第171回国会 総務委員会 第24号
平成二十一年七月七日(火曜日)
   午後二時開会
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   委員の異動
 六月三十日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     林 久美子君
     大島九州男君     山下八洲夫君
 七月一日
    辞任         補欠選任
     武内 則男君     直嶋 正行君
 七月二日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     武内 則男君
     礒崎 陽輔君     鴻池 祥肇君
 七月三日
    辞任         補欠選任
     鴻池 祥肇君     礒崎 陽輔君
 七月六日
    辞任         補欠選任
     山下八洲夫君     大島九州男君
     吉川 沙織君     舟山 康江君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤 正光君
    理 事
                加藤 敏幸君
                高嶋 良充君
                長谷川憲正君
                河合 常則君
                二之湯 智君
    委 員
                大島九州男君
                加賀谷 健君
                行田 邦子君
                武内 則男君
                外山  斎君
                林 久美子君
                平田 健二君
                舟山 康江君
                泉  信也君
                礒崎 陽輔君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                中村 博彦君
                溝手 顕正君
                吉村剛太郎君
                魚住裕一郎君
                弘友 和夫君
                山下 芳生君
                又市 征治君
   衆議院議員
       修正案提出者   森山  裕君
       修正案提出者   黄川田 徹君
   国務大臣
       総務大臣     佐藤  勉君
   副大臣
       総務副大臣    倉田 雅年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高山 達郎君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       南  俊行君
       総務大臣官房総
       括審議官     岡崎 浩巳君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  椎川  忍君
       総務省自治行政
       局長       久元 喜造君
       総務省政策統括
       官        戸塚  誠君
       文部科学大臣官
       房審議官     前川 喜平君
       厚生労働大臣官
       房審議官     榮畑  潤君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○住民基本台帳法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(内藤正光君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、相原久美子君及び吉川沙織君が委員を辞任され、その補欠として林久美子君及び舟山康江君が選任をされました。
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○委員長(内藤正光君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住民基本台帳法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治行政局長久元喜造君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(内藤正光君) 住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。先日に引き続きまして、質問させていただきます。
 今日は、主に住基カードについて質問をいたします。
 平成十五年八月から住基カードの交付が開始されました。六年近くが経過しておりますけれども、平成二十一年三月末で交付枚数が約三百四十万枚と低い状況になっています。百人いれば二、三人の方が持っているかなと、成人でも百人いれば三、四人の方が持っているという、必ずしもこれは普及率が高いとは決して言えないような状況になっていると私は思っておりますが、大臣に伺います。どのような御認識でいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 今先生がおっしゃられましたように、基本台帳カードの交付枚数、運転免許証に代わる本人確認書類としての活用、そして電子申告、e―Taxにおける活用などによりまして、平成二十年度だけで百万枚以上が発行されるなど、最近若干伸びる傾向にございます。徐々にではありますけれども、その便利さが住民に認められてきているところというふうに考えておりますけれども、まだまだ足らないということだと思います。
 したがいまして、そのPR、先日も申し上げましたように、このカードに対するインセンティブというものをしっかりと考えながら普及を図ってまいりたいというふうに思っております。
○行田邦子君 一年間で百万枚強増えたということではありますけれども、まだまだ普及が足りない、十分ではないという大臣の御認識を確認させていただきました。
 私も、実はこの住基台帳法案の質問をするに当たりまして、慌てて住基カード、電子証明も付けました、取得をしたんですけれども、ただ、実際取得してみた後に思ったんですが、私にとっては使い道が今のところ何もないんですよ。
 ここで、お聞きしたいんですけれども、ちょっと重複するかもしれませんけれども、改めてお聞きしたいんですが、この住基カードの役割、使い道というのはどういうことがあるんでしょうか。
○政府参考人(久元喜造君) 住民基本台帳のカード、これは希望者の方に交付をしているわけでありますけれども、これは、まず使い道といたしましてニーズとして多いのは、やはり運転免許証を持っていない高齢者の方などの本人確認に使うというようなこと、それから住所地以外の市町村で住民票等の交付を受けるといったようなこと、それから、あとは電子証明書が確認されている住基カードにつきましてはe―Taxなどの電子申告など、電子申請、電子届出に使うといったようなところが主な用途であろうかと考えております。
○行田邦子君 今、身分証明、本人確認に使うということが一つあるということと、それから電子証明付けた場合はe―Taxなどの行政手続、オンラインでできるということがあったかと思います。それと、今おっしゃられなかったと思うんですけれども、多目的利用というのもあるかと思います。これは市町村によって状況は違うんですが、これはまた後で質問させていただきます。主にこの三つの柱かなというふうに思っております。
 ここで、大臣御自身について伺いたいんですけれども、先日の加賀谷委員からの質問、大臣は住基カードをお持ちですかという質問があったかと思いますけれども、それに対して、大変恐縮ですが最近取らせていただきましたというふうにお答えになっています。つい最近取得したということですけれども、大変嫌な聞き方になってしまって恐縮なんですけれども、大臣はこれまで総務委員長を経験されています。そしてさらに、総務副大臣も約一年間務められていました。ということは、私の認識では、住基台帳、住基カードというものに大変造詣が深いのではないかというふうに思っているんですけれども、にもかかわらずなぜ今まで持っていなかったのか、お答えいただきたいということと、それとあともう一つは、今お持ちということですので、今後どういうふうに使われようと思っていらっしゃるのか。
○国務大臣(佐藤勉君) 大変痛いところをつかれましたというところでございますが、正直今まで総務副大臣をしていたときには情報通信の分野の担当だったものですから、決して言い訳をするつもりはございませんけれども、今回先生と同じく慌てて取らせていただきました。
 ただ、今回取らせていただいて感じたのは、住民票等々、あるところによれば印鑑証明も取らせていただくということでございますので、結構私は使う頻度が高いものですから、そういう面では非常に便利になったかなというふうな思いをさせていただいております。先ほども申し上げましたように、税の申告にも使えるということでございますので、これから挑戦をしていきたいというふうに思っております。
 今になって取ったというのは大変恥ずかしい話でございますけれども、しっかりとこれから活用させていただきたいというふうに思います。
○行田邦子君 大変苦しいお答えだったのかなと思うんですけれども、身分証明には使われないということですか。
○国務大臣(佐藤勉君) もちろん場合によっては使わせていただけるところがあれば使わせていただきますし、常にかばんに入れておりますので、例えば携帯を変えるなんというときには積極的に使えるんじゃないかなというふうに期待をしております。
○行田邦子君 これで、今の御答弁で一つ大臣の使い道が増えたと思うんですけれども、身分証明についてまず申し上げますと、私の住基カードは身分証明に使えないそうなんです。というのは、写真が付いていないんです。なぜかというと、本当は写真を付けたかったんですけれども、さいたま市なんですが、さいたま市役所に行ったところ、役所の中にいわゆるスピード写真の発行機があるだろうと思って行ったんですが、忙しかったものですから、ところが近所にもなかったということで、時間がないので、もう面倒くさいので写真なしということで取得をさせていただきました。
 ここで、思うんですけれども、各市町村に対して、これから今後住基カードのニーズとしてはやはり身分証明という役割があるかと思いますので、より写真付きの住基カードを発行しやすいような窓口の環境を整えるようにアドバイス、助言をしていただけたらいいのではないかなというふうに思っております。
 それから、今、少し御答弁の中で便利になるとおっしゃられたその多目的利用ですね、例えば住民票等の証明書の自動交付機で使えるとか、あとは印鑑登録証として使えるというような多目的利用の状況についてなんですけれども、じゃ本当に多目的利用がなされているのかということを調べてみました。総務省さんからいただいた資料ですと、今多目的利用をされている団体、市町村が全国で百六十ということです。ですから一割弱ですね。人口カバー率ではちょっと分からないんですが、これは高い、多い数とは決して言えないと思います。残りの九割強の市町村では住基カードの多目的利用、例えば自動交付機で使えるとか図書館カードとして使えるとか、あるいは印鑑登録証として使えると、こういったことは一切なされていないという現状になっています。
 それで、ちょっとまた嫌な質問、言い方になってしまうんですけれども、大臣が今お持ちの住基カードは、これは残念ながら多目的利用なされていないと思いますので、大臣の住基カードというのは多目的利用できないようになっています。私のカードもそうです。なので、今住基カードをお持ちの方の恐らく大半は多目的利用なされていません。
 住基カードというのは、これは独自利用領域というのをあえて設けている仕組みになっていますので、ICチップ内蔵することはできるわけですよね。ということは、今九割強のカードは空いてしまっている、使いこなしていないという状況になっていますので、これは是非、各市町村に対して多目的利用をするように一層の働きかけを行ったらどうかと思うんですけれども、そこら辺についていかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 今回の法律改正によりまして、引っ越ししても継続してカードが使用できるように措置をすること、先ほど先生がおっしゃられましたように、図書館カードとか印鑑登録のワンカード化、十分空きはあるでしょうからそこに多目的利用をするとか、さらには、コンビニエンスストアで住民票の写しの交付などができるような新たな利便性を高めるなどの取組によりまして、着実にカードの利便性を高めていくことが必要だというふうに考えておりまして、こうしたメリットについて幅広く住民の方々に知らしめるとともに、取得の先ほど来から申し上げておりますようにインセンティブを、もっともっと使い勝手のいいような方向に持っていって、これ一枚あれば結構何にでも利用できるんだなというのが、もちろん広報すると同時に、使い勝手のいいカードという認識を持っていただくようにPRに努めてまいりたいというふうに思っております。
○行田邦子君 恐らく市町村からすれば、多目的利用をするためにはお金が掛かるという話だと思うんですね。そこら辺、総務省さんとしては何か手だて打っていらっしゃるんでしょうか。財政措置ということでいかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 住民基本台帳の、もちろん団体には、次第に増加傾向にございますけれども、先生がおっしゃられるようにまだ百六十団体ということで、普及が図られていないと言ってもいいと思います。
 カードの利便性を高め、その普及を図る観点から多目的利用の促進は有効でありまして、システム導入に必要になる経費については特別交付税による財政的な支援をしているところでございまして、これがなかなか行き渡らないというところもございまして、今後いろんな研修会やセミナーでその周知徹底を図ってまいりたいというふうに思います。それが分かっていただければやっていただけるんではないかなというふうに期待をしております。
○行田邦子君 今回の法改正を機に少しは市町村でも住基カードということに対しての注目が高まると思いますので、これを機に、是非多目的利用を促進するために、総務省としても、国としても、特別交付税という措置設けていますよということをPRをしてはいかがかなというふうに思っております。
 三本目の柱の電子証明に行く前に、今回の法改正に絡んで一点質問をさせていただきます。
 今回の法改正によりまして、住基カード、引っ越し後も、転居後も引き続き同じ住基カードを継続して使用できるようになるということになっています。これによって、今まで五百円払ってもう一回住基カードを申請し直すという手間が省ける方もいらっしゃいますし、それから、窓口に一回行くのは変わらないんでしょうけれども、少しは窓口で待つ時間も少なくなるかもしれないですね。ほんのささやかではあるんですけれども、今回の法改正によって利便性が向上するのかなというふうに思ってはいるんですけれども。
 ここで、お伺いしたいんですが、改正法では公布から三年以内の施行となっています。このほんの小さなささやかな変更に何で三年も掛かるのか。本当に三年も掛かるんでしょうか。外国人住民関連の事項についてはシステムの改修が必要であったり、あるいは外国人住民に対しての周知、制度改正の周知、PRが必要というのは分かるんですけれども、引っ越し系のこちらです、住基カードの関連についてはもっと早くできるんではないかと思っていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(久元喜造君) 引っ越しをしても従来使っていたカードが転入地の市町村でも引き続き使用できるようにするためには、システムの変更が必要であります。
 それぞれの住基カードには、これは安全性の見地から、カードの公開かぎと秘密かぎがペアになっておりまして、引っ越し後も使えるようにするためにはこれを書き換える必要が出てまいります。この書換えを行うためのシステムの開発ということを行いまして、各市町村にこれを使っていただくということで、システムの開発に要する期間、そして市町村にこれを配付をして、そしてそれぞれの市町村でこれをインストールして活用していくシステムの改修を実際に行っていく期間、このシステムの開発、改修に大まかに申しますと二年程度、それから施行準備に一年程度と、私どもといたしましては三年程度の期間を考えておりますけれども、できるだけ早くこの改正法を施行できるように、この法案の附則では公布から三年以内で政令で定める日となっておりますけれども、一日でも早く施行ができるように努力してまいりたいと存じます。
○行田邦子君 先日も弘友委員からも御指摘があったと思うんですけれども、これっぽっちと言ったら大変恐縮なんですけれども、これだけのささやかな変更で三年掛かるとはどうも思えないんですね。外国人関連の方は分かるんですけれども、この住基カードの変更、これだけのことで毎回毎回、一回ずつちょっとずつ変更して、そのたびに三年間掛かるといったら、住基カードの利便性を図らなければいけないことはもっともっとたくさんあるわけですから、先がつかえてしまうんではないかと。これでは一向に住基カードの利便性というのは図られないんではないかなというふうに思っておりますので、この点を指摘しておきたいと思います。
 電子証明について質問させていただきます。
 電子証明というのは、例えば代表的な例がe―Taxですけれども、個人が行政手続をオンラインでやる場合に必要になってくるものです。その電子証明の唯一の格納媒体が住基カードということで、関連して質問をさせていただきます。
 今、行政手続のオンライン化ってどのようになっているのか、お手元に資料をお配りしております。実は、e―Japan計画の下、一万四千もある国での行政手続、このうち何と九四%がオンライン化されています。オンラインで手続ができるような状況にもう既になっています。ところが、利用状況どうかといいますと、(2)の赤字のところを見ていただきたいんですが、オンライン利用率は二〇・五%と低い数字になっています。
 どうしてこのような状況になるのか、理由はいろいろあると思うんですけれども、そしてさらに御説明しますと、今まで行政の情報化それから電子政府、電子行政ということで、国と地方と合わせて大体毎年毎年一兆円程度のお金を使っている、予算を掛けているという状況です。これがずっと大体平成十三年辺りから続いています。平成十三年から毎年、国、地方で一兆円この電子政府、行政の情報化ということにお金を掛け続けているという状況にもかかわらず、行政の情報化というのは残念ながら一向に進んでいないという状況です。
 特に、行政手続のオンライン化が進まない理由、オンライン化の利用率が高まらない理由の一つに、私はこの電子証明の在り方、制度の在り方というものが問題があるというふうに思っております。ちょうど私がそういうふうに思っていましたら、同じ指摘がなされているものがありました。内閣官房のIT戦略本部が行ったユーザー調査、この分析でも、個人や企業のユーザーにとってオンラインでの電子手続、これの最大の阻害要因は電子署名であるという分析がなされています。
 随分、電子証明、悪者になってしまっていますけれども、大臣、御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) オンラインの利用が進まない原因というのが公的個人認証と個々の手続の使い勝手の双方に存在するというふうに認識をしております。全体といたしましては、オンライン利用時の操作性が悪いということとか、添付書類の削減が進んでいないとか、国民がオンライン利用の利便性を実感できていないとかということが大きい原因かなというふうに思います。
 公的個人認証サービスにおいて、昨年度、利用者用ソフトの初期設定を大幅に簡素化して操作性の向上を図ったところでございますけれども、e―Taxからも明らかになったように、適切な使途があれば公的個人認証サービスも普及するのではないかというふうに思いますし、総務省としては今後とも、個々の手続を所管する各府省と十分に連携をしながら普及拡大に向けて努力していきたいというふうに思います。
○行田邦子君 私が電子証明の制度設計そのものに問題があるのではないかと言ったその理由をもう少しちょっと具体的に申し上げますと、例えばe―Taxを例に取りますと、国税の電子申告をしようと思うと何が必要かというと、まず住基カードを取得しなければいけないんですね。そうしないと電子証明を格納するものがないので、まず住基カードを取得します。これに大体の市町村は今五百円掛かります。そして、さらに電子証明を取得します。これも五百円掛かります。ここで、市町村の窓口に行って申請をして千円掛かると。それだけではなくて、さらに、カードですから読み込むものが、機械が必要です。ICカードリーダー・ライター、これはそれぞれの方が、個人が購入しなければいけないと。家電量販店等で売っていますけれども、行ってみたらば在庫がなかったとかいうこともあります。金額的には千数百円から数千円というような幅があります。さらに専用のソフトをインストールすると。たしか昨年の質疑の中で、当時筆頭理事だった内藤委員長も、いかにe―Taxというものが大変なのかということを力説されていたと思うんですけれども、非常に大変複雑な、様々なハードルを経なければ電子申告というのはできないという状況なんですね。
 ここで、大臣にお考えをお聞きしたいんですけれども、私の考えでは、この住基カードが電子証明の唯一の格納媒体であると、そういう今の在り方に問題があって、こういう在り方であるから個人の行政手続のオンライン利用というのが増えないんではないかというふうに考えているんですけれども、電子証明を住基カードに納めるのではなくて、それ以外の方法というのを検討するというお考えはないでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃるとおりだと思います。公的個人認証サービスを普及拡大させていくためということになりますと、利便性の向上に向けて利用者視点からの検討が不可欠であるというふうに思います。
 このため、外部の有識者から成る検討会、公的個人認証サービス普及拡大検討会を開催いたしまして、現在、住基カードのみとなっている公的個人認証の電子証明書の格納媒体を携帯電話端末等へ拡大することについて、安全性やコスト等の点からも、民間事業者等の意見を伺いながら検討をさせていただいているところでございます。
○行田邦子君 今、住基カード以外の格納媒体、例えば携帯電話ということもおっしゃいましたけれども、必ずしもこれからは電子証明を住基カードに納めなければいけないということはやめるということも検討されているということだと思います。
 そうすると、話が鶏と卵みたいになってしまうんですけれども、今、最初私が申し上げた住基カードの役割というのは三本柱があって、それは身分証明、一つ目、二つ目が多目的利用、三つ目の柱の電子証明の格納媒体、私はこれが大黒柱だと思っているんですけれども、今後これがなくなってしまうとますます住基カードの役割って何なんだろうということになってしまうと思うんですね。ましてや今、現状では、多目的利用というのは九割強の市町村では行われていないと。大臣の壬生町でも私のさいたま市でも行われていないという状況ですので、そうなるとほとんど住基カードというのは、このままでは住基カードという名前を変えて公的身分証明カードというふうにした方がいいんではないかというふうにすら思えてくるわけなんです。
 今回の法改正によって、引っ越し後も引き続き同じ住基カードを継続使用できるという、確かにこれもささやかではありますけれども利便性が向上されます。ただ、それだけでは今後、このまま住基カードというものを生かし続けていくという意義が大変薄れてしまうのではないかなと、もっと広い意味での多目的利用ということを政府全体として恐らくは考えていかなければいけないのではないかというふうに思っております。
 今日は、住基台帳に絡んで、主に住基カードについて質問させていただきましたけれども、住基ネットが稼働した当初というのは、安全性やそれから費用対効果というような面で様々な議論を呼んだというふうに記憶をしております。今現在もありますけれども、反対意見というのもありました。今もあるかと思います。
 住基台帳、それから住基ネットというのは、諸外国の例を見ますと、なかなかこういう全国の住民の情報を一元管理する、把握するというようなシステムというのはないというふうに聞いています。裏を返せば非常に貴重な存在であるというふうに思っているんですけれども、ただ、これは運用を間違えてしまうと住民生活の安全、安心を奪いかねない大変恐ろしい凶器にもなってしまうと。ただ、裏を返せば、逆にきちんと適正な運用をしていけば住民生活の安心、安全を向上する、利便性を向上するというような形で住民に還元できるものだと思うんですね。
 ですから、これはきちっとうまく使っていけば住民の資産として利活用が十分果たせるものでありますし、そうしなければいけないというのが私の考えですけれども、大臣のお考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) おっしゃられるとおりだと思います。
 この利用を高めていくということに関しましては、先ほど来から申し上げておりますように、インセンティブを与える、また、いろんなカードの機能を一つに集約するというのも一つの手法ではないかなというふうに思いますし、何枚もカードを持っていていい話はございませんので、政府全体としてそういうものを一元化できるようにこれから検討してまいりたいというふうに思っております。
○行田邦子君 ありがとうございます。
 それではちょっと、時間限られていますけれども、電子政府に関連して一点、今総務省で行われていることについてお聞きしたいと思います。
 国民電子私書箱というものが今構想があるようです。これは国民電子私書箱、どういう構想なのか、簡潔にお願いします。
○政府参考人(南俊行君) 御説明を申し上げます。
 国民電子私書箱構想と申しますのは、希望いたします国民のお一人お一人に対しまして電子空間上の言わば専用の口座、アカウントのようなものを御用意をしますと。それによりまして、多くの行政機関とその国民の皆さんとの間で必要な行政情報のやり取りをしていただくような仕組みとして考えておるものでございます。
 具体的には、例えば自宅のパソコンから、先ほど来御議論のあります住基カードのようなICカードでこの国民電子私書箱にアクセスをしていただきまして、専用のページを開いていただきますことで、例えば様々な行政機関への申請ですとか届出、これをワンストップで済ませたり、あるいは年金記録のような自分の属性に合ったお知らせですとか通知、これを受け取れるような、しかもそのやり取りの記録はすべてその口座に記録として残りますので、個人情報保護の観点からも非常に安心できる、そういう仕組みとして御提案をさせていただいて、ワンストップの幅広い分野での行政サービスを可能にすることによって国民の利便性を高めるということをねらいとしているものでございます。
○行田邦子君 今この国民電子私書箱については内閣官房からお答えいただきましたけれども、戦略立案されているのは内閣官房、実施するのが総務省というふうにお聞きしています。
 ここで、平成二十一年度の補正予算を見ていたんですけれども、今回、国民電子私書箱というものに初めて予算が付いているようです。三十億円という予算が付いています。ただ、これで私が疑問に思ったのは、民主党が補正予算の審議に当たって資料を請求したその資料請求の回答に対して、業務委託事業の契約形態の欄に随意契約と記されていました。これはどういうことなんでしょうか。随意契約ということでもう決まっているんでしょうか。
○政府参考人(戸塚誠君) お答えいたします。
 まず、この事業につきまして簡単に御説明いたしますが、この国民電子私書箱関連ネットワーク基盤確立事業と申しますのは、国民電子私書箱に関するネットワークの基盤といたしまして、国、地方自治体間における法人、個人のデータ連携を可能とするバックオフィスシステム連携というものでございますとか、共通企業コードセンターの構築に向けました検証等の開発、実証を行う、その確立を目指すものでございます。
 委託先の選定、契約方法につきましては、委託の目的等を定めました計画書に基づきまして、企画競争によりまして実施者を公募いたします。この公募いたしましたものにつきまして、外部委員会などにおきまして委託先を選定いたしまして、選定した委託先との間において随意契約を行うというものでございます。
 以上のとおり、公募段階では企画競争を実施することによりまして、複数の応募による公正な競争が行えるものと考えております。以上の方法につきましては、競争性のある随意契約というふうに整理されておるというふうに理解しております。
 以上でございます。
○行田邦子君 競争性のない随意契約ではなくて、予算が成立する前から発注先が決まっていたということではないということで確認をさせていただきました。
 とかくこのIT化、それから行政の情報化というのは、お金の使い道というか、使った成果が目に見えないものなんですね。今回、私もいろいろ調べてみると、目に見えないこのIT化ということに年間国と地方で一兆円ずつ毎年毎年お金を使っているという状況になっています。
 なので、公共事業や道路あるいは箱物といったものというのは目に見えるものですけれども、逆に無駄遣いも見えやすいと。ただ、こういうIT投資というのはなかなか目に見えにくい、だからこそお金の使い方をしっかりと、要らぬ疑念を持たれないように注意をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 外国人住民の住民基本台帳の整備によって外国人住民の方にも日本人と同様の行政サービスが受けられるようになるのは良いことだと考えます。しかしながら、これまでの外国人登録制度が廃止された上に、非正規滞在者は住基台帳からも除外されることになります。それによって、従来受けていた行政サービスが受けられなくなる懸念があります。
 総務大臣に伺いますが、私は、居住の実態がある以上、住民として権利、義務の保障をしていくことが必要だと考えます。住民基本台帳に記載されない非正規滞在者が従来受けていた行政サービスが受けられなくなるおそれはありませんか。
○国務大臣(佐藤勉君) 各種の行政サービスが外国人に提供されるかどうかについては、その個別の法令に定めるところによります。例えば、国民健康保険などについて、現行制度上、在留資格を有する外国人に対して提供される一方で、義務教育や助産施設における助産、結核予防のための健康診断などについては在留資格の有無にかかわらず提供されているところでございます。
 このように、外国人に対する行政サービスの提供については各制度の趣旨に基づき行われておりまして、従前より行政サービスの対象とされるものについては本改正後も引き続き対象とされることと認識をしております。
○山下芳生君 従来の対象となるサービスはこれからも対象となるということなんですが、ただ、外国人登録もなくなる、非正規の方はですね、それから住基台帳からも除外される、どうやって行政サービスを継続するのか、所在の確認はどうされるんでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 現行制度上も、仮に住民基本台帳から消除されても、義務教育や助産施設における助産、結核予防のための健康診断などの行政サービスについては引き続きその対象とされているものと承知しております。
 また、衆議院における修正におきましても、政府が必要に応じ記録の適正な管理の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずることとされたところでもございまして、総務省としては、この趣旨を尊重して、今後も外国人住民に適切に行政サービスが提供されるよう、市町村や関係省庁と十分連携をし、その対象者の把握のために必要な措置を講じてまいりたいというふうに思っております。
○山下芳生君 もう一つ重ねて伺いたいと思うんですけど、本改正案が施行をされた後に、住民基本台帳に記載され行政サービスを受けていた外国人住民、つまり正規滞在者がその後仮にオーバーステイとなった場合は、法務省からの通知で住基台帳からの削除が機械的に行われることになります。これも削除された後も行政サービスを継続して行うためには本人の所在を確認しなければならないと思うんですが、こういう場合はどのように確認するんでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 考え方は今私が申し上げたとおりでございます。同じでございます。
○山下芳生君 ただ、考え方は同じだと言うんですが、現在外国人登録者数は二百二十二万人、このうち非正規の滞在者が約一万八千人、この一万八千人の外国人住民の方が住基台帳から除外されることになって、従来受けていたサービスが受けられるかどうかが非常に懸念されているわけですが、これ実際どうするかというのが問われるんです。
 そこで、修正案提案者に今日おいでいただいていますので伺います。
 修正された住基台帳法附則第二十三条は、非正規滞在者が存在するという実態を認めることを前提に、住基台帳から削除された外国人住民がそれまで受けていた行政サービスを継続するための措置だというふうに考えるのかどうか。
 それからもう一つ、修正された条文の、その者に係る記録の適正な管理の在り方について検討を加えるとありますけれども、これは具体的にどのような記録を想定されているのか、お答えいただけますでしょうか。
○衆議院議員(黄川田徹君) お答えいたします。
 前段の部分は山下先生のお見込みのとおりでありまして、非正規滞在者の中にはまじめに地域に定着されているといいますか働いて、そういう方もおられます。そしてまた、これらの方々が行政から見えない存在になる、そういうところに追いやるということは甚だ遺憾なことでありまして、多文化共生社会を形成するにおいてやっぱりしっかりと取り組まなきゃいけないということで、人道上の最低限の保障も含めまして公共サービスが引き続き受けられる、そういう措置を考えておるわけであります。
 そこで、重複しますけれども、この在留外国人に対する行政サービスの中には、義務教育や母子手帳の交付あるいはまた結核予防のための健康診断など、在留資格がない者でもその対象とされているものがあります。今回の住民基本台帳法によってこれまで提供されてきた行政サービスの対象範囲は変わるものではないということは、これは政府も今も答弁されたところであります。
 これまでこうした行政サービスは外国人登録を利用するなどして提供されてきておりますけれども、この入管法等改正法の施行の日以後もなおこれまでと同様の行政サービスが具体的に提供されるためには、それぞれの地方公共団体におきまして外国人に関する情報を把握する等、行政サービスを提供するための対応が必要となるわけであります。そのため、在留資格がない者であってもこれまで受けられていた行政サービスが入管法等改正法の施行の日以後もなお受けることができるようにするため、この二十三条、検討条項が盛り込まれたものであります。
 後段の部分でありますけれども、これまでと同様の行政サービスが具体的に提供されるためには、それぞれの地方公共団体におきまして外国人に関する情報を把握する等、行政サービスを提供するための対応、これが必要となってまいります。義務教育や結核予防のための健康診断など、在留資格のない者であっても提供される各個別の行政サービスを外国人に提供するための記録、その者に係る記録として想定されておるのであります。義務教育では例えば学齢簿というのがありますけれども、それの外国人に関する書類でありますとか、そういう部分を想定しておるわけであります。
○山下芳生君 ありがとうございました。
 次に、文部科学省に聞きたいと思います。
 現在、外国人登録されていることで市区町村は非正規滞在者であっても就学案内の通知ができております。改正案によって、例えば年度途中で住基台帳から削除された場合に、子供の教育についてどのように保障できるのか。不就学の児童が生まれないようにどのような対策を取られるのでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 外国人がその子供を公立の義務教育諸学校へ就学させることを希望する場合におきましては、従来より、国際人権規約等に基づきまして、在留資格のいかんを問わず、日本人の子供と同様に無償で受け入れてきているところでございます。
 仮に小中学校に在学中の期間に在留資格を失い住民基本台帳から削除されるということになった場合におきましても、当該外国人が我が国に滞在する期間においては引き続き公立の小中学校に受け入れるということになると考えております。
 文部科学省におきましては、従来より、外国人の子供たちの不就学をなくすということを一つの大きな課題として考えてきておりまして、我が国の教育制度やあるいは就学手続等についてまとめました七か国語によります就学ガイドブックを作成して配付しておりますほか、帰国・外国人児童生徒受入促進事業というのを行っておりまして、就学促進員を教育委員会に配置するなどいたしまして外国人の子供の公立学校への就学支援に努めているところでございまして、こうした施策の充実によりまして、今後とも公立学校における外国人の子供の受入れ環境を整備してまいりたいと考えております。
○山下芳生君 もう一つ、ちょっとこういうケースがあることが想定されるんですけれども、例えば、ブラジル人学校など外国人学校に通っていた児童の親がオーバーステイになった場合、住民基本台帳からは削除されてしまいます。こうした外国人住民は恐らく経済的に困難な状態に置かれたということが多いと思いまして、そうすると、外国人学校の月五万円程度の授業料が払えなくなることが多いと思います。
 今の外国人登録法では正規であれ非正規の滞在者であれ登録できておりましたけれども、この登録が廃止された下で新たに公立学校に入りたいという場合、公立学校に従来から通っていないので記録がない場合、不就学児童の掌握が困難になって放置されることにならないのかということが心配されますが、こういうケース、国として掌握し、ちゃんと就学してもらう制度が必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 私どもの進めております帰国・外国人児童生徒受入促進事業におきまして、先ほども申し上げましたけれども、就学促進員を配置するなどの取組をしているところでございますけれども、今後とも各自治体と協力いたしまして就学の促進には努めてまいりたいと考えております。
 特に今般、経済危機の影響によりまして、ブラジル人学校をやめざるを得ないという子供が増えてきているという実態がございます。その中には小中学校への編入学を希望するというケースもございます。ただ、日本語の習得が不十分であるということによりましてなかなか小中学校への編入が難しいというケースもございます。こういったケースにつきましては、今回、補正予算におきまして三十七億円の予算をいただきまして、我が国の小中学校へ編入するための前段階としての日本語指導を行う機会をつくりたいというふうに考えております。
 こういった取組を通じまして、就学したいという子供がすべて就学できるように条件を整えてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 次に、厚生労働省に伺います。
 現在は、外国人の国民健康保険への加入について、外国人登録があること、入管法による在留資格があること、一年以上の在留期間が決定されていること、こういう要件をクリアする外国人住民が被保険者となっております。今度の住基台帳法改正案の記載要件は、九十日を超える中長期在留者等となっております。
 つまり、住基台帳では九十日を超えれば住民となりますけれども、国保に加入できるのは一年以上の在留期間となるわけで、これは私は、国保は必要な医療を受けるために欠かせないわけですから、住基台帳に記載された外国人住民が同時に国保に加入できるようにするべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(榮畑潤君) 住民基本台帳にある外国人につきましては、国民健康保険の適用の対象になるというふうに考えてございます。したがいまして、今回の住基法の改正法案が成立した場合には、その施行に合わせまして、国民健康保険につきましても所要の法令上の規定の整備を進め、住民基本台帳と同じ考え方に合わせていきたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。
○山下芳生君 最後に、時間が参りましたので、総務大臣に改めて、地域における多文化共生を進めていくためには、この外国人住民の住民基本台帳の整備にとどまらないで、やはり国が外国人受入れの第一義的責任があると前回大臣もお認めになりました。
 そういう立場から、地方自治体の多文化共生への取組を積極的に支援すること、同時に、私はまだまだ受入れ体制が不十分だと思います、整備がですね。外国人労働者の労働環境、外国人児童生徒の教育、日本語教育、こうした外国人受入れの環境を国が責任を持ってきちっと充実させていく、見直すべきは見直す、充実させるべきはさせるということがどうしても不可欠だと思いますが、その点の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃられましたように、外国人の出入国については一義的には国の責任であるというふうに考えます。現に居住する外国人に行政サービスを提供することに関しましては、主として地方自治体の役割であるというふうにこれも認識をしております。
 国の定住外国人施策につきましては、本年一月、内閣府に定住外国人施策推進室が設置をされまして、教育、雇用など様々な施策の総合調整が行われているところでございまして、総務省といたしましては、各府省とも十分連携しつつ、自治体の意見も伺い、国籍や民族などの異なる方々が地域社会の構成員として共に生きていけるようにすることを目指して自治体の支援を行ってまいりたいというふうに思っております。
○山下芳生君 終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
 この住民基本台帳法改正案が入管法に従属的に一元化することによって、外国人が従来自治体から受けていたサービスを受けにくくするおそれがあるという点については前回指摘をいたしました。今日は、住基法本体について幾つか伺いたいと思います。
 まず第一番目は、この住基ネット及び住基カードの功罪について伺いたいと思うんですが、各省庁の電算化やネットワーク化で多くの利用されないケースや無駄が生じて、会計検査院や内閣府の報告書でも批判をされている、こういうケースがあります。
 住基ネットワークシステムについてもその利害得失をむしろ検討すべきときに来ているんではないのかと、こう思うんですが、まず、各市町村の住基システムを全国ネット化するために掛かった経費はどのぐらいだったでしょうか。
○政府参考人(久元喜造君) 住基ネットシステムに要した経費についてでありますが、国が要した経費は合計で約十六億円でありまして、あとの大部分は地方公共団体が支出をしております。この中で、システムの初期投資額は約三百九十億円というふうになっておりまして、運用経費につきましては、平成二十一年度が約百三十億円、平成二十年度につきましては百四十億円、傾向といたしましては運用経費は減少傾向にございます。
○又市征治君 自治体で掛かった金は大体千七百六十億ぐらい、こんなことだと思うんですが、これの場合、これは実額ではなくて、交付税上の算定額ですよね。決算の実額はもっと多いはずだと思うんですが、この点、把握されていますか。
○政府参考人(久元喜造君) 国が要した経費につきましてはこれは実額でございまして、あと、先ほど申し上げました経費は地方財政措置ベースの経費でございます。この実額につきましては、実際の住民基本台帳事務が住基ネットとそれ以外の従来から行ってまいりました住民基本台帳事務ということを一体的に行っておりますので、これだけを抽出するのは難しいということから、現時点まででは把握していないということでございます。
○又市征治君 本当は、あれだけ宣伝をしてやってきたわけですから、実額もむしろ調査をすべきじゃないかと、こう思うんですね。
 ところで、これの効果はどの程度だというふうに見ているんですか。
○政府参考人(久元喜造君) 住基ネットの効果を幾らと算定するのかということにつきましては、これはいろいろな仮定といいますか前提を置いて試算する必要があります。
 そういう前提でお答え申し上げますと、行政側では、郵送代などが不要になることによりまして約三十七億円の経費が直接削減をされる。それから、住民票等の発行に要する事務が不要になるということなどから、これは年間約四百万時間削減されるというふうに見込んでおりまして、公務員給与で換算いたしますと約七十八億円の人件費の削減が図られるというふうに見込んでおります。住民の側におきましては、これは切手代や交通費などが不要になるということから約三十億円、あるいは書類の記入、投函等の手間が不要になるというようなことで年間約千九百万時間、これを民間給与で換算いたしますと約二百八十四億円ということで、大変これはいろんな幾つかの前提を置いた上での試算でありますけれども、おおむね年間約四百億円を超える効率化が図られるのではないかという試算を私どもは出しております。
○又市征治君 人件費に置き直してみたりとかなんとか、いろんな格好を含めて約四百億円という話ですが、先ほどの全体合わせると、総務省あるいは自治体などを合わせると一千七百億ぐらいですかね、全体としては掛かっている。このことから見ると、四百億円というのは単純に計算すると二三%程度ですよね。しかも内容は、国の各省庁が市町村から個人データを取り寄せて使っているケースが件数でいうと一億一千万件。これに対して、市町村間の、市町村同士の水平的利用というのはわずか四百万件。こう比較してみると、つまり、住基ネットワークシステムというのは交付税財源を充てながら、実は自治体よりも中央政府の便利のためだった、こういう結果が出ているわけですよね、現実問題としては。いかにもこれは、地方交付税を使ってこんなことやって、まるで国のためだったじゃないかという批判が当然起こってくるわけだと思うんです。
 そこで、もう一つ伺っておきますが、これは大臣にお伺いしますが、先ほどの話ですと、行田さんの話によると、発行された住基カード、三百四十万枚、人口の中のわずか二・五%ぐらいになるんでしょうか、鳴り物入りで普及を図っても需要はこの程度だ。いやこれからちょっと増えていくんだと、こうおっしゃるかもしらぬが、国民はむしろネットワーク化に伴うデータの流出であるとか改ざんなどというものについて大変恐れる、あるいはそういう危惧されているという面が多くあります。
 そこで、大臣にお伺いしたいのは、住基システムだというふうに限定はしませんけれども、この過大な設計であるとか、あるいは利用度の極めて低いシステム、こういったことなどの反省、あるいは個人情報の保護などという問題、いろんなことが絡んでくるわけですが、このことについての大臣の見解をお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃられますように、会計検査院による平成十八年度の検査報告書において、総務省が所管する情報システムについて問題が指摘をされておりますことは承知をしております。
 しかしながら、総務省では、五名の外部有識者を任用しまして、平成二十年度から情報システムの調達時などに、その仕様そして見積額を評価することによりまして契約内容の適正化を図っているところでございまして、今後も適切な情報システムの企画、設計に努めるとともに、利用率が低調なシステムについては、今後の費用対効果を総合的に勘案をいたしまして利用促進を図ってまいりたいというふうに思っております。
○又市征治君 それじゃ二つ目に、住基台帳の利用における問題点について、具体例を挙げて質問したいと思うんです。
 定額給付金の交付決定というのは住基データによって行われたわけですね。しかし、実際は住民登録したがゆえに受けられなかったケースがあります。基準日は御案内のとおり二月の一日だ、ところが実際の配付は大きな自治体では相当遅れて、東京二十三区では六月中旬というところもあったわけですね。
 そこで、二月一日に存命で受給資格のあった人が、住所の変更などで申請書を手にすることが遅れてしまってその間にお亡くなりになったというケースについて、これはどのように対処をされたのか、まず伺いたいと思います。
○政府参考人(岡崎浩巳君) 定額給付金についての御質問でございますが、定額給付金は家計への緊急の支援を目的として行うことを踏まえまして、その給付については居住と生計を共にする社会生活上の単位とされている住民基本台帳における世帯を単位といたしまして、また申請及び受給についてはその世帯を主宰する者である世帯主が行うということにしたわけでございます。
 御指摘のように、基準日以降に世帯主が死亡した場合については、通常他の世帯構成者がいる場合には、原則として新たに当該世帯の世帯主になった者が申請・受給者となるというふうに定めておるところでございます。
 一方で、単身世帯の方が亡くなった場合には申請・受給者となり得る者はおりませんので、そもそも申請が行われないということになります。この場合には、支援の対象であるべき世帯そのものがなくなっておりまして、家計支援という趣旨から考えて給付を受けることはできないということになりますが、これはまたやむを得ないものではないかと考えております。
○又市征治君 これは千葉県柏市で実際に起きたケースですけれども、仮にAさんというふうに言いましょう、Aさんは妻と暮らしていたが、特養ホームに入ることになって住民登録をホームに移した。これは厚生労働省の内簡によってそういうふうに定められているというわけですね。だから、Aさんの二月一日、つまり基準日の住民登録は特養ホームだった。しかし、二月下旬に体調を崩して病院に入院をして、住民登録はその時点で今度は妻の住んでいる自宅に戻った。ちなみにどちらも同じ市役所の管内なわけです。
 さて、市役所は四月上旬、このAさんの二月までの登録地、つまり特養ホームへ定額給付金の申請書類を郵送した。ところが、ホームはもうその時点で不在だったために市役所へ返送してしまった。ところが、それが本人の自宅に届かないうちにこのAさんは亡くなってしまった。この場合、一体どういうふうになるのか。結論から先に言うともらえなかったんですが、これはこれでいいのか。そこのところをお伺いしたい。
○政府参考人(岡崎浩巳君) 先ほど申し上げましたように、繰り返しになって恐縮でございますけれども、単身の方の場合には、申請をする前に亡くなるということであれば支援の対象となるべき世帯そのものがなくなってしまったということになりますので、家計支援という定額給付金の趣旨から考えて、給付を受けることができなかったというのもやむを得ないことだろうと考えております。
○又市征治君 本当にそういうことになるんだろうか。つまり、基準日に特養に住民登録があったので単身世帯とみなされたために申請する時間を失って、かつAさんの死亡により権利を失った、だから払われなかった。異動に気付かなかった市のミスもあるけれども、単身とみなすというこの総務省の解釈がこのAさん夫婦の居住実態と懸け離れているんじゃないのか、おかしくないのか、こういうふうに問われているわけですが、これはこれで変えるつもり全くないんですか。
○政府参考人(岡崎浩巳君) まず第一に、給付金の方の考え方について言いますと、基準日現在の世帯の世帯主に配るということでございまして、これは、その世帯の登録はこうだけれども、個別の事情はどうかというようなことをしんしゃくしているとなかなか迅速に配れないということでそういう割り切った仕組みになっているわけでございます。一方で、住民基本台帳事務処理要領によりますれば、世帯というのは居住と生計を共にする社会生活上の単位であるとされております。したがいまして、生計が一緒でも居住が別であれば同一世帯とはならないという考え方になっております。
 こういう考え方に基づきまして、総務省の通知では、老人福祉施設等の施設に入所する場合に、一年以上にわたって居住することが予想される者の住所は施設の所在地にあるんだということを通知しております。また、厚生労働省も同様の考え方を踏まえまして、老人福祉施設に入る場合は通常一年以上居住することが予想されるので、そこに住所があるんですという整理をいたしているわけでございます。
 そういう整理に基づいて住民台帳に登録されている以上、定額給付金の配り方としては先ほど申し上げたようにならざるを得ないということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○又市征治君 しかし、同じようなケースについて、石川県加賀市や島根県江津市は、国の給付金が出なくても、市独自の予算で同じ額を支給することにしたそうです。やっぱり、むしろこういう取扱いが望ましいんだろうと思うんですね。こういう市町村、どのぐらいあるか把握をなさっているのかどうか、後でお答えいただくと同時に、もう一つは、大臣、総務省として、これに対しては今申し上げたように補てんをする考えというのはないのかどうかですね。むしろ、やっぱり私は、市町村の側がしっかりと実態に伴ってこうした行政上の、勝手に分離したりミスがあったりということもこれはあるわけですから、そんなことをやっていますが、私は補てんすべきじゃないかと、こう思うんですが。
 私は、先ほどの住基カード無料化などよりもよっぽど法制度の実質的な公平性を担保する施策だと、こういうふうに思うんですが、その点は、後段、大臣からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(岡崎浩巳君) まず、御質問の前段でありますけれども、御指摘のありましたように、単身世帯の者が基準日、二月一日より後に死亡した場合に独自に給付するという事例につきましては、御指摘の加賀市及び江津市の二団体のほかに、私どもの調査にそういうことをしていると答えてきた団体としては、熊本県のあさぎり町、それから鹿児島県の南大隅町から回答がありましたので、把握しているところでは合計で四つの市町村でございます。
 なお、類似の独自給付として、ほかにも、例えば二月二日以降に生まれた、三月いっぱいに生まれた者へ支給するというようなものが十五市町村あると聞いていますし、それから特定年齢の者などへ一律に上乗せ支給するというようなものが二つの市と村というふうなものがあると伺っております。
○国務大臣(佐藤勉君) それぞれ、今先生がおっしゃられましたように地域の実態があると思います。そういう実態を踏まえて、あくまでも定額給付金事業とは別事業として行われるものであるというふうに思いますし、当該市町村において財源も含めて検討されるものというふうに思っております。
○又市征治君 終わります。
○委員長(内藤正光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、住民基本台帳法改正案に対する反対討論を行います。
 外国人住民の住民基本台帳を制度化することは、外国人住民に対して行政サービスの適切な情報提供を行い、医療や教育、社会保障を受ける権利をひとしく保障していく上でも必要なことであります。しかし、改正案については、以下の理由から反対です。
 第一の理由は、住民基本台帳制度に外国人の在留管理強化を持ち込むものだからであります。
 市区町村は、法務大臣から在留資格等の変更の通知を受け、適法でないとされた外国人住民を住民基本台帳から削除することになります。また、入管法等改正案に基づき、死亡、出生などの情報を法務大臣に通知することになります。本来、外国人住民基本台帳は、自治体が外国人住民に行政サービスを提供するために活用すべきものであり、住基台帳制度を新たな在留管理強化のために利用すべきではありません。
 第二の理由は、外国人住民基本台帳に記載する対象を在留カード交付対象者、特別永住者、一時庇護許可者又は仮滞在許可者、出生による経過滞在者又は国籍喪失による経過滞在者の四類型に限定し、それ以外の在留資格を有しない者は住民基本台帳から一律に排除するからです。
 住民基本台帳から除外されることによって、子供の教育を受ける権利や医療、福祉などの行政サービスを受けられなくなる懸念があります。住基台帳から排除される外国人住民には、難民申請中で仮放免となっている人など、人道上配慮が必要な人も含まれています。在留資格を有していない外国人であっても、基本的人権は原則として保障されるべきであり、国際人権規約の医療、社会保障を受ける権利を侵害するものであり、容認できません。
 なお、衆議院での修正部分については賛成できるものですが、反対の理由で述べました改正案の骨格を変えるものではありません。
 以上の点を指摘し、反対討論を終わります。
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、住民基本台帳法改正案に反対の立場から討論をいたします。
 地方自治法がその第一条の二で住民の福祉の増進をうたっている住民とは、日本国民ばかりでなく外国人を含むとの理解が通説となっており、多くの自治体が日常業務においてこれを実践しているところです。
 しかしながら、改正案は、出入国管理法との連動、一元化を目的とし、その入管法改正案では、外国人に対する管理を強め、いわゆる不法入国・滞在者を取り締まる方向を打ち出しています。このため、入管における在留カードを新設し、外国人の住民基本台帳登録をリンクさせ、適法に在留する外国人にだけは一定の安定した便益が与えられます。
 しかしながら、逆に、何らかの理由によって適法とされない、また在留期間の切れた外国人は直ちに違法とされ、自治体も入管への通報の義務付けが強められるため、外国人は現在自治体から保障されているサービスから排除されることになりかねません。在留外国人の違法状態を解消することは確かに必要ですが、国際化の波は社会経済の大勢であり、その受入れは、人権を尊重しつつ、より穏健で誘導的な政策と制度によって行うべきです。
 現に、自治体が前述の立場から通報行為を言わば大岡裁きによって運用し、七万件のうち年間二百件台という微少な実態にとどめているのも、そうした人道的立場、また地域における外国人を含めた共存という地方自治の本旨に沿った比較考量による判断です。自治体がこうして腐心している折に、住基法を入管法の下に従属させ、自治行政権を縮小する立法は、分権及び地域からの国際化の努力に政府自らが逆行するものです。
 なお、原案に対し衆議院で修正が加えられ、附則第二十三条として、本邦に在留することができる者以外のものについても行政上の便益が受けられることとなるように必要な措置を講ずるとされ、不安定な外国人の法的地位にかんがみ、一定の余地を生み出した点は歓迎することを申し添え、私の討論といたします。
○委員長(内藤正光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 住民基本台帳法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤正光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、加藤君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました住民基本台帳法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    住民基本台帳法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、外国人住民への住民基本台帳制度の適用拡大に当たっては、基本的人権に十分配慮するとともに、本改正を基盤として外国人住民が行政サービスを適切に享受できるよう万全の措置を講ずること。
 二、仮住民票の作成を含む外国人住民の住民基本台帳への記録関係事務を行うに当たっては、関係事務の委託先等を含め、データ保護とコンピュータ・セキュリティ対策の徹底、情報管理に係る責任体制の明確化等、個人情報保護に万全を期すること。
 三、各種行政サービスの手続のワンストップ化を始め、日本における外国人の居住環境を更に改善するため、政府における総合調整機能の整備、国・地方公共団体の行政機関の間での密接な連携強化を図るとともに、本法施行に係るものを含め、地方公共団体に対する財政措置の拡充強化に努めること。
 四、他の市町村への転入後における住民基本台帳カードの継続利用を可能とするに当たっては、個人情報保護において齟齬が生ずることがないよう慎重な配慮を行うこと。
 五、住民基本台帳ネットワークシステム等のシステム改修に要する費用や、仮住民票の作成に要する費用等、本法施行に伴い地方公共団体に発生する経費については、国による適切な財政措置を講ずるとともに、新たな在留管理制度の実施に要する経費については、地方公共団体に負担を求めないこと。
 六、電子自治体の推進に当たって、情報システムの開発・維持管理に係る多大なコスト、個人情報等の漏えい・紛失等による住民の権利・利益の侵害を守るための情報セキュリティ対策の高度化など、地方公共団体の財政的・人的負担が一層増していることを勘案し、政府として十分な支援措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(内藤正光君) ただいま加藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤正光君) 全会一致と認めます。よって、加藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、佐藤総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤総務大臣。
○国務大臣(佐藤勉君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(内藤正光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十二分散会