第169回国会 環境委員会 第7号
平成二十年五月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松山 政司君
    理 事
                岡崎トミ子君
            ツルネン マルテイ君
                中川 雅治君
                橋本 聖子君
    委 員
                小川 勝也君
                大石 尚子君
                大石 正光君
                大久保潔重君
                轟木 利治君
                広中和歌子君
                福山 哲郎君
                荒井 広幸君
                神取  忍君
                川口 順子君
                矢野 哲朗君
                加藤 修一君
                山下 栄一君
                市田 忠義君
                川田 龍平君
       発議者      岡崎トミ子君
       発議者      大石 正光君
       発議者      轟木 利治君
   委員以外の議員
       発議者      鈴木  寛君
       発議者      大河原雅子君
       発議者      田中 康夫君
   衆議院議員
       修正案提出者   西野あきら君
       修正案提出者   岩國 哲人君
       修正案提出者   江田 康幸君
   国務大臣
       環境大臣     鴨下 一郎君
   副大臣
       環境副大臣    桜井 郁三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 堅一君
   政府参考人
       内閣官房消費者
       行政一元化準備
       室長       松山 健士君
       金融庁総務企画
       局審議官     岳野万里夫君
       文部科学大臣官
       房審議官     藤木 完治君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中尾 昭弘君
       厚生労働大臣官
       房審議官     黒川 達夫君
       厚生労働省健康
       局長       西山 正徳君
       農林水産大臣官
       房審議官     谷口  隆君
       農林水産省生産
       局畜産部長    本川 一善君
       水産庁増殖推進
       部長       重  義行君
       環境大臣官房審
       議官       白石 順一君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
       環境省地球環境
       局長       南川 秀樹君
       環境省自然環境
       局長       櫻井 康好君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律
 案(内閣提出)
○土壌汚染対策法の一部を改正する法律案(第百
 六十八回国会岡崎トミ子君外七名発議)(継続
 案件)
○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(松山政司君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案の審査及び土壌汚染対策法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房消費者行政一元化準備室長松山健士君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松山政司君) 愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川勝也君 おはようございます。民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 ペットフードの安全性の確保の法律ということで質問の機会をいただきました。いろいろな方から、ペットフードの安全の法律が今までなかったのはおかしいんじゃなかったのか、あるいは大歓迎だ、是非とも成立させてくれと、そういう応援の声もいただいてまいりました。いろいろと勉強させていただきますと、十五歳以下の私たちの国の子供が減っておる中で、子供の数よりペットの数の方が多い、まさに家族の一員として大切に、あるいは仲よく暮らしておられる方も多いと。
 今日の新聞でしたか、我が党の小沢代表も、残念ながら亡くなってしまった前のわんちゃんに代わって、新しいクロちゃんとチャイちゃんが彼、代表の帰りを待っているということで、その二匹の子犬に励まされながら政権を取りに行くと、こういうことが書いてございました。
 この法律は、私たちも今までなかったのがおかしいという前提に立って岡崎さんと雑談をする中では、スタートを切れた、ただしスタートを切っただけとも言えるね、これからが大事だ、そういう点を厳しく追及してほしいと、こういう趣旨の下、質問を作らせていただきました。
 まず、考えなければならないことがあります。元々、愛がん動物は人間の食べ残しあるいは同じものを食べて暮らしていた歴史が長うございます。そんな中で、私たちの食の安全が大変大きな話題となってきて、当然のことながら愛がん動物、ペットの食の安全も脅かされてくる。そして今回、法律でスタートを切るわけでありますけれども、この後ペットの安心、安全の食の確保をするその上では、私たちの食の安全の問題と密接不可分の関係にあるということがまずはっきりしてくるわけであります。例えば食べ残し、食品残渣、これは大変もったいない分量が私たちの国で廃棄されています。ツルネン議員が大変熱心に取り組んでおられました。
 私事になりますけれども、私が子供のころ、田舎でございましたので、いわゆる残飯は養豚業者さんが回収をしておられました。それを煮て豚のえさにする。まさに循環型の極みであります。私もツルネンさんと一緒にこの食品廃棄物をもっともっと家畜のえさにできないだろうかというふうに考えていたわけでありますけれども、そこに横たわっているのが私たちの食べ物の中に含まれている膨大なる添加物、ホルモン、あるいは様々な薬剤等でございます。すなわち、私たちがそういうものを摂取しているので、その食べ残しを家畜に食べさせてそしてそれを私たちが食べるということになると、またいわゆる化学物質の連鎖ということになる、だから食品リサイクルが進まないという経過もあります。
 まず、人間の食の安全がペットの福祉、食の安全の確保にも大変重要だということを、医学博士でもありますし、政治家の一人でもあります大臣の方から御共感の答弁をいただけたらと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今先生おっしゃったように、この法案につきましては、まずはペットの国民生活上の重要性といいますか、ある方によってはまさに家族同然に暮らしていらっしゃると、こういうような方も増えてきていると、そういうような流れの中で、米国でペットフードに起因する大規模な犬及び猫の死亡事故などがございました。こういうような趣旨が背景にありまして、動物愛護の観点から提案をさせていただいていると、こういうようなことでございます。
 加えまして、今御指摘にありましたように、人の食の安全、こういうような中には今御指摘の様々な添加物、こういうようなことを厳格に管理をして、そして安全な食、こういうようなものをそれぞれ提供していくということが重要なんだろうというふうに思います。
 そういう中で、人に安全でないものをペットに与えるわけにもいきませんし、加えて、今お話しになったように、かつては人が食べたものをペットがそれを食べ残しを食べてと、こういうようなことがありましたけれども、完全に今はペットフードが分離していると、こういうような中では、しっかりとそのペットのえさについても管理をしていかないといけないと、こういうようなことなんだろうというふうに認識しておりまして、是非そういう趣旨で国民の意識、こういうようなものを十分に受け止めて、この法案によりましてペットフードの安全性の確保、こういうようなことに努めてまいりたいと、かように考えております。
○小川勝也君 先ほども申し上げましたけれども、私たちの口に入る家畜の健康も脅かされています。先日の委員会では、加藤委員がアニマルウエルフェアの概念についても質問されました。特に、私も本会議で質問いたしましたけれども、最近は鳥インフルエンザもあり、例えば鶏、養鶏なんというのはウインドーレスケージ、すなわち生まれてから廃鶏になるまでに土を踏むことなく太陽の光に当たることなく卵を産み続け、排卵誘発剤、ホルモン、ビタミンなどを投与されながら卵を産み続ける鶏、あるいは反すう動物でありながら自らの足で草をはむ経験のない牛、そして過密、あるいは養殖の魚介類とて同じ有様であります。
 そういった家畜の飼われ方について、今大臣にお尋ねをした趣旨から農林水産省としての考え方もお伺いをしておきたいというふうに思います。
○政府参考人(谷口隆君) お答えを申し上げます。
 家畜それから養殖水産物についてのお尋ねがございました。
 まず、家畜についてお答えを申し上げます。
 畜産物流通の国際化というものが進展をいたします中で、我が国の畜産業はより競争力の高い生産構造を確立するために、飼養規模の適切な拡大、生産効率の向上等に努めてきたところでございます。このような状況におきましても、家畜の衛生的な飼養管理を図りまして、何よりも安全な畜産物を提供する観点を持ちまして、家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準の徹底、またHACCPの考え方に基づきます衛生管理ガイドラインの生産段階への導入等を図っているところでございます。
 今後とも都道府県それから生産者団体等と連携を図りつつ、無理のない適正な飼養形態の下での健康な家畜の生産及び安全で消費者の方々のニーズに合った畜産物の供給に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○小川勝也君 通り一遍のお答えしかいただけないんですけれども、配付した資料を見ていただきたいというふうに思います。
 それで、これは屠畜された肉のうち、どれだけ売り物にならなくて廃棄されたものがあるかということでございます。これを見たらがっかりする方も多いんじゃないかというふうに思いますが、屠畜場に運ばれる家畜の中でこれから商品にしようとする畜肉の中で、病変あるいはそのほかの理由でこの部位は売り物にならないというものがたくさんあるわけであります。そして、それを取り除いた部位を私たちが食べているということになるわけであります。こういうことを前提として我々は愛がん動物の健康の確保を論じなければならない。すなわち、何を申し上げたいかというと、この病変部位を含めた廃棄されたものがペットのえさになっているということでございます。
 それで、質問の順番どおりに戻らせていただきたいわけでありますが、私たちの国はペットフード及び原材料さえも輸入に頼る国でございます。大きく分けると、外国の原材料で外国で製造されるペットフード、外国の原材料を含む原材料を利用して国内で生産されるもの、そして、ほとんど皆無に近いと思いますが国内産の原材料を利用して国内で製造されるもの、このシェアは大変低いというふうに思いますけれども、例えば自給率はどのぐらいだというふうに計算されるでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) お答え申し上げます。
 残念ながら、ペットフードの自給率について分析したデータは私ども持ち合わせておりません。ただ、ペットフードの平成十八年度の出荷量は七十七万トンというふうに把握しておりまして、そのうち、先ほどおっしゃった純然たる輸入品は四十一万トンで、全体の五三%を占めております。それから一方、国内生産はその残りでございます四七%、三十六万五千トンということになるわけでございますが、御指摘のように、その原料の多くは輸入に依存しているというふうに考えられますので、自給率は低い水準にあるということが想定されるわけでございます。
 以上でございます。
○小川勝也君 この法律案の審議を私が担当するに当たって、NGOの方からもいろんなお話を伺いました。家族同然にペットとお暮らしになっておられる方の耳に入れたくないこともたくさん聞きました。この委員会でそういうことを言っていいかどうか迷うようなそういった原材料が、例えばドッグフードの大勢の原材料の輸入先であるアメリカ合衆国ではレンダリングに入っている、こういう情報を確認しているわけでございます。
 それで、今これからペットフードの食の安全を法律にしたためるわけでありますけれども、国内産でどういう原材料が混入しているのか、あるいは、北米あるいはアジアの一部から犬用、猫用、いろんな原材料を輸入していますけれども、現在政府においてどういうものが入っているのかどの程度把握しているのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(櫻井康好君) 現在どういったものがペットフードに入っているかというお尋ねでございますけれども、今回の法律におきましては、ペットフードの安全性を確保するために基準を設定をいたしまして、そういった基準に適合しているかどうかという観点から、輸入する原材料なり、あるいは国内で使うものも当然でございますけれども、そういった原材料についての製造段階での検査、あるいは輸入されたものについての輸入された段階での検査などを行いまして、立入検査あるいはサンプルの分析などを行うことによりましてその現状を把握し、なおかつ安全性を確保していきたいというふうに考えているところでございます。
○小川勝也君 じゃ、今は把握していないけれども、これから把握するということですか。
○政府参考人(櫻井康好君) 御指摘のとおりでございます。
○小川勝也君 これ、私たちの国向けだけに分けて製造するということが実は不可能な製品、原材料だろうというふうに思います。レンダリングに回されたものというのが大くくりの中でペットフードの原材料になります。ですから、これは中に何が入っているのか、成分分析をしても詳しくは追求できないんだろうというふうに懸念をしているわけでございます。さはさりながら、スタートを切らなきゃいけない。
 じゃ、国内ではどういうことになっているのか。
 先ほど資料を示しました。これは厚生労働省からいただいた資料に基づいて作成をされています。そして、人間の口に入らない病変部位がこれだけ回されていて、多分この病変部位がペットフードの原材料になっているだろうと推察されるわけでありますけれども、まず、この表について厚生労働省から何か言い訳等コメントがあれば、お示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(中尾昭弘君) 地方自治体で実施されております屠畜検査や食鳥検査の結果、解体禁止、全部廃棄又は一部廃棄とされた獣畜、食鳥の状況といいますのは、委員が配付されております資料のとおりでございます。
○小川勝也君 先ほど農水省から答弁がありました。家畜の健康を推進する行政をやりますと言っていて、こんなに病気の家畜をつくっているのが今の私たちのいわゆる畜産であります。言うまでもなく、効率を優先するその流れがこうさせると答弁の一部にもありました。そして、その被害の一部を被るかもしれないのが、その病変部位を含めたものを口にしなければならないペットでございます。
 そして、この法律がスタートいたしますけれども、肝心の分野は二つだと思います。消費者が買うそのアドバイスになる表示の問題、そして後で触れますけれども、もう一点は添加物の問題でございます。
 表示も、先ほど申し上げました、どこまでリアルに表示するのがみんなの幸せのためかということが別な議論になりますけれども、本当に原材料を突き詰めるのか。あるいは、今の病変部位、例えば病変部位でも、大臣はお医者さんでありますので、こういう病変のものは家畜のえさにもできればするべきではない、でもこのぐらいの病変部位ならいいのではないかと、オール・オア・ナッシングではなくて、いろんな研究の必要性があるんじゃないかというふうに思います。
 こういう病変部位を、そのレンダリングを通して家畜、ペットのえさになりかねないという現状に対して、この病変部位を原材料にすることについてこれから研究を加えていく必要があると考えるかないと考えるか、これをお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(谷口隆君) お答えを申し上げます。
 病変部位についてのお尋ねでございますけれども、これまで、病死いたしました家畜でございますとか、それから屠畜場で部分廃棄された部位といったようなものを家畜用飼料の原料とすることにつきましては、飼料安全法におきまして禁止をされておりません。これまでも適切な加熱処理を行うことによりまして、飼料としての安全性を確保した上で給与をされてきたところでございます。
 今後、ペットフードの原料としてこういったものをどう考えるかということにつきましてでございますけれども、安全性を具体的に検討するに際しまして、御指摘の原料としての取扱いをどうするかということにつきましては、今後、農業資材審議会及び中央環境審議会等におきまして専門家の御意見を伺いながらまず適切に対応してまいりたいと考えておりますが、御指摘のように、専門家の御意見を十分あれしながら、技術的検討ということを念頭に置きながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 表示の問題ですが、原材料をどこまで細かく表示できるのか、あるいは添加物それから飼料の原材料の割合、消費者が知りたい情報はたくさんあります。どこまで表示が可能だと今の時点で考えておられるのか、あるいは表示に誤表記があったらどうするのか、それは意図的、故意的なものであった場合どうするのか、罰則はどうするのか、この辺が大変大きな課題になろうかというふうに思います。
 この表示の在り方と罰則についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(櫻井康好君) 昨年の十一月に取りまとめられました有識者によりますペットフードの安全確保に関する研究会の報告がございます。
 この報告では、法規制では安全確保の観点から重要な情報が表示されるようにすることが必要であるという御報告をいただいているところでございまして、この指摘を踏まえつつ、他の法令との整合性なども考慮して検討する必要があると考えております。
 具体的には審議会等の場で専門家の御意見を伺いながら検討してまいるわけでございますけれども、御指摘の原材料などについてでございます。表示すべき事項については、現段階では名称あるいは期限の表示あるいは事業者の名称、住所等を想定しておるところでございますが、その原材料などにつきましても専門家の御意見を伺いながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、表示の基準に関して、この基準に違反した場合、これはそういった虚偽表示があった場合には、この法律によりまして、個人であれば一年以下の懲役か百万円以下の罰金、法人であれば一億円以下の罰金が科せられるということになります。
○小川勝也君 添加物についてお伺いをしたいというふうに思います。
 酸化防止剤等の複数の添加物がペットフードに入っているというのが常識でございます。ペットは人間に比べて体重が低いケースが多い。それから、人間であれば、今日は魚、今日はパスタ、今日は肉、いろんなものを食べるわけでありますけれども、健康を考えてという理由で毎日同じフードを食べるペットが多いということをかんがみて、大変ナーバスに考えるべきだろうというふうに思います。
 そんな中で、添加物の基準というのが消費者が一番心配をしている点でございます。どのように基準を作っていくのか、どの程度厳しくしたいのか、あるいは期間的な目標などはあるのか、まとめてお伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(櫻井康好君) 添加物についてでございますが、添加物の一部につきましては、過剰に使用すればペットの健康に悪い影響を及ぼす可能性があるというふうに考えております。
 この基準、規格の設定につきましては、先ほども述べましたとおり、審議会におきまして専門家の御意見を伺いながら検討する予定でございますけれども、添加物につきましても、委員御指摘のように、人より体重が軽いということ、あるいは人と異なり同じ物を食べ続けるというような特性を踏まえて、リスク評価をきちっと行った上でその対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 獣医さんにも話をお伺いをいたしました。いろいろな病気がペットにもたらされる中で、例えばフードを変えてみて健康が回復する例もあるようでございます。
 そしてまた、先ほどの表示の問題に戻るわけでありますけれども、実は、ペットショップでいろいろと慣れないことでありますけれどもペットフードの棚を見させていただきました。そうしますと、大型犬用、小型犬用、ダイエットメニューとかいろんな表示があるわけでありますけれども、これは売手が作った情報だというのが今の時点の解釈の正しい見方だろうというふうに思います。あるいは、ビタミン豊富なんというふうに書いてあるけれども、だれかが調べたわけじゃない。
 そういうふうに考えますと、表示あるいはその中身、これをまとめてきちっと情報提供するということが一番大事なわけでありまして、今も様々な有識者からお話を聴くという答弁もございましたし、農林水産省では資材審議会、それから環境省の方では中央環境審議会、しかしながらペットの健康に一番多くの知見を持っているのは獣医師さんであります。すなわち、小動物担当の開業の動物病院の先生でありますし、あるいは一部研究者もおられるでありましょう。あるいはペットフード工業会やあるいはペットショップの協会、団体、あるいは動物愛護団体やNGO、様々な方からいろんな話を聴きながら、今後、スタートを切ったこの法律を充実させるために、基準作りあるいは表示の内容作りあるいは添加物の基準作り等、もっと有意義な有効なものにする努力をした方がいいのではないかと提案をするわけでありますけれども、お答えはいかがでしょうか。
○政府参考人(櫻井康好君) 御指摘のとおり、本法案の施行に当たりましては、ペットに関します研究者あるいは獣医師さん、さらには都道府県あるいは各種団体、広く関係者と情報を共有をいたしまして検討を進めていくことが重要だろうというふうに考えておるところでございます。
○小川勝也君 ペットフードのこの表示を見てみますと、それまで全然知らなかったわけでありますけれども、AAFCO、これ米国の機関だそうでございますが、ここの基準をクリアしていますよという表示が結構見受けられました。
 これは、先ほど申し上げましたように、北米、特に米国からの輸入が多いということもあるでしょうし、すなわち、私たちの国で、私たちの国内で流通するペットフードに何らかの基準を与える、認証を与えるという機関がないからだと思うんです。これは、我が国独自としてそれを進めていくという必要性あるいは検討の余地はあるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(櫻井康好君) 認証の仕組みといいますか、認証についてのお尋ねでございますけれども、本法案におきましては、必要な安全性を確保するという観点から、愛がん動物の健康が害されるような、つまり法律に基づく基準を満たさないようなペットフードの製造、輸入、販売というのは禁止をされることとなります。したがいまして、本法案が施行された後におきましては、対象となるペットフードにつきまして国が定める安全基準に適合するもののみが流通するはずでございます。あえて基準を満たし安全であるとの表示を政府が制度化するということまでは考えておりません。
○小川勝也君 先ほど申し上げましたように、私たちの国のペットフードの原材料は輸入に頼っています。そして、私たちの国が例えば厳しい基準を設けたとしても日本向けの輸出ロットというのはなかなかできないわけでありまして、大宗の製品はそれを原材料として使用せざるを得ないわけでございます。
 そしてまた、もっともっと安全性に高い基準を作りハードルを高くすれば、価格が上昇することになります。それは人間社会も格差社会でございますので、それは消費者が選べるという、そんな世界が必要になってくるわけであります。すなわち、安くてもありていの商品で我慢するかという消費者もいれば、うちの何々ちゃんにはそんなものは食べさせられない、どうしても安全なものだけを私は買いたいという消費者も出てくるわけであります。すなわち、高付加価値商品やハイクオリティー商品とうたっているのがもう実は棚に並んでいます。しかし、それは見た目やあるいは五感で選ぶしかないわけであります。どの高い商品が本当にその正当な価値を持っているのかということが、これがだれからも認証されないわけであります。
 そういうことを踏まえまして、今後のそういった在り方についてはお考えはないでしょうか。
○政府参考人(櫻井康好君) 政府といたしましては、まずはこの法案によりましてペットフードの安全性を確保を図るということによりましてペットの健康を保護し、もって動物の愛護を推進するという観点で考えておるところでございます。
 お尋ねの、より高品質のものとかそういったことについて認証を行うというのは、直接より高品質であるかどうかということが安全性にかかわるか否かということになってこようかと思います。品質が高いということまで認証するということは本法案の対象外ではないかというふうに考えております。
 なお、高品質の商品を望む飼い主側の要望があるとすれば、業界団体での自主的な取組など、そういった方面からの検討がなされるべきではないかというふうに考えております。
○小川勝也君 今回の対象は犬用、猫用というところからスタートをいたしました。しかし、私たちの国は御案内のようにペット大国でございます。鳥、魚系あるいはカメ、爬虫類、多種多様のペットがペットショップでも売られていますし、多くのユーザーが手にして買っています。今後のその対象動物やペットフードの安全確保の対象製品の拡大についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(櫻井康好君) 先ほども触れました昨年十一月に取りまとめられました有識者等によります研究会の報告では、犬及び猫のペットフードにつきまして、国内で流通しているペットフードの約九四%が犬及び猫のペットフードであるということ、それから安全の問題が既に顕在化をしている、さらにはそのペットフードの安全性に関する知見が相当程度蓄積をされているというようなことから、当面は犬及び猫を対象とすべきというふうにされておるところでございまして、これを尊重したいというふうに考えておるところでございます。
 犬及び猫以外の愛がん動物につきましてですが、今後、この法律の施行の状況あるいは安全に関する知見の蓄積等々、状況を見ながら必要に応じて追加、見直しを行うということが適当ではないかというふうに考えておるところでございます。
○小川勝也君 先ほど来申し上げているとおり、輸入に頼っている、すなわちその相手国でどのように、ペットフードの原材料が製造されているところがブラックボックスになったままこの法律ができるわけであります。そして、我々の思いがそこには到達いたしません。そんな中でスタートは切らなければならないのは承知でありますけれども、原材料の選定あるいは表示、あるいは添加物の選定、量あるいは種類、これは将来、あるいは近い将来かもしれません、様々な有識者の中からあるべき姿というのが浮かび上がってくるんだろうというふうに思います。そういうふうに考えたときに、今日スタートを切るこの法律でありますけれども、とてもゴールとは私は思えないわけでございます。
 大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、人間の食べ物さえ危険なのに、ペットの食べ物だけ安心というのはちょっと無理かなと私も思うわけでありますけれども、この愛がん動物の食の安全の確保、最終目標はどういう地点なのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今それぞれ御議論いただいたわけでありますけれども、この法案が成立をさせていただければ、これ適切な基準、規格、こういうようなことについてはできるだけ速やかに設定をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、これはまず円滑かつ実効性のあるこの法の施行、これに努めたいというふうに考えておりますけれども、その上で、先生御指摘のように、この法の施行状況を継続的に評価いたしまして、課題が明らかになれば、あるいは今先生問題意識として持っていらっしゃるこういうようなことについては、まあそれぞれ施行状況を見ながらですけれども、専門家からの意見あるいはそれぞれユーザーからの御意見、こういうのを聴きながら迅速かつ適切に更に対応をしてまいりたいと、かように考えております。
○小川勝也君 質疑の中でも述べましたけれども、原材料としてふさわしくないものの排除、そして確かな表示、そして添加物等の適切な基準作り、このことをお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。
○市田忠義君 ここ数年間で人間とペットの関係というのは大きく変わりました。飼い主たちの意識も急速に変化し、高まってきております。まだ不十分ではありますけれども、本当にペットの健康に良い食事を作ろうという動きも出始めましたが、いまだにペットフードの安全・品質面に関する相談が、例えば国民生活センターに年間二百五十件ぐらい寄せられていると。飼い主の不安は全く解消されていないというのが今の現状だと思うんですが、まず表示の厳格化についてお尋ねします。
 私も改めてペットフードのパッケージを見てみたんですけれども、保証成分に粗たんぱく質二〇%以上、粗というのは粗いという字ですけれども、まあ純粋でないという意味だと思いますが、粗たんぱく質二〇%以上、二五%以上などと書かれています。当然消費者は栄養として取り入れられるたんぱく質が二〇%あるいは二五%含まれているのかなと思うと思うんですが、粗たんぱく質には消化されない、栄養としてはほとんど摂取されない例えばピーナツの殻なども含むことができると言われています。
 実際には吸収できない、栄養として取り込めないということであれば、まあ言葉は悪いですが、消費者を事実上だましていることにならないかと。消費者に不安を抱かせないためにも、使ってはいけない材料やあいまいでよく分からないような表示は禁止するなど、規制すべきじゃないかと。今後、審議会で話し合って恐らく省令で決められると思うんですけれども、環境省の基本姿勢として、こういうのは基本的には禁止の方向で検討すべきだというふうにお考えかどうか。
○政府参考人(櫻井康好君) 御指摘の粗たんぱく質とか粗脂肪というような、粗いという字を付けておるというのは、これはペットフード公正取引協議会の規約に基づきます現在のペットフードの成分表示でそういったものが使われておるところでございます。
 ちょっと細かい話になりますが、例えばたんぱく質の含有量というのはペットフード中の窒素を分析することによって測定をしておるわけでございまして、窒素はアミノ酸などたんぱく質でない物質にも存在するということから、これらの成分も含めて測定をされてしまうと。厳密に言えばたんぱく質以外の物質も含むということから、表示の正確を期して粗いという字を付して表示をするということが業界の慣習になっているようでございます。
 したがいまして、こういったたんぱく質の含有量を測定している通常の分析方法によって得られた結果をより正確を期して表示をしているものではないかと思われますので、必ずしもこの粗という字が付いていることが紛らわしい、禁止すべき表示かどうかということは議論があろうかと思います。
 ただ、いずれにせよ、どういった方法で表示をするか今後専門家の御意見を聴きながら検討していきたいと思っております。
○市田忠義君 質問時間が短いので、答弁できるだけ短く。よろしく。
 店に並んでいるペットフードの賞味期限を見てみたんですけれども、これもちょっと驚いたんですが、ほとんど一年以上、長いものは二年以上と。あるいは、真夏に常温の室内に出しっ放しにしておいても腐らない、カビ一つ生えないと、そういうペットフードがあります。これ不思議だなと思うんですけれども、結局、添加物、特に酸化防止剤の問題だと思うんですけれども、例えば九三年の国民生活センターの調査によりますと、国内産のペットフードの十七銘柄のうち十銘柄から酸化防止剤のBHA、BHT、エトキシキンが検出されたと。これは二〇〇一年の朝日新聞の調査でも、〇四年の北海道の消費者協会の報告でもBHA、BHT、エトキシキンが検出されていると。これらは酸化防止剤として添加されているわけですけれども、三つとも発がん性などの危険性が指摘されていると。
 特に、エトキシキンはベトナム戦争でも使われた枯れ葉剤の成分として知られているわけですが、人間の食材としてはもちろん、農薬等への使用も禁止されていると。これは禁止すべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(櫻井康好君) 酸化防止剤の一種でありますエトキシキン、これが一定量以上で健康被害を引き起こすということは、そういうことが言われておるということを承知をしておるところでございまして、いずれにいたしましても、この基準、規格の策定に当たりまして、有害となり得る物質について毒性データなど科学的知見を広く収集した上で専門家の御意見を伺いながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○市田忠義君 枯れ葉剤の成分となるようなものは禁止すべきだという点ならいかがですか。
○政府参考人(櫻井康好君) 現時点におきましては、そういった専門家の先生方の御意見、当然そういう毒性についてきちっとした御見解を示されることになると思います。いずれにいたしましても、御意見を伺って検討してまいりたいというふうに思っております。
○市田忠義君 意見を聴くのはいいんですが、もっと主体性を持って、環境省としてこういう基本的姿勢で臨みたいという答弁しないと、これから聞く質問は全部審議会で検討いたしますと、何のためにここでやり取りしているのか分からなくなるので、確定的なことを言えなくても、こういう基本的な方向で臨みたいという答弁を期待したいと思います。
 それから、添加物についていいますと、着色料の問題もあります。どこの会社も購買意欲を誘うためにおいしそうな色やにおいを付けるために香料や着色料を使っているわけですが、犬や猫には基本的な色を十分識別することができないわけですから、結局、色なんというのはそういう意味では全く犬、猫にとっては関係ないと。購入の決定権を持つ人間に対しておいしそうなペットフードだと思わせるためにいろんな色付けるわけですけれども。
 この着色料にも、例えば食用赤色二号、硝酸ナトリウムなどを使用しているものがありますが、これらも発がん性が指摘されておるわけですけれども、これは規制すべきだと。これもまた審議会で検討と言わずに、基本的姿勢がどうなのかということだけお答えください。
○政府参考人(櫻井康好君) 毒性が明らかなものにつきましては、そういったものを禁止するという方向で検討し進めたいというふうに考えております。
○市田忠義君 是非そういう方向でやっていただきたいと思います。
 次に、表示の問題なんですけれども、すべての商品がそうだとは言えませんけれども、こういうことが起こるのは、業界の自主規制でペットフードの表示が原材料の使用量の多い順番に全体の八〇%までを表示すればよいと、そうなっているために、残りの二〇%には何を入れてもよい、メーカー側の考え方一つで、粗悪な材料や添加物をわざと量的に分散をして表示義務のない二割に危険な原材料や添加物などを紛れ込ませるということがあります。
 やっぱり消費者が安心して購入できるようにするためにも、商品への表示は使った添加物を含めて原材料をすべて表示するということを義務付ける方向で検討すべきじゃないかと思いますが、この点はいかがでしょう。
○政府参考人(櫻井康好君) 御指摘の原材料の表示は、現在、公正取引協議会の規約におきましては、八〇%までを表示すればよいということになっているようでございます。この点につきましても、本法案では安全確保の観点から重要な情報が表示されるということが必要だというのが基本的な考え方でございますので、そういった観点から、繰り返しになりますが、審議会の専門家の御意見などを伺いながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○市田忠義君 畜産、いわゆる家畜の飼料でも添加物の表示はすべて表示しておるわけで、また、今年の十二月二十日からはペットフード業界も任意表示だった添加物を全商品にすべて表示するということを義務付けることにしています。
 改めて聞きますが、ペットフードの表示は使った添加物を含めて原材料をすべて表示するということを義務付けるべきではないかと思いますが、改めていかがですか。
○政府参考人(櫻井康好君) すべての添加物を表示するようにすべきではないかというお尋ねでございますが、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、安全性を確保するという観点からどこまでが必要かということになってくるんだろうと思います。いずれにいたしましても、御趣旨を踏まえて検討を進めてまいりたいというふうに思います。
○市田忠義君 次に、ペットフードの検査と検査体制について聞きます。
 先ほど小川委員の質問への答弁でもお答えになりましたが、〇六年度は九三年のペットフードの出荷数量の四二%の七十七・二万トン、それから出荷総額も三八%増の二千四百二十八億円。ペットフードの出荷数量の五三%が輸入品、また代理店などを通さない並行輸入品、これが輸入量全体の二割になっています。
 そこでお聞きしますが、こういう状況の下で、ペットフードの検査はどこがどのように行うんでしょうか。
○政府参考人(櫻井康好君) 検査体制につきましては、この法律に基づきまして環境省と農林水産省、さらには独立行政法人の農林水産消費安全技術センターが必要な体制を整備した上で、緊密な連携を図りながら、抜き打ち等での検査を含めまして立入検査の実施をきちっと対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○市田忠義君 食の安全、安心に対する国民の信頼を大きく揺るがしたあのミートホープ社による食肉偽装事件では、たしか四回の立入検査のうち三回が事前通告したために実態を掌握することができませんでした。
 事前に通告すれば問題が隠ぺいされるというのは当然あり得るわけで、立入検査というのは抜き打ち検査を基本とすべきだと思いますが、この点はいかがでしょう。
○政府参考人(櫻井康好君) 立入検査、いろんなケースがこれは具体的にはあろうかと思います。消費者の情報に基づいて立入りをする場合、あるいは様々な情報からその立入りの必要性ということを検討することになると思います。すべてを抜き打ちというわけにはまいらぬのではないかと思いますが、ただ、いずれにいたしましても、その立入検査の趣旨が達成されるよう、趣旨が損なわれるということではいけないと思いますので、立入検査の目的が達成できるように実施をしてまいりたいというふうに考えております。
○市田忠義君 やっぱり抜き打ちを基本とすべきだということを重ねて指摘しておきたいと思います。
 大臣にお聞きしますが、様々な問題を抱えているペットフードの検査を強化するということは大変大事だと思うんです。その点で、農林水産省、農林水産消費安全技術センターですね、これは農水省の管轄ですけれども、この役割は大変私は大きいものがあると思うんです。
 最近、例の中国製ギョーザの中毒事件だとか食品偽装だとか残留農薬問題、BSEの問題等々、食の問題も山積しています。そういう中で、農林水産消費安全技術センターは、強化充実させる必要はあっても、削減、縮小というのは私もってのほかだと思うんですが、独立行政法人化されたことによって毎年運営費交付金が削減されて、飼料、えさですね、飼料検査担当職員数も減らされています。それだけに、今まで以上の農林水産消費安全技術センターの体制の強化充実が私は必要だと思うんですが、この監視・検査体制の予算や人的体制などの抜本的拡充、これはもちろん環境省の管轄ではないですけれども、是非、農水省ともよく協議していただいて検査体制の強化の方向を是非図っていただきたいと思いますが、大臣の基本的な考え方を。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今検査体制につきましてお話をいただきましたけれども、環境省と農水省、あるいは今の独立行政法人の農林水産消費安全技術センター、こういうようなものが連携をして検査をすると。それにも費用対効果のこともありますから、効率よく、なおかつ御指摘のような抜き打ちも含めて全体的に緊張感が保たれるような、こういう検査の在り方というのが必要なんだろうというふうに思っておりますので、連携をしてしっかりと取り組みたいと思います。
○市田忠義君 終わります。
○川田龍平君 川田龍平です。
 今回の法律は、アメリカにおける中国から輸入したペットフードによる犬、猫の死亡事件をきっかけに、日本でも同じメラミン入り飼料が発見されて自主回収されたことから提案されています。
 この法の趣旨は、ペットフードにも食品衛生法や飼料安全法など人間や家畜の食品と同レベルの規制が、犬や猫など愛がん動物、いわゆるペットフード、飼料に規制を掛けていくものであります。
 我が家でも猫とウサギを飼っておりますので、大変この問題には関心を強く持っております。先ほどは犬、猫ということでしたけれども、ウサギもできればお願いしたいと思いますが、さらにはペット飼料だけではなく、養殖飼料や家畜飼料など、中国からの植物性たんぱく飼料への使用にまで問題が広がっています。一方で、輸入ギョーザ事件に見られるように、法があっても防ぎ切れない事態も想定しなければなりません。
 中国からの輸入食材にかかわる安全性をどのように担保をしていくのか、輸入ギョーザ事件を通して教訓が多数提示されています。既に、ほかの小川議員、それから市田議員からも指摘がありました、原材料、そして商品の安全性や添加物表示などの問題が厳しく指摘されております。そして、日本の基準が作られるということですが、しかし作られた基準が安全かどうかということについても問題になります。
 そこで、まず一点目は、先ほど市田議員も質問しましたけれども、輸入飼料の水際でのチェック体制について伺いたいと思います。
 法案第十三条の立入検査等は、定期的な、先ほども質問された抜き打ち検査のようなチェック体制は想定されるでしょうか、農水省の方にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(谷口隆君) お答えを申し上げます。
 ただいま御質問の立入検査における抜き打ちが含まれるかということでございますが、これは私どもそれを想定をいたしておるところでございます。
○川田龍平君 おとといの審議でも、EUなどの諸法制との比較が、この動物福祉、スリーRという言葉も出ておりました。このペット飼料の安全性についてそこで、人間でいえば人権ということですけれども、動物の場合には、この保護に関する、愛がん動物であるペットと実験動物の福祉に関しては動物の愛護及び管理に関する法律の中で示されております。
 日本における実験動物の保護に関しては、EUとの比較において、今後、現状よりも強い規制などを検討されていく必要性についてどのような認識を持っているかということで質問したいと思います。環境省、お願いします。
○政府参考人(櫻井康好君) 実験動物の関係でございますけれども、平成十七年の動物愛護管理法の改正によりまして、動物を科学上の利用に供する場合の方法に関する規定が設けられたところでございます。環境省では、その法改正を受けまして、平成十八年の四月に、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準というものを定めまして、実験動物について、代替法を活用するとかあるいは使用数を削減するあるいは苦痛を軽減するといったスリーRの考え方を導入しているところでございます。
 この法律あるいはこの基準を踏まえて、動物実験施設を所管いたしております各省庁あるいは日本学術会議が具体的な指針を作成して、各実験施設はそれらに基づきまして実験動物の適正な取扱いに十分配慮をするということになっているところでございます。
○川田龍平君 日本においても、国際的に普及、定着している動物実験及び実験動物の福祉の基本理念としての動物の苦痛の軽減、リファインメント、使用数の削減、リダクション、代替法の活用、リプレースメントのスリーRを推進していると今お答えもありました。ただ、市民団体からは、実験動物使用数の削減をどのような形で進められているのかなどの声が上がっております。
 厚生労働省、文部科学省管轄下にある施設において、動物が実験に使用される数を把握し、一定期間内に実際に削減されているかどうかを管轄官庁において把握できる仕組みがあるのかどうか、また環境省はそれら動物福祉の観点から評価はどのように行っているのかについて、各省庁からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(西山正徳君) お答え申し上げます。
 厚生労働省の所管施設におきまして動物実験を行う場合は、実施機関ごとに設置されています動物実験委員会におきまして、できる限り動物実験の使用数を少なくすること等の観点に配慮しつつ実験計画を審査することが動物実験に関する指針で定められているところでございます。
 さらに、指針におきまして、動物実験の指針への適合性等の評価の結果につきまして適切な方法により公開することなどが規定されており、これらを適切に行うよう今後とも指針の周知徹底を図ってまいりたいと、このように考えております。
○政府参考人(藤木完治君) お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、平成十七年にこの動物愛護管理に関する法律の改正がされましたことを踏まえまして、平成十八年に、研究機関等における動物実験等の実施に関する基本方針を告示しておりまして、これで、所管の大学を始めとする関係の研究機関などに対しまして適切に対処するように要請を行っているところでございます。
 同指針におきましては、動物愛護の観点から適正に動物実験を実施するという観点から、研究機関などの長の責務の明確化、動物実験委員会の設置や教育訓練の実施、そういったことに加えまして、動物実験に使用する動物の数を科学上の利用の目的を達することができる範囲においてできる限り少なくする、そのような実験方法の選択あるいは適切な方法による動物実験に関する情報の公開等を規定しているところでございます。
 ライフサイエンス研究は多岐にわたりますので、大学を始めとする広範な研究機関等で大変多様な実験を行っております。このため、文部科学省として、実際に使用されている動物の数について調査するということはしておりませんけれども、既に述べましたとおり、基本指針を定めまして、それに基づき各研究機関において動物実験の取扱いは適切に行われ、そしてその取扱いについて情報公開等も適切に行われるということで、動物実験における動物愛護の観点は守られているものというふうに考えてございます。
○政府参考人(櫻井康好君) ただいま文部科学省、厚生労働省から答弁ございましたように、我が国では、この実験動物の取扱いに関する基準に基づきましてそういった動物実験施設を所管する各省庁がそれぞれ動物実験施設を適切に指導するということで、実験動物の適正な取扱いが確保されるものというふうに考えております。
 環境省といたしましては、海外の動向あるいは所管省庁の取組などを踏まえながら、我が国における枠組みが有効に機能するように所管省庁あるいは日本学術会議などとの一層の連携を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○川田龍平君 その個体数を確認はできていないという答えもありましたので、環境省の方に是非改善策を検討していただきたいと思います。それで、改善策はありますでしょうかということで、環境省の方にお願いします。
○政府参考人(櫻井康好君) この所管の省庁といたしまして厚生労働省あるいは文部科学省さらには農林水産省あるわけでございまして、それらの省庁とよくその辺は相談をしてまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 今回の法案は輸入飼料が発端ですが、現在の輸入飼料の自給率、先ほど小川委員からも質問がありまして、ただ、この日本産、外国産ということが、その原料のことも含めますと日本の自給率は大変低いという指摘もございました。そうした飼料の自給率の問題についてどのように考えていくのか、また自給率が人間の食料同様に下がっているんですけれども、なぜそうした動向に至っているのかについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 先ほど、自給率について正確に把握してないというふうに申し上げました。ですから、国産品と輸入品ということで申し上げたいんでありますが、先ほど申し上げましたように、平成十八年には四七%まで国産品の割合は低下しております。平成五年度には五八%であったものがそのように低下しています。ただ、一番少なかったのは平成十三年の四〇%でありまして、いったん下がりまして、そこから国産品が一六%回復しているという状況でございます。
 その背景には、恐らく、国産品の割合増加の背景には、国産品の品質等に対する信頼があるものと私ども考えておりまして、引き続きペット業界に対しましてそういう信頼の確保について指導はしていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 農水省はフードマイレージの観点から農水産物の自給の必要性を打ち出しています。日本のフードマイレージは世界で一番です。輸入する食料と移動する距離の積は九千二億八百万トンキロメートルで、二位の韓国が三千百七十一億六千九百万トンキロメートルで約三倍になります。自給率を高めるためには、環境問題への関心の高まりもあり、大変このフードマイレージという考え方は説得力があると思いますが、ペットの輸入飼料についてもこうしたキャンペーンが必要ではないでしょうかということで、農水省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 先ほども申し上げましたように、国産品の割合が最近増加しております。その背景にはやはり安全に対する信頼というのがあると思います。私ども、関係業界に対しまして引き続きそういう安全性の確保、そういうことについて指導してまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 それでは、温暖化防止の観点から環境省はこのフードマイレージについてはどう考えているか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 例えば地産地消とか、さらにしゅんのものを食べていただくと、そういったことで輸送燃料それから暖房燃料、そういったものは大幅に減ると思います。やはりそういったことが温暖化対策に非常に大きく役立つというふうに考えているところでございます。
 私ども環境省といたしましては、こうしたライフスタイルといいますかビジネススタイルといいますか、是非変革を促したいということで、国民や事業者自らの活動に伴う温室効果ガスの排出量の可視化、いわゆる見える化というものの仕組みを現在検討しております。具体的には、商品やサービスのCO2排出量を定量的に分かりやすく示す方法ということについての検討を進めているところでございます。
 温暖化対策の中でこうした地産地消あるいはしゅんのものを食べると、そういった観点も含めて見える化づくりと、見える化の仕組みづくりを急ぎたいと考えております。
○川田龍平君 観点を変えて質問させていただきます。
 輸入ギョーザ事件をきっかけに福田首相は消費者庁法の制定に尽力されています。既に消費者行政推進会議が開催され、消費者行政にかかわる七十近い法律に関するヒアリングや資料収集を行われていると聞いています。一方で省庁の抵抗も強いという報道がありますが、消費者庁設置をめぐる現状及び推進会議内での論点、今後の見通しについてお伺いしたいと思います。内閣官房さん、お願いします。
○政府参考人(松山健士君) 委員御指摘のとおり、政府の方では消費者行政推進会議を設置しまして鋭意検討を行っております。四月二十三日には、総理から消費者庁の創設に向けた基本的な考え方をお示しになられたところでございます。
 昨日開催されました第七回の会議におきまして、取りまとめに向けました素案、これが示されたところでございます。この中では、消費者に身近な問題を扱う法律を所管する消費者庁を設置すること、消費者が頼れる分かりやすい一元的な相談窓口を設置すること、消費者庁は来年度に発足させること、こういったことが示されております。
 これを受けまして、この会議の取りまとめを近々行われると思いますが、それを受けて政府としては具体的な取組をしていくと。御質問の中の法律に関しましては、現在政府部内で調整中でございます。そういう状況でございます。
○川田龍平君 その掛け声の割には相当な省庁が抵抗をしているということでありますが、私の当事者性でいうと、薬害の問題、薬事法について大変興味があります。
 ヒアリングもされているようですが、内閣府としては消費者庁設置に向けて薬害はどのような位置付けの議論として展開しようとしているのか。また、特にアメリカでは食品医薬品局、FDA、それから食品と医薬品の安全性が一つの法律の中にあります。さらに、韓国でも食品と医薬品が一つの組織にまとめられていると聞いていますが、そうした方向を目指されているのかどうか、聞きたいと思います。
○政府参考人(松山健士君) 先ほどの四月二十三日の総理の御指示でございますけれども、その中で、消費者に身近な問題を取り扱う法律は消費者庁に移管することとし、その他の関連の法律についても消費者庁が強い勧告権を持つ司令塔として関与できるようにする、また、すき間への対応や被害者救済を視野に入れた新法の検討を進めるという御指示がございました。
 そうした方針の下で、現在鋭意様々な御相談をしていると、そういう状況でございます。
○川田龍平君 私自身は超党派で薬害根絶に向けての患者の権利、被験者保護法案作成を目指して勉強会を重ねており、今後、消費者庁との関連も含め提言していきたいと考えております。
 ただ、今般、厚労省では、医療費抑制策の一環として医療用医薬品のうち成分で指定して大幅にOTC化、これは医師の処方なしにドラッグストアなどで買える医薬品のことですが、OTCにスイッチするという方針を発表しました。これは、これまでの薬事行政では対応し切れない大変な薬害を起こす可能性を含んでいると強く懸念しています。この問題について本日直接質問はいたしませんが、消費者保護の観点から大変な問題であるという認識の下に取り組んでいくつもりであるということを申し述べておきます。
 それでは、最後に確認の意味で、ペット飼料法が成立した場合、この消費者庁法の中に組み入れられるのかどうか、最後にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(松山健士君) 御指摘の点でございますけれども、これも具体的にどういう法律を消費者庁が所管をするのか、また勧告対象等にしていくのかといったことにつきましてはこれから具体的に検討していくと、そういう状況でございます。
○川田龍平君 ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(松山政司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 轟木君から発言を求められておりますので、これを許します。轟木利治君。
○轟木利治君 私は、ただいま可決されました愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・無所属の会、公明党及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員川田龍平君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、愛がん動物用飼料の製造の方法・表示の基準、成分の規格は、事業者、民間団体及び諸外国の取組状況を踏まえ、的確かつ速やかに策定すること。また、対象となる愛がん動物の今後の拡大についても、積極的に検討を行うこと。
 二、愛がん動物用飼料は、購入する消費者の多くが飼育の専門家ではないことにかんがみ、期限表示、原料及び使用添加物等、消費者のニーズに応じたわかりやすい表示となる基準を策定すること。また、偽装表示が行われないよう、市場に流通している製品の検査体制の充実に努めるとともに、偽装表示に対しては厳正に対処すること。
 三、規制の適用に当たっては、事業者が円滑に対応できるよう十分な周知期間を設けるとともに、事業者に対し規制の必要性や内容の周知徹底を行うこと。また、事業者に対する検査や指導等を行うための関係機関の体制整備に努めること。
 四、飼育者の実質的相談窓口となることが想定される動物病院や都道府県等の動物愛護関連機関との連携を密にし、安全性に関する情報の収集に努めるとともに、有害な原材料が広範囲に使われないように、関係省庁間においても情報交換等、連携に万全を期すること。
 五、愛がん動物に与える飼料の種類によっては、愛がん動物の健康が損なわれるおそれがあることにかんがみ、ふさわしい飼料やその与え方について飼育者への普及啓発等に努め、適正飼養を推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(松山政司君) ただいま轟木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(松山政司君) 全会一致と認めます。よって、轟木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、鴨下環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鴨下環境大臣。
○国務大臣(鴨下一郎君) ただいま御決議ございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。
○委員長(松山政司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(松山政司君) 次に、土壌汚染対策法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大久保潔重君 こんにちは。民主党の大久保潔重でございます。
 この土壌汚染対策法の一部を改正する法律案に関しては、おととい、発議者の方からその提案理由の御説明がなされました。
 近年、工場跡地などで有害物質による土壌汚染が大きな社会問題になっております。この土壌汚染対策法は平成十五年二月に施行され、その中では水質汚濁防止法上の有害物質使用特定施設の廃止時などに土地の所有者等に土壌汚染状況調査の義務を課しておりますが、今回その一部改正案ということで提案がなされました。
 施行後五年がたった今、本法改正案が出された趣旨は何であるのか、まずはお伺いしたいと思います。
○大石正光君 ただいまの御質問について御説明申し上げます。
 実は、この土壌汚染法が法律を出されたときは私が衆議院の環境委員長でありまして、私の下に出されました。そして、委員長提案でこの法律を実は通すことになって決まっておりました。最初はそれぞれ自民党と民主党がいろいろ議論をした中で、それぞれ提案が参りました。その提案の自民党案と民主党案をそれぞれ私の委員長の権限で交換をさせていただきまして、民主党の案は自民党に行き、自民党の案は民主党に来て、それぞれその相手の党の法律案を議論をして、そこで納得できない点、疑問点をそれぞれ出していただきまして、それを一緒にして環境省を含めてそれぞれ協議をして、その解決案をまとめて実は法律に成文をしたのが問題でありました。
 ただ一つだけ、時間がなくて最終的に共産党の方が賛成できなくて最終的に衆議院で私のときには採決ができずに次の委員長のときにこの法律ができたわけであります。
 しかし、その法律の中は、時間的に非常にないことと同時に、実は継続審議にやったわけでありますが、その理由の一つには、それぞれ各役所がこれだけ一致してやろうということが今回まとまったのはそれぞれ与党の先生方の努力によるわけでありますから、もしこれで法律を通過させなければ新たに新しい委員長のときの法律は、多分この法律が生まれてこないだろうということで、とにかく委員会に提出して、要するに継続審議でやることで合意しました。そういう意味では時間が非常になかったわけでありまして、合意に至るのが非常に難しかった。そのために課題がかなり残っていたわけでありますけれども、とにかくまず、一つの土壌汚染法をまず成立をさせてその後に見直しをすればいいという、こういうことで実はその法律が施行されたといういきさつがありました。
 そういういきさつの中で実は生まれたわけでありますが、その有害物質の使用特定施設の跡地については、実はその附則の第三条により土壌汚染状況調査の対象にならないということになっております。しかし今、その後騒がれております東京ガスの豊洲工場跡地に関しましては東京都の中央卸売市場が移転するようなケースが生まれてまいりましたので、当然土壌汚染調査が対象になっておらない地域であっても土壌汚染に基づく措置が行われなければ不特定多数の大きな人方に対して被害が出るということで実はこの法律を出したわけであります。
 そこで、このような跡地について新たにこの法律は、公園や学校や卸売市場等特定公共施設等の用に供しようというものに対しては土壌汚染法の状況調査を行い、その結果土壌が汚染されているときには土壌汚染法に対しての方策を講じるということを実はこの法律の中に起こっているわけであります。
 また、この法律を前提として、新たな特定公共施設等の用に使用する土地が土壌汚染法の施行前に使用が廃止された有害物質等の施設の跡地であることも当然調査をすることが必要であると同時に、このような調査を都道府県知事に行わせようというもので実はこの法律を作ったわけでございます。
○大久保潔重君 この法律が制定された当時に環境委員会の委員長としてまさにその最前線におられたというような経緯のこともお聞かせいただきまして、この土壌汚染については過去に農用地での重金属等における健康被害やあるいはごみ焼却施設のダイオキシン問題などが発生し、それぞれ法律の制定で対策がなされてまいりました。また、市街地においては有機溶媒による地下水汚染の問題もあり、これまた法律の制定で措置がとられてきました。
 やはり土壌と水質の関係、非常に大きな関係があると思います。今回、その土壌と水質の関係性、どのように考えておられるか、また、本改正案と例えば水質汚濁防止法との相違点、あるいは改正点等、特徴がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○大石正光君 土壌汚染法と水質汚濁に関してでありますが、環境省が最初にできたのは実はいろんな公害で人が亡くなったことから始まりました。要するに、大気汚染は四日市ぜんそくの問題でありますし、また水質汚濁は水俣の水銀のケースであります、そして土壌をいろいろな面で汚染することによると、その三つが全部成立をしなければ環境を守るための法律は整備されないでまいりました。そして、最初から当然、四日市ぜんそくと水俣の水質汚濁は先行して実は法律ができたわけでありますが、どうしてか土壌汚染だけは三十年以上法律ができなかったんであります。
 しかし、土壌汚染の問題で、例えば山の奥地にいろんな廃棄物を持っていって、そこから雨が降って水が地中に入り川に入り水質を汚濁して結局なっている。要するに、そういう廃棄物を山の奥地に捨てるということの中によっていろんな弊害が起きてきた。それで、土地の移動を禁止するような土壌汚染法を作るべきだということでいろいろ議論した中、最終的にできた法律であります。
 そこから考えますと、土壌の汚染や、土壌は汚水や排水の地下浸透や廃棄物の不適正な取扱いが原因となって汚染されているものでありますから、土壌汚染対策法については、汚染された土壌だけじゃなくて、そこに流れる地下水の汚染も見据えてそれらの一体とした措置を講ずるべきが必要であります。
 しかし、例えば東京ガスの豊洲工場跡地については、東京都は汚染された土地を地下二メートルまで掘削して入れ替えることを報道で見ましたが、しかし、それでは地下水の汚染対策には不十分であります。要するに、地上から降った雨が汚染された土地を通して汚染されて地下水に入っていくわけでありますから、当然土壌汚染に対しては水質汚濁の法律を適用するべきであるということでありますし、特に水質汚濁法が施行された昭和四十六年以降の廃止を適用対象にすべきであるということで実は考えているわけであります。
 そういう意味においては、この一方の本改正案に通じる豊洲のケースについては、土壌汚染調査を行いながら、その結果土地が、土壌が汚染されている場合には土壌汚染対策法に基づく措置を講じることになりますけれども、それだけではなくて、当然、土壌と地下水の汚染についての関連性も一体として当然やるべきであると思います。
 建物を建てる場合には、二メートルだけで建てるわけにもいきませんから、地下十メートル以上に掘れば当然地下水の汚染が生まれてきます。ですから、地下二メートルでは非常に難しい。すなわち、水質汚濁法の規制も一緒にした、一体化した法律をきちっとして、それを認めるべきであるということが私の考えであります。
○大久保潔重君 環境汚染の問題、単に土壌や水質にとどまらず、また大気も含めた一体的な取組をなされていくという、そのような説明、非常に心強い御説明をいただきました。
 それからまた、この本改正案において、平成十五年の法の施行を、後じゃなくてそれをさかのぼって、こういうふうな昨今のいろんな環境汚染の問題等を踏まえて、この新しい改正案でもって対応していくということであります。
 是非、水質汚濁防止法あるいは大気汚染防止法、廃棄物処理法や農薬取締法などとのまた整合性も取りながら、是非この社会的な要請の強い取組を今後やっていく必要があろうかというふうに思っております。
 本改正案の施行によってさかのぼっていきますので、当然調査対象の土地が拡大することが予測をされます。もしその調査対象の土地が急増した場合、現在の例えば調査実施体制、指定調査機関の数や技術的な能力等、どのような現状で対応が可能であるとお考えか、お尋ねいたします。
○委員以外の議員(大河原雅子君) 調査の実施体制の現状と対応の可能性についてのお尋ねでございますが、土壌汚染対策法に基づく土壌汚染状況調査、これは指定調査機関に調査させることになっております。
 その指定調査機関の数、これは平成十五年の本法施行以降増加しておりまして、平成二十年五月十九日現在千六百四十一の機関が指定をされております。また、環境省の調査によれば、平成十七年度の指定調査機関が行った調査実施件数、これは一万九千八百七十六件、そのうち法に基づいて行われたものは二百六十件でございます、約一・三%。
 このことを、こうした状況を踏まえれば、本改正案によって調査件数が急増したとしても、十分に対応は可能であると思われます。
 それから、指定調査機関の技術的能力の向上とその維持につきましては、三月三十一日に出されました土壌環境施策に関するあり方懇談会の報告、ここでも、技術管理者に関する専門的資格の導入と指定の更新制度の導入を検討すべき事項として掲げられておりまして、技術管理者の講習、また指定調査機関内部でのチェック体制の充実強化、ここについても推進すべきというふうにされております。
 同報告を踏まえまして、技術的能力の向上とともに調査の信頼性の確保を図っていく必要はあるというふうに考えております。
○大久保潔重君 改正案の施行によって調査対象が急増した場合に、この調査体制、十分今の状況で可能であるという答弁でございました。
 ここで政府の方にお伺いいたします。
 この土壌汚染防止法施行後今日までの状況等を踏まえて、今後、今回提案された改正案によって対象となる土地の拡大予測、あるいはまた必要な実態調査、またその場合の費用や財政支援など社会的、経済的な影響等について国として何か試算されておるのかどうか、お尋ねいたします。
○政府参考人(白石順一君) 御提案の改正案で新たな対象となる土地でございますけれども、特定公共施設等政令で定めるということになっておりまして、まだその範囲というものが明確でございません。
 そういう関係から、実態の把握あるいは調査の予測ということについても正確な予測というのはできないわけでございますが、ちなみに昨年の五月現在で仮に学校という範囲を絞った場合、小学校は約二万三千、中学校が約一万一千校ございます。そのうちどれぐらいが建て替えになるかということはちょっと分かりません。それから、公園につきましては、現在、都市公園ということで考えますれば、昨年の三月現在で約九万三千か所の公園がございます。繰り返しになりますが、これらの新設、建て替えということになりますと、ちょっと把握は今のところできておりません。
 それから、財政支援のお尋ねでございますけれども、調査に関してということでありますれば、これまでも特段の支援講じておらないわけでございまして、調査に関する新たな支援というのはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
○大久保潔重君 具体的にこれ東京都において、豊洲に新市場予定地、ここでの地下水や土壌などで高濃度汚染の実態が明らかになったことについて今東京都がいろんな調査をしております。この東京都が行った調査状況や対策あるいは費用等も含めて、環境省はどのように考えているか、御所見をお伺いいたします。
○政府参考人(白石順一君) 今週の五月十九日、東京都が専門家会議で報告されました土壌及び地下水の詳細調査結果によりますと、既に報道されておりますように、ベンゼン等基準と比べて高濃度の検出された地点があるというふうなことは承知しております。東京都は、今後更にこの専門家会議を開きまして、その意見を踏まえて今度は対策の具体的内容ということを検討するということでございます。
 環境省は、その今後の東京都の対応を把握しまして必要に応じた助言をしてまいりたいと、このように考えております。
○大久保潔重君 是非、環境省としても必要な助言、御指導をお願いしたいと思います。
 最後に、環境大臣、以上のやり取りを踏まえて、今後の土壌汚染対策における国の関与の仕方等、大臣、決意ございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今それぞれ御議論があったわけでありますけれども、土壌汚染対策法に関しましては、これ、法律の対象範囲に加えまして、搬出汚染土壌の適正処理の確保あるいは様々な課題が今先生からも御指摘をいただいたわけであります。このため、五月の二日付けで当省においては中央環境審議会に対しまして、今後の土壌汚染対策の在り方、これについて諮問をしているところでございます。
 これから、その審議結果を踏まえまして、あるいは国会での御議論を踏まえまして、土壌汚染対策の一層の推進に取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えております。
○大久保潔重君 是非、そのようなことで一層の取組を進めていただきたいと思います。
 例えば、豊洲の問題は東京都でありまして、東京都というのは非常に財政が豊かな自治体であります。しかし、全国にはそういう財政が豊かでない地域もございます。そういったところがもし適用になった場合に、やはりいろんな支援策も含めて、また国の助言、指導も含めて、是非、サポートをしていただきますことをお願い申し上げまして、私は質問を終わります。
○中川雅治君 土壌汚染対策法の施行から五年以上が経過しまして、この間、法律に基づいた土壌汚染の調査、対策が行われてまいりました。そのような中で、法律の施行を通して浮かび上がってきた課題や法制定時に指摘された課題をもう一度検討することが必要な時期を迎えたことは確かであると思います。
 環境省においても、土壌環境施策に関するあり方懇談会を設置しまして、土壌汚染対策の新たな施策の在り方について検討を行い、既に報告が出ております。
 今、鴨下環境大臣からお話がありましたように、環境省におきましても、この報告を踏まえて中環審、中央環境審議会に諮問をして更なる検討を行い、政府提案で、いずれといってもまあそう遠くない時期に土壌汚染対策法の改正案を出そうとしていると聞いているわけでございます。土壌汚染対策法の改正案を出すのであれば、付け焼き刃的な改正案ではなく、法律の施行を通して浮かび上がってきた様々な課題を解決し、皆が納得できるような改正案でなければならないと思います。
 私は、民主党提案の本改正案は甚だ不十分な付け焼き刃的な案であると言わざるを得ないと思っております。その理由はこれから申し上げますが、なぜ急いでそのような改正案をお出しになる必要性があるのか、そこをまずお伺いしたいと思います。
○委員以外の議員(鈴木寛君) 今付け焼き刃的という御発言がございましたが、そもそも、先ほど大石当時の委員長からの提案にも、御発言にも、御説明にもございましたけれども、この土壌汚染対策法、当時のいろんな経緯によって十分に審議ができなかったけれども、必要性に応じて可決をしたと。順次、必要に応じ、可及的速やかにその不備な点が見付かった場合には見直していくというような経緯であったということは先ほどの御説明のとおりでございますと。
 そもそも、先ほどの大石提案者の御説明にもありましたけれども、附則の三条を付けて、築地の移転先である豊洲などの有害物質の使用施設の跡地を土壌汚染対策状況調査の対象から外した現行法案に不備な点があるわけですよ。これは私も立法府の一員でありますから自戒を込めて申し上げますが、まさに誤りを改むるにはばかることなかれということがございますが、それをやろうではないかということで、今回お出しをしているわけであります。
 事実、これは先生も御存じだと思いますけれども、東京都の専門家会議が十九日に都庁で開かれました。そこで驚くべき調査が明らかになったわけであります。すなわち、四千百二十二か所で土壌と地下水の調査、ボーリング調査を行いましたところ、ベンゼンは土壌の一か所から環境基準の四万三千倍の濃度が検出される土壌がありまして、要するに環境基準を超える地点が三十五か所、それから地下水で申し上げますと、五百六十一か所で基準を超えておりました。それから、シアン化合物は土壌の一か所から基準の八百六十倍の高濃度が検出されるなど、土壌では九十か所、地下水では九百六十六か所で基準を上回るという大変な深刻な事実が明らかになったわけでございます。
 先ほど付け焼き刃ということを何度も何度もお話しになりましたけれども、この法案は、私ども民主党は、実は昨年の九月九日に既にこの骨子をまとめて、そして十月三十日に党としての機関決定を経て、十二月の四日に提出をさせていただいております。極めて遺憾にも約半年間この審議が行われていなかったということでありまして、このこと自体、我々は大変遺憾に思っているわけであります。
 これも先生御承知のこととは思いますけれども、こうした我が党の動きによって、都の専門家会議は当初二百四十三か所の調査しかやらないと、やらなかったんです、八月のときは。それを、今回その四千百二十二か所をやったわけでありますが、それは我々の法案提出が十二月四日に正式に行われて、その後二月から開始されて、三か月間の調査結果を経て五月十九日にこの事実が明らかになったわけであります。まさに、もしも私たちがこの法案をこのタイミングで提出をしなければこの調査結果は明らかにならなかったということをきちっと申し上げておきたいというふうに思っております。
 東京都の予算だけで申し上げましても、平成十九年に五百億円、そして平成二十年度で七百六十六億円の予算が計上をされております。既にPFIの特定事業選定でありますとか、この基準工事の業務要求水準、入札と、どんどん進んでおりまして、事態は一刻の猶予はならないという状況にあります。それから、この専門家会議の平田座長も、現在国会において法改正の動きがあるので、改正をされたらこの地域を指定をするということもあり得るというようなこともおっしゃっておりますので、まさに速やかな法案の可決が必要であるということを申し上げたいと思います。
○中川雅治君 こういう、答弁でこれだけ時間を使われますと私の持ち時間なくなりますので、質問をというよりか、私の考えをこれからずっと述べさせていただきます。
 民主党の今の御説明を伺っていますと、この改正案は東京都の豊洲新市場の土壌汚染問題をターゲットにしており、この豊洲新市場に土壌汚染対策法を遡及適用させることが最大の目的であると理解せざるを得ないのであります。
 しかしながら、今、鈴木議員もおっしゃいましたように、東京都は豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議を設置し、食の安全、安心の観点から土壌汚染調査対策の妥当性について検証を行っており、この会議の指摘を受けて東京都は新市場予定地の全域にわたり土壌汚染対策法に基づく調査と同等以上の精度を持つ調査を実施したところであります。実際に敷地全体について十メートルメッシュで四千百二十二か所で土壌及び地下水を調査したとのことであります。その結果、一部地点において基準の四万三千倍のベンゼンの土壌溶出量等が確認されたとのことであります。
 東京都の専門家会議では近く対策等について提言をすることとしておりますが、現時点で既に環境基準を超える土壌汚染はすべて除去する、地下水についてもいずれはすべて環境基準以下とするとの提言をする方針を固めたとのことであります。
 東京都はこの専門家会議の提言に沿って対策を取るとのことでありますから、仮に民主党提案の土壌汚染対策法改正案が成立してもしなくても、実態は何ら変わらないわけであります。この改正案には緊急性があるとは思えません。ですから、東京都の豊洲新市場予定地をターゲットにしたこのような不十分な改正案をお出しになるのではなく、もっと幅広い課題を検討した上で、しっかりとした法律改正をすべきだと思います。
 そこで、民主党提案の改正案の疑問点についてお伺いしたいと思いますが、まず第一に、新たに法の対象とする範囲について、公園、学校、卸売市場などの特定公共施設等の用に供する場合に限定している点であります。
 東京都の調べによれば、平成十五年度から十七年度までに都の条例に基づいて東京都区部において土壌汚染対策を講じた百五十八事例のうち、学校は六件、公園は四件でありまして、卸売市場は含まれていません。むしろ、必ずしも公共施設とは限らない用途の方が多く、例えば住宅は六十件、再開発などは十一件を数えます。なぜ法の対象範囲を特定公共施設等に限定するのか、提案者にお伺いをしたいと思います。
 このようにお聞きしますと、提案者の方から、住宅や純然たる私有財産を「これらに準ずる施設」で読んで、あとは政令で定めればよいというお答えが返ってくるのであれば、過去の立法例から見てもそれは困難であるということをあらかじめ申し上げておきます。
 それからもう一つ、民主党提案のこの改正案は、豊洲新市場予定地を何とかして指定区域という名称をかぶせたいという意図から出ていると言ってもよいというふうに私は思うわけでありますが、私は、むしろ現行の指定区域の在り方を再検討すべきであると思います。
 指定区域の在り方についてでございますが、現在の土壌汚染対策法では、指定区域になった場合、覆土や封じ込めなどの対策が講じられても、汚染が完全に除去されない限り指定区域が解除されない。つまり、覆土や封じ込めなどの対策が講じられて通常の使い方なら健康に影響が生じないような区域も、このような対策が全く講じられない区域も、現行の法律上は指定区域として同じように表現されてしまいます。
 指定区域の指定とその公示は、土地取引に必要な情報を共有するために必要なものではありますが、このような一律的な区域指定によりそれぞれの土地の汚染による健康リスクが正しく理解されず、不動産としての資産価値が不当に低く評価され、さらには塩漬けにされてしまうという問題が生じています。
 そこで、対策を講じた場所については、対策を講じたんだということが分かるように区分することが必要ではないかと考えます。このようにすることにより土壌汚染のリスクが正しく理解され、また不動産の適正な評価がなされることにより、いわゆるブラウンフィールド問題の解消にも効果があると考えております。
 指定区域になっても、対策を講じた場所については対策を講じたことが分かるように別の区分として表示し管理していくことについて、提案者はどのようにお考えなのかということをお伺いします。
 こういったようないろいろな問題、まだまだ詰めていかなければならない問題がたくさんあるわけです、ほかにもまだございますが、豊洲新市場をターゲットにした改正案でこういった、取りあえずこういう不十分な法案を出されているわけですが、まだまだ検討すべき、詰めなきゃいけない課題があります。これは現に環境省において詰めているわけでありますから、それを待ってしっかりした改正をすべきだというふうに私は思います。
 以上でございます。
○委員以外の議員(鈴木寛君) 先ほど環境省で詰めていると、恐らくこの三月三十一日の土壌環境施策に関するあり方懇談会御報告のことを触れられておるんだと思いますが、私も読ませていただきました。
 先生は、この法律あるいはこの懇談会に基づく改正案ができれば築地のような例も対象になるというふうにお考えなのかもしれませんけれども、よくよく読んでみますと、「一定規模以上の土地改変あるいは土地売買等の際に」というふうに書いてあるわけですね。そうすると、この築地の話はもう売買終わっておりますから、この環境省の考えておられるお考えに基づいて改正案がなされても、今回お出ししている問題は対象にならないということをまず前提として御理解をいただきたいというふうに思います。
 それと、先ほど東京都の専門家会議はもう対策を講じているというふうなお話がありましたが、そこについても私と認識が違います。
 まず、これは最終的なものではございません。単なる新聞報道でございまして、専門家会議がどういうふうな対策を取るのかということについてはまず不明であります。そして今、仮に報道されているような対策案が十分なのかということについては、専門家からもこの対策では不十分だという声が大変多く指摘されているわけでありまして、したがって、東京都専門家会議は十分な対策を講じているというところは、私はそのように思っておりません。したがって、きちっとこの法律に基づく土壌対策、汚染対策が行われるべきだということを我々は認識しております。
 それが証拠に、先ほど大変な深刻な調査が出ましたが、この土地は実は、東京ガスは、元の所有者ですけれども、きちっと平成十三年から十八年まで対策を行って汚染拡散防止措置完了書を提出された土地なんです。その土地を再度この二月から五月にかけて調査をしてみたところ、先ほどのような深刻な結果が出ているということでありますから、特に、先ほどの先生の御質問にもなりますけれども、なぜ特定公共施設をやるのかという御質問ですが、極めて市場とか公園とか学校のように社会的な経済的な影響が極めて高いものには、慎重の上にも慎重を期して対応をするということが必要でありますので、したがってこの枠組みにきちっとのせて、そして十分な議論を行うということが必要で、それを単に都の専門家会議あるいは一都道府県の、法律の枠組みの外での対応に任せるということでは、我々国会として国民の皆様方の生命と財産に責任を持てないというふうな判断でございます。
 それから、御提案のございましたいわゆる区分の表示ですね、対策済みの区分の表示、これについては、もちろんこういう御議論があることは私たちも承知をいたしておりますが、単に汚染除去の措置が講じられたということをもってそれを表記するということでは私どもは不十分だと思っています。
 すなわち、汚染の除去の措置が講じられても、その後にどれだけのリスクが残っているのか、要するに除去ができたのかできていないのかということについてもきちっと情報提供をしないと、ああこれはもう措置済みなんだなということで、あたかも今なおリスクが残っている土地について安全であるかのような誤解を与えてしまうという危険性もございますので、御提案の点についてはなお一層の検討が必要だというふうに思っております。
○中川雅治君 政府提案の内容はまだ全く分からないわけでありまして、これから遡及するということで考えて、やはり一定規模以上の土地を改変しようとするときは、まず履歴を調査して、問題がありそうなところは汚染調査をするというふうに、広く網をかぶせて土壌汚染調査をすべきだというふうに私は思います。
 そういう意味では、民主党のように、施行前に使用され、使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る土地というふうに限定し、しかも特定公共施設等の用に供するというふうに限定するのはどうかなというふうに考えます。マンションとかいろいろな商業施設とか、たくさんそういうものもやはり必要な場合があろうかと思います。
 それから、東京都の対策は、これはまだ正式な報告はこれからという、提言はこれからだということでございますが、この専門家会議が、私が伺ったところによれば、汚染土壌については環境基準を超えるものはすべて除去する、そして地下水はすぐに除去というのは難しいので、いずれは環境基準以下にすべてすると、こういう提言をするんだという方針を固めたというふうに伺いました。それを申し上げております。
 それから、もちろん、指定区域につきまして対策を講じたんだということを表示するだけで不十分だということは私も同感で、そんなことは申しておりません。やはりその後きちっと管理をしていくという、そしてまた情報公開をして、どういうリスクがあるのかということを住民の皆様に提供していくということは当然のことでありまして、その点は特に鈴木議員と意見が違うわけではないと思います。しかし、そういったものが、そういった検討がこの法律に落ちているということを問題にしているだけでございます。
 以上で質問を終わります。
○加藤修一君 それでは最初に、提案者に質問でありますけれども、ただいまの議論になっておりましたが、来年の通常国会に出す法案の関係も含めて考えなければいけない部分があるのではないかと。明年に出される法案の内容に比べて、その内容それ自体がまだ、先ほど言いましたように、明確になっていないわけでありますけれども、今回の民主党提案の法改正は対象が極めて限定されていると。私は、ある意味では抜本的にこれは今の法律を変えていかなければいけないなと、そういうふうに考えております。
 我が国におけます土壌汚染が存在する土地、これは皆さん御承知のように十一万ヘクタールを超えております。土地資産価値は四十三兆円に及ぶ、あるいは、そのための土壌汚染対策費は十七兆円に及ぶというふうに試算されているわけでありますけれども、実に東京ドームの約二万四千個以上の面積に相当するわけで、九十三万か所というふうにも言われているわけであります。
 その中で、汚染対策費が多額のために売却が困難な土地は四分の一の二万八千ヘクタールあるというふうに言われておりますので、やはりこれはこういった面についての対処が十分できるようにしていかなければいけないというふうに考えておりまして、そういった意味では、今回の対象は、先ほど言いましたように限定的な土壌汚染問題に対処するというふうに考えているように私はとらえておりますので、やはり法律全体の見直しをやっていくことが極めて重要であると、そういうふうに考えておりますけれども、この辺についてはどのようにお考えですか。
○委員以外の議員(田中康夫君) お答えを申し上げます。
 まず今回、私どもが議員立法として提案をしておりますことは、私たちの政治がだれを向くかということでございます。すなわち、供給者側の都合ではなく、消費者側の希望に根差した政治を行わねばならない。そして、先ほど大石正光さんからもお話がありましたが、まさにこの国会において議論を尽くして土壌汚染の対策という法律ができたわけでございます。
 しかしながら、現実にその法律の中において、いわゆる時差の関係というのではなく、そのときに人間の知能というものには想像にも限りがございます。この中で現実が私たちの想像をはるかに超えている事象が起きたときに、それをいかに消費者の視点に立って解決をするかということが今回の法律案でございます。すなわち、鈴木寛さんからもお話があったように、至らなさを改むるにしくはなしということが今回の法案であると考えております。
 これがどのようなことかと申しますと、現在皆さんの共有認識であります東京都中央卸売市場の移転をするという場所は、二〇〇一年に、それまで三十二年間石炭から都市ガスを製造いたしておりました東京ガスの報告においても、水俣病の悲劇を生んだ水銀が環境基準値の二十四倍、砒素ミルク事件の悲劇を呼んだ砒素が環境基準値の四十九倍、また青酸カリの一種でありますシアンが四百九十倍、そしてベンゼンが千五百倍という数値であったわけでございます。そしてこの際に、東京ガスは東京都に対して、築地市場の豊洲移転は基本的に受け入れ難いと、豊洲用地は工場跡地であり、土壌処理や地中埋設物の撤去等が必要であると文書で七年前に申し入れております。
 しかしながら、限られた東京のあるいは土地という観点から東京都は築地市場の移転ということを考えたのかもしれませんが、これが、皆様御存じのように、東京都自身の調査によってもベンゼンが環境基準値の四万三千倍と、そして先ほどシアンに関しては四百九十倍と申しましたが、この青酸カリの一種でありますシアン化合物に関しても八百六十倍という、環境基準値を大きく超えております。そして、この点に関して、六百七十億円を投じて土壌処理を行うと言っていた東京都自らが少なくとも千三百億円は掛かるのではないかと。そして、東京都知事も五月十六日の会見において、とてもではないが、そんな金額じゃ済まないだろうというふうに会見でも述べる形になっております。
 ですから、私たちは演繹的に法律を作るのでなく、具体的に今人々の生命のために看過し得ない事実があるときに、帰納的にこの社会をどのように法律によってより良くするかということであろうかと思っております。
 こうした点において、議員の一番目の御質問でございますけれども、どの時点までさかのぼって考えるかということに関して……
○加藤修一君 そんな質問していないですよ。
○委員以外の議員(田中康夫君) 失礼いたしました。
 ですから、私たちは、ある意味ではこれは人々の生命のため、そして実は今までは因果関係ということに関しても、訴える側、消費者側が説明せよという形が司法の場でも多くございました。しかし、皆様御存じのように、阪神間の国道四十三号線の排気ガスの訴訟に見られますように、まさに製造者側、供給側がその立証責任があるという形に、消費者の視点に立った社会になっております。そして、東京都自らも、例えば自動車の排気ガスに関しては、自動車製造各社と共同をしてこうした問題に関しても消費者側の視点に立って取り組み、賠償を行うというような形になっております。
 くしくも、福田康夫内閣においては消費者庁を今後設けて消費者の視点に立っていくと言っているわけでございまして、その意味におきましては、私どもが提案させていただいている今回の法案というものは、まさに福田内閣が目指されていることを議員自ら、与野党、人々の生命の観点に立って実現しようということでございます。そしてまた、環境省等の審議会でお話しになられているというお話でございますが、人の生命はこれは待ったなしの問題なわけでございます。
 こうした中で、実は私も国土交通委員会で三月二十七日に観光庁という、築地の市場はビジット・ジャパンの象徴的場所でございますので、冬柴鐵三大臣に、このような環境基準値を大きく上回る場所、そして日本はアメリカの、水産物の摂取量が国民一人当たり年間三倍でございます。実はスウェーデンやフィンランドのような海産国と比べても二倍でございます。そこで、このような場所のものをお食べになる勇気があられるかということを私が御質問したときに……
○委員長(松山政司君) 簡潔に御答弁をお願いします。
○委員以外の議員(田中康夫君) 私はお魚大好き人間でございますから、そこで売られた魚であろうが食べますと、イエスかノーですから、食べますとおっしゃったんですが……
○加藤修一君 答弁じゃない。質問に答えてくださいよ。私の質問に答えてないじゃないですか。
○委員以外の議員(田中康夫君) しかし、しかしこれは大事なことでございまして。
 実際に売られているお魚が夏の暑いときにこのベンゼンや水銀のように気化したことで御家族やお孫さんも一緒に食べられるでありましょうかと言ったら、その冬柴鐵三大臣は、そんなことは言っていませんと、魚が汚染されておれば私は食べませんとおっしゃっています。
○委員長(松山政司君) 答弁は簡潔に願います。
○委員以外の議員(田中康夫君) 分かりました。
 ですから、私どもの今回の提案というものは、与野党を超えて国民の視点に立った消費者行政の第一歩であると、このように考えておりますので、深い御理解をいただきたいと、このように感じます。
○加藤修一君 私の質問の趣旨には答えていただけませんでしたけれども、環境省に、時間がないですので環境省の方に質問まいります。
 先ほど、それで、来年の法律の関係でありますけれども、対象範囲の見直しとかあるいは搬出汚染土壌の適正処理など、いわゆる全体的な見直し、これを提言したいわゆる懇談会の主要な対策について説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(白石順一君) ただいま御指摘のありました懇談会報告でございますが、ポイントは合理的かつ適切な土壌汚染対策ということでございまして、具体的には、土壌汚染に関する国民の理解を促進しつつ、指定区域の分類化や土地利用用途を考慮して対策の必要性の判断基準を設定すること、さらに、安全、安心な土壌環境を確保するため法律の対象範囲の見直しを含めた検討を行うこと、それから、これらによりまして搬出される汚染土壌の適正処理の確保、あるいはブラウンフィールド問題を緩和する効果ということも期待されるということが指摘されている、大体そういった内容でございます。
○加藤修一君 これ、全般的な改正というか見直しをやるということは非常に大事なことですから、これは来年なるべく早い機会に国会に提出するようにお願いしたいと思います。もちろん、その前に相当議論をしなければいけない。先ほど申し上げましたように、全国で九十数万か所の汚染土壌があるわけでありますので、しっかりと対応していただきたいと思います。
 それから、規制の、いわゆる法律を改正するということは、規制を強めるケースも多いわけでありまして、その場合は規制の事前評価、RIAというのを当然やるように義務化されておりますので、これ、昨年法律が変わってそういうふうになっておりますので、そういったところも含めて、環境省、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それから、金融庁にお願いしたいわけでありますけれども、これ、将来の汚染の土壌の関係については環境債務という観点があるわけでありまして、これ、会計基準にそういう環境債務ということをどういうふうに取り入れるかというのが極めて重要な時代になってきていると思いますので、この辺についてしっかりと対応しなければいけない。
 金融庁、答弁お願いします。
○政府参考人(岳野万里夫君) 今御質問がございました環境債務の会計上の取扱いでございますが、会計の世界では、資産除去債務と申しておりまして、国際会計基準ですとかアメリカの会計基準におきましては、例えば将来的に工場を撤去する際、環境修復等の支払が必要と見込まれる場合には、将来の支払時に費用処理するのではなく、その支払相当額をあらかじめ負債、すなわち資産除去債務として認識いたしまして、同額の見合いの資産を併せて計上し、工場等の耐用年数にわたって費用化していくと、こういった会計処理が行われているわけでございます。我が国におきましては、従来、引き当て処理をされるようなケースを除きまして、一般的には将来の支払時に一括して費用計上をしているところでございました。
 そうした中で、現在、国際的な会計基準のコンバージェンス、収れんの作業を日本としても進めておりまして、我が国の企業会計基準設定主体でございます企業会計基準委員会では、今年の三月に、国際会計基準等と同様の資産除去債務に関する会計基準を定めて公表したところでございます。この会計基準は、特定の業種に限らず広く一般の企業を対象といたしまして、平成二十二年四月以後開始する事業年度から適用されることとなっております。
 金融庁といたしましては、こうした取扱いが有益な投資情報を提供するという観点に立ちまして、財務諸表等規則を改正するなどの対応を行いまして、資産除去債務が公表された基準に基づいて適切に会計処理され、財務諸表に計上されるように取り計らってまいりたいと考えております。
○加藤修一君 円滑に導入が進むように周知徹底をよろしくお願いいたします。
 以上です。
○市田忠義君 土壌環境施策に関するあり方懇談会報告を読みますと、日本全国で約十一・三万ヘクタールもの土壌汚染の可能性の高い土地があると、そう言われています。
 そこで、まず環境省に事実だけ確認したいんですが、現行の土壌汚染対策法の三条、四条での調査の実施件数、指定区域の箇所数、そのうちの汚染除去等の対策を要する件数、指定解除件数、数字だけお答えください。
○政府参考人(白石順一君) 法が施行されました平成十五年二月十五日から今年の二月十四日までの五年間の数字で申し上げます。
 法律の三条又は四条に基づく土壌汚染状況調査が行われました件数は八百九十八件、その結果、指定区域に指定されたものは二百五十九件、この指定区域のうち、土壌汚染の除去等の対策を要するというものが六十三件、対策を要しないものが百九十六件でございます。それから、もう一つお尋ねの、対策を実施した結果、指定区域の指定が解除された件数でございますが、これはこの期間で百二十八件でございます。
○市田忠義君 先ほど公明党の加藤委員の質問の中で、汚染地域は九十数万か所とも言われているという話がありました。
 汚染地域が多いのに、今お答えがあったように、大変調査の箇所も指定地域も数が少な過ぎると。すなわち、汚染地域が多いのに法の対象となるのが少な過ぎるのは、事業変更の際にしか現行法が適用されないと、また、法施行以前は対象から適用を除外されているというところに私は大きな要因があると思うんです。
 環境大臣にまず基本的考えをお聞きしたいんですが、現行の極めて限定された法制度を見直して法律の対象範囲を拡大する検討が必要だと思うんですが、簡潔に、そういう立場はあるかどうかだけ。
○国務大臣(鴨下一郎君) 環境省としましては、今後の土壌汚染対策の在り方について、今まさに中央環境審議会に諮問したところであります。
 その審議結果を踏まえて、この今御指摘の法の対象範囲の見直しについても検討をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○市田忠義君 発議者にお聞きいたします。
 民主党提案の改正案は、現行の附則第三条で適用除外になっていた施行前使用廃止地を、新たに公園、学校、卸売市場など特定公共施設等の用に供しようとする場合、第三条の土壌汚染状況調査の対象とするというものですけれども、この懇談会の報告書を読みますと、施行前使用廃止地に調査を義務付けようとすると、一つは、過去に廃止された施設をすべて把握することができず、どこの土地に調査義務が生じるのか不明確だと。二つ目には、施設廃止後にマンションやビルが建てられた場合は調査の実施が物理的に困難だと。三つ目に、過去に施設があった多数の土地について一斉に調査義務が生じ混乱を招くおそれがあると、こういう問題点を指摘しています。
 今度提案される改正案は、こういう問題点をどのようにクリアしているか、簡潔に御説明ください。
○岡崎トミ子君 どこの土地の調査義務生じるか不明確であるというこの懇談会報告書の指摘の一点目につきましては、この改正案では、土壌汚染対策法の施行前に使用を廃止した有害物質使用特定施設の跡地につきましても、新たに学校ですとかあるいは卸売市場など特定公共施設の用に供しようとする場合というふうにこの法律を適用することを規定しているわけなんです。つまり、新たに公共施設、特定公共施設というふうに限定してこれは言っておりますので、明確に規定しているわけですから、どこの土地に調査義務を生じるか不明確であるということにはならないと考えております。
 二つ目の指摘の、施設廃止後にマンションやビルが建っている場合に物理的に調査が難しくなるという指摘なんですが、これも新たに特定公共施設の用に供しようとする場合というふうに、新たに学校とか卸売市場とかを造る、新築するあるいは建て替えたりするというふうに対象をしておりますので、今建っているマンションやビルを土壌汚染状況調査を求めているというものではありませんので、この指摘のような問題もないと考えております。
 三つ目の指摘ですけれども、過去に施設があった場合、多数の土地について一斉に義務が生じて混乱を招くおそれがあるという点に関しましても、これもあくまでも新たに特定公共施設等の用に供しようとする場合に有害物質使用特定施設があったかどうかの調査を行うことと、これがあった場合には土壌汚染状況調査を求めているわけなので、一斉に混乱が生じるということはないと考えております。
○市田忠義君 もう一問発議者にお聞きしますが、対象範囲の拡大では、地方自治体も条例で上乗せ・横出し設定を設けて、より広い範囲での把握ができるようにしているところがあります。
 例えば東京都の環境確保条例を見ますと、廃止件数が二百八十八か所、調査件数百五十四件、指定区域五十一か所と。これは、対象となる事業者が、有害物質を取り扱い、又は取り扱った者、そして、三千平方メートル以上の敷地内で土地の切り盛り、掘削等土地の改変を行う者と、こうなっていて、現行法より広い範囲が対象となっていると。
 そこでお聞きしたいんですが、地方自治体の条例のように、一定規模以上の土地の改変に伴い調査を義務付ける仕組みの方が施行前使用廃止時の特定公共施設等の調査義務付けよりも対象範囲を拡大すると、これは懇談会の報告でそう言われているわけですが、これへの反論といいますか、この指摘にどうお答えになるかと。
○岡崎トミ子君 今御指摘になられましたように、東京都あるいは埼玉県とか大阪府は三千平方メートル以上の土地の一定規模以上の改変時には土壌汚染の調査を条例によって義務付けるということは承知しているわけですが、これはそれぞれの自治体において土壌汚染の実情に応じて制定された条例ということになりますから、それぞれに重要なものだと考えます。
 私たちの改正案は、不特定多数の人々の健康被害のリスクを少しなくそうというようなことで提案しておりますが、今後はこうした地方自治体の取組を現行制度に取り入れて改善していく必要性があるというふうに考えております。
 緊急にできる対応ということでこの改正案を提案しておりますけれども、この改正を実現してそして更に改善していくということは基本的な考え方として賛成でございます。
○市田忠義君 そこで、今度は環境大臣に具体的な築地市場の移転問題についてお聞きします。
 私事ですが、私は以前、二年前まで明石町という聖路加病院のすぐ近くに住んでおりまして、築地市場までは歩いて一、二分と。今はどういう偶然か豊洲に住んでいまして、移転予定地まで歩いて十五分ぐらいのところに住んでいるわけですけれども。
 先月末に水産仲卸市場を考える会から食の安全、安心確保のための要望書をいただきました。その中で、こういうくだりがあります。今や築地は世界随一の基幹市場としての位置付けと、昔から培われた都内の料理、すし職人にも、また家庭の主婦にも新鮮なそして安全な食材を提供し、文化、歴史、経済、食、制度、社会と今日の市場の意識を反映している世界最大の鮮魚、冷凍水産物市場、このような貴い築地ブランドの灯を消すことは絶対に許すことはできませんと。こういうくだりがありました。
 ところが、築地市場の移転先として予定されている東京ガス豊洲工場跡地ですね、これは先ほどいろいろありましたように異常な事態と。表層土壌から環境基準の四万三千倍、地下水から一万倍ものベンゼンが検出されたことに代表されるような、こういうところに生鮮食料品を扱う市場を移転していいのかと、だれが考えてもおかしいじゃないかと思うのは当然だと思うんですが。
 豊洲地域で東京都の中央卸市場を開設するということは、慎重の上にも慎重な判断をしなければならないと、そういうことを基本に考えてまいります、これは若林農水大臣の二〇〇七年三月の当委員会での答弁であります。その上に今度の新たなああいう数値が出たと。
 私は豊洲に住んでいて大変心配しているんですが、健康影響上問題がある水準が検出された現時点での鴨下環境大臣の認識、これは若林大臣と基本的に変わらないのかどうか、お答えください。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今具体的な豊洲の新市場予定地について、特に高濃度の汚染と、こういうようなことについて先生からの御指摘ありました。
 この豊洲における土壌汚染問題につきましては、これはまさに東京都が今専門家会議の意見を踏まえて具体的にどうあるべきかと、こういうようなことについてその内容を検討をしていると、こういうふうに伺っております。環境省としては、もちろん食の安全もございますし、東京都にも様々なことについて十分に配慮をした上でどういう御結論になるかと、こういうようなことについては、この状況をしっかりと我々も把握しつつ、場合によっては必要に応じて専門的な知見についても助言をしてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○市田忠義君 石原知事でさえと言えば失礼ですけれども、十六日の記者会見で、基本的に考え直さなければならないかもしれないと、そう発言せざるを得ないほどの事態であるわけですから、慎重の上にも慎重という前の大臣の答弁以上の前向きな姿勢で臨んでいただきたいと思うんです。
 我が党の笠井衆議院議員の質問主意書に政府の答弁書で、「「中央卸売市場など食品関連施設を開設する際の安全性」について国が研究や検討を行ったことは、確認した限りにおいては、なかった。」と、一度も国はそういうことをやっていなかったということを正式に答弁書でお答えになっています。
 一方、卸売市場法という法律がありますが、この法律での卸売市場整備基本方針によりますと、卸売市場の立地に関し特に留意すべき事項の一つとして、「生鮮食料品等の衛生上適切な環境にある地域であること。」というのが掲げられています。
 土壌汚染対策法は食品の安全を担保するものではないというふうに言われておりますが、東京都の専門家会議でも、例えばすき間や亀裂から建物内に侵入することによる生鮮食品への影響の防止ということを指摘しているわけですから、土壌汚染から人の健康を保護して生活環境を保全する対策が私はどうしても必要だと思うんですが、この点についても大臣の基本認識を伺います。
○政府参考人(白石順一君) 土壌汚染対策法は、人の健康の被害を防止するという観点で、汚染等の遮断ということで法律の目的としておりますので、その形で対応したいと考えております。
○市田忠義君 幾ら委員長が指名したからといっても、大臣の認識を大臣でない人が勝手にしゃべれるはずがないんだよね。それはおかしいですよ。そのことだけ言っておきます。
 例えば専門家会議は、予定地の表土をすべて入れ替えて、高濃度の土壌処理、地下水の浄化対策を取るということを提案しています。しかし、たとえ豊洲地域で盛土などの対策が行われたとしても、不透水層ですね、水を通さない不透水層の上や下に汚染された地下水が存在する限り、毛細管現象やガス化蒸発で漏出する可能性というのは十分あるというふうに言われておりますし、直下型の地震で液状化の可能性もあると。私、マンションを買うときにここは大丈夫かと言ったら、保証の限りではありませんということを言われたぐらいの土地です。液状化が起こりやすい地域であります。さらに、地下水の上昇あるいは地下水による汚染の拡大、移動という問題も指摘されていると。
 だから、客土とか覆土という対策を取ったとしても、地下水対策が不十分で食品の安全について危険性が除去されない土地への卸売市場の、私、移転は見直すべきではないかと。これは環境大臣の管轄ではないとおっしゃるかもしれないけど、環境という側面から考えて、そういうことを強行することを異常と思わないかと。これは大臣にしか認識言えないから、大臣がお答えください。
○国務大臣(鴨下一郎君) 今それぞれ御議論になっていることは私も十分に承知している上で申し上げますけれども、まさに東京都の方も専門家の検討、そして新たな対策についての様々な結論を出しつつあると、こういうようなことを伺っておりますので、環境省としてはそういうようなことを見守りつつ、ただ、今先生おっしゃっているように、食の安全と、こういうようなことは慎重の上にも慎重を期すと、こういうようなことについては私も全く同じ考えでございますので、そういう上に立って、どういう対策がどういうふうになされるか、合理的な結論に至るように、我々も科学的知見も含めてしっかりと助言をしてまいりたいというふうに考えております。
○市田忠義君 鴨下大臣はお医者さんでもあるわけですから、とりわけこういう問題については前向きな態度で臨んでいただきたいと。
 私は、もう一回言いますけれども、石原知事でさえ、今まで考えていた覆土、客土では済まないかもしれないと、これも会見でそうおっしゃっているわけですね。こういう土壌、地下水の汚染引き起こしている東京ガスの工場跡地が法の適用除外になっていること自体が極めて不適切だと思うんです。やっぱり人の健康を保護して生活環境を保全するために、とりわけ不特定多数の国民が食品を利用する土地の土壌汚染を適用除外にするというのは、これは理由成り立たないと思うんです。
 附則三条を見直して、東京ガス工場跡地のような施行前に廃止された用地にも適用できるようにすべきだと、生鮮食料品を扱う卸売市場の移転がそういうことによってできないようにさせるという方向に環境大臣は積極的なイニシアチブを発揮すべきだということを改めて指摘して、ちょうど時間になりましたから、終わります。
○川田龍平君 先ほどからもお話がありました土壌汚染対策法は、二〇〇二年に施行され、今回、民主党、田中康夫さんからの法律の一部改正法が提案されていますが、直接的きっかけとしては、東京都の築地市場の移転先の豊洲地区の土壌汚染でした。既に各党の委員の方からも質問が出ていますので、基本的にこの改正案には僕は賛成の立場ですが、更に土壌汚染対策法の見直しが必要であると考えて、基本的なことについてお伺いしたいと思います。
 改正案は、法の施行前であっても特定公共施設建設において土壌汚染の調査を義務付けるもので、豊洲地区については既に東京都条例に基づいて調査も行われており、この改正により同じようなケースを今後引き起こさないための予防措置でもあります。実際に全国でこうした類似ケースや土壌汚染による紛争も多発しており、土壌汚染対策法の改正が求められているのは確かです。静岡県沼津市のJR高架化に伴う駅周辺事業の区画整理事業でもJR用地の鉛汚染や、愛知県小牧市や千葉県八千代市の都市再生機構開発の住宅開発に伴う重金属土壌汚染、また岡山市の小鳥が丘団地でのトリクロロエチレン汚染など、新聞を見ていても数多くの事件が報道されています。
 その岡山県の小鳥が丘団地のケースのような、過去の売買後、住宅が建設され、二十年経過後に水道工事の際に、石けん会社のトリクロロエチレンの土壌汚染が明らかとなり、訴訟に至っているケースがあります。こうしたケースは、現行法での対応と改正法とではどのような対応となるのでしょうか。
○轟木利治君 お答えいたします。
 今、岡山の個別の住宅地における対応について、現行法と改正法ではどういう対応だという御質問でございます。
 現行法のこの法律が成立した経過については、冒頭御説明がございましたとおりでございます。したがって、まだ完璧なところまでは行っていない、これから進化していく法律だとは思っておりますが、そういった意味合いで、今御指摘いただきました個別のケースのお話の中で、現行法に対してお答えいたしますと、残念ながら、やはり附則の三条ということでその壁がございまして、対応し切れないというのが現行法でございます。
 今回の改正案につきまして、私どもが提案いたしましたこの附則の三条のところの特例といいますか、そこのところについて、やはり公共的な施設、特別な公共施設という位置付けをしておりますので、御指摘いただきました住宅に対しては今回の改正案でも対応し切れないというのが今回の回答になるかと思います。
 しかし、私どもも、住宅という位置付けを見ますと、一生の買物で大変大きな買物でございますし、家族の基本ということでございます。そういった意味では、今回の改正案の附則の七条におきまして、今後、しっかり政府に対して検討し対応していくということで進めさせていただきたいと思ってございます。
 以上でございます。
○川田龍平君 想定していた質問の答えまでしていただきまして、ありがとうございます。
 法の第四条の土壌汚染による健康被害が生じるおそれがある土地の調査に都道府県知事の権限があって対応が可能であるということなんですが、ただ、これまでこの発動はされておらず、市も県も行政責任を回避している現状のようです。そして、その経緯から訴訟になっていて、こうした問題が改正法によって解決することを大いに期待したいと思っています。
 そして、既に岡山県のような、土地所有者が民間会社を経て不動産業者、そして現在の住宅所有者となっております。こうした場合はどうすれば解消していけるのかというのは、まさにこれからの立法の問題であると思います。その意味で、この問題を救えないとすると、少なくとも特定公共施設などに住宅が対象となることを期待するわけですが、やはりこの住宅地を含めるということを、これを是非政府に期待したいというふうに思っています。
 そして、この具体例について伺っているんですが、環境省の土壌環境施策に関するあり方懇談会でも、岡山市のような事例だけでなく、現行法の課題と改正の必要性が明確に指摘されています。これも先ほどから委員の方から質問がありましたので、この質問については省かせていただきます。
 そして、この土壌汚染の問題は極めて多くの具体的な事例が山積みであります。実はこの現行法の問題については、立法時に既に指摘されていました。それは附帯決議にも表れています。
 法制定時、参考人として意見陳述された君津市の環境保全課長で現在、地質調査対策専門会社の株式会社君津システムを始められている鈴木喜計氏は、この法律が地質環境科学を軽視、無視した法律で、地質汚染を助長することはあっても汚染をなくする制度となっていないと厳しい意見を出されています。そして、本来、環境基本法は、水質汚濁防止法、大気汚染防止法において調査、対策、未然防止、監視という四つのカテゴリーを持っているが、この法律には未然防止の規定がないと指摘しています。この参考人の指摘について今回の改正法を提案する際にどのような検討経過があったのでしょうか、お伺いいたします。
○轟木利治君 お答えいたします。
 未然防止の重要性というのは十分我々も認識をして、現行法の、先ほど御説明がございましたように、成立の際もそういった提案もさせていただいた次第でございます。しかし、今回の改正案に対してそこのところが十分掌握され、また反映されているかという点につきましては、残念ながらまだそこまでは至っていないというのが現状でございます。
 そういった意味も含めて、今回の法律は、やはりもう現場の方は動いていると、そこにどう法律が追い付いていくかということだと思っておりますので、今後の大きな課題として受け止めさせていただきます。
○大石正光君 ちょっとよろしいですか。
 実は六年ほど前にこの法律を作ったときの経過で課題が幾つかありました。その課題のうちの一つの一番大きいのが、実は土地を汚染した人とそれを所有者が汚染を解消しなきゃならないという前提条件がありました。それはアメリカも同じように、二十年前に同じような問題で法律を作ったそうであります。しかし、二十年たってみて、土地を売って、その土地を買った開発業者が、その一区画に汚染した土地があれば開発業者がそれを土壌汚染を解消さすように法律を改正したそうであります、アメリカは。
 アメリカの公使がわざわざ私のところに訪ねてきて、アメリカでもそういう経験があってやったから、日本の法律も、我々が経験したように、その一部言葉を換えて開発業者が汚染の要するに土壌汚染の洗浄をできるような立場にするような法律に一部改正してくれという実は話がありました。私は、それはまだ日本人が、土壌汚染という土地に対する意識がまだ低いから、やはり小学校から飛び級で大学に行くよりも中学校、高校を経て、経験して初めてそれが分かるように、二十年掛けてアメリカが経験したことは日本は五年で経験するかもしれないけれども、まだその法律は次の改正の時点で見直しをするまで待ってほしいと言って私は断った経過があります。
 それと同時に、もう一つは、汚染土壌の移動の問題で、実は東京の周辺の土地を宮城県の鶯沢町の鉱山の跡地に二千立米を運んでいったんです。そして、埋め立てました。ところが、雨で汚染された水が流れてきて、その土壌をブロックで全部コンクリートで固めて、その土地を取ってわざわざそこの中に入れて、屋根を掛けて屋体の中にしまってしまった。で、何にも使えずに終わってしまったんですね。
 ですから、私は、土地の移動に関してもある一定以上の移動を禁止することと同時に、要するに奥地に全部土地を移動したり、廃棄物のものを建てようとする、すなわち、そこから水が全部下流に流れてきて下流が汚染されるわけでありますから、奥地の山間地にはそういう移動を禁止して、むしろ海岸地帯にそういうものを造ってそういう施設をやるべきであると。だから、そういうことを私は法律で作りたいと思っていたんです。
 しかし、今現在はそこまでできませんから、実はお話しのように、その開発の部分は今この部分の中で一部見直しをして、新たに課題が出たものは何年か後に見直しをしていく。そうやって法律は見直しをして少しずつ完全にしていくべきだと、私はそう思ってこの提案を是非受けていただきたいと思っております。
○川田龍平君 ありがとうございます。
 現行法の改正を考えるとき、根本に立ち返ると、そもそもどのような物質を汚染物質とするかが問題になります。
 そこで、観点を変えて、この法の有害物質には規定されていない放射性物質による土壌汚染、海底土壌汚染について考えてみたいと思います。
 現在、放射性物質による汚染対策は、環境基本法十三条で原子力基本法その他の関係法令で定めるところによると定められています。この問題は原子力発電所、再処理工場の放射性汚染に根本的にかかわる問題ですが、今日は、放射性物質が私たちの日常の生活、生産現場、環境中に空気のように広がっていることについて質問したいと思います。
 一つの事例です。中部電力発電所が静岡県に一九九七年から肥料取締法による届出だけで肥料として使える特殊肥料を天然有機石灰肥料として生産、販売しています。この特殊肥料の原料は浜岡原発の冷却水取水口にたまる貝殻で作られています。〇七年度も年九百トンが販売されています。これが農業生産に使用されているわけですが、住民から放射性物質による土壌汚染を懸念する声が上がっています。
 農水省は、こうした静岡県の実態を、事実を把握されているのか、また放射性物質による土壌汚染の規制はどのようになっているのかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(谷口隆君) お答えを申し上げます。
 ただいま御質問の原子力発電所の排水口付近の貝殻による汚染の問題でございますけれども、環境放射能調査というものにつきましては文部科学省の方で毎年度実施をされておるところでございますけれども、これまでのところ、原子力発電所周辺の貝類に含まれる放射性レベルの異常というものは報告をされていないと私ども承知をいたしております。
 このため、御指摘の貝殻を原料といたしました肥料につきまして、現時点では肥料取締法に基づいた検査基準の設定といったようなことにつきましては、特段の規制というものは必要ないのではないかというふうに考えておるところでございます。
○川田龍平君 この肥料取締法の中に今規定されているわけですが、法律の中では有害物質として放射性物質は規定されていません。規定がない以上チェックはできません。
 私もこの中部電力の件は古い話と思っておりましたが、この特殊肥料は、中部電力発電所だけではなく、東京電力においても福島県で二〇〇六年十月届出があり生産、販売が行われ、新潟県でも届出があります。そのほか、四国電力、九州電力、北陸電力で生産、販売が広がっていることが調査室の調査で判明しています。
 こうした経過からすると、全国の原子力発電所から出る放射性物質を含む貝殻による特殊肥料という届出だけで、放射性物質が規制対象となることなく、しかも天然という名前が付いて有機石灰肥料として販売、使用され、土壌汚染の可能性が生まれています。
 農水省として、放射性物質の汚染に関して全国調査の必要性と法律による規制の必要があるのかないか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(谷口隆君) お答えを申し上げます。
 全国におきます貝殻肥料の生産状況でございますけれども、平成十六年で約七千トン、十七年が約一万三千トン、十八年が、これが最新のデータということでございますが、一万六千トンというように私ども承知をいたしております。このうち、原子力発電所のある七道県でございますが、この七道県における平成十八年度の生産実績というのは、北海道が約一万トン、それから静岡県が約一千トンということでございまして、原発のある七道県を合計いたしますと一万二千トンということのようでございます。
 現在は、お尋ねの原子力発電所の排水口近くの貝殻を原料といたしました貝殻肥料の生産実績というのは私どもちょっと把握をしていないところでございますけれども、今後、調査の方法等につきまして少し検討してまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 ありがとうございます。
 もう一例挙げます。
 三重県の石原産業が六価クロムや弗素の溶出したフェロシルトによる土壌汚染が問題となり、撤去作業、告発、裁判となり、ほぼ問題が終了したと言われています。当初よりチタンに含まれる放射能汚染が岐阜県、三重県の住民グループから指摘されてきたにもかかわらず、微量であるとしてこの問題を放置してきました。ところが、石原産業は五月十四日の記者会見において、一九九八年から二〇〇四年まで自主管理基準をオーバーしていたにもかかわらず虚偽報告を行っていたとしてコンプライアンス報告を行いました。しかも、そのオーバーも自主規制の三倍とも言われています。
 国の通達と自主基準という緩い規制の中でこうした事件が続いてきたわけですが、石原産業を監督する環境省は、この事実についてどう受け止めているのか、また石原産業以外の状況把握はどうなっているのか、また自主基準などという汚染監視システムでなく法律による規制が必要ではないかについてお伺いします。
○政府参考人(由田秀人君) 石原産業により酸化チタンの製造工程から排出されますアイアンクレーの空間放射線量率が製造業者の自主管理基準を超過したことが公表されておりますが、このアイアンクレーにつきましては、放射性物質及びこれによって汚染されたものに該当いたしますため、廃棄物処理法上の廃棄物には当たらなくなるので、その規制対象からは外れております。こうした放射性物質の取扱いにつきましては、原子力基本法の下で必要な措置が講じられることが重要と考えております。
 環境省としましては、放射線による障害防止の事務を所掌されます文部科学省等からの求めがありますれば、石原産業の廃棄物処理の状況など必要な情報提供を行うとともに、三重県に対しても技術的な助言を行ってまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 助言、指導するといっても法律による規制がないわけですから、こうしたことは繰り返されてしまいます。既に七年以上も前、参議院でも香川県での放射性チタン廃棄物問題が取り上げられています。一方で、クリアランス法という、低レベル放射性廃棄物のすそ切りで、原子力発電所からの廃棄物リサイクルで建築材に紛れてよいとする法律が作られています。私たちの生活や生産の現場に、放射性廃棄物が日常生活に紛れ込んでいます。
 放射性物質の様々な環境汚染について、環境基本法の理念に基づく水質、大気、土壌の環境基準をきちんと定めた法律の制定が必要ではないかと考えますが、大臣はどのように考えますか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 環境基本法第十三条においては、「放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については、原子力基本法その他の関係法律で定めるところによる。」と、こういうふうにされているわけでありまして、具体的には、原子力基本法の体系の下、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律など、個別の規制法により放射性物質による環境汚染防止のための必要な規制が行われていると、こういうふうに考えているわけでありまして、こうした個別の規制法に基づく措置がしっかりと講ぜられることが重要というふうに考えております。
○川田龍平君 是非環境省の方でしっかりとした対策を、放射性物質に対する対策を取っていただきたいと思っています。
 というのは、こうしたほかの省庁に任せてこうした放置状態が、再処理工場について濃度規制がない、あっても三か月の平均線量規制、三か月平均で取っていく、結果的には全量放出となる規制値しか策定できず、結果として〇・〇二二ミリシーベルト線量しか影響がなく、人体には問題がないという対応につながっているのではないかと推測するわけです。
 今日は具体例から質問しましたので、次の機会に是非環境基本法と原子力基本法のこうした法律についての質疑をまた改めてさせていただきたいと思います。
 今日はありがとうございました。
○委員長(松山政司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 委員は自席にお戻りください。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 土壌汚染対策法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(松山政司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(松山政司君) 次に、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。鴨下環境大臣。
○国務大臣(鴨下一郎君) ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 地球温暖化は、地球全体の環境に深刻な影響を及ぼし、その対策は人類共通の課題であります。IPCC、気候変動に関する政府間パネルの報告書によれば、地球温暖化の進行は疑いようがなく、ここ数十年に温室効果ガスの排出量を大幅に削減する必要があります。気候変動に関する国際連合枠組条約に基づき採択された京都議定書が平成十七年二月十六日に発効し、世界の地球温暖化対策は新たな一歩を踏み出しました。そして、本年からその京都議定書の第一約束期間が開始されています。
 また、我が国はクールアース推進構想に基づき、地球全体の温室効果ガス排出量の早期のピークアウトと二〇五〇年までの半減を目指し、北海道洞爺湖サミットの議長国として世界の議論をリードしていく必要があります。
 しかしながら、我が国の温室効果ガスの排出量は、平成十八年度には基準年度に比べ六・二%の増加となっています。国際約束の達成はもとより、世界の議論をリードするためには、国内における排出削減に加えて、京都メカニズムの活用、森林の整備等により京都議定書の目標との差となる一二・二%を埋めることが喫緊の課題です。この中でも特に国内の排出削減のための対策努力が必要であり、特に温室効果ガスの排出量が伸び続けている業務部門や家庭部門における対策を抜本的に強化することが必要です。
 このような状況を踏まえ、京都議定書の六%削減約束の確実な達成を担保するために必要な国内における排出削減対策の追加的措置を講ずるため、また、京都議定書の第一約束期間以降を見据え、更なる長期的かつ継続的な排出削減のための基盤を整備するため、本法律案を提案した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、都道府県、指定都市、中核市及び特例市は地方公共団体実行計画の中で、その区域の自然的社会的条件に応じた温室効果ガスの排出の抑制等のための施策についても定めることといたします。また、都市計画などの策定及び実施に当たっては、地方公共団体実行計画との連携を図りつつ温室効果ガスの排出抑制に配意することといたします。これにより、今後、地球温暖化対策を念頭に置いた地域づくりが各地で進められることが期待されます。
 第二に、事業者は、その事業活動に伴う温室効果ガスの排出の抑制に資する設備の選択など、必要な措置を講ずるとともに、国民の日常生活における排出抑制の取組に寄与する措置を講ずるよう努めなければならないことといたします。国は、こうした措置の適切かつ有効な実施を図るために排出原単位の望ましい水準などを示した指針を策定、公表し、必要に応じて助言などを行ってまいります。
 第三に、温室効果ガスの排出量の算定・報告・公表制度について、事業者単位、フランチャイズチェーン単位の算定、報告の仕組みへと変更いたします。これにより、業務部門を中心に温室効果ガス排出量のカバー率が大幅に拡大することになります。
 第四に、現行の都道府県に加え、指定都市、中核市及び特例市においても、地球温暖化防止活動推進センターの指定や地球温暖化防止活動推進員の委嘱を可能といたします。また、地球温暖化防止活動推進センターの業務内容も見直し、地方公共団体実行計画の達成のために行う施策に必要な協力をすることも、業務内容に加え、国民に一層身近な形で対策の推進を図ります。
 第五に、CDM事業のうち、途上国における植林により吸収源を強化する活動から発行されるクレジットについて、その森林が滅失した場合などに求められる国際合意に基づく補てん義務を履行するため、その主体、当該義務の履行方法などを定めることといたします。また、国は、クレジットの事業者による自主的な取得及びその国への移転などが円滑に進められるよう配慮することといたします。
 なお、これらの措置は、改正後の京都議定書目標達成計画に掲げられた対策を的確に実施するための措置であり、関係法令と相まって京都議定書の六%削減約束の確実な達成を図るために必要不可欠なものであります。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でありますが、本法律案につきましては衆議院において修正が行われたところであります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(松山政司君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員西野あきら君から説明を聴取いたします。西野あきら君。
○衆議院議員(西野あきら君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 衆議院における修正は、委員会における質疑等を踏まえ、地球温暖化対策のより一層の推進を図るためには、何よりも各主体が一丸となって取り組むことが重要であるとの観点等から、所要の措置を講じようとするものであり、その内容は、第一に、一般消費者に対するエネルギー供給の事業を行う者は、その相手方に対し、エネルギーの使用に伴う二酸化炭素の排出量の把握に必要な情報を提供するよう努めなければならないものとすること。
 第二に、政府は、白熱電球に代替する温室効果ガスの排出量がより少ない光源の使用の促進その他の温室効果ガスの排出量がより少ない日常生活用製品等の普及の促進を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
 第三に、政府は、事業者による温室効果ガスの排出量その他の事業活動に伴って排出する温室効果ガスに係る情報に関し、投資、製品等の利用その他の行為をするに当たって当該情報を利用する事業者、国民等に対する当該事業活動を行う事業者による提供の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとともに、日常生活に関する温室効果ガスの排出を抑制する観点から、国民の生活様式等の改善を促進するために必要な施策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることであります。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(松山政司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十三分散会