第174回国会 決算委員会 第7号
平成二十二年四月二十六日(月曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     植松恵美子君     大久保 勉君
     轟木 利治君     富岡由紀夫君
     愛知 治郎君     佐藤 信秋君
     佐藤 正久君     山本 順三君
     渕上 貞雄君     又市 征治君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     川崎  稔君
     富岡由紀夫君     外山  斎君
     那谷屋正義君     姫井由美子君
     広田  一君     武内 則男君
     藤田 幸久君     石井  一君
     衛藤 晟一君     山田 俊男君
     荒木 清寛君     加藤 修一君
     小池  晃君     仁比 聡平君
     又市 征治君     近藤 正道君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         神本美恵子君
    理 事
                風間 直樹君
                谷  博之君
                松山 政司君
                丸山 和也君
                山下 栄一君
    委 員
                相原久美子君
                石井  一君
                金子 恵美君
                川崎  稔君
                武内 則男君
                外山  斎君
                姫井由美子君
                平山  誠君
                松浦 大悟君
                水戸 将史君
                有村 治子君
                礒崎 陽輔君
                荻原 健司君
                佐藤 信秋君
                中村 博彦君
                松村 龍二君
                山田 俊男君
                加藤 修一君
                鰐淵 洋子君
                仁比 聡平君
                近藤 正道君
   国務大臣
       農林水産大臣   赤松 広隆君
       経済産業大臣   直嶋 正行君
   副大臣
       内閣府副大臣   大島  敦君
       内閣府副大臣   古川 元久君
       内閣府副大臣   大塚 耕平君
       総務副大臣    渡辺  周君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
       農林水産副大臣  郡司  彰君
       経済産業副大臣  松下 忠洋君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       舟山 康江君
       経済産業大臣政
       務官       高橋 千秋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        諸星 輝道君
   政府参考人
       総務省行政評価
       局長       田中 順一君
       財務省主計局次
       長        稲垣 光隆君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  齊藤 政満君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第四局長   金刺  保君
       会計検査院事務
       総局第五局長   真島 審一君
   参考人
       株式会社日本政
       策金融公庫代表
       取締役総裁    安居 祥策君
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  本日の会議に付した案件
○平成二十年度一般会計歳入歳出決算、平成二十
 年度特別会計歳入歳出決算、平成二十年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成二十年度政府
 関係機関決算書(第百七十三回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百七十三回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百七十三回国会内閣提出)(継続案件)
 (農林水産省、経済産業省、農林漁業金融公庫
 及び中小企業金融公庫の部)
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○委員長(神本美恵子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日までに、愛知治郎さん、佐藤正久さん、渕上貞雄さん、轟木利治さん、植松恵美子さん、衛藤晟一さん、荒木清寛さん、小池晃さん、広田一さん、那谷屋正義さん及び藤田幸久さんが委員を辞任され、その補欠として佐藤信秋さん、山本順三さん、山田俊男さん、加藤修一さん、仁比聡平さん、近藤正道さん、川崎稔さん、武内則男さん、外山斎さん、姫井由美子さん及び石井一さんが選任されました。
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○委員長(神本美恵子君) 平成二十年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、農林水産省、経済産業省、農林漁業金融公庫及び中小企業金融公庫の決算について審査を行います。
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○委員長(神本美恵子君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(神本美恵子君) 速記を起こしてください。
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○委員長(神本美恵子君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○金子恵美君 民主党・新緑風会・国民新・日本の金子恵美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 赤松大臣を始め政務三役の皆様方には、日本の農業の再生のために日々御尽力いただいておりますことに敬意を表する次第でございます。
 政権交代がなされまして、確実に日本の農業が変わってきたなというふうに感じるところでございます。戸別所得補償モデル対策、これもスタートいたしまして、大きな期待が寄せられているところでございますが、ただ、一方では、やはり先行きの不安感、これを払拭できない農業者の方々も多くいらっしゃるということは私たちはしっかりと受け止めなくてはいけないというふうに思ってございます。できるだけ農業者の皆様の負担を軽減していく、そして無駄を点検しながら早急に日本の農業の再生への道筋をしっかりとつくり上げていただきたい、そういうふうに思うところでございます。
 さて、当然、農業生産性の向上のために、農業生産の基礎となる水利条件の整備が必要でございます。これまで、農業用水の確保、農業用水の適期・適量供給を目指し、用水対策として農業用ダムなどが建設されてまいりました。しかし、これについては多くの課題があることが明るみになっております。今日は、この農水省の所管、国営土地改良事業の農業用ダムについてお伺いさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、農水省は、昨年の十一月から十二月までの間、農水省所管、農水省が造成し所管している百九十の農業用ダムを対象として総点検を実施いたしました。十二月の二十二日に発表されましたその総点検の結果を見ますと、堆砂の進行や地すべりのために農業用水の取水やダムの貯水に影響が出ているなどの問題が生じているダムが四十四か所にも上っている。そのうち、水の利用率が七割未満となっているダムが三十か所にも上ることが判明しているところでございます。
 発表された課題があるとされるダムのリストを資料としてお手元にお配りしてございますので、御覧いただきたいと思います。
 同時に発表されました農水大臣の談話にもございますが、赤松大臣が自らこの総点検の指示をされたとのことでございます。なぜまずこれらの農業用ダムの総点検を行う指示を出されたのか、この理由をお聞かせいただきたいと思います。また、今回の総点検によって、我が国の農業振興のための施設整備、どのような方針に変わっていくのだろうか、それについてお答えいただきたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(赤松広隆君) 委員から御指摘をいただきましたとおり、政権交代がございまして、十月以降、私どもは、いろいろな農水にかかわる課題はありますけれども、その中で、やはりダムの問題、特に今委員も御指摘をされましたけれども、農業の実現のためにはやはり一番肝心なのは土地とそれから水でございます。そういう意味で、農業用水、農業に対して水を供給する事業でありますダムにつきましても、もう私が就任当初から、大蘇ダムどうするんだ、役に立たないようなこんなダムが水が漏れたままでいいのかみたいな、そういう非常に厳しい御指摘もいただいたところでございます。
 そんな関係で、まず実態をきちっと把握しようということで郡司副大臣の下でこうしたチームをつくりまして、農水省が所管をいたします、国交省のダムはもっと大規模な、数も多いんですけれども、少なくとも農水省が所管をいたします百九十のダムすべてについて一回総点検をするということをやらせていただきました。
 予想したとおりといいますか、多くのダムが、今御指摘のあった四十四のダムでは、一つの例を言えば、水を予定水量まで満たしたら崩れちゃうからそこまでためられないとか、あるいは立派なダムはできたけれども実際に農業用水として利用されている数値がゼロだとか、あるいは、多分この後御質問あるんでしょうけれども、大蘇ダムのように元々火砕流で流れてきたような、そういう溶岩でやっていれば当然漏水も多いということを予想されたにもかかわらず、やっぱりやってみたら水が全くたまらないとか、あるいは予想の半分しか水をためることができないということでありまして、そういう意味でいえば、大変前政権に対して失礼な言い方かもしれませんけれども、まさにずさんな、あるいは役に立たない、そういうダムばかりというのが実態であったわけでございまして、そういう意味で私どもは、しかし政権交代をした以上、これは前政権のやったことだからおれは知らないというわけにいきませんから、これは負の遺産としてしっかりそれを受け継ぎながら、やるべきことはやっぱりきちっと対応してやっていくということで、その改修等についても今それぞれのダム、個別にそれぞれ対応策を決めまして、取組をさせていただいているというところでございます。
○金子恵美君 大臣が発表されました談話の中では、もうこのような無駄なダムはとにかく造らないということを明らかにおっしゃっておられたというふうにも思います。それが今回の政権交代をしての我々の方針ということになると思います、もう無駄はなくすということ。しかし一方で、今建設中のものであったり、もう建設されたものであったり、それについていかに対応していくかということ。もちろん、おっしゃるとおり、負の遺産を受け継いでしまったけれども、しかしながら農業者の方々がこれ以上お困りにならないように、あるいは農業者の方々の負担をこれ以上増やすことのないように、しっかりとした対策が講じられなければならないということだというふうに思います。
 繰り返しになりますが、今回の総点検によって、その四十四のダムにおいて重点的に解決に取り組む必要のある課題、これが明らかになったということでございます。
 このうち熊本県の大蘇ダム、それから北海道の東郷ダムの二か所におきましては、先ほど大臣からもありましたけれども、水漏れなどの技術的な問題が確認されたところでございます。水漏れなどの技術的問題があるダムの改修はもう急がなければいけない、そういうところでございますが、今後の改修予定と費用についてお伺いさせていただきたいと思います。
 あわせて、また、四十四ダム全体に対して今後どのように対応していくのか、お伺いさせていただきます。
○国務大臣(赤松広隆君) 今御指摘ございましたとおり、私どもといたしましては、政権全体の基本的な考え方でありますコンクリートから人へという基本的な考え方の下に、しかし一方ではやっぱり農業者のための水の確保ということもしなければならないわけでありますから、そういう意味で、総点検の中で分かってまいりましたことは、大規模な、旧来やってきたようなそういうダムについては、造らなければならないところにはほぼ造ってきただろうと。あと、一部島嶼部、島部でそういう必要があるところはあるかもしれませんし、また、もう少し規模の小さな用水なりかんがいということは必要かもしれませんが、基本的には、私自身の判断として、今後、農業用水に供するための農業用ダムは農林水産省としては造らないということも昨年正式に発表をさせていただきました。
 その上で、今も委員から御指摘ありましたように、大分県、ちょうど阿蘇のところにあります大蘇ダム、それから北海道の富良野のところにあります東郷ダム、この二つが象徴的でありますけれども、ともに水がたまらない、あるいは東郷ダムについては、予定水量いっぱいにしたら崩れてしまうのでいっぱいにできないというような実態がございますので、一番いいのは、それを全部造り替えちゃうのが一番いいんですが、例えば大蘇ダムなんか造り替えたら四百億、五百億掛かる、とても今の財政状況の中で、欠陥があるからまた新しくやり直すんだと、四百億、五百億掛けてもいいんだということは国民的な理解が得られないというふうに思っておりますので、必要最小限の手当てをきちっとしていくと。
 その上で、少しでも今営農しておられる皆さんのために本来の目的であります良質な水を提供するという役割を果たしていけるように、今、郡司副大臣の下で具体策を提示をし、該当する大分県知事あるいは熊本県知事と大蘇ダムについては具体的なやり取りをさせていただいている。
 詳細が必要であれば、また郡司副大臣の方から報告をさせていただきたいと思います。
○副大臣(郡司彰君) 概要、大臣の方からお答えをしたとおりでございます。
 個別、大蘇ダムの関係につきまして見ますと、工事が始まりましてから三十三、四年が経過をしているわけであります。その間も、当たり前のことでございますけれども、受益者たる農家の方々が必要だということで始まった工事でありますから、早急に水の供給、通水というものを行うようなことを今年からまず行っていきたい、このようなことで地元の方と調整をさせていただいているところでございます。
 今田んぼがちょうど水が必要な時期にもなってきておりまして、あの地域は、先ほど大臣がお話をしたように、大変に土壌からすると水がたまりにくいというそのものの性質を持っているものでありますから、通常一回で終わるところの代かき等も三回もしなければいけない等、大変な努力をされているところでございます。
 したがいまして、全面改修ということの是非はともかくとしましても、当たり前のように、通水をして受益者に水をまず送るということで今年から始めさせていただき、そして水漏れが大きいのではないかと言われる部分について改修作業を行っていくということも今年から行う予定にしておりまして、今年度については二億八千万円という予算を計上をし、その工事を行うことにしているところでございます。
○金子恵美君 今おっしゃっていただきました大蘇ダムにつきましては、今年二億八千万で改修を行っていく、浸透抑制対策をしていくということでございます。取りあえずという形になると思いますが、それによってきちんと浸透が抑制できるということで、またさらに、これからはしっかりとした再評価といいますかチェックをしていっていただきたいということもございますし、またさらには東郷ダムにつきましても、やはり地元としっかりとした協議をしながら、改修等をどのような方向性でいくのか、進めていただきたいというふうに思っています。
 今恐らく地元の皆さんともちろん心を一つにしてということだというふうに思いますので、是非、地元の方々の声を常に聞いていくという、そういうスタンスを忘れずにいていただければと思っております。
 今回の総点検によりまして、ダムの水利用が低いというふうに判断されたもの三十か所ということでございますが、そのうち水利用率が四%以下だったダムも四か所あるとのことでございます。
 そこでお伺いしますが、どうして水利用率が低い状況となっているのか、また、水利用率を上げるための努力はなされているのか、お伺いしたいと思います。
 さらに、農業用水としての利用ニーズが増えないということであれば、今後、上水や工業用水など他用途への転用も検討すべきではないかと思いますが、お考えをお伺いさせていただきます。
○副大臣(郡司彰君) 御指摘をいただきましたように、そのようなダムが幾つか出てきたわけであります。
 どのようなことを行わなければいけないかということでございますけれども、まず、受益者たる地元の方々あるいは当該をする自治体等との調整を図りながら、現実可能な計画的な推進、関連事業というものを行って、まだ完了していないとすればそのようなことを行うとか、あるいはまた、新たな水を使った農業の在り方等について、まず組織の設立というものを行いながら、これからその問題を検討しようということにしているところでございます。
 問題は、それ以外の用途ということも考えていただいたらどうだろうと、このような御指摘でございましたけれども、そもそもがこのような地域というのは中山間地等に位置するところが多いということで、他の国交省が造っておりますダムのように都市の利用でありますとか、そういう形の利用が非常に限られている、このようなところが多いというふうに思っております。したがいまして、なかなか他用途への利用というものがかなわないということでありますので、先ほど申し上げたような現実的な営農に関する利用というものを高めていくということになろうかというふうに思っております。
○金子恵美君 農業が疲弊をしていく、つまり減反を推し進めていく、そして水需要を減らしながら農業用のダムが必要だというような、そういう矛盾のある政策が進められてきたということも根本的には問題だと思いますし、そしてまた、箱物だけを造りながら、一方でしっかりとした農業者に対しての支援をしてこなかったという、そういう政策的な間違いというものもあったのではないかと思います。
 ですので、水利用が少ないということであれば、その水を利用していただけるように、農業者の皆さんが生き生きと農業ができる、そういう環境づくりをしていくということをしていかなくてはいけないということではございますが、しかしながら、本当に四%以下だったところというのは、まさに、例えば世増ダムですか、青森の世増ダムというところは三千三百十万トンの貯水量で〇・三%しか使われていないという。
 そしてまた、基本は末端の整備が進んでいないということでございますけれども、挙げられています世増ダム、そして北海道の美生ダム、奈良県の上津ダム、そしてまたもう一つ北海道の屈足ダム、これはいろいろと電源開発の方と一緒になっておりますので、いろいろな事情があるというふうにも聞いておりますが、それぞれがやはり末端の整備が進まなかった。つまり、もう必要とされていないという、必要とされていないというか、もうこれ以上本当に展望があるのかどうかということすら分からないということで、先ほど私が資料として出させていただいておりますこの総点検の結果というところには、水利用の向上が望めないというふうに言われているわけですので、負の遺産というものをどういうふうに今度はプラスに持っていくかというようなこともしっかりとお考えをいただかなくてはいけないのではないかなと思っております。
 仕組み的に、ダムが建設されている中では、問題としてはやはりその再評価の仕組みがしっかりとなかった、再評価の仕組みがなかったということではないかというふうにも思います。
 ただ、スタートの時点で水利用率、水の利用の予定というか計画というのを立てるわけですけれども、そこから建設中にいろんな農業の事情が変わる、地元の事情が変わっていっていながらも、しかしながらしっかりとした再評価をしていなかった事情が恐らくこれらのダムにはあったのではないかというふうにも思いますし、土地改良区事業では平成十年から再評価という仕組みをしている。そしてまた、平成十二年からは事後評価の仕組みというものも導入されているわけですから、もちろんこのことについては次の質問でさせていただこうとは思っておりますけれども、今建設中のダムにつきましてはしっかりとした評価を事業が完了する前といいますか、事業が実施されている最中にしっかりと進めていくということが重要なのではないかと思ってございます。
 もう一度ちょっとお伺いさせていただきますが、水の有効利用を図るという点で、本当に低い水利用率の、特にここで挙げられておりますのは三つのダムでございますが、それについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○副大臣(郡司彰君) 御指摘をいただいたように、なかなか厳しいというのが現実であろうというふうに思っております。したがいまして、大きな方針としては、先ほど大臣が示されたように、今後こうしたダムの建設は行わないということをまず決めさせていただきました。
 それから、個別のダムについては、先ほど申し上げましたような、例えば新たに用途として畜産の方にも用いるとか、そのようなことの利用というものの枠を広げていこう、それから六次産業化等によりまして、それぞれの地域の中で新たな雇用の場も含めての活性化ということの中にどういう形でつなげられていくか、このようなところを模索をするということになろうかというふうに思っております。
 しかし、現実のところは、委員御指摘のとおり、大変に厳しい状況の中のそうしたダムが多数存在をしているということを私どもも認めざるを得ないというふうに思っております。
○金子恵美君 ありがとうございます。
 それでは、建設中のダムが今現在十五か所あるということでございまして、その中に東郷ダムと大蘇というものも含まれていたわけでございますけれども、総工事費は約二千五百億円とされているところでございますが、今回の総点検によりましては、もちろん、先ほど言いました三十ダムにおいて水利用率が低いことも明らかとなっていますし、また建設中の十五ダムについても再検証が必要不可欠であるということも言われているわけです。
 この建設中である十五ダムの総工事費は、実は当初より二千億円近く膨れ上がっているということでございます。幾つかのダムは計画変更を繰り返してきている。そしてまた、これまで農業の担い手不足や耕作放棄地などの課題がある中で、先ほども申し上げましたが、地方や受益者の負担というものをしっかりと考えるべきだったというふうに思いますし、そうであれば、事業拡大ともいえるこの変更についてはやはり慎重にすべきだったというふうにも思います。その辺についてはいかがでしょうか。また、これらのダムの進捗状況、再評価について、この御予定がしっかりとあるのかどうか、お伺いさせていただきたいと思います。
○副大臣(郡司彰君) これもまた委員御指摘のとおりのことが現実として起こっているわけでございます。したがいまして、当初の計画から変更が何度かあったというようなダムもございまして、先ほど大臣から御答弁をいただいた大蘇ダムについても、当初の予算計画は百三十億でございましたけれども、今現在は約六百億近い予算を使ってきたと、このような形になっているものもございます。
 この間にどのようなことの見直しというものが行われてきたのかということになりますと、これはもう御存じのように、当初十年間の後に見直しを行い、それから五年ごとに計画の見直しを行うということを行ってきたというふうには思っているわけでありますけれども、まさに私ども、その当時のことについて細かく点検をしていかなければいけないというような問題は残っているかというふうに思っております。
 しかし、いかんせん、私どもの政権以前のことがすべてでございますので、これからこのようなことがないようにということは肝に銘じて行っていかなければいけないというふうに思っております。
○金子恵美君 農業用ダムにつきまして、多々大変な課題があったということは残念でならないわけでございますが、では、これから何ができるかということでございますので、まず疲弊した農業農村を再生していく、先ほど言ったように、水の利用率が当初予定よりも本当に下がってしまった、低くなってしまった理由の一つでもある、そういうそもそものところの農業農村をどういうふうに再生していくか、あるいは担い手不足、あるいは耕作放棄地の解消、こういうことをどういうふうに取り組んでいくのかについて御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○副大臣(郡司彰君) これはまさに今私どもが行おうとしている政策に尽きるのではないか、そのように思っているところでございます。
 委員はよく御存じのことでございますけれども、ここ十五年程度の年月を見ますと、農業による所得というものが半減をいたしております。あわせて、逆な意味で、基幹的な作業労働者、農業の作業を行う方々の年齢というものが六十五歳を超え、七十歳に近づこうとするような現状があるわけであります。したがいまして、そこのところの所得をきちんと確保をしながら、若い方々にも農業に参入をいただくような、そのような基盤をきちんとつくっていこうということでの戸別所得補償制度というものを今年からモデル事業として行うことにしているわけであります。
 それと併せまして、結果として、中山間地を中心とする地方の疲弊というものが続いてまいりました。
 平成二年から十二年までの十年間で、農村という集落で見ますれば、全国で五千を超えるような集落が消滅をしたというデータもございます。これからまた千七百近い集落が消滅をする可能性があるとも言われているわけでありまして、そこのところに対して、雇用の場あるいは付加価値を生み出すような取組としての六次産業化、こうした取組によりまして、地域そのものに活力を生み出すような、その取組を今進めているところでございます。
○金子恵美君 是非、その取組に期待したいと思います。
 次の質問に入らさせていただきます。
 農畜産業振興機構についてお伺いさせていただきます。
 昨年の本委員会におきましても、実はこの独立行政法人農畜産業振興機構と同機構の各種事業を担当する公益法人などについて私は御質問させていただきました。多額の国からの補助金が使用されずに滞留しているそういう問題や、あるいは同機構が保有、運用する債券の適正水準等について質疑を行いました。
 本日は、その後それがどのように改善されているか、お伺いさせていただきたいと思います。特に、同機構が保有する長期預り補助金等の額及び関連公益法人等に設置されています基金残額の推移、その規模の妥当性についてお伺いします。
 同機構の長期預り補助金等は、平成十八年度末は二千八百十一億円、うち国費相当額は二千四百三十四億円、十九年度末で三千百八十八億円、うち国費相当額が二千八百十五億円、そして平成二十年度末で二千七百四十四億円、うち国費相当額は二千三百八十億円と推移しております。依然として多額の長期預り補助金がございました。
 そして、関連公益法人に設置されている三十六基金の二十年度末の残額も二千百四十二億円、うち補助金等の額は二千六十六億円となっております。
 改めて、この推移、そして規模、その妥当性についてどのような御所見をお持ちか、お伺いさせていただきます。
○大臣政務官(舟山康江君) 金子委員の御質問にお答えいたします。
 御指摘のとおり、長期預り補助金につきましては、平成二十年度末で約二千七百億円となっております。
 この長期預り補助金の内訳といたしましては、畜産関係と野菜関係に分かれておりまして、特に畜産関係については、価格変動がかなり激しいという事情は委員もよく御承知だと思いますけれども、この価格変動の激しい畜産の経営安定対策、それから、今回宮崎県におきまして口蹄疫が発生していると、こういった予期せぬ病気の発生などのときに機動的に対応するためにこういった預り補助金というものをつくっております。
 あともう一つ、野菜関係におきましては、野菜についても、やはり今非常に寒い日が続いておりまして野菜の生育が悪いと、こういった状況にありますけれども、こういった天候の影響を受けやすい野菜の価格変動ですね、こういったものを消費者に安定的に供給するためにこういったものを用意しているというところであります。
 特に、今御指摘のとおり、二十年度末二千七百億円、まだまだ多いではないかと、そんな御指摘だと思いますけれども、国からの交付金が減少する一方で、現在、飼料価格の高騰、それから景気低迷によりまして畜産物価格が低下しておりまして、かなりこの支出が増加していると。今、非常に減少をしてきておりまして、畜産関係におきましては、二十年度末で千七百三十八億円だったんですけれども、二十二年度末には二百億円程度にまで減少すると、そんな見込みでおります。
 一方、もう一点の基金につきましては、二十年度末には三十六基金、そして今お話にもありましたとおり二千六十六億円でありましたけれども、まず昨年の秋、これ予算要望のときに国に準じた基準によって事業の内容をかなり精査いたしました。その結果、九基金から四百四十六億円を機構に返納させました。その後の事業仕分におきましてまた更なる指摘をいただいて、その結果、四基金について二十二年度所要額を除いて機構に返納と、こんな評決を受けたところから、その四基金に加えまして関連、類似の様々な基金も見直しまして、合わせて十基金、二百三億円を機構に返納いたしました。
 また、今回、今年に入ってからですけれども、今年の二月に追加的に見直しを行いまして、二十二年度末には九基金、九百億円程度に減少すると、そういった形で大幅に基金の数も補助金の額も減らすという方向を決定いたしました。この基金残高の大半がリースの貸付物件や貸付金となる、そんな見込みであります。
○金子恵美君 基金についてまた更に次の質問をさせていただこうとも思ったんですが、今詳細についていろいろと御答弁をいただきましたが、またさらに、二十年度末で同機構には満期保有目的で運用している債券がございまして、そのうち償還予定が五年超十年以内のものが四百四十六億円、そしてまた十年超のものが百五十三億円もあります。これらについてもやはり対応を考えるべきだというふうに思っております。
 次に行かせていただきますが、今もう舟山政務官が、基金について、そして事業仕分について、どういう経過を経て、そしてまたどういう取組をしたかということをお答えいただきましたけれども、そのことについて、繰り返しになりますけれども、昨年の十一月の事業仕分で同機構が対象となったわけですけれども、そのときには、やはり農水省の天下り役員を抱える十六の公益法人に国の交付金や補助金が流れているということが議論されたところでもございまして、そのうち、先ほどのお話がありましたように、その時点で三法人の四つの基金が対象となりまして、返納されたものもあるということでございました。
 それ以外のところで、例えばこのときに出ました意見といたしまして、もちろん、同機構を経由してさらに公益法人へ資金を流していく仕組みは廃止すべきであるとの意見や、基金数を減らし互いに流用する体制にすべきであるとの意見等も出されました。
 このような事業仕分の評価、コメントを踏まえて今取組がなされたのだとも思いますが、この事業仕分についての御所見と、そしてさらに、農水省として独自に実際に取り組んでいらっしゃることがありましたらば、お伺いさせていただきたいと思います。
○大臣政務官(舟山康江君) 事業仕分につきましては、やはり今まで、何というんでしょうか、役所の中で密室で行われていた予算の要求作業というのを表に出して多くの人の関心を呼んだということは非常に意義があったと思います。
 そういう中で、今回この農畜産業振興機構につきましても相当厳しい御意見もいただきました。御指摘のとおり、無駄な事業があれば見直していかなければいけませんし、また余計な法人を経由して、本来直接に事業が執行できるものであればやはりそういった形に変えていかなければいけないと、そんなふうに思っております。
 そういった中で、今まで、先ほど申しましたとおり、例えば基金を減らしていく努力、それから長期預り金、無用な預り金をなくしていく努力、そんなことを続けてまいりましたけれども、実は、特に畜産も野菜もそうですけれども、今省内で戸別所得補償制度、こういった新しい制度への移行も検討しているところであります。こういった制度の在り方、これからの畜産振興事業の在り方、こういったことも含めて基金事業、それから全体の事業を見直していこうと、そんな方向で検討を進めております。
 具体的には、やはり傘下の法人を経由しなくても直接執行できるものは直接執行するべきだと、そういったことでありますし、あえてこういった基金として積むものではなくて、毎年の予算要求で対応するべきではないかと。そういったものに関しては単年度の予算要求で対応していく、そういったことでスリム化、効率化を図っていくと、そういった検討を今鋭意進めているところであります。
○金子恵美君 昨年の十二月、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会から、平成二十年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見が公表されました。
 その報告書に、この同機構、農畜産業振興機構に対する指摘が幾つかなされておりましたので、その点につきましてお伺いさせていただきますが、まず同機構の中期目標において、札幌、鹿児島及び那覇の各地方事務所の在り方について検討し、必要に応じ見直しを行うこととされているにもかかわらず、これら三地方事務所の在り方についての検討状況が業務実績報告書等で明らかにされていないという、そういう指摘がございました。この点について御所見をお伺いさせていただきます。
○大臣政務官(舟山康江君) 御指摘のとおり、政策評価・独立行政法人評価委員会から幾つか指摘をいただいております。
 この中で、地方事務所の在り方についての最終的な結論というのは、現行の中期目標期間、これは平成二十年度から二十四年度となっておりますけれども、この終了時までにやはりきちんと出していこうと、そういったことで理解をしております。
 したがいまして、今は、中期目標期間の初年度、まあ二十年度は初年度ですけれども、在り方について検討状況を出すというのは実際不可能でありまして、今は、二十年度に行われました業務が適切に実施されたのかどうか、そういった評価が行われたというところであります。
 地方事務所三つありますけれども、これにつきましては、今まで十の地方事務所があったところを整理統合をして合理化を図っていると、そういった状況でありまして、具体的には、この三地方事務所におきましては、例えば生産者に対する支払とかあとは工場への支払ですとか、そういった業務を行っておりまして、今まで調整金の徴収業務をほかの七つの事業所でやっていたんですけれども、これは、今オンラインシステムなどの性能が向上いたしまして、やはり本部でやるべきだと、そういったことで一本化をさせていただきました。
 いずれにいたしましても、この三事業所の今の業務というのが適切に実施されているのか、この三つの事業所が必要なのかと、そういったことも含めて中期目標期間終了時にはしっかりと結論を出していきたいと思っております。
○金子恵美君 また、さらにはこの報告書においては、同機構が出資等を行っている二十七の関連法人等、関連会社二十一法人とそれから関連公益法人六法人でございますけれども、そこの経営状況の分析と出資等先に対する指導状況等について、この業務実績報告書等において明らかにされていないという、そういう指摘もあったわけでございますので、それも含めましていろいろとこれからはチェックをしていっていただきたいというふうに思います。
 次の質問にさせていただきますが、この農林水産省の所管の独立行政法人は、もちろん、全部で十三法人ございますけれども、農畜産業振興機構だけではなく、多々問題を抱えているところもございます。その中では、例えば契約の問題もございますし、またさらに、契約の中でも再委託状況、例えば随意契約及び一般競争契約の再委託状況を見ますと、やはり再委託がかなり多くなっている状況であったり、あるいは一般競争契約であっても一者応札が多いという状況もあります。
 大変恐縮ではございますが、まとめて、この辺につきましてこれからどのように改善をなさっていかれるということであるのか、御所見をお伺いさせていただきます。
○国務大臣(赤松広隆君) 私の方から基本的な考え方だけまず述べさせていただきたいというように思っております。
 政権交代後、私が大臣になりまして、副大臣、政務官といろいろ議論をする中で、少なくとも各省庁の中で最も農水省が透明度の高い、そして、だれからも悪い御指摘をいただくようなことのないようにきちっとやっていこうということで、まず一つ決めましたのは、今の制度でいえば、必ずしも、OBの方でも適任者であれば独立行政法人等の、今までOBだった人の後に入るという形でのことは否定をされていることにはなっていないんですけれども、少なくとも農水省はそれを一切認めないという唯一の現在のところ省であるというふうに自負をいたしております。
 それから二つ目、契約等をそれぞれやるわけですが、今まででも税理士さんだとかあるいは法律家の人だとか入っていただいている場合はあるんですけれども、そこが契約のチェックをするわけですが、どちらかというと、それは任意に個人の弁護士さんにお願いする、税理士さんにお願いする、公認会計士の人に個々に御依頼をしてお願いをするというやり方でしたけれども、これもより公平公正性を高めるということで、弁護士会、公認会計士会、税理士会、そこにお願いをしてそこが人選をしてもらう、そこからいいと思う人を出してもらう、そしてその人たちにいろんな契約についてのすべてチェックをしていただく、それからマスコミの方にも必ず一人入っていただくということでやっておりまして、かなりその点については、以前と比べれば、透明度やあるいは契約に対する厳格性、公平公正な仕組みというのが担保されているんではないかと、少なくとも私はそのように自負をいたしております。
○金子恵美君 やはり政権交代して、改めて農水省の大臣を筆頭としてのすばらしい取組に敬意を表する次第でございますし、また、更に今後フォローアップをしっかりとやっていただきたいというふうに思ってございますので、よろしくお願い申し上げます。
 最後の質問になりますが、最後のテーマでございますが、森林・林業政策について御質問させていただきたいと思います。
 昨年の十二月、農水省は、十年後の木材自給率を五〇%というふうにゴールを持ちまして、効率的かつ安定的な林業経営の基盤づくりを進め、そして木材の安定供給体制を構築し、我が国の森林・林業を早急に再生するための指針とする森林・林業再生プランを発表いたしました。
 そこで、我が国の森林・林業政策、この将来像はどのようなものになるのか、大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(赤松広隆君) これにつきましても、ある意味、農業と同じ側面があるのかもしれません。皆さん方、森林・林業の重要さは分かっていながら、ついこの間は、やっぱり生産性だとかあるいは外材との価格の比較だとかいうことでもって森林・林業の実態は大変現状としては残念な姿になっているということでございます。
 こういう中で、時代的な背景もあります。例えば、戦後、人工林に植林をどんどん進めてまいりましたけれども、こうした植林がちょうど四十年、五十年を迎えて、製材として利用するには一番いい時期に来ていると。専門家に聞けば、森林もただあればいいということではなくて、五十年、六十年たつとCO2の吸収力は一気に落ちていくということから考えれば、伐採をして新たな植林をしていく、そのことによって環境対策としての唯一のCO2吸収源である森林・林業の活性化を図るということが一つはできるという、そういう今時代背景もございます。
 京都議定書の六%、あの中でも三・八%はCO2の吸収、森林による、そういう前提があるわけですから、今度は意欲的な二五%という数字をこの内閣、鳩山総理が出しておられるわけで、その意味でいえば、今まで以上に森林整備を進め、CO2吸収源としての森林・林業を活性化していかなければならない、こういうことも時代の要請としてあると、このように思っております。
 それからもう一つは、今までも林業に対するいろんな施策がなかったわけじゃないと思うんですけれども、一つは、伐採をして搬出をしてもそれが利用されないと。利用されないから、幾ら切っても使ってくれなきゃしようがないみたいなところがあったものですから、いわゆる川上の整備ばかりじゃなくて川下の整備もきちっとやっていこうということで、川下、川上、需給両面からの再生ということについても今取組をさせていただいております。
 具体的には、路網の整備、それから森林施業の集約化、あるいはまた一番大切なのは人材の育成でございますから、新たな人材の育成と今ある人の有効活用ということの三点を重要視しながら、あと、今申し上げたように川下の整備ということで、加工・流通機構の改革や、あるいは地域材住宅の推進、そして、今回も法案を出していますけれども、まず隗より始めよで、今一番木造建築の達成率が悪いのは公共建築物ですから、わずか七・五%ですから、だから、これを上げるためにも、今度法律を出してしっかりとまず国が、公がしっかりと公共建築物に木材を使って需要拡大を図っていくということに力を尽くしたいと思っております。
○金子恵美君 ありがとうございました。本当に、決意表明にも聞こえたお言葉でございましたけれども。
 ここで国有林野事業についてお伺いさせていただきたいんですが、国有林野は、我が国の国土面積の二割、そして森林面積の三割に当たる七百五十九万ヘクタールを占めております。その多くは国土保全上重要な奥地脊梁山脈や水源地帯に分布しておりまして、土砂崩れの防止や洪水の緩和、良質な水の供給に加えて地球温暖化防止等、国民生活に重要な役割を果たす国民の森林となっております。この森林・林業再生プランにおいても、国益重視の管理経営のより一層の推進、民有林への指導やサポート、森林・林業政策への貢献を行うとともに、そのための国有林野の組織、事業のすべてを一般会計に移行することを検討するとしています。
 国有林野事業の重要な役割をかんがみて、これからどのように改革がなされるのかということでございますが、改めて、国有林野事業の果たす役割についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 そしてまた、さらには民有林と国有林の連携というものも重要になってくると思います。
 私の地元の福島県でも、森林共同施業団地をこれから設置するということで、これは東日本では初の設置となるということでございますけれども、民有林と国有林の連携という、一緒に一体として森林施業をしていくという仕組みでございますけれども、今後どのようにその連携を含めて進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(舟山康江君) 国有林の役割につきましては、委員御指摘のとおり、全く同感であります。国有林、民有林含めて双方同じでありますけれども、やはりこの森林・林業の果たしている役割というのは、雇用の受皿として、また地域の活性化として、また最近でいえば、地球温暖化の防止の役割として非常に大きな役割を背負っていると思います。
 そういう中で、国有林というのはやはり国が責任を持って一般会計において管理をすべきだと、そんな基本認識の中で鋭意今改革の方向性を検討しているわけでありますけれども、御指摘のとおり、やはり国有林の有する組織、職員の技術力を活用して、例えば民有林へのサポート、また森林・林業技術者の育成、今、森林・林業再生プランに基づきまして様々な検討委員会を設けているわけでありますけれども、この中でもやはり人材育成というのは非常に大きな課題になっております。こういった人材育成の面でも、国有林の技術をしっかりと活用して育成していきたいと思っておりますし、もう一つは、木材の安定供給、また木材価格の急落等の緊急時に、やはり国有林材の供給調整というのは非常に大きな役割が果たせるのかなと思っております。そういう中で、やはりセーフティーネットとしての役割をしっかりと果たしていきたい、そのことによって森林・林業の再生に貢献していきたいと思っております。
 もう一点、森林共同施業団地ですね。これは、国有林と民有林が特に入り組んだような地域におきまして、やはり個々別々にやっていては効率が悪いということで、連携して、特に中国・四国地方でかなり取組が進んでおります。これによりまして地域レベルで共同の整備を進めると。かなり効果を上げているような状況でありまして、計画的な間伐、森林施業を行っています。
 今後とも、こういった森林共同施業団地の設定というのは非常に重要だと思っておりまして、こういった設定を通じて、共同で路網を造っていこう、共同で高性能林業機械を組み合わせて、いわゆる林業経営がきちんと成り立つような、そんな事業体を育成していくということで、これからもしっかりと積極的に取り組んでいきたいと思っております。
○委員長(神本美恵子君) 金子恵美さん、時間が参っております。
○金子恵美君 時間が参りましたので、終わります。
 ありがとうございました。
○松浦大悟君 民主党・新緑風会・国民新・日本の松浦大悟です。赤松大臣、郡司副大臣、舟山政務官、よろしくお願いいたします。
 先週から事業仕分が始まりました。予算がどのような仕組みで成立していくのか、その過程を明らかにしていくということは、私は大変意義深いことだと思っております。お任せ民主主義ではなく、国民の一人一人が自分たちの税金がどのように使われていくのかということをしっかりとチェックできる、参加する政治への第一歩だと考えております。
 私は、今回は事業仕分とは別の特別会計検証チームというのに入っております。決算の立場からもこの特別会計をしっかりとチェックしていくことも大変必要なことだというふうに考えています。今日はそうした観点から幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、その特別会計検証チームの検証作業で気になった点から質問をさせていただきたいと思います。
 私は食料安定供給特別会計の担当だったんですが、農業経営基盤強化勘定の中に国有農地の管理という事業があります。これは、会計検査院の平成二十年度決算検査報告でも指摘されていることなんですが、これの三百二十八ページにございます。国が持っている農地というのは結構あるんですね。
 簡単に言いますと、これは戦後の農地改革で国が小作人に売り渡すために不在地主などから買収した土地なんだそうです。大部分は小作人に売り渡されたそうなんですが、小作人が買い付けの申込みをしなかったりして、そのときに余った分があると。それが何と面積にして四千三百八十万二千七百十七平方メートル、東京ドーム九百三十七個分だそうです。単純に思ったのは、これがひょっとして農地として使われていないのであればもったいないことだなというふうに思いました。
 これ、どれぐらいの農地がどのような状態であるのかということを疑問に思いまして、質問取りのときに農水省の方にお伺いをしたんですが、把握していないと言うんですね。数が多くて分からないというふうに言われました。会計検査院に指摘されたところは分かるんですが、すぐにはデータとして出すことはできないというふうに言われました。私、そんなことがあるのかなと思いまして、会計検査院に電話をして聞いたんです。そうしたら、ありますよと言うんです。会計検査院の方では、貸付けしているところはすぐに分かると、住宅として貸し付けたところは固定資産税評価額も分かりますと。ただし、農水省さんから預かったデータなので、農水省の許可がなければ先生にお出しすることはできませんというふうに言われました。
 会計検査院も会計検査院だなというふうに私は思ったんですが、これはデータを管理しているのかいないのか。もしこれ管理していないのであれば随分ずさんな話だなというふうに思うんですが、まずその現状はどうなっているのかということをお聞かせください。
○大臣政務官(舟山康江君) お答えいたします。
 まず、この農業経営基盤強化勘定で管理しております農地というのは、御指摘のとおり四千三百八十ヘクタールであります。この内訳といたしましては、農地等、これは小作農に売り渡すために買収した元々農地ですね、農地については六百二十九ヘクタール、それから開墾して農地にするために買収した山林原野、こういったものが三千七百五十一ヘクタールあります。それぞれ所在等については把握しておりますし、その貸付け、転用貸付けの実態というものもこちらで人数、面積ともに把握しております。
 具体的に申し上げますと、この四千三百八十ヘクタールのうち、二十年度決算の数字でありますけれども、貸し付けられているものは、三千七百二十一人に対しまして二百五ヘクタール、全体の五・五%ですけれども、こういった形が貸付けという形で利用されております。逆に言いますと、これ以外のものは貸付けも売渡しもできていない、そんな土地だということで、こういった状況、私も委員からの御質問を受けまして、何でこんな状況になっているんだろうとちょっと調べさせていただきましたけれども。
 これは言い訳するつもりも全くないんですけれども、やはりこれ、かなり古いものであって、基本的には当然農業者へ売却すると。それから、買受人がいない場合には買収前の所有者、若しくはもうお亡くなりになっていれば一般承継人に売却するということで速やかに処分することが基本になっているんですけれども、今までサボって何もやってこなかったのかというとそうではないんですが、なかなか、小作農に貸し付けている農地はやはり買うと高い、今は非常に、先ほど来の御質問の中でもお答えさせていただきましたけれども、やはり農業の収益性が非常に悪いということでなかなか買えない、だから借りたままにしてほしいということ。
 それから、開墾して農地にするために買収した山林原野は、売り戻したいんですけれども、もう世代交代してそんなもの要らないという方が非常に多くて、買受け希望がないということ。そして、買受け希望がなければ一般競争入札による売却となるんですけれども、それについてもなかなか落札されないということ。
 あとは、公図の上で買収したけれども、現状と公図が違っていて、その境界画定とか非常に手間が掛かるということもありまして、そうはいってもきちんと進めなければいけないんですけれども、そんな状況で処分が進んでいないと、そういう状況があります。
 ただ、これについても管理費が掛かりますので、鋭意きちんと処理をするように、今まで以上に力を入れていかなければいけないなと思っております。
○松浦大悟君 これは私も調べるまで全然分からなかった話で、これ、国民の皆さんも多分そうだと思うんですよ。買手がいないという話なんですが、知らないからそういう情報はないわけですから、買おうにも分からないわけですよね。
 この情報をオープンにしていただきたいなと思うんです。どこにどういう土地があるのかという住所を知りたいんです。それはお出しいただくことはできますでしょうか。
○大臣政務官(舟山康江君) これは当然お出しすることはできます。
 情報につきましても、例えば一般の不動産を取り扱っている方々と協力をしながら、いろんなインターネット上で情報を提供するとかそんなこともしているんですけれども、まだまだ足りないという状況だと思いますので、これからそういう努力は今まで以上に進めていきたいと思っております。
○松浦大悟君 都心だとかなり高額な土地の評価額になると思うんですけれども、これは時価でどれぐらいの資産額があるかということはお分かりになりますか。
○大臣政務官(舟山康江君) これは、この農業経営基盤強化勘定で管理している農地については国有財産台帳というのがあります。この台帳の中では簿価で評価されておりまして、この簿価の総計は四億円となっています。
 これは、基本的には国有財産につきましては時価で評価しろということになっているんですけれども、幾つか例外がありまして、簿価で管理するべきだというものがあります。そのうちの一つがこの国有財産、これは元々は所有を目的とするわけではなくて売渡しを目的とするというものだということで、あえて評価替えをせずに元々の簿価で管理をしているような状況でありまして、これは国有財産法の施行令、それからその中で適当でないものとして財務大臣が指定するものと、そういった規則の中で定められているものであります。
○松浦大悟君 昨日、農水省の方にお伺いしたときに、その国有財産法施行令というのが財務省理財局長から各省各庁国有財産総括部局長あてに出されているんです。これに、食料安定供給特別会計の農業経営基盤強化勘定に所属する財産、これは、下記の財産は、国有財産の台帳価格を改定することが適当でないものとして指定されたので、命により通知するということが書かれているんですね。
 なぜこういう通達ができたのかと聞いたら、いや、戦後、小作人に速やかに売り渡すことが前提だったので時価に計算する必要はなかったんだと、する必要がないということで、今戦後六十何年ですか、今日まで来てしまったということなんです。
 ただ、現段階において売れていないわけですから、これ当時と状況が違っているわけなので、是非ともこれを時価で計算して国民にお示しいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(舟山康江君) 実際に、これ売渡しをするときには時価を基準に、そのときそのときで時価を計算させていただいて、その中の例えば十分の七というものを掛けて売却するとか、そういった形で売渡しをしているんですけれども、管理上その評価替えをすることが適当なのかどうか、それについては今後慎重に検討して、どうするのが一番売却が進むのか、その管理にとって一番いいのかということは慎重に検討していかなければいけないなと思っております。
○松浦大悟君 特別会計検証チームでは、簿価では意味がないと、是非時価で調べてほしいということでありますので、それも検討していただきたいと思います。
 それで、私、独自に調べてみたんです。平成二十年度の会計検査で指摘された無断転用された国有農地の所在地ということで、例えば練馬区の石神井台というところですとか練馬区の関町南、足立区六町、葛飾区の宝町だとか今いろいろあるんですけれども、その中で江戸川区の中葛西というところがあります。
 これは七百四十・一四平米の土地を無断に転用しているということなんです。この江戸川区の中葛西がどれぐらいの時価で土地の評価額があるかということで、インターネットで不動産屋を調べました。そうしたところ、これは駅から十分ぐらい歩いたところの土地だということなんですが、三百四十八・四八平方メートルで一億五千五百万円だということなんです。それで、この無断転用された国有農地、江戸川区中葛西は、七百四十・一四平米、坪に直すと二百四十坪くらいですから、ちょうど倍ぐらいですよね。単純計算で倍にすると三億なんです。
 それで、それ以上かもしれない、もしかすると、駅に近ければですね。これぐらいの時価に直すと評価額があるということなので、これだけ財政難を大騒ぎしている中でもったいないと思うので、何とかこれを活用できないかなという気がするんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(赤松広隆君) 委員に申し上げたいと思うんですが、これは単に国有地と一般論で論ぜられれば今言われたとおりだと思うんですね。しかし、あくまでもこれは農地なんです。全国で四千三百八十ヘクタールあって、金になりゃ何でもとにかく売っちゃえばいいと、私、確かに今の石神井辺り、私も高校はあの辺り行っていましたから分かりますが、石神井辺りの都市化されたところは物によってはそういう売り方もあるかもしれませんが、四千三百八十のほとんどは、いわゆる優良農地にして日本の食料生産のためにといって開墾したり、あるいは大地主から取り上げて小作人の人たちにちゃんとした農業をやってもらおうというのが元々の趣旨の土地なんです。ですから、国の財政状況が厳しいというその視点は別に否定はしませんけれども、高く売れりゃ例えばパチンコ屋でもマンションだって何だっていいじゃないかと、たまたまある農地の中にぽこんとあるような土地もそこだけ農転ばんばん認めて何でも高く売れればいいということではちょっとないんじゃないかなと。
 ですから、私は、それぞれの地域の用途に合った形、あるいは処分をすることによって財政にはプラスになるかもしれないけれども、しかしそこは本来優良農地として使われるべきだというものは、改正農地法じゃありませんけれども、むしろ以前よりももっと厳しく農転を認めないというぐらいのこともないとこれは国策としてはちょっとやっぱりまずいんではないかということで、いろんな多分場所もそれから用途もそれぞれ違うと思いますので、委員の御質問の趣旨は分かりますので、それに合った形で、本来ここはもう農地としてではなくてほかのもので考えた方がいいんではないか、その方がまた有効に生かせられるんじゃないかという趣旨は分かりますので、一回それでもってすべての国有農地については点検をさせていただくということにさせていただいたらいいんではないかというふうに思います。
○松浦大悟君 そうだと思うんです。
 それで、大臣も調べていただきたいんですけれども、農地として使われていないものも結構ありまして、例えば東京都の都心部などでは無断転用されているものが多いというふうに聞いております。どのような形で転用されているのか、お聞かせください。
○国務大臣(赤松広隆君) 全体で四千三百八十ですから、これまた地域によって、私の地元の愛知県なんかは全部合わせても十ヘクタールしかないんですね。ほとんどもうないと言っても等しい自治体もあれば、東京なんかは、小作地として二十七ヘクタール、山林原野で十九ヘクタールということで合わせて四十六ヘクタールぐらいということですから、多分山林原野というのはずっと三多摩の方のあの地域なんだろうと、小作地ということは多分今言われた練馬区だとかそういうところの部分もあるんだろうなというふうに思いますので、これは一回そういう個々の、今申し上げたように、全国もいろんな状況があると思いますので点検をさせていただいて、そしてそれに対する基本的な考え方を整理をしてみたいというふうに思います。
○松浦大悟君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 都市部などでは店舗などになっていたりだとかという形で、農業以外に土地の利用価値が高いからだという理由だと思いますけれども、そういうふうになっていると。それでは、自作農創設といった本来の目的からは逸脱してしまうというふうに思うんです。特に、長期滞納ですとか無断転用など悪質な事例については、これ契約を解除するとかそうした措置が必要ではないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(赤松広隆君) 基本的には農地としての国有地なものですからあれですが、今、政務官等にチェックをさせたところ、一部には転用貸付けもしているところもあると、多くはないと思いますが、そういうところもあるということですから、まずそれぞれの、トータルでいえば、さっきも何回も言いますが、四千三百八十なんてとてつもない広い面積、しかもそれが全国に点在しているという状況ですから、その実態について一度総点検させていただきたいと、このように思います。
○松浦大悟君 その今おっしゃった転用貸付地なんですが、公用ですとか公共用に利用するために学校ですとか公園などとして貸付けを行っているというところもあると聞いているんですけれども、それが今更戻ってくるとも思えませんし、そうすべきでもないと思うんです。それを売らずに貸付けのままにしているという理由というのは何かあるんでしょうか。
○大臣政務官(舟山康江君) その公用の転用貸付けにつきましては、買受けの申出があればいつでも売却が可能ですし、できるだけ売却をしていくと、そういった方向で取り組んでおります。
 ただ一方で、やはり地方公共団体などの厳しい財政事情があってなかなかその買受け希望も少ないと、そんな状況になっております。例えばこれ、転用貸付けですね、地方公共団体が非営利事業の用に供する場合については、例えばその土地の固定資産税評価額の百分の二で貸付けをしているわけなんですけれども、こういった場合に売却というのは可能なわけですけれども、今申し上げましたとおり、なかなか買受け希望も少ないという状況があります。特に、やはり都心でありますと非常にその評価額も高いということでなかなか厳しいという、そういった背景があると思います。
 少なくとも、農水省というか国の方で、あえて売却はしないということではなくて、これ実際に、できるだけ、元々の趣旨は、やはり農業の用に供するために強制的に買収をして売渡しをしようといった土地ですけれども、今そういった時代の流れに応じて転用貸付けをしていると。この実態が、今把握している中で、全国で六百四十一件、約七十三ヘクタールという状況になっておりますけれども、こういったものですね、この中でなかなかその売却が進んでいないという状況については、やはりその原因等をきちんと精査した上で、そういった買受けが進むように自治体にも呼びかけていく、働きかけていくと、そういったことも必要なのかなと思っております。
○松浦大悟君 次に、全国農地保有合理化協会について伺いたいと思います。
 これはどのような事業を行っているのか、協会の官庁出身者、いわゆる天下りの実態はどうなっているのか、積立金、剰余金の返納についてどのようにお考えになっているか、お聞かせください。
○大臣政務官(舟山康江君) お答えいたします。
 この全国農地保有合理化協会といいますのは、農地保有合理化事業ですね、これは県段階若しくは市町村段階の公社を通じまして農地の買入れ若しくは借入れの資金を無利子で貸し付けると、そういった事業であって、農地の移動を円滑にすると、そういった事業であります。
 その中で、この全国農地保有合理化協会でありますけれども、これは県段階の各農業公社に農地の借入れ若しくは買入れの資金を無利子で貸し付けるための基金を保有しているという状況であります。その基金の状況ですけれども、平成二十一年度末の現在で五基金ありまして、基金総額は八百三十二億円という、そんな状況であります。
 まず、これでよろしいでしょうか。
○松浦大悟君 食料安定供給特別会計のうち、この農業経営基盤強化勘定については特別会計でやる意義が薄れてきているのではないかというふうに感じております。都道府県に移管をして、それを国がいろんな面で支えていくような仕組みも検討すべきではないかと思いますが、この点に関してはいかがでしょうか。
○大臣政務官(舟山康江君) ちょっと繰り返しになる場合もありますけれども、そもそもこの農地保有合理化事業というのは、県段階の農業公社が主体となりまして、規模縮小農家や離農農家から農地を買い入れて又は借り入れて、それを意欲のある農業者に売り渡し又は貸し付ける事業を行うものであります。
 そういう中で、この社団法人全国農地保有合理化協会というのは、その基盤強化勘定からの交付金を原資とする基金によって必要な資金を公社に無利子で貸し付ける業務だということであります。事業仕分におきましても、基金について、既貸付金以外は国庫納付をすべきではないかと、そんな評決を受けたことから、二十二年度は四十一億円を国庫返納の予定であります。
 これは、農地法も改正されましたし、二十三年度以降の基金の在り方につきましては、やはり農地利用の集積、有効利用、そういった上で重要な役割を果たしている保有合理化事業ですね、事業そのものはやはり非常に重要だと思っておりまして、今後の予算要求の過程でどうすべきなのか、そこはきちんと考えていかなければいけないと思っております。
 ただ、委員御指摘のとおり、直接国から都道府県公社へ交付するべきではないかと、そんな御指摘もあるかと思いますけれども、この農地の買入れ、売渡しというのはかなり頻繁に行われておりまして、機動的に対応しなければいけないと思っています。そういう意味では、一般会計で都度都度対応するというよりは、やはり特会から一定の協会への基金方式による貸付けが一番今最適ではないかと、そんな考えの下にやっておるわけですけれども、協会を通すべきなのか、基金以外のやり方があるのか、そこも含めて今全般的に省内のこういった事業を見直しておりますので、その議論の中でこれも検討していきたいと思っています。
○松浦大悟君 次に、米麦の管理勘定について伺いたいと思います。
 米と麦の管理勘定については、幾つかの観点から一般会計化については議論が分かれていると思います。赤松大臣、率直に、この米麦の管理勘定の一般会計化についてはどのように思われているか、お聞かせください。
○国務大臣(赤松広隆君) 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 米麦の売買事業につきましては、米麦の売払い代収入という特定の歳入をもって米麦の購入費という特定の歳出に充当しておりまして、費用と収益の対応関係が成立することから、財政法の第十三条第二項が規定する特別会計の設置要件に該当しているというふうに理解をいたしております。
 多分、委員の趣旨は、特別会計ではなくて一般会計で行ったらどうかというお話だと思うんですけれども、一般会計で行ったときには、実は幾つかの問題点があるというふうに考えております。
 例えば、買入れ等に必要な経費の全額を毎年予算として計上する必要が生じますので、そうしますと一般会計の予算規模が著しく増加をいたします。今、農水省の予算が大体二兆四千億、今年の二十二年度規模でですね、ぐらいですから、これに、二十年度の米麦の買入れ費等の決算額でいうと五千百四十六億円だと。じゃ、こういう事情なんで三兆円お認めいただけますかと言って、財務省が認めてくれればいいんですけれども、まず認めないでしょう。そうすると、じゃ、どうしてそれを手当てするかということになるものですから、そういう意味で、表向きの予算規模が大変多くなり過ぎるということと、あと特別会計の意味ということは、機動的なやっぱり予算措置が可能であると、そういう対応がしやすいということがあるものですから、そういう意味で特別会計の方が余計、特に穀物相場というのは変動が大きいものですから、そういうことを考えればそういう形での取扱いの方がいいのではないかというふうに思っております。
 いろんなあと理由もありますけれども、一般会計化というのは一つの考え方でありますけれども、要は特別会計であってもきちっとした、中身が透明性を持って公正に措置をされるということであれば私は特別会計でやっても問題はないのではないかと、このように思っております。
○松浦大悟君 この米麦の管理勘定につきましては、入りと出の赤字分がチェックができにくくなるのではないか、一般会計化してしまうとというような問題点も指摘をされていて、なかなか特別会計から一般会計へというのは私も難しいんじゃないかというふうに認識をしているところでございます。
 最後に、今日は大潟村の方々から要請のあった精米表示の問題についても伺おうと思ったので、ちょっと時間がなくなってしまいましたので、最後に大臣に農業経営安定勘定について伺いたいと思います。
 これから戸別所得補償制度の本格実施に際して、どのような制度設計をするかによってもこれは違ってくるとは思うんですけれども、制度設計によっては特別会計でやらなくてもいいという場合もあり得ると思うんですが、その場合、これまで消費者や製粉企業から負担していただいたマークアップ分などを徴収する根拠はなくなってしまうというような問題も出てくると思います。
 特別会計改革と戸別所得補償制度の本格実施について、今の段階で大臣、どのように考えていらっしゃるか、お聞かせください。
○国務大臣(赤松広隆君) これにつきましては、まず結論から言わせていただくと、今、モデル事業も本年度からスタートしたところですし、まだどれぐらいの参加者が、六月三十日が締切りなものですから、委員のお力添えや御努力もあって、秋田県は今まで一番造反者の多かった正直言って地域なんですが、今度は大潟村ばかりじゃなくてほかの地域も含めて非常に、秋田県、それから福島、千葉というところが今まで一番生産調整に余り協力的でなかった県なんですが、そういうところが積極的に今回は協力していただいている傾向が見えます。
 そういう意味で、六月三十日を一応締切りをもって戸別所得補償制度の参加の実態等を把握したいと思っていますが、とにかくこのモデル事業がまずどういう形で進んでいくのか、どのぐらいの参加者の中でどういう期待感を持って皆さんに取り組んでいただけるのか、そういうのを見ないと、これを安定対策と一緒にしてやれるのかどうかということもあるものですから、ちょっとこれはもうしばらく慎重に検討をさせていただきたい。
 ただ、どちらにしても、農業者にとって一番いい形は何なのか、それを考えながら、もう少し検討を続けていきたいと思っております。
○松浦大悟君 ありがとうございました。
 赤松大臣、郡司副大臣、舟山政務官、御退席くださって構いません。ありがとうございました。
 次に、エネルギー対策特別会計の剰余金、不用額について直嶋大臣に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 エネルギー対策特別会計における剰余金は、エネルギー需給勘定を中心として毎年度高水準で推移していまして、決算委員会の審議でも度々取り上げられております。二十年度決算で見ますと、収納済歳入額二兆六千七百二十八億円に対し、支出済歳出額は二兆三千八百十九億円で歳計剰余金二千九百八億円、うちエネルギー需給勘定二千五百三十億円が発生しております。
 それで、二十年度の不用額がどうなっているのかといいますと、お配りした資料を御覧ください。この資料の一番右でございますけれども、二十年度の不用額は二千十四億円、うちエネルギー需給勘定千七百五十四億円となっております。
 この資料を御覧になって分かるとおり、十九年度が三千三百三十二億円、十八年度が二千二百九十四億円とほとんど変わっておりません。どうしてこういう状況になるかというと、十九年度決算検査報告では、エネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定において、過年度の実績を十分に考慮しないまま予算額が見積もられている等のため、予算額と実績額とで乖離が生じ、不用額が継続的に発生していて多額の剰余金が生じていると指摘をしております。
 これを踏まえて、本決算委員会において、剰余金の必要額の再検討等を求める措置要求決議を去年の六月に行っております。これに対し、政府は今年一月、政府の講じた措置という報告書の中で、従前の予算の執行状況を踏まえ予算の見積りを行った結果、二十年度の不用額が十九年度決算三千三百三十一億円から二千十三億円に縮減したと報告をしておりますが、資料を見ていただいたとおり、不用額は例年二千億円から三千億円程度で推移していまして、縮減したと胸を張れるようなものではないと思います。
 このように、エネルギー対策特別会計では、依然として多額の不用額が生じております。決算審査や検査報告で度々指摘されているにもかかわらず、残念ながら自公政権下では大きな改善は見られなかったと言わざるを得ません。
 そこで、これまで直嶋プランなど特別会計改革に力を尽くされてこられた直嶋大臣、是非ともリーダーシップを発揮していただいて、今後の見直しをしていただきたいと思うんでありますが、その辺、御所見をお聞かせください。
○国務大臣(直嶋正行君) 御指摘の平成二十年度のエネルギー需給勘定における二千五百三十億円の剰余金なんですが、一つは年度内に執行が終了しなかったんですが、翌年度に執行する、もう支出先が決まっているものがこの中に含まれています。それからもう一点は、予算をより効率的に使うということで、支出額が減少した場合によって発生したものと、これらのものが含まれていると思っています。
 それで、この財源になります石油石炭税及び電源開発促進税は、現在は全額一般会計に計上された上でエネルギー対策に必要な額が一般会計から繰り入れると、こういう仕組みになっています。先ほど、直嶋プランの話もしていただきましたが、あれを作った当時は、一般会計へ入らずにそのまま税収が特会に入る仕組みになっておりまして、歳出とはかかわりなく税収が絶えず入るということで、多額のお金がその特会にプールされてきたということでございますが、この点は既に改革をいたしておりまして、一般会計にいったん繰り入れた上で、予算を見積もった上で、それに該当するものを繰り入れていただくということになっております。
 現在、その剰余金として残っているものについても、結果的にはエネルギー対策特別会計の財源としてなりますので、その結果として、さっき申し上げた一般会計からの繰入額はその分だけ減るということになります。したがって、一般会計の財源確保に貢献するとともに、余剰な資金が特別会計に留保されていないというか、されない仕組みになっているということであります。
 ただ、今御指摘のように、そうはいってもこの措置を実行したのが平成十九年でございまして、それ以降もかなりの不用額、剰余金が残っていることは事実でございまして、さらにこれらについて的確に予算見積りをして、多額の剰余金が残らないような努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○松浦大悟君 それでは次に、エネルギー対策特別会計から支出されている補助金についてお伺いしたいと思います。
 エネルギー対策特別会計は、設置目的にエネルギー需給構造高度化対策がございます。毎年度、新エネルギーの導入やエネルギー使用の合理化などの事業に対し巨額の補助金を出しています。例えば、二十年度決算検査報告では、タクシー事業者等に対するデジタル式GPSシステム普及に係る支援事業が行われていて、この特別会計からの補助金交付実績は、十八年度から二十年度で五十四社、八億六千四百九十万円というふうになっています。しかし、これは指標ですとか評価方法が適切に定められていなくて事業効果が測定できない状況となっていた事態が指摘をされております。この事業が、空車タクシーを減らしてエネルギーを効率的に利用することを目的としているのに、その測定に総走行距離が使われていて空車と実車の区別もされていなかったということが報告されています。
 また、去年十一月の事業仕分におきましても、省エネ、新エネ導入促進のための補助事業など五つの補助金について、事業目的、必要性が明らかでないということ、補助金の金額が高過ぎるということ、効果の検証がなされていないなどの意見が出されまして、予算の縮減、予算計上見送り、廃止等が求められました。
 しかし、資料を御覧いただきたいんですけれども、二十二年度予算におきましては、総額が二十一年度の千二十一億円に対しまして二十二年度が千百十四億円と増額になっている、大きな変化が見られません。例えば、住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金は、事業仕分での様々な指摘はこれからの検討ということで、予算額は二百・五億円から四百一・四六億円へと倍増をしております。もちろん、省エネですとか新エネの導入促進というのは鳩山政権が力を入れる温室効果ガス削減のために必要でありますし、しっかりと行っていかなければなりませんが、評価もできず、効果が分からないということであれば、より効果的な事業方法などを検討することもできないというふうに思います。
 エネルギー対策特別会計からは、省エネ、新エネ導入促進のための補助金以外にも多くの補助金、委託費などが支出されています。これら補助金、委託費などについても効果の検証や予算縮減が必要なものがあると考えられますが、経済産業省としてはいつまでにどのように見直していくのか、お聞かせください。
○大臣政務官(高橋千秋君) 私の方からお答えをしたいと思います。
 例示に出していただいた二つの事業、タクシーの方と太陽光パネルでございますけれども、両方とも省エネということで、鳩山政権の中では大変重要なものだというふうには考えております。
 そういう中で、御指摘があったように、平成二十年度の決算報告で、このタクシーのデジタルGPSシステムというものは、この辺の赤坂周辺でもタクシーがずっと長い行列をつくって、ずっとガスをたいたままいるのを見ると、大変不効率だなというふうに私も思います。こういうものをなるべくなくしていこうということで、この事業が補助金を出してやっているわけでありますけれども、御指摘のように、これ実際に本当に効果があるのかどうかということの検証等について不十分だったというのは御指摘のとおりだろうというふうに思います。
 そこで、すぐこの指摘を受けまして、この対策をすぐやりなさいということで、事業効果の確認評価について早急な対応を行うよう指導いたしまして、省エネデータを取得完了後九十日以内にちゃんと報告をしなさいということを記載をいたしました。そのほかにも、省エネ率の算定方法をきっちり記載するだとか、本来そういうちゃんと効果があるかどうか、当たり前のことでございますので、これについてはちゃんと対応するようにということを既に対応させていただいております。
 それから、太陽光発電のことにつきましては、これ倍増しているというのは、実はこれ一キロワット当たり大体七万円の補助を出しております。普通の一軒の家だと大体三キロワットぐらい必要ですので、二十万円ちょっとぐらい補助金が出るんですけれども、昨年の前政権のときでありますけれども、このときは約七万件ぐらいの応募があるだろうという見積りで二百億円あったんですね。ところが、非常にこの応募が多くて十五万件ぐらいになってきたということで、これについては去年の秋段階で四百億ぐらい必要だろうということで見直しをしております。
 その後、事業仕分の中で、様々なこの事務の方の効率を図りなさいというようなことの御指摘をいただきまして、このどこに配るかという部分をやっている団体の事務経費の縮減を我々の方はやりました。そこで、この補助金の交付団体の業務管理費を二十八億円から十七億円に減らしまして、十一億円減らしました。これは、個人の家庭に払う単価は一緒でございますが、数が増えておりますので、この部分の増額はもう今の省エネのことから考えると致し方がないところでありますけれども、しかし削れるところ、この事務経費等につきましてはきっちりと削りなさいということで、これについてはその部分を織り込んだ上で必要額を入れさせていただいております。
 いつまでにというお話でございます。これはもうすぐできる段階で速やかに取組をしておりまして、今後もできるものから実施をしていきたいというふうに思っております。
 それから、今日も仕分やっておりますけれども、省内でも一般に公開をいたしまして、行政事業レビューというのを省内独自にやらしていただいて、御指摘のようなものも含めて私たち独自に取組をしていきたいというふうに思っております。
○松浦大悟君 ありがとうございました。
 時間がなくなってまいりました。
 最後に、独立行政法人についてお伺いしようと思っていたんですが、お手持ちの資料の中に、NEDO、それからJOGMEC、JNES、この三法人について、天下りが多いだとか、一般の国家公務員に比べて給料が高いだとかという指摘がされております。これらをどう認識されていて、今後どう改善していこうというのを最後に一言お聞かせください。
○国務大臣(直嶋正行君) 松浦委員からの御指摘は、細部を別にすれば、全体的には随意契約や一者応札、ラスパイレス指数が高い、こういうことがあるのは事実でございます。
 それで、今、高橋政務官からもちょっとお答えいたしましたが、私ども経産省として、独立行政法人の大胆な見直しをしようということで、既に一般有識者の方も含めて見直しを手掛けております。今月の九日に、事業の大胆な整理、金の流れの明確化、それから経営資源のスリム化を柱とする見直しの基本と直嶋三原則というのを発表しまして、この考え方に沿って十九日に、契約の競争性確保に向けた取組を含む所管独立行政法人の改革を発表させていただきました。
 また、公務員OBが就任しているポストについても、鳩山政権成立後、任期が満了したものから順次公募を実施をいたしまして、その削減を図るといいますか、順次入れ替わってきておりまして、こういう取組通じて、今後とも独立行政法人の改革をしっかり実行していきたいというふうに思っております。
○松浦大悟君 質問を終わります。どうもありがとうございました。
○礒崎陽輔君 自由民主党の礒崎陽輔でございます。
 私も農業用ダムについてお伺いをしたいわけでございますが、先ほど金子委員の方から総括的な御質問をいただきまして非常に参考になったところでございますので、私、各論の方をやらせていただきたいと思います。
 各論というのは、先ほどもお話にありました大蘇ダムの話であります。大蘇ダムそのものは熊本県にあるわけでありますが、利水地域は私の地元の大分県の方が多い。先ほどもございましたように、今お手元に昨年の新聞を配らせていただいておりますけれども、火山灰地域の上に造ったものですから水がたまらないと。そういうことで、今いろいろの議論をされておるわけであります。
 先ほど少しありましたけれども、これはもちろん三十年前からやっておるわけですから我が自由民主党政権のときにとっぷりつかっておるわけで、そういう意味で民主党政権の皆さんには申し訳ないと率直に私も思います。それはそのとおりでありますけれども、ただ、自民党のもちろん監督責任はあるんでしょうけれども、そういうダムを造るけどいいかと言ってきたわけではありませんので、そこのところはまた大変申し訳ないけれども、やはり政権を引き継いだ以上、よろしくまたお願いをしたいと考えておるところでございます。
 また、郡司副大臣には地元にも御視察に行っていただいて、地元の皆さんとお話をしていただいたということも聞いております。これは最初に感謝を申し上げておきたいと思います。
 さて、じゃ、その大蘇ダム問題、今後どう解決していくかということを少し今日は議論をしてまいりたいわけでありますけれども、今言ったように、簡単に言うと、阿蘇山の火山灰地の上に造ったから水が漏れておるわけなんでありますけれども、基本的なこういった事態に至った原因と、今言ったような責任の所在。余りそこ、技術的な話はもう聞いても仕方がありませんから、もう少し政治的な問題というか行政的な問題というか、そういう観点から、まずそこの大蘇ダム問題のそもそもの原因と責任の所在というのはどういうところにあるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○副大臣(郡司彰君) 委員から御指摘がありました大蘇ダムでございますけれども、先ほど金子委員のときにも申し上げましたが、三十四年目という年月に入っているかというふうに思っております。したがいまして、当初の計画のときにどのような検討がなされたのかについて、私自身は文書で調べるしかないわけであります。
 したがいまして、今言いましたように、技術的な問題というよりも、今現在どのような責任の所在ということを考えているかというようなことでお話をさせていただきたいというふうに思いますが、まさにこの農業用のダムというのは、受益者の方々がそれが欲しいんだというようなことによって工事が始まるという形を取っているわけであります。したがいまして、かなりの年月を要し、結果として、その必要な水が供給できるや否やというようなことに立ち至っていることについては、私どもとしては大変受益者の方々に申し訳ないという思いを持っているところでございます。
 しかし、振り返ってみれば、この途中におきましてどのような形の検討がなされ、あるいは幾度かにわたる計画の変更がなされたわけでありますから、そこのところについてはこれからも一つの事例として検証をしていかなければいけない課題だろうというふうにも思っているところでございます。
○礒崎陽輔君 もう少し突っ込んで御議論をしたいところでもありますけれども、余り責任問題を議論しても進まないから、私は現状を受け入れた上で質問を続けたいと思うんですけれど、そういう状況の中で、水が十分に供給できていないということであります。
 後で申し上げますけれども、大体今の補助採択ぐらいであれば足りると、農水省側は言っておるんでありますが、地元がなかなかそれを信用していないという状況、あるいは未採択部分をどうするかという話もできていない、そういう状況にあるわけでありますけれど、今後、大蘇ダム問題そのものをどのように解決していくのか、まずそこをお伺いしたいと思います。
○副大臣(郡司彰君) 今回、私どもの方で現地に出向いて説明をした点について申し上げれば、まず幾つかのポイントで水が漏れているというところがおおよそ分かってきているわけであります。そこのところの大きな数が集中をしているところについて改修の工事というものを行っていこうということが一つでございまして、これは三年間を予定をしているところでございます。そしてその都度、一年を経過するごとに地元の方々と相談をしながら次の段階に入るという形を取るということが大事だろうというふうに思っております。
 さらに、まさに受益者というものは、水が欲しいがための工事であったわけでありますから、今年から、御指摘がございましたような、これまで契約が行われている地区についての通水というものを行っていきたいというふうに思っております。それについての感触というのはどうなのだということになりますれば、先ほど御指摘がありましたように、私どもとしては、その地域における給水というものは可能な能力を持っているのではないか、このように思っているところでございます。もちろん地元の関係の方々、そして自治体の方々と調整をしながら行っていくということを今考えているところでございます。
○礒崎陽輔君 今、ダムののり面で三か所程度、大体漏水するところが分かっていると、そこに対して補強工事をやるという方向性が出たということでありまして、これは一歩前進でありまして、いいことだと思うんでありますが、整備部長にお伺いをいたしますけれども、どのくらいのお金を掛けて、どのくらいの期間、どういう工事をやるか、簡単でいいですから、教えてください。
○政府参考人(齊藤政満君) ダムの貯留水がダム貯留池の地盤に想定以上に浸透しているため、事業計画上必要な用水量を確保できない状況にございます。このため、今後の浸透抑制対策のための調査といたしまして、ダム貯留池の地盤にコンクリートを吹き付け、施工性、耐久性、遮水性等の観点からその適用性を検証するための調査を平成二十二年度から三か年掛けて行うこととしております。
 本調査の実施に当たりましては、地下水観測施設が多く、対策の効果を把握しやすい左岸尾根部ののり面、昨年の液状化地質調査において確認された湧水箇所のうち、湧水量が多い箇所を対象として計画しております。大蘇ダムの水を利用しながら、貯水位置の変化に応じて、水面より上部の部分について工事を施工することにしておりまして、その結果を検証することとしております。これに関する平成二十二年度予算として、二億八千万を計上しております。
○礒崎陽輔君 大体概要は分かったんです。
 ちょっと心配なのは調査費を使うということなんですね。別に私、反対というわけじゃありませんが、それでやっていただけるんなら別にどんなお金でやっていただいてもいいわけでありますけど、初年度の二十二年度で調査費を二億八千万も使って事実上大修繕をするということなんですね。もちろん、今言った考えなんでありますけれど、後で悪いと言ったら困るわけでありますけれど、まず財務省に聞きますけれど、この調査費を使って大修繕して大丈夫なものでしょうか。
○政府参考人(稲垣光隆君) ただいまお尋ねがございました大蘇ダムに関する調査でございますけど、これ最前より御指摘いただいておりますように、事業計画上必要な用水量が確保できないという状況を踏まえまして、今後の浸透抑制対策のための調査といたしまして平成二十二年度から二十四年度にかけまして地域整備方向検討調査費より支出いたしまして、ダム貯水池の地盤にコンクリートを吹き付け、その適用性を調査し、経済的で確実な施工方向を確立することとしているところでございます。
 なお、この調査の成果でございますが、本地区と同様、火砕流堆積物等から成る他の地域にも有用である技術の確立に資するものでございます。
○礒崎陽輔君 他の地域にも役に立つから調査費でいいんだと、さっきも言ったように別に反対しているわけじゃありませんが、念のため会計検査院、大丈夫ですか。
○説明員(金刺保君) お答え申し上げます。
 会計検査院といたしましては、調査費によりましてのり面補強工事が実施されるのか、そしてそれが適切であるのかなどを含めまして、今後検査をしてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○礒崎陽輔君 今、大体そういう答弁することになっているんですか、会計検査院は。事前には言われないという意味ですか。ちょっと答弁しておらないような気がするんですが。
○説明員(金刺保君) 申し訳ありませんでした。
 私ども会計検査院といたしましては、まだその事実関係を十分承知しておりません。したがいまして、事実関係を十分に把握した上で、法的問題の存否等も含めましてしっかりと検討して判断していくべきものと考えております。したがいまして、今後、農林水産省や関係機関等の検査におきまして、委員の御指摘の趣旨を踏まえて検査をして、所要の結論を得たいというふうに考えております。
 以上でございます。
○礒崎陽輔君 今日は別に会計検査院をどうこうしようという委員会じゃないから余り言わないけれども、ちょっと答弁拒否に近いですよ。あなた、そんなはっきりしたことを言えないような会計検査院なら要らないですよ、本当。ちゃんと答弁しなきゃ駄目ですよ、それは。いや、別に私、詳しいことは知らないんだけど、ちゃんと質問通告もしておるわけだし、会計検査院というのは大事な役所でしょう。国のお金がちゃんと使われるか使われないのかを判断する役所なのに、そんな答弁でいいと、あなた、本当に思っているんですか。ちょっともう一回だけ答えてください。
○説明員(金刺保君) 申し訳ありません。
 私どもは事実関係を把握して、それを踏まえた上でしっかりと検討して所要の結論を得るということでございますので、そういうプロセスを経た上でないと、この場ではちょっと結論を申しかねるということを御説明いたしたいのでございますが、お許しいただけるでしょうか。
○礒崎陽輔君 だから、やっぱり会計検査院の改革というものを考えなきゃならぬなと今ふと思いましたけど、時間がもったいないから今日はそこそこでとどめておきますけど、また与党の皆さんと御相談さしていただきたいと思います。
 それで、今、土地改良区との関係なんですが、最近幾つかまた新聞記事も出てまいりました。先ほど郡司副大臣が言ったように、大蘇ダムの水を通水してその利水状況を検証したいと農水省は申し出たんだけど、地元は調査に応ずるわけにはいかないというような今状況になっているんです。何かうまくいっていないんですね。このうまくいっていない原因は副大臣、どこにあると思いますか。
○副大臣(郡司彰君) まず一つは、三十四年間に及んだ心の疎通というものがやはり、どういう形でか損なわれてきたんだというふうには思っております。
 それから、技術的な関係といいましょうか、望んでいる方法、結果が違うところに相当行っている可能性があると思っております。
 それ以外、改良区は幾つかあるわけでありますけれども、一つの改良区については機能を計画どおりにしようと、つまり今のダムをそっくりもう一回造り直すような形の工事を行うべきではないかというようなことが趣旨であろうというふうにも思っております。
 私どもは、これだけ長い間給水ということが実質できなかったわけでありますから、ここに及んで一定の量をきちんと給水ができるという見通しの中で、まず受益者のための給水というものを行いながら検証を行うということがより良い方法であろうと、このような提案をしているところでございまして、それぞれの自治体との間でなお調整をしながら協調を図っていけるように努力をしていくつもりでございます。
○礒崎陽輔君 今の問いと答弁は私重要だと思うんです。前段までは賛成であります。
 とにかく役所側がずっと責任を認めようとしなかったんです。私が与党時代、現地で農水省がダムの堤の上で説明会を開いてくれました。ずっと私も聞いていたけど、もう全然、その漏水がなぜ起こるんだとか、そんな責任にかかわるようなことは一つも説明しないんです。別に頭を下げてくれと言ったわけじゃないんですけど、とにかく今からどうするとか、どうなっているとか客観的なことばっかり言っていて、今まで何をやってきたのか、何を失敗したからこんな水漏れになったのか、一つも説明しようとしなかったんですよ。まあ私は説明会で怒って大分大きな声出したんですけどね。だから地元じゃ、これは大蘇ダムじゃなくて大うそダムだと言ったんですよ。非常に拍手喝采を浴びました、それで。そんな感じだったんですね。
 だから、私は与党時代に前近藤基彦副大臣にお願いして、一回地元に頭を下げて行ってくださいと、そこからじゃないと話は始まらぬじゃないですかという話をしまして、ちょうどそのときのこれが資料の新聞なわけでありますけれども、近藤副大臣に行ってもらって、いやいや、政府としても責任を感じておるということを三十年たって初めて謝ってもらったんです。それがやっぱり私は一つ大きいし、そのまだ、トラウマと言っていいかどうかあれですけど、しばらくの心のねじれがあると副大臣言っていただきました。そのとおりだと思います。
 ただ、もう一つが、それはやっぱり続いているところはあるんですよ。副大臣が私は頭を下げてくれたんでもっと地元とうまくいくかと思ったら、余り変わっていないんですね。もちろん間に政権交代を挟んだからということもあるかもしれませんけど、別にそんなに政治的にどうこう見ているわけじゃないと思いますけど、なかなか農水省と話が合わない。なぜかということを私も考えてきました。
 また、地元からも土地改良区の新聞が来るんですけど、外の人間から読んでもなかなか難解なんです。地元の人は詳しいですけど、我々はそこまで知識がないものですけど、でも何度も何度も地元の新聞を読んでいてだんだん分かってきたんですけど、一つは今の現状認識なんですね。
 どういうことかというと、今日詳しい資料は皆さんに配付しておりませんけれど、大蘇ダムの計画で二千八百五十八ヘクタールのかんがいをすると言ったんです。それが、その大蘇ダムの漏水のせいで、漏水とも書かぬで、これは浸透量と書いているんですけど、まあそこまでは文句言いませんけど。漏水の結果、それが千三百六十ヘクタールに減りますよという。ところがもう一方、今水田が八百二ヘクタールあるんです。受益面積全体で畑が千三百五十六ヘクタールの計画があったんですけれど、現在採択している部分が五百六十ヘクタールだというんです。これ計算しますと千三百六十二ヘクタールになるんです。かんがいできる面積が千三百六十ヘクタールでして、既に採択済みの面積が千三百六十二ヘクタールというんです。四けたの数字で二ヘクタールしか違わぬですよ。
 これ、別にでたらめだとは言いません、それなりに一生懸命皆さん作ったんでしょうけれど、大分これは数字としては整えられた数字だと思いますよ。お役所はそうやって、大蘇ダムの機能はかなり減ったんだけれど、採択事業の部分だけは何とか足りていますよと、既に採択した部分は足りていますよと、自分らの責任を少し棚上げしておるんですよ。それだけじゃ何か感じが違うんで、この二千百五十ヘクタールの計画の中には県営の大谷ダムの六百二十二ヘクタールが入っているんです。こっちがおかしいんじゃないかなと一生懸命言っとるわけですよね。
 この農水省から地元に出した回答のところ、こう書いているんです。この結果と貴土地改良区の実感とは異なる要因は、実際の水需要に基づいて大蘇ダムを利用した実績がないことや、大谷ダムの利水機能が想定以上に低下していることなどが考えられます、このため、大蘇ダムから実際の水需要に応じて通年の用水供給を行うとともに、併せて大分県と協力して大谷ダムの利水機能の検証を行うことが必要と認識していますと。
 もう一回言いますけど、何が言いたいかというと、数字を既採択分の千三百六十二ヘクタールは大丈夫だという数字に合わせておるんですよ。でも、それでも何か実感が違うでしょうと、それは県営の大谷ダムが悪いんだよと。うそだとは言いません。そういう、恐らくある程度、数字もある程度正しいんでしょう。県営大谷ダムの方も少し堆積しておりますから、少し水が足らぬのかもしれません。だから、全部でたらめとは言いませんけど、どうも大蘇ダムが漏水で大きく水がなくなったということを棚上げにしたような物の言い方をずっと今しているから地元がこれ腹を立てておるんだなと、私はもう地元の新聞何回も何回も読み返すうちそんな気がしてきたんですけど、どう思いますか、副大臣。
○副大臣(郡司彰君) 私どもの感覚と若干違うなというようなところがございます。
 まず、大蘇ダムの関係はおくにしましても、今現在の私どもの供給ができる水というのは、おっしゃったようなところの部分、未採択の八百の部分について今言及をしているわけではございません。したがって、そこのところの数字のとらえ方について、どうとらえるかはともかくとして、今、私どもが給水をしようとしている面積というのは、おっしゃったような数字のところがございます。
 それから、当初から計画全体は、大蘇ダムと大谷ダムを合わせた水利用ということでの計画になっていたことは、これは御案内のとおりだろうというふうに思っております。
 したがって、私どもの方は、じゃ、実際に大谷ダムというものはどのぐらいの能力があるんだということについて、これは余り、ここでこのことだけをお話をするのが余り得策かどうかは分かりませんが、県の方にも再三、実際の能力というものをどの程度に見込んでいる、あるいはどの程度なんだということについてお問い合わせをさせていただきました。結果は、十一月の当初、私が伺ったときに初めて、百万ぐらいの能力ではないかというようなことを県の方からお話をいただいたというのが初めてでございます。
 それから、今現在では、またそれを若干下回るような水利、水の容量だというようなお話も聞いておりますが、いずれにしても、そこのところは、じゃ、実際はどの程度なんだ。そして、私どもが建設をして、十分に水がたまらないというような現状があるその大蘇ダムの方についてはこれだけの能力はあるはずだけれども、まずそのことが合体をした形でもって、どれほどの通年での給水ができるかということをやってみて、検証して、そしてそれがかなわないということであれば、更に何が必要かということを我々はやろうということの提案をしているわけでありまして、先ほど申し上げましたような二つのことに加えて、まさに検証ということはその意味で私どもから提案をしている、そのように御理解をいただければというふうに思っております。
○礒崎陽輔君 だから、副大臣、別に今副大臣がおっしゃったことが私間違っておると言っておるわけじゃない。ただ、その話の中には、今、大蘇ダムで日量四万トンの水が漏れておるというところの話が棚上げされておると言っておるわけですよ。棚上げしていて、今の採択面積の中では、今の四万トン水漏れしておっても供給できますよと。ただ、それが足らないのは、いや、大谷ダムが万全だと言っているわけじゃないんですよ、大谷ダムのせいもあるんです。私、ないとは言いません。
 だから、もう一度言いますけど、副大臣が言っていることは違うと言っておりはせぬのですよ、言っておりはしませんが、ちょっと大谷ダムの方の責任というところが、地元の土地改良区の皆さんからそういう発言を受けると、大蘇ダムが漏れておる話をちょっと吹っ飛ばしてはいませんかという気持ちを副大臣にも分かっていただきたいと申し上げているわけです。いかがですか。
○副大臣(郡司彰君) 私どもでそのことについて、そのことを私どもは関知しません、知りませんよという態度を取っているつもりはありません。冒頭申し上げましたように、大変、国として受益者の皆様方には申し訳ないことをしているなというようなことをまず置かしていただいております。その上に立って、これだけの年月たったのにまだ今年も水を送ることができないというような状況は、湛水の試験が終わった後の年度としては私どもとしてはやはり耐えられない。やはり地元の方々にきちんと水を送る、このことが当初の目的であったわけでありますから、そのことをきちんとやらせていただきたいという思いからの発想でございます。
 そして、先ほど言いましたように、三市町の例えば畑作の場合の関係については、これはもうその通水で検証を行ってください、あるいはまたほかの土地改良区についても是非水を使わせてくれというような声が圧倒的なんであります。
 一つのところは確かに全面的な機能を持つような工事をやり直せということでございますけれども、それが今の現実の課題として直ちに、はい分かりましたというようなことが地元も含めてよろしいのかどうかと、こういう判断で私どもは提案をさせていただいている、そのことは御十分にお含みおきをいただきたいなというふうに思っております。
○礒崎陽輔君 副大臣も分かっておっしゃっているんだと思いますけど、私の言いたいのはそこの気持ちの問題なんですよ。だから、先に利水調査をやらせろ、利水の検証をやらせろと言うからかちんとくる人たちもおるんで、やっぱりこれは三十年以上待っているわけですから、多少地元だって言いたいことがあるんですよね。
 だから、今言ったように、先に大谷ダムに話が行ってしまう。大蘇ダムの日量四万トン漏れている方については、もちろんその責任は感じておると今おっしゃってくれたからそのとおりだと思いますけど、やっぱりそこのところを、話の順番というか、やっぱり地元の気持ちを、三十年間、三十四年とおっしゃったけど、三十四年間地元は待っておるんだから、そこの気持ちをもう少し踏まえた議論をしないと。
 副大臣は分かってくれていますけれども、現地に行くと全然違うんですよ、こう言っちゃ悪いけれども。現地のお役人さんたちはそんなことを言ってくれないんです。それで、すぐ大谷ダムが足らないから県が悪いというような話にすぐ行っちゃう。だから、地元の土地改良区の人たちの気持ちを考えて、やはり大蘇ダムの四万トン足らぬということも考えてほしいということですね。ちょっと後の質問と一緒に答えていただければいいんだけれども。
 それで、今言いましたように、仮に今の補強工事で多少うまくいってもまだ未採択分の畑が八百ヘクタール、これは熊本県も大分県両方含んでの面積でありますけど、かんがい面積が残っておるわけですね。この八百ヘクタールを一体農水省はどうするお考えなんでしょうか。
○副大臣(郡司彰君) ここのところがこれから私どもの考えていかなければいけない大事な点だろうというふうに思っております。
 まず、検証を三年間行う中で実際の機能がどれほどの回復を見せるものかということについての先ほど言いましたことについてはやらせていただき、単年ごとにその経過を地元の方々と話合いをする中で、次の年度の調査というか、対策の工事というものを行っていくという姿勢でございます。
 その中で、これまで幾つかのところで私どもも、実際私自身も現地に出向いていろいろなお話を伺いました。例えば、この地域の方々の中では、これまで待ったけれどもそれによらないような形の農業の形態を今始めている、あるいはまた、残念だけれども農業そのものを人に譲るような形も出てきたという中で、大分この五百の関係については今後の話合いによって計画そのものを見直さざるを得ない点も出てくるのではないか。
 非常に残念な結果でありますけれども、そのようなことも念頭に置きながら取り運びについては地元の方とよく相談をさせていただきたい、そのことを基本に進めていきたいというふうに思っております。
○礒崎陽輔君 一体どれだけ今後皆さんの子供たちのために水が要るのかということをやっぱりどこかの時点では検討しなきゃならぬということは、私も地元に言っておるわけです。そこは分かるんですけど、ただ、そこからまた、最初から入りますとなかなか地元がうまくいかない。あと八百ヘクタールのかんがいというのは、これは国が約束しておったわけですよね。だから、それをどうしていくかということを本当に考えにゃいかぬのですけれども、ただ、ある程度縮減しても、今回ののり面の修繕だけでは、調査費でやるのり面の修繕だけでは私は出てこないと思うんです。
 そうしたときに、困ったことに、既に地元負担金については地元地方公共団体が肩代わりしています。したがって、仮に今後改修事業をする、地方公共団体の負担が伴う改修事業をするといっても、もう県も地元の市もお金は払えませんよと言っているわけですね。このことを一体どういうふうにお考えでしょうか。
○副大臣(郡司彰君) まさに委員が御指摘を先ほどから再三いただいているように、この間の長い年月というものがやはり生み出した不信感というものがまず前提にあるんだろうというふうに思っております。私ども、今、先ほど地元の対応ということで言われたことがございますから、これは十分に私どもから申し伝えをする中で地元の対応は更にきちんとするようにしていきたいというふうにも思っております。そして、その上におきまして、先ほどのいわゆる三年間の工事というものがどの程度の効果を現すかということも、これはやはり考えていかなければいけないというふうに思っております。
 私どもからすれば、今の段階で、その工事が終わったときに地元の負担をどうするかということについて今現在で述べるということは、これは控えておかなければいけないだろう。その間に誠意を持ってお話をさせていただきたい。
 それから、一つの例としては、これまで大谷ダムの方でも同じような工事を行ったことがございました。そのときには、大谷ダムは日量で大体十一万六千トンぐらいの、農水省でいうと浸透というんですか、皆さん方が言えば漏水の量があったわけであります。このことについて、一応、日量、工事を行った後には七万トンに減っているんだというようなことが言われているわけでありますけれども、それも本当かどうかというような検証がなかなか難しい。だとすると、私ども自身が今行っていることも当初の目的の成果を上げられるのか、あるいは逆にそれ以上のことがあるのか、その辺のところは今のところ前提を置かずに謙虚に一年目の工事の結果を待ちたいというふうに思っております。
○礒崎陽輔君 ここは少し大臣の御意見も聞きたいんですけれども、大分の方言に一寸ずりというのがありますけれども、分かりますか。一寸ずりというのは、一寸はちょっとという意味ですよね。ずるというのは、標準語では位置がずれているというときに使うんですけれども、大分方言では物事が進むことをずると言うんですね。したがって、一寸ずりといったら、例えば車が渋滞して動かないような状況を一寸ずりと言うんです。この問題、私、一寸ずりのような感じがするんですね。もちろん、しようがない、国のお金を使って仕事をするわけだから、きっちり調査をしながらやる、それはもちろん、私も役人をやっておりましたから、それは国の立場でしようがないんだけれども、どうしてもそれを続けていくと相互の信頼感ができてこないんですね。
 最近の新聞を読んでも、地元が農水省と話をするのに、もちろん県を通ずるのは当たり前だけれども、県を通じて県からまた国へ伝え、国が県を通じて市、最近はその後は市役所も入っているんですね、市役所を通じて地元の土地改良区に行くと、こういう往復文書でこんなことをやっているんですよ。これじゃ、今言っていたように、副大臣の言うように、この三十四年間の不信というのはなかなかぬぐえないんじゃないかと思うんですね。
 私が与党のときに、少し、地元と県、県と市、それから国と市、そんなもの合わないので、私ができる範囲で幾つかの会合を開いたことがあります。やっぱり関係者、国、県、市、土地改良区は、最終結論まで一気に出るとは思いませんが、きちっといすに着いて、テーブルに着いて、円卓に着いて、お互い言いたいことをしっかりと言って、お互い相手の言いたいことを把握する、そういう行政をやってほしいんですが、なかなか、せっかく政権交代した割には余り自民党政府のときとやっていることが変わらぬのではないかと私も思うわけでありますね。
 だから、そういう意味で、もうちょっと地元に入ってみんなが一緒に話し合える、それぞれの立場でそれぞれ違うことを言いますから簡単にはいかぬと思いますけれども、そういうふうに是非やってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(郡司彰君) 事実のことだけ少し大臣の前にお話をさせていただきたいと思います。
 具体的には、荻柏原の改良区が該当するわけでございますけれども、四月にその文書のやり取りはございました。それは、これまでの県との私どもの話合いの中で、直接話し合うことも必要だろうけれども、しかし県が間に入ってお互いのことを分かった上でやりたいと、このようなこともあって今のような形を取らさせていただいているということもお含みおきをいただきたい。
 それから、現実問題として、四月に入りまして十九日、二十日、そして今日も協議を行っております。間には知事の方から改良区の皆さん方へのいろいろな配慮もあったということも含めて、今日も話合いをする中で、全体として、今、水がこれから本当に必要な時期でありますから早急にということでの話合いは続けている。
 それから、場合によりましては、この前二回私どもが伺ったように、そのような形を取ることをいとうているわけではございません。ただ、今の現在の形は県との話合いの中でそのような形を取っているということは御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(赤松広隆君) 私の方から基本的な考え方だけ述べさせていただきたいというふうに思っております。
 先ほど他の委員の御質問の中でも申し上げましたけれども、政権交代によって私どもは前政権の、言葉は失礼かもしれませんが、負の遺産であったとしても国の責任としてしっかり真正面からやっぱりこの問題を考えていかなければいけない、このように思っております。
 礒崎委員はもちろんでございますけれども、今衆議院の副議長をやっておられる衛藤先生辺りからも、これはもう与野党を問わずとにかくもう長年の地元の地域の願いであり思いなんで、何とか新大臣、これを解決するために力を貸してほしいということも実は言われておるところでございまして、考え方として、一つはやはり国の責任をまずはっきりさせるということが私は必要だと思っております。
 責任が明らかになれば、当然それは国の責任の下に、もちろん県、市、地域の皆さんの協力はもちろん得なければいけませんけれども、そういう中でやっぱり主導的な役割を果たしていくという前提の下に、すべて私がやるわけにいかないんで、郡司副大臣にその担当責任者ということで、もう二度、三度と現地に足も運んでいただいて、知事さん始めいろんな方たちと話合いを進めてきたということで、取りあえず、これ先ほど調査費云々の話もありましたけれども、調査費という形にすることによってできるだけ地元の皆さん方の負担を少なくするという意味もあるものですから、これは悪く取らずに、ああ、そういう配慮もしてくれたかというふうに前向きに是非取っていただいて、そして、事実上これで工事をやるんですから、対策を取るんですから、是非そのことを、三年ぐらい掛けてというつもりで思っておりますけれども。
 前も申し上げましたが、それは、一番いいのは全部改修して一からやり直すことが一番いいんでしょう。しかし、それはもう四百億、五百億なんというお金を、しかも国の責任においてこういうダムを造ってしまったわけですから、それは国民の理解を得られることにならない。だとすれば、必要最小限のものを、やっぱり限られた財源ですけれども、その中できちっとやり切っていくということがやっぱり私は今一番大切だということで専門家に調査させたところ、およそ一番漏れが激しいこの三か所を何とか抑えれば、一〇〇%の需給目標ということにはなりませんけれども、しかし一定程度の部分はそれによって抑えられるのではないかと、まずそれをやってみてその結果を見てみようと。
 そして、その検証の中で思った以上にその漏水も止まり水が確保できた、そしてまた、県営と併せて一定程度の地域の農業者のためのこうした水の活用ができるようになった、給水できるようになったというふうになることを大いに期待しながら、しかし今までのように何もやってこなければ進みませんから、まずとにかくスタートをさせる。しかもそれは国の責任の下で、県、市と一体になってやっていくということで是非、特に礒崎議員につきましては地元のこうした事情を一番よく分かった方でございますので、是非先生の御理解、御協力もいただきながら、大胆にしっかりと皆さんの期待にこたえられるように頑張っていくつもりでございますので、よろしく御指導と御協力をお願い申し上げたいと思います。
○礒崎陽輔君 何か締めの答弁をさせられたみたいですけどね。
 いや、私がやっていいんだったら本当やっていいんですよ。だけれども、それは与党の皆さんに失礼だから私も今遠慮をしておるわけでありますけど、県も市も皆、当事者なんですよ。県も一つの当事者だから。
 私が言いたいのは、将来が全然分からないと。だから、さっき一寸ずりだという話をしたわけなんですけど。それが一気に解決はしないですけれど、もう少し、じゃこうなればこうなる、こうなればこうなるということをある程度含みを持たせながら地元で議論する。今言った、国、県、市、そして地元の土地改良区、みんなが円卓に着いて議論をするということが私は必要だと思います。さっき言ったように、ここ二、三年の問題じゃないんです。三十年以上地元は待っていて、もうしびれを切らして、はっきり言って頭に来ておるわけです。だから、そういう人たちの気持ちをやはり大切にしてあげないと私は申し訳が立たないと思うわけであります。
 今日はこういう議論をさせていただいたので大臣も副大臣も御理解いただいたと思いますけど、そういうことを進めていくことによってむしろ解決が早まるんだと私は思っておりますから、別に大臣や副大臣がいつも入らなくて結構、それはお役人でいいんです。お役人でいいですから、四者の会談というものを定期的に仲良く開けるような関係を早くつくってこの問題の解決を急ぐ方がむしろみんなにとってうまくいくんじゃないかと思います。
 ただ、あと今後、追加工事をする場合はどうかという問題がありますが、今日は時間がないのでそこまで入れませんでしたから、これは次の機会にまた御質問いたしますが、どうぞよろしくお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
 本日は決算委員会で機会をいただきましたので、赤松農水大臣始め皆さんに質疑をさせていただきます。
 まず、大臣、口蹄疫の発生の問題でありまして、相当に感染が拡大しているというふうに聞いておりまして、大変な心配をしているところであります。どうも中国で大発生している、さらには韓国でも大発生しているというにもかかわらず、我が国はちょっとその点、政権交代もあったことは関係していますかね、関係していませんかね、どうも注意を怠っていたんではないかという心配をしています。どういう発生原因によるものなのか、現段階ではどんなふうに判明しておるのか、お聞きします。
○国務大臣(赤松広隆君) 口蹄疫につきましては、二十日の未明に正式にこれは口蹄疫だということが確認をされ、その朝一番で私ども対策本部を設置をいたしまして、そしてまた、私どもの下に牛豚等疾病小委員会、そしてまた、その下に学者等による口蹄疫疫学調査チームというのを設置をいたしまして、早速、今委員御指摘の、原因は何なのか、感染源はどこなのかということについて調査を今しておるところでございます。
 これは平成十二年のときもそうだったんですが、追跡調査その他もやりましても、結局残念ながら感染源も原因も分かりませんでした。だからといって今回も分からなくていいということではありませんので、そういう平成十二年のときの教訓も生かしながら、どこからこうした感染源があったのか、感染経路はどうなのかということについて何としてもそれを究明したいということで取組をさせていただきたいと思っています。
 しかし、現時点で七例目が出たわけですけれども、極めて限られた地域のところに発生をいたしております。今、黒と出たところは少なくとも宮崎県内の限られた地域ということでありますから、一つは、ほかもないかというので白装束を着て調査に行くと、あそこももしかしたら口蹄疫が出たんじゃないかみたいなことで、別に病気が発生していないのにもかかわらず、いろいろとむしろ事を大きくしてしまう可能性もあるものですから、それであれば、宮崎県全体を薬を全部まいて、そして何とかその中に封じ込めるという形でこれはもう既に指示をいたしまして、蔓延防止のためのいろんな施策を今講じさせていただいておるところでございます。
 これは全額国費負担ということで消石灰等の消毒薬を散布をさせていただいているというところでございますし、それから、周辺農場における異常の有無の確認、発生農場における殺処分等の防疫措置の徹底ということもやっておりますし、それからまた、山田委員を始めいろんな先生方から御心配の意見もございますので、これは同じ地域に出るということはいいことはいいことなんですが、広がっていないという意味で。反対に言うと、これが出た、そしてまたちょっとたってそれが出たというと、全部二か月の制限がどんどんどんどん先延びていくということで、最初に出たところもそれ以降出ていなくても、すぐ近所でそれが出たら極端な場合は六か月も十か月もそのまま一切の移動、搬出ができないということになるわけで、経営の問題も出てくるものですから、ちょっと全部しゃべると時間掛かるので、融資の問題を始め、あるいは例の生産者拠出金、新マル緊のこれを免除するとか、考えられる施策のすべてをもう決めて具体的に動かしているというのが今の状況でございます。
○山田俊男君 大臣、十年前に発生しておりますので、その間の経験があります。ですから、その経験に基づきまして徹底した対策を取ってもらいたいということなんです。
 ただ、一番大事なことはともかく蔓延をどう防止するかということでもありますし、さらにまた、発生した農家は牛を殺処分するわけでありますし、また、大規模な、何百頭も殺処分するということになりますと、その埋却というんですか、どこに埋めるかということも含めて大変な心配です。当然経営に物すごい大きな影響を与えるわけですから、大臣、ともかくその心配を考えた場合、思い切った対策を打つこと、それから、そのために必要な財源も含めまして、思い切った財源措置も含めて心配ないぞということをおっしゃっていただくことが大変大事だというふうに思います。
 どうぞ、もう一度大臣の決意をお聞かせください。
○国務大臣(赤松広隆君) 既に法によって決められている、例えば殺処分でいえば五分の四を補てんをするだとかお支払いするだとかいうことに加えて、先ほど言いました融資についても二十億だったものを百億のところまで広げるとか、あるいは、先ほど言ったように生産者の負担金を免除するとか、またそのほかにもいろんな施策、考えられる施策すべてやり切っておりますので、そしてまた政策銀行にもお願いをしまして、これらのいろんな相談にもしっかり乗ってくれということもお願いをしましてやらせていただいております。
 平成十二年のときは百三十億ぐらいの予算を一応確保して、ただ、実際に使われたのは三十数億円しか使われませんでしたけれども、今回は、今のこの時点でこれでもう終息するのか、あるいはこれ以上広がるのか、これによって額も違ってきますので、今どれぐらいありますみたいな総枠予算を言うわけにはいきませんけれども、しかし、どんな形になれ、どういう場合であれ、とにかくしっかりと御心配のない形で対応、対策は予算も含めて取らせていただくということだけ私の口からこういう公の場で明言をさせておいていただきたいと思います。
○山田俊男君 これはもう世界的な常識なんですが、この口蹄疫は人間には感染しないということでありますので、是非、余り大騒ぎして、そして風評被害を起こすみたいなことはそれは避けなきゃいかぬと。これ大事なことでありますので、大臣がおっしゃることもよく分かりますが、どうぞ現地の不安を取り除く、農家の不安を取り除く、そのことについて全力を挙げていただきたいというふうに思います。
 それでは、それをお願いして、続きまして、大塚副大臣にお聞きしますが、大塚副大臣は今、副大臣のお仕事とすれば一番忙しい分野で、八面六臂の大活躍かというふうに思いまして、ついこの前までは郵政改革の素案を作っておられたんじゃないかというふうに思うんですが、今回、規制・制度改革の分科会座長としても、これも何と六月までにまとめるぞというふうな動きでありまして、逆に私は大変心配しているところもあるわけであります。
 一体、副大臣、この規制・制度改革の理念は何なんですか。簡潔に教えてください。
○副大臣(大塚耕平君) 御質問ありがとうございます。
 規制改革につきましては、私、一月から新たな担当になりまして、今先生御質問のような作業に取りかかっております。
 この規制改革の取組の理念は、やはり日本の経済、社会が様々な閉塞感を感じている中で、それらの原因となっている規制や制度については見直していきたいと、そういう思いで取り組まさせていただいております。
○山田俊男君 ところで、お手元に資料を提出させていただきましたが、このメンバー、一ページ目ですね、黄色で色付けしてあるのは前政権の、それも前規制改革会議のメンバーなんですね。あとは、白いのは新しくお選びになったメンバーであります。
 一体、草刈議長、前政権のときの規制改革会議の議長であります草刈さんもお入りになって、前政権のメンバーがこれだけ参加されていると。政権替わったですよね。替わった理念があるはずだと思うんですが、これはいいんですか。この問題意識は一緒ですか。
○副大臣(大塚耕平君) 規制改革、制度改革の理念については先ほど申し上げたとおりでございますが、この規制や制度の見直しに当たっては、前政権でお取り組みいただいたその成果も生かすべきところは生かしていきたいということで、私どもの検討作業は始まっております。
 委員御承知のことと思いますが、前政権でおつくりいただいた規制改革会議が十二月四日にこの会議としての最後の御提言をおまとめになりまして、その中には、あらゆる分野について、前規制改革会議の下での問題意識の様々な課題を網羅していただきました。その成果というのもやはり大切にさせていただきながら、新たに鳩山政権で始めましたハトミミ、国民の声というところでたくさんの国民の皆さんからの御意見も集まっております。また、仙谷大臣の下で前菅大臣とともにまとめられました新成長戦略関連の様々なテーマもあり、これらを総合して今検討作業を進めておりますので、その中で、先生方、前政権の下でいろいろと御検討いただいた何人かの委員の方にもお入りをいただくということで、このメンバーの人選に至りました。
 ただ、一点補足をさせていただきますと、この黄色い網掛けをしていただいた方々のうち、前会議の親会合のメンバーはこの安念委員、翁委員、草刈委員、八田委員、松井委員のこの五人でございまして、その他の皆さんは前政権下での規制改革会議の親会合の下に置かれました様々な分科会、ワーキング等の委員の方々というふうに承知をしております。
○山田俊男君 おっしゃるとおり、昨年の十二月四日に前政権の規制改革会議の取りまとめといいますか、それが一定の整理がなされたということは承知しています。
 資料の次のページでありますが、そこに、旧規制改革会議で今後の改革課題として整理された部分、さらにはその中で重要取組課題とされた部分、さらに、現政権におけるこの分科会におきまして検討テーマとして出された部分、こういうことかと思うんですね。
 ところで、これも黄色く色を付けてあります米の需給調整システムの見直し、これについては引き継いでおられないんですが、これはどうしてですか。
○副大臣(大塚耕平君) このテーマについては、委員の皆さんの御議論も踏まえて、今、六月までにすべてについて結論を出すということではなく、現実的に何が検討し得るのかということから選定をさせていただいている次第でございます。したがって、この米の需給調整システムについては、委員の皆さんの御判断の下で選から漏れたというふうに理解をしております。
○山田俊男君 この中身、見てもらうと分かりますが、米戸別所得補償モデル事業についてという内容であります。これは、現政権がそれこそ全精力を懸けてマニフェストを実現するということでテーマにされたことですね。それについて規制改革会議は異論を唱えていたわけであります。だから、御自分の都合の悪い部分はこれテーマから外したということじゃないんですか。
○副大臣(大塚耕平君) そういう理解ではございません。
○山田俊男君 赤松大臣、テーマについて相談がありましたか。
○国務大臣(赤松広隆君) 一切ありません。ただ、これはもうこの政権のいわゆるマニフェストの中での看板政策ですから、それを云々ということはそれはあり得ない、外して当然だと、やって当たり前のことですから、そういう認識で課題の一つにはならなかったんだろうと。正しい判断だと思っております。
○山田俊男君 私は、皆さんも、この一ページの委員のメンバーのお顔は思い浮かべられるかどうかは別にしまして、このメンバーを見てみますと、どうも、全員とは言いませんが、構造改革を進める、市場原理を更に進めるというメンバーだと受け取らざるを得ないメンバーが多くおいでになるわけであります。そして、新しく追加されたメンバー、これは農業のワーキンググループに選ばれたメンバーも、どちらかというと、全部とは言いませんよ、しかし、そういう嫌いがあるわけであります。
 国民生活第一、そういう形で現政権は誕生をして訴えられたわけでしょう。その一方で、果たして本当に国民生活第一という観点で議論を進めるメンバーがこういう形で選ばれているんですかということを伺いたいんですが、大塚副大臣。
○副大臣(大塚耕平君) 御懸念、御指摘をいただいている点は真摯に受け止めさせていただきたいと思いますが、私もこれまで、この農業のみならず医療と環境と三つのワーキングがあるんですけれども、既に九回行われておりますけれども、フルタイムではありませんが、基本的にほとんど顔を出して議論に参加をさせていただいております。
 農業については、各委員の問題意識は、日本の農業を強くしたい、そして安心、安全な食品を国民の皆様にお届けしたい、そして自給率を高めたいと、この主に三つの視点から議論が行われておりますので、必ずしも御懸念のようなことではないというふうに理解をしております。
○山田俊男君 赤松大臣、メンバーの選び方について御相談を受けられましたか。どうですか。
○国務大臣(赤松広隆君) メンバーの人選については相談をしてもらっていません。しかし、私の方から仙谷行政刷新大臣には、新政権ができたんだから、旧来の間違った規制改革を唱えてきたメンバーを選ぶのはいかがなものかと、メンバーは刷新した方がいいぞと、テーマについても新たに考えるべきだということは個人的には申し上げました。大塚副大臣にも、農業の実態が分からないやつが農業のことを本当にしゃべれるのかと、実態を分かった人を入れた方がいいよということはこれも個人的には、親しい関係なものですから、申し上げました。
○山田俊男君 農業のワーキンググループの一ページのメンバーの中に、これは下から二番目、山下さんという、農水省の部長さんをやっておられて、今は仕事を変わっておられますけれど、そのメンバーが加わられております。この山下さんは、もう民主党の戸別所得補償制度を批判してやまない人であります。
 大臣、今おっしゃったように、まさにこの戸別所得補償は現政権の政策の核になる目玉であると。その目玉を批判してやまない人がこのメンバーになっておられるんですよ。これでどうして農業のワーキンググループをおやりになるんですか。一体どこへ持っていこうとされることになるのか大変心配です。
○副大臣(大塚耕平君) 先ほど大臣からも御答弁させていただきましたが、規制改革会議分科会といたしましては、農水省に必要な御相談はさせていただきつつも、独立した今この作業チームとして動いております。
 今先生御指摘のような事実関係は私は存じ上げませんけれども、少なくともこの山下委員におかれても、私も既に何度かお話をさせていただいておりますが、先生が今おっしゃったような議論をしておられるわけでもございませんし、また、それぞれどんな委員の方でもいろんな意見をお持ちなわけでございますので、私どもの現在の政権としては、批判も含めて幅広く御意見、御指摘には耳を傾けつつ、先ほど申し上げましたように、農業については、農業を強くする、自給率を高める、安心、安全な農産物を供給したいと、この思いで議論をしていただいておりますので、是非御専門であられる委員におかれましても御指導を賜りたいものというふうに思っております。
○山田俊男君 確かに、大塚副大臣は第一回目の分科会の議論の中でも、今おっしゃったように、農業の自給率を高めていくと、そのために必要な農業政策を展開するに当たって何が大事かという議論で議論を進めたいというふうにおっしゃっているのは私も十分承知しています、議事録で承知しています。さらにまた、委員の中にもそういう観点で丁寧な議論を進めようというふうにおっしゃっておられる委員の皆さんもおいでになります。
 しかし、その一方で、極めて乱暴に思い付きで提案をして、そして誤解、曲解に基づく批判を展開される人もおいでになるわけでありまして、まさに今申し上げた方がそれに近いのかもしれないというふうに思うんです。
 だって、一人一人の発言をとらえて云々するのはどうかというふうに思いますが、委員のこの一人、まさにこの方は、この場で項目を議論に挙げて脅威を与えた方がいいと、別に結論を出す必要はない、世の中にそれに反対する勢力の人もいるでしょうが、そういう人たちに対するメッセージとして極めて有益だと、こんな議論をされている。こんな品の悪い議論しているメンバーでこの分科会進めて一体どうするんですか。もう一度お聞きします。
○副大臣(大塚耕平君) その御発言をされたときに、私が記憶がないということは御発言をされたときに私は同席をしていなかったんだというふうに思いますが、公的な政府の会議でございますので、誤解を受けるような発言は厳に慎まれるように各委員の皆さんには私からも改めて徹底をさせていただきたいと思います。
○山田俊男君 改めて言いますが、全部の委員というふうに言っているわけじゃないんですよ。先ほども言いましたように、副大臣も真摯に取り組んでおられる様子はうかがえます。そして、今、この発言があったときは、まさに副大臣が中座された後での議論だということが議事録でもうかがえました。
 ただ、この方が、テーマを挙げなきゃいかぬじゃないですか。副大臣、そうされましたね。新しくこの分科会で、ないしはワーキンググループでどういう議論をしていくかということのテーマを挙げられましたね。そのテーマは次の三ページにありますので御覧いただきたいというふうに思いますけれども、この三ページに農業支援機関に関連して幾つか挙がっておりますけれども、まさに思い付きと誤解でテーマを挙げられているというしか見れない構図になっているわけですが、こんな一人の人の思い付きと、それと誤解でテーマを挙げて、そしてそれを掲げておけばいいんだと、項目に、それに脅威を感ずるだろうという形でのこの会議というのは一体何ですかね。大変心配です。
○副大臣(大塚耕平君) 先ほども申し上げましたように、当初このテーマは、前政権でおつくりになられました規制改革会議がおまとめになった項目、それからハトミミ、国民の声で集められた国民の皆さんからの御指摘、さらに十二月の新成長戦略会議で集まった項目の中から選定をするということでスタートいたしました。そして、委員の皆さんがお集まりになった中で、自分たちの意見も項目として挙げさしてもらいたいけれどもどうかという御提案があって、項目としてはまずお伺いをしましょうということで事務方が委員の皆さんから項目をお伺いして、委員の皆さんのそれぞれの御意見として整理をしているという作業をやっていることは私も理解をしております。
 ただ、たまたま先週ちょうど各ワーキングの第三回が行われましたので、私自身が出席してすべて徹底をさしていただいたんですが、これらの個別の項目について、何か必ず結論を出すということがこの分科会の役割でもなければ、この分科会自身に何か法的な権限があるわけではありませんので、論点整理にとどまるものもあれば、あるいは各担当の省庁の皆さんと合意ができて実際に改革の方向で見直しができることに至るものもあるでしょうけれども、必ずしも、すべての項目あるいは委員の皆さんが個別に提示をしていただいた項目について、六月までに何かをするというわけではないというふうに徹底をさしていただいたところでございます。
○山田俊男君 副大臣、その副大臣の御意見も私はよく分かるんですね。全部を結論出さなくて、そういう面ではまだ課題として残す部分もあるというふうにおっしゃるのは、私もそれでそうならざるを得ないものもたくさんあるというふうに思います。
 ところが、先ほど議事録でありましたように、だって、掲げておけばいいんだと、掲げることがメッセージになって、それに反対する人に対する脅威になると、こういう形でそれじゃテーマを引き続きずっと掲げていくというような議論の仕方ないしは会議の運営の仕方になっているんじゃないかという心配なんです。
 また、この委員のメンバーの中に、それこそ大変実力のある方であります、学者でもありますし、そしてこれは名前を言えばもうすべて多くの人がおお、そうだと分かるほどなかなか有名な方でありますが、我が国の農業について、もっと構造改革を進め、百ヘクタールの経営体を一万戸つくるべきとする提案をまとめておられる論者もおいでになるんですね。
 赤松大臣、全国に今残さなければいけない農地の数、およそ四百六十万ヘクタールありますね。そのうちの三分の一の百五十万ヘクタールについては、百ヘクタールの規模、一万戸で経営体をつくり上げるんだと、その構造改革をこそすべきだという、これは国際フォーラムというところがありますが、その取りまとめの役をおやりになった人のこのまとめの一つであります。
 そして、その中では、農業は政府の関与のために市場がゆがめられた、FTA交渉でも農産物を対象外にするべきでなく、構造改革が遅れている米の生産にメスを入れるべきだと、こういう提言を、提案をまとめられたメンバーが中に入っているじゃないですか。とすると、赤松大臣、現政権の農業政策を担っておられる現政権の大臣、一体こういう人がワーキンググループのメンバーに入っているこのまとめはどこへ向かっていくんですかね。
 私は、聞きたいのは、常に分からないんですが、すべての販売農家を対象にして、そして意欲のある農業者を育てていくんだ、地域の生産力が高まることによって自給率の向上につなげていくんだという政策理念なんでしょう。そこがまるっきり反対の提言をされる人が委員の中にいてやれば、だれだってみんな誤解しますよ、この分科会はどこに行くんだ、こういうことです。
○国務大臣(赤松広隆君) 自民党所属である山田委員がそういう御指摘をされるということで、私の基本的な考え方とも相通ずるところが多いものですから、感銘を受けながら今御発言を聞きましたけれども。
 私は、先ほども申し上げましたように、このワーキンググループをつくって、そして新たな規制改革に向けてこの政権は取り組むということは基本的にはいいことだと思っております。ですけれども、また、先ほど大塚副大臣が申し上げましたように必ずしも我々と意見の一致しない人も含めて幅広い意見を聞く、これは御用審議会みたいにしないためにはそういうことも必要でしょう。しかし、少なくとも、我々が前回の選挙で決定的に対決をした、例えば、小泉構造改革のまさにこうした規制改革の中心となってやってきた議長がそのまま引き続いてというのはおかしいだろうということは仙谷担当大臣には強く申し上げました。
 しかし、残念ながら、草刈さんに対する認識は私と担当大臣とはちょっと違って、そのまま草刈さんを始め一部の方は残られたわけでありますけれども、私どもは言うべきことはきちっと省として言っていく、大臣として言わせていただく。
 一つ希望があるとすれば、大塚副大臣がそこの取りまとめ役の責任者ですから、彼は比較的きちっとその辺のところを分かっておる副大臣でございますので、それに期待しながら、最後はやるべきことはきちっとやり抜く、そして、まとめるべき方向できちっとまとめてもらえるというふうに思っておりますので、あと一部、現実に農業をやっていらっしゃる方も新たに大塚副大臣の判断で入れていただいたようでございますので、本当はもっと何人も入れてくれればよかったんですが、数はともかくとしても、そういう人たちも新たなメンバーとして入っておりますので、大いにいい議論をして、いい結論を導いていただきたい、このように思っております。
○山田俊男君 今、赤松大臣からかなり率直な御意見をお聞きしました。まさにそうでなくちゃいかぬということで、私も赤松大臣のところへぐっと引きずり込まれそうな気がしますが、まさにそういうふうに思いますが。
 ところで、前政権の、今話題になりました規制改革会議の議長さんが今回も委員におなりになったわけですね。そして、何とその方は分科会会長代理という役もお受けになっておられるわけであります。
 テーマの中で、御自分の会社にかかわる規制問題、すなわち外航海運に関する独占禁止法の適用除外制度の見直しがテーマになっているやに私も見ておりますが、このことはちょっと考えてみますと、前政権の規制改革・民間開放推進会議の議長さんだった宮内議長に、自分の会社にかかわる、ないしは業務にかかわるテーマがそこで議論になったことがあって、そのことについてどうだったですか、現政権の皆さんが野党だったときのこのことに対する追及は。予算委員会でもそうでした、各委員会でもそうでした。さんざん皆さん、それはおかしいじゃないかということで徹底して批判されたじゃないですか。今、逆のことをおやりになろうとしているんですよ。
 大塚副大臣、お聞きします。
○副大臣(大塚耕平君) まず、そのことに直接お答えする前に一つだけ補足をさせていただきたいんですが、先ほど赤松大臣もおっしゃってくださいましたけれども、先生方が前政権で運営をされました規制改革会議と私どもの分科会の根本的な違いは、この取りまとめを政務三役自身がやれということで、政務三役自身がこの委員の中に入っておりますので、赤松大臣からの御指導もいただきながら、しっかりと私どもが結論を出していくということになりますので、是非その点は御安心をいただきたいというふうに思います。
 その上で、今御指摘の問題はむしろ逆でございまして、何が逆かと申しますと、私、公正取引委員会の担当も今させていただいております。公正取引委員会の所管である独占禁止法の中には、十五の法律で二十一の制度の独禁法の適用除外というものが盛り込まれております。そこで、公正取引委員会委員長ほか、事務局とも話を十分にいたしまして、この適用除外制度の中で一度議論が必要な項目は何であるかということを洗い出したところ、その中に今御指摘の外航海運のカルテルの問題が入ってまいりました。
 そして、外航海運は今御指摘のとおり、草刈委員の元々の職場にかかわることでありますので、むしろ私の方は、事務局の方が、草刈委員がおられるのでこの項目は入れない方がいいのではないかというふうに霞が関的配慮をしたわけでありますが、逆でありまして、私は、仮に草刈委員がおられても、このことは公正取引委員会として議論をすべきテーマだということで指摘をしてくれたのであるから、ちゃんとテーブルにのせて議論をしようということで、私の方から指示をして入れさせた項目でございます。
○山田俊男君 今、事務局のお話が大塚副大臣から出ましたのでお聞きしますけれども、このメンバーの選び方は、政務三役がかかわったのか、それとも官僚の皆さんが選んだのか、どっちですか、お聞きします。
○副大臣(大塚耕平君) それは、この委員の皆さんでございますか。
○山田俊男君 そうです。
○副大臣(大塚耕平君) この委員の皆さんは、官僚の皆さんが、母集団として有識者としてこういう方々がいらっしゃるという相当幅広いリストを作っていただきました。その上で、関係の大臣、副大臣、政務官の皆さんからも時々アドバイスをいただきながら絞り込み、あるいは追加などをさせていただきながら、最終的には枝野大臣と相談をし、私、それから政務官の田村謙治衆議院議員と議論をして決めさせていただいた次第でございます。
○山田俊男君 これも大塚副大臣にお聞きしますが、この規制改革を担当する内閣府の官僚の皆さんは、前政権と現政権で入れ替わったんですかね。それとも同じメンバーなんですかね。事務局のメンバーは何人おいでになって何人替わったのか、何人が同じなんですか。
○副大臣(大塚耕平君) 三十五人おりまして、そのうち九人が新政権発足後に人事異動等で入れ替わりました。民間からの出向者の方が多うございますので、それぞれ派遣の期間が終わりますと順次入れ替わっていくものと思っております。
○山田俊男君 これでは現政権が進める政治主導ね、今おっしゃいました、まさに政務三役が加わって、そして政務三役がしっかり判断していくよというふうにおっしゃっていただいたわけでありますけれども、しかし事務局がこういう調子で、三十五人いて九人は人事異動ですが、あと何人残っているんですか。二十六人残っているわけですね。
 で、何をおやりになってきたかといったら、前政権の規制緩和をおやりになってきたわけです。規制緩和の推進をおやりになった。政治主導とは名ばかりで、官僚主導の規制、それから制度改革になっているんじゃないですか。これはどうなんですか。
○副大臣(大塚耕平君) 御懸念には至りませんので、是非御安心をいただきたいと思うんですが、もしお耳障りであればおわびを申し上げますけれども、規制改革会議、前政権の下で運営をされていたこの会議が、余りにも政務の皆さんの関与がなかったために、言わば事務局としてはたなざらしにされたというような印象をお持ちの事務局の方もいらっしゃいました。私、全職員からヒアリングをさせていただきました。しかし、やはり民間から出向していただいて作業をしていただくに当たって、言わば政治や行政がしっかりそこをハンドリングさせていただき、面倒も見るという汗もかかせていただかないと、これは失礼なことにもなるという思いから、しっかりと今私ども自身が関与をして作業をさせていただいております。
 そして、繰り返しになりますけれども、私どもは、この規制制度改革というのは、例えば農業であれば先ほど申し上げたような視点から取り組んでおりますし、また、あえて規制緩和と申し上げずに規制改革と申し上げておりますのは、必ずしも改革というのは緩和を意味しているわけではなくて、必要であれば規制をすることによって国民の皆さんの安心、安全を守っていくという、そういう考えから規制改革というふうに申し上げております。
 したがって、委員の皆さん、それから、あるいは事務局の皆さんお一人お一人がどういう考え方であるか、その内面までは私は分かりませんけれども、しっかりと先生の御懸念のようなことにならないようにハンドリングをいたします。
 なお、委員の皆さんは今年の七月までの取りあえずの任期でございますので、六月までのいったんの作業の結論、成果を十分に踏まえまして、また夏以降は新たな体制で臨ませていただくことを想定しております。
○山田俊男君 私は、大塚副大臣は金融の専門家でありまして、「ジャパン・ミッシング」という著作も私は丁寧に読ませていただきました。どの程度理解できているかどうかというのはあるんですが、しかし、さすがきちっと整理されているというふうに見たわけであります。
 ところで、大塚副大臣はお分かりなんでしょうが、極端な農協嫌いで、そして金融については専門外、そういう立場で例えば信用事業と共済事業の分離・分割をテーマにすべきだと、先ほど言いましたように、これはだれかが脅威を持つだろうから項目として掲げておきゃいいんだと。一体、そういう脅迫的なこの会の運営ということになったときに、それは大塚副大臣が、地域金融機関をどういうふうにより健全にしていくか、それぞれの組織が抱えた実態を踏まえつつ発展させていくか、そのことについて道を誤るんじゃないかという気がするんですよ。いかがですか。
○副大臣(大塚耕平君) まず、繰り返し改めてこの席でお約束をさせていただきますが、先生御指摘のような発言があったとすれば、私自身もう一度よく確認をして、これは国民の皆さんに公開をされる内容でございますので、誤解を受ける、あるいは懸念を呼ぶようなことのないようにしっかりと周知徹底をし、運営をさせていただくことはお約束を申し上げます。
 その上で、今御下問の点については、先生、農協問題一番お詳しいわけでございますが、農協自身が物販と金融と両方できるというのは、これは法律で担保をされて、そして今、先ほど外航海運のところで申し上げました独禁法の適用除外の中で明記をされている制度でございます。このことが日本の農業をこれまで守ってきていると同時に、半世紀続いている制度でございますので、これをやはりどういう今状況になっているのかを議論してみたいという、そういうお気持ちの御発言だったのではないかというふうには思います。
 いずれにいたしましても、繰り返しになりますが、この組織自身に法的権能があるわけではございません。分科会で御議論いただいた内容を踏まえて、分科会長は私でございますが、この分科会は行政刷新会議の下に置かれておりますので、行政刷新会議の副議長である枝野大臣、そして議長である鳩山総理、そして関連分野については農業であれば赤松大臣としっかりと相談をさせていただきながら進めさせていただきますので、御指摘、十分に踏まえて進めさせていただきたいと思います。
○山田俊男君 率直におっしゃっていただいておりますので、多くは了解するところでありますが。
 テーマで、もう一つこれは赤松大臣にお聞きしたいんですが、独禁法の適用除外の問題。これは単に農協だけじゃなくて、生協も含めて、それから中小企業協同組合にかかわります信用金庫も信用組合も、協同組合として設立してきた組織にみんなかかわっている大事なルールであります。そして、この点については平成十四年のときに大分議論がありまして、そして、これも相当議論して、農林水産省、前政権の農林水産省かもしれませんが、そこで議論した上で、この点については農協の活動に関する独占禁止法上の指針というのを平成十九年に公表して、それに沿ってかなりきつい、厳しい指導も推進も行っているという経緯があるんです。言うなれば、協同組合の小規模農業者、さらに、これは生協であれば小規模な生活者が協同して事に当たることについては独禁法の適用除外という規定にしているわけであります。
 ただ、しっかりしなきゃいかぬのは、不公正な取引があったような場合は当然これは徹底して排除するということは当然なんです。ただ、組織の運営の基礎にそれを置いているわけであります。この点については前規制改革会議、それからさらに政策の推進の中でもう問題が相当決着している話なのに、わざわざ改めてここへ出しているということの意味は何かあるんでしょうか。協同組合に対するこれは物すごい攻撃じゃないですか。
○国務大臣(赤松広隆君) このテーマの設定は私は相談にあずかっておりませんので、なぜここに入ったのか分かりません。
 仮に、これはもうテーマとしては決まっているわけですから、あとは独占的地位の利用その他がない、あるいは公正、公平な形で協同組合員の支持を得てきちっと運営されている、あるいはされてない、そういうことを議論されればいいのではないか。また、当然それについて当事者、当該の組織である農協等の御意見も当然お聞きになるんでしょうから、そういうことはきちっと大塚副大臣の下でされればいいというふうに思っております。
 ただ、先ほどのこと、ちょっと一つだけ付け加えて言わせていただきますと、事務局についても、これは山田委員の方を向いて実際は大塚副大臣の方に言っているんですけど、考えた方がいいと。
 例えば日本郵船からも社員が来ていますけれども、日本郵船から来てそのまま公務員に出向したままなる、これならまだいいんですけれども、何年後かにまた日本郵船に戻っていく人が会社の利益に反することができるわけがない。これは日本郵船に限らず、トヨタを始めいろんな企業の方も優秀な社員の方がいわゆるこの事務局に入っておられるわけですけれども、そのことは決して否定するものではないし、大変能力のある方ばかりだと聞いておりますが、ただ、何年後かに戻る人たちに本当に公平、公正な形で国民のために、自分の後ろに付いている企業の不利になることも含めてきちっとやり切れるかといったらやり切れるわけがないということですから、事務局体制についても、やっぱりこの際、新政権になったんですから、きちっと、ちょうど任期も、まあいろいろあるんでしょうし、そういうことを含めて改革をされた方がいいというのが私の考えでございます。
○山田俊男君 この点についての赤松大臣の見識には高く評価したいというふうに思います。
 ところで、大塚副大臣、国連は二〇一二年に国連国際協同組合年というのを設定しているんです。具体的に世界でみんな動きが広まっております。世界の八十五か国で協同組合が組織されているんです。その組合員は八億人ですよ。これは消費協同組合も、農業者、生産者の協同組合も皆同じです。まさに今、世界の協同組合運動のベースにあるのは独禁法の適用についての除外なんです。これは大塚副大臣、専門家ですから一番よく御存じだというふうに思います。
 これ、世界の協同組合運動の潮流に逆行する、例えば二〇一二年に世界的な協同組合の会議がなされました、そのときに、いや実は日本は独禁法の適用除外の見直しについて政府が主張していて、ましてや掲げられたままになっていますよというふうなことがこの国際会議で話題になったら日本は笑い物でしょうね、世界の協同組合の仲間から。だって、EUもアメリカもみんな適用除外にしているじゃないですか。もちろん、不公正な取引については厳重に取り締まるんですよ。それは当たり前のことであります。だから、この日本の見識を疑われるようなことはもう即やめたらいいと思うんです。
 是非その点、指導してください。それでもこの問題おやりになりますか、もう一回お聞きします。
○副大臣(大塚耕平君) まず、なかなか私も赤松大臣とお話しする時間が大臣お忙しくてない中で、今大臣から直接指示をこの席でいただきましたので、しっかりと取り組まさせていただきたいと思いますが。
 このテーマについては、先ほど申し上げましたように、委員の皆さんの真摯な議論に基づいて取捨選択もしていただいておりますので、余り私どもの方からこれは絶対にやめてくださいとか、これは取り上げてくださいということをなるべく言わないようにはしたいなというふうには思っております。したがって、今御指摘の点についても、先生が今御披露いただきました国際的な動きも踏まえて、平仄の取れた形にはしてまいりたいと思っております。
 ただ、今先生が最後におっしゃっていただいたことは、いろんな意味で私も、私自身琴線に触れた御発言だったと思うんですが、といいますのは、諸外国は、特に先進国は、日本にいろんな要求をしてくる割に、じゃその要求どおりにそれぞれの国内でやっているかというとやっていないことがいっぱいあります。これは金融の分野でも多々ございます。自己資本比率規制一つ取ってもそうでございます。
 したがって、そうした日本に都合の悪いところだけ諸外国の要求に押されることのないように、しっかりとかじ取りをしてまいりたいというふうに思っております。
○山田俊男君 大塚副大臣の真摯な姿勢はそれなりに分かるものですから、余りそれ以上言いたくないんですが、大塚副大臣は郵政改革素案始め大変な御苦労をされたというふうに見ております。必ずしも、私、全部がいいなんて言っているわけじゃないんですよ。
 郵政改革で郵便のユニバーサルサービスをきちっとさせると、そのために郵貯も簡保もそれなりに分けながらも、しかし国が関与する形で、出資する形でそれを実現したいということでおまとめになったわけですね。どうもいいとこ取りじゃないかという印象はするわけですが。
 ところで、しかし、今度のテーマの中にも、先ほど来も私も申し上げましたが、信用事業、共済事業の分離分割みたいな話をしたときに、だって、信用事業と共済事業も含めた総合事業をやることによって、地域の中において有力な農業機関であるJAが、農業協同組合が営農指導の取組も含めて総合的な事業展開が可能だということで維持できているわけじゃないですか。郵政でやろうとしている流れと、それと、ここの議論をしようというテーマと、どうもあっちこっち向いて走っていますよみたいなことはあり得ないと思うんです。その点は、ですから是非丁寧な丁寧な議論をきちっと進めてもらいたいし、それから多くの関係者から意見を聞くということも含めて進めてもらいたいというふうに思うんです。
 そう考えたときに、若干ちょっと心配なのは、大塚副大臣は、この会議の中で事業仕分の規制改革版をやるともちょっとおっしゃっていたように見たんですが、これ、事業仕分の改革版やって、単なるパフォーマンスだったり公開裁判だったり出来レースだったり弱い者いじめだったりすることのないように、真摯な議論を着実に進めるということを丁寧にやっていただきたいと、こんなふうに思います。もう一度お聞きします。
○副大臣(大塚耕平君) まずは、この分科会の動きをきめ細かくフォローしていただいていることには本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今御指摘のあった規制仕分についても、私もできるだけ分科会の中では正確に申し上げておるつもりでございますが、この分科会の中でしっかり議論をするのが大原則であって、しかし分科会の中でなかなか、その六月までに結論を出したい、しかし分科会では意見がまとまらない、しかし何らかの結論を出すべきだというふうに合意の至るテーマがあれば、場合によってはそういうもう少し開かれたところでの議論も必要かもしれないとは思いつつ、やらないで済むならその方がいいという、そういう発言をずっとさせていただいておりますので、まず仮に、仮にそういう機会を持つことになったとしても、先生が今御指摘いただいたような内容になることのないようにしっかり管理監督をさせていただきたいというふうに思っております。
○山田俊男君 分かりました。どうぞ今の趣旨で丁寧な議論を是非行っていただきたい、こんなふうにお願いします。
 続いて、チリ地震の津波被害等の対策について、両副大臣お見えいただいておりますので、お聞きしたいんです。
 激甚災害の指定がなされましたですね。今回の被害額の算定で一定の配慮がなされたというふうに私見ておりますが、この配慮で一体どれだけの被害を救済することになったんですか。
○副大臣(大島敦君) お答えをさせていただきます。
 チリ中部沿岸を震源とする地震による津波では、岩手県、宮城県等の海面養殖施設に大きな被害が発生いたしました。政府においては、四月二十日に津波による被害について激甚災害に指定する政令を閣議決定したところでございます。あわせて、養殖施設の高度化等により施設の被害割合だけでは被害の甚大さを測ることが困難となっていることから、被災者の救済という観点を重視し、養殖施設の災害復旧事業の補助対象地域として被害額二千万円を超えるものを追加するよう、激甚災害法施行令を改正いたしました。
 このことにより補助の対象が先生御指摘のとおり大きく拡大をいたしまして、大きな被害を受けた被災者の方々に対して必要な支援が講じられるものと考えております。これは、二月の二十八日に津波が日本に到達してから、農水委員会あるいは災害特別委員会で各委員の皆様から中井大臣に被害状況についての御指摘がありまして、それを受けて政府として検討した結果でございます。
○山田俊男君 私の資料の最後のページ、五ページにこの被害の状況の写真だけ、現地へ行きましたので、これを持ってきているところでありますが、こんな形になっているわけです。
 それで、赤松大臣、養殖用のいかだについて、この被害がどの程度あるかというふうに見るのを現有率とかっていうそうなんです。それが、どうも現地で聞きますと、三年たつと現有率はもうゼロになって、だから激甚災が指定されて、そのための対策を打つにしても、これ三年たったものはもうほとんど資産価値がないという評価になってしまうという言い方で、大変皆さん心配されていたんです。
 これ、資産価値がないと言われた途端に、これ本当は三年から五年、長くて八年ぐらい使えるというんですよ。ところが、三年目に津波になってこんなことになっちゃって使えなくなりましたといったら、この評価、見てもらえないということを物すごく心配されていたわけであります。
 この点について一体どんな対策が講じられているんですか。
○国務大臣(赤松広隆君) 御指摘のとおりでございまして、先ほど副大臣からもお話ありましたが、まず全体の比率を七〇%弱から九〇%以上にしたというのは実はこの問題もあるわけでございます。残存の価値をどれほどで見るかというふうにやっていくと、非常に少なくしか見れないということになるものですから、例の二千万円の話も含めて、なるべくこうした養殖業者の皆さん方を救いたいと。特に被害が集中しておる宮城県とか岩手県とか、旧来の基準では外れるところばかりになっちゃうんですね。それではもう再びこうした養殖を始めとする漁業に取り組めないと。これを何とか救いたいということで、中井大臣の御指摘もあり、私どもも是非そういうことでお願いしたいということで今回のこういう取扱いにさせていただいたということでございます。
○大臣政務官(舟山康江君) 今大臣のお答えに少し補足させていただきたいと思いますけれども、委員御指摘のとおり、やはり非常に現状の耐用年数と算定上の耐用年数が大分乖離があると。実際に何年も使えるのに二年、三年だということで、なかなかこの残存価格を基準にした補償では対象にならないという御指摘がありまして、実はこれ平成十九年に見直しております。
 現在、現地の状況などを聞きますと、大体おおむね耐用年数五年ぐらいということですので、今回、これ平成二十年に改正しているんですけれども、この水産養殖施設につきましては耐用年数五年ということで、それを基に残存価格を補償対象としているという状況であります。
 過去の事例におきましても、そういった耐用年数を基に復旧事業を行うように調整しているところでありまして、やはりそこはある程度柔軟性を持ってしっかりと対応しなければいけないと、そんな状況であります。
○山田俊男君 口蹄疫の問題もそうですが、それからこの津波の被害もそうですけれども、全く生産者にとってはもうびっくりする話なんであって、是非行き届いた配慮ある対策を引き続き講じてほしいというふうに思うんです。
 それと関連して、これ大島副大臣、お聞きしますが、この施設、これ見てもそうですが、これ浮かんでる部分だけなんです。実はもっと水中に沈んでいる部分がいっぱいあるんです。それを引き揚げるのに重機を入れて、そして引き揚げて、それを港まで運んで、それで実は処理せざるを、焼却せざるを得ないという問題を抱えています。当然それに処理費用が掛かるわけであります。この支払について、これは激甚災で対策になっているんですか。
○副大臣(大島敦君) 済みません、私の記憶ですと、それは激甚災の対象になってないかと思います。
○山田俊男君 とすると、この費用はだれが払うかと。生産者に払えって言っても無理ですから、多分、県、市町村が払うんじゃないかと思うんです。県、市町村が払った場合、それをあとどんな形でカバーしてもらえるかということが多分間違いなくあるというふうに思うんですが、これ、渡辺副大臣のところですかね、お願いします。
○副大臣(渡辺周君) 委員の資料にありますように、この気仙沼ではもう大変大きな被害を受けておりまして、水産物それから養殖施設で合わせて十四億円の被害を受けておりますけれども、まさに総務省としまして、今後、被災した地方公共団体の実情、要望を十分にお聞きをして、また財政運営に支障が生じることのないよう、今お話ありました県や市が独自の支援措置を講じておりますけれども、そうした財政運営に支障が生じることがないように適切に特別交付税の算定、これを努めてまいりたいと、そのような対処をしていく方針でございます。
○山田俊男君 激甚災の基準の見直しといい、それから、さらには災害共済にかかわる部分の現有率の見直しといい、それから特別地方交付税の扱いといい、ちゃんと手を打っているよということでありますので、しっかり漁業者に不安のないように伝えていただきたいと、こんなふうにお願いするところであります。
 ところで、大塚副大臣もおいでになりますので、もう一つお聞きしたいんです。
 これは赤松大臣ともかかわるんですけれども、要は、今度の規制・制度改革の議論の中で、農業のワーキンググループで相当程度、農地を農地として利用するということをちゃんとやろうじゃないかと。そのために必要な対策、制度の見直しもやっていこうというふうに出ているわけで、私はその方向について実は賛成であります。
 これは、民主党もインデックスの中に、農地を農地として利用する、そのために農用地区域とそれからさらに都市化区域と、その連動をしっかり図りながら政策を進めていくというのを出されているんですが、どうも余りそのことの議論が進んでないというふうに見ていましたら、そのことが規制改革のところで議論になってくるというふうにいいますから、それはそれで、前向きな真摯な議論ができるんならそれはそれで私はいいというふうに思っているわけでありますけれど、要は、この農地の問題の扱いは、日本農業の現状、それからさらに将来方向とも関連して、もう本当に基本となる大事なことなんです。そのことを抜きにして日本農業のありようを議論したって、ほとんど問題の解決策にならない。一番大事なのは私はそこにあるというふうに見ております。
 ところが、我が国の経済社会全体の運営なり、町づくりの動向なり、それから道路の建設の動向なりというふうに見てみますと、だって町はどんどん、いまだにまだ農用地へ進出していますよ、侵略していますよということだし、道路縁は見るも無残にもう商店街や住宅で埋まってしまっているわけですね。一体この美しい我が国の景観はどこへ行ったのかというふうに嘆かざるを得ないような局面になっているわけじゃないですか。ここにやっぱり政治をするといいますか、やはり一定のルールをきちっと設けていくことの意味は大変大きいというふうに思っているんです。
 どうぞ、赤松大臣それから大塚副大臣に聞きたいんですけれど、この問題をどんなふうに解決していくのか。単に、赤松大臣に言わせると、おい、それは国交省の話かなというふうに言ってもらっちゃ問題の解決につながらないんですがね。どうぞ、この農地を農地として利用していくという部分についてのお考えをお聞きします。
○国務大臣(赤松広隆君) 昨年の農地法の改正も、ある意味でいえば優良農地をいかに国の責任できちっと確保していくかということだと思いますし、有効な土地利用という意味で、決して逃げるとかそういう話ではなくて、国交省と農水省がある意味で連携しながら、国土の保全のために、そしてまた将来の日本の農業のために優良農地として確保していくべきもの、そして、ここはまた住宅用地等として確保するもの、そういうものを厳格に、また緻密にきちっと整理をしながらやっぱりあるべき地域の姿というのをつくっていく必要があるんではないかと。委員の御指摘のとおりだと思いますので、そんな趣旨で頑張りたいと思います。
○山田俊男君 大塚副大臣、この規制・制度改革の分科会の重要なテーマにもなっているわけで、ですから、大塚副大臣としての考えをお聞きします。
○副大臣(大塚耕平君) ありがとうございます。
 農地についての分科会の先週の議論を聞いておりますと、ほぼ今委員が御披露いただいた問題意識と皆、方向性は共有をしていると思います。私自身も、農地を宅地とかあるいは新たな郊外として次々と転用をしていくということについてはいろんな意味で問題があると思っております。
 第一には、まず農業を強くする、日本の休耕地、耕作放棄地をなくすという観点から、これは是非農地は農地として活用いただかなくてはいけないというふうに思っております。同時に、別の視点で一点だけ申し上げますと、人口が増え続けているという前提の下で次々と宅地とか市街地を広げていくという一九八〇年代ぐらいまでは意味のあったこの動きをこのまま続けていくと、ただでさえ人口が減るのに宅地や市街地が増えるということは、需要が減るのに供給を増やすということと一緒ですから、市街地や宅地自身の価値を下げ、その結果、国民の皆さんの資産力を低下させるという別の問題も惹起しております。
 したがって、農地を守るということ、安易な転用をさせないということが結果として日本のこれからの社会構造にも合うことだと思っておりますので、先生の御指導もいただきながら、しっかりと対応させていただきたいと思います。
○山田俊男君 この問題は物すごく難しくて、農地を所有している個人個人もモラルが必要です。それから、農地を利用したいという個人もモラルが必要です。それから、社会全体としても、農地の利用について、土地の利用について、社会的規範といいますか、場合によったらこれは社会的所有だぞというぐらいな公的な意識が必要になるというふうに思いますし、政策運営上でもこれモラルが必要なんです。今日は峰崎副大臣もお見えですが、まさに産業分野においても産業政策の運営においてこれは留意しなきゃいかぬ大変大事な分野だというふうに思うんです。
 ところで、農地の転用問題については、これは赤松大臣、農地の転用問題については個人的に転用違反なんかも多々あるんですよね、転用違反が。その転用違反を必ずしも全部原状復帰させられなくて、そして、どちらかというと、これはもう後で追認するということになってしまっているわけであります。
 先ほど言いましたように、社会も個人もモラルをきちっと果たさなきゃいかぬというふうに考えるときに、模範を示さなければならない公人による違法転用は、これはやはり駄目なんだというふうに思うんです。これは衆議院でも議論になっておりました輿石参議院議員会長の違法転用問題、これは農水大臣、何らかの形で御指導をされておられますですね。
○委員長(神本美恵子君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
○副大臣(郡司彰君) 事実関係については既に御存じのことだろうというふうに思っております。
 最近の動きでありますけれども、相模原市農業委員会、土地所有者に対し提出された工程表では撤去対象物が不明確であるというような、見直しをするように連絡をいたしたところであります。
 さらに、十四日でありますけれども、同市農業委員会が無断転用地内の撤去対象物を確認をしに行きましたところ、既にカーポート、植木、庭石など一部の対象物が撤去をされていることが確認をされたというふうに聞いております。
 当たり前の話でありますけれども、当省といたしましては、無断転用、だれであろうと農地に戻すことが必要というふうに思っておりまして、本件を含めて適切に処理をされるよう必要に応じた指導を行っていく、このように思っております。
○山田俊男君 是非、これを発見した農業委員会の役割、大変大事でありますから、こうしたことをしっかりやるためにも農業委員会の体制強化を図ってください。
○委員長(神本美恵子君) 時間を超過しておりますので、おまとめください。
○山田俊男君 大塚副大臣も関係しているんですよ、この問題ね。是非しっかりやりましょう。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず最初に赤松農水大臣にお聞きしたいわけでありますけれども、預け金とか差し替え、先払いあるいは翌年度納入等、そういった手口によりまして、農林水産省本省及び地方出先機関あるいは都道府県等における国庫補助事業に係る不適正な会計処理が後を絶たないということでありまして、公明党としては議員立法による不正経理防止法案の制定を求めておりますが、何ゆえこのような不正経理がまかり通るのかと。
   〔委員長退席、理事谷博之君着席〕
 罰則の強化あるいは補助事業に関する審査体制あるいは指導の強化など、今後の再発防止等について伺いたいわけでありますけれども、さらに、直嶋経済産業大臣にも、お二人の大臣にお聞きしたいわけでありますけれども、今申し上げました公明党の不正経理防止法案、これは山下議員などを中心にして進めておりますが、これは国家公務員、地方公務員、国又は地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している特定法人の役員又は職員が対象になりますが、これらの者、いわゆるほかの用途に使用する資金を得て保管する目的で支出の相手方に虚偽の請求書若しくは領収書の提出の要求又は受領を禁止するという内容でありますが、更に対象の法人の拡大を今検討中であります。
 やはりこういう法律を通しながら、チェックの体制、仕組みを強化する、厳正な仕組みの導入が重要であると考えておりますが、よろしく御見解をお示しください。
○国務大臣(赤松広隆君) 委員御指摘のように、農林水産省では、平成二十一年度に、物品購入契約の履行状況に係る点検を行いまして、その結果、預け金等の不適正な経理処理が認められたところでございます。
 政権交代前に特にいろいろ課題、問題が多かったわけでございまして、発覚は今していますけれども、私自身としては、厳正、的確に、今委員御指摘のとおりに、もし分かった場合には再発防止のための処分等について行っていきたい。
 一つ特徴的に言いますと、今まではどちらかというと預け金をやっていたと、平の人がやっていた、係長ぐらいがやっていたと。そうすると、やった本人は厳しく処罰されますけれども、その上は監督責任みたいな形で、形式だけの処分に終わっていたと。そんな預け金の何百万だ何とかというのを現場の下っ端だけで本当にそういうことをできるのかと、できるわけがないじゃないか、全部上がそんなものはやらせているんだということで、必ず、現場の人ももちろん処分しますけれども、それと同等の処分を必ずしろということで、私が大臣になりましてからは、特にその監督に立つ人のこれも責任も大きいということで、処分をする場合には上も下も両方とも処分しちゃうというような形に変えさせていただいておりまして、徹底的な、ただ処分すれば何でも済むということではありませんので、チェック体制の強化や、あるいは職員のコンプライアンス意識の醸成ですとか、あるいは内部監査の一層の強化ということをして再発防止に徹底して努めてまいりたい。少なくとも、私の下では今後一人もそういう者は出さないということでやっていきたいと思っております。
○国務大臣(直嶋正行君) 今、赤松大臣からも答弁がありましたが、不正経理の防止を徹底することは極めて重要でありまして、今、経済産業省においても、税金の無駄遣いを一掃するということも含めて、予算執行の適正化に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。
 それから、委員御指摘の不正経理防止法案でございますが、以前にも御答弁申し上げましたが、昨年の通常国会において、自民、公明さんと私どもとの間で話合いをしたこともございます。
 私自身は、この種の法案というのは当然あってもいいというふうに思っておりまして、国会なり各党で御議論をいただいて、ある種の結論を出していくということも重要なことだというふうに思っております。
○加藤修一君 赤松大臣からはこの不正経理防止法の関係については特段の指摘が、指摘といいますか、所感がなかったように思いますけれども、改めてお願いいたします。
○国務大臣(赤松広隆君) 現に公明党からそういう法案が出されているわけでございまして、これは議会で、各党の合意の下に進められるということであれば私どもが云々することではないと、それはもう議会がお決めになることだと思っております。
○加藤修一君 まあ議会同士かもしれませんが、ただやはりこれは民主党さんも非常に関心を持っている、マニフェストでも若干こういった面について触れていると私は記憶しておりますけれども、是非、与野党含めて、こういった面について協議を深めて成立させることが私は望ましいと思っておりますので、御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 それで、次に、平成二十年度の決算の検査報告では、基金等の中で、これは農水大臣関係でありますけれども、農地・水・環境保全向上対策として積み立てられた資金など、有効活用されていない基金等が合計で七件、約三百五十三億四千万円に上っていると指摘を受けておりますけれども、農林水産業をめぐる様々な状況の変化に対応し、しかも限りある財源の中で、まあ当然の話でありますけれども、ばらまきでない、選択と集中の視点でやはりこういった基金等についても有効活用等に関する抜本的な見直しをやっていくことが非常に私は大事だと思っておりますけれども、赤松農水大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(赤松広隆君) 御指摘をいただきましたとおり、平成二十年度の決算検査報告におきまして改善の処置を要求されました七基金につきましては、会計検査院からの指摘をしっかりと受け止めて、それぞれの事業を取り巻く実態に応じて二十一年度あるいは二十二年度予算の財源へ充当を行ったもの、これは総額三百五十四億円のうち二百四十億円、そしてもう一つは、資金の国庫への返還を行う、これはこのうちの百十三億円、これを行い、処置をしたところでございます。なお、御指摘の農地・水・環境保全向上対策については、二十二年度の所要額に充てることとして活用をさせていただいたところでございます。
 今後とも、行政の無駄をなくすという観点から的確に対応してまいりたい、このように思っております。
○加藤修一君 平成二十二年度に農地・水・環境保全の方に充てるという話もございました。こういういわゆる環境保全向上対策ということが極めて重要な時代になってきておりますので、是非これは余すことなく効率よく使っていただきたいなと、そのように思います。
   〔理事谷博之君退席、委員長着席〕
 それから、直嶋経済産業大臣にお願いでありますけれども、これ独立行政法人の見直しの関係でありますけれども、経済産業省所管の独法は、現在、これも極めて重要な機構でありますけれども、新エネルギー・産業技術総合開発機構あるいは産業技術総合研究所、これを含めて十一あるわけでありますけれども、レアメタル等のいわゆる資源確保、まあ資源安全保障なんというふうに言われるような時代になってきておりますし、あるいはエネルギーの安全保障ということでは新エネルギー等の関連先端技術の開発、これは極めて我が国にとってはやはり世界戦略を展開していく上では重要な柱であると、このように考えておりますが、ただ、人件費や天下り等、組織、業務の在り方、これを抜本的に見直していく、これはもちろん必要なわけでありますけれども、この資源のないと言われております日本、決して私は資源がないとは思っておりませんが、いろいろな形で見ていくと決してそういう資源というのは、結構あるなとは思っておりますが、ただ外に依存する資源というのは当然ありますので、そういった面についてはやはり十分対応していかなければいけないなと思っております。
 単に財源を生み出すための独立行政法人の見直しで世界戦略のための基盤を失ってはいけないわけでありまして、日本は技術立国としての立場というのをしっかりとつくり上げていかなければいけないということを考えますと、やはり今後の運営及び組織の見直し等を含めて、世界戦略上、非常に大事なこういう機構の関係については真正面から取り組んでいく必要が当然あると思っておりますが、大臣のお考えをお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(直嶋正行君) 委員御指摘のとおりでありまして、レアメタル等の資源確保はもちろんでありますが、例えば成長戦略を実現していくためにはグリーンイノベーションなどの革新的な技術開発を強力に推進していくことが重要であります。そういう意味では、NEDOとか産総研等の当省の独立行政法人がこれらの中核的な役割を担っております。
 独法見直しに当たっては、このような独法が真に果たすべき機能にしっかりと経営資源を投入できるよう、また逆に言うとミッションと関係のない事業は大胆に整理することが必要だというふうに思っております。
 このような考え方に基づきまして、今月九日に、まず基本的にそれぞれの独法のミッションを明確にすること、それを基本としながら三原則を発表いたしました。そして、それを踏まえた上で、所管全十一の独法の事業、資産、契約状況等を一つ一つゼロベースで精査をいたしまして、先週十九日に経産省の所管独法の改革についてということで国民に発表させていただきました。
 御指摘のように、今後とも無駄を徹底的にそぎ落としつつも、真に果たすべき役割はしっかり強化をしていくと。言わば選択と集中と、そういう発想に立って改革を進めてまいりたいというふうに思っております。
○加藤修一君 今御答弁の中にありましたミッション等三原則ということで、差し支えがなければ三原則について概要をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(直嶋正行君) 内容ですか。
○加藤修一君 概要、三原則の概要です。
○国務大臣(直嶋正行君) 一つは、独立行政法人の先ほど言いましたミッションを明確にすると。産総研なりNEDOは、それぞれ固有のミッションを持っております。そして、そのミッションを明確にした上で、事業の目標達成度合いを検証しつつ、必要最小限の費用で十分な成果を上げる。このことを基本にしたいということで、それに基づきまして、以下の三原則に基づく見直しを行いました。
 一つは、事業の大胆な整理であります。真に果たすべき事業に特化をさせる。そのために、例えば法人間で重複している事業や、その法人で実施する必要のない事業などは大胆に整理する。
 二点目は、金の流れの明瞭化であります。既得権益を打破して、競争原理を働かせ、国からの金の流れを国民の理解を得られるように明瞭にする。
 それから三点目が、経営資源のスリム化であります。法人の不要な経営資源をスリム化し、業務運営の効率性を徹底的に向上させる。
 この三原則でございます。
 特に、独立行政法人の会計上の問題でいえば、随意契約でありますとか一者応札というのはまだかなりございます。それらも今回の見直しの中で徹底的に減らしていくといいますか、なくしていくと、そういう方向で整理をしていきたいということでございます。
○加藤修一君 随契とか一般入札等含めて、先ほど不正経理防止法案のお話をいたしました。対象法人の拡大を検討中というふうに申し上げましたけれども、まさに独法の関係についても対象の拡大という意味で考えさせていただいているというところでございます。
 それでは次に、特許の特別会計におけるいわゆる剰余金ですね、相当剰余金が出ている。ちょっと意味が違う剰余金だなというふうに思っておりますけれども。
 審査請求が急増をしているということで、審査待ち案件の増加、平成二十年では平均時間が二年と四か月強ということでありますので、これ、そういった意味では特別会計の歳入超過が続いているというふうに当然考えられるわけでありまして、平成二十年度の決算では約二千億円、歳計余剰金が発生していると。こういう状態に対してどのような認識を持っているかということが第一点でありますけれども、ただ、これは審査待ちということですから納金をしているわけですよね、そういった意味での余剰金という話でありますので。
 ただ、知財戦略の強化あるいは知財立国ということを考えてまいりますと、こういった面における審査体制の充実強化というのは極めて私は重要だと思っておりますので、そういう審査体制の強化の方に、これはたしか一般会計の方にも流用しているというふうに聞いておりますけれども、元々納めた人の利益に合致するように、早く、待ち時間がそんなに長くならないように、短くなるように、そういう審査体制の強化ということが非常に大事だと思っておりますが、この辺については、大臣はどのように認識をお持ちですか。
○国務大臣(直嶋正行君) 特許特別会計は、今、加藤委員も御指摘のように、出願人から受け取る料金により審査等の事務の経費をそれで賄うということで、支出と収入が相償するというのが原則であります。
 料金は主として審査請求の時点で受け取りますが、制度改正の影響により、特許審査の順番待ち期間が今約二十九か月と長期化しておりまして、まだ審査を行っていない案件が八十万件存在をいたしております。そのための滞貨分の審査のための前受金としてこのお金が今累積をしているということでございます。
 私どもでは、現在のこの特許審査順番待ち期間を、平成二十五年を目標に、平成二十五年に十一か月にしたいということで、それを目標に審査処理の迅速化を進めているところでございます。これに伴いまして今後は剰余金も大幅に低減していくものというふうに見ております。この点は我が国の特許制度の最も大きな課題でありまして、経済産業委員会等でも度々指摘をされてきております。
 したがいまして、数年前にたしか制度を改正をしまして、特許審査の合理化、それから体制強化を図るとともにこの審査期間を短縮するということで、その努力を続けているということでございまして、さっき申し上げたとおり、三年後、十一か月ぐらいの水準にまでしてまいりたいということでございます。
○加藤修一君 いずれにしても、審査期間を短縮させるということが極めて重要でありますし、運用をしているところの利息の関係も、別のところに流用しないでやはり審査体制をいかに強化するかというところに私は使うことが妥当なことだと思いますので、強く要求しておきたいと思います。
 それでは次に、先ほど規制の関係の話もございました。規制の事前評価についてはやはりチェックを十分すべきであるということで、これは総務省の政府参考人に来ていただいていると思いますけれども、二〇〇七年の十月に、規制に関するいわゆる行政機関が行う政策の評価に関する法律施行令の一部改正ということで、各行政機関は規制の新設あるいは改廃の際には規制の事前評価をすることになっていると。各府省庁の政策評価の一部でありますので、決算という意味では、法律に従って行政を進めるこの部分、すなわち事前評価の在り方又は事後評価をいかに行うか、これが非常に重要であると。政府の各行政機関の方々が、宿題を出した人が採点するというのは、なかなか合理性あるいは公正性が担保できるかどうかというのは懸念が生じておると思いますし、あるいは甘くなる評価になりがちであると、やはり第三者機関による事後検証・分析が必要だと私は考えております。
 規制というのは、やはり社会秩序の維持とか生命の安全、環境の保全、消費者の保護等の行政目的のため国民の権利や自由を制限し又は国民に義務を課するわけでありますので、そういった中で規制の事前評価を行い、その結果を公表すると、そういうことは非常に私は大事だと思っておりますので、規制の質の向上をやはり図ることが大事である、利害関係者、ステークホルダーのみならず、規制について広く国民の理解を得ることは重要であると考えておりますので、やはりこれは、RIAといういわゆる規制の影響分析、事前の段階で行うものと事後の段階で行うものが当然あると。
 ですから、規制影響分析ということでは、規制の導入、改廃等の際、規制によって生じる費用と便益を可能な限り定量的に分析するもの、当然、先ほども申し上げましたように、利害関係者との合意形成を図るということも大事であります。それは実施主体が、規制を行う所管庁がやるわけでありますけれども、必要性とか有効性とか、あるいは効率性等を考えて評価を行うわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、宿題を自ら出して自らが採点するというのはやはり評価が甘くなると、そう思っておりますので、規制影響分析の事前審査、いわゆる第三者的機関がやはりやるべきではないか、それが今後のこの規制影響分析の質、内容が改善されることにつながると、このように考えておりますけれども、まだこれ第三者機関でどうするかという話は伝わってきておりませんが、この辺についてどのようにお考えですか。
○政府参考人(田中順一君) 先生には、従来から規制の評価の問題につきましていろいろ御指摘を賜っておりまして、大変恐縮でございます。
 今、一部お触れいただきましたけれども、私どもの方では規制の事前評価といたしまして、政策評価法の体系の下ではございますけれども、平成十九年十月以降、政令に基づいて各府省に実施を義務付けまして、この事前評価をした結果を総務省が点検をすると、そういう仕組みになっております。それで、また政策評価法の立て方からいきまして、各府省それから私ども総務省が政策評価をするに当たりまして、言わば第三者的立場の有識者の方の知見を活用するという法律の立て方になっております。もちろん、今御指摘のように、評価の質を高めるということは非常に重要であるというふうに私どもも認識をいたしておりまして、私ども、政府部内の組織ではございますけれども、各府省の評価結果をチェックするという立場で、そのチェックの質を高めたいというふうに考えております。
 先生、昨年の委員会での御指摘も踏まえまして、実は従前は、点検活動は各年度の規制の新設、改廃について全般を通じての一般的な課題を提起することにとどまっていたわけではございますけれども、先生の御指摘を踏まえまして昨年度分から、すなわち点検活動の三年目からではございますけれども、質の向上に向けまして個々の規制の評価書、すなわち個々の規制ごとに個別の点検を実施するということをいたしております。その中では、先生が先ほどちょっとお触れいただきましたような、費用及び便益が可能な限り金銭的価値あるいは定量化する必要がある等々の指摘もいたしておるところでございます。そういうことで、私どもの方の評価といたしましては、先ほどの繰り返しでございますけれども、第三者機関であります政策評価の審議会の意見をいただきながら進めておるということでございます。
 今、それで、そのほか、ほかにやりようがないのかということにつきましては、私どもは、先ほど申し上げましたとおり、あくまでも政策評価法を所管する立場から、言わばメタ評価の立場でございまして、どうしても政策評価を、各府省のやった評価をそれをチェックするという立場にとどまるわけではございますけれども、例えば今度私ども工夫しようと思っていますことに、政策評価の外部検証性を高めるために、各府省における政策評価の過程、これは第三者機関におきます政策評価の審議を含めまして、これを原則公開をするということで今各府省と相談をいたしておるところでございますので、ここら辺りがまた先生の御指摘の課題に資するものではないかというふうに現段階、考えております。
○加藤修一君 私が申し上げた第三者機関というのは、これは言うまでもなく事前段階のいわゆる規制策定過程内における第三者機関におけるチェックということなんですね。もう一つあるのは、やはりこれは事後段階で規制策定後という意味でありますけれども、メタ評価というか、そういった面については、これはまた全体が終わった段階で、終わった段階というか、数年掛かってその規制がどういう効果をもたらしたか等々を含めて横断的にやって、共通のファクターを取り出して、さらにそれが発展的に良い評価ができるようにしていくということが考えられると思いますけれども、こういうメタ評価についてはどういうアプローチを今考えておりますか。
○政府参考人(田中順一君) メタ評価は、もとより各府省におきましてそれぞれの規制の新設に当たって自ら政策評価をしていただき、第三者機関の知見を借りてやっていただいておるわけでございますので、そこでの工夫が一つあろうかと思います。
 それから、政府部内の行政機関ではございますが、各府省との関係で点検をするという立場で、まさに私どもがメタ評価をする組織だというふうに考えておりますので、私どもの規制に係る政策評価のとりわけ事前評価の内容をきちんとチェックをすること、それから、その点検活動をきちんとすること。先ほど申し上げましたように、先生の御指摘も踏まえまして、今三年目の規制のチェック、点検活動をやっておるわけでございますけれども、その充実を図ってまいりたいと、そういうふうに考えておる次第でございます。
○加藤修一君 いずれにしても、規制にかかわる法律改正あるいは新法にかかわって、こういった面には十分なチェックが当然求められておりますので、是非真っ正面から取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、次に赤松農林水産大臣にお願いでありますけれども、その前に、これは両大臣に、実は昨日、日曜日の新聞でありますけれども、産経でありますけれども、国交政務官に献金一億円という話が出ていて、癒着が疑われないように努力が必要だという話が出ておりました、まあ報道によればという話でありますけれども。公平な運輸行政を進める上で、JR西の株まで保有するJRのOB議員が、国交省の政務三役を務めている現状が適切なのかどうか、議論が必要ではないかと、そういう話が報道されております。
 それから、国家公務員法等の改正の関係ですね。これ非常に今後の行政の在り方については極めて重要な中身じゃないかなと思っておりまして、例えば幹部候補名簿への大臣による推薦、この推薦の基準は一体どうなっているかというのはよく分からないんですね。それから、現職幹部職員の適格性審査に対して、だれが審査し、いかなる審査手続になるのかと。裁量性がなるべく入らない客観性が当然求められている。それから、専門性を要する幹部職員を公募するときは、その公募条件を設定、当然するわけでありますけれども、この審査にどういう形でかかわってくるのかということも当然重要な点でありますので明確にしなければいけない。あるいは政務調査官、これ各府省で設けることができるわけでありますけれども、これは政治主導確立法の関係であります。この政務調査官の関係でありますけれども、だれがいかなる適格性審査に従って人選し、どのようなメンバーを想定しているか等々含めて、これまた極めて重要な観点だと思うんですね。
 いずれにしても私は、最近の新聞で、特に四月十六日の読売新聞でありますけれども、「民主イズム」ということで第一面の左の上に出ておりますけれども、その中で「「公募」軽視 官僚を排除」という形でありまして、「鳩山政権は「天下りの指定席」と批判される独法の理事などを公募制にした。」と。公募制にしたということは非常に一歩、二歩の前進だと思うんですね。それと、水資源機構では最終的にこれは大臣の指示でその理事長が辞めざるを得なくなったと。これ公募して、その後にそういう話になっているんですね。あるいは、福祉医療機構の理事長も、これ公募いたしましたけれども、最終的には大臣の意に沿わないということで辞めさせられているという話になっております。
 極めてこういう恣意性がどの程度入るかどうかを含めて問題になるんではないかなと、そういうとらえ方を私はしておりまして、そういうことを考えてまいりますと、やはり公正なやり方を、審議会等を含めて、省庁の役人の関係についてはそれはまた別にして、外郭の方ですよね、独法の関係とか審議会の関係とか、そういった面についてやはり公正な立場で人事を推進していかなければいけないということだと思います。
 これ昨年の参議院の本会議でも取り上げられたケースでありますけれども、そういった観点からイギリスなんかでは、公職任命コミッショナー、そういう制度があると。任命が公正に行われるように監督することを職務として公職任命コミッショナーというのが存在するという話でありまして、これは背景は、一九九〇年代半ばの保守党政権時代に、特殊法人などの公的機関に与党のコネで任命される事例が多かったと、世間の非難を浴びたと。そこで、公職倫理基準委員会ができて、それが提案した勧告に従って公職任命コミッショナーが設置されることになったということで、皆さんのお手元にその一部を書いたものを配付させていただいております。
 独立した査定者、任命手続に直接参加してチェックする、あるいは独立した監査者、任命手続を事後的にチェックすると。こういう公職任命コミッショナー制度というのが私は、審議会あるいは特殊法人、独立行政法人、独立行政委員会、公営企業、第三セクター、諮問委員会などなど、そういったところに導入することが望ましいんではないかなと、そんなふうに考えております。
 それで、任命の綱領として七つの原則があると。第一点は、最終的な任命は大臣によってなされること、二番目は、実力本位で選考、任命されること、三番目、独立した詳細な調査が行われること、四点目、機会均等原則が遵守されること、五点目、清廉潔白さが必要であること、六点目、手続が公開され外部から見えやすくなければならないことと、いわゆる公開性と透明性であります。最後、七番目でありますけれども、手続はポストの重要性に比例して厳しくされること、いわゆる比例原則でありますけれども、こういうことを通してやはり公正性が担保されるような人事の在り方というのが極めて私は重要でないかなと、このように思っておりますけれども、両大臣の御見解をまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(赤松広隆君) 前の委員の御質問にも類似の御質問がありましたので私から答えさせていただきましたが、やはり今一番国民から批判が多いのは、役所を、勧奨であるかないにかかわらず、退職した人が関連する独立行政法人に天下って、そして人によっては三つも四つも渡り歩いて、そのたびごとに退職金をもらっていくと、わたりと称する、そういうことに対する極めて厳しい御意見があるわけでございます。
 そういう意味で、この内閣におきましては、公務員OBが在任しているポストについては昨年九月の閣議決定に基づいて公募制を導入して、一つには選考基準を含む職務内容書をあらかじめ作成、公表すると、二つ目としては当該基準に基づいて外部有識者から成る選考委員会等が選考した候補者の中から適任者を任命をするということになっておるわけでございます。その意味でいえば、適格性があれば必ずしも公務員OBの方でもなれないことはないということで、現にこの政権の下でも、数は少ないですけれども、そういう方がなっておられる場合も多いということでございます。
 しかし、農水省に関しましては、私自身の判断で、やはり国民から、幾ら優秀な方であっても何回も退職金をもらうというようなことはやはり避けるべきであるという判断の下で、たまたまそれに当たってしまった方には大変申し訳ないこともありましたが、一切このOBについては農水省は任用しないということで決めさせていただいておりまして、一例もそういう例はございません。
 先生の御指摘は、もし有能であったらどんどん公務員OBだって独法の理事長や副理事長や理事にすりゃいいじゃないかという御意見であるとすれば、それはもう私と残念ながら認識が違うというふうに思っております。
 それから、御指摘の公職任命コミッショナー制度については、イギリス等でこうしたこともやられておられまして、参考にさせていただきつつ、今後とも公職の選任に当たっては任命権者として客観的かつ公正な人選に努めてまいるつもりでございますが、私自身のまた責任の下で、また基本的な考え、今申し上げましたような考えの下に任命をしていきたいと、このように思っております。
○国務大臣(直嶋正行君) 今、赤松大臣からもお答えがございましたが、私自身は、独法などの公的機関の役員人事は透明かつ公正なプロセスで行われることが重要だというふうに思っております。
 独法の役員についても、法令で定める資格要件等があります。それに基づいて適材適所で登用するということなんですが、私も何度かやりまして、やはり難しいなと思うのは、例えば独法通則法上は独法が行う事務及び事業に関して高度な知見及び経験を有する者というふうに規定されているわけですね。ある種、これは専門能力ということになるわけですが、そうすると、やはり独法によっては行政でその分野に携わった方がどうしても専門性が高いと、こういう評価になりがちでございます。それに替わる人をどうやって見付けるかというと、なかなかこれはいろいろと難しい面もございます。
 今、赤松大臣からもお話がありましたように、私も基本的にできるだけ官僚OBの方ではなくて民間の方を登用、採用したいという姿勢で臨んでおりますが、この間何度か実行しましたが、やむを得ず、その求められている職種等によってやはり専門性が重要であるとか経験は無視できないと、こういう部分については官僚OBの方をお認めをするということも現実に行ってきてまいっております。
 したがいまして、透明でかつ公平性を確保しながら、そのときの国民の皆さんのニーズ等も配慮しながらやはり人事はやっていかなければいけないということを改めて思っているわけでございます。
 加藤先生御指摘の公職任命コミッショナー制度というのも、ある意味ではそういうことを確保するための仕組みであるというふうに思っていまして、これはこれから公務員制度始め政府関連のそういった法人についてもいろいろと議論されます。その中で、公平な公正な透明な有為な人材をどうやって求めていくかということで、様々に考えていきたいというふうに思っております。
○加藤修一君 いや、私は官僚を疎外しようとは特段思っていなくて、先ほどの任命綱領と七原則ですね、その中には実力本位で選考、任命されることというふうに当然ありますので、これは専門性がどのぐらい深まったものを持っているかどうかということにつながってくる話でありますので、排除するという考え方じゃなくて、やはり公正に判断して人選されるべきであると、そんなふうに思っています。
 それで、先ほど取り上げた読売新聞の中の例については、公募制をせっかくしきながらどうも大臣の恣意性によって除外されているんではなかろうかと、そういうふうに思われる節がある。これも記事の中にありますけれども、山口二郎北大教授でさえ、今の民主党は政策に中身がないから、山口教授が言っているんですよ、私が言っているんじゃなくて。今の民主党は政策に中身がないから官僚を恣意的に排除するパフォーマンスばっかりしていると、こういうふうに批判しているわけなんですね。
 そういうことを考えていくと、この公募制というのは一歩二歩前進でありますけれども、最終的に大臣の恣意性だけで結果が決まるようなことがもしあれば私はおかしな制度だなというふうに言わざるを得ないんですけれども、何か所感ございますか。
○国務大臣(赤松広隆君) 恣意性は全くありません。
 と申しますのは、すべて今申し上げたような条件の下でホームページ等を通じて一般の皆さん方に公募をお示しをするわけでございますし、その上がってきた人たちに対する今度は選考は、私どもの場合は、ある程度専門的な知識もなければできませんので、大学の教授だったり、あるいはマスコミの方も必ず三人のうちの一人は入れると、それもNHKばかりじゃなくて民放もあるいは新聞社も放送局もということで、できるだけ重ならないようにして入れていただいて書類選考、それから面接等をして、私自身は御本人に一度も会う機会はございません。その結果、点数を付けられて上がってきた者の高い点数の人をすると。中には、選考委員の先生方が、今回は申し訳ないがそれに値する人がいないということで、該当者なしということが上がってくる場合もございますので、それを尊重しながら進めている。
 私の恣意が入る余地は、できれば官僚OBの人は避けていただくということだけはありますが、それ以外は全くありません。
○国務大臣(直嶋正行君) 私の方も、先ほどお答えしたとおり、透明性を確保しながら公正に人事をやってきているというふうに自負をいたしております。
 基本的に、それぞれの法律で認められた独法における役員選考委員会なり、その委員会での結論に基づき判断をしているということでございます。
○加藤修一君 お二人に対して私嫌疑を掛けた話じゃなくて、この記事の中に載っている大臣の話ですから、誤解をしないでいただきたいと思います。
 ちょっと時間が押していますので、ちょっとスキップして、ほかの方に申し訳ないんですけれども。
 中央官庁における車両や建物等の管理委託業務の入札の関係なんですね。現在、中央官庁における車両や建物等の管理委託業務、この入札は電子入札で行われておりますが、落札した業者の従業員によりますと、景気は極めて昨今厳しいわけでありますけれども、低価格で落札することが多いと。従業員の給与は生活保護世帯並みのケースもあり、生活は非常に厳しいということなんですね。競争入札の結果、従業員の給与という形でそのしわ寄せが来ている、そういう切実な声が決して少なくない。仕事があればいいという話ですから、安くてもどんどん取ってしまう、それが最終的には従業員の給与に跳ね返っているケースが間々あるというふうに判断できるわけでありますけれども、ある方は、四十代、五十代の人でありますけれども、手取り十四万五千円、どうやって生活するのかという、そういう話、本当の話なんです、これね、現場の話で。
 競争入札だからそれはやむを得ないとは思いますが、落札の際に従業員の給与等の雇用条件に関する報告書の提出を義務付けとか、劣悪な雇用状況の場合に改善を指導してほしいと、そういう声が寄せられているわけでありますけれども、これ、副大臣に聞いた方がいいのかな、よろしくお願いいたします。
○副大臣(松下忠洋君) 御指摘のとおり、景気状況が改善せずに民需が低調なこともございまして、官公需においても低価格競争が激しくなっているという声があることは承知をしております。低価格での入札が行き過ぎますと、今お話ありましたけれども、賃金の引下げ等による待遇の悪化とかあるいは作業品質の低下等につながることが懸念されているわけでございます。
 経済産業省としましても、これは昭和四十一年に制定されましたけれども、官公需法、これに基づきまして、中小企業者に関する国等の契約の方針、これを毎年閣議決定しております、六月でございますけれども、その中でやっぱり適正な価格での契約等の推進についても配慮することとしているところでございますし、中小企業等の基本法の中でも中小企業者に対する適正な配慮というのがうたわれておるわけでございまして、平成二十二年度の契約の方針につきましては、今後各府省の協力も得て策定するところでございますけれども、御指摘の点につきましてはより一層配慮が行き届くように努めてまいりたい、そう思って、しっかり緊張感を持ってやっていきたいと考えております。
○加藤修一君 そういう御指導をされていることはよく分かりますけれども、必ずしも適正な価格でなされていないということが、結果的にこういう話が出てくることなわけでありまして。
 それで、財務省に質問なんですけれども、地方自治法によれば最低制限価格制度があると、下がり過ぎないようにあるいは破格にならない落札に落ち着かせるようになっているわけでありますけれども、要は、国も地方公共団体が行っている最低制限価格制度を導入すべきではないかというのが私の質問なわけでありますけれども、例えば一千万円以下についても行うべきではないかと。
 これ、いかなる意味かというと、会計法のいわゆる落札の方式、第二十九条六にかかわってくる話でありますけれども、さらにこれに関連して、予算決算及び会計令の第八十四条、その中には最低価格の入札者を落札者としないことができる契約と、余りに安い場合についてはそれは注意を要しますよということで調査をするという話なんでしょう。
 ただし、これは予定価格が一千万円を超える落札についてでありますので、私の言いたいことは、一千万円以下も含めまして、要は、国も地方公共団体が行っている最低制限価格制度を導入する、そういうこともあっていいのではなかろうかと、そういうふうに思いますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(稲垣光隆君) 最低制限価格制度に関するお尋ねでございます。
 国の調達におきましては、原則として、価格による競争入札によりまして最も低い金額を提示した者を契約の相手方とすることとしております。また、この入札に当たりましては、その契約金額を見積もった予定価格を作成いたしまして、この予定価格が上限となるという仕組みになっているわけでございます。
 このような競争入札のうち、先生御指摘ございましたように、予定価格が一千万円を超える請負契約につきまして、その予定価格より著しく低い価格での入札があった場合は、そういった価格で契約を締結することで契約の完全な履行が困難に陥ることを未然に防ぐため、あらかじめ調査を行うということとされているところでございまして、これがいわゆる低入札価格調査制度というものでございます。大体、おおむね各省さん、予定価格の六〇%を下回る入札についてはこういった調査を行っているということでございます。
 一方、地方公共団体におきましては、低入札価格調査制度、こういった制度のほかに、特に必要がある場合においては御指摘の最低制限価格制度を取ることが認められているところでございます。これは、地方公共団体といいましても大きさ等々は千差万別でございまして、契約の内容に適合した履行が確保されるかどうかについて個々調査を行う体制が必ずしも十分整っていないということもございますので、こういった制度が例外的に認められるというものでございます。
 他方、国の場合でございますけれども、調査能力等にさして問題はないということから、このような最低制限価格制度を設けることとはしていないところでございます。
 なお、調査制度につきまして一千万円という仕切りを今設けさせていただいているわけでございますが、これは、損害防止対策上の観点と、他方、調査に要する事務量というものを比較考量いたしまして、一応一千万円超という線引きをさせていただいているところでございます。
○加藤修一君 国はそういうふうに机上の話のように言いますけれども、実態はそういうふうになっていませんから、実態をしっかりと調査をしてください。要求します。
 以上で質問を終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 有明海再生といわゆる開門調査につきまして、政府・与党の検討委員会は大詰めと言われておりまして、その提案を受けての大臣そして内閣の政治決断が山場を迎えているわけですけれども、今日、この問題についてお尋ねをしたいと思います。
 まず、前政権による有明海問題に係る支出を〇八年、〇九年の予算ベースで農水省に整理をしていただきました。お配りしている資料の一枚目がそうです。(資料提示)
 このように様々な事業にわたりまして、中でもこの二つ目の項目の有明海対策として実施される事業の数字は、これ有明海を含む全体の内数ということですから、今日、額として固まった数字を申し上げることはできないわけですけれども、いずれにしても相当の額に上るということは言えると思うんですね。
 このそれぞれの事業の効果については今日は踏み込まないでおきたいと思うんですが、お尋ねをまずしたいのは、こうした事業によって有明海の再生が果たされたのかといえば、これはほど遠いということでございます。
 私事にわたりまして恐縮ですが、私の父は有明海の三池炭鉱の炭住で育ちまして、戦後、食料難の時期に小学生で、放課後に一斗缶を二つ手にぶら下げて干潟に参りまして、あの炭住の目の前が三池の干潟なんですね。ここでアサリだとかアゲマキだとか、これを小学生が缶々いっぱいに取りまして、これを市場に持っていって、一缶分は教科書代や小遣いにする、もう一缶分は一家の夕食のおかずにすると、そうやって暮らしてきたわけです。有明海というのは、それだけ豊かな生産性、生物多様性を持っていた宝の海でした。それが諫早湾干拓事業の着工以来、漁獲量の激減に象徴される有明海異変によって、一過性ではない、継続し、累積し続ける被害にさらされてきているわけです。
 そうした中で、大臣もお聞きになられたことがあるかと思いますけれども、一九九九年以来を見ましても、沿岸四県で四十代から六十代の働き盛りの有明海漁民の自殺がほぼ毎年続いています。ノリの凶作によって、数千万円に上る設備投資の借金の返済や、保証人に迷惑を掛けられないという苦悩の中で、あるいは、年一千五百万円あるいは二千万円という水揚げがあったタイラギの休漁によって著しい生活苦と多重債務に追い込まれて、その自ら命を絶つ態様も、ノリの荷揚げ用のクレーンで首をつられた方、あるいはエビ漁の作業小屋で網を掛けて首をつられた方、本当に痛ましい事態が毎年続いてまいりました。本来、明るく豪快な気質の有明漁民がここまで追い詰められていると。そうした中で、漁村の地域経済は土台から壊されて、若い方々も漁村で暮らせなくなって、ですから、小学校の入学する新しい児童が二人になるあるいはゼロになる、村の祭りもできなくなると、そうした状況が広がっているわけですね。
 前政権の下での有明海再生事業の現状を率直に見るなら、私は、漁民がよみがえれと願っているかつての宝の海、有明海の豊穣さとは比べるべくもないと私は思うんですけれども、この点についての大臣の御認識はいかがでしょう。
○国務大臣(赤松広隆君) 私どもは、この問題について郡司副大臣の下で今検討委員会をやってもらっていますが、そのこととは別に、私自身のまた勉強のためにということもございまして、この間、十四、十五、四県をそれぞれ回らせていただきました。賛成派、反対派、いろんな方差別せず、広く大臣に物を言いたいという方には全部来ていただきまして、いろんなところでお話も聞きましたし、また今お話のあった豊穣の海とかつて言われた有明海にも実際船に乗ってその今実態も見させていただくということで見させていただきました。
 そういう意味で、それぞれ今日までいろんな予算が組まれ、有明海再生のために事業として行われてきた。全くこれも意味がなかったかというと、そうではなくて、一部には、覆砂だとか、中をこう、何というんですか、田んぼでいうと、畑でいえば耕すような形での事業等、一部これによって貝が、シジミが取れるようになったとかいうところもありますけれども、全体として、ノリのいそ焼けや、あるいは貝、それからまた豊富な魚種の漁獲ということについては大変これは落ち込んでいるということは事実でございます。
 そんな意味で、多くの人たちがその原因が諫早湾のあの潮受け堤防にあるのではないかと言う中で、ただ、開けろという方も、果たして本当に一〇〇%それが原因なのかどうか分からない、ただ、それを調べるためには是非開けて調査をしてほしいと。もしかしたらそれが直接的な原因ではなくて、生活排水等も有明海に大分流れ込んでいるので、そういうことも原因の一つかもしれないと。いろんな理由があるので、そういうことを含めて、とにかくまず開門調査をしてもらいたいという御意見。あるいは、長崎県では、反対に今度はみんな鉢巻きされた方たちがどんどん押し寄せてきて、その人たちは、何としても開けるなと、開けたら、防災上も、あるいは既に短期の開門したときと違って本格的な営農についても今もう始まっていると、四十一企業、団体でしたかね、やっているということで、その作られたトマトも食べさせてもらいましたけれども、そういう形でいろんな御意見がございました。
 そういう意味で、私は、とにかくいろいろな今日までの経過がございますけれども、政権交代もあったわけですから、そういう意味では白紙の状態でもう一度この問題についてこの政権としてきちっと方向性だけは出させていただきたいという思いの中で、郡司副大臣にそのプロジェクトの座長をやっていただいて、後で副大臣に聞いていただいた方がいいかもしれませんが、精力的に調査等をやっていただく中で、このゴールデンウイーク明けか、当初は今月中にというお話でしたけれども、報告をまとめていただけるということを聞いておりますので、近くその報告をいただいた上で私自身のまた考え方をまとめ、皆さん方にお諮りをしていきたいと、こんなことを考えております。
○仁比聡平君 私は、有明海の再生のためには相当額の予算は必要だと思うんです。そして、今大臣もおっしゃられましたけれども、覆砂や海底耕うんがこれ一切効果がなかったと申し上げるつもりはないんです。そうした意味では、予算が掛かる、けれどもこのお金をどういうふうに使うのか、本当に再生につながる使い方に転換する、あるいは発展をさせる、そうしたことが漁業者、そして沿岸の市民からも新政権に対して強く求められているなということをこの七か月間の経過を見ていて強く感じているわけですね。
 お手元の資料の二枚目ですが、これは諫早湾内の北部排水門の間近にあります小長井の養殖アサリが、これは〇九年の夏の写真ですが、毎年のようにこのようにへい死をしております。下の写真は二〇〇八年に小長井に打ち上げられたへい死した魚ですけれども、赤潮の大規模化や長期化、貧酸素水塊、あるいは底質のヘドロ化が進む中で、アサリやタイラギの稚貝は立っても夏を越すことができずに立ち枯れをする、あるいは海底に生活をしていますエビやクツゾコを始めとした底生のそういう魚介類が全く捕れなくなると。
 そうした中で、今年、長崎県の瑞穂漁協が全会一致で開門要求の決議を上げました。そうした中で、湾内三漁協の漁民がそろってといいますか、湾内三漁協の漁民が開門を求めて提訴に足並みをそろえるということになりまして、いわゆるよみがえれ有明海訴訟の漁民原告は千四百五十名に上るという状況になっているんですね。
 瑞穂の漁協の皆さんから、この十三年間ずっと耐えてきたがもう限界だと。その訴えに私は大変胸を打たれました。十三年前の潮受け堤防の閉め切り以来、海水を導入すれば漁業被害は劇的に改善されるということを漁民の皆さんとして確信あるいは実感をしておりながら、様々な事情があって開門を訴えることができないで来た。けれども、そうして耐えてきたけれども、もう限界だと。この瑞穂の漁民の皆さんの開門を求める思いというのは、これ大変重たいものがあると思うんですが、大臣、いかがお感じでしょう。
○国務大臣(赤松広隆君) 長崎県で市民との意見交換会をやりましたときにも瑞穂漁協の組合長さんがお見えになりまして、ただ唯一の開けろという御意見だったんですけれども、組合長としてそういう御発言もございました。ただ、ほかに国見漁協と小長井漁協というふうにあって、現地の新聞によれば、小長井漁協も過半数超える人たちが開門派に変わったというようなことも報道されていましたが、ただ、そこに来ておられた小長井漁協の組合長さんは、何としても開けるなと、開けたら更に有明海が汚れて大変なことになるみたいな発言をしておられました。
 だから、いろんな意見、これはもう公平に聞こうというのが私の姿勢ですから、そういう御意見もありましたし、この国見漁協からはシュプレヒコール受けて、開門許さないぞみたいなことも、そういう洗礼も受けてまいりましたけれども、それぞれ、湾内三漁協の方たちもいろんな御意見があるということを率直に承ってきたところでございます。
 以上です。
○仁比聡平君 今お話にあった小長井漁協においては、六割を超える組合員が開門要求の署名に賛同されていると。国見はもちろん、その更に湾外に出て、有明、島原の漁協の中にも、強く開門を求めて頑張っておられる漁民の皆さんがこの国会にもよく上京をしておいでになっているわけです。
 私、そうした中で、開門についての賛否の議論があるのはもちろん私も承知しているんですが、国がこの問題を考えていく上で、検討する上で、二〇〇八年の六月に開門判決とよく言われる佐賀地方裁判所の判決が示した考え方、この考え方は極めて重要だと思っているんです。
 もちろん、この裁判の中で、その開門の是非について真摯に争われてきたわけです。当時、被告である前政権の国は、今開門をすべきでないとおっしゃっておられる方が述べられているのと同様の主張を裁判上主張してこられたわけですが、その判決において、潮受け堤防の閉め切りと諫早湾内及びその近傍場の環境変化との間の因果関係については、相当程度の蓋然性の立証はされているものというべきであると。さらに判決は、現状において、中長期開門調査を除いて、潮受け堤防による影響を軽減した状況における観測結果及びこれに基づく科学的知見を得る手段は見出し難いと述べて、にもかかわらず、漁民に対し、環境異変と本件事業との因果関係の有無についてこれ以上の立証を求めることはもはや不可能を強いるものと言わざるを得ないと述べたんですね。そして、国に対して、国が中長期開門調査を実施してこの因果関係の立証に有益な観測結果及びこれに基づく知見を得ることにつき協力しないことは、もはや立証妨害と同視できると言っても過言ではなく、訴訟上の信義則に反するものと言わざるを得ないと。
 これほどの非難というのは、公共事業をめぐる裁判において例のないことです。こうした判決の最後に、裁判所は、もはや中長期の開門調査は不可欠であると述べる前提として、国は率先してその当否を解明し、その結果に基づいて適切な施策を講ずる義務を一般的に負担しているというふうに述べているんですね。
 この有明海異変の原因がどこにあり、そしてそれはどうすれば解決をできるのか、再生に向かうのかと、そうした観点で国にそうした施策を講ずる義務が一般的にあるんだと、だから、もはや中長期開門調査は不可欠なのだというこの判決というのは大変重いものだと思います。これを新政権はどのように受け止めていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(赤松広隆君) 佐賀地裁の判決につきましては、下級審とはいえ、その判決については国としてしっかりと受け止めなければならないと、このように私自身は思っております。
 そして、それを踏まえた上で、今回、特に四県を回って感じましたことは、かつて、十三年前、例の潮受け堤防が閉められたあのときから考えれば、賛成派の方も反対派の方も非常にある意味でいえば冷静な判断を今されていると。それはどういうことかといえば、かつては、直ちに開けろ、開けなきゃぶっ壊してでも開けさせるぞって言っていたような方たちがむしろ、今開門したときに営農者たちがいると、あるいはその開け方によっては大変な防災上の問題が起こるかもしれない、ですからちゃんとアセスメントをやって、その上で是非慎重にも慎重な上にこうした開門、その人たちは開門派の方ですが、開門をしてもらいたいという言い方ですし、それからまた、絶対に開けるな、何としても、体を張ってでも開けさせないぞって言っていたような方たちも、だんだん論も近づいてまいりまして、どうしても開けると、開けざるを得ないというときには、ちゃんと防災対策やってくださいよ、そしてまた、水も海水が混じるわけですから、塩水になってしまうという中で、水の対策だけはきちっとやってくださいねというようなことを、そういう公の場でも堂々と発言をされる。
 環境アセスについては、どうぞ科学的な根拠でもって、そしてまた冷静な議論の下で、そして大臣も大変だと思うが、できるだけ地元の合意の下で進めてもらいたいというのは、開門賛成派、反対派、両方の方からそういう意見がそういう場でどんどん出てくるということは、とにかくもう十数年間やってきたこの問題に終止符を打ってほしい、決着を付けてほしい、そしてそれはみんなの合意の下に納得の上でやっぱり進めてほしい、解決してほしい、もうこの機を除いたらこの問題は永久に解決しないんじゃないか、対立は永久のものになってしまうというやっぱり思いがひしひしと伝わってまいりまして、これは多少、今の意見の違いはありますけれども、何とか両者が納得できる形で私どもが方向性を出して、そしてお願いすべきところは何度も足を運んでお願いをしながら、御了解の下に、合意の下に進めていきたいと、このように今私は考えております。
○仁比聡平君 漁民や市民の皆さんが求めているのも、営農と両立する有明海の再生をということでありまして、私は、この干拓営農との両立を一番具体的に主張、提案をしてこられたのはむしろ漁民の皆さんの側なのではないかと思っております。
 先ほど御紹介した判決は、これは中長期開門調査をという判決でしたが、今漁民の皆さんが願っていらっしゃるのは、二〇〇二年の四月に一か月間調整池に海水を導入したいわゆる短期開門調査、つまり調整池の管理水位をマイナス一メーターから一・二メーターに管理しながら海水を導入すると、ここを始めるといういわゆる段階的開門というものであって、二〇〇二年の当時に防災上の問題はないようにして開門を、開門といいますか、海水の導入をしたわけで、実際にだからそうした問題は起こっていないわけですね。実際にやってみて被害は起こらなかったという、この短期開門調査のレベルの海水の導入を一日も早く実現をするべきだということが漁民の皆さんの願いだと思うんです。そうした意味では、慎重にといって先送りをするというようなことは、ここは漁民の皆さんの願いとは大きく違っているわけです。
 今日の、時間がなくなってまいりましたから資料の最後の四枚目のものを御覧いただきたいと思うんですけれども、短期開門調査をやったときに、それが平成十四年ということになりますが、これ、タイラギの生息量を佐賀の有明水産振興センターが調査をしたものですけれど、それまで壊滅的な事態になっている有明海のタイラギが、短期開門の翌年、平成十五年度、そして十六年度にはこれは立って、漁獲を得ることができたと。この資料にはありませんけれども、アサリも生まれた稚貝が短期開門の後に夏、生き延びて、これ捕ることができたと。
 この短期開門の程度でも海水を導入すれば有明海はよみがえるというのが、これは漁民の皆さんの確信でございます。だからこそ強い願いを持って求めてきたわけですが、一方で、この資料のその前のページの写真を御覧いただければと思うんですが、調整池の汚濁した水が排水されることによって、この上の写真は南部排水門からの排水ですね。こうした濁りの原因になっているSSやあるいは窒素、燐、こうしたものの含有というのは、これは調整池に海水を導入すれば数日で海水の凝集効果によって劇的に改善されるということが短期開門調査の成果としても明らかです。
 もう一つ、その下の写真。これは毒素を発するものではないかとして大問題になっています調整池の中のアオコですけれども、これも海水を導入すればこのアオコは発生しないということがこれは明らかなことなんですね。
 この短期開門調査というのは既に行われて効果を上げているわけですから、これを一日も早くというこの漁民の要求に是非新政権としてこたえていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤松広隆君) 今御指摘のあった御意見も踏まえて検討委員会の中で近く報告をまとめますから、それを受けて決断をしていきたいと思っております。
 ただ、今委員も御指摘のように有明海の場合は干満の差が六メートルもあるということですから、ずっと、仮に開けるにしても、開けっ放しでということになればこれは海面水位がその六メートルも一気に上がっていくとかいうことになるわけですから、当然、もしやるにしても、いろいろなそういう堤防強化の問題や、あるいはどうやって農業用水を確保していくかとかいうようなことも含めて、今環境アセスを並行してやっていますから、そういうものの、こうした場合にはこれだけのことをやらなければいけないとか、これだけのこういう方式でやるべきだとかいうのも当然出てくるんでしょうから、そういうことも踏まえて検討をさせていただくということになると思います。
○委員長(神本美恵子君) 時間を超過しております。
○仁比聡平君 はい。
 新政権が、先ほどの佐賀地裁の判決で指摘をされたような、信義則にさえ反するじゃないかと言われるような事態は絶対に起こしてもらいたくないと。これは私だけではなくて、国民みんなが願っていることなのではないかと思っております。世論調査を見ましても、さきに長崎知事選が行われましたけれども、その最中の朝日新聞は、知事選舌戦、民意とずれという、そうした記事を書きまして、開門調査に賛成は四〇%、反対は二五%と。これは長崎県民でそうです。
 元々、さかのぼりますと、九八年に、事業を推進すべき、あるいは中止、見直しをすべきという世論調査がありますが、長崎では事業推進は一八%、一方で中止、見直しというのは七二%に上っているんですね、元々。これは全国の数字にすると……
○委員長(神本美恵子君) 時間を超過しておりますので、おまとめください。
○仁比聡平君 八%、七九%ということです。
 私は、こうした国民の期待から考えても一日も早い開門をということを是非強く願って、質問を終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 今年の三月に、中国電力の島根原発で、〇六年以降、緊急炉心冷却システムの関連も含む少なくとも百二十三件の点検漏れが発覚をいたしまして、一号機、二号機は停止をされました。点検漏れを原因とした原発の停止は初めてのことであります。四月十三日には、中国電力の調査担当の部長が自殺をするという、そういう痛ましい事件も起きました。今回、中国電力は適切な保守点検や定期事業者検査をしておりませんでした。この定期事業者検査を原子力安全基盤機構、JNESが定期安全管理審査でチェックして、更にJNESと保安院が定期検査でチェックすると、こういう構図で安全審査がなされるはずであった。しかし、これがされなかった。JNESについては、二十年度決算でも、エネルギー特会エネルギー需給勘定から運営交付金二百二十五億円が支出されておりますけれども、この交付金については、十一月に行われた事業仕分第一弾でも見直すべき、こういう批判がなされましたし、天下りの問題もかなり議論されておりました。
 こうした中、結果的ではありますが、長年にわたってJNESと保安院は島根原発での点検漏れを見過ごしてきたと、こういうことを起こしたわけでありまして、まずこのJNESと保安院にその責任があるのではないかと思いますが、大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(直嶋正行君) 三月三十日に、中国電力から、島根原子力発電所の百二十三か所の機器について、安全上の問題はないが計画どおり点検が実施されていないこと等、保守管理の不備があった旨、経済産業省に報告がありました。安全が第一である原子力発電所の保守管理が適切に実施されていないことは誠に遺憾であります。
 経済産業省としましては、同日、中国電力に原因究明や再発防止対策の報告などを指示をいたしました。また、異例でありますが、四月十九、二十日には、保安院が中国電力の調査体制や方法等について立入検査を実施をいたしました。
 今後、四月三十日に中国電力から現時点での調査結果が報告される予定になっておりまして、私どもとしては、その報告結果を受けて、更に厳格な検査を実施するなど、厳正に対処してまいりたいと思っています。
 それから、今、こうした点検漏れを見抜けなかったのではないかという御指摘がございました。
 実は、本事案については、本年一月に保安院の保安検査官が中国電力の点検計画表どおりに点検が実施されていないことを確認をいたしまして、それを受けて中国電力が調査を行ったことにより百二十三か所の点検漏れが判明したということでございます。したがいまして、中国電力に対して原因究明や再発防止の報告などを今指示しているところでございますが、経緯から申し上げますと、保安院が一月段階で、不備があるので同じようなことが、同様のことが他に起きていないかどうかということを確認するように、それから、その前に安全性に問題がないかどうかを確認するように指示をして今回の結果が判明したと、こういうことでございます。
○近藤正道君 最終的には調査結果が明らかになってからのことでございますが、長期間にわたって点検漏れがあったという事実、チェックの発端は保安院が行ったことは認めますが、長期にわたってこれを見抜けなかったことの責任をやっぱり厳しく問うべきだと、こういうふうに思っております。
 原発の安全性というのは、保安院と原子力安全委員会のダブルチェックと、こういう形で行われているわけでありますが、保安院は職員七百九十三名の中で七百五十七名が経産省の職員、そのうち約一割がプラントメーカーからの出身者、こういう構成になっておりますし、安全委員会は、職員六十六名のうち文科省が三十七名、経産省から十一名ということでありまして、先ほど、本当の意味でこの古巣に帰ると、そういう古巣と本当にちゃんとけんかができるのかという話が少し前の議論でございましたけれども、私は、やっぱりこういう人員構成から見まして、本来推進側であって、およそその独立、中立的な人材がきちっと整えられていないんではないか、これではその安全規制の独立性は十分に保障されているとは言えないんではないかと、こういうふうに思えてならないわけでございます。
 また、保安院と安全委員会の審議会委員につきましても、昨年ごろからようやくその利害相反が生じるような専門家、学者については、自己申告に基づいてではありますけれども、選任を回避する、こういう制度がやっと始まったと。これまでは電力会社と利害関係を持った学者が審議会の委員を務め、安全性に問題ないと、こういう結論を導いていたということは指摘をされてきました。やっとそれが少し是正されてきたと、こういうことでございます。
 こうした事実を背景に民主党は政策集インデックスで、安全チェック機能の強化のために国家行政組織法第三条による独立性の高い原子力安全規制委員会を創設すると、こういうふうにインデックスに掲げまして、私も昨年の十一月と今年の三月に鳩山総理にこのことについて質問をいたしました。総理から三月に、前向きに推進すると言ってきた、つまり安全規制委員会を創設するということについて前向きに検討するというふうに言ってきたけれども四か月たってしまった、今でも役所の答弁を見ると、白地、ゼロベースだと思うんですが、白地に立って検証しますみたいなそういう言い方しか書いていない、それでは話にならない、このことは配付資料の中にも書いてありますけれども、インデックスで書いた以上はこれはやらなければならないと、これは総理の発言であります。インデックスに書いた以上、これはやらなければならない、三条委員会をしっかりとつくらなきゃならぬので、もっと積極的に行動させるようにいたしますと、私に対して大変総理は力強く御答弁をいただきました。
 ところが、その後、増子経産副大臣、三月二十九日の会見におきましてこういうふうにおっしゃっています。これも配付資料で出しておきましたけれども、予算委員会の中で総理から保安院分離の件について積極的に行動して検討したいという御発言がありましたので、公式的にこれから議論をしていこうと、結論はどうなるか分かりません、分離論について前向きということではありません、議論することに前向きということです、私どもとしては基本的にダブルチェック体制というのは非常にいいものだと思っていますと、こういうふうに増子副大臣は発言されておるんです。
 つまり、これ素直に見ますと、総理はそういうことをおっしゃるから、形、ポーズだけはやる、アリバイ的に議論はする、しかし本当のところはやりたくないと、こういうことをかなり露骨に副大臣はおっしゃっている。私も与党ですから余り厳しく言いたくないけれども、総理は明確に、インデックスで言ったんだからちゃんとやります、積極的にやりますと、こう言っているのに、増子副大臣はこういうふうにおっしゃっている。私は、これはもう総理の答弁を事実上否定していることになるんではないかと。
 分離論、保安院の分離独立ということについては本当に全国の住民が非常にやっぱり喜んでいる、ああ、やっと新しい政権で新しい時代になったと。ところが、経産の皆さんはなかなかそれに対して積極的ではない。
 直嶋大臣にお尋ねをいたしますけれども、増子副大臣のこの発言について大臣の見解を是非私はお聞きしたい。改めて三条委員会をやっぱりつくるんだと、積極的にやるんだという総理の御発言を受けた大臣の決意を是非私は聞かしていただきたいと、こういうふうに思います。
○国務大臣(直嶋正行君) 以前にも近藤議員にもお答えしたと思うんですが、今の保安院と原子力安全委員会と、言わばダブルチェック体制になっています。これは十年前のジェー・シー・オーの事故があって今の体制にしたわけでありまして、ちょうど来年の一月で丸十年ということになります。それまでも、この原子力の安全確保の体制は過去何度か変遷をしてきております。
 したがって、ダブルチェック体制になったこの十年間でどういう問題があったのか、あるいはこれで本当に機能しているのかどうか。さっき島根の原発のお話も御指摘いただきましたが、今私どもとしては、一つはそのチェックをしているということであります。総理の御指示を軽く見ているわけではありませんで、今こういうことをやっていますというのは私の方からも総理にも御報告を既に申し上げております。
 したがって、現状十年間これでやってきたけれども、じゃ、どこをどういうふうに変えていけばいいのかと。その中で、例えば今御指摘のような三条委員会をつくるというのは将来の方向としてはあるかもしれません。しかし、一方で言うと、過去三十年ぐらいの間に様々な変遷がありますので、その経過も含めて私どもとしてはしっかり整理をしたいということでございます。
 したがって、別に総理の御指示を無視しているわけではなくて、今申し上げたとおり、着々とその検証作業は進めているということで御理解をいただきたいと思います。
○近藤正道君 私は、増子副大臣の記者ブリーフの文書を見て驚いたわけですね。これは実質的に総理の発言を否定されているのではないかと、こういうふうに驚いて、今日、今大臣にお聞きをしたんです。大臣の答弁は、着々とやっていると、こういうことですので少し安心をいたしましたけれども。
 しかし、民主党の皆さんは、この間、この国のダブルチェックは機能していないと、三条委員会の独立性の強い機関をつくらなきゃならぬということで法案まで出しておられて、そしてインデックスの中にも盛り込まれて、そして総理が、インデックスに盛り込んだ以上はやっぱり大事にしなきゃならぬと、この方向に向かって頑張りますと、こういうふうにおっしゃったので、是非、そこは本当に国民から見えるような形で、最短コースを通って是非私は頑張っていただきたいと、私はそういうふうに思っておりますし、今ほどの直嶋大臣の御答弁、やっぱりそういうところにもう一度戻って御発言をされたというふうに私は理解をさせてもらっております。是非、日本版NRCをつくるという鳩山総理の強い決意をやっぱり速やかに形あるものにしていただきたいというふうに思います。
 今日、原子力安全委員会の関係の副大臣、政務官にも来ておられましたけれども、原子力安全委員会、経産省は今ちょっと大臣おっしゃいましたけれども、原子力安全委員会、経産省からそれぞれ現時点の検討状況と今後の決意についてお聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(大島敦君) 近藤委員にお答えをさせていただきます。
 中井大臣が、これ一月に記者会見で、そのときに原子力安全規制委員会について、このマニフェストの構想は承知をしておりますということと、あともう一つは、国民の原子力に対するアレルギーをなくすためのシステム、組織について構築をしてしっかりと進むべきだと個人的には思うということで、今後直嶋大臣ともしっかり話し合ってマニフェストをどういう形で実現するか議論したいという旨を答えております。
 今、私たちとしては、大臣から事務方に関係省庁と連絡を取るということと、あともう一つは、諸外国の規制体制の状況等、独立した原子力安全規制機関を具体的に検討する場合に必要となる情報について日常業務の中で入手し整理するという対応を今始めておりまして、今後、中井大臣始め政務三役の中で議論していくことになるという方向で考えております。
 以上でございます。
○近藤正道君 分かりました。保安院と安全委員会というのは、この問題については当事者ですね。保安院と安全委員会も言わば、もちろんトップは政治主導でありますけれども、官僚機構であって、官僚自らが政策目的に照らして自らの組織を再編するということは本質的に難しいんではないかと、私はそういうふうに思っています。
 現に、実は保安院の担当者に今年の二月、私どもが原子力安全規制委員会創設に向けた検討状況どうなっていますかというふうに聞いたときに、そういう検討は全くしていないと、我々はまないたの上に乗ったコイだと、やれるわけないでしょうと、はっきりとこう言っておられました。安全委員会からも、我々からは組織論にタッチすることなんてできませんと、政治の方で決めていただきたいと、こういうふうにおっしゃっておられました。
 今日は古川副大臣に来ていただいているわけでありますが、そこで、その行政刷新会議、古川副大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですが、民主党の政策集、総理の強い決意を受けて当事者はそれぞれ検討を始めているけれども、改めて当事者とは違ったレベルで原子力安全規制委員会の創設に向けた検討の場が必要なんではないかというふうに私は思うんです。当事者に任せておいてはなかなか進まないんではないかと。先ほど直嶋大臣の決意があったけれども、しかしやっぱり当事者に任せておくだけではなくて、別の場でそういうものを統括して議論する場があったって私はいいんではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
 そして、もう一つ、そのインデックスには、三条委員会創設とともに、同時にこういうふうに言っているんですね。関連施設の立地自治体及び住民の十分な理解を得るため、国と自治体との間で十分な協議が行われる法的仕組みをつくりますと、こういうふうにうたっているわけでございます。原発の立地地域の自治体とかあるいはその住民が個々の原発についてきっちりと意見を述べる、そしてその理解と納得が得られるというのが私は原子力行政の大前提だというふうに思うんですね。
 是非、私は、当事者以外のところでそういう検討の場をつくっていただきたいということと、その検討の場で是非原発立地自治体あるいは住民の参加を制度的に保障していただきたい。とりわけ、その住民について、推進派だけではなくて、いわゆる反対派の意見も聞いていただきたい。また、組織的、技術的独立性についての内外の知見、とりわけ旧来は原子力に批判的であるとして比較的無視されてきた専門家、学者の知見も取り入れるべきではないかと、私はそういうふうに思うんです。いかがでしょうか、古川副大臣。
○副大臣(古川元久君) お答えいたします。
 近藤委員がおっしゃるお気持ちはよく私も分かりますけれども、原子力政策の推進及び規制の在り方につきましては、技術的な点も多く、専門的な見地からの検討が不可欠であるものであります。したがいまして、先ほど直嶋大臣もあのようにおっしゃられたわけでございます。この政権は前政権までと違って、政治主導で、まさに役所に入った政務三役が中心となって行政を行っていくという立場でございますので、まずはこの原子力政策に対して責任を持っておられる直嶋大臣の下、政務三役におかれて、今、近藤委員も申されたようなことも与党の一員として御意見として私ども踏まえた上で、その上で検討がなされるべきものであるというふうに考えております。
○近藤正道君 直嶋大臣にお尋ねをして、そして今度は行政刷新会議でも議論しろというのは、ちょっと失礼な気持ちも私もしないではないんですけれども、組織改正を当事者だけに任せておくというのはなかなか問題があるなと。そこはやっぱりちょっと違ったところでもきちっと議論するということは本質的に必要なんではないかなというふうに思って私も質問をしておりますんで、是非御理解をいただきたいというふうに思うんです。
 原子力規制の独立性のことなんですけれども、組織論だけにとどまるべきではないと思うんですね。組織的な独立だけではなくて、技術的な独立、すなわち独立して安全規制を実現できる中立的な技術者あるいは人材を確保する、その供給源も保障するということまで視野に私は入れるべきだというふうに思うんです。
 その意味では、原子力安全規制委員会の早期設置、組織的独立の確立は、あくまでも原発の安全、安心確保の第一歩にすぎないというふうに思っておりまして、最終的には三条委員会のそういう機関をつくって、これを住民の安全を守るとりでに私はすべきだと、こういうふうに思うんです。組織だけをいじるのではなくて、最終的にそこが本当に真の意味で住民の安全を守る中身のあるものになっていく、それがやっぱり非常に重要なわけだというふうに思っておりまして、その三条委員会創設に向けた検討会議のプロセスから住民に安全、安心を保障する機関なんだというメッセージが発信される、そういうふうに私はあってほしい。
 行政刷新会議、古川副大臣、そして枝野大臣のイニシアチブの下に早期に三条委員会創設の検討会議、これがやっぱり設置されることを、今ほどちょっと難しいというお話がございましたけれども、是非これは検討していただきたいと要望させていただきたいというふうに思っております。
 最後の質問でございますけれども、このように、冒頭に島根原発の話をいたしました。原発で何かの事件あるいは事故が起こると、検査だとかあるいは試験目的ということで発電をいったん停止をいたします。私は当然のことだろうというふうに思っておりますし、これが安全確保と地域住民の安心と信頼を確保するために大変重要な役割を果たしている。事故が起こったらいったん原発が止まる、これは非常に重要なことだというふうに思っております。
 ところが、四月十九日の総合エネルギー調査会原子力部会で、現在、設置容量と発電量により交付している電源立地交付金の配分算定を発電量に傾斜配分するという見直し案が提起されました。立地自治体からしますと、事故や検査で運転を停止している原発を早期に起動して発電しなければ交付金がもらえない、減らされる、こういうことになるわけでありまして、これは自治体や住民から見ると、十分に安全、安心が確保されない、そういう状態で、とにかく原発を動かすということにインセンティブが働くんではないかと。止めてもらいたいにもかかわらず、そうすると交付金が減らされるから止めないという、そういうインセンティブが働くんではないかと。これは安全の観点からいって大変問題なんではないかという懸念の声が非常に出ているわけでございますし、私もそれは十分理解できるところでございます。
 電源立地交付金の配分算定の見直しについては、安全、安心の観点から私は認めるべきではないと、こういうふうに私は今思っておるんですが、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(直嶋正行君) 電源立地対策交付金にお答えする前に、一言先ほどの議論について申し上げておきたいんですが。
 先ほどの古川副大臣の御答弁の中にもありましたが、やはりこの分野は非常に専門性の高い分野でございます。先ほど来近藤委員もおっしゃっていますように、どうやって人材を将来も確保していくかということが非常に大きな課題でもありまして、その専門性と組織の在り方というものも両面見ていかなきゃいけないということと、それからもうちょっと申し上げれば、民主党でなぜこの問題を、三条委員会をマニフェストに入れずに政策集にとどめたかということは、やはりこの問題は、当時我々としては三条委員会が望ましいと考えていましたが、様々に難しい問題があるということを念頭に置いてマニフェストに入れずに政策集にお入れしたということでございまして、この辺の難しさも是非御理解いただければ有り難いと思います。
 ただ、先ほど御答弁申し上げたように、私自身は原子力規制の体制について責任大臣でありますから、きっちり議論をしていきますと、このことは明言をしておきたいと思います。
 それで、今の電源立地交付金でありますが、近藤委員御指摘のように、今、総合資源エネルギー調査会で様々に議論をいたしております。発電所の設置や運転の円滑化をより一層図るということで、原子力発電所の新増設あるいはリプレースの促進策、あるいは運転段階における算定方法の見直し、内容面、手続面での更なる使い勝手の良さといいますか効果の向上といった幅広い視点から今議論を行っております。
 それで、今の運転段階における算定方法の見直しに当たっては、今の制度でも、原子力発電所が事故や地震等により停止している場合には、原子力発電所の立地地域への交付額が減少しないように引き続き運転しているとみなして交付金額を算定しております。こうしたルールは今後も活用していきたいと思っています。そのことを活用することに加えて、今パブリックコメントや電源立地地域を含む関係者との議論も始めておりますので、そうした議論も踏まえる中で今後詳細な制度設計を行っていきたいと思っています。
 安全性を確保することはもちろん大前提でございますが、将来の我が国のエネルギー事情でありますとか地球温暖化対策を考えますと、やはり今の原子力発電所の稼働率を更に上げていかなければ対応できないということも明白でございまして、今御指摘の安全確保と稼働率の向上、両面を踏まえて制度の在り方をこれから議論していきたいというふうに思っています。
○近藤正道君 時間でありますので新たな質問はいたしませんけれども、私は安全よりも稼働率重視の方向でインセンティブが働くような仕組みというのは慎重であるべきだと。やっぱり原発は安全性が大前提でありますので、そこのところは皆さんも安全を軽視してやれなんということは言っていないというふうに思いますけれども、しかし、今のやり方をそのまま受け止めますと、今見直しされる方向を見ますと、やっぱり稼働率を上げるという方向でインセンティブが働くことは間違いないですよ。そのことについては十分な国民の合意が得られるかどうか、それはもう是非慎重にやっていただきたいと、こういうふうに思います。
 それと、冒頭のお話でございますけれども、総理はやっぱり三条委員会をつくります、積極的にやりますと、こういうふうにおっしゃっているんですから、その方向に向かって進んでください。議論は積極的にやるけれども結論はどうなるか分かりませんみたいな話だと、それはやっぱり総理の発言の真意に私はもとることになると。大臣はそんなことをおっしゃっていないんだろうというふうに善意に解釈しますけれども、やっぱり総理が本会議できちっと答弁されているんですから、そういう方向に向かって国民みんなが分かるような形で議論を是非集約をしていただきたい、これは強く申し上げておきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○委員長(神本美恵子君) 他に御発言もないようですから、農林水産省、経済産業省、農林漁業金融公庫及び中小企業金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回は来る五月十日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時八分散会