第180回国会 予算委員会 第23号
平成二十四年七月二十四日(火曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十日
    辞任         補欠選任
     中谷 智司君     櫻井  充君
     佐藤 正久君    三原じゅん子君
     森 まさこ君     赤石 清美君
     井上 哲士君     大門実紀史君
     舛添 要一君     荒井 広幸君
 七月十一日
    辞任         補欠選任
     徳永 エリ君     田城  郁君
     秋野 公造君     竹谷とし子君
     山本 香苗君     草川 昭三君
     水野 賢一君     中西 健治君
 七月二十三日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     川崎  稔君
     谷岡 郁子君     江崎  孝君
     林 久美子君     大久保潔重君
     佐藤ゆかり君     牧野たかお君
     草川 昭三君     横山 信一君
     山本 博司君     秋野 公造君
     中西 健治君     江口 克彦君
     大門実紀史君     紙  智子君
     福島みずほ君     山内 徳信君
 七月二十四日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     安井美沙子君
     江崎  孝君     谷岡 郁子君
     大久保 勉君     相原久美子君
     大久保潔重君     水戸 将史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                植松恵美子君
                川上 義博君
                武内 則男君
                徳永 久志君
                有村 治子君
                礒崎 陽輔君
                山本 一太君
                浜田 昌良君
                小野 次郎君
    委 員
                相原久美子君
                石橋 通宏君
                江崎  孝君
                大久保 勉君
                大久保潔重君
                大塚 耕平君
                金子 洋一君
                川崎  稔君
                小西 洋之君
                田城  郁君
                田中 直紀君
                難波 奨二君
                広田  一君
                牧山ひろえ君
                水戸 将史君
                安井美沙子君
                蓮   舫君
                赤石 清美君
                猪口 邦子君
                片山さつき君
                片山虎之助君
                川口 順子君
                末松 信介君
                西田 昌司君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
               三原じゅん子君
                山崎  力君
                山田 俊男君
                山谷えり子君
                秋野 公造君
                竹谷とし子君
                横山 信一君
                森 ゆうこ君
                江口 克彦君
                紙  智子君
                山内 徳信君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      岡田 克也君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、地
       域主権推進))  川端 達夫君
       法務大臣     滝   実君
       外務大臣     玄葉光一郎君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
       農林水産大臣   郡司  彰君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      枝野 幸男君
       国土交通大臣
       国務大臣     羽田雄一郎君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       行政))     細野 豪志君
       防衛大臣     森本  敏君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 藤村  修君
       国務大臣
       (復興大臣)   平野 達男君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        松原  仁君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、科学技
       術政策、宇宙政
       策))      古川 元久君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、防災
       、男女共同参画
       ))       中川 正春君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
       農林水産副大臣  岩本  司君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  三谷 光男君
       財務大臣政務官
       復興大臣政務官  若泉 征三君
        ─────
       会計検査院長   重松 博之君
        ─────
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   植村  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       原子力安全委員
       会委員長     班目 春樹君
       法務省刑事局長  稲田 伸夫君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   佐藤 一雄君
       農林水産大臣官
       房生産振興審議
       官        雨宮 宏司君
       農林水産省消費
       ・安全局長    高橋  博君
       農林水産省食料
       産業局長     針原 寿朗君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        関  克己君
   参考人
       日本銀行総裁   白川 方明君
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  本日の会議に付した案件
○予算の執行状況に関する調査
 (平成二十四年度予算の執行状況に関する件)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、平成二十四年度予算の執行状況に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百三十一分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会百四分、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会百五十分、公明党七十分、国民の生活が第一十八分、みんなの党三十五分、日本共産党十八分、社会民主党・護憲連合十八分、新党改革十八分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
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○委員長(柳田稔君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、平成二十四年度予算の執行状況に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。川上義博君。
○川上義博君 皆さん、おはようございます。民主党の川上でございます。
 私は、先般、予算委員会で、三党修正の協議は毒針が仕込まれているというふうに言いました。自民党の思惑どおり、我が民主党は分裂をしてしまいました。前回、源実朝の歌を引用して、われてくだけて裂けてしまった。これ以上続けば散ってしまう可能性があるわけでありまして、総理に、今まで自民党、自民党じゃなくて民主党を中心とした政権交代を支持していただいた国民の皆さんに対して申し開きができないんじゃないかと思うんですよ。そのことについてどのように、幹事長は私が一番の責任があるとおっしゃっていましたけれども、代表として幹事長以上に責任があると思うんですね。その辺りをどのようにお考えになっているのか、冒頭お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
 ただいま川上議員が御指摘をされたとおり、六月の二十六日の一体改革関連法案の衆議院の採決以降、残念ながら我が党において多くの離党者が出ました。国民の皆様に大変御心配をお掛けしていること、深くおわびしなければいけないというふうに思います。
 その責任ということでございましたが、幹事長よりもむしろ、私が党の代表でございますので、党の代表として、その厳しい御批判もしっかり受け止めながら深く反省をしなければいけないと思いますし、その責任の重さを痛感をしています。
 これからまだ一体改革の審議、この参議院でも熱心に御議論いただいておりますけれども、こうした一体改革の審議も含めまして、より党が一致結束して対応できるように全力を尽くしていきたいと考えております。
○川上義博君 これからも、原発の再稼働、TPPの問題、火種がまだくすぶっているし、まだ残っているんですね。今のこの混乱をどのように収拾されていこうとしているのか、それを総理にお伺いしたいと思います。火種がまだ残っているわけです。くすぶっているわけなんです。まだこの火種が大きな大火になる可能性があるんですね。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 原発の再稼働については、これは大飯の三号機、四号機については既にもう政府として対応を決定をさせていただきましたけれども、今、エネルギーの構成の在り方について三つの選択肢をお示しをし、国民的な議論をしていただいているところでございますが、こうした当面の、これからの原発、これからの再稼働の問題、あるいは中長期のエネルギーの在り方等々、丁寧な党内における議論をしていかなければいけないと思いますし、TPPについても全く同様でございまして、国論を二分するようなテーマについては丁寧な党内議論が必要だということを、これまでの反省も含めながら思っているところでございます。
○川上義博君 これからまだ丁寧な議論をしていくと、反省を含めるということでありましたが、実は、この三党合意に至る過程なんですけれども、民主党は、我々は元々、国会の中で審議をすると、国民の皆さんに分かる立場でこの法案の良し悪し、いいのか悪いのか、なぜこの法案が必要なのか、そういったことを、協議ではなくて、審議をしようという立場でやってきたはずなんですね。だから、自民党が政権持ったときもねじれがありました、それは場外でやるんではなくて審議を通じて明らかにしようじゃないか、記録も残るじゃないかということでやってきたんですよ。
 ところが、今回、どうもそういったことではなくて、まあ談合だとか密室だとか言われていますけれども、そういう形になってしまったんです。その形をつくったのは私は総理じゃないかなと思っておるんですよ。前原政調会長に自民党案を基本に取りまとめるように指示したというんですね、指示されたというんですよ。これは前原政調会長がテレビの前でおっしゃっていたんですよ。前原政調会長、テレビの前でこんなことをおっしゃるのかなと私も思ったんですが、これは事実でありますか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 三党合意を密室あるいは談合という御指摘ございましたけれども、基本にあるのは、衆議院の特別委員会において、これ安保国会に続く百二十九時間の総質疑時間がございました。その議論が煮詰まって、論点整理がかなりされてきた段階からの三党合意でございましたので、十分に国会の審議も踏まえながらの私は対応だったというふうに思っております。
 その上で、自民党の案をベースに考えろと政調会長に指示をしたというのは、これは正確に言うと、いわゆる推進法案について自民党から御提起がございました、それについて我々の考え方を投げ返すという、これがやり方をするようにという具体的な指示の内容でございます。そのほかの七つの税法関係あるいは年金や子育ての関係は元々政府案が示されておりましたので、それに基づいて修正の御協議をいただきましたけれども、推進法案という法案はこれは自民党から御提起があったので、それについて私どもの考え方を投げ返すようにという、そういう指示をさせていただきました。
○川上義博君 枝野さん、せっかくいらっしゃっているんですけれども、平成十九年ごろに、いわゆるねじれのときです、やはり裏交渉をしないで国会で議論をした方がいいというふうな発言されたんですね、あのときいましたから。だから、今回のその三党合意というのは、やはりこれは禍根を残すんじゃないかと、将来、そういうふうにお思いですか。ちょっと通告していませんけれども。
○国務大臣(枝野幸男君) 野党時代も、例えば消費者庁法案であるとか、それから、古く遡れば金融国会のときであるとか、野党の立場から対案あるいは修正案等を国会でお示しをして、それを当時の与党の皆さんが一部受け入れていただいて、修正合意をして成立させたという経験何度かございます。
 そうした折に、やはりまず、国会の委員会等の議論を通じて、それぞれの意見の違い、それによって浮き彫りになる論点などということについてしっかりと議事録などにも残る形で議論をした上で、その上で修正などについての御相談をするべきであるという趣旨のことは、当時もそう思っていましたし、私、今もそう思っています。
 したがいまして、私が野党時代に関連をした様々なあの修正、当時の自民党が受け入れていただいたあの修正についても国会でしっかりと議論をし、意見の違いや争点を明らかにした上で修正協議に入っておりますし、今回も私自身は、社会保障・税一体特では、直接所管ではありませんが、非常に長い時間を掛けてしっかりとそれぞれの意見の違いや論点などについて示され、整理をされた上で修正協議がなされたと承知をしております。
 修正協議そのものはやはりなかなか委員会という形式の中ではやりにくいものでありますから、私自身、野党時代に関係した場合においても、国会での議論を踏まえてそれぞれの当時の与党の担当者の方と相談をさせていただいたということでございますので、従来のケースとも同じように非常に適切なやり方で行われたと思っております。
○川上義博君 それで、三党合意の結果は、民主党の主張が後退して自公の提案が際立った内容の修正案となってしまったんじゃないかというような意見が我が党内にはたくさんあるんですね。そこの象徴的なものは、三党合意の確認書の中では、今後の公的年金制度あるいは高齢者医療制度に係る改革についてはあらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議すると。これは、自民党は決して民主党の主張を入れるはずがないんですよ。
 したがって、これは事実上、民主党の主張はあるいは撤回か消滅したことになるんじゃないですか。それを、まだ残っているんだという、その言い張っている姿がどうも私は分からないんですね。これはもう旗を下ろした、事実上、旗を下ろしたに等しいんだと思っているんですよ。総理、どうですかね。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公的年金制度の在り方については、私どもは、年金の一元化という、あるいは最低保障年金と所得比例年金の組み合わせた抜本的な改革という考え方を持っております。そして、高齢者医療制度の在り方についても、後期高齢者医療制度についての廃止という考え方を持っています。その考え方を法律として通すときには、当然のことながら、野党の皆様の御理解をいただく努力をしなければなりません。その際に、そうでないと、これはなかなか、これ衆参の今の関係からすると通らないということであります。
 あらかじめ、この三党のいわゆる確認書の中で、その内容等について三党間で合意に向けて協議をする、こういう確認をすることができました。あるいは、推進法の中では国民会議も位置付けられています。私どもの持っている考え方をそこでお示しをし、御理解をいただく舞台がしっかりつくられたという意味においては、これはむしろ私は突破口ができたというふうに考えているところでございます。
○川上義博君 舞台ができたと、三党合意はこれは正しかったということだろうと思いますが、そのほかに、その三党間で合意された項目の中に所得税、資産課税と、来年度税制改正で検討されるという話があるんですね。
 これは、今後、年末の税制改正にも三党合意がする必要があるということを意味しているんですか。税制改正の中で所得税と資産課税のことも三党間でやるんだということですか。
○委員長(柳田稔君) 挙手を。
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。
 この合意では二十五年度改正において必要な法制上の措置を講ずる旨の規定が新たに設けられておりますから、そうした点からいえば、所得税、資産課税について我々としての考え方をここは削除をしましたけれども、累進税率を高めていく等の考え方については合意をしている旨は三党で確認しているので、具体的にこれを実現するために、私としては三党間での合意を得るようにこれから努めていくことがこの考え方だというふうに思っております。
○川上義博君 だから、三党間で合意を得るように努力するということなんでしょう。だから、まあ分かりました。
 その税制改正プラス補正予算とか来年度の総予算についても、三党間で協議していくことになりますか。ついでと言っちゃなんですけれども、税制の改正も含めて、じゃ、補正も来年度の予算も三党間で協議、むしろそんなことになったら……(発言する者あり)連立、そうなんです、さっき言ったように事実上の連立になるんじゃないですか、そこまでやれば。
○国務大臣(安住淳君) それは、相手のあることですからこちらがどうこう言う立場ではありませんが、川上さん、やっぱりこれ予算は、今御指摘のようにもし一緒に組むような話になれば、それは全く今とは形態違ってくると思います。
 ただ、法律事項ですね。例えば、去年も税制改正については、三党間の実務的な協議を正式に立ち上げたわけではありませんけれども、いろいろな意味で非公式で話合いをさせていただきながら議会で通る言わばラインをちゃんと決めて、今回税制改正やらせていただきました、今年度のですね。そういう点では、税制改正については方向は言っているわけですから、累進率について。やはり、これは特に我が党と公明党の考え方は私、近いと思いますが、自民党さんもそれに認識を一致していただいて資産課税と所得税についてはやりましょうということですから、このことは私、協議はすると思いますけれども、予算というのは、やはりそれは与党と政府で決めて議会でお願いをするという形は変わらないというふうに思っております。
○川上義博君 それで、社会保障制度の国民会議というのをつくると。これは国会議員であることを妨げないということになっているんですね。じゃ、この国会議員は、民主党、自民党、公明党の三党の国会議員が委員に入ることになるんですか。自民党、公明党も委員になるんですか。どのようにお考えですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 推進法に規定されているところは、これは国民会議は二十名以内ということです。御指摘のとおり国会議員がなることを妨げないということになっていますので、これはこの推進法の規定の精神であるとか、あるいは今参議院で御審議をいただいている状況であるとか、三党合意に基づく法案でありますので三党間でのすり合わせとかを踏まえながら、二十名以内にどういう人選をするのか、国会議員を入れるのか入れないのか、入れる場合にはどういう構成にするのかということは、この法案成立の暁に検討をさせていただきたいというふうに思います。
○川上義博君 先般、一体特で総理が、三党合意に基づいてこの法案が成立した暁には、選挙の後もお互いがきちっと責任を取っていくとおっしゃったわけですよ。これはどういう意味なのかなと私は思ったんですね。これは、責任を持つということは、選挙後にも、連立かあるいは部分連立か分かりませんが、そういうことを想定になられて選挙後も責任を取っていくということになるんですか。選挙後も有効なんですか、三党合意というのは。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政党間の合意事項というのはその国会中に限るものでは私はないと思うんです。例えば去年から、大震災からの復旧復興に向けて、政党間の協議が調って修正案が生まれたり新法ができたりしました。それは、選挙がいつあるかは分かりませんけれども、公党間で約束したことについては、それを踏まえたやっぱり誠心誠意対応をしていくということがそれぞれの公党間の約束だというふうに思います。
 今回の一体改革についても、先ほど御指摘いただいた国民会議も、一年間の議論を経て、医療や年金や介護や子育て等々の基本方針を踏まえたいろんな議論をしながら一つの成案を得ていく話になるわけで、そういう議論をしていくことであるとか、それで出てきたものについては、これは三党合意を踏まえた対応でございますので、お互いが責任を持っていくということだというふうに思います。これは、あくまで政策の場合に合意したときには、この問題だけに限らず、やっぱり選挙があるなしにかかわらず、お互いに責任を持つというのが基本的な考え方ではないかと思います。
○川上義博君 分かりました。
 私は常々、経済成長なくして財政再建なし、これはもう当たり前だと思っているんですけれどもね。財政の姿が良くなって、増税して国民の生活が悪くなるというのは本末転倒なんですよ。そうでしょう。財政の姿を良くしたから財政が良くなりました。財政だけじゃないですよ、今の経済、実体経済というのは。もっと大きく見なきゃいけない。そこで、確実な経済成長を実現するには、少なくとも増税ではなくて減税という刺激を与えなきゃいけないと思っているんですよ。
 だから、今回減税策が全くないんですよね、ゲの字もない。前に三%に上げたときも減税しました。増税以上に減税しました。そして、五%のときは増減税一体処理だったんですよ。成長を考えないで今のままの一体改革を強行すれば経済に深刻な打撃を与えるというのがいろんな試算で明らかにされているんじゃありませんか。例えば大和総研もそう、第一生命もそう。だから、実質可処分所得は一・五%以上も減少すると、可処分所得は。この一・五%以上というのは、大型小売店、百貨店、スーパーなど、販売額に匹敵するんですよ。十数兆円ですよ。この個人消費が消えてなくなってしまうんですね。だから、経済に多大な影響を与えるということが試算で明らかになった。だから、減税で消費を刺激しなきゃいけないんじゃありませんか。どうですか。
○国務大臣(安住淳君) 経済を落ち込ませてはならないということに関しては、私も全く同じです。やっぱり循環するものであり、またもう一つは、社会保障や税財源をどう確保するかという面も一面でやっぱり考えておかないといけないと思うんです。経済のことのみ考えていくんであれば川上さんの考え方も私も分かりますので、ですから、そういう意味では、そういう試算もあります。
 しかし一方で、消費税を上げることによる、平年化をしたときには、そういうふうな影響は思ったほどないというふうな意見もありますから、そこは分かりませんが、しかし私は、そういう点では累次の対策をしっかり取ることによって、十八条の附則というのはやはりそこで三%、二%という目標を書いていると思うんです。ですから、それに向けてできるだけまた逆進性対策等をやりながら影響を抑えていくと。
 ただ一方、もう一つ、やっぱり年金のことを例えば例にすると、じゃ、国庫二分の一負担の部分の穴をずっと空けっ放しでいいのかというと、やっぱりそこはそうじゃないと思うんですよ。だから、そこが難しいところで、お預かりした消費税というのは、私、一体改革で常々言っているんですけれども、これは社会保障に回ります。ですから、重税感があるから大変だという意見もありますが、一方で私は、いただいたお金はおばあちゃんの年金、いただいた、お預かりしたお金はお父さんの薬代に回っていくんだというのがちゃんと浸透すれば、私は、消費税に対する国民の皆さんの理解も得られるし、非ケインズ効果の話は再三ここで出ていますけれども、そうしたこともありますから、総合的にやっぱり勘案をしないといけない。
 ですから、そういう点でいうと、お預かりした消費税が何に使われるのかということに対して私たちはより透明度を持ってお示しをすることで、私は経済の循環の中にこれも資するようにしていきたいと思っています。
○川上義博君 じゃ、その給付が増えるんですか、給付が増えるんですか。増えないでしょう。それで、もう一つは、社会保障制度が明日にでも崩壊するんですか。崩壊しないでしょう。それと、二%、三%という我が民主党のそういった景気条項、それだって後退しているんじゃありませんか、三党合意で。二分の一の話も、じゃ、二分の一の国庫負担であれば一%消費税上げるだけでいいじゃありませんか。五%上げる必要はないじゃありませんか。そういうことになっていくんですよ。
 だから、減税すれば景気が刺激されていずれは税収増になるんですよ。減税による一時的な歳入減を気にする必要はないと思うんですよね、私は。だってそうでしょう。フランスだって、緊縮財政はこれは駄目だって新しい大統領は言っているじゃありませんか。イタリアはどうなんですか。減税をこれからしなければいけない、増税をしたために相対的に税収が減ってしまった、だからリセッションに、景気後退になりつつあるって表明しているんじゃないですか、総理が。そうでしょう。要するに、新たな増税の延期を検討しているということじゃありませんか。いかに増税が景気を全体的に冷え込ませるというのは、もう明らかになっているんじゃありませんか。
○国務大臣(安住淳君) 川上さん、欧州の状況は、まず彼らはかなり厳しい緊縮財政と増税策をリーマン・ショック前後にやったんです。その結果、余りに景気が落ち込んでいるところもあるので、雇用ですね、特にヨーロッパの場合は失業率が高かったものですから、それでこれを、スピードを緩めましょうということで、今多少の経済対策をやりましょうということなんです。ですから、そういう点では発射台が私は日本とは全然違うと思うんです。
 そういうことからいうと、確かに消費税を上げるということに対する非常にその懸念は私も十分理解できます。しかし、だからといって、例えばさっきの年金の話や社会保障で、じゃ、増えるのかと、そうじゃないじゃないかという御指摘ですが、実は年金がいい例ですが、今の制度や今の支給額を維持するのにも待ったなしだということも事実でないでしょうか。じゃ、これを財政赤字でずっと穴埋めをしていったときに、本当に我が国で、先々、家計に例えれば、借金まみれでどんどん借金をして、先に明るい展望がなければないほど消費が落ち込むということもありますから、そこをうまくやっていこうということでございますので、是非御理解いただきたいと思います。
○川上義博君 だから、要するに、要するに……(発言する者あり)これは党内だろうと何だろうと関係ないんだから。経済構造を、経済が成長するための経済構造をその増税とかの前に早くつくらなくちゃいけないと言っているんですよ。そうでしょう。そのことが一番大切だと言っているんですね。
 だから、減税の意図はありませんか、本当に。減税、後年度減税でも、消費税を上げた後でも後年度で、落ち込みますから、減税も同時にやはり考えなくちゃいけないということを少なくとも考えませんか。どうですか、総理。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国を成長させなければいけない、これはまさに委員と思いは共有です。一方で、諸外国の事例を見ても、財政再建だけやっていたらこれはやっぱり国としては縮んでいくんですね。多くの国が今直面している命題というのは、成長と財政再建をどう両立させるかだと思います。ここが私は基本に置かなければいけないと思うんです。
 成長については、この経済再生は我々も消費税引上げの前までに懸命に取り組んでいきたいというふうに思います。デフレ脱却とそして経済の活性化に向けてしっかりとこれは対応しなければいけないと思います。一方で、例えばそういう経済が再生できる前に増税を、済みません、経済を再生しなきゃ当然その増税する環境できないんですけれども、できないんですけれども、だからといって経済の再生の前、経済再生策として減税だけやっていいのかどうかですね。それはやっぱり財政再建からすると、規律を守っていない国に私は見えかねないというふうに思います。
 もちろん、その経済状況を見ながらどういう判断をするかというのはこれからの話だと思いますけれども、まず成長させるために財政出動をばんばんやろうとか、あるいは減税がんがんやろうというだけでは、財政規律を守らない国として見られてしまう。財政に対する規律がないというメッセージが海外、内外に出たときには、私は経済への影響も出てくると思いますので、そのバランスをどう取るかが大事だというふうに考えております。
○川上義博君 信認は、要するに財政だけじゃないんですよ。経済成長をしたら国際社会から信認受けるんですよ。そのことを頭の中に入れておかないといけないと言っているんです。
 もう一つは、補正で大規模な経済対策を、景気対策をやるべきだと私は思っているんですね、今度の補正で。今はもう本当に景気が悪くてもうしようがないと。景気ウオッチャー調査とか日銀短観とか中小企業の景況判断なんかもみんな下がっておるんですよ。もう大変な状況なんですね。だから、そこで、自民党も公明党もたちあがれも十年間で二百兆とか百兆とか三百兆と、こうやっているんですけれども、私はこれはこれなりに評価した方がいいと思う。我が党も百五十兆とかという提言をしたようでありますけれども。
 この中で附則十八条二項が、これが追加されたんですね。この二項について、政府はどんな対策をいつまでに講じるということをお考えになっているんですか。要するに、事前防災とか減災に資する分野に資金を配分するということは、それ、どうなんですか。補正でやりませんか。
○国務大臣(安住淳君) 二項の解釈の問題は一体特で整理してお話はさせていただいておりますけれども、決して公共事業をばらまいたり、そういうことでは全くありませんので、そのことはまず前提として申し上げます。
 そして、やはり弾力的、機動的な財政運営ができるような成長や税収を上げた上で、その中でプライオリティーを高めていって、防災ニューディールや減災、そういう強靱化ですか、自民党のおっしゃっている、これは要するに、やっぱり南海トラフを始め来るべき震災等について国内的な投資というものをやっぱり優先的にやっていこうということだと思います。もうこれは財政規律を何かオーバーしてやっていくということではないということは、昨日、自民党の方からも御答弁ありました。今、川上さんのお話も、ある意味ではそれに関係するお話かもしれません。
 私どもとしては、今、実は復興予算の中で全国防災事業もやっているんですね。これ、一兆円ほどこれまで投入しております。今の合意事項というのは、これは消費税が八%に上がってからこの先をどういうふうにつくっていくかという中で、その段階ですから、その前となるとやっぱり本予算、さらにはこういう復興予算の中で全国防災等について最低限必要なものについては手当てをしていくということは考え得るというふうに思っております。
○川上義博君 要するに、一体特で自民党の提案者が、法案が通る前から、事前防災をやるんだと、やる必要があるんだと、今からでもすぐやる必要があるんだとおっしゃっていますね。自公の期待にこたえようじゃありませんか、補正予算を組んで。解散やっている暇ありませんよ。そうでしょう。やりましょうよ、補正、大型補正をやって、期待にこたえて。どうですか。解散やっている暇ありませんよ。
○国務大臣(安住淳君) 解散の話は私のような者が言う話じゃございませんけれども……(発言する者あり)はい。学校の例えば耐震化とかやっぱり急がないといけないものはこの夏休み中にもやりたいということで予算を措置しております。これは、特に公明党の皆さんなんか、事前にこういうふうな提案を受けています。復興の予算、残念ながらまだ未執行のものがありますから、こういうものを中心にまたやっていきながら、川上さんの御指摘は、秋にもしかしたら、それじゃ不十分だから補正も考えたらどうかということですか。
○川上義博君 だから、残っているんだから、本予算が残っているんだから。
○国務大臣(安住淳君) まだちょっとそのことについては私の方からまたコメントすると怒られますので、御意向は十分伺っておきます。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 学校施設の耐震化などは、さっきちょっと財務大臣も答弁しましたけれども、夏休みの間に進めるというのは非常にいいんですね、タイミング。だから、前も予備費を使って対応したことがありました。命にかかわるインフラ整備というのは、常にそういうことを心掛けながら進めていかなければいけないというふうに思います。
 一方で、景気対策としての補正予算を組むかどうかは、これ今、足下、一月―三月のQEだと年率四・七%の成長です。四―六がどう出てくるか等々をよく踏まえながら、経済状況とか財政状況を踏まえながら、今後判断をさせていただきたいというふうに思います。
○川上義博君 実はまだ特例公債が通過していません。これを、この法案を解散に絡めて議論するのはそもそもおかしいんですよ。特例公債がもしも成立しなければ、これは国民生活、大変なことになるんですね。だから、これいつまでに成立しなければいけないんですか。もうすぐにでもやらなきゃいけないことなんですね。だから、仮にこの協議が成立しなければ、どのように財源調達しますか。
○国務大臣(安住淳君) 本年度の一般会計予算総額の約四割に相当する三十八・三兆円の歳入部分が特例公債法で発行する特例公債ということになっております。
 それで、ちょっと数字を申し上げます。九月の末の歳出の累積支出見込額が三十九・三兆円でございます。税収は四十六・一兆円でございますので、四十六・一兆円の部分が成立しなければ、そこから先は枯渇するということです。それで、十月の、近年の平均でいうと五兆円ほど使っております、十月は、国全体で。ということは、十月末現在でもし特例公債法が成立していない場合の我が国の残額は一兆円強、税収の中で引くとなってしまいます。
 ですから、私としては何とか今国会中にこれを成立をさせていただきたいと思っておりますし、もしそうでないということは余り考えてはおりませんが、こうした賄いをどうやっていくかということを考えると、九月以降の予算の執行については、地方に行く分やそれぞれの、まずは義務的経費まで行けるかどうかは別にして、かなりの予算抑制というものはやらせていただかなければならない事態に陥る可能性はあるというふうに思っております。
○川上義博君 だから、今一兆円しか残らないと、だからその先抑制するのにその限りがあるんですね。だから、その後はどのように調達するかと、これはFBしかないんです、政府短期証券、これを発行するしかないということですよね。これはそうだと思う。
 だから、これを、それだってもう本当に大変なことなんですよ、信認が下がる話なんです、国際的に。だから、要するにこれを、特例公債の成立なくして解散なんかやっておれませんよ。どうですか。解散なんか、特例公債を成立させない限り解散なんかあり得ないです。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、この特例公債法案が成立をしないまま秋を迎えていくという事態になると、財務大臣が指摘をされたような大変厳しい予算執行の抑制等々をせざるを得なくなってまいります。それは国民生活であるとかあるいは様々な経済活動にも影響をすることであります。
 確かに政府短期証券で当面しのぐということはありますが、それすら年度内にはそれは返さなければいけない話でございますので、事情は同じであります。そうなった場合が、まさにそれこそこの一体改革の法案の成立いかんを内外、マーケットも見ていると思いますが、特例公債の状況についても同じように私もやっぱり神経使っていかなければいけないと思います。その意味からも、何としてもこの国会中に成立をさせていただきたいと思いますし、御理解をいただくように努力をしていきたいと思います。
 解散云々は、それとこれとではなく、余り軽々には言及しないようにしたいというふうに思います。
○川上義博君 次に、尖閣の話をしてみたいと思いますが、尖閣の国有化の目的は何なのか、どういう目的で購入するのかということなんですね。
 実は、日本海、私の隣の、鳥取県の隣の島根県の竹島があります。竹島は国有化されておるんですよ。要するに、昭和二十年の十一月に海軍省のものだったのが今や大蔵省になって、今の財務省の普通財産になっておるんですね。国有化されておるんですよ、既に。国有化されているにもかかわらず、今の現状なんですよ。だから、尖閣の国有化というのは一体何を目指しているのかということを明確にちょっと、総理でもいいんですが、聞いてみたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 尖閣諸島は、これはもう言うまでもなく、国際法から見ても歴史上から見ても我が国の固有の領土であり、したがって有効に、また加えて支配をしています。その意味で、領有権の問題が存在をするということではございません。
 今回、私どもが今取り組んでいることは、この尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理というものを継続をする、その意味で様々なレベルの人たちと様々な接触をしているというのが現状でございます。
○川上義博君 いや、よく、だから答えていないんですよね。だから、例えば、国有化するでしょう、一体どこの省庁がやるんですか、防衛省ですか、あるいは水産だったら水産庁が持つんですか。そのことをはっきり計画を出さなきゃいけないんじゃありませんか、国有化する場合。例えば、灯台を造るんだというんだったら国交省。だから、どこが持つんで、どういう目的でやるんですかということなんです。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) さっき申し上げたとおり、平穏かつ、そして安定的に尖閣諸島を維持管理する、それを継続するにはどうしたらいいかという中で、例えば今御指摘のあったような所管の問題、そして当然これは予算措置を伴うことになってきますので、そのときの目的の問題、その整理を今政府内で調整をさせていただいているところでございます。
○川上義博君 だから、私は、そもそも突然に国有化という話が出てきておかしいなと思ったんですよ。だから、東京都がやると言うんだからやらせておけばいいんじゃないですか。その後に、いや、その東京都が、都が難儀であれば国が引き受けてもいいですよという、そういうことをやった方がいいんじゃないかなと思っているんですね。
 日米安保条約の五条に、尖閣が有事の場合に、これはやはり対象になりますか、日本の防衛の。
○国務大臣(玄葉光一郎君) それは対象になるかという問いでございますから、結論から申し上げれば、対象になります。そのことにつきましては、私とヒラリー・クリントン国務長官との間でも確認をされております。
○川上義博君 ところが、領土問題は同盟国であっても紛争には不介入、中立の立場を取るという、片一方またアメリカが言っておるんですよね。だから、それは本当にどうなんだろうかと思うんですね。その辺りはどうお考えですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 領有権の問題と、この五条、これ施政区域の問題とこれは全く一緒というわけではございませんので、いずれにしても五条適用はあるということは累次確認をしてきているところでございます。
○川上義博君 要するに、今、竹島は国有化されている。だから、土地を誰が所有しようと余り意味が成さないんじゃないかと思うんですよね。
 そこで、重要なのは、何が重要なのかといいましたら、国が、我が国家がいかにして実効支配するかということなんですよ。そうでしょう。それが目的なんですよ。国有化が目的じゃありません。いかにして実効支配をするかということで、じゃ、どうすれば尖閣を実効支配できますか。具体的におっしゃっていただきたいと思います。総理、いかにして実効支配するんですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 現時点、先ほど来申し上げているとおり、領有権の問題は存在せず、そこの例えば所有権を誰が持つかとかということは別にしても、現実に今、日本が実効支配しているというか、有効支配をしているというのが前提に立っております。
○川上義博君 まあ、有効支配しているという、これからもその努力は続けるということだと思うんですね。
 参考のために、財務省から竹島の台帳価格、要するに財務省が持っているバランスシート上の資産の価値、竹島、四百三十七万円だと言っていましたよ、四百三十七万円。安いなと思ったんですけど、私にも買えるんじゃないかと思ったんですけどね。だから、そんなことはどうでもいいんでありますけれども、いずれにしても、しっかり頑張って、有効支配を確立するように頑張らなければいけないというふうに思っています。
 次に、原発の再稼働の話でありますけれども、これは、私はこれは極めて単純だと思っているんです、再稼働は。この安全基準というのを政府がしっかり出せばいいんですよ。
 それは、一つは何かといいましたら、シビアアクシデント対策を実施します。二次評価までのストレステストの完全な実施をいたします。三十キロ圏の自治体との安全協定を締結をします。その安全協定の中身は、三十キロ圏内の自治体が再稼働に合意しなければ再稼働させません。活断層の存在が疑われる原発については、調査を完了するまで必要な処置はとりません。こういうことをはっきりその条件として打ち出せばいいんじゃありませんか。それを曖昧にしているから、一次テストで、要するにシビアアクシデントも対策は後回しで再稼働したから、国民の皆さんは原発の再稼働に対して不信感を持っているんじゃありませんか。
 その上で、深夜番組は、だから国民の皆さんに、電力の需要が上がれば、これは深夜番組も十二時以降はやめます、ネオンサインも点灯しません、深夜営業もやりません、昼間の電力も是非我慢してください、そう言えば国民の皆さん納得するんですよ。そういうことをしっかりと要するに打ち出す必要があるんですよ。
 それを、今からでも遅くありませんから、そういった安全基準というものをしっかり打ち出すということが必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(枝野幸男君) 原子力発電所の再起動については、昨年の夏以来一年以上の時間を掛けて、専門家による四十回以上の公開の議論を通じて対策や知見、そして判断基準を積み重ねてきたところでございますが、最終段階で四大臣会合等が行われて、それまでの一年間の積み重ねということではなく、その四大臣会合が始まって以降の時間帯で、短い期間で決めたのではないかという印象を国民の皆さんにお与えをしてしまった、そうしたことについては十分反省をしなければいけないというふうに思っているところでございます。
 そして、国会で御理解をいただいて、新しい規制組織が内閣から独立しました形で設置をしていただくことをお決めをいただきました。設置そのものについては環境大臣の下でできるだけ速やかに発足させるべく御尽力をいただいているところでございますが、発足までの間、安全規制を担当してきている原子力安全・保安院においても、できるだけ速やかに規制委員会が発足し、またその役割を果たしていけるよう、しっかりと引継ぎを準備してまいりたいというふうに思っております。
 その上で、まさに独立性を持った形で規制委員会を設置をしていただきましたので、この規制委員会において、決める中身はもとより、決めるプロセスについてもできるだけ分かりやすく国民の皆さんの御理解をいただけるよう、独立して今御指摘いただいたような基準を決めていただけるよう、経済産業省の立場としてはしっかり引き継いでまいりたいと思っています。
○川上義博君 今日、班目委員長おいででありまして、班目さんがいろんな会議で、総合的安全評価、ストレステストというのは一次評価だけでは不十分だと、二次評価までしっかりやっていただきたいというのが基本的な立場なんだということをおっしゃっていますよね。さらに、原子力プラントの安全性の評価というのは、対策を個別に取ればいいというものではなくて、総合的に評価しなければいけませんということを原子力安全委員会としては言い続けていると、そして原子力安全・保安院の方に要請をしているということでありまして、この再稼働等について、今の私の発言と再稼働について何か御意見がありましたらおっしゃっていただきたいと思います。
○政府参考人(班目春樹君) 原子力発電所定期検査中のものの再起動については、これはその是非について判断する権限は原子力安全委員会としては持ってございません。しかしながら、このことにつきましては、総理大臣を始め関係大臣でしっかりとした判断がなされたというふうに思っております。
 それから、これからの安全基準につきましては、これも継続的に見直して高めていくことが必要だと思っております。原子力安全委員会としましては、今回の事故後、例えばいわゆる防災指針ですとかあるいは安全審査指針類について見直しを進めてございます。これについては三月に一つの結論を出してございますので、是非、今度新たに発足する規制委員会の方ではそれを尊重していただきたいと思っているところでございます。
○川上義博君 絶えずその安全基準を上げていかなければいけないと、これは私もそう思っているんですけれども、もう一つは、既設の発電用原子炉施設について、設計上の想定を超える外部事象に関する頑健性に関して総合的に評価することを保安院に対して要請しているともおっしゃっていますね。
 そこで、当然、当然ですよ、再稼働の施設についても既設の原子炉の施設であるので、この要請は生きているんじゃありませんか。再稼働しようとしまいと、安全委員会の要請は生きているんでしょう。
○政府参考人(班目春樹君) おっしゃるとおりでございます。
 したがって、再稼働をしたしないにかかわらず、是非、総合的安全評価というのは一次評価のみならず二次評価まで進めていただきたいというのが原子力安全委員会の意見でございます。
○川上義博君 だからそうなんですよ、総理。だから、シビアアクシデントの実施をする、二次評価までストレステストをやる、そして安全協定の地方自治体との合意がなければ再稼働はしない、活断層の調査も完了するまでしないと、こういう単純なことじゃありませんか。それを、どうしてその基準を設けないんですか。その間、需給が困難になれば、国民の皆さんに是非我慢、こういう我慢をしてくださいということを打ち出すべきでしょう。そうしたら納得しますよ。民主党政権だってやるじゃないかという評価になりますよ。どうですか、総理。総理です。総理、総理。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど経産大臣もお答えしましたけれども、大飯原発の三号機、四号機については、一年以上の様々な議論を経て、知見、対策を踏まえて、いわゆる判断基準というものをまとめさせていただき、それを踏まえて安全性と必要性の観点から総合的に判断をさせていただきました。
 安全性については、これは上限がないと思います。一定のレベルだと思った瞬間にこれは安全神話になってしまいます。安全性については上限がありません。新たな知見なども踏まえまして、新たな今回規制組織、大変独立性の強い組織が生まれるわけでございますので、その中で新たに、安全性についてのチェック、確認、そのやり方含めて、今御指摘の問題も含めまして御判断をいただければというふうに思います。
○川上義博君 これは余計なことなんですけれども、どうも私は、民主党は上の方が、上の方がいろんな言動でされるんですよ。で、混乱するんですよ、下の者は。だから、今回も、鳩山さんがシュプレヒコールみたいなのをされたり、前原さんがオスプレイのことでまた政府と違うようなことを発言されたりというと、我々はこれ困るんですよ。だから、そういう言動は本当に慎んでもらいたいと思うし、鳩山さんと前原さんのその言動についてどう思われますか、総理。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 元総理のいわゆる言動、言と動があると思いますけれども、これは個人としてのやっぱり活動だというふうに思います。これ、ちょっと党のガバナンスの問題では私はないと思うので、一つの法案に対する、採決に対する態度等については対処方針をこの間お示しをさせていただいたとおりでありますが、個人の活動をそこまで制約するということはやりにくい部分があるかと思います。
 ただ、コミュニケーションはちゃんと取っていかなければいけないと思いますし、政調会長のお話は、今、オスプレイの件だと思いますが、昨日もオスプレイについての意見交換はさせていただきました。明確に確認できたことは、これは、アメリカ側からきちっと事前の情報、いわゆる調査結果等々を早く伝達するようにということでありますが、これ、日本も主体的にきちっと専門家も含めて安全性を確認をすると、安全性の確認をしない、そのプロセスを経ない限りは日本におけるオスプレイの飛行運用はないと、そういうことの意思疎通の上での確認もさせていただいております。
○川上義博君 今オスプレイの話ありました。あれは、派遣すると、アメリカに防衛省を派遣するという話でありますが、いつ誰を派遣するか、その規模はどの程度ですかということと、その目的は何ですかと。派遣する目的と規模と何日程度まで、ずっと派遣、まさか一年中派遣しているわけじゃありませんからね。大臣。
○国務大臣(森本敏君) オスプレイの二つの事故、モロッコの事故とフロリダの事故については、海兵隊が航空機事故安全調査を実施中で、空軍の事故についても安全調査というのが別途行われていると承知していますが、そのまだプロセスの途中にあります。
 我が方は別途、分析チームを設けて、このメンバーがどういうメンバーであるかということについては今週中に公表します。防衛省の中で専門家、すなわちパイロットなどの技術を持っている者、あるいは技術者だけではなくて国土交通省の協力も仰いでいますが、一般の有識者の中にもこういう知見を持っている方も入っていただいて、トータルでアメリカ側から事故調査の結果について説明を受け、それを専門的に分析する知見と知識と、技術面での知識を持っている人を編成して、その中から選んでアメリカに派遣しようと思います。
 時期は、今、アメリカ側からその調査結果が公表をされてからになるので、まず、されたものを我が方で受け止め、日本でそれをまず分析して、どういう質問、どういう問題があるのかということを中身で分析をした後、アメリカ側に送って、どういう事故調査が行われたのか、この報告書の中身は一体どういう意味なのかということを専門的に聞きただすというプロセスを経ようと思っています。
 したがって、時期については、事故の調査が終わり次第、我が方が分析を終わって速やかに出そうと思っています。メンバーについては、今週中、発表します。目的は、あくまでアメリカ側の調査は調査として、我が方として独自の分析を行うということがその目的でございます。
○川上義博君 アメリカのその調査結果を待つというのは、じゃ、派遣する時期というのは、例えばモロッコの場合は七月末だと言われていますよね。結局、その七月末以降なんですね、派遣するというのは。フロリダは八月末と言われておるんですよ、発表の時期ね。だから、このモロッコとフロリダは別々の派遣じゃなくて一緒なんですか。時期は七月末以降ですか。
○国務大臣(森本敏君) 二つの事故の調査がどのようなプロセスで進んでいるか分かりませんが、ごく常識的に考えて、モロッコの事故は先生の御指摘のように四月に起きたものなので、したがって少し早めに進んでいると思います。フロリダの事故は六月なので、それより遅れると思います。したがって、モロッコで起きた海兵隊の事故は早めに間もなく公表されるのではないかと思います。そのときに、今申し上げたように、我が方で受け止めて分析をしてから派遣チームを送りたい。多分それから後になる空軍の事故については、同じプロセスを経て別途送りたい。
 その二つの事故の調査については、結果をできるだけ早く日本側に通報していただきたいということをかねてよりアメリカ側にも申し上げていますし、先週、カーター国防副長官訪日の際にもアメリカ側に申し入れています。日程は確定しません。しかし、今申し上げたように、それぞれ別々の事故について、性格が違いますので、別々に分析をし、別々にチームを組むというつもりでございます。
○川上義博君 もう一つ、この試験というか実際の訓練空域ですね、六ルートと言われていますね、六つのルートがある。もう一つはブラウンルートというのがあるというんですよ。これ入れると七つのルートになるんですよね。ブラウンルートというのは我が鳥取県の上空を飛ぶんですよ、低空すれすれにね。このブラウンルートも、六ルート以外で中国地方の方にも行くんだという、飛行するんだ、訓練飛行するんだということは把握されていますか。米軍は設定しておるでしょうか。その情報はお持ちですか。
○国務大臣(森本敏君) 米軍の低空飛行の訓練ルートというのは、これは、今まで例えば戦闘機等で使ってきた飛行ルートを、今回はオスプレイの運用が始まったらその飛行ルートを使って低空訓練を行うときに、どのような環境に影響を与えるのかということを環境レビューという形で公表したものであって、このルートを必ず訓練に使うとか、あるいはあらかじめ訓練計画があるとかということを我が方が通報を受けているわけではありません。
 先生御指摘のブラウンルートについては、六つのルートとは違い、いろんな情報が錯綜していて、我が方はそれを確認できておりません。
○川上義博君 分かりました。
 最後に、オスプレイの搬入を急いだという感じをみんな持っているんですよ、急ぎ過ぎたと。そこで、その影響で山口県の知事選挙は全員、候補者みんな反対したんですね。現職の今の知事も反対だということなんです。ただ、少なくとも今までは、もう何とか賛成しようじゃないかという理解があったんです。ところが、今やもう理解も何も飛んでしまったんですよ。
 この結果を招いた責任、これはやっぱり、原因が究明するまでその搬入、その出発をストップしてくださいよというぐらいの交渉がどうしてできなかったんだろうかと思いますね。その責任はあるんじゃありませんか。みんな反対になっていったんです。総理、最後にどうでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) この件についても、それこそ様々なレベルにおいて日米間における様々なやり取りがございました。その結果、お互いに今合意できていることというのは、きちんとアメリカにおいては事故調査の結果を早急に日本に伝達をする、そしてアメリカにおいてもしっかり安全性の確認をするということでありますが、我が国においても、森本大臣答弁されたように、我が国としても主体的にきちっと調査をして安全確認をする、その安全確認がない限りは飛行運用はさせないということでお互いに今のところ合意をしているということでございます。
○川上義博君 終わります。
○委員長(柳田稔君) 関連質疑を許します。川崎稔君。
○川崎稔君 民主党の川崎稔です。
 本日は、川上委員の関連質問ということで、主に一体法案に関連して質問をさせていただきます。
 先ほど川上委員の方から幾つか質問が出ておりました。いろいろと、衆議院で三党合意なされたということで火種だとか毒針だとかいう言葉が出て、先週、参議院の方でも特別委員会で本格的な審議に入ったわけでございますけれども、ここでちょっと総理に確認をさせていただきたいんですね。
 先ほど少し話出ました、例の新年金制度あるいは後期医療保険制度廃止、こういったものについて、一部の報道なんですが、先週十八日の特別委員会の審議の中で、これたしか宮沢先生との質疑の中で話が出たと思うんですけれども、改革推進法案が成立すれば新年金や後期高齢者廃止を断念すると答弁したかのように報じられています。
 もちろん、ねじれ国会でございますので、政治を進めていくという上ではほかの政党とも真摯に議論をしていかなきゃいかぬと、国民のために合意し一歩一歩進めていかなければいけないということも当然なんですが、一方で、各党の理解を求め一致点を探るとしても、これまで民主党として議論を積み上げてきた、国民の皆さんに約束してきたという意味で、その新年金制度あるいは後期高齢者医療制度の廃止、詰めるべき課題というのはあろうかと思います、あるいは関係者との厳しい調整というのはあろうかと思いますが、全力で取り組んで少しでも実現に努力しなければいけないと、恐らくこの思いは総理も共有していただいているんではないかと思うんですが、その総理の真意というところをもう少し丁寧に御説明いただければというふうに思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 確かに川崎委員御指摘のとおり、断念という何か見出しが出ていましたので、ちょっと私は相当違和感を持ちました。
 ずっとその三党合意で合意に向けて協議する、これは後期高齢者医療制度の廃止の問題、高齢者医療制度の問題、それから公的年金制度の問題、そういうことと、あるいは国民会議を含めて、私たちの固有の政策は下ろさずにそれぞれの御理解をいただくように努力をする、その場の設定ができてきた意義を申し上げたわけで、一度もそのことによって断念したとか撤退したとか撤回したということは言っていないんですけれども。
 あのときのやり取りを思い起こしてみますと、いわゆる自民党の議員の方から、閣議決定、一体改革に関しての大綱ございますね、新しい年金制度については来年の通常国会に法案を提出する、後期高齢者医療制度廃止については関係者の理解を得たならば法案を提出すると、そういうスケジュール感を書いてあったので、それとの、いわゆる今の御審議いただいている一体改革法案が成立した暁のスケジュール感のお尋ねがあったと思うんです。
 そこはやっぱり正確に申し上げなければいけないと思うんですけれども、国民会議で議論することやあるいは三党であらかじめ協議することが合意されているわけでありますので、改革推進法が成立した時点では政府は両法案の取扱いについて法律等に従った手順に沿って取りまとめを進めることになるということであります。その範囲において閣議決定の内容については一定の修正、言わば上書きがされることを御説明をしたものであって、これは重ねて申し上げますけれども、固有の政策を取り下げるということとは全く連動する話ではございません。
○川崎稔君 今の答弁を伺ってもそうなんですけれども、基本的にやっぱりいろんな意味で今回の議論で誤解といいますか、いろんな意味での言葉の行き違いというのが多いかなという気もします。
 非常に分かりにくい部分があろうかと思うんですけれども、その関係でもう一つございまして、今ちょうど、一体改革法案、この審議日程について、お盆前であるとか後であるとか採決の日程等も含めていろいろと一報道でも流れておりますけれども、先週の二十日に参議院の特別委員会の方で自民党の礒崎先生がおっしゃった話ございましたですね、個人番号法案、マイナンバー法案ですね。この件について、先生の方からは、個人番号法案をしっかりやらないと一体改革法案を採決しないという御発言がございました。具体的には、速記録を見たんですけれども、一体改革法案の中に個人番号法が引用されている、個人番号法が審議されていないのにこの一体改革法案の採決はできないという御発言がございました。
 私たちも、この個人番号法案、非常に重要であるというふうに考えておりまして、今国会で成立させる必要があるというふうに考えているわけでございますけれども、政府として今回のその自民党議員さんからの発言、どう受け止めておられるか、よろしくお願いします。
○国務大臣(安住淳君) 一体改革の中で、例えば給付付き税額控除をするといったときに番号制は重要でございます。この先、日本でやはり国民の皆様に対して行政サービスを公平にやっていくための材料としても不可欠です。ですから、あの法案の成立を私たちも期したいと思っております。
 しかし、現実にはこれは国会運営上の問題ですから政府が口を出すものではありませんが、実は実務者の協議でおおむね合意に至るぐらいまで努力をいただいているということが背景にありますから、そうしたことを踏まえて、礒崎先生もその実務者のお一人ですから、今衆議院で内閣委員会での法案の順番がどうなっているかということを御指摘なさったんだと思いますが、これがなければ絶対こうではなくて、これも言わば今国会中に成立を図ることで、行政側の国民へのサービスの充実のための言わば手当ての一環としてこの法律を通したいということを、私は、お述べになられたということでございますので、礒崎先生の気持ちは重々、十分理解はしておりますので、成立に向けて私としても、政府がということではなく、与党側にもこの衆議院サイドでの内閣委員会での審議の促進というものを是非お願いをしていきたいというふうに思っております。
○川崎稔君 ありがとうございます。非常に、今後の審議日程を考えたときに、タイトな中で重要法案がめじろ押しということでちょっと伺わせていただきました。
 ちょっと本論に入りたいと思います。
 一体改革法案、今回、世界各国、先進国は、先ほどのお話に出ておりますように、経済成長と財政再建、財政規律、この両立をしなければいけないということで、大変苦労しているわけですね。
 まず、経済成長の方についてちょっと伺いたいんですが、安住大臣、今回、消費税増税等、法案の中に入っているわけなんですが、こういった増税が行われることが可能な経済環境というのはどういう状況だろうかと。
 先週の特別委員会の方では、総理は、消費税増税の条件について、経済が好転すること、デフレを脱却し経済を活性化させて好転させることが基本、そのための政策の総動員をしていくというふうにおっしゃっています。あるいは、その経済の好転というのが条件になると思うので、景気をよくウオッチした中で判断する、景気が回復軌道に乗って、成長軌道に乗っていくように政策の総動員をしていく必要があると。いずれも経済の好転ということがキーワードとして出てきているわけなんですが、もうちょっと具体的に、経済情勢、どんな情勢だったらというところを、大臣のちょっと御認識を伺いたいんですが。
○国務大臣(安住淳君) 私は、経済状況の好転とは何ぞやということについてもしお答えするとすれば、経済が悪化している状況から持ち直し、改善していく過程にある状況のことを私はいうと思っています。そのことを、名目、実質それぞれの成長率、物価動向、種々の経済指標の中で確認をするとともに、一方、これは皮膚感覚でといいますか、経済指標に表れないものも含めて諸要素を総合的に勘案し判断するということになるというふうに思っております。それがいわゆる私がかねがね申し上げている、この好転というものは何を意味するのかということに対する考えです。
 それをやはり目指していくために附則十八条のそれぞれの一項、二項、三項が定められていると。三項で定められている条件というものは、今申し上げましたように、経済が悪化している状況から持ち直し、改善していく過程というものをそれぞれの指標で確認をするということだというふうに思っております。
○川崎稔君 今のお話ですと、経済悪化から改善していくその過程だということをおっしゃっている。そういったことを指標あるいはいろんな皮膚感覚等を含めて総合的に判断をされるということですから、ある意味ではベクトルの向きが上向きになっているというふうに私は理解いたしました。
 ここで古川大臣にお伺いをしたいんですが、現在の経済情勢、昨日、月例経済報告等も発表されたわけですが、今の経済情勢についてどのように認識をされておられますでしょうか。
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 昨日も月例経済報告させていただきましたけれども、我が国の景気は依然として厳しい状況にはありますが、復興需要を背景として緩やかに回復しつつあるというふうに考えております。
 ただし、委員も御承知のように、今、欧州情勢、不透明感が増してきておりますし、また世界経済の減速感というものも中国あるいはアメリカなんかでもちょっと広がっているような状況もございます。こうした海外経済の状況が、金融資本市場を通じた影響も含めて、円高であるとかあるいは株価の下落とか、また輸出の減少とか、そういう形で我が国の景気を下押しするリスクもあると、そのように認識をいたしております。
○川崎稔君 ありがとうございます。
 一言で言うと、リスクはいろいろあるけれども、持ち直しの動きだということでございますね。そういう意味で、ある意味でベクトルの向きは上向きになっているということになるわけなんですけれども。
 そこで、通告はしていないんですけれども、直感的なコメントですので総理にちょっとお伺いしたいんですが、今お聞きしたような基本認識前提とした場合、現時点の経済情勢で消費税増税は可能だというふうに思っておられるでしょうか。以前、安住大臣は、予算案の審議のときに、現在でも増税は可能だということをおっしゃいました。そういう意味で、今総理はどのように認識されておられますでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 余り直感的に言う話ではないと思うんです。国民の皆様に御負担をお願いをするんですから、様々な数字を踏まえて、あるいは国民のいわゆる持っている感覚などを踏まえての総合判断だと思うんです。
 数字の上では、足下一月から三月までのQEは実質成長率四・七%と、ほかの先進国や新興国が陰りが見えている中で、先ほど大臣の御説明があったとおり、復興需要を背景に思ったよりは高い数字が出ているんですね。だけれども、それがきちっとまだ持続していくのか、あるいはこれ途中でやっぱり民需に切り替えていかなければいけない、そういうこともよく判断をしなければいけないと思います。
 今、実質成長率だけ申し上げましたけれども、まだデフレ下にあることは間違いありません。需給ギャップもある、物価動向もこれよく見なければいけません。そういうことを見ながらしっかり判断することが大事だというふうに思いますので、余り今の時点の直感的な話はすべきではないと思います。
○川崎稔君 伺った印象としては、今すぐというのは微妙なところかなというふうに受け取ったんですけれども、そこで、ちょっとお示しをしたいのが、(資料提示)これは皆様御承知だと思うんですけれども、日銀短観の数字です。
 日銀の方で三か月に一度アンケート調査ということでございまして、企業の業績、業況がいいと思っている企業の割合から悪いと思っている企業の割合を差し引いた数字、この数字が大体景気の動きとほぼ一致するというふうに言われております。製造業の大企業、この数字が一番景気の動きとほぼ連動していると言われているんですけれども、これ見ていただくと、大きく落ち込んでいるところありますね、一番近いところの手前で。これはリーマン・ショックのときに大きく落ち込んだんですけれども。それから、このリーマン・ショックで落ち込んだときはマイナス五八まで落ちたんですね。今、直近は六月の調査だったんですけれども、マイナス一、ほぼプラス・マイナス・ゼロのところまで戻ってきているという状況なんですが、そういう意味で、確かにベクトルの向きとしては上向きになっているんですが、水準としては水面上にまだ出ない、そういうぐらいのある意味で状況なんですね。
 そういう意味で、まだ景気として見れば増税が可能な情勢なのかなという印象を受けるんですけれども、ちょっとリスク要因という点で、ひとつ日銀の白川総裁においでいただいておりますので伺いたいんですが。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 経済を見ていく上では、先生御指摘のとおり、ベクトルの方向といいますか角度、それと、あとそのベクトルの方向をめぐる様々な不確実性、この両方をしっかり認識していく必要があるというふうに思っております。ベクトルの方向あるいは角度については、これは先ほど大臣から御答弁のあったとおりで、今繰り返して申し上げませんけれども、緩やかな回復経路というふうに思います。
 ただ、そう申し上げた上で、リスク要因でございますけれども、一番大きなリスク要因は、何といっても欧州債務問題をめぐるリスク要因でございます。ギリシャの新政権が発足し、あるいはスペインの金融システム支援の面で一定の前進は見られましたけれども、しかし、経済財政構造改革や金融システム面での対応をめぐって不透明感が高い状況が続いておりまして、国際金融資本市場は神経質な地合いが続いております。昨日も、スペインの国債金利は七%を上回っているという状況でございます。
 この欧州債務問題は、既にもう影響を及ぼしておりますけれども、これが更にもし悪化するということになりますと、これは貿易あるいは企業マインドを通じて、それから為替レートあるいは金融システムを通じて日本経済に影響を与えてきます。こうしたリスク要因をまず十分注意して見る必要があると思います。
 それから、米国経済の回復力や、あるいは新興国あるいは資源国経済が物価安定と両立する形で経済成長の回復を実現していけるか、これも不確実性があるというふうに認識しております。
 一方、内需でございますけれども、内需は、私どもの春の見通しと比べますと、これは予想外に堅調に推移しているということでございまして、外需と内需は好対照を成しております。
 足下、堅調に推移している内需の背景にあります広い意味での震災関連需要や、あるいは企業収益、雇用者所得の改善基調、あるいは高齢者消費などは、これはある程度持続性を持ち得るというふうに考えられます。
 その上で、例えばエコカー補助金の反動、あるいは夏場の電力需給をめぐる不確実性など、これはリスク要因として意識する必要があるというふうに思っています。
 それから、更に構造改革の努力が実を結んでいけば、これは成長の上向き要因ということになってまいります。
 いずれにせよ、私どもとしては、上にも下にも様々な不確実性があるということをしっかり受け止めて経済を見ていきたいというふうに思っております。
○川崎稔君 ありがとうございます。
 今伺った欧州経済を中心にしたリスク要因というのが存在するわけなんですが、そういう意味では、新聞の報道等にも出ておりましたが、総理と日銀の白川総裁が二人だけで膝詰めでお会いになるということが、これで三回目ぐらいですかね、昨日もお会いになったようですけれども、中身についてということは伺いませんが、こうした密接な連携というのがどういう形で政策運営に生きているか、その辺りについて、総理、一言ちょっとお願いいたします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 白川総裁とは、いわゆる公式の会議でお会いする機会も結構あります。国家戦略会議であるとか、今御指摘あった月例の会議、閣僚会議もそうです。あるいは、国際会議で御一緒することもありますけれども、そういういわゆる公の会議だけではなくて、いわゆる問題意識を共有するために様々なコミュニケーションを図った方がいいということで、二人だけで意見交換をする場をできるだけ設けようとしてまいりました。
 問題意識があって問題解決につながると思うんです。それぞれの役割があると思いますから、共通の問題意識を持ちながらそれぞれの役割分担をしっかりやっていくという意味でこういうコミュニケーションを図るということは私は大事だと思っていますので、これからも緊密な連携を図っていきたいと考えております。
○川崎稔君 今伺ったように、経済成長を図っていかなければ、消費税増税等も含めてなかなか実現まで道のりというのはいろいろあるわけなんですけれども、一方で、私たちがやっぱり常に心掛けなければいけないことというのは、財政再建においては非常に厳しい痛みも伴うということなんですね。
   〔委員長退席、理事武内則男君着席〕
 それで、財政再建の方についてちょっと伺いたいんですが、総理、よく総理は待ったなしという言葉をお使いになります。非常に衆議院、参議院それぞれの審議の中で、ここで一歩踏み出さなければ手遅れになると思う、猶予はない、待ったなしだと思うといったような発言をされているわけなんですが、この待ったなしの発言の真意というものが国民には伝わっていないんじゃないかと私は思います。非常に、何というか、危機的なことについて伝わっていない、だから国民の皆様から、一体改革を幾ら総理がお訴えになってもなかなか心に響かないとかいうことを私たちも言われます。
 そういう意味で、ある意味で待ったなしの意味ですね、その辺について、総理、いかがでしょうか、もうちょっと丁寧におっしゃっていただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私、財政だけを待ったなしと言っているわけじゃなくて、御指摘のとおり一体改革が待ったなしと申し上げています。まず、前提となるのはやっぱり社会保障なんです。社会保障というのは、やっぱりどなたも、どこかの人生の段階で困ったとき、弱ったときにその恩恵を受ける、社会保障の出番があるというふうに思います。老後であるとか病気やけがをしたときなどなどです。
 この社会保障については、私は基本的には日本の今の制度というのはすばらしい制度としてスタートしたと思います。国民皆年金、国民皆保険、これはやっぱり世界に冠たる制度であって、そして二〇〇〇年から始まった介護保険も、これは間違いなく今定着をしてきていると思います。これらの制度を持続可能なものにしていかなければならないんですが、問題は、この社会保障をめぐるその基盤というものが足下からやっぱり揺らいできている。一つは、世界最速の高齢化であるということ。そして、一方で少子化に歯止めが掛かっていないということ。その結果、支え手が少なくなってきている一方で、二〇一四年までにはいわゆる団塊の世代が年金受給世代に全部入ってしまうという、そういう劇的な変化が今起こっているということであります。
 それから、これは何回もこのいわゆる特別委員会でも議論になりましたけれども、核家族化が進んできている中で、いわゆる自助は大事なんですが、自助を支えるための共助、公助ということも考えなければいけない、そのバランスを取っていかなければいけないという状況も生まれている等々、様々な大きな変化がある中で、このまま放置していたならば持続可能性に対する疑いが出てくると思います。その意味で、特にこの改革の切り札というのは、支える側が減って支えられる人が多くなっていくという構造ですので、給付においても負担においても世代間あるいは世代内の公平を担保するということが大事だということです。
 給付は高齢者中心でした。負担はいわゆる現役世代が中心でした。それではもう社会保障はもたないだろうと。給付についても現役世代、子育て世代が恩恵を受けられるように、そして、負担においてもあらゆる世代がお互いに助け合うという精神からこれは消費税が必要ではないか、その意味から待ったなしと申し上げました。
 あえて言うと、今回は財政健全化も同時達成するということであります。やっぱり社会保障の大事なお金を将来の世代のポケットからお金を借りてくるというやり方では、これはもうもたない。だとすると、さっき言った、安定財源として消費税をお願いをする。それは、中小企業、零細企業、苦しんでいらっしゃる皆さんにお願いすることは切ないことです。家計を預かる皆さんにお願いすることは切ないことでありますが、全てこれは社会保障として還元をされる、使途は社会保障であるということを御理解をいただくために懸命に御説明をしていきたいというふうに思います。
 欧州の債務危機があるように、社会保障を支える財源もきちっと財政規律を考えたものであるということ、これは財政におけるやっぱり待ったなしだというふうに思います。そういう意味で待ったなしという言葉を使わさせていただいております。
○川崎稔君 今の、待ったなしの真意についてお話をいただいたわけなんですが、やっぱり国民の皆さんは、政権交代以降、私たちに対して税金の無駄遣いをなくしてほしいということがまず第一だったんですね。この点について、例えば政権交代後の三年間、歳出削減努力というのを実は着実にしているのも事実なんですね。財務大臣がこれまでの委員会等の答弁でおっしゃっているように、二十二年度に二・三兆円、二十三年度に二・六兆円、二十四年度に二・九兆円、それぞれ歳出削減というのを続けてきたということで、こういった着実な数字の積み上げというのは国民の皆様も意外と御存じないというところもあると思います。
 また、参議院というのは決算重視ということで会計検査院の検査等の結果についてもしっかりとチェックをしているわけなんですが、先般、会計検査院の方は、是正改善効果で、二〇一一年秋までの一年間で過去最高のある意味では改善効果があったということで発表されているんですけれども、この点について、会計検査院の方からよろしくちょっと御説明、一言お願いします。
○会計検査院長(重松博之君) お答え申し上げます。
 私ども会計検査院では、過去五か年間の決算検査報告掲記事項、これについて、平成二十三検査年次の一年間、これは二十二年十月から二十三年九月まででございますけれども、その一年間で財政、財務面でどれだけのプラスの便益をもたらしたかということを試算いたしました。
 その試算の結果、把握できた財務上の是正改善効果は七百五十五件、一兆一千百九十七億円となっておる次第でございます。
○川崎稔君 今伺ったように、会計検査院の是正改善効果一・一兆円、これは過去最高なんですね、一兆円を超えるなんということはこれまでなかったということで。こうした取組も地道に国会としても決算重視という立場からやっていかなければいけないというふうに思います。
 また、国民の皆様の納得まだされていない部分として、なぜ消費税だけなのか、消費税だけ上げなければいけないのかというふうな思いを持っていらっしゃる方もいっぱいいると思うんですね。
 ここにお示しした資料は、以前本会議で代表質問をさせていただいたときもこの数字をちょっと使ったんですが、実は国民の多くの皆様は、税収が入ってこなくなったのは景気が悪くなったからだというふうに思っていらっしゃる方が多いんですね。
 しかし、これを御覧いただくとお分かりのとおり、下にありますが、一九八五年から昨年まで二十六年間、これ二十六年間取っているんですけれども、名目成長率は一・四二倍なんです。リーマン・ショックがあったり、あるいはバブル崩壊があったり、いろんなことがあったんですが、長い目で見ると、名目成長率、物価下落の要素もこれ全部込み込みですから、一・四倍経済は金額として拡大していると。それに対して、上に税収のグラフが示されていますけれども、所得税で〇・八七倍、この間減っているんですね。
 経済が一・四倍拡大しているのに所得税が〇・八倍縮んでしまったということで、これは最大の要因は所得税減税をやってきたんですね。累進性を弱めて最高税率下げていったということで、このグラフでいえば、最初のころは所得が八千万を超える方は最高税率七〇%だったんです。八千万超が七〇%。今、最高税率は、一千八百万超の最高税率四〇%なんです。要するに、一千八百万円を超えた所得の部分はみんな四〇%という税率になっているということで、昔に比べたらかなりフラットになっているんですね。
 そうしますと、庶民感情からすれば、こうやって累進性を弱めていって、ある意味で、一言で言えば金持ち減税をやってきて、一方で逆進性が強い消費税の増税をやるのかということは、感情的に言えばなかなか受け入れ難いところがどうしても出てくると思います。そういう意味で、今回の一体改革、今後税制改正についても議論されますが、累進性を強めていくと、所得税についても累進性を強めていかなければいけないということはどうしても必要なんではないかというふうに思います。
 政府の案あるいは公明党さんの案、いろいろございますが、本当にこういうことでは景気が良くなってもなかなか所得税が上がってこないという状況になりますので、そこは累進性を若干強めていくことによって、景気が改善していけばいくほどそれ以上に税収が入っていくという構造にしなければいけないんではないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) 昭和六十年時点では、今、川崎さんから御指摘があったように、実は税率の刻みは十五段階で、最高税率は課税所得で八千万で七〇%でございました。今はフラット化をしましたので、六段階で最高税率は四〇ということなんです。
 ただ、一つ申し上げさせていただくと、税率が平成七年まで一〇パーだったのが実は五パーまで下げているわけですね、課税率そのものも。ですから、そういう点では、所得がやっぱり低い方に対しての配慮ということもやってきたと思いますが、川崎さん御指摘のように、結果的には、これは実は地方への税源移譲もありますから、そういうことも含めると、税収を、上がってくる力が弱いといいますか、それは御指摘のとおりでございます。法人税についても、累次の、やはり国際競争の中で法人税率を引き下げてきたと。
 ですから、そういう点では、このGDPの比率からいったら同じぐらいの税収上がらなければおかしいのになという御指摘もありますが、一方でやっぱり社会の大きな変化もあります。それからいうと、やはり垂直的な税で刻みをもう一回考えるということは私どもも考えております。世界的な流れとして、やはり富裕層に対してもう一段御負担をお願いすると。それからもう一つは、例えば相続税ですね。これは今大体、お亡くなりになられた方百人のうち四人ぐらいにお支払をいただいているんですが、ここをもう少し広げさせていただくというのも高齢化社会の中で検討しないといけないと。
 これらのことを含めて、税というのはやっぱり水平的な消費税と垂直的な税のバランスで、個人個人の国民の皆さんの負担の加減というものを十分勘案しながら税収の機能というものを効率的に高めていきたいというふうに思っております。
○川崎稔君 ありがとうございます。
 今私が申し上げたかったのは累進性の問題ですね。所得税についても必要な対応をしていかなければいけないということなんですが。
 この今お示しした資料は、大和総研というところが試算をした二〇一一年と消費税増税後の家計の比較です。いろんな民間のシンクタンクがいろんな試算を発表されていますが、国会の審議でもこのデータについては何度か取り上げられていますが、これを御覧いただくとお分かりのとおり、大体四十歳以上の御夫婦、子供二人と年収五百万というケースだと、消費税引上げによる負担増が約十六万七千円、消費税以外の税負担増は六万三千七百円、社会保障関連の負担増が九万八千二百円、合計で三十二万八千九百円、大変な負担増ということになります。これは年収五百万のケースなんですが、実際に例えば年収三百万ぐらいの世帯だと、これが全体で二十五万円ぐらいの試算になるということなんですが。
 それで、なぜこれをお示ししたかというと、総理、やっぱりこうした負担を家計にお願いする、月々でいえば二万から三万負担が増えるんですね。こういったことについて、よく総理は国民のための改革だという言葉をお使いになります。国民のため、そしてその必要性を訴えられているんですけれども、必要性については国民の皆様もやっぱり賢明ですからお分かりになっていると思います。そういう方は多いと思います。
 ただ、気持ちの上では納得されていない方は多いと思うんですが、そういった国民の皆様の懐の痛さ、心の痛さというものについて、総理、もうちょっと率直なメッセージを国民の皆さんに対して発していただけませんでしょうか。お願いいたします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほどもちょっと御説明したことと重なるかもしれません。負担だけで見るとこういう数字が出てくると思います。ただし、先ほど申し上げたとおり、今回国民の皆様にお願いをする消費税というのは、これは全て使途は社会保障に充てるということであります。社会保障として最終的には国民の皆様に還元をされて、官の肥大化には使わないということです。
 その社会保障というのは、元々その機能が再分配機能を有しています。そういうものに使っていくんだということがまず前提にあります。その上で、特にいわゆる中所得者、低所得者については負担よりもむしろ受益の方が多くなるという傾向が私は間違いなく出てくると思いますし、特に子育て世代を後押しをしていこうということが今回の社会保障の充実に入っておりますので、そうしたプラス面も総合的にお考えをいただく。負担だけ見るんではなくて、その給付のところ、受益との相関関係というものもよく見ていただければ大変有り難いと思いますし、そのことの説明をしていきたいと思います。
 これは、今、消費税でのお話でありました。もし消費税で、トータルでこれは十三兆五千億の御負担をお願いするんです。じゃ、消費税以外に、もし社会保障に穴が空かないように何らかの基幹税で充てるとすると、じゃ、所得税だったらこれ全部二倍になってしまいます。そういうことも考えると、広く薄くの消費税で御負担をしながら、むしろ子育て世代等については受益がきちっとあるという、そういう御理解をいただかなければいけないと思いますし、これは世帯年収五百万で出ていますけれども、より低所得者の皆さんに対する配慮というか措置も必ずしっかりやっていくと、そういうことも含めて御説明をしていきたいというふうに思います。
○川崎稔君 総理のお話伺っていまして私の気持ちが伝わっていないなと思ったんですが、要するに、理屈は分かるんです。理屈は分かるんですけれども、国民に対する率直なメッセージをおっしゃっていただきたいということは、本当に国民一人一人、家庭の中で節約をして生活を切り詰めてというこの御苦労に対し、そういった皆様の気持ちに対して総理が何をおっしゃるか、それをやっぱり国民は注目していると思うんですね。
   〔理事武内則男君退席、委員長着席〕
 そういう言葉を聞きたかったんですが、最後にもう一回だけお願いいたします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは、だから、その前の前の質問で少し触れたことにかかわるかもしれませんけれども、今たまたまサラリーマン世帯の一定の、一つのモデルの家庭の数字が出ました。こういうサラリーマンだけではなくて、日々の経営に苦労されている中小零細企業者の皆さん、資金繰りに苦しんでいらっしゃる方もいらっしゃいます。家計のやりくりで本当に一円、二円安いところを探して買物に行かれる、そういう皆さんもいらっしゃいます。そういう皆さんにひとしくお願いをするお話であります。
 これは、政治家としてはなるべく避けて通りたいテーマであります。ましてや、私ども民主党においてはマニフェストにも書いてありませんでした。なおさらお願いすることについては深くおわびしなければなりません。
 だけれども、先ほど申し上げたとおり、この一体改革は、社会保障の基盤が今崩れてきているときに、まず社会保障が待ったなしになっている、加えて、安定財源を確保して、しかも財政規律を守っているというメッセージが経済を考えたときにも必要である、その意味からも、是非国民の皆様にこの負担について御理解をいただき、御負担いただくものは全て社会保障に回すんだというその意義についても特に十分に御理解をいただくように御説明をしていきたいと考えております。
○川崎稔君 終わります。
○委員長(柳田稔君) 以上で川上義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 片山虎之助でございます。
 これから質問をさせていただきますが、いつも質問のときにはお願いするんですけれども、ひとつ答弁は分かりやすく簡潔明快にお願いしたいと思いますし、答弁者もできるだけ私の意向に沿っていただきたい。意向というのは内容じゃありませんよ、人と、そういう意味でございます。
 そこで、実は私は、先週の金曜日の六時ごろ、たまたま、たまたまですよ、官邸の横を通ったんですよ。雨が降っていまして、人がどんどんどんどん集まっているんですね。警備の警察の方もおられる、報道陣がおるんだけど、ああ、これが原発再稼働反対のデモや集会だなと、こういうふうに思いました。雨の中で大変御苦労なことだと私は思いながら、総理は最初は音と思われたんですね、最近は声に変えられたようですけれども。
 それで、私は会合があってそっちに回ったんですが、後で聞くと、そのデモ、集会で鳩山元総理が原発再稼働反対の演説をされたという報道を聞きました。鳩山さんは、まあ個人の名前出してあれなんですけれども、消費増税法案にも反対された。総理ですよ、元。二年前にはおられたんだから、官邸に。
 私はこの前の質問でも、民主党のガバナンス、党首のガバナビリティーの話をしましたけれども、総理、どうですか、どう思われますか、どうされますか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、私、音と言ったことはないはずなんです。なぜかそういう報道が出ました。極めて遺憾に思っています。私は、国民の皆様の様々な声をしっかり受け止めていく、そういう基本的な姿勢であります。
 それから、先週の金曜日の官邸前のデモ、その動きについてのお話がございましたが、ちょうど私は九州北部豪雨の被災地にちょっと視察に行っておりましたのでその場にはおりませんでしたけれども、鳩山元総理が官邸前のところからマイクを持ってお話をされ、その後官邸に来られて官房長官にお会いをしてお話をされて、その報告は受けております。
 これは、ただし、例えば法案の審議等については党議拘束が掛かりますけれども、それ以外の活動を制約をしたりするということは、これは個人の活動は基本的には自由でございますので、それをとやかく言うことはできませんが、制約することはできませんが、ただ、大事なテーマについての問題意識が共有できるようにコミュニケーションは図っていかなければいけないと考えております。
○片山虎之助君 総理ね、そこなんですよ。そこが民主党の締まりのなさなんですよ。それが国民が大変不信に思っているところなんですよ。是非しかるべき処分をお考えいただきたい。もうこればっかりやっていると時間ありませんからね。
 そこで、大飯原発再稼働は苦渋の選択だったと思いますよ、私、総理以下関係の皆さんの。しかし、いろんな批判がある。拙速ではないか、ちゃんとやったのかと、こういう話でしょう。その不満が官邸周辺の集会やデモになっているんですよ。関西の方もこれでひとまずは落ち着きましたけれども、これから冬ですよ。今年の冬、来年の夏、どうなるんですか。例えば、北海道の需給はどうなる、九州や四国はどうなると。泊や伊方や川内の今原発再稼働が議論になっていますね。これはどういうふうに処理されますか。
○国務大臣(枝野幸男君) 国会で原子力規制委員会について法律を成立をしていただきました。原子力発電所の安全性については、内閣から完全に独立をした形でこの原子力規制委員会において判断をしていただくということになりました。
 したがいまして、もちろん、規制委員会発足までの間は原子力安全・保安院がもちろん動いていない原発についてもしっかりと安全管理しなければなりませんので、最後までしっかりと緊張感を持って対応したいと思いますが、事実上、今後の再起動問題についても、これは安全確認というのが大前提になりますので、規制委員会が独立して判断をされるということになります。
○片山虎之助君 今、原子力規制委員会の話が出ましたけれども、人事が漏れて、今、国会でいろいろ問題になっておりますが、それはまたほかの人が質問しますからいいにして、この規制委員会でやるのは当然なんでしょうけれども、その基準ですよ、安全基準が間に合わないでしょう。それはどうするんですか。
○国務大臣(細野豪志君) 様々な、例えば安全基準についての事前の準備であるとか、さらには防災指針などについてもこれも準備をしなければなりませんので、その準備などについては、これは新しい組織が発足をする前も関係の部局で鋭意進めているという状況でございます。
 その上で、新しい原子力規制委員会が誕生した後は、その基準をいつの時点でどういった形で運用していくのか、また様々な判断をどのようにしていくのか、その全てについては独立した委員会での判断ということになりますので、まさにその判断を待ちたいと考えております。
○片山虎之助君 何か来年の七月ごろにその安全基準ができるというんで、当面、今言った北海道や四国や九州をこなすには間に合わないんですよね。それでは、皆さんが大飯でお決めになった暫定基準でやるかどうかなんですよ。問題は、最初が肝心なんですよ。本当に規制委員会を国民の信頼される機関にするんなら、ぴしっとやらないかぬ、最初が。最初、なし崩しで電力側に押されたり、あるいは経産省とは言いませんけれども、そういうことで決めるようじゃ、この機関そのものの意味がなくなりますよ。どうされますか。簡潔にひとつお願いします。
○国務大臣(枝野幸男君) 規制委員会が発足しましたら、規制委員会が独立して安全性を判断いたしますので、その判断なしに再起動ということはあり得ません。したがいまして、規制委員会発足後も、電力の供給、安定供給という点について引き続き所管をします経済産業省としては、これ独立委員会ですから、いつどういう判断をされるかあらかじめ予測をすることはできませんから、例えばこの冬の北海道であるとか来年の夏の需給等について、原子力発電所が再起動しないという場合にも備えて最大限の準備を進めていきたいというふうに思っております。
○片山虎之助君 規制委員会、生まれたばっかりですから、また委員さんもなったばっかりなんで、私は、それはやっぱり電力の方がしたたかということはありませんが、それは原発再稼働の方が非常に効率がいいんですよ、そういうことならそっちに誘導するおそれがある。規制委員会の方がごまかされるとは言いませんけれども、そういう意味では、経産省なり、環境省も入るのかもしれませんが、しっかりと電力会社に行政指導してぴしっと審査を受ける、あるいは、通らないときは火力のパワーアップその他の補充の対策をしっかり今から取るようにということを指導していただけますか。簡潔に。
○国務大臣(枝野幸男君) 繰り返しになるかもしれませんが、まさに独立性を持って独立して判断していただくことが重要だと思っております。
 電気事業法を所管する立場として、新しい規制機関との関係はもとより、経済産業省資源エネルギー庁自体も、電力会社からの影響を受けているのではないかという疑いを招かないように、これまでも努力をしてきているつもりですが、更に徹底したいと思っておりますし、同時に、再起動しないという場合に備えた最大限の努力をするように、これは引き続き厳しく各電力会社に対して指導してまいります。
○片山虎之助君 それはしっかりお願いします。
 そこで、今全国的に、討論集会というんですか、二〇三〇年のエネルギー構成についての何かやっていますよね、集会を。割ににぎやかに、電力会社の者を言わせたらいかぬ、入れたらいかぬとか、何かいろいろなことを言っている。原発をゼロにするのか一五%にするのか二〇ないし二五%にするのか。しかし、あんなものを平場で、しかもそのままの数字を示して、三通りの案を示して、どうぞ御自由に大衆討議をやれといって物が決まると思っているなら、私は大間違いだと思いますよ。むしろ、国論をまとめるんじゃなくて、国論を私は分裂させているんじゃないかと思う。
 例えば、一番ポイントは再生可能エネルギーがどうなるかということなんでしょうけれども、本当にそれがどこまで行けるのか。あるいは、それの蓄電というんですか、蓄電能力その他スマートグリッドの関係をどうするのか。あるいは、地域的に融通できるようになるのかならないのか。あるいは、経済成長、まあ一パーという御想定ですが、増税法案が二パーですから、省エネをどれだけやるのか。あるいは、シェールガスのような新しいエネルギーが今わあっと、これの価格はどうなるのか。あらゆることを入れてシミュレーションして、きちっとスタディーをして、国としては、あるいは審議会としては、国のこれだという一つの案を私は出すべきだと思う。その出したものでいいか悪いかを議論してまとめていくのが筋だと思いますけれども、いかがですか。簡潔に。
○国務大臣(古川元久君) 昨年の原発事故を受けて、原発に依存しない社会をつくりたいと、多くの国民の皆さん方がそういう思いを持っている中で、政府として原発依存度をできるだけ下げていくと、そして原発に代わっては再生可能エネルギーやあるいは省エネルギーなど、原発からグリーンへという、そうした大きな方針を出して、政府の総合エネルギー調を始め関係の部会などでも議論をしてまいりました。そうした中でも、様々これは専門家の皆様方も御意見がございました。
 そういうものを踏まえて、今度、今私たちがやろうとしている新しいエネルギー構造というのは、従来のように大きな電力会社が集中的に電力をつくって供給するという仕組みから、そこは個々の事業者の皆さん方もエネルギーを供給するような、そういう立場に変わっていく、そうした視点から国民の皆さんにも考えていただきたいと。そうした視点で、どこまで原発依存度を下げるのか、またどこまで再生可能エネルギーや省エネを拡大するのか、またどの程度のスピード感でエネルギー転換を進めることが現実的なのかと、そうした観点から三つのシナリオをお示しさせていただいて、御議論をいただいているということでございます。
○片山虎之助君 そんなことは分かって聞いているんですよ。今、三つの案で議論をして物がまとまるのか。自信があるきちっとスタディーをした案を出して、それで国民に聞いた方がいいんではないかと私はそう言っているんです。総理、どうですか。
○委員長(柳田稔君) 古川担当大臣、再度答弁をお願いします。簡潔にお願いします。
○国務大臣(古川元久君) 今申し上げましたけれども、やはりエネルギーの在り方に対して、これからは一人一人の国民の皆様方にもエネルギー構造を考えていただく、参加していただく、そういう形で考えていかなきゃいけないと思っているんです。だからこそ、国民の皆様方にも御議論をいただいて、その国民の皆様方の声にしっかりと真摯に耳を傾けた上で、政府としては革新的なエネルギー・環境戦略というものをきちんと八月をめどにまとめてまいりたいというふうに考えております。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) エネルギーの構成の在り方は、国民の皆さん、やっぱり多様な意見があると思うんです。
 脱原発依存、なるべく原子力に依存しない社会をつくっていきたいという思いは皆さんあると思いますね。それをどういう形でなだらかに減らしていくのか。なだらかじゃないという意見もあるかもしれませんが。その際に、再生可能エネルギーどうするのか、じゃ、CO2、その間にどれぐらい発生させてしまうのか等々、総合的な判断ができるような参考資料はしっかりと提示していかなければならないと思います。
 ただ、最初から国が、片山先生御指摘のように、一つに絞って方向性出すというよりは、やっぱり一定の選択肢を出して、その選択肢の背景、判断をする材料はしっかり提供するということの方が私は議論は活発になっていくのではないかというふうに考えております。
○片山虎之助君 総理が言うようになっていないんですよ。大変感情的な議論を含めて、わあわあわあわあという議論なんですよ。あれはまとめないためにやっているんじゃないかという意見もあるぐらいで、それはきちっと検証してやり方を考えてくださいよ。
 そこで、今総理言われましたよね、脱原発依存なんですよ。脱原発じゃないんですよ。私も、その原発からはなだらかに撤退をしてベストミックスがいいといって言ってきましたよ。しかし、余り原子力擁護と取られるのは嫌なんだけれども、原子力の技術はこれは残さないけませんよ。ほかの国や近辺の国は、名前は言いませんけど、原発をどんどん造るわけでしょう。それから、廃炉をこれから日本もやっていくわけですよ。あるいは処理済みの燃料の貯蔵ですね、処理、こういうこともあるでしょう。あるいは原発の輸出までどうか。これは議論がありますよ、あるけれども、そういう意味での原子力の技術はこれは私は残さないかぬと思う。それについてはどうですか。簡潔に。いや、総理。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 同感です、基本的には。
 廃炉のための技術って、これ相当高度な技術が必要になると思います。内外の知見を集めながらその技術をしっかり蓄積しなければなりません。加えて、使用済核燃料の処理の問題含めての対応もあります。あるいは、国際的に、こういう言い方をするとちょっと誤解を生んではいけないと思いますけれども、変に粗製乱造的に原発が出てくることは望ましくないと思うんですね、諸外国に。そのときに日本の持っている反省とか教訓を生かして安全のために技術を生かすという貢献もあると思います。そういうものをやっぱり残していかなければいけないと思うんです。
 ただし、私はその脱原発依存の先に……
○片山虎之助君 簡潔に。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 簡潔、もっと簡潔の方がいいですか、済みません。基本的には、じゃ、同感であります。同感であります、はい。
○片山虎之助君 それで、せんだっての委員会で少し積み残しというのか、時間足らずで誤解を招いたようなことを、ちょっとそれを、もう余り時間ないんだけれども言わせていただきますが、今日も総理は消費税は社会保障にしか使わせないと、社会保障だけだということを言われましたよね、いろんな答弁で。しかし、私は、これで一〇パーになると消費税が最大の税目になるんですよ、二十六・五兆ですからね。所得税が多いといっても二十五・二兆なんですよ。法人税は国、地方を合わせて十五・二兆なんで、これが仮に一五%、こんなことを言うとまた騒動になりますけど、四十兆になるんですよ。この税目が全部ですよ、全部、ほとんど全部、まあ一部残っていますけれども、特定財源、目的税というのはいかがかと私は思うんです。私自身は違和感がある。
 欧米の諸国を見ると、フランスが今一三ですよ、一三ちょっとですよ、特定財源の比率が、消費税ですよ、付加価値税。それで、実際はオランドが税制改革を止めましたから、サルコジの、だから一一ぐらいに下がるだろうと言われている。ドイツは九ですよ、九・三か四ですよ。あとはみんな一般財源なんですよ。
 やっぱり、特定財源にしなければ国民が納得しないというのは、政治の信頼がないということですよ。私は、だから今回は結構です、与野党挙げて皆さんそうだと言っているんだから。私はいいと思うけれども、これから仮に消費税を上げていくんなら、特定財源、使途特定というのは考えた方がいいと思う。内閣が政治に自信があれば何に付けてもいいんですよ。社会保障に集中すればいいんですよ。それを、色を付けないと、あらかじめ制度として、国民納得できないというのはおかしいと思う。
 それからもう一つは、四費目に何で限るかということです。四費目が中心であることは分かりますよ。年金に医療に介護に子育てが中心であることは確かだけれども、例えば障害者福祉、就業対策、失業対策、あるいは若年の低所得者対策なんかに何で使わないんですか。地方はもっといろんなことをやっているんですよ。制度として狭い範囲の社会保障だけに消費税を充てるというのは、私は問題だと思う。その辺、検討される余地はありますか、簡潔に。それじゃ財務大臣、簡潔。
○国務大臣(安住淳君) 僕は、片山先生、やっぱり基幹税の中で一番大きなシェアを占めるものを目的税に使うのは国家の運営上どうかというと、私も先生と同じような気持ちはあるんです。
 ただ一方で、先生の言うことも真実で、何にこれを使うか分からないということを国民の皆さんは不信感を持っておられるわけですね、長年の政治不信に対して。だからこそ、私は、今回はお支払いいただいたものは、何度も言いますけど、おばあちゃんの年金に充てます、これは介護の施設に充てますというようなことをやっぱり分かりやすくお示しをすることで還元をされる透明性というのは確保していかないといけないと思っております。
 ただ、今後、じゃこれどうするんだと。社会保障の方に多分四十兆近くは行ってしまいますので、その部分の財源の確保ということになると、やはり目的税化をしてこれを充てるのがオーソドックスな考え方かなと思いますが、一方で、基幹税をそういうものにばんと固定化してしまうということに対する懸念というものも十分理解はしておりますので、そこらのところは是非またいろいろ議論させていただきたいと思っています。
○片山虎之助君 これ、また議論しましょう。
 それからもう一つ言い残したのは、大阪維新の会が言っている消費税の地方税化と地方交付税の廃止なんですよね。
 それで、どうも橋下さんなんかは五%が念頭にあるらしい、消費税が、今の五%。五%だと十三・二兆円でしょう。そうすると、今地方がもらっている金からいうと半分なんですよ。地方消費税が一パーだから二・六兆でしょう。地方交付税が十七兆五千億ですよ。それから、それ以外に、交付税が足りないから臨時財政対策債を六兆一千億出しているんですよ。これ全部を足すと二十六兆なんですよ、地方が今国から財政措置してもらっているのが。それを五パーと取引しては十三兆円の大穴が空くんですよ。そんなものを、地方で上げたり下げたりすればいいとか、水平的財政調整できっこない。
 一〇パーならとんとんなんですよ。一〇パーなら二十六・五兆ですから、少し地方の方が得するんだけど、しかしそんなことをやったら社会保障の基本財源が、基幹財源が国になくなっちゃうでしょう。それから、地方の方も多いところと少ないところで大変な格差ができるんですよ。この調整なんか簡単にできません。それから、仮に地方税になって消費税率がばらばらになったら、それはいろんな知恵がありますよ、あるけれども、経済活動に極めていいか悪いかの議論がある。
 そこで、私は時期尚早だと思います。何で橋下さんや皆さんが言うかというと、消費税が一番安定的なんですよ、安定的。地域で余り差がないんですよ。それから、ずっとなだらかに増える税なんですよ。だから、地方税に向いていますよ。だから、将来は首長連合が道州制なんていうことを言っていますけれども、仮にそうなるなら検討してもいい税だと思いますけれども、それには税制の仕組みを全部変えないかぬ、統治機構も変えないけません。
 そこで、今やるとすれば、地方法人特別税というのを平成二十年につくったんですよ。法人事業税が地方で差があり過ぎるから、簡単に言うと東京や愛知県の税を地方に持っていくための仕組みをつくったんです。本当は消費税でやるべきだけれども、財務省が反対したからできなかったんです、簡単に言うと。それで、そういう妙な仕組みをつくったんですよ。一遍地方税を国税にして、それを譲与税の形で分ける。これをやめてくださいよ、八パー、一〇パーのときに。それ一つ、まずそれ、簡潔に。総理、分かれば御答弁ください。簡潔。
○国務大臣(安住淳君) 全国津々浦々、今の都道府県制度を前提に考えたときのこの状況の中で、先生御指摘のとおりでございまして、それは物理的にも無理だし、調整機能が全くない中で消費税をそのまま地方に渡すなんていうことは、やはり社会保障を含めて、将来、道州制や何かという全く違うことだったらいいんですが、今の現時点では私、全くそれは先生と同じでございます。
 これは偏在性が強くて……(発言する者あり)法人特別税ですか、いや、これはなかなか私どもの立場でいうと、ありようそのものの議論はあってもいいとは思いますが、現時点ではちょっと、これと何か交換をしろという話は、ちょっと私どもとしてはなかなかそう簡単に、はいとは言えないと思います。
○片山虎之助君 いやいや、それは今のものをそのまま国税に法人事業税を変えて、国税にして、地方消費税を増やせばいいわけなんですよ。
 そこで、今、経済団体が言っているのは地方の法人二税が高い高いという議論でしょう。六兆四千億ぐらいですかね。高い高い、やめてくれと言っているんですよ、盛んに。しかし、そんなものやめられませんわね、地方から言うと。そうなると、地方消費税と交換したらいいんです、同額を。地方の法人二税を国税にしちゃう。法人税にもう一本化する。その代わり、同額を、地方消費税を増やして、それを地方に配分してやる。どうですか。簡潔に。意味分かってますか。
○国務大臣(安住淳君) 法人課税の偏在性のことは随分指摘をされて、私も六団体からも直接御指摘いただいたこともあります。ただ、これについては、この制度そのものの在り方を見直すということは、偏在性ですね、必要だとは思いますが、消費税と地方法人二税の税源の交換の議論というのは、今の段階では政府としては考えておりません。
○片山虎之助君 考えてください。
 それで、時間なくなってきましたから、問題は、この消費税を上げるにはやっぱり経済の活性化なんですよ。デフレの克服、円高対応ということがしっかりしないと、なかなかいざとなると上がりませんよ。今、民主党も自民党も支持率下がっているんですよ。私は、やっぱりこの法案と関係がないことはないと、こういうふうに思いますよ。
 そこで、今の税法の附則の十八条ですか、あそこに一、二項、三項とありますよね。一項は、十年間、名目三パー、実質二パーの経済成長をやると書いてあるわけです。まあ、やるとは書いてないけど、やるように努力すると書いてある。二項は、そのために、例えば経済成長戦略あるいは事前防災や減災についての予算を入れると書いてある。まあ、検討するとありますけどね、財政の機動性が増える中で。三項めには、そういうことをもろもろ考えた上で、具合が悪いときにはやめると書いてあるんですよ、停止を。
 そこで、まず聞きますけれども、名目三パー、実質二パーの経済成長できますか。去年で十年を計算すると、名目はマイナスですよ。マイナス〇・六四。それで、実質は、これはプラスだけれども〇・七六ですよ。そんなものできますか。簡単に言いなさいよ、あなた、もう長い。
○国務大臣(古川元久君) これはまさにその実現に向けて、成長戦略を始め全力を挙げて努力をしていくということであります。
○片山虎之助君 まあ、できないということですよね、努力するというのは。
 それで、二項の、今の自民党、公明党、私どもも言っておりますけれども、そういうことについての予算、どうされますか。総理、どうぞ。
○国務大臣(安住淳君) ちょっと付け加えますが、要するに古川大臣が言うことは、八八年から九七年までの間はそうだったけれども、その先は、先生言うとおり、なかなかそこまでの成長ないんですね。だから、これを何とか成長するために規制緩和やいろんなことをやりますということです。
 二項については、私どもとしては、これは一体改革で随分議論になっているんですが、きちっとした財政再建をまずやって、ばらまきはいたしませんと。しかし、財政的に機動的な対応ができるようになった時点で、やはり防災・減災ニューディールとか強靱化ということを両党とも御主張でございますが、これは南海トラフ等を含めた緊急の災害に対するある意味での防災事業というものをやっていきましょうと、このプライオリティーを高めていくと。これは、結果的には、それぞれの地域によってはもしかしたら内需にもつながる可能性もありますから、そういうことは成長とともにやっていくということがあの二項を規定したということだと思います。
○片山虎之助君 一項は消費税を上げるためなんですよ。そのために中長期の経済成長を確保したいと。二項は、そのために即効性のある政策をやると。それが防災、減災であり、新成長戦略ですよ。全然違うじゃないですか。そんなことをやったら消費税上がりませんよ。いいんですか。
 だから、これから、仮に再来年の四月に上がるんなら、来年の秋ぐらいまでに経済的な効果が出ないと国民納得しませんよ。増税をしても税収が上がらないようなばかなこと、どこにありますか。増税して景気が悪くなって、みんな不安になるようなことが、ばかなことがどこにありますか。そんなもので国民が認めるわけがない。まあ、その前に選挙をやるんでしょうけれどもね。どうですか。
○国務大臣(安住淳君) 先生、ですから、それは、あの法律では八%に上がる時点での様々な措置ということは考えているわけです。その前の、今年の秋から来年にかけてがいかに経済的に重要な時期かということは我々十分認識しておりますから、本年度予算も含めて、財政的なことを含めて様々なことをやって、やっぱり景気の下支えは何としてもしないといけないというふうに思っています。
○片山虎之助君 それで、三項は、総理、三項は、名目、実質の経済成長や消費者物価の動向その他を見て判断するとあるんですよ。
 どういう場合にやめるんですか。消費税増税を停止するんですか。あなたならどうするんですか、今の状況なら。答えてください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今御指摘のとおり、名目や実質の成長率であるとか物価であるとか様々な指標を総合的に判断をしながら、国民の皆様に御負担をお願いをする環境であるかどうか、経済としてやっぱり条件が整っているかどうか、そこを総合的に勘案をして判断をすると。余りにも経済がひどい状況の中で御負担をお願いするということはこれできません。その好転状況がどうなっているかということを冷静に、客観的によく判断するということであります。
○片山虎之助君 いやいや、それが抽象論なんですよ。総合的に判断するのはそうでしょう、法律に書いているんだから。
 今の状況ならどうしますか。今の状況で消費税上げる上げないの判断をするといったら、野田総理はどうしますか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の状況は、もっとこれは足下をよく見なきゃいけません。実質は四・七%、一―三でありますけれども、これをもっと民需主導に切り替えていかないととか、あるいは海外の下振れ要因とか、いろいろあります。そこをだからまさに総合的に判断をするということで、今はまだ直感的な物言いは言いませんけれども、やっぱりデフレからもまだ脱却できていない等々を考えると、現時点のこの瞬間というのは基本的に厳しいんではないかと私は思います。
○片山虎之助君 それは現時点では消費増税は、現時点ですよ、今の状況では消費増税は難しいと、こういうことですね。だから、これを来年の秋か何かまでに直して、それで条件を整えると、こういうことですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっと今言葉足らずだったですが、現時点でだから判断するのは難しいという意味で申し上げました。総合的に判断しなければいけません。直感的に物を言うということではございません。
○片山虎之助君 それで、総理、もう時間がないから最後に言いますが、解散・総選挙が皆さんの、あるいは国民全部に大変認識されているんですよ。私は、追い込まれて解散はすべきでないと。打って出る解散を是非民主党としても、民主党政権としても、野田さんとしても私はやるべきだと思っている。
 逃げる解散、追い込まれる、仕方ない解散は是非やめてください。どうですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) アドバイスありがとうございました。
○片山虎之助君 終わります。
○委員長(柳田稔君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、牧野たかお君の質疑を行います。牧野たかお君。
○牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。
 冒頭、野田総理に一つ質問をさせていただきます。
 野田総理の政治資金管理団体未来クラブの収支報告書の中で、個人献金をした二人の公務員の職業を会社役員として記入していたとの報道がありました。その後、マスコミの指摘を受け訂正したということでありますけれども、去年の九月にも、政治資金規正法で禁止されている外国人からの違法献金が明らかになりました。
 総理大臣という立場で考えた場合、少し政治資金の管理についてはずさんではないかと思いますけれども、総理の認識はいかがでしょう。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘の報道については、私の資金管理団体の収支報告書において、個人寄附をいただいた方の職業に関する記載に誤りがあったというものでございます。
 事務所が確認したところ、間違いであることが事実でありましたので、七月十七日に千葉選管に収支報告書の訂正を届け出たとの報告を受けております。間違いは、地方公務員と記載するべきところを会社役員と記載をしておりました。平成二十二年分でお一人一万円、二十一年分でお二人各一万円、二十年分でお二人各一万円が該当するものであり、個人献金としてちょうだいをしたんですが、同じ方の職業を間違えてずっと続けておりました。最初に錯誤によって間違い、翌年以降もそのまま気が付かずにいたのかもしれませんが、原因は分からなかったと、なぜこうなったかは分からなかったということでありますが、事務的なミスでございました。
 御迷惑をお掛けしたことはおわびを申し上げたいというふうに思います。
○牧野たかお君 私の方は、ずさんだったんではないかという認識はあるかという質問でしたけれども、まあその件はここで終わります。
 中国に対する不正輸出疑惑の質問は、これまで二月以降、衆参予算委員会とか農林水産委員会で取り上げられましたけれども、今回、農水省がこの輸出事業全体の調査をして、その結果を公表しました。(資料提示)
 それについてまず質問をしていきたいと思いますけれども、この一連の問題、要約すると、中国大使館の李春光一等書記官らが輸出のルートを提案して、これをベースに鹿野前農水大臣、筒井前農水副大臣が農水省を使って強引に話を進めたけれども、検疫に引っかかったり、また資金が不足したりして事実上事業が頓挫したと。これ、その過程の中で農水省の機密情報が外部に漏れたというのが私はこの一連の、まあ事件と言ってもいいんでしょうけれども、この要約だと思いますけれども、郡司大臣、それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(郡司彰君) お答えをさせていただきます。
 今委員から御指摘がありましたように、働きかけがどちらからなされたのかといえば、それは中国側から先になされたという事実も確認をされております。その後の展開につきましては、農林水産省がルール作りをする、レールを引くというような形の中で接触をいたしました。
 今御指摘がありましたように、事務的に詰めなければいけないところで若干の手違い等がございました。したがいまして、今のところでは、頓挫といいますか、中断をしておりまして、今後どのようにするかは、民間の団体であります協議会等としっかりと検討しながら、そしてまた、相手方であります中国の農業部等とも検討しながら進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○牧野たかお君 若干の手違いというのはちょっと私どもと認識が違うと思いますが、松原国家公安委員長に来ていただいていますので伺いますけれども、この中間報告の中でも指摘されています関与でいえば、李春光元一等書記官の関与が非常に深いということが指摘されておりますけれども、公安当局は五月の末にこの李春光元一等書記官を外国人登録法違反などで書類送検をしましたけれども、公安当局としては、この中国の李春光元一等書記官を中国の工作員としてみなしていたんでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) 御答弁申し上げます。
 個別の事案に係る事柄については、お答えを差し控えたいと思っております。
 なお、警視庁がこの度送致した事件については、在日中国大使館の一等書記官として本邦に滞在していた者を被疑者とする公正証書原本不実記載、同行使及び外国人登録法違反事件と承知をしております。現時点では、送致事実以外の刑罰法令に触れる事実は確認をできていないと承知をしております。
○牧野たかお君 松原委員長はこの摘発後の記者会見で対日工作には重大な関心を払っているというふうに述べられましたけれども、今のお答えとはちょっと大分違うような気がしますけれども、対日工作というのはどういったことを示すんですか。
○国務大臣(松原仁君) お答え申し上げます。
 警察としては、中国が我が国において先端科学技術保有企業、防衛関連企業、研究機関等に研究者、技術者、留学生等を派遣するなどして、長期にわたって巧妙かつ多様な手段で各種情報活動を行っているほか、政財官学等、各界関係者に対する各種働きかけを行うなど対日諸工作を行っているものと認識をしております。
 警察では、我が国の国益が損なわれることのないよう、対日諸工作に関する情報収集、分析に努めるとともに、あらゆる法令を駆使し、違法行為に対して厳正な取締りを行っております。例えば、平成十五年には、在日中国大使館駐在武官の工作を受けた団体役員がその求めに応じた防衛関連資料を交付していた事件、平成十八年には、コンサルタント会社を経営する在日中国人が報酬を得て不正に在留資格を取得させ、その対価を、主として得ていた報酬を中国情報機関員による台湾統一戦線工作や対日諸工作の資金として流用された事件等々を検挙をいたしております。
 以上のとおりでありますが、それ以上の具体的な内容については、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただきます。
○牧野たかお君 対日工作というのは幅広いことだと思います。人脈を、その今の中にあったように、政界また財界、官僚の中にもつくろうというのも私はその対日工作の一環だと思います。
 この李春光元一等書記官、まさに私はその対日工作を行っていたというふうに思います。主な関与をまとめてみましたけれども、鹿野前大臣が五回、筒井前副大臣が七回、そして農水省の幹部職員が二十回前後、この李春光元一等書記官と会っているわけです。言うならば、農水省の奥深くまでこの李春光元一等書記官が入り込んでいたということを私は示していると思いますけれども、郡司大臣、どのように認識されますか。
○国務大臣(郡司彰君) お配りをいただいた資料も見させていただいております。ここに、例えば五回あるいは一回というような回数についての記述は、これは報告の中にしてありますから、それはもう私どもでも確認をしております。
 ただ、例えば、何年の何月にまとめて会ったとかということではなくて、若干その期間は長い、しかし、そのような回数、接触があったといいますか、話合いがあったということは、これは事実だというふうに報告でさせていただいております。
○牧野たかお君 じゃ、野田総理に伺いますけれども、今月の十二日、衆議院の予算委員会で平沢議員がこの問題について質問しましたけれども、テレビで私も見ていましたが、あの時点ですと、総理は、この農水省の中間報告は、調査結果ですね、読んでいらっしゃらなかったように見受けられましたけれども、その後、この中間報告、二種類ありますけれども、しっかりお読みになられましたでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私なりに、あの直後でありますけれども、目を通させていただきました。
○牧野たかお君 この中間報告書、この事業そのものについての調査結果ですけれども、この中に載っているんですけれども、李春光元一等書記官の様々な関与の中で私は一番問題なのは、日本の農産物を展示即売する事業を含めてこの輸出事業が絡んだ話題を去年の十二月の日中首脳会談で取り上げるように、その首脳会談の一か月前に農水省の方に提案したことだと思います。それを受けて、筒井前副大臣が総理に直談判をして、野田総理がこの予定地を日中首脳会談の前に視察をした。そして、日中首脳会談の冒頭にこの事業について話題として取り上げたということでありますけれども、野田総理、この事実についてどういうふうにお感じになりますか。(発言する者あり)
○委員長(柳田稔君) 指名が聞こえませんので、お静かにお願いします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) その一等書記官がそういういわゆる行動があったというのは、その中間報告にもたしか出ていたというふうに思います。それが、筒井副大臣がいわゆる私の訪中の直前のミーティングで私に常設の展示館に是非寄ってほしいと言ったこととの関係があるのかどうか、これはちょっと分かりません。分かりませんけれども、少なくとも、いわゆる農産物の輸出拡大をしていかなければならない、特に震災があった年だったので、風評被害等もありますので、そういういわゆる政策目的は共有をしていました。そういう政策目的を共有している中で、首脳会議のまさに行く途中に、道すがらに、空港からの途中でその展示館があったので約十分ほど立ち寄ったというのが事実でございますが、そのことをもって、その個別の事業の後押しを首脳会議で申し上げたわけではございません。立ち寄ってきたということは事実関係で冒頭で申し上げましたけれども、その後押しをお願いしたわけではございませんので、直接的なこれは関係はないというふうに思っております。
○牧野たかお君 いや、総理、その後、要するに、総理が日中首脳会談に行く途中にその視察をしたということが、要は、この後つくられる、七月につくられる輸出促進協議会というところの宣伝に使われているわけですよ。
 だから、要するに、李春光元一等書記官がいろいろ画策をしたということについては、総理がそれにまんまと利用されたというのは私は率直にお認めになった方がいいと思いますけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 個別事業の後押しをしたつもりは全くございませんが、何かの例えば写真を使ったとか等々があったとするならば、それは私の言ったことを活用はされたんだというふうには思います。
 ただ、この事業自体については、それを存続する効果があるのかを含めて今農水省の中で検討されているというふうに思いますので、その動きを注視をしていきたいというふうに思います。
○牧野たかお君 私は、この中国への農産物の輸出ということについて、本当にこの協議会というところがスタートの時点から純粋な目的でつくられて、純粋なその目的として活動していたということについては甚だ疑問に思っています。
 何回も言ってきましたけれども、去年七月に設立されたこの輸出促進協議会というのは、元々民主党の樋口代議士の秘書だった、公設秘書だった田中公男さんという人を鹿野大臣が農水省の顧問に任命して、そしてその顧問に任命された田中公男さんという方が輸出促進協議会の理事長に就任して今活動をしているわけですよ。
 それで、要はその拠出金、民間の企業や個人から集めたお金ですけれども、このスタート時点でいうならば、約二億円と言われておりますけれども、そのうちの八五%が健康食品の会社から集めているわけですよ、一億七千万。ですので、はなから農産物の輸出ということと私はちょっとずれているような気がしますけれども、郡司大臣はその点おかしいと思いませんか。
○国務大臣(郡司彰君) サプリメントの関係でございますけれども、これは呼びかけをいたしたときがございました。そのときの文書は、四百ほど案内を差し上げましたけれども、そして実際にお見えになった方も四百ぐらいいらっしゃいました。そのうち、サプリメント関係というのは三十名のような人数でございました。したがいまして、サプリメントを中心にしたというようなことではないだろうというふうに思っております。
 また、サプリメント業界そのものは、独自のその輸出のために、二十三年の三月二十九日にサプリメント協議会、輸出促進のための協議会でありますけれども、立ち上げましたほか、私どもの、この今お話がございました農林水産物等中国輸出促進協議会に複数の関係者が参画をしているというような事実はもちろんございます。もとより、サプリメント協会としての取組そのものを積極的に行ってきた団体でございますが、しかし協議会そのものがサプリメントを主にしてというようなことでは私どもは理解をしておりません。
○牧野たかお君 いや、といっても、要するにその展示館に日本の農産物を要は輸出して展示して即売するという趣旨でこの協議会を農水省はつくることを後押ししてきたわけですよね。その一番スタートの段階から、どこからお金を集めてそれを中国の方に送ったかというと、今申し上げたみたいに、健康食品会社からお金を集めて送ってきたわけですよ。
 もう一つ、新しいというか、別の事実について質問します。
 今年の三月十三日、大阪府の東大阪市の市役所で、李春光一等書記官、田中公男理事長、そして樋口代議士らが市内の企業六社を集めて中国へ輸出を呼びかけました。企業の業種は、洗剤メーカー、プラスチック製造会社、OA機器の部品製造、ゴムパッキン、金属加工の会社だったんですよ。
 だから、どこにも、農産物の輸出と全く関係ないと思うんですが、こういう活動をしているわけですよ。そういったことを把握されていますか。
○国務大臣(郡司彰君) 今のことについては把握しておりませんでした。
○牧野たかお君 ですから、この中間報告、まずその事業全体の調査結果ですけれども、私は、農水省がレールを敷いた敷いた、レールを敷いて後は民間に任せたと言っていますけれども、その後も農水省は実はいろいろなところに、例えば山形県とか秋田県とか、そういったところにも参加を呼びかけているわけですよ。そういうことでありながら、実際この輸出促進協議会が何をやっていたのか、実はいまだに私は把握していないと思うんですよ。
 その点、私は、まず輸出事業そのものの調査についても極めて不十分だと思いますけれども、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(郡司彰君) 五月の三十日でございますけれども、前大臣から、機密文書の関係についての調査報告をまとめるというような委員会がつくられました。そして、私のときになりましてから、国会での審議等をお聞きをして、それだけでは不十分であると、それ以外の、機密性以外のものについてもきちんと範囲の中で調べることをするようにと、そういう形で行ってまいりました。
 ただ、今ありましたように、サプリメント協会そのものはこれまでも中国に対して独自の運動といいますか取組をしてきたというのは、これは一定理解をしておりますし、私どもの範囲の中は農林水産物という範囲の中の動きとしてのとらえ方でございましたので、今のような形の団体との関係については、大変恐縮でございますけれども、私どもの範囲の中に入ってこなかった、調べていなかったということでございます。(発言する者あり)
○委員長(柳田稔君) 御静粛にお願いします。
○牧野たかお君 極めて、私はさっき申し上げた意味で不十分なんですけれども、おかしいこといっぱいあるんですよね。
 そのうちの一つをまた取り上げますけれども、これは北京の展示館の日本側の経費、これは協議会が払うことで契約を結んだはずなんですが、その経費を中国側に立て替えてほしいという内容の確認書ですよ。一番下に日本国農林水産省副大臣とあるんですが、農水省のこの調査の資料の添付資料には副大臣の署名が書いていないんですよ。要するに肩書だけ書いてあるんですが、これはどうして署名をしていないんですか。岩本副大臣。
○副大臣(岩本司君) 牧野委員にお答えをいたします。
 先ほどこのスタートの話をされましたけれども、元々は民主党有志の勉強会のときに五名の中国の方が、これ大使館の紹介の方々がいらっしゃって……(発言する者あり)いや、それで、分かりました、分かりました。ちょっと食い違いがあるものですから、食い違いがあるものですから、質問に。
 この名前が入っていない、入っている、これ両方の文書が、じゃ、それは省略させていただきますけれども、名前が入っている文書、入っていない文書、両方ございまして、この確認書という文書のことだと思いますけれども、これ、私ども調べましたら、この確認書は、中国側からこの確認書を作ってくれという要請がありまして、それを日本側が作りましたと。そこで、この書いてある文書と書いていない文書、サインがしてある文書としていない文書、両方存在いたしております。
○牧野たかお君 じゃ、私の方から言いますが、中間報告書の調査の聞き取りの話ですと、ここに筒井前副大臣の署名が書いてある文書が今もあると言いましたけれども、それを要するに田中理事長に代筆させたという調査結果が出ているんですよね。
 だから、大体こういうもの、副大臣という立場の署名を外部の人に代筆させるなんということは、こんなの農水省ではしょっちゅうやっていたんですか、とてもないと思いますけれども。
○副大臣(岩本司君) これまでの調査では、筒井前副大臣は代表理事に代筆することを了解していたこと、また、代表理事からは、サインしてもらったか、あるいは代筆しておけとの話はあったが相手方に出したかどうかは記憶が定かでないとの回答を得ているところでありまして、以上のことから、筒井副大臣の自筆のものか直ちに判断することは困難であります。
 この当時、筒井前副大臣は新潟県にいらっしゃいまして、そのサインの日付は新潟にいてサインできないわけですから、ということでございます。
○牧野たかお君 だから、こういう、まあ公文書だと思いますけれども、こういう公文書に副大臣の名前を、署名を外部の人に代筆させるなんということは私はあり得ないと思うんですが、こういうことが要はこの事業についてはいっぱい起きているんですよね。だから、とても私はこれはまともな国のかかわる事業ではないと思いますけれども、総理、今までの答弁、今のこの副大臣の署名の話も聞いて、こういったことがまかり通っていたということは異常だと思いませんか。(発言する者あり)
○委員長(柳田稔君) 御静粛にお願いをいたします。
 郡司農林水産大臣、御答弁をお願いします。
○国務大臣(郡司彰君) 報告書でつかんだ内容についてお話をさせていただきたいと思います。
 先般の七月十二日の衆議院の予算委員会で配付をされました署名入りの確認書でありますけれども、実は、先ほど来からいろいろ知らなかったのかという話をされております。実は、その文書につきましても初めてそのときにお目にかかったといいますか、入手をしたというようなことでございます。これまでの調査の中で、代筆することを了解をするとか、あるいはサインをしてもらったか、あるいは代筆をしておけとの話があったとかというような、記憶が定かでないというような副大臣からの話も聞いておるところでありますけれども、自筆のものかどうか直ちに断定することが私どもには今のところないということも含めてできないということがあります。
 いずれにしましても……(発言する者あり)済みません。いずれにしましても……(発言する者あり)はい、分かりました。
○委員長(柳田稔君) 指名が聞こえませんので、御静粛にお願いします。指名が聞こえませんので、御静粛にお願いします、山本君。
 野田総理大臣、お願いします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは、衆議院の委員会のときも法的拘束力はない文書だというふうに聞いておりますけれども、ただ、こういう形で、いわゆる自分の肩書を書いたところにいわゆる代筆という形が、まあ中間報告ではそう出てきますので、そういう行為があるのかないのかというと、やっぱりこれは、普通はやっぱり自然ではないと思います。基本的には、基本的には自分でサインをすべきものだろうというふうに思います。
○牧野たかお君 いや、自然ではないどころか、極めて私は異常だと思いますよ。
 それで、ほかにもちょっと異常なことを伺いますけれども、この中国の展示館への出展というか展示をして、輸出をして展示をするということについてはもちろん経費が掛かるわけですよね。だから、その立替えしてくれというのがこの文書なんですが、促進協議会と中国側の企業との間で本来契約書があるはずなんですが、その契約書について農水省は調査したけれども、この契約書の写しとかを入手されたんでしょうか。
○副大臣(岩本司君) 入手をいたしておりません。
 先ほどの代筆でございますが、当時、農水省の顧問を田中氏が務めていて、顧問に代筆をさせたという、これは事実関係であります。
○牧野たかお君 顧問であろうと、私は代筆をさせるというのは全くおかしいと思いますよ。
 それで、今月の十九日の読売新聞の夕刊ですけれども、これは私も何回も委員会で質問しましたけれども、要は契約書というのが本当にあるのかどうかというのも分からないんですよね。農水省が調査しても、その契約書を、中国側とその輸出促進協議会が年間二億円で契約していると言われているその契約書自体も見たことないんでしょう。
 だから、そういう中でこの事業を進めたというのは、私はこれも極めて異常だと思いますけれども、郡司大臣、そう思いませんか。
○国務大臣(郡司彰君) 私のときになりまして今後のことを考えるというときに、これまで確認がされていないものについてはしっかり確認をするようにということにいたしました。
 その中で、まさに今言われましたような契約書、それから負担をどのようにするかとか、そうした基本的なことが私どもの方に目にすることができない、これはおかしいということで、中国の方にどのようになっているんだという問合せをしてきたところでございますけれども、先ほど来の新聞の記事を読ませていただきました。そして、その後、田中代表のホームページで、二十日のことでしょうか、それが代わるものとして基本合意書あるいは経費負担の覚書というものがそれに当たるんだというような話をホームページに書かれておりますので、それをもって直ちにそのような形になるのかどうか、私どもはちょっと今、これから検討しなければいけないというふうに思っております。
○牧野たかお君 いや、農水省の顧問をして、任命を鹿野大臣が、大臣が任命をした農水省の顧問が理事長をしている、要は農水省が肝煎りでつくった社団法人ですよ。そこが、契約をちゃんとしているかどうかも農水省に知らせない、その農水省もそれを把握していなくてもその事業が継続されてきたというのは、これは私はあり得ない話だと思いますよ。
 次に、次にというか、これに関係しますけれども、今度、機密文書の漏えいの調査結果について質問をしたいと思います。
 まず、岩本副大臣がこの調査の責任者ですので伺いたいと思いますけれども、簡潔に、どのような機密文書が何点漏えいしていたのか、お答えください。
○副大臣(岩本司君) 代表理事から外部に提供された資料の中に機密性三の四つの資料が存在をいたしておりました。二通の公電の写し及び行政文書開示請求書が外部に提供されたことを確認をいたしております。
 外部に提供されました機密性三の資料といたしましては、まず一つが、今後の米の需給見通しについて、この文書が一点。そして、これはタイトルでございますが、公電の不適切な管理に関する対応について、中間報告、このタイトルの文書。もう一点が、雑誌エルネオス、これ四月号の記事に関する確認について。最後が、中国への輸出に関する指摘についての確認結果、これ中間報告。この計四文書が漏えいしていたということを確認をいたしております。
○牧野たかお君 機密性三というのは、テレビを御覧になっている方に伝えますと、要するに、一が低くて、二の方が高くて、三が一番高いわけですよね。だから、非常に機密性が高いという文書でありますけれども、その中でも米の需給見通しというのは、これは先物取引で悪用しようとすればその時点で要するにお金もうけができますし、ただ、食料の需給の見通しですから、国家にとってみると非常に重要な私は機密だと思いますけれども、この書類、漏れていたと言われる書類の原本は誰のものだったんですか。
○副大臣(岩本司君) お答えいたします。
 原本はまだ特定をされておりません。
○牧野たかお君 しかし、その漏れていたものについては原本を特定できるような特徴があるんじゃないですか。
○副大臣(岩本司君) お答えいたします。
 筒井副大臣に提出した資料でございますけれども、これが筒井副大臣から渡ったのか、鹿野大臣から渡ったのか、あるいは接触していた役所の担当者から渡ったのかは確認をできておりません。ですから、今度、検察のOBの方を含めた方々にしっかりとチェックをしていただこうと、そういう方向でございます。
○牧野たかお君 公電ですね、公電というのは外国に所在している日本の大使館から日本の本国の方に、外務省の方に送られてくる文書ですけれども、今回は北京の日本大使館から外務省を通じて農水省に届けられた文書であります。このコピーも輸出促進協議会の田中理事長に渡っていたということが確認されています。この中間報告書に書いてありますけれども。
 このコピーにはファクス番号が付いていたと思いますけれども、このファクス番号というのはどういうものだったんですか。
○副大臣(岩本司君) お答えいたします。
 筒井副大臣室のファクス番号でございます。
○牧野たかお君 結論付けておりませんけど、この機密保持に関する調査結果というのは、ただ事実関係、聞き取りの事実関係を全部並べてありまして、米の需給見通しの文書も公電の写しも、筒井前副大臣が関与している疑いが強いというのを読み取れます。これは私だけがそう思っているんじゃなくて、この調査結果を発表したときに各新聞みんなそういうふうに書きましたけれども、その一方で、田中理事長は、米の需給見通しについては鹿野前大臣から直接手渡されたというふうにおっしゃっています。
 ですので、要は、いろいろ立場が違うとというか、関係者の証言がみんな食い違っておりますけれども、それで、結論はどういうふうに出すおつもりなんですか。
○副大臣(岩本司君) 牧野委員がおっしゃるとおりに、それぞれ皆様の御発言が食い違っております。そこで、第三者評価を実施すると。しかも、この第三者評価の弁護士の先生方は検察のOBでもあり、じゃ、民主党寄りとか思われちゃいけませんので、当時、石破農林水産大臣時代にお願いした弁護士の先生方もしっかり入っていただいて、それで進めていくということでございます。
○牧野たかお君 これじゃ調査の私は意味がないと思いますよ。それぞれの立場の人は当然自分を弁護するんでしょうから、私じゃありませんよ、私じゃありませんよとみんな言うわけですよ。そうすると、そういうふうに、その人たちが事情を聞いた結果そういうことを言っているということをこれ書いてあるだけで、結論は出していないんですよ。
 それで、筒井前副大臣は、これが筒井前副大臣のブログなんですが、何て書いてあるかというと、鹿野大臣が副大臣説明用資料、これは米の需給見通しですけれども、これを田中理事長に手渡すことは十分可能だ、徹底した調査をしたと言いながら、こんな誰でも分かる当たり前の調査もしていないんですから、結論ありきのいいかげんな調査と言われても仕方がないでしょうと、これ、当事者の筒井前副大臣が、ブログに書いてあるんですよ。だから、まあ本当にひどい実態だなと思いますけれども、まず郡司大臣、この筒井前副大臣のブログ、見ましたか。
○国務大臣(郡司彰君) 読ませていただきました。
○牧野たかお君 じゃ、その感想は、どういうふうに思っていますか。
○国務大臣(郡司彰君) 本当に私自身を含めて情けないことが起こっているなというふうに思っております。
 そして、当初申し上げましたように、機密性の文書の調査報告だけでは済まない、それ以外のことについてもやはり調べなければいけない。一定の時間が掛かってしまいました。そして、しかし、その中でかなり多くの方にはきちんと対応していただいたというふうに思っております。
 それは、なぜかといえば、守秘義務も含めて、これは告発も含めてあり得るぞというようなことを前提に話をさせていただきました。しかし、途中から、先ほど来からお名前が出ておりますけれども、協議会の代表の方から流れてくるものに対しては全然違う角度のものもございましたし、それまでこちらの方で目にすることがなかったような文書も出てまいりました。
 したがいまして、これから同じようなことをまた同じ時間を掛けるのが適当かどうか判断をいたしまして、取りあえずこの中ででき上がった報告について第三者の方々にきちんと評価をしていただいて、もしも不十分なところ等があれば、それによってただしていきたいと思いますし、告発の仕方そのものも十分な示唆をいただいた上で考えていきたいというふうに思っております。
○牧野たかお君 午前中はあともう少しで時間がなくなりますので一つだけ質問しますけれども、この機密文書の漏えいというのは、今調査した中で分かった中での結論であって、結果であって、実はこれ以外にも私は機密文書流れていた可能性があると思うんですよね。
 それと、何回も申し上げていますけれども、警視庁が摘発した李春光元一等書記官にこの機密情報が漏れていた可能性というのは否定できますか。
○国務大臣(郡司彰君) これは牧野委員も御存じのことだと思いますが、実は機密性の三という文書がもう一部出ておりました。これは事実でございます。ただし、内容的に見ました場合に、本当に機密性三に当たるかどうかということがありましたので、今後は担当の者が機密のランクを付けるというような形を改めまして、まず局長のところできちんとランクを付ける場合には付ける、それからファイリングを行うなど、今後の防止については徹底をさせていきたいというふうに思っております。
○委員長(柳田稔君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(柳田稔君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、平成二十四年度予算の執行状況に関する集中審議を行います。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。牧野たかお君。
○牧野たかお君 午前中に引き続きまして、機密文書の漏えい問題について質問をいたします。
 午前中に述べたように、当事者であり、そしてこの中間報告の調査の結果の中に書いていたように、機密漏えいについては筒井前副大臣の関与が非常に濃厚だというふうに私は受け止めておりますけれども、その筒井副大臣が結論ありきのいいかげんな調査というふうに、ブログでそれを言っているというふうに午前中述べましたけれども、それでは、今回の調査で、誰が鹿野前大臣そして筒井前副大臣についてどういう方法で事情を聞いて事実関係を確認したのか、もう一度伺いたいと思います。
 調査の責任者の岩本副大臣、よろしくお願いします。
○副大臣(岩本司君) お答えいたします。
 調査チームとしてでございますけれども、役所の担当者が調査を行いました。
○牧野たかお君 役所の職員が前の大臣そして前の副大臣に事情を聞いても私はちゃんとお答えが返ってくるとは思えませんけれども、それで調査としてしまったということでいいんですか。
○副大臣(岩本司君) 筒井副大臣には、五回、聞き取り調査をいたしております。
 初めいろいろ議論の中で、じゃ、私が聞いた方がどうかということもあったんですが、元上司に対して私が聞くといろいろ情も入りますし、それよりも、そういう情が入ったりしないような方に聞くと。トータル五十六名の方に聞き取り調査をしておりますけれども、元部下の方が元上司の方に聞き取り調査をするということも避けました。
 以上でございます。
○牧野たかお君 本来ですと、鹿野前大臣には私は郡司大臣がお聞きになった方がいいと思いますよ。そして、筒井副大臣には、郡司大臣か若しくは岩本副大臣がちゃんと膝を詰めて本心をちゃんと明かしていただくようなそういう聞き方をしない限り、真実というのはこれ分からないんじゃないかと思いますけれども、大臣、どう思いますか。
○国務大臣(郡司彰君) 委員御存じのように、私が大臣になりましたとき、既にその調査の方向は動いておりました。そして、不十分だということの指示はさせていただきました。
 そして、今委員から御指摘がありましたように、初めのところから、当時は現の大臣が指示をしてできた調査でございましたからそのような形は取れなかったと思いますけれども、今思い返して、委員が御指摘のような点も考えなければいけなかったのかなというふうに思っております。
○牧野たかお君 今後の方針については改めて後で聞きますけれども。
 松原国家公安委員長に伺いますけれども、また一般論というお答えかもしれませんが、今までやり取りをしていた中身だけでも、そしてその前の衆参の質問の中でも、これだけ要するに今回の機密漏えいについては大臣若しくは副大臣の関与が疑わしいという結果が出ています。こういう中で、私は、農水省が相手が不詳のままでもこれを国家公務員法の守秘義務違反として告発をした場合、警察当局はちゃんと捜査をするような用意はありますか。
○国務大臣(松原仁君) お答えいたします。
 仮定の話についてはお答えを差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、警察が告発を受理した場合には、必要の捜査を行い、刑罰法令に触れる行為が認められれば、法と証拠に基づき厳正に対処するものと承知をいたしております。
○牧野たかお君 それでは、今のお答えですと、農水省が告発をした場合はちゃんと受理をして捜査をするというふうに受け止めます。
 先週の金曜日の二十日、先ほど来お話が出ていますけれども、弁護士四人を選任してこの二つの調査の第三者の評価を受けるということを農水省が発表しましたけれども、要は元々の調査が不十分なら第三者の評価を受けても私は意味がないと思いますけれども、この第三者の評価を受けるということの意味はどういうことなんでしょうか。大臣に伺います。
○国務大臣(郡司彰君) 経過は繰り返しをいたしませんが、既に大臣拝命のときに調査が始まっておりました。それだけでは足りないということで、新たな視点も加えた調査を二つ行わさせていただきました。そして、それにはそれなりのやはり時間が掛かりましたし、なおかつ、いまだに文書その他についても不十分なところがあるということを感じております。そういうところでありますので、改めて第三者によりまする調査をもう一度最初から行うということについては相応の時間が掛かるものだろうというふうにも思っております。
 私は、できる範囲の中ででき上がったその報告の中から、刑事責任を、あるいはまた、いろいろな角度から検討すべきものについては、評価をいただいた中で更に不十分なところの指摘があれば、そのことについてはしっかりやりたいと、そのように考えているところでございます。
○牧野たかお君 私は、必要なものは、その今の第三者の評価じゃなくて、第三者による調査機関を設けて、そこのところがしっかり私は調査すべきだと思いますよ。
 郡司大臣に伺いますけれども、再評価ではなくて、今私が申し上げたように、第三者機関による調査の意思、そしてまた警察への告発の意思について伺います。
○国務大臣(郡司彰君) 先ほど申し上げましたように、まず時間的に第三者の評価をきちんと限られた時間の中でやっていただきたいと思っております。そして、それを見た上で私どもとしてまた別な方法あるいはいろんな可能性についてはやりたいと思いますが、私どもの方は、できるだけ今審議をしている国会の中で一定のまとまりを皆様方に報告をしたいという時間の中からも、そのようにさせていただいているところであります。
 告発につきましてでございますけれども、これは答弁がございましたけれども、公的機関による告発の場合には、犯罪の構成要件に該当するか精査をするとともに、捜査が効果的かつ円滑に行われるよう捜査当局と事前に十分な調整を行うことが不可欠だというふうに伺っておりまして、私ども、既に関係をするところとの相談をさせていただいているというところでございます。
○牧野たかお君 それでは、告発を私はちゃんとしていただくように求めます。
 野田総理に最後に伺いますけれども、今までやり取りを聞いていただいて、私は、農水省の今回の調査、不十分でありますけれども、その調査だけでも、今の調査だけでもこれだけ深刻な問題が私は浮き彫りになっていると思うんですよ。鹿野大臣にしても、筒井副大臣にしても、野田政権が誕生したときに野田総理が任命されたお二人だと思います。ですので、私は、この問題の徹底究明はやっぱり野田政権の責任としてやるべきだと思いますけれども、総理のお考え、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、鹿野前大臣、筒井前副大臣は私の任命の下で、元々大臣をやっておられましたけど、改めて組閣をする際に選任をさせていただいております。その意味では、私が任命権者でございました。
 なお、今、ずっと御審議をいただいてまいりました農水省にかかわる問題について、中間報告の評価はなかなか今厳しい評価をいただきましたけれども、そのことを踏まえて、法曹関係者、四名の弁護士の方、検事の経験があるという、こういう皆さんに改めて第三者による評価をしていただくという今段階に入っておりますので、その評価がどういう形で出てくるかということをまずは注視をしていきたいというふうに思います。
○牧野たかお君 私も、参議院では西田議員も再三、野田総理にこの問題について質問をしてまいりましたけれども、これまでの答弁というのは、李春光元一等書記官が摘発する前までは何の問題もないというふうな御答弁だったんですが、認識が私は非常に甘かったというか鈍かったんではないかと思います。
 総理は、最近おっしゃっているのは、やるべきことをやって、その上で衆議院の解散・総選挙を判断するということをおっしゃっていますけれども、私はこの問題の解明というのはやるべきことの中に入るべきだと思っておりますけれども、総理はどういうふうにお考えですか。やるべきことをやってという、やるべきことの中にこの問題の徹底解明というのは入るべきだと思いますけれども、総理はどういうふうに考えますか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) きちんと国会の中で、あるいは国民の皆様に御説明のできる、そういう状況を早急につくるということはやるべきことの一つだと思っております。
○牧野たかお君 やはりこの問題は、あのお二人の、鹿野大臣、そして筒井前副大臣がここに来られて、それぞれの自分自身の口でちゃんと真相を明らかにすべきだと思います。これまで参考人招致が民主党の反対で実現しませんでしたけれども、改めてお二人の参考人招致とそして予算委員会の集中審議を求めて、私の質問を終わります。
○委員長(柳田稔君) 後刻理事会で協議をいたします。
 以上で牧野たかお君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、山田俊男君の質疑を行います。山田俊男君。
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
 同僚の牧野委員に引き続きまして、まず最初は、対中国米ビジネス事件につきまして質疑を申し上げさせていただきます。
 民主党の政権交代で、政治主導の名の下に、当時の農水省の事務次官の発言をとらえて辞任を迫ったということがあります。お手元の資料にもあります。(資料提示)
 結局は、批判を封印して服従させたわけであります。その新聞にもありますように、よく似たことは国交省にもそれから厚生労働省にもあったわけであります。こうした異常事態が政治主導の犯罪的な誤りを止められなかったんではないかというふうに考えます。
 総理、異常だとこれ受け止めませんか。政権交代のときのその事実です。農林水産省だけじゃなくて国交省も、それから厚生労働省にもあった話なんです。お聞きします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっと今資料を、今出てきて、全部読んでいるという状況ではなくて見出ししかちょっと見ていない状況でありますけれども、一般的に言うと、政権交代があったならば、それまでの政権と違って新しい政権の下で、政務三役が一定の政策の方向性、選挙で掲げた政策等もあります、そういう方向性を役所の皆さんにお示しをして、それに従うように指導をする、指示をするということは、これは一般的にあるのではないかというふうに思います。
○山田俊男君 結局、まさにそうなんです。政治主導の名の下に極めて極端なことが行われて、そしてもう服従させたということであります。このトラウマが、私は、農林水産省、省内全体に広がっていた。結局、誰も反論しなくなったんです。そのことが、政務三役の言いなりになって、事業がそういう形で進んでいたというふうに、私も見ていてよく承知します。
 例えば、機密文書にしましても、これは二十万トンの輸出を前提にした需給見通しを作るということであります。これまで僅か百トンにしか満たないような輸出しかしていなかったのに、何と二十万トンですよ。その需給見通しを作れ、その需給見通しが機密文書の第三分類に該当するということなんです。通常であれば、大体二十万トンのそうした輸出を行うこと自身について官僚は気付くはずです、とんでもない話だと。政務三役に言ってしかるべきですよ。そのことがなっていないからこんなことになっている。
 さらにまた、検疫なしでこれを進めるということを言っているんですよ。一体農林水産省は、これ検疫一旦譲ったら、後は中国から何要求されるか分かりませんよ。さらに、これからいろんな国々との間でEPAのそれこそ交渉が始まります。中国に対してこれだけの話を譲っているんだったら日本はこれも譲るべきじゃないかと、間違いなくそういうことになっちゃうじゃないですか。極めて大事な話なんです。こういうことをいとも簡単に政務三役の言うとおり踏んでしまっているということが極めて問題なんです。
 どうですか。農水大臣、あなたは政権交代時のときの副大臣だったんです。この辺の事情はよく御存じです。率直に申し上げてください。
○国務大臣(郡司彰君) お答えさせていただきます。
 先ほど新聞の記事がございました。あそこに、当時の新任の政権交代後の赤松大臣が辞任を求めたという記事ではなかったというふうに思います。私はその現場におりましたからよく覚えておりますけれども、巷間新聞紙上等で、これまでの発言から、農水の事務次官については辞めろというような話さえあるのではないかというような話は記事としては出たことがございました。しかし、実際に会ったときには赤松大臣は、今までのことはこれは政権が違うときの話、これからは一緒にやりましょうということで手を差し伸べて、それ以降も次官として務めていただいたということでありますので、事実としてはそのようなことだということ。
 それから、そのことによって役人の方々が、役所の方々がこれまでと違って自分たちの考えを出さずに唯々諾々として従ったかどうかというのは、これはもしかすると私自身がとらえることではなくて、皆様方を含めて、全体のものとしてどういう評価をされるかということだろうというふうに思っております。
○山田俊男君 各県で予算をそれぞれ計上して、そしてこの事業に取り組んだ県が出てきております。当初予算であったり補正予算であったりしながらやっています。これはあくまで農林水産省がこの協議会ないしはこの協議会を支援する形でこの事業を進めているということを前提にして、そして加入を決定したところが多いわけです。さらにまた、稲作農家個人でもこの取組に参加している人がおいでになります。
 ところで、農水省の中間報告では、昨年の七月十一日に農林水産物等中国輸出促進協議会、これがつくられたから、あとは民間ベースのやり取りになるんだから農水省としては取組から一定程度手を引くという形で整理しましたといって、中間報告にその報告が載っております。
 ところが、七月の十一日に協議会が設立された後、八月の十日に、これは東北農政局から各県に対して参加を促すメールが出ているわけであります。このメールの中に、検疫条件が整っていない品目の出展もできる見通しだと、こう書いてある、間違いなく。一体、間違いなく農林水産省も検疫なしでこの話を進めるんだということを出して各県に参加を呼びかけているわけじゃないですか。この事実、確認していますか。
○国務大臣(郡司彰君) 既に委員も文書を御覧になった上でのことだろうというふうに思っております。
 農政局から管内の都道府県等に対しまして協議会への案内を、募集を送ったというのはこれは事実でございます。その中で、協議会の定款でありますとか御案内、会則及び参加申込書を送付をしつつ、それらにかかわる文書を協議会の文書として、このようなことが協議会の方で言われていますというようなことが幾つか記載をされております。
 その中の一つの文書を、今関係をするところを申し上げますと、検疫条件が整っていない品目の今後の輸出取引については、通常通関できるよう中国政府に働きかけを行うようですというふうに、協議会の方ではそのようなことを言ってきておりますというような形の文書として発出をしたということは、これは私どもも承知をしているところでございます。
 しかし、御指摘の点がそのような形で取られたのかどうかということについて、しかし私どももこれからは民間のそうした扱いについてしっかりともう少し分かりやすい形を取らさせていただきたいと思います。
○山田俊男君 少なくとも農林水産省が一緒になって推進していたということは間違いないわけでありますが、そして、そのことによって各県や個人が被害を被っている。このことについて責任は当然感じておられますね。どう対処されるおつもりですか。
○国務大臣(郡司彰君) 委員も御承知のとおりだと思いますが、先ほど読み上げた文書がそのままの文書でございます。あの文書を私どもで解釈をすれば、情報提供のメールを確認をしたところ、今述べた内容は、協議会と中国側との協議の状況をありのまま伝えようとするものでありまして、検疫上の特例措置の実施を断定するような、誤解を与えるような表現ではなかったのではないか、そのようにと思っております。
○山田俊男君 全くそういうことを言ってもらっても駄目ですね。だって、こういうメールも含めて、皆さん、協議会に参加するということを、補正予算でもその後組んで、そして加入の意思を固めてきているんですから、そのことについて、いやいや、実は違うんだと、文書の本意はもっと別のところにあったなんて言ってみたって、受け止め側はそんな受け止めしてっこないじゃないですか。ですから、この点についてでもしっかり責任を痛感してもらわなきゃいかぬのですよ。
○国務大臣(郡司彰君) 先ほどの二つの報告のほかに、今後の在り方についてもやはり私どもは考え方を出していかなければいけないと思っています。
 その中の一つに、協議会というものの関係をどのように見ていくかということがあります。それから、出資者、展示者の方々に対する今後の在り方についての考えを聞かなければいけないというふうに思っております。
 中国に対しても同じように、農業部あるいは外交部等、そしてまた質検当局とも、今後のことについてきちんとそごがないような形で輸出が促進できるように働きかけをしたい、そのように思っているところでございます。
○山田俊男君 関連しますから、引き続きこのことを少し聞きますが、結局は輸出第一陣を出したわけでしょう。第一陣を出したんですが、しかし、向こうの中国側の検検総局から、これはもう検疫措置がきちっとできていないから駄目だというふうに、そして突き返されて廃棄したわけですね。廃棄したわけですね。廃棄されたと、こんなふうに聞いています。廃棄されないでどこかに残っているのかもしれませんが、廃棄されたという話になっているわけでしょう。
 結局は、これまでこれくらい事態が混乱しているのに、実は、五月十八日の日に新たな輸出を行うべく輸出の申請と実行を行っているという情報があります、協議会から。それは事実ですか、確認していますか。
○国務大臣(郡司彰君) そのような御指摘を受けて確認をさせていただきましたところ、そのような取組がされているということは確認をいたしました。
 しかし、同じようなことを繰り返すわけにはいかないということで、先ほど申し上げましたような、中国の農業部でありますとか質検当局ときちんと話をした上でなければそのような形はまかりならないということで、今協議会の方に話をしているところでございます。
○山田俊男君 この五月十八日の分、つい、つい先日ですよ、事件が起こった後、こういう混乱がしている後においても、協議会は五月十八日に品目を送るという動きをしているわけです。その品目を送るという五月十八日のときですら検疫について特別措置が講じられるものであるというニュアンスで、ニュアンスで動いているわけでしょう。これはもう直ちに止めないと、一体、大混乱ですよ、どうするおつもりですか。
 前大臣、それから前副大臣がおやりになったことだから、何とかこれはもう格好付けないといかぬという立場になっているんじゃないですか。こういうのは国家的犯罪ですよ。これはもうすぐにやめさせなきゃいかぬですよ。
○国務大臣(郡司彰君) 時間的な経過というものの中で少し誤解があるかもしれませんが、私が就任をさせていただいてこのことを知りまして、そして今のことを知ったときに、同じようなことを繰り返すのは絶対駄目だということでもって、先ほどのように、まず中国の農業部、それから質検当局、それから、もちろんでありますけれども、出資をされている方々の意向も含めて、正しい、正しいといいますか、きちんと中国との意見の、何というんでしょうね、話合いができた上で行うべきだということで、止めさせていただいております。
○山田俊男君 総理、ここまでお聞きになっていて、混乱した事業であります。ましてや、いろいろ理由があって、先ほど牧野委員の御質問の中で総理も答えていましたが、うその事業に加担する形で中国の首脳会談のときに展示場を御覧になっておられるわけですね。だから、そういう形からすると、もうこのままこの事業を進めるんじゃなくて、直ちにやめさせるべきじゃないですか。
 ところが、農水大臣はそう言っていないわけでしょう。やめると言っていないわけでしょう。一体どうするんですか。直ちにやめさせるべきですよ。いや、総理です。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今農水大臣御答弁されましたけれども、きちんと中国との話、すり合わせがない限り、次にそれを送り出すということはすべきではないという御判断をされているということをおっしゃいました。基本的に私はそれは正しいと思いますし、この事業の在り方そのものについても、今、佐々木副大臣の下でこれ検討、検証をしているということでございますので、それを踏まえて農水省が対応されるというふうに考えております。
○山田俊男君 それじゃ、お聞きしますが、今総理は、中国との話をちゃんと進めるということになっているわけだから、まずその動向を見てとおっしゃっている。中国と話していますか。コンタクト取れていますか。そして、情報を得ていますか。得ていないんでしょう。
○国務大臣(郡司彰君) 相手方がございましてなかなかその日程が取れませんでしたが、ようやく今日の十時半から、中国において双方の話合いがようやくできたというところでございます。
○山田俊男君 結局、総理、これ大変、今のような実態であります。
 そして、農林水産省はどうしようとしているか。これも牧野委員の質問にありましたけど、農林水産省の中間報告を第三者の評価で行うと言っているんです。第三者の評価を行う委員の一人は、何と農林水産省の検査部の顧問弁護士ですよ。自らの不祥事を弁護してもらうんですか、顧問弁護士に。そんなような第三者の評価委員会なんというのは全く形がないでしょう。もう別途ちゃんとした第三者委員会をつくるべきであります。このことを強く申し上げます。総理、どうですか。
○国務大臣(郡司彰君) 事実だけ申し上げたいと思います。
 今言いました弁護士が含まれております。この弁護士につきましては、企業法務あるいは国際取引等に関する知見をお持ちだということで、企業のコンプライアンス問題に精通をしておられる、そういうようなことで選んだということでございまして、農林水産のかかわっております検査部の所掌にかかわる事項に対しては含まれておらないということで、今回お願いをした次第でございます。(発言する者あり)
○委員長(柳田稔君) 質疑の妨げになりますので、質疑者以外の皆様は御静粛にお願いいたします。
○山田俊男君 事実はかなり明らかになっております。このままでは、この不祥事はこのまま続く、このままほったらかしで続くという可能性があります。総理にきっちりした行為を取っていただきたい、こんなふうにお願いするところであります。
 次いで、TPPの問題について触れさせていただきますが、オバマ大統領から注文されています自動車の問題の進展はどうなっているんですか。これは玄葉外務大臣にお聞きします。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今、山田委員から、オバマ大統領からというお話がございました。確かに、四月三十日、ワシントンで日米首脳会談が行われまして、オバマ大統領から自動車についての関心の表明がございました。それについては、米国側から、同国の関係業界や議会等の意見などを踏まえて、透明性、流通、そして技術基準、認証手続、グリーンテクノロジー、税のようないろんな考えが伝えられていると、そういう状況でございます。
○山田俊男君 玄葉大臣、何か回答のめどは立っているんですか。オバマ大統領からの注文についての回答のめどは立っているんですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 率直に申し上げて、回答のめどという、こういうお話でございますけれども、そこまで立ち入るというか、詳細なやり取りといったものが行われている段階ではございません。そういった関心の表明がございます。
 これは結局、メキシコとかカナダが新規参加国として言わば交渉に参加をしましたですよね。そういったときにも、自動車ではないんですけれども、メキシコとかカナダの場合は、言わば信頼醸成の材料、例えば高いレベルの経済連携にコミットするということ、あるいは交渉を遅らせない、そういったことの言わば信頼醸成の材料ということで、自動車のことについて今先ほど具体的に幾つか申し上げましたけれども、そういったことについて米国側から要望があると、これは事実でございます。
○山田俊男君 どうもほとんど米国の注文にこたえるような状況じゃないというふうにお聞きしました。
 さて、自動車産業は、表にもあります、日本経済の牽引車だったわけであります。この表にもありますように、大変な対米貿易の黒字があるわけです。これは自動車だけじゃなくてほかにもあるわけでありますけれど、しかし、自動車がその中でも大変な割合を占めているというのは間違いありません。今まで、これらの対米貿易黒字を、日本は関税をゼロにした飼料穀物、大量の飼料穀物、関税ゼロですよ、それで入れているわけです。結果として、農産物で貿易の黒字部分を実は少しずつ埋めてきたといいますか、解消してきたという事実があるわけです。
 今後とも、この我が国の経済構造といいますか、とりわけ自動車の問題を含めて、農産物の聖域なき関税撤廃でカバーできるというふうに考えておられるのかどうか。この問題解決、どんなふうに考えておられるか、枝野大臣にお聞きします。
○国務大臣(枝野幸男君) 最近、自動車の分野はアメリカとの関係で貿易黒字がずっと続いておりますが、それはアメリカも、特に工業製品についてWTO体制の下で自由貿易を基本とするという構造の中にあり、そして両国の自動車産業の構造が少なくとも最近のしばらくの間、日本の自動車産業に競争力がある、その結果として貿易黒字が毎年たくさん出てきているということでありまして、それはまさにそれぞれの個別の産業、個別の我が国の事業者の努力の成果でありまして、そのことがあるからといってほかの貿易通商分野のところで何か対応しなければならないという性格のものではそもそもないというふうに思っています。
○山田俊男君 お手元にもう一つ表があります。
 これ御覧になっていただきますと、要は木材の関税撤廃、引下げを徹底して行うことによって、我が国の木材自給率と国産材の価格がこんなふうに低落しているという事実であります。ここの時期、御覧になってみても分かりますけれど、我が国の木材の需要がずっと伸びています。伸びているのに合わせて、そして要は外材の輸入が増えています。自由化した木材はずっと価格を下げてしまっているし、さらには自給率を下げているんです。この結果が、我が国の今見られる山がかくのごとく荒れているということなんですよ。
 農産物について、聖域なき関税撤廃の下で引き続きこの路線で進むのかということです。これじゃ違うでしょうということを言いたいわけですが、郡司大臣、この点についてはどんなふうに危機感を持っておられるんですか。
○国務大臣(郡司彰君) 木材の戦後の需給の関係についてグラフでお示しをいただきました。今御指摘をいただいた点ももちろん含まれております。ただし、それ以外にも、日本の古来のグリーン材というものを使うという工法が、あるいは乾燥材を使うプレカットとか、そういういわゆる住宅の建て方と異なることによって需要を失ってきたというような側面もあることは、これは私どもも認めなければいけないというふうに思っております。
 ただし、農林水産物そのものが関税がなしということになれば大変大きな被害を受けるだろう、それは農林水産という産業だけではなくて地域の疲弊をも生み出すかもしれない、こういうことが私どもの方にはよく声が届いております。その声を発信をするのはこれは私の仕事だろう、そのように思って皆様方にもお伝えをしているところでございます。
○山田俊男君 大臣、しっかり言ってくださいよ、閣僚の中で。そうでしょう。そのことをしっかり言うことによって方向を変えなきゃ駄目なんですよ。
 それで、次、申し上げますが、総理は、これは五月十三日に温家宝首相、さらには李明博大統領と会談されまして、日中韓FTA交渉を年内に開始することで合意されたわけであります。その際、総理がおっしゃっていたのは、TPPと日中韓FTAを並行的に追求し、全てが活発化していくことを期待したいというふうに述べておられるんです。
 総理、御存じですかね。日中韓FTAには、官民共同研究をずっと続けていまして、共同報告書があるんですよ。その共同報告書は何を言っているかといったら、日中韓FTAはそれぞれの国がウイン・ウイン・ウイン、ウイン・ウイン・ウインの関係の中で仕上げていくんだぞと言っているんです。
 総理、あなたは、TPPと日中韓FTAの間に立って、その間に立ってこれは両方を推進するんだとおっしゃっているんです。絶対に間違っている。絶対どこかで破綻が来る、混乱が来るということなんです、論理が違うんですから。総理、その点について認識されていますかね。それとも、全く同じものだというふうに考えて受け止めておられるだけじゃないんですか。間違えますよ。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、五月の日中韓の首脳会談で年内に日中韓のFTA交渉を開始するということの合意を得ることができました。また、投資協定、まとめることができました。
 委員御指摘のとおり、これは三国間でそれぞれウイン・ウイン・ウインの関係に持っていくためのこれから具体的な交渉に入っていくわけでございますけれども、この日中韓も、併せてこの日中韓プラスアルファでASEANを含めていくような経済連携の動き、あるいはインド、オーストラリア、ニュージーランドを含めたASEANプラス6の経済連携の動きもこれから加速していくだろうと思います。
 これらの動きは、今交渉参加に向けて協議しているTPPと併せて、私どもが目指している、あるいはAPEC加盟国が目指していますいわゆるFTAAPにつながるものであります。それぞれの道筋は違うかもしれませんが、ゴールはFTAAPにつながるものでございますので、基本的には、TPPにおいてもどこかの国が一方的に国益を損なうというようなことではあってはならないと思いますし、そのための、まさに国益を守るための交渉をしていきたいと考えております。
○山田俊男君 総理、もう少しきちっと分析してもらいたいというふうに思うんです。
 これは、全体として野田政権の特質だというふうに思いますけれども、FTAAPというのは、出して、それに向かっていくんだとおっしゃっているわけ。FTAAPはいろいろあるじゃないですか。ASEANもあるし、ASEANプラス3もあるし、ASEANプラス6もあるし。そうでしょう。それから日中韓もあるし。それから、さらにはTPPだとおっしゃるわけでしょう。
 一体、その論理は明確に異なるんです。これは、具体的にやってみた者じゃないと分からないぐらい複雑な利害です。まさに、もう経験と戦略を持ってこのことを分析した上でやらなきゃいけないのに、そうなっていないというふうに言わざるを得ないんです。
 総理、単純過ぎるんですよ。だって、どう考えてみたって、総理が議長を務めておられる国家戦略会議のフロンティア分科会、総理が委員を選ばれたか、総理が選ばれなくてもどなたか指名されたんでしょう。結果として何を言っているかといったら、TPPに参加し貿易や投資の自由化を進め、市場経済ルールを徹底する国際的な事業環境をつくるとまで言わせているんですよ、その報告書に。
 これでは、総理が昨年十一月におっしゃったのですよ。私も感動したですよ。総理、何て言ったかといったら、日本の伝統文化、美しい農村を断固として守り抜き、分厚い中間層によって支えられる安定した社会を実現するとおっしゃった。一体、このことと、フロンティア分科会のこの方向、総理はもう新自由主義の中にもうここまでつかっちゃって、そしてFTAAPだとおっしゃっている。TPPの論理でやるというふうにおっしゃっている。これはもう絶対間違うから。だから、総理、あなたは本当に口先だけだったというふうに言わざるを得ない。
 これは私が言っているように思うけれども、私もずっと地方の若い農業青年と一緒にやっています。若い農業青年は、このTPPのことについて物すごい心配している。自分の将来はちゃんと描けるのか、地域、家族、そして農林漁業、これ一緒にこの中で生きていけるのかという心配をしているんです。そのことにこたえることになりますか、フロンティア分科会のこの方向は。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) APEC、二十一の国とエコノミー、入っています。その国の参加国の合意はFTAAPを目指すということです。これは、御党が政権にあったころからこの道筋はたどろうとしてきたと思います。その中の選択肢として日中韓であるとかプラスASEANを含めたものであるとかTPPという、で、TPPは具体的に今動いているものであると、そういう位置付けの中で、基本的には高いレベルの経済連携をこの環太平洋の中で実現していこうというのは、それは共通認識として皆さんも持っていたと思います。
 ただし、TPPについては、特に地方の皆さんにおいてまだ御懸念や御心配があるということは事実でありますので、しっかり対話集会とかもやっていきたいというふうに思いますが、一方でこのフロンティア分科会は、私どもが一つの方向性を決めて、これで議論をしろと言ったわけではございません。二〇五〇年をにらんで、比較的若い、平均年齢四十四歳の有識者に集まっていただいて、自由な討論をしながら出していただいた一つの提言でございまして、これが政府の方針そのものではございません。こういうものを参考にしながらこれから議論をしていくということでございます。
○山田俊男君 総理は、今からでも遅くないから、オバマ大統領に対してちゃんと、TPPが聖域なき関税撤廃を前提にしている限りはアジアとの連携もできないし、アジアの成長も取り入れることはできないということをちゃんと言うべきなんです。TPPの形と内容が悪いと、だから日本は参加できないというふうに厳密に言うべきなんです。自民党はちゃんとそれをまとめているんですよ。ですから、しっかりその方向で整理してください。自民党はちゃんと分かっていますから。
 総理、これからまさに自民党の経験と戦略、その中で仕事をさせてもらいたいというふうに思います。
 以上で終わります。
○委員長(柳田稔君) 以上で山田俊男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、山崎力君の質疑を行います。山崎力君。
○山崎力君 自民党の山崎でございます。
 久しぶりの予算委員会のこういったテレビ付きでございますので多少緊張しておりますが、時間の関係もあり、手短に明確にお答えを願えればと思います。
 最初から不愉快な質問をしなきゃいけないので残念なんですが、マスコミで今度の原子力規制委員会の人事が抜かれたというか、特だねとして扱われております。このことに関して我が自民党が非常に不愉快な思いをしているというのは御存じだと思うんですが、事実関係として、この問題が出たときに、政府・与党側からこういうふうなことが漏れたのでこの同意の人事延期をしてくれと、政府・与党側から出たというふうに聞いておりますが、その件について、官房長官、どういうふうになっていますか。
○国務大臣(藤村修君) 事実関係、まず申します。
 国会同意人事については、政府としまして従来から、徹底した情報管理、それは国会のルールに従うということでございます、きたところであります。今般、原子力規制委員会の人事案について、まず、結果としまして国会に提示する前に関連する報道があったということは極めて遺憾であり、議院運営委員会を始め国会の皆様方に大変御迷惑をお掛けしましたこと、まずおわび申し上げたいと思います。
 その上で、今御質問は、原子力規制委員会の国会同意人事案件については先週二十日に提示させていただけるように調整をしておりました。提示前にこれら報道がなされたことを踏まえて、これは国会の中で与野党でいろいろ御相談をされたということであって、その結果として政府はその日の提示を見送らせていただくことになったということで、今の御質問とちょっと違うかもしれませんが、国会の中での御相談においてそういうことになったと、こういうことでございました。
○山崎力君 どうも私たちが聞いている議運での話とは内容が違っているというので、そこも問題で、ここは水掛け論になるんでこれ以上聞きませんけれども、そもそも事前に漏れた場合の、同意しないと、決めないと、その人物がいい人か悪い人かも関係なしにこれはもう漏れたら駄目というルールは、民主党がねじれ時代の野党時代に強く要求して、それを、いわゆる無理難題とは我々言いたくありませんけれども、やってきたことですよね。そのことについて今どのように感じていらっしゃいます。
○国務大臣(藤村修君) 私も野党時代も議運あるいは国対に参加をしておりまして、今おっしゃったとおり、国会の中でのルールがこのように決められたと、このように承知しております。その中で、先般も事前に漏れたということがあってこれは同意人事に掛からなかったと、結果としてそういうこともございます。
 今どういうふうにそれについて考えているかという御質問ですが、これはやっぱり国会の中でのルールという意味では、これは政府がきちんとそれを守ってやるべきだと、そのように考えております。
○山崎力君 議院内閣制ですから、ほとんどの大臣は議員であるわけですよ。国会議員であるわけです。それが政府になったから国会のどうのこうの、私が、自分が野党時代議員としてやったことは関知しませんみたいな今言い方じゃないんですか。それは幾ら何でも無責任でしょう。
 それから、どうするつもりなんですか、この人事に関して。これは政府側が要望するんでしょう。与党が要望するんじゃないんでしょう、この人事は。どうするつもりなんですか。
○国務大臣(藤村修君) 国会でまずこの同意人事について我々が御説明に上がるわけですが、まずその環境を整える、それは与野党間で今やっていただいていると承知しております。それで、政府の情報管理の状況については、その中でやはりどういう点が遺漏があったかなどもきちんと御説明が必要かと存じますが、それらを改めて国会の方に御報告、そして御相談の上、一刻も早く人事案については提示させていただけるような、そういう環境づくりをさせていただきたいと思っております。
○山崎力君 ちょっと意味不明なところがあるんですが、要するに、国会のことだから与党に任せると、国会のルールのことだから。その与党の代表者として内閣をつくっているのは皆さん方で、その皆さん方がこういうふうな人事をしてもらいたいということを提案するのは、それは責務はそちらにあるんでしょう。それが何か人ごとみたいに国会で整うのを待つって。僕は本当、民主党政権になってから、本当に時間感覚がずれていたり、自分のやる気がなくて人に押し付けるみたいな責任回避とかけじめ付けられないというのは、もうこれも一つだと思うんですよ。
 この制度自体が、本当のことを言うのであれば、あの民主党が野党時代こういったルールを作ったことが間違いでしたと、やり過ぎでしたと、だから今後こういうことは改めますというのであればまだ話は分かりやすいんだけれども、それをうやむやにしたまま何とか国会でと、これは幾ら何でもないでしょう。どう思いますか。
○国務大臣(藤村修君) 国会におけるルールということについて、今、政府の側からどうしてほしいと言う立場ではないことをまずわきまえております。
 その上で、今、もちろん政府が手をこまねいているわけではなしに、衆参それぞれに、官房副長官がそれぞれの議運や国対に対しまして事情を説明したりお願いをしたりという努力を重ねているところでございまして、それを私は最終的に国会に提示する役割でございますので見守っているところでございます。
○山崎力君 なかなか官邸も民主党を指導できないということが今の言葉でよく分かったんですが。
 これ、もう一つ問題がありまして、この人事の問題というのは要するに、こういったルールの下ですと、要するにこの人事潰し、この出ている人間を就かせたくないという意味でそういった立場の人から流すということもあれば、もう一つは、これを混乱させて、今連日やっている特別委員会、社会保障と税の一体改革、これの延期をしてどんどん延ばさせて、解散・総選挙を延ばしたいという人も考えられるわけですよ。
 現実の問題として、この予算委員会、一週間前に行われるはずだった。そのときになぜ一週間延びたのか。民主党が分裂したことによっての議員の数字が違ってくるから質問の時間割変えるというんで、とんでもない提案してもめたんでしょう。そういうことを言うと、本来の約束からいったら、この予算委員会が済んでからこの税と社会保障をやるはずだったんで、あしたからやらなくちゃいけないんですよ、一週間延びている。それを、我々はそれを延ばすわけにもいかぬだろうというんで協力してきている。
 今度の問題だってそうですよ。これがあったら、これが決着付くまで、漏えい問題が、審議拒否できるわけですよ、今までの民主党の野党時代であればね。そのことをどう考えているかということなんです。
 そして、けじめを付けるんだったら、官房長官、あなた辞職しませんか。そうすれば本当にけじめ付けたと思うの。何もあなたの能力がないとか人柄が悪いとか、そういったことでない、いわゆる立場にいたから辞めたんだと思うわけですよ、皆さん。なかなかそういう大臣というのはいないですよ、今まで、民主党になってから辞めた方、替わられた方。
 そういう意味で、初めてのそういうケースになるという気があるんですけれども、泣いて馬謖を切るという言葉があるんですが、その点、官房長官からなかなか言いにくいと思うんですが、総理、いかがですか。辞めさせる気はありませんか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回、大切な人事だったと思うんです。一日も早く規制と推進を分離するという、これはもう多くの国会の皆さんの総意というか、それを踏まえた新しい組織をつくるための大事な人選でございました。それがこういう形で情報管理が十分できなくて、残念ながら事前に報道が出てしまったことは誠に私も遺憾に思います。改めて、今、国会の中できちっと政府が提出をしている案を御理解いただけるように働きかけを行っていきたいというふうに思います。
 責任は、官房長官の責任というよりも、なぜ情報管理できなかったかなども含めながら、ちょっとよく調べさせていただきたいというふうに思います。
○山崎力君 いや、だから、理解するから、責任取ったらみんな理解するって言っているんですよ。そのことも分からないんですかね。
 これで時間、十分も過ぎたので、本来予定していた質問にしたいんですが、どっちにするか、先にするか迷ったんですが、オスプレイが今陸揚げされて問題になっているので、防衛大臣にお聞きしたいんですが、いろいろ今回の組閣においてこの問題ありました。それから、民間から初めてということもありました。前任者の問題もありました。前任者でこの問題質問したらとんでもない時間が掛かるだろうということを考えると、森本大臣に質問することが非常に幸運だと私は思っているんですが。
 その一方で、全部踏まえた上で、このオスプレイがうまくいかなければ、アメリカの海兵隊の戦力、ほぼないに等しくなるくらい重要な機種であると。輸送能力、上陸用のヘリコプター、全部これに置き換える予定ですからね。空からの海兵隊の揚陸のあれはまず不可能になる。
 それと同時に、ウイドーメーカーという言葉で使われているように、事故が多いという、まあここは議論あるところですが、ただ、安全性確認、安全性確認といっても、絶対はあり得ないんですよ。これは軍事的に言う、あるいは一般的に言う合理的な、ある程度合理的な事故率における安全性の確保で、絶対一〇〇%落ちない飛行機なんてあり得ない。とすれば、まさにこれから沖縄に配備されれば、嘉手納の周辺の住居に落ちれば、これ完全に日米安保まで危殆に瀕することになる、目に見えていますね。(発言する者あり)だから、失礼、普天間基地に、失礼、だから辺野古の、もし事故が起きても比較的人的被害の少ない海上にやろうとして、そのことも分からない、後から聞いて初めて知りましたという総理大臣を出した政党の防衛大臣になったわけですから、引きずっているわけですよ。今までみたいに学者であるとか評論家であるとか、そういった意味での立場ではないわけだ。
 一番の問題は、この問題、オスプレイでいえば、どうやって沖縄の地元の方々を説得するかなんですよ。民間人として今までの経験を生かした形でやる自信はありますか。
○国務大臣(森本敏君) 確かに、今年、アメリカ海兵隊に配備しようとしているオスプレイが今年四月と六月に事故が起き、このことによって大変、地元の方々だけではなくて日本の国民全体に大変な心配とか懸念というのが広がっていることを本当に深刻に受け止めていますし、誠に申し訳ないことだと思っています。
 ただ、それだけでは事が進みませんので、先生の御指摘のように、二つの事故というのが本当にどういう事故の原因であったのかということをまずアメリカにきちっと事故調査をしてもらって、通常、事故の調査というのは全部が公表されるということはありませんけれども、アメリカができるだけ情報を日本側に提供すると言っていますので、それをもって日本側で安全を確認をする作業を独自に行い、これを丁寧に丁寧に地元に説明申し上げて皆さんの理解を得る、こういう努力をしていきたいと、このように考えております。
○山崎力君 この問題、これからどう続くか分かりませんけど、一言だけ申し上げれば、幾ら丁寧に説明して、事故がこういうことでまず安全だよと言ったって、事故は起きるんですよ、起きるときは。そこのところを踏まえた上でないと、これは……(発言する者あり)変なやじ飛んでいますけどね、無視してこのまま行きますけど、そのことを踏まえた上で政治家でないあなたが説得に当たらなきゃいかぬということが分かっていますかということなんです、私の言いたいのは。バックいないんですから、いわゆる政党であれ。よく引き受けたものだなというのが私のあれで、一言で言えば幸運をお祈りいたします。
 その次に、外務省の問題、丹羽大使の問題ですね。(発言する者あり)そういうのは静かにしておいてくださいよ。そういううそも言っちゃいけないんで。
 あの丹羽大使の問題、尖閣の問題ですね。注意で終わっているというんですが、一国の大使ですよね。大使の公のマスコミ等あるいは公の場の発言というのは、国を代表しての発言として受け止められて致し方ないというか、それが当然ですわね。そのことについて注意したと、で、反省したと、それで留め置いているわけですが、どう注意して、どう反省の弁があったか教えていただきたい。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今御指摘のあった丹羽大使のFT紙とのインタビューの問題でありますけれども、このことについて私の指示で注意をいたしました。その内容は、まず、我が国の基本的な立場を述べていないということです。つまりは、領有権の問題が存在しないということを述べていない。そして、都の購入計画について、政府の態度について予断を持って答えたということで、そのことについて注意を与えたところであります。
 その上で、丹羽大使からは深い反省の意が表された、大変申し訳ございませんということでございました。
○山崎力君 要するに、国を代表した発言が、謝って済めばそれでいいということなんですか。
 要するに、自分の発言が国を代表しての発言と受け取られるということを意識していなかったからそういう発言をしたんですか。それとも、そういう知識がなかったから発言しなかったんですか。どっちですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 日本の立場につきまして、私からも直接中国側に、また様々なレベルで中国側に確実に伝わっております。そのことを踏まえて、私は今回、それはいろんなことを考えましたけれども、現時点でこれ以上の措置は考えていないということでございます。
○山崎力君 何を言っているんですか。大使の発言を一々一国の外務大臣が相手側に伝えなかったら外交できないということを言っているんじゃないですか、今。その大使が、自分の国の、日本の考え方、立場を分からないで言っちゃって深く反省しますと言っていることじゃないですか。違いますか、そう受け止める方が間違いですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 無論、日本の基本的立場を丹羽大使は知っていたというふうに思います。にもかかわらず、FT紙とのインタビューについて申し上げれば、そのことについて述べていなかったので、極めて不適切であるということについて注意をしたということでございます。
 日本の基本的立場については、もちろん今、丹羽大使は中国側に確実にそのことを伝えておりますし、それ以前も含めて伝えていた。ただ、そのFT紙とのインタビューについては不適切であったということでございます。
○山崎力君 相手方にはちゃんと伝わっても、世界中に伝わるミスリードした発言については全然問題ないと、注意で済むと。それが日本の外交なんですか、それが大使の資質なんですか。そういうことだからこそ、私は、もう本当に責任取らないどうしようもない人たちが多い政権じゃないかなと。もちろん閣僚は替わります、役人も替わります。しかし、今の政権の態度で今いる閣僚が資質を落とすようなことをしているとしたら、私は政権としての責任放棄だと思っているんですよ。
 そのことについて、次に事故調の話、いろいろ出てきましたので、そのことについての質問をさせていただきたいと思います。
 今度の事故調、四つ、東電入れれば四つ出ているんですが、その中で私がどうも腑に落ちないというところが二つ、二点あります。それは前から言われていることなんですが、これはもう国としての、政府としての体を成していないということの前提で、何言ったって信用されない前提、すなわち、いろいろな会議録、議事録、発言録、この事故に遭ったときのあれが全然できていないということですね。失念したんだかどうだか知りません。そのことを復元すると、いろいろやって、メモを集めて復元しているところだと、こういうふうに言っていたんですが、それはどういうふうな今状況ですか。分かりますでしょうか。
○国務大臣(枝野幸男君) 原子力災害対策本部の議事内容の記録については、原子力安全・保安院長に対して私から指示を行いまして、整備を行わせました。関係省庁を含めた関係者から収集した資料を基に、原子力災害対策本部の意思決定の過程や実績も含め、当時の議事内容の記録を具体的に議事概要という形で整備をし、本年三月九日に公表をしたところでございます。
○山崎力君 もうあれ以上出ないということですね。
 それで、もう一つ、今度の事故調で、そこのところの議事内容について、各議事内容について、ほかの役所でもそうですけれども、そこのところの、ここのところをもう少し分からないかとか、ここから引用したいとか、そういう申込みはあったんでしょうか。
○国務大臣(枝野幸男君) 今回、今公表したという御報告をしました原子力災害対策本部の議事概要については、国会事故調から提出の御要請がございましたので、本年三月までにこれを提出をしているところでございます。
○山崎力君 そうすると、その中には、いろいろな事故調でも出ているんですが、菅総理大臣当時の発言がどうだったのか、東電側とどういうやり取りがあったのか、そういったことについての記述は非常に、何というんですか、中途半端と言うと非常に失礼かもしれないけれども、全部取れなかったというか、本当の議事内容になって、そこから引いていないという感じがするんですが、それはそれで、解釈でよろしいんですか。
○国務大臣(枝野幸男君) 原子力災害対策本部の意思決定の過程等でございますので、ここには東京電力等加わっておりませんので、東京電力とのやり取り等についてはこの中に含まれているものではございません。
 国会事故調などを始めとして、例えば菅総理が、当時の菅総理が東京電力の本社にお伺いしたときなどのことについては、東京電力側の記録等をそれぞれの事故調査会がそれぞれの御判断で調査をされているというふうに承知をしております。
○山崎力君 私も副大臣経験したこともあるし、大臣秘書官をやったこともあるんですけれども、そういった人たちの秘書官というのは、しかるべきところで自分の担当の大臣、副大臣がどんな発言をしたかというのは取らなくてもいいようなところでも取っているような経験をしているし、ほかの方々もそういう経験をお持ちの方はいらっしゃると思うんですけど、それが全然、そういったことが今回の事故調その他のあれで出てこないというのは極めて異常な状態だと思っています。
 そして、もう一点だけ、そこでお伺いしたいんですが、国会事故調の報告書によれば、菅総理が、六十歳になる幹部連中は現地に行って死んだっていいんだ、俺も行くと、こういったような発言が何か所か出されております。これは、いい悪いは別として、これ、民間人に生死の危険を、あるような任務をある種強要していることにならないですか。人権上、問題じゃないですか、人権擁護上。まず、法務大臣の意見を伺います。
○国務大臣(滝実君) ただいま、今委員から、生死にかかわるようなことを民間の人間に対して強制するようなことは人権侵犯にかかわる話じゃないかと、こういうような御指摘でございました。
 この発言については、委員から、今年の二月でございましたかね、この予算委員会でも御指摘がございましたけれども、そういった点を踏まえて考えれば、必ずしも菅元総理が強制的な指示をしたというようには受け取ってはいない、こういうような私どもは受け取り方をいたしているわけでございます。
○山崎力君 事故調の人もそう言っていましたけど、それじゃ全員、あそこの第一原発の、第一発電所のところの職員に全部聞いたんですか。そして、それをどういうふうな形でやったんですか。結果はそういった形でなかったと言ったとしても、この発言を見る限り、そう受け止める人がいたってしようがないような発言じゃないですか。
 ある種、あのとき何と言っていましたか。菅さんが東電の本社にどなり込みに行ったと言ったんですよ。それはいろんな報道をされていた。一言で言えば、お国のためだ、死んでくれと民間人に言っているようなものじゃないですか。自衛隊員だってなかなか大変なところですよ、それ言うのは。それ、誰一人やっていない。事故調にも法曹の専門家もいるはずなんですよ、弁護士だっているし。基本的人権の、基本的人権の中心じゃないですか。まして、誓約もしていない民間人ですよ。
 そういう人が総理大臣だったって言いたくはないのは分かるけれども、そう受け止める人間がいたときに、どう説明するんですか。総理、お答えください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 発言の受け止め方は、これちょっと人それぞれの部分も確かにあるだろうというふうに思います。
 ただ、先ほど法務大臣から御答弁があったとおり、これ、菅総理が本当に強制的指示をしているという形で皆さんが受け止めたかどうか、これもまたそれぞれ受け取り方があったと思いますので、直ちに憲法上の問題になるかどうかということは、これは判断はしかねるというふうに思います。
○山崎力君 憲法上にすぐ持っていきますかね。一言で言えば、権力は抑制的に使うという原則にまず反していますね。それから、基本的に自分の言うことがどの法律に基づいているかということに、考えた上でいろいろな発言をしているかどうかということ、そのことも、事故調のあの海江田さんの発言とかその他聞いていますと、そこのところをぎりぎりでかばいたいということが、受け止めるような発言していましたですよ。だから、分かっている人は、これやばいと思ったから、今度の事故調で触れなかったんだろうと私は勘ぐっています。
 だけど、こんなことでいいんですかね。これが私は、普天間のあの、今、森本大臣が苦労されているきっかけをつくった総理大臣、次を継いだ昔の学生運動の闘士だった総理大臣、この実態だと思っています。それで、今それを引き継いでいるのが野田さん、あなたなんですよ。
 それで、今回のことに関して続いて言わせていただきますと、まあ先にこっちの方をやりますかね。今度、再生可能エネルギーということをやっていまして、これ、前の菅さんがプロポーズされたところがやってできたという、まあ辞めるための一つのあれだということになっているんですけれども、まず、あのときで、今それで今度強制買上げ、固定価格買取り制度ということになっているんですが、これ、皆さん喜んでわあわあやっている、ビジネスチャンスだと言っているんだけど、その一方で……(発言する者あり)いいですか、普通の、家を持っていない人、光が当たらないところに家がある人、冬、雪が積もって冬の間は太陽光発電できないような人、そういった地域的なとか、それからもう一つ言えば、資力的に太陽光パネル買えないような人、そういった人たちは何の恩恵あるんですか、ちょっと教えていただきたい。
○国務大臣(枝野幸男君) 固定価格買取り制度は、発電事業を行う事業者のために行う制度ではございません。我が国における総発電量に占める再生可能エネルギーの割合が大変低い、水力を除くと約一%であるという現状に鑑み、エネルギー自給率の向上や温室効果ガスの削減、そして多くの国民の皆さんから期待をされている原発依存度を可能な限り引き下げていくという観点から再生可能エネルギーの導入を拡大を図ることが目的でございまして、まさにこういうメリットが全ての国民の皆さんにあると思っております。
○山崎力君 それ、誰が負担するかって聞いて、そういう負担できないような、参加できない人に何かメリットありますかって聞いているんだから、そのことに答えてくださいよ。今言っているくらいのことは俺だって分かっているわ。何なんです、それ、言い方は。
 しかも、このあれが税金から国会の審議を経た予算で出ていくなら分かるんですよ。払う人は電力会社に払うんでしょう。要するに、国策のために、いわゆる自然エネルギーを広げるという国策のためにその負担を弱い立場の人に押し付ける制度そのものじゃないですか。
 しかも、しかも、しかもですよ、その値段が四十二円。しかも、それが二十年間価格保証しているというんですよ。この世の中に二十年間保証しているような制度ってどれだけありますか。二十年物の国債ですか。
 いわゆる、何ていうのかな、原価計算表出ていますか、各、太陽光、水力、あるいは風力。原価計算表出していただきたいと言ったんだけど、質問通告のとき言ったんだけど、いまだにおたくの方から来ていないんですが。
○国務大臣(枝野幸男君) まず、先ほどのような目的の再生可能エネルギー拡大のための固定価格買取り制度でございますので、それぞれの皆さんの電力の消費量に応じて電気料金にオンさせて負担をしていただくというのは、私はフェアなやり方だというふうに思っております。
 ただ、その負担が過大なものとならないように、再生可能エネルギーの発電事業に要した費用の報告を義務化し、コスト削減の効果を翌年度の買取り価格に適切かつ迅速に反映をさせるなどの取組をさせていただいているところでございます。
 また、この固定価格買取り制度の価格等については、国会で修正をいただいた法律に沿った形で忠実に運営、運用をしているところでございまして、国会の御同意をいただいて任命をした委員による調達価格等算定委員会の意見を尊重して決めさせていただいているところでございます。
 当然のことながら、これは太陽光発電など初期投資がコストの大部分を占めております。そして、実際に今の時点で初期投資に掛かると想定されるコストをこうした専門家の皆さんが第三者的に算定をいただきまして、そしてそれに基づいて価格を決めております。これ、初期投資が大部分のコストですので、それが何年かやっているとコストが下がるという性格のものではありませんが、次年度以降に投資を行う方にとっては、例えば太陽光パネルが普及をすればするほど価格が下がりますので、実際に掛かっている価格、コスト等についてしっかりと報告をさせた上で、それに基づいて翌年度の価格を決める。当然のことながら、毎年新たに参入される方の固定価格の買取りの価格は下がっていくということでございます。
○山崎力君 要するに、それだったらそれで、何で事前にこういう価格が適当かどうかというようなことをオープンにしないんですか。
 しかも、二十年間ですよ。減価償却考えてのことだと思うんだけれども、今の段階で、二十年間、初期投資、これさえすればその分の利益は確実に二十年間得られるという事業がどこにありますかね。それこそ、そういったお金持ちの人がやって、プロポーズしたような人がもうけることになるのかなと。
 ビジネスチャンスというのは確かにいいですよ。だけど、金もうけでしょう、日本語にすれば金もうけの機会ですよね。その金もうけが、一般のお金がなくてそういう事業に参加できない人からも中心にもらう。使用量によるからと言うけれども、自分で発電している人は、自分のところのコストだったら下がるじゃないですか。売る分だけ金があるんだったら、その分だけの、自分のところはなるわけでしょう。そういうことを考えずに、ただ自然エネルギーさえやればいい。だったら、今使えるかどうか分からない、汚染されているところの福島の周辺に国の責任で地権者から土地を買ったり借りたりして、それで太陽光パネル幾らでできるか実施したらいいじゃないですか、配電線だってあるんだし。
 それからもう一つ、時間の関係で最後になっちゃったんですけれども、今回の電力の関係で一番僕は、キーワードなのに出てこないのがあるんですよ。安定供給義務なんです。これは違反すると罰則付きなんですよね。しかも、短い時間の停電あるいは周波数の変化、ボルトの、電圧の変化も入っているわけ。だからこそ、それが嫌だからこそ、いわゆるオーバーの、余剰のストックを各電力会社はしていたわけでしょう。それをなくしたら、がくんと電力は減る。ただ、停電になる可能性は増える。どっちを取るかということを検討しないで大飯の再稼働をするというのは、僕は大間違いだと思う。
 まず、今経産省がやらなくちゃいけないことは、各電力会社の持っている原子炉が本当に安全なものかどうかランク付けすればいいじゃないですか。安心な、安全な方だというところから稼働すればいいじゃないですか。そこのところで大飯が下の方だっていうのはみんな分かっているという話、聞いているわけですよ。それはもう関西にやらざるを得ない。
 安定供給義務についてどう思いますか。
○国務大臣(枝野幸男君) まず、福島において、太陽光であるとか風力であるとか、まさにこの電力にかかわることで大変な御迷惑をお掛けをしているわけでありますので、この再生可能エネルギーについて、できるだけ福島において、地元の皆さんの御要望も踏まえて、これに関する事業が、まあ優先的にと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、実施できるように様々な施策を進めているところでございます。
 その上で、お尋ねのあります電力の安定供給でございますけれども、当然のことながら、電力の安定供給ということについてはいかなる仕組みを取るにしても確保をしなければならないことであるというふうに思っております。
 私ども今、電力のシステム改革などの議論を進めておりますが、それにおいても、電力の安定供給を確保するということを前提としながら、しかしながら、従来の電力供給システムの様々な矛盾、弊害を取り除くということで議論を進めているところでございまして、例えば、いわゆる発送電の分離について議論をしているシステム改革の基本方針においても、小売業者に予備力の確保を義務付けたり、あるいは長期的に電源が不足すると見込まれる場合に電源建設者を公募する仕組みを構築する、あるいは供給区域の需要に応じ供給力を確保するという現状の仕組みから、より広域的に供給力を有効活用する仕組みへと転換するなどの対応策が掲げられており、今後、より具体的な制度設計の中において安定供給が担保されるようにそこは確保してまいります。
○山崎力君 質問をしようとしたことについて答えていただいて結構なんですけれども、肝心の答えがないんですよ。
 今、発送電分離の議論しているとおっしゃいましたけれども、一丁目一番地のこの議論でいえば、安定供給義務を外すのか外さないのか、外さない場合、どこの、発送電、配電含めてどこが持つのか。それぞれ持つ時点で、割り当てた時点で問題が分かるんですよ、出てくるんですよ。それはちょっとかじった人間なら誰でも分かる問題だ。そのことを決めないで、ああだこうだ言ったって、結局は関係者の新たな利権構造を生むだけですよ、今、利権構造を言っているんだったら。
 それじゃ、最後に一点だけ具体的にお聞きしましょう。こういうふうな自然の太陽光なり風力のありますね。そのときに安定供給ということを考えれば、そのバックアップ電源というのは当然多くなればなるほど必要になってきますよね。そのことについてどういうふうな今お考えなんですか。
○国務大臣(枝野幸男君) 現状の例えば太陽光であるとか風力という実情では、確かに、風が吹くか吹かないか、太陽が照るか照らないかによって発電量が大きく変化をいたします。したがって、それに対するバックアップ電源というものを十分に備えておかなければならないということは間違いありません。今後、こうしたものが固定価格買取り制度などによって広がれば広がるほどそのバックアップの重要性というのは高まると同時に、一方では、各地に展開をすれば、例えば、こちらの地域は晴れていないけれども、こちらの地域は晴れているという意味では、コスト、リスクの分散ができるようになります。
 その上で、当然のことながら、現状では火力発電所等のバックアップが必要でございますが、私どもは同時に、再生可能エネルギーの普及と同時に、蓄電池を大規模化、なおかつ低コスト化するということは、これは国家戦略として進めていくところでございまして、私は、この蓄電池の技術と能力によって十分なバックアップを取りながら再生可能エネルギーが我が国の基幹電源にしていくことは可能であると確信をしております。
○委員長(柳田稔君) 時間ですので、短くまとめてください。
○山崎力君 要するに、詭弁な答弁で終わりましたね。融通するといったって、そのときの安定供給義務者、誰なんですか、誰かが取らなきゃいけないんじゃないですか。蓄電池、蓄電池、いいですよ、それができりゃいいですよ。そのときの義務者はいるんですか、誰なんですか。そういうことを残していったんじゃ私は納得しないということで、終わらせていただきます。
○委員長(柳田稔君) 以上で山崎力君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、横山信一君の質疑を行います。横山信一君。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 本年一月、オバマ大統領は新国防戦略で、アジア太平洋地域を重視した戦力の重点配備を行うと発表いたしました。そして、日米共同宣言では、我が国がグアム近海で日米合同軍事演習を行うことになりました。しかし、中国はこうした状況に対して封じ込めと見るのではないかということで、混乱要因になるといった意見もございます。中国は、歴史的に見ても我が国の文化に多大な影響を与え続けてまいりましたし、今後ますます世界の成長センターとして我が国経済に影響を及ぼすと考えられます。
 これに対し、総理は普天間問題でぎくしゃくした日米同盟の修復に躍起になる余り、我が国はアメリカと一緒になって中国包囲に取り組むような、そういう構図になっております。日米同盟は重要でありますけれども、戦略なき中国包囲網は我が国にとって大きな損失になるんじゃないですか。どうでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今の委員の御指摘、中国包囲網ということではございません。先ほどのリムパックも、あれは一九八〇年から海上自衛隊が参加しているものでございます。やはりアジア太平洋が平和で、しかも安定した繁栄ある地域になるためには、おっしゃるように、中国の建設的な役割というものが不可欠であるというふうに考えておりますので、まさに中国が責任ある大国として建設的な役割を果たしていくように促していかなければならないと、そう考えております。
○横山信一君 中国包囲網ではないというふうにおっしゃるわけですけれども、中国はそういうふうには見ていないと私は思っております。
 昨年十二月に内閣官房長官談話によって緩和をされました、平和貢献、国際協力を目的とする武器輸出の第一号として、フィリピンへの巡視船供与が検討されております。二〇〇六年にインドネシアに巡視船を供与した際には、マラッカ海峡の海賊対策という明確な目的がありましたが、今回の巡視船供与の目的は一体何ですか。軍事目的につながるODAを実施しないとするODA大綱に背くことにはならないでしょうか。このようなやり方というのはやはり中国の警戒感を増すだけだというふうに私は思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 我が国は海洋国家でございます。当然、海洋の安全というものを重視をしています。東南アジアだけではございません。中東も含めて、おっしゃったような海賊対策等々について、特にいわゆるシーレーン、沿岸国の途上国との間で様々な協力を進めてきているということでございます。
 御指摘のあったフィリピンに対する巡視船艇の供与ということについて、今、決定を行ったという事実は現時点でございません。まず、そのことは確認をしたいというふうに思います。
 ただ、フィリピンとの間でも、やはり海上保安能力の向上に向けて様々な協力を行っていかなければならないと思っているんです。それは、巡視船艇の供与云々というよりも、これまでも様々な人材育成であるとか、あるいは海難救助であるとか通信システムであるとか、そういったことについて言わば様々な協力を行ってきています。ですから、たしか去年の九月だったと思います、私も食事には同席をいたしましたが、野田総理とアキノ大統領との会談等でこの海上保安能力の向上等について合意がございましたので、そういった一環で今議論が行われている、検討が行われている、そのように考えていただければと、現実にそうでございます。
○横山信一君 なぜ冒頭二つ、このような防衛的な、軍事的な中国包囲網ということを取り上げたのかと申しますと、今総理はTPPに対して非常に積極的に動かれているわけであります。アメリカの戦略として、環太平洋という一つの大きなくくりを今つくろうとしているわけですね。それに対して野田政権は、非常にアメリカ追従型の外交、防衛をやっているわけです。それは、経済も同様に今なりつつあって、米国主導のこのTPPにそのまま乗っかっていけば、これはブロック経済に日本も加担をしていくという、そのブロック経済は中国を包囲するブロック経済というふうに見えるわけです。
 そう見ると、G20でメキシコ、カナダも参加をするというふうに、先を越されたという報道もありましたけれども、しかし、それも広い目で見ると、何かNAFTAの拡大協定みたいな感じで、言ってみれば、何というか、環太平洋だけでまとまっていくみたいな、そういうイメージをするときに、やはり戦前のABCD包囲網のような、中国を包囲するような形が今太平洋の中で起きている、それは非常に中国を孤立させるような形に私は見えてしまうわけです。
 ですから、こうした対中国包囲網というのは、アメリカ主導の対中国包囲網に日本が乗っかっていくということが、それが、何というか、この日本近海の緊張の海をつくり出しているというふうにも見えるわけです。そこで先ほどの巡視船の話も申し上げたわけですけれども。
 この日本の立場ということをもう一回冷静に見ていただいた場合に、米国とそして中国との中間に、経済的にも軍事的にも、そしてまた、両国と平和条約を持っている国であります。そういう日本の立場ということをよく考えたときに、中国との関係をどうするのかという戦略を持たないままTPPにコミットをしていくということは、これはFTAAPすら見えなくさせてしまう、そういう危険性があるというふうに考えます。
 このアメリカの戦略に乗せられるままのTPPではなくて、アジアの繁栄のための道筋というのを考えるべきじゃないでしょうか。これは総理にお願いいたします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) くれぐれも誤解のないようにお願いしたいんですが、対中包囲網をしいていこうという意図は全くございません。
 先ほどリムパックの話が出ておりました。これ、一九八〇年から隔年で実施をしてきていますね。日本はそれに十数回参加をしています。それは自公政権のときにだってやっているんですよ。それ、対中包囲網だったんでしょうか。違いますよ。これ、第三国を念頭に置いていない訓練じゃありませんか。だから、そういうことを我が国から言うこと自体が私はマイナスだと思います。
 加えて、TPPも、これはアメリカ主導で環太平洋でどうのじゃなくて、我々は日中韓のFTAだって年内交渉を開始することにしました。さらに、ASEANとも連携をしながらやっていきたいと思っています。対中関係、大事だと思っているんです。日・EUのEPAもやっていきます。
 TPPについては、これは中国が入ることも門戸を閉ざしているわけではありません。あくまでFTAAPを実現するためにどうすればいいかという、いろんな道筋を我々は探っていると。山田先生は違うと言っていますけど、私はそう思っているわけであります。
 その中で、だから、対中包囲網という言葉自体を我が国の国会が使うこと自体が私は問題があるというふうに思います。あくまで私は、中国の発展というのは、この地域の安定と平和と繁栄にとって、我が国にとってもチャンスだと思います。チャンスだと思っているんです。そういうことを首脳会議ではいつも明確に言っておりますので、是非その点は御党、よく、お立場はよく分かりますけれども、御理解いただきたいというふうに思います。
○横山信一君 TPPのとらえ方の問題なんですね。非常に、総理は、中国も入れますよと、それから、今のままでいけば日本は中国ともちゃんとやっていけますよと、そういうふうに言うんですけれども、現実はそういうふうには動いていないということです。自公政権のときには、アメリカともうまくやっていたし、中国ともうまくやっていたんです。自公政権と今の野田政権のときとは全く違う状況になっているんだということです。今は非常に危険な状況なんだということです。
   〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
 まず、中国との関係をどうしていくんですかということを私は聞いたんです。そういった関係がない限り、TPPをこうやって先に進めていくということは、これはおかしいですよと。私の前の質問でもそういう議論があったじゃないですか。皆さん、そういうふうに考えているんですよ。
 ちょっと視点を変えますけれども、TPPというのはグローバル経済の代表選手のようなものでございます。この世界的な自由化の流れに乗り遅れるな、そういう議論があります。また、総理はそういうふうに思っているのかもしれませんけれども、しかし、拡大を続けるグローバリゼーションの先に日本の未来はないと。なぜかというと、資源は無限じゃないからです。その有限な資源の中で成長していかなくてはいけない。日本はそういったことをずっとこれまで経験をしてきたわけですね。
 利潤を追求する経済原理だけに引っ張られた社会システムというのは、今のTPPの中で農業者あるいは一次産業従事者が皆さんおっしゃるように、この持続的な、何というか、生産システムによってつくり出されてきた文化とか精神性というのを非常に低く評価をしてしまいます。何か経済だけを主導すれば、そうした今までの農業それから漁業とは違う新たな活性化したものができ上がるんだみたいな幻想を植え付けていくんです。でも、実際はそうじゃありません。
 この今の経済成長至上主義というのは何のためにやるのかという、そもそも目的観が不明なんですね。何のための経済なのか、何のための発展なのか。その何のためというところに立ち返ったときに、我が国には限りある資源を有効に生かしてきた本当に優れた生産システムがございます。そういう日本の持つ優れた生産システム、それが一番集約されているのは私は東北だと思いますけれども、その東北です。
 ここは、もう農業にしても漁業にしても林業にしても、一次産業が非常に集約をされている。この被災地が復興していくときに、元々日本が持っていた優れた生産システムがこの被災地の復興と同時に世界に発信していく私はチャンスになるんだと思うんですね。経済成長主義一辺倒のTPPではなくて、復興と同時に日本の持ってきたこうした優れた技術をむしろ発信すべきじゃないかというふうに思うんですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の御意見は全く賛成です。だから、TPPは一つのやっぱり、これは交渉参加へ向けて協議している段階ですから、そこでのメリット、デメリットというのは国益を踏まえて判断しなきゃいけないと思いますけれども、今御指摘の、被災地の東北が持っていたあの独特の文化とか技術というのがありますよね。例えば、農業だと環境保全型の農業、それから漁業だと資源管理型の漁業、こういうものをずっと維持してまいりました。そういう被災地の持っている、あるいは日本の誇るべき技術、文化というものを世界に発信をしていくという発想は、基本的には賛成であります。
○横山信一君 基本的に賛成なら、これはTPPはやるべきじゃないんですよ。TPPというのはグローバル経済なんですね。だから、その日本の持っている優れた持続的な生産システムとはもう相入れないものと言ってもいいかもしれない。まあ、入れないというのはちょっと大げさですね、いろいろ形を変えてやっていくには大変な労力が必要かもしれない。
 その日本の持っている優れたシステム、例えば農業にしても、減農薬とかあるいは減肥料農業という、クリーン農業というもう世界に類を見ない優れた技術があります。あるいは漁業にしても、漁業者自らが漁獲努力量を減らしていくという資源管理型漁業、これもまた先進国にはほかにはない。これらが全部壊れちゃうんですよ、TPPをやると。だから、TPPは進んではいけない、やってはいけないということを主張しているわけです。どうですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 横山委員の御主張を今耳を澄ませてずっとお聞きしましたけれども、TPPについてまだ日本国政府として正式に決めたと、こういうことではございません。
 その中で、ただ、TPPそのものについてのメリットとして様々なことが考えられるわけで、私たちは少子高齢化で人口減少の時代に入ってきている、その人口減少そのものについて、出生率を上げるとか、あるいは労働力人口を増やすために様々な、例えば新高齢者云々とか女性とかと、こういう問題もございます。そういった対応をしっかり取りつつも、それでも人口が減っていくという中で、一人当たりの豊かさも求めながら、同時にやはり量としてのGNPも含めてやはり日本としては考えていかざるを得ないという側面は私はあると思っているんです。
 現実に、今、十三のFTAがございます。そのカバー率はたしか一八%くらいの状況です。必ずしも高いレベルではない。確かに、山田委員が先ほど指摘されましたけど、TPPと日中韓のFTAはある意味内容が違う、レベルが違う、そういったことはあるだろうというふうに思います。そのときに、仮に高いレベルの経済連携に我々が入ったときに農業がどうなるのかということを特に心配をされておられる、生産システムは一体どうなるのかということだと思います。
 これは私が答える話じゃないかもしれませんけど、例えば、例えば果樹とか、あるいは花とか花卉とか、そういった分野というのは元々関税ございません。ですから、そういったシステムが変わるわけではないわけですよね。野菜もそうですよね。ですから、関税が掛かっている分野についてどういう生産システムを、仮に高いレベルの経済連携に入って関税が下がったときに行っていくか、除外が認められるのか認められないのか、例外がどこまで認められるのか認められないかによると思いますけれども、そういった対応をしっかり行うということが当然大前提だと私は思っています。
○横山信一君 そういうことではないんですね。
 先ほどクリーン農業の話をしましたけれども、減農薬あるいは減肥料農業という、これは非常に手間が掛かるわけです。これは、言ってみれば、手間が掛かるということは効率が悪いということです。また、資源管理型漁業というのも、捕らないような工夫をするわけですから、これも非常に効率が悪いんです。効率が悪いということは、これは今の経済至上主義でいくと取り残されるものなんですよ。だから、そういった観点で物事を見ちゃ駄目なんです。そういうことじゃないんですね。まず、産業を守ろう、あるいは食料自給をしっかり守っていこうという、そういう観点から見たときに、日本の優れた技術はむしろ発信するべきだというふうに言っているんです。
 今の世界の流れの中では、経済至上主義でいったらこれは取り残されますよと、取り残されますというか、駄目になりますよということです。そうじゃなくて、むしろこうした技術が必要なんですということを発信するべきだと私は申し上げました。
 質問変えますけれども、日中韓FTA交渉、年内にも始まろうとしておりますが、日本だけ置き去りにされていると、これは中韓FTA交渉が先に進んでいるからだと。これは、韓国が強硬に日中韓FTAに反対をしているというふうにも聞いておりますけれども、韓国は着々と中国とも貿易協定を結ぶと、また日本を追い越していこうということで進んでいるわけです。それに対して総理は、いや、TPPでも大丈夫ですよ、日中韓FTAもやりますよと、こういうふうに言うわけですが、実際には全然違う方向に行っているということですね。
 だから、TPPをこれ以上追い求めるのではなくて、そういうふうにやっていると、韓国にも負け、そしてまた中国からも日本は相手にされなくなり、結局はアジアの中で日本は取り残されてしまいますと。そういう意味で、しっかりとこのアジアの中で日本の立場ということをもう一回考えて、そしてこのアジア経済圏の中でどう日本が繁栄をしていくのか、そのことを考えたらいかがですか、総理。これは総理にお願いいたします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ですから、日中韓の関係を軽視しているわけではなくて、投資協定も、これ数年掛かりましたけれども、ようやく締結できて、そして日中韓のFTAについては交渉を開始することを年内で合意したという、これは大きな前進だと思うんです。
 それに加えて、ASEANプラス、日中韓ですと3ですけど、インドやニュージーランドや豪州を含めたASEANプラス6の動き、より広いレベルの経済連携をしていこうという動きも出てまいりました。ASEANの中でもそういう意欲を持っている国が増えてまいりました。
 これとTPPと、私、無関係ではないというふうに思っています。TPPの議論をし始めたことによって化学反応が起こったという部分もありましたので、私は最終的に、さっき申し上げたとおりFTAAPが実現することが望ましいと思っています。その中で、どの関係をおろそかにするとかなくすとかということはないように、バランス取れた対応をしていきたいというふうに考えております。
○横山信一君 言うことは簡単なんですけれども、実際に今の日本の置かれている状況と総理がTPPに前のめりになっていることとは、今総理がおっしゃっていることとは全然やっぱり違うんですね、置かれている状況が。ですから、もう一度ちゃんとやっぱり冷静に考えてみていただきたいんです。
 日本は本当にこのアジアの中で非常に重要な立場を占めているわけですから、ないがしろにはしていないよと言ったところで、韓国の動きを見たって中国の動きを見たって、日本はだんだんだんだん軽視されてきているわけですよ。それはやっぱりTPPが進んできた、進んできたというか、総理がTPP、TPPと言い始めてからだんだんだんだんそうなってきていると。あるいは、日本の外交が非常に弱腰というか、外交問題も非常に対応が悪いといったこともあるかもしれません。いずれにしても、この日本の立場をよく考えていっていただきたいと思うんです。
 中国の海洋進出の話もさせていただきますが、中国は四隻の病院船を運用をしております。これらを太平洋、インド洋などに派遣をして、国際医療貢献活動として医療サービスを提供しているわけであります。中国は、海洋進出を図るということで、病院船を使って国家戦略の一翼を担っているというふうに言っているわけです。一方で、我が国には、こうした考えもなければ、戦略もなければ、病院船もないわけであります。
 この病院インフラをパッケージとして、今、二つの震災を経験してきて、そのたびごとに病院船の話が出てきて、今こそやはりこの病院船の導入ということに踏み切るべきだというふうに思うわけですけれども、この病院インフラというのは、これは検討会の中でも指摘をされていることでありますけれども、例えば離島診療でありますとか、あるいは沿岸過疎地域の巡回診療とか、あるいは災害医療の訓練だとか、様々な平時の活用も指摘をされているわけであります。こうした平時の活用というのは近隣諸国の安全保障にも貢献しますよということを、これは検討会だけではなくて、日本医師会とかあるいは日本救急医学会からもそうした指摘というか提案もされているわけであります。
 先日、中川防災担当大臣のところへ私も行かせていただきまして、病院船の整備を求める署名を、十万二千百八十二人の署名を届けさせていただきました。このときには、ナッチャンというカタマラン型という双胴船の船でありますけれども、アメリカなんかは次の病院船はこの型でいこうというふうに検討されているようでありますけれども、こうしたナッチャンの要望もされておりました。こうした中古船を使うと、新しい船を造るよりもはるかに安上がりなんですね。
 そうしたことも含めて、そのとき大臣は防衛省とか海上保安庁の話もされましたけれども、そんなどっちがどっちみたいなことを言っている間に首都直下地震が起きたら大変なことになるわけですから、今、内閣府自身が国民の安全を守るために病院船ということに建造を踏み切るべきだというふうに思うわけですが、いかがですか。
○国務大臣(中川正春君) 病院船あるいはまた多目的船という考え方もあるかと思うんですが、様々な皆さんからこれまで御提起をいただいております。それを受けて、災害時多目的船に関する検討会、先ほどお話が出たように、ここで検討をいたしまして、三月に報告書が取りまとめられております。そこで指摘されているのは、平時ですね、一般にこれをどう活用するかということ、具体的には、医療スタッフ等々を含めて、そのコストをどういう形で負担しながら、どういう活用をしていくかという、これについてこの検討会でもしっかりと検討を重ねていく必要があるというふうに指摘をされております。
 私どもも今そういう意味でしっかり議論をしていきたいと思うんですが、いずれにしても、この在り方というのは災害応急体制の充実あるいは強化策全体の検討の中で議論をすべきということを考えておりまして、政府としては、陸海空ですね、これのあらゆるアプローチの中でこの海をどう位置付けていくかということも含めて総合的に、横断的に検討を続けていくということでまとめていきたいというふうに思っております。
○横山信一君 要するに、検討会の報告そのままだったんですけれども、今の大臣の御答弁は。要するに、災害時多目的船、病院船と言ってもいいと思うんですが、その位置付けと、あるいは災害時多目的船のどういう運用をしていくのかという施策の目標というか、そういうことを考えていったときにやはり法整備が必要じゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(中川正春君) 日本の場合は、民間の参加も含めて様々な形態というのが工夫ができるというふうに思うんですね。その枠組みをつくるということになると、やはり法的な整備ということ、これが必要になってくると思いますが、その知恵を今しっかり集めて組み立てるということが大事だと思いますので、検討させていただきたいと思います。
○横山信一君 是非よろしくお願いいたします。
 次の質問に行きますけれども、東日本大震災で被災をした企業への支援策としてグループ補助金がございます。非常に評判のいい事業でありますけれども、今月の十日には我が党の渡辺孝男議員からも制度継続に向けた質問がありました。
 そこで伺いますけれども、今年度、既に予算枠の約三倍の申請がございました。とりわけ宮城県では四・六倍ということで、この予算の中では到底対応できない、そういう状況になっているわけですけれども、この状況に対して、補正予算を含めどう対応されようとしているのか。
 また、もう一つ、あわせて、既に受理されているものの中には地盤沈下対策の工事なんかが遅れていて年度内の工事の着工ができないと、まあできないと言うとあれですね、非常に危ぶまれているところもたくさんあるわけであります。そうした不安の声もたくさん聞いております。こうした声に対して、昨年度の対応を踏まえてどうするのか、併せて伺います。
○国務大臣(枝野幸男君) まず、本年度の当初予算五百億円活用したグループ補助金については、五次公募について七月中にも交付決定を行うべく審査を進めているところでございまして、まずはこの審査を迅速に的確に行って効果的、効率的にこの五百億円を活用していくということであると思っておりまして、この審査、交付が終わった後に検討をするならばするべき事項ではないかというふうに思っております。
 それから、後者についてでございますが、交付決定した案件は、原則として当該年度中に契約締結を行った上で事業を終了していただくということになっておりますが、一方で、地域の復興計画の遅れなど、当年度中に補助金を使用し終わらない、使用し終わることが難しい困難なケースも少なからずあるのは間違いございません。
 こうした場合には翌年度への歳出へ繰り越す制度が設けられております。この制度についての周知を行ってきて、三月にも改めて各県に文書で通知をしているところでございますが、さらに、実情を十分に把握し、必要な場合にはこの繰越制度が十分活用されるよう、引き続き努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○横山信一君 繰越制度が十分に周知をされていないんですね。それで不安の声がたくさん出てくるわけであります。また、その繰越制度が十分に活用できるように柔軟な運用も是非お願いしたいというふうに思います。
 次に、軽減税率のことについて質問をさせていただきます。
 消費税の導入に当たっては、我が党から強く軽減税率の導入を求めております。これは、消費者の生活を守るため、とりわけ逆進性対策として重要だからでございます。
 一方で、軽減税率は、農業者にも非常に重大な関心がございます。それは、農産物への価格転嫁が難しいという、そういう背景があるからであります。農産物は工業製品のように供給量の調整が難しい、しかも価格変動が大きいと、その上、価格決定力というのが生産者の側にないという、そういう背景があって価格転嫁が非常に難しいわけであります。近年のデフレによる価格低迷あるいは資材高騰などによって、農業所得は五年間で一〇%も減少しております。
 これは農水大臣にお聞きをいたしますけれども、生産者の増税負担、これから税が上がっていくことに対してこの増税負担をどのように認識をされているのか、伺います。
○国務大臣(郡司彰君) お答えをさせていただきます。
 消費税でありますけれども、今お話がありましたように、転嫁を通じて最終的に消費者に負担をしていただく、こういうような税になるわけでありますけれども、事業を行う方々にとって円滑に適正に転嫁ができるか、これは大変重要な問題だろうというふうに思っております。
   〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
 農業者の場合でございますけれども、その九割は免税事業者であるというふうにはなりますけれども、この免税事業者といえども、その仕入れに含まれる消費税額が適正に転嫁をしていくことがこれは必要だろうというふうに思っております。御存じのことだと思いますけれども、既に農業団体、例えば全中などからは、川下サイドの価格支配力が強いことなどから農産物の価格転嫁は困難であり、軽減税率あるいはまた簡易な還付制度の導入が必要だというような意見もいただいているところであります。
 一方、政府の中では、これまた御存じのように、円滑かつ適正な転嫁等に関する検討本部におきまして五月に中間整理が行われておりまして、例えば消費者、事業者に対する広報や相談窓口の設置、独占禁止法、下請法の積極的な活用、あるいはまた転嫁状況に関する監視体制の強化などの転嫁対策について政府全体として検討を進めるとされているところであります。
 私ども農林水産省といたしましても、この中間整理に沿って、今後、関係省庁と連携をしながら的確な転嫁対策が講ぜられるように検討を進めていきたいというふうに思っております。
○横山信一君 政府によるこの価格転嫁対策ということについて言えば、従来は取引の監視、指導の強化という、そういう形になっているわけですね。しかし、その監督指導の強化ということだけでは今回の増税に対応するのは不可能だというふうに、これは農業者団体から声が上がっております。
 政府は、日本農業の再生、それから食料自給率の向上ということを掲げているわけですから、この増税に当たっては従来を上回るような価格対策が必要になってくるというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。これは副総理ですか。
○国務大臣(岡田克也君) 今の委員の御指摘は、特に軽減税率を適用した場合に、食料品以外の原材料については普通の税率が掛かり、しかし最終製品は軽減税率と、そこに差が出てまいりますので余計転嫁が難しくなるという、そういう側面について御指摘されたんだと思います。
 そういう問題がございますので、我々は軽減税率とまだ決めてはおりませんのでなかなかお答えはしにくいところでありますが、何といいますか、ほとんどの農業者はもちろん個人事業主であって非常に弱い立場にあることは間違いございませんから、様々な先ほど農水大臣の方から指摘をいたしました対策も含めて、しっかりとした転嫁が行われる、これ、転嫁がしっかり行われるということがこの消費税導入の大前提でありますので、しっかりとした対策を講じてまいりたいというふうに思っております。
○横山信一君 国の食料自給を担う生産者を守るのは、これは国の責務であります。そういう意味では、諸外国では様々な、この農業者に対していろいろな配慮があるわけでありますね。OECDの加盟国のうち、食料品に軽減税率を導入している国は実に二十五か国に及んでおります。そういう意味で、この軽減税率の導入というのは是非我が国も考えなければいけない。副総理は今まだ決定しているわけではないというふうにおっしゃいましたけれども、これはもう是非考えるべきでありますね。それが世界の主流になっているということであります。
 これはもう単に逆進性対策ということだけではなくて、農業保護というか、食料自給を確保するという意味からも非常に重要だということであります。そういう意味で、軽減税率の導入どう考えるか、財務大臣にお伺いします。
○国務大臣(安住淳君) やっぱり、ターゲットをどういうふうに絞っていくかということは、それぞれの国の歴史的な背景とかあると思います。ですから、我が国でもし軽減税率を導入する場合、どういう時点、つまり八%なのか一〇%なのか、また、その品目対象は食料品なのか、そのほかもあるのか、食料品の場合どうするのか、やはり非常に深い議論が必要だと思います。
 今回、三党合意で三つ並べてしっかり議論しましょうということになりましたので、我々としては、財務省としては、それぞれのメリット、デメリットをきちっと出させていただきますので、その上で、やはり国民の皆さんの、特に私どもが気にしているのはやっぱり逆進性対策、弱い立場の方々に対してどういうふうにこれをサポートしていくかというようなことを観点に是非御検討いただいて、私は成案を得ていただければと思っております。
○横山信一君 是非、この軽減税率の導入、大変だというのが前提にあろうかと思うんですけれども、そうではなくて、まず消費者の保護、そしてまた農業者の保護という観点から、是非これを実現するようにお願いしたいわけであります。
 また、農業者の立場からすると、簡素な仕組みということも非常に、個人の農業者のことを考えればそれも非常に重要なことでありますから、それも含めて、軽減税率の導入のときには、ゼロ税率という御要望もございますけれども、そうした事務負担が軽くなるような、そうした形で是非導入をお願いしたいというふうに思います。
 以上で質問を終わります。
○委員長(柳田稔君) 関連質疑を許します。秋野公造君。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう、質疑に入りたいと思います。
 七月三日からの大雨、そして七月十一日からの大雨により、九州北部は甚大な被害を受けました。お亡くなりになられた方にお悔やみの言葉申し上げますとともに、被災された方にお見舞いの言葉申し上げたいと思います。
 まず、被災地のお声、届けたいと思います。
 七月三日からの大雨については、私もその当日、大分県日田市を流れる一級河川、花月川に行かせていただきました。堤防が壊れ、内側にあった児童公園も流されて、更にその内側にある家が流され、基礎が流されて、もうとても住めるような状況にはありませんでした。
 その後も雨が続きましたが、まず最初に、応急復旧状況、確認をしたいと思います。
○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘の筑後川水系花月川におけます堤防決壊でございます。この決壊に当たりましては、七月三日の梅雨前線豪雨で、花月川雨量観測所におきまして、観測史上最大となります一時間八十一ミリ、三時間雨量で百七十二ミリを観測してございます。御指摘のとおり、花月川、これは国管理区間でございますが、二か所で河川の堤防が決壊をしておることを確認してございます。
 こういった決壊を受けまして、速やかに緊急災害対策派遣隊、テックフォースを派遣しまして、堤防等の被災状況調査、それから復旧方針等支援を行いまして、二次災害の発生を防止するため昼夜兼行で作業を行いまして、七月十三日、これは結果的に七月十四日の豪雨の前になりますけれども、応急対策を完了したところでございます。
○秋野公造君 しかしながら、資料一枚目を御覧いただきたいと思います。(資料提示)赤い線のところが壊れた堤防ということになりますが、この上流の部分と下流の部分については平成十六年にしっかり工事が行われており壊れなかったところでありますが、この弱い部分だけが壊れてしまう結果となりました。どうして一番弱いと思われるこの部分をしっかりと補強していただけなかったのでしょうか。もうここは住むことができないのでしょうか。
 本格復旧に当たっては、強い堤防、そして強い護岸を造っていただく。国土交通大臣の見解を求めたいと思います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきたいと思います。
 現在、今回の出水での流量を把握するための雨量や水位データ等の解析、また洪水の痕跡調査、被害の実態を把握する一般被害調査及び復旧工法の決定をするための被災要因調査などを実施しております。本格復旧については、九州地方整備局において各種調査結果などを踏まえて、再度災害を防止するため、堤防や護岸の整備、河道掘削などの対策手法による対応方針について早急に検討していきたいというふうに考えております。
 被災した堤防等の復旧は極めて重要と認識をしておりまして、早期に対応方針を決定し、本格復旧を目指したいというふうに考えております。
○秋野公造君 大臣、今のではなかなか伝わりませんが、花月川においてはほかのところも護岸が壊れておりました。こういったところは予見をすることが難しかったのでしょうか。一体どのような点検を行っていたのか、国土交通省の見解を求めます。
○政府参考人(関克己君) 御指摘の点検についてお答えを申し上げます。
 花月川の護岸を含みまして、国管理の河川構造物につきましては、目視による点検、これを中心に、特に出水期前には集中的な点検、さらには日常的な巡視によりまして護岸等に損傷あるいは形状の変化等がないか把握し、必要に応じて補修等を行うことにより機能を確保しているところでございます。
○秋野公造君 今、目視とありましたが、見えないところは一体どのようにするのでしょうか。表面は何の傷がなかったとしても、その裏で土がえぐれてしまってなくなっているようなところもあるんじゃないかと思います。
 ならば、提案をしたいと思います。私は元々背景は医師でありますが、しっかり健康を守るためには、目視だけではありませんで、必要に応じて内視鏡や超音波やあるいはCT、MRみたいなものを使ってしっかりと健康を管理していくわけでありますが、河川管理にもせっかく非破壊技術というものがあるわけであります。目視だけではなくて、必要なところにはこういう非破壊検査をしっかり行って、予見をするような努力を行っていくべきではありませんか。提案をいたします。
○政府参考人(関克己君) お答え申し上げます。
 河川護岸等の河川構造物の点検については、先生御指摘のように、表面に現れない空洞あるいは変状の発見に当たっては、非破壊検査等新技術を活用し、確実性を向上させることは重要だと私ども考えているところでございます。例えば、河川や海岸の護岸の内部、あるいは堤防の下の空洞、こういったものを調査するために、非破壊調査の一つであります電磁波を用いました探査機等を試験的に活用しているところでございます。
 今後とも、こういう新技術の導入あるいは技術開発に取り組みまして、点検の確実性あるいは効率性の向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○秋野公造君 どうかスピードを上げて命を守っていただけますようにお願いをしたいと思います。
 中津市の山国川流域においては、御理解をいただきたいのは、七月三日に災害を受けて、一生懸命泥を出して、せっかく復旧させて家具まで新調させたのにまた翌日流されてしまって再度災害が起きてしまったという、こういう状況であります。これでは本当に心が折れてしまいます。どうか一日も早い復旧の方針を示していただかないといけないというのは、こういうところにも理由があります。
 雲與橋という橋、そして諏訪の大杉でも有名な諏訪橋でも見られたのは、木材が橋にぶすぶす突き刺さって、そして橋の下も木材が埋めることによって結果として上流がはんらんを起こしてしまったものでありました。これは竹田市の玉来川の橋に掛かっている流木でありますが、両端がしっかり切り取られておりまして、なおかつ一定の長さであるということを考えると、これは間伐材でないかということを私は想像をしております。
 民主党は政権交代後に森林整備事業を四割も削減してしまいましたが、森が荒れているのではないでしょうか。森をしっかり整備をしていただかないと、河川の整備だけでは災害を防ぐことはなかなか困難であります。農水大臣、森をしっかり守っていただく、お約束をください。
○国務大臣(郡司彰君) お答えをしたいと思います。
 森には大変いろいろな機能があります。そしてまた、生活に欠かせない重要な役割を担っているというふうに思っております。今回の橋梁のところに大変木材が堆積をして流れを止めて被害を大きくしたというようなこともお聞きをしております。その中には、御指摘をいただいたものだけではなくて、根のあるものもございましたけれども、間伐によるものではないかと言われるものも多かっただろうというふうに思っております。
 私どもは、間伐等の適切な森林整備、これをしっかりやっていこうということで、健全で災害に強い森づくりというものをこれから進めようとしております。再生プランというものも作りましたけれども、二十三年度に創設をいたしました森林管理・環境保全直接支払制度等によりまして、施業の集約化、あるいは作業道の、いわゆる路網の整備などを行いながら計画的な施業が行われるよう、所有者とも連携を取りましてしっかりとやっていくつもりであります。
 これまで切捨て間伐という言葉もございました。私どもの政権の中で、この再生プランによりまして、そうした切捨て間伐というものをなくしていこう、そしてそれは有効な再生エネルギーなどに使うような形で、健全な森づくり、しっかりとやっていきたいというふうに思っております。
○秋野公造君 大臣、どうか森をしっかり守って、治水をしっかり行っていただくようお願いをします。
 竹田市でもお見舞いを申し上げて回りました。もう報道でも有名な話でありますが、竹田市は二十年に一度ぐらい大きなはんらん、稲葉川という川、そして玉来川という川、はんらんを起こして大きな被害を与えてまいりました。だからこそ、平成三年に稲葉川の上流には稲葉ダム、そして玉来川の上流には玉来ダムをしっかり造って整備をしていこうということが決まったわけでありますが、ダムができた稲葉川水系は被害を最小限に抑えることができた一方で、ダムを造ることが間に合わなかった玉来川水系については被害が大きくなってしまったということ。中でも、平成二十一年に残念なことにこの玉来ダムの造ることを凍結してしまった、民主党が凍結をしてしまったということが市民の心に大きくのしかかっています。
 中には、二年ぐらい凍結したって完成しなかったから関係ないと言われる方がいらっしゃるかもしれませんが、それは開き直りであります。国民の命を守ろうとしたのか守ろうとしなかったのかということが問われているわけでありますが、国土交通大臣に伺います。
 この玉来ダム、スピードアップして造っていただくということでよろしいか、伺いたいと思います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 平成二年の七月に発生した豊肥大水害を受けて、大分県が事業主体として平成三年に玉来ダムの建設事業に着手をしたところであります。その後、玉来ダムについては調査、地元説明が進められ、その間に新たに見直しということがされたわけでありますけれども、玉来ダムについては本年度から新たに用地調査に着手するとともに、ダム本体工事のための設計等を実施することとしております。平成二十九年度の完成に向けて大分県を積極的に支援してまいります。
○秋野公造君 今、大分県を支援してくださるということでありましたが、自治体のサポート力をしっかり高めていただくという御答弁だったかと思います。
 河川管理は上流から下流までしっかり一体的に行うべきという観点から、北九州、そして遠賀、中間、筑豊を流れるこの遠賀川について危ないところがないか、私なりに調査をさせていただきました。
 資料を見ていただきますと、遠賀川と書いてあるところ、Aと黒い図で付けさせていただきました。これが遠賀川で、右側から、上流からずっと流れてまいります。左側は河口の部分になりますが、これが大雨のときに、右側から、上流から大雨が来た場合、それが満潮と重なった場合、これまでの地方整備局の御努力もあって、遠賀川自体はしっかり整備をなされておりますので問題はないわけでありますが、残念ながら、その上流から来た水、そして満潮のときに上がってくる海水、そして行き場のなくなった水が、支流である、Bと書いてありますが、西川というところに流れてまいります。ここも地方整備局にしっかり整備をしていただいているところでありまして、ここも恐らく心配がないということになると思うんですが、その流れる場所がなくなったところ、ずっと西川を遡っていきまして、D、Cと書いてありますが、その西川の今度、支流の中にその水が入ってくるということになってまいります。
 示されているDというところには、前川という川になりますが、ここには水門がありまして、ここはしっかり安全でありますが、残念なのは、そのCと書いてあるところ、下の図も同じ図で続きでありますが、このE、Eですね、間違えました、二つ目の戸切川という川、残念ながらここには水門がありません。よって、遠賀川から流れるところを失って西川を逆流した水は、前川に入らずに戸切川に入ってきて、それだけでなく平田川にも入ってくるということになります。調べてみると、二年続けてこの戸切川、そして平田川ではんらんが、水害が起きているという状況でありました。
 こういったところ、水門のような逆流阻止を行うための施設が必要ではありませんか。国交大臣の見解、求めたいと思います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 現在、戸切川は、JR鹿児島本線が横断している付近の整備を実施しているところであります。その中で、合流点処理方法については、河川の勾配などの河川特性や背後地の状況などを踏まえ検討することとなります。検討に当たっては、委員御指摘の水門の設置もその一つというふうに考えております。
 今後、戸切川の整備状況等を踏まえて必要な安全度の確保を図るために、支川の管理者である福岡県と調整をさせていただきたいというふうに思っております。
○秋野公造君 提案を聞いていただき有り難く思います。どうか福岡県を支えて安全な河川整備をお願いしたいと思いますが。
 今、いろいろ提案を行わせていただきましたが、これまで地方整備局が果たしてきた役割というのはやはり大きいと思います。東日本の震災においてもその力というものは大きく発揮され、防災担当大臣も以前、高い評価をする答弁がなされたところでありますが、台風を前にして、また東日本の震災の教訓を踏まえ、更に更にこの地方整備局には技術力をアップしていただくとともに、自治体へのサポート力というものをもっともっと強めるべきではないでしょうか。国交大臣の決意、求めたいと思います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 東日本大震災や今回の九州地方における豪雨災害では、発生直後から全国の地方整備局等の職員から成る緊急災害対策派遣隊、テックフォースであります、テックフォースを派遣するとともに、被災した自治体にリエゾン、情報連絡担当官でありますけれども、を派遣して、首長の右腕としてきめ細やかな支援を行ってきたところであります。
 今後の災害に迅速的確に対応するために、現在、首都直下地震や東海・東南海・南海地震を想定したテックフォース活動計画の策定、そしてまた広域的な防災訓練の実施など、体制強化に努めているところであります。また、自治体へのサポートを強化するため、地方整備局と市町村の間で災害時のリエゾン派遣に関する協定の締結を進めさせていただいているところであります。
 今後とも、東日本大震災や今回の九州地方の災害などにおける経験を蓄積するとともに、実践的な研修や訓練などを行うことにより、引き続き地方整備局の持つ技術力とサポート力の強化を図っていきたいというふうに考えております。
○秋野公造君 大分県内の避難所をずっと回らせていただく中で、十五歳の女の子がぐったりしている現場に出会いました。お話を伺いますと、血便が出ているということでありました。そんな簡単に出るものではありません。もう少し丁寧に伺いますと、腸の難病にかかっているということでありました。
 七月三日に災害を受け、十二日にまた災害を受け、その子が帰る家はありません。ストレスで悪くなる病気でありますから血便も出たと思いますし、避難所に運ばれる食事を食べると腸に刺激が与えられることにより、そのことを知っているからこそ、その女の子は食べ物に手を出さなかったのかもしれません。しかしながら、この暑さであります。脱水症状を起こして非常に危険かと思いましたので、これも実は地方整備局の國友さんという担当官にお願いをしまして、そういう流動食のような腸に優しい食事を運んでいただくようにお願いをさせていただいたところであります。最終的には救急車の手配までしていただくことになりました。
 確認をしておきたいと思います。こういった方の特別な食事というものは災害救助法の適用となりますでしょうか。厚労大臣の見解、求めたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員御指摘の、病気の方、また乳幼児とか高齢な方、障害がある方など特別な配慮が必要なケースというのはあると思います。御指摘の要援護者に配慮した特別な飲食物につきましても、災害救助法によります国庫負担の対象となります。
○秋野公造君 どうかそういうことも周知をお願いしたいと思います。
 また、八女市、旧黒木町の被災地も訪ねてまいりました。軽自動車で二回ぐらい切り返しをしないといけないような細い道を通って訪ねさせていただきましたが、胸までつかって自分の家が流れていくのを茫然と見送りましたというようなお声もありました。
 東日本の震災のときに雇用促進住宅を早急に開放したことは大きな成果が上がりました。今回も、福岡県、大分県、熊本県など、必要な住宅、提供すべきではないでしょうか。厚労大臣の見解、求めたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるとおり、災害救助法が適用された場合に、東日本大震災のときも、九月の台風のときにも、これは和歌山県、三重県で対応いたしましたので、今回も、福岡県から要請をいただきましたら早急に雇用促進住宅の提供に入りたいというふうに思います。
○秋野公造君 大臣、ありがとうございます。
 沖縄について伺いたいと思います。
 沖縄の発展というものは誰もが望むところであります。戦争で大変な目に遭いました。そして、占領でも大変な目に遭いました。日本のみんなで沖縄の発展のために力を合わせて取り組んでいく必要があると思いますが、沖縄の発展のために新しい産業を創出するに当たっては、様々地理的な問題があります。こういった困難を乗り越えるためにも、沖縄でしかできない仕事を増やしていくということが非常に重要であるとの観点から、昨年七月七日の当予算委員会におきまして、沖縄には伊是名、伊平屋の海域に金銀含む熱水鉱床が眠っているということが分かっています。こういったところに経済産業省の新型資源調査船「白嶺」を投入して、沖縄を資源大国にすることによって我が国の国力を回復させるよう努めていくべきではないかと提案をさせていただいたところ、当時の海江田大臣からも、「白嶺」を沖縄に投入するとの力強い答弁をいただいたところであります。
 その後の進捗、いかがだったでしょうか。宝の山はありましたでしょうか。枝野大臣の見解、求めたいと思います。
○国務大臣(枝野幸男君) 委員からは貴重な御提起をいただき、これ、沖縄にとっても大きいですし、我が国全体を考えても、国内で供給できる資源の開発、大変重要でございます。
 今年の二月に海底熱水鉱床の調査をする船「白嶺」を就航させました。私自身も就航のときに実際に中をよく視察をさせていただきました。二月から四月にかけて沖縄周辺の海底熱水鉱床の調査を行い、三航海、延べ三十七日間探査を行いました。詳細は評価中でございますが、御指摘の伊是名海穴の規模が当初の想定よりも大きなものとなる可能性がある、それから、この伊是名海穴の周辺地域においても鉱脈があるという可能性が確認をできたところでございます。
○秋野公造君 大臣、ならばお願いをしたいと思います。三十七日と言わず、今年度、もっと沖縄に投入をしていただくことを検討していただけないでしょうか。
○国務大臣(枝野幸男君) この「白嶺」、新しい船は、新たに大型のボーリングマシーンを設置をして、かなり正確な資源量の評価ができる、それから、今までまだ確立できていない海底で掘る技術の開発のために、経済産業省の開発している試験機を用いて実際に採掘を行うことができるということで、この能力を最大限発揮して、今年度中に六航海、延べ百十日間を予定をしておりまして、大きな成果を上げたいと思っておりますので、引き続き御支援をよろしくお願いいたします。
○秋野公造君 大臣、ありがとうございます。
 福岡県飯塚市には、我が国が誇る脊髄損傷センター、総合せき損センターというすばらしいセーフティーネットがあります。顎しかもう動かなくなった方、首から上しか動かなくなったような、そういう交通事故災害により頸髄、脊髄を損傷した方であっても、十四日以内にそこに搬送されたならば、十か月間のリハビリを行うことによって約八割の方が社会復帰をすることができる、世界に誇る医療機関があります。
 こういった取組というのはもっともっとどうか強く強化をしていただきたいとお願いをするところでありますが、この恩恵を受けることができないのが沖縄県だけであります。理由は、遠いからであります。三十数年間、沖縄の脊髄損傷患者はこういった高度な医療を受けることが今まで一度もなかったということであります。
 総理にお願いをしたいと思います。沖縄の脊髄損傷患者を救っていただきたいと思います。沖縄の脊髄損傷患者が医療を受ける体制をつくっていただきたい、そのように念願をしますが、総理の見解、求めたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 脊髄損傷患者については、今委員御指摘のとおり、福岡県にある総合せき損センターなどの施設や各地域の医療機関の連携により対応してきております。
 国としては、患者さんがお住まいの地域で急性期からリハビリ、社会復帰まで切れ目のない医療が受けられるよう、議員御指摘の点も含めまして、沖縄県とともに地域の体制の実態を把握し、対応の必要性について検討してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 よろしくお願いします。
 オスプレイが、昨日、岩国に参りました。安全性が確認されるまで飛行させないというのであれば、安全性が確認されるまで持ってこなくてもよかったんじゃないかと思うのは私だけではないと思います。
 総理が言われている、安全性が確認されなければ飛行させないという意味は、本日、今週ですか、防衛省内に国内の専門家から成る検討会が設置されると伺っています。この専門家の皆さん方が、安全性を担保できない、又は何らかの懸念があるという結論になった場合は飛ばさせないという理解でよろしいか、総理の見解を求めます。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 四月にモロッコで事故が起こり、そして六月にフロリダで事故が起こりました。そういうことで、オスプレイについては、多くの地元の皆様、沖縄の皆様、あるいは岩国、山口の皆様、多くの国民の皆様が大変懸念を持っているということを重く受け止めなければいけないと考えております。
 その中で、今御指摘がございましたとおり、まずは事故の調査結果というものを早く私どもに伝達をするようにアメリカに求めています。アメリカにおいても安全性の確認をするということでありますけれども、我が国も調査チームを今週中にも立ち上げて、メンバー等は間もなく公表すると思いますが、その中でしっかりと調査を、我が国なりにも調査分析をし、安全性を確認しない限り日本における飛行は行わないということを我が国の方針として決めておりますし、アメリカにおいてもこの方針については共有をしているところでございます。
○秋野公造君 これは、総理の責任で飛行させないという理解でよろしいですね。
 しかしながら、日米安全保障条約の中には事前協議という項目も入っております。このオスプレイの問題が事前協議の対象には当たらないのかもしれませんが、その法律の背景にある考え方というのは、両国民をしっかり安心させるということがあったはずであります。その意味では準備不足は否めません。今からでもしっかりとお願いをしたいと思います。
 八月九日、長崎原爆忌を迎えます。
 被爆をした瓦やガラスを御覧になったことがありましょうか。被爆瓦は沸騰をしております。そして、ガラスは、元々何だったのかが分からなかったような形の、熱で変形をしております。そんな熱線に焼かれて長崎のそして広島の被爆者の方々の多くが命を失い、生き残った方も長期間にわたり後遺症に苦しみ、今でも被爆者の多くが後遺症に苦しんでいるというような状況であります。
 私のおじも、長崎大学を目指して勉強している最中に被爆死をいたしました。連れていってくれ連れていってくれと膝にしがみついたそうでありますが、誰も連れていくことができず、そのことを悔いておられる御友人のお話を伺いました。また、別のおじが亡くなるときには、友人たちが枕元に集まって、原爆を思い出せ、原爆を思い出せと言って励ましていました。子供心に、被爆の苦しみとは死ぬ苦しみよりもそんなに深いものなのかということを思ったことがあります。そういう被爆者の思い、長崎の思いというものに共有することなしに幾ら核廃絶だと叫んでも、それは観念的なものになるのではないかということを私は強く思います。
 広島では、原爆ドームの前で人々は被爆者の苦しみに思いを致します。長崎には城山小学校があります。この城山小学校、コンクリートの建物で、被爆地から約一、二キロのところにあるものですが、円い洋風のガラスがあります。中には、木れんがといって、木の枠にコンクリートがはめ込んであるような独特の構造が造ってあるものでありますが、爆風が窓ガラスを割って中に入って、そしてその裏側が焼けたのではなくて、ぐるっと熱が回ってその逆側が焼けているような、熱風が中に滞留をしたのではないか、そんなことも想像をさせるような、そんな遺構があります。
 コンクリートの寿命は五十年であります。もうそろそろしっかり補修をして、残すという意思を示さないと、長崎だけの遺産ではなく、全国民が、二度と核兵器を使わせない、そういったようなことを思わせるためには、何らか被爆の思いを伝える、そういったシンボルというものが私は必要だと思っています。
 城山小学校の国の文化財指定を求めます。文部科学大臣の見解を求めます。
○国務大臣(平野博文君) 今議員から御指摘いただきました城山小学校についてでございますが、昭和二十年八月の九日の原爆投下によって被害を受け、学校関係者にも多くの犠牲者が出たと承知をいたしております。また、被爆の実態を示す建物でもあると考えてございます。
 今、そういう中で長崎市では、平成九年度からこの遺構の現状調査を、十年度からは保存をどういうふうに整備をするか、こういうお考えの下に今実施をされておりまして、一部が残されておりまして、展示施設を含めて改修をして公開中であると、こういうことで、今議員御指摘がありますように、この建物をどのように保存をし、後世にこの問題を伝えていくか、このことは非常に大事な視点だと私は思っております。
 したがいまして、地元長崎市におきましても、この学校をどういうふうにしていくかという調査報告書もでき上がっていると、こういうふうに承知をいたしておりますので、近く、どういう保存形態がいいのか、こういうことで文化庁の方から専門家を現地の方に派遣をしたいと思っております。その上で地元の方々と十分に調整をして今後対応していきたいと、かように思っております。
○秋野公造君 ありがとうございます。
 ここには被爆した防空ごうがあります。そして、亡くなった女学生のことをしのぶ嘉代子桜という、そういうような桜、これも実は害虫にちょっと食われているような状況であります。どうかこういうことも含めまして、保存の検討をお願いをしたいと思います。
 総理は八月九日、長崎原爆忌にお越しになりますでしょうか。もしもお越しになれるのであれば、お忙しい日程は重々承知の上で、この被爆平和公園から僅か一、二キロのところでありますこの城山小学校に足を運んでみませんか。そして、長崎の思い、そして被爆者の思いというものに思いを致してみてはいかがでしょうか。
 この城山小学校は、当時の子供たちが残そうと運動をして残ったものであります。その心の中に、私たちが二度と核兵器を使わせない、平和を守っていく、そういったことを継いでいく鍵があると信じます。
 総理の見解を求めたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私としては、これ、国会のお許しをいただかなければなりませんけれども、八月九日の長崎、そしてその前の八月六日の広島、それぞれの地域における平和記念式典には是非出席をさせていただきたいというふうに思っております。
 もし、八月九日、日程的にお許しをいただいて式典に参加できるならば、ちょっと厳しい日程とは聞いているんですけれども、今委員から城山小学校の原爆の悲惨さを後世に伝えるための歴史的な価値についてのお話をいただきましたので、是非可能ならば立ち寄ることができるようにちょっと事務的に調整をさせていただきたいというふうに思います。
○秋野公造君 ありがとうございます。
 この城山小学校を舞台とした絵本の中に、「世界でいちばん悲しいクラス」という絵本があります。被爆して後、生き残った子供たちは別室に入れられて授業を受けたという悲しい歴史であります。
 もしも福島でいわれなき差別が起きようとしているのであれば、あの被爆後の長崎で起きた差別、広島で起きた差別というものを我が国はまだ乗り越えられていなかったということになるかと思います。
 そうはいっても、また、福島で受けた健康被害というもの、お母さんたちの心配、そして子供たちの心配というものはやはり言い表されないものがあり、福島の県民の皆様の健康は国が責任を持ってしっかりと守るべきであるということを強く訴えたいと思いますし、それは原発事故調査会の報告でもしっかり国の負担でと、そして、与野党で成立させた子ども・被災者支援法においても、少なくとも子供については、一生涯にわたって、そして県内外同じ検査を求めるように議員立法で成立をしたところであります。
 この福島県民健康調査をしっかり成功させるために、それを実施するための最低限の施設については、例えば教官室、事務官室、甲状腺超音波を行う診察室、カウンセリングルーム、会議室、そしてコールセンター、そういった最低限のことを行う施設の整備については再三求めてまいりましたが、この予算についてどのようになっておりますか。総理に伺いたいと思います。
○委員長(柳田稔君) 時間ですので、お願いします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) はい。県民健康管理調査を長期にわたって実施するために必要な予算については、福島県からの御要望も踏まえまして、福島県が設置した県民健康管理基金に対して平成二十三年度の第二次補正予算で約七百八十二億円を既に交付をしています。その中で必要な施設として、本基金を活用して、例えば、甲状腺超音波検査の診察室や、全県民を対象とした外部被曝を推計する基本調査のデータベースの管理運営のための施設整備等を進めていると承知をしております。
 引き続き、福島県によって県民健康管理基金が適切に活用され、健康管理調査が円滑に実施されていくものと考えております。
○委員長(柳田稔君) 以上で横山信一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、森ゆうこ君の質疑を行います。森ゆうこ君。
○森ゆうこ君 国民の生活が第一の森ゆうこでございます。
 二週間前の予算委員会に引き続いて質問をさせていただきます。
 まず、質問をさせていただく前に、本日、私は、国会事故調が提出した調査報告書について質問をしようと思っておりました。しかし、二週間前の予算委員会でみんなの党の水野議員が参考人として呼ぼうとしましたけれども、自民党の反対で呼ぶことができませんでした。その後様々な議論がございましたけれども、予算委員会の理事会で認められず、私もお呼びすることができませんでした。衆参両院でみんなが賛成をして設置した国会事故調でございます。昨日は政府の事故調査報告書も出ました。私は、予算を使ってしっかり調査をしていただいたわけですから、やはり予算委員会、そして環境委員会等に呼ぶべきである、何で反対するのかと、まずこのことを申し上げておきたいと思います。
 それから、ちょっとパネルを出してください。(資料提示)この間の予算委員会で私が、野田総理が政権にお就きになってから海外に行って相当気前よく大盤振る舞いをしていると、これだけのお金があるのに何で増税なんだということで、二週間前の予算委員会の質問をした後に大変お問合せがたくさんございました。海外に対して資金供与を約束した額、そのときには十四兆三千三百三十三億円だったんですけれども、二週間たちましたら額が増えました。その額は、皆様のお手元にも資料を配付してございますけれども、合計で十五兆余り。
 さらには、財務省の中にも増税一辺倒だけではないんだなと、いい人がいらっしゃいまして、財務省の方が私に、大変いい指摘であったと、しかし大切な数字を忘れている、私の作った資料には加えるべき大きな数字がある、それは為替介入であるというふうにアドバイスをいただきました。そこでパネルにして皆様にお示ししているわけですけれども、これは後に質問をさせていただきたいというふうに思っておりますが、為替介入等を含めまして三十一兆一千百三億円、これだけのファイナンスをする力があるのであるということをまず御認識をいただきたいというふうに思います。
 それでは、先般通告をしながら質問できなかった検察審査会の問題の続きについて質問をいたしたいというふうに思います。
 いわゆる陸山会事件、小沢一郎衆議院議員の問題でございますけれども、そして西松建設事件、これにつきましては、私の調査の結果、これは全く検察のでっち上げであるということが明らかになっております。そして、その陸山会事件、検察が捜査をしたんですけれども、起訴できなかったということで検察審査会に送られました。
 その検察審査会というのは、今日は国民の皆さんも御覧ですけれども、有権者の中からくじ引で十一人の方が選ばれて、そして全く密室の中で審査が行われる。検察の行った捜査、そして不起訴処分にしたということについてそれが妥当かどうか、言わば法律には素人の市民の方、しかもたまたまくじで選ばれた方たちがそこで審査をするということになってございます。ところが、その密室の検察審査会に、東京地検特捜部、陸山会事件を、捜査の担当をした検事が捏造の捜査報告書を提出したということが明らかになりました。
 まず法務大臣に伺いますが、六月二十七日、市民団体による告発を受けて検察で捜査が進んでおりました関係の検事の皆さん、不起訴処分となりましたけれども、その不起訴処分となった検察官の氏名及び、そして法務省はその検察官に対してどのような処分を行ったのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(稲田伸夫君) 私の方からお答えさせていただきます。
 まず、お尋ねの捜査報告書問題につきましては、本年六月二十七日に、東京地検検事でございました田代政弘について虚偽有印公文書作成、同行使、偽証の事実により、東京地検次席検事であった大鶴基成について偽計業務妨害の事実により、東京地検特捜部長であった佐久間達哉について虚偽有印公文書作成、同行使、偽計業務妨害の事実により、東京地検検事であった木村匡良について虚偽有印公文書作成、同行使、偽計業務妨害の事実により、東京地検特捜部副部長及び同地検公判部副部長でございました齋藤隆博について虚偽有印公文書作成、同行使、偽計業務妨害、犯人隠避の事実により、東京地検公判部副部長及び同地検特捜部副部長であった吉田正喜について虚偽有印公文書作成、同行使、偽計業務妨害の事実により、東京地検特捜部長であった堺徹について犯人隠避の事実により告発されていたところ、最高検察庁が、田代につきましては嫌疑不十分、その余の者につきましては嫌疑なしを理由にいずれも不起訴処分にしたものと承知しております。
 また、あわせまして、同日、田代につきましては減給六か月という懲戒処分に付し、同日、同人は辞職しております。また、その監督責任として、先ほど名前が挙がりました木村匡良については戒告、佐久間達哉についても戒告、齋藤隆博について訓告、監督責任として東京地検検事正であった岩村修二について厳重注意ということとなっております。
○森ゆうこ君 法務大臣、郵便不正事件、検察官が証拠を捏造した郵便不正事件におきましては、最高検検証チーム、外部の有識者、アドバイザーも入れてしっかりと検証し、そしてまたすぐ事件捜査ということで最高検自らが捜査に乗り出して、そして逮捕、今裁判が続いているところでございます。
 そしてまた、柳田法務大臣のときに検察の在り方検討会議というのを立ち上げて、このままでは検察の国民からの信頼が、もう不信が払拭できないということで検察の在り方検討会議を立ち上げられました。
 なぜ今回は、今度検察官が密室の検察審査会に捏造した捜査報告書を提出したんですよ、なぜ第三者を入れた検証をされないんでしょうか。
○国務大臣(滝実君) ただいま大阪の事件についての問題と今回の問題との比較についてのお尋ねがございました。
 大阪の事件の後、検察の在り方検討会というものを立ち上げまして、検察の在り方についての議論をし、そして個々の問題に関連する体制づくりをいたしたところでございます。その結果、昨年の七月には最高検の中に監察指導部という組織をつくって検察そのものに対する調査を行う。そして、ただいま御指摘のありました外部調査についても、併せて外部参与制度を設けて、その組織によって、今回も検察の中で問題になった、今刑事局長から御披露しました点について、検察の内部で、とにかく検察の在り方を、検討の結果を踏まえた組織の中でこの問題を取り組んできたと。これが実態でございます。
○森ゆうこ君 質問にお答えください。
 法務省。虚偽有印公文書作成罪というものは、その刑罰の重さというのはどのようなものでしょうか。
○政府参考人(稲田伸夫君) 虚偽公文書作成罪の法定刑についてのお尋ねでございますが、一年以上十年以下の懲役刑というふうに定められております。
○森ゆうこ君 十年の懲役刑です。
 公文書を偽造した、そして取り調べる側の検察官がでたらめの捜査報告書を、しかも密室の、言わば法律には素人の十一人の検察審査員、国民から選ばれた検察審査員の審議するその検察審査会に捏造した捜査報告書を提出したんですよ。なぜ検証しないんでしょうか。
 四月二十六日、小沢一郎氏の強制起訴による裁判、東京地裁において判決、その判決の要旨にはこのように厳しく指摘されております。「石川が被告人の関与を認める供述調書の作成に応じた経緯や動機を前記取調べにおいて供述したことを内容とする捜査報告書を作成したが、同取調べにおいて石川がそのような供述をした事実はなく、同捜査報告書の内容は事実に反するものであった」、「このように、検察官が、公判において証人となる可能性の高い重要な人物に対し、任意性に疑いのある方法で取り調べて供述調書を作成し、その取調状況について事実に反する内容の捜査報告書を作成した上で、これらを検察審査会に送付するなどということは、あってはならないことである。」と、このように厳しく判決で指弾されております。しかるに、そのような対応というのは私は全く納得できません。
 そして、総理に伺います。今のような法務省の、これは小川前法務大臣のときに調査をしていたわけですが、今のような結果が出る、そのような法務省の、きちんとした対応をしない、全く危機感のない、そのような状況を見て、小川前法務大臣は指揮権発動ということを考えて総理に相談されました。なぜ政治主導でこのような大変深刻な問題を解決しようとした小川前法務大臣を更迭したのでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 小川前法務大臣を更迭したという表現をされましたけれども、あくまで内閣機能強化という意味での交代をさせていただいたということであります。
 今の御指摘の件は、その人事の交代と直接関係のある話ではございません。小川大臣が、当時、五月だったと思いますけれども、私の下に来て官邸で一般的な法務行政についての報告をされている中で、特に検察に関する強い問題意識を持っていらっしゃいました。そのお話は聞きました。ただ、個別の案件についての指揮権発動という表現のお話はなかったというふうに記憶をしております。
○森ゆうこ君 大変残念であります。
 ちなみに、小沢代表が問われている罪は虚偽記載でございます。総理も午前中に御自分の政治資金管理団体の虚偽記載について追及をされました。収支報告書の訂正は、年間、総務省に届けられるだけでも五百件近くございます。そのどれを虚偽記載として、そのどれを訂正で済ますのか、それは全て官憲のおぼしめし。大変恐ろしいことでありますけれども。
 結局、起訴できなかった検察、で、市民団体が訴えて検察審査会で審査をすることになるわけですが、皆様のところにも資料をお配りしておりますけれども、前に私が予算委員会で質問したことを覚えている方もいらっしゃると思います。
 この検察審査会、おかしなことが山ほどありまして、検察審査員の平均年齢の奇々怪々ということで、最初に発表したのが、起訴議決をした十一人の平均年齢は三十・九歳でした。しかし、すぐさま計算をし直して、三十三・九一歳。これは理由は、本当は十一人足さなきゃいけないのを十人分、そしてそれを十一で割ったという大変お粗末なものでした。さらに、年齢を訂正をしたということがございまして、本当に検察審査会やったのか、こういう疑問が国民の多くから寄せられたところでございます。
 そしてさらに、次の資料でございますけれども、検察審査会法によれば、起訴議決、つまり強制起訴につながる起訴議決をするときには、必ず捜査を担当した検察官を検察審査会に呼んで、我々の捜査は正しかったのだ、不起訴にしたのは正しかったのだという弁明をする機会を与えなければなりません。しかし、その弁明を与えなければならないわけですけれども、そこに検察官は行っていなかった。起訴議決の前に行かなかったということを私が度々質問してきたことに関して、法務省はそのパネルのように回答をいたしております。
 前回も指摘をいたしましたけれども、そのときには、要は徒歩での出張の場合には旅費が生じない、そして近いから出張扱いにしないんだと言っていましたけれども、あるじゃないですか、徒歩の記録。徒歩の記録もきちんと出張記録として提出することになっているんではないでしょうか。なぜうそをつくんですか。
○政府参考人(稲田伸夫君) 前回もお答えしたところでございますが、この出張管理簿というのはなぜ作っているかということについてもう一度御説明をしたいと思いますが、業務命令に基づきまして庁舎外で勤務する場合に、国家公務員等の旅費に関する法律に定める旅費を支給する必要、これは一般に例えば交通費とか宿泊料とか日当が発生するような場合、これはおおむね百キロ程度の距離の旅行を伴う場合でございますが、こういう場合には今御指摘の出張管理簿ではなくて旅行命令簿というものに記載してこれを管理しております。
 ただ、問題はそういう長距離でない場合でございますが、こういう場合につきましては、現在検察庁での取扱いとしては、いわゆるPASMOカードのようなICカード乗車券を使わせるか、あるいは公用車などを使う場合が結構多うございまして、これらにつきましては旅費ではなくて予算の中で言う庁費というもので支給されているところでございます。したがいまして、この庁費の適正な管理という観点から、こういうPASMOカードや公用車などを利用した場合につきましてはこれを出張管理簿に記載することにして適正な執行の管理ということを図っているわけでございます。
 したがいまして、それ以外に、例えば今御指摘の東京地裁のように東京地検から極めて近距離にあって通常徒歩で行くような場合には旅費も庁費も要らない、つまりお金が掛からないわけでございますので、旅行命令簿や出張管理簿のいずれにも記載しないというのが通例の取扱いだというふうに承知しております。ただ、その場合に……
○委員長(柳田稔君) 簡潔にお願いします。
○政府参考人(稲田伸夫君) では、全く、全く、全ての場合に記載していないかというと、これは個々に徹底していないところがあって、徒歩のものを記載している例が皆無ではないというふうには承知しておりますけれども、先般も申し上げましたように、通常、東京地検の職員が東京地裁に公判等で出頭する場合に出張管理簿には記載されていないというふうに承知しております。
○森ゆうこ君 いや、うそつかないでください。もう一枚の出張管理簿出しました。徒歩だけの場合でもちゃんと報告しているじゃないですか。あるじゃないですか。しかも、東京第五検察審査会というのは検察を捜査する、審査する独立した会議ではないんですか。当然記録を出しているはずであります。全く私に対してうその回答をしていたということをお認めになりませんか。
○委員長(柳田稔君) 稲田局長、簡潔にお願いします。
○政府参考人(稲田伸夫君) これも委員には従前から御説明をしておりますところでございますが、今回の問題につきまして、起訴議決がなされた平成二十二年九月十四日より前に東京第五検察審査会から東京地検に対し書面により検察審査会への出頭要請があったということについては、これは書面の写し等で私どもも確認しているところでございますし、その書面に基づいて検察官が議決のある九月十四日より前に検察審査会に出席したものというふうに承知をしているところでございます。
○森ゆうこ君 時間ですのでやめますけれども、出頭命令があったということを初めて今日お認めになりました。
 続けて私は法務委員会等で更にこの問題に対して追及をしてまいりますけれども、皆さん、国会議員の皆さんも、これは大変なことですよ、政治に対する捜査機関の介入です。このことを是非皆さんも真剣に考えていただきたい、そのことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(柳田稔君) 以上で森ゆうこ君の質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、江口克彦君の質疑を行います。江口克彦君。
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。
 野田総理、総理の椅子の座り心地はいかがですか。大変だろうなというふうに私は思っているんですけど、まあ罵詈雑言というか、人格を傷つけられるようなそういう言葉を浴びせかけられながら、野田総理の言葉で言えばぼこぼこにされながらよく頑張っているなと、心から同情をいたしております。
 ところで、昨年、参議院の本会議代表質問で総理の政治理念と国家ビジョンをお尋ねしたんですが、逃げてお答えにならなかった。松下政経塾で学ばれたと思いますが、政治理念と国家ビジョンというのは言わばブックエンドのようなものでありまして、これがしっかりしていると、その間に本を並べる、整然と並べることもできますし、政策も並べることが、一貫して並べることができる。それだけでなく、国民も分かりやすく理解することができる。
 まさかマニフェストの実現とか消費税を目的なんというようなことはおっしゃらないというふうに思いますけれども、改めて野田総理御自身の政治理念と国家ビジョンというものについて、まずお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私は、今の日本というのはこれからの政治的な選択によって大きく変わると思うんです。このままやるべきことをやらないで結論を先送りしていくならば、惰性で流れたならば、これまでの失われた二十年と同じように坂道を転がっていく可能性があるというふうに思っています。
 そうならないために、極東の片隅に位置する、お年寄りの多い元気のない国にならないためにどうするかということを考えたときに、失われた二十年の反省というのは、希望が持てなかったことだと思います。今日よりあしたは良くなるという、そういう実感と展望の持てる国をつくること、極めて定性的なお話でありますけれども、そして、この国に生まれてよかったと思える、そういう国をつくること、これをベースに置きながら、特に日本の場合は少子高齢化であるとかエネルギーの問題とか、ボトルネックになっている課題が随分あります。そのボトルネックを解決することが、逆に言うと、世界における日本モデルを打ち出していって、元気のない国から一つのビジネスモデルをつくっていける国になると思っています。課題先進国であるがゆえに、その課題を乗り越えたときに、二〇三〇年、二〇五〇年、展望をしたときに、日本はきっちりとしっかり生き残っていける国になると思います。
 そういう発想の下に、先般、国家戦略会議の下でフロンティア分科会という会をつくりまして、二〇五〇年を見据えての、いわゆる自由な討論を経ながらの報告書を作っていただきました。その理念は共創の国というんですけれども、共創の国というのは、競い合う競争じゃありません、狂って騒ぐ狂騒でもありません、共に創る方、共創。お互いの知恵を出し合って、というのは、日本人というのはやっぱり底力はそれぞれの人材だと思いますので、いろんな立場の人たちがいますが、そこで共に創る、新しい知恵を発露させていくと。
 そういう考え方の下で、さっき申し上げたボトルネックを乗り越えて、日本のフロンティア、例えば海洋がある、医療がある、そういうフロンティアを開発をしていこう、そういうビジョンを打ち出してもらいました。そういうものを踏まえながら、これから一つ一つの山を乗り越えていきたいと考えております。
○江口克彦君 まさに狂って創るというような感じがしないでもないんですけれども、具体的に、もっと明確に、やはり私の政治理念はこうだと、国家ビジョンはこうだということを明確に国民に分かるように説明していただけませんか、もう一度。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今日よりあしたが良くなると実感の持てる国、それは越えなければいけないいっぱい課題がありますが、その課題を乗り越えたときに日本モデルをつくれると思います。そういう国を目指していきたいと思います。
○江口克彦君 そういうようなことは、私、抽象的な、どこの国でも当てはまるような、昨日より今日なんというのは抽象的な政治理念であると思いますし、そしてまたそれを目指すというのは、言ってみれば国家ビジョンと言えるか言えないかということだと思いますね。この国は日本なんですね。日本にふさわしいような政治理念と、やっぱり国家ビジョンというか国家目標というものは掲げていただきたい、日本の総理大臣なら掲げていただきたいというふうに思うということですね。お分かりにならなかったらお教えします。
 さて、元々、総理大臣は、私の知る限りでは増税反対であったというふうに承知いたしております。しかし、今は消費税増税ということで、政治生命を懸けるとまで言っておられるわけです。どうしてそこまで豹変されたのか、何をきっかけで消費税増税に政治生命を懸けるようになったのか、お尋ねしたい。いつから豹変されたんですか。
 また、政治生命を懸けるというのはどういう意味なんですか、総理大臣を辞めるということなんですか、国会議員を辞めるということなんですか。その政治生命を懸けるという意味を教えてください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政権交代以降、財政を預かる立場になりました。
 少なくとも、総理になってからだけでも、もうじき八月二日で在任十一か月になりますけれども、この間に国際会議十三回出ました。各国との首脳会議で約九十回ほどやってきています。そこの多くの議論というのは、共に成長と財政をどうやって両立させるかという議論です。まさにこれ、財政の問題をなおざりにしながら物事を進めるということは困難な時代であるということを強く実感をしています。
 ということで、ただし、元々野党のころも、よくシロアリの話も出ますけれども、その主張をさせていただいていますが、いわゆる民主党の明日の内閣の財政を担当しているときに、四年間しっかり行革をやる、その後四年間はしっかり歳入改革をやるという、そういう財政再建のプランの中間報告を作ったことがございますので、全くこの歳入の改革をなおざりにしたまま日本の財政を立て直すという、そういう話は元々持っておりませんでしたが、現実に政権をお預かりをする立場になって、特に社会保障の人口構成等の急変を踏まえて、待ったなしの状況になっていることをしっかり国民の皆様に御説明をしていきたいと思います。
○江口克彦君 私の知る限り、一九九六年から二〇〇〇年の間、もう完全に増税否定をずっと声高に主張されていたわけですよ。ところが、財務副大臣、財務大臣、総理大臣、ずっと財務省が家庭教師なんですね。それがきっかけじゃないんですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 九六年から二〇〇〇年、どのときのどういうお話をされているか分かりませんが、もちろん徹底した行政改革をやっていかなければいけない、歳出削減をしなければいけないという姿勢は今も変わりません。これは、私は終わりのなき事業だと思っています。しっかりとやり抜いていくということでありますが、それだけでは社会保障を支える安定財源の確保ができないし、持続可能性が担保できない。やっぱり十数年たった中の財政状況はもっとその後悪くなっています。
 そういうことを踏まえてであって、別に、財務省のよくマインドコントロールみたいに言われますけれども、財務省のOBの皆さんだってコントロールされていないときに何で私がコントロールされるのか、不思議な話だと思います。
 さっき、いろんな国際会議へ出たと申し上げました。多分、安住大臣もそうだと思います。私の前任の財務大臣だった菅さんもそうだと思います。まあ言葉が悪いんですけれども、岩倉遣欧使節団みたいなもので、あの会議に出て、ひしひしとやっぱり危機感を感じる場面というのが多々ありました。そういうことがやっぱり一つのきっかけではあるとは思います。
○江口克彦君 まあそういうことでしょうけれども、国際社会を気にするよりも、先に国民の生活を気にされた方がいいと思うんですけれども。
 ちょっと先ほど、政治生命を懸けるということの意味を、その説明がないんですよ。ちょっと教えていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国際社会のことと国民の生活は、今直結しています。それを分離して話すことはできないと思います。
 その上で、政治生命の話、答弁漏れがあったというふうに思いますが、政治生命を懸ける意味を一つ一つ言うのもやぼじゃないでしょうか。それはもう政治生命を懸ける、そのときに、どういう事態が起こったときにどういう行動を取るかを見ていただければというふうに思います。
○江口克彦君 そのときに、起こったときにそのときを見ていただければ分かるということは、そのときということは、どういうときですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) どういうときかに合わせて対応いたします。もちろん、政治生命を懸けると言った意味は私なりに重たい言葉だと思っています。だから、こんなときにこんなことをするという予定をお話しするんではなくて、政治生命を懸けるということは、まず成立を期すことに全力を尽くすということ、そこに今は全ての精力を使っていきたいと思います。
○江口克彦君 政治生命、政治精力を懸けたら事がうまく成るというのは、努力したら必ず成功するというばかげた発想と同じなんですね。だから、政治精力を懸けたからって成立するかどうかというのは分からないわけですよ。そうしたときに、政治精力を懸けても、政治生命を懸けても成功しなかったときに、どういうふうな御自身の対処の仕方をされるんですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 単なる精神論、覚悟を言ったつもりではないんです。政治生命を懸けるというのは、私は政治家を志して、そして政治のあるべき姿を学びながら、そして今日に現実に政策遂行する立場になったときに、一般的な精神論と覚悟を言ったつもりではなく、政治生命を懸けると言ったことは、そこの解説を言われるのは私は本当にやぼだと思いますが、全力を期して成立を期すと、そうでなかったときというときは、それは私なりの決断をしようと思っています。
○江口克彦君 やぼなことをもう一回お聞きしますけれども、政治生命を懸けるということは政治家を辞めるということですよ。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) どういう形で皆さんが解釈されるかでありますが、私は、政治生命を懸けた、どういうことだったのかということは、結果によりますけれども、それはおのずと分かるようにしたいと思います。
○江口克彦君 おのずと分かるようにしたいというふうに言われますけれども、そのおのずが分からないんですよ。おのずというのは、どういうことを指して我々がおのずと分かるんですか。おのずと分かるということはどういうことなんですか。ちょっと教えていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私は、あくまで国民のために、将来世代のためにここは大事な決断のときだと思っている、だからこそ政治生命を懸けるという言葉をあえて使いました。あえて使いました。その言葉を重たいと思うし、それを問われたときに、自分のアクションがおかしかったら政治生命を懸けていなかったと言われることも踏まえてやろうとしている。そのときに、できなかった、悲観的なたらればの話を今この国会審議でやることはやぼではないですかと私は申し上げているんです。
○江口克彦君 政治生命を懸けるというのをそんなに軽々しく言っていないというふうにおっしゃいますけれども、もう政治生命を懸けると今までに何回言われたんですか。もう軽々しく、しょっちゅうしょっちゅう私は政治生命を懸ける、政治生命を懸けると野田総理言っておられるじゃないですか。いかにも軽い。あるいはまた、やるべきことをやってから考えるとか、そういう言葉が多過ぎるというのが、やっぱり国民が何か割り切れないというか、何か責任を取っていないというか、それがやはり総理の、野田総理の支持率低下につながっているんじゃないかというふうに思うんですよ。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 責任というものは、責任を果たすという意味もある、責任を取るということもあると思います。その時々の身の処し方は、先ほど申し上げた、重たい決意の中で対応するということであります。
○江口克彦君 そんな話をしていても、全然、逃げて逃げて逃げまくられますので、相変わらずだなというふうに思うんですけれども。
 増税は、まず政治や行政部門が経費削減の徹底的な努力をする、努力をしてももうこれ以上の削減はほとんど難しいと、雑巾を絞ってももうこれ以上の一滴の水も出てこないという状況になって、そこで初めて国民の皆さんに政治家が頭を下げて、どうか増税させてくださいとお願いするのが順序だろうと思います。もう雑巾の水は一滴も出ないという状況になったと断言できますか。
○委員長(柳田稔君) 安住財務大臣。
○江口克彦君 いやいや、私は……
○国務大臣(安住淳君) 御指名ですから。
○江口克彦君 いや、いいんです。私は野田総理に、野田総理に質問しているんです。
○委員長(柳田稔君) 江口君、委員長の指示に従ってください。
 安住財務大臣。
○国務大臣(安住淳君) 各種の……(発言する者あり)私、予算委員会ですから、所管大臣として申し上げます。
 独立行政法人改革等については、二兆円の不要資産が国庫納付されるようになったほか、私どもとしても随時の行政改革を徹底的にやっております。
 私が一つ申し上げたいのは、プラス・マイナス・ゼロで全く借金がなければそういう理論も成り立ちますが、今……(発言する者あり)ちょっと静粛にしてもらえないですか。国、地方合わせて、本当に大きな今借金がございます。そして、ゆっくりしゃべらせていただきますが、年の予算を作るときに、今国債の比率が五〇%近くになっているという現状の中では、やはりこれは税収について改革をしなければならない。これはつらいお願いでございますが、やらなければならない時期だということを総理は何度もお述べになっているということでございますので、そうしたバックグラウンドを是非分かっていただければと思います。
○江口克彦君 私は財務大臣呼んでいないんですよ。何で財務大臣に、私は総理大臣に、私はお呼びしているわけですよ、一人を。総理大臣と私はお話がしたいわけですよ。今の質問を、同じ質問を、野田総理、お答えください。
○委員長(柳田稔君) 江口君に申し上げます。
 これは予算……(発言する者あり)静かにしてください。静かにしてください。今説明をしますので、静かにしてください。
 これは予算委員会でございます。予算委員会の担当大臣は財務大臣でございます。出席は必ずしてもらわないと困るわけでございます。その上でどうぞ質問をしていただきたいと思います。
 まず、どうぞ江口君。
○江口克彦君 再度申し上げます。野田総理にお答えをいただきたい。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 徹底した歳出削減をやり抜いていくということは、それはもう御指摘のとおりだと思います。私どももやってきたつもりなんです。政権交代以降、例えば事業仕分等によって取り組んできたりとか、例えば今、役所の中でも行政事業レビューという形の公開プロセスもやって歳出削減をやっております。
 そして、さっきちょっと財務大臣が答えていたのかもしれませんが、ちょっと聞こえなかったんですけれども、私も。例えば、独立行政法人の改革においても、従来の政権交代前に比べれば数千億単位でこれ削りましたし、国庫返納は二兆円の単位でやりました。というような実績も踏まえながら、例えば、今も独立行政法人改革は法人数を四割弱削減するであるとか、特別会計を十七から十一に減らしていく、勘定数も約半分にする等々の改革、これからもやっていきたいと思いますし、国家公務員のいわゆる人件費についても、御承知のとおりマイナス七・八%の削減をしました。こういうことはこれからもやっていきたいというふうに思います。
 ただ、これは私は、歳出削減というのはあらゆる努力をこれからもやらなければいけない。例えば、さっき会計検査院が来ていました。会計検査院の目でチェックすることも必要。ここは参議院です。参議院の舞台で、特に決算の視点から切り込むことも必要。そういうことを踏まえて、あらゆる努力、それはだから、どこまで行ったら雑巾の水が一滴もなくなるかは分かりませんが、常に私、油断すると無駄というのは生まれると思います。これは不断の努力、終わりのない事業ですが、手を抜いてはいけないと考えています。
○江口克彦君 私が申し上げたいのは、総理に一滴の水ももう出ないというふうな、そういう自覚が今あるんですかということを申し上げているんです。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私たちなりに全力で歳出削減はやってきたつもりです。ただ、一滴の水が出ないかどうかというのは、その評価はいろいろあるかもしれません。だけど、我々なりに無駄はなくす努力はこれまでもやってきたし、これからもやっていきたいというふうに思いますが、それをやらなければ、やらなければ一体改革はやってはいけないという話ではなくて、これからも行革もやる、政治改革もやる、包括的な改革をあれもこれもやっていかなければいけないと考えています。
○江口克彦君 それについてはこれから御質問させていただきますけれども。
 次に、総理は、決断する政治の大きな第一歩として今回の社会保障と税の一体改革法案の衆議院可決を挙げておられます。しかし、これ、何が決断なんでしょうか。社会保障改革の具体的内容は国民会議に先送りしただけではないんでしょうか。これが改革と言えるんでしょうか。社会保障改革の姿が見えない国民の不安に総理はどうお答えになるんでしょうか。お答え、お願いいたします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 八本一括で提出しています。法案を御覧いただいていれば、社会保障を全部棚上げしたという議論にはならないと思います。税法は二本です。社会保障の基本にかかわる推進法が一本です。そのほかは、年金二つ、子ども・子育て三つ、こういう法案を提出をしています。
 その中の、例えば年金だったら被用者年金の一元化であるとか、年金をもらえるための、受給のための期間がこれまで二十五年間だったのを十年に短縮するとか、あるいはパートの適用拡大とか、そういう中身があります。中身があるんです。子ども・子育てについても、これはこれまで以上に幼児教育あるいは幼児保育、質、量、充実をし、待機児童解消につながるような様々な供給主体も考えながらのサービスも考えながらも、財源として〇・七兆円充てていく、加えて将来的には一兆円用意していく、そういう社会福祉の充実も入れています。
 中長期の問題で、確かにそれは国民会議で議論することはあります。でも、この法案の中で具体的に大きく前進する分野もたくさんあるので、社会保障を先送りにして増税だけ先行という議論は、これは当たらないということであります。
○江口克彦君 幾ら総理が、野田総理がそういうふうに御説明をされても、国民はそうは思っていないんですよ。そのことの認識がやっぱり総理は甘いですよ。国民の気持ちが分かっていないですよ。消費税を先送りにしているんじゃないといったって、国民は、消費税を先送りにしていると、いやいや、消費税を先行的に議論していると、あるいはまたそれを先に通そうと思っている、社会保障を後回しにしようというふうに国民の方々は思っている。それはともかくと、いいでしょう。
 次に、社会保障改革を国民会議に今も申し上げましたように先送りした結果、年々一兆円強ずつ増加する社会保障関係費に切り込む覚悟を放棄してしまったというふうに言ってもいいんじゃないかと思うんですね。そのために国民は、消費税率が天井知らずに上昇していくのではないかと不安に思っておるわけです。
 年金支給の見直し、医療費窓口負担の適正化、生活制度の抜本的な改革などを行わないで増税のみに邁進するということは、底なしのバケツに貴重な税金を注ぎ続けるごとき私は愚挙だというふうに言えると思うんでありますけれども、いかがでしょうか。財政通の総理はアレシナの黄金律というものについて御存じだと思いますが、社会保障の適正化の必要性についてどのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。社会保障の適正化の必要性ということについてどのようにお考えなのか、お答えをいただきたい。
 あわせて、今私が申し上げましたアレシナの黄金律というのは一体どういう内容を含んでいるのか、どういう内容なのか、ここで国民の皆さんに総理の口から御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の原則の話は、行革等で七割ぐらいの財源つくって、あとはという話でしょう。というお話だと思いますが、ちょっとその前の、前段の話がちょっと分からなかったんです。社会保障をだから先送りしているという、決め付けてずっとおっしゃっていますけど、さっき言ったように、具体的に法律の中身に書いてあるんです、中身が具体的に。子ども・子育てだけでも、従来は厚労省関係の予算で二兆円ですから、七千億増えることは相当の子ども・子育ての質的な充実になりますよ。そういうことはちゃんと評価していただかなければいけない。何にもやらないかのような議論。
 ただし、年金、医療、介護等、子育ての基本的な方針について、例えば公的年金制度をどうするかとか高齢者医療制度をどうするかとかというのは、確かに国民会議で議論をしていきます、していきます。そこの、だから当面すぐやらなければいけないことと中期的に議論しながらやらなければいけないことの整理をしているわけであって、全て先送りという議論ではありません。
 そして、今何か自然増のお話、一兆円のお話されていました。それは、江口先生はそれを削れという話なんですか、今の御指摘は。
○江口克彦君 増えていきますよと。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 増えていきます、そうなんです。毎年増えていって、一般歳出の今半分以上じゃありませんか。だからこそ、ほかの教育削ったりODA削ったりということはもうやらないようにするために安定財源が必要だという議論なんです。
 その、だから自然増を、じゃ、例えば御党だったらどうするのかということは是非おっしゃっていただきたいんですよ。
 自然増が増えていって、従来のように機械的に削ることが弊害が多かったんです。だから、高齢化が進めば当然医療とか介護とかお金増えちゃうんですね。それは当然。でも、だからといって、社会保障も効率化、重点化から外す、聖域化するということはあり得ません。我々も重点化、効率化できることは何なのかということを、一・数兆円、そのための方策も出しています。
 という私はバランスの取れた社会保障改革をやろうとしていることは、是非御理解をいただきたいと思います。
○江口克彦君 私が申し上げたいのは、歳出削減ということについてもっともっと切り込んでいかなければならないんじゃないですかということを、私はある意味ではエールを込めて総理に申し上げたんで、総理は私に感謝してもらわなきゃいけないぐらいで、何をそんなに目くじら立てて返答されているのか、私にはよく分からないということであります。
 それからもう一つは、財政が逼迫する、それから年金が不足する、社会保障が全うできないということでしょうけれども、およそ経営が悪化してきたときには、一般的な企業でいえば、経営者がまず取り組むことは三つあるんですね。それは、無駄の排除、それから非効率の排除、成長戦略、これを三位一体として先行的に取り組んでいくと、この三つがどうしてもうまくいかないというときに初めて社員の給料を下げるわけですよ。
 国の経営でも同じことなんですね。まず無駄の排除をして、そして非効率の排除をして、成長戦略をして、そしてそれがどうしてもできないという場合において初めて増税なんですよ。初めに増税ありきというのは、私は、順序が逆なんですね。その逆をやっていては、私は、国家経営がうまくいかない、経営がうまくいかないというふうに思うんです。これは経営の要諦なんですよ、お分かりですか。
 野田総理のまず増税ありきでは国家経営というのは私は失敗すると思いますが、いかがでしょうか。経営を知らない人が経営をするというのは、こんなところに怖さがあるのかなというふうにも思っておりますが、どうぞお答えください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 目くじらは立てないように、まだまだちょっと了見が狭かったですね。済みませんでした。失礼をいたしました。
 今の御指摘、国家経営と考えたときに、国をマネジメントするときに、歳出削減もしなければいけない、非効率な部分をなくしていかなければならない、成長に資する分野に光を当てていかなければならない、私は一般の経営と共通する部分はあると思います。その努力はやらなければいけないと思います。
 ただし、だからといって、社会保障を持続可能なものにし、安定財源を確保し、財政健全化を同時達成するというのは、今日ずっと午前中から申し上げているとおり、待ったなしの状況だと思っています。その待ったなしの問題を残念ながら長いこと気付きながら解決してこなかったことが私はこの国の大きな問題だったと思います。
 よく申し上げるんですが、去年の夏にイギリスのロンドンのあのエコノミスト誌を見たときに、日本化する欧米というタイトルの下に、メルケルがかんざしをかざし、オバマが着物を着て、後ろにお風呂屋さんのように富士山が出ているイラストを見て、日本化する欧米がと書いてあった。僕は、あのショッキングなイラストと中身が非常に自分の今回のバックボーンになっているんです。
 政治改革というのは、一票の格差の是正もある、定数削減もある、選挙制度改革もあると思いますが、最大の今の日本の政治改革は、決めることをきちんと決めるべきときに決めるということをつくるというのが最大の政治改革だと私は思っています。そのためにも、さっき御指摘のあった歳出削減の問題も成長の問題も、これも包括的な改革として同時にやらなければいけない。何かを先にやらなければ、後でこれをやらなければいけない、後でこれをやるという、その論理が私は決めない政治、先送りの政治をつくってきたのではないかと思っていますが、是非、また御意見があると思いますので、御指導ください。
○江口克彦君 まず消費税ありきというような雰囲気をつくられたというか、あるいはまた実際に国民会議に先送りしているというやり方は、これはやっぱり内閣として、また野田総理として私は間違いだと思いますよ。その辺は、消費税を増税したら日本の財政が立ち直るというふうに考えておられるとするならば、それは真珠湾を攻撃、勝利したら太平洋戦争に勝利できるという、一撃必勝と考えた戦前の軍部と同じなんですよ。そのときの石原莞爾は、それでは駄目だと、まず国力を充実させてから米国と戦うべきだと主張したんですけれども、結果的には石原莞爾の方が正しかったということになるわけです。
 消費税増税は真珠湾攻撃と同じですよ。必ず、きっと数年後には敗戦を迎えることになるというふうに私は思います。消費税増税の前にまず日本の国力、体力を付ける戦略を取るべきではないかと。国力、体力を付ける戦略をどのように考えておられるのか。
 また、この期に及んでTPP参加への意見表明をされるつもりはあるのかないのか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、消費税引上げと真珠湾攻撃とは全く違うと私は思います。全く例えとして納得ができません。
 消費税の引上げは、社会保障、これを支えるためにやろうとしていることなんです、何回も申し上げているとおり。そのことがなぜ敗戦への道、亡国の道になるか分かりません。逆に、やるべきことをやらなかったときに、むしろ江口委員が御心配をされている経済にも逆に影響が出てくると思います。そこはちゃんと踏まえていかなければいけないと思いますので、認識が全く違うということです。
 で、まだ答えていません。TPPのお話があったので、答弁漏れはいけないと思いますからお答えいたしますけれども、TPPについては、現在、交渉参加に向けて協議をするという段階で、今その協議が、六か国の協議が終わっているということで、まだ決め打ちをして、いつまでに何かしゃにむに決めて入っていくということ、そういう姿勢ではありません。あくまで国益の視点に立って最終的な結論を得ていきたいと考えています。
○江口克彦君 もう時間がありませんので、総理は、ノーサイドにしましょうということで民主党の代表になられました。党内融和を優先されました。しかし、結果は、残念ながら党内分裂という結果になりました。総理の言い分はいろいろあるでしょうが、対立、分裂したのは事実ですね。総理は自分の党すらもまとめる力量がない、指導者としていかがかと私は思いますよ。そのような総理が日本という国、国民をまとめることは不可能であり、それが三分の二の国民が野田内閣を支持しないという考えになっている。もう国民は審判を下しているんですよね。総理お得意の冗談や駄じゃれを言っている場合じゃないんですよ。
 重ねて申し上げます。堂々と国民の皆さんに信を問いましょうよ。解散しましょうよ。七番バッターが四番を打っているところに勝てないんですよ。試合には勝てない。負けるに決まっているんですよ。野田総理、やめましょう、もう。
○委員長(柳田稔君) 時間でございますので、簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 逆の意味の御叱責、御指導だと思いました。しっかり受け止めて私は頑張ってまいります。
○江口克彦君 ありがとうございました。
○委員長(柳田稔君) 以上で江口克彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 TPP問題について質問いたします。
 TPPの原則は二つです。一つは貿易の際の関税をゼロにすることと、もう一つは関税以外の規制や制約などを緩和する非関税障壁の撤廃です。
 今まで次々と輸入自由化を進めてきたわけですけれども、米などどうしても必要な場合は、これは税金を掛けて国内生産を守ってきました。これがなくなりますと、日本農業はひとたまりもありません。安い輸入米に置き換わって、生産者は離農に追い込まれます。(資料提示)
 それが、ここに出しました農水省が試算をした、これまでも何回も出ましたけれども、最初の上のところは生産減少ですね、生産額の減少四兆五千億円、関税撤廃した場合ですね、自給率は一三%まで下がると。それから、ずっと下の方に行きますと、就業機会の減少数三百五十万人ということで示されているわけです。当然、地域経済にとっても大変な痛手だということで、地方自治体、議会でもこの間、決議がたくさん上がってきました。我が党は、やっぱりこういうTPPに参加すべきでないという立場です。
 以下、質問いたします。
 四月の十日に青森県が主催してTPP協定に関する説明会が行われました。政府からも参加をしていまして、会場から出された米だけを例外扱いにできるのかという質問に対して、次のように回答しています。TPPは全品目関税撤廃というのが基本的な考え方で、TPPの参加国の考え方は、基本的には関税撤廃期間を長く取ることで配慮できるという考え方だと。つまり、米のような重要品目について配慮するというのは、除外ではなくて、関税ゼロにすることをすぐやるか時間を掛けてやるかということ、こういう説明なわけですよ。
 野田総理にお聞きしますけれども、総理もそういう御認識でしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 本来は、大臣でいえば国家戦略担当大臣だと思うんですけど、今のお話でありますが、いわゆる米などについての扱いということでございますけれども、除外は一切認められないのかどうかという問いだというふうに思います。
 この点については、もう結論から申し上げれば、交渉の中で、交渉のプロセスの中で決まっていくということが物品については確認をされています。それは具体的に私とカーク通商代表が、四月だったと思いますけれども、会談をした際にそのような発言がございました。
○紙智子君 そういうふうに言われるんですけれども、現場において説明はこう説明されているわけですよ。それ以外はないという認識なわけですよ。違うんですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今、紙委員がおっしゃったのは、これはあれですか、三月一日付けの政府公表文書のことでしょうか。そうではないんですか、青森県で配った……(発言する者あり)
 多分これは国家戦略室だと思うんですけれども、基本的に九〇%から九五%を即時撤廃し、残る関税について七年以内に段階的に撤廃をすべし、そういう考えを支持している国が多数あるというのは事実でございます。
 他方、全品目をテーブルにのせることと全品目の関税撤廃は同義ではございません。更に言えば、センシティブ品目の扱いは合意をしておらず、先ほど申し上げましたけれども、最終的には交渉次第であるということでございます。
○紙智子君 この間、ずっと交渉次第であるということを言うんですけれども、でも、外務省の三月一日のこの発表文書を見ても、例外なき関税撤廃を実現し、種々のセンシティビティーへの対応として七年から十年の段階的撤廃により対応することが基本的な原則として全ての交渉参加国で合意されていると、そして包括的自由化がTPPの原則であり、全品目の関税撤廃を目指して交渉を行っていると書いているじゃありませんか。外務省の文書ですよ。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今のお話が三月一日付けの外務省の文書ということですね。であれば、先ほど申し上げたとおり、この資料に、おっしゃったとおり、各国の発言ぶりを記載していて、今おっしゃったような、つまり、ちょっとやや繰り返しになって申し訳ないんですが、九〇から九五即時撤廃、残る関税は七年以内に段階的に撤廃すべしとの考えを支持している国が多数あるというふうに記述していることは、これは事実であります。
 他方、同じ資料に、先ほど申し上げたように、これは全品目をテーブルにのせることと全品目の関税撤廃は同義ではない、そしてセンシティブ品目の扱いは合意しておらず、最終的には交渉次第である、そういう発言も同じ資料に記載されているというふうに承知しています。
○紙智子君 そう言うんですけど、そういういろいろな意見も出ているって書いているけれども、でも主は前に書いてある今の文章ですよ。これが政府の姿勢なんじゃないんですか。これは私、やっぱりごまかしちゃいけないと思うんですよ。
 これまで、関税撤廃の対象から外すという意味で例外措置もあり得るかのように今のような説明を繰り返してきたわけですけれども、これは違うと、はっきりとそういうふうに言われたらいいと思うんですよ。これもう実施されたら深刻な打撃を受けざるを得ないわけです。
 それで、私は郡司農水大臣にここでお聞きしたいんですけれども、郡司農水大臣は、原則関税撤廃する方向だとすれば、それは日本の農林水産業にとって厳しい状況だという認識でこれからも対処していくということで、六月の農水委員会で私の質問に答えられましたけれども、このお立場は今も変わりませんね。
○国務大臣(郡司彰君) いろいろな交渉がある中で、TPPの場合には原則撤廃をしようというようなことが先行したグループのところで話し合われているふうに理解をしております。そういう状態のままで交渉が進みというようなことになりますれば、我が国の農林水産業を大変懸念をするという声が強く寄せられております。
 ただ、先ほど紙委員が示されましたこの資料につきましては、もちろん御存じのことだと思いますけれども、これはTPPだけではなくて全ての国に対して関税がゼロという前提の資料だということも説明をさせていただきたいと思います。
○紙智子君 今の郡司大臣の認識は、撤廃された場合は非常に深刻だという認識だというふうに思うんですよ。だとすると、もし仮にTPPに参加するというふうになった場合は、大臣は反対をされるということですよね。
○国務大臣(郡司彰君) 先ほど来から申し上げておりますように、私の管轄をする分野のところにつきましては大変に多くの懸念の声が寄せられておる、そのことを発信をするというのが私の役目だろうというふうに思っております。
○紙智子君 反対という意思だというふうに思います。やはりですね……(発言する者あり)違うか。だとすれば、これは関税撤廃ということがはっきりしている中で、日本の農業がどうなるかということが懸かっている問題ですから、私は、見守るという立場ではなくて、もうこの今の時点ではっきりと農水大臣という日本の農業を守る立場で反対を表明すべきだというふうに思いますよ。
 この農水省自身がつくったパネルの問題も、農水省自身がこの試算のものについても、以前、関税がゼロになった場合はどんな国内対策をしてもこれ自給率の低下は免れないというふうに書いているわけですよ。しかも、お隣の韓国はアメリカと二国間の協定を結びましたけれども、この三月からは米以外については関税撤廃となりました。その結果どういうことが起こっているかというと、韓国の畜産関係者は、地域は豚や牛の畜産農家が多いわけですけれども、このままでは廃業に追い込まれると、市全体がこれは潰れてしまうと、そういう深刻な危機感を訴えている状況があるわけですよ。そういうことを考えるならば、今ここはしっかりと歯止めを掛けるという立場に立っていただきたいと思います。
 それからもう一つ、非関税障壁の問題についてですけれども、これ、野田総理、今、米国からは交渉参加の条件として日本に三つのことが突き付けられています。牛肉の月齢制限の緩和、それからかんぽ生命保険や共済の優遇措置をなくすこと、そして自動車です。
 この軽自動車については、税金が優遇されていて競争が阻害されると、だから軽自動車の規格を廃止すべきだと要求されているわけです。軽自動車の税金というのは今、年間七千二百円ですけれども、一般の車と同じ扱いになりますと、二万九千五百円になるわけですよ。これ、また庶民の重い負担になるわけですよ。
 こういう理不尽な要求を野田総理は受け入れるつもりなんでしょうか。野田総理。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今、自動車、保険、そして牛肉というお話がございました。
 牛肉の話は、これはTPPと別の話で……(発言する者あり)はい、分かりました。それでは、自動車の話だけにいたしますけれども、自動車の話については先ほど山田委員から御指摘がございました。六つの点についての関心が示されているのは事実でございます。
 その上で、今、軽の話が出ていましたけれども、それは恐らく、先ほど六つの点について申し上げた最後の税のところでそういった意見表明、関心というものが一定程度なされていると。それについて、先ほども申し上げましたけれども、詳細なやり取りを現時点で日米間で行っていると、そういう状況ではございません。
○紙智子君 内閣官房の文書の中に今言われたこと書いてあるわけですよね。で、関心事項について話し合っているというんだけれども、水面下ではもっと話しているんじゃないですか。大体新聞で、この間、新聞紙上でも繰り返し取りざたされているわけですよ。
 それで、これ、自動車と軽自動車の税金のことだと思いますよね。オバマ大統領自らも日本に対しては要求しているわけですよ。アメリカは、自動車を日本に売るために、まだ正式交渉に入っているわけでもないわけですけれども、事前交渉の段階でこういう要求を、条件に乗らないとTPPには入れてやらないという、言わば入場料を要求しているわけで、米国のこんな理不尽な入場料払ってまで入ろうというんでしょうか。野田総理、どうですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これも先ほど山田委員に申し上げましたけど、結局、信頼醸成の材料というものを米国側が希望していることは事実なんです。それは、新規参加国として交渉に参加したメキシコそしてカナダなども、例えば、少なくとも報道によればということで申し上げますけれども、知的財産権であるとかあるいは著作権であるとか農産物の一部であるとか、そういったことについて事前に協議を行った上で交渉に参加したということは事実ですよ。そういう中で、今、日本に対して関心事項が示されているということでございます。
○紙智子君 カナダやメキシコは特例が認められているわけじゃないじゃないですか。特別に例外が認められているわけじゃないじゃないですか。結局は、関税撤廃という点では何も変わっていないはずですよ。そういう中で、向こうも入っているからという形でやっぱりごまかしちゃいけないと思うんですね。
 更に聞きたいんですけれども、今度は野田総理にお聞きします。野田総理が議長を務めている国家戦略会議が十一日に提出をした日本再生戦略ですね。これ、経済連携協定でカバー率、つまり貿易額全体に占める締結国の割合を二〇二〇年度までに八〇%に高めるということを盛り込んでいるわけです。これは、総理、TPPに入らなくても達成できるんですか、八〇%。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今御指摘のあった日本再生戦略というのはまだ策定中の段階です。政府としての一定の考え方はまとめさせていただきましたけれども、今そのこと、案について党内で今御議論をいただいているという、そういう最中でございますので、現時点で内容が固まったものではございません。
 政府としては、世界の成長センターであるアジア太平洋地域の力強い成長を促し、膨大なインフラ需要や巨大な新中間層の購買力を取り込んでいくことは、我が国日本に豊かさをもたらすものであると考えております。そのような観点から、我が国が二〇二〇年にアジア太平洋自由貿易圏、FTAAPを構築することを目標としてまいりましたけれども、これが実現をするとするならば我が国のEPAのカバー率が八〇%になると、そういう想定が成り立つということであります。
○紙智子君 私が聞いたことはそのことじゃなくて、TPPに入らなくても八〇%達成できるんですかということを聞いたんです。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) FTAAPの実現でありますから、今のAPECに加盟をしている二十一のエコノミーが参加をする自由貿易圏ができたならば八〇%のカバー率になるということであります。
○紙智子君 ということは、TPPに参加するということが前提ですよね、ということだと思います。今、一八・六%から八〇%まで増やすとなると、アメリカですとかオーストラリアですとか、こういう経済の大きい主要国が参加しなければこれはいかないということだというふうに思いますよ。
 さらに、日本再生戦略の工程表、ここに示しましたけれども、これは政府が作成している工程表の一部分のところを取り出して拡大をしたところです。二〇一二年度実施すべき事項というのがあって、ここで関税削減・撤廃と書いてあります。さらに、非関税措置等への積極的取組と、基準認証制度の国際調和化と、ここまでずっと明記しているわけですね。
 野田総理は、これまで何度も繰り返し国民への情報提供を行って十分な国民的議論を経て結論を得るというふうに言ってきたわけです。ところが、そう言いながら、議論の最中で既にこの工程表を作って、これでもう書き込んで進めるということは、これは選択肢としてTPP参加の選択肢しかないということじゃないですか。
 国民には情報を隠しておいて、こうやって事実上参加決めて、実は参加の時期を狙っているということなんじゃありませんか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これ、この表現をTPPだけで見込んでお話しされているというふうに思いますけれども、我々は高いレベルの経済連携をほかの国とか地域ともやろうとしているわけです。例えば、日・EUのEPAについても、今、EU委員会においては各国のマンデートを取るための今努力、取組をされています。
 そういうこともにらんで関税とか非関税措置等々の表現をしているわけであって、TPPだけのこれは話ではありません。こういう経済連携をやっていく中で項目として挙がってきているということであります。
○紙智子君 FTAAPという話すぐされるんですけれども、さっきも議論になっていましたけれども、元々はアメリカが提案していることじゃないですか。クリントン政権の時代、そしてブッシュ政権の時代、そういう構想の中で、日本もオバマ大統領が日本にやってきたときに乗っかって進めてきている話じゃないですか。
 そうじゃなくて、先ほども議論ありましたけれども、やっぱり広くアジア全体も含めて、日本の立ち位置のすごく大事なところにあると思うんですよ。アメリカの方だけ見てやっていくというやり方は、これはもう本当に感心しないというふうに思います。
 それで、やっぱり二〇一二年度中にやるということについては今おっしゃらなかったですよね、否定しなかったですよね。だからこそ、みんなはこれ、八月中にも言うんじゃないかということで心配しているわけですよ。国民の中ではほとんどこれ説明されたと思ってないと、納得もしてないと。そういう中で、前のめりになって総理が参加していくんじゃないかということで懸念をするわけですよ。
 デフレで大変だというふうに言われている中で、しかも今、被災で苦しんで何とか復興しようということで頑張っている中で、消費税増税とダブルでこの経済を駄目にしていくTPP参加は絶対に許さないということを申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(柳田稔君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、山内徳信君の質疑を行います。山内徳信君。
○山内徳信君 私は、社民党・護憲連合の山内徳信でございます。
 今日は、主としてオスプレイ問題について質問をいたします。全て答弁は総理大臣というふうに通告をさせていただいております。
 二〇一〇年の二月に、沖縄防衛局は住民説明会を行っております。その際、真部沖縄防衛局長は、もしオスプレイ配備ということになりますと改めて住民説明会をやり直しますと説明をしておりますが、オスプレイは具体的に昨日、岩国基地に陸揚げをされ、そしてその後、沖縄の普天間基地に配備され、十月からは運用開始ということをアメリカ政府は明らかにしております。
 そこで、このオスプレイ配備に向けての沖縄本島北部の東村高江地域においてオスプレイ配備を前提としたヘリパッドの建設工事が進められておりますが、それをめぐって地域住民を始め県民は、それは話が違うと、豊かな自然体系を守れと、こういうふうに声を上げて現場に座り込んでおります。それに対して百名前後の沖縄防衛局の職員を動員をし、名護署の警備の下に工事を今進めつつありますが、これはまさに一触即発の状況であります。
 私はこの状況に懸念をいたしまして、名護署長の方に電話をしました。沖縄防衛局の真部局長にも電話しました。現場におる住民にも電話をして、血を流すことがあったらいかない、逮捕者を出したらいかないと。
 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、昨日の岩国もああいう状況です。沖縄は全ての団体がオスプレイ配備に反対を、決議を上げております。県議会を中心として八月五日の県民大会を成功させるために、街宣カーを出して今、沖縄全体回っておりまして、各市町村別に一万とか二万とか、バスを借り切って動員態勢を今つくりつつあります。そういうときにこの高江の現場で血を流すようなことがあったときにどういう状態に発展していくかは火を見るよりも明らかでございます。
 そこで、総理大臣に是非、防衛省を通して、そういう事態にならないように現場はまず中止をしてくれと、こういうことを森本防衛大臣に今日の委員会が終わったらすぐ伝えてほしいと思います。防衛大臣はそのまま沖縄防衛局長に中止の指示をすると、こういうことが今必要でございます。お答えください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今委員から御指摘いただきました、いわゆる沖縄本島北部のヘリパッド建設工事の件なんですけれども、ヘリ着陸帯の移設工事については、北部訓練場、これ約七千五百ヘクタール、その過半、約四千ヘクタールの早期返還を実現するため、沖縄県を始め地元の関係自治体から御理解をいただいた上で行ってきているところであって、オスプレイの配備のために行っているものではございません。
 移設工事については、北部訓練場の早期返還を実現するため、これ引き続き、もちろんこれは安全には最大限配慮しなければならないと思っておりますけれども、実施をしてまいりたいと考えております。
○山内徳信君 そういう発想は、これは昔の発想なんです。今、東村の村長は話が違うと、容認したのはオスプレイ配備を容認したんではないと。オスプレイの話をひた隠しに隠してきたのが防衛省であるわけです。そういう状態ですから、ここは、現場は今大変なパニックの状態にあるから、ここは総理大臣から一言、慎重に対応すべきであるということを言うべきであるということを私は体験的に総理に訴えて、求めておるんです。過半の返還とか、こういう答弁では通らない現場の状況があるということなんです。それでもああいうさっきのような答弁をするんですか、どうですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、これ、オスプレイの配備を前提にした、そういう建設工事ではないと私は理解をしています。住民の皆様がその現場に行っていらっしゃって、その危険性については、たしか委員から官邸の秘書官等々にも御連絡がありました。そういうことを踏まえて安全性についてはしっかりチェックをしていきたいと思いますが、オスプレイとの関連ではないということは改めて申し上げたいと思います。
○山内徳信君 これは逃げたらいかぬですよ。オスプレイというのははっきりしておるんですよ。あのときから指摘をしておるが、それをずっと聞かぬふりをしてやっておるんです。
 これはここで打ち切りますが、オスプレイ問題についてもう少し全国的な立場から質問をいたします。
 海の向こうから戦争がやってきた、そういう思いで私は昨日の山口県の岩国基地へのオスプレイの陸揚げを見ていました。
 そこで、総理の基本認識を伺っておきたい。
 オスプレイは戦争の訓練をするための飛行機です。敵地深く、低く侵入をしていくという、そういう飛行機がオスプレイです。そこで、戦争は罪悪であると、これが私たちが、人類が過去の戦争から学んだ教訓であります。そういう認識を総理はお持ちですかと。簡単に答えてください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) もちろん戦争はあってはならないと思います。基本的には平和な国を目指していかなければなりません。
 さはさりながら、これは我が国だけの努力でできることではなくて、安全保障の環境等もよく考えなければなりません。
 その上で、我が国は基本的には専守防衛で自衛力を有しておりますけれども、日米同盟、この同盟を軸としながら我が国の安全を守っていくということ、国民の生命と財産を守っていくと、その枠組みの中に沖縄における抑止力としての米軍が位置付けられているということでございます。
○山内徳信君 七月の十六日の民放のテレビ番組で、総理は、配備自体はアメリカ政府の方針で、どうしろこうしろという話ではないと述べられました。私は、それを聞いていて大変残念に思いました。総理の発言は対米従属的な発言でした。屈辱的な発言でありました。
 まず、この発言を撤回するかしないか、そのことを明確に答弁をして、今後は、憲法の精神にのっとった、総理として品格のある、そういう発言をしてほしいと思います。撤回してください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっとあの発言自体言葉足らずだったと思いますし、品格という御指摘ありましたけれども、ちょっとその辺には欠けるような荒っぽい表現だったということは申し訳なく思いますけれども、ただし、このCH46からオスプレイ……
○山内徳信君 それだけでいいんです。それで終わってください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、それで終わるわけにいかないんです。それで終わるわけにはいかないんです。
 ただし、これ、日米安保条約のいろいろ解釈の中で、岸・ハーター交換公文というのが昔交わされています。そこで、合衆国軍隊の装備における重要な変更には該当せず、事前協議の対象ではないというのが、このオスプレイの問題については、これは共通の理解になっているということでありますので、そのことをちゃんと説明しなかったことは舌足らずだったというふうに思います。
○山内徳信君 アメリカ軍は、日本全域六つのルートを設定をしております。日本語で言った方がいいと思います。彼らはやはりいろんな色に例えておりますが、沖縄、九州、四国、近畿、北陸、東北の六つのオスプレイの低空飛行訓練のルートを明らかにしております。
 日本はアメリカの軍事的植民地なんですかと総理にお伺いしたい。そして、低空飛行訓練をする法的根拠を明らかにしてほしい。どうぞ。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、今既に低空の飛行訓練の話に行ってしまっていますけれども、午前中からの議論にもありましたとおり、今回は、オスプレイ、四月、六月と事故を起こしております。その事故調査をしっかりとアメリカにやってもらって伝達をしてもらうと。アメリカも安全性を再確認しなければなりませんが、我が国としても主体的に専門家を入れて安全性を確認した上で、それがなければ日本における飛行運用はしないということは、これ、日米間で合意をしています。
 という前提の上ででありますが、その上で、今御指摘があったとおり、六つのルートにおいてオスプレイについては飛行するという運用、低空飛行をするという方針であるということであります。
 この根拠ということなんですが、これは、米軍は日米安保条約の目的達成のため我が国に駐留することを認められています。このことは、米軍が飛行訓練を含む軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを前提にしています。また、日米地位協定は、飛行訓練を施設・区域の上空に限って行うことを想定しているわけではなく、施設・区域でない場所の上空において行うことも認められていると。そういうことの中で、今御指摘のようないわゆる低空における飛行訓練の話があるということであります。
○山内徳信君 そういう協定ができた時代から何十年経過しておるのか、そして今までの飛行機よりオスプレイがどういう機能を持ってどういう目的で造られておるのか、そういう変化に対して日米両国は日本国民の立場に立って主張する外交交渉をやるべきだと、こういうふうに思います。
 そして、総理はいつも逃げますが、私が今日も、日本はアメリカの軍事的植民地なのかと、こう質問しましたら、それには全く触れていらっしゃらない。触れたくないからなんです。見ようとしなければ見えない。そういうことではいかぬのです。そして、これをめぐる論議をする時間はありませんから、前に進めてまいりますが。
 さて、このオスプレイの問題は、総理大臣、今申し上げましたように、沖縄から四国、九州、そして東北まで、こういう六つのルートを飛んでいくと。しかも、ちゃんとした国民の理解も何もないまま日本中をオスプレイでかき回していくという。それを想像したときに、これは許せないという、こういう気持ちになるのが当たり前の日本国民の感情と思います。
 それを申し上げ、オスプレイは今日まで五十八件の事故を起こしたと言われております。三十人以上の人が犠牲になっております。したがいまして、そういうことを知っている日本国民は本当にオスプレイに対して恐怖を感じておるわけです。そういうことをちゃんと踏まえて対応してもらわぬと、日米安保に傷が付きます。日米友好にも傷が付きます。思わぬところから傷が付いていきますよ。
 そして、質問。宜野湾市民を始め県当局、県議会等々、そして全国の知事会も含めましてオスプレイの配備に反対であります。沖縄は四十一市町村みんな決議を上げて、八月五日に向けて十万とも十五万とも二十万とも、そういう県民総決起大会の準備が進んでおることは総理も承知と思います。
 これは、今まで六十七年間やりたい放題にやられてきた沖縄県民の不服従の闘いなんです。だから一本にまとまって、知事を先頭にしてまとまっていこうというわけです。戦後最大の抵抗として、普天間基地の機能が崩壊されていく、こういう動きになります。こういうことをきちっと踏まえていただきたい。
 そういう認識はありますか。簡単に、あるかないかだけで結構です、あと二分しかないから。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 沖縄の皆様が、四月、六月とオスプレイ事故が起こっております、そのことを大変心配されて憂慮されているということは、それは私どもも重くひしひしと受け止めていかなければいけないと考えていますので、逆にそのために、安全性を確認したならばしっかり説明しなければいけないし、事故調査報告も早急にきちっと御説明できるようにしなければいけないと考えています。
○山内徳信君 宜野湾市の北の方に北中城というところがありまして、見晴らしのいいところでございますが、オスプレイ配備を強行したときに、普天間基地だけではございません、普天間基地の北の方にあります、四軍調整官、沖縄における最高司令官でございますが、四軍司令官のおるところは石平司令部と言われております、これ、地名を取りましてね。石平の司令部はどういう状況になっていくか想像されたことが総理大臣にありますか。それを伺っておきたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、大変、今、沖縄の皆様に御心配をいただいているという状況があることはまさに率直に認めなければいけないと思いますし、だからこそ、きちっとこれからも御説明していかなければいけないと思いますが、その石平の状況がどうなるかというところまで一定の想像をして何か物事を進めているという状況ではございません。
○山内徳信君 総理のお仕事は、国民、県民の恐怖にさらされておる状況があれば、国民、県民の生命、財産、安全を守り抜く、それに政治的生命を懸けるべきであります。そういう気持ちで、オスプレイ問題はやはり中止にしていく、陸揚げされていても中止の立場に立って日米交渉を開始してほしいと思います。
 以上です。終わります。
○委員長(柳田稔君) 以上で山内徳信君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(柳田稔君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 改革の荒井広幸です。
 冒頭、原発事故について申し上げます。
 原発被害者の人間性の回復という段階に入ってきたと先日も申し上げました。私たち福島県民は、求め過ぎていないだろうか、そしてまた頼り過ぎていないだろうか、そうしたことを自問しつつ、自立していく心を失ってはならないと考えています。その上で、しかし、遅い、足りない、親身になっていない、これが現状です。どういうことかと。働いてこその人間ではありませんか。不条理で働けない、そしてまた、働いて、今日は農作物を中心に申し上げますが、農作物を作ったけれども風評被害でこれが安くなってしまっている、これが現状です。
 今日は農林省に数字を聞こうと思いましたが、時間がありませんので読み上げますが、風評被害によって福島県の野菜は、災害の前、三月十一日の前、アスパラは八〇%、ブロッコリーは五〇%、果物、サクランボは六〇%、そして畜産では、肥育牛、枝肉、こういったものは大体七割から八割の値に風評被害で下がっているわけです。店に並べてもらえない場合もあります。誤解が本当に広がっているんですね。
 そこで、東電の賠償はどうなっているかというと、大体今申し上げましたように五〇パーから八〇パーの値でしか売れてないんですけれども、その部分を補填するという東電の役割が全く遅い。遅いからもう来年どうしようかと、こんな遅くてその差額分が来るようじゃといって本当に困っている。働いて収入を得る、それが生きがいであり、人間性回復です。ここに今入っていかなければなりません。
 その意味において、七月二十九日に成立しました、山本さん、済みません、(資料提示)去年の七月二十九日です、自民党の協力をいただいておりますが、仮払いと応急対策基金法というのが、これ二つあるんです。今のやり方は、この右側を、皆さんにもお手元配りました、右側を御覧ください。東電にそうした支払をさせているから、遅い、少ない。五〇%しか補填しないんですよ、差額の五〇%。農林大臣、そうでしょう、復興大臣。そして、親身になっていません。だから、もうやる気がなくなったら働けなくなっちゃう。来年どうしようかと悩んでいる。その右側のやり方をやめるんです、総理、右側のね。そのやり方をやめて、既にこれは野党を中心に出した法律が、最後は全党で作ったこの仮払いと応急対策基金なんです。
 これで、まず一つ。総理、よろしいですか。遅くとも月一回、不足額全額、東電は五割ぐらいしか出しませんから、全額風評被害の差額分出す、これが仮払い条項のやり方です。国の手によってやる。
 二つ目は、その一番左側になりますけれども、福島県に基金をつくりました。これは遅かったです。今年の三月、やっとできたこの基金、これを活用して国が福島県に金を入れる。入れることによって、一番足に合う靴がどういう靴か分かっている福島県が早速足りないものを全額出す。基金を活用する。
 この二つによって、こうした農家の皆さんの働きがい、やりがい、来年も頑張る、こういう力をがっと政府が音頭取ってやるべきだろうと思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(郡司彰君) 福島のことを中心にお話をされております。全体として見ると七〇%の支払がされております。福島だけを見ますと、今のところ請求に対しまして八一%の支払がされております。多分委員がおっしゃっているのは、それを除いた分の仮払いというものをきちんと早くしろというようなことも含めてだろうというふうに思っております。
 これらにつきましては、この基金がございますので、これらの活用によりまして、福島県のブランド価値の回復に向けた支援活動ということで取り組んでいきたいというふうに思いますし、また、これまでも関係をする東電と回数を重ねながら話合いをしてまいりました。しっかりと仮払いではなくて本払いがすぐにできるような体制も含めて、これからも努力をしていきたいと思っております。
○荒井広幸君 総理、今数字を言いましたが、実態は全然違うんですよ。もう本当に、風評被害のその差額がしかも半分ぐらいしか東電から来ないんです。なぜ東電に任せますか、総理。国家は国民を守るんじゃないんですか。法律で、国会で作った法律に従えば今すぐできるんですよ。それをやってくださいとお願いするのもおかしいけれども、活用してください。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは、賠償についてはやっぱり被害を受けた方に関して適切に、そして迅速に対応すると。基本的には、これは法律の枠組みがありますので、原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律、これにのっとって対応するということだと思います。
 そこで、先ほども農水大臣が御説明したように、福島県における農林水産業者の損害は、これは生産者団体が協議会を組織して賠償請求の取りまとめに当たっておりまして、福島県産の農林水産物関係では六月二十九日までに合計約七百二十二億円の損害賠償請求があって、東京電力から約六百三十億円の支払が既に行われているということであります。
 この仮払い法のうまい適用についてどうするかでありますけれども、現在、観光業の風評被害が政令で指定されておりますけれども、今後、東電の損害賠償の支払状況を勘案をしながら必要に応じて見直すこととしております。また、基金の活用によって、福島県のブランド価格の回復に向けた活動支援等も行っているところでございます。
 現状においてはこういう対応をさせていただいているところでございます。
○荒井広幸君 農林省のレクチャー、こういうときは必ず役所の人に来てもらってすり合わせをします。国民の皆さんにもそれをお伝えしておきます。全く同じ答弁ですよ。血が通っていない。
 何で法律があるのに東電に任せておくんですか、仮払いであれ、本払いであれ。市場に出したらそのときにもう値が下がっているんだから。次の日でも国がまず手当てしてしかるべきでしょう。その後で東電に払わせたらいいんじゃないですか。全く国としての誠意を私は疑います。
 次に参りたいと思います。ありがとうございました。
 森林、山の問題です。この森林の除染。林家の皆さんは本当に苦しい時代をずっと来ました。ですから、福島の復興、岩手の復興、宮城の復興ではないんです。苦しかった時代を越えていく新たな再生だと思うんですね。その意味で、除染の、福島に限って恐縮でございますが、今度は山を除染しなくちゃならないという作業が出てきた。新たな、林家にとってはみんなのための除染作業ということになるんです、新たなやりがいが出たんですよ。
 ですから、市町村や森林組合の単位で、山の木を燃やしてそれによって電力を起こし、さらに温水を使って、いわきの浜の方はこれは暖かいんですが、二十キロから三十キロはうんと寒くて雪が降るんですよ。その地区に今度は温水を引くことによってお年寄りも子供たちも今までより暖かくなる。避難解除をして戻れる地域に戻れるようにするというのも、この山の除染というのがうんと重要なんです。
 そこで、総理に、林業家の人間性回復と相まって、今までは苦しかった地域ですが、それを乗り越えていける、さらに、新生のいい生活環境がつくれるという、その意味で、除染、これをしていくための、いわゆるバッグフィルターというようなものを作ったり高温で燃やしたりするんですが、放射性物質が出ないようにする。そして、その後に灰、水、こういったものにも放射性物質があります。これをどう処理するかというのは今まで議論していますが、この問題もありますけれども、こういったものを合わせ技でやりながら、そしてその温熱を使ったり、電気を売ったり、様々な形で新生する新たな町づくりというものに人間性復活のモデルとなるようにつくっていくというような認識は少なくとも総理にはおありかどうか、お聞かせいただきたいと思います。これは総理、できるでしょう。認識はあるって言えばいいんだから。短いんだから。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 原発後の循環型社会創生と人間性回復問題に資するお話だと思いますので、その認識はございます。
○荒井広幸君 そういうふうに総合的に見ていただきたいんですね。人間を中心に東北の復興をしていただきたいんです。自由民権運動もまさに、土佐でもありましたけれども、この東北こそ自由民権運動というのを起こした。それは人間性の復興なんですよ。そういうことも含めて、是非世界に発信できる日本の新しいモデルをつくっていただきたい。
 そして、これは総理大臣、そして各大臣、復興大臣にも来ていただきましたが、この発電所、これは補助金だけで造ってはなりません。補助金のインセンティブは必要なんですが、数をどんどん造ってもらいたい。税金、国民の皆さんの御援助で復興するということも考えれば、PFIを使って、民間事業者がお金を持ってきながら市町村や地域と契約を結んで、そして建てたりサービスが払われていくという形ですね、PFI。こういう形をしながら、国民の皆さんの気持ち、税金を大切に使って復興していくという方法を提案だけ今日はしておきます。
 次に参ります。原子力安全の問題です。
 原子力規制委員会ができました。三党合意、これは、それはそれでいいでしょう。しかし、六月十五日にこの原子力規制委員会ができたときに、六月十五日でした、参議院ではたった三日間審査しただけです。どういう現象が起きたでしょう。原子炉安全専門審査会というものを法律で置くことにした、原子炉の安全専門審査会。二つ目は、核燃料安全専門審査会です。
 ところが、総理、これだけを専門審査会として置くということは、再稼働のための安全規制、新規増設のための安全規制と私は受け取るんです。なぜならば、なぜならば、廃炉プロセスに入っているんです、福島も。これはメルトダウンしている。ここに安全規制入れなくていいですか。四十年掛かるとも言われているんですよ。そして、浜岡も、一号、二号、普通ですけれども、廃炉過程に入っているんですね、実は。そこに人と技術が集まってくるんですよ。世界に、総理が先ほど、午前中からも言った、新しい日本型のモデルが廃炉という形でできるのに、しかも福島県は大変な状況にあるのに、廃炉安全専門審査会を置かなかった。これ、どういうことなんでしょうかね。
 総理、こういう専門審査会を、法律要綱ですが、置くつもりはありませんか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 廃炉については、原子炉の安全性に関する知見が必要な段階がある一方で、核燃料物質の管理や建屋などの構造物の解体、放射性廃棄物の取扱いなど、これは幅広い知見が必要になってくるだろうというふうに思います。
 したがって、原子炉安全専門審査会の活用も、これらも含めて、始めとして必要な専門的知見を踏まえた検討を行うために、今度つくっていただける原子力規制委員会がその内容に応じて必要な有識者の意見を聴取する体制を適切に構築するものと考えております。
○荒井広幸君 わざわざ原子炉と核燃料を言っておって、そして一番問題な、このメルトダウンを起こしている、そして脱原発依存をしていこうとする状況の中で、廃炉プロセスの安全専門審査会というのがないということは、私は、非常にこれは、深い意図、何といいますか、真意を測りかねるというか、問題点を指摘しておきます。
 がん対策推進についてでございます。
 六月に閣議決定されたがん対策推進基本計画には、全く福島県の長期低線量被曝、原子力災害によるいわゆる健康対策という観点のがん、この一行もない。民主党は目配りがない。もう手いっぱいでそこに回らないのか。六月ですよ、これ決めたの。余裕がない民主党という印象です。これはもう仕方ありませんから、総理が閣議決定した中心者ですけれども。
 そこで、がんペプチドワクチンという免疫療法についてお尋ねするんですが、もう今までの治療では駄目だという人が、わらをもすがりたい、分かりますよね、皆さん、これは。だけれども、治験という段階で安全と効果を、これを見ているから、なかなかそこに参加できる患者さんは少ないんです。
 しかし、まだ実験段階といっても、大勢の人が本当に何とか、ほかの療法では駄目だと言われたので、例えばがんペプチドワクチンのような、実験段階にある、こういうものでありますが、大勢の人が参加できるように、治験の段階ではありますけれども、みんなが参加できるような道を開いていきたいというのが私の希望なんです。
 そういう観点において、総理、厚労省に、そういう観点も踏まえて検討しろと一言言っていただけないでしょうか。もし総理が言わないのであれば、私は別な質問をさせていただきます。──はい、それじゃ結構です、もう二分しかありませんので。大臣がおっしゃるような具合ならば、もう本当に血も涙もない、一工夫ができなければ、総理、どうしようもないでしょう。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっと今の御質問とその前に触れられたお話は……
○荒井広幸君 時間がなくなっちゃいますから。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) そうですか。
 がん対策推進基本計画の話でありますけれども、これは全国的ながん対策の話だったのでこの原発事故の話は出ていないということで、福島県のいわゆる子供たちのための甲状腺超音波検査などはやっておりますし、福島県のがん対策を推進するための後押しということはしっかりやっていきたいと考えています。
 その上で、今の御指摘の御質問でありますけれども、全国どこでも質の高いがんペプチドワクチン療法を受けてもらえるよう、平成二十三年度に薬事承認を目指した新たな研究事業を立ち上げ、治験を推進をしています。それを踏まえた対応をしていきたいと考えております。
○荒井広幸君 やっぱり政治は気持ち、人情が欲しいと思いますよ。
 最後に、総理、これはどなたの発言、あるいは誰の発言だと思いますか。「消費税改革の推進」、幾つか述べています。その後に、「税率については、社会保障目的税化やその使途である基礎的社会保障制度の抜本的な改革が検討の前提となります。その上で、引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化します。」。これ、誰の、あるいはどこの発言だと思いますか。事実だと思いますか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 分かりません。
○委員長(柳田稔君) 荒井君、時間ですのでお願いします。
○荒井広幸君 はい。
 この間のマニフェストの前提になる民主党政策インデックス二〇〇九年です。
 つまり、選挙を通じて、消費税を上げる場合には福祉目的税として、選挙を経てこれを具体化すると言っているわけです。こういう手続がないときに、幾ら総理が力を込めて消費税は必要だと言っても、目的である社会保障が重要問題で先送り、しかも、国民が参加できないで勝手に選挙で決められたらば、みんなで、国会議員だけがやっている。これでこれだけ重要なことを決められますか。私は、その点、強く反省を促したいと思います。
 終わります。
○委員長(柳田稔君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて平成二十四年度予算の執行状況に関する集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十六分散会