第174回国会 本会議 第21号
平成二十二年五月十二日(水曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第二十一号
  平成二十二年五月十二日
   午前十時開議
 第一 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国政府とシン
  ガポール共和国政府との間の協定を改正する
  議定書の締結について承認を求めるの件(衆
  議院送付)
 第二 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国政府とマレ
  イシア政府との間の協定を改正する議定書の
  締結について承認を求めるの件(衆議院送付
  )
 第三 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避のための日本国とベルギー王国との間の条
  約を改正する議定書の締結について承認を求
  めるの件(衆議院送付)
 第四 所得に対する租税及びある種の他の租税
  に関する二重課税の回避及び脱税の防止のた
  めの日本国とルクセンブルグ大公国との間の
  条約を改正する議定書の締結について承認を
  求めるの件(衆議院送付)
 第五 金融商品取引法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する
  法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第七 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第八 医療保険制度の安定的運営を図るための
  国民健康保険法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第九 母体保護法の一部を改正する法律案(厚
  生労働委員長提出)
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○本日の会議に付した案件
 一、検察官適格審査会委員及び同予備委員の選
  挙
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、検察官適格審査会委員、同予備委員各一名の選挙を行います。
 つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 検察官適格審査会委員に脇雅史君を、
 同君の予備委員に松山政司君を、
それぞれ指名いたします。
     ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第一 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とマレイシア政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第四 所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とルクセンブルグ大公国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上四件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長田中直紀君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔田中直紀君登壇、拍手〕
○田中直紀君 ただいま議題となりました条約四件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 シンガポール及びマレーシアとの租税協定の改正議定書並びにベルギー及びルクセンブルクとの租税条約の改正議定書は、いずれも現行の協定又は条約の情報交換に係る規定を国際的な基準に沿った内容に改正しようとするものであります。
 委員会におきましては、四件を一括して議題とし、タックスヘイブン問題への我が国の取組の強化、マレーシアの租税情報透明化に向けた取組への評価、シンガポール等でのプライベートバンクを通じた租税回避行為への対応、香港及びマカオの租税情報の透明性の確保、今後の租税条約の締結方針等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、順次採決の結果、四件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) これより四件を一括して採決いたします。
 四件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成           二百二十一  
  反対               〇  
 よって、四件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第五 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長大石正光君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大石正光君登壇、拍手〕
○大石正光君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、世界的な金融危機を受けた国際的な議論等を背景として、我が国の金融システムの強化及び投資家等の保護を図るため、店頭デリバティブ取引等に関する清算機関の利用の義務付け、金融商品取引業者のグループ規制の強化等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、金融規制改革をめぐる国際的な議論の動向、店頭デリバティブ取引等の取引実態と清算集中の効果、証券会社に対する連結規制・監督の具体的内容等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十二  
  賛成           二百二十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第六 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長椎名一保君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔椎名一保君登壇、拍手〕
○椎名一保君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約、いわゆるMARPOL条約附属書T及び附属書Yの改正に対応するため、他のタンカーとの間におけるばら積みの貨物油の積替えを行う一定のタンカーに船舶間貨物油積替作業手引書の作成及び備置き又は掲示、当該貨物油の積替えの際の事前通報等を義務付けるとともに、窒素酸化物の放出規制の対象となる原動機の範囲を拡大する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、油の海上流出事故対策、国益を重視した条約の批准の必要性、船舶の排出ガス等に対する環境対策の現状と課題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十二  
  賛成           二百二十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第七 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長山谷えり子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山谷えり子君登壇、拍手〕
○山谷えり子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、廃棄物の不適正処理の悪循環を早急に是正し、廃棄物に対する国民の信頼を回復しつつ、長期的な廃棄物の適正処理体制を構築するため、排出事業者が行う産業廃棄物の保管に係る届出制度の導入、廃棄物処理施設の定期検査制度の導入、廃棄物最終処分場の適正な維持管理を確保するための措置の強化等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、廃棄物最終処分場の維持管理対策の重要性、建設系廃棄物に係る処理責任の一元化を徹底する必要性、クリアランスされた産業廃棄物の適正処理確保の在り方、廃棄物・リサイクル制度の抜本的な見直しの必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成           二百二十一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第八 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第九 母体保護法の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告及び趣旨説明を求めます。厚生労働委員長柳田稔君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
○柳田稔君 ただいま議題となりました二法律案のうち、まず、医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、医療保険制度の安定的運営を図るため、国民健康保険制度における広域化等支援方針の策定と財政基盤の強化、協会けんぽに対する国庫補助率の引上げ、後期高齢者医療の保険料に係る負担軽減等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院において、施行期日を公布の日に改める旨の修正が行われております。
 委員会におきましては、国民健康保険の広域化及び財政支援の在り方、協会けんぽに対する国庫補助率の更なる引上げの必要性、後期高齢者支援金への総報酬割導入に伴う健康保険組合等の財政負担、医療保険の一元的運用の方向性等について質疑を行うとともに、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、自由民主党を代表して丸川珠代委員より、後期高齢者支援金への総報酬割導入を取りやめること、平成二十二年度において協会けんぽに対する国庫補助率を二〇%に引き上げること、協会けんぽの保険料率を平成二十一年度と同率にするための措置を講ずること等を内容とする修正案が提出されました。
 次に、公明党を代表して山本博司理事より、後期高齢者支援金への総報酬割導入を取りやめること、高齢者の医療費に係る国庫負担の在り方について検討すること等を内容とする修正案が提出されました。
 なお、両修正案は予算を伴うものであることから、国会法第五十七条の三の規定に基づいて内閣から意見を聴取いたしましたところ、政府としては両修正案に反対である旨の意見が述べられました。
 次いで、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して石井準一委員より、自由民主党提出の修正案に賛成し、原案に反対、日本共産党を代表して小池晃委員より、両修正案及び原案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、まず、両修正案はいずれも否決されました。
 次に、本法律案につきましては、可否同数となりましたので、国会法第五十条により、委員長は、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 次に、母体保護法の一部を改正する法律案につきまして、厚生労働委員会を代表して、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 現行の母体保護法では、本年七月三十一日までに限り、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行う者が受胎調節のために必要な医薬品を販売することができることとしておりますが、妊娠、出産等に関する女性の健康支援の観点から、受胎調節の実地指導を効果的に実施できるよう、この期限を延長し、引き続き必要な医薬品を販売できるようにする必要があります。
 本法律案は、こうした状況を踏まえ、その期限を平成二十七年七月三十一日まで五年間延長しようとするものであります。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の趣旨及び内容であります。
 なお、本法律案は厚生労働委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 何とぞ速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) 両案のうち、医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。中村博彦君。
   〔中村博彦君登壇、拍手〕
○中村博彦君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対しまして、反対の立場から討論いたします。
 まず申しておかねばならないのは、マニフェスト至上主義による財政無視のばらまき政策により、我が国の国債や借入金は、平成二十一年度末に約八百八十三兆円となっている状況が、平成二十二年度末には九百七十三兆円にもなることをどのように考えておられるかということです。
 更に申せば、国の借金と地方債を加えた公的債務残高の国内総生産比率は二一八・六%と先進国でも例を見ない状況にあります。国家破綻状況のギリシャでも一〇〇%を超える程度です。
 普天間問題に象徴されるように、国民に約束したマニフェストがいかに空疎空論であったか、国民は期待を裏切られ、あきれ、絶望し、政治に対する信頼感を失うばかりであります。まさに、国民乖離の状況をつくったその罪は甚大であり、現政権に明日はないことをまず申し上げておきます。
 あなた方は、民主党は政治主導と言いながら、政治と金問題では自浄作用のなさをさらけ出し、普天間問題でも沖縄県民を愚弄し、財政無視のばらまき政策では将来世代に大きなツケを残し、本当に情けなく、血涙が出る思いであります。
 さて、日本は長年にわたる政策努力の結果、世界一の長寿国を実現しました。食生活の改善や医療、介護の充実、そして医療保険制度の確立などによって実現したものであります。健康で長生き、人間だれしもの願いであることは言をまちませんが、世界で一番それを実感できるのが日本国民であります。
 しかしながら、今回の国民健康保険法等の改正により、景気の低迷で生活苦にあえぐサラリーマンに過大な負担を強制し、ひいては世界に冠たる国民皆保険の制度にほころびが生じることを大変懸念しています。そもそも、今回の法改正は、新しい高齢者医療制度を含む医療保険制度の全体像が打ち出されないことから生じた一時しのぎの保険財政のツケ回しであることが大きな問題であります。
 政府は、高齢者医療制度改革会議の審議を経て、最終的には平成二十五年度から新たな高齢者医療制度を施行すると言います。これでは余りにも遅く、高齢者を始めとする国民の期待を裏切ったと言わざるを得ません。
 我が国では、大小合わせて三千五百の公的医療保険が分立しています。中には、入院時の医療費が無料だったり、多額の積立金を持っていたり、国から手厚い補助金を受けている国保組合などがあります。ずさんな会計処理や無資格加入が問題になっている全国建設工事業国民健康保険組合、全建国保も国保組合の一つであります。偽装加入が組合員の一五%、一万三千人、従業者五人以上の会社を実体のない個人事業者に分割して七千人以上が不正加入、法人隠しで個人事業所を装う者が六千人。このような国民健康保険制度を悪用した国保組合問題にメスを入れずして、健康保険組合などに後期高齢者支援金を大きく課することは全くもって不合理と言わざるを得ないのであります。
 また、急速に進む高齢化で各制度の財政は厳しさを増しています。市町村国保の多くは慢性的に赤字で、特に過疎化の進む市町村では一般会計で巨額の穴埋めをせざるを得ない状況であります。組合健保も七割が赤字で、組合を解散して協会けんぽに移るところが急増しています。まさに、格差拡大、不公平な諸制度の集合体の状況であります。これらの抜本改革なくして、国民の信頼できる、また持続可能な医療制度になり得ません。
 民主党は、昨年の衆議院選挙までは、後期高齢者医療制度をすぐに廃止し、かつての老人保健制度に戻すか新しい制度をつくると言っていました。しかし、いまだに医療保険制度改革の将来像さえ、何も示されていません。今回の改正、すなわち後期高齢者支援金制度を改正するならば、少なくとも新たな高齢者医療制度の骨格を示すべきではないでしょうか。まさに理念なき制度改正、保険財政のツケ回しにしかならない制度改正は、直ちに撤回すべきものであります。
 後期高齢者医療制度への支援金は、これまで被用者保険、すなわち健康保険組合、協会けんぽ、共済組合から毎年約三兆円に及んでいました。そして、その支援割合は加入者の人数割で決められていました。しかし、平成二十二年度からは、その三分の一に相当する部分に関して、それぞれ組合等の総報酬、すなわち賃金などの総額比例制を導入することに大きな問題があります。満年度で健康保険組合は五百億円、共済組合は三百五十億円の負担増となります。協会けんぽの支援金負担は八百五十億円減少しますが、同時に協会けんぽの支援金への公費負担を九百十億円減少する措置をとっています。つまり、協会けんぽに対する国庫補助を削減し、その分を健康保険組合や共済組合に押し付け、肩代わりさせているものであります。
 健康保険組合は、平成二十二年度予算において過去最悪の六千六百億円の赤字が見込まれるなど、財政は大幅に悪化しており、協会けんぽと同様に拠出金負担に苦しんでおります。こうした状況下での負担のツケ回しは健康保険組合の存続にかかわります。現に、健康保険組合は今回の法案に対し繰り返し反対の意思を表明しています。あなた方はその切実な声が聞こえないのですか。
 また、法改正によって協会けんぽに対する国庫補助率が一三%から一六・四%に引き上げられることになっています。しかし、補助率を引き上げたとしても、従業員が負担する平均の保険料率は八・二%から九・三四%に上昇する見込みであり、全く意味がないのであります。
 これらを金額に換算すると、被保険者一人当たり労使年間四万二千円の負担増になります。さらに、平成二十四年度には保険料率が一〇%を超えることも見込まれております。一昨年来の不況により中小企業は押しなべて経営が悪化し、また従業員は給料が減少しています。こうした厳しい状況の中で、国庫補助率については、法律の本則に上限二〇%と規定されていることから、その上限にまで引き上げるべきです。そして、これらの措置によって保険料率を現状の八・二%に維持すべきであります。
 我が党は、衆議院でも参議院でも、国庫補助率を二〇%に引き上げることとし、保険料率を据え置くことを主眼にした修正案を提出しました。しかし、与党の独断により、まともに審議されず否決に至りました。
 以上、今国会の法改正については、医療保険制度の全体像が見えない中で、政府の御都合主義による、保険者の了解や納得が得られていない改正であり、生活苦にあえぐ従業員に更なる負担を強いることになります。小手先の改革によるツケ回しをやめ、サラリーマンの保険料負担については現状の水準を維持することとし、必要な費用は国庫で負担する、そして、保険財政の立て直しに向けて、高齢者医療のみならず、医療保険制度の全般にわたって早急に検討を行うなど、国民皆保険制度の堅持に向けて国があらゆる努力を尽くさねばなりません。
 鳩山政権では、この法改正にとどまらず……
○議長(江田五月君) 中村君、時間が超過しております。簡単に願います。
○中村博彦君(続) あらゆる政策や考え方が、国民に将来不安を与え、生活弱者へのしわ寄せ、国民生活の破壊となるものであります。
 来る国政選挙においては、この是非を国民に問うことが政権に残された最良の選択であることを強調して……
○議長(江田五月君) 中村君。
○中村博彦君(続) 私の討論を終わります。(拍手)
○議長(江田五月君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 まず、医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百二十  
  賛成            百二十二  
  反対             九十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(江田五月君) 次に、母体保護法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百二十  
  賛成            二百二十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十三分散会