第174回国会 文教科学委員会 第2号
平成二十二年三月十六日(火曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                橋本 聖子君
                義家 弘介君
    委 員
                加藤 敏幸君
                神本美恵子君
                亀井 郁夫君
                鈴木  寛君
                谷岡 郁子君
                西岡 武夫君
                藤谷 光信君
                横峯 良郎君
                吉村剛太郎君
               北川イッセイ君
                山本 順三君
                山下 栄一君
   国務大臣
       文部科学大臣   川端 達夫君
   副大臣
       文部科学副大臣  中川 正春君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  大串 博志君
       文部科学大臣政
       務官       高井 美穂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
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  本日の会議に付した案件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (文教科学行政の基本施策に関する件)
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○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、文教科学行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○橋本聖子君 おはようございます。
 自由民主党の橋本聖子でございます。今日は所信に対する質疑ということで、トップバッターで質問に立たせていただきました。
 まず、先生方にお礼を申し上げたいというふうに思います。
 先般のバンクーバー・オリンピックに際しまして、JOCからの委嘱を受けてオリンピックの日本選手団の団長としてバンクーバーの地に行かせていただきました。委嘱を受けるに当たりましては、川端文部科学大臣始め文科省の皆様方、そして水落委員長始め委員会の先生方には多大なる御協力、そしてまた御理解をいただきました。改めて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。(拍手)
 今日は質問の一時間をいただいたわけでありますけれども、せっかくこの貴重な文教科学委員会での一時間をいただいたものですから、質問ももちろんでありますけれども、バンクーバーのオリンピックの現地の報告、そしてまた現状、そういったものを含めて少しお時間をいただければというふうに思います。
 今回で二十一回目を迎えた冬季オリンピックだったわけですが、今大会は二月の十二日から十七日間にわたって行われました。七競技で八十六種目は史上最多であったわけですけれども、やはり参加国もこれまでより一番多く、八十二か国の国と地域が参加をしておりました。
 日本は男子が四十九名、女子が四十五名の全部で九十四名の選手が日本選手団として選ばれたわけでありますけれども、残念ながら練習中に転倒いたしましてドクターストップによって競技をすることを断念せざるを得なかったという選手もおりました。また、ミスがちょっとありまして、そり競技では二人の選手が失格という形になってしまいました。また、多くの日本の皆様方から激励もいただき、またおしかりもいただいたスノーボードの選手の服装の乱れなど、競技外でのいろいろな指摘を受けるオリンピックになったことも確かでありました。本当にそのようなことがあり、御心配や御迷惑をお掛けしたことを改めておわび申し上げたいというふうに思います。
 ただ、今回のこのオリンピックでのあらゆる問題を受けさせていただいたときに、人はなぜオリンピックに関心を持ち、そして感動するのか、改めてやっている側の私たちが考えさせられる場面が多々あったなというふうに思います。オリンピックが始まる前には公式競技でリュージュの選手が練習中に死亡するなど、いろいろなそういった不備な点がありということで、私たちは一丸となってこのオリンピックというものにすべてを懸け、そしてまたそれにこたえていかなければいけない場面だということも感じておりました。
 また、今回大変すばらしいなというふうに思いましたのは、バンクーバーの、カナダ政府でありますけれども、バンクーバーのオリンピックの組織委員会のすばらしさでありました。ちょうど一九八八年にカナダのカルガリーでオリンピックが開催されまして、もう二十数年がたったんですけれども、私自身もカルガリーのオリンピックには選手として出場をした一人でありますけれども、そのときの経験をしっかりと生かしているなということと、そのときに大活躍をした選手たちが今しっかりと組織委員会の中で活躍をしているという場面もありまして、私も、同じ選手で戦ってきた人間がしっかりと組織委員会に入って活躍をしてくれている姿に、やはり人材育成というものも改めて必要だということも感じた次第であります。
 雪不足で大変悩まされたオリンピックでもあったんですけれども、この雪を運んでくる作業ですとか、選手のコンディショニングをしっかりと考えた中で、迅速な対応を組織委員会がしてくれたということにすばらしさを感じましたし、また選手村が大変快適な空間を用意してくださいまして、そういったこともすべて組織委員会の総力を結集した姿だなというふうに感じまして、感謝をいたしておりました。
 一方の日本選手団でありますけれども、やはりオリンピックの代表選手として行くことは、これは国家事業でありますから、やはり服装の乱れなど当たり前のことをしっかりとできなければいけないということの原点に振り返り、私はやはりオリンピックは教育の場だというふうに思っておりますから、人間的資質向上もしっかりとさせていく場だというふうに確信をいたしまして、國母選手の出場を踏み切らせたわけでありますけれども、今回、いま一度私たちは、このオリンピックの経験を得て、オリンピック憲章というものに振り返るべきだなというふうに思いました。
 オリンピックの根本原則をひもときますと、オリンピズムとは「人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。」というふうにしっかりとうたわれてあります。オリンピックの精神とは、単にスポーツを通じて肉体を鍛えるということにとどまらず、スポーツを通じて目標に向かって努力するということ、そしてルールをしっかりと尊重する、他者を尊重し敬うこと、つまり人間的に成長しようとする生き方と言えます。しかし、こういったオリンピックの精神というのは、一部にはその精神が薄れているのではないかなというふうに感じるところもありました。
 今回、オリンピックというものを応援し、そして見守っていただいた文部科学大臣にお伺いをまずしたいんですけれども、こうしたオリンピック精神についてどのようなお考えでしょうか。御自身が、大臣がもしスポーツというものの経験がおありでしたら、その経験というものも含めながらお話しいただければというふうに思います。教育をつかさどる省として、人間的に成長しようとする、いわゆる人間力と言ってもいいかもしれませんけれども、こうした力を養うためにはどのような教育理念と実践が必要とお考えか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) まずは、団長としてバンクーバー・オリンピックに行っていただき、選手が心置きなく十分に力を発揮できるような環境づくり含めて、しっかりと団長としての任務を果たしていただき、国民に本当に大きな感動と夢と希望と勇気を与えていただきまして、橋本団長に対しても心から感謝を申し上げたいと。本当に御苦労さまでございました。
 オリンピック憲章の精神というお問いをいただきましたので、改めてつらつらと読ませていただきました。私も感想として、やっぱりオリンピックというのは、アスリートとして世界の頂点に立つという意味では、まさに非常に厳しいトレーニングを経ながら、そして国内で代表選手になり、一定水準に達して世界で争うということにおいては、まさにメダルを目指してということは大変なことであるし、すばらしいことだと思うんですが。
 今も橋本委員が御紹介ありましたけれども、オリンピック憲章を見させていただきますと、引用されましたけれども、「オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。」という、技と力ということはもちろんだけれども、その精神も含めて人間の総体を高めるためにあるんだということがはっきりと書いてありました。「オリンピズムの目標は、スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てることにある。」と、まさに人間としてすばらしい人をつくるために役立つものなんだということが明記されているというのを改めて読ませていただきました。「スポーツを文化や教育と融合させるオリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などに基づいた生き方の創造である。」、これはもう何か文部科学行政の中でスポーツを取り組む基本理念が全部書いてあるのではないかと改めてこのオリンピズム、オリンピック憲章の見識の高さと理念の崇高さを実感したところでありまして、しっかりとこの言葉を生かしたことで、やっぱり改めて再認識をして取り組んでまいりたいと思っております。
○橋本聖子君 大臣、本当にありがとうございます。文部科学省の目指すもう本当に原点といいますか基本であるというふうな、そういったようなお話をしていただきまして、改めて私たちアスリート、そしてまたオリンピアンというのは、クーベルタン男爵がこの近代オリンピックを発展させる努力をずっとしてきたわけでありますけれども、クーベルタン男爵が、やはり肉体を鍛え上げた者というのはそれと同じだけの精神力と人間力を兼ね備えなければ真のオリンピアンとは言えないということを常に言い続けてきた人でありまして、私たちはやはりそういった原点にいま一度返らなければいけないなということを思いました。
 IOCの会長がオリンピックの開会式で、ロゲ会長が大変なすばらしいことを言ってくださいました。その一つのフレーズが、責任なくして栄光はないという言葉なんです。やはり私たちが肉体を鍛えて、そして支えていただいている方がいるからこそあの大きな舞台の中で活躍の場をいただいた、そのことにやはり、肉体を鍛えた者は精神を鍛え上げて、そしてそれを一つの文化とつくり上げる、それをまた地域に根差したものに持ち帰るんだというものが本当のクーベルタン男爵の原点でありました。それをやはりまた思い起こしていかなければいけないなということを改めて感じた次第であります。
 やはりそれだけオリンピックというものは人々に夢と感動を与える、私たちのまさに仕事は夢と感動と、そしてまた希望を与えさせていただくものが仕事であるんだというふうに考えているわけですけれども、このスポーツ振興策に対するスタンスというものについて次はお伺いをしたいなというふうに思います。
 文部科学省のスポーツ振興計画、これは二〇〇〇年策定ですけれども、国際競技力の向上を柱に据えておりますけれども、オリンピックのメダル獲得率の目標というものもしっかりと定めていただいておりまして、夏季大会とこの直近の冬季大会を合わせて総メダル数の三・五%という目標を掲げていただいております。
 この基準に照らしますと、二〇〇四年のアテネ大会はメダルラッシュだったものですから相当なプラスになって、ただ、その次のオリンピックの冬の大会トリノは、前回たった一個のメダルに終わってしまったんですが、アテネがたくさんだったものですから合計すると三・二%になったわけですが、前回の八年の北京大会だけだと二十五個の獲得で二・七%。今回それをメダル獲得率の、総メダル数の三・五%を考えると、今回のバンクーバー大会では十八個のメダルを獲得しなければこの目標に達成することはできないというふうな状況でありましたけれども、残念ながら金はなく、銀三つ、銅二つの計五個であったわけですけれども、今回の大会がバンクーバーとそして北京と合わせて二・五%となったメダル獲得率、それぞれの内容はすばらしいものだったというふうに思っておりますけれども、やはり多くの皆さんにたくさんのメダルを逆に私たちが差し上げさせていただく身だというふうにすれば、もっとこの目標に向かって頑張っていかなければいけないのかなというふうに思ったわけでありますけれども、やはり長期にわたる計画的な選手強化というものと、またプログラムをしっかりとしなければいけないのと、何よりもやはり予算の確保が私たちにとっては重要な問題になってまいります。
 このスポーツ振興策に対する政権のスタンスについて、この三・五%という目標が高過ぎるのか低過ぎるのか。ただ、予算のことをこれからまたお話をしたいというふうに思いますけれども、まずは政権としてこのスポーツ振興策に対するスタンスというものをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(川端達夫君) オリンピック憲章の高邁な理念と同時に、やはりメダルを取るということは国民的な非常に関心というか盛り上がりというか、大きなものであるということは事実だと思いますし、先般も早朝、未明から私も見ていたんですが、百分の二秒が金メダルに届かないのかという現実の金メダルへの距離も感じましたし、今回でも、たらればみたいな話はいっぱいありますが、そういう中で、今三・五%の目標を定めている。一九七六年のモントリオールの夏の大会が四・〇八%ということで、冬が、インスブルックがたまたまゼロだったということで、合わせて三・四五%ということが、二十年後の一九九六年では一・七%、アトランタの夏季大会ということで、やっぱり一番良かったときを目標にしていて、三・五%を目標に今もしております。何とかその目標に達するためにということでは、やはりしっかりと長期にわたる計画的、系統的、戦略的な対応が必要であり、同時にそれを裏付けする政策と予算が大事であるというのは基本的に私たちもその認識に立って進めております。
 二十二年度予算では、いわゆるスポーツに対して、その競技の技術だけではなくて周辺のサポートということで、医科学の世界、栄養学等々、あるいは先ほど少し用具の話がありましたけれども、いわゆる用具、機具の開発、あるいは情報等々、戦略含めた総合的にその競技種目に対してサポートするというチーム「ニッポン」マルチ・サポート事業というのを大幅に拡充を来年度予算ではさせていただいて、前年度比では二十七億円、二〇%増の百六十三億円という国際競技力関連予算を計上いたしました。国際競技力という、いわゆるオリンピックあるいは世界選手権等々への強化をより充実させようということを私たちは基本的に考えております。
 また、長期的なスポーツ振興策に関しては、国際競技力向上でいう、どういう目標設定をするのか。これは金メダルも一つの目標でありますが、そういうことと、その達成に向けて何をどうクリアしていかなければならないかということを含めたスポーツ立国戦略ということの作成を今手掛けつつあります。
 そういう意味で、実際の競技団体、選手の皆さん、あるいは関係省団体の皆さん含めて、十分にスポーツ界の声を聞きながらスポーツ立国戦略策定をしてまいりたいというふうに思っております。
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 大臣から今マルチ・サポート事業、百六十三億円の計上というお話がありました。私たちはこれは本当に有り難い思いでありまして、ただこの予算をしっかりと形に表していくためには何よりもやはりその場での人材育成というものが大変な、不可欠といいますか重要な問題だというふうにも思っておりまして、その部分のやはり全体的な、総合的なサポート体制というのも同時にやっていっていただければ有り難いなというふうにも思っております。
 なぜスポーツなのかというお話にまた返りたいと思うんですけれども、学術、そしてまた芸術、スポーツというこの文化、そして教育というのは費用とやはり手間が物すごく掛かる割には、人を育てるのには時間が掛かりますけれども、すぐに成果が見えないという分野ではないかなというふうに思います。さきの事業仕分では、費用対効果ですとか、また効率という視点から予算削減を図ったというようなことがありましたけれども、確かに財政難の昨今ではありますけれども、この財政難だからこそ人材育成に手間と予算を掛けるべきではないかなというふうに考えております。
 来年は間違いなく中国に抜かれるだろうと言われておりますけれども、今現在、日本は世界第二位の経済大国であります。ただ、国民が豊かさを実感しているかどうかということであると、なかなかそうではないというのが今いろいろな国民の声ではないかというふうに思いますけれども、その原因は複合的で、重税感に比して生活が楽ではないという方もいれば、住宅事情が悪いですとか、また老後に不安があるとか、また将来に希望や夢が持てない。この理由は様々であるというふうに思いますけれども、その原因の一つとして、私はこの国の文化政策と教育政策の弱さが挙げられるのではないかなというふうに思います。
 我が国において学術、芸術、スポーツといった文化に対する意識は決して高いというふうには言えないというふうに思いますけれども、その中でもやはりスポーツは、これだけ関心があるにもかかわらず、なかなか文化としてとらえると少しスポーツというのは軽んじられているんではないかなというふうにも感じます。
 これは私たちにもとても責任がある問題だというふうにもとらえているところでありますけれども、ただこれは、すべてが予算ではないというふうにも言いながら、やはり人を育て、そしてまた先ほどの大臣におっしゃっていただいたような環境整備をしていただくにはどうしても予算が必要になるんですけれども、北京オリンピック大会までの一年間の国が投じた、北京とそしてまたバンクーバーへの特に一年間の国が投じた選手強化というのを主要な国々と比べてみましたときに、日本はJOC予算二十七億ですけれども、中国は百二十、米国は百六十五、イギリスは百二十、ドイツは二百七十四、そして韓国が百六ということで、オーストラリアも百十億を超えておりますので、欧米諸国が百億を超えるのに対して我が国は二十七億という予算だったということ、これはバンクーバー・オリンピックのときにも相当報道で言われていた部分かなというふうに思います。
 戦後の日本というのは、あらゆる主要産業で世界に追い付き追い越せで、自動車産業ですとかあるいはロボット産業などの最先端技術を誇る分野も少なくないというふうに思いますけれども、スポーツ産業に関しては欧米先進諸国に比べて著しく見劣りがしているのではないかなというふうに思います。日本のスポーツ科学技術というのは劣っているわけではないんですけれども、その市場と、そしてまた国がやはりサポートすることが少し諸外国に比べると怠っていた部分がそこにあるんではないかなというふうに思っております。
 また、もう一つは、やはり今まで民間に物すごく依存をしていた部分もここに表れているのかなというふうにも感じているところなんですけれども、スポーツ関連市場ということで全体を見ますと、日本は大体約四兆三千億円と言われております。日本とよく対比されるアメリカを考えてみますと、アメリカのスポーツ産業規模というのは約十五兆円を超えるだろうというふうに試算されておりまして、これはまだまだ伸びる可能性のあるものだというふうに思っているわけですけれども、我が国は需要不足と言われておりますけれども、このスポーツの分野は国内で自発的に需要が増やせる数少ない分野ではないかなというふうにも思います。
 そういったときに、やはりもう少し経済効果というものを考えながらスポーツ産業というものも生かしていくことによって、また新たな分野のものが生まれてくるんではないかなというふうにも考えるわけですけれども、スポーツがもたらす経済効果というものについて文部科学省はどのような数字的なものも含めて把握をされているのかということと、また経済効果を一層高めていくためにどのような今後の戦略というものをお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(鈴木寛君) 委員おっしゃるとおり、スポーツの経済波及効果というものは、もちろんスポーツは経済だけではございませんけれども、非常に重要な観点の御指摘だと思います。
 スポーツがもたらす経済効果の一例といたしましては、一九九八年の長野の冬季オリンピックが四・七兆円、二〇〇二年の日韓ワールドカップサッカーが三・三兆円、先般行われました東京マラソンが二百二十億円と、スポーツ大会の持つ経済効果は非常に大きいという数字もございます。
 それから、今御紹介もいただきましたように、市場規模は四兆円を超えます。それから、家計部門のスポーツの支出というのは二兆円といった数字等々もございますし、それからこの前のバンクーバーのフィギュアスケート女子フリーの瞬間視聴率は四六・二%ということでもございます。大変経済効果が見込めるわけでございますけれども、更にこのスポーツの促進によって医療費が二・五兆円抑制をできると、こういった試算等もございます。
 こうしたスポーツの経済効果を高めるために、やはり需要を喚起するということで申し上げますと、スポーツを見る人、スポーツをする人、これを増やしていくと。そのためには、見る人という観点で申し上げますと、国際競技大会を招致を一生懸命していきたいということで、二〇一八年、二〇二二年のサッカーワールドカップの招致の支援を今政府としてもさせていただいているところでございますし、それから、日本人選手がまさにこうした国際大会で活躍をするということが、見る人が増えていくということに直結をいたしますので、先ほど大臣からも申し上げました、国際競技力の向上ということに二割増の予算で百六十三億円を今年も計上させていただいているところでございます。
 それから、スポーツをする人という観点で申し上げますと、総合型地域スポーツクラブの育成、充実というものをスポーツ立国戦略の中でも非常に重視をいたしております。数としてはかなり出てまいりましたけれども、まだまだこの総合型地域スポーツクラブの活動の中身を充実をしていく余地というものはあると。ここを、草の根スポーツとトップスポーツというものを今までのように分けるのではなく、これが好循環になっていく。つまりは、そのトップスポーツで活躍された方々がセカンドキャリアとしてこの草の根スポーツのリーダーとして頑張っていただいて、そして草の根が広くなると。そしてまた、多くの若者たちがスポーツを目指し、そしてそれを応援するという好循環をつくっていきたいと。
 二〇一九年にはラグビーのワールドカップがもうこれは既に招致が、開催が決定をしているところでございまして、特にこの二〇一〇年からの十年間をそうした総合型地域スポーツクラブの充実ということにフォーカスをしながら、より多くの国民の皆さんが身近にスポーツに参加でき、そしてそれを応援すると、そういう社会をつくっていきたいということを今考えているところでございます。
○橋本聖子君 ありがとうございます。鈴木副大臣は御自身もスポーツをずっとされて現場のことがよく御理解いただいている、だからこそしっかりとやっていただけるんだというふうに思っておりますので、是非お願いをしたいというふうに思います。
 やはりこのスポーツというものの経済効果というものを考えると、日本も長野オリンピックはすばらしいものがありました。そこにはなぜ経済効果があったのかというと、やはり選手が強かったんですね。それに尽きるのではないかなというふうに思います。やはり本物をしっかりと育てなければいけないというのが私たちの思いであるんですけれども。
 そうしたことを考えると、今回の開催国でもあったからこそですけれども、カナダ・チームはオン・ザ・ポディウムといういわゆる表彰台独占計画というものを立てまして、これは大変なプレッシャーも与えたということですけれども、結果的には大変なメダル獲得でありました。三十個を超えたということで、その活躍というものが、地元だということも含めて大変な経済効果をもたらしたということについては、やはり強いチームをつくるということがイコール経済効果というものにつながっているんではないかなというふうに改めて思いました。
 やはり競技スポーツというものが強くなっていくことには下支えが必要でありますし、またそれによって頂点が伸長すれば、当然生涯スポーツですとか学校体育といったすそ野も広がっていくというふうに思います。
 先ほど、草の根とそしてまたトップというものの垣根を取ってということでありますけれども、まさにやはりこれからはそういった一体化させて、そしてそこにまた新たな市場が広がっていくということになれば、そこにまた雇用が生まれるという循環型にもなっていきますので、そういったスポーツの未知のといいますか潜在力というものをもっと文部科学省は引き出す努力をしていただければ有り難いというふうに思っております。
 また、マルチ・サポートの中にもお話しいただきましたけれども、私たちは今、選手を鍛え上げる、心技体、肉体も大事だけれども、心もそして技術も大切だということで、過去の経験を生かしながら基本的なことを忘れずに努力をしているところですけれども、ただ、今の時代は、医療とそして科学技術のサポートなしに選手を育てることはできないというような、そんな時代になってきております。
 今回も韓国と中国の活躍というものは大変目覚ましいものがありました。今までにないすばらしい活躍を今回韓国勢は示してくれたわけでありますけれども、これにはやはり、一つには国の支えというものがしっかりとしていたということと、強化策というものがしっかりとしていた。これは当然、国が支える、そしてまた民間と一つになって韓国の強化対策というものが組み込まれているものですから、これが功を奏してといいますか、大変なメダルラッシュでありました。
 ただ、私たちはこれをうらやましいとか悔しいとかという思いも多少はあったんですけれども、ただ、やはりお隣の韓国、中国、ある意味で体格も同じような部分がありますので、私たちもやればできるんだという希望に満ちた部分でお隣の国の活躍を見させていただいたということでもあります。
 また、中国というのは、八〇年から九〇年に比べて近代スポーツ競技のレベルが飛躍的に進歩を遂げているんですけれども、これは単なる人口ですね、数の力ということだけではなくて、中国が挙国体制の下に科学技術のアプローチというものを今回しっかりとやってきたということが、だんだんと今までの近年にわたるすばらしい中国の発展というものがあるんではないかなというふうに思っていますけれども。
 ここ半世紀ぐらいのことですけれども、体や運動に関する科学的知見が蓄積されてきて、そして経験に頼ってきたトレーニングに科学的な分析が加えられるようになったということで、まさに、最初は東欧圏が先行していた政策なんですけれども、それを西欧諸国が追うように発展をしてきまして、今では本当に科学技術のサポートなくして私たちの戦いはできないというようなことになっております。
 今回も新しい枠組みの中で、例えば道具への開発費ですとかあるいは研究費というものも見ていただけるというようなものがありましたので、これを大変期待をしているところなんですけれども、道具ですね、シューズ、ウエア、トレーニングの機器ということ、これは最先端の今技術が使われているんですけれども。
 ちょっと諸外国のお話をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、例えば着るものですね。いろいろな規定があって、なかなか本当にこれはすばらしいと思っても、それぞれの競技団体で国際ルールによって使ってはいけない器材、あるいはウエア部分でも繊維ですとか、そういうものがあったんですが、少しまだ記憶に新しい部分におきましては、スピード社のレーザー・レーサーという北京オリンピックで大変な話題を集めた水着が御記憶にあるというふうに思いますけれども、あれは日本でなぜできなかったのかということをあのとき指摘されたんだと思いますが、実は、日本の三大メーカーと言われるところはそれだけの最先端技術というのは実は持っているんですね。でも、自社で相当なお金と研究を掛けてやられてきていたわけですけれども、実はなぜ北京オリンピックではそれがスピード社に置いていかれてしまったかといいますと、情報不足だったということが指摘をされております。
 国際オリンピックとそしてまた国際水泳連盟とのあらゆる国そしてまたあらゆるメーカーとの密接な関係というものが、情報交換がやはり欧米諸国というのは日ごろからされていることによって、そういったものが開発をしてもこれは改定できそうな部分までいくんではないかというような、そういう情報戦略もすべてやってきた成果であるというふうに私どもは考えておりまして、まさにオリンピックの誘致の問題もそこの部分かというふうに思いますけれども、日ごろからのやはり情報というもの、情報収集ですとかコミュニケーション、そういうものがこれからすべてを取り巻く環境整備の中には必要になってきた時代だというふうに思っております。
 例えば、パフォーマンスの向上を追求していくとアスリートの限界を超えた道具も作っていかなければいけない。一つ、これは、開発をされた途中ですべての選手が使うことができなかったとはされていますけれども、カナダでは例えばスピードスケートの五百メートル競技で、テレビで見ていただいたかというふうに思いますけれども、長島圭一郎選手と加藤条治選手が銀と銅を獲得させていただいたと。
 あの競技というのは、大体世界記録が三十四秒ゼロなんです。百メートルを九秒二、三で入ったとすると、二十四秒台で四百メートルを通過するということになりますと、最高速度は約六十キロになりまして、あの小さなコーナーを回っていったとすれば、一人の選手が例えば体重が七十キロでそしてそこに六十キロのスピードで突っ込んでいくと、自分自身の体重の約三・五倍ぐらい両足に負担が掛かる。
 それをどのように最短距離で滑走していくかというところに今度は技術が組み込まれていく。それには、やはり少しでも風の抵抗をなくする、風との戦いになるものですから、ユニフォームも大変な研究をされて、風洞実験をしまして、風を自分自身の体にまとわり付かないように突起物を付けまして、よく言われるモータースポーツでのスポイラーですとかウイングというんです、そういうものと同じような原理のものをユニフォームに付けまして、そして風が自分の体を巻かずに逃げていくような状況にさせるというようなユニフォームを着て、今回ミズノ社が開発したもので私たちは戦いをさせていただいたんですが。
 そういった一つ一つの分析をしていきますと、例えば六十キロで五百メートルを滑走するとなると、一メートルを大体百分の六で通過するものですから、百分の二というまばたき一つの、金メダルを逃したあのパシュートも、距離にすると目に見えるんですね。私たちはその百分の二という重みというものと距離の長さというものを身をもって感じているものですから、一つ一つの積み重ねが千分の一を短縮し、そしてそれの積み重ねが百分の二という大きなものにつながっていくと換算すれば、これは選手の頑張りと同時に、その能力を最大限引き出す科学技術というものがドッキングされなければとてもメダルというものに届いていかないというようなことになります。
 また、もう一つ、質問よりも報告の方が長いかなというふうに思うんですけれども、現状をやはり理解をしていただきたいなという思いもあるものですからちょっとお時間いただいているんですけれども。
 例えば、今タレント発掘、人材育成、今ジュニアの時代から諸外国はどの選手がどのスポーツに適性しているかということを分析して選手の発掘をしております。日本もやっとあらゆる場所でサポート体制、タレント発掘事業の中でJOCと、これはもちろん文科省から、そしてJOCが受けて、そして福岡ですとか北海道ですとかあらゆる種目のタレント発掘事業というものを今やらせていただいているんですけれども、その中には、例えば面白いデータ分析がありまして、それは選手の血液型ですとか、あるいは親御さん、また二代、三代さかのぼった、血統というものでしょうか、よく競走馬では血統というものが重要視されて、私の実家も競走馬を育成している牧場なものですから血統にはとても関心があるんですけれども、ただ、この血統というのは、東ドイツの文献を見させていただきますともう人間の方が血統は顕著に現れていくと。だからこそ、そこの部分にも追求すべきだというのがもう東欧、東ドイツの時代からでは相当そこに視点を当てた研究も行われてきたという現状があります。
 今回メダリストになった選手を、たまたまですけれども、分析をしますと、日本でいえば、五つのメダルで七人の選手がメダリスト、誕生したわけですけれども、例えば全員が末っ子なんです。個人競技者で活躍するのは、いけるかという人もいますけれども、別に長男長女は落胆しないでいただきたいと思うのは、長男長女は比較的団体スポーツですばらしい成績を上げているというデータもありまして……(発言する者あり)ちなみに私は末っ子のB型なんですが、実はメダリストの……(発言する者あり)そこにくるわけじゃないですよ。メダリストの過去のデータを見ますと、個人競技でいえば末っ子のB型が多いというふうにされておりまして、ただ、それはちょっと余談かもしれませんけれども、そういった分析もすべてこれからやっていかなければいけないわけです。
 風の抵抗というものも考え、あるいは血統というものを考え、今タレント発掘の中では、特にこれはドイツが成功した例ですけれども、陸上競技をやっている選手のパフォーマンス力がすばらしいけれども陸上には向かない、それをスケルトンの選手にしてメダルを取ったりですとか、そういうふうにして情報交換をしながら、一つの競技団体ではなくてすべての競技団体から、どのようにこれからチーム・ジャパンをつくり上げていくかというサポート体制もこれから必要になってきます。
 そのことを考えたときに、今冬版のナショナルトレーニングセンターがありません。私たちは、やはりいろんな場所に競技場がありまして、一か所に冬のスポーツあるいは水辺のスポーツをまとめるということは不可能でありますので、今文科省では競技別拠点としてトレーニングセンターの位置付けをいろいろなところにしていただいているんですけれども、ただ、雪の質、氷の質、そして、例えばスキーであると、これからはそういった空洞実験もしなければいけない、風洞実験もしなければいけない、そして栄養学も分析していかなければいけない。あるいはまた、極端にいえば血統もということになったりですとか、あるいはスキーでいえば、ワックスの研究もこれからは相当な力を入れていかなければいけない状況になっていくんですが、競技別拠点とはまた別にして、ウインタースポーツの盛んな、例えば北海道ですとかあるいは長野ですとか、そういうようなところにナショナルトレセン、夏版はありますけれども、冬季版のナショナルトレセンというものがこれからは必要になってくる時代がもうそこに来ているんではないか。諸外国を見ますと、もう既に完成され、そしてもう成果が現しておられます。
 そのことについて、これからどのようなビジョンをお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) 大変示唆に富むお話をありがとうございました。
 各競技種目がそれぞれ必死にやっておられるというときに、私、今のお話を伺いながら思い出したんですが、昔々、織田幹雄さんがジャイアンツの長嶋茂雄さんを見て、もったいないな、陸上競技やってくれたらすごいのにと言われたという話を聞きました。やっぱり子供のときに触れ合ったスポーツでずっといくという形だと、今先生が言われるような、戦略的に、この子はこのスポーツにすごく向いているんじゃないかみたいなことがなかなか今機能そう簡単にしていないのがありまして、中国や韓国ではDNAとか、それからそのスポーツ独特の必要な筋肉が向いている子供をそちらのスポーツにやらそうとかいうふうなところまでやっているという話も何か漏れ聞いたりします。やっぱり総合的に国家戦略的な対応、そして用具も含めて、私、元々繊維会社におりましたので、スポーツメーカーと一緒に研究所で一生懸命そういうスポーツに向く繊維の開発をしている仲間もたくさんおりますけれども、あらゆる総合力がメダルに向かってやっていることは間違いございません。
 そういう中で、今御指摘のように、ナショナルトレーニングセンターも、夏季種目のものをメーンにした東京にあるトレーニングセンターということですので、冬、特に雪や氷ということを含めてということではなかなかそういう機能が持てないということなので、補うために、エムウェーブ等々を含めて、競技別強化拠点施設ということで全国で十九施設、その中で冬の種目としては七競技を指定をさせていただいております。
 ただ、その中でも、競技団体からは、フィギュアスケートなんかはリンクですので、もっとほかにも増やしてほしいとか、スキーといいますと、ジャンプだけでほかは何もないとかということ等々のいろんな要請も出ております。あるいは、海外に一年中というのは、夏は南半球でいえば雪があるじゃないかというふうな御要望もいただいてはおります。
 御指摘のように、冬の競技に今回はそういう拠点を増やすということ、あるいは競技力の強化のための種目として、国際競技力の種目として冬季種目を新たに加えたということでの前進はさせておりますけれども、今おっしゃいましたような、総合的にここで冬の種目のいろんなものをというところまでまだ構想が至っていないのは現実でございます。それぞれの種目に応じた部分で、そこに可能な限りの英知が集まれるようにということを引き続き応援をしてまいりたいというふうに思っていますし、当然ながら、今おっしゃいました科学技術も含めたことに関してサポート体制がそれぞれの指定拠点において発揮できるような工夫は一生懸命やってまいりたいというふうに思っています。
 それと、今度、ラグビーのワールドカップがあるんですが、オリンピックにラグビーが入りました。これ、七人制なんですね。そうすると、今までのラグビーと全く違うスキームというか、とにかく足が速いということが非常に求められると、グラウンド一緒で七人しかいないわけですから。というときに、ある方が、陸上競技の百メートルでいえば、十秒を日本でいえば切るか切らないかというコンマ一秒の世界が日本のトップレベルというときに、十秒五だったらもうそれは全然国際的には話にならないというときに、十秒五の子はいっぱいいると。これを七人制のラグビーに回せば、めっちゃ足が速くて一気に走ってしまうという展開に今度はラグビーがなるんですね、フィフティーンからセブンになると。
 という、要するに横の連携みたいなのが大変大事だという御指摘をいただきました。そういう意味では、人材の発掘から最先端の科学技術までをどう総合的に生かすかというのが大変大きな課題として、今御指摘のとおりだと私も思っていますので、またいろいろと御示唆をいただきたいと思っております。
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 やはり競技力を物すごく向上させなければいけない状況に今来ているのも事実でありますので、是非この科学技術のサポートというものをしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 今いろいろとマルチ・サポートの中で、あるいはNTCの拠点としてあらゆる場所を指定を受けておりますけれども、ただ、そこには様々な測定機器が設置をされているんですね。その測定器というのは相当な高度な技術というものも必要になってくるものですから、実際に設置をされていても、それを操作することのできるマンパワーが不足しているというのが現状でありまして、そういったことを考えたときに、科学技術のサポートプラス、やはり人材をしっかりと配置をしていただかなければその機能というものが半減されてしまうものですから、是非専門的な知識のあるスタッフが常時そこにいてくださるというようなことができればというふうに思っておりますので、そのことも含めて要望しておきたいというふうに思います。
 また、ちょうど今パラリンピックが開催をされておりまして、昨日ですか、大日方選手が御自身九個目のメダルを獲得されたということで、本当にこれはすばらしい活躍をしていただいているなということで感動と感激をしているところなんですけれども、これは文科省にお聞きをする部分ではないかなというふうにも思うんですけれども、パラリンピックの選手が今ナショナルトレセンは使用できません。当然、パラリンピック選手仕様になっていないというのが現状であります。ただ、諸外国をまたこれ見ますと、管轄は諸外国も厚労省になる国もあるかと思いますけれども、ほとんどの国、今はパラリンピックとオリンピックは一つにまとまっているというのが実態でありますので、国によってはパラリンピックの選手のためのナショナルトレセンがある国もあります。
 そのことを考えるときに、一緒の場所がいいのかどうかはまた別といたしまして、パラリンピックというものに関してもやはり選手の育成する国としての骨格を表すものが必要ではないかなと思いますけど、その点について、これは厚労省の話かもしれませんけれども、文科省としてどうお考えかということを。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のとおり、パラリンピックは主管は厚労省ということでありますが、今パラリンピック開かれているというときに、始まる前に、ちょうどバンクーバーの冬季オリンピックが終わった直後から、パラリンピックが話題のときに、パラリンピックの予算が少ないのはよくないという御要望と御苦情を文科省にたくさんいただきました。
 ナショナルトレーニングセンターにおいては、過去、夏季の水泳でプールを御利用いただくということはありました。ただ、仕様の話でいいますと、例えばバスケットボールのコートが車いすを使って大丈夫なのかとか、あるいはいろんな、そこへのアクセスを含めての問題を含めて合うかどうかというそういう問題と日程上の問題はありますが、基本的には、それぞれの競技団体がこういう形で使いたいんだけどどうなんだろうということは、お申し越しいただければ、その部分でしっかり対応して検討しようということにしております。
 加えて、今増築をしております。このワンフロアは完全バリアフリーで、そういう方々が来て宿泊トレーニングできるという機能を持つように今改修した建物を建てております。より一層そういう部分では少し使いやすくはさせていただけるのかなと。
 なお、トータル一緒にしていくべきだということは、これ世の中的にみんなそういうふうに思っておられるのが役所的にはということでありますので、これはこれからの課題としてしっかり受け止めてまいりたいと思います。
 昔、私全然知らなかった、同じオリンピックという名前が付く技能オリンピックというのがありまして、溶接とか旋盤とかです。各物づくりの会社が競ってやるので、経産、当時は通産大臣だったときに、世界でやっているときに、世界中のそういう経済大臣が応援に行っているのにあなたはどうして行かないんだと聞きましたら、このオリンピックは厚生労働省だと言われたことがありまして、雇用促進だと言われまして、そういう部分がある中、オリンピックといってもいろいろあるみたいですので、これはまた、こういう世論の関心も高いことですので、また引き続き、それと、今おっしゃったようなトレーニングセンター、そういうもの、専用の部分も含めては大きな政策の課題であるというふうに思いますので、もうこれは、いわゆる障害がある方のためのということではない、もう国際的にいわゆるスポーツの世界にしっかり位置付けられた問題でもありますので、これから引き続きいろいろと関係部署とまた問題提起を含めて議論をしてまいりたいと思っております。
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 もう時代はやはりパラリンピック、オリンピック、垣根がない時代でありますので、是非前向きに御検討をいただければと思いますし、また厚労省とのしっかりとした取組というものも是非やっていただきたいというふうに思います。
 やはり、今お話がありましたとおり、スポーツは医療のサポートなくして、特にパラリンピックには医療サポートなしに競技は向上されないという形になっております。そのことを考えると、やはりスポーツというものはもっとすばらしい活用方法があるんだろうなということを改めて感じるわけなんですけれども、ちょっと一つの、スポーツと老人医療というものを話をさせていただきたいなと思いますけれども。
 あらゆる地域でこれを取り組んでいるところがありますけれども、例えば長野県の東御市、そしてまた旧北御牧村というんでしょうか、そこでは、高齢者にスポーツの指導をすることによりまして、この十数年間で一人当たり四万円以上も老人医療費を削減しているという例があります。これは温泉治療を中心として、ケアポートと呼ばれる施設の存在が挙げられておりますけれども、こういった市立の診療所に隣接して特養施設ですとか各種の介護施設というもの、そしてまた健康増進施設というもの、また身体教育医学研究所ですとか、またこの地域での村の保健、福祉課というものがすべて同居している体制を取りまして、そして自然治癒能力をスポーツをすることによってよみがえらせるというようなことから、元気で明るくといいますか、健康に暮らす老人が増えて医療費も削減をしたというような状況でありますので、こういったことを考えたときに、これから青少年の育成にも役立つスポーツだというふうにも思いますので、総合的な中で考えていただきたいというふうに思います。
 また、もう一つは、一つのこれも例としてですけれども、いじめと地域のきずなということですが、教育、また文化、スポーツは特に新しい公共の発展が期待される分野でありということで、積極的にこれを取り組んでいくというふうに大臣の所信表明にもいじめ問題でありましたけれども、今はいじめの件数というものが減ってはきていると言いますけれども、ただ巧妙化されたり、より陰湿になったりということで大変な状況になってきているのは事実でありまして、凶悪化というものとあとは低年齢化というものが心配をされているんですけれども、こういったことを考えたときに、科学警察の研究所によりますと、青少年の参加による環境美化活動が盛んに行われている地域ですとか、スポーツというものを地域ぐるみで、総合型スポーツも一つだと思いますけれども、そういったことがしっかりと行われているような地域というのは少年の犯罪というものが少ないというふうに実証されているということであります。
 こういうことに関して、総合型スポーツクラブが盛んなところには例えばいじめもないですとか、そういうようないじめ問題とまたスポーツというものの融合性、どういうふうなとらえ方を文科省はしておりますか。
○国務大臣(川端達夫君) 先ほどの高齢者に対する医療、高齢者のスポーツによって医療費が削減できている。いろんな試算では、先ほど鈴木副大臣が言いましたようないろんな効果でいうと、高齢者に限らずみんなが運動することで、健康増進することで約二兆五千億ぐらいは医療費が削減できるんではないかというふうなことも試算をされておりますが。
 今言われました、いじめの問題、あるいは犯罪の問題含めて、高齢者の医療を含めてスポーツが非常にいい影響を与えるということはもうこれは間違いのない事実だという基本的な認識に立っておりまして、総合地域型、要するに地域においてのスポーツをしっかり振興させるということが大事なことであるということで、スポーツ振興基本計画では平成二十二年までの十年、これは平成十二年にできたものでして、今年までの二十二年の十年間に全国各市町村に少なくとも一つは総合型地域スポーツクラブを育成するということで、平成二十一年度現在で千百六十五市町村、二千九百五クラブがあります。
 実際やっていただいている中では、会員の確保とか指導者の確保、それから財源の確保というのがいろいろ御苦労されている実態もあります。そういう中で、これまでのそういう育成支援に加えて、二十一年度からはクラブを設立する市町村の割合が低い都道府県を対象として、どういう課題があるのか、どういう解決方法があるのかというふうな取組を御議論いただいて、それを応援する、より詳細に分析をして、調査研究を今しているところであります。
 こういう、応援すると同時に、定量的に先生御指摘のこういう効果があるではないかというのの調査までは今、効果の部分でははっきりした数字としては今つかんでおりませんので、これはこういう御指摘としてしっかりと、やったのがこんなに具体的にいい効果があるということはより検証していくと同時に、それぞれの地域でいろいろ工夫を凝らして実践をしていただいている、そういう事例が全国いろんな方の参考になるような情報発信も大事なことだと思って応援をしてまいりたいと思っております。
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 あらゆる例がありますので、またそれを参考にしながら次の政策に結び付けていっていただきたいなというふうにも思います。
 やはりこのスポーツというのは、福祉またあるいは教育、エンターテインメント、そういった装置としてスポーツの役割というものはすばらしいものを持っているというふうに思います。また、そこで活躍した選手をやはりまた人材育成をして総合型地域スポーツクラブというところに戻すことによって、さらにそういった子供たちに同じものを伝えることができるというような人材の循環型も考えられますので、これから、やはり活躍した選手のみだけではありませんけれども、そういった現場にいた者を再教育しながら雇用をしていくというのもこれからの地域スポーツの発展につながっていくんではないかなというふうに思いますので、是非取組をお願いをしたいというふうに思います。
 最後には、これは要望だけにとどめさせていただければというふうに思いますけれども、やはり今までお話をお聞きさせていただいて、大臣からも、スポーツというものの原点は文部科学行政の基本であるというようなお話が私は聞かせていただいたんだというふうに思っております。そうなってきますと、このスポーツというものをよりすばらしい文化としてとらえることに発展をさせるということは、やはり文部科学省だけではなく、例えば先ほどのパラリンピックのような厚労省、あるいは道具ですとかそういった研究をしていかなければいけないとなると経産省、運動公園、環境整備となると国交省、そういうことにつながっていくというふうに思います。
 これからスポーツの基本法というものをにらんでいく中で、スポーツ庁というものの設置というのは、これはもう今日本にとっては遅いぐらいではないかなというふうに思います。そういったことを早急にやはり進めていただかなければいけない時代がもう来ているというふうに思いますので、一言だけ、それについての思いといいますか、今後の見通し、意気込みというものをお聞かせいただいて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) スポーツの重要性、そしてその効果を含めて極めて大事なものであるということはもう御指摘のとおりの認識を持っております。そういう意味では、そこの中核となる組織がスポーツ庁構想みたいなものも含めてあるべきだという議論が出ていることも事実でございます。
 ただ、行政組織上の問題でいうといろいろ、これからの行政組織の在り方ということでいうと、そういうトータルとしての政府の在り方の中で検討が必要だとは思っていますけれども、スポーツ立国戦略ということで、鈴木副大臣の下で、この前は古田さんとか、朝原さん、平尾さんとか、そういう方にも来ていただいて、いろんな思いを聞かせていただきました。そういう中で、スポーツ基本法案を作ろうということと、スポーツ立国戦略の中で総合的に位置付けて議論をしているところでございます。
 そういうことで、より着実な政策が実行できるように、今御指摘のことも視野に入れながら、しっかりと議論してまいりたいと思っております。
○橋本聖子君 ありがとうございました。
 今後、やはり経済のグローバル化というものはますます進展していくというふうに思います。ただ、この国というのは広大な国土やまた鉱物資源を持たない国でもあります。だからこそ、人というものが私は大切な資源だというふうに思います。スポーツというものを文化力に変えて、人材育成というものをしっかりとやっていくことこそが国力につながっていくというふうに思いますので、是非この点についてお力添えをいただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。どうぞよろしくお願いいたします。
 実は、昨日の十五日は、民主党が教育に対してどのようなスタンスを持っているのか、どのような思いを持っているかが試された十五日であったように思います。北海道のあの先生たちによる選挙運動、そして、裏金が明らかになった小林衆議院議員、彼女が昨日辞職をしたならば、昨日までに辞職をしていれば、四月の補選で道民の皆さんに、本当にこのままの北海道の教育でいいのかということを道民の皆さんにしっかりと判断していただける。しかし、十五日以降に辞職した場合はうやむやなままで流れ、参院選以降の選挙になっていく。私自身、さきの予算委員会等でも、北海道の今行われている教職員組合の実情を明らかにした上で、これは大きな問題であるのでしっかりと道民に対して信を問うべきだと小林千代美議員の議員辞職を求めた次第でありますが、しかし現実的には現在に至るまでそれは行われていません。
 つまり、私自身の感覚としては、予算委員会での発言でこう言いました、これは政党のためではなく子供たちのために言っておるんですと。卒業式をめぐってのトラブルの資料も具体的に大臣に提示いたしました。政党のためではなく子供たちのために言っておるんですと言ったわけですが、しかしこういう現状。つまり、民主党は実はきれいなことを言いながら子供たちよりも選挙を優先している、子供たちよりも政局を優先している、まさにそう断ぜざるを得ない憤りを感じながら、今日この文教科学委員会の質問に立っております。
 その上で、この教員たちの裏金の問題等々出てき、民主党の政治と金の問題、たくさん出てきていますけれども、どうしても冒頭に聞いておかなければならない問題があります。それは、川端文部科学大臣自身の事務所費の問題にかかわることであります。
 達友会、議員の関係する政治団体で、これは政治資金管理団体ではありません。この達友会が、多額の事務所費を計上しながら、しかし、その達友会の事務所は、大臣が所属していらっしゃった労組の幹部の歴代自宅を転々と登録していて、現実には事務所機能は持たず、家賃や光熱水費も発生していない。政治活動費は多くが、ほとんどが飲食費であった。これについて実は問題になっているわけであります。
 二月二十五日の衆議院本会議で、我が党の馳浩議員が川端文部科学大臣の事務所問題について質問した際、川端大臣の答弁、及び、それを受けて三月五日、衆議院の文部科学委員会で我が党の松野博一議員が改めて質問した際の答弁にも私自身納得ができない点が多々ありますので質問させていただきます。
 まず、二月二十五日に、馳議員は、川端大臣が記者会見で事務所費の明細については精査中であるとしたことに触れまして、会計帳簿や領収書を明示して説明すべきではないかとただしたのに対して、すべて実態を伴うものであり架空事務所費には当たらないなどと答弁をしております。馳議員が求めたのは会計帳簿や領収書などの証拠の提示であります。かつて我が党の大臣が事務所費問題で民主党から追及された際には、民主党の皆さんは、一円に至るまで領収書を出せと強く強く迫ってきた、そんな政党であります。川端大臣も同様にすべきではないか。適切に処理しているといっても、それを裏付ける証拠がなければ、またあいまいなまま流れ、国民の教育への信頼は取り戻せない、まさに大臣は教育のトップでありますから。さらに、三月五日、松野議員が、適切で問題がないと言うならば、会計帳簿や領収書などの書類を文部科学委員会に提出してもらいたいと質問しました。川端大臣の答弁は、適切に処理し、その時々に応じた報告をしているというゼロ回答にとどまっております。
 ここで確認いたしますが、適当に処理し、その時々に応じた報告をしているから今後も会計帳簿や領収書などの書類を提示する考えはないということでしょうか、お答えください。
○国務大臣(川端達夫君) お答えをいたします。
 衆議院で本会議、委員会で質問をしていただいたので、答弁は御承知のことを踏まえての御質問だというふうに思います。過去にもこういう場で事務所費の問題で帳票を出すか出さないかという議論がたくさんありました。
 私は、政治資金規正法に決められている精神は三つだと思っております。一つは、それぞれの政治資金団体、資金管理団体もあれば政党もあればいわゆる普通の政治団体もありますが、そこに入ってくるお金の入りの種類の制限、額の制限というのを法で規定している。そして、出に関しては、それぞれの中身において、例えば少し前までですと五万円以上の領収書を徴収すること、あるいは費目によっては添付することということを決めていること。そしてもう一つは、大きな根幹には、それぞれの政治団体の活動の自由を保障すること、そしてそのために、その法の下にすべてのものが公正に扱われることというのがこの法の趣旨だと思っております。
 そういう意味で、先般来というか、昔からこの事務所費の問題を含めていろいろ御議論がございましたが、例えば何年か前に事務所費の問題がいろいろ議論になったときに、もっと透明性を上げようということで法改正がされ、五万円以上というものを一万円以上にしよう、あるいは帳票の部分のときに、事務所費に関しては求めがあれば開示しなければならないという義務付けをする等々の法改正が行われました。すなわち、いろいろ国会でも議論になったのを踏まえてそのときそのときに法改正が行われ、より先ほど申し上げましたような原則に基づいて政治資金の透明化を図る改正が国会の中で行われてきた経過があります。
 したがいまして、私は、この政治団体達友会というのは、私を応援するためにできた政治団体でありまして、御指摘のように、その事務所はその都度会長あるいは会計責任者になった者の個人の家を連絡拠点として主たる事務所として登録しましたけれども、そこに一定の空間を占有的に占めて活動をしておりません連絡拠点でしたので、水道光熱費、家賃は発生していませんが、活動するに際して事務所費として報告すべき備品、消耗費、新聞代や事務機器、文具類、車代あるいは電話、ファクス、コピー代等は発生します。それを法に基づいて正確に報告をした、そのときに開示すべき領収書を添付すべきものは添付してありますので、それはまさに法に基づいてやっているということでありますので、そのことをもって、何年か前にもいろんな委員会の事務所費の問題があったときも、結果としては、出すべきかという議論はありましたが、そのときは何かがあるかもしれない、問題があるかもしれないと言われたら書類を出す出さないという議論を踏まえて法改正がされたと理解しておりますので、その都度の法に基づいて対処してまいっているところでございます。
○義家弘介君 衆議院と同様のあいまいで不誠実な答弁であると私は思いますけれども、労組幹部や秘書の自宅を主たる事務所として届け出ていると。光熱費や家賃はないけれども一定の面積を占有して等話していますが、多い年では四百六十七万円の事務所費と備品、消耗費を計上していたわけですよね。これは、この達友会というのは何人ぐらいいらっしゃる団体なんでしょうか。普通で考えると、これほどの多額の事務所費を計上する、これは本来ならだれもがおかしいなと、なぜ人の自宅に事務所を、任意の団体をつくって、ここに多い年で四百六十七万円も事務所費が掛かっていくんだろうという疑問は当然浮かび上がると思うんですけれども、この辺について、このお金の内訳、一体どのようになっているか、もう一度御説明ください。
○国務大臣(川端達夫君) 主たる事務所として届け出た個人宅に、誤解のないように申し上げますと、占有した空間を持っているわけではありません。連絡拠点としてその場所を主たる事務所として届け出ましたが、そこの部分では、だから占有した空間を占めているというものではありませんので、水道光熱費、家賃は発生しておりません。
 そして、主たる事務所以外のことも含めて、この団体が活動するのに発生したいわゆる事務所費として登録すべき事務機器や文具代、あるいは携帯電話も使っておりますので、そういう電話代、ファクス代等々の経費を計上したということでありますので、必ずしもそこの、主たる事務所として届けた部分の場所で発生したものでないものが含まれているということでございます。
○義家弘介君 では、どこに置いてある電話やファクスやその他もろもろなんでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 電話においては携帯電話と同時に、ファクスは議員会館のファクスでございます。
○義家弘介君 なぜ議員会館で使っている事務所費が、大臣が代表ではない、まして政治資金管理団体ではない有志の団体に負担させるのか。やはりこの感覚というのが私自身にはちょっと理解ができないわけです。これはどうしてなんでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 達友会は、その規約で、その当時でございますが、今はちょっと違いますが、その当時は、目的として、本会は国政の発展と国民生活の向上のために尽力している衆議院議員川端達夫氏の政治活動を後援することを本来の目的とし云々とありまして、事業として、本会の目的を達成するために必要な事業ということでありまして、先ほど申し上げましたように、政治団体がその目的のために判断して支出をすることの部分はその政治団体に任されているということで、目的に沿う形での政治団体の支出と承知をいたしております。
○義家弘介君 達友会の事務所費が架空計上なために、つじつまを合わせようと東京の事務所費を達友会が負担すると説明を変えたという疑いも出てきているわけですけれども、こういう疑いがあるからこそ、それがそうではないというならば、しっかりとそのもろもろのものについて公開すべきであると私自身は考えますが、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 何をもって疑いとおっしゃるのか分かりませんが、間違いなく帳票等々は正確に保存をしておりまして、少なくとも保存をしておりますし、それに基づいて適切に法に基づいての必要な分は全部届出をしております。
 何度も申し上げますが、そういう、例えば以前いろいろ議論になった事務所費問題であれば、全く水道光熱費等が発生するはずがない事務所だけを登録してあるというのに多額の水道光熱費があるというのは、疑いがあるとおっしゃっても私は根拠があると思いますが、架空のものかもしれないのをごまかしているのではないかという疑いがあるというふうな御指摘の中で、公開しろしないというのは、この政治資金規正法に基づく法の下にみんなが同等に扱われるべきという部分に関していえば、私はこれが適切に行っているということで申し上げているところでございます。
○義家弘介君 適正に処理していると言っても、それを裏付けるものを、まさにこの北教組の裏金問題等が出ている中だからこそ、大臣が率先して明らかにし、御自身の政治関係が全く適正に行われているということを証明する、証明していただく、それは今不信感が募っている教育に対しての大きな大きなものとなっていくと思うわけですけれども、私自身、引き続きこの大臣の事務所費内訳について、当文教科学委員会に領収書、会計帳簿等の書類を提出してもらいたいと要求してまいりたいと思います。
 続きまして、次の質問に移らせていただきます。次の質問は、子供たちが日々勉強している学校についての質問であります。
 今国会において、これまで学校耐震化の問題が度々取り上げられてきていますが、これは自公政権の際に概算要求した二千七百七十五億円を民主党を中心とした現政権が大きく削減しまして、自治体が計画する耐震化の事業を行えるかどうかについて極めて不安な今状況にあるということであります。
 そもそも、昨年六月、国は地震防災対策特別措置法の一部を改正しまして、耐震診断の実施とその結果の公表、これを法的に義務付けました。つまり、どの学校が耐震ができているのかいないのかが公になっているということであります。これは議員立法で全会一致で改正されたものでありますが、当時の与野党協議の中で野党民主党から提案を受けて盛り込まれた事項であります。自治体関係者と話をすると、民主党が耐震診断の結果公表まで求めておきながら、民主党政権になったら、耐震の予算が不足しているので自治体に財政が厳しいから待ってほしい、そんなふうに言われているようで、納得ができないというお話を多く聞きます。
 総理は既に国会の場で、予備費の活用も視野に検討をしたいという旨の答弁を度々繰り返しておりますが、自治体はこの三月に関係予算を計上しているところもありますので、あいまいな答弁のみでは予算が本当に付くのかどうか分からない。特に、学校の耐震化においては、できる時間というのが決まっているんです。夏休みしかないわけです。つまり、本当にやろうとしたら、夏休みの工事に間に合うように予算ができるかどうか、これを明確にする責任があろうかと思います。
 ついては、この問題を所管する文部科学省として自治体のニーズにこたえられるように追加財政措置をできるだけ早く求めていくべきだと考えますが、大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(川端達夫君) 御趣旨の部分は、基本的に私も全くそのように思っております。
 そして、御承知だと思いますが、概算要求で行った部分からは確かに減ったんですけれども、ずっと何年も基本的には当初予算はほとんど同じ一千億前後の額が付いて、後で補正がのって、耐震がそのときによって一気に進むときもあればそんなに進まないときもあったというのが過去の推移でございます。そういう意味では、当初予算としての額は平成二十一年度予算額よりは耐震は増加して措置をさせていただいているというのが事実でございますが、耐震化を是非とも早く進めようということでの地方の御要望が大変強いことは事実でございます。
 そういう中で、総理は、今御指摘のように、平成二十二年度予算の効果的、効率的な執行に努めることはもとより、その実行状況を踏まえながら、一兆円の予備費を含む二兆円の景気対策枠の活用も視野に入れて進めていきたいという旨の御答弁がございました。予備費、そして経済危機対応・地域活性化予備費ということで計上されております。総理はそれも視野に入れながら万全を期したいという御答弁でございました。
 文部科学省としては、予備費の性格上、まずはできるだけ早くに予算を通していただいて、そして効率的、効果的、早期にこの予算が執行できるようにということで、より多くの耐震事業を実施してまいりたいと思いますが、そういう執行する中で、財源手当て、地方のニーズ含めて、関係省庁と連携しながら、あらゆる機会を通じて、御趣旨の精神を踏まえて、予算確保に努めて推進してまいりたいと思います。
 そして、平成二十一年度でいいますと、夏休みのお話でしたけど、当初予算は三月二十七日に成立を昨年はいたしまして、地方への内定が約二か月後の五月二十九日で、七月までにその通常予算で夏に工事できたのが六三・四%でした。それで、麻生内閣ではその後すぐに補正予算で耐震化の予算をたくさん組まれたのが通りましたのが五月二十九日で、約二か月後の七月二十日に内定ということでしたので、夏に補正でできた部分は七・一%しかできませんでした。
 こういう実績があるので、何とか四月からの部分、本予算の部分は当然でございますが、後で財源手当てができたときに可能な限り早くにできるようにということも含めて、地元ニーズを今伺いながらそういう時期にはめられるようにという最大の努力をしてまいりたいと同時に、関係省庁と連携して財源手当てがしっかりできるようにということも努力しておりますので、御指摘の精神をしっかり踏まえてこれからも取り組んでまいりたいと思っております。
○義家弘介君 大臣自身の決意がおありだということが伝わったのでまずは安心しましたが、やはり少しスマート過ぎるというか紳士過ぎるんでしょうか、もっと強烈に訴えないと、やはり財務省の壁というものがあるわけです。しかし、さっきからも繰り返していますように、まず子供たちの環境をどうするかということを真剣に考えなければ、それはどんな教育施策をしても、その子供たちが危険の中で学んでいるとしたらそれは意味のないことになってしまう。だからこそ強く強く、これは党派を超えて働きかけなければならないことであると私自身は思いながら今質問したわけですが。
 予備費は財務省が管轄するものとされていますが、予算案に計上している一兆円の予備費は経済危機対応・地域活性化予備費と銘打たれておりますが、公立学校施設整備は地域活性化や雇用対策にも効果的と考えますが、財務省としてもこの予備費の執行について、自治体のニーズを踏まえた規模で、かつ夏休みの工事が可能となるように、できるだけ速やかに執行すべく準備を進めなければならない、いや、進める責任があると私は思っておりますが、財務省の見解をお聞かせください。
○大臣政務官(大串博志君) 義家委員にお答え申し上げます。
 ただいま学校耐震化に関する御意見をいただきました。政府といたしましても、学校耐震化、今文科大臣からもお話がありましたように、重要性は極めて強く認識しているところでございまして、これも含めまして、今お話がありましたように、本予算においても、これまで前政権下において、十九年度予算あるいは二十年度予算あるいは二十一年度予算において七百億円台だった耐震化予算に関しては二十二年度において九百億円台に増やしておるところでございます。
 それに加えて、今お話がありました、更に進めていく余地を探るということで、先般、総理におかれても予備費の活用も含めた発言がございました。予備費は当然のことながら予見し難い予算の不足に充てるものでございます。今般、二十二年度予算、今審議いただいておりますが、その中に一般の予備費三千五百億円と経済対策の予備費一兆円、今御指摘のありました二通りございます。総理の方からもお話がありましたけれども、経済対策の予備費、景気の二番底を回避するという目的で措置しているものでございます。この活用も含めて考えていきたいというのが発言のあったところでございまして、学校耐震化のニーズの高さ、重要性にかんがみて、この予備費との性格に照らし合わせて、その支出の在り方、そして迅速に行っていくことの在り方について検討を行っていくということになるというふうに思います。この景気対策予備費の中においても、学校耐震化事業は検討の対象になり得るものというふうに思っておりますので、検討を進めていきたいというふうに思っています。
○義家弘介君 検討している間に地震が来たらどうするんですか。穴だらけの高校無償化法案、様々にこれから検討しなければならないものを四月の一日から強引に進めようと。子ども手当も選挙の前で強引に進めよう。しかし一方で、この問題は検討を進めますと。本当に検討している間に地震が来たらどうするんですか。それで倒壊して、子供たちの命が失われたらどうするんでしょうか。今こそ我々は決断しなければならない。まず彼らが安心して学べる環境を守らなければならない。
 今回の、実はあえてこれを取り上げているものなんですけれども、まさに数字のマジックで、予算で耐震化数を例年より上げて元々の概算要求より百棟大きくして、そして耐震化数を増やしたと語られていますけれども、つまり、校舎というのは耐震化だけではないわけですね。ほかにも例えば老朽化した校舎をどう対応するのかとか、様々なことをしていかなきゃいけないわけですけれども、耐震化の額だけぐんと多く取って、そのほかの額をほとんどなくしたわけじゃないですか。そしたら、例えば仮に耐震化ができても、老朽化していて、ぐらぐらって地震が来て、校舎は残っているけれども天井から何から中身が全部なくなったなんてことも起こり得る。
 そのために、今日、実は委員の皆さんにこの「公立学校施設の老朽化の状況」という資料を本日、私の方から提出させていただきました。是非この校舎の資料、一枚一枚御覧になってみていただきたいんです。どういう状況に今なっているのかということですね。
 今国会では学校耐震化についての国会質問が多数なされてきました。学校耐震化はもちろん取り組むべき重大な課題でありますが、これに劣らず大きな問題として、学校老朽化の問題が存在しています。
 ホームページに掲載されている老朽化の、文科省のホームページです、老朽化のデータによると、二十一年四月現在、公立小中学校の四九・八%は築三十年以上の校舎となっています。しかしながら、学校耐震を大いに進めてきた自治体、例えば私自身も横浜市で教育委員をしてきましたけれども、教育委員を務めてきた横浜市に聞きますと、横浜市の耐震化率は九二%であります。しかしながら、三十年以上の学校施設の占める割合は六六%を占めている、これが現実です。
 横浜市と同様、耐震補強を中心として進めてきた多くの自治体では老朽化対策が現実には大幅に遅れている状況でありまして、写真のように外壁からコンクリート片が落下するなど、日常的に危険な施設状況を抱えている学校も多々あります。大規模ではなく中規模の地震によって天井が落下するなどの事故も現実に今起こってしまっています。こうした状況を踏まえれば、耐震化とともに老朽化対策を同時並行に進めなければ子供たちの安全を守ることは不可能であります。
 公立学校施設の老朽化対策と耐震化、同様に進めるべき課題であると思いますが、文部科学大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、一九九九年度で三十年以上の建物の面積割合は一九・三%でありましたが、二〇〇九年では四九・八%ということで、老朽化校舎が大変大きな比率を占めていることは事実でございます。
 今回の予算は、御指摘のように、より耐震化に重点化するということにいたしました。しかしながら、耐震化に加えて、地方公共団体からは老朽化に対応するための大規模な改修あるいは構造上危険な状態の施設の改築、社会的要因による児童生徒数の増加に伴って生じる教室不足に対応するための新増築についても大変強い要望があることは十分承知をいたしております。
 予算執行に当たっては、耐震化以外では、アスベスト対策、バリアフリー対策、特別支援学校教室不足対応等は最優先で配慮することとしておりますが、老朽改修等の事業については限られた予算の中で緊急性が高いものを中心に対応しております。
 加えまして、耐震化はもちろん、これらの緊急性の高い、必要性の高い事業も地方公共団体のニーズが非常に高くあることで、先ほど来の耐震化の事業の拡大と併せて、あらゆる機会を通じて予算の確保に努めて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○義家弘介君 この資料を見ながら、予備費を一刻も早く活用して夏休みに行うべきだと私は考えますが、財務省の見解、もう一度お答えください。
○大臣政務官(大串博志君) 学校の耐震化のみならず老朽化への対応の必要性、ニーズ、この高まりに関しては、政府としてもよく認識するところでございまして、先ほど御答弁申し上げました経済対応の予備費、こういったものの活用も含めて迅速な対応が必要な面もあろうかと思います。検討を進めてまいりたいというふうに思います。
○義家弘介君 是非、一刻も早い具体的検討をした上で英断を下していただきたいと心から期待しております。
 さて、それでは次の質問に移らせていただきますけれども、学力テストの問題であります。
 悉皆による学力テストが行われてきた中で、今回、民主党政権になりまして、それが抽出の学力テストに変わりました。しかしながら、まず過去のものを生かすためには、何としてもこの四月は私は悉皆で学力テストを行ってほしかった。なぜなら、六年生のときに公教育の中で受けた子供たちが中学三年生で受ける、これがこの四月でありました。学力テストの存続の意向が保護者たちの中から高いということも踏まえながら、四月に受ければ六年生から四月までのその子の学力経過、ある程度の傾向、そしてそれに合わせた上で公教育で変えねばならないこと、あるいは再構築しなきゃいけない部分、いろいろな側面が出てくると思うわけですけれども、なぜこの四月を待たず抽出調査にしたのか、是非、文部科学大臣、お答えください。
○国務大臣(川端達夫君) 三年間の悉皆調査によって、全国的な学力水準を含めて、学力のこういうところが得意、逆に言えばこういうところが不得意という傾向を把握する、あるいはこういう学習の方法が効果がある等々のいろいろな情報を含めて、学力の状況の把握と教育施策の結果と課題の検証というのが悉皆調査によって相当なデータの蓄積がされたというふうに思っておりまして、そういうことを更に学習指導要領と学習現場に生かすということでの教育に関する検証改善サイクルの構築も進んできたというふうに考えております。
 具体的には、全国及び都道府県別、市町村別、学校別の国語及び算数・数学の平均正答率や設問ごとの正答、誤答の状況、学習意欲や学習環境などに関する信頼性の高いデータが得られました。
 結果として言えば、知識や技能を活用する力には課題が見られる、大都市、中核市、市町村、へき地ごとの状況については大きな差は見られない、算数・数学が好き、国語がよく分かるなど関心、意欲、態度については多くの点について改善傾向が見られる、習熟度別少人数指導の効果や個に応じた指導の必要性が明確になる等々のことでいろいろな施策を取り組んでまいりました。
 そういう意味では、今後進めるには、これらの知見を生かす中で、費用対効果も勘案する中で、全国的な都道府県レベルでの水準を把握して、傾向を把握してこれから生かしていくという抽出でその目的は十分に果たせるという判断の下に抽出に切り替えまして、統計学上の都道府県別のデータが把握できる率で実施をする。
 同時に、都道府県でのそれぞれの教育現場におけるニーズが、自分たちがやりたいというニーズにはおこたえできるように、問題の作成と同日における管理をした中での送付等々は国が持つということで、そういう要望にはこたえるとともに、実際にそういう形で行うことによって、より幅広いニーズとして数学、国語以外の問題をやってほしいということのニーズもありますので、より良い効果を発揮するためのこれからの在り方の調査も予算を付けて検討することにしたところでございますので、是非ともの御理解をいただきたいと思います。
○義家弘介君 私は理解ができません。何としてもこの四月に、小六のときに全員子供たちが受けたわけですから、この四月にもう一度全員が受ける、そのことによって公教育の再検証ができたわけでありますが、実は、今るる理由をおっしゃいましたけれども、極論を言えば、有力支持母体の日教組が要求しているからというふうにしか私自身は感じることができません。
 本当に子供たちの学力を考えているならば、六年生のとき全員受けているわけですから、それが中学三年生になって、この前期中等教育の教育はどうなっているのかということを個々に具体的なデータの下に検証する、これは教育の責任であろうと私は思います。それをあえて四月を受けさせずに抽出にするということ、これはまさに学力が落ちていたら先生たちが責められるんじゃないかというような、子供たちを中心に置いていない理論の延長線上にあるものであると私自身は感じてなりません。
 その上で、この日教組の問題について質問いたします。
 先日の予算委員会でも、指令書の存在あるいは教員のノルマが課せられて選挙活動等々が行われている北教組の問題について具体的証拠を基に大臣に提示いたしましたけれども、その後、文部科学省として、この北教組あるいは勤務時間中の組合活動について、学校、地域、教育委員会等にどのような対応をしたのか、まず教えてください。
○国務大臣(川端達夫君) 予算委員会あるいは衆議院の委員会含めていろんな情報の御提示も、資料もいただきました。
 北海道教育委員会と札幌市教育委員会に対して、二月十六日には、公務員である教職員が政治的行為の制限に違反する等、違法な行為を行っているかどうか、三月二日には、馳議員提供ファクス記載事項に対し違法な行為があったか否かについて、それから三月三日には、竹島について不適切な指導が行われた事実があったか否かについて、それから三月九日には、三月五日馳議員提出資料に記載がある国旗・国歌の実施に関し、職務専念義務に違反するワッペン、リボンの着用や校長の職務命令に対する業務拒否、校務分掌の返上等、違法な行為や不適切な行為を取った教職員が実際いたかについてということのそれぞれ書類を出して、道教委あるいは場合によっては札幌教委に今問い合わせをしているところであります。
 事実確認は、数多くの教職員の勤務状況、学校の状況等を調べる必要があり、それぞれの教育委員会が事実確認を行うに当たり、その方法、検討、実際の事実確認に一定の時間が掛かるというふうなことの状況にありますけれども、できるだけ速やかに返事してくださいということをお願いをしているのが現状であります。
 また、我々の問い合わせとは別に、国旗・国歌の取扱いについて、今後、道教委あるいは札幌市教委では、本年三月の卒業式等における状況について把握することとしておるようでありますので、そのことについては把握し次第報告してくださいとお願いをしてあります。
 以上です。
○義家弘介君 私自身もこの間、三度北海道に入りまして、実は組合に入っている先生たち、あるいは組合を脱退した先生たち、それから学校運営に非常に大きな問題を感じている管理職の皆さん、現場に足を運びながら様々な意見交換をしてまいりました。
 ある若い先生は北教組の問題についてこう言っていました。組合費、確かに高く、ノルマも課せられ、政治活動もさせられ、非常に大変な目に遭っている、しかし我々の認識としては教師生命保険だと思っているって言っていました。それに協力しなければ、学校運営の名において協力してもらえない、あるいは希望しない転勤等の中でも助けてもらえない、とんでもないところに転勤させられたり、クラスがころころ変えられたり、様々な問題が降りかかってくると。だから、違法だし、嫌だと思いながらも、教師生命保険、教師としてしっかりとできるように仕方なくそれに参加していると。まさにいじめの構造と一緒のことが起きているわけです。
 つまり、いじめは良くないと、これみんな分かっている、教員の政治活動良くない、これもみんな分かっています。しかし、良くないと言いながら、教室でいじめが起こっているときに指導者がそれに対して適正な処置をしなければ、先生が別に怒らなければ、良くないと口だけで言って何もしなければ、ああ、良くないなんて言ったら今度は自分がいじめられる側になってしまうと渋々それを見て見ぬふりをする、あるいはいじめという悲しい行為に加担してしまう。まさにこの状況と今の北教組は同じなんですよ。
 教員による政治活動の禁止、政治活動の制限、これについてみんな良くないと思っているんです。そして、負担なんですよ。朝から晩まで子供と向き合い、その後に動員ですよ。その後に、二人一組でビラ配り行ってこい。そういう負担の中で、できればそういうふうにしたくない、子供たちと向き合いたい、しかし一方で子供たちと向き合う時間を奪っているのは現実には組合だったりする。
 実は、私の元に今膨大な資料が届いております。これ、具体的に明らかにしたらちょっと驚くべき状況の資料が今届いております。その前に、それをしっかりと示す前に、例えば具体例を一つ言えば、さきの質問があった後に、もう早速次の日にファクスが出回り、これからはこの学校のファクスを使わずに郵送と電話で対応します、地下に潜らなきゃいけないというような具体的な、私の名前も入った、私と馳議員の名前も入ったファクスがそのまま北海道で出回っているわけですよ。それを渡す人間というのは、やっぱりこれは大変だ、何とかしなきゃいけない、こういうことが放置されているということを教えなきゃいけない。でも、先ほども言ったとおり、教師生命保険というぐらいですからね、どういう気持ちでそれを私に寄せてきているのかということなんです。
 亀井先生が北海道の教育の現状について自民党時代に、こういう状況で大変なことになっているという御指摘をしながら、四六協定の存在等様々なことが明らかになってきたわけです。しかし、それは今現在も起こっているわけですよ。それに対して、道に聞いております、それで果たして済むのかという問題なわけです。これは、私自身もこの具体例を追及してまいりますが、まず第一に、駄目なことは駄目だとしっかりと私は線を引くべきだと思っています。
 その中で、三月十日、我々自由民主党は教育公務員特例法第十八条の改正案を提出いたしました。昭和二十九年に成立したこの条文ですけれども、まず、教員の政治活動はその影響力が大きいということもあり、国家公務員と同様にすると、しかし罰則規定はないという法律として作られた。どうしてこういうゆがんだ状況になったのかというと、当時の日教組のすさまじい反対もありましたし、どこかで落とし所をという中で、教育界において起きたことの是正は教育界の反省、自粛に求めたいなどの信頼もあってこの法律ができ上がり、罰則規定が盛り込まれなかったわけであります。
 しかし、昭和二十九年からもう六十年、果たして教育界の反省と自粛というものは、少なくとも今北海道においては、実は私が持っているのは北海道だけの話ではありません。しかし、今裏金問題で焦点となっている北海道においてそれが行われているかといえば、全く反省、自粛がない。むしろ、地下に潜り、陰湿、悪質、非公然となってしまっているという問題点、これをこれからの議論の中でも具体例を挙げて明らかにしていきたいと思いますが、予算委員会の中で、あるいは衆議院の議論の中でこの教育公務員特例法の罰則規定を盛り込むことの検討を鳩山総理は川端文部科学大臣に指示されましたが、これについての検討、今の時点でのお考え、是非お答えください。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、教育公務員特例法第十八条第一項で、教育公務員の政治的行為の制限が国家公務員の例によるとされておりますが、これに違反した者は、第二条の規定に基づき、国家公務員に適用される罰則の適用がないと。当然ながら、違反した教育公務員は法令違反を行ったということでいわゆる行政処分、任命権者による懲戒処分等を受けることにはなっていますが、刑法上の罰則は受けないということになっている状況であります。
 これは、お触れいただきましたけれども、昭和二十九年の教育公務員特例法改正の際に、当初の政府原案では、教育公務員が政治的行為の制限に違反した場合は国家公務員と同様の罰則が適用されるものとされておりまして、これが国会審議の過程の中で、参議院において、教育界で起こったことはできるだけ教育界の内部、教育行政の手によってこれを矯正すべきとの理由から、議院修正が行われて現行の規定になっている。その後、この規定に関する改正の議論も何度となく国会の中で、あるいは政党間で議論が一部ありましたけれども、現在まで改正が行われることなく今日に至っておる状況であります。
 この度、北海道教職員組合の問題が発生しまして、公務員である教職員が政治的行為の制限に違反するなど違法な行為を行っていたか否かについて、先ほど申し上げましたように、北海道教育委員会及び札幌市教育委員会に対して事実確認をしているというのを先ほど御報告したとおりであります。
 この教育公務員特例法の観点から見たときに、今回の状況で法に違反することがどういうふうに起こっていたのか起こっていなかったのかということを調査しているという段階でございます。そういう意味で、教育の現場に政治的中立がしっかりと保たれるようにするということを果たすために、先日、総理からこの教育公務員特例法について検討をしなさいという指示がありまして、教育の政治的中立を確保するということが目的でありますので、この件について、現在、この過去の議論の経過を整理するところから検討を着手をいたしまして、しっかりと検討してまいりたいと思っております。
○義家弘介君 しっかりと検討していきたいという答弁でしたけれども、昨日、日教組が臨時大会を開いております。その中で、政治活動が許されないという議論は誤りだ、明らかに罰則を設けるのは時代錯誤だ、必然的に政治活動は必要だ等のコメントも出ております。また、私自身どうして今このときにこんなことが言えるんだろうと思う発言が、輿石東氏がまた発言しております。今は耐えなければならない、北教組の皆さんも大変な苦労だと思うとねぎらう発言をしていると。一体、北海道の子供たち、この言葉を聞いてどう思うのかと。私自身、裏金を持って教員たちが選挙活動をして議席を買って自らのイデオロギー闘争を繰り返している、そんな渦中の中でこういった発言が起こるということは、まさにこれは教員の側ばかりを見ている話ではないかなと思うわけですが。
 先ほど行政処分はあるというふうにおっしゃっていましたが、それは大臣も分かっているんじゃないでしょうか。教育委員会とその教育委員会のガバナンスが余りにも問題があると、そしてそれをしっかりと是正できるような今枠組みになっていないという問題意識、大臣は持っていらっしゃいますよね。
○国務大臣(川端達夫君) 教育現場の中立をしっかりと確保することはそれぞれの教育委員会の大きな役割の一つでございまして、その部分で各現場においてしっかりとそういうことが確保できるように、諸政策が文科省の方針に基づいて実施されるようにと私たちは要請をし、指導し、連携を取っておるところでございまして、そこに教育委員会がそれに適切にしっかりとやられなければならないと思っております。
○義家弘介君 そうです。やられなければならないんですけど、現実にできていないという実態があるわけです。
 例えば教員の政治活動に対して、これは選挙のたびに文部科学省から、こういう行為はしちゃいけません、こういう行為も法令違反ですと非常に丁寧な通達が文部科学省の側から行くわけですけれども、現場の先生に話を聞くと、校長から一言言われただけですと。これが現実なわけですね。つまり、文部科学省から、例えば北海道だったら道の教育委員会に行く、道の教育委員会からそれぞれの教育局に行く、それぞれの教育局から市町村の教育委員会に行く、市町村の教育委員会から校長先生に行って、校長先生から先生方に伝えられるわけですね。
 そういう中で、現場の先生は、例えば机の上に組合のビラがあったり、学校のファクスで組合のファクスが届いたり、あるいは選挙活動、政治活動するというのは、ポスターが机の上に置かれているというのは違法だって知っていますかと聞いたら、知らないというような状況さえあるわけですから、まず、ならぬものはならぬという線引きを、これは信頼を取り戻すためにも一刻も早く行わねばならないことであろうと思います。
 そして、今の状況を放置すると、一番大変な思いをするのは学校管理職、学校長なんですよ。私に寄せられている内部資料の中の一つは、これ全部学校交渉に対しての資料なんですね、校長交渉。これひどいですよ。まず、校長着任交渉というものの項目がありまして、これについて守るか守らないかって着任早々組合から脅されるわけですね。そして、例えば勤務条件にかかわることはすべて組合との交渉事項にすると思うがどう考えるかということを書かせるわけですよ。で、協力しないなら入学式どうなるのかねという形で、不安の中で来ている校長。
 これがもう結局なし崩しにされていってしまうわけですね。ならぬものはならぬとしっかりと線引きがされていないから、学校経営者自身が実はもう余りなりたくない。特に教頭のなり手がいないというふうに北海道の校長先生なんかは言っていましたけれども、そういう状況になっているわけです。
 例えば、一例を是非大臣にお答え願いたいんですけれども、教員の長期休業中の勤務についてはどういう、教育公務員としてどうあるべきだというふうに考えていらっしゃいますか。生徒の長期休業中の教員の勤務です。
○国務大臣(川端達夫君) 例えば、夏休みとかそういうこと……
○義家弘介君 はい。
○国務大臣(川端達夫君) しっかりと勤務するということになっております。
○義家弘介君 これは、地方公務員ですからしっかりと勤務するということになっているわけですが、どこで勤務するということになっているんですかね。
○国務大臣(川端達夫君) 学校と、例えば研修に行くときは研修先ということと承知しております。
○義家弘介君 大臣の見解というのは当然のことでありまして、それが普通なわけですけれども、そうなっていないんですよ。そうできなくなってしまっているんですね。
 例えば、北教組が出している資料の中の一つ、長期休業中の扱いに関する道教委見解。いわゆる夏休み等の学校休業期間については、教特法第二十一条、二十二条の規定に沿った活用を図ることに留意することとし、当該通知等の趣旨を徹底に努めていくとする一方で、丸の二番、校外研修については、研修の実質が備わっていることが必要であるが、場所を問うものではなく、したがって自宅での研修を否定するものではないことという見解を出しているわけですね。
 つまり、自宅での研修の場合は、届出を出せ出さないという議論てすごくあるわけですけど、こういうことが起こるわけですよ。この校長交渉の中にも、長期休業中の扱いについてどうするかという校長先生に新任のときに答えさせるものがあるわけですけれども、報告書の提出の目的は時間や内容など研修の実質が備わっていることを把握するものであることから、過度な負担となるので必要がないと考えるが、どうかと。これ答えてくれなかったら協力しませんよというふうに詰めていくわけですね。
 結果どうなるか。家庭科の先生が、あなた自宅で何研修していました、ええ、今日はカレー作っていました。研修ですか、これ。体育の先生が、あなた今日、自宅でどんな研修していたんですか、いや、スポーツジムに行って体鍛えてきましたというような話さえまことしやかに語られるのが教育現場の現実なわけですね。
 私の個人的見解で言えば、土曜半ドン復活論者なわけです。土曜日の半ドンをしっかり授業していただいて、子供たちが登校してこない夏には、ある意味でその代わりとしていろんな研修や、子供たちに語れる思い出づくりに努めていただければいいなと思っているわけですが、現行はそうではないわけですから、こういうふうに教育自体が文部科学省の意図、教育委員会の言っていることと違う形で現場で組合によってゆがめられてしまっているという現状についてはしっかりと受け止めて、その上で、ならぬものはならぬという線引きを責任を持って文部科学省がすべきだと思いますが、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 学校に勤務するか、いわゆるオフィシャルに研修を受けるかということが原則でありまして、自宅研修というのは、命じられた部分に関してはあり得るかもしれませんが、今の例は事実関係として承知をいたしておりませんけれども、基本的には研修に当たらないというものだと思います。
 そういう中で、御指摘の部分は、文部科学省としては、それぞれの教育現場において、教育委員会を通じてでございますが、いろいろと法令で決めたことはしっかり守るようにと。同時に、先ほどの選挙の前に出す書状に関しても、今回からは局長名ではなくて政務三役名にして、そして周知徹底に関してもしっかりとこういうところまで徹底できるようにと、今もホームページにも載せているんですけれども、そういうことでの周知徹底をして、あくまでもしっかりと法に基づいたことが守られるようにということはまたいろんな工夫を凝らして努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○義家弘介君 ありがとうございます。
 今後も、この今回の視察あるいは聴き取りの中で仕入れた今起こっている問題について、様々なことを協力してこれは動かしていかないといけないことだと思いますので、追及するだけではなくて、相談し、新たなる一歩を共に考えていけたらと思っております。
 ありがとうございました。
○委員長(水落敏栄君) 午後二時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後二時十分開会
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、文教科学行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷岡郁子君 参議院議員の民主党の谷岡郁子でございます。今日は、同僚の御理解を得て質問をさせていただきます。
 まず最初に、大臣にお伺いしたいと思いますのは高校無償化法案のことでございますが、高校無償化法案というふうに私どもが呼んでおりました、参議院に提出させていただきました法案というものが、今回名称が変わっております。その名称が変わりました理由というものをお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 国民のその世代の約九八%が高校に行っているという現実の中で、その子供たちの学びが間違いなく社会で人材として貢献をしていただいているという成果を社会が受け取っているという意味で、社会全体でその学びを支えるという趣旨で、いわゆる高校無償化法案ということで取り組んでまいりました。
 そのときの基本的な部分は、公立高校に通う平均的な授業料を応援しようと、そしてそれは子供たちに支給すると、学校にではなくてということで制度設計をしてまいりましたが、いろんな財政当局との調整、政府内の調整の結果、それを一歩進めて、公立高校においては授業料の不徴収という制度に変える、そうなりますと、元々は公立、私立共に子供さんに出すということで、それを学校が代理受給をできるという仕組みにしようとしていたんですが、公立高校は一歩進めて不徴収ということにしましたので、制度的に二本立てになったということで、こういう名称になったという経過がございました。
○谷岡郁子君 私どもがこの法案を最初に考えましたときは、ある意味で公立、私立かかわりなく公教育というものを無償化していきたいという思いを込めてこの法案の名前を付けた経緯がございます。今後ともその趣旨というものが生かされるように願っております。
 さて、この中身につきまして、民主党、昨年の法案では五百万円という収入を分岐点にしておりました。それはできるだけ多くの方々に、また高校教育というものに対して負担を感じておられる方々、できるだけ多く助けたいという思いの中で公私格差を変えていきたいということがございました。この五百万円という分岐点が今回は二百五十万円に変更されております。それに二倍という部分でございます。一・五倍の部分が三百五十万以下ということに変更されました。それによって恩恵から外れた人の人数と割合というものがどのくらい全体高校生の中でいるのかということをお教えいただけますでしょうか。
○副大臣(鈴木寛君) 私立高校等に在籍する生徒のうち低所得者世帯に対する増額支給でございますが、概算要求時には年収五百万円未満の世帯について支給できるよう要求をしておりましたけれども、厳しい財政事情の下で、義務教育段階における就学援助の基準等も参考にいたしまして、今御指摘いただきましたように、年収二百五十万円未満の世帯は二倍、年収二百五十万円から三百五十万円未満の世帯は一・五倍支給するということとなりました。
 このことによりまして増額支給の対象外となった生徒数は約十七万人程度でございます。これは全体の一五%弱ということになります。
○谷岡郁子君 それでは、その一方で、今回は特定控除、六十五万円が高校生の親からはなくなるということになりましたけれども、これによって見込まれます税収増というのはどのくらいになりますでしょうか。
○副大臣(鈴木寛君) 約一千億程度だというふうに考えております。
○谷岡郁子君 そうしますと、三千九百億ぐらいのお金が投じられるけれども、一方では一千億の増税が裏にはあると。そうしますと、三千億弱ということの費用が今回プラスアルファで投じられたと。もちろん財政難ということを理解しておりますが、今後の問題として、やはりもっと無償化にふさわしい形に近付くようにということ、これで十分だとお考えになっているのか、今後とも御努力いただけるのかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、税制において特定扶養控除の上乗せ分が、元々の、本来の趣旨でこの年代の教育に掛かる世帯への負担が大きいということでやられたという経過がありますので、制度上の部分でこういう措置が取られたと。実質的には二十三年末からのことでございますので、この間に、この制度上、便益を受ける以上に増税になる部分の世帯に関して特段の検討を加えるということが決まっておりますけれども、それとは別に、先ほど御指摘のように、五百万円以下の世帯もやっぱり高校への授業料の負担は多いと。
 とりわけ、私学に対しては、いろんな意味で授業料も高いし負担が大きいということで、これは、先ほど衆議院の本会議でこの法案は衆議院を通過いたしましたが、これまでの各般の皆さんの御意見あるいは衆議院の意見も含めて、附帯決議でもそのことはしっかり見るようにということもいただいておりますし、奨学金制度の在り方、それから、こういう特に低所得者、私学に行っている家庭への支援をより一層しっかり現実を見据えて検討を加え前進させなければいけないという意識の中でこれからも取り組んでまいりたいと思っております。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 では次に、私が國母君問題と呼ぶところのものについて少し質問させていただきたいと思います。
 その前に、今回のバンクーバーオリンピック、文科省の皆様方は、本当に大臣を含めて大変御協力をいただきまして、この前のオリンピックのような形で、試合後、疲れた選手たちがスタジオ回りをするというようなことがほとんど見られませんでした。それは本当に選手たちにとって必要な休息が取れるということであり、親しい人たちとメダルを喜び合えるということだったと思いまして、そのことにつきまして御配慮、大変感謝を申し上げたいと思います。
 その一方で、國母君の問題でございますが、私は、試合前に起きたバッシングというものは、試合前に大きなストレスを抱えた選手たちにとっては非常に酷なものではなかったかなというふうに思っております。國母君の問題はいろいろありましょうが、私の、私事ながら、娘などは、國母君にとって、あれは武士の刀としてボードを持っているんだ、武士はかぶくものであると。ですから、戦国の武将たちが派手なよろいやかぶとに身を固めていったように、言わば戦場に赴く日本の代表選手が、あの程度のことをやってあれほどのバッシングを受けなきゃいけないのであろうかと。また、多くのスポーツをやっている若者たちが自分たちが非難されたように感じたということを、私の事務所などにメールやファクスを送ってまいったりしております。
 私は、國母君の態度あるいはその服装の是非を今言おうとは思いませんが、やはり試合前の選手たちというのは、特にメダルが期待される選手は、食べ物がのどを通らないほど強いプレッシャーを受けるものだと思いますし、ストレスを感じます。それをお分かりになっている橋本聖子団長だからこそ、いわゆる試合前について細々としたことをおっしゃらなかったのではないかというふうに私は推察するわけでございます。やはり、何はともあれ、頑張るように試合が終わるまでは見守ろうじゃないかということを文科大臣には言っていただきたかったなと。
 その意味で、今後におきましては、文科大臣、やはりスポーツ選手、若者の側に立って発言をしていただきたいなと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 教育者の立場で、胸にしみる御意見をいただいたと思っております。
 元々、このオリンピックの開会前から文科大臣にいろいろメダルの数とか取材を受けたんですが、一貫して、選手の皆さんは国を代表して晴れの舞台に立ったんだから最高のパフォーマンスができるようにということ、それで結果はその後付いてくるということで頑張ってほしいと申し上げてまいりました。
 國母選手のことに関してもそういうことを記者会見では申していたんですが、委員会で御質問を受けたときに答弁したのは、詳細な事実関係が手元に入っていないため、報道を見聞きした範囲内での感想であるということと、ファッションとしてはそういう服装もあり得るけれども、ドレスコードはしっかり守るべきことは守ってほしいという趣旨を申し上げたと思います。
 加えて言えば、ということはあるけれども、おっしゃったように、選手として煩わされずにみんなで環境をつくって全力でやってほしいと申し上げるべきだったなというふうに思っております。その直後の記者会見ではそれは申し上げたんですが、テレビで中継されているところでは申し上げられなかったのはちょっと反省があったかなと今思いますが。
 現地においては、今日もおいでですが、橋本団長がまさに本人とじっくりひざを交えて話していただき、対応していただいて、本人が改めて全力で試合に出られるように環境をつくっていただいたことは大変有り難かったと、そのことは感謝をいたしておりますし、國母選手にとっても、いろいろつらいこともあったと思いますが、これをまた一つの糧にして、大きくこのことを踏まえて成長する選手になってほしいなと願っております。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 スキーがもし伝統的なメジャーなウインタースポーツだとしますと、ボードというのは言わばそのサブカルチャーとして出てきたものであって、サブカルチャーというのには一つの大変なエネルギーがあると同時に、ある種の、反体制的なと言ってはおかしいんですけれども、言わば反抗のエネルギーも詰まっているものではないかというふうに思います。
 そこで、今、今日の朝日新聞を見ておりましたら、問題になっておりますが、東京都の新しい漫画、アニメーションという、これ別の問題でいうサブカルチャーに対する条例の問題が出ておるわけです。もちろん、私どもは児童ポルノの規制を含めて、言わば健全な青少年の育成ということを考えなければなりません。一方で、日本を代表する輸出文化産業としての漫画、アニメの育成というものも図っていかなければなりません。このはざまの問題が起きたなと。
 東京都条例の非存在青少年ということに係る問題は、ランドセルあるいはセーラー服のようにある意味で十八歳以下であることを想起させることだけで問題になる、あるいは声が問題になると。それが行政の手に判断が全くゆだねられてしまっている、周知期間が短いというようなことで大変問題があるのではないかというふうに言われております。拡大解釈を際限なく繰り返すことによって何もかもが規制されてしまって、創造力の萎縮やまた才能の海外流出というものが起こってくるのではないだろうかという心配もされておるわけでございます。
 この問題が大きな問題でありますのは、東京都が全国のキー局、出版社が集結している場所であるということ、そして全国への影響というものは避けられないということでございます。コンテンツ産業もまたそうでございます。このような打撃を避けながら、しかしやはり当初目的としている青少年の健全な育成ということを両立させるということであるならば、やはり慎重な対応が必要なのかなと思います。
 もちろん、都の条例につきまして私どもが口を出すことはできないということでございますけれども、やはり一方では行政の恣意的な対応に任せていいのか、私ども国のレベルでもやはりこの問題に関してはしっかりとした検討を開始するという必要性があるのではないかと思います。
 と申しますのも、一九五〇年代、アメリカでコミックコードというものが作られました。そのときにアメコミというものが急に凋落してしまうという状況が起きているんです。その後に日本ではアニメーションでありますとかコミックというものが隆盛をしてきたわけなんですけれども、このコミックコードというものが大変な打撃をつくったという歴史がございます。
 こういう中におきまして、全国的な問題になります問題につきまして、文科省の方でも、大臣の方でもお調べいただいて、また今後どういうふうにしていく問題なのかということを検討していただく、できるだけ第三者委員会のようなもの、業界の例えば漫画家やアニメーター自身を入れたような形で判断できるような体制をつくることが重要ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 一番初めの原則論でいいますと、東京都の条例ですので、そのことに関してコメントする立場にはないんですが、アニメや漫画などの中で性あるいは暴力というものの表現というのは、結果として社会的に大きな影響を与えるということは間違いないというふうに思っております。ただ、一方、先生御指摘のように表現の自由、文化、芸術の創造力というものは可能な限り自由であるべきだという、まさにはざまの問題であろうというふうに思っております。
 本来は、ある種の、コードというのもいろいろありまして、自主的なコードみたいのをそれぞれの関係者でやられるというのが一番普通かなというふうに思うんですけれども、世界的な潮流というか課題としていわゆる児童ポルノ規制というのがあります。これは子供の人権にもかかわる深刻な問題でもあります。
 そういう意味で、今、内閣府の下にワーキングチームがありまして、文部科学省も参加をしているんですが、いわゆる児童ポルノ排除対策ワーキングチームというのがあります。広義に言いますと、これ、かなり幅広く今の漫画、アニメの今言われている性表現も含めてこの中にあるのかなというふうに思いまして、こういう案件が出てきておりますので、それも視野に入れながら、この場での議論も深めながら、こういうことがどうあるべきかをしっかり議論してまいりたいというふうに思っております。
○谷岡郁子君 子供の人権を守るというためでの国際的な潮流ができておりますことは大変大切なことであると思います。
 その一方で、例えば入浴といったことに関しまして、家族でおふろに入るのは日本では団らんであるけれども、そこを例えば描写することは西欧ではそういうふうには考えられないということがございます。例えばドラえもんのしずかちゃんやあるいはサザエさんのワカメちゃんがおふろに入っている場面が見られなくなるというようなことがもし起こりますと、私どもとしては大切な文化遺産を失って、それを再放送されないというような状況にもなりかねない。
 これは絶対見たくないので、やはりそういうことでバランスの取れた判断がなされるような体制を整えていただきたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 確かに文化の違いというのは非常に大きなものがあります。一時期、オバケのQ太郎が物議を醸したことがありました。そういう意味で、文化の違いによる国民の受け止めというのもいろいろあるというのは当然であり、そのことによって日本のいろんな大事なことが毀損されないようにということはしっかりと念頭に置きながら取り組まなければならないという指摘だというふうに思います。御指摘しっかり受け止めてまいりたいと思っております。
○谷岡郁子君 國母君の問題でも大臣にお願いしたいんですけれども、私は、数ある大臣方の中で、子供、若者を代弁していただけるのは文科大臣であるというふうに思っております。そして、その立場で働いていただきたいということを切に願っております。
 そこで、学生、いわゆる大学生の学生生活ということを今日は取り上げてみたいというふうに思っておるわけでございます。
 実は私どもも、日本の学生、勉強しないと言われて、もっと勉強させたいと思います。ただ、一方では、大学の教員が宿題を出すのがはばかられるような状況がございます。親の仕送りが減る中で、学生たちがバイト漬けになって寝不足になっている。その中で学生たちを、体を考えるならば、疲労で倒したくないという思いの中で、どこまで勉強させていいのだろうかというふうに思ってしまうわけでございます。十年ほど前からは、学生たちが二十歳にもなれば年金を一万五千円程度毎月払わなければいけないというような状況がございます。猶予はありますけれども、借金をできるだけつくりたくない学生は払おうといたします。
 そして、一方では、三、四年生はほとんど就職活動。今の雇用の状況の中で、どんどんどんどん就職活動が前倒しされてしまうと。早い子は二年生の秋ぐらいからその準備に掛かり、三年生から走り回るということが出てまいっております。
 かつて私どもは一年生のいわゆる五月病で悩んだものでございます。ところが、今は二年生の五月病で悩むんです。それは、三年生、四年生の先輩たちを見ていて、自分も一年後にはああなるんだという状況の中で、大変なプレッシャーを感じて二年生の多くが実はうつ病的な兆候を見せてしまうというようなことが現在起こっております。
 このような中で、勉強できない学生たち、勉強していれば就活に出遅れてしまう学生たちというのが今大量に発生しております。これは日本にとって大きな損失だと思います。重要なときに勉強が手に付かないような状況で本当に実力が付くんだろうか、国際競争力あるいは新しい経済戦略というようなものを担うような人材が実力を得て育っていくのだろうかということでございます。
 この問題に関しましては、一つはやはり就活の前倒しが過ぎるということで、学生たちに何とか勉強できる時間が与えられないだろうかと。もう一方では、やはり学生たちが安心して勉学あるいはスポーツ、サークル活動ですとか様々なボランティア活動に邁進できるような環境というものを経済的にも何とか整えるべきではないかと思うのですが、その点についていかがお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) おっしゃるように、二つの側面があると思います。要するに、経済的に大変でアルバイト漬けをしているから勉強する暇がない。この部分は、しっかり経済的に安心して勉強ができる、本人の負担が軽減されるようにということで、これは本年度の予算でもいわゆる奨学金を拡充することを含めて取り組んできているところでありますけれども、もう一つのいわゆる就活環境ということも非常に大きな問題です。企業は本来、最近の状況でいいますと、採用してもまた一から、極端に言えば一から教えないと基礎的なことが分かっていない学生が多いというふうなことがよく言われるんですけれども、実際からいうと、今おっしゃったように、もう三年生の春からいろいろ就職活動を事実上始めなければいけない、勉強どころでない。
 これで、一応は大学の申合せ事項と同時に昔は就職協定というのがあったんですが、企業が通年で採用もしているし幅広い人材を求めるためにいわゆる就職協定はやめたいということで、やめになりました。余りにも秩序が乱れているということで、先般来、企業倫理ということで経団連を中心に申合せをしていただいているんですけれども、事実上なかなか守られていない。
 同時に、内定が十月からであって、春は内々定で、その前にいろいろやっているのは就職説明会という、何か申合せには入っていない項目なんだみたいなことで実質的にどんどん形骸化しているので、再三にわたって経済団体に対しては、秩序あることをやっていただいて、それが結果として、学生が勉強に専念できるということは企業のためにもいいことなんだからということで、そういう説明会等々は土日にしていただくとかいろんなことをやっておりますが、なかなかやはりこういう就職の厳しい状況だと学生さんたちも不安な状況で一生懸命走り回らざるを得ない。そしてまた、景気が激変するということで、事実上、内々定は出すけど、内定までやると取り消したら大変な社会問題になるから、内定は逆になかなか出さないみたいな、非常に悪いパターン悪いパターンが今重なっております。
 そういう中でありますが、粘り強く企業にまた引き続き要請すると同時に、就学できる経済的な支援はより拡充できるように、めり張りを付けて取り組んでまいりたいと思っております。
○谷岡郁子君 一方で、科学技術に投資するということは大変大事なことだと思うんですが、大学院や研究所での研究の下支えをするのはやはり学部教育でございます。十八歳から二十二歳までの若者たちというのは本当に驚異的で、目の前で音を立てて変わっていくということを私も何度も見てまいりました。例えば、高校で学ぶ教科、日本史の教科書を学生に与えたとしますと、やる気がある子は、それまでオール二で来た子が一日でマスターしてしまうというようなことが起こり得るというのがその時代の学生たちなんです。
 それがゆえに、高校までは言わば学力などで遅れていると言われているアメリカやカナダの学生たちが、大学に入ると次々と日本人の学生を追い抜いていくということが起こる。それは、やはり学生時代に勉強できる環境と、またそういう体制というものが整えられているからだというふうに私は思っております。
 そのためにも日本の競争力ということを考えて、やはりこの学部教育も今後大事にしていっていただきたいと思いますが、大臣、もう一度いかがでございましょうか。
○国務大臣(川端達夫君) おっしゃるように、大学院を非常に充実強化するといいましても、それはその前の段階がちゃんとしていることが大前提です。ですから、いわゆる高校と大学の接続、大学に来ても高校のレベル、場合によってはもう中学校のレベルを教え直さないと付いてこれないみたいなことも指摘をされております。そういう意味で、全部連続している話ではあります。
 そして、やはりその背景に、大学に入るというときの壁といいますか、受験というものが非常に何か大きな問題で、それを越えたら何か一安心みたいなところ、それから受験科目だけに、そして意欲として将来自分はこういう仕事をやりたいからこういうことを勉強したいということよりも、受験科目に一生懸命点数を取るということで、いわゆる学習の、学ぶことの楽しさというものがやはり非常に希薄な環境をつくっていることはもう御指摘のとおりでありまして、そういうことを工夫も含めながら、学部教育は大変、もちろんもう一番基礎になると思っております。
○谷岡郁子君 大臣の御理解、深く感謝申し上げたいと思います。
 実は、先ほど若者の代弁者としての文科大臣でいていただきたいということをお願いした点で、一方には就職前の問題というものがもちろんございます。就職したてという問題も実はもう一方にございます。
 私どもがちゃんとした準備をさせていないということも問題ありましょう。中には、名刺の出し方一つ分からないとか、あいさつの仕方がどうのこうのというような問題もあるのかもしれませんし、職業に対する認識、キャリアというものに対する考え方、こういうものの基盤をもっと教育していかなきゃいけないということで、先般文科省でもその辺を考えておられるということを聞いておりますし、またそれは必要だと思います。
 いわゆる職業訓練と、それからOS的な大学教育というもの、これを余りにも連絡しなさ過ぎた、両方が少しずつもうちょっと歩み寄って統合していくということが必要ではないかというふうに思っておりますが、今の職業教育を大学でというふうにおっしゃることは一体どういう意味を持つのかというようなことについて、今お考えがありましたら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) そういう意味では、中教審なんかでもいわゆる職業意識といいますか、職業観とそれから職業教育の在り方を今中教審でも御審議をいただいているところでありますが、大学に関してもそういう職業教育というものをしっかり位置付けてちゃんとやりなさいという方針は既にもう指示が出て、制度として担保されるようになってまいりました。
 就職、今なかなか、もう本当に先年の就職氷河期を超える就職内定の悪さという状況でありますが、詳細に見てみますと、やはり例えば高等工業高校なんかはもう求人倍率が二十数%で、もうほぼほとんど就職が決まっているというところから、いろいろあります。
 そういう中で、やはり企業側の経団連、日経連なんかの、こういう人材が欲しいんだということのアンケート調査なんかを企業にしたのを見ましても、今手元にちょっと詳しくありませんが、見ましても、やはり意欲にあふれ、やる気のある人が欲しいと、必ずしも専門的知識を非常に求めているわけではない。
 そうすると、やっぱり内なるものとしての、世の中で自分はこういうことをしたいんだという意欲を持って学んでほしいということが一番ベースにあるのと、それを人に伝えることができるという、心の中で思っているだけじゃなくて、そういう意味で、大学における専門的な知識と同時に、職業に就くということ、そして社会のために自分がどういうことで役に立てるのかというふうなことを思うことと、それから、よく一般的に言われるコミュニケーション能力と、この部分が今までの大学教育に加えて非常に大事な要素であると思って取り組んでおるところでございます。
○谷岡郁子君 コミュニケーション教育の必要性、まさにそのとおりだというふうに思います。その一方で、企業のおっしゃり方は、意欲があって頑張る子と言いながら、ブランドの大学からたくさん採っていかれるなというのが私どもの正直な感慨なんでございますが。
 私がもし職業教育を考えるのであるならば、本当に、是非ここでお考えいただきたいことは、一方で社会に役立ちたいという思いであり仕事で頑張りたいという思いと同時に、労基法を含めて、自分自身のその権利について、そして企業の側が一方的に雇用主として強い立場に立っている、その状況に対してきちんとやはり対応できる、そして自分たち自身が不当に扱われていることに対して対応できる学生を育成したい。私自身がもっと学生に労基法のことをちゃんと教えておくべきだった、どういう形で救済されるのかということをちゃんと教えておくべきだったということを考えることが近ごろ多うございます。
 と申しますのは、今の企業、もちろん財源的な問題はありましょうけれども、二人雇うべきところを一人しか雇わないで、一人は路頭に迷わせて、お金がないから結婚できない。もう一人は本当にひどい残業。百時間、二百時間は当たり前の残業。私が聞いた子の中には、残業手当は残業六十時間以降に付くと、六十時間までは本給に含まれるというふうに説明されて、それを真に受けて何年も働いていた子がいるんです。そんなばかなことはないよと言ったときには、彼女はもう引きこもってしまって会社を辞めた後であったというような状況でございました。だから、片っ方はお金がなくて健康で文化的な生活ができない、片っ方はお金があっても時間がなくて健康で文化的な生活ができない、スキルアップの機会もないと。そういうことに対して過剰適応してしまう若者たちが本当にたくさんいるんだなと。
 一方で、若者たちが即戦力じゃないというような話で批判をされる、その一方のところにある、じゃ即戦力とは何なのだと。何も文句を言わずに倒れるまで働き続けることなのかということの議論を私はやはりしなければならないということにおきまして、職業教育の中でやはり若者たちが自らを守るすべというものを持っていくためのことをやらなきゃいけないと思っておるんですが、大臣、その点についていかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 昨日もたまたま政務三役会を開いたときに全く同じ議論をしておりまして、例えば高校生の家庭科の授業の中でとか公民の授業の中で、このごろよくある詐欺商法とかデート商法とか何かいろんな手口が、マルチとかあって、これはこんなのですよということで気を付けましょうみたいなのが教科書にあると。しかし、よく考えてみると、そういう子供も一緒なんですけれども、社会に出ていくときに、そして大学生も社会に出ていくときに、そもそも勤労者、働く人は労働基準法によってこういう権利があり、そして守られているということが実はほとんど教えられていないのではないだろうかと。
 よくこのごろお医者さん不足でいろいろ過労で、場合によっては事故なのか業務上過失なのかということまで言われるときの実態が、すごい残業をしておられてというようなこともあるし、今おっしゃったように、はい、あなたもう来月から来ないでよろしいと言われて、そんなことはできないようなことが何か巧みに、自主的に退社したみたいに誘導されているみたいなことがたまに報じられたりすることがありますので、これはいま一度、いろんな授業の中も含め、それから我々の、何というんですか、教材の参考教材みたいなものも含めて、いろんな形で、働く人の義務と同時に職業教育というものの中に権利もしっかりと教えていかないといけないというふうに議論をしておりますので、またいろいろお知恵をいただく中で、我々もそのことは大変重要な問題だと思って取り組んでまいりたいと思っております。
 また、先ほど、企業もブランド化している人を採りがちというのは、最近増えてきていますのは、面接試験のときには一切試験官は入社の試験を受けに来る生徒の個人的な資料を見ない、大学名を聞かない、大学名を言ったら不合格にするというふうなことで、企業もやっぱり人材が本当に要るという部分に非常に真剣勝負になりつつありますけれども、そういう意味で、両方ともが努力していい人材が育つように、そしていい人材が評価されるように、活躍できるようにということにそれぞれで努力していくべきだと私は思っております。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 この問題は少し厚生省と文科省がまたがってしまうところかなというふうに思っているんですけれども、やはり省庁の壁を越えてこの問題について、やはり若者にとっては一つの問題であると。
 例えば、中に労基署のことを教えて卒業した学生おります。やはり、大変犯罪の共犯に近いこと、例えばパソコンがよくできる、そして雇われて命じられた仕事はライバル会社のハッキングであると。それがこんなことしていいのだろうかということで、ずっと頑張ったんだけれども、耐えられなくなって、心が折れてしまって、うつ病になって辞めたという若者がおりました。彼なんかは、そういうことについて、どこか行けるんだろうとか、それから自分の働く内容について労基署へ行けるんだろうとか思っても、物すごい時間の残業で、月曜日から金曜日までという状況がありますと、現実に労基署が開いている時間帯に相談をする、休んで行くなどということは全く不可能であると。重症化すれば、ましてそういうことでもう本人は自分の問題で手いっぱいで、そういうことすら考えられなくなっていくと。疲れ果てて、それに適応できない自分が自己嫌悪から自分を責めて、そして引きこもったり、挙げ句の果ては自殺を考えたりというようなことが今現在起こっております。自らが不当に扱われているということを理解していても、その救済手段がないという若者たちが多うございます。
 これをもう少し早い段階で救ってあげることができるのならば、そしてアプローチしやすい形で彼らが救済を求めることができるのならば、その多くの人たちが引きこもって生産に加わらない、社会的な経済活動に加わらないで言わば保護を受けて社会福祉の対象になるというようなことを避けられると思うわけです。
 この大きな損失を避けるために是非省庁を越えて協力して頑張っていただきたいんですが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 非常に大事な指摘でありまして、やっぱり心の病みたいなものが本当に深刻な事態であり、これは職場も大学もそうでありますので、これは言われるように分けていきますと厚労省の仕事みたいなのもありますが、いわゆるカウンセラーの配置も含めていろんな工夫はしておりますけれども、御指摘を受けてまた厚労省とも話をしてみたいと思います。
 私も若いころサラリーマンをしていたときに、研究所でありましたが、実験に追われて月に百時間以上残業、休出をしました。そうしたらもう頭がぼんやりしてくるんですね、もう疲れて。本当にぼんやりしていたらこれは絶対休んだ方がいい仕事ができると思いながら、していたことがあります。
 そういう意味では、それはまだ前向きな仕事だったからあれですけれども、そういう悩みながらみたいになると本当に心身共にダメージを受けるというのはよく分かりますので、また関係部署と取り組んでまいりたいと思います。
○谷岡郁子君 また、若者たちというのは、十八歳で必ずしも自らの適性を知っているわけでは全くないということがあると思います。たまたま勉強嫌いだと思っていた子がひょんなことから大学へ来て、大学院、また博士課程へ進むということも多々ございますし、考えていたこととは違って編入学をしていく学生もおります。
 また同時に、高卒であったり中卒であったりしても、自分が仕事をやっていく中で、もっとこれを勉強したい、もっとこれをやってみたいということも出てきましょうし、仕事をやっていたらやっていたで、またその中で新しい技術が発見される、環境問題のように新しい問題が起きてくる、そういう状況に対応したいということで、人はやはり一生学び続けるということを求め、また必要としていると思うんですね。
 今の日本の社会というのはなかなかそういうことができていかないと。だれもが行ったり来たりする、そしてまた自らのステップアップ、キャリアアップをすることができる社会というものをやはりつくる必要性があると思うわけですけれども、その一方で、やはり今、まだ生涯学習というもの、これの基盤というもの、そしてそこに対してやはり明確な指針が出ていないような気がするんですけれども、せっかく政権交代したという状況の中で、是非そのことについて決意がおありでしたら、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) 生涯教育とよく言われます。言葉ももうみんな知っている言葉になっていますが、実態の中でいいますと、今先生おっしゃったような本来の生涯、まさに人生学び続けながら人格形成を発展させて自分の一生を全うできるというために必要な部分を学び続けるんだというのが私は教育の原点というか、まさに人間としての生きざまであり、広く言えば、生まれてから死ぬまでの間に世の中で自分という人間がまさに全力で全うできるために必要なのが生涯教育だと。ただ、現実的には、やはり教育というのは学校現場の教育がメーンで、またあとはオン・ザ・ジョブで仕事を通じて学ぶということももちろんありますが、ややもすると生涯教育というのがある意味で現役をリタイアした人が行く受皿になったりというふうな面も確かにあると。
 先生が御指摘のようなことは十分認識している中で、いろいろと工夫を凝らしながら、大学の公開講座をもっと増やそう、あるいはもう一回大学に入ろうという方に関しては社会人の入学の選抜枠をつくるとか、あるいは夜間大学とかそれから放送大学、あるいは社会人の学び直しに応じたプログラムメニューをもっと増やそうということを取り組んではきております。
 ただ、言われたように、時間がないと。仕事が忙し過ぎて時間がない、サービス残業いっぱいせないかぬ、あるいは経済的に大変だから学ぶ間がない。もう一つは、こういう多様な部分で学んでいくというときに、特に社会人の学びですね、ある意味リタイアした人がもっと幅広くやろうというのはそれはそれでいいんですけれども、社会人の学びに対しては、時間がない、お金がない。
 いろいろ工夫するというときに、もう一つのネックは、私は、それに応じたキャリアパスが見えないということではないのか。例えば、こういうことで夜間ででも、通信制も含めて学んで、例えば修士を取ったといったらそこの企業で給料がランクが上がるとか、あるいはほかのところでそういう受皿があるとかいうことがほかの外国に比べたら極めて薄いから、何か頑張っているねと言うだけになるという、そのインセンティブもなかなか働きにくいということがあるので、これも中教審で今いろんな議論をしていただき、また受皿のキャリアパスはなかなか、企業の世界ですけれども、一生懸命またいろいろ取り組んでいっているところだということで御理解いただきたいと思います。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 本当に即戦力になることを企業は求めながら、これからの会社を切り開く、あるいは成長戦略というものができたらそれを担っていく、新しい時代に合わせていく、その本当の意味でいう実力というものがしばしば混同されることあろうと思います。
 私、ちょっと調べてみましたら、資格の世界でもそうなんですね。いろいろな大学や大学院でも資格が出ます。その一方で、本当にお手軽に何十時間とか行くと出る資格もあるというような形で、似たような資格に見えるものが全然内容が違ってしまったりしていると。ディプロマミルとしか思えないようなところがかなり高いお金を取って、実は大して、そのときは役に立つように見えるんだけれども、役に立たない、ベースのしっかりしない資格を出していると。その一方では、本当にそういうところは八〇%以上の合格率で試験が通ったりするんです。ところが、その資格試験でも本当に一〇%以下のところがすごく多かったりして、これは今度は業界の護送船団になっているというような傾向があります。
 どちらの方にいたしましても、本当に学ぶ側には立っていないと。文科省だけが、産業であるというような形ではなく、学ぶ側の論理に立って、本当に質のいいものをきちんと国民に提供できるという構造というものをつくっていけると思いますので、今後とも是非よろしくお願いしたいと思います。
 最後に大臣からその決意のほどをお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) おっしゃるとおりの問題意識を私は持っています。
 前も先生、予算委員会での御議論のときにもあったと思いますが、要するに今の大学においては、社会人学生というのは一・八%、OECD平均が二一・三%と全く社会が違うんですね。ところが、企業のニーズも実は多様化していて、本当はそういうことをしっかりやらないと企業もうまくやっていけないということがもう時代としては要請しているんだと思いますので、関係部署もいろいろありますけれども、御趣旨を踏まえて検討して進めてまいりたいというふうに思っております。
○谷岡郁子君 終わります。
○横峯良郎君 民主党の横峯です。
 今日は、民主党の事業仕分に抗議したJOCの、JOCに動員されたといいますか、選手たちは本当に事情を理解していたのだろうかと。ちょうど事業仕分で予算を削るのどうのこうの言っていたときですね、そのときに出てきた選手が、隣の先生のところの、谷岡先生のレスリングの選手たちが多かったんですけれども。
 どうも、今のマスコミの在り方によって、JOCに動員されてもう急に出てきて、訳も分からないであのマスコミの場に出てきたんじゃないかなと思います。それと、又は相撲協会に関しても、文科省の管轄ですし、例えばいろいろ理事長選の問題にしても、横綱がガッツポーズしただけでマスコミが取り上げて、本当にそういうことが今日本の世の中で非常に目立っていると。それとまた、オリンピックに出て、事業仕分に文句を言ったレスリングの選手たちが本当に全然理解していないと。それは何かといいますと、相撲協会もそうですし、協会の在り方について今日はちょっと御質問したいと思います。
 バンクーバーオリンピックでは、もうここにいらっしゃいませんけれども、橋本先生が本当に、國母君の問題もそうですね、先ほど言いましたように、マスコミがすぐ取り上げると。いかにももう悪者扱いして、私は、本当に國母君のあの勇気といいますか、帰ってきてからも自分を貫いて本当に頑張った姿は日本男児、本当に日本男児だなと。マスコミの矢面にさらされようが何しようが自分を貫くと。あの姿にはすごく感動を受けましたし、ああいう若者が増えてくることを願っている一人であります。その中で、橋本先生もメディアに返さなくてよかったなと私も内心思っていまして、その判断は非常に正しかったなと思います。
 平成二十二年度の予算について、スポーツ立国の実現を目指したスポーツの振興を推進するため、過去最高となる二百二十七億円を計上しておりますとあるんですが、たかが二億円強の増額でしかないと。ちょっと過去最高という文言はいささかオーバーではないかと思っております。本当に少額じゃないかなと思っておるんですけれども。
 例えば、韓国などは少数精鋭で、百六億円という強化費で、選手数が四十五名、役員が三十七名です。で、獲得したメダルは十四個。日本の強化費は二十七億円、選手九十四名に対して役員は何と百十一名です。韓国の三倍というふうな形になっていますけれども。もう本当に、橋本団長を中心にあんな多勢で行く必要があったのかなと思っております。
 スピードスケート、この前引退しました清水宏保君は朝日の夕刊で、日本には国立スポーツ科学センターがあると。韓国にも同じような施設があると。韓国ではそこに選手が招集されて日当が出ると。日本では利用するのに料金が発生し、先ほども言いましたように、JOCの役員、メンバーが大挙して現地入りしているために、限られたコーチだとか、そちらの方にほとんど充てられていないと。選手に快適な環境を提供できていないということですね。お金の使い方が逆じゃないかということを指摘しています。
 そこで、逆として指摘されたお金の使途についても、JOCにはオリンピックの総括を含め説明責任、なぜかといいますと、先ほど言いましたように、韓国の三倍も役員が現地入りして行って、成果が三分の一という結果も出ているわけですから、情報の開示が必要と思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(川端達夫君) JOCの補助金は、選手強化費が、選手強化事業が二十五億円、バンクーバー冬季オリンピック大会の選手団費二億円の二十七億円出させていただきました。
 それで、透明化を図れということでございまして、それは社会の要請でもあります。トップアスリートに対する、選手に対する国民の期待が非常に大きいと同時に、御指摘のように補助金の使途等を含めて透明化を図れということでございますので、収支計算書、事業計画書等においてはJOCのホームページで公開しております。情報公開は本当に大事なことでありますので、更に分かりやすい情報発信を、委員の御指摘でもございます、しっかりと促してまいりたいというふうに思います。
 ただ、先ほど韓国の例をお取りになりました。先ほど来の橋本委員との議論もオリンピックの話題がありましたけれども、やはり国として戦略的にオリンピックにどう臨んでどうメダルを取るのかということでいうと、例えば日本は、やはりそれぞれの競技団体の部分で一定の国際水準に達し、出られる資格が得るということで、割に競技団体中心になってオリンピックに行きましょうみたいなのを応援すると。
 それが、先ほど来の議論でいいますと、例えば遺伝子とか筋力とかいうことで向いているというのは、これは国じゅうでスカウトしているような仕組みがある一方で、やはり私はこれは素人で漏れ聞いた話ですので、詳細には調べてくださいと今役所にはお願いしているんですが、例えば参加種目数はそういう意味で韓国と日本、随分違うと思うんです。非常に特化をして、冬のオリンピックで、比較的肉体的には恵まれないアジア、日本や韓国のよく似た体型の人間がメダルを取れる可能性のあるのはどの種目かということで、いわゆるショートトラックとスピードスケートの短距離というのにかなり集中的にやっているという背景もあるんだろうなというふうに思っています。
 そういう部分で、今御指摘の選手九十四人に対して役員は百十一人でした。そういう例えば、その中で選手は、もう九十四人は選手なんですけれども、各種目の監督、コーチ、ドクター、トレーナーという選手を支える人たちが約九十名、選手九十四名に対して九十名。あとの二十一名が本部スタッフでありまして、団長、副団長、総監督のほか、いわゆるメディカルスタッフ、輸送や、ロジですね、ロジやそれから広報、プレス等を担当する職員、それから記録収集の担当職員などが十四名ということで二十一名ということで、こういう構成自体はそんなに他国とは変わらないと思うんですが、例えば種目が少ないと監督は一人で済むんですけれども、多いと監督全部増えますのでということもありました。
 そういう意味では、いわゆる選手サポートと関係ない役員が何か付いていって、見に行っているんではないかということは、実態としてはないというふうに承知をしておりまして、こういうことも含めて、もっと、これもすべて情報公開をし、はっきりしていくことがすべての基になるということでありますので、御指摘のように、お金の使い道と同時に、こういうことに関してもしっかりと国民の理解を求める、誤解を招かないように引き続き促してまいりたいと思っております。
○横峯良郎君 情報開示もそうなんですけれども、今、補助金というか国の補助があるのは、協会はJOCと体育協会と武道館と、三つになっているんですよね。じゃ、ほかの団体は全然国からの、文科省は資料を開示してくれと言ったらほとんどしないんですね。ということは、補助金を出してないからと。税金が使われていないからと。ところが、JOCからは、JOCに加盟するところに分配しているんですよ。ということは、出ているのと一緒なんですね。
 ちょっと調べてみましたら、公益法人、財団法人、社団法人とあるんですけれども、ほとんどがその加盟になっているんですけれども、例えば、常勤役員の平均報酬額となりまして、多いところは大体千二百万、役員報酬がですね、千二百万から千六百万とか、大体八百万、少ないところでも四、五百万となっているんですけれども、大体この八十八ある団体のうちでもほとんどが開示していないと。
 どういうことかといいますと、役員が一人だと。一人で、それを開示しろと言ったら個人情報がどうのこうのと言ってしないわけですよね。それでまた、半分以上は有給役員が全くないと。これがJOCの正しい在り方じゃないかと思うんですよ。そこに、公益法人なのに、社団法人という国からの認可を受けているにもかかわらず、例えば税制もそうなんですけれども、税制も普通ですと三〇パーが二二パー。八%も国から免除を受けていると。その八%の優遇税制されているところはほぼ一〇〇%ですよね。JOCに限らず、ほかのプロスポーツに限らず、協会の、何々協会というのはですね。それを見ていますと、ほとんどが情報を全くもう閉ざしていると。
 ここに一つの例があるんですけれども、預金残高が十億から二十億という現金を持っていらっしゃる社団法人が何か所かあるんですよね。それも全く公表もされていませんけれども。それに対して鈴木副大臣の御所見をお願いしたいと思いますけれども。
○副大臣(鈴木寛君) 今委員も御指摘をいただきましたように、JOCと日本体育協会に対しましては、平成八年に閣議決定されました公益法人の設立許可及び指導監督基準等を踏まえて、各法人の財務関係資料の一般閲覧が行われているところでございますが、今のJOC、日本体育協会については、その基準で示している例えば収支計算書だとか正味財産増減計算書だとか貸借対照表だとか財産目録だとか収支予算書を出すことになっていまして、出しているわけであります。
 ただ、その他の団体については直接税金は行っているわけではないと、JOC経由だと。その中で、御指摘をいただきましたように、常勤の役員報酬についていろいろなところがあると。ただ、有給役員なしというのは、それだけ財政基盤が脆弱であって、ほぼボランティア状態で役員をやっていただいているということだというふうに思います。もちろん、日本サッカー協会のように、これは御自身の御努力の積み重ねの結果でありますから、そのこと自体はこれは当然だと思いますけれども、役員報酬については一千六百万円以上、二千万円未満の、取っているような団体もありまして、これは千差万別だというふうに思いますが、ただ、そのおっしゃることは大変私も同感の部分もありまして、今まさに新しい政権になりまして、そういったところをもう一回きちっと見直していきたいという思いは持っております。特にスポーツというのはやっぱりフェアネスとジャスティスというのは大事でありますから、その法人の運営に当たってもそうしたことをきちっとやっていくということは大変大事だというふうに思っております。
 したがいまして、今回の予算編成におきましても、要するに選手の直接の強化費は二割増の百六十三億円にいたしましたけれども、いわゆるこうした団体向けの予算はカットをさせていただいて、そしてより直接的に選手の部分に回るようにという考え方で予算編成方針はやらせていただきましたし、さらに、より透明性の高い事業運営については大事なポイントだというふうに思っております。
 それから、今スポーツ立国戦略の策定をやっております。加えまして、スポーツ基本法の議論をいたしておりますけれども、その第一回のところで申し上げましたのもまさにこのスポーツ団体のガバナンス、これをやっぱりしっかりしていくということは大事なポイントだというふうに思っておりまして、そのことが国民の皆さんから支持され、そして更なる予算を増やす上でも、やはり納税者の皆さんの納得がいく増やし方、あるいはその受皿の在り方と、こういうことだというふうに思いますので、今日の御指摘も踏まえて対応をしてまいりたいというふうに思います。
○横峯良郎君 今、例えば協会が一人というところは、全然理事の報酬がないというところは本当に予算がないんだろうと。そういうことじゃないんですね。結局、どうしてそういう八%も税が優遇されているのかと。公益法人というふうになってはいますけど、公益法人というのは何かと。鈴木副大臣は公益法人に関してのちょっと御所見、教えてほしいんですけど。
○副大臣(鈴木寛君) 自分たちの利益ではなくて、まさに公益のために活動する法人を公益法人と、こういうことになっていると思います。
 税務当局においても、まさに公益法人であっても収益事業と公益事業というのをきちっと分けて、そこに対する適切な税の適用といいますか、ということはされているというふうに思っておりますが、委員が多分御指摘されたいだろうと思いますが、私も六か月見ておりまして、JOC傘下の中で数団体においては、いろいろな人事の問題始め、その裏側にはいろいろなガバナンスの問題があろうかと思いますが、そういう問題が複数あることも御指摘のとおりだというふうに思いますので、今日の御議論を踏まえて適切に対応はしていきたいというふうに思っています。
○横峯良郎君 公益法人、結局は財団法人、社団法人というのは、プロアマ問わず、私自身は思うんですけど、すべて文部科学省の所管する各種の八十八法人の整理統合を行い簡素で風通しの良い組織に再編することが、最終的にはそれが目的だと思うんですよ。
 ところが、その前にその八%というのをもうなくしていただきたいと。例えば、先ほども言いましたように現金預金で十億から二十億と、それを毎年ですね。相撲協会に関しては、それをこの前指摘しましたら、我々は、慌てて、学校に土俵を作っているんだとか、先ほども副大臣言われましたように、公益法人というのは自分個人の利益になってはならないと。非営利法人だと。非営利法人なのに、私が調べましたもう一つの団体というか協会は、大体資産が三十億。それで八%の税制の優遇をもう何年も受けているわけですよね。
 せっかく民主党が事業仕分でこんないいことをしているわけですから、前政権は本当にもう見向きもしなかったわけですから、本当、その八%の優遇税制を是非取っ払ってほしいと。もうそれが今回の本当の質問のあれなんですけど、その辺を是非大臣含めてまず調べてほしいんですよ。先ほど言われましたように、JOCと体協と武道館は国の補助が行っていると。でも、その下の団体にも行っているんですよね。また、それ以外にも、補助を受けていないところも八%の優遇税制を行っていますので、八%の優遇税制というのは協会はほとんどやっていると思います。それについて是非検討していただいて、まず調べてほしいんですね。
 我々一議員も、例えばこの協会に関しての情報を開示してくれと、それも文科省がちゃんとしていただければ。私は、実を言うと、このことに関してもう一年前から情報を開示してくれと、前政権のときから言っているんですけど、全く資料を出さない。それは何かというと、我々はそういう税金も投入していませんし、使っていませんしと。ところが、違うんですね。八%優遇を受けているんですよ。この件に関してはどう思われますか。
○副大臣(鈴木寛君) 議論を二つ分けていただいて御検討をいただければなというふうに思います。
 八%の優遇を、まず個別の団体においてそのガバナンスをきちっともう一回見直せと、この御指摘は、就任以来そのようにさせていただいているつもりでございますし、更にこれは徹底してやっていくということについては今日の御議論を踏まえて検討してまいりたいと思いますが、一方で、八%を削減せよというお話は、それでなくてもスポーツに対する予算が少ない。あるいは、この特に十年間、企業が不況でもって強化費を出せなくなってきている。特に冬については、北海道や東北の関連企業の倒産や撤退ということが我が国の競技力の減退につながっているという実態もございます。
 そうしますと、今の方向といたしましては、これまで学校体育と企業でもって支えてきた日本のスポーツというものを、もう少し社会全体でといいますか、総合型地域スポーツクラブもその一つでございますし、企業だけではなくて、企業も入りますけれども、社会全体でそうした公益的な団体を中心に支援をしていくと。今、新しい公共という議論もいたしております。そういったところに市民のお金も集めてきて、そしてそうしたものも強化費に使っていこうと、こういう流れを、税金とそれから市民の力と、こういうことを併せて考えていきたいと思っております。市民から集めてきて留保したお金を、その税制を引き揚げろということになりますと、なかなか国の財政の厳しい中、そして新しい公共、市民パワーでスポーツを振興していこうという流れと整合が付きづらいという部分もありますので、税の議論は税の議論としてさせていただきたいと思います。
 ただ、その使われ方が真に公益事業であるという点をきちっと見ろという御指摘はおっしゃるとおりでございまして、それは今も税務当局において行われているというふうに思いますし、逆にそれが厳し過ぎるという何といいますか悲鳴も、一方でまじめに一生懸命やっているスポーツ関連団体からは私どものところにも届いております。しゃくし定規過ぎて税務がなかなか大変だという声も一方でございます。
 ただ、その八十余あるスポーツ団体の中では、やはり先生御指摘のように、これはいかがかなと思う運営がなされているところがあるという認識は私も持っておりますので、そこの点については、きちっと実態を更に把握をして、正すべきは正すということはやってまいりたいというふうに思います。
○横峯良郎君 だから、先ほども言いましたように、この協会で、多いところは二千万近くの理事の報酬をいまだに、というよりも今までずっともらっていると。そういう体質があると。かといって、ほとんどもうゼロで、名誉職だけでやっている方々もいらっしゃると。その辺の仕分をやっていただきたいと思います。それはそれでまた取り組んでいただきたいと思うんですが、今日はそれを聞いて本当に良かったなと思いますけど。
 それと、やっぱり文科省のスポーツのこの協会には、橋本先生もそうなんですけど、やっぱり政治色の強い政治家が何人も、特に自民党の、前与党の関係者がたくさん入っていると。この点についても、是非、政治家の関与というものをなくした方がいいんじゃないかなと思います。ということで、それはまただんだん、我々が与党になったわけですから、また、体育協会の元森首相ももう今回で任期で辞められるそうですので、大変いいことだなと思いますけど。ということで、是非、その八%の優遇税制の待遇の違いを考慮していただいて、是非調べていただいて、事実を調べてみてください。
 ということで、質問を終わります。ありがとうございます。
○藤谷光信君 民主党の藤谷光信です。
 今日は、幼児教育の在り方と芸術文化の振興についてお伺いします。
 それでは、まず幼児教育の在り方についてお尋ねをいたします。
 幼児教育は、人間形成の基礎を培い、その後の教育の礎となるという点で極めて重要なものですが、幼児期の教育の特性は、幼児が体験を通して周りの事象を体系化し、自己の中に取り込んでいくことを重視した教育であるという特性があります。体験というのが大変大きなウエートを占めておるわけでございますが。
 また、幼稚園では、子供が人生で初めて出会う学校であります。そして、新しい、初めての家庭を超えた社会に入っていくわけですから、子供の一人一人に大きな人生に影響を与えると思います。それと同時に、親にとっても、幼稚園は親となってから初めて出会う学校でありますので、大変重要な親としての自覚を持つところでもあるわけですが、近年では、子供に対する教育に加えて、平成十九年の学校教育法改正において、「家庭及び地域における幼児期の教育の支援に」という条文が盛り込まれたことからも明らかなように、幼稚園が親育てや地域全体の教育力の向上に果たす役割という視点も重要になってきています。
 文部科学大臣は、所信の中で、地域のきずなの強化や活性化にもつながる新しい公共の重要性について述べられておられました。大変私も賛同するものでございます。幼稚園も新しい公共を実現していく上で一つの拠点となり得る場所であると思います。
 そこで、まず文部科学大臣に、子供の教育において幼稚園の果たしてきた意義と、これからの新しい公共を実現する上で幼稚園に期待される役割について見解をお伺いいたします。
○国務大臣(川端達夫君) 委員御指摘のとおり、家庭で育った子供が初めて教育の場、社会の接点を持つ教育の場が幼稚園でありまして、私も、もう何十年も前ですが、やっぱり幼稚園に行き出したころの園長先生と担任の先生の印象は今でもはっきり覚えております。
 そういう意味で、子供が最初に出会う学校でありますので、しかもそれが生涯にわたって非常に大きな影響を与えるということであって、極めて人格形成の基礎を担う大事な役割を担っている機関だと基本的に認識をしております。
 そういう中で、一方で、核家族化でいわゆるライフスタイルも随分変化してきたという中で、家庭の力、それから地域の力というのが昔に比べたら非常に緩くという表現がいいのかどうか分かりません、薄くなってきているというのは間違いがありません。そういう意味で、私たちは、地域の力、家庭の力で教育をしっかり支えるということが大変大事であるということを一貫して訴えてきました。
 そういう意味で、これは幼稚園、小学校、中学校を含めて地域の皆さんと一緒になって、そして家庭も、どうしても学校現場でいいますとPTAという、自分の子供が行っている親ということに限定をされがちなんですが、そうじゃなくて地域全体なんだということで、家庭と地域全体が一緒になって支えていくという仕組みをつくり、担っていただくことが大変大事だというふうに思いますので、そういう意味で、先般の学校教育法、今御指摘いただきましたように、の改正においても、幼稚園に対しては地域住民の相談に応じて必要な情報の提供や助言を行うことを努力義務として付けさせてもいただきました。
 これを踏まえた幼稚園の教育要領の改訂においては、幼児と保護者の登園を受け入れたり保護者同士の交流の機会を提供するなど、地域における幼児期の教育のセンターとしての役割を果たすよう努めることを規定しております。
 今後とも、幼稚園がその役割を果たすように支援をしてまいりたいと思っております。
○藤谷光信君 基本的なことをお尋ねしたわけでございますが、私も全く同感でございまして、幼児期における幼稚園の教育というのは大変大事だと思っております。
 大臣も所信表明で、幼児教育を含め初等中等教育から高等教育まで学校間の接続と社会との連携を重視すると述べられておられました。このことはそれぞれの学校の教育力を高めることによって成り立ち得ると思うのであります。幼稚園から大学までの一貫した教育の流れを重視し、それぞれの学校が充実した教育を行える体制を整備することが重要であると思うわけでございますが、その点につきまして大臣のお考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど申し上げましたように、教育基本法の改正、それを受けた学校教育法の改正というのがありました。そういう中で、いわゆる新しい幼稚園の教育要領で、幼稚園、小学校、幼小の円滑な接続ということのために特に留意する事項として、子供同士の交流、幼稚園と小学校の子供同士の交流、それから教員同士の意見交換など、連携を図ることを幼稚園教育要領で規定をさせていただきました。同時に、いわゆる保育園の問題も同じ世代としてありますので、厚生労働省と共同で幼稚園、保育所と小学校の連携事例集、こういうふうにしてこんなことをやっていますよというモデル的なことの事例集を作りまして、関係機関に周知をしてきたところでございます。
 さらに、近々に、学識経験者、それから幼児教育関係者から成る協力者会議というものを立ち上げまして、幼児期の教育と小学校の教育の円滑な接続の在り方について検討することとしておりまして、こういうふうな成果も踏まえて更なる取組を進めてまいりたいと思います。幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議という、随分長い会議体でございます、これで、幼稚園、保育所、認定こども園と小学校における子供の発達と学びの連続性について、子供の発達と学びの連続性を確保するための教育方法についてということで、三月中にスタートして、九月末をめどに報告をまとめてこれからの施策に資してまいりたいと思っております。
○藤谷光信君 幼小の連絡とか小中、あるいは中高一貫とか、文部省の指導で大変今そういうことが模索されておりまして、着々と実績が上がるといいますか、全般的にはまだまだでしょうけれども、このパイロット事業みたいにところどころやっておりまして、小学校の先生が幼稚園に行っていると。ただ、学校の授業とか教科ばかりでなくて、もっと幅広い見地から、さっき大臣がおっしゃるような、まだ手探り状況のようなところがございますけれども、だんだんと行っておるとは私思っておりますが。
 その中で、現在の日本における幼児教育の投資というものが国際的に見てどの程度だと思われますか。OECDとの比較の、私ここに資料を持っておるんでございますが、その点についてお考えをお願いいたします。
○副大臣(鈴木寛君) OECDの報告書によりますと、我が国の就学前教育費、二〇〇六年のデータでございますが、幼児一人当たり四千三百八十九ドルでございます。これはOECD加盟諸国二十六か国中二十位ということでございます。それから、対GDP比で見ますと、零コンマ二一%でございまして、これもOECD諸国二十六か国中二十二位でございます。
 それから、特に我が国の就学前教育費の特徴といたしましては、公費負担割合が低いということが挙げられておりまして、その割合は四三・四%でございまして、これはOECD諸国二十三か国中最下位という現状になっておりまして、この点についてはきちっと充実をさせていかなければいけない課題だというふうに認識をしております。
○藤谷光信君 今お話があったとおりでございまして、これは前政権時代から私もこの委員会で絶えず申し上げておりまして、いろんな各議員の皆さん方からも、幼児教育の部分だけ見ましても、OECD諸国に比較しましたら相当な後れを取っていると、そういう認識でございます。ただお金が少ないからどうかというんではないわけでございますけれども、しかし、そこへ掛けるお金の具合によってはやっぱりどのぐらい本気でそれに向かっておるかということがそこでよく分かるんじゃないかと思っておりますから、これから、新しい政権になったんでございますので、今のデータをしっかり見直すと、今、鈴木副大臣がおっしゃったように、これからしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 そして、次に幼保一体化の議論についてお伺いいたします。
 幼稚園というのは、明治九年、東京女子師範館の、現在のお茶の水女子大学に附属幼稚園が創設され、幼稚園教育が日本において本格的にスタートしてから百二十年以上が経過しております。これは大きな日本の幼児教育の歴史の柱でございますので、必ずこのお茶の水女子大の附属幼稚園というのが出てまいりますが、ある意味では、当時から比較しましたらうんと普及しましたし、この附属幼稚園の歴史というのは大変輝かしい歴史でありますので、やっぱりこれはこれなりの歴史を見ながらいかなければいけないと思うんでございますが。
 私立幼稚園というのは、地域における幼児教育の充実の強い要請を受けて、ほとんどの私立幼稚園、学校法人の幼稚園がほとんどでございますが、その設置者が私財を投げ出して設立したのが大きな幼稚園の歴史の経過でございます。それから、元々が、教育の現場というのはほとんどが私立でございまして、今は公立幼稚園、私立幼稚園という分け方をしますが、日本の長い歴史の中では私塾で、江戸時代から、子供の教育というのはそこから始まっておるわけでございますが、先ほどもちょっと文部大臣がおっしゃいましたが、今の社会状況の変化で人々の生活それから人生観がだんだんと変わってまいりますと、この幼稚園の機能というものも大きな変化が今起きております。
 例えば、文部科学省の調査によれば、公立幼稚園では少し、若干取組が遅れておりますけれども、私立幼稚園では約九割の園で既に預かり保育が実施されています。以前は預かり保育というのは、幼稚園側ではそれは教育じゃないんじゃないかということで割と否定しておりました。しかし、今では相当積極的に預かり保育が行われておるというわけでございます。預かり保育が充実することによって幼稚園と保育所の機能の差が縮小しています。これは御承知のとおりでございますが。
 こうした中で、今国民の非常に高い関心を集めているのが幼保一体化の議論でございます。鳩山総理も施政方針演説の中で幼保一体化による保育サービスの充実というのを申されておりますし、子供の成長を担う御家族の負担を社会全体で分かち合う環境づくりと言われまして、その取り組む旨、明言されておられます。
 前政権のときには幼保一元化という言葉が多く使用されてきましたが、鳩山内閣では一体化という言葉で説明されております。まず、一元化と一体化ということ、似たような言葉でございますが、何か概念的な違いがあるのでしょうか、お尋ねいたします。
○副大臣(鈴木寛君) 鳩山政権におきまして昨年十二月八日に閣議決定されました緊急経済対策におきましても、幼保一体化を含めた新たな次世代育成支援のための包括的、一元的な制度について、平成二十二年前半を目途に基本的な方向を固め、平成二十三年通常国会までに所要の法案を提出すると、こういうことになっております。
 お尋ねの幼保一元化と幼保一体化についてでございますけれども、これまでも自治体の施設などでは幼保一体化施設といったような用語も使われてございまして、昨年十二月上旬の内閣府政策会議でいろいろな御議論もなされ、それを受けまして、現政権におきましては幼保一体化という言い方で統一をしているところでございます。基本的な考え方には特段の差異はございませんけれども、そうした整理をさせていただいているということで御理解をいただきたいと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、従来のこども認定園制度の在り方を更に、幼児教育、保育、総合的な提供の在り方ということを更に充実をさせながら検討をしていくという意味合いを込めて一体化ということで統一をさせていただいているということで御理解をいただきたいと思います。
○藤谷光信君 私も、一元化というとちょっと抽象的な、今から準備していくんだという雰囲気ですが、一体化という言葉からはぐっと具体的な、本当に一つになっていくんだという感じがして、いい言葉だなと思っておりますが。
 しかし、今の幼稚園と保育所は縦割り行政の中で、これはよく言われておりますけれども、一方は教育である、文部科学省だと、一方は福祉である、厚生労働省だということをみんな知っています。それで、その中で、今の一体化あるいは認定こども園の話がずっと前へ進んできているわけでございますが、やはりその歴史の中には、先ほども族議員という話が出ましたが、その中にもやっぱり幼稚園、保育園共にしがらみのある形で政治的な一つの流れというものがあったのは事実でございます。
 そういうしがらみを断ち切って幼保一体化を推し進めていくためには、行政、幼稚園、保育所の現場関係者あるいは保護者など、皆さんが納得して意見を同じくするようなグランドデザインを掲げることが重要であると思います。グランドデザインを描く中で最も重要なことは、親の都合や行政、また縦割りなどの都合や意向などではなくて、子供の立場に立ち、子供の利益を最優先にすることを明確にすることが必要だと思います。
 民主党は、かねてよりチルドレンファーストというのを理念として掲げております。本年一月に策定されました子ども・子育てビジョンにおいても、その最初に子供が主人公、チルドレンファーストを掲げております。
 この幼保一体化というのは、チルドレンファーストの考え方に照らしてその必要性が叫ばれながらも、今までなかなか実現に至らなかった経緯があります。拙速に施策を打ち上げるだけではなくて、現場に混乱が生じないように、ここでグランドデザイン、幼保一体化のあるべき姿のグランドデザインを文部科学大臣に御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) 長年、幼稚園を中心に子供の教育にかかわってこられた現場の思いを込めての御指摘でございます。
 かねがね、幼稚園は教育で保育所は福祉であると、担当の役所も違うということで、いろんな経過で議論もあったことは事実でございます。私たちは、まさにチルドレンファーストということで、まずは視点として子供の立場から見るというのがこれ大原則でございまして、そういう中で十八年十月から認定こども園というのができました。
 その制度ができて推進をしているんですが、やはりまだいろいろな課題をたくさん抱えているということでありますし、そういうことを踏まえる中で、先ほど申し上げました緊急経済対策での次世代育成支援のための新たな給付体系の検討と併せて、認定こども園制度の在り方など幼児教育、保育の総合的な提供、幼保一体化の在り方についても検討し、結論を得るというのが基本計画でも出されました。この閣議決定に基づきまして、今年の一月二十九日に子ども・子育て新システム検討会議が設置既にされておりまして、基本的にはこの会議が中心となって議論を進めていくことになりますけれども、そのときの、三月十一日に子ども・子育て新システム構築に当たっての基本的な考え方というのが提示をされました。
 大きくいえば子供の立場で考えるということであります。具体的に申し上げますと、一つは、就学前のすべての子供たちの質の良い成育環境を整えるとともに、質の高い幼児教育、保育を確保するという視点、要するに教育と保育と両方とも質を高く確保するということ、それから幼児期の教育と義務教育やその後の教育との円滑な接続の確保、それと仕事と家庭の両立が可能な環境を十分に整備するということでありまして、家庭、関係者、地域など大人社会が協調し合い、一体となって、すべての子供に対して質の良い成育環境の創造に努めるということ等々でございまして、子育て現場を支援する行政の即応性と柔軟性を高めるために、子供に関する施策の推進体制の一体化を図るとともに、総合的にすべての子供、子育て家庭への支援を行う子ども家庭省(仮称)の将来的な設置に向けた準備をすることというのを基本として、これを踏まえて議論することが重要だということで、現在精力的に会議を進めているところでございます。
○藤谷光信君 今、子ども・子育て新システム検討会議のことやら、それから三月十一日には作業グループの初会合が開かれたと聞いていますというのもございました。いろいろと子育てビジョンに従ってどんどん進められておるわけでございますが、平成二十三年に提出を考えておられる法案においては、幼稚園と保育所を維持したまま認定こども園を増やしていくところまで考えているのか、それとも幼稚園と保育所と区分をなくすことまで念頭に置いて考えられているのか、併せて御説明をお願いいたします。
○副大臣(鈴木寛君) 先ほども紹介させていただきましたけれども、緊急経済対策では、まさにその幼児教育、保育の総合的な提供、まさに幼保一体化の在り方について検討し、結論を得ると、こういうことになっております。まさに今、そこのところも含めて検討をしているところでございますけれども、ただいまも大臣からお示しをさせていただきましたけれども、そのときの視点はどういうことかといいますと、就学前のすべての子供たちに質の良い成育環境を整えるということと、それから質の高い幼児教育、保育を確保するという、それぞれの子供の状況に応じてそうしたことをきめ細かくやっていくという観点、それから幼児期の教育と義務教育やその後の教育との円滑な接続、これは先ほど委員が御指摘をされたところでございます。それから、仕事と家庭の両立が可能な環境を十分に整備をすると、そういった視点に立って、今の点をこれから議論を詰めていくということになろうかと思いますが。
 先ほど委員御指摘のとおり、やはり特にこの幼児教育あるいは保育というのは情熱というのが大事だというふうに私も思っております。まさに私財を投じてというお話もございましたが、そういう現場の方々が情熱を持って引き続きやっていただくような、そうしたことも踏まえながら十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○藤谷光信君 今まで長い歴史が幼稚園、保育所ありまして、それぞれ社会の要請に従ってやってきた歴史があるわけでございますので、大変御苦労と思うんでございますが、よく現場の声などに耳を傾けてしていただきたいと思っております。
 それから、チルドレンファーストというのはそのとおりと思うんでございますが、えてしていろんな、親とかその関係者とか保育関係にはいろんなものがかかわっておりますが、やはり子供が第一である、チルドレンファーストであるというのは基本でございます。
 しかし、このチルドレンファーストというのをよく考えたら、今のチルドレンをどうするかというのではなくて、このチルドレンが大きくなったときにどういう子供になるかというチルドレンファーストでないと、いいよいいよという、よしよし、かわいいかわいいというばかりでは日本の教育は私は駄目になると思うんですね。だから、少しは厳しいときがあってもチルドレンファーストである、子供第一主義だ、子供が中心主義だと。しかし、この子供たちの将来を考えたらこうすべきであるということを、どう言いますか、リーダーシップを発揮してやっていただきたいと思っております。
 それで、今、子ども家庭教育省についてもちょっとお話がありまして、子ども・子育て新システム会議では子ども家庭省のことが検討されるものと聞いておりますけれども、この新システム会議では、子ども家庭省の設置に向けて政府としてどのような今後のスケジュールをお考えになっておられますか、御説明をお願いいたします。
○副大臣(鈴木寛君) これも一月二十九日の閣議決定、子ども・子育てビジョンにおきまして、今お話がございました子ども家庭省(仮称)の検討など、省庁の在り方についても検討するということにはなっております。ただ、省庁再編ということでございますので、総理の施政方針につきましては、府省の編成全体については今年の夏以降検討に着手をするということでございますので、その中での議論というふうに考えているところでございます。
○藤谷光信君 大変大きな問題で、幼稚園、保育所の問題といったら教育の流れの中でごく一部のように思われますけれども、一番大切な基本でございますので、今までの歴史を踏まえて新しいやり方を見付けていただいて、慎重にひとつしていただきたいわけでございますが、今までのような縦割りという行政の都合で政策を進めるのではなくて、新しい公共、先ほど言いましたように、新しい公共という立場から、熟議を大切にする民主党政権においては、現場で働いている人たちの声、保護者の声などもしっかり耳を傾けていただきたいと思っております。
 それから、鳩山総理が一月二十七日の参議院予算委員会で、保育所に視察に行かれたときに、園長さんが私たちは一元化は反対ですとおっしゃられたという例を挙げておられました。現時点においては、幼稚園、保育所、双方の現場において幼保一体化に対する意見はばらばらのようでございます。これは鳩山総理が自ら保育所の意見を聞かれたわけでございますのでそれを御披露されたわけでございますが、まだまだそういう状況です。
 幼保一体化を進めることに当たっては、保護者の声はもちろんのこと、幼稚園、保育所、地方自治体の職員など、現場で幼児教育を担っている人々の意見を聞くことが非常に重要でございます。上から政策を押し付けることは、現場をいたずらに混乱させて、幼保一体化の理念の実現に支障を来すことになりかねません。
 それで、熟議ということで、幼保一体化を進める上で、この熟議の重要性について、大変大事なことだと思うのでございますが、お考えをお尋ねいたします。
○副大臣(鈴木寛君) おっしゃるとおりだと思います。
 文部科学省は、実はこの二月から「熟議」に基づく教育政策形成過程の在り方に関する懇談会というものも開催をいたしまして、現場における対話というものを大切にしていきたいという方向を出しているところでございます。特に、この幼保一体化の議論は、まさに現場の皆様方がある意味で一番よく分かっておられます、その抱えているニーズ、現状ということでもございますので、まさに直接国民生活にかかわる話でもありますから、この政策形成についてはまさに現場レベルの意見の吸い上げと自由闊達な議論による熟議を行うということが極めて重要だというふうに考えております。子ども・子育て新システム検討会議では既に、高井政務官も入りまして、その作業グループで公開での有識者ヒアリングも行っているところでございますけれども、この場でも様々な方々のヒアリングを行っていきたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにしても、これこそ熟議の下できちっとやっていくべき課題だというふうに思っているところでございます。
○藤谷光信君 前向きに取り組んでおられるわけでございますけれども、やはり政策が決定してから前に行くというのではなくて、熟議というのを重ねて、そしてさらに、情報を積極的に公開して、先ほども他の委員さんからもお話がございましたが、情報公開をしっかりしてやってほしいというのがありました。これはどの分野でもそうでございます。昨年行われました事業仕分が国民から大変な評価をされたのは、これまで密室で行われた議論が一挙にオープンになったことを歓迎したからでございます。オープンにすると政策を実行していく立場の人はかえって案外難しいところがたくさんあるわけでございますが、これは大変大事なことでございますから、苦しくても公開をして、政策の透明性を持ってやっていただきたいと思うわけでございます。
 それで、この幼保一体化につきましては本格的な検討がまだまだ始まったばかりでございますので、現場では、私たちは今後どうなるのかという不安の声がございます。先ほどの園長先生と同じでございますが、保育所の保育士さんからも、幼保一体化されると私たちはもう働けなくなってしまうのかという声もあります。また、幼保一体化の直接の議論とは離れてしまいますが、幼稚園の現場からは、民主党の掲げる教員養成課程の修士化についても、幼稚園の先生も修士号が必要になるのかと質問がありました。一度に大きな変化をするわけではないと思いますけれども、この幼保一体化とか教員養成課程の修士化、これも今から検討されるとは思いますけれども、現場で働く人々の不安というものは、情報がないからまたそういうふうな不安な声が出るわけだと思います。
 この幼保一体化に当たりまして、幼稚園教諭、保育士の資格の取扱いはどのように変化するのだろうか、また、教員養成課程を修士化した場合、幼稚園教諭についても修士号、今までは教諭として全部ひっくるめて同じでございましたので、修士号まで必要となるのか、現時点での方向性についての御説明をお願いいたします。
○副大臣(鈴木寛君) 委員よく御案内と存じますけれども、幼稚園は教員免許であります幼稚園教諭免許、そして保育園は福祉資格であります保育士資格、これを有する者を配置すると、こういうことになっております。
 今現在、両方の資格を持っている方が七割以上いらっしゃいます。特に、平成二十二年度以降、それぞれの資格を持っておられる方がもう一つの資格を取得する際の試験科目の免除の緩和策などを新たに実施すると、こういうことを決めているところでございますので、この両資格を取得する者は更に増えていくというふうに思っております。
 これからの資格の在り方についてでございますが、これはまさに今からの議論と。まさに幼保一体化の姿が見えてきませんと、ここを更に詰めて議論することはできないわけでございますが、今日冒頭からございましたように、やはり幼児教育というのはある意味で最も深遠なるものであって、その専門性というものも非常に大事であります。特に発達心理学とか一番難しいところがこの幼児段階と、こういうようなこともございますし、それから先ほどの御議論でもございましたけれども、これからは幼稚園は子供のことだけではなくて地域あるいは親に対する支援という機能も持っていくということで申し上げますと、幼稚園自体が果たさなければいけない機能というのはこれから更に高くなっていくということもございます。さらには、例えば哲学者のホワイトヘッドが最後にやったのが幼稚園の園長さんだとか、そういうお話もいろいろ民主党が教員の修士化をやっていく上でもございました。
 一方で、幼稚園の教員集団の中にそうした非常に専門性を持った優れたリーダーシップのある方が必要だという議論、これは非常に大事な議論だと思いますが、その一方で、現状、幼稚園の各子供を担当していただいている教員は短大卒業で二種免許を有しておられる方が大多数だと、こういう実態にあることもよく承知をいたしておりますので、これはトータルとして、幼稚園あるいは幼保一体化されたそうした施設においてどのような専門性をチームとして確保していくのかというようなことも議論しながら、その中で教員養成の在り方を考えていきたいというふうに思っているところでございますが、いずれにしても、これについては幅広く今日の御意見も、そして現場の熟議も踏まえて、これからじっくりきちっと議論していきたいというふうに思っておりますので、よろしく御指導のほどお願い申し上げます。
○藤谷光信君 相当突っ込んだ準備といいますか、進められているんだなという感じがいたしますけれども、情報公開とか、それからインターネットで公開するとか、あるいはそういうこともオープンに、そしてこの教員養成課程の修士化とか六年制とかちょっと独り歩きするところがありますので、やっぱりしっかりそれを、情報を皆さんに流していただきたいと思っているわけでございます。
 それから、今の認定こども園のことがちょっとございましたが、教育振興基本計画では二千件を目途にして準備をされました。認定こども園を二千園つくるということですね。ところが、三年を過ぎまして、二十一年四月時点でまだ三百五十八件、三百五十八園でございますので、この理由が、いろいろ聞きますと、やっぱりこの制度がよく分からないとかいう声がたくさんございます。行政からの情報提供、周知徹底が十分に行われてこなかったとの表れもあると思うのでございますが、単純なものではないんじゃないかと、いろんなことがあると思われておりますけれども、これには保育所と幼稚園の会計基準の差というのがありまして、学校会計基準というのは学校会計基準でありますし、保育所は保育所指針があります。また違うところがあるんですが、そういうことで、いろいろと三年間やってみた上でここが問題があるなと、こういう点がやらにゃいかぬとかいうことがあるんじゃないかと思っています。
 それで、安心こども基金の創設とかもありますが、現在、認定こども園の普及に向けて政府として取り組まれている施策についてお伺いいたします。
○副大臣(鈴木寛君) 御指摘のとおり、まだ現在認定件数三百五十八件でございます。平成十八年度にこの制度ができまして、十分に普及していないという御指摘はそのとおりだというふうに思います。
 原因といたしましては、認定こども園に通っておられる保護者あるいはそれをやっておられる施設からは高い評価はあるわけでありますが、もう既に御指摘いただきましたように、会計基準が、幼稚園の方は学校法人会計基準、そして保育園の方は社会福祉法人会計基準と、こういうことになっていたわけでございますけれども、その点については、平成二十二年の二月二十五日に学校法人会計基準を改正をし、この幼保連携型の認定こども園を運営する社会福祉法人については、学校法人会計によらないで、社会福祉法人会計基準による対応を可能とするというようなこともさせていただいております。
 それからもう一つ、やはり一番大きな理由は財政支援が不十分だということだというふうに理解をいたしておりまして、平成二十年度の補正予算で措置をされました安心こども基金による財政支援を今やっているところでございます。
 今後とも、こうした認定こども園に係る運用を一つ一つチェックしながら改善を着実にしてまいりますとともに、次世代育成支援のための給付体系の検討も併せてやってまいります。
 いずれにしましても、幼保一体化の在り方について検討してまいりたいと思いますので、よろしく御指導のほどお願い申し上げます。
○藤谷光信君 この幼保一体化という言葉の方がちょっと先行して、実態は一体化というのがちょっと後から付いていくようなところが、相当離れているような気がするんでございまして、これからもチルドレンファーストの理念に従ってしっかり取り組んでいただきたいと思っておるわけでございます。
 幼児教育の在り方につきましてはこれで質問を終わらせていただきまして、次に芸術文化の振興についてお尋ねをいたします。
 地方の芸術文化の振興と、文化芸術振興の第三次基本方針についてお尋ねをいたします。
 それで、子供の芸術文化体験の充実でございますが、平成二十一年十一月の内閣府の文化に関する世論調査によれば、住んでいる地域の文化的環境に満足している国民は約五割となっています。地域の文化的環境の充実に必要な事項として、約四割の国民が子供が文化芸術に親しむ機会の充実、三割の国民が地域の芸能や祭りなどの継承、保存を挙げています。子供の文化芸術体験の重要度に関する質問に対しましては、約九割の人が重要であると。子供の文化芸術体験に重要な事項として、六割の人が学校における公演などの鑑賞体験を充実させる、五割の人が地域の祭りなどの伝統的な文化体験の機会を提供するとあります。
 これちょっと具体的によく出てきたわけでございますが、子どものための優れた舞台芸術体験事業も予算としては限りがあるものでございますので、めり張りを付けて、現場にとってより使いやすく充実したものにする必要があると思うわけでございます。
 私は山口県でございますが、山口県では国の事業とは別に、県単独事業として、プロではない地元の劇団などによる学校巡回が実施されています。地方の劇団などが学校を巡回することは、劇団などにとっては活動の励みになり、子供にとっては生の芸術文化に触れる機会の拡充につながり、地域にとってはきずなの強化や活性化につながっているわけでございまして、文部大臣の当初に所信で言われたことが非常に如実にここに表れると私は思っております。
 それで、全国的に見ますと、地方の劇団などの発表の機会は東京などに比べると非常に少なくて、地方の住民は舞台芸術に触れる機会が少ないのが現状でございます。東京、この首都圏近郊ではいろんな劇団、プロもアマも盛んに活躍していますので、興味のある人あるいは見たい人は行けるわけでございますが、地方では、文部省の補助で学校に来たと、そういうときにたまたま見たというぐらいで、なかなか縁が薄いんでございますが、地方の劇団がたくさんあるわけでございますので、その国の子どものための優れた舞台芸術体験事業においても、学校を巡回するのは大変有意義なわけでございますので、地域の舞台芸術の活性化を考えて、各地域で活動しているプロや、プロではない舞台芸術団体が行う学校巡回公演事業に対しても、国が何らかの指導を行ってその普及、振興に努力する必要があると思うんでございます。
 演劇というのは、申し上げるまでもないんですが、非常に創造性の強いものでございまして、見る方も、それから演劇を作る方も、この創造力、例えばシナリオ、台本を読んだだけで、ああ、大体こういう芝居だなとか、こういう姿だとか、ここは面白いとかいうことが、これは相当ないわゆる創造力、クリエーティブなところがないとなかなかできないわけでございますので、それが大きなこの芸術活動、文化活動、あるいは子供たち、あるいは地域のきずなの基本になると、私はそれで演劇の効果というのは大変大きいと思っておりますが、そういうことにつきまして文部科学大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、学校を特に利用をして児童生徒たちにいろんな文化芸術に直接触れ合うということは大変大きな効果があり、評価も高いということは事実でございます。
 そして、仕分でもいろいろな議論がありましたが、そういう部分で、むしろ地方の自主性を生かして、地方がやることで余り国がどうこう言うものでないという御意見もありました。しかし一方では、やはりそういうものを子供たちに見せてやりたいと思っても、だれに頼んでいいのか、どこに言っていいのかも分からないというところもあります、周りにそういうようなものがないけれどもと。
 そういう意味で、文化庁では子供芸術体験活動の推進を取り組んできたんですけれども、全国の子供たちに小中学校において本物の舞台芸術や伝統文化に触れて、日ごろ味わえないような感動を味わってもらう、豊かな感性をはぐくむということで取り組んでいるんですが、国だけではなくて地方公共団体も積極的に取り組んでいただきたいということで、国はトップレベルの舞台芸術団体、地方は地域に密着した特色ある芸術団体の取組というのをメーンの受持ちにして、それぞれに対して役割分担を担う中で国として応援をしていきたいということで、子供たちのための優れた舞台芸術体験事業、学校の体育館等でオーケストラ、バレエ、演劇等の優れた舞台芸術や伝統文化を鑑賞する機会を提供する事業というのと、伝統文化こども教室事業というので、これはそういう芸術ではなくて、伝統文化に関する活動を計画的、継続的に体験、習得できる機会を提供する事業ということで、大きな柱の二本立てでやらしていただいておりまして、きめ細かく地域と役割分担しながら、地方公共団体には、国でこういうことを考えていて、こういう応援をするからということの、まだよく御存じでない部分もたくさんありますので、しっかり説明をしながら連携強化をして、各自治体でもまた積極的に取り組んでいただけるように促すことも含めて取り組んでまいりたいと思っております。
○藤谷光信君 学校の先生方に聞きますと、大規模校は大規模校で忙しくてなかなかそういう外部との折衝が難しいとか、あるいは小規模校では予算の問題で駄目だとか、一時は学校を巡回するものたくさんあったんですよ。それで、先ほど文部大臣もおっしゃいましたが、幼児教育の場面でも、だんだん社会が変わって時代が変わると様変わりがしていると、親の意識も変わっておるというように、こういう芸術文化の鑑賞活動、創作活動も、少し時代が、何かそういう煩わしいことはおいとけやと、こういうところがあるように思うんですよね。だから、しっかりここは、その芸術文化のあれは大切だということの視点からしっかり指導をしていただきたいと思っております。
 時間も余りありませんが、一方ではこの伝統文化の活性化、例えばお祭りの太鼓とか琵琶とか雅楽とか浄瑠璃とかそういうものが、仕上がった立派な謡曲のようなものでなくて、もっと素朴な、地方に伝わった太鼓とかあるんですよ。今ごろは太鼓は大きな、創作で曲ができて有名なリズムがありますが、そんなのでなくて、本当に田舎の太鼓とかあるんですが、だんだんそういうものが廃れていっています。
 私のところは、山口県岩国市というところは岩国音頭というのがあるんです。ハワイの方へ行きますと、盆踊りはボンダンスと言いますが、ボンダンスの最後は岩国音頭というのがあるんです。それは、山口県からたくさん移民が行っているからです。それで、山口県の東部の人、広島県の西部の人が必ず岩国音頭を踊る。「アラサンガ コリャドオコイトナー」と、こういうのがあるんですよ。それで、例えば江州音頭は江州音頭でしょう。河内音頭は河内音頭。これはもうメジャーなあれですから全国の人が知っていますが、地方の岩国音頭、まだほかにもたくさんあるでしょう、全国には。そういうものを、新しい公共という意味からもしっかりその辺のところを力をひとつ入れていただきたいと思うわけでございますが、そういう地域に根差した伝統文化。
 先日も、さっきの岩国音頭の話をちょっともう一つ言いますと、音頭取り、音頭歌いがいなくなったんですよ。たった今一人おじいさんがいるんです。地元の若い衆、この間集まりまして、若い衆が集まって、習おうじゃないかという声が上がった。私は偉いなと思って、どこからも補助金も出ない、だれも指導しないのに去年の夏からやっておるというふうに聞きました。それで、是非皆さん頑張りなさいよという話をしたんでございますが、そういうことの、地方の、地域に根差した伝統文化、伝統芸能についての振興策について、お考えがありましたらお尋ねいたします。
○委員長(水落敏栄君) 中川文部科学副大臣、時間ですので、簡潔に。
○副大臣(中川正春君) はい。
 御指摘のとおり、地域が一つのアイデンティティーを持って再編していく、元気を出していくという、その基本に先ほどのお話があるんだというふうに思っています。
 具体的には、今までやってきたものといいますと、いわゆる子供たちに対して伝統文化を計画的、継続的に体験、習得させる伝統文化こども教室事業、これが一つあります。それからもう一つは、都道府県が策定した計画に基づきまして保存団体が実施する伝承者の養成や用具等の整備等を支援するふるさと文化再興事業、この二つが既存のものでありますが、今回新たに、地域に伝わる伝統文化の活性化や復興等のための各地域の主体的な取組を支援する地域伝統文化総合活性化事業と、これを入れまして、使い勝手のいい形で更に総合的に進めていきたいということであります。
 ただし、いろいろな指摘の中でも、事業仕分でありましたように、なるべく地域がやる気を起こしていく、それを私たちが下から下支えしていく、あるいは国の役割としてまた違った切り口でそれを実現をしていくという、その観点が必要だというふうに思っておりまして、さらにこの資金の流し方あるいは対象については精査をしていきたいというふうに思っています。
○藤谷光信君 ちょっと時間が超過しましたので終わりたいと思いますが、別の機会にまた質問させていただきますけれども、大変地味な仕事ではあります。しかし、大変大事な仕事でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○山下栄一君 どうもお疲れのところ済みません。私で終わりでございます。
 三点質問、時間があれば三点したいと思っておりますけれども、まず初めは学校におけるいじめ問題でございます。
 今年も二月には、東京の中学二年生の女の子がいじめが原因で亡くなったと、これ報道されております。またあと、三月の鹿児島、一月の愛知県でもその可能性がないことはないという報道をされておるわけでございます。一月、二月、三月と、中学生男子、そして女子と。
 これは、最近だけではなくて、もうずっと続いている問題でございます。学校における人間関係と、生徒同士もありますでしょうし、先生との関係もあるかも分かりませんけれども、そういうことが原因で亡くなってしまうという、この事実は大変重たいんですけれども、相対的に対症療法で終わってきていると言わざるを得ない現状があるわけでございます。
 これは多分、警察が認定している数やと思いますけれども、児童生徒の自殺の状況ということで、原因はいじめだけやないと思います。しかし、これは、ずっと文科省の資料を見ますと、小学校、中学校、高校、小学生でもこの統計取り始めた昭和五十二年からずっとあるわけでございます。二十年度はゼロになっているんですけれどもね、小学生ですよ。あとはずっとございます。多いときで十四名とか、一年間で、小学生が命を絶つという、小学生でございます。平成二十年度で百三十六人と。人数でいうとそうなるんですけれども、物すごいことだなというふうに思います。
 今年の一月、二月、うちの公明党で、全国いじめ被害者の会、代表は大分県の佐伯市にお住まいの大澤秀明さんでございます。この方のお子さんが平成八年、一九九六年にいじめによって自殺したと。なぜ自殺したのかということを、全然納得いかないということで、学校、様々なところに訴えたわけですけれども、納得いくどころか納得いかないことがどんどん広がっていくと。それで裁判に訴えられるわけですけれども、最高裁で教育現場の安全配慮、学校には安全配慮義務があるんだという、こういう最高裁の認定がされたわけでございます。学校における安全保障といいますか、命をはぐくむ場が学校なのに、その学校が原因で命を落とすってどういうことだと、これはという、安心して学校に預けられるのかというわけでございます。
 このNPO法人、全国いじめ被害者の会は会員の方が五百名を超えておられるそうですけれども、もう一人一人が切実な問題を抱えて、そして具体的に事件が起きたので、この大澤さんを頼りにして、この方は大分県ですけれども、全国走り回ってそれに耳を傾けるという、もちろん文部省にも児童生徒課中心に、児童生徒課でしたですかね、対応されているとは思うんですけれども、全然納得されていないということでございます。
 うちの党でもこの話を、これ初めてではございませんけれどもお聞きして、これはちょっと、もう二十一世紀になって教育の重要性が叫ばれている中で、学校でそういう原因で亡くなるんだけれども、原因が分からない、究明すら中途半端になってしまうと、そういうことをお訴えされる言葉の重みは共有したいというふうに思います。
 それで、今国の方ではこの最高裁が認定した学校配慮義務、公立は特にそうだと思いますけれども、税金で設置され、もちろん国だけじゃないと思いますけど、そういうところで捜査の結果認定されたということはただ事ではないと。学校における安全配慮義務、これは給食でも、食物アレルギーで学校給食が原因で亡くなることもあるわけですけれども、どっちも責任があいまいになっていると。
 だけど、最高裁は、司法の場では認定されているわけでございます。学校に公的な、そういう設置者に義務があるんだと。そんな義務は、だけど法律には書いていないと、そういうことですけれども。
 最高裁の学校配慮義務違反だというこの認定について、行政当局としてどういう位置付けをされているかというか、この司法判断を、ちょっと確認したいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) いじめによる問題、とりわけ自殺に至るということは、本当にもう言いようのない胸の痛みと悲しみと同時に、行政にいる立場として、これは本当に大変なことであり、何とかしなければならないということは、長年この問題に取り組んできている山下先生始め、とりわけ公明党の先生方は熱心に御指導をいただいて、自公政権においてもいろいろ取り組んでいただいていること、思いは共有をしておるというふうに思っております。
 そういう中で、判例においてという前に、いわゆる法的に言いますと、学校については直接児童生徒の教育を実施する教育機関として、また教育委員会については学校の設置管理の責任を行う者として、それぞれ教育行政上の責任を有しております。
 学校設置者は、児童生徒の安全の確保を図るため、児童生徒に生じる危険を防止することができるよう、必要な措置を講ずるよう努めるものとするというのが学校保健安全法の第二十六条でありますが、これは「努めるものとする」ということでありましたが、先生御指摘のように、判例においては、学校や教育委員会には、学校における教育活動や生活関係における生徒の安全の確保に配慮すべき義務があるという、安全配慮義務があるという判例が出ておりまして、そういう意味では、学校側の教育活動においての教職員の故意過失があった場合には、地方自治体は国家賠償法第一条の損害賠償請求の対象となり得るということにつながっていくものだと認識をしておりまして、極めて重い責任を安全配慮義務ということで課せられているというふうに認識をいたしております。
 いずれにしても、こういうものがあるから、責任があるからという以前に、こういうことが起こらないように最大の施策を取ることは当然のことでありまして、それに加えて、こういう判例における解釈の下に、我々としてはしっかりと取り組まなければいけない責めを負っているというふうに認識をいたしております。
○山下栄一君 今例に挙げました大澤理事長も、まず学校ですね、担任の先生や校長先生、そして教育委員会、どうしてこうなったのかということのやっぱり対応が全然すっきりしない、言えば言うほどもう物すごいストレスがたまってくるような対応になってしまうと。
 教育行政機関でもある、行政機関でもある学校、最先端の行政機関であると思うんですよ、学校は。校長先生、行政機関やと思います。それを指導するのが教育委員会だと思いますけれども。人を育てる、はぐくむと同時に管理の責任を負っているという。
 行政で、一応公務員ということになってくると、どうしても責任を取るということについては非常に後ろ向きになっていってしまうと。これはもう教育委員会にも、どの部分に上がっていってもみんなそうだと。責任を取ってくれないと。何でですかと言っても、調査しますと言って調査も極めて不十分なまま。調査といっても非常に難しいと思うんですね、これは。こんなの調査し始めたら、警察でも何でもないわけですから、どこに原因があるんだというようなことも、一生懸命の先生でも限界があるような、そういうことだと思うんですね。だけど、引き受けた以上は、公的機関が、やっぱり最高裁がおっしゃるように安全配慮義務が法的にあるということは逃れようがないと。それ、嫌だったらそんなの引き受けるなと。これはとことん突き詰めたらそうなっていってしまうわけです。
 だから、しようがないから、もう調査しても分からぬから訴えるわけですね、司法の場で。相手は、相手というか、教育委員会、行政当局は控訴し、上告していくと。それで最高裁で決着付くという。これはどれだけのエネルギーと、もう嫌な思いしながら、だけれども、子供のために親は必死でその原因究明を追求するわけです。だけど、勝ち取っても別にまだすっきりしないんですけれどもね。
 これは、だから私は、一番大きな問題というのは、この最高裁の安全配慮義務という認識が現場にないと。現場にないというか、どこまであるんですかねと、市町村教育委員会、都道府県教育委員会、文部省と。最高裁ではこんなのとことん闘う人なんて少ないですからね。途中でもう泣き寝入りというか、友達に聞けば聞くほど何か学校に原因があるように思うけれどもと。というようなことやと思うんですよ。もちろん友達とか先輩の生徒なんかが逮捕される場合もありますけれどもね。それは警察の捜査によって分かっていくわけだと思いますけれども、そこに至らないで、原因分からぬままに、行政不服審査の手続もないと。この教育行政の、適用除外されていますから。みんな裁判所に訴えるのかと、こうなってしまうということでございます。
 今日、私は大臣と共有したいのは、私は、鳩山総理がこの一月の所信表明で、「いのちを守りたい。」と、ここから始まった所信表明をされました。新政権は命を守る政府だと、予算は命を守る予算だと、行政は命を守る行政だと、そういう宣言やったと思うんですよ。だけど、公立の学校でこういうことが起こって、もう当該保護者はいたたまれない気持ちが解消しないどころかどんどん広がっていると。先ほど、すべてがいじめとは言いませんけれども、学校におけるいじめが原因で、もちろん先生方もとことん対応されたかも分かりませんけれども、だけど設置した責任があると。ということだと思うんですよ、税金で設置しているわけですから。
 だから、学校における安全配慮義務という法的な義務があるんだというこのことを、私は鳩山政権は特にそのことを、子供の命を守るんだという宣言でもあったと思いますので、その観点から、最高裁においてとことん闘って、こういう判決が下りたことに対する判決の重みを受け止めて、やっぱり法的にちゃんと位置付ける必要があるんではないかと。
 先ほど学校保健安全法、これはたしか平成二十年に今おっしゃった、何条でしたか、入ったんやと思うんですよ、努力義務。四条ですか。これは学校保健安全法ということになっているんですけれども、学校教育の基本法である学校教育法にこのことをやっぱりきちっと明記する必要があるのではないかと。これは是非積極的に御検討いただいて、今日の質疑を生かしていただけたらなと。そうでないと、この問題はもう対症療法ばかりですわ。ある場合は文部科学大臣がマイクの前に立って全国の子供に呼びかけるとか、また法務省とか、もちろんそこそこみんな努力されていますけれども、何か責任が皆もうあいまいにして、うやむやにしてしまうと。これがもう全然この方々がすっきりしない原因やと思うんですね。
 最高裁が学校は安全配慮義務がある言うているんだから、それをどう位置付けるかということは、法制の中で位置付けないと、これはもう私は、教育行政は公正、適切にやったかな、教育基本法第十六条に書いてございますけど、公正ではないというふうに、現行の教育基本法です、思います。大臣の勇気ある御答弁を期待したいと思います。
○国務大臣(川端達夫君) 大事な御指摘をありがとうございます。
 先ほどのNPO法人全国いじめ被害者の会からも私もお手紙をいただいておりまして、そういう部分の中の思いとして言えば、今先生御指摘のように、最高裁まで争ってということまで大変な御苦労をされた思いはたった一つ、何が起こっていたのか、本当のことを知りたい。それが、二度と同じ思いを、同じようなことの目に遭う子供をなくすこと、そしてそのことによってつらい思いをする親や周りの人をなくすことというその一念で皆さんが活動されていることはもう痛いほど私も承知をいたしております。
 そういう中で、何が起こっていたのかということの真相を突き詰めるときに、先生御指摘のように、学校は責任者であると同時に当事者であるということで、まあ場合によってはもどかしい思いをこの保護者や当事者の皆さんは持たれることもたくさんあったというのも想像に難くありません。そして、私たちもそういう意味で、先生のときにもいろいろ取り組んでいただいた、いわゆるどうしても学校では不十分なときに第三者機関を通じて公正な真相に至れる調査ができないかというモデル事業も今も引き続き、川西市なんかの先進的な取組も参考にさせていただきながらやらせていただいております。
 そういう中で、また一方、法的に言えば、これも先生御指摘のように、学校に判例による義務があるんだというときのその学校現場の教員等々の任命権者は県であるという、まあちょっとずれているんではないかという問題の指摘も出ておりまして、そういう意味で、トータルとして、思いは、もう本当にこういうことが起こらないというために、不幸にして起こったことの真相により近づける仕組みと、そしてそれが大変重い学校現場の責めを負っているんだという自覚と意識の徹底ということに尽きるんだと思います。これが法的にどう担保することがいいのか、あるいはそれまでにももっと周知徹底をしっかりしろと、このいじめの被害者の会の皆さんからも安全配慮義務を大臣から厳しく通達をしてほしいという御要請もいただいております。総合的なことで、先生の趣旨を生かして幅広く真摯に検討を進めてまいりたいと思います。
○山下栄一君 だから、私は、学校教育法にやはり、最高裁がもう義務はあるんだと言っているわけやからね、それをちゃんと位置付けないと私はおかしいと思いますので、是非これはきちっと取り組んでいただきたいと要請しておきたいと思います。
 教員研修センターがございます。独立行政法人。その必要性についてはいろんな議論がありますけど、事業仕分の対象になったかも分かりません。こういう研修の場で全国の代表の方々が、これは国の主催で、参加の負担は自治体かも分かりませんけれども、全国の代表の方々が校長研修とかをされると、指導主事の。そういうところでこういう、学校には最高裁の判決で安全配慮義務があるんですよということをきちっとやっぱり研修の中ででも徹底するとか、そうしないと、知らないわけですから、学校に安全配慮義務なんて、あるなんていうことを全然自覚していないと。これはもうえらい話だと思います、私は。これ、最高裁でその義務があるや言うているわけやからね。親はやっぱり子供はすくすくと健全に育ってもらいたいために預けるわけですからね。それと正反対のことが起こっているということでございますので、それは研修の何かにもそれを工夫するとか。
 私は再発防止も、もうそれは再発防止ばかり言い続けてきているから、だから、ちゃんとやっぱり位置付けることによって、位置付けてどうなのかということもありますよ、確かに。だけれども、それはやっぱり文科省というか政府として一つの、命を守るんだという、それの表現として私はこれはやるべきだというふうに思います。今、大臣、それをお願いします。
 大臣のおっしゃった、私はもう兵庫県川西のオンブズパーソンはこれはもう大分前からちょっと勉強しておりまして、何度かこれを取り上げさせていただいて、今大臣もおっしゃったように、国も、国が応援すべきかどうかというのはありますけれども、今度は自治体でやれよという。
 条例を作って市町村レベルで、この川西以外でも三重県名張市とか福岡県志免町、北海道奈井江町、石川県白山市、岐阜県多治見市ではそういう条例を作って第三者機関をつくっている。これが、だから、なかなか広がらないですね、これ。だから、本気やないんと違うかなと私は思いますけれども。これは私は非常に優れた取組だというふうに思います。いろんな各地方議員さんの思いもあるかも分かりません。子供の人権を言った途端にびびっと走るような議員さんもいらっしゃいますので、反対の方に。
 というふうなこともありまして、だけれども、私は、これは取組のすごいところは、オンブズパーソンというのは弁護士さんとか大学の先生とか、それはもう本当に見識の、経験もある方々がオンブズパーソンだと。それを支える方々、事務局が物すごく大事なんですね。この方々が非常にソフトな調査をされるわけです。そして、親御さんの言うことを聞き学校の話も聞いて、学校と保護者は完全に対立します、こういうときは。親は責任ない言うし、それは学校やろ言うし、学校は親の責任や言うしね。対決になってしまうわけですわ。こうなったら感情的になってどないしようもないと。それを真ん中に立って聞いてくれる人がおる、これが物すごく大事なんです。聞くだけでも大分収まってくるんですよ。ちょっと言い方がおかしいかも分かりませんけれども、これはね。
 そういうことを持っていきようがないと。電話、いのちの相談も確かにあるんですけれども、そういう経験豊富で、児童養護施設とかまた大学院でそういうことを勉強して現場でインターンシップでやった人とか、そういう人が事務局のメンバーなんですよ。非常勤とかアルバイトでやっておられる。それは自治体はお金がありませんからね。オンブズパーソンはちょっとようけめの手当は出している、弁護士さんとか大学の先生やから。
 そういう仕組みで、これはもう何遍も私は国会でこんなことを言うているんですけれども、去年の四月でしたかな、この問題を塩谷大臣にも申し上げましたけれども、それなら文科省としても応援しますとおっしゃったんですけれども、聞いてみたら全然広がっていないということで、もうあきらめて自分で、今まで国の委託事業、研究事業でやっていたけれども、名張市とか北海道奈井江町なんかはもう自分でやっておられますけれどもね。というようなことになってしまっているんですね。だから、自治体でもなかなか広がらぬと。
 だから、こういう取組を、できたら現場にも行っていただいて、私はこの取組は本当に大事だと思う。勧告権とかいろいろありますねんけれどもね、勧告することに意味があるんやなくて、それまでの取組で納得されていって、それで学校と家も信頼感が、ああ、そういうことをお互いに誤解していましたねというようなことで近づいていったりするんですね。だから、そういう、こんな取組も私は物すごく大事だなということを川西の、神奈川県の川崎でもやっておられますけれども、是非御検討をいただければと思います。
 これは委託研究でずっとやっていただいているんですよ、確かに。だけれども、もうちょっと、国がどこまでやるかということはいつも事業の仕方で問題になりますけれども、是非これはやっぱり国がリーダーシップを取ってもうちょっとやってもらった方がいいのかなというふうに思いますけれども、どうでしょうか。大臣、済みません。
○国務大臣(川端達夫君) 長年取り組んでいただいて本当に現場の実情をつぶさに承知されての御意見でございまして、一々納得することばかりでございまして、先ほど言われました安全義務に関しての部分は学校現場にもっとしっかり周知するようにということは、いろんな機会を通じて取り組んでまいりたいというふうに思います。
 加えまして、今、川西始め全国何か所かで自治体が本当に熱心に、しかも形だけではなくて地域住民を巻き込んで、これは応援があるからうまくいくんだという、理解と応援があるからうまくいくんだという、こういう実践例があるし、これはモデル事業として支援をさせていただいているんですが、なかなか一気に広がらないという現状も正直言って事実であります。
 やはり当事者、これは、地域を巻き込んだ学校関係のいろんな仕組みは我々としては紹介をすることはできるんですが、先生も御指摘のように、その中で本当に熱心に真剣に取り組まれる人がリーダーという形でおられるとうまくいくんですが、仕組みだけ言っても人がいないとなかなかうまくいかないという実情がありますので、事例として、こんなことで頑張って成果を上げて、その案件だけではなくて地域と学校がより強固な信頼がはぐくまれるようなことにもつながっているということは、もっともっとみんなに知っていただくことも含めて、応援をしてまいりたいと思います。
○山下栄一君 先ほどちょっと申し上げましたが、これは学校給食でも同じようなことがありまして、学校給食法、そして健康増進法ですか、健康増進法は厚労省なんですね、給食法は文科省なんですけれども。
 これも法律を読めば読むほど、学校給食で食物アレルギーで亡くなってしまうようなことが、もちろん医療のいろんなことがあってやっているんですけれども、ガイドラインとかいうのが多いんですわ。結局、それをやるかやらぬかはもう現場任せになってしまっていると。管理栄養士さんの責任、もう管理栄養士さんは責任感じて一生懸命走り回っているんやけれども、場合によっては委託、丸ごと学校を民間委託している場合もあるというようなことがあって、この食べ物アレルギーの献立チェックは、これは政令でしたか、責任があるんですけれども、ところが、これもちょっと責任がうやむやになってしまうようなことになっておりまして、結局だれが責任取るんだと。これも同じ安全配慮義務になっていくんですわ、裁判でいったら。
 そんなことになってしまっていまして、やっぱり官僚機構の問題点かも分かりませんけれども、公務員の世界じゃそういう面が確かにあると思うんですね。結局だれが責任取るのかなという感じで、学校も教育委員会もとなってしまうようなことがあるのかなと思いますけれども。
 同じようなことで、やっぱり公立の学校におけるこういう問題、非常に微妙ですしセンシティブですし、多感なまた中学生、高校生ですから難しい面があるんですけれども、微妙な問題ありますけれども、この最高裁の判決は余りにも重いという観点からの法制の見直しを、特に私は、学校教育法に位置付けないと、給食もほかの保健もちょっと学校教育の基本法たる学校教育法、そこに位置付けてもらいたいと。
 次の質問に、時間がちょっとなくなってきましたけれども。
 先ほども話出ていましたけれども、この無償化の話なんですけれども、これ私ちゃんと議論する必要があるなと感じます。
 鳩山総理はこのように表現されました。所信表明で、「すべての意志ある若者が教育を受けられるよう、高校の実質無償化を開始します。」という言い方をされました。川端大臣は、この前、三月十一日でしたかね、所信表明のときにこうおっしゃっております。「公立高校の授業料は不徴収、私立高校等では就学支援金を支給することにより高等学校を実質無償化することとし、」という表現をされております。
 私は、この高校実質無償化という言葉、これは総理も使われましたし川端大臣も使われているんですけれども、高校実質無償化ってどういうことかなということがちょっと分かりにくいですねというふうに思うんですね。
 まず、論点の一つは、義務教育の無償化という言葉は憲法に書いてあると。無償という言葉は、法律は、義務教育の教科書の無償化にもちろん出てくるんですけれども、ほかは一切出てこないんじゃないかと思うんです。無償という言葉は一体どういう意味ですか。これは無料とかいう意味やと思うんですけれども。自己負担なしということかなと思いますけど。
 昭和二十二年なんですよ、これ。授業料を徴収しないいうて教育基本法にも書き、学校教育法にも書いたのは昭和二十二年ですね。今からもう六十何年前の話ですねと。だけど、今義務教育の話ですけれども、義務教育ということは、今は小中ですから。小中は、具体化する法律は授業料を徴収しないと言っているんですね。六十年間ずっと授業料だけですかと。この無償化の幅をもうちょっと、もう六十年もたってんねんやから幅広げたらどうですかという議論をちゃんとする必要があると思うんですよ。それを今度はまた高校は授業料不徴収と。また授業料ですかと。
 これは義務教育そのものの憲法規定の無償というのはもうちょっと広げるべきか広げるべきでないかというようなことをきちっと中教審等で議論をすべきだと思うんですわ。昭和二十二年から授業料だけですわと。教科書は、大臣、財務省はいつもこれ、もうカットすると言うんですよ。教科書で、これは検定教科書になっているんですよ、これ。だから、もうちゃんとこれは無償の幅の中に入れてしもうて、少なくとも教材でも教科書なんやから、せめてそれぐらいはやったらどうですかねと。
 高校は入学金もまたあります。公立ですよ、これ。入学金って一体何なんですかと。入学金の文化というのはちょっと日本、アジア独特らしいんですけど、そんなものほかの国で取っているんですかねということなんですけど。小中はそんなのないですわね。だけど高校は今も厳然と、これからもまだ、この法律通っても入学金はあるんですよ。どうしますかということになっているんですけど。
 だから、まず義務教育の方ですよ、高校と違いますからね。義務教育の方の無償化の幅は相変わらず授業料だけでいいんですかというこの辺の議論をやっぱりしかるべきところでちゃんとやる必要があるんじゃないかと。そうでないと、実質無償化という言葉が何か空虚な言葉になるんですよ。元々の義務教育の無償化ということの議論を余りせぬままに実質無償化と言っても何も意味はないなと、高校の方ですよ。
 だから、無償化の幅をどうするかということの、義務教育です、小中の、これをやっぱりちゃんと議論する必要があるかと思いますけど、ちょっと御見解をお聞かせください。
○国務大臣(川端達夫君) 義務教育の無償の部分で、いわゆる憲法二十六条ですか、すべての国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とすると。この無償というのはどういう意味かということがいろんな議論がありました。
 法解釈的には、昭和三十九年二月二十六日の最高裁の判決で、憲法二十六条二項後段の、義務教育はこれを無償とするという意義は、国が義務教育を提供するにつき有償としないこと、換言すれば、子女の保護者に対し、その子女に普通教育を受けさせるにつき、その対価を徴収しないことを定めたものであり、教育提供に対する対価とは授業料を意味するものと認められるから、ここからですね、同条項の無償とは授業料不徴収の意味と解するのが相当であると、そして云々で、それゆえ憲法の義務教育は無償とするとの規定は、授業料のほかに教科書、学用品その他教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものと解することはできないということで、判例としては、授業料不徴収の意味と解するのが相当というのが判例では出ているわけですね。これは法的判断で、政策判断としてはそれだけで済むのかということで、教科書の問題とかいろんな学用品とかの分をそうしたそれは、特に低所得者に対しての政策としての奨学金にしようとか、いろんなことがやられてきた経過があります。
 そういう意味では、法解釈としてある種大上段に無償化だからという話は、なかなかそういう議論は今至らずに、まさにその部分でいえば、現実政策判断としていろいろ拡大をされてきた。それは、義務教育はそういう憲法での定めであります、まさに義務でありますので、あらゆるそれこそ子供が、日本国民が義務教育の学校に行きたいと言えば受け入れねばならないという義務をまさに国は負っていますから、定員も含めて全部を受け入れるということになっています。
 高校教育は義務教育ではありませんので、その意味でいうと、私学が三割ぐらい役割を担っていただいているという状況の中で、義務化するつもりは我々もないわけですが、そういう中で、義務教育と同じような意味での授業料を対象とすれば、公教育においては授業料が不徴収という意味では、義務教育と同じようないわゆる無償とするという概念とそこの部分は一致するのではないかと思いますが、私学の部分もありますから、そういう意味では実質無償化に近づいていっているという意味で、厳密に無償かと言われたら、そうでない部分も間違いなくありますので、そういう位置付けの中で取り組んで、こういう法律を今御審議をこれから参議院においてはいただこうと思っているところでありまして、本来の義務教育の部分は引き続き、やはりいろんな経済的な事情等々で困難を極める人もおられるという状況の中ではきめ細かく対応していくものだと理解をしております。
○山下栄一君 今度の、ちょっと法案審議はまた後の話なんですけど、高校の授業料を徴収しないということに踏み込まれましたので、そうやったらもうちょっと、あれ国税でやるわけですからね。国と地方の役割分担の上で義務教育の国庫負担は国を減らして地方に行くというようなことに、四年前でしたか、あのときもせんど議論したんですね、この国と地方の。教育行政なんですよ、これはね。教育行政の在り方、国と地方の役割分担のふうになっていったわけです。
 その幅も、それは昭和三十九年の今の、もう四十五年もたっている前の判決ですからね。それが相当やっぱり文明も進み、経済環境も変わってきているんだから、義務教育そのものも授業料をもうちょっと、そのままでいいんですかねという問題提起はちゃんとやっぱり真正面から据えて、余り議論せぬままに高校まで行ってしまうから、ちょっと私は不自然だなと。そんなこと言うんやったら、まず義務教育の方の無償化の方が、今のままでよろしいんですかということの議論をちゃんと、そして国と地方の役割分担も、いったん地方にやりましょうかいうて、財源が厳しいからいうて四年前言ったのに、今度は高校はまた全額国で言うているから、非常に整合性がないような議論になってしまっているねと。
 だから、憲法二十六条の趣旨を体して、まず義務教育の無償の範囲なり、そして国と地方の役割分担も、高校もそんなことするんやったら、もっと国、もうちょっと義務教育ちゃんとやれよみたいな議論になるかも分かりませんからね。前政権はそうやったかも分からぬけど。というようなことになってくるので、これはやっぱりちゃんと義務教育、小中の方の議論をちゃんとすることが私は大事なことやなと。本当はそれやってもらってからこの法律出してもろうたら有り難いなと思ったんですけどね。そういう問題なのではないかと。
 そういうことでは、総理と大臣のお言葉の高校実質無償化ということは、そうしたら私学どうなるんですかねと、今おっしゃったように。フィンランドとかあっちの方はほとんど公立なんですよ。私学ほとんどないから。だから、ヨーロッパの方は確かに人権規約でそうかもしれぬけど、そんなところ比べる基準が違うと。私学が三割以上ある国とほとんどない国と比べても、そんなの意味ないねんというようなことも含めて、これは丁寧にちゃんと、私学は徴収するわけですからね。公立は徴収しない、私学は徴収します、だけれども応援しますいうのが就学支援金やと思うんですよ。
 それが実質無償化ということと、高校も実質、公立とおっしゃってないんですよ。野党のときの法案はそうおっしゃっていたんですけどね。今度はそういうふうに書いてないからちょっと余計分からへんなということがありまして、この辺は丁寧にきちっと議論しないと、言葉だけが実質無償化ばかり、それなら高校も義務教育になるんですかみたいな話に一遍に飛んでいってしまったり、大臣おっしゃったように、高校の義務教育なんて考えていませんよという、それはもう大事な話なんですけどね、というふうになってしまうなと。
 したがいまして、この無償化という言葉をもうちょっと丁寧に使ってもらう必要があると思いますし、高校実質無償化いうたら私立はどうなるのかないうようなことも、そういうことも踏まえての御提案やとは思いますけれども。あと、国と地方の役割も、そういう論点が、やっぱりきちっと整理しながらこの無償化問題は、だから負担を軽減するだけやからいいやないかという議論は余りにも乱暴だねと。きちっとやっぱり中教審で議論して、そして在り方を、四年前のときはあれだけ大激論をして、中教審でも、全国、団体、巻き込んでやられ、国費の負担割合を減らすときはですよ、今度は増やす話だからもうええやないかということになるかも分かりませんけれども、それはちょっとそうじゃないのと違いますかねと。教育行政の在り方にまで影響を与える、そういう問題提起なんですよという位置付けでこの法案の審議をやるべきではないかというふうに思っているんですけれども、何かございましたら。
○国務大臣(川端達夫君) 高校の実質無償化という言葉自体が、よほど丁寧にわきまえて使わないと、いろんな別の解釈をされたりすることの御指摘は、そういう部分はなきにしもあらずでございます。慎重に使うようにはさせていただきたいし、いろんな形で説明をしていきたいと思います。
 また、言われましたように、いわゆる三位一体改革にも関連しての、二分の一、三分の一の大激論がございました。そういう部分の国と地方の教育における財源あるいは権限の在り方については、ずっと引き続きの課題だと思っております。
 民主党の事業仕分の中では、これをいま一度見直せという御指摘もいただいております。これは別に仕分だけではなくて、国民的、関係者を含めた大きな議論としてこれからも引き続き我々も検討してまいりたいと思いますし、またいろんな御提言もいただければ有り難いというふうに思っています。
 そして、義務教育の無償に関しては、昭和三十九年の判例は判例でありますけれども、実態としては随分変化していることの中で、トータルとして、要保護世帯、準要保護世帯に対する施策はあるんですけれども、そういうことも踏まえながら、トータルとしてどういう形がいいのかということは大変大事な御指摘だと思って、これからも、後先、そっちが先だというよりも、並行してまた議論はさせていただきたいと思っております。
○山下栄一君 この無償化の範囲の中に、教科書の扱いなんですけれども、教科書はこれいつも、今は、新しい財務省は違うかも分かりませんけど、あっ、財務大臣か、これはもう常に予算カットの話が出ていて、文部省は闘ってきたと思うんですけれども、これは別の法律で、これは無償化という言葉を使った法律になっているわけですわね。ただ義務教育の教科書の無償化なんですけれども。だから、昭和三十九年の判例は授業料に限定しているのかも分かりませんけれども、授業料プラス教科書ぐらいは、ぐらいはと言ったらおかしいですけれども、そういうこともちゃんとやっぱり検討したらどうかなと。菅大臣も賛成するのと違うかなと思うんですけれどもね。何か御見解がございましたら。
○国務大臣(川端達夫君) いわゆる義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律ということに基づいてやらせていただいているんですが、この部分には財務省はコメントはありませんので、一応この制度をしっかり維持していくという前提でこれからも進めてまいるという所存でございます。
○山下栄一君 だから要するに、憲法と教育基本法の関係なんですけれども、憲法は無償と言っていると。それを受けた教育基本法は授業料不徴収と言っていると。それをそのまま学校教育法受けているわけですけれども、それをちょっともう見直す時期じゃないかという問題提起でございますので、もちろん法律別に作って、分かっていますけれどもね。義務教育の考え方の無償の中にちゃんと位置付けて、別の法律作るんじゃなくて、授業料だけに限定しない、そういう考え方もやっぱり御検討していただく必要があるかなというふうに思いましたので申し上げました。
 時間が参りましたので、以上で終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会