の理解を得られる範囲を超えていると言うべきでしょう。この際、在日米軍地位協定を含めた在日米軍への援助の在り方を見直す時期に来ているとも言えます。
 本特別協定は、今回我々が反対することにより、参議院においては承認されないでありましょう。一院において条約が承認されなければ、それは六十年余の現行憲法下で初のことであります。政府及び国会は、この事実を重く受け止め、しかるべき対応を取っていただくことを希望いたします。
 以上をもって在日米軍経費特別協定に対する反対討論といたします。
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して、議題となっております在日米軍駐留経費負担に係る新たな特別協定について賛成の立場から討論を行うものであります。
 我が国周辺の安全保障環境に目を向けた場合、潜在的なものから顕在化したものまで、多様で不透明かつ不確定な要素が内在していることは明らかであります。このような状況下において、自衛隊による適切な防衛力と日米両国の緊密な連携に基づいた安全保障環境構築が、我が国そしてこの地域における安定的かつ繁栄した情勢を維持するための基礎であると改めて確信するものであります。
 在日米軍の駐留は、日米安保体制の中核的な要素であり、地域における米国のコミットメントについての意思表示であります。我が国との防衛協力を推進し、かつ地域における我が国及び米国の国益を守ることを任務とする現在の兵力を維持することは必要不可欠であり、そのために我が国として、日米安保条約に基づく施設及び区域の提供、接受国支援、いわゆるホスト・ネーション・サポートなどを通じて適切な寄与を継続することが必要であります。
 在日米軍による効果的、円滑な活動を確保するための本特別協定は、在日米軍基地での日本人労働者の労務費、光熱費、訓練移転費の全部又は一部を我が国が負担しようとするものであります。すなわち、本特別協定は、同盟国として我が国が果たすべき責務としてのホスト・ネーション・サポートそのものであります。したがって、本特別協定を締結することは、日米安保条約に基づく同盟関係を維持していく上で非常に重要な施策と考えております。
 一方、我が国の厳しい財政状況をかんがみた場合、納税者たる国民の御理解をいただくことは極めて重要であります。防衛関係費においては、総人件費改革などを通じた自衛官実員の削減、三自衛隊の装備品などの調達の効率化、合理化などの成果が求められており、本協定においても、特に平成二十一年度及び二十二年度について、十九年度予算額水準から一・五%減額した約二百四十九億円に相当する光熱費を負担することとし、米側による一層の節約努力を明記しております。
 今般、本協定の審議入りが遅れ、一か月近く予算執行に空白が生じたことは誠に遺憾であります。参議院第一党である民主党は本案に反対の立場を取っておられるようですが、特に在日米軍日本人労働者の労務費については、彼らが、国を思い、在日米軍の活動を支え、日米安保体制の効果的かつ円滑な運用の確保に大きく寄与していることを改めて御認識いただき、賛否を御判断いただくようお願い申し上げます。
 条約の承認案が参議院で否決されることとなれば、現憲法下で初めてのこととなり、それは、在日米軍日本人労働者はもとより、米国を始め周辺諸国に対し誤ったメッセージを送ることとなり、本日まで築き上げられた日米の信頼関係をも損なうこととなりかねません。
 委員各位におかれましては、後世の歴史に堪え得る御判断を切望し、私の賛成討論を終わります。
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、在日米軍駐留経費負担特別協定に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、そもそも地位協定第二十四条は、在日米軍の維持経費について、日本国に負担をかけないで合衆国が負担すると規定しており、我が国に負担義務は一切なく、本特別協定はこの原則に反するものだからです。
 政府は、一九七八年、思いやりと称して米軍駐留経費の一部負担を始め、一九八七年には地位協定の解釈からも説明の付かない負担受入れのために特別協定を締結しました。それ以降、暫定的、特例的、限定的と繰り返しながら、基地従業員の給与本体、諸手当、光熱水料費等、訓練移転費へと負担は拡大され、米軍人軍属の給与以外の駐留経費はほとんどすべて我が国負担となり、思いやり予算の総額は五兆円を超えます。本特別協定の継続は地位協定の負担原則を重ねて踏みにじるもので、絶対に容認できません。
 反対理由の第二は、政府の財政制度等審議会でさえ、日米両国を取り巻く社会・経済財政情勢は大きく変わってきており、従来どおりの負担の継続は適当でないと指摘しているように、政府が米軍が困っているからと始めた思いやり予算を続ける理由は今や全く成り立たないというものであります。しかも、訓練移転費や娯楽施設にかかわる人件費など、思いやり予算は至れり尽くせりのものとなっています。
 政府は、財政赤字を理由に次々と国民生活予算を削減し、今月からは後期高齢者医療制度が始まっています。まさに思いやる相手が違います。基地あるがゆえの米兵による凶悪事件も繰り返されています。思いやり予算をこれ以上続けることを国民は到底納得するものではありません。さらに、政府は米軍再編を強行しており、米軍関連経費の新たな膨脹が始まっていることも重大です。
 今回の特別協定は、我々の反対で参議院においては承認されないでしょう。一院において条約が承認されないのは現行憲法下では初めてです。政府及び国会はこのことを重く受け止め、しかるべき対応を取られるよう強く望みます。
 本特別協定を含む思いやり予算はやめるべきだ、改めて主張し、反対討論とします。
○山内徳信君 私は、社民党・護憲連合を代表して、在日米軍駐留経費負担特別協定について、反対の立場から討論をいたします。
 まず、我が国の大原則たる憲法の基本理念との関係で申し上げます。
 日本国憲法は平和主義の大原則を取っております。先日、名古屋高裁でイラクでの航空自衛隊の活動は憲法違反であるという画期的判決が出ました。これまで長年にわたり、政府は憲法を解釈改憲により骨抜きにしてきたのが実情であります。米軍は日本が独立国家になった後も半世紀以上にわたって駐留し続けておりますが、そのことは決して正常な関係ではありません。そもそも思いやり予算として始まった本協定は、日米地位協定第二十四条にも違反する米軍優先、米軍優遇、米軍の長期駐留を安易に許す協定であります。日米関係は主権国家として対等でなければいけないと思います。
 今、日米関係に対する国民の要求は新しい時代に入りつつあることを思わせるものであります。地位協定の抜本的改正の動きに加え、本協定が参議院で野党多数で否決される情勢にあります。そのことは、戦後六十年余の現憲法下で初の民意の表明であります。政府及び国会は、この歴史的事実を重く受け止め、民意を尊重した対応をされることを求めるものであります。
 さて、今国会では、道路特定財源の暫定税率をめぐる国論を二分しております。暫定といいながら長年その予算を恒常化させるやり方は、道路財源に限らず、本特別協定も例外ではありません。今、私たちがなすべきことは、年間五兆円規模の防衛予算を聖域にせず、改革に努め、高齢福祉対策、年金対策、医療対策、雇用対策、教育対策、出産・育児対策など、真に国民への思いやりとなる予算を増やすことではないでしょうか。米軍に対する思いやり予算を今後も国民が負担し続けることは再検討しなければいけないと思います。
 今回の協定には以上の理由から反対をいたしますが、全国の米軍専用基地の七五%を押し付けられている基地の島、沖縄の立場から一言申し上げます。
 戦後六十年余の過重な基地負担等、米軍に採用と解雇権を握られた不安定な職場環境の中で軍雇用員は不安定な処遇を受けてきました。こうした労働者の基本的人権を守り、生活を保障する責任は政府にあります。
 私は、読谷村や北谷町、那覇市などに先例があるように、米軍基地を返還させ、跡地利用を実現させ、雇用の場を新たにつくることこそ、基地従業員を含めた新たな雇用の場と町づくりにつながるものと信じております。
 以上を申し上げ、私は、我が国の平和主義の原則に立ち、真に国民への思いやりを充実させることこそ政治の道であると考え、本協定への反対の討論といたします。
 以上でございます。
○委員長(北澤俊美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北澤俊美君) 少数と認めます。よって、本件は賛成少数により承認すべきものでないと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十分散会