第176回国会 本会議 第1号
平成二十二年十月一日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第一号
  平成二十二年十月一日
   午前十時開議
 第一 議席の指定
 第二 常任委員長の選挙
 第三 会期の件
 第四 国務大臣の演説に関する件
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○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、元議員多田省吾君逝去につき哀悼の件
 一、常任委員長辞任の件
 一、日程第二
 一、特別委員会設置の件
 一、日程第三及び第四
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○議長(西岡武夫君) 第百七十六回国会は本日をもって召集されました。
 これより会議を開きます。
 日程第一 議席の指定を行います。
 議長は、本院規則第十四条の規定により、諸君の議席をただいまの仮議席のとおりに指定いたします。
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○議長(西岡武夫君) さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員多田省吾君は、去る九月四日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 同君に対しましては、議長は、既に弔詞をささげました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに法務委員長 運輸委員長の重任にあたられました 元議員多田省吾君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
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○議長(西岡武夫君) この際、常任委員長の辞任についてお諮りいたします。
 内閣委員長柳澤光美君、外交防衛委員長田中直紀君、文教科学委員長水落敏栄君、経済産業委員長藤原正司君、国土交通委員長牧野たかお君、環境委員長山谷えり子君、国家基本政策委員長溝手顕正君、決算委員長神本美恵子君、行政監視委員長伊達忠一君、懲罰委員長松村龍二君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
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○議長(西岡武夫君) 日程第二 常任委員長の選挙
 これより、欠員中の総務委員長、厚生労働委員長、農林水産委員長及び予算委員長並びにただいま辞任を許可されました常任委員長の選挙を行います。
 つきましては、常任委員長の選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 内閣委員長に松井孝治君を指名いたします。
   〔拍手〕
 総務委員長に那谷屋正義君を指名いたします。
   〔拍手〕
 外交防衛委員長に佐藤公治君を指名いたします。
   〔拍手〕
 文教科学委員長に二之湯智君を指名いたします。
   〔拍手〕
 厚生労働委員長に津田弥太郎君を指名いたします。
   〔拍手〕
 農林水産委員長に主濱了君を指名いたします。
   〔拍手〕
 経済産業委員長に柳澤光美君を指名いたします。
   〔拍手〕
 国土交通委員長に小泉昭男君を指名いたします。
   〔拍手〕
 環境委員長に北川イッセイ君を指名いたします。
   〔拍手〕
 国家基本政策委員長に鴻池祥肇君を指名いたします。
   〔拍手〕
 予算委員長に前田武志君を指名いたします。
   〔拍手〕
 決算委員長に鶴保庸介君を指名いたします。
   〔拍手〕
 行政監視委員長に末松信介君を指名いたします。
   〔拍手〕
 懲罰委員長に大石尚子君を指名いたします。
   〔拍手〕
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○議長(西岡武夫君) この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 災害に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る災害対策特別委員会を、
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立に資するため、委員二十名から成る沖縄及び北方問題に関する特別委員会を、
 政治倫理の確立及び選挙制度に関する調査のため、委員三十五名から成る政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を、
 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を、
 政府開発援助を始めとする国際援助・協力に関する諸問題を調査するため、委員三十名から成る政府開発援助等に関する特別委員会を、
 また、消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため、委員二十五名から成る消費者問題に関する特別委員会を、
それぞれ設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、災害対策特別委員会外五特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
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   議長の指名した委員は左のとおり
○災害対策特別委員
      相原久美子君    加賀谷 健君
      高橋 千秋君ツルネン マルテイ君
      轟木 利治君    友近 聡朗君
      平山 幸司君    平山  誠君
      吉川 沙織君    青木 一彦君
      加治屋義人君    金子原二郎君
      佐藤 信秋君    佐藤 正久君
      山崎  力君    若林 健太君
      秋野 公造君    山本 博司君
      上野ひろし君    山下 芳生君
○沖縄及び北方問題に関する特別委員
      石橋 通宏君    岩本  司君
      金子 恵美君    行田 邦子君
      今野  東君    田城  郁君
      外山  斎君    山根 隆治君
      猪口 邦子君    宇都 隆史君
      島尻安伊子君    中川 雅治君
      長谷川 岳君    橋本 聖子君
      古川 俊治君    木庭健太郎君
      横山 信一君    江口 克彦君
      紙  智子君    山内 徳信君
○政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員
      足立 信也君    植松恵美子君
      梅村  聡君    大河原雅子君
      小見山幸治君    芝  博一君
      田中 直紀君    辻  泰弘君
      中村 哲治君    長浜 博行君
      藤末 健三君    藤本 祐司君
      舟山 康江君    松井 孝治君
      松浦 大悟君    松野 信夫君
      愛知 治郎君    石井 準一君
      磯崎 仁彦君    岩井 茂樹君
      岡田 直樹君    岡田  広君
      佐藤ゆかり君    西田 昌司君
      藤川 政人君    丸山 和也君
      宮沢 洋一君    吉田 博美君
      荒木 清寛君    長沢 広明君
      西田 実仁君    小野 次郎君
      桜内 文城君    井上 哲士君
      藤井 孝男君
○北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員
      有田 芳生君    川合 孝典君
      川上 義博君    榛葉賀津也君
      西村まさみ君    白  眞勲君
      広野ただし君    増子 輝彦君
      横峯 良郎君    衛藤 晟一君
      関口 昌一君    塚田 一郎君
      丸川 珠代君   三原じゅん子君
      山谷えり子君    浜田 昌良君
      柴田  巧君    中山 恭子君
      亀井亜紀子君    森田  高君
○政府開発援助等に関する特別委員
      大久保潔重君    大島九州男君
      大塚 耕平君    風間 直樹君
      神本美恵子君    小西 洋之君
      武内 則男君    那谷屋正義君
      中谷 智司君    姫井由美子君
      藤谷 光信君    藤原 正司君
      藤原 良信君    牧山ひろえ君
      赤石 清美君    有村 治子君
      岩城 光英君    大家 敏志君
      川口 順子君    中村 博彦君
      野上浩太郎君    浜田 和幸君
      福岡 資麿君    松山 政司君
      水落 敏栄君    魚住裕一郎君
      竹谷とし子君    小熊 慎司君
      荒井 広幸君    吉田 忠智君
○消費者問題に関する特別委員
      江崎  孝君    大久保 勉君
      大久保潔重君    金子 洋一君
      今野  東君    斎藤 嘉隆君
      谷  博之君    谷  亮子君
      難波 奨二君    前川 清成君
      安井美沙子君    石井みどり君
      上野 通子君    片山さつき君
      中西 祐介君    藤井 基之君
      牧野たかお君    松村 祥史君
      森 まさこ君    山田 俊男君
      谷合 正明君    山本 香苗君
      松田 公太君    大門実紀史君
      福島みずほ君
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○議長(西岡武夫君) これにて休憩いたします。
   午前十時十分休憩
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   午後三時一分開議
○議長(西岡武夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第三 会期の件を議題といたします。
 議長は、今期国会の会期を六十四日間といたしたいと存じます。
 会期を六十四日間とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(西岡武夫君) 総員起立と認めます。
 よって、会期は全会一致をもって六十四日間と決定いたしました。
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○議長(西岡武夫君) 日程第四 国務大臣の演説に関する件
 内閣総理大臣から所信について発言を求められております。これより発言を許します。菅内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(菅直人君) 国民の皆さん、国会議員の皆さん、菅直人でございます。六月に政権を担って四か月、九月に民主党代表に再選され、党と内閣の改造を行い、政権を本格稼働させる段階に入りました。有言実行内閣の出発であります。
 何を実行するのか。一言で申し上げれば、これまで先送りされてきた重要政策課題の実行です。経済低迷が二十年続き、失業率が増加し、自殺や孤独死が増え、少子高齢化対策が遅れるなど、社会の閉塞感が深まっています。この閉塞感に包まれた日本社会の現状に対し、どの政権に責任があったか問うている段階ではありません。先送りしてきた重要政策課題に今こそ着手し、これを次の世代に残さないで解決していかなければなりません。それが有言実行に込めた私の覚悟であります。
 解決すべき重要政策課題は、経済成長、財政健全化、社会保障改革の一体的実現、その前提としての地域主権改革の推進、そして国民全体で取り組む主体的な外交の展開の五つであります。本日は、この五つの課題について、私の考えを申し上げます。
 まず最初の課題は、経済成長です。国内消費を取り巻く状況には厳しいものがあります。需要が不足する中、供給側が幾らコスト削減に努めても、値下げ競争になるばかりで、ますますデフレが進んでしまいます。これでは景気は回復いたしません。供給者本位の視点から消費者の目線に転換することが必要です。
 消費も投資も力強さを欠く今、経済の歯車を回すのは雇用であります。政府が先頭に立って雇用を増します。医療・介護・子育てサービス、そして環境分野、潜在的需要のある仕事はまだまだ存在しております。これらの分野をターゲットに雇用を増やす、そうすれば、国民全体の雇用不安もデフレ圧力も軽減されます。消費が刺激され、所得も増えます。その結果、需要が回復し、経済が活性化すれば、更に雇用が創造されます。失業や不安定な雇用が減り、新しい公共の取組なども通じて社会の安定が増せば、だれもが居場所と出番を感じることができる、そういう社会になります。こうした成長と雇用に重点を置いた国づくりを新設した新成長戦略実現会議で強力に推進してまいります。
 そのため、まず、今から来年度に向けて三段構えで成長と雇用に重点を置いた経済対策を切れ目なく推進してまいります。
 既に、その第一段階、急激な円高・デフレに対する緊急的対応を実行に移しています。
 政府、日銀は為替介入を実施いたしました。今後も必要に応じ、断固たる措置をとります。また、即効性のある雇用対策に重点を置いて予備費約九千二百億円を執行します。特に、新卒者の就職に力を入れます。仕事を探す側、雇用する事業者、双方の負担を軽減し、ワンストップで雇用をつなぐ仕組みを全国的に展開します。さらに、低炭素産業の新規立地を補助して雇用を守る取組や、地域の雇用をつくる取組も盛り込みました。日銀に対しては、政府と緊密な連携を図りつつ、デフレ脱却の実現に向け、更なる必要な政策対応を取ることを期待をいたしております。
 そして、デフレ脱却、景気回復を軌道に乗せるため、今国会での補正予算の編成を含め、第二段階にいよいよ入ります。中身が重要です。野党からの提言も踏まえ、五つの柱から成る大枠を提示をいたしました。
 第一の柱が雇用・人材育成、第二が新成長戦略の推進、第三が子育てや医療・介護・福祉、第四が地域活性化、社会資本整備と中小企業対策、第五の柱として規制・制度改革に取り組みます。
 例えば、再生可能エネルギーの利用拡大に向け、全量買取り制度の円滑な導入を目指すとともに、大規模太陽光発電や新エネ・省エネ設備に係る規制を緩和いたします。日本を国際医療交流の拠点とするため、ビザや在留資格の取扱いを改善します。さらに、雇用創出効果の大きい国内立地促進策を新設した円卓会議で早急にまとめます。いずれも国民生活に直結する課題です。与野党間で意見交換を進め、補正予算を含め、合意を目指したいと思います。
 第三段階は、既に作業を始めている来年度予算編成と税制改正です。
 予算編成では、元気な日本復活枠も活用し、需要創造や雇用創出を強化します。法人課税については、税制の簡素化、海外と比較した負担といった観点から、年内に見直し案を取りまとめます。ものづくりでもサービス産業でも、業種を問わず、新しい需要を引き出し、豊かで安心な暮らしを実現するイノベーションを起こすことが重要です。この観点から研究開発や人材育成も強化します。
 改めて申し上げます。今国会の最大の課題は、第二段階である経済対策のための補正予算の成立です。与野党間での建設的な協議に心から期待をいたします。そして、切れ目なく第三段階に進み、新成長戦略の前倒し実施により、日本経済を本格的な成長軌道に乗せていきたいと考えます。是非とも、御理解、御協力をお願い申し上げます。
 二番目の重要政策課題は、財政健全化です。現在の財政状況を放置すれば、どこかで持続できなくなります。政府は、六月に財政健全化の道筋を示した財政運営戦略をまとめました。二〇一五年度までに基礎的財政収支の赤字を対GDP比で今年度の半分にし、二〇二〇年度までに黒字化を達成するものです。大変高い目標ですが、成長と雇用拡大を実現しながら、一歩ずつ達成を目指します。
 最初の一歩が、無駄の徹底した削減を含む来年度予算の編成です。昨年は、四百四十九の事業仕分をし、約二兆円の財源確保を実現いたしました。引き続き、強力に無駄の削減を徹底します。そもそも、財政がいかなる状況にあろうと無駄は許されません。事業仕分を特別会計に広げるなど、幅広く事業を見直します。マニフェスト実現には引き続き誠実に取り組みます。財源の制約などで実現が困難な場合は、国民に率直に説明し、支給の方法や対象を含め、国民が納得できる施策に仕上げてまいります。
 歳出見直しは、単に切り詰めることが目的ではありません。行政が利用者の視点に立ってサービスを提供し、より効率的に奉仕する体制にすることが重要であります。公務員制度の改革もこの目標を共有しています。国家公務員の総人件費の二割削減と併せ、一体的に取り組んでいきます。また、国の出先機関の統廃合を含め、各府省の機構や定員をスリムにします。公務員諸君に改めてお願いを申し上げます。行政のプロとして皆さんの心構えが問われているということを申し上げておきたいと思います。
 三番目の重要政策課題は、社会保障改革です。社会保障制度がしっかりしなければ、国民の将来に対する不安はぬぐえません。この不安が消費の低迷、経済の停滞の背景になっています。改革を急がなければなりません。
 一般論として、多少の負担を国民の皆さんにお願いしても安心できる社会をつくっていくということを重視するのか、それとも、負担はできるだけ少なくし、個人の自己責任に多くを任せるのか、大きく二つの選択の道があります。私は、多少の負担をお願いしても安心できる社会を実現することが望ましい道だと、このように確信をいたしております。
 まず、求める社会保障の姿について議論を進めます。安定した年金制度や十分な医療・介護・福祉サービスを確保していかなければなりません。高齢化などに伴い、今のままでも社会保障費は毎年一兆円以上増加してまいります。さらに、新たなニーズも生じています。孤立したお年寄りを守る、女性を乳がん、子宮頸がんから守る、子供を貧困や虐待から守る、あらゆる人を自殺や災害から守る。強者の論理でなく、弱者に寄り添い、こうした課題にもこたえなければなりません。社会保障の基盤となる番号制度をどう整備するかを決める必要もあります。個々の課題にばらばらに答えを出しても根本的な解決策にはなりません。政府は、社会保障改革の全体像について、必要とされるサービスの水準、内容を含め、国民に分かりやすい選択肢を提示していきたいと思います。
 その上で、国民の選択に当たり、社会保障に必要な財源をどう確保するか一体的に議論する必要があります。消費税を含め、税制全体の議論を進めたいと思います。結論を得て実施する際には、国民に信を問うというこの方針に変更はありません。当然、与野党を超えた議論が不可欠です。それに向け、政府・与党で社会保障改革の全体像を検討する場を設け、野党の皆さんとも意見交換をしていきたいと、このように思います。
 子ども・子育て支援にも、引き続き重点的に取り組みます。どの子供も、この国の将来を担う宝です。家族だけでなく、地域で、さらには国で大切に育てていかなければなりません。高校の授業料実質無償化を着実に実施し、子ども手当は、現金給付と保育所の整備などの現物支給のバランスを取って拡充する方針です。幼保一体化を含む法案を来年の通常国会に提出する準備を進めます。少子高齢化の下で労働力人口が減少し始めております。待機児童の解消を急ぎ、働く女性を応援し、男女共同参画を推進します。
 以上の三つの重要政策課題の解決に当たって、地域主権改革の推進がかぎとなります。地域が主役となって特色ある産業振興や住民の要望に応じた社会サービスの提供ができるよう、我々の世代で確たる道筋を付けなければなりません。残念ながら、これまで実感のある変化は生じておりません。壁を打ち破るため、まず、ひも付き補助金の一括交付金化に着手をいたします。来年度予算では、各府省の枠を超えて投資的資金を集め、自由度の高い交付金に再編成します。地域で霞が関の発想に縛られない独自のモデルを構想していただきたいと思います。国の出先機関が扱う事務・権限移譲については、各府省が検討結果を八月末に提出しましたが、不十分であり、やり直しを指示いたしました。横断的な移譲の指針を示し、年内を目標に検討を進めます。
 五番目の重要政策課題は、主体的な外交の展開です。今日の国際社会は、安全保障面でも経済面でも歴史の分水嶺とも呼ぶべき大きな変化に直面をしております。新興国の台頭で世界の力関係も変貌を遂げております。我が国周辺地域に存在する不確実性、不安定性は予断を許しません。こうした国際情勢の下、天然資源・エネルギーや市場を海外に依存する我が国は、いかにして平和と繁栄を確保するのか。受動的に対応するだけでは不十分です。国民一人一人が自分の問題としてとらえ、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなくてはなりません。その際、国を思い切って開き、世界の活力を積極的に取り込むとともに、国際社会が直面するグローバルな課題の解決に向け、先頭に立って貢献することが不可欠です。また、防衛計画の大綱の見直しに当たっては、真に役に立つ実効的な防衛力を整備するため、これからの時代にふさわしいものを本年中に策定いたします。
 日米同盟は、我が国外交・安全保障の基軸です。先日、オバマ大統領との会談でも、日米同盟がアジア太平洋地域のみならず世界の安定と繁栄のための共有財産であること、そして、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で、安全保障、経済、文化・人材交流の三本柱で更に深化、発展させていくことを確認をし合いました。また、アフガニスタン・パキスタン支援、イランの核問題、気候変動、核軍縮、核不拡散など、国際社会が直面する課題へも日米が協力して対処することで一致いたしました。十一月のAPECの際に予定されている日米首脳会談では、さらに日米同盟深化のための具体策を詰めていきます。普天間飛行場の移設問題については、本年五月の日米合意を踏まえて取り組むと同時に、沖縄に集中した基地負担の軽減にも取り組みます。沖縄の方々の御理解を求め、誠心誠意説明してまいりたいと思います。
 日中両国は一衣帯水のお互いに重要な隣国であり、両国の関係はアジア太平洋地域、ひいては世界にとって重要な関係だと認識しております。近年、中国の台頭については著しいものがありますが、透明性を欠いた国防力の強化やインド洋から東シナ海に至る海洋活動の活性化には懸念を有しております。尖閣諸島は歴史的にも国際法的にも我が国固有の領土であり、領土問題は一切存在いたしておりません。先般の事件は、我が国の国内法にのっとり粛々と処理したものであります。中国には、国際社会の責任ある一員として、適切な役割と言動を期待いたします。日中両国間に様々な問題が生じたとしても、隣国同士として冷静に対処することが重要と考えます。日中関係全般については、アジア太平洋地域の平和と繁栄、経済分野での協力関係の進展を含め、大局的観点から戦略的互恵関係を深める日中双方の努力が不可欠だと考えます。
 この秋は、我が国において重要な国際会議が開催されます。生物多様性条約に関するCOP10では、議長国としての重要な役割を果たします。また、私が議長を務めるAPEC首脳会議では、米国、韓国、中国、ASEAN、豪州、ロシア等のアジア太平洋諸国と成長と繁栄を共有する環境を整備します。架け橋として、EPA、FTAが重要です。その一環として、環太平洋パートナーシップ協定交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指します。東アジア共同体構想の実現を見据え、国を開き、具体的な交渉を一歩でも進めたいと考えます。
 北朝鮮については、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決を図り、日朝平壌宣言に基づき、不幸な過去を清算し、国交正常化を追求します。拉致問題については、国の責任において、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くします。なお、北朝鮮の政治情勢については、引き続き注視してまいりたいと思います。
 以上の課題に臨む我々国会議員の在り方について一言述べます。金の掛からないクリーンな政治の実現、これは国民の強い要望です。私自身の政治活動の原点でもあります。民主党は、企業・団体献金の禁止、国会議員の定数削減について党内で徹底的に議論をし、年内に方針を取りまとめたいと思います。その後、与野党間で協議をし、まとめていきたいと思います。
 本日、国会が召集されました。日本が現在抱える課題を解決し、次の世代に先送りしない責任を国会議員が協力して果たせるか、国民の期待にこたえることができるか、この国会が試金石となります。郵政改革法案、地球温暖化対策基本法案、労働者派遣法改正法案などの審議もお願いすることとなります。私は、今回の国会が、具体的な政策をつくり上げる政策の国会となることを願っております。そのために、議論を深める熟議の国会にしていくよう努めたいと考えております。結論を出す国会になることを期待をいたしております。
 この場にいる我々を隔てるものは、どこに座っているかではありません。野党の皆様にも真摯に説明を尽くし、この国の将来を真剣に考える方々と誠実に議論をしてまいりたいと思います。そして、何とか合意ができないか知恵を絞ってまいります。国民に選ばれた国会議員が全力を尽くしてこの国の政治を築いていく、真の国民主権の政治に向け、共に頑張ってまいりたいということを申し上げ、所信の表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(西岡武夫君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会