第171回国会 消費者問題に関する特別委員会 第7号
平成二十一年五月二十二日(金曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任   
     西田 昌司君     森 まさこ君
     丸山 和也君     佐藤 信秋君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任   
     大河原雅子君     工藤堅太郎君
     藤原 良信君     前川 清成君
     森 ゆうこ君     舟山 康江君
     佐藤 信秋君     丸川 珠代君
     山田 俊男君     島尻安伊子君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任   
     工藤堅太郎君     大河原雅子君
     舟山 康江君     森 ゆうこ君
     前川 清成君     轟木 利治君
     島尻安伊子君     山田 俊男君
     山本 香苗君     西田 実仁君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         草川 昭三君
    理 事
                藤本 祐司君
                松井 孝治君
                柳澤 光美君
                岩城 光英君
                小池 正勝君
    委 員
                大河原雅子君
                金子 恵美君
                工藤堅太郎君
                自見庄三郎君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                徳永 久志君
                轟木 利治君
                姫井由美子君
                舟山 康江君
                前川 清成君
                森 ゆうこ君
                石井みどり君
                礒崎 陽輔君
                島尻安伊子君
                塚田 一郎君
                丸川 珠代君
                森 まさこ君
                山田 俊男君
                西田 実仁君
                山本 香苗君
                大門実紀史君
                近藤 正道君
                松下 新平君
   衆議院議員
       修正案提出者   岸田 文雄君
       修正案提出者   小宮山洋子君
       修正案提出者   仙谷 由人君
       修正案提出者   園田 康博君
       修正案提出者   大口 善徳君
       修正案提出者   日森 文尋君
       修正案提出者   糸川 正晃君
   国務大臣
       文部科学大臣   塩谷  立君
       国土交通大臣   金子 一義君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 河村 建夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤  勉君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        与謝野 馨君
       国務大臣     野田 聖子君
   副大臣
       内閣府副大臣   増原 義剛君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        並木 正芳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 秀行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       福富 光彦君
       内閣官房消費者
       行政一元化準備
       室長       松山 健士君
       内閣府食育推進
       室長       武川 恵子君
       内閣府国民生活
       局長       田中 孝文君
       警察庁刑事局長  米田  壯君
       金融庁総務企画
       局参事官     居戸 利明君
       総務大臣官房審
       議官       細田  隆君
       総務省自治行政
       局公務員部長   松永 邦男君
       文部科学大臣官
       房審議官     寺西 達弥君
       文部科学大臣官
       房審議官     前川 喜平君
       文部科学省初等
       中等教育局長   金森 越哉君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      西山 英彦君
       国土交通大臣官
       房審議官     佐々木 基君
       国土交通大臣官
       房審議官     小川 富由君
       国土交通省総合
       政策局長     大口 清一君
   参考人
       赤とんぼの会
       エレベーター事
       故犠牲者遺族   市川 正子君
       主婦連合会事務
       局長       佐野真理子君
       日本弁護士連合
       会消費者行政一
       元化推進本部本
       部長代行     中村 雅人君
       東京学芸大学客
       員教授
       前杉並区立和田
       中学校長     藤原 和博君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○消費者庁設置法案(第百七十回国会内閣提出、
 第百七十一回国会衆議院送付)
○消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に
 関する法律案(第百七十回国会内閣提出、第百
 七十一回国会衆議院送付)
○消費者安全法案(第百七十回国会内閣提出、第
 百七十一回国会衆議院送付)
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○委員長(草川昭三君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、丸山和也君及び西田昌司君が委員を辞任され、その補欠として佐藤信秋君及び森まさこ君が選任をされました。
 また、昨二十一日、佐藤信秋君、山田俊男君、森ゆうこ君、藤原良信君及び大河原雅子君が委員を辞任され、その補欠として丸川珠代君、島尻安伊子君、舟山康江君、前川清成君及び工藤堅太郎君が選任をされました。
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○委員長(草川昭三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及び消費者安全法案の審査のため、本日の委員会に赤とんぼの会・エレベーター事故犠牲者遺族市川正子君、主婦連合会事務局長佐野真理子君、日本弁護士連合会消費者行政一元化推進本部本部長代行中村雅人君及び東京学芸大学客員教授・前杉並区立和田中学校長藤原和博君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
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○委員長(草川昭三君) 消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、消費者安全法案、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、修正案提出者衆議院議員仙谷由人君から発言を求められておりますので、これを許します。衆議院議員仙谷由人君。
○衆議院議員(仙谷由人君) おはようございます。特に発言をお許しをいただきまして、ありがとうございます。
 衆議院修正案提出者を代表いたしまして、消費者安全法案二十条一項の修正の趣旨について改めて御答弁を申し上げます。
 消費者安全法案二十条一項の修正の趣旨は、消費者委員会が個別具体的な事案に関して勧告を行うに当たっては、当該事案に関して的確な情報を得た上で、その必要性を踏まえたものでなければならないということを明らかにしたものであります。
 その情報収集のための法的担保として設けられているのが設置法案八条の資料の提出要求等の権限であるわけでありますが、この権限行使の対象は関係行政機関の長に限られ、ここに消費者や事業者等の私人が含まれないことについては衆議院修正案提出者の共通理解であります。
 ただ、この設置法案八条の権限行使以外に消費者委員会が一切の情報を得る手段がないのかというとそうではなく、消費者安全法案二十条一項においても、あくまでも法的権限行使としてではなくて事実上の情報収集の手段としてではありますが、一つ、消費者や事業者等からの自発的な通報、提供という形で情報を得ることや、二つ目に、消費者委員会の要請に対して事業者等が自ら進んでこれに協力する等の形で消費者委員会が事情説明や資料提供等を受ける等の調査を行うことまで否定しているわけではありません。
 以上、草川委員長の御指示に従いまして、衆議院修正案提出者の共通認識について御答弁を申し上げます。
 以上であります。
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 では、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○下田敦子君 民主党の下田敦子でございます。
 消費者問題に関する特別委員会の質問をさせていただきます。
 まず、私は昭和四十年から青森県消費者行政にかかわりまして、現在、弘前消費者の会に属しておりますことから、本日は、地方の消費者行政の現状に視点を置きながら消費者庁設置関連三法案を考えてまいりたく存じます。よろしくお願いを申し上げます。
 同法案を今日までまとめ上げてくださいました野田大臣始め法案修正案提出者仙谷由人議員、また各党関係各位の皆々様には、高いところから御無礼ですが、感謝を申し上げたいと思います。
 また、本日は、非常に御煩多な中から、参考人各位におかれましては時間を割いてわざわざお出ましをいただきましたことに深く感謝を申し上げたいと存じます。
 さて、古くて聞き慣れた言葉ではありますが、申し上げさせていただきます。一九六二年のアメリカのケネディ大統領の消費者の利益の保護に関する連邦議会の特別教書、これにありますが、アメリカに遅れること約四十年、二〇〇四年、平成十六年の六月、ようやく消費者保護基本法が定められました、消費者基本法として生まれ変わりましたけれども、その後、自主、自己責任が市場原理政策の下、消費者保護政策が次第に弱体化して、地方においてはここ四、五年の間に有名無実に近い状態になってしまったのではないかと思われることさえございます。
 そこで、野田大臣にお伺いいたしますが、なぜ日本の消費者行政がアメリカに比べまして約四十年も後れを取ったのか、その要因は何であったかをお尋ね申し上げたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) いろいろな見方があると思いますけれども、日本の消費者行政が遅れてしまった理由の一つに、やはり明治以来の縦割り行政、各省庁の在り方が要因であると言われています。
 一つには、やはりそもそものそれぞれの省庁の立ち方ですけれども、考え方としては産業振興のための役所であったということ。そして二つ目には、最近消費者を取り巻く環境というのは多様化であったり複雑化になってきているにもかかわらず、それぞれの単体の役所では解決が付かないような事案が増えてくる中、縦割り行政のまま伝達が行き届かなかったり、又は手当てが遅れたということで、基本的にはやはり日本の省庁の在り方が今の消費者行政には不向きであったということが一番の原因だと思っているところでございます。
 そういった中で、先生始め多くの皆さん、消費者行政に携わっている皆様方の熱意、悲願、これ約二十年前から大きな、消費者庁をつくろうという運動があったと聞いておりますけれども、ようやく、様々な消費者行政に関する法律にのっとった上で、今日この場で消費者庁設立に向けての三法案の審議が行われているということは大変画期的なことだと思っています。
 これは戦後、環境庁に続いて二番目の大きな行政改革だと私は受け止めておりますし、一つには、やはり消費者行政という枠組みだけではなく、日本の国の在り方がやはり事業者優先から国民一人一人の目線優先になっていくこと、また、縦割りの役所の在り方から横ぐし的な、横断的なやっぱりそういう行政組織の必要性が出てきたということのあかしだと思います。
 あと一歩でございますので、是非よろしくお願い申し上げます。
○下田敦子君 ありがとうございました。
 せんだって、大臣が御答弁のときに、大変あっというような思いをした御答弁を下さいました。今までの自民党にはなかった消費者庁法であり消費者行政である、リアクティブからプロアクティブへとおっしゃられました。何とすばらしい感覚なんだろうと私は大変脱帽をいたしまして、そこで、次のようなことを申し上げたいと思います。
 まず、私事で恐縮ですが、ノルウェーに二十日間ほど国政選挙を見に行ったことがあります。そこで、ノルウェーのオスロの近郊に女性大学という、大変小さな大学ではありますけれども、ありまして、そこの大学の学長先生、オースさんとおっしゃる大変年配の女性の学長がおられました。こういうことをおっしゃってくださいました。議会において男性議員、女性議員の比率がアンバランスになると、その政策がアンバランスになる、日本は今早急にこれを改めないと国の政策が間違った方向に行ってしまうと言われました。
 我が国の地方議会、国会において、今日、男性議員、女性議員の比率は世界第百二位でございます。こういうことを言えばネパールに悪いんですが、ネパールよりもスリランカよりも低いんです。ですから、女性議員が少ないという状況がまずもってこの法案の前にひざまずかなければならない一つの現象ではなかったかなと、そう思っております。
 そこで、次からの質問でございますが、消費者行政の現状についてお伺い申し上げますけれども、県議会議員の時代に目の当たりにいたしましたことは、県庁の中での財政課が第一線でありまして、県民生活課、特に消費生活班なぞというのは女、子供の範疇であって、男子生涯を懸けてやるような行政ではないという不文律、判断、価値基準があったように思われてなりません。
 そこで、資料を今日お届けしてございます。こういう資料がございますが、どうぞそれをお開きいただきたいと思います。一例ではございますが、青森県の市町村消費者行政担当課及び係をまとめた資料がございますので、御覧いただきたいと思います。
 御覧いただきましてお分かりのように、交通政策係あるいは観光商工係、水産観光係、戸籍住民グループ等々の、真の意味からの消費者行政から少し懸け離れた課が今までの消費者行政を扱っているという現場があります。また、もちろん役人の少ない、職員の少ない役場でありますし町村でございますので、兼務であるということが非常に多く見掛けられます。昨年度まで土木課にいた職員がこの春から消費者行政を担当している男性もおります。また、数少ない女性職員が他業務と兼務している等々の現状が地方にはございます。消費者センターあるいは消費生活センターを有しているのは旧三市だけでありまして、県生活センターも、これもまた昨今、財政難を理由に県消費者行政センターは現在NPO法人に移管されました。
 お手元のこの資料をどうぞ御覧いただいて、合併しましたので県内、今四十市町村でございますが、他の県の例も調べましたけれども、余りにこういう現状を申し上げるということは大変差し障りがあることかなと思いまして、今、青森県の状況だけをここに挙げさせていただきました。
 次に、当委員会に以前公述人としてお出ましをくださいました盛岡市消費生活センターの吉田直美さんは地方消費者行政の地方と国の関係について述べておられましたが、その中で広域消費生活センターを設置する考えは必要であるということをおっしゃられました。
 私も、この度、三法案の一つであります消費者安全法案に、広域消費生活センターの設置等、それぞれの市町村状況に応じて消費センターを設置できる市町村の努力義務が明記されていますが、消費者安全法の立場から述べておられますけれども、このことについて二、三お尋ねいたしたいと思います。
 まず、都市部でさえ消費者の問題を抱えたときに、場合によっては消費者センター内の相談の範疇を超える現実があるかと思います。例えば、認知症の方がおり、病気や障害のことのためにケースワークを要する場合、地域でいうと民生委員さんとかケースワーカー、これは社会福祉士とか精神保健福祉士、いわゆるPSWでありますが、その方々とリンクをする必要もあり、そういう構築が必要であろうかと思います。あわせて、特に地方の消費者行政において相談窓口の設置はとても重要になってくると思われます。
 また、駅中保育園がある昨今でございますが、相談したいことがあった場合になかなか電話をする時間がない、電話ではお話が見えない等々で相談場所までなかなか足が及ばないという方もいらっしゃいます。アクセスしやすい商店街の、駅の近くの広域消費者センターあるいは相談ブースなどなど設置する必要が強く私はあると思いますが、この点について、大臣はいかがお考えでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) 今、三点ほどお尋ねがございました。一つは、広域の消費生活センターを設置することの意義についてと。もう一つは、地域で、消費生活相談員だけではなくて、弁護士その他、民生委員、福祉士等、連携した取組が必要ではないかという点。それからまた、あるいは利便性の高い場所、駅中であるとか商店街の相談ブースのようなところで相談を受け付ける、そういうような仕組みにチャレンジするべきではないかということでございまして、いずれも先生のおっしゃるとおりだと思います。
 まず、私たちが消費生活センターというのが是非地方自治として地域地域で実施していただきたいと考えてございますのは、今の御指摘の中の二番目のこと、つまり地域づくりの一環として、相談員だけではなくて、地域の民生委員やその他地域の弱者を見守っていく方々が連携をして消費者を支えていただくという必要がますます高まってきているということでございます。実際そうした取組は、これは衆議院の審議の中でも御紹介をさせていただきましたが、富山県のくらしの安心ネットとやま事業でありますとか、滋賀県野洲市の消費者被害者ネットワーク等、幾つかの取組が既に見えているところでございます。
 こうしたものが円滑に行われますように、今回設けました基金によりまして、関係部局との連携の強化の支援についてもオリジナル事業として支援をさせていただきたいと思っております。
 また、三番目に御提起ありました利便性の高い場所でというのは、これはむしろどちらかといえば、都市部で御通勤のついでに相談したい、あるいはお休みのときに、日曜日に町でというようなことがあるかと思いますけれども、そうした地域地域のニーズに合った形での相談というものの取組というものについても、これも基金のオリジナル事業のような形で取り組んでいただきたいと考えてございます。
 そのように地域地域であるんですけれども、一方で広域のというのが……
○下田敦子君 恐れ入ります。私の持ち時間、四十六分までなんです。簡便にお願いいたします。
○政府参考人(田中孝文君) はい。済みません、分かりました。
 広域の消費生活センターにつきましても、それを設けるべきであるという点は全く賛成でございまして、これも基金で手当てできるようにしてまいりたいと思っております。
○下田敦子君 次に、消費者行政の一例を食品衛生行政に取りまして質問させていただきます。
 例えば、食品添加物は現在許可されている指定添加物が三百八十九品目、既存添加物が四百十八、その他天然香料が六百十二品目あります。お手元の資料の二の一からどうぞ御覧いただきたいと思います。
 その中で、発がん性があるということから使用量がかなり厳密に定められているものが多くありますが、その使用基準が守られているか否かを監視する食品衛生監視員が各保健所に二ないし三人程度いるわけでありますが、この監視員の業務は常に現場を巡回して市場を見て歩いているわけではありません。食品添加物を調査しているとも限らない。内勤業務も割合に高い状況にございます。
 そこで、一例を挙げて申し上げますが、ハム、ソーセージに使われている発色剤、これは民間の消費者がテスト用紙でその添加量を測るテスターというものがありますが、測ってみれば大変な添加量を測ることができます。また、諸外国において添加物の許可数が違います。
 そこで、このお届けしました資料、数がそこにずっと書いてございます。そして二枚目、資料の二の二です。亜硝酸ナトリウム、食品添加物としては、魚肉ソーセージ・ハム、イクラ、すじこ、タラコなど書いてありますが、これは何のために加えるかというと、そこをずっとめくっていただきまして、発色剤の有無を試験紙で調べてみようという、そのカラーのものがございます。
 これを御覧いただきますと、そこに黄色からピンクの濃いえんじの色までゼロから八〇というふうに書いてございまして、色ラベルがございます。試験紙がございます。これはいわゆる発色剤、亜硝酸イオンであります。亜硝酸ナトリウムでありますが、これが適量に守られているか否かということは非常に、状況としては余りにも数多い状況の中で、検査員といえども、監視員といえども、できません。こういう状況が現実あるということでございます。
 そこで、このものを見ていただきますと、この資料の次のところでございますが、恐れ入ります、一番最後でございます。一番最後のところに付けてありますけれども、地方公共団体における消費者行政担当職員の配置状況と書いてあります。それで、町村というところが左の区分の中にございまして、それの右の方に送っていただきますと商品テスト職員というのがございますが、町村においてはまるっきりゼロ、ゼロ、ゼロです。こういう現実の中で、今消費者庁が食品の安全とか、こういう理想的なことを今目の当たりに進めていただこうという姿勢は私は大変有り難いのですけれども、現実がこうです。これは東北六県、それから特に裏日本、四国等々において調べてみましたが、町村においてはこの機能はほとんど皆無でございます。なぜこんなにがんの疾患が多いんだろうと、これらはエビデンスも何も取っているものでもありませんので口幅ったく申し上げることはできませんけれども、非常に大きな一つの意義ある問題だと私は思って、消費者行政に運動してまいりました。
 それから次に、乳化剤、これは例えばマヨネーズにしてもドレッシングにしてもお菓子にしても乳飲料にしてもあります。要するに、水分と油分を混ぜたときに、この乳化剤を加えることによって分離することなくいつまでもとろりとした状態が保てるということがありますが、これは、アメリカではかつて乳化剤と発色剤の発がん性が非常に問題になって、食品衛生法に基づく監視が非常に厳しく問われたときがありました。
 それからもう一つです。食品の品質保持のために放射線の照射をしている現状がございます。例えば、ジャガイモの発芽抑制のための照射、例えば放射性物質の残留とか消費者への人体影響等もしっかりと調査、議論されることなく、内閣府、厚生労働省所管のあいまいなと言うと少し申し訳ないんですが、状況の中で、先ほどおっしゃられました縦割りの所管の中で輸入食品、特に香辛料の防腐、防虫のために安易に放射線照射が行われている現実がございまして、これに対して消費者側は非常に心配をしている状況もございます。
 担当省庁も多岐にわたり、人体、健康を前提とした議論が不足の中で、食品衛生行政についてお尋ねいたします。
 食品安全委員会が機能していないと言われる現状で、消費者庁は、内閣府所管のこの度の消費者庁に移譲されなかった食品安全委員会とどのような連携を取っていかれるのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者庁ができますと、消費者庁は、政府一体となった対応が必要となる緊急時対応における司令塔機能、そして食品安全基本法に基づく基本的事項の策定、さらに関係行政機関が行うリスクコミュニケーションに関する事務の調整を行うなど、食品安全に関する総合調整機能を担うことになります。食品安全行政の司令塔と位置付けられることになりますので、食品安全委員会や厚生労働省等の関係機関と情報共有をするなど、緊密に連携して消費者、国民目線に立った食品安全行政を一体的に推進してまいりたいと思います。
 御指摘のとおり、消費者庁をずっと審議するに当たって、どちらかというと食品に関しては今の消費者行政も手薄なところがあったことは、私もいろいろなところを視察に行って相談員の方からもお話を聞いております。ですから、そういうところがきちっといろいろ相談員の方にもそういうきちっとした知識を持っていただくためのトレーニングとか、そういう手配というのは、やっぱりしっかり消費者庁ができたときには取り返していかなければならないなということは実感しているところです。
○下田敦子君 確かに、現状にいらっしゃる方としてはそれでよろしいことかと思いますが、何せこのとおり町村に至ってはテストする人がいないんです。そこで、頼るはこの消費者行政活性化基金、百五十億円を二十年度に都道府県に造成されまして、新たな支援メニューの上積みとしてこの度、百十億円程度の交付金として配分されるようでございますけれども、各県の配分方法、配付時期及びそれぞれの実施事業の精査、どのように調べるのか、そしてどのような報告をしてもらうのか、これらについてお尋ねいたします。
 先般、公聴会で述べられていましたが、基金の使い勝手についての意見が出されました。地方の実情に応じた基金の運用見直しも含めてどのように考えておられるかを手短にお尋ねいたします。
○政府参考人(田中孝文君) 既に百五十億、平成二十年度の第二次補正で造成した基金につきましては、定額分、各都道府県定額分一億円に加えまして、人口割合、面積割合等を踏まえて配分したところでございますが、今回の百十億円を予定しております補正予算での基金の上積みのための交付金につきましては、与野党間の合意において、相談員の処遇改善を促すため、交付要綱等において処遇改善を図る地方公共団体への交付金の配分を手厚くする旨定めることとされておりまして、これを踏まえて検討してまいりたいと考えてございます。
 また、具体的な事業の実施内容の把握及び事業報告の聴取についてでございますが、基金を活用して消費者行政活性化に取り組んでいただくに際しましては、市町村を含めまして各地方自治体に平成二十三年度末までの集中育成・強化期間における消費者行政活性化方針を示した計画を策定していただくことになっております。
 さらに、この方針に即して、毎年度実施する事業や必要な経費等について示した事業計画を作成していただき、国に提出していただくことになっており、これにより地方公共団体の実施する事業を把握することとしております。また、毎年度、事業終了後には速やかに事業実績報告書を提出していただくこととなってございます。
 また、地方の要望を踏まえた新たな交付要綱の見直しをするのかということでございますが、その方向でただいま、今新しい基金の内容について地方と打合せを進めておりますので、その中において意見を聴取しているところでございます。
○下田敦子君 いろいろ基金の定め方もあるのかと思いますが、一見して驚くことは、各県のそれぞれの交付金が一けた違う、かなりな差があるということ、これは今日時間がありませんので、またいずれ予算委員会等々においても、機会もあることでございますから、いたしますけれども、一つ、自治体病院が現在非常に一つの瀬戸際を迎えているのと同じで、本当にいい消費者庁をこういうふうに推し進めていただいても、おおむね三年という一つのめどがしかれている等々において、やっぱりつくるべきは、進めるべきは広域センター化ではないかと私は個人的に強く思っております。これは各市町村、特に町村においてはかなり無理なものがあるということをここにおいて感じておりますので、よくよくその辺を要望を申し上げておきたいと思います。
 さて、先般お招きいたしました消費生活相談員の方々もおっしゃっておられましたが、半数以上の方々が年収百七十五万円未満で、ほとんど毎年契約を更新する非常勤の嘱託職員という不安定な身分です。時にはこの契約更新の回数に制限を設ける自治体もあるということも当日伺いました。
 この度のこの基金等の人件費に支援することによって具体的にどのように改善されるのか、また、基金のメニューにある商品テスト強化事業、この商品テスト員の増員は考えておられますかどうか、これもお尋ねいたします。
○国務大臣(野田聖子君) まず、上積みする基金で雇用の形態の改善はどうかということですけれども、相談員の処遇改善の必要性につきましては衆議院の与野党間で熱心な御審議をいただいたところです。衆議院の消費者問題に関する特別委員会での合意、与野党間の合意というのがございまして、そこではまず、今般拡充された地方交付税措置を活用すること、そして二つ目には、基金の支援対象を集中育成・強化期間においては増大する業務に係る人件費等への拡充をすること、そして三番目には、交付要綱等において処遇改善を図る地方公共団体への交付金の配分を手厚くすること等を定めることにしていただきました。これらを踏まえて交付要綱の作成等を進めていきたいと思っています。
 もう一つの商品テストに関する人員ですけれども、先ほど委員の御指摘、地方はほとんどいないんだということで、私の視察した先でも大変厳しい状況だということは理解する中で、国民生活センターのやっぱり重要性というのがこれから問われてくるわけですけれども、現在、消費者行政推進基本計画、これ平成二十年の六月二十七日に閣議決定されていますけれども、国民生活センターは、消費生活センターとともに一元的な消費者相談窓口と位置付けられ、全国ネットワークを構築するとされるとともに、国の中核的実施機関として商品テスト等を拡充することとされた。
 つまり、町村で厳しいところは国民生活センターがしっかりやりなさいということだと思うんですが、これを踏まえまして、私どもは平成二十年度の補正予算におきまして、商品テストの実施に必要な施設、機器の更新に係る経費を計上して、商品テスト機能の強化を図るなど必要な措置を講じたところです。一次補正で約九億円、そして二次補正では八十九億円いただいております。
 ところが、人員につきましては、独立行政法人についての政府の基本方針というのがありまして、総人件費につきましては中期的な抑制努力を継続させていただいております。現在、百二十二名。こうした中、商品テストに関する人員についても人件費の削減に取り組まなければならないといった状況になっています。
 今後とも、やはり行政改革推進法の下で業務運営の改善には努めつつ、確実かつ効率的に業務が実施されるよう監督をするとともに、消費者庁設置後につきましては、附則第三項、これは消費者庁及び消費者委員会設置法案に付せられている附則、この第三項におきまして、「独立行政法人国民生活センターの業務及び組織その他の消費者行政に係る体制の更なる整備を図る観点から検討を加え、必要な措置を講ずる」としていただきましたので、それを踏まえつつ、今後しっかり検討をしていきたいと思っております。
○下田敦子君 ありがとうございました。
 お手元の資料の四の一というカラーの資料をちょっと御覧いただきたいと思います。地方公共団体における行政部門の状況という数字がグラフ化されてございます。ほとほとに、このような数字のようにわきに置きやられてしまった、こういう状況が現在もございます。
 青森県で恐縮ですが、県の消費者協会、大変一生懸命やった時期が長くございましたが、突如としてNPO法人に委託してしまいました。こういうことで、相談をしていく相談員の雇用の安定化も図り難いとか、あるいはここでの相談事例が自治体の施策に反映され難いとか、いろいろな心配その他弊害がありますが、こういう外部委託の削減もいろいろ昨今言われている状況にございます。どうぞよろしく、その辺のことを長い目で御尽力をいただきたいと思います。
 さて、次の質問でございますが、不当な収益の剥奪、被害者救済制度、これは附則の第六項関係にございます。このことについてお尋ねいたします。
 違法収益を被害者に返す、いわゆる違法収益の被害者還付制度の必要性の声が強くありますけれども、消費者被害の救済制度は本法案に必要かつ重要な法制テーマであったのではないかなと、私はそういうふうに思っておりましたのですが、なぜこれがこの度盛り込まれなかったのか、そして検討事項となったのか。三年を目途に必要な措置を講ずるとされていますが、三年と言わずに早急に制度化を図るべきだと考えますが、いかがでございましょうか。仙谷修正案提出者議員にお尋ねをいたします。
○衆議院議員(仙谷由人君) この不当収益の剥奪等被害者救済制度、相当悪質な業者から被害を受けて、その救済に走り回るといいましょうか尽力をされた消費者運動の方々や、あるいは弁護士、司法書士の方々からは、何としてでもこの不当収益の剥奪、被害者救済が必要なんだという点が従来からも力説されておりましたし、この法案審議の中でも相当大きなテーマでございました。
 民主党は、適格消費者団体によって損害賠償団体訴訟制度を含んで消費者団体訴訟法案を提出をしていたところでございます。衆議院では、委員会審査あるいは各党間の修正協議でもこの議論をこの際与野党合意に持っていければいいわけでありますが、そこまで認識が一致しなかったということで、この附則第六条でございましたか、附則の六項でございますか、こういう条項として検討をした、検討条項を置いたということになります。
 私どもは、曲がりなりにも行政という機関が行政権限を発動して、ある種悪質であろうとなかろうと、ある法的な主体が持っている財産を没収してくるという権力行使というのは、ある意味で、だれがその悪質性をどのように認定するのかということと絡んで、そうそう簡単にできる話ではないという認識があります。
 にもかかわらず、事実上は極めて悪質な業者が後を絶たないし、そこで被害を受けられた方々の悲惨な状況というのもまた直視をしなければならないわけでありまして、私どもは、現段階では財産保全といいましょうか、悪質な業者が取得した違法収益の固まりは何としてでも押さえて、仮にでも押さえて、損害賠償あるいはそこから回収できるかどうかというのは、別途の司法手続にのせるということしか現時点ではないのではないかと。
 もう少し激しく一挙に取り上げて被害者に分配する、アメリカのある州でなさっておるようでありますが、そういうのができないかということを強く主張される方もいらっしゃるわけでありますが、それができればいいといえばいいのでありますが、ちょっと権力作用が間違った場合とか行き過ぎた場合に、今度はそれをどうするのかという大問題が出てまいりますので、そのあんばいについては、あるいは、どういう仕組みにするのかというのはもう少し時間が掛かると。
 私どもは、現時点では、財産保全だけでもこれは仮の処分としては相当効果的にできるのではないかという認識を持っておりまして、そのことを消費者委員会等々でもこれから熱心に議論をいただいて早急に結論を出していただきたいなと思っておるところであります。
○下田敦子君 大変ありがとうございました。よろしくお願い申し上げます。
 さて、この度給付されました定額給付金に関してお尋ねいたします。
 市町村職員やあるいは民生委員という立場をかたって手続を代行しますとか、あるいは早めに給付が受けられる方法があるという手口で話をしていっている。こういう状況で被害を受けた人がたくさんあるというふうに聞きます。
 国家公安委員会佐藤委員長様にお尋ねいたしますが、この全国の被害件数、あるいはそれに総額ですね、どれぐらいあるのか、あるいは総人口の何%ぐらいに当たっているのか、それらについてお尋ねいたします。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生のお尋ねの件でございますけれども、五月の二十一日現在でございますが、定額給付金をかたった詐欺は三件発生しております。その被害総額は八万三千円でございます。
 なお、このほかに、犯罪に該当するかどうかというのは不明でございますけれども、被害も発生しておりませんが、四十都道府県から、定額給付金事業をかたり個人情報を聞き出すなどの不審電話等が三百二十八件あったとの報告を受けております。
 警察におきましては、定額給付金事業を悪用した犯罪を防止するため、定額給付金事業の実施主体となる市区町村と情報共有を図り、連携をいたしまして広報啓発活動等を推進しているところでございますが、今後も引き続きこの種犯罪に係る予防活動等を徹底するように警察を指導してまいりたいと思いますし、先生が今言われましたパーセンテージにつきましては後で御報告をさせていただきたいと思います。
○下田敦子君 あと一分になりましたので手短に申し上げます。
 こういうたぐいの、その他のサラ金等々いろいろありますが、消費者被害による経済的損失の総額というのはどのぐらいに推計されますか。野田大臣と、それから本日お出ましいただきました消費者行政一元化推進本部中村雅人弁護士にお尋ねを申し上げたいと思います。推計額で結構です。
○国務大臣(野田聖子君) 平成二十年版国民生活白書では、我が国の消費者被害による経済的損失額について、国民経済全体への影響の推計を行っているところです。推計に当たっては、データの制約や推計方法の課題などから幅のある結果になっております。アンケート調査に基づき被害該当金額ベースで推計した値で約八千九百億円、PIO―NETデータを基に既支払額だけではなく契約金額をベースに推計した値では約三兆二千億円から三兆四千億円と推計しています。
 なお、推計の最大値につきましては、消費者被害額のみでなくて、契約額の総額を試算したものでありますので、消費者被害額そのものではない点に留意をしていただきたいと思います。
 いずれにしましても、推計結果については、データの制約がある下での試算値でありまして、一定の幅を持って解釈していただく点を留意していただきたいと思います。
○参考人(中村雅人君) 中村です。
 経済的な損失というのは計り知れないものがあるんですね。奪われた金額だけではなくて、奪われたことによる精神的ダメージ、それが突き詰まれば自殺まで行ってしまう人もいっぱいいるわけで、一家心中などもある。そういうことも広げて考えますと、本当に計り知れない損害が生じる。
 ですから、こういう違法なことをして人のお金を奪う、こういうものは絶対許してはいけないわけで、そのために、再発防止のための手段と同時に、やはり奪われたお金を奪い返すというその手段を絶対構築して被害回復を図っていかなければならない。
 そういうことで、この違法収益の剥奪と被害者救済制度の創設、これは本当に緊急に必要なことでありまして、おおむね三年と言われていますけれども、一日も早くそういう制度がこの国にできることを祈ります。
○下田敦子君 時間ですので、要望をして終わらせていただきます。
 先ほど仙谷修正案提出者議員もおっしゃってくださいましたように、アメリカの消費者紛争解決手続とか、これに関連してなるほどと思うことは、スウェーデンの解決の手続等は非常に立派なものがあると思います。ですから、こういうことを考えたときに、何とぞ、ただいまの中村先生のお話のように、なぜ検討事項になったのかということを今申し上げてもなりませんので、三年を目途にということでありますが、三年と言わずに早急に法制化を図るべきと私は思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、野田大臣にお願いいたします。こういう基金をたくさん付けていただいて有り難いんですが、根っこはやっぱり消費者教育、特に日本は、何といいましょうか、国民性もあって、非常にこういう点で、アングロサクソンの人と言っては悪いんですが、アングロサクソンのような物事を裏から見るとかいう訓練がなかなかできておりません。ですから、アメリカやイギリスの金融・消費者教育の取組等々、非常に険しいというか、何かすごいなと思うようなものもありますので、そういう点も含めて、やはり消費者教育にひときわ予算を見ていただければ有り難いと思います。
 どうぞ、国民が安心で健康に暮らせるように私も一助として北の奥で頑張りますので、是非御指導をお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○前川清成君 今日は差し替えで質問をさせていただきます。理事の皆さんや同僚議員の皆さん方の御配慮に感謝申し上げます。ありがとうございます。そして、冒頭、私からも、この消費者庁設置に向けて今日まで御尽力いただいた皆さん方に感謝を申し上げたいと思います。
 繰り返されたことだと思いますが、近代日本の成立は、富国強兵とそれを経済的に支えるための殖産興業というところから行政システムもスタートしました。ですから、行政システムが産業を育成する、業界を守るというところに視点があったのは間違いがなくて、そのため、結果として一人一人の生活者や消費者が二の次になっていたのではないかなと私は思います。
 私も、国会に送っていただくまでちょうど十五年弁護士をしました。消費者問題に曲がりなりにも取り組んでまいりました。そういう立場においても、消費者目線の役所ができることを期待をしています。
 しかし、その一方で、今私たちの国は八百兆円を超える借金を抱えてしまいました。一億二千五百万人の国民お一人お一人六百五十万円ずつの借金を政治の結果背負わされていることになります。あるいは、これから少子高齢化が進展していく中で、政府の社会保障国民会議の最終報告書の中でも、二〇一五年には消費税の税率にして三・五%であるとか、あるいは二〇二五年には消費税の税率にして六%の財源が必要だとも書かれています。
 そんな中で新しい役所を付け加えて役人の数と役人のポストを増やすこと、これについて野田大臣、どうお考えになっているのか、まずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 今委員御指摘のように、消費者庁のコンセプトというのは、殖産政策からやはり国民目線、そして消費者重視の新しい日本の顔づくりということで極めて重要だと思っています。その司令塔として、どうしても長きにわたった弊害、縦割り行政の弊害とか、また横断的に事が進まない今の日本の行政を正していくには、その内部にあって中心的に、中核的につかさどる消費者庁の設置が必要であるということも、弁護士の先生方はもとより、消費者団体の方たちからも二十年来言われ続けてきたことで、ようやくもうじきそれができるのかなということで大変うれしく思っています。
 今御指摘の行革についてですけれど、極めて今回の消費者庁の設立に当たっては厳格に守ってきているつもりです。実際、二百数名で成る消費者庁ですけれども、原則、人そして法律、そしてそこに伴う予算をそれぞれの役所から外していただいて作っていますので、新たに増員をしたわけでもないし、新たに大きなお金を付けるということではなく、そういう、本来ならば、本来はもう大変な大きな仕事ですから、たくさんの人とたくさんのお金と欲しいわけですけれども、それはぐっとこらえて機動的でコンパクトな役所を行革のルールに基づいてつくらせていただいたと思っております。
○前川清成君 私は、もし今時代の要請で大きな役所、そしてたくさんの人数が消費者庁に必要であれば、それはそれで国民の皆さん方のお許しを得て頑張って予算も付けていただいたらいいと思うんです。その代わり、やはり時代の変化で、社会の変化で不要不急になった事業や役所、これをやっぱり切り込んでいく必要もあるんじゃないかなと、私はそう思っています。
 それと、今日の私はこれをメーンテーマにしたいと思っているんですが、消費者庁という役所ができたら、それで本当に消費者の皆さん方を守ることができるのかと。私は、消費者庁という外枠ができただけで満足するべきではなくて、これから、中身の問題といいますか、消費者の皆さん方を守っていくための公正なルール、つまりは消費者の皆さん方を守るための法律を作らなければならないのではないかと、そう思っています。
 衆議院でも、さらには参議院でも条文やあるいは制度については詳細な議論があったかと思いますので、今日は今申し上げたような視点で大臣と率直な御議論をさせていただきたいと思っていますが、大臣はこの問題意識、繰り返しますと、外枠だけをつくるんじゃなくて、消費者を守る公正な法律、ルールを作っていかなければならないという問題意識を今この時点でお持ちかどうか、まずお尋ねをいたします。
○国務大臣(野田聖子君) 率直に申し上げて、そのとおりだと思います。
 ただ、その公正なルールを作るためのやはり主導的役割を果たす行政組織がなかったということが大きな問題で、今後消費者庁を、この法案を成立していただいた暁には、消費者庁自体が消費者に身近な法律を所管するし、また、その企画立案を行うことになっておりますので、むしろ積極的な役割を果たしていけると思っています。
○前川清成君 消費者庁の是非積極的な役割を御期待申し上げたいと思うんですが、その一つの具体的な例として保険金の未払の問題を私は取り上げさせていただきたいと思います。
 二〇〇五年以降に生保各社の保険金の不払が発覚をいたしました。件数にして百三十五万件、金額にして九百七十三億円でした。続いて、損保の不払も発覚をいたしました。損保各社で四十九万件、金額にして三百八十一億円の不払があります。日本を代表する生命保険会社の一つである明治安田生命やあるいは三井住友海上に金融庁は業務停止命令を出しました。
 私は、消費者問題、特にサラ金ややみ金の問題、多重債務の問題に取り組んでまいりました。しかし、そんな立場からしても、もしかしたらこの保険金の不払というのは最も身近な消費者問題ではないかなと、そう思いました。なぜならば、サラ金は借りる人もいるけれども借りない人もぎょうさんいてはります。しかし、この国に暮らしている人で生命保険にも入ってない、自動車保険にも入ってない、火災保険にも入ってないという人がどれだけいるか。
 それと、確かにサラ金ややみ金から違法、不当な取立てを受けている方も困っておられますけれども、保険金を払ってもらえない方も大変困っておられます。お父さんが死んでしまって、子供の学校の給食費どうしようか、生命保険が頼りや、いつ生命保険くれるのかなと。そういうお母さん方の困窮、これはまさに消費者問題だろうと思いますし、あるいは保険という契約を見ていきますと、そもそも普通の契約のように中身を交渉する余地は全くありません。保険会社が用意した契約に入るか入らないかだけ。いつ、どれだけ保険金を払ってもらえるのかも保険会社の説明を聞くだけ。事故が起こったときに、いつくれるのかも保険会社の決定を待つだけ。組織的に言うても、何万人もの従業員もいて、何千億円もの保険金を持っている。まさに強きをくじき弱きを助けるという典型がこの保険の不払だと思うんですけれども。
 今回の設置法で保険法や保険業法は消費者庁の権限が及ばないことになっていますよね。どうしてこの保険の問題は消費者庁から漏れ落ちてしまったんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) まずその前に、何らかの意味で消費者がかかわる法律というのはこの国にたくさんございます。仮にこれらのすべてを消費者庁が所管するということにした場合には、広範な分野の専門家等を集めた巨大な官庁をつくることが必要になるということで、私たちはそういう考え方を取りませんでした。先ほどの行革の流れもあるわけですけれども、消費者行政に関する政府の全体の司令塔として機動的に対応する簡素で効率的な組織としつつ、所管していくことが不可欠な法律として現在は二十九法律を所管し、そして、今漏れているという話がありましたけれども、その他の法律につきましては必要に応じて所管する各省庁に対し措置要求等を行っていくことができるわけであります。
 じゃ、なぜかという話ですけれども、保険法につきましては、商事基本法の一部としての側面を有しており、保険の成立、効力、保険給付、終了等の保険契約一般に関するルールを規定しております。また、同法が規定する保険契約者は必ずしも消費者には限らないということ、そして保険業法についても、行為規制を見ると、健全な業務運営を確保し、将来の支払原資を確保するための財務健全性を維持するための財務規制や経営管理体制、内部統制に係る行為規制が中心となっているものであります。
 ですから、こうしたことから、消費者庁というのは直接に保険法や保険業法を所管しないということにしたところでございます。
○前川清成君 私は、今の質問を通して、消費者庁が取り組むべき課題や事案、仮にそれを消費者問題と定義するのであれば、この法律の基礎として、理念として、どういう問題を消費者問題として把握しておられるのかと、そういうことをお聞きしたかったんです。
 結局は、保険業法については、あるいは保険法については金融庁なり法務省が手放さなかったということなんだろうと思うんですが、それでも二十九は不可欠の法律だと、今大臣おっしゃったとおり不可欠な法律だとして消費者庁が取り扱うことになりました。なぜ二十九なのか、どこで線引きをしたのか、どういうメルクマールだったのかというのをお聞きしたいと思って今の質問だったんですが、大臣、お答えいただくことは可能でしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 初めに二十九本ありきではなく、まずはPIO―NET等に寄せられた様々な消費者被害を調べる中で、どの法律をしっかりグリップしていれば解決ができるかという重立った法律が二十九本であったと。その法律を直接、専管、共管することによっておおむね九割以上の、現在ある消費者被害に対しては速やかに対応ができるということで、これは推進会議等々、様々な法案作成に至るまでのプロセスを経て御決定をいただいたところでございます。
 ただ、今先生御指摘のように、たくさん消費者に関与する法律は、これまでも衆議院でも様々な法律、業法等も提起をされました。議論の場でもあと四十三という数があったんです。四十三本の法律という話があり、これにつきましても否定をしているわけではなく、消費者庁ができることによって、そこにやはりそれをどう取り扱っていくかという受皿ができますので、そこでしっかり議論をし検討して、必要であればという、段々の、順番の取組をしていきたいというふうに考えております。
○前川清成君 消費者庁というのは新しい役所ですので、ちょっと後ろの方、ちょろちょろしないでね、消費者庁というのは新しい役所ですので、きっと既存の官庁からの、まあいじめとは言いませんが、権限を守ろうとする力があって大変だとは思いますが、今大臣おっしゃったとおり、二十九だけが消費者問題ではありませんので、例えばこの保険の不払についてもおよそ二百万人の被害者がいて一千五百億円の被害が生じていたわけですので、そういう点で幅広く消費者目線を持っていただきたいと思います。
 それで、保険法について、保険業法について、金融庁や法務省だけに任せていたらとんでもないんですというお話をこれから少しさせていただきたいと思います。その関係でお手元に条文も配らせていただきました。
 去年、商法が百十年ぶりの大改正を経まして、保険法という新しい法律が制定されました。保険の不払、二百万人の被害者と一千五百億円の被害が出た保険金の不払があったわけですから、私は、この保険金の不払について立法的にもきっちりとした手当てがあるだろうと、そう思って保険法の条文を眺めました。しかし、成立した法律は、これは保険法の二十一条、これは損害保険に関する条文であります。生命保険に関しても、その他の保険についても同様の規定になっています。長々とありますので簡略して言いますと、請求して相当な期間が過ぎたら保険金を払わなければなりませんよという条文でした。
 そこで、英明な大臣におかれては、相当な期間と法律に書いてあればこれが何日ぐらいか御理解いただけるかどうか、お尋ねをしたいと思います。相当な期間とは何日でしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 申し訳ありません、ちょっと御質問を聞いておりませんでしたので、所管の金融庁に聞いていただけますでしょうか。
○前川清成君 いやいや、金融庁とはさんざんやりましたし、これは所管は法務省です。法務省呼んでいません。
 大臣、私が聞きたいのは、大臣のようなインテリジェンスの高い人で、相当な期間と言われたら何日間か判断できますか、できませんかという質問です。大臣、お答えになれますか。
○国務大臣(野田聖子君) 率直に申し上げて、こういうことはケース・バイ・ケースになってくるんじゃないかと思いまして、一概にこれだけということを言うことはちょっと私にはできません。
○前川清成君 さすが野田大臣は正直な方だろうと思います。
 実は、この条文案ができたときに最高裁判所も、これでは裁判のルールになりませんという意見書を出しているんです。法務委員会の議論の中でも、倉吉法務省民事局長も、何日であるかは答えられないと、こう言っているわけです。要するに、野田消費者担当大臣であろうと最高裁判所であろうと法務省の民事局長であろうと、相当な期間と言われたら何日間かは分からないということなんです。
 お父さんがお亡くなりになって、明日の生活費どうしよう、いつになったら生命保険が下りてくるのかなと心配しておられるお母さんは、いつ保険金を払ってもらえるのか。相当な期間という決め方であれば、お母さんはいつまでたっても払ってもらえないんじゃないかという心配をしなきゃならない。このお母さんを守ることこそ私は消費者問題ではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(野田聖子君) 今、例えば消費者庁ができたときの話をします、仮の話になって恐縮ですけれども。
 今のような不払の具体的事案が発生した場合には、恐らく保険業法に基づく行政処分等があるわけで、それを求める措置要求を消費者庁が行うことができるということになっております。
○前川清成君 実は、その措置要求も今のままでは余り当てにならないというお話をこれから順番にさせていただこうと思うんですが。
 大臣、大臣でさえ相当な期間が何日間か分からない。ですが、このお母さんを、保険金を早くもらいたいな、そのお母さんを守る簡単な方法が一つだけあります。明確なルールを決めたらいいんです。生命保険は、お父さんが亡くなったら、請求があったら何日以内に支払いますと、法律でそう書き込めばしまいなんです。ですから、私は当初、外枠をつくっただけでは頼りないですよと、消費者の皆さん方を守る明確なルール、公正なルール、法律が必要じゃないですかと、こういうふうに申し上げているわけであります。
 それで、今この条文をもう一度大臣見ていただきたいと思うんですが、二十一条の一項で、保険給付を行う期限を定めた場合であっても、云々かんぬんで相当な期間を経過した日の後であったら払わなければならないと、こう書いています。ここに言う保険給付を行う期限を定めた場合、これは普通は、普通はというか一二〇%、約款というので保険会社がそれぞれ決めています。この保険の約款を指導監督しているのが金融庁です。
 私は、この保険法という法律が出たときに質問主意書を出しました。どういう質問主意書かといいますと、どのような基準で約款の内容を指導していますかと、そういう質問でした。それに対してお答えをいただきました。どういうお答えかというと、契約内容が保険契約者などの保護に欠けるおそれがないものであること、これが約款に対して指導するときの金融庁のメルクマールだということです。
 しかし、私には、保護に欠けるおそれと言われてもこれもまた分かりません。私は決してしつこい性格ではないんですが、再度、質問主意書を出しました。保護に欠けるおそれとはどういうことですかと。すると、それに対する答弁書は、例えば保険金支払、免責事由、告知義務違反などの規定において保険契約者の利益を不当に害するものとなっていないこと、そういう答弁書でした。
 これを不当に害するものとなっていないこと、あるいは保護に欠けるおそれ、これがメルクマールになるというふうに野田大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 保険約款上、保険金支払、免責事由、告知義務等の規定において保険契約者等の利益を不当に害するものとなっていないことを意味しているということですね。そういうふうに私は聞いているところであります。
○前川清成君 ちょうどいいタイミングに与謝野大臣、お越しいただきました。いろいろ予算審議等もあってお疲れのところ、御苦労さまでございます。
 今、野田大臣に、保険の不払、二百万人の被害者が出て千五百億円の被害金額が出た保険の不払に関連して、金融庁がどのような基準で保険の約款を指導監督しておられるのか、生保会社、損保会社を指導しておられるのかをお尋ねしておりました。金融庁のメルクマールは、今御紹介していたんですが、契約者の保護に欠けるおそれのないものであることということです。私はその内容がよく分からないんですという話を今、野田大臣にしていたところなんですが、その関係で少し与謝野大臣にお聞きしたいんです。
 私は、保護に欠けるおそれ、この意味がよく分からないので、保険法の議論の際に分かりやすい例として、昨年の五月二十二日の法務委員会ですが、与謝野大臣ではなかったのかな、そのとき金融大臣は。大臣にはお越しいただけなかったので副大臣の方に、極端な例ですが、亡くなってから三十年先に支払いますと、そういう生命保険の約款があったら、これは金融庁認可するんですかというお尋ねをしました。すると、お名前は出しませんが、自民党の副大臣閣下のお答えは、法律に合っているものなら認可しますというふうにお答えになりました。
 お父さんが亡くなって三十年先に生命保険を払いますと、例えばどこかの生命保険会社が書くわけです。すると、消費者を守るために金融庁は、こら、どこどこ生命、それはいかぬやないかと言うてくれるのかというと、法律に合ってたら認可しますということなんです。三十年先という、私は副大臣が答えやすいように極端な例を出したわけです。しかし、三十年先に払うという保険契約であったとしてもノーと言えない。こんな霞が関が今まで消費者を守ると、こう言うてきたわけです。
 そこで、英明な与謝野金融担当大臣にお聞きしますけれども、保護に欠けるおそれ、これは三十年先に支払う生命保険であっても保護に欠けるものではないと、こういうことでいいんですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 私が仮に弁護士であれば、三十年先に払うという契約があるかどうかは知りませんけれども、多分三十年先に払うという契約は一般民法上の原則からして有効な契約かどうか疑わしいと、それは直感的にそういうふうに思います。
 そこで、今年の四月に改正した監督指針の概要を御紹介しておきますと、保険給付の履行期は、これは損害保険ですが、損害調査手続等の保険給付に必要となる合理的な期間を踏まえて、一定の期限の基本的な履行期を約款に定めているか、基本的履行期は、現行約款における基本的な履行期、例えば、生命保険契約は約五日、損害保険契約三十日を不当に遅滞するものとなっていないか、基本的履行期の例外とする期限を定めるときは、保険類型ごとに必要となる確認事項を明確に定め、その期限は合理的な日数で定められているかというのが四月に発表した基準でございます。
○前川清成君 そもそも一般のお母さんは、民法九十条の公序良俗違反で三十年後の契約が無効になると、そんな常識を持ち合わせておられません。だから、役所が一律的に御指導いただきたいというのが私の去年の質疑だったわけです。
 今、四月に、おっしゃっていただいた五日、三十日、その指導基準も、私たちがわいわい言うて、参議院の法務委員会、保険法成立のときの附帯決議で、その当時の約款、生命保険においておおむね五日、損害保険においておおむね三十日、これを理由もなく、正当な理由もなく引き延ばしては駄目ですよ、法律が相当な期間と書かれたからといって、それを理由に、それを奇貨として引き延ばしては駄目ですよというような趣旨の附帯決議を付けさせていただきました。それを金融庁においてごしんしゃくいただいたのではないかと私は思っています。
 それで、野田大臣、今の点からも、是非外枠だけではなく中身の点について御意識をいただきたいと思うんですが。
 その点に関連して、次に、設置法の四条の十号、これ消費者庁の権限が及ぶ範囲の問題ですけれども、「貸金業法の規定による個人である資金需要者等の利益の保護に関すること。」という条文がございます。この意味をお尋ねしたいんですが、特にお尋ねしたいのは、この個人である資金需要者とはどういう意味なのか、個人はどこに係るのかをお尋ねしたいんです。
○国務大臣(野田聖子君) 設置法第四条第十号は、貸金業法における消費者庁の所掌事務を規定したものでございます。資金需要者等とは、債務者又は保証人若しくは顧客、又は保証人となろうとする者であります。また、消費者庁は、事業者とは情報力、交渉力等に格差のある消費者の利益の擁護及び増進を任務としていることから、個人である資金需要者等の利益の保護をその所掌事務として規定しています。
○前川清成君 だから、今のを一言で言うと、個人が金を借りた場合だけ消費者庁の権限が発生しますよと、会社が金を借りても、会社がやみ金から取立てを受けても消費者庁は知りませんよと、こういうことですよね。大臣。
○国務大臣(野田聖子君) 資金需要者等、個人に係ります。
○前川清成君 高利貸しによる消費者被害というのは個人だけが被るんですか。大臣。
○国務大臣(野田聖子君) 当然、被害に関しては個人以外にも掛かりますが、消費者庁としては個人というふうに対象にしています。
○前川清成君 私、先ほどその消費者問題をどのように理念として理解するのかがよく分からないというお話をしましたが、今の問題に関連しても、例えば、日栄や商工ファンドという高利貸しがありました。今はロプロあるいはSFCGというふうに名前を変えていますが、十年前に大きな社会問題になりました。日栄は保証人に対して腎臓も肝臓も目玉も全部売れと、こういう取立てをしたことは皆さん方まだ御記憶に新しいところではないかと思うんですが、この事件は、刑事事件ではもちろん有罪となりましたし、日栄もその責任を認めて二百五十万円の慰謝料を支払う和解が成立しているんですけれども、ここの保証人さんは、実はある会社、日栄は会社に金を貸した、その会社の保証人になった。会社の保証人になったところ、目玉も肝臓も腎臓も皆売れと、こう言われてしまったわけです。
 これは消費者問題ではないんですか、野田大臣。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者問題というのは、消費者と事業者との間で表示や取引、安全といった分野において生ずる様々な問題のことだと考えています。消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の構築にとって、その問題を未然に防ぎ、拡大を防ぐことが不可欠であるというふうに認識しております。
○前川清成君 違うんですよ。私が言っているのは、そもそもここの安全法に書いてある消費者の定義が間違っているんじゃないですかということです。
 大臣があちらこちらでおっしゃっていますよね、なぜ消費者問題に取り組まなければならないのか。事業者と消費者との間では情報格差があります、資金力も違います、知識も違います、交渉力も違います、隔絶しています、こういうことです。日栄から金を借りた会社、中小零細企業と、高利貸しの日栄であるとかあるいは商工ファンドとの間に、情報力も隔絶していますし、交渉力も隔絶しています。資金力も法的知識もすべて隔絶していますよ。それにもかかわらず、ただただ金を借りたのが個人だったら消費者問題ですと。しかし、中小零細企業だったら消費者問題ではありませんと。これがおかしいんじゃないかということです。
 かつては、私が弁護士になったころは、最低資本金は三十五万円でした。一株五万円を七株以上出さなければならなかった。ところが、それがいつか一千万円に引き上げられて、ところが、会社法の改正で資本金は一円でも足りるとなったわけです。すると、お父さんとお母さん二人で八百屋さんしておられる、あるいは魚屋さんしておられる、そこも株式会社ということは十分あり得るわけです。資金繰りのために高利貸しから金を借りました。そのお父さん、お母さんの八百屋さんは、消費者庁は守ってくれない。私は、ちょっとそれは消費者問題の切り分けの仕方がおかしいんじゃないかなと思っています。
 事前に通告していないんですが、真正面に座っておられる仙谷先生、この点、いかがでしょうか。
○衆議院議員(仙谷由人君) 今のお話は、実は企業消費という範疇もあると思いますけれども、法人企業消費は、最近はやりの言葉で言えばBツーBですよね、ビジネス・ツー・ビジネスという領域。ここは、消費の中でも個人の名義でというか、個人が消費した分だけを消費安全法の守備範囲にすると、これは我々もそういう自覚でやっております。
 さっきの保険の例でいうと、中小企業が保険会社と契約を結んで、当然のことながら不払とかいろんなトラブルが発生しますけれども、これは消費者問題とは言わないと。つまり、消費者問題と言う以上は、それは個人が生命保険会社とあるいは損保会社と結んだ保険契約についてトラブルが発生したときには消費者問題と言うという、この安全法の定義はそういう切り分けをしてあるんですね。
 だから、さっきの貸金業者の話も、中小企業、零細企業がまさにもう個人と同じような存在なんだけれども、その人が会社の名前でお金を借りて、その返済をめぐってとかいろんな問題が出てきたときは、これは消費者庁の守備範囲でもないし、消費者問題ではないと。個人が、これは典型的なのはサラリーマンがというような場合典型的なんでしょうけれども、個人がその生命保険会社あるいは貸金業者からお金を借りた場合だけ、この消費者庁が共管として守備範囲にすると。
 これは、そういう取りあえず今のところは限定付けですから、個人はそのぐらい情報量が少ないとか、闘う力がもうないということがはっきりしているとか、そういうことで切り分けてあるわけですが、それはそれで一つの僕は考え方だと思っています。
○前川清成君 ちょっとせっかくの仙谷先生の御答弁でございますけど、余りにも概念法学的かなと。ただ、法律のスタートとしてこれでやむを得ないのではないかなとも少し思わなくもありませんが。
 それでは、与謝野大臣、今のように、お父さんとお母さん、二人でやっておられる八百屋さんが高利貸しからお金を借りる場合もあります。だから、そういうときに、今の御答弁のように消費者庁は権限が及ばないとなりますと、お父さん、お母さんを守るのは金融庁の仕事と。これでよろしいんですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 諸法令に照らして、どういう具体的な案件かということが分かりませんとにわかにはお答えはできませんけれども、金融に関する言わばトラブルというものに関しては、当然金融庁も担当する役所でございます。
○前川清成君 大臣、私、具体的な事案についてお尋ねしているのではなくて、私がお尋ねしているのは、消費者庁ができたら金融庁は専ら業界目線で業界の保護だけをやっていく役所になるんですかと。いやいやそうじゃなくて、業界も保護するけれども消費者目線も持ちますよと、そういう役所なんですかと。どういう役所なんですかというお尋ねです。
○国務大臣(与謝野馨君) 皆様方に作っていただいた金融商品取引法の精神というのは、専ら投資をし、お金を借りという方々を保護する。貸金業法もそうですし、そういう消費者の視点に立った行政の考え方というのは、金融商品取引法の中にも貸金業法の中にも一番大きな柱として私は盛り込まれていると思っております。
○前川清成君 私も、金融庁は消費者目線を持ち続けてほしいなと、こう思っているわけです。しかし、私の金融庁に対する期待が大き過ぎるのか、どうも、金融庁しっかりしてよと、金融庁は本当に消費者目線なのかな、専ら業界団体擁護ではないかなと、そう思わざるを得ないことが多いんです。
 少し具体例を挙げさせていただきたいと思います。
 この点は、与謝野大臣はお忘れになったかもしれませんが、三年か四年前の予算委員会でも実は御紹介させていただいているんですが、先ほど、十年前に日栄や商工ファンドの違法、不当な取立てが大変大きな社会問題になりましたということを御紹介させていただきました。そのときに、商工ファンド、今はSFCGと名前を変えていますが、そこの社長であった大島健伸さんは、私たち参議院の財政・金融委員会に、平成十一年の十一月十一日には参考人として、同じ年の十二月十四日には証人として喚問されておられます。その喚問されたときに、証人喚問されたときに、ここで仮にK弁護士というふうに言いますが、Kさんという弁護士が同席をして、大島社長にアドバイスをしたりいろいろ付き添われた、こういうふうに記録上なっています。商工ファンド、つまりは違法な取立てをして社会問題を引き起こした、その弁護士がKさん。これが平成十一年の出来事です。
 ところが、平成十四年の十二月以降、このK弁護士は金融庁の顧問弁護士をされているんです。今も、今もですよ。金融庁のホームページを見ると、法令遵守室、法律を守りなさいよというところの参与であって顧問としてK弁護士の名前が出ています。違法な取立てをした商工ファンドをかばった弁護士が、その直後に金融庁の法令遵守室の顧問弁護士。だから私は、金融庁の体質は消費者目線ではなく高利貸し保護かなと、こう疑わざるを得ないわけですよ。
 与謝野大臣、なぜ、違法な取立てをした商工ファンドをかばったK弁護士がその直後に金融庁の法令遵守室の顧問弁護士になっておられるのか、そして今もなっておられるのか、その辺のところ、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 委員の御指摘は久保利英明弁護士についてのことだと思いますけれども、久保利弁護士は企業統治や法令等遵守に関する専門家であることから、現在、金融庁法令等遵守調査室の顧問をお願いしているところでございます。
 久保利氏は、旧商工ファンドに対し、かつて株主総会への対応に限って助言、指導等を行ったと伺っておりますけれども、同氏は、当庁においては貸金業者に対する行政には一切関与しておらず、利益相反にも当たらないことから、問題はないと考えております。
○前川清成君 今日は参考人の方々にお越しいただいています。
 全然通告はさせていただいてないんですが、佐野さん、今のお話を聞いていただいていましたでしょうか。要するに、違法な取立てをした会社があって、それをかばった弁護士が今違法、不当な業者を取り締まらなければならない金融庁の顧問弁護士に就任している。これは、専門的な知識は結構ですが、市民の目線から見ておかしいとお感じになるのかならないのか、感想をお聞きしたいと思うんです。
○参考人(佐野真理子君) 感想だけ申し上げますと、内容を知らないで聞いた限りではおかしいなというふうに思います。
○前川清成君 私、以前も与謝野大臣に申し上げました。弁護士の仕事というのは、公正であるのは当たり前なんです。さらに、公正らしさも求められる。公正らしかったら、不公正なことをやったらええという意味違いますよ。公正でなければならないことももちろんなんですけれども、外形上もだれからもあいつは怪しいと、疑わしいと思われたらあかんのですよ。だから私は、ちょっと金融庁のこの態度、だれだれ弁護士は法令遵守や企業統治の専門家と、こうおっしゃいましたけれども、私の目の前の仙谷先生も法令遵守の専門家ですし、私も企業統治の専門家だと思っています。
 与謝野大臣、時間がないので最後にお聞きしたいんですが、消費者庁が設置されたら、今後は多重債務対策本部、これは消費者庁に移るんですか、それとも金融庁は持ち続けたままですか、いかがですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 今の弁護士の業務範囲の問題ですけれども、恐らく、らしさというものを求めた途端にそれぞれの個人個人の弁護士の業務というのは恐らく非常に狭まって、不当に弁護士活動を抑圧することになると私は懸念をしております。
 それから、今御質問のあった多重債務対策本部は消費者庁に移すかという御趣旨の御質問ですけれども、多重債務問題は経済問題というよりは大きな意味での社会問題であり、その解決に向けては、貸金業にかかわる政策対応のみならず、社会政策や消費者教育、やみ金の取締りなど政府全体で横断的に対応することが非常に重要でございます。このような観点から、多重債務対策の取りまとめの移管については、関係各方面の御意見も踏まえながら、今後検討していくことが適当であると考えております。
○前川清成君 残念ながら時間ですのでこれで終わりますが、与謝野大臣のお答えの前半部分、弁護士に対して公正らしさを求めない、これは私は大変失礼な御発言ではないかと思います。日弁連からも来ておられますので、是非このことはお持ち帰りいただきたいと思います。
 それと、後半の問題については、後半のお答えについては、先ほど野田大臣にもお願いしました。
 環境省という役所がありますよね。当初予算の段階で、横には財務大臣もいらっしゃるんですが、私、調べてみました。例えば太陽光発電、これは環境対策として重要なんですが、今年の当初予算の段階で環境省の予算は十億円なんです。ところが、経産省は二百一億円付いていると。低公害車の導入についても、経産省は二百六十七億円付いていて、環境省は一億四千七百万円なんです。
 新しい消費者庁という役所に対してなかなか既存の権限を手放そうとしない古い役所があると思いますけれども、多重債務の対策室も含めて、是非、大きな役所に消費者庁が育っていただくことを御祈念申し上げまして、残念ですが時間が参りました。通告しておきながらお尋ねできなかった問題も多々あると思います。私の質問をこれで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(草川昭三君) ちょっと、重要ですから、与謝野大臣、一言あれば。
○国務大臣(与謝野馨君) 私が申し上げたかったのは、らしさというようなあいまいな概念で弁護士の皆様方の活動を縛ってはいけないと、こういうことを申し上げたかったわけでございます。
○藤本祐司君 民主党の藤本でございます。
 今日は、四名の参考人の皆様方には、朝からそこに座っていただいて五時までお付き合いをいただくということで、大変な長時間でございまして大変申し訳ないなというふうに思う反面、是非、この際ですから忌憚のない意見を申し述べていただければというふうに思っているところでございます。
 今日は四名いらっしゃいましたので、それぞれに関連した質問をさせてもらいたいと思っておりますが、下田先生や前川先生、そして私、三番目でございますので、三人ともパターンが多分違うかと思いますので、今日は、私の場合はできるだけ参考人の方々にも御発言いただけるようにしたいと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 まずは、市川正子参考人の関連で質問をさせていただきたいと思いますが、今日、ここの委員のメンバーは御承知のとおりだと思います。あの二〇〇六年六月三日の、シンドラー社のエレベーターによって息子さん、大輔さんを失われたということで、その間三年間、もうあっという間の三年間だったのかなというふうな思いがするわけなんですが、せっかくの機会ですので、私の持ち時間が今日の中で一番多いということもございますし、冒頭でございますので、今、市川さんの活動の状況であるとか、こういうことを要請したいんだということを概略お話しいただければというふうに思います。
 お願いいたします。
○参考人(市川正子君) 市川です。
 本日は、消費者問題特別委員会において、エレベーターの事故について発言する機会をいただきまして、議員の皆様に心から感謝いたします。ありがとうございます。
 実は、昨日から緊張して眠れませんでした。三年という長い時間活動していますが、今までで一番緊張しています。でも、見方を変えましたら、私たちも含めて、議員の先生方はみんな同じようにエレベーターを使っているんだと、同じようにエレベーター利用者だというふうに考え方を変えましたら、胸の中ですとんと何かが落ちる気がしまして、私は、この場で本当に議員の皆様に更に御理解いただければなと思って、今日は来ました。
 平成十八年六月三日です。正直言って、私たち家族にとってこの三年間は一歩も進んでいません、時間は。気持ちも進んでいません。はっきり言えるのは、息子を返していただきたい。なぜ、いつものように使う、身近にあるエレベーターで命を奪われたのか。
 それが、ずっと一年間、私がだれとも話ができないような状態になったときに、息子が通っていた小山台高校の野球班の同級生から、あれだけ不具合があったのにもかかわらず、なぜ調査がされないのか。息子はいっちゃんと呼ばれていましたので、なぜいっちゃんが命を奪われたのか、なぜ扉が開いたまま動いたのか、おかしいじゃないか。エレベーターはみんなが使うものであって、だれにでも起こり得る。もしかしたら家族かもしれない、もしかしたら友人かもしれない、もしかしたら後輩、先輩かもしれない。だれにでも起こり得る事故。これをなぜ行政は調べてくれないのかと皆さんが憤りを感じて、市川さん、私たちなら署名は一緒に集めることができるからという声の下に赤とんぼが結成されて、二〇〇八年の一月に、吐く息が白い中、街頭に立ちました。そして、十六万という署名を国交省に、検察庁に十五万、警察に十五万提出しています。
 それからもう三年ですね、事故が起きてから。でも、いまだに息子の命を奪ったエレベーターの事故の原因はどこからも説明されていません。もちろん謝罪もありません。この三年間を一言の言葉で言うならば、家族は疎外された場所にずっと置かれてきたという気持ちです。現在は、署名も国土交通省に向けて集め続けています。
 それからあとは、民事裁判が始まっていまして、そこに息子の同級生、後輩、先輩、中学校の同級生ですね、若者が裁判を傍聴しています。その傍聴している若者に分かりやすいように、私たちの弁護を受けている先生方が協力していただいています。十六万という署名は、数で見れば十六万という署名なんですが、すごくたくさんの若者がかかわっています。
 以上です。よろしくお願いします。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 細かな質問につきましてはまた同僚の議員が聞かれると思いますが、市川さんの幾つか新聞とかいろんな記事とか読ませていただくと、このエレベーターの安全問題を調べているうちにやはり消費者庁の必要性を強く感じたというふうにおっしゃっております。
 そこで、野田大臣と、あと修正案提案者にお聞きしたいんですが、もしこの事故が起きた当時消費者庁が設置されていたら、あるいはこの事故が消費者庁が設置された後に、こういう事故は起きてはいけないことだと思いますが、起きてはいけないことなんですが、起きたとしたら何が違った、今とは違う展開にどうなっているのかということを、消費者庁が設置されたらどういうふうな展開になっているのか、あるいは消費者委員会が設置されると、今の市川さんがおっしゃった状況がどう変わるのかというのをお答えいただければと思います。
○国務大臣(野田聖子君) まず初めに、市川さん、本当に心からお悔やみを申し上げますし、市川さんが活動していただいたおかげで、多くの皆さんの御共感をいただいて、消費者庁の法案が国会で審議されているということを是非とも息子さんにお伝えいただければなと思っているところであります。
 まず、消費者庁ができたらという話であります。
 今回のエレベーターの事故のような問題が発生した場合に、消費者の安全、安心を確保するため政府一体となった迅速な対応を行うに当たり、消費者庁が中核的な役割を果たすことになります。
 具体的には、消費者安全法等に基づきまして重大事故等に関する情報として、情報の一元的集約ルートをたどって事故情報が地方公共団体、国土交通省等から消費者庁に直ちに届けられることになります。そして、消費者庁は集約、分析された情報を消費者に分かりやすい形で公表して注意喚起を速やかに行うこととなります。消費者庁は緊急対策本部を開催することとなり、国土交通省や警察庁等の関係各省間の間で緊密な連携協力及び情報共有を図り、当該省庁に対し事故の調査や事業者への行政指導を含めた迅速な対処等を促すことになります。必要な場合には、建築基準法に基づく地方公共団体による違反建築物是正のための措置がとられるよう、国土交通大臣に対し、地方自治法に基づく技術的な助言又は勧告を速やかに行うよう消費者安全法に基づき措置要求を行います。
 また、消費者委員会の方では、消費者庁や国土交通省において適切な対応が取られているか等についての審議等を行った上で、必要に応じ建議等を行うことが考えられます。
 ちなみに、市川さんのこの事故が起きたときに、自民党では調査会を開きまして、そのとき市川さんからお話を聞きました。残念ながら、そのときは国土交通省、警察、それぞれ担当しているはずの役所から何らコメントがいただけない状況でありましたけれども、消費者庁ができた暁には、まずは消費者庁がすべてのことに対して司令塔的役割を担うということで、そこで速やかに緊急対策会議が開かれて、どういうことが行われているかということについては、捜査の邪魔にならない、秘密なんかが問題にならないところではしっかりと情報共有が図られていくことになる、そういうことになっていくと思います。
○衆議院議員(園田康博君) ありがとうございます。
 まず、私からも市川さん、御遺族の方には心よりお悔やみを申し上げたいと思っております。
 衆議院の審議の段階におきましても、やはりこのシンドラーエレベータ社の問題、そしてそれに対する行政機関の対応の遅れ等々が大きな問題となりました。したがいまして、これをいかに迅速に、かつ情報を収集し、さらにそこからまた捜査を含めて対応をしていくべきではないかというところから、今、野田大臣からもお話がありましたけれども、消費者庁の設置とともに、それだけではなく、更に消費者委員会というものを機能させていく。
 そして、行政が行うことができないということ、なかなか捜査が進まない、あるいは情報がなかなか表に出てこない、対応が難しいのではないかという形になって時間が経過をするということがあってはならないわけでありますので、それをやはり言わば外からのといいますか、そういった民間の方々が入っていただいた上で消費者委員会がしっかりとその役割を果たしていくと。
 それがやはり重要なものではないのかというふうに思っておるところでございまして、まずその消費者委員会の位置付けにつきましては、与野党の修正合意に基づきまして内閣府本府に置かれる機関となり、また、消費者庁と並び立つ独立性の高い機関という形で位置付けさせていただいたところでございます。
 加えて、自らまず調査審議を行って、必要と認められる事項につきましては内閣総理大臣等に対しまして建議すること、そしてその所掌事務に掲げたことに加えまして、内閣総理大臣に対して消費者被害の発生又は拡大の防止に関して必要な勧告を行うとともに、その勧告に基づいて講じた措置について報告をまず求めることができるというふうにさせていただいたわけでございまして、それを言わば法律上明確に規定したわけでございます。
 消費者委員会は、その消費者事務を遂行するためには、必要がある場合には関係行政機関の長に対して資料提出要求等も掲げられておりますので、そういった監視、消費者政策の監視全般を実効的に行うための様々な工夫をこの修正案の中に盛り込ませていただいたところでございます。
 以上を前提といたしまして、この原因究明が遅れているシンドラーエレベータ事故のような事案、これに関しましては、やはり消費者委員会において調査審議を行い、そしてその結果、原因究明を行うべき行政機関、この場合は国土交通省という形になるんでしょうけれども、その行政機関が適切にその職務を行っていないと考えられる場合におきましては、捜査当局に遠慮することなくこの当該機関に対して資料の提出要求等を行うと、そして内閣総理大臣に対しましては速やかに調査し原因究明を行うべき旨の勧告をするという形、これがこの消費者委員会の役目というふうに期待をされるわけでございます。
 さらに、付言をさせていただきますれば、資料提出要求等に対しまして、各行政機関が速やかに委員会の求めに応じて対応すべきということと、それから、委員会の建議、勧告に関しましては各行政機関の長等は迅速かつ誠実に対応すべきこと、これは衆議院での附帯決議の六番目、七番目にも盛り込ませていただいたというところでございます。
○藤本祐司君 要するに、市川さんのいろいろな訴えを総括的にポイントだけ絞ってしまうと、原因究明がなされていないじゃないかと、この原因究明がなされないと再発防止にもつながらないと。それとあと、謝罪もないというお話がありました。これは責任の所在が明確でないということなんです。
 野田大臣にちょっとお聞きしますが、端的にお答えいただきたいんですが、消費者庁ができたら原因究明が早く進むのか、あるいは責任の所在が明確になるのか、この二点、なります、なりません、そこだけでいいですから教えてください。
○国務大臣(野田聖子君) まず、繰り返しになりますけれども、消費者庁ができましたら、もしこのような事件が起きた場合、速やかに緊急対策本部をつくって担当の役所を集めて連携を取る、情報共有なんかの連携を取ることになるわけですけれども、そこでまずは調査や事業者への行政指導を含めた迅速な対処を促すことをするわけです。
 こういう取組を通じまして、さっき申し上げたけれども、捜査や様々な調査の秘密なんかはきちっと配慮するわけですけれども、原因究明を含めた捜査に当たる警察との連携協力や、行政目的で調査に当たる国土交通省になるわけですが、これは政府全体として迅速な原因究明を図るよう適切に対応します。
 今御答弁ありましたように、消費者委員会というのは、まさに併せて原因究明に向けた取組が適切に行われているかどうかについて審議をしていただいて、その上で必要に応じて建議をしていただくということで、原因究明については、今まではもうできていませんでしたから、それをできるように進めていくということになります。
○藤本祐司君 市川さんにちょっと感想で結構なんですが、今長々と答弁されましたが、いろいろと、それで御懸念が払拭されますでしょうか。消費者庁ができて、ああ良かったな、これから同じような、まあ良かったなというのは言い方がおかしいと思いますが、同じような事故が起きないということに一歩前進するというふうにお考えになりますか。端的、正直にで結構です。
○参考人(市川正子君) あの事故が起きたときに、これは行政の縦割り、行政のすき間に落ちたというふうに言われたんですね。すき間って何だろう、行政にすき間なんかあるのかというふうに思ったんですね。私、事故が起きたらすぐに原因究明調査されると思っていました。それも警察の中でしてくれる、悪いことをしたら警察がすべて事故も刑事責任も全部やってくれると、あの事故が起きるまでずっと思っていました。
 でも、この三年という時間は、捜査と調査は違うんだということを三年の中で私自身が分かりました。そういう目で周りを見ましたら、事故の調査機関がないわけです。もし事故が起きたときに事故原因究明調査機関があったならばこんなには時間が掛からず、息子の事故の後にも戸開走行という事故が起きています。そういう事故に少しでも再発防止の一つにつながる結果が出せていたんじゃないかというふうに思います。
 更に考えますと、事故原因究明とは何かというふうに何度も自分の中で考えます。事故の本当の原因を明らかにする、本当の原因を明らかにするということは正しいことを公表してみんなに危険を知らせるという、そういう事故の調査機関でなくてはならないというふうに思いました。
 そういう目で、今の国土交通省の中の昇降機事故対策委員会、それから消費者庁というものを見ました。
 消費者庁、本当にやっと消費者の声を代弁する場所ができた。これは正直言って、本当に三年の中で、どこにも訴える場所がなく、どこも聞いてくれず、皆さんから言われるのはすき間事案だと、こういうものは時間が掛かると言われてきました。こういうことが二度とないように、やはり消費者庁の中でやっていただきたい。それと別に、やはり事故の調査機関は、各省庁の影響を受けない場所に原因究明調査をする場所をつくっていただけたならば、昇降機事故対策委員会、国土交通省の中で二月にできましたが、いまだに私の中での疑問、なぜ息子は命を奪われたのか、何が原因なのか、いまだに分かっていません。
 済みません、よろしくお願いします。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 今後、これからまたいろいろと質問があろうかと思いますので、私は、この件につきましてはこのぐらいにして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、佐野参考人に一度来ていただいて、そのときお話を伺ったわけなので、そのときのポイントでやはり一元化という話をされたと思います。
 期待される一元化は、いわゆる行政機関の一元化、相談窓口の一元化、情報の一元化と、その三点を挙げられたと思うんですが、消費者の立場からすると、何か不具合があった、何か問題があったときに、さあ、どこに相談したらいいか分からないというのが本当のところなのかなというふうに思います。
 私なんかも、多分何かあっても、さあ、これどこに言おうかと。何か、例えば電化製品だったらお客様相談窓口みたいなところに電話をまずはしてみようとか、そういうところが多分一般的なんだろうというふうに思うんですが、今回、これで消費者庁ができて、消費者の相談窓口が一元化をするということになると、何でもかんでもそこにまず聞いてみたらいいんじゃないのかなというふうに思うのかな、一般的にはですよ、思うんではないかなというふうに考えられるんですけれども。
 その中で、だれもがいつでもアクセスしやすい相談窓口ということをキャッチフレーズというか、アピールしているわけなんですが、野田大臣は、全国共通の電話番号にして、携帯電話であろうと固定電話であろうといずれからも同じ番号に統一すると、あるいは相談窓口を三百六十五日、二十四時間体制にするんだというふうに言われているんです。
 例えば土曜日の九時に、九時でも十時でもいいんですけれども、何か相談したいということが生じたときに、二十四時間、三百六十五日ということになれば、どこかへ相談できることになるわけなんです。私もだんだん最近記憶力より忘却力が勝ってきてしまうので、忘れてしまうので、そのとき話をしよう、そのとき電話しようというふうに思うと、そこで二十四時間、三百六十五日対応だということであれば、そこの統一された電話番号に電話をすると。
 じゃ、その電話をしました。どこが受けてくれるんですか。どこにつながるんでしょうか、その電話というのは。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者にとってだれでもすぐに分かる窓口をつくらなきゃいけないというのが、もう消費者庁をつくることよりも大事な仕事だと思っています。
 地方に住む人たちが何があってもすぐ対応できる場所、それはセンターであったりするわけですけれども、一番やっぱり身近な窓口というのは電話の相談ではないかと思っています。そういうことを踏まえて、これから共通電話というのは、地方消費生活センター及び国民生活センターにその共通の番号を持った窓口を置くということにしております。
○藤本祐司君 ということは、私が土曜日の九時に電話をしたら、それはその地域の消費生活センターにつながるんですか。
○国務大臣(野田聖子君) 今それは計画しているんですけれども、ナビダイヤルを使いまして、今、残念ながら全国一律それをやっているわけではありませんし、やっているところとやっていないところの差がばらばらなので、極力皆さんがそうやってやっていただけるようになればいいんですが、まだ足腰の弱いところは無理なので、それはナビダイヤル等を使って、ICTの技術を使ってどこかにつながるようにしていくという、そういう今計画をしているところです。
○藤本祐司君 つまり、どこかというのは、自分の地元のところではなくてもどこかのセンターにつながって、まずは第一次相談ができるようになると、そういう解釈ですよね。
 そうすると、じゃ訪問する場合は、要するに、行って説明しないといろいろ分からないというのは結構あると思うんですよ、細かいことは。そうなってくると、そのときはやっぱり二十四時間、三百六十五日対応ではないと解釈してよろしいんですか。
○国務大臣(野田聖子君) 最初はまず電話でやり取りがあって、ではお出かけいただいて対面で相談しましょうということになると思いますが、常識的に考えて夜中の二時、三時に相談をするとかいうことはまああり得ないので、そこら辺は、やっぱり地域地域の事情がありますから、基本的には地域でしっかり地域の実情に応じた地方消費者行政をつくっていただきたいという願いがございますので、そこら辺はお任せしたいと思いますが、極力やっぱり土日は開いていただきたいなということでお願いはしていきたいと思っています。
○藤本祐司君 そうなると、やはり相談員の数も相当増えてくる、増やさざるを得ないんだろうというふうに思うんですけれども、これ今、まあ何人ということ、なかなか言いにくい部分があろうかと思いますが、実際には、現在からどのくらい増やさないといけないというような何か想定あるいは検討はされているんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 何人というのは、国がその数値目標を作るのではなく、基金を通じてやはりそれぞれの地域の実情に応じて相談員さんを増やしていただくという形を今取っておりますので、私の方からはその数について申し上げることは適当ではないと思います。
○藤本祐司君 いずれにしましても、相談員を右から左に、じゃ増やそうといっても増やせるわけではないんだろうと思いますね。これは、いわゆる教育もしなければならないし、すぐに右から左に、一年もやらない方がベテランの相談員になることはなかなか難しいだろうということなんだろうと思うんですが、前回の参議院の公聴会で発言をされた兵庫県の消費者生活相談員の方がおっしゃっていたのに、相談業務で一番大切なのはセンサー機能だと、センサー機能。要するに、これは何かおかしいぞということがやはり分かる、ぴんとくるというんですかね、勘どころというんですかね、それが大変重要だというふうにおっしゃっておりまして、その方は、八年やった経験で、五年は掛かるというふうに言われたんですね。
   〔委員長退席、理事岩城光英君着席〕
 一般的に考えると、いわゆる消費者庁ができて一元化されましたよというと何でも消費者庁に取りあえず聞いてみようという方が増えるので、今よりも多分件数としては増えるんじゃないかなというふうに想像するんです。そうなってきたときに、それに対応することというのはなかなか相談員も難しい、そこをどうやって増やしていくのかという教育の問題なんかもあるんだろうというふうに思いますけれども、それについてどういう形で増やしていけるか、やはりこれは活性化基金で、地方は地方でお願いしますよという、そういう発想なんでしょうかね。
○国務大臣(野田聖子君) やはり、多くの人たちに周知徹底して消費者被害を減らすというのが今回の消費者行政の大きな目的ですから、御相談が増えて、そして御相談を受けてあっせんがあって事片付くと、そしてそういう事例の積み重ねでほかの消費者被害を未然に防いだり拡大を防止することができるということが本来の目的でありますので、いろんな方がアクセスしていただいて数が増えるということは、ある意味ほかの被害も抑え込むことができるということで、極力すべての相談に応じていかなきゃならないということを思っています。
 ですから今よりは、番号が分からない、場所が分からないという地方の消費者行政になっていますので、そういう意味では番号が統一されたり、そして消費者庁を通じて、基金とか又は交付税によって消費者行政頑張ってくださいというふうにお金をずっと補正からやっておりますので、各地域でPRをしていただけることになるので、身近に触れる機会が増えることによって多くの人たちが利用していただけることになると思っていますが。
 やっぱり問題は、一つにはそこで働く人の実力ですよね。これにつきましては、今まさに頑張っていただいている人たちは、これまでちょっと予算が足りないということで、お金がないということで、様々な研修も受けることができなかったと聞いています。そういうものについてはしっかり基金等で手当てをさせていただこうと思っていますし、あわせて、この集中育成期間、この三年の間でやはり育てていきたいという思いがありますので、新人の皆さんには、いわゆる実学ということで、それぞれの消費生活センターに勤めていただく中で実学で相談を受けることで学んでいただく、そういう費用も持たせていただく。さらには、それでも足りない場合は、国民生活センターの方でいわゆるスーパー相談員みたいな人たちをあっせんして、そういう人たちのフォローアップをしていくということをやっていかなきゃならない。
   〔理事岩城光英君退席、委員長着席〕
 いずれにしても、もう先生御指摘のとおりで、多くの人たちに利用していただくことによって消費者行政が活性化されますから、それに見合うだけの相談員の育成というのはこの三年間で一番大切なことだと思っています。ソフトとあとハード両面、やはり衆議院の審議の中でも、とりわけ仙谷先生始め、もっとやれもっとやれということで、この補正予算にも上乗せをしていただいておりますので、そういうのを十二分にやっぱり地方においてしっかり活用していただくよう、こちらからも適切な指導をさせていただきたいなと思っています。
○藤本祐司君 多分、相談事って想像しないようなびっくりするようなことが結構消費者問題として出てくることがあるんじゃないかなと思います。
 実は、ちょっと一つの例なんですが、これ本当の例でびっくりしましたけれども、ある患者さん、患者さんって、花粉症でお医者さんにかかったんです、花粉症。普通の花粉症です、特別な花粉症じゃなくて。そうしたら、何と処方された薬が十二種類あった、十二種類。十二種類の薬を飲んだら、ぼうっとしてふらふらになって何をやっていいか分からなくなってそのまま寝ちゃったという、そういうのがあった。このとき、じゃどこに相談したらいいのかと。処方をしてくれたお医者さんはそれでいいというんだからそこに言っても多分しゃあないでしょうと。薬局に言ったら、処方せんどおりに出しましたよといって、しゃあないでしょうと。これ、できないわけですよ。
 それで、こういうときに、じゃ消費者庁でこれ対応できるものなのでしょうか。例えばこういうものが来たときに、これはどこですよという的確な判断をして、ここに聞いてくださいとか、そういうふうに振り分けなきゃならないわけですよね。これって相当、私、難しいんだと思うんですけれども、例えば今のような事例の場合は消費者庁では対応できますか。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者庁というか、消費生活センター等々窓口では、基本的にはすべて相談を受けたらお受けするということですが、専門性の高いものに関しては、やはりそれぞれの省庁が専門家を擁しておりますので、そこに対して、消費者庁というよりも相談員が直接そのあっせんをするのか、又はかなり専門性が高いものに関しては、そこを通じて間違いのない窓口に誘導するということはこれからしていくことだと思っています。
○藤本祐司君 大変難しい多分相談が出てくるんだろうなというふうに思いますので、そういう意味では、相談員の方が相当ストレスになってしまって、大体、例えばいろいろな電話を受けて、相談、苦情とか受けるようなコールセンターなんかも結構定着率悪くて、商品の説明するんだったらいいんだけれども、苦情を受けるといったらもうどんどんどんどんストレスで辞めていっちゃうという、そういう状況になりますので、こういう一元化、簡単に言うけれども、実際には相談員の方は相当大変な心労になるんだろうなと。そこのところをきちっと教育して、教育というのか、OJTも含めてやっていかないとならないというのは、相当のコストと時間は掛かってくる、そこはやっぱり覚悟してやっていかないといけないんだろうと思うんですが。
 佐野参考人にお聞きしたいんですが、この間、我々の委員会で事故情報関連の収集・提供体制について御指摘をされているんだろうと思います。
 消費者安全法で消費者庁にその情報が収集され、対応措置がとられるという仕組みになって、修正案では、国及び地方公共団体の責務として消費者事故に関する情報開示が追加されたわけなんですが、この点を踏まえまして、今後の課題として佐野参考人は幾つかの課題を提示されていると思うんですが、この課題、具体的にどのような課題があるというふうに御認識されていますでしょうか。
○参考人(佐野真理子君) 消費者庁にとって事故情報の一元化というのは非常に大きな柱だと思っていまして、これからどうやっていくのかというのは非常に困難な部分もあるかと思います。
 まず、重大事故に関してはきちんと報告するようにということになっていますが、軽微な事故をどうするのかというのがまだはっきりしておりません。私たちにしてみれば、やはりきちんと報告をしていただいて、消費者庁がまたそれをきちんと消費者に情報提供するという、それでこそ事故の未然防止につながるのではないかなと思っております。
 ですから、そこの部分をどうやっていくのか。範囲も非常に広く、消安法なんかは要するに日用品だけですので、そこに食品が入ったり遊具が入ったり、いろいろなものもしますので、そこをどうやったらうまく情報が集められるか。そして、それをどういう形で消費者に提供すれば、それがうまく事故の未然防止につながるかというのをもう少しきちんと検討していく時間が必要だと思っています。
 それで、情報提供をしただけでいいのかというのは、またそれは違うわけでありまして、本当にその情報が必要な人のところに届くのかというのがやっぱり一番の問題でありまして、そこは私は地方の消費者行政の担当者の方にきちんと受皿をつくっていただきたいと。もちろん行政組織だけではなく、介護していらっしゃる方とかいろいろ、民生委員の方でもいいですし、町会の方、いろいろなところにやはりいただいた情報をきちんと発信できるような形も、またそれも必要かと思います。それは、もちろん各自治体で、それから消費者団体も各地方におりますし、住民の方それぞれが集まって検討しながら決めていくことかなと思います。
 とにかく一つに集めて、それをきちんと情報を提供して、そして受皿をつくって、さらに細かく必要なところまで流していくというのが重要かなと思います。
○藤本祐司君 重大事故以外の軽微な事故ということ、これは事業者の判断に任せられているわけなんですが、軽微と言ってはなんですが、先ほどのシンドラーのエレベーターの事故も重大な死亡事故が起きる前に幾つかの不具合な事故があったわけなんですね。それがないがしろにされていて、結果としてそういう大変不幸な出来事が生まれてしまったということになるんです。
 ただ、重大な事故が起きるまでに事業者が情報を開示しないということもありますね。要するに、事業者は分かっているけれども、これ大したことないよということで表に出さない、あるいはこれを隠し続ける、隠ぺいするということ。それはだれにも逆に言うと分からない、知れることができないわけです。集めるということは重要なんですが、それが本当に集まるのかどうかというところが大変問題で、そのまま時が過ぎていってしまって大きな事故につながると。
 ですから、重大な事故以外に関する情報については情報収集、分析、あるいはその提供、公開というところが非常に重要なポイントになると思いますので、野田大臣と、あと修正案提案者の方にこの重大事故以外の軽微な事故の開示、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者安全法案の中にあるわけですけれども、第十二条の第二項には、重大事故等に関する情報に限らず、地方公共団体等が、消費者事故等が発生した旨の情報を得た場合であって、被害が発生又は拡大するおそれがあると認めるときは、消費者庁に情報を通知することを義務付けています。
 また、第十五条の第一項になるんですが、消費者安全法案、重大事故等であるや否やを問わず、消費者事故等の発生に関する情報を得た場合であって、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため消費者の注意を喚起する必要があると認めるときは、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表することとしているところです。
 ですから、重大事故に該当しない、今お話がございました比較的軽微な事故につきましても、必要に応じて消費者庁に情報が集約されて、消費者安全法案による注意喚起の公表対象ということになり得ます。
 また、今消安法の話もありましたが、これから消費者庁が所管することになります消費生活用製品安全法上の消費生活用品に起因して生じた事故であって、報告義務の対象とならない非重大製品事故につきましても、現在、NITE、独立行政法人製品評価技術基盤機構、これが事業者から任意の報告を受けるなどの情報収集を行って、その内容を公表しているものと聞いております。消費者庁の創設はもちろんですが、NITEとの連携を強化していくようになっていきます。
 さらに、これらの消費者庁等による積極的な情報開示に加えて、行政機関の保有する情報の公開に関する法律があります。これに基づいて開示請求がなされれば、消費者庁としてはこの法律にのっとって適切に対応することとなり、これらの制度が様々相まって適切な情報提供・開示がなされるものと今考えているところです。
○衆議院議員(園田康博君) 委員の御指摘はごもっともでございまして、やはり二つの観点からこの課題を考えていかなければいけないというふうに思っております。
 第一点目は、やはり重大事故以外の事故情報について、これについてどのように一元化、そして集約していくのか。そして、そもそも重大事故か否かにかかわらず、委員御指摘のように、言わば従業者が隠匿するような情報をどのように集約、収集していくのかということだろうと思っております。
 御案内のとおり、先ほどのシンドラーの事故でもそうでありますし、また六本木で起きた自動回転ドアの事故でもそうでありましたけれども、やはり重大事故が起きる前に必ずその前兆となるような事故等があるわけでございまして、やはりそれを素早く収集していかなければいけないというふうに考えておるところでございます。
 民主党が衆議院に提案をさせていただきました権利院法案におきましては、行政機関に対しましてありとあらゆる情報をまずは報告すべし、権利官に報告すべしという形の法形式を取らせていただいておりました。しかしながら、修正協議等々を加味させていただきまして、行政機関に対してでもそういった過大な負担を掛けてしまうのではないのかと、報告義務を課すということは現段階では少しまだ難しいというふうに考えた次第でございまして、これにつきましても今後の検討課題であろうというふうに思っておるところでございます。
 そして、消費者安全法案の附則の検討事項の中でも、そこの部分は、政府は、この法律の施行後三年以内に、消費者被害の発生又は拡大の状況その他経済社会情勢等を勘案し、消費者の財産に対する重大な被害も含め重大事故等の範囲について検討を加え、必要な措置を講ずるものという形の附則条文があるわけでございまして、これによって三年以内にしっかりとした検討がまず加えられなければならないというふうに思っておるところでございます。
 さらに、委員御指摘の二点目でありますけれども、隠匿の事故情報の収集に関しましても、野田大臣からも答弁がございましたけれども、場合によってはその資料の提出要求権限などを適切に行使するということによって事業者の持つ事故情報を集約することが可能となる、そして個別法においても、それをまた消費者庁あるいは消費者委員会、ここからの建議に基づいて様々な案件を見直しをしていくということが考えられるというふうに思っております。
○藤本祐司君 簡潔にお願いします。
 それで、最後に一点だけ、その情報公開について、情報についてお聞きしたいんですが、結局消費者庁に集まるわけですね、すべてが。集まるという前提でやっているわけなんですが、集まった情報を公開するのは、右から左にすべて来たものをそのまま自動的に公開されるわけではないだろうと。
 そうすると、消費者側からすると、欲しい情報というのを公開してくださいという話になると、これはいわゆる情報公開法の開示手続を取る必要性が出てくるだろうということになれば、必ずしもすべての情報を開示する、公開されるわけではなくて、公にすることでその法人なんかが、あるいは個人が不利益を生ずるような場合にそれは公開できないと、あるいは黒塗りになってしまうということは起こり得るという解釈で、当然情報公開法上そうなっていますので、そうなるということで認識をしておけばよろしいんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 先ほど申し上げたとおりなんですけれども、適切に対応していくということ、法律にのっとって適切に対応するということになります。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 それでは、ちょっと時間もどんどん押してきてしまいましたので、次の質問に行きたいと思いますが、今度は中村参考人に関連しまして、中村参考人に関連するというのも変ですけれども、質問させていただく場面になろうかと思いますが。
 この間、日弁連の消費者行政一元化推進本部の事務局長の石戸谷弁護士にお越しいただいたわけなんですが、そのときにやはり気にされていたのが、いわゆる消費者委員会の事務局体制なんですね。ここのところを大変気にされていて、証券取引等監視委員会の例であるとか、あるいは公取の例であるとかを出されていたかというふうに思います。
 二か月前の衆議院の特別委員会でも、実際にこの事務局については今後検討していくというようなお話があったんですが、二か月たちましたので、その後設立準備室もでき上がって立ち上げているというふうに聞いておりますので、野田大臣にちょっとお聞きしたいんですが、この事務局、何人ぐらい、あるいは今どの程度まで作業が進んでいるのか、ちょっとお聞きしたいと思いますが。
○国務大臣(野田聖子君) 設立準備委員会なるものはまだできていません。この法律を通していただいたら多分速やかにつくらせていただくということでございまして、今のところ、ですから、まだ確定的なことは何も申し上げることはできません。
○藤本祐司君 じゃ、この人員についてもまだこれから検討するということであって、まだどのぐらいの事務局でやったらいいのかというのは決まっていないという認識でよろしいですね。イエスかノーかだけで結構です。そうならそうだでいいです。
○国務大臣(野田聖子君) 確定しておりません。
○藤本祐司君 じゃ、中村参考人にお聞きしたいんですけれども、恐らく御懸念されているのは、今後の作業のあるいはスケジュールであるとか、いつぐらいまでにという話等があるんだろうと思いますが、この間、石戸谷事務局長が参考人でいらっしゃったときに、三十名ぐらいかなというようなお話がされていたと思います。
 ただ、その中で、実際にはもう本当にたくさんの業務があって、そんな少ない人数ではなかなかできなくて、かなり人数、質的にも量的にも必要だというような話があった中で三十名ぐらいというお話があって、私は、公取であるとか証券取引等監視委員会の三百名とか七百名とかという話を聞いて、三十名というと、あれ、けたが違うのかなと思ったんですが、三十名というふうに言われたその根拠といいますか、その辺はどういうふうにお考えになっていらっしゃったんでしょうか。
○参考人(中村雅人君) 実は、この消費者委員会というものが担うべき役割というのを私たち抜き出してみたんですね。関係法案三つの中に書かれている任務、物すごく広い。要するに、もう一つ消費者庁があるのと同じぐらい必要なんです、やることが。
 そして、附帯決議の中にも二十三項目のうち十一項目が消費者委員会について触れられていて、例えば、地方消費者行政の問題で大変議論されましたが、今後三年程度の集中育成・強化期間後の国による支援の在り方や、消費生活センターの設置、相談員の配置、さっき人数聞かれていましたけれども、そこまで考えろと言われている。処遇が、望ましい姿について、その工程表も含めて消費者委員会で検討することと、ぽんとこれ投げられている。これだけやるだけでも大変な作業が要ると思うんですね。
 それから、所管する法律が二十九本ないし三十、それから今後検討しなきゃならない法律が、所管、移管するかどうかを含めて検討する法律が四十三本ほどあると、こう言われていて、それらをじゃ何人の事務局で担当できるのかということを考えたときに、一人二、三本の法律を所管するにしても最低は三十要るだろうという、そういうカウントをしておりますが、これは絶対三十で足りるというものじゃなくて、常勤的に事務局に入られる方は少なくともそのくらいプラスアルファ要る。だけれども、さらには、非常勤などを含めて、それこそ証券取引等監視委員会に勝るとも劣らない規模でやっていただかないと到底賄えない。それほど大きな任務をこの消費者委員会が衆議院の修正で担わされているということでありますので、そこを十分踏まえて野田大臣にも今後の検討に当たっていただきたいと思っております。
○藤本祐司君 少しこの件でもお聞きしたかったことが一点あるんです。その一点だけちょっとお聞きしますが、その消費者委員会の委員の人数なんですね。これ、元々十五名以内というふうにされていたのが修正案で十名になりました。機動的に動かすためには十名以内ということで修正されたんだと思いますが、これ、済みません、全く通告しておりませんが、なぜ十名以内だと機動的で十五名だと機動的じゃないというふうにお考えになったんでしょうか。
○衆議院議員(仙谷由人君) 私自身の考え方でもありますが、船頭多くして船山に登るというのが、往々にしてこの官庁組織というか官僚組織が関与をしたらそういうふうになると。結局のところは、事務局がペーパーを書いて、はい、おしまいと、こういう審議会が余りにも多過ぎるというのが、これはもう世間の常識になっておるわけでありますが、実際に仕事をしようとすると、少なければ少ないほどいいとは思いませんけれども、その仕事に応じたやっぱり適正規模というのが何となくあるのではないかと。
 私どもの感覚では七人ぐらいがいいのではないかというふうに、七人とか五人がいいのではないかと、委員はですね。その下に専門委員とかなんとかが付く場合がありましょう。特にこの消費者問題は、極めて幅広く、さっきから問題になっていますように、物すごく専門性の高い分野とか複雑な分野というのがありましょうから。それはその都度なのか、常設で専門委員をお願いするのかというのはまた別途の問題です。さらに、事務局の問題もそれに応じてやっぱり機動的に、特に感度のいい動きのできる委員会にしなければ、せっかくつくった委員会の本来の趣旨、使命が果たされないと、こういうふうに思っておりまして、実は内幕を言った方がいいのかどうかは分かりませんが、我々の方は本当に五名とか七名とか修正協議で申し上げたと思うんですが、まあそんなことにしないでよと言うので、これは多分最終局面で船田委員長の裁定で十人ということになったと思います。その船田委員長の裁定をお受けしたというのが実情です。
 以上です。
○藤本祐司君 勘どころが十名以内の方がというお話、これ、実はアメリカでは実証実験をやっているんですよ。一人の委員長というかポスト、リーダーがいて、それはどのぐらいの人間に一番話が通じて、話が来て、それをまとめていられるかというような実証実験をやって、もちろんリーダーの能力にもよっていろいろ違うんですけれども、九人なんです。要するに、一人リーダーがいて九人、まあ野球みたいなものなんだと思いますけれども、ラグビーじゃなくて野球なんですね、十五人じゃなくて十人。そこがやっぱり最頻値といいますか、モードがやっぱり九人ぐらいが一番高くてというのが出ていますので、そういう意味では勘としても当たっているのかなというふうに思いました。ありがとうございました。
 それでは、藤原先生、お待たせしてしまいまして申し訳なかったんですが、消費者教育、学習について、残りの時間、九分ぐらいしかないんですが、質問したいと思います。
 実は私の知り合いで、中学校の卒業文集に、もう中学校といっても三十年前の中学生なんですが、今はもう五十ぐらいなんですが、将来どんな大人になりたいのか、どういう職業に就きたいのかというそういう卒業文集を作ったときに、大抵今は、大体野球の選手になりたいとか、男の子だと、サッカーの選手、これが一番、二番らしいんですが、ある女性なんですが、賢い消費者になりたいと卒業文集に書いちゃったんです。夢も希望もないのかなと思いつつも、そういう子供が、今四十九歳なんですが、そういう人がいまして、これ、実際にそういうのが残っているのでうそじゃないだろうというふうに思うんですが。
 じゃ、賢い消費者って何なんだろうかと。この中で結構いろんな消費者教育の質問があって、クレジットカードの使い方、確かにそれも重要だと、契約書の読み方、確かにそれも重要だと。でも、賢い消費者というのは、多分もっともっと概念的には広いんじゃないかなというふうに思うんですが、藤原先生のお考えの、今の現場でもやられていて、要するに、生きる知恵というか生活の知恵みたいなところを持っている子供たちを育てるというのがある意味賢い消費者につながるんだろうと私は思うんですが、ちょっと御意見をいただければと思います。
○参考人(藤原和博君) 私も三十年前に中学生だった一人なんですが、賢い消費者、多分一言で言えば上手に疑える人だと思うんですね。本当は、これは地域社会というのが機能していますと、自然に地域社会の中でいろんな折衝がありますよね。例えば、昔だったら自分の遊び道具をお兄ちゃん、自分の肉親ではなくて割と乱暴者のお兄ちゃんに奪われたとか、あるいはそれをお姉ちゃん、どこかのお姉ちゃんあるいはおばさんが慰めてくれたとか、そういう地域社会における折衝、小さなだまし合いだったりあるいは失敗だったり、それを蓄積して人間というのは賢い消費者になっていくんだと思うんです。ところが、残念ながら今の子供たちはそういう地域社会を失ってしまいました。細かな失敗だったり折衝だったりあるいはちょっと軽くだまされたりみたいな、そういうようなことがどんどんなくなってきちゃっているんです。
 ということは、学校で何かをしなければならないと、そのときに非常に大事なのは、これは多分、そういう教育が必要だということについては、もうここにいらっしゃる議員、多分、党派を超えてみんな一致していると思うんですけれども、ここで大事なのは、だからといって、じゃ、これを文科省に持ち込みますとどうなるかといいますと、文科省が悪いんじゃないんですよ、日本のシステムがそうなっているわけなんですが、まずこういうふうになります。
 野田さんが最初に縦割り行政と言いましたよね。これが教育の行政でも起こるんです。どの教科にはめるかという話ですね。このどこにはめるかは、まず家庭科か中学社会の公民あるいは道徳というようなところになると思いますが、この三教科とももう一貫して皆さんが教育を受けられたころよりも時間数が減っています。家庭科に至りましては、今中学校で三年生までで週一こまずっと維持されません。というようなわけで、そこに当てはめるのはなかなか難しいし、そこに当てはめて、例えば前回、八日のときにこの教科書のコピーをお見せしましたけれども、これに例えば二ページで大体消費者のことが書いてあるんですけれども、製造物責任とか、これを四ページにしたところで教育効果は低いというふうに思います。まさに、教科にはまらない場合、じゃ総合でとなるんですが、その総合には国家が非常に大事に思うこと、例えば環境が大事だといえば環境教育、ITが大事だといえばIT教育、そのように、少年が事件を起こせば心の教育というふうに、どんどんレッテル付きの教育が付け加えられてきたんです。今回もそのように付け加えられたら、多分効果はありません。
 じゃ、どうしたらいいかを最後に申し上げますけれども、日本の教育は基本的に小学校、中学校、高校とほとんど九割方が正解主義の教育で行われています。つまり、正解を教え込むわけですね。そうするとどんな力を失うかというと、もう皆さん想像に難くないと思うんですが、上手に疑う力、疑う技術を失っていくんですね。これを何とかしなければならない。一言で言いますと、これをクリティカルシンキングというふうに英語では言いますね。批判的な思考ではなくて、本質的な洞察力のようなものです。
 つまり、テレビのキャスターはこう言っている、あるいは人気タレントはこう言っているけれども、そうじゃないんじゃないのとか、裏ではちょっと違うこともあるんじゃないのとか、そういうふうに多面的に物を考える多角的な思考ですね、複眼思考というふうにむしろ訳したいと思うんです。複数の複に眼ですね。この複眼思考を養うためにはどうしても日本の教育がそこをごそっと抜け落ちているところがありまして、まず小中学校でディベートをほとんどやっていません。そういうことから「よのなか科」という教科が、私がつくったものがあって、それを総合とか道徳で細々とやってきたんですけれども、そろそろ日本の教育の全般に、教科を限らず、国語でも社会でも理科でも、それから道徳でも家庭科でも、そういうロールプレーをしたりディベートしたりして議論するという、そういうマナーを入れていかないと賢い消費者は結果的に育たないかなというふうに思うんです。ここが非常に大事なところだと思います。
 以上です。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 それで、いわゆる賢い消費者をつくっていく、それで今先生、藤原参考人は、学校教育の中でということも一つ例にあったのだと思うんですが、これをじゃどこが司令塔としてなるのか。文部科学省でいいのか、つまり賢い消費者、この消費者庁がせっかくできたのに。これはやっぱり消費者庁が司令塔となってこの賢い消費者づくりということについての企画立案をしていくと考えてよろしいんでしょうか、野田大臣。
○国務大臣(野田聖子君) そもそも消費者教育というのはどこの役所というよりも国全体の責務というふうに思っていますので、一つの役所がそれこそ縦割りの中、消費者教育は消費者庁がやりますということではないんだと。ただ、消費者庁が中核的な行政組織になりますから、そこを通じて様々な連携を取り合って、文科省にはこういうことをやってもらいたい、例えば総務省だったら放送行政をやっていますから、今、最近テレビショッピングでいろいろとだまされたとか、そういうことを、総務省はそういうところにやっぱり許認可権がありますから、様々なやっぱり、網羅的にやることが消費者教育だと思っているので、ただやっぱり消費者庁としては責任を持って取り組んでいくということだと思います。
○藤本祐司君 要するに、もちろん教育の現場を消費者庁が持つべきだということを私は申し上げているわけではなくて、やはり全体を見ながら消費者庁が、司令塔といいますか、そういう全体のコンセプト、企画を作った上で指導をしていく、あるいは一緒になって考えていくということで、よく司令塔機能とずっと言われていましたけれども、この部分についても司令塔機能だというふうに認識してよろしいのかどうか。消費者庁が教育の現場を持てということを言っているわけではないんですが、そこのちょっと御認識をお願いします。
○国務大臣(野田聖子君) いや、司令塔というよりも、やはりそれぞれの各役所の取組というのはこれまでもありましたし、専門性を踏まえてやっぱり教育の場での取組、また金融の場での取組があるわけで、それに対しての指令というよりも応援という形が適切ではないかと。
 それ以外に、国というよりも国全体ということは、別に政府だけではなくて民間企業の取組もすごく重要だと思っています。例えば、せんだってスウェーデンに行ったときに、消費者教育の話が出たときにそこの担当大臣がおっしゃったのは、スウェーデンではゴールデンの時間帯のテレビに消費者教育番組をやっていると、視聴率が大変高いときに。それで、そこの事例とかいろんな問題点とか、それがやっぱり一つの教育になっているということで、必ずしも行政だけが取り組む問題ではないというふうに認識しております。
○藤本祐司君 時間が来ましたのでこれで終わりにしますが、藤原先生にはもっと、済みません、本当は賢い消費者についていろいろ御意見をいただこうかなというふうに思っていたんですが、時間がなくなって大変申し訳ないと思います。
 賢い消費者というのは、要するに、他人の言うことだけを、あるいはそういうことをうのみにしないで、ちゃんと自分で事実に基づいて自ら考えて行動に移すということの能力を持っていくということなんだろうというふうに思います。
 ある実は幼児教育の専門家にお聞きしたときに、見守りの保育とか見守りの教育とかというふうに言われて、結局大人が、あれやっちゃ駄目だ、これやっちゃ駄目だと、これしろ、あれしろ、これが正しいんだというふうにやっていくと、子供はどんどんどんどん能力をそぎ落とされてしまって、それがやっぱり良くないんだと。もうぎりぎりまで、多少の失敗は覚悟しながらやっていって成長していくんだというふうに言われたので、教育の一環でそれをやっていければ賢い消費者もできるだろうということで期待を持ちたいなというふうに思っております。
 どうもありがとうございました。終わりにします。
○委員長(草川昭三君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時三十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(草川昭三君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、舟山康江君、前川清成君、工藤堅太郎君及び山本香苗君が委員を辞任され、その補欠として森ゆうこ君、轟木利治君、大河原雅子君及び西田実仁君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(草川昭三君) 休憩前に引き続き、消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、消費者安全法案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。
 この度の消費者庁設置に関しましては、本当に関係者の皆様方の御苦労に改めて敬意を申し上げたいというふうに思う次第でございます。今日は限られた時間ではございますけれども、主に私の方からは消費者教育について中心に御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 ではあるんですけれども、まず冒頭、ちょっと看過できないといいますか、先日の委員会で長崎市の生活相談員の佐藤加奈江さんが公述人として発言なさいましたときの質疑に関してのちょっと御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 発言の内容で、地方自治法では非常勤の職員には残業代を支払わないこととなっており、基金が残業代に活用可能となっても何も変わらないという御発言がございました。地方自治法上、非常勤職員には残業代を支払うことができないんでしょうか、この点について総務省にお聞きをいたしたいと思います。
○政府参考人(松永邦男君) お答えいたします。
 地方自治法上、地方公共団体は、条例の規定によりまして、常勤の職員につきましては給料と手当を、非常勤の職員につきましては報酬と費用弁償を支給をするということとされております。労働基準法が適用される非常勤職員が時間外勤務を行った場合には、常勤職員の時間外勤務手当に相当する報酬、これを支払うべきものでございます。このことにつきましては、昨年四月二十四日付けの通知で各地方公共団体にも通知をいたしておるところでございます。
○島尻安伊子君 今の御答弁で、法令上は労働者性のある非常勤職員には残業代を支払わなければならないということでございましたが、このことを周知徹底させる必要があるというふうに思っております。特に内閣府、今後、消費者行政分野でどのようにこれをきちんとやっていかれるのか、御答弁を願います。
○政府参考人(田中孝文君) ただいま総務省より御答弁のあったとおり、本年四月二十四日付けの通知においても明確にされているところでございますので、今後、基金の運営に関して地方公共団体と連絡をする際に、その際、明確に伝えていきたい、また総務省と連絡を取りながら伝えていきたいと思います。
○島尻安伊子君 大変に大事なことでありますので、この辺もきっちりとやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、消費者教育についての質問に移りたいというふうに思います。
 今般の消費者庁議論が始まったころから、私どもは同様に消費者教育の推進ということに関しても並行してやっていくことが大変大事だということを言わせていただいております。昨年秋には、自民党の消費者問題調査会に消費者教育に関するワーキングチームを設置させていただきまして、これに関する議論を深めてまいりました。当初、消費者教育は何かというもの、概念ですか、これに関するものが明確にされていない状況がございまして、大変に議論が難しいなと思いました。ひしひしとその議論の難しさを感じました。
 今後、こういったことは法律等々できちんとやる必要があるというふうに思いますけれども、今回のこの法案審議におきましても、消費者教育の重要性は大変に多くの先生方からあるいは公述人の方から、参考人の方から発言がございますけれども、消費者教育の概念についてまず御認識を伺いたいというふうに思っております。簡単で結構でございますけれども、大臣、いかがでしょうか。両大臣、お願いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 私の方から先に答えさせていただきます。
 消費者基本法第二条におきまして、「消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本」とすることが定めておられるわけですね。ですから、消費者の自立を支援していく上で消費者教育の果たす役割は極めて重要だと認識しています。
 その際に、消費者はちっちゃな幼児からお年寄り、高齢者まであらゆる世代により構成されているということを考慮して、消費者の年齢その他の特性に配慮した実践的な教育内容を生涯にわたって体系的に行う視点を盛り込むことが大変重要ではないかと思います。
 政府としましては、消費者基本法を踏まえた消費者基本計画、これは平成十七年に閣議決定されていますが、これに基づき学校や社会教育施設における消費者教育の推進を進めており、さらに生涯にわたる学習機会の充実に向けて努めてまいりたいと思います。
 冒頭、消費者庁の議論が始まったときには、霞が関で消費者庁、そして地方は消費者行政、とりわけセンターですね、消センのやっぱりきちっとやっていくことが大事だというふうな両輪で来ていたんですけれども、やはり何といっても、主役の消費者にきちっとそういうことができていないと駄目なんじゃないかという衆議院後半の議論、そして参議院で専らの議論をいただいているところで、これについてやっぱりしっかり取り組んでいかなければならないと思っております。
○国務大臣(塩谷立君) 消費者教育につきましては、島尻議員につきましても自民党の消費者問題調査会で座長を務めていただいて、そういったことに対して大変な御尽力に対してまずもって敬意を表させていただきたいと思います。
 我が国の将来を担う子供たちが社会生活を営む上で、重要かつ現代的な課題に対応するための教育は大変重要だと考えております。そのために、社会における安全、安心の確保など様々な課題が生ずる中で、国民が消費者の権利、責任について理解するとともに、消費者として主体的に判断し責任を持って行動できるようにするため、消費者教育は極めて重要だと考えておりまして、まさに一般的に消費者というと、今、野田大臣から年齢の話がありましたが、子供たちが将来的に消費者の中核になるわけですから、学校でしっかりと教育をする、特に改訂された学習指導要領の中でも充実をさせているところでございまして、これからもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○島尻安伊子君 野田大臣、塩谷大臣、大変にありがとうございます。
 消費者教育を推進していこうという中で、ある一部なんですけれども、これは自己責任を追及するためのものだと言う方がおりまして、私は、決してそうではなくて、もっと広い意味での自己決定力を付けるとか、自立した消費者、生きる力を付けるための実学と思っているところでございます。また、だまされないためだけの教育とか損をしないとか、そういったノウハウを教えるものでは私はないんではないかというふうに思っております。
 消費者行政推進基本計画において、政府は、今回の消費者庁の創設について、この改革は消費者市民社会というべきものの構築に向けた画期的な一歩として位置付けられるべきものであるというふうにしております。さらには、平成二十年版の国民生活白書のテーマも「消費者市民社会への展望」ということでございまして、消費者市民社会の実現のためにどうするかという、何が必要なのかという白書であったかというふうに思います。そのために、消費者政策の更なる充実はもちろんのこと、消費者、生活者においても経済社会を積極的に変革する主体的な存在として、個人自らだけではなく、消費者、生活者全体のために役割を果たす実践能力が必要だというふうに書かれております。
 私も、究極的にはそういった力を付けるための教育が消費者教育だと思っているわけでございますが、この消費者市民若しくは消費者市民社会、英語ではコンシューマーシチズンシップというふうによく言われるものでございますけれども、これに関してのお考えを改めて、野田大臣、塩谷大臣に御答弁をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(野田聖子君) 平成二十年版国民生活白書では、今御指摘のとおり、消費者市民社会について、欧米において消費者市民社会という考え方が生まれており、それは消費者、生活者が社会の発展と改善に積極的に参加する社会であるとしているところです。また、我が国においても消費者市民として活躍していく力をはぐくむ教育の重要性が高まっており、経済社会を変える存在と批判力、判断力が求められ、教育の在り方の検討が必要であると考えております。
 まさに、委員御指摘のとおり、極めて重要なことだと認識しております。
○国務大臣(塩谷立君) 消費者市民社会の構築について、消費者行政推進基本計画の中で具体的に言及されているわけでございますが、この消費者市民社会においては、各消費者が今の時代的な問題をしっかり取り上げて、その解決のために主体的にかかわっていくということでありまして、それを実現するためには、やはり消費者教育を推進する中でしっかりとそれぞれの分野においての教育をしていくことが必要でありまして、この点においても消費者教育が大変重要だと考えておりますので、そういった意味で、今後、消費者教育に力を入れていかなければならないと考えております。
○島尻安伊子君 ありがとうございます。
 ここで、塩谷大臣、是非またいろいろ今後、消費者教育の点に関しましてはしっかりやっていただきたいという思いを述べさせていただいて、どうぞ御退席いただいて結構ですので、ありがとうございました。
○委員長(草川昭三君) どうぞ御退席ください。
○島尻安伊子君 今回のこの消費者教育を御質問させていただく中で、消費者教育それから消費者市民教育のこの市民というところに関しての議論があちこちでなされておりまして、是非、今日は文科大臣の御答弁もいただきたいと思いまして来ていただいたということでございまして、ここでちょっと皆様のお手元に資料をお配りをさせていただきました。
 もう二十七年も前になりますけれども、私、アメリカのカリフォルニア州の高校に留学をしておりまして、そのときに、もう既にこのコンシューマーエコノミクスという科目がございました。その学校では高校三年生の必修科目でございまして、シニアのクラス、日本でいう高校三年生のクラスにもなりますと、多くの学生たちがアルバイトをしているという中で、自分の給与明細の見方とか、そういうものをコンシューマーエコノミクスの科目の中で、先生に大変に闊達に、これはどういうふうに解釈したらいいのかとか、そういう授業風景を大変に意義深くといいますか、見た覚えがございます。
 今般の消費者庁の創設に当たって、私もどうしてもこの消費者教育を並行して推進しなければならないと思いまして、当時の記憶をたどってこのコンシューマーエコノミクスの教科書を探しました。その中で、これはそのときに使われた教科書ではないんですけれども、もちろん。その当時使っていたものにより近いものということで購入をいたしまして、今日、その目次のみなんですけれども、皆様のお手元に配付をしてございます。
 これを見ていただければ、大体その授業の中で何が進められるのか、コンシューマーエコノミクスというのがどういったものなのかというのはお分かりいただけるのではないかというふうに思います。消費者への準備から始まりまして、経済原理の理解という大変広い意味での経済学も入っておりますし、お金のやりくりの中には収入と税金とか銀行、それから貯蓄もありますし、それから物の買い方とか、大変にベーシックなものがあるわけでございますけれども、野田大臣、この教科書を見て率直な御感想をいただけますでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 実は私も高校二年、三年とアメリカにおりました。ただ、残念ながらこういうすばらしい授業を受けておりませんので、いまだ消費者として右往左往、苦労することがたくさんございます。
 先ほども年齢に応じて消費者教育が必要だという中で、やはりティーンエージャーの場合は学校での授業というのは非常にインパクトがあるのかなと。そういう中でかっちりと、先ほど藤原先生はそういうのがなかなかできないんだと、日本ではやってこなかったんだと言うんですけれども、こういう消費者ということだけでなくて経済とのかかわり、例えば、今、日本は不景気だというわけですけれども、不景気の原因の一つにやっぱり個人消費の落ち込みというのがあるわけですね。ですから、個人の消費というのはいかに国の中でも大事な活動か、経済的な活動かというのがあるわけですけれども、なかなか、いわゆる日本の消費者運動とそういうものとがリンクされないということを考えれば、このような形で様々なものとの整合性を取りつつ、やっぱり消費者としてしっかり学ぶことがいかに大切かということを若いうちから鍛えられるというのは非常にすばらしいことだと思います。
 残念ながら、日本の高校で、私の知る限り、私自身、高校でもそういう教育を受けなかったというのは残念に思いますし、これからはこういうような形で若い人たちが、単に理念というか道徳的な消費者の生き様ではなくて、こういうやっぱり客観的な実質的な学びの場があるとよろしいのではないかなということを率直に思いました。
○島尻安伊子君 大臣おっしゃるように、本当に実学としてこの消費者教育は推進すべきだというふうに思うものでございます。
 海外での取組ということで、もちろんOECDでも取組がなされております。先般、消費者教育に関しての報告書が出されておりますけれども、この報告書の内容について内閣府の方にお聞きをしたいというふうに思います。
○政府参考人(田中孝文君) 先生、挙げられましたのは、今年の一月にOECDの成果物としてまとめられましたOECD消費者教育に関する報告書のことであると理解いたします。
 その中では、その報告書の目的自身は、効果的な政策と施策は何かを特定するために、消費者教育の方針、課題、傾向を分析をするということでございます。様々なことがされておりますが、その分析から見た主要な課題ということで六つほど掲げられております。一つは、全体的な戦略がない、不在である、二番目、提供される教育の質を高める必要性がある、三番目、学校という限定された設定では機会利用可能な時間が限定されている、四番目、教育における統一性が欠如している、五番目、教える側と学ぶ側両方における十分な自己動機付けが欠如している、六番目、リソースが不足しているというような問題が掲げられてございます。
○島尻安伊子君 大変に分厚い報告書だというふうにお聞きをしておりまして、きっとこの答弁の時間ではすべてを網羅してお話をしていただけない状況もあるのかなというふうに思いましたけれども。
 私もぱらぱらと見させていただきまして、その中で幾つかの象徴的なこともその報告書ではあるんですけれども、ここで御紹介をしたいのは、EU全体で十五歳から十八歳向けに作成された、市民の権利や義務、それから消費者被害の解決方法、環境保全、社会参加など、いわゆるコンシューマーシチズンシップの方ですね、の八十ページのテキストが三百万部配布されているという報告がありました。これはもう二十七か国語に翻訳されているというふうに聞いておりまして、そのほか、アイルランドでは最近消費者庁が設立されたそうでございますけれども、その中で消費者教育の推進がこの消費者庁の重要な任務となっているというような報告も載ってあるようで、このアイルランドに関しては内閣府も調査を開始しているというふうにはお聞きしておりますけれども、こういった事例を参考にこれからの消費者行政、しっかりとやっていただきたい、特にこの消費者教育に関してはやっていただきたいと思うものでございます。
 ちょっと時間が限られておりますので、次に行きたいというふうに思います。
 そこで、日本の学校教育を考えたときに、午前中の議論の中で藤原参考人の方からも大変に参考になるお話をいただきましたけれども、日本の学校教育に消費者教育を入れる、効率よくやるというところで、究極的には私は単独科目としてこれを誕生させるべきではないかというふうに考えております。このことは、先日、本会議の代表質問で公明党の山本香苗先生も触れられておりました。
 文科省にお聞きいたしますけれども、この科目というのはどういったプロセスで決定されるものなんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 小学校、中学校、高等学校におきます教科の構成や指導の内容につきましては、学校教育法施行規則及び学習指導要領において定められているわけでございますが、これらは社会の変化や子供たちの現状を踏まえましておおむね十年ごとに見直されてきたところでございます。
 これらの改訂に際しましては、中央教育審議会におきまして、教育関係団体を始めとする各界の意見もお聞きしながら、教育の専門家等により幅広い審議を行いまして、改訂の基本的な方向性について答申をおまとめいただいております。この答申を踏まえて文部科学大臣が改訂を行うと、こういう手続になっておるところでございます。
○島尻安伊子君 極めて文科省らしい御答弁をいただいたかなというふうに思います。
 聞くところによるとというか率直な感想として、大変に文部科学行政に関してはハードルが大変に高く、加えて固いというような印象がございまして、行く行くはといいますか、その先には新しい単独科目を夢見て私も頑張っていきたいというところでございます。
 その前に、まずは消費者庁の中に、消費者庁設置後、直ちに内部に消費者教育局というものが必要なのではないかというふうに考えております。これまでも内閣府と文科省が連絡会議等々やっていたというふうなことでございますけれども、正直申し上げまして、現状を見ると全く成果が出ていないと言って過言ではないというふうに思います。
 改めて、この消費者庁設置後にいろいろなこれからの消費者教育推進のためのきちんとしたスキームといいますか、人選も含めて、各省庁がかかわり合ってやっていくというようなものを設置をお願いしたいというふうに思っております。
 その中で、一つ御提案なんですけれども、財団法人消費者教育支援センターというものがございます。これまでも連携を取ってやっていたというお話は聞いておりますけれども、この支援センター、各地の消費者センターなどとの連携もうまくいっているようでございますし、教材を作るとか、それから各企業団体のCSR事業としての消費者教育を支援してきたというようなノウハウがかなり構築をされているのかなというふうに思いますけれども、こことの連携をうまく取りながら、今後、消費者庁の中に消費者教育局を是非おつくりいただきたいと思いますが、簡潔に、野田大臣、それから文科省の方からの御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) これまでも内閣府と文部科学省も一生懸命消費者教育の推進に取り組んできたわけでありますけれども、この度、与野党の修正協議がありました。その結果、消費者安全法において、国民の理解を深めるための国及び地方公共団体による消費生活に関する教育活動がしっかり位置付けられたところであります。
 今後、消費者庁ができることになりますと、こういう状況を踏まえて、消費者行政の司令塔として消費者教育を担当する課、これ企画課になりますけれども、文部科学省を始めとする関係省庁の担当課と連携を図りながら消費者教育にしっかり取り組んでいくことになるというふうに考えられます。
 局とかきちっと置くべきじゃないかとかいう話ですけれども、まず、そもそもその専管の課とか局を置かなくてもこれまでも連携して消費者教育の推進に取り組んできておりますし、十分取り組んでいけることは可能だと思っています。その一つの証左がこの消費者教育支援センターのようなものをつくってきたんだと思っていますが、必要であるとするならば、消費者教育を担当する部署の要求ということを行うということは検討していきたいなと考えているところです。
○政府参考人(寺西達弥君) 財団法人消費者教育支援センターにつきまして、これは内閣府と文部科学省が共管している財団法人でございまして、消費者教育に関する調査研究、教員に対する研修、関係者による研究会の開催等を行っているというふうに承知しております。
 この消費者教育支援センター、消費者教育の推進に大きな役割を果たしているというふうに考えておりまして、今後、消費者教育に係る施策を推進する上でどういった連携の強化を図っていくか、内閣府とも十分に相談しながら検討してまいりたいと考えております。
○島尻安伊子君 もう時間がないのであれなんですけれども、いやもう現状の今の消費者教育を見ていただければ、今のやり方では絶対に今後追い付かない、無理だ、太刀打ちできないということはもう火を見るより明らかでございまして、責任の所在とか、これから地方の例えば教育委員会とどういうふうに連携を取っていくかとか、そういうのを考えると、消費者教育局あるいは課が絶対的に必要だということはこの場で声を大きく言わせていただきたいというふうに思います。
 昨今の情勢にかんがみまして、どうしてもこの消費者教育を推進する必要があると、推進法もあるいは必要ではないかというふうに思っております。
 先日、ポスターを見ておりまして、坂本龍馬が「消費者の新しい時代の夜明けじゃ」というふうに言っているポスターでございます。また、野田大臣がお気に入りというふうにも聞いておりますけれども、私も大変気に入っているものでございまして、この新しい時代を切り開いていく人間を育てるために、この消費者教育は絶対的に必要だということを最後に申し上げさせていただきたいと思います。
 野田大臣の決意を改めてお聞きをいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 私も絶対に必要だと思っていますし、それがどういう形というのはこれからやっぱりきちっと議論しなければいけないけれども、今まさに委員がおっしゃったように実学でありまして、結果として消費者教育というのは、何か悪質、悪徳な人からだまされないようにするためのものだけではなく、やはりこの国の在り方も大きく変えていく魅力なんだと。
 例えば、よく私、デンマークの豚肉の例を出すんですけれども、デンマークはやっぱり賢い消費者の下で、どのような豚肉が望ましいかということをアンケートで取るそうなんですね。その結果、豚にストレスを掛けないのがいいとか抗生物質を打たない方がいいとか、様々な賢い消費者たる国民のアンケートに基づいて法律が作られ、その結果、やっぱりきちっと育てられた豚肉が世界に冠たる豚肉として当然日本も輸入をしているわけでありまして、そういうことがやっぱり起きるのだということで、一部、文科省だけとか消費者庁だけじゃなくて、やっぱり全体、国民運動的に消費者のグレードが上がるということは、そういう国にも大きなメリットを及ぼすというようなところから、やっぱりそういう次元から議論していただいて取り組んでいただきたいなと願っております。
○丸川珠代君 東京都選出の自由民主党の丸川珠代でございます。本日は、理事の先生方のお取り計らいによりましてこうした質問の機会を設けていただきまして、本当に感謝をしております。
 私は、自由民主党の消費者問題調査会のメンバーとして、党内の先輩方また政府内におられる先輩方や、あるいはここにずらっと並んでおります消費者問題調査会のメンバーと、仲間と一緒にこの消費者庁設置に向け、また消費者問題の解決に向けて取り組んでまいりました。ちなみに、ここに並んでいる理事以外の若手のメンバーは、皆さん非常に熱心に消費者問題に取り組んでこられた方ばかりでございます。
 そして、今日参考人においでくださっている市川さんもこの私たちの調査会に度々参加をしていただいて、そして私たちとともに行動をしてくださっております。
 市川さんと我々の働きかけによりまして、国土交通省は、この市川さんの、エレベーターのシンドラー事件におきまして、事故から二年たってようやく警察庁と協力をして、事故を起こしたエレベーターそのものを直接見て確認をしました。そして、市川さん自身もまた、事故から二年という時間を経てようやくですが、息子さんを奪ったエレベーターを御覧になられました。
 また、我々は、昨年末から今年の初めにかけて国土交通省に何度も何度も働きかけをいたしまして、常設の昇降機等事故対策委員会を設置してもらいました。それ以降、京都や新宿で起きた事故では、発生直後にこの委員会が現場に駆け付けております。ですから、市川さんのシンドラーエレベータの事故の反省というのは確かに生かされております。
 けれども、この事故対策委員会は過去の事故についても調査をすると定められているんですが、肝心の市川さんの事件はまだ調査が行われておりません。市川さんが今どのような思いで調査を待っていらっしゃるのか、直接お話をいただけますでしょうか。市川さん、お願いします。
○参考人(市川正子君) 各党の議員の皆様に御支援と様々な形で支えていただいていることが、今日、私と赤とんぼの会が活動していける一歩につながっています。
 まず、シンドラー社製エレベーターで息子は戸開走行という事故に遭ったわけです。ここに来るのも階段、朝も階段、この三年間エレベーターは一度も、家でも外でも使っていません。それはなぜかというと、自宅マンションのエレベーターは不具合がずっと続いていた、おかしい、調べてほしいという思いです。それからもう一つは、防げた事故だというふうにとらえています。それは、長年の不具合に対して住民も声を上げています。調べてほしいと訴えています。しかし、この三年の中で徹底的な事故調査という形になっていません。
 この三年という時間の中で、階段を上りながらいろいろ考えているわけですが、事故の調査機関はだれのための調査機関か。やはり事故に遭った人だけでなくて、再発防止のための事故の調査機関ではないか。そのためには、事故の徹底的な原因究明調査をしないと再発防止の一つにつながらないと思うんです。そのためには、事故が起きたときにすぐに現場に入らなくてはいけない。もう三年たっているんですね。何で三年もたつのか。こんなに時間が掛かって、本当に原因究明できるのかというふうに何度も思っています。
 議員の皆様のお力添えで一つ、一歩進みました。国交省の中に昇降機事故対策委員会、もう感謝しております。しかし、事故機を一度しか見ていないんですね。私の中での徹底的な原因究明調査は、あれだけの不具合と、エレベーターにとって絶対あってはならない戸開走行事故、降りようとしたときに扉が開いたまま上がったんです。こんなことあっていいわけはないと思うのは私だけですか。そういうふうに思ったときに、事故の調査機関は早急に動いて、早急に解決して、再発防止につなげることだと思うんです。
 十六万という署名を集めて、赤とんぼの会のみんなと集めて国交省に提出しました。本当に私たち集めた側は、こんなに集まったのかと、ああ、すごい、これはみんな安全を求める、同じようにエレベーターを使う者として安全であってほしいと、調べてほしいと、そういう声だと私は認識し、背中、背筋をぴんとして、心を改め、また頑張ろうという気になりました。
 国土交通省の昇降機事故対策委員会、つくる前に、これだけの署名と、長年、独立した事故の調査機関をつくってほしいと、そして、このシンドラー社製エレベーター事故の徹底的な原因究明をしてほしいと訴え続けた私たちに、つくる前に何度も何度も説明し、意見を吸い上げる場がなかったことが本当に、私個人でなく、十六万の署名の皆さんに対して申し訳ないという気持ちがずっと心の中に残っています。
 やはり、行政のための事故調査機関でなく、消費者のための事故の原因究明調査機関になっていただきたい、これが私の切なる願いです。
 よろしくお願いします。
○丸川珠代君 利用者の立場、被害に遭った人の立場、そういう人の思いにこたえる委員会であってほしい、そういう調査をしっかりとしてほしい、そして、国土交通省が必ず実際に調査を行ってくれるまで、私たち自由民主党の消費者問題調査会、仲間とともに引き続きしっかりと働きかけてまいりたいと思います。ありがとうございます。
 さて、今日は、住宅をめぐる消費者被害について質問をさせていただきたいと思います。済みません、通告と少し順番が変わりましたけれども、住宅をめぐる消費者被害について質問をさせていただきます。
 皆様も報道でお聞きになったことがあるかもしれませんが、去る四月の三日にアーバンエステートという注文住宅専門の中堅ハウスメーカーが破産をいたしました。未着工や施工途中の家が五百件近く残されています。多くの施主は、例えば二月中に入金すると二%オフしますと。前払金を、つまり前に払ったお金の全体から二%オフしますというような形で、早期に入金をしたら割り引くと言われて、中には着工前にです、着工前に工事費用の九割を払い込んだという方もいらっしゃいます。一月にも、富士ハウスという全国展開のハウスメーカーが、資金繰りが悪くなってから工事の出来高以上の前払金を集めて倒産して問題になりました。
 アーバンエステート、この会社の場合は過払い、そうした前払い金の過払いの人に対する債権というのは、つまりほとんど返すお金は残っていない、ゼロだということなんです。工事を続けるためには自分で業者を探して割増しの費用を支払うしかありません。二重のローンを背負って工事を続けようとしている人、また、もうこれ以上銀行からローンができない、お金を借りる当てもないままに建設途中のマイホームが雨ざらしになって傷んでいく様子というのをどうにもできないままずっとそれを見ているという施主さんもいます。一生に一度のマイホームの夢というものを断たれた上に巨額の借金だけが残ってしまった、そういう施主さんたちが今本当に苦しい思いで毎日を過ごしていらっしゃいます。富士ハウスでもアーバンエステートでもこれは同じことだと思います。
 この施主に対する社長の説明によりますと、このアーバンエステートは年明けから取引業者への未払や従業員に対する給料の遅配があったんですね。ところが、ちょうど同じ時期に、昨年末ですか、独自の完成保証を付け始め、一方では大量のテレビコマーシャルを流し始めました。倒産直前の三月までこの大量のテレビコマーシャルが続きまして、その額はテレビ局一社で月に二、三千万になったということです。この完成保証とコマーシャル、これに信用を感じて会社を選んだ、アーバンエステートを選んだという施主は少なくありません。非常にこれは詐欺ではないかと思わせられる点というのはほかにもございます。
 この完成保証というのも実にずさんなものでございました。アーバンエステートに代わって住宅を完成させるという契約をアーバンエステートと結んでいた保証会社、これシールドエージェンシーという会社があるんですが、この保証金額が、今現在で施主さんたちの推定によると四億から五億はあるだろうと見られているんですが、この会社の資本金は三千五百万円でございます。この会社はこの資力だけで何とか保証をしたいと言っているんですが、実際にはアーバンエステートとの契約の中にある免責条項を盾に取ってその保証額をなかなか払おうとしない、保証に応じようとしておりません。中には、そのアーバンと交わしたはずの契約保証がありませんよと、完成品契約保証ありませんよと、あなたのはないですと言われた施主さんもいらっしゃるんです。保証が付いているから安心というのが当たり前、消費者はそう思うのに、その保証会社が信用ならないとなったら一体私たちは何を信じたらいいんでしょうか。ふたを開けてみたら保証する能力がない、あるいは保証に応じてくれない、そんな保証会社を許していいはずがありません。
 ところが、保証会社に対する私たち消費者が得られる情報というのは本当にごく限られています。どんなリスクを抱えている会社なのか、その保険に対してですね、それを知ろうと思ってもその会社が開示しない限り分かりませんし、その情報を仮に得たとしても、じゃ、その資力に見合うリスクなのかどうかというのは一般の消費者に判断できるものなのかどうか非常に難しいと思います。
 これを踏まえてですが、野田大臣にお伺いします。この保証会社の保証というものに関して、例えばその情報開示の在り方やリスクの説明なり、何らか消費者に対する保護の在り方というものを考えなければいけないのではないかと思うのですが、大臣はどのようにこの件をお受け止めになられますでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 今のアーバンエステートの話ですけれども、消費者庁ができたらばということでちょっと話を進めてみたいと思うんですけれども、アーバンエステートのような完成保証契約の存在をセールスポイントにしたり、経営状況の悪化を隠匿するなどして消費者と契約を締結し、また完工前に請負代金を支払わせるなどして消費者の被害を拡大させたという事実、これが強く疑われる事件については、消費者庁ができた暁には未然防止や被害の拡大防止に関し実効性のある対応を取ることが可能になります。
 具体的にはどういうことになるかというと、まず消費者安全法、これ等に基づきまして地方の消費生活センターからそういう相談情報等が消費者庁に届けられることになります。そして、消費者庁は同種の事例が多く寄せられているような場合には当然集約、分析された情報を消費者に分かりやすい形で迅速に公表して消費者に対してこの注意喚起を行うことになります。また、消費生活センターを通じて住宅完成保証制度の周知や生涯設計における住宅ローンの重大性等をかんがみて、前払金の支払については慎重な判断を要することといったようなアドバイスをすることが可能になるわけです。このほか詐欺の事実が疑われますので、こういった場合は詐欺の事実が認められた段階で警察に告発を行います。
 いずれにしましても、こうした事案においては、建設業法等を所管する国土交通省とともに連携いたしまして、被害の未然防止や拡大防止のために、消費者庁中心となって政府一体となった対応を取ることになるわけであります。
 以上です。
○丸川珠代君 ありがとうございます。
 消費者庁が詐欺であるというふうに判断すれば告発をしてくださるというのは本当に有り難いことで、是非期待を申し上げたいと思います。
 私、一点ちょっとその前に言わなければいけなかったんですが、実は保証会社というのが何か縛りがないのかと思って確認したところ、保険会社は大臣の認可がなければいけないんですが、保証会社というのは規制というのは聞いたことがないと、すべての省庁に確認して、ないかを聞いてもらわないと、ここではそれが規制がないということは分からない、つまりどこの省庁も管轄をしていないということなんですね。
 保証会社といいますと、完成品保証という、これは住宅の完成品保証ですが、ほかにも賃料の延滞の保証であるとか、あるいはローンの支払の保証をする会社がありますけれども、これらも含めて規制がございません。債務不履行の保証会社についてはまた別の問題も起きているとも聞いておりますので、保証をめぐる消費者被害というものについてまた消費者庁において取り組んでくださることを期待申し上げたいと存じます。
 時間に限りがございますので、事前にお伝えしておりました国土交通省への質問は後の機会に回したいと思います。申し訳ございません。
 さて、このアーバンエステートの件に関しまして、実は大変残念なことがございました。今後の消費者被害への解決にもかかわることでございますので、お伺いをしたいと存じます。
 あるこのアーバンエステートの被害に遭った施主の一家が、埼玉県の川口署で被害届を出そうと窓口を訪れました。そこで、窓口の方にこう言われたんだそうです。被害妄想で物を言われては困る、振り込め詐欺は会社がないが、これはアーバンエステートという会社が実在するので詐欺ではない、保険も会社が掛けているなら、やるなら民事でやってほしいと言って追い返されたんだそうです。その口調というのがお子さんが泣き出すほどの強い口調で言われてしまったということなんです。
 この民事でやってほしいという対応には、私は非常に伝統的なある意味根の深い警察の物の考え方というものが表れているのではないかと懸念をされてなりません。目の前の被害者が、あるいはその目の前の相談者がもしかしたら経済事犯の被害に遭っているかもしれないというときに、なぜ民事でやってと追い返されなければならないのかと思います。犯罪の被害というのは刑事事件だけではありません。犯罪被害者への対応というのは、山口県の光市の母子殺害事件の被害者の方であったり、あるいは桶川のストーカー事件の被害者の方であったり、多くの犯罪被害者の皆様が力を合わせて悲しみ苦しみを乗り越えて活動されたことによって、本当に警察の対応というものが変わってまいりました。
 その証左として実は今日皆様にお配りをしたのがこのチラシでございますね。埼玉県警のチラシでございまして、私選挙区は東京でございますが、あえて埼玉県警のものをお持ちいたしました。これは夫の選挙区、夫の大塚拓代議士の選挙区である埼玉で各戸に配布をされていたものでございまして、内容を見ていただけましたら、本当にこの埼玉県警は過去の反省を生かして今丁寧に対応してくださっていることがうかがえると思います。
 身体への犯罪へはこれだけの気配りがあるのに、経済の財産に対する犯罪に対してどうしてこんなに違う対応になってしまうのか、どうしてこのような対応になったのかということをお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(米田壯君) 埼玉県警を始めとして全国警察一丸となって被害者対策、被害者支援に邁進している中、このような残念な対応があったということは私ども大変遺憾に思っているところでございます。
 この件、三月二十六日に施主の御一家が相談に来られまして、応対した川口署員が直ちに詐欺事件として立件するのは困難であると判断をしてその旨を説明したということでございますけれども、確かに大型の経済事犯につきましては、会社の財務状況であるとか経営の意思決定等、様々なことを精査しないとそもそも事件として成り立つかどうかが分からないということはあるにしても、必死で困って警察を訪れていらっしゃる方に対して、極めてその説明あるいは応対が不十分であったというように認識をしているところでございます。
 なお、この被害者の、被害者といいますか、相談者の方に対しましては、本日、再度詳細にお話を伺いまして、警察といたしましては、そのお話あるいはその他いろいろ情報を得ておりますので、そういったことを精査しながら、刑事事件として立件できるものにつきましては法と証拠に基づき厳正に対応したいというように考えております。
○丸川珠代君 実は、経済事犯の被害者の方、今ちょっと触れられたんですけれども、こういう対応に遭うことが少なくないと伺っております。けれども、身体犯と財産犯のそれぞれの犯罪の被害者の方たちの苦しみを比べるというのはこれはある意味ちょっとおかしな話で、先ほど午前中の議論の中で中村参考人からもお話ありましたように、財産の犯罪の被害に遭った方でももう本当に思い詰めて一家心中であるとか自殺であるとか、そういうところに向かってしまう方もいらっしゃるということです。
 けれども、刑事か民事か、あるいは立件できるか、その見極めが難しいがゆえに被害が認めてもらえない、あるいは捜査に動いてくれないということになりますと、実はその見極めのために情報収集をなさるというんですね。その情報収集を待っている間にそういう経済事犯というのは被害がどんどん拡大してしまったり、あるいは違法収益が散逸してしまったり、どこかへ隠されてしまったり、そういうケースもあるわけです。そうなりますと、幾ら民事でやってくれと言われても、民事で裁判を起こしたころにはもう取り返すものは何もない、そういう状況になってしまいます。
 今回、消費者庁の設置に伴いまして、是非警察庁においても、民事、刑事で切り分ける、あるいは立件できるかできないかで切り分ける、そうではない別の視点というところの意識改革が必要ではないかと思いますが、大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) およそ相談の対応に当たっては、直ちに犯罪として認定できるか否かを問わず、プライバシーの保護に配慮しつつ、相談者の心情、境遇を十分に理解し、親身になって相談に応じることは大変当然のことだろうというふうに思います。
 したがいまして、今回のことに対しては大変対応が申し訳なかったというふうに思いますし、警察においてすべての職員が市民からの相談に適切に対応できることができるよう、相談業務の意義、対応方法、配意事項等について、これまでも繰り返し指導してきたつもりでございますけれども、なかなか行き届かなかったということに対しましては心から反省をさせていただきたいというふうに思います。
 国家公安委員会といたしましては、消費者保護の重要性を改めて認識をいたしまして、相談者の立場や心情に十分配慮した対応に努め、引き続き警察庁を指導してまいりたいというふうに思っております。
○丸川珠代君 誠実な御答弁をいただきまして、誠にありがとうございます。
 今大臣もおっしゃいましたとおり、二十六万人いらっしゃる警察の職員の方すべての方がそういう立場の視点を持った対応をするというのは本当に大変なことだと思いますけれども、今後、消費者教育というものが現場の職員の皆様にも必要でしょうし、また再発防止や被害救済におきまして、シンドラーエレベータの事件を挙げるまでもありませんけれども、警察庁とほかの省庁の連携というのは非常に重要でございます。
 こうした窓口においては、恐らく警察庁と消費者庁との連携というものが大変重要になってくるかと思いますけれども、いかがお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 今回の事案におきましては、直ちに犯罪として認定できるか否かにかかわりませず、相談に来られた方の立場や心情に配慮した対応がすべきだったというふうに考えております。
 警察には様々な相談が寄せられます。その対応に当たっては、警察に相談に至った事情を十分にしんしゃくをいたしまして、相談に来られた方の真意を酌み取り、その立場に立った誠実かつ適切な対応を取るということが必要であるというふうに考えております。
 国家公安委員会といたしましては、各種研修や会議等、様々な機会をとらえてこのような意識の一層の醸成を図るよう警察庁を指導してまいりたいと思います。また、都道府県警察と消費生活センターとの連携につきましても、日ごろから連絡会議等を通じて情報交換を行うなど、緊密な連携に努めていると伺っております。
 今後とも、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に寄与するという消費者安全法案の趣旨も十分に踏まえつつ、消費生活センター等の関係機関、より一層緊密な連携を図るように警察を指導してまいりたいと思います。
 さらにですけれども、私といたしましては、国民の立場から、先生がおっしゃられるように、警察に相談しやすい環境というものを確保することも大切であるというふうに考えておりまして、既に警察本部及び警察署において、相談を第一次的に受け付ける窓口を設置するなどの取組が行われているところでございますが、こういう取組を一層推進してまいりたいというふうに思っておりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○丸川珠代君 ありがとうございます。
 今後、こうした消費者被害というものに目を向けていきますと、どんどんとその被害が掘り起こされて、警察も対応をしていかなければならないということが増えてくると思います。こうした経済事犯というものは、例えば財務諸表を読み解くとか経営状況を把握するとか、それなりの専門的な捜査の方法というものも必要かというふうに思いますので、是非専門の職員の方を育てていただきたい。必要であればその専門職の方というものを増やしていくようなことも御検討をいただきたいと、このようにお願いを申し上げます。ありがとうございます。
 さて、最後にもう一度このアーバンエステートというものの事件の中身について戻っていきたいと思いますけれども、住宅保証会社というものが付いていたけれども、それに実体がなかった。実は、国土交通省は住宅完成保証制度という保証制度を設けておりますが、これは任意でございまして、保証料を建築主もそれから建築業者も掛けなければいけない、登録料を払わなければいけないということで、そのコスト負担からなかなか手が届かないという施主の方も少なくないようでございます。
 富士ハウスの件を受けて、まず前払金を過払いを受けないようにという業界団体の自主規制はできたんですが、こういう事態になる、保証会社が信用できないということもあるというようなことの事態も考えますと、自主規制だけでは不十分ではないかというふうに私は考えます。
 例えば、保証会社ということをうたうんであれば、住宅完成保証ということをうたうんであれば、認められた住宅完成保証制度の保証会社じゃなくても資力があることを示さなきゃいけないというようなことであったりとか、あるいはほかのガイドラインといったようなものを何か、少なくともガイドラインですね、といったようなものを設けなければいけないのではないかと思いますが、国土交通省、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。
 万が一、工事施工の途中で倒産した場合等におきます施主の方の損害をできるだけ少なくするというためには、先生今お話ありましたように、任意の制度でありますけれども、一つには完成保証制度というものを利用することなどが考えられるわけでございます。
 お話のありましたようなハウスメーカーの破産を契機といたしまして、各種団体、住宅関係団体で構成いたします社団法人の住宅生産団体連合会に対しまして、消費者保護の観点から対応策を検討するように指導いたしまして、この三月二十七日でございますが、一つには、工事の出来高に照らしまして合理的な支払とする契約を締結するように。二つ目には、完成保証制度の利用等によりまして適切な対応を取るように。三つ目には、工事請負契約締結時におきまして、注文者と資金計画を十分に打ち合わせまして、支払回数や支払方法等につきまして注文者の理解を得るようにと、そういったことを内容といたします自主的なガイドラインが策定されたところでございます。
 現在、この住宅生産団体連合会におきまして、構成団体あるいはその傘下企業等にガイドラインを周知するとともに、個人の注文者の方におきましてもこのガイドラインの内容をホームページにおいてお知らせするなどの取組を行っているところでありますし、また構成団体とその傘下企業等におきましても個人の注文者に向けて同様に周知していただく、そういう取組を行っているところでございます。
 このようなことによりまして、何よりも施主の方の御理解を得るように努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○丸川珠代君 ありがとうございます。
 まさに、施主の方の理解というところが重要でございまして、住宅契約の場面というのはもう一生に一度ぐらいしかないと思いますので、必ずそのパンフレットを見せなきゃいけない、こういうものがあります、こういうリスクがありますということを説明しなきゃいけないというぐらいのところで頑張っていただきたいと思いますし、またガイドラインがきっちりと実際に行われているか、そのとおりに、そういう監視も行っていただきたいと思います。
 こうした起きてしまったことの反省を生かすということは大事なんですが、同時に、その起きてしまったこと自体に対する調査なりあるいは監視なりということ、問題の解決なりということはしっかりお願いしたいと思いますので、シンドラーエレベータのことにおきましては是非国土交通省さんの調査をお願いしたいと思いますし、またこのアーバンエステートの件に関しましては警察庁の御対応をよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終了とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。
 本日は、大変お忙しい中、四名の参考人の方々、本日終日お付き合いいただくこと、誠にありがとうございます。限られた時間ですので、少し質問の順番を変えさせていただくことを冒頭おわびをしたいと存じます。
 初めに、午前中、藤本委員の方からすごい御質問が野田大臣にありましたが、花粉症の患者さんが受診して、十二種類の投薬がされたという。これは消費生活センターが相談されても大変お困りだろうなと思います。といいますのも、診断して投薬をするというのは医師の裁量権でありますので、そこへ踏み込めないというのは当然だと思いますが、ただ私、これはあくまでも私の個人的見解でありますが、一義的にはやっぱり主治医に御相談して薬のことを十分丁寧な説明を求める、それから次にはやっぱりセカンドオピニオンあるいはサードオピニオンを求めるということだろうと思いますが、なかなか日本にはそういう文化がないんだろうというふうに思います。
 この薬に関しましても、私は四月二十三日の委員会で、薬育というのも幅広い消費者教育の一つだろうという御質問をしたんですが、今新型インフルエンザが全国に感染が広がる中でとんでもない事態が起こっておりまして、抗インフルエンザウイルス薬のタミフルがインターネット上で薬価の四、五倍の価格で売られているという。これはもう厚生労働省の方からも注意が出ておりますが、タミフルはもうこれは完全に処方薬で、副作用も相当数出ております。それ、予防的なワクチンとは違うのに予防的に使おうということで、非常にそういう、個人輸入というようなことで出回っております。大変危険であります。偽薬の可能性も多いですし、それから一番困るのは、国民の方々がパニックにならないこと。
 今総理がテレビで訴えておられます。三千八百万人分のきちんとタミフル、リレンザ、備蓄してありますので、ちゃんと正しい情報に基づいて行動していただきたいということがテレビでも訴えかけておられますので、日本政府、総理を筆頭に全力を挙げてこの対策取り組んでおりますので、やはりくれぐれもパニックにならないでいただきたい。
 それにつけても、やはり薬に対する教育というのは必要だなということを思いを致しながら、御質問をさせていただきます。先ほど同僚の島尻委員の方から消費者教育についての御質問がありまして、多少私の質問と重なる点がありましたので、そちらからちょっとお聞きをさせていただこうと思っております。
 文部科学省において、これは先ほど、今後設置されるであろう消費者庁においても消費者教育を推進するための専門的な部署が必要ではないかという御質問があったかと思います。私もそのとおりだと思いますが、文科省においてもそういう部署が必要ではないのかという気がいたします。
 これは、現行の消費者政策会議への対応は、文科省の対応部局としては生涯学習政策局でありますけれども、学校教育の現場で行われている消費者教育に関しての、この学校現場の所管は初等中等教育局であったり高等教育局であって、これが関与しておりません。大変、同じ役所の中でありながらこういうことが常に行われている。私は専門的な部署が要るんではないか、文科省においてもと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省におきまして消費者教育の全体的な窓口になっておりますのは、生涯学習政策局の男女共同参画学習課というところでございます。ここが窓口になりまして省全体の連絡調整を行っているところでございまして、初等中等教育でございますと教育課程課というところが担当しているということでございまして、この体制で省全体として対応しているということでございます。
○石井みどり君 学習指導要領にも盛り込まれていますが、しかしやっぱり非常に学校間でこの取組の格差があります。幾ら指導要領の中に現行入っていても、やはりこれを改革していく、改善していくという私は必要があるんではないかと思うんですが、先ほども島尻委員の方からも御指摘あったかと思いますが、消費者教育をやはり独立した教科として私は位置付けるべきではないかと思います。現行は、公民であったり社会であったり家庭科であったり、あるいは道徳の中でも取り扱われておりますが、先ほどの午前中の藤原参考人のお話では、現状では幾らやっても余り効果がないだろうということでありましたが。
 ただ、学習指導要領というのは、幾ら盛り込んであっても、各教科の中の年間の時間数というのはもうこれ、ほとんど変えられないというようなことは現場からお聞きしております。それから、学習内容も非常に改善しにくいんだということも伺っているんですが、もうこれをきちんと独立した教科としてちゃんと系統立てて総合的、一元的、体系的にやっていくということをやはり文部科学省、お考えになるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 学校教育におきましては、児童生徒が消費者として主体的に判断し、責任を持って行動できるようにする、そのために社会科や技術・家庭科等におきまして消費生活や消費者問題についての指導を行っているところでございまして、新しい学習指導要領におきましても、御指摘のとおり、消費者教育に関する教育内容の充実を図ったところでございます。
 御指摘のような消費者に関する教科の創設という問題につきましては、大変貴重な御提案であるというふうに受け止めさせていただきたいと存じますが、教育課程の枠組み全体にかかわることでもございますので、今後幅広い観点から慎重に検討する課題であると思っております。
○石井みどり君 慎重な検討も結構でございますが、慎重過ぎないように、是非本当に現場の学校教育が変わるような形でお願いをしたいと存じます。
 その一番具体的な改善できる方法として、本年四月から教員の免許更新制というのがスタートしたと思います。この免許状更新講習というところで是非消費者教育というのを義務付けていただきたい。まずは最低限、消費者教育に関係される教員の方々、この方々へまずは義務付けていただきたい。
 そして、本来であれば、すべての教員がこういう視点を持って、たとえ物理の先生であれ英語の先生であれ、こういう視点を持ってやはり教育に臨まれるべきではないでしょうか。というのは、やはりホームルームを持ったり総合学習の時間があったり、いろんなところでかかわっていくわけです。それから、生徒児童というのは、担当の先生でなくてもいろんな方に、相談しやすい方あるいは部活の先生とか、いろんなところでいろんな被害が、今多様ですから、被害といいますか、だれにでも教員の先生方に相談できる体制ということを考えれば、やはり本来はすべての教員の方が更新の講習のときに受けられるのが、義務付けるのが本来の筋だと思いますが、取りあえずはやはりこの消費者教育を担当される方々の更新のときの講習の教科として義務付けられるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 消費者教育に対する期待が高まる中にございまして教員が最新の知識を習得するということは極めて重要であると考えております。
 免許更新制というのはこの本年からスタートするわけでございますけれども、この免許更新講習のうち必修領域というものと選択領域というものがございまして、必修領域はすべての教員に共通して必要な内容を取り扱うもの、選択領域は各教員がその担当教科や課題意識に応じて講習を選択して受講するというものでございます。
 この必修領域におきましては学習指導要領の改訂の動向についても共通して学ぶということになっております。学習指導要領の今般の改訂におきましては消費者教育に関する内容の充実を図ったところでございまして、この中で消費者に関する学習の充実についても共通して取り扱われるべきものとなっているわけでございます。
 また、免許更新講習のうち選択領域におきましては、それぞれの教員の教科ごとに、教員の選択によって十八時間分の講習を受けるということになるわけでございますが、消費者教育を取り扱う講習といたしまして、現在、本年度に開設が認定されております講習が約四十講習ございます。例えば、具体例を申し上げますと、家庭科の教員を対象とするものとして家庭科における消費者教育の課題といったタイトルでの講習を開設する大学がございます。あるいは社会科、あるいは公民科の教員を対象とするものとして「生活と法」というタイトルの中で消費者教育についても扱うと、こういった講習もございます。あるいはすべての教員を対象とするものの中では、「「消費者」を鍵概念として」という副題を付けて、「しなやかに、賢く生きるための経済・法律リテラシーの養成」と、こういったタイトルでの免許更新講習も開設されているということで、様々な講習がそれぞれの開設者、大学等でございますが、大学等の判断で実施されているということでございます。
 私ども文部科学省といたしましては、このような講習が引き続き開設されまして、受講者の課題意識に応じて受講されるよう必要な情報を提供してまいりたいと考えております。
○石井みどり君 全教員が受けられるという指導要領の改訂の動向、動向だけを伝えるんではなくて、きちんと消費者教育として位置付けていただきたい、是非それをお願いしたい。これが一番手っ取り早いといいますか、実効的なまずは方法だろうと思いますので、是非それをお願いしたい。この講習を開設する大学も非常に熱心で、全国で受講できる地域も広がっていますので、そこを是非お願いをしたいと存じます。
 それでは、消費者教育に関して最後に野田大臣の方にお伺いしたいと思いますが、先ほども、消費者庁において消費者教育を推進するための専門的な部署が要るんではないかという御指摘があったかと思いますが、そのときも、専門部署を置くかどうかは検討だとおっしゃいました。私はやはり必要ではないかというふうに思っております。
 特に消費者教育、一元的な取組というところを考えましたときに、どこが、じゃそれを指導して中心になって牽引していくのか。まさに、リーディングミニストリーかエージェンシーかは知りませんが、それこそは消費者庁に求められる役割だというふうに思います。
 特に、学校教育というところは今お聞きいただいたように文科省がやっております。だから、文科省との連携というところで、残念ながら、今回、移管した法の中で文科省から行ったものは一個もありません。ですから、そういう意味で、教育課程の改革も含めて実質的に消費者庁と文科省が協議ができる、そういう関係をつくるためにも是非消費者教育を政策として明確に位置付ける必要があるんではないかと思っておりますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者庁のこの議論、最初のころは余り、消費者教育についてよりもむしろ消費者庁の形、どうあるべきかとか、又は地方の消費者行政がどうなっているか、どうするべきかみたいな議論に冒頭あったんですけど、後半からずっと、消費者教育というのがそもそも大切なんじゃないかという話になりまして、今まさに参議院では極めてその重要性の高さについて御指摘をいただいたところでございます。
 私自身ためらっているわけでも何でもなく、ただ余りに重要過ぎて、本当にどうあるべきかということをもう抜本的に考えなくちゃいけないんだろうなという、ある意味、深刻な度合いが深まっているところです。例えば、消費行動というのは日々のことでありますから、例えばどこかの教科に収まるものでもなく、やはりそれこそ学校現場だと、毎日朝、朝礼で毎日毎日何か言い続けるようなことではなかろうかと思ってみたり、いろいろ思案をしているところでありますけれども。
 今回は消費者教育のための専任の部局を、部は元々ないんですけど、ありません。今後、やはりこういう国会の御審議もいただきましたし、修正協議の中にもそういうことが出てまいりまして強く強調されてきている現実がありますので、しっかりと受け止めて取り組んでいきたいと思います。
 実は、消費者教育、先ほども中村弁護士から話があったんですけれども、学科という中ではなく、本当人生そのものだと思うんです。クオリティー・オブ・ライフというのかな、質の高い人生を生きるために、きちっとした消費者教育を受けることによって、例えば多重債務等々に巻き込まれることなく、あえて自殺を選ばなくてもいいようなそういうところまで行き着くわけですから、そういった意味では、文科省だけではなくて本当に大きな枠組みでとらえて消費者教育というのはやっていかなきゃいけないなと。私自身、自殺対策の担当大臣でもありますので、そんなことを思いをはせながら、しっかり取り組んでいきたいなと思っています。
○石井みどり君 野田大臣は、消費者教育の推進のためにも法的整備、推進法の制定ということを是非お願いをして、次の質問に移らしていただきます。
 皆様の御記憶に新しい事故として、昨年十月十七日に千葉県船橋市において、小学校六年生の男の子が給食の時間中にパンの窒息事故によって夕刻には搬送先の病院で亡くなったということがございました。大変痛ましい事故でございましたが、あの年代の男の子、特にやんちゃな男の子はやりかねないということでありますが。
 ただ、それにしても私は非常に残念な思いがするのは、このときの、適切な対応だったかどうかはさておいても、こういう窒息事故に関する、事故が起こるということ、そこが余り食品に対する窒息リスクということが知られていないんではないかという気がいたします。
 本年三月に厚生労働省の厚生労働科研が食による窒息の要因分析の調査結果を出しておりますが、これによると、水分を含んだパンを一気に詰め込んだ場合、パンの表面に粘りが発現して大変取り出しにくくなる、窒息リスクも高くなるということが報告されています。
 こういう食品による窒息のリスク、危険性というのは様々な食品で起こるわけですが、国民の方に対してそういう情報、食品の食べ方とかということは、私はこれは食育の一環だというふうに思っておりますが、食育を推進しておられる内閣府としてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(武川恵子君) 食品の窒息の危険性につきましては、死亡にまで至る場合がございます。食育の一環といたしまして、適切な食べ方を啓発していくということは大変重要なことでございます。
 内閣府におきましては、全国的な食育展開のための、六月に食育月間としているところでございます。本年は新たに重点の一つといたしまして、大食い、早食いを始めとした食品での窒息事故の危険性について理解を深め、よくかんで食べる習慣を身に付けるということを掲げまして周知することとしております。また、今国会に提出いたします食育白書におきましても、食べ物による窒息事故とその予防について取り上げておりまして、社団法人日本歯科医師会の取組などを紹介いたしております。また、このほか、大学生向けには大食い、早食いの危険性について広報することを予定しております。
 今後とも、関係省、自治体、関係機関・団体等との連携を密にいたしまして、食の安全を含めた食育の一層の推進に努めてまいります。
○石井みどり君 関係機関とというふうなことでございますが、この事故のときに、よく子供たちがやることですが、早食い競争というか、そのときも同級生との間で、三秒で食べたと、じゃ、お前はどうだとか、そんなことがあって早食いして死亡事故につながったということですが、私はちょっと本当に残念なのが、このときの、学校の対応を云々するつもりはありませんが、学校長の御発言の中に、軟らかいパンでこんな結果になるとは予想できず驚いているという御発言があります。まさに、窒息リスクに対する認識が欠けるだけでなくて、小児の嚥下・そしゃく能力の発達段階とそれに応じた食品の選択と正しい食べ方への理解が不足していると言わざるを得ないです。
 例えば、小学校六年生というと何でも食べられるように見えますが、専門家の立場から言わせていただければ、永久前歯が上下四本、八本と場合によっては第一大臼歯しかなくて、私たちが言う側方歯群というんですが、それが生え替わりでほとんど機能していないということもあるんです。
 そういうこともありますので、食育というのは、栄養バランスとか地産地消といった何を食べるかという視点だけでなく、安全においしく食べるという視点からの口腔保健の活動を通しての食育の推進ということも考えられますが、学校現場のお取り組みをお聞かせください。
○政府参考人(前川喜平君) 学校におきます食育に関しましては、栄養教諭の配置を始めといたしまして、私どもとしても鋭意取り組んできているところでございます。
 これは栄養教諭だけに任せることではございませんでして、御指摘のように学校長も含めまして学校全体として取り組むべきことであると考えております。その中には食の安全ということも含まれているということを考えておりますので、今後とも、給食指導、これは学校の中では特別活動と位置付けられております教育活動ということでございますけれども、その給食指導の中でもしっかりと取り組んでいく必要があると認識しているところでございます。
○石井みどり君 学校保健の活動の中では、学校医がいます、学校歯科医がいます、学校薬剤師もいらっしゃいます。それから、今の食育を推進するのに栄養教諭の方もいらっしゃいますし、養護教諭の方もいらっしゃいます。できましたら、学校長が学校保健委員会を開催をしていただいて、そういう専門家の協力も得ながら是非進めていただきたい。二度とこういう、学校現場が知らなかったとかそんなことがないようにお願いをしたいと存じます。
 それでは、やはり窒息ということでいえばまさにこの消費者庁が設置することにつながったコンニャクゼリーのミニカップの事件、このことに関して御質問をしたいと思います。私は、四月二十三日の委員会においてもこれを御質問させていただきましたし、今まで厚生労働委員会あるいは決算委員会でも御質問をさせていただきました。
 本年三月、先ほど申し上げた厚生労働省の科研の調査結果によりますと、コンニャク入りゼリーの危険性が改めて明らかにされています。また、食品安全委員会においては、食品による窒息事故に関するワーキンググループが設置されて、窒息事故の発生状況、要因等が調査審議されるというふうに聞いています。
 この科研の調査結果によりますと、幼児、小児というのは中咽頭の形態が成人とは違います。そして、嚥下機能も未発達でございます。そして、高齢者の方、この方々は嚥下機能、摂食・嚥下機能が退行したり低下しています。そして、中咽頭の形態が高齢化によって変化してきています。そういう非常にリスクの高い方々がやはり窒息の事故が起こっています。
 そうしますと、私は絶えず指摘をしてきたことは、コンニャク入りゼリーの特にミニカップは一般のゼリーとは全く違います。食品特性も違いますし、そして形態に問題がある、サイズに問題があると申し上げてまいりました。ぽんと押して、ぽんとすっぽりはまって取れなくなる。あるいは、吸い出す、子供はああいうのを吸い出してしまうんですね、そうするとぽんとはまるという、そういう形態とかそういうところにも非常に問題があるというふうに、容器の形状等にも問題があるということを御指摘をしてきました。
 消費者庁が設置された暁の話でありますが、今まではすき間事案だった、これを取り扱う法がなかったということでありますが、消費者庁が設置された暁には、このコンニャク入りゼリーミニカップは発売が続行されるんでしょうか。どう対応されるんでしょうか。それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(増原義剛君) 御指摘の点でございますが、石井委員先ほど来御指摘のように、先月の四月の二十七日にその調査結果等を踏まえまして食品安全委員会に食品の健康影響評価、これを諮問したところでございまして、今月の十四日から同委員会におけるリスク評価が開始されております。
 これをしっかり我々もウオッチをしていく必要があると思っておりますが、御指摘の消費者庁が設置された場合にはどうかと、この御質問につきましては、いつも申し上げておるのでございますが、我々としましては、食品安全委員会の評価や市場に流通している商品の表示の状況なども踏まえまして、必要に応じて消費者委員会の意見も聴いた上で、消費者安全法におけるいわゆるすき間事案の発動を含め、具体的な対応を再発防止策について検討する必要があると考えております。
 具体的には、消費者安全法の第十五条でありますれば、まずは情報収集をしたものを注意喚起情報として公表することになります。さらには、事業者に対する勧告というのが第十七条にありまして、注意喚起表示の添付する、添付する仕方までこちらが指示をするということになると思います。さらに、この勧告に従わない場合でありますが、被害拡大又は同種事故発生の急迫した危険があると、そのように判断した場合には、商品の譲渡等の禁止、制限、これを掛けることになると思います。さらには、違反した場合には回収命令等、これは第十九条でありますけれども、こういう措置もとっていくと、こういう強い権限が与えられることになると、そのように考えております。
○石井みどり君 今の十七条のその勧告というのは、私は勧告だけでは、警告、注意では死亡事故は防げないということは度々御指摘してきております。まず、幼児はこれが読んでも意味が分からない、高齢者の方も読みにくいわけでありますから、私は十七条の勧告では大して効果がないのではないかと思っておりますが、では、消費者庁設置後、もう一人と言ったら大変不謹慎な物言いではありますが、どなたかが亡くならないと十八条の発動ということにならないんでしょうか。その辺をちょっとはっきりお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(増原義剛君) 先ほど申し上げましたように、現在、食品健康影響評価を食品安全委員会に諮問いたしております。そして、今月の十四日から同委員会におけるリスク評価が開始されております。その結果を見ないと必ずしも確たることは申し上げることはできませんが、いずれにしましても、食品安全委員会の評価や市場に流通している表示の状況等もよく見て、更に消費者委員会の意見も聴いた上で、必要があれば、それはそうした措置をとるということも考えられます。
○石井みどり君 突然で恐縮なんですが、本日参考人でお越しいただいております日弁連の中村参考人、今のこの質疑のやり取りをお聞きになって御意見をお聞かせいただいたら、ちょうど私の質問時間が終わるのではないかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○参考人(中村雅人君) それでは、三時三分ごろまでに終わるようにお話ししたいと思いますが、今のお話聞いていて、行政の対応ってやっぱり遅いなと思います。
 去年の九月、この消費者庁関連法案が国会に出された、あの同じ九月に、姫路でやっぱりコンニャク入りゼリーで亡くなった方がいるんですね。ずっとどこの省庁も何もしないで来ているんです。なぜ十何人も死者が明らかで、国民生活センターがもう何年も前から各省庁に言っているのに動かないのか。今ごろこれから調査するとおっしゃっていますけれども、もう国民生活センターは十分調査し実験もして報告しているじゃないですか。そういうことがあるのになぜすぐ手を打てないのか。消費者庁がこの秋にできるという。じゃ、秋まで待つのかということもまた心配です。今でもすぐできる方法はないんでしょうかということを申し上げたいです。
 例えば、厚生労働省、食品衛生法という法律を所管している。あそこがなぜ手を打たないのかといったら、食品衛生法の目的は、飲食の衛生上の危害ということに限定して考える、そして形状の問題は衛生上の危害じゃないといって手を出さない。
 そしたら、その法律の目的を変えればいいじゃないですか。やっぱり国民の命、健康を守る役所だという基本に立てば、衛生上であろうが形状であろうが関係ない。あの目的のところの衛生上のというたった三文字を消すだけで立派に対応できます。そして、販売禁止をする第六条、そこにこの形状の問題とか容器の問題も全部入れて販売禁止が取れる措置をとる、これだけの簡単な法改正でできます。ですから、今からすぐにでも法改正をして消費者庁発足以前にも対応していただかないと、この間また事故が起こるかもしれない、それを心配しております。
 以上です。
○石井みどり君 ありがとうございました。
 それにしても、現行の法律でも改正すればできることはある、それから消費者庁ができて初めて可能になることもある、やはり一日も早く消費者庁、この設置を目指して、そして現行法の足らざるところを改正をしていく、そのための立法府の仕事だろうと思っておりますので、先ほど野田大臣がおっしゃいましたように、国民の方々と力を合わせて、やはり消費者行政が前進しますように、そしてその基本となる消費者教育も是非推進されて、豊かな消費生活を国民の方々が享受していただくためにも、これから力を合わせていきたいと思っております。
 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(草川昭三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、島尻安伊子君が委員を辞任され、その補欠として山田俊男君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(草川昭三君) 引き続き、質疑を行います。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。本日は、こうした機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 もう随分議論がいろいろとございましたので重なる部分も正直出てきてしまいますけれども、なるべく重ならないところを中心にして質問をさせていただきたいと思います。
 最初は、やはり消費者教育の話でございまして、私自身は平成十六年に初当選をさせていただきましたが、最初の委員会が財政金融委員会でございました。その最初の質問のときには、当時大変に消費者金融のあふれるばかりの広告、CMがございまして、こうしたことに主体的に判断できる消費者教育、またとりわけ青少年への教育という重要性を訴えさせていただきました。
 実はその後、議員立法で預金者保護法というのの方に私自身携わっておりまして、偽造キャッシュカード、盗難キャッシュカードの被害に遭った消費者の方々、利用者の方々、この補償ということに取り組んだわけでございます。そのときに一番感じましたのは、やはり金融行政そのものも、どうしても金融機関を監督指導するという立場からしますと、利用者の方には、なかなかその利用者の、消費者の立場に立った行政というふうにはなっていないなと、こんなこともございまして議員立法で預金者保護法というのは作らせていただいたわけでございます。
 その後、多重債務の問題の貸金業法、また先般、昨年、一昨年でしょうか、割販法、特商法の改正についても取り組ませていただき、そうした活動を通じますと、やはり消費者教育ということがいかに大事かということも痛感をしております。
 今般、この消費者基本法に基づいて策定された消費者基本計画、これは平成十七年の閣議決定でございますけれども、消費者政策の重点として学校や社会教育施設における消費者教育の推進と、こう定められております。現に全国の消費生活センター等に寄せられます消費生活相談というのは子供に関するトラブルが大変に一般よりも多いということもございまして、若い世代への消費者教育ということが大変重要であろうというふうにも思います。
 そこで、まず野田大臣にお伺いしたいと思います。
 今回、この消費者教育ということについては、間接的ではございますけれども、消費者安全法案第四条六項に「国及び地方公共団体の責務」として「消費生活に関する教育活動」が修正項目として入ったわけであります。これは画期的だと私も思います。ただ、消費者庁設置法案にはこの消費者教育について盛り込まれておらないわけでございます。なぜ消費者庁設置法案にはこの消費者教育が入っていないのか、また消費者教育の位置付けということについて大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者教育・啓発は消費者庁単独で所管して推進すべきものではなくて、文部科学省等のほかの行政機関も含めて国全体として推進することであると考えられております。ゆえに、所掌事務として消費者教育に関する規定は盛り込んでいないわけであります。
 なお、今御指摘のように、消費者行政の司令塔として消費者庁が行う消費者教育に関する事務は消費者庁及び消費者委員会設置法第四条第一号の「消費者の利益の擁護及び増進に関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。」の規定で読むことが可能となっております。
○西田実仁君 これもちょっと、もう既に出てしまいましたが、一応お聞きしたいと思いますが、消費者教育はやはりこの消費者庁が中心となって牽引をしていくということが大事だというふうにも私も思っておりまして、そういう意味では消費者教育を専門に扱う部署、専管組織の創設ということがやはり必要ではないかというふうにも思っております。
 先ほど大臣からも若干これに触れる点はもう御答弁いただいておりますが、この専管組織の創設ということと併せて、消費者教育に関連する予算の拡充あるいは人員の確保ということについて大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 先ほどの答弁と重なりますので少し割愛して申し上げるならば、専管の課ないしは局を置くべきではないかというお尋ねに関しましては、消費者庁に専管の課を置かなくても、これまでも文部科学省等ほかの関係省庁とは連携して消費者教育の推進に取り組んでいくということをやってまいりましたし、これからも十分可能だと考えているわけでありますが、こうした課題に対応するための組織の整備が更に必要だという状況が生じている場合には、消費者教育を担当する部署の要求を行うということを検討していきたいと思っています。
 また、まさに消費者被害の未然防止とか、消費者は自主的にかつ合理的にやっぱり行動できる主体となるための消費者教育というのは非常に重要だと認識する中にあって、消費者庁の予算定員については、今現在、法案に盛り込まれた権限の行使のための必要な経費と定員が措置されているところでありますが、これから予算、人員の拡充につきましては、発足後ですね、関係省庁と連携を図りながら消費者教育に取り組む、その中で新たな行政の需要や具体的な課題への対応が必要となれば、これからの予算、定員要求で対処していきたいと思っております。
○西田実仁君 是非この消費者教育に関連した様々な予算や人員ということについては必要に応じてきちっと手当てをいただきたいというふうに思っております。
 今日は大変お忙しい中、文部科学大臣、塩谷大臣にもわざわざお越しいただきましてまたありがとうございます。青少年の教育ということで消費者教育、もう様々議論もございましたけれども、確認の意味も含めまして大臣の御答弁をお願いをさせていただきたいと思います。
 消費者教育にかかわるこの文科省内での組織は、消費者政策会議の対応部局としては生涯局になっているわけでございまして、学校教育を所管する初等中等教育あるいは高等教育ということのかかわりということが十分ではないんではないかという声も一部にはございます。こういうことでは、せっかく消費者庁ができても学校における消費者教育というのは本当に進むんだろうかと、こういうような懸念も一部で聞かれてきております。
 是非、この機会、文部科学大臣に、そんなことはないんだ、学校におけるこの消費者教育ということをもう是非とも充実させていくと、こういう力強い御決意をここで大臣からお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(塩谷立君) 消費者教育については、文部科学省としても大変重要であるととらえておりまして、子供たちが消費者として主体的に判断し責任を持って行動できるようにするために極めて重要だと考えております。また、子供たちが将来社会へ出ていろんな場面で消費者として行動するためにも必要だと考えておりまして、このために小中高等学校の学習指導要領においては、社会科や技術・家庭において消費者生活や消費者運動について児童生徒の発達段階に応じた内容を示しておりまして、昨年は小中の学習指導要領を改訂し、また今年も高校の指導要領を改訂しておりますが、その内容を充実してこの周知を図ろうと思っております。
 学校現場において、この学習指導要領に示す内容がしっかりと実施されるよう私どももその推進に努力をしてまいりたいと思っておりますが、今お話のいわゆる担当の課があるかどうかというようなことでございますが、これにつきましては、文部科学省専門の各科目のいわゆる担当課というのは置いておりませんので、組織的には特に問題なくしっかりと私ども対応できると思っておりますし、また特に科目としてもそういうものを設けたらよいかという話もございますが、この消費者教育については、あらゆるジャンルにまたがっているところでそれぞれのまた科目で指導することも重要だと考えておりますので、いずれにしましても充実に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 もう一つだけ大臣にお聞きしたいと思います。
 今文科省の中に新たに消費者教育課みたいなのをつくるということではないというお話があったと思いますが、先ほど来から出ておりますが、この次期学習指導要領改訂における消費者教育にかかわる新科目の創設とか、あるいは教員免許状の更新講習における消費者教育科目の必修等、こういう具体的なこともこれからの消費者教育ということで文科省としてどう取り組むのかという表れの一つになるんではないかというふうに思っております。
 具体的な今私が例えで申し上げさせていただいた件につきましては、大臣、今どういう御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) まず学習指導要領の改訂によって、例えば中学校において消費者の自立支援なども含めた消費者行政について、また新たにこういう明記をしております。また、家庭科において、「自分や家族の消費生活に関心をもち、消費者の基本的な権利と責任について理解すること。」等のまた記述もあります。また、高等学校におきましては、消費生活と生涯を見通した経済の計画等の新設もありまして、消費者としてのいろんな内容を含んだところでございます。
 また、十年研修につきましても、当然この消費者教育の内容も含めて今準備をして実施に移しているところでございまして、教員の研修等にも十分にこの消費者教育を反映させていきたいと考えております。
○西田実仁君 ありがとうございました。
 委員長のお許しがございましたら、もう文部科学大臣に御質問ございませんので。
○委員長(草川昭三君) 文部大臣、どうぞ御退席ください。
○西田実仁君 ありがとうございました。
 続きまして、地方消費者行政活性化基金につきまして内閣府にお聞きをさせていただきたいと思います。
 各地方での消費生活相談センター等の人員等に充てる人件費等の範囲、まあ細かいことでございますけれども、実は地方議会におきましてはもう六月議会が目の前に来ておりまして、できるだけ詳しく確定をしたいというか知りたいと、こういう御要望もございます。したがって、私の方で、もう確認も含めてですけれども、お聞きさせていただきたいと思います。
 まず、この基金で使える人件費の範囲につきましてお聞きしたいと思います。
 今後三年間、集中育成・強化期間に増大する業務ということを前提といたしまして、新規相談員についてはこの本給、残業代、社会保険費、このすべてを同基金から賄うことができるんでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) 御指摘の点については、国会での御議論を踏まえて、基金の支援対象を集中育成・強化期間において増大する業務に係る人件費等に充当すべくということで検討しているところでございまして、今先生のおっしゃったように、その増大した業務に充てるために新規に雇用する方の人件費、もちろん、その方が規定以上働くということを前提とすれば、社会保険等に係る費用というのも当然の経費だというふうに考えてございます。
○西田実仁君 増大する業務というのが前提になっておりまして、これが何を意味するのかということを大変気にしている方がいらっしゃいます。具体的には、増大する業務としては具体的にどういうことを考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) 典型的には、今度の消費者庁の体制ができることによって様々な報告業務等の義務が発生する等がございます。それから、当然のことながら、私どもの意図としましては、相談窓口の充実強化ということでございますから、一人相談員であったところを二人にしていくといったようなことが、なおかつその集中育成期間で窓口の強化の整備のために必要になってくるということだと思います。
 非常にそこのところを誤解されていただくと困るのは、これまで地方の自主財源として支出されていた経費を肩代わりするものではないということだけ御理解を賜りたいと思っております。
○西田実仁君 これは、一元化することによって相談員が、増大する業務ですから一人から二人という話がありました。しかし、実際には相談員がゼロのところも自治体としては多いわけですよね。こういう相談員がゼロだった自治体が一人相談員を増やす場合にも、その相談員の人件費にこの基金は充てることができるんでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) まさに、そのように窓口を増やしたいと、新増設をするというのが基金のメニューにございます。したがいまして、そうした新規に窓口をつくっていただく、拡大していただくというのを維持するために雇用される方の給料というのは、当然にそれに当たるものだと考えられます。
○西田実仁君 では、既存の相談員についてはいかがでございましょうか。残業代、社会保険費等、この基金ではどこまで賄えるんでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) 繰り返しになりますが、既に地方においてこれまで御手当ていただいた部分を肩代わりすることでなく、業務が多煩になり、もちろん、窓口等が設置されることによって相談件数増えると業務が多煩になり、まず残業代でありますとか、あるいは、窓口を充実するためにその方が今まで週三日で働いておられたというのが四日になられるということに伴いまして増加する部分というのは、当然これに当たるものと考えてございます。
○西田実仁君 そうすると、社会保険費も入りますね。
○政府参考人(田中孝文君) 違法な状態でということではございませんので、これが、三日働いていたのが週五日働くということで、月に二十日働いていただくというのであれば、当然に発生してくる経費であろうと考えてございます。
○西田実仁君 続きまして、この活性化計画の出し直しにつきましてお聞きしたいと思います。
 既に国に対して計画を出している自治体が、この新しい運営要領に基づきまして計画を出し直すことはできるんでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) できます。
 既に現在ある要領におきましても必要に応じて事業計画を見直すということができることになってございますが、今度、メニューを増やす、その他ございますので、運営要領等を見直しますので、当然それに伴って計画を出し直しなさるという自治体も少なからぬと思いますので、それはそのようにさせていただきたいと思っております。
○西田実仁君 この基金は三年間ということなんですけれども、したがって、この三年間、毎年同じように使わなきゃいけないというような誤解があるようなんですね。
 ですから、まず確認ですけど、一年目は基金から人件費に全く充てていない場合でも、二年目以降、新しいルールに基づいて人件費に充てることはできるんでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) そのとおりでございます。
 まさに三年計画で全体のプランを出していただいた上で、その後、毎年事業計画ということを出していただくということにしておりますのも、その三年間の間で弾力的な運用がなされる、とりわけ人材を育成するというのは一朝一夕にできることではございませんので、例えば研修の業務などというのは進捗に応じて深度を深めていただくということが必要になってくるかと思います。
○西田実仁君 この基金について最後ですけれども、PIO―NETについてお聞きしたいと思います。
 PIO―NETの設置については、週四日相談窓口を開設したところにしか設置できないというふうに聞いておりますが、そのとおりでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) PIO―NETの設置に当たりましては、限られた予算の中で費用に見合った効率的な御利用を、御活用を図っていただくということから、現在、内閣府においての、その設置基準というのを作っておりまして、そこでは、消費生活相談員を配置した相談窓口を週四日以上開催している消費生活センター、消費生活相談窓口等であることと規定しております。
 ただし、これ増やしていこうということで考えておりますので、ここのところも弾力化していくことが必要であろうということで、一方で効率的な利用というのをにらみながら、今般、平成二十年度の補正予算に基づくPIO―NET端末の追加配備におきましては、三年以内に消費生活センターとなることを目指す市町村、そういう計画をお出しいただけるということであればそのPIO―NETを設置するということで、先般、国民生活センターで第一回の募集をしたところでございますが、その中でも既にそのように私たちの考えに呼応していただきまして、今は四日開いてないけれども三年以内にそのようにするので是非配置してくださいということで申請されてきている自治体も少なくございません。
○西田実仁君 細かくいろいろとお聞きしましたが、いずれにしても、できるだけ早く情報を自治体に、きちんとした、確定した情報を流していただきまして、六月定例議会でも様々な取上げがなされると思いますので、お願いしたいと思います。
 次に、公共料金と利用者ということにつきまして、今日はお忙しい中、金子大臣にもわざわざお越しいただきまして、まことにありがとうございます。
 鉄道の運賃改定についてお聞きしたいと思います。
 鉄道の運賃改定は運輸審議会におきまして審議をされます。国土交通省設置法第六条には、審議、答申、勧告を行う機関としてこの審議会が位置付けられているわけであります。その一般規則第一条には、「運輸審議会は、事案に関し、できる限り公聴会を開き、公平且つ合理的な決定をしなければならない。」とされております。しかしながら、この公聴会の開催を要求できるのは利害関係人でございます。利害関係人しか申請ができない、これが運輸審議会におけます公聴会でございます。
 運輸審議会におきまして、利用者、すなわち消費者は利害関係人に当たるんでしょうか、国土交通省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大口清一君) 先生の御指摘にお答え申し上げます。
 御指摘のように、国土交通大臣が鉄道あるいはバスなどのいわゆる上限運賃の認可を与えるに際しましては運輸審議会に諮問をするわけでございます。それで、運輸審議会はその諮問を受けて、先生御指摘のように、公平かつ合理的な決定を行い答申し、さらには必要な勧告を行う、そういう常設の機関でございます。
 それで、この審議会は、この審議に当たりまして、審議会が必要と認めるときは職権で公聴会を開催できるようになっております。また、先生御指摘のように、利害関係人の請求があったとき、あるいは国土交通大臣の指示によりまして開催をしなければならないと、こういうようなことになっております。
 この場合の利害関係人でございますけれども、事案の申請者、それから事案の申請と競合関係にある者というようなことになっておりまして、一般の利用者は、鉄道でいえば乗客でございますが、利害関係人には直接の該当にはなっていないということでございます。
○西田実仁君 ありがとうございます。
 つまり、利用者は料金の引上げに関して利害関係人でないんですよね。これ、私、別に専門家じゃありませんけど、普通に考えると、鉄道の運賃が上がるということを、利害関係人って、利用者は物すごい利害関係人だと思うんですよね。素朴な疑問なんですけど、なぜ利用者は利害関係人にはならないのか、大臣にちょっとお願いします。
○国務大臣(金子一義君) 利害関係人の範囲というのが、利用者個人すべて含むと非常に人数が多くなり過ぎてしまうということで、判例として、これを利害関係人と含めないという判例に出ているようでございます。
 しかし、今、大口政策局長が話をしましたように、実態として職権で公聴会を開いておりまして、そこでは実態として消費者の代表に来ていただいて、そして幅広く、これは学識経験者、マスコミも含めて一般の利用者に来ていただくという実態的な運用は行われております。
 それからもう一つは、大きな運賃の決定といったようなものについては閣議決定、こういうような場合には、また野田担当大臣からお話があると思いますけれども、一般利用者に入っていただくような枠組みを政府としては持っております。ちょっとこっちに聞いてください。
○西田実仁君 他の公共料金で、例えば電気・ガス料金については一般の消費者は利害関係人として公聴会が開かれた場合に意見を言うということができるんではないかと思いますが、ちょっと簡単に、ちょっと時間がないものですから、電気・ガス料金、また水道料金についても、引き上げる場合の消費者のかかわり方ということについて簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(西山英彦君) 電気や都市ガス料金を値上げをしようとするときには経済産業大臣の認可を受けることが必要でございます。事業者から認可申請があった場合には、行政が審査要領に基づいて審査を行うほか、並行いたしまして申請内容について一般の方も含む公聴会を開催いたしまして、消費者を始めとする一般からの意見を広く聴取することとなっております。こうしたプロセスを経まして、法令に基づく基準に適合していれば認可を行いまして、周知するための十日以上の掲示を行った後で値上げが実施されることになります。
○政府参考人(細田隆君) 私から水道料金について申し上げたいと思います。
 水道料金につきましては、水道法及び地方公営企業法の規定に基づき各自治体において個々に決定されることとなってございます。
 総務省としては、料金等の改定に際しては、住民の理解と協力が得られるよう、常に公営企業の経営状況等に関する幅広い情報について積極的な広報活動を行う必要があると助言しているところでございます。そこで、水道料金の改定に当たっては、地方公共団体の判断によりまして、有識者や消費者代表から成る審議会等を活用するなどの取組を行っている団体もあると認識しております。
 ただ、いずれにいたしましても、公営企業の水道料金につきましては条例で定めることとされていることから、料金改定には条例改正が必要でございまして、利用者たる住民の代表から成る地方議会での審議が行われております。
○西田実仁君 お聞きいただいて分かるように、電気・ガス料金、水道料金における消費者のかかわり方と鉄道運賃の引上げにかかわる消費者の、利用者のかかわり方というのは手続上も違うというふうに思います。
 そこで野田大臣にお聞きしたいと思いますけれども、消費者が運輸審議会における審議に際しては利害関係人ではないということに対しまして、大臣はどうお考えになりますでしょうか、感想で結構ですが。また、消費者庁ができた場合には勧告でも出してこうしたことを改善をした方がいいというようなおつもりはおありになるでしょうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 運輸審議会の話は、金子国土交通大臣の諮問機関でありますから、あの在り方について私は所管外の立場で、直接コメントすることは控えますけれども、一般論として申し上げるならば、公共料金の改定については、消費者利益の擁護、増進の観点から、消費者の意見が広く聴取され、これが適正に反映されることが重要だと思っております。
 このため、認可手続等の迅速性、効率性にも気を付けながら、可能な限り審議会において消費者の意見聴取が行われることが望ましいとも考えています。ただし、このような意見の聴取等は必ずしも審議会に限る必要はなくて、多様な機会を通じて実施されるよう努力していくべきことと思います。
 さらに、消費者庁が設立されたらということでありますけれども、消費者庁は実はこの度、物価に関する基本的な政策を所管することになっております。ですから、消費者庁が設立された後には、消費者庁は、消費者の利益の擁護及び増進の観点を任務とする立場から、公共料金の制度改革等について自ら企画立案を行っていくとともに、所管大臣が公共料金の改定について認可等を行おうとする場合には幅広い消費者の意見を踏まえつつ協議等を行っていくことになります。
 さらに、消費者委員会は、物価に関する基本的な政策に関する重要事項につきまして自ら調査審議をして関係各大臣などに建議することができるとされておりまして、各種の公共料金の水準の決定に当たって、適切に消費者の目線が反映されているかどうかという観点から各省庁の取組をチェックしていくことになると考えられます。
 このように、消費者庁は消費者委員会とともに連携しまして、様々なレベルで所管大臣が行う公共料金の改定に消費者の意見が反映されるよう関与していくこととなると考えておりまして、この仕組みがしっかりと機能するよう体制の整備に努めてまいります。
○西田実仁君 これは料金の引上げということだけではなくて、この運輸審議会においては軽微な事案というのがございまして、軽微な事案というふうに認定をされますと審議会の審議もされないというのが運輸審議会における軽微な事案の扱いでございます。したがって、審議もされませんから公聴会も開催をされないということになります。公聴会が開催されないということは利用者の声も全く反映されないということになるわけであります。
 そういう事例が全くないかというとそうではなくて、結構あります。有名な例では一九九八年の十月、京浜急行空港線の羽田空港までの延伸に係る運賃認可につきまして、延伸部分の利用について通常の区間キロ数運賃に百七十円特別加算することが同社より申請されました。しかし、これについて審議会は軽微な事案というふうに認定をいたしまして、審議がなされませんでした。翌日、当時の運輸大臣がこの申請どおりに認可をしたということがございます。したがって、品川駅から羽田空港駅まで、本来二百三十円のところが特別加算で四百円になると、こういうことが軽微な事案として消費者の声が反映されることなく認可をされたという事実がございます。
 こうした軽微な事案ということについて、本来、私は、利用者は利害関係人であるというふうに思いますけれども、その声が全く反映されないというこの仕組みについては野田大臣はどうお考えになりますでしょうか。それこそ消費者庁ができた暁には何か改善の勧告等をなさる御予定はあるんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者行政を担当する立場としましては、軽微な事案かどうかということにかかわらず、やっぱり様々な機会を通じて消費者から意見を聞くということはとても重要だと考えております。
 先ほどの繰り返しになりますけれども、消費者庁ができました折には、幅広い消費者の意見を踏まえつつそれぞれの担当の役所と協議を行うことが可能になってまいりますので、そういう形で取り組んでいきたいと思っています。
○西田実仁君 金子大臣、本当にお忙しいところ申し訳ございません。
 最後に一言、一言というか、お聞きしたいと思いますが、こういう、まあ仕組みとして理解できないわけでもないんですが、素朴に、やはり利害関係人に利用者の声、いろんな形で反映できるというふうにおっしゃったのかもしれませんが、特に今申し上げた軽微な事案というのが、今の具体的な事例を一つ申し上げましたけれども、これはやっぱり利用者からすると二百三十円が四百円になることが軽微なというふうにはどうも理解できないわけでございます。ちょっと御所見を最後、お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(金子一義君) そういう事例が具体的にあったというのが、今お伺いいたしまして、軽微な事項かどうかということも、消費者庁ができましたものですから、うっかり、従来の運営だけでなくて運輸審議会にですね、運営を、何が軽微かということについて注意するように、この審議会を担当します私としてもそこはよく気を付けてまいりたいと思っております。
○西田実仁君 大変にありがとうございます。委員長のお許しがございましたら、金子大臣もお忙しいと思いますので。
○委員長(草川昭三君) もう大臣結構です、どうぞ。退席お願いします。
○西田実仁君 官房長官にも、大変お忙しい中、誠にありがとうございます。
 この消費者委員会の位置付けについてお聞きしたいと思います。内閣府増原副大臣にお聞きしたいと思いますが、例えば、特商法におきまして、指定商品の指定等に関する政令の制定、改廃を行う場合には、消費者委員会及び消費経済審議会に諮問しなければならないとございます。消費者委員会と審議会で意見が異なる場合にはどのように調整するのか。また、同じようなことでございますが、貸金業におきまして、金融庁が登録貸金業者の処分を行う場合、あらかじめ、消費者庁長官に協議しなければならないというふうにもございます。これも、その協議が調わない場合、その調整はどのようにされるのかということについてお聞きしたいと思います。
○副大臣(増原義剛君) ただいまの御指摘でございますが、消費者庁は購入者の利益の保護の観点から企画立案を行う。一方、経済産業省も商取引一般の観点から企画立案を行う。共に、これは政令委任事項の企画立案というところに係ってまいる部分でございます。
 それぞれの観点からのその見方は違うというところもありますけれども、それぞれ諮問いたしていきますが、その結論が違う場合はどうかというふうな御指摘だろうと思います。これにつきましては、それぞれの省庁、とりわけ新たに消費者庁ができて消費者安全法もできるわけでございまして、行政の向かう方向性は内閣として一致をしているということでございますから、これはしっかりその間で、我々、その調整を図ってまいりたいというふうに思っております。
 とりわけ、それぞれ意見が大きく食い違うという場合などはどうするかということでありますが、実は、既に環境省の中央環境審議会とそれから経済産業省の産構審辺りは合同で審議会を開催するようなこともいたしております。それで一定の結論を得るということもやっておりますので、場合によっては合同のこういう審議会、消費者委員会、合同でやるということも考えてもいいんではないかというふうに思っております。
 それから、次に貸金業でございますけれども、これにつきまして、金融庁が処分をする場合、あらかじめ、消費者庁長官に協議をしなければならないということでございますが、その協議をする場合に、消費者庁が行政処分をするなというような方向で協議を受けることではないんだろうと思います。恐らく、もっと重くすべきではないかとか、そういったような方向でのこの協議だと思います。そういう意味で、方向性は同じでございますので、委員御指摘の御心配も分かりますけれども、そこはしっかり十分にその両省庁が協議をしまして、同じ内閣府の下でございますので、きちっとそこは意見調整を行ってまいりたいと、そのように考えております。
 なお、これは衆議院の審議でございましたけれども、与謝野金融担当大臣の方から、「金融庁、消費者庁の役割分担を踏まえつつ、十分な連携協力を行い、適切な対応となるよう考えてまいりたい」という答弁もいただいております。それを踏まえてしっかりやってまいりたいと思っております。
○西田実仁君 官房長官、大変にお待たせして申し訳ございません。
 消費者庁長官のことで、一応確認ですけれども、当然だとは思いますけれども、消費者庁長官は事務次官等会議に正規メンバーとして出席をすることになるんでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) お尋ねの、消費者庁長官が事務次官会議の構成員になるかどうかというお尋ねでございます。
 これは、消費者庁、ただいま御審議いただいております三つの法案が成立し、いよいよ消費者庁の発足に向けて検討するわけでございます。ただし、消費者庁の構成員は官房長官決定事項と、こうなっておりますので、私の考え方を述べさせていただきますと、消費者庁が消費者行政の一元化を図るために設置をされ、専任の特命担当大臣を置いて当該事務を掌理させると、こういうことになるわけでございます。内閣府の外局の長官がほかに構成員となっておる例に、金融庁長官、警察庁長官、いずれも所管大臣を置いております。それから考えましても、消費者庁長官は正規の構成員になるに足りると、このように考えております。
○西田実仁君 官房長官、大変にありがとうございます。
 この消費者重視の政策ということが叫ばれてきているわけでございます。消費者庁長官がしっかりこの事務次官等会議におきましても正規のメンバーとして発言もいただき、そして、先ほど運賃の改定の話もさせていただきましたけれども、消費者がこの政策決定に実質的にきちんと参画をできるということをしなければ、なかなか消費者重視の政策と叫んだだけでは実現ができないと思っておりますので、そこを是非私も取り組んでまいりたいと思っております。
 大変にありがとうございました。以上でございます。
○大門実紀史君 大門でございます。
 金子大臣、佐藤大臣、お忙しい中ありがとうございます。野田大臣も御苦労さまでございます。
 以前にも申し上げましたけど、私は、消費者庁が発足して具体的に消費者庁の真価が問われるのは事故が起きたときにちゃんとした対応ができるかどうかだろうと、一番それが分かりやすく問われるのではないかということを申し上げて、ちょっとそのことにこだわって質問をしてきたわけですけれども、そこのところでまた事故の対応が遅れたりあるいは各省庁ももたもた対応すると、何のために消費者庁をつくったんだということになる問題でございます。
 ですから、これは走りながら考えていくというわけにはいかなくて、何といいますか、午前中もありましたけど、消費者庁ができたら事故対応やりますとか情報の一元化進むから大丈夫というふうにありましたけど、私はちょっと甘いなと思います。そういう紙の上の話じゃなくて、ペーパーの上じゃなくて、もうちょっと実践的に詰めておく必要があるというふうに思っているところですので、その問題を取り上げたいと思いますけれども、この点で、今まで起きた事故からきちんと教訓を引き出すと、あいまいにしないということが大変大事だと思っておりまして、その点で、今日、市川さんを参考人にお願いして来ていただいているところでございます。
 市川さんは、お聞きしたら、国会でお話しされるのが今日初めてだそうでございます。国土交通委員会は一体何やってきたのかというふうに思いますし、その点この委員会は大変温かい人がそろっているなと。今日も応援する質問をたくさんしていただきましたし、理事会でもみんなで呼ぼう呼ぼうということになったわけでございます。
 資料の一枚目に事故の概要、詳しく知らない方もいらっしゃいますので一応用意しておきましたけれども、今日もいろいろもう既に御発言ありましたけれども、率直に申し上げて、市川さん、三年間ほったらかしにされたといいますか、今でもほったらかしの状態でございますけれども、もっと警察あるいは国交省に言いたいことがもっとたまっているんではないかと、もう三年間積もり積もったものがあるんじゃないかというふうに思います。
 そういう点で、今日は金子大臣と佐藤国家公安委員長に来ていただいているわけですので、御遠慮なく、幾ら厳しいことを言われても、お二人とも優しい方でございますのでちゃんと受け止めていただけると思いますので、言い足りなかったことを含めて率直に警察と国土交通省におっしゃりたいこと、思いのたけを改めてお話しいただければというふうに思います。
○参考人(市川正子君) 訴える場をいただいてありがとうございます。
 事故から三年です。息子は十六歳でした。子を持つ親として、子供が先に逝ってしまう、この悲しみは一生終わることなく、時間がたてばたつほど私の中では重みが大きくなっています。
   〔委員長退席、理事岩城光英君着席〕
 被害者家族としてこの三年間、ずっと赤とんぼの会の方に支えられ、訴えてきました。本当にこの支えがなかったら、私ここで訴えていられたかどうか、ちょっと自信がありません。なぜなら、私たち家族が置かれた立場は本当に厳しいものであり、また今も厳しい状態です。
 まず一つは、先ほどもお伝えしましたように、製造元のシンドラー社から、あれだけの不具合が続く中での説明、謝罪、それから利用者の全体の命を考えた上での協力をするという言葉がいまだにもらえません。
 メーカーにも聞きました。これだけの、港区でシンドラー社の不具合は、港区発表では四十三件も出ている、この不具合に対してどう思いますか、教えてくださいと行きました。でも、メーカー側は警察に協力しているから言えない、もちろんシンドラー社も警察に協力しているから言えない。エレベーターの技術の方に聞こうとしました。しかし、エレベーター業界の中のしがらみがあるからといって何も聞くことができませんし、やはり警察に協力しているから言えない。独立系の方にも聞きましたが、やはり警察に協力しているために言えない。
   〔理事岩城光英君退席、委員長着席〕
 私たち家族は、先ほどもお伝えしましたように、息子があの日からいない、この事実だけを耐えるのみで、あとはずっと聞くことができない。国土交通省は、あのシティハイツ竹芝のあれだけの不具合の中でワーキングチームをつくって対策をしていただいた。しかし、事故原因究明をせずして、対策のみ。議員の先生方からの御指摘がなかったら、一度も事故機を見ずしてワーキングチームが解散してしまうと。そのような状態を聞いたときに、正直言ってもう愕然といたしました。息子の命は何て軽いんだろうと。行政にとって一人の人間の命は何でこんなに軽いのか。
 息子は学校が大好きで、野球が大好きで、レギュラーになって、あの日、あの事故のときに、朝六時半に、授業の前の朝の練習のために、野球の練習のために出かけていきました。そして、いつものように帰宅。エレベーターに乗り、十二階で止まり、扉が開いて降りただけなんです、降りようとしただけなんです。なぜ扉が開いたまま上がったのでしょうか。なぜ三年も事故の原因究明がされないんでしょうか。教えていただきたいんです。
 一人の命だけでないです。もちろん、親としては息子を返せ、息子の命を返せと気が狂うほど訴えたいんですが、それだけではないと赤とんぼの会の皆さんとともに、エレベーターはみんなが使うものであり、だれにでも起こり得る事故だと、私の中でもそういうふうに思っています。ですからこそ、何としても徹底的に原因究明をして、エレベーターの扉が開いたまま上がったり下がったりと安全基準で義務付けられているこの戸開走行、二度と起きない再発防止の一つとなるように調査していただきたいんです。
 どうしても、悔しいという思いは、やはりこの事故は防げたと何度も何度も思ってしまいます。それは、先ほどもお伝えしましたように、エレベーターの不具合が四十三件と出たときに、住民アンケートを取りました。そのときに、事故の隣の同型機が七月から十一月まで二十一件、四か月弱で二十一件の不具合が出たんです。もうこれだけでも調べていただけると国土交通省に期待をしましたが、それでも調べていただけなかった。赤とんぼの会の方と、徹底的な事故の原因究明の調査と、それから独立した中立な事故の調査機関、これを設置していただきたいと訴え続けています。
 今のでいいじゃないかというふうにおっしゃるお友達もいます。しかし、この三年の中で本当にどうしてこんなに進まないのかということを何度も何度も考えると、やはり様々な各省庁の影響を受けない、組織から影響を受けない、そういうところできちんと中立な調査機関として調査をしていただきたい。
 そして、どうしても防げたというもう一つの思いは、シンドラー社のエレベーターは海外でも起きていました。二〇〇二年に香港で起きていました。戸開走行です。それは機種が違うとか、あるいは建物に付けた条件が違うとか、いろんなことをおっしゃいます。でも、エレベーターにとってあってはならない事故が起きているわけです。どうして調べていただけないのか。海外ではすぐに二重ブレーキを設置しました。何で、どうして、日本の中で早急にそういう対応をしていただけなかったんでしょうか。
 それがもしなっていたならば、息子は命を失うことはなかったと思います。事故の前に同じ野球班の同級生のキャプテンから、すべてにおいて信頼できる友達だと言われたと、今でも耳に残っています。とてもうれしそうでした。一生懸命学校行事、そして勉強に、仲間に、人とのかかわりが大好きだった息子、正義感の強かった息子。いまだに何も報告することができないんです。
 先ほどもお伝えしましたが、消費者のための事故の原因究明調査機関をつくっていただきたいんです。エレベーターだけでなくて、あらゆる生活の中で起きる、調査機関でいいのです。
 この悲しみは終わることはないですが、事故は少しでも減らすことができます。どうか先生方、よろしくお願いします。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 独立した調査機関をつくっていくということはみんなでそういうふうに考えているわけですが、私はこの間起きたこのエレベーター問題をおろそかにして、どんなものをつくったって駄目じゃないかなと思っておりますので、今時点のこの昇降機等調査委員会の在り方も含めて、これはきちっとさせることがその独立した調査機関にも生きていくと思いますので、ちょっと金子大臣にお伺いしたいんですけれども。
 まず、先ほどもあったんですけれども、市川さんのところにだれも事故の原因、まあ原因は分からなくても、途中経過も含めてだれも説明にいまだ行っていないと、これはどういうことなんですか。(発言する者あり)
○委員長(草川昭三君) じゃ、小川審議官。
○政府参考人(小川富由君) お答えいたします。
 市川さんからも既に……(発言する者あり)
○大門実紀史君 いいよ、もう座りなさい。
○委員長(草川昭三君) じゃ、金子国土交通大臣。
○国務大臣(金子一義君) まず冒頭に、大変今、市川さんのお母さんから、ダイスケさんのお母さんから事故の痛ましい報告を改めてお伺いいたしました。市川ダイスケさんの御冥福を、あっ、ヒロスケさん、失礼しました。大輔さんの御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に心からお悔やみを申し上げます。
 この事故の対応で、今いろいろな、お母さんから御要請がありました。事故発生直後に国土交通省が実機調査、実機調査というのは実態の、エレベーターをすぐ確保してという意味になりますけれども、調査を行ってこなかったというようなことなど不十分な点がある点を、御指摘を踏まえまして、事故発生直後から警察とも連携しながら、昇降機等の事故発生再発防止の観点から原因調査及び事故再発防止等に係る調査検討、これを行うために、本年二月でありますけれども、常設の昇降機等事故対策委員会を設けたところであります。
 それから、今、国土交通省はお邪魔してないのかということでありますが、平成十九年の三月、市川さん御夫妻、それから港区の区長さん等々と住宅局長お目にかからせて、おととしでありますけれども、お目にかからせていただき、事故原因の究明、いただいております。
 それから、同じく十九年の十一月には、市川夫妻、弁護士さんと国土交通省でこれはお目にかからせていただくといったようなことで……(発言する者あり)全く、全くどうも、国交省と全く連絡はないのかよということについては、そうではなく……
○委員長(草川昭三君) 大臣、分かりました。もうそれで。
○国務大臣(金子一義君) お目にかからせていただいていると思います。
○大門実紀史君 それは何度も要請に伺っていらっしゃるでしょう。私が申し上げているのは、市川さんのお母さんが言われたとおり、一度も事故についての、途中経過でもいいから、内容についてとか原因とかそういうことについて説明がないということを申し上げているんで、無駄な時間つぶさないでくださいよ。何やっているんだ。ちゃんと答えろよ、ちゃんと、聞いていることに。
 じゃ、大臣、これからでも結構ですよ、これからでも……
○国務大臣(金子一義君) 事前にちょっと聞いておいてよ。事前にちょっと聞いておいてくれなきゃ困るじゃないの、それ。
○大門実紀史君 何言ってるんですか、何言ってるの。言ってあるよ、そんなことは。
○委員長(草川昭三君) いやいや、大臣、大臣、議事の整理は委員長がやりますから。
○大門実紀史君 そんなこと当たり前じゃないか、そんなこと。当たり前じゃないか、普通に答えるのが。何言っている。
 じゃ、今からでも遅くないと思いますけれども、その昇降機等事故対策委員会で、市川さんからもありましたとおり、既に事故の前に不具合が出ている、そういうことは皆さんで調査されているんですから、今からでも遅くありませんから、少なくともこの昇降機等事故対策委員会で市川さんたちのお話をまず聞いてもらって、事故原因の究明に、国交省としての事故原因の究明に市川さんたちのやっていらっしゃることを役立ててもらいたいと思いますけれども、大臣の指示で、その委員会に市川さんたち呼んで話を聞くようにという指示をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(金子一義君) 是非それは実現をさせていただきたいと思います。
○大門実紀史君 私、別に、もう国交省随分反省もされているようですので改めてどうのこうのと言うつもりはなかったんですけれども、その余計なことを言う、余計なことで一々一々そうやって何かやってきましたということを示したがる態度を変えなさいと言っているんですよ。素直になりなさいというんですよ、言われたことに対して。
 それで、もう時間がないんで。今日申し上げたかったのは、要するに、二枚目の資料にございますけれども、前回質問でもやったんですが、運輸安全委員会では警察庁と国交省で取決めをしているんです、この犯罪捜査、事故調査というのは対等、協力の関係だと。この原則を、対等、協力の関係だという原則をきちっとしないと、私は、独立した調査機関であろうと何であろうと、結局実践的には現場ではうまくいかないと思っているところでございます。
 もう時間がないんで、じゃ、佐藤さんの方にお伺いしますけど、私は別に、これは運輸安全委員会ですから、航空機等は大きな事故かも分かりませんが、人の命に数は問題ございません。すべてについて、警察庁と、消費者庁とも含めて、消費者庁とも国交省ともこういう覚書を交わすことは別に十分可能じゃないかと、こういう対等、協力の原則を文面にして交わすことは重要だと思いますし、可能じゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 協力関係ということでよろしゅうございますでしょうか。
 警察におきましては、消費者事故を認知した場合には、消費者安全情報統括官の枠組みを活用しつつ、事故の発生状況や被害の程度等の情報を内閣府及び関係省庁へ提供しております。そして、警察といたしましては、今後も、その関係省庁との事故情報を共有して、関係機関との調査に配慮しながら綿密な連携を図ってまいりたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 それは知っているんです。それは知っているんですが、それは前回質問でやったんですけど、要するに、国交省が協力をお願いして、こたえてあげるという関係なんですよ。そうではなくて、この運輸安全委員会というのはほとんど同時に調査に入るわけです、事故調査委員会と。これは別に何条委員会とかいうことじゃなくて、こういうきちっとした覚書を、歴史もあるんですけど、交わしているものですから、スムーズにやって現場でもうまくいっているわけですね。こういうものを今後消費者庁あるいは国交省と交わしていただきたいと、そういう方向はいかがお考えかを聞いているわけですけれども。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生がおっしゃられることは当然のことだろうというふうに思いますし、今後スムーズにいくようなこと等々は警察庁としては決してやぶさかではないというふうに考えております。
○大門実紀史君 警察庁としては構わないということですので、金子大臣、是非交わしていただきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 先ほど市川さんに多少失礼なことを申し上げたかと思いますけれども、やはり本件について、実機がなかなか、警察が物件を押さえますので、国交省は実際の現場検証をできなかったというこういう反省が今回ありました。そこで、今、佐藤長官からもお話しいただきましたように、警察とも文書で取り交わしまして、事故が起こったら直ちに国交省も今度は警察と一緒にすぐ調査へ入れるようにさせていただくという、それは対応として取り交わす、お互いに取り交わすということにさせていただきました。多少、隔靴掻痒の部分が国交省自身にもありましたけれども、これで直ちに事故調査、事故直後から今度は入らせていただけるようになると思っております。
○大門実紀史君 その文書はあくまで協力要請なんです。こういうきちっとした対等、協力の関係の覚書文書ではございませんので、それをちょっと見ていただいて、警察庁の方は交わしても構わないということですので是非検討してもらいたいと思いますし、消費者庁として発足したらまずやっていただきたいのは、組織論とか一元化とかいろいろ言葉ではあるんですけれども、実際にまず警察庁あるいは消防庁とこの覚書をきちっと取り交わしてもらうことが、実効性のある、情報の一元化を含めて重要なことだというふうに思っているんで、ちょっと時間をオーバーしましたけれども、野田大臣、いかがお考えか、是非取り交わしてほしいと私は思うんですけれども。
○国務大臣(野田聖子君) 以前も委員にお答えしたと思いますけれども、現在、消費者事故の原因究明の在り方については国民生活審議会の方で昨年の秋からずっと議論していただいていまして、その中に、今の運輸安全委員会の例を引っ張り出してきて、やはり消費者庁、関係府省庁と警察との間の密接な連携等の実現に取り組むべきであるという御指摘をいただきました。
 私としては、所要の体制整備にしっかり努めてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 五月の連休の後二日、そしてこの間の十二日の日一回とそれぞれ参考人質疑と公聴会がございました。改めて参考人の皆さんあるいは公述人の皆さんからいろんな話を聞かさせていただきました。その中でも私は、相談現場で頑張っておられます相談員の皆さんの厳しい実態を知ることができて大変良かったというふうに思っています。
 今日はそういう参考人質疑あるいは公聴会を受けての一般質疑でありまして、参考人、そして政府、修正発議者、三当事者に対する質疑、今ほどの議論もありましたけれども、大変効果的に目的に沿ってやっておられるということで、こういうことをやっていただいて大変良かったというふうに思っております。
 私は地方消費者行政の充実ということをずっと言い続けてきておるわけでございますが、この間の参考人質疑あるいは公聴会を受けまして、改めて冒頭、地方消費者行政の充実についてお聞きしたいというふうに思うんです。
 冒頭、ちょっともといでありますけれども、私の感想は、地方消費者行政は本当に惨たんたる状況でありますけれども、相談員の皆さんの熱意とかあるいは正義感とかあるいは使命感、これで何とか辛うじて持ちこたえていると。あの人たちはほとんど非正規の立場、期限付の任用の人たちでありますけれども、そういう人たちの献身によって地域の消費者行政が支えられている。ここも本当に何とかしないと駄目だなという、そういう思いを強くしたわけでございます。
 そこで、冒頭お尋ねをしたいというふうに思いますが、今日は修正発議者の皆さんに来ていただきましたけれども、設置法の附則の第四項で、相談員の待遇改善を盛り込んでいただきました。そしてまた、附帯決議の十七で、頑張っている相談員を抱えている自治体についてはいろいろ手当てをすると、こういう附帯決議を付けていただいたわけでございますが、修正発議者の皆さんがこういう附則あるいは附帯決議を作った意図を冒頭しっかりと聞かせていただきたいと、こういうふうに思います。
○衆議院議員(日森文尋君) お答えいたします。
 今、近藤委員おっしゃったとおり、相談員の皆さんは、言わばボランタリーといいますか、そういう精神で消費者行政を支えてきたということが言えると思うんですが、その実態は、実はワーキングプア、官製ワーキングプアと言われるような、極めて劣悪な労働条件の中で仕事をしているということがあるわけです。それを何とかしたいということも地方公共団体あるんでしょうけれども、しかし、御存じのとおり、公共団体、非常にお金がない、財政が逼迫しているという状況の中ではなかなか金も出せないということであるならば、この相談員の人件費等について国が最大限の、可能な限り国が支援すべきだと、そういう趣旨に基づいて規定をいたしました。
 しかも、消費者問題、これから消費者庁ができてますます重要になるわけで、したがって、それを一番末端で支えていく相談員の皆さんの役割がますます重要になってきているということを考えると、相談員に対する支援については、三年間の集中育成・強化期間だけではなくて、その後も国が適切に支援を行うべきだろうという観点から、基金の適切な運用、あるいは設置法附則四項でその後の国の支援の在り方について検討、必要な措置というのを政府に求めるということでございました。
 具体的にちょっと申し上げたいと思うんですが、設置法附則第四項においては、例えば公の施設かあるいは行政機関か、こうしたことを含めて、消費生活センターの法制上の位置付けを明確にしたいと。それから、その適正な配置及びその人員の確保のための全国的な基準として、センターの配置、人員の基準を決めると、そのことの是非について検討しよう。消費生活相談員の待遇の改善のために、国による地方自治体への支援の在り方といった事項について、これはもう地方財政法、この改正も視野に入れて、そういうことを含めた所要の法改正を含む全般的な検討を加えて、必要な措置を講ずること、これを求めていきたいという趣旨でございます。
 それからもう一つ、附帯決議十七においては、基金の適切な運用に関して、できるだけ地方の実態に即して使い勝手の良いものにするとともに、相談員の処遇改善を促す仕組みを設けるために、交付要綱の改正、これも含めて幅広く取組を促進する、これをやっていきましょうということで、全体が一致をして決めたものでございます。
○近藤正道君 大臣にお尋ねをいたしますけれども、この間、各地の消費生活センターを視察されたというふうに思いますし、また、この間の参考人質疑あるいは公聴会の議事録は大臣、読まれましたよね。読んでいただいたわけでございますが、大変厳しい勤務実態でございます。どういうふうに受け止めておられたのか、お聞きしたいんです。
 先ほども午前中議論ありましたけれども、午後の冒頭でしょうか、残業代が払われていないと。私、あれ聞いて、とんでもないことだなと、これは労働基準法に違反しているんではないかと直感的に思いました。先ほど議論がありまして、非常勤職員についても残業代を支払うという、そういう通達がついこの間やっと出たという話でありまして、出たということは結構なことでありますが、しかし、そうすると、今までただ働きをさせていたのかということになりまして、これはちょっとひどいんではないか、やっぱりきちっと周知を徹底をしてやってもらわなきゃ困ると。
 加えて、例えば非常勤の常勤的職員については、条例で上限を設定されますと、そうするとどんなに残業してもその残業手当は出ないと、こういう問題等もありまして、本当にこういうある意味ではでたらめが、私に言わせれば、非常に不合理な制度がたくさん放置されていますね。
 だから、単に残業代を払うようにと、労働者性のある相談員については残業代を払えという通知だけではなくて、そういう上限の報酬が抑えられている、そういう実態についてもやっぱり全面的に私はこの際見直しをしていただきたいと、こういうふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 私は、委員と違って消費者行政にかかわってまだ日が浅いわけですけれども、もうこれは何十年も前から、地方では地域の大切な行政の一つとして位置付けられていたはずなのに、残念ながら、午前中のお話にもありましたけれども、気が付いたら、本来ならば花形の行政でなければならなかったはずが、どうやら片隅に追いやられてしまい、ポストもさることながら、お金の面についても大変わびしい形になってしまっていると。
 昨年の九月に、福田前総理が消費者庁をつくろうというところから始まって、ようやくこの国会の中の審議の中で、多くの人たちが、やはり消費者庁というよりも、地方消費者行政が今どんなに悲惨な状況かということについてつぶさに御理解いただけるようになったと思います。
 私自身も、大臣になって初めて地方の消費生活センターを視察するきっかけをいただいたわけですけれども、何度も重ね重ね申し上げていますけれども、本当に相談員の皆さんの熱意、もうどうにか人を助けてさしあげたいというそういう熱い思いの中で今日まで頑張っていただいたことに本当に頭が下がる思いですけれども、これはもう限界が来ているということは明らかだと思っています。
 そういうことも含めて、やっぱり消費者庁をつくるということは、単に霞が関に二百何人の役所をつくることではなく、やはり地方消費者行政にもう一度スポットライトを当てて、そこで頑張っている人たちが正当にやはりきちんとした雇用環境の中で余裕を持って多くの相談のあっせんができる、そういう環境をつくること。
 もう一つは、やはり地方公共団体の、地方議会とか市町村長さん、ましてや役場の人たちがもう一度改めてこの地方消費者行政というのをしっかりと学び直していただいて、今まで、給料が安いことはもとより、雇い止めとか、全く相談員の人たちの特性というのを分からずに、何かもうひとしく非常勤だからということで雇い止めをしてしまうという、こういうナンセンスなことがまかり通っているわけですから、やはりこういう衆議院そして参議院の審議の中で先生方がおっしゃったことがきちっと地方にフィードバックされるように、私たちも、だからこそやっぱり消費者庁がこれからある意味そういう手助けをしていくんだなと。
 もう一つ、私も地方議会出身者なんであえて申し上げると、地方においてはやっぱりカウンターパートがいなかったんですね、国の。もうみんな縦割りで、それぞれ物によって相手先が違う。農林水産省であったり厚生労働省であったり経産省だったりするということで、やっぱり直接地方がこの行政について取り組んでいくときのパートナーがいなかったということが事実であります。
 そういった意味では、消費者庁というパートナーがきちっと位置付けられることになっているので、国と地方がやっぱり連携をし合って、お互いの切磋琢磨の中で、先生方が修正協議の中で盛り込まれた、特に現場の最前線にいる相談員の人たちが明るく元気よく働けるような環境をつくるということが、ひいては消費者庁をつくった成功の一つになるのではないかと私自身は思っています。
○近藤正道君 すばらしい御答弁だと思います。
 今ほど、後でまた議事録をよく読まさせていただきますけれども、きちんとした雇用関係の中で余裕を持ってちゃんと仕事ができると、そういう環境をつくる、相談員の皆さんが明るく元気で頑張れると、こういう環境のために頑張ると。これ、全国の相談員の人がどんなに喜ぶか、私は今思って、感激をして聞いておりますので、是非、言ったとおりになるようによろしくお願いをいたします。
 その上でお聞きいたしますけれども、交付要綱をこれから作る、先ほど修正発議者に、基金の交付要綱、つまり頑張ったところにはより手厚くお金を配分しますよと、この交付要綱はこれから作られるわけですね。参考人質疑でもあるいは公聴会でも、とにかく金は来るけれども実に使い勝手が良くないと、そんな金だったら私に下さいと、今直ちに下さいというふうにおっしゃった方もいるけれども、是非、現場の実態をちゃんと踏まえて、本当に生きた金の使い方をしていただきたい。
 そういう意味では、交付要綱をどういうふうに作られるのか。まあこれはできた後の話かもしれませんけれども、交付要綱をどういうふうに作りますかというある程度の骨といいましょうか、基本的な考え方をお示しいただけますか。
○政府参考人(田中孝文君) これまでの与野党の修正協議で合意されたように、あるいは先ほど御紹介のありました附帯決議でありましたように、交付要綱においては処遇改善を図る地方公共団体への交付金の配分を手厚くするということを定めるというふうに明記されておりますので、これがいかに実態的になるものになるかということで、今仕組むべく努力しております。
 同時に、先生御指摘のように、使い勝手がいい、現場の使い勝手がいいという形にいかになるかという形で見直すということで、先ほども発言しましたけれども、現在、交付要綱の見直しなり、それから新しい基金の使い方等に関して地方公共団体に説明に行ったりしておりますので、そこのところで御意見を伺いながら決めてまいりたいと思っております。
○近藤正道君 とにかく設置法の附則の四項で、国の地方に対する支援の在り方、所要の法改正を含む全般的な検討を加えると、そして必要な措置を講ずると、ここまで明確に言っているわけでございますので、是非頑張っていただきたいというふうに思っています。
 その上で、ちょっと細かい話で大変恐縮でございますけれども、先日、国民生活センターに行って、いわゆるPIO―NETなるものを私は初めて見させていただきました。改めていろいろ感ずることがございました。
 相談員の皆さんは、相談に応ずるということと同時に、それをそのPIO―NETを使ってやっぱり中央に集中させると。両方とも非常に大事な仕事で、確かに相談業務は地方の自治事務かもしれぬけれども、しかし、PIO―NETに打ち込んで中央に情報を集中させる、これはある意味では国の仕事、むしろ法定受託事務というふうに考えた方がいいかもしらぬ。そういう意味で私は、法定受託的自治事務ではないかと、こういうふうに申し上げたんですが、このPIO―NET、実に使い勝手が、聞けば聞くほど使い勝手が悪い。とにかく物すごく古いんですよね。物すごく古くて、二百字に収めなきゃならぬとか、送るまで時間が掛かるとか、もっと新しくできないかと。この時代に物すごく古くさいものを使って、そのために相談員の皆さんは、そういう余計な、余計って言っちゃおかしいけれども、そういう仕事に膨大な手間暇を掛けさせられる。
 これはもう、まさに大臣のツルの一声で最新鋭のものに差し替える、そしてそのすべての配置をとにかく徹底させると、こういうことを是非やっていただきたいというふうに思いますが、ちょっと細かい話で恐縮でございますが、よろしく御答弁ください。
○政府参考人(田中孝文君) PIO―NETにつきましては、それがいかに古いものであるか、あるいは衆議院の審議ではたしかお粗末なものであるかということで、私ども決してこれは否定しませんでした。二十五年前にできたシステムでありまして、それを継ぎはぎながらやってきました。
 それで、確かに幾つかの面で、例えば入力するのにおっしゃるようにたくさん手間が掛かる等、それから、行政の側としても早くいろいろな事故情報等を知りたいということなんですけど、登録していただくのに今四十日くらい掛かっているという実態がございます。そうしたものをいかに解決していくかということで、今PIO―NETの全面的な刷新というのを行っておりまして、それにつきましては、即時入力が可能であるとか高速検索が可能であるというようなこと、それからあと、今やはり足りないものですから、勤務をする相談員一人当たりに行き渡っていないというところで、この辺についても改善すべくプランを立てておりまして、今、平成二十一年度中には試行運用を開始して、二十二年度から本格稼働したいということで鋭意努力しております。
○近藤正道君 次に、地方の現場、都道府県は何とか頑張ってくれるんだろうというふうに思いますが、市町村、とりわけ町村、ここは大変ひどい実態であります。午前中、下田議員もお話しになっておられましたけれども、これはひどい実態で、むしろ何にもないと、これがむしろ実態なんですよね。ここに、それこそ去年の秋からとにかく急に相当の金が下りるようになったと。
 そこで、この間の参考人質疑の中でも話ありましたけれども、率直に言って、町村ではどういうふうに金使っていいか分からないと。ノウハウもない、インフラもない、何にもないところで、とにかく国で決まったんだから、国会で決まったんだから、この金やるから何とかしろと言われて非常にやっぱり困惑をしている、私は非常にこれは困るんですけれども、しかしこれが現実だという話をやっぱり切々と参考人の方がおっしゃっていた。このまま黙っていると町村に全部丸投げで、結局やること、何やっていいか分からないので、宣伝広告だとかそういうところにみんな金使っちゃって、一番重要な、とにかく人を育てる、こういう肝心なところに金が使われないんではないかということをやっぱり識者の皆さん、大変心配しています。
 ですから、まあ三年以内に見直すといったって、当面はこの一、二年、じゃ、どうするんだという話でございますので、もう少しきめ細かく、実態に合ったモデルを幾つかやっぱり提起をしてやる必要があるのではないか、私はそういうふうに思います。
 そして、私は、全部の町村にこういう消費者センターをつくるということはいかがかなという思いがある。ある意味で、広域的にやっぱりやった方がいいんではないかと。そういう意味でも、広域的なモデルみたいなものもちゃんとつくってやって、とにかくせっかくの金が変な使われ方をされて、つじつま合わせにされてはやっぱり困るわけですよ。
 是非、そういうところについてはしっかりやっていただきたいというその質問が一つと、もう一つは、これをやるには、私、前にも聞きましたけれども、やっぱりトップセミナー、首長さんの意識が決定的に重要ですよね。だって、公聴会に出てきて、うちの町は財政状況が非常に逼迫しているから、こんなもの交付税措置なんかされたって消費生活センターになんか使われませんと堂々と相談員が言っているわけですから、これじゃやっぱり困るわけ、それは。だから、トップセミナーをちゃんとやる。
 それをもうこの秋ぐらいからやってもらわなきゃならぬわけでございますけれども、この二つについて、大臣の決意でも結構でございますので、お聞かせをいただきたいと、こういうふうに思います。
○政府参考人(田中孝文君) 決意は後で大臣に述べていただくことにして、具体的に今何をやっているか、やろうとしているかということについてお話をいたします。
 一つは、まず初めにお断りしておくと、これまで内閣府は地方との間で極めて法律的にきちんとした関係だとかありませんでしたから、どちらかというと助言、指導的なことでやってきたというところがございます。ところが、この度地方の消費者行政というのが消費者安全法できちんと位置付けられております。消費者庁との関係も明確になってございます。したがって、従来以上にしっかりとした結び付き、タイをつくっていかなければならないと考えております。
 したがって、私ども、これまではどちらかというとちょっとした情報提供というようなこととかということだったんですけれども、もう少し踏み出して、地方の自発性に生かせるというところは基本なんですけれども、御指摘のありましたようにこういうことをやろうと思っています。
 まず、市町村を含めた地方公共団体の説明会、それから消費生活センターの業務運営に係る各種マニュアル、要するに全く今までないところが消費生活センター等つくってやるにはどうしたらいいかというのについての標準的なマニュアルがございません。こういうようなものを作って提供したい。あるいは、先ほど言いましたように、先進的な取組の紹介。特に広域的にやっておられるところというのは、これは歴史的な経緯があって、その進め方については地方自治体によって様々なやり方があるようでございますので、うまくいっている例をいかに紹介していくかというようなことで助けてまいりたいと思っております。
 それから、先ほどのトップセミナーというのは、確かに地方公共団体の首長のリーダーシップが不可欠であり、まだそこのところは具体的に考えてございませんが、機会をとらえまして首長の方々に対して訴えかけていきたいと思っております。
○近藤正道君 トップセミナーはちゃんとやってください。それは絶対必要だというふうに思っています。
 時間がありませんので、最後に二つまとめてお聞きしたいというふうに思います。
 一つは、適格消費者団体への財政の支援の問題でございます。
 これは、平成十八年のときに適格消費者団体をつくるときに、衆議院と参議院でちゃんとやりなさいよという決議しているんですよ。しかも、この適格消費者団体の対象範囲を拡大した改正案がなされた平成二十年にも衆議院と参議院で決議しているんです。私は、本当に恥ずかしながら、多少なりともあるのかなと思っていたら、全くないということが分かりまして、大変やっぱり恥ずかしい思いをしています。合計四度も国会の委員会で決議をしているのに、何で財政支援が今まで皆無だったのか、理由を聞かせていただきたい。
 こんな状態で幾ら附則で今度は財政支援をやると言ったって、果たして本当にやるのかどうか。今度は法律だからやるんだろうとは思いますけれども、何で今までしなかったのか。やっぱり、是非これはもうすぐやっていただきたい。このことが一つ。
 そしてもう一つは、設置法附則の第六項に、まとめてお聞きいたしますけれども、これは修正発議者にちょっと聞きたいんですけれども、救済の話ですよね。加害者の財産の隠匿又は散逸の防止に関する制度をつくるということと、もう一つは多数の消費者に被害を生じさせた者の不当な収益を剥奪して被害者を救済する。つまり、財産の保全と違法収益の剥奪、この二つを検討して、そして必要な措置を講ずると、こういうふうになっているんです。
 これは、検討した結果、両方とも、つまり財産の保全と違法収益の剥奪、両方ともちゃんとやりますよ、ただ、やり方についてはいろいろあるんで少し検討させてくださいということなのか。そうではなくて、検討した結果、その中の一部だけやるかもしらぬ、全部やるかどうかはそれは保証の限りではないと。どっちなんでしょうか、聞かせてください。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者団体訴訟制度を導入する際の附帯決議、これに適格消費者団体の活動資金が円滑に確保されるための環境整備に努めることが掲げられていることは認識しています。
 これまで、内閣府では、都道府県別の制度説明会やシンポジウム等を積極的に開催するとともに、制度の内容を分かりやすく説明したパンフレットやポスター等を作成、配布するなどして、制度の周知普及や適格消費者団体の活動の紹介等をすることによって、それによって適格消費者団体が会員や寄附を獲得することにつながるよう間接的に努めてきたところであります。
 民間団体である適格消費者団体に対して直接お金を助成するという話、財政支援ですが、これにつきましては、例えば適格消費者団体が、お金をもらう行政の意向をうかがいながら活動することになったり、助成に頼り切るような収支構造ができてしまうと、いろいろな事情で助成が打ち切られた場合には活動を継続することができなくなるおそれということもございます。様々な問題がある中で、しっかり検討していくことが必要だと私は思っています。
 これから適格消費者団体に対してどのような支援をすべきかどうかにつきましては、やはり制度の社会への定着の度合いとか適格消費者団体に対する社会的な評価、そういうことをしっかり見据えつつ、今回もたくさん国会で御論議いただきましたので、それをしっかり踏まえて検討していきたいと思います。
○衆議院議員(日森文尋君) 附則で書き込んだということですから、衆議院としては何としてもやるぞという決意を示したということをまず御理解いただきたいと思います。
 近藤委員の、どちらなんですかという話がありました。被害者救済なのか、それとも不当利益を剥奪するのかと。これについてはどちらということを決めたわけではありません。どちらも充足できるような、そういう制度について基本的には検討していこうと。
 実際には、全部必要なんですが、例えば課徴金制度の導入を中心に考えていくのか、あるいは、これは民主党さんがおっしゃっていたんですが、団体訴訟制度の導入などを中心に検討していくのか、あるいは父権訴訟、これはアメリカなどで行われていますが、というところを中心に制度化していくのかということについて、衆議院の段階では一番大事なことだと、やらなきゃいかぬということは確認しつつも最終的な結論は出すことができませんでした。しかし、重要性については衆議院が全会一致で確認をしていますし、恐らく参議院の皆さんもそうだと思いますので、これは引き続き幅広く検討していくということで、我々も引き続き努力をしていきたいというふうに思っています。
○近藤正道君 時間が過ぎておりますんで一言だけですけれども、とにかく適格消費者団体に対する支援は速やかに考えてください。よろしくお願いします。
 そして、救済制度でありますけれども、附則で言っていることは財産の隠匿又は散逸の防止だけではなくて、違法収益の剥奪、これ二つをちゃんと検討して措置を講ずるということでありますので、検討した上、一部だけ取り入れてあとはしないということじゃなくて、両方ともとにかくやる、ただ、やり方については少し考えさせてくれ、いろんなやり方があるから考えさせてくれと、私はそういうふうに受け止めておりますので、是非大臣の方からその趣旨を、そういう趣旨だと私は理解していますので、ひとつよろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。
 以上です。
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。最後の質疑者となります。
 四名の参考人の皆様には、午前中から長時間にわたり御出席をいただいておりまして、本当にありがとうございます。
 今回のスタイルは初めての試みでした。通常は、参考人の皆さん、公述人の皆さんはそれぞれ別の機会と、そしてまた大臣を含む執行部の皆さんとのやり取りは別々にされておりましたけれども、今回、参議院においては衆議院と違った審議方法をということでこういったスタイルを理事会で決定していただいて取らせていただきました。若干参考人の皆さんの発言の機会が少なかったかなということもありまして、皆さんに、最後になりましたけれども、本日の議論も踏まえて、また消費者庁設置に関する皆さんそれぞれのお立場からの御期待、そういった点からお述べいただきたいと思っております。そして、最後に野田大臣から、その参考人の皆さんのお述べいただいたことを踏まえて御所見、決意を述べていただきたいと思っております。
 今日は、市川正子さん、かけがえのない大輔さんを亡くされたということで、私からもお悔やみを申し上げます。赤とんぼの会の本当に御活動のとおり、防げた事故ということで、本当に悔やんでも悔やみ切れないところでありますけれども、まさに消費者庁設置の原点でもありますので、私どももその発言を踏まえてしっかりこれから設置に向けて議論を深めてまいりたいというふうに思います。
 前回、参考人質疑、公述人の方のやり取りがあった、それで大臣はその議事録も御覧になったということですけれども、私からも、この相談員の皆さん、第一線でいろいろ御苦労もあるということでしたけれども、活躍される、この相談員の皆さんが思う存分活動していただくことがこの消費者庁設置のもう一つのキーワードになろうかと思いますので、その環境の整備にもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 もう一点、これ通告をしておりませんでしたけれども、前回出て重要な問題が消費者委員会の事務局体制でありました。消費者庁とこの消費者委員会、衆議院の修正協議の中で、同等、権限が強化されたわけですけれども、消費者委員会の委員の人選もさることながら事務局体制、これもまだ衆議院では議論されていなかったので参議院でしっかり議論して、消費者庁が有効に動き出すように今から準備することだということも指摘されておりましたけれども、その点について現段階の御所見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○委員長(草川昭三君) どなたが。
○松下新平君 それは後で。では、最初に消費者庁の事務局体制について。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者庁ができ、そして、決して敵対するわけではありませんけれども、いい意味でのライバル関係として消費者委員会というのが衆議院の修正協議の中で明確に位置付けられたところであります。
 先ほどの話にもありましたように、委員は十五人から十名以内というふうに変えられましたけれども、事務局につきましては、衆議院ではその具体の話は特段出ておりませんでしたが、やはり適材適所で配して、委員会の委員の皆様方が、委員長を始め委員の皆様がしっかり活動でき、やっぱり国民の代表としていろんなことをしていただかなければなりません。
 さっき、中村弁護士からこんなにたくさんやらなきゃいけないんだよという話がありましたけれども、そういうことをしていただくのに十分円滑に作業ができるような人員の配置と、そしてクオリティーの高さというか、質をやっぱりしっかり保っていきたいと思います。
 具体的に何人とかどういう人をというのは、まだこの法律が仕上がっておりませんので、法律成立後にしっかり検討させていただきたいと思います。
○松下新平君 それでは、お待たせしました。参考人の皆さんからの御意見をいただきたいと思います。
○委員長(草川昭三君) では、藤原参考人からお願いしますか。簡潔に。
 藤原参考人、中村参考人、佐野参考人、市川参考人という順番でお伺いします。まず、藤原参考人。
○参考人(藤原和博君) 私は話を限らせていただきます。消費者教育、学校における消費者教育についてなんですが、今日の議論をずっと聞いていまして、ちょっと私は少し残念です。恐らく、このままいきますとお茶を濁されるなというような感じの感覚を持っています。
 なぜかということは午前中に十分にお話ししたと思いますけれども、公民、社会科あるいは家庭科あるいは道徳、そういう教科は時間数がどんどん減っていますので、そこにはほとんど入りません。現場として入らないんですね。幾ら指導要領に一行、二行書いてあっても入らないんです。例えば、教科書に多少一言付け加えられる程度というような感じじゃないでしょうか。あるいは二ページが三ページになる程度。それできちっとした消費者が育成できるのでしょうか、賢い消費者が育成できるのでしょうか。
 それから、もう一つ付け加える教育として、今現在でも、総合の中では環境をやりなさい、環境教育、IT教育、国際理解教育、福祉・ボランティア教育、それから心の教育、命の教育、キャリア教育、金銭教育、起業家教育、食育、こういうもう有象無象、要するに分野に入らないものが全部集まっているわけです。そこにまた消費者教育が加わってどうなるでしょうか。
 私の目にもう未来の姿が映っています。恐らく、一年後ぐらいにまたパンフレットが配られるんだろうなと。一部百円ぐらいのパンフレットで多分千五百万部です。小中高校の子供たちの数です。多分そこに消費者庁の設立と消費者市民社会の実現みたいなタイトルが振られて、教員がこれを生かせると思いますか。無理です。
 それから、石井先生から非常に鋭い指摘もいただきましたよね、更新の時期に研修をやったらいいじゃないかと。残念ながら三十こまなんですね。三十こまの座学ですと、一部はもう通信教育で逃れられるようになっているんです。そういう中で例えば一こま二こま消費者の部がちょっと加わったとしても、それは難しいんじゃないかなと思うんです。
 私は、根本的に、これは本当にいいチャンスなので、消費者庁設立と同時に日本の教育のOSの部分、アプリケーションじゃなくてOSの部分をもっと、個人が人生するときに立ち向かわなければならないリスクをどうマネジメントするかという視点で、もう一度指導要領を個人の視点で再編集しなきゃならないと思うんですね。これは大変な作業です。宗教改革に近いぐらいの感じです。でも、このチャンスにしかできないと私は思っていました。でも、多分この議論の中からはそうはならないだろうなと、パンフレット千五百万部だろうなという、そういう気がしております。
 実際どうしなきゃならないかは前回の委員会でも申し上げましたが、非常に短く申し上げますけれども、クリティカルシンキングですね。要するに、とにかく正解主義で教えるだけではなくて、ディベートとかロープレというのを繰り返して、子供たちに自分が主体的に考える、例えば、赤ちゃんポスト問題はもっと普及すべきなのか、それとも余り普及するともっと子捨てが起こるようになっちゃうのかとかですね。そういうことを中学生が議論できないと思ったら大間違いです。もう中学生、高校生はそういうことを議論できるんですね。日本の教育行政は、むしろ中学生、高校生をなめているんですよ。もっと議論させるべきですね。ディベートとロールプレーを繰り返させるべきです。そして、上手な疑い方、クリティカルシンキングの技術を教えてあげることが僕は最高の消費者教育だというふうに思うんですが、違うでしょうか。
 というようなことで、是非そういう本格的な議論を消費者教育、特に学校教育についてはしていただきたいと思います。
 それが、同じく野田大臣の担当だと思いますけれども、自殺の予防に関しましても、自殺というのは是か非か、あるいは安楽死というのは是か非かというのは、これ議論をやってみますと、つながってくるんですね。実際、私は八年授業をやってそれがつながってくるのをよく見ていますし、そういう議論を中学生や高校生はしたいんですよ。本格的な議論をしたい。ところが、先生たちがみんなそれをタブーにして話ができないようにしちゃうから、だから隠されてそのまま自殺に行っちゃうわけですね。
 もっと、タブーじゃなくて、臭い物にはふたをしろじゃなくて、子供たちに議論をさせてほしいんです。そういう意味でも、自殺自体ももっともっと学校で題材にするべきだと思います。そうしてクリティカルシンキング、つまり複眼的な思考が身に付いた消費者が自立した消費する市民になっていくんだと思うんですね。そこまで本格的な議論を是非お願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 じゃ、中村参考人、簡潔にお願いします。
○参考人(中村雅人君) この審議を踏まえて一点ちょっと私の方で申し上げたいのは、消費者委員会の委員、これから法律が成立したら選ばれると思いますが、どういう人を選ぶかという点であります。
 今まで国の多くの審議会は、産業界、労働界、消費者団体、学者、マスコミなどをバランスよく整えてきました。しかし、この消費者委員会というのはそういう構成でいいんでしょうかということです。消費者委員会というのは、消費者庁も含めた消費者行政を監視しなきゃいけないんですね。意見も言わなきゃいけない。そういう団体であるから、これはやはり消費者目線で、消費者問題の経験と造詣のある人たちで固める、そのくらいの人選を是非やっていただきたいということを一つお願いしておきます。
 最後に、日弁連は、二十年前から消費者庁をつくってくださいということを提言してきた団体であります。ようやく今ここに来て国会の審議が始まり、衆参両院を通じて大変多くの時間、そして多くの議員の皆さんに議論していただきました。
 このお話を聞いていまして一つ感動したのは、一体どこの政党の方が発言されているのかということを全く感じなかったんですね。政党の色が全くなく、皆さん全く統一して、消費者目線でやろうと、新しい行政をつくろうと、こういうことで一致してくださった。大変感動いたしました。
 是非、本当に最後の仕上げをやっていただきたい、今こそやはり天の時、地の利、そして人の和が結実して消費者庁ができるんだろうと、この年こそできるんだろうと思っております。よろしくお願いします。
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 続いて、佐野参考人、お願いします。
○参考人(佐野真理子君) 日弁連が二十年というといつも主婦連は四十七年前ということで申し上げてきましたが、本当にこれで、あと一歩で私たちが長年望んできた消費者庁ができる、そして、私、個人的にですが、これにかかわれたことは非常にうれしく思っております。
 やっぱり主婦連がここ数年運動してきた中で、先ほどから申し上げている、やっぱり事故情報をどうにかしたいという。今日はここにはいらしておりませんけれども、パロマの上嶋さんの息子さんも、あれも情報が一か所に集まっていたらあんなことはなかった。シュレッダーで指を切ったお子さんたちも、情報が一か所に集まって情報提供されていたら二人目はなかった。コンニャクゼリーもそうです。今はハロゲンヒーターの二次被害が起きています。これをどうしたらいいのかという、無駄な事故、事件を起こさないためにはやはりきちんと情報を一元化してそれを出していく、消費者に提供していくことが非常に重要だと思っています。
 やっぱり集め方、先ほど一番最初御質問があった、民主党の先生の、集め方、それは非常に難しいということは分かっておりますけれども、現在できないかもしれませんが、やっぱり将来的には義務化が必要じゃないかなというふうに思っております。
 その中で、今重大事故だけ報告義務があるということですが、今回もそれは政令で決めるという。是非考えていただきたいのが、ここの場ではないかもしれませんけれども、今ある消安法よりかもっと下げていただきたい。だから、死亡、それから後遺症又は三十日ということが決まっているわけですけれども、それをもう少し下げるということによって情報が義務的情報提供、事故報告が義務化されるわけですから、もっときちんと情報が集まるということになるので、その辺も是非考えていただきたいというふうに思っております。
 それから、行政が、これで消費者庁ができることによって行政の考え方が変わるということを非常に期待しております。そして、消費者庁ができるということで、地方の消費者行政も変わるということを私は非常に期待をしているわけです。まだまだ難しいことがたくさん地方の消費者行政にはありますけれども、それはこの機会を逃すことなく、消費者団体全国にありますので、頑張っていきたいというふうに思っております。
 それから、最後にもう一つお願いしたいことがあるんですが、消費者庁ができるということに当たって、障害者の団体、十二団体集まっているところが消費生活センターに関するアンケートを行っております。もうすぐ集計が終わるところなんですけれども、中間で申し上げますと、障害者の方たちが消費生活センターを知らないとか、そこは何をやってくれているところか分からないという結果が出ておりますので、是非広報をしていただきたい。それから、ずっと同じ電話番号でアクセスしやすくと言っておりますけれども、お話ができない方はファクスが必要だということも是非入れていただきたいというふうに思います。
 これから、できたらますます私たちの仕事、監視になるわけですけれども、大きくなってきますけれども、みんなと協力しながら是非いい消費者庁、そしていい消費者委員会をつくっていきたいなというふうに思いますので、是非ここで、四十ぐらいの附帯決議といううわさもありますが、きちんと附帯決議を付けていただいて、是非いいものに最後にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(草川昭三君) 市川参考人、お願いします。
○参考人(市川正子君) 今日はありがとうございました。初めて公の場でエレベーターについて訴える場をいただき、本当に心から感謝しております。
 最後の一言ということで、実は、正直に言ってよろしいですか。先ほど金子大臣が息子をダイスケと呼んだんですね。息子はヒロスケです。この三年間、私は国交省に請願書も十六万の署名も提出し、先ほど言ったようにお会いはしました。でも、何度、会うたびに冷たいなと思って帰ってきたんですが、今日ダイスケと言われたときに、あれは意図的に言ったのか、あるいは本当に間違えたのか、えっ、息子は、まだ私の訴えは届いていないのかと、正直に感想を言わせていただきます。
 この三年間、赤とんぼの会の皆さんと一生懸命、二〇〇八年の一月、吐く息の白くなるほど、手が震えるほどのときに街頭署名という形で素人ながら署名運動に入りました。やはり安全を求める声は本当にこんなに大きいんだと、是非議員の皆様に感じていただきたい、そういうふうに思います。事故の原因究明調査、これはやはり、本当のことをただす、明らかにする、その場所は、各省庁、組織、いろんなところの影響を受けない場所につくっていただきたい。これは本当に消費者庁ができてから一番先にやっていただきたいなと切にお願いしたいと思います。
 あわせて、この三年間の中で思い悩みながら、涙をしながらいろいろ考えている中で、一つ、安全には終わりがないんだと、安全はずっと監視、指導していかないといけないんだと、それには一番適任な消費者庁という場所だと私の中では位置付けしております。どうか、議員の皆様、これからも赤とんぼの会と私たちの訴えにお力添えをよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○委員長(草川昭三君) どうもありがとうございました。
○松下新平君 私も、金子大臣、名前を間違うのも失礼ですけれども、内容も、本当にそういった体制がいまだに続いていると。だからこそ、この消費者担当大臣が強力なリーダーシップの下にやっていくことが期待されるわけですけれども、最後に、野田大臣の御所見と決意をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 今日、参考人の皆さん、長時間お付き合いいただきましてありがとうございます。また、過日は別途時間をつくっていただきまして法案に対しての様々な御意見をいただいたこと、議事録を通じて大変参考にさせていただきましたことを改めてお礼申し上げたいと思います。
 今、主婦連は四十七年、そして日弁連は二十年の消費者庁設置に向けての活動の歴史があるというお話がございました。私は、一昨年の十二月に自民党の消費者問題調査会ができて初めて消費者行政と直接向き合う、そういう時間をいただいたわけで、まだまだ本当に皆様方からするとアマチュアもいいところで、いろいろと物足りないところもたくさんあったと思います。
 ただ、私自身は、福田総理に言われてこの法案をこの国会に提出するに当たって、自分としては大変誇りと自信を持っていたのは、これは、私が所属する自民党の作った法律でもなく、政府が作った法律でもなく、今お話しいただいた様々な参考人の皆さんが何十年にも掛けて積み上げてきたものの集大成であるということから、私自身は、自分の意見ではなく、そういう専門家の皆さんの長年の労苦の末にでき上がった結晶がまさにこの三法案だという思いで邁進することができたことを本当にうれしく思っています。
 また、ねじれ国会と言われる中、修正協議、本当に熱心にしていただきまして、すべての政党が一致して消費者行政を進めていくんだという名の下で、衆議院の方では全党一致でこの法案を通していただきました。大変これは、もう歴史的にもすばらしい金字塔をお立ていただいたと。すべての政党の皆様方に感謝を申し上げます。
 あとは、見識あるこの参議院での審議を速やかに進めていただきまして、まだまだ十二分でないところは、たくさんの附帯決議、たくさんの附則の中でありますけれども、やはり消費者庁というものを産み出して初めて、国民、市民という言葉は定着しているけれども、まだまだ消費者という言葉がしっかりと国民一人一人の中にしっくり根付いていない中、やはりそういう国民の、戦後初めて、明治以来初めての、国民と対峙する、国民のパートナーたる行政組織をつくったということで、大きく日本を塗り替えていきたい、明るく元気な方向へ塗り替えていきたいということを常に願っているところでございます。
 これはもう、産むことが目的ではなく、これから産んで大きく育てることがすべての皆さんにとっての目的であると思っていますので、どうか速やかな御審議と成立に向けての御尽力を心からお願い申し上げまして、私自身、こんなすばらしい仕事に接することができたことを、皆様方に感謝とともに御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。
○委員長(草川昭三君) どうもありがとうございました。
○松下新平君 ありがとうございました。
 お話がありましたけれども、成立目前でありますけれども、また新たな課題も出てまいりました。附帯決議も含めて、しっかり参議院の考えを表してまいりたいと思います。
 本日はありがとうございました。
○委員長(草川昭三君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。どうも本当にありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後五時散会