第174回国会 本会議 第23号
平成二十二年五月二十一日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第二十三号
  平成二十二年五月二十一日
   午前十時開議
 第一 エネルギー環境適合製品の開発及び製造
  を行う事業の促進に関する法律案(内閣提出
  、衆議院送付)
 第二 独立行政法人通則法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 戦後強制抑留者に係る問題に関する特別
  措置法案(総務委員長提出)
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○本日の会議に付した案件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、国立ハンセン病療養所における療養体制の
  充実に関する決議案(西岡武夫君外十二名発
  議)(委員会審査省略要求事件)
 一、地球温暖化対策基本法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、国家公安委員会委員、公害等調整委員会委員、日本放送協会経営委員会委員、労働保険審査会委員、社会保険審査会委員及び中央労働委員会公益委員の任命について、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、国家公安委員会委員に山本剛嗣君を、公害等調整委員会委員に松森宏君及び杉野翔子君を、日本放送協会経営委員会委員に浜田健一郎君、澤登久子君及び竹中ナミ君を、労働保険審査会委員に中嶋士元也君及び品田充儀君を、社会保険審査会委員に渡邉等君を、中央労働委員会公益委員に鹿野菜穂子君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百二  
  賛成             二百二  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(江田五月君) 次に、日本放送協会経営委員会委員に小丸成洋君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百三  
  賛成            百九十六  
  反対               七  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(江田五月君) 次に、日本放送協会経営委員会委員に叶井真由美君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百四  
  賛成            百五十一  
  反対             五十三  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(江田五月君) 次に、日本放送協会経営委員会委員に北原健児君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百四  
  賛成            百五十七  
  反対             四十七  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(江田五月君) この際、お諮りいたします。
 西岡武夫君外十二名発議に係る国立ハンセン病療養所における療養体制の充実に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。西岡武夫君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔西岡武夫君登壇、拍手〕
○西岡武夫君 ただいま議題となりました民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党、日本共産党、新党改革、社会民主党・護憲連合及びたちあがれ日本の各派、並びに各派に属しない議員川田龍平君の共同提案に係る決議案につきまして、発議者を代表し、提案申し上げます。
 案文を朗読いたします。
    国立ハンセン病療養所における療養体制の充実に関する決議案
  ハンセン病の患者は、長年にわたる国の隔離政策及びこれに起因する偏見と差別により、多大の苦痛と苦難を強いられてきた。
  国立ハンセン病療養所の入所者は、視覚障害等のハンセン病の後遺障害に加えて、高齢化に伴い、認知症や四肢の障害等を有する者が増加している。
  国は、平成二十年六月に成立した「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」の趣旨を踏まえ、国立ハンセン病療養所における入所者の療養の質の向上を図り、入所者が地域社会と共生しつつ、良好かつ平穏な療養生活を営むことができるようにするため、その責任を果たす必要がある。
  政府においては、国の事務及び事業の合理化及び効率化の必要性は理解しつつ、入所者の実情に応じた定員及び療養体制の充実に万全を期すべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本決議案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十八  
  賛成            百九十八  
  反対               〇  
 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(江田五月君) ただいまの決議に対し、厚生労働大臣から発言を求められました。長妻厚生労働大臣。
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕
○国務大臣(長妻昭君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。
 政府としては、ハンセン病患者や元患者の方々が強いられてきた苦痛と苦難に対し、深く反省し、率直におわびを申し上げるとともに、多くの苦しみと無念の中で亡くなられた方々に哀悼の念をささげるものであります。
 国としては、ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律等に基づき、ハンセン病の患者であった方々が受けられた精神的苦痛の慰謝と補償、そして名誉回復と福祉の増進などを図るために様々な取組を進めてきたところであります。
 また、国立ハンセン病療養所の入所者の方々におかれては、ハンセン病の後遺障害に加えて、高齢化に伴う疾患等を有する方が増加しており、政府といたしましても、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律に基づき、必要な施策の充実に努めているところであります。
 入所者の方々が引き続き良好かつ平穏な療養生活を営むことができるようにするための基盤整備は喫緊の課題であるとの認識の下、政府といたしましては、ただいまの御決議の趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。(拍手)
     ─────・─────
○議長(江田五月君) この際、日程に追加して、
 地球温暖化対策基本法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。小沢環境大臣。
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) ただいま議題となりました地球温暖化対策基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 地球温暖化は、世界全体で協力して対処すべき人類共通の課題であり、我が国は、国際的なリーダーシップを発揮しつつ、地球と日本の環境を守り、将来に向けて発展し続ける社会をつくるために全力を挙げて努めていくことが必要であります。
 そのため、温室効果ガスの排出量に関する中期目標について、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的な枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提に、二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%削減という野心的な目標を掲げ、地球温暖化の防止のための二〇一三年以降の次期枠組みの構築に向けて議論を前進させてまいりました。また、二〇五〇年までに一九九〇年比で八〇%削減という長期目標も掲げており、更なる排出削減を目指してまいります。
 我が国において、この中長期目標を達成するためには、あらゆる政策を総動員して、日々の暮らし、地域づくり、物づくりといった広範な分野で、経済活動や国民生活の在り方の転換を促進しつつ、世界に先駆けて脱化石燃料化等を図ることにより、温室効果ガスの排出の量をできる限り削減し、吸収作用を保全・強化し、かつ、地球温暖化に適応することができる社会を実現していかなければなりません。そして、そのための取組は、経済の阻害要因となるのではなく、むしろ経済成長を牽引し、新たな産業の創出を通じた雇用の増大、国民の暮らしの豊かさの実現につながるものであると確信をいたしております。
 このような考え方の下、我が国が推進すべき地球温暖化対策の基本的な方向性を明らかにし、環境と成長が両立したエコ社会の実現に向けた第一歩を踏み出していくために、地球温暖化対策に関し、基本原則と各主体の責務を明らかにするとともに、温室効果ガスの排出の量の削減に関する中長期的な目標を設定し、地球温暖化対策の基本となる事項を定める本法律案を提案した次第でございます。
 次に、地球温暖化対策基本法案の内容を御説明申し上げます。
 第一に、地球温暖化対策についての基本原則を定めております。具体的には、地球温暖化対策は、温室効果ガスの排出の削減、吸収作用の保全・強化、そして地球温暖化への適応ができる社会の構築を目指すものであり、豊かな国民生活と産業の国際競争力が確保された経済の持続的な成長を実現しつつ行うべきである旨を第一の原則として掲げております。第二の原則として、地球温暖化が人類共通の課題であることにかんがみて、国際的協調の下に積極的に推進することを掲げております。そのほかにも、研究開発とその成果の普及、地球温暖化の防止等に関連する産業の発展と就業機会の増大、雇用の安定、エネルギー政策との連携、事業者及び国民の理解を得ることなどについても基本原則として規定をしております。また、これらの基本原則を踏まえ、国、地方公共団体、事業者及び国民について、それぞれの役割に応じた責務を定めております。
 第二に、昨年九月の気候変動首脳会合における鳩山内閣総理大臣スピーチ、コペンハーゲン合意に基づき我が国が気候変動枠組条約事務局に登録した目標を踏まえ、我が国の温室効果ガスの排出量についての中長期的な目標を定めております。具体的には、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的な枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提として、二〇二〇年において一九九〇年に比べて二五%削減の達成を目指すこととしております。また、長期的な目標については、二〇五〇年において一九九〇年に比べて八〇%削減の達成を目指すこととしております。さらに、再生可能エネルギーの供給量について、二〇二〇年において一次エネルギー供給量の一〇%に達することを目標としております。
 第三に、地球温暖化対策についての基本的な方針等を定める基本計画を策定することとし、これに基づき、政府一体となって地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進していくこととしております。
 第四に、国が講ずべき基本的施策について規定しております。まず、国内排出量取引制度を創設することとし、そのために必要な法制上の措置について、この法律の施行後一年以内を目途に成案を得ることとしております。次に、地球温暖化対策のための税について、平成二十三年度の実施に向けた成案を得るよう、検討を行うこととしております。さらに、再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度を創設することとしています。これら三つの主要な制度の構築に加え、原子力に係る施策、エネルギーの使用の合理化の促進、交通に係る施策、革新的な技術開発の促進、教育・学習の振興、自発的な活動の促進、地域社会の形成に当たっての施策、温室効果ガスの吸収作用の保全・強化、地球温暖化への適応、国際的協調のための施策などを行うこととしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大久保潔重君。
   〔大久保潔重君登壇、拍手〕
○大久保潔重君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の大久保潔重でございます。ただいま議題となりました地球温暖化対策基本法案に対し、会派を代表して質問させていただきます。
 本題に入ります前に、私は日本の最西端である長崎県の出身であります。長崎県の離島・半島地域から海を介して西方を眺めれば、朝鮮半島から中国大陸が広がっております。その大陸内部の砂漠から偏西風に乗って飛来する黄砂現象は、私が幼少のころは郷土の春の風物詩でございました。しかし、近年は、まさに迷惑千万、その頻度や被害が拡大しており、発生原因はこれまでの自然現象から人為的要因との指摘もなされております。
 また、地元において度々観測される酸性雨や光化学オキシダントなどの越境大気汚染や、南西から海流に乗って海岸に打ち寄せる外国製由来の漂流・漂着ごみ、さらには大村湾や有明海などの閉鎖性海域の水質保全など、常に監視を厳しくしながら地域の環境問題に取り組んでいかなければならない立場にいる中で、今回、今や待ったなしの世界的な課題であります地球温暖化対策に関し、与党を代表し、本会議に初登壇する機会を与えていただきましたことに、改めて先輩並びに同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
 さて、去る五月十二日の気象庁の発表によりますと、国内で観測している温室効果ガスの二酸化炭素について、二〇〇九年は大気中濃度の年平均値が観測史上最高になりました。一九八七年以降、都市化の影響が少ないポイントで定点観測を行っているにもかかわらず上昇傾向が続いておりますが、これは経済発展に伴うエネルギー需要の増加などで化石燃料の使用による二酸化炭素の排出が続いており、国内でも上昇傾向が収まる兆しは見られないというのが気象庁の見解であります。
 申すまでもなく、鳩山総理は昨年九月、総理就任後初めての国際的舞台である国連の気候変動に関する首脳会議に出席され、日本は温室効果ガスの排出量を二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%削減するとの野心的なスピーチをされました。この二五%削減は鳩山総理の国際公約になったわけでありますが、これに対し、電力産業など関係業界が衝撃を受けたのは記憶に新しいところであります。
 そこで、鳩山総理にお尋ねします。当時、経済界など業界団体からの強い反対が予測される中、世論的にも目標が時期尚早かなと推測される中、こうした野心的なスピーチを抜き打ちでされたそのねらいは何であったのか、是非お聞かせください。また、今回の地球温暖化対策基本法の成立によって排出量削減の実現をどう図っていくのか、総理の自信のほどを明確に語っていただきたいと思います。
 法案の趣旨説明に当たり、小沢環境大臣は、地球温暖化は世界全体で協力して対処すべき人類共通の課題であり、我が国は国際的なリーダーシップを発揮していくとの決意表明をされました。その決意は了でありますが、具体的にどのようなリーダーシップを発揮されるのですか。また、世界各国の協力を取り付けるために当面どのような取組をなされるのか、環境大臣にお尋ねをいたします。
 法案には、中期の目標だけでなく、長期目標として五〇年度までに八〇%削減を目指すことが明記されました。また、一次エネルギー供給に占める太陽光発電などの再生可能エネルギーの割合を二〇年までに一〇%に引き上げる目標も掲げられました。さらに、目標達成の仕組みとして、温室効果ガスの国内排出量取引制度の創設、地球温暖化対策税の導入、再生可能エネルギー発電の全量固定価格買取り制度の創設なども盛り込まれました。今からちょうど二年前、当時の参議院環境委員会での地球温暖化対策に関する議論を思い起こすにつけ、前政権下では踏み込めなかったこれらの内容が明記されたことは、実に画期的であると同時に評価をするものであります。
 しかしながら、今日までの専門家の方々の識見なども参考にしながら、この法案が抱えている幾つかの不明点をクリアにするために質問を続けさせていただきます。
 まず、国際的枠組み条項についてでありますが、第一条には、すべての主要な国が参加する公平なかつ実効性が確保された国際的枠組みの下に取り組むとの規定があります。では、国際的枠組みが構築できなければ、この法律は無効になるのですか。小沢環境大臣の御見解をお示しください。
 次に、第三条七項の経済活動条項についてでありますが、経済活動及び国民生活に及ぶ効果及び影響について事業者及び国民の理解を得つつ、適正な財政運営に配慮しながらと規定しておりますが、この表現だと、仮に経済活動に影響が大きい場合は温暖化対策を後退させてもよいと解釈される余地が生じるのではないかとの懸念を持ちますが、小沢環境大臣の素直な御所見をお伺いいたします。
 さらに、国内排出量取引制度の創設に関してお尋ねいたします。
 政府は、国内での温室効果ガス排出事業所に総量規制に沿った削減枠を定め、削減コストが高い企業は低い企業から排出枠を購入するなどの取引をする中で排出量削減を着実に実施しようとしております。
 ところが、第十三条の三項で、排出量の総量の限度として定める方法を基本としつつ、生産量その他事業活動の規模を表す量の一単位当たりの温室効果ガスの排出量の限度として定める方法についても、検討を行うと規定をしております。この内容だと、必ずしも総量規制にこだわらず原単位方式の選択肢もあるように考えられますが、あくまで総量規制を貫くのかどうか、環境大臣の御見解をお聞かせください。
 このほか、第十六条の原子力条項についてお尋ねをいたします。
 地球温暖化対策の必要な手段として、クリーンエネルギーである原子力に係る施策を推進するのは理解できますが、全面的に原子力に依存するのが果たしていかがなものか。他の再生可能エネルギーの開発が進捗しないのではないかなどの心配をするわけであります。今後の原子力とのかかわりについて、小沢環境大臣の御見解をお聞かせください。
 今回の地球温暖化対策基本法案は、温室効果ガス削減への道筋を付けるための理念法であり、これから政府が具体的に定める基本計画を決定して初めて実現に向けての一歩を踏み出すわけであります。基本法を生かし、日本を本格的な低炭素社会に構築するには、基本計画が大変重要であると考えますが、基本計画作成に当たっての御決意並びに今後の作成に向けた段取りについてお示し願えたらと思います。
 最後になりますが、私は三年前、国民生活が第一をスローガンに掲げ、議席を与えていただきました。今後も炎のチャレンジャーとして国民生活を守ることを第一義に、さらには、地球を守ることも意識しながら、シンクグローバリー、アクトローカリーを地道に実践し、国民の皆さんの負託にこたえるよう頑張ってまいる所存でございます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 炎のチャレンジャー大久保議員にお答えをいたします。
 まず、二五%削減目標を掲げたスピーチのねらいについてのお尋ねでございます。
 気候変動問題に対してしっかりとした道筋を付けるということが今を生きる私たちの責任であると、そのように自覚をしております。二五%削減という意欲的な目標は、昨年の選挙の際の民主党のマニフェストの中にも掲げております。昨年の九月、国連の気候変動首脳会合において、私は率先して二五%削減という意欲的な目標を表明したことによって、COP15を失敗させてはならないというモメンタムが高まり、結果としてCOP15では、私も参加をいたしましたが、首脳級の協議の中でコペンハーゲン合意の策定につながったわけでございます。一言で申し上げれば、トップダウンでやらないと地球の命は守れない、このことでございます。
 地球温暖化対策の基本法による排出量削減の実現についてのお尋ねでございます。
 我が国の温室効果ガス削減目標を達成するため、本法案に規定されているキャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度、地球温暖化対策のための税、さらには再生可能エネルギーの固定価格買取り制度など、あらゆる政策を総動員をして実現を目指していく決意でございまして、日本の高い技術力をもってすれば環境技術で必ず世界をリードできる、このように確信いたしているところでございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) 温暖化問題に関する我が国のリーダーシップの発揮及び当面の取組についてお尋ねがございました。
 我が国としては、コペンハーゲン合意を基盤として、すべての主要国が参加する公平かつ実効的な枠組みを規定した法的文書の速やかな採択を目指して、国際交渉の進展に貢献してまいる所存でございます。このため、二五%削減目標を掲げ、主要国の意欲的な目標の合意を目指して働きかけてまいりたいと思います。また、途上国支援に際しましては、鳩山イニシアティブを積極的、機動的に活用して、国際交渉の前進に努めてまいります。さらに、多国間での交渉に加えて、二国間での会議等においても、各国の積極的な取組を促してまいります。
 先般、ボンで開かれました閣僚級会合においても、全体会合でスピーチを行うほか、中国、米国等と会合を重ねてまいりました。国際交渉をリードするためには、我が国が率先して対策に取り組むことが必要であると思っております。その観点からも、地球温暖化対策基本法案の早期成立を是非ともお願いしたいと思います。
 国際的枠組みが構築できなければ、この法律は無効になるのかとのお尋ねがございました。
 法案の第一条の規定は、地球温暖化を防止するためには世界全体で協力して対処していかなければならないことを示したものでございます。国際的枠組みが構築できなければ、この法律が無効になるという趣旨ではございません。すべての主要国が参加する公平かつ実効性ある国際枠組みの構築に向けて、最大限の努力を傾けてまいります。
 経済活動に影響が大きい場合は温暖化対策を後退させてもよいとの誤解を生じないかとのお尋ねがございました。
 法案第三条第七項の規定は、温暖化対策は経済活動や国民生活に様々なプラスの効果やマイナスの影響を及ぼすことがあるため、政府として産業界や国民にしっかりと説明をし、意見を聞いて、理解を得ながら進めることの重要性を示したものでございます。経済活動に影響が大きい場合には対策を行わなくてよいと、そういう趣旨では全くございません。
 国内排出量取引制度についてお尋ねがございました。
 制度設計の詳細は今後の課題でございますが、排出量取引制度は排出の全体量をコントロールするという点において極めて有効な手段だと考えております。そのため、全体の総量を着実に削減できる範囲で、補足的に原単位をどのように活用できるかも検討しながら、総量削減を基本とした制度を設計、導入をしてまいりたいと思います。
 再生可能エネルギーの普及と今後の原子力のかかわりについてお尋ねがありました。
 地球温暖化対策を推進する上では、再生可能エネルギーの導入拡大などに加え、発電過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電もその重要な施策の一つでございます。安全の確保を旨として、国民の理解と信頼を得て推進することが必要と考えています。当然のことながら、再生可能エネルギーの導入拡大も重要であり、基本法案においては、二〇二〇年までに一次エネルギー供給ベースで一〇%とする目標を明記したところであり、積極的に施策を進めてまいります。
 基本計画の作成に当たっての決定及び今後の段取りについての御質問がございました。
 地球温暖化対策基本法案に位置付けられた施策を具体化し、その総合的、計画的な推進を図るため、しっかりとした基本計画を策定してまいります。
 環境省としては、二五%削減に向けた対策、施策を盛り込んだ中長期ロードマップの試案を既にお示しをしてございます。関係団体や国民の皆さんと意見交換を行いつつ、関係省庁との調整を行って内容を精査してまいります。そして、基本法案の成立後、政府としての基本計画を具体化してまいりたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) 加納時男君。
   〔加納時男君登壇、拍手〕
○加納時男君 ただいま議題となりました地球温暖化対策基本法案について、私は自由民主党を代表して、鳩山総理並びに関係大臣に国益を考える立場から質問をいたします。
 鳩山総理は、就任早々、国内的議論もないまま、国連の会合で国内の温室効果ガス排出量を二〇二〇年には一九九〇年比で二五%削減すると発表されました。その後、デンマークで開催されましたCOP15では、総理の存在感は薄く、政府が考えていたような成果は得られませんでした。産業界や労働団体を始め各方面から政府の地球温暖化対策を不安視する声が上がってきているにもかかわらず、議論を深めることもないままにこの度の法案提出となったことは極めて遺憾であります。
 そもそも、この二五%という数字にどれほどの根拠があったのでしょうか。
 総理は、国連演説で、科学が要請する水準に基づくものとして二五%削減と発言しておられます。その後、国会質疑等で、これはIPCCの知見を大きなよりどころにしていると言っておられます。ところで、私、読みましたIPCCのレポートには、二五%削減を要請するとはどこにも書いてありません。IPCCは、あくまでも様々な知見を集め多数のシナリオを提供する組織と理解しております。このような理解でよろしいですか。総理に伺います。
 我が党が政権にあったとき、様々なモデルとシナリオを多くの審議会で、しかも公開で議論いたしました。技術開発の可能性も含めて、ぎりぎりの挑戦目標としたのが二〇二〇年に二〇〇五年に比べて一五%削減というものでありました。今回の政府案は、一九九〇年比二五%削減ですから、これを二〇〇五年比にしますと三〇%の削減となり、実に自民党の案の二倍になるものであります。そこで総理に伺います。真水分は一体そのうち幾らなんでしょうか。そして、国民の負担は幾らになりますか。
 小沢環境大臣は、三月三十一日にロードマップの大臣試案を発表されました。これは、ある大学の一人の教授の作成されたモデルによって二五%削減の影響を分析したものがメーンとなっております。それによると、二五%削減しても経済や雇用にプラスになるとしています。これはおかしいのではないかということで、小沢環境大臣に伺います。
 この大臣試案は、数あるシンクタンクや専門機関のモデルの中からなぜ特定のモデルを選んだのですか。都合のいい試算だったからですか。このモデルは、各省の大臣や専門家と議論、調整したものですか。環境省の中期モデルに関する専門家検討委員会がありますが、これは何回開催しましたか。また、このモデルについて、今後オープンな場で議論していくと衆議院で小沢環境大臣もこの大学教授も発言しておられますが、では伺います。今日までに具体的にどのような場で何回議論してこられましたか。そして、その結果、どのような知見や意見があり、これをどのように反映しておられますか。
 総理に伺います。閣僚の中には、厳しい規制を掛けると技術も経済も進歩すると言って、マスキー法のときの対応を例示する方がおられます。あれは、公害という、現実に被害が生じ、かつ因果関係が明確になったため、世論の強力な後押しがあってあれは成功したことは私も認めます。しかし、このことと地球温暖化とは同列にならないのではありませんか。全く違うんです。日本だけが突出した厳しい目標を掲げても、世界全体で対応しないと意味がないのではありませんか。
 最近、民主党の幹事長は、百四十三人もの国会議員をお連れになって中国を訪問されました。規制が技術と経済を進歩させる、盛んにそうおっしゃる方がおられます。そうお考えならば、総理は、党の代表として、米国や中国に大勢で出かけて大幅な削減目標を作るよう説得するお考えはありますか。
 この二五%削減には、すべての主要国が公平で実効性ある国際枠組みや意欲的な目標などで合意できた場合との前提が付いています。前提が満たされるまでは発効せず、その前提が満たされて初めて発効するという、言わば停止条件付の珍しい法律であります。このような停止条件付の数値目標を掲げた法律はこれまで我が国にはなかったと、委員会では内閣法制局から回答がありました。
 その上で総理に伺います。主要排出国である中国やアメリカは、意欲的な目標を示していますか。前提条件が成立しない場合はどうなるのですか。当然、中期目標は廃止又は訂正されるのでしょうか。この二つの前提条件はいつまでにだれが認定し、何をもって満たされたとするのでしょうか。長期目標については法案に記述があります。なぜ長期目標には前提条件が付いていないのですか。中期目標の前提条件がクリアされなくても、長期目標のために各種経済施策をやるというふうに法律に書いてありますけれど、これはおかしいんじゃありませんか。むしろ、中期目標をないがしろにするものではありませんか。
 次に、個別施策について環境大臣にお尋ねをいたします。
 国内排出量取引制度や地球温暖化対策税は一年以内に関連法を整備すると法案に書いてあります。これについて、環境省、経済産業省、外務省といった省庁間の意思統一は図られておりますか。特に、排出量取引では、排出の上限を総量目標にするのか、効率を重視する原単位方式も認めるかで閣僚間でも意見が対立したため、この法案には両論が併記されたと新聞では報じています。どのような議論があったんですか。具体的には、じゃどうされるのですか、伺います。
 次に、再生可能エネルギーについてお伺いをします。
 自然循環型で地産地消、クリーンなイメージを持って人気のある再生可能エネルギー、私はこれの熱烈な応援者のつもりであります。我が党も積極的に応援してきております。しかし、密度の薄いエネルギーであるためコストが高く、さらに自然や天候等に影響されるため稼働率が決定的に低い上に、出力変動が激しく、大規模化すると電力系統に実害を及ぼすことが世界各地で報告されております。この短所を補い長所を生かす、このためには、蓄電池の設置ですとかスマートグリッドの開発が急務だと考えられますが、どのように対処されますか。そして、その費用負担はどうするのですか。経済産業大臣に伺います。
 補助したり高値で買い取ってもなお将来に向かって市場競争力の期待が薄い太陽光について、手厚い保護策は電力料金の高コスト化を招き、国民負担が巨大化するという意見があります。外国を見ても、国内産業を支援しようといった目算が狂って、外国の製品が流れ込んできて国民から非難が高まっているドイツのような国もあります。また、再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度は、投資するお金のない貧者から金を集め、投資できるお金持ちに所得移転をするものだという批判もあります。これについてはどう考えられますか。総理に伺います。
 再生可能エネルギーについて、ドイツやデンマークが熱心で成果を上げているのに対して、日本は遅れていてとても惨めだといった新聞論調が一部に見られるのは、とても惨めなことでございます。そこで伺います。今例に挙がったドイツとデンマークでは、発電した電力量の基は何ですか。燃料別内訳を聞きます。太陽光、風力、水力、天然ガス、石炭、原子力、これだけで結構ですから、これについて、この二か国だけで結構です、ウエートの高い順に、キロワットアワーで見て何%なのか、高い順に示してください。経済産業大臣に伺います。
 原子力発電の活用について伺います。
 私どもは、原子力発電は二酸化炭素をほとんど出さず、今後のエネルギー安全保障と環境政策では有効な手段であると考えております。しかし、社民党は原子力推進の立場ではないと記憶しております。この度の政府案には原発の推進が盛り込まれましたが、社民党の脱原発はどうなるのでしょうか。福島党首率いる社民党は与党入りした途端に妥協が目立っています。福島大臣は、閣僚としての立場と党首としての立場をその場その場で都合の良いように使い分け、結果として何を言っているのか分かりにくい答弁が続いています。野党時代のあの歯切れの良い福島党首は一体どこに行かれたのですか。
 社民党党首でもある福島大臣に伺います。この法案にある原発活用推進にあなたは賛成ですか、反対ですか。党首としては反対、閣僚としては賛成などとぬえのような答弁はせずに、イエスかノーかではっきり答えてください。
 さて、衆議院での議論だけでもいかに政府案が穴だらけで実効性がないものかが見えてきました。議論はいよいよこれからだというところでの審議打切り、強行採決は極めて遺憾であります。繰り返しになりますが、政府の掲げる削減目標は、根拠が乏しい上にかなり厳しいものであると言わざるを得ません。何度政府の説明を聞いても、この数値は国民生活の多大なる犠牲の下でしか達成できないものではありませんか。
 温暖化対策とは、今や次世代のエネルギーをめぐり国益を懸けた闘いでもあります。各国とも経済力、技術力、持てる力を出し切って熾烈な闘いを展開しているのが現実であります。
 政府案では、我が国の国力は取り返しの付かないところまで衰退してしまうおそれがあります。現に、鳩山政権の温暖化政策に見切りを付けて国外に活路を見出す企業も出てきております。しかし、企業は国外に逃げることができても、働いている人たちは、労働者は逃げるわけにはいかないのです。このままでは日本が危ないのです。それゆえに、この質問の冒頭でも述べましたように、多くの産業団体や労働団体も、二五%という削減目標に強い不安、懸念と反対を表明しているのです。
 先週、五月十四日付けの産経新聞に電子アンケートの調査結果が載っていました。それによると、二五%削減という中期目標については妥当でないが九三%、厳しい目標を掲げると経済成長につながるとは考えられないが九二%となっています。
 結びに入ります。
 鳩山総理、あなたには、激しい国際競争の中で経済と環境の同時実現を求めて苦悩している経済界の声、額に汗して働きながら価値を生み出すべく日夜努力している労働者の声、そして一日一日懸命に生きている国民の叫びが聞こえないのですか。雇用を増やしながら温室効果ガスを二五%も削減などという耳触りだけ良くて現実を無視したバラ色の公約を、普天間に続いて今再び国民に提示しようとしているのがこの法案です。しかし、国民は政府のそのようなやり方にはもはや決してだまされることはない、このことを申し上げて私の質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 加納議員にお答えいたします。
 まず、IPCCの役割でありますが、地球温暖化に関する最新の科学的知見についての様々な研究成果を政治的に中立な立場から評価をするものでありまして、基本的には御指摘のような組織であると認識をしております。IPCCの第四次評価報告書では、百七十七のシナリオを評価をして、温室効果ガスの安定化濃度別に六つの区分に分類したと認識をしております。
 二五%の削減目標は、こうした科学の知見に基づいて、気温の上昇を最も抑えるカテゴリーの中で最も緩やかな削減目標を採用するというミニマックスの考え方によって政治的な判断をいたしたわけでございます。国益も大切でありますが、地球益も併せて考えなければなりません。
 二五%の削減目標のうちの真水の分と国民の負担についてのお尋ねでございますが、二五%削減目標のうち、真水の国内削減分と海外の排出枠購入分などとの割合については、国際交渉の状況も踏まえながら検討していくことでございます。いたずらに海外に依存したいと、そのようには思っておりませんで、できる限り真水を増やしたいと考えております。
 また、国民の負担については参考となり得る様々な試算が示されておりますが、今後、地球温暖化対策に関する基本計画の策定の際に、国民の皆様の御意見を幅広くお聞きしながら議論を深めてまいりたいと考えております。
 大幅な削減目標のための米中に対する説得についてでございますが、我が国におきましては、一九七〇年代に自動車の排ガス規制が強化をされ、規制による国際競争力の阻害に対する懸念にもかかわらず、技術革新により世界一厳しい排出基準を達成をして企業の国際競争力の強化をもたらしたという事例がございます。
 我が国としては、このような経験も踏まえながら、世界全体の排出削減に資するように、これからも米国、さらには中国に対して引き続いて協議を進めてまいりたいと考えております。
 その中国や米国の目標についてのお尋ねでございますが、米国の削減目標は、二〇二〇年について、我が国の目標と比較した場合には決して十分とは考えられません。米国の目標の背景にある二〇五〇年までに約八三%削減という要素と併せて考えれば、一定の評価も可能だとも思っております。アメリカが関連法案を成立をさせ一層の取組を行うことを強く期待しておりまして、アメリカの議会での関連法案の審議の行方を見守ってまいりたいと思います。
 中国の削減目標に関してでありますが、各国の排出量のピークアウトを早期に実現させ、二〇五〇年に世界全体の排出量を半減させるとの観点からは不十分だと考えております。私自身も会談の場、その都度その都度で中国側に更なる努力を要請しているところでございます。
 前提条件が成立しない場合の中期目標に関するお尋ねでございます。
 前提条件が成立しない場合にどうするかということを今考えるべきではありませんで、大切なことは、中期目標の前提条件が成立するように今後の国際交渉において最大限の努力を傾注していくことであると、そのように認識をしております。
 前提条件が満たされたことなどをだれが判断をするかなどの点についてのお尋ねでございますが、政府が交渉の推移を踏まえながら、適当な時点において総合的な観点から前提条件が満たされたかどうかについては判断をいたします。
 長期目標に前提条件が付いていないことについてのお尋ねでございます。
 二〇五〇年の長期目標は、気候変動枠組条約の究極目標であり目的であります、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させるために必要不可欠な目標であると認識をしております。
 昨年のG8のラクイラ・サミットにおいて、主要の先進国が二〇五〇年までに先進国全体で八〇%又はそれ以上削減するという長期目標に、これは前提条件なしで合意したところでございます。その後、昨年十一月の日米の首脳会談におきましても、両国はそれぞれの排出量を八〇%削減するということを、これも前提条件を付けずに合意をいたしております。このような国際交渉の経緯を踏まえながら、この法案においても前提条件は付けてはおりません。
 長期目標のための各種経済措置についてのお尋ねでございます。
 八〇%削減は非常に意欲的な目標であり、直ちにその達成に向けた取組を始めることが必要であります。でありますからこそ、本法案では中期目標が設定されるまでの間においても基本的施策を積極的に講ずることとしているところでございまして、それは中期目標をないがしろにしているということでは全くございません。野心的な長期目標のためには、言うまでもありません、野心的な中期目標を達成されなければならないということに尽きます。
 固定価格買取り制度の国民負担についてのお尋ねでございますが、全量買取り制度の導入に当たっては、再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担の両面のバランスを取らなければならないということは極めて重要な論点であると理解をしております。このことは、経済産業省を中心に、御指摘のような事態にならないように、国民の皆様の御理解を最大限得るべく検討してまいりたいと思っております。すなわち、できるだけ多くの方々に投資ができるような環境を整備してまいりたいということでございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) 加納議員にお答えしたいと思います。
 主に、モデルについての質問が私にはございました。
 今回の大臣試案で用いました四つのモデルは、特異なものでは私はないと思っております。また、意図的に楽観的な見通しを示したものでもございません。あくまでも、今回の試案において使ったモデルは、イノベーションの促進や価格の低下といったそういう効果をどう反映できるかという点において、昨年末に私どもは政府として三つのモデル試算の公表をしておりますけれども、そこでは反映できなかったイノベーションの促進や価格の低下を取り入れた場合の新しいモデルとして私は提案をさせていただきました。そういった意味があると思っておりまして、様々な今後議論を、これを踏まえて行っていくことが重要と考えているものでございます。
 このモデルの議論、調整の有無に関するお尋ねもございました。
 今回の大臣試案は名前のとおり大臣試案でございますので、現時点において各省の大臣と調整をしていることはございません。あくまでも、私の責任の下において、環境大臣試案として発表をさせていただいております。この基本法を審議するに当たってそういった材料も必要と、こう私が判断をして提供させていただいているものでございます。
 それから、中期モデルに関する専門家検討委員会の開催回数についてお尋ねがございました。
 環境省においては、中長期目標達成のための対策・施策のパッケージの具体的な提案を行うために、昨年十二月から地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ検討会を計五回開催をしてまいっております。
 経済モデルに関するオープンな場での議論の回数に関するお尋ねもございました。
 環境省においては、四月から中央環境審議会地球環境部会の下に中長期ロードマップ小委員会を設置しまして、企業、NPO等、国民各界各層からの意見を踏まえつつ、ロードマップの精査を進めているところでございます。同小委員会はこれまで三回開催をさせていただいております。経済モデルに関しましても、今後、同小委員会において有識者を交えて議論をする予定でございます。
 議論の結果をどのようにモデルに反映したのかについてお尋ねがございました。
 先ほど申し上げましたように、三月二十六日に開催された中長期ロードマップ第五回検討会において経済モデルについての議論を行い、この中でモデルの前提条件やモデルそのものの限界などについて御意見をいただきました。引き続き、中央環境審議会中長期ロードマップ小委員会等の場において経済モデルについて議論をし、必要があればモデルに反映をさせていきたいと思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、シミュレーションモデルはこれまでに七つ示してございますけれども、そういったシミュレーションモデルの最も大事な点は、どこの部分をどう動かしたらどう変わるかと、こういうことでございまして、その結果が必ずしもすべて正確にいわゆる将来を予測できるというものではございません。そういったモデルの限界、モデルの特徴は委員もよく御存じのことと存じます。
 さらに、国内排出量取引制度や地球温暖化対策税についてのお尋ねがございました。
 これに加えて再生可能エネルギーの買取り制度を加えましたこの三本の柱は、これまでの政権では全く考えることができなかった新しい私どもの提案でございます。
 国内排出量取引制度については、制度創設に必要な法制上の措置について基本法施行後一年以内を目途に成案を得ることとしております。地球温暖化対策のための税については、来年度の実施に向けた成案を得るように検討を行うこととしておりまして、これらは政府の統一方針として法案の形でお示ししているものでございます。
 国内排出量取引制度について、法案の立案過程において経済界等から総量方式に対する強い懸念が示され、関係閣僚委員会の場で真剣な議論が行われました。こうした経緯を経て、総量方式を基本としつつ原単位方式も検討するということとしたものでございます。詳細な制度設計はこの基本法が成立した後に入ってまいりたいと思っています。今後、全体の総量を着実に削減できる範囲で補足的に原単位をどのように活用できるか、そういった点も十分検討しながら、総量削減を基本とした制度設計を行っていく所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣直嶋正行君登壇、拍手〕
○国務大臣(直嶋正行君) 加納議員の御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、スマートグリッドについての御質問でございます。
 再生可能エネルギーの出力の不安定さという短所を克服し、情報通信技術によって需給を効率よくバランスさせ、安定的な電気の供給を行うのがスマートグリッドでございます。スマートグリッドによって系統への影響を抑えつつ、需要側と供給側に導入された蓄電池を最適に制御することができれば、再生可能エネルギーの導入に伴う社会的コストを抑制することが可能になると思っております。
 このため、現在、経済産業省においては、本年度より次世代エネルギー・社会システム実証を開始をいたしまして、蓄電システムやエネルギーマネジメントシステムなど、スマートグリッドのコア技術の実証を進めることといたしております。費用負担については、この実証事業を行う中でコスト低減を図りつつ、適切な費用負担の在り方を検討してまいりたいというふうに思っております。
 二点目は、デンマークやドイツの電源別発電電力量の内訳についての質問でございます。
 IEAのデータによりますと、デンマークとドイツの二〇〇七年の電源別発電電力量の構成は、大きい順に申し上げますと次のとおりでございます。
 デンマークについては、石炭火力発電五〇・八%、風力一八・三%、ガス火力一七・六%、水力〇・一%であります。太陽光についてはほぼゼロでありまして、原子力についてもゼロと承知をいたしております。
 ドイツについては、石炭火力四九・三%、原子力二二・三%、ガス火力一一・六%、風力六・三%、水力三・三%、太陽光〇・五%と承知をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
○国務大臣(福島みずほ君) 加納議員にお答えをいたします。
 社民党は、脱原子力の政策を掲げる政党です。原子力発電所の安全性、情報公開、情報開示をきちっとすべきだ、耐震設計の基準の見直し、そして経済産業省と安全規制機関の分離、自然エネルギーの促進などに取り組んできました。閣内においても、そのことをしっかり取り組んでまいります。経済産業省と安全規制機関の分離については議論が始まっております。しっかり取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
○議長(江田五月君) 加藤修一君。
   〔加藤修一君登壇、拍手〕
○加藤修一君 私は、公明党を代表して、ただいま趣旨説明のありました地球温暖化対策基本法に対し質問をいたします。
 公明党は四月、対案として気候変動対策推進基本法を国会に提出しました。衆議院において政府案が重要広範として審議中でありましたが、与党委員長が、審議不十分な中、強行採決を行ったことは誠に残念です。ここに強く抗議すると同時に反省を促すものであります。
 私は、次の一節に耳を傾けたいと思います。
 私たちは、人類として、人類に向かって訴える。あなた方の人間性を心にとどめ、そしてそのほかのことを忘れよと。もしそれができるならば、道は新しい楽園へ向かって開けている。もしできないならば、あなた方の前には全面的な死の危険が横たわっている。
 これは、ラッセル・アインシュタイン宣言の有名な一節です。核爆発による瞬時の全面的な死を指摘したものですが、今時、これに加えて気候変動による緩慢な死の脅威を認識すべきであります。さらに、宣言は、私たちは新たな思考法を学ばなければならないと文明の転換をも示唆しております。
 イギリスの歴史学者、アーノルド・トインビーは、社会が環境などの激変によってその存亡にかかわる脅威という挑戦を与えられたとき、創造的に対応し乗り越えることができたときに新しい文明が生まれ、反対に有効な応戦ができなかった文明は滅亡するとしております。人類は、未曾有の応戦に総力を傾け、新しい文明の揺籃期を方向付け、未来世代や国際社会に対する責務を果たすことであります。そこで、総理、気候変動に基づく挑戦とその応戦への見解、並びに今後の展望と行動に対する覚悟をお尋ねします。
 まず政府は、世界に先駆けて日本の主導性を発揮し、この創造的な好機を最大限に生かすことであります。総理が二五%を発表したときは英断と言われましたが、以降、進展が全くないことは残念であります。人類史的な応戦のための政府案にもかかわらず、本質を知れば知るほど、緊迫感と覚悟、法案の有効性、そして意欲が著しく不足した失望法案であると指摘し、修正を要請します。と同時に、二五%発表以降の外交交渉等の結果について、総理にお尋ねいたします。
 次に、地球の限界上昇温度二度Cについてであります。
 気候変動科学において、二度Cは人類の生存にとり重大な意義、すなわち不可逆的な破局への限界点であります。ラクイラ・サミット首脳宣言や昨年のコペンハーゲン合意に二度C目標が明記されました。正確な認識こそ、中長期目標やそれに至るロードマップが明確になります。
 公明党案は、二度C目標の意義を踏まえ、世界と我が国の削減目標、早期のピークアウトの必要性、気候変動の適応政策の重要性などを基本原則に規定しました。政府案は、利害関係者への配慮ばかりが目に付き、科学的知見に基づいた基本原則が不明確でありますが、これは二度C目標を軽視しているからであります。そこで質問ですが、総理並びに環境大臣は、二度C目標の意義をどのように認識していますか。また、政府案に挿入すべきでありますが、見解を求めます。
 次に、政府案の二五%削減の前提条件について伺います。
 温室効果ガス二五%自体は、意欲的な目標ではあります。しかし、全主要国による公平で実効性ある枠組みの構築と意欲的な目標の合意が前提条件であります。この前提条件が政府案の有効性の手足を縛っております。政府が前提条件をクリアできたと判断したら二五%削減の目標が確定し、逆に不満足の場合、二五%の削減目標は実行できないことになります。これは、政府案が成立したとしても、具体的な数値が決まらないことを意味します。国民がこの真実を知ったならば、唖然とするのではないでしょうか。結局、政府案は政府の恣意的な判断、すなわち国会に白紙委任を求めるような法案であります。
 今日、日本にとって重要なことは、持続可能な低炭素社会に大転換しますという意欲的なシグナルを国民、産業界に表明することです。このシグナルがあってこそ、眠っている巨大な温暖化対策需要が動き始め、中長期的経営戦略の下、企業も国民も行動を開始し、特に環境や省エネ分野で投資や技術革新が進みます。それこそ、環境と経済の二人三脚であり、世界で主流化している環境を軸とするグリーン成長です。他国の動向に左右される前提条件付の目標では、いつ決まるのか不安が増すばかりでは、経営計画の立てようがありません。
 一方、米国や中国は、国際交渉とは別に、着々と環境分野での経済戦略を進めています。熾烈な国際競争に展開し始めた世界規模のグリーンニューディール戦争に日本が取り残されることは火を見るより明らかです。
 そこで質問ですが、どの場合に前提条件が満たされたと判断するのでしょうか。総理、いっそのこと、前提条件及び附則の二五%目標の凍結条項を削除し、公明党が示すように国際的動向、最新の科学的知見等を勘案し、必要があると認めるときには中長期目標を見直す条項を入れるべきではないでしょうか。総理に伺います。
 次に、電気自動車と再生可能エネルギー、すなわち自然エネとの連携についてであります。
 公明党案では、走行中にCO2を出さない、省エネ、原油の輸入減にもなる電気自動車の導入を規定しております。今日、電気自動車の動きが急であり、日本の優位性を生かすべきです。多くの日本製EVはまだ高価で、補助金を活用しても百万円以上持ち出しです。一方、世界は低価格攻勢の激しいさなかです。最近は、中古車のエンジンをモーターに改造する方式もあります。日本のある専門家は、改修費一台百万円、優秀な町工場一万社、年間一社百台の改造で一兆円産業の誕生との主張があります。改造EV百万イニシャティブを検討すべきであります。EV自動車の蓄電池がマイカー発電所に変貌し、天気任せの太陽光発電等が優位になります。安い夜間充電と昼の使用は地域に蓄電インフラができ、スマートグリッドによる両者のコラボレーションは地域の電動化を進め、大きな経済効果を生みます。日本には世界に先駆ける競争力があり、太陽経済社会、電動化社会へと大胆に転換し、グリーン経済の下、国の形を明確にすべきであります。そのためにも改造EV百万イニシャティブ等をスタートさせるべきです。総理の積極的な見解をお伺いいたします。
 関連して重要なことは、一次エネルギー供給量に占める自然エネルギーの割合を拡大することであります。自然エネルギーはドイツが著名です。その二〇〇七年実績は、CO2削減は一億トンを超え、経済効果は年間四兆円、雇用増は二十六万人と多大な効果を上げました。二〇〇九年の太陽光発電の累積実績は九百八十三万キロワットと日本の約四倍、最近一年間の設備が三百八十一万キロワットと、日本の累積実績二百五十万キロワットさえも一気に抜く驚異的成長になっております。
 自然エネの拡大は原油の輸入減にもなりますが、日本の二〇〇八年の原油輸入は実に約二十五兆円と膨大です。懸命に働いた国富が一挙に流出しました。また、原油には紛争リスクが伴いますが、太陽の争奪戦はなく、平和的なエネルギーともいえ、日本にふさわしいものです。しかし、日本は著しく遅れています。国内資源である自然エネを覚悟を持って大胆に導入すべきです。政府案では二〇二〇年までの目標が一〇%ですが、環境省のロードマップは大規模水力を含めて一三%を示唆しており、少なくとも一三%にすべきです。公明党案の導入目標は、全量固定価格買取り制度を踏まえて一五%です。メガソーラー、改造EV車、スマートグリッドへの導入、転換に向けた意欲的な目標に変えるべきです。総理の積極的な答弁を求めます。
 次に、国内排出量取引制度についてお尋ねします。
 温室効果ガス排出量の限度の決め方は、総量方式、原単位方式がありますが、政府案は、総量方式を基本にしつつも両者を法案に盛り込んだ点が問題です。その理由は、原単位方式は生産量が伸びれば排出総量が増加することになり、削減総量を制御できなくなる危険性が常にあり、総量削減目標を確実に達成することは不適当であります。
 中国は原単位方式ですが、この方式を批判してきたのがほかならぬ日本です。この方式の採用には諸外国の不評を買っているどころか、枠組み交渉の進展にも重大な悪影響を及ぼしかねません。
 そこで質問ですが、原単位方式を付加した理由は何でしょうか。また、総理の中期目標達成への決意を改めて求めます。
 最後に、現在、宮崎県で猛威を振るっている口蹄疫は、明らかに初動対応の遅れであります。危機管理無能による政権災害であります。ゴールデンウイーク中の閣僚の外遊は十一人、特に赤松農水大臣が四月三十日から五月八日までの陣頭指揮すべきときに外遊とは、全く無責任であります。鳩山政権の後手後手、政治主導のつまずき災害であります。口蹄疫等の集中審議を強く求めて、質疑を終了いたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 加藤議員にお答えをいたします。
 まず、気候変動に基づく挑戦とその応戦への見解などでございます。
 ラッセル・アインシュタイン宣言、私も読ませていただきましたが、こういう文言もございます。すべての人がひとしく危機にさらされており、もしこの危機が理解されれば皆さんが一緒になってそれを避ける望みがある。これは核のことの宣言ではありますが、気候変動問題もまさに同じでありまして、この気候変動問題の最大の大きな問題は、必ずしも世界のすべての人たちがこの危機にさらされているということの認識に乏しいことではないかと思っておりまして、まずこれを理解することが解決の最大の大きな手掛かりになる、そのように理解をしております。
 また、トインビーの言葉を引用されて、気候変動問題の脅威という挑戦に立ち向かうために私たちも英知を総動員をして、地球というシステムと調和した人間圏というものがいかにあるべきか、これを考えて社会を挙げて取り組むことが必要だと思っております。それが今を生きる私たちの未来への責任であり、地球全体で応戦をしていくことが不可欠であります。
 このために、意欲的な温室効果ガス削減目標を掲げて新しい国際的な枠組みづくりに向けてリーダーシップを発揮をすることが必要であり、本法案を提案したところでございます。低炭素型社会の実現に向けてあらゆる政策を総動員してまいりたいと思います。
 基本法案の修正及び外交交渉の結果についての質問でございますが、政府としては地球温暖化対策基本法案は最善の案だと考えておりますので、国会におきまして慎重に御審議の上、できる限り速やかに成立をしていただきたいと願うものでございます。
 私が九月に二五%削減という意欲的な中期目標を表明して以来、COP15を失敗させてはならないというモメンタムが起こり、COP15では必ずしもすべて十分だとは申し上げませんが、コペンハーゲン合意の策定になったわけでございます。
 私自身、今年に入りましても、ほとんどすべての首脳会談、例えばメキシコあるいは中国、さらにはEU、こういった方々との首脳会談において気候変動問題について積極的な働きかけを行ってきたところでもございます。
 また、二度C目標の意義に対する認識と、二度C目標の法案挿入に対する見解についてのお尋ねでございます。
 コペンハーゲン合意においては、世界全体の気温の上昇が二度C以内にとどまるべきであるという科学的見解を認識をして、長期的協力の行動を強化をすることといたしたわけでございます。日本としましても、このような科学的見解を認識をして、この法案において、目的規定において、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることが人類共通の課題であると、このことを明示しているところでございます。
 したがいまして、重ねて二度C目標を法案の中に数値として書き込む必要はないとは考えておりますが、この科学的な見解を認識すべきだという点においては認識を共有していると考えております。
 中長期的目標及び中期目標の前提条件についてのお尋ねでございます。
 次期の枠組みの在り方については引き続いて交渉中でございます。どのような場合に前提条件が満たされるかをあらかじめ今申し上げることは控えたいと思います。日本のみが高い削減目標を掲げても気候変動を止めることはできないのでありまして、主要国の背中を押して積極的な取組を促すために前提条件は必要だと考えております。法案の附則第一条を含め、これを削除あるいは見直す考えはありません。この前提条件の実現に向けて、今後の交渉において最大限の努力をしてまいりたいと思います。背中を押すことをしないで、必要なら中長期目標を見直せるという法案の方がむしろ二五%の力を結果として失わせてしまうのではないかと考えております。
 改造EV百万イニシャティブについてのお尋ねでございます。
 電気自動車の開発普及は、地球温暖化対策や我が国の産業競争力の観点から重要だと思います。そのため、高品質、低コストな量産型の電気自動車の本格普及を目指して、蓄電池の技術開発や充電インフラの整備への支援を行っているところでございます。
 改造電気自動車についてでございますが、性能やあるいは安全性、コストなどというものを踏まえた市場ニーズなどを見極めることが必要だと考えておりまして、高品質な量産型の電気自動車の開発普及に向けた取組を進めたいと思っておりますが、御指摘の点についてしっかりと検討してまいりたいと思います。
 再生可能エネルギーの導入目標についての御質問でございます。
 大規模水力を含めた我が国の再生可能エネルギーの導入量は、二〇〇五年現在、一次エネルギー供給の五%弱にまだとどまっております。この法案ではこの値を二〇二〇年までに一〇%とすることを目標としておりますが、この導入目標についてもそれなりに意欲的ではないかと理解をしております。
 御指摘のとおり、再生可能エネルギーの導入量をできるだけ拡大するということは、地球温暖化対策のみならず、新たな産業の育成という観点からも非常に重要だと認識をしておりまして、新たな成長戦略の展開や国民負担の観点も考慮しながら進めてまいりたいと考えております。
 国内排出量取引制度で原単位方式を付加した理由及び中期目標達成への決意についてのお尋ねでございます。
 この法案の立案過程において、国内排出量取引制度に関して、総量方式のみでは明らかに成長すべき分野の成長を阻害することになるのではないか、こういった議論がありまして、経済成長との両立がこのままでは困難だという意見もありました。したがいまして、閣僚間において真剣な議論を行った結果、排出量の限度を定める方法については、総量方式を基本としながら原単位方式も検討するということにいたしたわけでございます。
 我が国の温室効果ガス削減目標を達成するため、本法案に規定されているキャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度、地球温暖化対策のための税、さらには再生可能エネルギーの固定価格買取り制度など、あらゆる政策を総動員をして実現を目指していく決意でございます。
 なお、残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) 加藤議員から私には残念ながら一問だけの質問でございました。それで、総理と同じ質問でございましたので、二度C目標の認識ということでございます。
 二度C目標の意味につきましては、総理が既に述べられましたので割愛させていただいて、その対応につきましては、今後、法案が成立をいたしましたところ、基本計画の中で策定をしてまいりたいと、こう思っておりまして、その基本計画に二度C目標を取り込むように最大限の努力をしてまいりたいと思っております。(拍手)
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第一 エネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長木俣佳丈君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔木俣佳丈君登壇、拍手〕
○木俣佳丈君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、内外におけるエネルギーをめぐる経済的、社会的環境の変化に伴い、重要性が増大しているエネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業を促進するため、事業の実施に必要な資金の調達の円滑化及びエネルギー環境適合製品の需要の開拓を図るための措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、新経済成長戦略における低炭素関連産業の位置付け、エネルギー環境適合製品の開発、製造に係る特定事業の具体的判断基準、新たに創設されるリース信用保険制度における需要開拓支援法人に対する政府の監督の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十三  
  賛成            百八十六  
  反対               七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(江田五月君) 日程第二 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第三 戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案(総務委員長提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告及び趣旨説明を求めます。総務委員長佐藤泰介君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔佐藤泰介君登壇、拍手〕
○佐藤泰介君 ただいま議題となりました独立行政法人通則法の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、独立行政法人について、その財務基盤の適正化及び国の財政への寄与を図るため、業務の見直し等により不要となった財産の国庫納付の義務付け等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、事業仕分を踏まえた今後の独立行政法人改革の見通し、独立行政法人のガバナンスの在り方、不要財産の判定における客観性確保の必要性、福祉医療機構の医療貸付事業の拡充策、雇用・能力開発機構の職業訓練の在り方、住宅金融支援機構の債権証券化の懸念等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して礒崎陽輔理事、公明党を代表して澤雄二委員、日本共産党を代表して山下芳生委員より、それぞれ反対の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、可否同数となりましたので、国会法第五十条により、委員長は本法律案を原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案につきまして、総務委員会を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 第二次世界大戦直後に、シベリアやモンゴル等に抑留され、強制労働を強いられた方々は五十七万人以上に上ります。この抑留期間は長い方では十年を超え、酷寒の地における過酷な労働と飢え、劣悪な居住環境や不十分な医療などにより、約六万人もの方々が亡くなったとされています。このいわゆる「シベリア抑留」から帰国された方々には、長期間にわたる強制労働にもかかわらず、今日に至るもその対価が支払われておりません。
 しかし、請求権については日ソ共同宣言で相互放棄していることから、その補償については日本政府が措置するほかなく、平成九年の最高裁判決も、補償は立法府の判断にゆだねられるとしています。
 「シベリア帰り」というレッテルを張られ、就職差別に遭うなど大変な御苦労を重ね、戦後を生き抜いてこられた方々も今や平均年齢八十八歳に達しております。この問題の解決にかくも長い歳月が掛かったことについて社会全体として反省し、御存命の方々に対して迅速にその労苦を慰藉することが必要です。
 また、抑留中の死亡者数はいまだ確定されておらず、遺骨も関係資料も収集が終わっておりません。台湾・朝鮮半島出身の強制抑留者の存在も含め、シベリア抑留全体の実態の解明、真相の究明を行うとともに、抑留された方々はもとより、御家族、御遺族の御苦労を後の世にしっかりと語り継ぐべきであると考えます。
 以上を踏まえ、国として速やかに、総合的かつ適切な措置を講ずることで、戦後強制抑留者の問題に一定のけじめを付ける必要があるとの考えに基づき、本法律案を提案いたした次第です。
 次に、本法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、この法律は、戦後強制抑留者が、戦後、酷寒の地において、長期間にわたって劣悪な環境の下で多大の苦難を強いられたこと、その間において過酷な強制労働に従事させられたこと等の特別の事情にかんがみ、及び強制抑留の実態がいまだ十分に判明していない状況等を踏まえ、その労苦を慰藉するための特別給付金を支給するための措置を講じ、併せて強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針の策定について定めることを目的としております。
 第二に、本邦に帰還した戦後強制抑留者で、この法律の施行の日において日本国籍を有するものに特別給付金を支給することとし、その額は、帰還時期に応じて二十五万円から百五十万円としております。
 第三に、政府は、戦後強制抑留者に係る問題のうち、特別給付金の支給により対処するもの以外のものに対処するため、強制抑留の実態調査その他の措置を総合的に行うための基本的な方針を定めなければならないこととしております。
 第四に、特別給付金の支給に必要な費用に充てるため、独立行政法人平和祈念事業特別基金の資本金の一部を取り崩すことができるものとしております。
 なお、同基金の解散の期日を「平成二十五年四月一日までの間において政令で定める日」に改めるとともに、「平成二十二年九月三十日までの間において政令で定める日」以後は、同基金は、特別給付金支給業務以外の業務を行わないこととしております。
 第五に、この法律は、公布の日から施行し、特別給付金の支給を受ける権利を有する者を公布の日に確定することとしております。
 以上が本法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
 なお、本法律案は、総務委員会において内閣から意見を聴取した後、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 最後に、この法律を待ち望む戦後強制抑留者の方々の著しい高齢化を踏まえれば、法律の一刻も早い公布が求められることを申し添えます。
 何とぞ速やかに御賛同いただきますようにお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(江田五月君) 両案のうち、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。木村仁君。
   〔木村仁君登壇、拍手〕
○木村仁君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました独立行政法人通則法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。
 冒頭、口蹄疫に対する政府の初動態勢の遅れについて、遺憾の意を表します。
 目下の口蹄疫の蔓延に対する政府・与党の対応ぶりは極めて緩慢で、危機意識に乏しいものでありました。特に、責任者である赤松農林水産大臣は、連休中、長期にわたり外遊し、帰朝された時点では既に六万頭を超える殺処分を必要とする深刻な事態に至っていたのであります。にもかかわらず、赤松農水大臣は、自分としては全く反省するところ、おわびするところなどはないという無責任な発言をして、その責任を否定いたしました。
 今次の口蹄疫においては、現場の国民、地方自治体、政府の事務方の不眠不休の努力とは裏腹に、いわゆる政務三役、総理官邸及び与党首脳の連携関係の不備を露呈し、与党の危機管理能力の欠陥を示したものと言わざるを得ません。誠に遺憾であります。
 しかし、口蹄疫の蔓延は与野党の対立関係を超えた国民的危機でありますから、自由民主党は全力を挙げてその鎮圧に協力をいたすものであります。その上で、自民党は、行政的にも財政的にも国の全責任においてこの問題に対処されることを要請いたします。
 本論に入ります。
 独立行政法人制度は、自民党橋本内閣時代にイギリスのエージェンシーの制度をモデルとして導入され、平成十三年四月から新しい制度としてスタートしたものであります。この制度は、政府が処理してきた一定の事務事業の実施を分離して独立行政法人に処理させることを通じて、業務の質の向上や活性化、効率性の向上、自律的な運営、透明性の向上を図ることを目指したものであります。残念ながらしかし、独立行政法人の運営については、いわゆる天下り問題や官製談合など国民の皆様から様々な批判を受けることになりました。
 そこで、自民党中心の政権では早くから独立行政法人改革に取り組み、平成十九年十二月には独立行政法人整理合理化計画を閣議決定をいたしました。平成二十年四月には、この計画に基づき独立行政法人通則法改正法案を国会に提出いたしました。同法案は、国費で取得した不要財産の国庫納付の義務付け、評価機関の一元化による評価の客観性、厳格性の向上、理事長の人事に関する内閣承認制度の導入、監事の職務権限の強化、非特定独立行政法人の役職員の再就職規制の導入といった広範かつ抜本的な改革を図る内容が盛り込まれました。しかし、残念ながらこの法案は、いわゆるねじれ国会の中で継続審査が繰り返され、昨年の衆議院解散により廃案となったところであります。
 さて、この度鳩山内閣が提出した独立行政法人通則改正法案は、かつて自民党が提案した改正案の中から、不要財産の国庫納付に関する規定だけを取り込んで提出されたものであります。つまり、財源確保のみを目的としたつまみ食い法案であって、独立行政法人制度全体の改革を目指すものでは絶対にありません。我々自民党は、独立行政法人をめぐる諸問題を避けて、当面の財政問題を糊塗するためだけの財源あさりの小手先の法案に賛成するわけにはまいりません。反対であります。
 民主党はマニフェストにおいて、法人の在り方は全廃を含めて抜本的な見直しを進めると宣言して、独立行政法人改革の意欲を示しました。政権交代の後にも、独立行政法人をゼロベースで見直すという発言を繰り返し、昨年末には独立行政法人の抜本的見直しについてを閣議決定いたしました。
 しかし、現実には、昨年の臨時国会において、独立行政法人地域医療機能推進機構法案を提出して、新しい独立行政法人の設置の意欲を示すなど、その政策は誠にちぐはぐであります。しかも、独立行政法人改革の明確な方向性も示さないまま、木を見て山を見ないタイプのパフォーマンス中心の事業仕分を続けており、そこから早期に説得力のある改革案が示される期待もありません。独立行政法人の抜本的改革を訴える以上、政府・与党としては、もっと責任のある、具体的な、国民に理解される法案を準備して提案すべきものであります。
 このような、多数を頼み、便宜に走って制度を食い散らすたぐいのおざなりの法案に賛成する理由を私はどうしても見付けることができないのであります。これが反対の理由であります。
 以上、簡単ではありますが、本法案に反対する理由を述べ、私の独立行政法人通則法改正案に対する反対討論を終わります。(拍手)
○議長(江田五月君) これにて討論は終局いたしました。
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○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 まず、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十五  
  賛成             百二十  
  反対             七十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(江田五月君) 次に、戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十五  
  賛成            百九十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会