第177回国会 共生社会・地域活性化に関する調査会 第2号
平成二十三年二月九日(水曜日)
   午後一時開会
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  出席者は左のとおり。
    会 長         直嶋 正行君
    理 事
                金子 恵美君
                武内 則男君
                岩城 光英君
                岡田  広君
                横山 信一君
                上野ひろし君
    委 員
                加賀谷 健君
                神本美恵子君
                徳永 エリ君
                中村 哲治君
                難波 奨二君
                平山 幸司君
                藤谷 光信君
                前川 清成君
                石井 浩郎君
                岩井 茂樹君
                加治屋義人君
                高階恵美子君
                松下 新平君
                渡辺 猛之君
                浜田 昌良君
                田村 智子君
                福島みずほ君
                亀井亜紀子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        野中 茂樹君
   参考人
       千葉商科大学学
       長        島田 晴雄君
       株式会社ちばぎ
       ん総合研究所顧
       問        額賀  信君
       群馬県みなかみ
       町長       岸  良昌君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○共生社会・地域活性化に関する調査
 (「地域活力の向上と共生社会の実現」のうち
 、元気で活力ある地域の構築(地域の活性化の
 ための視点))
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○会長(直嶋正行君) ただいまから共生社会・地域活性化に関する調査会を開会いたします。
 共生社会・地域活性化に関する調査を議題といたします。
 「地域活力の向上と共生社会の実現」のうち、「元気で活力ある地域の構築」について調査を行うに当たって、本日は「地域の活性化のための視点」について参考人から意見を聴取いたします。
 御出席いただいております参考人は、千葉商科大学学長島田晴雄君、株式会社ちばぎん総合研究所顧問額賀信君及び群馬県みなかみ町長岸良昌君の三名でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様方からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、参考人、質疑者とも御発言は着席のままで結構でございます。
 なお、本日は御承知のとおり十六時から党首討論が予定をされております。したがいまして、この調査会も気持ち早めに終わらせていただきたいと思いますので、御協力の方よろしくお願いいたします。
 それでは、島田参考人からお願いいたします。島田参考人。
○参考人(島田晴雄君) 座らせていただいたままで失礼いたしますが、ただいま御指名いただきました島田でございます。
 本日は、参議院の共生・地域活性化に関する調査会にお招きをいただきまして誠にありがとうございました。
 地域の問題は人口の高齢化と少子化が進む中でますます重要な問題になっておりますので、私は先生方に申し上げたいことが山ほどありますけれども、二十分の限られた時間の中で私の所見を申し上げさせていただきたいと思います。
 皆様のお手元に簡単なレジュメを用意いたしましたが、現在、地方の疲弊と空洞化が着々と進んでおります。人口が減少していく、特に地方の人口が著しく減少しつつあります。逆に言うと、大都市の方は比較的これまで人口が若かったんですけれども、将来を展望しますと、大都市の高齢化が進んで大変な高齢社会、福祉負担がまた高まっていくだろうというような困難な問題を私どもは抱えているわけですが。
 私は「地方の疲弊は国力の衰弱」というふうに書きましたけど、環境を維持していく上で地方の果たす役割というのは非常に大きいんですね。森林、水、その他、農地、全てですけれども、それから、やっぱり地方が食糧を大都市に供給をしてくれているものですから、そしてまた人材ですね、甲子園の野球を見れば分かりますが、八割ぐらいは地方の学生さんたちですから。したがって、環境、食糧、人材という意味で、地方が疲弊すると国力は衰弱していくというのは明らかでございます。
 これをどうしたらいいんだと。地方の疲弊を防ぐためには大戦略が幾つかあろうと思うんですね、項目だけ書いておきましたが。やはり財政配分というのは現状のままではちょっと問題があるんじゃないかと、先生方皆さんよくそこは踏まえていらっしゃると思うんですが。人々が納める税金というのは六割は地方が納めているわけですね。中央は四割あるいは三割かもしれません。しかし、実際に地方が使えるのは四割か三割と。中央は六割を使うということになって、これを直さなきゃいけないという、これはもう大戦略、根本問題ですね。
 それから、消費税がございますけど、現状では五%のうち地方が使えるのは一%ということなんですが、実際には地方で消費が行われているわけですから、地域でですね、本当はもっと地域の還元分が大きくていいんだろうと思いますね。今般、消費税の引上げが大きな問題になっておりますが、そういうときこそ地域に大きく配分をするというようなことも重要かと思います。
 それから、道州制あるいは地方主権ということが叫ばれておりますが、中央のコントロール、例えば、今日も北海道から先生がいらっしゃっていますけれども、北海道開発庁というのは、それは昔は必要だったでしょうけど、今はどうなのかなと。十分に北海道庁でその仕事はできるわけですね。しかし、そこに相当な資源が割かれているというような問題は全国各地にございます。
 ですから、確かに地方の主権というのはもっと強化した方がいいんですが、一つあえて申し上げたいことは、それを受けて担える能力、組織能力、人材能力が地方にあるかというと、これ、やってみたら分かりますけど、恐らくかなり難しいだろうと思うんですね、それは否定的な意味で言っているのではなくて。ですから、地方がそういう主権を担える実力をいろんな形で養うということが非常に重要ではないかということを申し上げておきたいと思います。
 これは大戦略なんですが、今日の私はその次以下の項目に焦点を絞って問題提起をさせていただきたいと思います。それは、移住・交流による地方の活性化ということですね。大戦略は大戦略として承知しながら、なおかつ、いろんな意味でこの移住・交流を促進することで地方を活性化させる余地がかなりあるというふうに私は思っております。
 今、地方の人口はどんどん縮小しております。かつては地方の人口は高齢化したんですけど、大変恐縮ですけど、高齢者がお亡くなりになるということがあって、かえって若くなっているんですね。大都会の方は若い人がたくさん集まっていってどんどん高齢化して、かなりこれからは大都市の社会保障問題というのが巨大な問題になる。これは、日本列島として非常にバランスを欠いた姿なんですね。
 何が求められているかというと、やはりこの大都会で高齢化していく人たちの、そう多くである必要はないんですが、一部の方が地方に好んでもし移り住むようなことができることが可能になれば、地方はかなり活性化するはずだということが考えられます。
 これは先生方に釈迦に説法ですけど、私どもは高度成長の時代に若い時代を過ごしているわけですね。あの当時何が起きたかというと、とにかく中央に行こう、東京に行こう、工場地帯に行こうと。そこに行けば、仕事があって、所得があって、家庭を持てるし、家も建てられるしということで民族大移動が起きたわけですね。あれは誰かが強制したわけではないんで、経済発展の過程ですから、大都市と工場に仕事があるんだというのでみんな行った。
 その方々がみんな今は年配になりまして、いろんな病気もお持ちになって健康に非常に心配を持っている。そういう方が都会にたくさん蓄積し始めているわけですね。この方々には強いインセンティブが実はあるはずなんですね。もっと健康になりたい。仕事ももうある程度片が付いたし、健康になりたい。
 健康になるにはどうしたらいいかというと、健康の私は三大要件といつも申し上げているんですけど、きれいな空気ときれいな水とストレスのない静けさなんですね。それはどこにあるんだといえば、過疎地は全部備えています。しかし、これは必要条件であって十分条件じゃない。空気がきれいで水がきれいで誰もいない静けさといったら、これ、住めませんから、はっきり言うと。ただ、健康にはなれるはずなんですけどね。
 ですから、住むための十分条件が必要で、十分条件はいろんなインフラよりもサービスですね、生活者が楽しく暮らせるサービス。インフラはもうかなりあるんですよね、実は、農家なんかもどんどん過疎化していますので。そういうことが起きると、必要条件、十分条件がそろって、少しでも大都市の人口が地方に移住するというようなことがあると地方は非常に活性化すると思います。
 東京は昼間人口が二千数百万、もう三千万近いと思いますが、夜間人口でも千三百万もいる。この方々の本当に二%か三%の人が鹿児島へ行こう、鳥取へ行こうと思って動いてくれれば、そういう地域は本当にこれは活性化するんですね。工場誘致というのが一昔前はやりましたけど、工場誘致よりも何十人か何百人かの熟年者の方々が来られた方がむしろ、工場は資材調達するのは海外から調達していますので余りお金、実は落とさないんですよね、地方の人を雇ってくださればまた話は別ですけど。雇っているんですけれども、やはり、しかし何十人か何百人かの生活者が地域のコミュニティーに来てくださることで、本屋さんもラーメン屋さんも新聞店もいろいろできますから、逆に若い人の雇用もそこから出てくるんですね。その可能性を最大限生かす時代に我々は今来ているんではないかと、そんなふうに思います。
 そういう中で、私が今申し上げている問題は、もう何年も前から各地方の、地域の行政の方々も中央の省庁の方々ももう十分気が付いておられて、いろんなことをしておられます。ちょっと古い新聞記事ですけど「経済教室」に書きましたが、ちょっと古くて恐縮ですけど、地域でいえば、ここでリファーしたのは北海道とか、北海道は多分こういう動きについては最先進地域だと思います。それから、鳥取、長野、福島、今日はみなかみ町のお話も伺えると思いますが、こういう紹介をしてありますけど。
 中央省庁ももう各省庁みんなこぞってやっているんですね、農水省もやっています、経産省もやっています。総務省もそういうことに着眼をして何年か前からそういう努力をしているということでございまして、今日はその中のやや具体的な取組を二つばかり御紹介を申し上げたいというふうに思います。
 それは、皆様のお手元の中にJOINという移住・交流推進機構という紙が数枚あるんですけど、このJOINというのは、移住・交流推進機構の頭文字を取ってJOINとしているんですが、パソコンでJOINと引きますと、グーグルでもヤフーでもすぐ出てまいります。これは何をしているかというと、総務省が手伝ってくださっているんですけど、自主運営の任意団体としてそういうものをつくりまして、会社が六十六社、これかなりの会費を払っています。それから、都道府県会員四十二道府県、市町村九百四十六。つまり民と官の共同体、ネットワークですね。
 これがまずいろんな事業をしているんですけど、一つは情報発信事業、つまりポータルサイトを持っていろんな情報を流しています。それから、移住・交流フェアのイベントをやりますというようなことで、まあ情報提供ですね。もう一つは、民間と自治体、官が一緒になって新しいビジネスを創造しよう、交流事業をしようというようなことで様々なイベントをやっています。
 これは何を目指しているかというと、全国各地、地域には、さっき申し上げたように、あそこへ行ったら楽しく暮らせて健康になれるかもしれない、そういう条件を整えたところはかなりあるんですよね。ところが、大都会の方はほとんど知りません。要するに、情報がないんですね。だから、私はヤフーとかグーグルのそういう情報場みたいのを、生活ネットワーク情報場みたいのをつくれないか。ただ、私は、政府が財政がないものですから政府に予算を期待することは努めてないようにしようと思って、民間企業に多少のメリットがあるはずだからということで声を掛けましたら、何十社か入ってくださって、一番払ってくれている民間企業は二百万会費を払っていますので本当に有り難いんですけど。
 私のポイントは、人が動けば銭になるでしょうと、だから払ってください、ただ、人が動くときに銭になるときに、地域の自治体の方々と密接な交流があるということが大切なんですね。役所の人に会おうとすると、民間企業は簡単に会えません。ちゃんと手続出して、書類出して、二か月後に来いなんて、これだったら民間は全然メリットがありません、タイム・イズ・マネーですから。だから、お互いに携帯電話を持っていってさっと連絡が付く、今こういう線引きしているんだよ、ちょっと相談に乗ってくれよということがさっと行けるような。それって癒着じゃないかと。世の中には正しい癒着と間違った癒着があるので、目的が正しければ密接な関係は全く私は正当化されるというふうに思っていますので、ある意味じゃそういうチャレンジをしているわけですね。
 だんだんだんだん情報にアクセスする人も増えてきて、活動に参加する人も増えてきておりますので、今日もそこから傍聴者が来ておりますが、是非御支援いただきたいと思います。民間企業は手弁当でここに今応援しています。こういう種類の試みもほかにもあると思いますが、一つの例でございます。
 それから、さっき北海道が一番進んでいると申し上げたんですけど、実際進んでいると思います。皆様のお手元の中に、北海道ちょっと暮らし体験、北海道生活体験というのがあるんですね。北海道はもう五、六年前から真剣にこういうことをやっていまして、そのちょっと暮らしの紙の中に、五年前から実証実験、ちょっと暮らしてみようというのをやりましたところ、二十八名から始まって、二十一年度は千百五十九名、滞在日数が二万八千五百七と、これは掛け算していますが、要するに一か月ぐらいいるということです。北海道、良かったなと。良かったなということで、いろんな勉強ができた、子供が喜んだ、ゴルフが上手になった、それじゃ家買おうかという話になって、今は北海道のニセコ地区とか行きますと、全国各地から来て家買っています。
 この人たち面白いんですけど、温暖化が進むと夏に過ごせるのは北海道だけだなんて言って、ほかの地方には申し訳ないんですけど、そんなことで皆さんやったりしてやっていますけど、別に各地域はそれぞれ特徴がありますから、こういう取組をどんどんお進めになるといいと思うんですが。これは、北海道庁の大山慎介という人が、私は平成の坂本龍馬と呼んでいるんですけど、ちょっと物すごく熱心に進めているんですね。それがあって、こういう民間の、取り組んでこういうことになっております。
 さて、次のページでございますけど、今申し上げたいろんな実例を踏まえて少しエッセンスを整理いたしますと、最も重要なことは、移住・交流を推進するためには情報を提供するということですね。
 今、また北海道の話になりますけど、例えば北海道に白老町というところがありますが、十何年前に建て売りの別荘みたいなのをたくさん造ったんですけど、その当時は相当高かったんですが、ほとんど売れないので、今、物すごく安くなっているんですね。だけど、全然伝わっていない。あるいは、百万ドルの函館の風景のあの坂道にはすてきな洋館が貸し出されたり売り出されたりしているんですけど、全然知らない。ですから、全国各地に山ほどそういう情報があるんですね。そういうものをネットワークでやってみたいというのがJOINの狙いですけど、もっと大々的にやるべきだというふうに思っています。
 JOINの中で一番重要なのは、官民が協力するということですね。官民が友達になって、そういうような活動にいろいろ市町村の方なんか参加しますので、そうすると、いろんな企業の人と本当に仲よくなって、携帯電話一つでぱっぱぱっぱと情報交換するというようなことが起きますと、動きが早くなります。企業はもう本当にタイム・イズ・マネーなので、二か月待て、三か月待てって言われたら、これはペイしません。数百万のプロジェクトもペイしません。だから、来週やろうねって言ったらこれはペイしますので、そういう動きを地方自治体がルーチンを超えてやっていただくようなネットワークをつくりたいということですよね。そういうのがあると本当に変わってきます。
 それから、さっき申し上げたように、健康のための必要条件はきれいな空気ときれいな水とストレスのない静けさなんです。過疎であればそれはあるんですが、それじゃ人は住めませんので、やはり人が住むためには何をするかというと、最低限の生活インフラ、住宅とかそれから介護の施設とかそれから交通とか、その実験を、今日、先生方にお届けしました、この北海道伊達市モデルというのがあります。北海道の伊達市、私八年ぐらい入り浸って、これは本当は私が書くはずの本だったんですけど、時間がないのでライターに書かせましたけど、今言ったようなサービスもいろいろやってみました。大変好評で、ここは外からどんどんどんどんと人が入ってくる町になったんですね。日本がバブル崩壊でひどいときに、ここの住宅地の地価が上がっていくというようなことが、成果がありました。そういう実験もしておりますけど。
 そして、それをもうちょっと広くいろいろ御紹介しているのが、成功する、地方発ビジネス。要するに、予算を与えればいいというものじゃないと思うんです。やっぱり、民間企業が興味を持つような、人々が興味を持つようなことを地域自治体で一生懸命考えるということが全ての基本ではないかというふうに思います。島田晴雄は予算を言わない島田晴雄というので有名で、お金の掛からないことばっかり言います、しかし効果は必ず上がると。是非御理解いただきたいと思うんですが。
 この移住人口が増えてくると、さっき申し上げましたように、地域で雇用が出てきて相乗効果を生みますから、とてもいい結果になるわけですね。
 伊達市が何でこんなに元気になったのかというのは、一言申し上げると、町の人が仲がいいんです。全国各地に行きますと、何かその町の中で対立があるんですよね。あるいは、観光なんか広域的にやってくれと言っても、隣の町とでもポスター一緒にかかなかったりするんですね。もったいない。是非、先生方におかれましては、仲よくしろよと、毛利元就の教えだよと言っていただきたいと思うんですね。
 これは、伊達市は火山が爆発して、虻田町なんてところが潰れそうになったときがあるんですよね。そのときに、その当時の商工会の会長とか町長さんが、市長さんが、これは大変だと、何とかせにゃいかぬというので、自分たちも頑張ったんだけど、次の世代を育てたんです。その人たちが今六十前後の、あそこでいうと菊谷市長、菊谷さんのお兄さんというのが人格者の建設業者で、これが町を一つにまとめています。本当に仲がいい。今度、今やっているのは、三十前後の、三番目の世代を育てようというので、各地に派遣して勉強させているんですね。そういう動きを自治体がなさると、これは自治体の自治能力の向上になると思うんですよね。本当にシンプルなことですけど、皆さんが仲よく力を合わせてやってくれると、そういう地方に、地域になると、格段に私は良いことができると思います。
 ですから、最後に書きましたけど、結局、自治体の努力というのが地方自治の根本ではないかと思うんですね。中央はやっぱり財政配分を変えたりいろいろする必要、制度を変えたりする必要もありますけれども、それの基本になるのは自治体に、本当にそういうことをしたいという合意が自治体の中にあるのか、仲たがいしていたらこれできません。そして、みんなで一緒に努力しようねという気持ちがあるのかどうか、これがあったらぐんと進むんですね。
 私はふるさと納税という税制を菅総務大臣のときにお手伝いをした。あれは理論的に言うとあり得ない税なんです。なぜかというと、分割納税なんというのは理論的にも制度的にもあれはできないんですよね。したがって、結局あれは何をしたかというと、地方の寄附税制の何十倍の拡大ということで、そして、ふるさとの定義をこういうふうにしました。ふるさとというのは生まれて育ったと普通思いますけれども、生まれた記録は残っていますが育った記録というのは長期間取っておきません、学校の記録ですね。ですから、私どもの委員会で決めたのは、ふるさとと思ったところがふるさとだと、じゃ、三つあったら四つあったらどうするんだ、構わないじゃないかと、委員長の裁断で決めました。
 ですから、あれは今どこでもふるさとと指定できる。ですから、岩手県が地震に遭ってえらいことになったら、みんなあそこがふるさとだと、頑張っている地域は、ああ、あそこはふるさとだというので送れるようになっているんですね、それでいいんです。
 なぜいいかというと、つまり、日本のいろんな方々、心ある方々にふるさとと思って応援してくださいよというためには、町が自分の力でアピールしなきゃいけない、全国に。そのためには本当に町で意識が統一されて一緒になって努力をしなきゃいけない。そういうところには世間も認めてくれて応援が入るというのが、実は自治能力を強化するということではないか。
 それは、本当に納税というのは最大の民主主義の学校と言われていますけれども、それは今申し上げているような仲よくしよう、ある目的を持って頑張ろう、みんなで良くなろうということを本当に地域の人たちが手に手を取って一緒にやるかという、これは基本中の基本だと思うんですよね。それこそが地域主権の基盤だと思うんです。
 ですから、今日、先生方がこういう会で御議論なさることは、実は根本はそこら辺りにあるんじゃないか、みんな仲よく目的持って真剣にやろうねということを本当に地域がやるかどうかですね。やれば世の中相当変わってくる。それがあればこそ、財政再配分も地域主権なんということも本当に裏打ちされてくると思うんですね。それがないと、中央で幾らそんなことを言ったって、地域の方でそれを受け止められなければこれは意味がないんでということでございまして、大変僣越な報告でございましたけれども、何かの御参考になればと思います。
 ありがとうございました。
○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。
 次に、額賀参考人にお願いいたします。額賀参考人。
○参考人(額賀信君) 額賀信でございます。このような場でお話しさせていただきますことを大変光栄に思います。
 本日は、あらかじめ一枚紙のレジュメ、「地域の活性化を考える」をお配りしておりますので、早速それに沿ってお話し申し上げます。
 最初に、地域の活性化という言葉の意味を定義しておきましょう。その地域で生活している多くの人々が健康だ、元気だという心身の状態を指しまして活性化ということもありますが、ここでは、雇用と所得の自律的・安定的拡大が続く状況を活性化と考えています。雇用と所得、つまり仕事とお金です。地域の中で仕事とお金が安定して伸びていく状況、それが地域の活性化でございます。
 しかし、大変残念なことなんですが、多くの地域は今そのような意味では活性化しておりません。むしろ停滞しているのが現状です。それには二つの事情が大きく響いています。一つは、これまで地域の雇用と所得を支えてきた工場誘致と公共投資が減少していることです。そしてもう一つは、多くの地域で人口が減ってきていることです。
 人口が減って働き手が減っていることも大きいのですが、人口の減少で地域の消費者が減っていることがより深刻でございます。消費者の減少で地域の購買力、つまり地域需要が減少していますから、その需要に依存して商売をしてきました多くの企業、とりわけ非製造業の業況が圧迫されています。
 人口減少の深刻な点は、それが循環的なものではなくて、確実に一方方向に進む構造的な問題であることです。来月は今月より、来年は今年より人口が減るでしょう。そして、その分消費者が減り、市場が縮小し、売上高が減少するでしょう。それをどのように乗り越えるかという大変難しい課題に多くの地域が直面しておりまして、苦しんでいるわけでございます。
 人口減少に伴う需要の減少を乗り越えるための一つの大切な対応策は、できるだけ多くの人々に来ていただいてお金を使っていただき、消費需要を盛り上げてもらうことです。各地域は他の地域から、また国全体としては外国からお客様に来ていただくことこそ、人口減少社会を乗り切って雇用と所得を維持する最も大切な対応策です。
 とりわけ外国人観光客の誘致が必要ですが、これには国際的な環境変化も響いています。世界は今、大交流時代を迎えています。その中心地は東アジアです。豊かになりました東アジアの人々が世界中を旅行するようになっております。旅行熱は今後ますます高まるでしょう。その消費需要を取り込むことが我が国経済の活性化に役立つと期待されるわけです。
 これからの人口減少社会では、人の訪れる地域は活性化し、人の訪れない地域は確実に衰退します。人を引き付ける観光は、単にホテルやタクシー、バスといった直接観光にかかわる業界にとってのみ重要なわけではありません。まさに地域で活動する全ての人々にとりまして必要な地域のインフラ産業としての性格を強めています。
 こうした状況を背景に、昨年六月公表されました政府の新成長戦略では、訪日外国人を二〇二〇年初めまでに二千五百万人、将来的には三千万人まで伸ばすことを目標に掲げました。目標を立てまして観光振興を図ることはとても大切なことですし、またその目指す方向も極めて的確なんですが、ではその二千五百万人が達成されれば我が国経済が活性化するのかというと、残念ながら力不足ではないかと私は思います。
 年間二千五百万人が訪日した場合の経済波及効果を試算しますと、GDP、国内総生産ですが、その一%弱にしかなりません。それは一定の前提を置きました試算ですから、前提を変えれば多少の変動はあるでしょう。けれども、立国ということは、我が国経済の推進力として雇用と所得を大きく引き上げるということです。戦後は貿易立国、ものづくり立国が我が国の大きな発展をもたらしましたが、新成長戦略の目標数字では観光立国にこのような大きな期待は掛けられません。また、訪日外国人の多くは東京都を中心とします大都会に宿泊する傾向が強いため、地方経済への直接的効果は更に薄れることになります。地域活性化の主たる狙いは大都市以外の地方の活性化にございますが、こうした状況で二千五百万人の訪日外国人が地域活性化の切り札となるのか疑問が残ります。
 最大の問題点は、二千五百万人という目標数字が低過ぎて世界の動きに追い付いていないことです。
 日本政府観光局によりますと、二〇〇九年に世界で最も国際観光客到着数の多かった国はフランスで、その数は七千四百二十万人となりました。第二位以下は米国、スペイン、中国の順ですが、この三か国ではいずれも五千万人を超えています。さらに、この後、イタリア、英国が続いていますが、これらの国々のうち、フランスとスペインでは何と一年間で国内人口を上回る国際観光客を受け入れています。これに対しまして、二〇〇九年の我が国は六百七十九万人、世界で第三十三位、中東を除くアジアだけでも第八位と低迷しております。国際観光収入を見てみますと中国のわずか四分の一にしかすぎません。
 我が国では、フランス、スペイン、イタリア、英国といった国々より人口も経済規模もはるかに大きいため、国際観光が国内経済推進の力になるためには、最低限、絶対数でこれらの国々の国際観光客数を上回る必要がございます。しかも、世界では観光がこれからの最大の発展産業と考えられておりまして、主要国では国を挙げて戦略的な観光振興策を推進しております。
 こうした動きを踏まえまして、一億二千七百万人の人口を持つ我が国がもし本気で観光立国を目指すのであれば、訪日外国人二千五百万人では低過ぎるのです。あえて目標数字を掲げるといたしますと、訪日外国人は一億人を目指すべきではないでしょうか。もちろん、その一億人は直ちに達成できるわけではありませんので、中間地点としての例えば二〇二〇年の目標を五千万人としてはどうでしょうか。
 その数字は決して夢物語ではありません。世界観光機関の予測によりますと、国際観光客数は二〇一〇年に十・一億人、二〇二〇年に十五・六億人と、今後の十年間で飛躍的に伸びます。しかも、その中心は東アジアです。東アジア諸国の所得上昇が潜在的な訪日観光需要を急激に膨らませています。
 二千五百万人という目標はこれまでの延長線上で考えられております。しかし、時代は変わりました。我が国の稼ぐ力を高める上で、国際観光は誠に切実な国家的な課題となりました。かつての貿易立国に匹敵する意気込みで世界戦略を構築することが必要です。二〇二〇年に五千万人、将来的には一億人という目標を掲げ、その数字を本気で目指すことを国民が確信しましたとき、ホテルやショッピングモールの新増設を始めといたしまして大きな設備投資も誘発されますから、経済効果は格段に大きくなります。
 観光立国を目指すことは我が国の将来像にもかかわってまいります。例えば、今、我が国製造業のガラパゴス化が問題となっています。携帯電話、カーナビ、デジタルテレビ放送などの例を見ますと、技術的には高度な発展をしていますものの、日本独自の仕様にとどまっているために、世界への販売拡大が難しくなっているとされております。
 しかし、改めて我が国の歴史や文化を考えてみますと、日本という国の成り立ちそのものには、かなり特異な発展を遂げてきたという意味でガラパゴス的な面が多いのではないでしょうか。日本は何といっても島国です。大陸には近いのですが、東は果てしなく広がる太平洋で、地勢上孤島的です。しかも、江戸時代には鎖国をして政策的に交流を制限いたしました。我が国はまた、絹の道の終点で、仏教文化が最後にたどり着いたところでもありますが、はるばる海を渡ってきた文明、文化、宗教は我が国の風土の中でそれぞれ変容を受けました。そしてまた、我が国はアジアの中で最初に近代化し、高度成長を実現いたしました。我が国自身は、世界標準への適合を目指してきたつもりでおりましたが、振り返ってみますと、我が国には他の多くの国々には見られないガラパゴス的な事象が多いのではないでしょうか。
 世界最先端の技術と豊かな自然をこれだけ同時に残している国は少ないでしょう。オタク文化の聖地秋葉原の電気街と秘湯巡りの組合せも魅力的ですが、春のお花見、秋の紅葉狩りも特異な光景ではないでしょうか。お花見や紅葉狩りに参加し、温泉を楽しみたい外国人は少なくありません。我が国の特異性は必ずより多くの外国人観光客を引き付けます。
 私たちは、日常生活の中にあるガラパゴス的特性をむしろ逆手に取りまして、それを意識的に発掘することこそが必要です。ガラパゴス的特性は、美しい国、楽しい国、不思議な国日本、ワンダーランド日本の印象を高めるでしょう。私たちはそのワンダーランド日本の魅力をもっと世界に発信すべきです。
 外国人観光客を受け入れる上では課題も少なくありません。まず、誘致活動が足りません。スペインの例を挙げますと、マドリッド市やセビージャ市などでは毎年三十回ぐらい外国に誘致団を派遣いたしまして、地道な誘致活動を続けています。我が国でも、文字どおり官民挙げまして誘致活動を本格化すべきです。
 外国人観光客を受け入れたときに発生するトラブルへの対応にも知恵を絞ることが必要です。
 生活習慣の違いからくる行き違い、言葉の壁による意思疎通の難しさ、支払をめぐるトラブル、そうしたことが重なりますと外国人客はもう懲り懲りだという印象を持ってしまう宿泊施設が少なくありません。また、顧客の大宗を占める日本人客が離れてしまうのではないかという懸念を抱えているところもございます。
 トラブルをめぐる問題については、交流が進むにつれて相互理解が進むという面がありますから、いずれは時間が解決することが多いでしょう。しかし、国策として観光立国を推進しようとしているとき、トラブル処理を当事者だけの問題として放置しておいてよいものかどうか。国としてもあるいは自治体としても、するべきこと、できることはあるはずだと思います。
 一つは、まずトラブルの現状を把握することです。宿泊現場でどのような問題が起きていて、どのようなことで苦労しているのか、それを確認しましょう。次に、現場の知恵を広く普及したらどうでしょうか。宿泊施設は、それぞれ工夫しながら問題を処理しています。受入れ実績の多い宿泊施設ではそうしたノウハウは豊富でございますので、その知恵を広く業界に伝えるのです。各地にトラブル処理の人材を育てることも必要です。問題が発生したとき簡便に相談に応じる、あるいは迅速な対応を助力する。これらのサポートを広げれば、外国人観光客受入れは確実に前進すると思います。
 大学と連携しました人材育成も急務でございます。美しい国づくりに向けては、無電柱化の推進が必要です。
 かつて我が国では、ものづくり立国を推進しましたとき、ものづくりそのものだけではなくて、電源開発、港湾整備、職業訓練所の充実、産業金融に向けての傾斜配分と、国を挙げてあらゆる対応策を実施いたしました。観光立国実現のためにも、そのような腰を据えた本格的な対応が必要です。
 最後に、残されました時間で活性化戦略と呼ばれるものの再点検もしてみましょう。
 あえて申し上げてみますと、これまでにたくさん実施されました地域活性化戦略の多くは失敗ではなかったかと思うのです。もちろん、多くの関係者は努力されました。また、個別の成功例もございますが、大変残念ながら、全体としては、地域の停滞感は広がっています。これまでの戦略では、衰退を遅らせることはできたかもしれません。しかし、活性化を広げることはできなかったのではないでしょうか。
 ここでは、ちょっとこの「撤退の農村計画」という本を御紹介したいと思います。この本は、林直樹、齋藤晋という大学の先生方の編著になるものですが、過疎地域の戦略的再編を論じています。人口減少社会の中で人手もお金も足りないという現実を踏まえまして、有力な対応策として過疎地の集落移転を提案しております。本書では、集落移転を地域の結び付きを残したまま移転するという意味でコミュニティー転居と称していますが、そのテーマはこれまで何とはなしに論じにくいと受け止められていました。その課題を具体的に検討しております。
 地域の活性化のためには、これまでお話ししてきましたとおり、観光振興で交流人口を増やすことが大切ですが、現実には観光振興もままならない過疎集落が増えております。これをどうするかは大問題ですが、本書は、全てを守り切ることはできないという現実的な視点に立ちまして、集落移転という積極的な撤退を示したことが特色でございます。現実を直視し、国土利用の再編について具体的な戦略を提案するグループが現れましたことは大きな前進ではないかと私は評価しております。
 地域全体の将来像を描くに当たりましては、積極的な撤退の具体的な内容はもとより集落移転だけではありません。例えば、第三セクターで運営されております多くの赤字プロジェクトも対象になるのではないでしょうか。地域の持続的な活性化のためには、大変逆説的でございますが、活性化だけでなく積極的な撤退という視点も不可欠です。
 人口減少社会では全てを活性化することは難しいのです。また、全てを活性化しようといたしますと、無理が重なりまして国力の疲弊が早まります。国力の疲弊は何としても防がなくてはなりません。人口減少社会に突入して、我が国は今、国づくりの根本を見直す必要がございます。活性化と積極的撤退という複線的な対応の必要性を痛感していますことを付け加えまして、私の御報告といたします。
 どうもありがとうございました。
○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。
 次に、岸参考人にお願いいたします。岸参考人。
○参考人(岸良昌君) 群馬県の利根川の最上流にありますみなかみ町の町長の岸でございます。
 今日お招きいただきましてお話しできるということについて大変うれしく思っているわけでございますけれども、地域活性化ということになりますと、ともかく、つい先般、過疎地域にも指定されたところでございますし、人口でいうと、中に少し数字が書いてございますけれども、非常に大きく人口が減っておる。
 少子高齢化、いつも言っておりますけれども、高齢化率でいうと三〇%を超したところでございますし、推計すると、来年には三一%、再来年には三一・七%という推計ができるということで非常に高齢化が進んでおります。
 少子化の方はといいますと、分かりやすく言うと、昨年度生まれた子供が百四名。実は小学校に入った子が百五十二名です。中学校は一学年二百名ちょっとということですから、もう物の見事に直線的に減っておるという状況です。
 その中で地域の活性化というのをここでお話しするのは非常に幅ったいんですけれども、いろいろな新しい芽というのが出ておりますんで、またこの辺を含めて御理解願えればということでお話しさせていただきたいと思っております。
 資料については、非常にまとまりがなくて、みなかみ町の概況を示したデータがいろいろ載っておりますけれども、一番分かりやすく、このみなかみパーフェクトガイドと、何といっても観光の町みなかみでございますんで、先生方にこれを見ていただければというふうに思っております。
 まず、我がみなかみ町につきましては、平成十七年の十月に新設合併ということで設立された町でございます。まあ余り旧三町村、三町村と私は言いたくないものであれですけれども、先ほどのパンフレットの二十三ページに、おおむね水色のところと緑色のところと黄色のところということで旧三町村、現在、地区というふうに言っておりますところがかいてございますけれども。
 水色のところ、これ、旧水上町でございますけれども、ここは人口でいうと約五千、そして黄緑色の猿ケ京地区、新治村が七千、そして今役場の置いてあります黄色いところの旧月夜野町が一万というふうなことで、五対七対十といいますか、おおむね同じ規模の町村が一緒になって新しい町をつくるということでございますんで、なるべく私もこの三つの旧町村を一体化してということは言わないようにしておりまして、まあ昔の自然村でいうと、江戸時代のということでいうと五十九おおむね自然村があって、現在大小ございますけれども、それを地域の行政区という格好でやっておりますんで、五十九の行政区が一体となって新しいみなかみ町をつくるんだということをいつも言わせていただいているところです。
 この辺、省略しようかと思いましたけれども、先ほど島田先生のお話で若干地域主権の話も出ましたんで少し入れさせていただきますが。今言ったのはこのパンフレットの二十三ページを見ていただくと、地区別の色が塗ってございます。もっと小さいやつ、これ、先生方、お持ちかと思います。
 それで、合併のころから出ているということを、ちょっと分権の委員会じゃない、調査会じゃないところで申し訳ないんですけれども、一言言わせていただくと、これについては資料の方の一ページの下段に書いておりますけれども、合併特例期間中というのが十年間ございますので、この間に将来へ向けての基礎体力をつくっていこうということで、平成十九年度に策定いたしまして、職員数を二百四十名、財政規模を百億円に持っていきたいということを指針としてこの間運営してきております。
 実績で申し上げますと、財政規模については、これおかげさまでと言っていいんでしょうか、百二十億程度で組みたいという方向でおりますけれども、おかげさまで地域活性化のための交付金であるとかあるいは合併特例債の活用等々もありますので、今年の年度末で百三十六億円の財政規模ということで、ある意味積極運営させていただいています。
 とはいいながら、経常経費率につきましては、平成十七年で一〇二・八%、これ群馬県三十五市町村のうちの最下位でございました。現在、平成二十一年度の締めで八九・三%。無理やり九〇を切った数字をつくっているわけじゃなくて、もうちょっと決算すると良くなりそうですけれども、いずれにしても、県下でということになりますと平均よりちょっといいというところまで五年間でこぎ着けたということがございます。
 また、実質公債費比率につきましては、平成十九年が悪くて二〇・七だったんですが、二〇といいますと一八超えておりますので起債に県の承認が必要というレベルでございましたが、二十一年度で一七・二%、一八%を切るという状況になっております。
 一方で、基金につきましては、合併したときに十九億しかなかったのが今四十七億円ということで、大体毎年五億円をターゲットに積み上げるようにしておりますが、実績値としては年七億くらい新規に貯金が積み立てられているということです。
 こういうことで、これ私も町長になりまして一年僅かでございますので別に私の実績じゃなくて先人の実績ではありますけれども、その一番の大きな要因は、実は合併したときに三町村の管理職が集まって、我が町、新しいみなかみ町の将来を考えると、このままじゃ成り立たないということで、当時、五十九歳、六十歳の管理職が全員集まって、みんなで辞めようよという相談をしてくれたというふうに先輩から聞いております。ということで、これ雇用の面からいうと雇用責任者としてはいかがかと思いますが、それ以降、先輩方がそうしてくれたんだからということで全ての職員が五十八歳で希望退職してくれています。これで合併当時の三百九十九名が二百九十六名、資料は二百九十七になっていると思いますが、今年度になってから職員の方から副町長を任命しましたので職員が一名減りまして二百九十六名という状況になっています。
 このことが何に響くかといいますと、もちろん人件費に跳ね返ってまいりますが、もう一方は、老人会であるとか文化協会であるとか婦人会であるとか、いわゆる経常的な経費補助については、町の方々が、役場もそれだけやっているんだからしようがないよねということで、端的に申し上げると従前に比べて半分という水準で、あとは活動レベルを落とさないように自分たちのボランティア活動で頑張ってくれているというのがあります。今、協会等のことを言いましたが、その他の面についても、そういう意味で町の人の理解があるということだと思います。
 とはいいながら、さっき申し上げたような財政指数が良くなってきたという話をしておりますんで、町長、そろそろと、こう言われているんですけれども、それにつきましては、ほとんど赤の黄色から大分緑に寄った黄色になったところなんでもう少し我慢してくださいというお願いしていますし、あともう一点は、いつも、合併の前はこうやってもらっていたのをそろそろ戻してよという言い方されるんで、それは平成の一桁で財政が豊かだったときはそうだったかもしれませんが、もし合併して合理的な運営をしていなければ今のサービスレベルも確保できないと思っていますんで是非御理解願いたいということで御理解願うようにしております。
 済みません。いよいよ、観光がメーンの町でございますので観光のお話をさせていただきたいと思いますが、観光については平成三年が四百十万人、現在、二十一年で三百六十万人ということで、非常に大きく落ちております。とはいいながら、日帰り客については、インターチェンジも二つありますし、高速道路、新幹線等で交通の便も良くなったということで日帰り客は増えておりますが、宿泊がピークの二百三十万人から半分の百十五万人ということで、半減しております。
 これは何かというと、今日の新聞にたまたま熱海の話が出ておりましたが、高度経済成長期からバブル期を通じて社員旅行、あそこには新婚旅行と書いてありましたが、我がみなかみ町は組合等の全国大会ということで、団体客に特化したやり方が合わなくなって、九〇年代以降下降線をたどってきたと。それで、過去の投資が負債となって観光業者が苦境に立っておると。これはもう我が町についても同じでございます。
 とは言いながら、ここを見ていただいて、今のページにもお湯が十八ある、つまり温泉郷が一軒宿を含めて十八ございますし、そしてまた、旅館のリストがありますけれども、いわゆる大きな、さっき申し上げた団体志向のところが非常に難しい中で、その間、高級小規模旅館といいますか、温泉地が十八と申しましたけれども、中心以外に散らばっておりますので、そういうところがこの間、個人客あるいは高級志向のお客様ということでシフトしてきておりますので、そこのところで伸びておる。だから、先ほどの往時に比べて半分になりましたというのは、いわゆる団体旅行でいうと三分の一になっているんだろうと。その部分を個人客でカバーしている部分もあるということでございます。この辺の動きを加速していくことが必要かというふうに思っているところではございます。
 また、地域の活性化ということで、雇用の確保としての企業誘致、先ほど島田先生から若干古い手法だというお話もございましたけれども、ということで非常に難しかったんですが、資料の方にヤマキという麺つゆの会社が来てくれたというのがつい最近のことでございますので、これ書いてございますけれども。
 端的に申し上げて、町としても、用地の造成であるとか、あるいは着工に向けての支援だとか、企業誘致に伴う特別条例だとかいうことで促進しておりますけれども、現在稼働した段階で、八十六名の雇用で実際の地元雇用は二十名ということでございます。町の人に言われているのは、あれだけ町が支援して地元雇用が二十人かよということで非常に厳しい御指摘を私もいただいておるんですけれども、考えてみますと、二十年以上前とは言いながら、農村工業導入とかいう形で、この資料のどこかに入れたと思いますけれども、三つほどの大きな団地ができていまして、これは昭和の最後にやったので余り目立っていませんが、現時点、その工業団地に十二社あって約千人の雇用が生まれておると。もちろん、景気の動向でそれが上がり下がりしますので。ですけれども、じゃ、二十年前と比べてこの地域に千人分の雇用ができているということは事実でございますし、これについては積み重ねていかなきゃいけないというふうに思っています。
 先ほどの、地元雇用二十名という単位だけで見ますと、中規模旅館が一つ潰れないように支援した方がよっぽどいいだろうという御指摘もあるんですけれども、それはまたやり方の問題で、業態としてこういうところに力を入れていきたいというところについては間接的に町としても支援していきたいというふうに思っております。
 また、同じようなことで、この間、地域としてどうだったのかということになりますと、先ほどのこのパンフレットで言いますと、絵が入っておりまして、たくみの里というものが紹介しております、これは十ページにございますけれども。これが農村景観を活用した観光地づくりということでスタートしたのが昭和六十三年、構想から具体化したということでこの間やってきております。ここに、絵で見ていただくと分かるように、約二十ぐらいの体験の家がありまして、単なるごく普通の農村、もちろん谷川岳も見えますし赤城山も見える、景観が良くて平らで水田があって畑があって、その後作ったフルーツ園等があってという非常に日本の農村そのものということですけれども、これについても平成に入ってから観光客伸びてきまして、ピークで平成十五年で四十七万人、この間、若干低落傾向で、現在というか昨年度集計で四十万人ということで七万人ほど減っておりますけれども、これについては、町長としてはこの減った分をどう戻そうかというのは当然ですけれども、改めて考えてみますと、何もなかったところに四十万人も来る観光地を地域の努力でつくり上げてきた、それについては地域の文化、景観、そして体験ということでやってきております。
 ここのところで、先ほど先生からも出ました移住、外部の人の人材の活用ということをちょっと触れさせていただきますと、この中の体験工房を二十ほど書いてございますけれども、一番最初スタートしましたのは、地域の技術、何かというとわら細工であるとか、そういう形で地域の人が都会から来た人に教えてあげようということだったんですけれども、実際上は、例えば藍染めの家、古くなりますが、埼玉県から退職されてきた人が来てそれをおやりになっていると。今、観光客が減り始めているというのは、この店は固定じゃなくて、新たにやりたい人が来て近くの民家を借りたり、前やっていた人がお年取ってやめたんで違う人が入ってきたりと、常にローテーションしていますので波があってもいいんだろうと。新しいものが次々に入ってくると、そこが大事かなというふうに思っています。
 行政としては、この間、周辺に桑を抜いてリンゴを中心とするフルーツ園を展開するということで、またもぎ取りについては、今のたくみの里に限らず、みなかみ町全域について次のページ、十二ページに書いてございますけれども、出荷をするというよりも来ていただいて楽しんでいただくということのために、なるべく長い期間各種のフルーツを楽しんでいただこうということでやってきておるところでございます。
 最後にと申し上げますか、住民参加による町づくり、つまり地域づくりについてはそれは非常に大事だと思っていますし、観光についてもまさにそうだと思っています。
 一点と申しますか、今年、群馬県がJRとタイアップいたしましてデスティネーションキャンペーン、各地でやっているものを今年の七月から、七、八、九というのが予定されています。昨年、今年度ですが、プレということで昨年の七月、八月、九月、やりましたけれども、これについては県の事業でありますが、みなかみ町としては徹底して観光を売り出していくということで、県全体のデスティネーションキャンペーンをしょうつもりで相当やらしてもらいました。
 何かというと、地域のグループに集まってもらって、それぞれの地域の文化、歴史、それから売り物は何なんだということについてグループごとに案を出してもらって、それを支援していくということでやってまいりました。ですから、後で見ていただければいいと思いますけれども、谷川岳のところに入っていく一ノ倉沢については、できるだけ車を入れずに、その代わりボランティアでガイドを張り付けて、エコガイドで案内していただくと。
 一歩ずつ進めていきたいと思っていますし、一点だけ申し上げますと、歴史のところに書いてありますけれども、名胡桃城というのが歴史のポイントとしてあるわけですけれども、改めて地域の人が二十名ほど集まってくれて、来た人に歴史から、それから今の状況から説明しようということで地域の人が二十人集まってくれましたので、町としてはその人たちが集まっていってしゃべる場所、これを提供しようというふうにやらせてもらいました。
 あと、極めて小さな話ですけれども、キャンドルナイトというのを昨年五つ続けてやりました。これは構想を大きく立てたわけじゃなくて、中心となる人がよそから、キャンドルをいっぱい付けるというのを仕入れてきた人がいまして、地元のお寺とタイアップしてお月見のときにボランティアを六十人ほど集めてろうそく七百本に火を付けたと。それで、町の人が中心ですが、二百人の人が来てくれて、お寺でキャンドルに火がともって、そしてしの笛でということで、お客さん二百名だったんですけれども、そこに来ていた地域の人がうちでもやりたいということで、先ほどの地図で言うと別のエリアに移るんですけれども、アウトドア関係でフェスティバルをやろうというときに、そこの人が中心になって点火したと。それを見て、次は、さっきのを見て猿ケ京という別の地区で地域づくりのために地域の人が集まって、やろうと。それを一か月後に予定して、それでまたあと一本、それを見て今度は、さっきの星の鑑賞会出ていますけれども、谷川岳のてっぺんで、ふだんはロープウエー通っていないところに動かして星空を夏は見せたんですけれども、そこのところで雪の中でキャンドルナイトをやろうということでいって、昨年の秋始まったことが、それぞれの地域でそのノウハウを活用しながら、次々に新しい人が参加して町のあちこちでやっていこうと。
 今度の二月の十二日にはスキー場でやろうということでやっていますけれども、そういう形で町の人がどんどん参加して、これやろう、あれやろうということでやっていただいているということで、まとめ的に言いますと、先ほど言った観光地が非常に落ち込んでいると、何とかしなきゃいかぬと、いろんな動きがある中で非常に危機感が高まってきて、自発的にやることによって、みんなで集まってやっていこうという芽が出てきているかなというふうに思っております。
 観光、低迷していると言いながら、一つだけ言わせていただければ、この絵の表にも出ていますラフティングを中心とするアウトドア、これは利根川の恵みを生かした、首都圏でもみなかみ町しかできないということですけれども、これらについて新規の参入者が十七、八年前から始め、順次拡大してきて、昨年が十一万人ほど、今年の集計をやると多分十三万人になるだろうということで、地域の目玉として非常に元気が出てきておりますので、これらについては、町としては支援しながら、なおかつ安全性の確保であるとか、余り質を落とさないように、質の確保であるとか、あるいは過大集中的な利用にならないようにといったようなことについて事業者の意識が出てきておりますので、町としては条例という形で支援をすると同時にコントロールもするといったようなことで、これは町が主導的にじゃなくて、事業者同士の話をまとめる中で責任主体として町が表に立つといったようなことで今考えているところでございます。
 いろいろなこと、先ほどちょっと触れましたけれども、昔、温泉街の中に町がプランターを置いてくれたので町長やってくれと言われたときに、私も政治家になり切れていないものですから、嫌だ、嫌だと言ったので、あれは、言い方は多分、それはよく分かります、皆さんと一緒にやりましょうと言えばいいんですけれども、嫌だ、だけれども、皆さんがやってくれるのなら、苗は町で買うというのは御相談しますということを言っていますし、それから、あるところで、お母さん方が国道際に土地が余っているので花を植えますとおっしゃったので、よろしくお願いしますと言ったのですけれども、一週間後に来られて、やっぱり国道から見やすいように傾斜を付けたいんですけれども何とかしてくださいと言うので、すぐ、除雪用の役場の重機がありますので、職員に、あそこへ行ってちょっと造ってよと言ったら、職員が三日でやってくれて、その次の週にはその御婦人方がお花を植えてくれたと。
 そういう芽が一歩一歩出てきているんだと思っています。それを大きくつなげていくということが地域の活性化につながるのだと思っていますし、やはり旧の、それぞれの地域ごとの特徴というのは非常に、文化もありますし、伝統もありますし、あるんですけれども、とはいっても、それを大くくりにするからそういうことなので、昔からの集落同士というと、旧町村の中にもいろんな色合いがあって、改めてみなかみ町という目で見ると、それぞれの地域、細かい地域が歴史と文化と人の活動があって、それを一つの力に合わせて、観光も振興するし、町づくりにもつなげるし、多くの人に来ていただこうということにつながるんだというふうに思っております。そのことが、全体が低落する中で町の人の危機感が出てきているというものをうまく行政体が拾い上げることによって新しい方向性が出てくるのかなと考えているところでございます。
 最後、まとめは、これを是非御覧いただいて、永田町からみなかみまで二時間でございますので、是非現地の方にお出かけいただければと思っております。
 ありがとうございました。
○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取を終わります。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑は、あらかじめ質疑者を定めずに行います。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 一回の質疑時間は、答弁及び追加質問を含め最大十分としております。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 前川清成君。
○前川清成君 参議院の奈良県選挙区から国会に送っていただいております前川でございます。
 三人の参考人の先生方、大変貴重な御意見を承りまして、本当にありがとうございました。
 額賀参考人から観光振興に関して詳細なお話がありました。実は、私が卒業した橿原市立鴨公小学校というのは、七一〇年に平城京に遷都されておりますけれども、その遷都される前の藤原京の大極殿の跡にございました。私が今暮らしている二条町というのは、私の家から百メートルで平城京に達します。家三軒で平城京。それに限らず、例えば東大寺でありますとか法隆寺でありますとか世界遺産が県内に三か所ありまして、国宝は東京、京都、奈良というふうな順番で数もたくさんあります。ところが、額賀参考人、どこかの著書でもお書きいただいていたんですが、宿泊を伴う観光客の数が実は奈良県は百十七万人、全国で最下位なんです。
 今、私たち民主党県連の政策委員会というのがありまして、一応私が政策委員長を務めさせていただいているんですが、この件についてもいろいろ議論をいたしました。結論としましては、やはり奈良県にホテルの数が少ないと。実は、県内の客室数は九千四百九十二室、これは全国四十七都道府県の中で最下位でして、従業員十人以上の中規模以上の施設が六十七で二千九百二十室しかありません。
 ですから、奈良県の観光を更に振興するには、私なんかは、どなたも気軽に宿泊することができる清潔なコンパクトなそんなホテルをたくさん造っていかなければならないというふうに考えておるんですが、この方向性、奈良県のポテンシャルとしては私はなかなかいいものを持っているんじゃないかなと、こう思うんですが、それが実際の観光に結び付いていない、その点でちょっと方向性みたいなものがあれば御教示を賜ればと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(額賀信君) お答えします。
 まず、奈良県の状況なんですけど、二〇〇七年から宿泊旅行統計という宿泊者数の統計が公表されるようになりました。その数字を確認してみますと、二〇〇七、二〇〇八、二〇〇九と三年連続して奈良県は四十七都道府県中四十七位、最下位でございました。
 しかし、昨年の数字を見てみますと、二〇一〇年の数字はまだ九月までしか出ていないんですが、四十七位ではなくて四十六位ということで一位上昇しております。それはなぜかなというふうに考えてみますと、例の遷都千三百年祭がございまして、地域の方も大変努力をされましたし、また国民の皆さんも関心を高めたことが大きいのではないかと思います。
 確かに我が国には世界遺産は十四しかないんです。そのうちの三つを奈良県が占めておりまして、いわゆる遺産という意味では大変たくさん持っているわけですが、それにもかかわらずそのように宿泊者が少ないのはなぜなんだろうかということはよく考えてみる必要があると思います。
 もちろん、先生が今言われたとおり、ホテルが少ないというのも重要な要素でございます。しかし、この宿泊旅行統計で見てみますと、ホテルの、ホテルといいますか宿泊施設の稼働率も分かるんですね。その稼働率で見てみますと、奈良県の稼働率は全国平均を大変残念ながら下回っておりまして、単に部屋が足りないということだけがその宿泊者数を下げている原因ではないのではないかと思います。大変申し上げにくいんですが、やはり地域で人を呼ぶためには、単に文化遺産があればいいということではなくて、それを利用して人を誘致する、人に来ていただく、そういう工夫や努力が必要でございますが、そういうものが大変遺産を持っていた結果徐々に弱まってしまったことがそうした結果をもたらしているのではないかと思います。
 しかし、先ほどお話ししましたとおり、まさに昨年からは改めて地域の皆さんの御尽力によりまして、順位が一番とはいえ回復しておりました。
 それからまた、方向としてホテル等の投資が起きることは地域にとっても、もっと言いますと国全体にとっても大変重要なことでございます。そのような投資をしてもこれでもうかるぞというその意識を投資をする関係者の方々が確信するような、そういう長い観光立国の戦略を国民に知らしめていくということが私は政治としては改めて重要なのではないかと思います。
 以上でございます。
○前川清成君 ありがとうございます。
 稼働率の点を申し上げれば、私たちが考えておりますのは、どうしても従来型の、例えば修学旅行生が宿泊するような何人もが雑魚寝をするような形の部屋が多いと。すると、今の若い人も、あるいは中高年の皆さん方が御夫婦でゆっくり旅行するときも、まあそういうお部屋はお望みにならない。豪華でなくてもいいから、小さくてもいいから清潔なホテルというのは、私はそういうような趣旨で申し上げたところでございます。
 今、奈良県の知事は自民党の参議院議員でいらっしゃった荒井正吾先生でございます。荒井知事も、そういうようなことで、コンベンションができるそんなホテルを誘致したいということで御努力されていますので、自民党の先生方に御紹介をさせていただきたいと思います。
 それで、今日は国会での議論でございますので、ちょっとふだんでは失礼で聞けないようなことを岸参考人にお尋ねをさせていただきたいんですが、大変失礼を承知の上で申し上げます。
 あるいは、今、額賀先生からもお話をいただいたんですが、みなかみ町ですが、みなかみ町が宿泊者数が百十五万人。先ほど申し上げましたが、奈良県が寄ってたかって百十七万人ですのでちょっとショックを受けたわけですが、実は奈良県にも温泉があります。源泉掛け流しの温泉がたくさんあります。吉野山や大台ケ原というような美しい自然もたくさんありますし、吉野川あるいは十津川というような渓流があります。ですから、本当に失礼な言い方なんですが、みなかみ町にあって奈良県にないものが何かあるのかなというぐらいに、まあお国自慢ですけれども、そう思っています。
 さらには、例えば、くどいようですが、東大寺でありますとか唐招提寺でありますとか、あるいは法隆寺もありますし明日香村などの遺産もあります。さらには、行事的に申し上げれば、二月には東大寺二月堂のお水取りもあり、あるいは秋には正倉院展などもあって大勢の観光客がお越しになる。ところが、この奈良県とみなかみ町と旅行者の方がほぼ同じ。
 ちょっとみなかみ町から見ていただいて、もしも奈良県に欠けているようなところがあればこういうところじゃないでしょうかという率直なアドバイスを賜ればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○参考人(岸良昌君) 済みません、非常に難しい。
 実は昨年の十一月、十月だったですか、遷都祭に行かせていただいて、奈良県というのは歴史とそして見るところがたくさんあっていいなというふうに思ったところで、つい先般の資料で先ほど先生のおっしゃった奈良県の数字を見て驚いたところなんですけれども。
 みなかみ町については、百十五万人ということですけれども、大型旅館でいうと半分以下になっている。キャパでいいますと、たしか宿泊定員でいうと一万二千人ぐらいのキャパがあります。したがって、稼働率というと非常に悪いという状況です。これ、みなかみのことだけ御説明するようで申し訳ないんですけれども、例えば、団体客で八人という定員の部屋が大型旅館にいっぱいある、ホテルにあるわけですけれども、今そこで何とかお客さん入れているといっても御夫婦だとか家族にシフトしていますから、昔は団体旅行で宴会やって八人で寝ていたところに平均すると二人とか三人、しかも稼働率については落ちているというんで旅館さんが非常に苦労しているという状況でございます。
 奈良県へ行かせていただいた中で、あえて差ということで、とはいっても、奈良も紅葉きれいですし何とも言い難いんですけれども、山岳の景観と、そして利根川、これはもう本当にきれいな水ですし、そしてやっぱり冬場のスキーで、落ちてはいるといいながら、日帰りが中心ですが四十二万人、これ百万から落ちているという状況で四十二万人ほど入っていますので、その辺かなと。
 それからもう一つ、先ほど私がPRさせていただいたように、みなかみ町というのは首都圏の水がめで、貯水量でいうと首都圏三千万人の水の貯水量の六〇%はみなかみ町の四つのダムにためさせていただいていますので、首都圏、一滴でも飲んでいる方は是非来てほしいと、これはいつも言っておるんですけれども。
 逆の言い方しますと、首都圏から一時間、二時間で来れると。もちろん、奈良の場合、京都だとか大阪だとかありますので何とも言い難いんですけれども、何とか首都圏三千万人の方に頑張って来ていただければ、みなかみもう少し発展するのかなと思っていますので、あえて差というと、そうお答えさせていただきます。
 失礼いたしました。
○会長(直嶋正行君) ちょうど十分程度で、一人、お願いします。
○前川清成君 終わろうと思っています。
○会長(直嶋正行君) そうですか。失礼しました。
○前川清成君 ありがとうございました。
 高名な島田先生にもお尋ねをしたかったんですが、今、直嶋会長から念を押されましたとおり十分程度ということで、今日はお尋ねすることができません。そのことをおわび申し上げますとともに、三人の先生方に感謝申し上げまして、私からのお尋ねを終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○会長(直嶋正行君) それじゃ、続きまして岡田広君、お願いします。
○岡田広君 自民党の岡田広です。
 それでは、今日は三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございました。
 島田参考人にお尋ねをします。
 人口減少社会ということで、人口移動とその定着という中で熟年移住というのが地方の活路には大切だというレポートを今読ませていただきました。そういう中で北海道の伊達市の例を挙げられていますけれども、朝はゴルフ、午後はスキーとかということで移住人口を増やしていると。後で岸さんにもお伺いしたいと思いますが、こういう中でやっぱり移住するという、二地域居住も国交省はやっていますがなかなか思うように進んでいないような気がしますけれども、伊達市は増えています。
 そういう中で、道路を始めとしたアクセスの環境整備というのはとても大事なんだろうと思いますけれども、私は二十一世紀のキーワードの一つは交流だというふうに考えていますから、多分、交流のためにはアクセス、利便性を高めるというのはとても大事だと思いますので。ただ、今の予算の組み方からすると、こういう道路予算が少し削られているような、そんな気が私するんですけれども、こういうアクセス整備についての考え方をひとつお聞かせいただきたいと思うんです。
 それで二点目は、地方消費税の拡充ということをうたっています。消費税は今まさに議論になっていますが、これは長くなるからお話ししませんけれども、消費税の中に私も、消費税が上がるかどうかはこれからの議論ですけど、仮に上がったときには、この中に社会保障だけではなくして地方消費税というのが既に今の五%の中に入っているわけですけれども、地方消費税もこの中に入れていかなければなかなか地方の経済活性化はないと思うんですが、この考え方、これをひとつお聞かせください。
 額賀参考人には、人口減少の要因の一つには公共投資ということが、工場誘致と公共投資と挙げられていますが、その中の公共投資でありますけれども、国の予算の中で大きくくくると公共事業予算はこの新政権になってから二三%強減っていますけれども、こういう中で果たして地域経済が活性化になるんだろうか、公共投資ってやっぱり地方には大変私は地域経済活性化、雇用の拡大のためにも必要だというふうに考えているんですけれども、なかなか工場誘致はいろんな税制措置を講じても今の経済社会の状況の中、なかなか来てくれない。さっき、ヤマキという話もみなかみの町長さんからありましたけれども、そういう中でやっぱり公共投資の重要性についてちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、岸参考人にお尋ねします。
 みなかみは観光と農業ということで、農業については、データありますけれども、第一次産業、もう一二・二%ということで、十七年減って、もうどんどん下がってきている。しかし、第三次産業は、これ上がってきていますね、六六・六%という中で。そうすると、さっきの伊達市のように、朝ゴルフで午後スキーとかという町づくり、移住人口を増やすことができるんだろうけど、どこで何が違うか、ちょっとそこ分からないんですけれども。
 私、伺いたいのは、農業がどんどん離農する人たちが増えてきている。そういう中で、自給率というのは国は御承知のように五〇%を目標にしているわけですけれども、今TPPの議論もありますけれども、仮に将来自給率が下がってくる、そういうときに果たして農業どうなんだろうか、心配なんですけれども、そういうことについて、元気で活力ある地域をつくるという意味では、やっぱり地域の問題は地域で解決するというのが住民自治の在り方だと私は、私も長をやりましたので考えているんですけれども、是非この農業の、自給率とかの農業の将来について何かお考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
○会長(直嶋正行君) それでは、島田参考人、額賀参考人、岸参考人の順でよろしくお願いいたします。
○参考人(島田晴雄君) ありがとうございます。
 岡田先生が伊達市の話からスタートされましたものですから一言コメント申し上げたいんですが、伊達市へ行ってごらんになるとすぐ分かりますけれども、大変町の人がよそ者を迎える気持ちが温かいんですね。ホスピタリティーというのかフレンドシップというのかは知りませんが、一緒にゴルフやろうよ、何しようよとやっている、そういう雰囲気があるものですから、統計上もはっきりしておりますが、三万人ぐらいの町ですけれども、毎年五百人ぐらい社会増になるんですね。自然増ではないんですね。ですから、外から入ってくる。どこへ住もうか、いろんな町を探すんですが、カナダへ行こうかどこへ行こうか、いや、伊達市に決めたというようなことがありまして、伊達市の住宅地の地価が上がるというようなことが数年前、上がるというか全国トップになりましたけれどもね。
 そういう、何というかハードウエアよりソフトウエアだと思いますね。みんなが協力して町を良くしようという、そういうのがとても大切ではないかということをまず申し上げた上で、アクセスももちろん重要ですけれども、私は公共投資、アクセス道路建設が景気対策としては実は乗数効果ある程度高いものですから、意味はありますけれども、ただ、大局観で見ますと、日本は全国各地の舗装率は物すごく高いんですよね、世界の中で。それよりもボトルネックは大都市だと思います。例えば、関西圏見ていただいたらすぐ分かりますけれども、本当に高速道路があちこちでぶつ切れなんです、つながっていないんですよね。首都圏もちょっとネックがたくさんあります。むしろそういうところへ集中的にすることの方が重要なような気がしますね。
 それからもう一つ、地方の観光との関係でいうと、地方空港が本当は世界に開かれちゃっていた方がいいんです。ところが、日本の場合には、成田、羽田は今度大きくなりますけれども、そこから地方へ行きますともう大体くたびれちゃうんですよね。計算するだけで嫌になっちゃうと思います。ですから、ここは航空行政の問題なので、幾らでもこれは、設備は整っておりますから、これまたソフトウエアというか行政ウエアの話で、考え方一つでやれることなので、地方に世界が直結するということをおやりになった方がいいと思います。
 それから、地方消費税は、私は、これは重大な問題ですけれども、私は地方の努力が、つまりいろんな人を誘致していろんなことで仲よく、いろんな観光、努力して頑張って、そこで地方で消費を喚起した場合に、そのある程度の部分が地方に消費税の形で振り分けられるというインセンティブを持てるような税制になるべきだと。今は五%のうち一%はやるけれどもということで非常に機械的ですけれども、やっぱり努力したところには報いられるんだと、みんなが一生懸命消費を喚起するようにしようじゃないかというような、そういう意味でも人口移動、さっき申し上げたのはとても重要なんですね、ということを申し上げたい。
 最後に一言。先ほど前川先生の質問には私しっかりお答えしたかったんですけれども、チャンスがないので、どなたか別の先生方、同じような質問してくださいませんか。私しっかりと、実は専門家としてやりたいと思います。私はずっと観光行政をやってきたものですから、お手伝いをね。言いたいことはしっかりございますので、どうぞお願いいたします。
○参考人(額賀信君) それではお答えします。
 公共投資につきましては、一概に全て駄目だというふうに考えるべきでは私はないと思っておりまして、何といってもその公共投資によってもたらされる効用が大切でございます。
 それで、最盛期のときの公共投資の状況というのを改めて振り返ってみますと、地域の一人当たりの公共投資の規模に大きな差異がございまして、とりわけ人口密集地、例えば首都圏であるとかそういう地域の一人当たりの公共投資の規模が大変低かったのが実情でございました。私は、仮にそのような効用というものを重視するということでございますと、今後の公共投資は基本的には人間の数に合わせてその規模を決めていくことが重要ではないかというふうに考えております。
 そうしますと、地方でその公共投資というものが持続性、自律性を持って雇用と所得を維持し続けられるだろうかというふうに考えますと、やはりこれまでのようにはいかないんだろうなと思えてなりません。
 そのような意味で、もちろん公共投資も大事でございますが、観光といいますか交流人口をどのように増やしていくのかという視点が不可欠ではないかと考えております。
 以上でございます。
○参考人(岸良昌君) 自給率の関係で御質問、農業との関係でというお話なんですが、先ほどちょっと御説明いたしましたように、基本的に、非常に農地も広がっておりますし、農村景観そのものが売りだと御説明したとおりでございますし、昔の桑畑が蚕から果樹に変わっておると。
 あと、水田については、昔ながらの水田あるいは整備された水田を含めて米を中心にやっておりますけれども、実は昨年の秋の米の食味品評会でみなかみ町の米が金賞を取っております。要するに、おいしい米だということになっておりますし、そして、実際に米作っていらっしゃる方は非常に小規模なんですが、それぞれコンバイン使わずにはざ掛けをしていると。それは何かというと、手間暇掛けても食味を上げたいと。
 それで、そこをどこで売っているかというと、全部とは言いませんけれども、来てくれた人に直売所で買っていただいて、あるいはリンゴ狩りに来てくれた人に売ったのが名前書いてあるのを見て次の年から買ってくれるという形で、ある意味観光と連携した形での農業というところを更に発展させていきたいと思っています。いわゆる農業生産額でいうと約四十億円ということでございますので、観光の二百億円に比べるとスケールとしては五分の一ということになってしまいます。TPPの関連でいうと、それを突き詰めた議論になるので避けたいと思いますが。
 いずれにしても、地域で耕作放棄地が増えていることも事実ですし、離農というのが正しいかどうかは別といたしまして、高齢化がどんどん進んでいると申し上げました。子供たちが農業は基本的には継ぐのは難しい、じゃ、雇用の場がどこだということで、先ほどのお話に戻ってしまうと思います。地域の維持という意味では、やはり先ほどの首都圏に近いということになりますけれども、子供の数が減ったのは何でだという話になると、誰も私に質問されずに、そうだよな、うちの娘は埼玉に嫁に行っているよな、うちの子供は今神奈川に住んでいるんだよなということだと思いますので、これらの活力という意味では、おっしゃっている交流人口だと思いますし、農業としては今の個性ある農業を維持していく、それはやはり交流の中でということが重点になってこようかと思います。
 御質問とちょっと筋がずれて申し訳ございません。
○岡田広君 ありがとうございました。
○会長(直嶋正行君) それでは、続きまして横山信一君。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 まず島田先生にお聞きをしたいんですけれども、私も北海道選出でございまして、伊達市のお話をしていただいて大変うれしく思っております。
 伊達市のことで、ここは私の感想をまず言わせていただきたいんですが、伊達市は障害者の政策に非常に熱心に取り組んできていると。人口規模が三万人ということもあって町がまとまりやすいということもあるんですが、そうした町ぐるみで障害者に対しての非常に取組があったということも背景にあって、何というか、人情がいいというか、そういう感じが私はしております。
 その上で、島田先生の言われた工場誘致よりも生活者誘致という、非常に分かりやすいというかインパクトのある発言だったなというふうに思うんですけれども、その上で、これは日本人の伝統にも根付いてくると思うんですが、地縁、血縁を断ち切って移住をしていくという、それを進めるというのには地域の魅力だけを発信するだけではなかなかこれは難しい面があるんじゃないかなというふうに思います。
 そういう意味で、交流を進めていく、交流というか移住を進めていく上での視点というか、その地域の発信ということも含めてということになるかもしれませんが、そうした決断をさせるためには何が必要なのかという、その点についてのお考えをお伺いできればと思います。
 それから、額賀先生の方には、今ほどの質問にもかかわってくるかと思うんですが、観光は地域のインフラ産業というふうなことをおっしゃられまして、確かに観光地として元々成立している地域というのは、交通機関が非常に便利なところであったりとか、私、実は函館でございまして、空港もある、港もある、そして間もなく新幹線も来るというところで、しかも観光遺産も多いということで非常に地の利はあるところではあるんですが、実際に、既に、そういう道路もつながっていない、高速道もつながっていないと、しかし、地域に目を向けると、これは是非多くの人に来てもらいたいと、そういう財産はいっぱいある、そういうその自治体の悩みというのはたくさんあると思うんですね。そういう意味で、この観光は地域のインフラ産業という、そういったところ含めてもう少しお話をいただければと思います。
 それから、岸町長には、実際に今現職の町長として、先ほどのたくみの里の体験工房に四十七万人でしたかね、来られているというお話をされておりましたけれども、移住政策もおありになるということで若干触れられておられましたけれども、移住を進めるということと、それから交流人口を増やす、このたくみの里のような交流人口を増やすということを現場の首長として、その政策の進め方や、あるいはその経済効果という観点から見たときに、端的に言えば、どっちが得なのかというか、そういった実感を伴ったちょっとお話をいただければというふうに思います。
○参考人(島田晴雄君) この決断を促す要因ですよね。
 これは、人々は物の考え方、生活スタイル、あるいは友人関係、もうそれぞれ十人十色ですから、このさっき御紹介した北海道の生活体験、ちょっと暮らし、一週間から一か月ぐらい皆さんやっているわけですね。そういう経験を通じて、これは面白いな、一緒にやれるなと、新しい友達づくりができたなと。要するに、地縁、血縁といいますけれども、若いころは地方から東京へ来て地縁、血縁つくっているわけですけれども、また、健康を求めて新しい地縁、血縁をつくるというそのきっかけになるような、こういう努力が必要だと思うんですね。私はパターンは何十種類もあると思います。家を移住するのもあり、子供と一緒に何かしに行くのもあり、それぞれの工夫だと思うんですね。
 それで、ひとつちょっと大変恐縮なんですけれども、額賀先生の話題に入りそうなんですが、済みません、私も観光のお手伝いをしてきたものですから一言申し上げたいんですが。
 日本の観光業は、実はある種ガラパゴスなんですね。これは、一番盛んに栄えたのは高度成長時代なんです。高度成長時代の特徴は何かというと、所得はどんどん増えていくけれども情報がなかったんですよ。ですから、団体旅行になっているんですね。これが、全国各地の大型温泉ホテルというのがはやったわけです。これは、別府の杉乃井さんとか、ああいうすごい大きなのができてくるわけです。
 ところが、情報が豊かになりますと、またグローバルに情報を比較しますので全く魅力がなくなるんですよ。実は、各温泉どういうことやっているかというと、十皿、十二皿出して三百人の部屋でやっちゃうものですから、もう半分くらい冷えているし、大体食べないし、捨てているんです、あれ、ダンプで。ですから、旅館経営もすごく大変なんですけれども、魅力がほとんどないんですね。
 日本人は忙しいから一泊二日しか旅行しないと言われていますけれども、これは統計取ったらよく分かる。そうじゃないんですよ。日本人で同じ人たちが世界へ行ったときは一週間も泊まっているんです。なぜ、じゃ日本で一泊二日なんだ。面白くないからです。同じ旅館泊まっていて二日目泊まるというと、旅館から、もうちょっと、やめてくれとは言いませんけれども、いいですかなんて言われますよ。なぜかというと、翌日も同じものしか出さない。顧客のニーズ全然見ていないんです、日本の旅館は。だから、五百人風呂、千人風呂なんていったものがありますけれども、あれ、ほとんど同じウエア着て、番号の付いた帯させられて、努力不足です。努力は、じゃどうしたらするのかといったら、競争しなきゃ駄目なんですね。
 軽井沢の星野さんという人が力説して、私もすばらしいと思っているんですけれども、先ほどみなかみの御経験で、団体旅行向けのお部屋はみんな空いている、ただ、個人の工夫したところはかなり埋まっているとおっしゃった。もう明らかにその傾向なんです。ところが、日本の休日、特に小学校です。夏休み、冬休み、お正月、連休、このときはどっと来るんですよ、お客さんは。努力している旅館も努力していないところもいつも満杯なんです。ところが、あとは閑古鳥ですから、努力してもしていなくても同じ。これでは努力しませんよ。競争がないです、日本の観光業には。世界はどんどん競争して新しい情報時代になっている。
 だから、そういう意味で、さっき、奈良のもそうなんですけど、あれだけの世界遺産を持っておられる、世界でもギリシャを上回ると思いますよ、あそこは。ただ、額賀先生がおっしゃったように、ひょっとするとそれが災いになっているんじゃないかと。こんなにいいものを持っているんだから来るはずだよという発想がありはしないかなと。つまり、本当に魅力があるんですか、ですね。私はギリシャがそんなに魅力があると私も何度も行っていますけど思わないんだけど、やっぱり皆さん、世界中の人はギリシャへ一回行ってみたいんですね。奈良だって本当はそうなるはずなんです。それを、やっぱり民間の努力ですよ。
 ということで、ちょっと済みません、余計なことを言いました。
○参考人(額賀信君) 御質問の趣旨は、アクセスの不便さが人の交流を妨げているんじゃないかということだと思いますが、もちろんそういう面はございます。
 ただ、現実にどういうことが問題になっているかといいますと、例えば、実際に新幹線が通るあるいは高速道路が通るということになりますと、ストロー効果とよく言われるんですが、新幹線の通ったところから大都市の方に人が流れていってしまうということがございまして、地域の方々は待ち望んでいた新幹線の開通なんだけど、逆にそれによってその地域の購買力がよその地域に持っていかれちゃうというようなことが問題になっているわけなんですね。
 一方で、今、例えば観光について言いますと、どういうことが起きているかと言いますと、一つは秘湯ブームがございまして、日本の中の非常に行きにくい、人が行かないような、そういう温泉を巡るブームがございます。そこは、じゃなぜ行くのかというと、決して交通が便利だから行くわけではないんです。そのように考えてみますと、人が来る本質は何かなということだと思います。もちろん交通が便利な方がいいに決まっていますから、お金のゆとりがあればそういう面の充実は図られるべきだと思うんですが、やはりより基本的に大事なことは、その地域が来てくださった方々に対してどのような面白さ、楽しさ、そういうものを提供できるかということだと思います。
 そのような意味で、その地域の方々の、繰り返しになって恐縮ですが、工夫とか努力とか、それも持続的な工夫や努力というものが結局は地域に人を呼ぶ大きな力になるのではないかと私は思います。
○参考人(岸良昌君) 移住とそして交流人口ということで御指摘がありました。
 移住の話しますと、自己紹介になってしまうんですが、私自体が群馬県とは平成になるまでかかわりがなくて、県の職員としてこの地域ともやっておったわけですけれども、十六年ほど前にいわゆるマルチハビテーションというか、週末だけこの地域にお世話になるということで家を造らせていただいて、本格的に住所を移したのは七年前です。
 それで、ここから先については非常に政治的なにおいをどう嗅ぎ分けるかの問題だと思いますが、先ほど、三つの町村で一回目選挙やって何とかまとまりができているときに、初代の町長も、やはりこれ以上もう一回元の町村という色が出る選挙はやめた方がいいという御判断だったと思います。全く外部、そういう意味では、地元に親戚、血統のない私をいわゆる何というんですか、よく地方分権で今議論されている、アメリカ等にある、議会の議長が首長でシティーマネジャーを雇うという行政形態があるようですけれども、そういう感じかなと思っています。そういう意味でいうと、ある意味地域の活力を出すという意味では移住というのは非常に重要かなと。
 あえて申し上げさせていただくと、ラフティング等が非常に伸びているという話もしました。このアドベンチャー関係の二十社のうち半分以上はよそから来た人がその事業主になっておるということもありますし、そしてまた、観光協会で頑張ってくれている人もよそから来て新しい視点で入れてくれているということがあります。
 それから、もうちょっと地域密着的な話だと、上毛高原の新幹線の駅から数キロのところで非常に景色のいいところですけれども、町内各地でお神楽だとか神社があるんですけれども、そこの一つの地区については非常にお神楽が盛んだと。ほかのところは二十年前から同じ人がやっていると。ここはもう五年前から彼が入ってきてくれたよというのが何かというと、新しく住んでくれた人に、必ず月一回は酒を飲む、お神楽は必ず出ろよというふうに言っていると。そういうことで、そういうところが好きだという人が一人入ってくれば二人入ってきてということで、その地域の力にはなると思っています。
 しかし、経済トータルとしてどうだと。先ほど観光の話していますし、交流というのは、来ていただいて、泊まっていただいて、見ていただいてと、これ大事だと思っていますし、従前の形でいうと、千葉市さんと中学生が必ず来るという施設もありますし、さいたま市さんのやつもありました。あと、今は教育旅行ということで、農家民泊を含めてそういう形で次に打ち出していきたいというふうに思っています。
 したがって、経済に対する影響という意味では交流人口を増やすということに尽きると思いますが、地域の活力という意味では移住していただくと、先ほどたくみの里の例も申し上げました。そういう意味で、移住の方についても積極的に受け入れていきたいというふうに思っているところでございます。
○会長(直嶋正行君) じゃ、続きまして上野ひろし君。
○上野ひろし君 上野ひろしでございます。
 私は、地元群馬でございまして、まず、みなかみの岸町長に御質問させていただきたいと思います。
 岸町長、地元で地域の活性化のために非常に御努力をされておりまして感謝を申し上げるとともに、また、今日御説明いただいたことを御礼を申し上げます。
 まず最初に、日本全国、地域の自然を生かした観光の取組というのは随分やられているところもあるんじゃないかと思います。もちろん、みなかみは谷川があったり、あと尾瀬も近かったり、また温泉もたくさんあるということで非常に恵まれているとは思うんですけれども、また、たくみの里みたいな取組というのも同じようなことを考えられている地域というのは多分たくさんあるんじゃないかと思うんですけれども、みなかみが、最近減っているとはいえ、随分たくさんの観光客、たくみの里も四十七万人来ておられるという、ある意味成功されている、ほかの地域と違った要因というのは何なのかを、まずお伺いをしたいと思います。
○参考人(岸良昌君) 先ほどまでお話ししたことと重ならないようにということになるとちょっと難しいんですが、自然そして農村景観というのは、やはり日本人のふるさとといいますか、今東京等にいらっしゃる方がどれだけふるさと意識を持っていらっしゃるかは別として、日本人として、やはり畦畔のある農地を見、その後ろが森林があって、そして谷川岳というお話もありました。三国連峰であるとか、今の季節でいうと、雪のかぶった、秋の、春でもいいんですが、雪のかぶった山が後ろにあると。そして、目の前に谷川が流れているということ自体について、人を引き付けるものがあるんだろうというふうに思います。
 その中でよそにないものと言われると、ちょっと識別は付かないんですけれども、そういうものを先ほどたくみの里で御説明しましたけれども、是非こういう形で来てください、それで時間を潰せるところ、これを提供する。フルーツ狩りもそうですし、体験工房もそうですけれども、ともかく時間を潰せるところ、そして日本人の、特に農村という原点を提供すると。これがまあ今若干落ちているとは言いながら、この間、そういうもので四十七万人の場所もできましたし、それ以外の場所についてもそういう魅力というのはあるんだろうと。
 もう一点申し上げますと、やはり日本は四季折々ですから、新緑がきれいだ、紅葉がきれいだと、そういうポイントというのは間違いなくみなかみ町にあると思っております。
 余りうまい答えになっていないと思いますが、そんなところが特徴かなと思っております。
○上野ひろし君 続いて何点か岸町長にお伺いしたいと思うんですけれども、観光振興といったときに、群馬だったら県外からお客さんにたくさん来てもらうということも、もちろんあると思います。また、日本という視点から見ると、外国からたくさんお客さんに是非来ていただくという考え方があると思います。みなかみで、特に外国のお客さんに来ていただくような取組というのはされているのか、どういうことをやられているのかという話と、先ほど町長の方からもお話ありましたけれども、去年は長野ですかね、今年は群馬でデスティネーションキャンペーンということで、JRとタイアップをして随分大々的な観光キャンペーンが行われるということだと思うんですけれども、民間と共同した観光への取組ということでどのようなことが行われているのかということを併せてお伺いをしたいと思います。
○参考人(岸良昌君) それでは順番に、外国、県外、県内、もちろん県内の方も多いですし、そして位置的に言って、埼玉県の人が非常に多いというのが実態でございます。
 次に、外国人についてどうかということについて、実は町としても県とタイアップいたしまして中国の広州で観光キャンペーンを昨年の秋に張らせていただきました。やはり、ターゲットということになると、中国、この経済が伸びているところでということですけれども、一般的に、十三億、中国の方を相手にするという考え方が違っているんだろうと。そうすると、やはり雪だとかいう特徴を考えると、やはり南の中国の方に、こういう企画ならこのポイントの人に受けるというものをきちっとエージェントと相談しながらそれを強く打ち出していきたいというふうに外国人との関係では思っております。この辺については、それを受ける企業者、うちは、じゃ、そういうことでいきましょうと、従業員についてもそういうのを入れます、そういうサービスをきちっとやります、そういうエージェントとタッグ組みますという形を事業者の主体性として手を挙げていただくと、それをリンクするというのが町の仕事かなと思っております。
 ですから、DCのことについても、先ほど少しDCに向けて町の人々のこういう力を集めてというお話をしましたけれども、町は徹底して旅館さんであるとか地域であるとか地域の文化であるとかそれを表に出したいという方々の運動を支援すると同時に、そのことについてテレビ、新聞等のメディアに間に入ってそれを取材してもらう。そしてまた、その民間の人だけでは足りない部分について町は支援する。それは観光協会という形だったり役場の観光商工課だという形だったりしますけれども、民間の方が動くのを動きやすいように支援すると。さっき外国に向けて町はこういう考えだと申し上げましたけれども、町が先に立つんじゃなくて、それぞれの方がこういうことがやりたいと、それを支援していくということを徹底してやるべきだというふうに考えているところでございます。
○上野ひろし君 最後に、島田先生にお伺いしたいと思うんですけれども、観光問題を専門にやられてきたという話も先ほどあったかと思うんですが、今日、みなかみの事例を町長さんからもお話をいただいたと思うんですけれども、かなり御努力をされている一方で、最近観光客の方も若干減っていたりという面もありますけれども、岸町長から話を聞いていただいた上で、もう一歩、今日のこの事例でいうと、みなかみでどういう取組をしたらより一層前に進んでいけるのか。先ほどソフトウエアという話もありましたけれども、何をこの先改善をしていったら更に観光また移住という面からも前に進めるのかというのを御意見をお聞きをしたいと思います。
○参考人(島田晴雄君) 今、岸町長のお話を伺っていて、大変御努力になって、おやりになっていることはもうかなり成功しているなという印象ですね。私の理解では、町全体を盛り上げて、意欲のある人をどんどん元気付けて、そして外部の人も導入して、そしてみなかみの持っているいろんな資源ですね、川もあり温泉もあり歴史もあり、これをもうフルに生かしていこうと皆さん心を一つにして頑張っている。
 ただ、もっと先行くにはどうしたらいいかということについては、私は大局観ですけど、こんなふうに思っているんですが。さっきもちょっと申し上げたんですけど、日本の観光の大全盛時代というのは、高度成長時代なんですよね。大観光ホテルがどんどん建ったんですね、鬼怒川のあさやさんとか別府の杉乃井さんとか北海道の第一滝本さんとか。それはもう稼働率がうんと下がっちゃっているんですね。なぜかというと、一泊二日モデル、そしてできれば団体ということでやったのが全部実は裏目になっている。なぜかというと、人々が情報を持っているわけです。物すごくわがままになっている。非常に個別化している。そのニーズにこたえていないんですね。ですから、もしみなかみがもう一歩先へ進められるとしたらこういうのをちょっと私は期待しているんですけど。一日来て、温泉入った、景色を見た、良かった、さあ、次に何しようかというんですね。これは、例えばコタキナバルなんというのがありますけど、南太平洋ですが、行ってみると海の上にホテルがあるんですけど、今日はじゃヨットに乗りましょう、次はスキューバダイビングしましょう、翌日は今度はゴルフをやりましょう、乗馬しましょう、気が付いたら七日も八日もいたくなるんですね。ところが、さっき申し上げたように、日本の旅館というのは、お客さんの好み聞かないで食事出していますので、二日目になると同じものが出るんですよ。この辺を直さないといけない。ですから、私は食泊分離と言っているんですが、温泉旅館に泊まるだけでいい、素泊まり。中に厨房を置いておくとすごい固定費なんです。ですから、これ外へ出して町の中で、おにぎりだけで温泉だけ楽しみたいというお客さんもいるし、高齢者の中には豪華なものをちょっとだけ食べたいという人もいるし、それは一つの旅館で中に内部化はできないんですね。町でそれぞれ出資してやったらいい。それは食泊分離といいます。
 それから、交泊分離というのがあります。これまでの日本はパッケージですから、JALパックで来て泊まりますよと、あれはもう古いんです。全部ばらばらにして消費者に選ばせて、行きたい人が次から次へと、遊びがあってもうたまらないよ、面白くてねと、こういうモデルをみなかみがつくってくださったら、もう世界の観光地になりますよ。中国人なんかどっと来ると思いますね。いや、中国人じゃなくてヨーロッパの人が来ます、面白いから。
 是非そういうふうに、情報化の時代だ、個別化の時代だ、みんなわがままなんだと、そのモデルに合わせなきゃいけません。今までは情報がない、みんなよく働いた、団体で行こうね、集団でパックしようね、内部化しようね、全部これ逆転する、それをみなかみでやっていただいたらすばらしいモデルになるというふうに思います。
○上野ひろし君 ありがとうございました。
○会長(直嶋正行君) じゃ、田村智子君。
○田村智子君 本日は本当にありがとうございます。
 まず、島田参考人にお聞きしたいんですけれども、団塊の世代の退職に伴ってそういう皆さんに移住していただこう、これは一つの方策かなというふうに思いますけれども、ケアハウス、優良田園住宅などを造って呼び込んでいく。そうすると、その十年先、二十年先を考えたときに、やっぱり超高齢世帯がある程度の広いところに、密集じゃないですね、集中的に住むという地域ができるということにもなると思うんですね。そうすると、伊達市やあるいはほかの地域も含めてなんですけど、そういう十年、二十年先考えての先手を打った施策ということも何か検討されているのか、是非お聞きしたいと思います。
○参考人(島田晴雄君) これ、ミックスなんです。
 高齢者だけが集まってくるとすぐ本当に高齢化しますので、実は福祉予算が非常に肥大しちゃう。で、納入してないということで、ちょっと困りますよという考えは当然一つあります。
 ただ、熟年層が移ってくるときに、生活活動をするわけですからね、いろんな、レストランだ、新聞屋さんだ、本屋さんだ、何だかんだというのがたくさんあって、そういうところにまた若い人たちの雇用の口ができてくるので、それのバランスなんですよね。だから、今の日本全体はどういうバランスになっているかというと、これからはずうっと大都会が高齢化して、物すごい社会福祉負担になります。財政的に東京なんか非常に危ないと私は思っています。
 だけど、それを、比較的地方の方がむしろ人口は十年、二十年先はやや若いんですよ。吸収力はあるんです。ただ、たくさんは無理です。ですから、そのバランスのために、私のイメージは、この首都圏の大都市からせいぜい一割ぐらいの人がいろんな形で移住していただけるように地方が頑張ってアトラクトするということでもって随分今現実に直面している問題が軽くなるだろうと、そんな。
○田村智子君 ちょっと角度の違う御質問を額賀参考人になんですけれども、宿泊者数の各県別の資料をまず見せていただいて非常に驚いたのは、東京都が第三位の大阪の三倍以上。
 これ、もちろん底上げをして少ないところの宿泊者数を増やしていく、観光の分野で、というのは必要かなと思うんですけど、一方で、東京の独り勝ちの状態を野放しでいいのかなという問題意識があるんです。東京ほど超高層の建物が密集している地域もないし、それがまだ流れがとどまっていないと。こうなってきますと、本当に地方で頑張っても頑張っても悪いサイクルができていて、更に東京に人が人がと、住む人もそうですけど、そういう集中型については一方でどのようなお考えをお持ちかということをちょっとお聞きしたいんですけれども。
○参考人(額賀信君) 確かに、宿泊者数の状況を見ますと東京が断トツに多いんですよ。しかし、なぜその宿泊者が東京に集中しているのかといいますと、基本的にはビジネス需要で、つまり出張で東京に泊まる人たちが多いんですね。東京には官公庁もそれから大会社の本社も集中しておりますから、会議をしたり打合せをしたりするということになりますと、どうしても東京に集中する傾向がございます。
 それから、もう一つの事情は、外国人もまた東京都に集中する傾向があるということなんですよ。
 私たちがよその国に行くことを考えてみますとよくお分かりになると思うんですが、最初に外国に行くときには、例えばフランスだったらどうしてもパリに行きます。イギリスだったらロンドンに行くんですよ。そういう意味で、外国人が東京に集中していることも東京の宿泊者数が多い理由の一つになっているんです。
 問題は、それをどうするかということなんですね。そのままでいいのかといいますと、やはり工夫の余地はございます。だから、例えばですが、いろいろな会議がございますけれども、そういう会議をもっと地方の都市で開くことを言わばみんなで工夫するということが大事でございます。
 古い例になりますが、震災後の神戸、一九九六年から九七年にかけまして人が非常に来なくて、それが地域の衰退をといいますか復興を妨げる要因になっていたんですね。それで、神戸におりました支店長の皆さん方が、それぞれ会社組織を通じまして、もっと神戸で会議をやりましょう、あるいは神戸に来てくださいというメッセージを一斉に流しました。そうしましたら、十分と言えるかどうかは分からないんですが、やはり明らかにお客様がまた新たに神戸に目を向けてくれたというようなこともございます。
 そういう意味で、もう少し多様な地域で会議を開く工夫を、これは国民的なレベルで進めたらどうかなというふうに思います。
 もう一つの問題は、じゃ東京に来るのがまずいのかといいますと、これは東京に来る人を減らそうとしますと地方に来る人も減っちゃう可能性があるんですよ。まずは、だから、東京に来てくれる、外国人を念頭に置いてお話ししていますが、そういう方々がどうしたら東京以外の地域に関心を持ち、そして更に東京以外の良さを堪能していただくような宿泊の対応を進めるかということが非常に大事です。その良さをお伝えしていきますと、外国人は必ず来ます。
 ですから、地域としては、むしろ東京と連携しながら、東京に来る人を拒むのではなくて、東京と連携しながら、東京に来られるお客様をどのようにして自分の地域にまで引き寄せるかということを考えることが大切ではないかと思います。
○会長(直嶋正行君) じゃ、いいですか。
○田村智子君 はい、いいです。ありがとうございました。
○会長(直嶋正行君) じゃ、福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は本当にありがとうございます。非常に興味深い地域の活性化の話を聞くことができて、本当にありがとうございます。
 私自身は、全国行っていない都道府県はないという形で回っていて、どこに行っても、ああ、ここに住んだらきっと楽しいだろうなといつも思ったりしているんですね。しかしもう一方で、地域の疲弊というのは歴然とあって、医療と足と教育。ある程度子供が大きくなれば教育の部分は外れますが、医療とそれから交通網、公共輸送ですよね。医療でいえば、全国二年間掛けて病院を回りましたが、北海道なども病院の偏在が起きたり、例えば高齢者が旭川や札幌に移動するような状況も起きていると。
 ですから、まず島田参考人に質問で、北海道伊達市モデルというのをとても興味深く見たんですが、読ませていただきました。私も最近、コレクティブハウスやケアハウスを行っていてなかなか面白い取組だというのをとても思っているんですが、一点、地域医療との関係。非常に充実していないと、やっぱり高齢者、これから高齢者になる人たちは不安になるんではないか、その医療の関係はどうか。
 二つ目は、伊達市モデルの中に愛のりタクシーの例が出ておりますけれども、地方に行けば行くほど、車の免許を持っていなければその地域で住めないと。ところが、高齢者になると車の運転がしにくくなる場合に、公共輸送や足の問題で、伊達市は愛のりタクシーで解決していらっしゃるようですが、ちょっと島田参考人に、医療と足の問題、その二つについてのいろんな例、あるいは提案、あるいは問題点など教えていただければと思います。
○参考人(島田晴雄君) 福島先生おっしゃられたように、医療は本当に大問題ですよね。日本の国全体も地域もそんなにたくさんの資源を持っているわけじゃないので、今持っている資源をどういうふうにうまく使うかという工夫だと思うんですね。
 特に多くの方々が病気になって心配なのは、本当に最後まで最良の医療を受けられるんだろうかというと、高度な医療とか総合的な医療を受けられる施設は非常に限られちゃう。北海道では多分札幌に集中しているんだと思いますけれども。それはそれでしようがない面もあるんですが、地域で、その地域でできる、あるいはやや広域で連携できる、そういうネットワーキングですね。そして、やっぱりどうしても総合的な高度なものをしなきゃならないときは、札幌でもあるいは大学病院でもしようがないわけですけれども、例えば電子カルテのもっと活用とか、それから日ごろのヘルスケアデータを、大体これは高齢化すると日ごろのケアというのは非常に重要になってきて、そのデータを見ながら大体予測が付きますから、手遅れにならないうちに対応できるような、そういうソフトウエアというんでしょうかね、ソーシャルウエアというんですか、これを頑張ってやる必要があるかなと。千葉県の堂本知事なんか一生懸命やっておられましたけれども、ああいう試みが必要なんですね。
 それから、日本の病院見ていますと、実は公立病院の役割って物すごく大きいんですよね。かなりが赤字なんですけれども、実は、あの病院経営の中身とか労働条件とかを効率的に変えますと、もっと人々が効率的に自分の力を発揮できるような仕掛けしますと、黒字になった公立病院は随分あります。
 ですから、そういうようなことをして、今持っている資源をできるだけ頭良くネットワークして、ITの技術も使いながら、優しいところに手の届くような仕組みというネットワークの中で、伊達市のように自分の特色を生かしたり、あそこはケアハウスを一生懸命やっていますけれども、そんなことで、一段と質を高めていくというのがポイントじゃないか。
 それから、交通ですけれども、おっしゃるとおりです。ちょっと伊達市の例を言いますと、伊達市は三万そこそこの人口ですけれども、広いんですね、物すごく。八割ぐらいは何というか、山の中なんですよね。冬になると雪が降っちゃって、高齢者の奥さんは夫が亡くなっているともう本当に孤立します。バスはあるんですけれども、一年間に八百万の予算で補助が出ているんですけれども、これは二時間に一本ぐらいしか来ないんですね。そうすると、おばあちゃんが必死になって歩いてきてもバスがいなくなっちゃうというようなことがありまして、それであの愛のりタクシーを提案したと。これは、愛のりタクシーは家の庭まで来てくれると。これ、相乗りすればいいんですね。
 それから、これは交通規制があるんですが、タクシーでも、先生は誰よりもよく御存じと思いますけれども、普通距離計算になっていますが、時間計算でいいんですね、ああいう過疎地なんかは、今の業法でですね。ですから、時間計算だと過疎地は本当に安いんですよ。しかも、そこへ相乗りしますと、全くこれは合法的なんですけれども、本当に数百円で三、四人で行けちゃう。そうすると、介護施設でも買物でもやる。そういうのを実験してかなり成功したんですが、長野市もそういう努力されていましたけれども。
 そういうような考え方ですね。公共交通はバスと決めちゃうと、実は高齢者はとっても使いにくい。家の前までタクシー来てくれる。ただ、一人で乗ったらえらい高いですから、数千円取られますので、みんなで乗ると。しかも、時間適用にしてくれということを交通局に申請をして許可を得ているということにしますと生活の足になるんですね。そういうふうな工夫をすれば生活者のために役に立つことって物すごくたくさんあると思うんです。
 是非、先生、お願いいたします。
○福島みずほ君 それと、地方に行くと、もう本当に名店街が寂れるとか地元資本のデパートが潰れていくというのもあるわけですが、御著書の中に商店街の活性化のことがありますので、本を読めば書いてありますが、ポイントを教えてください。
○参考人(島田晴雄君) これは、やっぱりコミュニティーの、商店のオーナーさんたちの、先ほどの岸町長の話じゃありませんけれども、みんなで本当にやろうよといってやるということが何より重要ですね。どんどんと歯が抜けていくからしようがないねといって消極的な態度だとどんどんそれは悪循環になりますけど、みんなが工夫してやるというのが基本だと思います。
 これは役所も随分支援もしていますし、いろいろあるんですけど、私は一番重要なのはみんなが、何というんですかね、エゴを捨てて大局についてやろうと。あの黒川温泉なんというのは本当にいい例なんですよね。あそこはもう本当に閑古鳥が鳴くような温泉だったんですけど、温泉のない旅館もあったので、それを温泉手帳でみんなで共有しようといったら大はやりになったんですが、そういうコミュニティーみんなで良くしようよというやっぱり努力を促進させるということが重要じゃないでしょうか。
○福島みずほ君 額賀参考人に、今日のお話で非常に興味深かったのは、撤退ということをおっしゃったことなんですよね。活性化と撤退という二つのキーワードをおっしゃったんですが、その撤退という意味をもうちょっと話していただけますか。
○参考人(額賀信君) この本なんですが、これは「撤退の農村計画」という題でして、もう少し言いますとその撤退に修飾詞が付いていまして積極的な撤退と、こういう概念なんですね。それは、ここで紹介しておりますのは、集落の移住を取り上げております。通常の集落の移住というのは、例えばダムができると、それでやむを得ず集落が移住するというものなんですが、過疎地になって、そこで生活することが困難になって、そこの集落の方々が自らの意思と皆さんの共同の行動で集落を移転して、それがコミュニティーをそのまま維持する形で成功したという例などが具体的に述べられております。
 そこからは私の意見なんですが、人口減少社会で本当は全部の地域が活性化する方がいいに決まっているんです。だから、その活性化を目標にするのは大切なことですし、是非そういうことで頑張る必要はあるんですね。しかし、いっぱい見ていますと、例えば指導者が優れた方がおられるときはその活性化のための活動が続くんですが、そういう方がおられなくなってしまうと結局途絶えてしまう、持続性が乏しいと、そういうものがたくさんございます。
 つまり、人口減少社会で自律的、持続的に活力を維持していくということは実は物すごく大変なことなんだということを私は痛感いたしますし、まさにこれまでの我が国の活性化プロジェクトというものがそういうものを実証していると思うんですよ。そうだとしますと、少し現実的な視点に立ちまして、もっと人が生活しやすいし行政コストも少ないような対応策ってあるんじゃないか、そういうことを考えていこうというふうに思います。そういうことでございます。
○福島みずほ君 終わります。ありがとうございました。
○会長(直嶋正行君) 亀井亜紀子君、どうぞ。
○亀井亜紀子君 今の話の流れの延長でお伺いしたいと思います。
 人口減少というのはいつも否定的にとらえられます。何一つ余りいい要素がないというようなとらえ方をされておりまして、実は私はほかの調査会、国民生活・経済という調査会におりましたときに、あえてその逆説を証明しようみたいなことをやりまして、少子化は怖くない、人口減少は怖くないみたいな仮説を立てて参考人の方を呼んだことがあるんですね。
 そのときにいらした人の一人が堺屋太一さんなんですけれども、彼は人口減少は怖くないという理論なんです。ただ、そのベースが移住をベースにしているんですね。ですので、中世に人口が減少したときに、イタリアは、都市部に人が集中して、そしてルネサンス文化が花開いたと。けれども、ドイツの場合は、封建諸侯の力が強くて、人がその土地に縛り付けられたから結局衰退してしまった、その違いだと。なので、日本が今人口が減少していくのであれば、ある程度集約をしないと無理だろうというようなことをおっしゃいました。それであれば怖くないということなんです。
 私は島根県選出の議員で、もう過疎、高齢化の先進地でありますから、いろいろな人の顔も浮かぶ中で、皆さん最後までそこで人生を終えたいと思っているのに移住しなさいとはなかなかやはり言い切れないわけで、どうすべきなんだろうというのはずっと悩んでいます。
 やはりその中で、選択肢の一つは、島田参考人がおっしゃったように、外から人を入れる、田舎暮らしをしたい若者を入れる、その彼が活性化をしていく、そういう地域もありますし、それは一つの形だろうと思っていますけれども、それにしてもある程度、今、市町村合併なども行われておりますけれども、積極的移住も考えながら集約をしていかないと無理だというふうにお三方お考えになられますでしょうか。
 それぞれにお伺いしたいと思います。
○参考人(島田晴雄君) 人口は、実は、多くても少なくても、定常状態なら経済は循環するんですね。ところが、人口が多い経済から人口が少ない経済に移行するときにとんでもない問題が起きるんです。それは、基金を元にして運営している仕組みが崩壊していくんですね。一番大きいのが年金です。それから、医療、介護。ですから、そこをまずしっかり踏まえる必要があって、人口が少なければ少ないなりに循環する経済というのはイメージできるんですよね。
 今の御質問は、しかし、そういう問題ではなくて、移住をどうするというお話だったと思うんですけど、私が申し上げているのは、大都市と過疎地というか、地域間の人口分布が甚だしく今アンバランスなので、ちょうどその人口の多い時代から低い時代に移るようなときのような問題が起きるんですね。
 ですから、それを少しでも食い止めるために、健康ということをポイントにして、伝統的な過疎地ですというところにでも健康の要素はたくさんありますから、そこへ自分たちの意思で動いていただくように誘導するということが重要なんじゃないか。我々は強制国家じゃありませんから、人を強制的に動かすことはできないので、これは少子化の問題も全くそうで、これ全部個人の意思決定ですからね。だから、個人が魅力を感ずるという限りにおいてしか何もできない。お金では余りリードできないと思うんです。
 そういうことで、可能性は十分あると思います。島根県にちょっと首都圏から人が行けばすばらしい県になると思います。
○参考人(額賀信君) この移住の問題は難しいですよね。そこの地域に住みたい人もいますよね。だけれども、そこの地域だと例えば医療や介護やあるいは教育の問題で限界だなと思っておられる方もございます。
 強制はできないわけなんですが、私が思いますのは、そのような移住の動きというのは実はもう既に日本全国で広がっています。人が言わば自由に住所を選んで、正確に言えば、大都市に集中し始めているんですよね。
 私は、そういう動きをまずは人為的に止めない方がいいと思います。仕方ないよね。いろいろ御意見があると思うんですけどね。それは、いろいろ御意見があると思うし、地域で人が来てほしいと多くの地域が思っているわけですから、それぞれの地域はそれぞれの地域に人が来てくれる、定住してくれるような工夫をすべきだと思うんですが。
 仮に、先ほどお話ししたような集団移転につきましても、それはそこに住む人たちの大多数の人たちの意思によってなされるべきだというふうに思いますし、そのような移転がしやすいような環境をもしその人たちが望むのであればつくっていくことが私は必要ではないかというふうに思います。
○参考人(岸良昌君) 今の御質問の中で、ちょっと違った観点になろうかと思いますけれども、先ほど、三町村じゃなくて昔からの五十九行政区だという言い方をしました。それぞれの地域でいうと、例えば二百戸、三百戸の行政区もありますし、昔からどんどん人口が減って、まだ八戸だけれども行政区維持したいというところもあります。
 例えばでいうと、これ、ちょっと切り口違いますが、投票所の数を減らすということについて随分御相談して、少しは前に進みました。とはいいながら、行政区の方になると、お社さんが昔からある、文化が違う。文化の違いというのは近隣行政区だと統合できるんだろうなと思いますけれども、やはり三戸になっても五戸になっても行政区としてやっていきたい。それを隣の区と、相談する単位として一緒になるだけでもちょっと待ってくれと。じゃそれを動かすということになると相当難しいというのが現実だと思いますし、否定的なことだけじゃなく積極的なことを申し上げるとすれば、町の行政サービスの中でなるべく一体化の方向でお願いするということになると思いますけれども、やはり道路を隔てて二キロ先が一軒だけ、おばあちゃんだけということになっても、町としては支援をするというスタンスに立たざるを得ないと思いますし、そうでなければ、全てが東京でいいんだという話にもつながってしまうと思いますので、今の亀井先生の立場と、首都圏に近いとはいいながら、みなかみ町の立場も同じかなというふうに率直に思ったところでございます。
○会長(直嶋正行君) いいですか、亀井さん。
○亀井亜紀子君 はい、時間ですね。
○会長(直嶋正行君) じゃ、加賀谷健君。
 それで、済みません、ちょっと一言。
 あと質疑御希望の方が六名いらっしゃいます、加賀谷さん含めて。したがって、できるだけ手短に、一人五分ぐらいでお願いいたします。
○加賀谷健君 分かりました。
 千葉県の加賀谷でございます。
 今日は、千葉の関係の島田学長、そして、私もいつもお話を聞いている額賀さんに来ていただいたんで、お二人にちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 たくさん用意したんですけれども、今五分にしろと言われたんで縮めますけれども、額賀さん、実は、千葉県の話で二つほどちょっとお伺いをしたいんです。
 一つは、民主党も新成長戦略の中で盛り込んでおりますけれども、医療ツーリズム構想。これは、先ほど来出ている東アジアの富裕層を対象にした、日本の医療というのは大変そういう面ではお金になるのではないかなと、こういうことでツーリズムという言葉を使って誘致をしようと。特に、千葉県の場合は、成田空港もあるということでありますし、また世界的な国際病院評価機構の認定を得た亀田病院、亀田メディカルセンターというのが鴨川にあるわけでありますけれども、こういう条件がそろっていて地元の期待も大変高うございます。先日新聞で、ちょっとスタッフの問題があって医療を中断しなければならないというような問題もありましたけれども、この医療ツーリズムというのは今後、先生の目から見るとどういう形になっていくのか。
 それからもう一点。
 千葉県、御承知のとおり、先日民主党が党大会をやった幕張という広大な土地とホテル群があるんですけれども、ここにカジノをつくりたいという大きな思いを抱いて動いている議員団もいるわけですけれども、これは県議団あるいは市議団、いろいろな形で今やっているんですけれども、カジノ特区ということも考えられますけれども、このカジノというのは大変壁が高うございまして、なかなか具体化に結び付いていかない。東京都もやろうといった経過がありますけれども、私はこのカジノというのは千葉にとってもあるいは観光客を誘致する上においても結構効果があるのではないかと思うんですけれども、額賀参考人の御意見をお伺いできればと思います。
○参考人(額賀信君) お答えします。
 まずカジノの方からなんですが、これは意見が分かれるところなんです。
 私自身は、積極的に誘致するのはためらわれます。それは、例えばなんですが、ラスベガスの例を考えてみますと、最近ラスベガスは大きく発展しております。元々ラスベガスはカジノによって大きくなった面があるわけですが、むしろカジノからファミリー向けのいろいろなアミューズメントを充実することによって発展いたしました。
 私はそのような意味で、カジノで人を引き付けることができるかもしれないけれど、果たしてそれを国策として振興するのが本当にいいことなのかどうか、若干のちゅうちょを覚えます。
 それから、医療ツーリズム、これは非常に、千葉県だけでなくて、日本全体にとって可能性の高い交流人口の増加策でございますので、大いに広げていくことが重要ではないかと思います。
 ただ、それを進めようとするときに、病院にとってのメリットは何なんだろうかということをもう少し突き詰めて考える必要があるのではないかと思っているんです。どういうことかといいますと、例えば同じ治療をしましたと、外国人に対しても日本人に対しても同じ治療をしたとすると、同じ金額しかもらえません。しかし、例えばクレームの問題とか、そういうことをしたときに果たして、その問題を考えたときに、外国人の方が日本人より、より少なくクレームをするということが言えるかといいますと、必ずしもそうは言えないんですね。同じお金をもらってリスクが病院にとって高いということですと、なかなかこの医療ツーリズムは伸びていかないんじゃないかと思うわけですよ。
 そういう意味で、医療ツーリズムというものが日本全体に広がっていくためには、価格の体系というのをどういうふうに考えるかということが一つ重要なポイントではないかと思います。
○加賀谷健君 ありがとうございました。
 それで、島田先生、島田学長さんにお伺いをしたいんですが、実は私も入っているんですけれども、NPO法人で耕作放棄地、もう放棄をした田んぼを借りまして、我々でそれを開墾をして、そこで千葉県が開発をした酒造適応米と申しますかそのお米で、お米を作って酒蔵へ持ち込んでお酒を造るという遊びみたいなものなんですけれども、実際にはやっていて、これが地域の農家の人との交流を始め、そして彼らの農産物を帰りに買ってくる、そういうような交流を四十人ぐらいの規模で行っているんですね。
 千葉県の場合、先生御承知かもしれませんけれども、今、香取市の、昔の栗源ですか、あそこで小さな農業用の宿泊できる小屋を二十戸ほど造りまして、定住型ではないんですね、通勤しながら泊まって農業を楽しむという、こういうクラインガルテンというような名前を付けたと思いますけれども、そういう農業をやっているんですね。
 また、私の近所では市民農園という言葉で三百ぐらいの区画を、小さい畑を造って、そこに千葉県、いろんな人が集まってきて農家をやって楽しんでいる。こういうこれからの食を考えると大してこれは影響はないとは思いますけれども、食と農業、そして観光、これらを私は結び付けていくことは非常に大事なんだろうと、こんなふうに思うんですけれども、これらについて、農業と観光のドッキングということで島田参考人の御意見をいただければと思いますが。
○参考人(島田晴雄君) 基本的に大賛成ですね。農業と観光を結び付けて新しい活動を生んでいこうというのはアグリツーリズムということで、世界的にはどんどん流行になっていますし、本当に望ましいことだというふうに思いますね。
 今おっしゃられた問題で、耕作放棄地というのは農地のもう一割ぐらいに達しようとしていまして、千葉県もたくさんあるわけですね。これは高齢化が進むということが一つあるのと、それからもう一つは、余り上手に活用できないのは、所有権が複雑に絡んじゃっていて、なかなか所有権の移転ができないということがあって、そのまま放置されているということがあるんですね。この辺の問題をシステマチックに解決しながら、今先生がおっしゃられたようなツーリズムで、泊まりながらいろいろやるとか、あるいは趣味でやるとか、この問題も多分旅館業法に相当触れると思うんですよね。そこら辺のところを、規制緩和をたくさんしなきゃいけないです、これは。
 それから、所有権も随分整理しなきゃいけない。所有権は、明治時代の人がまだ、生きてもいない人が所有、持っているところがたくさんありまして、どこかもう、直嶋先生、これお願いして、どさっと何年以前はもう効かないと、全部チャラにすると、こういうことをやったら日本の農地は物すごい活用されますよ。もうこれこそ新政権でなきゃできない課題だと私は思うんですけれども、やっちゃってください。そういうふうにして、我々の財産ですからね。
 最後に一言申し上げたいのは、農業というのは、我々、健康は全部体に入る食べ物から成り立っているので、これが日本の農地は戦後農薬を使い過ぎて非常に汚れている。それから、我々は輸入で食品入れましたけれども、ワインでも何でも、あれ日本語の字が付いているやつは中、防腐剤でいっぱいですから、もう必ず体に悪い。ですから、どんどんがんが増えているわけですよね。
 ですから、そんなことを考えて、やっぱり健康農業という考え方、徹底的に研究して、それを産業としてやる人は産業としてやる。それから、私は、福祉農業というのがあってもいいですね。ほっとけば特養ホーム行っちゃう人は、農地でずっといて、ぱたん、ぴんぴんころりで人生全うされるのですばらしいことだし、それからさっき教育農業というお話がありました。あるいは環境農業。そういうことで、多くの農業関係者に選択をさせる。あるいは、これから農業をしたい人に選択をさせる。そのために徹底的な所有権の整理、関係法令の規制緩和やって、是非、先生、千葉県モデルでやろうじゃありませんか。(発言する者あり)大賛成です。
○会長(直嶋正行君) じゃ、エール交換したところで。
 それじゃ、高階恵美子君、お願いします。
○高階恵美子君 本日はありがとうございました。高階恵美子と申します。
 非常に興味深いお話をいただきまして、たくさん質問させていただきたいことがあったんですけれども、それぞれお三方にお答えを簡潔にいただければ有り難いと思います。
 私は看護職でして、かねてからいろいろ考えている中で、楽しく豊かに堂々とこれからの成熟社会を生きることができるような、そういう社会づくりのために今健康政策の推進というのが、健康的な政策づくりですね、の推進というのが非常に大切だろうというふうに思っておりまして、そういう一環として地域の活性化というのも非常に大きな課題であろうというふうに思っています。
 それで、今日のプレゼンの中には、そこでの暮らしは守りつつも、外部の人にとってはそこでの暮らし方そのものが付加価値であって、それによって潤っていくというふうなアイデアが盛り込まれておって非常に興味深かったんですが、それにはお三方共通で、住民の仲がいいか悪いか、あるいは異文化が入ってくることで生じる様々な不都合をどう回避するか、あるいはそれぞれの価値観、存在感の共有ということで、共通する課題を提案していただいていたと思うんです。
 これがクリアされないと、実は循環軌道に乗っていかないんだろうというふうに思うんです。循環軌道に一度乗れば多分発展していくんだと思うんですが、そのスタート期間というんでしょうか、何年ぐらい重点的に投資して、何年ぐらいで活性化に至ったというふうに言うことができそうかどうか。何というか、その期間的なめどというんでしょうか、それがある程度分かると、優先的に投資していくための経費的な措置についても考え得るのかなと思うんですが、その辺のお考えと、それから、それを進めていくに当たってのある程度の人口規模であるとかエリア設定が必要になるかと思うんですが、それは現在の市町村の規模単位なのか、あるいは少し広域なのかというふうなこと。
 それから、政治にはアウトカムが必要になるかと思うんですが、社会が活性化しましたというふうに、それを測っていくときの指標となり得るものはどんなものがあり得るでしょうか。人口が増えるということでしょうか、子供の数が増えるということでしょうか、それとも寿命が延びるということでしょうか、税収が増えるということでしょうか。どういったことを取り上げるべきというふうにお考えになるか。簡単で結構です。よろしくお願いいたします。
○参考人(島田晴雄君) すばらしい問題提起で、政治工学という感じですね、今のお話を伺って。さすがにやっぱり自然科学系の御発想だなと思って感心して。能書き述べるのはいいけど、いつ、幾ら、どうなるんだというのをはっきり意見言ってみろということですもんね。すばらしいと思います。
 私は、私なりに申し上げますと、今先生が最初におっしゃられた考え方、つまり、みんなが健康で幸せになる、そういう社会をつくろうと、これは大目標としてしっかり置くと。それじゃ、それをどういうふうに、何年で、掛かるんだというと、さっき申し上げたように、日本が高度成長に入る前に、全国各地から大人口移動が起きたんですね。これは若い人だから早かったんですけど、十年ぐらい掛かった。今度は、高齢者になってから、友達も社会関係もある人がある程度流動するとなると、十年は最初のフェーズでしょうね、やっぱり二十年とか場合によると三十年とか掛かると思います。しかし、それは当たり前のことで、じっくり時間掛けて、そういう考え方を持っていく。
 それから、人々は、おっしゃったように、日本は伝統的な社会として非常に、やっぱり村組織といいますか、外部者はちょっと排除するという考えがやっぱり地方に行けば行くほど根強いんですよね。やっぱりそれを、よく若者、ばか者、よそ者といいますけど、外部の者を受け入れようじゃないかという考え方、これは簡単にはいかないですよね。だけど、やっぱりそれは十年計画、二十年計画になっていいと思うんです。もうこれは本当に日本が今後どうなるか決める生命線ですから。そういう考え方、みんなで開放的に持とうよと。それは、同時に外国人を受け入れることにもなっていくでしょうし、多様性社会を認めるということになるのだと思いますので。
 そういう大目標と考え方を置きながら、私はやっぱり、十年、二十年、三十年という単位で実現していくということかなとちょっと思っております。
○参考人(額賀信君) 御質問に直接答えるかどうか分からないんですが、例えば高山市という町が岐阜県にございまして、これは何年も掛けまして障害者に優しい町づくりをしました。数年前、二、三年前ぐらいから、障害者に優しい町だということが口コミ、むしろ口コミを通じて広がりまして、それで、例えば平日は障害者がたくさん高山市に行きまして観光を楽しむというふうなことになっております。そのようにして人が来た結果、高山市の活力も上がるということがございました。ですから、やはり健康に対する配慮は非常に重要だと思います。
 それからまた、人は、もちろん健康な方がいいんだけど、どこかいろいろ障害を抱えているわけだから、そういう人々に対する配慮もやっぱり同時に非常に重要で、それが実はこの交流をもたらす上で大きなエネルギーになるんだということを高山市は証明した一つの例でございますので、そのような町おこしがあるんだということを、是非、御存じかもしれませんが、御報告申し上げたいと思います。
 それから、長い目で見ますと、これは国が強制できないんですが、出生率が下げ止まる、それから人口の減少が止まるという社会になるといいなと。どこまでそれを、強制できる、もちろん強制できることではないんです。しかし、国民が自発的にそういうことになったときには、結果的にですが、多分相当程度人々が健康になっていることの証左となるのではないかと思います。
 以上です。
○参考人(岸良昌君) 町長という立場なので、ユニットとしては町の単位でというふうに思っていますし、先ほどからどういう形で活力を出していくか、観光を振興する、農業もと、こういうことで言いましたけれども。
 やっぱり地域という意味で、地域で健康で生活していくということが大事だと思いますが、地域というのは、私、相当こだわっていますけれども、やはり一つのグループ単位、昔からの歴史の集落単位というものを現実のみなかみ町としては配慮しながらいくべきだろうというふうに思っています。そういう中で、どういう形で活力を入れていけるか。
 集団でどこかに移住地をつくって、そこに大きく受け入れていくという施策は、一度過去に打ったことがありますけれども、必ずしも成功していないと。そういう中で、一人でも異文化の人が入ってきて、いつもの交流の範囲で受け入れて、一人が入ってくると二人目が入りやすくなる、三人目がもっと入りやすくなる。入ったところはどうなっているかというと、先ほど例に出しましたけれども、昔からの神社を守るのに、ほかの地区は大変だけど、ここは随分頑張っているよと、そういうのが隣に伝わっていけば、隣に伝わっていく。
 それで、家にしても住むところにしても、物はたくさん余っていますから、これは一番最初の島田先生のどういう情報を提供するかということだと思いますし、町としてどんどん入れていこうということよりも、その地域ごとに、うちはどんどん入れていくよというところの情報を整理してどんどん発信していく、そのことについて広げていくということだと思いますし、ユニットというのはそう考えておりますし、じゃ何が活力かということになると、人口が伸びればいいんですけどこれはなかなか難しいので、ユニットごとに人口が減らないような形、これを何とか、減るのを先延ばしするとあえて言わせていただきますけれども、そういう形でやっていくのが基礎自治体としての今の努力目標かなと思っております。
○会長(直嶋正行君) じゃ、続きまして神本美恵子君。
○神本美恵子君 今日はありがとうございました。民主党の神本美恵子でございます。
 まず、お三人の方にお聞きしたいんですが、先ほど島田参考人の方から、移住あるいは交流による地方の活性化ということで、必要条件はきれいな水と空気とストレスのない静けさ。これは必ずしも熟年者が第二の人生で戻ってくるとか移住してくるとかいうだけではなくて、この条件というのは、私は子供にとって最も大切な条件だと思うのですが、子育て中の若者はこういう条件がなかなかかなわない、待機児童いっぱいの過密都市に行かないと仕事がないということで、特に子育て中の若い人たちがこういう必要条件が満たされ、しかも十分条件である教育とか保育とか、そういったものが満たされるところに定住できるというようなためには、今この過疎過密が激しくなっている中で、特に子育てがこんなになっている日本の中で、どうしたら地域の活性化と併せて子育て中の人が定住できる地域をつくることができるかということが一点と。
 それからもう一点は、その件に関しては今、額賀参考人がお答えの中で、例えば障害者に優しい町づくりと。私も先日、大阪府の豊中市に行ったんですが、障害のある子供さんも地域の中で一緒に学ぼうという、四十年間そういう取組をしている地域で、よそから障害のある子供さんを持った親御さんがそこに移ってきて、学校の、何というのかな、子供が増えているんですね、毎年増えている。それから、鳥取県などは例えばDV対策が、今、片山総務大臣ですが、知事のときにDV対策を充実して、被害者の方が、これはこっそりですけど逃げてくるというか、充実しているそこに来るという、ソフト面の充実というようなことも含めてお願いしたいと思います。
 それからもう一点は、これは島田参考人にお聞きしたいんですが、先ほどの日本の団体旅行、団体モデルから個人モデルというか、に発想を変えるべきだと。私も昨年夏、プライベートな旅行でフランスに行ってきたんですが、物すごくインフォメーションが充実しているんですね。高速道路の要所要所、大都市には必ずインフォメーションがあって、そこに行けば、このぐらいで泊まれる、何人泊まれるホテルはないかと、次にこういう一日の観光をしたいけれどもそういうところはどこがあるかというふうなことを聞くと、全部顧客のニーズに合わせたものを提示してくれて、そこに行けばそれが満たされて観光ができるというような、だから日本の観光産業といいますか、観光立国をしていくためには、フランスなどは先ほど額賀参考人も最も海外からの観光客が多い七千四百万という、そういう海外のことにも学んで、今、日本に官と民と両方それぞれ、あるいは連携してどういったことでこの観光産業、観光立国に向けてやるべきかということについて教えていただきたいと思います。
○会長(直嶋正行君) 恐縮ですけど、なるべく手短にひとつお願いいたします。
○参考人(島田晴雄君) 二ついただいたと思うんですが、手短にやります。
 地域の教育力というのは私すごく高いと思うんですね、自然環境も含めて人情も含めて。それで、大都会は本当に今いろんな問題があって、若い親御さんは忙し過ぎるし食べ物もひどいしテレビ漬けですからね。百ます計算の陰山先生が、とにかくテレビ見ないで伸び伸びと暮らしていた子が実は受験のときには強いんですよね。もうそれは証明されています。ですから、こんなことがあり得るのかなと。定住もいいけれども、交流で全国各地に、田舎というと恐縮ですけど、地方に自分がつくった親戚をたくさん持つというような、そして、休みは、いろんな期間使ってお願いする、自然環境の中で育てていただく、そこへ親御さんは食費はちゃんと払うというと、五人も六人も預かっていた農家なんかはそれだけで成り立っちゃいますからね。そういう教育農業とか教育ネットワークというのはあり得るかなと、ちょっと先生の御発言から発想しました。
 それから、団体旅行から個人へというのはもう世界的な流れで、もう終わっています、これは。日本だけが遅れているんで、遅れているところが滅びそうになっているわけで。情報です。もう明らかにそうです。
 ちょっと古い例なんですが、私が四十何年前にアメリカから日本へ帰ってくるときに、日本は全部団体旅行でしたけど、電話一発で全部個別の旅行プランって、その当時のアメリカの旅行会社は作ってくれたんですね。ついせんだって地中海のクルーズというのをやってみたんですけど、毎日毎日二百ぐらいのプログラムがあって配られてくるんですね。どこへ行こうか、どこへ行こうかと面白くて面白くて、もう二週間いても三週間いても船を降りたくない。ところが、日本は一泊二日でもう同じものをやりますから、出ていってくださいになっちゃいますのでね。
 一言で言うと、情報です。もう大賛成です。それをやりましょうと言うんですけど、やりましょうって言ってやらない人が多いんですね。なぜかというと、競争がないから、さっき言ったように、連休はもうみんなどんなに努力しない旅館もいっぱいになる、連休終わっちゃうとどんなに努力していてもお客が来ない。
 ですから、休日の分散化をしましょうということで今、政権でいろいろお考えいただいて大変結構だと思いますが、あの休日の分散化は地方はもうやっているんですよ。雪の深いところは冬休みの長さ違いますから。そうじゃなくて、東京の二十三区の休日を一日ずつずらす。これ、ドイツはやっていますからね。そういうことをすると、努力した人たちのところにはお客さんが来るということになりますので、そうすると、今のように情報で頑張って努力しようねというインセンティブが湧いてくるというふうに思います。
○参考人(額賀信君) 長野県に下條村という村がございまして、これは子育て支援に大変熱心で、何年か前の日経新聞の子育て支援大賞を受賞した、そういう村でございます。
 そこの特色は何かといいますと、若い人が移住していっていまして、かつその若い人の子供が三人、四人といるんですよ。そういう意味で、確かに、移住が進み、かつ子供もたくさん育てられる、そういう環境になりますと人は子供をつくるんだなということを実感したんですが、なぜそれが可能になったのかということを考えてみますと、村長さんのリーダーシップが大変重要でした。
 立派な村長さんでして、地域づくりをする上で、もちろん制度というのも大事です。とりわけ持続性を考える上では制度の在り方というのは非常に重要なんですが、やはり同時に極めて大事なのは首長さんのリーダーシップです。そのような志の高い首長さんが、しかし現実にだんだん増えてきているんですよ。そういう方々を大切にしていくことが私は重要ではないかと思います。
○参考人(岸良昌君) 子育てについて、先ほど御指摘のとおりです。何で子供が育たないかというと、雇用の場がないから出ていってしまうと。つまり、子供を持つのにちょうどいい男性も女性も人口構成が非常に狭くなっているということが一番大きいと思います。
 ですから、保育の環境であるとか教育の環境、幼児、小、中ぐらいまではこれはきちっと確保できますし、小学校、中学校の統合も進めておりますけれども、規模の小さい教育効果と、ある程度の規模があった方がいい教育効果、両方見ながらきちっと手当てしているのでできるんですが、高校になるとやはりどうしてもある程度流動化して、分かりやすく言うと、群馬県でいうと前橋、高崎に高校生は行ってしまうと。これはある程度しようがないと思っています。
 そして、今おっしゃった、水がきれい、空気がきれいというところでということになると、交流で、先ほども御紹介した取手の子供、川口の子供、そして千葉市の子供がみなかみ町の場所で夏休みに一週間、五日間という形でリフレッシュというか、今おっしゃったような空気だとか水だとか、これを理解してもらう、そういうことで教育支援、交流を通じてのそういう部分への交流支援というのがやっぱりみなかみ町としての役割かなと思っております。
○会長(直嶋正行君) それでは、岩井茂樹君。
○岩井茂樹君 自由民主党の岩井茂樹でございます。
 岸参考人に御質問いたします。
 実は、先ほど岸参考人のお話に挙がった熱海があります私、静岡の選挙区なんですが、非常に熱海を含めた伊豆半島、疲弊しております。その中で、観光にやはり必要なものというのは、まず観光資源、その中には歴史、伝統、文化、まあお祭りも入るかと思います、それらの風土資産、そしてインフラの整備とか住民のやる気、そして医療などがあると思います。静岡県は、東部の方でファルマバレー構想ということで健康産業を誘致するということでやっておりますが、なかなか結果が出てこない。一つの要因として、私は、周遊性という便に欠けているのかなと思います。
 そこで御質問いたします。近隣市町村が連携して何かをやるというような考え方、若しくはこれからの展望みたいのがあれば教えていただきたいと思います。
○参考人(岸良昌君) 近隣市町村の連携という意味で言いますと、みなかみ町自体は非常にエリアが広いですけれども、この周辺、例えば尾瀬、これ行政区は変わりますが、みなかみ町から十分アプローチできますし、尾瀬周辺については、いわゆる昔からのスキー客用あるいはハイカー用の民宿はありますけれども、いわゆるレベルの高い旅館ということになるとみなかみにあって、そこからリンクしていくとかいうことを既に始めておりますし、やはり地域性、沼田市を中心にして利根沼田というのが昔の藩の時代からの一つのエリアですから、市町村ごと競いながらやっていくということですけれども、観光地、観光地という形では連携しながら観光資源を相互に乗り入れて、それで御指摘があったように複数泊まってもらう。これはまた、反対側の草津まで抜けて二泊三日というような形の企画はしております。
 それがどれだけ実効が上がっているかというと、利根沼田というエリアに限られるというのは現実でございますけれども、試行はしているし、そういうことを狙っている企業自体もあるということでございます。
○岩井茂樹君 ありがとうございました。
 以上でございます。
○会長(直嶋正行君) じゃ、徳永エリ君。
○徳永エリ君 お三人の参考人の皆様、今日はどうもありがとうございます。北海道の徳永でございます。
 私がちょっと皆さんにお伺いしたいのは、伝統とか、それから芸術、文化あるいはパフォーミングアート、地域の活性化にはこれが大事だということをよく耳にはするんですけれども、なかなかそこに国も地域も力を入れていないんじゃないかなと思うことが多々あります。
 例えば、私が住んでいる札幌で言いますと、札幌の中心に北海道近代美術館というすばらしい美術館がありまして、すばらしい美術作品があるんですね。ある道外からいらっしゃった御夫婦がいらっしゃいまして、全国の美術館巡りを御夫婦でしているそうなんですけれども、北海道にはあんなにすばらしいところがあるのに、行ったら誰もいないと、もっと大勢の人がいておかしくないんじゃないんですかと、ちゃんと情報の発信をしているんですかというふうに言われました。
 諸外国を見たときに、例えば舞台を見に行くために行くとか、あるいは美術館を見るために行くとか、そういうことで観光客の方が大勢訪れているところがたくさんあります。日本もすばらしいものがたくさんあるのに、どうしてそこに力が入っていかないんだろうということを非常に残念に思っています。
 札幌にはほかには、バーンスタインさんが始めたPMF、ミュージックフェスティバルとか、それからジャズフェスティバルとか、それから札幌国際短編映画祭というもう十年もやっている映画祭もありまして、この映画祭には世界中から五日間の会期中に一万人もの方々が訪れているんですね。こういうことを地元の人すら知らないと。観光客も、札幌にいても夜はすることがないわけですから、そういう情報があれば、映画祭を見に行くとか、音楽祭を聞きに行くとか、美術館をのぞきに行くとか、そういう可能性がもっともっと出てくるし、また来たいという気持ちにもなると思うんですが、この辺が力が入っていかない、広がっていかないというのは何が原因だとお考えでしょうか。それぞれにお伺いしたいと思います。
○参考人(島田晴雄君) 時間も短いので手短に言いますが、大賛成で、実は私は絵かきなんです。個展をしておりまして、四千人もお客さんが来て、やっているんですけど、私のホームページを見ていただくと分かりますが、それから日本フィルハーモニーの理事長なんですね。それで、ニューヨークフィルが例えばどうやって人を集められるかというと、物すごくたくさんの会員を集めて、会員組織を熱心に熱心につくっています、我々も学ばなきゃいけないんですが。
 もうおっしゃるとおりで、ちょっと時間がないからこれでやめますけど、大賛成で、これには本格的に、そんなにお金を掛けることじゃないんですが、熱意を入れて工夫をして世界のベストプラクティスを学んで、浸透するように努力をする必要があると思います。お呼びいただければ私が参上いたします。ちょっとこれは余計な話で。
 いや、でも本当にとても重要ですよ。そうでないと、観光地行ったって面白くないんですよ。一晩泊まったらもうやることないって、そんなことはないんです。もうさっき申し上げましたように、ゴルフやって何やってかにやってもいいけど、同時にアートに入っていったら、これはもううんと奥が深いし、日本なんか茶の湯の伝統がすごいですから、ああいうものをずっとやっていったらもう、世界にアピールしたら、こんなすごい国はないということになるのは理論的には分かり切っているんですけど、ちょっと努力が足りませんね。
○参考人(額賀信君) 文化芸術はもちろん物すごく大切でして、それで人を呼ぶ力がないかというと、当然あるわけです。しかし、現状がどうかと言いますと、例えばですが、アジアの方々にアンケート調査を取るわけですよ。日本に来て何を一番したいですかと言うと、ショッピングなんですよ、圧倒的に。文化芸術を見たいという人は非常に少ないんですね。
 それから、じゃ、まあ首都圏の方々が札幌に行きますね。札幌に行って何をしたいんだと。まあ冬だったらもちろんスキーをしたいという方もいるんですが、一般的にはあそこで飲む生ビールはうまいよなとか、札幌ラーメンをどうしても食べたいとか、そういう人が実は圧倒的に多いんですよ。だから、そういう人々も、やはり同時に人を呼ぶということの目的のためには、余り文化というふうに、文化はもちろん大事なんですけど、だけにとらわれないで、人々がどういうことを求めているのかということにこたえていくことも大切です。
 それから、文化というのは広めるのに時間が掛かりますから、辛抱強く、粘り強く発信を続けることが必要ではないかと思います。
 以上です。
○参考人(岸良昌君) 先ほども最初にちょっとしゃべりましたが、芸術、例えば人形浄瑠璃、子供浄瑠璃でやっているんですけれども、六十万円掛かるというところに町が何とか理由を付けて出しているのが十万円ぐらいの支援ということですから、まあなぜかというと、そこのところが非常にいろんな意味で現況お金が出しにくいと、あるいは町民全体としての理解を得るのが難しいということをあえて言わせていただきます。
 そしてもう一つ、伝統という意味では、さっき言いましたように、地域でいろんな活動が行われています。地域の人五十人集まってお客さんは誰もいないといったようなことでも、年中行事ですから必ずやっていると。それをいろんな地区でやっているのをカレンダーにして表に出していこうと。そうすると、何とか旅館に泊まっている人だけでもバスで五人来てくれれば、五人の経済効果よりも、やっている集落の三十人の人がこれでもう一回元気出るぞということが大事だと思っていますので、伝統文化を利用したお客さんに来てもらうというのは、地域の文化を知ってもらうということを含めて情報発信、町としてコーディネートして観光協会のカレンダーにずっと載せていくというようなことは力を入れたいと思っております。
○会長(直嶋正行君) それじゃ、渡辺猛之君。
○渡辺猛之君 お三方の参考人の先生方、今日は本当に貴重な意見をいただきましてありがとうございました。自民党の渡辺猛之でございます。
 それぞれお伺いしたいことあったんですけれども、もう時間ありませんので、岸参考人だけ、一点だけお尋ねをしたいと思いますが、先ほどもみなかみ町の企業誘致のお話ありましたけれども、企業誘致というのは非常に目に見える効果が大きいのと同時に、もろ刃の剣の側面がありまして、これも地方である程度味わっていることなんですけれども、やっぱり景気が後退をしていく、あるいは経済の状況が変わると、特に大手の企業というのはまさに全く情もなくすぐ出ていってしまわれる危険性もはらんでいるということを今地方経験しているんですね。
 今回はレディーメードではなくてオーダーメード方式での企業誘致ということでございましたけれども、今回誘致された企業がずっとこれから長いこととどまっていただけるように何か手を打たれたのかどうか、そのところのお考えがあれば少しお伺いをしたいと思います。
○参考人(岸良昌君) 今回の企業さんについては、地域の水が必要だということでオーダーメードでやらせていただきました。水のある限りいていただけると思っていますけれども、やはり海外を含めて工場がシフトするとかということはあり得ないことではないと思いますけれども、企業の特質として大丈夫かなと思っております。
 もうちょっと言うと、二十年前に造った工業団地の話ちょっとしましたけれども、それはやっぱり輸送機器系ですから、経済の動向に合わせて、雇用の人口が減ったり、人数が増えたり減ったり、直接地域に効いてきますけれども、やはり長い目で見てコンスタントに残っていただくという状況になっていますので、逆に言うと有り難いことかなというふうに思っております。
○会長(直嶋正行君) 他に御発言はございませんか。──他に御発言もなければ、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。
 参考人の皆様方には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。本調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十五分散会