第177回国会 行政監視委員会 第4号
平成二十三年五月二十三日(月曜日)
   午後一時一分開会
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   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     田村 智子君     大門実紀史君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     浜田 和幸君    三原じゅん子君
     大門実紀史君     田村 智子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         末松 信介君
    理 事
                大島九州男君
                風間 直樹君
                川合 孝典君
                藤原 良信君
                松村 龍二君
                寺田 典城君
    委 員
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                大久保潔重君
                加賀谷 健君
                神本美恵子君
                武内 則男君
                難波 奨二君
                室井 邦彦君
                山根 隆治君
                赤石 清美君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                岸  信夫君
                高階恵美子君
                中西 祐介君
               三原じゅん子君
                宮沢 洋一君
                谷合 正明君
                横山 信一君
                田村 智子君
                山下 芳生君
                中山 恭子君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       田嶋  要君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        富山 哲雄君
   政府参考人
       内閣官房原子力
       発電所事故によ
       る経済被害対応
       室長       北川 慎介君
       内閣府原子力被
       災者生活支援チ
       ーム事務局長補
       佐        菅原 郁郎君
       資源エネルギー
       庁長官      細野 哲弘君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     寺坂 信昭君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   黒木 慎一君
   参考人
       京都大学原子炉
       実験所助教    小出 裕章君
       芝浦工業大学非
       常勤講師     後藤 政志君
       神戸大学名誉教
       授        石橋 克彦君
       ソフトバンク株
       式会社代表取締
       役社長      孫  正義君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (原発事故と行政監視システムの在り方に関す
 る件)
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(末松信介君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 去る二十日までに、浜田和幸君が委員を辞任され、その補欠として三原じゅん子さんが選任されました。
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○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣官房原子力発電所事故による経済被害対応室長北川慎介君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
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○委員長(末松信介君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、原発事故と行政監視システムの在り方に関する件について参考人の皆様方から意見を聴取した後に質疑を行います。
 御出席をいただいております参考人は、京都大学原子炉実験所助教小出裕章さん、芝浦工業大学非常勤講師後藤政志さん、神戸大学名誉教授石橋克彦さん及びソフトバンク株式会社代表取締役社長孫正義さんの四名でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。
 参考人の先生方また孫社長様の御意見等につきましては、集約した資料を調査室が作成をいたしまして、それぞれ委員にお配りをいたしています。
 今日は、先生方から、今日まで取ってきた政府の原子力の発電所の事故に対して改善すべき点はないのかどうかという点、あるいは日本の原子力について、エネルギー行政についてどうかということについて、積極的かつ、批判的な御意見でも結構であります、御忌憚のない御意見を述べていただければと思います。
 委員一同重く受け止めますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 議事の進め方でございますが、小出参考人、後藤参考人、石橋参考人及び孫参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行います。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず小出参考人にお願いをいたします。
○参考人(小出裕章君) では、始めさせていただきます。(資料映写)
 私の今日の資料はこちらに見ていただきながら話を進めたいと思いますし、皆さんお手元に資料が既に配られていると思いますので、それを御覧いただきながら聞いてください。
 今日は、原子力をこれまで進めてきた行政に対して一言私は申したいことがあるということでここに伺っています。
 まず、私自身は原子力に夢を抱いて原子核工学科というところに入った人間です。なぜそんなことになったかというと、原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。無尽蔵にあると、石油や石炭は枯渇してしまうから将来は原子力だということを信じてこの場に足を踏み入れた人間です。ただし、入ってみて調べてみたところ、原子力というのは大変貧弱な資源だということに気が付きました。
 今、これからこのスライドに再生不能エネルギー資源というものの量を順番にかいていこうと思います。
 まず、一番多い資源は石炭です。大変膨大に地球上にあるということが分かっています。ただし、今かいた四角は究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れると分かっているのは確認埋蔵量と言われているものなわけですが、この青い部分だけだということになっています。
 では、この四角が一体どのくらいのことを意味しているかというと、右の上に今ちいちゃな四角をかきましたが、これは世界が一年ごとに使っているエネルギーの総量です。ということは、石油の現在の確認埋蔵量だけでいっても数十、数字で書きますとこんなことになりますが、六十年、七十年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば八百年近くはあるというほど石炭はたくさんあるということが分かっています。その次に、天然ガスもあることが分かっている。石油もある。そして、オイルシェール、タールサンドと言っている現在は余り使っていない資源もあるということが既に分かっているわけです。
 そして、私自身は、こういう化石燃料と呼ばれているものがいずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかないのです。石油に比べても数分の一、石炭に比べれば数十分の一しかないという大変貧弱な資源であったわけです。ただ、私がこれを言うと、原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いや、それはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂性のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思っているのは核分裂性のウランではなくてプルトニウムなんだと言うわけです。つまり、非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うからエネルギーとして意味があることになるということを言っているわけです。
 どういうことかというと、こういうことです。まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工という作業を行って原子力発電所で燃やすと、これが現在やっていることなわけです。しかし、これを幾らやったところで、今聞いていただいたように原子力はエネルギー資源にならないのです。そこで、原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉という特殊な原子炉を造ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。それを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだと言ったわけですね。最後は高レベル放射性廃物という大変厄介なごみが出てきますので、それをいつか処分しなければいけないという仕事を描いたわけです。
 ただ、プルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので、仕方ないので現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想を練ったわけです。
 しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉は実はできないのです。日本の高速増殖炉計画がどのように計画されて破綻していったかということを今からこの図に示そうと思います。
 横軸は一九六〇から二〇一〇まで書いてありますが、西暦です。何をこれからかくかというと、原子力開発利用長期計画というものができた年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は一九八〇から二〇六〇まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。
 原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは、第三回の長期計画、一九六八年でした。そのときの長期計画では、高速増殖炉は一九八〇年代の前半に実用化すると書いてあります。ところが、しばらくしましたら、それは難しいということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では、一九九〇年前後にならないと実用化できないというふうに書き換えました。それもまたできなくて、五年たって改定されたときには、高速増殖炉は二〇〇〇年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところが、これもできませんでした。次の改定では、二〇一〇年に実用化すると書きました。これもできませんでした。次は、二〇二〇年代に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したいというような目標に変わりました。ところが、これもできませんでした。次には、二〇三〇年に技術体系を確立したいということになった。では、次の長期計画ではどうなったかというと、実は二〇〇〇年に長期計画の改定があったのですが、とうとうこのときには年度を示すこともできなくなりました。私は、仕方がないので、ここにバッテンを付けました。そしてまた五年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改定では二〇五〇年に一基目の高速増殖炉をとにかく造りたいという計画になってきたわけです。
 皆さん、この図をどのように御覧になるでしょうか。私は、ここに一本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていくということを分かっていただけると思います。これ、横軸も縦軸も一升が十年で、この線は何を示しているかというと、十年たつと目標が二十年先に逃げるということなのです。十年たって目標が十年先に逃げたら絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて十年たつと二十年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなものにはたどり着けないということを分からなければいけないと私は思います。
 ところが、こういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らないということで今日まで来ているわけです。
 日本は「もんじゅ」という高速増殖炉の原型炉だけでも既に一兆円以上の金を捨ててしまいました。現在の裁判制度でいうと、一億円の詐欺をすると一年実刑になるんだそうです。では、一兆円の詐欺をしたら何年の実刑を食らわなければいけないんでしょうか。一万年です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省等々、行政にかかわった人の中で「もんじゅ」に責任のある人は一体何人いるのか私はよく知りません。でも、仮に百人だとすれば、一人一人、百年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて結局誰もいまだに何の責任も取らないままいるという、そういうことになっているわけです。原子力の場というのは大変異常な世界だと私には思えます。
 次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。
 皆さんは御存じだろうと思いますけれども、原子力発電というのは大変膨大な放射能を取り扱うという、そういう技術です。今ここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私は小さい四角をかこうと思います。──かきました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。八百グラムです。皆さんどなたでも手で持てるという、そのぐらいのウランが燃えて広島の町が壊滅したわけです。
 では、原子力発電、この電気も原子力発電所から来ているわけですけれども、これをやるために一体どのくらいのウランを燃やすかというと、一つの原子力発電所が一年動くたびに一トンのウランを燃やす、それほどのことをやっているわけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくり出しながらやっているということになります。
 原発は機械です。機械が時々故障を起こしたり事故を起こしたりするというのは当たり前のことです。原発を動かしているのは人間です。人間は神ではありません。時に誤りを犯す、当たり前のことなわけです。私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないということになっているわけです。そこで、では原子力を推進する人たちがどういう対策を取ったかというと、破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと、だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにしたわけです。
 どうやって破局的事故が起きないかというと、これは中部電力のホームページから取ってきた説明の図ですけれども、たくさんの壁があると、放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが、このうちで特に重要なのは、第四の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄製の容器ですけれども、これがいついかなるときでも放射能を閉じ込めるという、そういう考え方にしたわけです。
 原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大事故、仮想事故という、まあかなり厳しい事故を考えていると彼らは言うわけですけれども、そういう事故では格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は絶対に壊れないという、そういう仮定になってしまっているのです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがないということになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと。放射能が漏れてくるような事故を考えるのは想定不適当、そして想定不適当事故という烙印を押して無視するということにしたわけです。
 ところが、実際に破局的事故は起きて、今現在進行中です。大変な悲惨なことが今福島を中心に起きているということは、多分皆さんも御承知いただいていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかということについても、大変不適切な対応が私はたくさんあったと思います。
 防災というものの原則は、危険を大きめに評価してあらかじめ対策を取って住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、これは過大だった、でも住民に被害を与えないでよかったと胸をなで下ろすという、それが防災の原則だと思いますが、実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観的な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で当初レベル4だとかというようなことを言って、ずっとその評価を変えない。レベル5と言ったことはありましたけれども、最後の最後になってレベル7だと。もう余りにも遅い対応の仕方をする。
 それから、避難区域に関しても、一番初めは三キロメートルの住民を避難指示出す。これは万一のことを考えての指示ですと言ったのです。しかし、しばらくしたら今度十キロメートルの人たちに避難指示を出しました。そのときも、これは万一のことを考えての処置ですと言ったのです。ところが、それからしばらくしたら二十キロメートルの人たちに避難の指示を出す。そのときも、これは万一のことを考えての指示ですというようなことを言いながら、どんどんどんどん後手後手に対策がなっていったという経過をたどりました。
 私は、パニックを避ける唯一の手段というのは正確な情報を常に公開するという態度だろうと思います。そうして初めて行政や国が住民から信頼を受ける、そしてパニックを回避するのだと私は思ってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して、危機的な状況でないということを常に言いたがるということでした。SPEEDIという百億円以上のお金を掛けて、二十五年も掛けて築き上げてきた事故時の計算コード、それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやったわけです。
 それから、現在まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被曝の限度量を引き上げてしまったり、あるいは、住民に対して強制避難をさせるときの基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引き上げてしまうというようなことをやろうとしている。本当にこんなことをやっていていいのだろうかと私は思います。
 現在進行中の福島の原発事故の本当の被害って一体どれだけになるんだろうかと、私は考えてしまうと途方に暮れます。失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適用するなら、福島県全域と言ってもいいくらいの広大な土地を放棄しなければならなくなると思います。それを避けようとすれば、住民の被曝限度を引き上げるしかなくなりますけれども、そうすれば、住民たちは被曝を強制させるということになります。
 一次産業は、多分これから物すごい苦難に陥るだろうと思います。農業、漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。そして、住民たちはふるさとを追われて生活が崩壊していくということになるはずだと私は思っています。
 東京電力に賠償をきちっとさせるというような話もありますけれども、東京電力が幾ら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても多分あがない切れないほどの被害が私は出るのだろうと思っています、本当に賠償するならということです。
 最後になりますが、ガンジーが七つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っているのだそうです。一番初めは、理念なき政治です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、十分にこの言葉をかみしめていただきたいと思います。そのほかたくさん、労働なき富、良心なき快楽、人格なき知識、道徳なき商業と、これは多分、東京電力を始めとする電力会社に私は当てはまると思います。そして、人間性なき科学と、これは私も含めたいわゆるアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたということを私はこれで問いたいと思います。最後は献身なき崇拝と、宗教をお持ちの方はこの言葉もかみしめていただきたいと思います。
 終わりにします。ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 小出参考人、ありがとうございました。
 次に、後藤参考人、お願いいたします。
○参考人(後藤政志君) 後藤でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、一九八九年からなんですが、十数年にわたって東芝で原子力プラント、特に原子炉格納容器の設計に携わってまいりました。原子炉格納容器と申しますのは、放射性物質を外に出さない、事故のときに閉じ込めるという容器でございます。その設計を担当しておりました。その立場から、原子力事故、今回の事故及び原子力事故というのはどういうものであるかということを若干お話をさせていただきます。(資料映写)
 原子力安全のシステムを考えますと、福島第一原発に限らないんですけれども、よく言われますように、原子炉を止める、止めるというのは核反応を止めるという意味です。制御棒というのがありまして、それが燃料棒の間に入りますと核反応は一旦止まります。しかし、今回止まったわけです、福島の第一、一号から三号全部ですね。ですけど、これが実は止まったというのは運がいいという面があるんです。既に何回も制御棒の事故を起こしている。地震で制御棒が必ず入るとは断言できなかったんです。今回は良かったということなんです。
 それは、福島第一原発の三号とか志賀一号で臨界事故というのを起こしています。ちょっと先へ回しますと、次のページにリストがあるんですけど、十数件にわたって制御棒が脱落あるいは誤挿入、つまり制御棒をコントロールを失った事故があって、しかもそれは二十年以上にわたって隠されていたんです。そのうち二件は臨界に達している。臨界というのは、予期せずに核反応が進むわけです、原子炉の中で。これはとんでもない話なんですね。
 私は、原子力の仕事に携わったときに、制御棒だけは絶対事故を起こさないというふうに確信、確信というより周りからそう言われていましたし設計者もそう言っていましたから、これだけはないだろうと思っていたんですね。ところが、二〇〇〇年代になったらこれだけ分かってきたわけです。この段階で私は、格納容器の問題もありましたけど、制御棒でこれだけの事故を起こすということは、これは原子力成立しない、技術的にというふうに思いました。
 さて、次ですが、今回は制御棒はうまく入ったわけです。で、冷やす、閉じ込めるということになりますが、冷やすという意味は、原子炉を止めましてもその後、崩壊熱と申しまして、ずっと長期にわたって、一年オーダーにわたって冷やし続けないと燃料が溶けてしまいます。今回は冷やそうとしたんですけど、地震で電源が来なくなって、津波あるいはそのほかの原因もあると思いますけれども、機器類、ポンプ類が動かなくなった。それで、特に水没したものもございますから、それによって多重、つまりいっぱい付けてある機械類が、全部ポンプ類が動かなくなって冷却ができなくなった、こういうことになります。
 それで、炉心、つまり燃料がだんだん水面に出てきて溶けてくるわけですね、中から熱が物すごく出てますので。その熱で水蒸気と反応して、被覆管というんですけれども管があって、そこから水素が出て、今回爆発等も起こりました。この事故の経緯で、最近メルトダウンとかいう話、初めて出しましたけど、これはもう十一日か十二日の段階、三月の十二日の段階で炉心の損傷、炉心の冷却ができなくなっていて格納容器の圧力も相当に上がっている、この段階でほぼもうこういう道に行くのは間違いないという形だったわけですね。
 炉心、つまり圧力容器も壊れ、非常に不安定な状態で、それでもずっと何とか必死で作業を通じて冷却を維持してきた。今でも不安定なんです。原子力プラントの中のシステムで冷やしているわけじゃないんです。外から付け足して、一部回復した部分ございますけど、基本的には、装置が駄目になったので外から人海戦術で何とか維持してきてここに来ていると、そういう不安定な状態だということです。しかも、閉じ込め機能も失っています。
 これを設計の方から申しますと、こういうふうに、大きく見まして、設計の想定の範囲とそれから制御不能な範囲というふうに考えますと、通常状態とか過渡状態とか事故と書いていますけど、要は、そのある事故ですね、冷却材喪失事故というのは、水が出ちゃうとかそれから電源がなくなるとか、そういうことも原子力プラントは当然考えているんです。そこでこういうふうに設計しているんですが、今回のように、止める、冷やす、閉じ込めるという機能を、地震、津波、そのほかの、多分これは機器の故障、それから人為的なミスも絡むと思います、それでここに書いたのは、シビアアクシデントといういわゆる制御不能な状態になる、これが今回の事故なんですね。こうなりますと、水素爆発とか水蒸気爆発とか再臨界とか、非常に危機的な問題を生みます。
 図で御説明申し上げますと、炉心が溶けて落ちますと、それが圧力容器、厚さ十数センチの厚い容器の中に落ちます。ここで冷却ができなければそのまま溶けて下に落ちます。更にここで冷却できないと、そのままコンクリートを侵食してどこまでも行く、これをブラックジョークですけどチャイナ・シンドロームといっておりますね。この段階で冷却をするために水を入れます。水を入れますと、溶融物、非常に高温の溶融物に水が接触すると水蒸気爆発の危険性が極めて高いんです。これは火山においてマグマが水と接触したときの爆発です。こういう現象を起こします。更に冷却をしていきますと、その段階で冷却がうまくいけばいいんですけど、ここにありますように流れていきますと、格納容器の鋼板、鉄板ですね、大体厚さ二、三十ミリなんですが、それを溶かしてしまいます。そういう壊れ方もあると。これは事故ですから、どのプロセスへ行くかはその経過によって変わります、当然。ですけど、どれを行ってもおかしくなかった。
 今回は、ここの、少なくとも水蒸気爆発ですね、これは起こっていない、水素爆発は起こりました。何かといいますと、中の水素が格納容器のあるところから出まして、上で爆発したんです。これがもし格納容器の中で爆発現象を起こしていて、そのまま格納容器が破壊していたときには、今の桁違いの被害になります。今回は、格納容器はまだ、一部損傷していますけど、爆発的に全部出たんではないんですね。爆発は建物の、つまり格納容器の上で爆発して、一部出ていた放射能が飛んだだけ、そういう関係になります。
 原子力技術の特徴について申し上げます。
 私の理解では、非常に技術が細分化している、これは全般の原子力に限らない面もあるんですけれども、特に原子力においては、全体像が把握しにくい、技術者はなかなか周囲の仕事を知らない形になってしまう。そうしますと、設計の段階での監理、設計の、どういうふうに変更するかとか、設計したものがこれでいいのかという、デザインレビューとかいうんですけど、いろんな分野の人間が集まってそれを審査したりする。そういうことをやってきているんですけど、どうしても技術というのは、非常に危機感を持って、例えば事故が起こるとか安全はどうだということを考えながらデザインレビューしていれば意味がありますけれども、こんな事故は起こるはずないと思ったデザインレビューというものは形骸化します、形式的にやるだけなんです。私の経験している中でも最初のころはかなりデザインレビューがしっかりしていた、それから五年、十年たつに従って非常に形骸化していった、そういうふうに思います。これは安全審査についても言えます。そういう形で、どうも見ていますと、技術の分かる専門技術者が本当にいるのか、審査にという印象を受けます。
 それからさらに、事故が多発しているということです。これは軽水炉、つまり今回の福島の事故に限らない。軽水炉と申しますのは沸騰水型と加圧水型の二種類ございますけれども、今日本で使われている通常の発電所の原子炉で、今回の事故だけではなくていろんなところで事故が多発している。
 細かいことは省略しますけど、同じく高速増殖炉「もんじゅ」も実用化していないどころかトラブルの連続。一部燃料棒を交換するために、燃料を交換するために入れた装置が、機械がちょっと引っかかっちゃった、それで落っこっちゃったんですね。ちょっと傷ついたわけです。それを持ち上げようと思ったら、引っかかって上がらない。普通、機械ではよくあることです、そんなものは。一週間もありゃ直ります。ですけど、それはナトリウムがあるから見えない。出そうと思うと、燃料を出せばいいんですけど、燃料はナトリウムの中にないと危ないので、そうすると、それを出すための装置が壊れている、何もできないという状態が半年、一年続くんです。こんなのは技術じゃないんですね。設計の立場からいったら、何を考えているのか。そんなこと、一つのものが壊れて何もできないのは技術じゃありません。設計の立場からそういうふうに見えますということなんですね。
 それからもう一つは、やはり安全設計と被曝労働、これは問題がある。被曝を前提にした安全設計というのは私は非人間的だと思います。五分で行ってきて入ってやるわけですね。そのときに、仮にそれが、そういうやり方がいいとしても、難しいのはコントロールができないんですよ。確実に被曝をあるオーダーに抑えるなんて、そんなことは私は信じられません、人間というのはどうしてもミスもありますし。そういうことを考えますと、これはとても私は人間的な労働だとは思えません。
 それから、処分ができない大量の放射性物質、これもよくトイレなきマンションと言われています。
 さて、現在の事故をどう見るかといいますと、炉心を冷却、続けています。確かに現在、全体の温度は百何度とか百数十度オーダーまで落ちてきています。ですけど、まだ依然として、もし冷やすことをやめればそのまま進むわけですね、事故は。そういう関係になっている。
 しかも、溶けた溶融物が、メルトダウンしたと言いましたね、そうしますと、圧力容器の中にあるのか格納容器の中にあるのかすらはっきりしない。全く中は分かっていないんです。ただし、水を入れたら、何か冷えているらしい。つまり、技術的に見ますと、ちゃんとした、分かってコントロールできているわけじゃないんです。そうであろうといった推測でやっている。これは、最初のメルトダウンと言ったのがよく分かりますよね。最初に全く、炉心、一部燃料損傷と言っていたのがメルトダウンだった。これだけ違うわけですから、今の状態に対してどれだけ責任を負えるんですか。中を見れるんですか。圧力温度は正しいんですか。どれ一つ私は疑ってみざるを得ないという状態にあるわけですね。
 もちろん、今の状態が以前よりは少し楽になってきているのは明らかです。ですけど、事故というのはそういうところから、思わぬところから発展して大きな事故になるわけです。そうしますと、これからもずっと安定させてやることがいかに難しいかということを言っているわけです。
 あと、同時に、一号機、二号機、三号機とも格納容器が損傷しています。格納容器が損傷していることは、そのまま放射能が外に出ているということです。外に出ています既にたまった十万トンに近い放射性物質を帯びた水が海や地下水に漏れ続けているんです。これは今、大量に、めちゃくちゃに漏れているとは申しません、もちろんコンクリがありますからね。ですけど、容器じゃないんです。格納容器のように閉じ込め機能を持っていないんです。ですから、コンクリートが割れたらそこから行きますし、土のところから行く、流れていくわけです。そうすると、現在は大なり小なり放射性物質を垂れ流している状態が続いていると、そういう認識です。それは、何とか早く既存の陸上タンクなり、メガフロートかバージでもいいです、格納機能を持ったところに入れる方が先決だと思います。その上で処理をすべきと思います。
 原子力の技術について考えますと、どれも究極の選択になっている。先ほど申しましたように、冷却しようとする。冷却に失敗すると、失敗するといいますか、水を入れると水蒸気爆発を起こす。あるいは、格納容器がそうなんですが、今回、格納容器の圧力が上がり過ぎたのでベントすると。どういうことかと申しますと、格納容器は放射能を閉じ込めるための容器ですから、それをベントするという意味は、放射能をまき散らすということを意味しているんです。つまり、このままほうっておくと格納容器が爆発しちゃう、最悪だと。だけど、漏らすということは、逆に放射能を出すんですよ、そのまま。人に向けて放射能を出しているんですよ、これは。何でその認識がないかということなんです。そのときに、格納容器のベントをするということの意味をどれだけみんなが分かっていたかということなんです。そこは非常に重たい問題なんです。特にこの問題は説明が非常に私は間違っていると思います。きちんとした説明していないと思います。
 また、安全をどう見るかですが、状況が把握できないということは非常に問題だということ。もう一つは、安全性の哲学といいますか、安全の考え方が不在だというふうに思います。確実でないことを安全とは言えませんので、多分大丈夫だとか危険な兆候がないからいいだろうとか、グレーゾーン問題と呼んでいるんですが、こういう問題が論理的に起こり得ることは、いつ起こるか分からないわけですから、そうすると、そういう理屈の上で、ある形で起こり得る事故というのは論理的に起こり得るんですね。これは、その上に安全技術を築くのは砂上の楼閣だというふうに思います。
 これ、グレーゾーン問題と申しますけれども、これはちょっと省略させていただきます。
 福島の原発事故は直接的には地震と津波でした。ですけど、それに機器のトラブルとかあるいは人為的なミスが重なっているだろうと思います。そういうことから、最終的には事故解析やるわけですけど、基本的には自然条件の設定が間違っていたこと。津波は例えば何メートル、間違ったとして仮に対策をこれからするとしても、どれだけまでやればいいかというのは非常に問題です。地震も同じです。
 また、たとえ津波や地震の一部対策をしても、それでこういうシビアアクシデントが起こらないかというと、そんなことはないんです。落雷でも台風でも竜巻でも、ある多重にどこかをやられてしまえば、あるいはそんな外的条件なしで、機器が故障してそれに人為的なミスが重なるとシビアアクシデントになります。つまり、シビアアクシデントは発生確率が小さいとして無視してきたんです、これが。これが最大の問題です。これは原子力安全委員会の責任が重大だというふうに私は思っています。また、シビアアクシデントは原子力の特性であって不可避であると。つまり、地震、津波はその入口であるというふうに理解しております。
 これは規制のことで細かくは省略させていただきますが、一九九二年に既に原子力安全委員会で対策を取ることを言っていた。しかし、それは法的な規制をしない、民間の自主的な規制によると、こういう話でした。
 図の上でちょっと概念を申し上げますと、横に時間、縦に出力といいますか、取りますと、通常のものは他のエネルギーシステムの場合には横にだんだん寝てきますけれども、原子力は赤のように立ち上がってくるわけです。それを途中で安全装置を働かせて抑え込むんです。その安全装置は何重にもなっています、確かに、四重にも五重にも。でも、それが全部突破されると、自然と原子力は駄目な方向に行ってしまうんですね、制御不能の状態になる。これが特性なんですね。これが原子力の特徴だと思います。
 それを事故防止ができるかどうかということで、事故の発生防止とか事故の影響緩和とかを考えまして、どういう対策をしてもある確率で、確率は小さいけれどもそういう事故が起きてしまうという場合には、それは受忍できない技術だと。つまり、ある技術だったら全部使っていいわけじゃなくて、その技術は本当に大事故を防げるのか。防げないとしたら、起きたときの影響はどの程度か。それが受忍できない技術はやめるべきだと、そういう意味です。
 したがいまして、我々は最悪の事故の可能性を考慮する必要がある。今度原子力事故を起こせば、日本は確実に壊滅すると私は思います。原子力をこれ以上進めるというのであれば、絶対にシビアアクシデントを起こさないことを証明する必要があります。工学的にはそのようなことは私は不可能だと考えています。つまり、危険な原発から段階的に止めるなりするしかない。そうしますと、完璧な事故対策を模索するというよりも、新たな分野へのエネルギーシフトの方がはるかに容易であろうというふうに考えます。
 膨大な原子力予算を他の技術へ向ければ解決可能ではないか。あらゆる原子力関連の利権、そういうものを許してはいけない。そういうものからもう一度エネルギー政策全体を見直して原子力から脱却していくということが現実的だろうと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) もっとお時間が必要だと思います。後藤参考人、ありがとうございました。
 次に、石橋参考人、お願いいたします。
○参考人(石橋克彦君) 石橋です。どうぞよろしくお願いします。
 ちょっと私、目の手術をしてから日が余りたっていないものですから、ちょっとまだ見るのが不自由で、もたもたして少し時間をオーバーするかもしれません。あらかじめお許しください。
 インターネット中継にはこういうスクリーンの方がよかったのかもしれませんけど、何か委員会の審議は基本的に紙ベースだと伺っておりましたので、私の資料は紙だけです。お手元にありますダブルクリップで留めたものです。資料一から七までと、それから追加が二点とじてあると思いますけど、時間が限られていますので、この一枚目のA4の「(要点)」と書いてあるレジュメに沿って御説明します。細かいところは、御関心があればまた後で質問していただければと思います。
 まず、0と書いてあります。六年前、二〇〇五年の二月の二十三日の第百六十二回国会の衆議院の予算委員会の公聴会に私、出席しまして、原発震災というお話もいたしまして警鐘を鳴らしたつもりだったんですけれども、残念ながらこの国会の中ではそれが響かないで、役に立たなかったようで大変残念に思っておりますということを最初にちょっと言わせていただきます。今日の私の意見が多少なりともお役に立てばいいと願っております。
 次に1.でありますけれども、福島第一原発の大事故は、大津波によって非常用ディーゼル発電機が全部死んでしまった、全電源喪失が起こって冷却ができなくなったからであるというふうに言われておりますけれども、実は、津波の前に地震の揺れそのもので重大事故が発生した可能性がかなり大きいと思います。これは非常に重要なことなんですけれども、殊更何かそれに触れないように社会の中ではされている感がありますので、ここで強調しておきたいと思います。
 田中三彦さんという方が、既に四月の初めに発売されました岩波書店の「世界」の中に書いていらっしゃいますし、それから四月の末に発売された「科学」の中でも書いていらっしゃいますけれども、要するに、地震の激しい揺れによってまず一号機では配管の破損がどこかで生じたであろうと、それによって冷却材の喪失が起こった、つまり冷やすという機能が喪失した、これがメルトダウンにつながったという推定です。田中さんの議論は、東京電力から公開されておりますデータ、圧力容器の中の水位、圧力、それから格納容器の中の圧力、そういうデータを詳細に点検されての議論であります。
 二号機では、地震の激しい揺れによって圧力抑制室に損傷が生じた可能性が大きい。これは閉じ込める機能が喪失されたわけです。これで放射能も漏出しますし、それから水素が漏れ出てそれが二号機の水素爆発につながったのであろうという、そういうことを田中さんは主張しておられます。
 これは、私は地震学が専門でありますけれども、地震学的にも十分あり得ることです。東京電力から公表されております原子炉建屋の一番下の基礎版というところの揺れが、耐震設計で想定している揺れより、二号機、三号機、五号機の東西方向の揺れではそれをオーバーしています。それから、たしか十六日にほかの地震のデータも公表されましたけれども、地下の記録なんかでも、耐震設計の基準とする地震動を、これは今後更に分析してみなければ正確なところは分かりませんけれども、オーバーしていた可能性があります。
 ただ、その想定より超えた度合いは二〇〇七年の柏崎刈羽のときに比べるとそれほど甚だしくはないんですけれども、超えているということ自体非常に重要ですし、今回地震学的に大変注目すべきことは、振動の時間が非常に長かったわけです。M九・〇という。地下で地震波を出している時間自体がべらぼうに長くて、三分ぐらい出していたんですけれども、それを受けた福島第一原発の揺れも非常に長時間続いたために、その長時間の繰り返しですね、繰り返し荷重というものによって損傷を起こしたことは十分考えられるわけです。
 一方、非常に重要なことは、五つ目の黒ポツに書いてありますけれども、福島第一原発は、二〇〇九年に原子力安全・保安院と原子力安全委員会によって耐震安全性が確認されています。つまり、止める、冷やす、閉じ込めるという機能がちゃんと備わっているというふうに認められたわけです。ですけれども、今回それは誤りであった可能性が大きい。ですから、これはまだ断定はできませんけれども、この問題は非常に重要ですから厳重に議論する必要がある。
 ところが、今のところはそこを何となく避けているようです。何か聞くところによりますと、本日、東京電力から何か発表があるみたいで、津波が来るまでは配管の破損なんかは生じなかったんだというような発表があるようなことをちらっと聞きましたけれども、とにかくこれはもう公開の場で厳重に議論されなければなりません。
 想定の揺れを既に超えているということ自体、二〇〇六年に改定された耐震設計審査指針に問題があるということを意味していますし、それから、もしその重大事故が地震の揺れで起こったとすればなおさらのこと、全国の原発の耐震バックチェックというのが二〇〇六年、二〇〇七年以降行われておりますけれども、それの審議のプロセス及びその結果、その信頼性が失われるわけで、これは全部やり直す必要が出てまいります。
 それから、二番目ですけれども、2.、三月三十日に原子力安全・保安院が電力会社に指示を出しまして、全国の原発について津波の緊急安全対策をするようにという指示を出しました。これは、全国の原発が福島第一原発のような大津波を被って全電源喪失、全交流電源喪失というような事態になっても大丈夫なように緊急安全対策をしなさいということで、全部の電力会社が電源車を用意したり、それから高いところに応急的な貯水槽を設けたり、ホースをたくさん用意したり、それを操作する訓練をしたり、そういうことをやっていまして、これでその安全性がまた格段に上がったようなことが言われていますけれども、この一連の事態は非常に大きな問題を含んでいます。
 二つありまして、一つは先ほど言いました第一点の問題を無視していることです。津波対策だけすれば大丈夫だなんてものではないわけで、耐震設計審査指針を見直してバックチェックもやり直さなければ安心とは言えません。それから二つ目の問題としては、保安院自らが全国の原発で大津波と全電源喪失ということを想定しなさいと言ったわけですけれども、そういうことを想定すること自体が原子炉立地審査指針というものに反しています。
 この原子炉立地審査指針というのが資料三に一枚紙で付いておりますけれども、これは一連の安全審査指針類の一番本に来るものでありまして、昭和三十九年に原子力委員会が決定したものです。
 この一枚紙、以下を略してあるんですけれども、この最初のところだけが書いてあります。原子炉立地審査指針の基本的な考え方として、原則的立地条件として、その一・一の二行目の終わりから、「万一の事故に備え、公衆の安全を確保するためには、原則的に次のような立地条件が必要である。」。その(1)ですね、「大きな事故の誘因となるような事象が過去においてなかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこと。また、災害を拡大するような事象も少ないこと。」、こういうことが原則的に立地条件として必要であるとうたっているわけです。
 ところが、大津波等、それによって全電源喪失という大きな事故ですね、これを全国の原発で想定しましょうというわけですから、これは驚くべきことです。そんなものはその立地の条件に反しているわけです。
 そもそも人間の良識というか常識から考えて、大津波をかぶるおそれのあるような場所で原発を運転するということ自体、私は正気のさたではないと思います。これはあたかも真冬に暴風雪警報が出ている北アルプスで六十歳、七十歳代の熟年ツアー登山をやろうなんて言っているようなもので、とてもおかしい。要するに、たかが原発です、要するに、たかが発電所なわけです。例えば、遭難した漁船を救うための巡視船なんというのはどんな荒波でも航海しなきゃならないでしょうけれども、発電するために何もこんな危ないものを大津波のあるところで頑張って運転することはないと私は思います。
 それから三番目、原子力安全・保安院と原子力安全委員会というものが、現状では残念ながら、これが原発擁護機関になっています。福島第一原発の事故、三・一一以降を見ていてもそうでありますけれども、今までお二人の参考人からもそういうお話ありましたけれども、私が直接かかわった例としては、二〇〇七年、柏崎刈羽原発が新潟県中越沖地震で被害を受けて全七基が止まったということがありまして、そのとき私は新潟県の小委員会の委員として議論に加わっていたんですけれども、運転再開に向けて、何人かの研究者から存在が指摘されている柏崎刈羽原発の沖合の海底活断層、非常に長大な海底活断層、これを無視しました。東京電力は、長さ三十六キロの断層だけ、その一部分だけを取り上げて、そこにM七・〇の地震を想定したんですけれども、可能性としてはもっと長大な六十キロぐらいの長いものがある可能性がある、そういうものは原発の場合は安全サイドに立って当然考慮しなければいけないんですけれども、それを無視しました。これはある意味、もう原発耐震偽装と言ってもいいことでありまして、これは詳細は資料四に書いてあります。そういうことを保安院、安全委員会も率先してというか、組織的に行ったわけです。
 これに関しては、資料四の追加という別の、後ろの方にあると思いますけれども、私はそのことをこの資料四のように岩波の「科学」という雑誌に書いたんですけれども、さらに、毎日新聞に一般向けに投稿しました。ところが、それに対して原子力安全委員会は、毎日新聞社に私が書いたその「発言席」という原稿、だから書いた責任は私にあるわけですけれども、私には何も言ってこないで、毎日新聞社にあの記事はおかしいから訂正しろ、何か取り消せというようなことを言っていった。そういうことまでありまして、非常に問題であると思います。
 実は、こういう原発を擁護するについては、非常に多くの地震、地質の専門家、研究者、それが加担しています。海底活断層を無視することに加担している。これは、日本活断層研究会という学会のシンポジウムのときの議論なんかでも、もうあからさまにそういうことが出てまいりました、ちょっと詳細は省略しますけれども。
 こういう状況は、研究者の倫理ということもありますけれども、もっと根深くは、政府系の研究機関あるいは国立大学、有名旧国立大学、そういうところの研究者が加担せざるを得ないような構造的な問題があります。反対意見があっても、まあ良心的な人はせめて黙っているぐらいのことしかできないという構造があります。これは国民にとって非常な不幸であります。
 それから四番目、そもそも日本列島は、地球上で最も原発建設に適さない場所です。資料五というのに一枚紙で地図がありますけれども、これ、世界中の地震をプロットしますと、地球上では地震というのは線状ないしはベルト状に起こっているわけですけれども、非常に活発な地震活動のベルトの中に日本列島は全域がすっぽり入ってしまうわけです。これが、面積でいいますと、日本の国土とそれから領海と排他的経済水域の一部を合計した場合、地球の表面積の〇・三%弱ですけれども、その範囲内に実に地球の全地震の約一〇%が集中しています。
 こういうところには、そもそも原発は造るべきではないのです。それはもう欧米では常識なことです。ドイツやアメリカの原子炉の規制の条件、それから、現実に日本だったらごみみたいな活断層が問題になって原発が閉鎖されたというような実例を見ても、もしフランス人やドイツ人が日本列島に住んでいれば、彼らは絶対にこんなところに原発は造らないであろうと。もう常識的なことです。日本が異常なんだと思います。
 省略しましたけど、レジュメに書いてあります(1)から(4)まで、非常に基本的な原発とそれから地震に関する条件というものがありまして、そういうことを考えれば、地震列島における原発は、制御された安全の範囲で大丈夫だから運転しようというのでは困るのです。先ほど後藤さんのお話にもありましたけれども、それでは困る。本質的な安全でなければ日本列島の上に住んでいる人間にとってはもう全く不幸であって、本質的安全というのは原発が存在しないことであると思います。
 これに関して、一番最後にあります資料五の追加という漫画がありますけれども、これは昨日、思い付いて急いでかいたんですけれども、もうこういうことでもかかなければ余りにも分からない。特に経済界の人、あるいは政治、行政、そういう話を聞いている一般国民、どうもまるで分かっていないらしいというのでかきました。
 原発というのは、本質的には世界中で同じ問題を抱えています。これは、小出さん、後藤さんから御説明があったような深刻な問題があります。ですけれども、私、地震学をやっている人間として、現実的なことを考えると、やっぱり日本の原発はフランスやドイツやそういうところの原発とは違うんです。何が違うかというと、日本の原発は地震付き原発であると。フランスやドイツと同じ原発があって、それを日本列島に建てた場合、たまたま近くで地震が起こるかもしれませんよなんというそんな生易しいものではなくて、もう日本の原発が全て、まるでおんぶお化けみたいにこうやって地震がくっついているわけで、地震とセットになってあるわけです。ですから、地震付き原発なんていうものはあっては困ると、そういうことであります。
 したがいまして、今後、新設、増設というのはやめてほしい。建設計画中のものもやめるべきでしょう。耐震設計審査指針に不備がある可能性が非常に高いとさっき言いましたけれども、現に今不備がある、その基準地震動の策定に不備があるわけで、それを再改定しなければいけないというような議論もありますけれども、もうその新設、増設をしなければ設置許可のための指針というのは要らなくなるわけで、私としては、むしろリスク評価のための指針あるいは安全運転を管理する保安のための指針というものを厳重に作り直した上で、早急に第三者機関を設立して日本列島の全原発に関してリスク評価をして、順位付けをして、リスクの高いものから順に今あるものも閉鎖していくということを真剣に考えなければいけないと思います。
 筆頭は浜岡原発でありますけれども、これは、津波対策が完了するまで取りあえず閉鎖なんてものではなくて、永久に閉鎖する必要があります。といいますのは、東海地震による地震の揺れ、それから大きな余震の続発、それから地盤の隆起、変形、それから大津波、それら全て恐ろしいのでありまして、津波対策さえすれば大丈夫というものではありません。
 これ、資料六にありますけれども、私、二〇〇九年に新政権が誕生したときに期待を込めて、浜岡を止めてほしい、原発震災を回避することが新政権の世界に対する責任であるということを書きましたけれども、残念ながらそれはやっと福島第一原発の悲劇を経験した後でなければ実現しなかった。
 この資料六の最後に書いてありますが、「手をこまぬいていれば、薬害エイズやBSE問題を超絶した不作為の大罪を犯すことになるだろう。」と、二〇〇九年に私は書きましたけれども、結局、その不作為の大罪を犯してしまったことになります。これは、でも決して現在の政府の責任だけではなくて、二十七年間の歴代の政府が積み重ねてきた国民に対する、あるいは世界に対する罪であると思います。
 それからもう一つ、浜岡以外の原発は大丈夫というふうなことが言われていますけれども、とんでもないことでありまして、もうこれはちょっと省略しますが、下に五つ黒ポツが書いてありますようにいろんな理由があって、若狭湾の原発群を始めとして、日本全国、危険な原発はたくさんあります。それらについて早急に点検をして、順次閉鎖に向かっていくことが必要です。
 済みません、あと最後に一つだけ5.を追加します。
 そうはいいましても、まだ我々は当分原発に付き合っていかなければなりません。それから、止めたからといってそれで安全なわけではなくて、使用済核燃料が原発に保管されている、それをあともう何十年も安全に管理しなければいけない。その間には地震が起こるでしょう。そういうことで、原子力災害対策特別措置法であるとか原子力防災指針、あるいはそれによるEPZの範囲、そういうものは早急に改めなければなりません。
 最後にちょっと紹介したいのは、この資料七にありますものですけれども、これはアメリカのコネティカット州で出ているこういう冊子ですけれども、(資料提示)これ二十ページぐらいのこういう冊子がコネティカット州、ニューヨークの北東にあるところですが、そこで出ています。これは何か。コネティカット州原子力発電所非常事態対策ガイドというものです。平常時からこういうものが近隣住民に漏れなく配られていて、そこには、非常事態とはどんなものであるか、つまり、私たちは非常に安全なように原発を運転していますけれども、それでもなおかつ非常事態が生じるかもしれませんということで、非常事態とはどういうものか、屋内退避、避難を指示されたらどうするか、避難移動を指示されたらどうするか、それから子供が学校、保育所に行っている場合はどうするか、そういうことが簡潔ですが漏れなく記されています。こういうものが常時配られているわけです。それから、電話帳にもちゃんと避難場所が出ています。
 そういうことを日本では何もしてこなかった。いきなりもう避難しろ、飯舘村なんて四十何キロ離れていても急に出ていけ、もう牛も置いていけ、何も置いていけと、余りにもひどいわけで、これからは早急にこういうものを原発周辺の人々に配る必要があると思います。
 以上です。
○委員長(末松信介君) 石橋参考人、ありがとうございました。
 次に、孫参考人、よろしくお願いいたします。
○参考人(孫正義君) よろしくお願いします。(資料映写)
 今、先生方から話がありましたように、原発の大いなる恐ろしさ、問題点はもう国民が十分知っておるとおりでございます。
 では、さて、原発への依存度をこれから徐々に下げていかざるを得ない、できるだけ早く下げていかなきゃいけないという中で、代わりに何のエネルギーで国民生活を維持していくことができるのか、あるいは産業を維持することができるのかということで私なりに拙い知恵を少し絞ってみました。
 今までは、事故前で原発による電気の供給というのは約三〇%、水力を入れた自然エネルギーが一〇%、その他が火力ということですが、十年後のイメージとして見ると、原発への依存度は事故後の現在の半分近くぐらいまでは少なくとも下げていかざるを得ないだろうと。四十年以上過ぎた原発は使うわけにはいかないね、地震の真上とかひびの入っているもの、これも止めなきゃいけないねというふうに、当然安全運転を強いられる。それを、じゃ何で賄うのかと。CO2を増やすわけにもいかない。したがって、省エネと自然エネルギー、ここしか結局答えはないのだろうと。省エネももちろん限界がありますので、エネルギーを供給するという意味でいくと自然エネルギーしか答えはないのだろうというふうに思います。
 そこで、現在、水力を含めて約一〇%として、これを十年後には、例えば二〇%ぐらい増加で自然エネルギーの構成比を上げるというミックスにならざるを得ないでしょうと。もし二〇%増加で増やすとしたら、何の自然エネルギーで賄うのかと。例えばの例として、太陽光を七割、風力を二割、その他を一割だと、この十年間で増加させるものとして。こういうふうに仮置きで置いてみました。
 十年後にはヨーロッパではもう三〇%、四〇%にするという国が続々と出てきておりますが、日本も三〇%ぐらいにまでは持っていくと。仮にこうするとするならば、どういうことが自然エネルギーを普及させるために必要かということで考えました。
 七ページ目が、例えばでございますけれども、ドイツは、固定買取り制度、全量買取り制度がちょうど十年前、二〇〇〇年に始まりまして、六十一円。その後、もっと加速しなければいけないということで改定されて、一キロワット当たり六十五円で全量買取り。そこから急激にドイツでは太陽光発電ブームが起きました。このように一回どんどん拍車が掛かってきますと、自然と産業界のエコシステムが回るようになるという例でございます。
 したがって、日本でもできるだけ早く、できることであれば後送りすることなく、今国会でヨーロッパ並みの全量買取り制度の法律を是非決めていただきたい。このときにおいては、党派を超えて、国難における日本の政治の決断として、是非今国会で決めていただきたいなというふうに思いますが、当然、送電網への電力会社による接続義務、あるいは用地の規制緩和というものがございます。
 この全量買取りの制度に今現在の素案では住宅用は入らないということになっておるようですが、ヨーロッパなどでは住宅用もこの枠にたしか入っているというふうに僕は記憶しておりますが、この事業用の多目的発電、メガソーラーに加えて住宅用もこういうもので促進してはどうかというふうに思います。
 送電網への接続義務、結局、幾ら太陽光あるいは風で発電しても電力会社が送電網につながないと意味がないので、これを、この下半分のところに、「ただし、電気の円滑な供給に支障が生ずるおそれのあるときを除く」と。こういうただし書がいつもくせ者でありまして、私どもは電気通信でこのただし書でいつもやられてまいりましたので、是非こういうただし書をやたら連発せずに、発電したらちゃんとつながるということを是非きっちりと担保していただきたい。
 そこで、今日新たに奇妙な名前のプロジェクトを提案します。電田プロジェクト、第二電電ではございません。電田プロジェクト、電気の田んぼという意味でございます。どうしてかといいますと、太陽発電をするのに膨大な土地が要ります。日本に膨大な土地は余り余っておりません。しかし、休耕田それから耕作放棄地、これが合わせて五十万ヘクタール以上あるということでございます。もしここに太陽光発電のパネルを敷き詰めるとどのくらいの発電ができるか。もし、全部じゃなくて二割だけここに敷き詰めたとすると、五十ギガワットの発電能力があります。これはピーク時間における原発五十基分と。現在、日本では二十基の原発が動いておりますので、大体昼間のピーク時間に一番電気が食うと、ピークマネジメントが大切なわけですけれども、そのくらいの威力のある太陽光発電が場合によってはできると。もちろん夜とか雨の日は使えませんけれども、少なくともピーク対策に大いに役立つだろうということでございます。
 しかし、今までですと、農地には農地以外のことをやっちゃいけないという日本のルールがあります。原則不許可というふうになっておりますが、ただし、公益性の高い事業に使用する場合は可というふうになっております。今国難のときで、電気が足りないという国難ですから、まさに公益性の高い発電というものは、農地であったとしても仮設置することができるという法解釈を是非すべきではないかと。法は人を守るためにある、人が国難で一番今苦しんでいるときに、人を守るための法解釈として、今の法を変えることなく、単にその法をしっかりと解釈することによって、この国難がもしかしたら救われるかもしれないということでございます。
 つまり、農地は農地のままで、農地の上に仮設置としてボルトで留めた、この斜めに置いただけの太陽光パネルというのは、そこに人が住むわけではない、工場を建てるわけでもない。したがって、いざ日本の農業の自給率の問題で農地が足りないというときには、いつでもこれを取り外してまた耕すことができるという意味で、まあ畑の上にビニールハウスを建てたりするぐらいですから、仮設置のものはこれは農地のまま建ててもよい。電気の田んぼ、どちらも太陽の恵みで成り立っているということで電田プロジェクトというふうに勝手に名付けましたが、一時的設置のものは認めるというふうにすべきだと思います。
 二番目が屋根。これは既に総理を中心に真剣に検討しておられるようでございますので、是非頑張っていただきたい。
 ということで、屋根で例えば十年間で二十ギガワット、電田プロジェクトで五十ギガワット、その他で三十、合計百ギガワットの太陽熱発電、これを実施したと仮に仮定します。これはピーク時間における原発百基分に相当しますけれども、もちろん夜とか雨の日を使えるわけではないので、ならして考えるともちろんそれよりも低いわけですけれども、その太陽に加えて、風、地熱その他で五十ギガワット、合計百五十ギガワットの発電容量を持ったとすると、自然エネルギーだけで日本の昼も夜も雨の日も含めたオールトータルの年間の発電量の約二〇%を賄うことができる。
 つまり、自然エネルギーは必要だけれども力弱しと、頼るに足らずというのが今までのイメージですが、二〇%をやるんだという覚悟を持って、そういうビジョンを持ってすれば、そこから逆算すれば、実は日本には使われていない休耕田だとかその他がたくさんあるということでございます。使われていない土地を国難のときに生かしましょうということでございます。これを、先ほど言いましたように、二〇〇九年度の年間の、雨の日も夜も含めたトータルの発電量一千百十二テラワットアワーということですけれども、それの約二〇%を今申し上げた太陽、風力、地熱その他で賄うことができるということでございます。諦めるのはまだ早いと。国難において建設的な、プロダクティブな建設的な代替案というものを是非、後送りすることなく、しかも柔軟な発想でやってみてはいかがかということでございます。
 つまり、従来のエネルギーの基本計画は二〇三〇年までに原子力発電を五〇%以上にすると、今思うと恐ろしい計画をしていたことになりますが、少なくとも、これをそのまま突き進むべきだという日本人は余りいないのではないかということでございます。これを白紙から見直すということですが、見直すのであれば是非、後で後悔しないで済むような見直し方、しかも大きく大局から物を見て、まず大掛かりな大くくりのビジョンを持って、そしてそれを着実に実現するための知恵を出してはどうかと、子供たちに安全な未来を提供するためにということでございます。
 以上です。ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 孫参考人、貴重な御意見ありがとうございました。ただし書には注意をいたしておきます。
 以上で参考人の方々からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。質疑及び答弁の際は、挙手の上、委員長の指名を待って着席のまま御発言くださいますようお願いいたします。
 なお、質疑の際には、まず各会派一名ずつ指名させていただき、その後は会派にかかわらず御発言いただけるよう整理いたしてまいりたいと思います。
 また、質疑の時間は限られておりますので、委員の一回の発言は三分程度となるよう御協力をお願い申し上げます。
 それでは、質疑のある方、挙手を願います。
 じゃ、藤原委員。
○藤原良信君 三分でございますから、大変限られた時間でございます。
 まず、参考人の皆様、大変貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。
 座って失礼いたします。
 私は、まず今回確認できたことは、大きく言って三点でございます。原子力が一番生産コストが安いと、そう言われてまいりましたけれども、結果的に一番高いエネルギーの構築につながっているということを確認がされたということ。もう一点は、我が国には、大変恐縮ですけれども、完全な原子力の専門家がいなかったということが明らかになってしまった。といいますのは、いまだに事故が起きて解決していないということです。これは数か月たっております。それから、それを管理する行政が機能不全であったということ。大きく分けてこの三点が極めて確認をされた恐ろしいことであります。
 そこで、主権在民の立場でお話しされております孫参考人にお尋ねいたします。
 主権在民の原則に基づき、国会が国民に代わって政府と官僚機構の活動を監視するのが本来の私は行政監視であると考えてございます。今回の原発事故に関しては、主権在民がひどくないがしろにされていると思っております。この原発を進めることに当たりまして、安全の確保は、今お話しされたように絶対条件であるはずでございます。それができなければ原発利用は終わってしまうはずでありますが、国会審議で、原子力安全委員会の委員長、班目委員長さんが、事故は想定を超えたものだったという驚くべき発言をされております。あってはならない発言でございますけれども、そう述べられてあるのであります。これは、主権者、国民の利益はどこに行ってしまったかということになっていってしまう。主権在民がひどくないがしろにされてしまっているのを表してあると思います。これは徹底的に国民の安全が軽視されないよう検証しなければなりませんが、それが当行政監視委員会の役割であると私は思っております。
 そこでなんですが、原子力行政は原子力基本法に基づいて行われるようになっておりますが、同法では、「原子力安全委員会は、原子力の研究、開発及び利用に関する事項のうち、安全の確保に関する事項について企画し、審議し、及び決定する。」と規定しているのであります。第五条第二項であります。つまり、現行法上、原子力安全委員会が要であり、それが機能しなければ原発の安全は確保できないわけです。ところが、現実は機能不全であることが明らかであります。
 さらに、それを是正する内部統制というのが実はあるのであります。どこにあるかというと、総務省の行政評価・監視であります。行政監視なんです。ところが、これも機能不全であることが明らかとなりました。
 これらを是正をしていかなきゃならないのが国会の役割でありまして、当委員会でもあるのであります。
 私は、そういう意味で主権在民が非常にないがしろにされている現状につながっていることを鑑みると恐ろしいことでありますので、今参考人からいろいろ御意見いただきましたけれども、孫参考人、主権在民の立場で様々発言されておりますけれども、私のただいま申し述べましたことに関しましての御意見を賜りたいと思います。
○参考人(孫正義君) いや、もう全く同感でありまして、そもそもこれだけ恐ろしい事故を多くの国民は理解していなかったのではないかと、私も含めてですけれども。したがって、その主権在民という観点からいくと、原発事故は、周辺住民ということですが、その周辺の定義がもうほぼ日本中になってきていると。つまり、原発は日本中に点在しておるわけですので、これは国民が一度直接選挙で、あるいは直接投票で原発を継続的に受け入れるべきかどうかというのを国民に問う場があってもよいのではないかという気がするぐらいの状況であります。
 特に、子供たちを抱える親にとっては、自分の代だけではなくて自分の子の代、孫の代に対してまで責任があると、心配があるということでございますし、プルトニウムが一度出てしまうと半減期になるだけで二万四千年ということですけれども、千年に一回の津波だとか地震は想定外だったと言いますけれども、二万四千年の中には千年は二十四回来るわけでございますので、千年に一回のものを想定外とそもそも言ってはならないというぐらいの状況だと。
 そういう意味で、現在住んでいる世代の人々と、子の代、孫の代、これから生まれてくる人たちの世代に対してまで我々が責任を持たなければいけないという観点からすると、まさに主権を持っている人々に、国民に一回きっちりと問う場があるべきではないかと、この原発を今後どうするかということについては。特に安全レベルを上げるべきだというふうに私は思います。
○藤原良信君 ありがとうございます。
 三分でございますから、以上で終わります。
○委員長(末松信介君) 赤石委員。
○赤石清美君 自由民主党の赤石清美と申します。
 本日は、四名の参考人の先生方、お忙しい中わざわざ当委員会にお運びいただきまして、大変ありがとうございました。また、大変貴重な御意見をいただきまして、非常に参考になりました。
 そこで私は、この国会の中でも原発の問題は様々な委員会の中で議論されております。その議論の中でも明らかにならなかった点について、四名の参考人の先生方にお伺いしたいと思います。
 まず最初に、小出参考人に御質問いたしますけれども、水蒸気爆発というものが何基かで起こっております。ところが、三月十一日から三月十五日までの間、どれだけの放射性物質が大気に放出されたのかが、データがないとか機械が故障しているとかということで明らかになっておりません。そこで、一基当たり、水蒸気爆発が起こるとどのぐらいの放射性物質が外に出されるのか、放出されるのかということをまずお伺いしたいと思います。
 それから二つ目。今、それぞれの原子炉に燃料棒、燃料のペレットが入っているわけですけれども、これがジルコニウムの合金の中に密閉していると理解しておりますけれども、この一基辺りの原子炉にどのぐらいの二酸化ウランあるいは核燃料が入っているのかについてお伺いしたいと思います。
 次に、後藤参考人に御質問をしたいと思いますけれども、先ほど、非常に最悪の状態が想定されるとありましたけれども、この圧力容器、そして原子炉容器がもし最悪の状態になったときに、これが壊れたときですね、どのようなことが想定されるのか、我々にはまだそのことが分かりません。どれだけ恐ろしいことなのかについて、これもできれば放射線量で示していただければというふうに思っています。
 それから二つ目。現在、第一原発から半径二十キロ圏を災害対策基本法に基づく警戒区域、それから二十キロ以上離れた地域のうち、葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町、こういったところの計画的避難区域、そして二十キロから三十キロの計画的避難区域から外れる大部分を緊急時避難準備区域に設定しておりますけれども、これの妥当性についてお伺いしたいと思います。
 それから、石橋参考人に御質問いたしますけれども、浜岡原発で止めて、今先生は浜岡は当然だというふうにおっしゃいましたけれども、それぞれの原発が全てリスクを持っているということは私も今日聞いて分かりました。じゃ、具体的にこの原発のリスクの順位についてどこかで議論されているのか、また、そういう議論された結果が公表されているものがあるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
 四人目の孫先生にお伺いしますけれども、脱原発戦略、先ほどいろいろ聞きました。代替エネルギーも聞きました。しかし、私は、この二十一世紀で最も大事なのはエネルギーの貯蔵技術をどうするかと。つくることも大事ですけれども、現在、貯蔵をする技術がないわけですけれども、この技術の可能性について孫先生の御見解をお願いしたい。
 以上の質問にお答えいただきたいと思います。失礼いたしました。
○参考人(小出裕章君) 御質問をいただきましたのでお答えしたいと思います。
 今、赤石さんが水蒸気爆発が起きたというふうにおっしゃいましたけれども、起きたのは水蒸気爆発ではなく水素爆発です。一号機から四号機まで全てのところで水素爆発が起きています。ただし、今までの経過を見る限りは、格納容器という容器は一定程度まだ閉じ込め機能を持っているという、そういう状態だと私は見えます。
 そういう状態の中でどれだけの放射性物質が外部に漏れてきたかということですけれども、それは、行政がこれまでに様々なデータを測定している、東京電力が測定するという中で、それなりには私は分かってきていると思います。そして、放射性物質というのは端的に言うと何百種類もの種類がありまして、非常に揮発性のものもあるし、揮発しにくくて外に飛び出しにくいというものもあるわけですが、現在までのところだと、揮発性のものを中心にして、原子炉の中に含まれていたうちの多分一〇%とかそのぐらいが私は出てきているのだと思います。
 今後のことですけれども、私が恐れているのは水蒸気爆発という爆発です。先ほど後藤さんも少しそのことを話してくださいましたけれども、水蒸気爆発が起きて圧力容器が損傷する、そして格納容器が損傷するというような事態に至ってしまうと、恐らく原子炉の中に含まれている不揮発性のものも含めて大量に環境に出てくることになるだろうと思いまして、それを私は危惧しています。何とかそういうような事態にならないように事故を収束させなければいけないわけで、そのために今福島の現地の作業員の方たちが大変な被曝をしながら苦闘を続けているということです。何とかその苦闘が実を結んでほしいと私は願っていますけれども、それでも完全に水蒸気爆発が起こらないというように私には断言できないで今現在もいるという、そういう状態です。
 それから、原子炉の中にどれだけのウランあるいは核燃料があるかということですけれども、先ほど一番初めに私は話を聞いていただいたときに、広島原爆で燃えたウランが八百グラムであるのに対して、原子力発電所では一基が一年間ごとに一トンのウランを燃やすと聞いていただきました。つまり、それだけの核分裂生成物、放射性物質を原子炉の中に蓄えながら動いてきている。それぞれ二年、三年という長期間にわたって蓄えながら動いているわけですから、一号機、二号機、三号機、四号機、それぞれがそれぞれの原子炉の中に広島原爆千発、二千発という、そういうような放射性物質を内包しているものだと、それほどの危険なものなんだということを認識していただきたいと思います。
 以上です。
○参考人(後藤政志君) 御質問の原子炉容器ですね、原子炉圧力容器が壊れた場合というお話ですが、一般的に考えますと、事故のときに壊れる壊れ方ですね、一番最初の、初期の段階でぼんと爆発的に行く、例えば水蒸気爆発が起こるとか、そういう形ですと圧力容器本体が飛びます。その場合には格納容器も一緒に壊れるモードになります。これはアルファモードと言いますけれども、そういう状態になりますと、先ほど小出参考人がおっしゃったように、中にある放射性物質が全部出てしまうと、そういう現象になり得ます。ただし、それは非常にエネルギーの高い状態です。だんだんエネルギーが少なくなってくると、圧力容器本体がそれほど飛ぶようなエネルギーにはなってこないだろうというふうに思います。
 それと、圧力容器の損傷というのは、そういう爆発的な現象だけではなくて、例えば特に加圧水型で多いんですが、非常に古いプラント、原子力プラントの寿命は何によって決まるかと申しますと、原子炉容器、原子炉圧力容器に中性子が当たりますと鋼材が脆化します。脆化というのは、金属というのは普通引っ張ると伸びるんですが、もろくなって割れます。これ脆性破壊と言います。こういう現象を起こしますと、一気にばらっと割れちゃうわけですね。こういう割れ方というのは普通は高温ではないはずなんですけど、原子炉の場合には非常に熱い状態になりますけど、中性子で劣化した状態で、例えば緊急にECCS、つまり緊急炉心冷却系で水をばんと入れます。その瞬間に、熱衝撃と言うんですけれども、急激にぐっと締まるんですね。その段階で割れる可能性があるんです。これが一番怖いモードで、運転している段階で緊急炉心冷却が働いてずぼんと割れる、これは古いプラントにあり得ます。これも同じです。もしそうなったら、もうどうしようもない状態になる。つまり、原子炉容器が壊れる壊れ方というのは、確率的にそんなに大きいとはもちろん申しません。ですけど、そのリスクが古くなればどんどん上がるということ、それから事故時には、そういう爆発的な現象があったときには原子炉本体でも決して安全ではないということ、そういうことになるかと思います。
 それからもう一つ、避難区域でしょうかね。申し訳ございませんが、避難区域に関しまして、いわゆる放射能の汚染に関して専門ではないので厳密なことを申し上げることはできないと思います。ただ、私のレベルの知識で、技術屋としての知識から申しますと、爆発的な現象とか、特に十二日の夜の段階で格納容器の圧力が二倍以上になっている、格納容器をベントしようと思ったけど、一つのバルブは開いたけどもう一つは開かなかった、そういう状態で爆発した場合を考えますと、これは最悪ですよ。近所にばあっと、大変なことになる。
 そうしますと、今でも、その想定しているというのは何をもって想定しているかなんですね。ですから、想定するというのはあくまでそこの爆発的な現象があったときを想定しているとしても、その規模、在り方によって全然変わってくるわけです、距離が。つまり、今の妥当かどうかというのは、壊れ方によるということになるわけです。最悪を考えたら、そういう今のレベルではないということは間違いございません。
○参考人(石橋克彦君) お答えします。
 御質問は、たしか浜岡以外の原発について、そのリスクの評価あるいは順位付けが行われているかどうかということだったと思うんですけれども、全く行われていません。
 現在の政府の見解は、私の理解では、五月六日ないし九日以来は浜岡だけはリスクがあると、大津波に対して、だけどほかの原発は言ってみればリスクゼロだということになっていると思います。
 そんなことはないということをさっき私申し上げたんですけれども、では、それらのリスクをどこか別のところで具体的に評価しているか、さらに順位を比べたりしているかというと、残念ながら全くありません。私は、それこそ国会の場で、現在の原子力安全・保安院でもあるいは原子力安全委員会でもない第三者機関を新設して、言ってみれば事業仕分みたいな感じで、公開の場で科学的、合理的にそのリスク評価あるいはリスクの順位付けをするようにということを国会の場で議決していただきたいと考えているくらいであります。
 以上です。
○参考人(孫正義君) 大規模の電気を貯蔵するという技術はどうしてもコストの高いものになって、今まであるのは揚水発電ということで、昼間電気がたくさん食うわけですけれども夜は余り電気が食わないということで、夜中に発電した部分を揚水で上に揚げておいて、昼間たくさん使うときに発電用にもう一回水を落とすと、そういうやり方でやっていますが。
 それはそれでありますけれども、これからの流れとしては、そういう大規模なものを更に造っていくというよりは、各家庭で一日分とか三日分とかいう電気を貯蔵するということはそう大きなコストでなくてできると思いますが、大規模に電気を長期間保存するというのは非常にコスト的に見合わないことなので余りはやらないだろうと。
 それよりは、これからは、今までは原子力優先主義と、原発優先主義という形で発電がなされて、一回稼働させると安定的に使うことのできる原発をということでございましたけれども、これからは自然エネルギー優先主義というふうに発想を切り替えて、太陽の恵みがあるとき、風の恵みがあるとき、自然の恵みのあるときはその一番害の少ない自然エネルギーを優先して使って、それがないとき、雨のとき、日が照ってないとき、その他について、風が吹いていないときは化石燃料を使ってバッファーとして補完していく、そういうことをダイナミックにコントロールすると。
 つまり、スマートグリッドがこれからは世界的に一番着目されている技術で、大規模に貯蔵するというよりは、より頭を使ってスマートに多くの場所で作られたものを切り替えながらやっていくと。そのときの重要順位を従来の原子力中心主義から自然エネルギー中心主義に切り替えるという発想の転換が大切で、これまで規制の問題についても逆だったものを今回、発想の転換で逆転させるということが大切だと思います。
○赤石清美君 四名の先生方、大変ありがとうございました。これからもそれを参考にして国会の中で大いに議論していきたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 谷合委員。
○谷合正明君 公明党の谷合です。今日は四人の参考人の皆様には、まず心からお礼を申し上げたいと思います。
 まず、私の方から、小出参考人、後藤参考人、石橋参考人に同じ質問をさせていただきます。そして、孫参考人にエネルギーの観点で質問をさせていただきます。
 まず、三人に共通した質問ですが、私、公明党でございますが、私たちも国会にこの今回の原発事故の事故調査委員会を設けるべきではないかということを提言をさせていただいております。その点におきまして石橋参考人の考えと共鳴をさせていただいたところでございますが、なぜなら、これは政府に置くのではなく国会に置くということが一つポイントになろうかと思っております。当然、国会議員だけがやるわけじゃなくて、国内外の専門家の知見を含めたそうした機関が、第三者機関が設置されるべきだと思います。
 その際に何を議論、明らかにしなければならないのかと。当然、この事故の原因だと思います。津波だけなのか、地震による影響はどうだったのか。もう一つは、政府、行政がやってきた意思決定の過程を明確にクリアにしていくということだと思います。昨日から今日にかけて、細野補佐官が海水注入をめぐる発言で、当時の状況がどうだったかこうだったか、二転三転しておりますが、まずこうした意思決定の過程、また情報の公開性がどうだったのかということをしっかり検証しなければならないと思います。
 そういう今回の福島原発に限った調査とともに、もう一つ、私はこの原子力行政、原子力安全・保安院の在り方、原子力安全委員会の関係であるとかという行政としての、行政機関がしっかり機能してきたのかという検証、そしてこの原子力行政に関するキャリアシステム、人事の問題、こうしたことも広く取り上げていくべきだと思いますが。
 こうした国会における第三者委員会というのを提言するだけでは駄目ですから、これ実現に向けてしっかり各党に働きかけていきたいと思うんですが、三人の御参考人の皆様にお伺いしたいのは、まず、この国会につくった場合に何をまず優先順位としてここの議論として検証すべきであるかということのお考えをお示ししていただきたいというふうに思います。
 そして、孫参考人には、エネルギー政策で、私もこの再生可能エネルギーの導入拡大と省エネルギー、これを追い求めていくしかないだろうと思います。ところが、その省エネルギーについて、孫参考人の最初の説明であると、やはりちょっと限界があるような感じで受け止めたんですが、むしろ私は、この両輪になるべきじゃないかと。ヨーロッパ、EU等ではネガワット、ネガティブのネガにワットというネガワットという考えがあって、百万キロワットを節約すれば百万キロワットつくったと同じような考えだという考えであります。まだまだ日本のエネルギー効率は世界に比べて先進的ではありますが、例えばこの日本の中でエネルギーのロスというものが大体平均六〇%環境中に捨てられているとも言われております。
 そういう意味では、私はこうした省エネルギーについてもこれから、今後、政策の資源の投入であるとか、そうした政府、行政の意思決定、民間も含めた意思決定が必要であると思いますが、そうしたことについての御所見を伺いたいと思います。
 以上です。
○参考人(小出裕章君) 御質問ありがとうございました。
 議会の中に原子力に関して調査をする委員会をつくると、つくってくださるということは半ば有り難いとも思いますが、今私が一番必要だと思うこと、やるべきだと思うことは、現在進行中の福島の事故をいかにしたら迅速に収束できるか、いかにしたらば作業員の人たちの被曝を少なくできるか、住民の人たちの悲惨さを少なくできるかという、そのために全力を尽くすべきときだろうと思います。
 これまでの原子力行政のどこに責任があった、欠陥があった、これからをどうすべきであるということはもちろん重要なことですけれども、それより前に、まずは今のこの事態に全力を出して向き合うべきだろうと思います。それができたときに初めて、これから原子力というものをどうするかという議論をすればいいと私は思いますが。
 今事故が進行している福島の原子力発電所というのは東京電力の発電所ですが、東京電力の給電範囲とは関係ないところにあるのですね、福島県内。福島第二原子力発電所もそうです。もう一つ東京電力は原子力発電所を持っています。柏崎刈羽原子力発電所、世界最大の原子力発電所ですけれども、それも東京電力の給電範囲ではありません。東北電力の給電範囲に造るということを東京電力はやってきたわけです。電力の一大消費地である東京だけには決して原子力発電所を建てないで、万一の事故があったらやはり困るということで、原子力発電所の立地だけは過疎地に押し付けてきたという歴史があるわけです。どうしてこんな不正が今日まで見逃されてきたのかと。行政あるいは多分議会の方もそうだろうと思いますけど、そういう不正を今日まで見逃してきたのかということを根本的に問うような委員会を是非ともつくっていただきたいと思います。
 以上です。
○参考人(後藤政志君) 私は、今対策というのは小出参考人おっしゃいましたが、それはそのとおりだと思うんですが、今のことですね。同時に、現在動いているプラントに対してのリスクといいますかね、危険性について早急に当たる必要があるので、とにかく地震、津波は当然なんです。それ以外も含めまして総合的に、老朽化した原発も含めて、早急にそういう原発に対する評価をしながら、事故原因とかそういうことを同時並行にやっていくべきじゃないかというのが一点です。
 そのときに一つ、条件と申しますか絶対必要なことがございまして、今までなぜ安全が保てなかったかということなんですね。これはどの組織についても言えます。それは利害が絡んでいたら駄目です。自分たちの、ある者の利害、ある企業でも、ある学者でも同じです。私でも同じです、技術者でも。その人の利害が優先する、つまり安全性の議論をするときには不確定な要因がいっぱいあります。そのときにバイアスが掛かったら一発でそっちに行っちゃいます、不確定ですからね。証明はできないんですよ、完全な証明というのは。安全、危険と論争になるわけです、当然。そのときに安全性を確保するという議論は、そういうことからフリーになった状態で議論がなされるというのは最低限度です。その形を取らない限りはまた事故は繰り返しますというのが私の思いです。
 ちょっとお答えになったか分かりませんが、そういう形で、思いでつくっていただけたらと、つくることは非常に重要だと、国会で、思います。
 以上です。
○参考人(石橋克彦君) 国会にそういう審査機関というか委員会というか、そういうものをつくっていただくのは非常に有り難いことだと思います。
 小出参考人のおっしゃったことはもちろん非常に大事で、小出参考人のお気持ちも痛いほど分かりますけれども、それこそ極端な言い方をすれば、あした若狭湾で大地震が起こるか、泊の沖合の海底活断層が動くか、伊方の沖の中央構造線が動くか分からないわけです。ですから、やっぱり現在動いている原発に関しても厳重に考えなければいけない。そのために福島第一原発でなぜこういうことになったのかということをきっちり検証することは、もうやっぱりこれはこれで非常に急ぐべき絶対必要なことだと思います。それを御提案のように国会でやっていただくというのは非常に有り難い、国民の一人としても有り難いことだと思います。
 御質問は、その優先順位はどうかと、何からやったらいいでしょうということだったと思うんですけれども、幾つかおっしゃったことに私は優劣が付け難いと思います。
 私は地震が専門ですので、福島第一原発の事故に関してはそもそもその地震、津波の想定がどうしてこんなことになってしまったのかというようなことが私の専門ですけれども、ですから、そういうこともそもそもやらなければいけないけれども、それから審査にどういう問題があったのか、それから、特に二〇〇九年に保安院、安全委員会が大丈夫だと言った耐震バックチェックの議論はどういうふうに行われてどういう問題があったのか、それも大事ですし、もう全てやっぱり大事だと思います。工学的なことはもちろん大事だし、それから事故処理の誤りもそれもやっぱり大事で、結局全てをやってほしいと思います。
 一つ是非お願いしたいのは、国会であれどこであれ、事故調査委員会であるとかなんとかというと、今の日本でも、非常に悲しいことに、すぐに海外から専門家を呼んでとか言うわけですよね。日本にだって人はいるじゃないかと私は思うわけです。ここにいらっしゃる小出参考人、後藤参考人、あるいは先ほど私が名前を挙げた田中三彦さん、そういう方々は非常に見識も高くて、知識も豊富で、考え方も合理的で、しかも非常に熱意あふれていらっしゃる。そういう方のことを例えば大手のマスコミなんというのは全く無視しているわけです。で、すぐに海外と言う。まるでこれは、古代の大和朝廷が反原発の人たちを隼人か蝦夷のごとくに人間じゃないと思っているように思います。本当に私はもう怒り心頭に発しています。
 国会の場であれば、それこそ主権在民の立場に立って適切と思われる方、今回は、私なんか物の数ではありませんけれども、今回こうやって呼んでいただいたのはさすがに参議院の行政委員会だと思いますけれども、そういうふうに日本にいる人材をもう一〇〇%活用していただきたい。その上で、もちろんそれを国際的に検証してもらうとかはいいでしょう。例えば鈴木達治郎さんという原子力安全委員会の委員長代理が、何か海外の人を呼んでとかアメリカの何とかNRCの人を呼んでとかおっしゃったみたいですけれども、そういうことは後から考えてほしい。まず真っ先に日本人、私たちの手でやりましょうということです。
 以上です。
○参考人(孫正義君) まず、私の直接質問ではありませんが、国会でそういういろんな委員会とか安全調査とかをするときに、こういう先生方がまずその中に入っていることが一番大きな第一歩じゃないかと。今日そういう先生方を呼ばれたというのは大変に大きな前進だと思いますが、是非、安全委員会だとか保安委員会だとかそういうところにも、こういう意見を持っておられる方の声が押し潰されないようにしていただきたいなというふうに切に願います。
 私への直接の質問ですけれども、省エネのところは、先ほどはあえて触れませんでしたけれども、おっしゃるように大変重要な部分でありまして、特に、皆さん御存じのように、電力も通信も同じですが、ピークのところの電気が一番コストが掛かって発電容量的にも大変に難しいと。また、それを超えてしまうと大停電というリスクがあるということなので、ピークカットをいかにするか、ピークシフトをいかにするかということがかなり要だというふうに思っております。
 そこで、電気の料金を今原発の事故があって値上げしなきゃいけないという議論が始まっておりますが、是非そのときに、一律の単なる値上げとかではなくて、そのピークシフトを念頭に入れた値段の検討をすべきではないかと。例えば、真夏と真冬がピークが来るわけですね。昼間にピークが来るわけです。ですから、真夏と真冬と昼間に電気代は高いと。真夜中はうんと安いと。真昼の真夏のピークのところに産業用、工業用の電気が膨大に使われていると。本来そういうものは、在庫を春とか秋のうちに作って、しかも真夜中の電気代、安いときのものを使って作ってと。ですから、そういう時間差によって電気代は十倍ぐらい差があった方がいいんではないかと。フランスではそのぐらいの差を出しているという、フランスだかドイツだか、そのぐらいの差を出しているという話も聞きます。
 つまり、ピークシフトをするためには、明快なシフトの理由を提供し、産業界は、経済活動をしておりますから当然電気のコストを計算して、そういう明確なめり張りが付けば、それに合わせて労働時間だとか在庫の生産期間を自らの意思で調整するようになる。計画停電のように無理やり押し付けてということではなくて、自らのインセンティブに合わせて行うようになる、そういう電気料金制度。単純一律値上げというのが最も愚策であろうというふうに思います。
 それからもう一つは、一般家庭用の電気代もそうなんですけれども、これも、昼間の時間と夜中の時間が一般家庭用の一般電気料金は差が付けられてない、これもおかしいのではないかということで、季節変動、時間変動、そのためにスマートメーターを一般家庭にも一日も早く、これはマストで義務付けて取り付けて、今一般家庭に付いている一般的なメーターでは時間管理がなされてないので、時間差による電気料金の差を付けられないという問題があるので、これは技術的にそういうメーターをただ取り付けて価格差を付ければ、人はおのずとそれに合わせて行動するようになる、それがあるべき議論だというふうに思います。一番効果的省エネがそこだと思います。
○委員長(末松信介君) 谷合先生、よろしいですか。
○谷合正明君 はい。ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 後藤参考人。
○参考人(後藤政志君) 済みません、一つ追加で申し上げたいことがございます。
 これから調査とか、特に安全性とかそういうこと、原発の技術にかかわるところに関しましてはどういう人材が要るかということでございます。
 もちろん、広い範囲の学者、大学の先生とか必要なんですが、やはり技術におきましては技術の現場の経験者、設計の経験の、つまり私は格納容器ですけれども、多少は勉強しているつもりなんですけれども、やはり格納容器周辺は分かりますけれども遠くなると分からないわけですね。分かる人間をきちんと入れて人を組んで、必要な人間、人材を入れてちゃんと評価をするということが絶対条件だと思います。ある肩書で、こういう肩書、どこどこ大学にしろ企業にしろ、肩書でやるのは絶対やめた方がいいです。中身においてきちんと評価ができる人間を入れない限り意味がないということが一点です。
 それともう一つは、先ほど申しましたように、企業にいますと、企業はどうしても利益団体ですからあるバイアスが掛かりますね。それはまた、そのままじゃ難しいわけですね。そうすると、現役でない人であるなり、中立になられる立場の方でそういうキャリアのある方、そういう人を入れることが必要だというふうに思います。
 以上です。済みません。
○委員長(末松信介君) 寺田委員。
○寺田典城君 みんなの党の寺田でございます。
 どうも、参考人の四人の方々には感謝申し上げます。ありがとうございます。勉強になっています。
 私は、一九四〇年生まれでございまして、七十歳です。ですから、世界第二次大戦というのもよく記憶していますし、私は、日本はまた大きな間違いを世界に起こしたなと、率直にそのように思っています、特に政治には責任があると。
 そして、ある面では産業なり役所、要するに官僚ですか、それから学問も一体になって、こういうなれ合いの結果がこういうふうな原発事故なり、想定外という言葉に出るんですが、それこそ巨大な防波堤、防潮堤というんですか、それも乗り越えるような津波も起きているということなんですね。
 私、特に、今過去を振り返ってみますと、東北六県、北海道の知事会というのは毎年二回、三回開くわけですが、その都度、福島県の佐藤栄佐久知事からは原発の問題については指摘を受けていましたけれども、東北六県、七県で、北海道も含めて、新潟も入っていますけれども、具体的な取り上げはされなかったことは事実で、これもっと、もう少しきちっと対応しておれば変わったのかなと思ったりもしております。率直に反省していますが。
 ただ、情報開示が徹底してなされなかった。福島原発でも含めて、原子力については鉄壁の固さが政府それからもちろん各省庁あったというのは、それから産業界が経済コストということも含めて原子力政策を推し進めていったということなんです。
 ところが、日本は、今考えてみますと、戦争に負けたけれども、世界で二番目の経済大国にも、ギリシャ神話よりも神話的な復活も遂げていますし、それからジャパン・アズ・ナンバーワンとか、今は落ち込んでいますけれども。その中でやはり、何というんですか、しっかりした総括は絶対的にしなきゃならないというのは私の政治的な考えで、これは社会運動としてもしていこうと、そう思っています。
 それと、今は原発を収束させることが、今は原発との戦争になっていると思うんで、闘いになっていると思いますので、するべきだと思うんですが、一つ、小出先生と後藤先生には、何というんですか、情報公開度ですね、これだけ言論の自由であってメディアがあふれている社会で、原発行政に対する情報公開度の度合いはお二方どのように考えていらっしゃるのか、その辺を一つお聞きしたいと思います。
 それと、石橋先生と孫会長さんには、これだけ財政が破綻しております、その中で復興はどうするのか。地震学から、あのような大きな津波に対応するような、何というんですか、防潮堤が必要であるのかないのかも含めて、地震学から。孫さんは多額納税者でございますから、税の使い方についてある面では今、まあ自然エネルギーのお話はよくお聞きしていますので、そういう点も含めて。何というか、私は、あの大きな防潮堤がある面では、申し訳ないことを言うんですが、あれが安全だという神話になって、私は宮古から名取まで全部見ました、ずっと海岸筋を、全てがあのとおり破壊されているような状況ですから、そういうことも含めてお聞きしたいと思います。ひとつよろしくお願いします。
 以上です。
○参考人(小出裕章君) 今情報公開について御質問をいただきましたので、幾つかお答えしたいと思います。
 私は、一九七三年の秋から愛媛県にある伊方原子力発電所に対する裁判というのを一時期かかわったことがあります。私自身も証人として出廷しました。そのころに国を相手にいろいろな論争をして、この安全性を問うためにはこういう資料が必要なんだということでしきりに要求したのですけれども、国の方から出てくるのはほとんどは白抜きです、資料が出てくると。それは、伊方の原子力発電所は基本的にはウェスチングハウスという米国のメーカーが造っていたわけですけれども、ウェスチングハウスの企業機密だということでほとんどのデータは出てこないという、そういう中で裁判を続けたことがありました。
 原子力というと、そういう常に企業機密というのが付きまとってきて情報が公開されないということはありましたし、その一端は実は核という問題、核兵器の技術開発と共通しているという部分がたくさんあるのでなかなかその情報公開になじまないということがあったのではないかと私は思います。
 それから、現在の福島事故の経過の中でも、私は情報公開ということで幾つか経験をしたことがあります。
 例えば、私自身は放射性物質を測定するということを自分の仕事の一つにしております。その仕事の中で、三月十五日に、この東京の空の空気の中にどれだけの放射能が飛んできていたのかということを測定したことがありました。その測定値はかなり高いものでした。一九八六年にチェルノブイリという原子力発電所で事故が起きて、日本にも放射能がたくさん飛んできたことがあって、日本中それが問題にされたことがあったのですが、そのときのチェルノブイリのときに飛んできた放射能に比べれば何百倍、何千倍も強いというような、そういう放射能が、まあ距離が近かったせいですけれども、福島からこの東京に到達していたのです。そのことを多分、行政の方は把握していたはずだと思いますけれども、そういうデータはなかなか出てこないという事態に私は直面したわけです。
 私は、それを測定して、京都大学原子炉実験所の中のセミナーで公表をすることにしました。そのときに、原子炉実験所の所長から声が掛かってきまして、ちょっと待てと。そういうデータを公表するとパニックをあおることになると。ですから、データはなるべく公表しない方がいいというふうに所長は私に言ったのです。その所長は私は結構信頼を寄せている所長で、話は彼とはよく合うと私は思っていますけれども、それでも一つの組織のヘッドになってしまうと、国が恐れているパニックということと軌を一にして、情報をなるべく統制して出さないようにしようという、そういう力が働いたということがあったと思います。
 多分、行政の方はもっともっとずっと厳しく測定データ等の統制をしたのだろうと私は思いますし、個人の名前は言えませんが、私の同僚でも、たくさんの圧力を受けて自分が調査をしたデータを公表できないというようなことがたくさんありました。
 そんなことがないように、私としてはパニックを抑える唯一の道は、情報を常に公開して、政府は信頼できるというふうに住民に思ってもらうということが一番だと思いますので、今後は是非ともそちらの方向に行ってほしいと願います。
 以上です。
○参考人(後藤政志君) 私の立場ですと、実は私自身も思い出したんですが、格納容器というものを設計しておりましたから、工事認可といいますか設計上の図書を出します。そこのところに、今、小出参考人がおっしゃったように伏せ字というんですかね、こことここは数字を出さないというマーキングするんです、伏せちゃうんです。これ、言っていることは、一つには特許とかそういう企業秘密ということになっているんですけど、やるときに決してそれがどこまでが企業秘密か必ずしも定かではないんですね。担当のところでこれやれと言ってだあっと附箋していたのを伏せていくような。極端なことを言うと、この数字とこの数字を足したらこれになるのが明らかなのに何でこれを伏せるんだという、そういうばかな話をしていた記憶があります。
 そのときに私は非常に矛盾を感じましたのは、事原子力のような安全にかかわるようなところでそんなこと許されないと思ったんですね。何を根拠にそれできるんだろうということは、安全性ということを全面的に我々を信頼しろと、やっている側ですが、一〇〇%、だから出さないということになるんだろうと思ったんですね、私はそのとき。ところが、実際にやってくると、今度は安全ということをきちんと考えていないと。そういう状態との情報開示との矛盾があるということが一点です。
 それともう一つ、先ほどもちょっと触れましたから思い出しましたのは、非常に大事だと思いましたのは、日本では、私の場合ですと一九八九年から原子力の仕事を始めましたけど、九〇年に入った直後くらいですね、海外と共同研究やっていたときです。シビアアクシデントですね、過酷事故と日本語で言います。こういうことは存在しなかったんです、そこまでは。存在してはいけないことだった、日本では。日本では過酷事故は存在しない、スリーマイル、チェルノブイリがあってもですね。なぜかというと、非常に信頼性が高くて、安全に造り込んでいて、チェルノブイリとは炉型が違う、スリーマイルのような失敗はしない、改善もしたと、こう言っていたわけです。だから、研究をやるときにも過酷事故と言えないんですよ。ビヨンドDBAとかいうんですけど、設計条件を超えるという表現を取るんですね。そうすると、海外の人、びっくりするんですよね、何でそういう言い方するのと。いや、日本では存在しないんだって、そういうばかな話になったんですね。これ、漫画みたいですけど、本当にそういうことがあったわけです。
 それからしばらくして、一九九二年に、原子力安全委員会の方から、やはり過酷事故というのは存在し得ると、しかし、工学的に十分安全に造り込んでいるから特に対策を要さない、だから義務化しない、規制しない、ただし事業者の自主的努力でやってくれと、これが現状なわけです。ですから、非常にねじれた関係になっているわけですね、情報開示の話とちょっとずれますけれども。
 そういう意味で、つまり、情報開示というのは、何が正しいことといいますか、何が真実か、そのことをストレートに出して持っていかない限りは、ゆがみがずっと出てくるのは当然だというふうに思います。それが、原子力には非常にそういうことが多かったというふうに私は思っております。
 以上です。
○寺田典城君 財政的に破綻していますので、石橋さんと孫さんには先ほど、どのような復興を、地震学から、石橋さんからお聞きしたいということと、ああいう大きな防波堤が飛び越えてまで来て命をなくしているという、あれがあるからかえってまた、安心して生活したかも分からないけれども事故にもつながったことがあるんじゃないのか、想定外だとよく出ているんですが。孫会長さんには、多額納税者でございますので、これから日本の復興の税の使い方についてどうお考えになるか。その二点、ひとつ。
○委員長(末松信介君) 石橋先生にも復興のお話ですか。
○寺田典城君 石橋さんの復興の話とですね。
○参考人(石橋克彦君) 財政難の折から、巨大な防波堤が一体どう役に立つかどうかというのは、原発の前に造る防波堤ではなくて、一般住民の一般的な話ですね。やっぱりケース・バイ・ケースだと思うんですよね、だから、非常に一律にはちょっとお答えしにくいと思うんですけれども。
 ちょっと御質問の趣旨からは外れますけれども、復興ということでいえば、もちろん今回の被災地、非常に広大な被災地の、東北地方からもう千葉県ぐらいまでに至る、つまり関東地方にまで及ぶ、ああいう東日本の広大な被災地の復興というのがまず第一ですけれども、もうこれは全国的な出来事でもありますから、日本全体の広い意味での復興というか、それも考えなきゃいけないと思うんですけれども、それに関連して一言言っておきたいのは、次はやっぱり首都圏直下の大地震とか、それからほぼ確実に今世紀半ばぐらいまでに起こるであろう、あるいは、三月十一日の超巨大地震によってもっと早く引き金を引かれるかもしれない西日本の超巨大地震というのが日本の命運を左右することだと思うんですよね。
 首都圏から九州まで三月十一日のようなことが起これば、もうこれは本当に大変なことでありまして、これに対する備えはやはりしなければいけない。もう西日本の太平洋岸では、各自治体も津波の想定の見直しなんかをしていると思います。場所によっては巨大な防波堤を新たに、津波防潮堤を造ろうとしているところもあるかもしれませんが、それはやっぱりその地域地域の状況によって違ってくると思います。
 ただ、私個人としては、私個人の基本的な考え方は、最新の技術を駆使して鉄とコンクリートで大自然に立ち向かって、もう大自然と全面戦争みたいにするというのは私は反対でありまして、大自然の摂理に逆らわずに、人間の方が自然を畏怖して、畏敬して、譲るべきところは譲ると、だから住み方を変えるというようなことの方が大事だと思っております。ですけれども、例えば住宅の高地への移転なんていうのがどうしてもできないとか、あるいは住民がそれは嫌だというようなところは、低地に住み続けてその前に、前面に防波堤を造らざるを得ないところもあるかもしれませんので、それはその場所その場所で考えていくよりほかないだろうというふうに思います。
 以上です。
○参考人(孫正義君) 先ほど自然エネルギーによる発電ということを申し上げましたけれども、例えば太陽でいいますと、膨大な土地が要ると。今回の東日本の大震災で広大な土地に海の塩をかぶってしまった、しばらく何年間もこれは畑として使えないというような問題があると。あるのに使えない土地、そこに例えば太陽パネルを張る、あるいは風力発電の風車を設置すると。
 防波堤をどんなに高いものを造っても、その巨大なコストと、それから、それでもまたそれを乗り越える波が来たらどうしようというのがあるわけなので、そこに巨大なコストと巨大な防波堤を造るよりは、そこそこの安心できる防波堤は必要ですが、防波堤のすぐそばに今度はまた民家を造るのではなくて、そこは当分の間は太陽パネルを敷くと、あるいは風車を置くということで、民家はできるだけ山裾に近いところに、平家建てではなくて高層住宅にして、万が一のときでも屋上に逃げればいいというような形で、やはり、今、石橋先生もおっしゃいましたように、自然と格闘するのではなくて、自然を想定してそれに見合った町の設計をすべきだろうというふうに思います。
 先ほど自然エネルギーの全量買取り制と申し上げましたけれども、東日本のソーラーベルトというようなものにおいては、その災害地区においては買取り価格を一時的に少し上乗せすると。例えば、三年間以内にそこに着工すれば通常の買取り価格よりも二割、三割上乗せして買い取ると。そうすると、膨大な雇用がそこに生まれますし、復興が促進され、利用できていない、当分何年間も利用できないであろう土地にボルト式で止めたパネルがあると。もし塩害が終わって後々そこをまた再利用しようというときには、パネルをボルトを外してほかに移転すると。あと、塩のメッキ、こういうようなものには三割ほどパネルの製造コストが上がると。パネルの製造コストと後に移転するコスト、ですから、その分のコストを買取り価格に少し上乗せすれば、復興及び有効活用が同時にできるんではないかなと、こういうふうに思います。
○寺田典城君 どうも今日はありがとうございました。
○委員長(末松信介君) じゃ、石橋参考人。
○参考人(石橋克彦君) 済みません、さっき一言言いかけて、そこで言い忘れたんですけど。
 先ほど私、復興というのが東日本大震災の被災地だけではなくて日本全国の問題だということを言いましたけれども、それの関連で、直接今日の話題ではないので恐縮ですけれども、皆さんの頭の隅にちょっと留めておいていただければ有り難いと思うことは、さっき言いましたように、今後、首都圏あるいは中京圏、関西圏、そういうところがもう壊滅的な被害を受ける可能性は十分あるので、今こそ分散型の国土というようなことを念頭に置いた東北地方の復興もしなければいけないと思います。
 例えば、大阪なら大阪を今と同じ、例えば東京がやられたときのための副首都のつもりで最先端の鉄とコンクリートの技術を使ってがっちりするとか、そういうことをやっていたらもう本当に日本は駄目になっちゃうかもしれないので、もっと広く薄く伸びやかに分散型にして、これはエネルギーの問題にも電力の問題にも関係してくるわけで、分散型の発電・送電システム、スマートグリッドとかそういうことにも国土全体としては関係するわけです。
 そういう観点で、これ大変僣越ですけれども、なお一言余計なことを言えば、東北地方の復興もそういう観点で、つまり、東京以西がやられたときのために日本の緩やかな中心に将来なり得るくらいの視野を持って考えていく必要もあるんではないかと考えております。
 以上です。
○委員長(末松信介君) ありがとうございます。
 田村委員。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は、産業として活用するだけの技術に日本の原子力発電所、達していないと、そういう御指摘を受けましたから、今後、国会の中でも日本の原子力発電所全体をどうしていくのかということを真剣に議論をしていかなければならないと思っています。
 二つに分けてお聞きをしたいんですけれども、まず石橋参考人にお聞きをしたいんです。浜岡原発の問題です。
 この浜岡原発の停止をめぐっては、実は国会では様々な議論が行われています。私たちは、そもそも大きな地震の震源域、起こるであろう地震の震源域に原子力発電所を造ったこと自体が誤りであって、これは一時的な停止ではなくて、やっぱり廃炉を前提とした安全対策を進めるべきだというふうに考えているんですけれども、一方で、金曜日の予算委員会も、東海地震発生の確率が高いから止めたと、これは停止要請の根拠にならないという議論が国会の中で行われました。また、政府自身からも、緊急安全対策が取られて安全性が確認されれば再稼働を認めると菅首相が述べたり、耐震安全対策、耐震の安全対策は適切に講じられてきていると海江田経済産業大臣がコメントしたりしているんですね。このことについて石橋参考人の御意見を是非お聞きしたいと思います。
○参考人(石橋克彦君) 先ほどもちょっと簡単に申しましたけれども、今おっしゃった国会での議論あるいは政府の答弁というのは、私は全く地震の研究者としては納得できません。
 まず、八七%だから取りあえず止めてくれというのは理由になっていないというような議論は、それは私も何かそういう議論があるというのを聞きましたけれども、八七という数字ははっきり言って当てにならないんです。だけれども、ほとんど非常に大多数の地震の研究者が東海地震はほぼ確実に起こると、近い将来起こるでしょうと、数字では表せないけれども、そう思っていることはこれは確実です。
 起こるとすれば、遠州灘のはるか沖合とかそういうところではなくて、駿河湾とそれから駿河湾西岸の陸地を含んで、浜岡の真下も含んで、天竜川河口ぐらいの、そういうまさに今中央防災会議が想定しているああいうところで起こるでしょうというのは、細かい学問的な議論は別として、大局的にはそれはもう一致した見解でありまして、そういう意味では、ターゲットですね、これ地震学者で敵という言葉を使う人がいるんですけれども、私は地震を敵と言うのは好きではありませんので言いませんけれども、まあ原発に対する相手側ですね、そういうもののイメージが非常に明瞭に見えている、そうしてそれが近い将来ほぼ確実に起こるだろうと考えられている、そういうことは非常に重要なことでありまして、これは絶対無視できない。
 そういう真上に建っているものを、取りあえずか永久にかはちょっとまず今は別として、止めましょう、今止めましょう。とにかく一〇〇%というか、私は絶対的に安全でなければ困ると思いますけれども、そうしましょうというこの判断自体は全く問題ないので、したがって、八七%だから止めるというのはおかしいという理屈は全くナンセンスだと思います。
 次に、じゃその耐震、地震の揺れに対する対策が万全であるから津波対策だけが整えばいいかというのは、これは私は全く間違いだと思います。東京電力は、その基準地震動という揺れを一応八百、昔は六百ガルだったものを八百ガルという、ガルというのは加速度の単位ですけれども、最大加速度八百ガルというふうにちょっと上げまして、なお念のため、千ガルまでは耐えるようにするといって耐震補強をしているわけですけれども、私はもっと、つまり二〇〇七年の柏崎刈羽原子力発電所を襲った新潟県中越沖地震のときは柏崎刈羽一号機の下で千六百九十九ガルというものを記録したわけで、そのぐらいに達する可能性は十分あると、否定できないと思いますので、千ガルまで考えているから大丈夫だなんということは到底言えない。
 それから、浜岡のちょっと細かい説明しますと、駿河湾西岸から御前崎を通って、浜岡を通って天竜川河口の東側ぐらいまでは、東海地震が起こればほぼ確実に一、二メートル、場所によっては二、三メートル隆起するだろうと。これはもちろん場所によってそうじゃないところがあるかもしれませんけど、現在の地震学のそれこそ科学的な知見からはそういうふうに隆起する可能性があると考えるのが妥当です。過去、一八五四年の安政東海地震のときにはそういうふうに隆起しました。
 その隆起が、例えば浜岡原子力発電所の敷地全体で一枚岩のように、まるでそこに大きな鉄板が敷いてあるように静々と隆起するのならそれはいいかもしれませんけれども、地殻変動といって、うんと深いところから全体が隆起するわけですけれども、その上に乗っている地盤はそれによって破壊される可能性は十分ある。H断層系とかいろんな断層が浜岡の構内にいっぱいあるわけです。それがずれたことはないよとかいう話もありますけれども、そういう大きな隆起が起こると、一九二三年の関東地震なんかのときもそうでしたけど、上の地面が凸凹に破壊されたりする場所はあるわけで、そういうことが起これば、例えば原子炉建屋とタービン建屋の間で隆起量が違ってくるとか、そういうことも起こるかもしれないし、それから復水器に海水を取り入れる取水管、あるいは排水管、そういう水路があるわけだけど、そういうものが壊れるかもしれないし、それから巨大な、十二メートルと言ったり十五メートルと言ったりしてますけれども、そういう防波壁を造れば大丈夫だと言うけど、そんなものは根底が隆起すれば壊れてしまうかもしれないわけで、地震で壊れて、その少し後に大津波が来れば役に立たないかもしれないわけですから、二、三年掛けて今考えられている津波対策を整えれば大丈夫だなんということは、地震学者としては全く言えません。
 もうまさに浜岡というのは地雷原の上でカーニバルかなんかやっているようなもので……
○委員長(末松信介君) 先生、ちょっと答弁おまとめいただけましたらと思います。
○参考人(石橋克彦君) はい。以上です。
○田村智子君 済みません、もう一点だけ。
 ありがとうございました。是非今度はその提言が生かされるように、やっぱり政治の責任が問われていると思います。
 小出参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほど格納容器の専門家は格納容器だけと、その周辺のことは知らないというか分からないのが……(発言する者あり)ごめんなさい、後藤参考人、という御発言があって私もちょっと驚いたんですけれども。そうなりますと、今の東電の事故なんですけれども、事故が連鎖的に次々に起きていくとか、最悪の事態がこうだというようなことを専門的に検討できるような部署というのが果たして東電の中にあるんだろうかということ。
 あと、小出参考人と石橋参考人、済みません、短時間でいいのでもう一点だけお答えいただきたいのは、やっぱりそういう危険性を権限を持って調査をし、監視をし、そして規制をするという機関が日本にないということが非常に問題だと私たちは思っているんですね。
 国際条約である原子力の安全に関する条約の中には、法的権限を持って規制の機関を各国は持つべきだと、それは原子力の発電所の推進機関とは別であるべきだと。そこの機関が建設についても運転や廃止についての措置も権限を持つと、そういう機関をつくることを各国に求めているわけですね。
 やっぱりこれがないと。この事故の収束に当たってもこうした権限を持った規制機関というのをつくること、これ急がれているんじゃないかと思いますが、その点についての御意見を伺いたいと思います。
○委員長(末松信介君) この際、参考人の先生方にお願い申し上げます。
 時間が大分経過をいたしてまいりまして、できましたら答弁は簡潔に、かつ、あんこの部分でぱっとお願いしたいと。たくさんの先生方が引き続き御質問されたいそうでございますけれども、取りあえず一巡目は、田村先生、中山先生までにはより丁寧にお答えいただきますようお願い申し上げます。
○参考人(後藤政志君) 格納容器以外は分からないという話ですが、一般的にかなり細分化してあるというのが一点です。それとあと、電力さんの中ではそれなりに、運転なら運転、全体を通してですね、もちろんやっていらっしゃる方がいる。ただし、こういうシビアアクシデント、こういう状態になると、相当な専門性があって、やっぱりメーカーも多分サポートしていると思いますけれども、ただ、いずれにしてもやっぱり限界があるんですね、みんな。それを総合化するのは非常に難しいことなんです。そういうことを申し上げているわけですね、一般的にです。
○参考人(小出裕章君) 権限を持った委員会というのは是非とも必要だと思います。特に、日本の原子力の場合に一体じゃ誰がそれをまずやるべきだったのかというなら、私は原子力安全委員会こそがそれをやるべきだったと思うのですが、今回の事故経過を見てもそうですけれども、安全委員会はもうほとんど登場の余地すらないという、そういう委員会だったわけですね。ですから、もっと実質的に力のある委員会というものを構成し直さなければいけないと私は思います。
 それから、原子力安全・保安院の方も今日は来てくださっていますけれども、安全・保安院というところも、本来の仕事であれば原子力の安全を守るということが仕事のはずですけれども、それが経済産業省の中にあって、推進をする組織の中に取り込まれてしまっていると。原子力の場合には、全てが原子力を進めるために、規制の仕事すらがその中に取り込まれてしまって、よくこのごろは聞くようになりましたけど、原子力村という一つに囲い込まれてしまうような形で今日まで来てしまったと、そこに不幸があるだろうと私は思います。
 以上です。
○参考人(石橋克彦君) 多分、私にも質問されたと思いますのでお答えします。
 おっしゃるとおり、その権限を持ったきちんとした規制機関を是非確立しなければいけないと思います。アメリカのNRCなんというのはもっとずっとスタッフもはるかに多くて強力なわけで。
 あと一つ、知識として御参考までに申し上げますと、今原子力安全委員会の話が小出参考人から出ましたけれども、一九九九年にジェー・シー・オーの事故というのがありました、東海村で。このときは原子力安全委員会がもう少し存在が見えました。委員長代理の住田さんが現場へ飛び込んで中性子線を防ぐということで、非常に活躍なさった。それがなぜ今こうなのか。実は、二〇〇一年一月の中央省庁再編によって原子力安全委員会のかつての事務局であった科技庁は解体された。原子力安全委員会は全くその牙を抜かれたようなところがあります。そうして、経済産業省にほとんど全てが集中されてしまった、原子力推進と原子力規制とが。もう圧倒的に保安院の力が強くなって安全委員会の影が薄くなった。そういう事実、状況があります。
 以上です。
○田村智子君 ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) それでは、中山委員。
○中山恭子君 今日は貴重なお話をいただきまして、ありがとうございます。
 私自身、原子力、全く素人なものですから、報道を見ながら心配しながら過ごしてまいりました。その非常に初歩的な質問かもしれませんが、報道でいろいろ解説してくださる方々というのが何人もたくさんいらして、政府だけではなくていろんな方が説明してくださるんですけれども、どの話を聞いても、本当だろうかと、これでいいんだろうかというような常に疑いの目を持ちながら発表を見てまいりました。例えば、先ほどお話がありました三月十二日の段階で、多分専門家の方は溶融の可能性もどこかに見えていらしたはずだと思いますが、そういったことについては全く知らされておりませんでした。
 それから、そういった意味で、政府ないし全国に報道する発表については、やはりそういったことも含めて専門の方が、何というか、自信を持った形で発言していれば、それから小出先生おっしゃったように、私自身は自分でも行政の長い生活してきましたけれども、自分が持っている情報と、それから一般の方々が同じ情報を持っていれば判断は大体同じ方向へ行くはずだという考えがございまして、例えば拉致問題に関しましても自分が分かっていることはみんな知っていてほしいという、そういう考えで動いてまいりました。
 日本人というのは、日本人というか日本の人々は信頼できる人々だと言い切れると思っておりまして、何か違うことをしゃべったらパニックが起きるということは決してない、非常に高い質を持った人々であるということを考えた上で発表してもらえたらと思うんですが、ただこの場合、どういう方に発表してもらうということが国民全体で安心した形が取れるんだろうかという思いがありまして、その形をどういう形がいいのか、お考えがあったら教えていただきたいと思っています。
 それから、お三方の話を聞いて共通していることというのが、小出先生は危険を大きめに評価しておく必要がある、それから後藤先生は安全の哲学が不在だ、非常に大きなテーマだと、石橋先生は本質的な安全というものが日本の場合欠けているというお話でございました。
 この安全に対する哲学というんでしょうか、日本の中でこれがないということをみんなでもう一度しっかり考え直す必要があるのではないかと思っております。
 例えば、個別的に、小出先生、福島の土地、福島県くらいの土地が使えなくなるのではないかというお話がありました。これは私どもみんな心配している点なものですから、ちょっと何かお考えがあれば教えていただきたい。それともう一つは、収束できるかどうか、こういったことについて、例えばこういう不安があるとか、可能性はあるけれどもまだまだだというような、その素直なお考えをお知らせいただけたら有り難いと思っています。
 また、後藤先生には、その人為的ミスというのがどこかで生じているのではないかというお話でしたが、その点について。
 石橋先生には、ナマズでしょうか、あれは、地震付きの原発という非常に分かりやすい図をお示しいただきました。その地震から見て、これまでにもお話出ていますけれども、ただ、東日本で地震が起きるということはほとんど私などは分かっておりませんでした。この次の地震に対する備えというもの、それから電力についてどう考えていらっしゃるか、教えていただきたいと思います。
 また、孫参考人には、このみんなが沈んでいる中で、非常に何か光があるようなお話をいただきまして、ありがとうございます。建設的に柔軟に対応できるということで、多くの人々が力を得たことであろうと思っていますが、太陽光の、ちょっと何か心配点があるとしたらどんなことか。また、水力発電については無理なのでしょうか。それから、全体としての電力の在り方を私ども全員でもう一度考え直す必要があると思っております。
 ちょっとたくさんの質問ですが、よろしくお願いいたします。
○委員長(末松信介君) それでは、できましたら簡潔に御答弁をお願いします。
○参考人(小出裕章君) 私、二つお答えしたいと思います。
 まず一つは、現在の福島の事故を収束できるかどうかということですけれども、もちろん、一刻も早く収束したいと私は思っています。強く願っていますけれども、事態は私が思っていた以上にどんどんどんどん悪くなってきていると思います。
 今現在、原子炉を冷やすためにずっと外から水を入れ続けてきたわけですけれども、絶対やらなければいけない仕事だったのですが、そのために既に福島の原発の敷地の中には九万トンもの汚染水がたまってしまっているという、そういう状態になって、その汚染水をどうしていいかすらが分からないという状態に追い込まれてしまっているわけです。その汚染水を何とかしない限りは現場での作業自身が物すごい被曝環境になってしまってできないということにも追い込まれているわけですから、とても苦しい闘いがこれからも続くと思います。
 そして、私は、外から水を入れてそれがあふれるようなことは何とか避けなければならないので、循環式の冷却回路を造るべきだと当初からずっと言ってきました。東京電力もそれを造ろうと努力をしてきているわけですけれども、最近のデータを見ますと、私はもう既にその循環式の冷却回路ができないのではないかというように思うようになってきました。
 それはなぜかというと、既に原子炉が完璧に炉心溶融をしてしまっていて、圧力容器という巨大な圧力がまが既に破損している、そして一部もう格納容器までが破損しているのではないかという、そういう推測が出てきているわけで、そうなってしまいますと循環式の回路はできないと私は思います。
 ですから、もっと現在の状況を厳しく考えて、テクニカルな知識を持っている人たちを集めて、本当にこれから何ができるかということを一刻も早く立案をし直さなければいけないときだと私は思います。
 それから二点目、土地どうするかということですが、日本にはもちろん放射線に関する被曝の法律があります。一般の方々に関して言えば、一年間に一ミリシーベルト以上の被曝は許さないという法律があります。そして、一平方メートル当たり四万ベクレル以上の汚染があるところは放射線の管理区域にしなければいけないという、そういう法律もあります。
 そして、その法律をもし厳密に適用しようとするならば、先ほども私、聞いていただいたように、福島県全体を無人地帯にしなければいけないという、そういう事態に追い込まれるのだろうと私は思います。でも、それは多分不可能ではないかと思います。私は、何とか人々の被曝をしないようにと行政や皆さん議会の方々にも動いてほしいとは思いますけれども、でも、それをどうしてもやってしまうと、人々のふるさとを追う、難民にするということになってしまうわけですから、本当にどういう施策を取るのがいいのかということを真剣に皆さんも考えていただきたいと思います。
 以上です。
○参考人(後藤政志君) 人的ミスにつきましてお答え申し上げます。
 ヒューマンファクターとかヒューマンエラーとか申しますけれども、技術において一番核になる一つです。安全設計の概念では、考え方では、物が故障する、それから人がミスをするのは当たり前で、前提条件にします。それをしても絶対に事故にならないようにするのが設計です、安全設計です。これがなかったら成立しないんですね。なぜかといいますと、人間というのは非常に、私なんかもよくやりますけれども、右だ右だと言いながら左にハンドル切ったりやるわけですよね。これ、普通にあるんですね、エラーが。そうすると、一万回やったらどのくらいエラーがあるかってあるわけです、実際に起きる。そうすると、人の注意力で頼るというのは無理がある。だから、それは技術でカバーするというのが考え方だと、そういうふうに思っております。原発では特に重要になります。
 今回の地震と津波、事故について申しますと、いろんな今議論があります。例えばベントするタイミングが遅れたとか遅れないとか、これも考えようによってヒューマンエラーと言っていいかどうか、ファクターなんですね。ただ、私はそのことを事故原因に、こいつが悪い、これがいけないという物の見方はしない。それは単に事故のプロセスの一つにすぎないというふうに見ております。
 以上です。
○参考人(石橋克彦君) 私は、今後の日本列島の地震活動と原子力発電所という観点でごく簡単にお答えしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 私のレジュメの下から三行目に、活断層地震が過小評価されている原発として幾つも名前が挙がっておりますけれども、三月十一日の地震の前から日本中の非常に多くの原子力発電所でナマズ付き原発だということは分かっていたわけですが、三月十一日のあの東北地方太平洋沖超巨大地震によって日本列島全体が一層活発化するだろうということを多くの地震学者が言っているわけで、それによって全国のナマズ付き原発のナマズの姿が一層鮮明になってきたというか、もうもぞもぞする感じがしてきたということでありまして、ですから、やはりそれを厳重に念頭に置いた上で今後の原子力政策を考える必要があると思います。
○中山恭子君 もう一言。
○参考人(石橋克彦君) いや、ですから、やっぱり私がここを止めろ、あそこを止めろと言うのはちょっと僣越だと思うので、早急に第三者機関で全国の原発のリスク評価をして、リスクの高い順に閉鎖していく必要が、これはもう本当に急ぐことであります。
○中山恭子君 ありがとうございました。
○参考人(孫正義君) 原発が事故が今回起きてしまったと、これから新たに起きるのをできるだけ早く防ぐというのが今議論されているとおりで、是非それをやっていただきたいと。
 それで、起きてしまった事故の点については、特に私が心配しているのは、福島の子供たち、これを原発の労働者並みの年間二十ミリというレベルで放置していいのかと。是非十ミリとかあるいはそれ以下というふうに基準をできるだけ早く先生方で議論していただき、見直していただきたい。
 もう一点は、今までの政府報告はほとんどがガンマ線だけの報告しかされていないということについても私は重大な疑問を持っていると。特に、体内被曝ということで、是非その点でも再検討いただきたいというふうに思います。
 起きてしまったことと、これから起きないようにするということが二点ですが、三点目は、先ほどから僕が申し上げている代替エネルギーを一日も早くつくらないといけないということなんですが、皆さん御存じだか知りませんけれども、例えば風の、風力の発電をするのに環境アセスメントで三年間ぐらい、今まで調査、手続が必要なんですけれども、その環境アセスメントの最後の難関といいますか、突破すべき門番は原子力安全・保安院が担っているということのようでございます。恐らく皆さんがへえということだと思いますけれども、なぜ風の環境アセスメントで原子力安全・保安院がそこで顔を出してくるのか。是非、そういうことについても見直していただくべきではないかと。代替エネルギーが今まではつくられないようにつくられないようにというような規制になっていたような気がしてならない。
 それから、水についても、これから是非小水力だとかいろんなものも積極的に検討すべきだと思いますが、地熱についても、今八割のところが国定公園内にあると、地熱の有効な資源の場所が。これも是非、国定公園といえども有力な地熱の候補になるところについては柔軟に発想して、国定公園でも余り人が行っていないようなところもたくさんありますので、是非それも見直して、むしろ観光スポットになるような形に変えていくということも可能ではないか。
 ですから、是非今までの発想を変えて、積極的な代替エネルギーで安心、安全の国に変えるということがいいんではないかと思います。
○中山恭子君 ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 質問の希望者の先生方が大変多うございます。十六時を若干回りますケースが出てくるかもしれませんけれども、次の御予定が先生方おありでしたら今のうちにちょっとおっしゃっていただけたら。十六時十分ごろになっても構いませんですか。──御協力ありがとうございます。
 それでは、大島理事。
○大島九州男君 今日はどうもありがとうございました。
 今、参議院のホームページが途中、パンクして見れなくなったというような想定外もあるようでございますけれども、四人の参考人の先生方においでをいただきましたことに対して感謝を申し上げます。
 理念なき政治と道徳なき商業ということで、今回の原発の最初の対応について小出参考人と後藤参考人の方にお伺いをしたいんですが、元々、炉を生かそうとしたという、そういう欲の執着があったから対応が遅れたんじゃないかという考え方が一つ。それと、水を入れることによって再臨界を起こすということは、制御棒がちゃんときっちり入っていればそういうことは起こらないはずですよね。そういう懸念があるかないかというのは、どうなっているか分からない状況の中で、メルトダウンしていてもう下の方に固まっていれば、考えられるのは再臨界よりも水蒸気爆発だというようなことは想定できたんではないかと。
 だから、そこら辺で、水を入れるか入れないかというようなことで、一度菅総理が止めたとか止めないとか言われていますけれども、そこら辺の初期の判断についてどうだったかというのをちょっと感想としてお二人、述べていただきたい。
 それで、石橋参考人には、浜岡原発を止めるということを先生は提唱されていて、今回の政府はそれを遅ればせながらでもやったと、そのことについては評価をいただいていると思うんですが、先生、個人的な御意見でいいので、その浜岡原発の後、次のこの原発は止めた方がいいんじゃないのと、もしこれが駄目だと言えないということになれば、地域的にこの地域は起こる確率が非常に高いということを個人的に率直に御意見をいただければと。
 最後に、孫参考人には、三月の七日に、私はニューヨークでデービッド・ロックフェラー・ジュニアと、CO2を使わないでエネルギーを使っていくためにどうするかということの教育を日本でやるためにというのをミーティングをしてきて、すぐ、帰ってきたらこういう震災が起こったと。
 デービッドからメッセージが来たのは、ニューヨークでバスの事故が起こったと。そして十六人ぐらい亡くなったけれども、バスに乗るなとは言わないと。じゃ、それは今ある原子力、この原子力をいかに安全に使っていくかということをやりながら、新しいエネルギー、代替エネルギーをやってCO2を出さないようにしなければならない。まさに化石燃料のロックフェラーがそういうことをおっしゃるということは、本当に道徳のある商業者、ビジネスマンだと、経済人だという、私はそういう理解をしたんですね。
 そういった意味で、孫さんには、今日本の電力は地産地消でそれぞれ、温泉だったら地熱と太陽と風力、山だったら太陽パネルと風力、海だったら水上パネルだとか水上風力、そして潮力の発電、そしてまた川だったら流れてくる水車のような形でやっていく、小さくてもいいからそういった発電をしっかりやっていくということが大変大事だというふうに思っていて、その件に関して孫さんがもっともっと発信をしていただけると大きく動いていくんじゃないかというのもありますので、その見解を一つ。
 田嶋政務官には、今日の議論を聞いていただいて、日本が今後エネルギー政策としてこの自然エネルギーをどれだけ大事に促進していかなきゃいけないかというような思いがあったら是非お願いしたいと思います。
○委員長(末松信介君) 意欲的に五問、御質問をされました。
 それでは、簡潔にお願いをいたします。
○参考人(後藤政志君) 海水を入れた件ですね。遅れた、何か気になって、もし入れると炉が駄目になるとかそういうこともありましたけれども、それは私、それに関しては情報から確かめることができませんので今は保留します。
 そのことよりは、海水を入れるのは当たり前であって、とにかく冷やさなきゃいけない、水がなかったら冷やすと、これが一点です。ただし、ちゅうちょすることがあっても理由を聞かないと分かりません。その当事者が何を心配したか。例えば再臨界の可能性があるのかないのかといったときに、再臨界の可能性なんてないよって言った方が、本当に再臨界は絶対ないと言い切れるかって聞いたら、必ず違うんです。いや、ほとんどないと思うという答えになる。ですから、可能性としてはなしとしないというか、例えばそんな表現を取るとかね。つまり、可能性の問題ですので絶対があり得ないんです、事故時ですから。そうすると、どれがどうだというのは後で検証の問題だというふうに思います。
○参考人(小出裕章君) 今、後藤さんが基本的に答えてくださったのでちょっと別なことを言います。
 私は京都大学原子炉実験所で原子炉とか様々な放射能を扱う現場で働いている人間です。そこでももちろん事故が起きる可能性があります。では、事故が起きたときにその事故を収束させるための知識を一体誰が持っているかといえば、やはり私たち京都大学原子炉実験所の所員だと思います。福島の原発で事故を起こしたときに、その事故をどうやったら収束できるかということは福島の人たちが一番よく知っていたんだと私は思います。
 そういう人たちが一切の電源が使えないという中で大変な苦闘をして事故を収束させようとしていたわけですけれども、それに対して、東京電力の本社が例えば海水を入れたらば原子炉が使えなくなってしまうから困るとか、あるいは、官邸が何かいいかげんな情報でその海水注入をストップさせるというふうなことをやったかのように今報道されているわけですけれども、そういうことは決してあってはならないと思います。
 もう一刻を争うような本当に戦争のような事態が進行しているわけですから、現場というものをとにかくサポートするという、そのような行動が必要だったと思いますし、これからももし、浜岡も今それこそ事故になるかもしれないわけですし、今回のことを教訓にして現場を支えるような体制というのをつくっていただきたいと思います。
 以上です。
○参考人(石橋克彦君) 自然の神様は意地悪ですので、ここと言えば必ずそこではないところで起こると思いますけれども、言えと言われれば、やはり心配なのは若狭湾地域ですね。それと、だけど、どこというよりはやっぱりまず古いもの。実は若狭湾には四十年を超えたものが幾つかあるわけです。ほかにもでも古いものがあります。三十五年以上のものはもっとあちこちにいっぱいあります。やっぱり古い順。それからもう一つは、炉の形ですね。沸騰水型であれば、今回福島第一で問題になったマークT、これは全国各地の古いところにありますから、そういうものです。これはやむを得ずお答えいたしました。
○参考人(孫正義君) ベストミックス、これがキーワードだと思います。ですから、それぞれの地域に一番合ったその太陽なり小水力なり、あるいは風なり地熱なりと、それを分散型で、しかもスマートグリッドでつないでというところがポイントだと思います。
○大臣政務官(田嶋要君) 海江田大臣もよくおっしゃっておりますけれども、やはり安全神話というものがまずあったということだというふうに私も思っております。そういう意味では、まさにいろいろな方からおっしゃっていただいています。今まで原発を推進するというこういうこともあった、国策でやってきた、しかし、そういう経産省だからこそ、こういうことをきっかけにして、本当に全ての先入観を取り除いてもう一度ゼロベースで議論していかなきゃいけない、エネルギー基本計画も含めてしていかなきゃいけないというふうに思っております。
 私は今政務官でございますが、ちょうど、実はたまたま先週、孫さんのお話をしていたところなんですけれども、まさに孫さんのようにああいうビッグな構想をまず打ち上げることも大変私は重要だと思っています。そうすると、恐らく一方で、理想はそうかもしれないけど現実はなかなか安定した電力がとか、そういう議論になりかねないわけでございますが、そういう現実的な思考をしているからこそ、まず理想を掲げてそこに突き進むというベンチャーマインドはこの国には足りないのかもしれない。両面があると思っておりますので、こういったことをきっかけにやはり全てをもう一度考えていかなきゃいけないと私は思っております。
○委員長(末松信介君) じゃ、松村理事。
○松村龍二君 一つだけ質問をさせていただきます、石橋先生に御質問で。
 ただいまいろいろ答えが出てきたような感じもあるわけですが、私、福井県出身でございまして、若狭に御承知のように十四、原発があるわけでございます。しかし、若狭も非常に平穏なところでありまして、過去には大地震があったということは聞かない。敦賀の近くに活断層があるということは県民もみんな知っておりますけれども、また津波も、かつて秋田の方で津波があったというような思いもなくて、津波もほとんどない地域かなというふうに県民みんな安心している点があるわけで、その点、石橋先生、今日、小出先生始め諸先生がモーゼの預言のように今日を予測されていろいろ警告をしてこられたということに心から敬意を表する次第でございますが。
 ただいま浜岡の次には若狭が危ないんじゃないかというお話もございましたけれども、私がさっき申しましたような一般的な感じから、若狭の方はまだ大丈夫じゃないか、津波があっても三、四メーターぐらいだろうというふうに予測して、現知事始めそういう方だけが役所にかみついているという今日ですけれども、是非このお答えを欲しいのは、私も県知事始め県民に対してこのような議事録をお見せして、こうだから気を付けてほしいという発言するには是非そのお答えが欲しいということでございますので、ひとつ、石橋先生、よろしくお願いします。
○参考人(石橋克彦君) 若狭湾地域ですね、割と広く見て越前海岸からそれから舞鶴の辺りまで、あそこは要するに地震の活動帯です。一九四八年の福井地震、それから一八九一年、濃尾地震、それから一六六三年の寛文の地震、それから丹後地震、一九二七年、そういうものがあの一帯で起こっております。ところが、その間に空いた場所がある。このある程度広い地域で見たときに地震活動地域であるのに空いている場所というのが一番怖いんでありまして、大地震空白域といいます。そういうのが若狭湾にはあって、そういうところに原発が立っています。
 活断層も物すごくたくさんあります。これは前からたくさんあったんですけれども、二〇〇六年、二〇〇七年以降の耐震バックチェックという見直しによって、まあこれもいいところがありまして、海底活断層や何かがぞろぞろ見付かりました。本当にいっぱいあります。敦賀は構内にありますし、美浜、「もんじゅ」、真下にあります。
 というわけで、津波に関しても、例えば高浜原発は〇・七四メートルとか一・三四メートルとかしか想定していなかったけど、とんでもないことで、最近二・三メートルになりましたけれども、これ四、五メートルの津波があるし、もっと沖合の隠岐トラフというところの海底活断層なんかが動くともっと津波が来る。新潟以西の西日本・日本海岸は大きな津波が来ないと思われていたのはまさにこれ安全神話であって、三・一一みたいなことが将来起こるおそれが非常にあります。
 というわけで、次かどうかは、さっきのは無理に答えましたけど、次かどうかは分かりませんけど、若狭湾一体が非常に危険であることはもう間違いありません。
○松村龍二君 どうもありがとうございました。
○委員長(末松信介君) じゃ、風間理事。
○風間直樹君 民主党の風間でございます。
 端的に三点お尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、小出参考人と孫参考人にお尋ねをいたします。
 先ほど、小出参考人が非常に重要なことをおっしゃいました。御自身で測られた事故直後の東京の放射性数値が政府発表のものと違っていたというお話です。ここは行政府を監視する立法府の委員会でございますので、やはり真実の情報を国民に開示する必要があります。そこで、小出参考人が測られた数値の具体的な値をこの場で教えていただければ幸いでございます。
 また、孫参考人におかれましては御自身の会社を経営されていらっしゃいますが、私が知人から聞き及んだ情報によりますと、孫参考人の会社でも何らかの手段を使って事故当時の東京あるいは首都圏における放射性数値を測っていらっしゃったと、こういう話を聞いておりますが、もしそれが事実であるとしたらどのような数字だったのか、併せてお尋ねをしたいと思います。
 二点目でありますが、地震が起きた翌日と翌々日、三月の十二日の土曜日と三月の十三日の日曜日、私は院内で政府から党に上がってくる地震に関する、原発に関する情報を耳に入れておりました。その中で私は非常に感じたのは、この原発の事故に関してこれらの正確な情報を収集し、そして意思決定を行うべき総理官邸あるいは政府において、残念ながら保安院そして東電から正しい情報が適切に上がってきていなかったのではないかという感触でありました。これはあくまでも私の感触であります。ただ、その後、菅総理が幾多の参与を決めたことを見ていますと、やはり総理の下にも保安院や東電から恐らく適切な正確な情報が上がってきていなかったんだろうと私は推測をしています。
 そこで、これは田嶋政務官にお尋ねをしたいんですけれども、恐らく、この保安院や東電といったいわゆる原子力村の人々から、政策判断をし、意思決定をする、総理、官房長官、副長官あるいは経産省の三役に正確な情報が上がってこないという問題は、私は構造的な問題だろうと思っています。つまり、自らの権益を死守したい人たち、それがいわゆる原子力村の人たちですから、この人が政策の意思決定をする政治家に情報を上げないというのは、私は構造上の問題があると思います。そこで、今後、こういった組織の改編が不可欠だと思います。
 ただ、先ほど石橋参考人によりますと、原子力安全委員会が今回全く機能していない理由が、〇一年の省庁再編で科学技術庁がなくなってしまって事務局が骨抜きにされたからだと、こういうお話もございます。そうすると、四月の六日の毎日新聞の報道では、経産省から保安院が分離されて、原子力安全委員会と統合される形で今後検討が進むという報道が出ておりますが、私はそれでも今回の事態を改善することにはならないのだろうと感じています。
 そこで、政務官のお立場では、今後、原子力行政の国民に対する立場から、安全を守り正確な情報を伝えていくためにどのような組織再編が望ましいと考えられるのか、このことを田嶋政務官にお尋ねをしたいと思います。また、小出参考人におかれましては、この点につきまして様々な意見表明をマスコミでしていらっしゃいますので、御意見があれば端的にお尋ねをします。
 最後に一点、浜岡原発ですが、先般、民主党の勉強会で石橋参考人からお話を伺いました。今日の資料にもございますように、東海地震の想定震源域の真上にこの浜岡があるというのが石橋参考人の御指摘の本質であります。したがって、このリスクを避けるためには、つまり大地震による浜岡の破綻というリスクを避けるためには、私は当然この浜岡原発を止めるということが必要になってくるんだろうと思います。しかし、今回官邸の発表は、原発の停止ではなく防潮堤の増設でありました。なぜ原発の停止ではなく防潮堤の増設という決定になったのか、その理由を政務官にお尋ねをしたいと思います。
 以上です。
○参考人(小出裕章君) 私が測定したデータについてお聞きいただきました。その私のデータは、三月十八日に京都大学原子炉実験所の中でセミナーを開いたときにその場で公表しました。そのデータは、京都大学原子炉実験所の中の私たちのホームページに公表してありますので、御興味のある方は見ていただければいいと思いますし、マスコミ等でも取り上げられて報道されました。
 一言で言うとどのくらいであったかというと、私が検出したのは、沃素という放射能、それからテルルという放射能、セシウムという放射能、その中にはいろいろな質量数のものがありましたけれども、そういう放射能が東京のこういう空気の中の一立方メートル当たり数百ベクレルというそのくらいの単位でありました。それで、それは、チェルノブイリのときに八千百キロかなたから日本に飛んできた放射能のレベルからいうと約千倍というぐらいの濃度のものでした。それを東京の皆さんはみんな呼吸で吸い込んでしまっていたわけで、それを内部被曝に換算をしますと、一時間その空気を吸っただけで約二十マイクロシーベルトになってしまうというそのくらいの被曝量でした。それもホームページに公表してありますので、御参考にしていただければいいと思います。
 それから、そういうデータをどうやって収集して整理をして公表すべきかということはとても難しいと思います。物すごい多様なデータを広範囲に集めなければいけないということですので、私のような一研究者がやったデータもあるわけですし、組織的にやっているところもあるでしょうから、そういうものを漏らさずに刻々と集めるというような仕事は大変な仕事になると思います。でも、何とかそれをこれからつくってほしいと思いますし、もし今の日本の行政の中でそれを担うべきところはどこなのかというなら、私は安全委員会だろうと思います。ですから、そこが今もう何の手足もないような状態で、安全委員が数人が実質的にはいるだけというような、そんなことではもう到底できませんので、きちっと組織をつくり上げる必要があるんだろうと思います。
 以上です。
○参考人(孫正義君) 私は今、常時四台の線量計を持って毎日見ております。いろいろ出かけるときもそこに行って見ておるんですが、今日ちょっと家に置いてきてしまいましたけれども、その一台目を入手したのは今回の事故があって二週間ぐらいたってからでございますので、事故直後の数値は分かりません。ただ、ここのところずっと毎日政府で発表して、都内でいえば新宿のところで〇・〇七マイクロシーベルト前後でいつも数値が発表されておりますが、おおむねその倍ぐらいの数値が私の線量計では出ています。
 ただし、最近僕も少し素人ながら勉強して分かったのは、政府が発表しているのはガンマ線だけの数値の発表で、私が最初に持っていたのはガンマ、アルファ、ベータ、三つとも合計した線量を示す数値のものでした。それでいつも倍なんですが、おかしいなと思っていて、最近、政府と同じようにガンマ線だけの線量計のものを入手してみたら、そちらはやはりその政府発表のとほぼ同じ数値、〇・〇七マイクロシーベルト前後でございます。
 ですから、私が今でも疑問に思っているのは、政府が発表している数値にうそはないんだろうと、ただし、それはガンマ線のみを測っていると、本当にガンマ線のみを測っていいのかと。大体、ガンマ、アルファ、ベータ足すと倍ぐらいの数値が出ているけれども、体内被曝のこととかいろいろ考慮するとトータルの線量で見るべきではないかなというのが私の素朴な疑問ですけれども、小出先生、どうなんですか。
○委員長(末松信介君) 小出参考人、孫先生の質問に。
○参考人(小出裕章君) 今、孫さんが非常に重要なことを御指摘くださって、いわゆるガンマ線による外部被曝線量というものと、それを、空気中に漂っている放射能を吸い込んで内部被曝をする場合の線量というのは別に考えなければいけないのです。それで、普通、政府が今公表しているあるいはマスコミに流れているというのは、一時間当たり何マイクロシーベルトという、それが公表されているわけですが、それは外部のガンマ線の被曝線量だけを言っています。
 それで、私、先ほど、東京に飛んできた空気で、それを一時間吸入したらば二十マイクロシーベルトになったと言いました。それはいわゆる内部被曝ですけれども、それを吸入したその場所の外部被曝線量は一時間当たり二マイクロシーベルトでした。つまり十倍多いと、内部被曝の方が。ですから……
○参考人(孫正義君) 内部被曝の方が怖いわけですよね。
○参考人(小出裕章君) そうです。
○参考人(孫正義君) 体内被曝の方がはるかに怖いのに、一番怖い体内被曝のそれを線量として発表しないというのは、何か意図があるのか何なのかというのが僕には分からない。
 ですから、今日この場でまさに先生方がチェックされるべきは、なぜ体内被曝を議論しないのかと、それを議論するに適当であるベータ、アルファのところも併せて計測し、公表すべきではないか。
 ちなみに、それらを計測するような計測器が税関で五百台止まったままであると。これだけ線量計が足りない足りない、僕も入手したくて、たくさん入手して少しでもウエブで公開したいと思っているんですが、入手できない。そのぐらい今売り切れ状態ですが、税関でなぜかしら五百台、事故以来ずっと止まったままだと。実にもったいない話だということでございます。
○大臣政務官(田嶋要君) 私の方に対する御質問に御答弁いたします。
 これ、原発安全にかかわる大勢の関係者の方々ですね、誰か特定な人がサボっていたとか、そういうことは一切私はないというふうに思っておりますが、御指摘いただいたとおり、やはり構造的な問題であろうというふうに思っております。しかし、今現時点では、その構造的な問題を直していくための組織をどうするか、そういう議論はまだ実際にはスタートしている状況にはございません。今は、まず現在進行のこの事故を一日も早く収束をさせるということに全力を挙げている状況でございます。
 しかし、じゃその先どうするかでございますが、これはもちろんいろいろな議論がございますが、もう各方面から御指摘をいただいております推進母体と安全をチェックする母体が一緒にあっていいのかということでございますが、こういった御指摘は以前から民主党の中からも出ておりましたけれども、こういったことをやはり政府としても真摯に考えていかなければいけないというふうに私自身思っているところでございますので、これは現在の東電の道のりというものに基づいて、徐々に安心できる状況に持っていけた段階で可及的速やかにこの組織のことをやっていかなきゃいけない。そして、先ほど科学技術庁のことが御指摘ございました。そういう過去の行政改革が良くなかった面もあったのかもしれない、そういうことも評価をしながら、これから本当にどういった形で実質的にチェックができる安全体制ということを高めていけるかと、このことを取り組んでいきたいというふうに考えてございます。まだその組織のことを議論するには少し時期尚早というふうに思ってございます。
 二点目でございますが、この浜岡に関しましてのそういった判断をしているということでございますが、まず一つは、基本的に耐震安全対策はこれまで適切に講じられているということ、これは何か中部電力の対策が問題があったからということでは今回一切ないということを強調しておかなければいけないと思います。技術基準等の法令上の安全基準は満たしていると。しかし、今回この福島のことによりまして、本当に大きな津波による被害が起きたということで、更なる一層の安心という観点から、短期的には、短期的ということでの安全緊急対策もしっかり行っていただいておりますけれども、しかし一層の安全ということで、例えば防潮堤の設置等そういった中長期の対策をしていただくまではということで、最終的に中部電力が御判断をいただいたものというふうに理解をいたしてございますので、中長期対策が完了して原子力安全・保安院がその内容を評価すれば、もちろん地元の皆様の御同意をいただいた上で運転の再開は可能であるというふうに考えております。
 以上です。
○風間直樹君 石橋参考人の御指摘と資料に基づくと、今政務官おっしゃったその前提、それから現在の法令の枠組みにそもそも安心できないという部分が多々あるという御指摘でございますので、御答弁いただきましたが、ここはやはり根本に遡ってこの問題、我々検討をし直すべきではないでしょうか。その点、強く指摘をしたいと思います。
○委員長(末松信介君) 意見ですか、質問ですか。
○風間直樹君 意見です。
○委員長(末松信介君) はい。じゃ、政務官、意見として受け止めてください。
○大臣政務官(田嶋要君) はい、かしこまりました。
○委員長(末松信介君) じゃ、もう本当に時間限られてきましたけれども、一問一答ぐらいで。
 横山先生。
○横山信一君 じゃ、一問だけお聞きをいたしたいと思います、孫参考人に。
 このサンライズ計画、非常に希望があって、大変に今暗いニュースが多い中で、新しいエネルギー政策を考える上で大きな示唆を与えていただける御意見だったというふうに思っております。この中で、電田プロジェクトということで、あと屋根プロジェクト、この二つ合わせると七十ギガワットの電力ができますよという、そういうお話でございました。
 そうすると、今までの電力事業の枠組みというか、従来の考え方とは、当然ここに出てくる電田プロジェクトや屋根プロジェクトというのは個人が主体になってくると思うんですが、あるいは土地所有者とか法人の場合もあるかもしれませんが、いわゆる電力会社とは違うところからこれだけの大電力を生み出すということで、今までの日本の電力の供給システムとは変わる、大きく構造が変わってくる、そういうことだと思うんですけれども、どういうイメージを、どういう社会をイメージしてこの電田プロジェクトを考えられたのか、そこの点を教えていただければと思いますが。
○参考人(孫正義君) 分散型で、いろんなところで発電すると。IPPと呼んでいますけれども、欧米ではそういうように、電力会社以外の独立系の事業者あるいは個人がどんどん発電をし、それをグリッドにつないでいくというのが当然のように行われております。
 今まで日本はそれをむしろ何か止めるような感じの政策が多かったんですけれども、それは欧米では当然のごとく行われていることなので、単なる理想論ではなくて、十分実現可能な、しかも実例までしっかりと世界では起きていっているという、安心、安全な分散型発電社会ということだと思います。
○横山信一君 ありがとうございます。
○委員長(末松信介君) じゃ、山下先生。
○山下芳生君 一問だけ。一問だけ石橋参考人に質問します。
 レジュメの4.の「日本列島は、地球上で最も原発建設に適さない場所である。」と。その中の、地震列島における原発は制御された安全ではなく本質的安全が必要だと、この概念を少し分かるように御説明いただければと思います。
○参考人(石橋克彦君) 安全には制御された安全と本質的な安全があるだろうと私は思っておりまして、例えば旅客機は超高度にコントロールされ、制御された安全でもって飛んでいる。それでも事故が起こるときは起きる。
 私の考えでは、私は安全論の専門家ではありませんけれども、飛行機の場合、本質的な安全というのは乗らないこと、あるいは飛ばさないことだと思うんですけれども、原発は、もう今はコントロールされた安全でもって、これで大丈夫なんだということでずっと進んできている。私がここに書いたのは、地震列島の原発の本質的安全というのはこれを置かないことであると、そういう意味で本質的安全と申しました。
○委員長(末松信介君) それでは、藤原委員。
○藤原良信君 大変今日はありがとうございました。各委員の先生方からのお話を聞いて、参考に相当なりました。
 そこで、委員長、提案でございます。
 今、いろいろと建設的な、そしてまた課題的な話も出ました。例えば今、田嶋政務官からは組織の見直しは時期尚早というお話ありましたけど、私、そんなことないと思います。
 ですから、一刻も争う状況下が現実に起きているわけでありますので、これらを含めまして、あるいは孫参考人からは線量の、放射線を測るその機材が税関で止まっていると。もしそうだとすればこれは許し難いことでありまして、なぜそんな現象が起きているのか。これ、どこかで止めていると思わざるを得ないこと、思われること自体がこれは政治不信でございます。
 ですから、これを今議事録でまとめられていると思いますので、政府に、今日この行政監視委員会での各委員からの発言を、これを取りまとめて正式なルートで申出をして、そしてお答えをいただくように是非お諮りをいただきたいと思います。
 私は、一番最初に申し上げましたけれども、私どもは主権在民と。国民の代表でこの国会で発言しているわけでありまして、私どもがそういう目線で今後とも行かなきゃならないので、皆様方の意見、そしてこの行政監視委員会、この委員会の存在を問われると思いますので、委員長、提案いたします。
 以上です。
○委員長(末松信介君) ただいま藤原委員から貴重……
 それでは、田嶋経済産業大臣政務官。
○大臣政務官(田嶋要君) 先ほど申し上げた時期尚早というのがやる気のないように取られたら誤解だというふうに申し上げます。
 本当にやらなければいけないというふうに思っておりますが、事故をまず抑えると、今まずこの事故を止めるということに全力を挙げなきゃいけないというのは恐らく皆さん御賛同いただけると思いますが、それに影響のない限りでの議論というのはもうすぐにスタートをさせたいというふうに思っております。
 よろしくお願いします。
○藤原良信君 ありがとうございます。
 私も与党の立場でありますし、当委員会の理事でもあります藤原良信でございますので、どうぞよろしく政務官もお願いしたいと思います。
 委員長、よろしくお願いいたします。
○委員長(末松信介君) 今、藤原委員からいろいろな御提言ありました。
 私もいろいろ聞いておりまして、経産委員会には入っておるんですけれども、質問もさせていただきましたけれども、今何が起きているかということが正確に伝わっていないと。それと、これからどうなるかという見通しがはっきりしないということですよね。だから、そういう根本的なところに対して国民が不安を抱いて、皆さんがこれから先どうなっていくかということについて勝手な議論を始めてしまうということになろうかと思うんですよ。
 ですから、今日いろんな提案がありましたし、さっきの孫先生の話がありましたけれども、線量計が税関で止まっているということとか、こんな話というのは事実かどうかということ、事実だったらやっぱり問題ですから、きちっと我々この委員会、理事会でまず協議しますけれども、諮らしていただきまして、正式に御質問を関係部局に申し上げていきたいと思います。回答もちょうだいしたいと思うんです。
 今日いろいろと三時間以上の議論を政務官もお聞きをいただいたと思いますし、寺坂保安院長も今日おられましたので、しっかりと海江田大臣にもこのことをお伝えをいただきたいということを思います。
 それでは、理事会で協議をさせていただくということで留め置きたいと思います。
 他に御発言もないようですので、本日の質疑はこの程度にとどめます。
 それでは、参考人の方々に一言お礼の御挨拶を申し上げます。
 予定では四時ということでありましたけれども、もう四時十八分、長時間にわたりまして御協力をいただきまして、本当にありがとうございます。
 今日は、四人の先生方にはフランクな情報とフランクな御意見をいただけたということが一番大きな我々喜びでございます。それぞれ、先生方から非常に貴重なキーワードとなるようなお話をいただきました。
 小出参考人からは、今はとにかく福島の事故をまず収めることが先決であると、責任者探しはその後と、反省と検証はしっかりその上でやっていくべきだということのお話がありました。そして、保安院は原子力事業の安全を確保することが責務であって推進役に単になってはならないという、そういうお話もちょうだいしました。
 後藤参考人からは、安全性に利害が絡んでは駄目だと、現場の分かる人間を活用することというお話をちょうだいしました。
 石橋先生からは、日本の原発は地震付き原発であるということを肝に銘じよというお話でございます。想定の中であろうと想定の外であろうと、原発が、起こったときには、アメリカのコネティカット州の住民の方々に配られておられるそういったマニュアルというのも用意しておくべきであると、避難マニュアルについてもそれぐらいのことは用意せよという御提言もちょうだいをいたしました。分散型国家の建設につきましても御提案をいただきました。
 そして最後に、孫正義先生からは、原発優先主義から自然エネルギー優先主義に切り替えるべきであると、その大きな機会としてこれをとらえるべきであるということであります。自然の恵みをもっと真剣に活用しなきゃならないというお話をちょうだいをいたしました。批判する人間も大切にすべきであるという御提案もいただきました。
 とにかく体内被曝につきましては、国会でしっかり議論できるように、先ほどの藤原委員からの御提案もありましたけれども、我々、内部で協議をいたしてまいりたいと思います。
 貴重な御意見をいただきましたことに深く感謝申し上げまして、お礼の御挨拶に代えさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後四時二十分散会