第176回国会 法務委員会 第4号
平成二十二年十月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     若林 健太君     上野 通子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         浜田 昌良君
    理 事
                中村 哲治君
                前川 清成君
                森 まさこ君
                桜内 文城君
    委 員
                有田 芳生君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                今野  東君
                田城  郁君
                柳田  稔君
                上野 通子君
                金子原二郎君
                溝手 顕正君
                木庭健太郎君
                井上 哲士君
                長谷川大紋君
   国務大臣
       法務大臣     柳田  稔君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    岡崎トミ子君
   副大臣
       法務副大臣    小川 敏夫君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  黒岩 宇洋君
       外務大臣政務官  山花 郁夫君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   植村  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田村 公伸君
   政府参考人
       法務省刑事局長  西川 克行君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (個人通報制度の法整備に関する件)
 (人権侵害救済機関の創設に関する件)
 (取調べの可視化に関する件)
 (検察による捜査情報の漏えいに関する件)
 (尖閣衝突事件の中国漁船船長に対する那覇地
 検の処分保留判断に関する件)
 (青少年の健全育成のための法整備に関する件
 )
 (大阪地検の証拠改ざん問題に関する件)
 (検察官保管証拠の全面開示に関する件)
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○委員長(浜田昌良君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、若林健太君が委員を辞任され、その補欠として上野通子君が選任されました。
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○委員長(浜田昌良君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に法務省刑事局長西川克行君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(浜田昌良君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○中村哲治君 民主党の中村哲治です。政権交代後、初めて質問をさせていただきます。
 今日は民主党の二〇〇九マニフェストとインデックスをお持ちさせていただきました。政権交代を懸けた衆議院選挙で民主党が公約として掲げた内容について、今日はまず確認をさせていただきたいと思います。
 マニフェストの四十九番と五十番。「取り調べの可視化で冤罪を防止する」と、そして五十番は「人権侵害救済機関を創設し、人権条約選択議定書を批准する」ということで、この大きく三つ、可視化と人権救済機関とそして個人通報制度、この三つについてまず聞かせていただきたいと思います。
 この三点につきましては、政権交代時に千葉景子前法務大臣が就任記者会見でこの三点をまず取り組むんだということからも、政権交代後の民主党政権の中では非常に重要な位置付けで取組を続けてきたと聞いております。
 そこで、質問の順番なんですが、質疑通告では個人通報制度を三番目に聞くと言っていたんですけれども、山花郁夫外務大臣政務官が来ていただいておりますので、時間のこともあるでしょうから、まずそこから聞かせていただきたいと思います。
 この個人通報制度、マニフェストにこういうふうに書いてあります。個人が国際機関に対して直接に人権侵害の救済を求める個人通報制度を定めている各関連条約の選択議定書を批准するというふうに書かれております。この点について今現状どこまで進んでいるのか、法務省と外務省にお聞きいたします。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 中村委員から指摘ありました個人通報制度でございますが、御指摘のようにマニフェスト事項でありますので、前向きに取り組んでおるところでございます。
 ただ、御指摘のように、法務省だけで検討、解決できるものではないため、現在、外務省主催の研究会に参加し、私どもとしても真剣に検討している、そういう状況でございます。
○大臣政務官(山花郁夫君) 御質問ありがとうございます。
 今法務省の方からも御答弁がございましたけれども、中村委員御指摘のとおり、二〇〇九年のマニフェストには今御指摘のような形で書かれております。私も、かつて衆議院の法務委員会の委員をやらせていただいておりましたときに、これはやるべきだということで主張をしていた立場でもございますし、是非これは前向きに進めたいと思っております。
 それで、この制度の受入れに当たりましては、今お話、法務省からも御答弁がありましたように、司法制度であるとかあるいは立法政策の関係でいろいろ幾つかの検討課題が生じておりますので、関係省庁とともに今真剣に検討をしているところでございます。
 なお、外務省におきましては、本年の四月末に総合外交政策局の下に人権条約履行室というものを設置をいたしました。役所でこういう室を設置をしたということは、やらないと大変なことになりますので、また、マニフェストに書いてあるということは、この任期中には何とか実現をしたいという意気込みでやってまいりたいと思いますので、現時点で具体的にこの時期ということをお答えすることはちょっと今日の時点では、申し訳ありません、まだできないんですけれども、先ほど申し上げましたように、かねてから私もこれは進めるべきだと思っております。また、関係する省庁が幾つかございますので外務省としてもいろいろお願いを申し上げているところでございまして、是非中村委員も各方面に応援をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○中村哲治君 前向きに進めていただけるということなんですが、いつまでと今は言えないとおっしゃいましたが、山花先生の政治家としてのイメージとしては、ここぐらいまでにやりたいなとか、こういうふうに進めていきたいなとか、そういうふうなことをもし言っていただけることがあれば、お願いいたします。
○大臣政務官(山花郁夫君) 実は、前任の西村外務大臣政務官も是非やりたいということで取り組まれておりました。正直、私個人といたしましても鳩山当時首相があれだけ早く退陣されるとは想定をいたしておりませんでしたし、また西村政務官からも、手掛けて着手をしながらこういうことになって残念であるということも話を伺っております。民主党の規約ですと一応任期が代表二年でございますので、そうは言っても鳩山総理のようなケースもございますから、自分もいつということもあります。何とか、一応任務としてこれ前原大臣からもやるようにと言われておりますので、自分の任期中には何とか成果を上げたいと、これは本当にそのように思っております。
○中村哲治君 山花先生が政務官でいらっしゃる任期の間に何とか成果を上げたいという前向きな答弁をいただきましたので、感謝をいたします。ありがとうございます。それでは、退出していただいて結構でございます。
○委員長(浜田昌良君) 山花政務官は結構です。
○中村哲治君 次に、三項目めの二項目めの質問をさせていただきます。
 マニフェストには、第五十番、「人権侵害救済機関を創設し、人権条約選択議定書を批准する」というふうに書かれております。選択議定書の件はその一つ目でございましたので、もう一つ、「人権侵害救済機関を創設し、」というところが二つ目の質問です。政策目的としては、「人権が尊重される社会をめざし、人権侵害からの迅速かつ実効性ある救済を図る。」と、そして具体策としては、「内閣府の外局として人権侵害救済機関を創設する。」というふうに書かれております。
 そこで、法務省は今年六月二十二日に、新たな人権救済機関を設置する中間報告を発表いたしました。その中で、「人権委員会は、内閣府に設置することを念頭に置き、その組織・救済措置における権限の在り方等は、なお検討するものとする。」とあります。その後、関係省庁との調整も進んでいるかと存じますが、どのような状態で取り組んでいるということでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) この中間報告は、特に中村前政務官が主導的に取り組まれまして、そして前政務三役の下にまとめられた内容でございますので、当然その中身はしっかりと、私も引継ぎを中村政務官などからさせていただきましたので、基本的にはこの方針を踏まえて今取り組んでおるところでございます。
 関係省庁との協議という点でございますけれども、まずは法務省として、法案の検討については法務省内で行っていくと、その後その結果等に基づいて内閣府と協議はしていくということは、これは内閣府と協議済みでございます、現在。でありますので、この法務省としての検討については、これも中村前政務官からも御指摘いただいている、やはりある程度のこの会議体等も詰めていくということのこの検討も含めて、私の下できっちりと前向きに進めていきたいと考えております。
○中村哲治君 当初、この人権救済機関の設立に関しては、内閣府の外局として置くということで、内閣府の方で会議体とかも設置すべきでないかというような検討が政府内でされておりましたけれども、その点については、まず法案の作成等も法務省の主導的な取組でされると、今後、そのような取組の中で検討していくという、そういう理解でよろしいでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 今、中村委員のおっしゃった趣旨で大体同様でございます。
 繰り返しますが、法案の検討については法務省内で進めていきまして、また内閣府は内閣府でそれはもうそれなりの検討は進めていくと思いますけれども、法務省の方で法案等の検討を進め、その後、内閣府ときちんとした協議をしていくという、こういう理解をしております。
○中村哲治君 迅速に取り組んでいただけるということで、理解でよろしいでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 私も自分の任期中にもうなるべく迅速に進めていくと、そう考えております。
○中村哲治君 強い決意が示されたので感謝いたします。ありがとうございます。
 それでは、三項目めの三つ目、取調べの可視化について伺います。
 マニフェスト四十九番、「取り調べの可視化で冤罪を防止する」政策目的は、「自白の任意性をめぐる裁判の長期化を防止する。自白強要による冤罪を防止する。」という二点が挙げられております。具体策としては、「ビデオ録音等により取り調べ過程を可視化する。」とあります。
 そして、この点について、法務省は六月十八日に中間的な取りまとめとして「これまでの検討状況と今後の取組方針」を発表いたしました。それによると、それまでに大臣の下につくられた政務三役を中心とする勉強会が五回、副大臣の下につくられたワーキンググループが二十回行われたと書かれております。現在の法務省、政務三役になって、勉強会とワーキンググループ、それぞれどのような取組をされてきたのか、取組状況を伺います。
○副大臣(小川敏夫君) 委員御指摘のとおり、中間取りまとめがこのような形で出されまして、私ども、大臣と副大臣、政務官、若干就任の日が違いますが、いずれにしても九月中下旬に就任いたしました。その後、十月上旬に勉強会を二回開催いたしまして、これまで前政務三役が努力してまとめられた取りまとめによりますこの勉強会、これを引き続いて実施していこうと、このような確認をしておるところでございまして、しっかりと勉強会を重ねていきたいと思っております。
○中村哲治君 ワーキンググループは副大臣が担当されてこれから強力に推進していくと、そういう認識でいいんでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) まだワーキンググループそのものは、勉強会を開催しただけでワーキンググループはまだ開催しておりませんが、スピード感を持って積極的に対応していきたいと思います。
○中村哲治君 野党時代から可視化に取り組まれてきた副大臣だからこそしっかりとしたワーキンググループでの検討をしていただけるものと確信しております。
 それでは次に、法務大臣と国家公安委員長との協議も七月から始まったと聞いておりますが、現状はどこまで進んでいるのでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) この七月に第一回の協議が持たれたと聞いておりますが、ただ、法務省の方は勉強会でございますが、若干、警察庁というか国家公安委員会の方は捜査手法との検討というのと組み合わせたような勉強会になっておりまして、微妙に研究テーマが違うところがあるのかなという気もいたしますが、しかしいずれにしましても、可視化の実現に向けてこれからもしっかりと行っていきたいと思います。
 協議そのものは、七月に一回行っております。
○国務大臣(柳田稔君) 今副大臣の方から答弁がございましたけれども、私が就任してからはまだ開かれておりません。
 法務省内の勉強会、そして国家公安委員会の研究会、それぞれいろいろと議論がなされておりますので、折を見て岡崎大臣との意見交換もしながら二回目を開きたいと、そういうふうに思っております。
○中村哲治君 民主党の中では、例えばなぜ一年以上も検討に掛かるのかというような厳しい指摘もなされております。
 そういった意味では、警察庁との関係は後で聞きますけれども、まず法務省として今後どのような取組を具体的にされようとしていくつもりなのか、伺います。
○副大臣(小川敏夫君) 確かに、勉強会で一年と、長過ぎるんではないかという御指摘はいただいております。
 この調査につきまして、なぜ必要かといいますと、まず国内調査につきましては、調査事項が多岐にわたっていると。特に、既済事件記録調査については、相当数の事件記録を精査する必要がある、あるいは過去の事件記録だけで把握することが困難な事項については、進行中の事件を調査することが不可欠である、あるいは関係文献の収集、分析については、多数の国内外の関係文献を収集、分析する必要があると。また、国外調査につきましては、複数の国・地域の調査を実施する必要がある、制度、概要を把握するにとどまらず、捜査・公判現場における実施・運用状況を見聞し、現場の捜査担当者から得られる生の情報を収集することとしていることから、相応の調査期間が必要と。
 このようなことを総合的に見まして、一年の期間は長過ぎるように思えるけれども、しかし必要かなというような感じを持っております。
○中村哲治君 恐らくまた党内の委員からも別の機会での質問はあろうかと思いますので、これぐらいにいたしますが、今日の議事録を出発点に質問をまた積み重ねていけばいいのではないかと思います。
 それでは次に、先ほども大臣からありましたけれども、国家公安委員会、国家公安委員長、その警察との関係を今後どのように考えていくのか、どのように関連させて進めていくのかということが非常に重要です。なかなか広く理解されていないところもあるんですけれども、やはり可視化で一番重要なのは、警察のところでどのように可視化をしていくのかということでございますので、ここは法務省だけでできる問題ではありません。そうしていくと、警察との連携をいかに取りながらこの可視化の具体的な政策立案を進めていくのかということが非常に重要になってまいります。
 先ほどのお話でありましたように、国家公安委員長との協議は七月に一回なされただけで、今から取組をされるということですが、具体的にはどのような形で警察との連携を進めていくとお考えでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) あくまでもこの法律の所管は法務省でありますが、しかし、取調べそのものは実際には警察庁の方が多いわけでございます。そうした意味で、相互にその実情に合わせた情報交換、意見交換、本当に必要であると思っております。
 まず、どのようにといいましても、法務省が警察の捜査に関与するわけにはいきませんから、やはりそれぞれの情報を緊密に連絡し合って、そして自由に意見を交換し合って、そして可視化の実現に向けて努力していきたい、意見をすり合わせたいと、このような抽象的な答弁になってしまいましたが、そのようなことでございます。
○中村哲治君 当然、大臣間の交渉の前には事務方のすり合わせというのが非常に重要ですので、事務方のすり合わせをいかにしていくのかという具体的な指示を是非事務方の方に出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) 確かに、現在、法務省には中に勉強会、公安委員会の方でもまた独自に勉強会がございます。これが次第次第に形が見えてくるものと思います。そうした段階に合わせまして、しっかりとそうした事務方の協議、連絡等も行っていきたいと思います。
○中村哲治君 ありがとうございます。マニフェスト事項は以上の三項目でございます。
 そこで次に、インデックス二〇〇九、民主党政策集に触れられた点について議論をさせていただこうと思います。
 インデックスの十三ページには、終身刑の検討を含む刑罰の見直しというのがありまして、冒頭には、死刑存廃の国民的議論を行うとともに、終身刑を検討、仮釈放制度の客観化、透明化を図りますと書かれております。死刑制度についても、この後、死刑制度については、死刑存置国が先進国中では日本と米国のみであり、EUの加盟条件に死刑廃止が挙がっているなどの国際的な動向にも注視しながら死刑の存廃問題だけでなく当面の執行停止や死刑の告知、執行方法なども含めて国会内外で幅広く議論を継続していきますと、このような形で書かれております。
 そこで、千葉前大臣の下で死刑の在り方勉強会がつくられました。柳田大臣の下ではこの勉強会、まだ開かれていないと聞いておりますが、今後どのような取組をなさっていくおつもりなのか、お伺いいたします。
○副大臣(小川敏夫君) 確かに死刑そのものが、やはり極悪な犯罪を犯した者であっても人の生命を奪うということで大変に重要な意味がある刑罰でございます。国民の間で反対を訴える方も、強く訴える方もいらっしゃれば、またその一方で、世論調査などを見ますと、支持する方も過半数に及んでいるというような状況でございまして、直ちにこれを廃止するということを前提とした議論というのはそうした中で難しいんではないか、しかしやはり議論そのものはしっかりと継続して、この在り方を考えていかなくてはならないのかというふうに考えております。
 今後の勉強会でございますが、御指摘のとおりまだ開催いたしておりませんが、やめるという趣旨ではございませんので、しっかりと開催して議論を進めていきたいと思っております。
○中村哲治君 しっかりと議論をしていただけるということなので、よろしくお願いいたします。
 まだ、実は第三回目の議事録の公開がされておりません。この勉強会については、省内での検討については自由な議論もしないといけないので、情報の公開については資料の公開はすると、しかし議事録の公開はしないという取決めになっていると伺っております。
 ただ、外部からのヒアリングについてはオープンにし、そして議事録を公開するという取決めになっていたはずでございます。そうすると、三回目、九月九日の情報については議事録公開されているのかなということで確認させていただいたんですけれども、昨日の時点ではまだ公開されておりませんでした。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) まず結論から先に言いますと、本日、公開いたしました。
 これはなぜ日にちが掛かったのかといいますと、発言要旨を法務省の方でまとめたものをそのまま公表するということではなくて、やはり外部の方が発言された、その発言者に内容を確認して了承を得なくてはいけないということで時間が掛かっておりまして、たまたま委員が質問された今日になってしまったわけでございます。
○中村哲治君 実はこの第三回目、九月九日にヒアリングが行われたということ自体がサイトに載ってなかったんですね。だから、まず、議事録はそのような形、制約がありますから、後で載せるというようなこともそこに書きながら、九月九日に行われたということはもう速やかに情報公開していいのではないかと考えているのですが、今後の取組、今後の取扱方を変えるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) 当然、党が約束しました議論というのは国民的な議論ということでございまして、一部の人間だけの議論ということではありませんので、そうした意味で、議論の在り方あるいはその情報というものは可能な限り国民の間にオープンにして議論をしていきたいというふうに思います。
 委員の御指摘を受けて前向きに取り組んでいきたいと思います。
○中村哲治君 前向きに取り組んでいただけるということですので感謝を申し上げます。
 それでは次に、難民認定手続について伺います。
 インデックスでは、難民認定委員会の創設・難民の生活支援と書かれております。先進国中最も冷たく厳しいと言われる日本の入管・難民認定行政、難民への生活支援、難民申請者への処遇を改めるため、難民等の保護に関する法律を制定します。我が国が一九八一年に批准した難民条約の趣旨にのっとり適正かつ迅速な難民認定を行うために、難民認定行政を法務省から切り離し、内閣府外局に難民認定委員会を設置するとともに、難民認定申請者や在留難民等の生活の支援に関する法的規定を整備します。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が認定した難民は、原則として受け入れることとします、このようにインデックス二〇〇九では書かれております。
 この点について、政権交代後はどのような取組がされてきたのでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 今、中村委員がおっしゃったように、民主党のインデックスでは、先進国中最も冷たく厳しいと言われる日本の入管・難民認定行政と、こういう記述がありましたので、政権交代後、当然、入管局もじくじたる思いを持ちながらも、千葉大臣そして中村政務官の下に奮闘して取り組んだと聞いております。
 今、主な取組については三点ほど申し上げますけれども、標準処理期間の六か月の設定及び公表をさせていただきました。そして、UNHCRの協力を得て、難民調査官の調査技術と専門的技術の向上のための難民認定実務研修の実施をいたしました。そして、UNHCRと連携した出身国情報や国際情勢に関する基礎資料の収集、整備を行ったところでございます。
 今後は、これも中村政務官の下に立ち上げました難民認定制度及び在留特別許可の在り方に関する勉強会の下で、あるべき難民認定行政の制度設計や、そのほか組織体制の構築及び人材確保・育成等についても検討や取組を今後行っていく所存でございます。
○中村哲治君 今三点の取組をされたというふうにお聞きしておるんですけれども、標準処理期間六か月ということをお決めになりましたが、これが実際に六か月になりそうなめどというのはいつごろでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 二十三年三月を一つの目安にして、何とか六か月ということで今取り組んでいるところでございます。
○中村哲治君 難民調査官の資質の向上についても御答弁がありましたが、このUNHCRとの研修というだけではなくて、これは人事面とかの検討とかいうことも考えられると思うんですが、そういう点については考えていらっしゃるのでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 高度な能力を有する難民調査官、これを数多く育成しようということがこれは必要であるという認識の下に、UNHCRの協力も得て今実践的な研修を開始するところでございます。
 それとともに、更にその充実を図るための方策や、十分な経験を積むことのできる人事システム等についても今検討をしているところでございます。
○中村哲治君 そこで、三つ目なんですけれども、先ほど出身国情報の答弁もいただきました。難民性の判断に資するためには各国が行っている出身国情報の図書館を設置すると、そういうふうな方法が考えられます。
 ただ、日本において難民認定のための出身国情報の図書館を今からつくるとなると、なかなか財政的にも難しいとは考えられます。しかし、ウエブ上で情報を公開するとかいうようなことはできると思います。
 こういうことを、情報が公開されますと、弁護士等が難民申請をするにおいても、その共有した情報の下で議論をすることができるようになりますので非常にいいことだと考えられるのですが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 御指摘のように、今弁護士さんからも、この申請に当たって出身国の情報を何とかいただきたいと、そして申請を速やかに行いたいという声が私どもにも届いております。
 その中で、御指摘のこのウエブサイトについてですけれども、現在、難民の出身国や国際情勢に関する情報については法務省のホームページに掲載し、そして本年中に公表できるように準備をしております。具体的には、英国内務省報告及び米国の国務省報告の各国情報について各国政府から了承を得て翻訳版を法務省ホームページに掲載し、本年中に公表できるように今準備しているところでございます。
○中村哲治君 米国や英国の情報を邦訳して載せると、それは一歩前進とは言えるのでしょうが、原則的にはやっぱり我が国が出身国情報を独自に集めてそれを共有できるようなシステムをつくっていく必要があるのではないかと考えます。そういった一歩一歩の取組を積み上げて初めて内閣府に難民認定委員会を置くというような方向性が出てくると思われます。そういった意味で、このインデックスに書かれているような難民認定委員会を内閣府の外局に置くというような取組について、方向性について、いかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) この翻訳版をということは、まあちょっと予算上とのいろんな兼ね合いがありまして、委員指摘のように、本来なら我が国で、法務省でという思いもございますんで、これまた鋭意検討させていただきます。
 そして、先ほどの内閣府の外局にこの難民認定委員会を置くということ、これはもちろんインデックスにも書かれておりますし、中村政務官の下、勉強会でしっかりと検討も進めてきたということで承知しております。このことを踏まえまして、段階的ではありますけれども、とにかく速やかに実現を目指して取り組んでいく、その所存でございます。
○中村哲治君 前向きな答弁をいただきましてありがとうございます。
 入管行政については全般的な改革が必要なのではないかということは、野党時代から民主党が指摘していたことでもございます。そこで、民主党政権は、千葉前大臣の下、入管行政の改革を進めてまいりました。今までどのような取組をしてきたのか、そしてまた、今後はどのような点を検討しているのか、併せてお答えください。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) これまでの入管行政の改革として取り組まれた状況に関しては、千葉前法務大臣の下、退去強制手続においては、本年七月に収容の長期化対策として被収容者の仮放免に関する検証制度を導入したと、さらには、九月には、日弁連との間で収容にまつわる諸問題の協議の場の設置等の合意を見たと、このように改革に取り組まれてきたと承知をいたしております。
 今後の取組については、出入国管理行政の主要な課題と今後の方針を示すものとして、本年三月に第四次出入国管理基本計画が策定されております。この計画に掲げられた施策の中でも、我が国社会に活力をもたらす外国人の円滑な受入れ、とりわけ観光立国に向けた訪日外国人の増加に向けて、これは審査時間の短縮ということで、今取り組んでおるところです。二番目といたしまして、経済成長に寄与する高度人材の受入れ、これは具体的にポイント制度の導入等でございますけれども、このようなものが重要なものと考えております。
 これらの施策は、今民主党政権が打ち出した新成長戦略においても盛り込まれておりますので、法務省としてもその実現に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○中村哲治君 前向きな答弁をいただきまして感謝いたします。ありがとうございます。
 以上でインデックス二〇〇九の質問を終えたいと思います。
 これからは今話題となっているテーマについて若干質問させていただきます。
 まず、検察問題です。
 よく、検察から情報が漏れているのではないか、いわゆる検察によるリークというようなことがよく議論をされております。捜査機関が捜査情報を外部に伝えるということは原則として認められないと聞いておりますが、その例外として捜査情報を検察が外部に伝えることができるのは、刑事訴訟法上どのような法的根拠で許されているのでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) 捜査情報は決して漏れてはならないというものでございますが、今、根拠と、例えば起訴したとか逮捕したとか、そういう捜査情報の中でもごく外形的な事実を記者会見などで公表することがございますが、その根拠ということでございましたが、刑事訴訟法四十七条ただし書の規定で、公益性がある場合ということでございます。
○中村哲治君 すべからく公益性がある場合に限って捜査情報が表に出ていると、そういう御答弁でございました。
 公益性の認定というのはだれが行うんでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) それはあくまでも検察当局でございます。
○中村哲治君 検察当局が行うと。
 それはいわゆる検察幹部と言われている人たちでよろしいですか。
○副大臣(小川敏夫君) 検察官の場合には、行政と違いまして、検察官一人一人が検事としての権限を持っております。ですから、法律の解釈でいうならば、やはりそうした一つの情報を公表する検察官であると思います。
○中村哲治君 今の御答弁であれば、独立した機関、検察官そのものが独立した機関なので、検察官それぞれが判断をして、公益に資するかどうかというようなことを判断していいということですか。
○副大臣(小川敏夫君) 刑事訴訟法四十七条の法解釈としては、私としてはそうなると思います。
 ただ、実際の検察庁の運用では、やはり検察官一体の原則といいますか、検察の組織というものがございますので、一般的には組織の責任者、あるいは検察組織として広報を担当する職務にある立場の人が公表するということで、検察当局の判断ということになるのであるとは思いますが、いわゆる検察官の身分の法律上の法律論というとそういう解釈にもなるのかなというところでございますが。法律論としてはですね。実際の実務としてはやはり広報担当者だと思いますが。
○中村哲治君 ただ、一人一人が情報を提供した場合にそれがどのような形で検察庁の中で共有されているのかということがはっきり分からなければ、密行性というのは保てないはずだと思うんですね。そこの、法律論からすればそうかもしれませんが、現実的な、捜査情報を漏らさないということの現実的な担保としては検察庁内部のコンプライアンスをいかにしていくのかということが非常に重要となります。
 この点について、それぞれの検察官が公共性を理由にして捜査情報を外部に漏らした場合、それを共有する仕組みとしてどのようなものがあるのでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) なかなか説明の仕方が難しいんですが、例えば検察官の行う処分、起訴、不起訴、まあ起訴ですね、これは検事が行うわけでありまして、普通、行政官庁ですと行うのは大臣で、しかし、その大臣が行う処分を事務方がまとめて最後を大臣が行うというのが普通の行政庁の仕組みでございます。
 ただ、検察庁の場合には、あくまでも捜査し、逮捕状を執行するのも捜査するのも起訴するのも検事でありまして、その検事の上司の検事正とか検事総長が起訴するわけではございません。すなわち、検事がその事件の処理をできるわけでございます、この法律上の位置付けとしまして。ですから、検事がそうした捜査情報を公表をするかどうかということがあった場合は、法律論としましては、やはり検事の判断かなと。
 ただ、しかし、各検事の判断でばらばらに公益の考え方が違っては、やはり検察組織としてはそれでいいのかという議論もあるでしょうから、やはり検察の組織としては、広報はしかるべき人、例えば地検であれば次席検事が記者会見で行うとか、そのような組織としての情報の公表の運用をしているというふうに承知しております。
○中村哲治君 私も今日初めていろいろなことを知っているわけですが、今の御答弁であると、どの捜査情報を漏らすかどうかというのは各検事の判断であり、その件に関してどの情報を漏らしたかということに関しては検証をする手段はないというふうに考えてよろしいですね。
○副大臣(小川敏夫君) やはり検事の職務の在り方そのものの本質論にかかわってくるわけでございますが、基本的にはすべて検事がその責任において行うというのが今のこの検事という職務の在り方であります。
 ただ、実際の実務においては、地検レベルでは次席検事が記者会見等で対応しているということでございますが、例えばこれが、次席検事が対応するかどうかは、これはその検察庁の中の組織の運営の在り方としてはそういうふうに決めておるわけでございまして、例えば、一検事が仮にそうしたことを行ったからといって、じゃ、それが違法だということにはならないという、法律論ではそうなるんじゃないかと思いますが。
○中村哲治君 法律論ではそうであるというのは、副大臣の答弁で理解をしております。
 今後、検察の在り方検討会議というのも行われます。そこで、是非これ議論をしていただきたいんですね。一人の検察官が捜査情報をどれを漏らしていいか、どれを漏らしていけないか、それを自分で決めることができる。そしてそれが外部の検証を、不可能といいますか、外部の検証は不可能であると、今そういうふうな法体系になっているということですので、ここは何らかの形でそこに関しては歯止めを掛けないと、ある意味で情報漏えいをしても国家公務員法違反に問えないということになりますので、ここは是非、検察の在り方検討会議でも議論をしていただきたいと思います。
 そして私は、対案として、検察庁が行う会見をオープン化して、さらに議事要旨も公開することによって、検察による情報漏えいについて国民の監視が及ぶようにすべきではないかと御提案をいたしたいと思うのですが、いかにお考えでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 私が聞いております範囲でお答えいたしますと、マスコミに対する記者会見ですね、大体統一的に次席検事が行っているというふうに聞いております。ですから、普通の担当の検事がマスコミと接触していろんな話をすることはないという認識でございます。
 ただ、話をする場合にも、検察の適正な運用とか、そういうふうなことを趣旨にしながら、また、プライバシーとかも判断しながらやっているというふうに思っています。(発言する者あり)
 なお、今何か、そんなことない、あるというふうなこともありましたけれども、そういった場合はないとは言いませんけれども、基本的に必ず上司に報告して、接触しないようにという指示を出していますので、ですから基本的には次席検事がなさっているということでございます。
 なお、検討会議で議論してほしい、中村理事のおっしゃることはそれなりに伝わっていると思いますので、最高検の検証の中でも、同時に検討会議の中でも議論になるものだろうと思っております。
○中村哲治君 議事要旨の公開については答弁をされないということでよろしいですか。
○国務大臣(柳田稔君) そのことも含めて議論の対象になるだろうと思っています。
○中村哲治君 検察の在り方検討会議について、十月二十二日に座長として千葉景子前法務大臣が選任されました。他の人事は政務三役と座長が相談して決めることと聞いておりますが、いつ検討会議が開かれるのか、そのスケジュールと検討内容についてどのようになっているのか、お答えください。
○国務大臣(柳田稔君) 検討会議をつくると申し上げましてからしばらく時間が掛かっていると御指摘もあろうかと思いますが、あれからまだそう、一週間もたっていないわけですけれども、いろいろと千葉さんともこの間相談をさしてもらっています。ただ、御存じのように、私、今週も委員会にずっと座って答弁をしておる関係上、余り時間も取れないという非常につらさもあるんですけれども、いろいろと、千葉さんそしてここに座っています三人、顔を突き合わして、どういうメンバーにするかと、どういう構成にするか、今議論をしていまして、大方、最終的な考えが、人選の考えがまとまりつつあります。
 これがまとまった段階で今度は相手方にいかがですかというお問い合わせをして、相手方が分かりました、やってやろうということになれば人選が進むと思いますので、そういう過程が今残っています。希望としては、できるだけ早く御返事をいただいて、メンバーが確定し次第早急に第一回目の会議を行っていただきたいと、そういうふうに思っています。
 時期はいつかと聞かれるんですが、ですから相手の返事が早ければ早いだけ、さっと返事をもらえればすぐですけれども、そういうことがあるので少し時間をいただきたいと、そういうことでございます。
○中村哲治君 検察問題につきましてはまだ今後も議論されるのでこれぐらいにさしていただきたいと思います。
 最後に、定期借家制度にまつわる問題についてお聞きをいたします。今、新宿ベルクという喫茶店の問題がいろいろと報道されております。強制的に普通借家契約から定期借家契約に切替えを迫られていると、そういった問題でございます。
 そこでお聞きをいたします。一般論として、事業用の建物の賃貸借契約の場合でも、普通借家契約がなされているのに家主が定期借家契約への切替えを強要をしてきた場合です。そういった場合に借家人の方に応じる義務はあるでしょうか。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 端的に申しますが、今、中村委員がおっしゃったような切替えを求めてきたとしても、借地借家法上、借主がこれに応じなければならないという旨を定めた規定はございませんので、義務はなしと考えております。
○中村哲治君 終わります。
○森まさこ君 自由民主党の森まさこです。よろしくお願いします。
 先週、十月二十一日の法務委員会で柳田法務大臣の方といろいろと論争をさせていただきましたけれども、私、昨日、ちょっとしたことがありまして、冤罪になった村木局長の気持ちも分かるような悲しい気持ちになったんですけれども、前回、大臣といろいろ議論させていただいて、いろんな論点がありました。なかなか正面からお答えをいただけなかったと私なりにはとらえさせていただいて、大臣、重大な三大事件があるとおっしゃっておられて、尖閣諸島問題、検察の証拠改ざん問題、検察審査会の問題、そういったことについてしっかりとしたお答えがいただけなかったので、私は大臣としての資質に問題があるという厳しいことまで申しました。
 そうしましたら、私の方にいろいろと、通告が夜遅いとか、通告した後全然レクを受けてもいない、いろんな苦情が来て、ちょっと調べてみたんですけれども、ちゃんと約束どおりの三時に通告をしているんですね。
 それで、私、担当の検事さんのところに電話したんですよ。ちゃんと三時に通告しましたよね、いや、うち、ファクスに三時というのは書いてあるから。そうしたら、あっ、そうでした、だけど先生、通告の紙がぺらっと来て、尖閣諸島の事件についてとしか書いてなくて、何にも教えてもらえなかったじゃないですかと言ったんです。ところが、それも違うんですよ。いや、もう本当、冤罪を受けた人の気持ちが分かった。私は、電話で詳しく質問を、二百四十八条についてこういうことを聞きますよ、ちゃんとレクチャーしているんです。それなのにそう言う。だから大臣が答えられなかったみたいな、人のせいにしているんですよ。
 検事さんって最近そうなのかな、私がっかりしました。私の司法試験の同期のときの検事になった人たちは優秀でしたし、やはりしっかりとしていました。しかし、これ、ちゃんと長々電話でレクチャーしたにもかかわらず、そういうことを言って。それで、本人なんですよね、電話した。そうでしょう、一週間前のことで、レクチャーしましたでしょうと言って、それから、あっ、そうでした、確かに受けましたって、それから言うんですよね。
 私もう本当に唖然として、二百四十八条について御質問します、その法律解釈についてですと。そうしたら、きっとその担当の検事さんは、一生懸命二百四十八条の条文やコンメンタールや解説書や、それから過去の二百四十八条についての大臣の御発言の記者会見、全部用意して大臣にお見せして、そして論争に備えるようにしていらっしゃったと思うんですけれどもね。
 そういう何か人のせいにするような風潮が検事さんの中にまでも広まっているとなると、それはもう総理大臣が、秘書のせいにした総理大臣もいました。何でも秘書のせいにすればいいという風潮が広がっているとすれば、私は問題だと思うんです。それはいろんな意見の違いはあると思いますけれども、双方真剣に議論している、人のせいにしてほしくない、私はそれを冒頭申し上げたいんですけれども。
 まずお伺いしたいのは、尖閣諸島問題で問題になっていますビデオでございます。これが、今朝の新聞によりますと、政府が二十七日に衆議院の方で提出したと、そしてこれについて与党は理事だけの公開を提案したけれども、自民党などは国民に公開すべきだと主張し結論を持ち越したとなっております。
 私が注目したのは、ビデオを見るか見ないか、その公開の仕方ということで記事を読んでおりましたら、びっくりしたのは、これ、ビデオそのものじゃないんですね。ビデオの内容を約六分間記録したDVDと書いてあるんです。その衝突の様子をリアルに録画したビデオがあって、その原本とかそれをそのままコピーしたものが国会に提出されるものだとばっかり思っていたんですよ。そうしたら、それが六分間になっている。それは編集されているのか編集されていないのか。その衝突の様子の中で、ある部分だけを意図的に切り取って六分間なのか分かりませんが、私はこれはちょっと納得いかないんですよ。
 それで、まず大臣にお伺いしたいのは、菅総理が二十七日の朝初めてこのビデオを見たというふうに新聞記事に書いてありますが、柳田大臣は御覧になりましたか。
○国務大臣(柳田稔君) 少しお時間をいただいて、今法務省の役所の中がどうなっているか、少し御理解をいただきたいんでございますけれども、質問が尖閣諸島問題についてという質問だけでございますと、我々はそれに関係するいろんな質問を考えて、こういうことについてはどうかと内部でいろいろ詰めているわけです。その作業たるや大変膨大でございまして、ですから、みんなが徹夜しながらいろいろやっているというのも御理解をいただければと思うんです。
 できれば、皆さんで、理事会でもそうでしょうが、お昼までに事前通告をしていただいて、できればこういうテーマ、特にこのテーマについて議論をしたいというふうにお伝え願えれば、役所の皆さんもそんな残業しないで、朝まで仕事をしないで帰れるということもありますので、私の思いは本当に頑張っている役所の皆さんのことも考えていただければ有り難いなと、そういう思いがありますので、この思いだけは先にお伝えをさせてもらいます。
 それから、今回のビデオの提出につきましては、衆議院の議長の方から、記録の提出要求についてということで十月十四日付けで那覇地方検察庁の方に来ております。これは、記録提出を求める案件ということで、予算の実施状況に関する件の調査に関し、本年九月七日の尖閣諸島沖での我が国巡視船と中国漁船との衝突事案をめぐる問題についてということで、任意提出を求める記録というのが書いています。ここには、本年九月七日の尖閣諸島沖での我が国巡視船と中国漁船との衝突事案の映像記録というふうにしっかりと記されてきております。これを那覇地検の方で受けまして、海上保安庁といろいろ協議をしながら、衝突事案の映像記録ということを摘出して、それを、報告を受けたら六分ぐらいだと聞いていますが、にまとめて、それを地検の方から法務省を通して議長の方に提出をしたというのが経緯でございます。
 その際、政府から意見も付けることを検討しているということでございましたので、衆議院の方に提出する前にそのものを、六分のビデオですけれども、そのものを官邸にお貸しして総理が見られたというふうに聞いております。それを戻していただいて、衆議院の方に、二十七日でしたか、お出しをしたという経緯でございます。
 なお、私はこのビデオは見ておりません。
○森まさこ君 大臣、私の言ったことをよく聞いておいていただきたいんですけど、尖閣諸島の事件についてという通告だけだと徹夜するとおっしゃいましたけれども、そうじゃなくてレクチャーしたと言っているじゃないですか。よく聞いてくださいよ。大臣まで連絡が上がっていないのかどうか分かりませんけど、私はちゃんと二百四十八条について聞きますからねと言ってあるんです。
 しかもこれは、尖閣諸島の問題なんか最初から予算委員会でずっと議論されている問題じゃないですか。これが一番重大案件の三大事件の一つと言っているんだったら、それぐらいちゃんと法務省の中でいつでも答えられる資料がなきゃおかしいんですよ、そもそもが。そんな甘えたことを言っていて、このインターネットを見ている国民の皆様がどう思うかと思うと、私は腹立たしくてなりませんけれども、時間がありませんので、その質問について伺いますけれども、六分にまとめたということは、どのようにまとめたのか分かりません、私たちには。これは、やっぱり最初の撮ったビデオそのものを私は見たいと思います。
 ですから、委員長、このビデオの原本の提出、那覇地検と海上保安庁から提出してもらえるように求めます。
○委員長(浜田昌良君) 後日理事会で協議いたします。
○森まさこ君 それでは、次の問題に行きますけれども、先日、予算委員会で私が指摘させていただきましたように、二百四十八条で起訴か不起訴になった場合には是正手段があるんです。不起訴になったときには検察審査会に申立てができるんです。ところが、処分保留の釈放という今回の場合だとその是正手段がないのです。この是正手段ない、検察審査会に申立てできないということは、法務大臣、お認めになりますね。
○国務大臣(柳田稔君) 処分保留の上、釈放されても、いずれ検察当局において起訴、不起訴の処分を行うこととなりますので、不起訴となった段階で対応できるものと思っておりまして、御批判は当たらないと思います。
○森まさこ君 しかし、現段階では是正手段がないんですよ。しかも、処分保留の釈放で国外に釈放してしまったら、時効がずっと満了しないんですよ。いつになったらその処分が出るのか分からない。そのときになってから国民が是正手段行使すればよいかというのはおかしな答弁だと思いますね。
 しかも、この事件においては、中国にもう帰っている、中国にいる船長のその所在をしっかりと日本の検察が押さえているわけではないから、今後、公判をすることは無理であるというふうに仙谷官房長官が答えているじゃないですか。
 法務大臣はどう思っているんですか。この問題について、起訴して公判に持ち込むことができると思っているんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 個別の案件についてお答えは控えますけれども、しかるべきときに起訴、不起訴の結果が出るものと考えております。
○森まさこ君 それでは、仙谷官房長官が予算委員会で答えた答弁と柳田大臣はお考えが違うということですか。
○国務大臣(柳田稔君) 官房長官がどういう趣旨でお答えになったか、私は詳細について理解しているわけではありませんけれども、この件については検察当局がしかるべきときに起訴、不起訴をお決めになると、私はそう聞いております。
○森まさこ君 詳細知りませんって、予算委員会で隣にいたんじゃないですか。これ閣内不一致じゃないですか、意見が違うんだったら。またこれ質問主意書で出しますよ。
 官房長官と意見が同じなんですか、違うんですか、イエスかノーかで答えてください。
○国務大臣(柳田稔君) 先ほども申し上げましたように、官房長官の真意は私は計り知れませんので、検察当局としてはしかるべきときに起訴、不起訴を決めるものと私は思っております。
○森まさこ君 真意ではなくて、この事件が公判に持ち込むことが事実上も困難であると言ったことについての意見を聞いているんですよ。まあ、閣内不一致として伺っておきますけれども。
 それじゃ次に、また仙谷官房長官がおっしゃったことについて法務大臣のお考えをお聞きします。
 予算委員会で仙谷官房長官は、二百四十八条について私がお伺いをしました、直接適用か類推適用かと。趣旨を踏まえてとか趣旨を適用と言うから、それは類推適用じゃないですかと。直接適用ではないことは明らかなんですからね、その言い方は。それを直接適用か類推適用かと聞いたら、いやいや準用もあるとおっしゃった。
 柳田大臣、準用ですか、これは。
○国務大臣(柳田稔君) ここの委員会で私は申し上げたと思うんですが、二百四十八条の趣旨に従って判断を下したものだと私は理解をいたしております。
○森まさこ君 ですから、柳田大臣、趣旨に従ってやるというその適用の仕方を法律的にいうと、それは準用なんですか、類推適用なんですか、どちらなんですかと聞いているんです。準用もあると官房長官が答えたので、それについて柳田大臣は、いや、私も準用はあると思うのかどうか聞いているんです。
○国務大臣(柳田稔君) 二百四十八条は、起訴、不起訴の判断の際の要素を挙げたものであり、その意味で、釈放について直接適用したと申し上げているわけではございません。
 勾留は捜査のためになされているものですから、起訴、不起訴の判断をする際に考慮することができるとされている刑事訴訟法第二百四十八条の所定の各要素について釈放の際に考慮することもできると考えられますというふうに私は理解をさしてもらっております。
○森まさこ君 正面からのお答えがないので、いつもこの大臣との議論は堂々巡りなんですよ。後ろから紙が出てきてその紙を読んでいるだけじゃないですか。
 準用かどうかを聞いているんですね。準用というのはあり得ないんですよ。だからそれを聞いているんです。法務大臣だったらそれ、予算委員会でもう私が官房長官に聞いているんですから、しかもそのとき私が答えまで言ってあげるんですから、答えてほしかったです。準用というのは法律の中に書き込まれているんです、ほかのところの条文にね。いや、処分前の釈放については二百四十八条を準用します、刑訴法の中にそういう条文があれば準用と言うんですよ。だけれども、刑事訴訟法の中にはそんな準用の条文がないでしょう。それなのに官房長官が準用と言ったから私は驚いたんですよ。私の法律家の、法曹の友達もみんな唖然としたと言っていましたよ。弁護士バッジを付けている官房長官が、いやいや準用もありますと言って。私はそんな感覚でこの今本当に国益が問題となっている中国人船長の問題を語ってほしくないんですよね。やはり真剣に一生懸命勉強して、本当に法と証拠に基づいて粛々とやったんであれば、ちゃんとそのように説明してほしい。真剣に質問をしているのに、そのことについて官房長官も全く間違ったことを言う。それに対して法務大臣はごまかしているということで、本当に私は残念です。
 次に聞きますけれども、同種の事件が起きたらどうするのかと。私、予算委員会で柳田大臣に聞いたと思うんですけれども、そうしたら適切な処分をするんだというようなお話でしたけれども、今回は法と証拠に基づいて粛々と国内法を適用してやったとおっしゃっている。その結果が二百四十八条の趣旨を適用ですか、何だか分かりません、初めて聞いた言葉ですけれども。そういうことであるというなら、次に同種の事件が起きたときも法と証拠に基づいて二百四十八条の趣旨を適用して処分保留で釈放するということがあり得るということなんですか、お答えください。
○国務大臣(柳田稔君) 逮捕するかどうかは私の範囲外でございますのでお答えできませんけれども、検察の方に訴追された場合には同様に適切な判断をされるようになるだろうと思います。
○森まさこ君 そうしますと、処分保留で釈放される場合があると。その根拠条文が二百四十八条であると。先例を作ってしまったということになりますが、私はこのことは甚だ危険であるというふうに考えております。
 大臣はこれまで、検察がすべてやったことで指揮権は発動していないとおっしゃる。検察がやったことについて、私は本当に、法律上大きな疑義があると思っています。このことについて何回議論しても、大臣との間の議論をしても納得がいかないんです。ですから、私はやはり、当事者である那覇地検の検事正と検事総長、こちらの委員会に参考人として来ていただかなければいけないと思っておりますので、お二人の参考人招致を委員長、求めます。
○委員長(浜田昌良君) 後日理事会で協議いたします。
○森まさこ君 それでは、次に質問しますけれども、この事件について国民からの告発があったという報道がされていますが、事実ですか。
○国務大臣(柳田稔君) 突然聞かれましたのでお答えがどうなのかと思って少し後ろと相談をさしてもらいましたけれども、そういう告発があるというのは以前聞いた記憶がありました。どうするのか、個別の案件についてお答えを差し控えさせていただきます。
○森まさこ君 突然の質問と言われましたけれども、これは予算委員会で我が党の衛藤委員が質問をしていることなんです。御自分の所管内のことですからしっかりと関心を持っていただきたいなと思いますが、十月十二日に告発がされたということでございます。受理をしましたでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) そのことも突然聞かれましたのでどうなっているか分かりませんけれども、個別の案件についてお答えすることは控えさせていただきます。
○森まさこ君 予算委員会では受理はまだされてないということでしたが、現時点でもまだ受理がされてないということ、私の方に情報が入っております。要件はすべて整っているというふうに地検の方で回答しているようですが、要件が整っているのに二週間以上受理されておりません。告発の形式的要件が整っているのに受理されないということがあるんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 突然のことなので少しお時間をください。
○委員長(浜田昌良君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(浜田昌良君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(柳田稔君) 一般論でいえば受理されるというふうに確認をいたしました。なお、個別の案件についてお答えすることは控えます。
○森まさこ君 二週間以上も受理されていないということが大変私は不思議なんですよね。と申しますのも、先ほど申しましたとおり、処分保留の釈放というのは、現時点で国民がおかしいなと思ってもそれを申し立てる手段がないんです。検察審査会に申立てできないんですね。ただ、この先、不起訴処分になった場合には検察審査会に申立てできますけれど、その申立て権者というのは告発した人なんですよね。告発した人が含まれるんです。
 告発受理されないうちに不起訴処分にされてしまったら検察審査会に申立てできないんじゃないですか。まさかそんなことにはなりませんよね、大臣。告発を受理する前に不起訴処分にするというようなことはないでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) お答えを繰り返し同じことを申し上げて申し訳ございませんが、個別の案件についてはお答えを控えさせていただきます。
○森まさこ君 何もかも本当に納得がいかない、本当に中が見えない、残念な気がいたします。私は、やはり当事者の検事正にお話を聞かないと分からないではないかなという思いを強くいたしました。
 それでは最後に、検察審査会についてお伺いをしたいと思います。
 小沢一郎議員が検察審査会の議決に対して不服申立て、訴訟提起をしましたけれども、一部却下されました。この裁判所の判断については法務大臣はどのように受け止めていらっしゃいますか。
○国務大臣(柳田稔君) これは裁判所の所管でございますので、最終的に裁判所において判断されるべき事項と思っております。
 私はコメントする立場にはございません。
○森まさこ君 そうしますと、裁判所が判断したこと、判決文に書いてあることは尊重するということなんですか。
○国務大臣(柳田稔君) ですから、最終的に裁判所において判断される事項でございますので、私としてのコメントは控えさせていただきます。
○森まさこ君 これについて問題になっているのは、法律に書いてないからだと思うんですね。行政訴訟をする場合に、この検察審査会の議決についてできるかどうかということが条文に書き込まれてありません。できない場合について一部法律にこれ列挙してありますけれども、これが書いてないことが大変初めてのケースということで問題になっていると思います。今後、これを法律に定めていくべきというふうにお考えになりませんか。
○国務大臣(柳田稔君) 森委員の御意見として承っておきます。
○森まさこ君 時間が来たので、終わります。ありがとうございました。
○上野通子君 自由民主党の上野通子です。本日はこの法務委員会において質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、法務大臣とそして国務大臣である岡崎大臣に質問をと思っていましたが、まだ到着されていないようですので、質問をちょっと順番を変えさせていただいて、法務大臣の方に質問させていただきたいと思います。
 刑余者の支援についてですが、刑期を終えられた人たちが、社会復帰をサポートしようとすることで地域生活定着支援センターというものが各都道府県に今一施設ずつ設置されようとしております。
 私の出身の栃木県でも二、三年前に立ち上がったところですが、これは大変にいいシステムであって、罪を犯した人は、刑務所にいる間は言わば法務省の管轄ということですが、いったん外に出てしまうと公的な支援がないためにまた再犯してしまうということも現実に起こっていました。そんな悪い環境を防ぐためにということで、法務省、こちらの法務省や厚労省や、そして警察や地域の都道府県の協力でこの地域生活定着支援センターが立ち上がったところです。
 さて、これは大変いい取組ということなんですが、ここで私がちょっと疑問に思ったことは、これと同じようなセンターを法務省独自で、来年度予算の概算要求で、名前もまだ案ですが、更生保護就労センターとして整備をする予定ということなんですね。
 そして、話を聞くと、地域生活定着支援センターは福祉の観点だから、法務省の更生保護就労センターとして立ち上げる方は就労に重点を置くということなんですが、今現に立ち上がっている地域生活定着支援センターの方では既に就労の方もきちんとそのセンターの中で行っているということで、これの違いを明らかにしてほしいということと、また別々に設置する必要があるのかということを法務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 国会に出られる前からこの件については地元の方でいろいろ活動されているというふうに承っておりまして、この活動、いろんな意味で力を注いでいただいていることに感謝申し上げます。
 私も就任してまずそのことが気になりましたので、それなりに勉強させていただきました。いろんなパターンがあるわけですけれども、いずれを取っても再犯ということが大きなテーマになっているというふうに認識をさせてもらっております。
 そういう中で、今御指摘のように、厚生労働省所管の地域生活定着支援センター、法務省所管の更生保護就労センター事業、二つあるというのも認識をさせていただきました。
 まあ上野委員の御指摘もいろいろあれば実はお聞かせ願いたいと思っているんですけれども、二つあってダブりがあったら要らないのじゃないのかと。共に役割が違うところがあるのはもう御存じなので説明はしませんけれども、いずれにしても、更生をどう手助けしていくのか、いい知恵があればいろいろと今日はお聞かせ願えればなと思って、真摯な気持ちで今日はここに参りました。
○上野通子君 法務大臣、そのことはやはり法務大臣を中心として法務省でやっていただいた方が、私の意見を聞くよりもやっぱりプロの方がいらっしゃるのでいいと思います。
 そしてまた、今事業仕分がなされておりますが、このような同じようなことをするところがまた新しくセンターとして設置してはいかがなものかということ、これこそ事業仕分の対象になってしまうんじゃないかと危惧しておりますので、要望としてもう一度再検討していただきたいと思います。
 時間がないということで要望にさせていただいて、次に移らせていただきます。
 さて、皆様御存じのように、あしたの社会を担う青少年の健全な育成はすべての国民の願いです。しかしながら、青少年を取り巻く環境の悪化は更に続き、児童虐待を始めとして、低年齢化する凶悪犯罪の被害者や加害者となる青少年の急増に現状として歯止めが掛からないということが起きています。
 これらの問題に対して、国は従来、それぞれの分野における諸法規により対処してきましたが、いずれの法規も限られた分野における対症療法的な内容にとどまっております。また、各地域の条例では、私も栃木県で改正に向けていろいろとかかわってまいりましたが、子供たちがその条例の対象から漏れてしまったり、また法のはざまとなって子供たちを守ることができなかったりということがたくさん起きています。そして、私も県議会時代に青少年に対する対応について限界を感じてきましたが、ここで国としての法整備の必要性を大変実感しております。
 そこで、まず、青少年の健全育成に重要な役割を担っていらっしゃる両大臣に、このことをどうお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。岡崎大臣からお願いします。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 済みません、法整備に関してでしょうか、国家公安委員会委員長として。
○上野通子君 両方の立場でお願いします。
○国務大臣(岡崎トミ子君) どうもありがとうございます。
 最近の少年非行情勢につきましては、刑法犯で検挙された少年の検挙人数というのは確かに減少傾向にございます。しかし、少年による重大な凶悪事件が発生しておりまして、予断を許さない状況になっていると認識しております。
 警察におきましては、少年の非行防止を図るために、学校等の関係者の皆さんやあるいはボランティアの皆さんたちの力をいただき、連携をしながら街頭の補導活動をしましたり、少年相談、これは家族の方も相談をすることができたり、あるいは問題を抱えた少年の立ち直りということでは様々なことを行っております。まず、家庭を訪問していって少年の話を聞いたり、料理教室を開いたり、生産活動にかかわってもらったり、少年を元気付けるような、そういうこともしておりますし、非行防止の教室、これは学校の方に警察の人が出向いていってこうした教室を開きましたり、問題を抱えた少年の立ち直りの支援をいろいろと行ってきたと。もちろん、有害環境の浄化ということでいえば、有害図書、これを自主的に撤去していくようなそういう活動をしたり、いろいろ取組は推進しているところでございます。
 次代を担う少年の非行防止、少年を社会の中で大事に育てていくことができるように、取組を一層強力に進めていくように指導してまいりたいと思っております。
 また、法整備ということに関しましては、今いろいろな法律がございますが、今ちょっと触れてもいただきました、地方で相当頑張っている面もございますね。青少年の犯罪被害防止、非行防止に関して、青少年保護の観点から、長野県を除く四十六都道府県あるいは長野市等でいわゆる青少年保護育成条例が整備されている。国におきましても、総合的な子ども・若者育成支援施策を推進することを目的といたします子ども・若者育成支援推進法、これを制定して、今年の四月施行されたばかりでございます。この法律に基づいて、七月には子ども・若者ビジョンを策定いたしました。これに沿って、犯罪等の被害防止や保護のための取組、被害に遭いにくい町づくり、それから非行防止相談活動等の取組を推進していくことにいたしておりますし、インターネットにおきましても、青少年の有害情報に多く流通している状況にかんがみまして、青少年の権利の擁護を目的として、いわゆる青少年インターネット環境の整備法、これも整備をされているところでございます。
 引き続き、関係省庁や地方公共団体と連携をしながら、青少年の犯罪被害の防止、非行防止のための取組に全力を尽くしてまいりたいと思います。
○上野通子君 済みません、ちょっと時間がないので、大臣の答弁、後でということでよろしいですか。
 今、岡崎大臣の方から答弁いただきましたが、最後におっしゃった子ども・若者育成支援推進法というのは、内容ここにあって見せていただいたんですが、これはいわゆるニートや引きこもりの若者自立支援を推進するための法律であって、私が質問したいのは、有害情報又は子供にとっての犯罪、それを規制するために必要なことの見解をいただきたかったということなので、完全に青少年の育成から健全の健全を取ってしまった、今の話だと私はうかがえてなりませんでした。
 それで、具体的に言いますと、本当に青少年の健全育成をするための法案というのは、今まで廃案になったり、また案として出てもその改正ができなかったりと、大変そこのところがうまくいかない現状を私はいろいろと調べさせていただいて、特に皆さんにお分かりやすいのでは、児童買春・ポルノ禁止法ですが、これがなぜか今のこの状態であっても、製造と販売、提供目的の所持は処罰の対象であるにもかかわらず趣味としての単純所持は認めていると。これは大変日本人としても私は恥ずかしいことであり、また私は母親としても信じられないことであります。
 なぜなら、被害者となった子供たちは、写真がネットを通じて今この時点でも世界に拡散しているという状況なんです。まして、世界からはこれは日本はおかしい、早く単独所持を禁止するようにという、そういう要請も沸き起こっているんです。世界主要八か国の中でも日本とロシアだけなんです、これを通しているのは。こんなことを続けては、今や日本の常識は世界の非常識になってしまいますが、このことについて、じゃ具体的なんですが、コメントいただけますでしょうか。岡崎大臣、お願いします。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 今の児童ポルノに関することでいいますと、子供、若者の被害防止、保護、この中におきましても、児童買春、児童ポルノに係る犯罪等の被害者となることを防ぐということで、これ社会全体に対して広報、啓発そして厳正な捜査及び適切な処理を行っていくということで、この児童ポルノ排除対策につきましてこうした事件の検挙をしっかり行う、そして、被害者児童の増加、国際社会からの要請等にかんがみまして、関係省庁が連携して児童ポルノ排除に向けた国民運動の推進も含めてしっかりと行っていきたいというふうに思っております。
○上野通子君 今の状況では次々と犯罪とかが起きるので、これ地方はかなり混乱しております。ですから、国としてきちんとした法制化をしていただかないと、例えば年齢によってもまちまちな状況なんです、そのそれぞれの法令によって。例えば、少年法の少年は二十歳と言っていますし、児童福祉法における児童は十八歳、青少年育成施策大綱ではゼロ歳から三十歳未満と、なぜか青少年に対する定義がまちまちばらばらな状態でもあるんです。こういうことに一貫性がないことで、地方では大変条例が作りにくいという実態、現状が起きているんです。
 そしてさらには、国として何もやらなかったのではなくて、今までにも様々な法案を作るということを先ほどお話ししましたが、二〇〇四年には自民と公明の両党が参院の方に青少年健全育成基本法案を提出しております。そうしましたところ、付託委員会も決まらないままに審議未了で廃案となってしまったと、大変残念な状況であったようにもお聞きしております。
 そして、この審議になかなか入れなかった理由としては、表現の自由に最大の配慮をするという、ここのところに皆さん引っかかっていらっしゃった、これがネックだったということなんですが、まずこのことで一つお聞きしたいのは、この法案に岡崎大臣は反対されたとお聞きしていますが、本当でしょうか。まだ成立する前ですね、成立していませんが、法案に、まず成立させようとするときに賛成ではなかったとお聞きしております。
○国務大臣(岡崎トミ子君) これは、児童買春、児童ポルノに係る行為の処罰あるいは児童の保護に関する法律、これを改正して児童ポルノの単純所持を規制するか否かについては国会において議論されるものと認識をしておりまして、その改正につきましては法務省と連携しながら適切に対応することが大事だと私自身も思っております。
○上野通子君 今ちょっと大臣の答弁が違うことだったように感じられるんですが。
 もう一度質問させていただきます。
 二〇〇四年に自民党と公明党の両党が参議院の方に青少年健全育成基本法案を提出しました。これは事実だと思います。ところが、付託委員会が決まらないまま審議未了で廃案となってしまいました。これもその当時の、御存じの議員もいらっしゃると思いますが、審議に入れなかった理由は、両党ができるだけ多くの皆さんの意見を聞いて表現の自由に最大の配慮をすること、これを願ったそうです。そのときにいろいろ、そのとき民主党さん、野党であった民主党さんにも賛同が得られなかった、残念だったということですが、そのとき反対のお考えを示された中に岡崎大臣がいらしたそうなんですが、なぜその時点で法案に反対されてしまった、法案の成立に反対の意向があったかというかを、(発言する者あり)そうですね、反対を示したかどうかをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 私、今の御提案については大変大事な点だというふうに思っておりまして、当時、またそれが定まっていない状況でいろんな意見があったかというふうに思っておりまして、私はそういう意見を聞いていく立場にございました。
○上野通子君 多分、大臣は表現の自由ということに引っかかられたんじゃないかと私は察しているんですが、この表現の自由ということ、いろいろと出版の自由とか言論の自由とかありますが、これは私なりに憲法十二条の方を参考にさせていただくと、国民はこれらのことを濫用してはならない、また常に公共の福祉のために利用する責任を負うということも書いてございますから、明らかに子供に悪影響を及ぼしている有害な情報であっても、子供たちが自然に情報が入ってきてしまったり、また、本来、子供を守る側の大人が子供を商売に明らかに巻き込んでいるという状況が分かるような現状、これを直していくための法整備というのは絶対に私は必要だと思っております。
 そこで、また改めてお伺いしますが、この悪の犯罪とか子供にかかわる様々なことを是非とも防ぐためにも、青少年健全育成基本法の成立を求めますが、それについてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 国会の方でそれは議論されているのでしょうか。
○上野通子君 これを改めて個人的に大臣がお考えいただけるということであれば、また自民党で前回作りました二〇〇四年のこの法案をまた参議院の方へも提出するということが可能だと思われます。
 ですから、この自民党の以前出した法案、再提出ということも含めて、これは法制化することが必要であるかどうかという個人的なお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 是非自民党の方でも御議論をいただきたいと思いますし、国会の方でも御議論いただきたいと思いますが、国の方におきましては、先ほど申し上げました総合的な子ども・若者育成支援の施策を推進することを目的といたしました子ども・若者育成支援推進法、この中でもそのことについてきちんと言っておりまして、先ほど申し上げました、今年の四月に施行されたばかりでございまして、七月には子ども・若者ビジョンも策定をいたしました。犯罪の被害防止、保護のための取組、被害に遭いにくい町づくり、非行防止、相談活動、この取組を推進していくということがこの中にも盛り込まれております。
○上野通子君 何回もお話しさせていただいてちょっとかみ合っていないところは、今のできている法では、なかなか地域は条例を定めるのも難しいし、それで子供を救う、犯罪から救うということも大変難しい状況になってきているので、更に一歩進めて、青少年健全育成基本法案というのを、国の方で法というのを作っていただかないと、各地域はもう混乱状態が収まらないということをお話しさせていただいているんですね。
 それについて、今あるので十分だというような感じに私は受け取れているんですが、私はそうではないと思います。
 もう一度、再度お答えお願いします。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 十分だと私も思っているわけではございませんが、ビジョンをしっかりとつくりましたし、また法案も施行されたばかりでございますので、その中で一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。
○上野通子君 それでは、済みません、法務大臣、どう思われるか、一言、短めのコメントをお願いします。
○国務大臣(柳田稔君) 事前になかったもので、今一生懸命六年前のことを思い出そうとして、ああ、そういえばそういうところがあったのかなというふうな感じはしているんですけれども、上野委員が一生懸命やられているというふうなのは話を聞かせてもらいました。
 どこが所管省庁なのかいろいろと考えなければならない面もありますけれども、私はこれは国会も政府も一緒になって進めるべきものじゃなかろうかと、そう思っていますので、上野委員がこの件を進めたいと、どうしてもやるんだということになれば、我々も協力をいとうつもりはありません。
○上野通子君 法務大臣、ありがとうございます。
 とても前向きな、まさかそのような御答弁をいただけると思っていませんでした。ありがとうございます。
 この基本法は結局廃案になってしまいましたが、青少年のインターネット環境整備法というのが二〇〇八年に成立したのは皆さん御存じだと思います。しかし、これは社会にあふれる情報上の、情報ネットだけの問題にとどまっておりまして、まだまだテレビや雑誌の有害情報等は政府は野放しにしたままでございます。
 やっぱりこういうことを考えても、私は積極的に国がこの法案の成立に向けて動いていただくことが一番だと思っておりますが、再度、最後にもう一度、岡崎大臣の方にお尋ねしたいと思います。これは本当に地域が困っていることでもありますので、是非とも党派を超えて、みんなで青少年を守って、未来の日本をつくるためにも、青少年健全育成基本法の成立に向けて御協力いただくことは可能でしょうか。
○国務大臣(岡崎トミ子君) まず、とにかく法案をまとめるための努力をしていただきまして、これは大切だということになりますから、多分、柳田法務大臣が所管の法案ということになりますか、そういうことで積極的な御発言がございましたこと、しっかり受け止めてまいります。
○上野通子君 先ほど、ポルノ禁止法のときに、世界の非常識、日本の常識と言われているところもあり、困るというお話をしましたが、是非ともそういうことのないように、地方の常識が国会の非常識、政府の非常識と言われないように、きちんと地域の意見も聞かれて、そして成立させていただきたいと思います。
 私は、ここでお二人から、成立に向けて頑張るというお言葉をいただくとは思っていませんでしたので、正しい判断ができる大臣に替えてくださいという発言を最後にさせていただこうと思いましたが、今日はお二人が約束してくれたものと私は取らせていただきまして、これに向けてみんなで取り組ませていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○木庭健太郎君 今日は、大阪地検の証拠改ざん事件の方について、特にその中でも検察の在り方検討会議のことについて何点かお伺いをしておきたいと思います。
   〔委員長退席、理事森まさこ君着席〕
 この大阪地検の証拠改ざん事件ですが、もちろん、主任検察官が証拠隠滅罪で起訴されて、二十一日だったと思いますが、当時の特捜部長と副部長が犯人隠避罪で起訴されたと。これを受けて、法務大臣が検察の在り方検討会議を法務大臣の下につくるということを表明をされて、二十二日でしたが、臨時記者会見においてこの検察の在り方検討会議の座長を前法務大臣千葉景子さんにお願いをし、御本人から了承を得たという御発言をいただいたわけでございますが、座長に千葉前法務大臣を選んだというか、就任をお願いしたと。
 どのようなお考えからこれをお願いすることになったのか、まず法務大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 千葉さんにお願いした最大の理由は、今の検察に対して厳しい目を持っている、これが一番の私の考えの根本でございました。と同時に、これはなかなか難しいテーマでもあるだろうということで、法律にも通じているべきだろうし、実務にも通じているべきであろうし、そしてこの国会の中でもいろいろと皆さんから御提言が出てますんで、その辺を考えて、いろいろ検討できるのは、やはり政治家の経験もあった方がいいのではないかという、もろもろを検討した結果、私は千葉さんが適任だということで決めさせていただきました。
○木庭健太郎君 私たちももちろん千葉景子さんよく知っていますし、この法務委員会で随分長いお付き合いもさせていただいておりますから、本人の見識その他について、そのこと自体は私なりには理解をするつもりなんですが。
 実は、ちょっと驚いたのは、それが出たときに様々な批判がマスコミや、なおかつ日本弁護士会が何か見解を示すというようなことまで至っているというのを聞きまして大変驚きもし、その見解の中に、あっ、でもこれは一部そういう面もあるのかなと感じたことはございました。
   〔理事森まさこ君退席、委員長着席〕
 それは何かというと、なぜ千葉さんがということに疑念を抱く人たちがいるかというと、千葉前法務大臣は要するに事件の舞台となった厚生労働省の文書偽造事件の公判時のときの現役の法務大臣だったと、そういう意味では第三者と言いながらどうなんだろうかという大きな疑問が一つ寄せられたということとともに、大臣になられて、その後の問題なんですが、例えば可視化の問題であるとか死刑制度の問題であるとか、ある意味では大臣になられる前に千葉景子前参議院議員がいつもおっしゃっていたことと、大臣になってから、この動きというのを見るときに、少し法務省にいて、まあ言葉でいうと、検察官を含めてですよ、いろんな法務省の意を酌み過ぎたところがあるんじゃないかと、つまりそういう方が座長になるのが大丈夫だろうかという御心配なんだろうと思うんです。例えば、可視化の問題だってそうじゃないですか。法案提出があったと、でも大臣になったらなかなかこれができないというようなことが起きたと、その辺が一番、ある意味じゃ弁護士会を含めてどうなんだろうかと。
 つまり、これは何をやるかというと、ある意味じゃ、極端な話、検察の解体までやらなくちゃいけないような話にならなければ、もう組織大改編まで行く話なのかもしれないんで、そこに座長としてどうだったのだろうかという意見が出たんだろうと思いますが、こういった様々な意見に対して大臣はどう御反論なさいますか。
○国務大臣(柳田稔君) 一つ一つ反論することは控えますけれども、ただ犯人隠避事件が起きたのは千葉法務大臣当時ではなくて、フロッピーディスクが改ざんされてからずっとつながっていった。ただ、これは改ざんが発覚したというときには千葉大臣は現職だったんで、当時は公判中でございますから、果たして公判中の件について現職の法務大臣が口を差し挟めるのかどうなのか、いろいろと難しい問題があったんだろうと私は推察をいたしております。
 私も現職になりまして四十日過ぎたんですが、なる前となった後といろいろと勉強することがあります。以前はこっちだけ見てたのに、こっち側だけから見てたのに、ところが入ってみると別な角度から見るという意見も実はあります。可視化についても、まあ賛成だなと思っていたら、いろんな方々から反対論を教えてもらうと、ああなるほど、それもごもっともなのかというふうな、いろんなことがですね、なったときにですよ、いろんな意見を聞かせてもらいました。そういうことで、いろんな判断をしていかなければならない立場になったんだろうと、私はそう思っています。
 ただ、先ほども触れましたように、今はもう現職じゃありませんので、はっきりと物をおっしゃっていますから、そのはっきりおっしゃっている言葉に基づいて多分なされるだろうと私は思っています。
○木庭健太郎君 実は法務大臣、やっぱりこういう批判が出てくる一面には何があるかというと、この検察の在り方検討会議、これが一体どこまで何をやろうとしているのかということがまだ大臣の口からは、直接ですよ、こういったものをこの在り方検討会議にはやらせるんだというような方向性とか全体像とか、それに基づいてだからこの方を座長にするんだという、その本人の評価、千葉さんに対する評価という問題の以前に、一体この在り方検討会議が何をやるのかというメッセージが法務大臣からまだちょっと発せられてないんではないかなという気がするんですが。
 これは、当然立ち上げるときにお話をされようと思っていらっしゃるのかもしれませんが、少なくともその方向性というのはきちんとすべきだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(柳田稔君) 御指摘どおりかも分かりませんが、私はこの検討会議を立ち上げたときに、国会の御意見なり、いろんな各層の御意見を承りたいというふうに申し上げました。で、千葉先生に座長をお願いしたわけですが、もうそろそろ、どういうことをすべきだろうということも発表しなければならないのかなとは思っています。その辺も千葉さんともいろいろと話を今しつつあると。それがなければ、じゃ、どういう人選をするかというのもある程度進みませんので、しつつあると。
 だからもう、正直言って本当、委員会で時間がないもんで、その人選とそのことをいろいろと相談しながら私の意見も入れさせてもらって進めているというときなんで、しかるべきときが来たら方針はお示ししたいと思いますし、同時に、集まったメンバーが更にこれもやるべきだろうと、これもやるべきだろうということが出てきたら、それも尊重したいと思っています。
○木庭健太郎君 でも大臣、やっぱり私みたいな人間でも、この検討会議が発足するなら最低限三つぐらいのことは必ずやってもらわなくちゃいけないことがあるんですよ。何かというと、例えば、今回の事件を通じながら、捜査の在り方の問題であってみたり証拠の取扱いの問題であってみたり、特に取調べの問題でいえばですよ、積極的に言うならば、やっぱり可視化という問題は今回の事件のときのやっぱり一番大きなテーマの一つになるんですよ。では、そういう大きなテーマ、つまり大きな柱としては捜査の在り方、証拠の在り方を含めた、そして具体的テーマとしては可視化という問題まで踏み込んだ、一つのそういうものがどうなのかということを検討しろというふうに大臣が言うべき問題だろうと、一つはそういう問題。
 二つ目は何かというと、やっぱりその組織体制の問題まで含めて、これは絶対やるべきですよ。特捜部がどうなのかという問題もある。
 それから、さっきチェック体制みたいなもので、公判部と捜査する在り方、いわゆる組織をどう考えるのかということを、それはもうその検討会議でやらせなくちゃいけないですよ。それは、大臣がそういうことを検討しろと言わなければならない問題だろうと思いますし、もっと根本を言うと、そこまで必要なのかどうか私はちょっとやや悩んでいるんです。例えば検事の人事や評価方法みたいな問題まで、もっと言うならば、例えば今検察庁の中には倫理規定のようなものはないですよ。でも、例えばそれも作らなくちゃいけないような今回の事態なのかと。言わば根本問題のそういう精神的な、そこまでやはり検討すべきだと。
 私は今、三つ申し上げました。そういった基本ぐらいはしっかり伝えた上で人選に入るというようなことが必要じゃないかと思うんですが、更にもう一回、お尋ねをします。
○国務大臣(柳田稔君) 最後の点はなかなか微妙なことになりますので、前二つについては木庭委員のおっしゃることを十分頭に入れて対応したいと思います。
○木庭健太郎君 是非そういった、何を変えていって、大臣の思いとして、いわゆる検察、当事者じゃなくて第三者にやらせるその意味合いですよね、その重みというようなことを考えると、できるだけ早い段階で、もちろん人選を進めていただくこと、結構でございますし、なるべく早く立ち上げていただきたいんですけれども、ともかく大臣からそういう具体的なメッセージをできる限りいろんな形で送出をしていただきたい。そして、本当に今回の事件が、もうすごい、もう大変な問題なんですから、これの解決へ向かってはもう適時情報発信を大臣からしていただきたいなという強い気持ちを持っているということを申し上げて、具体的に少し聞きます。
 要するに、今回の事件というのは、一応二十一日に特捜部長と副部長の犯人隠避罪の起訴が終わりまして、その後に処分もなさったようでございます、一連の。つまり、今回のいろんな事件の中で、一応大枠の、事件の一通りの整理の問題も含めて、いったんこれで終了したのかなというようなイメージにもちょっとなっております。
 そこで、具体的にちょっと聞いておきますが、今回の証拠隠滅の事件、そして犯人隠避の事件について、関係者について法務省はだれにどのような処分をしたのかということを、もうマスコミにも公表されていますが、改めて確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 人事上の処分についてお答え申し上げます。
 まず、証拠隠滅及び犯人隠避事件に関連し、前田元大阪地検検事、大坪元大阪地検特捜部長及び佐賀元同副部長の三名を懲戒免職処分にいたしました。
 監督者でございますが、三浦元福岡高検検事長、証拠隠滅事件当時の大阪地検検事正でございますが、を減給一か月に、小林元大阪地検検事正、これは犯人隠避事件当時、を減給四月に、玉井元大阪高検次席検事、当時の大阪地検次席検事を減給六月に、また、太田京都地検検事正、当時の大阪高検次席検事を戒告に、伊藤次長検事を訓告に付すなどいたしました。
 なお、前田元検事の同僚検事である国井検事についても、両事件に関連し、減給一か月の処分に付しているというところでございます。
 なお、三浦元検事長、小林元検事正、玉井元高検次席においては、いずれも職を辞されているということでございます。
○木庭健太郎君 つまり、この問題というのは、おっしゃったように、小林さん、三浦さん、国井さん、つまり、事件に直接かかわった人のほかに、例えばこの方たちがなぜ処分をされたかというと、最高検のこれ御発言ですけれども、例えばこの減給で辞職されたお二人ですね、いわゆる、今年の二月時点でこういう問題、つまり、どうも騒ぎが起きているよと、元主任検事による証拠品のフロッピーディスクの文書データが書き換えられているよと、公判担当検事が騒いでいるとか、そんな話をある意味じゃお聞きになっている部分があったのでこういった処分をなさったということなんだろうと思いますが、そうすると、全体のこの構造、今回の事件の構造の中で一応起訴すべき人は起訴する、処分する人はしたということになりますと、一連の事件に対する処分は現時点で終了したというふうにとらえていいのかどうか、ここをお伺い、はい。
○国務大臣(柳田稔君) 今回の処分につきましては、証拠隠滅及び犯人隠避事件の関係者の処分ということで行いました。この件については必要な処分を行ったものと私は認識をいたしております。
 ただ、今もう既に始まっていますが、村木元局長に対する無罪事件、最高検の検証が進んでおりますので、その結果を踏まえて、必要が生じた場合には人事上の必要な処分も検討をさせていただきたいと考えております。
○木庭健太郎君 やはり、この事件がもうどうしようもないというか遺憾だと大臣がおっしゃったところの一つに、やはりこの問題というのは、もしこういう問題、証拠改ざんの可能性が本当にあった時点できちんと、本当に発覚する前にこれいろんなことあったわけですから、やっていれば、結局、一人の村木さんという方が、もうずっと結局公判を続けられて、裁判の決定があるまで縛り続けたというもう重大な問題が背後にあるということはやっぱりしっかり認識をしておいていただきたい問題だと思うし、言わば検察の機能そのものが、チェック体制も含めてですよ、もちろんその証拠調べから始まって全部のいろんな過程の中で様々な問題が起きているということだから、逆に言えば最高検察庁も調査をこの事件についてやり、なおかつもっと大きな形で、先ほど御指摘をさせていただいた検察の在り方検討会議というものがなっていると。
 私がやっぱり心配するのは、何か一連の処分が終わった段階で、もうこの問題については関係のその事件だけの問題で終わりなんだというふうな形で最終的に判断されてはたまらないなと。そうならないようにいろんな仕掛けはしていただいているとは思うんですが、私は、この責任問題というのは、この事件に始まる責任問題というのはこれで終わってはならないという気がしてならないんです。
 先ほど、大臣も、これからいろんな中でまた別の形も出てくるかもしれないということをおっしゃいましたが、私はこの問題というのはいろんな過程をチェックしていく中で、ある意味では、うちの草川委員、予算委員会の中で法務大臣に対して、一番責任を取るべきは、それは直接の責任という問題ではなく検察の在り方、法務省の在り方、すべての問題を考えると、これだけ重大な事件が起きているならば、その責任というのは、どちらかといえば私は大臣であるというふうに草川委員はおっしゃっておりました。
 私も、どこがどう責任を取るのかという問題について、今日、あえて法務大臣、辞めろとは申し上げませんが、でもこの前の処分ですべてが終わったと、もしそういう結論だったとしたら、これは重大な瑕疵が残るという気が私はしてならないんですが、この点について、法務大臣の見解をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 予算委員会でも草川先生に申し上げましたとおり、私は検察の信頼回復をすることが私の責任であると、そういうふうに思っていまして、しっかりやっていくという所存であります。
 同時に、先ほど触れましたように、検証が進んできますといろんなことが分かってくると思いますので、必要なことはやりたいと思っております。
○木庭健太郎君 終わります。
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 まず最初に、一昨日、十月二十六日のこの法務委員会で質疑をさせていただきましたが、その際の確認からさせていただきます。
 証拠ビデオの開示に関する点でございます。証拠ビデオ及びそのコピー、コピーは海上保安庁が所持しておるそうですけれども、これらは刑事訴訟法四十七条におけます訴訟に関する書類に該当するという意味で、刑事訴訟法四十七条の直接適用があるというふうに考えてよいというお答えでございました。それから二つ目、公表するか否かの判断ですけれども、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合という同条のただし書ですけれども、この判断権者というのは捜査当局、検察当局であるという答えもいただきました。そして三つ目、公表の範囲といいますか、この条文でいいますと公にという文言ございますけれども、その意味するところは不特定多数への公表であるということでございました。
 取りあえず、まず以上、この認識で間違いないか、刑事局長、お願いします。
○政府参考人(西川克行君) その認識で間違いないというふうに考えておりますが、その最後の部分について、前回の私の説明がちょっと言葉が足りなかったものなので、補充をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、政府部内の少数の特定の人が職務上の必要から御覧になるということについては、刑事訴訟法四十七条に定める公にしたとまでは言えないというふうに考えられます。
 ただ、だからといって刑訴法四十七条を度外視して、特定少数者であれば必ず見れるというものではございませんので、その場合には刑事訴訟法四十七の趣旨に照らしまして、政府部内の少数の特定の人が職務上の必要から御覧になるということにつきましては、もちろん管理者である捜査機関の許可を得た上で御覧になるということは可能になるというふうに考えております。
 後段の部分、言葉が足りなくて大変失礼をいたしました。
○桜内文城君 今の公にというところでもう一つ質問をしておきます。
 今回いろいろと言われておりますのが、公表の対象範囲といいますか、衆議院の委員会、それも理事だけであるかあるいは委員すべて、あるいは国民全体に対してかということが問題になっておるようですけれども、少なくともこの刑事訴訟法四十七条に基づいて検察当局から政府を経由して衆議院に出ていく、この段階で公表範囲の制限を今回付けているのかいないのか。今回という個別具体的な案件についてお答えできないというのであれば、一般的に公表対象範囲を制限するか否かというその判断権者というのは、先ほどと同じく検察当局、捜査当局と考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) その場合は捜査当局であると考えられます。
○桜内文城君 では、それに関連する質問ですけれども、昨日、報道等によりますと、先ほどの質疑にもありましたけれども、法務省からですかね、菅総理も御覧になった後に衆議院に対して提出されたということでございます。
 報道等によりますと、あるいはそれぞれの会派で既にお耳にされていると思いますけれども、どうこれを公表していくのか、どういった範囲でやっていくのかということが今衆議院の予算委員会の理事会で議論されている、検討されているというふうにお聞きしますが、このビデオの提出後、国会に対して提出した後にそれをどういった範囲で開示するか、公表するか否かということは、もう既に検察当局の手を離れて国会の判断でできるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 少し時間をもらって説明したいのは、今回、海保がオリジナルのビデオを持っていますと。その中で、先ほど、なぜ一部だけ抽出して出したのかという議論もありましたけれども、これは今後の海保の活動とかに支障が生じないようにしたいし、関係者の名誉や人権にかかわるような情報は省きたいし、それに公益上の必要性というものを考えたときに、六分五十秒ですか、を作成して出した方が妥当だろうという判断をして出しました。
 その際に、そういうことがありましたので、海上保安庁の方からも要望が出てきました。海保の活動に差し障るようなことはやらないでほしいしとかいうことも含めて、いろいろ要望は海保の方から地検に行き、地検も四十条のことを加味しながら要望として衆議院に提出したというふうなスタイルでありますけれども、同時に政府の方も要望を付けると、考えるとおっしゃっていました。その要望を判断するためにビデオを見たと。それを見て官房長官名で予算委員長に対して要望書というのを出したという内容でありますので、それは、その辺の事実は御理解をいただければと思います。
○桜内文城君 改めて今度は刑事局長に法解釈についてお尋ねしますけれども、先ほどと同じ問いですけれども、提出後、既に今回のDVDが国会の方に、衆議院の方に提出されているそうですけれども、これをどの範囲で、どの範囲でということは、一般国民まで対象を広げるのか、あるいは理事会だけなのか、委員会全部で見るのか、その判断権というのはもう既に検察当局の手を離れて予算委員会の判断にゆだねられているというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 委員がおっしゃられるとおり、那覇地検の方で要望を出しておりますが、これはあくまで要望でございます。条件というものではございません。
 したがって、要望の趣旨も踏まえていただけると思っておりますけれども、衆議院において適切な御判断をしていただきたいということに尽きるということと思います。
○桜内文城君 委員長にお願いしたいんですが、そのビデオを、この法務委員会、参議院の法務委員会にも提出をお願いしたいと思います。
○委員長(浜田昌良君) 後日理事会で協議いたします。
○桜内文城君 ビデオの件について、あと一つだけ質問をさせていただきます。
 九月三十日の柳田法務大臣の記者会見の際に、それまでは刑事訴訟法四十七条、今話しているこの条文に基づいて、公表を控えてきたというふうにおっしゃっております。その後、昨日、実際には提出されておるわけですけれども、いつ検察当局、捜査当局が公表するという判断をされたのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) いつ、具体的にと言ったら、局長に聞いてもらいたいんですけれども。衆議院の方から公開をしてほしいという要望が出まして、それを受けて最終的には判断をしたということになろうかと思いますが。
○政府参考人(西川克行君) 衆議院予算委員会の要請を受けた後、海上保安庁と協議をしてまいりました。最終的にどのような出し方がいいかという協議が調いまして、今回提出したビデオを海上保安庁から地検が受け取るという手続があるわけですが、それが二十五日ということでございます。
○桜内文城君 ありがとうございます。
 では、質問を変えます。
 今回のフロッピーディスク改ざんに関する件でございます。既に、参議院の予算委員会等で福島みずほ議員からの質問等でいろいろと事実関係が明らかになってきております。まず、事実関係等々について確認をさせていただきたいと思います。
 議事録等によりますと、最高検がこの件といいますか、この村木さんの事件に関して、大阪地検で公判の維持の上でどうもおかしいことになっているぞと。これは四十三通のうち三十四通の証拠が却下されたということが五月の末になされまして、それに関する調査あるいは質問という形でメールを最高検から大阪地検に出しているということが国会の政府の答弁でも明らかになってきております。客観的証拠と供述調書の不整合等を理由に供述調書の取調べ請求が却下されたということから、却下決定で指摘された事項について報告を求めております。これが西川刑事局長の御答弁であります。
 ここでお聞きしたいのは、まず、メールで調査をするということが一般的なものなのか、どうもそうは思えないんですけれども。これでもって、このメールでの質問状ということで調査ということになるのか。また、このメールというのが単に、今のところ明らかになっていますのは、最高検は大阪地検にメールで質問状を出した。メールというのは基本的に担当官一人一人にアドレスが割り振られてあるものですから、一体だれからだれに対してこういった質問状が出て、それを大阪地検の方では一体だれが取りまとめて返してきたのか、まずそこについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) お答えの前に、先ほどちょっと日付を間違えました。失礼いたしました。ビデオの提出を最終的に決めた日付でございますが、那覇地検が福岡高検及び最高検と、それからもちろん海保と協議をしてまいったわけですが、最終的に出し方を決めたというのは十月の二十六日ということで、一日狂っておりました。大変失礼をいたしました。
 それから、メールの件でございますけれども、御案内のとおり、今現在、検察庁においても検察WANという形で各人がメールのアドレスを持っております。それで、保秘の面では、むしろファクス等を使うよりもメールを使うというふうなことを奨励しているというような事実がございまして、特に捜査機関間の調査、連絡等についてはむしろ頻繁にこのWANが使われているという実情にあるというのはまず御理解いただきたいというふうに思います。
 したがって、今回の件につきましては、委員が御指摘のとおり、最高検が、大阪地検において村木さんの法廷において多数の証拠が却下されたということがありましたものですから、大阪地検の認識等を求めたということでございますが、もちろん当然のことながら担当者同士で電話等のやり取りもしているというふうに思いますが、より明確にするという形で最終的にはメールで問い合わせを実施したと、こういうことでございます。
 最高検が高検を通じて地検に対していろいろな問題点を問い合わせるということも、それから回答を求めるということもあり得るということでございますが、特にメールであるからといって珍しいことではないということであろうというふうに思っております。
○桜内文城君 メールだから一般的だとも言えなくもないとは思うんですが、そもそも、いろんな事件の性質にもよるかとは思うんですけれども、今回のこの村木さんの事件の逮捕、起訴等々について、大阪地検は大阪高検、最高検とも協議して、了承を受けて逮捕、起訴を行って公判維持を進めてきたというふうに、これはやはり同じく、同じ日の西川局長の御答弁でございます。
 逮捕、起訴について最高検とも協議、協議ということは恐らくこういった会議体で顔を突き合わせて、大阪か東京か分かりませんけれども、実際に顔突き合わせて話をしたと思います。にもかかわらず、この公判維持について重大な過誤といいますか仕事上のミスがあったときに、単にメールで質問状を出して、そして回答が返ってきて、何もそれを不審に思わずに受け取ったということなんですが、今のところの御答弁は、予算委員会等での御答弁。どうにも、世の中でこういうことがあり得るのかなと。私も役所に何年か勤務しておりましたけれども、役所の仕事のやり方としてそこまでずさんなやり方というのは、特に最高検、あり得るのかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 繰り返しになりますけれども、最高検が高検を通じて地検に対し、あるいは直接にでもあれですけれども、公判中、そのほかの事件について問題点が生じた場合、事案の内容や質問の内容等にかんがみて適宜な方法で問い合わせをして回答を求めると、これはあり得るものと承知をしております。
 ただ、現在、最高検は今回の事態を招いた原因を明らかにするため検証しているということでございますので、御指摘の点も含めまして今後検討がなされるものと考えております。
○委員長(浜田昌良君) 桜内文城君、時間が来ておりますので、おまとめください。
○桜内文城君 そうですか。じゃ、また次にいたします。
 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 フロッピーディスクの改ざん事件について、関連してお聞きいたします。
 自ら描いたストーリーに合わせて供述を強要し、証拠すら改ざんをする、そして有罪にすると、この事件は検察の在り方そのものを問うております。今回は証拠改ざんが問題になりましたけれども、検察が不利な証拠を隠すということもしばしば指摘をされてまいりました。
 まず、大臣にお聞きしますけれども、国民の税金を使って警察や検察が集めた証拠というものは、これは捜査当局が有罪を得るために使われるものなのか、それともこれはだれのものなのか、何のために使われるべきものなのか、基本的な見解をまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 国家刑罰権の適正な実現のため、捜査段階であれば起訴や不起訴の判断に、起訴後の段階であれば公判における立証活動に適切に使われるべきと承知いたしております。
○井上哲士君 刑事訴訟法の第一条は、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適切かつ迅速に適用実現することと、その法律の目的を言っておりますけれども、当然この目的に沿った形で用いられるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) そのとおりだと思います。
○井上哲士君 そうであるならば、検察当局が集めた証拠というのは別に検察官の所有物でもないわけでありまして、まさに真相を明らかにするために使用されるべきでありまして、これは全面的に開示されるべきものであります。
 検察官の手元には、税金を使って、そして強制力を使って集めた膨大な資料があると。一方、弁護側にはほとんどないということが間々多くあるわけですね。
 この無罪の証拠とか、それから検察に不利な証拠を出さずに有罪を求めたと、こういう冤罪事件というものも数多く指摘をされたわけであります。無罪の証拠とかそして検察に不利な証拠を隠した、結果として無実の方が有罪になると。そういう点でいいますと、私は証拠の改ざんにも等しいことだと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 証拠の改ざんなどということはあってはならないことであり、証拠開示についても検察官は、公益の代表者としての立場から、有罪立証への有利不利を問わず、刑事訴訟法に定められた規定に従い適切に対処すべきものと承知いたしております。
○井上哲士君 有利不利問わずということを言われました。先日も刑事局長からそういう同じ言葉が出たわけでありますが、現実にはどうなっているのかと。
 証拠隠しが様々な冤罪を生んできたわけですね。例えばあの有名な布川事件、これは第二次再審請求審で様々新たな証拠が開示をされました。例えば、殺害方法について自白と異なる中身を示す死体検案書も出てまいりましたし、有力な証人の証言を覆す近所の女性の調書というのもその再審請求の中で出てきて、そしてこれが再審につながっていったわけですね。ですから、初めから証拠が開示をされていれば、もう何十年もこの冤罪に苦しまなくてもよかったという事件があるわけであります。
 今、再審が決まっている名張の死刑再審事件でも、検察側は膨大な資料を持っているというふうに表明をしておりますけれども、弁護人が要求しても標目すら開示を拒否をしているわけですね。これが実態なんです。
 ですから、私は、冤罪で苦しむ人を新たに絶対に生み出さない、そして、現に今再審で闘っている皆さんが、きちっと証拠をしっかり出させて、それを晴らすという点からいいましても、証拠の全面開示に今踏み出すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 検察官手持ち証拠の開示につきましては、平成十六年、刑事訴訟法改正によって大幅に拡充されたところでございますので、その運用も踏まえて検討をする必要があるんだろうと、そう思っております。
○井上哲士君 平成十六年改正で大幅に拡充をされたと、こういう答弁でありますが、民主党が提案をしたいわゆる取調べの可視化法案では、この公判前整理手続において、検察官の手持ち証拠の開示に向けて標目の一覧表の開示を行うということが盛り込まれておりました。
 そのときの提案理由説明でありますが、既に公判前整理手続においては証拠開示の方法が定められておりますが、被告人側は、そもそも検察官がどのような証拠を有しているのか分かっておりません、実体的真理を解明するためには有利不利を問わずに明らかにされるべきものであり、その前提として証拠の標目の一覧表の作成及びその開示をすることとしておりますと、こう言っているんですね。
 ですから、十六年改正は行われたけれども、標目さえ出されなければ、実質的にこれは問題があるということでこういうことが出されているわけでありますから、少なくともこの標目の一覧表の開示ということに私は直ちに踏み出していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 民主党の提案は尊重いたします。ただ、関係者の名誉とかプライバシーに与える影響とか、検討しなければならない問題点もありますので、この辺も十分考慮して検討したいと思います。
○井上哲士君 プライバシーとかいう問題は、その標目を見て弁護側が開示請求をした場合に最終的に裁判所が判断していくわけですね。ですから、標目の開示には私は今のことは全くできない理由にならないと思いますけれども、刑事当局、どうでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) まず、証拠の標目の開示ということについて、平成十六年の改正の際に相当議論がなされたと聞いております。
 その議論の中身というのは、まず供述調書、鑑定書、証拠物といった証拠の表題だけが記載された一覧表、これは開示してもそれほどの意味はないのではないか。それから、証拠の内容や要旨まで記載した一覧表を開示するとすると手持ち証拠をすべて開示するのに等しいということで、そのときに導入された類型証拠等の証拠開示のルールと異なってくるのではないかと。それから、手持ちの全証拠について一覧表を作成させると、特に内容を要旨まで記載した一覧表を作成させるということは、これ証拠物、証拠書類一式すべてということになりますと捜査機関の負担を相当過重にすると。現実的に見て妥当ではないということで結局採用されなかったと、こういうふうに認識をしております。
 ちなみに、刑事訴訟法で、裁判所は検察官に対して、指定する範囲に属する証拠の標目を記載した一覧表の提示、これを命じることができるというふうにされているわけですが、この一覧表については何人にも閲覧、謄写させることができないとされているということでございまして、限られた範囲の証拠の一覧表であっても開示による弊害が生ずるおそれは避けられないと考えられたということによるものでございまして、手持ち証拠すべての一覧表を開示するということについてはこのような弊害についても考えなければならないということでございまして、現行制度の運用、これを踏まえつつ、その必要性等関係者の名誉、プライバシーに与える影響そのほか問題点を十分考慮して検討する必要があると考えております。
○井上哲士君 私も当時法務委員会でしたのでその議論は参加をしておりますけれども、そういう理屈がありました。しかし、現実にどうなっているのかということがあるわけで、今の答弁よりも私は民主党案の提案理由説明の方がよっぽど説得力があると思いますので、これ是非大臣、検討会議の中でも議題にしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 今回の検討会議を立ち上げた理由はもう皆さん御存じのとおりでありますので、検察の全般的なこと、そして抜本的なこと、議論をすることになるだろうと思っています。井上委員がおっしゃった点についても、必要に応じて検討の対象になるんだろうと思っております。
○井上哲士君 前回の質疑で、検察の言わば横暴を許してきた背景に裁判所の責任もあるということを申し上げました。この間指摘した点ともう一つ、法廷での供述と検察の調書が食い違った場合に、検察側の調書を採用して有罪と認定し続けてきた、こういう裁判実務があるんじゃないかと、こういう指摘もされております。
 元裁判官の木谷明氏が、朝日新聞のインタビューで、捜査の内容に疑いを持たず、持ったとしても深く調べず、検察が描いた筋書どおり事実認定しているだけの裁判官は少なくないと、チェック役を果たさず検察を増長させてきたという意味で裁判所の責任も重いと元裁判官の方が述べられておりますが、こういう指摘、どう裁判所は受け止めていらっしゃるでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 御指摘の検察官調書を含めまして、証拠の評価というのは大変難しゅうございます。証拠能力、それから証明力、いずれにつきましても慎重な検討が必要であるということでございます。
 まず第一の証拠の採否、証拠能力の問題でございますが、一般論としてのお答えになりますが、裁判所といたしましては、今後とも事実認定における証拠の重みというものを肝に銘じまして、弁護人の御主張、これも出していただくわけでございますが、弁護人の御主張にも十分耳を傾けまして証拠能力の要件の吟味というものを慎重にやっていかなければいけないというふうに考えております。
 それから、採用することもあるわけでございますが、採用した場合にも、その内容、それ自体の内容を慎重に吟味するとともに、客観的証拠がどうなっているか、それとの対比も十分に見る必要があります。
 さらに、繰り返しになるかもしれませんが、弁護人の御主張も当然あるでございましょうから、それにも耳を傾けまして、証明力の評価につきましても慎重に検討しなければならないというふうに考えております。
○井上哲士君 結果として誤判が起きております。そして、例えば最高検は死刑三冤罪事件についての検討委員会というものをつくられました。果たしてどう生かされているのか、公表もされていませんので問題はありますが、しかし最高裁としてはこういう検討をどうも行っていらっしゃらないようなんですね。もちろん、裁判所の独立という問題はありましょう。
 しかし、例えば日弁連は今年の三月に、公的機関としての誤判原因を究明する調査委員会を設置すべきであると、こういう意見書も出しておられます。誤判発生の原因を明らかにし、この刑事司法制度の運用について改善すべき点を検討すると、こういう提案もされておりますが、こういう誤判の検証をするような、原因を究明する第三者機関の設置については最高裁はどうお考えでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えをいたします。
 まず、委員御指摘の再審事件についてのところからちょっと御説明をさせていただきたいのでございますが、委員も御発言になりましたように、裁判官の職権行使の独立という観点から、最高裁の事務当局として個々の事件について当否の判断をするということになりますと問題が生ずると考えております。
 ただ、委員も御承知のとおりと思いますが、最高裁に司法研修所がございまして、この司法研修所では裁判官に委嘱をいたしまして司法研究というのを行っております。こうした司法研究の中には、例えば昭和六十三年に提出されました「自白の信用性」と題するもの、それから平成四年に提出されました「情況証拠の観点から見た事実認定」と、こういったものがございます。
 こういった裁判官の研究におきましては、御指摘になられました財田川事件、免田事件、松山事件、そのほかの再審無罪事件もございますが、こういった事件、各審級ごとにどんな判断がされたのか、問題点はどうだったのか、その辺も研究の対象となっておるところでございます。
 それから、二つ目の第三者の調査委員会の点でございますが、組織、権限などが分かりませんので発言は控えたいと思いますが、ただ、公的な機関が具体的な事件を対象にいたしましてその審理の検証を行うということになりますと、やはり憲法上認められた裁判官の職権行使の独立という観点から問題が生じかねないと思っております。したがいまして、慎重な御検討をお願いしたいと思っております。
○井上哲士君 時間ですので最後にしますが、昨年の最高裁の国民審査のときに最高裁判事の方に報道各社が共同アンケートを取っておるんですが、この問題を聞いているんですね。例えば、竹内行夫判事は、誤判という結果が確定した場合に何らかの形で検証する必要があり、その際、検証作業への第三者の参加を得ることが望ましいと、こういうふうに回答されておりますし、竹崎最高裁長官は、刑事裁判の本質にかかわる問題として真剣に検討すべきだと考えると。できるだけ広い視点に立って、裁判と科学、技術の在り方全体について建設的な方策を検討することが必要であると。もちろん、裁判の独立ということを考慮した上でということでありますけれども、私は何らかの形でやはりもっと幅広い検証が必要ではないかと思っております。
 最後にこの点で大臣の見解をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 余りいい答弁にならないのでございますけれども、先ほどの答弁と同じように、裁判官の職権行使の独立性、関係者の名誉等の保護の観点から慎重な考慮を要するものと私も考えております。
○井上哲士君 時間ですので、終わります。
○委員長(浜田昌良君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会