第176回国会 厚生労働委員会 第2号
平成二十二年十月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十月二十一日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君 ツルネン マルテイ君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         津田弥太郎君
    理 事
                足立 信也君
                長浜 博行君
                石井 準一君
                藤井 基之君
                山本 博司君
    委 員
                梅村  聡君
                大久保潔重君
                川合 孝典君
                小林 正夫君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                森 ゆうこ君
                赤石 清美君
                石井みどり君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
                高階恵美子君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   細川 律夫君
   副大臣
       財務副大臣    櫻井  充君
       厚生労働副大臣  小宮山洋子君
       厚生労働副大臣  藤村  修君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  吉田  泉君
       厚生労働大臣政
       務官       岡本 充功君
       厚生労働大臣政
       務官       小林 正夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        石井 信芳君
       厚生労働省医政
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省健康
       局長       外山 千也君
       厚生労働省医薬
       食品局長     間杉  純君
       厚生労働省労働
       基準局長     金子 順一君
       厚生労働省職業
       安定局長     森山  寛君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    木倉 敬之君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
       中小企業庁長官  高原 一郎君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (若年者等の雇用問題に対する取組に関する件
 )
 (アスベスト訴訟に対する政府の対応に関する
 件)
 (たばこの規制法の在り方に関する件)
 (年金記録問題への対応に関する件)
 (高齢者医療制度の在り方に関する件)
 (子宮頸がん予防ワクチンの接種の推進策に関
 する件)
 (独居高齢者対策の充実強化に関する件)
 (自殺・うつ病等対策の推進に関する件)
 (出産育児一時金の直接支払制度の見直しに関
 する件)
 (新卒者就職応援プロジェクトの検証に関する
 件)
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○委員長(津田弥太郎君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長大谷泰夫君外九名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(津田弥太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(津田弥太郎君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 まずは、細川大臣、この度は大臣御就任、誠におめでとうございます。また、藤村副大臣、小宮山副大臣、岡本政務官、小林政務官、それぞれの任に就かれましたことを心よりお祝いを申し上げますとともに、御奮闘を心から御期待を申し上げる次第でございます。
 今日は三十五分ということで、短い時間でございますけれども、一緒に走っていただきたいと思っているところでございます。
 今日は資料を二つ出させていただいております、三ページですけれども。一つは脳死の問題で私が投稿したものを出させていただき、あとは社会保険旬報にも出させていただいた、これは五月十一日における本委員会の質疑にもかかわることでございまして、後の質問にもかかわるということで提出させていただきました。
 さて、三十五分ということでございまして、十問程度を考えておるものですから、質問を一分、答弁二分、お湯を掛けて三分ぐらいでしていただければと、このように思っているところでございます。
 まず、書生論を申し上げるようですけど、私は政治にかかわって三十三年ぐらいなんですけれども、政治とは何ぞやというふうなことを問われたときに私がいつも申しますことは、政治とは、いろんな局面があるけれども、やはり政治とは人間の幸せの追求でなければならない、政治とは人間の幸せの追求であると、このように私は思っているところでございます。
 そして、その幸せを追求するということを考えるときに何ができるか、何をするかということになるわけですが、やはり人間としての幸せの根底に人間の存在、すなわち生きているということ、そして、できることであれば、より健康で生きているということがある、それを支えるのが医療である。すなわち、医療の幸せ度がいかほど高められるかがやはり人間の幸せ、社会全体の幸せを大きく規定するということであろうかと思います。
 そして、また同時に、多くの国民、人間は働いて、なりわいを得て仕事をし、生計を立て、家族共々の幸せを築いている。そういったことからいたしますと、働くという部分の固有の幸せ度、また働くということに関連する幸せ度、それをいかほど高められるかということがやはりこれまた個人にとっての、人生にとっての、またトータルとしての国民全体、社会全体の幸せも規定してくると、このように私は思っております。
 そういった意味で、政治が課題とすべき幸せを追求する。その上で、医療、雇用、こういった部分は本当にその中心的な柱を成す、そのように私は思って今日まで取り組んでまいりました。もとより年金や介護や福祉やそれ以外のこともあるわけですが。そういった意味で、今日は、雇用の部分、医療の部分を中心に三分間コースでお願いしたいと、このように思う次第でございます。
 まず、円高局面で非常に問題となっております産業、雇用の海外流出、空洞化、このことについて基本的なお考えをお伺いしたいと思っております。
 最近の円高局面で大変厳しくなってきたわけですけれども、最近の経済産業省の報告を見ましても、廃業が非常に増えている、しかし開業がなかなか増えないと、こういった状況がある。すなわち、やめていく、物づくり産業の基盤が弱まっている、こういったことが現実に現出しているわけでございまして、それについては政府としてもいろいろ新成長戦略などを講じておられる。また、その一環として、過般の九月二十四日の経済危機対応・地域活性化予備費の活用においても、低炭素型雇用創出産業立地支援の推進ということで千百億を付けられたりしているということで、御努力を多とするところでございます。
 そしてまた、厚生労働省とされましても、雇用の増加に応じ企業の税負担を軽減するいわゆる雇用促進税制を検討されるということで、財務省、総務省にも御要望されたということをお伺いしているわけでございます。
 そういった意味で、やはり日本の産業、雇用の海外流出を防ぎ、国内にとどまっていただいて将来の技術立国日本を支える、そのことが根本的な課題だと思うわけでございます。
 そういった意味で、税金を使うことが必ずしもいいとは言いませんけれども、しかしこの局面、やはり日本の財政、そしてマイナスの意味での財政といいますか、税制を通じて政策を打っていくべき局面だと思っておりますけれども、そのことに向けての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 委員の皆さん、おはようございます。
 今、辻委員御指摘をいただきましたとおり、産業の海外流出ということを防がなければなりません。そのために、国内企業への支援、そしてまた日本での成長分野を支援することによって雇用創造の取組が重要だというふうに考えております。
 このため、政府といたしましては、新成長戦略におきまして、成長分野を中心とした地域に根差した雇用創造を推進するということにいたしております。また、九月十日、経済対策におきましては、将来の大きな成長と雇用創出が期待できるグリーン産業の国内での工場立地を支援する事業なども盛り込まれたところでございます。また、雇用促進税制につきましては、今政府税調の下に設置をされましたプロジェクトチームにおきまして具体的な措置を検討しているところでございまして、国内におきます雇用の創出促進を図る観点からしっかりと検討をしてまいりたいと思います。
 私も委員が御指摘の認識と同様でございます。
○辻泰弘君 財政状況厳しき折柄ではございますけれども、やはりこれは非常に重要な問題でございますので、やはり財政上、税制上の措置をしっかり講じていただく、そのことに向けて、他省とも御協力をいただきながら厚労省としても頑張っていただきたい、このように申し上げておきたいと思います。
 そして、同様に、やはり日本の社会の現状、また将来を展望いたしますときに、仕事がない、雇用がない、こういった中で結婚もできない、子供もつくれない、こういった社会、将来に明るい展望は個人にとっても社会にとってもないと、このように思うわけでございます。そういった意味で、やはり若年者の雇用というものをしっかりと確保するということが大きな課題であり、大臣御自身からの所信の表明の中でもそのことに触れられて、今後とも新卒者・若年者雇用の一層の強化ということで出されているわけでございます。
 そのことに向けてどういうお考えで取り組まれるかということになるわけですが、青少年の雇用の指針なども含めてのお取り組みもされているやに聞きますけれども、若年者雇用についての基本的な御方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 私も、若年労働者の雇用状況が大変悪いということで、しっかりそれに取り組んでいかなければというふうに思っております。とりわけ新卒の方の就職状況が良くないということでございますから、それに向けてもまたしっかりやってまいりたいと思います。
 今委員御指摘がございました新卒で就職ができていないと、そういう方にどのように就職をしっかりしていただくようにするのか、これが重要でありますけれども、新卒枠で既卒者を募集しているような企業というのは五割にとどまっておりまして、こういう厳しい状況のときに正社員になれない状況というのは大変問題であるというふうに思っております。
 そのため、少なくとも卒業後三年以内の既卒者が新卒者と同じスタートラインに立てるように、雇用対策基本法に基づく青少年雇用機会確保指針というもの、これを改正することといたしました。改正案は今月中に労政審におきまして御審議をいただくことになっております。
 また、こういうふうに指針を設けましたら、経済団体等へのしっかりした周知徹底を図るつもりでございます。
○辻泰弘君 是非そのような御方針の下に力強く政策を講じていただきたいと御要請申し上げたいと思いますが、そのことに関連して意見として申し上げておきたいと思うことは、今の指針のお取組もパブコメにかけていらっしゃるということで、そのこと自体悪いとは言えないんですけれども、一つの指針であり、ある意味では法律的な努力義務でもないものについて、もっと機動的といいますか、大臣御自身は御要請をもう経済界にされているわけで、そのことに向けてのパブコメをして指針をこれから作っていくというのは、ちょっと、事後的なというか、ずれているような感じがいたします。
 もちろん、大事な問題についてはパブコメにかけるべきですけれども、こういった、あるべきことについてある意味では自主的に取り組んでくれというようなものは機動的に出していただいていいんじゃないかと、このように申し上げておきたいと思いますし、また過般も、文書で三大臣の連名での要請をされたようですけれども、やはり三大臣でそろって御要請をされるとか、そういった局面をお持ちいただければいいんじゃないかなと、このように思っておることを申し上げておきたいと思います。
 次に、今の日本の雇用状況を支えている雇用調整助成金についてお伺いをしたいと思います。
 失業者が三百万強、そして今は百万強ですけれども、この雇用調整助成金で支えられている、一時は二百万ぐらいのときもあったかと思いますが。そういった状況で非常に重要な機能を果たしている雇用調整助成金でございまして、大臣御自身も、過般の所信の中でもそのことに触れられて決意をお示しいただいているわけでございます。
 このことについて、支給要件の緩和ということをされてきて、今回もまたそのことについての御対応があるやに聞いておりますけれども、そのことについての御方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 雇調金につきましては、委員が御指摘のように、雇用を維持するということに大変重要な意義を持っているところでございます。
 そこで、この雇調金につきましては、昨年の十二月に、リーマン・ショック後の生産回復の遅れを踏まえまして、直近の三か月の生産量が二年前の同時期と比べて一〇%以上減少していれば助成対象とするよう、そういう、去年の十二月この要件緩和をいたしまして、この要件緩和は今年の十二月で終了することとなっております。
 しかしながら、リーマン・ショック後の生産が急激に落ち込んで、かつ委員の言われるように、最近の円高の影響で生産の回復が遅れている事業主については十二月以降もこの助成金の対象という、これが切れますと対象にならないおそれがございます。
 そこで、今回、この直近三か月の生産量が三年前に比べまして一五%減少している場合にはこの雇調金を適用をすると、こういうことにいたしまして、本年の十二月から実施をしていこうというふうに考えております。
 この要件緩和につきましては、雇用保険の二事業の財政状況も大変厳しいと、こういう中で、限られた財源をより良く支援が必要な事業主に振り向けていくと、こういうことで、特に生産量の落ち込みの事業主に限って対象とすることとした次第でございます。
○辻泰弘君 十二月から対応されるという要件緩和は、直近三か月の生産量が三年前の同時期に比べ一五%以上減少と、こういう御方針と伺っているわけですけれども、今までは前々年同期、二年前と比較して一〇%以上減少と、こういうことだったわけでございます。
 私、三年前というのはどんな状況かと思いますと、例えば二〇〇七年の十二月は一ドル百十二円という状況でございました。そういった意味で、今年の十二月以降の三年前というのは実は百円、百十円だった時代でございまして、今回の要件緩和で円高の影響により生産量が減少するということも一つのテーマといいますか要件になっているわけですけれども、そういったことからいたしますと、私は二年前要件もやはりあってしかるべきじゃないかと、このように思っておりまして、その辺は是非また御検討をいただきたいということで、御要請を申し上げておきたいと思います。
 では、次の問題に入らせていただきます。
 いわゆる非正規雇用の増大、派遣労働等の規制緩和についてでございますけれども、そもそも論になりますけれども、私はこの委員会でもよく申し上げてきたんですけれども、人間の存在の基本にかかわるいわゆる社会的規制、労働とか安全とか衛生とか環境とか生命とか医療とか、こういった人間存在の基本にかかわる規制というのは単純に規制緩和して幸せになるものじゃないと、このようなことで労働問題や医療の問題も言ってまいりましたけれども、そもそもこういった領域における、厚生労働分野における規制というものについて、いわゆる社会的規制について、大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 辻委員御指摘のとおり、私も、経済的な規制につきましては、これは規制緩和をすることによりまして市場の活性化あるいは経済発展に大変それが資するということもあろうかと思いますけれども、例えば雇用だとか労働とか、あるいは安全、衛生、それから命にかかわること、医療などの、こういうところの社会的な規制につきましては、私も委員同様、人間の存在にかかわるものでありますから、経済的な規制とは異なって慎重に対応すべきだというふうに考えております。
 そこで、国民の命とかあるいは生活等に重大な影響を、悪影響を及ぼさないように、生活者の立場に立って、目的、手法、必要性などを踏まえ、適切な対応をしていくべきだと、そこが重要だというふうに認識をいたしております。
○辻泰弘君 大臣とぴったり意見が合って、うれしく思っておりますけれども。
 それで、もう一つ、格差ということで、また派遣労働ということでお伺いしたいと思いますけれども、八月に発表された労働経済白書におきまして、こういう表現がございます。雇用者の格差の拡大は非正規雇用者の増加によるものである。また一方、非正規雇用増加の背景としては労働者派遣事業の規制緩和が後押ししたと、こういった表現がございます。トータルとして労働者派遣事業の規制緩和が格差を拡大したと、こういったことになるわけでございますけれども、こういった側面を持った一九九九年以降のネガティブリスト化の流れを始めとする規制緩和について、大臣御自身も労働の問題、またタクシーの規制緩和などでも御努力をいただいてきたお方でございますけれども、改めてこの派遣労働に関する規制緩和についての今日的評価をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 委員が御指摘のとおり、非正規雇用が拡大をしていったと、それは時代的には九〇年代半ば以降、非正規労働者が拡大をしてまいりまして、二〇〇〇年代の景気拡張期には特に大企業で非正規雇用が増加をいたしました。
 この非正規労働者の増加した背景には、相対的に賃金の低い人を活用するという人件費コストの抑制志向が強かったというそのほかに、新卒の学卒者を採用してじっくり人材を育てていくというよりも、即戦力の確保が重視されたということも指摘できるんではないかと思います。それに加えて、労働者派遣事業の規制緩和というものがこうした非正規労働者を拡大させた、またそういう面を後押しもしたと、こういうことも考えられます。
 このように、行き過ぎた規制緩和で非正規雇用の人たちが多く増えましたので、こういう面をやっぱり適正に、その拡大したところをきちっと規制もしていくことも重要ではないかというふうに認識をいたしております。
○辻泰弘君 そのようなお考えの下に労働者派遣法の改正もあるわけでございまして、共々にその実現に取り組んでいきたいと、このように思う次第でございます。
 もう一点、職業訓練のことでお伺いしておきたいと思います。
 やはり我が国の産業は物づくり産業が中心と言うべきでございましょうけれども、そういった国際競争力の強化、技能の継承、こういったことは重要な課題だと思いますけれども、その意味でも職業訓練の重要性というものはますます高まっていると、このように私は思っておりますが、その職業訓練の今日的な必要性というものについて、まず大臣、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) これから日本の社会は、労働力人口が減少していったり、あるいは産業構造も大きく変化が見込まれると。そういう中で、新しく新成長分野とかあるいは高度な物づくりを支える、そういう人材を育成していくということが重要でございまして、また雇用のセーフティーネットという点から考えましても、職業訓練、これが果たす役割というのは非常に重要だというふうに思っております。
 このため、雇用・能力開発機構というのはこれを今度廃止をいたしまして、職業能力開発業務というものだけは今度高齢・障害・求職者雇用支援機構というところに移しまして、引き続き国として職業訓練をしっかりやっていこうということで、今度廃止法案も提案もいたしておるところでありますけれども、今後ともこの職業訓練の重要性ということを踏まえまして、更に引き続き訓練ニーズに対応するようしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○辻泰弘君 既に法案が提出されておりますけれども、雇用・能力開発機構が廃止されて新たな高齢・障害・求職者雇用支援機構に職業能力開発業務を引き継ぐということになっているわけですけれども、その中で、雇用のことでやはり一つの懸念がございまして、条文にも附則で書かれておりますけれども、結局最終的に採用されなかった、新たな機構等に採用されなかった方については、速やかな再就職を図るため必要な措置を講ずるように努めると、こういうふうに書いてあるわけですけれども、このことは、厚生労働省というお立場の機関が生首を切るということはやはり避けるべきことであり、自然減とかいうようなことでの対応はあり得るかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) 先ほどの質問で大臣が御答弁したように、職業能力開発業務は高齢・障害・求職者雇用支援機構に移管することといたします。その場合に、意欲や能力のある職員については雇用問題が生じることがないように雇用に最大限の配慮を行っていく、この考え方でございます。
 具体的には、新法人においては職業能力開発業務を的確に実施するための人員枠を確保する、それと、スリム化による職員の削減については、定年した後の補充を行わないなど、こういう自然減を一つの方策として人員削減については取り組んでいくということで考えておりますので、意欲や能力のある職員については雇用問題が生じることはないと、このように考えております。
○辻泰弘君 大事なポイントでございますので、是非その考え方で進めていただきたいと思います。
 残る時間わずかになってまいりましたけれども、医療の問題についてお伺いしたいと思います。
 まず、基本的に、最近の国際医療交流という言い方、あるいは医療ツーリズムという言い方も一般的にはあるわけですが、そういったことというのは、事の本質は利潤追求の論理を医療に持ち込むという側面があろうかと思います。医療法は営利を目的としないということを基本的な考え方として持っているわけですし、やはり医療というものは私は本質的にそういった利潤追求の経済、産業の論理とは違うと思っているわけですけれども、こういった最近の医療の産業化といいますか、医療ツーリズムといいますか、そういったことについて、またその一環としての混合診療について、利潤追求の論理を医療に持ち込むという、そのことについてのお考え方を大臣に問いたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 私も委員と同様に、医療というのを産業の視点からだけとらえますと、やっぱり利潤追求になりますから、金持ちの患者さんだけを選別をしていくと、こういう可能性も強くなってくるわけでございまして、これは国民皆保険の維持というような観点から見ましても、医療に対する公平性というものが欠けてくるんではないかと、損なわれるんではないかというふうに考えております。
 また、医療を受けるということで来日する外国の方々が必要な医療を受けやすい環境を整備をするということにつきましては、国内の医療現場が医師不足など様々な課題を抱える状況にあることを十分に配慮いたしまして、国民の皆様に対する適切な医療の提供を確保しつつ取り組むということが重要だというふうに考えております。
 また、御指摘がありました混合診療を全面的に解禁をするということにつきましては、一つは患者負担が不当に拡大をするというおそれがあること、さらには安全性、有効性等が確認されていない医療の実施を助長するというような、そういうおそれがあるということから、私は適切でないというふうに考えております。
○辻泰弘君 通告していたのを一つ飛ばさせていただきますけれども、今年度の診療報酬改定のことでお伺いしたいと思います。
 今年度は十年ぶりのプラス改定だったということでございまして、救急、産科、小児、外科等の医療の再建と病院勤務医の負担軽減ということを重点課題として取り組まれて、プラス改定ということを十年ぶりに、〇・一九ではございましたけれども実現していただきました。最近、病院の報告などを見ましても、そのことの効果がいい形で現れているというふうな報告がいただけましたし、また、歯科の皆さん方においても、これまで低廉な形だったけれども一条の光が見えてきたと、こういったことを言っていただいて評価をいただいていると思うんですけれども、このことについての今年度改定の評価と、今後、そういった部分についてもやはりしっかりと配慮をしていくべきだと思っていますけれども、そのことについての御方針をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 平成二十二年度の診療報酬改定におきましては、十年ぶりのネットプラス改定、診療報酬本体についてはプラス一・五五%と、前回改定プラス〇・三八%の四倍の改定を行ったところであります。
 特に、救急、産科、小児、外科等の医療の再建、病院勤務医の負担の軽減のほか、在宅歯科医療の推進等歯科医療の充実を図ることとしており、国民一人一人が必要とする医療を適切に受けることができるようにするための第一歩と考えております。
 今後とも国民の皆様に安心感を与える医療を実現できるような改正を行っていきたいと考えており、中央社会保険医療協議会において今回の改定の影響の検証を行うとともに、関係者の方々の御意見を伺いながら、平成二十四年度改定に向けた議論を行っているところであります。
○辻泰弘君 是非、今後もそういった今日の医療の状況を踏まえつつの御対応をお願いしておきたいと思います。
 税制改正についてお伺いしたいと思います。
 来年度税制改正で既に厚生労働省としての要望を出されているわけでございますけれども、そのうちのやはり医療の関係でいいますと、これはまあ医療崩壊にもかかわることだと思っていますけれども、事業税の非課税のことと社会保険診療報酬に係る消費税の在り方ということでございます。
 これはやはり大きい問題だと思うんですけれども、消費税の方は大事な問題だと思いますけれども、少し中期的な課題かもしれません。厚労省の要求もそういう位置付けになっていますけれども。
 ここで事業税について聞いておきたいんですけれども、やはり事業税というものの性格ということなんですけれども、その前に、まず昨年の閣議決定で、事業税については、事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率については、来年一年間真摯に議論し、結論を得ますと、こういうふうになっている状況であるわけでございます。
 その上でお伺いするわけですけれども、先ほど言いましたように、医療法自体は営利を目的としないということを基本に据えているということがあり、かつまた医療機関というのは住民の健診だとか予防接種だとか、学校医等、地域医療活動に積極的に取り組んでいるということで、公共サービスを自ら行っているというお立場があるわけですけれども、政府税調等の資料を見ましても、事業税というものは、事業活動を行うに当たって地方公共団体の各種の行政サービスの提供を受けているから必要な経費を分担すると、そういう考え方だからこそ事業税の負担額は所得計算において損金算入されると、こういうことになっているわけでございます。
 そういった意味で、私は、事業税というものは昭和二十六、七年ごろから出発をして、いわゆる国の租税特別措置というのは地方税における附則に位置するわけですけれども、これは本則にあることでございまして、そういった意味で、いわゆる税法の本法にあることでもあるわけでございます。それはやっぱりそういった考え方に基づいているからでありまして、これはある面、当然継続されてしかるべきものだと私は思っておりますけれども、そのことに向けての大臣の御方針をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(大谷泰夫君) 社会保険診療報酬の事業税についてのお尋ねでありますけれども、この社会保険診療報酬は国民に必要な医療を提供するという高い公共性を有するものであるという基本的な考え方に基づいて制度設定されている、非課税となっているということでございます。この事業税でありますけれども、近年、医療機関の経営状態が厳しい状態にあるという中で、医師の確保や処遇改善等を通じて地域の医療基盤を守るという視点もあります。
 そういったことで、二十三年度の税制改正に向けて、厚生労働省としましては非課税措置の存続を強く要望しているところでございまして、今後ともこれらの実現に向けて関係省庁の折衝等、努力してまいりたいと思います。
○辻泰弘君 残り時間わずかになってまいりました。
 医療崩壊、医師不足への対応、また臓器移植法改正後の臓器移植の推進状況、また難病対策なども御質問しようと思っておりましたけれども、それは後日に譲らせていただくとして、最後に一つ、私はやはり負担の在り方ということで申し上げておきたいと思うんですけれども、やはりこれだけの少子高齢化社会において医療需要、介護需要、年金の需要等、社会保障に係る経費は大変掛かるわけで、これは幾ら行財政改革をしてもやはりそのことは残る課題だと思っております。かねがね、この委員会でも予算委員会等でも申し上げてまいりましたけれども、やはり政治に携わる者としてはなかなか言いにくいことではあるけれども、税・社会保障負担についてやはり国民に逃げずに訴えていくと。やはりこれだけの医療を支え、介護を支え、そのためにはやはり負担は国民の皆さん方にも負っていただかねばならない、そのことについてはやはり真摯に誠実に理解を求めていくということが基本であるべきだと思っておりますけれども、そのことについての大臣の御所見、簡潔にいただければ幸いです。
○国務大臣(細川律夫君) 今の菅内閣におきましては、経済成長、そしてもう一つ、財政の健全化と並びまして社会保障改革を一体として進めていくということにしておりまして、一体的に進めることによって国民の安心が確保できるように、社会保障の充実をしっかり図っていかなければというふうに思っております。
 その際、持続可能で安心できる社会を構築するためには、やはり委員も言われるような財源問題は避けて通れないところでございます。将来の税制も含めた負担の在り方についても併せて議論はしていかなければというふうに思っております。
 社会保障は国民の安心を支える社会の基盤であり、充実すべきところはしっかり充実をし、効率化すべきところは効率化する、そうしながら真に必要な負担については国民の皆さんに丁寧に御説明をしていくということが重要ではないかというように思っております。
○辻泰弘君 当初、お湯を掛けて三分と言っていましたけれども、お湯を掛けて四分ぐらいになりましたけれども、以上で終わります。
 ありがとうございました。
○谷博之君 おはようございます。民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 私からも冒頭、細川大臣、そして藤村、小宮山両副大臣、そして岡本大臣政務官はちょっと今中座しておりますが、小林政務官、皆様方に心から御就任をお祝い申し上げます。また、我が党にとってはこの厚生労働分野の大看板の方々でございまして、そのお力を十二分に発揮していただいて、厚生労働行政の更なる推進のために御活躍を御期待を申し上げたいと思います。
 さて、私は、せっかく質問の機会をいただきましたので、具体的な、特に与党として若干の提案もさせていただきながら、そういう立場から質問をさせていただきたいと思います。
 そのまず第一点は、今日的な問題になっておりますアスベスト対策の課題とその対応についてということであります。
 御案内のとおり、この問題、今、様々な議論がされているわけですが、そのまず一つは大阪泉南アスベストの問題であります。
 御案内のとおり、この大阪泉南アスベストの国賠訴訟、これについてはもういろいろ委員会等でも取り上げられていることであり、いろんな動きがあります。この訴訟の簡単な概略をちょっと申し上げますと、まず二〇〇六年の五月の二十六日に三十一名の原告が大阪地裁に提訴をして、丸四年間掛かって、今年の五月の十九日に判決が下りていると、こういうことであります。
 この判決の中身、簡単に申し上げますと、アスベスト被害に関して初めて国の規制権限不行使の責任を認め、総額四億三千五百五万円の支払を命じております。ただ、この中には近隣暴露、家族暴露等については対象に入っておりません。しかし、おおよそ勝訴と言ってもいいと、原告勝訴と言ってもいいと思いますが、これらを受けて、この判決後、主務官庁の厚生労働大臣、前長妻大臣が控訴断念の意向を表明したと言われておりまして、国はしかし最終的には控訴をするということになりました。ただ、報道によると、控訴しても早期救済を追求する意向も表明していると、こういうふうに報道されているわけです。
 そんな中で、何でこれが早期に解決をしなきゃならぬかということは、私は大きく四つの理由があると思っています。
 その一つは、この被害発生の公式確認から既に七十年以上たっています。そして、この判決の違法認定時期からも五十年以上たっているということ。それから二つ目は、もう既に多くの被害者が亡くなっておられたり、あるいは高齢化して、非常に重篤な方もおられるという、こういう時間的に要するに迫っています。それから三つ目は、特にこの泉南地域の石綿紡織業の小規模なこういう事業所の方々がほとんど廃業、倒産しておって、もう既にその実体がほとんどないということ。さらに四つ目は、地元の地域の例えば泉南市あるいは阪南市の市議会、あるいは大阪府議会等で早期に解決を求めるような自治体の決議などもしていただいていると、こういうふうな背景があると思うんです。
 それで、今後のこの裁判の推移ということになるわけですが、御案内のとおり、今年の十一月の十七日には大阪高裁で審理が始まるということで、それに対して、原告団、弁護団の皆さん方からは和解に向けた上申書が裁判所に出たり、国の菅総理大臣に対しても要望書が出ていると、こういう一連の流れがあり、我々としてはできるならば司法の機関でそういう方向、いわゆる解決に向けての動きが出てくれば、やはりこれは、私が今申し上げたような理由で、この訴訟については一定の国としてのやはり見解を出して、そしてその当事者に対する答えを出さなきゃいかぬだろうというふうに思っているわけでありまして、個人的なことを申し上げますと、私も民主党の中のアスベスト対策の議員連盟の幹事長という立場で今活動しておりまして、多くの国会議員の皆さん方の中にもそういう声を発しておられる方々がおられるということでありますので、この点についてのまず御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 今、谷委員の方からもいろいろとお話がございました。アスベストによって被害を受けられ、病気でいろいろと苦しんでおられる、そういう人のことを思いますと、できるだけ早い解決を私もそれは望んでいるところでございます。
 一審の大阪地裁で判決が出まして、今控訴審に係っておりまして、まだ第一回目も開かれていない状況でありますが、十一月の十七日に第一回目の口頭弁論期日が入っておりますので、この大阪アスベスト訴訟におきましては、この第二審の裁判の過程におきまして、公正で国民の皆さんの理解も得られるような、そういう解決を目指して取り組んでいきたいというふうに考えております。
○谷博之君 この案件につきましては、政府、内閣の下で最終的に方向を決めるということで、具体的には内閣官房長官が中心の対応になるのかと思いますが、先ほど申し上げましたように、所管の大臣として、少なくともそういう動きが出てきたときにしっかりとした閣内での対応等も含めた姿勢を示していただきたいと、心から要請をさせていただきたいと思っています。
 それから、これに関連しまして、もう一つの実は訴訟が起きていることも御案内のとおりだと思います。首都圏の建設アスベストの被害者の方々の訴訟であります。
 これは、国と建材メーカーの法的責任を明らかにして、その謝罪と賠償と新たなアスベスト政策の形成を求めて、訴訟を東京、横浜の地裁に今審理中で行われております。
 そこで、先ほど申し上げましたような大阪泉南アスベストのこの案件と、それから今回のこの訴訟の関係、少なくとも、大阪泉南アスベスト国賠訴訟の解決の方向によってはこの首都圏建設アスベストへの影響もあることが十分考えられると思いますが、この点についての考え方をお聞かせいただければと思います。
○大臣政務官(小林正夫君) 今、谷議員がおっしゃいました二つの訴訟ですけれども、これは係争中の案件であり、その見通し等については申し上げるべきことは差し控えたい、このように思います。
 なお、東京、横浜アスベスト訴訟では建設作業におけるアスベスト暴露が問題になっており、また大阪アスベスト訴訟では紡織工場での作業によるアスベストの暴露が問題になっていると、このように認識をしております。二つの訴訟は、局所排気装置の設置や粉じん濃度測定に関する規制権限不行使の適否が争点となっているなどの共通点もあるんですが、原告らがアスベストの暴露を受けた際の状況、先ほど言ったように、建設という部門と工場というこういう違いがあると認識しておりまして、この点で事案を異にするものであると、このように考えているところでございます。
 なお、そのために、それぞれの訴訟ごとに、今後の裁判の過程を通じて、公正で広く国民の理解と協力が得られるよう解決を目指していきたい、このように思います。
○谷博之君 今後の、特に首都圏建設アスベストの裁判の行方というのはまだ時間が多少掛かると思います。
 そういう中で、当然今の御指摘のような見解もあると思いますが、しかし、本当に長い歴史の中で、ある意味では日本の国策としてアスベストが建設現場に使われて、しかも規制が十分されないまま今日まで来て、その結果として多くの方々が被害に遭われているということは、これはある意味では国の責任でもありますし、それから社会全体の問題だと思っておりますので、この点はどなたも共通の認識を持っておられると思いますが、是非正面からそういう動きを見ながら国としての対応を果たしていただきたいというふうに思っています。
 それから、私、この委員会来る前にちょっと部屋で窓から見ておりましたら、議員会館の今建物の解体始めております。で、むき出しになったいわゆる現場を見ながら、当然この旧議員会館にもアスベストがたくさん使われているんだろうなというふうな感じをいたしておりました。
 そういうことを考えたときに、今後のやっぱり、これどなたも言いますが、一時期大変たくさん使われた、建設現場等で、そういうアスベストの解体の時期をもう既に迎えているわけですよね。こういうことに対するやっぱり今からより安全な対策を組んでいかなければいけないと思うんですが、ただ、よく考えてみますと、アスベストを含む解体処理に関しては、法律的なことでいえば建設リサイクル法あるいは労働安全衛生法、またそれに基づく石綿障害予防規則、環境省における石綿健康被害救済法などなど、いろいろあるんですね。これ、各省ごとにそういう対応でやっているということなんですけれども、しかし現実には、その解体現場に行きますと、例えば大きな会社が事業を請けても、実際その現場で働いている人たちというのは、下請、孫請だったり、非正規の労働者の方々が現場で働いて、十分こういった法的な規制というものがなかなかやっぱり、ここは分かりませんよ、多くの現場ではそういうこともあるというふうに聞いていますね。
 ですから、そういうことを考えたときに、今後、重大なアスベストを含む解体処理について、厚生労働省がイニシアチブを取って、今申し上げた国土交通省や環境省あるいはまた経済産業省なども連携を取って、例えば外部の有識者などの委員によってそうした解体に向けての検討会、これを設置して、少なくとも喫緊のこの課題に対応していくべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) 谷議員おっしゃるように、アスベストを含んだ建物の解体というこういう作業はこれからも更に進んでいくと、このように思っておりますので、今御指摘のことは大変重要な問題だと思っております。
 したがって、解体時に分別解体をすると、これは建設リサイクル法に基づいてしっかりやらなきゃいけない、もう一つは廃棄物処理、これは廃棄物処理法、この二つの法律をきちんと守って解体作業をやっていくということがまず必要だと考えております。
 厚生労働省としては、国としてすき間のない対応を図るために、国土交通省及び環境省と連携をしつつ、労働者のアスベストの暴露防止対策を行っている、現在行ってもおります。具体的には、九月九日の日に全国の労働局に対して、都道府県等と連携し建物の解体現場への合同パトロールの実施を指示をいたしております。
 厚生労働省としては、関係省庁と連携しながら、今後とも労働者のアスベストへの暴露防止対策を徹底を図り、今後更に多くなってくるこの建物の解体に向けて業者に指導してまいりたい、このように考えております。
○谷博之君 もう少し具体的な議論をしたいなと思っているんですが、何せ辻委員と同じように時間が限られておりますので、次の質問に移りたいと思います。
 二つ目の質問は、実は私の地元で起きていることの具体的な話で、大変恐縮でございますが時間をいただきたいと思っていますが。
 栃木県内にハートピアきつれ川という、これ精神障害者の皆さん方の社会復帰施設としてホテルをそこに併設して、精神障害者の方々が社会復帰の一つの訓練としてそこで働きながらいわゆる日常生活を送っていこうという、こういう非常に全国で初めてのそういう施設、もう十数年前にできたわけですけれども、これが実は残念ながら、いわゆる元々は家族会連合会、精神障害者の家族会連合会が中心になってつくった施設が、結局それが倒産をしまして、その後、全精社協という団体がこれを受けて経営をし、これも破産をしてしまったということで、約二億ちょっとの負債を抱えてこの施設が倒産をしたという今状況にあります。
 これは栃木県のさくら市というところにあるわけなんですが、当然ここには通所、入所で利用している利用者、あるいは多くの、約四十名近くの職員がここで働いております。こういう方々は、今月の冒頭、七日の日にそのことを知らされて、まさに目の前が真っ暗になっているというのが今の現状です。
 それで、この利用者の家族の皆さん、家族会からこの地元のさくら市の人見さんという市長さんに十月の十八日にハートピアきつれ川の事業活動の継続支援の要望書が出ているわけでありますが、この要望書の中身を見ると、相談支援事業として取り組んでいる、例えばその地域にある、これはまだこの団体には全く事前の連絡もしておりませんけれども、この要望書の中には桜花という社会福祉法人あるいは桜ふれあいの郷という、こういうところにこの事業を継承してもらう、継続してもらうということはどうなんだろうかと、是非お願いしたいというこの家族会からの要望書が出ております。
 したがって、まずこのことを御承知かどうか、それからこのことについてどのように考えているか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の家族会の皆様からさくら市長あてに提出されております要望書については、厚生労働省としても承知をしております。
 今、状況、お話ありましたように、この運営法人であります全国精神障害者社会復帰施設協会、全精社協と略称されておりますけれども、こちらの方におきましては、同法人の理事から破産手続開始の申立てが出されまして、その開始決定がなされる前の保全管理命令が今裁判所から出されておるところでございます。その開始決定が出ますまでの間は、保全管理人の管理の下で、施設を利用しながら移行先など今後の対応について速やかに調整をしていくこととなっております。
 したがいまして、その間におきましては、ハートピアきつれ川の施設も含めた法人の資産の関係につきましては保全管理人にゆだねられることになっておるわけでございまして、その保全管理人の方で債権の状況も念頭に置きながら最善の対処方法を検討していただくことになっておるわけでございますが、私どもといたしましても、この保全管理人とともに、説明に国、県、市共々現地に参りまして、今も滞在しておりますけれども、御説明をするとともに、現地において御利用者の方々、家族の皆様から今後の御意向等について聞き取りを続けておるところでございます。その中でこの御要望についても承っておりまして、これをきちんと地元でも、県、市共々お伝えをしながら、調整を最大限図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○谷博之君 ちょっと複雑な状況があるので、もう少し今日説明させていただきたいと思うんですが。
 今申し上げたように、いわゆるホテルの部分と、それからそこに授産の施設があります。この部分は、土地も含めていわゆるこの全精社協の所有としてあったわけです。その施設を利用する、例えばその町でアパートを借りて住んでグループホームとして生活している人、これはグループホームは六人います。それから、同じくこの施設の外に共同住居というのがありまして、七人住んでいます。この共同住居の方には、さくら市の委託の地域活動支援センターの事務局がここにあります。
 要するに、要望書の内容というのは、この部分を先ほど申し上げたほかの社会福祉法人に是非その事業を移譲してほしい、移してほしいと、こういうふうに言っているわけですね。
 ですから、今申し上げたような保全管理人がそこに入っていってそれを云々というんじゃなくて、その施設の外の話ですからね。ここの大家さんも、今後引き続いてこの施設はお貸しします、そのアパートはですね。しかも、このグループホームの入っている方々は、障害年金の中からお金を出し合って家賃の賃料を払っています。
 したがって、特に公的な資金云々ではなくて、当然そういうものを継承し、なおかつ市が地域活動支援センターとしてこの部分をやっぱり位置付けてくれれば、私は当然この事業というのは受けるところがあれば続いていけるというふうに思っているんですが、この点について重ねてお伺いします。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 このホテル、授産の入所施設の近隣に先生御指摘のようにグループホーム、それから共同アパート、それから相談、支援に当たっていらっしゃる皆さんの地域活動支援センターというものが置かれております。これは土地、建物ともに賃借をして運営を行っておるというものでございますので、保全管理人による管理という対象になるものではないというふうに認識しております。
 したがいまして、この部分でありますと、この土地、建物を代わって賃借をしてこのような事業を引き継いでいただくような主体、法人が見付かるということであれば、またその地主さんの御了承が得られるということであれば、この事業を継続していくことは可能だというふうに考えております。
 このような御指摘もいただいておりますので、私どもとしても地元とともに最大限の努力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
○谷博之君 この十三名の入所されている方々というのは、これは栃木県の人たちだけじゃないんです。実は岩手県とか東京都とか神奈川とか埼玉とか、そういうほかの県からの方々もここに入所しているということで、そういう意味では、今後そういう方々がまとまって、やっぱり人間関係がしっかりできている中で生活をしていきたいという思いがあるということですよ。ここのところは是非、精神障害者の皆さん方の強い要望でありますので、今の県、市とも含めて連携を取って前向きにひとつ取り組んでいただきたい。少なくとも、こういうことで御支援を賜るように重ねてお願いを申し上げたいと思っています。
 それからもう一点、実は職員の問題がありまして、これがまた、いろんな理由は時間の関係で省きますが、経営者が替わったりする過程の中で、いわゆる勤務をしたいという思いを持ちつつも辞めていった職員が随分おります。この方々の中には、自分は社会保険の保険料を給料から引かれて払っているにもかかわらず、経営者側、使用者側の方からの社会保険料を払わないばかりか、結局、給料から引かれているにもかかわらず、その期間、約六か月と言われていますが、未納になっちゃっているんですよ。そこでその職員の方々がここで一回切れています。こういうことについてこれを、記録を回復しなきゃいけない。本人には全く責任のない話なんです。先ほど申し上げたように、全精社協のその時代に本来全精社協が負担しなきゃならぬ部分を納めていないばかりか、そこを給料から引いた分まで使っちゃっているということですね。
 それからもう一点は、退職金として積み立てていたその部分まで、実は全精社協がどこへ行ったか分からなくなっちゃっているんですよ。
 だから、そういう意味で、今申し上げたように、その社会保険の関係の権利の回復と、それからもう一つは、退職金、本来払わなきゃならない人たちに対して、辞めていった人に対する退職金はやっぱりこれ払わなきゃいけないと思うんですよ。そういうことに対して、まあ民間企業ではこういうことはまず私はあれば訴訟になって大変なことになると思うんですよ。こういう社会福祉法人の現場でこの現実があるということは、私はちょっと考えられないことなんですね。
 それからもう一点は、三十九名と言われている今働いている職員の方々の、今後、この施設がなくなったときの退職金とか、そういうものも当然次の課題になってくると思いますが、これはあくまで本体の競売等々のこれからの動きになってくると思いますけど、当面、そういう辞めた、あるいは辞めさせられた職員に対する今のそういった問題についてどのようにしていくのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(木倉敬之君) 御指摘の社会保険料、一定の期間の未納がある、それからこれまでお辞めにならざるを得なかった方々の退職金未払分があると、こういう御指摘はいただいております。
 施設の方でも当時から継続をして施設長を務められている方々とともにその確認をしていただいておるところでございますけれども、このものは全精社協に対する債権ということになるわけでございまして、この破産手続、今後開始された場合にはその債権者の方からきちんと届出をする形を取らせていただくと。それで、その優先性をきちんと精査をしていただいた上で弁済をお願いをする手続になるというものだと思っております。
 この点につきましては、その当時からの確認ということを施設長の方にお願いして、我々も努力してまいりたいというふうに思っております。
○谷博之君 今の御答弁、しっかりそれを承りまして、今後、この建物、この施設が競売になってどういうふうなこれから道筋をたどるかもしれませんが、いかんせん原資がないわけですから、とすれば、そういうこの額、金額によってそこから結果的に職員の方々のこういうものも考えなきゃいけないんだろうというふうに思うんですが、これらは、私は労働債権というのは何よりも優先させるべきだというふうに思っておりますので、是非今の御答弁を踏まえてしっかりとした対応をしていただきたいと思っております。
 それから、三つ目の質問でありますが、難病対策のことについてであります。
 御案内のとおり、民主党の政権では、マニフェストの中に制度の谷間の解消を掲げて、障害福祉においては難病も障害の範囲に含めていく、こういうことを位置付けておりますし、そして難病対策の見直しにおいても、特定疾患の指定を受けていない希少難病についても医療費補助の対象となるように高額療養費制度の対象拡大を今検討しているところだというふうに思っています。
 そこで、まずお伺いしたいんですが、この委員会の我が党の筆頭理事でもある長浜議員が前副大臣をなされていたときに、長浜前副大臣の下に設置された省内横断的な難病対策の改革検討チームがあって、今日までその検討をしてこられていると思います。したがって、その検討の状況と今後の方向についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 難病患者の皆さんに対する医療費助成につきましては、現在対象となっております五十六疾患から更に拡大の要望がございます。そしてまた、都道府県の超過負担というような問題もありまして、様々な課題がございます。
 このような課題に対応するために、委員が先ほどお話がありましたように、省内に四月、長浜前副大臣を座長といたしまして、いろんなところの部局にも関係いたしますので、この検討チーム、医療、それから研究、福祉、就労・雇用支援と、制度横断的にこの難病対策を検討するというような検討チームをつくったところでございます。
 それと並行といいますか、そのほかに、難病患者の方々に対する医療助成について、医療保険における高額療養費制度と密接にかかわります。そういうことから、今年の九月八日には、社会保障審議会の医療保険部会におきまして高額療養制度の見直しを議論した際に、難病患者の方々に対する医療の助成についても併せて議論をいたしたところでございます。
 今後は、これらの議論のいろいろな状況も踏まえまして、省内検討チームにおきまして、難病患者の方々に対する医療費助成と高額療養費制度との役割分担あるいは連携、そのような在り方について御議論を進めていきたいというふうに考えております。
○谷博之君 そういう動きであるということで理解をさせていただきますけれども、ただ、今お話ありましたように、社会保障審議会の医療保険部会、ここで御検討されているということですけれども、審議会の中での議論というのはそれは大事なことで、そこをやっぱり中心に考えなきゃいけないんですけれども、しかし一定のタイムリミットというのはやっぱりありますので、そこのところはひとつ、我々がよく言うように政治家主導、政治主導で、少なくとも結論がそう遠くに、先に行かないようにやっぱりしっかりある程度のめどを付けてこの方向性を出していただくように、そんな思いをいたしております。
 それから、これに関連してちょっと一つ具体的に御提案させていただきたいと思うんですが、私は前々からこの難病患者の居宅生活支援事業、これについて何度か質問をさせていただきました。この事業の必要性、特に予算、現在は二億余の予算が付いて各自治体が中心になってこの事業を運営しておりますが、残念ながら、この執行率が若干、ちょっともう一つというところにあります。
 その理由は、地方自治体の自己負担、負担率がやっぱりあるということと、もう一つはこの対象疾患が限定されているということだと思うんです。特に、市町村合併なんかで、実施していたところと実施していないところがあって、そうするとどうしても実施しない方に合併後行っちゃうというケースもあって、こういうことを考えたらば、やっぱり何としても、この居宅生活支援事業というのは難病患者の皆さんの就労や日々の生活において大変大事な事業だというふうに思うんですね。ですから、これを何としてもこの実施率を上げていかなければいけないなというふうに思うんです。したがって、そこはそこでこれからしっかりやっていただくということが大きな課題であります。
 もう一つ実は提案させていただきたいのは、これは民主党の中の厚生労働部会の部会長の石毛えい子衆議院議員とも相談をして検討しているところなんですけれども、いわゆる今度の緊急総合経済対策の一環として貧困・困窮者の「絆」再生事業というのが約百億円の予算で付けられると、補正予算に計上されると、こういうことでありまして、このメニューの一部として、今申し上げましたように、介護保険制度や障害者自立支援制度、そして難病居宅生活支援事業等の諸制度の対象となっていない、いわゆる制度の谷間の置かれている人たちに対する居宅生活支援サービスをこの事業の中でやれないかと、やってもらいたい。これは一つのモデル事業ということになると思うんですが、ここのところの御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(藤村修君) 貧困・困窮者の「絆」再生事業で、先般、十月八日に閣議決定をいたしまして、行政とNPO等民間団体が連携をしてホームレスや、職や住まいを失うなどホームレスとなるおそれのある貧困・困窮者の方に対して支援を行い、地域生活への復帰、路上化の予防、再路上化防止を図ると、こんな趣旨で百億円というものを付けたわけであります。
 この中身の具体的なことはちょっと飛ばしますが、今、谷委員の御提案、すなわち制度の谷間にある、特に難病の方ということがずっとさっきからの議論でありますが、に対するホームヘルプサービスなどできないのかということでございまして、現物給付をこの事業で行うというのが直接的にはなかなか難しいのですが、事業の趣旨に合う限り、疾病、障害のあるというくくりの中で相談を中心とした支援もこの事業で行えるように是非検討してまいりたいと思います。
○谷博之君 時間が参りましたので、簡単に要望だけさせていただきます。
 既存事業の枠内で対象を広げるモデル事業を行うことは推進会議や総合福祉部会での議論をも制約しかねない、こういう御意見もある。その一方で、結論が出るまで待っていると命までもが危ないという現実もあるわけですから、補正予算という期間限定でモデル的に地域を限定しニーズを把握するという形で谷間の解消策の試行に是非政治主導で踏み込んでいただきたいと、このことを御要望させていただきまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○梅村聡君 おはようございます。民主党の梅村聡です。
 まずは細川大臣、遅ればせながら、御就任おめでとうございます。また、大臣始め政務三役の皆様方にも、改めてこれからもどうぞよろしくお願いをいたします。
 本日は、まず前半は、たばこ事業法についての話題を取り上げたいと思っております。
 たばこ事業法あるいはたばこ税に関しまして、民主党政策インデックス二〇〇九では、たばこ税については財源確保の目的で規定されている現行のたばこ事業法を廃止して、健康増進目的の法律を新たに創設しますと、こういう記述があるわけでございます。
 このたばこ事業法というのはそもそもどういうものなのかということで、この目的、第一条でありますけれども、ここを読んでみますとこういう文言がございます。後半部分ですが、「我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」と、こういう文言がございます。この記述からは残念ながら国民の健康という観点は読み取れないわけでありますが、そもそも、我が国は葉たばことたばこ製品の世界的な広がりを制限する法的拘束力のあるFCTC、これを批准しているわけでありますが、この目的とたばこ事業法の目的というのがそもそも相入れるのかと、その関係を財務省としてはどうお考えになるのか、まずはお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(吉田泉君) 条約とこの事業法の整合性といいますか、そういう問いだと思います。
 おっしゃるようにこのたばこ規制枠組条約、内容は、たばこの包装への健康に関する警告の表示、それからたばこ広告の規制、さらには受動喫煙の防止、未成年者に対するたばこ製品の販売を禁止するための措置等を通じてたばこの健康に対する悪影響を減らそう、人々の健康を改善しようと、こういうところが条約の目的でございます。
 一方、このたばこ事業法、確かに今おっしゃるような目的の書きぶりでございますが、その傍ら、たばこの消費と健康との関係に関する注意表示の義務付け、さらには広告規制、これについても事業法でありながら規定しているところでございます。そういう意味ではたばこと健康との観点にも配慮している法律であると、このように言えると思います。
 したがって、この条約と事業法、両者は矛盾するものではないと考えているわけでございますが、今後、インデックスそれから大綱をベースに、この条約が目指している健康の改善について、財務省とか事業法だけじゃなくて、よその関係省庁、よその法律、たばこに関する法体系全体で見直すと、そういうつもりでやってまいりたいと思います。
○梅村聡君 ありがとうございます。
 法体系という形からいえば、条約、これは法の、法律の上に当たるわけでありますから、そういう意味でいえばこの第一条というところを考えていかないといけない、改正も考慮していかないといけないと、私はそのように考えております。
 では、もう一問、財務省にお伺いをいたします。
 昨年の十二月二十二日に当時の鳩山内閣が閣議決定をされました平成二十二年度税制改正大綱、この中にはこういう文章もございます。たばこ税については、これまで安易な財源確保策として用いられてきたという問題があります。これはたばこ税・酒税が財源確保を目的に創設されたことに由来するものですが、前記の基本的な考え方に照らして、このようなあり方は望ましいものではありませんと、こういう閣議決定をされた大綱があります。
 ここには財源確保策としては望ましくないとはっきり明記をされているわけでありますが、ここについても、このたばこ事業法の目的とはやはり相入れないのではないかなと考えておりますが、その関係についても御答弁いただきたいと思います。
○大臣政務官(吉田泉君) おっしゃるように、インデックスを踏まえて、去年、税制改正大綱、今おっしゃったような記述が載ってきたところでございます。それに従って、この十月一日、たばこの増税が行われたというところであります。
 我々も今後たばこに関する法制の見直しという大きな課題に取り組んでまいりますが、まずは今回のこの増税の影響、大変大きなものが予想されておりますので、その辺をよく見極めた上で、我々が所管する事業法、そしてたばこの法制全体の見直しに取り組んでいきたいと、こう思っております。
○梅村聡君 今たばこ税のお話がありましたけど、私はこの基本的な考え方を整理した先に価格政策があると思っておりますから、ですから、そういう意味でいえば、まずはこの目的ということをはっきりさせるということが大事なのではないかなと考えております。
 それでは、今度は厚生労働省の皆さんにお伺いしますが、ここまでの議論を聞かれてどうお考えになるかということなんですね。
 今二点質問をしました。一つは、法律よりも上位にあるFCTCという条約との関係、ここがやはり目的としては二つ矛盾するのではないかと、それからもう一点は、現政権の税制改正に対する基本思想である税制改正大綱、こことの目的、思想にも矛盾があるということから考えますと、少なくともたばこ事業法を、先ほども吉田政務官からお答えがありましたけど、このままの形で全く手を入れずに残すということは少し考えにくいんじゃないかなと思っております。
 ですから、インデックスに書かれてあることは、実はこれは、たばこ事業法を廃止した上でやはり新たな法律を作るべきではないか、百歩譲って、それがすぐに作業に取りかかれないとしても、たばこ事業法は確かに中に、吉田政務官お答えになられたように必要な規制の部分というのはございます。しかし、百歩譲っても、この第一条の条文は早急に私は改正をすべきだと考えておりますが、厚生労働省の見解をお願いいたします。
○副大臣(藤村修君) 梅村委員にお答えいたします。
 今御説明いただきましたように、民主党のインデックス二〇〇九ですか、ここでは、財源確保の目的で規定されている現行のたばこ事業法を廃止してと、そのように割にはっきりと書いてあります。また、先ほど御説明のあった税制改正大綱においても、たばこ法制について、現行のたばこ事業法を改廃しという書き方であります。そういう意味では、大きな方向はそのように当然流れが出てくるだろうと思っております。
 厚生労働省の立場でいいますと、たばこの健康に及ぼす影響というのは明らか、悪影響は明らかでありますし、またがんや循環器疾患などの生活習慣病を予防する上でもたばこ対策が重要な柱の一つであります。
 我々は、たばこ事業の在り方、これは所管が財務省ではあります、この法律は。ですが、たばこ事業法を所管する財務省において検討が進められる、それを後押しするための、国民の健康増進の観点からの関係省庁に働きかけを今後してまいりたいと思っております。
○梅村聡君 厚生労働省としては後押しをしていただけるということだと思いますが。
 現時点においては、たばこを管轄、管理する法律というのは、これはたばこ事業法になるわけであります。では、改廃ということでありますけれども、改正なのか廃止なのかということも含めて、じゃ、次、たばこを管理、管轄する法律というのはどういうものであるべきなのかなと。ちょっとそこを考えてみたいと思います。
 今、医療機関とかそれから薬局に行きますとニコチン製剤というものが売られております。これは、例えば張る薬であったりとか口からのものであったりとかいろいろありますが、このニコチン製剤は、これは薬事法で管理、管轄ということをされているわけなんです。
 そうしますと、たばこはこれは吸うわけなんですけれども、このニコチン製剤に比べて頻回に、しかも急速に体内にニコチンが入ってくるわけなんです。ということは、本来、たばこというものを管理、管轄する法律は薬事法と同等若しくはそれ以上に強い規制力を持った法律で管理をしなければ話の整合性としては合わなくなってくると思うんですが、このことについて厚生労働省の見解をお願いしたいと思います。
○政府参考人(間杉純君) たばこの薬事法上の取扱いについてお話を申し上げたいと思いますけれども、薬事法には御案内のとおり医薬品の定義がございまして、人の病気の診断、治療あるいは予防を目的として使用されるもの、すなわち治療目的のものなどにつきまして医薬品として規制を行っているわけでございます。
 したがいまして、今先生から御指摘がありましたニコチン製剤、パッチとかガムなどでございますけれども、これは言ってみますれば禁煙補助剤ということで禁煙治療の補助を目的としておりまして、薬事法上の医薬品に該当すると、こういう取扱いでございます。
 一方、たばこでございますけれども、これは治療といった目的ではございませんで、むしろ嗜好品という用途に供されるものでございますので、薬事法の医薬品には該当しないというふうなことで薬事法の規制の対象とはしていない、そういうふうな取扱いとなってございます。
○梅村聡君 従来の見解であれば、私もそのお答えかと思います。ただ私は、今日はたばこがそもそも嗜好品なのかどうかということをちょっと議論したいと思うんですね。
 今まさに医薬食品局長がお答えいただいた答弁になるんですが、今年の八月十八日に、まさにその医薬食品局の方から一枚の各都道府県衛生主管部薬務主管課長殿ということでこの依頼文が出されているんですね。これは何かというと、電子たばこ、ニコチンが含まれる電子たばこについてという、そういう依頼文が出ているんですね。
 ここにどういう記載があるかというと、まず、ニコチンが含まれる電子たばこがあります、使用には御注意くださいと。この文書にはどう書いてあるかというと、この四行目ですけれども、ニコチンは医薬品成分で、長期間、繰り返し使用すると吐き気や嘔吐、けいれん、頭痛、目まいなどの副作用や依存症が現れたりと、こういう文章があるわけなんですね。それから、九行目のところには、ニコチンを含む電子たばこは基本的に薬事法に基づく承認が必要ですと、こう書かれてあるわけですね。あるいは、その文書の中にも、ニコチンを含むカートリッジは薬事法第二条第一項に規定される医薬品に相当しますと、こういう文章があるわけなんですね。
 つまり、この八月十八日の文書には、ニコチンイコール医薬品と。これは治療目的どうこうではなくて、電子たばこというのは普通のたばこに比べるとニコチンは明らかに少ないんですけれども、既にそういう文書が公式に出されているわけですね。これはホームページなんかでも入手すること可能ですけれども。
 電子たばこより多量のニコチンを含んでいる普通のたばこが嗜好品であると。じゃ、どうしてそういうお答えをせざるを得ないのかというと、これはもう私がお答えしますが、たばこ事業法をいじらないという前提だからです。そこをいじらないという前提だったら、そこを擦り抜けて答えようと思ったらどう答えないといけないかというと、嗜好品と答えざるを得ないわけですよね。それは本末転倒だと思います。
 これはとても不幸なことでして、本来からいえば、物の解釈が法律に合わせないといけないというのはこれは逆でありまして、本来からいいますと、先ほどから私が申し上げているように、たばこ事業法に代わる新たな管轄する法律ということが必要なわけなんです。ですから、それを作らないから、嗜好品だという矛盾した答えを言い続けなければいけないと。その矛盾がまさに八月十八日に噴出をしたと。もう裸の王様なわけです。今日やっと裸やと言えたんですけれども、裸の王様なわけなんですね。
 ですから、このたばこ事業法の改正、あるいは改廃なのか、廃止なのか新たな法律を作るということなのか、民主党のインデックス二〇〇九に戻ってくるという、そういう論理が私はあるんだと思っています。
 ですから、これまでたばこ政策に取り組んでこられた小宮山副大臣、ちょっと答弁予定していなかったんですけれども、今のお伝えしたいことは、昨今、たばこ税が高いとか安いとか、幾ら上げるのか云々という技術論に入ってきてしまっているところがそもそも不幸なことだと思っています。今申し上げたように、たばこ規制枠組条約、FCTCとの関係はどうなのか、あるいは今の内閣の税制改正大綱との整合性はどうなのか、あるいは今申し上げたような嗜好品というのをこれまだ言い続けるんですかと。言い続けることは、もう今回の通知でも言い続けることができないということが分かってきましたし、そのためには、薬事法あるいは薬事法と同等の規制力を有する法律を作らなければいけない。
 こういう議論をきちっとした上で価格政策ということを決められれば、これは、今はもう本当に不幸で、上げ過ぎだとか二年連続上げるのかとか、そんな話ばっかりになってきていると。この議論をきちっとした上で、本来の価格政策どうなのか、あるいは広告をどうするか、青少年に対する規制を、喚起をどうしていくのかということを考えなければいけないと思いますが、その骨太の政策作りを私はお願いしたいわけですが、小宮山副大臣の見解をお願いしたいと思います。
○副大臣(小宮山洋子君) 御質問ありがとうございます。
 梅村委員とは共にいろいろとこの禁煙対策、たばこ対策をやってきたので御指名をいただいたんだと思います。
 厚生労働省としては、役所としての立場というのもあると思いますけれども、せっかく政権交代をいたしまして、私どもは民主党の政策として先ほどからおっしゃったような形でたばこ政策に取り組みたいと思っておりますので、是非そうしたおっしゃることが実現しますように、私もこちらの政務の方の一員としてできる限りの努力はしていきたいと。おっしゃるとおりだと思っております。
○梅村聡君 また財務省にも是非お力添えをいただいて、良い政策作り、法律作りをお願いしたいと思います。
 それでは、吉田政務官、こちらで御退席いただいて結構でございます。
 続きまして、臓器移植医療についても質問をさせていただきます。
 本年の七月十七日より改正臓器移植法が施行されました。本日で大体約三か月たったわけでありますが、この三か月で十六例の脳死下臓器移植が行われました。年間にこれを直すと、一年ペースでいくと大体六十例以上ということが見込まれるわけでありますが、新しく助かる命がある反面、これに対する体制整備ということが私は非常に重要ではないかなと考えております。
 昨日の細川大臣の、一昨日ですね、所信表明の中でもこの臓器移植に対する取組については述べられておられまして、特に、コーディネーターの増員等あっせん体制の整備を進めてまいりますと、こういうことをおっしゃっていただきました。まさにこのコーディネーターの養成あるいは定員を増やしていく、このことは臓器移植の体制づくりには本当に肝の部分だと思っております。
 そこで、ここを所管する臓器移植ネットワークに対する補助金、予算、そしてまた定員増が必要だと思いますが、その定員増というのが現在行われているのか、このことについてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(外山千也君) まず、日本臓器移植ネットワークに対する補助金額の推移でありますけれども、今年度につきましては、改正法施行のためのシステム改修経費のほか、コーディネーター等のあっせん業務従事者の増員を図るなど、あっせん体制の拡充に取り組むこととし、対前年度比三億円増の八・一億円の予算を確保したところであります。
 また、来年度の概算要求につきましては、本年五月に実施しました省内事業仕分におきまして、同ネットワークの実施するあっせん事業の重要性を御理解いただく一方で、効率的、効果的な普及啓発活動を実施するよう指摘されたことも踏まえまして、移植に際して行う検査等を効率化して経費を削減する一方、改正法を踏まえましたあっせん体制の確保や、移植医療や意思表示方法に関する効率的、効果的な普及啓発など、臓器移植を円滑に推進するために必要な経費を確保した結果、七・三億円、対前年度比〇・八億の減を計上しているところであります。
 コーディネーターの人数についてでありますけれども、今回の法改正によりまして、本人の書面による意思表示がない場合であっても家族の書面による承諾があれば臓器提供可能となること等から、今後臓器提供事例が増加することが見込まれ、それに的確に対応できるよう、コーディネーター業務を円滑に実施できる体制の確保が必要となると考えております。このため、今年度におきましては、移植コーディネーターを二十二名から三十二名へと増員するための予算を確保し、あっせん体制の拡充を図ったところであります。
 また、来年度概算要求におきまして、臓器提供について判断するドナー家族への心理的負担に対応するため、御家族に直接向き合う移植コーディネーター等に対する研修の充実を図るべく、所要の予算を計上しているところであります。
○梅村聡君 予算も定員も含めて本当に御尽力いただいているということはよく分かりました。
 問題は、じゃ、どれぐらいこのコーディネーターの方を養成すべきなのかと。これ、海外の事例を幾つか調べてみますと、大体その国で年間に行われる移植数と同数程度のコーディネーターというのが必要ではないかと。これは統一見解ではありませんが、大体先進国を見てみますとそういうことが見て取れると思います。そうしますと、年間六十例から七十例というペースから考えますと、三十二名まで定員を増やしていただいたということでありますけれども、定員に関してはやはり倍程度の増員というのがこれから必要なのではないかなと思っております。
 ところが、今お答えいただいたように、これは予算を毎年折衝してその補助金あるいは補助率ということが決められていくということになりますと、これから増えていくということにタイムラグがないようにコーディネーターを増やしていくということは、これは非常に難しいかと思います。つまり、どれぐらいの移植数になるかということを予測して予算折衝しないといけないわけになりますから、ですから、本来でいきますと、移植の実績に基づいてそのコーディネーターの人件費なり、あるいは予算が確保できるという、そういった仕組みをつくっていくことが本筋だと思います。
 そういった意味から考えますと、今臓器移植を行った医療機関から、これは保険償還されたものがあるルールに基づいて臓器移植ネットワークに下りるということになりますが、このときに是非、移植の実績に合わせてきちんとコーディネーターの養成費用が確保できるようなルール作りをしていただきたいと思います。具体的には、それは診療報酬の中でそれを議論するのか、あるいは臓器移植ネットワークとのお金のやり取りの中でルールを決めるのか、いずれでもいいかと思うんですが、そのルール作りが私は必要だと思っておりますが、厚生労働省の見解をお願いいたします。
○副大臣(藤村修君) 三十二人に今年度増員をした、十人増員いたしました。法律が改正されて、今十六例まで来たんでしょうか。今年度がどういう推移をたどるかというのは今から少し見守っていくとともに、今後まだやっぱり三十、六十、今おっしゃった数字なのかどうか、もう少しこれはちょっと長期的に見る必要もあるかと思います。
 おっしゃるまでもなく、本当に日本臓器移植ネットワークの役割というのがこれまで以上に重要になってくることを十分に認識しております。同ネットワークのあっせんに係る経費について、医療機関から費用を徴収するという一つの御意見であったかと思います。それは、すなわち診療報酬でということになるかと思いますが、これは診療報酬であっせんに係る経費を直接勘案するのかどうかというのはちょっと議論があることだろうと思います。
 これは今後議論をしていただくとして、今御指摘をいただいた観点も含めて、改正法施行後の移植状況に応じて日本臓器移植ネットワークが臓器移植のあっせん業務を安定的に運用することができるようにその財源の確保を図ってまいりたい、このように考えております。
○梅村聡君 コーディネーターは、これは採用をしてすぐに現場でもう働いてもらうというのは、これなかなか難しいです。やはり現場で学んだ方が次の方に教育をしていくということですから、時間が掛かる話でありますので、是非早急に検討をいただければと思います。
 それでは、最後に、末期のがんの患者さんと、それから介護保険について質問をしたいと思います。
 この内容につきましては、今年の四月二十日に当委員会でも質問をさせていただきました。そのときに、若干おさらいをすると、末期のがんの方というのは、これは急速に最後の段階ではADLが落ちてくると。ところが、介護認定は申請から調査員が来て結果が出るまで大体三週間、四週間という時間が掛かると。つまりこれどういうことかというと、調査員が来たときと実際に電動ベッドを使うとか介護保険を実際使うときの状態には非常に大きな落差があると、このことはやはり今がんの末期の方の終末期において非常に大きな足かせになっていると、そのことを質問をしました。
 その十日後に、老健局の方から各自治体の方へこれは文書が出されました。末期がん等の方への要介護認定等における留意事項についてということで、この中では、速やかにできる限り早く認定を行うようにという通知を出していただきました。これは本当に現場の方は喜んでおられます。非常に良かった通知だと思っています。
 私が知っている方も、午後の三時に申請を出して、その日じゅうに調査員が来て認定が下りて、その日の夜七時に電動ベッドを使うことができたんだけれども、その日の夜九時にお亡くなりになったという、もう本当に物すごい一日の中で目まぐるしい方がおられたんですけれども、しかしその方、非常に感謝されておられたと、御家族も含めて感謝されておられたと私はお聞きしましたので、そういった意味からいえば、非常に重要な、そしてしっかりした通知を出していただきましたので、その点については感謝を申し上げたいと思います。
 今日はさらにもう一点お伺いしたいと思いますが、先ほども申し上げたように、急激にADL、病状変化が起きてくるのがこのがんの末期でありますけれども、医療とか介護の現場というのは三百六十五日、これは動いております。一方で、自治体を始めとする役所は、これは土日あるいは連休、お盆、年末年始、ここはお休みになるわけです。これはしかるべきことで仕方がないことなんですが、そのときに、今起こっていることは何かというと、がんの末期の方が、申請はしたんだけれども、土日とか休みを、長期休みを挟んだときに、調査員の方が来られる前にお亡くなりになるということがやっぱり出てきているわけなんですね。
 そうするとどうなるかというと、調査員が来られる前ですから判定が出ないわけです。じゃ、そこで、ケアマネジャーの方が入れたそういった福祉ベッドであるとかそういうものは、これ全部自腹になるわけですね。ケアマネジャーの方もかわいそうで、家族の方からは、何で申請出したのに認定下りてないんだと、それから事業所の上司からは、何でそういうことを見込みもないのにやったんだということで、今ケアマネジャーの方が自腹を切っているという、そういうことがいろいろ広がってきているんですね。あるいは調査に仮に来てもらったとしても、その前にお亡くなりになったと、でも出てきた答えが、判定が非該当であると。そういう結果が出てきた場合も、これも同じようにケアマネジャーの方が自腹を切らないといけないと、今そういうことがやっぱり広がってきているわけですね。
 そうしますと、これは前回も少し提案をしたんですけれども、主治医意見書にいわゆるがん末期であるという記載があった場合は、これは申請時までさかのぼって必ず介護保険を適用してさしあげると。あるいは、そこで要支援とか出れば、これは当然使えるツールも非常に少なくなりますから、少なくともそういう記述があれば、要介護二以上に自動的に認定をする、そういった特例というのが、これからの非常に多死、たくさんの方が亡くなる時代には私は必要ではないかなと考えておりますが、厚生労働省の見解をお願いいたします。
○政府参考人(宮島俊彦君) 御提案のことでございますが、要介護認定、必要な介護に掛かる手間を測るということで、認定調査と主治医意見を判断して決定するということでありますので、認定調査を経ずに亡くなった方の認定を行うとか、自動的に認定するというのは今の仕組みの中ではなかなか難しいということで、私ども、暫定ケアプランの作成ですとか、直ちに認定を行ってくださいというようなことを市町村の方にお願いしたということで、今後こういうことが広がるように更に徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
○梅村聡君 今局長がお答えいただいたように、この話は無理筋であるということは十分承知の上で質問をしております。
 私は、別にがんというものにこだわっているわけではなくて、これから急激に終末期を迎える方に対して介護保険というものをどう使っていくのかと。つまり、これまであった従来の要介護認定とは別枠の認定ルートというものを考えなければいけない、そういう時期が来ているんではないかなと、そのように感じているわけなんです。
 つまり、主治医意見書に終末期という記載があれば、これはがんじゃなくてもいいんですけれども、自動的に要介護二以上にすると、あるいは再審査というのはそもそも行わないんだと、そういった別枠ルートというものを是非厚労省の中ですとかあるいは各種審議会の中で御議論をいただきたいなと、そのような機会を設けていただきたいなと思いますが、この点につきましても見解をお願いいたします。
○政府参考人(宮島俊彦君) 今、認定調査を迅速にするとか暫定ケアプランの話しましたが、自動的に要介護二以上に認定してほしいという指摘がなされる理由の一つは、要介護一以下だと介護用ベッドの一部の福祉用具が介護保険から利用できないということになっているんで、ただ、ここは現行制度でも、短期間のうちに確実にその悪化が見込まれるという場合には、福祉用具について要支援や要介護一でも市町村の判断で貸与を認めているということがあるので、このような取扱いについてはまた周知を図ってまいりたいと思っています。
 あとは、要介護二に移行をやったとしても、認定後にまた容体が悪化した場合にその円滑な区分申請はどうするんだだとか、そういうような問題もありますので、私ども、今回の通知、これでどの程度までできるかということを、今後の実態も把握してまいりますが、さらに、様々な方々の意見伺いながら、より柔軟なサービス、どうやっていけるかと検討を進めてまいりたいと思います。
○梅村聡君 おっしゃるように、もう現行の体系の中では、これはもう今すぐにこれをやってくれというのは無理なわけなんです。
 ところが、一方で、これから多くの方がお亡くなりになる時代というのがやってくると。じゃ、日本人はこれからじゃどこで亡くなっていくのかと。今は八割以上の方が病院で亡くなっておられるわけですよね。それを、じゃ、在宅に移す必要、無理やり移す必要はないんだけれども、少なくとも、医療機関なのかあるいは施設なのか在宅なのか、これをやっぱり選べる体制というのがつくることが私は必要なんだと思っています。選べるということが大事なんです。
 そのときに、今ネックになっているのは、じゃ、どうして皆がもう病院に入れてくれ、施設に入れてくれと言うかといえば、これはやはり終末期における様々な使えるツールというのが少ないと、このことがやはり不安だということ、これが非常に大きな点なわけですね。ですから、来年は、医療保険と介護保険の同時改定の年だということが盛んに言われております。もちろん、報酬で誘導していくと、これも大事なことなんですけれども、そもそも今の現行の仕組みがそういった国民の不安にきちっとこたえられているものかどうかと、そのことを是非審議会等を通じて検討していただく、そういう方向をつくっていただきたいなと思っております。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(津田弥太郎君) 午後零時四十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
     ─────・─────
   午後零時四十五分開会
○委員長(津田弥太郎君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井準一君 自由民主党の石井準一でございます。
 細川大臣を始め新三役の皆様方には、厚生労働行政全般にわたり実務実行型ということで実績を上げていただきたく、エールを送りたいと思うわけであります。
 そこで、細川大臣にまずお伺いをいたします。
 最新の菅内閣の支持率について御承知でしょうか。内閣改造直後は六五%台の支持率は現在四〇%台まで下落をし、不支持が支持を上回る状況にあるとも言われております。このような状況をどのように認識されているのか、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 世論調査の結果でございますけれども、それは国民の意思、考えを表すところでありまして、これは真摯に受け止めなければいけないというふうに思っております。
 ただ、また一方で、世論調査の結果に一喜一憂するということではなくて、しっかりと国政全般に取り組んでいかなければということも考えているところでございます。
○石井準一君 その理由として、世論調査の結果ではありますが、総理の指導力、いわゆるリーダーシップの欠如、政策に期待が持てない、また、尖閣諸島をめぐる問題において中国側の圧力に屈したという民主党政権の外交や安全保障政策に不安を感じるという多くの意見があったとも聞いております。
 私がなぜ細川大臣にこの件を聞くかといいますと、菅内閣に優先的に取り組んでほしいという課題では、景気や雇用が三四%、年金などの社会保障が二七%、外交や安全保障が一四%の順に多かったというふうに聞いております。特に外交、安全保障は前回の四%から大幅に上回ったということもあるわけであります。その件、さきの大臣の所信でも国民に信頼を持っていただけるような厚生労働行政を目指すという決意を述べられておられましたが、改めて大臣就任の決意をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 厚生労働行政というものは、人が生まれてから亡くなるまで、本当に私どもの国民の生活に間近な行政ばかりでございます。また、国家予算も半分ほどの予算を使うという、もう本当に国民にとって大事な行政でありますから、私ども政務三役、しっかり頑張っていきたいというふうに思っております。
○石井準一君 大臣が決意を述べられたように、内閣の命運を左右する厚生労働行政だというふうにも認識をしておりますので、我々も議論を通じてしっかりと、大臣始め執行部の方々の政策等については、支援できるものは是々非々でしっかりと対応していきたいなというふうに思っております。
 雇用問題につきましてお伺いをしていきたいと思います。
 総理は、所信表明演説の中で、経済の歯車を回すのは雇用であると、政府が先頭に立って雇用を増やしますと宣言をしております。医療、介護、子育て、そして環境分野などで雇用を増やし、新卒者の就職にも力を入れると言っております。
 厚生労働省は政権交代以降も雇用拡大の政策を実施をしてきたわけでありますが、これまで大きな成果が上がったとは言い難いのではないのでしょうか。雇用第一をもっと鮮明に。政府が検討している補正予算案の規模は五兆円余りであります。全体が総花的に過ぎて、雇用に力点が置かれたという迫力は感じられない。今回の対策は力不足であると。国民の声が届いてはいないんではないか。このような緊急経済対策では、具体的な政策をどのように実施をするのか、国民が不安がっておるわけであります。また、それによりどれだけの雇用拡大が見込めるのか、その辺は不透明であると思いますが、現実的な説明を求めたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 経済成長は政府の重要課題の一つでありまして、そのかなめが雇用というわけでございます。
 政府といたしましては、政権交代以降、昨年秋の緊急雇用対策や二〇二〇年までの経済成長と雇用拡大を目指す新成長戦略を策定をいたしまして、環境、健康、観光などの成長フロンティアを拡大して、新たな需要と雇用の創造に取り組んでおります。
 また、厳しい雇用情勢に対応するため、予備費や補正予算を積極的に活用して雇用対策にも取り組んでおりまして、これらの対策によりまして、高卒・大卒ジョブサポーターの支援により一万五千人の新卒者の就職が内定したり、あるいは、重点分野雇用創造事業によりまして、二十二年度におきまして六万人の雇用創出が可能となり、そしてまた、雇用調整助成金、これによりまして毎月百十万人以上の雇用が維持されているところでございます。
 今後とも、新成長戦略を着実に実施するとともに、今般の補正予算編成を含む経済対策の実施を通じて雇用拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
○石井準一君 雇用は経済の歯車を回すと総理も申しております。財源の根幹でもあるわけでありますので、しっかりとした対応をお願いをしたいと思います。
 次に、年金記録問題についてお伺いをしていきます。
 年金記録問題を伺う前に、大臣はさきの大臣所信あいさつの中で触れられませんでしたが、日本年金機構の職員が年金照合業務をめぐる入札情報漏えい事件で逮捕をされたことについて、まず謝罪をされるべきではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(藤村修君) 御指摘の事案は、日本年金機構の職員が入札情報の漏えいによって先日、今月十四日に逮捕をされたものでございます。
 公的年金制度の信頼回復に向けて紙台帳とコンピューター記録の突き合わせを開始したやさきのことで、逮捕者まで出てしまったことについては誠に遺憾であり、国民の皆様に大変申し訳なく、おわびを申し上げます。
 厚生労働省としましては、日本年金機構が改めて身を引き締め、真に国民の皆様に信頼される組織となるよう、しっかり指導監督してまいります。
○石井準一君 今副大臣の方から答弁をいただいたわけでありますけれども、さきの予算委員会でも森ゆうこ委員がこの問題を取り上げ、やみが深いと問題視をし、菅総理は、旧社会保険庁から変わった日本年金機構で起こったこの事実は二重三重に重いとも述べておられるわけであります。
 社会保険庁が年金の記録問題等で国民から信頼を失ってしまったと、その組織移行として日本年金機構が発足をし、ようやく国民が信頼を取り戻す動きにもなったやさきのことでありますので、これをやはりしっかりと受け止めた形の中で、大臣を筆頭に、そうしたことが二度と起こらない、そうしたシステムの構築もお願いをしていきたいなと思うわけであります。
 日本年金機構は、先週十二日から七億件とも言われる紙台帳とコンピューター記録との全件照合作業を始めました。しかし、この全件照合については、費用対効果を疑問視する声もあり、どこまで効果が出るのか、まさに未知数であります。
 政府は、今年度予算に四百二十七億円を経費を計上し、来年度は八百七十六億円の経費を要求をしております。このペースだと、終了までに三年半で三千億円程度のお金が必要になる可能性があるわけでありますけれども、膨大な予算を伴うわけでありますから、作業開始後早い段階で中間検証を行い、費用対効果を確認することが不可欠だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) このコンピューターと紙台帳の突き合わせ作業というのは、十月十二日から開始をしたわけでありますけれども、この突き合わせ作業は、本人が気付いていないコンピューター記録の漏れや誤りを国の方で見付けましてその年金記録の回復につなげていくというものでありまして、極めて重要な取組であるというふうに認識をいたしております。
 突き合わせ作業につきましては、民主党のマニフェストを踏まえまして、平成二十二年度及び二十三年度には、高齢の年金受給者など優先順位の高い紙台帳から集中的に突き合わせを実施をいたします。そして、平成二十五年度までに全件の突き合わせを実施する考えでございます。
 今後、突き合わせ作業を進めていく中で、節目節目で実施状況を公表するということにしておりまして、費用対効果の面も含めて、国民の皆様の声を聞きながら進めていきたいというふうに考えております。
○石井準一君 膨大な予算を要すると私は質問したわけでありますけれども、今年度の四百二十七億円にいたしましても、国家プロジェクトに位置付けをされている事業にしても、概算要求の三分の一程度しかたしか予算が付いていないと思うわけでありますけれども、八百七十六億円の経費を要求して満額に近いものをしっかりと確保できるという、そうした思いはしっかりとあるのかどうか、再度お伺いをしたいと思います。
○副大臣(藤村修君) 今、突き合わせがスタートしたのが十月十二日でございます。これは、今年度は途中からというか年度途中からでございますのでその額でスタートをいたしましたが、我々のマニフェスト事項は今後三年間で全件突合をすると、こういう意思の下に順にやっていきたい、必ずやっていきたいと、そんな思いでございます。
○石井準一君 要求額の経費をしっかりと認めてもらう形の中で、一日も早いこうした問題が解決できるよう与野党を超えてやっぱり協議をしていかなければならないと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 宙に浮いた年金、消えた年金など年金記録問題の多くは、紙台帳からコンピューターに移行するときの入力ミスで生じたと言われております。民主党は、全件照合をマニフェストで国家プロジェクトと先ほど私が言ったように位置付けをしております。しかし、どの程度進んでいるのか、疑問にも思うわけであります。年金記録が回復された方は、政権交代前と政権交代後でそれぞれ何人になったのか、お答えをいただきたいと思います。また、回復した年金の総額は、政権交代前と交代後でそれぞれ幾らになるのか、数字だけを簡潔にお答えをいただければ有り難いと思います。
○政府参考人(石井信芳君) お答え申し上げます。
 まず、第一点目の人数についてのお尋ねでございます。
 私ども、人数についての統計を持ち合わせておりませんので、それに対応するものということで、記録の件数ということでまずお答えさせていただきたいと思います。政権交代前ということでまず申し上げますと、平成十八年六月から平成二十一年九月末までに全体で一千二百五十七万件が統合されております。また、政権交代後ということで申し上げますと、平成二十一年十月から平成二十二年九月までに全体で二百四十七万件が統合されているところであります。
 また、大きな二点目のお尋ねが回復した年金額のお尋ねでございました。
 記録訂正により年金額が増額となった回復額につきましては、私ども平成二十年五月から集計をさせていただいております。これを政権交代前後ということで申し上げますと、まず政権交代前の平成二十年五月から平成二十一年九月末までの累計では年額で約四百四十四億円でございます。また、政権交代後ということで平成二十一年十月から平成二十二年九月末までの累計を申し上げますと、年額で約百八十七億円という状況でございます。
○石井準一君 さきの事件等で同機構が設置した第三者検証会議は、同機構の情報管理の甘さを指摘をしております。今回の情報漏えいは年金記録の照合作業にも大きな影響を与えており、大幅にずれ込むんではないかという指摘もあります。この事態をどう受け止められておるのか、お伺いをしたいと思います。
○副大臣(藤村修君) 日本年金機構は、社会保険庁が様々な問題を起こし、国民の不信を招いたという反省に立ってそもそも設立されたものでございます。
 このため、日本年金機構において、国民に信頼される組織となるべく努力を重ねてきたところでございます。民間から理事長を招き、新たに千人規模の民間会社出身の方も採用したなど、一つの例でございます。
 ただ、しかしながら、今回の事案について調査、検証を行った日本年金機構の第三者検証会議の報告書、八月十日に公表されております。行為者の規範意識の欠如、機構内部でのコミュニケーション不足、あるいは情報管理体制の不十分さなどが今回の事案が生じた原因と指摘されております。
 厚生労働省としては、日本年金機構が改めて身を引き締め、これまで以上に使命感や自覚を持ってコンプライアンスの徹底など適切な業務運営に取り組み、真に国民の皆様に信頼される組織となるようしっかり指導監督してまいりたいと存じます。
○石井準一君 しっかりと取り組んでいただきたいと私の方からも強く要望をさせていただきたいと思います。
 次に、平成二十一年度の国民年金保険料の納付率がついに六〇%を切り、五九・九八%となったという報道がありました。自公政権のときに納付率八〇%の目標に届かないことを民主党の方々は批判をしたわけでありますけど、現状の認識を問う上で、また同時に、この年金記録問題への対応に重点を置くがゆえに保険料の徴収の業務がおろそかになったということはなかったのか、その辺の検証をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 国民年金保険料の納付率の向上というのは、これは大変重要で、被保険者間の公平を図るとともに、将来の低年金・無年金者の発生を防止する観点から極めて重要と認識をしております。そのような中で、二十一年度の国民年金保険料の現年度納付率が六〇・〇%であり、過去最低であったと、大変厳しい状況だというふうに認識をいたしております。
 徴収率が下がるということが、年金記録の回復のための作業に職員を配置などいろいろとそちらの方に力を注ぐということも一つは原因があったかとも思いますけれども、しかし、こういう事態になりましたことは私たちとしては大変遺憾に思っておりまして、これからは日本年金機構に対しまして中期計画あるいは年度計画につながった取組を指示をしっかりしていくということで、改めて二十二年度において収納対策にしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
○石井準一君 国民年金は被保険者が自らの意思で納付をするものであります。厚生年金や共済年金と違い、本当に年金に信頼を置いていただくということが非常に重要視されるわけであります。これからも国民に信頼をされる年金制度構築に与野党が超えてしっかりと議論をしていかなければならないんじゃないかなというふうに思うわけであります。
 次に、大臣は、先日の委員会の就任のあいさつで、現在衆議院で継続審議となっている年金確保支援法について発言をなさいました。その中で、無年金となる方の発生を予防するために国民年金保険料をさかのぼって納められる期間を二年から十年に延長すると述べられました。
 確かに、追納期間を十年に延長すれば無年金から解放される方は増えるかもしれません。しかし、現在の案では、過去十年は認められても、十年と一か月では認められません。これでは不公平だと感じる人も出てくるわけであります。
 過去には国民年金保険料の特例納付が三回行われております。それと同様に、例えば二年間に限って全期間について追納できるよう特例納付を行えばよいと思いますが、大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) この無年金、低年金問題への対応につきましては、まずはその運用面で様々な取組を行うということと、もう一つ、制度上の対応として、国民年金保険料のさかのぼり納付可能期間を二年から十年に延長すると、こういう法案を今、国会に提案をしているところでございます。
 こうした中、今委員がおっしゃられた特例納付の実施をして、過去に納めていなかった国民年金の保険料を期間の定めなく納められるようにすることについても、これもまあ一つの考え方ということで昨年来検討を行ってきたところでございます。
 しかしながら、そういうことをいたしますと、これまでまじめに保険料を納めてきた方に不公平感を与えることになるのではないかとか、あるいは今後その保険料を納める、後で納めればいいというような、保険料納付意欲に悪影響を与えないだろうかとか、あるいは多額の保険料を短期間にまとめて納付ができるということは、高所得者あるいはお金持ちだけがこの恩恵を被るということになるのではないかというような課題もございまして、特例納付ではなくて納付可能期間を延長と、こういうことで御提案をさせていただいておる次第でございます。
○石井準一君 それぞれの立場があるわけでありますけれども、無年金者を減らすというところだけを限定をすれば特例納付を行った方がより効果的ではないかということを改めて指摘をさせていただき、御検討いただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 次に、介護従事者の処遇改善についてお伺いをいたします。
 我々自民党は、公明党とともに、与党時代から介護従事者の処遇改善に取り組んでまいりました。二〇〇九年度の介護報酬改定では三%増と、初のプラス改定を行いました。そうした保険料アップに直結しないよう、二〇〇八年度の二次補正及び二〇〇九年度の一次補正で五千億円以上を計上し、介護従事者の賃金月額をこれまで平均二万四千円アップをさせてまいりました。民主党は、介護労働者の賃金を月額四万円引上げをマニフェストに記載をされております。
 最初に一点確認をさせていただきますが、民主党の言う介護労働者の賃金月額四万円上げとは、我々が行った二万四千円アップとは別に四万円なのでしょうか、それとも与党時代に我々が講じた措置の残りの一万六千円を目指すということなのか、その点をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) この介護職員の処遇を改善をしていくということは、これは高齢化が一層進展をしていくというそういう中で、人材確保も含めまして大変重要なことだというふうに思っております。
 先ほど委員の方から御指摘もありました介護職員の報酬でありますけれども、介護報酬がプラス三%、そして介護職員処遇改善交付金、これが一人当たり一万五千円ということで、これは前政権から引き継いだ形で実行しておりまして、そのことで二万四千円アップしたところでございます。
 現在、介護保険制度の見直しに向けました検討が進められております社会保障審議会介護保険部会の中においても、介護職員の処遇改善の重要性について今議論が行われているところでございます。私といたしましても、これらの議論を踏まえながら、先ほど申し上げました平成二十一年四月に行った介護報酬の改定とか、あるいは介護職員処遇改善交付金、これの効果なども含めまして、今後どのように処遇改善を進めていったらいいか、よく検討してまいりたいというふうに考えております。
○石井準一君 四万円引上げという民主党の目標、政権交代から既に一年以上がたっていますが、何か具体的な措置はなされたのか非常に疑問に感じるわけであります。
 前政権が講じた二万四千円アップの措置も二〇一一年度までの暫定措置であり、継続には年間二千億円の恒久財源が必要となってくるわけであります。それに加えて民主党さんは一万六千円アップとおっしゃっておるわけですから、財源を早急に確保し、更なる処遇改善に取り組む必要があると思いますが、その辺の見解をお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員御指摘の介護労働者の処遇改善というのは、いわゆる自公政権で取り組まれたような仕組みがいいのか、それとも介護報酬、これは所定で決まっているのは二十四年度の改定でありますから、そのタイミングで行うのがいいのか、それは議論があるところだと思います。筋論を話すべきなのか、それとも工夫をするべきなのか、そういったことも含めて、先ほど大臣から御答弁いただきましたように、これから議論を詰めていくという過程が必要になってまいります。是非、自民党さんの方でも前向きな、そして建設的な御意見をいただければと思っております。
○石井準一君 財源の確保が早急であるわけでありますし、更なる処遇改善について政権与党である民主党さんにもしっかりと取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 次に、子ども手当についてお伺いをいたします。
 玄葉国家戦略大臣は十四日、参議院予算委員会における我が党の林芳正政調会長代理の質問に、子ども手当は二〇〇九年の衆議院マニフェストでは来年度から月額二万六千円だったが、ここは一万三千円プラスアルファを目指すと、プラスアルファが現金か現物かはこれから議論するとお答えになりました。
 前大臣の長妻さんは現金支給へのこだわりが相当強かったわけでありますけど、新大臣の細川大臣は現行の一万三千円の上積みについてどのようにお考えなのか、まずは見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(小宮山洋子君) お答えいたします。
 一万三千円というのは、社会全体で一人一人の子供の育ちを応援をしようということで子ども手当を創設いたしました。その上積み分につきましては、私は、玄葉大臣が言われたとおり、これは子ども手当だけではなくて保育などの現物もしっかりとやるということを元々私ども言ってきたわけですけれども、お金だけではなくて、特に子供たちの居場所をつくってほしいというような皆さんの声もたくさんいただいておりますので、これは、現金、現物どのように積んでいくかは来年度の予算編成過程でしっかりと考えてまいりたいと思っております。
○石井準一君 子ども手当についても巨額の財源が必要になってくるわけであります。我々は、一年以上掛けてこの子ども手当に対しましても、制度、法案についてじっくりと与野党間で協議をしていこうということを提案をしたわけであります。これからもしっかりとした議論の上、本当に子ども手当が将来の少子化、子育ての大きな糧となるかどうかを検証しながら、我々もここで議論をしていきたいなというふうに思っておる次第でございます。
 仮に、細川大臣、最低でも一万三千円プラス六千円、一万九千円に上げることになった場合は、千円上げると二千億円の財源の上積みが必要になってくるわけであります。巨額の財源が必要な制度でありますので、これからもしっかりとした検討をしていただくことをお願いをしたいと思うわけであります。
 時間がありませんので、次に移らしていただきたいと思います。B型肝炎についてであります。
 野田財務大臣は十五日の閣議後の会見で、全国B型肝炎訴訟で原告らへの補償額として、国が試算した二兆円の財源を確保するために増税もあり得ると述べられました。仙谷官房長官も会見で、増税の必要性に言及をされております。
 肝炎患者の苦しみはB型もC型も変わりません。がんに進行してしまうのではないかという不安感といつも闘っておるわけであります。このような命にかかわる問題と財源論をてんびんに掛けることに対し、原告の皆様方は怒りを通り越してあきれていらっしゃるのではないかと思うわけでありますが、細川大臣、このような閣僚の発言についてどう思われるのか、また財源論に対して財務大臣と協議したことがあるのかどうかをお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) このB型肝炎訴訟、今、札幌の裁判所で和解が進んでいるところでございます。この問題を早期に図るということを、これは原告の皆さんのお気持ちを考えれば当然のことでございまして、早期の和解成立に頑張っていきたいというふうに思っております。
 この問題に関しましては予防接種が原因でありまして、この予防接種というものは感染症の予防に効果を発揮をして、そして国民全体に多大な便益を与えると、こういうことで予防接種がありますが、一方で、一部の方にB型肝炎の感染という不幸な結果を生じさせたという側面がございます。それを国民が全体で分かち合うということについて、これは国民の皆さんのお一人お一人の問題として広く御理解と御協力を得ながら解決すべき問題だと認識をいたしております。このため、国会での御議論はもとより、広く社会各界の各層におきまして御議論をいただきながら一定のコンセンサスを得ることが必要だと考えております。
○石井準一君 財務大臣、官房長官の発言は、国民と原告との間に対立を生じさせるような主張ではないかというふうに思うわけであります。国の責任論の棚上げではないかというような意見もあるわけであります。原告の方々の思いを尊重し、一刻も早くこの問題が解決できるよう、細川大臣には全力を尽くしていただきたいと思うわけであります。
 肝炎患者の皆様方の思いを踏みにじるようなことがないようにしていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○赤石清美君 どうも初めまして、赤石清美と申します。
 私は、民間の企業で四十年間ほど医療関係に携わってまいりました。企業のマネジメントについては非常に詳しいんでありますけれども、こういう政治の場は初めてでございますので、今日は少し戸惑いがあるかもしれませんけれども、細川大臣以下、よろしくどうぞお願いしたいと思います。
 それでは、先ほど同僚の石井議員からも質問がありましたけれども、私は、社会保障全般、そして医療、年金、介護問題について、そして私のふるさとであります青森県の、地方の雇用問題について、政府の考えを聞かせていただきたいと思っております。
 最初に、社会保障全般というよりも、先ほど石井委員からも話がありましたけれども、来年度の概算要求で厚労省関係は二十八兆円、約、前年度四・五%の要求されております。この二十八兆円というのは、来年度どのぐらいの予算規模になるか分かりませんけれども、多分三分の一程度の予算規模を厚労省として使うわけですので、大変重たい仕事だと思います。
 この重たい予算を執行するに当たって、先ほどの石井委員とダブるかもしれませんけれども、厚生労働大臣の気構えを聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(細川律夫君) 社会保障を充実をさせていくということは、これは厚生労働省の大きなまさに仕事でございます。それには予算がどのように獲得できるかということも、これもまた大事なことでございます。
 二十三年度の概算要求につきましては、財政状況が厳しいと、そういう中で、年金、医療とか、そういう自然増の部分につきましては、これはしっかりと確保いたしたところでございます。一方、子ども手当の上積み分とか、そういうことにつきましては、年末までの予算編成過程でしっかりと議論をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、二十三年度概算要求を少子高齢社会を克服する日本モデルの構築に向けた第一歩だというふうに位置付けておりまして、参加型社会保障、このポジティブウエルフェアの構築を目指して必要な施策を推進するということにしておりまして、元気な日本復活特別枠と、ここにおいてもマニフェストや新成長戦略の関連施策などを積極的に要望もいたしているところでございます。
 今後は、特別枠で要望した事業につきまして、政策コンテストで国民の理解が得られるような、その必要性をしっかり説明して、すべての要望が採用されるように省を挙げて全力で取り組んでいきたいと考えております。
○赤石清美君 私は、特に、先ほども石井委員から質問がありましたけれども、特にこの子ども手当は、今年度一万三千円で半額と、十二分の十で一兆二千億円の費用を使うことになっていると思いますけれども、来年度、物的なものあるいは金額にしても、この二万六千円を払おうとすると五兆五千億の財源が要ることになる。とてつもないお金なわけで、何か切替えをしなきゃいけないと思います。
 実は、私は一人の息子と一人の娘がおりまして、孫が五人おります。ゼロ歳から十二歳までです。その子供たちとよく話をしますと、本当に援助が必要な期間はどこだといいますと、子供を妊娠してから小学校入るまで、ここが一番重要だということを言っているわけです。確かにそのとおりだと思います。子供ができると会社を休まなきゃいけない、また復帰するためにも手当が要る。復帰しても、私のいた会社では三分の二が女性でありましたけれども、皆さん本当に必要な保育所に預けようとすると、大体給料の三分の一を使うことになるんですね。やはり、こういうところをしっかりと私は埋めてやるべきだというふうに思うんです。
 そういった意味で、何もずっと今までの子ども手当に、中学生から全部配るという考え方を改めて、本当に必要なゼロ歳から六歳のところにもうちょっと頭を切り替えてやることはできないんでしょうか、大臣。
○副大臣(小宮山洋子君) 御意見ありがとうございます。
 私どもも、先ほど申し上げたように、現金給付だけにこだわっているわけではございません。これまでこの国でずっと後回しになってきた子供について、しっかりと子供の育ちと子育てを支援することをやっていきたいと思っておりまして、まず持ちたい子供が持てない最大の原因がこの経済的負担ということで、第一歩として子ども手当を考えました。
 これ財源の話ですけれども、再三申し上げるように、税の控除から手当にいたしましたので、控除を外して実際に税収となってくるまでにタイムラグがございますが、所得税について、国税の所得税についての扶養控除は次の年の一月から入ってまいります。そして地方税の住民税についての扶養控除を外した分は二十四年の四月から六月、これは働き方によって違いますが、そこから入ってきますので、その分は財源がございます。
 この後、税制改正の中で、私どもがその働き方に公平でないと申し上げている配偶者控除とか、あるいは全体の、所得税とか法人税、それからまた相続税全体のことをやる中で、しっかりとまたそこからも財源が出てくるというふうに思っておりますし、ゼロ歳から六歳までについて様々な保育所とか教育とかいろいろなことが必要なのは分かっておりますので、今、子ども・子育て新システムの中でそうしたことも考えておりまして、それを併せてその上積み分をどうするかということは、この後またその新システムについては来年の通常国会に法案を出させていただきたいと思っておりますので、皆様の御意見も伺いながら、総合的に子供と子育てを応援できるように考えてまいりたいと思っております。
○赤石清美君 是非めり張りの利いた、限られた財源なわけですから、私も会社の経営者やっていて、やっぱり会社も利益が限られているわけですから、どこに集中するか、配分するかということを考えるわけで、頭を余り固く持たないで、是非、私らが一番必要なところにお金を付けるように必死になって考えていただきたいと、かように思います。
 それでは次に、医療の分野に行きたいと思いますけれども、今、後期高齢者の医療制度の問題についていろいろと新しい案を作られて、考えられているようですけれども、私は今の後期高齢者制度は、確かに名前は不評がありますけれども、かなり国民になじんできて、その支払方についても各市町村はそれなりになじんできているんだろうと思うんですね。
 これを何か無理やり、かつての政権がつくったからおれたちは絶対変えるんだというみたいなふうに思えてならないんですけれども、この点についていかがでしょうか、大臣。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員御指摘になられました後期高齢者医療制度は、七十五歳に到達した途端にそれまでの保険制度から分離、区分した保険制度に入れる、加入させられる、年齢による差別的な点が最大の問題だというふうに指摘をされており、これにつきましては、委員御指摘のマイナーチェンジでは変わらない、フルモデルチェンジをしていかなきゃいけないという意識を持っております。
 現在、高齢者医療制度改革会議において、新しい制度を、どういう骨格がいいのかというのを協議をしております。七十五歳以上の高齢者の方も現役世代と同じ国保か被用者保険に加入することとし、多くの高齢者の受皿となる国保の財政運営について、長年の課題であります都道府県単位化に道筋を付け、国民皆保険の基盤である国保の安定的な運用を確保するということを目指しております。他方、委員御指摘の現行の後期高齢者医療制度につきましては、高齢者の医療給付費に対する公費、現役世代、高齢者の負担割合を明確にしたことや、原則として同じ都道府県で同じ所得であれば同じ保険料となるといったことも利点として指摘できると考えておりまして、こういった点については新制度でもできる限り維持をしていきたいというふうに考えています。
 いずれにいたしましても、先ほどお話をしました会議において、年末までに成案を得て来年の通常国会に法改正出したいと思っておりますので、是非委員にも御賛同いただきたいと、そのように思っております。
○赤石清美君 私の聞いている範囲では、各市町村の事務作業が大変な作業になるというふうに聞いておりますので、是非そこの負担がないように、変えるのであればですよ、しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 それから、次に診療報酬の問題ですけれども、平成二十二年、今年度診療報酬の改定をしたわけですけれども、特に重点課題として救急、産科、小児、外科、これらの再建のために相当な配分したというふうに聞いておりますが、私の知り合いの現場のドクター、看護師の人たちはその実感を感じていないと。これ、診療報酬改定した結果どのように変わったか把握できているんでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員御指摘の今回の改定において、本年の四月の改定においてでは、救急、産科、小児科、外科等、医療の再建や病院勤務医の負担の軽減を図るということを大きな目的としたところでありまして、その結果についてはきちんと把握をしていかなければならないというふうに考えております。
 このため、本年六月二日の中医協においては、新生児集中治療や小児救急医療の評価、また急性期後の受皿としての後方病床機能の評価などの影響について、診療報酬改定結果検証部会において検証を行うということで合意をしたところでございます。
 また、病院や診療所における医業経営等の実態について、医療経済実態調査において把握することとしているところでありまして、これらの検証結果を踏まえ、現場の皆様方の声をお聞きしながら二十四年の次期改定につなげていきたいと、そのように考えております。
○赤石清美君 分かりました。
 この検証はいつぐらいまでにやられるのか、ちょっとお伺いできますか。
○大臣政務官(岡本充功君) 今お話をさせていただきましたように、まさにこの中医協に本年六月二日で合意を得たところでありますので、これから先どういったような実態調査をするかということは、実際の調査などは外部に委託することなども検討しておりまして、またその結果が出ましたら先生のところにもお話をさせていただきたいと思います。
○赤石清美君 医療の現場の人たち相当困窮しておりますので、是非早めに検証して次の手を打つようにしていただきたいというふうに思います。
○大臣政務官(岡本充功君) そういう意味で、既に九月に調査を開始しましたのが歯科技工加算創設の影響評価、また後発医薬品の使用状況調査などをしておりまして、今回の平成二十二年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査のスケジュールとしては、来年の三月を一つのめどとして実施をしていくというような状況になっております。
○赤石清美君 是非、来年の三月までにしっかりとした検証をして、しかも現場の意見をしっかりと聞いて次の診療報酬の改定に生かしていただきたいというふうに思います。
 続きまして、併用診療についてお伺いしたいと思いますけれども、私はちょうど二年ちょっと前に卵巣がんで私の家内を亡くしまして、四年間闘病しました。先ほど民主党の委員の方も言っていましたが、最後の末期は大変でした。先ほどの民主党の先生がやったとおりやっていれば私も随分楽だったんですけれども、最後は本当に大変でした。
 この四年間闘病している間に入退院を何回も繰り返すわけですね。そして、だんだん抗がん剤によってやられていくわけですけれども、そのときやはり、がん難民ではないんですけれども、新しい医療をどうしてもやりたいというふうに、妻を思えばそういうことを思って、何度か併用診療、先進医療というのを頼んでみたんですけれども、なかなか現場では、行政の方ではこういう枠組みでできていますと言いますけれども、実際には、そんな簡単に先進医療を受けられるとかそして併用診療を受けられるというのが私は実態としてはこの経験を通じてないと思っているんですけれども、この併用診療についてはどんな見解でしょうか。よろしくお願いします。
○大臣政務官(岡本充功君) 先生御指摘のとおり、かつては保険診療と保険外診療併用が大変制限されておりまして、私も実際病院において大変つらい思いをした記憶がございます。
 そういった中で、基本として我が国の医療保険制度というのは、原則保険診療として、かつ一定の自己負担で受けられるということを基本としているということは貫いていくということは必要だと思っていますが、一方で、今先生御指摘のとおり、私もそういう経験をした中で、少し改善の余地がないかという思いを持っています。
 従前よりありますいわゆる差額ベッド等の患者の自由な選択にかかわるもの、こういったものを選定療養とし、また先進的な医療技術や治験など、将来の保険給付の対象となるべきか否かについて評価を行うことが必要なものというものをいわゆる評価療養として、こういったものについては保険診療と保険外診療の併用を認めて、基礎的な部分については保険給付の対象と今現在しております。
 併用が認められているもののうち、先進医療制度は、保険医療機関からの申請のあった先進的な医療技術について、専門家による検討を経て保険診療併用を認めているところでありまして、現在、今委員御指摘の、例えばがん治療にかかわるものなど百十七の医療技術が承認されており、これらの技術を適切に実施できる施設において実施しているところであり、保険外診療との併用については、こうした一定のルールの下で患者のニーズに対応しているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○赤石清美君 一定のルールは分かるんですけれども、実際の現場でちゃんと履行できなければそのルールは単なる法律でしかないわけでありまして、もうちょっと運用上で簡便にスピーディーにやれるような方法論というのは今のところは考えられないんでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 冒頭お話をさせていただきましたように、原則はやはりしっかり持っていかなきゃいけないと。原則は保険診療により、かつ一定の自己負担で受けられるということが基本というのが原則です。そういう意味では、委員のお気持ちも分かりますし、先ほどお話をしましたように、私もそういう経験をいたしましたけれども、これが無秩序に広がっていくというようなことになりますと、またそこにエビデンスがあるのかどうかということについてもきちっと評価を、先ほどの専門家の評価を経ず広げていくということについては問題があるということは御理解いただけると思っております。
○赤石清美君 私もそのことは十分理解しているつもりでございまして、現場でもう少し機動的にできるような方法論がもう少しあってもいいかなということを考えておりますので、是非それはまた検討していただきたいというふうに思います。
 じゃ、質問を変えまして、続いて結核のことについてちょっとお伺いしたいと思いますけれども、最近、龍ケ崎の済生会病院とそれから千葉県のがんセンターで看護師さんが結核に感染していたと、しかも気が付くのが非常に遅いということで、最近、この間調べてみたら、先進国の中では日本の結核の罹患率がかなり高いんですね、アメリカ、ヨーロッパに比べますと。まだまだ結核が撲滅されたわけではなくて、残っているわけでございまして、それが結構健康時に感染する、そして医療機関の看護師さんに感染している、それがまた更に感染をしていると。
 ちょっと最近の結核の予防対策について、前回は多剤耐性菌のことで議論していましたけれども、この結核についてももう少しちゃんとした疾患予防対策、感染予防対策が必要じゃないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員御指摘の、結核の罹患を減少させるということ、とりわけ院内感染対策に取り組むことというのは大変重要だというふうに認識をしております。
 このため、厚生労働省といたしましても、医療法に基づき、各医療機関に院内感染対策の指針の策定、また委員会の開催等を義務付けています、これは省令ででありますけれども。このほか、院内感染対策マニュアル作成の手引きを各医療機関にお配りをしてお示しをしているところでございまして、そういったマニュアルにおいて結核についても位置付けているというふうに御理解をいただきたいと思います。
 また、感染症法においては、病院、診療所等の医療従事者に対して、結核に感染する機会が多いことも踏まえ、毎年度、結核にかかわる定期の健康診断を受け、この受診に義務を掛けておりますし、また早期発見、治療にも取り組んでおります。さらに、地方自治体等が実施する医療従事者の結核対策の研修等に対して国庫補助を行っているところでありまして、結核対策特別促進事業や結核研究補助事業なども行っております。
 委員御指摘のとおり、本日も仙台で看護師が結核に感染して、千人と接触したのではないかというような報道がありました。そういった意味では、この日本における結核対策というのはまだまだこれから進めていかなければならないというふうに考えております。
○赤石清美君 是非、これはちょっと忘れられた感があると思うんですけれども、現場はそうではないということをもう少し行政も理解して、もう少し周知徹底をして感染予防に努めていただきたい、このように思います。
 それでは、続きまして、遺伝子検査って皆さん多分御存じでない方もいらっしゃるかもしれませんけれども、皆さん、インターネットで遺伝子検査と検索すると、数多くの、ダイエットの遺伝子とか、そして糖尿病のリスクファクターを見るとか、様々な遺伝子検査が世の中に出回っています、インターネットを見ればすぐ分かりますので。こういう検査は、実はちゃんとした承認を受けている検査ではないんですね。しかも、登録されたラボで、検査所でやっているわけじゃないと。このままずっと野方図にやっていたら大変なことになるのではないかなというふうに私は思っています。
 この遺伝子検査について、行政はどのように把握していますでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員御指摘のいわゆる遺伝子検査においては、例えば羊水検査等で利用される国民にとっては大変有益な検査でありますが、現行の臨床検査技師等に関する法律に基づく検査区分においては明確な位置付けがされていないと承知をしております。
 そういった観点から、現在、遺伝子検査を衛生検査所における検査項目として位置付け、遺伝子検査の検査基準を設ける方向で検討を進めております。今後は、遺伝子検査が衛生検査所において基準にのっとって適正に行われるよう対応してまいりたいというふうに考えております。
○赤石清美君 これはこのまま蔓延していきますと大変な問題が起こるというふうに思っておりますので、是非法の網をしっかりと掛けるようにお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、年金についてでありますけれども、先ほど石井委員からも年金のことでありましたけれども、先ほどの石井委員と同様の質問になるかもしれませんけれども、突合作業というのは本当に一〇〇%になるとは私は絶対思わないんですけれども、私も実は厚生年金と個人年金をもらっている年齢ですので、もらっています。もう三回も四回も、年金記録郵便でしたか、何か確認が来るんですね。もう私はちゃんともらってちゃんとチェックしてオーケーなのに何でこんなに何回も何回も、これ無駄なことじゃないかなということを本当に実感しているんですけれども、この点について、もうどこかで、どこまで行ったら区切りを付けるのか、一〇〇%というのはもうあり得ないというのは大体分かっているわけですから、どこかで歯止めを掛けないと、私はもうコスト対効果では絶対にもうどんどんお金が掛かるだけだと思うんですね。
 この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 年金記録の問題につきましては、今委員御指摘のねんきん特別便とかあるいはねんきんの定期便、これを国民の皆さんの方にお送りをして、そこで間違っていたならば今度こちらの方に知らせてほしいと、そこでしっかり訂正をしていきますと、こういうことでお送りしています。
 ところが、今度のコンピューター記録と紙台帳との突き合わせというのは、こちらの国の方で調べて突き合わせをして、紙台帳とコンピューター記録突き合わせをして、そこに誤ったところがあれば、それを国民の皆さんに知らせて、そしてこういうふうになっているけれどもどうですかと、こういうことをやることで進めているわけなんです。
 だから、今委員の言われたことと今度は全然違う、国の方からこういう間違いがあるからどうでしょうかということを調べる、それが今度のコンピューター記録と紙台帳の突合でございます。それをしっかりやっていくと、こういうことでございます。十二日から始めまして、二十二年度、二十三年度に集中的にこれをやりまして、そして最後まで、最後の一件までやりたいというふうに考えております。
○赤石清美君 私は、もうどこかでやっぱり歯止めを掛けて、ここまでいったらもう突合の作業は終了しますよという、そういうことがないと、多分これは際限なくいくんだろうと思うんですね。だから、是非そこのところは内部でも議論していただいて、レベルをしっかりと決めて、やっぱり何でも作業ってそうだと思うんですね。やっぱり最後のエンドがなかったらとことんお金が掛かるわけで、それは会社だったら絶対できません。行政だからできるかもしれません。だけど、これは国民の税金を使ってやるわけですから、あるいは年金を使ってやるわけですから、是非そのところはしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 もう一つ年金の問題ですけれども、私は今厚生年金をもらっています。そして、企業にいるとき、ずっと掛けてきました。しかし、今企業の年金基金というのは非常に運営がしんどくなっています。そして、どんどん企業年金やめちゃおうと、そして確定拠出年金、あるいは四〇一kとか、そういうところに移行させようということで皆さんやっています。
 なぜかといったら、会社の経営と関係なしに市場のマーケットによって減少があったりプラスがあったりするわけで、ただ、マイナスになったら会社が補てんしなきゃならない。企業が補てんするわけです。企業は得た利益からそれを補てんしなきゃならない。企業の業績と関係なしにマーケットに振られて年金が穴埋めしていかなきゃならない。そういうことで、皆さんもう企業としてはやめてしまおうと、で、みんなにその四〇一kに移行しろとかとやっているわけです。
 この今の企業年金基金の在り方、これについては将来どのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(藤村修君) 厚生年金基金が財政状況が悪い中でも会社の状況にかかわらず掛金の負担しないといけないと、こういう御質問かと思います。
 厚生年金基金は、昭和四十一年の制度発足後、ピーク時には千八百八十三基金ございました。これ平成八年度です。その後、母体企業の経営悪化、あるいは近年のこの経済情勢の悪化に伴う財政状況や運用の悪化に伴って、平成二十一年度末までに四百六十四基金が解散をしているところです。株式の運用環境が大変厳しかった平成十二年から十四年、この間が最も多く解散を選択されたんですが、現在は解散する基金は減少している状況ではございます。
 今どのくらいかということで、例えばこの平成十三年、十四年、十五年、十六年、この辺が五十から八十ぐらい毎年のように解散されました。それから十七年以降では、十七、十八、十九、二十、二十一年度、この五年間で五十六基金が解散と。現在、基金数は六百八基金でございます。
○赤石清美君 今後、この企業年金基金の在り方について、どのように政府としてはリードするのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(藤村修君) 厚生年金の財政運営について今後のことということでございますが、厚生年金基金においては、積立不足がある場合には掛金の引上げや給付の見直しを行うこととなっておりますが、母体企業の経営が厳しい状況を踏まえて、昨年も掛金の引上げの猶予を認める措置を講じたところです。厚生労働省として、今後とも各基金の財政状況の改善を図るよう指導に努め、基金の健全な財政運営の確保を期してまいりたいと思います。
 また、現在、新しい年金制度の検討を進めておりますので、現行の企業年金が前提としている公的年金制度の姿が大きく今後変わっていくと、その検討を踏まえ厚生年金基金制度の在り方についても検討してまいりたいと存じます。
○赤石清美君 是非、特に今困っているのは中小企業の企業年金基金なんですね。この人たちは本当に一生懸命働いていても、今の雇用情勢、景気の情勢でなかなか利益を生み出せない。それで、先ほど午前中も何かありましたけれども、やっぱり経営者がこういう社会保障を払えないというのが結構出ています。私の耳にも何人も入ってきています。やっぱりある程度国の援助がなければ、そういう会社に勤めた人がたまたまその会社にいただけの話であって、そして後で出てみたら年金が積み立てられていなかったと、こういうことになりかねないわけですので、しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 それでは、続きまして、介護の問題なんですけれども、先ほど石井委員からも介護の従業員の給与の問題が出ておりましたけれども、給与の問題もさることながら、大都市圏、特に首都圏、名古屋圏、近畿圏、こういう大都市圏では介護士が足らないんですね。地方ではしっかりと確保できています。それは多分、給料がレベルが低くても、地方に行くと財政的なレベルが近いですからそういうことだろうと思うんですけれども。大都市圏では介護士の離職が非常に多いですし、大都市圏ほど、確かに田舎も高齢化が進んでいます。だけれども、大都市も高齢化が非常に進んでいるんです。圧倒的に人数が多いのは大都市圏の高齢者なんですね。
 私は川越に住んでいますけれども、私の前は四階建てのURの賃貸住宅になっていますけれども、四階建てですからエレベーターがないんですよ。そして、高齢化がどんどん、もう昭和四十年代の初めにできたものですから高齢化が進んで四階まで上れない、買物にも行けない。そういうときにだれかヘルパーが要るわけですけれども、なかなかサポートがいないという実態があります。
 この介護のマンパワーの確保あるいはレベルの確保という観点で行政としてはどのように考えているのか、御意見を聞きたいと思います。よろしくどうぞお願いします。
○副大臣(藤村修君) 今後高齢化が更に進むということはもう御案内のとおりでございます。そのために、人材確保のための介護職員の処遇改善というのは極めて重要だと認識しております。
 平成二十年に実施した介護事業の経営状況の調査によりますと、介護職員の給与は地域差が大きく、都市部の事業所ほど給与が高い傾向でありました。このため、平成二十一年度の介護報酬改定ではプラス三・〇%改定とするとともに、地域ごとの報酬単価の上乗せ割合を見直したところであります。
 平成二十一年度の介護報酬改定では、介護給付費分科会の審議報告、審議会報告において、今後の課題としてということでございますが、地域区分の在り方、今四つですかね、区分がありますが、について検討することとされておりますので、平成二十四年度の次期介護報酬改定に向けて、地域差を勘案した更なる介護職員の処遇改善について検討してまいりたいと存じます。
○赤石清美君 是非、地域差も含めて、これはスピード感を持ってやらないと、もう高齢化が加速度的に進んでおりますので、是非そのところをよろしくお願いしたいと思います。
 次に、徘回の老人についてでありますけれども、私は、もう先ほど川越に住んでいると言いましたけれども、家に帰りますと、毎日のように防災無線で徘回の老人の捜索願をやっているんですね。私はどのぐらい数があるか分かりません。調べてみたら、六千人か七千人、年間、病気によって行方不明になる人がいるそうですけれども、やっぱり家族にとっても大変なことなんです、この徘回の人がいるということはですね。
 ただし、私の同僚にもいましたけれども、家に縛り付けていた人がいたんですね。こんなことまではしてはいけない。しかし、その人は病気かというと、そうでもない。病院でも受け入れてくれない。しかし、家族で面倒見なきゃいけない。そういう人がたまたま徘回に出てしまう。これはもう家族が大変な作業をしなきゃいけないということなので、これの対策について少し考えてもいいんではないかと。
 例えば、私は携帯持っています。携帯、これGPSが付いています。この携帯なくしても、NTTに電話するとどこかに行って捜せるという、こういうシステムがあります。
 もう少し徘回の老人に対する対策について考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(藤村修君) これまでも、実は認知症高齢者の徘回問題ということは対応をしてきております。平成十九年度からですが、警察や消防、タクシー会社などのネットワークを構築するモデル事業を実施してきたところでございます。
 しかし、さらに徘回への対策を充実していくことは大変重要だと御指摘だと思います。このため、認知症支援に関する、実は先日、八月二十九日にも総理大臣指示がございまして、市民が幅広く参加して徘回高齢者の捜索、発見、通報、保護を行うネットワークを構築する事業を平成二十三年度予算の概算要求における元気な日本復活特別枠にて要求しているところでございます。徘回に対応する施策の充実を図ってまいりたいと存じます。
○赤石清美君 是非しっかりとした対応をして、やっぱり家族の人たちの大変さも理解して、今までの対応とはまた別に何か新しい施策も含めて考えていただきたいというふうに思います。
 続いて、医薬品、食品について御質問をしたいと思っております。
 来年度の厚労省の科学振興予算を見ますと、別枠があるのかもしれませんけれども、マイナスになっています、この概算要求の中では。
 私は、この業界で冒頭に述べましたように四十年間医療という会社で生活してまいりました。四十年前は、我々はアメリカとドイツから技術をもらって勉強しました。そして、二十年前ぐらいからは、我々がそのもらった技術の、委嘱を受けて、中国、韓国、台湾、東南アジアと指導に行きました。そして、今はじゃどうなっているかといいますと、今この中国、韓国、あるいは東南アジアの優秀な国、こういったところが我が国の技術を追い抜こうとしています。もしかしたら一部追い抜かれているかもしれません。どんどん日本の医療技術に関する中国、韓国、東南アジアに対するプレゼンスがどんどん下がっているというふうに思います。
 このままでは日本の医療産業は危機的状況になります。もっともっと日本の医療、先ほど成長産業に位置付けるとか言っていますけれども、私は医療産業を育てなければいけないと思います。これに、もう少ししっかりとした予算を付けるべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(藤村修君) 今、厚労省の科研費の多分お話だと思います。
 厳しい財政状況の下ではございますが、厚労省としましては、がん、肝炎、それから感染症等のより必要性の高い研究に配慮しつつ事業全体の効率化を図る一方で、難病やがん、肝炎など社会的影響が大きい疾病の原因解明や診断法、治療法、予防法の開発、再生医療技術の臨床実現化のための研究等を推進することを目的として、平成二十三年度予算概算要求におきましては、実は元気な日本特別枠も加えて今年度よりも、今年度は四百七十二億円でございますが、来年度は特別枠を加えて四百七十七億円と、若干の伸びではございますが、要望を行い、ライフイノベーションプロジェクトという位置付けをもって要求しているところでございます。
 厚生労働省としましては、今後の予算編成過程においても必要な厚生労働科学研究費の確保に最大限取り組んでまいりたいと存じます。是非御指導のほどをお願い申し上げます。
○赤石清美君 是非しっかりと菅総理に訴えてその予算をしっかり取って、私は本当に自分で感じます。多分医療関係の方何人かいらっしゃると思うんですけれども、中国、韓国、台湾行ったら、あるいはシンガポール行ったら、もうすばらしい技術の進展をして、この分野では本当に日本は負けてしまうというふうに考えておりますので、是非戦略的な投資をしてほしいんです。これはすべての分野にはできませんので。今おっしゃいましたように、がんとかワクチンとか感染症とか、そういう分野をしっかりと決めてそこに集中的に投資をする、そして日本の持っている強みを生かせる分野に投資をすると。どうも私は見ていますと、その投資の仕方がいつも限られた研究班に行っていると。大体、東大、京大、どこかと決まっている。もう少し幅広く技術を募って、そしてそこに集中投資をするというふうな仕組みがあってもいいのではないかと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○副大臣(藤村修君) 私も実は工学部、理科系の人間でございまして、このところの日本の、特に文科省の科研費、科学技術に対する予算が少しなおざりにされていると大変危機感を持っております。そういう意味では、今先生おっしゃるとおり、大事な基礎研究、あるいはそうした新しい分野の研究、選択と集中をやっぱりここは効かせて投資していかないといけない、そのことを肝に銘じたいと存じます。
○赤石清美君 是非しっかりとした取組をお願いしたいと思います。私もその点については後押しをしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、かつて残留農薬で検出された中国の冷凍のホウレンソウ、それからメタミドホスが検出された中国の冷凍ギョーザ、皆さんもう忘れているかもしれませんけれども、この問題は、私も最終的にどうなったかよく覚えていませんけれども、最後はどういう決着をされているんでしょうか。
○副大臣(小宮山洋子君) これは、中国に対してきちんと調査をするようにということで、犯人と思われる人が逮捕されたということまでは聞いておりますが、その後各省と中国側の関係といろいろと情報交換はしておりますけれども、おっしゃったような決着というふうに日本の国民の皆さんに納得していただける形にはなっていないかとは思っておりますので、引き続きこれは取り組まなければいけない問題だと考えております。
○大臣政務官(岡本充功君) 今、小宮山副大臣の方から御答弁をさせていただきましたけれども、いわゆる食の安全を確立していくということは大変重要な厚生労働省の施策の一つです。委員御指摘の残留農薬の件については、その後摘発される件数が減ってきているというふうに承知をしておりますし、メタミドホスが入っていた毒入りギョーザと言われた事件につきましては、犯人の逮捕、そして刑事手続が進んでいるというふうに承知をしております。
 日中食品安全推進イニシアチブというのが、平成二十二年の五月三十一日、日中のいわゆるそれぞれ厚生労働省と中華人民共和国の国家質量監督検験検疫総局というところですね、ちょっと長いんですけれども、こことの間の覚書として署名を行われているところでございまして、このときも温家宝総理が日本に来日をされておりましたけれども、こういったトップ、当時の鳩山総理と温家宝総理との間の合意を基に今後とも食の安全を推進していくということに尽きるというふうに思っております。
○赤石清美君 まだまだ国民の人たちは、マーケットに行きますと、どこの産品かを見て、中国だったら買わない、こういうのが大部分の国民だと思うんですね。もうちょっと行政として国民に安心感を与える努力が必要じゃないかと思うんですが、見解はいかがでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 国民の皆様方のいわゆる食品の選択に資するような表示の在り方というのはもちろんこれから考えていかなければいけないというふうには思っておりますけれども、いずれにせよ、日本の国民の皆様方の食の安全に関する関心というのは高いというのは委員御指摘のとおり事実でありますので、厚生労働省として取り得るべき食の安全の推進について努力をしていきたいというふうに思っております。
○赤石清美君 しっかりとした対応をして、そして輸入するときにそういうことをしっかりとチェックをして、国民に安心、安全を与えていただきたいというふうに思います。
 それでは、時間もありませんので最後の問題に行きたいと思いますけれども、私は青森県の八戸というところで生まれまして、実はこの国会議員に当選してから先月母校に四十四年ぶりに、私の母校は工業高校ですけれども、行ってまいりました。
 青森県は、沖縄に次いで全国二番目に求人倍率が低いんですね。何と〇・三八倍です。百人行ったら三十八人しか受からないという世界ですね。で、工業高校というのは、皆さん就職をするために大体工業高校に行っておるわけですね。私は若者たちと話をして、本当に純朴でいい若者たちだなと。この人たちが十八歳で卒業しても就職先がないと。特にふるさとにないと。ふるさとから出ていかなきゃならないと。そうすると、ますますふるさとが疲弊するわけですね、若者がいなくなるわけですから。何とか、東京は確かに何だかんだ言いながら仕事はあると思います。しかし、この青森県含めて、まあ九州もそうかもしれません、多くの地方は本当に雇用に困窮しているんです。菅総理が一に雇用、二に雇用、三に雇用と言っていますけれども、田舎では実感できないというのが実態だと思うんです。この点についていかがでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) 我が国の将来を担う若い人たちが就職できない、本当にこれは厳しい状況に今の世の中は置かれているな、この問題は解決しなきゃいけない、これが今の政府の思いでございます。これは、議員と同じ心境を持ちながら、今政府も頑張っているところでございます。
 そのために、昨年度から今日まで幾つかの施策を打ってまいりました。一つは、昨年度からでは、本年三月に卒業した未就職卒業者を体験雇用させるための事業主への支援ということも行っております。さらに、未就職卒業者向けの職業訓練コースの新設及び訓練期間中の生活費の支給、こういうことも実施をしてきました。しかし、新卒者の就職環境が非常に厳しいことを踏まえて、今回、予備費により新卒者対策を強化したところでございます。
 その一つは、高卒・大卒就職ジョブサポーターを倍増いたしました。要は相談を受けていろいろ的確にアドバイスをすると、こういう方を九百二十八名から千七百五十三名に増員をいたします。二つ目としては、就職支援をワンストップで行う新卒応援ハローワークをこれは全都道府県労働局に四十七か所設置をいたしました。さらには、卒業後三年以内の既卒者を採用した企業への奨励金の創設もいたしました。四つ目としては、地域の実情に応じた就職支援の計画作りを行う新卒者就職応援本部も設置をしております。
 また、今後成長が期待される分野を中心に、地域における雇用創出や人材育成を行う重点分野雇用創造事業の拡充、これは予備費で一千億円の上積みをいたしました。
 さらには、主要経済団体あるいは業界団体に対して要請書を送付して、採用枠の拡大、このことについても要請をしているところでございます。
 さらに、先般の緊急総合経済対策について、卒業後三年以内の既卒者を採用した企業への奨励金の拡充、延長、それと、ジョブサポーターの更なる増員、重点分野雇用創造事業の上積み、延長などを盛り込んだところでございます。
 今先生おっしゃったように、大変厳しい状況に置かれていますので、こういう施策が功を奏するように政府としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○赤石清美君 本当に、私は東北全体がそうだと思っておりますけれども、本当に大変な状況ですので、これも可及的速やかに何とか手を、今の施策はよく分かりますけれども、もうちょっとスピード感を持ってやっていただきたいというふうに思います。彼らは就職がもう迫っていますので、もう是非是非よろしくお願いしたいと思います。
 このような地方において、今回の雇用・能力開発機構、これが廃止になるようですけれども、このような地方に職業の訓練センターとかコンピュータ・カレッジというのがあるんですね。これまで一緒に地方にあなたやりなさいと言われたって、地方は財政がないわけですよね。ここのところをしっかりと、この雇用・能力開発機構の、それは内部にいろいろあるでしょうけれども、いいところもあるし悪いところもあるんですね。やっぱりいいところはしっかりと残して、それが地方の負担にならないようにしていただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) いろんな経過がありまして、今回、二十二年度をもって国の事業としては廃止をすると、こういうふうに決めたんですが、特に地域職業訓練センターなどは、地域における労働者の職業能力を開発する目的とする施設であって、これまでも施設運営を地方自治体にゆだねてきたことから、可能な限り地域において活用いただけるように地方自治体が希望する場合には譲渡をしたいと、こう考えております。
 その譲渡に当たっては、地方自治体の負担を軽減するため、建物の時価から解体費用を差し引いた額で譲渡することとして、解体費用が時価を上回る場合は無償で譲渡することとしたものでございます。その結果、地域職業訓練センターなどの譲渡価格は、九十二施設のうち、無償九十か所、有償二か所となったところでございます。
 現在、雇用・能力開発機構と地方自治体との間で譲渡交渉が行われており、厚生労働省としては譲渡交渉が円滑に進むようにこれからも努めてまいりたいと思います。
○赤石清美君 しっかりと、地方に負担のないように移行をしていただきたいというふうに思います。
 最後に、かつての政党がやったからとかマニフェストに書いてあるからとかということではなくて、本当に国民のために厚生労働の行政をしっかりとやっていくことをお願いしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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○委員長(津田弥太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、川合孝典君が委員を辞任され、その補欠としてツルネンマルテイ君が選任をされました。
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○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。
 本日は初めての国会の委員会における質問の機会をいただきました。初心忘るべからずという言葉がございます。私も常に志したこの意気込みを、そして謙虚さを持ち続けて精進してまいりたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 私は、二年前、子宮頸がんというがんを患いました。そして、女性にとって最も大切な子供を産むという機能を失ってしまいました。それ以降、数多くのNPO団体の方々と一緒に、そして支援者の方々と一緒に力を合わせて全国で検診と予防接種の重要性、必要性というのを訴えてまいりました。
 しかし、この子宮頸がんの問題に関して関心の希薄さというものにとても正直驚いております。女の子を持つ保護者の方々でさえも正確な知識がお持ちでない。私は、まず世間に正確な知識を広めるということが先決ではないかと思いました。そして、メディアの方々にたくさん取り上げていただけるように働きかけてまいりました。医療の世界、福祉の世界、教育の世界、だれかが何とかしてくれるのを待ってはいられませんでした。私自身が病気に苦しむ人の声を国政に反映させよう、女性の健康と命を守るための医療と福祉、社会保障のための政策を向上していこう、その中で経験者の私にしかできないことをやり遂げたい、そういう思いで国政を目指す決意を固めました。
 ここで、がんの撲滅に力を尽くされた先輩議員として参議院議員でありました山本孝史先生のことを思い出さずにはいられません。皆さん御存じのとおり、山本先生はがんに冒され、しかし自らががん患者であるということを本会議で公表し、がん対策基本法の早期成立を訴え、その実現に御尽力なさいました。そして、日本のがん治療、医療全体の向上を祈り、本当に患者のための医療が提供されることを願いながら、平成十九年十二月にお亡くなりになりました。
 山本先生の御逝去に接し、党派の垣根を超えて山本先生とともに社会保障の推進に力を合わせてこられました尾辻秀久先生が、平成二十年一月二十三日の参議院本会議において哀悼演説を述べられました。バトンは渡しましたよ、たすきをつなぐようにしっかりと引き継いでください、そう言う山本先生の声が聞こえてまいります。心のこもったお言葉を山本先生に送る尾辻先生のお姿をここにおられる先輩議員の皆様はきっと御記憶のことだと思っております。命を懸けて命を守る。がんイコールリタイアではない。私も山本先生から命のバトンを受け継いだ、そしてこの参議院に議員として今ここに立たせていただいているんだと感じております。
 私は、がんと闘う患者さんを始めとして日本の医療の向上を願う人々、それに社会保障の行く末を案ずる人の声に推されて出馬をさせていただきました。選挙戦の最中、そして選挙後も、医療や介護の現場を歩く中で、様々な形で様々な方からいただいた経験と切実な思いに裏付けられた言葉の重さを毎日痛感しております。
 本日は、大臣ほかの皆さんと真剣に議論をさせていただきたいと思っております。今日は、事務方が用意した答弁を単に読むのではなく、国民の負託を受けた政治家として、魂のこもった議論を、真剣勝負を是非お願いしたいと思っております。
 改めまして、まず厚労大臣に所見を伺いたいと思います。
 そもそも私が患いました子宮頸がんという病気は、毎年一万五千人の方が発症し、約三千五百人もの女性が命を落としているというのが現状でございます。また、発症する女性の若年齢化も問題となっております。二十代、三十代の女性が発症するということは、子供を産めない女性をつくってしまう危険性が高くなるということであります。つまり、この病気からすべての女性を救うことは、実は少子化対策の王道ではないかとさえ思えます。現在のところ、子宮頸がんは数あるがんの中で唯一予防ができるがんだと言われております。がん対策の推進という重要性から考えてみても、ワクチンの普及による子宮頸がんの予防というのは非常に有効性の高い施策だということは間違いございません。
 今年六月の厚生労働省の調査で、子宮頸がんワクチンの公費助成を実施あるいは実施を予定している市区町村は百二十六市町村だとのことですが、千七百強ある全市区町村から見ればまだ七%程度しかありません。ということは、経済的な格差がワクチン接種の有無に直結しかねないということです。他の多くの先進国ではワクチン接種が無料で受けられるということを聞くにつけても、日本での取組はまだまだと言わざるを得ません。
 そこで、まず厚労大臣にお伺いします。
 去る十月一日の所信表明演説において、女性を子宮頸がんから守るとの菅総理のお言葉がありました。また、さきの厚生労働委員会における大臣所信において、自治体における子宮頸がんワクチンの接種事業への支援策を講じていくとのお話がございました。まず、我が国における子宮頸がんの撲滅に向けた国としての施策の在り方について、大臣としての基本的なお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 今、三原委員の方から子宮頸がんについて国としてもしっかり取り組むようにというお話がございました。私も子宮頸がんにつきましては、その治療そして予防、それにしっかりと取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
 そこで、今お尋ねのありました子宮頸がん予防ワクチンについてでありますけれども、平成二十三年度概算要求におきまして市町村が実施をするワクチン接種事業に要する費用の一部を補助する事業、これを特別枠として要求しているところでございます。一方で、与党の提言あるいは厚生科学審議会の方でいろいろと提言もございました。十月八日には、閣議決定されました緊急経済対策におきまして、子宮がん予防ワクチンを含む三つのワクチン接種事業に対する支援策がこれも盛り込まれたところでございます。
 なお、その具体的な事業内容につきましては、都道府県に基金を設けまして市町村が行う接種事業を助成すること、二つ目は国と市町村の負担分は負担割合二分の一とするということなどを軸に今検討をいたしておりますが、補正予算の編成過程において更にしっかりと検討していきたいというふうに思っております。
○三原じゅん子君 それでは、本日、お忙しい中、櫻井財務副大臣にお越しいただきました。お時間の都合で途中退席なさるということなので、まず、済みません、櫻井副大臣にお伺いしたいと思います。
 今、答弁にもございました、先日、民主党の議員連盟の会合で櫻井財務副大臣が子宮頸がんワクチンについて二〇一〇年度補正予算案に費用計上し、ワクチンの無料接種を開始する方針を示したとの報道に接しました。その方針によりますと、補正予算で基金をつくり、一〇年度後半から一一年度まで、国と地方が半分ずつ負担する形で、本人負担なしで接種できるようにしたいというものでした。私は一貫して、経済的な格差が健康格差を生んではならない、ワクチンを接種したいと思った方が経済的な負担があるがゆえに接種できないというような状況はつくるべきではないと考えておりました。ですので、櫻井財務副大臣が示した方針は本人負担なしで接種できるようにするという点においてさきの政府案よりもはるかに勝っていて大変すばらしく、ようやくまともに議論ができる案が出てきたと喜んでおります。ただ、いまだにこの御提案の詳細がよく分からないという点が今日の質問でございます。
 そこで、櫻井副大臣へお伺いしたいのですが、櫻井副大臣の御提案による子宮頸がん対策は具体的にどのようなものなのか、御説明をお願いしたいと思います。特に、本人負担なしということで、すべての自治体において希望する人は子宮頸がん予防ワクチンを接種できるようになると理解してよろしいのかどうか、どうか説明していただきたいと思います。
○副大臣(櫻井充君) 三原委員の初めての質問でこういう答弁の場をいただきまして、本当に光栄でございます。ありがとうございます。また、三原委員からは御自分の経験で、患者さんの立場からの医療政策についてお話がありましたが、私もまだわずかではありますが医療の現場におりまして、これまでずっとがんの患者さんとも向き合ってまいりましたので、思いは共有するところでございます。
 今、私の案というようにお話がありましたが、もう基本的には私の案ではなくて、政府の案について簡単に御説明をさせていただきたいと思います。本来であれば厚生労働省から答弁すべきことなのかなと思いますが、まあ一緒に活動もさせていただいておりましたし、それからこの間、松委員の質問で予算委員会で私が答弁したこともありまして、今日は一部私の方から説明をさせていただきたいと思います。
 先ほど細川大臣の方から基金をつくってというお話がありました。補正予算の方で一千億を超える、今ちょっとまだ最終的な調整中ではございますが、基金をつくらせていただきたいと思っております。これ、平成二十三年度から概算要求の中に盛り込まれてはおりましたが、与党からの提案だけではなくて、三原委員を始めとして多くの皆さんから早くに行っていくべきだと、そういう御提案がございましたので前倒しをさせていただく、そういう意味でこの補正予算の中に盛り込ませていただいております。
 公費負担に関してですが、まずその前にスキーム上申し上げますと、昨年のインフルエンザ対策をベースにしておりまして、国と地方が半分ずつ負担をするという形にしたいと。その上で、前回は低所得者の方々に向けて担保するという意味合いだったんですが、さすがに、ワクチンの値段が高いとか、こういうことでは多くの皆さんに接種していただけないだろうということで、これは自民党、公明党時代の子ども手当も参考にさせていただいて、そこの限度額ぐらいのところまでは引き上げさせていただいております。
 すべての方々に対して確かに公費助成ができる制度自体が、私はそれは、個人的にはそういう思いはございますが、財政状況の問題や、それから様々な疾患との整合性等を考えて、今回に関しては一部の方々に対しては御負担をいただかなきゃいけなくなるかもしれませんけれども、ただ、これは松委員からも先日の予算委員会で質問がございましたので、それに合わせてちょっと今調整をさせていただいております。
 まだその調整の内容について詳細申し上げられませんが、運用上で何らかの形で全員の方々が受けられるようにならないのかどうか。これは、三原委員それから松委員だけではなくて本当に多くの女性議員の方々、いや女性だけではなくて多くの議員の方々からこういった問題についてきちんと取り組むようにという御指導をいただいておりますので、その方向で何とかできないか。まだ、済みません、これは関係省庁との調整中でございますので、あとはまた委員各位の御指導を賜ればと、そのように思っております。
 以上でございます。
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 今、全員という言葉が出ましたけれども、何学年というふうに、年齢制限ですね、何年生の子とか何歳の子とか何学年であるとか、そういう細かいこともまだ決まっていないということでよろしいですか。
○大臣政務官(岡本充功君) 今御指摘のパピローマウイルスのワクチンについてでありますけれども、こちらについては、十月六日の厚生科学審議会の予防接種部会で、特に早急に定期接種に位置付ける方向で急ぎ検討すべき旨というものが意見が取りまとめられたというところでございまして、先ほど大臣の方からお話をさしていただきましたように、その他、Hibや肺炎球菌のワクチンと同様に、これらの提言を踏まえてこれからその詳細は決めていくこととなるわけでありますけれども、基本的には、市町村において実施をするに当たって国としてどのような方針にしていくのかということをこれから決めていくというふうに御理解をいただきたいと思います。
○三原じゅん子君 では、所得制限という形を取るということは、それも決まっていないということでよろしいんですか。
○大臣政務官(岡本充功君) 先ほど財務副大臣からお話がありましたように、インフルエンザについては三分の二、これは高齢者向けのインフルエンザの予防接種でありますけれども、例えば一類であれば市町村が三分の二まで徴収することができるというふうにしておりますが、結果として市町村においては九〇%以上、ほぼ一〇〇%に近い市町村においてこの三分の二の徴収を行っていないというような実態があるなど、いわゆる予防接種法の位置付けに応じて、まあ一類、二類とあるわけですけれども、その費用の在り方というのは差があると。これから先、この三つの先ほどお話をしました予防接種をどのようにしていくかというのは、まさに制度設計、これから詰めていくところでありまして、そのように御理解をいただきたいと思います。
○三原じゅん子君 櫻井副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(櫻井充君) 先ほども申し上げましたが、先日の予算委員会で松委員からも同じような質問がございました。今財務当局と話合いをしている最中でして、これは財務当局だけではなくて厚生労働省を始めとする所管省庁と話合いをしているところでございます。
 様々な方法があるんではないかということで、済みません、事務方でかなり議論をさしていただいておりまして、なるべく、制度設計上ちょっとどうなるのか分かりませんが、運用上は今委員から御指摘があったようなことで調整できないか、今、済みません、作業中でございます。済みません、今日のところはここで御勘弁いただければと思いますので、よろしくお願いします。
○三原じゅん子君 どうもありがとうございました。
 それでは、厚労大臣にお伺いします。
 今の話は厚労大臣も賛成しておられるという形でよろしいんですね。
○大臣政務官(岡本充功君) これは政務三役で協議をしておりまして、私が賛成で厚労大臣が反対ということはあり得ない話でありまして、そういう意味では政務三役一体となって今御答弁をさしていただいているとおりの話をしているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○三原じゅん子君 ありがとうございました。
 櫻井副大臣、ありがとうございました。お忙しいところ、ありがとうございました。
○委員長(津田弥太郎君) 櫻井副大臣、御退席いただいて結構でございます。
○三原じゅん子君 続きまして、小宮山副大臣に伺いたいと思います。
 去る七月二十一日、子宮頸がんワクチン接種への公費助成を求めて二十三団体が合同で長妻前厚生労働大臣に要望書を提出したとき、その記事を拝見いたしまして、この二十三団体の中で、当時、国立がんセンター中央病院長であった土屋了介先生が発起人代表を務めておられました。子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会という形で、五万二千余りの署名を集めて提出したと伺っております。
 子宮頸がんワクチンへ公費助成を求める団体を応援してこられた小宮山議員が現在は副大臣となっておられます。私は、子宮頸がん対策へ御理解のある小宮山議員が副大臣となられたことを大変心強く思っております。
 そこで小宮山副大臣に伺いたいのですが、副大臣がお考えになっておられる子宮頸がんワクチンへの取組について、個人的にお考えになっていることで結構です、今後どのようなことが望ましいとお考えになっているか、是非伺いたいと思います。
○副大臣(小宮山洋子君) ずっと子宮頸がんのワクチン接種などに取り組んでこられた三原委員の御活動に敬意を表したいと思っておりますし、その二十三団体、私も、昨年の秋にようやく予防できるがんとしてこのワクチンができましたけれども、五万から六万と高いということと、先ほどおっしゃったように知られていないために、十二歳から十四歳の子供たちに接種をすれば八割方この子宮頸がんが予防できるというのに、それが普及していかないということに対しまして、いろいろなシンポジウムなどで御一緒をさせていただいてきたところでございます。
 それで、二十三団体の方と共に長妻前大臣に要請をしたところですが、今回、私がこちらの厚生労働省の副大臣ということを拝命いたしましたので、是非皆さんの御意見もいただきながら、なるべく諸外国で行っているような、公費で子供たちが子宮頸がんにかからないようにやっていければいいなというふうに思っております。
 先ほどからの御質問ございましたけれども、櫻井副大臣が議連で発表されましたが、あの案は厚生労働省の方で作ったものでございますので、政府一体として、財源もございますので、いろいろ皆さんからの御意見もいただきながら、なるべく良い形で、一人でも多くの子供たちが受けられるようにしていきたいというふうに考えております。
○三原じゅん子君 ありがとうございました。
 今後も引き続き、厚労省としての施策の検討において是非積極的な関与をお願いしたいと思います。
 次に、厚生労働省がお考えになられた予算算出の根拠についてお伺いいたします。
 概算要求の百五十億ベースとのことになりますが、厚生労働省は接種率を四五%と、そして接種回数を二・六回を見込んで算出しておられますが、これはどのような根拠で四五%なのでしょうか。
 先日、長妻前大臣が我が党の石井みどり先生の質問にお答えになっておりますが、現在、公費助成を行っている自治体、これが厚生労働省が把握しているというのは百二十六自治体でございます。そのうちたった六自治体を抽出して、サンプルを取り出して算出したと答弁されました。これは事実でしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) まず、四五%と推計をしている根拠について少しお話をしたいと思います。
 諸外国、いろんな国が子宮頸がんワクチンの公費助成をしています。先進主要七か国、G7においては、日本を除いて子宮頸がんの予防ワクチン接種を公的な予防接種の対象としているとか、またWHOにおいても推奨されている等があって、よそのほかの国、先進国において既に実施をされている国での実施の状況などを見たり、また、一部の自治体では先行してこの子宮頸がんのワクチン接種を実施をしているところがあるということは委員も御承知だと思います。
 そういったところの実績等を勘案をして四五%という数字を出したところでありまして、これが一つ予算の根拠になっているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○三原じゅん子君 しかし、私が独自に取らせていただいたアンケートによりますと、既に今、二百八十四か所の自治体が実施又は予定していると答えております。今まだ途中でございますが、その中の二百七十七の自治体にアンケートを送付いたしました。そのうち、現在二百十三の自治体より回答をいただきました。
 現在回答いただいている公費助成実施又は予定している自治体が既に二百十三以上ありますが、なぜそれを厚労省は百二十六自治体としか把握していないのでしょうか。これは調査をする気がないということなのでしょうか、お答えください。
○大臣政務官(岡本充功君) 統計というのはなかなか難しくて、どういうふうに取るかということによって結構数字も変わってくるんですね。
 冒頭、三原委員の方から、子宮頸がんで亡くなられた方の数、三千五百人という御指摘がありました。そういう統計の数字もあるという一方で、厚生労働省の人口動態統計では二〇〇九年で二千五百十九人という、これも統計として出ている数字ですけれども、出ていると。
 統計というのは、そういう意味で、取り方とか、悉皆調査といって全部調査できればそれはなおのこといいんでしょうけれども、そういういろんな条件等があって、必ずしもどれが真の数字と言いづらいところがありますが、今御指摘の市町村の実施規模については、まさに今厚生労働省として調査をしているところでありまして、そういう意味では、委員御指摘の数字になるのか、また違った数字が出てくるのか、もちろんそれは財政的負担がどうあるかということが見えてくることでまた市町村の規模は変わってくると思います。そういったところも勘案しながら、この数字というのは出てくるんじゃないかというふうに思っています。
○三原じゅん子君 確かに統計の取り方というのはいろいろあるかと思いますけれども、私は、直接全自治体に電話をし、担当者と話をし、その上でアンケートをいただきということをした上でこの数字が出ているわけでございます。
 そして、一番問題なのが、接種率四五%という、これもまた統計でとおっしゃるのかもしれませんが、私が直接自治体に聞いた接種率は総合しますと七五%をはるかに超えております。そして、補助率が半額になれば接種率も半分になっていくという、そういう関係性も見えております。その辺をどうお考えになりますか。
○大臣政務官(岡本充功君) まさに先ほど後半でお答えをしましたように、櫻井副大臣がいなくなった後に財政的な話を私の方からするのもなんですので、ちょっとそこのところまでは踏み込めませんけれども、どういう制度設計にするかとか、先ほど三原委員からお話がありました、補助率どうするかとか、低所得者への支援をどうするのかとか、いろんな論点がこれから制度設計上出てきます。そういったものが出てきて枠組みが見えて初めて市町村の皆さんもその事業に評価を下されるというところが私はあるだろうと思っています。そういう意味では、まだちょっと、市町村にこの状況でお問い合わせをしても、恐らく制度がどうなるかということについての前提がないとなかなか答えにくいというところもあるんじゃないかと思うんですね。
 したがって、厚生労働省としても、このいわゆる予防接種事業の枠組みをどうしていくか。これは実はほかの予防接種とも兼ね合いがありまして、他の予防接種についてもどうしていくかというのは予防接種部会でこれから議論をしていかなければなりません。そういった全体の制度設計と併せて厚生労働省として協議をしていくということでございまして、今現状について、その下での推計値というものの一つとして委員が調査をされたということについては私はそれを否定するものではございませんけれども、役所として、政府として出せる数字ということについては、先ほどお話をしました正確性を期したいというふうに御理解をいただきたいと思います。
○三原じゅん子君 国がどうなるか分からないからといって、減ったというのなら分かるんですけれども、私が調査して、増えている、やると言っている、やったと言っているところが多いというのはちょっと解せないとは思いますが、時間がないので次の質問に行かせていただきます。
 次に、ワクチンの料金について伺います。
 具体的に申し上げれば、公費助成が実施されればワクチンに関する需要が新たに生まれるわけですから、実質的な買手である国としてワクチンの製造者に対して交渉を行って、できるだけ安く調達できるよう交渉するということも可能になってきます。現に諸外国では政府がそのような交渉を行っている報告もございます。
 そこで、大臣に伺います。
 そのような国による価格交渉についてどのようなお考えをお持ちなのか。
○大臣政務官(岡本充功君) おっしゃるとおりで、需要と供給で物の価格は決まってまいります。したがって、当然のことながら、これが国の事業となって需要が増えるということになれば、これ、逆の要因で、需要が増えてくれば供給量が足りなければ価格は上がってくるし、そういう要因もあるでしょう。もちろん、需要が増えて、ロットとしてたくさん売れるんだから安くしてほしいと、こういう要望もあるでしょう。これは、やっぱりそういう意味では、価格というのは様々な要因でこれは決まるんです。
 ただ、委員御指摘のように、それは少しでもその価格を下げてほしいという気持ちは国としてあるのは当然でございますが、今お話をさせていただきましたように、いわゆる需要と供給のバランスで価格が決まってくるということ、そしてまた、企業の側としても、これは多くの企業、たくさんの企業が売っているものだったら、変な話、価格競争も起こり得ますけれども、限られた企業が製造販売をしているというようなものについて、なかなかそういった競争原理が起こりにくいということもまた御理解をいただけると思います。
 そういった意味で、このいわゆる価格がどうなってくるかということについては、先ほどお話をしました国としての基本的な思いはありますけれども、それが一概に価格を交渉の中で値下げができるものではないということを御理解をいただきたいと思います。
○三原じゅん子君 現にアメリカでは七五%というふうになっておりますので、是非、税金を投入するのですから、できるだけ経済的な調達を行うようにお願いしたいと思います。併せて手技料についてもよろしくお願いいたします。
 政府として今いろいろ御検討中ということは分かりました。しかし、私が考えるあるべき子宮頸がんワクチンの公費助成対策を検討する際に、これから申し上げる五点というのは外せないポイントだということを是非御承知いただきたいと思います。
 まず一点目、これは国が全額負担し、助成率は一〇〇%とし、個人負担を発生させないこと。二点目、助成は恒久的措置として位置付けて、数年で支援を終了させるようなことのないようにすること。三点目、ワクチンの効果の最大化を図る意味から、接種対象者を中学一年生とすること。四点目、優先的な接種対象者の上の学齢の年齢層、これをキャッチアップ年齢対象者と呼んでおりますが、例えば中学二年生から高校一年生までというふうに範囲を広げて決めた上で、一定期間、例えば二年間というようなふうに期限を区切って全額補助を行うこと。そして五点目、所得制限を設けないこと。この以上の五つでございます。今後もしっかりこのことについて議論させていただきたいと思っております。
 それでは、大臣にお伺いします。
 キャッチアップについてどうお考えでしょうか。大臣にお伺いします。
○委員長(津田弥太郎君) 最初に、じゃ、岡本政務官。
○大臣政務官(岡本充功君) 今お話しいただきました五つの点、まさに委員の御指摘として受け止めさせていただきますけれども、二番の恒久的というところには、まさに財源の確保をどうするかという議論が出てまいりますし、そこには是非委員にもお知恵をいただければと思っております。
 また、いわゆるキャッチアップ分をどうするかということでありますけれども、これがまさに需要と供給のバランスを考えなきゃいけないという先ほどの話になるわけです。期限を区切って二年間でということであると、一気にたくさんの需要が生じることとなりますので、その分の生産がどうなってくるかというところが非常に議論が出てくるだろうと思っています。
 効果が最大になるの三点目、効果が最大になるのが中一かどうかということもこれは議論があるところでありまして、これはある意味、残念ながら、現時点においては子宮頸がんワクチンの、パピローマウイルスのワクチンの抗体化が何年有効かということも結論が出ておりません。したがいまして、これが果たして中一が最適なのかどうかというのももちろん議論があると思います。
 最後の、国が全額一〇〇%、一番目ですね、そして五番目の所得制限なしというのは、まさに私たちもそうありたいとは思いますけれども、しかしながら、一方で、自民党さん等からはそういう政策についてはばらまきと言われることがありますんで、そういう意味では私たちは、そういった御批判を受けないような中でどうあるべきなのか、まさにこれから議論をしていくということでありまして、御理解をいただきたいと思います。
 そういう意味で、キャッチアップ分ということでいいますと、本当に二年間で区切って、中二から高校生まで、この分の皆さんが一気に来られるということのデメリットというか、それによる作用についても少し検討をしなければいけないんだろうというふうに思っております。
○三原じゅん子君 大臣。
○国務大臣(細川律夫君) 今、三原委員の方からいろいろな本当に御提言いただいて、ありがとうございます。
 今、岡本政務官の方からもいろいろお話がありましたけれども、三原委員の御提言も踏まえまして、今検討過程でありますから、検討していきたいというふうに考えております。
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 それでは、子宮頸がんワクチンの普及啓発活動についてお伺いします。
 今回の子宮頸がんワクチンの公費助成に対して、世間の関心も徐々に上がってきていると感じる一方で、公費助成は接種の強制であるという誤解、そしてワクチンさえ接種すれば何の心配も要らない、検診も要らないといった誤解も耳にします。ワクチンは予防であって、治療ではございません。そういう基本的な事実が理解されていないということがとても心配であると思います。
 私は、子宮頸がん予防対策の普及に向けた草の根活動に取り組んできました。先日も、財団法人癌研究会で接種に適した年代の子供たちの普及啓発を図るために中高校生向けの公開講座を開きまして、そこでお話をさせていただきましたが、このような機会をちょうだいして話をするたびに感じるのが、このワクチン接種の優先接種対象者である中学生に対して正しい情報を伝え、自分自身で考えるきっかけづくりを国の政策として実施すべきではないかということです。
 そこで、大臣にお伺いします。
 中学生や保護者に対する予防対策の普及啓発、健康教育を進めていく際に、学校教育との密接な連携も必要になってくるはずです。現在、政府としてどのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員御指摘のいわゆる検診の重要性を周知するべきだというお考え方、もうごもっともだと思います。そういう意味で、ワクチン接種をもってすべて子宮頸がん対策が終わるわけではないという委員の御指摘もそのとおりでございまして、その周知徹底を図るということは重要だというふうに考えています。
 ただ、いわゆるどなたにどういう形で啓発をしていくのか、それが中学生が適当なのか、若しくは保護者が適当なのか、もちろんそうではなくてそれ以外の年代の方がいいのかということについては、もちろんこれからまた議論が出てくることだろうと思っています。現に、今では既に独立行政法人国立がんセンターのホームページや検診手帳、また全国の担当者会議を通じて、いわゆるワクチン接種に当たっての病気の原因やワクチンの効果等、また検診の重要性等についてお知らせをしているというところでありまして、様々な皆さんのまた御意見を聞きながらそういった点についても考えていかなければならないと思います。
○副大臣(小宮山洋子君) 今、この子宮頸がんのことを含めて、厚生労働行政は使える予算の半分以上を使って皆さんのことをやっているのに、いろんな意味の広報啓発が足りな過ぎるというふうに思っておりまして、今そのことも省内でやらせていただいておりますので、御提案も踏まえまして、これはやはり対象となる子供たちと保護者と両方に分からなければいけないと思いますので、おっしゃるように、文部科学省の方とも力を合わせてできる限りのことをしていくように、ちょっと中で違うことを言っているように聞こえるかもしれませんが、今そういうやり方を、厚生労働省の中で何とか皆さんにお知らせをするやり方を模索したいと思っておりますので、またアイデアもいただいて取り組んでいければと思っております。
○三原じゅん子君 ありがとうございます。今のままではとても足りないと思ったので伺わせていただきました。
 それでは、ワクチンに関する副反応救済の在り方について伺いたいと思います。
 ワクチンには一定の確率で副反応が起きることが分かっております。まれに重い副反応が出るケースも否定できません。そうした場合、公費助成という施策を打ち出し、国として接種を推進していこうという際には、副反応が生じた場合における不安を軽減する施策を併せて打つことも重要になってきます。
 今回、仮に補正予算で年度内にワクチンが無料接種できるようになった場合、副反応救済制度は現状のままでいいとお考えか、あるいはどのように充実させていく必要があるとお考えなのか、細川大臣に基本的なお考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) その点につきましても、今委員からせっかく御質問いただきましたので、全体的な枠組みとして予防接種の在り方というのはどうあるべきなのか。今、PMDAで救済について医薬品については行っていくというような方向になっているわけでありますけれども、全体として、いわゆる予防接種の副反応をどのような仕組みでそういった皆様方に救済をし、なおかつその金額はいかにあるべきかというのがまさにこれからの予防接種部会での議論となり、来年のでき得れば通常国会で予防接種法を変えていきたいというような厚生労働省としての考えがあります。
 そういった中で、先行して今回のいわゆる三種の予防接種、補正予算の方で何とか事業として採択してもらいたいと、補正予算が成立すればですけれども、そのように考えているところでございまして、全体的な枠組みを今まさに検討している最中であるということを御理解いただきたいと思います。
○三原じゅん子君 それでは、日本のワクチン行政の在り方についてお伺いします。
 さきに報道がありましたように、日本人のお二人が今回、ノーベル賞、化学賞を受賞されました。大変すばらしいことだと思っております。
 日本における感染症研究の分野に目を転じたいと思います。
 日本はかつて感染症研究や予防医学の最先端を走っておりました。明治時代には、我が国において、医学の近代化を目指して、北里柴三郎、志賀潔、野口英世などの卓越した学者が輩出され、ペスト菌、赤痢菌始めいろいろな病原菌を発見し、サルバルサンなどの化学療法剤を作り出して世界に貢献してまいりました。そして、北里氏に関しましては第一回のノーベル賞候補と言われ、野口英世氏は三回にわたってノーベル賞候補になったそうで、この時代、日本人によるノーベル賞の受賞ラッシュがあっても決しておかしくなかったとおっしゃる方もおられます。
 しかし、現在ではどうでしょうか。日本は新しいワクチンの開発では諸外国の後方を歩んでいるばかりか、ワクチンギャップとよく言われるように、新しく開発、発売されたワクチンが日本でもなかなか承認されず、その恩恵が日本国内に行き届かないという状況になっております。大臣、その要因はどこにあると思いますか。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員がおっしゃるように、かつてにおいて人間の大変大きな脅威は感染症であったというのは事実であろうと思います。そういった中で、北里博士だとか、野口先生も残念ながら早くしてこの世を去られたということもあって、ノーベル賞の受賞に至らなかったと言っている方もみえるというふうに聞いております。
 そういう意味では、この感染症からだんだん今の医療の大きなフォーカスは悪性腫瘍に移ってきていると。この一つが、感染症であり悪性腫瘍であるのがこのパピローマウイルスの特徴でありますけれども、それ以外のいわゆる悪性腫瘍対策、それからまたいわゆる再生医療の分野においては日本はiPS細胞の開発等で世界に先駆けて開発をしたという実績もあるわけでありまして、そういういわゆるフォーカスが少しずつ変わっていく中で今、日本のいわゆる厚生科学研究、まあ文部科学研究はちょっと私たちの所管外でございますけれども、そういった研究のフォーカスを今のトピックに当てていくというのは大変重要だというふうに考えておりますので、これからもそういった先進的な研究をサポートしていきたいですし、また政府としても、今度の来年度、二十三年度予算のいわゆる特別枠においてこういった先進的な研究に光を当てていく、そんな予算枠もつくっていくと、それを求めていきたいというふうに考えております。
○三原じゅん子君 それでは、がん対策一般について質問させていただきます。
 大臣、サバイバーという言葉を御存じでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) もう一回、サバイバーと言うんですか。
○三原じゅん子君 はい。
○国務大臣(細川律夫君) ちょっと私は内容を存じておりません。
○三原じゅん子君 サバイバー、がんのサバイバーという言葉は、がんとともに生ある限り人間らしく自分らしく生きるというそういう人たちのことで、本人、患者だけでなく、その御家族のことも含まれております。私もまだがんになって二年ですので、当然がんのサバイバーです。
 そして、私のサバイバー仲間たちがたくさんおります。その仲間たちが今悲鳴を上げております。がんと診断された後に三人に一人が転職をされているということ、御存じでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) なかなか就職しにくいということは聞いておりますけれども、そのような数字については詳しいことは私は存じておりません。
○三原じゅん子君 では、是非知っていただきたいと思います。
 がんは、切り取ってしまえば終わりというものではございません。再発、転移などにおびえながら長く付き合っていかなければいけない病気であります。そのがんと診断されたら、お勤めの方は四三%の方、そして自営でなさっている方は三〇%の方が転職をなさっております。
 企業に対して障害者雇用は義務付けられておりますが、がん患者が身体障害者福祉法第四条に基づいた障害者認定を受ける例は少なく、その認定を受ける際の条件を大臣は御存じですか。
○大臣政務官(岡本充功君) そういう意味では、がんの治療が長期にわたることが多くて、障害の認定の以前の問題として、長期にわたる治療、療養生活を支えていくという仕組みが求められています。被用者健保においてそういった支援の仕組みは一定程度ありますが、なかなか雇用主側の理解が得られにくいという事例も私自身も経験をしてまいりました。
 そういう意味で、今委員御指摘の、がんになった後も生活をしていくことができる、また当然のこととして復職に向けたその希望が持てるというような環境をつくっていくことは大変重要だというふうに考えております。
○三原じゅん子君 がんになっても今までどおり仕事をしたいと求めている方が九割いらっしゃるということをよく覚えていていただきたいと思います。経済的な問題から働き続けなければならない患者、一週間を通じて働くことは困難であっても働き続けたいと願う患者もいる。重い医療費負担に対する支援の不備、柔軟性を欠いた日本の雇用制度が、がん患者が自分らしく生きること、すなわち自立を難しくしているのだということを是非覚えていていただきたいと思います。
 がん対策推進協議会が、二〇一〇年の三月三十一日、提案書が出されたそうです。このがん基本法ができたのが、可決、成立されたのは二〇〇六年六月十六日ですね。これまで何もこの就労支援に関して働いてこなかったんでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) ハローワークで、病気の方、あるいは今、三原委員おっしゃったようにがんになられた方、就職をしたいと、こういう希望の方、ハローワークでいつも相談に乗っているところでございます。仕事を探しているがん患者の方々は、病状により短時間での仕事や負担が少ない職務などを希望されることも多いため、そのような希望に応じた求人を紹介するなど、がん患者一人一人の労働条件や職務内容に配慮した支援を現在も行っているところでございます。
 今後とも、ハローワークにおいて仕事を探しておられるがん患者に対してきめ細かな就職活動を支援していきたい、このように考えています。
○三原じゅん子君 介護行政についてお伺いします。私も介護施設を経営している経営者として伺います。
 大臣、介護現場に行かれたことはございますか。
○国務大臣(細川律夫君) 私も何回か、私の知り合いが行っているというようなことで訪問したことはございます。
○三原じゅん子君 それはどのような施設でございましたか。
○国務大臣(細川律夫君) 特別養護老人ホームでございました。
○委員長(津田弥太郎君) 三原じゅん子君、時間になりますのでおまとめください。
○三原じゅん子君 はい。
 どうお感じになったのか、また何かを経営者の方やヘルパーの方々とお話ししたのかということを是非今度また機会がありましたら伺いたいと思います。
 山本先生の命のバトンをしっかり受け継がれているかということ、救われるはずの命を救いたいと本気で考えておられるのかということに少々疑問が残りました。
 我々自民党は、これからも厳しく政府・与党を監視していきたいと思います。我々にはいつでも政権を担当する用意がございます。政権担当の意欲も能力も経験もあります。与党民主党がいつ政権を投げ出してもらっても結構です。
 最後に、これからも真に国民の命を守る政治を訴えていきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。本日は、細川大臣の所信ということで質問をさせていただきます。
 細川大臣は、四国の高知のいの町の出身ということで、私も四国ですので大変身近に感ずるわけでございます。座右の銘が、何か、あらしは強い木をつくる、あらしがお好きのようでございますけれども、しっかりこの厚生労働行政、幅広い行政でございますから、リーダーシップを発揮されて推進をお願いをしたいと思います。
 それでは、今日私は、新卒者の就職支援、また独居老人の方々への支援策、またうつ病対策という観点で質問をさせていただきます。ただ、その本題に入る前に、一つハンセン病支援について質問を申し上げたいと思う次第でございます。
 現在、十三のハンセン病の療養所で約二千四百名の方々が入所をされていらっしゃいます。平均年齢はもう八十歳を超えておられます。私も今まで、岡山県の長島愛生園とか邑久光明園、また東京都の多磨全生園、そして今、地元香川の大島青松園等も訪問しまして、入所自治会の方々の声も聞きながら、当委員会でも何度も質問をさせていただいた次第でございます。
 この五月二十五日の質問では、ハンセン病問題の基本法、この制定を受けまして、各今十三の療養所では、将来構想に基づき、地域開放ということで進めていらっしゃいます。多磨全生園の保育園の問題を取り上げさせていただきました。この多磨全生園、また熊本の菊池恵楓園の地域開放の進捗状況、まずこの点を報告をいただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 今御指摘、御質問のありました多磨全生園などの地域開放の進捗状況ということでお答えをしたいと思います。
 国立ハンセン病療養所の地域開放については、ハンセン病問題解決促進法において、入所者が地域から孤立することがないよう、療養所の土地等を地方公共団体又は地域住民等の利用に供することが可能となったところであります。これは平成二十一年四月一日施行であります。
 国立療養所多磨全生園におきましては、施設内の土地を保育所として利用するための準備を今進めております。今後、公募の実施、また利用者の選定等の手続を行い、二十四年四月を目途に開所が可能となるようにしていきたいと思っておりますが、また、国立療養所菊池恵楓園についても、多磨全生園と同様、保育所利用のための計画を進めているところでございます。
 いずれにしましても、今後とも入所者や施設管理者等の意見をよく聞いた上で、各施設の地域開放に向けた取組を進めていきたいと思っております。
○山本博司君 やっぱりハンセン病の患者の方々、子供を持つことが許されなかった、そういう患者の方々の皆さん方が、その敷地内で子供の声が響き合っていく環境が実現できるということは本当に歴史的に画期的だというような声もあるわけでございます。各今十三の療養所ではこういう将来構想を推進されております。
 もう一つ、私の地元の香川県大島青松園のことを取り上げさせていただきたいと思います。この大島青松園は、十三ある療養所の中で沖縄、奄美を除きまして唯一離島でございます。大島と高松を結ぶ約八キロ、この唯一の足が船でございまして、官用船ということで二隻運航がされていらっしゃいます。私も何度も乗せていただきながらその場所にも行かさせていただきました。今六名の船員がいらっしゃいますけれども、うち二名が今年度退職をされるということで、厚労省は補充をしないで二〇一一年の概算要求では一隻を民間委託すると、このようなことを決定されたという報道がございました。
 その点で、大島青松園の入所者の方々、大変不安が広がっております。夜間の緊急時に今までのように対応してもらえるのだろうか、また便数が減るのではないか、そういう不安が募っておりますし、ハンセン病の療養所の方々は、そういう国の隔離政策によってその島に追いやられてしまったわけでございます。
 そういう一つしかない交通手段という意味で国の責任の棚上げではないか、様々な強い反対をされておりますけれども、この点どうお考えでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 御指摘になられました国立療養所大島青松園においては、平成二十二年度末に二名の船員職員が定年退職の予定であるというのは事実でございます。この職員の退職に伴い、いわゆる官用船二隻の運航が難しくなるのではないかと、こういった御指摘であると思います。
 御指摘のとおり、一隻を民間に業務委託して運航に支障がないように継続をしていきたいというふうに考えております。御希望とはいえ、残念なことでありますけれども、国家公務員、来年度の新規採用抑制が大変厳しいという状況で、この方針の下、新規に船員を採用するのは極めて困難でございます。そういった事情も是非御理解をいただき、今後入所者の皆様方と、増便を含めた利便性の向上や夜間や救急に対する対応等全体的にサービスの向上を努めて、御理解をいただいていきたいというふうに考えております。
 直営と業務委託との両輪によって入所者の方々の安全確保と利便性の向上を図っていくということは重要なことだと考えておりますので、御理解がいただけますようにお願いをしたいと思っております。
○山本博司君 これは本当にもう、国の勝手なそういう形の内容であるというふうに多くの方はおっしゃっていらっしゃるわけでございます。やはり最後の一人まで国が責任を持つと、このように言ってきたわけでございまして、医療の問題、また唯一、交通手段が一つであるこの船の問題というのは大きな問題でございます。
 特に大島青松園の場合は、将来構想ということで、今香川県とか広島県とか岡山県とか多くの離島を持っております、こうした離島医療を支援をする瀬戸内海離島医療センターという構想もありまして、この二隻の船を活用しながら、将来構想をやりながらやっていきたいという思いもあるわけでございまして、この十月十四日には、香川県の自民、民主、それから公明、社民、共産、すべての全会派がこのことに関しまして全会一致で反対の決議をし、大臣にそのことを申し入れるという形でございます。このハンセン病問題の基本法の趣旨に反しているのではないかというふうな形で強い懸念を示されているわけでございます。
 大臣にお聞きをしたいわけですけれども、やはりこういう問題というのは、現場の皮膚感覚というのがすごく大事だと思います。前回の委員会でも長妻大臣に、入所先に行ったことがございますか、同じ、民主党政権になって政務官以上の方が行ったことがあるんでしょうかと、こういう話をしましたら、まだ一度もそういうところに行ったことはないということでもございました。大臣は行かれたことがあるんでしょうか。また、この問題をどう思われますでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) まだ私も現場に訪問したことはございません。したがって、今委員のいろんなお話も聞きまして、この問題にはしっかり対応していきたいと、いずれ時間を取りまして訪問もしてみたいというふうに思っております。
○山本博司君 是非とも、やはり国のこういう隔離政策でハンセンの方々がもう大変な思いをされていらっしゃるという、現場も含めて、その状況の中でこの船がどういう意味があるのかということもやっぱり実感をされた上でのそういう判断をしていただきたいと思う次第でございます。
 全国の十三のハンセン病療養所の方々は全国を挙げて大島のこの船の問題は単なる一療養所の問題ではないと、そういう人権の問題だということもおっしゃっておられるわけでございますので、大臣は人権派弁護士であったわけでございますので、同じ四国でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、新卒者の就職支援ということに移らさせていただきたいと思う次第でございます。
 今春の就職内定率、新規大学卒業者は九一・八%、高校の卒業者は九三・九%ということで、先ほど、午前中からの論議もございましたけれども、大学は前年から大きく減少をしておりまして、ここ十年来で最も厳しい状況とも言われていることが伝わっております。大学の未就職卒業者は六万六千人、前年同期より三万人増えております。就職をせずに留年をした大学生は約十二万人、これも前年対比一万八千人増加をしております。この中には、就職先が決まらずにあえて留年をした就職留年も多く含まれていると、こう指摘されているわけでございます。
   〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕
 この学生が就職留年を選ぶ背景には、日本の企業で広く行われておりましたこの新卒一括採用方式がございました。この方式は、この大半の学生が卒業と同時に就職できる大きなメリットもございますけれども、その一方で、卒業してしまうと就職の門戸が極端に狭くなってしまうという弊害もございます。
 この新しい就職戦線に挑む学生を支援するために、私たち公明党は、この新卒未就職者対策として、新卒要件を三年までに緩和するということであるとか、就職活動の経済的負担を軽減する就活手当の創設、このことを提案をしております。このうち要件緩和につきましては、政府の新卒者雇用・特命チームによりまして八月三十日にまとめた緊急対策にも記述されてもいるわけでございますけれども、この卒業後三年間は新卒扱いと、こういう規定につきまして、青少年雇用機会確保指針の改正、これが求められると思いますけれども、大臣、これをどのように取り組むお考えなのか、見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 大学を卒業しても就職ができない、その後就職をしようと思ってもなかなか正社員にはなれないという大変厳しい状況の方がたくさん今出てきているという委員の御指摘のとおり、私も大変このことは心配しておりまして、若者の就職支援にはしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
   〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕
 そこで、今御指摘のありました青少年雇用機会確保指針の問題でありますけれども、これは雇用対策法に基づいて作られるものでございますけれども、これに政府といたしましては、この既卒者の問題を少なくとも卒業後三年以内の既卒者が新卒者と同じスタートラインに立てるようにこれを、指針を変えていく、改定をしていくと、このことをやってまいります。
 改正後はもう経済団体とか、こういうふうに指針を変えたということを通知もいたしまして、また事業主にもハローワークなどで徹底もして、厚生労働省のメルマガとかホームページでも徹底をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 既卒者の就職支援につきましては、具体的にはまたいろいろ委員の方から御提起もあろうかと思いますけれども、またそのときにお話をさせていただきたいと思います。
○山本博司君 是非とも、まずこのことを通知をしていくということも大変大事でございます。後でその経済界のことをお話をしたいと思いますけれども、まずそういう企業側が大きく変わっていかないと現状これは変わらないということでもございますので、しっかりした取組をお願いをしたいと思います。
 続きまして、中小企業とのマッチングということでお聞きをしたいと思います。
 従業員千人以上の大企業のこの求人倍率、今〇・五七倍でございます。ところが、千人未満の企業は二・一六倍、三百人未満の中小企業では四・四一倍となっておりまして、ミスマッチが生じております。
 中小企業、大変採用意欲はありましても、経営が厳しく、採用に掛かるコストをなかなか掛けにくいために積極的な求人を行いにくいという点もございます。また、新卒者のそういう大企業志向が強いということもございますから、こういう面でのギャップがございます。こうした中小企業とマッチングをどのように取り組んでいったらいいのか、このことをお示しいただきたいと思います。
○大臣政務官(小林正夫君) 今、山本委員がおっしゃったように、中小企業への求人はあるんだけれどもそこに就職する人が少ないと、希望する人が少ないと、こういう状態になっていることで心配をしております。特に、先ほどおっしゃったように、中小企業では四・四一倍の求人があるんだけれども、なかなかミスマッチを起こしている状態が続いていると、こういう状況にあると思います。
 そこで、予備費の活用あるいは先般の緊急総合経済対策において、高卒・大卒就職ジョブサポーターの増員配置、要は、いろいろ相談を受けたその人が、中小企業がこういう仕事をやっている、あるいは中小企業ではこういう応募があると、こういうことを来た人にしっかりお伝えをして、中小企業への就職、こういう方向にも進むように努力する、こういう人たちを増員して、今その対策に当たっているところでございます。それと、卒業後三年以内の既卒者を採用した企業への奨励金、こういうものを創設をして、今、山本委員がおっしゃったようにミスマッチが生じていますから、それを解消すべく努力をしているところでございます。
○山本博司君 是非ともこの中小企業とのミスマッチの部分の是正ということを今の取組も含めて強化をしていただきたいと思います。
 次に、地域格差ということで、これも先ほど自民党の赤石委員からもお話ございました。私も四国、中国地域を回っておりますので、雇用状況大変に厳しい状況ございまして、都市部に比べて地方部というのは非常に求人数も少ない。そして、新卒者だけでなく、非常に就職のしづらい状況がございます。やはり雇用にどう結び付けていかないといけないか、これはもう努力が必要でございます。それで、地方の就職機会の拡大、これをどのように取り組むお考えなのか、この点もお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 地方での若者の就職というのは、これは地方が大変厳しいがゆえに更にしっかりとやっていかなければというふうに思っております。
 地方での若者の就職支援、どのような具体的な対策を立ててまいったかということをちょっとお話をしたいと思いますが、まず、都道府県に造成をしております基金を活用いたしまして、医療とかあるいは介護といいます成長が期待されるそういう分野を中心に雇用の創出や人材育成を行います。重点分野雇用創造事業というのを、これに予備費で一千億円の積み増しをいたしまして、これで事業をしっかりやっていく。そしてもう一つは、各都道府県に新卒者応援本部というのを設置をいたしまして、ここに大学とか高等学校の方、そして産業界の代表の方、あるいはハローワークの人、それから労働界の人とか、そこに集まってもらって、新卒者の方の、既卒者の方の就職をしっかり応援をしていくと。あるいは、先ほどもお話を申し上げましたジョブサポーターのこれの倍増で、一人一人に寄り添ってしっかり就職のお世話をするというようなことをいたしております。
 そしてさらに、私ども、産業界にもしっかりやっていかなきゃということで、地方、中央を含めました産業界の方に私自身直接訪問もいたしまして、就職をしっかりお願いをしたいという、そういうお願いもしてまいりましたし、また私と文科大臣、経産大臣、三人の連名で、これまたいろんなお願いの要請もしたところでございます。
○山本博司君 是非とも地方に関しての格差ということも含めて是正をお願いしたいと思います。
 先日、私も、実際こういう就職活動されているメンバー若しくはそれを支援している方々等のお話を聞きました。この八月、九月と就職の合同説明会、八月の就職合同説明会と九月では、九月が極端に下がってしまっているというお話も聞いて、就職活動されている方は五十回、百回と回られて、でも採用は決まらない、もうあきらめてしまっているという状況があるというふうにもお聞きをした状況がございます。その部分、やはり雇用の募集が少ないということもあるわけでございまして、雇用をいかに拡大するかということはもう本当大事な部分でございます。
 先日の決算委員会でも、私どもの木庭幹事長が、総理自ら経済団体であるとか業界団体、働きかけをしながら、具体的に雇用の拡大のため、また新卒者の採用のために汗を流すべきだと、このことを申し上げました。大臣はどのような活動をされていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) 委員おっしゃるとおりでありまして、私どもも、経済団体、業界団体、その皆さん方がこういう若者が就職できていないことをしっかり受け止めていただいて採用していただく、それを期待もいたしております。
 したがって、私どもとしては、主要な経済団体に対しましては、採用枠の拡大、そして先ほども申し上げました、新卒枠を卒業後三年以内の既卒者に拡大をしていただくと、それをお願いする。そして、就職活動、選考活動の早期化、早い時期からの就職活動、こういうことについては、もうそういうことが、あるいはもうちょっと適正な時期から採用をしていただきたいというようなことを要請をいたしました。
 これは、先ほども申し上げましたように、私も直接、例えば日本経団連とか経済同友会、日本商工会議所とかあるいは全国中小企業団体中央会、こういうところに直接参りましてそういうことも要請をしてまいりましたし、あと産業経済大臣あるいは文科大臣とともに文書でもそういうことも要請もしたところでございます。
○山本博司君 是非とも、やはり今の学生の皆様、もう本当に大変な状況であるというやっぱり危機感を持ってリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 続きまして、ハローワークのことでお聞きしたいと思います。
 新卒者にとりましてハローワークというのは、やはりなかなか利用しづらいといいますか、失業者の方が行くんではないかというイメージがあってなかなか縁が薄い、なかなか足が向かわない、こういう状況もございます。ただ、やはりこのハローワーク、就職支援の拠点としては大変大きな重要拠点でございます。その活用方法、このことをどのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) 今、山本委員おっしゃったように、学生の皆さん、ハローワークというと離職されて再就職、これを求めてくる方が多く来るので、少し自分たちとは縁がないというように考えている方も多いんじゃないか、このように思います。
 したがって、新卒者の方が利用しやすい専門の窓口として、予備費の活用により新卒応援ハローワークを全都道府県に設置をして、就職支援をワンストップで行う、今この施策に入っております。先般の緊急総合経済対策では、新卒応援ハローワークにおいてジョブサポーターの更なる増員などを行うこととしており、多くの新卒者に利用いただきたいと考えております。
 このため、厚生労働省、各労働局による記者発表に加えて、ジョブサポーターによる学校訪問時のPR、しっかりPRをしたい、それとメールマガジンやツイッターなどを活用してPRをしたい、さらには各労働局に設置した新卒者就職応援本部におけるPRをしていきたい。要は、学生の皆さんもハローワークに足を運んでいただく、そこで新卒者のためのいろいろ紹介、就職への紹介などをやっているんだということを知ってもらうことが大変大事だと思っておりますので、今言ったような支援をしてPRにも努めているところでございます。今後とも、積極的な周知に努めてまいりたいと思います。
○山本博司君 ありがとうございます。是非とも推進をお願いしたいと思います。
 ちょっと視点を変えまして、雇用の創出ということでお話をしたいと思います。
 菅総理は、雇用の創出ということに関しまして、社会保障の充実が雇用の拡大につながると、こういう趣旨のことを言われております。社会保障の分野で、ではいつまでにどれぐらいの雇用を創出するのか、こういう具体的な工程表があるのかどうか、このことをまず一つ聞きたいと思います。
 特に、介護の分野で雇用を拡大させるための具体策といいますか、規制緩和の推進とか、やはりこの部分、拡充策が必要ではないかと思いますけれども、この点、大臣の考えをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 少子高齢社会がどんどん進んでまいります。特に、これから高齢者を中心にいたしました医療、介護等の需要は確実に増大をするということが見込まれております。そこで、この需要にこたえるサービスを創出するということで雇用を拡大をして、そして経済成長につなげると、こういうことが期待されている、それが医療、介護等の分野だというふうに考えております。
 そこで、六月の閣議決定で新成長戦略というのが打ち出されました。これは二〇二〇年を目標としてですけれども、医療・介護・健康関連サービス等の新規雇用というものは二百八十四万人でございます。また保育サービス等の新規雇用は十六万人以上を掲げているところでございます。
 厚生労働省におきましては、雇用情勢もなかなか厳しいところを踏まえまして、当面の対策としては、介護や医療といった分野を中心に地域の雇用を創出するということで、この人材養成を行います重点分野雇用創造事業の拡充と、それから先般の経済対策で盛り込みました介護人材の確保、これは一万五千円プラス九千円で二万四千円、介護職員の待遇が改善をされましたけれども、これらの事業というのを着実に進めまして、介護職の改善、そして全体的な医療や介護の分野での雇用の創出をしっかりやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○山本博司君 ちょっとよく分からないんですけれども、十年後のお話で二百八十三万人の雇用というのが、じゃ、直近この一、二年、その分がどういうところにその分野がなるかというのはちょっと私の頭では今イメージできなかったんですけれども、やはり今大事なのは、この直近の一、二年、本当にどうしていくのか、それが十年後の今言われているようなお話になるわけですけれども、それがブレークダウンされた形での具体策が見えてこない、それがやっぱり言えるのではないかという気がいたします。
 この点は後でまた、次回に譲らさせていただきたいと思います。
 続きまして、第二のセーフティーネットということでお話をしたいと思います。
 公明党は、雇用保険に代わる第二のセーフティーネットといたしまして、再就職に必要な職業訓練中に月額最大十二万円生活費を支給する訓練・生活支援給付金制度、これを創設をして、今、現下の現政権でもこの雇用情勢の中で大変大きな効果的な支援策になっているのではないかと思います。
 現在、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会でこのことに関しまして検討をされておりますけれども、この制度の恒久化、是非とも実現をしていただきたいわけですけれども、その取組に関して大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 先ほどの議論でも出てまいりましたけれども、非正規労働者がどんどん増えてまいりました。三人に一人は非正規労働者ということで、その非正規労働者の中には雇用保険に加入してない方もたくさんおられまして、失業して雇用保険を受領できない、そういう方がたくさんおられる。そういう方のためにも是非ともこのセーフティーネットをしっかり張っていかなければいけないということでございます。
 そのために昨年の七月から事業を始めておりますのが、そういう雇用保険を受けられない方、そういう方に就職のための職業訓練をしていただいて、その訓練中には生活費として月十万円の支援をすると、こういう緊急人材育成支援事業、こういうのをずっとやっておりますけれども、やはり働く人たちが安心して働ける、そのためにはセーフティーネットをしっかりつくっていかなければならないということで、これを恒久的なものとするために、今、労働政策審議会の中でこの制度の仕組みとかあるいはどういう形でやるかとかいろいろ御審議をいただいているところでございます。したがって、来年の通常国会にはこの恒久化の法案を提案をさせていただこうと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
○山本博司君 是非とも推進をお願いしたいと思います。時間の関係で雇用はこれぐらいにしたいと思います。
 続きまして、独居高齢者への地域支援体制の整備ということでお話をしたいと思います。御質問をしたいと思います。
 今年の夏に次々と明るみになりました高齢者の所在不明問題、このことによりまして、地域社会のつながりの希薄化、無縁社会、こういうようなことが今出ておりますけれども、急速な高齢化に制度が追い付いていかないと、こういう面があるわけでございます。この超高齢化社会にふさわしい仕組みを再構築しないといけない、このことがございます。
 それで、最初に高齢者の置かれている状況に関しまして報告いただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員御指摘の件につきましては、単身高齢者の世帯数の現状及び今後の推移ということだろうと思います。
 国立社会保障・人口問題研究所によります二〇〇五年現在、高齢単身世帯数、これにつきましては約三百九十万世帯であり、二十年後の二〇二五年には約六百七十万世帯まで増加するということが推計をされております。この日本の世帯数の将来推計によりますと、高齢者夫婦のみ世帯は二〇二五年は約五百九十万世帯というふうに推計をしているところでございます。
○山本博司君 これからやはりどんどん単身の高齢者が増える、多分、一番標準の世帯がこの単身の高齢者世帯といいますか、多くなってくると言われておりますけれども、こういう高齢者の方々が、やっぱり住民が安心をして暮らせる地域づくり、大変大事でございます。
 これは、公的サービスだけでは解決できない課題に対応するために、各自治体において地域福祉計画、これが策定が進められている状況でございます。ところが、この二〇〇九年の報告ですと、全国まだ五一・四%の自治体、約九百の自治体は作成をしていません。半分もされていない。熊本県は一〇〇%すべて策定をされています。最も低いのは鹿児島県の一四%。地域格差があるわけでございます。
 こうした様々な今高齢者の問題ということがありまして、見守りの問題、様々な形を推進しないといけない。そういう意味で、厚労省は八月十三日に通知を出しまして、積極的な働きかけの強化を行っております。
 そのアンケート等では、平成二十二年七月末現在の状況、策定が終わっているのか、策定予定であるのか、策定未定であるのか、策定が未定のところはどんな理由で策定ができていないのか、財源なのか人の確保なのか、また、策定されているところは、例えばそれはどういう内容の見守りシステムとかネットワークを構築しているのかということを調査を依頼し、九月三日までにすべて上げよと、公表するからということで出しているわけですけれども、いまだ二か月たってもこの公表されておりません。
 一体こういう大事な問題に関してどのように考えてやるのか、このことをお示しいただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員御指摘の地域福祉計画というのは、まさに市町村がその地域の実情に応じた地域福祉の推進に自主的かつ積極的に取り組むために必要であろうというふうに、重要であろうというふうに考えております。
 御指摘の数字、本年三月末現在で策定済みのところが四八・六、裏を返せば五一・四というのが策定できていないということでありますが、先ほどのお話のとおり、八月十三日に都道府県を通じて通知を出したところでありますが、その中で策定状況等の調査ということで、どういうふうな理由でできないのかというようなことも含めて市町村からの回答を今取りまとめているところであります。今月中の公表を目指しておりまして、また、この結果を踏まえて、この得られた情報からまた優良事例の抽出をして、そして順次厚生労働省のホームページでこういったものを紹介をしていきたいと。未策定の自治体等に課題解決になるような事例を紹介をしていくということが重要だと思っています。
 先ほど熊本と鹿児島の例を出されましたけれども、策定しているのはどちらかというと市の方が多くて、町村についてはその割合も低うございます。そういう意味では、その町村がなぜ割合が低く市の方が高いのかといったようなところもこういった調査から出てくるのかなというふうに思っているところであります。
○山本博司君 スピードを持って対応するということがやっぱり大事な行政の在り方ではないかと思いますので、今月発表された後の対策も是非ともお願いをしたいと思います。
 もう一点、地域包括支援センターということを質問したいと思います。
 高齢者の孤立化とか虐待等の率の高い高齢者の早期発見をするために、この地域包括支援センターの役割、これが大変重要になっております。約、設置数が今四千で、サブも含めますと七千か所ございますけれども、この地域包括支援センターでは介護予防ケアマネジメントとか相談業務などを主に行っておりますけれども、ここに高齢者の情報を集約するとともに、支援センターの職員が戸別訪問をして高齢者の状況を把握するということを現実的に即した対応が一番身近に取っている状況でございます。先ほどの熊本の場合も、目標値、地域包括センターが今現状こういう見守りシステムが完備されているのが何か所で、いつまでにどうするかということを具体的に高齢者の把握をしております。
 また、先日、私は和光市に行きました。七万人の市でございましたけれども、この孤立死ゼロ、これを目指しましてスクリーニング調査をずっとされておりまして、家庭訪問をして状況掌握をしているという例もございます。
 こうした進んだ事例、全国展開をするためにも、こうした地域包括支援センターの予算がどうなっているのか、人員がどうなっているのか、十分じゃないのかどうか、そういうことも含めて拡充をするということが大事でございます。この地域包括支援センターの見守り活動の充実強化、この今後の取組に関してお伝えいただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員御指摘の地域包括支援センターが平成十八年に設置をされました。これは介護保険法の改正によって設置をされたわけでありますけれども、この地域包括支援センターがまさに今の見守り活動といったインフォーマルなアプローチでサービスを行うということは大変重要だというふうに考えています。地域のネットワークづくりなどの調整役を担って見守り活動を実施をしていくということだろうと思っています。
 平成二十三年度予算についてお尋ねがありました。
 概算要求における地域包括支援センター、地域のコーディネートを担当する職員を配置して、見守り活動等の支援ネットワークの構築等を全国五十か所程度で実施するため、モデル事業の要求をしています。額としては五・五億円ということになっております。
 さらに、二十三年度概算要求において、認知症高齢者の徘回に対応するため、地域包括支援センターなどを含め市民が幅広く参加をする徘回高齢者の捜索、発見、通報、保護のためのネットワークづくりを進める事業を要求しているところでございまして、こちらにつきましては、今月の八日の閣議決定において円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策の中で、地域の日常的な支え合い活動の体制づくりということで、NPO法人、福祉サービス事業者等の協働による見守り活動チーム等の人材育成、地域資源を活用したネットワークの整備等に対する助成を行うというような書きぶりでお示しをしたところでございます。
 また、地域包括支援センターが積極的に支援が実施できるよう、本年九月三日に、見守り活動等のネットワークを構築する際の個人情報の取扱いについて、その適切な取扱方法の例示を周知したところです。したがって、これまで個人情報保護法の枠があるからなかなかうまくいかないといったような声を聞いてまいりましたけれども、この例示を通じてそういった取組が進められるように厚生労働省としても後押しをしていきたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、地域包括支援センターの機能強化を図り、地域の見守り活動を支援していく取組を推進していく、そのような考えでおります。
○山本博司君 これはなぜ特別枠なんですかね、五・五億。大事な予算ですよ。それを特別枠でコンテストに乗っけるみたいな形。違いますか。
○大臣政務官(岡本充功君) いわゆる補正予算の大要を今決めているところでありますけれども、先ほどお話をしましたのは徘回・見守りSOSネットワーク構築事業ということで、こちらの方が今少し前倒しを考えているということで御理解いただきたいと思います。
○山本博司君 続きまして、もう一つ、厚生労働省で、自公政権時代に、平成二十一年度から安心生活創造事業、これを三年間のモデル事業として今五十八の市区町村で実施をしております。これは、家族のサポートが期待できない独り暮らしの世帯などの見守り、買物支援であるとか、若しくは民生委員とか住民の活動とかサロンの集いの公的サービスに伴う見守りであるとか、居場所づくりと情報提供、こういうことを地域住民と連携をしてサポートをしております。
 横浜市の栄区の公田町団地、これは高齢者の方々のお宅に、人感センサーを活用をして、十二時間以上で室内での動きがないとNPOスタッフがすぐ訪問をし安否を確認するという、こういう見守りシステム、これが大きな効果を発揮していると言われております。
 この安心生活創造事業の取組状況を御報告いただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 今御指摘がありました、少子高齢化社会における独り暮らしの高齢者等が住み慣れた地域において継続して暮らし続けることができる、生活を営むことができるようにするということは重要だろうというふうに考えています。
 そういった中で、今御指摘のありました、民生委員やボランティア、民間事業者等が行政と連携して支援が必要な高齢者等の地域での生活を支える、そんな地域づくりのモデル事業として安心生活創造事業というのを全国今五十八の市区町村で実施をしています。
 今委員から御指摘がありました横浜市の公田町団地、これはURの団地だと承知をしておりますけれども、こちらでは、自治会や民生委員等がNPO法人等を設立し見守りや買物支援を行う取組を行っておりますし、また、栃木県の大田原市では、自治会、民生委員、新聞配達員や郵便配達員等のネットワークを利用させていただいて見守りや安否確認を行う体制づくりを行っているというふうに承知をしておるところであります。
 今後とも、国としましてこのような成果を取りまとめ、全国に発信をしていく。まさにこれはモデル事業でありますから、こういった取組を通じて厚生労働省としての対策、また対応を決めていくことになるんだろうというふうに考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 やはりこの取組というのは大変大事な取組ですので、是非とも推進をしながら、今各省庁とも、例えば総務省もICTを使ってのこういう見守りネットワークシステムにお金が出て推進をするとかということもございますので、よく連携をしながら推進をしていただきたいと思います。
 それで、最後になりますけれども、この問題の最後になりますけれども、公明党は九月二日に、この緊急経済対策の中で、地域における高齢者の見守りなどのネットワーク体制の整備のための独居高齢者支援体制整備モデル事業、この創設を主張しております。今お話がありました緊急通報システムとか配食サービスとか訪問活動、こういう見守り体制の整備には、公的機関のサービスだけではなくて、住民などの地域のネットワークとか民間企業とかNPO法人などの地域の活力、これをやはり総合力で活用すべきでございます。
 大臣にお伺いしますけれども、こうした面での税制面、金融面での優遇、こういうことがやっぱり必要であると思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君) 今委員が御指摘のとおり、この問題については大変大事なことで、私どもとしても積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 そこで、この間の緊急総合経済対策、これにおきましてNPO法人、福祉サービス事業者等の協働による見守り活動チーム等の人材の育成、あるいは地域資源を活用したネットワークの整備等の助成、これの必要性ということがこの経済対策で掲げられました。これを踏まえまして、補正予算に百億円程度の予算を計上してしっかり対策を遂行していきたいというふうに思っておるところでございます。
○山本博司君 それでは最後の時間に、うつ病対策に関しまして質問をしたいと思います。
 これは、五月の当委員会でもこのうつ病対策ということで質問をいたしました。その後、厚労省で自殺・うつ病対策プロジェクトチーム、こういう報告を出されて、対策の五本柱ということで今推進をされていると思います。その点で何点かお聞きをしたいと思います。
 まず、職場におけるメンタルヘルス対策ということで、厚生労働省が職場におけるメンタルヘルス対策検討会、九月七日に報告をまとめて、労働者にストレスによる不調がないかを健康診断の調査票で確認するなどの提言を行っております。
 公明党の部会でも報告を受けましたけれども、二十一年度の第一次補正予算に約百億円の地域自殺対策緊急強化基金、こうした前政権でやられた内容の対策の積み重ね等もあって効果が上げているということでもございました。この流れを加速することは大変大事でございます。
 この報告書の概要に関しましてまずお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(金子順一君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘のございました報告書でございますが、働く方のプライバシーが保護されて、その上で人事とか処遇の面で不利を被らない、こういったことを基本といたしまして、職場のメンタルヘルス対策の強化につきまして新たな枠組みの導入を提言したものでございます。
 この枠組み、具体的には、働く方のプライバシーに配慮しながら、健康診断、これに合わせまして医師が働く方のストレスに関する症状、不調を確認するというプロセス。それからその次に、医師がその際に必要と認めた方については職場の産業医などの方々に面接が受けられるようにすると。面接の結果、産業医等が必要と判断した場合には、労働者に同意を得た上で、事業者に対しましてその方の労働時間の制限でありますとか必要な措置を講ずるような、そういう意見を述べることができる、こうした枠組みを構築することによりまして、職場におけるメンタルヘルス対策の強化につなげていこう、こういう内容のものでございます。
○山本博司君 大臣にお聞きいたします。
 この報告を実施するには、労働安全衛生法の改正、これが必要になる可能性がございます。大臣の見解を、この認識の見解をお聞きします。
○国務大臣(細川律夫君) 今局長の方から報告がございました。専門家の意見も聞きまして、今私どもが施策を打ち出さなければいけないと思っておりますのが職場におきますメンタルヘルスの強化でございまして、そこで、労働安全衛生法の改正の必要も含めまして、今、労働政策審議会の中で先ほどの局長の報告を基に今審議をしていただいているところでございます。その結果に基づいて対応してまいりたいというふうに思っています。
○山本博司君 是非ともお願いをしたいと思います。
 リワーク支援事業ということで、メンタルヘルス対策の中で職場復帰支援事業の抜本的拡充、これが求められております。特に、地域障害者センターにおきましてのうつ病患者の職場復帰支援を行うカウンセラーの役割、大変重要でございます。この部分、独立行政法人の担う仕事の重要性を示す事業でございまして、カウンセラーの大幅な拡充、これは必要であると思いますけれども、この点、最後にお聞きして質問を終わりたいと思います。
○大臣政務官(小林正夫君) 山本委員御指摘のとおり、大変必要な施策だと思っております。
 特に、精神障害者の職場復帰支援、リワーク支援については、在職精神障害者の職場復帰支援のニーズの増大を踏まえ、うつ病等の精神障害による休職者に対して、本人、主治医、事業所の同意の下、個々の休職者の必要に応じてプログラムを実施しております。支援ニーズの増加を受けて、平成二十一年度には、リワーク専任のカウンセラーを新たに十五センター、二十七名を配置して支援体制の強化を図ったところであり、平成二十一年度は、千四百四十七人の方が支援を受けて、復職率は八一・四%と高い実績を上げております。
 リワーク支援の重要性は認識していることから、今後とも、事業の効率化等を通じてより多くの人に対するきめ細かな支援強化に努めていきたいと思います。
○川田龍平君 まず、与党民主党に貴重な質問時間を分けていただきまして、ありがとうございます。そして、藤井筆頭理事に提案していただきまして、ありがとうございました。
 そして、今日初めての細川大臣、小宮山副大臣、岡本政務官、小林政務官、就任おめでとうございます。
 私は、今回の菅改造内閣になって初めての大臣所信に対する質疑ということで、まず大臣に基本姿勢についてお伺いしたいと思います。
 私自身は、薬害エイズの問題の被害者として国と製薬企業を相手に裁判を闘ってきた当事者として、この国の厚生行政、特に薬害を繰り返す、こうした薬害エイズのような被害を二度と繰り返さないためにも、この国の医療政策をしっかり変えていきたい、特に患者の立場に立った政策というものをつくっていきたいと。そういった意味で、命が最優先される社会を実現したいという思いで国会議員を務めさせていただいております。
 是非、細川大臣には、繰り返される薬害に対してどのように感じておられるのか、またどのように薬害問題に対処をするつもりなのかを所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川律夫君) 厚生労働省の使命というのは、国民の命と健康を守るのが使命だというふうに思っております。その中でも、薬害の発生を防止をするということは最も重要な任務の一つだというふうに考えております。このため、命の尊さを自分自身の心に刻んで、そして高い倫理観、これを持ちまして、医薬品の安全性、そして有効性の確保、これに私としては全力を尽くしていきたいというふうに思っております。
○川田龍平君 是非ともこの薬害の繰り返す仕組みを変えていただきたいというふうに、是非尽力いただきたいというふうに思います。
 さて、この薬害の問題もあるんですが、今日は自殺の問題について是非中心に取り上げていきたいと思います。
 日本では、一九九八年に自殺者が急増し、今、十二年間ずっと、毎年三万人以上の方が自殺によってお亡くなりになっております。自殺の問題は極めて深刻で、国全体として取り組むべき最重要課題です。また、自殺白書によれば、自殺の原因として最も多いのが健康問題で、うつ病に起因する自殺が無視できないほど増えてきているというのは皆さん御承知のとおりだということです。
 細川大臣の所信表明の中にも、自殺、うつによる経済的損失が一年で二兆七千億円と推計されると述べられ、自殺対策の必要性を強調されました。人の命がお金によって換算されるということはいささか、ちょっと若干抵抗がないわけではないんですけれども、しかし現実的には、数値で表さなければなかなか人や国が動かないというほど、この心の問題というのも問題だと思います。
 私も十歳のときにHIVの感染の告知を受けてから、いつエイズを発病するかもしれないという不安な時期がありました。これ以上苦しみたくない、エイズを発病したら自分も自殺をするということを家族に言って、家族を大変むごい目に遭わせてしまったということがあります。私自身、今は発病を抑える治療薬を飲み続けることができていて、結婚して免疫が上がったこともあって、今こうして元気に活動をさせていただいておりますが、しかし、どんな理由であれ、自ら命を絶つという、家族も含め、社会にとって、そして本人にとって悲惨なこの自殺を何としても食い止めなければならないというふうに思います。
 厚生労働省の自殺・うつ病対策プロジェクトチームについて、先ほど山本議員からも質問がありましたけれども、本年五月二十八日にまとめられた報告書によれば、自殺の実態を分析した上で五本の柱の対策を挙げておられます。五本の柱の第二に、「ゲートキーパー機能の充実と地域連携体制の構築」、「悩みのある人を、早く的確に必要な支援につなぐ」とあります。具体的にはどのような職種の人々を考えているのでしょうか。また、どのような生活介入なりゲートキーパー機能を考えているのでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 今御指摘のように、自殺・うつ病対策に当たりましては、リスクの高い方々、これを早期に発見をして早期の支援につなげていくということは大変重要だという御指摘を受けております。このために、厚生労働省の設置をいたしました自殺・うつ病等対策プロジェクトチームの五月の取りまとめにおきましても、自殺のサインに早くに気付いて、見守り、助言を行うとともに、専門的な相談支援につなげていく役割を果たしていただけるゲートキーパーの充実ということを柱に挙げたところでございます。
 そのプロジェクトチームで報告を受けました実態分析におきましても、うつ病にかかっている方々といいますのは、無職の方であるとか生活保護を受けていらっしゃる方であるとか、自殺のハイリスクの方々には様々な要因、背景があることが明らかになってきております。それに当たりまして、ゲートキーパー機能の充実ということでは、その方々が置かれている個別の状況に応じたきめ細かな対応ということを図っていくことが必要であるという指摘を受けております。
 例えば、うつ病にかかられた方々、九割以上の方々は最初には体の不調を訴えられて、例えば内科、小児科等のかかりつけ医を受診されるというデータもございます。そういうときには、やはりこのかかりつけ医さんが早くに気付いていただくという、専門的なものに結び付けていただくというゲートキーパー機能が大事だと思っております。また、無職の方々が就労の相談に訪れられますハローワークの職員の方々、あるいは生活保護の受給者の方々に接せられます福祉事務所の方々、それから一般的にも自治体のいろんな相談の窓口の方々、専門的な精神保健福祉センターの方々等々もゲートキーパーとして早期に気付いて、総合的、専門的な支援に結び付ける役割を果たしていただきたいと期待しておるところでございます。
○川田龍平君 医療職であるかかりつけ医などを活用して、より専門的な機関へのゲートキーパーとするということは分かりました。また、その生涯教育を要しているということもあると思います。しかし、問題は、医療職にたどり着く前の段階で何らかのゲートキーパーを発揮する、できる人はいないのかということです。
 先ほどもおっしゃられました生活保護窓口やハローワークの担当者なども挙げられていましたけれども、こうした職種の方への教育というのはどうなっているんでしょうか。こうした方々が事前に何らかの病院へ行くことを勧めることができるような体制になれば、もっと事態は改善されると思うのです。悪くなってから医療機関への受診をするということよりも、早い段階で初歩的な介入を目指すということが大切だと思います。
 ここで重要なのは、不安や不満を与えることなくそういう医療者への受診を納得してもらうというためには、このような観点から、医療職以外の方への教育、研修などというのはどう考えているのでしょうか。あわせて、例えば独り暮らし老人や自宅に引きこもりぎみの方をケアする訪問看護師や介護福祉士などもハイリスク者に積極的に介入できる可能性があると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) 御指摘のように、ゲートキーパーとしての役割を期待される方々、この方々に早くに気付いて専門的支援につなげていただくためには、やはり基本的な知識というものを身に付けていただいて接していただくことが大事だと思っております。このための研修体制、あるいはその対応方法についての知識というものを得ていただくということ、そういうような場を充実してまいりたいというふうに思っております。
 また、御指摘いただきましたように、高齢者の方々の自殺というものも依然として高い水準であります。このような高齢者の方々に日常的に接せられる介護職の方々にも、早くにこのような機能を果たしていただける気付きの役割を果たしていただきたいというふうに思っております。
 このための研修等の充実といたしましては、これまでは先ほど申し上げましたようなかかりつけ医さん、内科医さん、小児科医さん等に基本的な知識等をまた再度勉強してもらうという場を設けておりましたが、かかりつけ医等心の健康対応力向上研修というものを従来からやっておりますが、これに、来年度から更に福祉士等の職種、ケースワーカー等のような職種、このような方々にも参加をいただいて研修をより充実していこうということで今概算要求を行っております。
 また、ハローワークの職員の方々につきましては、従来から求職に訪れられる方々のうつのサインを早くに読み取って適切に対応していただくというようなことで、職業相談技能の研修の場におきまして、相談支援の専門的な力を向上を図るためのメンタルヘルスの研修を組み込んでおるというようなことでございます。
 それから、引きこもりでありますとか、なかなか医療に伝わっていかない方々には、やはり御指摘をこのプロジェクトでも受けておりますが、訪問による相談支援を行うアウトリーチというふうな手法、これが大変重要だという指摘も受けております。これにつきましても、来年度の予算の要求におきまして、特に精神に障害のある方々、在宅でも頑張って暮らしていただけるような方々に対するアウトリーチからまず始めていこうということで、精神障害者のアウトリーチ推進事業を盛り込んでおるところでもございます。
○川田龍平君 先ほど山本委員からも御発言がありました、職場におけるメンタルヘルス対策について質問をします。
 自殺に至った理由の一つに、職場の悩みに焦点を当てた対策と理解していますが、具体的にどのような施策を予定しているのでしょうか。例えば、産業医を活用していくとしても、従業員数が五十人以下の中小企業では産業医の設置は努力義務でしかなく、ほとんどの場合は職場に医療的な評価ができるような人というのはおりません。一部の大企業だけでメンタルヘルス対策が実施されたとしても意味がないのですが、日本経済を支える中小企業での精神保健衛生基盤が期待されていると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(金子順一君) 職場におけるメンタルヘルス対策でございますが、企業におきましても職員の方に対してのメンタルヘルス、これをきちんと取り組んでいただくということで、厚生労働省におきまして指針というのを作って、これに基づいて事業者の取組を支援しているわけでございます。
 施策の現状を紹介させていただきますと、今委員からございましたように、これ、中小企業で確実にできるかというのは大変この問題を考える上で大きな切り口だろうと思っております。そういうことで、全国にメンタルヘルス支援センターというのを設けております。ここで企業からの御相談に応じて専門家を派遣するなどの支援を行っております。無料でやっております。
 それから、もう一点御指摘がございましたが、産業医でございます。これ、五十人未満につきましては選任義務がないということでもございます。こういった産業医のサービス、これは地域の中に地域産業保健センターというのを設けさせていただいております。全国三百か所でございますが、こちらにおきまして無料で労働者からの健康相談などに応じているところでございます。
 こうした取組を通じまして、中小企業で的確に施策が実施されるよう、引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
○川田龍平君 このメンタルヘルス対策支援センターによる支援でどれくらい成果が上がっているのか、またどれくらいの事業者が利用しているのか、メンタルヘルス対策を促進する目的で設置されている支援センターですが、どれくらい中小企業に周知徹底されているのでしょうか。正直申し上げて、余り聞いたことがありませんでした。中小企業への宣伝としては、どのような媒体を用いて、どのくらいの予算を使っているのでしょうか。
○政府参考人(金子順一君) メンタルヘルス支援センターの利用実績でございますが、平成二十一年度で相談件数が約一万二千件、それから訪問支援につきましては約八千四百件といったようなことになっております。予算全体につきましては約四億九千万円ということになっております。
 今御指摘がございましたように、これが周知が不十分なんじゃないかという点につきましては我々も反省しなければいけないわけでございますが、労働局それから監督署を通じました事業者に対する周知に加えまして、最近、ウエブサイトといたしまして、こころの耳というものを設けました。ここ最近アクセス件数もかなり増えております。こうした新たな媒体も通じまして、中小企業に対する一層の周知に努めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 全国の事業所の数を考えると、この利用者数ではまだ十分に利用されているとは思えません。使い勝手の良い環境を整えるようにしてもらいたいと思います。
 また、支援センターの提供するサービスが質的に十分にかなう内容でなければ、だれも利用しないということになってしまいます。メンタルヘルス対策支援センター利用以前に、メンタルヘルスに対する取組について取り組んでいる事業者の割合は三〇%前後という話も聞きます。自殺、うつによる経済損失の大きさを考えると、もっとしっかり予算を掛けて積極的な対策があってしかるべきだと思います。
 例えば、事業所が毎年実施している、先ほど山本委員からもありましたけれども、健康診断をもっと活用していく。健康診断の結果、うつ傾向の方が見付かったら早くにアプローチをするという方法も考えるべきだと思います。アメリカやオーストラリアで実施されているメンタルヘルスの疾病管理プログラムのようなものを活用する、例えば心の健康づくりに取り組む保険者の立場の方も多いと聞きます。日本で、健保連も、健康に生きていくために予防に力を入れるということを聞いています。
 保険者が加入者の心の健康のために積極的に介入を考えるなど、労働安全衛生と保険者機能を精神予防に活用するという二つの観点を交えて、小林政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) 我が国の自殺者、不幸なことに十二年連続して三万人を超えて、このうちの勤務問題を原因の一つとする自殺者も平成二十一年には約二千五百人に上っているということでございます。
 このため、職場におけるメンタルヘルス対策について専門家による検討を行い、本年九月にその報告書が取りまとめられたところでございます。それを受けて、報告書においては、働く人のプライバシーに配慮しつつ、定期的に医師が働く方のストレスに関する症状、不調を確認して、産業医などによる面接を受けられる新たな枠組みの導入が必要だと、こういう提言がされております。この新たな枠組みの具体化に向けて、現在、労働政策審議会で御論議いただいており、この結果を踏まえて職場のメンタルヘルス対策の強化にしっかり取り組んでいきたいと思います。
 もう一つの保険者の機能を活用したメンタルヘルスの対策についての御質問ですが、これは、医療保険者においては、保険者独自の取組として行う保健事業の中で地域や職域の実情に応じて心の健康づくりなどを行うことが可能であります。例えば、市町村国保直営の保健施設を活用してうつ病の質問票を用いた簡易なチェック、あるいは電話相談、家庭訪問等を行っている保険者もあると聞いておりますので、今後、そのような活動を支援してまいりたいと思います。
○川田龍平君 メンタルヘルスの疾病管理プログラムは、日本でも多くの有識者が必要性を力説しています。また、健康増進事業の一環として、保険者が心の健康対策として生活に介入している例も先ほどおっしゃったようにあります。健保連のように積極的に関係、関与していこうというところもありますから、国としてもやっぱり何らかの策を講じていただきますように強く望みます。労働安全衛生法からのアプローチとともに、保険者からの介入という方法も是非検討してください。
 次に、向精神薬の過量服薬について、精神科の判断基準や薬の処方というのは主観的な部分を排除できないところがありますが、これはある意味仕方がないことでもありますが、一方、しかし、諸外国と比較して日本の精神科での薬剤の使われ方は変わっていると指摘されることが多いようです。諸外国では精神科処方において単剤、一剤投与が、一種類の単剤投与が一般的である事例においても、日本では複数の薬剤が漫然と投与され続けているという実態があります。
 日本でもたくさんの種類の処方を減らして適正な量の投与になるように心掛けるべきと考えますが、そのための施策はどのようなものが考えられますでしょうか。
 また、現に複数の薬剤を既に投与されている患者さんの薬剤を減らしていくということは簡単なことではありません。過量投与が問題となっている患者さんの薬剤を減らしていくことを円滑に進める指針のようなものも準備しなければ、無駄に患者を苦しめるだけとなってしまいます。
 医薬品の適正使用及び過量投与薬剤の減量への道筋という観点からお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(岡本充功君) 川田委員御指摘のとおり、諸外国に比して日本は向精神薬の過量ということ、それから多剤という問題、両方の観点から他国との処方例についての比較がなされているというのは承知をしております。
 幾つか要因があるとは思います。例えば、日本においての合剤がなかなか少ないとか、他国では合剤が結構あったりするというような実態も聞いておりますけれども、それとは別に、患者さんと病院若しくは医院、診療所等のそれぞれの要因が複雑に絡まっているということで、なかなか容易な問題ではございません。
 厚生労働省といたしましても、問題意識は持っておるわけでありますが、こういった問題をどのようにして解決していくかということで、本年九月に自殺とうつ病等対策プロジェクトチームにおいて過量服薬への取組についての取りまとめを行ったところでありますけれども、薬剤を減量していくというのは大変難しいです。また、どういうような処方が適切なのかというのもなかなか難しい。そういった中で、厚生労働省としては、研究班をつくって、多剤それから大量投与に対する減量の基準や適切な処方となるような治療ガイドラインを策定をしています。このガイドラインの策定も見据えながら、過量服薬に関する留意点を盛り込むなどの取組を行っていきたいと思っています。
○川田龍平君 この抗うつ薬の中には、海外では軽度や中程度のうつ状態のときには使われないようなものもあると聞いています。日本では比較的簡単に処方されて、薬を投与しても効果が見られないからと更に追加するという悪循環になっている話も聞きます。
 先日、うつ病による自殺が未遂であったために命が助かって、その後回復して自らうつ病のカウンセラーになったという方のお話も伺いましたが、自殺に至る原因の飛び抜けている健康問題の中で、自殺に至る原因の最も多いのがうつ病による自殺です。うつ病治療がしっかりなされなければ何の解決にもつながらないと。診療ガイドラインはもちろんですが、軽度や中程度のうつ病と重度のうつ病を明確に区分できるような診断基準なども早急に整備されるようにお願いします。
 きちんと整理した診断基準があり、薬剤の必要性や、何が標準治療なのかが明確に分かる診療ガイドラインを整備し、そして複数の医薬品を既に処方されている患者への対策の樹立も急務です。一刻も早く成果を出していただきたいと思います。
 本年九月九日に出された自殺・うつ対策プロジェクトチームの報告にまとめられたこの過量服薬への取組では薬剤師の活用という項目がありますが、どのように薬剤師を活用していこうと考えているのでしょうか。薬局では、患者さんの薬歴管理やお薬手帳の確認などによって複数の医療機関から処方されている服用薬のチェックができることになってはいますが、現場での話を伺うと、どれだけ実効力があるのか不安に感じます。
 例えば、民主党の事業仕分で薬剤服用歴管理料をやめてしまうということになれば、薬局によっては薬歴管理をしないところも出てきてしまうのではないでしょうか。さらに、この過量服薬のチェックも難しくなるでしょう。また、仮に十分に機能していないものを活用しようというのは無理があるのではないでしょうか。自殺予防のための総合的なプログラムを目標とされているのでしたら、薬剤師へのメンタルヘルスに対する卒後教育も重要になります。こうした観点も踏まえて、そのことをお答えいただければと思います。
○政府参考人(木倉敬之君) 薬剤師の方々は、患者さんにお薬をお渡しされる際に、その服薬に関する個別具体的な相談に乗られたり、それから気付いたことをお声掛けをされるというふうな機会が大変多いわけでございます。また、そういう中で、過量服薬のリスクの高い患者さんを早期に見付け出して、適切な医療の方に結び付ける役割が果たしていただけるものと期待しておるところでございます。
 また、薬剤師さんは、患者さんの服薬の履歴、その管理もされておりますし、また、お薬手帳も大分普及してまいりましたけれども、これを確認することで、必要に応じまして処方をされましたお医者さんの方に対しましてもその処方の内容についての確認をする、そして、患者が更に適切な医療を受けられるように役割を果たしていくということも期待されるところでございます。
 こうしたような御指摘をいただきまして、このプロジェクトチームの中では、薬剤師の皆様に過量服薬のリスクの高い患者さん方、これに早期に気付いて、また早期に専門的な診療につなげていただくゲートキーパーの役割を是非果たしていただきたいということも報告を受けたところでございます。
 現に、富士モデルという、自殺を、本当によく取り組んでいただいている静岡県富士市のモデルでございますが、その富士市の薬剤師会ではこのような気付き、みんなで研修をして早期に声掛けをしよう、早期にまた専門的につなげていこうということで、適正な薬剤の使用にもつなげていくという努力をしていただいております。
 このため、このプロジェクトチームでも、これらの取組を踏まえまして、さらにワーキングチームも設けて具体的な検討を進めたいと思っております。その中では、薬剤師御専門の方々や実際このような取組をやっていらっしゃる自治体からもお話を更に伺って、その薬剤師の方々の活躍の具体化ということを更に図ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○川田龍平君 それでは、もう最後になりますが、この過量服薬の背景には、医師より過量な処方という問題があると考えます。一回の処方で自殺ができるくらいの量を漫然と処方するのは必ずしも合理的とは言えません。もちろん必要性があって処方している場合もあるのでしょうけれども、だとすれば、少なくとも手元に過量服薬による不測の事故が起こりかねない量の薬剤が残らないように処方するという配慮をすることも考えるべきです。
 例えば、本年三月に厚生労働省のチーム医療の推進に関する検討会がリフィル処方せんについて言及していましたが、明らかに処方量が多い処方せんの場合には、このリフィル処方せんという、同じ処方せんで何回も薬局に行けるようになるという、そういうリフィル処方せんという形式を利用して過量投与とならない範囲の日数に区切って調剤をしていくなどという考え方もあります。リフィル調剤時にこの患者さんの様子を薬剤師が判断してかかりつけ医に行くべきかどうかのアドバイスをするなどという方法もあるのではないでしょうか。
 地域医療連携を駆使して、地域の医療職が一丸となって患者さんをケアしていかなければ、救える命を救っていくというためには、是非とも有効に活用する方策を考えていただきたいと思います。
 そして、もう一つ活用していただきたいのが、是非、レセプトの問題です。
 これは先ほど、薬局の薬歴やお薬手帳でも確認できることになっていますけれども、必ずしも同じ薬局に患者さんが行くわけではなく、複数の薬局に通っている患者さんなどについては、同じ薬が処方されていても結局薬局の方で把握できないということにもなります。
 そうした場合に、このレセプトでもって同じ薬が大量に処方されているということについて、今までレセプトというのは支払のために使われてきたわけですが、例えば社会保険診療報酬支払基金は、十月の審査分の電子レセプトからコンピューターチェックの範囲を拡大して、レセプト記載の傷病名禁忌や併用禁忌を点検すると言っています。
 支払基金がここまでできるのですから、過量投与チェックは技術的にはできるはずです。是非とも、この保険者機能強化なども含めて、レセプトデータの有効活用ができないのかどうか、お答えください。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員がおっしゃられましたように、処方の問題というのは確かにあると思います。
 一つは、もちろんリフィル処方せんの話もありましたけれども、先ほど私がお答えさせていただきましたとおり、患者さん側の要因それから診療側の要因があって多量投与になっているということは想像できるわけでありますが、そのいわゆる改善のためにレセプトデータを利用していくということは重要なものだというふうに考えておりまして、明らかに不適切と思われる事例を排除していく取組というのは行っていかなければならないと思っています。
 現在、向精神薬の処方に関する詳細な分析をするべく、処方の実態や分析を行いたいと考えています。平成十九年から二十一年度に行われた研究の中には三十万件のレセプトデータを使った研究もあるようでありますから、この三十万件のレセプトデータの詳細を解析することによってどのような対策が取れるかというようなことをこれから私たちとして考えていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 ありがとうございました。
 是非とも、レセプトデータだけではなくて、様々な薬、薬だけではなく病気についてのデータなども政府として是非とも取り組んでいただいて生かしていただければと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 お産難民という言葉が使われるようになって何年もたちますが、産科の減少には歯止めが掛かっていません。産科医療の体制をどう立て直すのか、これは真剣に取り組まなければなりませんが、今日は現に地域のお産を支えている診療所や助産院についてお聞きをいたします。
 まず、大きな病院でも産科休診という事態が各地で起きている下で、中小規模の産科医院や助産院の役割はますます重要になっているし、お産を扱えなくなるような負担を掛けるような、そういうことがあってはならないと思いますけれども、大臣の見解をお聞きいたします。
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員御指摘の、地域において安心して子供を産み育てることができる環境を整えるということは大変重要でありまして、地域の診療所や助産所を含めた周産期医療体制を整えていくということが私たちの課題でもあります。
 そういった意味で、地域におけるいわゆる診療所、助産所と同時に、いわゆる高度な医療を提供する周産期母子センターとの連携をどのように深めていくかということは大変重要でありまして、厚生労働省といたしまして、本年一月二十六日に都道府県に発出をいたしました周産期医療体制整備指針においてこういったところを指摘をしているところでございます。
○田村智子君 新たな負担を押し付けるようなことが行政の側からあってはならないということについて、ちょっと大臣から見解をお聞きいたしたいんですけれども。
○国務大臣(細川律夫君) 地域におきまして安心して子供を産み育てると、そういうことができるという体制が一番大事だというふうに思います。そのことに尽きると思います。
○田村智子君 この間、出産のための経済的な支援は前進をしました。出産育児一時金は昨年十月から四万円上乗せされて四十二万円に、あわせて、この一時金から出産費用が直接医療機関に支払われる制度が導入されて、入院時に大きなお金を用意する必要がなくなりました。これらは今年三月までの暫定措置ですから、四月以降どうするのか今検討されていることと思います。その際、妊産婦さんの実態、そして分娩施設の実態、この両方を踏まえた検討が必要だと私は思っています。
 妊産婦さんの実態でいえば、最初の妊娠診断は妊婦健診助成の対象外で、これは一万円ぐらいお金が掛かります。その後も健診は費用負担ゼロではありません。また、出産費用の全国平均は四十七万円を超えていると厚生労働省も先日調査を発表されましたから、出産育児一時金の額は引上げが必要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員御指摘のとおり、経済的な負担を出産に対して課すということは様々な意味で問題があるという御認識も理解できるところであります。その軽減を図っていくというのは大変重要なわけであります。
 平成二十一年の十月に原則三十八万円だったいわゆる出産育児一時金について四十二万円に引き上げたというところではございまして、現在、社会保障審議会の医療保険部会で議論をしておりますこの金額の点については、今後、年末の予算編成の中で検討していきたいと思っています。
 委員御指摘の、確かに平均値四十七万円余りという妊婦合計負担額でありますが、中央値で見ますと四十六万五千円というようなこともありまして、様々なサービスによって実際に出産に掛かる費用というのは変わってくるというのも実態であるというふうに認識をしております。
○田村智子君 岡本政務官、後で御答弁求めるところありますので、是非、次、大臣お願いします。
 出産を扱う産院の実態からは、直接支払制度の運用に抜本的な見直しが急務になっています。今の直接支払制度では、医療機関への入金は退院後一か月、場合によってはそれ以上遅れる仕組みになっています。これは中小規模の施設にとっては収入が途絶えるのと同じですから、大変な事態が広がっています。
 日本産婦人科医会が昨年二月に行ったアンケートでは、直接支払制度によって経営に影響が出ているという医療機関は全体の六九%、診療所に限ると八五%に上ります。しかも、この影響は経営が少し圧迫されたという程度ではないんです。産科中小施設研究会によりますと、直接支払制度が導入された昨年九月以降に分娩の中止や閉院をした医療機関は六十施設、その八割近くは診療所、つまりベッド数が十九ベッド未満の産院です。直接支払制度がこのまま継続するなら、来年四月以降はもう分娩をやめざるを得ないという産科医の方もおられます。
 本来、出産を支援するはずの制度が逆にお産ができる場所を奪っていると。先ほど大臣は、中小の産院、これ支援していかなきゃいけないと、負担強いてはならないという認識示されました。現に経営の危機とも言えるこの事態を、大臣、どのように受け止めておられますか。
○国務大臣(細川律夫君) 委員御指摘の直接支払制度というものが医療機関などの資金繰りを困難にしているということで一定の影響があるということは認識しております。
 そこで、これまでも直接支払制度への対応が困難な医療機関へのこの制度の適用の猶予とか、あるいは福祉医療機構によります医療機関への低利融資の実施、あるいはまた支払の回数を月一回であったものを二回にするというようなことで支払の早期化というようなことも措置をしてきたところでございます。
 そこで、この直接支払制度というのは今年度末で一応時限措置とされておりますので、そこで今後の在り方につきましては、今医療保険部会で御議論をいただいておりまして、これを踏まえて年末の予算編成過程で検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○田村智子君 今御説明あった融資制度や月二回払いという手だてを取っても、なお事態は解決されていません。
 厚生労働省があっせんをした独立行政法人福祉医療機構による融資の平均額は、一件当たり二千五百万円にもなります。しかも、産院への入金はエンドレスに遅れ続けるのですから、分娩扱いをやめない限り借金返済のめどは立たないことになります。国の制度変更でなぜ私たちが多額の借金をして利息まで払わなければならないのか、お産の事故への不安や産科医不足の下での過労、それらに耐えながら頑張ってきた、しかし今回の直接払いで借金まで負わされる、もう続けられないと気持ちが折れてしまった、こういう声をどう受け止められますか。
 こうした事態は直接支払制度が始まる前から懸念をされていて、我が党の議員も質問主意書で何度も問題点をただしてきました。その中でも、出産育児一時金は妊娠十二週間を過ぎた妊婦さんにはどんな事情があっても支払われるのだから、出産前に事前申請ができるようにして出産直後には分娩施設への入金を保証すべきだと、こう求めたところ、当時の鳩山内閣は、それを含めて検討をすると答えています。
 妊娠中に一時金の手続ができれば、これは妊婦さんにとっても時間にゆとりを持って手続ができます。事前申請を認めることに不都合があるとは思えませんが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員御指摘の出産一時金の支払の問題、私も幾つかの医療機関に勤めておりましたけれども、小規模であるほどこの問題意識が強いというのは理解しています。比較的大規模な病院においては、先ほどの周産期母子センターのようなところでは、比較的評価をしてもらっているところもあるというふうに理解をしております。
 そういう意味で、確かに小規模な診療所、病院、若しくは助産院等、そういうところにどのような支援をしていくかというのは今後の予算編成の過程でというのは大臣から答弁をさせていただきましたけれども、妊娠十二週で手続を取ったらどうかということについての御指摘、事務方が作った答弁書は加入保険者が変わったらどうするのかという話、これはもう多分聞いてみえると思います。
 それ以外にも、私が考えるに、十二週で手続をしても残念ながらその直後に死産をされた場合などでは日数的に結論として間に合わないということになる可能性もあるわけでありまして、そういう意味では、満期での出産ということを想定すれば十二週で十分間に合うわけですけれども、例えば十三週目で残念ながら死産に至ってしまった場合には十二週で手続を取っても間に合わないということになりかねないということで、必ずしもすべての出産に今の十二週が適用すれば間に合うということでもないのじゃないかなというふうに個人的には考えています。
○田村智子君 十二週過ぎれば必ず支払われるんですから、これは必ずこの事前申請は認めていただきたいと思っているんです。
 直接支払制度導入の前の受領委任制度では、出産一か月前からの事前申請を認めていて、このときには退院後一週間からどんなに遅くとも三週間程度で医療施設への入金が行われていたわけですね。だから、これ、できないはずはないと思います。重ねて改善を求めます。
 それから、この直接支払制度は事務負担の重さも大変問題になっています。直接支払制度への変更で専門申請用紙というのが作られましたが、この記入や、また新たに始まった無過失補償制度の手続が医療機関の事務作業を大変煩雑にしていて、事務職員を新たに増やさなければ追い付かないと、これがまた中小規模の施設にとっては経営の圧迫につながってきています。私も専門申請書というのを見せていただきましたけれども、細かな項目ごとに費用を記入するもので、まるで保険請求の用紙のようにも見えました。日本産婦人科医会も専門請求用紙の廃止を求めているのですから、こうした当事者の意見を尊重した見直しが必要です。
 出産事実の証明など、産科医や助産師が既に作っている文書での申請を認めるべきではないでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員御指摘のいわゆる申請用紙、私もここ、今手元にあります。見させてもらいました。
 出産育児一時金等代理申請・受取請求書、恐らくこれをもって請求するんだろうと思います。同じ保険者に対して三名連記をして出すような形になっていまして、その中には、多分委員が御指摘なのは、検査・薬剤料とか処置・手当料とか、こういったものを抜き出して書かなきゃいけないと。これはなかなか煩雑だという声が上がっているということも承知をしています。
 そういった意味で、どのような申請をするのかということを考えていく必要があるわけですが、出産費用の透明化を図って、その観点が必要だということは御理解いただけると思うんですが、過度の事務負担を避けながら最低限の内訳項目をどうするのかというのは、産科関係団体からの御意見を伺いながら設定したとこれまではなっておるわけでありますが、委員の御指摘もあります。事務負担の簡素化、それから平成二十三年度以降の制度の在り方も含めて、社会保障審議会の医療保険部会において今御議論をいただいておりますので、これも年末の予算編成に向けて検討していくというふうにさせていただきたいと思っています。
○田村智子君 今御説明あったんですけれども、私、納得がいかないのは、そもそも出産育児一時金というのは妊産婦さん本人を対象に支払われるという制度ですし、保険適用でもない正常分娩に保険請求のような細目を記入させる、これは筋が通らないと思うんですね。その出産費用が妥当なものかどうか、それは妊産婦さんが支払うときに判断をして、受け取った一時金の中から幾ら払うかは医療機関と御本人の中の話だと思うんです。だから、こういう筋を通せばやっぱり早急に改善が必要だと思いますので、是非当事者の方の意見を踏まえた見直しを行っていただきたいと思います。
 もう一つただしておきたいのは、一度医療機関に直接支払われた出産育児一時金が保険機関の都合で返金させられるという事例が起きていることです。
 これは、妊婦さんが出産前に会社を辞めるなどして加入している医療保険が変わった場合に起きている事態なんですけれども、例えば今年の春、これは奈良市の事例なんですけれども、奈良市では条例で、出産をした方が退職後六か月以内であって、退職前に加入していた医療保険から出産育児一時金を受け取ることができると、こういう場合には国保からの支給はしないと定めています。医療機関の方では、御本人は国民健康保険を持って入院されてきた、だから国民健康保険に基づいて出産育児一時金の申請をしたと。ところが、これを理由にして奈良市の側は、いったん入金した一時金を一か月後に返金をさせるという事態が起きました。
 実は、これも制度始まるころから心配の声が上がっていまして、医療機関に責任を求めるべきではないという政府の見解が既に示されていたはずです。同じような事態が各地で起きているという、そういう意見も出されていますので何か対応が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 委員がおっしゃられる今医療機関の責によらない、いわゆる当該医療機関の責によらない出産一時金の支払者の変更等、先ほど言われました保険者の変更が想像できるわけですから、そういった事態は当然想定をされます。
 委員御指摘のケースのほかにも、医療機関の責によるものと言うべきものとしては、例えば健康保険証を確認していなかったというような場合には、これはいわゆる当該医療機関において一定程度の責任があるということになるのかなというふうには思っておりますが、先ほどの責任がないと言われるような事態については、当然のこととして、こういったお金が他の例えばものの出産一時金と相殺されるというようなことがないようにというふうには考えています。
 御指摘のような事例を把握した場合には、関係保険者等に事実関係を確認して、そして必要に応じて厚生労働省として是正を求めていくことにしておりますので、そういった事例が具体的にあればまた教えていただきたいと思っています。
○田村智子君 是非モグラたたきにならないように、こういうことなんだという通知なりなんなりを厚生労働省から出していただきたいということも要求をしておきます。
 私、今日、中小のお産施設取り上げたのは、やっぱり産院や助産院というのは日本中の出産の半数近くを担っているんですね。しかも、お産の喜びが育児の喜びにつながるようにと本当にきめ細かく女性たちをサポートしています。ですから、出産後も母乳や育児の相談にもこたえていると。こういう方々が行政の側の都合で泣く泣くお産の扱いをやめるような事態、これは本当に許すわけにいかないんですね。
 是非支援を強く要望して、次に不妊治療についての質問に移ります。
 子供を持ちたいと願って不妊治療を行っているカップルは約四十七万人、七組に一組と推計されています。私も当事者の方や不妊治療を支援するNPO法人の方からお話を伺いましたが、まず経済的な支援は本当に必要だと感じました。不妊治療は卵管閉塞などの体の機能の治療、排卵周期の乱れを調整する薬剤療法から、人工授精、体外受精などのステップを踏んで行われていきます。薬剤療法などは保険適用ですが、ステップアップして人工授精の段階からは保険が適用されず、高額な負担となっています。
 二〇〇八年、体外受精によって生まれた子供の数は二万二千人近く、約五十人に一人になります。それだけ言わば普及しているのですから、不妊治療全体の保険適用ということを検討する時期を迎えているのではないでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君) 保険適用を求める声というのは私も聞いております。保険適用をするに当たっては、治療と疾病の関係が明らかで、治療の有効性、安全性等が確立しているというのが一つの原則になっているところでありまして、そういう意味では、今お話しになられました様々な理由で不妊になられている皆様方にとって、例えば薬剤を使ってみたり腹腔鏡を使った検査をしたりというような原因を突き求めるその取組には保険が適用されているところでありますが、御指摘の人工授精や体外受精、また顕微授精については保険適用ということになっておりません。
 しかしながら、先ほどお話をさせていただきましたように、支援を求める声も強いものでございますから、委員も御了承のとおり、これまで二回だったいわゆる支援について一年度当たり三回までの助成をしたいと、その拡充をしていきたいというふうに今考えているところでございまして、そういった取組も含め御評価をいただきたいと思っております。
○田村智子君 人工授精にステップアップするのは、その前に医療的な行為も受けているわけですから、つなげていくと考えれば保険適用は是非前向きに引き続き検討していただきたいと思っています。
 今御説明ありましたように、保険適用ではないけれども助成制度で経済的な負担を軽くするということで二〇〇四年から特定不妊治療助成が行われ、これは当事者の方々からも歓迎をされています。しかし、この助成の対象は体外受精、顕微授精などに限られていて、これでは保険からもまた助成制度からも除かれてしまうという、こういう治療が広く存在することになるんですね。地方自治体では既に石川県とか愛知県、和歌山、山口、大分などで独自の助成制度もつくられ、市町村レベルでも助成制度は広がっています。是非、国としても経済的支援から漏れている人工授精などについて何らかの助成対象とすることを検討していただきたいと思いますけれども、これ、小宮山副大臣、どうでしょうか。
○副大臣(小宮山洋子君) おっしゃいますように、本当に自分が欲しいと思って産めないという不妊治療については助成が必要だというふうに考えております。そして、不妊治療の中でも治療費が特に高額となります体外受精や顕微授精を対象に、今おっしゃった特定不妊治療費助成事業を実施してまいりました。
 御質問の人工授精につきましては、一回当たりの平均的な治療費が比較的低額という、人工授精は一・九万円ぐらい、そして体外受精が二十九・九万円、顕微授精が三十六・四万円というようなことから、ただいまのところは助成の対象になっていないということなんですね。
 今後とも経済的負担の状況をいろいろ把握をしながら検討をしてまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 一回当たり二万円、それ以上が安いと言えるかどうかというのは、これはもう検討の課題だと思います。
 今、助成制度がある現行の特定不妊治療助成制度についてもこれは改善が必要だと思います。現在は一回十五万円を年二回以内、最大五年間まで助成すると。先ほど御説明あったように、概算要求では年三回にという案が出されていて、制度拡充が必要だという認識だと、そういう対応だと思います。
 当事者の要望も踏まえた検討を是非していただきたいのは、一つは一回当たりの助成額の引上げなんです。体外受精には、一回というのか一周期というのでしょうか、三十万円から五十万円は掛かると言われています。助成額を実態に即して引き上げるということ、これが必要ではないかと思います。
 もう一つは、助成を受ける回数について条件緩和ができないかということです。実は、体外受精を五年間掛けてというのは余り現実的でないという指摘があるんですね。五年も続けたら身も心も家族関係もぼろぼろになってしまうと、そういう声を聞きました。そういう当事者の方に少し突っ込んで私もそのお気持ちをお聞きしましたら、ある方は、もう受精卵ができればそれは自分にとっては赤ちゃんと同じなんだと、妊娠、出産までたどり着かない喪失感は流産を繰り返すようなその気持ちと同じだと思うと。体外受精を始めれば、生活のすべてが、妊娠するかどうかと、このことばかりになって、夫婦の人間関係や精神的な負担も想像以上のものだった、そういうふうに話してくださいました。
 体外受精や顕微授精というのは、本当にお一人お一人の体や家庭の状態で、どう進めていくのかということは一律ではできないことです。お一人ごとの助成回数が、お一人についての上限というのは必要かもしれません。でも、その回数を何年掛けて行うか、これは医師とよく相談をして決めることができるなど柔軟に使えるような制度にしてほしいと、この要望には是非こたえる方向で検討を進めていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(小宮山洋子君) おっしゃいましたように、ただいまの助成事業は年二回、通算五年までという制限を設けております。この不妊治療は、御承知のように患者の身体的負担を伴うものでありますので、年間の助成回数に一定の制限を設けることはやむを得ないのかとは考えております。
 ただいま、関係学会の報告の中では患者一人当たりの一年間の治療回数の平均が約一・五回であるために二回としているわけですけれども、今、治療技術の進歩を踏まえまして、来年度からは年間助成回数を三回にするということを検討しているところでございます。
 元気な日本復活特別枠の要望の中で、一回当たり十五万円、年三回まで、通算五年、通算十回を超えないというようなことですとか、所得制限の七百三十万円という、これの緩和などを今検討しているところでございます。
○田村智子君 年三回になれば少し要求にこたえられるのかなとは思うんですが、是非当事者の方の声を丁寧にお聞きいただきたいと思います。
 最後に、もう一つ改善を求めたいのは、この特定不妊治療助成の申請用紙を指定医療機関に置くことができないかということなんです。
 現行の制度では、都道府県それから政令市の窓口で申請書を受け取ることになっていますが、これが物理的、精神的に負担だという意見が寄せられているんです。不妊治療をほかの人には知られたくない、役所の窓口で特定不妊治療の申請用紙を下さいと言うのが苦痛だと、こういう気持ちはよく分かります。また、指定医療機関で申請用紙を受け取って役所に郵送で申請できると、こうなれば当事者の方の負担は大きく取り除かれると思うんです。これは予算を掛けることなくできることで、しかもこの小さな改善が当事者の方にとっては精神的には大きな支援になると思うんです。いかがでしょうか、是非検討してください。
○副大臣(小宮山洋子君) おっしゃっていること、よく分かります。
 現在も、実施主体である都道府県等の実情に応じて医療機関の窓口やインターネットなどで配付しているところもあるというふうに承知しております。今後、実施主体であります都道府県等に対しまして、申請者の負担に配慮をして申請書の配付方法を工夫するように厚生労働省としても働きかけをしていきたいというふうに思います。
○委員長(津田弥太郎君) 時間になっております。
○田村智子君 はい。じゃ、最後に一言です。
 不妊治療を受けているカップルは七組に一組だと最初に紹介しましたけれども、しかしその要求は顕在化していない、それだけデリケートなことなんだと思います。そうであるだけに、是非当事者の気持ちに寄り添った支援策を求めて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 一に雇用、二に雇用、三に雇用、四に雇用、雇用の質も重要であると。そして、雇用に関して使われている税金が本当に役立っているのかどうか、その検証もお聞きしたいというふうに思っています。
 また、今日は一番初めの一般質問ですので、是非、厚生労働省が労働ということをどう考えていて、日本の壊れかけている、あるいは壊れてしまったと言ってもいいかもしれませんが、労働の現場、労働をどうきちっと立て直そうとしているのか、そのこともしっかりお聞きをしたいというふうに思っています。
 雇用の現状をどう見るか、八月の完全失業率五・一%、有効求人倍率〇・五四%と高止まりで、非正規労働者の増大、若年層の就職難、非正規化と関連しての若年層の自殺増加など、命にかかわる問題です。雇用情勢の深刻さについてどのような認識、あるいは対応はいかがでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) 現在の雇用失業情勢は持ち直しの動きがあるものの、今、福島委員おっしゃったように、大変厳しい情勢にあるということは認識しております。雇用の安定は、国民が安心して暮らしていく上で本当に必要不可欠なこと、このように思っておりますので、福島議員の御指摘のとおり、このように思います。
 これらの厳しい雇用失業情勢に対応するため、予備費を活用した緊急対策について既に対応を進めております。さらに、先般発表された円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策でまた新たな取組を現在行っている、こういう状況にあります。
○福島みずほ君 労働者派遣法についてお聞きをいたします。
 これは私もすごく思い入れがありまして、雇用対策本部、野党時代、本部長菅さん、事務局長細川さん、社民党は私が本部長で事務局長近藤正道さん、もうずっとどなり合いしながら仲良く野党時代も作り、閣議決定もしたという、大変思い入れがあります。継続審議中ですが、これはやっぱり菅総理、細川厚生労働大臣というコンビで、この法案について是非今国会で成立していただきたい。法案は、広範な派遣切り、日雇雇用に代表される使い捨て雇用の温床となった現行法の見直しがあります。第一歩であり、重要です。
 大臣の、これまで一緒にやってきましたが、決意をお聞かせください。
○国務大臣(細川律夫君) 行き過ぎた規制緩和の結果、労働者派遣につきましては、派遣切りあるいは雇い止めというのがリーマン・ショック後のあの経済危機の中で大量に発生をいたしまして、この派遣労働の実態も出てきたわけでございます。
 そういう中から、行き過ぎた規制緩和に対して歯止めを掛ける、派遣労働者の皆さんの雇用の安定、すなわち生活の安定を図るということが最も重要だということで、そこで労働者派遣法を改正をすると。登録型派遣の原則禁止、そしてまた、製造業の原則禁止というような内容を入れまして改正案ができまして、それを政府としては国会に提案をいたしているところでございます。
 今、衆議院の方で継続審議になっておりまして、私どもとしましては、国会で御審議をいただき、早急に成立をさせていただきたいと、こう願っておるところでございます。
○福島みずほ君 早急にというか、今国会での成立を是非一緒にやっていきましょう。よろしくお願いします。
 新卒者就職応援プロジェクトについてお聞きをいたします。
 こういうプロジェクトは、今日は主に中小企業庁にお聞きをいたしますが、これについて、平成二十年度第二次補正、二十一年度二次補正、計二百十六億円を掛けてやっていると。これについて、今日新聞記事を付けておりますが、これとは別ですが、名ばかりインターンというものが報道されています。中小企業庁がやり始めている新卒者就職応援プロジェクト、六か月がインターン期間って大変長いというふうにも思っております。
 これについて、インターンの労働実態、就業への実績、つまり、これ四月から始めていますので、ぼちぼちいろんな実績があると思うんですが、六か月間インターンをやってどういう実績が上がっているか、あるいはカウンセリング料を業者に払いますが、どんな問題が出ているか、それについて教えてください。
○政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。
 新卒者の就職応援プロジェクトでございますけれども、これは中小企業の人材確保と新卒者の方の就職支援の双方を目的として、就職先が決まっていない新卒者を対象に、中小企業におきまして、御指摘のとおり原則六か月の職場実習の機会を提供する事業でございまして、本年の四月以降、約五千人が職場の実習を実施いたしております。
 本プロジェクトは、全国の中小企業団体中央会に設置されました人材対策基金を活用して行われておりまして、中央会が公募をいたしまして、外部有識者による委員会で学情あるいはパソナを選定いたしましてこれを実施いたしておるものでございます。
 これら、この本プロジェクトの実績についての御質問がございました。
 現状では、六か月の実習をまだ、四月からでございますので、継続中の方が多いわけでございますけれども、既に職場実習を終了した方々について申し上げれば、実習先に就職をされた方が約一五%、それから他社でございますけれども……
○福島みずほ君 何人ですか、一五%というのは。
○政府参考人(高原一郎君) 今現在までに終了しておられる方が千三百十四人おられます。そのうち実習先に就職された方が百八十六人、それから、このプロジェクトの参加期間に就職を決められた方ということもおありになると思いますけれども、他社に就職された方が二百九十八人おられます。
 以上でございます。
○福島みずほ君 実習先の内訳について教えてください。
○政府参考人(高原一郎君) この実習の業種、職種でございますけれども、これが非常に広い実習先を対象といたしております。ただ、主たるところについて申し上げますと、製造業が約一七%、それから情報通信業が約三〇%、卸売・小売が一四%、そのほか運輸業とか不動産業等がございますけれども、こういったところが三九%という内訳になってございます。
○福島みずほ君 雇用を応援するというのは分かるのですが、五千人で七十三億円使うと。そうすると、一人当たり百四十六万円掛かっているわけですね。しかも六か月間って、若い人の六か月間ってやっぱり長いですよね。この間インターンとして使って、途中実績だけど一五%しかそこに採用されないと。これは費用対効果としてどうかと。
 そして、お聞きをいたします。
 この六か月間、このインターンの人たちは労働者ではないですね。
○政府参考人(高原一郎君) 本事業では、この実習生の方々が中小企業の現場において社会人としての基礎知識でございますとか中小企業で必要な技術ですとかノウハウを習得していただくということで、職場体験を行うことということにさせていただいておりまして、本事業の実施におきましては、適正な職場実習実施のために、事前にまず実習生と受入れ企業の間で実習生の知識習得に資するようなカリキュラムを作ります。それから、いわゆる使用従属関係がないということを内容とする確認書を締結した上で、また実習期間中もカウンセラーなどが毎月実習先を訪問いたしておりまして、職場実習が実習カリキュラムや確認書に沿って適正に行われているかどうかを確認をさせていただいているところでございます。
 以上でございます。
○福島みずほ君 中国人研修生とちょっと似ていて、労働者のように働いている場面がありながら労働法が適用されない、労働者でないというところが問題となり得るというふうに思うんですね。
 インターンシップを隠れみのに若年層を労働者として扱っていたケース、クレームなどはありますか。実態調査はするおつもりはありますか。
○政府参考人(高原一郎君) 現在までのところ、そういう形で毎月調査をいたしておりまして、この過程で私ども厚生労働省にも相談をし御助言いただいておりますけれども、問題の事例というのは私どもはまだ認識をいたしておりません。
 以上でございます。
○福島みずほ君 作業中負傷した場合、労災保険の適用はありますか。
○政府参考人(高原一郎君) ただいま申し上げましたとおり、こういう形で実習をいたしておりますので、御指摘の問題も含めて、労働法規の適用は受けないというふうに認識をいたしております。
 以上でございます。
○福島みずほ君 六か月間、例えば製造業でも一七%働いて、働いてというかインターンしているわけですから労災は起こり得るわけですね。ですから、労災の適用がないということだと、やっぱりそれは問題になり得ると。例えば、通勤途上、交通事故に遭った場合、労災の適用もないですね。
○政府参考人(高原一郎君) いわゆる労働法規の適用はございませんけど、民間保険には入っていただいております。
 以上でございます。
○福島みずほ君 同じように、インターンシップは厚労省でも、この場合は最長一か月ということでやるわけですが、この場合、労働法の適用、労災の適用、その点についてはいかがですか。
○政府参考人(金子順一君) ただいまの御指摘は、いわゆる労働基準法の労働者性の判断の問題に帰着すると思います。
 委員御案内のとおり、労働者に該当するかどうかは、労務の提供が使用者の指揮監督下において行われているかどうか、労務の対象として報酬が払われているかどうか、こういう観点から個別に判断されることになります。
 中小企業庁からは、先ほど長官から話がありましたようなことで、雇用関係にならない形で運用をするということでお話を伺っているところでございます。ただ、こうした制度的な仕組みを前提といたしましても、先ほど申し上げましたように、実態に個別に判断することになりますので、使用者の指揮監督下に置かれて労働の実態があるということになれば労働関係法令が適用されることになります。
○福島みずほ君 中小企業庁は労働者、労災の適用がない、厚生労働省は個別判断をするということで、ちょっとこれ違うんですよね。やっぱり、六か月って長い期間でやる、しかも六か月間働いてというか、そこでインターンやって、その後一五%しか現段階でもそこには勤めていないということで、そのインターンが変な言い方ですが失敗をすると、若い人のその六か月ってすごく貴重だと思うので、その六か月というのが妥当かどうかということも是非今後検証していただきたいと思います。
 これ、七十三億円使って五千人なんですね。これに関して、業者に対して幾ら払ったか教えてください。
○政府参考人(高原一郎君) まず、本プロジェクトに要する経費の多くは、実習生の方々に一日七千円のお支払を申し上げ、あるいは職場実習を受け入れられる企業に対しての助成金でございます。学情あるいはパソナに対しましては、現在の事業につきましては事業の終了後に実績を踏まえて支払を行うことになっておりますけれども、金額を概算いたしますれば、学情に対して約十億円、パソナに対しては五億円の支払を見込んでいるところでございます。
 以上でございます。
○福島みずほ君 これ、全体の七十三億円のうち、実習生と受入れ企業向けに払うのが約五十億円、そして運営管理経費として業者やいろんな中小企業の団体などに払うのが二十三億円、つまり三分の二が受入れ企業と当事者、三分の一が運営費なんですね。だから、これも本当に雇用に使われるのか、雇用というか、雇用の応援になっているのかどうか。経費が三分の一というのは、つまり二十三億円、それの運営に使うというのもいかがかというふうにも思うんですね。
 もう一つ、これ以降、五千人の後ですね、二十二年度後半から三十五億円を活用して追加的に実施する予定ということなんですが、実績を踏まえて今後やるかどうかを決めるべきではないかという点はいかがですか。
○政府参考人(高原一郎君) 私どもも、現在行われている実習につきまして、先ほどの実態面のチェック等含めて適切な運用が行われるように見ながら進めたいと思っておりますけれども、中小企業の方々は今非常に、むしろ人材を何とかして欲しいという声が非常に高うございます。そういった面で、私ども、新卒者の方々に中小企業に勤めてみようじゃないかという気持ちを起こしていただくということも含めて今実施をさせていただいておりまして、そういう意味で、御指摘の点に十分配慮しながら事業を進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○福島みずほ君 職場の実態を理解するんだったら、六か月もなくても、一か月とか二か月でも理解してということがあると思うんですね。
 それから、お聞きしますが、いただいた資料では一万人を対象にというふうにして予算額九十八億円となっているんですね。ところが、七十三億円で五千人、じゃこれから三十五億円追加して、何名この六か月のインターンでやろうとされているんでしょうか。
○政府参考人(高原一郎君) 二十二年度の後半から、三十五億円と、そして予備費を今いただいておりますので、予備費と合計して一万五千人の予定をいたしております。
 以上でございます。
○福島みずほ君 一万五千人。一万人というのは、同じように、新卒者就職応援プロジェクトで三十五億円でそれが可能になるんですか。
○政府参考人(高原一郎君) 一万五千人というのは、今の五千人と加えて一万人を追加して一万五千人という趣旨でございます。
 以上でございます。
○福島みずほ君 時間がもったいないのでまた改めて資料をいただきますが、七十三億円使って、多いか少ないかは別にして五千人なんですよね。その費用対効果がどうかというのも正直思います。
 しかも、正社員というか、引き続いて働く人は今の時点で一五%、そして三十五億円使って、どうして同じ新卒者就職応援プロジェクトで一万人できるんですか。
○政府参考人(高原一郎君) 三十五億円と、加えて予備費に九十八億円をいただくことになっておりまして、それを合計してあと一万人が可能となるということでございます。
 以上でございます。
○福島みずほ君 私は雇用や若者の雇用を応援するのは本当に賛成なんですが、これだけのお金を使い、三分の一は業者やいろんなところに払って、本当にこれが六か月インターンやって、しかも実はそこで働くわけですね、実質的には。これを本当に妥当かどうかという検証は本当に必要だというふうに思っております。インターンだったら一か月とかでもいいんですよ、分かるから、それで。六か月間拘束してお金を払い、業者に三分の一払い、しかも全部で予備費も入れて何百億使うわけじゃないですか。この妥当性については私はきちっと検証すべきだというふうに思っております。しかも、労災保険の適用もない、労働者じゃないというわけですから、問題が起こり得るというふうに思っています。
 それで、本当のそういう研修やいろんな点は、本当は雇用・能力開発機構やそういうところでもっとちゃんとやるべきだ、国が責任持って人への投資をすべきだ、国が責任持って人材育成をすべきだというふうにも思っています。そのような中で、雇用・能力開発機構の廃止は逆行するのではないでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) やはり物づくり日本として、今先生おっしゃったように、そういう技術技能の訓練というのは今後も国がしっかりやっていかなきゃいけないんじゃないかと思っております。特に、労働力人口の減少だとか産業構造の変化の下で、中長期的な人材・雇用戦略として、成長分野や高度な物づくりを支える人材育成、それと雇用のセーフティーネットの職業訓練などが重要でありますので、これは引き続き国が責任を持ってやっていくということには変わりありません。
 今回、雇用・能力開発機構は廃止をいたしますけれども、職業能力開発業務については高齢・障害・求職者雇用支援機構に移管して、これも国の責任において職業訓練を行っていきます。国が責任を持って人材育成をこれからも行っていく、このように御理解をいただきたいと思います。
○福島みずほ君 名ばかりインターンのことを今日お聞きしましたけれども、実際この新聞、東京新聞の記事によっても、「半年ただ働きの例も」などあります。それで、労政審の座長の諏訪先生もやはりこれについては問題もあるんじゃないかというふうにコメントを新聞記事に出しておりますが、この名ばかりインターンについて、厚生労働省としての取組やそれについてお聞かせください。
○政府参考人(金子順一君) このプロジェクトにつきましては、中小企業庁の御担当の方から私ども説明を受けたときに、雇用形態にならないように関係の事業者、実施機関に徹底するようにお願いをしたところでございます。そういうことでございますので、中小企業庁においてまず適切に運営していただくことが大事だろうと思います。その上で、実習生の方が仮に指揮監督下で働いているというような実態があるというようなことであれば、監督署の方に御相談いただければと思っております。
○福島みずほ君 私は、労働に関して国が責任を持って、例えば職業紹介、ハローワーク、労働基準行政、それから均等行政、これをきちっと国が責任を持ってやると。
 何か派遣切りのときもそうでしたが、全国ばっと調べてもらって派遣切りのデータを各都道府県すぐ出してもらいました。機動性を持って国が責任を持って、しかも問題があるところは基準局がきちっとやるし、それとハローワークには例えば問題がある企業は出さないとか、いろんな労働の機能が国の中できちっと連携を持ってやるべきだというふうに思っております。国の決意を言ってください。
○政府参考人(金子順一君) 実態の把握ということは大変大事だろうと思いますので、全国各地の監督署に何かこういった問題についてのお問い合わせ、照会があるかどうか調べてみたいと思います。
○福島みずほ君 今日は最初の一般質問ということで、私は是非、労働憲章というようなものを例えば厚生労働省として、あるいは私たちもみんなでかもしれませんが、作れないかと。壊れてきた雇用をどう立て直すか。例えば、長時間労働の規制、均等待遇、パートや非正規の人たちの労働条件どうするか、過労死をどうなくすか、うつ病対策や、それはいわゆるディーセントワーク、労働がとても重要なことで、これで生計を得、それから社会参加もするわけですから、人間にとって根源的な労働に関して厚生労働省で、もちろん私たちも参加すべきかもしれませんが、労働憲章、こういうビジョンでこういう形で国民のために、人のために労働憲章を作るとか、そういうビジョンを検討していただけないでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君) 私は、国力の源は労働にあり、ふだんこのように思っております。だれもが今先生がおっしゃったようにディーセントワーク、これは人間らしい働きがいのある仕事と、このように私は日本語に訳しているわけなんですが、こういうような整備をこれからもしっかりしていかなきゃいけない、このように思います。
 今の社会を見ると、依然として長時間労働の実態があり、過労による健康障害を起こしている方たちも多く見られますので、働く上で多くの問題点が山積をしていると、このように認識をしております。
 先ほど答弁したとおり、新成長経済戦略に基づくディーセントワークの実現を目指していくこととしていますけれども、引退するまで働いて、理想的には期間の定めのない直接雇用ということになると思いますけれども、やはり自分が働き終わったときに、健康でその間を過ごせると、やはりこういう社会をつくっていくことが大変私も大事だと思っております。こうしたことに向けて、今御指摘の労働憲章、こういうことについても労使の御意見をよく伺いながら検討していく必要がある、このように認識をしております。
○福島みずほ君 小林政務官、ありがとうございます。
 大臣、やっぱり労働って基本だと思うんですね。労働がうまくいけば例えば子供を産もうとか思いますし、労働が、雇用が壊れていたら子供を産もうなんて思いませんし、生計が立てれればやっぱり貧困問題の解決もできますし、これだけ貧困問題が起きることも問題だと思うんですね。私は、たまたま反貧困バッジを最近は付けるようになりました。
 今、小林政務官の方から、厚生労働省を代表して労働憲章というものを作ろうという意気込みを言っていただいたんですが、大臣としても是非労働に関する熱意あるいは労働憲章に対する決意や思いを語ってください。
○国務大臣(細川律夫君) 労働というものは、これはもう日本というか、人類みんな仕事をして、そしてその収入で生活をする、家族を養うということで、これはもう最も基本的に大事なことだというふうに思っております。
 労働を失った場合どうなるかということはこれはもう想像できるわけでありまして、その労働を失ったときに、雇用を失ったときにそのセーフティーネットもしっかりこれは張っていかなければいけないと思いますし、まずはしっかり雇用される、労働できる、その労働そのものがまさにディーセントワークでなければいけないというふうに思っております。
 そのためにどういうことを厚生労働省としてやっていかなければならないかということについて、私どもとしては政務三役そろってしっかり取り組んでまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 厚生労働省も、恐らく労使などで労働憲章やそういうビジョンを発表されるという準備をされるんであれば、社民党としてもしっかり労働憲章を作って、お互いに協議をしながら、本当に雇用の立て直しがきちっと政治の場面でなされるように力を尽くしたいというふうに思っております。労働憲章を作ることを是非よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○委員長(津田弥太郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時三分散会