第170回国会 厚生労働委員会 第2号
平成二十年十一月十三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月十三日
    辞任         補欠選任
     風間 直樹君     松浦 大悟君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本  司君
    理 事
                家西  悟君
                谷  博之君
                蓮   舫君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                大河原雅子君
                風間 直樹君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                津田弥太郎君
                中村 哲治君
                松浦 大悟君
                森 ゆうこ君
                石井 準一君
                石井みどり君
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                古川 俊治君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   舛添 要一君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大村 秀章君
       厚生労働副大臣  渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       向井 治紀君
       内閣府大臣官房
       審議官      西川 泰藏君
       総務大臣官房審
       議官       細田  隆君
       法務大臣官房審
       議官       三浦  守君
       文部科学大臣官
       房審議官     戸谷 一夫君
       文部科学大臣官
       房審議官     尾崎 春樹君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   森山  寛君
       厚生労働省医政
       局長       外口  崇君
       厚生労働省健康
       局長       上田 博三君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高井 康行君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       石塚 正敏君
       厚生労働省労働
       基準局長     金子 順一君
       厚生労働省職業
       安定局長     太田 俊明君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   草野 隆彦君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       村木 厚子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    阿曽沼慎司君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    木倉 敬之君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
       社会保険庁総務
       部長       薄井 康紀君
       社会保険庁運営
       部長       石井 博史君
       経済産業省商務
       情報政策局長   近藤 賢二君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (介護従事者の給与改善のための介護報酬改定
 に関する件)
 (年金記録改ざん問題等の実態解明に関する件
 )
 (周産期救急医療対策に関する件)
 (医療安全対策に関する件)
 (公立病院の経営改善、医師確保等に関する件
 )
 (若年者雇用対策に関する件)
 (事業縮少に伴う派遣労働者等の解雇問題に関
 する件)
 (公的年金資金運用の在り方に関する件)
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○委員長(岩本司君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長外口崇君外二十三名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岩本司君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井充君 おはようございます。民主党の櫻井でございます。
 蟄居中の身でしばらく質問に立っておりませんでしたので質問の仕方をちょっと忘れているところがあるかと思いますが、まず、今日最初に、麻生総理に対しての舛添大臣の評価についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これまで安倍総理、福田総理にお仕えし、今、麻生総理にお仕えしておりますけど、国民のために何ができるかということで一生懸命お仕事をなさっているというふうに思っております。
○櫻井充君 一生懸命お仕事されている中で、あれは特定給付金と呼んでよろしいんでしょうか、昔の地域振興券に近いようなことをやろうとされていて、そのことについて閣内から様々な批判もあり、それから当初発言されていた内容と随分変わってきているんじゃないのかなと、そういうふうに思いますが、例えばこういう点については舛添大臣はどうお考えなんでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) まず、目的としては、これは、今のアメリカ発の金融危機に対する非常に経済的に困った状況にあると、これに対する一つの対応策として御提案なさったと思っております。しかし、その過程で私は明確なルールを設ける形の方が例えば自治体での混乱がないであろうということは申し上げました。しかし、最終的に総理がそういう御決断をなさったのでありますから、私は閣僚の一員としてそれに従うということであります。
○櫻井充君 決定過程が相当、何というんですか、ぶれたという感じがいたしております。それは、大変申し訳ないんですが、舛添大臣の発言もよくぶれます。そういう点でいうと極めて似ているんじゃないかというふうに思いますけど、その点についていかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) それは、外からの方の御批判と評価であると思いますので、自らのコメントは差し控えたいと思います。
○櫻井充君 なぜこんなことをお伺いしているのかというと、舛添大臣は以前こういうことをおっしゃっているわけです。去年の七月の二十四日付けの、これは新聞なので事実関係も確認しなきゃいけないと思っていますが、要するに、あの当時、麻生さんが十九日の講演で日本と中国の米の価格差に対してアルツハイマーの人でもこのぐらい分かると発言したと。このことについて、介護もされてきた舛添大臣が相当怒って、これは当然のことだと思います、その上で、静岡市内などの街頭演説では、あんな発言して総理大臣になれるかとばっさり切り捨てたと。それから、大阪市内の遊説では、麻生氏と一緒に街頭に立つ予定だったけれども、舛添氏は同席を拒否と、わざわざ時間をずらして麻生氏が去った後に登場し、マイクを握ったと。その後、報道陣に、党本部には麻生氏は演説に来るなとお願いしたのに勝手に来た、ばかとは一緒にやりたくないからなどと激怒していたと。
 こういう方なんですよ、評価は。評価はそうなんですよ。しかし、先ほどの発言と全然違いますね。いつものパターンだと私は思いますけど、どっちが本当なんですか。
○国務大臣(舛添要一君) 昨年のその報道内容、私がどこまでどういうことを正確に言ったかは覚えていませんけれども、少なくとも私はアルツハイマーの母親を介護していましたから、そういうところにアルツハイマーという引用は適切ではないということは思っております。しかし、総理として今どういう仕事をなさっているかということについては、先ほど申し上げた評価をした次第であります。
○櫻井充君 ここでは総理の資質がないというふうにおっしゃっているわけですよ、この時点でね。ですから、今は、総理として仕事をされるされないの前に、総理としての資質はじゃ今はおありだと考えているんですか。
○国務大臣(舛添要一君) 報道ベースですから、私が正確にどこまでどういうことを言ったかは、正確にまず記憶をしておりません。
 それから、そういうことであったとしても、それはその時点で批判すべきは批判する。しかしながら、そのアルツハイマーのことだけではなくて、総合的に、人間はそれはある段階でそういうことを言ってもそこから反省してきちんとやっていただければいいわけですから、そういうことを申し上げたいと思います。
○櫻井充君 とにかく申し上げておきたいのは、ころころころころ発言の内容が変わると、こういうことではなくて、例えば政策的な面でも後期高齢者の問題にしてみても随分ぶれて、そのたびに国民の皆さんが苦労される。それから、医療政策などを申し上げておきますが、現場は本当に苦労しています。療養型病床群をつくれと言われて一生懸命療養型に転換したら、今度はやめろと言われると。そういう設備投資もして、もうみんな赤字で苦労している中で、厚生行政の、何というんでしょうか、お粗末さによって現場が相当苦労されているということは、これはまず認識していただきたいことと、それから大臣の発言というのは極めて重いものですから、その点についてもきちんと御認識していただきたいなと、そういうふうに思います。
 その上で、まず最初に研修医の問題についてお伺いしたいと思います。
 先週、たまたま東北大学の産婦人科の同窓会の皆さんと話し合う機会がありまして、うれしい誤算がございました。それは何かというと、東北大の産婦人科の医局に十数人の新入医局員が入ってきたということです。なぜそういうことになったのですかと教授に尋ねたところ、まず最初に半年間産婦人科を回らせるんだそうです。そして、その半年間産婦人科を回っている間、現場で一生懸命やっている医者の姿を見て、大変ではあるけれどもやっぱりやりがいがあって一生懸命やろうじゃないか、まずそこでモチベーションが全然違ってくると。今度は、その上で例えば小児科とか内科とかを回るようになるわけですが、小児科の場合には新生児のところを中心にもう回らせるんだそうです。つまり、産婦人科の医者にとって必要な小児科の知識は、それはいろんな医者としては必要かもしれないけれど、産婦人科の医者から見れば新生児のところが一番大事なわけですね。そういうところを回らせてあげるから、本当に身に付いて帰ってくると。
 それから、内科のところでいうと、例えば糖尿病の、併発して妊娠中毒症などがあって、そういう場合には、糖尿病の疾患だとかそれから心臓であるとか、そういうことをちゃんと学んでいる、学んでいないというのはすごく大きいわけですよ。ところが、今までの制度は漠然と二年間ローテーションを決められてやってきたと、ここのところに相当大きな問題があったんじゃないのかなと、そういうふうに思います。
 今、大学では、今年からでしょうか、やっと弾力的な運用が可能になっているようですが、むしろ、大体学生のうちから自分はどういう科に進みたいということは決めているわけですから、決めてなくて、外に出てから、楽なところとか、例えば給料がいいところとか、そういうようなことを決めてくるやからというのは大体どうしようもない医者になるわけであって、そういう点からすると、そういう点からすると、まず自分たちがやりたいことを決めているんであれば、むしろそこのところから回らせてあげる、そしてそこの例えば医局なら医局が責任を持ってやるという制度設計にすると大分変わってくるんじゃないのかなと、そう思いますが、その点についていかがでしょう。
○政府参考人(外口崇君) 臨床研修制度につきましては、昨年十二月の医道審議会の部会報告や本年六月の安心と希望の医療確保ビジョン等を踏まえまして、研修の質の向上などの視点から、研修プログラムの柔軟化や指導体制の強化などの制度の見直しを進めております。
 具体的には、プログラムの柔軟化といたしましては、今先生御指摘にありましたように、一年目の十二か月のうち、今までは内科とか外科とかやる科目は決まっておりましたけれども、最初の三か月以内に限って必修科目を先に、例えば産婦人科とか小児科とか、それを先にやることもいいんだというふうなプログラムの柔軟化。あるいは、大学病院においては特別コース、これはもっと柔軟でございまして、例えば産婦人科特別コースでありますれば、研修の中心は産婦人科でそのほかの診療科の期間は任意と、こういったような柔軟化をしております。
 また、指導医の資格要件として、二十一年度からでございますけれども、七年以上の臨床経験に加えプライマリーケア、基本的な診療能力の指導方法等に関する講習会を受講していることを必須としたところであります。
 こういった指導医の強化、あるいは柔軟化といったことも踏まえまして、さらには医師の卒前・卒後教育の連携を始め臨床研修制度の一層の改善のために、現在、文部科学省と合同で検討会を立ち上げているところでございます。その検討結果を踏まえ、制度の更なる見直しを進めてまいりたいと考えております。
○櫻井充君 要するに、診療科で不足しているところがこういう格好で成功しているわけです。聞いてみると、東北大の卒業生は二〇%程度で、ほかの大学から、まあネットなどで調べて、それでわざわざ東北大に来られるようなんですね。
 つまり、そこまでしても産婦人科になりたいんだという医者はいるわけですよ。医者というか、まず学生でそういう希望を持っている人たちがいたにもかかわらず、今までの研修制度だとなかなかそういうことが残念ながらかなわず、例えば、今日ちょっと資料持ってくればよかったんですけれども、ある大学のある学年などは、九人だったかな、学生のときには産婦人科の医者になりたいと希望していても、研修が終わってしまったらゼロになっているわけですよ。ですから、そういう点から考えれば、学生の時代からなりたかった人たちをきちんとした形で産婦人科なら産婦人科になってもらえるようなシステムをもうちょっと考えてもらいたいなと、そう思います。
 もう一つ申し上げておきたいのは、研修医制度の中で私が問題だと思っているのは、施設要件があることだと思っているんです。つまり、その施設要件を付けてしまったがゆえに、中小の例えば百床程度の病院から医者を全部引き揚げざるを得なくなってしまって、地域の医師不足というのは本当に深刻な問題になったんだと思うんですよ。そういう点からすると、その手の要件をもう僕は本当に柔軟化というのであれば外してしまった方がいい。
 つまり、施設によって医者が育つんではありません。これは施設ではなくて、どの医者に指導されるのかによってこれは全然違ってくるわけです。ですから、大事なことは人であって、施設ではないんですよ。ですから、そういう点から考えると、そういう点から考えると、今の要件を抜本的に見直さないと変わってこないんじゃないのかなというふうに思いますが、その点についていかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 確かに、臨床研修の質ということから考えると、指導医、指導体制、これが極めて重要だと考えております。先ほども指導医の資格要件を上げることをお話ししましたけれども、こういったことも含めて、よく現在検討しております文部科学省との合同の検討会の中でもこういった要件について検討していきたいと考えております。
○櫻井充君 本当に引き揚げられて地域の病院は困っています。例えば、私の地元の宮城県の登米市というところは、人口十万人いて産婦人科の医者は開業医がたった一軒だけです。それから、その隣の栗原市は人口八万で、これも開業医が一人だけです。お二人の年齢を申し上げると恐縮ですが、一人の方は私と同じ五十二歳、もう一人の方は七十歳ぐらいだというお話もお伺いしております。つまり、この方々がお辞めになったらその先なくなるんですよ。公立病院に産婦人科がありましたが、結果的にはいろんなことで引き揚げざるを得なくなってしまっているということを考えると、もう少し制度設計を見直していただかないと、理想は理想としてあったかもしれないけれど、そういうことでは地域が回っていかないということだけこれは認識していただきたいなと、そう思います。
 それから次に、私、まだ月二回ほど診療しておりまして、そこで診ている患者さんが不登校とか引きこもりとか、それから摂食障害の患者さんたちです。こういう人たちをやっぱり減らしていかないと、資源のない国からしてみると僕は大変なことだろうと思っていますし、それから予備軍は相当いらっしゃいます。例えば、学校の先生などでも、たしか精神的なことが原因で休職中の方が四千五百人ぐらいいらっしゃると。ですから、予備軍はもっともっといらっしゃるんだろうと思うんです。
 そうすると、僕は、健診制度でメタボの健診もいいんですけど、本当はそういう精神的な面をフォローするような健診制度があった方が、よほど労働生産性上からいっても、それから自殺の防止とかそういう点から見ても、はるかに必要なことなんじゃないかというふうに思ったんです。これをある健診センターのところに話をしたら、済みませんが、今の保険の組合の財力ではもうとてもじゃないけどそういう健診にお金を回せないんですということだったわけです。であったとすると、今の健診制度そのものが本当に意味のあるものなのか、意義のあるものなのか、そこをまず検証しなきゃいけないんだと思っているんですね。
 そこで、メタボ健診がなぜ意義のあるものなのか、何のためにまずこれをやっているのか、その点について御説明いただけますか。
○政府参考人(上田博三君) まずは、メタボ健診の中心になっておりますのは、いわゆるメタボリックシンドロームでございます。これは、言うまでもなく、メタボリックシンドロームがあった場合には心疾患なりその他の血管障害、あるいは糖尿病ということに発展をしてまいりますので、こういうことをできるだけ未然に防止をする。特に、いわゆる特定健診の中では、その中でハイリスクの方を発見をしてその方の行動変容を促すと、こういうことでその方の死亡率を下げていく、あるいは国全体としてのそういう健康負荷を下げていくということ。それから、あわせて、このメタボというものは、お気付きだと思うんですが、腹囲を測るということで、その健診をすることによって気付きをしていただくと、こういう側面もあってこういう健診あるいはこういう指導をやるということが意義あるものと、このように考えているところでございます。
○櫻井充君 気付くのはいいんですよ。気付くのはいいですよ。でも、何の目的でやるんですか。つまり、おなかの出ている人が病気になる確率が高いというまずデータがあるんですね。そして、そのことをやることによって、例えば動脈硬化なら動脈硬化が何倍になるんだというそういうデータもあるわけですね。
 そして、もう一つ申し上げておきたいのは、それだけの費用を掛けて、例えば医療費が削減できるとか労働生産性が上がるとか、社会にとってこれは大きくプラスになるんだという、まずそういうデータがあるんでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 特定健診の、何と申しますか、効果につきましては、一つには、政府管掌健康保険におきまして平成十七年に、今健康局長が申し上げました高血糖、高血圧、肥満、それから高脂血、こういったリスクを持った方が十年後に医療費がどういうものだったのかという調査をしてございます、二千八百人の調査でございますけれども。それから見ますと、やはりこれだけの四つのリスクを持った方はリスクのない方と比べますと十年後の医療費で三倍の違いがあると、こういうデータがございます。
 そういうことで、先ほど申し上げました高血圧等のリスクを減らせば医療費適正化の効果が期待できるということは、そういったデータから判断したのでございます。
○櫻井充君 済みませんが、それは健診に要したお金は幾らなんですか。つまり、まず健診するためにお金が必要ですね。この初期投資に対しての見合いは幾らですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 今回の特定健診の費用についてでございますけれども、まずそれにつきましては、様々、実施方法あるいは契約の単価というものが違いますけれども、幾つかの仮定を置きまして機械的に計算をいたしますと、年間約二千億円から三千億円と、このように推計をしているわけでございます。
 一方、その効果でありますけれども、私どもの積算上でございますけれども、健康フロンティア戦略で、二〇一五年には、患者の内臓脂肪症候群の有病者・予備軍を二〇一五年には二五%減らすということでございますので、それを前提にいたしますと、それから二〇二五年には五〇%減らすということを目標にいたしておりますので、試算として約二兆円の適正化効果というものを見込んでいるところでございます。
○櫻井充君 じゃ、大変失礼ですが、厚生労働省の方々はこのメタボ健診でだれ一人引っかからないんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 厚生労働省職員のメタボの該当率については、申し訳ございません、今手元にその資料がございません。
○櫻井充君 五〇%を目標にしますとおっしゃいますが、じゃ、今までの健診で何かの治療をやられていて、その人たちが例えば老人保健法に基づく健康診断を今までやってきましたね。これは、早期発見、早期治療のためにやってきたんでしょう。じゃ、この人たちがこういう治療をやることによって、若しくはこういう健診をやることによって、その目標をちゃんと達成できているんですか。つまり、五〇%の人たちがそういうことでちゃんとしなきゃいけないと思って変わっているんですか。そういうデータはありますか。
○政府参考人(水田邦雄君) 十八年の法改正当時、そういったデータについて当たりましたけれども、やはり幾つかございます。例えば、国民健康保険のヘルスアップ事業というのがございまして、石川県の小松市でありますとか、あるいは岩手県の矢巾町の例で、健診それから保健指導によってどれだけリスクを減らせるかというデータがございます。
 それから社会保険健康事業財団、それからあいち健康の森科学総合センター、こういうところでもやはりそういった健診それから保健指導の効果というものを測定しております。これ自体はそれほど症例数多いものではございませんので、これからの課題も多いわけでありますけれども、そういった事例というものはあるということに基づいて先ほどのような積算なりをしているわけでございます。
○櫻井充君 私がお伺いしたいのは、そこのところでその取組をやって、ちゃんと五〇%もきちんと守っているのかということをお伺いしたいんです。
○政府参考人(水田邦雄君) それは、そのときの報告に基づいて判断しているわけでございますので、それがその後五〇%を維持しているかどうかということは確認は現在はしておりません。
○櫻井充君 そういうデータもなくして、なぜ五〇%が、まあ目標は目標で結構ですよ。しかし、目標なんていつも達成できていないんだから、だからなぜそういう数字をはじき出して、机上の空論でこういうことが有効なんだという、そういうことになるんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 机上の空論といいますか、まさに先ほど申し上げましたようなリスクの改善に関するデータというものはあるわけでございますんで、それはそれなりにやってみようということでございます。まさに、この生活習慣病対策の効果というものを今回、特定健診を通じてすることによって、それをレセプトデータと突き合わせることによって、今後検証していくという側面もあるわけでございます。
○櫻井充君 これまでの政策評価というのをやるんでしょ。政策評価というのをやることになったんでしょ。であれば、今までの健診のことによってどれだけメリットがあったのか、どういう問題があったのかということの評価はじゃきちんとされているんですね。
○政府参考人(水田邦雄君) ただいま私が申し上げましたのは、今回導入されました特定健診、特定保健指導につきまして、今後そういった評価をしていくということでございまして、従来のそれぞれの健診についての評価というものは必ずしも私ども把握しているわけではございません。
○櫻井充君 これまでのことについてきちんとせずに、たかが腹囲を付けたぐらいで何で変わるというふうに言えるんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) それは、先ほど来申し上げていますように、各市町村のデータあるいは財団なりそういった機関による調査、こういうことの結果に基づいてそういう判断をしているということでございます。
○櫻井充君 答弁違うじゃないですか。私が聞いたときには、例えば五〇%をそのことについて維持できるのかどうか、それが達成可能なのかということをお伺いしたときには、そういうデータはないというふうにおっしゃった、でしょう。だったとすると、さもデータがあるように言いながら、データはないんでしょ。
 じゃ、もう一度お伺いしておきますよ。どのデータはあるんですか。つまり、お金を掛けたことによって本当に将来的に医療費が抑制されているんですか。それから、もう少し言うと、その人たちの寿命はちゃんと延びているんですか。労働生産性は上がっているんですか。そういうことについてきちんとした評価しているものはあるんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 先ほど来申し上げております幾つか事業があるわけでございます。
 例えば、石川県小松市におきました国保ヘルスアップモデル事業、これが平成十五年でございましたけれども、予備軍が五〇%程度減っていると、該当者も五〇%減少していると。それから、同様に十四年度にも行っておりますけれども、これでも同様の結果が出ているわけでございまして、先ほどお答えいたしましたのは、現在、この平成二十年の時点でこの該当者がどのくらい維持されているかというのはそれは把握していませんけれども、調査した限りでは明らかにこういった改善効果が見られるということを申し上げたわけでございます。
○櫻井充君 この資料の提出は実は一か月ぐらい前にお願いしたんですよ。しかし、一か月間出てまいりませんでした。おとといの午前中に質問通告をいたしました。おとといの午前中に質問通告をしたら、これだけの数字が出てまいりました。この差は一体何なんでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) その点につきましては大変申し訳なく思っております。私も昨日この話伺いまして、適切な対応がなされていなかったというふうに反省をしております。
 そのときには健診一般という、広い意味の、広く健診の評価ということでございましたので、あちこちかなり広く、幅広くわたるものですから、担当者はどのように処理しようかと、これは大変難しいなと思っているうちに一か月間経過してしまったということでございます。
 今後は、やはりきちっとその点で、できることできないことを整理した上で、できることについては迅速に対応するように今後徹底したいと、このように考えております。
○櫻井充君 済みません、これは今日の質問だって幅広なんですよ。私は、今まである健診の中、全部に対してどうなんだということで質問通告したんですから。要するに、私が一か月前に聞いたことと同じ内容ですよ。同じ内容で、国会で質問をすると言ったらちゃんと出してくる。そうでなければ出してこない。
 私はなぜこんなことをやろうと思ったのかというと、最初ここの質問に入るときに申し上げたとおりなんですよ。つまり、今は心のケアをしていった方が更に重要なんではないんだろうかと。今の中で無駄な点はないのかどうか。つまり、健診の予算が限られているとすれば、どの分野に対して健診を行った方がいいのかどうかということをまず自分自身で調査したかったから資料を出してくださいとお願いしたんです。これは、厚生省をいじめようとかなんとか、そういうことじゃないんだよ。この社会の中で必要なものはこういうことじゃないかと思って、現場の医者の感覚として申し上げただけの話だ。
 それを出してこないというのはどういうことですか。これは懈怠でしょう。国家公務員法違反じゃないか。この職員に対してのちゃんと処罰をしてもらいたいと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 大変申し訳なく思っております。先ほど申しましたように、資料要求に対しましてきちんと対応すべきであったというふうに思っております。
 職員につきましては、どういうふうなことで対応するかでありますけれども、いずれにせよきちんと対処するように、これは局内それから省内にも徹底をしたいと、このように考えております。
○櫻井充君 質問主意書を出さないでくれと言われるから質問主意書を出さないでこうやって穏やかに聞いているんですよ、こっちは。これからまた主意書出しまくりますからね。覚悟しておいてくださいよ。そうじゃないと出てこないんだったらしようがないよね。
 これは、実は次も同じなんですよ。介護の費用に対してはもう三か月じゃないな、もっと前からお願いしているのに出してこない。しかも、僕は今まで、悪いのは、ここの場で何回も申し上げたとおり、経済財政諮問会議と規制改革会議だと思っています。つまり、社会保障の費用の抑制をさせられていることが問題なのであって、それを打破するために、まあもう裏話も言っておきましょう、資料を出してくれと。だけど、それは厚生省が作った資料ではなくて、私が積算したものとして委員会で使わせてくれないかというお願いをした。これは、何とかして介護の予算を確保しようと思って、野党の我々だって政府に協力しようと思ってやってきたことですよ。しかしです、三か月以上資料の提示はありませんよ。今日はこの数字を出してもらえるんですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) 櫻井委員のおっしゃっている資料、ちょっと私どもの中、昨日から聞いているんですが、どういう形で要求いただいたのかということを私、今日の席でもつまびらかにしておりません。もう少し事実関係を確定していただければと思っているのですが。
○櫻井充君 それは私が悪いということですか。私の責任ですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) 資料の提出がなかったということで櫻井委員の方におとというちの職員が出向いたということで、そういうことで、前から要求していたのに出ていなかったということでお話があったということは私伺っております。
 ただ、うちの職員の方が、櫻井委員の方からそういう要求があったということについて認識がないというか、そういう状態でございますので、その辺はちょっと事実関係、私どもも今調べてみなければいけないと、そういうような状況でございます。
○櫻井充君 人をばかにするのにも程がありますよ。
 これは、介護の職員の給料がこれだけ低く抑えられているのは、介護保険の診療報酬が、まず今の診療報酬が適正じゃないからなんでしょという前提から話をしていますよ。そして、その上で、その上で皆さんは大体一人当たり幾らぐらいで、介護の労働者ですよ、言っておきますけれども、介護の労働者の給与は大体この介護報酬の点数で決まっていきますからね。これは幾ら努力をしようが何しようがなかなか難しいものなんですよ。
 ですから、どういう積算根拠で、例えば公共事業なら公共事業であるとすると、そこで働いている労働者の賃金は幾らだとか、そういうことから全部積算して今まで出してきたわけですよ。だから、そういう数字をまず出してくれないかと。つまり、今の介護保険全体の中でいえば、介護保険全体の額でいうと労働者には一体どのぐらい分配されるんですかと。つまり、もう少し、例えば今の給料が二百五十万ぐらいでしょ、せいぜい、それを三百五十万まで引き上げるためにはどうなのかということを考えたいからと。あれはたしか僕は部屋にまで来てもらったんじゃなかったかなと思うけどね。それで、ちゃんと話ししているはずですよ。
 この問題については、ちょっとこの数字をちゃんと出してもらいたいですよ。それから、事実関係をまずここは確認させてもらいたい。だって、情報が上がってないも何もないでしょ、こちら側が言っていてさ、そういう態度はないんじゃないの。
○国務大臣(舛添要一君) 今、櫻井委員と政府委員の答弁を聞いておりまして、もし委員が御質問するこういう資料を要求すると、そのことをきちんと把握せず、ちゃんと対応しないならば、これは厳重に指導し注意をしたいと思っております。で、状況をきちんと把握して、そういうことであれば、これはまた委員会に御報告するなり理事会に報告するなりして対応させ、注意をしたいと思います。
 その上で、今のこの介護の数字についても、担当の方できちんと委員の質問に対して対応しているなら今お答えをさせますし、私自身も介護報酬、これは介護の現場の方々が非常に御苦労なさっているということで、これはずっと上げたいということで今回の生活支援緊急経済対策でも強硬にそれは申し上げてきたところでありますし、それから前の方の御質問のメタボ健診との絡みで、まあ三万人の自殺者が毎年出るということですから、精神的な疾患に対する調査を、健診をやるのが効果的ではないかと、この意見も重く受け止めまして、何らかの対応ができるか、これも考えてみたいと思います。
○櫻井充君 局長にもう一度確認しますが、私の責任なんですね。つまり、私の資料要求の仕方がまずかったということなんですね。だから、私に全部落ち度があって厚生労働省には問題がないということなんですね。
○政府参考人(宮島俊彦君) そういうことではございませんで、介護報酬の設定というのはいろいろな要素で行われておりますので、まあ私もつぶさに確認できているわけではないんですが、担当者の方がそういう資料はなかなかないというふうな答え方をしたのかもしれません。そこは私もきちんと確認したいと思っております。そういうような状況で、今日はまた局内、よくきちんと調査させてもらいたいというふうに思っております。(発言する者あり)
○委員長(岩本司君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岩本司君) 速記を始めてください。
○政府参考人(宮島俊彦君) 誠に申し訳ありません。私の方の職員の方が、櫻井委員の方からお聞きしたことについて正確な理解ができてないために資料が提出されなかったんではないかというようなことが考えられると思います。
 議員お求めのその介護収入における給与費割合というのは、これは平成二十年度の介護事業経営実態調査というのをこの九月末ぐらいに公表しておりまして、その中に老人福祉施設であるとか老人保健施設であるとか介護療養型、その施設類型あるいは認知症のグループホームとかいう、そういうサービス類型ごとに給与費割合というものも調査されておりますし、また介護福祉士あるいは介護職員の給与というものも調査をしておりますので、そういうデータはあるということでございます。
○櫻井充君 あの当時、まあ私の記憶の中にある点だけまず申し上げますと、介護の全体、介護費用全体を幾らに設定すれば職員に、例えば三百五十万なら三百五十万の給料になるんだろうかと。そうすると、元々ベースになる数字があって、介護職員の数がどのぐらい、そして平均給与がどのぐらいで、あとはそこのところに例えば三百五十という数字にするか四百にするかは、あとは私の方で設定すればいいことですねという、そういう議論までしているんですよ、言っておきますけどね。そして、その上で、介護報酬というのは、介護報酬というか、介護保険制度全体がどのぐらいの額に膨らめばあの介護の方々がきちんとした形で働けるのかということを検討しようということで、ちゃんと投げていますからね。大体、最初の答弁でそういうふうになることそのものが僕は役所としておかしいと思いますよ。
 それから、今朝謝りに来ましたね、謝りたいと言って。なぜ今朝なんですか。私はおとといの、皆さんより相当早く通告したんですよ。私は理事会で今日質疑が決まった瞬間に、それを受けて十一時に来てくれと言って、十一時十分ぐらいですよ、全員そろったのが、そこでまず遅刻してくるんだけど。
 だけど、私は火曜日の十一時の段階でちゃんと通告したの。謝りたいと今日来たのは九時ですよ、今日の九時。何で今日なの。そういうことであったとすれば、前日だって前々日の夕方だって幾らだってあったじゃないか。なぜそういうことをしないんだ。
○政府参考人(宮島俊彦君) 申し訳ありません。
 その辺、私もよく、戻って、きちんとした対応を今後するように、局内をきちんと掌握したいというふうに思っております。
○櫻井充君 それでは、取りあえず介護の報酬ですね。要するに、まず、どういう基準で定められているのか、そして現状の介護保険の点数から見ると平均給与というのはどの程度にしかなり得ないのか、この点について御説明いただけますか。
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護報酬でございますが、これは、賃金、物価の動向とか、さっき言いました介護サービス事業者の経営実態等の調査の結果に基づいて各サービスごとの報酬を決めるということでございますので、人件費、物件費の具体的な積み上げということではありませんが、そういったものがカバーできるように、言ってみれば平均的な費用の額から乖離しないような報酬設定をしているということで過去二回の改定が行われております。
 その際、介護従事者の賃金水準でございますが、現在、平成十九年の賃金構造基本統計調査で見ますと、現金給与額、介護従事者は女性が七、八割占めますので女性で申し上げますと、ヘルパーについては二十万七千円、それから福祉施設職員については二十万四千円といった水準になっているということでございます。
○櫻井充君 そういう数字があって、なぜすぐ出てこないんでしょうか。なぜそういうものが出てこないんでしょうか。
 それでは、この人たちの給与を一・五倍に増やしたいとすれば単純に介護費用全体が一・五倍になるんですか。それとも、そこの部分はもう少し圧縮できるんですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) 今具体的な数字を持っていないので具体的な数字では申し上げられませんが、例えば施設の収入に占める給与費割合というのは五割から六割とか、そういうことがあります。まあ、施設の職員の中には事務職員もあるので、介護職員になるともう少し比率が低くなりますけれども。
 ですから、その人たちの給料を例えば一・五倍にするために介護報酬全体を一・五倍にしなければならないかということにはならないということでございます。介護報酬の引上げが介護従事者の給与引上げに結び付くような措置を講じていくということであれば、介護報酬の引上げがその従事者の方の引上げに結び付くような工夫はできるという、そういう関係にございます。
○櫻井充君 先ほど、介護報酬の点数をどう定めるのかというときに、賃金やそれから物価上昇であるとか、そういうものを全部勘案してやりますという話でした。
 そうなってくると、介護の職員の適正給与というのはどのぐらいだというふうに厚生労働省は設定されているんですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) そこはちょっと、どの辺が適当だというのは、私ども、具体的な数字を持ってはおりません。持っておりませんが、例えば、さっき言いましたヘルパーとか福祉施設職員の賃金構造基本統計に基づく調査、月給でいうと、先ほどヘルパーは二十万七千円ですとか、福祉施設の介護職員は二十万四千円という水準だと言いましたが、例えばほかの職種で見て、保育士であれば二十一万六千円になっているとか、あるいは女性のサービス業系の月給が二十三万四千円程度だというようなことを見ると、やはりそういうものと比べて低いということなので、ここは引上げの方向で考えなければならないというようなことが見て取れるという、そういうことでございます。
○櫻井充君 今比較対照される職種をお話しされましたが、その職種の方々と比較することが適切なんですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) そこは例えばということで申しました。これを比較する際には、例えば勤続年数が違うとか、そういった要素もありますので必ずしも一概に比較するわけにはいかないわけでございまして、例えばでいえば、比較的このヘルパーですとか介護施設従事者に近い職種等のものを見ていえば、今言ったような数字であるということを申し上げておる次第でございます。
○櫻井充君 これ、過疎の地域に行くと、職業として、昔は農業だったですよ、田舎はね、公共事業になりました。造るものがないから、今高齢社会の中でいうと介護なんですよ。そうすると、その介護を一生の職業としてやれるかどうかというのはすごく大事なことなんですね。今女性の方という話になりましたが、男性の賃金に応じて結婚する割合がもう変わってきているんですよ。
 つまり、少子化対策を何とかしなきゃいけないということであれば、まず正規雇用にすることと、それからその人たちの賃金を上げることは重要な課題なんですね。今女性の比較だけされましたが、たしか男性の平均所得というのが、私の記憶が正しければ五百五十万から五百八十万ぐらいだったんじゃないかと思いますね。それに対して、介護の職員の男性の職員の給料は、ちなみに新卒の場合は幾らになるんですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) 新卒の場合というのは今手元に持ち合わせておりませんが、例えば男性の場合、さっき女性で言いましたが、ホームヘルパーであっても二十三万九千円、介護施設の職員であっても二十二万六千円ということですので、産業全体の賃金水準ということで見ますと女性と男性の差は二百万ぐらいは一般的にはあるんですが、そういうことから見ると、介護職場というのは、男性にとってはこの賃金水準、厳しい職場だというふうに認識しております。
○櫻井充君 一生の仕事になりますか。子育てをしていく、それから住宅を購入していく、そういう生活がこの賃金で可能なんですか。これは、もう奧さんも働くことを前提とした給料になっているんですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) そういうことでいいますと、なかなか夫婦で働かれるということでないと厳しい賃金水準ではないかなというふうに思います。
○櫻井充君 それを変える意思はおありなんでしょうか。ここは大臣にお伺いしておきたいと思いますが。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員御指摘のように、結婚して家庭を持つというのが非常に困難な状況にある、したがって離職率も非常に高いというふうに思っております。
 できるだけこの労働、介護の現場で働く方々の処遇を改善する、それは今後とも強力に推し進めていきたいと思います。今般の対策でも三・〇%の引上げということを行い、さらに今後、介護の現場で働き、生活もきちんとし、家庭も持てる、そういう方向を目指して努力をしていきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 僕は、経済財政諮問会議が諸悪の根源だと思っていますよ。それは変わりないですよ。つまり、社会保障費の伸びを二千二百億抑制しなきゃいけないという、そのことを打ち出していることそのものも問題だと思うけど、やっぱり厚生労働省も駄目なんですね。もう今日のではっきりしましたよ。
 要するに、あなた方は交渉をする際にどういう交渉しているんだろうかと。本気で介護の現場を改善して、この人たちで一生の仕事にしていこうとか、そういう意識がないということはよく分かりました。あなた方がやっている限りにおいては介護の現場の人たちは浮かばれないと思いましたね、本当に。これは省庁が悪いのか、あなた方局長のレベルからピラミッドになっているどの辺まで悪いのかよく分かりませんよ。これが厚生労働省の体質なんでしょう。今まではいろんなところで私は講演をしてくるたびに、経済財政諮問会議と規制改革会議だと言ってきた。厚生労働省をかなり擁護してきましたが、今日から方向転換いたします。今日から厚生労働省が諸悪の根源であるということをいろんな団体でお話をさせていただきたいと、そう思います。ビジョンがなさ過ぎだ。
 それでは、次に年金のことについてお伺いしておきましょう。
 年金で何でこんな混乱があるのかというのは前々から指摘させていただいておりますが、例の厚生年金保険制度回顧録を読めば明らかなことです。この回顧録の中でまず問題になっているのは、通算制度についてというのがあるんですよ。この通算制度というのは、元々が厚生年金であった、これに国民年金が一緒になると。そうすると、ここに書いてあるんですけど、当初から制度をどうするのかというのは通算をどうするのかという裏腹な問題があった、いずれにしても別建てでつくれば通算が非常に難しい、極端なことを言えば通算などはできるわけがないという議論も一方にあってということになっているんですよ。
 そこで、こういうことになったんですが、三十四年に国民年金はつくってしまう、通算は後で時間を掛けてやればいいという見切り発車ですと。これが英断だと言われているんですね。しかし、こういうやり方をしているから、今日において通算ができなくて宙に浮いた年金が発生しているわけですよ。つまり制度上の問題なんです。
 もう少し申し上げれば、この制度をつくった際に、八木さんという方がこうもおっしゃっている。実務ベースというのを随分頭に置いてやったと、今回の改正はですね。四十四年の改正の一番大きな意義はそうだと。今までは制度的な問題だけで、実務に乗るかどうかは問題にならなかったと。つまり、実務に乗るか乗らないかも全然関係なく、制度だけつくってきたと。その制度をつくってきたのは一体だれなのかというと、保険局長なわけですよ。これは、例えば医療なら医療のところで言っているんだけど、医療はいろんな人たちががちゃがちゃ言うので、ここに書いてあるんですよ、みんながわあわあ言う、それをまとめればいいのであって、年金局長はそれがないと。相談するところがない、最後は一人で決めなくてはいけない、それが大変つらかったですねって言っているんですよ。
 つまり、責任の所在は明らかにここの局長にあるんです。局長のレベルにあるんです。この人たちが回顧録で自慢げにいろんなことを言っていますよ。でも、諸悪の根源はここですよ。この人たちの本当は生きていらっしゃれば責任を取ってもらわなきゃ僕はいけないんじゃないかと思いますが、まず、この通算制度で時間を掛けてやればいいという見切り発車論ですよ。見切り発車しました。その後、どういう議論されたんですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 まず、事実関係といたしまして、今御指摘の点は、国民年金について、昭和三十四年二月に法案が提出され、四月に成立し、まず無拠出制の福祉年金が三十四年十一月から、拠出制の国民年金が三十六年四月から実施されました。他方、必要と認識されていた通算年金制度につきましては、御指摘のとおり、昭和三十六年三月に法案提出がなされ、十月に成立し、拠出制国民年金の実施に合わせ、三十六年四月にさかのぼって同時に実施されたという事実関係の中での御指摘だと思います。
 通算年金制度の法案提出が国民年金法の二年後となったということにつきまして、事務運用の準備も整わなかったことが要因ではないかという御指摘が含まれておったかと思いますが、私どもにおきましても当時の様々な資料を見て確認をさせていただきましたところ、あえて申し上げれば、事務運用の問題もさることながら、今先生の御指摘にもございましたけれども、事務運用の問題もさることながら、それ以前の問題として、各制度の加入期間を通算する制度体系そのものに対する考え方が、いわゆる民間の方々の中でも、また公務員の関係の中でも随分とらえ方に差があった。また、それを制度的に技術的にまとめていこうとした場合の在り方についても意見の格差が大きかった。要するに、関係者間においてそもそもの導入の必要性と在り方についての議論が成熟していなかったということが一定の結論に至らず時間が掛かった原因ではないかというふうに考えられました。
 もちろん、通算問題が解決するまで国民年金の創設を待つべきとの御指摘も含まれているのかもしれませんが、当時の状況といたしまして、関係の書物を見てみますと、自営業者等に対する年金保障の必要性が叫ばれる中、国民年金制度における福祉年金の支給を早期に開始することが政治的な強い要請となっておりまして、そのため、国民年金法の成立が急がれ、国民年金法の法案提出が優先されたという事情であったというふうに考えております。
 通算制度の導入そのものが現在のいわゆる年金記録問題に至った要因であるかという点については、必ずしも直結した問題ではないと思いますが、過去も現在も年金制度は制度の企画立案と事務運用が表裏一体でなければいけない、これはもとより当然のことでございまして、御指摘のとおりであると思います。今後とも、円滑な事務運用を十分考慮しながら制度の企画立案に努めてまいりたいと思っています。
○櫻井充君 必ずしもこれが原因でないという、その根拠を教えていただけますか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほど申し上げましたとおり、当時の書物を見ている中では、通算年金制度が遅れたということ自身がむしろ制度に対する、その制度の必要性に対する理解の違いに大きな原因があったのではないかというふうに私が関係の書物を見て感じたところを申し述べたところでございます。
 事務運用について先ほど、軽視していた側面が当時あったのではないか、そういうことが今日につながっているのではないかという点については、一般論として、そういう御認識を私ども重く受け止めなきゃいけないというふうな思いは持っておりますけれども、当時のここの部分における議論が現在のものにどのように直結しているのかという点については、私ども必ずしも明らかではないというふうに思いました。
○櫻井充君 私の感想というのは、私の個人の感想なんですか。これは省としての見解なんですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 本日答弁するに当たりまして、私、年金局長としてそのように感じたことを今御質疑に対して申し上げているものでございます。
○櫻井充君 もう一度お伺いしますが、はっきりさせておいてください。これは省としての答弁なんですね。省としての、省としてのこれは見解としてお伺いしておいていいんですね。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 私は、そのような覚悟で御答弁申し上げております。
○櫻井充君 それでは、もう一度お伺いしておきますが、きちんとした形で精査していただきたいと思っているんです。
 つまり、これだけ迷惑掛けて、それから、私もこの間電話してみましたが、まだ通じません。ですから、もうやめました。私のところに送らないでいただきたいんですが、当分。つまり、受け取らないような、まだ当分先の人たちに対してまで通知をしていると相当事務作業多くなりますからね。ですから、そこのところはもうちょっと、もう一回考えていただきたいんですが、いずれにしても、こういう問題を起こしてきた根本的な原因は、僕はこの制度設計上に無理があったからだと思っていますよ。
 だって、昭和三十二年以前だって一回切り捨てているでしょう。これは、台帳がなくなったとか、それは戦争で焼けたとか、それから引っ越しの際にいろんなことがあってということで、それはそれで理解しますよ。ただし、なぜ昭和三十二年以前なのかが理解できないんですよ。戦争中のものであったとすれば、昭和二十年とか、若しくはもうちょっと、二十一年とか二十二年ぐらいまでのものを切り捨てるんだったら、それで制度設計もう一回やり直しますと、チャラにしますというんだったらそれは話は分かるけど、そうじゃなくて、三十二年以前だって結果的には、結果的にはあの当時の花澤課長が、まあとにかく、やれるかどうかは分からないけど、お金をとにかく集めればいいんだということから始めた制度でしょう、こんなものは。だから、問題が起こってきていて、今こういう混乱になっているわけじゃないですか。
 ですから、私はこういうことから考えてくると、制度をつくった人たちに責任があるんじゃないんですかと。今まで厚生省はなかなか認めてくれないけれども、こういう制度設計をつくってきた、事務ベースにも乗るかどうかも分からない、そういう中でやってきたからこそ今みたいな問題が起こっているんじゃないんですか。違いますか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 歴史に対する反省の在り方ということにも近い今の御質疑だと思います。御指摘、重く受け止めて、私ども、今後の業務に生かしていきたいというふうに考えております。
○櫻井充君 言っておきますが、歴史じゃありませんからね。これはまだ現在も続いているんですからね。いいですか。今日の全般的な答弁を見ていて、健診なら健診制度に対しての費用対効果が本当にはっきりしているのかどうか、どういう意味を持ち合わせているのか。この次もっと細かいことをやりますが、あの健診の本当に診断基準が適切なのかどうかと。我々が大学に入った当時の教科書の数字とは全然違いますよ。あんなものでなぜ引っかけなきゃいけないのか僕には理解できない。
 でも、そういうやり方もすべて、それから介護のところだって余りにいいかげん。つまり、介護の制度設計そのものに問題があるから今の介護で働いている人たちも苦労しているんですよ。年金制度もしかり。年金制度もいいかげんな制度設計をし、あの当時、大蔵省と争ってまで、厚生労働省が年金は自分たちがやるんだといってやりましたね。シャウプ勧告のときには、たしか国民福祉税でもなかったかもしれないけど、たしか何かそういうことで財務省で一貫して集めるはずだったのに、厚生省が抵抗して自分たちの権益を確保するためにやった。その結果がこのざまですよ。要するに、あなた方はそういう反省に立ってないからいつの時代に立っても同じことを繰り返すんだと、私はそう思っていますね。
 今後、厚生労働省に対して私は相当厳しく追及させていただきますから、そのことだけ最後に申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○森ゆうこ君 おはようございます。
 まず、年金問題についてお聞きをしたいと思います。
 ねんきん特別便は、九月三十日現在、約百七十一万人に未到達という結果について、そのことについての見解をまず伺いたい。
 それから、一応このままですと定期便が来年から始まるわけですけれども、かねてからこのねんきん特別便に関しましても書留など本人に確実に届く方法に切り替えるべきだというふうに指摘をさせていただいてまいりました。定期便の送付についてはどのように、この特別便の百七十一万人未到達という結果を反省し、定期便の送付についてどう改善するつもりなのか、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 未到達につきましては、住所変更等の有無を確認し、お届けいただいている場合には新しいところにお届けをすると。その住所変更届がない場合には住基ネット情報を活用する、それから、事業主や市町村の協力をいただいて住所調査を行って、判明した新住所に再送付をすると。それから、そういう点について、住所変更の届出を是非行っていただくよう、政府広報、ホームページなどを使って周知徹底をしたいというふうに思っています。
 それから、書留便にしたらどうかという御提案でございますけれども、一つはコストの問題がございます。普通郵便であの重さだと九十円なんですけれども、一般書留で五百十円、簡易書留にしても四百四十円となります。それから、本人が不在のときは別として、住所がやはり確認できてないときには書留便であってもやはり未到達となっているということについて変わりませんので、これからもっと広く広報ということをやっていきたいと思いますし、近々、もう十一月半ばになりますから、十月末までに特別便をお送りいたしました。ただ、到着に数日遅れているところもあるように思っております。しかし、もう今半ばになりましたんで、もっと広く、今まだ到達してない方に、最寄りの保険事務所に行っていただくなり、また電話でお問い合わせをしていただくなり、そういう訴えかけを今後とも続けていきたいと思っております。
○森ゆうこ君 百七十一万人に未到達。定期便を発送してもちゃんと届く確証がないんですね。これ、預金通帳みたいなものでしょう。我々の年金通帳とは若干違うようですけれども、これが確実に配付される見込みがない、送付される見込みがない。これ、議論すると切りがないんで次の問題に移りますけれども、こういうことをもっとしっかりと反省を持って対応されないと更に不信が広がるのではないかと思います。
 それで、消された年金について伺いたいんですけれども、大臣の直属に設置をされまして、部会でお聞きしましても運営に厚生労働省が関与していないというお話なんですけれども、その標準報酬遡及訂正事案等に関する調査委員会、これについての姿が全く見えないんですが、これまで何回委員会を開いたのか、どのような調査を行っているのか、またいつまでに結果を出すのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これ、私の直属にしたのは、職員の関与について徹底的に調べたい、外部の目を入れて調べるしかない、そういうふうに思っておりますので、初回を十月六日夕方に四名の委員に開いていただいて、そこから先は今鋭意調査をしていただいている。
 それで、とにかく実態を明らかにするために、ある意味で調査、細かいところまでヒアリングをしたりとかいろんなことをやっていく。そのことについて、ああ、どういう頻度でやると次に自分のところに来るなと。とにかく職員に対して厳しい調査をするために、結果の出るまでは委員会で調査をきっちりやっていただくと。むしろ、細かい調査をするのに差し障りがあるといけないので、その調査結果をより私が求めているものを出していただくために、今のところはそういうことについては一切、まさにそういう理由で申し上げないということでございます。
○森ゆうこ君 この消された年金の問題をまさにブラックボックス化しようとしているのではないかというふうに我々の部会で度々追及をさせていただいているところでございます。
 何回開いたかも教えない。どのような調査を行っているのかも教えない。また、いつまでに結果を出すのかも教えない。何なんですか、これは。
○国務大臣(舛添要一君) できるだけ早い結果を出すように今鋭意やらせておりますけれども、これは職員が関与しているかどうかということを徹底的に調べたい。したがって、職員に対しても、どういう手順でどういうことをやっているか、一切知らせない、とにかく抜き打ち的にあれ、どうであれ。ですから、できるだけ結果を早く出して、結果出た段階で、どういう回数でどういうことをやりました。私の今の目的は、職員の関与、これがあったとすれば、それを徹底的に調べ出してうみを出す、そういう目的のために一番適合的な形でやっておりますので、どうか御理解いただければと思います。
 ブラックボックス化して隠すとかいうことじゃなくて、まさにあぶり出すためにそういう手法を取っているわけでございます。
○森ゆうこ君 後でまた資料をお見せしますけれども、舛添さんが私のやり方がいいんだといつも強弁されるんですが、数か月たつと結局我々のやり方に直さざるを得ないんですよ。
 まず、職員に対する調査に関しても、どういう項目で何を調査しているのか私たちにも教えていただかないと、この問題は調査しないんですかという我々が指摘ができないじゃないですか。今全くブラックボックスですよ。いつまでに結果を出すのかくらいは教えていただけませんか。それから、例の戸別訪問、消された年金の二万件のうち、戸別訪問が始まって、千件結果が分かったそうでございますが、この千件について少なくとも中間報告を早急にお出しいただきたいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) これもできるだけ早くというふうに思っています。
 それで、少しデータを集めて、それで、今のところ、行って調査員が聞いた粗いデータが出ているというふうに聞いておりますので、これを今精査をして、できるだけ早く、どういう傾向であるか、分かり次第出したいと思っております。
○森ゆうこ君 だから、そのできるだけ早くというのが分からないんですよ。もう調査は出ているんですよね、千件は。だから、その千件について来週までに出していただくとか、精査というのがよく分からないんですけれども、我々にその調査の結果を教えていただきたいと思います。
 それで、関連してなんですけれども、例の滋賀県の大津社会保険事務所の調査についてはもう結果は出ていると思いますけれども、これが何度要求しても教えていただけません。大臣、いかがですか、これについては。御報告をお願いいたします。
○国務大臣(舛添要一君) これは、元職員がかかわっていたんじゃないかということで、職員に対する調査、それから全喪の事業所に対してその事業主に対する調査、それからまた、このレセプトの引き抜きというような件も出てきていますので、今鋭意これを調査をしているところであります。
 先ほど来申し上げていますように、調査は、できるだけ正しい姿を出すということで結果が分かるまで公表しないと、それはもう一貫してそういう方法でやりたいと思っております。問題は、とにかく事実を明らかにしてうみを出す、そのことに尽きる、そういう思いでやっておりますので、いましばらくお時間をちょうだいしたいと思っております。
○森ゆうこ君 政府委員で結構なんですけれども、この滋賀県の大津社会保険事務所の調査はいつスタートして、いつ終わったのか、教えてください。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 滋賀県の社会保険事務所における当時の実態に関する調査でございますけれども、経緯としては、元職員の方が証言をなさったということがきっかけでございまして、私ども、それを受けまして、協力要請を申し上げつつでございますけれども、並行して、記憶で申し上げますけれども、本年の八月の下旬に着手をいたしまして、そして現在もなお調査を進めていると、こういう状況でございます。
○森ゆうこ君 まだ終わらないんですか。
 少なくとも、職員共通の調査事項というこのリストを部会でちょうだいいたしました。この調査についてはもう既に終了しておりますよね。
○政府参考人(石井博史君) その調査票を用いての職員からの回答、これはすべて集めております。それで……
○森ゆうこ君 明らかにできない。
○政府参考人(石井博史君) はい。
○森ゆうこ君 八月下旬にスタートして、既に、まず職員共通の調査事項というこのリストに基づいた調査は終了しているんですよ。少なくともこの結果について今御報告をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井博史君) 御党の部門会議においても説明をさせていただいておるわけでございますけれども、そしてまた、先ほど大臣の方からも御答弁申し上げましたが、職員に対する調査結果というものだけでこういうことであるというふうに御報告するのは、実態のある側面を御覧いただくということに限られるような形になるわけでございまして、他方、一定の例えば処理がなされたとして、それにかかわった事業主の方々、あるいはその他の関係者、そういった方々の例えばかかわりはどうだったのか、そういう方面からのやはり実情、実態、そこら辺についてのお話も併せて聞き、また、そういう形で集められたいろいろな事実関係について、それが物的な側面からどのように確認できるのかできないのか、そういうような形で総合的に事実関係を把握していく中の一つの材料ということで扱わさせていただくということでまいっておるわけでございまして、おっしゃったように、その部分だけまとまったから、あるいは一応回答の集計ができたからということでお出しするというのは適切ではないというふうに考えているわけでございます。
○森ゆうこ君 大臣に伺いますが、この今ほど申し上げました滋賀県大津社会保険事務所の職員共通の調査事項、これについてはもう既に調査が終わっているんですね。この結果について御覧になりましたか。
○国務大臣(舛添要一君) いや、まだ私はその調査事項は見ておりません。あとは、この全喪事業所の事業主についてのこと、それからレセプトの処理がどう不正処理が行われたか、こういうのを総合的に全部見た上で、状況がどうであったかということを判断をしたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 これを途中でどういう職員からの回答があったのか結果を聞くことは、私は極めて重要だと思います。
 まず、全体を公表されないのだったら幾つかお話を聞きますけれども、職員本人がかかわったという回答はあったんですか。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 今のお尋ねそのものが調査中の内容の一部についてお答え申し上げるような形になるわけでございまして、先ほど来申し上げましたように、総合的な判断を加えた上で、その部分も含めて必要であれば御説明、報告させていただきたいというふうに思います。
○森ゆうこ君 職員が、本人がかかわったという回答はなかったということは部会で、その後ろに来ていらっしゃいます小平さんにお聞きをしました。
 じゃ、それならば、職員本人がかかわったという回答はなかったということであれば、そういうことを見聞きした、例えばレセプトの抜取り等が組織的に行われていたとか、そういうことにして見聞きをしたという回答はあったんでございますか。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 それにつきましても、一つ前の御質問でいただいたのと同じお答えになるわけでございますが、総合的な判断の結果として御報告したいと思います。
○森ゆうこ君 同じことを何度も理由を繰り返さないでいただきたいと思うんです。都合のいいところだけは答えて、都合の悪いところは出さないということですか。職員本人の関与はなかったという、そういう調査結果であったということは部会で伺いました。
 しかし、それならば、そういうことを見聞きしたことがあるのかという回答があったのかどうか、そのことについては部会ではなかなか抵抗をされて、あそこで抵抗するということが使命なんでしょうから仕方がないのかもしれませんけれども、そういうことを見聞きしたということについて回答があったかどうかについてまではお答えになりませんでした。本人が関与したという回答はなかったということは答えられたわけですから、他の職員又は組織的にそういうことがあったのかどうか、見聞きをしたのかどうか、そのことについての回答があったか、又はなかったのかということについてもお答えになるべきだと思いますけれども、どうですか。
○政府参考人(石井博史君) 先生が御指摘になられました、私どもの職員が御党の会議の場においてしたとなさるその説明の方でございますけれども、その点は慎重にきちっと確認してみたいと思いますけれども、私はそういう報告をいただいていません。
 また、大変恐縮でございますが、現時点におきましても関係職員に対する聴取は続けているわけでございまして、先ほど申し上げたように、その形式による集計は終わってございますが、関係のものはあると、続いていると、こういうことでございます。
○森ゆうこ君 そんな答弁認められませんよ。見聞きしたことがあるのかという回答がなかったんだったら、ないと答えてください。なかったんですね、じゃあね。今まで、この調査の結果も、これは回収されて終わっている内容ですよ。この調査票による調査は終わっております、八月下旬にスタートして。これは終わっております。この中には本人がやったという回答はなかったということは部会でお聞きをいたしました。
 じゃ、本人はやっていないけれども、他の人がやった、若しくはそういうことを組織的にやっていたということを見聞きしたことがある、そういうような回答は、じゃ、なかったんですね。なかったんなら、ないと言ってください。その方がよっぽど安心しますよ。なかったんですね。
○委員長(岩本司君) 石井部長、簡潔に願います。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 現時点においては、なかったと断言できるような、そういうような状況にはまだ至っておりません。なお確認中でございます。
○森ゆうこ君 ちょっと、駄目ですよ、そんな答弁。単純に、この調査項目に基づいた結果についてそういう報告がなかったんですねと。簡単な話でしょう。なかったんなら、ないと言ってください。あったんなら、速やかにあったと言ってください。あったかないか、それ、どちらかしか答弁がないんですよ。
○委員長(岩本司君) 石井部長、簡潔に願います。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 職員に対する調査がその調査票で尽きるものであるという前提に私ども立ってございませんで、その上で更にその調査をしているわけでございます。したがって、それに対する回答がどうだったかということだけで断定できる状態にはないということを申し上げているわけでございます。
○委員長(岩本司君) 速記を止めてください。
   〔午前十一時十九分速記中止〕
   〔午前十一時三十一分速記開始〕
○委員長(岩本司君) 速記を始めてください。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。先ほど森先生からいただいた御質問にお答えいたします。
 滋賀県の元職員の証言にかかわる形で当時の関係職員に対して行ったアンケート調査の内容でございますけれども、中身はいろいろでございます。ただ、その中には精査を必要とするものがあろうかと思います。いろいろな状態のままで単純に御報告をいたしますと、結果的に関係がない方までいろいろな御迷惑を及ぼすことになってしまうと、そういうようなおそれもあるものですから、なお精査が必要ということで今調査を続行しているところでございます。
○国務大臣(舛添要一君) この調査内容について、私はまだ全貌のちゃんと報告を受けていませんけれども、様々なところでいろんな情報を得る努力をしていますと、やはり自分がやっているのを、だれかやっているのを見た、もちろん自分がやったということも含めて、責任追及の対象になるということを非常に恐れてなかなか口を割らない。そういうことで、しかも非常にあいまいな証言だということでありますので、それで実は私の直属の委員会を設けたのは、そういう状況を踏まえて、着実にこれをもう一方の方向からやりたいということでやっているわけでございますので、そういう意味で、周辺情報を含めて明確な形でこれはできるだけ早くまとめて、例えばこの委員会で御報告できるように努力をしたいと思います。
○森ゆうこ君 なかなか口を割らないのは当たり前じゃないですか。だって、舛添大臣が共同正犯と言っているわけですから、私はだから口封じじゃないかと言ったんですよ。じゃ、しゃべることによって何か保護されるのかどうか。そういうことがなかったらみんな言わないに決まっているじゃないですか。内部告発しても何の保護もされないんではだれも何も言わない。
 それで、速やかに調査の結果が出次第、公表すべきというふうに言っておりますが、今のお話を皆さんに聞いていただいても、こういうやり方では一向にこの標準報酬月額の改ざんの全体像が分からないんですよ。全体像が分からなかったら、きちんとした対応はできないんですよ。だから、我々が言っているように、改ざん全体像の把握のため、サンプル調査を早急に行うべきではないか。それから、あわせて、早急に出します出しますと言っていますけれども、少なくともいつまでに出すということは言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 第三者委員会に出てきたこの不正の事案について分析して、これはもう先般の予算委員会でもお話をいたしましたけれども、それで、六万九千件のうちの年金受給者二万件に直接訪問するということで今やっているわけでありまして、一番大事なのは一刻も早い被害者の救済ということでございますので、今鋭意これを毎日やっております。
 そういうことで浮かび上がってきたことは、ある意味でサンプル調査そのものであると思いますし、それから、まだまだこれは氷山の一角で、百四十四万件という数字を先般三条件で出しておりますので、これも、記録、この標準報酬月額を定期便で送るときに大書特筆して、あなたは百四十四万件に該当しておりますということで、これは更なる記録の確認をお願いすると。そして、それに、今言った三条件に引っかからないものでも当然それは標準報酬月額の改ざんとか不正な手を入れたということはあり得ると思いますから、これは標準報酬月額をお知らせする形で鋭意やっていきたいと思います。取りあえず受給者、そしてこの絞った二万人からまず始め、そのことによってどういうデータが出てくるか。先ほど申し上げました粗データは千件ばかり出ていますので、今鋭意精査し、検討を加え、できるだけ早く報告を申し上げて、更に先に進めていきたいと思っております。
○森ゆうこ君 だから、そのできるだけ早くじゃ全く分からないので。
 それから、舛添大臣の言っていることさっぱり分かりませんね。これがサンプル調査だっていうのが全然分からない。全体像が、どれぐらい改ざんされているのか、そういうのを全体像を把握するために矮小化して、あるところで区切って調査して、それの結果を精査することがサンプル調査だという、何か全く意味が分かりません。
 とにかくこれまで、自分のやり方の方が正しいんだといつも強弁していらっしゃいますけれども、さっきも申し上げました、しばらくすると結局民主党案を取り入れることになるんですよ。
 皆様に資料をお配りをさせていただきました、年金記録問題をめぐる民主党の主張と政府・与党の対応ということで。
 例えば、年金記録の実態調査は民主党の指摘から約八か月後、それから加入履歴の全員送付、これも我々の指摘から約五か月後、そしてコンピューター記録と紙台帳の突合は申出の有無にかかわらず行うとしたのは約一年四か月後、それから改ざんの実態の把握は民主党の指摘から約九か月で、これも先ほど氷山の一角と大臣がお認めになりました約百四十三万件が発覚をしたということで、また職員に対する全員の調査をやるべきだということも、やらないやらないと言っていましたけれども、結局先ほどの遡及訂正事案にかかわる調査委員会を御自分で立ち上げられて、職員に対して、我々はOBも含めてやった方がいいと言っていますけれども、職員に対して今調査をしていると。
 結局、しばらくすると我々の主張のとおりにやることになっているんですよね。これはお認めになりますか。
○国務大臣(舛添要一君) どの方の御提案であれアイデアであれ、いいものは取り入れていきたいというふうに思っておりますが、私が基本的に常に申し上げているのは優先順位の付け方であります。ですから、昨年七月五日の政府・与党のこの工程表に従って車の両輪を回してきたと。一つはデータから解析する、一つはこの十月末でおおむね終わりましたけれども全員に特別便を送る。その結果、今まで四千五百万人の方から御回答をいただき、訂正なしないしは訂正あっても回答できたということですから、四千五百万人の方にとっては自分の記録問題は一応終わったということなので、私はその優先順位の付け方は間違っていなかったと思います。
 ですから、いいアイデアは進んで私は取り入れることはこれからもちゅうちょいたしませんし、そしてそのことによって年金記録問題の解決に資するということであれば大変結構だと思います。ただし、私は私の優先順位の付け方でやっているということも申し上げておきたいと思います。
○森ゆうこ君 全く反省がない。民主党の主張を取り入れていればもっと記録の回復は早まったのではないかというふうに、本当に今の答弁失礼ですよ、本当に。もう少し真摯に、私たちにいい提案をしてください、一緒にやりましょうとか一方で言いながら、私の優先順位でやるんだと。全くおかしなことを言っているんですよ。答弁いいですよ、こんなの。
 それで、この消された年金が起きた背景には、経済が悪化をいたしまして企業が大変苦しい状況に追い込まれている、そして滞納事業所が増える、それを強制的に徴収をすれば、それはいわゆる社会保険倒産という形で倒産に追い込んでいく。それをある意味回避することもあり、この標準報酬月額の遡及訂正というようなことが発生したということがいろいろな証言で明らかになっております。
 それで、今まさに、この国際的な金融危機、そして経済の危機という、今のこの状況がまさに過去消された年金が多数発生した状況と酷似をしているというふうに思いますが、厚生年金保険料の滞納事業所、滞納額の直近の数字についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 社会保険庁といたしまして、滞納事業所、それから滞納額の直近の数字まとめているものを申し上げますと、毎年五月末現在の数字を把握し公表させていただいているところでございまして、直近の本年五月末現在における滞納事業所数は十二万三千六百五十五件というふうになってございます。
 なお、昨年度、平成十九年度から、この五月末の数字に加えまして、九月末現在の滞納事業所数についても把握し公表することとしてございまして、本年度についても取りまとめが終わり次第、公表したいというふうに考えております。
 それから滞納額の方でございますが、同じく本年五月末のもので、収納未済額でございますが、七千五百九十八億円という数字になってございます。
○森ゆうこ君 五月末ですね、今のは。私、これ二週間前ぐらいからお願いをしているんですけれども、五月末じゃ、今のこの金融危機、経済危機の状況は何も反映されていないと思いますよ。
 東京商工リサーチの発表では、十月の倒産が前年同月比より一三・四%増、千四百二十九件という報告がございます。民間のところがこういう調査発表していて、何できちんとできないんですか。分かっているんでしょう、数字。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 今し方も申し上げましたように、私ども、やはり五月末の数字だけでは十分ではないということから、昨年度より九月末の数字の把握もこれをして、速やかにまとまり次第、公表させていただくという扱いをしているわけでございます。
○森ゆうこ君 だから、大臣、気になりませんか、この数字、舛添大臣。今この倒産件数、もう十月の倒産は同月前年比一三・四%増、こういう状況の中で滞納事業所等が多く発生しているというのは容易に想像できると思うんです。すぐ調べろと、何で大臣、指示しないんですか。
○国務大臣(舛添要一君) どういう統計をどう取るかということはこれは基本的に決まっていることでありますし、それは今民間のリサーチの結果があれば、私は例えばそれも参考にすることは可能であるし、そして各事業所から上がってくる情報ということを大事にしてやっていきたいと思いますけれども、全体の、そのために新たに今までの仕組みを変えて、そのたびにそれだけの調査をするだけのどれだけの手間暇が掛かるか。今、年金記録問題を含めてたくさんやらないといけないことがありますので、限られた資源をどういうふうに有効活用するかということでやりたいと思います。
 ただ、委員が御指摘のように、この経済情勢が悪くなっていることに伴いまして、そういう状況が起こっていることは容易に想像できると思いますので、しかるべき対応を取りたいと思っております。
○森ゆうこ君 すぐシステムに逃げるんですけどね、こんな調査するの簡単でしょう。各社会保険事務所に現時点での滞納事業所数報告しろと言って、マニュアルで上げさせればいいだけの話じゃないですか。だから、その数字気になりませんか。
 これは、じゃどうしますか。かつては、大量に発生したときには、消された年金、遡及して標準報酬月額を改ざんするというような形で企業の倒産をある意味救ったわけですよね。さすがに現下、こういうことが問題になっていてできないと思いますよ。じゃ、どうしますか。滞納している事業所はつぶすんですか。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 私ども、やはり制度そのものをきちんと運営していくために、保険料の確実な納付というのを是非ともお願いしなければいけないわけでございますが、そういう中にあって、納付期限を過ぎましても保険料を納付していただけない事業所に対しまして、直ちに差押えをするといったような取組をするのではなくて、まずは電話あるいは文書によりまして納付の督励をさせていただいて、さらに必要に応じてその社会保険事務所職員が事業主の方と例えば面談をして、そして保険料の納付の方法について実情も聞かせていただきながら具体的に相談していく、例えば計画的な分割納付というようなことに向けて相談をしていくと。そういうようなきめ細かな対応をすることで進めていきたいというふうに思っているわけでございます。
○森ゆうこ君 舛添大臣、私は、今の状況は非常に厳しい。かつては、さかのぼって標準報酬月額の改ざんによって滞納分を処分して倒産をある意味救ったという部分もあったんですけれども、今はそれはできない。何らかの対策を講じて社会保険料負担の厳しさにより倒産することを回避すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) ある企業が倒産するかどうかは、社会保険料の負担があるから倒産すると、そういうことだけではないと思いますよ。それは、どの企業も苦しいときに様々な合理化の努力をやっている。それは人員整理、首切りということもやっているかもしれない。それから、設備に対して、これはとことん切り詰めるということをやっているかもしれない。
 ですから、社会保険料の負担があるから、それだけによってこれは倒産だということではないと思いますから、今政府が全体でやっているような様々な経済支援対策、雇用対策、そういうことを全体的によってやるべきで、今日は、もちろん今厚生年金、社会保険、その議論をしていますけれども、私はそういう広い大局的な観点からこの厳しい経済情勢に対応すべきだというふうに思っております。そうしないと、苦しい中で一生懸命いろんな切り詰めをやってきちんと社会保険料や税金を払っていただいている方々との公平ということもあると思います。
○森ゆうこ君 これは国だからその債権は、支払は待てるわけですよね、何らかの。今ある、これ二年ですか、それを少し延ばすとか、そういう施策を講じて少しでも、この債権の差押えによって倒産の引き金を引くようなことは私はやめるべきだと思いますよ。
 もう一回答えていただきたいのと、それから制度の公平性とか、厚生年金それから年金制度をきちんと運営していく観点からとか、そんなことを言える立場じゃないと思いますが、じゃ、一方でどうなんですか、厚生年金の収納率は高いけれども、いろんなことがあって高いけれども、国民年金はどうなっているんですか、国民年金の収納率は。国民年金の収納率もお答えいただきたいと思います。国民年金の収納率、徴収不能額の直近の数字及び累計額についてお答えください。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 厚生年金の適用事業所で保険料の納付がなかなか厳しい状況にあるというところに対する対応としては、先ほど申し上げたようなきめ細かな対応、分割納付等による相談対応ということを基本などにしながら対応させていただいているところであり、引き続きこれで進めていきたいと思います。
 それから、国民年金保険料の納付率の方でございますけれども、平成十四年度に国民年金保険料の現年度収納事務が市町村から国に移管されましたけれども、その後の状況としては、十七年度までは上昇してきたわけでございますが、十八年度それから十九年度と減少を続けているわけでございます。パーセンテージといたしましては、十九年度末で六三・九%という数字になってございます。
 それから、もう一つお尋ねをいただきました国民年金保険料の徴収不能額の直近の数字でございますけれども、こちらは時効によって消滅した額ということでございますが、十九年度におきましては八千二十六億円ということになってございます。
○森ゆうこ君 今累計はお答えになりませんでしたけれども、累計は〇七年度時効分で十二兆七千九百十七億円ですよ。大臣、国民年金の保険料徴収不能額は八千二十六億円ですよ、これは入ってこないんですよ。
 大臣もこの間の平成十六年の年金の改正の強行採決をされたときに既にいらっしゃいましたし、あのときの予算委員会等の議論もお聞きになっていて分かったと思いますけれども、国民年金のこの空洞化、この未納、これを放置していることがそもそも諸悪の根源なんですよ。結局、この額をそのままほかの人たちに転嫁しているわけでしょう、基礎年金の拠出というのがあるわけですから。こういうことを放置しておいて、じゃ、厚生年金はしっかり払ってもらわなきゃいけない、それは当たり前ですよ。でも、何の対策も講じないんですか、一方で。あのときに強行採決をして、毎年毎年保険料率をどんどん上げて、今年も上がりましたけれども、何の対策も講じないんですか。不公平じゃないですか、それは、余りにも。一年猶予するとか、もう一年猶予するとか、そういうことを、対策を講ずるべきだと思います。この質問についての答弁は後で結構ですから、ちょっと考えてください。
 それで、この国民年金の未納、そして空洞化というのが諸悪の根源なんですよ。でも、昨日の、何ですか、社保審の年金部会のあの結果は、肝心なところを議論してないじゃないですか。それで、国民年金の未納問題を解決する方法の一つとして社会保険方式から全額税方式への移行が挙げられておりますが、現時点での内閣の方針はいかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) まず最初のお答えは先ほどと同じで、経済情勢が厳しいときに、みんなそれは努力をして、会社もそうですし、家計もそうです。そのときに、例えば外食をしないとか食費を切り詰めるとか、いろんな節約をみんなする。そのときに公租公課、つまり税金であるとか保険料であるとか、そういうものについて、ここからまずやらないという態度でいいんだろうかと。私は、やはり一人の国民として基本的にきちんと義務を果たしていく、そして、年金というのは将来にとって大事なんで、そういうところはきちんとやっていく、こういうこともしっかり申し上げないといけないし、本当にもうそこまで行き着いた大変苦しいというときには生活保護を含め様々な救済手段があるわけですから、総合的にこの今の経済的な苦境を家計にしても企業にしても乗り切っていく、これはみんなで努力してやらないといけないというように思いますから。例えば、私は、今例えば猶予期間を延ばすとかいうことよりも前に、本当にそこまで困っている方については様々な福祉政策で対応することが先ではないかなというふうに思っております。
 そして、二番目の御質問の、これから先どういう形でこの年金制度を見直していくか、これ、まさに税方式それから保険方式、それぞれのプラス、マイナスを例えば社会保障国民会議なんかの場を使って議論をしているところでございますから、ただいま検討中というところでございます。
○森ゆうこ君 まだ検討中で何の方針も出ていない。それで、消費税の増税に麻生総理が言及をされておりますが、じゃ、少なくとも消費税の目的税化、要するに全額税方式じゃなくて、少なくとも消費税の目的税化ぐらいは方針として決まっているんですか。
○国務大臣(舛添要一君) そういうことについてもまだ明確な方針は決まっていません。
○森ゆうこ君 じゃ、何が決まっているんですか。消費税を増税して赤字の補てんに使うんですか。全く無責任じゃないですか、そんなのは。少なくとも消費税の目的税化ぐらい方針は出しているって何で答えられないんですか、ここで。
 じゃ、来年の四月一日から基礎年金の国庫負担分は二分の一に引き上げられますけれども、少なくともこの財源については大臣は確保していただいたと思いますけれども、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) この問題については、これから税制改正を含め、予算編成過程で必要な財源の確保に努力をしてまいります。
○森ゆうこ君 報道には、この基礎年金の国庫負担増分の財源に埋蔵金を充てるという報道がありますけれども、このような措置が社会保障国民会議の設置の趣旨にある将来にわたって国民に信頼される社会保障制度と言えるのか。それから、これを規定しております法律にあります、安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で国庫負担を引き上げることと、こういうふうになっているわけです。法律事項ですよ。これに合致するんでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 様々なこの財源というものを手当てをしていく、そして国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げると、これは既に決まっていることですから、そのための財源を先ほど申し上げましたようにこの予算編成過程において確保していくと、そういうことでございます。
○森ゆうこ君 今の御答弁聞きますと、大臣が先日出されたこの、何ですか、「俺の言うとおりにしないと、自民党は終わりだ」というこの論文と何か随分落差があるんですけれども、これに書いたことは覚えていらっしゃいますよね。
 結論を言えば、結論を言えば、まあこれは医療費の話ですけど、財源の多くを消費税増税で賄うことがベストだと私は思うとか、これは何でしたっけ、中央公論ですか。それで、避けては通れない財源問題とか、ここまで書いてあるんだから、公費の増加分には述べたように消費税を充てるとか、ここまで言っているんですから、年金の全額税方式への移行というようなことは決まらないとしても、少なくとも消費税の目的税化ですとか、そういうことぐらいは決められているのかなと思いました。大臣は、私は今、西郷のつもりで事に臨んでいる、すごいですね。反発は想定内のものであるというふうにまあおっしゃっているので、ここまで書いてあるんだから、少なくとも消費税の目的税化ぐらいは方針として出すようにきちんと麻生総理と話は詰めていらっしゃるんでしょうね。
○国務大臣(舛添要一君) 今、内閣の方針が決まっていますかという質問でしたから決まっていませんと答えて、あなたの個人的な考えではどういうプランですかとおっしゃられれば私は答えましたけれども、御質問が内閣の方針はということですからそういうお答えをした次第です。
○森ゆうこ君 それでは、大臣の方針はどうですか。来年四月一日から基礎年金の財源を二分の一に引き上げなければならない、これは法律事項ですが、その財源は大臣はどうするべきであると主張しますか。
○国務大臣(舛添要一君) まずは、この経済情勢で消費税を四月一日から上げるということは、私は政治的にも経済的にも不可能であるというふうに考えております。したがって、今からの税制改正、そういう中で、これは骨太の方針、私は二千二百億円を大変抵抗しましたけれども、全体の福田内閣の方針であるということでありますから、そこは、社会保障と医師の不足についてはこれはこの予算編成過程で優先的に対応するということになっておりますので、これは例えばたばこ税というような議論が出てくると思います。今党の税制改正議論が始まりましたので、そういうことを見極めた上で必要な財源を確保するように努力をするということであります。
○森ゆうこ君 麻生内閣の方針は答えられないけど自分の方針なら答えると言って、何も答えていないじゃないですか。だから、財源何にするんですか、何を財源にして基礎年金国庫負担二分の一に引き上げるんですか。麻生内閣の方針は決まっていなくても、自分の方針なら答えられるってさっきおっしゃったじゃないですか。しっかり答えてください。
○国務大臣(舛添要一君) 先ほどの御質問は消費税についてということをおっしゃったので、私は消費税については来年の四月一日からは難しいと。ただ、これは税制改正で、私が一人で決めるわけではありません。それは党の中の税調で決まるわけですから、そういう中で、今からのこの過程の中で全力を挙げてそれを確保するとしか今の段階では申し上げられないということです。
○森ゆうこ君 じゃ、私の方針も述べられないということじゃないですか。何か、さっき内閣の方針は決まっていないから言えないけど、私は西郷隆盛だから言えるというふうに期待させておいて何も答えないじゃないですか。財源どうするんですか、じゃ。じゃ、内閣として決まっていなくてもいいですから、舛添大臣は財源を何にするんですか、言っていただきたい。だって、御自分のアイデアがなければ内閣の中で議論するときにも主張できないじゃないですか。こんな威勢のいいこと書いてあるんだから、西郷隆盛って。反発を恐れずやるんでしょう。言ってくださいよ、ちゃんと。
○国務大臣(舛添要一君) それは、ですから、党との間に、党の税調、党と与党、与党と政府の間で協議をしないといけませんから、私は既に申し上げていますように、税制過程においてこれはきちんと対応していただくように要請をするということであります。
○森ゆうこ君 答えになっていません。威勢だけいいけれども、何の中身もないじゃないですか。自分のアイデアは言ってください、財源を何にするのか。まあ、全く何のアイデアも、何の主張もしてないということがよく分かりました。
 ほかにも質問があったんですけれども、時間ですので終わります。
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 蟄居とか自粛とか全然関係なく、七か月ぶりの質問でございます。
 時間が余りありません。四十五分ということですので、早速伺いたい。まず、今大変な話題になっております周産期医療についてお伺いしたい、そのように思います。
 皆さん御存じの一昨年の奈良大淀病院の事案、それから今年に入って九月、十月と、杏林大学、墨東病院というふうに続いてきたわけでございます。まずは、妊産婦死亡、これは実際今、日本はどうなのかということについてお話ししたいと思います。
 五十年ほど前、一九四〇年代ぐらいは相当な数がいて、これがだんだん減ってきました。直近では二〇〇七年、去年のデータで、妊産婦死亡、これは妊娠中あるいは出産四十二日以内ですけれども、三十五名亡くなっております。それから、妊産婦死亡率というのは出産十万当たりの数で出しますけれども、これが劇的に減ってきて、二〇〇七年、同じく二〇〇七年では三・一人ですね。つまり、出産約三万に一人亡くなると。これ世界平均で見ますと、これが死亡率でいうと、四百ですから二百五十人に一人ぐらいは亡くなるというのに比べると、そういうレベルにあるということをまず知っておいていただきたい。
 なんですが、これ実は厚生労働省の人口動態調査というところの今データを言ったんですけれども、これ、大淀病院、それから今年の二件と、これは妊娠に脳血管障害が加わっている。これが統計に全く表れないということを指摘したい。なぜかといいますと、これ、人口動態調査で妊産婦死亡の総数あるいは直接産科的死亡、間接産科的死亡、原因不明とこうあるわけですけど、脳血管障害というのは間接産科的死亡の中に入っていて、脳血管障害そのものがどれだけあったかという統計がないんですね。実は、その間接産科的死亡というのが死亡原因の中では一番多いわけです。
 一番多いのにその内容すら把握していないということなんですが、これ、死亡別統計の内容、これを改めなければいけない、まずは改めなければいけない、そういう認識があるかどうか、まずお聞かせください。
○政府参考人(村木厚子君) 先生御指摘のように、人口動態統計では、死亡診断書を記載した医師が死亡と妊娠の関係性があると判断した症例を妊産婦死亡例として集計をしておりまして、国際疾病分類に沿って死因別を分類して報告をされております。しかし、妊産婦死亡例のうち出産後の脳出血など、産科以外の疾患により死亡した症例については具体的な死因まで正確に把握されていないということは先生の御指摘のとおりでございまして、これは大きな課題であるというふうに私どもも考えております。
 現在、厚生労働科学研究におきまして、妊娠に関連する脳血管障害などの疾患を把握する仕組みについて調査研究を進めているところでございます。この研究を進めまして、妊産婦死亡の原因の詳細な把握に努めたいというふうに考えております。
○足立信也君 把握に努めて、それを統計上に表すということで理解していいですね。いいですね。
○政府参考人(村木厚子君) はい。
○足立信也君 今も一部触れられたのかもしれませんが、これ、直近の資料を御覧ください。一なんですが、今年の厚生労働省の科研費分担研究なんですけれども、妊娠関連の脳血管障害の発症に関する研究、今年の部分です。
 ざっと言いますけれども、二〇〇六年ですね、平成十八年一年間で脳血管障害を起こした妊産婦の方、百八十四名おられます。アンケート調査です。このうち十人が死亡。死亡の十人のうち七名は脳出血。表の一番上、左から行きますと、簡単に言います、初産婦は出血性が多い。経産婦は梗塞性が多い。右に行きまして、百八十四人のうち、その他を除くと百六十九になるわけですが、脳出血が三十九人、くも膜下出血が十八人、脳梗塞が二十五人。妊娠中のけいれんですね、この子癇と書いているのはけいれん、高血圧、意識障害が起きる高血圧脳症は八十二人というふうになっています。
 その下は診断までの時間です。これ、脳出血の方三十九人の診断までの時間、CTによる診断までの時間を三時間を境界として調べていると。三時間以内に診断を受けた人で死亡したのは八%、三時間以上では三六%、三時間に大きな壁があるということです。しかしながら、重い後遺症が残った人は三時間以内では七割です、七割が重い後遺症。三時間から二十四時間掛かった場合の五割よりも高いんですね。つまり、診断までの時間が短ければ予後が保たれるというわけではない。アタックの瞬間にかなりの部分が決まっているということが一つ。
 一番下は、初発症状はどんなのがあるかとちょっと認識のために言っておきますが、脳出血の初発症状、一番最初の症状ですね、一番多いのは意識障害です。くも膜下出血は頭痛です。脳梗塞は麻痺です。脳出血は言いましたように三時間を超えると死亡率が上昇すると。一番下のところを見てほしいんですが、最初にどの科にかかって、最終的にはどの科になったかというのをこう結んであるんです。これは脳血管障害ですから脳神経外科だろうと皆さんお思いになる。しかし、最初は、脳出血のところを見ても、脳外科を受診したのは一割しかいないですね。全部産科が窓口になっているということなんです。これを見ると、産科だけでこうした対応をするのは、救命はできない。ですから、脳神経外科との連携が課題として浮かび上がるわけですね。
 つまり、妊産婦にはすべて産科で対応するというような認識を改めなければいけない。特に、医政局でこういう医療提供体制や救急体制やっているわけですけれども、ここだけ雇用均等・児童家庭局のみで縦割りでやっていくと、こういうことは無理があるということなんですね。
 総合周産期母子センターの指定要件として、これは産科と小児科ですよね。例えば、脳神経外科、あるいは急に発症するわけですから心臓外科との連携、こういう面に関して、義務付けあるいは要件として入れる、こういう考えはないでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 御指摘のように、総合周産期母子医療センターの指定を受けている医療機関の中には、小児科ですとか産科が専門という病院もございます。そういう意味では、周産期医療ネットワークと救急医療体制との連携というのが非常に大事であるというふうに考えております。
 現在、十月二十七日付けの通知で、今、総合周産期母子医療センター等々の他の診療科との連携状況について調査をしているところでございます。それぞれの病院で御工夫はいただいているというような状況が調査の回答の中には得られておりますが、いずれにしましても、この調査結果をきちんと分析をしまして、他の診療科との十分な連携体制について必要な対策を行ってまいりたいというふうに考えております。
○足立信也君 僕は今、局の縦割りの話をしたわけですね。ですから、ここは大臣にお答えいただきたい。やっぱり医療提供体制それから救急医療を医政局が主体にやっているところに対して、やっぱりここの部分だけ雇用均等・児童家庭局というのは問題があると思います。それから、ほかの、経産省の話も出てきますし、いろんな省庁との関係もある。この点について、大臣、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(舛添要一君) まさに今回、周産期医療センターと救急医療の連携が必ずしもうまくいっていないというところに問題があると思いますんで、一つは、今両方の分野の先生方お集まりいただき、今この資料での代表者の国立循環器センターの池田さんにも入っていただいて、今検討していますとともに、行政の縦割り、これは私も全く委員と同じ問題意識を持っていますんで、今日ここに二名、医政局長それから今の村木局長、来ておりますけれども、この組織の在り方についても少し検討をしようということで検討を開始したところでございます。
○足立信也君 昨年、この委員会で審議しました、実は廃案になってしまいましたが、私どもが救急業務と救急医療との連携協力を強化するための救急制度改革の推進に関する法律案というのを提出しました。
 ここで私たちが言いたかったことは、救急医療体制というのは都道府県の所管、しかし救急業務は市町村の所管でやっている、ここに大きな問題がある、有機的に連携させなければいけないということですね。そのことと、救急本部の持っているメディカルコントロール、ここが非常に大事なんだと、これトリアージの面も含めて、最初の段階で。こういうことをその法案の中身、内容として提出して、議論していただいたんですが、廃案になった。
 このことと今おっしゃっている局での縦割り、これが都道府県にそのままつながっているわけですよ、縦割り行政で。このことの問題、それぞれの連携、これが必要であると。カバーする範囲と責任体制というのを合わせる、それを合わせる必要があるということが今まさに必要なんだと私は思っています。
 この延長線で、周産期医療ネットワーク、このことについてお聞きします。
 二〇〇七年、去年の一月のデータで私が持っているデータは、NICUの不足、新生児のICUですね、これが不足が十四都府県、把握していないのが十三道県、さらにNICU後方病床、後方病床の不足が二十六道県、把握していないのが十七都府県、こういう実態です。充足はわずかに四県しかない。福井県、鳥取県、宮崎県、鹿児島県でした、去年の一月。それからもうやがて二年たとうとしております。
 このNICUの充足、それからNICU後方病床の充足度はどうなっていますか。
○政府参考人(村木厚子君) 先生から御指摘をいただきましたように、二〇〇七年の一月の調査で、NICUの病床利用率が非常に高い、それから自治体によってはその状況を把握をしていないといったような数字が出てまいりました。
 こういった状況を改善をしていただくために、地域におけるNICUあるいはその後方病床等々も含めて適切な整備をしていただくために、昨年の十二月、都道府県に対しまして、長期入院児の状況などを精査した上で医療、福祉の資源の具体的活用策などを検証をするようお願いをしたところでございます。
 こういった自治体にお願いをするとともに、これをしっかり応援をする意味で、今年の四月一日から、病床過剰地域であっても特例的に整備ができる病床について、周産期医療にかかわる特例病床の範囲を拡大をいたしまして、MFICU、NICU以外の病床についても特例的に病床整備をできるようにしたということでございます。
 それからもう一つ、これも本年度からでございますが、NICU長期入院児への適切な支援を図るために、児童の心身の状態に応じた望ましい療養環境への円滑な移行等を図るためのコーディネーターの配置について予算を付けました。また、在宅支援がふさわしいお子さんもいらっしゃるということで、これに向けた試行的な取組、これを応援する予算も付けたところでございます。
 それからさらに、今、厚生労働科学研究によりまして、NICUの確保、それから重症新生児に対する療養・療育環境の拡充に関する研究を今進めていただいているところでございます。これらの研究結果も受けて、更に対策を充実をしていきたいと考えているところでございます。
○足立信也君 今都道府県に振ってその調査をしているという最初の答えで、私が聞いたのは、二年前、約二年前の、先ほどの全く不足している、それから調査もしていないということに対して約二年たとうとしている、どう変化しましたかって聞いたんですよ。どれぐらい充足してきましたかというのを聞いたわけです。その答えを。
○政府参考人(村木厚子君) 現在、都道府県にお願いして、NICU等々の病床数、今調査をしているところでございます。
○足立信也君 この委員会にそのデータを是非早く出していただきたいと、そのことを要望しておきます。
 私の認識では、ちょっとまず、ざっくりした言い方で大変申し訳ないんですけど、なぜNICUそれから後方病床が必要かという話なんですけど、五十年前に比べると高齢出産が二倍になっていますよ。それから、超早産というのも二倍になっています。一キログラム以下の超低出生体重児が三十倍になっていますよ。しかしながら、新生児の死亡は五十年前の四分の一まで減っているわけです。この状況は、取りも直さずNICUが非常にうまく活動してきたし、また足りない状況を表しているわけですね。
 私どもの協議会のネットワークでは、調査の結果ですけれども、一九九〇年に比べても超低出生体重児は一・五倍になっています、九〇年に比べても一・五倍。それから、年間およそ三万六千例がNICUを必要としている。全国でもう既に五百床足りない状況。
 これでもう一つ面白いのは、新生児病床を増やしたいという管理者は七六%いるんです。しかし、なかなか増やせない。その理由はお金がないんじゃないんですね。建設費が問題だというのは五六%であって、医師の確保に八〇%が無理だと、看護師の確保に七五%が無理だと、そういうことなんですよ。
 それから、新生児科のこれ勤務実態、同じそのネットワークの仲間からもらったんですけれども、新生児科の勤務実態言いますよ。平均当直回数が月に平日で四・二回、休日一・八回、平均睡眠時間三・九時間、当直明け通常勤務が八〇%、五九%の方が家庭を犠牲にしている、三分の二が辞めたいという実態ですね。産科医の平均勤務時間は月三百時間以上です。この状況です。
 これから恐らくこの国会中で労働基準法の改正に際して医師の日直・当直業務という話が必ず出てくると思います。これと夜間勤務の区別、これをしっかりするガイドラインが絶対に必要です。そのことをまず要望として申し上げたい。
 さてそこで、今私申し上げました実態なんですが、行政の所管の問題を別として、今連携が必要だという話を申し上げました。その一つの手段としてITがあると、コミュニケーション不足に対してはITの利用が必要だということを大臣考えられて、今週の月曜日にTBSニュースで流れました。舛添大臣は、お医者さん同士のコミュニケーションがうまくいっていない、IT技術を活用した形で両省で協力しながら国民のためになる仕事をしたいというふうに二階経産大臣に申し入れたんですね。しかしながら、二階経済産業大臣は、政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思います、忙しいだの人が足りないだのいうのは言い訳にすぎないと、こういうふうに言われているのがテレビで流れました。
 私のところには数多くの抗議文、それから今日、二階さんをとっちめてくれというようなことが来ています。具体的に言うと、周産期医療の崩壊をくい止める会、これは代表の佐藤教授ですね、福島県立医大の。それから、兵庫県立柏原病院の小児科を守る会、これはもう大臣も御存じの代表の丹生さんのところですね。彼女はどういう動きをしているかというと、子供を守ろう、お医者さんを守ろうということをスローガンにやられている。そういう方々から抗議文が届いています。それから、日本医師会、全国医師連盟、茨城県産婦人科医会等から抗議文が届いています。これは当然厚労省あるいは経産省にも届いていると思います。私のところにもメールでいっぱい来ております。
 そこで、まず事実確認です。大臣、この二階経産大臣の発言はニュースとして流れたこのとおりだったんですか。
○国務大臣(舛添要一君) 私は、もう主として情報ネットワークをどう構築するかという話をしていたんで、そういう趣旨のことをおっしゃったと思いますが、一言一句正確に覚えていませんので、ニュースでそう流れたんだったら、その言葉どおりだと思います。
○足立信也君 私は、この委員会に二階大臣の出席を求めました。経産委員会の方もやられているのでかなわないということで、文書で回答を求めました。それは、主に意図するところは何か、特に政治の立場としてはということとモラルということについてです。このことについて回答をお願いします。
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。
 今先生御指摘の去る十一月の十日に開催されました二階経済産業大臣と舛添大臣の会談、私も同席をしておりましたので、その際の大臣の発言について大臣に改めて確認をしたところを御報告を申し上げたいと思います。大臣の発言の趣旨は以下のとおりでございます。
 二階大臣の申し上げたかったことは、今回のような悲しい出来事を二度と起こしてはならず、そのために厚生労働省、経済産業省を挙げてITを活用して情報システムを構築し、導入を促進させたいということです。その際、医師の方々も忙しくて大変なのは理解できますが、両省で協力して情報システムを開発するので、医師としても専門的立場から全面的に協力してもらいたいという趣旨を述べたものです。なお、この今回の発言が医療関係の皆さんに不愉快な思いをさせたとすれば、おわび申し上げるとのことでございます。
 以上が二階大臣の発言の趣旨でございます。
○足立信也君 今要約されたのかもしれませんが、ちょっと全文ではない。実は、経産の委員会で十時からうちの増子議員が大臣に質問をしております。その要旨は私手元に今持っていますが、これは関係者の奮起を促したかったという趣旨ではないですか、そういうことを言っているんじゃないですか。
○政府参考人(近藤賢二君) 私は、今朝の委員会、経済産業委員会の増子先生の質疑があったということは伺っておりますが、その場に立ち会っておらずにこちらにおったものですから聞いておりませんので、そこの趣旨は、誠に申し訳ありませんが、私はコメントできません。
 ただ、この今の私が申し上げたところは二階大臣とも打ち合わせたところでございますし、今先生から政治の立場というところも含めての発言をいただきましたが、この政治の立場というのも大臣に改めて、大臣に何と、どういう御趣旨でおっしゃったのかということを聞いてきたところを少し申し上げさせていただきますと、大臣は、経済産業大臣としての立場に加え、長く政治にかかわってきた一政治家として、今回のような悲しい出来事を二度と起こしてはならず、そのために政府を挙げてできる限りのことを行うべきという強い気持ちで政治の立場と申し上げたと、こう大臣は言っておりますので、御報告を申し上げる次第でございます。
○足立信也君 医者のモラルの問題だというのはどういうことですか。
○政府参考人(近藤賢二君) これは繰り返しになりますけれども、大臣の発言の趣旨は、今回のような悲しい出来事を二度と起こしてはならないと、そのために厚生労働省、経済産業省を挙げてITを活用して情報システムをつくって導入を促進させていきたいと。その際、医師の方々も忙しくて大変なのは理解できるけれども、厚生労働省、経済産業省が協力して開発するので、情報システムを開発するので、医師としても専門的立場から全面的に協力をしていただきたいという趣旨を述べたものでございます。
○足立信也君 僕は文書で求めるとはっきり昨日も質問取りのとき言っていますよ、モラル、医者のモラル、モラルというのはどういうことですかと。モラルの問題だと言っているわけですよ、この件は、医者のモラルの問題だと。それに回答がないんじゃないですか、それ。
○政府参考人(近藤賢二君) これ、私は今申し上げたように、モラルの点、それから政治の立場ということについての先生の御質問でございましたので、大臣と打合せをしてまいった大臣の趣旨というところを今読み上げさせていただきましたけれども、モラルというところは今の、先ほど申し上げたとおりの繰り返しになってしまいますが、大臣はあくまでも、こういう悲しい出来事を二度と起こさないためにいろんな努力をするので、お医者さんも一緒にやろうじゃないかと、こういう趣旨だと、こういうように大臣は申しております。(発言する者あり)
○委員長(岩本司君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岩本司君) 速記を始めてください。
 ただいまの件でございますけれども、午後一時三十分に委員会を再開しますので、その冒頭に御報告いただきたいと思います。
○足立信也君 それでは、それを確認をする意味でもう一度言いますが、私がお聞きしたいのは医者のモラルというのはどういうことかと。それが原因で今回の事案が起きたというふうに答えているわけですね。モラルはどうかということと、これから大臣にもお聞きしますけど、この発言を撤回する意思があるかどうかと、その点を是非押さえておきたいと思います。
 午前中の質疑の中で、やっぱり関係者の奮起を促したかったという目的があるわけですね。これは一体どういうことか。
 例えばですよ、関東大震災が起きたらチャンスだと言った兵庫県の知事が、あの方がどういうことを言っているかというと、先ほどの柏原病院のフォーラムのところで、四十三人いた医師が二十人に減って、もうその二十人は大変な苦労をされている。そこで、やっぱりフォーラムの中で、もっと情熱に燃えた医師がという要望をしているんですね。こういうことを言っている。
 やっぱり政治家の一言は非常に重いんですよ。それが医療を崩壊させているという面もあるということ、特に今回は。このことをまず申し上げたいと、それで午後確認したいと、そのように思います。
 この点、そばで聞いておられた舛添大臣、こういう発言をされて、即座に否定あるいはこのことについてその後協議されたことはあるんですか。どういう感想を持たれたですか。
○国務大臣(舛添要一君) 私は、委員御承知のように、何とかこのいわゆる医療崩壊と言われている状況を打開していきたいということで、先ほどありました福島県立大野病院の件につきましても、それから兵庫県の柏原病院にも深くかかわっておりますので、実態をやはりきちんと見たときに、私は今正確にどういう言葉をおっしゃったかというのは、今委員がこういうふうに、テレビのニュースからお取りになりましたので、したがって、そういうことについてはやはりきちんと現場を私は掌握していただきたいというふうに思っております。
○足立信也君 今言われていますが、やっぱりそのときはそれほど問題の発言だという認識はなかったということなんですか、そのときは気付かなかったと。
○国務大臣(舛添要一君) 私自身は、ITの先端技術、私がお話ししたのは、例えば消防署を見に行っても、我々が例えば携帯電話で使っているような非常にデジタルの進んだ技術がまだない、こういうところから改めればと、非常に技術の話をずっとしておりました。そういう中で、一言一句正確に把握はしておりませんけれども、少なくともそういうことをおっしゃるのはちょっと私は言い過ぎだと今思いますね。
○足立信也君 そのときに気付かなかったという認識で、あとは更に新たなコメントなり物が届いた後に。
 これは、やはり大臣ですから、せっかく、これから言いますけれども、我々民主党の主張、それから超党派議員連盟の申入れ等、これ、厚生労働大臣、経済財政担当大臣、財務大臣にも談判しました。これはもう医師不足なんだと、そこを何とかしなければいけない。それから、舛添大臣のもちろん熱意もあって、今年、一九八二年以来続いていた閣議決定を覆したわけじゃないですか。その内閣の一員である大臣がですよ、これはもう空幕長以上に内閣の閣内不一致ですよ、この意図があるということは。この点を午後に更に伺いたいと、そのように思います。
 先ほど、政治の立場で申し上げればというのは、これは政治家としての立場だというふうに先ほど審議官おっしゃいましたよね。やっぱりそういうふうに考える方がいるということなので、これに引き続いて時間の関係で次に聞きたいことは、診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会、この件ですね。もう十六回を数えています。一年半以上やっているんでしょうか。極めて異常な検討会になっているような気がします。
 第二次試案に対する強烈な批判の中で、去年の十二月に自民党で医療安全調査委員会設置法案というものの概要を作った。そして、この一月には法案の原案ができていた。でも、三月に第三次試案を出した。四月に大綱案を出した。五月に医療安全調査委員会設置法案の改正案ももう作られている。
 これを見て、私どもも、これ一年以上続いているパブコメなんですね、無期限パブコメ。こんなこと今までありますか。膨大な反対意見が出ている。もう私ども民主党も業を煮やして法案の骨子案という形で出したわけです。私のホームページからいつでも見られるようになっています。これに対して一万人を超えるインターネットのアンケートで圧倒的に支持を民主党案というふうに、三倍、約三倍の支持が得られているわけです。しかし、この検討会で修正をしていこうとか、民主案について聞いてこれを取り入れていこうじゃないかというような発言は一切ないですね、一切ない。極めて異常な検討会だと思うんです。
 そこで、政治家の立場という話でそのまま来ているんですけれども、ここに医療紛争処理のあり方検討会、自民党のですね、座長であられる大村副大臣がいらっしゃるので、この医療安全調査委員会設置法案、私が入手しているのは五月の時点の改正案ですが、ここは、この案、やっぱり最良の案だと、これをこれから地方でいろいろ検討会をオープンにやっていくみたいですけれども、これが最良の案だという認識でやっぱりいらっしゃるんですか、先ほどのアンケート結果も踏まえて。
○副大臣(大村秀章君) 委員が御指摘ありました医療安全調査委員会のこの大綱案、三次試案の大綱案をこれを公表いたしまして、今厚生労働省におきまして、この検討会におきまして様々な御意見を今いただいているというところでございます。
 これにつきましては、今委員が言われました、ちょっと私ども認識がちょっと違っておりまして、要はこの検討会、厚労省における検討会と併せまして私ども自民党の方で医療紛争あり方検討会をやっておりまして、二年以上ずっとやってまいりました。一つ一つ議論を積み重ねてきて今回の三次試案、そして大綱案という形になったわけでございます。
 これはもう既に御案内のとおりでありますけれども、医療事故による死亡につきましては、医療関係者を中心に、原因の調査とか臨床経過の分析、評価、とにかく医療関係者を中心にして何が原因だったのかというのを、事実関係を調べていくという枠組みをつくるべきだということでございます。
 何でこういうことをやろうかと、こういうことでございますが、これはもう既に、もうこれは釈迦に説法でありますが、医療関係いろんな紛争とか事故が起きる、そういうときにいきなり警察とか司法当局の関係者が医療の現場に入っていくということが医療の萎縮を招くんではないかということから、こういった公的な調査委員会や調査機関をつくって、何が事実であったのかということを調べていくと。そのことによって、直ちに警察、司法当局が医療の現場へ入っていかない、そこのところをいったん止めるというためにはこういった枠組みが必要ではないか。ある意味で日本の司法制度を前提にした場合に、こういった形の枠組みをつくっていくということでなければなかなか難しいんではないかということで御提案をさせていただいているところでございます。
 現実に今いろんな関係の団体の皆様の、医療関係団体、そしてまた法曹関係者等々の御意見をたくさんいただいておりますけれども、そして厚労省の方でもこの検討会でたくさんいただいておりますが、私どもの認識では、医療関係団体でも多くの団体はこれに賛成をしていただいているというふうに認識をいたしております。ただ、いろんな御意見、様々な御意見がありますから、それは御意見いただいて、また更にこの内容を詰めていきたいというふうに思っております。
 したがって、試案、大綱案という形でありますが、まあ法案に近いようなものにまでは仕上がっておりますけれども、これ、何とか我々としてはこれは作りたいというふうに思っておりますので、これを更に御意見をいただいて十分議論をしていいものにしていきたいというふうに思っております。
○足立信也君 要約しますと、意見を聴く機会は設けたいが、やっぱり今ある設置法案、まあ仮称ですけど、これが最良の案というふうに考えているんだろうなというふうに私なりに要約させていただきました。
 先ほどのモラルの件なんですけど、これは大村私案というのが出されましたね、私の案ですね、私案ですね、救急医療に関して、まあこれは個人的な。
○副大臣(大村秀章君) 八月ですか。
○足立信也君 ええ。
○委員長(岩本司君) 挙手してから言ってください。
○足立信也君 それで、やっぱり医療行為についても、刑法二百十一条、業務上過失致死傷罪、これを真っ正面から議論すべきだというのが我々の提案で、それを骨子案に出しているわけですが、救命救急についてのみ情状によって刑を免ずるという思想、これはやっぱり医療事故には必ずだれかに責任があるというそのモラルに立脚している、そういう考えだと私は思いますよ。それがやっぱり根本にあるんだろうと、私はそういうふうに考えている。
 これから一般公開の形で地域説明会を開催するというふうに言われております。皮切りが九州ですか。それから、東海、北陸、近畿、東北と、ずっと予定になっているようですが、かつてのタウンミーティングのような、何も修正もしない、アリバイづくりのためだけのそういう説明会にはしないようにと、是非ともそのことを申し上げておきたい。
 ちょっと今誤解があるからここで言わせていただきたいんですが、我々は、この国は死者に対する尊厳というのがやっぱり足りないと思っています。それは、死因をしっかり究明することと、同じことを繰り返さないということなんですね。例えば、一酸化炭素中毒事件、パロマ、ありましたね。この件、これは死因究明をしっかりやっていれば次の発生は防げたはずですよ。それから、中毒やあるいは殺人のこともあります。千葉県のある市の死因、死亡診断は、首つり、縊死以外は、首つりですね、それ以外は全部急性心不全だと、そういうふうになっているわけですね。だから、我々は、これはしっかり死因を究明しなきゃいけないんだ、それが死者に対する尊厳なんだという感覚で死因究明法をまず提案したんですよ。これ、今衆議院の法務のところで継続審議になっています。
 それがあるから医療行為に関するものはまた別の考え方ができるんだと。だから、医師法二十一条は、そういうふうに整合性を持たせて明文化をするんだという考え方なわけですよ。いろいろ死因究明に対して問題があるのに、この医療行為の部分だけ取り上げてそれをやろうとするから、こういう大混乱、一年半以上もかけて、反対意見がずっと続いている中で何も変えていかないというような方向性が見えてくる。アリバイづくりにすぎないような感じになっている。そこがやっぱり問題なんだということを申し上げたい。
 大臣、会議を待たせてあるというので、必要であれば退席されても結構、副大臣ですよ、副大臣、大村さんね。
 それから、これ、さらにモラルについてちょっと伺いたいんですが、産科補償制度です、この一月からスタートしようとしている産科補償制度です。これ資料に用意しています、二枚目になりますけれども。
 私も、検討会、これのメンバー、かなり親しい方がいらっしゃるので内容について聞いたわけですけれども、これは、制度設計は検討会でやられたわけですね。その制度設計を行う際の議論でも、これ今大変な問題になっているというのは、余剰金をどうするかという話なんですけれども、余剰金が発生すれば、それは救済金の引上げや、当初案では、救済の対象とならないような、これは脳性麻痺の子供は通常の分娩の脳性麻痺というふうになっていますからね、これを対象を広げるとか、あるいは救済枠の拡大ですね、こういうことを議論されていたわけです。されていたんだけれども、極めて不十分な救済金額や限定的救済対象と、こういうふうになってきた。その原因は一体どこにあるんだと。
 ちょっと言いますけれども、その原因は一体どこにあるということで、今資料が、これが平成十八年十一月二十九日の自由民主党の政務調査会、これ医療紛争処理のあり方検討会の中で、この枠組みですね、先ほどの検討会の、組織をつくる、システムをつくる検討会のメンバーの意見ですよ、この枠組みの中で私たちは考えざるを得なかった、だから極めて不十分なものしかできなかったというのを私は聞いている。
 この二枚目、制度の運営主体、日本医師会との連携の下、運営組織を設置する。四番、医療機関や助産所が運営組織を通じて保険会社に保険料を支払う。つまり、民間保険ということですね。補償の対象は、補償の対象は、通常の妊娠、分娩にもかかわらず脳性麻痺となった場合とする、もう限定されているわけですよ。そして、次のページへ行きますが、過失が認められた場合には医師賠償責任保険等に求償すると。こういう枠組みの中で検討会で検討してもらったと、そういうことなんですよね。
 これで今何が問題になっているか。まず、一人当たり三千万円になるわけですけれども、年間、対象となる障害の一級、二級、約五百人から八百人と言われていますよね。それに対して分娩は百万超えるわけですから、三万円を集めると三百億になると。しかしながら、一人当たり三千万円の補償ということになると、五百人と仮定した場合は百五十億、百五十億余剰金が出る。それは全部保険会社がそのまま持っているという事態の問題。それから、損害賠償が、その後民事訴訟で損害賠償になった場合、補償金額は保険会社にそのまま払って、残りが訴えた側に入ると、そういう仕組み。さらに、原因分析の第三者委員会が重大な過失ありとした場合は補償金は返還と、こういうふうになっているわけですね。そういった問題がある。
 無過失補償制度、これは産科補償制度になっていますが、海外でスウェーデン、デンマーク、ニュージーランド、フランス、ありますけれども、国営あるいは公共企業体がすべて運営している。まず、公的保険とする選択肢はあったのか、この点について聞きたいと思います。海外はすべて公的である。
○政府参考人(外口崇君) 産科医療補償制度でございますけれども、この創設に当たりましては、脳性麻痺が一定の確率で不可避的に生じるものでありますことから保険の仕組みがなじむものである一方で、患者さんの救済や紛争の早期解決に資するものとして早急な立ち上げを図る必要があることから、ノウハウを有する民間の損害保険を活用する制度として創設することとしたものでございます。
○足立信也君 早急にと言いますが、しかし公的医療保険で国民皆保険のこの国にあって、不幸な結果が訪れた方あるいは障害を負った方等に対する補償制度というものがこれは民間保険だと、しかもそこには保険料とそれから補償の間に相当な差額があるだろうということに今なっているわけですよ。私は、やっぱり国民皆保険、公的医療保険を守るためには、これは公的であるべきだ、それは海外にならってもいいんではないかと、そのように思っています。ここがまず問題であろうと。
 ちょっと委員長にお聞きしたいんですが、午後やるケースで、私はその発言に対して質疑する時間はあるんでしょうか。
○委員長(岩本司君) 今のところそれは考えておりませんが、休憩後にその件は各理事で協議していただきます。
○足立信也君 それでは、ちょっと時間を残しておきたいと思いますので、午前中といいますか、この時間の質疑はここでいったん終わりたいと思います。
○委員長(岩本司君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(岩本司君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 この際、経済産業大臣の発言に関する件について、政府参考人の報告を求めます。経済産業省近藤商務情報政策局長。
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。
 午前中のところ、大臣と打合せをしてまいりました。読み上げさせていただきます。
 私の発言の趣旨は、あくまでも、今回のような悲しい出来事を二度と起こしてはならない、そのためには、厚生労働省、経済産業省を挙げてIT技術などを活用して情報システムを構築するので、医師の方々に専門的立場から全面的に協力していただきたいということであります。
 私の発言が医療に携わる皆様に誤解を与えたことをおわび申し上げ、発言を撤回いたします。
 以上でございます。
○委員長(岩本司君) 質疑のある方は順次御発言願います。
○古川俊治君 これから質問させていただきます。経産委員会から移りまして、厚労委員会、止まったりすることがあるのでどうもタイミングがつかみ難いと。初めての経験でございます。
 初めに……(発言する者あり)申し訳ない、今、これを配るのも冒頭でいいかという質問を受けていたので、申し訳ありません。
 十月四日に脳出血を起こした東京都内の妊婦が都立墨東病院を含めて八病院に受入れを断られて結局死亡したという事故が起こりました。大臣はこの際、現地の病院を視察したり、あるいは受入れを断ったとされている八病院、こちらの事情聴取を行ったということですね。
 一昨日のごあいさつの中で、本件事案を教訓として、救急患者を確実に受け入れられる体制づくり、病院勤務医の過重労働の改善など諸般の対策を実効性ある形で具体化していくとごあいさつをいただきました。今回の事件で一体どのような教訓を得られたのか、説明していただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これまで安心と希望の医療ビジョンでどういうふうにして医療体制を再構築するかということをるる検討し、提言を申し上げて、今、補正予算を含めて来年度予算にもそれを反映させる形でやってきておりました。しかしながら、大変痛ましい事故が、しかもこの首都の東京で起こったということで、私も大変ショックでありましたので、直ちに墨東病院に参りましたし、江戸川の医師会に参りました。
 墨東病院において、先ほど足立委員の御指摘にもありましたように、NICU、実は十五ユニットありますけれども、看護師の不足で十二ユニットしか稼働しておりません。こういうところに対して、医師不足、看護師のこの、休眠状態にある看護師さんもおられますし御自分の出産や育児でお休みになっている方々もおられます、こういうこと、人的な資源をいかに早く集めるかということで、例えば女性の医師、女性の看護師については院内保育所の更なる設置、それからしばらくお休みになっていた方に対する研修をして、とにかく医療サービス提供者の方を増やしていく、医師不足の対策をしないといけないと。
 それから、救急医療と産科医療のこの連携ということ、これも足立委員が御指摘のとおりでありまして、恐らく足の骨を折ったという妊産婦がおられれば外科に行くでしょうけれども、脳出血の場合は妊娠から、まあ古川医師に対して釈迦に説法ですけれども、妊娠から伴うものなのか、そうじゃないのかということは極めて不明だということで、とにかくそういう場合は産科ということはほぼ行くようになっている。しかし、これはまず救急の対応ができないか。墨東病院も一時間後に搬送されてきたときにはすぐ救急対応ができたということでありますんで、この両方の連携ということを更にやっていきたいというふうに思いまして、これに関しては周産期医療と救急医療の専門家による検討会を設け、十二月を目途にきちんとした成果を出したいと思っています。
 それから、情報の伝達システム、現在オペをやっているお医者さんが一々情報を新しくするわけにいきません。したがって、最新技術を活用して、これは経済産業省にも協力していただいて情報伝達システムをしっかりやる。
 それからもう一つは、江戸川の医師会、実は六月にも訪れて、今回また残念ながら二度行かざるを得なくなったんですけれども、二次救急までについては相当なネットワーク体制が取れていたんですけれども、実は三次の墨東病院がこういう状況であるというところまで私は十分把握できておりませんでしたので、全国の総合周産期母子センターがどういう状況にあるか、今、十月二十七日に通達を発出させて調査をしているところであります。
 いずれにしましても、二度とこういうことが起こらないように全力を挙げて、国も、都を始めとする自治体も、そして現場の医師会の皆さんとも協力しながら、全力を挙げて二度とこういうことが起こらないように努力をしてまいりたいと思っております。
○古川俊治君 大臣、今のお答え、よく本質をお分かりだと思ったんですけれども、今回の事案は児はやはり娩出に至っているんです、安全に。それで、問題なのは、これ脳出血なんですよ。ですから、事案としては脳出血の患者さんに対する救急医療の問題というふうにとらえた方がこの事案の本質には医学的に正しいわけですね。そうすると、先ほど大臣おっしゃったように、これ周産期の問題ではあるんですが、救急医療、特に三次救急、この機能を兼ね備えたところがないと、今回のような患者さんの対応にはならないわけですね。
 現在の総合周産期母子医療センターあるいは地域周産期母子医療センターの中で、この三次救急、救命救急センターの役割も兼ねたところというのはどれだけあるんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) お答え申し上げます。
 本年十一月一日現在の数字でございます。全国の総合周産期医療センター七十五施設のうち、救命救急センターの指定を受けている医療機関は五十三施設でございます。また、地域周産期母子医療センターにつきましては、二百三十七施設のうち七十七施設でございます。
○古川俊治君 ありがとうございます。
 それだけの数しかないということですから、そういった医療機関じゃないと今回のような症例は実を言うと救命できないということになりますね。
 特に、後で、娩出した後、脳神経の方の手術もしっかり墨東病院で行われているんですね。これ、仮に一時間あの脳外科の手術が早く行われたとしても、この患者さんを救命することは非常に困難であったろうと考えられるような、先ほど足立委員のデータにもありましたけれども、最初のアタックでかなり決まってしまうということですから、そうすると実際はそういう非常に難しいケースであった。そして、不幸なことに、この初発症状が下痢や嘔吐といった消化器症状が強かったんですね。それなので、慶応病院なんかでも感染症を疑いまして、そういった個室がないということでもうお断りせざるを得なかったという事情があって、ある意味では非常にまれな、悪いことが重なってしまったようなケースというふうに考えているんですけれども。
 本件をもちまして厚労省の方でもお考えをいただきまして、近隣の救命救急医療を兼ね備えたところと連携を取るというような一つ対策を御発表いただいていますけれども、その場合、今まで、例えば千葉県のデータなんかですと、どうしても地域の周産期母子医療センターに担ぎ込まれるといわゆる両方を兼ね備えてない場合が多いと考えられるんですね。そうすると、やはり院内の一つの機能では果たせなくて、地域の近隣のものと共同しないとこういった患者さんの救命ができないということになるんですね。
 ところが、実際のことで申し上げると、こういった状況の不安定な患者さんに対して帝王切開する場合は必ず全身麻酔が必要です。そうすると、全身麻酔をして、いざその患者さんが脳出血を起こしているのにほかの病院に運べるかというと、不可能なわけですよ。そうすると、これは近隣のところとネットワークを幾らつくったって実際対応できないんじゃないか、その点についてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 周産期医療につきましては、母体と胎児を同時に扱うといった特殊性を主体に医療提供体制を構築してきたところであります。しかしながら、今回のような妊産婦による脳血管障害の事案に対応するためには、周産期医療と救急医療とが連携を図ることが重要と考えております。現在、周産期医療や救急医療の専門家等から成る懇談会において、周産期医療と救急医療の確保と連携の在り方について議論をしております。十二月を目途に強化のための方策について取りまとめる予定であります。
 今後、脳出血などを発症した産科救急患者についても、これは委員御指摘のように地域の実情あると思います、こういった地域の実情を踏まえた体制がいかに整備できるか、こういったことを充実するべく施策を進めてまいりたいと考えております。
○古川俊治君 先ほどの足立委員のデータにもありましたけれども、脳出血というのは実は今妊産婦死亡のかなりの割合を占めるようになってきた、ほかで亡くならなくなったのでこれが残ってしまうというようなことでそれも上がってきたんですけれども。ですから、今回のようなものを救命するという本当に実質的観点からは、近隣の医療機関と提携を結ぶというようなことよりも、情報伝達でしかるべきところにこういった患者さんが行く、そういうシステムの方が私は重要だと思うんですね。
 ですから、初期の段階で、今回の場合も下痢や嘔吐はあったんですが、頭痛も出ていたんですよ。ですから、こういうところで脳出血の可能性を疑って、そういった両方の機能を兼ね備えたところで速やかに入れるというようなことをお考えをいただいた方が実際は救命の可能性が高いんだろうと考えておりますので、是非御検討をいただきたいと思います。
 今回の事案でも感染症の疑いがあるからうちは取れないよというふうに言った病院があるわけですけれども、医師法の十九条の一項に、診療に従事する医師は、診療治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならないと、いわゆる応招義務の規定が置かれているわけですね。実を申し上げますと、これについて現場では非常に明確な規定がない。
 リーディングケースとして、これは地方裁判所の昭和六十一年の判例でございますが、診療拒否の正当な事由とは、原則として医師の不在、病気などにより事実上診療が不可能な場合を指し、ベッド満床が正当な事由となるかどうかは、患者の状況、医療機関の人的、物的能力、代替医療機関の有無などの具体的状況によるというふうに判断されまして、この事案は小児ぜんそくの事案でございましたけれども、三百床あった、ところが満床であった。そういう病院では、近くになかったから、仮に満床でも外来で手当てをしなきゃいけないということで有責というふうになっているんですね。これは民事裁判ですけれども。
 同様に、似たような裁判ですが、平成四年の六月三十日、これは神戸地方裁判所の例ですけれども、これは市立の救命救急センターだったんですけれども、これは肺挫傷、気管支破裂の患者さんの受入れを、脳外科医と整形外科医の当直はあった、オンコール体制はあったんですけれども、肺外科医がいないということでこれは無理だと、専門医がいないということで断った。ところが、オンコール体制もあって、ほかに医者がいなかったんだから、専門医がいないということも理由にならないと。結局、ベッドが満床ですということも理由にならないし、専門医がいないということも理由にならないと判断されたんですね。
 こういったものが後付けに出てくるという状況で、明確などうしたらいいのかという指針が現場にないわけですよ。この点について何らかの形で指針でも私は作っていただけると現場も混乱しないで、受入れをしなきゃいけない、あるいはしなくていいんだということがはっきりしますから、その方がずっといいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の十九条第一項のこの正当な事由のところでございますけれども、現在お示ししております通知は、個別具体的な事案において、社会通念上健全と認められる道徳的な判断によるべきであるとの基本的な考え方と一定の事例をお示ししているところであります。
 御指摘の、より明確な規定という御指摘でございますけれども、この規定は、医師の職務の公共性を踏まえた倫理的な規定であることや、明確な場合を除けば、諸事情を勘案した総合的な判断をせざるを得ないことということもございます。そして、今いろいろ御意見いただいておりますけれども、先生のように細かく規定した方が現場は混乱しないであろうという意見もある一方で、仮に細かく規定し過ぎると、今度、これが現場にプラスなのかマイナスなのかといった御意見もいただいておるところでございますので、この辺についてはなかなか難しい問題を抱えていると考えております。
○古川俊治君 少なくとも、何にもない、社会通念上判断してくれというよりも、よるべき考え方があった方が私はずっとすっきりすると思います。今までもそういった考え方をそちらで示した場合が非常に多いわけですから、これについても是非お願いをしたいと。
 例えば、救急医療の私問題としていつも思うのは、夜間救急を私もずっとやっていましたけれども、昼間病院に来られないからと来る患者さんがいるんですね。それを拒否していいのかどうか。まず、それをちょっと伺ってみたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の夜間救急の事例でございますけれども、救急、緊急性のない患者さんということが前提となるかもしれませんけれども、こういった場合においても、患者さん側の状況もありますし、それから医療機関の受入れ体制、例えば重症患者さんに対応中でなお近隣の医療機関がある場合とか、様々な場合があると思いますので、なかなか一概に判断するのはこれは難しいんではないかと考えております。総合的な判断が必要だと考えております。
○古川俊治君 それでは全く、残念ながら具体的にどうしたらいいかということは分からないわけですよね、そういう場合も。
 もう一つ、明らかに例えば支払能力はあるのに払っていただけないという、払わないでずっと、自分の負担分ですね、患者さんがいらっしゃって、そういう人が度々かかるということがあるわけですね。これは取り立てればいいんですが、そういったことをやる時間もないし、今マンパワーもない。なかなか支払っていただけない自己負担分というのが実を言うと病院の経営の圧迫になっているというデータもあるわけですね。
 そういった中で、もう明らかにこの人はまたお払いいただけないんだろうということが分かるような方、こういった方もやはり受け入れなきゃいけないのか、病院は。この点についてもお教えいただきたい。例えばどういう場合だったらじゃお断りしてもいいのか、そういうことを具体的にちょっと教えていただきたい。やっぱり分からないです、今。局長にああいうふうに言われたといって、現場においてどう判断したらいいのか分からないです。
○政府参考人(外口崇君) まず最初に、例示として挙げられました不払の場合でございますけれども、これは何が正当な事由であるか、それぞれ具体的な場合において社会通念上健全と認められる道徳的な判断によるべきであるとの前提でありますけれども、医業報酬が不払であっても直ちにこれを理由として診療を拒むことはできないという考え方は、これは昭和二十四年から示しておるところでございます。
 いずれにいたしましても、具体的な基準というお話ございますけれども、医師法十九条に違反するか否かは、患者さんの容体や医療機関の受入れ体制等の諸事情を考慮して判断する必要があると考えております。
○古川俊治君 残念なんですけれども、できるだけ、じゃほかも、解釈の基準は検討会つくってやっていただければ済む話ですから、十九条一項についても是非是非これはお願いしたいと。今の救急医療の混乱というものを是非正視しまして、必要なことをやっていただきたいというように考えております。
 この救急医療の問題は、実を言うと病院勤務医の過重労働というのが根元にある問題でございまして、それには大きく、やはり診療報酬の抑制、それから医療安全の対応、それともう一つが臨床研修医制度というような三つの要素が私は非常に重要だろうと。複合的と局長いつもおっしゃいますけれども、複合的といってもその三つが主因だというのはかなり一致した意見なんですね。診療報酬についてはなかなか厚労省だけでは対応が難しかろうと思っています。ただ、残りの二つの問題に順次伺いたいんですけれども、最初に医療安全について伺いたいと思います。
 医療事故というのは、一九九九年に有名になってしまった、悪名高きというか、横浜市立医大の患者さんの取り違え事故、あるいは都立広尾病院における薬剤の取り違え事故、これを契機に大きな社会問題として取り上げられまして、その後、厚労省も検討会をつくって、そこで、実を言うと学会も一生懸命やってきた、それから民間病院もかなり一生懸命、医療安全ということで頑張ってきたんですね。
 それで、例えばインシデント・アクシデント・レポート・システムというんですか、あれを中心としまして、あるいは標準手続書を作らなきゃいけないと。マニュアル作れと言うからマニュアルも作ったんですよ。で、院内安全管理委員会というものを定期的にやりまして、医師も強制的に、出席を取られながら、研修会に出ろ、定期的な研修会をやって、それに出ているんですね。そういうことをずうっと延々とやってきました。
 その後、平成十六年ぐらいだったと記憶していますけれども、日本医療機能評価機構の中に、事故報告制度とかヒヤリ・ハットの集計事業をつくって、全国的にもかなりの努力をしてきたわけですね。
 そこで伺いたいんですけれども、厚生労働省のお考え、この医療事故は果たして減っているんでしょうか、まずそれについて伺いたい。もうここに来て、九九年から始まっていますので約十年がたったわけですけれども、いかがなんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 医療事故は減少しているかということでございますが、平成十六年十月から、医療法に基づきまして、特定機能病院等二百七十三病院において報告が義務付けられております。その報告数は、平成十七年千百十四件、十八年が千二百九十六件、平成十九年が千二百六十六件でございます。
 ただ、この報告数は、これは二百七十三病院という限られた医療機関からの報告でありますし、また安全意識の高まりにより、これまで報告されなかったものも報告されることによるという増加の要素もあると思います。また、医療安全の向上による事故の減少というファクターもございます。
 こういった様々な要素が考えられますので、今現時点で医療事故全体が減少しているかどうかについては、残念ながら今具体的なデータをこれ以上持ち合わせておりません。
○古川俊治君 恐らく、今のは日本医療機能評価機構の事故報告の方だと思うんですね。
 ただ、これは、報告するかどうかというのも、そのときの病院内のやり方も全然違いますし、各医療機関ばらばらです。例えば、ヒヤリ・ハットなんかになると、もうこれゼロという病院からすごく大きく出している病院まであるというのはよく報告されていることで、そういうのに任せて、それで増えているか減っているかということを勘案する方が私はおかしいと思っています。
 今まで長い間やってきて、一つが、新聞報道なんかも全然減ってないと。それから、裁判の数も大きくは減ってないんですね、全然。それはずうっと増えてきていて、ここに来て頭打ちになっていますけど、ただ、これは訴訟外の和解がどの程度あるのかというデータはありませんので、紛争となっているのがどのぐらいあるかは分からない。
 実際上、実を言うと、これ医療事故は減っているというエビデンスはないですよ。少なくとも二〇〇三年の十二月の時点では、厚生労働省が大臣の緊急アピールを出しまして、医療事故は減っていないと、もっと一生懸命やらなきゃいけない、今までも努力してきたけど、もっと一生懸命やらなきゃいけないという声明を出しているんですね。だから、実際のことを言うと医療事故を減らしたという科学的な根拠がないわけですよ。
 今十年たちました。じゃ、一体どうやってこれから医療安全を進めていくおつもりなのか、その点について伺いたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 医療安全の確保につきましては、国民の関心も高く、医療政策における重要な課題であると思います。
 このため、現在、すべての医療機関に対して、例を挙げれば院内感染対策のための体制の確保、医薬品、医療機器にかかわる安全管理のための体制の確保等を義務付けております。
 例えば、院内感染に関しては、これは厚生労働科学研究によりまして、科学的根拠に基づく対策を医療機関における院内感染対策マニュアル作成のための手引として取りまとめ、これに基づいて院内感染対策の指針を作成するよう指導しているところでございます。
 こういった取組を通じて、医療安全対策を進めていきたいと考えております。
○古川俊治君 そういった姿勢も、やっぱり今はエビデンス・ベースド・メディシンの時代ですから、はっきり言って、それをやったからこれだけ良くなったという検証しないと全く意味がないと思うんですね。
 正直言って、今まで厚生労働省のやってきたことは、かなり外国のことなんかの事例を参考にしながら、審議会なんかもそうやっていますからやってきたんですけれども、実際のことを言うと、アメリカでは一九五〇年ごろからこの医療安全対策というのはずっと言われてきた、リスクマネジメントをやってきたんですね。ところが、御存じのように、二〇〇〇年の報告では、ほとんどがもう良くなっていないと、死因の第八位が医療事故であったと報告されているんですね。
 それから日本でも、はっきり言って十年間やってきて医療事故は本当に減ったかというと、非常に疑わしいところがあるんですね。正直言って、今のインシデント・アクシデント・レポートを通じたような制度、医院内でやっていることは、もう医療事故を減らしているという実証もないし、少なくともああいった報告をしていればいいとか、事案を集めて分類してやっていればいいというような、もうマンネリ化しています。それを、例えば事故情報を医療機能評価機構に上げたからといって、あそこから出てくる情報がどれほど役立っているかと。僕もいつも読んでいますよ。だけど、ほとんど具体的に現場にフィードバックされているかというと、そんなことないですよ。今の同じことを幾ら頑張って続けても、私はもう限界に来ているというように感じるんですね。
 今までのこのインシデント・レポート・システムを含めたいろんな院内のこの安全対策、これのうちで唯一科学的にエビデンスがあるのは、これはコンピューターによる、つまりオーダリングシステムによる薬剤投与事故ですよ。あれは減らせるんですね。
 でも、私の思うところ、そろそろ人のミスというものを人の管理でやっていくというのは無理なんじゃないか、人の認識とかを使ってやっていくのは。やっぱりこういったITの力というのを利用しながら、ある意味でシステムの方で人間の外のところで変えていくというようなことをしないと、医療事故対策というのもこれ以上労力を掛けても非常に難しいだろうと思っております。
 ただ、もう一つ言えるのは、これはよくアメリカの研究室とも意見が合うんですが、本当に問題なのは、末端の現場というか本当の臨床現場で安全の文化というものがなかなか浸透していないという現状なんですね。これはなぜかというと、現場の中に動機がないんですよ、ほとんど、やっていくということに。自分の給料は変わりません。医療安全をやると業務が増えます。一々一々やれば、インシデントレポートを出せば、いろいろ言われますし、その時間もないんですね。正直言って私もいろんな病院から全国的に医療安全の講習会なんかに呼ばれてやりますけれども、多くの方々は寝ていらっしゃいますよ、疲れているから。当たり前のことなんですよ。それが現状なんですね。
 やっぱり医療従事者が本当にやる気になる、今のはもう過重なだけですよ、やらされていて、あれじゃ広がるわけがないんですね、これにはやはり相応のコストを考えていただかないといけないと思います。ただやれやれと言っても、それに対してお金を支払っていただけないという現状で、やっぱりプラスの、ここをやったらそのぐらいの費用が必要だからやっていただくというようなことで必要な財源を確保して進めていただきたい。これがまず第一の私は基本的な転換点だろうというように考えております。
 それで、続きまして、診療行為に係る死因究明制度の問題に移らせていただきますけれども、こちらに関しても、大臣は一昨日、医療リスクに対応できる支援体制の整備を図っていくというごあいさつをいただきました。先ほどの足立委員の質問ともかぶるんですけれども、今後、この法案をどのように扱っていくおつもりなのか、この点について御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 厚生労働省としては、医療の安全の確保の観点から医療死亡事故の原因究明、再発防止を図る仕組みを設ける必要があると考えており、御案内のような第三次試案及び大綱案を公表しております。
 この第三次試案、大綱案に対しまして、患者さん、あるいは御遺族の立場から早期の設立を望む意見が寄せられており、また一方で、医療関係者の一部からは、この刑事手続との関係等に関してまた様々な御懸念が寄せられているところであります。これらにつきまして、厚生労働省に設置した検討会の場で関係者の方々からのヒアリングを行い、御議論をいただいております。また、地方においても一般公開の説明会を順次開催する予定としており、広く御議論をいただきたいと考えております。
○古川俊治君 厚生労働省の大綱案に寄せられた意見に対して、じゃ、十月の時点での御省の考えというものが発表されていますけれども、その中で、委員会への通知がなければ警察は捜査しない、着手しないとする仕組みとしろという意見があると。これに対して、地方委員会からの通知がなければ警察は捜査に着手しないとすることは、患者遺族の告訴に関する権利を奪うことになるとともに、医療安全調査委員会が医療事故死等にかかわる責任追及を行う役割をも担うこととなり、医療事故死等についてその原因を追求し再発防止を図るという医療安全委員会の本来の趣旨にそぐわないものと考えていますというふうにされているんですね。
 この点お考えいただきたいんですが、通知がなければ警察は捜査に着手しない仕組みではなくて、この委員会の意見聴取を刑事事件として起訴する場合の必要的手続としていただけると、こうすると厚生省の言っているような心配はなくなるわけですね。この点についてどうお考えになるか。これも一つの意見として、必要的手続とすれば告訴の場合もその意見を聴いていただけると。で、最後の起訴するかどうかの判断はもう検察側の御自由にやっていただくというようなシステムはいかがかというふうに考えているんですが、御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 厚生労働省としての考え方は、医療安全調査委員会からの通知を踏まえて捜査機関が対応するという、こういう委員会の専門的な調査を尊重する仕組みを構築することを提案しているところであります。
 議員御提案のような意見聴取の仕組み、これを前提とした場合でございますけれども、こういった場合でもこの医療安全調査委員会の専門的判断を検察当局が尊重する仕組みについてへの検討を行うことが必要ではないかと考えております。
○古川俊治君 しかし、それは強制するといけないというのが先ほど言っていました厚生労働省のお考えだということだから、そういう提案をさせていただいているんですけれども。もしそれができるんであれば、告訴の場合も専門的な意見が入るということが明確にされますから、私、弁護士ですけれども、仮にこの委員会と違った裁量でもって検察側が起訴した場合には、それを刑事裁判で使えるんですね、そういった事実を。それは非常に有り難いですね。現在のところの状況におきますと、告訴がこの委員会の判断を用いないで実際に検察が動くという道がずっと残されていますから、それである限りは、やはりどうしても医師の方は納得はしないというように考えております。是非お考えいただきたいと思います。
 それから、第三次試案の時点では、届出義務違反については処罰をしないということに、直接刑事罰が適用される仕組みはない。正確に申し上げますと、「このように、届出義務違反については、医師法第二十一条のように直接刑事罰が適用される仕組みではない。」というふうに書いてあったんですね。ところが、現在の大綱案の中では、実を申し上げますと、届出義務違反が刑事罰が適用されるようになっています。
 この今出ている御意見の中に、実を言うと、医師法二十一条については診療行為に関連した死亡については届出対象から除くべきであるという意見があるそうですね。私は、九九年以来この問題、法的にもあるいは臨床的にもずうっと深くかかわってきまして、皆さんのように三年でいなくなっちゃうという立場じゃなかったので、ずっとこれ体験してきたと、この問題を。それですけれども、こちらの、実を言うと、この点については大綱案は良くないと思っています。是非、これ診療行為全体を行政処分の対象にすると、刑事罰を科さないというシステムにしないとまずいと。これ、まず、大綱案、第三次試案まで約束していただくことと、大綱案が違っているという点ですね。
 今のままでいきますと、法的に考えてみましても、病院の管理者である勤務医が委員会に届けなかった場合は刑事罰なんですね。ところが、勤務医が本人ではない場合の管理者、聞いた管理者が届けないとこれは行政処分であるという不均衡がある。同じ管理者なのになぜ違った制裁なんだということですね。
 それから、自分がやってしまったような医療事故を警察に届けるというのは、これは裁判例はあるものの、黙秘権の保障ということから関すると法的にはそれに支障があると、抵抗感がある問題なんですね。ところが、本人ではない管理者、知らせを聞いた管理者が届けることというのは、全然こういった障害がないんですよ。法益から考えても、管理者が届け出なかった場合だって公共的な届出義務の意義というのは果たせませんから、そういった意味でも同じなんですね。そうすると、この行政処分とやはり刑事罰の適用が変わってくるというのは、法の趣旨からいっても非常に不明確であっておかしいと思っている。
 私は、そういうことから是非これを取り入れて、診療行為全体をただし書にするという位置付けにしていただきたいんですけれども、これはどうでしょうか。お考えを聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 管理者の場合と、それからそうでない場合との不均衡ではないかという御指摘でありますけれども、管理者の場合には、勤務医における管理者のように報告する相手が存在しないために直接委員会に医療事故死等を届け出ることを義務付けておりまして、この義務に違反した場合は行政処分の対象となります。
 ただ、自ら検案した管理者については、管理者であると同時に医師法二十一条の検案した医師にも当たるために、医師法二十一条の届出義務が生じると考えております。したがって、医療事故死等であると認めたにもかかわらず委員会及び警察のいずれにも届出を行わなかった場合には、医師法第二十一条違反となる可能性があるわけでございます。
 なお、医療の安全の確保を図るという目的にかんがみれば、この医療事故死等については適切に届け出される必要があり、管理者の責務として適切かつ公平に担保措置を設けることが必要であると考えております。
 いずれにいたしましても、この制度の適切な履行を担保するための措置の在り方については引き続き検討してまいりたいと思います。
○古川俊治君 それは全然私の質問の答えになっていないんですよ。言っているように、それは二十一条がそういうただし書にした場合の話を言っているのであって、私の提案を取り入れた場合は違ったことになるわけですね、それを前提にしていると前も言いましたけれども。
 これ、この提案、提案というか意見が、診療行為全体を、死亡については届出対象から除くべきだという意見に対しては厚生労働省は、医師法二十一条に定める医師の届出義務については、診療中の患者であったか否かは問わないものであることが都立広尾病院の事件判決において示されていると書いてあるんですね、だからそうするんだというそれだけのお答えなんですけれども、それは前提です、この問題の。
 この最高裁判決がそう言っているからこそただし書を付けなきゃいけないというのが問題なんですよ。この判決が、いや医療行為なんか届けなくていいんだよと言っていれば、今の厚労省のやっている届出義務要らないんですよ、全然、そんなの問題にならないから。まず、その問題の前提と問題の回答を取り違えているんですね。これは非常にもうやる気のない姿勢というか不誠実で、これは医療界反発しますよ、当然。何考えているんだって。これ趣旨が違うからという御説明いただきたいんですよね、ちゃんと。なぜ診療行為全体を外すのがいけないのかと。これ答えになっていないです、まず。
 趣旨がどうかと考えると、法的に言っても医療的に言っても、ないんですよ理由がほとんど。ですから、私はどう考えてもそっちの方がいいと申し上げているんであって、これもう一度よくよくお考えいただかないと、今のでは全然回答になっていないというのを申し上げさせていただきたいと思います。
 じゃ、もう一つ伺いますけれども、この問題と関連して、福島県の大野病院の事件というのがありましたね。これは、どうして今度の新制度を作ればこういったことが再発しないのかということを伺いましたところ、こういうのが今度あった場合には、これが第三者委員会に届け出られて、そこでこういったものは大きな過失がないという事案に当たるので刑事罰にはならないというようなことで、こういったことは合理的に解決されるようになるという御説明をいただいたと思うんですね。私もそう記憶していますし、多くの先生もそう考えていると思います。
 では、仮にこの新制度、御省の言うようなものができたといたしまして、そこで今回の大野病院の事故が起こったとしたら、これは届出義務の対象になるんでしょうか。これ医師が届出をここのところ怠ったという場合はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 大綱案においては、届出の対象となるかについては個々の状況に応じて個別に医師が判断するものでありますが、届出範囲に該当すると判断したにもかかわらず故意に管理者に対する報告を怠った場合は刑事罰に問われる可能性があるわけでございます。制度の適切な運用を行うという観点から、医師が検案した時点において届出範囲に該当すると判断した場合には適切に管理者への報告を行っていただくことが必要であると考えております。
 大野病院の事件の件について、これは地裁の判決の中の判断では、癒着胎盤という疾病を原因とする、過失なき診療行為をもってしても避けられなかった結果と言わざるを得ないから、本件が医師法二十一条に言う異状がある場合に該当すると言うことはできないという判断が出ているわけでございます。
 なお、新制度下におきまして個別の事案が届出範囲に該当するかどうかの基準、いわゆるガイドラインについては、今後引き続き検討してまいりたいと考えております。
○古川俊治君 確認しておきたいんですが、故意犯なんですね、この二十一条は。故意ということがあったのでということなんです。故意犯というふうに、いいんですね、それで。
○政府参考人(外口崇君) そのとおりでございます。
○古川俊治君 では、故意犯ということで結構です。これは、今後その解釈で私も進めたいと思います。
 この場合に、新制度の下で大野病院が起こった場合としてお考えいただきたいんですが、もし届出違反にならないとすれば、これは届け出られないわけなので、これは勝手に、大野病院の司法関係と同じように警察は動けるんですよ、全然関係なく。第三者委員会の評価を通らないんですね。後で何か家族が言ってきて、勝手にやればいいことになっちゃうんですよ。だから、全然この大野病院というものの事故というのは再発を防げないですね、これでは。届出義務にならないんだったら。
 これがなるんだったら、結局、中立的な委員会の関与なしに二十一条違反を問えるんですよ。刑事罰問えるわけですよ、全く。二十一条の問題については、業務上過失と違いますから委員会ありません、これは、中立的委員会は。だから、その部分については、後で仮にこんなの事件性がないと、業務上過失致死としては事件性がないと分かっても問えるんです、二十一条違反は、この構造ですと。そこは非常に私は問題だと思います、実を申し上げると。
 これをなぜ、どういうふうに解決するかというと、診療行為全部を枠組みから外すしかない。だって、通知を受けなければ委員会は動かないわけですから。通知を受けない時点でもう既遂に入っているんです、二十一条違反は。これは直接刑事罰が適用されちゃいます。そうすると、医師に対する刑事罰、届出義務違反でそこは立派に成立するので、後で業務上過失致死の方が、これが無罪となったかというのは関係ありません、既に既遂に達しているので。これは是非もう一度考案をしていただきたいと思います。これも多分指摘されたことはなかったと思いますので、もう一度お考えいただかないとこういう不整合があるということだけは申し上げておきたいと思います。
 もう一つの問題として、臨床研修医制度というのがございまして、これもかなり問題になっているところでございますけれども、私は、正直言って、この制度が何かメリットがあったということは信じられないでおります。ただ、二年間いろんな診療科を私もやりました、私も麻酔科を半年間やりました、外科ですから。心臓外科の麻酔まで掛けました、それから脳神経外科も心臓外科もやりましたけれども。
 今、例えば一人の医者として、では麻酔掛けてどうか。麻酔、たまによっぽど緊急なら掛けますけれども、そんな掛けませんよね。だって、それは医療事故でも起こしたらやっぱり責任問題になりますから。心臓外科ももちろんやりませんよ、そんなの。それから脳神経外科もやりません。今でも消化器の外科はやりますけれども、それ以外はやらないんですね。
 そうすると、例えば、二年間これを産婦人科、内科を回ったからといって、それが何になるんでしょうか。非常に疑問です。恐らくこれはメリットがあるとお考えなんでしょうから、だから続けるんでしょうから、どういったメリット、その科学的な根拠があるのか、メリットについて、この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 現行の臨床研修制度を導入する以前におきましては、医師の専門分化によって医師が専門分野以外の患者を診なくなったなど様々な弊害も指摘されておりました。この制度におきましては、将来専門とする分野にかかわらず基本的な診療能力を身に付けることを基本理念として臨床研修を必修としたものであります。
 現行制度の評価としては、これは旧制度における研修医、これは、平成十五年の方とそれから現行制度における研修医、平成十八年の方の臨床能力を比較するためのアンケート調査をしております。その中で、現行制度の導入によりましてCTとかMRIでがんや脳梗塞の診断ができると回答した研修医の割合が増えております。また、ショック等の経験症例数が増加したという調査の結果もございますので、ここは一つ評価できることではないかと思います。
 この現行制度の導入によって基本的な診療能力等によってどのような効果があったのかにつきましては、引き続き必要な調査を行っていきたいと考えております。
○古川俊治君 二年目終わった人に、そういった人に自分のやってきたことが楽しかったんですかって聞きゃ、みんな、ええ、やったら面白かったですよって言いますよね。それはアンケートとして、具体的な検証方法としてまとまるのかどうかと、よくお考えいただきたいと思います。正直言って、ちゃんと診療能力のある医者をつくってから、客観的な評価。自分へのアンケート調査はだれもいいって言いますよ。そういったことでは全く意味がないと思いますので、考えていただきたい。
 一つ問題なのが、今、外科、産婦人科、小児科及び内科も入れて、そういったところが医師が足りないと言われているんですね。これは臨床研修医制度を導入した後の診療科の選択なんですが、明らかにこうした、特に外科、産婦人科等は減っております。外科が一番減っているんですけれども。どこが増えたかといえば、正直言ってすごく楽で時間のある科ですよね、の場合が多い。例えば形成外科、これは美容整形も含めてなんでしょうけれども、それから皮膚科、統計を取ってみるとそうなるということでありまして、例えば勤務医の非常に厳しい状況を見せられて、それと対比として美容整形等を手掛けられている、余裕があり、経済的にも恵まれた豊かな生活を見てしまうということになれば、だれだってそちらがいいと思うようになるわけですね。
 先ほど、今日櫻井議員からお話がございましたけれども、今までのとにかく、人的な関係があったから私も外科に進む気になったんですけれども、ああいったモチベーションを生かしていくということができなくなっちゃったんですよ、この臨床研修医制度によって。私は、この制度は人間を人間として見ない、一つのこまとして選んじゃったからそういうことになっていて、みんな六年間、人的なつながりがある、どんな厳しいところでも彼がいるから指導してもらおうと思って行ったということがなくなってしまったんですね。そうしたら、だれでも楽で金持ちになれるところに行きたいというのが当たり前の発想なんですね。
 医療の中の専門性というのはやっぱり人的につくっていくしかないということでありますと、先ほどの御提案は非常にいいと思うんですけれども、半年間はそこが責任を持って育てていくと。やっぱり責任を持って育てなかったら、いいかげんな、教育の方だって教えますよ。私も内科に行くと分かっているやつに消化器外科なんて一生懸命教えたって、こいつ、何のためにもならないと思いますから教えませんよ、ほとんど、まじめにですね。やっぱり人として見ていただきたい、医師を。是非そういった観点からこれは見直していただきたいと思います。
 もう一点ですけれども、各私立大学、今は国公立もそうかもしれませんが、医師一人を育てるためにかなり無理をしております。例えば、データは細かく分かりませんが、一千万から一千五百万と言われていますね、一人の医師、医学生に掛けるお金が。これは、要するに授業料と補助金からじゃ足りないんですよ。慶應義塾大学は正直言ってほかの学部の教員の給与をカットしてまでも医学生を育てるのに使っているわけですね、大体。そうして、要するに先行投資をしているんです、ある程度、いい医学生を採る、つくるために。そこで、この臨床研修医制度によって全く病院から出ていってしまって、自分のところが育ててきた者を奪われてしまうと、そういったことも大学病院には感情として残っている。これがどう御評価されるかは難しいと思いますけれども、是非その点も踏まえていただきたい。これはいろんな大学からそういう要望がありましたので、付け加えております。
 続きまして、薬事改革について一点伺いたいんですが、大臣、一昨日、革新的医薬品・医療機器創設のための五か年戦略に沿って、関係省庁との下、研究促進、治験活性化あるいは先端医療特区の実施などに総合的に取り組んでいくというようなごあいさつをいただきました。これは同時に、もう一つ、薬害肝炎事件の反省に立って、医薬品などによる健康被害の再発防止のため、安全対策の充実強化を図るとともに、医薬品行政の見直しを行うというごあいさつがあったんですね。
 まず、この医薬品行政の見直しということについてどういうことをお考えなのか、具体的に、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) まず、医薬品については、承認時それから実際に販売を始めた市販後の安全対策の充実が必要だというふうに思っております。本年五月に薬害肝炎原告団それから医療関係者、有識者から成る委員会を設けまして、七月に中間取りまとめを行いました。これを踏まえまして、安全性に関する情報の収集、分析、それから評価などの充実強化、それから安全対策に係る人員の増員などの検討を今始めたところでございます。
 そういう中で、今後の医薬品行政の在り方として、本当に必要な医薬品を迅速にどうすれば国民に提供できるか、ドラッグラグの問題があります。それから、やはり迅速さは必要ですけど、安全性ということで、薬害を起こさないような安全対策の強化、この二つを今から具体化する作業に入っているところであります。
○古川俊治君 ありがとうございます。
 新しいものを作るということは大事なんですが、安全性も大事だと思いますので、特にこの生物由来製品については今後しっかり科学的な情報を確実に利用していただきたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事谷博之君着席〕
 一点、今iPSの規制が問題、出てきまして、日本でも今後はこれを使った臨床研究をどんどんやっていって、これからの技術革新に結び付けたいというふうに考えている研究者が多いわけですけれども、ES細胞というものがその前にございまして、これについて今、日本では実を言うとこの臨床使用ができないという状況にございます。米国等では既にFDAへの申請が行われていて、間近に恐らくES細胞を使った臨床研究が始まるだろうと、治験が始まるだろうと考えられているんですね。日本では今できないんですね。研究としてはできない。
 これ、イエスかノーかでお答えいただきたいんですが、仮に私自身が今友人の産科医から受精胚をもらいます、余ったやつをですね。それで、ES細胞を自分で樹立して、これを患者さんに臨床で使って治療をした、脊髄の、やっぱり今困っている患者さんいらっしゃいますから。そうしたら、これ規制できますでしょうか、イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘のような事例の場合、直接規制する制度は存在しないと思います。
○古川俊治君 そのとおりなんですね。これだけまじめに、ほかの医療機関が一生懸命やって、まじめにやっているところができないんですよ、ずっと。やってくれ、やってくれって言っています。ところが、私一人が、じゃやるかということで、国会議員なんかつまんないから、じゃあしたそういったクリニックつくって大もうけしてやろうとしたらできちゃうわけですよ。これじゃ何の安全確保にもならないじゃないですか。
 実を言うと、そういったクリニックが幹細胞について特に多いんですね。現在まじめにやっているところは一生懸命やってもなかなかできない。何億掛けてもその障壁が乗り越えられない、難しい壁を作られているから。ところが、いいかげんにやっているところは金もうけしようと思えば幾らでもできちゃうんです、自由診療でやれば。それの不均衡が余りにもひどいと。それで、患者さんが実際、詐欺まがいにだまされている方がいらっしゃるわけですよ。
 この非常に悪質というべきかどうか分かりませんが、医療行為の形態にもどこかで取締りを考えないと、私はもうこれどこかで崩壊してくるんではないかとすごく心配です。一個悪いことが起こるとそれが先に立ってしまって、あたら技術が拒否反応を起こしてしまうということがございますので、是非お考えいただきたいと思います。
 ちょっと急ぎになりましたけれども、今日ちょっとお配りしていただいたこの表を見ていただきたいと思います。
 ちょっと御興味ある方、是非覚えていただきたいんですね。これは、抗メタボリックとともに、同時に、抗加齢ということも言われていますね、なるべく若くしていくにはこういうのが必要だ。ちょっと出典は示しておりませんが、左側の表が今年の三月の日本医師会雑誌の二千三百八十五ページの表でございます。それから右側の表は、二〇〇五年の、最新版のハーバード・メディカル・スクールのパブリックヘルスの教室から出ております食料のピラミッドというやつでありまして、一番新しいデータを参考にして入っております。その二つが出典なんでございますが。
 従来ですと、このメタボリックシンドローム、今日、櫻井議員からも、今席外していらっしゃるんですが、メタボリックシンドロームがリスクの要因であって、心疾患の発症に大きく影響しているということは日本の基準を使ってもあります、データは。そこはあるんですね、エビデンスが。それから、メタボリックシンドロームは疾患が多いということはあります。それから、メタボリックシンドロームに対して運動介入を行うと疾患の罹患率が下がるというエビデンスもあります。そこは正しいんですね。あとは、医療費が下がるかどうかというところについては、医療費を下げたというパイロットスタディー、幾つかあると。健診の値段とそれが見合うかというところについてはまだありません。だから、多分今後はそれが必要なんだろうというふうに私は考えています。
 それで、その上で、二〇〇五年の食事基準、食料基準ですか、というのが厚生労働省がいろいろと、栄養基準ですね、これを作っておりまして、二〇一〇年までこれが使われる予定になっているんですけれども、そこで、総カロリーについて大体五五から六〇%ぐらいが炭水化物から取れというような指針になっていて、今の食事バランスガイドも全部それになっています。なるべく脂肪を減らしなさい、今まで脂肪摂取量が増えたんで日本人は不健康になったんだと、炭水化物は五五から六〇%取れというんですね。
   〔理事谷博之君退席、委員長着席〕
 ところが、今年の七月のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、炭水化物を減らすことがいいんだと、実は。脂肪は不飽和脂肪酸を取る限りは問題がないというようなデータがこれは確実に出ます。これはもう明らかなエビデンスなんですけれども、そのほかにも私知っているだけで四つのエビデンスがあります。低炭水化物食が一番メタボリックシンドロームを良くするということなんですね。それについて、これ日本人の食事基準にもうずうっと使っていますけれども、こういうエビデンス、新しいのが出たら速やかにそういったものを使う、そういった体制を整えるべきじゃないかと、私はそう考えるんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上田博三君) 日本人の食事摂取基準は、健康な個人又は集団を対象として国民の健康の保持増進に資するため、食事によるエネルギー及び栄養素の摂取量の基準を示したものでございまして、昭和四十五年以来おおむね五年ごとに改定されております。
 現在、我が国の栄養指導に用いられているものは二〇〇五年度版でございますが、これを改定をして、今二〇一〇年度版を作るべく既に検討会を立ち上げたところでございます。検討会におきましては、近年の国民の栄養状態の推移や国内外における最新文献等を分析、評価をしているところでございまして、委員御指摘の研究成果も踏まえその場において議論されるものと考えておりますけれども、このことによりまして食事摂取基準が最新の科学的知見を踏まえたものになるように改定作業を進めていくこととしております。
○古川俊治君 五年のうちに今の食事の常識というのは明らかに変わるほど知見が集積されるようになりました。速やかに国民に使われることこそ必要だと思います。正しい知見を広めていくこと、間違った基準を使ってそのまま施策が行われるという状態を早く改善していく、これを、情報を開示することぐらいはやっていただきたいというふうに考えます。
 もう一つ重要なのが糖尿病の問題なんですね。これ、今の成人人口の約二〇%はもう既に予備軍と言われておりまして、今後は三〇%ぐらいに増える、医療費のすごく足かせになるわけですけれども、これで、グルコース・インシュリン・インデックスというのが決まっておりまして、食事によってこれを低いものを食べた方が血糖値が上がりにくいんですね。これは、血糖値が上がることが実を言うと今老化やメタボリックに非常に悪いということがだんだん分かってきておりまして、これできるだけ低いものを食べた方がいい。こういう考え方も全然食事摂取基準に入っていないんですよね、栄養バランスにですね。これは驚くことに、GIは白米が実は七七なんですよ、驚くというか寂しいことにですね。ケーキとかチョコレートやビスケットの方が同じカロリーを取るんだと血糖値が上がりにくいんですよね。ホワイトブレッドと白米、いわゆる食パンの白いやつ、これが一番はっきり言って良くなくて、この右側のピラミッドを見ていただきたいんですが、一番上、ホワイトライス、ホワイトブレッドと書いてありますよね。これはスイーツと同じところに置かれているんですよ。これだけは毎日取るなと言うんですね。控えめにしてくれと言っているんですよね、すごく。ところが、下から二番目の左側にホール・グレーン・フーズってありますよね。すなわち、グラハムパンとかあるいは玄米のことなんですよね、こういうのは。そういうのが血糖値が上がりにくいから、こっちに変えろと言っているんですね。
 現在のところ、玄米の方が白米よりいいなんという指針も全然表れていないですし、これ食べ方にもよるんですが、一般にもう高GI食というのはまずいということが定説になっている、こういうことも是非踏まえてやっていただきたいと思います。これはちょっと、以上御紹介だけにしておきますが、そういったことも入れないともう五年ごとでは遅いということだけ申し上げさせていただきます。
 最後の質問にしますけれども、小児肥満というものが大変今問題になっております。小児のころから血管の硬化というものが進んでいるというのがもう分かっておりまして、今や成人病じゃないんですね、もう。小児から進んでいるのが実態でございます。特に、私は、学校給食というのはもう食事の今後の、物を強制的に食べさせるわけですから、嗜好をつくる基にもなりますし、それから、やっぱりこのメタボリックシンドローム対策の非常に根本の問題の一つだろうと考えているんですが、ここにおいては、コレステロール、飽和脂肪酸の取り過ぎというものについて全然今考慮がないんですね。それで、データもないということになっておりまして、これの制限もないということになっております。
 一つ申し上げると、毎日毎日実を言うと牛乳が出されているんです、今の子供たちというのは。これは、もう飽和脂肪酸が今、少なくとも給食だと五〇%ぐらい行っちゃうものですから、これを低脂肪の牛乳に替えていただくだけでかなり違うだろうと考えるんですが、それはやっていただけないんでしょうか。この質問だけお願いします。
○政府参考人(尾崎春樹君) 文部科学省では、御指摘のような栄養素の平均値を学校給食基準ということで各学校に示しておるわけでございますけれども、その前提といたしまして、例えば肥満、それから御指摘のような血中コレステロールといった問題が重要であるという前提に立ちましてその基準値をまず設けてございます。そして、この基準値を定める前提となりました協力者会議の報告書の中でも、今御指摘のありましたような飽和脂肪酸あるいは不飽和脂肪酸のバランスに配慮する必要があるというふうにされておりまして、そのことも添えまして、各学校に参考にすべきものとして通知として示しておるところでございます。
 なお、その御指摘の牛乳の関係でございますけれども、今申し上げましたように、脂肪酸のバランスというのを考える場合に、低脂肪乳の使用というのも一つの方法ではないかというふうに私どもも考えておるわけでございますけれども、ただ、私どもがサンプル調査で把握をしております実際の例えば小学生の脂質の摂取実態というものを見ますと、エネルギー割合で二九%ということで基準範囲内に収まっているという状況でございまして、その中で低脂肪乳に切り替えることによって全体としての脂質の確保をどうするのかという問題がまずあろうかと思っておりますし、また低脂肪乳につきましては、通常の牛乳と味覚が異なるという、こういう指摘があるわけでございます。そういうことがある中で、肝心のカルシウムの摂取というものについてどの程度の影響があるのかといったようなことにも配慮が必要ではないかというふうにも考えております。
 いずれにしましても、厚労省の方で今後検討されるであろう食事摂取基準等を踏まえまして、給食の献立全体の中で検討していくべき課題ではないかというふうに考えてございます。
○古川俊治君 これ、強制的に食べさせられるわけですね、給食というのは。カルシウムについては強化されていますから、今の低脂肪乳というのは。これは問題にならないと思いますね。
 それから、味覚が異なるといって、すごく脂肪酸の多いものというのはやっぱりおいしく感じるんです。だから皆さん太るんですけれども。そういったすごく脂肪酸の多い、脂っこいというものについて慣れさせちゃうというのは、やっぱり今の食育の在り方として非常に問題だと思いますよ。その点は考えていただきたい。
 少なくとも二〇〇五年版の食事摂取基準によると、うちの子、二〇〇五年に、僕の息子ですけれども、小学校に入ったんですよ。そうすると、間違った基準でもしやられたら、五年間同じように進むわけですね。小学五年生になっちゃって急に変えられたって、もう間に合いませんよ。そのように、子供の成長過程、すごい変わりますから、そういうことも踏まえて、是非、五年ごとなんか言わないで、迅速にこういった栄養のことについては少なくとも情報公開をしていただきたいというように考えております。
 以上です。終わります。
○石井準一君 自由民主党の石井準一であります。
 去る十一日の当委員会における大臣あいさつにおいて、舛添大臣は、国民一人一人が生涯にわたり、希望を持ち、健やかで安心に暮らすことのできる社会の実現こそが厚生労働行政の使命であると述べられておりました。しかし、現実を見ると、年金、介護、医療あるいは雇用のいずれの分野を見ても、多くの国民が不安を感じているのが現状ではないでしょうか。麻生総理は、先日、現在の経済を百年に一度の暴風雨に例えられておりました。こうした厳しい現状下にある今求められているのは、国民に安心感を与える施策であり、国民への説明責任を果たすということではないのでしょうか。
 舛添大臣は、平成十九年八月から安倍内閣、福田内閣と厚生労働大臣を務められ、この間、年金記録問題や薬害肝炎問題、医師不足対策など、大変な御努力を重ねてきたことを目の当たりに見てまいりました。そしてまた、麻生内閣におきましても引き続き厚生労働大臣の重責を担われたわけでありますが、舛添大臣は、麻生内閣におきまして何を最優先課題とし、何を成し遂げるつもりなのか、改めて大臣の抱負と決意をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) この厚生労働行政は、今委員御指摘のように、年金、医療、福祉、雇用、大変国民に身近な課題を抱えております。特に、急速に少子高齢化が進んでいく中でこの社会保障の充実ということは非常に大きな問題だと思います。そういう中で、年金の記録問題を始め、薬害肝炎問題、これは和解に達しましたけれども、肝炎総合対策を始めとして更なる施策の充実が必要だというふうに思います。それから、今日話題になっております産科を始めとする医師不足や救急医療体制についても更に取組が必要ですし、それから様々な保険制度の問題、それからこの経済情勢が悪化していく中でフリーター、それから非正規雇用、こういう問題もあります。
 先般、北京に参りまして日中韓三国の厚生大臣会議を行いましたけれども、これは新型インフルエンザ対策を共にやろうということとともに、食の安全についてもかなり激しい議論を中国側と行ってまいりました。
 こういう問題を、非常に困難な課題ですけれども、一つ一つ着実に解決していって国民に安心と希望を与えることのできる日本にしたいと思い、全力をこれからも注いでまいりたいと思います。
○石井準一君 これからの大臣の御活躍を期待もし、祈念も申し上げる次第でございます。
 また、政府におきましては、国民の不安にこたえる処方せんとして本年七月には当面する五つの課題に関する社会保障の機能強化のための緊急対策、五つの安心プランを策定をしております。この中にも、国家や社会に対する信頼の源は安心であると、この国に生まれて良かったと思われるような国づくりを進めるというふうに述べられておりますし、また十月末には、生活者の不安を取り除くことが何よりも大事との認識の下、生活対策を公表いたしました。さらに、この十一月四日には社会保障国民会議が最終報告を取りまとめました。
 今後は、これらの施策を有機的に連携をさせ、着実に実行に移していくことが大切だと考えますが、生活対策に盛り込まれた事項を今後どのように具体化をし、どの時期にどのような工程で実行に移していくのか、また社会保障国民会議の最終報告を今後具体的施策にどのように反映させていくのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 五つの安心プラン、福田内閣で出まして、そしてその中に厚生労働省の改革ということも挙げております。こういうことも通じまして、今委員御指摘のこの十月三十日に策定されました生活対策、これは厚生労働省関連では非正規労働者の雇用支援、それから介護従事者の待遇改善、処遇改善ですね、出産・子育て支援、障害者の支援、医療・年金対策の充実などが盛り込まれております。それから、社会保障国民会議、十一月四日に最終報告を出しましたけれども、これは社会保障の機能強化をキーワードにして今後の社会保障のあるべき姿について財源問題を含めて議論をしております。
 今申し上げました生活対策、それから社会保障の機能強化、こういう点につきまして、今後、この予算編成過程、そしてまた第二次補正、そういう中で着実に具体化をしてまいりたいと思っております。
○石井準一君 次に、医療施策についてお伺いをいたします。
 医療施策につきましては、舛添大臣は、先般の大臣あいさつにおいても、救急医療対策や医師不足対策などを講じていくことを述べられました。しかし、先ほど来足立委員や古川委員の方からもお話がありましたとおり、救急医療につきましては昨年の奈良県における妊婦の死亡事故以降既に各般の施策を講じられておるはずですが、にもかかわらず、先日の都立墨東病院のような不幸な事件が後を絶ちません。特に、先般の墨東病院の事案は、東京という医療機関も多い大都市で起こったこと、また墨東病院が総合周産期母子医療センターであり、かつ三次の救命救急センターも担っていたという点でより深刻であります。
 舛添大臣は、今後、この事案の原因及び妊産婦の救急救命をめぐる現状を的確にとらえ、こうした不幸が二度と起きないような対策を講じていただきたく、これは要望に代えさせていただきます。
 次に、私は、墨東病院における妊婦の死亡事故の背景には、深刻な医師不足とこれに伴う自治体病院、ひいては地域医療の危機的状況があると思います。具体的な例を挙げたいと思います。
 私の地元千葉県では、市町村あるいは市町村で構成する一部事務組合が運営する自治体病院が二十六病院ありますが、これらの自治体病院の経営収支の赤字額合計は、平成十五年度決算の一千五百万円から平成十九年度には三十一億円を超えるまでに拡大をし、大変厳しい状況になっております。
 このような状況の中、本年九月末、ついに銚子市立総合病院が休止という事態になりました。同病院の休止に至るまでの経緯は、大臣始め執行部の皆様方も、ニュースでも大きく取り上げられ、承知のことと思います。銚子市は人口七万人を超える千葉県の北東部の中核的な都市で、犬吠埼の灯台や漁業などで全国民にも有名なところであります。しかし、その地域の医療の中核を担ってきた市立の総合病院が、医師不足とそれに伴う病院経営の悪化、病院を支える自治体自体の財政の悪化により全面休止を余儀なくされたわけであります。
 そのほかにも、千葉県内の自治体病院においては、診療所への移行など経営形態の変更や診療科の休廃止などを行う病院が増えてきております。そして、残された自治体病院は、それぞれ病床利用率の低下、医業収益に対する職員給与比率の増加など、解決すべき課題を抱えております。
 全国的に見ても、平成十九年度の自治体病院数は、事業数、病院数共に前年度に比べ減少し、その四分の三が赤字になっておると言われております。また、平成十九年度の経常収支の赤字は前年度から九億円増加をし二千六億円にも上がり、累積欠損額は二兆円を超え二兆十五億円となっております。
 総務省は、こうした自治体病院の現状をどのようにとらえ、こうした状況に至った原因をどのように認識をしているのでしょうか。また、去る七月の五つの安心プランでは公立病院に関する財政措置の在り方等の検討と地方財政措置への反映が盛り込まれておりますが、現在の進捗状況や方向性をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(細田隆君) まず公立病院の経営の現状でございますが、近年急激に悪化しておりまして、御指摘のとおり、平成十九年度決算では全体の四分の三が単年度赤字を計上し、累積欠損金は約二兆円となるなど、大変厳しい状況と認識しております。
 この原因でございますけれども、公立病院は元来、へき地医療、救急医療、高度先進医療など、採算性確保の上で難しい医療を担っているところでございます。これに加えまして、特に近年におきましては、医師不足による診療科目の休止や診療報酬の減額改定等に伴い収入が減少いたします一方、これに対応いたしました職員数の削減など医療提供体制の見直しや費用の削減合理化の努力がいまだ十分には進んでいないことなどによりまして、経営悪化が進んでいると考えております。
 このような状況を踏まえまして、昨年十二月には公立病院改革ガイドラインを策定いたしまして、各地方自治体に対し、経営効率化等に向けまして公立病院改革の取組を要請いたしましたところでございます。さらに、本年七月には公立病院に関する財政措置のあり方等検討会を設けまして、過疎地や産科、小児科、救急部門等を始めとして、公立病院に関する今後の地方財政措置の在り方全般につきまして、有識者や公立病院関係者の御意見を伺いながら検討を行ってきたところであります。近々、報告書の取りまとめをお願いする予定という段階になってございます。
 この検討会の報告書がまとまりましたら、これを踏まえまして、地域医療の確保及び公立病院の改革の推進の観点から公立病院に関しまして的確な地方財政措置が講じられるよう、鋭意取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○石井準一君 今、答弁の中にも公立病院改革ガイドラインの話が出てきたわけでありますが、この実効性についてお伺いをしていきたいと思います。
 総務省は、昨年十二月には公立病院改革ガイドラインを策定をし、経営の効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しの三つの視点に立ち、改革を積極的に進める必要があるとしております。さらに、本年七月にはQアンドAを作成するとともに、地方自治体に本年度中の公立病院改革プランの作成を求めております。しかし、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しといっても、地域において必要な医療を確保するという観点よりも経営上の視点が優先をされ、病床利用率が基準に満たしておらず不採算であるなどの理由から、安易に小規模な病院の廃止や民間病院への移譲、診療所化を行う懸念はないのでしょうか。また、地域全体で必要な医療サービスを提供するといった目標のための再編であっても、実際には地元住民の理解が得られず、議会の承認が得られずに再編が進まず、場合によっては首長選挙などの政争の具に化してしまう事態も考えられるのではないのでしょうか。
 総務省はこうした問題をどのように認識をし、ガイドラインの実効性をどう確保していくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(細田隆君) 現在、各地方公共団体に対しましては、各種の説明会等の機会を通じまして、今般の公立病院改革の最終的な目的は、公、民の適切な役割分担の下に地域において必要な医療提供体制の確保を図ることにあるということを強調しているところでございます。
 また、再編・ネットワーク化につきましては、広域的自治体であり、また医療法に基づく医療計画の策定の任に当たっております都道府県が主体的に参画していただくよう強く求めているところでございます。そして、各地域の実情を十分踏まえながら、地元市町村、医療関係者等の間の調整の労を取っていただくことを期待しているところでございます。
 また、公立病院改革ガイドラインの実効性の問題でございますが、このガイドラインは地方自治法に定めるいわゆる技術的な上限と言われるものでございまして、それ自体はこれに沿った取組を法的に強制するといった意味での拘束力は有しておりません。しかしながら、九月末現在の調査では、関係地方公共団体の大体九八%程度が本ガイドラインを踏まえまして本年度中に改革プランを策定するということを予定しているということでございます。
 さらに、総務省といたしましては、改革プランの策定、実施状況を定期的に調査し、その結果を公表するほか、改革の実施に必要となる経費につきまして新たな財政措置を講じるということにしているところでございます。
 こうした取組によりまして改革プランの着実な策定、実行を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○石井準一君 現在、自治体病院の二五・七%は不採算地区病院と呼ばれる当該市町村に他の一般病院が所在をしないなどの条件下にある病院であり、これらの病院は民間医療機関による診療が期待できない離島や山間地やへき地における医療確保のための重要な役割を果たしてきました。また、自治体病院の八二・五%に当たる七百九十の病院が救急告示病院として地域の救急医療を担っておるのが現状であります。このように自治体病院は、真に必要な医療体制を確保するための地域医療の核として民間医療機関が提供するのが困難な不採算部門を引き受けており、そこに自治体病院の役割があると私は考えております。
 総務省は地域医療における自治体病院の役割と経営の効率化のバランスをどのように考え、両者の均衡をどのように図っていくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(細田隆君) 今回の公立病院改革におきましては、各病院が地域医療の確保のために自らが果たすべき役割を十分精査した上で、公立病院として必要な医療機能の発揮と経営の効率化の両立を図るよう求めているところでございます。
 このため、地方公営企業法の規定に基づきまして、公立病院の運営に要する経費のうち、例えば過疎地の医療や救急医療など構造的に採算性の確保が困難な経費につきましては、各地方自治体の一般会計において適切な繰り出しが行われる必要があるものと考えております。
 こうした観点から、公立病院改革ガイドラインにおきましては、当該病院が地域医療確保のために果たすべき役割と一般会計において費用負担が行われるべき範囲、基準といったことを明確にするということを求めているところでございます。
 さらに、ガイドラインにおきましては、財務内容の改善につきまして、不採算医療に対しまして、一般会計から所定の繰り出しが行われた後のベースにおきまして経常収支の均衡を図ることを目指すといった経営改善の要素のみならず、医療機能の確保につきましても数値目標の設定を求めるなど、必要な医療の提供と経営の効率化の両立に十分配慮したものとなっているものと思料してございます。
 総務省といたしましては、今後、公立病院に対する一般会計からの繰り出しに要する経費につきまして、公立病院に関する財政措置のあり方等検討会の報告を踏まえまして、一層的確な地方財政措置を講じることなどを通じまして、地方公共団体が必要な地域医療を確保しながら経営効率化に取り組めるよう必要な支援を行ってまいる所存でございます。
○石井準一君 自治体病院の経営の悪化の背景には、とにかく医者の確保が難しい、平成十六年度の新しい医師臨床研修制度の導入が大きく影響したと言われております。これにより地域医療を担う自治体病院から大学医局への医師の引揚げが行われ、残った医師の過重負担とそれに耐え切れなくなった医師の退職につながったと言われております。そして、これが自治体病院の医師不足を加速化をし、医師不足による診療科の休廃止、病棟の縮小、閉鎖を引き起こしたのは事実であります。さらに、これに伴う外来・入院患者受入れの制限が自治体病院の経営を更に悪化させるという負の連鎖が生じております。
 現下の自治体病院の経営悪化を食い止めるためには、医療政策を担う厚生労働省、自治体病院を管轄する総務省、大学医学部を所管する文部科学省の三省が連携をし、一体となって取り組む必要があると考えますが、舛添大臣はこの点をどのようにお考えでしょうか。舛添大臣はこれまで、医療政策の複数の課題において省庁の垣根を超えた協議会等を設置をし、総合的な取組を推進してこられましたが、地域医療を維持し、その中核となる病院機能を確保するという観点から三省の連携及び協議会などの設置にリーダーシップを果たすお考えはおありか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 地域医療を確保するために公立病院が非常に重要な役割を果たしているということは認識をしております。ただ、一つ、その上で、公立病院についても改革、効率化、こういうメスは入れないといけないというふうに思います。
 その上で、今臨床研修制度について言及なさいましたけれども、これにつきましては文部科学省と合同で検討会を設けておりまして、どういう形でこの研修制度を改めるべきか。先ほど古川委員から、これ新しい制度はほとんど役に立っていないという実際におやりになった立場からの言及がございました。今まで文部科学省と厚生労働省がこういう形で共同でやったことは全くないんです。したがって、これは渡海さんが文科大臣だったときにお願いをし、その後、鈴木さん、そして今、塩谷さんと大臣は替わりましたけれども継続して行っております。
 それから、総務省につきましても、これは公立病院に関する財政措置のあり方等研究会に我々もオブザーバーとして出席し、発言を求めております。それからさらに、私の下に改革推進室というのを設け、省庁の垣根を取り払っていくということで、今は総務省からも一人出向させてもらっております。
 そういうことで、地域医療を維持して病院機能を確保するために、総務省、文部科学省のみならず、先ほどは救急医療、周産期医療について経済産業省とITでの協力をするということを申し上げました。政府全体で取り組む課題だと思いますので、省庁の垣根を超えて強力に国民のためになる施策を実行してまいりたいと思っております。
○石井準一君 自治体病院について触れてきたわけでありますが、公立病院改革ガイドラインの中の再編という名の下に基幹病院を新たにつくるということで、逆にそれに協力しない自治体にある国保病院などから大学の医局の方が医者を引き揚げるという具体的な現状の例も挙げられておるわけであります。
 そして、私が先ほど述べましたように、政争の具になる。これはやはり議会承認も必要になってくると同時に、医療、介護、福祉、地域住民が一番望むそうした思いに対し、やはりこれはその自治体の首長選挙にも大きくかかわってくる大きな問題であると私は思っておりますので、地方議員を経験してきた私にとりまして、やはり自治体病院の再生は大きな使命だと思っておりますので、重点的に聞かせてもらっておるわけであります。
 そして、これまで救急医療や自治体病院について私もこうして尋ねてきたわけでありますが、救急医療や自治体病院が危機的状況にある背景には、何といっても医師不足問題が挙げられるわけであります。医師不足問題の要因については先ほど来議論がされておるわけでありますが、とにもかくにも医師の確保が医療機関にとって至上命題、患者にとっても最優先の課題であるということは間違いないわけであります。そして、病院間の争奪戦のみならず、自治体間の医師争奪戦はますます激しくなっているというのが現状認識ではないでしょうか。
 そして、先ほど大臣が述べられたとおり、公立であっても赤字の無原則な垂れ流しは許されるものではありません。しかし、今の自治体の赤字は身の丈に合わないような放漫経営をしたのではなく、やはり厚生労働省の制度そのものが公立病院の運営に大きな影響をもたらしたと言っても過言ではないわけであります。また、財政力の弱い自治体においては医療難民が発生をし、財政健全化を優先する余りに病院が残って住民が死ぬとまで言われておる現状が現実にあるわけであります。先ほど来、救急救命の話もありました。安易なコンビニ受診によって医師の負担を掛けないよう、地域住民も一体となった取組が必要であるということは、それぞれの地域でもそこに住む住民が今認識をしているのが事実であります。
 二十一世紀の自治体間競争をしっかり勝ち抜くために平成の大合併が行われたと言われておりますが、そうした中においても、やはりこの医療施設の充実そのものがその自治体の魅力の一つにも掲げられる今日、やはり公立病院の在り方について三省でしっかりと議論をし、将来に向け実のある提言をしていただければ有り難いなと思っております。
 そこで、舛添厚労大臣は今年六月、安心と希望の医療確保ビジョンを取りまとめられました。医師数抑制策の見直しを御決断されました。その後、九月二十二日には「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会においての中間取りまとめが公表されております。その中で、来年度の医師養成数について、少なくとも過去最大の医学部定員を上回る程度を目指すべきであるという方向性を示されました。
 こうした大臣の御尽力もあり、文部科学省は来年度の医学部の定員を過去最大規模の八千四百八十六人とすると公表をしております。これについて大臣の評価をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) まず、今のお医者さんの数が十分なのかどうなのか、こういう議論がありました。もちろん、偏在、つまり地域による偏在、診療科による偏在がございます。先ほど古川委員おっしゃったように、非常に楽なところには医学生が行くということがあり、労働の厳しいところは行かないというようなところがあります。しかし、私はやっぱり潤沢な医療資源が必要で、特にお医者さんの数は増やす必要があるというふうに思いました。それで、来年度六百九十三人、ほぼ七百人の増員ということをお願い、文部科学省にすることができました。ただ、問題は、これは十年後に戦力となるわけですから、それまでの間、様々な短期、中期の施策も講じていかないといけないというふうに思っています。
 それから、各大学について、今言った十年後ということはありますけれども、地域医療を各大学で取り組んでもらうということで、特に地域枠を設ける。千葉なら千葉の人たちに、そこに地域の枠を設ける。それから、地域医療を実践してもらう研修を組む。さらに、様々な形でお医者さんが地域に定着するようなインセンティブを与えると。例えば、委員の地元のへき地で仕事をしてくれるというようなお医者さんがあれば、例えばその任務が終わったら一番最初にその人を優先的に海外に留学してもらうというようなことも含めて、様々な施策を展開してまいりたいと思いますので、十一年ぶりに閣議決定を変更することができたということは、これは、この厚生労働委員会での様々の議論のたまものだと思っておりますので、今後、そういう方向を更に進めてまいりたいと思っております。
○石井準一君 医師養成の在り方についてお伺いをしたいと思います。
 見直しは大きな一歩であると思いますが、現在の医師不足問題の解決に向けてすぐに効果が現れるわけではありません。大臣から答弁もありましたとおり、医学部に入学した学生が実際に医療現場で活躍できるようになるには十年近く掛かるわけであります。しかし、医療崩壊は一歩手前まで迫っており、医師確保は文字どおり喫緊の課題であります。少子化社会を迎える中、どのように医師を確保し、養成をし、配分をしていくのかをお伺いをしたいと思います。
 医師養成数の増加に当たっては、単に数を増やすのではなく、技術はもちろんのことでありますが、患者から信頼され、人間的にも尊敬できる医師を養成することが求められております。医学部定員を増やすだけではなく、総合的な診療能力を持つ質の高い優れた医師を養成するための取組が必要であると考えますが、文部科学省及び厚生労働省の見解をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘のように、総合的な診療能力を持つ質の高い優れた医師を養成することは、我が国の医療水準の向上に不可欠のことと考えております。
 臨床研修制度について多くの御意見をいただいておりますが、診療に従事しようとする医師に対して、将来専門とする分野にかかわらず基本的な診療能力を身に付けることができるようにと、平成十六年度から現在の臨床研修制度が始まったところであります。なお、関係学会におきましても、総合的な診療能力を持つ医師の養成のための検討が進んでおります。現場の意見を踏まえながら、地域医療の確保のために必要な医師の養成を支援していきたいと考えております。
○政府参考人(戸谷一夫君) 医師不足が大変深刻な状況におきまして、文部科学省といたしましても、地域の医療を担う質の高い優れた医師の養成は極めて喫緊な、重要な課題であるというふうに認識をいたしております。このための定員増につきましては先ほど大臣がおっしゃられたとおりでございまして、来年度から八千四百八十六名に入学定員の枠を増やすということにしているところでございます。
 さらに、文部科学省といたしましては、大学におきます教育の質の向上というのも重要な課題であるというふうに認識をいたしておりまして、豊かな人間性やコミュニケーション能力を有して、地域医療の担い手として活躍できる十分な能力あるいは志の高い医師の養成が極めて重要であるというふうに考えております。
 既に、各大学におきましても、入学に際しまして面接等を充実いたしまして、そういう目的意識あるいは適性を有する学生をしっかり確保していくという取組もなされているところでございますけれども、学部教育の段階におきましても、医学生が卒業するまでに履修すべき内容を定めました医学教育モデル・コア・カリキュラム、そういったものも策定をいたしておりまして、そういったものに基づきまして、豊かな人間性の涵養とコミュニケーション能力、あるいは基礎的な臨床能力の育成といったことにつきましても文部科学省として十分取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 それから、付け加えまして、先ほどの定員増との関連でございますけれども、今回の定員増に当たりましては、各大学に対しまして、特に地域医療に対する貢献につきまして具体的に大学としても御提案あるいは御計画をいただきたいということをお願いをしておりまして、そういった中で、先ほど大臣がお触れになりました地域枠の大幅な充実といったようなこと、あるいは実際の地域医療の現場での体験、実習の強化、そういったようなことを各大学からも提案をいただいておりまして、文部科学省といたしましてもそういったものがきちっと実施されるようにしっかりフォローしてまいりたいというふうに考えております。
○石井準一君 平成二十年度における臨床研修の見直しについてお伺いをしたいと思います。
 平成十六年に必修化された現在の制度については、プライマリーケアに当たることができる能力を備えてもらおうとする基本理念は私も間違いではないと思っております。しかし、先ほどから申し上げているように、自治体病院から大学医局への医師の引揚げが起こり、地域医療の崩壊を招く原因の一つとなったという指摘もあるわけであります。
 こうした指摘などを踏まえ、平成十九年には医道審議会での報告書が取りまとめられ、厚生労働省も今年度から一定の改善をしておりますが、その内容についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 今年度からの取組でございますけれども、平成二十年度の研修からは、研修医の都市部への集中を是正するための募集定員の調整や、へき地、離島診療所等における研修期間についての上限を撤廃。また、平成二十一年度の研修からは、指導医の資格要件として七年以上の臨床経験に加え、プライマリーケア、基本的な診療能力の指導方法等に関する講習会を受講していることを必須としたことなどの制度の見直しを行っております。さらに、来年度からは、本年八月には平成二十一年度からの大学病院における研修について外科や産科などについて重点的に研修を行う特別コースを設けることができる取扱いとしたところでございます。
○石井準一君 即効的に医師数を増やすために研修期間を一年に短縮すべきとの意見がある一方で、地域医療に従事する医師の供給機能を強化する点から、例えば現在二年である臨床研修の年限を三年に延長し、最後の一年は都道府県知事が指定する地域病院での勤務を義務付けるなどの取組を求める声もありますが、見直しの方向性について大臣の所見をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど申し上げました、文部科学省と私どもとで臨床研修制度について専門家の検討会を立ち上げました。これは九月のことでございます。そこで今精力的に議論が行われておりまして、今、石井議員がおっしゃったような案もいろいろ出てきておりますが、私はやっぱり、医学生として大学に入学する、そして六年ないし八年掛けて一人前になっていく、そのプロセスを全部を見直すべきだと。
 つまり、大学の中にいるときだけこれは文部科学省が見ますよと、出て研修、これは厚生労働省ですよと、これじゃ駄目なんで、両方が協力してやるべきだということでやっておりますが、例えば研修期間の見直しの前提として、卒前と卒後の研修でダブっていないか。だから、せっかく卒業後研修に出ていって、何だこんな研修、学校でやったじゃないか、またやるの無駄だなというようなこともあるし、それから、確かに新しい制度でメリットということも様々あり得ると思いますけれども、例えば二年間を一年半に縮めて、その半年は地域医療に携わるということであったり、自分がもう専門とするところを決めていれば、先ほど古川委員のおっしゃったようにそこに集中するとかいうようなこともあるんで、仮に二年を一年に短縮すれば年間八千人のお医者さんが生まれるということになって、ある意味で即効性はあるわけです。ですからそういうこと。
 それから、研修病院や指導医の質の問題があるとともに、先ほど足立委員から施設基準の問題がありましたから、こういうことも含めて様々な議論をこれからやっていきたいと思いますし、できるだけ早くこの提言を受けて実際の実施に移したいというふうに思っております。
○石井準一君 医師の地理的偏在について都道府県で比べた十万人当たりの医師数は、最大の京都府が二百九十二人、最小の埼玉県は百四十二人と二倍以上の差があるわけであります。現在、病院ごとの定員はありますが、自治体などの枠組みでの定員は設定をされておりません。
 今大臣から答弁がありましたように、研修医の定員を地域の実情に応じて設けることで偏在の解消に結び付くとの指摘もありますが、改めて大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 様々な形で研修医をどの地域に誘導するかという策は考え得ると思います。
 一つは、もう本当にこれはきちんと決めて、どこに何人、そして強制的にあなたはここに行きなさいというような形でやる。しかし、そこまで規制をし、強化するのは私は実は賛成ではありません。そういうことよりも、むしろインセンティブを与える。先ほど申し上げたように、処遇の面で、ああ、そういうところで働いていただくなら、それから地域枠、あなたのふるさとでやっていただくなら、いろんな意味でのインセンティブを与えることが必要で、私は枠をどうって決めるというよりも、やはりお医者さんというのは、先ほどの櫻井委員のお話でしたけど、やはり夢と希望に燃えて、ああ、こういう先生のようになりたいなと、したがって私は産科を選ぶとか外科を選ぶとかいうことがあり得るんだろうと思いますから、本人の人生選択について私は余りとやかく言うべきではなくて、むしろ、これは職業選択の自由も住居選択の自由も憲法で定められてあるわけですから、そういう強制力を発揮して枠を決めるということよりも、やはり全体の人数を増やす。その中でインセンティブを与える。
 例えば、これは診療科による偏在があるのはなぜかというのは、勤務状況が厳しいというようなこともあると思いますけれども、例えば同じ診療報酬だったらドクターフィーの考えでもいいんですよ。アメリカなんかはこれ差を付けてありますから、物すごく大変な手術をしょっちゅうやらないといけない非常にリスクの高いお医者さんというのは、それはそれなりに要するに受け取るフィーが高くなるはずなんで、そこがありませんね。
 ですから、そういうインセンティブの制度化というか体制というのをもっと固めることが私は先だと。規制よりもインセンティブ。そしてやる気をみんなに起こしてもらう。私は、まだまだ日本の医学生捨てたものじゃなくて、厳しいからとか、救急とかで大変で夜寝れないから行かないという、そんな柔な人もいるかもしれないですけれども、それでもやるという方はたくさんおられて、それでもやるという方々にはやっぱりインセンティブを与えるということが必要だと思いますから、そういうことをやりたいと思っております。
○石井準一君 次に、医師不足問題の背景として、先ほどから議論がありますように、勤務医の過重労働が指摘をされております。現状は一向に改善されておりません。例えば、日本産婦人科学会の調査では、中間集計ではありますが、当直体制の病院における月間在院時間は平均三百一時間、最大四百二十八時間であり、労働基準法の規定をはるかに超えていることの実態が明らかになってきました。
 こうした状況について、厚生だけではなく労働も所管する厚生労働省としてどのような認識を持っておられるのか、また今後どのように取り組まれるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(金子順一君) 勤務医の方々が大変厳しい勤務環境の中で働いておられるということで、私ども労働基準行政を預かる立場におきましても、この勤務環境を改善していくことが大変重要な課題だろうと、このように考えておるところでございます。
 労働基準法に基づきます労働時間規制、これは委員御案内のとおりだろうと思いますが、いわゆる法定労働時間を超える部分とか法定休日を超える部分で仕事をする、残業するということでございますけれども、その際にはあらかじめ労使で協定を結んでいただくとか、さらには、残業時間につきましては割増し賃金を支払うというようなことが義務付けられているわけでございます。
 これに加えまして、時間外労働の限度というものも指導として考える必要があるだろうということで、現在大臣告示という形でこれを決めているわけでございます。
 こうしたことを通じまして、長時間労働の抑制を図るということを進めているわけでございます。
 また、医師の方特有の問題として宿日直の問題がございます。労働基準法の中で、宿日直勤務の場合に一定の条件を満たす場合に労働時間規制を適用しないというような除外規定がございます。これが安易に運用されますと非常に労働条件の面で問題になるわけでございますので、こうした適正化対策といったようなことも併せて進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、医療の現場は大変厳しい状況が続いているわけでございます。そうした中で、私どもといたしましても的確な監督指導を粘り強く実施をさせていただきまして、私ども労働基準行政の立場からも、こういった医療機関で働く方々の労働条件の確保を図って全体の医療問題へ貢献していくということで取り組んでまいりたいと思っております。
○政府参考人(外口崇君) 付け加えまして、過重労働対策についてでございますけれども、本年六月の安心と希望の医療確保ビジョンや骨太の方針二〇〇八、また五つの安心プラン等を踏まえまして、先般、平成二十年度の補正予算においても、短時間正規雇用を導入する病院に対し必要な経費の支援、あるいは事務作業を行う医師事務作業補助者を設置、養成する際に必要な経費の助成事業を盛り込んだところであります。また、平成二十一年度においても、同様の事業に加え、医師と看護師との役割分担と協働の推進などについても取り組みたいと考えているところであります。
 こうした対策を着実に実施することによりまして、病院勤務医の勤務環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
○石井準一君 女性医師が働きやすい環境を整備する上で、院内保育所の整備や充実を図ることは欠かすことができません。現在の国の院内保育に対する補助制度については、大変重要な事業でありますが、病院の経営状態の悪化のためなかなか事業の推進が図れないといった状況が続いております。
 そこで、子育てをしながら働ける保育環境の整備のため、院内保育に対する補助基準の引上げなど、保育に関する財政支援を充実していくことが必要だと考えますが、舛添大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) この点は非常に大事だと思います。東京都の墨東病院、これは院内保育所があって、大変女性医師には評判がようございます。そういうことで、この院内保育を含め、厚生労働省としても、二十四時間保育、病児等保育などを含めて、保育指導に係る人件費について運営費の補助を行ってきたところでございます。
 平成二十年の予算においては、補助基準額の引上げ、補助要件の緩和、新設する場合の施設整備などについても補助対象に追加をしたところでございます。今後とも、引き続き様々な施策を行っていきたいと思っております。
○石井準一君 医師確保におきましては、女性医師の離職防止、復職支援は最重要課題の一つと言っても過言ではありません。厚生労働省として、改めてどのような対策を取っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 近年、医師国家試験の合格者に占める女性の割合は約三分の一にまで高まっておりますし、また、産婦人科や小児科では更にその比率が高いわけでございます。女性医師の方々が安心して業務に従事していただける環境の整備が重要であります。
 平成二十年度補正予算において、医師事務作業補助者を設置、養成する際に必要な経費の助成事業でありますとか、短時間正規雇用を導入する病院に対し必要な経費の支援等を盛り込んでおりますし、二十一年度概算要求におきましても、女性医師を始めとした女性の医療従事者の支援のため、院内保育所の運営を支援する事業の拡充、退職した女性医師に対する復職のための研修を支援する事業や、女性医師バンクへの支援等を盛り込んでおります。
 今後とも、これらの取組を含め、女性医師の方々が安心して就業の継続や復職ができるような環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
○石井準一君 医師確保等について申し上げてまいりましたが、そもそも自治体病院における医師不足やそれに伴う経営難の急激な進行は、国の政策により長年にわたり医師の養成数を抑制したことが大きな原因であると言われております。我が国の医療が崩壊の危機に瀕している状況を認識をし、国民の生命と健康を守るため、医師の養成数を増加するとともに、医師が地域医療に従事する仕組みの構築、産科、小児科、外科、麻酔科、救急科など、特に不足している診療科の医師を養成する仕組みの構築を早急に進めていただきたいと思います。
 今後の取組について大臣の御決意を改めてお伺いをし、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(舛添要一君) 先般、安心と希望の医療確保ビジョンをまとめました。さらに、今は研修制度の見直しを文科省とともに行っております。
 そういう中で、産科、小児科、麻酔科、外科、様々な診療科において医師不足が深刻になっております。そういう中で、医師の絶対数を増やすという方向にかじ取りを変えました。そしてまた、今、産科、小児科、新たになっていただく方々、お医者さん、半分以上がもう女性であります。女性医師が働きやすいような環境を整える。それから、これは看護師さんについても同じであります。看護師さんの不足ということも問題になっております。
 それから、メディカルクラーク、こういうお医者さんがお医者さん本来の仕事ができるために事務作業を補助する方々、こういうことに対する手当てもしているところでありますし、医療紛争、これに対する嫌気ということで、特に福島県立大野病院の件以来、産科の希望者が少なくなっている。したがって、これについては、無過失補償制度、それから先ほど来議論になっています、医療事故についてどういう調査を、安全確保のための委員会をつくるか、それも今大きな問題になっております。
 様々なこの諸課題を一つ一つ解決する。そして、そういう中で長期的なビジョンを今申し上げました。しかし、そういう長期ビジョンを作成している中で杏林病院や墨東病院の件がまさにこの東京で起こるわけでありますから、そういう点についても、緊急な医師派遣促進事業、これは今年度約六十億円の予算を付けております。様々な形で、メディカルミックスということも含めて検討課題はまだまだ列挙すればいとまがありませんけれども、こういう問題に今後とも全力を挙げて取り組み、この国を本当に安心と希望を掲げることができる国に変えたいと思っております。
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○委員長(岩本司君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、風間直樹君が委員を辞任され、その補欠として松浦大悟君が選任されました。
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○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、大臣の所信に対する質疑ということで、厚生労働行政全般について幅広くお伺いをしたいと思います。
 九月二十四日に麻生内閣が発足をし、舛添大臣には引き続き厚生労働行政の重責を担っていただくことになりました。大変に御苦労さまでございます。
 この麻生内閣がまず初めに取り組んでいるのが景気対策であります。我が党も連立与党の一翼としてしっかりと支えて、この難局を乗り越えていきたいと考えております。
 緊急経済対策として十月十六日に成立した第一次の補正予算と併せて十月三十日に取りまとめられた生活対策では、国民の不安感を払拭するためにも様々な施策が講じられております。また、これから第二次の補正予算の成立を経て実施されるものもございますけれども、きめ細やかな対応を行うためにも、まず初めにこの生活対策の厚生労働分野の施策の主要な内容について、まず大臣から御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 生活対策の中身でございますけれども、例えば、雇用については非正規労働者の雇用安定対策の強化、それから介護につきましては介護従事者の処遇改善と人材確保、それから出産、子育て支援につきましては出産、子育て支援の拡充、例えば安心こども基金を創設する、それから懸案でありました妊婦健診、これまで五回しか無料じゃありませんでしたが、十四回全部無料化すると、こういうことを推進したいと思います。それから、障害者の支援策の拡充、それから新型インフルエンザ対策の強化、年金記録問題への対応など盛り込まれておりまして、本当に暮らしの安心が実現できるように努力してまいりたいと思います。
○山本博司君 ありがとうございます。
 今の生活対策の具体的な内容に関しましてこれから質問をしてまいりたいと思います。
 まず、この生活対策に盛り込まれております妊婦健診についてお伺いをしたいと思います。今大臣も先ほどの無料化に関しましてのことでお話がございました。この生活対策の中でも、「妊婦健診の無料化等に向けた取組の推進」と、こう記載がございまして、現在五回程度の妊婦健診の無料化を、受診が望ましいとされる十四回分、拡大するということでございます。こうしたことが実現をできますと、経済的理由で健診を受けなかった妊婦が受診するため、ハイリスク妊娠、今問題となっておりますけれども、こうした早期発見とか、また、妊婦健診を受けないことによりましてのデータがないまま出産をする飛び込み出産、こうした減少にも通じてくると、こういう効果が期待ができると思います。国また社会が子供を産むことを支える大きなメッセージになると考えます。
 公明党もこの十四回の無料化、ずっと訴え続けてまいりました。この妊婦健診の公費負担の拡大について、大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 今いみじくも委員おっしゃいましたように、私が昨年着任して、奈良の妊婦の、高槻まで十回以上いわゆるたらい回しということがあった事件がありました。あの方は健診を一度も受けていなかったという報告を聞いております。
 やはり、きちんと十四回健診していただけば、途中で異常が発見されたりということもありますし、本当にそのことともに、やはりお金がないから健診に行かないという理由は多いんですね。今大体五千円から一万円、九千五百円ぐらい東京だと掛かると思います、一回。そうすると、丸い数字で一万円だと。それで十四回行けば十四万掛かりますから、やはり経済的理由で行かないという、そういうことがあってはいけないというふうに思いまして、何とかこれを実現したいということで、公費負担で十四回までということで、これは皆さんに大変喜んでいただいていると、いろんなところで私に対してこれは有り難いという声を聞いておりますので、これをきちんと実現して、まさに少子化対策、赤ちゃんが生まれなきゃ少子化対策にならないわけですから、まず妊娠して健やかに母子共に育っていただく、そのために必要な健診はすべて公費で賄うと、そういう体制をきちんとやるという決意でございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
 この妊婦健診の費用ということでいいますと、今回、国だけでなく地方自治体も負担することになるわけでございます。やはり地方、特に財源の厳しい、私は中国・四国地域を回っておりますけれども、様々な形で、今五・五回でございますけれども、その格差もございました。今回、十四回無料ということに関して、地方も含めて大丈夫なのかどうか。具体的な財政措置、このことに関しましてどのように考えていらっしゃるのか。地方の負担はどのようになるのか、このことをまずお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) 妊婦健診に対する財政措置でございます。
 現在は五回分、最低限必要な五回分を基準としまして、地方財政措置により公費負担をしております。この度、生活対策において十四回分すべてを無料でということでございますので、残っている九回分につきまして、国庫補助それから地方財政措置、それぞれ二分の一ずつで支援をするということにいたしたいと考えております。
 こうした財政措置をとり、厚生労働省と自治体が連携をすることによってしっかりと十四回受診をしていただけるようにしたいと考えているところでございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
 是非ともこの地方の負担、十四回無料がきちっと徹底できるような形でお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、この妊婦健診に関します内容でございますけれども、自治体のこうした財政状況ございます。例えば、この健診項目が市によって違いがあるということは、これはとんでもないことでございます。無料で行える健診項目ということが自治体によって違うということは、これはあってはならないことでございますけれども、地方の自治事務ということで難しい点もあるかも分かりませんけれども、地域の格差が起こらないようにしていく、このために国として何らかのガイドライン、こういったことが必要ではないかと思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 現在、先生御指摘のように、妊婦健診そのものは母子保健法に基づきまして市町村がそれぞれの地域の実情に応じて実施をするものではありますが、最低限必要な五回分につきましては、私ども今、実際に実施をする時期それから内容について通知で実はお示しをしているところでございます。
 これから十四回分について公費負担を拡充をするわけでございますので、その際には必要な健診の時期や内容については国として何らかの形でお示しをするという方向で検討をしたいと考えております。
○山本博司君 それともう一つは、この妊婦健診に関しまして、どこでも受診が無料になっていくということが理想だと思います。特にふるさとで出産をするという里帰り出産、こういうケースも多いと思います。こういった場合でも健診の無料化が図られるのかどうか。是非ともその推進をしていただきたい。
 そしてまた、助産師等の出産もあるかと思います。こういった場合のやはり差もなくなるようにするということも大事じゃないかと思います。この点、いかがでございましょうか。
○政府参考人(村木厚子君) いわゆる里帰り出産でございますが、現在は、償還払いのような形でしっかりそうした分の公費を見ている自治体と、それから、里帰り出産の場合は公費負担をしないというようなことで、各自治体取扱いがばらばらになっております。
 こうしたことから、せっかく今回、公費負担の拡充をするわけでございますので、里帰り出産の場合にもしっかり公費負担ができるような体制の在り方について検討してまいりたいと思っております。
 また、助産師の活用、大変重要なことでございますので、これもしっかりと視野に入れて検討をしたいというふうに考えております。
○山本博司君 是非とも、先ほど大臣からも、この妊婦健診を含めた大事な部分でございますので、是非とも検討を推進をしていただきたいと思います。
 続きまして、今度、産み育てやすい社会を築いていくためにも大きな役割を果たしております出産育児一時金に関しましてお伺いを申し上げたいと思います。
 午前中の論議にもございました、来年一月から産科医療補償制度、これがスタートいたします。これは午前中もお話がございましたけれども、分娩に関連して発症した重度の脳性麻痺のお子様とかその御家庭の経済的負担を速やかに補償するとともに、紛争の防止とか早期解決、産科医療の質の向上、これに資するものであり、患者の方たちとか産科医の方たちから制度の創設が求められておりました。
 そこで、この保険料三万円、これが出産育児一時金を現在の三十五万円から引き上げて対応することになっておりますけれども、まず、この制度の概要につきまして分かりやすく御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 産科医療補償制度は、安心して産科医療を受けられる環境整備の一環といたしまして、分娩にかかわる医療事故により脳性麻痺となったお子さんやその御家族の方の経済的負担を速やかに補償し、併せて事故原因の分析を行い、将来の同種の事故の防止に資する情報を提供することなどによりまして、紛争の防止や早期解決、産科医療の質の向上を図ることを目的として創設するものであります。
 この制度は、通常の妊娠、分娩にもかかわらず脳性麻痺となったお子さんに分娩機関が補償金を支払い、その支払を民間の損害保険により担保するものであります。また、事故の原因については医学的観点から事例を分析し、結果をお子さんや妊産婦、分娩機関の双方に伝えることとしております。この制度の創設に伴いまして分娩料の引上げが見込まれますことから、当該制度に加入している医療機関等において出産した場合に、出産育児一時金等の支給額を従来の三十五万円から三十八万円に見直す方向で検討しているところでございます。
○山本博司君 この制度に加入している医療機関、今実態はどのぐらいでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) この制度への加入に当たり全都道府県で説明会を実施し、調査をしております。十一月十一日現在の加入状況は、病院、診療所が九六・八%、助産所が八七・二%、合計で九五・五%となっております。
○山本博司君 今九五%ということで、来年の一月一日から実施をするわけですから、当然このまだ加入をしていない医療機関、助産施設、どのように加入を求めていくのか、この加入促進策、このことに関しましてお話をしていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 加入促進の取組といたしましては、都道府県がホームページ等を通じて行います医療機能に関する情報提供の項目と病院等における広告が可能な項目に本制度への加入の有無を追加する改正を十一月四日付けで行っております。また、啓発、広報活動も進めてまいります。
 現時点で加入していただいていない分娩機関については、この制度による補償が受けられないお子さんが生じてしまいます。本制度の趣旨を御理解いただけるよう、引き続き加入促進を図ってまいりたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 続いて、この補償対象者の範囲、今回、通常の妊娠、分娩にもかかわらず重度の脳性麻痺となった者と、このように今回範囲が指定されておりますけれども、脳性麻痺以外の医療事故があった場合にはどのように対応していくのか。また、この補償対象の拡大ということに関しましても考え方をお聞きをしたいと思います。また、見直しということに関しましては今後どのように行っていくお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) この産科医療補償制度におきましては、まずは制度の早期実現を図る観点から、分娩にかかわる医療事故により脳性麻痺となったお子さんを補償の対象としているところであります。補償の対象も含めた制度の在り方については、遅くとも五年後を目途に制度の見直しを行うこととしておりますが、さらに必要な場合にはこの五年を待たずに制度を見直すことも考えたいと思っております。
○山本博司君 今回、先天性や未熟児の脳性麻痺の方は対象外になっているかと思いますけれども、これはどういう理由からでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) この場合は、まずこの制度、分娩にかかわる医療事故により脳性麻痺となったお子さんを補償の対象として早期実現を図る観点から行っておるわけでございます。そして、実際には未熟児の方あるいは先天性の染色体異常を持たれる方とかの場合には、この場合原因が明らかでございますので、今回のこの通常の分娩における脳性麻痺といった対象から離れているわけでございます。
 ただ、この三十三週以上、二千グラム以上という規定のもう少し下のボーダーラインのケースであっても、これは審査の段階で必要な場合にはそれも含めるといったことも行うわけでございまして、御指摘の補償の対象について、先ほども申し上げましたけれども、五年後の制度の見直しについてはこれはよくよく検討していきたいと考えております。
○山本博司君 今回のケース、五年ということなく、もっと早い段階での見直しということも必要であれば検討していただきたいと思います。
 そして、今回の補償制度、金銭的な補償制度をつくるということではなくて、事故を減らすための医療技術の開発とか産科医の研修制度の充実とか、実質的な医療事故を減らすための取組もこれは並行して強化をすべきと考えますけれども、この再発防止に関しましての取組に関しましてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 原因の分析、また再発防止につきましては、この産科医療補償制度の運営組織であります日本医療評価機構におきまして、産科医、助産師、弁護士さん、学識経験者の方等を中心に構成する原因分析委員会、また、産科医、小児科医、助産師、患者の立場の有識者、学識経験者、関係団体等により構成する再発防止委員会をそれぞれ設置して取り組んでいくこととしております。
 全般的な医療事故の再発防止につきましては、医療機関における医療安全体制の確立、医師不足等の対策や臨床研修制度の見直し等、全体の医療の質の向上を図ることにより取り組んでまいりたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 次に、大臣にお伺いをしたいと思います。出産育児一時金の引上げに関してでございます。
 現在、地域によっての出産費用五十万近くになる地域もあると言われております。出産育児一時金の引上げが求められているかと思います。子育ての基本的な負担というのは社会全体でしっかりと支えて、個々の家庭の負担を軽減をしていく、そして過大な負担を求めないようにするには出産育児一時金の実情に合わせた引上げが必要であるかと思います。
 また、日本産婦人科医会の調査では、出産費の未収が公的病院を中心に多発していることが判明をしております。十二億円とも言われておりますけれども、この医療機関の未収金をなくするためにも出産育児一時金を直接医療機関に支払うべきとの考え方もございますけれども、こうした点に関しまして大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員おっしゃいましたように、出産一時金三十五万円ですけれども、東京のように恐らく五十万円近く掛かっているところもあれば、地域によっては三十五万円以下で済んでいるところもあります。ですから、地域の実情に応じた額をきちんと払うという方向で一つは変えたい。
 それから、今おっしゃいましたように、直接保険者から医療機関に支払うということであれば、未収の問題もありませんし、今手元にお金がなくても安心して出産できる。まあほとんどがもうそういう形、そういう形というのは、直接払う形になっておりますけれども、そうじゃないところももちろんあって、建前はまず三十五万円払って、出産費払って、後で出産の証明書をもらってお金をいただくという形になっていますから、先ほどの妊婦健診の無料化もそうですけれども、手元にお金がなくても安心して妊娠し、健診を受け、出産できる、こういう体制を早急に整えたいと思って、その方向で今努力を重ねております。
○山本博司君 是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、周産期の救急医療体制に関しましてお聞きを申し上げたいと思います。今日も午前中からずっと論議のある点でございます。
 病院たらい回しという痛ましい問題が重なっておりますけれども、一番体制の整備が進んでいるというこの東京において発生をしたということが問題の深刻さ、本当に深いものであるというふうに思います。この問題をなくすためにも、救急医療と周産期医療の連携強化、これが欠かせないと思います。
 今回の事故を教訓として、周産期の救急医療体制をどのように整備するお考えなのか、まず大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 周産期医療と救急医療、これの連携をいかに確保するか。これは今、専門家を集めて検討委員会を設けておりまして、十二月ぐらいを目途にこの提案をいただきたいというふうに思っています。それから、これは国も地方自治体も医師会も皆が連携してやるべき課題でありますので、このこともきちんと手当てをしたい。そして、何といっても医師不足というのが背景にありますから、この医師不足に対して中期、長期、短期、こういう政策を取っていきたいと思っております。それは医師だけじゃなくて看護師についても言えるわけです。
 今回の事案につきましても、墨東病院の件、それから杏林病院の件についても、その受入れを拒否した病院を含めて、都と協力して徹底調査を行うと。そして、その中からどういう問題が浮かび上がってきているかということについてもこれはきちんと把握しないといけない。そういう中で、情報システムの問題もありましたから、経済産業省と協力して、モデル病院をつくり、情報システムをIT化する、活用する、最新鋭のものにすると、そういう方向でこの努力をしていきたいと思います。
 そういうことで、二度とこういう問題が起こらないように更なる施策を続けてまいりたいと思います。
○山本博司君 是非よろしくお願いいたします。
 じゃ、具体的な点についてお伺いを申し上げたいと思います。
 オンライン上の手術の可否、また空床情報、これをリアルタイムで表示をする救急医療情報システム、また周産期医療情報システムにつきまして、これまでまだ未整備の地域もある、こういうことがあるとのことでございますけれども、現在の都道府県のこの整備状況、このことに関しましてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 救急医療情報システムについては、現在コンピューターシステムによる設置県が四十三県となっております。また、周産期の救急情報システムについては、現在コンピューターシステムによる設置の県が三十八、ファクスや電話等を利用したシステムを設置している県が七となっております。この救急医療情報システムと周産期救急情報システムの間で連携をしておりますのは二十一でございます。
○山本博司君 まず、基本的にこういった整備が重要かと思います。ただ、今回、東京でこういうケースが発生をしたということは、かなりシステムとしては使っていた形だと思いますけれども、先日、先ほども大臣言われましたけれども、この情報伝達システム、即座に把握をしていくという意味で経済産業省との共同で進めていくというふうなことがございました。
 このシステムの概要と今後の見通しに関しまして教えていただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これは、月曜日に大臣とお会いして直ちに指示をそれぞれの省に下しまして、既に作業を開始しております。幾つかのモデル病院をピックアップしてそこで実際に実験をやっていく。そして、様々なIT技術があるわけですから、どういう形でやっていくかということが非常に重要だと思いますので、これを早急に固めたいと思います。
 ただ、今回の墨東病院の事案で、私はずっとまだ調査をしていますけれども、この中にお医者さん、何人か委員の方おられますけれども、恐らく五の橋の病院の産科の先生から墨東の周産期の産科の先生に行って、産科のネットワークでやり取りして、周産期のセンターからほかの周産期という形でやったそのルートもありますけれども、東京の緊急システムに入って、まあ消防ですね、そこからやれば緊急の方に入ったんではないかということもあるんです。
 ですから、本当に多くの不幸が重なって、産科の先生方も悪気でやったわけじゃなくて、まさにネットワークでつながっているから、顔見知りでもあるし、何とかといったのが裏目に出た面もあると思います。ですから、こういうIT技術を使ったシステムの、技術を使った制度のことも改革もやりますけれども、今言った周産期のネットワークと救急医療のネットワークを人的な要因を加えてどうするかという視点も欠かしてはならないので、この点も忘れなくやりたいと思っております。
○山本博司君 ありがとうございました。
 今大臣御指摘ありました、人的な部分のことも含めてということでございましたけれども、私、先日、茨城県の土浦協同病院を訪問をした、小児救急の現場でございましたけれども、見させていただきました。ここで、小児救急の拠点病院オープンシステムということで、地域の医師会所属の小児科医の専門医師と協力をしながら連携をして時間外診療、こういうことが実施をされておられて、大変すばらしい取組が行われていた実感がございました。
 こうした制度といいますかシステムといいますか、この周産期医療にも生かすべきであるというふうな実感をしたわけでございますけれども、こうした地域の救急医療体制を守るために、開業医の救急医療への積極的な参加、これが重要ではないかと思います。この地域基幹病院と協力して開業医が救急医療に参加できる体制の整備、これをどのように考えていらっしゃるか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 救急医療につきましては、近年、軽症の患者さんを中心に救急の利用が大きく増加し、受入れ能力に限界ということも指摘されております。本年六月の安心と希望の医療確保ビジョンにおきましても、夜間、休日等における開業医の外来診療の推進など、地域の開業医に救急医療に参画してもらうことが重要な課題となっております。
 このため、厚生労働省といたしましては、二十年度診療報酬改定におきまして、時間外の軽症の救急患者を診療所で受け止める体制を推進するため、診療所での夜間、早朝等の診療を新たに評価したほか、御指摘の診療所の医師が二次救急の医療機関に参加する体制の、それを応援するための予算を二十一年度の概算要求でもお願いしているところでございます。
 救急患者の受入れが確実に行われるよう、地域の診療所のお医者さん方の参画を推進するなど、救急医療体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 続きまして、若年者雇用という観点からお聞きを申し上げたいと思います。
 本年四月からジョブ・カード制度、スタートをしております。このジョブ・カード制度、労働市場のインフラ整備ということで大変重要な役割を担っていると思いますし、しっかりと定着をさせていかなければならないと思います。
 このジョブ・カード制度が発足をしてから半年が経過をしました。制度の利用状況に関しまして御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(草野隆彦君) ジョブ・カード制度は四月からスタートしたわけでございますが、厚生労働省では、初年度の目標といたしまして、ジョブ・カード取得者を十万人、それから職業訓練受講者数を五万人程度とする目標を設定しております。
 制度の利用状況でございますけれども、まずジョブ・カード取得者数ですが、これは年間十万人に対しまして、十月末現在、累計で二万七千人ということで、やや出足が鈍いわけでございますが、月を追うごとに増加のペースが増しておりまして、十月の一か月間で約八千人が新たにカードを取得したという状況でございます。
 それから、職業訓練受講者数ですが、これは年間五万人計画でございますが、十月までに約二万一千人となっております。その内訳でございますが、まず、年長フリーターなど、すぐには企業に雇用されにくい方に対する訓練を専修学校などに委託して行っております日本版デュアルシステム、これが約二万人でございます。それから、主として新規学卒者を企業が雇用した上で現場の中核人材を育成するための訓練を行う実践型人材養成システム、これが一千人でございます。それから、フリーターなどの正社員経験が少ない方につきまして、三か月から六か月程度の間、企業との雇用関係の下で実践的な訓練を行う有期実習型訓練、これが七十名というふうになっております。
○山本博司君 今、現状のお話ございました。まだ始まったばかりの制度ですからまだまだこれからの対応もあると思いますけれども、例えば、今、有期実習型訓練、年度目標一万人に対しまして現在七十人と言われてまだまだ浸透していないというのが現状じゃないかと思います。これは多くの企業の参加がやっぱり必要であると思います。こうした企業に対しての具体的な呼びかけ、これはどのように行っていらっしゃるんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(草野隆彦君) おっしゃいましたように、有期実習型につきましては立ち上げ期におきまして制度の周知とか体制整備、こういったところに問題があってなかなか十分進まなかったというふうに考えております。
 その後は、地域ジョブ・カードセンターでありますとかあるいはハローワーク、こういったところが中心となりまして事業主向け説明会の開催でありますとか財界、業界団体などへの戸別訪問などをやっております。その結果、九月末までに約一千社の企業から今後、有期実習型訓練を活用したいとの申出があったところでございまして、こうした企業では、一定の準備期間を経て年度後半以降順次訓練に取り組んでいただけるものというふうに考えております。
 また、このほか制度の活用が進まなかった主な要因としまして二つ考えておりまして、第一はオフJTの実施要件が厳しくて社内の人材を指導員として活用しにくいといった制度上の問題もございました。このため、本年十月から社内人材による円滑なオフJTの実施が可能となるよう要件の見直しを行ったところでございます。
 それから第二に、フリーターなどの正社員経験の少ない方、こういう方を直接雇用することへ企業側がなかなかためらう、ちゅうちょするという傾向もございます。このため、企業内で既に働いているパートあるいはアルバイトなどの非正規社員の方、こういった方を対象とした訓練、いわゆるキャリアアップ型と申しておりますが、そういう方も本格実施に推進しているところでございます。さらに、今般の生活対策におきまして、企業が有期実習型訓練を活用するインセンティブを一層高めるため、訓練経費などの助成拡充を盛り込んだところでございます。
 これらによりまして、引き続き有期実習型訓練の活用実績が向上するよう全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○山本博司君 続きましてこのジョブ・カードに関しまして、求職者、利用者の方の負担があるのではないかということでの質問でございます。
 具体的に職歴を記入する際、在職証明書などの資料を添付しないといけない規定があるということもなかなか利用者には大きな負担となっているというふうにも考えられます。また、今後ジョブ・カード制度を普及促進させるためにはこういった点も含めて改善をしなくてはならないと、こう思いますけれども、この負担軽減策に関しましてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(草野隆彦君) お話がありましたように、ジョブ・カードの中には記載事項の証明確認欄というものがございますが、これは一部にこれらに係る証明書類が必要であるという誤解がございまして、これにつきましては可能な場合に限って提出いただくことで済むということで、そのことの周知徹底を図っているところでございます。
 それから、実際にジョブ・カードに求職者の方が記載していただく場合、ハローワークなどにおきましては専門資格を有するキャリアコンサルタントが記載内容や将来のキャリア形成などについてきめ細かい助言などの支援を行っていくこととしております。
 今後はこうした記載に当たっての留意事項の周知、誤解の排除、あるいはキャリアコンサルタントによる支援を更に徹底しますとともに、利用者の声やニーズも配慮しながらジョブ・カードをより活用しやすいものとするよう努力していきたいというふうに思っております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 また、今回の生活対策の中での訓練期間中の生活保障給付の返還免除対象者の拡大、これが実施をされることになっております。これまで訓練を受けてキャリアアップを目指したくても訓練期間中の生活ができなくなるために断念していた、この利用者にとっては積極的に活用できる好機であると思いますが、この生活保障給付の返還免除のねらい、またどれぐらいの対象者の範囲を拡大しようとしているのか、この辺の御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(草野隆彦君) 返還免除制度のねらいでございますけれども、これは訓練期間中の生活保障給付ができる制度とすることによりまして、経済的な不安を抱かずに訓練の継続あるいは知識、技能の習得を促すことを目的としているものでございます。
 具体的な返還免除の対象者についてでございますが、平成二十年度補正予算におきまして、二十五歳から大体三十代後半の年長フリーターなどのうち、訓練の修了状況やその後の就職状況など一定の要件に該当する方を対象にしまして十万円を限度として免除することとしております。
 さらに、今般の生活対策におきまして、第一に、扶養家族を有する者に対する返還免除額の更なる引上げを行いますとともに、第二に、返還免除の対象者を四十歳以上の者に拡大することを盛り込んだところでございます。対象人数につきましては、先般の補正予算により約一千二百人としたところでございますが、生活対策におきまして更に拡大を図ってまいりたいと思っております。
 厚生労働省としましては、今後とも、正規雇用を目指す若者などに対してより一層効果的な支援ができるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○山本博司君 今、若年者雇用ということでずっとお話をしてまいりました。九月二十九日の参議院の本会議の所信表明演説の中で、麻生総理が、「次代の日本を担う若者に希望を持ってもらわなくては国の土台が揺らぎます。困っている若者に自立を促し、手を差し伸べます。そのための、若者を支援する新法も検討します。」、こう述べておられました。こうした考えというのは、ニートの方々とか年長フリーターの方、こうした様々な困難に直面をしている若者たちの支援が進むことが期待をされ、積極的に進めていただきたいと思います。
 私も先日、愛媛県の新居浜市の大島の若者自立塾、ここに行ってまいりました。約三か月の合宿ということで、こうした方々が参加をされておりまして、中にはニートを一年ぐらい続けて、テレビのコマーシャルを見て、一期生の方の姿を見て私も参加をしようということで来られた方でございまして、非常にこうした働く意欲を持って参加をするということが大事なことだと思います。
 その意味で、今まで話してきました若年者雇用に対する舛添大臣の御決意をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 今おっしゃったような若年者雇用の推進につきましては、新雇用戦略におきまして、就職氷河期に正社員になれなかった若者につきまして早急に安定雇用を実現するということで、今後三年間で百万人の正規雇用化を目指すこととしております。
 また、平成二十年度において、年長フリーターに対する支援に重点を置いたフリーター常用雇用化プランの推進、さらに、先ほど話題になりましたジョブ・カード制度による若者への職業能力開発機会の提供、さらに、ニートなどの職業的自立支援の強化を図るために、地域若者サポートステーション事業の拡充、それから、今おっしゃった若者自立塾事業の実施というところに取り組んでおります。
 また、今般の補正予算におきまして、年長フリーターを重点に、トライアル雇用制度の活用など就職から職場定着までの一貫した支援の実施、さらに、職業訓練期間中の生活保障給付制度の創設、今これも議論になったことでありますし、ジョブ・カード制度の整備充実などを図ることにしております。
 さらに、十月三十日の生活対策におきましては、年長フリーター等を積極的に正規雇用する事業主に対して特別奨励金を創設し、三年間で集中的に実施すると、こういう取組を通じまして、新しい次の世代を担う若者が安定した職業に就けるよう支援をしてまいりたいと思っております。
○山本博司君 是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 時間の関係で、最後に原爆症の認定問題だけ御質問をしたいと思います。
 この認定問題、本年の四月から与党のプロジェクトチームの提言も踏まえて、拡大された新しい認定基準による認定作業がスタートしております。半年間が経過をしましたけれども、その進捗状況、この件、御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(上田博三君) 原爆症の審査方針に関しましては、本年三月に新しい審査の方針を策定し、四月よりこれに基づく認定作業が進んでおります。本日までで、件数でございますが、一千五百五十七件、このような方々が認定をされまして、既に昨年度までの年間平均の十二倍以上の認定実績となっておりますが、今後とも迅速な審査に努めてまいります。
○山本博司君 今ありました、十二倍以上に進展をしているということは大変喜ばしいことでございます。しかし一方、この申請の却下がなかったり総合判断での認定が少ないとのこうした指摘もございます。また、申請したにもかかわらずいまだ審査が行われていないケース、約六千件に及ぶとも言われております。中には、七十四歳の女性の方は、もう私たちは時間がないんだと、厚生労働省は残酷だと、こういった意見等もあって、こうした被害者団体協議会は、国の不作為に当たるということでの行政不服審査法に基づく異議申立てをする準備も進めているということもございます。この審査の更なる迅速が求められておりますけれども、このことに関しましてどう対応するか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(上田博三君) 原爆症認定のための審査は、従来は原爆被害者医療分科会のみで審査を行ってきたところでございますが、本年四月以降はこの新しい審査の方針に基づく認定作業を迅速に行うということで、この分科会の下に四つの部会を設置をして迅速化を図っているところでございます。
 いずれにしましても、先ほど御説明したとおり、速やかに認定がされるよう可能な限り努力をしていきたいと思っております。
○山本博司君 今本当に、私も中国、広島であるとか愛媛、また香川の原爆被爆者の方々、原告団の方、お会いをしました。やはり、もう時間がない、その思いの方々ばかりでございます。この迅速にということに関して、今言われた部分、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 それからもう一つ、この今の認定の中で、肝機能障害、また甲状腺機能低下症、このことに関しましては積極的認定の対象としていませんけれども、この被爆者援護法の趣旨とか原爆症認定訴訟の多くの判例から考えても、この第一認定疾病に追加すべきと考えております。これは与党のプロジェクトチームとしても提言していることでございますけれども、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 御指摘の肝機能障害及び甲状腺機能低下症につきましては、この十月に原子爆弾被爆者医療分科会において専門家の議論をいただいているところでございます。医療、放射線、司法などの専門家によってしっかりとした議論をしていただいて、その結論を待ちたいと思っております。
○山本博司君 是非ともこういう形での肝機能障害を含めて、お願いをしたいと思います。
 今現在、原爆症の認定集団訴訟、全国の裁判所で行われておりますけれども、原告の勝訴、国は負け続けております。十二連敗でもございます。本当に原告の方々、高齢化が進んで亡くなっている方もたくさんいらっしゃいます。一刻も早く解決をすべき問題であると思いますけれども、このことに関する大臣の所見を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 大変御高齢であることを踏まえて、とにかく迅速な審査をやっていきたいということでこれまでもその方針を貫いてまいりました。先ほど局長からありましたように、昨年の十二倍の実績、千五百五十七件の認定をすることができました。今後とも更にこの認定を急がせたいというふうに思っております。
 そして、先ほどの例えば肝機能障害にしても、これは総合的に判断する道が残されておりますので、一つ一つのケースについて個別に判断していくということで、冒頭申し上げましたように御高齢であることにかんがみて、迅速なる認定作業を行いたいと思っております。
○山本博司君 以上で終わります。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 七年前、国立循環器病センターに勤務していた看護師の、当時二十五歳の村上優子さんがくも膜下出血で亡くなられた件で行政訴訟がありました。十月三十日、大阪高裁が公務災害という判決を下しました。私もこの問題、当委員会で何度か取り上げてきましたし、先日山下芳生議員とともに大臣に申入れもいたしました。日本看護協会もこれは上訴を断念すべきだという表明をしております。
 改めて大臣に伺います。これは上告をすべきではないと思います。決断をしていただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 今の案件ですけれども、平成十三年に国立循環器病センターで勤務した看護師さんがくも膜下出血でお亡くなりになったと、公務災害かどうかの行政訴訟でありますけれども、私は、判決につきまして関係省庁と協議した結果、上告しないということにいたします。
○小池晃君 今日、お母さんもお見えになっていますが、大変喜んでおられると思います。関係者も喜ぶと思うんですね。感謝をしたいと思います。
 やっぱりあの二階発言ありまして、私も本当に心から怒りを覚えます。政治の立場だというのであれば、こういう問題を解決すると、やっぱりこういう声にこたえるのが政治の責任だというふうに思いますので、やっぱり看護師の労働条件の問題も含めて実態調査をしっかりしていただいて、国立医療機関はもちろんですが、看護師さんの今の労働実態について、日本看護協会も長時間労働の実態調査を始めるというふうに言っておりますし、是非そういう道に踏み出していただきたいということを申し上げたいと思います。大臣、もし何かありましたら。
○国務大臣(舛添要一君) 先般の墨東病院に訪ねましたときも、ああいう案件があったので皆さん、そこにお勤めになっているお医者さん、それから看護師さん、非常にショックを受けられて、ただ、看護師さんがNICUの中で私に訴えたのは、本当に厳しいんだと。だから、十五ユニットあるのに、足りないので十二しか稼働していない。
 これは南野委員にもお願いいたしまして、来週、看護協会の方ともお会いし、様々な実態調査を行い、それから、今免許を持っておりながら様々な理由でお仕事を休んでおられる方は是非復職していただいて、こういう過酷な医療現場の改善を一緒に協議して、前に進めたいと思っております。
○小池晃君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 引き続き、今の経済情勢にかかわって、リストラと年金の株式運用の問題について今日は聞きたいと思います。
 大規模な労働者の首切り、雇い止めが始まっています。しかし、ウォール街のばくちのような経済によってつくられたこのツケをやっぱり労働者に回すというのは私は許してはいけないというふうに思うんです。
 厚生労働省として、現在起こっているリストラの動きについてどのように把握しておられるか。製造業の派遣・請負労働者の離職、百名以上の離職者を出している企業の数とか離職者数について御報告をしていただきたい。
○政府参考人(太田俊明君) 都道府県労働局からの十月の地域の雇用失業情勢の報告でございますけれども、雇い止めあるいは中途解除は十八件となっているところでございまして、派遣労働者、請負労働者、またいわゆる期間工の方々約四千九百四十人が雇い止め等をされているところでございます。
 それからまた、同じ都道府県労働局の報告でございますけれども、解雇などによる雇用変動、これは原則百名以上のところでございますけれども、三十五件ということで、これは正社員とかパート社員の方々でございますけれども、約六千三百人が解雇等の対象になってされているというふうに聞いているところでございます。
○小池晃君 資料で詳細はお配りをいたしました。
 厚労省が把握しているだけでも一万人を超える。しかも、報道では、トヨタ自動車とそのグループ企業だけで七千八百人に及ぶ期間社員、派遣社員の首切り、日産で七百八十人、マツダ八百人、スズキ六百人と、大企業が相次いでリストラ計画を発表しています。こういう一斉に大量解雇というのはかつてなかった事態ではないかと。
 減益とはいっても、トヨタでもなお年間六千億円の利益を今年見込んでおりますし、内部留保、ため込み十三兆円あるわけですね。トヨタのかつて奥田碩会長は、経営が悪化したときに労働者の首を切るような経営者は腹を切れと言った。ところが、やっていることと実態と違うわけです、今。
 大臣、昨日、首相あてに申入れも私ども日本共産党として行いましたが、この大量解雇、雇い止めをやめさせて、雇用維持のために最大限の努力をするように、日本経団連を始めとする経済団体に対して大臣が直接乗り込んで物を言うべきときではないですか。指導すると、改善を申し入れると、やるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 今の委員の御意見も受けまして、近々、経団連に参り、そのことについてもきちんとやることを検討したいと思います。
○小池晃君 これは是非やっていただきたい。厳しくやっぱり申入れをしていただきたい。指導をしていただきたい。
 厚生労働省に仕組みをちょっとお聞きしたいんですが、こういう大規模なリストラが始まっている中で、これを監視したり企業に雇用責任を果たさせるための仕組みは現行制度では、簡単に説明していただきたいんですが、どんなものがあるんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 今御指摘の企業での大量雇用変動に対応する仕組みでございますけれども、雇用対策法に基づきまして二つ仕組みがございまして、一つは再就職援助計画の作成、もう一つは大量雇用変動の届出でございます。
 再就職援助計画の作成につきましては、これは事業規模の縮小等に伴って離職を余儀なくされる労働者の職業の安定を図るということで、事業主に計画を作っていただきまして、円滑な再就職を促進するというものでございます。
 それから、大量雇用変動の届出につきましては、これは一時的に大量の離職者が発生してその地域の労働需給に影響を及ぼすおそれがあるという場合には、この事業主からの届出を受けて、ハローワーク等の関係各機関が再就職支援のための措置を講ずるということで迅速かつ的確に対処するということでございまして、そのような仕組みがあるということでございます。
○小池晃君 その大量雇用変動や再就職援助計画の直近までの提出の数字見ましたけれども、例えばトヨタなどでは今年既に二千人の期間労働者が辞めさせられたと報道されているんですけど、それらしき数字が見当たらない。トヨタからは、法律で定められている大量雇用変動の届出若しくは再就職援助計画の報告は出ていますか。
○政府参考人(太田俊明君) 個別の企業に係る事案についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、一般論として申し上げれば、これらの制度の対象となる大量の離職者が発生した場合には、これは事業主は当然ながら法に基づき計画等の提出をしなければならないということでございますので、もし提出がなされてない場合には、これは当然ながらハローワークにおいて適切に指導等を行ってまいりたいということでございます。
○小池晃君 これ、マスコミが大々的に報道されているような事態ですから、何で答えられないのかなと。事前にも答えられないという話だったけれども。
 私、やっぱりこういう態度では、本当に企業側から労働行政というのが足下を見られるというか、甘く見られるということになると思うんですよ。きちっとそういうところでは言うべきだと。
 そもそも、じゃその今の大量雇用変動や再就職援助計画の仕組みが今のリストラの動きに対応できているのかどうかということなんですが、ちょっとお聞きしますけれども、今大企業のリストラの主な手段としては期間社員が期間満了したということで雇い止めをすると、あるいは派遣労働者の契約解除ということがかなりの部分を占める。局長、そうした場合も再就職援助計画の提出の対象になるんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 再就職援助計画の対象でございますけれども、これは事業所に常時雇用されている労働者のうち事業規模の縮小等を伴って離職を余儀なくされる者を対象としているところでございます。常時雇用される労働者でございますけれども、これは六か月以上雇用されている者又は継続して六か月以上雇用されていることが予定されている者をいうということでございます。
○小池晃君 いや、でもその有期雇用の場合はそうじゃないでしょう。六か月以上雇用されていたらすべて対象ですか。正確に言ってください。
○政府参考人(太田俊明君) 今のお尋ねの件でございますけれども、期間を定めて雇用されている者のうち期間満了により雇い止めとなるという者につきましては、こうした支援の必要性を勘案して、労働契約の更新により三年以上引き続き雇用されている者を再就職援助計画の対象としているところでございます。
○小池晃君 ということは、三年以内で期間満了の場合は届出の対象にすらならないということですね。
○政府参考人(太田俊明君) 御指摘のとおりでございます。
○小池晃君 大臣、こういう仕組みなんですよ。三年以内は対象外と言うけれども、今トヨタを始めとする製造業大手の雇用形態というのは、二年十一か月というのを上限として五か月、六か月の期間契約を繰り返して二年十一か月で全部もう終わりと、そういう雇用形態の中で多くの大企業の期間労働者は雇用されているわけですね。
 結局、今の話でいえば、ずっと働きたくても三年以内に期間満了になるわけで、三か月とか六か月とかその契約期間の満了さえ待てば企業は何の対策も問われずに再就職援助計画出さないでいいという仕組みになっています。これで雇用対策といっても絵にかいたもちではないかと。
 それから、派遣労働者に至っては、これは登録型だったら、これは派元が大量に解雇すればそれはまた別ですけど、派先が幾ら切ったってこういう中に載ってこないという仕組みになっているわけですよ。
 率直に言って、私は今の雇用対策が大企業の雇用の今の在り方にマッチしていないと。要するに、一時的、臨時的な仕事じゃなくなってきているんです、派遣も期間社員も。それがまさに企業、工場内の期間労働者になってきている。そこに今リストラの嵐が襲ってきているときに、そこに全く作用しないような雇用対策になっているんではないだろうか。私は、今のままでは実態の把握すらできないし、そういう労働者に対して雇用対策の手を差し伸べることすらできない。これ、構造的問題だと思うんですよ。
 大臣、やっぱりここは抜本的に見直していく必要があるというふうに私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 三年以内ということでその再就職計画の対象になるかどうかが切られているという今の仕組み、それはそれなりの判断で行われたと思いますけれども、やはり今委員がおっしゃるように、この再就職計画の対象となるべき労働者を確実に捕捉していく、そして今の制度がこれでいいのかどうなのかということも含めて少し検討させていただきたいと思います。
○小池晃君 派遣労働者についてちょっと追加で聞きたいんですが、これは中途解除の場合は、派先にはどういう対応が求められていますか。
○政府参考人(太田俊明君) 派遣契約の中途解除につきましては、これは違法ではないわけですけれども、当然ながら派遣労働者の雇用の安定の面からは好ましいものでなくて、可能な限り避けるべきものと考えております。
 したがいまして、これは派遣元、派遣先、派遣先だけでなくて派遣元も含めてその指針に基づきまして、中途解除の際には派遣元、派遣先の双方の企業に対しまして、例えば具体的に派遣先ですと関連企業での就業をあっせんするということによりまして、新たな就業機会を確保するように必要な措置を求めているということでございます。
○小池晃君 しかし、それはその指針の努力義務にすぎないわけですよね。
 大臣、今、大規模な派遣切りが進んでいるわけです。何百人単位で派遣労働者の首を切っても、これは努力義務で終わっているという実態なんですね。これでいいのかと。やっぱり指針に沿った対応がちゃんとなされているのかどうか、大量に、もう報道されていますから、いっぱい。こういう企業に対して一斉点検などをやっぱり今こそやるべきじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 労働基準局を始め必要な監査、指導、これは行っていきたいと思います。それとともに、やはりこの派遣労働そのもの、それから常用雇用でない方々、この方々を何とか安定した職に就いていただく。そのため、先ほど来申し上げています十月三十日の生活対策でもそのための様々な施策を取り込んでおりますので、調査検討、指導監督、それとともに総合的な施策でこの派遣労働者の雇い止め、その他に対応していきたいと思っております。
○小池晃君 一般的な対応ではなく、特別対策を是非打っていただきたい。
 それから、雇用を打ち切られて失業した労働者の生活と再就職を支える、これも待ったなしです。雇用保険財政の積立金の残高については、これは失業等給付費で四兆九千三百六十二億円、二事業の安定資金で一兆一千七百六億円です。合計が六兆円超えるわけですね。
 私ども、一昨日、緊急経済対策も出しましたが、これ活用すべきだと。やっぱりこの間の失業給付の削減を見直すとともに、雇用保険から排除されて未加入の労働者なんかも含めて、やっぱり生活援助制度をつくる、職業訓練や再就職活動中の生活支援制度をつくる、それから住宅困窮者に対する家賃補助、あるいは家を借りるときの保証人などの制度、こういったものも具体的に提案をしておりますが、大臣、やはりこの雇用保険の積立金を、雇用対策以外に使えって言っているんじゃないですよ、やっぱり雇用のためにこれは使っていく、これは私は道理があることだと思うし、今こそやるべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 四兆九千億、これは失業した場合の積立てですから、私はこれはこういう状況であればまずしっかり守りたい。それから、二事業の一兆一千億円、これをどういうふうに活用するかと、それも考えたいと思いますし、それから、ただ安易に最後のセーフティーネットである積立金を埋蔵金などと称して使うということに対しては、私は非常に消極的なんです。むしろ、生活対策であるように、様々な常用化のプラン、それから、例えば非正規労働者就労支援センターを設置する、その他の追加経済対策でこれは対応すべきだというふうに思っております。
○小池晃君 安易に使えとは言ってないんです。漫然とため込むことが許されるのかと。こういうお金があれば、やっぱり雇用のためにこそ使うべきじゃないかということなんですよ。やっぱりこれ、真剣に検討すべきだと。
 それから、雇用保険については国庫負担の廃止を求める議論がありますが、そもそも国庫負担、なぜあるのか説明していただきたい。
○政府参考人(太田俊明君) 失業等給付の国庫負担でございますけれども、これは保険事故である失業というものが政府の経済政策あるいは雇用対策と関係が深いものであって、その財源を労使双方の負担のみにゆだねるのではなくて政府もその責任を担うべきであると、そういう考え方でしているものでございます。
○小池晃君 大臣、今の国庫負担の考え方からすれば、今議論されているような雇用保険に対する国庫負担を廃止するということなどは到底許されない議論ではないかというふうに思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 私もそのとおりだと思います。
 やはり、国が労働政策にきちんと責任を持つということは近代国家の必要な要件だと思いますので、私はあらゆるところでそこのことに対しては反対で、そうじゃなきゃ労働省って要らないはずです。そういう思いでおります。
○小池晃君 そこはしっかりやっていただきたいということと、それからちょっともう一点、さっきの雇用保険の積立金の活用について、安易だというような形でやっぱりその議論をしてしまうのは私はおかしいと思うんですね。やっぱりきちっとそれは、今これだけ、百年に一度だとグリーンスパンが言うような事態の中で、大リストラが襲ってきたら何が起こるかって、これは景気が悪化するわけで、大不況を呼び込むようなことになるわけですよ。だから、そこを阻むためにこの積立金を使うというのは私は安易でも何でもないと、まさに理にかなった使い方ではないかというふうに思いますよ。
 大臣、どうですか。やっぱりそれ、もっと踏み込んでこれ活用するというふうに決断すべきだと思いますよ。どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) これから先の例えば失業者がどれだけ増加するか、そういうことで、四兆というのは過剰に過ぎる、どんなことがあっても四兆九千億円使うことはあり得ないということは言うわけにはいかないと思います。
 ですから、私はそこに手を付けるよりも様々な経済対策でこの経済社会の活性化をし、失業者を一人でも出さない施策をやっていくということでありますから、委員のお気持ちはよく分かりますけれども、最後のとりでとして私はこれは今のところはきちんと守り、そのほかの施策でもってまず闘いたいと思っております。
○小池晃君 全部使えと言っているわけじゃないんですよ。共産党の提案だって一兆円程度活用しとちゃんと書いてあるんですから。だって、雇用保険財政だけ残ってあとは焼け野原になったって何の意味もないじゃないですか。だからやっぱりしっかりそこは考えてやってほしいと。
 それから、金融危機の年金財政に対する影響なんですが、これどれだけ損失出ているのか。これごく控えめに試算をしてみましたが、六月末と現在を比べると、年金積立金管理運用独立行政法人が用いているインデックス、国内株式の指標TOPIXは三二・六%、外国株式の指標MSCI―Kokusaiは四〇・六%下落しています。これ六月末の資産残高は国内株式で十五兆円、外国株式では十一兆四千億円、これパッシブ運用ですから指標どおりの下落率これ掛けると、国内株式では四兆九千億円、外国株式では四兆六千億円、今の時点ではこの程度の資産の下落になっているという考え方で、局長、大体考え方はよろしいですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) ただいま委員おっしゃいましたように、国が年金積立金管理独立行政法人に資産を寄託してそこで国内債券を中心に一定割合で内外の株式などを組み込んで分散投資している、そういう運用状況につきまして、もとより年金でございますので長期的な観点で評価すべきものでございますが、諸外国の例も踏まえまして、年金加入者に運用状況を適時適切に情報提供するという観点で四半期ごとに公表してございます。
○小池晃君 簡単にね。
○政府参考人(渡邉芳樹君) はい。
 四月から六月の第一・四半期の段階でこうした分散投資によって十九年度末に比べて市場運用分で約一兆四千億のプラスが出てはおりますが、その後、委員御指摘の最近の株価動向等を踏まえた状況というのは更に厳しいものが予想されております。第二・四半期を含む上半期の公表は、現在、当該法人が昨年と同様、近々公表する予定で作業を詰めておると聞いております。
 そうした中で、四半期に一度きちっと公表しそれを見ていくというのが基本であると思いまして、今御紹介いただいたようなものは一部金融関係の報道などにも類似の報道はあるわけでございますが、直近の第二・四半期、それから十月、非常に大きな変化がございましたが、十月から十二月の第三・四半期、一つ一つその四半期ごとの公表を待ちたいと思っております。
○小池晃君 大臣、これ外国債券加えると更に損失は拡大する可能性高い。昨年度の五・八兆円を上回って十兆円を超える損失が出る可能性もあると思うんですね。
 昨日、年金部会での議論では、しかし前回の利回りよりも上回る利回りを設定するということになった。これは余りに私は甘い見通しではないかというふうに思うんです。こういう利回りで設定すれば、さらに国内株式なんかの組み込み率を高めるという、そういうポートフォリオになっていくという危険性もあるわけですし、安全第一である年金の運用からますます乖離していくんじゃないかと。
 私どもは、かねてから年金の資金は株式運用をやめるように提案してまいりました。御承知のようにアメリカもやってないわけですね。国民の貴重な財産である公的年金資金を国内株式なんかにこういう幅の大きいリスク運用をするということについて、やっぱり考え直すという時期に来ているんではないかというふうに私は考えるんですが、大臣、政治家としてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) どういうポートフォリオで年金運用するかというのは非常に難しい問題です。私が任命権を持つ年金運用委員会、これは今回新たな血を入れて新しい人をメンバーに入れました。
 今、委員、非常にアメリカ発の金融危機でこういう状況で株価も大幅に暴落しているところでの御意見ですが、今度逆に、非常に景気がいいときに何でもっと積極運用して利回り稼がないんだという、そういう意見が出てくる。ですから、それは、私はやっぱり長期的に、国民の大事な資産ですから、それをどう運用するかということで年金運用委員会できちんとやる。必ずしも、じゃ株式を完全に排除した方がいいか、債券だけでやったときに例えばインフレに対するヘッジをどうするかとか、様々な問題がありますから、年金運用委員会できちんと議論していただいて、ポートフォリオの選択をやり、そして短期の変動ではなくて長期的にきちんと利回りを確保していくと、こういうことでいきたい。
 高い数字、昨日出ておりますけれども、まだまだしかし諸外国の運用に比べればはるかに運用実績が劣っているということもまた確かでございます。
○小池晃君 長期で見ろと言うけれども、五年前の計算からいったって、五年間で結局、二〇〇七年度までは八・八兆円プラスだったけれども、このままでいくと今年分ですべて使い果たすという可能性あって、五年たって結局ゼロになると。運用利回り、予想利回り下回ると。それどころか、もうゼロになってしまうという危険になってきているわけですから、私は、やっぱりこういう危険に国民の大切な財産ですからさらすということはやめるべきだし、やっぱりこの巨額の資金というのがマーケットに対する影響というのも考えれば、これは経済の原理からいったって、こういったことをどんどんやっていくことは改めるべきだというふうに思います。
 このことは検討すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 先日、予算委員会で労働者派遣法について、労働者派遣についてお聞きをしましたが、今日も継続してまずお聞きをいたします。
 派遣労働者の注文減少、中途解約など、景気後退から生ずる実態把握について、先日お聞きをいたしました。私も十月現在における企業整備状況をいただきましたし、先ほど四千九百四十名ということで回答がありました。
 しかし、この企業整備状況は十四県しかないんですね。一番、例えば私もたくさんメールをいただきますが、愛知県、静岡県、派遣が多く、派遣切りが多く進行していると言われているところはありません。ですから、実際は四千九百四十名ではなくもっと多いと思いますが、本当の実態はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 私ども十月に、全国のハローワークを通じまして中小企業四千二百八十五社に対しまして、経済情勢の変動に伴う雇用面等への影響に関するヒアリング調査を行ったところでございます。
 これを見ますと、マクロのデータでございますけれども、派遣社員についての雇用の過不足感は、過剰とする事業所が不足とする事業所を一三・五ポイント上回っておりますし、特に輸出型製造業では二六・〇ポイントの過剰という状況でございます。
 それから、派遣、パート、契約社員等の再契約の停止を行った事業所というのが、これが全事業所に占める割合で三・六%でございます。いずれも七回、七月の調査と比較しまして悪化しているという状況でございます。
 それから、都道府県労働局の個別の把握で累計いたしますと、先ほど申し上げた四千九百四十人というのが派遣労働者、請負労働者、いわゆる期間工の雇い止め等の数字でございます。
○福島みずほ君 ヒアリングの結果はいただいております。私の質問は、四千九百四十名のこの表が十四県しかないので、問題の大きい愛知県、静岡県が入っていないのはなぜかとお聞きしているんです。
○政府参考人(太田俊明君) これは都道府県労働局で把握できる限りの数字で把握したものでございます。ですから、全部網羅的に把握しているかというと、そこまではいっていませんけれども、いろんな情報によって把握したものを全部集めて累計したものでございます。
○福島みずほ君 いや、ひどいですよ。労働局が全国都道府県にあって、出ているデータが十四県だけで、先ほど四千九百四十名と言ったのはたかだか十四県なんですよ。しかも、ここからは、多く製造業現場に派遣がいる、そして実際派遣切りが行われていると言われている愛知県、静岡県はないんですよ。局長、なぜ愛知県、静岡県は上がってきていないんですか。
   〔委員長退席、理事家西悟君着席〕
○政府参考人(太田俊明君) これは労働局からの個別の情報を集計したものでございますので、基本的に私ども、労働局にこのような動きがあったときには情報を上げるように指示しているところでございますけれども、更に愛知、静岡も精査をしてみたいと思っております。
○福島みずほ君 厚生労働省は、予算委員会でも質問しましたし、全国の労働局に全部上げろと言うべきじゃないですか。さっき四千九百四十名と言ったけれど、たかだか十四県の結果を言っているだけで、厚労省、指導すべきですよ。
 大臣、すべての労働局に対して、派遣切りがどれだけ行われているか、十四県以外のデータも上げるように指導してください。
○国務大臣(舛添要一君) しかるべき調査をするように指導いたします。
○福島みずほ君 よろしくお願いします。
 中途解約についても予算委員会で質問しました。これは仕事のあっせんを実施しているかどうかについて実態は把握していないというのが答弁でした。今日どうですか。
○政府参考人(太田俊明君) 中途解除につきましては、これはやっぱり可能な限り避けるべきものであるという考え方でございまして、先ほど申し上げたとおり、派遣元・派遣先指針に基づいて派遣元、派遣先双方の企業に対しまして、例えば派遣先の関連企業での就業をあっせんする等によって新たな就業機会を確保するように必要な措置を求めているところでございまして、実際にあっせんした例も把握しているところでございます。
 先ほど申し上げたとおり、労働局でも把握に努めておりますけれども、基本的に全労働局でしっかりと把握し、適切な指導をしていきたいというふうに考えているところであります。
○福島みずほ君 中途解約をした結果について、仕事をあっせんしているかどうか、要するに指針が実効性があるものかどうかのデータについて、きちっと局長、出してくださいますね。約束してください。
○政府参考人(太田俊明君) 基本的に、先ほども申し上げたとおり、各労働局にはこのような情報はすべて、情報を本省に報告するようにということを指示しておりますので、その中でできる限りの把握をしていきたいと。それで、派遣先・派遣元の指針が守られるように引き続き指導をしていきたいということでございます。
○福島みずほ君 中途解約について指針が実効性があるかどうかについて私に回答をくださるという意味だということの確認です。よろしいですね。
○政府参考人(太田俊明君) 派遣先指針がどのように守られているか、できる限り把握いたしまして報告をしたいということでございます。
○福島みずほ君 今、中途解約と派遣切りが進んでいるので、お願いします。
 大臣、例えば今日聞いたケースで、十月二十九日で、三十日にあなたはもう契約、解約をします、そして寮は十一月十五日に出ていってくれと言われる。つまり、派遣の人たちは寮に住んでいますから、中途解約で、あしたで終わりです、中途解約、そして来月十五日には寮を出ていってくれとなって一挙にホームレスになる、住まいを失うわけですね。今、現状はこういうことが行われているということに対して厚労省はもっと身を乗り出して解決すべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) 労働者派遣法その他様々な労働関係の法律に基づいて、そしてまたこれまで様々な指針を出しておりますので、そういう指針に基づいてきちんと指導をしてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 雇用促進住宅などについて、そういう人を例えば緊急的にでも入れるというのはどうですか。
○国務大臣(舛添要一君) それについては、平成三十三年までにこれは廃止するという形で今そのプロセスを踏んでおります。
 したがいまして、そこに入れるというよりも、例えばハローワーク、それから例えばネットカフェにおられるような方々に対して、NPOや自治体を通じて様々な施策を取る。例えば、就職先に必ず寮が付いているところを就職する。それから、新しいアパートを探すときの資金を援助する。様々な施策をやっておりますので、そういう形でむしろ対応をして、雇用促進住宅はこれは廃止していくという方向ですので、それを両方ごっちゃにしないで、むしろ別の施策でやった方がいいと考えております。
○福島みずほ君 現状では愛知県や静岡県でホームレスになる。さっき言った例ですと、もう放り出される。実際そうなんですね。緊急的にもっとやらないと、実際、住居あるいは雇用保険もなかなかありませんから、実際とんでもない状況が起きている。それについてはどうですか。
○国務大臣(舛添要一君) そういう状況について、こういう方々に対してどういう生活支援をするか、再就職支援をするか。これは厚生労働省としても、それぞれの自治体と協力をしながらきめの細かい対策を取るべきだし、そういう方向で努力をしたいと思います。
○福島みずほ君 あしたであなたは中途解約、そして十五日には出ていけと言われて、なかなか間に合っていない。要するに、現状がひどい状況なわけで、それに対して今の厚労省の行政が追い付いていっていないという現状です。これについては、速やかにこうするという方針を出していただくよう、また改めて質問していきます。
 派遣に限らず、今採用内定の取消しが非常に増えているというとんでもない状況です。これの実態把握はどうしているでしょうか。対応策はいかがですか。
○政府参考人(太田俊明君) 平成二十一年三月の卒業予定者につきまして、現時点でハローワークから都道府県労働局を通じて報告があった採用内定取消し数は四件、六十三名という状況でございます。
 当然ながら、ハローワークについては、報告を待つばかりでなくて、積極的に大学等を訪問しまして内定取消しにつながる動きの把握に努めているところでございまして、当然ながら内定取消しの撤回等についての指導も行っているところでございますので、今、現状につきましては採用内定取消しの状況を確認中でございます。
   〔理事家西悟君退席、委員長着席〕
 内定取消しは合理的な理由がない限りしてはならないということでございますので、その回避、撤回についての必要な指導も実施しているところでございます。
○福島みずほ君 おっしゃるとおり、採用内定は合理的理由がなければできないというのが判例です。とすれば、ハローワークや大学に言うのではなく、企業に対して正当な理由がなければ採用内定の取消しをすべきでないというアピールを厚労省としておやりになったらどうですか。
○政府参考人(太田俊明君) 事業主が採用内定の取消しを行おうとする場合には、職業安定法の施行規則に基づいて、あらかじめハローワーク等に通知するものとされておりますので、そういった情報に基づいて、事業主に対してはその回避、撤回についての必要な指導を実施しているところでございますし、さらに、これからの状況も踏まえてハローワークにおける取組の強化、あるいは事業主団体の要請も含めて適切な対応を検討してまいりたいということでございます。
○福島みずほ君 撤回を求めて成功しましたか。
○政府参考人(太田俊明君) 指導につきまして、その回避、撤回について必要な指導を実施しているところでございますので、当然ながらその回避、撤回をしていただいたところもありますけれども、やむを得ない事情によって内定を取消しされるというケースも出てきているところでございます。
 当然、そのことにつきましては、ハローワーク等が学校とも連携を図りつつ職業紹介等の支援を行って、できる限り早期に就職が決定するよう支援しているところでございます。
○福島みずほ君 大臣、大学生、高校生は正当の理由がなければ採用内定の取消しができないという判例など知らないかもしれないわけですね。大学生と話していると、今不安が広がっています。ですから、ハローワークから連絡があってというのではなく、正当な理由がなければ、要するに労働者の首を切るというのは最後の手段なので、採用内定の取消しは正当の理由がない限りできませんよということをもっと言って、大学生、高校生が不安に陥らなくて済むように、あるいは間違えて採用内定の取消しをする企業が出ないようにすべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) いろんな形でこの件について、最高裁の判例もありますし、周知徹底するように努力をしたいと思います。
 例えば、これは大学生、文部科学省なんかとどういう協力ができるか、広報活動を含めて検討したいと思います。
○福島みずほ君 派遣法の改正案が閣法で出ております。今派遣切りが問題になっておりますが、派遣切りに対してこの法案は有効ですか。
○政府参考人(太田俊明君) 今般国会に提出しました労働者派遣法の改正案におきましては、製造業を含む日雇派遣を原則禁止にするとともに、派遣元事業主に対しまして登録型派遣労働者の常用雇用への転換推進措置を努力義務とすることを盛り込んでいるところでございまして、これらの措置を活用いたしまして製造業等で働く派遣労働者の雇用の安定に努めてまいりたいと考えております。
 それからまた、これは派遣法だけでなくて、派遣法の枠組みを超えて派遣労働者を始めとしました非正規労働者に対する支援、正規雇用化への支援を行っているところでありまして、今後ともその充実強化に努めてまいりたいということでございます。
○福島みずほ君 努力義務しかすぎず、もう今恐らく何万人レベルでしょうが、派遣切りになっている人たちに対してこの閣法は何も有効ではないんですね。努力義務でしかありません。
 以前この委員会で質問したとき、大臣は、ディーセントワークとは何かという私の質問に対して、直接常用雇用だ、予算委員会での質問ですね、とおっしゃいました。また、この委員会の中で、メーキング、製造業については派遣を認めるべきではないとおっしゃいました。残念ながらこの閣法はそういうふうになっておりません。
 大臣、これ不十分だと思われませんか。
○国務大臣(舛添要一君) 私は、常に恒産なければ恒心なしということを申し上げて、メーキングにまで常用雇用じゃないのが当たり前のようなことを言っちゃいかぬということを申し上げました。
 そしてその一方で、しかし自由な働き方をしたいという人たちもたくさんいるということで、今回、私は日雇派遣を原則禁止するということをこれはやりたいということを言ったら、大変一般の方々から抗議のメールや手紙が来まして、私はこうして登録して働いているのに、あなた、私の生活どうしてくれるんだという、そっち側の意見もあるんです。そして、今製造業含めて二百三十万人ぐらい登録型で働いている方々はおられます。これ全部駄目だということになると、この人たちが働けなくなるということもあるんで、そこのバランスを取ってやりたいというふうに思っていますんで、いろんな声に耳を傾けながらディーセントワークを実現するために努力をしたいと思っております。
○福島みずほ君 二〇〇二年の改正前まではその人たちは派遣ではなかったわけですね、製造業で今働いている人は。ですから、製造業について派遣が広がったのは派遣法の改悪によってですから、それは直接雇用を企業はちゃんとすべきだというふうに思います。いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) そういう方向で様々な指導をやっていく。先ほどのこの派遣止めの、雇用の打切りのようなことについても努力義務ということを課しています。しかし、努力義務も、これも相当厳しく指導すれば私はかなり前に進めることができると思います。
 だから、先ほど申しましたように、私のところに、大臣、私の職を奪わないでくれという登録型の労働者から相当な抗議が来ています。しかし、その中でどうしてやるかということで、例えば名ばかり管理職について相当私は厳しく指導しました。その結果、それなりの成果は上げておりますんで、全力を挙げてこのディーセントワークは実現するような方向で、あらゆる手で努力をすることをお約束したいと思います。
○福島みずほ君 閣法で出ている法案についての問題点は、規制緩和が入っていることです。常用型派遣の事前面接の解禁、期間制限のない派遣業務に関する派遣先の労働契約申込み義務の適用除外。なぜ、今労働法制を規制強化しなければならないときに、事前面接の解禁なのかと、なぜ規制緩和があるのか、これはもう全く逆行している。事前面接をやるぐらいだったら、正社員として直接雇用すべきじゃないですか。
○政府参考人(太田俊明君) 御指摘のように、今回の改正案におきましては事前面接のことが項目として挙がっておりますけれども、これは、派遣先が常用型派遣を選考する、選ぶインセンティブとするために、期間を定めない雇用をされる派遣労働者に限っていわゆる事前面接を可能としたものでございます。
 したがいまして、今、現行でいわゆる事前面接を禁止している理由は派遣労働者の雇用機会を狭めるおそれがあるということでございますけれども、期間を定めないで雇用される労働者につきましては雇用機会は確保されておりますので、このような問題は生じないということでございます。
 さらに、事前面接を可能とするに当たりましては、年齢又は性別による差別的取扱いを禁止する規定を設けているところでございまして、これによって特段の問題を生じないのではないかと考えているところでございます。
○福島みずほ君 派遣法においては事前面接はできないというのがその法律の制度上当然で、なぜ今回この規制緩和が入っているのか。
 それから、先ほど大臣は多様な働き方とおっしゃいました。しかし今、何万人と派遣切り、契約更新拒絶と中途解約が起きている。あした解約、出てってくれと言われる。どこが多様な働き方なのか。まさに使い捨てになっていて、今回閣法として出された法案はこれに対して何ら効力を発するものでは全くありません。
 これは、こういうものを作って若者に手を差し伸べたなどと言わせないというふうに思っています。これは、法案は規制緩和もあり、絶対に認めることができないということをあらかじめ強く申しておきます。
 次に、医療についてお聞きをいたします。
 昭和五十七年、医師が余っているという閣議決定をし、医師の数を減らしてきました。そのことは明確に誤りだったんではないでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の閣議決定でございますけれども、これは昭和五十七年の七月に臨時行政調査会がまとめた行政改革に関する第三次答申を受けて、同年九月に今後における行政改革の具体化方策について決定したものであります。
 その中で、医療従事者については将来の需給バランスを見通しつつ養成計画の適正化に努める、特に医師及び歯科医師については全体として過剰を招かないよう配慮し、適正な水準となるよう合理的な養成計画の確立について政府部内において検討を進めるとされたところであります。
 この閣議決定を受けまして、昭和六十一年の厚生省の将来の医師需給に関する検討委員会の提言において、昭和百年、これは平成三十七年になりますけれども、そこで医師の一割程度が過剰となると予想されることを考慮して、昭和七十年、平成七年になりますけれども、これを目途に医師の新規参入を最小限一〇%削減する必要があるとされたことを踏まえて、医学部定員の削減が行われたものであります。
○福島みずほ君 大臣、今年の一月、福田総理に医師不足について質問をしました。医師の数を増やすとそのとき答弁し、二〇〇八年骨太方針で医師の数を増やすとし、舛添大臣のときに一・五倍にするとしました。
 私は、今の医療の問題点はいろんな局面でありますが、昭和五十七年閣議決定、大蔵省と厚生省が医師の数を増やさない方が医療費が掛からないという判断をしたことによると思いますが、ずうっと医師は余っているキャンペーンを厚労省がつい最近までし続けてきた。これは間違いだったと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 確かに地域による偏在、診療科による偏在ということもあります。しかし、私は、全体的に見て医師が不足しているそのことが大きな構造的な問題だと、そういうふうに判断をして政策を転換いたしました。
○福島みずほ君 私は、今の医療の問題について、五十七年閣議決定以降、医師が余っているキャンペーンをやってきた厚労省にその責任はあると思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 積極的にキャンペーンをやったかどうかは、私はそのとき大臣じゃありませんから知りませんけれども、しかしながら、私は、やはり偏在しているというだけでは問題の本質はついてないというふうに思いましたんで、そういう点で改めました。改めるのは一刻も早い方がいいと思いますんで、様々な行政のこの反省はきちんとやった上で新しい政策を出したと思っております。
○福島みずほ君 医師不足ではないかと国会で質問し、その転換がされたということについては実は感謝をしているんですが、やはりこの間、余りに医師が余っているとして増やしてこなかった厚労省の責任はやはりあるというふうに私は考えます。
 次に、国民健康保険証を持っていない子供たちの問題で、三万三千人が無保険状態になっていると。これについては、各地域で極めてばらつきがある、それから、資格証明書をもらっても全額払わなければならないので非常に問題が起きている、それから、子供たちでいえば、修学旅行やキャンプやいろんなときに健康保険証のコピーを出さなければならないので、健康保険証を持っていなかったりすると本当に学校で子供が非常に肩身の狭い思いをするという話などを聞きます。
 この実態調査をした結果、厚労省としてこれどのような対策を今後立てていくのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 今回、国民健康保険の資格証明書の発行に関しまして、御指摘のとおり調査を行ったところでございます。その結果といたしまして、現在でも各市町村において子供のいる世帯にはより慎重に運用を行っているということはうかがえるわけでございますけれども、一方で、滞納世帯数に対する資格証明書の発行数の割合にかなりのばらつきがあるということも分かったところでございます。
 今回、特に子供のいる滞納世帯につきましてはよりきめ細かな対応が必要であることから、まずは短期被保険者証の活用などによりまして世帯の状況を把握するように徹底を求めるとともに、関係の福祉部門とも十分に連携を図りながら、特に子供のいる世帯への緊急的対応として、子供が医療を受ける必要が生じ、かつ一時払いが困難である場合には短期被保険者証を交付すると、こういった必要な配慮を行うこととしたところでございます。
 今後とも、各自治体が実情に応じて適切な対応を取るよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 国民健康保険証のこれについては、資格証明書発行前の滞納者との接触も、催告なくして保険証が取り上げられている実態も明らかになりました。また、資格証明書発行後の滞納者との接触についても、調査もないということで放置されているのではないか。また、国の水準以上に独自に医療費の助成を行っている自治体には国からの交付金が減額されるという措置があります。これなどは見直す必要があると考えます。
 大臣、一言いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) それぞれの自治体が医療制度について、特に医療費について様々な支援を住民に対してやる、それはそれで結構でございますが、ただそうなりますと、例えば中学まで無料化というようなことになると、どうしても無料化した分だけ医療費が上がると、統計的に、つまり受診率が上がるということでありますから、国庫の負担の調整ということでやっているので、何かそういう無料化をやる、一部でも無料化をやることに対して抑制するとか懲らしめるということではなくて、国庫の負担金を国全体で調整するという立場でやっておりますので、そこは御理解願えればと思っております。
○福島みずほ君 終わります。
○委員長(岩本司君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会