第180回国会 内閣委員会 第12号
平成二十四年六月二十日(水曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月十九日
    辞任         補欠選任   
     武内 則男君     水岡 俊一君
     難波 奨二君     長浜 博行君
    はた ともこ君     蓮   舫君
     平野 達男君     主濱  了君
 六月二十日
    辞任         補欠選任   
     一川 保夫君     安井美沙子君
     長浜 博行君     藤本 祐司君
     蓮   舫君    はた ともこ君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         芝  博一君
    理 事
                大久保潔重君
                大野 元裕君
                岡田  広君
    委 員
                一川 保夫君
                岡崎トミ子君
                主濱  了君
               はた ともこ君
                藤本 祐司君
                松井 孝治君
                水岡 俊一君
                安井美沙子君
                有村 治子君
                山東 昭子君
                中曽根弘文君
                松村 龍二君
                宮沢 洋一君
                浜田 昌良君
                江口 克彦君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    松原  仁君
       国務大臣     古川 元久君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  齋藤  勁君
   副大臣
       法務副大臣    谷  博之君
       文部科学副大臣  奥村 展三君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        園田 康博君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       片瀬 裕文君
       内閣官房内閣審
       議官       兼原 信克君
       内閣府大臣官房
       審議官      佐々木克樹君
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  栗生 俊一君
       総務省総合通信
       基盤局電波部長  鈴木 茂樹君
       文部科学省研究
       開発局長     戸谷 一夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    山崎 史郎君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   深澤 淳志君
       国土交通省国土
       政策局長     小島愛之助君
       環境省地球環境
       局長       鈴木 正規君
       防衛省防衛政策
       局次長      須永 和男君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○暴力団員による不当な行為の防止等に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○内閣府設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(芝博一君) ただいまから内閣委員会を開会をいたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 本日までに、難波奨二君、武内則男君及び平野達男君が委員を辞任され、その補欠として藤本祐司君、水岡俊一君及び主濱了君が選任をされました。
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○委員長(芝博一君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長栗生俊一君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(芝博一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
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○委員長(芝博一君) それでは、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○松村龍二君 皆様、おはようございます。
 私、自由民主党の松村龍二でございますが、質問をさせていただきます。
 本日は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律案についての審議でございます。
 現在、暴力団は、市民生活に対する大変な脅威となっており、市民の安全を守るために、暴力団対策をしっかりとやっていくことが必要であります。昨日、当委員会におきまして参考人をお呼びしてお話を聞いたわけですが、北九州市の北橋市長さんから、北九州市あるいは九州において、いかに暴力団がばっこしているかというようなお話をいただきました。そして、これに対して、容疑者を必ず逮捕してくれと、さっぱりその容疑者が逮捕されないということになると、市民に対して市長が旗を振るにも非常にやりにくいといったお話がございました。また、そのためには警察に新たな捜査手段、力を与える必要があるというようなことを繰り返し御説明いたしていた次第でございます。
 私も昨日もちょっと申し上げましたけれども、昭和三十年代の後半、警察庁に採用になりました後、大阪府警に最初赴任いたしまして、ミナミ、キタ等の地におきまして暴力団が対立抗争をすると。今日この暴力団が攻撃すると、その日の夕方あるいは翌日、やられた方の暴力団がまたドスを持って報復に行くと、あるいは散弾銃をぶち込むというようなことでございました。
 五十年前になるわけですけれども、現在、北九州におきますいろんな状況を見るにつけ、ちっとも変わっていない、あるいは、この度の北九州市において四月に行われました事件においては、警察官のOBに対して、暴力団追放センターに勤務している警察官のOBに対してピストルを発射するといったこと、大変激しい事件が行われておると。また、手りゅう弾を使うといったことは過去にも見られなかった事例ではないかなというふうに思う次第でございます。
 そこで、まず暴力団という団体について、一般の方々は明確なイメージを持ちにくいのではないかと。私も、過去の事件と比較いたしまして、現在の暴力団の状況をしっかりつかみたいという意味で、暴力団とはそもそもどのような沿革によって現れてきた団体なのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えいたします。
 終戦直後の昭和二十年代ごろでございますが、戦前から存在していました博徒やテキ屋といった集団に加えまして、ぐれん隊という新たな集団も戦後の混乱に乗じまして現れました。それぞれがやみ市の支配でありますとか覚醒剤の密売、各種の興行への介入などを行うとともに、これらの利権をめぐって対立抗争を繰り返していたものと承知しています。
 昭和三十年代ごろになりますと、博徒やテキ屋、ぐれん隊が互いに対立抗争や離合集散を繰り返す中で、資金獲得を図るため組織の威力を利用して暴力的な犯罪行為を敢行するようになり、それらを暴力団と呼称するようになったものでございます。こうした中で、山口組や稲川会などの一部の暴力団がその組織的暴力を背景に広く各地に進出を図り、大規模な対立抗争を繰り返しつつ、他の暴力団を吸収しながら次第に広域に、あるいはほぼ全国的にその勢力を拡大していったものと承知しております。
○松村龍二君 福岡のみならず、最近でもタレントのアシダシンスケ氏が暴力団関係者との交際を理由として芸能界から引退したり、六本木で関東連合という暴走族OBから成るぐれん隊グループのメンバーと山口組系暴力団幹部との抗争事件が発生したりしております。
 また、我が国の伝統ある相撲界において、野球賭博を暴力団が仕切って大変なスキャンダルがあったと。また、暴力団が大相撲の土俵場の砂かぶりのところに一味が座り込みまして、刑務所にあるテレビで自分たちの子分にその存在を知らせて激励するといったことも言われているわけでございます。非常に知能的な犯罪その他、日本において大変な暴力団の被害があるんではないかというふうに思います。
 そこで、暴対法が制定された平成三年当時との比較を含め、最近の暴力団の趨勢はどうなっているか、お伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えいたします。
 平成二十三年末の暴力団構成員は約三万二千七百人で、準構成員、これは暴力団構成員以外の者で暴力団の威力を背景に違法な行為を行うおそれのある者などを申しますが、この準構成員が約三万七千六百人で、両者の合計である暴力団勢力は約七万三百人となっております。
 これを平成三年当時の数字と比較いたしますと、平成三年末の暴力団構成員は約六万三千八百人、準構成員は約二万七千二百人でありまして、両者を合わせた暴力団勢力は約九万一千人で、暴力団構成員は約三万一千百人の減少、準構成員は約一万四百人の増加、暴力団勢力全体では約二万七百人の減少となっております。
○松村龍二君 先ほど島田紳助氏の名前をちょっと言い違えましたので、訂正させていただきたいと思います。
 何か準構成員が増えているというふうに伺うわけですが、準構成員が増加している背景と要因をお伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えいたします。
 平成三年当時に比べ準構成員が増加している背景や要因といたしましては様々なものが考えられますが、暴力団員に対する規制の強化や社会における暴力団排除機運の高まりなどから構成員としての資金獲得活動が困難になってきており、暴力団と一定の関係を保ちつつも、正式な組員としてではなく活動する者が増加していることが主なものであるというふうに分析しております。
○松村龍二君 暴力団に新たに加入する者、暴力団員の言わば供給源はどのようになっているのか、お伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) 暴力団が新しい組員を加入させる手段、方法といたしましては、例えば、暴走族の後ろ盾となってそのメンバーを勧誘したり、地元の後輩等を勧誘するものが多く見られますほか、刑務所などで知り合いました者に対し、例えば、出所したら面倒を見てやる、事務所に遊びに来いなどと声を掛けて勧誘を行うものが見られるところであります。
 また、暴力団構成員の年齢構成を分析してみますと、近年、二十歳代の割合が減少しているとはいえ、依然として若い世代が暴力団に新たに加入しているところであります。
○松村龍二君 警察では暴力団員が暴力団に加入する原因、動機についてどのように分析しているのか、お伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えいたします。
 暴力団へ加入した原因、動機につきましては個々の暴力団員によって様々であります。したがって、一概にはなかなか申し上げにくいのですが、過去に実施いたしました暴力団被疑者に対する調査などや、日々暴力団員と捜査などで対峙する捜査員の実感を聞いてみますと、例えば、派手な生活ができること、自分を認めてくれること、暴力による支配への魅力、当面の生活の維持のためなどといった動機があるものと見ているところです。
○松村龍二君 先ほども触れましたが、最近、暴力団が使用している凶器の傾向はどうなっているのか、お伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えいたします。
 最近、対立抗争や資金獲得を図ろうとする暴力団の意向に沿わない事業者に対する報復などを目的とした暴力行為が多発しております。このような中で、拳銃のほか、手りゅう弾等の殺傷能力の高い武器が用いられるようになった傾向が認められます。
 例えば、昨年は対立抗争や事業者襲撃におきまして拳銃発砲事件が二十件、手りゅう弾使用事件が四件発生しておりまして、いずれも一昨年に比べて増加しているところであります。
○松村龍二君 このように暴力団がその武器として手りゅう弾を使うようになった背景についてどのように考えているのか、お伺いします。
 また、ついでに、このような手りゅう弾は日本国内で生産しているとも思えないわけですが、どこで製造されたものでしょうか。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えします。
 まず、手りゅう弾を使うようになった背景についてでございます。
 対立抗争や、資金獲得を図ろうとする暴力団の意向に沿わない事業者に対する報復などを目的とした暴力行為がエスカレートしまして、手りゅう弾投擲事件に発展しているものと見ております。特に、平成十九年までは手りゅう弾は主に暴力団相互の対立抗争において使用されておりましたが、最近では、先ほど申し上げた事業者の方とか一般人を狙った事件においても使用されているという特徴がございます。
 例えば、先生も御指摘になりましたように、福岡県においては、昨年三月、ガス会社社長宅、そして電力会社会長宅に対して、また本年二月には建設会社事務所に対して、それぞれ手りゅう弾が投擲される事件が発生しました。
○委員長(芝博一君) 松村龍二君。
○政府参考人(栗生俊一君) 委員長、失礼しました。
○委員長(芝博一君) はい、補足答弁。
○政府参考人(栗生俊一君) 失礼しました。
 二点目の御質問についてお答えいたします。それは、この手りゅう弾はどのようなところで製造しているかという御質問でございました。大変失礼しました。
 この点につきましては、過去の警察が検挙した事件、それから押収した例を見ますと、旧ソ連製を含めましたロシア製、また米国製といった事例を把握しているところでございます。
○松村龍二君 肝心な暴力団の資金源の問題でありますが、非常に多岐にわたると思いますけれども、最近の暴力団の資金源の傾向はどのようになっておるか、お伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えします。
 まず、暴力団は、元来、主として覚醒剤の密売、恐喝、賭博などの資金獲得活動を行っておりましたけれども、我が国の経済成長に伴いまして、いわゆる民事介入暴力や企業対象暴力などを敢行するようになり、そして、いわゆるバブル経済期には、不動産取引への介入、大量の株取引、リゾート開発への介入などにより資金獲得を図るようになったところです。また、バブル経済崩壊後は不良債権処理への不当な介入が頻発いたしました。
 さらに、近年では、伝統的な資金獲得活動に加え、その組織実態を隠蔽しながら建設業や金融業等の各種事業活動に進出いたしましたり、暴力団を利用する者などを通じまして違法な資金獲得活動を行っているものと分析しております。また、特に最近では詐欺や窃盗などによって検挙される暴力団員などが増加しておりまして、資金獲得活動が多様化していると分析しております。
○松村龍二君 次に、今回の改正案の背景となった福岡県におきます暴力団情勢についてお伺いいたしますが、九州におきます道仁会と九州誠道会の対立抗争の経緯と現状はどうなっているのか、お伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えします。
 お尋ねの九州におきます二つの暴力団の対立抗争の経緯でありますが、まず、きっかけでありますが、平成十八年に福岡県久留米市に本拠を置きます道仁会におきまして組長の継承をめぐる争いが起こりました。それを契機といたしまして、福岡県大牟田市に本拠を置く九州誠道会が分裂したところです。そして、その後、翌十九年の八月には福岡県内におきまして道仁会会長が射殺されるなど、両組織の対立が激化いたしました。このような中で、十九年十一月には佐賀県内の病院におきまして入院中の男性が九州誠道会の関係者と誤って射殺される事件が発生をしております。
 その後、一時的に抗争が顕在化しなくなったわけですが、二十三年に入りまして抗争が再燃しました。本年五月末までに、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の四県にわたりまして計四十二件の抗争事件が発生し、死者数は一般市民一名を含む十二名、負傷者も十三名に上っておるところであります。
 警察におきましては、関係県が連携協力いたしまして捜査の徹底を図ることはもとより、市民への危害を防止するため、両団体の本部事務所等に対する使用禁止命令を発出いたしますとともに、警戒活動を強化しているところであります。
○松村龍二君 九州において事業者に対する危険な暴力行為の現状はどうなっているか、お伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) お答えいたします。
 まず、平成二十三年中でありますが、暴力団などによると見られる事業者襲撃などの事件は全国で二十九件発生しております。本年に入ってからも五月末現在で四件発生しております。これら三十三件のうち二十七件、八二%が九州で発生したものであります。これらの犯行には銃器や手りゅう弾などが用いられておりまして、事業者はもとより地域社会に対する大きな脅威になっているところでございます。
○松村龍二君 九州において事業者に対する襲撃事件が多い理由についてお伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) 一言でちょっと分析を申し上げるのは誠に難しいのでありますが、福岡県内には全国で最も多い五つの指定暴力団がございます。これらの暴力団が、その勢力を維持したり拡大したりするために各種の利権をめぐってしのぎ合っていると申しますか、活発に活動をしております。そして、このうち一部の暴力団の勢力範囲は北部九州にまで及んでいると、こういうまず実情がございます。
 このような中で、資金獲得に窮したり、更なる資金獲得を図ろうとする暴力団が、その意向に沿わない事業者に対しまして報復や見せしめを目的といたしまして襲撃事件を敢行しているものと、このように分析ができるかと思います。
○松村龍二君 以後、国家公安委員長に質問をいたしたいと思いますが、市民が暴力団事務所を排除するために立ち上がったり、いろいろな、自分を守り、また暴力団を排除する活動をしているとこれに危害が加えられるということでは、警察が何のために存在するのか分からない。また、市民も、どこに助けを求めていいか分からないという、せっぱ詰まった気持ちになるんではないかなというふうに思いますけれども、市民の保護対策についての警察の取組状況をお伺いいたします。
○国務大臣(松原仁君) 恐らく昨日の参考人の質疑でもそういった議論があったかと思っております。
 現在、全国の都道府県において暴力団排除条例が制定されるなど、社会全体による暴力団排除が一層進展する一方、暴力団との関係遮断を図る事業者に対する襲撃事件が後を絶たないところであります。これらの関係者の方々の安全を確保することは、社会全体で暴力団排除を推進するため不可欠な基盤であります。
 昨年十二月に新たに保護対策実施要綱を制定し、この要綱に基づいて身辺警戒員をあらかじめ指定し、警戒態勢を強化するなど警察の総合力を発揮した保護対策に取り組んできたところであります。しかしながら、本年四月十九日に、福岡県において長年にわたり暴力団取締りに従事してきた元警察官が銃撃されて負傷するという事案が発生をしております。かかる事案は法治国家である日本に対する重大な挑戦であり、看過し難いものがあります。
 こうした暴力団に見られる一般市民への危害行為はいまだ後を絶たず、私自身、四月に福岡県を訪問し、その現場も、元警察官銃撃現場も見てまいりましたが、それから事業者襲撃事件の現場も併せて視察させてもらいました。地域住民の方々のお話を直接お伺いする機会もありまして、暴力団の脅威や、住民の方々の事件に巻き込まれることなどへの不安等をまさに直接実感したところであります。徹底した事件捜査を推進することはもちろん、事件の続発を抑止し、市民の安全確保の万全を図ることが重要であるということを強く認識をいたしました。
 勇気を持って暴力団との関係を遮断しようとする関係者が暴力団から危害を加えられることがあってはならないことであり、警察としては、組織を挙げて保護対策を徹底し、その安全確保に万全を期してまいる所存であります。
○松村龍二君 公安委員長の意気込みを伺いまして安心いたしましたけれども、一人一人の警察官がそのような気持ちで取り組んでいただきたいというふうに思います。
 事業者に対する襲撃事件の犯人がほとんど検挙されていないというのが現状であろうかと思います。先ほども申しましたように、北九州市長が是非犯人を捕まえてほしいということを繰り返し申し述べていたところでございますことは先ほども申し上げたわけでございますが、なぜ犯人を検挙できないのか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 事業者に対する襲撃事件を含め暴力団犯罪については、一般に、巧妙な手口により犯行現場にほとんど証拠を残さないようにしている、組織からの報復を恐れて暴力団関係者からの供述が得られない、組織的な証拠隠滅が行われていると見られるといった犯罪組織特有の事情から、物証に加え、特に人証の確保が困難であることが挙げられます。
 このようにして、犯罪組織については現行法の範囲内で証拠収集に一定の限界があることから、国家委員会委員長主宰の研究会において、捜査手法の高度化についての検討が進められてきたところであります。
 私も四月に福岡県を訪問したときに、住民の方や、また首長の皆さんから、警察に様々な捜査手法を高度化する武器を付与しないとなかなか難しい側面があるのではないかという御指摘も受けたところでありまして、捜査手法の高度化の必要性を強く認識いたしました。
○松村龍二君 現在、取調べの可視化について議論が進められているところでありますが、検挙された暴力団が自分の親分からこのような指示を受けたということは口が曲がっても言えない、生命に危険を感ずるために言えないということが常識的に考えられるわけでございますが、そのような一方で、取調べの可視化ということを強要するような問題、これは長い目で見れば、適正に行われれば取調べの高度化あるいは検挙の向上につながっていく面はあろうかと思いますけれども、そういう面が可視化にはあるわけでございますが。
 そういう、ますます難しくなるところ、通信傍受や、アメリカの映画等を見ますと、司法取引と、このことについて供述すれば罪を軽くしてやる、あるいは無罪にしてやるといった司法取引が行われていることは欧米等の取調べ手法においては十分に見るところでございますが、このような新たな捜査手法の検討状況についてもう一度お話しいただきたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 御指摘のように、いわゆる捜査手法の取調べの高度化を図るための研究会、捜査手法及び取調べの高度化ということで、可視化の議論も含めて極めて長い時間議論がなされたところであります。この研究会において、我が国の刑事司法制度全体の在り方を含む広範なテーマについて踏み込んだ議論が行われ、今年の二月に最終報告が、その結果が取りまとめられたところであります。
 研究会においては、DNA型データベースの拡充、通信傍受の拡大、仮装身分捜査、量刑減免制度、司法取引、刑事免責、証人を保護するための制度等、様々な捜査手法についての議論がなされたところであります。研究会で議論された捜査手法については、有効性、相当性を踏まえつつ、警察において取組を進められるものは、その実現に向け検討を進める所存であります。
 他方、刑事訴訟法等の改正を要するなど警察のみの取組で実現しないものも多いことから、法務省を始めとする関係省庁と連携しつつ、個々の捜査手法について検討を進める必要があると認識をいたしております。
 特に通信傍受制度については、暴力団犯罪の捜査において、客観証拠による的確な立証を図ることを可能とするために極めて有効であると考えております。我が国においては通信傍受の件数が年間二十件から三十件程度ということでありまして、年間数千件以上にも上るアメリカ、米国や英国、数万件にも上るフランスやドイツ、さらには十数万件にも上る、それだけ多くの通信傍受をしているイタリアといった諸外国と比べると著しく少ないという状況にあります。
 また、DNA型データベースについては非常に有効な捜査手法であるところでありますが、我が国の登録件数は昨年末現在で十九万件、約十九万件でありまして、諸外国は米国が八百三十万件、約八百三十万件、英国が約五百六十万件と、我が国と比較して多くの件数を有していることから、その積極的な拡充に努めてまいりたいと思います。
 さらに、仮装身分捜査についても、組織性、密行性の高い犯罪における真相解明に資するなど、捜査における必要性、有効性が高いと考えられていることから、関係省庁とも連携してその実現に向け検討を進めてまいりたいと思います。
 なお、通信傍受制度の拡充等の捜査手法の高度化については、法制審議会、新時代の刑事司法制度特別部会においても検討されているところであります。警察として、これらの新たな捜査の在り方についてしっかりと議論を行ってまいりたいというふうに考えております。
○松村龍二君 法務省では、法制審議会において取調べの可視化の在り方と併せて新たな捜査手法についても検討が進められていると承知しております。
 法制審議会におきます通信傍受や司法取引のような新たな捜査手法の検討状況について、法務副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(谷博之君) お答えをいたします。
 今、大臣からも御答弁ございましたように、法制審議会では新時代の刑事司法制度特別部会においてこれまで十回検討がなされておりまして、特に第八回の会議におきまして論点整理が行われ、現在これに基づいて議論がされているというところでございます。
 御指摘の司法取引を含む取調べ以外の方法による供述証拠の収集の在り方、あるいは通信傍受を含む客観的証拠の収集の在り方も論点として整理されておりまして、前者については先月開催された同部会、つまり五月の部会で議論がされ、後者については今月、六月の来週行われます同特別部会において議論がされるということになっております。
 結論から申し上げますと、具体的なこういう検討事項については、諮問の趣旨を踏まえて法制審議会において御議論をいただくと、こういうことになりますが、時代に即した新たな刑事司法制度を構築するためにどのようなものが必要となるのかについて、幅広い観点から十分な調査、議論を尽くしていただき、できる限り極力早期にその結論が得られるようになることを期待をして推移を見守っているところでございます。
○松村龍二君 検討の項目としては非常に図星を得た検討項目かと思いますけれども、他の分野でもよく指摘されるわけですが、大臣等が短期間に交代されるということがありますと、これらの実現がなかなか日の目を見ないというようなことを心配するわけでございます。一つでも二つでも一年後に具体的に前進をしたと、そして一線の警察が大変な武器を得たと、また暴力団に対して打撃になるといったことを実現していただくことを希望いたします。
 大臣にお伺いしますが、暴力団捜査に係る捜査員の体制の整備についてはどういうふうに取り組んでおられるか、お伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 暴力団壊滅のために暴力団犯罪の検挙等を強力に推進し、組織の弱体化を図ることは極めて重要であると認識をいたしております。
 これまでも警察庁では、暴力団犯罪等の組織犯罪に的確に対処するため組織犯罪対策部を設置し、組織犯罪情報の集約、分析等の推進をしているほか、都道府県警察においても、実情に応じ暴力団対策に専従する部や局を設置するなどし、暴力団対策を推進するための必要な体制を整備しております。
 また、都道府県警察における暴力団対策に専従する捜査員の合計は平成二十三年に約三千三百七十人であり、三年前の平成二十年と比し約三百五十人増加するなど、暴力団対策を強力に推進するための体制の整備が図られていると承知をしております。
 今後とも、暴力団対策に従事する捜査員等に対する訓練や捜査用資機材の整備等も含め、所要の捜査体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○松村龍二君 次に、視点を変えまして、諸外国の犯罪組織との比較についてお伺いいたします。
 欧米の主要国におきます犯罪組織の現状はどのようになっているか、お伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 米国では、ニューヨークやシカゴ等の大都市を中心にイタリア系移民の犯罪組織を起源とするマフィアが存在し、殺人、恐喝、薬物の取引、賭博、売春といった多種多様の非合法活動に関与しているものと承知をしております。
 英国における組織犯罪としては、薬物や銃器の取引、人の密輸、詐欺、マネーロンダリング、児童ポルノなどが挙げられ、その中には英国以外の国の出身者がかかわっているものも多く見られると承知をしております。
 ドイツにおいては、比較的小規模であるものの犯罪者の組織化が進んでおり、それらの一部が緩やかなネットワークを形成しつつ、組織犯罪を敢行しているものと承知をしております。また、これらの犯罪組織の大半はドイツ以外の国の犯罪組織と密接な関係を有しており、国境を越えた活動を強化しているものと承知をしております。
 フランスには、都市郊外に北アフリカの出身者などにより構成されたギャングが存在し、誘拐、強盗、窃盗、恐喝など多くに関与しているものと承知をしております。ギャングは、マフィアなどと違い一時的なグループであることが多く、最近はパリ市内にも勢力を伸ばしているものと承知をしております。
 イタリアでは、シチリア島を中心に活動する犯罪組織が古くから存在し、一般にマフィアと呼ばれているものと承知をしておりますが、マフィアは薬物や武器の取引、恐喝などを活動の中心としているものと見られております。
 以上であります。
○松村龍二君 次に、日本の暴力団は、これらの諸外国におきます犯罪組織と比較してどのような点に違いがあるのか、お伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 今、様々な国のことを申し上げましたが、米国やイタリアのマフィアと比べて、日本の暴力団はその構成員が関与している犯罪の種類という点ではマフィアと共通点があるものの、例えば、イタリアのマフィアが極めて秘密性の高い組織であるのに対し、暴力団は、暴力団事務所を構え、その代紋を掲げるなど、自らが暴力団であることを一般社会に誇示しながらその活動を行っている点が一つの特徴となっていると認識しております。
 もっとも、近年は暴力団に対する法規制や取締りの強化、暴力団排除活動の進展などを反映し、暴力団関係企業や暴力団と共生する者を利用して資金獲得活動を行うなど、我が国の暴力団も潜在化の傾向が見られ始めているところであります。
 以上です。
○松村龍二君 日本の暴力団の構成員数と外国の犯罪組織の構成員数についてお伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 冒頭でお答えしたとおり、平成二十三年末の暴力団構成員は約三万二千七百人、準構成員が約三万七千六百人で、両者の合計である暴力団勢力は約七万三百人となっているところであります。
 これに対し、外国の犯罪組織の構成員数については、警察庁として公式に把握している数字はありませんが、平成九年の公刊物において、米国におけるイタリア系マフィアの構成員及び準構成員の数を二万二千人、イタリアにおけるマフィアの構成員数を約二万人としている例があると承知をしております。
○松村龍二君 これまで暴力団について、その歴史的な起源、人的供給源や使用している凶器、資金源の現状を伺ってきたところでありますが、暴力団の組織としての特徴がかなり明らかになってきたところであると思います。
 これを前提として改めてお伺いをしますが、長年の暴力団対策にもかかわらず暴力団を根絶することができない理由について見解をお伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 警察では、従来から暴力団犯罪の取締りや暴力団排除活動の推進等により暴力団対策を進めてまいりましたが、依然として暴力団を壊滅するには至っておりません。しかしながら、近年、全国警察が一体となった暴力団の取締りや暴力団排除条例の運用を含む暴力団排除活動の推進により暴力団の人的基盤や資金源に対して相当程度の打撃を与えており、暴力団対策には一定の成果がうかがえると承知をいたしております。
 なお、平成二十三年末の暴力団構成員等の数は、前年に引き続き暴力団対策法施行後の最少人数を更新し、暴力団対策法が制定された平成三年当時の数字と比較しても約二万七百人の減少となっているところであります。
 今後とも、暴力団の弱体化、壊滅に向けて、暴力団対策を強力に推進してまいる所存であります。委員と先ほど議論申し上げましたように、捜査手法の高度化等のきちっとした捜査における武器が生まれれば、こういったことにおいても更に有利にそれは機能するだろうと、このように承知しております。
○松村龍二君 諸外国においては暴力団を非合法化するという例も見られるわけでございますが、我が国においてはこれら諸外国のように暴力団を非合法化することができないのはなぜか、お伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 各国の組織犯罪対策法では三つの類型があるわけで、ここからお話をしたいわけですが、イギリス、英国の制度では、組織に対する規制といった概念を使用せず共謀罪で対処すると。ドイツ、フランスの事例の場合は、犯罪を目的としている組織一般への参加を処罰の対象とするものであり、また、これに類似するものとして、イタリアの制度では、マフィア型結社への参加をいわゆる参加罪ということで処罰の対象とするものがあります。米国の場合は、殺人、誘拐、賭博等の行為の反復を通じて個人又は集団の活動に参加するなどの行為を加重処罰するということがなされております。
 今委員御指摘の暴力団の非合法化することも将来的な課題であるとは認識をいたしておりますが、団体の存在を直接規制することについては憲法との関連で慎重な検討が必要であること、現在の暴力団のように大規模な団体を強制的に解散させるような制度の実効性をどう担保するか十分検討する必要があることなどの問題があります。また、団体に対して解散を命じたり団体への加入を処罰するためには、その団体が犯罪の実行を目的としていることなどを要件とする必要があると考えられますが、我が国ではそのような目的を立証するために必要な証拠を収集するための手段、先ほどから申し上げているように、例えば通信傍受といった捜査手法が必ずしも十分ではないというような問題もあります。
 いずれにしても、我が国における暴力団の実態に応じてより効果的な対策を講じていくことが重要であり、今回は現在の状況に照らして特に必要性の高い規制の拡充をお願いするものとしたことであります。
○松村龍二君 時間も少し迫ってまいりましたので、次に、この度の暴対法改正の内容について、そのポイントはどこにあるのか、部長からお伺いします。
○政府参考人(栗生俊一君) 今回の暴力団改正法の骨格について、ポイントについてお尋ねでございますので、御説明申し上げます。
 この暴力団対策法改正案は、対立抗争及び暴力的要求行為に伴う市民生活に対する危険を防止するための措置、都道府県暴力追放運動推進センターによる事務所使用差止め請求制度の導入、暴力的要求行為の規制等の強化などを内容としております。
 次に、項目ごとの概要を申し上げますと、まず第一の市民生活に対する危険を防止するための措置につきましては、対立抗争が発生した場合におきまして危険な暴力行為が行われ、さらに同様の暴力行為のおそれがある場合に、都道府県公安委員会がその指定暴力団を特定抗争指定暴力団として指定し、警戒区域を定めて、区域内での事務所を新たに設置することや、相手方の居宅付近をうろつくことなどを罰則による処罰の対象とする。また、指定暴力団の構成員が不当要求に関連して危険な暴力行為を行い、かつさらに同様の暴力行為のおそれがある場合に、都道府県公安委員会がその指定暴力団を特定危険指定暴力団として指定し、警戒区域を定め、区域内で行う不当要求等を罰則による処罰の対象とすることを内容としております。
 次に、第二の都道府県暴力追放運動推進センターによる事務所使用差止め請求制度の導入につきましては、国家公安委員会の認定を受けた都道府県暴力追放運動推進センターが指定暴力団の事務所の付近住民から委託を受けまして、裁判上又は裁判外におきまして自らその事務所の使用差止めを請求することができることとするものであります。
 次に、第三の暴力的要求行為の規制の強化等につきましては、指定暴力団員が金融機関、建設業者、宅建業者等一定の事業者に対して行う不当な取引の要求等を暴力的要求行為に追加する。また、国等が行う公共工事の契約又は入札に関する暴力的要求行為の規制について、国等の契約又は入札全般にその対象を拡大する。さらに、暴力団の周辺者に対する規制を強化するため、暴力団の威力を示してみかじめ料等の要求等を行うことが禁止される周辺者の範囲を拡大する。さらに、指定暴力団員が縄張内の営業者のために用心棒の役務を提供すること等を禁止し、その違反行為を中止命令等の対象とする。最後に、暴力的要求行為に対する中止命令違反等に係る罰則を強化することなどを内容とするものであります。
 以上です。
○松村龍二君 大臣にお伺いしますが、この改正が行われれば効果があるというふうに認識されますか。
○国務大臣(松原仁君) 今回の改正は、今答弁を栗生部長から申し上げたように、対立抗争や事業者に対する襲撃事件が発生するなどの緊迫した状況の下で、市民への危害が生ずるおそれのある暴力団員の行為を直罰、直罰であります、直罰の対象にするなどの規制強化を図るものであり、暴力団の危険な活動の抑止に相当の効果を期待しております。
 もとより、暴力団の危険な活動を抑止するためには、対立抗争や襲撃事件の捜査を徹底することが重要であり、そのための捜査手法の検討も、何度も申し上げておるように重要であり、また検討されているところであります。
 今後、こうした事件捜査、保護対策といった各種施策と相まって暴力団対策の実が上がるように取り組んでいく所存であります。
○松村龍二君 この度の都道府県暴力追放運動推進センターが事務所使用差止め請求制度の導入をするなど、これについても大変警察庁としては、国家公安委員会としては力を入れておられるというふうに認識いたしますので、是非これが成果を収めていただきたいというふうに思う次第でございます。
 そこで、次に伺いますが、暴力団員に対して五百万円程度の罰金では足りないのではないかという指摘がありますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) 今回の改正において、法定刑を一年以下の懲役、百万円以下の罰金から、三年以下の懲役、五百万円以下の罰金と、それぞれ相当程度引き上げることといたしておりますが、三年以下の懲役、五百万円以下の罰金という法定刑は、現時点で他の法令における法定刑とのバランスを考慮したものとなっております。
 行政機関の発出した命令に違反する行為に科された罰則のうち非常に厳しい法定刑を定めている法律としては、例えば、商品等の回収等の命令の違反について三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金としている消費者安全法、違反建築物に対する措置命令の違反について三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金としている建築基準法、防火対象物について措置命令の違反について三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金又はこれを併科としている消防法がありますが、こうしたものと比較しても、三年以下の懲役、五百万円以下の罰金という法定刑は厳しいものというふうに認識をいたしております。
 加えて、今回の改正で懲役刑と罰金刑の併科について規定を強化することとしていることから、一般予防及び特別予防の観点からも相当の効果があるものと考えているところであります。
○松村龍二君 これまで今回の暴力団対策法の主な項目について御説明いただきましたところでありますが、今回の暴対法の改正案や暴力団排除条例に対しては作家や評論家等によります反対声明が、また暴力団自身から反対声明が出されるというふうなことが見られるわけでございますが、そのような意見について、どのように反論といいましょうか、理論付けをしておられるのか、お伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 全国で施行されている暴排条例及び暴対法改正案について、作家、評論家による反対声明が発表されたことは承知をいたしております。
 今回の暴対法の改正は、市民に危害を及ぼす暴力団の危険な行為を効果的に規制しようとするものであり、実務家や有識者の御意見を踏まえつつ長い間検討を進めてきたものであり、警察としては、暴力団から脅かされたり縁を切れずにいる方々に寄り添い、その安全と平穏を守っていくためにも、暴力団犯罪の取締りと併せて暴力団排除対策を強力に進め、さらには必要な法令改正も積極的に進めてまいりたいと、このように思っております。
○松村龍二君 昨日、参考人として、長年民暴に従事しておられた疋田淳先生とか、慶應大学の法学研究科博士課程の教授の小林節先生等からもお話を伺ったわけですが、暴力団の非合法化についてどう考えるかという御意見を伺ったところ、必ずしも憲法に違反しないという理論が導き出せるんじゃないかというふうな御発言もありまして、これらの法的な論拠についても十分研究しておられると思いますけれども、自信を持って対応をしていただきたいというふうに思います。
 そこで次に、暴力団対策法の運用に当たる警察官の問題について一つ、二つお伺いするわけですが。
 オウム真理教特別手配被疑者であります平田信が警視庁本部に出頭した際、警視庁の玄関に警戒しておりました機動隊警察官が、それは自分が担当するんでない、警察署に行って申し出よと言ったことでチャンスを逃したということが報道されていたわけでございます。また、今回の高橋の問題につきましても、漫画喫茶に通報があって参りましたところ、どうも人相が違うということでしり込みをしておりましたら、かえって店員からハッパを掛けられたというようなことで、それじゃ質問しようかということで質問して検挙に至ったというようなことが報道されていたわけでございます。
 この暴力団についても、やはり現場におります警察官が公安委員長と一緒のような気持ちになって取り組む気概がなければ困るんではないかと、こういうふうに思う次第でございます。
 また同様に、過般、長崎県におきます女性二名被害の殺人事件がございましたけれども、あのストーカー殺人ですね。警察が事前に被害を相談を受けていたにもかかわらずストーカー殺人を未然に防止することができなかったというようなことがございまして、これも同様に、現場警察官がいろいろな難しい問題に対して真摯に取り組む対決姿勢があるのかどうかということを疑われる事例かなというふうに思いますが、これにつきまして、大臣、どのような対策をしておられるか、どのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 大変重要な指摘だと思って今聞かせていただきました。
 オウム真理教特別手配被疑者平田が警察本部に出頭した際の、当初その対応に当たった警察官がこれをいたずらと処理したことは不適切だったと認識しており、重く受け止めているところでありますが、こういった様々な、長崎の案件も委員から前にも御指摘をいただきました。極めて、こういったことを含め、警察改革の精神の徹底というものに対して、今これを取り組んでいるところでありまして、先般の全国警察本部長会議においても、私も国家公安委員長としてこのことを言いましたし、また同時に、警察庁長官訓示でもかなりの時間を費やして、こういったものをきちっとそれぞれの県警本部でも徹底するようにという指示をなされたところでありまして、委員の御指摘もいただいて、更にこの警察改革の精神の徹底、進めてまいりたいと、このように思います。
○松村龍二君 それから、ついでにストーカーの問題についてお伺いするわけですが、実はストーカー法は、私が議員立法の立案者の一人としてこれにかかわったわけですが、ちょうど十数年前にこの事案が全国的に大騒ぎになりまして、警察がストーカーの事案を重要事案として扱っていない、点数にならないからほうっておくといった嫌いがないでもない、もう少し現場が使いやすい法律にするべきであるというようなことで、ヨーロッパ流の司法による命令ということだけでなくて、日本の警察が自分では、法務省に動いてもらわないとなかなか刑罰の設定というのはできないということで、暴力団対策法に知恵を借りた、命令をして、それを聞かなかったらそのことに対する罰を加えるというような手法を利用しましてストーカー法を立てたわけですが、世相が非常に荒くなってきて、このようなストーカー法が現代の世間に合わないということになるとすれば、やはりこれを改正する必要があるんではないかというふうに思います。
 そして、議員立法だから議員にやらせるということでなくて、こういう根本的な問題であれば警察が閣法で取り組んで改正するといったこともあり得るんじゃないかなというふうに思いますが、それについての御意見をお伺いします。
○国務大臣(松原仁君) 現在のストーカー規制法は施行されて十二年、本当に委員はこの議員立法に深く関与なさっておられたことで敬意を表するところでありますが、その間、一度も改正していないことを考えれば、運用上の問題点の有無等について都道府県警察から意見を聴取する必要があると認識しており、現在、意見聴取を進めているところであります。
 そういった現場の声も踏まえながら、こういったストーカー規制法の問題、改正等も必要であればそれは考えてまいりますが、現状においてはこの意見聴取を進めているというところであります。
○松村龍二君 最後に、今後の暴力団対策を進める上での決意を、今いろいろ答弁の中でお話伺いましたけれども、決意をお伺いしたいと思います。冒頭申しましたように、手りゅう弾というような凶器を使うようになった、また従来と違う動き方をする暴力団に対して今後どのように暴力団対策を進めるかという決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 改めて言うまでもなく、暴力団は銃器を使用した対立抗争や事業者に対する襲撃事件を繰り返すなど平穏な市民生活への脅威となっており、治安上の重要な課題と認識をいたしております。警察としては、暴力団の弱体化及び壊滅のため、暴力団犯罪の取締りの徹底、暴力団対策法の効果的な運用、関係者の安全に配慮した暴力団排除活動の推進を柱とする総合的な対策を実施してきたところであります。
 今後は、これらの取組に加え、今回の改正法を成立させていただいた後には、その的確な運用を通じ弱体化及び壊滅に向け暴力団を着実に追い詰めていくよう警察を指導してまいりたいと思います。
○松村龍二君 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上、松村龍二君の質疑は終了いたしました。
 次に、浜田昌良君。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 今回の暴力団対策法の改正、大きなポイントは、今ほども質疑がございましたように、対立抗争に伴う市民に対する危害の防止ということで特定抗争指定暴力団の指定、また不当要求に伴う市民に対する危害の防止として特定危険指定暴力団を指定すると。あわせて、これらの暴力団員が行う一定の行為について直罰を暴対法初めて導入をする、またその罰則もかさ上げをしていくと、そういう規制強化でございますけれども、市民の安全を守るため、また暴力団を排除するためにこういう規制強化は必要だと私は理解をしております。
 しかし、それが一方では濫用されないのかという懸念もあるわけでございますので、本日はその点についてまず質問したいと思っていますが、まず、特定抗争指定暴力団の指定、十五条の二にあるわけですね。また、特定危険指定暴力団の指定は三十条の八にあるわけですけれども、その指定については、従来の指定暴力団の指定手続の準用条項がそれぞれ八項、四項で規定されています。何かというと、いわゆる名あて人の意見聴取であったり、指定の官報による公示等の五条、七条は、これは準用規定があるんですが、実は六条の準用規定がないわけなんですよ。
 六条の準用規定は何かというと、都道府県の公安委員会が指定するときに国家公安委員会に確認を求めるという規定なんですね。確認を求められた国家公安委員会は、審査専門委員会の意見聴取をするという、そういうことを通じて指定暴力団は指定される。今回の二つの特定暴力団については、これはその準用規定が外されているんですよ。その趣旨について、まず国家公安委員長についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 現在の指定暴力団等の指定については、法第六条ですね、今委員御指摘がありました、基づき、国家公安委員会の確認及び審査専門委員の意見聴取の手続を経ることとされております。指定暴力団の指定については、暴力団以外の団体が指定されないようにするため、専門家である審査専門委員の意見を聴くこととしたところでございます。指定暴力団等の指定は、その効力が全国に及ぶことから、その全国的な斉一性を確保する必要があることによるものであります。
 これに対し、今回の改定による特定抗争指定暴力団また特定危険指定暴力団等の指定については、指定の対象となる団体は既に国家公安委員会の確認及び審査専門委員の意見聴取を経て指定された指定暴力団であると、そして、その規制の効力が及ぶ範囲は同一都道府県内に設定される警戒区域内に限定されるということから、法第六条を準用しないとしたものであります。
 なお、特定抗争指定暴力団等及び特定危険指定暴力団等の指定に当たっては、指定の対象となる指定暴力団等の代表者から事前に意見を聴取する手続を設けているほか、これらの指定を行政不服申立て及び取消し訴訟によって事後的に争うことも可能であり、これらの指定を受けることとなる指定暴力団等の手続保障にも十分配慮をした手続となっているというふうに承知をしております。
○浜田昌良君 続きまして、この指定された暴力団の団員の禁止行為として、特定抗争指定暴力団の場合ですけれども、付きまとい、うろつきというものが禁止されるわけですね。この何が付きまとい、何がうろつきなのかということで、これについての他の法律での規定例また運用例、特に今回は直罰が導入されますので、その適用数についてまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 他の法律で付きまとうを禁止行為として規定したものとして、売春の相手方となるよう勧誘するために道路等で人に付きまとうことを禁止している売春防止法第五条第二号があります。法文は今、そのままでありまして、売春の相手方となるよう勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又は付きまとうと、こういうふうになっております。
 不安又は迷惑を覚えさせるような仕方で他人に付きまとうことを禁止している軽犯罪法第一条第二十八号、これは、他人の進路に立ちふさがって若しくはその身辺に群がって立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人に付きまとった者と、このように書かれております。
 このうち、軽犯罪法第一条第二十八号については、付きまといのほか、他人の進路に立ちふさがる行為なども含め、平成十九年から二十三年の五年間で二千十一件の検挙があり、例えば、駐車場において通行者に対し電話番号を教えてください等々申し向け、約二十メートルにわたり追随した事例等があります。
 また、他の法律でうろつくを禁止行為として規定したものとしては、定職に就かず、一定の住居を持たない者が諸方をうろつくことを禁止している軽犯罪法、これは第一条第四号であります。これについて、平成十九年から二十三年の五年間で十五件の検挙があり、例えば、働く能力がありながら定職に就かずに竹やぶ付近をうろついていた事例等があります。
 以上です。
○浜田昌良君 今、付きまといにつきましては売春防止法又は軽犯罪法の規定例があって、特に軽犯罪法については平成十九年から今までで二千十一件、また、うろつきについては同じように軽犯罪法で十五件の摘発例といいますか、があるという話もありましたが、こういうものについて濫用がないように、恣意的にならないようにどのような運用を今後考えていくのかについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 改正案における対立相手の特定抗争指定暴力団の構成員に付きまとうこととは、対立相手の指定暴力団の構成員にしつこく追随することをいい、尾行することなどがこれに当たります。また、改正案における住居等の付近をうろつくこととは、対立相手の指定暴力団員と顔を合わせることとなるようなその居宅等の周辺区域にとどまることを言います。
 このように、付きまといやうろつきの意義は刑罰法規としても明確なものであると考えております。もとより、適用が恣意的なものとならないよう的確な運用に努めてまいりたいと思います。なお、適用に当たっては、行為者が特定抗争指定暴力団の構成員であること、相手方が対立相手の組員であると認識して付きまとっていたこと等の要件の充足についても適切に捜査を行うこととなります。
○浜田昌良君 次に、今回の法改正では、いわゆる都道府県暴力追放推進センター、いわゆる適格団体が周辺住民の委託を受けていわゆる事務所の差止め訴訟を行えると。この規定は重要だと思っております。
 そういう意味で、この規定を活用していただきたいと思っていますが、現状では住民自身が裁判で立ち向かっているという中にありまして、こういう事柄がありました。これは、まさにこの道仁会の旧本部事務所の使用差止め訴訟の口頭弁論が福岡地裁の久留米支部で四月二十七日、六月一日に行われたわけでございますけれども、尋問を受ける原告の住民側から、道仁会会長の面前で証言はやっぱり負担が大きいと、つい立てを置いてほしいとか、又はビデオリンクにしてほしいという話があったんですが、結局その裁判長の判断でそれがかなわなかったということ。
 これは三権分立なので、また訴訟指揮の問題がありますので立法府からなかなか言いにくい問題でもありますけれども、こういうことについて暴力団担当大臣としてどういう思いを持っておられるのか、まず大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 本件については、原告側から裁判所に対し、精神的圧迫を受けるおそれが高いとしてビデオリンク方式による尋問を求めたわけでありますが、原告住民に対する尋問においてビデオリンク方式は採用されず、証人席の後方に遮蔽物を置かれたこと、同遮蔽物により証人席と傍聴席との間は遮蔽されたものの、被告席に着席した被告の暴力団員との間は遮蔽されていなかったことの状況について、本件訴訟を支援してきた福岡県警察から報告を受けております。
 本件は、裁判長の訴訟指揮に係る問題と思われ、コメントは差し控えたいと思いますが、なお、住民の御心情、御心配は深く理解ができるところであります。警察としては、こうした住民の御心情、御心配を十分に理解した上で、住民の方々の安全確保に万全を期しつつ、訴訟支援その他の対策に取り組んでいきたいと、このように思っております。
 委員御指摘の部分は私も国家公安委員長として極めて感ずるところでありまして、とにかくそうした中でも暴力団に対して我々はきちっとそれを排除するために闘っていかなければいけないと、このように思っております。
○浜田昌良君 本件は昨日の参考人質疑でも取り上げさせていただいて、各参考人からこういうコメントをいただきました。疋田参考人は、大変遺憾に思っておりますと、また、小林参考人、慶應大学の教授でありますけれども、三権分立とおっしゃいましたけれども、裁判官によって適用がばらつきがあるのであれば、それこそ三権分立ですから、立法府でこういう場合はこうしますと法律で書いてしまえばいいんじゃないですかと、こういう御意見もありましたし、また、北九州市長北橋参考人からも、今回の対応は、裁判所の対応は残念でなりませんというお話がございました。
 確かに、小林参考人のこういう意見もありましたので、法律自身は民事訴訟法なんですよ。法務省の法律なので、この運用は法務省が権限を持っているわけなんですね。これについては、いわゆるつい立て、遮蔽の措置というのは民事訴訟法二百三条の三にありまして、これについては、裁判長は、事案の性質、いわゆる証人と当事者本人との関係、その他の事情により、証人が当事者本人の面前において陳述するときは圧迫を受ける、精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であって、相当と認めるときはつい立ても置けると、又はビデオリンクもできると、こういう規定がまた二百四条にあるわけですね。ただ、これどれぐらい実施されているかと聞きますと、平成二十三年一年間で、つい立てについては百二十件、ビデオリンクは二十七件、共にほとんどがDVとかいわゆる性犯罪が中心で、暴力団の事務所の差止め関係では使われていないようなんですよね。
 まずお聞きしたい。これは、こういう暴力団の事務所差止め関係には使えないものなのかどうなのか、法務省のまず見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(谷博之君) お答えいたします。
 今委員からそれぞれ御説明ございましたように、民事訴訟法の二百三条の三、それから二百四条、そういう条文によって、いわゆる遮蔽措置あるいはビデオリンク方式による証人尋問、これを定めております。これらの規定は、民事訴訟法二百十条によりまして当事者尋問について準用されているというふうに承知しております。
 これらの尋問の方法は、犯罪被害者等が訴訟手続において公開の法廷で証言等をすることにより苦痛を感じること、いわゆる二次的被害を被ることを可及的に防止するという観点から平成十九年の法改正によって設けられたものでございますが、制度上は証人等が犯罪被害者である場合に限定されておりません。したがって、暴力団事務所使用禁止訴訟においてもこれらの規定の適用は一般的には排除されないということでございます。
 なお、具体的な事例の当てはめについてでございますが、これらの規定を具体的な事例に適用するか否かについては、当該事例における裁判長の訴訟指揮にかかわることでございますが、一般論として申し上げれば、事案の性質、証人と当事者本人等との関係、証人への圧迫の程度等、法の定める各要件を満たしている場合にはこれらの規定の適用が認められるものと思料しております。
○浜田昌良君 今、谷副大臣から御答弁いただきましたように、この民事訴訟法の規定は暴力団事務所の使用差止め訴訟にも適用できるという話なわけですから、その立法者といいますか法律所管省庁等の見解をしっかりと、三権分立ではございますけれども、司法側に訴訟指揮権を害さない範囲でお伝えいただきたいと、そう思います。
 最後に松原大臣にもう一度お聞きしたいんですが、昨日、小林参考人から、今回の規定の中で、事業者の責務、第三十二条の二が設けられましたと。これは、その事業活動を通じて暴力団員に不当に利益を得させることがないよう努めなければならないというのがありまして、これがいわゆる暴力団を排除していく上で根拠となる規定で評価をするという声もあったわけですが、逆に、善意の第三者企業に取引停止などの風評被害を与えないように速やかな救済手続の完備も不可欠と、こういう意見もあったんですが、今後の運用について、こういう善意の第三者にそういうことがないようにどのような運用を考えておられるのかについて御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 事業者の中には、暴力団の要求に応じることが本意でなくても、適切な対応方法が分からなかったり、それが従業員に徹底されていないことなどにより、結果的に暴力団の介入を許す結果を招いている例も見られるところであります。
 お尋ねの改正案第三十二条の二の規定は、事業活動を通じて暴力団員に不当な利益を得させることがないよう努めなければならない旨を明記することにより、暴力団の不当要求に対する事業者の取組を促そうとするものであります。他方、暴力団と取引すると様々な因縁を付けられるなどして被害に遭うおそれがあることに鑑み、取引から暴力団を排除するための自主的な取組を行っている事業者も多く、このことは暴力団対策上も有効であることから、警察としても必要な支援を実施しているところであります。
 このような取引から暴力団を排除するための事業者の自主的な取組は改正案第三十二条の二の規定による暴力団の不当要求を拒絶するための取組とは別個の事柄であるが、いずれにしてもお尋ねのように、暴力団と知らずに取引をしている事業者が金融機関等の取引から排除されることは金融機関等としても想定しないものと思われ、事業者から相談があれば警察としても適切に対応するとともに、関係業界との連携にも意を用いるよう警察庁を督励してまいりたいと思います。
 以上です。
○浜田昌良君 まさにこの条項自身は私は評価をしておりますけれども、この条項によって例えば金融機関が過剰防衛的になって、たまたまそうと知らずにそういう取引をしていたところが、一切それが打ち切られてしまって不渡りが出てしまってという御心配のようでございました。そういう面については、今後の運用について、例えばいろんな制度あると思います。ノーアクションレターみたいな確認を取る制度もあるわけでありますので、しっかりそういう善意の第三者がこれによって逆な風評を受けないように、そういう適切な運用を望みまして、私の質問を終えたいと思います。
○委員長(芝博一君) 以上、浜田昌良君の質疑を終了いたします。
 次に、江口克彦君。
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
 都道府県暴力追放運動推進センターというのがありますね。非常に重要な役割を果たすと思うんですけれども、ここの活動が、自治体からの拠出金を外債などで運用して運営に当てているところが多いと。最近の経済状況や円高傾向で運用益ががた減りしまして、資金的に非常に、また財政的に非常に苦しい状況であるという報道がなされているわけですよ。
 報道によると、愛知県の都道府県センターである暴力追放愛知県民会議は非常に深刻な資金不足になっているということであります。愛知県同様に、財政状況に厳しい都道府県センターはどの程度あるのか、全国の都道府県センターの財政状況について、国家公安委員長、松原大臣からお話をお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(松原仁君) 今、江口委員から御指摘の愛知県の場合は、平成十七年度の当期収入が七千九百二十六万九千円でありますのが、二十二年に五千六百九十六万七千円ということで、二千二百三十万円の減少でありまして、率からいくと、これ三割ぐらい行っているわけでありまして、大変な状況だろうと思っております。御指摘のように、様々な要因もありますし、また極めて利息も低いということもあろうかと思っております。
 各都道府県の暴力追放運動推進センターは、本年四月一日までに全ての団体が公益財団法人に移行を完了し、基本財産の運用益や一般からの寄附金、地方自治体からの補助金等の収入により運営しているところがありますが、近年の経済状況の下、基本財産自体はほとんど減少していないものの、それらの収入は以前にも比べ減少しており、財政状況は厳しいものと承知をしております。
 今御指摘のように、暴力追放愛知県民会議における平成二十二年度決算の当期収入は平成十七年度と比べ約二千二百万円減収しており、同様に、北海道、東京など、十都道府県センターで一千万円以上の減収となっております。
 以上です。
○江口克彦君 そこで、大臣、都道府県センターへの相談件数は、資金が減っているという状況の中で逆に増えているんですね、相談件数は。また、本改正により役割はますます重要になってくるわけですよ。
 都道府県センターは、主に寄附金とか賛助金を活動資金としているということでありますけれども、警察庁として都道府県センターの財政支援についてどういう認識を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 御指摘のように、特に全国都道府県センターへの相談件数は、平成十九年が一万八千五十一件でありましたが、現在は二万一千四百九十九件と、プラス千六百六十四件と大変に増えて、もっと増えていますね、二万一千四百九十九件となっておりまして、非常に増えているところであります。
 都道府県センターは公益財団法人であることから、地方自治体からの補助金や企業を含めた地域社会からの寄附金等の収入をもって事業に充てており、これらの財政基盤を充実させるためには、地方自治体や企業を含めた地域社会に都道府県センターの事業に対する御理解をいただくことが重要であると認識をいたしております。都道府県センターを支援している都道府県警察はもちろん、警察庁においても都道府県センターの事業の状況や本改正により導入される事務所使用差止め請求制度の運用状況について積極的な広報を行うなどして、都道府県センターへの支援を充実させるための環境整備に努めるよう私としても督励をしてまいりたいと思います。
○江口克彦君 どのような活動を展開しようとしておられるんですか。
○国務大臣(松原仁君) 都道府県センターですか。
○委員長(芝博一君) もう一度、それじゃ江口克彦君、再度御質問ください。
○江口克彦君 警察庁の方としていろいろと、その支援というか、各方面からのそういう支援を強めていく活動をしていきたいということですけれども、具体的にどのような活動をしていこうというふうに思っておられるのかということであります。
○国務大臣(松原仁君) 江口委員からの極めて重要な御指摘でありますから少し踏み込んで御答弁をいたしますが、本改正法施行後の適格都道府県センターによる訴訟提起の状況等を踏まえ、必要があれば財政支援の在り方についても研究してまいりたいと、このように思います。
○江口克彦君 はい、分かりました。まあ頑張ってください。
 もう一つ、別の御質問を国家公安委員長松原大臣にお伺いしたいと思いますが、近年、市民や企業による暴力団排除の動きが活発になっている一方で、暴力団による報復が散見されるわけであります。警察庁においても、身辺警戒員を新設していますけれども、暴力団から危害が及ぶおそれのある市民の保護を徹底していただきたいというふうに思うわけでありますけれども、身辺警戒員を含めた市民や企業の保護についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 暴力団との関係遮断を図ろうとする方々の安全を確保することは、社会全体で暴力団排除活動を推進するための不可欠な基盤であります。保護対策の徹底を図るため、昨年十二月、警察庁において保護対策実施要綱を新たに制定し、全国の都道府県警察において身辺警戒員をあらかじめ指定し、実践的な訓練を実施する等の取組を進めているところであります。
 暴力団から危害を受けるおそれがある事業者等に対しては、必要に応じ身辺警戒を実施するほか、自宅や関係先のパトロールを強化するなどしており、暴力団情勢が緊迫している福岡県においては、全国警察から機動隊を派遣し保護対策にも従事させるなど支援体制の強化をしております。
 勇気を持って暴力団との関係を遮断しようとする方々や暴力団排除活動を進める方々が暴力団から危害を加えられることはあってはならないことであり、組織を挙げて関係者の安全確保の万全を期すよう引き続き警察庁を督励してまいりたいと思います。
○江口克彦君 そういう強化をしていると、しようとしているということであるにもかかわらずいろいろと、北九州の問題も含めて、福岡の問題も含めていろいろな事件が次々に起こっているというのは、効果があるというか、そういうことでお考えなんでしょうか。効果がないんじゃないですか。
○国務大臣(松原仁君) 当然効果があって様々なその犯罪を抑止しているわけでありますし、また、今委員御指摘のような案件を受けた後、更にこういった意味における機動隊の増強等も努めているところであります。
○江口克彦君 また、これから更に充実してそういう身辺警戒員の充実、またその体制の充実というのを図っていただきたいというふうに思います。
 次に、拳銃等の銃器は暴力団にとって組織の力を象徴する最も強力な武器であるわけでありますから、大量の拳銃等を組織的に管理した上、自宅や組事務所以外の場所に分散して保管するということで、非常に巧妙に隠匿しているというふうに考えられるわけですね。
 平成十九年に銃刀法が改正され、罰則が強化されました。翌二十年よりけん銃一一〇番報奨制度ですか、が開始されているところでありますけれども、銃を押収するために徹底した捜査や調査を行うべきであるというふうに考えるんですけれども、暴力団からの銃器取締りを強化するためにどんな施策を取っているのか、取ろうとしているのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(松原仁君) 近年、暴力団からの拳銃押収丁数は減少傾向にあり、御指摘のとおり、暴力団は摘発を逃れるため、拳銃等について巧妙かつ分散化して組織的に隠匿している状況がうかがわれます。
 このような中、警察では、暴力団に対する情報収集の強化はもとより、事件捜査を通じた拳銃情報の入手に努めており、暴力団等から拳銃の押収丁数は一昨年の九十八丁から昨年の百二十三丁に増加いたしました。また、従来から活用してきたけん銃一一〇番報奨制度に加え、本年四月からは匿名通報ダイヤルの対象に拳銃事犯を追加し、広く国民の協力を得ながら拳銃情報の収集に努めているところであり、今後とも暴力団の組織的な管理に係る拳銃の摘発の強化に努めるよう警察庁を督励してまいりたいと思います。
 委員御指摘のその部分でありますが、今御答弁申し上げましたように、この拳銃情報の入手に努めているわけでありますが、こういった課題も、先ほどから御議論になっておりますいわゆる通信傍受の拡大等が更に行われれば、かなり有効に機能するというふうにも思料されます。
 以上です。
○江口克彦君 それでは次に、暴力団構成員の離脱促進を進めましても、暴力団から離脱した者が社会に適応し復帰できるような措置をとらないとその者が社会復帰できないと。先日もテレビでやっておりましたけれども、生活が困窮するなどした結果、再犯をしてしまう、再び罪を犯すというようなことになりかねないということであります。
 暴力団構成員の社会復帰対策として具体的にどのようなことを行っているのか、その結果としてどのような、どの程度の効果というか成果が現れているのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(松原仁君) 暴力団員の社会復帰対策については、暴対法第二十八条の規定に基づき、離脱希望者の暴力団からの離脱と社会経済活動への参加を確保するための必要な措置を講じているところであります。
 具体的には、暴力追放運動推進センターと連携し、暴力団からの離脱希望者に対する離脱のための支援を進めるとともに、公共職業安定所や保護観察所等の関係機関、団体と連携し、社会復帰対策協議会等を都道府県ごとに設立し、暴力団離脱者に対する雇用の場を確保するなどの社会復帰対策を積極的に推進しているところであります。
 しかしながら、最近は経済情勢が厳しいこともあり、平成二十三年中の警察や暴追センターへの相談を通じての暴力団離脱者は六百八十八名を数えたものの、社会復帰対策協議会を通じての就業人員は僅か三名にとどまっているものと承知をしております。この復帰の推進状況は、平成二十一年には三十四人ということだったんですが、二十二年に七名、二十三年は三名となっているわけであります。
 経済状況が引き続き厳しい中、本人の就労意欲などの様々な問題はありますが、関係機関と連携しつつ、離脱者を雇用する意思のある事業所の募集等を展開し、企業や篤志家等と一体となって実効ある社会復帰対策を推進するよう、警察庁を督励してまいる所存であります。
 委員御指摘の点、極めて重要なところでありまして、また様々な知恵もいただきながら検討していきたいと思います。
○江口克彦君 次に、昨年出版されました、ノンフィクションライターの溝口敦さんが「暴力団」という本を書いておられるんですね。それによりますと、溝口さんが、半ぐれ集団、半分ぐれ集団というか、半ぐれ集団と呼ぶ暴走族OBなどの暴力団以外の反社会的勢力が伸長しているというふうに書かれているわけであります。
 暴対法も、それから暴排条例も暴力団やその周辺にいる者に対する法律でありまして、半ぐれ集団は対象外であるわけであります。警察は暴力団以外の反社会的勢力に対しても厳しく取り締まっていく必要があるというふうに考えますけれども、警察におけるこの半ぐれ集団の把握状況及び取締り状況というものについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 私もこの著作は読んだところでありますが、最近、雑誌等や御指摘の著書において、半ぐれ集団と称する組織の存在や活動が指摘されているものと承知しております。
 暴力団以外のそのような集団は、その組織の形態や結束の程度も様々であることから、これを一くくりに御説明することは困難でありますが、警察としては、いかなる個人、集団であっても、犯罪行為への関与を認めれば、個々の事案に応じて厳正な取締りをもってこれに対処し、また、そのような犯罪行為を行っている者が一定の組織や集団を形成しているのであれば、その実態の解明に努めるものと認識をしております。
 東京都内においては、暴走族グループOBらは、グループの解散後も人的つながりを維持し、繁華街などにおいて暴行、傷害等の犯罪行為を行っている実態が把握されているところであり、警察においては、繁華街、歓楽街対策等を通じ、その組織の実態解明に努めるとともに、違法行為があれば関係部門が連携し、その取締りに努めているところであります。
 以上です。
○江口克彦君 ありがとうございました。
 それじゃ、最後になるかもしれませんけれども、大臣に、暴力団は、復旧復興事業でなく、東日本大震災にかかわる暴力団関係の問題ですけれども、東日本大震災の被災地や被災者から様々な手段、方法を用いて資金を獲得しようとしているという報道があります。被災地や被災者を標的にして資金の獲得を行おうとするのは極めて非人道的であり、言語道断だというふうに私は断ぜざるを得ないと思うんですけれども、被災地や被災者を暴力団から何としても守らなければならないというふうに思うんですけれども、そのために、より一層私は対策を強化する必要があるというふうに思うんですけれども、これについて、松原大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) 今委員御指摘のように、様々な検挙事例があるわけでございまして、暴力団員が、例えば宮城県においては緊急小口融資制度を悪用して現金を詐取した詐欺事件があったり、また、暴力団員が震災直後に発生した銀行のシステム障害に伴う預金の支払制度を悪用した詐欺事案があったり、また、労働者派遣に関しても様々な事案がありまして、暴力団員が仮設住宅建設工事の下請契約を解除されたことに因縁を付け現金を脅し取ろうとした恐喝未遂事件であるとか、また、岩手県内においては、仮設住宅建設工事に関して、派遣禁止業務である建設業につき労働者を派遣し、労働者派遣業法違反事件ですね、こういったものも発生したりしております。
 また、暴力団が、宮城県内では被災したコンビニエンスストア設置のATMを破壊し現金一千三百万円を窃盗した事件、さらには復旧復興事業に関する部分でも様々なこういった案件が委員御指摘のように見られるところであります。暴力団はこうした被災者を標的とするような事案また違法行為を行っているわけであります。
 また、こういったことを含め、被災地における暴力団対策をより一層強化するために、暴力団等の動向把握や取締りの徹底に加え、関係省庁や関係地方公共団体、関係業界等と連携して暴力団排除活動を推進するようにしていきたいと思っております。
 具体的には、国土交通省、社団法人日本建設業連合会との協議会の設置、東京電力やその主要な元請企業等との協議会の設置等の、関係機関、業界との連携を強化していくということになります。
○江口克彦君 私の質問は以上です。どうもありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上で江口克彦君の質疑を終了いたします。
 次に、糸数慶子君。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。
 特定抗争指定暴力団等又は特定危険指定暴力団等の指定要件について、条文上、例えば第十五条の二第一項には、更に人の生命又は身体に重大な危害が加えられるおそれがあるときというふうに規定されており、基準が明確ではありません。
 マニュアルを作成するなど、都道府県ごとに指定基準に違いが出ないようにするべきだというふうに考えますが、国家公安委員会委員長にお伺いいたします。
○国務大臣(松原仁君) 今回の改正では、指定暴力団等による対立抗争や事業者への危害行為によって人の生命、身体に重大な危害が及ぶおそれがある場合において、そのような危害の発生を防止するための当該指定暴力団等を特定抗争指定暴力団等あるいは特定危険指定暴力団等と指定するとともに、特に警戒を要する区域を定めた上で、特定抗争指定暴力団等の組員による当該区域内の一定の行為を制限することといたしております。
 一般に、行政法令においては、国民の生命、身体の安全を保護するという目的を達成するため、国民の生命、身体に重大な危害が加えられる前の段階でそのようなおそれのある行為を制限することでその発生を防止するという仕組みが取られるところであり、改正法においても、暴力団員の危険な行為により国民の生命、身体に危害が及ぶことを防止するという行政目的を達成するために必要な制度の規制を導入することとしたものであります。
 なお、対立抗争や事業者への危害行為が発生するおそれについては、既に発生した事案の内容のほか、当事者である暴力団の動向や活動状況等に関する資料を基に、事前の意見聴取を経た上で認定することとしているところであります。
 これらの制度の施行に当たっては、都道府県警察においてその規定の趣旨に従った適正な運用がなされるよう、警察庁において必要な資料等を作成し、周知するよう指導してまいりたいと思います。
○糸数慶子君 次に、特定抗争指定暴力団等又は特定危険指定暴力団等に指定することは、単なる指定暴力団にする以上に様々な制限が設けられるわけです。しかし、暴力団を指定暴力団に指定しようとするときには審査専門委員から意見を聴取することとなっていますが、特定抗争指定暴力団等を指定しようとするときにはその規定がありません。指定暴力団以上の制限を設けるのですから、少なくとも指定暴力団の指定と同様の手続を経るようにすべきだと考えますが、法案の目的には私は賛同いたしますが、手続の面で問題があるというふうに考えます。
 この点について、国家公安委員会委員長にお伺いをいたします。
○国務大臣(松原仁君) 現行の指定暴力団等の指定について、法第六条に基づき、国家公安委員会の確認及び審査専門委員の意見聴取の手続を経ることとされているのは、指定暴力団等の指定については、暴力団以外の団体が指定されないようにするため、専門家である審査専門委員の意見を聴くこととしたこと、指定暴力団等の指定は、その効力が全国に及ぶことから、その全国的な斉一性を確保する必要があることによるものであります。
 これに対し、今回の改正における特定抗争指定暴力団等又は特定危険指定暴力団等の指定については、指定の対象となる団体は既に国家公安委員会の確認及び審査専門委員の意見聴取を経て指定された指定暴力団であること、その規制の効力が及ぶ範囲は同一都道府県内に設定される警戒区域内に限られることから、法第六条を準用しないこととしたものであります。
 なお、特定抗争指定暴力団等及び特定危険指定暴力団等の指定に当たっては、指定の対象となる指定暴力団等の代表者から事前に意見を聴取する手続を設けているほか、これらの指定を行政不服申立て及び取消し訴訟によって事後的に争うことも可能であり、これらの指定を受けることとなる指定暴力団等の手続保障にも十分配慮した手続となっているものであります。
○糸数慶子君 次に、特定抗争指定暴力団等又は特定危険指定暴力団等の指定暴力団員が警戒区域内において禁じられる行為に、付きまとい、うろつき、多数で集合というふうにあるわけですが、これらをどのように判断されるのでしょうか。当人たちに全く悪いことをしようという意思がないにもかかわらず、単に警戒区域にいただけで罰せられるおそれがあるのではないでしょうか。
 また、第十五条の三第一項第三号の暴力行為を誘発するおそれがあるものとして政令で定められる行為として想定しているものは何でしょうか。判断のぶれや恣意的な運用を避ける必要があると考えますが、国家公安委員会委員長にお伺いいたします。
○国務大臣(松原仁君) 改正法における対立相手の特定抗争指定暴力団の構成員に付きまとうこととは、対立相手の指定暴力団の構成員にしつこく追随することを言い、尾行することなどがこれに当たります。また、改正案における居宅等の付近をうろつくこととは、対立相手の指定暴力団員と顔を合わせることとなるようなその居宅等の周辺区域にとどまることを言います。また、改正案における多数で集合とは、おおむね五人以上の者が時間、場所を同じくすることを言います。
 このように、付きまといやうろつき、多数で集合の意義は刑罰法規として十分に明確なものであると考えております。もとより、適用が恣意的なものとならないよう的確な運用に努めてまいりたいと考えます。
 また、これらの適用に当たっては、行為者が特定抗争指定暴力団の構成員であること、相手方が対立相手の組員であると認識して付きまとっていたこと等の要件の充足について適切に捜査を行うことになります。これらの規定の適用に当たっては、都道府県警察においてその規定の趣旨に従った適正な運用がなされるようにするため、警察庁において必要な資料等を作成し周知するよう指導してまいります。
 なお、政令で定める行為については、対立抗争を誘発するおそれのある行為を実態を踏まえて具体的に定めることを検討しております。
○糸数慶子君 最後の質問ですので、通告いたしましたのはやはり前段の質問で重なるのもありましたので、通告よりちょっとはしょって質問したいと思います。
 警察OBの企業への天下りについてでありますが、暴排条例が各都道府県で指定されている過程で、警察OBの企業への天下りが急増しているとの指摘がございます。例えば、週刊東洋経済の本年の一月二十八日号は暴力団対策と企業という特集を組んでいます。上場企業が取締役や監査役に警察OBを迎え入れていることを指摘しています。
 政府は天下り禁止の号令を掛けていますが、このような実態を掌握されているのでしょうか。少なくとも実態を調査すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) 国家公務員法上、府省庁による再就職のあっせん等が禁止されているところであります。警察庁においては、関係法令及び政府方針を遵守しているものと承知をしております。なお、国家公務員の再就職状況については、管理職職員の離職後二年以内の再就職に関し届出、公表の制度が設けられており、警察庁としては、その範囲において職員の再就職状況を把握しているものと承知をしております。平成二十三年度中の警察庁職員に係る届出件数は三十二件であります。
 一方、地方公務員法においてこれらの規定は盛り込まれておらず、必要な法整備について検討はなされているものと承知をしております。地方公務員である都道府県警察職員の退職後の再就職の状況について、警察庁としては把握をいたしておりません。
○糸数慶子君 次に、福祉事務所への警官OB等の配属についてでありますが、厚労省にお伺いしたいと思います。
 民間企業だけではない状況の中で、例えば厚生労働省は今年の三月一日の社会・援護局担当者会議で、不正受給対策に関する予算事業を活用し、自治体の福祉事務所に警官OB等の配属を積極的に検討するよう求めました。既に国の補助金を使って警官OBを雇用している自治体は、二〇一〇年度の厚生労働省の調査では七十四自治体百十六人、自治体の独自予算での雇用もあり、実際はこれより多いというふうに考えます。
 福祉の現場に必要なのは畑違いの警官OBではなく、福祉の専門職員の増員だと現場からは強い批判が上がっています。こうした警官OBの採用は中止すべきではないかと考えますが、お伺いいたします。
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 福祉事務所に警察官OBを配置することは、ケースワーカーに暴力を振るうなどの暴力への対応、不正受給に対する告訴等の手続の円滑化、申請者のうち暴力団と疑われる者の早期発見などの観点から行われているものでございます。一方、生活保護制度は最後のセーフティーネットであり、支援が必要な人は確実に保護を実施するという基本的な考え方に基づき制度を運営しているところでございますが、他方、こうした不正受給や暴力への対応という点からの取組も必要となっている点を御理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、生活保護制度につきましては、支援が必要な人は確実に保護を実施するという基本的な考え方に沿った制度の運営に努めてまいりたいと考えている次第でございます。
○糸数慶子君 生活保護問題対策全国会議と全国公的扶助研究会が三月に連名で、厚生労働省、厚生労働大臣あてに福祉事務所への警察官の天下り配置の撤廃を求める要望書を提出しています。
 請願署名も届いておりますが、その内容を少し紹介いたしますと、まず一点目に、生活保護受給者の増加は、誰が悪いのか。困窮者が悪いのか。国が悪いのか。二点目に、困窮者は社会保障の対象なのか、治安の対象なのか。福祉事務所は福祉の場なのか、治安の場なのか。それから三点目に、困窮者が萎縮し、更に衰弱死や孤独死が増えてしまう。四点目に、不正とは何か。不正は元警察官だけが分かるのか、福祉職員には分からないというのか。五点目に、警察官は天下りも良いのか。元警察官の大量配置は費用対効果が良いのか。ワーカーは増やさないのかということで、これは多くの市民の皆様からの、厚生労働大臣あてに、福祉事務所への警察官天下り配置の撤廃を求める要望書というふうに出されているわけです。警官OBの配置は福祉行政の変質につながりかねないと、こういう現場からの強い声を重く受け止めていただきたいと思います。
 次にお伺いをしたいと思います。
 昨年の十月に施行されました沖縄県暴力団排除条例は、県や県民それから事業者が社会と一体となって沖縄県から暴力団を排除するため、青少年の健全な育成を図るための措置、さらに暴力団員等に利益の供与をすることの禁止等、あるいは不動産の譲渡等に関する措置の三本柱を各種規定を設けて、県民の安全、そして安心で平穏な生活の確保を図ることを目的とする内容になっています。
 条例によりまして沖縄県における暴力団排除の体制面は大きく前進したと思いますが、暴力団排除の条例に関する沖縄県の企業の意識は十分とは言えません。例えば、帝国データバンク沖縄支社によりますと、条例施行直後の昨年の十月の十九日から三十一日に行われた調査によりますと、条例を知っていると回答した企業は七四%で、その構成比を全国と比較いたしますと四・三ポイント低く、全国四十七都道府県では九番目に低い状況になっています。また、暴排条例対策として現在行っていることについて、何をすればよいか分からないと回答した企業が四〇%もあったという状況であります。
 これらのことから、暴力団排除の意識が高いとは言えず、より一層の啓発活動が必要になるわけですが、本法案は、事業者に対して、不当要求による被害を防止するために必要な措置を講ずるように努めるほか、その事業活動を通じて暴力団員に不当な利益を得させることがないよう努めなければならないとの責務規定を設けています。また、現行規定において、国及び地方公共団体は、事業者等が行う暴力排除活動の促進を図るための措置を講じなければならないと思うわけですが、本法案が成立した暁には、事業者による暴力排除活動を促進するためどのような措置を講じるか、国家公安委員会委員長にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 警察庁及び全国の都道府県警察においては、関係機関と連携しつつ、不動産、建設、銀行、証券等の各種業界団体との連絡協議会を設置し、これらの業界における暴力団排除のための取組を支援いたしております。
 また、現行の暴対法第三十二条第一項において、国及び地方公共団体は、事業者等が自発的に行う暴力排除活動の促進を図るため、情報の提供、助言、指導その他必要な措置を講ずるものとしているところであり、この規定の趣旨に沿って事業者による暴力団排除活動が一層推進されるよう、御指摘の広報、啓発も含め、警察庁を督励してまいりたいと、このように考えております。
○糸数慶子君 一分ほど時間がありますので、先ほどちょっと質問いたしませんでしたけれども、順番からいたしますと、通告いたしました五番の質問でございますが、不当な利益の判断基準や具体的なその類型を政省令で明示していただきたいということで、不当な利益の判断基準や具体的な類型を明示するようにしないと警察の恣意的な運用を許すことになりはしないかという心配がありますが、政府はこれを政省令で明示されますかどうかお伺いいたしまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 暴対法第三十二条の二には、事業者にその事業活動を通じて暴力団員に不当な利益を得させることがないよう努める等の責務があることを規定するものであり、不当な利益を得させるとは、正当な理由のない利益を得させていること、すなわち、相手方が暴力団員であることを理由として、通常の一般人を相手方とする場合には行わないような金品等の贈与を行うことをいいます。具体的に何が暴力団員に不当な利益を得させる行為なのかについては、各事業者において社会通念に従って適切に判断されるべきものと考えております。
 このように、暴対法第三十二条の二の規定は、あくまでも事業者の方々に自主的に取り組んでいただく努力義務を定めたものであり、警察がこれを具体的に適用するという性格のものではないことから、判断基準や類型を政省令等で明示することにはなじまないというふうに考えております。
 以上であります。
○糸数慶子君 時間でございますので、以上で終わりたいと思います。
○委員長(芝博一君) 以上、糸数慶子君の質疑を終了いたします。
 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(芝博一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、岡田君から発言を求められておりますので、これを許します。岡田広君。
○岡田広君 私は、ただいま可決されました暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党及びみんなの党の各派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一、指定暴力団等による対立抗争及び暴力的要求行為等によって住民の平穏な生活が危険にさらされることのないよう、本法を効果的に運用すること。
   なお、本法の規定に基づく職権を運用するに当たっては、恣意的にならないよう十分留意すること。
 二、各都道府県に置かれた暴力追放運動推進センターが、暴力団事務所の周辺住民の委託を受けて行う当該事務所の使用差止請求関係業務を含めた事業を適切に行えるよう、財政状況の改善など環境整備のための方策を検討すること。
 三、暴力団との関係の遮断を図る企業及び市民等に対する危害行為が相次いでいることに鑑み、保護対象者の指定及び身辺警護等の保護対策を講ずるに当たっては、遺漏なきを期すること。
 四、暴力団から離脱する意志を表明する者に対しては、その意志を確認した上で十分な援護措置を講ずること。
   また、暴力団から離脱した者についても社会から孤立することのないよう、都道府県暴力追放運動推進センター等と連携して十分な援護措置を講ずること。
 五、暴力団事務所の使用差止請求等にかかる裁判においては、証言を行う者が暴力団等から精神的な圧迫や危害を受けることがないよう、十分な配慮が望まれる。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(芝博一君) ただいま岡田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(芝博一君) 全会一致と認めます。よって、岡田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、松原国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松原国家公安委員会委員長。
○国務大臣(松原仁君) ただいま御決議がありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(芝博一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(芝博一君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(芝博一君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、一川保夫君が委員を辞任され、その補欠として安井美沙子君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(芝博一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣府設置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、政府参考人として内閣官房内閣審議官片瀬裕文君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(芝博一君) 異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
○委員長(芝博一君) それでは、内閣府設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。古川国務大臣。
○国務大臣(古川元久君) この度、政府から提出いたしました内閣府設置法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 宇宙空間の開発及び利用の戦略的な推進体制を構築することは、我が国の宇宙政策にとって積年の課題であり、宇宙基本法の理念に基づいて早急に取り組むことが求められています。また、内閣府の所掌事務をより円滑に遂行する体制を整備する必要があります。
 このような観点から、内閣府に我が国宇宙政策の司令塔機能と準天頂衛星システムの開発、整備、運用等の施策実施機能を担当する体制の整備、独立行政法人宇宙航空研究開発機構の在り方等についての見直し等の所要の措置を講ずるとともに、各省の副大臣及び大臣政務官を内閣府の副大臣及び大臣政務官に兼職できるようにする本法律案を提出する次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、内閣府の所掌事務として、宇宙の開発及び利用に関する基本的な政策の企画及び立案並びに総合調整、準天頂衛星システムの整備及び管理に関する事務等を追加します。
 第二に、内閣府に、他省の副大臣の職を占める者をもって充てられる副大臣を置くことができるものとするとともに、他省の大臣政務官の職を占める者をもって充てられる大臣政務官を置くことができるものとします。
 第三に、内閣府に審議会等として宇宙政策委員会を設置します。宇宙政策委員会は、内閣総理大臣等の諮問に応じて宇宙開発利用に関する政策に関する重要事項等について調査審議を行うとともに、当該事項に関し内閣総理大臣等に意見を述べ、さらに必要な勧告をすることができることとします。また、文部科学省の宇宙開発委員会を廃止します。
 第四に、独立行政法人宇宙航空研究開発機構は、人工衛星等の開発等の業務を、宇宙基本法第二条の宇宙の平和的利用に関する基本理念にのっとり行うものとし、同機構の中期目標の策定等に当たっては、宇宙基本計画に基づかなければならないとするとともに、宇宙科学技術に関する基盤的研究開発等に関する業務等について、内閣総理大臣に協議するものとします。
 第五に、主務大臣は、関係行政機関の要請を受けて、我が国の国際協力の推進若しくは国際的な平和及び安全の維持のため特に必要があると認めるとき又は緊急の必要があると認めるときは、同機構に対し、必要な措置をとることを求めることができるものとします。
 第六に、同機構の業務として、人工衛星等の開発等の業務に関し、民間事業者の求めに応じて援助及び助言を行うことを追加し、同機構の主務大臣として、内閣総理大臣、経済産業大臣及び政令で定める大臣を追加します。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 また、この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 なお、衆議院において、原子力の安全の確保に関する組織及び制度を改革するための環境省設置法等の一部を改正する法律案の法律としての施行期日が経過したことに伴い、本法律案第二条の文部科学省設置法の一部改正において、宇宙開発委員会に関する款を削除する修正が行われておりますので御報告いたします。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(芝博一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大野元裕君 民主党・新緑風会、大野元裕でございます。
 この宇宙に関連する内閣府設置法等の一部を改正する法律案につきましては、我が国の未来を大きく可能性を開いていく、そういうものだと思っておりますので、期待を込めて大臣に御質問をさせていただきます。
 まず第一に、宇宙の開発及び利用の戦略的な推進を図るための措置、これを内閣府の下で行うとされておられますが、それによって期待される効果というものを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 今委員からも御指摘ございましたように、宇宙政策は大変に私ども国家戦略として重要だというふうに認識をいたしております。
 そうした考え方の下、今回の改正では、宇宙政策を一元的に推進するための司令塔機能を内閣府に整備することといたしました。また、実用準天頂衛星システムのような多様な分野において利用される省庁横断的なシステムの整備等については、これを内閣府が担当することを明確化をいたしました。さらには、JAXAを政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的な実施機関として位置付けて、各省の行政ニーズにこたえていけるように見直しを行うこととさせていただきました。
 こうした措置によりまして、従来、ともするとばらばらであったりあるいは連携がうまく取れていなかった研究開発、実用化、産業化から幅広い利用に至るこうした政策を相互にしっかりと連携させて、宇宙政策を効果的に推進できる体制が整うものというふうに考えております。
○大野元裕君 是非よろしくお願いいたします。
 古川大臣の御指導の下、平成二十三年度の概算要求の、例の元気な日本復活特別枠におきましては、その中の要望として、今大臣がおっしゃられた準天頂衛星システム事業計画等の宇宙の総合的な利用推進が掲げられたところであります。この補完あるいは補強された機能によって、特に経済的な効果というものはいかなるものが、また民間との連携というものはどういったことが期待されるのでしょうか、教えてください。
○大臣政務官(園田康博君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、平成二十三年度概算要求で元気な日本復活特別枠ということでこの準天頂衛星システム、これを掲げさせていただいたところでございます。
 この準天頂衛星システム、これを整備することによって、まず測位衛星システムの利用可能の時間、これが延長が可能となってまいります。そしてまた、精度及び信頼性が向上いたしまして、多様な産業、生活、行政の分野、各般において業務の効率化であるとかあるいは高度化、そういったことが図られるということが期待がまずされます。
 また、準天頂衛星システムを整備することによって、これを利用する高度な機器やサービスの市場が創出されるとともに、我が国が測位衛星システムの標準化に主体的な役割を果たしていくと、こういったことを通じまして、幅広く、これは国際競争力の強化にもつながっていくということが、期待をさせていただいているところでございます。
 ちなみに、二〇〇五年に世界の衛星測位関連市場、これが七兆円という形がございましたけれども、これが二〇二五年には五十六兆円に拡大するという、これEUの調査の予測もございます。そういったこともあって、準天頂衛星システムが、これを利用した新産業の創出であるとか、あるいは産業の高度化につながるように、関係省庁とも連携を強化させていただきながら、また民間とも当然連携をさせていただき、このシステムの整備や利用拡大を進めていくつもりでございます。
○大野元裕君 準天頂衛星を利用した新産業の創出、あるいは産業の高度化等が期待されるという御答弁でございました。
 この我が国が持っている技術あるいは情報、こういったものをどのように利用していくかについて、ほかの国の例も私は拝見をさせていただきましたところ、例えばイギリスの場合にはオープン・ガバメント・ライセンス・フォー・パブリック・セクター・インフォメーションという名前の下、またアメリカの場合にはデータ・ドット・ガブ、データポリシーという、そういう名前の下で国が持っている情報を利用する、あるいは国が持っている情報自体をそのまま使うという場合に、国は著作権を放棄するわけではない。しかしながら、原則的に無償で多くの方々にこれを利用していただく、その代わりとして、例えばこれを利用した人が被る損害、あるいは期待された情報が不十分であったこと等に起因する損害から免責をされるということを定めています。
 私の理解する限りでは、日本の場合、そういった制度が現時点ではないと私は理解しておりますけれども、政府のこれらの提供する情報が、可能性が大いにあるがゆえに、逆に民間で利用するに当たっては、政府として利用の条件等の免責を定めていくということは考えておられないのでしょうか。
○大臣政務官(園田康博君) 準天頂衛星システムからの提供されるサービスについては、先生御指摘のように、今これからこの法案が通していただければ、成立させていただければ、しっかりその内容について進めていく所存でございますけれども、その利用促進、これをしていくためにも、その精度であるとかあるいは信頼性、そして国の責任の範囲、これなどについては明確にすることが必要であるというふうに思っております。
 先生御指摘のことも踏まえて、免責事項の在り方も含めてこれからしっかりと検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○大野元裕君 頼もしいお言葉をいただいて、是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 今政務官がおっしゃいました、利用を促進していく中で国の制度等をしっかりと定めていく必要があるという話がありました。こういった中で我々が常に考えなければならないのは、当然我が国の安全やリスク、こういったものであろうというふうに思っています。
 準天頂衛星に先立つ、例えばアメリカのGPS等を見てみると、資料でもお配りをしましたけれども、これは報道等を見ますと、諸外国、海外におきましては、このGPSに対する妨害活動で被害が出たという前例があると聞いております。GPS自体は非常に微弱な電波であるがために、いわゆるジャミング、それから成り済ましというんでしょうか、違う情報を送るスプーフィング、こういったことが容易だという技術的な指摘もありますし、インターネットを見てみますと、実はこれ、GPSをジャミングするための妨害装置は秋葉原でも売っているんですね。
 そういったことを考えていくと、政府として、ここに特にこれから依存する産業あるいは安全保障、それから災害対策、こういったものが特に重要になればなるほどこういったジャミングやスプーフィング対策というものは万全に講ずるべきだと考えておりますけれども、その対策についてどうお考えかを教えてください。
○政府参考人(鈴木茂樹君) お答えさせていただきます。
 我が国におきましては、平時からそういった混信妨害の発生源というものに対しまして、探知、捕捉を行っておりまして、これまでも無線通信に対するそういった混信妨害というのが発生した場合には、私どもの電波監視施設を使って発生源を探知しまして、そこに行ってその原因を除去するというようなことをやってございます。
 仮に、その妨害源が外国にあった場合等でございますが、そういった場合には、国際電気通信連合憲章や条約に基づきまして、関係国にまずはその妨害源の排除といったことを要請するということとともに、国際電気通信連合、そちらにその妨害の除去への援助を要請するということの手続が定まっておりまして、今後ともそういった無線通信に関します妨害源の排除については、総務省としてもしっかりと取り組んでいきたいと思ってございます。
○大野元裕君 ありがとうございます。
 ITUを通じた働きかけ等につきましては私も理解をしているところでございますが、その一方で、我が国が切迫する危機に直面するような場合も当然あり得ると思っております。特に、このような準天頂衛星のような形は、平和的利用を進めていくということでは一義的にはありますけれども、しかしながら、別の利用の仕方もあると私は理解をしています。
 例えば、アメリカなどの場合には、先ほど御指摘させていただいたGPSについては、敵国がこのGPSの技術を利用して例えばアメリカを攻撃すると、そういったことがないように、いわゆるリージョナル・ディナイアル、その地域においてGPSからの電波を受信ができなくなる、若しくは精度を落とす、しかしながら米軍の方は精度の高い情報をそのまま使える、こういう手法を講じているというふうに聞いております。
 我が国としても、我が国の領土の上もそうですし、この準天頂衛星、我が国以外の外国の領土の上を通るということもありますので、そういったことにも鑑みて、予防的措置というものを私は講じるべきではないかと思っておりますけれども、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(片瀬裕文君) お尋ねのアメリカのまずGPSにつきましては、かつてはセレクティブ・アベイラビリティーと呼ばれる政策を講じておりました。これは、具体的には必要に応じてGPSから提供されるサービスの精度を低下させる政策を取っていたということでございますけれども、幅広い地域に影響を与えて、世界中の利用者が、影響を及ぼす、及ぶということでございまして、リージョナル・ディナイアル政策に転換をしたというふうに承知をしております。
 今御指摘のリージョナル・ディナイアル政策でございますけれども、これは有事の際には、GPS衛星からのサービス提供はそのまま継続しつつ、米軍が必要に応じて米国の国内若しくは海外の限定された地域で妨害電波を発しまして、その利用を制限をするという政策であると承知をしております。
 準天頂衛星システムからのサービスの提供につきましては基本的にはGPSと同様に継続することが適切であると考えておりますけれども、衛星測位が我が国の安全保障に影響を与える事態が生じる場合の対応ということにつきましては、準天頂衛星システムにとどまらず、各種の衛星測位システム全体への対応の問題としてしっかり検討することが適切であると考えておりまして、今後、関係省庁の意見も踏まえながら必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。
○大野元裕君 若干掘り下げてお話をお伺いしたいと思いますけれども、今おっしゃったとおり、いわゆるセレクティブ・アベイラビリティーという政策をアメリカはつまりGPS全部に対して掛けていて、たしかクリントン政権のときの国内行政命令でこれを排除し、その代わり、地域的に紛争が起きるようなところ、米軍が総体的に情報の分野で、電子戦の分野で有利にならなければならないところにこれを掛けると、こういうことでありました。
 他方で、我が国が有事にさらされた場合、例えば、日本において例えばテロ活動が行われたとか、あるいは敵対的な国々が我が国の中に入ってきたという場合には、私は相応の措置というものを講じなければならない、特に我が国の準天頂衛星を利用して、それで精度が上がって、我が国の国民や我が国の国益というものが大きく毀損されるということは決してあってはならないと私は考えています。
 今回の法律の中でも期待をさせていただいているのは、もちろん様々な効果的で総合的な政策というものを進めていただくことではありますが、その一方で、今まで例えば文科省の中ではなかなか恐らく、まあこれは想像ですけれども、できにくかった例えば防衛省とかあるいは様々な機関との総合的な判断というものをやはり期待をさせていただきたいというふうに思っていますので、改めて、地域的なセレクティブ・ディナイアルでも結構でございますし、あるいは別な措置でも結構ですけれども、便利なものがあるからにはその反作用というものを必ず抑えるということを是非御検討いただきたいので、一言お願いいたします。
○政府参考人(片瀬裕文君) 衛星測位が日本の安全保障に影響を与える事態が生じた場合どうするかということにつきましては、御指摘の防衛省も含めまして、関係省庁の意見を踏まえながら、必要に応じてしっかり検討してまいりたいというふうに考えております。
○大野元裕君 同じく我が国の安全にかかわる宇宙活用という中では、政府が活用する衛星の中に、同じ内閣府というか内閣官房のところでおやりになっている情報収集衛星というものがあろうかと思います。これは、この法案で定めるところの多様な分野において公共の用又は公用に供される人工衛星等が政令で定めるものに当たるかどうか、つまり、この法律の中で、これまでの情報衛星センターでおやりになられておられたことは一元化して監督されるということになるのか、教えてください。
○政府参考人(兼原信克君) お答え申し上げます。
 情報収集衛星につきましては、外交防衛等安全保障及び大規模災害等への対応など、危機管理のために必要な情報の収集を主な目的としております。現在、光学衛星三機及びレーダー衛星一機を内閣衛星情報センターにおいて運用管理しているところでございます。
 情報収集衛星等によって得られた情報につきましては、それに基づいて作成した成果物を利用省庁に配付しております。また、要請に応じて適切な撮像に努めて、撮像の結果得られた情報につきましては、必要に応じ、内閣情報官から官邸に報告をしております。さらに、大規模災害の対応のために情報収集衛星等の情報を基に被災情報推定地図を策定しまして、関係省庁に幅広く配付をしております。
 このように、情報収集衛星の運用につきましては、情報保全に配慮をしながら、内閣官房におきまして内閣の重要政策に関する情報の収集、調査に関する事務の一環として適切に行われているところでございます。
 御質問の点でございますけれども、ただいま御審議いただいております内閣府設置法の一部改正後の同法第四条第三項第七号の四にあります政令に情報収集衛星を規定することは考えていないところでございます。
○大野元裕君 後ほどちょっと防災の観点からもう一度お話を伺いたいんですが、その前に、今回の法案によりますと、今まで文部科学省の下に置かれてきた宇宙開発委員会、これが廃止をされるということになっていて、そして新しく宇宙政策委員会というものが新設されるということになっています。これまでの委員会は国会同意人事でありました。また、そのメンバーというものは、委員の方々には、その委員である間、そして辞めた後も守秘義務というものが課されていました。この辺りの措置というものは新たな委員会の人はどうなるんでしょうか。
○大臣政務官(園田康博君) 今般新設をいたします宇宙政策委員会でございますけれども、これは内閣総理大臣等の諮問に応じて専ら政策審議を行うことを任務といたしております。なおかつ、委員全員は非常勤という形を取らせていただいておりますので、非常勤の委員から構成するといった形態でございます。したがって、こうしたほかの一般的な審議会の例に倣わせていただきまして、この宇宙政策委員会については、ほかの審議会を参考に国会同意を委員の任命要件とはしないということをさせていただいたところでございます。
 また、宇宙政策委員会の委員は内閣総理大臣からの任命を受けた非常勤の国家公務員という位置付けでございますので、したがいまして、当然ながら国家公務員法上の守秘義務、これを負うことになります。
○大野元裕君 先ほどの情報収集衛星とは若干異なりますけれども、この新しい準天頂衛星につきましても防災の用途にも大きく資することができるというふうに伺ってまいりました。この委員会におきましても、情報収集衛星の活用というものを防災上するべきではないかといった御指摘が何人かの委員からされたところではありまして、同じ役割ではもちろんないんですが、この防災の観点というところからどういう形で準天頂衛星が活用されて、そしてその範囲というか、活用できる範囲が拡大、拡充されていくのかということについて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木克樹君) 三月に閣議決定されました地理空間情報活用推進基本計画にも記載されておりますけれども、準天頂衛星の導入によりまして、例えばGPS波浪計の精度向上やメッセージ機能を活用した避難誘導支援など、防災分野における利用可能性の拡大について期待されるところでございます。
 こうした取組が進展することによりまして、御指摘の防災の観点から地理空間情報システムの活用の高度化、充実化が図られることを大いに期待しているところでございます。
○大野元裕君 私も期待をさせていただきたいと思います。
 他方で、このようなすばらしい衛星が上に上がっている、そして今おっしゃられたような地理空間情報、GISですね、これが活用できるということに一応なっていますけれども、実際に拝見をさせていただいて調べてみたところ、このGISの活用というものが果たして省庁の壁を越えてできているかということに対して、私は大きな疑問を感じている一人であります。
 なぜならば、きちんとした施設や技術があったとしても、それが活用されなければ全く意味がないと私は思っておりまして、例えばそのGISについて、これ所管は国土交通省だったと私は理解をしておりますけれども、本来は、その地理情報がしっかりとあって、そこに例えば様々な組織等からの情報が入ってきて、それが一元的に見ることができて、例えば災害が起きた、一朝事あったときに活用されると、これが理想の形態だと思いますが、国土交通省内ですら、例えば気象庁のデータはその地理空間情報の中には入ってくるけれども、実は両方ですね、インとアウトという両方で、双方向で見たときに、国土交通省の中ですら、実は国土地理院とそして本省とそして気象庁を越えると、なかなかその情報が共有されていない。アウトの方はあるけれども、例えば海上保安庁のものが入っていないとか、そういったことを実際に私も聞いてまいりました。
 だとすると、これ、GISの在り方をもう一度拡充されることを見直さないと、せっかくいいシステムやお金を掛けたものができても、私は次の、今、日本は震災直後ですが、直前だとも私は思っておりますので、そういった意味でも成り立たないのではないかと思いますけれども、国土交通省の所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小島愛之助君) お答え申し上げます。
 国土交通省は、地理空間情報活用のための政府の推進体制の事務局を務めておりまして、地理空間情報活用推進基本計画の策定と施策の計画的な推進など、防災、減災を含めた各省庁連携によるGIS等の活用に取り組んでいるところであります。
 東日本大震災に際しましては、発災直後から空中写真を撮影し公開するとともに、被災状況を反映した地図を作成するなど、GISが復旧復興支援に大きく貢献しており、災害対応に有益なツールとなったところであります。しかしながら、その一方で、行政機関、民間事業者、NPO等の連携不足などの課題が見えてまいりました。
 今後は、こうした経験を踏まえ、大規模災害時においても各主体間で迅速かつ円滑に地理空間情報の共有等を進めるための具体的なルールの検討など利活用のための環境の整備を行い、より積極的なGISの活用を進めてまいります。
 なお、準天頂衛星に関しましては、二〇一〇年代後半を目途に四機体制とされることとなっておりまして、測位精度の向上等に対応したGISの活用につきましても政府一体として取り組んでまいりたいと思っております。
○大野元裕君 東日本大震災を踏まえて、GISは活用されたけれども、まだまだ改善をさせていただきたいという、そういう御趣旨の御答弁だったと思いますが、果たして本当にそうでございましょうか。
 例えば、確かに写真を撮られて、そしてそれが活用された、そのとおりだと思います。しかしながら、本当に、例えばヘリコプターを飛ばしたのは国土交通省だけではなくて、自衛隊の情報が入っていたのか、そして例えば物流がきちんと開放されているかどうかとか、あるいは避難所だとか、そういった情報は、私は、防災統括官組織、内閣府ですね、とか自衛隊だとか、そういったものがGISの中に入り込んでいたと聞いたことがなく、本来であれば、パソコンの画面の上なり大きな画面の上で、そこをクリックすると、そこにどういった物資があって、そこでどういうふうに困っていて、そして道路は、自衛隊はもう知っていたんですよ、そこの道路は開通しているとか、そういったものが実は国土交通省に行かなければ、つまり縦割りでどうしてもおかしな問題が出てきてしまったというのがこれまでだったと思います。
 今後は、この制度が新しいシステムの下変わるということと、もう一つとても重要なことは、内閣府の下でこれを一元的に総合的に取り扱うということでありますので、ここの点について実はGISを、国土交通省が握っているだけではなくて、しっかりと大きく活用していただくということが私は重要だと思いますけれども、その点についてもし内閣府の方から、特に大臣からもし一言、どちらでも結構ですが、いただけると有り難いんですが。
○政府参考人(佐々木克樹君) 非常に貴重な御助言をいただいたと思っております。
 私どもも防災情報システム持っておりますが、実際の運用は昨年五月から関係機関での運用を開始したところでございまして、現在、その運用の改善を図りつつ、今年度は関係県と実証的な情報の共有を進めているというところに取りかかったところでございます。
 今御指摘いただきましたように、幅広い情報を、地理空間情報をベースに共有し活用するというのは私ども防災対策上非常に極めて重要なことだと考えておりまして、国土交通省を始め関係機関と十分連携しながら、内閣府として積極的に進めてまいりたいと思っております。
○大野元裕君 是非お願いします。できれば、アメリカのDHSとかの組織も見ていただいて、我々が持っておるオペレーションルームのように、作業するところよりも、まさにそういった情報を一括化で一目で見れる、そういう体制が築き上げられているところが多いものですから、私も一か所しか見たことないんですけれども、是非そういった経験を、新しい日本の設備、そして組織を導入するに当たってはお願いをさせていただきたいと思います。
 最後に、今日、古川大臣もお越しいただきましたけれども、是非、これ期待を本当にしているものですから、先ほど免責事項の話もさせていただきました。あるいはGPSに対する安全保障措置もさせていただきました。そして、さらにはGISとの連携もさせていただきました。これ、可能性があるからこそ私は是非大きく大きく育てていただきたいと思いますので、私、質問の最後に当たって、大臣から意気込みをお伺いして、質問を終えたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 大変有益な御示唆をいただいたことをまず感謝を申し上げたいと思います。
 今回、こうして司令塔をつくって、特に準天頂衛星については運用も内閣府で行うということでございます。これ、私は、宇宙開発、宇宙利用の、言わばこの準天頂衛星の整備というものはプラットホームになるんではないかと。ですから、このプラットホームをどううまく活用していくかということは、これは様々な今後活用分野が広がっていくんではないかと思います。
 その活用を広げていくに当たっては、今日、委員からの御指摘というのは大変有益であったというふうに思っておりますので、そうした今日の御指摘も踏まえながら、しっかりこの整備する準天頂衛星、活用をしてまいりたいというふうに思っております。
○大野元裕君 ありがとうございました。
 終わります。
○委員長(芝博一君) 以上、大野元裕君の質疑を終了いたします。
 次に、山東昭子君。
○山東昭子君 皆さん、宇宙と聞くと、子供のころから何かわくわくするようなロマンを感じられるのではないでしょうか。私も、一九九四年に、初のアジア女性宇宙飛行士、向井千秋さんのシャトル打ち上げをオーランドで視察いたしました。そのときの感激は今でも忘れることができません。
 現在の日本は、経済低迷が長引き、国民も自信を失いがちですが、我が国の科学技術は引き続き高い競争力を維持しております。例えば、世界で初めて小惑星に着陸しサンプルを持ち帰った「はやぶさ」は、カプセルの全国巡回展示では来場者が百万人に迫るなど、国民の多くがその快挙に拍手を送り、映画も制作され、皆に大きな感動を与えました。このような「はやぶさ」の成果や世界最高水準にまで達したロケット成功率など、最近の我が国の宇宙における活躍を見ておりますと、私が二十一年前、科学技術庁長官として担当していた欧米をキャッチアップする時代から格段の進歩を遂げており、隔世の感がございます。
 それでは、まず、これまで我が国が進めてきた宇宙開発の成果、それは東日本大震災の災害対応を含め、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) まずは、山東委員を始め諸先輩方が宇宙開発利用のために大変御尽力をいただいてきたことを、この場をお借りして改めて感謝を申し上げたいと思います。
 今委員からも御指摘がございましたが、我が国の宇宙開発利用は、一九五五年の糸川先生のペンシルロケットに始まって、半世紀余りにわたって大変な皆さん方の御努力の中で取組が行われてまいりました。その結果は着実に成果を上げておりまして、現在では宇宙先進国の一員としての地位を占めているというふうに考えております。
 その具体的な例を申し上げますと、例えば通信、放送、気象などの分野では、国民生活に身近なものとなるまで衛星利用が浸透いたしておりますし、また打ち上げロケットにつきましては、先般のHUAの打ち上げ成功によりまして初の商業打ち上げを実現をいたしました。さらに、九五・二%という世界最高水準の成功率を達成をいたしております。
 また、宇宙科学の分野では、今御指摘がございました小惑星探査機「はやぶさ」を始めとする月、惑星探査のほか、太陽観測衛星「ひので」によりまして太陽磁場の反転をとらえるなど、天文観測において先進的な成果を上げて、この点においても国際的に高い評価を受けております。
 さらには、アジアで唯一国際宇宙ステーション計画に参画をいたしまして、日本実験棟「きぼう」や宇宙ステーション補給機「こうのとり」を開発、運用するとともに、創薬、予防医学などにつながる先進的な実験を実施してきたなど、様々な成果を上げてきたというふうに考えております。
 また、さきの東日本大震災のときには、被災地の画像撮影や地上の通信ネットワークがつながらない状況での通信回線の確保など、官民の地球観測衛星や通信衛星が災害対応に大きく貢献したものというふうに考えております。
 そういった意味では、諸先輩方の御尽力によって、我が国は宇宙開発、具体的な様々な成果をこれまで上げてきたというふうに考えております。
○山東昭子君 宇宙に関しては、今まで開発目的を絞っていたため経済分野の面からは市場が限られ、世界的に見ると技術開発も競争力が低下したと思います。今回、組織が集約されることによって最先端の科学技術を先導し、そこから様々な技術が産業界に波及し、新しい産業が興ることも期待されております。宇宙開発利用を戦略的に進めていくためには国家としての司令塔機能が重要であり、今回の法改正はまさにそれを目指したものだと認識しております。
 そこで、国家戦略はなきに等しい我が国で、古川大臣から是非、国家戦略としての宇宙政策の位置付けと、そしてそのために何か新たなブレーンをお置きになるとか、そうしたこともお考えであるならばお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 今回の法改正は、今総理をしておられます野田総理を始め、与野党の、宇宙、これをしっかり宇宙政策に取り組んでいかなければいけないという超党派の議員の皆様方がお作りをいただいた宇宙基本法、それをベースに、まさにこれは、その宇宙基本法の中でも、やっぱりこれを作った発想は、これは宇宙政策というものを国家戦略としてやっていかなければいけないと、そうした発想から元々この基本法もできたものというふうに理解をいたしておりますけれども、まさにそういった意味では、野田総理も、この宇宙についてはこれは極めて重要な、そして国家が先頭に立って推進をしていかなければいけない政策であるというふうに位置付けをさせていただいております。
 そういった意味で、今、私、国家戦略担当大臣でもありますが、まさにこの宇宙にかかわる部分、この宇宙開発担当であるとか科学技術政策担当であるとか、こうした部分を私が兼任をする形でこの宇宙の部分については一体的に取り組んでいこうということの取組を行っているところでございます。
 具体的には、科学技術政策におきましては、第四期科学技術基本計画に基づきまして、科学技術によるイノベーションの実現に向けた取組を進めているところではありますが、その中で、宇宙に関しましては、地球観測等によるグリーンイノベーションの推進、国の安全保障や安全な国民生活の実現等につながる国家存立の基盤などの中に位置付けております。さらに、国家戦略会議で昨年の年末にまとめました日本再生の基本戦略では、環境の変化に対応した新産業、新事業の創出において、当面重点的に取り組む主な施策として宇宙空間の開発利用の戦略的な推進体制の構築というものを挙げさせていただきました。
 こうした科学技術政策や、あるいは国家戦略としての位置付けをしっかりした上で、今回の法案でも、総理の諮問に基づいて、宇宙政策について大所高所から御助言をいただく宇宙政策委員会というものを設置をすることを決めさせていただいております。そこには内外の様々な知見を集めてまいりたいというふうに思っております。
 こうした取組を通じて、宇宙政策をしっかり重要な国家戦略の柱の一つとして位置付けて推進してまいりたいというふうに考えております。
○山東昭子君 今、法改正の一方で、またその活用する担い手というものはやはり各省であると思います。例えば、文部科学省には、先端研究、基盤技術や人材育成面での役割を担ってもらう必要が中長期的に見て非常に重要だと思います。また、国土交通省は、国民にもなじみの深い気象衛星「ひまわり」を運用するとともに、衛星情報を活用して北方領土の地図を初めて作った宇宙利用の先駆者と言えましょう。
 それでは、最近の取組について、文科省、国土交通省、環境省、各省からそれぞれお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(戸谷一夫君) お答えいたします。
 文部科学省といたしましては、先生も今お触れになりました、宇宙に関する人類共通の知的資産の拡大といった宇宙科学の面、あるいは安全、安心で豊かな社会の実現、産業の発展にも貢献するための宇宙の開発利用、そういったものを国家戦略の下で関係省庁とも連携して推進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 具体的には、これまで文部科学省といたしましては、太陽観測衛星の「ひので」といったようなもの、それから今お触れになりました小惑星探査機の「はやぶさ」などの宇宙科学や宇宙探査の分野における先端的な研究開発を行うとともに、宇宙利用につきましても、衛星を活用いたしました通信放送、気象観測などの実現にこれまで貢献してきたものというふうに考えております。また、こういった活動を支えますロケットにつきましても、HUAロケットの開発成功などの成果を上げてきたところでございます。
 今後、新しい今回の体制におきまして、文部科学省といたしましては、この宇宙の謎を解き明かすことを目指し、かつ宇宙開発利用に新しい芽をもたらす可能性を秘めました革新的、萌芽的な技術の源泉でございます宇宙科学や宇宙探査といった分野、あるいは地球観測に必要な各種の高度なセンサーの開発といったような新たな先端的な技術開発の分野、あるいはロケット技術、衛星技術など、我が国といたしまして自律的に宇宙開発利用を行うために必要な、ある意味では、各省庁の活動を支える共通基盤的な技術の開発の強化、あるいは人材育成、さらに国際宇宙ステーション計画の推進、こういった役割を果たしていきたいというふうに考えているところでございます。
 こういったことによりまして、この新しい体制におきましても、文部科学省といたしまして、国家戦略の下、我が国の宇宙開発利用における役割を果たしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 国土交通省では、国民の安全、安心の確保など当省の任務を遂行するために、気象衛星「ひまわり」の運用などによる気象観測業務、運輸多目的衛星を用いた航空管制などの航空保安業務、さらには電子基準点の運用や衛星画像を用いた地図作成などの国土の管理などといった分野で宇宙開発利用を行ってきております。これまでも着実に成果を上げてきたものであります。
 また、現行の気象衛星ひまわり六号、七号による観測体制を継続し、気象観測業務の更なる高度化を図るために、その後継として平成二十六年度にはひまわり八号を、平成二十八年度にはひまわり九号を打ち上げることとしております。
 宇宙の利用は当省の任務を遂行する上で有益であり、政府全体の方針に沿って関係省庁と連携協力しつつ、今後とも宇宙開発利用の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
○政府参考人(鈴木正規君) 地球温暖化の影響とかあるいはCO2の今後の必要な削減量を検討する上で、温室効果ガスの濃度の分布や各年の増加量がどうなっているかというのを世界全体で高精度に観測することが不可欠になっております。このため、環境省は、国立環境研究所及びJAXAと共同で世界初の温室効果ガス観測衛星「いぶき」を平成二十一年に打ち上げ、観測を実施中でございます。「いぶき」によって得られましたデータにつきましては、国内で利用するほか、我が国におけます解析結果を含めまして世界に公表しておりまして、各国の研究者に広く利用され、高く評価されているところでございます。
 特に、米国とは温室効果ガスの衛星観測に係る二国間協力の実施に合意しておりまして、本年四月の日米首脳会議の際に発表されました日米協力イニシアティブにも盛り込まれたところでございます。
 本年度より「いぶき」の後継機の開発を開始しておりまして、精度を向上した上で平成二十八年度の打ち上げを目標に作業を進めているところでございます。
 環境省としては、政府全体の方針に沿って、関係省庁と連携協力しつつ、「いぶき」及びその後継機による宇宙からの観測によりまして、地球温暖化問題に関する科学的知見の向上と、今後の世界の地球温暖化対策の推進に貢献してまいりたいというふうに考えております。
○山東昭子君 現在の取組と、そして今後の可能性については分かりましたけれども、これからは縦割りの行政というものを超えて、やはり各省がしっかりと連携をしてこの行政を行っていただかないと、宝の持ち腐れになってしまうんではないかと懸念をいたしております。
 そういう意味で、やはり現実的な話のところで、宇宙開発利用に多くの役割を託すということで、それぞれの分野で頑張っていただきたいと思いますし、それを実行していくためにはやはり予算が大切だろうと思いますけれども、大臣に今後の予算確保に向けた決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 宇宙政策というのは産業振興や外交、安全保障、科学技術、そうした様々な観点から極めて重要なものであって、これは国家戦略として積極的に取り組むべきものだというふうに考えております。
 宇宙は、今日の質疑でも委員からもお話がありましたけれども、「はやぶさ」のような探査の部分と、あと準天頂衛星のような利用、活用の部分と、この辺、どちらかに偏っているというんじゃなくて、やっぱり両方どうバランスを取っていくかというところもあると思います。
 大変厳しい財政事情ではございますので、あれもこれもというわけにはいきませんけれども、そういう限られた予算、枠組みの中ではありますが、しっかり国家戦略として位置付けて、新しい体制の下で宇宙政策の重点化、効率化を進めつつ、そうした探査の部分と利活用の部分、やはり探査の部分がないとこれは次の世代、夢とかをちゃんと引き継いでいけないということもありますから、やはりそこの部分、バランスもしっかり考えていきながら、しかし同時に活用部分も広げていって、特に民間の人たちとか何かも活用できるような形で、日本の宇宙開発、ちょっとほかの国と比べるとコストが高いとかやっぱりそういうところもありますので、そういうところを言わば需要を広げることによってコスト競争力も付けていくような様々な努力をして、限られた財政事情の中でありますけれども、必要なところにはしっかり予算を付けて、そしてしっかりこの宇宙政策を実行できるようにしてまいりたいというふうに思っております。
○山東昭子君 宇宙関連産業を育成するためには、民間事業者の参入を促進するための法整備が必要であります。二〇〇八年、宇宙基本法案に対して参議院内閣委員会が行った附帯決議では、基本法の施行後二年以内を目途に、宇宙活動に係る規制などに関する法制を整備するよう努めることとされていました。
 二〇一〇年三月に宇宙開発戦略本部の宇宙活動に関する法制検討ワーキンググループが中間取りまとめを行っておりますけれども、その後ワーキンググループは活動しておりません。この整備に向けて今後どのような展望を持っておられるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 御指摘のように、いわゆる宇宙活動法につきましては、宇宙開発戦略専門調査会の宇宙活動に関する法制検討ワーキンググループが平成二十二年三月に、法律に盛り込むべき具体的な内容として中間報告を取りまとめたところであります。
 しかし、法案作成に向けた更なる検討を進めるためには法律の所管省庁を明らかにする必要がありまして、そのためには宇宙開発利用の行政組織を見直すことが必要であったためこの宇宙活動法の検討がその後進捗してこなかったという、これが実態でございます。
 今回、こうした形で宇宙開発の司令塔を内閣府に設置をさせていただくこととなりました。民間事業者の宇宙活動を安全に進めるためには、これはやはりいわゆる宇宙活動法を整備することが重要であると考えておりますので、この法案が成立をして体制ができましたら、その体制の下に速やかに検討を進めていきたいというふうに考えております。
○山東昭子君 私は、我が国にとっての資源は人材と技術とそしてたくましい精神力だと思っております。これによって未来の日本は、科学技術創造立国を目指すしか道はありません。
 御承知のように、アメリカがオバマ政権になってからブッシュの行った宇宙開発は継続しない方針のようで、陰りを見せております。だからこそ、今回の改正を契機に日本がアジアの宇宙開発のリーダーとなって宇宙開発利用が飛躍的に進められることを期待して、私の質問を終わりたいと思います。
 どうぞ、大臣以下、頑張ってください。
○委員長(芝博一君) 以上、山東昭子君の質疑を終了いたします。
 次に、有村治子君。
○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。
 今日は、衆議院における審議、議事録も全て読ませていただきましたが、時間が限られていますので、本題に入っていきます。
 今回の法改正によって内閣府が我が国の実用準天頂衛星の整備主体になるというふうに理解をしておりますが、準天頂衛星と、今、大野委員もおっしゃっていましたGPSとの関係はどうなっているのでしょうか。そもそも、今やGPS、グローバル・ポジショニング・システムというのは、カーナビや携帯端末など私たちの生活に欠かせないものになっていますが、そもそもはアメリカの空軍がつくったGPSシステム、それに基づく測位体制というのは日米関係があってこそだと思っております。
 準天頂衛星をGPS機能を補完するものと我が国が位置付けるのであれば、今後も日本がGPSの先端技術を活用できるように日米間の協力関係を維持向上させていく取組が必要になるかと思っておりますが、準天頂衛星と安全保障、またGPSの関係について御所見をお教えください。
○政府参考人(片瀬裕文君) お答え申し上げます。
 まず、実用準天頂衛星システムと米国GPSの関係でございますけれども、準天頂衛星システムには米国のGPSの利用可能時間の延長が可能になるといういわゆる補完機能、それからGPSによる測位の精度、信頼性を高めるいわゆる補強機能などを備えることにしております。
 米国との協力でございますけれども、米国政府とは準天頂衛星システムに関する検討が具体化する前からGPSに関する協力を行っております。平成十年の日米両国首脳、このときは小渕総理、それからクリントン大統領でございますけれども、その両首脳の共同声明におきまして、米国はGPS標準測位サービスを継続的かつ利用者に無償で提供するということを表明をしています。同時に、日本はGPS標準測位サービスの幅広くかつ効果的な利用促進のために米国と密接に行動するということを表明しておりまして、その上で、日米GPS全体会合という政府間会合を定期的に開催をするということを合意しております。
 さらに、準天頂衛星システムの整備計画の進展とともに日米間での協力連携というのは深まっております。
 本年一月の日米GPS全体会合では、米国は、準天頂衛星システムを地域的な実用システムへ拡大強化させ、将来、七機体制を目指すという日本の決定に対する歓迎を表明いたしました。また、去る四月三十日の日米首脳会談の際に発表されました日米協力イニシアティブにおきましては、GPSと準天頂衛星システムの間の相互運用性及び地域的ナビゲーションの向上の観点を含めた協力を一層追求をするということが盛り込まれております。
 今後とも、御指摘のGPSの活用も含めまして、米国と協力しながら測位衛星システムに関する政策を進めてまいりたいと考えております。
 また、安全保障についてのお尋ねがありましたけれども……
○有村治子君 次です、それ。
○委員長(芝博一君) それでは、有村治子君。
○有村治子君 はい、ありがとうございます。
 GPSとの補完関係、連携を深めているということで、安心をいたしました。
 基幹技術を他国に委ねるにはそれなりのリスクとメリットがあると思います。そういう意味では、それなりの日本としてのウイン・ウインになるようなギブ・アンド・テークの技能の提供も必要でありましょうし、また保険も必要だと思いますので、引き続きそこの連携強化は信頼関係に基づいて強化していただきたく存じます。
 法改正によって、今回、宇宙の研究開発というのが安全保障分野においても研究開発が可能になりますが、一部では、衆議院の議事録も各会派の全て読ませていただきましたが、これは軍事目的の研究開発になるんじゃないかという危惧が持たれ、また一部ではその反対運動というのも運動として展開をされています。
 安全保障の研究開発と軍事目的の研究開発はどこが違うんでしょうか。また、安全保障という場合は、日本は国是として専守防衛ということを進めてきましたが、専守防衛の技術にした場合は、いわゆる軍事目的の技術開発とどういう技術的な制約を受けながら進めることになるんでしょうか。
 お答えください。質問通告しています。
○委員長(芝博一君) どなたでしょうか。内閣官房片瀬内閣審議官。
○政府参考人(片瀬裕文君) 安全保障、技術移転についてのお尋ねがありましたけれども、この度の法改正におきまして、JAXAの平和利用目的に関する規定を宇宙基本法の平和利用、日本国憲法の平和利用の理念にのっとってという形に整合化するという改正をさせていただきたく考えておりますけれども、お尋ねの点につきましては、その結果として、日本国憲法の理念にのっとって専守防衛という形での技術開発については、JAXAについても今後行っていくことが法的には可能になるということでございます。
○有村治子君 真摯なお答えでございますが、答弁の答えにはなっていません。
 安全保障のための研究開発と軍事目的の研究開発にどういった違いが出るのかということを政府が説明せずして、どうやって国民の懸念を拭おうとされているのでしょうか。ここは幾度も昨日の質問通告で明確に通告をしています。
○委員長(芝博一君) 御答弁ください。──それでは、奥村文部科学副大臣。
○副大臣(奥村展三君) 一部勘違いしていたかも分かりませんが、今、有村委員から御質問いただきました。
 これ、二十一年に総理の下で宇宙基本計画が策定をなされて、スタートしているわけでございます。安全保障の強化が今後の我が国の宇宙開発利用に関する基本的な方向性の一つだと思っているところでございます。
 具体的には、情報収集等が拡充され、強化が課題として挙げられておるわけでございますが、JAXA、これは情報収集につきましては大変な貢献をしてきたということにつきましては、有村委員も文部科学政務官として御尽力を賜ってまいりましたので、よく御理解をいただけると思いますが、今回のこの改正によりまして、特に、日本国憲法の平和主義の理念にのっとりということが、この基本法の整合性をするためにJAXA法の見直しをされたところでございます。
 特に、今御質問がございましたように、防衛の目的等につきましては、研究を行う具体的なものは実は今日ではまだいろいろないと思っております。ですから、今後、我が国にとりまして、この宇宙開発利用に係る研究開発、そしてまた安全保障や国民の安全、安心の確保に寄与していかなければならないというように我々は理解をしているところでございます。
○委員長(芝博一君) 以上、答弁終わりました。(発言する者あり)
 何でしたら、もう一度、再度納得いくまで御質問ください。
○有村治子君 もう質問は明確にしています、二回も。
○委員長(芝博一君) 答弁者はもう一度。
○政府参考人(片瀬裕文君) 安全保障分野の、安全保障と軍事利用ということの違いということであるというふうに受け止めて……
○有村治子君 いや、その違いは何ですかと。
○政府参考人(片瀬裕文君) ということでございますけれども、安全保障というのは、一言で言うと、日本でいうと、軍事というのは防衛ということだと思いますけれども、その防衛を超えて、先ほどから御審議いただいている情報収集衛星も含めたインテリジェンスとか、そういうことも含めた日本の安全保障を確保するための一連の宇宙利用ということでございまして、防衛目的の宇宙利用というのは、我が国の場合は、基本的に自衛隊が宇宙を様々な形で利用していくための技術、例えば通信衛星とかですね、そういうものになるというふうに考えております。
○有村治子君 片瀬さん、大変真摯だと思いますけれども、答えに窮されていらっしゃいますよ。
 古川大臣、この答弁の問答を見てどう思われますか。これ、大きな大きな、日本として軍事利用はしないって、今回だって、安全保障を確かにするためにやろうっていうのが今回の法改正の肝じゃないですか。それなのに、誰も答えられないというのはどういう状況なんです。しかも、これに懸念を示している国民の皆さんが反対運動までやっているんですよ。科学技術者が、宇宙飛行士だった人たちがこの反対運動をやっているんですよ。その中で賛成してくれって言わなきゃいけない立場の人が答えられないというのは何なんですか。科学技術の発展って、むなしく響くばかりじゃないですか。
○国務大臣(古川元久君) 済みません、ちょっとここのところの私たちの方の、質問通告をいただいているときの我々の方の、ちゃんと、理解の方が若干ずれておったようで、そういう意味で、しっかりこちらの方で準備ができておらなかったことをまずおわびを申し上げたいと思いますけれども。
 これは、今回の法改正は、宇宙基本法ができたことを踏まえて、それに基づいて、それにのっとってこの法改正を行うものでございます。
 この宇宙基本法制定のときには、専守防衛の範囲内で我が国の防衛のために宇宙開発利用を行うことは、これは一九六九年の決議の文言及びその趣旨に反するものではないと、そういうこともしっかり、これは当時の提案者である現在の野田総理も申し上げております。今回もそうした趣旨にのっとって、これから宇宙開発そして宇宙利用を進めていくという趣旨だというふうに御理解をいただければというふうに思っております。
○有村治子君 苦しい答弁を続けられていますが、大臣に手続論なんて聞いているわけじゃないんです。大臣、いみじくも国家戦略担当大臣というふうに先ほどおっしゃるなら、国家戦略として専守防衛で日本の安全をどう確かにするかということで宇宙技術を開発するかということをすらすら言って述べて何ぼじゃないですか。
○国務大臣(古川元久君) すらすら言えなくて申し訳ございませんけれども、まさにここは専守防衛の趣旨にのっとって宇宙の開発利用を行っていくと、そうした宇宙政策をこの新しい司令塔の下行うと、それが今回の法改正の趣旨でございます。
○有村治子君 趣旨は私も理解しておりますので、軍事目的の研究と安全保障の研究がどういうものが違うのか。また、専守防衛とかいったら、例えば解析度を下げるとか、あえて制約を自ら課してきた歴史があるわけじゃないですか。そういうところの見立てをなくしてどうやって国家戦略と言えるのか、私は本当に理解に苦しみます。議事録を読まれた方も大変寂しい思いをされると思います。
 さて、防災、減災と科学技術の役割についてお伺いします。
 では、文部科学省の科学技術担当奥村副大臣、質問通告をしていないということを明確にしますが、知識を問うものではないので感想をお聞きします。昨日、文科省がまとめた平成二十四年科学技術白書を閣議決定されました。どういう御感想をお持ちですか。
○副大臣(奥村展三君) 時代の変遷によりましていろいろと変わってもきておりますので、その閣議決定されました白書でございますが、強くたくましい社会の構築に向けて、特にその中では主に東日本の大震災の反省、そしてまた今後のとらまえについて、その教訓をしっかり踏まえたことになってもおります。
 そうした流れの中で、特に震災によるいろんなああしたことを、科学技術面からもいろいろ課題をしっかりと教訓にして明らかにしていかなければならないということも織り込んだつもりでございます。そして、解決のためにはやはり人文科学等々、そうした社会科学的な問題等も含めて、いろいろな見地から物を今後見ていかなければならないということも織り込んだところでございます。
 私としましては、やはり強くたくましいそうした社会をつくる上で、しっかり反省に立って時代をしっかり見ていく、そういうようなある意味では白書に織り込んでなったものだというように理解をしております。
○有村治子君 真摯な奥村展三先生ゆえの真摯なお言葉、有り難く承ります。同郷の由をもってこれ以上は追及をいたしません。
 ただ、これ古川大臣も是非聞いていただきたいんですが、今ちょっと奥村先生もおっしゃいました、例年にはない厳しい反省と教訓に立った科学技術白書になりました。文部科学省が鳴り物入りでやってきた、約百二十億円投入をしてきた文部科学省のSPEEDI、緊急時迅速放射能影響予想ネットワークシステムの測定結果は、悔しいかな、米国及び米国大使館にはこの情報を提供していたにもかかわらず、日本国民には適宜このSPEEDIで放射線がこのぐらい流れていますよという情報は公表されませんでした。この記述について、科学技術白書は逃げの一手でございます。
 昨日の東京新聞の夕刊も詳しい記述を見送るというふうに書いていますけれども、本当苦しい白書なんですね。SPEEDIは本来の機能を発揮できない中で文部科学省や原子力安全・保安院で補完的に活用されたが、国民への情報提供に関しては政府事故中間報告書において様々な指摘がなされている、これら検証が行われているところである、それだけなんですよ。
 米国民に、米軍に伝えながら、日本国民にはこのSPEEDIの、これだけ技術に投資したそのメリットを国民は享受できなかった。そして、アメリカ・エネルギー省が提供してくれた放射能測定の地図も政府内で共有されず、福島県民及び国民の避難に生かされなかった。本来、国民の安全、健康を守るべき政府・民主党政権が国家的な危機、災害において機能せず、国民の不要な放射能暴露を招いた。直ちに影響はないと深刻な情報を持ちながらもうそぶいた当時の官房長官の発言も、国民に罪なことをした。この責めは誰が負うのでしょうか。
 宇宙技術開発やるぞというふうに先ほどから力強いコメントをいただいていますが、今回の科学白書でも明らかになったように、国民の科学技術あるいは科学技術者に対する信頼性というのは二〇%も下落をしています。本当に技術開発が安全確保、国民の生活向上にプラスになるのかどうか自体を国民は疑っているのです。私たちは国民じゃないのかという福島の首長の厳しい声も出てきました。
 そういう意味では、何でこれだけの技術費を血税で投入しながら使えなかったのか。その上でも宇宙開発を進めますと言えるのかどうか。古川大臣、お答えください。
○国務大臣(古川元久君) ちょっと文科省のことは私、所管ではないので、そのことについてお答えをすることはできませんけれども、これは科学技術政策担当大臣の立場から、これは白書なんかも、今回相当厳しい反省をした部分は、私は、これは今までの科学技術政策、そして、そうした部分についてのしっかりとした反省に立ってやっていかなきゃいけない部分は出させていただいたんじゃないかなというふうに思っております。
 これは委員も文科政務官もやっていらっしゃったからお分かりになると思いますけれども、ともすると、さきの震災のときのその後の対応で見ますと、科学者の皆さん方がやっぱり国民の皆さん方としっかりコミュニケーションを取ると。そうした専門家とそして一般の国民の皆さん方とのコミュニケーション、やっぱりそこのところが大きく欠如していた部分はあるのではないかというふうに考えております。そうしたことが科学技術に対する不信も招くことにもやっぱりつながったと。
 ですから、今私が所管をしております総合科学技術会議の有識者議員の会議などでも、どうこの一般の国民の皆様方とのコミュニケーションをしっかり取っていくかと。やはりそうしたことはしっかりやっていかなければいけないと思っております。
 このことは宇宙開発においてもまさに言えることでありまして、先ほど山東委員からもお話があった、宇宙開発しっかり予算を取るようにというお話もございました。しかし、やはりこの予算を使っていくには、国民の皆さん方にしっかり理解をしていただく、そのためにはコミュニケーションをしっかり取っていくということが大事なことだと思っております。そういった意味では、宇宙開発においてもこうした一般の国民の皆様方としっかりコミュニケーションを取って、御理解をいただきながら宇宙開発を進めていくと、そうした視点に立って私の所管であります宇宙開発を進めてまいりたいというふうに思っております。
○有村治子君 委員長、私の質問時間は何分になるのか。先ほどの、質問通告もしたにもかかわらず、お答えに要した分は延長していただきたいと思います。
 さて、奥村展三先生、次に公務がおありになると思いますので、立たれる前にお伺いしたいんですが、やはり科学技術のその成果は出ていたんですね。それを使いこなせなかった、国民の安全確保のために生かせなかったという反省に立つのであれば、少なくとも文部科学省のSPEEDIについてはしっかりとした記述を科学白書に生かして何ぼ、私も科学技術応援団です、文部科学省応援団です、とやかく大臣、副大臣をつっつくなんていう意図は全くありません。であれば、それを来年に反映させるという約束と反省があってこそ国益、国民益の安心につながると思いますので、その辺の御決意をお伺いします。
○副大臣(奥村展三君) ありがとうございます。御指導いただきました。
 先ほどの外務省の件もそうでございますが、我々としては精いっぱい、あの当時外務省から、アメリカからいただいたものですから、すぐ外務省に連携を取ってやったようでございますが、それがうまく機能していなかったということは大きな反省をしなければならないと思っております。
 SPEEDIの件につきましては、今年の二月、五月にもいろんな、特に私の滋賀県の方からもやはり福井の原発の関係で一日も早くSPEEDIのデータを出してほしいということもありました。しかしながら、規制庁等の、規制委員会等のこともございましたので、公表が今はされていないわけでございますが、今後は、今御指摘いただいたように、一日も早くしっかりとした基礎をつくってこれが機能できるように努力をしてまいりたいというように思っているところでございます。
○有村治子君 科学技術担当の副大臣が明言をしていただきましたので、しっかりとてこ入れをしていただいて、来年の科学技術白書にはSPEEDIの経過と、それからその反省を踏まえての今後の立て直しの記述が入るものと御期待を申し上げます。
 是非、次の御公務に向かってくださいませ。
 私の最後の質問になると思いますけれども、内閣情報調査室というのは、内調、日本が持つ情報機関の一つで、大野委員からも言及がございました。この内調では、内閣衛星情報センターがあり、安全確保、大規模災害の対応などに関する画像情報の収集分析を行っていらっしゃると思いますが、今回、この内閣情報調査室の情報収集衛星はJAXAが開発した経過もある中で、今回の法改正によって内調の担当大臣である内閣官房長官がJAXAの主務大臣になり得ることもあるのでしょうか。
○政府参考人(兼原信克君) お答え申し上げます。
 内閣情報調査室、内閣衛星情報センターが行っております情報収集衛星の研究開発、これは国内唯一の公的機関として衛星開発の実績があり、かつ技術的知見を有するJAXAに直接委託をしてまいりました。これは今後とも継続してまいります。
 現在、情報収集衛星に関する業務を所管するところの総理大臣はJAXAの主管大臣ではございません。かつ、今後も衛星の開発をJAXAに直接委託するという仕組みは変えませんので、現在、主務大臣となることを考えてはおりません。
○有村治子君 ありがとうございます。
 時間が来ましたので、これで私の質問は終了させていただきますが、二十一分の間でもなかなかにしっかりと御答弁いただかない中で、フロンティアを進めていかなければなりません。そういう意味では、古川担当大臣、国家戦略としての技術の開発と、それを国民益にしっかりと還元できる国民との信頼を回復していただきたい、その一翼を担っていただきたいと、応援とそれからリクエストをさせていただいて、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上をもって有村治子君の質疑を終了いたします。
 次に、浜田昌良君。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 今、有村委員との質問の中で、JAXAの目的規定の変更について答弁がちょっと不安になったんで最初に聞きたいと思うんです、古川大臣に。
 今回、JAXAの目的規定、第四条ですけれども、平和の目的に限りというのを、宇宙基本法第二条の宇宙の平和利用に関する基本理念にのっとりと、こう変えると。こう変わるけれども、まずですが、こう変わっても研究の対象はどんどん広がるわけじゃなくて、日本国憲法の平和の理念、専守防衛の範囲に限った事業にしかやらないと、そういうことでまずいいわけですよね。
○国務大臣(古川元久君) もちろんそれは、今回のはまさに、先ほども御答弁申し上げましたけれども、宇宙基本法において宇宙開発利用は日本国憲法の平和主義にのっとって行われるものとすると定められておって、そして国会審議でも専守防衛の範囲内で行うものというふうに説明をされております。
 今回のJAXA法の第四条、機構の目的の改正は、まさにこの宇宙基本法と整合的なものとするために行うものでありますので、今委員からも御指摘がございましたように、これ、JAXAが日本国憲法の平和主義の理念、専守防衛の範囲に限って事業を行うと、そのことを明確にするものでございます。
○浜田昌良君 宇宙基本法は理念法だったわけですよ。それが今後JAXAという実施団体に移っていくと、単なる理念だから整合性を合わせたというだけじゃなくて、それが各部門の研究においても逸脱がないようにどう担保していくかという、このいわゆる詳細が重要なんです。多分その辺が十分答えがなかったんで有村委員も不満に思われたんだと思うんですよ。
 これについては、JAXAだけではなくて、古川大臣はこの宇宙開発利用の全般を担当されるわけですから、ほかの部門の研究においてもそういう逸脱がないことをしっかり国民に理解していただいて安心していただけると、そういうことをしっかり今後やっていただきたいんですが、いかがですか。
○国務大臣(古川元久君) しっかりやってまいりたいと思います。
○浜田昌良君 そのうちしっかりどうやっているか聞きたいと思いますので。
 次に、今回の法案の中であれっと思ったのが、この内閣府設置法の十三条二項、十四条二項によって、他省庁の副大臣、政務官を内閣府に併任できるというのが付け加わっているんですね。これは、この今回の法律というのはあくまで宇宙の開発利用の体制整備ということなんですけど、この副大臣、政務官の併任は宇宙に限った話じゃないんですよ、別に。地域再生のための国土交通大臣が併任されたら、またその関係の副大臣、政務官は併任できるとか。
 国家行政組織の大改正であるのに、これは本来であれば私は官房長官がそれに答える話だと思って官房長官要求しましたけど、お時間、お忙しいというので副長官に来ていただきました。こういう併任ですね、副大臣、政務官ができると。できるはいいんだけど、無限定にしていけば他省庁の業務にも混乱あるかもしれませんし、一定の方針があって、その中で整合的にやっていかないといけないと思うんですけれども、それをどういう方針でやっていかれるのか、副長官にお聞きしたいと思います。
○内閣官房副長官(齋藤勁君) お答えいたします。
 委員御承知のとおり、内閣府には特命担当大臣が設けられております。そして、その数は法律上制限はなく、これまで内閣総理大臣の判断によって五人から九人がまず任命をされております。そして一方、内閣府の副大臣及び大臣政務官ですけれども、法律上、ここでは三名ずつに限られているということで、一人の副大臣等が複数の大臣を補佐をするというのが現状になっております。
 こうしたことから、内閣府のこの政務三役が様々な政策課題に適切に対応する体制を整備するため、各省の副大臣等について人数の限定を設けることなく内閣府の副大臣等に兼職することができるようにしているわけでありますが、今お尋ねの点でもございますけれども、どの省の副大臣等を内閣府に兼職をさせ、その副大臣等にどのような内閣府の事務を担当させるかにつきましては、一に総理自身がその時々の状況を踏まえ、内閣全体の行政遂行の点で一番望ましい形になるよう総合的に判断をされるというふうに理解をしているところであります。
○浜田昌良君 今の御答弁だと、総理が思い付けば誰でもできるということなんですかね。
 この前、六月十四日の衆議院段階での古川大臣の答弁は、これは海洋政策担当大臣の例を引かれて、国土交通大臣がされるんであればそのラインがあるからその副大臣とか政務官がなれるのは整合的ですよねと、こういう例を挙げているんですよ。でも、今副長官の答弁は、それでも限定せずに総理の一任だと。そうすると、この前みたいに拉致担当副大臣として国土交通副大臣をぱっと、松原さんだったからと、これもオーケー、こういうこともオーケーにするということなんですか、官房副長官。
○内閣官房副長官(齋藤勁君) 先般の古川大臣の御答弁はそのように委員会でおありになったと思いますが、私ども、総理自身の総合的な判断ということについて今回の法改正について受け止めさせておりますので、その点についても、そのときそのときの総理の判断ということであっては、御指摘のとおり、あってはならないというのはもうこれは明確でございますけれども、私どもとしましては、そのときの状況を踏まえ、先ほどもお答えさせていただきましたように、総合的に内閣全体の行政遂行が円滑に進むよう臨みたい、そういうことであることを認識しております。
○浜田昌良君 時間がありませんので、済みません。
 私は別に併任とか悪いと言っているわけじゃなく、ただ、無限定、無前提にやっちゃうと、ほかの組織も混乱をするから、それについてはある方針をつくりながらやる必要がありますよということを言っておきたいと思います。
 もう時間がありませんので次の質問に移りますが、最後に、先ほども話題が上がっていました情報収集衛星の問題なんですよ。まず、これについて、宇宙開発政策の中で結構な位置を占めているんだと思うんですよ。平成二十四年度予算でも六百三十億円。準天頂よりも多いんじゃないですかね。今までに約九千億円を投入してきた。
 ところが、これについてはなかなかどう活用しているかについて、この前の東日本大震災でも、結局、政府はこの写真を使うんじゃなくて、外部からの写真を約三千万を使って利用したということもありましたし、一体どう使われているんだろうという話がありましたので、先般、予算の委嘱審査のときに官房長官に、これについては一定の情報公開してくださいと話をしたところ、これについては早い段階で情報公開の方針を明確にすると御答弁があったんですが、その方針はどうなったんでしょうか。副長官、お願いします。
○内閣官房副長官(齋藤勁君) 浜田委員から三月二十八日の本委員会におきます質疑について、私も承知をしております。政府内で検討を行ってきましたところ、従来、大規模災害等への対応といたしまして、内閣情報調査室におきまして情報収集衛星の画像情報等から集約をされました被災情報を基に速やかに被災状況推定地図を作成し、官邸を始めとする関係省庁に提供してまいりましたが、今後は、更なる活用と周知を図るため、大規模災害発生時には被災状況推定地図を速やかにホームページ等を通じて広く公開し、一般の方々にも広く活用させていただきたいという予定を持っているところであります。
○浜田昌良君 それは被災地図だけなんですかね。
 つまり、これについてはもう時間もないので、古川大臣、今回、古川大臣は所掌事務として、宇宙開発利用の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な政策に関する事項とか、関係行政機関の事務の調整に関する事項というのが入るわけですよね。まさに国民に、宇宙に投じた莫大なお金がちゃんと成果を上げていますよと、使えていますよという情報を説明する権能も重要だと思います。また、先ほどありましたいわゆる平和利用、つまり専守防衛に限定されていますよと。こういう国民がいろんな、この宇宙開発利用を今後どんどん進めていただくのは大賛成ですけれども、思う懸念に対しても一元的に内閣としてしっかりこの機能を果たしていただきたいんですね。
 特に、先ほどありましたように、今回のこの所掌事務、第四条三項の七の四の人工衛星の対象には、先ほど明確にこれは情報収集衛星は含みませんという答弁もありました。何となくこの情報収集衛星だけ隠しておきたいみたいな、そういうようなものが見え隠れしているんですよね。これについては、我々は、安全保障のためには隠さなきゃいけない情報は隠さなきゃいけないと思っていますけれども、ちゃんと予算は使われていると。そういうことも今回、体制整備を通じて国民に理解されるように、最後に大臣の御決意を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 委員から御指摘がございましたように、承知でいらっしゃると思いますけれども、やっぱり情報収集衛星という性格上、それは安全保障の観点からそれはなかなか開示できないものがあるというのは、それは御理解をいただけていると思いますが、しかし、できる限りそれは、情報が開示する部分については、これは別に情報収集衛星にかかわらず、政府においてできる情報は開示していくというのは、やはりこれは基本的には政府の姿勢であると思っておりますので、宇宙政策についても宇宙開発についても、そういった意味でできる限り国民の皆様方にお伝えするところはしっかりお伝えをしてまいりたいというふうに考えております。
○浜田昌良君 終わります。
○委員長(芝博一君) 以上、浜田昌良君の質疑を終了いたします。
 次に、江口克彦君。
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
 古川大臣に宇宙開発における課題及びその克服について御質問をさせていただきます。
 これまで宇宙開発を進めてきた中で、どのような問題、どのような課題が見えてきたのか。また、今回の改正により、そういった問題、課題をどのように克服していくことができるのか、お考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 我が国におきましては、昭和三十年のペンシルロケットの実験を端緒といたしまして、約半世紀にわたって宇宙開発、これはどちらかといえばやっぱり官主導でやってきたんですね、日本の場合、まあ諸外国もそうですけれども。そうした、もちろん官だけじゃなくて、その下に民間企業もそこをサポートしてという形でありましたけれども、そうして宇宙開発に取り組んできた結果、現在では衛星の開発及びその打ち上げを自立的に行うことができる技術力を備える、そこまでは至っているというふうに思っております。
 同時に、今の我が国の宇宙産業の状況というものを考えてみますと、そういう、ほとんど今まで、ついこの間は韓国の商業衛星を打ち上げをいたしましたけれども、これまでは基本的に官需に頼るという形でやってまいりました。そうしたこともあって、やはり宇宙産業の基盤が弱いということもありましたし、またさらには、研究開発をすることと、それをちゃんと実用につなげていくという、研究開発の成果を実用につなげると。やっぱりここのところの連携がうまくいっていなかったという、そうした課題があったのではないかというふうに考えております。
 また、そうした中で財政状況厳しくなってきておりますので、こういう財政が厳しい中ですと、そこのところの宇宙政策が、これまでと同じような形で探査も、そして利用も両方やっていきましょうということではやはり簡単には進んでいかない。ですから、そこはやっぱり財政の制約がある中で、どう重点化、効率化を進めていくかと。そういう宇宙政策も、これまではJAXAでやっていくところ、あるいはもう経産省だとかほかの役所にもばらばらのところもありましたので、そうしたところを今回しっかりと司令塔をつくって取りまとめていくと。
 そして、利用ニーズを研究開発に反映させたり、国際競争力の視点というものを研究開発に盛り込むなどして、この研究開発と実用化、そして産業化が密接、連携して進めていく。そのことによって、言わば官需だけじゃなくて民需も取り込んでいく。そのことによっていわゆるコストも、開発コストとかそういうコストも引き下げていくような、そうした努力を政府全体として重点化と効率化を図りながら取り組んでまいりたいと。そのための司令塔を今回、内閣府に設置をさせていただくということでございます。
○江口克彦君 是非、その問題とか課題を解決すべく積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。
 続きまして、大臣にまた御質問させていただきます。研究開発強化の方策についてでございます。
 宇宙開発分野は非常に壮大で、先ほど来、夢のある分野であるというふうにそれぞれコメントがありましたけれども、その反面、費用も非常に膨大に掛かるわけですね。それに、直ちに成果が出にくいという面もあるわけで、財政状況が厳しい現状でありますけれども、将来の子供たちに夢を与える意味においても、また目先の成果にこだわらず、長い目で研究を進めていくためにも十分な予算措置を行っていく必要があるというふうに思うんですけれども、具体的に、今後の宇宙開発にかかわる予算確保に向けた古川大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、やはりこれはあれもこれもというわけにはいきませんが、同時に、今委員からも御指摘があったように、将来の世代なんかに夢を与えると。そういった意味では、「はやぶさ」のようなやっぱり探査の部分、こういった部分は非常に大事なことだというふうに思っています。
 しかし、それだけでは目の前で具体的な成果が出るというわけでもないですし、それが例えば準天頂衛星のようにそれを利用すればGPSの精度が上がるとか、そういうこともすぐあるわけじゃないので、同時に、そちらのやっぱり利活用の部分を拡大をしていくという、そこの要はどうバランスを取っていくかということではないかというふうに思っています。
 私は、そういった意味では、しっかりそうしたバランスを取りながら、夢をきちんと国民の皆さん方に与え続けられるような大きな目標、私は、火星への有人惑星探査を国際協力の下で日本もやっていくということを長期的な目標に掲げてはどうかというふうに思っておりますけれども、そうした大きな目標に向けて、そのためには一つ一つ技術の開発もしていかなければいけません。例えば、惑星間を航行する技術であるとか、また大気圏内に戻ってくる技術であるとか、そういう足下の技術を一つ一つそうした長期の目標に向けて積み重ねていくという、そうしたところに予算を充てていくこと。
 同時に、やはり利活用を拡大をする。またさらには、官需だけではなく民需のような、この前のようなほかの国の衛星を上げるとか、また衛星システムを今回トルコの方にも売っていきますけれども、そうしたことを広げる、言わばパイを広げることによってコストを下げる、そうした努力も行っていく。
 そういうことにつながるようなところに予算を配分していく、効率的、重点的な予算配分というものを、限られた枠内ではありますけれども、進めてまいりたいというふうに考えております。
○江口克彦君 是非予算を確保して、子供たちの夢、そういうものもあるわけですから、取り組んでいただきたいというふうに思います。
 もう時間がありませんので最後の質問になりますが、某大臣が二位じゃいけないのかという有名な、またこのごろも使われてマスコミで言われておりますけれども、そういう発言に象徴されるように、民主党政権はどうも科学技術や宇宙開発の重要性を軽視しているように、そんな感じがしてならないんですね。しかし、政府が主導し先進的な技術や産業を育成するということこそが我が国の経済成長につながるものであり、そのためには民間事業者の参入を促進する規制緩和や法整備、技術的支援などを戦略的に進めることこそが重要であるというふうに私は考えるんですけれども、古川大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(古川元久君) まず、御指摘があった、民主党政権において科学技術や宇宙をないがしろにしているのではないかという、これは全くの誤解でございます。政権交代以来、科学技術関係の予算も、厳しい中ではありますけれども増やしておりますし、また宇宙についても、まさにこうした形で司令塔づくり、これは前政権の下で決まった基本法の下でありますけれども、しっかりやってきているということであります。
 その上で、これ宇宙にもかかわるんですけれども、今の御指摘のあった、やっぱり民間参入というのは非常に大事なところだと思っています。同時に、そういった視点から、宇宙だけじゃなくてほかの科学技術も見てみますと、やはり研究開発がイノベーションにつながって、そして実際に民間で利用されるような実用化と、そこの経路が、どうも今までの政策の中ではうまく連携していなかったのではないかと。
 そうした観点から、私どもしては、産学官を始めとして、幅広い関係者が連携、協働できるプラットホームをつくっていこうということで、イノベーションの実現に必要な規制や制度改革等のシステム改革なども戦略的に協議することを目的としました科学技術イノベーション戦略協議会というものを新たに設置をいたしました。こうした下で、利用者の立場、そして実用化していく、そうした視点も入れていきながら、研究開発、そしてそれをイノベーションにつなげて実用化する、やっぱりそこを一体的に実現をする、そうした体制をつくったところでございまして、この体制の下、研究、科学技術をしっかりと振興させて、それが実際の実用また経済成長に結び付くような、そうした好循環を是非つくり上げてまいりたいというふうに考えております。
○江口克彦君 私の質問は以上です。
 どうもありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上、江口克彦君の質疑を終了いたします。
 次に、糸数慶子君。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。
 現在、準天頂衛星第一号機「みちびき」が実証試験のために運用されています。実証試験の具体的な内容を示していただくと同時に、自衛隊及び米軍もこの実証試験に関与しているのか、もし関与している場合、その具体的な内容を示していただきたいと思います。関与していない場合は、今後関与する予定があるのかどうか、お伺いいたします。
 また、今後、他国の軍隊、例えば豪州軍などによる準天頂衛星システムの利用を認めることはあるのかどうか、お伺いいたします。
○政府参考人(戸谷一夫君) 「みちびき」の実証試験の具体的な内容についての御質問でございます。
 「みちびき」につきましては、平成二十二年九月の打ち上げ以後、初期機能の確認を行いまして、同年十二月中旬よりJAXAを始めといたしました関係各省の研究機関などによります実証試験を行っているというところでございます。
 この実証試験の具体的な内容でございますけれども、大きく分けて二点ございまして、まず第一点目は、米国のGPSの補完という観点からの実証でございまして、これにつきましては、高層ビル等の影響によりましてGPSの電波が届きづらい都市部などにおきまして、測位可能な範囲の改善、あるいはGPSと同等の測位性能が得られることについての確認、そういったものが第一点目でございます。
 第二点目は、米国GPSの補強という観点でございまして、これにつきましては、「みちびき」独自の補強信号を付加することによりまして精度の改善が開発目標を達成し、実用に供することが可能であるかどうかと、そういったようなことを確かめるというのがその内容でございます。これまでの実証におきまして、おおむね当初の目標どおりの性能が確認されているところでございます。
 なお、この実証試験に米軍も関与しているのかということにつきましては、私どもの方からお答えをさせていただきますが、これにつきましては、実証試験に参画をするということではございませんで、ただ、米国GPSの相互運用性の確保の観点からの必要な協力ということで、技術調整といいますか、あるいは衛星を識別するコードの割当て等々の内容につきましての協力はいただいているというところでございます。
○政府参考人(須永和男君) 「みちびき」の実証実験への自衛隊の関与についての御質問でございますけれども、これまで防衛大学校の講師が教育及び研究の一環といたしまして一般大学との共同研究で測位の実証実験を行ったほかは、自衛隊として関与をしたことはございません。なお、現時点では今後とも関与をする予定はございません。
○国務大臣(古川元久君) 今後、他国の軍隊などによる準天頂衛星システムの利用を認めることがあるかという御質問ございました。
 GPSの民生用の測位信号を補完、補強するために準天頂衛星システムから送信する信号は、これはGPSの民生用信号と同様、幅広く一般に利用されるよう、誰でも受信できる仕様とする予定でございます。したがいまして、受信した人がどう利用するかということについて、この利用を認めるとか認めないとか、そういうことを言う立場にはないということは御理解をいただきたいと思います。
 いずれにせよ、我が国の宇宙開発利用につきましては、これは宇宙開発利用に関する条約その他の国際約束に定めるところに従い、日本国憲法の平和主義の理念にのっとり行うこととしておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○糸数慶子君 主務大臣がJAXAに対して必要な措置をとることを求める場合として、第二項で、関係行政機関の要請を受けて、我が国の国際協力の推進若しくは国際的な平和及び安全の維持のために特に必要があると認めるとき又は緊急の必要があると認めるときとありますが、関係行政機関には当然防衛省が含まれるものと考えられます。
 防衛省は、具体的にどのような事態に際したときJAXAの主務大臣に要請することを想定しているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(須永和男君) 防衛省がJAXAの主務大臣に要請する具体的な事態についての御質問でございますけれども、法第二十四条第二項の関係行政機関には宇宙開発利用に関係する国の行政機関が想定されていると承知しております。防衛省の所掌事務に関連した事案であれば、関係行政機関たる防衛省が主務大臣へ要請することはあり得ると理解しております。
 他方で、防衛省が主務大臣へ要請する事態につきましては、現時点で具体的な場合を想定しているわけではございません。
○糸数慶子君 少なくとも具体的な想定の事態はないということなんでしょうか。
○政府参考人(須永和男君) そういうことでございます。
 今般の改正におきましては、政府における様々な検討等を踏まえて、JAXA法の目的規定における平和利用に関する記述を宇宙基本法と整合的なものとしたと承知しております。
 宇宙基本法におきましては、宇宙開発利用は憲法の平和主義の理念にのっとり、また我が国の安全保障に資するよう行わなければならないとされていることから、防衛省といたしましては、今般のJAXA法の改正により、今後、安全保障、防衛分野においてもJAXAが役割を果たすことを期待しておりますけれども、現時点においては具体的な事態というものは特に想定してございません。
○糸数慶子君 具体的なことは想定しないということであれば、主務大臣に白紙委任をするようなものではないかというふうに思います。これは認められないことだというふうに思います。
 次にお伺いいたしますが、文部科学省に設置されていた宇宙開発委員会の委員は、四人の委員のうち二人は常勤でありましたが、内閣府に設置される宇宙政策委員会の委員のうちに常勤を置かない理由は何でしょうか。
○大臣政務官(園田康博君) 先生御指摘のように、文科省に設置されておりました宇宙開発委員会でございますけれども、これJAXAの役員の任命に関する同意でありますとか、あるいは宇宙開発に関する長期的な計画の議決という形で、法律上大変強い権限を有している機関でございました。
 一方、今回新設させていただきます宇宙政策委員会でございますけれども、これは総理大臣の諮問に応じて専ら政策審議を行う場でございまして、それを任務としていることに加えまして、宇宙開発利用は幅広い、先ほど来御議論がありますけれども、幅広い分野をこれを審議するという形になってまいります。
 そうしますと、やはり委員会に、大変優秀な方であり、またかつ広い分野の人材の方々が入っていただく必要があるというふうに考えたところでございまして、そういった意味では、常勤というよりも非常勤でお願いした方が集まりやすいだろうというような形を考えたところでございます。こういった形でほかの例、審議会の例に倣いまして非常勤という形で置かせていただいた次第でございます。
○糸数慶子君 委員会の議事内容は公開されるのでしょうか、非公開になるのでしょうか。
○大臣政務官(園田康博君) 議事内容につきましては原則として公開するということを考えております。
 議事録あるいは議事要旨の公開でありますとか、あるいは議事自体の公開など具体的な公開の方法については、今後、この宇宙政策委員会の審議の中で踏まえて決定されるということになろうかと思います。
○糸数慶子君 是非、議事内容は全て公開することを強く求めたいと思います。
 日本の宇宙開発は、先ほどからありますように、二〇〇八年に宇宙基本法が成立するまでは平和の目的に限る、すなわち非軍事で進められてまいりました。この原則の下で、日本の宇宙科学は世界に誇る数々の成果を上げてまいりました。しかし、平和の目的に限るとする原則は宇宙基本法で覆されております。
 今回のJAXA法の改定においては、平和目的の規定を外すことにより、JAXAが宇宙軍拡の研究開発を行う組織へと変容することになり、研究者の自由な発想や好奇心に基づいて行われてまいりました日本の宇宙科学の大切さが失われてしまうおそれがございます。この宇宙の軍事利用に道を開くことが日本の科学、外交、安全保障にどのような影響を及ぼすかについて十分な検討がなされたとは到底言えません。
 宇宙飛行士の秋山豊寛氏あるいは科学ジャーナリストの小出五郎氏、そして国際政治学者の浅井基文氏らが呼びかけ人となって行われておりますが、その本法案に対する反対署名運動には多くの研究者、そしてJAXAの関係者、市民からの懸念の声が寄せられていることも事実です。
 研究者からは、宇宙の軍事利用による研究成果の公表や情報の公開が妨げられることになるのではないか、JAXAと共同研究を行っている大学も巻き込まれるのではないかという懸念の声もございます。JAXA関係者からは、今までも軍用、民間用の区別はぎりぎりなところがあるが、我々の技術の軍事利用には反対という声も寄せられています。
 原子力発電所の事故は、原発の危険性に警告を発する専門家の意見に耳を傾けず、御用学者を囲い込み、政治や経済の論理を優先したために起こりました。JAXA法の改定により、日本の宇宙開発が原子力開発の轍を踏むことになるのではないかと大変危惧しております。
 したがって、私はこの法案は否決されるべきだということを申し上げまして、終わりたいと思います。
○委員長(芝博一君) 以上、糸数慶子君の質疑は終了をいたしました。
 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですので、これより直ちに採決に入ります。
 内閣府設置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(芝博一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、浜田君から発言を求められておりますので、これを許します。浜田昌良君。
○浜田昌良君 私は、ただいま可決されました内閣府設置法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党及びみんなの党の各派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    内閣府設置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一、独立行政法人宇宙航空研究開発機構の業務を推進するに当たっては、宇宙基本法第二条に規定する宇宙の平和的利用に関する基本理念から逸脱することのないようにすること。
 二、内閣府に兼職の副大臣又は大臣政務官を置くに当たっては、権限と責任を明確にするとともに、他省の業務と内閣府の業務が連携して円滑に遂行されるようその方針の下に、万全を期すこと。
 三、厳しい財政状況の中で、毎年多額の予算を投じている衛星関係を含む宇宙関係予算については、より多くの国民の理解が得られるよう、その成果等の情報公開に一層努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(芝博一君) ただいま浜田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(芝博一君) 全会一致と認めます。よって、浜田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、古川国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。古川国務大臣。
○国務大臣(古川元久君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(芝博一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(芝博一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会